ボク達の征く暗殺教室 (彼岸花 澪)
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自己紹介の時間

始めて文書きに手を出したので何も分からないんですが、よろしくお願いします!これから優しい目で見ててください。

一部設定を変更しました。本編には影響はさほど無いです。


オリ女主

名前 秋月 葵(あきつき あおい)

出席番号 E-2

誕生日 12月25日

身長 144cm

体重 41kg

血液型 B型

得意科目 社会 国語

苦手科目 数学

趣味、特技 読書 カルマの手伝い

所属部活(過去)帰宅部

宝物 なし

好きな食べ物 煮オレシリーズ ザッハトルテ

弁当派or買い食い派 お弁当派

将来の夢 不明

選挙ポスター 私たちの道を往く

 

作戦行動適正チャート(6段階)

 

戦術立案6

指揮・統率2.5

実行力6

技術力5

探査・謀報5

政治・交渉2

 

個別能力値(5段階)

体力2

機動力4

近接暗殺4.5

遠距離暗殺4.5

学力5

固有スキル(気配操作)5

 

殺せんせーからの評価

勉強も暗殺も出来る素晴らしい生徒です。一部を除き能力的には弱点らしい所は見られません。しかし、本人の体力のなさがもったいないですね。

カルマ君とは特に仲が良く言葉を交わさずとも意思疎通出来ますが、その反面他者とのコミュニケーションを積極的にしない所があります。それはそうと、カルマくんとはどこまで行ったんですか!?

 

烏間先生からの評価

高い戦闘能力や気配遮断、気配察知など暗殺スキルは有り、赤羽とペアを組むとクラストップの実力を発揮できるようだが、本人の体力の無さが問題点だな。ただ、体が柔らかい上筋力もあり、かなりトリッキーな動きをしてくる為体力の続く時は個人でもクラス最上位の強さを誇る。

 

概要

近接、遠距離共にクラストップの実力を持つ紺色のセミショートで片目を髪で隠している少女。

茅野よりも身長は少し小さいが胸はクラスでも上位の大きさを持つが普段からカルマから貰ったお下がりのカーディガンを着ている為ある様には見えずに着痩せするタイプ。

 

戦闘力は最上位だが、体力が無く、体力面を含めて考えると総合的には上の下辺りである。体が柔らかい上筋力もあり、トリッキングやカポイエラのような想定外の攻撃をするトリッキーなタイプである。しかし、本人曰く「銃の方が得意」との事。実際に近距離、中距離、遠距離射撃とどの射撃でもクラス内トップ争いが出来るほどの実力を持つ。

カルマとの相性がよく、悪戯や料理などの日常から暗殺等の戦闘まで幅広くサポートすることが出来る。

 

カルマとは産まれた病院と日にちが同じ、家が隣同士という事で家族ぐるみの付き合いができ、乳児の頃からの幼なじみ。2人とも親が仕事で居ないことが多いので、よく片方の家に泊まっており付き合ってから着替え等を置くようになった。

 

常に二人でいた為、カルマがE組に落ちた事件の時も一緒に居て、一部始終をわかっていたのでカルマ同様に先生と言うものに不信を抱いた。事件前にカルマから告白され付き合ってるが周りからは何時付き合うのかと思われている。

 

渚とはカルマと同タイミングで知り合い、関わってきた為カルマほどではないが渚も意思疎通可能で付き合ってる事は知ってる。

 




投稿するのに慣れるないと難しいですねw 慣れていきたいと思います。


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一学期
始まりの時間


一応、改めて正直右も左も分からない新参なので優しくお願いします!

改めて見返したらそんなに会話しないのに割と喋るなと思い、全話においてセリフを変更します。とは言っても話の流れには特に影響はしないと思います。セリフの量を減らす感じですね


カルマside

 

「起きて...」

 

ん、呼ばれてるような...けど、眠い。ゆさゆさとゆらさないで。今日は停学明けだっけ。俺を呼ぶ人なんて居ないはず.....いや、葵がいるか。そういや停学中は葵を家に泊まらせてたんだっけ?まぁ彼女に呼ばれたら起きるしかないよね。ただまぁ、普通に起きるのも面白くないし、んーいいこと思いついた。

 

「わっ...!」

 

「おはよ〜。いい天気だね〜」

 

「.......元気...?」

 

「なんで、疑問符着くのさ。いいや、それより今は何時?」

 

「...9時前......遅刻...」

 

見た時計は確かに9時前を指している。やっぱり、生活リズム治らなかったか〜。葵を待たせたみたいだし、そろそろ動かないと。葵に申し訳ないし。

 

「葵は準備できてる?」

 

「ん.......ご飯...」

 

「作ってたの?ありがとね」

 

お、葵のご飯だ。これは遅刻してよかった。渚くんには申し訳ないけどもう少し遅く行っても良いかも。葵のご飯は最近毎日食べてるけど飽きないしね。

 

「...ダメ......」

 

「はいはい、わかったよ。葵お嬢様の仰せのままに。」

 

「っ.......!」

 

あーあ、顔真っ赤にちゃって俺の彼女って可愛い〜。さて、怒らない内に行きますか。

 

葵side

 

お嬢様って唐突に言われたら照れる...それも彼氏なら尚更。カルマのバカ.....

 

「ぅー...」

 

「あはは、ごめんって。さ、葵ご飯食べて行こ?」

 

「ん....」

 

そう言って、カルマはボクの作ったご飯を食べ始める。見慣れ始めた光景だけど、何回みても飽きない。そこから少ししてからカルマが食べ終わり、食器を片ずける。遅刻は間違いないからお昼ぐらいのキリのいい時間に間に合うように行くことにした。防衛省の人が来た時ぶりに制服の袖に腕を通し、少しのんびりするため、カルマの元に行く。カルマは自分の部屋で制服のままベッドに寝転がってゲームをしていた。多分、某配管工のレーシングゲームかな?少したったらカルマがボクに気が付き、自分の方に来るように言ってくる。それに従ってカルマの元に行くとカルマは体勢を変えてボクを脚の中に座らせる。力を抜き体を預けると上機嫌そうになった。脚の中でゲームしてるのを見てしばらくすると時間がちょうどよくなる。カルマも準備は出来ているからカルマと一緒に家を出ていく。

 

「葵、疲れたらおぶってあげるよ。疲れた葵に合わせたら時間足りないしね」

 

「........ん」

 

────ただ、ひとつ忘れてたのがE組は旧校舎にあるって事は、毎日1kmの坂を登らないと校舎に行けない必要があること。カルマにそれを伝えても別に遅刻してるし別に良くない?なんていってきたし。ボク自身本校舎のヤツらなんて会いたくないからちょうど良いといえば丁度いいのかなぁ?ま、まぁ行ける所まで行けばいいかな。そんなこんなで向かって行くと坂前で体力はなくなってきた。その上、ボクの体力の無さやカルマが煮オレ買いたいって寄り道した結果間に合わないし。疲れたからカルマに頼むのも....なんて考えてたらカルマの方から「疲れたでしょ?無理しないでよ。」なんて言われ、言葉に従って背負ってもらい坂を越え、旧校舎が見えると少し離れた所から声が聞こえる。

 

「カルマ.......」

 

「良いの?別に良いけど。そう言うなら下ろすよ」

 

校庭の方に大量の人が何かをやってる。遠目からスーツを着た防衛省の人....?が生徒達に何か教えてる。それと・・・目標のタコがいる。

 

「へぇ〜....」

 

その状況を見てるカルマのお揃いのカーディガンの袖を掴みながら、カルマの考えてそうな事を予想する。多分、どうやったら驚かせるかなんだろうね。ボクはカルマの思うことを手伝いたい。だからこそ、ボクはボクなりの手伝いを。カルマの望む事をするだけ。でも、少しだけ楽しそう。公に認められた状態で殺すのは初めてだもんね。ボクも少し楽しみだから、わかるよ。

 

「驚か、したい....?」

 

「バレた?これが実際効くか気になるしね。」

 

「ん...」

 

「ん、りょーかい。そっちも持ってきたでしょ?」

 

「こっち.....」

 

一応銃も持ってきたけど、カルマには袖が余ってるカーディガンの袖から対タコ用の刃が長いナイフを見せる。遠目だけど、渚ちゃんも居るしこのクラスは今までよりも楽しそうかも。ねぇ、カルマ。ボクと君なら出来ないことはないよね?今まで通り。そしてこれからも。そんなこと思いながら近づいてくと、やってたことが見えるようになった。どうやら防衛省の人がスーツ姿のまま、2人1組で攻撃してきた生徒を相手に軽くいなしているっぽい。暗殺には必要なのかな....?暗殺っていうんだから対人戦よりは気配を消したりすることや銃を使うことの方が大事なんじゃないのかな?ハッキリはしてないけど、いきなり必殺技を伝授する!って感じではなさそう...それなら、多分必要な事なんだろうなぁ。それも基礎でしょ、これ。気が重くなる。

って、そろそろ終わりそうなのか総評みたいなことを防衛省の人が伝えてる。ね、カルマ。これからのクラスメイト達の度肝を抜きに行こう。そう思い抱きつくとカルマが頭を撫でながらそうだね〜。殺ろうか。って言ってくる。

────挨拶の時間だ。

 

渚side

 

まさか体育の授業でナイフ術とかの暗殺技術を学ぶとは.....殺しなんて今まで無かった一般人として育ってきた僕達には慣れてないし必要な事だけど、普通なら習わないはずだよなぁ。でもここは普通じゃない。ここは暗殺教室。基礎があれば何かに役に立つみたいだから、ありがたい。

烏間先生からの総評も終わり、E組の校庭にチャイムが響く。僕は杉野と一緒に教室に戻ろうとした。今日の6時間目は毎週恒例の殺せんせーによる個別の小テストの時間だ。

 

「6時間目小テストかー」

 

「体育でそのまんま終わって欲しかったよね、・・・・・!」

 

校舎に向かう階段の上に制服姿の誰かが立っていた。赤髪の高身長、学校指定のブレザーを着ないで年がら年中着ている黒いカーディガンを羽織り、左手には彼の好物であるイチゴ煮オレの紙パック。その隣には彼よりも30センチぐらい小さい紺色の女の子。髪で片目を隠している。こっちもベストやブレザーを着ないでお下がりであろう袖の余って手の見えない黒いカーディガンを羽織って揺らしている。・・・・・そんな姿の人物たちなんて、僕はこの人達しか知らない。

 

「カルマ君・・・葵ちゃん・・・」

 

「よー、渚くん。・・・・・・久しぶり。」

 

「.....久し、ぶり...だね。」




かなり書いたんじゃね?って思ってたら3000も言ってなかったんで普通に驚きました。多分、平均3000前後なんじゃないかなぁって思っています


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出会いの時間

まだまだキャラ紹介含め2話しか出てないのにUAが100超えてました。本当にありがとうございます!

誤字修正のお知らせ
簡単に良けれない→避けれない




渚side

 

「カルマ君・・・葵ちゃん・・・」

 

「よー、渚くん。・・・・・・久しぶり。」

 

「.....久し、ぶり...だね。」

 

相も変わらず、仲は良さそうで2人は恋人のような距離で僕に挨拶をしてくる。いやまぁ、実際付き合ってるんだけどね。葵ちゃんもカルマくんもよかったパッと見変わってなさそうで安心したかな。また、1年間この2人とも一緒なのはすごく嬉しいし楽しみだなぁ。

 

「わ、あれが例の殺せんせー?すっげ、本トにタコみたいだ」

 

「あれが......」

 

そう言って2人は校庭に、運動場の方まで降りてきて困惑したりしているクラスメイトの間を通り抜けていく。カルマくんはいつも通り飄々としていて、葵ちゃんもカルマくんの近くをついて行く。僕の前を通り過ぎる時に葵ちゃんがちらっとこっちを見た。・・・・一瞬だったけど、その目には明らかな憎しみが宿っていたような。

そうして、2人は殺せんせーの前に立つ。

 

「赤羽 業君と秋月 葵さん・・・ですね。今日から停学明けと聞いていました。初日から遅刻はいけませんねぇ」

 

「あはは、生活リズムが戻らなくて、下の名前で気安く呼んでよ。とりあえず、よろしく。先生!!」

 

「......」

 

「こちらこそ、楽しい1年にして行きましょう」

 

そう言ってカルマくんはポケットに入れてた右手を差し出して握手を求める。殺せんせーもカルマくんへ触手を差し出す。2人が握手した・・・その瞬間。

 

・・・・触手が炸裂した。

カルマくんはその瞬間間髪入れずにイチゴ煮オレの紙パックを投げ捨て、左手で持っていた対先生ナイフを振るうが、それはさすがに避けられてしまう。殺せんせーはカルマくんから離れたところへ飛び退いていた。

 

「・・・へぇー、本トに早いし、本トに効くんだ対先生(この)ナイフ。細かく切って手に貼っつけてみたんだけど。けどさぁ、先生・・・こんな単純な「手」に引っかかるとか、しかもそんなとこまで飛び退くなんてビビりじゃね?」

 

カルマくんは右手を顔の辺りまで持ち上げて見せながら殺せんせーにちかづいていく。それにしても初めてだ・・・殺せんせーにダメージを与えた人。それも、ナイフをナイフとして使わないなんて戦法・・・誰一人も考えいなかった。そんな単純な手に引っかかった殺せんせーはわかりやすいぐらいに動揺している。あれ?そういえば、葵ちゃんは?ずっとカルマくんの隣にいてカルマくんの握手の時まで居たはずなのに、2撃目の時には居なくなっていた。少し回りを探すように見回してみたけど、何処にもいない。全くもって見つからない。あの短時間で一体どこに?いや、一度カルマ君が言ってた。葵ちゃんは気配を消したり、探したりするのが得意だって。だから、カルマ君もヤンキーとの喧嘩の時とかにはすごく助かる時があるって。だとしても、まさかここまでとは・・・。

 

「殺せないから『殺せんせー』なんて聞いてたけど」

 

「ぬぅ・・・っ」

 

「あっれぇ・・・センセーひょっとして・・・ちょろい人?」

 

目を戻すと明らかに馬鹿にして見下している表情で殺せんせーをのぞき込んで挑発しているカルマくん。それに対して殺せんせーは顔を真っ赤にして青筋を立てている。明らかに怒っているのが一目見たらすぐにわかる。殺せんせー、怒りでカルマくんしか見えて無さそうだけど、カルマくんは生徒だからその怒りをカルマくんにぶつけることが出来ないから何も出来ないで居るんだろう。・・・カルマくんはきっとそれがわかっててやっているんだ。

 

「あはっ、怒んないでよせんせー。・・・・・・そんなんじゃあ、気づかないよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・ねぇー、葵?」

 

「ん......」

 

「!?」

 

さっき必死になって探していた葵ちゃんの名前をカルマくんが呼んだ瞬間、彼女は殺せんせーの後ろに姿を現した。ギリギリで気がついた殺せんせーが一瞬で地面に触手か何かを叩きつけ、少し勢いをつけ飛びながら回避するが、葵ちゃんも勢いよく地面を蹴り斜め前に跳躍し、滞空中に前宙してスピードと威力を上げながら遠くに逃げる殺せんせーを攻撃する。殺せんせーが地面に足をつけた時には、殺せんせーのアカデミックドレスの袖から覗く触手が三本も切断され宙を舞い、葵ちゃんがカルマくんに空中で前転した勢いのまま抱きついていた。

運動場に残る全ての全員の目が今の一連の流れに向いていた。・・・無理もない。僕達が1週間かけて自爆したりといろいろ仕掛けても、たった1発のビービー弾ですらかすりすらしない殺せんせーの触手を、対面して、数秒で、二人だけで計4本の触手を切断してみせたのだ。

 

「あはっ...あははっ......!三本...っ!....取ってやった.....っ!」

 

「おっと、凄いじゃん。良くやったね。」

 

「....つかれ、た.....」

 

彼女の余ったカーディガンの袖からは対先生ナイフが2本見えていた。・・・二刀流で暗殺を仕掛けたのは彼女が初めてだ。それにあの袖から見えるってことは多分、僕らのより刃の長さがあるはずだ。かなり衝撃的な事した本人達はボクらのことを気にせず飛んできた葵ちゃんを受け止めて地面に下ろし、頭を撫でているところを見ていると、茅野が僕の所に近づいてきた。

 

「渚、私E組に来てから日が浅いから知らないんだけど、あの二人ってどんな人なの?付き合ってるの?」

 

「カルマくんと葵ちゃんだね。赤髪の方がカルマくん。2人とも1年2年がクラスが同じだったんだけど、2年の時に続けざまに暴力沙汰で停学くらって・・・このE組には学力以外の理由でも落とされるんだ。んー、どうなんだろ。でも、1年の時から早く付き合わないかなって言われてたよ。」

 

茅野から2人について聞かれ、僕の答えれる範囲を一つだけ除いて答えていく。殺せんせーを放ってほいて、カルマくんに頭を撫でられている葵ちゃんと頭を撫でながら反対の手でナイフを回しているカルマくんを見ながら答えていく。

 

「でも・・・このクラスじゃ優等生かもしれない」

 

「?・・・どういう事?」

 

「凶器とか騙し討ちの「基礎」なら・・・多分あの二人は群を抜いてる。それこそ、ペアになったら烏間先生に勝てるかも知れないほどに。」

 

───ねぇ...どうせキミも......私達を...裏切って.....見捨...てるん、でしょ....?なら、バイバイ...だよね.....?

 

───逃げないでよ?殺せんせー。「殺される」ってどういうことか俺らの手で授業(おし)えてやるよ

 

 

葵ちゃんがカルマ君の手を取り手を繋いで、動揺して戦慄してる殺せんせーを置いて、固まっている僕達の方へ、・・・正確には僕らの教室の方へと歩いていく。

 




「あ、葵ちゃんの読解術まとめ作らなきゃ。」

「読解術まとめって?」

「葵ちゃん、無口というか言葉数が足りてないからよく勘違いされるんだ。一応、カルマ君程じゃないとはいえ僕もわかるけどいつも一緒にいれるわけじゃないでしょ?だからどんなことを伝えたいのか理解してもらう為の解説をね?」

「あはは、そうなんだ。どんなのがあるの?渚」

「んー、そうだね。まだあんまりわからなかった頃に言われて驚いたやつをいうね。状況としては僕とカルマ君と葵ちゃんで帰ってた時ね『渚ちゃん......いらな、い...ゴミ.....』どう、わかる?」

「え!?わからないよ!どういう意味だったの?」

「いらないゴミあったら捨ててくるよって。その時さ、2人と会う前にお菓子食べててその袋があったんだけど当然2人は知らないと思ってたからさ、驚いたよね。カルマ君が教えてくれたからよかったけど居なかったらと思うとね。」

「それなら確かに必要だね。渚、私にも教えてよ」

「うん、いいよ。正直助かるから」

この次の話も出来てたのですが、間違って最初数百文字を消してしまったのでかなり萎えました。一応、復旧はしていますがすんごいもどかしいです。


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暗殺の時間

原作で言う所のカルマの時間ですね。順調にUAも増えてとても嬉しいです!これから見ていってください


ボク達の乱入で無事とは言えないかもしれないけど、一応体育の授業は無事に終わり皆は教室に戻ろうとするが、ボク達は防衛省の人に呼ばれて教員室に入っていた。

 

「前に暗殺の依頼をしに、自宅へ訪問させてもらった時以来だな。改めて挨拶しよう。俺は烏間と言う。今回の体育の授業から担当を務めるようになり、ナイフ術などを教えている。担任はアイツだがどう見ても人では無いので、書類上は俺が担任という事になる。だが、君たちの事情は聞いている。無理に俺の事を教師だと思わなくてもいい。しかし、人前の時は敬語を使ってくれ。これからよろしく頼む。」

 

「......」

 

「ふーん、そんなこと言うんだ。んまぁ、アンタはまだ良さそうだ。よろしくね、烏間先生。」

 

「...一つだけ......」

 

「何だ?」

 

この質問の回答によってはボクはこの人を信じてもいいかもしれない。担任なんて嫌いだし、先生自体好きでもないけどこの人は自ら無理して思わなくていいって言ってたし。だから、この回答次第では信じる。

 

「もしも...E組の命と交換で、あのタコを......確実に殺せる...と言う状況で......その決定権は貴方が、握って...いるとする....なら、どうする.....?」

 

「...合理的考えるなら実行すべきなんだろう。しかし、俺自身の想いで言うなら君たちE組の生徒達の命を使ってでも殺したいとは思わない。だから、その時が訪れたら俺は間違いなくやらないだろう。」

 

「...よろ、しく.....」

 

ん、この人は信じれそう。この人は自身の想いを貫き通そうとして、その状況をどうにかできそう。本校舎のアイツらみたいに保身に走る事しか出来ない奴なんかとは大違い。その上、指導者としての指導力も有りそうだしあのタコなんぞよりも信じれる。

 

「そうか、改めてよろしく頼む。ちなみにさっきの行動はどっちかが作戦を考えたものか?それともその時の行動で合わせたのか?」

 

「へぇ、2人で考えた作戦では無いのはわかったんだ。アレは特には考えてないよ、ほぼ個人。最初の不意打ちで威力とか有効性を確認することだけは伝えたけど、葵の行動に関しては何も言ってないし。」

 

「なるほどな。」

 

「そも、そも.....カルマ...作戦...いらない....」

 

烏間先生も聞きたいことは聞けたのか満足して、これからよろしく頼むと言い話が終わり、ボクはカルマの手を握り行くか聞くとカルマはすこし考えてから烏間先生に一つだけ聞きたいことがあると言った。

 

「ねぇ、あのタコの席ってそこの本が積んであるところ?」

 

「あぁ、そうだが。漁りたいなら個人情報にさえ触れなければ黙認してやろう」

 

「ありがと。これでまた煽れる。葵、これ後であのタコに渡してやってよ」

 

カルマが烏間先生に尋ねたのはあのタコの席と物色する許可みたいで、無事に獲得したカルマはウキウキで扉を開けて漁る。そうするとジェラートや色々なジャンルのそーいう本が出できた。教師だろうものが校舎にそーいう本を大量に持ってくるとは最悪...ありえない.....そう思ってたらあのタコの本をカルマが渡してきた。カルマの言いたいことはわかるけどさ。

 

 

 

──ぶにょんっ

 

──ぶにょんっ

 

──ぶにょんっ.......

 

ボクとカルマが職員室を出て教室に戻ると、既に皆は小テストっぽいものを解いていた。後ろの扉を開いて入った為、開けた音に反応して皆こっちを見るけど、無視して入る。渚ちゃんに席を教えて貰い、カルマの隣の席に座ると机の上には皆と同じような小テストが置かれていた。カルマと目を合わせてお互い考えてることを把握する。さっきのジェラートとか使うのね。ん、早めにテスト終わらせるよ。ボクは早速テストに取り掛かった。あのタコはボク達が長い間学校に行ってなかったから、ボク達の学力を測りたいんだろうけどボク達が一切勉強せずにいたはずがない。甘く見るなよ。素早く終わらせ次のプリントに手を撮る。けど、教室に入った時から聞こえるこのぶにょんっ...って音は何?

 

「・・・さっきから何やってんだ?殺せんせー」

 

「さぁ・・・?壁パンじゃない?」

 

「あぁ、さっきのカルマと秋月さんにおちょくられて、ムカついてるのか」

 

「触手が柔らかいから壁にダメージ行ってないな」

 

・・・・・・あのタコの壁パン?の音なんだね。と言うか、ボク達のせいってよりもあのタコがチョロいのが悪い。それにしてもうるさい。テスト中に出す音ではない。

 

「ぶにょんっぶにょんっ五月蝿いよ!殺せんせー!小テスト中なんだから!!!」

 

「こ、これは失礼!」

 

ほーら、怒られた。一応小テスト中なんだからあんな音出してたら怒られるに決まってる。触手での壁パンに対する抗議を境に皆集中力が切れたみたいで、テスト中の緊張した張りつめていたような雰囲気から緩やかで穏やかな授業中の雰囲気に切り替わったような感じがした。

 

「よォカルマァ。大丈夫か?あのバケモン怒らせてどーなっても知らねーぞー」

 

「そこのちっちゃいのと共におうちにこもってた方が良かったんじゃなーい?」

 

そこのちっちゃいのってボクの事か...身長ないのは否定しないし別に身長望んでもないけど他人に言われるのは癪だな。

 

「殺されかけたら怒るのは当たり前じゃん、寺坂。しくじってチビっちゃった誰かの時と違ってさー」

 

「なっ!チビってねーよ!テメ喧嘩売ってんかァ!」

 

「こらそこ!テスト中におおきな音立てない!厳しい先生ならカンニングとみなされますよ!?」

 

(((いや、あんたの触手も五月蝿いよ!)))

 

絡んで来たのは...寺坂って言うのかな?身長あってガタイの良さがわかるけど、なんかイキってると言うか他人と違う俺カッコイイとか思ってそうな男子。ボク、このクラスは来たばっかなのもあるけど、今までも渚ちゃんとカルマぐらいしか関わりが無いからあんまり分からないんだよね。

あれ、そういや停学中前半の時に来たファッションセンス壊滅的な女の先生はどこに行ったのかなぁ?あの人E組担当って言ってた割には再会してないし。そんなこと考えてたら、カルマがジェラートを取り出し始めた。そして、一瞬だけカルマと目が合い、お手伝いよろしくと伝えられる。ん、りょーかい。さっきの本を取り出せれるようにしとく。

 

「ごめんごめん殺せんせー。俺もう終わったからさ、ジェラート食って静かにしてるわ。」

 

「ダメですよ。テスト中にそんなものを・・・そっ、それは昨日先生がイタリア行って買ってきたやつ!」

 

(((お前のかよ!!!!)))

 

「あ、ごめーん。教員室で冷やしてあったからさー・・・葵一口あげる。」

 

「...おい、しー......」

 

「ごめんじゃ済みません!溶けないように苦労して寒い成層圏を飛んできたのに!それに、さらっと秋月さんも食べましたね!?」

 

「...後で...?」

 

「食べに行くのはいいね〜、で?どーすんの?殴る?」

 

「殴りません!残りを先生が舐めるだけです!っ!?」

 

カルマが挑発するようにタコのジェラートを一口舐めて、ニヤリとした笑みをあのタコに向ける。案の定その挑発に乗せられたあのタコがジェラートを取り返そうと近づいた瞬間、足?の触手からバシュッ!と音がなる。

 

「(対先生BB弾が・・・いつの間にか床に!!)」

 

触手が溶ける。

触手が解けてヤツが驚いてる所に合わせてヤツの足と腕目掛けて発砲する。頭の方はカルマが狙う筈だから、これでいいはず。

 

「あっは──まァーた引っかかった。葵、ナイス〜」

 

「グッ.....」

 

最低でも一本奪う気で銃を撃ったボクとは違いカルマはパン、パン、パン、と3発間を空けて顔狙いで撃つ。それであのタコは慌てて後ろに下がりながら避ける。

 

「何度でもこういう手使うよ。授業の邪魔とか関係ないし、それが嫌なら・・・俺でも俺の親でも殺せばいい。」

 

「・・・」

 

「でもその瞬間からもう誰もあんたを先生とは見てくれない。ただの人殺しのモンスターさ。」

 

カルマがあのタコのジェラートをアカデミックドレスにベチャッと押し付ける。あ、勿体ない・・・割と美味しかったのに。テスト用紙を持ってるのを見つけたからボクも同じ様にテスト用紙とあの本を持って立ち上がる。

 

「あんたという「先生」は・・・俺に殺された事になる。はい、テスト。多分全問正解。葵終わった?」

 

「ん......ダメ...?」

 

回答を投げ渡しながら教員室で見つけたそーいう本数冊を表紙やカルマが指定したページを開いて皆にも見える様に手に持ち見せ付ける。

 

「にゅやっ!?な、なんで持ってるんですか!と言うか見たんですか!?女の子は見ちゃ行けませんよ!!」

 

「...ない.....カルマ...」

 

(((なんてもん持ってきてんだ!と言うか、カルマ(君)は見たの!?)))

 

あのタコや寺坂とか色んな方にあの本をぶん投げて手軽になる。本に対しては何とも思わないけど、教員が学校で読むものではない。

 

「じゃあね「先生」〜 明日も遊ぼうね!行こ、葵」

 

「.....ジェラート...」

 

「食べに行こっか」

 

渚side

 

──カルマ君と葵ちゃんは頭の回転がすごく速い。今もそうだ、先生が先生であるためには越えられない一線があるのを見抜いた上で、殺せんせーにギリギリの駆け引きを仕掛けている。けどカルマ君は本質を見通す頭の良さとどんな物でも扱いこなす器用さを、葵ちゃんは男子でも勝てない程の瞬発力と目的を達成する為の判断、解析力を人とぶつかるために使ってしまう。

 

殺せんせーside

 

「まったく・・・彼らのせいでジェラートの買い直しだ。頭が良く手強い生徒だが彼の言う通り教師を続けるためには・・・殺す事も傷付ける事も許されない。・・・さぁてどう片付けてやりますかねぇ。」

 

あの子達は駆け引きをほんとによくわかっていますねぇ。先生の手が出せないギリギリを攻めてくる。だからと言って先生を殺せるとは限りませんねぇ。ジェラートに関しては許せませんけど!

 

葵side

 

カルマと今後どうやってあのタコを暗殺するのかと言う計画や今日のお夕飯に何を食べたいか等話しながらジェラートを食べて駅に向かう途中で個人経営のお店に寄り道して飲み物を買う。そこでは珍しく瓶コーラを売ってるみたいでカルマは珍しがり瓶コーラを、ボクは普通にペットボトルでジンジャーエールを選ぶ。そのまま飲みながら歩くと駅前で渚ちゃんがクラスメイトと別れていた。

 

「じゃーな、渚!」

 

「うん、また明日〜」

 

渚ちゃんに声をかけようと思ったら本校の奴が渚ちゃんを見て何か言っている。

 

「・・・おい、渚だぜ」

 

「なんかすっかりE組に馴染んでるけど、だっせぇ。ありゃもぉ俺らのクラスに戻ってこねーな」

 

「しかもよ、停学明けの赤羽と秋月までE組復帰らしいぞ」

 

「うっわ、最悪。マジ死んでもE組落ちたくねーわ」

 

....ふーん、聞こえていても言い返せないからって渚ちゃんのこと馬鹿にしてるんだ。カルマの方を見て、仕返しすることを伝える。カルマも同意見のようで瓶コーラの持ち方を変えて静かに近づいていく。

 

「えー死んでも嫌なんだ。じゃ今死ぬ?」

 

そう言って持ってた瓶を色々言って渚ちゃんのことをバカにしていた本校のやつの頭の近くの電信柱に叩きつけ割れて鋭くなったその先を見せながらそう言う。カルマが近づいてきたことに気が付き驚いてバカ達は捨て台詞と悲鳴を吐きながら逃げ出す。

 

「あっ赤羽!」

 

「うわぁっ」

 

カルマの方を向きながら逃げるために走ってる為前をあまり見てない。そんなバカの目の前に気配を殺して立ち、タイミングを合わせて気配を殺すのをやめて目の前に唐突に現れたようにしつつ声をかける。

 

「ね...地獄、見る.....?」

 

「あ、秋月!?」

 

「うわぁぁぁっ!?」

 

しりもちを着き無様な姿を晒してる本校のやつを無視してカルマと渚ちゃんの方に歩いていく。カルマは楽しそうな表情をし、渚ちゃんは少し困惑してるような表情でこっちを見ている。

 

「あはは、殺るわけないじゃん。ねー葵?」

 

「ん...」

 

「・・・カルマ君、葵ちゃん」

 

ペットボトルのジンジャーエールをカルマに1口あげながら、カルマからの質問に答える。渚ちゃんは何か言いたげな感じでボク達の名前を漏らすのを渚ちゃんの飲み物を自販機で買っていたら聞こえてきた。

 

「ずっと良い玩具があるのに、また停学とかなるヒマ無いし」

 

「嫌い....?」

 

「でさぁ、渚君。聞きたい事あるんだけど」

 

渚ちゃんに自販機で買った炭酸ジュースをあげながら駅の改札を抜けて中に入っていく。久々の3人で話す機会だ。少しテンションが上がる。

 

「.....詳しいっ...?」

 

「・・・う、うん。まぁちょっと」

 

「あの先生さぁタコって言ったら怒るかな?」

 

「・・・タコ?うーん、むしろ逆かな。自画像タコだし、ゲームの自機もタコらしいし。この前なんか校庭に穴掘って・・・『タコつぼ』って言うまぁまぁウケてた一発ギャグやってたし。先生にとってちょっとしたトレードマークらしいよ」

 

「・・・そ〜だ、くだらねー事考えた」

 

「なら...泊まる......?」

 

「いいよ〜。ご飯もよろしくね。ついでに作戦会議だね」

 

「...2人共、次は何を企んでんの?」

 

わかった。また、冷蔵庫の中好きに使うからね。なんて会話を続けてたら渚ちゃんからの疑問が聞こえてきた。勿論、そんなの決まってる。

ボク達は線路側を背になぎさちゃんの方へ振り向き変える。渚ちゃんはボクたちの表情を見て目を見開いたような気がした。

 

「・・・俺さぁ嬉しいんだ。ただのモンスターならどうしようと思ったけどら案外ちゃんとした先生で、ちゃんとした先生を殺せるなんてさ。前の先生は自分で勝手に死んじゃったから。」

 

「......前...から、殺し...たい、の...」

 

「....?」

 

ちょうど来た電車に反射した斜陽できっとボク達の笑みが映えてるんだろう。その時、渚ちゃんの目でボク達がどう映ってるのか気になった。

 




「カルマ...」

「豚肉でいい?」

「ん...」

「もう出来る?」

「準備...」

「はいはいー」

「子供...」

「誰が子供みたいだって?」

「くす、ぐっ...たい...!でき、た...から...っ!」

基本的に、毎日投稿の予定ですけどストックが減ったりするとなんか不安になりますねw 感想とかお待ちしてるんで気軽にどうぞ〜 まぁ理由ない批判とかされると困るんですけどもね


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手入れの時間

どうも、澪です。今回は原作で言うところの二択の時間ですね。カルマ君が様々な方法で殺そうとしますが防がれ飛び降りる回なんで、それなりにうちの子にも活躍出来るようにと頑張ってみました。それでは!


昨日話したどおりカルマの家に泊まり、作戦会議をして明日の用意を色々してから寝た。朝早くにご飯を食べて人先早く2人でとある所に寄り道しながら誰居ない学校に行く。そして.....

 

「・・・・・・」

 

「・・・ん?どうしましたか皆さん?」

 

教室に入ってきたばっかのタコはまだ気が付いてない。・・・教卓の上に1匹のタコがナイフとフォークが刺された状態で死んでいることに。みんなの目線がそこに集まってることに気がついたタコはそのまま教卓の方に釘付けになっていた。

 

「あ、ごっめーん!殺せんせーと間違えて殺しちゃったぁ。捨てとくから持ってきてよ」

 

わざとらしいカルマが挑発した表情のままあのタコを呼ぶ。自画像とかタコにするんだし、多少は精神的にくるものがあるでしょ。

 

「・・・わかりました」

 

そう言ってタコはこっちに来る。カルマはナイフを、ボクはハンドガンのエアガンを二丁を隠して持つ。さぁ・・・何本奪い取ろうか・・・・・

 

・・・来いよ、殺せんせー

・・・おいで、タコ

 

身体を殺すのは今じゃなくても別にいい

体は何時でも殺せる

 

まずはじわじわ・・・・・・

初めは蝕まれるように・・・・・・

 

心から殺してやるよ

精神を殺してあげる

 

あのタコは死んだタコを持ったまま、カルマとボクの席の間を前からこっちに歩いて来る。カルマのナイフが当たらない所で、あのタコが上に掲げた触手の先端が普段の丸い形からギュルルルルルって音を立てながら回るドリルに変わる。

 

「「!?」」

 

次の瞬間、タコが紙袋とミサイルを持った状態で現れた。

 

「見せてあげましょう。カルマ君、秋月さん。このドリル触手の威力と自衛隊から奪っておいたミサイルの火力を。先生は決して暗殺者を無事では帰さない。」

 

「あっつ!」

 

「んっ....!?」

 

唐突にそんな物を取り出して何をする気...?なんて考えながら目の前のタコがすることを不思議そうに見ていたら、口に出来立てのたこ焼きを入れられる。そんなことわかる訳もなく2人して慌てて吐き出す。

 

「2人共その顔色では朝食を食べたのはかなり前ですね?小腹が空いていると思いましてマッハでたこ焼きを作りました。これを食べれば健康優良児に近づけますね。」

 

「......っ...」

 

「...、......」

 

「先生はね、手入れするのです。錆びて鈍った暗殺者の刃を・・・。今日1日本気で殺しにくるがいい。そのたびに先生は君たちを手入れする。」

 

「「・・・!!」」

 

「放課後までに君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう」

 

そう…言質は取った......命を懸けてコイツを殺す...ボクの総てを使い...殺し尽くす.....!!!!

 

───1時間目・数学───

カルマside

 

「どうしてもこの数字が余ってしまう!そんな割りきれないお悩みを持つあなた!でも大丈夫。ピッタリの方法を用意しました!黒板に書くので皆で一緒に解いてみましょう」

 

「「・・・・・・」」

 

テレビショッピングかよってツッコミたくなる謳い文句で授業を進めていく殺せんせー。せんせーは黒板に必要な数式やそれに辿り着くまでの過程を文章混じえつつ書いている。この分野は聞かなくても余裕だから、暗殺に重視してても問題ない。この式ってことはまだ数個は式を書く必要が有るから、あいつがこっちを見ることは無い。葵の方をチラッと見ると葵もハンドガンを持ち何時でも構えれるようにしている。式を書くことに集中している今がチャンスだと思い、俺は椅子の後ろに隠していたハンドガンを取り出し構え・・・

 

「・・・で、これを全部カッコ良くまとめちゃって、それから・・・するとあらビックリ・・・・となります。ああ、カルマ君と秋月さん銃を抜いてから撃つまでが遅すぎですよ。ヒマだったのでカルマ君にはネイルアートを入れ、秋月さんには髪型を少し変えときました。」

 

いつの間にか俺のハンドガンを持つ手ごと触手が絡まっており動かなくなる。そして銃を奪われ、銃を持っていたその手の爪にはネイルアートが施されていた。ご丁寧にたこ焼きのラインアート付きで。葵には左側頭部を編み込みにして、目を隠している前髪をディフォルメされたタコが付いたヘアピンで上げられて目を出していた。それに気が付いた葵は急いでヘアピンを外し戻していた。このタコ・・・ホームルームの事根に持ってやがる。

 

「・・・それと秋月さん。カルマ君よりも速く照準を合わせて簡単に避けれないように左右にも撃っていたのはお見事でした。しかし、弾と弾の間に間が空いてしまったのは悪かったですねぇ・・・アレでは簡単に避けれてしまいます。」

 

その後で葵が除光液を貸してくれたから、有難く剥がしたけど葵少し笑ってたな。

 

───2時間目・社会───

葵side

 

「なんで、この戦いが起きたかと言えば・・・・軍部の意見が・・・それで、この戦いでは特攻・・・」

 

大戦中の戦いなんて今更。そんな事とっくの前にその先も死者数も調べた。それにしてもあのタコには普通に銃撃するよりは効果的な別の方法があると思う。そう、今タコが言った特攻とか 。

 

「それでは、自分たちが指揮する側ならどう立ち回るか考えこのプリントに書いてください。出来たものから前に提出してください。判定基準は、それを実行できるのかとどれだけ相手に被害を与え自分側の被害を防げれるかと言うところです」

 

ふーん、丁度いいね。ボクのカーディガンの中には火薬量を増やした玩具のグレネードを何個か入れている。火薬が炸裂すれば数百の対先生BB弾が飛ぶようになっているし、半分は連鎖炸裂、もう半分は同時炸裂するようにした。連鎖と同時で数千のをどう攻略するかな?ボクは記憶にある過去の戦争データから似たような物を引っ張り出してきてそれをベースに一部アレンジを加えて実行力を上げた作戦を書く。さぁ、やろうか。

 

「お、秋月さん。もう出来ましたか」

 

「...」

 

タコの目の前までいつも通り歩き、かなりの距離まで近づく。タコがプリントを受け取った瞬間、自然体を装って前に足が引っかかって転ぶふりをする。タコがこっちに気が付き触手を伸ばしてきた。今だ、ボクはピンを抜こうとする。───ない!?

 

「数個の改造したグレネードによる自爆特攻ですか。それも、連鎖炸裂と同時炸裂の2種類を混ぜて避けづらくしてますね。自身のカーディガンの大きさを使って来ましたねぇ。自然な体運びやその後の転んだふりはかなり上手でした。しかし、同じ手を使った渚君の方が上手でしたし僅かに火薬の匂いがしますねぇ。それでは先生は気が付きます。グレネードを回収するついでに、コメント付きで採点をしときました。」

 

はっ?あの一瞬で回収した上にコメント付けて採点した?それに、渚ちゃんが既にやった?なにそれ....。てか、今回収したって事はカーディガンの中に触手を入れたって事だよね......うわぁ...無いわ......いくらなんでもキモ...

 

「っ....わいせつ...?」

 

「にゅやっ!?違いますよ!...前にも渚君にも言いましたけど、次その手で暗殺をしてきたらどうなるかわかりませんよ?って言っても君たちは効果ありませんよねぇ...」

 

せめての反撃としてガチで引いたような目で触手を入れた事に対してキモイことを伝えるとタコは声を上げながら否定してくる。どうなっても知らないねぇ.....そんなのやりたければ勝手にやればいい。ボク達にとって大事なのは先生と言うものを殺す事。どうでもいい。

 

───4時間目・技術家庭科───

カルマside

 

2時間目のアレ、葵に聞いたところ一応使うかわからないけど前に準備しておいたのを使ってみた。匂いは多分火薬の状態を確認したからその時と持ってたから少しずつカーディガンに着いたんじゃないかな?との事。

俺が言うのもなんだけど、葵も中々に行動力有るよね。こう、常識の範囲外からぶっ込んでくるタイプで。葵はこれなら『先生』を殺せると思ってたのが聞かなかったのか下を俯きながら考え事をしている。多分、どうやったら良かったのかっていう自己分析かな。・・・次は俺だ。家庭科は調理実習のスープ作り。殺せんせーは確認の為にも定期的に生徒の近くまで歩いて様子を見てくる。

 

「不破さんの班は出来ましたか?」

 

「うーん、どうだろ。なんか味がトゲトゲしてんだよね」

 

「どれどれ」

 

「へぇじゃあ作り直したら?1回捨ててさ」

 

近づき、味見しようと立ち止まり鍋にスプーンを入れた殺せんせーを攻撃するために鍋の手持ちの所を勢いよく叩き、せんせーの方にぶちまけすぐさまナイフを振るう・・・!

 

「・・・!」

 

「エプロンを忘れてますよ、カルマ君。スープならご心配なく全部空気中でスポイトで吸っておきました。ついでに砂糖も加えてね」

 

「あ!マイルドになってる!」

 

スポイトで回収した!?そんなのありかよ!それにこんなピンクの可愛らしい男が着るようなもんではいエプロン着せられるとか屈辱でしかない・・・!それに、誰だ。可愛いとか言ったやつ・・・!

 

───5時間目・国語───

渚side

 

・・・無理だ。

殺せんせーはけっこう弱点が多い。バナナの皮を踏んで転ぶなんて普通じゃ起きないようなちょいちょいドジ踏むし、慌てた時の反応速度も人並みに落ちる。・・・けど、どんなにカルマ君と葵ちゃんが不意打ちに長けていても

 

「──私がそんな事を考えている間にも──」

 

机の間を通り抜け、背中を見せた殺せんせーに対してカルマ君は右手の仕込みナイフを、葵ちゃんは左手のハンドガンを構えようとして・・・

 

「──赤蛙はまた失敗して戻って来た」

 

殺せんせーの触手で額を優しく押され動けなくなる。顔を合わせてないはずの葵ちゃんのハンドガンもさっき葵ちゃんに言われたを気にしたのか葵ちゃんには触れないで優しく取っていく。

 

「私はそろそろ退屈し始めていた。私は道路からいくつかの石を拾ってきて──」

 

教科書を読むのを辞めずに呆然とする2人の髪をセットし始めた殺せんせー。

 

ガチで警戒してる先生の前では・・・この暗殺は無理ゲーだ。

 

 

葵side

 

切り立った崖に1本だけ生える松。下には何も無く落ちれば重症は間違いない所でボクはカルマに背中を預けるように地面の方を向きながら座って、カルマは地面側に背中を向けて腰を下ろしている。カルマは苛立ちを隠せずに爪を噛んで、ボクは変わらず下を向いたままでいる。・・・先生なんて、所詮裏切るんだから。今のうちに消さないといけないのに・・・・・授業中、授業外関わらず何度も仕掛けたのに何一つ効果がない。そんな時、ボク達についてきた渚ちゃんが声をかけてきた。

 

「・・・カルマ君、葵ちゃん。焦らないで皆と一緒に殺っていこうよ。殺せんせーに個人マークされちゃったら・・・どんな手を使ってもは1人じゃ殺せない。普通の先生とは違うんだから」

 

まるで、たくさんのデザインの盾を持ち全てを見通す第3の目を開きこっちを見ているタコのイメージが沸き起こる。・・・確かに普通の先生ではない。当たり前といえば当たり前なんだろうけど・・・。

 

「先生・・・ねぇ」

 

"赤羽!秋月!お前らが正しい!"

 

"けんかっ早いお前と止めようとしない秋月は問題行動も多いがな。お前らが正しい限り先生はいつでもお前の味方だ!"

 

「・・・、・・・・・・」

 

"いやいや、大丈夫でしょう。赤羽には秋月がついていますし。きっと間違ったことはしないでしょう"

 

"生徒を守って、正しい道を歩ませるのが先生ってもんじゃないですか"

 

「・・・やだね、俺が殺りたいんだ。変なトコで死なれんのが1番ムカつく」

 

「渚ちゃん......消さ、なきゃ.....」

 

「・・・・」

 

「さて、カルマ君に秋月さん。今日は沢山先生に手入れをされましたね。まだまだ殺しに来てもいいんですよ?もっとピカピカに磨いてあげます。」

 

ボク達と渚ちゃんが話しているところにあのタコがやってくる。顔の色を黄色と緑のシマシマにして明らかに煽ってくる。・・・あぁ、まだ殺しに行ってもいいんだ・・・・・それなら、カルマと話した最後の手段がある。カルマも同じ事を考えたのか、こっちに1度見た後、渚ちゃんとタコの方を向いた。

 

「・・・確認したいんだけど、殺せんせーって先生だよね?」

 

「?はい」

 

「先生ってさ、命かけて生徒守ってくれるひと?」

 

「もちろん。先生ですから」

 

「そっか良かった。なら殺せるよ───確実に」

 

ボクとカルマは同時に少し左右に離れるようにしながら木の幹を蹴って崖下に落ちる。渚ちゃんが驚き目を見開いて走り崖下に落ちるボクたちを見た。

 

───銃を構えたまま、笑みを浮かべて自由落下していくボク達の姿は見れたのだろう。それに続いてタコが崖に飛び込んでくるのが見えた。

 

助けに来れば救出する前に撃たれて死ぬ

スピードをあげれば、ボクたちは耐えきれずに死ぬ

 

見殺しにすれば先生としてのあんたは死ぬ!!

のんびり助けに来れば、撃たれて死ぬ

 

おおっ!すっげぇ走馬灯っぽいの見えてきた

これが走馬灯かな

 

俺の・・・・停学になった時のことを

ボクの・・・停学になった時のことを

 

 

 

「大丈夫先輩?」

 

「3-E...あの......?」

 

「大変だね。そんなことで因縁つけられて」

 

「?...ボク達......間違っ、てな...いよ?」

 

「いじめられてる先輩助けて何が悪いの?」

 

「いいや、赤羽。秋月。どう見てもお前らが悪い」

 

え...待ってよ、先生。

 

「E組なんぞの肩を持って未来ある者を傷付けた。彼の受験に影響が出たら俺の責任になるんだぞ」

 

味方とか言っといて(言ったのはそっちでしょ。)・・・そんなこと言っちゃうんだ(そんなこと言うの?)・・・ヤバい(あぁ)、死ぬ。俺の(ボクの)中で先生(コイツ)が死ぬ。

 

「おまえらは成績だけは優秀(ただし)かった。だからいつも庇ってやったが、俺の評価に傷がつくなら話が別だ。俺の方からお前らの転級を申し出たよ。おめでとう、赤羽君、秋月さん。君達も3年からE組行きだ。」

 

生きていても人は死ぬってその時知った。そいつの全てに絶望的したら・・・俺に(ボクに)とってのそいつは死んだと同じだ

 

殺せんせー!あんたは俺の(ボクの)手で殺してやる(あげる)よ!

 

さぁどっちの「死」を選ぶ!?

 

───ドシュシュシュシュシュッ

 

「えっ・・・」

 

「何........」

 

地面に衝突したとは思えない謎の衝撃が身体を走ったと思えば、ボク達の体は黄色いトリモチのようなもので出来た蜘蛛の巣のような物の上に落ちていた。下からあのタコの声が聞こえてきた。

 

「お二人共。自らを使った計算ずくの暗殺お見事です。少し距離を開ければ片方を助けてる間にもう1人は落下死することを織り込み済みのようですね。音速で助ければ君たちの肉体は耐えられない。かと言ってゆっくり助ければその間に撃たれる。そこで、先生ちょっとネバネバしてみました」

 

「・・・くっそ、何でも有りかよこの触手!!」

 

触手が髪やカーディガンに引っ付いて動けない。必然的に銃も撃てなくなる。

 

「コレでは撃てませんねぇ・・・ヌルフフフフフ。

・・・ああ、ちなみに見捨てるという選択肢は先生には無い。いつでも信じて飛び降りて下さい。」

 

「・・・・はっ」

──こりゃダメだ

──死なないし殺せない

──少なくとも・・・先生としては

 

「・・・・・・っ」

──ダメだねこれは

──殺せない

──先生としてはだけど

 

 

 

 

「・・・カルマ君、葵ちゃん。平然と無茶したね」

 

「別にぃ・・・今のが考えてた限りじゃ1番殺せると思ったんだけど、俺も葵も個人でもチームでも殺せないならしばらくは大人しく計画の練り直しかな。」

 

ボクたちはペアの時はあんまり作戦を考えない。その時の行動次第で最善手を取り続ける。そんなボク達が敵わないならしばらくはやったところで意味が無いだろうなぁ

 

「おやぁ?もうネタ切れですか?報復用の手入れ道具はまだ沢山ありますよ?君達も案外チョロいですねぇ」

 

殺せんせー、初日にカルマにチョロいって煽られたこと根に持ちすぎじゃない?

 

「殺すよ。明日にでも」

 

さっきまでとは違い爽やかな表情で宣言するカルマをみて赤丸を顔に出して笑う殺せんせー。そんなカルマを見てカルマのカーディガンの袖を掴んでそのままの勢いで抱きついて殺せんせーに対して舌を出してべーってする。

 

「帰ろうぜ渚君、葵。帰り、メシ食ってこーぜ」

 

ボクがくっ付いていない方の手でがま口の財布を軽く上に投げながらボク達に帰る最中にどこかでご飯食べることを伝えるカルマ。けどその財布、カルマのじゃないよね。

 

「ちょっ!それ先生の財布!?」

 

予想はしてたけどやっぱり殺せんせーの財布なんだ。

 

「だからぁ教員室に無防備で置いとくなって」

 

「返しなさい!」

 

「いいよー」

 

「な、中見抜かれてますけど!?」

 

「はした金だったから募金しちゃった」

 

「にゅやーッ!不良慈善者!ところで秋月さんとの関係はなんなんですか!?」

 

カルマと殺せんせーの面白い会話を聞いてたら、唐突にボク達の関係性ってところになった。どうして?まぁ、ボク達の関係は一言で言えるよ。胸張って恋人同士って。けど、今は言わなくていいかな?だから、こうやってボクは答える

 

「さぁ...?」




「もし・・・最後のアレで殺せんせーを殺せたとして2人のうちのどっちかが助けられなかったらどうするつもりだったの?」

「...死が、ふた...りを分、とう...とも」

「そーだね、その時は俺も死ぬか死ぬまで葵を愛し続けるかなぁ。」

「あはは、言うと思ったよ。」

「それで、渚君。メシどうする?」

「んー、2人と食べに行くのはいいけど母さんに言ってないから今日は無理かな」

「今度...だね....」



そろそろ、話のストックが切れそうで怖いんですよねw できる限り1日1回投稿にしたいんですが最悪週一になるかなぁって思ってるんですがどうですかね?


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毒の時間

はいどうも、澪です。ストックが次のイリーナ先生初登場の胸の時間しか残って無いんですよね。原作に従って1話1話投稿するか纏めて投稿するかで悩んでますw それではどうぞ!


葵side

 

8時40分。殺せんせーが教室内に入ってくる。今日も一日暗殺の始まりだ。

 

──ガラッ

 

「おはようございます。それではHRを始めましょう。日直の人は号令を」

 

今日の日直は面倒な事にボクだ。カルマや渚ちゃん達と居たかったのになぁ。まぁいいや、1度みんなを見渡す。皆、自分の銃をちゃんと持っている。よし、じゃあ始めよう。

 

「きり、つ...」

 

ボクのそんなに大きくない声でもガタっ!という音と共にみんな一斉に立ってくれる。瞬間、教室からはジャキと言う銃の音が成り始める。

 

「気を、つけ...」

 

みんなの意識が殺せんせーの方に向き始める。しっかりと構えいつでも撃てるように・・・ボクは一度ゆっくりと深呼吸をしてから、始まりの言葉を言う。

 

「.....礼ッ!!!」

 

その言葉を聞いたみんなは同時に射撃を始める。アサルトライフル、ハンドガン、みんなが構えた銃から対先生BB弾が飛ぶ。いつも通り殺せんせーはそれを憎たらしいようなにやけ顔のまま避け始める。

 

「発泡したままで構いませんので出欠を取ります。」

 

 

 

 

 

今日も命中弾ゼロ。ボク達の手入れがされた日から1本も取れてない。速すぎる...さすがは殺せんせー。ボク達のターゲット。

 

「さ、銃と弾を片付けましょう。理科の授業を始めますよ。秋月さんは、お手伝いお願いします。」

 

「...片付けて......?」

 

「ええ、勿論。」

 

 

 

 

 

「今回は昨日話した通りお菓子から着色料を取り出す実験をします!お菓子持ってしましたね?」

 

「勿論持ってきたけど、どうやるんだよ?殺せんせー」

 

ポッキーを持ってきた前原君が殺せんせーに対して質問をする。そりゃそうだろう、唐突にやるなんて言われてもどうやればいいかなんてわからないし。

 

「ええ、当然説明します。まず、各自お菓子を砕きましょう。着色料を使ってるチョコ菓子に関してはチョコごと砕いても大丈夫です。そうしたら、この液体とこの粉末を混ぜ合わせたものに入れてください。入れたら、少し掻き回して放置するとあっという間に色が変わります。」

 

その言葉を聞いて各自やり始める。ボクが持ってきたのは朝コンビニによって買ってきたクッキー。まぁこれが美味しいんだ。カルマは別のものみたいで後でひとくち欲しい。そうして、実験が最後のところまで行き各自の液体の色が変わる。ピンクや赤、オレンジや黄色なんて色から青にまで変わる人もいる。実験が終わり、レポートを記入していると授業が終わる。

 

「お菓子から着色料を取り出す実験はこれで終了!!余ったお菓子は先生が回収しときます!」

 

殺せんせーが自慢の超スピードを使い皆のお菓子を回収して、教卓の上に置く。まさか、生徒の金で買ったお菓子を食べる気かなぁ?

 

「給料日前だから授業でおやつを調達してやがる。あれ買ったの俺らだぞ」

 

「地球を滅ぼすやつがなんで給料で暮らしてんのよ」

 

そんな話をしていたら三つ編みの女の子。奥田さんが何か緊張したような様子で殺せんせーの前に歩いていく。

 

「あ、あの、先生・・・毒です!飲んでください!!」

 

えぇ・・・・まさかの直球。そんなやり方ある?みんなも転けてるし、先生も固まった。いくら殺せんせーでも飲むわけないと思うんだけど

 

「・・・奥田さん。これはまた正直な暗殺ですねぇ」

 

「あっ・・・あのあの、わ、私みんなみたいに不意打ちとか上手く出来なくて・・・でも、化学なら得意なんで真心込めて作ったんです!」

 

「真心・・・」

 

「いくらなんでも・・・・」

 

みんなも(それを渡して飲むバカはさすがに・・・・)みたいな表情してんじゃん。ほんとにいくら殺せんせーでも飲まないと思うんだけどねぇ

 

「それはそれは、ではいただきます。」

 

((((飲んだ!?))))

 

飲んだ途端、苦しみ始める殺せんせー。今まで1度も聞いたことの無い呻き声を上げながら、体を折り曲げ顔から汗みたいなのが出てくる。

 

「・・・!こ、これは・・・・」

 

─────にゅ

 

なんか、角生えた・・・なに?なんなん?なんで角生えたの?

 

「この味は水酸化ナトリウムですね。人間が飲めば有害ですが先生には効きませんねぇ」

 

「・・・そうですか」

 

「あと2本あるんですね、それでは」

 

「うっ・・・うぐぁっ・・・・・ぐぐぐ・・・」

 

──────バサッ

 

((((今度は羽生えた!?))))

 

((((無駄に豪華な顔になってきたぞ))))

 

「酢酸タリウムの味ですね。では、最後の1本」

 

「にゅっ・・・ぐぁっ・・・・・ううっ・・」

 

((((どうなる!?最後はどうなるんだ!?))))

 

───────スンッ

 

((((真顔になった・・・))))

((((変化の法則性が読めねーよ!!!!))))

 

「王水ですねぇ、どれも先生の表情を変える程度です。」

 

「・・・はい」

 

「てから先生顔薄っ!」

 

「顔文字みてーだな!!」

 

「先生のことは嫌いでも暗殺のことは嫌いにならないでください」

 

「いきなりどうした!?」

 

毒薬を飲んで苦しむのはともかく表情を変える程度って何?それも王水みたいなのならともかく、羽が生えたりツノが生えたりするのは表情が変わった範囲なの!?

 

「それとね、奥田さん。生徒1人で毒を作るのは安全管理上見過ごせませんよ。」

 

「・・・はい、すみませんでした・・・」

 

「放課後時間があるのなら、一緒に先生を殺す毒薬を研究しましょう。」

 

「・・・は、はい!」

 

いや、騙されてるんじゃないのかなぁ?あれ。ターゲットがわざわざそんなことするとは思えないし、バレないように自分が有利になるようにするでしょ普通。

 

「ねぇ、葵?どうなると思う?」

 

「......良、い...結果...」

 

「だよね〜 後で成果聞いてみる?」

 

 

 

 

次の日、奥田さんが嬉しそうにフラスコに入ったいかにも怪しそうな液体を持って登校してきた。

アレが例の毒薬?ないと思うけどなぁ。渚ちゃんや茅野ちゃん、杉野くんが成果を聞く為に奥田さんの元に集まる。ボクとカルマはそれを席を1つ2つ離れたところで見ていた。

 

「・・・で、その毒薬を作って来いって言われたんだ」

 

「はい!理論上ではこれが一番効果あるって!」

 

「毒物の正しい管理法まで漫画にしてある。相変わらず殺せんせー手厚いなぁ」

 

「きっと、私を応援してくれてるんです。国語なんてわからなくても私の長所を伸ばせばいいって」

 

裏切られたと思うんだろうねぇ、殺せんせーの真意に気が付かないから。ここで引き停めれば暗殺確率は上がるだろうけどそれでは意味が無い。奥田さんが体感するしかない。国語がどれだけ大切なのか。言葉がどれほどの武器なのか。

「あ、来たよ。渡してくれば?」

 

「はい!!・・・先生、これ・・・」

 

「流石です・・・では早速いただきます。」

 

クラス全員が毒物による殺せんせーの変化を見ていたから、今回の奥田さんが作った毒物でどう変化するのか楽しみそうに待っている。今回はどうなるんかなぁ。あのせんせーが自分に不利になるようなものは作らせないと思うけどね。

 

「・・・ヌルフフフフフありがとう奥田さん。君の薬のおかげで先生は新たなステージへ進めそうです。」

 

「・・・えっそれってどういう・・・・」

 

唐突に殺せんせーになんかやばそうなオーラを纏い始め、変化を始める。あの、毒液を飲み込んだ直後はかなり苦しんでる様な感じで呻き声を上げながら悶えていたのに少し経つと笑みを浮かべ始めた。

 

「グォォォォォ!!!!」

 

「「「「うわぁっ!!!」」」」

 

 

殺せんせーを中心にとてつもない衝撃と風が放射状に襲ってくる。完全に気を抜いていた為、ちょっと後ろに押され下がる。目も開けられられないだろうけどカルマが動いたボクに気が付き回収してくれる。完全に気を抜いていたとは言えボクが動いたって事は最前に居た奥田さんとか結構やばくない?皆、腕で顔を覆いながら衝撃に耐える。衝撃と風が落ち着いた時には

 

 

 

 

───────ふぅ・・・

 

 

 

((((溶けた!?))))

 

教卓の上には溶けた殺せんせーがべちゃぁとなっていた。なんか、某はぐれ何とかみたい。はぐれ殺せんせーとでも言えばいいのかな?溶けた先生が一息ついていた。

 

「君に作ってもらったのはね、先生の細胞を活性化させて流動性を増す薬なのです。」

 

────シャッ

 

教卓から溢れ始めたと思いきやいつも通りのスピードで片岡ちゃんの机の中にスポッと入っていった。

 

「液状ゆえにどんな隙間でも入り込む事が可能に!!」

 

「......入った...」

 

何時もの3m近くある身長では入れない場所である机の引き出しの中に収まった殺せんせー。ボクのカーディガンの中に触手を突っ込んだ事もあったし、片岡ちゃんの机の中に収まったし、殺せんせーってかなり犯罪に近いことしてるよね。通報されたら危ないと思うけど。

 

「しかも、スピードはそのままに!!さぁ殺ってみなさい!」

 

「ちょっ・・・無理無理これ無理!!床とか天井に潜り込まれちゃ狙いよう無いって!!」

 

「なんだこのはぐれ先生!!」

 

次の瞬間、殺せんせーが教室中を液状の身体のまま飛び回り、跳ね回り始める。みんな急いでハンドガンを取りだし、構えて狙おうとするけどいつも以上に的が小さいから狙いづらいし狭い所にも入り込んで来るから誰も撃てずに立ち往生している。そんな中、茅野ちゃんが奥田さんの元に行き質問を投げかける。

 

「奥田さん・・・先生あの薬、毒って言ったんだよね」

 

「だっ・・・だましたんですか殺せんせー!?」

 

「奥田さん。暗殺には人を騙す国語力も必要ですよ」

 

「えっ・・・」

 

天井の隅に集まった殺せんせーが頭だけ出してニヤリと笑う。殺せんせーは、わかってたんだろうなぁ。奥田さんが騙されて液状化する薬を作ることも、狙われて撃たれてもいつも以上に避けやすいことも。

 

「どんなに優れた毒を作れても・・・今回のようにバカ正直に渡したのでは、暗殺対象に利用されて終わりです。渚君、君が先生に毒を盛るならどうしますか?」

 

「え・・・うーん、先生の好きな甘いジュースで毒を割って・・・特製手作りジュースだと言って渡す・・・とかかな」

 

壁にくっ付いたまま渚ちゃんに毒の盛り方に付いて質問する殺せんせー。渚ちゃんの意見の様にやっぱり毒を盛るなら国語力は必要なんだろう。いや、毒を盛るだけじゃない。普通に何をするにしても国語は必須なんだけどね。そしてそのまま自分の脱いだアカデミックドレスの所まで戻ってから言葉を繋げていく。

 

「そう、人を騙すには相手の気持ちを知る必要がある。言葉に工夫する必要がある。上手な毒の盛り方、それに必要なのが国語力です。君の理科の才能は将来皆の役に立てます。それを多くの人にわかりやすく伝えるために・・・毒を渡す国語力も鍛えて下さい。」

 

「は・・・はい!!」

 

「あっはは、やっぱり暗殺以前の問題だね〜」

 

「ん...以前.......」

 

渚side

 

殺せんせーの力の前では・・・猛毒を持った生徒でもただの生徒になってしまう。まだまだ・・・先生の命に迫れる生徒は出そうにないや。それにしても、何時になったらあの二人は恋人である事を言うのかな?一応二人に合わせて僕も言わないようにしているけど、僕がこのクラスで一番仲いいからなんだろうね、皆が揃って僕に聞いてくる。そろそろ限界に近いんだけど。

 

烏間side

 

「・・・・・・しかしながら本部長、それは生徒たちに不安を与えはしないでしょうか」

 

『烏間君、君は生徒の不安と地球の不安どっちが優先だ』

 

本部から送り込まれる暗殺者の情報を聞き、確認の為に連絡をしたが生徒たちのことは何も考えていないのか?地球が大事なのはわかるが、いくらなんでも生徒たちを蔑ろにしてるのではないか?

 

『国の決定だ。もとより素人の子供達に殺れるとは思っておらん』

 

「・・・それで、その人物はどのような」

 

『手練だよ。世界各国で11件の仕事の実績がある。正真正銘・・・プロの暗殺者を送り込む』

 




「表情....」

「殺せんせーの表情もメモしとかないとね」

「っ...!」

「そんなキラキラとした目で僕を見ないで・・・」

「頑張れー渚君」


悩みの話数調整。多分文字数しだいで決まるんで割とぐちゃぐちゃになると思うんですよね。


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胸の時間

はいどうも、澪です。ストックが遂に底をつきました。一応ビッチ先生の暗殺前辺りまでは書いてるんですが正味、明日はどうにかできてもあさっていこうのめどがたっていないんですよね。普通に困ってますw


「もう5月かぁ、早いね1ヶ月」

 

渚ちゃんが教室の黒板に日付を書いてるところを見た茅野ちゃんがそう呟く。確かに、ボク達がこのE組に来てから約半月がたっている。毎日が濃いから普通に忘れていたけど・・・。けど、あの時からあんまり触手取れていないんだよねぇ。まぁカルマとイタズラしたり、茅野ちゃんや片岡ちゃん辺りと何度か遊びに行ったりしてるから、ちゃんと学生らしいこともしてるからいいと思うんだけど。

 

 

 

「・・・今日から来た外国語の臨時講師を紹介する」

 

「イリーナ・イェラビッチと申します。皆さんよろしく!!」

 

朝のホームルームが始まり、珍しく普段は来ない殺せんせーが烏間先生と一緒に入ってきた。けど、知らない銀髪の女の人を連れて。あの人は誰なんだろ?その人は金髪の肩下ぐらいのロングヘアでものすごい美人の上、出るところは出るけど締まってるところは締まってるとか言う喧嘩売ってるようなグラマラスな体型の人。そんな人が殺せんせーにべったりで、目にはハートが浮かんでるように見える。絶対趣味が悪いよ。あの人。あんな、タコ体型を好きになるなんて可哀想。そんなことを思ってたら、烏間先生が見てられんって感じで紹介を続ける。

 

「・・・そいつは若干特殊な体付きだから気にしないでやってくれ」

 

「ヅラです」

 

「構いません!!」

 

ヅラだろうなぁとは思ってたけど、やっぱりかぁ。ヅラしてたってことはあれかな?何か買い物でもしてたのかな。さすがに殺せんせーも何もなしで買い物に行くほど馬鹿ではないだろうし。ってことは、多分あの趣味悪お姉さんはヅラしてない殺せんせーに会ってないわけだ。

 

「本格的な外国語に触れさせたいとの学校の(・・・)意向だ。英語の半分は彼女の受け持ちで文句無いな?」

 

「・・・仕方ありませんねぇ」

 

なんだろう、あんまり残念がってないように見える。むしろイリーナさんに気が向きすぎてる気がする。殺せんせーって、感情とか文字通り顔に出るけど今のところ何も出てないよね?変わるならかなり気になるんだけど。

 

「・・・なんか、すごい先生来たね。しかも殺せんせーにすごく好意があるっぽいし」

 

「・・・うん。でも、これは暗殺のヒントになるかもよ。タコ型生物の殺せんせーが・・・人間の女の人にベタベタされても戸惑うだけだ。」

 

渚ちゃんがいつも殺せんせーの弱点を纏めてるメモ帳を取り出して書く準備をする。

 

「いつも独特の顔色を見せる殺せんせーが・・・戸惑う時はどんな顔か?」

 

皆が殺せんせーの顔の変化に注目するなか、殺せんせーはイリーナさんの豊満な胸を凝視して顔をピンク色に染めていた。

 

((((普通にデレデレじゃねーか!))))

 

「・・・なんのひねりも無い顔だね」

 

「・・・うん、人間もありなんだ」

 

「・・・そういや、秋月さんが殺せんせーのエロ本公開してたな。インパクトありすぎて忘れてたけど」

 

確かによくよく考えたら、殺せんせーエロ本読んでるし人も行けるってのは想像が着くんだけどそれ以上に、ほんとにあそこまでわかりやすいなんのひねりも無い顔をするんだって事。もう少し隠す努力とかしないのかな?どう考えてもバレてると思うけど。

 

「ああ・・・見れば見るほど素敵ですわぁ。その正露丸みたいなつぶらな瞳。曖昧な間接。私、虜になってしまいそう」

 

「いやぁお恥ずかしい」

 

((((騙されないで殺せんせー!!そこ(・・)がツボな女なんて居ないから!!))))

 

普通なら、かなり趣味の悪い外人の女教師が来た。としか思わないだろうけど、ボク達はそこまで鈍い訳では無い。この時期にこのクラスにやって来る先生。結構な確率でただものでは無い。まぁ普通に考えて殺し屋だろうねぇ。それも、ハニトラしてくるタイプじゃないの?じゃなきゃあんなのしないでしょ。

 

授業間の休みに岡野ちゃんや渚ちゃん等クラスの大半が殺せんせーを中心にボールを貰った人が暗殺を仕掛けて行きながら鳥かごのようにやるサッカーをしているのをグラウンドの端でカルマの足の間に収まりながら見ている。

 

「...やら、ない.....?」

 

「ん、今はいいかなぁ。別にいつでも出来るし、あの人の方が面白そうだし。」

 

「たし、かに.....」

 

「あはは、何それ」

 

両手でピースしてカニの爪を再現しながら返事をしていたら校舎の方からイリーナさんが殺せんせーに駆け寄ってきた。その為にサッカーは中止となる。皆は2人のやり取りに注目し始める。

 

「殺せんせー!烏間先生から聞きましたわ。すっごく足がお速いんですって?」

 

「いやぁそれほどでもないですねぇ」

 

「お願いがあるの。1度本場のベトナムコーヒー飲んでみたくて、私が英語を教えてる間に買ってきて下さらない?」

 

「お安い御用です。ベトナムに良い店を知ってますから」

 

そう言って殺せんせーはすごい風を起こしながら一瞬で空を飛び始めた。まさか本当にベトナムにコーヒーを買いに行ったのかな。マッハ20なら、確かにベトナムなら昼休みから5時間目の途中ぐらいまでには買って戻って来れると思うけど。

 

「・・・で、えーと、イリーナ・・・先生?授業始まるし教室戻ります?」

 

さっきまで殺せんせーに向けてた態度とは一変、唐突に冷たい雰囲気と鋭い目付きでこっちを見始めた。タバコに火をつけて一服したら、煙を吐きながらだるそうにしながら話し始めた。ボクとカルマは面白そうな気配を感じ取り、おもむろに立ち上がりイリーナさんやみんながいるグラウンドの方に歩いていく。

 

「授業?・・・ああ、各自適当に自習でもしてなさい。それと、ファーストネームで気安く呼ぶのやめてくれる?あのタコの前以外では先生を演じるつもりもないし「イェラビッチお姉様」と呼びなさい」

 

「・・・・・・」

 

皆は威圧感と言うか戸惑いなのか何も言えない中ボク達はアイコンタクトで弄り方を確認する。ん、やっぱり弄るならそうやるよね。だって本人がそう呼んで欲しいって言ってたし、まさにそれだし。ボク達はタイミングを合わせてこう言う。

 

「で、どーすんの?ビッチねぇさん」

「.....ビッチ姉様...」

 

「略すな!」

 

まぁ、普通にこれしかないよね。ちなみにイリーナさんの苗字であるイェラビッチのビッチは東欧のスラブ系で「〜の子」を意味する「Vic」なんだけど、ボクとカルマはそれをわかってる上で「やらしい女、雌犬」みたいな意味を持つ「Bitch」の方を使っている。あの人、プライド高いから絶対腹立ってると思う。サイコーだね。

 

「・・・やっぱり、あの2人はやるよね」

 

「・・・分かってたけど、あの二人敵に回したくねぇ」

 

「・・・それにアレ絶対偶然じゃねぇよ。言う前に見つめ合ってたし」

 

周りがなんか言ってるけど無視。そりゃ、わざとに決まってる。あんなにも面白そうな人を放置するわけが無いでしょ。そして、カルマが続けてなにか言おうとしてる。

 

「あんた殺し屋なんでしょ?クラス総掛かりで殺せないモンスター。ビッチねぇさん1人で殺れんの?」

 

「・・・ガキが。大人にはね、大人の殺り方があるのよ。潮田渚ってあんたよね?」

 

「・・・?」

 

唐突に渚ちゃんの名を呼ぶと渚ちゃんの元に近づき、顔に手を当て・・・

 

「なっ・・・!!?」

 

「おっ...?」

 

「おぉー、凄いね。葵もやってよ。」

 

 

──そのままキスをする。カルマが何か言ってきたけど、無視してキスされている渚ちゃんを見る。

 

──10hit

───20hit

────30hit

 

ビッチ姉様が唇を離した時には渚ちゃんがぐったりとしていた。えぇ...キスを武器にするとかやっぱりビッチじゃん。やらしい女め。茅野ちゃんは顔真っ赤にしてるし、カルマはボクにさせたいのかどう陥れるかなんて恐ろしいことを言ってる。一瞬にしてカオスな状況に陥った。

 

「後で教員室にいらっしゃい。あんたが調べた奴の情報聞いてみたいわ。ま・・・強制的に話させる方法なんていくらでもあるけどね。その他も!!有力な情報を持ってる子は話に来なさい!良い事してあげるわよ。女子にはオトコだって貸してあげるし。技術も人脈も全て有るのがプロの仕事よ。ガキは外野で大人しく拝んでなさい。」

 

校舎に続く道からこっちに来た3人の男の人を従えて、ビッチ姉様は言いたい事をいい切った後男の1人から小銃を受け取り、殺気を出して来る。

 

「あと、少しでも私の暗殺の邪魔をしたら殺すわよ」

 

そして、男達を連れて殺せんせーの暗殺計画を練り始めた。渚ちゃんを気絶させるほど上手いキス。従えてきた強そうな男達。「殺す」と言う言葉の重み。全員はビッチ姉様が本物の殺し屋なのだと実感した。・・・でも、同時にクラスの大半が感じた事。この先生は・・・嫌いだって。

 




明後日から毎日投稿できるか不安で眠れないっすwww 可能な限りは頑張るんでまぁそれなりに期待しててください


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大人の時間

どーも、澪で。まずは遅れてすいません。ちょっとストックを作りつつ書いてたんですけどかなり筆が進まなくて前回ぐらいに言ったと思いますがこっからは毎日ではなく数日置きに投稿したいと思います。


渚side

 

英語の授業。教室に戻ってきてもビッチ先生は教卓に座りiPadを触り授業をする様子は一切ない。皆、新しい先生だし殺し屋だしで、中々くっつきにくいから何も話さないだけで着実に不満は溜まっていくのが事実だ。

こっちを見ているのに気がついて、ふと殺せんせーの弱点について話した時のことを思い出す。

 

「2人で協力して触手を4本破壊できた人はいるけど、その程度じゃ殺せんせーは余裕でした。多分・・・全ての触手を同時に壊す位じゃないと、とどめを刺す前に逃げられます。」

 

壁ドンのような体勢で追い込みながら、タバコを吸って聞いてくるビッチねえさん。確かにこのクスラスで1番メモとって情報を持ってるのは僕だから協力はするけど。

 

「あと・・・闇討ちするならタバコやめた方がいいよ。殺せんせー鼻無いのに鼻良いから」

 

僕と杉野がたけのこの里を食べていたんだけど、殺せんせーが匂いだけで僕達のところまで来てたからね。その上、キノコとタケノコの匂いの違いを嗅ぎ分けてたし。本当に驚いたよね。あんだけ、嬉しくない壁ドンもないよね。そんなことを思ってたら、みんながしびれを切らしてきた。

 

「なー、ビッチねえさん。授業してくれよー」

 

「そーだよ、ビッチねえさん」

 

「一応ここじゃ先生なんだろビッチねえさん」

 

「あー!!!!ビッチビッチうるさいわね!!!まず、正確な発音が違う!!あんたら日本人はBとVの区別もつかないのね!!!正しいVの発音を教えてあげるわ、まず歯で下唇を軽く噛む!!ほら!!・・・そう、そのまま1時間過ごしてれば静かでいいわ」

 

((((・・・何だこの授業!?))))

 

やっとまともな授業をすると思いビッチ先生の発言に従って下唇を軽く噛むが、ビッチ先生はまたiPadを触り始め授業をすることはなかった。

 

澪side

 

───パァンッ!!

 

5時間目は烏間先生による体育の時間。今日は動かない殺せんせー型の的での射撃訓練。みんな、烏間先生の監督の元順番に撃っている。

ん、やっぱりこっちの方が楽。ボクに体力がないのはわかってるから射撃時の衝撃を殺したり受け流すだけで済むからやりやすい。近距離遠距離両方できるけど、近距離はカルマに任せてサポートに徹してたい。勿論、近接サポートもするけどさ。そんなことを思いながら順番を待ってると、倉庫の方を見ていた三村くんが何かに気がついたようで声を上げる。

 

「・・・おいおい、マジか。2人で倉庫にしけこんでいくぜ。」

 

「・・・なーんか、ガッカリだな。殺せんせー。あんな見え見えの女に引っかかって」

 

「・・・」

 

「・・・烏間先生。私達・・・・・・あの女の事好きになれません」

 

片岡ちゃんがボクらの意見を代表して烏間先生に伝える。まぁ無理もないよね、まともに自分の役割も果たさないのに高飛車な言動が続けば嫌にもなる。

 

「・・・すまない。プロの彼女に一任しろとの国の指示でな。だが、わずか一日で全ての準備を整える手際。殺し屋として一流なのは確かだろう。」

 

そんな感じの会話をしていたらビッチ姉様と殺せんせーが入っていった倉庫の方から突然、凄まじしい銃声音が響き始める。皆、急いで倉庫の方を見るが授業も終わりかけだったから烏間先生は何か言うことも無くボク達と同じように見ていた。

 

「な、なに!?」

 

「これって銃声?」

 

「...実弾.....?」

 

ボク達に支給されている武器である、対先生BB弾とエアガン。防衛省の人たちはこれならダメージを与えられるって言ってたってことは、実弾とかは効かない可能性が高いor効かないってことでしょ?いや、ボク達学生に実弾なんて触らせられるか!みたいなことなら話は別だけど、効かないなら実弾を使ってるビッチ姉様って無駄足なの知らないんだね。プロである自分の常識を信じすぎた...ってやつかな?

 

「いやぁぁぁぁぁあぁ!!!」

 

───ヌルヌルヌルヌルヌル

 

「な、何!?」

 

「銃声の次は鋭い悲鳴とヌルヌル音が!!」

 

「いやぁぁぁぁ...」

 

───ヌルヌルヌルヌル

 

「いや...ぁ...」

 

───ヌルヌルヌルヌルヌル

 

「めっちゃ執拗にヌルヌルされてるぞ!!」

 

「行ってみよう!!」

 

皆、暗殺の結果や謎のヌルヌル音が気になるだけじゃなく男子学生だからか走りながら、2人が入っていった倉庫の方に行く。ちょうど倉庫の扉が開かれて殺せんせーが出てきた。

 

「殺せんせー!!」

 

「おっぱいは?」

 

「いやぁ・・・もう少し楽しみたかったのですが、皆さんとの授業の方が楽しみですから。6時間目の小テストは手強いですよぉ」

 

最初はピンク色でデレデレしていた殺せんせーの顔色が、ボク達と話している間に少しづついつも通りの黄色に戻っていく。ん?殺せんせーのアカデミックドレスがボロボロになっている。縫いたい...ちょっと気になる。あ、そういやビッチ姉様はどうしたんだろ。あんなにヌルヌルされてたわけだし。そしたら、倉庫の中からゆっくりと、そしてフラフラしながらビッチ姉様が出てきた。その服装は今は見ないようなブルマを履いていた。

 

((((健康的でレトロな服にされている!!))))

 

「まさか・・・わずか1分であんな事されるなんて・・・肩と腰の凝りをほぐされて、オイルと小顔とリンパのマッサージされて・・・早着替えさせられて・・・・・・その上まさか・・・触手とヌルヌルであんな事を・・・」

 

((((どんなことだ!!?))))

 

「殺せんせー何したの?」

 

「さぁねぇ、大人には大人の手入れがありますから」

 

「「「悪い大人の顔だ!」」」

 

「さ、教室に戻りますよ」

 

「「「はーい」」」

 

殺せんせーが何をしたか渚ちゃんが聞くと上手いことにはぐらかされ殺せんせーは教室に戻ることを促す。ボク達はそれはそれでいいけどビッチ姉様にとっては、死ぬ程ストレスになりそうだなって思ったよね。

 




この次のプロの時間はもう出来上がるので、ストックとして取っときたいですねw ストックが溜まっていれば毎日のように投稿もできるんで。まぁなんにせよ、気軽にお待ちいただけるとありがたいです!


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プロの時間

どーも、澪です。まずは更新遅れてすいません!原神にハマり人生ぐちゃぐちゃになりそうってレベルまで行ってました 今後も3日に1話程度になりますがよろしくお願いします!


───タンッ、タンッ、タンッ

 

相も変わらず黒板には自習と殴り書きされ、ビッチ先生がiPadを苛立たしげに叩く音が静かな教室に響いていた。ああ、予想通りめっちゃストレスだったみたいだね。

 

「あはぁ、必死だね。ビッチねえさん。あんな事(・・・・)されちゃプライドズタズタだろうね〜」

 

「......笑える...カルマ......?」

 

「あはは、気になるだけだよ」

 

「...普通....?」

 

カルマにさっきの渚ちゃんに対してビッチ姉様がキスした時のやってよ。って発言についてされたいのかと聞いたら気になると言われ普通のならすると話してたら、ビッチ姉様はこっちを睨んでくるような目で見てきた。その瞬間を磯貝君が見逃すことなくビッチ姉様に声をかける。

 

「先生」

 

「・・・何よ」

 

「授業してくれないなら殺せんせーと交代してくれませんか?一応俺ら、今年受験なんで」

 

「はん!あの凶悪生物に教わりたいの?地球の危機と受験を比べられるなんて・・・ガキは平和でいいわね〜。それに聞けばあんた達E組って・・・この学校では落ちこぼれだそうじゃない。勉強なんて今さらしても、意味無いでしょ」

 

その発言にみんな反応する。確かにボク達はこの学校では落ちこぼれかもしれないけど、少なくともそれはこの学校ではの話だ。普通に他校なら優秀だったりするしボクとカルマのように成績自体は優秀だってのも有る。一人一人自分の将来を考えて進みたい道を考えてる。それをね、勝手に役目放棄した阿婆擦れなんかに否定されるってのは喧嘩を売ってきたと捉えても問題は無いはず。

 

「そうだ!!じゃあこうしましょ、私が暗殺に成功したら一人五百万円分けてあげる!!無駄な勉強するよりずっと有益でしょ。だから黙って私に従い・・・」

 

───ビシッ

 

言葉を遮るように消しゴムがビッチ姉様の顔の横を通り過ぎ、黒板に当たりそのまま跳ね返り教卓の上に落ちる。そこでビッチ姉様は気がついたんだろう。E組の怒りが限界を迎えていたことを。

 

「・・・出てけよ」

 

「出てけくそビッチ!!」

 

「殺せんせーと変わってよ!!」

 

「なっ・・・何よあんた達その態度っ!殺すわよ!?」

 

「上等だよ殺ってみろ!!コラァ!!」

 

「そーだそーだ!巨乳なんて要らない!!」

 

茅野ちゃんだけ主張が違うし、巨乳は要らないってなるとボクそれなりに大きいから出ていかなきゃ行けないんだけど。カルマに押し当てて弄って遊んだりできるから、ボクとしては嫌いじゃないんだけどね。でもまぁ、みんなの意見は一致していた。このままなら教師として認めないって。

 

 

 

 

休憩時間に皆は烏間先生から教わったトレーニングである暗殺バドミントンをやっていた。なんでも、動く目標に正確にナイフを当てる練習であるとか。実際、これやるとわかるけど普通のバドミントンよりも難しい。シャトル替わりの殺せんせーデザインのボールはシャトルよりは大きいから当てやすいと思うかもしれないけど、ナイフは小さいから当てずらくボールもどこに行くのか分かりずらい。お、ちょうど杉野くんが刺突で点を決めた。

 

「暗殺対象と教師、暗殺者と生徒。あの怪物のせいで生まれたこの奇妙な教室では・・・誰もが2つの立場を両立している。お前はプロである事を強調するが、もし暗殺者と教師を両立できないならここではプロとして最も劣るという事だ。」

 

ああ、これは烏間先生によるお説教かな?ボクは少し離れたところにいたから聞こえたけど、多分彼らは聞こえてないでしょう。さ、バレないように教室に戻っとこう。

 

 

 

皆、教室に戻り集まって喋っているとヒールのカツカツと言うべきかなぁ?なんかヒール特有の音が廊下から響いてきた。この旧校舎でヒールなんてものを履くのはビッチ姉様しかいないから皆誰が来たかわかり少し構える。ガラリと扉を開いたビッチ姉様がボク達を見ることも無く黒板になにか英文を描き始める。えーっと?You are incredible in bed?・・・なんてものを書くんだこのビッチは。

 

「You are incredible in bed.repeat !ホラ!!」

 

「「「・・・ユ、ユーアーインクレディブルインベッド」」」

 

ボクが意味に引いていたらビッチ姉様はみんなに言わせようとする。皆は唖然としながら席について渋々繰り返すとビッチ姉様はその英文の意味を解説し始める。

 

「アメリカでとあるVIPを暗殺した時、まずそいつのボディーガードに色仕掛けで接近したわ。その時彼が私に行った言葉よ。意味は・・・「ベッドでの君はスゴイよ・・・♡」」

 

((((中学生になんて文章読ませてんだよ!!))))

 

そう、このビッチは中学生にそんな文章を読ませたのだ。周りを見れば顔を赤くした人や顔を赤くしたと思いきや青くしてる人もいる。まぁ意味通じちゃうよね。いくらなんでもそれは無いと思うんだよねぇ。確かに外国語を勉強したければ恋人を作るのがいいとか言うけど。

 

「外国語を短い時間で習得するにはその国の恋人を作るのが手っ取り早いと言われるわ。相手の気持ちをよく知りたいから、必死で言葉を理解しようとするのよね。私は仕事上必要な時・・・その方法で新たな言語をみにつけてきた。だから、私の授業では・・・外人の口説き方を教えてあげる。プロの暗殺者直伝の仲良くなるコツ、身につければ実際に外人と会った時に必ず役に立つわ。」

 

「外人と・・・」

 

「受験に必要な勉強なんてあのタコに教わりなさい。私が教えられるのはあくまで実践的な会話術だけ。もし・・・それでもあんた達が私を先生と思えなかったら、その時は暗殺を諦めて出ていくわ・・・そ、それなら文句無いでしょ?・・・あと悪かったわよいろいろ」

 

「「「・・・・・・、あははははっ!」」」

 

態度が急変したビッチ姉様を見て、みんな耐えきれずに笑い出す。ボクはさっきの烏間先生との話を少し聞いてたからわかるけど、皆は殺すとか言ってたのに唐突に態度が変わったように感じたんだろう。

 

「何、ビクビクしてんだよ。さっきまで殺すとか言ってたくせに」

 

「なんか、普通に先生になっちゃったな」

 

「もうビッチねえさんなんて呼べないね」

 

「・・・!!あんた達・・・わかってくれたのね」

 

自分が認められたことを嬉しそうにし、少し涙を瞳に浮かべながら口を手で押えながらボク達の話を聞くビッチ姉様。けど、そんな感動で終わることがないのがボク達E組である。

 

「考えてみりゃ、先生に向かって失礼な呼び方だったよね」

 

「うん、呼び方変えないとね」

 

「じゃ、ビッチ先生で」

 

「えっ・・・と、ねぇキミ達せっかくだからビッチから離れてみない?ホラ、気安くファーストネームで呼んでくれても構わないのよ」

 

「でもなぁ、もうすっかりビッチで固定されちゃったし」

 

「うん、イリーナ先生よりビッチ先生の方がしっくりくるよ」

 

「そんな訳でよろしくビッチ先生!!」

 

「授業始めようぜビッチ先生!!」

 

「キーッ!!やっぱりキライよあんた達!!」

 




「ビッチ...先生......」

「何よっ!ん?あんた発音出来てるのね。」

「あん、な...キス......どうや、るの...?」

「誰かしたい相手でも居るの?まぁいいわ、気になるなら教えてあげる」

「実習は...いい、けど...とりあ、えず.....教、えて......」


前書きにも書きましたけど、原神面白いんですよ。グラフィックもかなり綺麗で、ストーリーも面白い。まぁ、ニーアとかブレスオブザワイルドのパクリとは言われてますけども。そーいうの気にしない人なら普通に楽しく出来ると思いますよ。ただまぁ、コンボとか少ないのとレベリングが面倒臭いってところはありますけど、まだ許容は出来ますしね。なんにせよ、1度やって見ることをおすすめします


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支配者の時間

どーも、澪です。まずは、UAが1000件超えてました。ありがとうございます。最近、の話がかなり文字数減ってきて読み応えがなくなってきたような気がするのが悩みです。さすがにスランプとかって訳じゃないと思いますが


葵side

 

今日も今日とて晴天の良い日の朝。

授業が始まった最中、ボク達の目の前には・・・

 

「「「さて、始めましょうか」」」

 

 

 

 

((((・・・何を?))))

 

ボク達の目の前では大量の殺せんせーが立ってきた。いや、全部が実態って訳じゃなくて残像なのがよく見るとわかる。だから、殺せんせーがプラナリアのように分裂した訳じゃなくて高速で移動をして、できた分身なんだろうけど。あと、仕方が無いとはいえ五月蝿い。

 

「学校の中間テストが迫ってきました。」

「そうそう。」

「そんな訳でこの時間は、」

「高速強化テスト勉強をおこないます。」

 

「わっ!」

 

「先生の分身が1人ずつマンツーマンで」

「それぞれの苦手科目を徹底して復習します。」

 

へぇ、だからボク達27人の前に殺せんせーの分身が1人ずつ着いてる訳なんだ。あ、だからこの殺せんせー達は頭にハチマキをしてるわけなのね。てか、ボクはあんまり苦手かどうか分かりずらい点数だと思うけど、ボクの前にいるのは数って書いてあるハチマキをしている。どうして苦手科目がわかったんだろ。

 

「下らね・・・ご丁寧に教科別にハチマキとか・・・って何で俺だけNARUTOなんだよ!!」

 

「寺坂君は特別コースです。苦手科目が複数ありますからねぇ」

 

渚ちゃんから聞いたけど、殺せんせーってちょっと前まで3人ぐらいしか分身できなかったんでしょ?なのに今は、国語6人数学9人社会3人理科4人英語4人NARUTO1人。どんどん早くなっていってると思う。

 

ちらっとカルマのほうを見るとカルマが殺せんせーにバレないようにナイフを持ってるのが見えた。これはカルマに手伝うしかないよね。わかりやすいとはいえちょっと飽きてたし。ボクは左手でナイフを持ちカルマと同じタイミングで殺せんせーの顔の左側を目掛けてナイフを突き刺す。

 

「うわっ!!」

 

「急に暗殺しないでくださいカルマ君、秋月さん!!それ避けると残像が全部乱れるんです!!」

 

殺せんせーの顔がぐにゅんっと歪み瓢箪のような形になる。それを見た渚ちゃんが驚きの声をあげるが、それ以上にボクは笑いをこらえるのが大変なんだ。これから殺せんせーをひょっこりひょうたん先生と呼ぶのもやぶさかではない程に。

 

「意外と繊細なんだこの分身。でもこんなに分身して体力もつの?」

 

「ご心配なく。一体外で休憩させていますから」

 

「それむしろ疲れない!?」

 

この先生はテストを控えた生徒にとっては心強い先生だね。

 

 

 

 

さは

 

授業も全て終わり、放課後になり帰ろうとするけどカルマが先に一人で帰っちゃったから渚ちゃん捕まえて帰ろうと思って校舎の中を歩き回る。

 

「...帰ろ......?」

 

「葵ちゃん、静かに」

 

「ん...」

 

教員室の方に見ると烏間先生とビッチ先生、殺せんせーに理事長が何か言っていた。烏間先生とビッチ先生2人の言葉を聞いた瞬間殺せんせーがお茶を入れたり肩揉んだりと、すっごく下手に出てた。それを渚ちゃんは見ていたのかボクの方に人差し指を口に当て静かにするように伝えながらこっちに来るように反対の手でジェスチャーをしていた。

 

「率直にいえば、ここE組はこのまま(・・・・)でなくては困ります」

 

「・・・このままと言いますと成績も待遇も最底辺という今の状態を?」

 

「・・・はい。働き蟻の法則を知っていますか?どんな集団でも20%は怠け、20%は働き、残り60%は平均的になる法則。私が目指すのは5%の怠け者と95%の働き者がいる集団です。

 

──「E組のようにはなりたくない」──

 

──「E組だけは行きたくない」──

 

95%の生徒がそう強く思う事で・・・この理想的な比率は達成出来る。」

 

 

本当に合理的だ。ボク達を生け贄にD組以上は頑張ろうと思える。だけど、ボク達のことを何も考えていない。ボク達だって、3年の中で最下位って訳じゃない。だってボクとカルマは今までずっと学年上位の成績を取ってたし。

 

「・・・なるほど合理的です。それで5%のE組は弱くて惨めでないと困ると。」

 

「今日、D組の担任から苦情が来まして「うちの生徒がE組の生徒からすごい目で睨まれた」「殺すぞ」脅されたとも」

 

ちらっと渚ちゃんの方を見るとなんとも心当たりがあるような表情をしていた。もしかして渚ちゃんがやったのかなぁって思ってジト目っぽい目で見てたら「うっ・・・」って言う表情をし始めた。

 

「暗殺をしているのだからそんな目つきも身につくでしょう。それはそれで結構。問題は成績底辺の生徒が一般生徒に逆らうこと。それは私の方針では許されない。以後厳しく慎むよう伝えて下さい。・・・殺せんせー、1秒以内に解いて下さいッ!」

 

「え、いきなりッ・・・」

 

理事長がいきなり殺せんせーにかなり複雑な知恵の輪を投げて1秒以内に解けって言っていた。いや、できるのかなぁ?いつも通りものすごいスピードで殺せんせーは解き始めるけど

 

((なんてザマだ!))

 

触手どうしや触手と舌、首にも絡まっていったいどうやったらそうなるのか聞きたくなるようなことになっていた。ボク達は呆れていたけど、ふと何か嫌な感じがする。

 

「...行こう.....」

 

「えっ?」

 

「...嫌、な感...じ......」

 

「う、うん。わかった」

 

多分、あのままいたら暗殺者から一瞬で惨めなエンドのE組に引き戻される気がする。わからない、どうやってやるかは。けど、引き戻されたらダメ。渚ちゃん達はようやく暗殺者としての自分たちを確立できたから。ボク達はそのまま、校舎を出る。そして、ふと思いついたことを渚ちゃんに言う。

 

「..遊ぼ.....?」

 

「何をして遊ぶの?」

 

「...カルマ......嫉妬......?」

 

「うーんまぁ、気になるしいいよ」

 

「ありが、とう....」

 




この、渚とのカルマ嫉妬させよう作戦とかは余裕があり次第、番外編かなんかで出していきたいと思います。他には2人の手入れ後にクラス女子と遊びに行った話とかも書きたいと思っていますんでそっちに関しては気軽に待っていただけると助かります


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くるくるの時間

どーも、澪です。最近、執筆に時間を回したくても回せれないほど色々作らないと行けなくて遅れました。多分、今後も遅れます。すいません。さて、今回はテスト前までですね

誤字修正のお知らせ
スカートを教さえて→押さえて


葵side

 

「さらに頑張って増えてみました。さぁ、授業開始です」

 

((((増えすぎだろ!!))))

 

殺せんせー増えすぎじゃないかな?昨日のテスト対策では1人につき1人だったのに、今日は生徒1人に対して先生が4人がかりで張り付くように教えていた。人数増やすことに気を回してるのか残像が雑になって、変わらずハチマキはしてるけど某ネズミとか某青タヌキとか違う何かにもなってる。茅野ちゃんがボク達が心の中で思っていたことを代弁してくれる。

 

「・・・どうしたの殺せんせー?なんか気合い入りすぎじゃない?」

 

「んん?そんな事ないですよ?」

 

多分、ボク達が逃げたあの後理事長に何か言われたんだと思う。わからないけど、殺せんせーの特徴であるスピードかなんかに関して煽られたと思う。子供っぽいっていうか負けず嫌いだし、殺せんせーの教育論において理事長は合理的だけど認めがたい人だと思うしね。そうして、4人?4匹?の殺せんせーによる授業を受けていればそのうち授業が終わる。

 

「ぜー・・・ぜー・・・ぜー・・・」

 

「・・・さすがに相当疲れたみたいだな」

 

「なんでここまで一生懸命先生をすんのかねぇ〜」

 

確かに一理ある。見てわかるほどに疲労が溜まる状態まで勉強を教えるなんていくら教師だからとは言えども可笑しいよ。新校舎のあいつらでもそんな事しない。その時点で教員としては凄いけどね。どうせ、殺せんせーのことだしボク達の成績をあげたらその評判を聞いて女子が来るみたいなことでも考えたんじゃないかなぁ?

 

「・・・・・・ヌルフフフ、全ては君たちのテストの点数を上げるためです。そうすれば・・・皆さんは殺す気も失せ、成績が上がるってことを聞き付けた巨乳女子大学生も来るでしょう。そうなれば殺される危険もなくなり先生には良い事ずくめ。」

 

あってたよ!?でも、国家機密だしありえないとは思うけどねぇ。それでもどうにかしそうだねえ。この先生だし。いや、その場合はどうするんだ?さすがに人型では無いのはバレるのはダメだし、ビッチ先生みたいにこう、好きにして♡みたいなやばいひとはいないと思うし。

 

「・・・いや、勉強の方はそれなりでいいよな」

 

「・・・うん。なんたって暗殺すれば賞金百億だし」

 

「「百億あれば成績悪くてもその後の人生バラ色だしさ」」

 

「にゅやっ!そ、そういう考えをしてきますか!?」

 

「俺たちエンドのE組だぜ。殺せんせー」

 

「テストなんかより・・・暗殺の方がよほど身近なチャンスなんだよ」

 

あ、ダメだなぁ〜。その考えは殺せんせー相手にはダメだよ。いや、殺せんせーだけじゃない。普通にダメ。予備プランがないというのはそれだけでマイナス要因になる。成功できるものも出来なくなるほどには。そりゃ、今までのクソみたいな待遇にいればそう思うのも仕方がないけど、苦手なところに目を向けずに甘い汁を吸おうとするなんて賭けにしてもキツくかな。確かにねー、この境遇じゃ『エンドのE組』ってのは根付く。一応、元の教室に戻る方法である50位以内に戻るってのはあるけど、こんな教室じゃ難しい。劣等感を受け入れるしかない。

 

「なるほど、よくわかりました。」

 

「何が?」

 

「今の君たちには・・・暗殺者の資格はありませんねぇ。全員校庭へ出なさい。烏間先生とイリーナ先生も呼んでください。」

 

殺せんせーは一体何をするんだろうか。ただ素直に説教するとは思えないしそれに、校庭でしょ?よくわからないなぁ。なんで考えながらボク達は殺せんせーのことばに従って校庭に行く。

校庭に出ると殺せんせーはゴールや朝礼台を校庭の端に退かし始める。片岡さんがビッチ先生や烏間先生を連れて戻ってきたのを殺せんせーが確認すると作業しながら話をし始めた。ボクとカルマは少し離れた木の下に居る。

 

「何するつもりだよ殺せんせー」

 

「ゴールとかどけたりして」

 

「イリーナ先生、プロの殺し屋として伺いますが」

 

「・・・何よいきなり」

 

「あなたはいつも仕事をする時・・・用意するプランは1つですか?」

 

「・・・?・・・いいえ、本命のプランなんて思った通り行くことの方が少ないわ。不測の事態に備えて・・・予備のプランをより綿密に作っておくのが暗殺の基本よ。ま、あんたの場合は規格外すぎて呼びプランが全て狂ったけど。見てらっしゃい次こそ必ず「無理ですねぇ。では、次に烏間先生」

 

ビッチ先生の言葉を遮りながら烏間先生にも質問をしていく殺せんせー。

「ナイフ術を生徒に教える時・・・重要なのは第一撃だけですか?」

 

「・・・・・・第一撃はもちろん最重要だが、次の動きも大切だ。強敵相手では第一撃は高確率でかわされる。その後の第二撃、第三撃を・・・如何に高精度で繰り出せるかが勝敗をわける」

 

ビッチ先生からは初めからいくつかのプランを用意する。烏間先生からは最初にすべてをかけずにその後をどうしていくかが大切。言いたい事はわからなくないけど、どうすんのかなぁ?伝えたいことを伝えるだけなら別にこっちに出る必要も無いわけだし。

 

「結局何が言いたいん・・・「先生方のおっしゃるように自信の持てる次の手があるから自信に満ちた暗殺者になれる。対して君たちはどうでしょう。」

 

校庭にある障害物となりうるものを全てどかした殺せんせーはその場でクルクルと回り始めた。クルクルと回転は少しづつ早くなっていき、少しずつだんだんと空気の流れが出来ていっていく。

 

「「俺等には暗殺があるからそれでいいや」・・・と考えて勉強の目標を低くしている。それは・・・劣等感の原因から目を背けているだけです。もし、先生がこの教室から逃げ去ったら?もし、他の殺し屋が先に先生を殺したら?暗殺という拠り所を失った君達にはE組の劣等感しか残らない。そんな危うい君達に・・・先生からの警告(アドバイス)です」

 

第二の刃を持たざる者は・・・暗殺者を名乗る資格なし!!

 

殺せんせーの作る空気の流れは、渦を作り始めいつの間にか大きな塊となり、遂には巨大な竜巻となった。あまりの風の強さにまっすぐ前を向くには顔を腕で覆わないといけないし、スカートも抑えないと見えそうになる程大変な目に。てか、これ本校者のヤツらにも見えてるでしょ!?どうするの!?

 

「うわっ...」

 

「よっ、大丈夫?」

 

「ありが...と...」

 

スカートを押さえてたりするのに少し意識を回してたら風によってバランスを崩しそうになったところをカルマが片手でボクのことを支えてくれる。うぅ...そういうのをすっとやる所ホントにずるい...だから、好きになったのもあるんだから.....

 

「・・・校庭に雑草や凸凹が多かったのでね。少し手入れをしときました」

 

殺せんせーが起こした巨大竜巻により吹き荒れた砂埃が落ち着いた頃には雑草だらけで、でこぼこしていた校庭は平になり、いつの間に引いたのか陸上用のトラックの白線が引かれている。それに、心無しか最初に校庭の端にどかしたはずのサッカーゴールの汚れとか錆とかも落ちて綺麗になってる気がする。

 

「先生は地球を消せる超生物。この一帯を平らにするなどたやすい事です。もしも、君達が自信を持てるように第二の刃を示さなければ相手に価する暗殺者はこの教室にはいないと見なし校舎ごと平らにして先生は去ります」

 

「第二の刃・・・いつまでに?」

 

「決まっています。明日です。明日の中間テスト、クラス全員50位以内を取りなさい」

 

「「「!?」」」

 

へぇ、50位以内ね。E組から元のクラスに戻る最低ラインを取れと言うんだね。

 

「君たちの第二の刃は、既に先生が育てています。本校舎の教師達に劣るほど・・・センセイはトロい教え方をしていません」

 

確かにねー、殺せんせーの授業ってのは本校舎のヤツらに劣るほどの質ではない。そりゃ気が付かない内に第二の刃を育てられててもおかしくない。

 

「自信を持ってその刃を振るって来なさい。仕事を成功させ、恥じることなく笑顔で胸を張るのです。・・・自分たちが暗殺者であり、E組である事に!」




「さ、その為にも再開しますよ!」

「...ん」

「やっぱこの教室は面白いね」

「さて、お2人は今回のテスト範囲に関して特に問題はなさそうですし先に行っちゃいましょうか!」

「えー、やるのー?」

「やっときましょうよ!」


さて、次はテスト本番ですね。一応道筋等は決まってきたので時間を見つけ次第頑張っていきますので少しお待ちください


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テストの時間

どーも、澪です。リアルが忙しくて文書き回すモチベが死んでました。すいません。今後も多分モチベが低空飛行だと思うんで気長にお待ちください。それでは!


澪side

 

───コツ、コツ、コツ

 

(・・・クソ、うるせーな大野の奴)

(露骨に集中乱しに来てやんの)

 

「ゲフンゲフン、E組だからってカンニングなどするんじゃないぞ。俺達本校者の教師がしっかり見張ってやるからなー」

 

テスト当日になり、ボク達はテストを受けている。全生徒が本校舎で受ける仕組みになっている。だから、ボク達E組だけはアウェーでの戦いである。それも、監督官である本校舎の教師によるわざとらしい咳払いや指先で教卓を叩きコツコツと音を鳴らせて露骨に集中を乱してくるプレゼント付き。

 

それに、個人的に嫌なのがその監督担当教師がボクとカルマを裏切り死んだ大野であるってこと。別に、見たくないってわけじゃないしボクの席は1番後ろでアイツは1番前だから常に目に入るわけじゃないけどあんなやつ見るぐらいなら殺せんせーでも見ていたいってもの。さて、そろそろ真面目にやろうか。・・・ふぅ、────ッ!!

 

「うわぁ!」

 

「来た来た!!」

 

「ナイフ1本じゃ殺せねーよ!!どーすんだこの「問4」!!」

 

 

テストの問題はまるで今にも飛び掛りこちらを喰らおうとする得体の知れない怪物のような錯覚を覚える。ボクからすればそこまでだけど、問題文が全体的に言い回しが難しく、全く関係のないミスリードも箇所箇所見受けられる。その上、全てを使って難しい公式を使って解くのかと思いきや実際は簡単な公式で解ける。

何度も解いたテストだけど、やっぱりこの学校が進学校であることを再認識させる程の難しさ。

 

周りを見渡せば渚ちゃんや杉野くんが翻弄されている。

 

鉛筆が止まっている。

 

まだまだ、問題はあるのに攻略の取っ掛りが掴めなくて困ってる。

 

みんな、このままだと問題に殺られるって思ってるはず。でも、ボク達の教師はボク達を見捨てない人なのを忘れてるんじゃないかなぁ。少しすればみんな鉛筆が動き始める。いやはや、殺せんせーは本当に教師としては天才だね。

 

解けていく。その先も、その先も、この問題も。皆は殺せんせーに助けてもらいながら食らいついていた。まるで、今までの自分ではないかのように。殺せんせーがマッハで教えてくれてるから。モンスターのヒレを観察して、問題を見極めて繋いでいく。そしてそれを捌く。

 

そして、問11。その瞬間ボクとカルマ以外は全員謎の問題によって叩き伏せられていた。唯一生き残れたボクとカルマは少し戸惑いながらも問題を攻略していく。この範囲は今回のテスト範囲じゃないはず・・・殺せんせーが"その先も!その先も!範囲も終わっていますし!行きましょう!"って言って進めた範囲のはず・・・でもどうして?唐突にテスト範囲を変えた・・・もしかして、ボクと渚ちゃんが逃げたあの時に何かがあった?とりあえず今はそれを考える瞬間じゃない。ボクはもう一度集中してこの問題を解き始めた。

 

 

 

 

「・・・・・・これは一体どういう事でしょうか?公正さを著しく欠くと感じましたが」

 

テストが終わり、回答が帰ってきて皆沈んだ表情をしていた。殺せんせーの提示した第二の刃・・・クラス全員で50位以内を取る。それを達成出来るどころか、謎の問題によって殺され全ての実力を発揮出来ずに終わったから。

 

「・・・・・・」

 

「伝達ミスなど覚えはないし、そもそもどう考えても普通じゃない。テスト二日前に・・・出題範囲を全教科で大幅に変えるなんて」

 

あの問11から先は、全てボク達に伝えられたテスト範囲で言われてた所ではなく、大幅に広げないと触れないその先の範囲であった。それも、数学だけじゃない。国語も、英語も、理科も、社会も・・・全て。

 

烏間先生から教えてもらった話でわかったけど、範囲変更をボク達とは違い伝えられていた本校者の奴らはなんと"あの"理事長本人が自ら変更範囲の授業行いそれにより範囲変更と詰め込みに対応したとか。殺せんせーの居ないこの教室は如何せん面白みに欠けるつまらない教室になるなって思ってるとカルマが小声で話をかけてきた。

 

「・・・・・・葵、ちょっと回答見してよ」

 

カルマがこっちに話しかけながら自分の成績を見せてきた。理科99点、国語98点、数学100点、社会99点、英語98点。そして、対殺せんせー用のナイフを見してきた。それに答えるようにボクもテストの解答用紙をカルマにみせてボクようにカスタマイズされた刃の長い対殺せんせーナイフを2本見せる。

 

「・・・わかってたけど、上出来。ね、手伝ってよ。・・・あのタコに目にもの見せよう」

 

「ん........」

 

「・・・先生の責任です。この学校の仕組みを甘く見すぎていたようです。・・・君達に顔向けできません」

 

イタズラを思いついたような笑みを浮かべてる顔を見て、カルマのしたい事を把握する。そうして、出来るだけ音を殺して静かに席を立つ。自然体のカルマとは違い気配を殺して殺せんせーの近くまで近づいていく。殺せんせーはこっちに背中を向けて落ち込んでいる。だから、こっちが何をしているかなんて見えてないはず。───今だよ。カルマ。

 

───ヒュンっ!

───シュッ!

 

ボクの頭の横を通り過ぎたカルマのナイフに合わせるように殺せんせーが避ける時でも死角になりそうなところから最速で刺突を入れる。

 

「にゅやっ!?」

 

「いいの〜?顔向け出来なかったら俺らが殺しに来んのも見えないよ」

 

「......工夫...ダメ...」

 

「カルマ君!秋月さん!今先生は落ち込んで・・・」

 

そんな感じのこと言うと思ったよ。カルマと顔を合わせてから殺せんせーに向けてニヤッと笑いをうかべて、2人同時に教卓に向けてテスト用紙を投げる。ボク達の結果を見た殺せんせーはその場で固まる。

 

赤羽業

理科99点

国語98点

数学100点

社会99点

英語98点

合計点数494点

186人中 4位

 

秋月葵

理科99点

国語100点

数学97点

社会100点

英語98点

合計点数494点

186人中 4位

 

「俺問題変わっても関係ないし」

 

「....解ける...」

 

「うお・・・すげぇ」

 

「2人とも100点あんのかよ!」

 

そう、ボクとカルマだけは殺せんせーの提示した「第二の刃」である中間テストで学年順位50位を達成した。いや、むしろそれを余裕で通り越して学年でもトップの成績。一応これで、学校側の提示している旧クラスに復帰する条件を達成したけど、ボク達は戻るつもりは無いし。

 

「俺らの成績に合わせてさ、あんたが余計な範囲まで教えたからだよ。だから、出来範囲が増えても対処出来た」

 

「.....無い...」

 

「そーそー、俺ら戻る気ないよ。前のクラスに戻るより暗殺の方が全然楽しいし」

 

"せっかくだからもうちょい先まで行きましょう!"

 

"秋月さんももうちょい先まで行きますか!"

 

「...ショック......馬鹿は、居る...」

 

「ねぇ〜寺坂〜?お前E組で最下位だったよね。学年順位何位だったわけ?」

 

「はあ・・・?んなの、1・・・59位・・・」

 

「「「!?」」」

 

このクラスの最低点保持者は寺坂くん。でも、その寺坂くんは学年最下位ではない。。E組は成績下位や素行不良が集まったクラスだったし、みんな忘れてたかもしれないけど今回のテストそれなりに皆戦えてる。少なくとも27人も下がいる。E組は本校者のヤツら相手に27人も勝つほどの成長をしている。それに気がついたみんなは急いで自分の結果を見始める。

 

 

「で、どーすんのそっちは?全員50位に入んなかったって言い訳つけてここからシッポ巻いて逃げちゃうの?それって結局さぁ・・・殺されんのが怖いだけなんじゃないの?」

 

「怖い...仕方、ない......」

 

──ピクっ

 

殺せんせーの黄色い顔に怒りマークが浮き上がってくる。ボク達の挑発が聞いているみたい。こうなるとみんな察しがいいから何がしたいかわかり、片岡ちゃんが前原くんを肘で小突いて喋らせようとする。

 

「なーんだ、殺せんせー怖かったのかぁ」

 

「それなら正直に言えば良かったのに」

 

「ねー、「怖いから逃げたい」って」

 

──ピキピキピキ

 

「にゅやぁぁぁぁあああッ!!逃げるわけありません!!期末テストであいつらに倍返しでリベンジです!!」

 

ふふっ、みんな殺せんせーの手のひら返しに笑い始める。

 

・・・中間テストでボク等は壁にブチ当たった。E組を取り囲むブ厚い壁に。それでもボク等は心の中で胸を張った。自分がこのE組である事に。

 

 




お待たせしました!久々に書いてたら普段より長くなりましたね。とは言っても別に3500ぐらいなんですけども。さて、ちょうどひと段落着いたんで次回からはこう番外編みたいなのを作っていこうかストーリーを続けていくか悩んでます。まぁなんにせよお待ちいただけたら嬉しいです!


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旅行の時間

最後から約1ヶ月放置してすいません。けど、これからはペースを上げて投稿していきたいと思います。改めて待ってくれた方には感謝を申し上げます。ありがとうございます。


葵side

 

「葵ちゃん!班決まった?決まってないなら一緒に回ろうよ」

 

「班...?」

 

「忘れたの?来週の修学旅行のよ」

 

あー、そういえば確かに近いうちに修学旅行が有るって話があったようなきがする。なんだっけ、確か京都に行くんだっけ?多分それであってると思う。だって茅野ちゃん、京都の地図とか京都の観光名所が書いてある旅行本のようなもの持ってるし。

 

「ない.....カルマ.....良い.....」

 

「えっと、まだ決まってなくてカルマ君と同じ班がいいってこと?それなら多分大丈夫だよ。渚が今カルマ君のこと誘ってるし」

 

「ん..渚ちゃん.....」

 

「えーっと、渚は私と同じ班だよ」

 

 

茅野ちゃんの班には渚とカルマが居るみたいだから茅野ちゃんのお願いを受諾する。茅野ちゃんと一緒に渚ちゃんとカルマの元に行こうとすると殺せんせーがなにか言い出し始めた。

 

「まったく・・・3年生も始まったばかりのこの時期に総決算の修学旅行とは片腹痛い。先生あまり気乗りしません」

 

「「「「ウキウキじゃねーか!!」」」」

 

殺せんせーは気乗りしないとか言いながら殺せんせーの横には殺せんせーの身長以上の大きさのバッグが置いてある。ゲーム機のコントローラーやラジコン、けん玉から何故かネギやこんにゃくもバッグから見えている。いや、なんで?けん玉とかは100歩譲れるけどこんにゃくとかネギはいらないでしょ。

 

「たかだか修学旅行に荷物デカすぎ!!」

 

「明らかに必要無い物入ってるし!!」

 

「・・・バレましたか。正直先生、君達との旅行が楽しみで仕方がないです」

 

テストの次は修学旅行。暗殺教室でも行事の予定は目白押しみたい。

 

 

 

 

 

烏丸先生による体育の授業が終わりを迎えた頃、普段ならそのまま終わるけど、烏丸先生が修学旅行についての話をしてきた。

 

「知っての通り来週から京都2泊3日の修学旅行だ。君等の楽しみを極力邪魔はしたくないがこれも任務だ(・・・・・・)

 

「・・・てことはあっち(・・・)でも暗殺?」

 

「その通り。京都の街は学校内とは段違いに広く複雑。しかも・・・君達は回るコースを班ごとに決め奴はそれに付き添う予定だ。狙撃手を配置するには絶好の場所。既に国は狙撃のプロ達を手配したそうだ」

 

まぁ京都は暗殺とは切っては話せないような街だけど静かに観光させてくれないかなぁ。それに、いくらか暗殺者の方にお金もっていかれるんだろうなぁ。理解は出来るけど貰えるものは貰いたいと思うものだと思う。

 

「成功した場合貢献度に応じて百億円の中から分配される。暗殺向けのコース選びをよろしく頼む」

 

「「「はーい!」」」

 

その後ボク達は制服に着替えて教室で雑談をしていたら殺せんせーから修学旅行の班を決めるためにこの時間を使うと言われ、各々好きに班を決め始める。

ボクは体育前の約束に従って茅野ちゃんとは同じ班になり、カルマも渚ちゃんと同じ班になるみたい。そこに杉野くんが近づいて何か言ってる?面白そうだから茅野ちゃんと一緒に行く。

 

「ええー、大丈夫かよ。カルマ。旅先でケンカ売って問題になったりしないよな?」

 

「へーきへーき、旅先のケンカはちゃんと目撃者の口も封じるし表沙汰にはならないよ」

 

あー、まぁカルマだしケンカについては心配されるよねぇ。仕方がないけど、安心して欲しい。ボク達は表沙汰にはならないようにするからね。ちゃんと。

 

「...表沙汰......しない」

 

「うわぁ!」

 

「杉野驚きすぎじゃない?てか、葵も班一緒でしょ?」

 

「ん...」

 

「い、いやいきなり声かけられたら驚くだろ。それも、姿見えなかったし」

 

「あー、まぁ葵ちゃん影薄いというか気配消せるというか分からない時あるからね」

 

そうかなぁ?確かにボクは気配を殺すのは出来るけど普段からそんなことはしてないし、普通だと思うんだけど。いくらなんでも元々影薄いなんてことは無いと思いたい。カルマに聞いたら教えてくれるかな?

 

「で、メンツは?渚君と杉野と茅野ちゃんと葵と?」

 

「あ、奥田さんも誘った!」

 

「殺せんせーには既に話をつけたけどあと一人いるんだ。わざわざこの時のためにだいぶ前から誘っていたのだ!クラスのマドンナ神崎さんでどうでしょう?」

 

「おぉー異議なし!」

 

神崎さんねぇ、真面目でおしとやかで美人さん。神崎さん本人は目立たないし気がついてないかもしれないけどクラス皆からかなりの人気がある。多分だけどこのクラスの男子で彼女と同じ班で嫌な人はいないんじゃないかなぁ?まぁ当然、このクラスの女子もだけどね。

 

「フン、皆ガキねぇ。世界中を飛び回った私には・・・旅行なんて今更だわ」

 

「じゃ留守番しててよビッチ先生」

 

「花壇に水やっといて〜」

 

「ねー2日目どこ行く?」

 

「やっぱ東山からじゃない?」

 

「何よ!!私抜きで楽しそうな話してんじゃないわよ!」

 

「あーもー!!行きたいのか行きたくないのかどっちなんだよ!!!」

 

ビッチ先生がいつも通りのセレブ自慢したと思いきや想定外の反応をされてムズムズして、ついにはキレ始めた。まぁビッチ先生かなりの寂しがり屋だしね。一緒に来る?とでも言って欲しかったんじゃない?ん、殺せんせーが広辞苑みたいな分厚い本を持って教室に入ってきた。あれは何?

 

「ひとり1冊です」

 

「重っ」

 

「何これ殺せんせー?」

 

ボクも持ってみるけど、ずっしりとかなりの重さを感じる。パッと見でも1000ページはあってもおかしくないしわざわざ範囲ごとに色をつけて分けてるし。どんだけテンション上がってるんだろう。

 

「修学旅行のしおりです」

 

「「「辞書だろこれ!!」」」

 

「イラスト解説の全観光スポット、お土産人気トップ100、旅の護身術入門から応用まで昨日徹夜で作りました。初回特典は組み立て紙工作金閣寺です」

 

「どんだけテンション上がってんだ!!」

 

「そろいもそろってうちの先生は!!」

 

...うん、それは本当に思う。でも紙工作金閣寺は少し気になる。面白そう。殺せんせーの持ってるやつ見る限りかなりクオリティ高そうだし。けど、殺せんせーならここから京都までなら1分もかからないで行けるはず。そんな人?がなんでここまでテンション上がったんだろう。

 

「大体さぁ、殺せんせーなら京都まで1分で行けるっしょ」

 

「もちろんです。ですが移動と旅行は違います。皆で楽しみ、皆でハプニングに遭う。先生はね、君達と一緒に(・・・・・・)旅できるのが嬉しいのです」

 

この教師はやっぱりボクが見てきた教師の中でもトップクラスに良い人だ。

 

 

 

修学旅行当日になり、ボク達は東京駅に集まり新幹線に乗る。けど、やっぱりE組は差別の対象になる。実際AからDまではグリーン車だけどボク達だけ普通車。まぁわかってたとは言えボクよりも学力下のやつが何か言ってくると思うと気が滅入りそうにもなる。

 

「うわ・・・A組からD組まではグリーン車だぜ」

 

「E組だけ普通車。いつもの感じね」

 

「うちの学校はそういう校則だからな。入学時に説明したろう」

 

「学費の用途は成績優秀者に優先される」

 

「おやおや、君達からは貧乏の香りがしてくるねえ」

 

へぇ、ならばボクは文句をぶつけても大丈夫なんだろうなぁ。だって、この学校は成績優秀者を優先していくなら、学年最上位のボクには文句を言えないわけだし。でもなぁグチグチ言われるのも面倒臭いからなぁ。どうしたものかな。

 

「ごめんあそばせ」

 

ん?普通車の方にこんなセレブな感じの人が行くのかな?偏見になるけどかなりの物好きな気がする。

 

「ごきげんよう生徒達」

 

「ビッチ先生、何だよそのハリウッドセレブみたいなカッコはよ」

 

「フッフッフッ女を駆使する暗殺者としては当然の心得よ。狙ってる暗殺対象にバカンスに誘われるって結構あるの、ダサいカッコで幻滅させたらせっかくのチャンスを逃しかねない。良い女は度ファッションにこそ気を遣うのよ」

 

・・・言いたいことはわからなくもないけど、引率の教員の服装ではないよね。烏丸先生に文句言われる未来が見える。いくらなんでもハイヒールブーツに黒のスカートで谷間を見せてるトップスで毛皮を使った上着とかさすがにね?

 

「目立ちすぎだ、着替えろ。どう見ても引率の先生のカッコじゃない」

 

「堅い事言ってんじゃないわよカラスマ!!ガキ共に大人の旅の・・・」

 

「脱げ、着替えろ」

 

あ、割とキレてる?血管が浮き上がってる。烏丸先生だけだもんなぁE組の教師で常識人なの。まぁ、とりあえずビッチ先生置いといて新幹線に乗り込みますか。カルマの隣の席を取っとき、周りの席の人を見回す。ビッチ先生が寝巻きのような服装でしくしくと泣いていた

 

「誰が引率だかわかりゃしない」

 

「金持ちばっか殺してきたから庶民感覚がズレてんだろな」

 

「カルマ、...何処...?」

 

「確かに見てないね」

 

「うわっ!」

 

えぇ....なんか張り付いてる殺せんせーがいる気がする。現実逃避しようかな...うん、そうしよ。そう思ってカルマに一言伝えて寝始める。きっと次に起きるのは駅に着いてから。

 




久々に書いてみて、3000文字ってこんなにあったけ!?ってなりました。今までの自分すげぇなって思いましたね。予定としては1週間から2週間で1話を投稿したいと思ってます。


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台無しの時間

遅れたのはごめんなさいね。完成まじかでデータ飛んで作り直しです。まぁ出来ましたんで。


葵side

起きたら、駅じゃなくて和風な家の並ぶ風情のある街並みだった。多分、カルマが起こさずにおぶってくれてたのかな?カルマに起きたことを伝えて自分で歩くって言ってもカルマからは良いよ良いよ。そのままおぶられてな?って言われてその言葉に従う。けど、ただでは終わりたくないから自分の胸をカルマに押し付けてみる。明らかに動揺してて見てて面白い。

 

「葵、押し付けないで」

 

「何...?」

 

「言わなくてもわかるでしょ。」

 

「役得......着く....?」

 

「そーだねー、バスも使ったし5分もないと思うよ」

 

そんなたわいの無い話をしてると目の前にボク達が泊まる予定の旅館。さびれや旅館が見えてきた。旅館でもE組は差別されるらしく本校組は個室のそれなりに綺麗なホテルらしいけどボク達はどちらかと言うと古臭く箇所箇所がボロボロな男女別の大部屋しかない。まぁ、多分こっちの方が楽しいからいいけどさ。挨拶を済まして中に入って一息ついたんだけど殺せんせーが萎み始めた風船みたいになってる。

 

「・・・一日目で既に瀕死なんだけど」

 

「新幹線とバスで酔ってグロッキーとは・・・」

 

「大丈夫?寝室で休んだら?」

 

顔も真っ青で顔も萎んで明らかに体調の悪い殺せんせーがソファーでぐったりとしていた。何人かが体調を気遣い質問しながらナイフを振るうけど殺せんせーには何一つとして当たらずに避けられる。

 

「いえ・・・ご心配なく。先生これから1度東京に戻りますし。枕を忘れてしまいまして」

 

(((((あんだけ荷物あって忘れ物かよ!!!)))))

 

「どう神崎さん?日程表見つかった?」

 

「ううん・・・」

 

ん?神崎ちゃんに何かあったのかな?話聞く限りでは日程表が無くなったようだけど。けど、日程表なんて作ってないよね。

 

「神崎さんは真面目ですからねぇ。独自に日程をまとめてたとは関心です。でもご安心を。先生手作りのしおりを持てば全て安心」

 

「「それ持って歩きたくないからまとめてんだよ!!」」

 

「確かにバックに入れてたのに・・・どこかで落としたのかなぁ」

 

1番めんどいのがスられたとか?ただ、スったところで要らないでしょって感じがするんだよねぇ。でもなんでだろう・・・何か嫌な感じがするような・・・・・わからない。少し前の理事長の時みたいに明らかにヤバいって感じじゃない。とりあえず、この嫌な感じが杞憂である事を祈りながら今日は寝ようかな。

 

 

 

 

 

次の日になってボク達は、旅館から出て京都探索を始める。少し歩けば直ぐにも想像する京都の街並み。瓦屋根で木の壁を使った昔ながらの建物が立ち並ぶ。

 

「でもさぁ、京都に来た時ぐらい暗殺の事忘れたかったよなー。いい景色じゃん。暗殺なんて縁のない場所でさぁ」

 

杉野クンが街を見ながらそう言う。でも、暗殺の縁がないってのは違うと思う。むしろ京都は暗殺の舞台。坂本龍馬や織田信長はここで死んだし、新撰組も池田屋で攘夷志士を暗殺してる。

 

「そうでもないよ杉野。ちょっと寄りたいコースあったんだ。すぐそこのコンビニだよ」

 

そう言うと渚ちゃんがボク達を連れてコンビニの近くに行く。そこには1つの墓石があった。墓石に彫られていた名前は坂本龍馬、中岡慎太郎。そう、この墓石は近江屋で殺された2人の墓。多分、渚ちゃんの事だしせっかくだし暗殺の名所とも言えるところに行こうと思ってたんだと思う。

 

「坂本龍馬・・・ってあの?」

 

「あ〜、1867年龍馬暗殺。「近江屋」の跡地ね」

 

「さらに歩いてすぐの所に本能寺もあるよ。当時と場所は少しズレてるけど」

 

「....池田屋事件跡地...」

 

「・・・そっか、1582年の織田信長も池田屋事件も暗殺の一種かぁ」

 

「このわずか1kmぐらいの範囲の中でもものすごいビッグネームが暗殺されてる。知名度が低い暗殺も含めればまさに数知れず。ずっと日本の中心だったこの街は・・・暗殺の聖地でもあるんだ」

 

「なるほどな〜、言われてみればこりゃ立派な暗殺旅行だ」

 

坂本龍馬しかり、織田信長しかり、この後の時代に出てくる伊藤博文しかり、何時の時代も暗殺の対象というのは良くも悪くも大きな影響を与えてきた人たち。そして、ボク達の標的である殺せんせーは典型的な対象と言える。

 

「次八坂神社ねー」

 

「えー、もーいいから休もうぜ。京都の甘ったるいコーヒー飲みたいよ」

 

「...気に、なる....」

 

 

 

 

八坂神社でお参りをして、乗り物を乗り継いで来たのは祇園。神崎ちゃんの希望したコース。奥の方に行けば人気がなくなるから暗殺にはしやすい場所とも言える。

 

「さすが神崎さん下調べ完璧!」

 

「じゃここで決行に決めよっか」

 

「ホントうってつけだ。なんでこんな拉致りやすい場所歩くかねぇ」

 

前からボク達よりも一回りも大きくガタイのいい学ランを着た人達が出てきた。リーダー格と思われる人は明らかな鈍器を持ってる。やっぱり嫌な予感は当たってた。学ランを着てることもあって少なくとも椚ヶ丘ではないし、あの発言からして神崎ちゃんの予定表が無くなった原因はコイツらにあると見てもいいと思う。それにしても、人気のない見通しが悪いし逃げる場所もないか...拉致するなら正解の場所とも言える。だけどボク達にとっても正解の場所と言える。ボクは深呼吸して戦闘のスイッチを入れる。

 

「・・・何お兄さん達?観光が目的っぽくないんだけど」

 

「男に用はねー。女置いておうち帰んな」

 

一番ガタイの良い男がそう言った瞬間カルマが掌底で顎下をアッパーのように殴る。そのまま、相手の顔を持って電信柱に頭を勢いよくぶつける。

 

「・・・!!!」

 

「ホラね渚君。目撃者がいないとこならケンカしても問題ないっしょ」

 

「...やら、せな...い......」

 

「ちっ!」

 

リーダー格の男がカルマの後ろに達鉄パイプで後頭部を殴ろうとしてたのを見つけたからボクは鉄パイプを持ってる腕と鉄パイプを順番に蹴りあげて鉄パイプを飛ばす。

 

「.....油断大敵...」

 

「ごめんごめん、助かったよ」

 

「もっと女は丁寧にやってやろうと思ったのによぉ、もーいいわ、ボコせ」

 

他の取り巻きも本格的に喧嘩するようにアップを始めた。これは・・・選択ミスったかも。それに神崎ちゃんと茅野ちゃんを守りながらってなるとヤバい・・・ボクとカルマだけならば良かったのに。

 

「...」

 

「わかった」

 

ボクとカルマは同時に駆け出して相手の顔をぶん殴る。今のボク達の目的は少しでも相手の戦力を削ること。その為には卑怯汚いも何も関係ない。最速で最短で効率よくやるだけ。

 

「ちょ!何・・・むぐぐ!」

 

「いや!」

 

神崎ちゃんと茅野ちゃんか後ろから拘束されていた。やらかした。あの二人を取られたら動きにくくなる。それに一瞬だけ動きを止めたのが1番の失敗だった。多分それを狙ってたんだろう。ボクの後頭部に衝撃がきたと共にその場で崩れ落ちた。最後に見えたのはカルマもボクのように殴られて気絶する瞬間・・・ごめんねカルマ・・・・・。

 

 

 

 

 




「み、皆さん!大丈夫ですか・・・!?」

「良かった。奥田さんは無事だったんだ。」

「茅野さんや神崎さんから隠れるように言われたので」

「いや、それが正しいよ・・・っ、犯罪慣れしてやがるよアイツら。通報したかってすぐに解決はしなさそうだろうね。と言うか俺が直接アイツら処刑してやりたいんだけど」

「でも、どうやって探すの?」


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しおりの時間

まずは、遅ばせながら新年の挨拶を。新年おめでとうございます。今年ものんびりにはなりますが、私の作品をよろしくお願いします。



神崎side

 

私と茅野さん、秋月さんは祇園の奥で襲われた後腕ごとガムテープで拘束されて近くに停めてあった車に無理やり乗せられていた。奥田さんが居ないってことは多分、見つからなかったんだと思う。喧嘩になった瞬間すぐに物陰に入っててもらったけどそれが良かったみたい。でも、すぐに戦闘態勢に入って行動した赤羽君や秋月さんのような行動は私たちには出来ない。この車がどこに行くのかもよく分からない中、前にも後ろにも2人ずつ居て常に監視されてるしたとえ後ろのふたりをどうにかできたとしても、そこから逃げ出そうにも難しい。そのせいで私と茅野さんは秋月さんを挟むように前から二列目の座席で身を寄せあっていた。

 

「・・・・・」

 

だけど、秋月さんが未だに目が覚めない。私達とは違って赤羽君と共に攻撃をしたせいか腕だけじゃなくて足や口までも拘束されている。私が車に乗せられる前に見えたのは、私達が捕らえられたことで一瞬、動きを止めたところを狙われて気絶させられた秋月さん。そして、その秋月さんを見た事で隙の生まれた赤羽君を鉄パイプで殴ろうとする助手席で座ってる人。

 

「うひゃひゃひゃ!!チョロすぎんぞこいつら!!」

 

「言ったべ?普段計算ばっかしてるガキはよ、こういう力技にはまるっきり無力なのよ。まぁ一人そうじゃないやつもいたけどよ」

 

周りの人と顔を合わせないように俯きながら秋月さんを見ていた私とは対比するように茅野さんが何か言おうとして顔を上げた。

 

「・・・ッ、犯罪ですよねコレ。男子達あんな目に遭わせといて」

 

「人聞き悪ィな〜、修学旅行なんてお互い退屈だろ?楽しくしてやろうって心遣いじゃん」

 

「な、まずはカラオケ行こーぜカラオケ」

 

「なんで京都まで来てカラオケなのよ!!旅行の時間台無しじゃん!!」

 

「わかってねーな、その台無し感が良いじゃんか。そっちの彼女ならわかるだろ」

 

私に話を振ってきた・・・?まさか・・・

 

「どっかで見たことあったのよ。目ぼしい女は報告するようにいつも友達に言っててよ。去年の夏頃の東京のゲーセン。これおまえだろ?」

 

そう言ってリーダー格の男が携帯で見せてきたのは紛れもなく去年の夏頃のわたしの姿。ただし、普段の私じゃ絶対にしないような服装をしている。

本来の私は黒髪のストレートだけどその時は茶髪の巻いてあるウィッグをしてギャル風と言うべきような派手な服を着てアクセサリーをいくつもいくつも付けている、如何にも不良のような格好の写真。こっちを見てたからか写真が見えて茅野さんが驚いた表情で写真と私を何度も交互に見ている。無理もないよね、当時はバレないように、と私とは正反対な姿の変装してたんだし。

 

「さらおうと計画してたら逃がしちまった、ずいぶん入り浸ってたんだってなぁ。まさかあの椚ヶ丘の生徒とはね〜。でも、俺にはわかるぜ。毛並みの良い奴等ほどよ、どこかで台無しになりたがってんだ。恥ずかしがる事ァねーよ。楽しいぜ、台無しは。落ち方なら俺等全部知ってる」

 

この人達、新幹線の途中でぶつかってきた人たちだ。どこかで見覚えがあると思った。全部私がきっかけで起きたこと?

 

「これから夜まで台無しの先生が何から何まで教えてやるよ」

 

 

 

 

 

葵side

 

「───楽しもうぜ、台無しをよ」

 

誰かが何か言ってるのが聞こえる。それに、ソファー?に体を預けてるのもわかる。感覚が戻ると共に閉じた瞼の裏に眩しい光を感じ目を開く。

 

「・・・・・・秋月さん、起きたんだね・・・」

 

「......」

 

声を出そうとしてもガムテープを貼られて喋れないため頷いて返事をする。できることなら早く外して欲しい。そう思いながら周りを見渡す。ボロボロになったタイルに埃の溜まった椅子が見える。元々ここはバー?拉致ったあとの場所としては正解かもね。

 

「おっ、最後の一人もお目覚めかぁ」

 

言葉と共に顔を覗き込まれる。キモいし僅かな抵抗として睨みつける。が、対して効果はなさそう。いや、口のガムテープを外すのが少し雑な感じがしたし無意味ではなさそう?

 

「・・・神崎さん、そういえばちょっと意外。さっきの写真。真面目な神崎さんもああいう時期あったんだね」

 

さっきの写真?何か、神崎ちゃんに対して脅しになるような写真でもあったのかな?

 

「・・・・・・うん、うちは父親が厳しくてね。良い学歴。いい職業。良い肩書きばかり求めてくるの。そんな、肩書き生活から離れたくて名門の制服を脱ぎたくて知ってる人がいない場所で格好も変えて遊んでたの。・・・バカだよね、遊んだ結果得た肩書きは「エンドのE組」。もう自分の居場所がわからないよ」

 

「俺等と同類になりゃいーんだよ、俺らもよ肩書とか死ね!って主義でさ。エリートぶってる奴等を台無しにしてよ・・・・・・なんてーか、自然体に戻してやる?みたいな。良いスーツきてるサラリーマンには・・・女使って痴漢の罪着せてやったし、勝ち組みてーな強そうな女には・・・こんな風にさらってよ、心と体に二度と消えない傷を刻んだり、俺等そういう教育沢山してきたからよ。台無しの伝道師って呼んでくれよ」

 

...何を言ってるのかな。君たちが神崎ちゃんと同類になれる?そんな訳ないじゃん。君たちみたいな周りの足を引っ張るだけの存在と神崎ちゃんみたいに自分の状況を理解し、前向きに何かを取り組む人が同列になるわけないだろう。

 

「...頭、が悪い......」

 

あまりの低能さ、つい言葉が出てしまった。ボスの男がボクの方に向かって、目の前に立ちイラついたような表情と共に殴ってきた。タイミングを合わせて動いたから当たったように見えるけど、そんなにダメージはないようにしたけど完璧に殺しきれなかった。うぅ...すこし、痛い。男はそのまま、ボクの首を絞めてきた。

 

「何エリート気取りで見下してンだ。あァ!?おまえもすぐに同じレベルまで堕としてやンよ」

 

「けほっ...気取り.......エリート...事実......」

 

「今から10人ちょいを夜まで相手してもらうがな、宿舎に戻ったら涼しい顔でこう言え「楽しくカラオケしてただけです」ってな。そうすりゃだ〜れも傷つかねぇ。東京に戻ったらまた皆で遊ぼうぜ。楽しい旅行の記念写真でも見ながら・・・なァ。だが、お前だけは今からヤってやるよ!連れて行け!」

 

「...っ」

 

胸ぐらの当たりを掴まれて扉の着いてない奥の部屋に連れて行かれる。流石にこれは抵抗できない。見えなかったけど扉が開く音と数人の足音、茅野ちゃんが誰かに慌て何かを伝えようとしてるのが聞こえる。ここじゃ、壁が死角になって茅野ちゃんや神崎ちゃんがどうなってるかが見えない。そんな所で、数人に囲まれる。男たちの中から1人がボクのカーディガンごとカッターシャツを力づくで引き裂いてくる。ボロボロになったカッターシャツとカーディガンで下着を隠そうにも手が使えないから隠せずにいやらしい目で全身をじろじろと見てくる。

 

「へへっ、イイ身体してんじゃねぇか」

 

「...っ......犯罪者...」

 

減らず口だと分かってたとしても言うしかない。煽れば、危険が増すのはわかってるけどもカルマたちが来るまで可能な限り時間を稼がないと。あぁ、でも少しやりすぎたかも、いよいよ隠すことすらしなくなった。明らかに汚れた欲望を見せつけてきた。穢されたボクでもカルマは好きなままでいてくれるかなぁ。

 

───ギィィ

 

「お、来た来た。うちの撮影スタッフのご到着だぜ・・・なっ!?」

 

「修学旅行のしおり、1243ページ班員が何者にか拉致られた時の対処法。犯人の手がかりが無い場合、まず会話の内容や訛りなどから、地元の者かそうでないか判断しましょう。地元民ではなくさらに学生服を着ていた場合、1244ページ。考えられるのは相手も修学旅行生で旅先でオイタする輩です。」

 

「皆!」

 

「なっ・・・てめぇら、なんでココがわかった・・・!?」

 

渚ちゃんの声がする。それに、茅野ちゃんが言ったことからしてカルマとかも居るのかな?

 

「土地勘のないその手の輩は拉致した後、遠くへは逃げない。近場で人目につかない場所を探すでしょう。その場合は付録134へ。先生がマッハ20で下見した・・・拉致実行犯潜伏対策マップが役立つでしょう」

 

ちゃんと読んでなかったけど、そんなのまでフォローしてるの凄い。普通はないもんなぁ。見えないけどあの人たちかなり驚いてると思う。

 

「凄いなこの修学旅行のしおり!完璧な拉致対策だ!!いやー、やっぱ修学旅行のしおりは持っとくべきだわ・・・で、どーすんの?お兄さん等。こんだけの事してくれたんだ。あんた等の修学旅行はこのあと全部入院だよ。それに、葵を何処にやった?」

 

や、やば、カルマキレてる...この姿見せたらほんとにやばそう.....お願いだからボクの方に当たってこないでね?カルマの事だからお仕置きと言うか命令してきそう。ここまでいった原因の大半はボクだし。

 

「カルマ君!奥に連れて行かれた!そんなに時間はたってない!」

 

───ギィィ

 

「・・・・・・・・・フン、中学生がイキがんな。呼んどいた友達共だ、これでこっちは10人。お前らみたいな良い子ちゃんはな、見たことない不良共だ。それに、あの女は先にお楽しみ中だよ!」

 

男たちがボクのスカートに手をかけて下ろし始めてる。拘束されたせいで足を動かして抵抗することも出来ない。ここに来て、今まで感じてなかった恐怖が一気に襲ってきた。怖い。抵抗出来ないだけでここまで怖くなるとは。恐怖で涙が出てくる。目の前がちゃんと見えなくなってきた。お願いカルマ助けて...!

 

「ひっ.......」

 

 

カルマside

 

「渚君・・・任せた・・・」

 

後ろの扉から音が鳴ったけど、確認もせずに渚君の返事も聞かずに茅野ちゃんから教えて貰った奥の部屋に急いで行く。本当に増援が来てるなら本来は任せるなんて悪手だけど多分、どうにかなる。なんとなくだけど、あの音は俺らの増援だと思ったから。

いくら喧嘩慣れしてるとは言え葵は体力がない事が問題。体力が切れた瞬間葵はまともな抵抗すら出来なくなる。それに、あの男の言うことが正しいなら葵はかなり危ないし、まだ時間が経ってないからって危険な状態なのは変わりない。間に合え・・・!間に合えっ!

 

「ひっ......」

 

「葵ッ!!!!」

 

葵の状態を認識した瞬間に完全にキレた。恐怖で目には涙が浮かんでいたし、顔も青白くなっていた。葵を安心させたいけどまずは周りの男どもを潰していく。最後の一人を落として、葵の方をもう一度見てみるとカッターシャツも俺があげたカーディガンもボロボロに引き裂かれているし、腕は手首の所と肘のあたりを、脚も鉄パイプ蹴り上げてたからかガムテープで拘束された状態でスカートが下げられて下着が顕になっている。それに首にも締められたような跡が残っている。今は、とりあえず葵を落ち着かせないと、そう思い葵と目を合わせるように膝を着く。

 

「葵・・・」

 

「......」

 

返事がない。多分、まだ錯乱のような状態にあると思う。だけど、その状態のままにすることは出来ないから俺が着ていたカーディガンを葵に羽織らせてその上から優しく、ゆっくりと抱きしめる。・・・・・・声は出なかったけど、葵の体に僅かばかりだけど力が入った。俺はただ優しく背中を擦り続けた。今声をかけても葵の負担にしかならないと思ったから。少ししてから葵から震えが止まった。ゆっくりだけど俺を認識し始めて、声を出し始めた。

 

「ぁ......カル、マ...?」

 

「うん・・・」

 

「....王子様...」

 

やっと、会話らしい会話ができた。王子なんて言って揶揄うようなことをいってくるけど、声からして葵は今必死に恐怖と戦ってるのがわかる。葵のことをより強く抱きしめて葵の顔を胸に埋める。困惑してる葵の耳元で優しく言う。

 

「怖かったよね・・・もう、大丈夫・・・誰も見てないから・・・」

 

「ぁ、カルマ...カルマ......!怖かった...!こわかったよぉ...!」

 

葵の事だから、きっと神崎さんたちに意識が向かないようにヘイトを集めてたんだと思う。じゃなければ首に締められた跡はつかないから。だけど、やり過ぎたんだと思う。それで、それまで認識してなかった恐怖をスカート下ろされてどうしようもないことをわかっちゃった時に認識しちゃったから一瞬で動けなくなった。1人で抱えるな、なんて言わないけどもう少し自分のことを大切にして欲しい。俺らは比翼連理。片羽をもがれた鳥は飛べないんだから。

 

しばらく抱きしめていると葵も落ち着いてきた。そろそろ渚くん達の方に助力すべきかな?とか思ってたら何か鈍器のようなもので殴打する音が聞こえてきたのを機に戻ろうとした。多分、あっちも片付いたから。葵の手足の拘束をとき、着させたカーディガンの前を閉めて葵に背に乗るように言いながら膝を曲げる。今の葵を誰かに見せるなんてできないし。葵も頷きながら素直に背中に乗ってきた。俺は渚くんたちの方に向かって歩き出した。

 

葵side

 

カルマの背中に乗りながら神崎ちゃんたちの場所に戻ってきた。班員は落ち着いてきたのか普通に会話をしていた。これではなんかボク達がおくれたような感じがしなくもない。茅野ちゃんが最初にボク達に気がついて声をかけてきた

 

「葵ちゃん!大丈夫だった!?」

 

「秋月さん・・・怖かったよね、ごめんね」

 

「大丈夫...」

 

所で、なんで神崎ちゃんはスッキリしたというか迷いが吹っ切れたような表情してるのかな?ボクが言うのもなんだけど拉致られたならもっと混乱しててもおかしくないのに。ボクが疑問に思ったことを言おうと思ったら殺せんせーも同じことを考えていたのか神崎ちゃんに声をかけていた。

 

「何かありましたか、神崎さん?」

 

「え・・・?」

 

「ひどい災難に遭ったので混乱しててもおかしくないのに、何か逆に・・・迷いが吹っ切れた顔をしています」

 

「・・・特に何も、殺せんせー。ありがとうございました。」

 

「いえいえ。ヌルフフフ、それでは旅を続けますかねぇ。あ、秋月さんは後ででいいので怪我の確認しますからね?」

 

む、何かあったか聞かれたらめんどくさいからパスしたいけど、カルマがガッチリとボクを押さえてるから逃れられない気がする。と言うかカルマ自分から押し付けさせるように仕向けるなんて、やっぱり男の子なんだなぁ。そっとカルマの耳元でつぶやく。

 

「....カルマ.......男の子....」

 

「はっ!?葵!」

 

やっぱりこうじゃなくちゃね?ボク達には似合わない。




「ねー、葵。」

「な、何....?」

「確かにね、葵の方にヘイト向けるようにしたからあの二人は無事だったかもしれないけど葵はそうじゃないでしょ?」

「ぅ...ごめん......」

「アイツらのことは普通にイラつく。守れなかった自分にもイラつくし、あそこで自分にヘイトを向けようと考えた葵にも少しイラッときた。どうして自分を大切にしないんだって。だから・・・葵、帰ったら覚悟してね」

「ん...っ!?」



普段は原作1話をこっちの1話としてるのですが、今回は原作1.5話で書いたんで文字数が普段の2倍とかになってて驚きましたね


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好奇心の時間

どーも、ここから筆がノリ次第原作には無い描写を入れていこうかなぁと思ったので多分、文字数が増えると思いますけどまぁ、ご愛読のほどお願いします


葵side

 

あの後、ボクはカルマの背中に乗ったまま旅館の方まで帰っていった。殺せんせーが言っていたけど、この後はもう全て自由時間になるらしい。拉致られた時の汚れとか残ってるからこれは素直にありがたい。茅野ちゃんや神崎ちゃんを誘って大浴場に行く。まぁ、でもここのお風呂場は大きくもないことが昨日入ってわかったから昨日話し合って順番に入ることなってる。本来なら7〜8人ぐらいが限度の浴槽に4人とか3人で入ることになる。ゆっくり羽根を伸ばすのにはちょうど良い。髪や体を洗ってから入浴する。とても気持ちがいい。疲労が溜まった身体にはちょうど良い温度で疲れた四肢が解されていく。ぐでぇとお風呂を満喫していたら神崎ちゃんがこっちを見ながら少し笑っていた。一体なんかおかしいことでもしたかなぁ?と思いそっちを見ると笑ったまま声をかけてきた。

 

「ふふっ、ごめんね。あまりにも蕩けてたから普段との差で少し笑っちゃってね」

 

「...極楽.......」

 

それに便乗した奥村ちゃんも会話に混ざってくる。

 

「た、確かに快適ですけど...茅野さんも一緒に話しませんか?」

 

奥村ちゃんが茅野ちゃんに一緒に話そうと言ってたためボクらも茅野ちゃんの方を見ると茅野ちゃんが水面に口まで沈めてブクブクと空気を吐きながらボクを凝視してくる。何かしたかな?

 

「うぅぅ、葵ちゃん・・・仲間だと思ってたのに敵だぁぁぁ・・・・」

 

仲間だと思ってたのに敵ってどういう・・・あ、そういう事ね。ふーん、まぁ確かに仲間だと思うだろうねぇ。いやいや、ボク一言も言ってないから半分ぐらい逆恨みみたいなものじゃん?

 

「仲間だと思ってたのに敵ってどういう事?」

 

「......ないね....」

 

「言ったなぁ!そんなこと言う葵ちゃんはこうしてやる!!」

 

ばしゃぁぁん!!と大きな音を立てて茅野ちゃんがボク目掛けて勢いよく突っ込んできた。お湯を被ってボクが動けない間に茅野ちゃんがボクの事をこちょこちょしてきた。擽ったくて動くとボクの胸が動いて茅野ちゃんはまた怒ってきた。これボク悪くないよね?煽ったのは悪かったけどやめてってば。擽ったい。

 

「擽っ...!」

 

「葵ちゃん、私より身長無いのに胸あるのずるい!!どれぐらいあるの!?」

 

「..D....E....?」

 

「そんなの反則だぁぁぁ!!!!」

 

詳細は省くけど、あんなことがあったあととは思えない。いや、あんなことがあったからなのかそれを忘れ去る程みんなでワイワイと楽しんだ。若干のぼせかけたけど。その後、髪を乾かして浴衣に着替えて出ると男子達が館内のゲームコーナーでワイワイと盛り上がっていた。ボクらもゲームしてみようかって話になり、順番でやり始めたけど神崎ちゃんが上手すぎる。ボクもまぁまぁ出来るけどこれは凄いなぁ。

 

「うぉぉ、どうやって避けてんのかまるでわからん!!」

 

「恥ずかしいな、なんだか」

 

「おしとやかに微笑みながら手つきはプロだ!!」

 

杉野クンがかなり驚いた様で目を丸くしながらゲームの手つきを見ていた。あれ、そういえばカルマは?周りを見渡してもカルマの目立つ赤い髪色は見えない。疑問に思って渚ちゃんに聞いてみると、煮オレ買ってくるって言ってたよ。って言われた。それに従ってカルマを探しながら煮オレを買いに自販機に行くと見慣れた赤髪が見えた。

 

「カルマ...」

 

「お、葵じゃん。怪我は大丈夫?」

 

「ん...大丈夫......」

 

そうそう、聞かないといけないことを聞いとかなきゃ。

 

「カルマ.......?」

 

「あー、今は言わない方が面白いんじゃない?」

 

「ん...」

 

そう、修学旅行の夜には確実と言っていいほどに恋バナが出てくる。それに対してどう答えるかをボクは疑問に思っていた。素直に答えてもいいか誤魔化すかを。でも、カルマがそう言うなら素直に従うかな。あ、そうだ。

 

「カルマ....」

 

「ん?何?」

 

「ありが、とう.....愛しい人...」

 

そう言いながらボクはカルマにキスをした。カルマもわかっていたのか照れることなく頭を撫でてくる。そんなことをしながら、カルマと月明かりが照らす元で静かに過ごしていた。今日ばかりは月の神様であるツクヨミだって許してくれるでしょ?

 

 

 

渚side

 

「やっぱ1位は神崎さんか」

 

「まぁ、嫌いな奴いないわなー」

 

「で?上手く班に引きこんだ杉野はどーだったん?」

 

「それがさぁ。色々トラブルあってさ、じっくり話すタイミングが少なかったわ。」

 

「あー、なんか大変だったらしいな」

 

僕達は男子部屋に集まって、気になる女子ランキングなんてものをしていた。男子だけで集まってるからできる話題だ。匿名で気になる女子の名前を紙に書いて集めて集計する。話し合いの結果、不正しないだろうということで選ばれた磯貝くんが集計してくれた結果は1位が神崎さん。2位は矢田さんと葵ちゃん。3位に倉橋さん、茅野。4位片岡さんと続いていく。集計されて集まった理由に酷い理由なものもあり、より一層女子に言えないし見せれないものになってる。ま、まぁ誰が誰に入れてるか気になるし良いんだけどなんかクラスの好みがわかったというかなんというか。

 

「お、面白そうなことしてんじゃん」

 

色んなことを話してたら、部屋にいなかった1人であるカルマ君が多分、レモン煮オレだと思う缶ジュースを片手に部屋に入ってきた。そのまま僕達の輪の中に入ってまとめてあるランキングの紙を手に取って見始めた。

 

「カルマ良いとこ来た。お前、気になる子いる?」

 

「みんな言ってんだ、逃げらんねーぞ」

 

「・・・うーん、奥田さんかな」

 

「お、意外。なんで?」

 

「だって彼女、怪しげな薬とかクロロホルムとか作れそーだし、俺のイタズラの範囲増えるじゃん」

 

「・・・・・・絶対くっつかせたくない2人だな」

 

「・・・それに、秋月さんもイタズラに参加するだろ?グループ化させたくないな」

 

カルマくんが挙げた奥田さんが気になる理由を聞いた男子が、最悪のパターンを想像して若干引いてる・・・。グループ化させたくないってのは葵ちゃんはカルマ君と一緒にイタズラしてるのをちょくちょく僕たちは見ているからだ。

それこそだけど、奥田さんが薬作ってカルマ君が計画して葵ちゃんがサポートする様子が想像出来る。葵ちゃんが嬉々としてるのは良いと思うけど、巻き込まれたくない。回避できない事実を再確認した後に割かし立ち直りの早かった前原君がカルマ君に対して本当に意外そうな表情と共にこぼした言葉によってみんな食いつく事になる。

 

「でもさー、ホント意外だよな。カルマの事だし、俺絶対に秋月って言うと思ってた」

 

「俺もだわ、いつも一緒に居るのにな」

 

「だってこれ、"気になる"人でしょ?葵に関しては気になるも何も知ってるし」

 

そう、みんな思ってたはず。何でいつもあんなにもくっついている葵ちゃんの名前を出さなかったのか、って。まぁ本当に伝える必要も無いし、みんな言ってくれたら儲けものぐらいで聞いていたくらいのノリだ。だけど、それに対してカルマ君が言った事は僕やカルマ君からしたら当然とも言える理由だった。そもそもカルマ君葵ちゃんと付き合ってるから恋愛的な意味で気になる人って居ないだろうし。

 

「でも、なんでそこまで言えるんだ?」

 

「だって俺葵と幼なじみだし。ほぼ毎日、葵は俺の家に泊まってきてるからね」

 

「はぁぁ!?なんだそれ!聴いてねぇぞ!!」

 

「いや、言ってないし聞かれすらしなかったし〜」

 

「まぁ、とりあえずこの結果は男子の秘密な。知られたくない奴が大半だろーし。女子や先生に絶対に・・・」

 

僕達のことを見渡し、念押しするように言っている磯貝くんは一点を見た瞬間に尻すぼみになった。自然とそっちに目を向けると殺せんせーが顔をピンク色に染めながら窓に張り付いて聞いていた。僕達が殺せんせーを見ていると無言で懐からメモを取り出して集計結果をメモに写していた。それを認識した瞬間に皆、対殺せんせーナイフを取り出して廊下にかけて行った。そりゃあ、プライバシーの侵害だよ、殺せんせー。

 

 

葵side

 

「恋バナ...?」

 

カルマと別れてからイチゴ煮オレを片手に女子部屋に戻り、扉を開けた瞬間に恋バナしよ!と元気そうに声をかけられた。まぁ確かに修学旅行の夜といえばだけど。男子禁制の女子部屋でやるからこそ、本音をぶつけられるとの事。んまぁ、バカ正直に言う必要も無いし聞けたらラッキーぐらいだとは思うけど、特に実害はなさそうだし参加することを伝えると、真っ先に倉橋ちゃんが烏間先生と暴露し始めた。いや、烏間先生を出すのは反則じゃないかな?皆、烏間先生好きだろうし。その場にいた全員がおなじ考えだったのかE組男子だけと流されていた。磯貝くんとか前原くんの様にこのクラスでも安定の男子から話は広がりカルマになっていた。

 

「でも、カルマとか顔はいいのに素行不良なのが残念よね」

 

「確かに、でも、カルマ君って悪い人では無いですよ?実際率先して助けてくれましたし」

 

顔は良いのに素行不良と言う評価につい笑うと皆がこっちを見てきた。え、何かした?ちょっと怖い

 

「何....?」

 

「で、聞き専に徹してるけど、カルマとはどんな関係なのよ!」

 

まぁボク的には別に言ってもいいけど、カルマとの約束があるから言わない。でも普段ボク達がどう思われてるかは気になる。聞く機会も無いしね。

 

「...いいけど、.....皆は...?」

 

「どういうこと?」

 

「多分、どう思ってるかじゃないかな?渚に聞いた話の予想の立て方だとこれだと思うよ?」

 

そんなのあるんだ...渚ちゃん何作ってるのさ。

 

「友達以上恋人未満とか?」

 

「もう既に付き合ってると思う!」

 

「付き合ってないの?」

 

待ってみんな、同じなの?いくらなんでもじゃない?ボク、そんなにイチャイチャしてるとは思えないんだけど。外で誰かの前でキスなんてしてないし、せいぜい背中に乗ってるぐらいじゃない?でも、それはボクの体力が無いからだし。

 

「...同じ意見...?」

 

「なんでってそりゃあ、いつもくっついているしちょくちょく見つめあってるし」

 

「ぇー...」

 

「んでよ、実際のところはどうなのよ?」

 

「秘密....」

 

「えー!教えてくれてもいいじゃん」

 

見渡してみると不服そうにしてる人が多く居た。まぁ仕方ないよね?でも皆だいたい予想出来てるんだろうねと考えているとビッチ先生がやってきた。

 

「おーい、一応そろそろ就寝時間だってこと伝えに来たわよ〜」

 

なんでこの人は酒を持ってるの?教員だろうに。いや、どうせ言っても無駄なんだろうけど一応みたいな感じだとは思うけど少しは隠しなよ。まぁいいや、みんなビッチ先生を標的にしてたのがわかったからボクは気配を消して静かに部屋を出る。多分だけど、そろそろ殺せんせーがなにかやらかすと思うから。そのままふらふら〜と飲み物を捨てて待合室みたいな所のソファーに座っていた。予想通り男子達が殺せんせーは何処だ!ぶっ殺す!なんて言いながら走ってるのが見えた。カルマと渚ちゃんは見えないけどどうしたのかなぁ?いっか、二人の時間もあるしね。けど、寝るならカルマと寝たいなぁ。普段の生活でカルマ居る方が寝れるし。そんなことを考えていたら眠くなり、眠気に従っていたらどこかの部屋に入り気がついたら眠っていた。

 

カルマside

 

殺せんせーに見られたことで急遽殺せんせーを追い始めたのに便乗して適度に攻撃して、人先早く男子部屋に戻ったら俺の布団が何故か人一人分くらい膨れていた。なにか布団の中に入れた覚えはないから俺が居なくなってからだろうけど、正直正体の予想は着いている。ただ何か言われるのがめんどくさいという理由でどうするか悩んでいる。とりあえずと思い、布団を捲ると予想通り葵が猫のように丸くなって寝ていた。戻してもいいけど絶対中村辺りからなんか言われると思うともういいやと投げやりにしても良いかなぁと思い始め、俺も布団に入り葵を抱きしめながら寝た。




次の日の朝

「...おはよ......」

「おはよー、葵。よく、俺の布団わかったね。というかはだけてるよ。あ、お前ら見るなよ」

「勘...」

((((どうして秋月さんは男子部屋に居るの!?後、カルマは落ち着き過ぎだろ!!!見れねぇよ!!!怖いわ!!!))))

なんてことがあったとかなかったとか


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転校生の時間

どーも、澪です。お待たせしました。今回は律の話ですけど、前半後半に分けたらあまりに短くなったので文章繋げてたら遅くなりました。いやぁ、2週に1話は投稿出来たらいいんですけどね〜。


葵side

 

楽しかったりアクシデントに遭遇した修学旅行から帰ってきて、今日からいつも通りの学校生活に戻る。普通なら放課後には友達と遊びに行ったりと代わり映えのない対して面白みのない生活なんだろうけど、ボク達はE組。普通じゃない。だから、同じような生活というのは送れないものなんだと思う。むしろそっちの方が楽しくていいんだけどね。

 

「あっ、カルマ君に葵ちゃん。おはよう」

 

「おは...よ...」

 

「よー、渚くん。」

 

カルマの背中に乗ったボクとボクを背負ってるカルマを見つけた渚ちゃんがボク達に挨拶をしてきた。そのまま、ボク達は校舎に向かって歩き出した。そういや、なんか烏間先生からメール来てたなぁ。渚ちゃんなら何か知ってるのかな?

 

「......知って...る?」

 

「何も知らないんだよね、烏間先生は外見に驚くだろうって言っていたけど」

 

「どんな子なんだろうねー」

 

そんなことを話していたら、ほかのクラスメイトもチラホラ見え始めてきた。なので、何か知らないか聞いていたら岡島くんが写真を見せてもらったらしくみんなで見始めた。けど、なにか違和感がある。なんだろう。顔じゃなくて写真に。ん?わざわざなんでこんなトリミングしてるのかな?

 

「...トリミ、ング......?」

 

「もしかして人とは限らないんじゃね?そっちの方が面白そうだけどね俺は」

 

ボクがボソッと吐いた言葉をカルマが拾って答えてたけど、人じゃないか。十分にありうる。そんな話を続けながら教室の前に着く。真っ先に杉野くんが転校生にウキウキしながら教室に入るとなにかに気がついたようだった。隙間から教室の中を除くと人一人分ぐらいの厚さを持つ黒い箱が机を前にして置かれていた。もしかして、これ、カルマの予想通り?ボク達が入ったことに気がついたのか電源の着いてなかったディスプレイに写真の子が写り始めた。

 

「おはようございます。今日から転校してきました。"自律思考固定砲台"と申します。よろしくお願いします」

 

((((・・・・・・そう来たか!!!))))

 

朝のホームルームになり、烏間先生から転校生の紹介をされた。けど、烏間先生の身体も僅かに震えてるし、眉間にシワがよっている当たり烏間先生もどう処理すれば良いか分からなくなってるみたいだね。大変だなぁ。

 

「・・・皆、既に知っていると思うが、転校生を紹介する。ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ」

 

「よろしくお願いします 」

 

(烏間先生先生も大変だなぁ・・・)

 

(俺、あの人だったらツッコミきれずにおかしくなるわ)

 

殺せんせーが自分もイロモノ枠なのを棚に上げて笑って烏間先生に突っ込まれてたし、烏間先生曰く"生徒"として登録されているから、殺せんせーは反撃できない。教師としての契約だからな。とのこと。その後授業が始まり、殺せんせーが教卓に立ち国語を教えてるけど皆、あの転校生ちゃん?に興味が向いて若干上の空気味。多分、みんなどこに武器があるのか気になってたんだろうけど、多分内部だと思う。けど、疑問になるのは弾の補充と多種に渡る武器の使用について。あの箱の中に色々な武器が入ってるとは思えない。大まかな種類で一丁ずつなら分かるけどそれでは殺せんせーは倒せない。そんなこと考えていたら転校生ちゃんの側面から見た目からは特定できないけど6門の銃が出てきた。

 

「やっぱり!」

 

「かっけぇ!」

 

転校生ちゃんはそのまま射撃を始めるが、殺せんせーは基本的には全部よけてたまにチョークで弾いて回避する。一方向からの弾幕なら殺せんせーが避けるの赤子の手をひねる様なもの。だってこれと同じような弾幕をほぼ180度からの射撃を毎日避けてるのだから。

 

「ショットガン4門、機関銃2門。濃密な弾幕ですがここの生徒は当たり前にやってますよ。それと、授業中の発砲は禁止ですよ」

 

「・・・気を付けます続けて攻撃に移ります。弾道再計算、射角調整、自己進化フェイズ5-28-02に移行」

 

そういってまた、銃を取りだした。殺せんせーは黄色と緑の縞模様の渚ちゃん曰く舐めてる時の表情?になった。だけど、弾道再計算と射角調整って言った気がする。もしかして今ので対策を張った...?

 

「・・・こりませんねぇ」

 

「......次第...」

 

また弾幕が作られる。だけど、さっきと違うところがあった。それは殺せんせーのチョークを持っていた指の1本が破壊されたこと。当然ボクは見えないけど殺せんせーは驚いてたから何をしたのかわかったんだと思う。なんで破壊されたか。この転校生ちゃん、恐ろしいね。いくら殺せんせーでもパターンはある。それを全て計算したらいい。でも、それは無理がある。常に変動し続ける変数で計算をしているようなもの。その馬鹿げたことを本当にやろうとしてる......?

 

「右指先破壊。増設した副砲の効果を確認しました。次の射撃で殺せる確率0.001%未満。次の次の射撃で殺せる確率0.003%未満。卒業までに殺せる確率90%以上。」

 

増設したってことは外部から取り付ける必要が無いってこと?いわゆる事自己化?後で烏間先生に聴いてみようかな。それに転校生ちゃんなら殺れると思うけど、ボクが面白くない。死ぬつもりは無いけどこんな後から出てきた奴が殺すなんて展開ボクは許さない。まぁ、殺せんせーがどうにかするんだろうね。面白くなるなら許すし、サポートしても良いかなぁ。

 

「よろしくお願いします。殺せんせー。続けて攻撃に移ります」

 

 

 

「・・・これ・・・俺らが片すのか」

 

「掃除機能とかついてねーのかよ、固定砲台さんよぉ」

 

「・・・」

 

「チッ、シカトかよ」

 

「やめとけ機械に絡んでも仕方ねーよ」

 

1時間目、2時間目、3時間目、その日は一日中ずっと機械仕掛けの転校生ちゃんによる攻撃は続いた。ボクはまだ良かったけど前の方の人とか可哀想でしかないよね。まともに授業受けれないしBB弾は当たるし。その上掃除はボクらがやらないといけない。正直やる必要性がないと思うんだよね。殺せんせー教壇から動けなくなるし。無駄でしかない。無駄なことに労力を回させるとはこの転校生ちゃんの配線の一本や二本ぶち抜いてやろうかなぁ。スクラップにしてやる。

 

「掃除.....?」

 

「あ?何言ってんだ?」

 

「掃除...しなかっ、たら...殺せんせー、動け...ない.....それに、自分で...撃った物は、自分で...片すべき.....それに...掃除しない....事を、理由に...喧嘩って...事で、大事な線...ぶち抜い、ても...許され、る...基盤に、水かけ、てやる...」

 

「い、いや!落ち着け!」

 

「案外キレてんな!?」

 

「まぁまぁ、片付けるしかないよ」

 

ボクのやりたい事が大義名分作り、壊そうとしてることに気がついた皆が慌てて引き止めてきた。残念無念。確かに破壊行為ではあるけど友好関係を築こうともしないなら仕方がないよね。雨降って地固まる、とは言うけどその降る雨が止むことのない永遠に振り続ける雨だったら固まるはずの地面も固まらないよ・・・。帰る前に烏間先生にあの転校生ちゃんのことを聞いたけど、ボクの予想通り自分でパーツを増設したり変更させることの出来る自己進化可能な最新型のAIとの事。

 

 

 

翌日、いつも通りカルマに背負ってもらいながら学校に着くと珍しいことがあった。普段は遅刻ギリギリで学校に着く寺坂くんや村松くん、吉田くんの3人が既にいた事。それにあの転校生ちゃんが何故かガムテープでぐるぐるに拘束されていたこと。寺坂くん達がやったのかなぁ?にしてもかなり雑に拘束したねぇこれ。まぁ、いいや。面白くないものが多少は面白くなるだろうしね。どんな反応するのか楽しみだなぁ。

そして、8時半になった。システムを起動し、本来なら昨日のようにひたすらに射撃をするだけの転校生ちゃんも拘束されてることに気がついた。

 

「朝8時半、システムを全面起動。今日の予定ら6時間目までに215通りの射撃を実行。引き続き殺せんせーの回避パターンを分析・・・!?」

 

驚いてるねぇ、そこからどうする?自慢の人工知能でどのように動く?

 

「・・・・・・殺せんせー、これでは銃を展開できません。拘束を解いてください」

 

「・・・うーん、そう言われましてもねぇ」

 

「この拘束はあなたの仕業ですか?明らかに生徒に対する加害でありそれは契約で禁じられているはずですが」

 

・・・・・・面白くない。なんだ所詮は機械か。壊そうかな。何が最新型のAIを搭載してるだ、何が自己進化可能だ。あぁ、ムカムカする。勝手に裏切られたといえばそれまでだけど、本当に面白みのない。

 

「落ち着きな、葵。葵の言いたいこともわかるけどね」

 

イラつきを感じてるボクの頭をカルマが優しく撫でてくれる。多少は落ち着いたけどそれでもやっぱりムカッとする。

 

「違げーよ、俺だよ。どー考えたって邪魔だろーが。常識ぐらい身につけてから殺しに来いよポンコツ」

 

「・・・ま、わかんないよ。機械には常識は」

 

「授業終わったらちゃんと解いてあげるから」

 

へぇ、優しいね。ガムテ解くんだ。ま、明日には面白くなる気がするからいいけど。多分、殺せんせーが何かやってくれるはず。さて、今日は授業中寝れるかなぁ。弾幕って動けないしうるさいしで寝にくいからねー。その日は何事もなく家に帰ることが出来た。あの忌々しいスクラップによって授業を潰されることもなければ無駄に掃除することも無くて助かった。

 

 

 

 

次の日、教室の扉を開けて転校生ちゃんを見る。

 

「.......増えて、る....」

 

 

明らかに分厚くなってる転校生ちゃんがそこにいた。烏間先生曰く、時々親である開発者が来てメンテナンスするとは言ってたけど。なんだろう、拘束された時の対処としての増設とか?そんなことを考えていたら電源が入り液晶パネル全体に転校生ちゃんの姿が表示された。・・・パネル全体?へぇ、殺せんせーによって手入れされたんだ。楽しくなりそうだけど親をどうするかなんだよねぇ問題は。ま、その時の気分でいいや。

 

「秋月さん!赤羽さん!おはようございます!」

 

「親近感を出すための全身表示液晶と体・制服のモデリングソフト、全て自作で8万円!!豊かな感情と明るい会話術、それらを操る膨大なソフトと追加メモリ同じく12万円!!先生の財布の残高・・・5円!!」

 

新しくなった転校生ちゃん曰く昨日の放課後に殺せんせーによってクラスメイトと協力して暗殺に挑んだ方が暗殺成功確率が上がる、と言うことを諭されて、改良を受けいれたらしい。昨日とは違い一気に仲が縮まった転校生ちゃんのことをバカにした寺坂くんが皆から責められて散々な目に遭ってた。転校生ちゃんは単独での暗殺は控えると宣言し、実際に授業中も休憩中も1度も射撃することは無かった。それどころか転校生ちゃんの名前が長いからあだ名をつけよう、とする話になって「律」という名前を貰っていた。みんな分かってないねぇ、親である開発者の一言でバラされてもおかしくないのに。

 

「上手くやっていけそうだね」

 

「んー、どーだろ。寺坂の言う通り殺せんせーのプログラム通り動いてるだけでしょ。機械自体に意思があるわけじゃない。あいつがこの先どうするかは・・・あいつを作った開発者が決める事だよ」

 

「...賭ける...」

 

「じゃあ、消されるに賭けるよ」

 

「あはは・・・なんでも言うこと叶える権利って大丈夫?」

 

「ん...」

 

 

 

 

「おはようございます皆さん」

 

次の日になってカルマとの賭けの結果を見る為に転校生ちゃんを見ると初めて来た時のように液晶パネルは小さくなり、感情のない表情をした転校生ちゃんが居た。ここまではボクもカルマも予想はしてた。オーバーホールすることは。だけどここからが本番。転校生ちゃんがメモリの奥底に殺せんせーの改良プログラムを保存しているかどうか。そこで賭けの答えが出てくる。

 

「"生徒に危害を加えない"と言う契約だが・・・「今後は改良行為も危害とみなす」と言ってきた。君達もだ、"彼女"を縛って壊れでもしたら賠償を請求するようだ。開発者の意向だ。従うしかない」

 

「開発者とはこれまた厄介で・・・親よりも生徒の気持ちを尊重したいんですがねぇ」

 

「・・・・・・攻撃準備を始めます。どうぞ授業に入って下さい。殺せんせー」

 

皆あの傍迷惑なクソ喰らえな射撃が始まると思い体が震えたり、対策を取り始めた。さあどう出る?自ら開発者に逆らったのか、逆らうことなくスクラップにダウングレードしたのか?ボクを楽しませてね。

 

───ジャキッ

 

「・・・・・・花を作る約束をしていました」

 

皆が来る!と身構えていた銃弾は飛ぶことなく、その代わりに無数の花束が作られていた。よく見ればその花は造花なのがわかる。かなり薄くしたプラスチックの形を変えて作ってある。それを、転校生ちゃんが作ったみたい。皆、驚いたような表情をしながら転校生ちゃんを見ている。

 

「殺せんせーは私のボディに・・・計985点の改良を施しました。そのほとんどは・・・開発者が「暗殺に不要」と判断し、削除・撤去・初期化してしまいましたが学習したE組の状況から、私個人は「強調能力」が暗殺に不可欠な要素と判断し消される前に関連ソフトをメモリの隅に隠しました」

 

「素晴らしい、つまり律さん、あなたは・・・」

 

途端に、転校生ちゃんは初期の無に近いインプットされただけの仮面のような表情から自らの心によって作られた優しい表情をし始めた。

 

「はい、私の意思で産みの親に逆らいました。殺せんせー、こういった好意を"反抗期"と言うのですよね。"律"は悪い子でしょうか?」

 

「とんでもない。中学三年生らしくて大いに結構です」

 

こうして、E組の仲間にひとり増えた。これからはこの28人で殺せんせーを殺すようになる。楽しみだなあ。やっぱり本校なんか居なくて良かった。




「カルマ...」

「はいはい、何がいいの?」

「...寝よ...?」

「ん、いいよ。てか、それぐらい何時もしてるじゃん?」

「ぎゅっ...て...」

「家に来るの?」

「ん...」

((((なんの話ししてんだよ!!!!!))))


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