亜人の狐族と最強の魔法使い! (ドンドン)
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出会い

どうも、初投稿となりました。わからない所だらけで誤字脱字等ありましたら、報告お願いします。


…「はぁ、はぁ、はぁっ…ここまで…来れば…はぁ…。」

私は今現在逃げている。殺す気で追ってくる人間、売り飛ばそうとしてくる人間から。

 

 

ハンターA「どこだー!」

 

 

ハンターB「そっちに行ったぞ!」

 

 

ハンターC「この森からは出てないはずだ!全体的に探せ!」

 

 

…「うっ…まずい…もう来た……でも…もう、体力が…はぁ、はぁ…」

 

もう2時間も似たような感じ。ずっと逃げて回ってる。

 

 

ハンターC「くそ!どこ行きやがった!亜人の分際でちょこまかと…!おい!そっちも探せ!」

 

 

ハンター達「はっ!」

 

 

…「………逃げなきゃ……」

 

私は揺れるように走り出した。

 

足がふらふらする…。でも…逃げなきゃ……逃げなきゃいけない。捕まったら殺されるのがオチだから……それはもう分かってる……。

 

もう限界なんてとっくに超えてる。私の狐の耳としっぽも毛が汚れてたり血が出てたりしてるし。

 

私は……亜人、狐族。周りの人間からは忌み嫌われる存在。だから逃げてる。

 

 

…「家だ……空き家っぽいし…隠させてもらおう………。」

 

見るからに結構ボロボロの家を見つけた。ちょうど良い。身を隠させてもらうことにした。

 

キィー…

 

 

意外と家具とかは普通に残ってるし、綺麗な感じ。

 

…「電気は…ついてるわけ無いから、蝋燭とかあったら良いな…。」

 

そうやって部屋を探そうとした時だった。

 

パチッ!

 

 

電気がついた。

 

それと同時に終わった、とも感じた。人が住んでいたんだ。ああ、これで私の人生も終わりか……階段から男の人の姿が見えた。

 

 

???「あーよく寝た……はぁ!?」

 

うん、知ってた。そうなるよね…ああもうどうでもしてください。どうせここで終わるか研究所にでも連れていかれるんですから。

 

 

???「え?ちょ、ちょっと待ってくれ!え?何で入ってきてんの?そして誰?いや、それより怪我の治癒が先か。ちょ、ちょっとじっとしててくれ。」

 

魔方陣…いや、それ、回復の魔方陣じゃん!え?何で?何でこの人は私を見ても殺そうとしたりとかしないの?あ、回復させてから研究所に売るとかそういう感じかな?

 

 

???「ふう、これでオッケー、と。…で、とりあえずだけど、誰?」

 

あれ、この人は殺そうとしたりとかしない感じの人なの?でも何で?

 

 

???「あれ、もしかして喋れない感じ?もしくは耳が聞こえないとか?」

 

 

…「いや、喋れるし、聞こえます。ただ、ちょっとびっくりしちゃって…。」

 

うーん…果たしてそんな人が存在するのか…亜人って人を襲って殺すって認識されてるらしいから…ほんとはそんなこと無いのに。でも、何で殺しもしないし逃げもしないんだろう…。それに…

 

 

???「おーい?」

 

 

…「ひゃぁっ!?」

 

 

???「あ、ごめん。脅かすつもりじゃなかったんだけど、全然返事がないから…。」

 

あ、完全に自分の世界に入ってた。

 

 

…「あ…ごめんなさい。」

 

 

総「いや、別に謝らなくても…。まあいいや。俺はここに住んでる薬屋兼魔法使い、光崎 総(こうさき そう)。君は?」

 

 

…「名前………私の……名前…。」

 

名前…どうしよう。あることはあるけど、今会ったばかりの人、それも人間に言って良いのかな…。でも、何かこの人は信じて良いような気がする。でもどうしよう……うーん…良いかな。うん。私の勘を信じる!

 

 

月「私の…名前…月(つき)。名字は…無い。」

 

言っちゃった。でもこれで良いと思う。多分。

 

 

総「分かった。えーとじゃあ、月ちゃんは、何でここに?」

 

え?分からないの?こんな状態だったら分かるでしょ。

 

亜人なんかずっと追いかけ回されてる様なものなんだから。

 

 

月「えーと…総さんは、私を見て何か思わないの?」

 

 

総「何かって?」

 

 

月「へぇ?」

 

あ、何か変な声出ちゃった。え?この人は亜人のこと、知らないの?いや、そんなわけ無いよね、え?

 

 

月「えーと、亜人って知ってるよね?」

 

 

総「あ、ああ。あんまりその言い方はしたくないんだが。」

 

 

月「私がその亜人で、狐族なの!」

 

言った後で後悔した。もし気づかれたらそのまま殺されるということを考えてなかった。どうしよう…

 

 

総「おう、で?」

 

 

月「え?」

 

 

総「いや、え?じゃなくて、何でここに?っていう話だったでしょ?」

 

この人はバカなの?いや、助けてもらってこの言い方はよくないんだろうけど、正直バカ何じゃないかと思い始めてる。

 

 

月「えーと…それで、街の人たちに見つかっちゃって、追いかけられて、ここを見つけたの。誰もすんでいなさそうだったから…身を隠させてもらおうと思って…。」

 

 

総「そうか。なるほどな。なら少しここで休んでいけ。俺は今から店開けるから。」

 

再びえ?だ。

 

 

月「殺さないの?」

 

 

総「んあ?何で殺さなきゃいけない。」

 

ああ、やっぱりバカだった。えぇー…殺して町役場に持っていくか、研究所に連れていくだけで一生遊んで暮らせる位のお金ももらえるし、人を襲って殺すって言われてる奴を家に泊めるってどんな頭してるんだろう…。

 

 

総「俺は殺す必要の無い奴は殺したくないんだ。金のために仮にも大方同じ奴を殺すような奴の気が知れない。それに、お前は亜人が人を襲って殺すっていう噂に流されて気が引けてんだろ?実際は違うんだろうが。」

 

 

月「え?」

 

全くバカじゃなかった。そう。亜人が人を襲う何て言うのはデマにすぎなかった。でもいつの間にかそんなことに縛られていた気がする。

 

 

総「下手に気を使う必要なんてねえよ。それに、襲ってきたとしても、一人の亜人位なら俺でも対処はできる。殺すわけじゃねえけどな。」

 

…凄い。まるでこの人も亜人の仲間みたいなしゃべり方。相手のことを見透かしてるような、でも何となく安心できる、そんな。この人になら、少し位、気を許しても良いかもしれない。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

総「あーよく寝た…はぁ!?」

 

いや、ちょっと待て。起きて早々の頭で理解できる状況じゃない。は?なに、泥棒?いや、普通に起きて薬屋開けようと思っって下に降りてきたら狐耳の女の子がいたんですけど!?

 

 

総「え?ちょ、ちょっと待ってくれ!え?何で入ってきてんの?そして誰?いや、それより怪我の治癒が先か。ちょ、ちょっとじっとしててくれ。」

 

よく見たらいろんなところ怪我してんな。ヒール使うか。薬でちまちまやるより今は魔法使った方が早い。

 

 

総「ふう、これでオッケー、と。…で、とりあえずだけど、誰?」

 

うん、ほんとに誰。全く見知っても無いし、聞いたこともない。いや、一般的には亜人って呼ばれるんだろうが、あんまりそう呼びたくないからなぁ。…というか何も話さないな、この子。緊張かな?いや、もしかしたら…

 

 

総「あれ、もしかして喋れない感じ?もしくは耳が聞こえないとか?」

 

 

月「いや、喋れるし、聞こえます。ただ、ちょっとびっくりしちゃって…。」

 

びっくり?何に対してだろうか。こんな家に人が住んでるからか?悪かったな。

 

 

総「それで、君、誰?」

 

…あれ。返事がない。ずっと下向いてるし…何か俺した?

 

 

総「おーい。」

 

やっぱり返事がない。どうした。

 

 

総「おーい?」

 

 

月「ひゃぁっ!?」

 

おわっ、焦った。

 

 

総「あ、ごめん。脅かすつもりじゃなかったんだけど、全然返事がないから…。」

 

自分の世界にでも入ってたかな?俺もたまにある。それに人の家に入ったんだしな。

 

 

月「あ…ごめんなさい。」

 

 

総「いや、別に謝らなくても…。まあいいや。俺はここに住んでる薬屋兼魔法使い、光崎 総(こうさき そう)。君は?」

 

 

月「名前………私の……名前…。」

 

どうした。 まあ今あったばかりの奴に名前教えろってんのも変な話だが。

 

 

月「私の…名前…月。名字は…無い。」

 

月、か。名字が無いってことは半人(俺の亜人の呼び方)か。まあ普通の人に狐耳としっぽは付かんわな。

 

 

総「分かった。えーとじゃあ、月ちゃんは、何でここに?」

 

 

月「えーと…総さんは、私を見て何か思わないの?」

 

うーん…強いて言うなら超可愛い…(今ロリコンっつった奴は出てこい。今なら冥界送りで済ませてやる。)

 

 

総「何かって?」

 

 

月「へぇ?」

 

どうした。何か変な声出たぞ。ああ、もしかして自分が周りと違うことを気にしてるんだろうか。

 

 

月「えーと、亜人って知ってるよね?」

 

そりゃ知ってる。お前のことだろ。だが、やっぱりその言葉聞くのも抵抗がある…

 

 

総「あ、ああ。あんまりその言い方はしたくないんだが。」

 

 

月「私がその亜人で、狐族なの!」

 

うん、知ってた。いや、見たらわかるでしょ。そして何でちょっとむきになってんの。

 

 

総「おう、で?」

 

 

月「え?」

 

 

総「いや、え?じゃなくて、何でここに?っていう話だっただろ?」

 

ほんとにどうした。人の心なんか読めないよなぁ。やっぱり緊張かな?

 

 

月「えーと…それで、街の人たちに見つかっちゃって、追いかけられて、ここを見つけたの。誰もすんでいなさそうだったから…身を隠させてもらおうと思って…。」

 

 

そうか、ボロボロで悪かったな。なんて言わねえぞ。流石に俺でも常識ぐらいある。

 

 

総「そうか。なるほどな。なら少しここで休んでいけ。俺は今から店開けるから。」

 

そろそろ準備しないとな。だからといって外に放りだす訳にいかないしな。

 

 

月「殺さないの?」

 

 

総「んあ?何で殺さなきゃいけない。」

 

何か俺も変な声出たぞ。まあいいや。多分気を使ってるんだろう。

 

 

総「俺は殺す必要の無い奴は殺したくないんだ。金のために仮にも大方同じ人を殺すような奴の気が知れない。それに、お前は亜人が人を襲って殺すっていう噂に流されて気が引けてんだろ?実際は違うんだろうが。」

 

 

月「え?」

 

あれ、外れた?まあ憶測にすぎなかったからな。まあ一回続けるか。

 

 

総「下手に気を使う必要なんてねえよ。それに、襲ってきたとしても、一人の亜人位なら俺でも対処はできる。殺すわけじゃねえけどな。」

 

こう見えてもランク的には世界最高のランク10だ。無力化させることぐらい造作もない。さて、どうやらこれから忙しくなりそうだな。

 




大変だなぁ…そしてみなさん死ぬほど上手いなあ。


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仕事~

(ノ-_-)ノ~┻━┻☆○=(゜ο゜)o




では、本編どうぞ


月「あれ…ここは?」

 

気が付いたら何もない真っ白な所にいた。

 

 

 

月「私は…確か、総さんの所にいて…」

 

なんだか頭がぼんやりする。次第に上も下も自分が座っているのか立っているのかさえ分からなくなってきた。でも、苦しくはない。水の中に浮いているような感覚に近い。

 

月「何だろう…ここ…」

 

 

 

???「気づいたか。」

 

誰もいないのに、声が聞こえる。

 

 

 

月「誰…?」

 

 

 

???「うーむ、名乗るような名前なんてないな。まあ、Yとするか。」

 

 

 

月「ここは…どこ?」

 

 

 

Y「意識の中、とでも言っておくか。簡単に言うとこんな感じの夢、と思ってもらって構わない。」

 

夢?どういうこと?

 

 

 

Y「ちっ、時間か。まあ、会うことはまたあるだろう。じゃあな。」

 

 

 

月「あっ!ちょっと!もう少し話を…」

 

そこまで言ったが、右目と左目の見えている景色は既に違っていた。

 

 

 

月「何だったんだろう…あれ。」

 

気が付くと知らない天井があった。

 

そうだ。私、総さんの家に泊まらせてもらってたんだった。

 

でも…総さんの姿は見えないな…あ、仕事かな?

 

 

 

総「…はい、………ですね……じゃあ……後に………さい」

 

 

 

月「?何の話だろう…あ、薬屋さんをやってるって言ってたよね。行ってみよう。」

 

声のする方へと行ってみることにした。

 

 

 

月「…ひにゃぇぁ!?」

 

 

 

総「うおぁ!?」

 

…曲がり角で総さんとぶつかった。まだ私は体が小さいから後ろにこけちゃった。

 

 

 

総「おう、起きてたか。まあとりあえず大丈夫か?」

 

手を貸してくれた。つくづく思うけど、優しいなぁ。

 

 

 

月「だ、大丈夫!ごめんなさい。」

 

 

 

総「で、何しに来た?」

 

何しに…あんまり目的なかったなぁ…。

 

 

 

月「あ、な、何かお手伝いでも出来たらな、と思って、それで。」

 

総さんがふっと頬を緩めた。

 

 

 

総「ありがとな。嬉しいんだけど、多分分からないと思うから。あ、部屋、いろいろあると思うから適当にいて。もうじきこっちも終わると思うから。」

 

 

 

月「はーい。」

 

邪魔だっただろうか。

 

私は部屋にもどってぐるりと部屋を見回してみると本棚があった。ほとんど小説だったが、むしろそっちの方が良い。人間からすると、小学一年生位の体だが、年齢はもう300歳位だもんね。時計を見ると、もう4時だ。

 

 

 

コンコン、

 

 

 

月「はーい。」

 

 

 

総「入るぞ。」

 

キー、パタン

 

 

 

総「ああ、本読んでたのか。」

 

 

 

月「あ、総さん。なんでしょう?」

 

ん?何か総さんの何かが違う?様な気がする。何か…怪訝そうにこっち見てる。え?何か私変なこと言った?

 

 

 

月「?…どうかしました?」

 

 

 

総「月ちゃん、今何歳?」

 

え?何の話、急に。

 

 

 

月「えーと…」

 

 

 

総「ああ、半人状態の実年齢。」

 

?何を知りたいんだろうか。

 

 

 

月「えーと…大体300歳位ですかね。」

 

あ!そうだ。いきなりこんなこと言ったら変な子だと思われちゃう!どうしよう!

 

 

 

総「なるほど。それでか。」

 

 

 

 

月「えーと…何が?」

 

 

 

総「いや、小一がこのしゃべり方で小説読むってなかなかな違和感だったから。」

 

 

 

月「あ、なるほど。そういうことでしたか。こう見えてもしっかり300年強生きてますので。ところで、総さんのお仕事って…」

 

 

 

総「ああ、薬屋だ。」

 

何となく会話を続けなきゃいけない気がするから質問する。

 

 

 

月「楽しいですか?」

 

 

 

総「?ああ、楽しいぞ。何より人の役に立てるのが楽しいし嬉しい。」

 

 

 

月「……立派ですね……あ…!」

 

 

 

総「?どうした?」

 

そうだ…いや…でもな……

 

 

 

総「どうした?何かあったか?」

 

私は思わず泣いていた。すっかり忘れてしまっていたのだ、お父さんとお母さん、弟のことを。

 

 

 

月「すみません…聞いてくれますか…?」

 

 

 

総「あ、ああ。」

 

私の家族は、一昨日人間に囚われてしまった。お父さんが、私と弟を転移魔法でこの辺に連れていってくれたが、弟もまた捕まってしまった。今からでも助けに行きたいが、総さんに迷惑がかかってしまう。そういうことを話した。総さんは目を閉じてゆっくり聞いてくれた。

 

そして、

 

総「月ちゃんはどうしたい?」

 

 

 

月「私は…皆を助けたい!」

 

それは心からの願いだった。もし総さんが拒否しても、私は一人ででも行くつもりだった。いや、いくら優しい総さんでも拒否するだろう。亜人に手を貸すことはもう人としても見られなくなることになるのだ。

 

 

 

総「そうか。残念だが、俺は行けないな。」

 

…やっぱりか。いや、そうだろうなと思っていたけど、やっぱりそうなるよね。

 

 

 

月「…分かりました。じゃあ、私だけでも…」

 

 

 

総「なんて言うと思ったか?」

 

 

 

月「……え?」

 

え?どういう…

 

 

 

総「俺も行ってやるよ。それに、お前一人で行って何ができる。手を貸してやるよ。」

 

え……………………私は、ほんっとにこの人は根っからのいい人なんだな、と感じた。

 

 

 

月「ありがとう…ございます…!」

 

 

 

総「なぁに。礼をするには早えだろ。助け出せての初めて成功だからな。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

総「ああ、はい。頭痛薬ですね、いつものね。大変ですね、偏頭痛。じゃあ薬が切れたらまた来てください。」

 

 

 

只今仕事中。まあ、仕事兼遊びみたいなもんか。好きで薬屋やってるんだしな。さて、列が終わったな。薬、補充しとくか。

 

 

 

月「…ひにゃぇぁ!?」

 

 

 

総「うおぁ!?」

 

…曲がり角で月ちゃんとぶつかった。月ちゃんは体が小さいから後ろにこけちまった。ごめ。

 

 

 

総「おう、起きてたか。まあとりあえず大丈夫か?」

 

目が覚めてたみたいだ。怪我も問題ないっぽい。良かった。

 

 

 

月「だ、大丈夫!ごめんなさい。」

 

 

 

総「で、何しに来た?」

 

あ、何かぶっきらぼうな言い方みたいになっちまった。

 

 

 

月「あ、な、何かお手伝いでも出来たらな、と思って、それで。」

 

手伝いか…ほんとに優しい子なんだな…そう思ってたら

 

ふっと頬が緩んだ。

 

 

 

総「ありがとな。嬉しいんだけど、多分分からないと思うから。あ、部屋、いろいろあると思うから適当にいて。もうじきこっちも終わると思うから。」

 

流石に薬学はわからないだろう…というかあの子、何歳なんだろうか。

 

 

 

月「はーい。」

 

全く、見ているだけで和むな。もう一度言うが、ロリコンではない。

 

仕事終わり

 

月ちゃんの部屋のドアをノックする。

 

 

 

コンコン、

 

 

 

月「はーい。」

 

 

 

総「入るぞ。」

 

キー、パタン

 

 

 

総「ああ、本読んでたのか。」

 

見るからに小一の子が読むような物じゃない物読んでんだけど。

 

 

 

月「あ、総さん。なんでしょう?」

 

何でしょうって…ほんとに何歳だよ。

 

 

 

月「?…どうかしました?」

 

 

 

総「月ちゃん、今何歳?」

 

あ、何か唐突に聞いたけど、まあ良いか。うーん…2、30歳位かなぁ。

 

 

 

月「えーと…」

 

 

 

総「ああ、半人状態の実年齢。」

 

見た目じゃなくてな。

 

 

 

月「えーと…大体300歳位ですかね。」

 

えぇ…想像の斜め上行ったわ。300て…。

 

そのお陰で一瞬反応が遅れた。

 

 

 

総「なるほど。それでか。」

 

うん。順序も説明もくそもない単発の反応。

 

 

 

月「えーと…何が?」

 

うん、そりゃそうなるよね。それが普通だ。

 

 

 

総「いや、小一がこのしゃべり方で小説読むってなかなかな違和感だったから。」

 

 

 

月「あ、なるほど。そういうことでしたか。こう見えてもしっかり300年強生きてますので。ところで、総さんのお仕事って…」

 

 

 

総「ああ、薬屋だ。」

 

あれ、言ってなかったっけか?

 

 

 

月「楽しいですか?」

 

 

 

総「?ああ、楽しいぞ。何より人の役に立てるのが楽しいし嬉しい。」

 

まあ、もっと大事なのは自分がその仕事をやりたいと思えているかだが。俺?もちろんそう思っている。

 

 

 

月「……立派ですね……あ…!」

 

 

 

総「?どうした?」

 

急に月ちゃんが泣き出した。え、何?何!?何か俺した?

 

 

 

総「どうした?何かあったか?」

 

とりあえず…えーと、次どうしよう…

 

 

 

月「すみません…聞いてくれますか…?」

 

 

 

総「あ、ああ。」

 

どうやら彼女のの家族は、一昨日人間に囚われてしまったらしい。お父さんが、月ちゃんと弟を転移魔法でこの辺に連れていってくれたが、弟もまた捕まってしまった。今からでも助けに行きたいが、俺に迷惑がかかってしまうんじゃないか、っていうことだった。なるほどねぇ。

 

 

 

総「月ちゃんはどうしたい?」

 

まずは本人の意見の尊重。

 

 

 

月「私は…皆を助けたい!」

 

それが彼女の心からの願いだったことはよく分かった。俺は決めた。

 

 

 

総「そうか。残念だが、俺は行けないな。」

 

一回下げておいてから上げたら良いだろ?

 

 

 

月「…分かりました。じゃあ、私だけでも…」

 

 

 

総「なんて言うと思ったか?」

 

 

 

月「……え?」

 

ふふ、

 

 

 

総「俺も行ってやるよ。それに、お前一人で行って何ができる。手を貸してやるよ。」

 

ある程度なら狐族の知識ぐらいはある。手助け出来るように頑張らねば。

 

 

 

月「ありがとう…ございます…!」

 

 

 

総「なぁに。礼をするには早えだろ。助け出せての初めて成功だからな。」




獣娘ってかわいい感じのイメージありますよね。会ってみたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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救出作戦!

どうも、ただのアホ。ドンドンです。
やっぱり駄文感が否めません…
そこを了承していただけませんと、私が皆さんの靴下の中に納豆を入れて、二週間放置することになります。


では本編どうぞ。


昨日、総さんは私の家族を助ける手伝いをしてくれるって言ってくれた。でも、どうやるんだろうか…

 

 

 

月「どうやって皆を助けるんですか?」

 

 

 

総「うーん…詳しいことはまだハッキリとは分からないんだけど…まずは月ちゃんのご家族がどこにいるのかを探すのが先決だな。」

 

 

 

月「それはどうやって…」

 

 

 

総「大抵半人って、殺されるか研究所行きっていうのは知ってるよね?」

 

それはもちろん知っている。だからうなずいた。

 

すると総さんも少しうなずいて話を進めた。

 

 

 

総「でも、特に狐族とかの珍しい半人はそもそも見つけるのが難しいから、ほとんど研究所とかに連れていかれるんだ。今のところ、狐族がそのまま殺された様なケースはないし、月ちゃんは連れていかれたって言ったろ?つまり、…ちょっとこの言い方は気が引けるけど、どこかでサンプルにされている可能性が高い。だから、片っ端から電話をかける。」

 

ええぇ…嘘でしょ。そういう研究所ってこの国だけでも2、300はあるよ?これは大変な仕事だ。

 

 

 

総「ただし!ここでは月ちゃんは手伝う必要はない。」

 

…え?

 

 

 

月「な、何で?二人でやった方が早く終わるし、総さんの負担も少なくてすむでしょ?」

 

何で…気を使ってるのかな…

 

 

 

総「いや、電話をして、譲ってもらえてとしても、声の主が違うだろ。こういう場合って電話をした張本人しか受け取りが出来ないんだ。だったら、もし月ちゃんが電話をした所にいたとしても、月ちゃんしか迎えに行けない。そうなったら、即効で捕まるのがオチだ。まあ、例外もあるけど。」

 

でも…

 

 

 

月「で、でも!じゃあ、私は何をしたら良いの?」

 

 

 

総「今回の救出っていう所では月ちゃんが出る必要はない。」

 

 

 

月「えっ…何で…」

 

その声を遮るように総さんは続けた。

 

 

 

総「その代わり、月ちゃんにはちょっと辛いかもしれない仕事を頼むことになる。狐族は、幻術や呪術等を得意とする。だから、救出出来たとき、恐らくご家族は、麻薬や他の薬とかで状態異常や記憶障害を起こして抵抗できないようにされているはずだ。その時の話し相手になってもらいたい。」

 

 

 

月「…」

 

状態異常……記憶…障害………お父さんやお母さんが…?…

 

この暗い気持ちを感じ取ってくれたのか、総さんは続けた。

 

 

 

総「まぁ、これは可能性の一つだ。これより悪い可能性もあるし、良い可能性もある。まずは探すのが先決だ。」

 

……うなずくしかなかった。でも、これでもしかしたら見つかるかも知れない。そう思うと少し気が楽になった。

 

 

 

そこから、総さんはずっと電話をしていた。仕事中も合間を縫って探してくれた。こんな時に役に立てない自分に少しイライラしていた。

 

 

 

───二日後───

 

総「本当ですか!?」

 

いきなり総さんが声をあげた。もちろん電話中だ。もしかして…

 

 

 

総「はい、…はい、…三人…大体どれぐらい…はい、四日前ぐらい…はい。ではそのうちおうかがいしてもよろしいでしょうか。…はい!ありがとうございます。」

 

ガチャッ

 

 

 

総「月ちゃん!もしかしたら見つかったかもしれない!」

 

え…嘘…

 

信じられない、という気分で聞く。

 

 

 

月「ほんとに…?」

 

 

 

総「ああ、四日前ぐらいに三人、運ばれてきたそうだ。」

 

 

 

月「四日前っていったら…」

 

嘘…

 

 

 

月「皆が捕まっちゃった日…」

 

これは……またみんなに会えるのかな………みんなと…また…

 

 

 

総「ただ…相手から話を聞いたんだが、想像よりかなりの量の薬を使って錯乱状態にしているらしい。抵抗力がかなり強かったらしくてな…」

 

 

 

月「そんな…じゃあ…」

 

 

 

総「大丈夫。どんなに錯乱状態になってても治してやるさ。ここがどこか忘れたのか?こう見えても薬屋だぞ?」

 

総さんがしししっ、と笑う。安心させようとしてくれてるんだろうな。

 

 

 

総「明日。午前8時に向こうへ行く。そこで交渉をして譲ってもらう。」

 

明日…か。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

眠い。昨日から徹夜で狐族のこととか研究所での半人の生活とかを調べてたからな。

 

 

 

月「どうやって皆を助けるんですか?」

 

 

 

総「うーん…詳しいことはまだハッキリとは分からないんだけど…まずは月ちゃんのご家族がどこにいるのかを探すのが先決だな。」

 

 

 

月「それはどうやって…」

 

 

 

総「大抵半人って、捕まったら殺されるか研究所行きっていうのは知ってるよね?」

 

うなずいてくれたから軽くうなずき返す。

 

 

 

総「でも、特に狐族とかの珍しい半人はそもそも見つけるのが難しいから、ほとんど研究所とかに連れていかれるんだ。今のところ、狐族がそのまま殺された様なケースはないし、月ちゃんは連れていかれたって言ったろ?つまり、…ちょっとこの言い方は気が引けるけど、どこかでサンプルにされている可能性が高い。だから、片っ端から電話をかける。」

 

…とは言ったもののこの国での研究所だけでも昨日調べたら267箇所あった。何でそんなにあるんよ。

 

 

 

総「ただし、ここでは月ちゃんは手伝う必要はない。」

 

ああ、体力と気力は残しておいてもらわないと。

 

 

 

月「な、何で?二人でやった方が早く終わるし、総さんの負担も少なくてすむでしょ?」

 

やっぱり[我より人]か。

 

 

 

総「いや、電話をして、譲ってもらえてとしても、声の主が違うだろ。こういう場合って電話をした張本人しか受け取りが出来ないんだ。だったら、もし月ちゃんが電話をした所にいたとしても、月ちゃんしか迎えに行けない。そうなったら、即効で捕まるのがオチだ。まあ、例外もあるけど。」

 

例外っていうのは、たまに半人にもちゃんとした対応をする所もあるらしいが…まあ世界で探しても20あれば良い方だな、悲しいことに。

 

 

 

月「で、でも!じゃあ、私は何をしたら良いの?」

 

 

 

総「今回の救出っていう所では月ちゃんが出る必要はない。」

 

 

 

月「えっ…何で…」

 

そう。ここが月ちゃんの一番の仕事であり、一番重要な所だ。

 

 

 

総「その代わり、月ちゃんにはちょっと辛いかもしれない仕事を頼むことになる。狐族は、幻術や呪術等を得意とする。だから、救出出来たとき、恐らくご家族は、麻薬や他の薬とかで状態異常や記憶障害を起こして抵抗できないようにされているはずだ。その時の話し相手になってもらいたい。」

 

 

 

月「…」

 

そう。ここが一番重要で、一番辛い所だ。特に身内となると尚更だな。だが、ここが月ちゃんじゃないといけないのもまた事実だ。

 

…うん、暗い気持ちにもなるよな、そりゃ。少しの可能性としては…

 

 

 

総「まぁ、これは可能性の一つだ。これより悪い可能性もあるし、良い可能性もある。まずは探すのが先決だ。」

 

うなずいてくれた。いや、うなずくしかなかったんだろう。これは…残酷な運命に会うことにもなるかもしれない。

 

 

 

そこから俺はずっと電話をした。仕事中でもお客さんがいないことを見てから合間にも電話をしていた。そしてついに…

 

───二日後───

 

総「本当ですか!?」

 

 

 

相手「はい。三匹、うちにこの間運ばれてきましたよ。」

 

 

 

総「えーと、大体どれぐらいに…」

 

 

 

相手「えーと…四日ほど前ですな。」

 

 

 

総「はい、四日前ぐらい…はい!では、そのうちおうかがいしてもよろしいでしょうか。」

 

 

 

相手「ああ、構いませんよ、いつでも。」

 

 

 

総「はい!ありがとうございます。」

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

総「月ちゃん!もしかしたら見つかったかもしれない!」

 

というかもうほぼ確定。

 

 

 

月「ほんとに…?」

 

 

 

総「ああ、四日前ぐらいに三人、運ばれてきたそうだ。」

 

 

 

月「四日前っていったら…」

 

ああ、そうだ。

 

 

 

月「皆が捕まっちゃった日…」

 

だが、これは話すべきなんだろうか…いや、話さないといけないな。

 

 

 

総「ただ…相手から話を聞いたんだが、想像よりかなりの量の薬を使って錯乱状態にしているらしい。抵抗力がかなり強かったらしくてな…」

 

 

 

月「そんな…じゃあ…」

 

 

 

総「大丈夫。どんなに錯乱状態になってても治してやるさ。ここがどこか忘れたのか?こう見えても薬屋だぞ?」

 

プラスしてランク最高の10の魔法使いとのハッピーセットだ。問題ない、と言いたいが何があるか分からないからな…。

 

 

 

総「明日。午前8時に向こうへ行く。そこで交渉をして譲ってもらう。」

 

いよいよ明日…だな。




次、実際に救出ですね。
(p^-^)pファイトー


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いざ!月の家族を助け出せ!

どうも、この間、自動ドアに反応されなくなったドンドンです。

いや、違うんですよ。TSUTAYAに行ってたんですよ。それで入り口の自動ドアの前に立ったんですけど、反応されなかったんです!ちょっと動いたら開いたんですけど、流石におかしいでしょう。ね?
おかしいよね?

おかしくない、と思う人には家にある飲料水を全ておしるこーらに変更s(○=(゜ο゜)o(殴)


月「……あ、また…ここか。」

またYっていう人が言ってた意識の中?っていうとこにいる…。

 

Y「よう。二日ぶりだな。」

 

月「あ、Yさん。」

前回は全く姿形も見えなかったが、今回はぼんやりした輪郭みたいなのは見えるようになっていた。

 

月「Yさんって…何者ですか?ここって私の意識の中なんですよね。なのに、何で他の人が…?」

この間からちょくちょく考えていたが分からなかった。

 

Y「うーん…何者…か。私にも分からない。自分が何者かも、名前も、容姿ももう覚えていない。」

 

月「え?それってどういう…」

 

Y「おっと、そろそろだな。じゃあ、最後に。今日、気を付けろよ。家族の無事を祈っておくよ。それと、次は…」

 

Y「もう少し落ち着いた感じで話がしたいな。」

 

月「え…」

目の前が真っ白の光に包まれる。

そして昨日と同じ天井だ。

 

月「何なんだろうな…」

そう思いながら着替えて一回に降りて総さんと朝ご飯を食べる。

今日は…今までの人生で一番と言って良いほど緊張している気がする。

 

 

 

総「さて、と。今日だな、そろそろ行ってくるよ。その紙に書いてあるもの、薬棚から出しておいてくれ。」

紙に書いてあるものは、薬なんだろうけど…名前だけじゃ全く分からない。棚のどこにあるかまで書いてくれてて良かった。でも…こんな量のやつ、どうするんだろう…。

 

─────────二時間後─────────

ガチャ

 

総「ただいま…」

 

月「あ、おかえ「待った」rえ?」

総さんが誰かを連れているのは見えたけど、詳しくは見えないまま、何かが起こった。

 

総「ミラーロケーション」

目の前の空間が割れたような、折り紙をくしゃくしゃにしたみたいな感じになった。

 

総「一回そこにいてくれ。薬は、こっちで取りに行く。」

…何かあったんだろうか。何となく想像できる気もするが、したくない気もする。

 

少しすると、あのよく分からないやつの中から総さんが出てきた。

 

総「おう。」

 

月「あ、あの、皆は…」

 

総「ああ、研究所にいたのはご家族で間違いない。前に月ちゃんに聞いた特徴とほぼ一致してた。」

 

月「ほぼ…?」

 

総「ああ、何しろ、錯乱状態が強すぎる。さすがにあの状態でここに居らすわけにいかなかったから、別空間に居てもらうことにした。それに、月ちゃんには衝撃が強すぎる可能性があったからな。」

 

月「…元に……戻りますか……?」

 

総「ふっ。どうやらなかなか信用されてないらしいな。まあ、会って2、3日だからそうもなるわな。」

いや、そうじゃ無いんだけど、

 

総「戻る、戻らないじゃなくて、戻すんだよ。やろうと思えば人間何でもできる。絶対戻してやるよ。」

心強いな…やっぱり総さんは私なんかよりずっと強くて優しい。

 

月「よろしく…お願いします…!」

 

総「任しとけ!」

 

その治療が始まって4日位たったとき、私の仕事も始まった。

 

月「あの…どんな話をすれば…」

 

総「どんな話、か。どんなのでも良い。日常生活のこととか、最近こんなことが嬉しかった、とか。とりあえず何でも良い。返事が返ってこなくても話しかけてやってくれ。」

そしてあのよく分からないやつの中に入った。けど、入れてないのか、全く同じ景色だったから何回か繰り返してたら、総さんがきた。

 

総「……なにやってんだ?」

 

月「いや、入れないんですけど…ここ通り抜けても同じだし…」

 

総「ああ、説明してなかったな。この中、この世界と全く同じだから景色は同じだ。違いと言えば、その中に生き物が居ないってことぐらいだな。」

なるほど…恥ずかしい…

 

改めて入って同じような所を歩いて居間に行く。すると、三人が目に入った。

 

月「はっ…」

紛れもなくお父さんとお母さんと弟だった。が、二人は目は空を見てるし、なんと言うか、この世の中の全てに無関心な感じに見えた。

弟は床に突っ伏して寝ていた。まだ不幸中の幸いなのだろうか。

そこから私はずっと話しかけていた。ほとんど聞いていないようだったが、総さんいわく、聞こえてはいるが反応できない、らしい。すると、それから3日すると、変化があった。

 

月「それでね、……その時、総さんが……え…」

お父さんが泣いていた。同じようなどこを見ているか分からない目をして涙を少し、流していた。

 

総「ふう……やっとか。」

ふと後ろから総さんの声がしたから振り返ったらやっぱり総さんがいた。

 

月「やっと…?」

やっとってどういう意味だろう?

聞くと、総さんはふっと笑って

 

総「感情が戻ってきてる。おそらくあと3、4日もすれば元に戻るだろう。」

 

月「ほんと!?」

 

総「ああ。」

良かった…ほんとに…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

月が二階から下りてきた。とりあえず朝食を食べる。

今日は…今までの人生で一番と言って良いほど緊張している気がするな。

 

 

 

総「さて、と。今日だな、そろそろ行ってくるよ。その紙に書いてあるもの、薬棚から出しておいてくれ。」

紙に書いてあるものは、解毒薬になるのだが、名前を言われても絶対分からないだろうから場所も書いておいた。

 

────────ある研究所─────────

総「どうも、昨日電話させて頂きました、光崎 総です。」

 

研究員「お待ちしておりました。こちらです。」

 

~~~~~~~~~~

研究員「えーと…1146、1146……すみません、新人なもので……それにしても、光崎さんは何の研究で?」

あー…この質問は想定外だ…すっかり忘れていた。

 

総「ああ、簡単に言うと体内器官と魔法系統の研究ですかね。幻術とか魔術系統の得意な種族らしいですし、人間とまた違う構造をしているんじゃ、と思いまして。」

なんだよ、そりゃ。自分で言っといてこれはひどい。

 

研究員「なるほど…まあ、まだほとんど分かりませんが…」

新人で助かった。これがベテランとかだったらヤバかったな。

 

研究員「あ、ここですね。薬で錯乱状態にしていますので大丈夫ですよ。」

………これは…ひどいな…。薬の影響で自我なんかとっくに吹き飛んでるような顔をしてる。だが、赤い髪、白しっぽの女の狐族、青い髪、黄色しっぽの男の狐族、緑の髪、緑で先が白いしっぽの一回り小さい狐族…間違いないな。

 

総「いくらで譲ってもらえるんですか?」

ここが正念場、と言ったところか…そんなに高いと俺でも払えない。

 

研究員「その事なんですが、今回は三匹で三十万円だそうです。」

…………は?いや、安くないか?

 

研究員「そうですよね。安すぎると思ったんですけど、主任がもう使わないから安くやると言っておりまして。あ、ただ、その…」

ん?なんだ?と言うかもう使わないから、か…ひどい言われようだな。

 

研究員「あの、主任がぜひお会いしたいと申しているのですが…会っていただけませんか?」

ん?そんなことか。

 

総「ああ、良いですけど。」

ぱっと顔が明るくなったな。何があった。

 

研究員「ありがとうございます!実のところ、今回、光崎さんを連れてこられなかったらクビにされるところだったんです。」

 

総「え………」

なんか良かった~~…

 

主任さんとはまあ魔術回路やら雑談やらを話していた。どうやらもう体が言うことを聞かないんだとか。大変なこった。それと、なんか疲れた…空間移動魔法で三人とも連れてきたが、月ちゃんには流石にショックが大きすぎるだろう。

 

ガチャ

 

総「ただいま…」

 

月「あ、おかえ「待った」rえ?」

亜空間に移動させる。

 

総「ミラーロケーション」

空間が割れたような、折り紙をくしゃくしゃにしたような感じになり、現実世界には影響が出ず、感知も不能。

 

総「一回そこにいてくれ。薬は、こっちで取りに行く。」

あまり心配させたくもないが…やはり話さなきゃダメだよな…そう考えながらミラーロケーションから出る。

 

総「おう。」

 

月「あ、あの、皆は…」

 

総「ああ、研究所にいたのはご家族で間違いない。前に月ちゃんに聞いた特徴とほぼ一致してた。」

 

月「ほぼ…?」

 

総「ああ、何しろ、錯乱状態が強すぎる。さすがにあの状態でここに居らすわけにいかなかったから、別空間に居てもらうことにした。それに、月ちゃんには衝撃が強すぎる可能性があったからな。」

 

月「…元に……戻りますか……?」

 

総「ふっ。どうやらなかなか信用されてないらしいな。まあ、会って2、3日だからそうもなるわな。」

そりゃこの期間内で信頼しろとかその方が難しいわな。

 

総「戻る、戻らないじゃなくて、戻すんだよ。やろうと思えば人間何でもできる。絶対戻してやるよ。」

ああ、絶対な。フラグじゃねえぞ。

 

月「よろしく…お願いします…!」

 

総「任しとけ!」

 

その治療が始まって4日位たったとき、月ちゃんの仕事も始まった。

 

月「あの…どんな話をすれば…」

 

総「どんな話、か。どんなのでも良い。日常生活のこととか、最近こんなことが嬉しかった、とか。とりあえず何でも良い。返事が返ってこなくても話しかけてやってくれ。」

そういって入り口に連れていく。あ、入り口の場所はまた変えた。

 

総「……なにやってんだ?」

何か出たり入ったりしてる。どうした。

 

月「いや、入れないんですけど…ここ通り抜けても同じだし…」

 

総「ああ、説明してなかったな。この中、この世界と全く同じだから景色は同じだ。違いと言えば、その中に生き物が居ないってことぐらいだな。」

説明するの忘れてたな。…なんかごめ。

………さて、と……解毒剤を飲ませてはいるが…あまり良い効果が出ているとも言えない状況だ。やっぱり頑張ってもらうとするか…。頑張れよ。

 

─────────三日後──────────

今日もだ。これで三日。ちょっと様子も見に行ってみるか。何か反応を見せているかもしれない。

 

月「………ね、……その………さんが……え…」

言葉が切れた。見ると、少しではあるが、父親が涙を流している。

 

総「ふう……やっとか。」

やはり、月ちゃんのおかげだな。俺だけじゃ絶対無理だった。それに、こんなになった家族の前でも逃げ出さなかった。強い…。

 

月「やっと…?」

ああ、そうか。一人でずっと考えてばっかだったからな。

 

総「感情が戻ってきてる。おそらくあと3、4日もすれば元に戻るだろう。」

 

月「ほんと!?」

 

総「ああ。」

ただ、このまま回復すれば、だ。否定するわけじゃないが、何かが起こりそうな予感がする。




うーん…思ったようにうまく行かないなあ…まあ、善処します。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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月の家族とのバトル!の後はハンターの集団!?

どうも、この間あずきバーをおもいっきり噛んで歯が折れそうになったドンドンです。
いやー…この間(といっても結構前)もっと固くなったらしいのにそのままがっつり噛んだら普通に歯が折れそうな位大変なことになりました。皆さんもあずきバーにはご注意を~。


さて、安定の駄文ですが、そこを了承していただかないと皆さんのスマホの待ち受け画面を私の寝顔に変更s(⊂=(^^ヽ)


昨日総さんが2、3日でもとに戻るって言ってたけど奇跡的に戻ってる、とかないかな…って思いながら皆のところへ行く。そっと覗くとお父さんが起きてた。

 

月「おはよう。」

すると、

 

月の父親「…………月…?」

反応があった。しかも私の名前も覚えてるし、ちゃんと言葉も発せてる。…奇跡………

 

月の父親「月…なのか?」

 

月「うん…私だよ。お父さん…。」

涙が出てくる。声も震えていた。

 

月の母親「つ、月…」

いつの間に起きていたのか、お母さんも話しかけてきた。

 

月「お母さん……会いたかったよ…」

 

月の父親「月も…捕まったのか……」

 

月「あ、ううん。違うの。実は…」

 

総「あれ、起きてる?って、会話できてるってことは…」

総さんが入ってきた。

 

月の父親「!!……人間…!」

 

月の母親「月、風貴をつれて下がってなさい。」

あ、何か嫌な予感がする。

 

月「ちょ、違うの!その人は…」

 

月の父親「妖剣・狐火!よし、いくぞ!」

話聞いて~!

 

総「うお!?なんだ!?」

 

月の母親「それ!」

ドドドドオン

 

総「ちっ…なんだぁ?いきなり斬りかかってくるし、エネルギー弾打っ放すし…おわ!?結界!」

ドオン…

 

月の父親「ち…しぶとい…絶対に子供たちには手を出させんぞ!」

 

総「はあ?どういう…」

 

月の父親「はぁ!」

 

総「まず…ちっ創成!」

ガキイン

どこからともなく刀が出てきた…もうなんでもできるのかな?

 

月の父親「はぁぁあああ!」

ガキキキキキキキィン

 

月の母親「はっ!」

 

総「やべっ!」

ドオン…

…結構当たってた…大丈夫かな。

 

月の父親「はぁ…どうだ…」

 

総「くっそ…いってえ…」

左肩に直撃したみたい。頑張って…

 

月の父親「これでどうだ!」

まずい!今は総さんも自由に動けない。どうしよう…どうしよう…!

 

総「動くな。」

え?お父さんが空中で止まってる。…え?

 

月の父親「な…」

 

月の母親「か、体が…動かない…」

 

総「はぁ…危なかった…ヒール。」

 

月の父親「頼む…俺はどうなっても構わん…だから子供たちだけは…」

 

総「あのな、人の話もちゃんと聞け。別に俺は殺そうとしてるわけでもないし、捕まえようとしてるわけでもねえ。」

 

月「あのねお父さん、お母さん、実は…」

 

~一人の魔法使いと狐の少女説明中~

焔柊「そうか、それは…申し訳ないことをした。こんなときでなんだが、俺は月と風己(ふうき)の父親で狐族の長の焔柊(えんしゅう)だ。」

 

光幽「ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。私は焔柊の妻の光幽(こうゆう)です。」

 

風己『………風己です…』

総さんがピクッと動く。びっくりしたんだと思うな。風己は生まれつき声が出せないから脳内に直接話しかけれるんだよね…そりゃびっくりするよ。

 

総「えーと…ここで一応薬屋兼魔法使いをやってる光崎 総だ。……とりあえずこれ。」

ん?なんだろう。いや、薬なんだろうけど、何で今…

 

総「まだ完全に薬の効果が消えたわけじゃないからな。さっきもお二人、ほとんど力が入らなかったはずだ。多分それ飲んだら大丈夫だと思う。」

そりゃ飲みにくいよね…

 

焔柊「うーん…ずっと悩んでてもしょうがないか。ゴク」

ん?お父さんの体が少し光り出した。

 

焔柊「!?なんだ!?」

 

総「あ、言うの忘れてたが、それ魔力使ってて、副作用で一時間位体が淡く光るんだ。まあそのうち消えるから大丈夫だ。」

お母さんと風己もいつの間にか飲んでいたようで、二人もまた、少し光っていた。

 

焔柊「度々の手助け、感謝する。」

 

総「いや、別に俺が勝手にやってるだけなんで。それより、もうすぐこの空間消えるから一回出てくれ。」

空間が消える…?

 

風己『……?』

 

総「ああ、ここ、現実世界に似せた準空間というか亜空間というか、みたいなところなんだ。俺の魔力で生成したところだから、もう形を維持できなくなる。」

ここ、総さんの魔力で作ってたんだ。

 

光幽「なるほど。なら、早めに出た方が全員の身のため、といったところね。」

 

総「そ。だから。出入り口はここだから。まあ準備は要らねえと思うが、まあ勝手に出てくれ。」

 

パキパキパキパキ

 

焔柊「ふう…何か久しぶりに自分の意思で外に出た気がするな。」

 

光幽「ええ、そうね…」

ビー!ビー!ビー!ビー!

 

月「な、何!?」

急にサイレンみたいなのが鳴り出した。

 

総「まずい!月、全員連れて奥の部屋へ!」

 

月「え…?」

 

総「早く!」

ビクッ

初めて総さんに叫ばれた。でも、私は私にできることを…

 

月「お父さん、お母さん、風己、こっち!」

タタタタタ…

何がどうなってるか分からないけど、とりあえず一番奥の部屋に来た。

 

焔柊「おい、大丈夫なのか?あの総っていう人は。」

 

月「………分からない。でも、私は大丈夫だって思ってる。」

 

風己『あのさ…外から思考が流れてきたんだけど、さっきのサイレンみたいなの、亜人とかを探し出すやつだったみたい。』

 

光幽「……大丈夫かしら…私たちを探してるってことは相当な力の持ち主のはず。」

 

焔柊「…俺、行ってくるわ。」

 

月「ちょっと!お父さん!」

 

焔柊「いくらあの人間が強くても相手は何十人といる。命の恩人をみすみす死なせるようなことは出来ない。行ってくる。お前たちはここで待機しててくれ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

様子を見に行ったら、けっこう普通に会話出来てた。

 

総「あれ、起きてる?って、会話できてるってことは…」

 

 

月の父親「!!……人間…!」

あ、嫌な予感…

 

月の母親「月、風貴をつれて下がってなさい。」

これは…バトルか。

 

月「ちょ、違うの!その人は…」

 

月の父親「妖剣・狐火!よし、いくぞ!」

妖剣か…当たったら命が刈られるんだっけ?ヤバイな。

 

総「うお!?なんだ!?」

はっや…上手く反応できなかった。

 

月の母親「それ!」

母親は支援型か。二対一は流石に分が悪いし、相手は半人の中でも、強い方の狐族だ。

 

総「ちっ…なんだぁ?いきなり斬りかかってくるし、エネルギー弾打っ放すし…おわ!?結界!」

ドオン…

あぶねえ。いきなり斬りかかってくんな。

 

月の父親「ち…しぶとい…絶対に子供たちには手を出させんぞ!」

 

総「はあ?どういう…」

ちょっと、考える時間もくれー!

 

月の父親「はぁ!」

 

総「まず…ちっ創成!」

ガキイン

とりあえずこっちも刀で対抗だ。

 

月の父親「はぁぁあああ!」

ガキキキキキキキィン

 

月の母親「はっ!」

 

総「やべっ!」

ドオン…

まずい…左肩に直撃した…剣が当たらなかっただけラッキーか?

 

月の父親「はぁ…どうだ…」

 

総「くっそ…いってえ…」

 

月の父親「これでどうだ!」

くそ…あんまりこっちから手は出したくないんだが、しょうがない。

 

総「動くな。」

言霊だ。抵抗力が高いと打ち消されることもあるが、こっちのレベルもかなり高いからそうかからないことはない。

 

月の父親「な…」

 

月の母親「か、体が…動かない…」

どうやら聞いたようだ…

 

総「はぁ…危なかった…ヒール。」

とりあえず話を…

 

月の父親「頼む…俺はどうなっても構わん…だから子供たちだけは…」

だから人の話を聞け。

 

総「あのな、人の話もちゃんと聞け。別に俺は殺そうとしてるわけでもないし、捕まえようとしてるわけでもねえ。」

 

月「あのねお父さん、お母さん、実は…」

 

~一人の魔法使いと狐の少女説明中~

焔柊「そうか、それは…申し訳ないことをした。こんなときでなんだが、俺は月と風己(ふうき)の父親で狐族の長の焔柊(えんしゅう)だ。」

 

光幽「ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。私は焔柊の妻の光幽(こうゆう)です。」

 

風己『………風己です…』

…焦った。あー…直接脳内に話しかけるのか。しゃべれないか、何か他に異常があるかだな。

 

総「えーと…ここで一応薬屋兼魔法使いをやってる光崎 総だ。……とりあえずこれ。」

ん?怪訝そうな顔された。あ、そうか。

 

総「まだ完全に薬の効果が消えたわけじゃないからな。さっきもお二人、ほとんど力が入らなかったはずだ。多分それ飲んだら大丈夫だと思う。」

そりゃ飲みにくいよな…俺が騙してる可能性だって向こうからすればあるわけだし。

 

焔柊「うーん…ずっと悩んでてもしょうがないか。ゴク」

ん?あ、体が少し光るの言うの忘れてた。

 

焔柊「!?なんだ!?」

 

総「あ、言うの忘れてたが、それ魔力使ってて、副作用で一時間位体が淡く光るんだ。まあそのうち消えるから大丈夫だ。」

 

焔柊「度々の手助け、感謝する。」

堅苦しいな…

 

総「いや、別に俺が勝手にやってるだけなんで。それより、もうすぐこの空間消えるから一回出てくれ。」

 

風己『……?』

 

総「ああ、ここ、現実世界に似せた準空間というか亜空間というか、みたいなところなんだ。俺の魔力で生成したところだから、もう形を維持できなくなる。」

さっき戦った影響もあって魔力がな…

 

光幽「なるほど。なら、早めに出た方が全員の身のため、といったところね。」

 

総「そ。だから。出入り口はここだから。まあ準備は要らねえと思うが、まあ勝手に出てくれ。」

 

パキパキパキパキ

 

焔柊「ふう…何か久しぶりに自分の意思で外に出た気がするな。」

 

光幽「ええ、そうね…」

ビー!ビー!ビー!ビー!

 

月「な、何!?」

何だ?サイレンみたいなのが鳴り出した。まさか…

 

総「まずい!月、全員連れて奥の部屋へ!」

 

月「え…?」

 

総「早く!」

ビクッ

急だったから叫んじまった。

 

月「お父さん、お母さん、風己、こっち!」

タタタタタ…

よし…とりあえず避難は出来た。来るなら来い!

 

………ダゴォン!

 

総「……は?」

扉が膨らんだ。

 

ダゴォン!ガァン!ゴォン!

おい。

おいおいおいおい。

ドアがぶっ壊れるわ!

 

ガチャ

総「あの!なんなんすか!」

とりあえず普通の家の人を演じる。

こいつらは…ハンターだな。全員がざわざわしてら。まあ、そりゃそうだ。亜人反応がある家から普通の人間が出てきたんだからな。

 

ハンター1「失礼、少し検査をさせていただく。」

何かよく分からない機械をかざされる。

 

ハンター2「反応、出ません。」

 

ハンター1「そうか、申し訳なかった。では。」

 

総「おい、待ちやがれ。」

ハンターがどうとか以前の問題だ。

 

総「ドア、どうしてくれんだよ。」

その鉄の塊でドアをぶん殴ってたんだろ。弁償してくれるよな?

 

ハンター(リーダー格)「残念ながら我々は任務のために先を急がなければいけないのだ。では、」

おい、待てよ。なんだと?

肩をつかむ

 

ハンター(リーダー格)「ん?何dガン!ガアッ!」

肩掴んで顔を殴ってやった。

ハンター1「な!リーダー!」

 

ハンター2「構え!」

うーん、部屋を荒らされるのは嫌だな…一回広いところでだな。

そう思って、飛んで外に出る。周りは森だ。

 

ハンター達「なっ!」

 

     「飛んだぞ!」

 

ハンター1「あいつは魔法使いだ!気をつけろ!よーい…発射!」

バババババババババババババ…

機関銃なんかで打ち落とせると思うなよ!ここは森の中だ。木々も邪魔でそう攻撃は入らない。それにここらへんは俺が一番よく知ってるからな。負けるわけがねえじゃねえか!




軽くあずきバー恐怖症になりそう…

どうも読んでいただきありがとうございました。


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