機動戦士ガンダム 宇宙の彼方へ (モノアイの駄戦士)
しおりを挟む

宇宙世紀編
一年戦争 転生と全ての始まり


本当の第一話を書かなければ、そろそろダメかなと思いまして。
アベンジャーガンダム登場はまだ先ですかね…




視界が朧気だ。

霞んで、何がなんだか解らない。

だが、車に体を揺らされていることは解る。

 

「…っ!く……伍長!」

 

何だ、この記憶は……ああ、俺の………前世………!?

 

「クガヤ・アルファラ伍長!聞いているのか!?」

 

「も、申し訳ありません中尉殿。頭が痛くて……」

 

「ムッ?体調管理は大切だと言われているだろう!?」

 

「す、すみません…」

 

状況が理解できない。

この記憶は確かに俺の記憶で、俺の前世だ。

つまり俺は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時、俺は彼女と別れたあと電車に乗って………脱線事故で俺は死んだ。

そのあとは何があったかは思い出せない……………が、何となく俺は今記憶を取り戻した瞬間、再び俺としての人生が再開されたような感覚だ。

頭痛は治ったので、改めて中尉殿の元へ向かうとこう言われる。

 

「さっさとモビルスーツに乗れ!アルファラ伍長!」

 

モビルスーツ……!?

俺は視界がはっきりしている目で、目の前にある人型の巨人を見上げる。

それは、俺がよく知っている物だった。

RGM-79【ジム】。

標準装備にビームスプレーガン、ビームサーベル、頭部バルカン砲を二門備え、いかにも原型機であるガンダムの量産型である。

しかし、これがあるということは…………いや、まだ決まったわけではない。

スパロボの可能性も有り得るし、Gジェネである可能性もあるのだ。

 

「とっとと乗らんか!動作確認と模擬戦はすぐに始めるんだ!さっさとしろ!」

 

と、急かされたので乗り込む。

だが、俺は転生………つまり、ラノベである転生をした人間なのだが……南無三!

 

「っ!」

 

操縦桿を握ると、何故か体が動かし方を解っていた。

そして、パニックで混乱していた頭が冷静になる。

今いる場所は、連邦が勢力下に置いている場所だ。

先行量産されたジムの運用のため、モビルスーツ適性のある人員を集めて今ここで機体の動作確認と模擬戦をすることになっている。

動作確認ぐらい、とは思うがそんな余裕がないのが戦争なのだろう。

すんなりと、その事実を受け入れている自分自身にも驚きであるが。

 

「ジェネレーター起動。システムオールグリーン。後は動作確認………」

 

ドゴン!と派手な音がする。

ここは倉庫内のため、モビルスーツを倒したりしたら大変なのだが…………どうやら奥のジムが足首が外れて倒れたようだ。

不良品でないことを、俺は願うしかない。

 

 

 

 

 

にしても、何で俺はガンダム……モビルスーツが存在する世界に来たのだろうか?

俺は神様に会ってないし、特に特典を貰うとかそういうのもなかった。

ロマンがないな…とは思いつつ、ぶっちゃけ、いや正直自分の記憶を統合したり整理したりで大変なのだ。

今の俺はクガヤ・アルファラ。

階級は伍長で、14の少年兵。

モビルスーツに適性があったので、こうしてこの場にいるのだが今の俺になる前は、随分と大変な目にあってきたようだ。

コロニー落としで家族や親友その他を亡くし、暴力的な親戚の元へ。

そして、家族の復讐のために連邦軍に志願する…………という、ガンダムシリーズを通して脇役や主人公に深く関わる人物が持っていそうな経歴を持っている。

 

 

 

 

 

 

俺は……俺は…どう生きればいいんだ?

ガノタだから、宇宙世紀やらモビルスーツがある世界に来れたのは素直に嬉しい。

だが、彼女を………たった数時間の恋人を置いて死ぬとか理不尽すぎやしないか………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女から告白され、俺は承諾して恋人となった幼馴染。

元々、家が隣同士だったのでそこから付き合いが始まり、自然に彼女とも仲良くなった。

しかし、才能が違う。

俺は手先が器用なだけのオタク向けな性格。そして、特に突出した才能も力もない。

それに反して彼女は、可愛く綺麗に育ち、天然な所はあるが成績も身体能力もとてもいい人物だ。

男子から自然にモテまくり、女子からも妹のように扱われた。

本人は嫌みたいだが。

だからこそ、俺が一番彼女の近くにいる存在だということに、嫉妬してくるやつが多かった。

本気で恋していた奴等の中には、俺が恋路の邪魔になっていると考え、排除しようとしてきた。

あらゆる手で。

その度に、俺は虐められたりしたが大抵の輩は喧嘩で終わりにした。

そのおかげで俺はその町で有名な不良扱い。

自然に俺から彼女から離れたのだが………高校生になって二年目。

彼女から告白された時は耳を疑った。

だが、彼女の意地の悪い言葉のお陰で本気だということがわかった。

その時間もほんの少しだけ。

……………何故、ガンダムシリーズ定番の鬱な展開になっているんだろう。

結局の所、俺は報われず人生を終了させたというところか。

だからなのだろうか?大好きな作品の世界に転生させて、やり直しをと………やり直し以前にこの世界、モブに厳しい世界だぜ?

ぶっちゃけ、ニュータイプでもないとやれる気がせん。

しかも、今の俺は軍人。

金は多めに貰えるだろうが、この戦時下で何か娯楽用品買えるか?って話だ。

何にせよ、難儀な世界だ。

 

「自分は、クガヤ・アルファラ伍長であります!よろしくお願い致します!」

 

ここはオデッサの戦線が近い、連邦軍の基地である。

時期的には、既に各地で連邦のモビルスーツの存在は確認されているだろう。

オデッサ作戦の数週間前。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、この宇宙世紀を生き残ることができるのだろうか?

 

 

それとも、俺はまた死ぬのか…………それは、運命という糸が握っているのだろう。

 

 

 




とりあえず、始まりです。
クガヤ・アルファラ………いや、この作品の主人公の長い年月をかけて、紡ぐガンダム世界の冒険が。

時間ややる気、後はインスピレーションがあればドンドン書いていくつもりです。
Zと同じくです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一年戦争 オデッサ作戦、始動

本当はオデッサ作戦までの内容も書こうかと思ってたんですが、これが中々上手くいかなくてです……すみません。




前世の記憶を思い出し、この宇宙世紀で連邦軍に入ってから数週間。

自分の体を虐め抜き、体を鍛える傍ら憧れのモビルスーツが目の前に何もしない訳がなく、俺はモビルスーツの基礎知識や簡易的な整備方法、そしてその応用を多少なりとも多く覚えた。

毎日が緊張を途切れさせれない日々であるが、配属されたオデッサ近郊の連邦の勢力下の基地では、隊長や先輩方が優しく接してくれるため、慣れないながらも頑張れている。

そして、オデッサ作戦が開始されるのだが今回の作戦での俺の部隊は少数のため61式戦車と複数のホバートラックやら何やらしか配備されていない。

 

「シノヤ隊長、この戦力で退路を塞ぐというのは厳しいのでは?」

 

「やるしかないさ。それに、ここで多くのモビルスーツどもを落とせれば俺達にも良い機体が回ってくるさ」

 

副隊長と隊長が、まだモビルスーツに乗らず話し合っていたのをちょっと聞いてしまったが実際そうだろうとは思うので、頑張ろうと思う。

この戦いの前には、何回か基地に襲撃があったのだがビームスプレーガンや100㎜マシンガンなどで撃墜しているため、モビルスーツの存在を知られることはなかった。

だが、それでもいくつかの機体は損傷して…………という戦果だ。

とはいえ、それでも戦死者はいないのだからこの部隊に配属されたのは良い前兆なのではないだろうか?

 

「第209MS試験部隊、出るぞ!」

 

この部隊には他の部隊から合流したのもあり、陸戦型ジムも混じっている。

俺は相変わらずのジムだが、ビームスプレーガンとハイパーバズーカのおかげで今まで敵にダメージを負わされたのは数回のみ。

まあ、ゲーム媒体でこういうのはやってたからな。

それなりにコツを掴めばやれるもんだ。

尚、部隊名に関しては上層部が適当に名付けたらしく、実のところこの試験部隊は少数なのである。

 

「はてさて、ガンダムさんは拝めるかな……?」

 

希望はかなり薄いが、まあ可能性としては有り得るため見たくもある。

機体の動力系は異常なし、センサーも正常稼働。

問題はないか。

今回はビームスプレーガン、100㎜マシンガン、ハイパーバズーカと持てる武器を持ってく感じだ。

機体重量は重くなるが、ハイパーバズーカは使い捨てだしビームスプレーガンに関しても今だ不調を起こしやすいので、ぶっちゃけフル装備が良い。

戦場で一番起きてほしくないのは、武器がなくなることなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この世界はどちらの世界なのだろうか。

宇宙世紀、といっても実は二パターンあって、小説ガンダムとアニメガンダムがあるのだ。

勿論、小説がガンダムの原作だが。

俺としてはアニメだと思うが、違う場合アムロは童貞捨ててしかもシャアの部下に無抵抗の所を事故でムッ殺されるストーリーがあるのだ。

しかも、原作なため一年戦争が終わったあとの話はない。

その為、展開が全く読めない可能性もありえる。

だって、Ζガンダムはアムロの存在あっての世界だし、ぶっちゃければ0083スターダストメモリーもアムロが生きていればこその世界だ。

それに、小説ガンダムはあまり読んでいない。

その為、元々この世界の詳細が解らない。

アニメなら、ブルーデスティニーとかガンダム戦記があるため、とてもバリエーション豊かだが………

 

「グダグダ考える余裕はない……とりあえず、今は敵を倒すことに集中するんだ……!」

 

……クガヤの体は、意外にも日本人系統ではなかった。

いや、よくあるか?ともかく、俺は西洋人風の人間でくすんだ金髪に碧眼……だったかな。

顔は特に突出はしてないが、それでも整った印象はつけさせてくれる。

ぶっちゃけ、前世の面影などない。

 

「さて、敵さんがお出ましだい!」

 

敵が、多くやって来る。

戦車は一斉射で、ザクⅡや新型のドムなどを攻撃していく。

いや何でドムが…?

まあ、多少なりともあってもおかしくはないか?

 

「当てるッ!」

 

バズーカをザクⅡに向けて放つ。

相手は緊急回避しようとするが、間に合わず被弾。

そのまま誘爆する。

 

「ッ!?……何か聞こえた…!?」

 

しかし、そんなことを考える暇もなく攻撃が激しくなり、こちらも砲撃にさらされる。

 

オデッサの戦いは、とても長く、そして短い。

 

 

 

 

 




名言というものを作ってみたい今日この頃。
まあ、作者みたいな拙いのではできないかな……と、思いつつ名言になりそうなの探してみたり。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一年戦争 STR-1へ

オデッサ作戦で隊長方が後方送りな上、土壇場で発揮した才能があの部隊に送られます。

そして、因縁のあの機体も…………




前世の記憶を思い出し、この宇宙世紀で連邦軍に入ってから数週間。

オデッサ作戦は上手くいった。

例え、俺がいなくても成功しただろうがもしかしたら俺の所属した部隊は全滅していたかもしれない。

俺達は逃げるジオンの敗残兵を待ち伏せして駆逐するのが任務だったが、経験値からして不足してるため隊長や仲間がドンドン行動不能になる。

ビームスプレーガンが使えなくなれば、バルカンやそこら辺に落ちていた100㎜マシンガンを拾って撃ち返したり。

補給する暇もなかったが、それでもなんとか生き抜いた。

部隊は壊滅。

戦死者数名だったのは奇跡だろう。

それでも、隊長らは重傷が主で戦線復帰はかなり後の事になりそうだ。

そんな最中、俺に転属命令が出る。

しかも、レビル将軍直々にである。

マジか、と興奮した。

一応あの人もニュータイプの素養はあるが、ギレンによってあっけなく死んでしまったレビル。

何故か哀しいと思ったのは俺だけなのだろうか?

ともかく、彼から受けた指令はレビル将軍がモビルスーツ部隊の雛形を作った部隊とも言える【STR-1(ユニットワン)】だ。

まさかまさかの話に、俺は思わず元気に返事してしまった。

処罰されるか、と思いきや彼は穏やかな目でこう言った。

 

「地獄のような戦場を戦果を上げてきたと聞いてどんな少年かと思えば、年相応の少年だな……」

 

と、言った。

暖かい目で見られてとても気恥ずかしいが、その視線は嫌ではない。

まるで、親戚か孫を見るような目付きだったのだから…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とまあ、こんな経緯もあったが改めてSTR-1に配属されることになった。

確か、隊長であるアラン・アイルワード、部下にデニス・バロウ、リル・ソマーズ。

そして、オペレーターにホア・ブランシェット。

ゲーム【機動戦士ガンダムMS戦線0079】に登場する、連邦軍ルートを選ぶと登場するキャラクターだ。

 

「今日から転属してきたクガヤ・アルファラ准尉だ」

 

「クガヤ・アルファラ准尉です。今日からよろしくお願いします」

 

と、今現在とある基地で自己紹介。

階級も先の戦いで上がって准尉になった。

 

「リル・ソマーズよ。階級は准尉だけど、あたしが先輩なんだからね!」

 

「デニス・バロウだ。よろしくな!」

 

「ホア・ブランシェットと言います~」

 

「改めて、僕の名前はアラン・アイルワードだ。よろしく、クガヤ君!」

 

「はい!」

 

俺は彼らと握手して、そのあとは歓迎会ということで飯を奢ってもらった。

美味しかったですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、次にお会いするのはこれから俺の乗機になるRX-78A(G)アベンジャーガンダムだ。

所々、幾つかの後期に出る連邦製のモビルスーツのパーツがあって、初めてこれを見たときは驚いた。

しかも、ガンダムタイプ。

隊長やデニスさんたちの機体はまだ陸戦型ジムにも関わらず、俺のはガンダムって………スペックは陸戦型ガンダムがベースなので、陸ガンのスペックは最低限超えているだろうと俺は推測する。

右腕のガトリングは、多分アレックス………脚のはマドロック……胴体のはブルーデスティニーか?

むぅ……ブルーデスティニーのがある時点で嫌な予感しかしねぇ。

しかし、見た目は全然問題ないのでどうこういえない。

これの試験運用を、ポッと出の俺に任せるのは色々好待遇だなおい……

ま、とりあえず慣らし運転していこうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

慣らし運転をして、そのあとは機体のマニュアルを、読み込み暗記する。

意外とすんなりと入るから凄い。

特典とかいうやつか?

そんなことを考えながら、その日を終えるのだった……

 

 

 

 

 




閃光のハサウェイ、見てきました!
いやぁーすごかった!
特に戦闘シーン!

二部や三部が楽しみですね!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一年戦争 宿敵と相対す

宿敵登場です。

それとアベンジャーのイメージ図です。
お目汚しな絵ですが、イメージするのに役立てばと。
もし、ガンプラや3Dで再現してくれたらめっちゃ感謝です(あらぬ祈り)



【挿絵表示】





STR-1に配属されて一週間。

特に特別な任務なんかはなく、時たま今いる基地に敵が物資目的で奇襲を仕掛けてくるくらいしか戦うことはなかった。

まあ、それでも哨戒とかはあるし体を鍛えてアベンジャーの加速性能に耐えられるようにしないと駄目だからな。

しかし、それもようやく終わりのようだ。

 

「皆さぁん、本部から任務が届きましたよぉ」

 

相変わらず緩いホアさん。

デニスさんとアイルさんも慣れないのか苦笑の顔だ。

早速作戦を確認する。

最近、ミデアが航路上で行方不明になる事が多くなってきたらしく、そのポイントに俺達が行き、ミデアの護衛をするというもの。

まあ、原作にもそんな感じのミッションあったよな、と思い出しながらフォーメーションなどを皆で考えていく。

既にオデッサ作戦の後だから、ドム、ザクⅡ、グフ・カスタム辺り、出てもおかしくない。

とはいえ、レアパターンでイフリートや最悪イフリートの改造機なんか出てくる可能性もあるから、まだ新兵の感じが抜けない俺としては恐怖である。

ガンダムあっても、攻撃をくらえば俺は死ぬし、アベンジャーだって動けなくなったり立てなくなるのだから。

 

「そういや、アベンジャーにビームライフルが届いたんだってな。あれを使うか?」

 

「いやデニスさん、ビームライフルは威力は高いですけど貫通力も高いんでミデアに当たったらヤバイですよ」

 

「それもそうか!ははは……はぁ」

 

皆から白目で見られて途中で笑うのをやめるデニスさん。

うん、これはデニスさんが悪い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目標ポイント上空。

ミデアに積載された四機のモビルスーツが、地上にへと降下する。

霧が濃いが、全く先が見えないわけではないから、気を付けていれば大丈夫……とは言えないが、まあ後ろからくらわなければ即死する事もないだろう。

 

「皆、後ろに気を付けながら進むぞ。先頭は僕が取る」

 

「了解」

 

「了解です」

 

「了解!」

 

濃霧の中を、ゆっくりと歩く。

敵は何処にいるのか、何処に潜んでいるのか解らない。

注意して進まないと、殺される。

 

「クッソ!今さら緊張してんのかよ…!?」

 

オデッサでの戦いではここまで、心臓の鼓動が聞こえるほどではなかった。

そういや、全周天モニターって俺としてはとても便利だと思う。

まだ見たことはないが、設定やストーリー上などで最初は変な感じだが、慣れるとすごく良いという物らしいし、俺としてもこんな濃霧の中を歩くなら全周天モニターがあるなら、このモニターの死角を突かれることもないよな、と思う。

無い物ねだりだが。

奥に進むほど、さらに霧が濃くなる。

そして、普段はただの崖や岩がザクにも見える。

とはいえ、100㎜マシンガンのセーフティはまだ外さない。

何度か戦闘をこなしたとはいえ、元一般人の俺だ。

一々ビビって撃ってたらそれこそ俺があの世に行く時だ。

若さゆえの過ちで死ぬなんて嫌だしな。

その時、後ろに気配を感じた。

 

「ッ!?」

 

スラスターを全開にして、飛び上がる。

被っているあの08小隊の面々が被っていたヘルメットから、三人の声が聞こえるがそれに答える暇はない。

俺が先程までいた場所には………剣状のヒートサーベルがあったのだから。

 

「アラン隊長!奇襲です!」

 

「まずい!囲まれている!」

 

「こりゃ、ヤバイな…………」

 

「ちょっと……残党にしては多すぎない…!?」

 

濃い霧でシルエットと輝くモノアイでしか見えなかったが、それでも1個中隊かそれ以上はいる。

こんなにいるとはな……

ここでビームサーベルは水蒸気爆発もあり得るから無理だ。

しかし、相手とてヒート系列の武器は赤熱化できない。

霧が濃いところだと聞いて、100㎜マシンガンにしてもらっていたが、やはり的中だ。

しかし、そんなことをしてもこの数の前では俺達は詰みかけている。

誰か一人でもやられれば………多分詰みだ。

 

「クッ!全機、霧の外に出るぞ!このままだとミデアを守るどころか全滅する!」

 

その判断に俺は安心した。

やはり、隊長であるからに状況判断力はある。

こんなに安心できる存在はいない。

まあ、もしなかったらなかったで連邦に問題がありすぎだが。

 

「俺が牽制します!」

 

と、告げて俺はマシンガンを敵が見えたところに弾をバラ撒く。

隊長達は先行量産された陸戦型ジムなので、アベンジャーよりも足が遅い。

とはいえ、モビルスーツ部隊の試験部隊でもあるためか彼らの好みに規格外のパーツなどを組み込んでカスタマイズしてあるが。

特にリル少尉のに顕著である。

やはり、誇りある元テストパイロットだったからか?

まあ、何にせよこの小隊は強い。

しかし、まだ成長途中だ。

原作を知っているからこそ、であるが。

 

「今はアベンジャーの性能を信じるしかない!」

 

俺から少し離れた陸ジム三機を追い始める。

オデッサの戦いで投入されていた陸ジムが、多数撃破されているのだ。

ガンダムの性能ならば早々やられることはないが、陸ジムではこの数を相手にはまずい。

素人から抜けかけとはいえ、新型を預けられる程に上層部から信を置かれているのなら、この逆境くらいは跳ね除けなければ………そう思っていた。

それが無意識にあった過信だった。

 

「グワッ!?」

 

急速に近付いてきた敵影が、アベンジャーの足を払い除けた。

それのおかげで転倒する。

衝撃で頭の中と胃の中がしっちゃかめっちゃかになるが、何とか耐える。

そして、目の前にザクⅡが素の状態のヒートホークをコクピットに振り下ろすところだった。

 

「うわあぁぁぁぁぁーーーーっ!?」

 

驚愕と恐怖。

しかし、頭の中で思い出した主人公やパイロット達の機動を俺は咄嗟にやった。

スラスターを噴射して、ザクⅡの股ぐらを通り抜けたのだ。

ヒートホークは虚しく空を斬り、アラン隊長が振り返り際に撃った100㎜マシンガンの直撃を貰い、爆散した。

それのおかげで、霧が少し晴れるが…………ぶっちゃけ見えなかった方が良かった。

何故なら、体勢を立て直した俺がモニター越しに上空を反射的に見たら、そこには血の色と死を呼び寄せるような黒で構成された、【イフリート】の改造機だったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フム、これもまた運命か!ガンダム!我が宿敵!」

 

ヘグタス・シュターゼン。

ジオン軍突撃機動軍所属の中尉。

ニムバス・シュターゼンとは義弟の仲であり、同じく騎士道を重度に重んじるキチガイ。

そして、後に俺にトラウマと後々にも残る恐怖を植え付けてくれた元凶である。

そして、彼の異名は…………

 

 

【血潮の死神】

 

 

 




ようやく出せた………

次は何時になるやら。
とはいえ、読んでくださって本当にありがとうございます!

アベンジャーガンダムのイラスト、色々不安しかない………



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一年戦争 血潮の死神

ヘグタスのイメージとしてはニムバスの髪を黒くして、若返らせたイケメンって所ですね。




キチガイ兄弟。

ジオン軍ではそう裏で呼ばれていたらしい。

自らをジオンの騎士だと名乗り、二人して命令を聞かずに戦い、敵を殺しまくった。

とはいえ、テストパイロットだったニムバスと最初からジオン軍の部隊にいたヘグタスとは経験の差が違う。

いや、あろうとなかろうとどちらにせよ、互角の技量を持っていた。

それは認められていたが、人格に問題ありとされ勲章などは貰っていない。

それを不思議がる様子もなく、きっと戦争が終われば……と考えたのかさらに戦闘に身を入れていた。

ニムバスは別行動なので別だが、ヘグタスはそうである。

むしろ、戦闘の影響でさらに酷くなった面もあるかもしれない。

そんなことを言われていた血潮の死神こと、ヘグタス・シュターゼンは今俺の目の前に、イフリート改を模したかのような姿のイフリートで現れた。

いや、もしかしたらあのイフリートこそがイフリート改の原型だったのでは?と、考えた。

イフリートを素体に、グレネードランチャー、ミサイルポッドを腕と脚に付け、腰には二刀の剣状のヒートサーベル。

両方のマニピュレーターに持たせているのはザク・マシンガン………ではあるが、銃身の下部にグレネードランチャーを付けてある。

 

「………エースだぜ」

 

「……戦力的にもこちらが不利だ。ここは撤退するしかない」

 

アラン隊長は撤退を決め、俺は目の前のイフリートに恐怖を抱く。

何故なら、その気配は禍々しいのだ。

そして、どこからか微かに誰かを怨む声が聞こえる。

しかし、ゆっくり聞く暇はなかった。

 

「逃げるわよ!」

 

「撤退って言っておけよ」

 

「こんな時にまで茶化さないで下さい!」

 

リル少尉が叫び、デニスさんがそれにツッコム。

そして、俺はそれを批判する。

ホアさんとは既にミノフスキー粒子がまかれたのか、通信は不可能である。

 

「我が名はヘグタス・シュターゼンッ!そこのガンダムッ!我が血の贄となれ!」

 

と、外部スピーカーで俺達に言い放つと俺を狙ってきた。

シュターゼン?どこかで聞いたことがある。

だがしかし、今はそんなことを考えている暇はない。

逃げなければ、死ぬ。

 

「死んでッ!たまるかぁ!」

 

「皆!クガヤ機を全力で守るぞ!」

 

『了解!!』

 

撤退に移行しながらも、後ろの陸ジムは100㎜マシンガンで追い掛けてくるイフリートを撃つ。

だが、それは見切られて避けられた。

アムロにも匹敵するのではないだろうか?

俺では……勝てない。

勝てるという気持ちが……出ない。

だけど、生きなければ。

生きなければならない!

 

「死んでぇぇッ!たまるかぁぁぁッ!」

 

俺はアベンジャーの胸部にあるマルチバルカンと100㎜マシンガンで同時射撃する。

短時間だが弾幕を張ったのだ。

 

「ええい!小細工を!」

 

時間は少しでも稼げた。

後は…………!

 

「全力で逃げる!」

 

「ジャンプを使うんだ!」

 

「くぅっ!」

 

俺は脚部にあるホバーユニットを起動させて、地面を流れるように進む。

それを追い掛けるイフリートは、まるでボス級のゾンビのようだった。

 

「来るなぁァァー!!」

 

アベンジャーには有線ミサイルはない。

しかし、その代わりにマルチバルカンは多種多様な弾丸を扱える。

目の前までに近寄ってきたイフリートに、俺は残っている弾、散弾をぶちかます。

 

「くらえっ!」

 

「何っ!?」

 

ヒートサーベルを振りかぶっていた所に、イフリートが持つ、ショットガンより威力は低いとはいえよろけを取れる散弾は相手のイフリートの関節部や排気口に入り込み、内部を破損させた。

 

「ええい!貴様ァァ!」

 

それでも、無理矢理振り下ろしてきた。

俺は咄嗟に右腕に付いているガトリング砲を展開して、イフリートを狙うが反応がない。

 

「ッ!?弾詰まり!?」

 

マニュアルにも、後付けでアベンジャーのガトリング砲は整備性が極悪だとあったが、本当にそのようだ。

一発、イフリートの血のように赤い肩のアーマーに当たり、跳弾する。

それを見たヘグタスは直ぐ様、脚に付いているミサイルポッドをアベンジャーに照準を合わせた。

 

「死ねい!」

 

「間に合えっ!?」

 

一発目がアベンジャーの頭のすぐ横を通り、俺は操縦桿を引いてシールドを胴体に寄せながら後ろにスラスターで下がる。

 

「チィッ!運の良い奴め!」

 

ミサイルポッドから放たれたミサイルは、全てアベンジャーの斜め上に飛んでいき、上空で爆発した。

それと同時に霧から抜けて、視界が良好になる。

が、どうやらまだ逃がさないようだ。

バズーカの弾なのか、それとも………いや、解らないものは解らない。

ただ、ミサイルのようなものがリル機の手前で着弾し、驚いた。

 

「何よ!?」

 

「デニス!スモークを!」

 

「了解ッ!」

 

と、デニスさんが答えるのと同時に一機のグフが、俺に飛びかかってきた。

その手にはヒートサーベル。

赤熱化してるので、シールドで受け止めても腕を破損していたかもしれない。

 

「当たれっ!」

 

俺はトリガーを引いてグフを倒す。

しかし、さらに横っ腹から砲弾。

今度はマゼラ・アタックとザク・タンクの砲撃戦特化が、こちらにブッパしてくる。

 

「畜生め!」

 

俺はマシンガンで応戦するが、前に出てきた新しいグフとグフのシールドとドムのバズーカを持ったザクⅠが現れて、マシンガンの弾を弾いてしまう。

 

「クガヤ准尉!撤退だ!早く!」

 

「クッ!相手が離してくれませんっ!」

 

通信は届いている。

俺も逃げたいのは山々だが、バズーカで逃げ道を妨害される。

 

「ちょっと!それくらい早く切り抜けなさいよ!」

 

「無茶言わないのリルちゃん……」

 

と、向こう側では楽しげだが俺は最早必死である。

迫り来る砲弾を避けながら反撃するが、たまにマゼラ・アタックに当たるだけで大抵は外れるか相手のモビルスーツが防御してしまう。

そのくせ、逃げさせないのだからいやらしい。

 

「くっ!埒が明かないッ!」

 

俺はマシンガンをスカートアーマーに懸架して、ビームサーベルを抜刀する。

ビームライフルがあれば、あの盾を貫通できるが無い物ねだりだから、意味はない。

しかし、ビームならまだある。

 

「うらあぁぁぁーー!!」

 

ビームサーベルを振りかぶり、下ろす。

 

「な、何だ!?」

 

相手としては射撃戦で翻弄して撃破するつもりのようだったが、それは俺の知らぬ所。

どちらにせよ、その判断は間違っており、彼らは不運だった。

それだけだ。

乗っているパイロットが経験的には新兵、という要因もあったんだろうが。

 

「ビーム!?がっ!!」

 

ビームサーベルがグフの盾ごと、グフを切り裂く。

切った先にはコクピットが運よくあり、それごと斬ったが後ろに回ったザクⅠがバズーカを撃つ。

目標は勿論俺だ。

 

「シールドっ!」

 

シールドでバズーカを受け止める。

爆発でシールドは吹き飛ぶ。

かなり近い距離だった。

だが、ビームサーベルをコクピットにブッ指す時間は生まれた。

 

「てぇやぁ!!」

 

「ワア゛ア゛ア゛ァァァァァーーッッ!?」

 

ピンクの光刃が、コクピットを貫く。

ザクⅠのモノアイが、力を失うように消え、機体が停止してアベンジャーに寄りかかってくる。

それを跳ね除けてマゼラ・アタックがいる方へと蹴飛ばす。

 

「た、たい」

 

ズシャッ、と潰されたマゼラ・アタックの小隊長の最後の言葉(遺言)だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……情報の提供をありがとう。しかし、STR-1(ユニットワン)でも逃げ帰るのが精々であるのか…………」

 

目の前の彼はSTR-1とそれに連なるモビルスーツ試験部隊を任されている、中隊長ネマァク・ヨーゼンルフ中佐だ。

彼は根っからの現場主義で、基本的に後方を担当するが前線の状況を理解してくれる数少ない高官である。

連邦にはこういう人物は中々いないので、本当に運が良い。

もう一年戦争分の運は使い果たしたんじゃないだろうかってくらい。

 

「エースらしき機体が、血潮の死神と名乗っていましたが………」

 

と、アラン隊長は言う。

すると、ヨーゼンルフ中佐は目を丸くする。

 

「まさか、あの異常者と会敵したのかね!?」

 

どうやらアイツが何者か知っているようだ。

そして、説明されたがどう見ても異常者でキチガイだ。

ジオンの騎士って………

 

「あっ……!!」

 

「ん?どうかしたのかい?」

 

名字になんか聞き覚えがあると思っていたが、今になってようやく思い出した。

が、ちょっと声が出てたようだ。

アラン隊長が不思議そうに此方を見ている。

 

「あ、いえ。特に意味深な事じゃないので」

 

「それを言われたら気になるではないか」

 

え、ちょっ!?

ヨーゼンルフ中佐!?

 

「いや、本当に何もないです!!」(焦)

 

大変だ……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、原作から大きくかけ離れた出来事に出会った。

 

「今日から君達はSTR-2(ユニットツー)と共に編成された、新しい第1独立艦隊【ゼロ】に配属してもらう。勿論、私もここに提督として配属されるぞ」

 

どうやら試験部隊として、普通の戦闘部隊として名を上げたからかペガサス級で独立艦隊に配属されることになった。

え、マジ?(;`・ω・)?

 

 

 

 




ヘグタスの呆気ないやられ方でしたが、運がついてなかったのと撤退戦な上に、特にミサイル系統の節約をしているのでどうしても近接戦に持ち来なければいけない訳で。
オデッサの戦いの後を鑑みてそんな表現になりました。

今思い返しても、08のトップ小隊のマトモだった二人に悲哀の涙が………マジでアイツ(デル)許すまじ。

………一人二人位だけで感想来なくて寂しいなぁ………なくても書き続けるけども。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

グリプス戦役 NEXT WAR

とりあえず、グリプス戦役の始まりから着手します。
一年戦争への道のりは遠いなぁ……





一年戦争が終わって七年。

俺の精神崩壊の症状は一応、完治した。

とはいえ、かなりこの七年間の記憶は曖昧だが。

アイツの最後の攻撃……精神攻撃は、EXAMシステムの乱用で弱まっていた精神にとても効いた。

体の傷も深かったこともあるが。

 

「まだ軍にいるのですか?」

 

「それしかないだろ、死ぬ運命の人達を救うには……それにな、ユミ、いい加減語尾の「~です」口調直さねぇと違和感がありすぎるぞ?夫婦になったっていうのに」

 

「ムゥ…私も頑張って直そうとしてるんなのですが……あ、そういえば叔父様が早く子供の顔がみたいそうなのです」

 

「おい、いくらなんでも早急すぎないか?」

 

「頑張って下さいね?旦那様?」

 

「ブッ!?…ちょい、止めろw」

 

「あー!酷いです!」

 

と、笑いあえているが、場所が場所なんだけどな……だってモビルスーツの倉庫で、久しぶりの愛機【アベンジャーガンダム】に乗って試運転するのだから。

まあ、愛機であると同時に忌まわしい機体であるが。

 

「んじゃ、手はず通りにやるぞ?」

 

「はいなのです」

 

ん?何を企んでいるのかって?

そりゃティターンズからエゥーゴに転勤するためでアルヨ。(ふざけ半分)

ティターンズ何て言う、クソッタレた派閥にいられるか。

それに、今更旧式のアベンジャーでジオンの残党を狩るのは少しキツいのでは?

あっちはモビルスーツのプロフェッショナルなんだし、あちら側も日々連邦に攻撃するために機体を改良したり、最新化しているはずである。

アベンジャーガンダムも改良を施されているとはいえ、ジム・クゥエルなどの性能差を見ると圧倒的にヤバイ。

総合的にはアベンジャーが勝るが、継戦能力はジム・クゥエルなどの第二世代モビルスーツの前半やそれ以前のやつが上である。

結局、ホバークラフト自体も稼働時間がほんの1分増えただけだし。

殺す気満々だろ、上層部。

さて、コクピットに収まり、機体を稼働させる。

EXAMシステムはソロモンでの戦いで、アムロを庇うときにブッ飛んだから、今はガンダムその物の頭である。

あの時はマジで死ぬかと思った。

頭に直撃なのだから、その真下辺りにあるコクピットが一番被害が大きい。

機体の装甲の欠片やら、モニターの破片やらがめっちゃぶっ刺さっていたらしい。

多量出血で死んでもおかしくなかったが、ギリギリ持ちこたえたようなので、良かったんだが。

ちなみに、ユミは俺の隣にもしもの時としての看護兵+交代するためのパイロットとして同伴している。

一応、彼女もモビルスーツの操縦は一通り学んでいるため、戦闘は無理だが移動くらいはできるらしい。

さあ、時間だ。

脱出の門出を祝ってくれる砲撃の音が、コロニーの中に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴァァァーーーー!?」

 

「ウキャアァァァーー!?」

 

俺とユミは悲鳴をあげていた。

何故なら、ジム・クゥエルやハイザックのビームや実弾の嵐からフルスロットルで逃げているからだ。

フルスロットルでないと、マジで追いつかれる。

 

「畜生めが!」

 

機体の前面を敵機の方向に向けて、奪い取ったザクマシンガン改をハイザックやジム・クゥエルにブッパする。

当てられたハイザックは爆散し、右腕に直撃を食らったジム・クゥエルは後退する。

しかし、まだまだ鬼はいる。

矛盾な事を言ってるシャアが開けたコロニーの穴に飛び込んで、コロニーの周りを飛んでいるのだが、あいつら容赦なく撃ってコロニーに多少ながらダメージを与えている。

マジでアホだ。

コロニーへの攻撃はダメだって、一般的な(?)ルールブックにあるだろ!?

シャアがなんやかんやで穴を開けたけどさ!

 

「しつっこい!」

 

弾が切れたザクマシンガン改を捨てて、ビームサーベルで斬りかかる。

ジム・クゥエルのビームサーベルとぶつかるが、左腕にあるショートシールドの裏にある取り付け型のミサイルをぶちこむ。

コクピットに直撃し、爆散した。

が、後ろからハイザックがミサイルポッドを撃ってきた。

バルカンで迎撃するが、変なところで起爆できないため、慎重にだが。

結局、次第に被弾して左腕がちぎれ飛び、頭は半壊。

右足は根本から外れている。

 

 

 

 

最終的にクワトロこと、シャアに助けて貰ったが、アベンジャーガンダム自体は自爆することにした。

どうせ、あれは俺の後釜か何者かが乗らせるつもりだろうし、あわよくば回収に来た敵たちの戦力を削れる。

そんなわけで、アベンジャーとはお別れ。

シャアのリック・ディアスの手の上で、アベンジャーガンダムの最後の光を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




コラボしてるなか、主人公のトラウマとも関わるので、これからも宇宙世紀編の続投を読んでくださると嬉しいです。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

グリプス戦役 地球降下作戦

合間を見つけてはちょいちょいと書いてます。
なかなか想像力が……


これから地球にダイビングします。

何故ならエゥーゴがジャブローに降りて、ジャブローを攻撃するからです。

当たり前体操~♪

 

………我ながら寂しい上にタイミングおかしいし、古すぎるネタを披露したもんだ。

気を取り直して、マラサイのビームに当たらないように避けないとな。

 

「なんで当たらねぇ!?」

 

「最新鋭の機体だろうが、扱うやつが下手なら弱いままなんだよ!」

 

ネモのビームライフルをマラサイに当てる。

直撃したマラサイは、あらぬ方向へ飛んでいき、爆発する。

 

「おうっ!?後ろか!」

 

後ろから殺意。

マシンガンの弾が飛んできたが、スラスターを軽く吹かして避けて右腕を後ろに向けてビームライフルを撃つ。

サブカメラで一応確認すると、爆発の光で真っ白に染められていた。

 

「バリュートが壊されないように、上手くやらなきゃな……じゃないと焼け死ぬし」

 

正直、ネモの性能を侮っていた。

いや、本来のフルスペックの性能を知ってはいたが少し信じていなかった。

グリプス戦役で、ロザミア・パダムがネモに搭乗したさい、多くの敵を葬っている。

フルスペックを引き出せれば、とても強い機体だとその時はそうしらしめられたが結局量産機であるため、俺としてはあまりネモを高評価はしなかった。

何故なら、一部は旧式のままなのだ。

特にビームライフル。

エネルギーパック方式に切り替えられるなか、今だガンダムと同じCAP方式のビームライフルを使用しているのは、継戦能力の低下を起こしている。

高性能な量産機なのに……とは思っていたが、今回俺が使っているネモの手には、百式のビームライフルの原型だと思われる物がある。

いや、この場合はΖ計画のビームライフルのプロトタイプかな?

エネルギーパック方式を採用した、砲口からビーム刃を出せれるビームライフル。

このプロトタイプのビームライフルでもできるようだが、今は別に使わなくても大丈夫なので使用していない。

 

「後ろからしか攻撃できねぇのかよ、臆病者がぁぁーー!!」

 

俺を強いと感じてなのか、真正面から行くやつはいなくなり、死角から攻撃しようとしてくるやつが多い。

後ろから攻めるのは良いが、みんなで後ろから攻撃はただのバカがやることだ。

一人くらいは囮にならなければ、その攻撃は当たらない。

まあ、そうであったとしても当たるつもりはないがな。

俺はそこまで弱くなったつもりはないし、衰えてもいない。

 

「そろそろ降下時間か…!」

 

敵味方問わずにバリュートが展開され、大気圏の熱に焼かれていく。

しかし、俺はオートマチックが働くまでバルカンで敵のバリュートを破壊していた。

非人道にも見えるが、合理的に考えれば正しいことだ。

降下すれば、同じく降下してきた敵のモビルスーツ部隊が地上の部隊と連携して戦いに来る。

数的にはこっちが元々不利な面があるのだ。

これぐらいしないと、こちらが痛い思いをする。

 

「すまんな……呪うなら呪ってくれ」

 

そして、オートマチックが働いてバリュートが展開される。

大気圏の熱に焼かれながら、俺は全周天モニターの右側を見る。

あちらでは原作通りに、カクリコンのマラサイがカミーユのガンダムMk-Ⅱによって大気圏の熱で爆散している所だった。

その時、カクリコンの叫びが聞こえた。

 

『アメリアァァーー!?』

 

原作通り………だな。

大気圏を突入しながら、俺は彼の冥福とその彼女であるアメリアの幸運を祈った。

別に宗教に入ってる訳ではないが、それでもそう願わずにはいられない。

画面越しでその場面を見るのと、現実でそれを見るとは全く見方が違うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大気圏を突入して地上へと落下している中、俺はジャブローの対空防御で自由落下していた。

 

「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!?」

 

スラスターをちょいちょい吹かして、落下速度を落としてはいるが、それでも速度を殺しきれない。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「ん?あ、カミーユ君か!」

 

Ζガンダムの主人公、カミーユ・ビダン。

俺との仲は良いと思う。

彼が俺をどう思っているのかは解らないが。

ただ、彼は俺のことをこう評している。

 

「貴方は……優しい感じがして、それでいて何かもっと、僕たちとは何かが違う感じがします…」

 

うーん、前半は褒めてるんだろうが後半は意味不明。

多分、俺が転生者であることが意味が解らずともわかっているのだろうか?

それとも、普通に何かがこの世界の人々の魂と違うのだろうか?

それは、神にでも聞かなければわかるはずもない。

だが、そんな存在がいるわけでもないので予測しかできない。

閑話休題。

ともかく、俺はカミーユに助けてもらって無事に地上へと降りれた。

死因が落下死とか、FPS系とかバトロワ系なら笑えるだろうがリアルではそんなの笑えない。

精々、他人が酒の肴にするだけで、笑えるのもそんな第三者しかいないだろう。

…と、考えているうちにジム・キャノンがこっちにキャノンを向けて発砲してきた。

 

「ゆっくり考えさせてくれる暇もないのかい」

 

一発目は避けて、二発目はジャンプで回避。

カウンターでビームライフルをジム・キャノンの頭と右腕に向けてビームを放った。

見事に命中して、今度はビームサーベルで胴体と下半身を切り離して沈黙させた。

 

「さてと、中には核爆弾があるだろうから、カミーユとシャアに引っ付いていくか」

 

ちょうど、カミーユのガンダムMk-Ⅱを見つけたのでそちらへと向かった…………

 

 




鉄血の「死した鉄の華逹は、氷の華へ」と同時に出しております。
そちらもよろしくです。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

グリプス戦役 ジャブローの崩壊

番外編として、「ヒロアカの世界に転生した転生パイロットの話」を投稿しております!

良かったらそちらもよろしくです!



残弾が少ないビームライフルをマラサイの頭に向けて撃って、沈黙させる。

カミーユとシャアと共にジャブローの中へやって来たが、やはりジェリドがやって来た。

カミーユのガンダムMk-Ⅱがビームライフルで牽制してくれているうちに、俺のビームライフルのENパックをリロードする。

そろそろ予備パックも尽きてきた。

そして、遂にシャアから通信が届く。

もちろん、中身は知っているもので、やはり核爆弾がジャブローに存在するようだ。

そして、カミーユはレコアたちの存在を感じとり、助けに行きたいようなので俺は言った。

 

「カミーユ君!行ってこい!アイツは俺が抑える!」

 

「…ッ!ありがとうございます!」

 

「なっ!行かせるかぁ!」

 

ジェリドのマラサイが追いかけようとするが、俺がビームライフルで止める。

 

「行かせるかよ!」

 

「ちっ!雑魚が邪魔するなぁっ!!」

 

「自惚れるなぁっ!」

 

ジェリドはビームライフルを撃ちながら、ビームサーベルを抜いて攻撃を仕掛けてくる。

それに対して俺はビームの軌道を読み取り、避けながらビームを撃ち返す。

ビームはマラサイの左肩に当たり、機能を失う。

 

「なにっ!?」

 

「さっさとどっか行きやがれ!」

 

左手でビームサーベルの刃を発振させて右腕と右足を一刀の元に切り裂く。

足を片方失ったマラサイはそのまま転倒して動けなくなる。

 

「さっさと消えろ!」

 

外部スピーカーでそう言って俺はその場から離れる。

原作通りなら脱出に成功してまた俺たちの前に現れるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャブロー内では既に通信が行き届いているお陰か、撤退している味方が多い。

とはいえ、最初のジャブローの対空防御でやられた機体も多い。

損害は大きいわけではないが、少なくもないだろう。

そして、ジャブローを防衛する連邦の一般兵には核爆弾があることは知らない。

俺は呼び掛けて脱出の指示を出すが、これがなかなかどうして。

嘘だと決め込んでさらに攻撃してくる。

ハッタリではないのだが、攻撃されては応戦するしかない。

弾が切れたビームライフルを腰にマウントさせて、ビームサーベルの柄を右手のマニピュレーターに持たせる。

敵がいれば近づいてビームサーベルで斬り倒す。

見つけられて攻撃されれば、回避しながらビームサーベルで腕や足を斬り、コクピットを貫く。

アウドムラに到着する頃には全ての残存機がアウドムラに搭乗していた。

後はMk-Ⅱと百式。

俺は他のネモが持っていたビームライフルを使って、時間ギリギリまで防衛した。

今だに敵機がちょくちょくと出てくるので、これでみんな乗って爆発四散しましたなんて、後世にも残る失敗談になる。

 

「っと。ようやく来たか」

 

ハイザック二機に追いかけられている百式とMk-Ⅱ。

俺はビームライフルをハイザック二機に向けて撃つ。

百式の方は爆散し、Mk-Ⅱの方は右腕を失う。

 

「すまない、助かった」

 

と、シャアことクワトロ。

 

「いえ、大尉が無事で良かったです」

 

普通に返しておいた。

しかし、アウドムラは既に飛ぼうとしている。

スラスターを噴かして飛ぶ。

出力を全てスラスターに回して、なんとかアウドムラの格納庫のフチを掴む。

Mk-Ⅱは格納庫に飛び込めた。

後は百式のみ。

 

「クワトロ大尉!」

 

「行けるか…!?」

 

「俺の手を!」

 

俺はネモのマニピュレーターを差し出して、百式のマニピュレーターを掴む。

 

「何度も助けてもらって、すまないな」

 

接触通信から聞こえるシャアの声は、マジで泣きそうになった。

池田ボイスかっけー!

 

「い、いえ、これぐらい大丈夫ですよ」

 

 

 

 

 

 

 




ワールドトリガーの番外編も作ろうかな……?



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

グリプス戦役 シンデレラ・フォウ

ロベルトさんの死亡シーンとか、ミライ親子の救出作戦は省かせてもらいました。
え?なんでこの所を書いたのかって?
………Ζガンダムを見たからですよ…




ジャブローの一件から、エゥーゴは核爆弾を使ったとティターンズによって嘘の情報を民衆に流し込み、エゥーゴに批判を当てていた。

しかし、そんなことを一々気にしてたらティターンズの良いようにされるだけ。

そんなわけでエゥーゴのパイロットを宇宙に帰そうと、旧式のシャトルで宇宙に行くことになった。

俺も戻るのかと思いきや、妻の伯父に当たる人からモビルスーツを受領した。

中身はガンキャノンベースの魔改造した物。

【ガンキャノン・ソレデリア】である。

ビーム主体のこの機体はアナハイムにあった使わないパーツやら、お蔵入りになった部品を使って俺専用にカスタムしたものらしい。

伯父さんからは「もう一人のユミだと思って大事に扱え!さもなければ、ユミとの結婚はさせん!!」と、親バカまっしぐらな発言。

それで良いのか、アナハイムエレクトロニクスの幹部さんが………

とまあ、そゆこともあって地上に必然的に残ることになった。

ロベルト中尉は原作通り戦死した。

助けられたのに……後少しで間に合わなかった。

まだまだ自分が未熟だと思い知った瞬間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから時間が経ち、ニューホンコン。

原作通りなら、サイコガンダムがここに現れ町を破壊するのだが…………

 

「カミーユ、好きな子でもできたか?」

 

「ちょっ、違いますよ!」

 

やはりというか、フォウ・ムラサメと出会い、惹かれたようだ。

 

「カミーユ、その女とはあまり関わらない方が良い」

 

と、言っていたのはアムロ。

まあ、彼にはそういう経験があるからな………

ミライさんが、知っていることをカミーユに話すがそれでもその情報は少ない。

ただ、ララァという女性の存在がアムロの中に燻り続けている。

それだけは解る。

 

「クガヤさん。貴方にはそう言った経験はあるんですか?」

 

と、カミーユに聞かれた。

特に断る話でもないから話すか。

 

「俺には………そういうことはないな。でも、惚れるってそういう感じなんだよ。実際、妻ともそう言った感じでな………だけど、カミーユ。アムロさんはきっとカミーユにもララァのような存在が、カミーユの心の中に燻り続けることになるのが嫌でああ言ったんだ」

 

「……それは解ってます………」

 

恋も関係も、難しいもんだよな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからは直ぐ様、戦闘に入ることになった。

サイコガンダムが暴れ、ハイザックも出てくる。

 

「ガンキャノン・ソレデリア、出るぞ!」

 

俺はソレデリアをドダイ改に乗せて、出撃する。

サイコガンダムにはビームバリア……Iフィールドがある。

ビームライフルじゃ駄目だ。

 

「ネモのバズーカは使えたよな?」

 

と、俺は退避室にいる整備員に聞く。

 

「ああ!ユニバーサル仕様だから、ネモの兵装も難なく使える!何らならリック・ディアスのバズーカとかも使って構わないぞ!」

 

「……じゃあ、二つとも持ってくか!」

 

ビームキャノンは今回は使わないから、低出力にする。

余ったエネルギーは動力に回すとして……

 

「よし、出る!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイコガンダムの装甲は硬い。

バズーカの直撃をくらっても、平気だ。

 

「アムロさん!駆動部を!」

 

「解った!」

 

とりま、弱いところだと思われる関節部を狙う。

カミーユのMk-Ⅱはサイコガンダムに組み付くが、フォウに拒否される。

 

《騒々しい奴!》

 

「うっ!?」

 

頭部のビームが、俺に向けて放ってくる。

 

「クソッ!」

 

シールドでガードするが、一撃で使い物にならなくなる。

持ってたバズーカも今のでお釈迦だ。

 

「今のはフォウの声か……?」

 

猛スピードで戦場を離れるサイコガンダム。

とりあえず、俺は残った片方のバズーカでネモ部隊に加勢する。

 

「遅いぞ!」

 

ドダイ改に乗るハイザックを一撃で仕留める。

ビームキャノンを展開し、殺られそうなネモの後ろにいたハイザックを狙い撃つ。

低出力だが、それでも直撃すれば撃破できる。

当たった奴は爆散し、ネモは逃げ切る。

 

「騒々しい奴、か…………」

 

俺はフォウに言われたことを反復するように呟きながら、俺はアウドムラに帰投するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




短めです。

でも、なんか上手く話のネタが浮かばない………



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

グリプス戦役 決戦

別の所で、この作品を書いてました。なので、中途半端なんですが、よろしかったら読んでください。


今度の戦場は宇宙。

一年戦争をくぐり抜け、精神崩壊起こした後は愛機自爆させたり(いや、正確には療養後にだが)、エゥーゴに参加してシロッコの野郎に地球に落とされたりして、転生したのにかなりハードな時間を送っている。

………一年くらい妻とイチャイチャさせてくれ!?

 

というのはさておき。

現在、グリプス戦役の最後の戦いに俺はいます。

さて、俺が対峙しているのはなんでしょう?

ヒントはピンクのやつらと、白いやつです。

…………。

正解は、【ガザC】と【キュベレイ】です。

なんて、脳内で茶番劇をしている間に、現在の俺の愛機【ガンキャノン・ソレデリア】の後ろにファンネルが数基回り込んでくる。

「うおっと!?」

ギリギリで攻撃を回避する。

ただ、【ガザC】部隊も追撃とばかりにビームを撃ってくる。

ただ、ファンネルによるオールレンジ攻撃よりは全然マシだが。

俺のニュータイプ能力は、一年戦争を通してもまだ半覚醒までにしかいっていない。

だが、モビルスーツの操縦技術には磨きがかかり、ベテランの方と肩を並べるほど強くなっている。

そんな俺が、年下のハマーン様に(顔のやつは年齢詐欺だろ…)負けるわけにはいかないし、逆にプレッシャーでは意外と俺の方が強いみたいで、感覚からして焦っている模様。

「とった!」

元々ジャンクパーツの寄せ集めの【ソレデリア】が、ここまで戦えるのはアナハイムの人達のお陰だろうか。

ビーム・キャノンをファンネルバインダーに照準を合わせ、ビームを撃つ。

だが、そこはニュータイプ。

軽く避けた。

ニュータイプとしては半覚醒なのに、ここまで圧倒してしまって良いのだろうか?

 

ピーピーピーピー

 

警告音がなる。

推進剤がレッドゾーンまで来ている。

やべぇ。スラスター吹かしすぎたか。

【ソレデリア】は、ジャンク製ながら、改造が凄いので機動力が半端ない。

地上では、往年の【ガンキャノン】と機動力は変わらないが、宇宙だと別物。

身体にかかるGが凄い。

ちなみにさっきから戦闘宙域から離脱しようとするが、なかなか行かせてもらえない。

まあ、そりゃそうだろう。

色々とコケにしたからなぁ。

そうだ!受け売りだが、ビーム・コンフューズやってみるか!

右手に持たせているビーム・マシンガンをマウントにおいて、ビーム・サーベルを抜く。

ミスっても、とりあえず逃げ切れる時間があればいい。

「上手くいってくれよ!」

左手に、持ち主がいなかったビーム・ライフルを持っているのであとは投げて撃つだけだ。

ビーム・サーベルを投げる。

ファンネルの群れがやって来る。

ビーム・ライフルの引き金を引く。

まるでコマ送りのように感じられた。

 

 

母艦【アルビオン】に着くと、かなりダメージを負っている。

まあ、スターダストメモリーの時に造られた戦艦だ。

性能差があってなくても納得の状況だ。

戦況は、こちらが一応優勢というところか。

「クガヤ中尉。ご無事で何よりです」

俺の部下になった、カナデ少尉の【ネモ】が近づいてくる。

「一応、俺は隊長だろ?クルギス大尉が急に戦死しちまったから、わからないことはないけど、気を付けとけ」

「…すみません。私のミスで…」

急に謝ってくるカナデ少尉。

「いやいや!別に責めてるわけじゃないんだから!謝んなくていいって!」

とりあえず、着艦した【ソレデリア】は補給を受ける。

<ミサイル、数十二!衝撃に備えてください!>

艦内放送で、衝撃に備える旨を伝えられた直後に衝撃。

迎撃間に合わず、【アルビオン】に二発当たったようだ。

「補給、まだっすか~!?」

さすがに、この艦のダメージでくらっているのだから、焦る。

俺の所属するヘルファイヤ隊が壊滅なり、解散なりするのは別にどうでもいいが、帰る場所が、それに知ってる人達を見殺しになんてしたくない。

「クガヤ!あとちょっとで補給が完了するから!」

「おっけー!」

コクピットに待機するため、床を蹴る。

すると

<敵機が左舷カタパルトに侵入!押し返ちっ…てください!>

戦闘中なのに思わず笑ってしまう。

他の人達もしかり。

つーか、ユミのやつ、いつからなのですの口調直せたんだ?

後で聞いてみよう。

<艦長!笑わないでくださいのです!!ちょっ、みんなも!>

ブリッジの人達も、笑っているようだ。

気が抜けてはいるが、もう戦闘に入って時間が結構たっている。

とりあえず、笑いたいのだろう。

この緊張した雰囲気を打開したいがために。

ちなみに俺は、補給の終わった【ソレデリア】で入ってきた敵機…【ハイザック】を被害を最小限にするために、モノアイ狙って殴り、頭部を潰し、コクピットに蹴りを入れてパイロットを気絶させる。

動かなくなったのを確認し、【ハイザック】の事は任せ、カタパルトの上に足をのせる。

「じゃあ、行ってくる!」

カタパルトが動き、急速なGに耐えながら戦場の嵐に向かう。

【アベンジャー】の時は、これの何倍ものスピードで動いていたのだから驚きだ。

まあ、EXAMのお陰ではあるが。

エゥーゴ、ティターンズ、アクシズの三つ巴合戦は、まだ続きそうだ…



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一次ネオ・ジオン戦争 グレミーの反乱

ちなみに、前回に登場したモビルスーツを紹介するのを忘れてました。デザインして、設定を決めているので、姿形はそれなりにしっかりとしていると思います。

【ガンダム・アベンジャー】
型式番号RX-78(G)A。
陸戦型ガンダムをベースに、NT-1、ガンダム6号機などの計画を含めた、試作型ガンダム。
全体的には、ブルーデスティニー系統の姿をしている。
しかし、NT-1などの武装が試験的に装備されているので、生粋のブルーデスティニー系統機ではなく、あくまで陸戦型ガンダムの部類。
開発者たちが、コロニー落としによって家族などを亡くした身であるため、復讐者となるようにと命名。
それがアベンジャー(AVENGER)。
パイロットは、クガヤ・アルファラ。
開発者たちによって、秘密裏にEXAMシステムが搭載されている。

〔経歴〕
一年戦争の終盤にロールアウト。クガヤ・アルファラ曹長の機体となる。
オデッサ作戦にも参加し、数々の戦果を挙げる。
その後、ソロモンでの戦いにて、ガンダムを庇った際、EXAMのある頭部に直撃。
パイロットも大怪我を負わされ、ホワイトベース隊の方々がお詫びとばかりに、ガンダムの頭部に換装される。
ア・バオア・クーにて、パイロットが精神崩壊を起こした後、幾度の改修をされたが、グリーンノアから脱出する際に中破。
敵機を巻き込ませるため、自爆している。

〔武装〕
ビーム・ライフル
陸戦型ガンダムの物を使用している。性能やデザインに変わりはない。

ビーム・サーベル
腰部アーマーの後ろに二本装備されている。ジム・コマンドのビーム・サーベルを流用。

右腕部ガトリング砲
NT-1の開発計画より、試験運用のために追加された。整備性は、NT-1よりひどい。尚、パイロット自身がその事を気にしているため、あまり使われていない。

ホバーユニット
ガンダム6号機の開発計画にて、試験運用のために追加された。短時間でしかホバーできないが、充分に有効活用されている。宇宙での戦闘時は、このユニットは補助スラスターに変更される。

胸部オプションバルカン砲
胸部に搭載された、二種類の弾を撃つことができる武装。威力は弾によって変わる。
通常弾、炸裂弾、拡散弾、閃光弾、スモーク弾がある。

備考
完全に本作のオリジナルモビルスーツ。誰かのパクりとかではないのであしからず(念のために書きました。)


光が、宇宙を駆ける。

煙を引く、いくつものミサイル。

一つの花火が、一人の、幾人もの命を散らす。

俺は、動けない【ガンキャノン・ソレデリア】の中で、グレミー派とハマーン派の争いを、ただ傍観していた。

それはそうだ。

【ソレデリア】はシステムが死んでおり、機体も右腕と頭を残してほとんどお陀仏だ(コクピットハッチも吹っ飛んでしまった)。

救難信号は一応あげてはいるが、その間、俺は一人で…

 

ドゴッ!

 

「イッテェ!?」

もろに背中にキックをくらった俺は、危うく死の世界へ飛び出しかけた。

「止めろっ!?殺す気か!?」

「元々マスターに殺せと言われている。隙あれば即刻排除だ」

そうだった。こいつを忘れていた。

「お前も死ぬぞ!?遅かれ早かれ、そんなことしてたら死ぬぞ!?」

「うるさい!お前からは、いつも嫌なざわつきを感じるんだ!」

「んなこと言われてもどうしようもねぇよ!せめて殺気を出すのを止めろ!感覚が鈍る!」

生意気に言っている少女、プロトプルツーを忘れていた。

彼女は、もちろんオリジナルのプルのクローンだ。

ただ(これは彼女の記憶を覗いて知ったことだが)、彼女はプルツーのプロトタイプで、ニュータイプ能力は高いが、命令にたいしてプルシリーズより守らない。

その為、失敗作と言われ、しばらく冷凍睡眠に入っていたが、グレミーの反乱の際に起こされ、洗脳されたようだ。

その洗脳は、そろそろ解けているとは思うが…

 

ドカッ!

 

さらに強い蹴りをくらった。

「ぐぅ…」

痛みで、ぐぅの音が出る。

い、一応プルツーのような凶暴性は健在のようだ。

「…プロトプルツー…いや、プロルでいいか。いや、フロル…?」

「一体何をしている?」

「ん?お前の名前。プロトプルツーなんて長ぇ名前、いちいち言ってられるか」

と、口喧嘩していると、唐突にサイコミュの波動のようなものを感じた。

「マスターに名付けられた名前だ!勝手に…っ!?」

「はうっ!?」

フロルも感じたらしい。

無念、満足感、憎しみ、色々なものから解放されたような感覚が俺とフロルのニュータイプ能力に共感した。

いや、普通にただ感じた、という方が正しいのか?

どっちにしろ、この戦争が終わりを告げることが俺にはわかった。

「ようやく終わったか…」

と、呟く。

第一次ネオ・ジオン戦争が終わりを告げた。

それは、ハマーン・カーンの死によって終わる、そして、また新たな戦いが始まる瞬間だ。

「次はシャアか~」

「シャア?シャア・アズナブルの事か?」

と聞いてくるのはフロル。

「ああ、そうだ…て、俺は何を言うとんねん…」

彼女ら、いや、この世界の人々には知るよしもない事を知っている俺は、こんなことを言ったところで何かが変わるわけではない。

むしろ、最悪の場合、歴史の修正力かなんかで抹殺されるなり、障害を負わされたりとかで処罰されるだろうな…

もちろん、そんなことは嫌なので、極力言わないように気を付けてはいたが…

「はあ…。フロル、とりあえず静かに救出を待とうぜ」

「あたしはプロトプルツーだ!」

 

ゴキッ!

 

フロルの蹴りが、今度は頭にヒットし、嫌な音がでる。

野郎!そう何度もやるようなら宇宙に放り出してやろうか!?

 

 

なんやかんやで、フロルと共にヘルファイヤ隊の母艦【アルビオン】に救助してもらいました。

 




次回は、ついにあの戦い…!
あと前書きは【ガンキャノン・ソレデリア】の紹介です(予定)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

シャアの反乱 5thルナ

今回は、【ガンキャノン・ソレデリア】について

【ガンキャノン・ソレデリア】
型式番号RX-77-X1。
【ネモ】を失ったクガヤ・アルファラ中尉の、新たな機体。AE社が、ガンキャノンベースに、在庫にあったもので大改造を施し、現役モビルスーツ相手でも戦えるようにしたもの。ジャンクパーツで構成されているため、欠陥部分もあり、腕の関節部分がデリケートで、防塵カバーを戦闘をする際は外せない。
地上では、ガンキャノンと同程度の機動力だが、宇宙では高機動に動ける。そのため、体にかかる負担は大きい。

〔経歴〕
ケネディポートにて、クガヤに譲渡される。以降、各地で転戦し、様々な戦果を挙げる。キリマンジャロの戦いでは、カラバのモビルスーツ部隊を率いて陽動などを行う。宇宙に戦場を変えると、その高機動力で数々の敵機を撃墜。ハマーンの登場する【キュベレイ】相手でも、翻弄していた。第一次ネオ・ジオン戦争にて、【量産型キュベレイ】と相討ちになり、大破している。

武装

ビーム・ライフル
地上においての戦闘で、主兵装として使用。【ジムⅡ】や【ネモ】の使うビーム・ライフルと変わらない。

ビーム・サーベル
腰部アーマー後部に二本装備されている。標準的な威力を持つ。これで、ビーム・コンフューズをやらかしている。

ビーム・マシンガン
漂流していたガーベラ・テトラのビーム・マシンガンを、AE社が改造・改修を加えたもの。連射と収束に切り替えができ、収束の場合はEパックを一つ消費するが強力なビームを撃てる。

ビーム・キャノン
量産型ガンキャノンのバックパックを、ビーム兵装に改造したもの。実弾ではなくなったため、余ったぶんをプロペラントタンクに貯蔵でき、宇宙戦での高機動を可能にしている。キャノン自体は、収納式なので視界の邪魔にならない。

頭部バルカン砲
頭部に二門存在する、迎撃や牽制に使われる兵装。外装が違うだけで、中身は【百式】の頭部。一応、【ネモ】とも互換性はある。

シールド
【ネモ】のシールドを流用。デザイン、性能は変わらない。

備考
本作のオリジナルモビルスーツ。


ついに、この日が来てしまった。

後に、シャアの反乱とも言われる、第二次ネオ・ジオン戦争が始まろうとしている。

できれば、シャアを見つけて止めたかったが、そもそもグリプス戦役後のシャアの行方はまだしっかりと描かれてはいない。

なので、アムロたちと同じく、いくらコロニーを調べても出てこない。

そして現在、5thルナが地球に向けて落ちていた。

元々は、資源採掘のためにアステロイドベルトから引っ張ってきたものだが、地球に落ちればもちろんコロニー落としと同じくらいの被害を被る。

まあ、地球を核の冬にしようというのだから、それぐらいしないとできないのだが。

連邦、いやロンド・ベルの隊員として、一般良識としてはこれを止めなければならないが…

 

「シャア…いや、キャスバル・ズム・ダイクン…あんたの言うこともわかるんだよなぁ」

 

実際、連邦政府を宇宙にぶち上げなきゃ、独立を認めてはくれんだろうし…

結局、宇宙世紀0100年以降も連邦は腐り続けてまともにやろうともしないし。

未来の事を考えると、キャスバルがやろうとしているとこは正しい。

だが、皮肉なことに、連邦は次第に瓦解するのだから。

やろうとやらなかろうと、結局連邦は自滅する。

だから俺は悩む。

鉄血のオルフェンズなら、全然迷うことなくいけるが、こっちの場合は色々とありすぎて悩むんだよな…

 

「隊長、出撃です」

「了解した。どうせもう間に合わんが、敵の戦力を削れるだけ削っておけ。またもう一個落とすつもりだろうし」

「は…?それはニュータイプとしての言葉ですか?」

「そうだよ。カエデ少尉。一応、お前は強化人間だろ。少し先の事ぐらいわからないのか?」

 

ぶっちゃけ、俺はただただバカな事を言っている。

強化人間だろうが、ニュータイプだろうがそこまでの未来予知はなかなかできない。

だが、納得してしまったカエデ少尉は、「なるほど」と言ってそのまま勘違いをしたままカタパルトで射出された。

やってしもうた。

 

<クガヤ大尉?クガヤ!!出撃です!>

「あっ!?おう、すまん。クガヤ・アルファラ大尉、【スタークジェガンT-type】で出るぞ!」

 

俺は、昨日運ばれたばかりの【スタークジェガン】のテストタイプに乗っている。

テストタイプ、と言っても外見はUCの【スタークジェガン】とほとんど変わらないし、武装も変わらない。

ただ、性能が違うようで、総合的にテストタイプの方が上だ。

たが、問題がある。

それは、カラーリングだ。

【ジム】の先祖返りとばかりに、赤く、白くカラーリングされている。

派手すぎる。アホか。やっぱアクシズ落としてもらうか。

というのは、さておき。

早速、二つの強い気配を感じた。

弱めがギュネイで、強い方がシャアだろう。

察知したのだろう。ムサカ級のメガ粒子砲が俺たちに死をもたらすために、やってくる。

かなり離れているので、ミサイルもビームもよほどの事がなければモビルスーツに当たることはない。

 

「カナデ少尉、指揮を頼む」

「な、何を…!?た、隊長!?」

 

スラスターを全開にする。

強烈なGが、俺の体に押しかかる。

だが、EXAMのやつよりは全然マシだ。

飛来するミサイルをバルカンで叩き落とし、ビームを避ける。

そうして、プロペラントタンクの中身が空っぽになったので、パージする。

その瞬間、頭が冴えた。

いや、ひらめいた感じがした。

感覚的にはそんな感じだ。ただ、そこから何かが来ることだけがわかった。

これが、本当のニュータイプとしての察知能力だろう。

つまりはあの有名な

 

ギロリリン!

 

だ(個人差あります)。

 

「…!読まれたか!?」

「…!ヤクト・ドーガか!」

 

ビーム・ライフルを撃ち合う。

どちらもビームは当たらず、5thルナに当たるか宇宙の虚空に飛んでいくのみだ。

また感じた。

 

「後ろと上!」

 

ファンネルによる攻撃。

全て避けきり、ライフルで撃ち落とす。

 

「や、やるな!」

 

ギュネイは焦り始めたようだ。

ファンネルが全て展開される。

 

「行けェーーッ!」

 

さすがに、これはヤバイ。

 

「ま、不味いなっ…!」

 

今年でもう20云歳だ。

体が少しずつ衰えているのは感じている。

元々、成長期にEXAMシステムなんてもんに振り回されているのだ。

肉体的に衰えが来るのは、仕方がないかもしれない。

 

「だが、まだまだだ!!」

 

バルカン、ビーム・ライフルでファンネルを撃ち落としていく。

だが、こちらも無傷ではいられず、左足が吹っ飛ぶ。

牽制とばかりに、三連装ミサイルランチャーを全弾撃ち込む。

もちろん、【ヤクト・ドーガ】は避けるが、後ろにいるムサカ級はもろにくらって撃沈する。

 

「やろぉう!」

 

ギュネイが怒りに震える。

コケにされたのだからわからないわけではない。

ただ、俺自身は急に覚醒し始める自分のニュータイプ能力に訳がわからん状態になっている。

その間に、ギュネイは離脱し、俺は推進剤、弾薬を補給するために新たなる母艦、ラー・カイラム級【紅】に帰艦する。

 

「紅…ねぇ。日本語とは思わなかったなぁ」

 

最初にこの長い付き合いになるだろう艦に、色々と思うところはあるが、嬉しいと思った。

やはり、自分の前世である日本人としての血が疼くのだ。

とにかく、俺は敵をとにかく、落とすしかない。

家族を飢え死にさせるなんて、嫌だしな。

補給が終わり、再出撃する。

 

「【スタークジェガンT-type】、クガヤ・アルファラ大尉、出るよ!」

 




これを読んだ方にしか、わからないイベントがあります。
なんと、コラボの企画があります!
これを書いてる現在進行形で、企画しております。
コラボする方は、次の後書きにて書く予定でございます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

シャアの反乱 アクシズ落とし〔前編〕

いやー。色々と大変です。
コロナ某が様々で、閃光のハサウェイいつやるのか全然わかんなくなっちまったよ。
早くみたいな~閃光のハサウェイ。



バダンッ!!

 

独房の一角に、俺は捕まっている。

しかも、敵の旗艦【レウルーラ】に。

さっき扉を閉めたのは、拷問官。

俺からロンド・ベルの情報を引き出そうとして、失敗して苛立っていたのだろう。

力強く、閉めた。

にしても、まさかのドアノブ式とは思わなかったが。

 

正直、そこら辺のコスト問題かなんかでなっているのだろうとしかわからない。

 

また誰かが来た。

入ってきたのは、現ネオ・ジオン総帥、シャア・アズナブル。

思わず「はえ?」と驚きの声をあげた。

 

「久しぶりだな。クガヤ君」

「えぇはぁ。そうですね…」

 

急すぎてまともに話せんワイ。

 

「クガヤ君。君はこちら側に来るつもりはないかな?」

 

少しの間があった直後、多分本題だろう。

切り出してきた。

 

「私は、アムロと決着をつけたいのもあるが、これ以上地球に負担をかけさせる訳にはいかんのだ」

「い、一応、貴方の言いたいことはわかります。ですが、早いか遅いかの違いだと思いますよ。貴方がやろうとやらないだろうと、連邦は勝手に瓦解します」

 

とりあえず、ロンド・ベルの隊員として言えることを言った。

私情も挟んではいるが。

 

「…どうやら、無理のようだな。しかし、君の言ったこともわかる。だから、君にこれを授けよう」

 

シャアの手から出てきたのは、なにかのデータチップ。

手首を縛られているので手に取ることもできない。

 

「これは?」

「私の乗機、【サザビー】の設計図だ。これを君に託す。私が見れない未来を見てくれるだろう君に」

 

俺としては、受け取った方がいいと思った。

あくまで勘だが。

だが、幾つもの仮面をもつこの男が、何故俺に渡すのか。

それがよくわからない。

 

「馬鹿らしいものだが、夢の中でララァに君にこれを渡した方がいいと言われてな。…私には、時が視えなかった。だから、視えたララァの言われた通りにしてみようと思う」

 

実際、馬鹿らしい。

だが、夢は。ハッキリとした夢はバカにできない。

だから、俺は笑わず、ただとっくのとうに縄を解いた手で、【サザビー】の設計図を受けとる。

 

「後で返せって言われても、返さないですよ?」

「元々、君に渡すつもりだ。言うつもりはない」

 

苦笑紛れに、笑うシャア。

 

「で、俺はどうすれば?」

「とりあえず、君はスウィートウォーターで降りてくれ。手引きは私がするし、今なら【ラー・カイラム】がいるだろう」

 

とりあえず、今はシャアのいう通りにしてみよう。

殺されるとしても、殺されるつもりはさらさらないので、どうにか逃げるつもりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、俺はシャアの乗るシャトルにて、荷物室で隠れている。

体育座りなんて、いつぶりだろう。

結構、ケツがやばい。

ようやく着いたのだろう。

着地したような、衝撃を受ける。

それからまたしばらくして、荷物室の扉を叩く音。

出ると、シャトルのパイロットが

 

「話はシャア総帥から聞いております。どうぞ、早くお逃げください」

 

かなりあっさりと出れたので、降りる直前にそのパイロットに名前を聞く。

 

「君、名前は?」

「……ブロオア・カース少尉であります。〔大地の復讐鬼〕殿」

 

意外にも、答えてくれた。

そして、痛々しい二つ名も呼ばれた。

 

「その二つ名は止めてくれ…」

 

苦笑しながら、タラップを降り、ブロオア君に感謝の言葉を言う。何となく、だが。

 

「ありがとう。ブロオア君」

「…………」

 

ブロオア君が何か言うことはなかったが、礼を返してくる。

俺がロンド・ベルに戻ったあと、機内に置いてきた俺の私用の電話番号を見たとき、どう思うのか、気になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、敵の包囲網を抜けたと思ったら帰還途中のシャアの【サザビー】にはちあうとは。

俺も運が無くなってきたのかな?

とりあえず、【ラー・カイラム】があるだろう港に走って行く俺であった。




今回は、前編と後編に分けさせて貰いました。
今、これを書いている所に便意が…
と、言うわけでまた次回へ!(;>_<;)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

シャアの反乱 アクシズ落とし〔中編〕

感想や誤字脱字など、いつでも受け付けておりますので、よろしくです。


現在、俺は【ラー・カイラム】にて、つかの間の休息を取っていた。

まあ、元々療養以外はほとんど働きづめだったので、当然だろう。

テレビ電話ごしだが、家族とも連絡をとった。

 

「パパ!」

「元気にしてたか?ユウナ」

 

今年で六歳になる娘が、「パパだ!」なんて叫びながらママである、ユミを呼ぶ。

うん。可愛い。(ノ≧▽≦)ノ

 

「お義父さん。元気にしてるの?」

 

こちらはプロトプルツーこと、フロル。

会った直後は、めっちゃ攻撃的だったのに、今では年相応の可愛い娘だ。

 

「おう。この通り、元気だぞ。義妹とは仲良くやってるか~?」

「うん。でも最近体調が悪いんだよね…」

「アイスクリームの食べ過ぎだろ」

「ち、違うよ!」

 

図星のようだ。

苦笑しながら、「気を付けろよ」と言っておく。

その後も、色々とユウナやユミと言っておきたいことだけ言って、俺は次の戦いに備える。

 

 

久しぶりにブライトさんに会ったが、威厳が出てきた感じがする。

これで、十年後ぐらいには髭とかはやしてるっぽいから、色々と笑いが止まらない。

アムロさんとも、久しぶりに会ったが、うん。

逆シャアの時のアムロさんだ。

ちなみに、俺はパイロットなので、もちろん出撃するのだが、モビルスーツがない。

というわけで、史実とは違い、【リ・ガズィ】に乗ることになりました。

これはこれで良いのではないか?

ケーラさんが、惨殺されることもないし、チェーンさんがハサウェイに撃ち殺されることもないし、アストナージさんも死ぬことはない(多分)。

確証はないが、歴史を変えられるのだ。

やってみる価値はある。

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに、アクシズ落としの作戦が開始された。

臨時で、俺が第二モビルスーツ部隊を指揮することになった俺は、なんでなん!と思いつつ、引き受けた。

まあ、どっちにしたって俺は一撃離脱戦法で敵艦に攻撃するのだ。

実質的な指揮は、ケーラさん辺りがしてくれるのだろう。

コクピット内では、俺は【リ・ガズィ】のBWS(バックウェポンシステム)の装備を完了させる。

 

「BWSとのドッキング、確認。よし!俺はいつでも出れます!」

 

ブリッジに、準備ができたことを告げる。

 

<よし!第二モビルスーツ部隊、出撃せよ!>

 

カタパルトハッチが開く。

その先には、青い光を引く、大きな小惑星がいた。

 

「クガヤ・アルファラ、【リ・ガズィ】、出るぞ!!」

 

生きて戻れることを願って、言葉に気合を入れた。

射出時の、強烈なGが俺の体にかかる。

これはいつまでたっても慣れそうにない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムサカ級が、【リ・ガズィ】に気付いたのか、弾幕を張ってくる。

 

「今さら!」

 

俺は容赦なく、引き金を引く。

大口径メガ粒子砲と二門のビーム・キャノンの砲口が、光る粒子を吐き出す。

横っ腹に、メインエンジンに集中攻撃する。

直撃した後、間をおかずに爆発する。

俺はそれを何回も繰り返した。

そのたびに、多くの人の声が聞こえた。

あまりの多さに、背中に悪寒が走る。

 

「……うぅぅ…」

 

六隻目を攻撃し始めた頃だろうか。

唐突に目眩がする。

そして、その脳裏に浮かんだのは、子供とも、大人とも言えない雰囲気を持つ、少女がいた。

 

「き、君は…っ!?」

 

その少女の顔を見る前に、強いプレッシャーを感じた。

そのため、顔を見ることはできず、俺はこの事を考える時間はなかった。

 

「このぉ!ガンダムもどきがっ!」

 

【ヤクト・ドーガ】が、ビーム・ライフルとファンネルで俺を攻撃してくる。

オールレンジから、ビームが飛びかよう。

だが、強化人間とは違う、自然に発生したニュータイプである俺は、全て避けた。

 

「なにっ!?まさかアムロ・レイ!?いや、この感じは違う!」

「これで二回目だなっ!ギュネイ!」

 

俺は、エネルギーを切らしたBWSをパージし、モビルスーツ形態に変形する。

そこから俺とギュネイは、ビームを撃ち合い、最後にはビーム・サーベルで打ち合った。

結果から言おう。

ギュネイに勝った。

途中から【ギラ・ドーガ】がやって来たが、むしろ俺にとっては都合がいい。

【ギラ・ドーガ】の頭部や腕を潰し、武器を奪う。

どうせ、ユニバーサル仕様だ。

使えるだろう。

事実、使えた。

ビーム・マシンガンを撃ちまくり、ビーム・トマホークを投げたりと、色々とやっていたら、【ヤクト・ドーガ】はボロボロになり、撤退していった。

それはそれで、俺も助かるので、一度【ラー・カイラム】に帰還する。

 

 




意外となかなか。
前編と後編で終わりにするつもりが…
ちなみに、ユニコーンにはクガヤ君を参戦させるつもりですが、ナラティブにも参戦させた方が良いのでしょうか…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

シャアの反乱 アクシズ落とし〔後編〕

νガンダムは伊達じゃない!

ですな!


戦いは終盤に近づいていた。

数々の戦士たちが、死んでいく中、俺は最後の補給になるだろうと思いながら、推進剤やビーム・ライフル等のエネルギーを補給していた。

 

「推進剤は満タンにしといた!バルカンとライフルは、大事に使ってくれよ!」

「了解です。アストナージさん」

 

再出撃する。

アクシズは、地球に依然向かっている。

現在、【ラー・カイラム】はアクシズに取り付き、破砕作業を開始している。

それまでは、【ラー・カイラム】を守るのがモビルスーツ隊の役目だ。

だが、俺はそれとは関係なく、敵の戦力をとにかく削っている。

そのぶん、エネルギーや推進剤の消費が激しく、BWSももう在庫にはない。

 

「くそ!あっちにサイコミュ持ちのモビルアーマーが居やがる!」

「マジか!」

 

通信からは、【α・アジール】の情報が伝わっている。

そして、ニュータイプの感応もクェス・パラヤという存在を示している。

 

「クガヤ、行きます」

 

カタパルトは使わず、そのままジャンプで出撃する。

とりあえず、【α・アジール】のいるだろう場所へ向かうか。

 

 

 

 

 

 

 

【ギラ・ドーガ】が、行く手を阻んでくるが、即座にビーム・ライフルで撃ち落とされる。

バルカンでも撃墜できるほど、紙装甲になっている【ギラ・ドーガ】は、正直言ってザコい。

とはいえ、性能は高いので侮ることはしない。

隣にいた【ジェガン】が、虚空からのビームに貫かれ爆散する。

 

「来たか!」

 

こちらにも攻撃してくるが、こちらも相手と同じニュータイプなので、動きが読める。

 

「一つ!二つ!」

 

残り少ないバルカンで、ファンネルを撃ち落とす。

 

「三つ!四つ!」

 

バルカンの弾が尽き、今度はビーム・ライフルで。

 

「五つ!六つ!七つ!」

 

落とせないことに苛立ったのだろう。

本体の【α・アジール】が姿を現す。

 

「なによ、コイツ!墜ちなさいよ!」

 

メガ粒子砲を撃ってくる。

 

「そう簡単にあたってやるわけには、いかないのでね!」

 

ビームは外れ、俺はビーム・ライフルで頭部を撃ち抜く。

 

「きゃあっ!?」

 

爆発し、機体のバランスが崩れる。

 

「無力化させる!」

 

ビーム・サーベルを抜き、まずは右の肩のアーマーを切り裂く。

そして、左肩も同じように切り裂き、今度はファンネルを切り、落としていく。

 

「なによ、コイツ…!アタシをなめてんの!?」

 

どうやら、お怒りになったらしい。

残っているファンネルで攻撃してくる。

 

「クェス!止めろ!僕だよ!ハサウェイだ!!」

「なっ!やめろ、ハサウェイ!撃ち落とされるぞ!」

 

【ジェガン】のコクピットを開き、クェスに呼び掛けるハサウェイ。

さすがに無茶すぎる!

ハサウェイを止めるために、【ジェガン】に近づく。

 

「黙れ!黙れ黙れ黙れ!アタシの邪魔をするなぁー!」

「うぅっ!?」

「な、なんだ!?」

 

ニュータイプの能力による、精神攻撃。

それを見た、いや感じた俺はあの光景を脳裏に思い浮かばせる。

 

「や、止めろぉぉーーー!!」

 

あの感覚をくらいたくない。もう二度とあんなのを経験したくない。

そんな感情に流された俺は、反射的に腰部のグレネードランチャーを撃った。

撃ってしまった、そう感じるのに時間はかからなかった。

 

「しまっ…!避けろ!」

 

ショックから立ち直った俺は、すぐにハサウェイたちに回避するよう言う。

だが、あちら側にも唐突すぎたのだろう。

史実通りになった。

 

「どきなさい!ハサウェイ!…ああっ!?」

「クェス!?クェーース!?」

 

ハサウェイは目の前の光景に、クェスの名前を叫んだ。

だが、爆発四散する【α・アジール】にいるだろうクェス・パラヤは答えることはない。

 

「アンタが…!アンタがクェスを!!」

「や、止めろ!俺だって撃ちたくなかった!」

「うるさい!うるさい!そんなんだから、大人は!!」

 

【ジェガン】のビーム・ライフルで俺を攻撃するハサウェイ。

怒りにのまれ、俺に対して殺意を向ける。

 

「ウワァァァァーーーッ!!」

「落ち着け!!」

 

ハサウェイの【ジェガン】の後ろに回り込み、抑え込む。

ハサウェイ機は、離せと言わんばかりにバルカンをあらぬ方向へ乱射する。

 

「はなせぇっ!」

「落ち着いたら離してやる!だから落ち着け!」

 

抵抗できないことをようやく悟ったハサウェイは、泣き始める。

 

「なぜ…なぜクェスを殺した!?」

 

その問いに、俺は答える。

 

「クェスの…あの子の光にビビったんだ。以前、それで苦しい思いをして、精神崩壊してな…」

「そんなんで…!そんなんでクェスは!?」

 

しばしの沈黙が二人の間に入る。

 

「お前は【ギラ・ドーガ】を何機落とした?」

「いきなり何を…!」

「聞いているんだ!何機落とした!?」

「…五機以上だったはず…」

 

スラスターを吹かし、【ラー・カイラム】の帰艦ルートへ向かう。

 

「俺は十機以上落とした。そして、あの子は俺と同じくらい落とした。俺もお前も、あの子も、殺した。人をな」

「…っ!」

「いいか?ここは戦場だ。殺したくないなら、その実力を持て。持てないのなら…そんなことを言うな。確かに俺が、君にとって大事な子を殺した。だが、戦場はそんなもんさ。当たり前の光景だ。俺だって助けられたら、戦場から抜けさせれたらどれだけ良かったか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく、ハサウェイと俺は話し合った。

その内容は、俺としてはあまり言いたくない。

俺とて、本来手にかけなかっただろう人間を殺したショックと、あの攻撃の光をフラッシュバックのように思いだし、気持ちが悪くなる。

俺は、それを忘れるかのように戦いの中に飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、アクシズショック。

アムロ・レイのνガンダムを中心とした虹色の光が、分裂したアクシズを包み込み、地球から引き離す。

そして、戦闘の最中、アムロ・レイとシャア・アズナブルは行方不明になった。

そして、俺はこの戦いでブライトさんに許可をえて、長期休暇させてもらった。

俺の元々の所属部隊【ヘルファイヤ】は、解散され、それぞれの新しい道や勤務先へと別れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




クガヤ君へ

君にこれを渡しておこう。きっと何かの役に立つはずだ。
            A・R


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

休暇の時間

今回はほんわか(?)するお話です。
ちなみに、クガヤが見えた謎の少女はフラグです。
幅広く、ガンダムの二次創作とかのやつを見ていれば、多分わかりますよw


「ふわあ~」

 

朝日の眩しいコロニーの中で、俺はのんびりと休暇を過ごしていた。

もちろん、娘たちと一緒に。

まだ残る眠気に、あくびをしながらも、美味しそうな匂いのするリビングへ降りる。

 

ドダダダン!

 

ぐおぉ…

階段から落ちてしもうた。

 

「お義父さん、大丈夫?」

「ああ、なんとかな…」

 

フロルが心配そうにこちらをみる。

もうあの時とは全然違うなぁ。

マリーダっぽい、お姉さんみたいな感じになり、それでいてとても優しいとは…

本当、どうなるかわかりませんな。

今年は宇宙世紀0095年。

来年で、ラプラス事変やらなんやらが始まる。

 

「確か今年で18歳だったか。フロル」

「うん。そうだよ」

「そうかあ。大人になったな」

「っ!(///)」

 

え?なんで恥ずかしがるのか意味がわかんねぇよ!?

 

「クークン?何してるのかな?」

 

怖いオーラを醸し出す、妻のユミ。

 

「す、すまん。今行く」

「あ、アハハハ…ごめん。私もすぐ行くよ。お義母さん」

 

気まずいなぁ。

でもまあ、それも家族の幸せの一部なのだからしょうがないか。

しかし、何だろう。この殺気は?

不穏な空気の中、俺は朝御飯を食べるためにリビングへ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

ーガランシェール

 

「いいか、マリーダ。今回はお前の姉を探すだけだ。確認できたらすぐに戻ってこい。いいな?」

「了解です、マスター」

 

そういい、マリーダ・クルス…プルトゥエルブは姉の気配を探りながら、【ガランシェール】から降りる。

 

「どこだ?姉さん…」

 

サイド3に不穏な、そして、戦いの空気が近づいていた…

 

 

 

 

 

再び戻ってアルファラ家。

 

「おう!?そこにスマッシュくるか!」

「やったー!お義父さんに勝ったー!」

「パパに勝ったー!」

 

仲良くスマブラをする、一つの家族。

家族みんなで熱くなっている。

 

「あちゃ~。クークン、回避すれば良かったのに~」

「そうだよ。パパ、いつも回避してないもん!」

 

と、そう言われては黙らない俺。

 

「そうかそうか。なら、ここからは本気を出させてもらおう!」

 

と言って、俺は勇者を選ぶ。

 

「お、お義父さんの気配が…!?」

「ちょっと殺気が出てるわよ。クークン」

 

そう言いながら、ユミはパルテナ。

フロルはクッパ、ユウナはルキナを選ぶ。

 

 

ー試合終了

 

 

「ええ!?すごく強いんだけど!?」

「パパ、強すぎ~」

「ヤバすぎる~!」

「フハハ!どうだ!」

 

とまあ、そんな風に圧勝し、お腹が空いたので外で飯を食いに行く。

そうして、楽しい一日が過ぎていく…そう思っていたが…

 

「…………」

 

また、同じ殺気がする。

だが、この感じはフロルに近い…いや同じだ。

フロルも感じているらしく、それを察したユミは先に帰っていく。

 

「で、そこにいるのは、プルトゥエルブ…かな?」

「!?」

 

自分の本名を当てられ、そして気配を悟られたことに驚きを隠せないマリーダ。

 

「出てこいよ。用があるのはフロルだろ?」

「…………」

 

姿を現したマリーダは、バナージと邂逅した時の服装と同じだ。

 

「姉さん。私に付いてきてください。姉さんもまだ、マスターの命令を忘れていないでしょう?」

「…!?」

 

開かれた口からは、かつての彼女らのマスター、グレミー・トトの命令の事だった。

 

「悪いが、プロトプルツー…いや、フロルはうちの家族なんでね。悪いが、アンタのマスターに言っておけ。死んでもいかせる気はないと」

 

と、俺はそう言う。

 

「そうだよ。私はアナタとは行かない。私には私の居場所が…私を迎えてくれる家族がいるんだ!」

「…チッ」

 

おい。いま舌打ちしたな!?

と、突っかかりたいのは抑えて、そのまま逃げ去るマリーダを追うことはなく、俺とフロルはその背中を見るだけだった。

 

 

 

 

 

 

それから数ヶ月たち、俺の長期休暇も終わり、これから訪れるだろう戦いに気合いを入れる。

そして、今、目の前には運命的とも言える、【ネェル・アーガマ】が寄港している。

俺は徒歩で中に入る。

ブリッジで、艦長たちに着任したことを報告し、そして俺の新しい専用機が来るまでの繋ぎとして、【リゼル】が俺の目の前に存在する。

 

「さて、歴史は俺をどう動かしてくれるのかな…」

 




次回は新たなる新機体を、登場させるつもりです。
感想を頂けると嬉しいです。

募集中!
転生時、ガンダムとは全く関係ない世界彼が飛ばされるのならどこがいいか!
そして、閃光のハサウェイにて、皆さんの考えるオリジナルモビルスーツを募集します!(なるべく量産型が好ましいです。エース機でも良いですよ!)
感想にてお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラプラス事変 箱の鍵

さて!
ユニコーン来ました!
感想を頂けると嬉しいです!


ーインダストリアル7

 

「ふうー。確かここら辺かな。作戦のポジションは」

 

ネェル・アーガマ配属になった俺は、副隊長としてモビルスーツ小隊の指揮を取っている。

特別カスタムしてくれた俺の【リゼル】は、機動力と持久戦が上がっている。

 

「あー眠い。突然極秘任務とやらに巻き込まれ、その結果これねぇ。まあ、歴史の重要なターニングポイントに入れたのは嬉しいけどね」

 

ちなみに回線はOFFにしてあるので、聞かれることはない。

 

「【クシャトリヤ】の攻撃に巻き込まれるのはごめんだぞ…」

 

そうこうして、一時間弱。

そろそろ、イベントが発生してもおかしくない頃だ。

一年戦争から約十八年。

俺も年を重ね、今年で三十三歳になり、立派なオッサン。

それなのに、あんまり年を取っていないようで、俺を初めてみる人だと、二十歳前半と勘違いされる。

喜んでいいのやら、嘆けばいいのやら…

 

 

 

 

 

 

不意に、回線が繋がれる。

 

「大型のファンネル搭載機がそっちに向かってる!謎のモビルスーツも一緒だ!」

 

リディ少尉が叫ぶ。

ミノフスキー粒子散布下ではないので、よく聞こえるのだが、ヘルメットの音量が大きめのようで耳がキーンと鳴る。

 

「了解!今すぐ行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

向かってみると、例のモビルスーツ二機が組み合っていた。

【クシャトリヤ】がファンネルを展開する。

 

「大丈夫だろうが…落とさせてもらうな!」

 

ファンネルを撃ち落とす。それを察した【クシャトリヤ】は、こちらにビームを撃ってくる。

 

「当たりはしない!」

 

軽く避け、そのまま横を通過する。

その時、【クシャトリヤ】のパイロット、マリーダ・クルスから、驚愕の感情を感じた。

 

「ふっ。それくらいで驚いてちゃあダメだろ!」

 

ビーム・バズーカとビーム・ライフルを連射する。

全て当たらなかったが、牽制程度にはちょうどいい。

 

「さっさと撤退しろ…!」

 

そう思いながら、バルカンやビーム・ライフルで弾幕を張っていると、【ユニコーン】が飛び出す。

 

「うおぉぉぉーーー!」

「なっ!バカッ!」

 

危うくビームを【ユニコーン】に当てかけた。

これで当たっていたら、結局あのモビルスーツ何だったの?みたいなどうしようもないというか、残念な結果になる。

そして、【ユニコーン】がNT-Dを起動する。

徐々に押され始めた【クシャトリヤ】は撤退し、【ユニコーン】は沈黙する。

とても、騒がしい一幕だった。

 

 

 

【ユニコーン】は停止状態のまま、【ネェル・アーガマ】に運ばれ、コクピットハッチを開ける作業が行われていた。

 

「おう。リディ少尉じゃないか」

 

誰もいない一室で【ユニコーン】を見ていた俺は、民間人を連れたリディが入ってくる。

 

「た、大尉?」

「そんな階級で呼ぶな。隊長と同じく名前で呼んでくれ」

「すみません。クガヤ大尉」

 

まあ、目の前には歴戦のエースパイロットがいるのだから当たり前か。

 

「えぇ!?マジで!?あの〔大地の復讐鬼〕って呼ばれた!?」

「やめて…恥ずかしいし昔の話だし」

 

と、そこでコクピットハッチが開く。

そこで会話を中断し、リディが誰が乗っているのだろうと聞いてくる。

いや、俺に言われてもなぁ。

 

「どこぞの訳あり少年じゃね?」

「少年…ですか?」

「【ガンダム】のパイロット、アムロ・レイも当時は少年だったろ。そして、今まで乗ってきたガンダムのパイロットも大抵は少年だったよ。もはや風習だな」

 

と、そこでコクピットの中がハッキリと見えるようになる。

 

「ば、バナージ!?」

「嘘…!?」

「ほ、本当に少年だった…!?」

 

ああ。なんか気まずい。




ユミ「次回予告でーす。次回は新しいモビルスーツが来るよ~!」

フロル「なにやってんの?お義母さん」

ユミ「次回予告よ~」

フロル「……最初の頃のです口調はどうしたの?」

ユミ「いつの間にか直ってた~。今だと伸びる癖を直さないとね~」

フロル「はあ~」( ̄▽ ̄;)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラプラス事変 フル・フロンタル

更新とても遅れてしまい、すみません!
スマホが初期化してしまいましたのです…



少年…いや、バナージ・リンクスは医務室にて、尋問されている頃だろう。

つい先程、オットー艦長がメガ粒子砲で、サラミスの残骸を破壊したので、なんとなくわかる。

さてさて。

俺は現在、【リゼル】の調整中だ。

先の戦闘で、姿勢制御スラスターや関節の駆動がバグを起こしたらしく、休暇中に学習した(もちろん独学だが)モビルスーツのシステムや設計知識を使って、整備員さんたちと調整しております。

それと、赤い彗星の再来との戦いに備えて。

 

 

 

それから数十分くらいか。

ズゥゥーーンと、遠い爆発音。

 

「やっぱり来ましたな!」

 

【ネェル・アーガマ改】は、すぐに迎撃をするが、やはり全てかすりもせず避けられ、全ての対空機銃が破壊される。

 

やっぱり赤い彗星の再来の名は、伊達ではない。

もちろん、原作通り【ユニコーン】を渡すようにと要求され、突っぱねた。

で、出撃。

カタパルトで射出されるが、その横をビームが横切る。

当たったのは右側のカタパルトを使用していた僚機。

 

「ちっ!副隊長!相手はとても強い!前には出ずに回避に専念しろ!俺が前に出て戦う!」

 

スラスターの出力をフルスロットルにする。

身体に強烈なGがかかり、息苦しくなる。

 

「なんだ!?こいつは他とは違う!」

 

フル・フロンタルの乗機【シナンジュ】が、真っ向から来る俺の【リゼル】に、突如反転し俺の【リゼル】の間合いから離脱する。

 

「やっぱりプレッシャーがすげぇ。冷や汗かくぜ…」

「このプレッシャー…私に本気を出させる相手とは何者なんだ…!」

 

【シナンジュ】が、隕石を踏み台にし、加速する。

デブリから姿を現す合間に、ライフルを撃ってくる。

俺としては、近づきたいのだがあの高速移動に俺の【リゼル】は付いていけないだろう。

と、そこにリディ少尉の【リゼル】がビーム・ランチャーを撃つ。

【シナンジュ】は余裕でかわす。

次に【ジェガン】が、当てずっぽうにビーム・ライフルを乱射する。

しかし、真っ直ぐ飛んでいる【ジェガン】はいい的だ。

俺がそれを指摘する前に、【シナンジュ】のビーム・ライフルが、【ジェガン】のコクピットを貫通。

爆散する。

 

「俺とはやり合わないつもりか!」

 

その頃、【ネェル・アーガマ改】のブリッジでは、原作とあまり変わらず、【ユニコーン】をどうするか口問答していた。

で、結果バナージが自発的に【ユニコーン】に搭乗し、【シナンジュ】と戦うという原作通りに。

 

「ぐぅ!?」

 

ビーム・ライフルの弾が尽きたのか、ビーム・サーベルを抜いてノーム副隊長の【リゼル】のコクピットを貫く。

 

「ノーム隊長おぉぉーー!!」

 

リディが叫ぶ。

 

「よくも!よくも!」

 

シールドのビーム・ガンを連射する。

もちろん、そんなものは当たらずスペースデブリに当たるか宇宙の虚空に消えていく。

 

「うおおおぉぉぉーーー!!」

 

そこにバナージが駆る、【ユニコーン】が突撃する。

 

「バナージ君!あまり前に出るな!」

 

一応、警告をしておくが多分目の前の敵に手一杯で聞いていないだろう。

 

「リディ少尉!【ユニコーン】を援護するぞ!」

「…了解です、クガヤ大尉」

 

落ち着いたのか、リディ少尉は【ユニコーン】の掩護射撃を行う。

そして、【ユニコーン】のビーム・マグナムが唸る。

 

「うはぁ。すげ、かすっただけで撃墜かよ。やっぱえげつねぇ威力」

 

俺はビーム・マグナムの威力を、直に見て改めて驚嘆する。

そして、【ユニコーン】と【シナンジュ】の戦いは熾烈を極める。

【シナンジュ】が撤退をし始めると、【ユニコーン】はそのまま追撃に入る。

原作通りかよ。

 

「まてっ!踏み込みすぎるな!」

「止まれ!バナージ君!」

 

しかし、【ユニコーン】は止まる気配がない。

なので、無理矢理止めようとしたところ、ファンネルによるオールレンジ攻撃によって俺の【リゼル】の左腕と右足を持っていかれる。

 

「ぐうぅ!!」

 

結局、そのまま原作通りに【ユニコーン】は【クシャトリヤ】に捕獲され、戦闘は終わる。

 

 

 

 

【ネェル・アーガマ改】に帰還すると、整備兵たちはあわだたしく艦の修理にいそしんでいた。

中破した俺の【リゼル】は、次の補給で専用機が運ばれてくるはずなので、補充されるパイロットに通常に戻した上で渡されるのだろう。

 

「はあー。づがれだぁぁーー」

 

その日はぐっすりと熟睡した。




フロル「…ねえお母さん」
ユミ「?なーにー?」
フロル「読者の方々に嘘ついてどうするの?」
ユミ「そ、それはー…」
フロル「はあぁ…」
ユミ「じ、次回はパラオ攻略戦!今度こそ新機体がきまーす!!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラプラス事変 パラオ攻防戦

改めて、俺の専用機を見ると感激する。

蒼を基調としたカラーに、細部には赤系でカラーリングされている。

まるっきり、【ブルーデスティニー2号機】のカラーリングににてはいるが、どうなんだろう。

まあ、ともかく今は機体の細かい調整をしているので、とやかくいう暇はないのだが。

 

「クガヤ大尉、サイコミュはどうですか?」

 

コクピットハッチから、整備員さんの声が。

 

「こちとら、初めてファンネル搭載機乗るんだ。んなこといわれてもわからんよ!」

 

事実、ガンダムタイプには乗ったことはあるが、ファンネル搭載機には乗ったことがない。

まあ、アナハイムの【シルヴァ・バレト】とかを除いても、ほとんど連邦にはファンネル搭載機がない。

まあ元々、サイコミュ兵器はジオンの技術なので云々。

横には、リディ少尉が搭乗する【デルタプラス】があり、これもまた一種の感激だ。

 

 

 

 

 

さて、現在【ネェル・アーガマ改】はパラオに進路を取り、バナージの救出に向かっている。

ただ、【ユニコーン】にウイルスが仕込まれたりとかされるらしいのだが、そこは俺の守備範囲外。

作戦会議では、色々と揉めたが、まあ、大丈夫だろう。

まさか、オットーさんの八つ当たりパンチが俺の顔面にヒットするとは思わなかったが。

 

 

 

「【NEO・Hi-νガンダム】、クガヤ・アルファラ、出るぜ!」

 

新機体、【NEO・Hi-νガンダム】のスラスター出力をフルスロットルにして、パラオに向けて翔ぶ。

俺の新しい専用機、【NEO・Hi-νガンダム】は第二次ネオ・ジオン戦争の最中、アムロ・レイの【νガンダム】とシャア・アズナブルの【サザビー】を元に最先端の技術が詰め込まれた18メートル級のモビルスーツ。

とにかくスゴい。

ハイテンションだ。

と、そんな考えは一度消さないと目の前の敵に落とされるので敵に集中する。

パラオに配備されているだろう機体は、【ガザC】や【ガザD】、【ギラ・ドーガ】など、たくさんの旧式モビルスーツ。

しかし、侮ったら死ぬのは変わらないので全力で戦うのみだ。

 

 

 

 

 

数十分たち、まだ戦闘の光が瞬く。

 

「旧式のくせに、やりやがるな!」

 

撃ち合っていた【ザクⅢ】をビームライフルで撃ち抜き、すれ違い様に間近にいた【ガザD】をショットガンモードにチェンジしたビームライフルで吹き飛ばす。

そして、フィン・ファンネルで撃墜されかけた味方の【スターク・ジェガン】を救出した。

 

「ようやくファンネルを自在に動かせるようになったぜ」

 

戦っているうちに、ファンネルの使い方をマスターした俺は、さすがに精神的には疲れているため、補給という大義名分で帰艦する。

 

「ふうー。疲れたぁ…」

 

ヘルメットを脱ぎ、息をつく。

そろそろだと思いたい。

機体はよくても、俺がヤバい。

何せ、初めてサイコミュを使うのだ。精神的な疲労はかなり溜まっている。

調子に乗りすぎたか…

 

 

 

 

 

戦闘終了後、俺は一日中寝ていたらしい。

 




機体説明は、次の話で…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラプラス事変 大気圏突入

機体説明は、最後辺りにあります。


現在、【ネェル・アーガマ改】は【ユニコーン】の標示した地点へと向かっている。

そこでもまた、一騒動起こるのだが、今はそんなことを考える必要はない。

俺の目は、医務室のベットに横たわる一人の女性に目を向けていた。

 

「マリーダ・クルス、か…」

 

今は眠っているが、ラプラス官邸跡につく、直前か?

その際に地球に降り、洗脳されている。

俺としては、彼女を助けたいのだが、俺は連邦軍の士官。

そんなことをすれば、家族に迷惑がかかるし、この先俺がこの戦乱の世界を生き抜くのは難しい。

そう云々と考えていると、医務室にある人物が入ってくる。

 

「君、ちょっと良いかね?」

 

「付いてこい」と言い、医務室から出ていく。

アルベルト・ビスト…だったっけ?

まあ、とりあえず呼ばれたので行くしかあるまい。

 

「それで、俺に何用で?」

「君には、地球に降りてきてもらいたい」

「…は!?」

 

思わず、という感じで驚きをあらわにしてしまった。

だが、そんな失態を消すように俺は早口で「どういうことですか?」と問いかける。

 

「詳しくは言えない。だが、とある試作機に乗ってもらいたいんだ」

 

なんとなくわかった。

アイツか。

 

「ユニコーンガンダム2号機…と言うことですか?」

 

言葉を選び、そう言う。

 

「…それはニュータイプの直感でわかったのかな?」

「どうでしょう?」

 

めんどくさくなると思い、答えを曖昧にする。

会社を運営する人のためだからか、すぐに思考を別にしたアルベルト。

 

「とにかく、そこまでわかってしまったらなら来てもらうしかない」

「ですが、ここで【ネェル・アーガマ】を降りるのはいささか不満です。せめて、次の地点で任務が完了してからでは駄目ですか?」

 

正直、行くことでマリーダを助けれるとは思わない。

しかし、ここで【ネェル・アーガマ】を降りると自分的には心苦しい。

そう思っていると、アルベルトが予想外のことを言い出す。

 

「…まあ、良いだろう。確か、君のガンダムには大気圏突入能力があったな?それで座標のところまで来るといい」

「……ありがとうございます」

 

意外だが、今はとりあえずその事に感謝をする。

 

 

 

 

 

 

「…始まったか」

 

過去の怨霊。

そうとも言えるものが、【ユニコーン】から発せられていた。

もちろん、原作通り混乱しているが。

 

「おっと…!敵さんがおいでなすった!」

 

ミノフスキー濃度が上がる。

なにか来る、そう思った瞬間には赤い機体が俺のそばを過ぎていった。

 

「つ!?すまん!フロンタルを逃した!」

 

後続に、【ギラ・ズール】がやってくる。

紫色の【ギラ・ズール】がいるので、アンジェロがあれに乗っているのだろう。

 

「後顧の憂いは断っておく!」

 

ユニバースのセリフを思わず言ってしまったようだ。

別にヤバいわけではないだろうが。

 

 

「ガンダムタイプ…!?前にはいなかったろう!?」

 

親衛隊機の一機が、驚きの声をあげる。

 

「ええい!動揺するな!撃ち落とせ!」

 

アンジェロが叫ぶ。

 

「アイツは大佐の戦いを、美しい戦場を汚すものでしかない!撃墜しろ!」

 

【ギラ・ズール】たちが、ランゲ・ブルーノ砲改やビームマシンガンを目の前のガンダムに発砲する。

 

「遅い!ファンネル!」

 

先に展開していた、【サザビー】のファンネルがラプラス官邸跡の残骸から飛び出し、真下と真上から攻撃する。

それだけで、四機ほど爆散なり、中破なりしていた。

 

「ぐああぁぁー!?」

「ファンネル持ち!?連邦はあんなものまで作っていたのか!?」

 

親衛隊機が、あっさりと四機墜ちるのをみて、後続の【ギラ・ズール】や【ギラ・ドーガ】のパイロットたちが動揺する。

 

「さあさあ!かかってこいよ!」

 

数はそこまで多くない。

さっさと終わらせる!

 

 

 

 

 

 

 

        ○

 

【NEO・Hi-νガンダム】RX-93-N

 

アムロの【νガンダム】とシャアの【サザビー】を元に開発した、18メートル級のファンネル搭載機。

外見は【νガンダム】の血を濃く受け継いでいる。

基礎設計はクガヤが。製作自体は嫁のコネで、AE社に作ってもらった。

本人には教えられていないが、フルサイコフレームで、実は【シナンジュ・スタイン】や【ユニコーンガンダム】の前身。

この機体でのデータを上記のモビルスーツに活かされている。

 

武装

 

ビームライフル

【サザビー】のビームショットライフルを元に、リデザインと改良をしたもの。拡散・収束・連射のモードチェンジが可能。

 

ハイパーバズーカ

後ろの腰部アーマーにマウントできる。

通常弾道と散弾が使用可能。

 

ビームサーベル

左右の腰部スカートアーマーに、一本ずつ装備されている。下からもビーム刃が出る。

常時展開型。

 

フィン・ファンネル(ファンネル)

【νガンダム】と【サザビー】のタイプのファンネルがある。

【サザビー】のタイプが八基、【νガンダム】のタイプが八基ある。

どちらも、使い捨てではなく、本体に戻り再利用も可能。

性能も向上しており、継戦能力が向上している。

 

90㎜ビームガトリング砲

両腕に一門ずつ装備されている。

【ガンダムNT-1】と形状はにているが、ビーム兵装のため整備性や反動に関しては、ある意味で克服している。

 

ハイパービームランチャー

【Hi-νガンダム】のハイパービームランチャーと、同型。

 

シールド

【νガンダム】のシールドと形状は同じ。

ミサイル、ビームキャノンが内臓されている。




どうでしたか?
楽しめたら嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラプラス事変 獅子の主

バンシィに乗っちゃいます。


最近、お腹の調子が悪い。

なんでだろう?

でもまあ、原因はわかる。

今、俺はユニコーンガンダム2号機【バンシィ】に搭乗している。

 

「機体のロックを解除する。大事な機体だ、ぶっ壊すなよ?」

「わかってるよ。努力する」

 

実は、隣にもう一機あるのだが、それに関しては前回を読んでくれていればわかるだろう。

 

「マリ……プルトゥエルブ、体調がおかしくなったらすぐに言えよ?嘘をつく必要はないから」

「了解です、兄さん」

 

他人の愛娘に兄さんって呼ばせるとかどんな鬼畜ですか!?

これは俺に対する羞恥プレイですか!?

つーか、兄さんと呼ばせるには歳の差がありすぎだろwww.

ああ、ユミが知ったら浮気という、大義名分でアクシズを地球に落とす勢いで粛清しに来るだろうな……………(泣)

 

「アルベルトめ、俺を殺すつもりかっ…」

 

あの憎たらしい豚さんが思い浮かぶ。

でもまあ、根っこはそれなりに優しい人ですから、別に見た目とか顔がとか言う訳ではなく、友達に接するような意味での憎いなので、むしろマリーダといるアルベルトがなんかちょっと可愛く見えた。

いや、俺はホモじゃないからな!?

感性は人それぞれなんですから、気にしないで。

 

「兄さん、まもなく地上です」

「いや、俺は一体誰に言って……あ、ごめん聞いてなかった」

「まもなく地上です」

「いっけね!?」

 

慌てて機体を地上に着地する体勢を取る。

危ねえ危ねえ。

 

「えーと。任務内容はわかってるよな?」

「はい、兄さん」

 

うーむ。兄さんと呼ばれるのは嬉しくないわけではないが、色々と複雑である。

【バンシィ】に異常はない。

マリーダの方もだ。

一応、この戦いで死ぬことはないだろう。

 

「うおっ!マジか!」

 

上空からくる存在に気付いたのか、地上にいるジオン軍残党のモビルスーツが対空してくる。

もちろん、まともに当たって戦死なんてダサいので、スラスターを吹かして回避する。

そして、着陸するためスラスターをフルスロットルで噴射する。

ペダルを踏み際に、アームズのマグナムをぶっ放す。

マグナムのビームがとんだ方向には、旧式化した【マラサイ】が回避しようとするが、ビームにかすり、爆散する。

 

「マグナムはなるべく、民間人に当たらないようにな!」

 

一応、マリーダさんに言っておく。

いやもう、精神的に彼女より年上なので、マリーダさんなんて言えないよ(笑)

 

「了解です、兄さん」

 

返事が返ってくる。

それは良いことだが、やっぱりマリーダファンの人に殺されるな、これ。

 

「はあ……」

 

色々とありすぎて思考放棄した。

 

 

 

 

 

 

【デザートザク】がミサイルを撃ってくる。

バルカンで迎撃する。

そして、ビームマグナムで撃ち抜く。

【デザートザク】が爆散し、その後ろから【ゲルググキャノン】がビーム・キャノンを撃ってくる。

だが、爆煙の中から撃ったので狙いが甘く、当たらなかった。

なので、こちらがマグナムを撃つと簡単に当たり撃破できた。

後ろに敵機、ビームサーベルで対応する。

左腕を切り飛ばされた【イフリート・ナハト】が、右手のヒートサーベルを降り下ろそうとする。

だが、その前に左のアームズで胴体をかっ切る。

爆散する。

こうしたような戦闘がどこでも起きていただろう。

 

 

 

 

 

 

戦闘が終わる頃には、俺は疲労困憊だった。

ああ、クソ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラブラス事変 白き一角獣は行く

お気に入りを確認したらめっさ多かった…!
これからも、よろしくです!


【ユニコーン】は宇宙に上がる。

まあ、それはとっくのとうわかりきっているが。

 

「バナージ君、ブライトさんに逃走の事は聞いているな。俺が援護をするから、バナージ君は君にとって大事な人を助けに行ってこい」

 

接触通信で、バナージ君に話す。

まあ、念のための確認と応援という感じかな。

 

丸腰の【ユニコーン】から離れると、今度はマリーダ…プルトゥエルブが。

 

「兄さん、ヤツとは何を?」

「いや、別に。普通のごく普通な会話をしただけだよ」

「そうですか。ですが、兄さんでもそういうことを次にやればどうなるかは解りますね?」

「おーけーおーけー。そんな怖いこと言わないでくれ」

 

SFSに乗っている【バンシィ】は、俺の【ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ】の肩を接触させて通信を開いている。

つーか、マジでこの機体に感激なんですが。

【ユニコーン】素体に、両腕に【バンシィ】、背中に【フェネクス】の追加装備がある【ユニコーン】の強化機種的なモビルスーツである【ペルフェクティビリティ】。

まさかこんなのに乗れるとは、人生はスゴいもんだ。

 

「まもなく、限界高度まで上がります」

「前方に、ガルダ級を確認!」

 

マリーダの声に、黒い三連星の再来みたいな【ジェスタ】のパイロットたちの一人の声が。

 

「クガヤ君、プルトゥエルブの様子はどうだね?」

 

急にアルベルトから通信。

 

「いや、今のところ大丈夫のようです。精神も安定しているみたいです。ただ、本来の性格と記憶が消えていないみたいなんで、いつか何かの拍子で洗脳が消えますよ」

「そうか。ありがとう、ニュータイプ君」

「やめてください」

「じゃあ、[大地の復讐鬼]君かな?」

「……………」

 

いい加減だるいので黙る俺。

それで通信は終わる。

 

 

 

 

 

そして、時間は来た。

【ユニコーン】が動き出す。

 

「くっ!何を!!」

 

突然、【アンクシャ】を蹴り飛ばし、近くにいた【ジェスタ】を蹴落とす。

【アンクシャ】からビーム・サーベルを奪い取り、他の【ジェスタ】のSFSを斬って落とす。

 

「やられたぁ!?」

「このぉっ!?」

 

落とされた【ジェスタ】二機は、愚痴やら悲鳴やらを上げて落ちていく。

残りの【ジェスタ】と【アンクシャ】が救援に行くのと同時に、【ユニコーン】はガルダ級へ向かう。

 

「させない!」

 

プルトゥエルブがそれを阻もうと、【ユニコーン】と取っ組み合いになる。

そこで俺は、【バンシィ】の横っ腹に蹴りを入れる。

 

「がはぁっ!?」

「ありがとうございます!」

 

プルトゥエルブの息の詰まるような声と、バナージの感謝の言葉。

 

「兄さん!!何故【ユニコーン】を!?」

「いい加減、元に戻れ!マリーダ・クルス!!」

「なんなんだ…私は…私はプルトゥエルブ…私はプルトゥエルブ……私はっ!!」

「お前はマリーダだ!お前の本当のマスターを、お前の本当の父親を思い出せ!!」

「ああぁっ!!黙れ、黙れぇぇーーー!!!」

 

【バンシィ】の装甲の切れ目から、金色の燐光が見える。

 

「お前はただのプルトゥエルブじゃない!お前は、ジンネマンの娘、マリーダ・クルスだ!」

「あなたと言えど、もう許さない!!」

「なら、俺の名前を言ってみろ!俺との思い出を言ってみろ!マリーダ・クルス!!」

「うううぁぁぁーー!!」

 

【バンシィ】がマグナムを撃ってくる。

俺は避けるが、SFSは爆散する。

 

「ちぃっ!!」

 

ガルダ級に降りる。

そして、【ユニコーン】もガルダ級の上に降りてくる。

 

「ガンダムは敵……ガンダムはっ敵!」

「マリーダさん!!」

 

【バンシィ】がデストロイモードになる。

ガンダム形態になった【バンシィ】は、サイコフィールドを展開する。

それに反応するように、【ユニコーン】と【ペルフェクティビリティ】がNT-Dを起動しようとする。

 

「くっ…!ダメだ【ユニコーン】!」

「止まれ!【ペルフェクティビリティ】っ!」

 

不味い。実に不味い。

このまま暴走させてしまったら、後には戻れない。

 

「ぐっ…!!」

 

コクピットの形状が変わろうとするが、俺は素手で止める。

 

「勝手に…勝手になるな!【ペルフェクティビリティ】っ!」

「【ユニコーン】っ!!」

 

そこからは、まるで一年くらい寿命を使ったかのように激闘というか、短くも長く感じる時間だった。

俺は、現在【ネェル・アーガマ改】にて、【ペルフェクティビリティ】の調整とメンテナンスを行っている。

何故なら、このラプラス事変の最終決戦とも言える戦いに挑むため…




ユニコーンガンダムに続けて乗せちゃってます。
色々とカオスってる。
でもまあ、ナラティブでは本来の乗機に戻りますがね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラプラス事変 虹の彼方(上)

クガヤ「ユニコーン編が終わりますなー」
ユミ「そうね~」
作者「次はナラティブなんで頑張ってね」
クガヤ「だるいわ~」
ユウガ「おいっ!作者!俺達の話をそろそろ進めてくれ!!」
作者「ぐぅ」


【ネェル・アーガマ改】に帰還した俺とバナージは、突然乗り込んできたフル・フロンタルたち袖付きと修羅場な展開になっていた。

で、結局格納庫でドンパチやって袖付きは逃げるし、なんか先に運び込まれてた【NEO・Hi-νガンダム】のド頭にビームで穴が開くし、個人的被害では俺がダントツ一位なんですが!?

袖付き……もう許さん。もう、絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛!!

 

「よくも!よくもぉぉーー!!」

「あの人、大丈夫なんですか?」

「大丈夫だよ。専用機持ちにはよくある光景だし」

 

おい!

バナージ君!そんな哀れみの目で見ないで!

そんなかわいそうな目で見ないでっ!

マリーダも!ミネバも!!

タクヤ君まで!(泣)

 

「そ、その兄さん、助けられなくてごめん…」

「ま、マリーダぁっ!?」

「ちょっ、マリーダっ!?」

「兄さん?」

「マリーダ、兄さんって…」

 

上から順に

マリーダ ジンネマン 俺 バナージ ミネバ

 

「お前っ!マリーダに何をした!?」

「ええっ!?お、俺にはどうしようも…!」

「その…父さん、彼は私の姉の親で…」

「それは知っている!だが、なんで兄さんだ!?」

「その…ジンネマンさん、洗脳されてる時にそういう設定にされたんですよ……」

 

ジンネマンがめっちゃ荒れてる。

いい歳した髭ボーボーのおっちゃんが、俺に殴りかかりそうなくらいに肩を掴み、離してくれない。

痛いって。

 

「マリーダっ!こいつをお前の兄なんぞ、認めんぞ!」

「俺からもお願いします。俺はおじさんなんで」

「バナージ、これが修羅場というものですか?」

「そう…だと思う」

「いや、そうじゃね?」

 

バナージとタクヤたちが離れたところでこそこそと話しているが、確かに修羅場だっ!

だから助けて!

 

「父さん、兄さんは兄さんです」

「ま、マリーダぁぁーー!」

「ジンネマンさん!親バカ出しすぎです!?」

 

もう、突っ込みしかないよ。

どうにかしてくれ!オットー艦長!

 

ーブリッジ艦長席

 

「………………」

 

オットーは、その光景を見ていたが何も見なかったことにして映像を消し、紅茶を飲み続けた。

それを見ていたミヒロさんは、顔に苦笑が浮かぶのが押さえられなかったとか。

 

 

ー戻って格納庫

 

「そ、そろそろ離して!ジンネマンさん!」

「許さんぞぉ!」

「止めてください!父さん!」

「さすがに止めに入った方が良いだろ、バナージ?」

「みたいだね、タクヤ…」

「こ、こんなジンネマンの顔が合ったのですね…」

 

もう、色々とカオスになってしまい、ミネバは少し引いて、バナージとタクヤは止めに入る。

マリーダは、一生懸命殴ろうとするジンネマンの腕を抑え込み、俺はパイロットスーツの首もとを捕まれて動けない。

もう、やだぁ(泣)

 

 

 

 

 

それから数時間後、最後の座標であるインダストリアル7に到着するが、またもや袖付き。

色々と大変です。

【ギラ・ドーガ】が、【ネェル・アーガマ改】を狙ってビーム・マシンガンを撃とうとしているところに、ビーム・キャノン!

 

「があっ!?」

 

【ギラ・ドーガ】は爆散し、【ガルスJ】がチェーン・マインでカタパルトハッチを破壊してくる。

だが、味方の【ジェガン エコーズ仕様】が撃墜しそれ以上の損害を出させない。

 

「隊長の仇ぃー!」

 

後ろから【ザクⅢ】がビーム・ライフルを連射しながらやってくる。

俺はマグナムで爆発四散させる。

どんどん寄ってくる。

こりゃ肩が凝る。

 

 

 

 

 

 

数時間後、ようやく物語の終わりに近づいてきた。

 

「ウオオオオーーー!!」

「リディさん…!」

 

今度は【バンシィ・ノルン】がやって来て、バナージを防戦一方に追い込む。

 

「頭冷やせ!リディ・マーセナス!!」

 

俺はビーム・サーベルでビーム・ジュッテを受け止める。

 

「貴様も…!邪魔をするのか!」

「マシーンに飲まれるな!飲まれてるから、倒したい相手も倒せない、お前の心も救われないんだよ!」

「うるさいっ!!」

 

あ、マリーダさんが来る!

不味いぞ!

フロルがいる手前、死なすなんてできん!

せめて、これぐらいハッピーエンドにさせてくれぇ!

 

 




クガヤ「感想、リクエストなど色々と待ってまーす!」
マリーダ「兄さん、アンケート募集があるんじゃ?」
クガヤ「いや、やめてよ。んんっ!えーと、感想もしくはメッセージにて、マリーダの生死を決めたいと思います。やってくれるととても嬉しいです」
ユミ「で、クーくん?兄さんってどう言うことかな?」
クガヤ「な、なんでユミがぁっ!?」
ユミ「ここでは時間なんて関係ないもの♪えーい!」
クガヤ「ヒートロッドぉっ!?」(ビリビリ!)
マリーダ「……次回をよろしく頼む」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラプラス事変 虹の彼方(下)

眠い。
眠いーー!
最近眠気が酷くて、授業をまともに受けられない……期末があるのに…


袖付きとの戦いは熾烈を極め、そしてフル・フロンタルの【ネオ・ジオング】の登場により味方に混乱が起きていた。

一方、そこから離れたところで、【バンシィ・ノルン】と中途半端に修理された【クシャトリヤ】と【ユニコーンガンダムペルフェクティビリティ】が対峙していた。

 

「馬鹿野郎が!!」

「うおおぉーー!!」

 

激しくビームサーベルで切り結ぶ、ユニコーン。

だが、その時間も終わりを告げる。

 

「死ねぇぇーーー!!」

「させるかっ!」

 

俺はギリギリのところで、【クシャトリヤ】に放たれたビームマグナムの弾をアームドのシールドで防ぐ。

 

「一旦そこで大人しくしてろぉっ!!」

 

俺はNT-Dを起動した。

ここは俺がバナージに任せろと言ったんだ。

ちゃんとやらせてもらう。

 

「ヴヴぅぅうりゃぁぁーー!!」

「がはっ!?」

 

思いっきり、コクピットにパンチを入れてリディを動けなくする。

 

「マリーダ、一度帰投しろ!さすがにこれ以上は【クシャトリヤ】が持たない」

「わかりました、兄さん」

 

実質、【クシャトリヤ】の装甲は所々溶けたり、斬られたりと、傷跡が目立っている。

そのため、俺はマリーダに帰投命令を出してマリーダを【ネェル・アーガマ改】に帰還させる。

 

「じゃあ、俺はやれるとこまでやりますか……!」

 

 

 

 

 

 

バナージは、あの屋敷に戻り、そして自分の祖父であるサイアム・ビストと、ミネバと共に対面した。

だが、悠長に話している余裕はなく、フロンタルが現れ、そして再び戦いの場に出ることとなった。

 

「出てきたか!」

 

操縦桿を動かそうとした直前、【バンシィ・ノルン】がやって来た。

 

「すみません、俺は……」

「…誰にでも過ちはある。そして、お前の呪縛がどんなものであろうと、それはお前次第で決めるしかない。俺としては、血の呪縛なんて気にすんなって話だ。正直、今の世の中ラプラスの箱を開けたところで、あんまり変わらないだろ」

「そう……でしょうか」

「とりあえず、今は目の前の敵を叩きのめす。それだけだ!」

 

 

 

 

虚空の宇宙に、まるで神のように、そして赤く染められた巨人と、三機の【ユニコーン】がいた。

どちらも、平行線の話し合い。

 

「フル・フロンタル、あんたは器ならそこにいる必要はない。あんたは偽物のシャアを演じてろ」

「確かに私は器だが、私はスペースノイドの意思を汲み取る器だ」

「勝手にやってるだけだろ。確かにシャアを求めている民衆がいるかもしれない。だがな、シャアは、キャスバルは、彼は優しさゆえに地球を核の冬に閉じ込めようとした。あんたは、そんな優しさもない。ただの器だからな」

「……私がシャアを演じるのに不満があると?」

「別にそういうわけでもないが……なぜ、お前の記憶の底に失敗作の姿が見える?」

「……何を言おうが私は器だ。今までも、これからも」

「…器ならさっさとこの場から消えろ!!」

 

戦いが始まった。

マグナムが【ネオ・ジオング】に襲いかかるが、Iフィールドで防がれる。

ある程度だが。

 

「バナージ!リディ!Iフィールドの内側に入れ!」

「わかってます!でも…!」

「サイコ・シャードが邪魔で動けない…か」

「うおぉっ!」

 

しばらくすると、【ネオ・ジオング】が後ろにリングを展開させる。

 

「っ!」

 

そして、【ユニコーンガンダム】が捕まり、俺ももう一方の腕で捕まれた。

 

「では、時の彼方へと行こうか…!」

 

フル・フロンタルの呟きに似た言葉が、聞こえたような気がした。

だが、それもすぐに消え去る。

 

「宇宙の記憶……!」

「…すげぇ」

 

まずは過去を遡った。

アクシズショック。俺もあの戦いにいた。

ハマーン戦争。フロルと会った。

グリプス戦役。【Ζガンダム】や【ソレデリア】が見えた。

デラーズ・フリート。俺はあの戦いには参戦していないが、男の輝きが垣間見えた。

一年戦争。全てはそこから始まった。

水天の涙、震える山、ア・バオア・クー、ソロモン、オデッサ……様々。

そして、首相官邸ラプラスの破壊。

西暦、様々な激動。第二次世界大戦、日中戦争、第一次世界大戦、日露・日清戦争、明治維新、フランス革命、関ヶ原の戦い……歴史を遡り、越えていく。

そして、今度は未来。

フェネクスの捕獲、マフティー、クロスボーン、火星ジオン、木星帝国、ザンスカール帝国……

 

そして、全てが無に還る。

寒い。

寒い。

 

「寒い…!」

 

だが、いつかはそうなる未来を、どうしようが俺には関係ない。

 

「いずれ、全てが無に還る。見えているだろう?バナージ君。そして、クガヤ・アルファラ」

「それでも…それでも…!」

「そんなのは、今を生きる俺達には関係ない!今を俺達はそれでもと、生きるしかないんだよ!」

 

【ユニコーン】が共鳴しあい、覚醒する。

 

「うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」

 

俺は、機体を拘束する腕を引きちぎってぶっ飛ばし、バナージは徒手格闘で【ネオ・ジオング】の装甲をぶち破り、破壊していく。

そして、全ての時が戻った。

 

「バナージ、コロニーレーザーが来る!」

「マジか!」

「くっ!」

 

リディには、何が見えたかはわからない。

それでも、彼等がとてつもないことをしてきたことを理解し、尊敬した。

だが、コロニーレーザーはそんな感慨に浸っていられない。

 

「【ユニコーン】!!」

「サイコ・フィールド!!」

「やらせないっ!」

 

【ユニコーン】のシールドが前に、その次にバナージ、俺、リディの順でサイコ・フィールドが展開される。

あの光だ。

そう、奇跡の光。

 

「来たっ!」

 

凄まじい衝撃が、俺達を襲う。

そして、俺の体には多大な負荷がかかり、気を失いそうになる。

だが、ダメだ。

ここでなくしたら、もう二度と戻れなくなる。

【ペルフェクティビリティ】がそれに呼応するように、光る。

目の前の【ユニコーン】が結晶化した。

そして、俺も。

 

「「うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」」

 

絶叫。それだけしか言えないだろう。

俺の肉体から離れた俺は、前世の俺を見た。

幸せそうで、そして悲しみ。

俺の死。

そして、恩師や仲間達の姿が見えた。

俺はどこまでも行けそうで、怖かった。

ダメだ。これ以上は、本当に帰れない。

待っている人達がいるんだ。

もう、思考もまともに動かない。

言葉の操りがおかしく感じる。

 

《クガヤ・アルファラ!お前は生きて生き延びて、死んでみせろ!!》

 

一年戦争からの先輩で、恩師。

 

《貴様は、俺を倒したのだろう?ここで果てるなら、貴様は人間以下だ!》

 

宿敵。あの時、俺がとどめをさして、俺にトラウマを植え付けた。

 

《アナタハ、ヤサシイ人。ワタシヲ拒絶シナガラ、ウケイレヨウトシタ、オモシロイ人》

 

かつて、システムに飲み込まれかけて、いつの間にか対話できるようになった、マリオン。

 

皆、俺の帰るべき方向を教えてくれる。

指差す方へ、向かえば!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラプラス事変は、ラプラスの箱の開示と共に終息。

袖付きは壊滅し、ミネバやその関係者も行方をくらました。

俺は、一週間ほど昏睡状態になり、目覚めたあとは早速また別の任務に呼び出せれた。

フェネクスの捕獲。

ユニコーンガンダムは封印された今、俺はまた戦地に向かう。

 




眠いので、文章がおかしくなってるかも……

それと、お気に入り五十人を越えました!
(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
ありがとうございます!
引き続き、「宇宙の彼方」へをお楽しみください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

フェネクス捕獲作戦 暗礁宙域にて

そろそろナラティブ書かなきゃなって。
ハサウェイやるし……




???side

 

「クガヤ・アルファラ大尉……一年戦争からのベテランで、最近ではラプラス事変での騒動にも………ね」

 

「彼をこの作戦に参加させるおつもりでしょうか?」

 

「ええ、彼の機体はサイコミュを持っているし今だ秘密裏にサイコフレームを使用している……使わない手はないでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やあ、俺はクガヤ・アルファラ。

階級は大尉だ。

一週間、俺は昏睡状態になっていたようで、なんやかんやで俺は連邦軍の大尉としてとある捕獲作戦に赴くことになった。

まあ、時系列的にフェネクス捕獲作戦だろう。

もちろん、主人公のヨナ・バシュタ少尉とも出会った。

まあ、軽く挨拶程度だが。

まだ微弱で未覚醒だが、ニュータイプの素養はある。

やはり、リタ・ベルナルによって……かな?

 

「ニュータイプは伝染する………ね」

 

思わず呟いたが、正直劇中の描写もしっかりと描かれていたのであり得ると俺は思っている。

人間は、いや生物は何かしらの刺激を受けて進化し、成長していく。

例え、元がオールドタイプであってもニュータイプによって本来使われていなかった部分に刺激を与えれば………ニュータイプと呼ばれずともサイキッカーやら何やらになるだろう。

おっと、そろそろ出撃だ。

増設ブースターを点火して、先に出たナラティブガンダムを追いかける。

とはいえ、あちらの方が推力、加速力共に上なのだが。

 

「ま、やれるだけやりゃ良いよな」

 

正直、俺は気になっている。

リタ・ベルナルが死んでいるのなら何故コクピットに遺体がなかったのか。

少なくとも、モビルスーツに乗るまではモビルスーツは起動としないし、動きもしない。

そして、試験中に異常が起きたのだから絶対に乗っているはずなのだ。

それでいて、彼女の遺体がない………それは彼女の体がサイコフレームの力で、消えたのか。

それとも、本当はカミーユやハマーン、シロッコがやったように、相手の動きを阻害するような技の発展でフェネクスに憑依したか。

俺としては、遺体かどうかは知らないが、体自体はどこかに安置されているはずだ。

確証はないが。

 

「見えた…っ!」

 

まばゆく輝く金色の装甲を光らせて、青色の光か宇宙の軌跡として引かれる。

 

「ビームライフルで足止め…!」

 

まだ、この戦いは始まったばっかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、フェネクスは捕らえ損ねた。

原作通りに動いて、終わったが少なくとも俺も彼女に接触した。

彼女には、静かにこう言われた。

 

【彼を……ヨナを手助けして…】

 

…………故人である。

それは間違いなかった。

何故なら、彼女の気配は今まで感じてきた気配とは全く違うし、根本から違う気がした。

 

 

 

今回、少しの間お世話になるクラップ級ではイアゴ小隊長殿とその部下と挨拶していた。

 

「地球連邦軍ロンド・ベル隊所属、クガヤ・アルファラ大尉だ。少しの間だが、よろしく」

 

やはりというか、ここでも俺は有名人らしい。

何人かにサインを求められた。

その人達が死ぬことがなければ良いが…………戦場はどう来るか解らない。

俺ができるのは、できる限り守るだけだ。

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに、アフターストーリーのファンタジー版的なものも少し前から書いています。(5月時点)

なので、良かったらそちらもよろしくです。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

フェネクス捕獲作戦 コロニーでの一戦

閃光のハサウェイが楽しみでございます。

明日、見に行くので書いちゃうぜ!




俺はナラティブガンダムの換装を見ていた。

映画やDVDなんかで見たことはあるが、こんな近くで見ることなんて人生に一度あるかないか。

そもそも、ナラティブガンダムはνガンダムの武装試験などの多目的試験運用を目的とした機体だ。

だからこそ、ぶっちゃけこのガンダム、お目にかかれるのは激レアなのである。

フォント君ならめっちゃ喜ぶだろうな。

まあ、撮るわけにもいかないから何もできないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ナラティブガンダムの武装の換装を終えて、ヨナ少尉の訓練をしていた。

俺は見ていたがやはり、あまり腕はよろしくはない方だ。

 

「クガヤ隊長、コイツどうします?若干強化されたぐらいで腕はよろしくないですよ?」

 

「それは見てりゃ解るさ。だけど、それは経験的な問題だ。素質は良い方だよ。ま、結局戦場に出てないボンボンと同じと言うのは同感だけどな」

 

ちょうど、射出したインコムが絡まり、良いように撃たれるナラティブ。

これが実戦となるとそれなりにデキるもんだから、驚きだよ。

 

「つーか、いつの間にか俺隊長になってんの?」

 

「イアゴ少佐が強さならクガヤ大尉が一番だと仰っておりました。クガヤ大尉が望むなら隊長の座を渡してもいいだとか」

 

「おいおい、俺は元々志願兵かつ少年兵だったんだぜ?いくらベテランとはいえ、階級は大切でしょ………」

 

信用してくれるのは嬉しいが、さすがにそれはアカンだろ。

実際、俺達の通信を聞いちゃってたのか、ダマスカスの艦長さんも苦笑いだし。

まあ、彼らとしてはアムロ・レイに並ぶ実力を持っている俺に期待してるんだろう。

その気持ちは解らなくもないが、あんまり宛にされても困る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クガヤ・アルファラ、NEO・Hi-νガンダム、出るぞ!」

 

カタパルトから射出され、強烈なGが体にかかる。

一年戦争では、これが結構固くて戦闘後は大抵痛くなったりした。

それが今では解消されている。

ホント、時代ってやつだなぁ。

機体をコロニーに向けてスラスターを吹かしながら、これからどうするか考える。

どっちにしろ、ルオ商会の謀略で袖付きの残党とはちあう。

あっち側はまだ関係がないから、ゾルダンなんか容赦なくビームライフル撃ってくるだろう。

これが撃っちゃうんだよなぁ!って良いながら。

何にせよ、コロニーへの被害は抑えたい。

とりま、ヨナ少尉のナラティブガンダムに引っ付いておくか。

 

 

 

コロニー内に入れば、中は雨と雲で覆われ、視界は最悪。

俺はナラティブガンダムの後ろを付けるように、動く。

 

「クガヤ大尉、何かヨナ少尉に不審な事でも?」

 

と、イアゴ少佐。

接触通信のため、他の隊員には聞こえていない。

 

「いや、彼は不審人物じゃないし、まあ何か言うと闇抱えた半分中二病みたいなもんさ」

 

「ちゅ、中二病?」

 

「まあ、ともかく彼の後ろをついているのは一応命令違反も考えてと言うのまあるからね。若気の至りって感じさ」

 

おっと、ナラティブが唐突に雲の奥へ突き進む。

 

「おい!ヨナ少尉!勝手に動くな!ヨナ少尉!」

 

「俺が追いかける!」

 

追いかければ既にヨナ少尉は接敵していた。

 

「全機!袖付きを発見!ビームサーベルで迎撃だ!」

 

そう言いながら俺は機体を地面に着地させて、避難を促す。

と、そこにビームライフル。

俺はシールドで防御する。

 

「ちっ!フィン・ファンネル!行け!」

 

コロニーに穴を空けるわけにはいかない。

シールドを掲げながら、フィン・ファンネルを起動させ、最低出力でシナンジュ・スタインに攻撃を指示する。

 

「何だぁ!?ファンネルだと!?コイツか!?」

 

一方のゾルダン・アッカネンは、唐突にファンネルが攻撃を仕掛けてきており、目の前のナラティブガンダムがやったのかと、誤認したが直ぐ様否定する。

ファンネルの形からして、あの機体には無かったからだ。

 

「ということは………下で汚れ仕事をしているやつかぁ!」

 

「っ!行かせない!」

 

ゾルダンはクガヤ機に向かい、ヨナ少尉はそれを追いかける。

 

「インコムを最低出力にすれば……ッ!」

 

インコムを射出。

しかし、それがゾルダンを怒らせる。

 

「ああっ!?俺には二流のガンダムで充分ってかぁっ!?」

 

あっさりとインコムはケーブルを斬られて機能を停止し、蹴飛ばされたナラティブは建物の上に激突してしまう。

 

「さあ、俺と遊べよ!ガンダム!」

 

「遊びでやるもんじゃねぇんだよ!戦いはぁ!」

 

俺はビームサーベルを抜刀し、シナンジュ・スタインに斬りかかる。

フィン・ファンネルは既に収納し、再充電中だ。

 

「コイツ………強いなっ!」

 

「コロニーの中でビームライフル撃つなよバカ野郎!」

 

ビームサーベルとビームサーベルがぶつかり合い、ビームの粒子が周囲に巻き散られる。

とはいえ、中が雨なので人にはほとんど被害は出ていない。

 

「クガヤ大尉!」

 

「ヨナ少尉!」

 

「邪魔すんなぁ!」

 

シナンジュ・スタイン、ナラティブガンダム、NEO・Hi-νガンダムが三角形の形で並び立つ。

ナラティブガンダムは右手にビームサーベルを抜刀しており、シナンジュ・スタインのコクピットに突っ込む気が満々である。

 

「ちっ!二流が邪魔すんな!」

 

シナンジュ・スタインのバルカンが、ナラティブに飛ぶ。

全て弾かれ、幾つか跳弾する。

そして、外れたバルカンの弾はその先にある民間人たちの周囲に当たり、吹き飛ぶ。

 

「バルカンだからって……!民間人がいるんだぞぉっ!!」

 

俺はビームサーベルを叩きつける。

だが、シールドを斬るまでしか出来ず、シナンジュ・スタインとナラティブガンダムの戦いに雪崩れ込む。

俺はそれを援護する形になる。

上空では、ビームサーベルとビームトマホークがぶつかり合い、決め手に双方かけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行かなきゃ……!

 

 

 

 

 




とりあえず、ここまでですね。

次回は(セカンド)ネオ・ジオングの登場だわさ!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

フェネクス捕獲作戦 悪意の巨神

なけなしの小遣い片手に家を出ようとしたとき、はっと気付いた。

そういや、映画館開いてないよな……と。

これで閃光のハサウェイ観れなかったら呪ってしまいそうです。
ナニとは言いませんが。

とりま、調子が良いので投稿!




戦況は、中々動かなかった。

だが、コロニーとしては最悪だと言っていい。

なんせ、デカブツがコロニーにドデカイ穴を開けてくれたのだから。

おや、まだかと思ってたらフェネクスがやって来た。

 

「荘厳だなぁ………」

 

この一言に尽きる。

しかし、やはり原作通りに進んでいる。

ナラティブがⅡネオ・ジオングに取り込まれかけ、フェネクスが救い、ゾルダンは激怒。

コロニーの空気はドンドン無くなって、学園都市は恐怖のドン底に落とされる。

うん、やっぱ許せんわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

双方撤退し、ナラティブガンダムが箱詰めにされるなか、俺はヨナ少尉に話しかける。

 

「ヨナ少尉、少し良いか?」

 

「……はい」

 

誰もいないとある一室を使い、彼と話す。

 

「ヨナ少尉、君は彼女を助けたいんだろう?」

 

「……!!」

 

「俺もまた彼女………リタ・ベルナルと同じニュータイプだからな。解らないわけがないさ。それに、君を手助けしてほしいとも言われたしね」

 

「リタが…………」

 

「覚悟は、できてんだろ?」

 

「っ!はい!」

 

「なら、俺も手伝うさ。NT-Dがあるなら、それを従えさせろ。自分の意思で、アイツを動かせれるようにしろ。それがパイロットとしての責務でもあるし、プライドでもある………かもな」

 

「……NT-Dは…誰でもあんな感じになるんですか?」

 

と、彼は訪ねる。

きっと、それはNT-Dの感触のようなものだろう。

 

「まあ、最初は同じかもな。結局は、あれはサイコフレームと同じ、人の意思でその力を変化させる。ΖガンダムやZZガンダムのバイオセンサーが良い例だ。一番良い例ははアクシズショックだと思うがな」

 

しばし、話し合う。

そして、彼は色々吹っ切れた感じで感謝を告げてどこかへと向かう。

きっと、リタの元へだろう。

 

「さて、俺も出撃の準備をしますか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘリウム3貯蔵宙域で爆発の光を確認!」

 

「何だと!?」

 

「艦長、俺が出る!」

 

「俺も行かせてもらう!ユニバーサル仕様のブースターユニット、まだあるだろ!?」

 

「お、おい!」

 

色々艦長さんには悪いが、向かわせてもらう。

それと、彼に言っておかなければならないことがあるな。

 

「イアゴ少佐」

 

「ん?何ですかクガヤ大尉?」

 

「イアゴ少佐は俺の援護を頼んでもらっても良いか?一度、俺はあの機体と戦ったことがある。あれは機体をジャックしてくるからな」

 

「………!了解しました!」

 

「おいおい……階級はそっちが上なんだから、敬語はいらんぜ…………」

 

ホント、有名になるってのも大変だよ………

 

 




繋ぎなんで超短いです。
だって、ちょうど千文字やったし……



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

マフティー動乱 マフティー・ナビーユ・エリン

ネタバレになります。
嫌な人は見ないでくださいね!

曲はめっちゃ良いし、戦闘シーンも良かったぜ!

マフティーとレーン・エイムのテーマ曲は流れんのかな……?
















シャアの反乱から12年。

フェネクス捕獲作戦から8年ほど。

俺は今では良き友である(いわゆるパパ友)ブライト・ノアに頼まれて息子であるハサウェイの護衛をしていた。

久しぶりに会った彼は、まあ当たり障りの良さそうな青年になっており、これがあのマフティー・ナビーユ・エリンだとは思わないだろう。

これから彼とも戦うことになると思うと、俺としては辛いところがある。

実は同時に転属命令もあって、ダバオにケネス・スレッグ大佐と共に行くことになったのだが、まさかそれだけで高級の旅客機に乗れるとは思わなかったね。

 

「久しぶりの地球だが、何か思うところはあるかい?ハサウェイ」

 

「特にそこまで思うことはないですね。でも、楽しみではあります」

 

彼とはシャアの反乱後、彼のメンタルケアやちょっとした殴り合いを経て、原作ほどなのかは知らないが、クェスに対しての深い執着を見せないようになっていた。

それでも、やはり心の奥底ではクェスを殺した俺のことを憎んでいるだろう。

無意識なのか、それとも自覚してなのかは解らないが。

にしても、ケネスはゲームでのケネスではなく、劇場版のケネスだったので、劇場版は二部までしか見れてない俺としてはとても判断に困る。

何せ、三部が公開直前に事故で死んだからな。

結末が解らないまま、俺は転生したのでどこがハサウェイの生死を変えられるキーポイントになるのか解らない。

原作では死んでたしな…………

 

「おや、クガヤ大尉じゃありませんか」

 

「え、えーと君は?」

 

ちなみにまだケネスとは初対面だったりする。

 

「おっと、俺の名前はケネス・スレッグで、階級は大佐だ」

 

うん、イケボだね。

これで痴話なんかするもんだから、当時の俺はオイッ!?てなった。

 

「じゃあ、俺だな。改めて俺はクガヤ・アルファラ。階級は大尉だ。同じ転属先としてよろしく」

 

「ほう……もう一人いるとは聞いていたが、まさかかの有名なー」

 

「や、やめてくれ。名前が中二病すぎて我ながら恥ずかしいから」

 

「おっと………すみません」

 

おい、笑ってんじゃねぇよ。

まあ、仕方がないか。

こんなのが一年戦争で大戦果をあげたパイロットなんて言われても、あだ名でこの反応じゃね。

 

「いや、別に貴方の実力を疑ってる訳ではないんですよ。ただまあ、俺としてももう少しネーミングをどうにかできなかったのかと思ってるんですよね」

 

結局の所、俺の異名を弄りにきてるね。

ハサウェイが笑いを堪えてるぞおい。

 

「へぇー…貴方がクガヤ大尉?」

 

おっと、今度はミステリアスなヒロインさんがやって来た。

 

「……君は?」

 

「私はギギ・アンダルシアよ」

 

「俺の自己紹介は……もう不要だよな」

 

………やっぱり、ニュータイプに近い素養を持ってるな、この()

覗くと吸い込まれそうだ。

でも、可愛いね。

俺には妻がいるから、どうこうしようなんて思わないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、そのあとはケネスが手荒いに行って、俺は元の席に着席。

………あのねですね、ギギさん。

あんまりこっち見ないでもらえます?

ハサウェイも何事かと見てますよ?

それにまあ………マフティーの偽物も来るし。

確か、大気圏用のブースター装備のギャプランがいるんだよね。

ま、俺は銃の準備をするけど。

 

「……クガヤさん!?」

 

「…敵だ」

 

「え!?」

 

と、ハサウェイが驚くのと同時だった。

ダダダダンッ!と、銃声が響き渡る。

 

「ちっ!」

 

銃のセーフティを外してすぐに撃てるようにするがまだ取り出さない。

下手に銃を取り出せば、没収されるしね。

そこから先は勿論原作通り進んで、カボチャ頭のマフティー擬きが何だかんだで官僚を射殺する。

久しぶりに大量の血を見るが、特に何とは思わない。

それは連邦政府の官僚がゴミだからか、それともそういうのに慣れてしまったからなのか。

それは解らないが、ともかく死体の片付けをハサウェイと共にする。

そして、ギギの応援とも、正体を暴露するともいえる発言をする。

 

「やっちゃいなよ、そんな偽物なんか!」

 

ハサウェイが動く。

ケネスから奪った拳銃の引き金を引いて、太股を撃ち抜く。

そして、抜いて前にいる奴を撃つ。

と同時に俺はケネスにライフルを向けていた奴を迷わずヘッドショット。

手足を狙えば撃ちそうだったし、ヘッドショットは仕方がないと思ってほしい。

 

「ケネス!」

 

「!」

 

俺はカボチャ頭のやつからライフルを投げ渡し、ハサウェイを追う。

銃声を聞きつけたのか、一名こちらに来たが下腹部に撃って肩を撃ち抜く。

旅客機のコクピットにハサウェイが一人を抑えて、ピエロの仮面を被った奴が薄気味悪い笑い方をしながら銃をハサウェイに向ける。

が、撃つ前に俺が二度目のヘッドショットを食らわせる。

 

「……ハサウェイ、どうするつもりだったんだ?」

 

「…わからない」

 

何かケネス大佐のセリフ取っちゃったみたいでなんか謝りたくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、無事に到着したがクソババアとか気色悪いジジイ共が何やらハサウェイと共に自慢云々をしたりでウザかった。

 

「はぁ………ハサウェイ、ほれ」

 

「ありがとうございます」

 

俺はコーラを頼み、ハサウェイはジンジャーエールを頼んでいたので、俺は受け取ったジンジャーエールをハサウェイに手渡す。

 

「にしても、災難だったな」

 

「マフティーの名前を騙る奴等ですか」

 

「ま、お偉いさんが頭クルクルパーなのが一番悪いんだけどな」

 

「同感です」

 

「かといって、テロみたいな事をしても最終的にはあまり効果は高くないだろうから、結局政治家になるしかないんだろうなぁ……俺はごめんだけど」

 

「………………」

 

おや、いつの間にか後ろにはギギがいた。

ハサウェイに席を座らせ、彼らの話を聞きながらコーラを飲むのに集中する。

まあ、ここでギギにハサウェイがマフティーだと言われるのだが俺がいることでどうなるのか………少し気になる。

 

「クガヤさんも気になるんでしょ?マフティーが誰か」

 

おっと、話題を振り掛けられた。

 

「まあ、気になるっちゃ気になるね。これから戦うかもしれない相手だからな」

 

「…………嘘ね」

 

「おや、気付かれたか」

 

「もう知ってるんでしょ?誰かなんて」

 

「ま、ここでは言わんさ。と言うことで俺はここでお別れだな。ハサウェイ、死ぬなよ?」

 

と、俺はハサウェイと別れを告げて基地へと向かう車に乗る。

後は運のみぞが知るってね。

俺も事情聴取されたが、すぐに終わったし問題はない。

だが、基地に行く前に適当に散策するか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………モビルスーツで遊んでやがるぜ、あの無能警察共。

連邦政府はなんでこんな奴等にモビルスーツなんか配備させんだよ……いくら警察にもとはいえ、扱う奴等がダメだ。

 

「マンハンターも、警察も糞食らえだ」

 

 

 

 

 




一部は終わらせますぞ。
見たのだから早めに書き終わらせたい……


感想なくて寂しいぜ………
モビルスーツ案、ありがとうございます~



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

マフティー動乱 メッサーとの戦い

グスタフカールとメッサーとのあの戦いは、ベテランの兵士たちからしたら激おこぷんぷん丸でしょうね………主にグスタフカール。

ということで、クガヤに殴らせますw




さて、一度ハサウェイに会い、そのあと基地に向かうがレーン・エイムが着任と同時にスッゴい憧れの目でこちらを見てくる。

 

「自分はレーン・エイム中尉であります!クガヤ大尉は自分の憧れの一人でもあり、会えてとても光栄です!」

 

「ま、まてまて。そこまで礼儀正しくしなくても良いぞ?俺は志願兵上がりだし、俺だけの実力じゃない」

 

「またまた、ご謙遜を」

 

「ちょ、ケネス大佐ぁ!?」

 

周囲で笑いが起きる。

だが、それもサイレンが鳴り響くまではの話だ。

 

「敵襲!敵襲!これは演習ではない!」

 

「マフティーか!」

 

「レーン・エイム中尉、君の腕を見させてもらうぞ」

 

「はっ!」

 

どうも、俺は人気者らしい。

アムロ並みに盛大にプロパガンダに俺の名前が使われたのだろうか?

当時は戦争でそういうメディアには疎くなっていたから、解らん。

 

「Hi-νガンダムは使えるのか!?」

 

「まだです!誰ですか、こんな無茶苦茶なプログラムしたの!」

 

「あんのバカ野郎……!」

 

俺は心当たりのある俺の娘を脳裏に浮かべる。

末っ子の癖に、天才として産まれてきたもんだからモビルスーツのプログラムもお手のもの………で、悪戯か?

最近は構ってやれてねぇからな………だが、こんなときに役に立てなくするようにするとかふざけんなわ!

と、行き場のない怒りをぶつけながらも俺は言う。

 

「なら、余ってるグスタフ・カールかジェガンを出してくれ!」

 

「グスタフ・カール一機出せます!」

 

「よし!」

 

俺はグスタフ・カールに乗り込み、起動させる。

FD-03という型式番号とグスタフ・カールの英語表記がモニターに現れ、全周天モニターが起動する。

 

「よし、視界もシステムもオールグリーン。いつでも行けるな!っと!?」

 

爆発音。

かなり近い。

 

「クガヤ大尉!先に出ます!」

 

「おうよ!さっさと出ろ!」

 

「ミサイルをさっさと撃て!迎撃するんだ!」

 

レーン・エイムのペーネロペーが飛び出し、足元では通信機片手に迎撃を命令するケネス。

 

「ケネス大佐!そんなところにいると、踏み潰されますよ!」

 

外部スピーカーでケネスに伝えるとすまないと、ジェスチャーしてその場を退避する。

 

「管制塔、しっかり迎撃を頼むぞ!」

 

グスタフ・カールのスラスターを起動させ、格納庫から飛び出し、一気に飛び上がる。

 

「メッサー……見つけた!」

 

相手もこちらに気付く。

とはいえ、まだ原作を破壊するわけにはいかない。

ある程度ダメージを与えるにしておこう。

 

「頂く!」

 

「ぐっ!?」

 

メッサーのビームライフルを狙うが、照準が甘かったか外れる。

 

「コイツ、エースだな!?」

 

「まさか、大地の復讐鬼!?」

 

「迎撃が雑だ!もっと敵を狙え!バカ!」

 

基地を強襲するメッサー二機は俺の存在に驚き、俺は危うく当たりかけたミサイルを避けながら管制塔に文句を言う。

やはり、腐敗したとこじゃ質が悪いか…………

 

「政府官僚のいるホテルに攻撃!?」

 

どうやら、あちらさんでも攻撃が始まったらしい。

 

「メッサー二機は退くか……」

 

「クソッ!左腕をやられた!」

 

一機に左腕をぶっ壊してやったが、まだ浅めだ。

ちょいと鈍ったか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一方のメッサーこと、ガウマンは目的通りビームライフルでホテルをブチ抜く。

しかし、そんな彼にも敵がやって来る。

 

「ちっ!来たか!」

 

「当ててやるさ!」

 

一機のグスタフ・カールがビームライフルでメッサーを狙うが、回避したことにより外れる。

 

「無駄に撃つな!後、町に向けんなよ!」

 

と、俺は忠告するがコイツら全く聞かねぇ……!

 

「ふん!落ちろ!」

 

「ぐわぁ!?」

 

最初に撃った奴が胴体に直撃をもらい、爆散する。

残りのはやたらめったらに撃ちまくり、市街地にビームが落ちる。

 

「こんのバカ共が!」

 

俺は急降下して、シールドでビームを防ぐ。

が、それでも間に合わない所はあるためそこに民間人がいないことを願うのみ。

 

「コイツら……正気かよ!?」

 

「激しく同意だ!」

 

俺はビームサーベルを抜刀し、空中でメッサーのシールドに斬りつける。

そのため、ガウマンの名台詞的なセリフを聞けたぜ。

まあ、その意見には激しく同意なので思わずと言った形で答えたが。

 

「コイツがあの復讐鬼か!」

 

「あいにく、その名前を呼ばれるのは好きじゃないんで早く落ちろ!」

 

さらにビームサーベルが斬り結び合う。

ひょんなことに視線を端っこに寄せると、ハサウェイとギギらしき姿を見つける。

 

「おい!?味方がいんのに上から撃ってくるバカがいるか!?」

 

で、上にいる奴等は何を思ったのか撃ってくる。

さらに市街地に被害が及ぶが、やめる気配はない。

 

「後で修正してやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終的にガウマン機は行動不能になり、原作通りに捕まる。

ペーネロペーは上空で適当にやってたから、何とも言えないがまあそれでもケネスにハサウェイにペーネロペーを任せるなんて言われちゃ、レーン・エイムは頑張るしかないわけで。

 

「ケネス大佐、彼はちゃんと素養があるからペーネロペーは任せても良いと思うが」

 

「そうかい?まあ、ともかくお疲れ様です」

 

「ちょいと今回のグスタフ・カールのパイロット呼んでくれないか?」

 

「ん?まあ良いが。なんだ、称賛でもするのか?」

 

「………修正パンチするだけさ」

 

「………なんだそりゃw」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このバカ共が!」

 

「ガッ!?」

 

俺は思いっきり20代後半くらいの男に、渾身のパンチをくらわす。

 

「な、何を!?グワッ!?」

 

「く、クガヤ大尉!?ヒグッ!?」

 

「てめぇら!市街地に被害出さないようにできただろうが!無闇に撃つなと言ったろう!」

 

「しかし!あれは……グハァ!?」

 

口答えする男に腹パンをくらわせる。

 

「敵のせいか?なら近接戦闘か下のポジションを取るんだよ!避難してる民間人がいるってのに、何ビーム呑気に撃ってんだよ!?よくそれでエリート面できるな!」

 

…………何だか白髪案件になるわ。

 

 

 




突貫で執筆(途中から)。

映画を見た方々も、殴りたかったのでは?
修正パンチをお見舞いしたかった人もいるのかな?と、思って思いきって殴らせてます。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コスモ・バビロニア建国紛争 ラフレシア

コラボ予告に関して。
やりますからね?
まあ、なくなる可能性もありますが。


やって来た敵機は、そう多くはなかったがそれでも部下たちが被弾するくらいは質が良く、特に黒い塗装を施しているやつらが強かった。

まあ、どういうやつらがいるかは原作知識で知っている。

クロスボーン・バンガードの【黒の部隊】。

手練れが多い部隊だ。

部隊長は、ザビーネ・シャル。

貴族主義を掲げ、木星戦争で散っているが、今はそんなことは関係ない。

俺は目の前の敵を倒すだけだ。

 

「セシリー!?」

 

シーブックの声が通信機から聞こえた。

部下やビルギットには聞こえていないようなので、運が良いのか悪いのか。

にしても、やはり連邦は腐りきっている。

俺の部下の機体ももう四機しか残っていない。

だが、そのぶん残ったパイロットの実力は高い。

【ヘビーガン】と【Gキャノン】二機ずつで連携をとって、【黒の部隊】と渡り合っている。

これが才能…若さの力かな?

我ながら年老いていると感じているが、なんとなく感覚的にはというか、精神的には20歳くらいな感じがする。

 

「ニック、ベーガ、アストルファ、ネーヤルカ、一度退け!」

 

「な、何故です!?」

 

暫定小隊長を務めるはベーガ。

彼は隊長としての能力はとても高い。

それを見極めた俺は、ある意味確かに老兵か……自分で何言ってんだか。

とりあえず、簡単に言うと思った通りに隊長に向いていた、というだけだ。

 

「そろそろエネルギーに弾薬が足りないだろ?」

 

「ぐっ…しかし!」

 

「いいから!行け!まだ抑えられる内に行け!」

 

「了解…」

 

渋々といった感じで【スペースアーク】に帰投するベーガたち。

だが、俺の計算が正しければここらで一度補給をしないと戻れなくなる。

まあ、勘も半分あるのだがニュータイプ能力のおかげか確率は高い。

ビームサーベルで斬りかかってきた【デナン・ゾン】を軽くいなし、頭部を踏み潰して落とす。

その鮮やかな技をビルギット君が褒めてくれた。

よせやい。

 

 

 

 

 

 

 

 

ベラ・ロナことセシリー・フェアチャイルドの【ビギナ・ギナ】が増えて、今度は宇宙に出て月へ向かうことになった。

今だ宇宙では、無能共がバカみたいに汚い花火に変わっているだろう。

ただ改めて確認すると、脱出するにしても、タイミングを誤ればまとめてデブリの仲間入りだ。

そこら辺、階級が一番上の俺がどうにかしないとダメだな。

 

 

そして、ついに鉄仮面の【バグ】による虐殺計画が始まった。

本当なら始まる前に脱出したかったが、どうしても弾薬補充やメンテナンス、【ビギナ・ギナ】のエンブレム消去で時間がかかり、原作通りになってしまった。

ここで別れる運命。

この時にビルギットが戦死するのだが、俺がいる影響で生き残るのか。

いや、生き残らせる。

アニメやマンガなら、そこまで感情移入しなくてすむが、リアルでそらに遭遇するなら普通の人なら助けられたら助けたいだろう。

しかも、その運命を知っているなら尚更だ。

スレッガーさんの時は失敗。

マリーダの時は何とか上手くできた。

やはり、俺がどう深く関わるかで彼らの運命が決まるようだ。

 

結果的に言うと、死にはしなかったが大怪我をさせてしまった。

コクピット近くまで【バグ】が通過し、爆発しなかったのが奇跡だという。

まあ、そのぶんビルギットの体がパイロットとして再起不能までの大怪我を負ってしまったが。

 

 

 

宇宙を出た頃には俺とセシリーちゃんにシーブック、臨時小隊が前に出ていた。

だが、この先は原作を知る俺にとっては臨時小隊が一番危険なので距離を取らせながら【スペースアーク】の護衛につかせた。

さすがに避難民の収容船を無闇に撃墜なんてしないだろう。

彼らは貴族主義を掲げている。

余程のアホ頭でもない限り、攻撃はしないだろう。

 

「…!前方に高熱源体!」

 

シーブックから報告が。

やはり、セシリー狙いで来るか。

 

「フェアチャイルドは俺とシーブックの援護を!シーブック、俺と合わせろ!」

 

「了解しました!」

 

「やりゃあいいんでしょ!やってやるさ!」

 

「その意気だ、シーブック。君なら俺についてこれる!」

 

まあ、ニュータイプだしね。彼も。

 

「ぬう!?なんだ、この感触は…!?まるで目の前で獅子に睨まれている感覚………貴様かっ!」

 

「来たか!この花モドキ!」

 

巨大モビルアーマー【ラフレシア】が十二門のメガ粒子砲を撃ってくる。

だが、反応速度の高い俺やシーブックには軽々と避けられ、セシリーに関してはビームシールドで防御するときもあるが、やはりニュータイプとしての鱗片を見せつける。

 

「当てる!」

 

ビームライフルで【ラフレシア】を攻撃するが、Iフィールドに阻まれてダメージを与えることはできなかった。

やべぇ、忘れてた。

お返しとばかり、【ラフレシア】からテンタクラー・ロッドが展開され、俺に敵意を向けてくる。

いや、敵意よりも殺意か。

しょうもないことは置いといて、俺はビームライフルでテンタクラー・ロッドを破壊しながら、華麗に避ける。

半数以上は俺に来たが、【F91】にも10本くらい行って近寄らせないでいる。

やはり、脳波コントロールを使うだけあってコントロールも上手い。

【ビギナ・ギナ】は、遠くからビームランチャーやビームライフルによる牽制や援護をしている。

モビルスーツに乗ってまだこれで二回目くらいなのに、ちょっとした熟練パイロットの動きをしている。

客観的に見れば、やはりニュータイプは成長力も合わさればチートと呼ばれても致しかがない。

 

「ええい!ガンダムタイプが二機だとさすがに手こずるか…!」

 

「鉄仮面の野郎、焦ってサイコミュのコントロールが甘くなってやがる!」

 

「うおおぉぉーーっ!」

 

シールド裏のミサイルを発射し、【ラフレシア】の装甲に初めて傷をつける。

そして、【F91】が残像を持ちながら【ラフレシア】のコクピットの真上で急停止する。

 

「ば、化け物め!」

 

「なんとぉぉーーー!!」

 

至近距離のビームランチャーに、Iフィールドが起動するはずもなく、コクピットにビームが直撃する。

これにより、【ラフレシア】は機能を停止し、スペースデブリの仲間入りをするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この戦争後、俺は連邦軍を辞めてサナリィのテストパイロットとして金を稼いだ。

まあ、もちろん木星戦争にも俺は参戦し、クロスボーン・バンガードに勝利をもたらした一因を担った。

まあ、その話は別の機会に。

 




一気にVガンまで。
宇宙世紀編、ラストスパートです!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ザンスカール戦争 エンジェル・ハイロゥ

大変申し訳ありません。
Vガンはほとんどゲームでしかストーリーの内容を知らないので、かなり飛ばした最終回です。

それでは、どうぞ!


ビームが目の前を通り過ぎる。

カテジナの駆る、【ゴトラタン】と相対する。

 

「一年戦争の亡霊が!クロノクル様の邪魔をするな!」

 

「俺にも退けん理由がある!人をゴミみたいに押し潰すザンスカールなど、言語道断!!」

 

【ゴトラタン】にはある程度ダメージを与えている。

しかし、戦闘には支障はなくむしろ俺の【NEO・Hi-νガンダム】が不味い状況だ。

一応、チューンアップや武装の改良など、様々な工夫と歴戦の経験を持って今までのザンスカールのパイロットたちを圧倒してきた。

ウッソ君の【V2ガンダム】がエンジェル・ハイロゥを破壊してくれるまで、俺がここを保たねばならない。

しかし、クロノクル・アシャーとカテジナ・ルースの連携攻撃は中々厄介で、左腕を肘から先を持ってかれた。

だが、クロノクルの【コンティオ】はもう器用な動きはできまい。

というか、戦闘能力はほぼない。

と、思考を働かせていると胸に鋭い痛みが。

 

「グッ…!」

 

口の隙間から漏れてきたのは、俺の赤い血。

数年ほど前に病気を患い、治療を受けていたが、ザンスカールのバカ共が病院を占拠したり、潰したりしたせいで治療を断念。

八つ当たり気味にザンスカールを潰してきた。

だが、やはり年のせいか、それとも俺の命の灯火が消えかけなのか。

エンジェル・ハイロゥ戦直前から、度々吐血していた。

肉体的な限界も迎え、体のあちこちが悲鳴をあげる。

 

「…けっ!まだまだぁっ!」

 

「まだやるつもり!?」

 

「気配が…変わっただと!?」

 

フルサイコフレームの光が機体を包む。

もう、俺は死ぬだろう。

娘たちや妻に何も言えず、この世を去ることになるとはな……

二度目の死は、俺という概念を消し、また何処かで俺の生まれ変わりでもできるのだろうか?

まあ、その時はその時だ。

 

「ジェンコ!後ろに下がれ!ゴホッ…お前の機体じゃ対応できない!」

 

「しかし!大佐の体が…!」

 

俺の代わりにと思ったのか、【Vガンダム】に乗っているジュンコ・ジェンコが前に出る。

が、結果は想像するだけでわかる。

だから、俺は止める。

 

「元々、俺の残りの命は短い!若い人間が年老いた人間より先に死んじまったらダメだ!」

 

「ですが!」

 

「もう病気は治りようがない!ここは俺任せろ!死んでも止めるさ!」

 

「……了解…!」

 

これでいい。

良けりゃ終戦後に衰弱死、悪くても戦死か病死だ。

いずれにしろ、俺の命はそう長くない。

ビームライフルで、【ゴトラタン】の右腕を吹っ飛ばす。

お返しにと、【ゴトラタン】がビームライフルを撃ちながらビームサーベルを振り回してくる。

 

「この死に損ないが!!」

 

「こっから先は…………死ぬぜ!」

 

「動きがさらに……!っ!不味い、カテジナッ!」

 

ビームサーベルが左足を斬り飛ばす。

が、組み付いて俺はバルカンで【ゴトラタン】のメインカメラを破壊。

そしてその衝撃で動きが止まったところに、残った二基のフィン・ファンネルで機体を撃ち抜く。

脱出ポッドが【ゴトラタン】から射出され、【ゴトラタン】自身は爆散する。

その爆発でコクピットに亀裂が入り、その隙間から破片が俺の左腕や腹に突き刺さる。

 

「ぐうっ!?」

 

「なんなの、あの化け物は…!」

 

「さすがは……大地の復讐鬼と呼ばれたことはある……」

 

クロノクルの【コンティオ】に機体を近付けさせる。

 

「聞こえるか?クロノクル・アシャー」

 

「っ!なんだ急に?止めを刺すなら今だぞ?」

 

「もう、そんな気力もねぇや……ポンコツお嬢様と一緒に生き延びてこい」

 

「カテジナと?…貴様は何が言いたい?」

 

「もう俺は長くないんでね。まだ先のある若いアホ共が未来を作ってくんだ。それに敵であろうと生かすのも殺すも自由だろ?」

 

「……スラスターの残量がない。このままだと漂流するだけだ」

 

「俺がリガミリティアの方に押し出してやるよ。運が悪けりゃ死ぬだろうが…少なくとも俺の名前を出しときゃ、生かしてくれるぜ」

 

カメラ越しに見た、コクピットの惨状を見たか、クロノクルは一瞬驚きの顔に染まる。

 

「…………なぜそこまでするのか、全くわからない」

 

「当たり前さ。オールドタイプだろうと、ニュータイプだろうと、わからんもんはわからんさ。まあ、とりあえず生きろ。老い先の短い老人から言えるのはここまでだ」

 

「……安らかな眠りになることを願う」

 

思わず吹き出しちまった。

まあ、痛くてすぐに笑えなくなったが。

カテジナの脱出ポッドを【コンティオ】の残ったまともに動かない右腕に掴ませて、【リーンホースJr.】あたりがいるだろう宙域に押し出す。

 

「あばよ」

 

なんとなく口にした。

声は相手には聞こえていまい。

意識が遠ざかる。

さすがに死ぬか……出血量も、もはやどうしようもない所まで流出してしまった。

もう腕から先の感覚もない。

すまない。

強くそう思った。

今見える地球の裏側にいるだろう自分と同じく年老いた最愛の妻と、俺の子供たちを思いながら思った。

やはり、宇宙世紀はハードだ。

だが、これで二週目があったら余裕で生き残れる気がする。

確証はないが。

もう、自分でもわかるほど体の温かさが消えていく。

ははは……次はどうなるんだろうな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前に、宇宙とその中に浮かぶ青い星、地球が見える。

意思体だけになったクガヤ・アルファラだった男は、今ここにいた。

 

「君もここに来たか、クガヤ」

 

その声は……アムロさん?

 

「…そうであり、そうではない。まあ、かつての名前としかここでは説明できないさ」

 

「いずれ誰もが来る運命さ」

 

これは……シャア…キャスバル・レム・ダイクンか。

 

「君は転生者だとは、あの時は思わなかったよ。君が知っている私たちの世界は、この世界と同じだったかね?」

 

俺が変えたので、若干ながら俺が知っている宇宙世紀とは違いますね。

 

「でも、貴方はここにはいられないわ」

 

まさか……今度はララァ・スンか!?

 

「ララァだったもの、が正しいけどもね」

 

まさか貴方にも会えるとは。

しかし、何かに引っ張られている…?何故です?

 

「まだ君を死なせる訳にはいかないやつがいるんだろう。俺たちにはソイツが何かはわからない」

 

「だけど、諦めず生きて行けば、いずれ貴方の本当の行く先に行けるはずだわ」

 

「私たちとの出会いは、労り程度ものなのかもしれんな」

 

そう…ですか。

 

「彼女が呼んでいる。行ってこい」

 

彼女?

誰なんです?

 

「最悪の未来を変えるために、貴方が必要のようよ」

 

「彼女が誰かは、我々にもわからない。だが、図らずとも彼女が助けを求めている。時空を越えて」

 

…時間切れですね。

 

「君の未来に、幸が多いことを願うよ」

 

「貴方の行く先に、幸せがありますように…」

 

「未来の栄光を、君に」

 

 

三人の激励と共に、俺の意識は穴に落ちるように消えていった。

俺も願おう。

俺の未来に、幸せが満ちているように…




はい!ここで宇宙世紀編は一旦終わりです!
なぜ一旦なのかって?
一年戦争とか外伝系を書いていないからです!
元々移転からこの作品を書いているので……

さて、彼が向かう先は何処でしょう?
まあ、行く場所は決めてますが(笑)

尚、もし出してほしいオリキャラがいたらリクエストしてくれても構わないです!
概要だけでも構わないので!

それでは、良いお年を!

クガヤ「年末年始関わらず働いていた俺に、ついに安らぎが…!いや、死んだだけか。読者のみなさん、良いお年を!コロナにも気を付けてな!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鉄血のオルフェンズ  ※コラボしています
1 覚醒する転生者


睦月透火さんの「寝落ちしたらモビルアーマーになっていた件」とコラボですっ!

ようやくっ!ようやくでございますっ!

お先に睦月透火さんが出しているようですが…まあ、大丈夫です!
まだ彼と彼女が会うのは先なのだから…!


目の前には、全周天モニターに慣れきった俺にはとても見にくい、平面モニター。

そこから見えるのは、「鉄血のオルフェンズ」において登場するギャラルホルンの制服を着た兵士達。

ん?ちょっとまて。

と言うことは、俺は今宇宙世紀ではなく、鉄血の世界に来ているということになるのでは??

 

「おいっ!そこにいる子供!さっさと降りろ!今すぐ降りれば殺しはせん!」

 

んへ?

ありゃ、よく見りゃ俺って孤児みたいな服装だな。

と、思っていたら激しい頭痛が。

 

「ぐっ…ガアァッ!?」

 

多分、青年に近い少年であるこの体の記憶だろう。

誰の子供かもわからない、天涯孤独の18歳男性。

モビルスーツ【グレイズ】に乗っている経緯は、とてもカミーユしてて、笑ってしまった。

だって、そこにいるMPを虐めてたんだから、ついさっきまで。w

なんやかんやで現状、俺はギャラルホルンに敵対行動をしている俺は、周辺の地形やデータを見て、ここが火星であることを確認する。

ということは、鉄華団も存在しているはず。

 

「貴様!無視をしてるんじゃない!」

 

ぶちきれたのか、同じグレイズを持ち出して押さえ込みに来た。

今の俺のグレイズの武装はバトルアックスのみ。

だが、宇宙世紀での経験がある俺にはそれのみでいくらかやれる。

 

「モビルスーツ戦をやろうってなら、死ぬ覚悟もできてるよなぁ!」

 

組み付いてくるグレイズを蹴り飛ばし、バトルアックスを引き抜いて頭部に叩きつける。

相手のグレイズの頭が潰れるが、まだ動く。

ならばと、グレイズのナノラミネートアーマーがない、関節部を狙ってバトルアックスを振りかざす。

確か、鉄血世界のモビルスーツのフレームは耐弾性とか衝撃には強いが、純粋な切断力には弱いとある。

一応、グレイズのリアクターでも切れるはず……そう思いたい!

 

「遅いっ!」ガゴンッ!

 

バトルアックスが上手く関節部にヒットして、切断される。

 

「なんだとぉーー!?」

 

「もう眠ってろ!」

 

バトルアックスを持っていない左腕で、コクピットを殴り、パイロットを気絶させる。

つーか、マジでやりにくい。

鉄華団に入るのは決定事項。

そこで全周天モニターにコクピットを変えてもらおうか……とできるはずもないことを考える。

だが、これから先にそれができちゃう同類さんとはちあうとは思わなかったが……

 

「えーと、まだCGSみたいだな。ということは第一期か」

 

グレイズにあるデータを軽く調べると、まだ鉄華団になる前のCGSがあったのでそう予測する。

 

「さっさと行こう…ってそうは問屋が卸さんか…」

 

移動を開始しようと思ったが、その前にギャラルホルンのグレイズと戦うことになるようだ。

なんか落ちていた120㎜ライフルを右手に持たせ、左手にバトルアックスを持たせる。

相手が陣形をとった。

そして、その陣形で突撃してくる。

 

「ありゃ?これってジェットストリームアタック?マジで!?w」

 

まさか鉄血世界でジェットストリームアタックに会えるとは。(笑)

まあ、ライフルで的確にカメラを潰し、バトルアックスで二機のグレイズのコクピットを潰したので、もう戦えないだろう。

 

「これで気兼ねなく鉄華団にいけるな……」

 

再転生直後にまた戦闘とか、鬼畜だろ。

まさか俺って社畜…?

 

「いやいや、しょうもないことを。とにかく、今は鉄華団に入ることに集中しろ。ゆっくり考えるのはその後でだ……!」

 

こうして、新しい生命を与えられて今度は鉄血世界で生きることになった。

宇宙世紀で、散々親しい人を亡くしたり救ったんだ。

なら、鉄華団を助けないなんてやだわ!

俺にできる力を、全力でぶつける。

俺はそう覚悟した。

 

 




さて、ちょっと話が増えますがまだストーリーには支障はないかな?

コラボ先の方では、もうコラボ話が出ているようなのでこちらとコラボ先と交互に見ていただけると、うれしい所存です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2 起動、バルバトス

コラボ第二回です。
グレイズだと、ちょっと性能不足だなぁ…
グレイズ改でもついていけんだろうし、乗り継ぎ機体どうしようか……



急いでグレイズでCGS基地まで向かったが、もう戦闘は始まっていた。

モビルワーカーの撃ち合いで双方に被害が出ており、グレイズも一個小隊出ていた。

 

「ケッ!一応原作通りかよ…!」

 

まあ、逆に安心感があるけど。

ライフルをグレイズとギャラルホルンのモビルワーカーに攻撃して、動きを制限させる。

 

一方のオルガたちは、突如乱入したグレイズに困惑していた。

 

「なんだ!?仲間割れか!?」

 

「オルガ、バルバトス動けるよ?」

 

「少し待ってくれミカ!状況確認させてくれ!」

 

オルガは、目の前の光景に戸惑い、ミカに出す指示を出しかねていた。

しかし、ミカ…三日月は「出るよ」とだけ言って地上に出てしまう。

 

「ちょっ!おい!待てミカ!」

 

「あーあー…行っちまった…」

 

 

そして視点は主人公に戻る。

 

「ファッ!?バルバトスか!」

 

「あれ?敵は三機だったはずだけど……まあいっか」

 

バルバトスのバトルメイスが、俺の相手をしていたグレイズに当たる。

頭部を叩き潰され、動きが鈍るグレイズ。

そこに俺がバトルアックスでコクピットを叩き潰して、パイロットがいなくなったグレイズは倒れる。

 

「あんた、敵?」

 

「ちげぇよ。とりあえず、今は味方であるはずだぞ」

 

「わかった」

 

いや、ほんとそっけねぇな……

俺の敵味方の判別がわかると、すぐにスラスターを噴かして他のグレイズに攻撃を開始する三日月。

そして俺はライフルでパンパンと、三日月の掩護射撃をする。

今はそれぐらいしかできなさそうだし。

しばらくして、ギャラルホルンは撤退し、一時の休憩の時間が作られた。

 

 

 

 

「アンタ…何者?」

 

「ん?」

 

グレイズから降りた直後に、三日月から問われたセリフは俺は何者か。

確かに俺は何者なんだろうな。

また転生をしたし、それでいてニュータイプの力を保持している。

それが事実なら、俺は化け物と呼ばれても仕方がないかもしれないな。

 

「……禍月桐谷。俺の名前は禍月桐谷」

 

「マガツキ…キリヤ……キリキリ?」

 

「いやなんでそうなるん!?」

 

「おいミカ、ちゃんと名前で呼んでやれ。俺達の恩人でもあるんだからな」

 

「わかった。オルガ」

 

オルガ団長(予定)の一言で下がる三日月。

マジでオルガ依存だな。

と考えていたら、オルガが話しかけてくる。

 

「俺はオルガ・イツカ。CGSの参番組…いや、とりあえず現段階のリーダーだ」

 

「どうも初めまして、オルガ・イツカ。俺は禍月桐谷だ」

 

「早速本題だが、どうやってグレイズを奪ってきたんだ?それと、なんで俺達の味方を?」

 

「グレイズに関しては、色々あってパクってきた。味方をする理由は…まあ、なんとなくわかるでしょ?」

 

「ははは……確かにな」

 

これでもかなり頑張って会話に違和感がないようにしています。

ついつい、オルガ団長って言いたくなる……

 

 

 

時間は経過して、クランクさんから一騎討ちの話が。

 

「オルガ、俺が出る」

 

「…わかった」

 

別にバルバトスじゃないとダメとは言ってなかったし、クランクさんは普通に死なせたくない人格者だし、俺が相手をすることにした。

 

「俺がやらなくていいの?」

 

三日月がもっともな事を言ってくる。

 

「大丈夫さ。それに、バルバトスの武器があのバトルメイスだけじゃ少し無理がありすぎる」

 

「……わかった」

 

 

 

 

 

 

「む、グレイズだと…?」

 

グレイズと言っても、ちょっとシステムやOS弄くって俺の動きに合わせられるようにしたけどね。

武器は彼が剣一本なので、俺もCGSの在庫にあったソードメイスと元々あるバトルアックスの二刀流で相手にすることにした。

 

「バルバトスがご所望だったか?悪いがうちは整備環境が悪くてね!」

 

これを聞いていた雪之丞は、「悪くてすまんな!」と叫んだらしい。

すみません。

 

「さて、やりますか!」

 

「君達が戦う必要などないというのに…!」

 

右手のソードメイスが相手のソードとぶつかる。

左手に持たせたバトルアックスが横に振りきるが、すんでのところでスラスターを噴射して後退された。

その後も何度も打ち合うも、中々当たらない。

しかし、パイロットの二人はそれぞれ違う心境だった。

まず、俺は何度も敵とモビルスーツ戦闘をやっているので、見た目は青年か少年だが、能力値は熟練以上の腕だ。

とはいえ、油断するつもりはないので真面目にやっているが、正直余裕だ。

一方のクランクさんだが、声からして焦っていると思われる。

まあ、経験値が違いすぎるのもあるんだろうが、俺を攻撃することにもある程度迷いが生じているのもあるのだろう。

 

「俺はついさっきまで赤の他人だが……結局同じヒューマンデブリってやつだよ」

 

「っ!だが、君達がそんなことをやる必要はないだろう!?」

 

「それしかないんだよ!彼らには!」

 

「!」

 

「孤児である俺やCGS…いや、鉄華団のみんなも、他のヒューマンデブリと呼ばれる存在は、こうでもしなきゃ明日も生きれるか解らない!今更止めろと言われても、どうしようもねぇ!暴論だが、全部まともな機能をしていないギャラルホルンがわりぃんだよ!」

 

「ぬ…!」

 

いつの間にか感情的になっていたらしい。

俺の目には涙が一筋流れ、操縦桿を握る力も強くなっていた。

そして、遂にクランクさんのグレイズの剣をバトルアックスで上に弾き飛ばし、武装を無くす。

 

「くっ……私の負けだ…!」

 

ソードメイスの攻撃が当たり、コクピットの入口が露出しておりそこからクランクさんの顔が。

しかも原作通りかは解らないが、腹にも大きくはないが破片が刺さっていた。

 

「これでは…自分で責任を取ることもできん……殺してくれないか…?」

 

ゴホッと少量の吐血をしながら、話しかけてくるクランクさん。

 

「あんたは良い人だよ」

 

「そうか?…私はこういう風にしかできない、不器用な…人間だ…」

 

「名前は?」

 

「クランク・ゼントだ。…君は?」

 

「…禍月桐谷」

 

「そうか……ではゴホッ…やってくれ」

 

俺は一応こっそりパクってきた三日月が持ってる拳銃と同じものを、クランクさんに砲口を向ける。

 

「じゃあ、さよなら。クランクさん」

 

パン!パン!

 

銃声が、夕焼けの火星の空に響き渡る。

俺はコクピットを閉じて、そのままクランクさんのグレイズを引きずって基地に戻る。

 

一方の彼の部下、アイン・ダルトンは深い悲しみと憎しみが心の中で渦巻いていた。

 

「クランク二尉…!ウソだぁぁーー!!」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3 来襲!ガリガリとチョコの人

ちょっとタイトルふざけました(笑)

さて、クランクさんはどうなったかな…?

一万UAを越えました!ありがとうございます!


あの決闘から数日。

俺は鉄華団にちょっと高めの給料もらう代わりに、鉄華団の専属パイロットとして雇われることになった。

そして、奪ってきたグレイズもグレイズが出せる限界まで、そして鉄華団の在庫が許してくれる範囲で改造を施していた。

とはいえ、実質的な内容はシステムやOSの調整の再調整に宇宙での活動を可能にするための改造を急ピッチで仕上げているだけだが。

二機のグレイズは一つは原作通り昭弘が乗り、もう一機はリミッターを外した俺専用のグレイズ。

リミッターといってもそこまでぎょうさんな物ではないが。

とりあえず、反応速度を主に最大値にした。

 

 

で、現在はCGSこと鉄華団が保有する戦闘艦【イサリビ】に乗って、クーデリア・藍那・バーンスタインの地球へと移送する仕事を続行中。

つーか、クーデリアさんの事を忘れてたなぁ…

 

「あ、そこ配置が違う」

 

「え?ほ、ほんとだ…」

 

今は昭弘のグレイズの調整中だ。

俺はある程度の整備能力と電子機器の腕を雪之丞さんに買われて、今はタカキ君とライド君に教えている最中。

まあ、俺が知っているのは基礎なので、自動車とかに応用できなくはない程度のもの。

本来なら専門の人がいる方が、とても楽なんだけどね。

でも、鉄華団だからしょうがない。

一応、オルガ団長や雪之丞さんにもちゃんと言ってあるので、問題はないはずだ。

しかし、たまに感覚が遥か遠い先にプレッシャーというか、何かに対して反応して少し機嫌が悪い。

しかも、それが宇宙に出るとさらに悪化している。

たまに吐き気を感じて、トイレに籠ったりした。

オルガ団長たちに心配されたが、俺としては大丈夫だとしか言えない。

俺がニュータイプって言ったって、多分わからないだろうし。

まあ、最近はそんなことはなくなってきたので肝心なところで邪魔されたのに機嫌を損ねながらも、タカキ君たちに色々と教える。

 

 

 

 

そして、遂にギャラルホルンと戦うことに。

数日、宇宙空間にいたのは宇宙港でやっていたイサリビのメンテナンス云々である。

そのため、ようやく出発なのに邪魔が入る始末。

確か、コンラッドだっけ?

あの小物感出してる無能さん。

正直、素人目でもバカじゃね?と思うようなことしてるし。

しっかり、原作通りグレイズが出てきている。

こちらもバルバトスにグレイズ改二機を出撃。

制御にシステム周りなどを俺専用に改造したグレイズ改・Mだ。

本来ならマグネットコーティングとかしたかったが、資材がないし、そもそも機器がないし。

技量で頑張ることにした。

武装は単発の威力を上げた、120㎜ライフル・カスタムにバトルアックス、バトルソードである。

ソードはクランクさんのグレイズの持ってたやつを、俺のグレイズにマウントさせている。

 

「三日月・オーガス、出るよ」

 

勢いよく射出されてくバルバトス。

俺もカタパルトで射出されるのだろうが、あの射出の仕方は初めてなので、なれそうにないな……

 

「禍月桐谷、グレイズで出る!」

 

頭の上からGがかかる。

いつもは、いや宇宙世紀では前から来ていたので本当に慣れない。

 

「禍月、指揮を頼むぞ」

 

「おけ」

 

一応俺はこの即席小隊の隊長を務めさせてもらっている。

またかよ……

 

「三日月は俺と一緒に敵を倒す。昭弘は、イサリビにすぐ駆けつけられる位置でイサリビの守備!イサリビの後方も注意しろ!」

 

「わかった!」

 

「うん、わかった」

 

バルバトスを前に、俺はついていく。

普通にスラスターの推進力の差だ。

まあ、そこまで差があるわけではないが。

 

「見つけた…!」

 

俺は勘で敵を見つける。

三日月はモニターの画面で頭に「?」のマークがついてそうな顔だったが、見えたのは見えたので狙撃をする。

俺のカスタムしたライフルは、単発射撃のみになる代わりに、威力と射程が大きくなり、敵を狙撃することもできる。

まあとてつもない技量と勘が必要だが。

 

「オラッ!」パンッ!

 

とりあえず試しに一発。

 

「な、なにぃっ!?」バゴン!

 

グレイズの一機が、直撃を受けて体勢を崩す。

 

「追加の一撃!」パンッ!

 

「ぐわっ!?い、一体どんな手品なんだっ!?」

 

体勢を直しているうちに、バルバトスがそのグレイズの前に出る。

 

「…う、うそだっ!?」

 

「遅いよ」ガゴンッ!

 

バルバトスの巨大なバトルメイスが、グレイズのコクピットに叩きつけられた。

そして、そのグレイズを蹴ってイサリビ方面に飛ばして三日月は次の獲物を狙う。

俺は彼の援護…と言いたい所だが、俺の技量を見て焦るかビビったのかは知らないが、増援を呼んだらしく、グレイズが何機かやって来た。

 

「やっぱりアホか」

 

あまりの非現実さで困惑しているのなら、それはそれで致し方がないとは思うが……まあ、俺は知らん。

残った全戦力を俺にぶつけるのは、多分悪手だろ。

俺を警戒するのは正しいが、自分の近くにいるバルバトス…三日月を無視するのはとてもではないが、提督とか将軍とか務まらないだろう。

数百年も前の厄災戦で作られたとはいえ、それでもモビルアーマーを相手取るために開発された鉄血世界の最も強い部類に入る性能を持つフレームなのだから。

そして、俺を囲むグレイズたちはそれなりに俺をよく攻めている。

連携も良い方だ。

だが、相手が悪い。

 

「選り取り見取りだぜ!」

 

……はい、シーマ様のセリフですよ。

ダメですか!?

別に良いだろ!?ちょっと言ってみたかったし!

まあ、とりあえず誰に向けてるか解らんセリフを内心でボケていられるので、それくらい余裕があるということかな。

ちなみに、俺のグレイズ改なら20機ぐらいはなんとかしてみせる。

まあ、それでもノーダメは少し厳しいかもしれないが。

そもそもグレイズの性能が量産機だから、エースと言ってもおかしくない俺にとっては相性が良くない。

全くと言って良いほど、相性がないわけではないが、やはり自分専用のモビルスーツの方がやりやすい。

自分好みの機体なら、グレイズが100体来ても勝てる気がする。

あくまで気がするだけだからな?

重要なので2回言いました。

 

「後ろか!」

 

そうこうしているうちに、グレイズを2機撃破して残りは7機。

俺の後ろに回り込んだ一機のグレイズが、ライフルを撃ってくるがさすがはニュータイプ能力。

しっかりそれを予知して、俺にダイレクトに伝えてくる。

もはや直感を超える動きに、グレイズのパイロットたちは後ろに目玉でもついているのかと疑心暗鬼に陥っていた。

 

「オラオラァァーー!!」

 

左手にバトルアックスを持たせて、コクピットを潰し、頭を吹っ飛ばす。

ライフルで他のグレイズを近寄らせず、当てられるならコクピットや関節部を狙う。

そうして、あっという間にすべて倒す。

そしていつの間にかバルバトスは、ガエリオ・ボードウィンのシュヴァルベ・グレイズと対峙していた。

多分、ガリガリとかチョコの人の隣の人とか言われてんだろうな……

あ、マクギリスのシュヴァルベ・グレイズだ。

 

「三日月!青いのは俺がやる!」

 

「ん、わかった」

 

弾切れが近いライフルを捨てて、右手にソード、左手にバトルアックスを持たせて相対する。

 

「二刀流………か?これ?」

 

「なんだ?この動きは…!」

 

何度もバトルアックスとソードを打ち合う。

結局、勝負はつかずに時間切れになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時はタービンズとの戦いに移る。

 

「禍月桐谷、グレイズで出る!」

 

 




ここまでの禍月桐谷(クガヤ・アルファラ)

年齢17(精神年齢94くらい)  

取得能力:ニュータイプ、耐G体質(14Gまで)

搭乗機体
ジム、アベンジャーガンダム、ジム・クゥエル、ネモ、ガンキャノン・ソレデリア、NEO・Hi-νガンダム、グレイズ(地上)、グレイズ改M



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4 イレギュラー

睦月透火さんがタービンズとの戦いを投稿してくれたので、それに乗っかる形で……

次回はキーマン同士が会えるかな?


タービンズとの戦いになった。

うん、それは知ってる人は知ってるだろう。

じゃあ、何故そんなことを聞くのか。

何故なら俺の目の前にフラッグ様がいるんだよ!!?

 

「どーゆーことだっ!」

 

思わず叫んでしまった。

通信は切っているので、オルガたちには聞こえはしないだろうが、それでもこの戦いはヒヤヒヤする。

ここで勝たなければ鉄華団はオシマイだ。

 

「とにかく、俺がやれることをやるだけだっ!」

 

正直、フラッグがいる時点でおかしいと思っていたが、手練れとはいかないものの、実戦を潜り抜けたような雰囲気と動きをしているので、油断しないようにする。

 

「三日月!殺られるなよ!」

 

「……わかった」

 

おいおい…もうちょっと何かさ……

まあいい。

早速敵からも、アミダ機とアジー機の百錬が。

多分、ラフタの百里は原作通りどっかで潜伏中だろう。

まあ、戦況は俺が指示しなくともイレギュラーがなければ原作通りになるはずだ。

少なくとも、その可能性が高い。

基本的には原作通りなので、わざわざ俺が伝える必要はないだろう。

スモーク弾をイサリビが撃って、三日月たちはそれぞれの相手をする……

もちろん、俺もお邪魔虫とばかりにライフルで敵の動きを阻害する。

油断しなきゃ、大丈夫だろうな………

と、そう思っていたときだった。

 

「!?」

 

攻撃の意思と、何かの力を感じて咄嗟によける。

そして、その相手は……

 

「フラッグ……だと!?なんでや!?」

 

思わず関西弁。

白をベースに、所々赤や金の装飾が施されている。

 

「俺の存在が、またイレギュラーを起こしたのか?以前は宇宙世紀だったから良かったんだろうが……」

 

実際、一年戦争では俺はジム、陸戦型ジムと乗って試作型の試験機、アベンジャーガンダムに乗っている。

あれはEXAMシステムを秘密裏に搭載していたが……まあ、懐かしい思い出だ。

しかし、原作に大きく関わってはいないのである意味スピンオフストーリーやアナザーストーリーに属する機体だろうか?

ガンキャノン・ソレデリアやNEO・Hi-νガンダムも、原作にはない機体。

ソレデリア以降は大きく原作に関わったが、それでも正史と大きく変わることはなかった。

精々、死亡キャラが生存しているとか、それぐらい。

 

「つーか、なんか普通とは違うな……」

 

しかし、このフラッグというイレギュラー。

パイロットもイレギュラーっぽい。

例えるならリンゴ。

表面は、つまり皮の部分は普通に見えるのだがその内側、美味しい部分は普通とはかけ離れた何か。

そして、そのもっと奥底に……ニュータイプに近い何かを感じた。

まだ、未覚醒のようだが……

 

「油断はできねぇな……!」

 

こちらに狙いをつけていたようだが、簡単な射撃では俺には当たらない。

つまり無意味。

しかし、その機体性能は驚くべき物だった。

 

「チッ!コイツ、モビルスーツのくせに早ぇぇ!?…さすが武闘派は伊達じゃねえってことか!」

 

二刀流で敵の動きを待つ。

まあ、ほんのコンマ0.1秒だが。

直感と経験で相手をする。

バトルソードを相手に叩きつけるが、シールド……ディフェンスロッドによって防がれた。

とはいえ、咄嗟にという感じだったのでこのパイロット、普通よりは良いがまだ技量が足りないというところか………

バトルソードの衝撃の反動で、フラッグと少し距離が離れる。

 

「こいつは捕獲しときたいな…!」

 

というわけで足を狙うが……

フラッグが即時変形して、スラスターの火を浴びせられた。

 

「ウオッ!?…コイツ、ウラキと似たような真似を!」

 

モニターがブラックアウトし、サブカメラに切り替わる。

それまでの間に、左のシールドで迎撃の体勢を取る。

 

「メインカメラは……まだ無理か…」

 

判定が終わっていないが、敵が動き出したので俺はニュータイプの力を引き出すために、深呼吸する。

 

「…宇宙と同化するんだ…宇宙の目線から…!」

 

どうやら、グラハムスペシャルをやったみたいだ。

おい、パイロット?体は大丈夫なのか??

一瞬そう思ったが、そんな考えを捨てる。

グラハムスペシャルができるのなら、なめてはダメだ。

というか、無意識のうちに舐めていた。

みんなのプレッシャーが低かったというのもあるが……いや、言い訳だ。これは自分のミスだ。

そう考えながら、シールドをフラッグの進行方向に放り投げる。

それに諸にぶつかったフラッグは、体勢を崩してあらぬ方向へ飛んでいく。

そして、ちょうどオルガたちがハンマーヘッドを制圧したと報告が入った。

 

「終わった…か」

 

一応、原作通りに進んだが、フラッグというイレギュラーは無視できない。

いや、もしかしたらあちら側も無視できないのではないか?

それに……彼女に例の物を渡すのにちょうどいいと、勘で思った。

何故だかはわからないが、そう思った。

ん?彼女?タービンズなら女性パイロットでもおかしくはないが、普通とは違う雰囲気だった。

まあ、深くは考えない方が良いだろう。

……バレたらシバかれそうだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イサリビに戻ると、改めて今回の戦闘を振り返る。

まず、フラッグは魔改造されていた。

つまり、原作フラッグの欠点を知っていたか、もしくは元々そういう設計をしたか。

だが、グラハムスペシャルを彼女は知っていてやっていた。

知らなかったらもう少し動きが雑だったはずだ。しかし、知っていたか練習していたか、迷いのない動きだった。

これで知らずにただ独自の発想で行ったのなら俺はその人を天才と言うだろう。

まあ、彼女は俺と同じ転生者という可能性がある。

あくまで可能性なので確証はない。

だが、その可能性が出てきたからには接触したいな……

確か歳星で契りを結ぶはずだから、そこでなんとか会えないかな?

…やるだけやるしかないか。

 

俺は歳星に向けて発進するイサリビの部屋の一室で、戦闘の疲れを癒すべく寝ることにした。

そして、ハンマーヘッドとイサリビは歳星に向けて航路を取った……




フラッグのパイロットは……わかりますよね?

イサリビでの生活

禍月「今日の俺は阿修羅さえも越える存在だ!」

三日月「阿修羅ってなに?」オルガを見る

オルガ「ミカ、俺にだって知らないことはあるんだ……」頭を抱えて悩む

禍月「えーと……仏教に出てくる、神様の一人…だったはず」

クーデリア「なんだか楽しそうですね」ニコニコ

アトラ「そう……なのかな?」困惑



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5 ウソダドンドコドン!

ちょっとネタを入れたくて、入れました。
ただの自己満足なんで、気にしないで。
やめてほしい方は本来の題名「5 destiny」と認識してください。




タービンズとの戦いが終わり、そろそろ歳星につくかと思われる頃。

俺はとある謎のモビルスーツのパーツを見ながら、考えていた。

何を考えているかって?そりゃ前のフラッグの事さ。

鉄血の世界…P.D(ポスト・ディザスター)ではフラッグなんていうモビルスーツは、そもそもこの世界にいない。

まさかとは思うが、何者かが宇宙世紀を一部改変したからとこの世界も改変されないように存在しないはずのフラッグを投入したのかと思ったが……

それはそれで夢見物語だ。

もしかしたら、鉄血世界のパラレルワールドだったりする可能性もある。

そうなると、ニュータイプの力を持っている俺の肉体の存在も問題ないと思われるが…

それはあてにならない。というか、とある説のせいで意味がない。

実際、SEED世界…C.E(コズミック・イラ)ではムウ・ラ・フラガという人物が、勘だけでニュータイプに近い働きをしたし、ガンダムAGE…アドバンスド・ジェネレーションではXラウンダーと呼ばれる、ニュータイプにとても近い存在がいる。

ちなみに、イノベイターやイノベイドはニュータイプに似て非なる存在だ。

あっちは脳量子波と呼ばれるものを使っているので。

悪くいってしまうが、原因は富野監督がハッキリと宇宙世紀と違う世界などと明言していないからである。

しかも、「∀ガンダム」という作品が存在し、出てるモビルスーツは一年戦争のものだったりするのに、宇宙世紀のなれの果ての世界だなんて言われるし。

なので、アナザーガンダムと呼ばれる作品は宇宙世紀との関わりがある可能性も否めないのだ。

実際、∀ガンダムでは現地の人にはボルジャーノンと呼ばれるが月の人はザクって言ってるし、フォルムも完全にザクⅡだし。

機動武闘伝Gガンダムでは、デビルガンダムとの最終決戦でスターダストメモリーの試作ガンダム1号機ゼフィランスFbや、初代ガンダムのガンタンクなどが存在している。

もしかしたら、ただ似てるだけかもしれないが、それでも可能性が否めない。

 

結局のところ、ニュータイプという人類の革新は可能性として存在しているのだ。

もしかしたらとっくのとうに、俺の本来の世界にもいたかもしれないし、知られてないだけでいたかもしれない。

他のガンダム作品の世界にしても同じだ。

存在しないわけではないかもしれないのだ。

だから、鉄血世界で突如ニュータイプを発現させた人間がいてもおかしくはない。

だから、長くなったがあてにならないのだ。

 

さておき、今の問題は目の前のパーツ。

どうにも俺にとっては見覚えのあるパーツなのだが、思い出せないし組み立ててみないことにはわからない。

かといって、時間があまりないなか、これを組み立てるのは整備の方たちに酷だし……

これも鹵獲したグレイズのパーツと一緒に売ろうなんて言われたが、俺が拒否してとりあえず組み立ててから判断したいと願った。

それで今現在、少しずつ組み立て始めているのだが装甲がくたびれすぎて、不安定なので中止された。

本格的に組み立てるのは何時になることやらと言われたので、半分諦めている。

 

「はあ……誰かいねぇかなぁ?こいつを本来の姿に組み立ててやれる人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歳星について、間もなく盃が交わされることになったが……俺は暇だし、俺の勘が外に出ることを勧めていたので抜け出してきた。

ちなみに、テイワズのおっちゃん…マクマード・バリストンに気に入られた。

三日月も原作通り気に入られたが、俺の場合子ども姿なのに大人か老人の雰囲気を出していて、それでいて子どもさながらの元気もあって面白いからとかなんとか。

で、原作通り三日月にそして俺に何か願いはないかと言われた。

俺はあの謎パーツを再生させて欲しいと頼んだ。

そしたら、タービンズの中にそういうのが得意なやつがいると言われてその子に頼むことになった。

まあ、顔も知らないし名前も知らないので、会うときはそのパーツを組み立てる時だろうが。

そういや、なんかすげぇシュミレーターがイサリビに運び込まれたよな。

あれ、完全に「EXVS」だった。

そして、データもリアルになっていて良い練習になった。

これ多分ゲームとして売ったら大人気だろうし、俺としては予行練習になる。

もし、また他のガンダム世界に転生してもこの練習があるため、ある程度は彼らに対抗できる。

そのため結構利用した。

対プレイヤー戦闘もできて、有能すぎだよ(笑)

そして何故か俺が乗ってるグレイズがあった(笑)

 

 

さて、そろそろ戻る頃かなと帰り道を歩いていると……

 

「ん?歌声?…これって…」

 

思わず、その歌を口ずさむ。

 

「まさかっ!?」

 

本当にこれは現実なのだろうか?

夢であったら納得してしまうよ。

歌が聞こえる方へと走ると、一人の少女がいた。

こちらに気付いたのか、驚いたようだ。

そして、恥ずかしいからかその場を離れようとする彼女に声をかける。

 

「この歌…F91の…まさかお前も…!?」

 

ちょっと変な言い方になったが。

 

 




W主人公の顔合わせ!!

彼と彼女は運命の出会いをするっ!


そして、謎パーツの正体は!?
次回に、レデイィィィゴォォォーーー!!
(ハイテンション)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6 睦月透火

あの謎のパーツは宇宙世紀の物です…(意味深)

それとそろそろブルワーズとの戦いか……
その前に一年戦争の所を書かないとね……あとグリプスも。


夜のため、薄暗くて薄いピンクの髪をした少女がいたぐらいしか解らないが、ともかく彼女は歌っていた。

あのガンダムの主題歌を。

彼女は困惑した感情から、警戒の色に変わる。

え?何故に??

意味が解らず、彼女の感情に悩むが彼女は何処かへと去っていこうとする。

 

「…!ちょ、待ってくれ!!」

 

追いかけるが、彼女の方が足が早くすぐに抜け道から去っていった。

コロニーの暗さもあって、すぐに彼女の姿は見えなくなる。

にしても、あの髪色はラクス・クラインっぽかったな……

思わず、「なんでラクス・クラインが、F91の歌を知っとるんや……」と呟いた。

 

 

帰り道を歩いている間、俺は考えていた。

彼女から感じた感情から推測するに、困惑は多分俺が来たことに驚いたのと、俺があの歌を知っていることを言ったから。

そして、警戒は自分が転生者であることを同類にも知られたくないのか、それとも何か過去にあったか……しかし、不意に見えたあの目は過去に何かあったものだし、感情にも怯えや恐怖があった。

多分、後者が一番有力だ。

それにしても、彼女の素顔が見れなかったのは惜しいかな?

きっと綺麗だったろうに。

もし、彼女がクソッタレた鉄華団の未来を変えるために動く…いや、動いているなら彼女とは絶対に協力関係になった方が良いだろう。

悪くても敵対しないことを取り付けないと、俺個人で変えられる運命はそう大きくはない。

とまあ、色々考えたが会えなきゃ意味ないしそもそも明日はマクマードのおっちゃんのおかげで、多分愛機を組み立てられるのだから、さっさと寝よう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、タービンズの名瀬さんとオルガが盃を交わしとりあえず一段落終わった頃。

マクマードのおっちゃんに呼ばれて部屋に来ると、整備長さんとピンク色の髪を持った少女。

まさかと思いつつ、彼女の気配を探ってみる。

 

 

「……何?このパーツの山?」

 

鉄華団の倉庫に埋もれてた…っていうのもなんか後々めんどくさくなりそうなので、適当に答える。

しかし、こいつがなんなのか解ったときは嬉しいに困惑が半分だったな……

と、思っていると名前を訪ねられたので答える。

 

「…あぁ…すまん、俺は禍月桐谷。鉄華団のモビルスーツ隊の隊長をみたいなことをやっている」

 

彼女と握手して、ふと思う。

なんか、可愛いな…と。

 

ボンッ!

 

と、擬音が聞こえそうなくらいに顔を赤らめる彼女。

突然フリーズしたので、思わず顔を近づけて大丈夫かと声をかけて顔を見ようとすると、猫のように素早く離れて叫ぶ。

 

「…にゃ、にゃ、にゃ…」

 

「…ニャ?」

 

「にゃにいきなりいってんにゃーー!!」

 

俺はとりあえず、聞こえていたことに今さら気づいた……

 

 

 

 

 

 

 

「…んで、よくこんなパーツ持ってたわね…?」

 

と彼女に聞かれたので、言おうかと思いつつどうしようと迷う。

結局言うことにした。

 

「…ああ…つまり、転生特典という奴でな」

 

「……は?…え?」

 

困惑した彼女は、次の瞬間ガックリと落ち込む。

何かと勘違いしたのだろうか?

 

「…感情が態度に出すぎだろ」(笑)

 

俺は笑いを堪えながら、思わず思っていたことを呟く。

この口、直さんといかんな……

 

 

 

 

 

 

 

さて、パーツの確認を終えて彼女が宇宙世紀の物だと解ると確信した。

これはアイツだ。

懐かしいが、正直あれにはトラウマもある。

若干怖いが、グレイズでは俺の反応についてこれない。

 

「あ、私は…睦月透火…よろしくね」

 

「おう、よろしくな透火」

 

本日二回目の握手をする、俺と透火。

テンパってたせいか、どうかは知らんがどちらにせよこの時、このクソッタレた世界を修正(意味深)する、コンビが生まれた。

 

…っておい、作者?パクってんじゃねぇよ??

 

と、とりあえずパーツを組み立てる作業に移るがその前に聞いてみたいことがあった。

 

「なあ、透火」

 

「なに?」

 

「あの魔改造フラッグって、透火が作ったのか?」

 

透火は少し考えて答える。

 

「うん、そうだよ」

 

「そうか……あ、俺は…解るか………にしても【EXVS】を作るって、どんなからくり使ってんだよ?しかも、俺のデータまであったし」

 

「あはは…まだ内緒です」

 

透火の感情は、後で俺を驚かしたいそうなので俺はそれに期待して詮索はしなかった。

かわりに、もう一つ聞きたいことを聞いた。

 

「透火、別のガンダム世界に転生したことはないのか?」

 

すると、透火は動きを止める。

そして、短い間があいて透火の口から出た言葉は……

 

「……元々モビルアーマーだった」

 

「へ?」

 

「…つまり、ハシュマルだったの」

 

「へぇ……つまり今回は二週目か?」

 

俺はとても驚愕していた。

多分、思いっきりそれが顔に出ているだろう。

 

「うん」

 

「そうか……俺の最初の転生は宇宙世紀だったよ。鉄華団に来る前は、エンジェル・ハイロゥで……戦死した」

 

「え、エンジェル・ハイロゥ……!?まさかお爺ちゃんになってたり…?」

 

「ハハハ……はい、そうです」

 

「えええぇぇぇーー!?」

 

中身は歴戦な爺です。はい。

 




なあ、禍月。

「ぬ?」

お前、透火ちゃんを虐めたらしいが…ほんとか?

「なんだその情報!?意味がわからん!?」

だそうです。
……怪しいのぉ…?

「おいコラ?やんのかてめぇ?EXAMで駆逐するぞ?」

…フハハハ!ジオンの騎士たるこの私を倒そうなどと!

「うわぁ…」ドン引き

エクバで最近はイフリート改使ってる影響だから、気にすんな………



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7 アベンジャーズじゃない!アベンジャーだ!

しょうもないサブタイトル(笑)

今回はあたりさわりのない適当な平和回です。というわけでかなり短いです。
新たな技能が目覚める…!?


愛機であるアベンジャーを組み立てはじめて早二日。

タービンズのお姉さんたちに、この世界の常識や個人個人の得意な領分を教えてもらって、一応この世界に必要な常識や技術をあやふやながら習得した。

俺は鉄華団のイサリビの出発の後からアベンジャーに乗って透火のフラッグに牽引されて合流する事になっている。

が、しかし合流までにブルワーズとの戦いまで間に合うか………まあ、もしかしたら事後処理するだけかもしれんが。

 

「モビルスーツの組み立ては順調か?」カチン

 

「まあまあ…ってとこですね。でも、透火ちゃんにはお世話になってるし、他のみんなにも色々教えてもらったりしてるんで文句は言えないですよ」パチ

 

「そうか、アイツらについていけねぇことに何か不安とかないかと思っていたが……大丈夫のようだな。王手」パチン

 

「うえっ……参りました」

 

うーん、良いところまで行ったと思ったんだけどなぁ……

 

「お前、学習能力が高いな。もしかしたら天才肌ってやつか?」

 

「そんなバカな。つい前まで火星の路地裏で飢えてたガキですよ?天才だったらこの年までに少なくても一日の食べれる金くらい稼げてるはずですよ」

 

「確かにそうかもな」

 

さて、マクマードさんとの将棋も終えたところで雑用を手伝いに行かないとな。

 

「では」

 

「また相手してくれ」

 

バタン、と扉を閉めて俺は退出する。

雑用…といっても掃除の手伝いとか、物の修理とか諸々。

どうせ基礎の組み立ては終わっている。

細かいところまではできない俺ができるのは、こんな雑用か力仕事だけだ。

しかし、自分でもこの学習能力に疑問を覚える。

まるで【機動戦士ガンダムEXA】のレオスのような学習能力だよ……まさかな。

データの体ではあるまいし、そもそも俺はニュータイプに耐G体質、そして今回はアベンジャーガンダムがあるのだ。

あまりにも過剰やしすぎやないか?

後々が怖いよそういうのは。

 

「さてと、手伝いに行かんとな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アベンジャーズじゃない!アベンジャーだ!」

 

「あっ……すまん!間違えた!」

 

俺はまた愛機の名前を間違えられて、訂正する。

もはや、どこぞのロングヘアーの変態だよ。

 

「そういや、こんなのが最近流行ってるみたいなんですけど」

 

ちなみに、俺と話しているのはテイワズに所属するモビルスーツ担当の整備員の一人である。

名前はユウオ・ヒタグシ。

歳は俺と同じくらいだ。

そんな彼が俺に見せたのはありえへん物だった。

 

「これが例のものです」

 

「………………」( ; ゜Д゜)

 

「…?禍月さん?」

 

「なんでジャスタウェーーーーイ!?」

 

そう、なぜか銀魂のジャスタウェイがそこにあったのだ。

 

「おいおい!?ここ来てネタか!?」

 

「あの~どうしました?」

 

「これ、どこで手にいれたんだ!?」

 

「え?なんか転々と黒髪ロングと変な着ぐるみをきた人達が売ってましたよ?」

 

「何故に本物がぁぁぁーーー!?」

 

超久しぶりに全力ツッコミをやったので、マジで疲れたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~回想終わり~

 

「マジであれは何だったんだろう……」

 

今だ何故か俺が印象的だ。

返事も曖昧になりながら、頭がボケるわでなんやかんやでコクピットの中に入る。

久しぶりのアベンジャー。

懐かしくも恐怖の思い出。

 

「あわよくば、殺人マシーンに成り下がらないことを願うぜ……」

 

イサリビへと向かう。

三日月と、新しい仲間、睦月透火と共に。

 

 

 




拗らせました。(笑)

たまには(笑)要素を入れたいかな。
そう思ってしまい、入れてしもうた(笑)
ジャスタウェーーーーイ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8 大地の復讐鬼は甦る

禍月の宇宙世紀での二つ名。
さあ、最適化されたアベンジャーはどれほどのものか……?


さてさて。

これからの展開を思い出していこう。

バルバトスを運ぶためのクタン参型をおいてけぼりにして、そのあと明弘を助ける。

で、そのあとにブルワーズのグシオンがやって来て三日月と戦う。

おおまかにはそんな感じだ。

さて、透火のフラッグに牽引されて戦場までやって来たが原作通り三日月が雪之丞さんおいてさっさと行ってしまった。

透火がイサリビに雪之丞さんを連れていくそうなので、ここで透火と俺は一旦別れる。

 

「……ふぅ、やるぞ…アベンジャー!」

 

牽引装置を解除して、牽引時のスピードのまま戦闘宙域に突っ込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がつく頃にはすでに昭弘は三日月に助けられていて、その場から離脱していく所だった。

 

「さて、子供を殺すのは目覚めが悪いからなぁ!」

 

マン・ロディ2機が、一斉に攻撃してくる。

しかし、宇宙世紀での経験がある俺には単調な攻撃は効かない。

おっと、スモークグレネードか?

 

「…やれやれ、それは悪手だぞ?」

 

攻撃を避けてカウンター。

ライフルと蹴りでのカウンターは、パイロットの体に負荷をかけるだろう。

 

「はてさて、どうやって料理しようか………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いは進み、昭弘のグレイズを追いかけるマン・ロディを追いかけていると二手に別れて、片割れがこちらに来る。

 

「本気で倒す気迫があるなら全員でかかってこいや!まあ、それでも俺には勝てんがな!」

 

我ながら舐めたセリフだな~と思いつつ、冷静に敵の攻撃に対応していく。

 

「とどめは刺さんよ。君達には未来があるのだから!」

 

ほぼ独り言なので、もし誰かが聞いていたらただのヤバイ人だな。

いや、グラハムか?w

新しく増設された120㎜キャノンを展開し、マン・ロディに当てて体勢を崩させる。

 

「それだけで充分!!」

 

こちらも新しい近接武器、ソニックブレイドでマン・ロディの関節を溶断する。

 

「怯えろ!竦め!」

 

……言いたかっただけだよ。

正直、余裕なので昭弘の方を見ると、透火のフラッグが残りの二機と対峙していた。

うむ、鮮やかな手際で相手を圧倒している。

ミサイルを囮に……か。

俺はあんまり頭を使っての策略的な戦い方はできないので、これからの戦いの参考にさせてもらおう。

直感でそういうことはしているが、予めそんなことをすることはなかったし。

 

ゾクッ

 

「ッ!?」

 

唐突に、背筋に冷たいものが走った。

方向からして…三日月か?

だが、あの距離からならかなりフィルターで殺気は薄くなる筈なのだが……まさか。

この懐かしくも呪われた機体に、またアレがあるのか?

ニュータイプである俺を苦しめるアレは、正直今の俺からしたら気持ちがいいものではない。

さて、三日月の援護に行こうか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一年戦争の回想~

 

俺が初めて転生し、最初に乗ったのはもはや連邦軍の定番、ジム。

オデッサの戦いまでに、各地を転々としながら戦果を挙げ、とある試作モビルスーツのパイロットに選ばれた。

それが、アベンジャーガンダム。

俺が宇宙世紀において、初めて搭乗したガンダム。

そして、俺にトラウマを植え付けた忌まわしき機体でもある。

どちらかというと愛着が上回る。

なんやかんやで一年戦争の間、ずっと俺と共にいた愛機だ。

オデッサ作戦後は、まさかゲームにしか登場していないSTR-1…ユニット1部隊に配属されるとは思わなかったが、それでも彼らとの会話は楽しかった。

特に隊長さんは、好印象だった。

リル・ソマーズやホア・ブランシェットさんたちは可愛かったなぁ。

特にアホの子である、リルは可愛い。

まあ、その後宇宙に上がることになり、彼らとは別れてそれっきり。

元気にやっていればいいのだが。

……そういえば、風の便りで隊長さんとリルがめでたく結婚したなんて聞いたことがあるが……本当なのかな?

今となっては解らないが。

でも、あの二人はお似合いっちゃお似合いだから、個人的には祝福である。

その頃だったかな。前世での恋人というか、なったばかりの嫁と再会したのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺様と共にシネェェーーー!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っはぁっ!?」

 

ぐっ……いつの間にか奥深くまで回想していたようだ。

トラウマまで思い出しかけた。

あれは正直、覚えたくもない。

あの感覚だけは本当に嫌だ。

 

「…おっと…そろそろ戦闘宙域だよな…」

 

気持ちを落ち着かせる。

そして、俺は真空の空間で大地の復讐鬼として戦場に降り立つ……

 

 




いずれ書こうと思っている一年戦争のお話を少し書かせていただきました。

大地の復讐鬼…それが彼の二つ名。
復讐者だけにw

よーし、明日はエクバでクスィーガンダムで階級アゲニイクゾォ!!
ちなみに階級は少尉です。
まだまだ弱い作者です。

誰かエクバ一緒にヤロー!

※エクバ…機動戦士ガンダムエクストリームVSマキシブーストON


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9 just before the battle

前の鉄血のオルフェンズ(再放送)、遂にオルガの止まるんじゃねぇぞが見れましたよ!
いやぁ、もう笑ってました。
YouTubeのやつが邪魔して(笑)しか(笑)


俺は戦い自体を否定するつもりはない。

何故なら闘争本能もまた人間の、人としての性質であるから。

しかし、やりすぎはよろしくない。

というか、それは許せん。

 

「おーい、禍月、ここはどうすりゃ良いんだぁ?」

 

おっと、雪之丞さんが呼んでいる。

病み上がりなのに、良く頑張るなぁ……今度飲みに行くときは奢るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いが始まるまでに、俺は透火とこれからどうするかと相談していた。

相談は大事。

作戦立てるのと同じくらい大事。

大事なことなので二度言いました!

 

「やらかしにチート、どっちもどっちでスゴいな……」

 

ホントにそう思う。

でも、マジでGガン以外でデビルガンダム倒すとかヤバすぎだろ。

いくらサイコフレームのおかげとはいえ。

そんな風に話していると、なんか口喧嘩になってしかも丁度名瀬さんとオルガがやって来て、なんか痴話喧嘩か何かだと思われたようだ。

 

「あ…え?ちょっ!」

 

二人がとっとと行ってしまったので、俺は弁解できず俺は内心あたふたする。

思わず出た言葉も、口ごもって透火には聞こえなかったようだが、内心は本当に穏やかではない。

ふと、彼女を見てみると若干顔を赤らめていて見るからにオーバーヒートしてそうな感じだ。

いや、それは大袈裟か。

 

 

 

 

その後も、気を取り直して彼女と話した。

まさかエイジビルダーあるとは思わんかった。

でも、置場所がなくて困っているようだ。

俺も何とかしたいが、こればっかりは名瀬さんとオルガに確認とらんとダメだ。

まあ、美人だから歓迎はされるだろうけど、名瀬さんの反応が怖いなぁ……ってあれ?

なんかオーバーヒートしてる。

 

「わ、私が美人なんて嘘でしょ!」

 

「いや、本当なんだが……可愛いぞ?嘘偽りもない」

 

と言ったらさらに赤くなって、触ったら火傷しそうな程に赤くなる。

あ、これ俺が悪いやつだ。

そういえば、ユミが気を付けろって言ってたよな……

 

『貴方はよく女の子を勘違いさせるような言葉を言うから、気を付けてよね?』

 

って。

ウ~ム、直さないとは解っているがなかなかうまくいかん。

正直諦めていたが…これを見ていると頑張って直さないとダメだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終的に、口裏合わせると色々話して終わりにした。

 

「オーライ……んじゃ、まずは海賊どもを叩きのめさなきゃな」

 

と言ったら、なんか透火に引かれた。

いや、別にクールぶってる訳でもないし、俺としては適当に言っただけなんだけどな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コクピットに座ると、また寒気がした。

改めて、コイツがこの世界で通用するのは何時なのか、とても気になる。

しかし、このアベンジャーは何を俺に伝えたいんだ?

一々このコクピットに入る度に寒気が走る。

やはり、あのシステムがあるのか?

それに仮眠室で見たあの夢は……今だに震えが止まらない。

 

「くそっ!なんであんな夢を見せる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が宿敵!ここであったが百年目ぇ!」

 

「俺様を追いかけてきたか!やはり運命は俺様のためにある!」

 

「俺様に敗北を味わせた恨みを、ここで晴らすっ!!」

 

「貴様のような意味がわからん俗物に、やられるわけにはいかんのでな!」

 

「虫酸が走る!貴様は消えろ!」

 

「私にプレッシャーを与えるパイロットが二人もいるなどと……!」

 

「君は、この戦いに関わる資格などないのではないのかな?クガヤ・アルファラ君?」

 

「私は貴族主義のために戦う!貴様は家族のために戦うと言いながら、底から感じる説得力がないのだよ!」

 

「私の邪魔をするなっ!!」

 

「隊長!?隊長ー!?」

 

「我々は……この戦いの役に立てたのでしょうか…?」

 

「母さん……ごめん」

 

「クソッ!連邦の犬がぁ!」

 

「ジークジオン!!」

 

 

 

 

『ジークジオン!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っはぁっ!?」

 

いつの間にか夢に、回想に意識を飛ばしすぎていたらしい。

せっかく拭いた汗がまた出てきた。

 

「…っ!クソ…」

 

エースパイロットから、俺の部下たち、殺した敵兵たちのプレッシャーと怨み、そして無念の思念が一斉に襲いかかってくる。

まだ、俺を壊そうとするのかアイツは…!

 

 

 

ソイツの名前は、ヘグタス・シュターゼン。

そう、あのイフリート改のパイロット、ニムバス・シュターゼンの義弟である。

 




……登場人物のプロフィールを軽く

禍月桐谷(クガヤ・アルファラ) 17歳くらい

宇宙世紀のステータスも一緒に、ポストディザスター世界に転生した。
宇宙世紀ではくすんだ金髪に中肉中背だったが鉄血世界では白髪赤目の高身長の男。
少しイケメン+細マッチョ。ただし、イケメンと言っても顔が整ってるぐらいなだけ。
アベンジャーのパイロット。



睦月透火(セファー・イツカ)

ピンク色の髪を持った少女。
美人で可愛い容姿をしている。
オリ主と同じ転生者。
前世では人造人間。モビルアーマー、ハシュマルのコアユニットだった。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10 ニュータイプ

この回は戦闘回でございます!

アベンジャーに搭載されていたアレが動き出す……!




機体は万全。

これならいつでも出撃できる。

とまあ、当たり前なことを考えているうちに昭弘がグレイズ改でカタパルトから射出されたから、俺も早めに出るために、カタパルトの上へ。

 

「昭弘、もしダメそうなら手足引きちぎってでも取り戻してこい」

 

「ああ…わかった…!」

 

ホントにわかったのかな?と、思ったのは今後原作の展開を想像したためである。

言い方が悪かったからなあ、原作のやつは。

 

「さてと、いっちょやりますか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に言っておこう。余裕で戦えていたのは序盤だけであった。

 

「グレイズがいる上にマン・ロディが多いな…!」

 

何故かグレイズが存在しており、動きからしてベテランだ。

しかも、戦闘を何度も潜り抜けた重みのある動き。

 

「賞金稼ぎか?まあ、叩き潰すだけだが!」

 

そういや、透火に通信を切ってくれなんて前の戦闘の後でぼやかれたが、ミノフスキー粒子があった宇宙世紀育ちの俺にとっては、通信をONにしてても切れてる状態だったからついつい切るのを忘れてる。

 

にしても、このグレイズはやるな。

 

「邪魔…すんなぁ!」

 

「こちとら大金がかかってんだぁ。無理な話だな!」

 

ま、そんなもんだと思ったけど。

しかし、コイツらはどんだけ戦ったんだよ?

殺意も凄まじいし、他のグレイズも同じくらいに強い。

これだとジリ貧だ。

 

「ライフルで当たらねぇならキャノンも当たる訳がねぇし……決め手がないな…」

 

しかし、一方の相手も決め手が無いようなので一安心だが。

 

「クッソ!もっと簡単に終わると思ってたのによぉ!」

 

「ここで死ぬなんてありえへんからな!」

 

ソニックブレイドとバトルアックスがぶつかる。

しかし、次は後ろから他のグレイズが。

 

「ああもう!手こずらせんな!」

 

俺はライフルを至近距離で後ろのグレイズに当てる。

ナノラミネートの装甲を破壊することはやはり出来なかったが、それでも動きを阻害できた。

まあ、バトルアックスを左肩のアーマーに受け止める結果になってしまったが。

 

「おやっさんと透火に怒られるな…!」

 

さすがにこの強敵相手で4対1は、現状のアベンジャーだとちょっと厳しい。性能差で何とか押し留められるが。

ソレデリアかNEO・Hi-νガンダムなら、何とかできるのだが。

あ、でもビーム効かないんだよな………

相手の動きを注意深く観察する。

やはり、動きはプロだ。

そして、何かが取り巻いている。

アイツラを取り囲んで、まるで呪うように……

 

「っかはぁっ!?」

 

まずい、いつの間にか亡霊の悲しみに取り込まれるところだった。

しかし、これでは彼らはどれだけ殺してきたか……解ってしまうではないか。

だが、その時、一番起きてほしくない現象が起きてしまった。

 

【EXAM SYSTEM stand by】

 

注意の表示バーが、モニターに現れ、コクピットの中を赤く染める。

 

「うそ……だ」

 

表示バーには、しっかりと【EXAMシステム】の名が刻まれていた。

 

「あんなのが……あんなのが何でポストディザスターにあるんだよ!?」

 

淡く期待していたのだが、やはり上手くいかないな。クソッタレ。

 

「あぐっ!?」

 

俺の中に誰かが入ってくる。

俺はこれから起きるだろう事象に、恐怖と冷や汗をかく。

通信を切り、この世界のEXAMシステムの真髄を見極める。

システムという、外壁の向こうには……ただ人の形を保っただけの、ただのシステムだった。

何もない、ただの……システム。

 

「うわああぁぁぁぁぁーーーーーっっ!!!」

 

頭が痛い。

亡霊の声が、頭に響いてくる。

しかし、俺の腕は止まらない。

このシステムは、相手を殺し尽くすまで止まらない。

だからこそ、俺は嫌だった。

こんなのがないと、オモイタカッタ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのあとの記憶は曖昧だ。

ただ、グレイズ四機のコクピットを無慈悲に貫いてその生を終わらせる。

それだけだ。

戦闘が終わり、システムも丁度停止したので久しぶりにかかった強烈なGによる疲労を乗せながら、機体をイサリビへと動かす。

コクピットから出れたまでは覚えている。

そして、戦闘中にどんな風に動いたか、少しばかり覚えている。

だからこそ、俺は吐き気を感じた。

彼らの最後の悲鳴が、俺の頭にまだ響いている。

そのあとは気絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 

イサリビのベットの上で俺は起きた。

丁度、透火が扉を蹴破る勢いでやって来たが。

思わず、「ヴェ?」って小さく口からポロッと出たわ。

聞かれた内容は、やはりEXAMシステムの事だった。

しかし、ホントにこの事を話していいものか?

と、思っていたが彼女から感じる目線と彼女から感じる感情で話すことにした。

まあ、結局はガンダムでよくある重たい話。

それが俺の人生であるだけだが。

しっかりと俺の過去を聞いてくれた透火。

そんな彼女に、俺はいつの間にか好意を抱いていることに気付いた。

そんなチョロくないだろ、俺?

でもまあ、彼女に感謝しているのは事実だ。

だが、そんなのも考える余裕を与えるつもりはないのか、睡魔が襲ってくる。

俺は気絶したときのような、夢を見ずにただ体の回復に俺の本能が働いていた。

 

 

 

 

 

 

 

次に起きたときはオルガと三日月、昭弘がいた。

 

「あ、起きた」

 

「桐谷、大丈夫か?」

 

「おう、何とか大丈夫だよ、団長さん」

 

「ふう……」

 

おいおい、大袈裟な安堵の息してんなよw

と、そこで昭弘が前に出てくる。

 

「桐谷……ありがとうございます……!」

 

「いいって、兄弟は何時かは離れるだろうけど、それでも何時までも一緒にいる仲だ。取り戻せてなによりだよ」

 

なんともまあ、敬語で感謝の意を伝えてきた明弘。

ちょっとビックリ。

そのあとも、三日月と昭弘と少し話をして、二人は退室した。

そして、オルガが残った。

………多分、これからの事についてかな?

 

「桐谷……これからの事なんだが……」

 

「オルガ、いつも言っていたことだが今改めて言うぞ。誰かに頼るのは良い。誰かに意見を求めるのは悪いことじゃない。だけどな、誰かの意見ばっかを自分の意見にしてちゃお前は団長にはなれないぞ。俺はあんたらの団長にはなれない。俺にはその責任は重すぎる」

 

「………………」

 

「オルガ、まずは自分の意思を見せろ。お前の覚悟を見せろ。でなきゃ、三日月にぶん殴られるぞ」

 

「………!」

 

その後、オルガはみんなの意見を聞きながらも、しっかり自分の意思も見せていた。

やはり、若いって良いね。

 

 

 

 

 

 




いや、おぬしが言えることか!?みたいな事になっていますが、実際、歳は伊達に食ってないのでそう思うのが禍月であるのです。

「ポストディザスターでの老後はどうしようか…」

………その前に嫁さん見つけたら?

「いやいや、俺にはユミが…///」

今誰を思い出した?(ニヤァ)

「う、うっせ!///ちょいとイサリビ一周してくる!」

……どゆこと?



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11 死した鉄の華逹は氷の華へ

また、この夢だ。

自分の人生を振り返るかのように、宇宙世紀での思い出を俺の視点で見ていた。

 

『次の隊長はお前だ、クガヤ・アルファラ……』

 

『隊長、今までありがとうございました…』

 

『あたしはプロトプルツーだ!』

 

『私を煽るか!俗物めが!』

 

『私、シャア・アズナブルが粛清しようと言うのだよ、アムロ!』

 

『すみません、僕のせいで……』

 

『クガヤさん……ありがとうございます!』

 

『兄さん、その…助けてくれてありがとう…///』

 

『クガヤさんは……どうやってそのガンダムを…?』

 

『クガヤ大尉ですか!?僕、フォント・ボーって言います!サイン下さい!』

 

『すごい…これが一年戦争の大地の復讐鬼…』

 

『私の理想を、貴族主義の実現を邪魔するなぁー!』

 

『ヨナ・バシュタです…今日からしばらくお世話になります』

 

『クーくんはクーくんだから良いんだよ♪』

 

『お父さん大好き~』

 

『クガヤさん、ありがとうございます。相談に乗ってくれて……え?同じニュータイプだから仲良く?……ハハハッ!』

 

 

 

 

 

 

カミーユ、アムロ、シャア、トビア、フォント、ヨナ、マリーダ、バナージ、良き先輩であり、上司だった隊長、最愛の妻と娘逹、ハマーン、良い部下だったカナデ、シーブック……沢山の人達と出会った。

今思えば、こんなに原作キャラと出会えるなんてオタクとしては嬉しすぎるものだろう。

そういや、結局フォントとベルナデットは上手くやっていけてるのかな?

そう思いながら、俺は目覚めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が起きたときには既に氷の華を作りかかっていた。

俺も手伝おうかと思ったが、止めた。

せっかく良い目覚めだったのに、この宙域で死んだ魂逹の声がうるさくてたまらない。

気持ち悪くなって、二回くらいトイレで吐いた。

出せるものを出しきって、食堂でアトラちゃんの作った飯を食べた。

うーむ、美味い!

三日月、マジで羨ましいなぁこんな良い嫁さんを貰えるのだから。

でも、彼はそこら辺には全然興味もないからアトラちゃんにはしっかり伝えるようにと言っとかないとな。

いや、でも原作では結局くっついてたから大丈夫か……?

と、考えながら食べているうちにライドがホームシックを起こして来たようだ。

俺も、一年戦争のオデッサ作戦直後はホームシックになってたなぁ。

いや、あれは精神衰弱か?

まあ、どちらにせよ懐かしい記憶である。

というか、もはや俺は影だな。誰も気付かねぇ(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は船外に出て、鉄華団のみんなと共に氷の華を見ていた。

俺は無意識に連邦軍式の敬礼を、氷の華に、死者に捧げていた。

みんな、氷の華に夢中だったから俺の敬礼には気づいていなかったので、運が良かった。

だが、やっぱ気持ち悪い。

船内でも色々聞こえて気持ち悪かったのに、船外に出るとさらに気持ち悪くなった。

正直、死んでいった彼らには悪いが早くこの場を去りたかった。

だが、透火がこっちに来て俺に昭弘のフォローを頼んですぐに元の場所へと戻っていった。

 

「ふう……まあ、あの様子じゃそうした方が良いよな」

 

ヘルメットのバイザーのおかげで透火やすれ違う鉄華団メンバーには、俺の顔色が悪いことには気付かずにいた。

わざわざこんなことで心配されるのは、俺としてはやめてほしい。

まだまだ、先は長いし。

深呼吸して、俺は昭弘のフォローに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船内に戻り、自室にでも戻ろうかと思いながら展望室がある場所に近付くと、歌声が聞こえた。

たしか、ダブルオーのマリナ王女と子供逹の歌っていたものだよな。

そして、この歌声は……透火か。

聞いていて心地の良い歌は、いつの間にか聞き入ってしまい、そして俺のざわめきが落ち着いていった。

あのうるさい死者逹の声が聞こえなくなった。

その事実に俺は驚く。

が、その前に彼女が俺がいることを気付いてこっちを向いていたので俺は頭を掻きながら、謝った。

彼女は気にしてないと言いながらも、少し気まずそうだ。

しかし、俺の顔に違和感があったのだろうか?

俺に近づいてきて手を額に当ててきた。

柔らかい手だな……こんな手がモビルスーツを動かし、人を殺す兵器を作り出し、修復している……なんとも言えないが、別にそこに忌避感はない。

ただ、転生者だとしてもそんな人生なのは悲しいな…と思っただけだ。

が、次の瞬間何かが流れ込んできた。

まるで、白昼夢を見ているように。

 

「ご、ゴメン!もう寝るね!」

 

と、彼女は言っていたが俺は呆けていた。

何故なら、彼女の過去の記憶が流れ込んできていたから…………

 

 

 

 

 

 

 

 

多分、この記憶は透火という転生者としての記憶だ。

ハシュマルから出され、三日月たちと出会い、そして楽しい日々を過ごしていた。

そして、バエルやらラスタルやらと戦乱において彼女は戦況をもコントロールした。

ヤバイよ、結構な策略家だよ、この娘。

ちょっと怖く感じだが、別に敵でもないしそもそもこれは彼女の記憶だ。

勝手に見ておいて嫌いになるとか、ただのクズだわ。

だが、それを言ってしまうと俺がもっともえげつないだろう。

バリュートを破って焼き殺し、戦闘中にも関わらずハマーン相手に煽りまくったり。

記憶は場面を飛びながらだが、俺に見せ続けていた。

そして、この世界での新しい転生人生。

出だしは最悪すぎる物だった。

何処か、おかしくは感じていた。

たまに、少し暗いところににいるだけでも、ちょっとだけ体が震えていたり怯えた感じを無意識ながら見せていた。

これは確かに暗闇が怖くなり、偽名を作ることになるだろう。

まあ、その偽名の由来が気になる所で解らなかったので、とても気になるが。

ただ、この本来の少女の記憶を見せられたというものらしいので、疑念を感じる。

もし、転生させるなら、テンプレな赤ん坊からか、俺のように唐突に前世の記憶を取り戻すパターンがある。

透火の場合、後者に近いのだが俺の場合は前世の記憶が甦るまでの記憶が、ただの映像のように思い出せるだけだ。

しかし、彼女の場合はまるで体感させたかのようだ。

簡単に言えば、少女の記憶が透火に心理的に大きく人格に影響を与えているのだ。

本来の転生が俺と同じパターンの転生なら、これは何か裏があるかもしれない。

意図的に与えた心理的な攻撃……嫌な感じがするな。

アムロさん…だった者逹の言っていた事にも、これは通ずるが確証がない。

結局、俺は勘が良いだけの人間なのだから。

 

「あ……」

 

長いようで短かった。

彼女が出てからほんの1分。

その間だけで、彼女の人生を見てしまった。

無遠慮に。

 

「こりゃ、また悩み事が増えるな…」

 

この高い感受性もどうにかしなければな……

まあ、フィルターかけるだけで精一杯なので無理だが。

 

「ま、悩んでも仕方がないか。俺は今まで通り、鉄華団を壊滅させず、ハッピーエンドで終わらせるだけだ」

 

あ、そういやオルガに仕事が終わったらテイワズの各々の組織に挨拶してこいって言わないとな。

これは将来的にも大事なことになるし。

なので、俺は自室へ向かう通路からオルガがいるだろうブリッジに向かう。

 

 

ー                 ー

 

 

俺は透火の過去に関しては、俺はどうすることもない。

何故なら、それは彼女の克服すべきトラウマであり、試練でもある。

彼女が助けを求めるなら、迷わず助けるがそれまでは俺はなにもしないだろう。

どうするかは彼女次第。

同じ転生者ではあるが、経緯が違う。

そして、俺は彼女の苦痛やトラウマ、その時の感情をどんなものか理解できても、完全な共感はできない。

だから俺が下手に口を出せば、闇堕ちなんてなりそうだから洒落になんないので助けを求めるまで、俺はただ待つだけだ。

オルガでも、俺でも、三日月は微妙だがとにかく誰かに相談し、克服する覚悟ができるまで待つしかない。

もしかしたら、既に求めているのかもしれないがそこまで俺はできた人間ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最近はマキブオンでΖガンダムに目覚めました~

ビーム乱射が楽しい…!

「グリプス戦役 地球降下作戦」と一緒に出したので、そちらもよろしくです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12 「燃え上がれ、ガンプラぁぁーー!」

相方さんの方では透火ちゃんの暫定声優が決まっているそうですね……うちの禍月は銀さんです。
クガヤの時は…花江夏樹さんで良いかな?(暫定)




俺の前には、ガンオタなら絶対やったことがあるだろう物が置かれている。

そう、ガンプラである。

唐突にこれを組み立てて欲しいと言われて正直、ガンプラで何すんのか想像できなかった。

懐かしく感じるが、なんでガンプラが出るのかよくわからん。

彼女は【Gビット】と総称していたので、何かの役に立つのだろう。

 

「んまあ…頼まれたからやるか。ガンプラの王者の血が騒ぐぜ…!」

 

俺の世界ではガンプラバトルなんてできなかったが、それでも可能性の未来としてアニメ放映されていた。

最終的にはデータ化してたなぁ。

ちなみに、透火の方も俺と同じ模様。

何となく、俺達は同じ世界から来たのではと予想している。

だが、本当かどうかはその世界に行って確認するしかないので、確証はない。

でも、彼女の記憶から入手した情報だと俺が住んでいた地域と違うため詳しくは解らないが、俺のいた世界と、あまりにもかけ離れた世界ではなかった。

結局の所は、迷宮入りの問題なんだろうが。

 

「どうせなら、カラー変えるか」

 

多分、形状は変えてほしくないだろうから(勘である)カラーだけでも変えよう。

正直、組み立てるだけじゃつまらんし。

ダブルオーはとりあえず、艶消しで塗装の勘を取り戻させる。

アリオスは青系統の迷彩カラーリング。

ケルディムは、迷彩柄を入れる。もちろん、緑系統を中心にだ。

セラヴィーは、白黒の明るさの色で。

 

「塗装道具は代用含めてあるけど、しばらくぶりだから不安だなぁ」

 

俺は格納庫から持ってきたニッパーやら塗装道具を見て、少しため息を吐いた。

まあ、できないわけではないからやるだけだ。

俺は換気をONして、作業に入った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作業自体は次の日で全て終わらせた。

持ってきてくれた時間が良かったのである。

お昼時に持ってきてくれたので、半日以上頑張って作った。

艶消し、塗装も問題なく終了してピッカピカである。

汚しも綺麗に入れて、本当のモビルスーツのような姿になった。

まあ、綺麗にやったところで、破壊されれば意味ないし、そこら辺に関しては俺がやりたくなっただけなので文句を言われたら素直に謝るつもりだ。

元のカラーリングに戻すのは……明日までには終わらんか。

まあ、そんなわけだから俺は寝ます。

 

「zzzzzzz」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きるともう昼飯の時間だったので、ねばつく口の中を湧き出る唾で消しながら食堂へ来た。

 

「あ、禍月さん!」

 

アトラちゃんが飯を持って、俺のところへやって来た。

 

「はい、これ食べてください!」

 

「うん、ありがと。美味しく頂くよ」

 

俺は食堂のテーブルに飯を置いて、食べ始めた。

アトラちゃんの飯は上手いけど……やっぱり、日本食が恋しくなる。

宇宙世紀では寿司とか、天ぷらなどの日本食は意外と流通してたので困らなかったが、ポストディザスターでは三百年前の厄災戦でほとんどの技術や食べ物が死滅したりとかしてるので、なかなか食えない。

どうせ、明日か明後日にはドルトコロニーなので気合を入れるのと日本食への恋しさを消すために、作ってみるか。

肉じゃがくらいなら作れるよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、作る前に俺は格納庫へ向かった。

そこでは後に流星号と呼ばれるグレイズが、透火によって魔改造されており、バルバトスやグシオンなども多分、目に見えないだけで大幅に強化されているのだろう。

 

「……Gジェネだったら、整備兵かパイロットのどっちかかな?」

 

…くだらん予想だろうか?

まあ、ともかくとして、順調かどうかは解らないがとりあえずビスケットの運命を決める前座とも言える、ドルトコロニーが近づいてきている………

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに、気になって花江夏樹さんでガンダムキャラを探してみたらビスケットだった(笑)
何だろう、ビスケットと竃。なんか運命を感じる(笑)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13 肉じゃがとフルート

幕問のつもりで書いてたけど、やっぱ本編にも深く関わるかもだから本編にしました。

禍月は意外にも楽器が扱えるのです。

※二話続けて出しているので、12話を見てない人は12話を読んでください。


格納庫での様子を確認したあと、運がいいのか誰もいない食堂へやって来た。

 

 

やはり、食べたいな日本食。

今作れるのは…肉じゃがかな?

食べ物は…うん、とりあえず、大丈夫だな。

肉は本来は、豚肉が良いのだがないので合成肉を代用。

野菜その他諸々はなんとかなるだろう。

 

「よし、作ってみっか!」

 

 

 

 

 

 

数時間後、できたのは鉄血版の肉じゃが。

懐かしい匂いと見た目だ。

味見してみると…うむ、肉じゃがだ。

 

「あれ?ここで何をしているんですか?」

 

と、ここでやって来たのはアトラちゃんとクーデリアさん。

…やっぱどっちも可愛いなぁ(´・∀・)

 

「肉じゃが作ってんだ。味見してみる?」

 

「じゃあ……っ!美味しいです!」

 

「良かった。肉じゃが、本場のよりは格は下がるだろうけど、ちゃんと肉じゃがの味だ」

 

「…凄いですね」

 

と、クーデリア。

彼女はまだ思い悩み続ける状況なため、俺としては上手く話しかけにくい相手である。

…ドルトコロニーでのフミタンの死はどうしようか?

なるべくなら回避が望ましいが、そうなると色々とデメリットもできるし、色々と大変になりそうだ。

そして、救えるかは俺達の行動次第。

何とも詰んでいそうな状況である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肉じゃがは鉄華団のメンバーたちにも好評だった。

アトラちゃんにも、後で作り方を教えて欲しいと頼まれた。

透火にも色々言われたが……まあ、それはあちらさんに任せよう。

 

「さーてと。ガンプラもできたし、久しぶりやってみるかぁ…」

 

俺はフルートを手に、一曲やった。

 

【BGM:コマさん都会へ行く】

 

フルート自体は、歳星にて買ったものだ。

結構安く売られていた。

部屋で吹いていたのだが、どうやら俺に用があったのだろう透火が何やら驚いた目で俺を見ていた。

 

「フルート吹けるんだ…」

 

「まあ、ある程度な。娘たちが喜んでくれたし、老後のちょっとした資金稼ぎにもなったし」

 

「にしても、なかなか渋い上に古いゲームの曲を吹いたね…」

 

まあ、それは認める。

 

「確かにな。でも、なんか心が無性に懐かしく感じさせてくれるから好きなんだよね」

 

とりあえず、話をするために一旦フルートを机に置く。

 

「他にもできる楽器あるの?」

 

「あー、ハーモニカ、ドラムにトランペット、ギターあたりならプロとまではいかないけど、できるぞ」

 

「…一人バンドでもやるの?」

 

「やらないし、そんなに俺は病んでない。そして、ぼっちじゃない!」

 

「…もう一曲やってみてよ」

 

「ん?まあ良いけど」

 

改めて聴いてみたいのか、催促してきたので俺はフルートを構える。

そして、選曲したのは「いつか空に届いて」。

ポケ戦の主題歌である。

内容的には戦争をあまり感じさせないのだが、最後がバットエンドに近いグレーエンドな終わり方だった。

ゲームなどでifの経路があるが、正史ではガンダムとザクが相討ち終わるという、ザクが初めてガンダムを倒せた物である。

宇宙世紀でのその記録を覗いてみても、同じようで、残っていた写真にザク改のコクピットにアレックスのビームサーベルによって穴が開けられていた写真があった。

あまり、思い出したくないな。

そう思いながらも、俺はフルートで曲を演奏しきった。

 

 

 

 

戦場でも、これのお陰でリラックスできた仲間も多かった。

特にリガミリティアで、よく重宝されたもんだ。

何度目かの懐かしさが胸に込み上げてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー        ー         ー

 

予想図(暫定)

Gジェネ風にしてみた禍月桐谷のステータス(初期)

 

射撃310  格闘330  反応380  覚醒380

指揮100  魅力110  補佐130  通信50

整備80  操舵80

          弱   普通   強

          ~~ーーーーー<<<

             200/400

アビリティ(暫定)

・ニュータイプLvMAX ・器用Lv2 

・熱血  ・歴戦の勇士Lv1  

 

 




ステータスに関しては、作者の最新のGジェネ知識が不足しているため、曖昧になっております。
申し訳ありません。

あくまで暫定なので、批判は受け付けません。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14 サヴァラン・グリフォン

最近は妖怪ウォッチ3しかやってないからか、すごくガンゲーがやりたいのだ……

サヴァランの対処はこれでいいかなぁ…??




ドルトコロニーに着いたのだが、ここで一つ問題が起きてしまった。

オルガにイサリビで待機するように言われてしまったのである。

この時ばかりはオルガにちょっと殺意を抱いた物である。

一足先に、というか完全なフライングの希望の花を咲かせてやりたくなったがそれやったら俺が皆に殺されるのは当たり前なのでやらないし、そもそも殺すまでの程までではない。

でも、考えてみると多分、戦闘以外では透火にフルボッコ。

戦闘だと昭弘ぐらいまでならアベンジャーで倒せるだろうが、三日月相手だったら……良くて相討ちか?

まあ、そんな状況になんて一切なりたくないし、するつもりも毛頭ない。

あり得るならジェネレーションシステムによる、改変でなら……いや、いつまでこんなことを考えてるんだよ┌(`Д´)ノ)゚∀゚)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、俺の目の前にはサヴァランという、ビスケットのお兄さんがいる。

原作ではアトラちゃんをクーデリアと勘違いして、色々暴力を振ってたが…(彼自身はやってないが)俺としてはどうせ死ぬなら役に立って死んでほしい。

ギャラルホルンや会社の内情をよく知ってしまったコイツに居場所はない。

とりあえず、脅してイサリビまで来させた。

さて、ご対面だ。

 

「さて、とりあえず話し合い…というか取り引きしようか?」

 

「取り引き…?」

 

そう、取り引きである。

何故?と聞かれれば、今後のためである。

 

「どうせ、内情を知ってしまった君には暗殺者が向かわれているだろう?」

 

「ぐっ…」

 

「だからこそ、どちらもメリットのある取り引きをしようじゃないか……と、その前に」

 

殴った。

顔面に思いっきり。

 

「ガッ!?…な、何を!?」

 

「弟騙して勘違いとはいえ、俺達の仲間を拐おうとしたんだ。これぐらいさせろ」

 

さて、本題に入ろうか。

ちなみに「OO」の操作は既に指示は済んである。

後は、勝手に元凶になるヒットマンを邪魔してくれるだろう。

 

「とりあえず、時間がないから手早く説明する。サヴァラン、うちに雇われろ」

 

「は……?」

 

「生きたいのか死にたいのか、どっちだ?」

 

と言って、俺は銃を向ける。

ちなみに何気に三日月のと同型の拳銃です。

区別できるよう、赤くしてますが。

 

「ど、どういうことだ!?何故ビスケットを裏切った私を雇うんだ!?」

 

「別に死にたいなら構わんぞ?……まあ、理由を述べるなら一応ビスケットの身内だからって所か。後はうちには会計とかそういうのができるやつがほとんどいないからな。できる奴なら誰でもいいんだよ、ぶっちゃけ」

 

と、言った。

実際、原作でもそういうことに関して、鉄華団は終始徹夜するほどまでになっているので、そういう人材が一人でもほしい。

後は裏社会との繋がりもほんの少し、予想はしているがまあ、劇中ではそんな感じはなかったので期待はしない。

 

「嫌なら別にいいぜ。俺はあんたをここに拘束してほったらかすだけだし」

 

「……もういい……鉄華団だろうが何だろうが雇うのなら雇われてやる!」

 

「…了解した。んじゃ、とりあえず武器は回収させてもらうな。後、うちにいる時は鉄華団メンバーができる限り守ってやるさ。まあ、皆に一度くらい殴られるかもしれんがな。詳しくは後で説明するから、ブリッジに行くか」

 

そう言って、俺は一応念のために拘束具を着けて、銃をサヴァランに突きつけながらイサリビの中に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「CHERUDIM」は、既に脳波操作で透火から連絡もあって援護に送ったが頭が疲れるなぁ。

とりあえず、こちらの方は何とか終わらせたぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「ん?パイロット皆でバトルロイヤル?何だそれ、楽しそうじゃん」

 

とある日のイサリビの一室、俺に割り当てられた部屋で透火とシノがバトルロイヤルをやるとのこと。

例のあのマシンでか。

楽しそうだし、いっちょやりますかな。

 

 

 

 

ルールは簡単。

最後に生き残った人の勝ち。

ただし、機体は自分のものを使用すること。

つまりは、俺はアベンジャーで透火はフラッグ、三日月ならバルバトスといった所か。

勿論、戦場はデジタル世界なので死ぬこともないし、機体が壊れることもない。

いわゆるシュミレーションだ。

まあ、当たり前だけどな。

皆が画面を凝視するなか、俺はもう癖となって染み付いた言葉を言う。

 

「クガ…んんっ!禍月桐谷、アベンジャーで出る!」

 

 

 

「二代目流星号……ね」

 

戦場は地上。

場所は今後の戦いを想定してか、島での戦いだ。

だが、アベンジャーのホームグラウンドである地上で負けるわけにはいかない。

そして、目の前にはシノが操る二代目流星号こと、ピンクに塗られたグレイズ。

派手にするなら金ピカにすれば?とも思えてしまうが、まあ今はどうでもいいか。

 

「早速の所悪いが……倒させてもらう!」

 

「マジか!」

 

ソニックブレイドを抜き放ち、斬りかかる。

シノは盾でガードしようとするがこのソニックブレイドには、その手の防御は悪手だ。

 

「ぬわっ!?」

 

「ちっ!」

 

左腕を切り落としたのは良いのだが、そこまででさすがにシノは後ろに下がって体勢を立て直そうとする。

だが、そうはさせんさ。

 

「墜ちろッ!」

 

「クソッ!切り替えがはえぇ!?」

 

左手に保持させていたライフルでグレイズを的確に攻撃する。

直撃をくらい、更に体勢が崩れる。

そして、一気にスラスターで近づいてグレイズの頭部を蹴り飛ばす。

 

「うわわっ!?」

 

「遅いッ!」

 

トドメにライフルをコクピットに突きつけて発砲する。

さすがに一発では貫通できなかったが、何発か撃ち続けてコクピットを破壊した。

 

「うひゃあ……強すぎるぜ……」

 

「シノ、素質は良いけど荒磨きすぎる。行動するならすぐに決めろ。でなきゃ、即倒されるぞ」

 

と、助言して次の獲物を狙うためにアベンジャーを動かす。

とりあえず、隠れる場所が多い密林地帯に向かうか。

そこまで大きいものではないが、それでもモビルスーツが隠れる場所があるくらいには広いし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発見したときには、既に攻撃を受けていた。

 

「マジかよ、グシオンやん」

 

「禍月さん……悪いがやらせてもらう!」

 

ちなみに、ここまで来るまでアストンとラフタに出会ったが、ラフタの百錬は少しの損傷があったので誰かと戦ったためか動きが悪かったのでアストンよりは早く倒せたが、グシオン相手だと不味いね。

まず、アベンジャーとグシオンのパワーが違う。

Ξガンダムとかならいけるかもしれんけど。

 

「そう簡単にはやられんさ!」

 

ライフルを撃って近寄らせないようにするが、やはり装甲の頑健さを活かして突撃してくる。

 

「なら……コイツで!」

 

オプションバルカン砲を使う。

閃光弾で、グシオンのモニターをホワイトアウトさせる。

 

「グオォッ!?」

 

「もらった!」

 

すかさずソニックブレイドを振りかざすが右腕を斬るだけに至り、避けられた。

 

「クッ!」

 

「無闇に突撃するのも良いが、バトルロイヤルでそれは悪手だぞ、昭弘」

 

「何?」

 

「孤立化したときにはなるべく弾の消費や装甲の損傷はなるべく避けることが一番なんだよ。いざというときに、特に三日月との戦いで負けちまうぜ?」

 

「………やっぱり頭がいいやつは違うな」

 

「いやいや、俺もそこまで良くないよ。でも、せめて戦場では頭を使えるようにしときな」

 

と、会話してすぐにアックスとソニックブレイドの刃が交わる。

もちろん、アックスは焼ききられ、グシオンの頭部をかするが、グシオンはサブアームで殴りかかってきた。

 

「クッ!」

 

咄嗟にシールドで防ぐが、これがリアルだったら衝撃でコクピットの中はかなり揺れただろう。

思い出すとちょいと吐き気が……

後ろに下がり、キャノン砲を使う。

 

「ぶっとべ!」ドンッ

 

「ウオッ!?」

 

ギリギリ回避したようだが、ソニックブレイドの切っ先がコクピットに吸い込まれる。

コクピットを貫通して、グシオンは機能停止した。

 

「…さすがです」

 

「昭弘も良かったぜ」

 

と、ここで上空から攻撃が。

上空から、ということは透火か。

左肩に直撃をくらってしまい、装甲が弾け飛ぶ。

 

「やってくれる…!」

 

「私だってただで負けられないからね!」

 

フラッグにも、幾つか被弾の後が目立つがライドやラフタたちとの乱戦で勝ったのだろうか?

まあ、どちらにしても落とすだけだ。

 

「モビルスーツ隊隊長を任されてるんだ。負けられないなぁッ!」

 

ライフルとキャノン砲を交互に、そして同時に撃ったりしてフラッグを空から落とそうとする。

 

「ヒャッ!?」

 

「おいおい、避けるだけか?」

 

結構避けてるが、その分反撃が疎かになっていた。

うーん、実戦では強かったのだが……まさかニュータイプとかXラウンダーの類いか?

場合によればサイキッカーもあり得るが………まあ、それは俺も同じか。

だがまあ、生身と機械では違うから経験値の差で負けているのだろう。

 

「っと、今度は三日月か!」

 

「悪いけど……全部落とさせてもらうよ」

 

「ヤバイ……三日月だ…」

 

俺達の戦いに乱入してきたのは三日月の駆る、バルバトス。

何だか、某有名な狩猟ゲームのメインテーマが脳内再生されたんだが、バルバトスは悪魔だよな?

モンスターではないよね?

と、考えていればバルバトスがこちらに滑空砲を撃ってきた。

もちろん避けたが、やはりバルバトスの動きは掴みにくい上に、すばしっこいので当てにくい。

 

「キャッ!?」

 

どうやら三日月の滑空砲にやられたらしい。

フラッグが背部から煙を上げながら、地上に降りてきた。

リニアライフルで俺と三日月を近付けないようにしているが、テンパったのかかなり無駄弾を撃っており、じきに弾切れになるだろう。

とても読みやすい弾道のため、ちょっと煽りたくなって体操選手がやるような運動をしてみた。

空中回転とか、バク転とか。

もちろん、ギリギリアベンジャーの関節部が損傷しない程度にだが。

 

「ちょっ、そんな事もできるの!?」

 

「………すごいな、それ。バルバトスにもできるかな?」

 

「三日月、おやっさんが泣くからやめろ」

 

……さりげなく三日月が真似をしようとするので止めた。

 

 

 

 

 

 

結果的に、透火は残り少ないリニアライフルを捨てて格闘戦を挑んできたが、格闘戦が得意な俺と三日月相手では太刀打ちできず、アッサリとバルバトスのバトルメイスにフラッグがペシャンコになった。

ミサイルを撃たなかったのはどうやら先の戦いで使いすぎて、弾切れを起こしてたようだ。

こりゃ、ホントにサイキッカーとかの説が出てきたよ?

で、三日月と俺だが壮絶な格闘戦の後、お互いのコクピットを貫いて決着。

総合結果は一位だった。

三日月は二位だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




おまけをつけたのは内容的には薄かったので……
それと、皆の大体の強さを示すために書いてみました。

閃光のハサウェイ、早くみたいなぁ……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15 本気

はい、丸投げされたGFですw

イレギュラーのサーシェス的なやつと叢雲的なやつとの激闘になります(あれ?アインは?)。

尚、ガチギレすると主人公はチート化します(意味深)




戦闘は既に激しいものになっていた。

銃弾が飛び交い、縦横無尽で死というものが伝わってくる。

胸糞悪いが、あの一件以降俺はフィルターこと受け流し方のやり方をマスターした。

そして、出撃前に透火に頭を抱き抱えられて何というか、嬉しいようなありがたいような。

まあ、嫌ではなかったけどあの感触は早々忘れられん………何がとは言わないが柔らかかったです(真面目)。

さてと、今の状況はぶっちゃけ悪い方には向かっていないが良い方にも向かっていない。

平行線だ。

 

「オラオラァーッ!!」

 

「この動きは……読めた!」

 

カウンターでライフルを赤いグレイズの頭部を撃つ。

だが、ギリギリでかわされて頭部の装甲に跳弾するだけだった。

 

「ちっ!………EXAM、まだだ、まだお前の出番じゃないっ」

 

出撃前から、EXAMは暴走しかけていたが今は俺の精神力で抑えている。

これがなければ、もう少しいい動きができるのだが抑えなければここらにいる奴等を、原作関係なく滅してしまうかもしれない危険性に、そうはさせてくれない。

だが、一年戦争で俺は不慣れながらもEXAMの制御を何とかやれていた。

まあ、あっちはマリオンがいたからこそ上手く制御できたが、こっちは人の魂ではないただのシステムが俺の意識を乗っ取ろうとしている。

敵対する敵を全て殺すために。

 

「余所見をされては困る」

 

「青い方も、中々の射撃技術じゃないか……だが!」

 

何だろう、経験の差か青いグレイズと赤いグレイズの動きは全く違う。

青いグレイズは今だ成長途中みたいな感じで、赤い方は既にベテランとしての域に入っているような気配がする。

まあ、何となくだから俺の勘も宛にはできんな。

 

「グエッ!?」ドゴンッ

 

「何だぁ!?動きが鈍いぜぇ!?」

 

赤いグレイズは一々目障りだな………アイツがいるだけでアインや青いグレイズの支援攻撃や援護が上手く利用されていると言える。

 

「なら、アイツを先に倒すっ!!」

 

スラスターを全開にして急速に近づく。

 

「何だぁ?やられに来たのかよぉ?」

 

「EXAM!行くぞぉっ!」

 

<EXAMsystem Standby>

 

「何だ!?気配が変わっただとぉっ!?」

 

アベンジャーの予備パーツは基本的にない。

なので、EXAM対策の一つとしてEXAM発動時の出力を下げて機体が壊れないギリギリまで下げた。

とりあえず、変なやり方をしなければ壊れることはないが、それでも俺がEXAMシステムを使って正しい判断ができるかどうかは解らない。

だが、EXAMの中枢がマリオンであれば俺は俺でいられただろうが、このEXAMは人はいない。

俺の脳みそを塗り潰そうとするが、俺はそれを抑える。

そして、出来上がったのが………

 

「フッハッハッハッ!良いなぁこの高揚感!この死の叫び声ぇぇー!」

 

ニムバスとハレルヤ+中二病が混ざったような人格に変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高揚感が止まらない。

俺が、俺様が俺様でなくなっている。

だが、ちゃんとコントロールできている。

できないよりはまだマシだ。

 

「さぁ、殺ろうぜぇぇ?」

 

通常のアベンジャーの数倍の動きで俺様は相手の周りを飛び回る。

 

「鬱陶しいんだよ!」

 

バスターソードをぶん回して俺様を近づけないようにしているが、無意味だ。

 

「視えた、俺様の勝利の道筋っ!!」

 

ニュータイプ能力による、一種の未来予知がイメージとして頭の中で浮かび上がる。

後ろにはアインと青いグレイズ、前には赤いグレイズ。

彼らには不意打ちだろう。

突然、機体の動きが悪くなるなんて。

 

「な、何だ!?」

 

「計器類と動作系統に異常が!?」

 

「な、何をした!?」

 

……ニュータイプという、人類の革新は定義されるものがあまりない。

例えば、アムロのように戦闘に特化したために勘が鋭くなったり、カミーユのような高い感受性を持ったりする。

それら全てをニュータイプと呼ばれるが、何処からニュータイプで何処までがニュータイプなんて実際のところ解らないのだ。

ガンダムを作った富野監督も、ニュータイプについての定義は曖昧に説明しており、とにかく【新人類】というのがニュータイプと言える。

だからニュータイプは可能性の塊でもある。

俺の場合、戦闘での勘と少し先の未来予知。

そして、新たに発現したのは電波攻撃。

 

「ヴッ!」

 

頭が痛くなるが、大丈夫だ。

まだやれる。

 

「そぉぉら!一本!」

 

「グオォォーー!?」

 

赤いグレイズを蹴飛ばして頭部を吹っ飛ばして、プラズマソードで四肢を切り裂く。

だるまになった赤いグレイズを、動作不良を起こした青いグレイズにキックオフする。

 

「ガッ!?」

 

「この野郎っ!?」

 

ライフルで青いグレイズの頭を破壊し、プラズマソードで両腕の肘から先と下半身をぶったぎる。

そしてまた蹴り飛ばす。

雑魚のグレイズが発砲しながら近寄ってくるが、それは意味をなさない。

むしろ、死にに来た。

 

「はあっ!雑魚なんぞ弾一発で事足りる!」

 

高速で相手の後ろに回り込み、スラスターユニットにキャノンを発砲。

一撃でグレイズは沈む。

 

「グワァァァーー!?」

 

「はあ……心地いい悲鳴じゃねぇか!ハッハッハッ!」

 

プラズマソードを投げて雑魚グレイズのコクピットにぶっ刺し、沈黙させる。

そして、ついでに近くにいたハーフビーク級をブリッジに何発かライフルの弾を撃ち込み、破壊する。

敵艦の砲口が俺を狙うが、キャノンとライフルで徹底的に潰す。

その度に聞こえる悲鳴が、俺に快感を与えてくる。

 

「フッハッハッハッ!この俺様に勝てるやつなんぞいねぇのさ!ハッハッハッ!」

 

…………後から見ればただの悪魔だが、もう既に俺はガンダムという悪魔と契約済みだ。

アベンジャーという、ガンダムに乗ってから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ!化け物が!クランク二尉を殺した罪深き子供め!」

 

そろそろEXAMシステムの制限時間である五分を切りそうだ。

何故か固いブロックで五分以下にできなかったので、仕方がなく五分だがそれでも機体にかかる負担は大きい方だろう。

出力を抑えているとしても。

 

「あ?クランクかぁ?アイツは生きてるが?」

 

「な!?う、嘘を…!」

 

「まずなぁ、俺達鉄華団は戦うことでしか生きれない状況なんだよ。今を生きるには、ひたすら敵を殺して任務を遂げる!それしか今はないんだよぉ?」

 

「ざ、戯れ言を!」

 

 機体の駆動系やその他諸々やられている癖に、元気なこった。

 ……EXAMシステムが停止する。

元の自分に戻る感覚がするが、悪寒が走って気持ち悪い。

そして、頭が痛い。

 

「………嘘じゃないさ。何なら鉄華団本部に行ってくれば?今は鉄華団の留守番リーダーとして、待ってるが」

 

「な……」

 

「撃ったのは彼の意思を尊重してだ。だが、俺はただで死なせるつもりはない。俺だって、あの人がただ死ぬのも嫌だったしな」

 

俺はオープンチャンネルで話し掛けながら、離れていく。

一旦イサリビに帰還して、機体のチェックと補給をしなければ。

 

「……っ!本当に生きているのか!?」

 

アインが問い掛けてくる。

 

「ああ、生きてる。俺の命にかけて誓おう」

 

と言って俺はスラスターを噴かしてイサリビに戻る。

途中でグレイズがやって来たが、軽く避けてスラスターに弾をぶちこんで撃墜する。

 

「ぐっ……へへっ、前の時よりはマシだね、これは」

 

ときどき痛む頭を抱えながら、俺はイサリビに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尚、透火に色付きのグレイズを蹴飛ばした脚のショックアブソーバーが派手に壊れていたのを叱られて痛い頭をさらに叩かれて痛みが増えるのは別の話。

 

 

 

 




一年戦争では、マリオンがいたので本人の頑張りもあり人格がねじ曲げられませんでしたが、この世界でのEXAMシステムはただの機械ですので戦いに適した殺人マシーンに仕立てようとするので、以上のような人格になりました。

……あってるよね。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16 死の影は小さき火を脅かす

…とりあえず、かっこよくタイトルを書いてみた作者GFであります。

未だに、Ζガンダムを放送してる(感謝しながら)tvkに驚き、Gレコを放送してるテレ玉に感謝している人間は誰でしょう?

勿論、作者です(パロディ)




皆さん、ブライト・ノアという人をご存知だろうか?

一年戦争では、未熟ながら生き延び勝利をホワイトベースで勝利を勝ち取ってきた名艦長。

そんな彼はΖガンダム以降、ホワイトベースの女将さんとも言えるミライ・ヤシマと結婚しているのだが、一度流されて浮気をしかけた事があるのですよ。

妻の写真を見たおかげとは言え、浮気をせずにしっかり断ったブライトさんは男としての恋愛に対する正しい姿勢である。

俺としては、そんな彼を見本にしたいなと思えた。

 

 

………え?何故急にブライト艦長の話をしているのかって?

透火と今後のお話をしてたら艦内の電源が落ちて、真っ暗になってしまったのだが、透火が過去のトラウマでパニックと幼児退行してしまっているのである。

で、どうしようかと悩んだ結果幼児退行したのならその年齢に適した接し方で……という感じになった。

そうすると、かつてグリプス戦役から第一次ネオ・ジオン戦争までの間で俺の部下になった、強化人間の事を思い出す。

後、妻の事も。

で、なんかブライトさんの過去を思い出してこの現状である。

 

 

 

…殴られるのは必須だろうが、普通にパニック+幼児退行するほどのトラウマを持っている彼女をほっとくとかできない。

名瀬さんから彼女の事を詳しく聞いたが、やはりあの時に感じた彼女の記憶はトラウマの一つだった。

俺は精一杯、落ち着けるように頭を撫でて声をかけて優しく抱き締めてやる。

うーん……何だか宇宙世紀の娘たちを思い出す。

まあ、あっちの場合は甘えてきているのだけれど。

 

「大丈夫だ、俺がついてる……誰にもお前を殺させたりしない……大丈夫、大丈夫だから」

 

第三者から見れば口だけの慰めの言葉にしか聞こえないだろうが、戦場を経験している俺にとっては本気である。

思ってもないのにそんなことは言わない主義だし(必要なら嘘もつくが)、何より俺は守りたいと思うからこそ言うのだ。

まあ、打算的なことも含まれているが9割は俺の意思である。

ちなみに打算的な事は、最悪俺が戦死しても彼女がいれば何とか出来るだろうから。

全ての事柄を彼女に押し付けてしまうようで悪いが、死者になった俺ができるのは何もない。

精々、プルのように霊魂になっても思念で危険を知らせたりとかその程度だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フンッ!!」

 

「ウゴォォッ!?」ドゴォッ!!

 

やっぱ思いっきり殴られた。

電気がついたのと同時に正気に戻り、そしてライダーパンチ。

少女の腕とは言え、それなりに鍛えられているのかちゃんとダメージ入りました………

……だがまあ、可愛い彼女を守って散っていくのも悪くはない最後だろう。

そうそうそうなるつもりはないがな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、悪夢と良い夢の両方が予知夢みたいな感じで俺の頭にやって来た。

内容は嫌に覚えており、いつの間にか手汗や背中の汗がすんごい。

後で体を拭くのは確定として、俺は夢の内容を思い出す。

いやにリアルで予知夢な夢を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つは、何故かウイングガンダムと戦っていた。

何故か視点はおかしかったし、何故鉄血の世界にいるのにアフターコロニーのウイングガンダムと戦うのか意味がわからん。

二つ目は透火が死ぬ未来。

周りをよく見れなかったが、俺を庇って心臓に銃弾が………あの感覚は何度も経験したがあんなことになってほしくない。

三つ目は、何故かギャラルホルンや鉄華団などと敵対して戦っていた。

その時の俺には何故か暗い怨念のようなものが渦巻いており、嫌なものだった。

四つ目は、俺がこの手で透火を撃ち殺した。

何故、あんなものを見たのかは解らない。

ただ、その時の俺からは恐怖と絶望を感じた。

五つ目、何故か透火と結婚していてキスをしてた。

意味がわからんよ!?

六つ目、俺が何者かに撃たれては斬られて惨殺されていく所。

遺体を発見されたときには、オルガたちや透火が泣き崩れていた。

……何だかゾッとした。

七つ目、キマリスのグングニールによってコクピットを潰される。

妙に痛みや圧迫感がリアルでホントに死ぬかと思った。

 

 

 

 

 

他にも色々あるのだが、正直あんな意味のわからない夢に囚われるのはバカ真面目な人だけで十分だ。

夢は夢。それをしっかり区別しなければニュータイプという力に翻弄されるだけで、無惨な最後を遂げるだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、その日は地味に運が悪く足の小指をかどっこにぶつけて悶絶したり、滑って腕を軽く捻挫したり股間にスパナが飛んできて、しばらく部屋から外にでなかった。

 

 

 

 

 




地味に嫌がらせw

夢にはちゃんと意味があります(意味深)
まあ、ちゃんと回収するかは解りませんが。

モンハンX、このあとやるか!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17 重力の井戸で

強敵な赤青のタッグ。
それらを一度圧倒した禍月(狂気)。
それらがどうこれから交わるのかは、まだまだ作者たちにも解らない……




俺はアベンジャーをフライングアーマーの上に乗せながら、考える。

今回、彼らにとっては初めての大気圏突入。

ある意味一発勝負だ。

念には念を入れないと、オルガたちが早期に死ぬなんていうこともありえる。

いや、それを抜きにしても大気圏突入にはそれなりにリスクがある。

既に入念な確認を済ませているが、いつ不調を起こすか解らない。

宇宙世紀でもたまに不慮の事故で、大気圏突入の際に爆散しているシャトルも多い。

色々不安は尽きないが、既にここまで来たので迎撃の準備を進める。

 

 

 

 

オルガと話していたが、やはり長くは続かず敵さんがやって来た。

最大望遠で見える限り、前の赤いのと青いの。

後はッ!?

 

「っぶね!」

 

間一髪、キマリスの突撃を避ける。

バルバトスを狙っていたようだが、流れ弾みたいな感じで俺も巻き込まれた。

 

「フジャケルナ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透火とシノたちに指示を出し終えてからは、ほとんど原作と同じだが、青いグレイズは前より性能が少し向上しており、チューンアップしてきたのだろう。

 

「ネズミはネズミでも、化けネズミだよ!こっちは!」

 

「フ……戯れ言を!」

 

かつてのアベンジャーで大気圏突入中に戦闘を行ったことはないが、覚えている限り大気圏突入中でもある程度戦闘可能だったはず。

 

「反応も射撃技術も高い………手強いな…!」

 

「クッ……的確な射撃に不規則すぎる動き…本当に子供なのか………!?」

 

相手とはほぼ互角の戦いを繰り広げる。

だが、若干俺が押している。

 

「腹いせだァァーー!!」

 

「そのまま言うことかっ……!?」

 

シールドで青いグレイズの頭を殴る。

もちろん、壊れず吹き飛んだだけだがキマリスの件でやっぱり不完全燃焼なので殴りたかったのだ。

で、それに突っ込む相手。

あざーす。

直ぐ様体勢を立て直されて、射撃をしてくるがスラスターを全開にして避ける。

しかし、そろそろ高度が限界だ。

俺はライフルを撃ちながら、フライングアーマーの元へと戻る。

近付こうとしてきた青いグレイズだが、牽制によって近づけず高度の問題もあって離脱する。

俺は各機の状態を確認する。

すると、どうやら透火のフラッグのスラスターの火が消えていた。

理由はフライングアーマーをバルバトスに貸し与えたからだろう。

そして、離脱しようとして大気摩擦による機体の不調を起こしたようだ。

 

「あんのバカ………!」

 

この時、脳裏に思い浮かべたのはグリプス戦役で相手を焼き殺した大気圏突入時の戦い。

俺は容赦なくバリュートを破壊して殺した。

そして、味方も何機かはバリュートシステムの不調で死んだ。

安全性、信頼性は高いにも関わらず宇宙世紀でのバリュートシステムは戦闘になれば不調を起こすのが多々ある。

透火のやつはフラッグのスラスターで離脱しようとしたみたいだが…………ぶっちゃけあの装甲が薄い機体では、そりゃああなる可能性が高い。

ともかくとして、俺はフライングアーマーを動かして透火のフラッグの元へ移動させて、サンドイッチのように挟む。

思わず愚痴がドンドン飛び出て、何だか感情が押さえきれていないのを感じながらも、俺は地球の重力を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次はビスケットの死亡フラグ破壊……これは簡単なのではないのだろうか?

戦力は充分。いや、原作よりも全然余裕だ。

海があるから海を泳ぐのだろうか?

まあ、わからんけどどちらにせよビスケットに原作のような悩みがあれば、俺が彼の相談に乗るしかない。

まあ、それはそれでいいんだけどね。

 

「……………魚かぁ」

 

……刺身、めっちゃ食いたい。

 

 

 

 




閃光のハサウェイが楽しみですなぁ~ 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18 一時の休暇

PSO2ですか……自分もチョクチョクやってましたね。まあ、今では諸事情でやれない……(TДT)

ちなみに名前は当時の影響でフェネクスと名乗っておりまする。バウンサーやってたけど、またやりたいな……

アニメPSO2の二次創作でも考えてみるかな…?




地球に降下して四日。

完全に透火はオーバーワークしてる。

化粧とかで誤魔化しているが、ある程度人間観測ができる人間がみれば無理してるとかなんて解る。

だが、俺が言ったところで止めないだろうからコッソリ、ラフタやアジーさんたちに伝えておいた。

そのあと、透火の愚痴やら悩みやら聞いて俺からも言っておいた。

まあ、休めと言ってもこの島じゃシミュレーターやるか、海で泳ぐくらいしかないだろうが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、アベンジャーの整備をある程度終え、俺は久しぶりの海を泳いでみることにした。

遠目に見たが、透火やアトラ、クーデリアもどうやら砂浜にやって来たみたいだ。

まあ、ちゃんと休息をとれているのなら問題ないか。

ちなみに泳ぐのと同時に食材集めである。

三日月たちが魚を嫌うシーンがあったし、どうせなら魚嫌いをなくそうかなと。

銛と釣竿片手にウニや海ウナギ(捕れたのは驚愕)、あと運が超絶良いのか群れからはぐれた黒マグロを獲ったりした。

………まさかサメと格闘することになるとは思わんかったけど。

念のために持ってきた水中でも使えるピストル持ってて助かったぜ。

数は多くはないが、かなり御馳走ではないのだろうか?

ちなみに、透火に前のガンプラサイズの【OO(ダブルオー)】以下四機にその光景を観られていて、透火に称賛と同時にモモパァーン!をくらった。

片足だけとはいえ、太腿が痛いで……

これがツンデレというものなのか。いや、解らんけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん、狩猟した魚共は美味しく調理させてもらった。

サメのフカヒレやフグの刺身、蒲焼き丼など。

特にマグロは蒔苗爺さんに驚かれた。

ここらだと、公海近くまでに出なければ捕れないらしい。

とりあえず、なるべく臭いを取るようにしたが、少し鈍ったかな。

ちなみに刺身等の技術は、宇宙世紀で妻と娘たちが刺身を食べてから、どうやらハマったらしく家でも食べたいと無茶ぶりしてきたのだ。

まあ、老後の趣味には良いかと覚えてみたが。

何故、フグの調理もできるようしたのかは自分自身でも謎だ。

何にせよ、ザンスカール戦争までは地球に移住させられて何の因果か日本の東京に住んでたしな。

ちなみに現代の面影は多少残ってたけど、大体は変わってた…………

蒲焼き丼に関しては、スタミナがつくという効果があるので三日月や昭弘ら、パイロット勢に薦めた。

刺身は透火がよく食べたな。

やっぱ元が日本人だからか、刺身には親しい方だし。

三日月も、最初は嫌がったが蒲焼き丼を皮切りに刺身にチャレンジ。

結果、魚嫌いは少数になった。

まあ、やっぱ味覚の問題で刺身を好きになれない人もいれば、刺身以外がダメだという子達もいたし。

 

尚、透火には「全部終わったら寿司屋さん始めれば?」と言われた。

それもありだが、俺一人で店を回せる気がしないので却下である!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、ビスケットがやはりオルガと喧嘩したのだろう。

流木(?)に腰を下ろして悩んでいた。

 

「ビスケット、オルガと喧嘩でもしたのか?」

 

「!……解りますか?」

 

「まあ、ビスケットが怖く感じるのも解るさ。でもな、止めるときには俺だって止めるぜ?オルガは良くも悪くも影響を受けやすいけど、真っ直ぐで芯が折れない人間だし」

 

「でも、辞めるって僕、言っちゃったんですよね…………」

 

…やはり、そこら辺悩むよな。

 

「後でまだ鉄華団のメンバーやるって言ってもオルガは気軽に許してくれると思うぜ」

 

「本当でしょうか?」

 

「今までのオルガを振り返ってみろよ。それに、彼らを一番長くそばにいたのはビスケットだろ?君がいなきゃ、アイツらが間違えた道を進んだ時、誰が止めるんだよ?」

 

「…………禍月さんが止めるでしょう?」

 

「確かに止めるだろうが………あくまで俺はモビルスーツ部隊の隊長。参謀は俺には向いてないさ」

 

「僕が参謀?……ハハハ!そんな大層な立場じゃありませんよ」

 

俺は軽く笑みを浮かべ、笑う。

 

「別に参謀じゃなくても良い。ビスケット、君が君にできることをすれば良いんだよ。何かに現すなら………オルガたちのブレーキ役とか」

 

「さりげなく色々酷くないですか!?」

 

「ビスケットはビスケット。本気で鉄華団を辞めるなら辞めていいよ。無理に引き止めたりしないし、引き戻しもしない」

 

「……………もう少し、考えてみたいと思います」

 

「……そうだ。考えて考えて悩め。若いうちはそれで良いんだよ」

 

俺は立ち去るビスケットの背中を見ながら、俺は爺なセリフを吐く。

まあ、元爺だけどさ。

 

「アトラちゃん、何のようだ?」

 

「……バレてた?」

 

さっき話してる最中に気配がしたが、アトラだと気付いたのは気配の質。

まあ、何にせよここ何回か何故か俺はアトラの恋愛相談の相手をしている。

こういうのは透火の方が良いのでは?、と思ったが前世の人生………というか機械生ではそういうのに縁がなかったみたいだし、なんやかんやで大人な雰囲気を醸し出す俺に聞きたくなるのだろう。

まあ、肉じゃがの時の一件もあるのだろうが。

でも、やはり女子同士しか解りあえない感情とか考えとかあるだろうから、透火とか他の女性陣にも相談した方が良いと勧めている。

俺としてはアトラが三日月と結ばれるのは嬉しいことなので、惜しみ無く協力している。

まあ、ぶっちゃけると性に関する教育もしてるが。

だってさすがに15歳とかで妊娠とかは、不味い。

普通に身体的にも世間的にも不味いと思う。

まあ、世間的にはよくありふれているのだろうが。

だって、厄災戦で色々失ってるし。

尚、三日月には多分今教えても無駄になりそう…………というか、そんなことも考えていないしとりあえずアトラがしっかり告白するまではそういうことに下手に手を出せん。

 

 

 

 

 

 

…………ロリギリスはどうしようか。

まあ、ギャラルホルン所属でもないから関係ないか。今のところ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのあとの夜はアベンジャーのシステム系統の調整。

OSやら何やらを今のうちに調整して万全にしないと、明日か明後日あたりの戦いで不慮の事故や不調を起こさせるわけにはいかない。

 

「……………そういや蒔苗爺さんに呼ばれてたな」

 

呼ばれていたことを思いだし、向かうと薄々予想はしていたが………

 

「この世界って将棋が流行ってんのかな…?」

 

将棋の相手をすることになった。

まあ、やはり経験の差などでこっちが負けるが。

でもまあ、世間話を適当にするのもありだなと思った日だった。

 

 

 

 

 

 

 




来週には閃光のハサウェイが公開……!
めっさ楽しみや!


ちなみに「86」っていうアニメ観てたら、鉄血に雰囲気似てるなと思ってネット検索したら、同じような人がいて何か嬉しかったです。
クーデリア的なヒロインと三日月的な主人公。
鉄血みたいな、ガバガバ設定とかに化ける事がないように………



ちなみにやろうと思えばケーキなんかも作れてしまう禍月。
何故、こんなハイスペックな料理男子になったのか自分でも解んないです(笑)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19 爺さんとお兄さん(中身は爺)の将棋

さて、将棋ファイトォォーー…レディィーーーゴォォォーーーー!!(笑)




蒔苗の爺さんに呼ばれてやって来たら、何故か将棋ができるかと聞かれたので、一応できると言ったら相手をすることになりましたw

いや、(笑)じゃねえよ。

普通に強いんだよ、お爺さんたち。

元々戦略を立てたりするのは苦手の部類だ。

二手三手の先まで立てたりなんて俺には無理だ。

即興ならできるが。

 

「ムググググ…………」

 

「王手じゃ。まだまだじゃのう」

 

「やり込みが違いますからね……」

 

「ホッホッホッ、にしてもお主本当に19の若造か?漂わせている雰囲気が爺臭いのお……」

 

ウグ、言わないでほしいです。

ほら、外見は頑張って将棋のやり方を覚えているように見えるが、内心透火は笑ってるよ……

 

「…まあ、よく言われます」

 

「フム、その雰囲気はそこらの子供が発せられるようなものではないのだがの………」

 

俺は駒を集めて、最初の状態に戻す。

今度は俺が後攻で、蒔苗爺さんが先攻になる。

その間に、蒔苗爺さんは透火にとあることを聞いていた。

話半分で聞いていたため、内容はしっかりとは入らなかったが断片的な情報からして透火のお母さんの事を、蒔苗爺さんは聞いたらしい。

その面影があるんだとか。

後で、その事を聞いておくとして、今は将棋に集中しよう。

とりあえず、余生を過ごすときになんかでこういう暇潰しがあるのはいいことだしな。

実際、その結果が刺身やら肉じゃがやらの繊細な日本料理の取得やモビルスーツの基礎設計、サイコフレーム製法への理解、ニュータイプの可能性の模索なんかしてたし。

最後の奴に関しては、全くといって良いほど、進歩しなかったが。

それでも、相手の感情や言葉を通信機なしで感じ取れるテレパシー能力はどのニュータイプにも持っている。

 

「さて、年寄りじゃからって遠慮せんで良いぞ?」

 

「遠慮どころか此方がフルボッコですよ。まだ将棋は初心者ですから……」

 

俺は負けるが経験になる戦いをしばらく透火と交互に変わりながら、将棋をやった。

まあ、俺は全敗、透火も1試合良いところまでいったが全敗。

蒔苗爺さん、恐るべし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく、負け戦から戻ると既にモビルスーツの整備は終了しており、皆寝ている感じだった。

 

「そういや、蒔苗爺さんから透火のお母さんの話聞くの忘れてたな……まあ、まだ蒔苗爺さんとはいるはずだから、後々でも聞けるか」

 

とりあえず、アベンジャーのコクピットに入り、システムを立ち上げる。

何故、そんなことをするかというと一応念のために機体の不備がないか確認するためだ。

用心するに越したことはないからな。

 

「……全部異常なし。前にやったショックアブソーバーも、問題なし。………うん、寝るか」

 

俺は欠伸をしながら、寝床へと歩いて………

何故か透火の部屋に入ってしまった。

眠気が将棋のおかげで酷い上に、入ったときが透火が着替えるために上半身裸の状態だったのだ。

こぶりの豊かな胸を、若干明るい部屋で俺はガン見してしまった。

 

「え゛」

 

「……この…」

 

俺は180°回頭して急いで出ようとしたガフェッ!?

 

「変態っ!!」

 

「誤解ドブァルン!?」ドゴォッゥ

 

背中をライダーキックされ、まるで某怪人が爆散するときのように壁に鼻をぶつけ、盛大な鼻血を噴いて床に血溜まりを作り、俺は気絶して眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日。

 

 

「ふわぁ……まだ眠いけ……」

 

「zzzzzzz」

 

透火は俺の希望の花を目撃した。

白目をむきながら、床の上で眠る俺を。

 

「団長ぉぉぉぉぉーーーーーっ!?」

 

その悲鳴は、ネタで思わずなのか、それとも困ったときのドラえもん的な感じで呼んだのか。

どちらにせよ、全員にこの事が知れ渡り、少しの間俺は【変態】と誤解され、誤解を解くのに必死になった。

尚、透火がライダーキックによってできた鼻血は貧血になるほどではなかったので、普通に運動できたのは幸いか。

それでもしばらく、鉄分とかを摂ることになるのは必須だな。

 

 




とりあえず、エッチなイベント(笑)

ネタが切れてしもうたんだ!
しょうがないだろ!

twilightアクシズ、明日の深夜帯、BS12にやるのか……見るぜ!絶対に!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20 輝き撃ち

アベンジャーがやります。
輝き撃ちを。

禍月「ジャスタウェェーーイ!!」

透火「あんたがやると様になるから止めて!?」




敵がやって来る。

悪意の気配が、近づいていくる。

 

「アベンジャー、出る!」

 

俺はアベンジャーの機体を起こし、立たせる。

今回は砲撃戦になると予想して、アベンジャーにはバルバトスたちが使う滑空砲を装備させている。

ライフルは左手に持たせ、滑空砲を右手に持たせながらようやく活躍の日を見ることができたホバーユニットを使用する。

 

「まさか輝き撃ちをする日が来るとはな………!」

 

移動して敵が来る方向に、滑空砲をアベンジャー専用のシールドの上に乗せる。

ライフルはその場に置いてあるので、離脱するときは拾って滑空砲を放置するだけだ。

 

「昭弘!弾の軌跡をよく見て撃つんだ!そうすりゃ当てられる!まあ、グシオンが勝手に修正しそうな気もするけどな…」

 

「解った!やってみる!」

 

俺と昭弘は滑空砲を構えて、バンバン撃つ。

昭弘は最初は外していたが、段々命中率が上がっていく。

俺の場合は序盤から当てて撃破してるがな!

 

「オラオラァ!俺の恨みをくらいやがれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンバン撃ってりゃ弾もなくなり、無用の長物になる。

当たり前だ。

だから、弾がなくなった時点で俺は滑空砲を放棄して、上陸してくるグレイズや輸送艇をライフルで吹っ飛ばす。

ちなみに、透火がアップグレードしてくれたおかげで威力が高くなり、そのぶん反動が大きくなった。

それでも威力は当たりどころが良ければ、肩の装甲をひっぺがして破壊してるからホント、技術者様々だ。

 

「原作勢とイレギュラー勢で別れたな……」

 

今更ながら思う。

さっき、皆に指示出しておいてそれか!?って感じだけれども、俺だって人間だ!

なんか思っちゃったんだよ!

 

「透火は青いやつか……んじゃ、俺は赤い方だな」

 

今回は地上戦だ。

アベンジャーで地上戦をやってたときは、大抵は敵を撃退なり全滅なりさせてたから、自信はある。

 

「オラオラァ!真っ二つに斬れちまえ!」

 

「そんななまくらで斬れるかよ!」

 

俺はバスターソードを降り下ろしてきたクルーガーの攻撃を、シールドで防ぐ。

 

「今日の俺はっ!鬼がかってるぜぇっ!!」

 

「その鬼ごと斬ってやるさぁっ!」

 

何度かバスターソードの攻撃をシールドで防ぎ、押して押し返すの状態になる。

ライフルをマウントし、キャノンを展開。

砂浜なのを利用して赤いグレイズにキャノンの弾を撃ち込んだ爆風で、砂を赤いグレイズの関節に入れる。

 

「ちっ!駆動系がっ!?」

 

「地上戦で勝てるなんて思うなよ!」

 

こちらはそれも予想済みで、防塵カバーは付けている。

でも、これがソレデリアだったら結構拮抗してたかもな………

ソニックブレイドを抜刀。

マルチバルカンを散弾にして、相手のメインカメラにダメージを入れる。

 

「なんだ!?この俺が押されている!?」

 

ソニックブレイドがバスターソードの柄の部分を斬り落とすと、即時に撤退し始める。

機体のあちこちで火花やら放電が起きているクルーガーのグレイズを見ていると、相当無理をさせたようだな。

 

「まあ、俺には関係ないけど」

 

俺は残りのグレイズをライフルで無力化させていき、キャノンでラフタ機を援護する。

グレイズたちがいい感じの密集度になっているので、俺はあの動きをすることにした。

 

「まさかガンダム無双のあのシーンをやることができるなんてな……!」

 

【ガンダム無双】をご存じの方は凄いかと。

だって、あれなんだかんだで批判くらってたりしてたしね。

でも、あのアムロのガンダムの動きは今思い出してもスゴい。

 

「あ、あんな動きできるの!?」

 

「アタシたちにはやらせないでくれよ……?」

 

その動きを見ていたラフタらはドン引き。

何故ならグレイズの頭の上を踏み潰しながら、ライフルでグレイズを撃破していくのだから。

 

「うわぁっ!?」グシャッ

 

「ば、化け物…!?」ガゴンッ

 

「な、なんて動きだ!?」

 

敵兵たちも、余りにも異常な動きにビビって散漫的な攻撃になる。

 

「動きを止めたやつから死ぬ!来世ではそれを教訓にするんだな!!」

 

俺は潰しまくったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘終了後。

俺は透火に正座をしていた。

 

「なんで足裏の装甲をダメにしちゃうのかな!?」

 

「効率を重きを置いた結果でございます………」

 

そう、戦闘終了後にアベンジャーの足裏の装甲がボコボコになってたのだ。

ガンダリウム合金を超える硬さを、無理矢理落下の力と装甲の硬さで潰せばそうなるのも当たり前だよな………

まあ、なるべくコクピットかグレイズの頭部の平面な所を狙って着地してたから、とても酷いものにはならなかったが。

それでも、やはりダメージはあるもので。

 

「はあ……まあ、とりあえず戦闘が終わったあとなんだからここまで」

 

「そりゃわかったよ。だけど、透火も休め。パイロットやると、めっちゃ疲れるんだからな」

 

アベンジャー…………せめて第一期までは、耐え凌いでくれよ。

 

 




ガンダム無双、小さい頃にやってましたけど、楽しかったです。
特に機体のパーツがバラバラになって爆散する所が、何故か気に入ってました…………まさか、サイコパスの気があるわけないよね……!?

でも、本当にあのシーンはかっこ良かったですね。
YouTubeとかであるかもしれないです。
初代ガンダム無双の映像なんで、古いかもですけど動きが凄いんで。

それと、ようやく閃光のハサウェイ公開だぁ!
日曜日観に行くぞぉー!!

「身構えているときほど死神は来ないものさ、ハサウェイ」byアムロ・レイ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21 EXAM

マジギレ禍月です。

穏やかな人ほど、キレると怖いよね!




……こんなに短期間でブチギレたのは宇宙世紀ではなかった。

俺は今、コイツを殺したい。

いや、絶対に殺す。

倒す!!

 

「起きろ、EXAM……ッ!」

 

怒りで握力で操縦桿が軋む。

これは戦いだ。

だから、例え大切な人でも戦死したなら恨まない訳ではないがそれでも受け止めることはできる。

だが、戦場にもルールがある。

それを破ればそれは最早、人の形をしたクソ野郎だ。

屑である。

あの宇宙世紀で、俺はそれを心底感じた。

ヤザンの卑劣な戦い方でも、ちゃんと人としての戦い方をしていた。

まあ、あの遊んでいるような戦い方は嫌いだが。

だが、この目の前のコイツはどうだろう?

あちらから一騎討ちを申し出た癖にあちらから破り、殺そうとした。

透火を。

戦争は何でもありだが、だからといって人の命を弄ぶような事はただの犯罪で屑だ。

こう言う奴ほど、生きててはいけないやつだ。

俺のエゴだと言われれば、それはそうだろう。

これは、俺の我儘なのだから。

だが、それは人としての最低限の戦士としての誇りのような物ではないだろうか?

戦場に立つ人間として、アイツは戦意のない相手を殺そうとした。

…………いやもう、何も言うまい。

ただ、この怒りを目の前の敵に叩きつけるだけだ。

 

「フッフッフッ………ハッハッハッハッハァッ!!」

 

俺様はライフルを捨て、ソニックブレイドを抜き放つ。

二刀流のソニックブレイドは、蒼い閃光を雪の上で瞬かせる。

そして、俺様の楽しい愉快な惨劇を始めた。

まずは、先頭にいたクルーガー。

 

「ちっ!またこの感触っ!!」

 

「戦いにもやって良いことと悪いことがあるだろぉがあぁー!!」

 

クルーガーのバスターソードを、ソニックブレイドで受け止め、刃をぶった切る。

 

「んなぁっ!?」

 

「最初から……テメェに遭遇したときからぁっ!不愉快なんだよぉ!テメェはぁっ!!」

 

「戯れ言をぉぉーーっ!!」

 

半ば切れたバスターソードを片手に、攻撃を繰り出すクルーガー。

だが、俺は右腕のガトリングを展開して撃つ。

 

「ナニィッ!?」ガガガガガガ

 

「死ねや!ゴミクズ!まだあのお飾りのお嬢様の方がマシだったぜぇっ!?」

 

ガトリングの弾が、何個かがコクピットに貫通する。

中のクルーガーは、瀕死になるがまだ生きている。

だが、動かなくなったクルーガー機を見て、この時の俺様は死亡したと勘違いした。

 

「はあっ!呆気ねぇな!」

 

「クルーガー!………チィッ!!」

 

「おっそいんだよ!」

 

ライフルを放ってくるルーギスだが、俺様の操縦テクで全て回避される。

そして、シールドでメインカメラを殴る。

 

「グウゥッ!?」ガゴォンッ

 

「テメェはぁ…………アイツの動きに似ててウザいんだよぉっ!!」

 

「何を……ッ!?言っている!?ガハァッ!?」

 

激しくコクピットが揺れるルーギスのグレイズ。

既に頭はグレイズの形を失いつつあった。

 

「プラズマを浴びせてやるぜぇっ!」

 

ソニックブレイドをコクピットの間近にぶっ刺した。

 

「ガアァァァァァァーーーーーッッ!?」

 

「死ねぇ!死ねぇ!」

 

俺様がこんなことをしている間に、バルバトスは他の雑魚を叩き潰し、アジーさんと昭弘も攻撃を開始している。

動かなくなった二機を放り出し、俺様は雑魚を倒し始める。

 

「そらぁっ!!」

 

ソニックブレイドが、グレイズの頭を切り飛ばし胴体を切り裂く。

頭の中には、透火の死にかけた場面がこびりついている。

 

「全てぇ………ぶっ殺す!」

 

体にのし掛かるGを無視して、高速で移動する。

 

「ひ、ヒイッ!?」

 

「た、助けてくれぇ!?」

 

かつて、ジオンの兵士たちはこの敵に遭遇したとき、己の不幸を呪っていた。

エースパイロットでさえ、大地の復讐鬼のプレッシャーにおののき、自分の運のなさを嘆いた。

何故なら、アイツは部隊を全滅するだけではない。

戦ったやつの精神を病ませるのだ。

あの禍々しい気配を感じさせ、そして圧倒的な強さで翻弄される恐怖に、大地の復讐鬼をトラウマにするジオン兵士は多かった。

歩兵、パイロット、指揮官問わず。

そして、そのほとんどはどこかの戦場で散っていったが。

だからこそ、ギャラルホルンの兵士たちは恐怖で動けなくなっていた。

動けても、攻撃なぞできなかった。

当たりもしない、かすりもしない。

こんな相手に、どうやって戦えばいいのだろうと。

 

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」

 

狂ったように笑う俺様。

いや、既に戦場に恐怖という感情を薄れつつある俺様はもう少し狂ってるのかもしれない。

きっと、この様子を見ているオルガたちは引いているだろうな。

一応、EXAMシステムの話はつけてあるのだが、それでもこの性格の変わり様には引くだろう。

 

「ギャアッ!?」ゴシュッ

 

最後の雑魚をコクピットをソニックブレイドで焼き潰して、最後の雑魚に向かう。

確か………お嬢様だっけな?あの機体は?

 

「く、来るなっ!」

 

「フヒャハハハハハハハハハハハハハハハ!!落ちろぉぉーー!!」

 

シールドをコクピットに叩き付ける。

が、先端が折れたのでソニックブレイドを取り出すが既にエネルギーが切れている。

となると、最後に残るのは………

 

「オラァッ!w」

 

「ガアッ!?」ガゴンッ

 

マニピュレーターによるパンチだ。

カルタ・イシューは既に、この意味のわからない存在に恐怖し、恐慌状態に陥っていた。

 

「グウッ!?………み、見るなぁっ!?私をっ!?ヒィッ!?グッ!?」

 

殴られる度にコクピットが揺れ、コクピットの中が歪み始める。

 

「や、やめろぉ!そんな目で……私を見るなあっ!?」

 

カルタはもう、錯乱状態である。

 

「いやぁっ……いやぁっ!?」

 

最早、駄々っ子のように怯え、恐怖し、泣き始める。

モニターは既に死んでいる。

計器類も、半壊して使い物にならない。

脱出装置も、出入口が壊れて使えない。

ジリジリと死の恐怖が来るのを待つしかなかった。

 

「ガフッ……!?」

 

遂に、破片の一つがカルタの足に突き刺さる。

腹にも、手で引き抜けるサイズの破片が刺さる。

 

「た……すけ……て………」

 

この状況でも、まだ外ではアベンジャーに殴られつつある。

誰も助けがなければ、彼女は死ぬ。

しかし、既に誰もいない。

絶望したその時だ。

 

「カルタァァーーー!!」

 

ガンダム・キマリストルーパーの体当たりをアベンジャーは諸にくらう。

 

「カハッ!?………………止めてくれて……ありがとうな……」

 

「っ!?………カルタ!まだ生きているか!?」

 

キマリストルーパーのパイロット、ガエリオはカルタに聞く。

そして、帰ってきた言葉は……

 

「ガエリオ……」

 

その一言のみ。

しかし、まだ生きているとわかったガエリオはもうボロボロのグレイズリッターを抱えて、この場を離脱する。

 

「オルガ、どうする?アイツ追いかける?」

 

「いや、今は透火の手当てと禍月の救助だ!アベンジャーを持ってきてくれ!」

 

「わかった」

 

三日月は先程の蹂躙を見て、思う。

鳥肌が立っていると。

初めて感じる感情に、ただそのように表現したがそれは恐怖だった。

アベンジャーのプレッシャーに、少しばかり恐れたのだ。

本能的な部分で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

とあるモビルスーツが、既にこの場を立ち去った鉄華団のいた場所を歩いていた。

彼は、残っていた赤と青のグレイズを見て、中を覗く。

そこには、かろうじて生きているクルーガーとルーギス。

クルーガーは殺してやると呻き、ルーギスは痛みで身をよじらせる。

クルーガーは体の一部が無くなり、ルーギスは半分ほど焼け焦げていた。

普通の人が見れば、凄惨すぎて吐き出すだろうがこの男は違った。

 

「これは…………私の目的のためにも役に立つな」

 

彼は二機の機体を引きずりながら、とある場所へと向かう。

そこで、彼らは人ならざる者に変貌を遂げるのだった…………

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの戦闘が終わり、次に目が覚めたのはエドモントンの廃駅到着直後だった。

今回は嫌にスッキリと目覚めた。

そして、あの時の記憶がフラッシュバックのように巻き戻り、体感する。

 

「ううっ………」

 

頭が痛い。

手も痛い。

だがしかし、とあることに俺は気付く。

ブチギレたあの時、俺は何でブチキレた??

 

「……俺は……彼女に惚れたのか……!?」

 

睦月透火。

セファー。

何にせよ、この気持ちに気付いてしまった以上、俺はそれと付き合わなければならない。

だかやはり…………どうすりゃいいんだよ!

 

 

 

 




……………違和感がありそうでなくて怖い。
ともかく、彼は極度の鈍感系でもないのです。

あと少しで第一期が終わるで………そろそろ、このコラボが終わったらどのガンダム世界に行かせるか、考えようか……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22 激闘

短いですが、それでも何も書かないのも嫌なんで追記的な感じで……




クルーガーとルーギス。

この二人が原作のグレイズ・アインに成り変わり、俺を圧倒してくる。

まるでカテゴリーF(フロスト兄弟)と戦ってるみたいだ。

いや、俺はまだ彼らと戦ったことはないからどんな感じなのかは解らないが、少なくとも今はそれと等しいかそれに近いのだろう。

EXAMシステムを起動し、リミッターも解除して数分。

奴らは巧みな連携プレイで、射撃と格闘を交代でやって来る。

きっと、生体ユニット型阿頼耶識でなければこんなことはなかっただろう。

 

「それもまた、俺様のミスか!」

 

俺は透火に惚れている。

理由は今も解らない。

でも、惚れたんだ。

それに理由なんて必要だろうか?

ユミだって、俺の大切な人だがいつまでも過去にとらわれてはきっと俺はシャアのような過ちを犯してしまうだろう。

最悪、マザロリみたいな変な性癖というか人格にもなりかねない。

だからこそ、俺は前を向いて前向きに考えなければならない。

 

「やってやるさぁ……!」

 

「へ!余裕でいられんのも今の内だぁ!」

 

「殺す!」

 

バスターソードが横薙ぎに振るわれる。

それをスラスターで上に回避してライフルを後ろで撃とうとしているルーギスに牽制をする。

 

「チッ!」

 

「落ちろぉ!」

 

気合いと共に腰部のサイドアーマーに懸架されていたバトルアックスを投擲してくる。

…………視えた!

 

「キャッチしただとぉ!?」

 

「いらねぇから返品するぜ!」

 

「ケッ!」

 

左手でキャッチしたバトルアックスを投げ返して、クルーガーはバスターソードで弾いて防ぐ。

もうライフルの残弾はゼロに近い。

ならばと、俺はライフルを投げつける。

バルカンで爆発させ、相手の視界を奪う。

 

「目眩まし程度!」

 

煙の先にはクルーガーのパンチがアベンジャーの頭を狙っていた。

味方の掩護は先程後ろで戦闘音が聞こえるから、きっと無理だろう。

ギリギリ避けるが頭部のブレードアンテナが折れた。

 

「ったく、何だよその反応速度はよぉ!」

 

「だがやれないわけではない!」

 

そう、俺を殺れない訳ではないのだ。

ニュータイプとはいえ、ただの人間だ。

だから、彼らは俺を殺しに来る。

 

「殺られるかよ!」

 

ホバーを起動し、市街地を動き回る。

もちろん、極力建物は破壊しないように。

だが、アイツらは関係なしに突っ込んでくる。

 

「おらよぉ!」

 

バスターソードがブーメランのように投げられる。

それを回避するが、後ろにルーギス。

 

「もらった!」

 

「なんつー動きだぁ!」

 

バスターソードを素手でキャッチし、逆手持ちで追撃をかましてくる。

ギリギリ上半身を反らして避け、スラスターでバク転。

体操選手のように連続バク転して、ちょっと酔う。

しかし、不味い。

挟まれた。

後ろのクルーガーはキャノンやマシンガン等で攻撃。

それを避ければ一撃必殺を込めたバスターソードがそこに振り下ろされようとする。

ソニックブレイドを引き抜くが、どうもパワーの差からか押し負ける。

 

「グッ…!」

 

「死ねぇ!」

 

背後にキャノンを撃とうとするクルーガー。

俺はホバーで横スライドに動き、弾を回避。

弾はルーギスに当たるが、装甲で跳ね返された。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

リミッター解除しても、ここまで性能差を感じることになるとは………

 

「オラオラァ!まだいくぞぉ!」

 

息を整える暇もない。

だが……!

 

「俺はアイツに約束したっ……俺がいる…俺が守るって……言ったのだから!」

 

「んなの知るかよぉ!」

 

「知られてたまるかぁ!」

 

ソニックブレイドとクルーガーのバトルアックスがぶつかる。

が、数秒も持たずに融解し始める。

 

「うらぁ!」

 

「カハッ!?」

 

遂にコクピットにパンチをもらい、衝撃で頭を揺さぶられる。

そして、コクピット内は火花が散る。

上手く……威力を流せたようだ。

 

「うざってぇな!」

 

「腐ってもパイロットというところだろう」

 

「へへ……こちとら長年パイロットやってるけどな……」

 

今の言葉はきっと届いていないだろう。

俺も聞き取れるのが精一杯だったし。

やべ、頭から血が出たわ。

 

「ゲホッ、ゴホッ……」

 

血反吐まで……試しに鼻の下も触ると、手には血がつく。

まだ新しいから、まだ鼻血も出ているのだろう。

それに……さっきのパンチで左足の脛を骨折したな。

何かのパーツが勢いよくぶつかったのか、今は違和感で済んでるが終われば激痛だろう。

 

「やべぇ………ここらで死んじまうか?……まあ、アイツがいるんだ。もし死んでも、何とかするだろうな……何も言えずに死ぬのは遺憾だが」

 

意識もあんまりハッキリしない。

もう、EXAMに身を任せるしかないのだろうか?

 

「……オェッ……カハッ…ペッ」

 

吐き気が来たと思えば、また血反吐。量が増えてるな。

かなり内蔵もグチャグチャか?

まあ、EXAMの加速についてこれた俺の耐G体質もやりすぎちゃあこうなるか。

 

「…………やってやるさ……」

 

モニターに映る俺の顔は、まるで彷徨い何かを求める死者の顔のようだ………

 

「ほらよぉ!」

 

「ウオォォッ!!」

 

シールドで、クルーガーのバスターソードを受け止めるが今ので左腕がイカれた。

シールドが外れ、さらに追撃でボロボロにさせられる。

右肩の装甲板が粉砕され、ツインアイの片方にライフルの弾がぶちこまれる。

しかし、当たりどころが良かったのかEXAMは止まらない。

 

「……死ぬなら一人くらいは道連れに…な?」

 

俺は機体を自爆させる手段に出る。

かつて、俺はコイツを自爆させたが二回目は俺の命が代償か………

そう思いながら、クルーガーの首を掴もうとした時、耳に雑音が流れる。

そして、レーダーを見れば……

 

「ザド……キエル?」

 

 

 

 

 




死にかけです。

初めてではないですが、死にかけですね。
まあ、初めてのは破片が体中にぶっ刺さってましたし………死ななかったのは奇跡なほど、酷い怪我でしたぜ。

いずれちゃんと書きますぞ?



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23 復讐鬼と堕天使のデュエット

このあと、(迷?)シーンが……





ザドキエル、透火の一周目での搭乗機でこの世界ではチート級の性能を誇る機体。

唐突に声が聞こえたときは驚いたが(GN粒子散布下だし)、どうやら脳量子波で俺にテレパシーしてたらしいね。

ニュータイプとはまた違う、人類の革新。

まあ、そんなことをしてるならさっさと戦えってのが第三者視点ならそう言うだろう。

にしても、コクピットへの恐怖症は抑えられたのか……それとも克服なのか、解らないが、少なくとも今は加勢してくれるならとてもありがたい。

 

「へへっ……さて、殺るか!」

 

俺はルーギスに狙いを定める。

 

「来るか…!」

 

激闘の末に、敵を倒す………よくあるテンプレだと思う。

が、どうせなら型破りな事をしたい。

というこの場で変な悪戯心と、そしてもしかしたらこのあと死ぬかもしれないと不吉ながらそう考えた末だ。

ふざけてる。

うん、そう言われても仕方がない。

だが、何も言えず死んで後悔するより(後悔できるのかは解らないが)ぶっちゃけた方が何倍も良い。

死亡フラグと生存フラグ二つとも建つが………ま、願掛けみたいなもんだ。

俺はアベンジャーの機体をパッと確認する。

左腕は使い物にならず、コクピットの周りには歪みと破損が少々。

右肩の装甲は砕け、関節部が丸見え。

頭部は片目を潰され、ブレードアンテナも折れている。

ホバーは機能しているがかなりの時間を核融合炉の発電を全開でやってるから、いずれオーバーヒートするだろう。

 

「さて、あっちはあっちで決着を着けてもらうことにして………ルーギス、悪いがお前を倒す」

 

「ふん……まだ弾やエネルギーは余裕だ。勝てないわけがない!」

 

ルーギスがバトルアックス……にしてはサイズアップされたものを、腰にマウントしていたアックスを取り出す。

片方の手にはソードがあり、俺はコイツは近接戦も得意だと感じる。

俺が知ることはないのだが、実はルーギスは射撃、近接戦も得意なのだ。

本気でやりあえばクルーガーと互角。

何故、役割分担しているかというとクルーガーの近接戦はずば抜けており、反してるは射撃戦がずば抜けている。

クルーガーも本気でやれば、射撃でも十分活躍できるのだが……まあ、ここからは蛇足というものだろうか?

 

ともかく、俺は最後の一本であるソニックブレイドを取り出そうと…………しなかった。

 

「……透火!」

 

『何!?』

 

俺は後ろでいまだ出方を探る透火とクルーガーを脇目に、叫ぶ。

その間に、俺は使い物にならない左腕を引っこ抜く(・・・・・・・・)

 

「好きだぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」

 

『え、ちょはぁ!?』Σ(Д゚;/)/

 

引っこ抜いた左腕を、棍棒のようにルーギスの頭部にぶち当てる。

あまりの非現実からか、ルーギスは当たるまで反応できず、思いっきり俺から見て左に吹き飛ばされた。

 

「ぬうぉぉぉーー!?」

 

「言っちまったが……後悔はない!」

 

これで死んでも、後悔はしない!

 

《愛の告白…………///》( 〃▽〃)

 

アリスは告白で動揺していたが。

いや、なんかいつの間にかって感じでいるが……まあいいか。

良くないかもだけど。

 

「さあ、EXAM!行くとこまで行こうぜぇ!」

 

俺は覚悟を決めた。

さあ、EXAM。

お前も覚悟を決めていこうじゃないか!

 

      [HADES system]

 

俺はモニターに出た文字に面食らった。

いや、まあ覚悟決めろって言ったの俺だけどさ……何故にHADES何だよ!

そうツッコミながら、俺は不気味な効果音と共にブラックアウトした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急に停止、そして禍々しい程の殺意と何かの存在を感じるアベンジャーに、間近で感じるルーギスはともかくとしても、そこから離れて戦う三日月たちやオルガたちにまでそれを感じた。

 

「バルバトス………?」

 

「背中が……痒い……」

 

三日月はバルバトスが怯えるような感覚を覚え、昭弘は背中が、特に阿頼耶識がある部分が無性にむず痒い。

それははたまたガエリオとアインにも、それを感じた。

 

「何だ?この嫌な気配は……?」

 

「あ、汗が止まらない……!?」

 

そこから離れたオルガやビスケットたちにも、それを感じる。

 

「何だこりゃ……?いったい何が……!?」

 

「に、兄さん!?……この感じ、禍月さんから感じる……?うっ!?」

 

ビスケットは民間人であり、兄であるサヴァランが泡を吹きながら気絶して倒れるのを防ぐが、ビスケットもまた、その気配に吐き気を覚える。

そして、先程ザドキエルを堕天使だと感想を洩らしたギャラルホルンのとある兵士は、アベンジャーを見て怯えながら、いや発狂寸前で叫ぶ。

 

「に、逃げろ!!ありゃ死神だ!!」

 

その言葉をキッカケに、逃げるギャラルホルンのモブ兵士。

既にその気配だけで気絶したり、ショック死している者もいたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、当のアベンジャーはルーギスに絶対の敵意と殺意を向けながら、ゆっくりと歩いて近付く。

 

「はっはっはっはっはっ!?」

 

生体ユニットとして、モビルスーツに組み込まれたのにも関わらず、ドンドン過呼吸になり始めるルーギスの肉体。

それほどまでに、アベンジャーから発せられるプレッシャーは凄まじい。

 

「こ、ここで!」

 

ルーギスは仕掛けた。

 

「終わってたまるか!」

 

まずは小手調べにソードをぶつける。

が。

 

「何故だ!?何故止められる!?」

 

沈黙の死神は右手でソードを掴み、離さずにそのまま砕く。

 

「…………………」

 

いつもの口うるさい口も、何も答えない。

ただ敵を滅する。

それだけの今、ルーギスにはただ一人でアベンジャーと対峙する。

 

「う、うわあぁぁぁぁーーー!!!」

 

アックスを上から振り下ろす。

が、その前にソニックブレイドが一閃。

逆手持ちのソニックブレイドが、グレイズ・ファントムの肘から先を切り飛ばす。

切り飛ばされた件のアックスは、その腕と共に付近の建物の上に突き刺さる。

そこをザドキエルがビームで牽制しながら、クルーガーを追い詰めていたがそこは今語るべきではないだろう。

 

「な、なんて……性能だ…!?」

 

いつもの冷静な判断は、感じたこともない圧倒的なプレッシャーで明後日の方へと飛んで行き、武器がないことに気づいたルーギスは、肩のマシンガンを撃ちながら次なる獲物を手にするために、市街地を移動する。

 

「見つけた!」

 

ルーギスは残った左手でグレイズリッターのソードを持つ。

一方、アベンジャーは既に彼の後ろへとソニックブレイドを手に、近付いていた。

 

「ぐおぉぉぉーー!!」

 

「……………………………………………」

 

二機が交わる。

どちらもほぼ同時に剣を振り抜いた。

そして、崩れ落ちたのは………

 

「なん……だと!?」

 

ルーギスだった。

もちろん、アベンジャーもただでは済まず、頭部が破壊されていた。

木端微塵に。

HADES、EXAM共に消滅したアベンジャーは機体のそこら中から冷却の煙が吹き出るが、まだ動く。

それは禍月の執念。

 

「禍根は残さない……!」

 

ソニックブレイドを手に持たせ、ゆっくりだが着実に近付く。

しかし、その前に禍月の意識が途切れそうだった。

コクピットの中は血塗れで、モニターにも血がこれでもかと張り付いている。

原因はもちろん、今だ口から吹き出るように飛び出る吐血である。

目の前には胴体を真っ二つにされたグレイズ・ファントムは、左手で這って逃げようとするが動きはアベンジャーが早い。

サブカメラで何とか敵を捉え、歩かせる。

 

「捕まえた…ゴフッ」

 

「まだだ、まだ死ぬわけには…!」

 

アベンジャーの足がグレイズ・ファントムを押さえ付け、ソニックブレイドの切先が中心を捉える。

 

「あばよ!イレギュラーぁ!」

 

「ー!」

 

最後に何を言ったのかは、聞こえなかった。

だが、彼の思念を感じる前に禍月は一瞬意識を失う。

それと同時に、アベンジャーも機能を停止し、あちこちで火花を散らしながら倒れる。

寿命を迎えたかのように、ゆっくりと仰向けに倒れる。

コクピットハッチが衝撃で弾け飛び、コクピットの惨状が顕になる。

 

「青い空………こんなにじっくり見たのは何時ぶりだろうな……ゲホッ」

 

禍月は重い瞼を開け続ける事ができず、目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗闇の中、俺は立っていた。

周りは光も通さない黒。

いや、真正面に人が見えた。

色が落ちて白黒になっているが、あれは……!

 

「ユミ!」

 

俺は走る。

だが、中々近づけない。

ユミ、ユミ、俺の妻として支えてくれた生前の姿とは多少違うとはいえ、その面影を持っていたユミ。

人殺しの俺を、避けることもせず暖かく抱き締めてくれたユミ。

彼女に会いたいとは思うことはすまいと、あの時決めた。

だが、今こうして見れば俺はユミの元へと行こうとしている。

俺を迎えに来たのか、それともこの非現実から引き抜くために来たのか。

ああ、解らない。

思考が纏まらない。

だけど走る。

走る。

走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユミ

 

 

あと少しで、ユミの元へ行ける……

そんなとき、唐突に振り返ったユミは叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

「こっちに来ちゃダメェッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユ、アヅァッ!?」Σ(>Д<)!?

 

手を伸ばして起き上がる。

と、同時に息をする度に激痛が走る。

思考がまだ纏まらないが、ただこう思う。

 

 

 

 

俺はまだ生きている。

 

 

 

 




このあと、バルバトス&グシオンリベイクVSシュヴァルベグレイズ&キマリストルーパーのガチンコです。

明日か明後日か。
書き終わるのは何時なのかは定かではありませんが…………



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

24 もう一つの戦い

短いかもです。

そういえば、原神のパイモンって由来になる名前が悪魔だった……序列9位で、バルバトスの一つ下ですね。

にしても、あれで男とか無理だろ……(ヾノ・∀・`)




一方、原作にはなかったバルバトス&グシオンVSシュヴァルベグレイズ&キマリスの戦いは、競り詰まっていた。

 

「邪魔……だぁ!」

 

「さっさと通しやがれ!」

 

レンチメイスがキマリスの頭を潰そうと降り下ろされるが、デストロイヤー・ランスによって反らされて地面に叩きつけられる。

隙を見せたバルバトスに突きをくらわそうとすると、そこにグシオンがカバーに入り、4本腕に持たせたライフルの砲口が火を吹く。

キマリスは咄嗟に回避するが、いくつかは装甲に当たる。

その衝撃に体を揺さぶられながら、ガエリオはランスの根本にあるマシンガンをグシオンとバルバトスに弾をバラ撒く。

 

「ぐっ……!ネズミ風情がぁ!」

 

「落ち着いてください、ボードヴィン特務三佐!」

 

「むっ……すまない」

 

アインはガエリオのシュヴァルベグレイズを譲渡され、今はそれでこの戦場に立っている。

そんな彼はランスに付いているマシンガンで牽制しながらキマリスと同じところまで下がる。

 

「あんな装備でこのキマリストルーパーと互角とはな……」

 

ガエリオは色々愚痴を言いたい気分だが、気を緩めればあのデカイレンチに叩き潰されるのが目に見えているので、そんな暇もなく回避に専念する。

一方の三日月は、レンチメイスと一応背中にマウントさせていた刀を交換するか考えていた。

いや、迷っていた。

 

「もっと近付かないと厳しいな……」

 

「ちっ!このままだと禍月たちが……!」

 

昭弘は焦りを顕にし、三日月は眉をひそめる。

既に戦いは10分ほど経過しており、場所も市街地の手前から離れた荒野に場所を移している。

ここまでで原作と変わっているのは、アインが生体ユニットにされていないのは勿論の事、アイン自身も原作と大きく変わっている。

度重なる戦闘で自分よりも圧倒する性能と技量を持つ相手と戦った経験が、彼を秘めたる力を目覚めさせていた。

それがシュヴァルベグレイズの性能も合わさり、ガンダム・フレームと高い技量を持つパイロット(阿頼耶識の恩恵もあるが)を相手でも互角近く戦えている。

 

「チィッ!」

 

グシオンのハルバートがシュヴァルベグレイズのランスと鍔競り合いになるが、バルバトスがそこに刀をランスを保持している右肩の関節部に投げて破壊する。

 

「ぐわぁっ!?」

 

ハルバートを放り出して、グシオンはキックをかましてシュヴァルベグレイズを吹き飛ばす。

 

「三日月!今のは危なかったぞ!」

 

「ごめん?」

 

「何で疑問なんだよ…」

 

と、昭弘はツッコんでいるが反対にガエリオは彼らに怒りをぶつけるために、突撃する。

 

「アインをよくも!」

 

だが、そのランスは

 

「昭弘、どいて」

 

三日月が増加装甲で受け止めてランスを掴み

 

「何だとっ!?」

 

右手に持たせていたレンチメイスをキマリスの左腕に挟み、チェーンソーで木を斬るようにキマリスの腕を削り折る。

キマリスはスラスターを全開で後退するが、一つの赤い影がキマリスのランスを弾き飛ばし、脚部スラスターの一つを破壊する。

 

「新手!?」

 

「三日月君、君達は禍月君を助けに行きたまえ。ここは私が受け持とう」

 

「………解った」

 

勿論、それはグリムゲルデ。

パイロットも皆さんご存知のモンタークことマッキーだ。

 

「貴様ぁ!」

 

ガエリオは叫ぶ。

だが、マクギリスは冷静かつ冷酷にキマリスのキマリスサーベルを受け止めて、もう片方の剣でキマリスの頭部を半壊させる。

 

「ふっ……ガエリオ。君とはここでお別れだ」

 

「な、何!?」

 

マクギリスは嗤う。

何も見えていない友に。

 

「私がアレを手に入れる為に、あの二人の犠牲は必要だったが………まさか戦場でラブロマンスを聞けるとは思わなかったよ」

 

こちらの方は、ただ純粋に笑っていた。

しかし、すぐに目の前の障害物に目を向ける。

 

「ガエリオ、後の事は安心すると良い」

 

ガエリオは、悟る。

相手が誰なのかを。

 

「ま、マクギリス……!?一体何を!?何を言っている!?」

 

「この状況でまだ解らないのか?君は今から私に討たれるのだよ、ガエリオ」

 

「う、嘘だぁっ!?」

 

「嘘ではないさ、ガエリオ。安心しろ、君の妹アルミリアの幸せは保証する」

 

ガエリオは彼の言っていることを理解したくなかった。

俺とマクギリスは親友では、友ではなかったのではなかったのかと。

だからこそ、ガエリオは聞く。

 

「マクギリス、まさかカルタも……?」

 

「ああ、わざとだよ。まあ、生き残ったのは意外だがまあ精神を病んだだけでも僥倖さ」

 

「あ、ああ…………マクギリスゥゥーー!!」

 

キマリスが、キマリスサーベルを手にグリムゲルデへと飛び掛かる。

だが、その怒りで動きが単純化した相手にマクギリスが負けるはずがない。

 

「さよならだ」

 

剣がキマリスのコクピットに突き刺さる。

原作と寸分違わず、コクピットに。

力尽きる様にゆっくりと倒れるキマリスを背景に、グリムゲルデはその場を立ち去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カルタ………すまない……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボードヴィン特務三佐!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で三日月たちは、禍月を医療カプセルへと運んでいた。

大急ぎで。

バルバトスが禍月を運び、グシオンが中身はオジャンになったアベンジャーを持ってくる。

しかし、その際に頭部の残骸を拾うのを忘れていた事には気付かなかった…………

 

 

 

 

 

 




二日三日で書くと言っておいて時間がかかってしまい、申し訳ありません。

なんかスランプみたいな感じに頭が冴えなくて全然書く気が起きなく……でも、若干調子は戻ってきました。

そういや、スパロボ新作でるみたいですね。
鉄血のストーリー参戦がないのは、制作者側がストーリーが変わるの嫌がってるからなのでしょうか?(深読み)
だとしたら最低と言いますね、自分。
まあ、アプデとかで参戦してほしいですね。
つーか、鉄華団がスパロボ時空で生存して何が悪いのだろうか……

オリ主が杉田さんか………わぁお。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

25 追憶の狭間で

順番的には23話の方が良かったですが、もう前回で起こしちゃったから仕方がないよネ!!( ^ω^ )

まあ、そんな訳でどうぞ!




俺が手を伸ばした先は見覚えのある部屋の天井。

そして、一瞬にして寝ていたときの記憶を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時、目を閉じたあと俺は暗闇の中に閉じ込められていた。

だが、それもすぐに終わった。

ほんの一瞬、巨大な何かを見て呆けていると………

 

「ーーー伍長!クガヤ伍長!」

 

「ッ!?は、はいっ!」

 

「何をしてるんだ!敵の目の前だぞ!」

 

「まっずっ!?」

 

そこは、宇宙世紀0079年。

一年戦争まっ最中だった。

夢を見ていたのか?それとも、本当にここは夢の中?

疑問はつきないが、今は……目の前のザクを落とす!

 

「てぇあぁぁーー!」

 

防御をかなぐり捨てた、渾身の袈裟斬り。

ザクⅡは爆散する。

 

「やった…………ッ!!?」

 

すると、今度は濃霧の中に俺は立っていた。

いや、俺自身ではない。

俺とアベンジャーがだ。

目の前にそびえ立つ、復讐鬼として生み出された俺の最初の愛機。

何だかんだで、俺の命をその性能で救ってくれた。

 

「アナタハ………ナゼイキルノ?アナタハナゼゼマダイキルノ?……オシエテ?」

 

アベンジャーが膝をつき、手を伸ばしてくる。

何故生きるのか、か。

…………正直なところ、解らない。

 

「解らない。何故俺がこうして生きているのか。俺には前世があって、そこでは俺は普通とは違う物だったし、そして今も宇宙世紀でも俺は普通とは違かった。でもな……」

 

アベンジャーの赤く灯るツインアイを見つめる。

それは、俺にとって最初の前世への決別であると思う。

 

「最初の前世と宇宙世紀での違いは、その普通とは違うものが俺にとって良いものなのか、悪いものなのか関係なく、それは俺の経験の一つでそれを何時までも引き摺る訳にはいかない」

 

「……………」

 

小野川桐保(オノカワキリヤス)としての俺と、クガヤ・アルファラとしての俺、そして禍月桐谷としての俺は全部違うけど、全部同じなんだ」

 

………自分でも途中から何を言ってるのか、理解ができなくなった。

でも、言いたい事だった……はず。

すると、今度はアベンジャーのコクピットにいつの間にか座っていた。

 

「我が宿敵よ。貴様はここで停滞するのか、それとも私を越えて死んでいくのか。どちらかを選びたまえ!」

 

目の前には、俺が殺したはずのヘグタス・シュターゼンのイフリート・ジオン。

場所も宇宙に変わっていて、俺はこの目まぐるしく変わる状況に混乱する。

 

「お前は!お前は俺が殺したはずだ!」

 

頭が痛い。

体も痛い。

駄目だ、正常な判断が…………できない。

アイツを見ると、思い出すといつもこうだ。

戦争の狂気を初めて触れたコイツを見ると、どうしても俺は………憎悪と怒りが溢れてしまう。

そして、ヘグタスに殺された数多の人達の声が聞こえてしまって、狂ってしまいそうだ。

 

「私は貴様が生きている限り、何時までも生き返るのさ!ジオンの騎士である私は!不滅なのである!!」

 

「黙れ……黙れ……黙れぇぇぇーーっ!!」

 

ビームライフルを乱射する。

イフリート・ジオンは背部に無理矢理くっ付けたビショップの腕部を射出し、オールレンジで攻撃してくる。

 

「貴様が!貴様がぁ!」

 

「フハハハハ!!」

 

アイツの嘲笑が、俺の、俺の精神を苛んでくる。

止めてくれ、俺が何をしたんだ。

何で俺は、誰にも聞こえない声を聞き続けなきゃいけないんだっ!!

俺は……道具じゃない………人を殺すだけの道具じゃ…ない。

止めろ、そんな目で俺を見るな。

道具を見るような目で、俺を見るなぁぁぁっ!!

 

 

 

その時、俺は思考を止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に動き始めたのはグリプスでの脱走劇。

ハイザックとアベンジャーの性能差は、近代化改修を受けてもその差は愕然としていた。

 

「ここまで性能が違うのかよ!!」

 

かつての俺をコクピットで見る。

一筋のビームがアベンジャーの機体を掠める。

が、すぐに腕や脚をもぎ取られてやられる。

何だよ、今更こんな夢を見させられてもどうすりゃいいんだ。

場面はまた変わり、カミーユの親父がリック・ディアスを強奪したところだ。

この時の俺は……もう一機のMk-Ⅱに乗り込んで、近付いてきたハイザック達を圧倒した。

けれども…………あの時の高揚感は今はない。

 

「ハハハハッ!これがΖ時代の機体かよ!アベンジャーとは全く違うぜ!」

 

今ではこれを改めて見ると、どうかしてんじゃないのかってくらい、油断しまくりだった。

この戦いで死ななかったり、Mk-Ⅱを傷つけなかったのは単に運が良かったと思う。

 

「俺も………まだまだ若かったって事か」

 

そんな俺に苦笑するが、今度はジャブローでの戦いに移る。

命懸けだった。

最初から核爆弾が地下深くにあることを知っていた俺は、さっさとアウドムラとかを見つけようとしていたし、カミーユを手助けしたいという気持ちがあった。

でも、やっぱり精神的に成熟している今の俺には傲慢だ、と感じた。

瞬きしたら次はホンコン。

サイコガンダムが、街を破壊していく。

この時には既に俺の機体はソレデリアになっていて、Iフィールドに苦戦した。

そして今度はキリマンジャロでの戦い。

結局、俺はフォウ・ムラサメを助けることが出来ず、カミーユは原作と同じようになった。

ロベルトにしろ、スレッガーにしろ、結局、俺は誰かを助けたいと思いながらも実行できていない。

我ながらその愚かさを呪う。

どこか、視聴者としての視点を捨てることができないことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ZZ時代。

一人の少女を拾った。

プロトプルツー。

既に子供はいたが、俺は半分強制で俺の養子にした。

それは何故か。

きっと、彼女(プル)たちや俺が見殺しにしてしまった人達へのせめての償いだったと思う。

どちらにせよ、それもまた無意識な傲慢なんだろう。

量産型キュベレイなんて、すぐに判別できるシルエットなのに俺は無力化させようとして、結局見殺しにしたのだから。

プルトゥエルプ……マリーダにしたってそうだ。

俺が戦闘後に、無茶をしてでも探しに行けば原作通りにマリーダが悲惨な目に会うことはなかった。

いや、それはそれで……………どちらにせよ、俺は罪人なんだろう。

傲慢の大罪人。

戦争だからと割り切っていたが、結局第三者から見ればそんなもんだ。

それが………俺の心を蝕む。

改めて見せられて思った。感じた。

俺は……誰かを愛せる、愛していい人間ではないと。

彼女(透火)に、俺の過去を話したがあれもまた無意識に同情してほしい、俺を憐れんで欲しいと思っていたから…………話したんだろう。

だが、それに関しては俺は後悔しない。

きっと、いつかそれが最悪の形になって暴発したら、きっとクルーゼの様に世界を破壊しようとする最低の人間になるだろう。

CCA時代。

俺はアムロの見せた人の心の光を生で見せつけられた。

シャアのいう通り、優しさだけでは世界は救えないし、破壊してしまう事もあるが優しさがなければ世界はきっともっと冷たい世の中だったはずだ。

でも、彼が起こした奇跡はやはり科学の視点で理解不能、原因不明という結果のみで片付けられ、連邦は腐っていく。

閣僚達の会議のテレビを見れば、しょうもない事を会議に出すわきっと神様がうんたらかんたらとアクシズショックをいもしない神様のおかげだと話すクソ野郎達がいた。

ただでさえ、秘密裏に賄賂で小惑星アクシズを渡したくせに我々は悪くないと何も疑問も持たず、当たり前のように言う。

だから、マフティーが生まれたんだろうに………だが、マフティーにしろ、袖付きにしろ結局武力での改革だった。

ラプラスの箱は効力を無くしていたし、人々は既につかの間の平和に浸ってしまい、どこかで戦いが起きても無関心になった。

可能性を信じる、それはいい。

けれども、宇宙世紀の果てにあるR.C.(リギルド・センチュリー)でも結局人類は宇宙へと住処を変えることはなく、地球に居座り続けた。

そして、また戦争を始めていた。

もし、また宇宙世紀へと行くのならきっと俺はアクシズ落としを……手伝うだろう。

連邦軍は腐っても軍。

しかし、連邦政府は完全に腐りきったF91以降は軍を動かすことさえ面倒くさがり、放置していた。

 

 

 

 

…………結局、俺というイレギュラーがいてもそんな程度で終わってしまう話だったのだ。

戦うことしかできずに、俺はただただ戦い続けた。

前世でもマトモに夢を見付けられない奴に、どうこうできる話ではなかったな。

熱中できたのはガンダムやアニメ、ラノベ、そんな娯楽の類い。

とりあえずと興味のあった工業の高校へと進学したが、夢が無いゆえにか点が取れず通信制にへと転学した。

それでも、結局俺は夢が見つからない。

俺の能力がどうしても皆より劣って見える。

そんな俺が転生したのは何故だろうな………宇宙世紀の自分は、結局最後まで子供だったのかもしれない。

生きることを難しく感じていた俺にとって、戦うだけで、レポートを書くだけで金がもらえるなら前世よりマシだと思っていたのかもしれない。

そんな俺が………醜い。

醜くて傲慢であったことに、自分自身に憎悪を抱いた。

俺の存在に、意味はないのだと俺は自分を責めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして全てを見せられ、終わったあと。

今度は虹色の空間にいた。

あの光の中に。

突如として目の前に、老人の俺が現れた。

 

「お前は………俺?」

 

「ああ、そうだ。俺は君で君は俺。君がこの世界に転生した意味を与えに来た」

 

すると、彼の後ろに十人以上はいるだろうか?

白衣を着た、研究者っぽい人達が一斉に俺を見ていた。

 

「……意味?」

 

「そうさ、未来の俺。彼らは透火……セファーの作り主だ」

 

確かにそんな話を聞かされていたが、だからと言ってこんな屑の俺に、能力だけは優秀なゴミに頼られてもどうしようもない。

 

「ああ、クズだ。俺もお前も含めて、ゴミと呼ばれても仕方がない。だけれども、過去の俺にはなくて未来の俺にある物があるだろう?」

 

「………解らない。俺には……解らない」

 

俺は頭を抱える。

夢の中なのに頭が痛い。

頼られたくないと、叫んでいるようだ。

 

「……………今の君には世界の有り様を確実に変えてくれる仲間がいて、そして君はそこにいる。鉄華団の皆を支える裏の立役者としているじゃないか」

 

仕方がないな、といった感じで話す過去の俺。

 

「それさえ、君は自分に劣等感を抱いて逃げるのか?必要とされているのに」

 

俺は顔をあげる。

そこには、いつの間にか白衣を纏う、人々の魂が俺を囲んでいた。

 

「彼らはセファーを作って、守りきれなかった。それを償いたいと、数多のパラレルワールドがあるなか、俺を呼んだんだ」

 

改めて、彼らの目を見ると助けて欲しいと言う目だった。

守れなかった罪悪感を感じながら。

 

「未来の俺はさっさと進んでこい。過去の俺は過去であって、今のお前でもさらなる先の未来の俺でもない。例え、人外だろうが微生物だろうが俺は俺なんだ。胸張って生きろよ。俺と違って、今のお前には最初から求めてくれる人達がいるだろう?」

 

……………罪を背負え。

だけれども、停滞は許されない。

それは、俺を本当に人類で一番最低の人に成り下がる事だから。

暗にそう言われた気がした。

 

「……解った。やってやる。できる範囲で、やってやるさ!俺は戦って生きて、誰かを守って死ぬ!それが俺にできる唯一の成し遂げられる偉業だから!」

 

虹色の空間が、歪み始める。

 

「そうだ、それでいい。今まで殺してきた人々と守ってきた人々の死を無駄にするな。それがお前の罪を償う物になる。罪を重ねたとしても」

 

そして、暗闇に閉ざされた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ眠気がある頭で、俺は体を寝かせていた。

 

「……………」

 

まずは、透火に謝らなきゃな。

彼女を作った人々の無念を、俺は宇宙世紀での罪と一緒に背負って俺は未来を生きて、戦い続けなきゃならない。

誰かの手の平の上で踊らされていたとしても。

あの夢での話は、透火には言わないでおこう。

透火に話したら、きっと彼女はそれさえも受け止めようとして壊れ始めてしまうかもしれない。

きっと、永遠の秘密になるだろう。

…………俺が彼女と共に幸せになる資格はない。

俺は、この世界でもどこか傍観者であった。

原作、史実………今からでも意識を変えなければならない。

テレビの中にある作り物(物語)と、今生きる現実を区別させなければならない。

誰だろうと、救いたいと思ったのなら俺のエゴで押しきってでも救う。

これから、ずっとそうしよう。

そう、覚悟を決めた。

俺が幸せになる必要はない。

少しの幸せで充分。

我儘だと言われてもいい。

今、俺ができるのは、透火と鉄華団をハッピーエンドに向かわせることだけ。

そこには戦いがあって、その戦いは俺にできる事だ。

 

Å¶Γ¶∬♭∀♪ξθησχЗЕЖ⑦┝⑧㌔㌘┗|(それが俺にできるケジメのつけ方…だよな)

 

…………誰もいない部屋で、俺は場違いなほどの奇妙な言語に頭を抱えた。

 

 

 

 

 

 

 




はい、第二の鬱シーンでした。

5000文字越えたぜ。
一話で纏めてみたらこうなったぁ……(疲)

P.D.の次、マジどうしよ。
まあ、サイコロで決めるか。(適当)

それと、アベンジャーガンダムのイラストを「一年戦争 宿敵と相対す」にて公開しましたので、お目汚しなイラストですが、まだ書き足している一年戦争での活躍をするアベンジャーのイメージをしやすくするため程度で見てくだされば。

ん?何でここでも公開しないのかって?
何でか上手くできないのですよ………(鬱)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリジナルMS資料(追記あり)

これからも、オリジナル機体が出れば追記していく予定です。
オリジナル機体を纏めたものです。




RX-78A(G) アベンジャー・ガンダム

全長18m 装甲材質:ルナ・チタニウム合金

コクピット形状/陸戦型ガンダム

パイロット/クガヤ・アルファラ

 

 

【挿絵表示】

 

 

武装:100㎜マシンガン、ビームライフル、ビームサーベル×2、180㎜キャノン砲、改造スモールシールド、肩部オプションバルカン砲×4、ロケットバズーカ、右腕部ガトリング砲、EXAMシステム

 

陸戦型ガンダムを元に、名目上はNT-1やマドロックの兵装試験機。

実際はコロニー落としによる被害にあった研究員たちが半分暴走しながら開発したジオンへの復讐としての感情が込められた機体。

秘密裏に発動条件を少し厳しくしたEXAMシステムを搭載されており、秘匿性が高かったためメカニックマンやパイロットにも気付かれなかった。

 

【活躍】

オデッサ作戦後、エースとして抜擢されたクガヤにアベンジャー・ガンダムが当てられ、更に戦果を上げる。

その際、転属されてSTR-1に配属される。

ラサ基地での戦いではザクなどの多くの敵を撃墜している。

その後、星一号作戦に召集されまた転属。

ソロモンでの戦いにて頭部を破壊され、パイロットも重症を負う。頭部はRX-78-2ガンダムのものに換装される。

ア・バオア・クーでは宿敵との戦闘でパイロットは精神崩壊し、終戦後7年の時をかけて治療。

グリプス戦役序盤にて、一度使われたものの中破。データ目的で回収に来たモビルスーツを自爆で撃破して消滅した。

 

武装紹介

 

100㎜マシンガン

陸戦型ガンダムや陸戦型ジムが使用するマシンガンと同型。

 

ビームサーベル

後部スカートアーマーに2本マウントされている。ジム・コマンドのビームサーベルと同型。

 

180㎜キャノン砲

陸戦型ガンダムのと同型のキャノン砲。

 

ビームライフル

陸戦型ガンダムと同型のビームライフル。

 

右腕部ガトリング砲

NT-1の腕部ガトリング砲のプロトタイプ。

威力、装弾数はNT-1より高いが整備性がNT-1より凶悪になっており、メカニックマンたちを泣かせている。

 

肩部オプションバルカン砲

排気ダクトの上に配置されている、複合兵器。

装弾数は少ないが、多種多様な弾を使える。

 

ロケットバズーカ

陸戦型ガンダムや陸戦型ジムと同型のバズーカ。

 

脚部ホバークラフト

マドロックのホバークラフトのプロトタイプ。

短時間でしか使用できないが、ホバー走行可能。

 

EXAMシステム

秘密裏に搭載された、発動条件に制限があるEXAMシステム。強力かつ無慈悲な攻撃を幾度となくジオン軍に与えた。

 

改造スモールシールド

ジムの装備するシールドの下半身を使った、特製のシールド。シールド裏にはマシンガンの弾倉やミサイルポッドをマウントできる。

 

 

 

RX-77-X1 ガンキャノン・ソレデリア

全長18m 装甲材質:ガンダリウム合金

コクピット形状/全周天モニター

パイロット/クガヤ・アルファラ

 

武装:ビームライフル、シールド、ビームキャノン×2、肩部ミサイルランチャー×2、60㎜バルカン砲×2、ビームマシンガン、ビームサーベル×2

 

RX-77ガンキャノンをベースにアナハイムエレクトロニクス社が近代化と改造を施した主人公の機体。

ただし、機体の構成部品のほとんどは一年戦争時についぞ使われなかったパーツを流用したものが多い。

胴体と腰部はガンキャノン、肩のパーツとバックパックは量産型ガンキャノン、脚部はガンキャノンⅡを主に構成されている。

腕はジムなどのパーツを使っているが、近代化改修されたため、機体の各所の関節部分がとてもデリケートになってしまったため、防塵のために陸戦型ガンダムなどが砂漠地帯で使っていた防塵カバーを使っている。

頭部はネモなどの他のモビルスーツの部品を使っているが、その他の部分はほとんど予備パーツがない。が、実はこれはソレデリアを作らせた人間が主人公の妻の叔父なのでソレデリアを彼女だと思って大事に扱って見せろという、意思表示でもある。

そのため、第一次ネオ・ジオン戦争までほぼ無傷で帰還している。

また、各部の装甲の強度も所々違うので防御力面でも難のある機体。

そして、宇宙でも活動できるが機動性がとても高く、ピーキーになる。

 

【活躍】

アウドムラで最初の補給ポイントでアナハイムエレクトロニクス社から、譲渡された。

その直後の戦闘では多数の連邦軍機を落としている。

特にキリマンジャロ攻略戦での活躍が凄まじく、部隊を引き連れながら多くのハイザックやマラサイを撃墜している。

宇宙でもその活躍は変わらず、グリプス戦役後にはアーガマ部隊に転属される。

現地の徴集された少年兵たちと共に戦場を駆け巡り、最終戦にて量産型キュベレイと対峙して相討ちという形で大破した。

 

武装紹介

 

ビームライフル

ネモが使うビームライフルと同型。主に序盤の地上戦で使用された。

 

シールド

ネモが使うシールドを使用。特に性能差はない。

 

ビームマシンガン

漂流していたガーベラ・テトラが使用していたビームマシンガンを改修・改造を施され、Eパック方式を採用。継戦能力を向上させ、出力調整すれば即席のビームライフルにもなる。宇宙に戦場が移って以降はビームマシンガンが主兵装になる。

 

肩部ミサイルランチャー

首周りに四発装填された虎の子一発のミサイル。

虎の子といっても、そこまで威力は高くなく、ぶっちゃけ一発芸な装備である。

 

60㎜バルカン砲

頭部に配置されている、60㎜口径のバルカン砲。牽制や迎撃で主に活躍する。

 

ビームキャノン

量産型ガンキャノンのバックパックをベースに改造して、実弾の代わりにビームを撃てるようにした。

弾倉に空きができたことでプロペラントを増やして、宇宙での高機動能力を手にしている。

 

ビームサーベル

後部スカートアーマーに二本配置されている。ネモのビームサーベルを使用している。

 

 

 

RX-093-N NEO・Hi-νガンダム

全長20.1m→15.6  装甲材質:フルサイコフレーム(ガンダリウム合金)

コクピット形状/全周天モニター

パイロット/クガヤ・アルファラ

 

 

【挿絵表示】

 

 

武装:ビームライフル、90㎜ガトリング砲×2、ビームサーベル×2、ファンネル×8、フィンファンネル×10、ニューハイパーバズーカ、メガビームランチャー、頭部バルカン砲×4、ビームバズーカ、NT-D typeP、シールド

 

アムロのνガンダムとシャアのサザビーの設計図を元にアナハイムエレクトロニクス社によって製造された、クガヤ専用機。

νガンダムとサザビーのハイブリッドなため、所々その面影が見える。

そして、またもや秘密裏にNT-Dを搭載されており、ビスト財団がユニコーンのNT-Dを完成させるためにNT-Dのプロトタイプが搭載されている。

そのため、パイロットへの負担は全く考えないものになっており、推進剤が切れない限りずっと超高速で機動可能。

その代わり、起動時に見た目はそれほど変わらず、一部の装甲がスライド展開される程度しか差異はない。展開時の発光色は青。

またNT-Dなどの関係上、系譜的にはシナンジュ・スタインとユニコーンガンダムの中間にあたる。

 

【活躍】

パラオ戦で一度搭乗するも、マリーダ死亡フラグ回避のために、ユニコーンガンダムペルフェクティビティに搭乗。

ラプラス事変が終わるまで格納庫の隅っこで、主が再び乗るのを待つ。

フェネクス捕獲作戦にヨナ・バシュタと主人公と共に参加。

コロニー内での戦闘はビームサーベルで爆散させずに、ギラ・ズールなど多数のモビルスーツを撃墜。

ヘリウム3保管宙域での戦闘は、ヨナのナラティブガンダムと共闘してネオ・ジオングⅡと戦う。

マフティー動乱では、記録が不鮮明なため詳細不明。

コスモ・バビロニア建国戦争では、ダウンサイジングと近代化改修が施され、多数の敵モビルスーツを撃墜する。ラフレシアとはF91と共闘して撃破に至っている。

軍を引退後、クロスボーン・バンガードに秘密裏に入隊。キンケドゥやトビアを越える戦果を挙げる。

ただし、詳細は抹消されている。

ザンスカール戦争では、一時期蛇の足に所属。

ただし、基本的にはリガ・ミリティアに所属してパイロットは病気を患いながらも、多くの戦果を挙げる。

最終決戦で、ゴトラタンを撃墜時コクピットが損傷し、パイロットに致命傷を与えて機体はパイロットと共に活動を停止した。

尚、遺体はカサレリアに埋葬され、機体はとある博物館で保管されることになった。

 

武装紹介

 

ビームライフル

サザビーのビームショットライフルを参考にしており、ライフル・ショットガン・マシンガンモードに任意で変更可能。

汎用性に長けた兵装になった。

 

ビームサーベル

νガンダムのビームサーベルを参考にしている。

νガンダムと違うのは、常時展開型になったことぐらいか。

 

90㎜ガトリング砲

両腕に装備されたガトリング砲。

NT-1と比べると遥かに整備性も良くなり、弾数も充分。威力もそこそこある。

 

メガビームランチャー

Hi-νガンダムのと同型。

 

ファンネル

サザビーやヤクト・ドーガが使用していたファンネル。プロペラントタンクがあるおかげで、ファンネルの連続稼働できる時間が増えた。

 

フィンファンネル

νガンダムが使用していたファンネルと同型。νガンダムとは違い、再利用可能。

 

シールド

νガンダムが使用していたシールドと同じ。

ミサイルやメガ粒子砲が搭載されている。

 

ビームバズーカ

リゼルなどが使用するビームバズーカと同型。

コスモ・バビロニア建国戦争ではF91が拾ったものと同型である。

 

頭部バルカン砲

頭部に4門のバルカン砲が配置されている。

薬莢の排出システムはνガンダムと同じ方式。

威力もνガンダムと同じくらいある。

 

ニューハイパーバズーカ

こちらもνガンダムと同型のバズーカ。

散弾・通常弾どちらも撃てる。

 

NT-D typeP

ユニコーンガンダムのNT-Dのプロトタイプ。

制限時間はなく、その代わりに発動条件がユニコーンガンダムよりあやふやになっている。

性能的にはあまりユニコーンとは遜色ない。

 

 

 

GN-HO83 ガンダム・ナインソード

全長20m 装甲材質:フォトン装甲

コクピット形状/タオツー

 

 

【挿絵表示】

 

 

武装:GNソードライフルビット×9、腕部GNショットナイフ×2、頭部ビームバルカン×2、腰部ビームマシンガン×2、肩部ビームサーベル×2、ビームシールド付きビームライトマシンガン

 

主人公がアフターストーリーに転生する前にいた世界のモビルスーツ。

動力源にはGNドライヴ(オリジナル)を搭載しており、フォトン装甲の効果もあって長期戦に向いた機体になっている。

格闘戦と近中距離戦に特化しており、ビーム攻撃を無効化する相手を想定したエクシアのような機体。

 

武装紹介

 

GNソードライフルビット

機体各所に配置されている、大小のGNソードライフルをビット化した物。

通常のGNソードライフルとして運用することも可能であり、味方にGNソードライフルを分け与えることも可能。

ビットとして飛ばす際はGN粒子を消耗するため、再チャージが必要。

 

腕部GNショットナイフ

両腕に装備された、飛びナイフ的な武器。

Iフィールド等で油断している相手に効果的。

一つの腕につき一発のみだが、当てれば動きを阻害できたり、一撃で撃墜も可能。

 

頭部ビームバルカン

GNドライヴとフォトン装甲によって、高威力のビームバルカンになっている。

 

腰部ビームマシンガン

腰部の両脇に固体された、牽制目的のビームマシンガン。

出力を変えることで、通常のビームライフルにもなる。

 

ビームシールド付きビームライトマシンガン

銃身の半ばにビームシールド発生器を着けた、長時間連射できるビームマシンガン。

腰部のビームマシンガンと同時に一斉射することで、圧倒的な弾幕を作ることができる。

 

 

 

MS-04EX-S スペリオル・イフリート

全長18.6m  装甲材質:ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材  

コクピット形状/全周天モニター(Z)

 

武装:スーパーバスターソード、腕部ビームガトリング×2、ARICEシステム、腹部拡散メガ粒子砲、スパイク型インコム×10、シュツルム・ファウスト、ジャイアント・バズ、MMP80マシンガン、ヒートソード×2

 

イフリートをベースにさらなる高機動化と攻撃力を求めたモビルスーツ。

バックパック、脚部、後腰部スカートアーマーに増加ブースター・スラスターを装着しており、宇宙戦闘も可能にしている。

もちろん、そのぶん体にかかる負担は大きく、耐G体質を持つ人間でないと扱いきれない機体になっている。

本編では1つ前の前世で一時的に主人公の機体になっている。

 

武装紹介

 

スーパーバスターソード

背中にマウントされている、本体の身の丈と同じくらいの大剣。

刃をヒート化したり、刃からビームを出してギャン改のようなビームソードにできる。

本機の最大の攻撃力を持つ。

 

腕部ビームガトリング

両腕に固定装備されたビームガトリング。

牽制を主にした兵装だが、直撃させればMSを撃破可能。

 

腹部拡散メガ粒子砲

一対多での戦いになったときの解決策として装備された。稼働エネルギーに大幅な出力を持っていかれているため、威力は大きくない。

 

スパイク型インコム×10

一見すると、ザクⅡの肩アーマーにあるスパイクに見えるが、インコムになっている。

有線式なので、射程は大きくないが牽制には一役買っている兵装。

 

ヒートソード

腰部の左右のスカートアーマーにマウントしている。スーパーバスターソードが破壊されたりしたときの保険である。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

幕門 新機体への足音

お久しぶりです、GF少尉です。
相方ちゃんが投稿したので、自分もとタカキのごとく3DSで頑張って執筆しやした。

モチベが上がらず、他の作品やってたのもある意味要因ですが、今のところ一番の要因はスマホが希望の花を咲かせたのでそれによるところが大きいです………

ちなみに、相方ちゃんの感想欄にて禍月が嫌いと言う感想が合ったので、自分なりに言わせて貰うと今作は鉄華団やタービンズとかコラボ先のキャラとかもハッピーにするというコンセプトなので…………としか言えないですかなぁ………
とはいえ、禍月が嫌いな事に関しては特に言うことないのですがw
何だかんだで、禍月ことクガヤは作者の一人よがりから生まれたようなもんですし、恋愛表現的にどこぞの乙女座さんみたいですしね。(自分で書いてて困惑)
ただ少なくとも、内容的には無理はないと思うんですがね……アンドロイドなセファーの時はともかく、二週目は普通の(?)女の子ですし。
異性への何だかんだが今更湧き出てきたみたいなことも有り得なくないと思います。

構想が未熟な宇宙世紀世界はいずれもう一度書き直したいと思ってますが、うーん3DSだからマトモに続くか……………
約一年やってきましたが、阿修羅な修行をしてきた感………………最初の時よりは凄く(?)成長したと思います。
まだまだ未熟ですが、作者としてこの作品を完結まで続けたいのでよろしくお願いします。(ガンダム愛)



戦場に、二つの姿があった。

1つは白き一対の金に輝く剣を持ったガンダム。

対して、片方は深緑の装甲色を持った量産機グレイズ。

しかし、その手には小回りのいい小さめの剣とマン・ロディが使っていたサブマシンガンを持っている。

周囲には何もなく、ただ火星の赤い荒野が広がっている。

しかし、両者共にその装甲には数多くの傷が入っており、その戦いの凄まじさは想像できなくとも、激しい斬りあいだったことが解る。

先手を打ったのはガンダム。

背中から生えている鋼鉄の翼から蒼いスラスター光を瞬かせ、その手に輝く金の不壊の剣が鋭くグレイズの肩の関節部分を狙う。

しかしそれを受け流すかのように、否、実際に受け流すためにヌルリと剣の切っ先は装甲を軽く削るだけに終わる。

全体的に隙を晒したガンダムにグレイズが剣を振り下ろす、がそれを読んでかガンダムは残るスラスターでローリングして、その左足がグレイズの腕を蹴飛ばす。

だが、それさえも見越したかのようにグレイズは左手に保持しているサブマシンガンを腰だめにガンダムに撃ちながら、弾け飛ばされた反動を使って空中で一回転して着地する。

ガンダムはその態勢での回避は難しかったか、あえて受けた。

しかし、その装甲は硬いためかビクともせず、その綺麗な白い表面に凹みを作る程度である。

そのためか、着弾の衝撃をものともせず更に追撃を入れる。

弾切れを起こしたグレイズの方はと言うと、サブマシンガンをガンダムに投げ付けて気を引かせ、その間に地面に刺さっていたグレイズのバトルアックスを拾い上げる。

突撃してきたガンダムはサブマシンガンを斬り飛ばしてグレイズに送り返し、翼から高速でレールガンを連射する。

その弾丸はサブマシンガンを貫き、爆散させる。

煙が両者の視界を奪うが、そこから出てきたのはバトルアックス。

バトルアックスはガンダムの首を刈り取り、そしてガンダムの剣は鋭くグレイズの持つ剣を断ち切ってグレイズのコクピットを貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーやられたかぁ…………」

 

透火が持ってきたシミュレーターの画面には【YOU LOSE】と表示されていた。

俺が目覚めていくばくか。

新機体のためのデータ取りや、鉄華団の事務仕事等の手伝い等をしていた。

え?事務仕事なんてできるのかって?

俺は一応連邦軍じゃ大尉だったんだぞ?

めんどくさいがやらなきゃ懲罰もんだし、鉄華団は基本的に事務仕事ができる人員が少なすぎる。

まあ、そうは言っても原作とは違い、求人云々で頑張ってやってたからね。

少し増えてます。

一番頑張ってた透火には頭を撫で撫でして褒めたが、蕩けたその顔の直後に某狩りゲームの極圏を錯覚するほどの笑顔で昇竜拳を顎にくらい、部位破壊されやした。

 

[禍月桐谷の砕けた顎を入手しました]

 

シャクレデウスになったらどうすんねん!とか突っ込めない程、彼女の笑顔が凄まじかったのは今でも記憶に新しい。

ああ……これがツンデレという物なのか…………未来の俺がドMにならないことを祈ろう。

 

「グレイズでバエルと互角って…………ホント、化物よね禍月?」

 

と、呆れた様子で俺を化物と呼ぶのは件の透火。

通信モニターに見える彼女の顔は、色々複雑そうである。

 

「将来、こんな使われ方されるならもう最初からモビルファイターとかにした方が良いかな………?」

 

「いややめて!?俺はあんな生身でモビルスーツ倒せるような体してないし、技術もないぞ!?」

 

流石に体まで変態じゃないので、勘弁してもらいたい。

とはいえ、新しい機体にワクワクしている俺としてはサイコフレームの調整や、俺の戦闘データの収集、後は完全に使えなくなったアベンジャーの頭探しくらいしかない。

というか、マジで宇宙戦艦ヤマトにいるんだな俺…………

波動砲(?)を使う日が来ないこと願いたいが、撃ってみたいと思うのはロマンかそれとも………

 

「じゃあ今度は新機体で行ってみようか」

 

「了解。でもその前に飯食いに行かね?」

 

「またいじられるわよ?」

 

「もういいだろその話………まあ、どっちにしろ透火もそのいじられる仲間なんだがな?」

 

「うっさいわね!ホント、なんであんなことしたのよ…………」

 

「………何も言えず死ぬなり死なれるよりマシだろ?」

 

脳裏に俺が教導していた部下達を思い出す。

結局、皆クロスボーン・バンガードとの戦いで死んでしまい、俺は彼、彼女らを死なせてしまった事に今でも後悔しているし、感謝も言えず、そして気付かずに葬ってしまった隊長の事もある。

俺の顔から察したのか「ごめん………」と謝ってきた。

 

「気にしなくたっていい。過去は過去。とりあえず今は飯を食おうぜ」

 

食堂に赴き、一緒に食べに行ったがやはりいじられた。

だが、湿気った空気をかき消すにはよく、ついでに「子供欲しい?」って場の空気に流されて聞いたら爪先を踏みつけられた。

だがしかし、既に対策済みだ!

爪先の部分を厚くした靴だからな!と、調子に乗ってたら次の日の飯は俺だけニンジン定食だった。

俺はニンジン嫌いな少尉じゃねぇし、逆にニンジン大好きなウマの娘でもないんだが。

 

 

 

 




何だかんだ、こちらの透火ちゃんはツンデレ成分が多めです。
てな訳で、Mな紳士諸君、バエルもとい透火の元に集え!(深夜テンション)

「ツンデレの魂は我々と共にありぃぃーーー!!!!」

あ、特に入手の奴とかはフラグとかではないです。
今はね………………


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

26 バカとアホは紙一重


モチベ云々より終わらせないとっていう気持ちが強くなってきたこの頃()

ギュネイの危機一髪も佳境というか、完結しておまけ編だし、ちょっと詰まってたのでタイミングは良い……のかなぁ?

どのみちどの面下げて戻ってきたって感じで更新です。
文才やモチベより、やる気が欲しい。

ちなみに禍月視点から第三者視点に変わります。
色々模索してみた結果、そっちがやりやすいしね!()




 

 

 

来たるメタ的にも物語的にも地獄の第二期の為に、AGEシステムの恩恵という名のやらかし放題でそこらの民間組織としては破格の戦闘力を得てしまった鉄華団。

なまじ今まで成功しかしなかった鉄華団はその強さも相まって、世界にはヒューマンデブリが溢れようとしていた。

だが俺は思う。

鉄華団のような存在は本来なら有り得ない、そして危うい存在でもあるということを。

それが分からずその理想を追ってしまう底辺達はやはり馬鹿なのだと言えるのだろう。

しかし、俺自身も馬鹿な道を進もうとしていると、どこかでは解っていた。

それでもあんな夢を見てしまったら、俺はこの世界で鉄血のオルフェンズという宿命を変えなければならないと思ってしまう。

アレが本当の俺なのかは知らない。

知らないが全く知らない奴でもなかった。

ニュータイプの感覚なのでなんて説明していいのかわからんが、そういうことなのだ。

 

 

まあ、それはさておき俺は行かなければならない。

第二期の始まり、夜明けの地平線団を叩きのめさなければならない。

三日月には既に言い含めておいたが、オルガの事となるとどうなるのかわからないのが三日月なので恐らく原作通りバルバトスをぶっ壊してしまうだろうと思う。

 

 

透火が顔を真っ赤にして三日月の頭を叩くのを想像すると思わず笑う。

しかし、戦闘が始まるのですぐに各種セーフティを外してGNフィールドによる大気圏突入後、戦闘を開始する。

 

「さて………ヴォールクロス、軽く捻り潰すぞ…!」

 

バルバトスが先行、俺はファンネル・ミサイルを展開し早急に二機を撃墜。

三日月と駄弁りながら専用ロングライフルを片手に、腰溜めで敵を撃ち抜いていく。

 

「ぐあっ!?」

 

「マトモに狙いをつけていないのになんで当たるんだ!?」

 

GNドライヴの恩恵で機体を浮かせられるヴォールクロスに、地面スレスレをスライディングさせながらロングライフルをダンッ!ダンッ!と放つ。

そして近付いてきた敵にはクロストランサーブレード……長いからカタナでいいか。

カタナで相手の機体をぶった斬る。

まだ数は少ないから、背中のガトリングやコストの高いファンネル・ミサイルは使わない。

そもそも自慢にするには血なまぐさい宇宙世紀の戦闘経験がある。

これくらいなら、ヴォールクロスの性能で十分だ。

 

「コイツで終わりっと………」

 

逃げるヤツも脚を切り捨て行動できなくする。

後は投降を呼びかけるだけの楽なお仕事だ。

しかし、ここからもっと忙しくなると思うと、気怠く感じる。

まあ、俺達の為にとAGEシステムと自身の脳をフル稼働で作ってくれたヴォールクロスや戦艦大和の苦労と比べれば途方もないくらい軽いだろう。

 

「………忙しくなる前にどこか出かけるか。きっとお怒りだろうからなぁ……」

 

ハシュマルだけでも、モビルアーマーを倒す、その為に作られたガンダム・フレームが身を削るような戦いを強いられるのだ。

そして、スペースデブリが漂う宇宙にだってまだ眠っているモビルアーマーがいるかもしれないのだ。

ゲームに登場したモビルアーマー達の存在がいないわけではないだろうからな………

 

 

 

 

まあ、その前にデート……というには火星はほとんど娯楽がないので散歩か買い食いとかになるだろうが、ガノタである俺達にはそれだけでも十分価値はある!多分。

まあ、安全はしっかり確保しないとな……そういえば私服って呼べる程のものがないな……まあいっか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降りる前に喉までに込み上げた胃液を飲み込んで口の中が酸っぱかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で彼は透火をデートに誘うことにした。

 

「なあ、透火」

 

「なに?」

 

その時間は夕飯時の終わりくらい。

他の団員達は既に寝るかシミュレーターで己を磨いているから、食堂に人はまばらである。

 

「明日か明後日、ゆっくり散歩でもしないか?まあその……これから俺も透火も忙しくなるしな?」

 

「あー……」

 

さて、どうしようと考える透火と彼女の返答に緊張を隠しきれず彼女の方を見ないようにする禍月の様子を遠目で見ていたオルガとアトラ。

 

「なんだか苦いの飲みたい」

 

「……俺もだ。コーヒー入れてくんねぇか?」

 

「うん、私も飲む」

 

二人共、あまり美味しいとはいえないインスタントコーヒーをカップに入れ、砂糖やミルクなしで飲んだ。

 

「うー……苦い……けど、なんかそこまでは……」

 

「なんだか分からねぇが、いつもよりは飲めるな……」

 

二人は後に【リア充爆発しろ!】という言葉をタービンズの面々から教えられるまで、何かが疼く感覚がするたびにブラックコーヒーを飲むのであった………

 

 

 

 

 

 

 

 





うーん、短い……
とはいえ、リハビリだと思えばいいか……

とりあえずギュネイの危機一髪も良かったらどうぞ…()
というかそっちの方がオススメだな、コレ(自虐)

https://syosetu.org/novel/301306/



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。