異世界転生したのは世界のVIP達から認められた料理屋の店主 (北方守護)
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主人公&物語設定。

これは作者の自己満足で作った作品です。


主人公&世界観設定。

 

主人公設定。

 

遠野 武昭(とおの たけあき)享年38歳。

 

身長 186cm 体重 79kg 黒眼黒髪で細フレームの銀縁眼鏡を掛けていた。

 

実家は江戸時代から続く寿司屋で祖父母がやっている。

両親は中華料理店を営んでいる。

高校卒業と同時にフランスに渡り3年後には三つ星レストランで調理長を任される。

それから2年後には帰国して自分の店を出す。

その後、サミットでの調理責任者や海外セレブ達が来日した際の食事を担当したりしていた。

 

得意料理はこれと言って無いがフグの免許やうなぎなどの特別な調理が必要な物を捌く事が出来る。

 

ある日、仕入れを終えて店に戻る時に居眠り運転のトラックが道路の中央線を越えてきたのを避けられず、そのまま事故に巻き込まれる。

 

実は店の常連の中に神が来ていて、事故を知って転生させた。

 

 

世界観設定。

 

転生した世界はグダザという国。

 

色々な種族が一緒に生活している。

 

魔物がいたり魔法やスキルの概念がある。

 

地球の食材と見た目が同じ物があるが魔物の肉なども食べたりする。

調味料はあるが、それなりに高い。

砂糖1kg 青銅貨 2~3枚。他の調味料も同じ位の値段だが産地では安い場合もある。

一般市民は月に銀貨5~8枚で生活出来る。

 

貨幣は木貨 鉄貨 銅貨 青銅貨 銀貨 金貨の順に上がっていく。

 

地球の価値にすると

木貨=1円

鉄貨=10円

銅貨=100円

青銅貨=1000円

銀貨=10000円

金貨=10万円

それぞれ10枚で両替出来る。

 

1年は16ヶ月 1月は35日 1日は20時間で四季がある。

太陽は1つだが、月は赤い月、青い月、黄色い月の3つが代わる代わる出ている。

奴隷などもいるが大体が借金や犯罪を起こした関係でなっている。

 

武昭の能力。

 

魔法

炎魔法、水魔法、風魔法、土魔法、氷魔法、雷魔法が使えるが全てレベル1。

レベルは1から10までの段階がありレベル10の魔法が使える者は世界でも数える程しかいない。

ちなみにレベル1は魔力があるなら誰でも使えると言われている基本魔法。

 

スキル

【鑑定】(かんてい)あらゆるものの全てを見る事が出来て鑑定した物の上に浮かび上がる。

人物なら名前や年齢、種族や職業に使用可能魔法やスキルに職業が出来るが女性だけで言うとスリーサイズも分かるが、見たくない情報などは見ない事も出来る。

 

【百科事典】(ディクショナリー)

頭の中に動植物などの群生地がどこにあるか分かったり、薬などの作成法が浮かんでくる。

回復薬(ポーション)

10gのヒール草を刻んで60℃のお湯に入れて30分かき混ぜ続けて全て溶けたら冷まして完成。

 

【計測】(スケール)

測りたい物を見るだけで長さや重さ、温度が分かる。

 

【方向探知】(コンパス)

行きたい方向を考えたり言ったりすると、その方角の矢印が見える。

(武昭のみにしか見えない)

 

【地図作成】(マッピング)

頭の中に近辺の地理などが浮かび上がる。

 

 

 

 

 

 



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第1話

そこは白い空間で、そこにはその者しかいなかった……

 

「うーん……あれ?ここって……確か俺は仕入れを終えて店に戻ってた途中で……!!そうだ……俺は……」

 

《そう、君は命を落としたんだよ》

その者が話しかけた者を確認しようとした。

 

「あれ?あんたって確かウチの店の常連さんの(ぜん)さんじゃ……それよりもここはどこなんだ?」

 

《1つずつ答えてあげるよ、ここは【魂の泊場】(たましいのはくば)と呼ばれる場所なんだ、ここに居る事が出来るのは()()()()()()()()()()()()()()()だけなんだ》

 

「は?死んだ者と……神と言われてる存在って……ハハハ、善さん……冗談が過ぎるぜ……」

 

《いや、冗談なんかじゃないよ……コレを見たら僕の言ってる事が真実だって分かるよ》

善が手をかざすと鏡の様な物が現れ、その鏡面には彼の葬式の場面が映し出されていた。

 

「なっ!?……嘘だろ……そうだ……段々思い出して来た……俺は仕入れを終えて帰る時に……オェー!?

 

《だめだ!それを思い出してはダメなんだ!!》

善は彼が死ぬ瞬間を思い出し青い顔をして嘔吐したのを止めた。

 

《大丈夫かい?……本来なら命を落とした者は自分が亡くなった時の事を思い出す事が無いんだ》

 

「無いんだって……けど、俺は今、ウッ!……」

 

《済まない……それは、こちらの方の責任だ……》

善は事情を説明した。

 

それによると善が店に行こうとした時に何らかの歪みを感じたので元の世界に戻った所人間の魂を管理する者が失態を起こし、幾人かの人間が本来の寿命では無いのに命を落としたとの事だった。

 

「じゃあ……俺がここにいるのは……」

 

《あぁ、こちらの方の不手際なんだ……申し訳なかった!》

 

「あぁー 善さん、そんな事を言われてもこっちからしたらどうなるかだけ教えて欲しいんだけど?」

 

《何だい?僕に怒ったりしないのか?》

土下座していた善は彼の言葉にキョトンとしながら顔を上げた。

 

「うーん……普通なら怒る所なんだろうけど……それをしたからって元の世界に帰れるって訳でもないだろ?」

 

《そうだな、あの世界においてアンタの存在はもう無いからな……》

 

「それに、ここに善さんが居るって事はアンタが何かをするんじゃないかって思ってるんだけど」

 

《なるほど、そう考えていたのか、そうだ君はあそことは()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ん?新たな世界って……そんな事出来るのか?」

 

《あぁ、これでも僕は幾つの世界を管理してるんだよ、その中の世界の1つに転生してもらう》

 

「転生か……そこはどんな世界なんだ?」

 

《分かりやすく言うと時代的には君の世界でいう所の中世の欧州の様な感じだね》

 

「なるほど……それでこっちの世界との違いとかはあるのか?」

 

《あぁ、その世界は科学の代わりにに魔法が発展していて人間とは違う存在も普通に住んでたりするんだ》

 

「人間とは違う存在って……エルフとかドワーフとかって事か?」

 

《そうだ、他にも獣人や魔物もいるな……それと、その世界じゃ調理技術がそんなに発展してないんだ……

だから、君には向こうで色々な調理技術を広めてほしいんだ》

 

「発展してないって、どんな感じなんだ?」

 

《肉や魚は焼くか煮る、野菜類なんかも生か茹でたりするだけって所だ》

 

「そんな世界で俺が色々やっても良いのか?」

 

《あぁ、その世界の者達は、色々な食材があってもさっき言った事位しか出来ないんだ……だから、君がそこの者達に新たな事を教えてほしいんだけど……》

 

「善さん……あぁ、分かったよ一度落とした命だ こんな俺に何が出来るか分からないけどやれる事をやってみるよ」

 

《ありがとう! それじゃ君を転生させる前にこちらから特典をあげるよ》

善が手をかざすと光り輝くモノクル状の物と辞典程の厚さの本と銀色の定規、それと黒い方位磁針が球状になって彼の体に入り込んだ。

 

《それらは、君に与えた能力を具現化した物でね、その世界で必ず役立つ筈だよ そろそろ時間だね》

善がそう言うと彼の体が輝いて足元から薄くなっていった。

 

《向こうの世界に行っても……元気で過ごしてくれ》

 

「あぁ、善さんも暇があったら来てくれよ、それじゃあな」

彼がそう言うと体が全て消えて、その空間には善だけが残った。

 

《彼の魂に幸いあれ……おい姿を見せろ》

雰囲気の変わった善がそう言うと白いローブを纏った男性が現れた。

 

《お前は何をしたか……分かってるのか?》

 

《は、はい……私のミスにより本来なら死ぬべきでは無い者達を死なしてしまいました……申し訳ございません!!》

男性は震えながら善に土下座した。

 

《お前が謝っても何も戻らないんだよ……それよりも()()は用意出来たのか?》

 

《は、はい!こちらにあります!!》

男性は懐から3つの光の球を取り出すと善に渡した。

 

《本当なら、これも彼に授けたかったんだけどな……まぁ、あっちの生活に慣れた頃に渡すとするか……おい、お前はもう戻れ》

 

《は、はい!分かりました! ()()()()

男性は頭を下げると善の前から姿を消し、それを見た善も姿を消した。



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第2話

主人公のスキルに幾つか加えました。
詳しくは設定を見てください。


光が眩しくて目を閉じていた武昭が目を開けると何処かの山中だった。

 

「ん……どうやら、ここが善さんの言ってた世界みたいだな……けど、なんで、こんな山の中なんだ?」

 

〔おぉ、どうやら転生したみたいだな〕

 

「うわっ!?善さんの声がするぞ!けどどこにいるんだ?……」

 

〔僕は今、元の世界から君の頭に直接話しかけているんだ〕

 

「そうなんだ、それで、ここはどこなんだ?」

 

〔そこは泊場で説明した僕が管理する世界グダザの中の大陸の1つなんだ。以前は色々な人種達が住んでいたんだけど、ちょっとした事情があって、極少数の者達しか住んでいないんだ……〕

 

「その、ちょっとした事情ってなんだ?」

 

〔まぁ……簡単に言うと戦争だよ……〕

 

「そうか……なら、それ以上は聞かないよ……それで、俺はこれからどうするんだ?」

 

〔今、君のいる場所から南西に以前は村があった土地がある、そこに行くと良いね〕

 

「南西か……ってどっちだ?」

武昭が周りを見ると木々が生い茂っていた。

 

〔そんな時に僕が与えた特典、【地図作成】と【方向探知】の出番だね。頭の中で行きたい方向と場所を考えるんだ〕

 

「行きたい方向と場所……(南西の村の跡地は…っと)うおっ!?頭の中に何かの映像と目の前に矢印が見えてるぞ」

 

〔それの通りに行くと目的地に行けるよ……僕は、少しやる事があるから到着したら呼んでくれ、それじゃ〕

 

「あ!善さん……まぁ、聞いた通りに行きますか…」

武昭は善の指示を聞いて矢印が示す方向に向かった。

 

武昭が指示された位置に到着すると、そこは荒れ果てた村の跡地だった。

 

「ここが善さんの言ってた場所か……本当にボロボロだな……おっと家の壁も……」

武昭が近くにあった家に入ろうとした時に触った場所が軽く崩れた。

 

〔以前はここにも多数の者達が住んでいたんだけどね……〕

 

「まぁ、何があったかは聞かないよ……それよりも草木が生い茂って凄いな……」

 

〔そうだね、けどこんな場所でも武昭なら問題なく暮らす事が出来るよ。僕がその為の力を与えたんだからね〕

 

「そうなんだ じゃあまずは グゥ〜……飯の用意だな……けど、周りにあるのは草だけだな」

 

〔なら、周りの草木に【鑑定】を掛けてみると良い〕

 

「そっか、じゃあ【鑑定】おっ、なるほど、こんな感じなんだ」

武昭が見た足元の草の上にゲーム等で見るメッセージモニターの様な物が浮かび、こう書かれていた。

 

[ドローガ

薬草の一種。あらゆる場所に生息しており、その場所によって効果が変わる。

清らかな水や大地の場所なら強力だが、何もされてない場所では普通。

この場所のドローガは野生種に近い為、そんじょそこらの物とは効果が段違いに強い。]

 

「ふーん薬草の一種なんだ……そうだ【百科事典】うわっ!周りの草の殆どがドローガじゃないか」

武昭が言うと見える所が大体青くなっていた。

 

〔おぉ、僕が言わなくても特典を使う事にしたんだね〕

 

「あぁ、善さんに頼ってばかりじゃダメだからな……それにしても、なんか色が違う草があるけど【鑑定】」

 

[ヒール草

薬草の一種。ドローガの群生地の中に時たま生えている事がある。

そのままでは何も効果が無いが、これを材料としてポーションを作成出来る。]

 

「なるほど、まぁ一応取っておくか……保管場所は、よしあそこの家にするか」

武昭はドローガとヒール草を幾つか収穫すると中でも傷みが少ない家に置き始めた。

 

暫くして武昭は村の周りを見ていた。

 

「うーん、何か調理器具があれば良かったんだけど……ボロボロだな」

武昭が家々を回って物資を探すが使えない物が多かった。

 

〔だったら魔法を使ってみたら、どうだい?〕

 

「ん?魔法って……俺が使えるのか?」

 

〔あぁ、転生させる時に僕が与えたんだ、その世界ではあると便利だからね〕

 

「そうなんだ……って、どうやるんだ?」

 

〔そうか、武昭の世界には無かったんだったね、簡単だよ頭の中でやりたい事をイメージしてみるんだ〕

 

「イメージ……じゃあ喉が渇いたから……【水よ】うわっ!?」

武昭が右手を前に翳して考えた呪文を唱えると多量の水が出て来た。

 

〔うん、ちゃんと使える様だね、じゃあそのまま勢いを弱めるイメージをしてみるんだ〕

 

「あぁ……ふぅ、これ位なら普通に飲めるか……プハァ!美味い水だぜ!!」

 

〔そうだ魔法はイメージだから武昭がこうしたいって考えると色々やる事が出来るよ〕

 

「イメージか……ん?そういや俺が使える魔法とかってどうやって知るんだ?」

 

〔それは【ステータス】と言えば画面が浮かぶよ〕

 

「本当にゲームみたいだな、じゃあ【ステータス】ふーん、これが俺のステータスか……ん?」

武昭が出したステータスにはこう記されていた。

 

【タケアキ・トオノ 半神半人 年齢25

職業 調理師 農家 漁師 ハンター

スキル 【鑑定】【百科事典】【計測】【方向探知】【地図作成】

魔法 炎魔法 水魔法 風魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法

テクニック 解体 修復 裁縫 狙撃 建築】

 

「なぁ善さん、職業の農家、漁師にハンター それにテクニックってあるんだけど……」

 

〔あぁ、それの説明を忘れてたね、職業の調理師以外はあれば武昭が便利だと考えて与えたんだ〕

 

「確かに料理をする俺からしたら良いけど……」

 

〔それとテクニックは武昭自身が元の世界で()()()()()()()なんだけど心当たりあるかい?〕

 

「心当たり……あっ、爺さんや婆さん、叔父さんに習った覚えがあるな……」

 

〔そうだったんだ……家族の絆って物だね……まぁ、良いじゃないか……〕

 

「あぁ、けどテクニックに修復があるって事は……うん、直し方は分かったけど材料が無いか」

武昭は壊れた家を直そうとしたが頭の中でどう直すか分かっただけだった。

 

〔テクニックは、それが出来るが出来ないかであって、する事はまた別だからね おっと、そろそろ僕が手助け出来るのも終わりだね〕

 

「そうか……善さん、ありがとうな、俺なんかの為に、ここまでやってくれて」

 

〔気にしなくて良いよ、僕がやりたかった事でもあったからさ……それじゃ〕

善の声が聞こえなくなったが武昭は感謝していた。

 




説明
職業
その者に適した職業。時に複数持つ者がいる。

テクニック
それの持ち主が生きて来た中で習った技術。
小さい時から彫刻をしていれば【彫刻】のテクニックを身につけれる。
但し、テクニックは職業やスキルとは違い誰でも身につけれるが続けなければ消滅する事がある。

ちなみにテクニックを見れるのは、この世界では武昭だけ。


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第3話

善の手助けが終わった武昭は自分が何が出来るか考えていた。

 

「今、ここにあるのはドローガとヒール草だけか……出来れば何か蛋白質があれば……あ、そうだ【方向探知】

武昭が何かを思い付いてスキルを発動させると矢印が浮かんだ。

 

「おぉ、何か蛋白質が無いかやってみたけど上手くいったな……じゃあ行ってみるか」

武昭は目的の場所に向かった。

 

暫く歩くと山中に流れている川を見つけた。

 

「まぁ、山で蛋白質って言ったら魚になるよな……それにしても綺麗な水だな【鑑定】」

 

[ゴランド山から流れてくる川の水。

清らかな水で飲んでも平気。]

 

「飲んでも平気か……ゴランド山って……あぁ、あれの事か」

武昭は川の上流を見て山がある事を確認した。

 

「とりあえずは魚をどう取るかだけど……おっ、さすが漁師の職業って所だな」

武昭が川に入って魚を確認すると簡単に手掴みで取れた。

その皮は白く所々に黒い斑点があった。

 

暫く経って魚をある程度取った武昭は村の跡地に戻って食事の用意をしていた。

 

「まずは【鑑定】」

[ノワルフィッシュ 清らかな水の川に生息する川魚。

身は淡白で味は美味しい。料理法としては焼く事がおススメ]

 

「うん当たり前の感じだな……じゃあ魚の処理をしますか……って何か刃物の代わりになる様な物は……あ、そうだ」

武昭は何かを思い付いた。

 

「土魔法があったから……まずは【形成】そして【焼成】……うん、とりあえずはいい感じで出来たな」

武昭は土魔法と炎魔法を駆使してセラミック製の包丁を作った。

 

「これが出来たって事は……うん思った通りだ」

武昭は続けて鍋と食器を作り出した。

 

「よし、これで薬草と魚の煮込みが出来るな……あとは調味料を探すか【百科事典】【方向探知】【地図作成】」

 

「どうやら向こうの方に塩があるみたいだな……おっ、これみたいだな岩塩か【鑑定】」

 

[ゴランド山の岩塩 時たま山で採取出来る岩塩。

色々なミネラル分が含まれていて美味しい塩。]

 

「確かに俺が店で使っていた塩と似た味だな、さてと料理を開始するか」

武昭は土魔法でカマドを作ると料理を作り始めた。

 

その後……

 

「よし、スープと焼き魚が出来たか……んじゃいただきます」

武昭は自分が作った料理を食べ始めた。

 

「うん、初めて見た材料で作ったにしては上手く出来たな……ふぅ、ご馳走さん」

料理を食べ終えた武昭は少し休むと村をどうするか考え始めた。

 

「ゴランド山から流れてくる川の水を村の近くに引き込むとなると……【計測】うん、結構な距離だな」

武昭が川から村までの距離を見ると元の世界換算で2kmと出ていた。

 

「元の世界なら何らかの機械や重機があったから良いけど、今は俺1人だからな……そうだ【地図作成】と【計測】を同時に……」

何かを思い付いた武昭が考えた事をすると頭の中の地図に青い線が浮かび上がった。

 

「やっぱり2つのスキルを発動出来るかやってみたけど……出来るもんだな……だとしたら……」

武昭は色々と思い付くと実践してみた。

 

その結果……

 

「うん……これなら雨風も凌げるだろ」

武昭の目の前には土魔法と炎魔法で作り出した四角い箱型の家があった。

 

「包丁や鍋とかも作れたんだから家も出来ると思ったけど、出来るもんだな……」

 

「あとは……そうだ【疾風烈弾】(しっぷうれつだん)からの【激流水】(げきりゅうすい)

武昭は村の周りに風魔法で深めの穴を掘り、その中に水魔法で水を流し入れると水堀を作った。

 

「元の世界で見た忍者漫画に載ってた事をやってみたけど上手くいって良かったな」

 

「本当なら防壁があればもっと良いんだけど今は、これ位か……そうだ【百科事典】……うん、この近くにあるみたいだな」

武昭は何かを探す為に村を出た。




ちなみに武昭の魔力はこの世界でレベル10の魔法を使う人からすると数十倍あります。


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第4話

ちなみに武昭の服装は長袖のシャツにノースリーブベスト、茶色いチノパンです。


村を出た武昭が向かったのは川があった方とは逆方向だった。

 

暫く歩いた武昭は目的地に到着した。

そこは緑色で節のある植物が沢山生えており……

 

「やっぱり、この世界にもあるんだな。一応【鑑定】」

武昭が探していたのは元の世界で言う【竹】だった。

 

[オネスバブ 元の世界で言う竹と同じ物。

その強度は硬いが弾力が適度にある。

そして若竹は燃えにくいが枯竹は火がつきやすい。

時期によっては筍が生えており採りたては生でも食用可能。]

 

「ふーん、おぉ触ると硬さを感じるけど何処と無く柔さもあるな……【風刃】(ふうじん)とりあえずは10本程切れたか」

武昭が手を翳して魔法を唱えるとオネスバブが何本か切断されたので何回も行い多数の束が出来た。

 

「うん切り口も綺麗だな……けど、どうやって持って行こうか……ガサガサ ん?」(1)

武昭がどうするか考えてると竹やぶの中から虎に似た生き物が出て来た。

 

「うぉっ!?そういや虎の模様は竹林に紛れる為の物だったな!!……あれ?」

武昭は虎から距離を取ったが虎は所々傷ついていて、そのまま気絶した。

 

「どうやら何かと争って傷付いたみたいだな……【鑑定】」

 

[ヴェルディーガー

原生生物の一種。竹林に棲まう虎の仲間。

性格は凶暴。毛皮や牙は高級品で武器や防具の材料にされる事がある。]

 

「凶暴な性格でも傷付いてる奴を黙って見てられないよな……おっあった」

武昭は懐からドローガを出すと近くの土で小型の乳鉢を作りすり潰した物を虎の傷に塗った。

 

「野生動物だから変に治療するより簡単な処置で良いだろう……」

 

〈ガァァァ……?〉(2)

武昭が虎の治療をしてると虎が目を覚ましたが軽く混乱しているみたいだった。

 

「おっ、気が付いたか。ちょっと休めば傷も治るだろうから休んでろ、じゃあな ん?」

武昭が竹を担いで、その場を去ろうとした時、虎が服の袖を噛んでいた。

 

「どうした?俺と一緒にいたいのか?」

 

〈ガァ〉

 

「けどな……俺はこことは違う場所に家があってな、これを持って帰らなきゃダメなんだよ」

武昭は竹の束を指した。

 

〈グルル……ガァ〉

悲しそうな声を出した虎は何かを思い付くと袖を引っ張って竹の所に連れて行った。

 

「どうした?竹をどうかしたいのか?」

 

〈ガァ!〉(3)

虎は竹の近くに伏せた。

 

「うーん……あっ、もしかして、この束を運んでくれるのか?」

 

〈ガァ!〉

 

「けどな……結構な量、あるんだぞ?大丈夫か?」

 

〈グワァァア!〉

虎が大声を上げると体の大きさが3倍程に巨大化した。

 

「へぇ、そんな力を持ってたのか じゃあ背中に載せるからしゃがんでくれ」

 

〈ガァ!〉

虎は武昭の指示通りにしゃがんだので、武昭は背中に竹を落とさない様に括り付けた。

 

「よし、これで大丈夫だな……じゃあ俺の後について来てくれ」

 

〈ガァ!〉

武昭が言うと虎は嬉しそうについていった。

 

 




その時の虎の心中。

初対面時(1)
くっ……まさか、こんな所に人間がいたとは……これで私も……

気が付いて(2)
私はまだ……なっ!?なぜ、この者は私の治療を……?
この者は私が今まで見てきた人間とは違うみたいだ……

帰宅時(3)
なっ!私はこの者に助けられのだ、ならば恩を返さなければ!
ふん、こんな物など私にとっては物の数ではない!
まさか、私の力を見ても怯えぬとは……決めたぞ、私はこの者のそばにいよう……







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第5話

武昭は虎と一緒に村に戻ってきた。

 

「さてと、悪いけど竹をあそこの近くまで運んでくれるか?」

 

〔ガァ〕

虎は武昭の指示を受けて一緒に向かった。

 

「ちょっと竹が長かったか……仕方ない【風刃】」

武昭は虎から竹の背中から竹を降ろすと置く場所のサイズに切り分けた。

 

「よし、竹はこれで良いから……魚でも捕まえてくるか……お前も着いてくるか?」

 

〔ガァッ!〕(1)

 

「そうだ、お前って言うのも何だな……目の色が緑色だから【ラルド】だよろしくなラルド」

 

〔グワァ!〕

名前を付けられたラルドは武昭に甘えていた。


武昭とラルドは以前に魚を取った川に到着した。

 

「ラルド、俺はここで魚を取ってるから呼んだら戻ってくるんだぞ?分かったか?」

 

〔グルル ガァッ!〕(2)

武昭はラルドが森に向かったのを確認すると魚を取り始めた。

 

しばらくして……

 

「うん、ラルドもいるからこれ位で良いだろ……じゃあ戻るか おーいラルドー帰るぞー」

 

〔ガァ……〕

呼ばれたラルドが戻ってきたがその口には頭にツノの生えた猪を咥えていた。

 

「ん?それってラルドが捕まえた奴なのか?」

 

〔ガァ!〕

 

「もしかして、これって俺の為に取ってきてくれたのか?」

ラルドが猪を差し出したので武昭が事情を聞くと嬉しそうにうなづいた。

 

「そうか、ありがとうなラルド、じゃあ帰るぞ。ラルド背中に猪と魚を載せたいから大きくなってくれるか?」

 

〔ガァッ!〕

ラルドは武昭の指示を聞いて大きくなったので武昭は背中に猪と魚を載せて村に戻った。


村に戻った武昭は猪の処理を始めようしていた。

 

「とりあえずは【鑑定】」

 

[ラトローボア

原生生物の一種。山中に生息する猪の一種。

性格は凶暴。牙やツノは武器の材料、毛皮は衣服の材料となる。

肉は美味いが、その凶暴さから高級品の食材となっている。]

 

「なるほど、肉は食えるのか それに捨てる所も少ないみたいだしな……まずは血抜きからするか、ラルド」

 

〔グワァ?〕(3)

 

「悪いが、この猪を木から下げたいからこれを持ってそこの枝に上がってくれ」

武昭は蔓草で作ったロープをラルドに渡すと枝の上から下ろす様にした。

 

「あとは、これを上に吊るして……っと よし準備完了」

武昭の前には後ろ足から吊るされた猪がぶら下がっていた。

 

「本来なら()()()()()()解体しやすいんだけど無い物強請りをしてもしょうがないか《ガチャッ》ん?」

武昭が猪を解体しようとした時に音がしたので見ると何処か見覚えのあるちょっと大きめなアタッシュケースがあった。

 

「もしかして、コレって……おぉ、俺が使ってた包丁セットに解体道具一式じゃねぇか!何でここに?……ん?手紙だ……」

武昭がケースの中を確認してると一通の手紙が置いてあったので見ると善からであり、こう書いてあった。

 

【武昭がコレを読んでるという事はちゃんと武昭の元に届いたという事だな。

まぁ、詳しい事はこちらからのお詫びって事で納得してほしい。

それで、その道具類に関してだけど、それは我々の世界で新しく作り直した物なんだ。

鍛治の神が、その道具類に込められた思いを聞きとってね、それで武昭の所に送ったんだ。

それらを使って美味しい物を作って欲しい。それじゃ】

武昭が読み終えると手紙が自然に消えた。

 

「そうだったんだ……よろしくなお前たち」

武昭が道具類に言葉をかけると軽く発光した。

 

「じゃあ、始めるか……おぉ、凄い切れ味だな……」

武昭は解体用のナイフで猪の解体を始めたが、その切れ味に驚いていた。

 

しばらくして猪の解体を終えた武昭は軽く後始末をしていた。

 

「ふぅ、とりあえずはこんな所だな……あとは、この内臓と骨をどうするかな……」

 

〔ガァ!〕

 

「ん?もしかしてラルド、この内臓と骨を食べたいのか?」

 

〔ガァッ!〕

 

「そうか、ラルドが食べるなら食べて良いぞ、それとコレも食え」

武昭は猪の肉の後ろ足の一本をラルドに渡したがラルドはキョトンとした顔になっていた。

 

「俺にはこれだけの量は多すぎてな、悪くなっても勿体ないし、それに俺とラルドは仲間だろ?」

 

〔グルル……ガァッ!〕

武昭から頭を撫でられたラルドは嬉しそうな声を上げると武昭の顔を舐め始めた。

 

「おいおい、痛いから余り舐めるなよ。俺は自分の飯を作るからラルドは食べてて良いぞ」

武昭はラルドから離れると料理を開始した。

 

 

 




虎→ラルドの心中。

(1)
私は恩人のそばに居る!
よし!今日から私の名前はラルドだ!

(2)
分かりました……(あるじ)がそういうのなら……ならばこのラルド!主の為に獲物を獲ってきましょう!
ケガをしていようが猪ごときに負ける私ではない!

(3)
おぉ、さすが私の主だ、あの大きさの猪を物ともせずに、あぁするとは……
まさか主が私の為に肉を分けてくれるとは……


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第6話

武昭がグダザに転生してから2ヶ月ほど経った頃……

 

武昭は竹で家の壁などを補強していた。

 

「おいラルド、もう少しそっちに引っ張ってくれ」

 

〔ガウ〕グッグッ

 

「よし、そこで引っ張るのを止めて、少しそのままだ……これで良しっと離して良いぞ」

 

〔グワァ〕

 

「ふぅ、大分家の修理も終わってきたな……そろそろ竹も取りに行かないとな……ラルド行くか?」

 

〔ガァッ!〕(1)

武昭が言うとラルドが嬉しそうに言ったので一緒に竹を取りに向かった。


竹を取って帰る途中、武昭は木になっている果実を見つけた。

 

「ん?これって……何か見た事あるけど……【鑑定】

 

[マタマ 原生植物の一種。

元の世界で言うトマトと同じ物。

種を植えて育てる事が可能。]

 

「ふーんトマトと一緒って事か……なら幾つか収穫して行くか……ん?向こうにも何かあるな【鑑定】」

 

[アルブ ディラッシュ 原生植物の一種。

元の世界で言う大根と同じ物。

葉を残して植えると又生えてくる。]

 

「大根もあったのか……ついでに取って行くか、ん?ラルドー何処に行ったー?」

 

〔ガァッ!!〕(2)

武昭が帰ろうとするとラルドがいなかったので呼び掛けると少し離れた場所から聞こえた。

 

「どうしたんだ?ラルドって……怪我人か……けど、()()()……」

武昭がラルドのいる場所に向かうと茶色の短髪で頭に動物の耳が生えている少女が傷だらけで倒れていた。

 

「息はあるみたいだけど傷が多いな……ラルド、この子を載せてくれるか?」

 

〔グヮァァァ!!〕

武昭の指示を聞いたラルドがいつもより大きくなったので武昭は少女と一緒に乗り込んだ。

 

「ラルド、出来るだけ早く走ってくれ、この子は俺が抑える」

ラルドは黙ってうなづくと、その場から駆け出した。


村に戻った武昭は少女をベッドに寝かすと治療を開始した。

 

「とりあえずは【鑑定】」

[×××× 茶犬族 獣人。

容体 多数の切り傷。右足の捻挫。軽い空腹。

命に関わる様な傷ではない。]

 

「どうやら、そんなに慌てる事も無いみたいだけど、いつ目を覚ましても良い様にしておくか ラルド起きるまでこの子のそばにいてくれ」

 

〔ガァ……〕(3)

武昭はラルドの頭を撫でると少女がいる家から出て行った。

 

しばらくして……

 

「ん……アレ?……何で私はこんな所に……〔グルル〕ん?……ヒッ!?キャァァア!?

少女は目が覚めて状況を確認してると近くにいたラルドを見て顔を青くして大声を上げた。

 

「な、何で!ヴェルディーガーがこんな所に!?」

 

〔グワァ!〕

 

「ヒッ!」

 

「おぉ、どうしたんだラルド? ん?そうなんだ彼女が起きたから呼んでくれたんだな 偉いぞラルド」

ラルドが武昭に嬉しそうに頭を撫でられているのを見た少女は状況が分からなかった。

 

「えっと、あの……あなたは、一体?……それにここは……」

 

「おっ悪かったな、俺の名前はタケアキ・トオノって言うんだ、こいつは俺の仲間というか家族のラルドだ」

 

〔グワァ……〕

 

「そうなんですか……私の名前は獣人で茶犬族のカニスと言います……それでここは?」

 

「ここは廃村だった所でな名前は無いんだ、それよりもカニス、コレを飲んでおけ」

武昭はカニスに小さい木鉢に入った緑色の液体を渡した。

 

「あ、あの……コレは?……」

 

「それはカニスの傷を治す薬だ、苦いかもしれないけど全部飲んでくれ」

 

「は、はい、分かりました……(本当に苦い……)えっ!?」

カニスが武昭に渡された薬を飲むと体中の傷が直ったので驚いていた。

 

「ど、どうして、あれだけの傷がこんな直ぐに治ったんですか!?この薬は何なんですか!!」

 

「ん?そいつはヒール草とドローガを調合した薬だぞ?」

 

「えっ!?ヒール草とドローガって……そんなに貴重な薬草があるんですか!?」

カニスは薬の原料を聞いて武昭に詰め寄っていた。

 

「貴重な薬草って……そこら辺に生えてるだろ?ラルド、カニスを載せて来てくれ」

 

〔グルゥ……ガァ……〕

 

「えっと……背中に乗っても良いの?」

カニスが恐る恐るラルドに聞くとラルドが伏せたので静かに乗って、武昭の後をついていった。




ラルドの心中
(1)
はい!私は主の行く所なら、どんな場所だろうと行きます!

(2)
ん?何か血の匂いがする……向こうからか、私がいる限り主を危険な目にはあわせる事はしない!
この者は……主ならば助けるだろう

(3)
任せてください主!このラルド!主からの言いつけを守ってみせます!
ん?気が付いたみたいだ!急いで主を呼ばなければ!!




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第7話

武昭とラルドにカニスが連れてこられたのは村の外れだった。

 

「ほら、ヒール草とドローガが生息してるだろ?」

 

「えぇーっ!?そんな!こんなに貴重な薬草がこんなに……まさか貴方が栽培してるんですか?」

 

「あぁ、本当の生息地はここからちょっと離れた場所なんだけど、村の中にあればいつでも使えるからな……ってなぁ、カニス このヒール草とドローガって、そんなに貴重な薬草なのか?」

 

「えっ!?知らないんですか!?ヒール草とドローガは、その生息地を見つけたら一財産築けると言われてるんですよ!?」

 

「一財産築けるね……んじゃ、そこの生息地に行ってみるか?ラルド、そこまで乗っけてってくれるか?」

 

〔ガァッ〕

ラルドは武昭に言われると軽く伏せたので武昭とカニスは背中に乗ってヒール草とドローガの生息地に向かった。


 

「そ、そんな……こんなにヒール草とドローガが生えてるなんて……」

生息地に到着したカニスは、その場を見て驚いていた。

 

「それに、こんなに青々としたヒール草とドローガは初めて見ました……()()を見てください」

 

「ん?その乾燥してるのはもしかして……【鑑定】」

武昭がカニスが出した物を鑑定すると、こう表示された。

 

[乾燥させたヒール草とドローガ。

天日干しをして乾燥させた物で長持ちはするが効能は生の時の1/5程度に落ちる]

 

「なるほど、これからすれば生のコレらは貴重な薬草だな」

 

「ちょっと、待ってください……今、【鑑定】って言いました?」

 

「あぁ、普通にどんな物か鑑定しただけなんだけど」

 

「普通にって……鑑定のスキルを持っている人は、この世界でも数えるほどしかいないと言われてるんですよ!?」

 

「え?そうなのか?……ちょって俺は寝てるから採りたいなら採ってきて良いぞ(善さん聞こえるなら、ちょっと良いか?)」

武昭はラルドの背中で横になると善に声を掛けた。

 

《あぁ、構わないよ 聞きたい事は鑑定と言うか武昭のスキルの事だよね?》

善は武昭が何を聞きたいのか分かっていた様でいつのまにか武昭は白い世界にいた。

 

(そうだけど、カニスの言った事は本当なのか?)

 

《そうだよ……と言うかその世界でスキルを持ってる者は数少ない存在なんだ》

 

(そうなんだ……ん?じゃあ俺以外にも鑑定のスキル持ちはいるのか?)

 

《あぁ居るんだけど武昭のスキルとはランクが違ってね、武昭が使う【鑑定】は最高ランクの神眼なんだ》

 

(神眼のランクって……俺が自分で見た時は、そんなの記してなかったぞ)

 

《ゴメンゴメン、それはこちらのミスだよ、コレはお詫びだよ》

善が手を翳すと2つの光の球が出て武昭の方に向かってきて、そのまま体の中に入っていった。

 

《それは僕の方からの最後のお詫びだよ それで武昭への手助けは終わりだよ》

 

(そうか……ありがとうな善さん)

 

《ううん、元はと言えば武昭がそうなったのはコチラの責任だからね、だからここまでしたんだ じゃあね》

善が手を振ると武昭は白い世界から消えた。

 

《コレで私が出来る事はもう無いね……あとは武昭自身が頑張るんだ》

武昭が消えたのを確認すると善も姿を消した。


善と話を終えた武昭が目を覚ますとヒール草とドローガを沢山抱えたカニスがいた。

 

「ねぇ!タケアキ!こんなに採れたよ!!」

 

「そうか、ちょうど良いから魚でも獲って飯でも食べるか カニスラルドに乗るんだ」

 

「うん!よいしょっと」

 

「じゃあ頼むぞラルド」

 

〔グワァ!〕

ラルドは2人が乗った事を確認するといつも魚を獲ってる川に向かった。



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第8話

今回から武昭の表記をタケアキに変更します。


善からスキルについての追加情報を聞いたタケアキは川で魚を獲っていた。

 

「カニス、これ位で大丈夫か?」

 

「はい、大丈夫ですって……何で、こんなに捕獲が難しいノワルフィッシュが獲れてるんですか?……もう驚く事に疲れてきました……」

カニスはタケアキがノワルフィッシュを簡単に獲っている事にどこか遠い目をしていた。

 

「さてと、じゃあ焼いて食べるけど味付けは塩しかないけど良いか?」

 

「あっ、はい大丈夫です……美味しいっ!何でこんなに美味しいんですか!?」

ノワルフィッシュの塩焼きを食べたカニスは、その味に驚きながらも焼けたそばから食べていった。

 

「どうやら体も治ってきたみたいだな……」

 

「例えケガをしててもこれなら幾らでも食べられますよ!」

 

「まぁ、普通に塩を掛けて焼いただけなんだけどな」

 

「へぇ、そうなんですか……ん?今、お塩って言いましたけど、どうやって手に入れてるんですか?」

 

「手に入れるも何も、ホラあそこに山が見えるだろ?あの山で採取した岩塩なんだ」

 

「あの山で採取した岩塩ですか……あのーすみませんけど……あの山の名前って知ってますか?」

 

「あぁ鑑定で調べたらゴランド山って言うらしいぞ」

 

「ゴ、ゴ、ゴランド山……って本当ですか?」

 

「あぁ、そうだけど……どうした?青い顔して」

 

「知らないんですか!?そのゴランド山があるのはこの世界において踏み込んだ者は必ず命を落とすと言われているタドミールアルナールにあるんですよ!?」

 

「ふーん、そうなのか……どうりで俺以外の人に会わない訳だ……」

 

「って!何でそんなに平然としてるんですか!?早く、ここから出ないと……けど、どうしたら? ラルドです……ヒッ!?」

カニスが慌てているとラルドが戻って来たがその口にラトローボアを咥えていたので慌ててタケアキの後ろに隠れた。

 

「おぉ、ラルドまた獲ってきてくれたのかー偉いぞー」

 

〔ウガァ〕

 

「ちょ、ちょっと待ってください……これってラトローボアと呼ばれてる生物ですよね?……」

 

「そうだけど、知ってるのか?」

 

「えぇ……とは言っても私も以前に本で見た事があるだけですから……まさか実物を見れるなんて……」

 

「ふーん、ほらラルドも食べて良いぞ魚ならまだあるから」

 

〔ガウッ〕

ラルドはタケアキから焼き魚を渡されると嬉しそうに食べ始めた。

 

「ハハハ……ここにいたら私の中の何かが壊れる様な気がします……」

カニスは自分の状況を確認すると何かを諦めた表情になっていた。


その後、タケアキ達は村に戻るとラトローボアの処理を始めた。

 

「よしっと、カニス今日はその前足で夕食を作るから下で受け止めてくれ」

 

「は、はいっ!分かりました!って重いです!!」

 

「さてと大体終わったからラルドー」

タケアキは処理を終えて出た内臓をラルドに渡した。

 

「うーん、今日は何にしようかなぁ……そうだラルブディラッシュがあるから薄切りにして一緒に巻くか」

 

「えっとタケアキさんって料理が出来るんですか?」

横にいたカニスが料理をしてるタケアキを見て疑問に思った事を尋ねた。

 

「あぁ、俺は1人しかいなかったからな」

 

「アッ……その……すみません……変な事を聞いてしまって……」

 

「別に気にする事は無いよ 今の俺にはラルドがいて、カニスがいるんだから」

 

「えっ?あの、その……ありがとうございます……」

 

〔グルル?〕

カニスが照れているとラルドが頭をひねっていた。

 

「よーし、料理も出来たから食べるぞー」

タケアキが言うとカニスとラルドがそばに来て食事を開始した。

 

 

 



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