もしも、立花響がちょっぴりエッチだったら (レスリングマン)
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無印編
第一話


「こ、これは生殺し状態だよ〜〜」

 

 人間というのは三つの大きな欲求には抗えなくなっているらしい。

 それすなわち、睡眠欲、食欲……、そして性欲。

 

 かつて私は死にかけたことがある。

 それからだろうか。三大欲求に対する執着が強くなったのは――。

 

 まず、ご飯をよく食べるようになった。ご飯をオカズにしてご飯を食べるくらいに。

 同年代の女子でも私ほどよく食べる子はそうはいない。

 

 そして、びっくりするくらい長時間寝るようになる。

 ちょっとでも寝不足だと、授業中に補わないとならなくなり大変なのだ。

 おかげで先生にしょっちゅう叱られるんだよね。えへへ……。

 

 しかし、このあたりはまだ全然問題がない範囲内におさまっている。

 問題は最後の一つ……性欲が強くなったことである。

 

 リハビリを終えて暫くは凄惨なイジメみたいなことをされていて気付かなかったが、私の性欲はとんでもないことになっていた。

 

 最近は理性で抑えようにも抑えられない。

 

 一人で慰めることもあるが……それでも悶々とした気持ちを我慢出来なくなってしまいそうになる。

 だって、誘惑が多いんだもん。それはもう、罰ゲームかって言うくらい。

 

 ――私は可愛い女の子が好きだ。唐突にこんな告白をしてしまって、ごめん。

 

 これもつい先日自覚したことなんだけど。

 そのせいで今……ちょっと困った状況なんだよね。

 

 私は女子校であるリディアン音楽院の高等部へと入学したわけだけど……寮のルームメイトがまた可愛いんだ。

 

 名前は小日向未来。私の親友にして幼馴染である。

 黒髪で笑顔が似合う私の心に太陽のような温もりを与えてくれた女性(ひと)でもある。

 

 未来とは前々からよく戯れていたりしたのだが、ここのところハグとかすると彼女の陽だまりのような匂いにやられてムラムラするようになってしまう。

 親友にそんな感情を持ってはイケナイと思えば思うほど、その背徳感が私の興奮をさらに高める悪循環に陥ってしまっていた。

 

 そして、今日は本当にやってしまったと思っている。

 

「い、一緒に寝てみる? なーんて、ね」

「うん。いいよ。じゃあ、ちょっと詰めるね」

 

 冗談で二段ベッドの下で一緒に寝ようみたいなことを口走った私だが……未来は何を思ったのかそれにオッケーした。

 

 目の前には吐息が当たる範囲内に無防備な寝顔をさらす未来がいる。

 

 ――な、な、なんて可愛いんだろう。

 

 これはもう、抱きしめるしかないのでは? 

 

 世の中にある可愛いという概念の集合体が未来だと言っても過言ではない。私はそう信じる。

 

「ちょ、ちょっとだけなら。事故で済ませられる……、よね?」

 

 私は目をつむり寝たふりを決め込む。何かあっても寝惚けていたと言い訳が出来るように。

 

 そして、ゆっくりと……、ゆっくりと自らの顔を未来に近付ける。

 

 も、もう少しだ。あと、たったの3cmで未来のその薄いピンク色の唇に。

 

「すー、すー」

 

 規則正しい未来の可愛らしい寝息が聞こえる。否、顔に当たる……。

 

 思ったよりも遠い。

 指二本分の距離がこんなにも遠いなんて。

 ああ、未来……大好きだよ。私はイケナイ子になっちゃったけど、この気持ちは本物だ。

 

 でも、あと僅かで……、あと僅かで……楽園(エデン)に到達す――。

 

「う、う〜ん……」

「――っ!?」

 

 未来から声が漏れて私は動きをフリーズさせる。

 これはまずい。

 

 お、起きちゃう? 起きちゃうんじゃ……。

 

「ひ、響ぃ〜〜。んっ……、ちゅっ……」

「んっ……、んんっ……」

 

 何ということでしょう。未来の顔が奇跡的に動いて、私の唇を奪う。

 彼女の唇は思ったとおり柔らかく、思った以上に心地の良い感触だった。

 

 ――一瞬ですべてを持っていかれる……。

 

 サキュバスというのは人間の性を喰らうというが、未来の唇にもその悪魔的なナニカが宿っているのかもしれない。

 

「んっ……、んんんっ……、んっ……」

 

 暫くの間、夢中になって未来とのキスに没頭する私。

 本能のままに唇に全神経を集中させて彼女を感じる。

 ああ、我が生涯に一片の悔いなし。今ここで死んでも私は後悔しないだろう……。

 

「んっ……、ひ、響? そろそろ気が済んだ?」

「――っ!? み、未来? お、お、起きてたんだ……」

 

 夢中になって、未来の唇を啄んでいたら彼女と暗いベッドの上で目が合った。あはは、人生でこんなにも気まずい瞬間は無かったかも。

 

 ――もう死んでしまいたい。

 

 お母さん、お祖母ちゃん、ついでにお父さん……先立つ不幸をお許し下さい。

 

 やっぱり、私……呪われてるのかな?

 ようやく、冷静になった私はめちゃめちゃ後悔していた……。

 

「うん……。ごめんね。響……、実はずっと気付いてたの。その、響が私のことを時々……え、エッチな目で見てること……」

 

 何それ……やっぱり死にたい。誰か私を殺して。頼むから。

 ノイズの群にダイブしたい。

 

 あの日、「生きるのを諦めないで」と言われて今日まで頑張ってきたけども、親友にこんなことを言われてしまった私は消し炭になりたい。

 

「未来……、ごめん。ごめんじゃ済まないのは分かってる。とりあえずベッドから出るね」

 

「ま、待って……響。その、響のことが嫌とかそんなんじゃないんだよ? わ、私はそのう。響にそんなふうに意識されて……、う、嬉しかったの」

 

「未来……」

 

 えっと。これって、そのう。私は未来にゴミクズみたいな奴とかそういう目で見られてないってこと?

 だって、私は未来のことを性欲の対象として見て……一緒に風呂に入ったあととか凄まじい勢いで自家発電するくらいのことをしてるというのに。

 

 未来の裸だけでご飯何杯も食べれるくらいの性欲モンスターになっているというのに。

 

 そんな私を受け入れてくれるの……?

 

「良いんだよ。響は、響の思うままに生きて。私はどんな響だって大好きなんだから」

 

「で、でも。私は本当に……。んっ……、んんっ……」

 

 私がそれでもまだ未来への罪悪感が消えないと口にしようとすると、そんな私の唇が未来の唇によって塞がれる。

 

 彼女の無償の愛が伝わってくる。そうか、彼女は私の陽だまり……救世主(メシア)だったのか。

 

 脳髄まで響く、甘い口づけの感覚。お互いの舌の粘液を交換すると、それだけで達してしまいそうな錯覚に陥る。

 

 ダメだ……。おかしくなる。もう、後戻り出来ない。

 

 自分で自分を制御できなくなることを自覚した瞬間であった――。

 

「んっ……、ちゅっ……、んんっ……、こ、これで少しは伝わったかな? 私の響への気持ち」

 

「未来……。やっぱり未来は私の陽だまりだ」

 

 気付いたら涙が出ていた。ずっと受け入れてもらえると思ってなかったのに……受け入れてもらえた。

 未来はいつもそうだ。私のことをこんなにもあっさりと……取り込んでしまう。

 

 で、でも……。あんなにキスをしちゃうと……、私は――。

 

「響……、私も欲しくなっちゃった……。響のこと……。慰めてもらっても良い?」

 

 耳元で私に息を吹きかけながら声をかける未来。

 お、お、大人の女じゃないか。未来っていつからこんなにもエロい表情できるようになったの?

 いや、私はとっくに高まってるから、そんな誘惑をされると――。

 

「んんんっ……、い、いきなりだね。そこから、触るんだ……」

 

「み、未来のココ……、凄いことになってる」

 

「だから言ったでしょ? 響が欲しくなってるって」

 

 色々と凄いことになっている未来に本能の思うままに突撃する私。

 何をしたのか具体的に言うなんて、そんな恥ずかしいことは出来ない。

 

 簡単に言えばレスリングに近いことをしたのである。

 大体、3時間くらい……。

 永遠とお互いを求め合った。もう、全身で未来を感じるくらいに……。

 

 だって、これっていつ終わるのか分からなくなったんだもん。

 体力があり余っている自分に嫌気がする。

 

 気付いたら、ベッドのシーツは確実に交換する必要性が出来ており、私と未来は汗だくで抱き合って深い眠りについていた――。

 

 この日から私の中でとんでもないモノが目覚める。

 

 そう、性欲大魔王が目覚めてしまったのだ。

 

 

 ―――――――――――

 

 

「はぁ、何でこんなことになったんだろう? やっぱり私、呪われてるのかな〜〜?」

 

 シンフォギアという奇妙なものを身に纏うことが出来るようになってから……私の生活は一変した。

 ノイズと戦う力を手に入れたからだ。

 

 特異災害対策機動部二課という所に所属して、私は絶え間ない呼び出しに応対するような日々に苛まれるようになったのである。

 

 しかも、未来には秘密で……。

 

 この罪悪感は半端ないもので、私を悩ませた。

 

 だが、それ以上に私を悩ませるのは……風鳴翼――私の先輩であり、憧れの人である。

 

 翼さんはシンフォギア装者であり、私の命の恩人なんだよね。

 だから、私は彼女のいるリディアン音楽院に入学することを决めた。翼さんにお礼を言うために。

 

 しかし、そのう。恩人にこんな感情を抱くのは本当に不埒な感情だと思うんだけど……翼さんが性的過ぎて辛い。

 

 ただでさえ、自家発電するときに思い浮かべるランキングで未来とトップ争いをしてるのに、そんな翼さんがシンフォギアみたいに露出度の高い格好で大股を開いてグルグル回ったりするものだから、私はそこに目が釘付けになっちゃうのである。

 

 もう、その生足に頬ずりしたい衝動に駆られる私の身になって欲しいと言いたい。

 

 とにかく、未来とは忙しくて中々甘えられないし、翼さんがこんなふうに私を悶々とさせるので、私の中の魔王が暴発寸前になっているのである。

 

 しかも彼女はとてつもなく冷たい視線を私に送ったりする。

 

 はっきりと言おう。

 

 ――翼さんみたいな美人からそんな目つきで睨まれるとゾクゾクするし、興奮もする!

 

 これは性癖の中でも至ってノーマルなんじゃないかな〜。

 少なくともマニアックではないよね。

 

 翼さんみたいな人が曇り顔すると、それもそれで唆られるし……。

 

 恐らく、私を守るために亡くなった奏さんのことを想って……彼女の纏っていたガングニールのシンフォギアを纏ってる私に苛つきを覚えてるんだろうけど。

 

 翼さんが冷たくすれば、冷たくするほど、私の心はキュンキュンしている。

 もう、翼さんに襲いかかりそうになるくらい……。

 

 だから私は戦闘中でも、ブリーフィング中でも、暇さえあれば翼さんの方をずっと見ていた。

 

 そんな私を鬱陶しいと思ったのか、ある日の夜……。

 

 ついに翼さんは私に――。

 

「あなたと私、戦いましょうか?」

 

 殺気を剥き出しにされてしまう。

 

 しまったな。ジロジロと性的な目で見ていたことがバレていたみたいだ。

 

「あなたが私の戦い方をずっと観察しているのは分かっている。戦士としての自覚無き者だと決めてかかっていたけど、それは早とちりだったのかもしれない。だからこそ、あなたの覚悟が知りたい。アームドギアを構えなさい。何者をも貫き通す無双の一振り、ガングニールのシンフォギアを纏うのであれば――胸の覚悟を構えてごらんなさい!」

 

 長セリフを要約すると、翼さんは私のいやらしい視線を戦士として翼さんを研究していたのだと解釈したみたいだ。

 何という好意的な解釈なんだろう。でも翼さんって確かに性的な知識に疎そうな感じもするもんなぁ。

 

 でも、翼さんと戦うなんてこと――。

 

 いや、待てよ。翼さんと戦うフリをすれば、これってもしかして翼さんに触りたい放題なのでは? 

 

 事故を装って、押し倒して唇が触れ合うなんてことも可能なのでは?

 

 もう、最近はあらゆる感覚が研ぎ澄まされて、翼さんの汗の匂いまで嗅ぎ分けることが出来るようになるほど昂ぶってしまっているし……。

 

 これはもう。あらゆることを発散するチャンスなのかもしれない。

 

「分かりました。翼さん、これから何かあっても事故だと思ってくれますね?」

 

「むっ……、その殺気……。やはり立花もまた武人というわけか。アームドギア無しでここまでとは。……無論です。私から仕掛けたのだから、何が起きても文句など言うはずがありません」

 

 言質が取れてしまった。何があっても事故だと思ってくれるって。

 俄然やる気になってきたよ。これで翼さんとイチャイチャすることも出来るかもしれない。

 

 あー、もう駄目だ。彼女の刺すような視線に耐えきれない。

 押し倒してしまっても良いなら……お言葉に甘えよう。

 

 

「――っ!? き、消えた!? いや、これは跳躍!? 一瞬で何て高さまで――!」

 

 しまった。足に力が入って跳び過ぎた。

 でも、この高さから翼さんを――。

 

「そんな動きに惑わされると思うな! 何っ!? いつの間に背後にッ!?」

 

 空気を蹴って翼さんの後ろに回り込む。

 そして、彼女を後ろからギュッと抱きしめた。

 

 ああ、肌が触れ合うとどうしてこんなにも温かく癒やされるんだろう。

 

「ま、まさか、こんなにも早く捕まるとは。まだまだ修練が足らないということか。そして立花、あなたの覚悟も……。……ん? た、立花?」

「翼さん、翼さん……。あっ、これダメなやつだ……」

 

 私は翼さんのうなじの香りを吸い込んで軽いトランス状態になっていた。

 駄目だ……。これ、我慢出来ないや。

 

「わ、私の負け……」

「ごめんなさい。翼さん……。もう私、我慢出来ません」

「ああっ……! た、立花、何を――」

 

 素早く前に回り込み彼女を押し倒す私。

 翼さんは、思わぬ動きをした私に呆気に取られたのか困惑した表情を浮かべていた。

 普段は強気な翼さんがこんな表情を浮かべるなんて……。

 

 キュンとしちゃうよ……。

 

 私の心は翼さんにがっしりとホールドされてしまっていた。

 

「翼さん……、ずっと憧れていました。あなたのことを考えるだけで私は、私は!」

 

「お、落ち着きなさい。か、顔が近い……! 立花の顔が……!」

 

 私は翼さんのその凛々しくも美しい顔に吸い寄せられるように顔を近付ける。

 翼さんは、私を受け入れる覚悟をしたのか目を瞑った。これは、行ってもいいんだよね……?

 

「はっ……!?」

 

 しかし、小刻みに震えて涙を流す翼さんを見て、私はハッと我に帰る。

 何をしてるんだ。私は……。

 性欲に駆られて暴走するなんて……。

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 私はこの場から逃げた。

 力いっぱい走って遠ざかった。

 

 明日から翼さんに会うのが怖い。

 絶対に避けられるし。一緒に戦うなんて絶対にしてくれないだろう。

 

 私は自分の強欲さ加減を呪った……。

 

 

 ―――――――――――

 

 

 

「た、立花……。そのう、私はまだお前の気持ちに応えられないかもしれないけど……。久しぶりにドキドキした。今後ともよろしく頼む」

 

 翌日、メディカルチェックをしたあとに……翼さんから飲み物を渡されてそんなことを言われた私。

 

 これって、私の愚行は許されたのだろうか?

 

 しかし、こんなにも性欲が強くてシンフォギア装者として正義のためにやっていけるのか甚だ疑問である――。

 




一応、R15の範囲内で収まっているはず。
健全な小説を目指しますので、よろしくお願いします。


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第二話

「まいったな〜。これはいくら何でもやり過ぎだよ〜〜。未来との約束も守れなかったし……」

 

 ノイズたちとの戦いに悪戦苦闘している私だが、上手くやれば翼さんが褒めてくれるのでそれになりに頑張ってきた。

 

 課題の提出が遅れてしまい、先生に怒られながらも必至で喰らいついていたのである。

 

 そして、今日――私は未来と流れ星を見に行くデートの約束をしていた……。久しぶりの自由時間である。

 

 あーあ。流れ星を見たあとのこともしっかりと考えていたのに……。

 ロマンチックな気分になった未来と手を繋いで帰って、部屋でイチャイチャしまくる予定だったのに。

 お昼ご飯もスタミナ料理をきっちりと食べて、無駄に昨日から栄養ドリンクとか精力剤的なものをいっぱい買い込んだし。

 ていうか、フライングで何本か飲んじゃったよ……。

 

 ――要するに私はやる気スイッチが入った状態でお預けを受けてしまったのである。ムラムラがえらいことになっていらっしゃる。

 

 今の私は持て余した性欲が身体中を駆け回っている状態。

 こんな状態で、何かしらの性的な興奮がちょっとでも刺激されるようなことがあれば――どうなることか分からない。

 

 

 ――また唐突に告白するけれど、困ったことに私は大きなおっぱいが好きらしい。

 

 この性的な趣向が現在の私を非常に困らせている。

 

 いや、別に無いからダメとかそういうのでは無いんだよ。メロンにはメロンの、イチゴにはイチゴの良いところがあるのだから。

 未来や翼さんくらいの大きさでも吸ったり揉んだりする分には楽しめるし、実際に未来の胸の感度はとても敏感で――。

 

 ――こ、これ以上は話しては駄目だ。

 

 未来の胸の話は詳細を語ると色んなことに抵触するし、話が脱線したので元に戻そう。

 

 ――大きなおっぱいというのは視覚的に性欲を掻き立てるという面では非常に優れている。

 

 いや、何だろうね。巨乳の魅力って……。

  

 脂肪の塊に何故、私はあそこまで目を奪われているのだろうか……。

 

 

「あたしはそっちの女を連れてこいって言われてるんだ! お前には用はない!」

「立花には手出しはさせない! 傷付けることは許さん!」

 

 呆然としてる私を尻目に翼さんはとんでもない凶器を胸にぶら下げている白髪の小柄な女の子と戦っている。

 

 その女の子、変な鎧みたいなのを身に着けていたり、ノイズを召喚する杖みたいなのを持っていたりしたんだけど、そんなことよりも彼女の下乳が気になって仕方ない。

 

 なんか、変態的な衣装でおっぱいを見せびらかしながら戦うって、こんなにもエロいのかと私の新しい性癖が一つ増えた瞬間でもあった。

 

 もちろん、それ以前に人として……人間同士で戦うのは良くないとか言ったんだよ。

 その前にそんな格好で戦うのは良くないんじゃないかなー、とか思ったけど……。

 

 翼さんも巨乳ちゃんも、そんなことはどうでもいいみたいで戦っているけど、私には大問題なんだ。

 

 もうね。巨乳ちゃんの露出した下乳をガン見しちゃってる。

 そして、その度に先ほど飲んだ精力剤のせいなのか……あの巨乳ちゃんを押し倒したい衝動に駆られていた。

 

 ――既に私はこの衝動に塗りつぶされてしまいそうになっている。

 

「うわあああああっ!」

「た、立花ッ!?」

 

 私は狂ったように周りのノイズたちを殴りまくった。

 行き場を失った性欲が全身を駆け巡り、それを処理するためにノイズを倒すことに集中したのである。

 

「な、なんだ、あの女は!? まともに戦えないんじゃねーのかよ! さっきからあたしを警戒して睨んでたのは気付いてたが」

「立花を侮るな。彼女は私が見込んだガングニールの後継者。あれくらいはやってのける」

 

 召喚されたノイズを千切っては投げていると、翼さんと巨乳ちゃんがこっちを見て何か話していた。

 

 あー、駄目だ。あの下乳が視界に入るとどうしても下半身がキュンとしてしまう。

 あの姿で迫られたら私――理性を失ってしまうかもしれない。

 

 そんなことを思っていると――。

 

「ちょせい!」

「ぐっ――! しまった!?」

 

 巨乳ちゃんが、翼さんを吹き飛ばしてこちらに突撃してきた。

 こ、これはダメだ。デカメロン伝説がこちらに近付いてくる。

 よく見たら太ももとかお尻のラインもくっきりしていて、全部性的すぎるんだけど…。

 

 あ、悪魔だ。この女の子には……私の中の性欲大魔王を目覚めさせるための全てが揃ってる。

 

「やっと捕まえたぜ――」

 

 現在の私はムラムラが頂点に達しており、暴走寸前であった。

 そんな私に……こともあろうかこの子はその実りに実った果実を押し付けながら、羽交い締めにしたのだ――。

 

 ――あ、ダメだこりゃ。我慢できないや……。

 

 

「な、な、なんだこいつ!? 軽々とあたしの絞め技を――」

「ご、ごめんなさい! 私、もう抑えられない! ん、んんっ……、ちゅっ……、んんんっ……」

「んあっ……、んんっ……!?」

 

 巨乳ちゃんの拘束を振り解いた私は、彼女の両腕を掴んで唇を貪るように奪ってしまう。

 未来と比べて少しだけ厚みのある唇はちょっとだけ酸味を感じたが心地良かった。

 多分、この人は良い人だ……。

 

「んあっ……、んっ、んんんっ……、んんっ♡」

「ちゅっ……、んっ、んんっ、ちゅぷ♡ んんっ……」

 

 意外なことに、舌を入れてみると彼女は反射的になのか舌を絡ませてきた。

 そうなると、私はもう理性が一欠片も残らない。右手で彼女の下乳を揉む。

 

 ――や、柔らかい。なんて、柔らかさなんだ。

 

 私の胸や未来の胸と比べてもダントツで柔らかいし、弾力もある。

 もはや、揉まれる為に育ったのではないかと思うほど、手に吸い付く柔らかさなのだ。

 

「んんっ……♡ んっ、んっ、んんっ……♡ ぷはぁ……。はぁ、はぁ……、て、てめぇ、にゃ、にゃにをしやがりゅ……んっ♡ そんにゃに揉むなぁ……」

 

「はぁ、はぁ……、ご、ごめん。私、なんてことを……」

「そ、そう言いながら、まだ揉んでるじゃねーか……! んんっ……♡」

 

 巨乳ちゃんを離せなくなっている私に、彼女は涙声になって抗議する。

 だって、気持ちいいし。この感触を知ってしまったらそう簡単に離せないよ。

 

「ったく。しかも何でこんなにキスが上手ェんだよ。意識が半分持ってかれちまった……」

 

「わ、私も気持ち良かった。あ、あの、もう一回……キスしてもいいかな?」

 

「――っ!? 良いわけがねぇだろ! な、なんで、あたしは敵にドキッとしてんだ……!? くそっ、くそっ! 覚えてやがれ!」

 

 巨乳ちゃんは私を力強く突き飛ばして、猛スピードで何処かに行ってしまった。

 やっぱり、キスのおかわりは駄目に決まってるよね……。

 

 あーあ、冷静になって考えたら何ということをやってしまったんだろう。

 

 これって、下手すれば犯罪なのでは……?

 

 

「立花! 無事か!?」

 

「つ、翼さん……。私は怪我はありません。翼さんは大丈夫ですか?」

 

「あのくらい平気よ。それより、やるじゃない。あれほど手強い敵を撤退に追い込むとは――。暗くてよく見えなかったけど、どうやったの?」

 

「えっ……? いや、そのう。無我夢中でよく覚えてません……」

 

 良かった。翼さんには私の醜態は見られなかったみたいだ。

 戦闘中に大人のキスしながら胸揉んでたなんて知られたら……軽蔑じゃ済まされないかもしれない。

 

「そう。無我の境地というヤツかしら? ネフシュタンの鎧を回収出来なかったのは残念だけど、あなたが成長しているみたいで嬉しかった」

 

 あはは、完全に翼さんは誤解してるみたい。

 私は成長なんてこれっぽっちもしていない。性欲が強まっているだけなんだ。

 でも、そんな説明をわざわざ憧れの人にするほど私もマニアックじゃないから、黙っておこうっと。

 

 こうして、私はネフシュタン鎧とやらを付けた巨乳ちゃんと奇妙な因縁みたいなものが出来た。

 

 出来る事なら、もう一回だけあの巨乳を揉みたい。

 そう願った私が彼女と再会したのはそんなに先の話では無かった――。

 

 

 ―――――――――

 

 

「早朝から精が出るな。立花……。厳しい特訓をしていると聞いているぞ」

 

「つ、翼さん……。厳しい特訓だなんて。まだまだ、足らないくらいです」

 

「ほう。俺の特訓を受けて涼しい顔をして付いてくる上に、足りないと言ってのけるとは。未来のチャンピオンも夢じゃないな」

 

 性欲の発散には運動が良いと聞いた私は、風鳴司令もとい師匠の元を訪ねて自分を鍛えて欲しいと頼み込んだ。

 もちろん性欲が抑えられないなんて言えるはずもないので、表向きはノイズと戦うためって言っている。

 

 しかしながら、師匠の訓練は多少は性欲を発散させる効果を実感したものの、やはり無くすには及ばない。

 なので、相変わらず私は悶々としており……自分で慰めたり、未来に頼み込んで相手をしてもらったりして、何とか凌いでいたのである。

 

「叔父様、いや司令にそこまで言わしめるとは……。立花、以前……あなたに覚悟があるのかと失礼なことを質問してしまって悪かったわ」

 

「いえ、翼さんの気持ちは分かりますから。奏さんのようになれるとは到底思えませんが……私は私なりに、大切な人を守るために頑張ります!」

 

「そうね……。期待してる」

 

「はい!」

 

 翼さんとの関係もすこぶる良好で、心残りといえば未来への秘密が原因でちょっとずつギクシャクしてきたことくらいだけど……。

 

 そう思って私は立ち上がると――。

 

「た、立花……。ちょっとだけ、付き合ってくれない?」

 

「翼さん……?」

 

 私は翼さんに言われるがままに連れられて、人気のない場所に到着する。

 どうしたんだろう? いつになく神妙な顔つきをしてるし。

 

 

「立花、こんなところに連れ出して申し訳ない。あなたを呼んだのは、その……」 

 

 翼さんは珍しく歯切れが悪い。

 いつもは毅然として凛々しい顔つきも今日は頬を少しだけ赤く染めており、恥ずかしそうな表情をしていた。

 

「……あれから、忘れられないの。あなたが顔を近付けて……せ、接吻しようとした日のことを――」

 

「す、すいません。あの日は私、どうかしてました。ショックを受けさせてしまって、ごめんなさい」

 

 あの日どころか、最近は毎日どうかしているし……翼さんは割と無防備な所もあるのでムラっとすることも多いんだけど、そんなことは言えないので私は謝罪する。

  

 有名なアイドルである風鳴翼にキスしようとしたなんて、ファンが聞いたら卒倒モノだろう。

 

「いや、忘れられないと言ったのは……立花と接吻したらと考えるだけで胸が苦しくなってしまって。最近の努力してるあなたを見ていると特に……」

 

「そ、そうなんですか。ありがとうございます、で良いのかな……?」

 

 どうやら信じられないが、翼さんは私とキスをしたらと妄想してるらしい。

 そして、それを告白したことが途轍もなく恥ずかしかったのか、耳まで赤くする翼さん。

 

 普段の彼女とのギャップが大きくて、私は不覚にも悶そうになってしまっていた。

 

 そもそも、私なんて翼さんともっと凄い……あんなことやこんなことをしてるのを何度も想像しながら自家発電してるので、翼さんの告白など何とも思わないわけだが……。

 

「た、立花……、わ、私と接吻してくれ。後生だから……」

 

「えっ? そんなことで良いんですか? んんっ……ちゅっ……」

 

「んんんっ……、んっ……、んんっ♡ ぷはぁ……。――ず、随分といきなりじゃない」

 

 翼さんはキスをすると、可愛らしい声を出すみたいだ。

 これはとても気持ちがいい……。唇も誰よりも柔らかいし……。

 

「す、すみません。じゃあ、私はこれで……」

 

「い、いや。立花と接吻したら、胸の奥のギスギスとした感情が消えたような気がした……。だからその……。――んっ……、んんっ♡」

 

 翼さんの唇の感触に神経を集中させながら、再び彼女とキスをする。そして、私たちは何度も何度も口づけを繰り返した。

 

 いやー、めっちゃ翼さんとイチャイチャしたよ。もう、これでもかってくらいに。

 

 翼さんって、普段はとっても大人っぽくて凛々しいけど……こういう時って凄く甘えたような態度になるから驚いた……。

 

「んんんっ……、た、立花ぁ♡ もう少しだけ……してぇ♡」

 

 ハグしながら、唾液を口移ししながら、お互いにお互いを求め合う私たち。

 こうして、私と翼さんは時々イケナイことをする関係になってしまったのである。

 

 人目を気にしながらキスするのって……すんごい興奮する――。

 




翼とは謎の勘違いで好感度を稼いだので、絶唱で病院に行くことはありませんでした。
クリスちゃんとは、今度キチンと絡ませたい。
未来とは仲直りのイチャイチャをさせる予定。

どうでも良いですが、初期の翼は口調が定まってなくて書くのが難しいし、G編以降の翼は変な口調になってさらに難しいです……。



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第三話

「未来……? 未来が何でここに……?」

 

 デュランダルという完全聖遺物の護送任務が終わってから間もなく……三度、私はあの巨乳ちゃんと遭遇することとなる。

 しかし、タイミングが悪いことに……そこに未来が現れた。

 私は彼女を助けるためにギアを纏って――今に至る。

 

 未来にこの姿を見られたのはまずいんだけど……それよりもまずいのは――。

 

「て、てめぇ! 今日は許さねぇ! この前はあ、あたしにあ、あんな恥ずかしいことをしやがって! あの後、しばらくてめぇのことしか考えられなかったんだぞ……!」

「ひ、響……? あんなことってどんなこと? あの子にナニをしたの?」

 

 巨乳ちゃんは……私の顔を見るなり頬を紅潮させながらそんなことを言い放ち、未来が凄い顔をしてこちらを見る。

 まるで浮気した恋人を睨むような目つきで。

 

 ああ、涙ぐんでいる。私があの子の果実の誘惑に耐えきれないせいで。

 

 でも、これは仕方ないんだよ。彼女のおっぱいを一度揉んだら忘れられないんだ。

 

 あの感触を一度知ったら、もう抗えなくなってしまう。ハートが鷲掴みにされてしまうんだよね……。

 正直に言って、私はあの子の巨乳の虜になっていた――。

 

 未来、ごめんね。未来のことも大好きなんだけど……私、性欲を我慢できないんだよ……。

 最近は翼さんにも相手をしてもらってるし。

 

 とにかく、ここで暴れるのは色々とまずい。

 

 あの林の中なら人目にもつかないし、都合がいいかも……。

 

 あそこで話し合って、もう戦いはやめようって説得しよう。

 今度こそ、言葉で通じ合うんだ――。

 

 

「こ、こんなところで、何するつもりだよ? いいか、あたしはお前を連れてこいって――。ダメだ! 我慢できねぇ! ちゅっ♡ んんっ……」

 

「んっ、んんっ……」

 

 巨乳ちゃんは私の唇を強引に奪う。

 あれあれ〜〜? 今日は割と冷静だったのに、こんなことをされたらスイッチが入っちゃうよ。

 

「ぷはぁ♡ へへっ、今度はあたしから無理矢理奪ってやった。ざまぁみろ!」

 

 どういう訳か、勝ち誇った顔をしている彼女。

 私としては気持ち良かっただけなんだけど。

 

「ねぇ、話し合うことって出来ないかな? 私はあなたと仲良くなりたいんだ。人間同士で争うなんて馬鹿げてる!」

 

「こ、これ以上仲良く? そ、それって、そのう。あたしと、そういう関係になりてぇってことか?」

 

「うん!」

 

「ば、バカ! ストレートに告るんじゃねーよ……。気持ちがブレるだろうが……」

 

 私は巨乳ちゃんと友達になりたい。

 この子は悪い人じゃないことは、何度か口づけをして分かってる。

 こんなに愛情いっぱいのキスなんて出来るわけないもん。

 

「……ダメだ! こんなことであたしは、この雪音クリスは! 日和るわけにはいかないんだ! お前を引きずってでも連れて来いって言われてるが! もういい! 叩き潰して、思い出も全部ぶち壊す!」

 

 しかし、巨乳ちゃん……もとい雪音クリスちゃんは頭をブンブン振って、私に襲いかかる。

 その攻撃は怒涛だったけど、どこかキレが悪くて、優しかった。

 

 なんだかなー、クリスちゃんの動きを見てるとやっぱりエッチな気分になるんだよね〜。

 

 やっぱり、裸とか想像するのがイケナイのだろうか。これで、クリスちゃんが服でも脱いだら、私は理性を保てる自信がないよ……。

 

「アーマーパージだ!」

 

 えっ? 本当に脱いだ!?

 

「Killter ichiival tron……」

 

 うわー、やっぱり凄い体してる。

 ダメダメ……。クリスちゃんのことを襲いたいなんて思っちゃ……。

 私は人として、人間同士で話し合いをしようとこの場に来ているのだから。

 

 いや、でもな。ああやって、アピールするってことは……つまりクリスちゃんも誘っているのでは?

 思い返せば、今日は会うなりキスをしてきたし……。

 

「見せてやる! イチイバルの力だ!」

 

 見せてもらったよ。クリスちゃんのわがままボディ。

 やっぱりいやらしい……。このいやらしさは世界を変えるいやらしさだ。

 

 あー、もう! あんな凶器をぶら下げて、縦横無尽に揺らしてるクリスちゃんと話し合いなんて出来ないよ……。

 

「歌わせたな! あたしに歌を、――って、な、何をしやがるッ!」

 

「ご、ごめんなさい! クリスちゃんが可愛くて、可愛すぎるから……もう! 我慢できなくて……!」

 

「そ、そんな切ねぇ顔をするなよ、バカ……! あたしだって、お前のこと……。んんっ♡」

 

 そこからは、はっきりと言ってギアを纏ってる意味が無かった。

 お互いに貪るように唇を奪い合った私たちはしばらくの間……夢中になってキスをする。

 

「クリスちゃん、好き……。んんんっ……」

「んっ♡ んんっ……、んんっ! はぁ、はぁ……、あ、あたし……、なんでこんなことを……? だけど、一度この味を知っちまったら、引き返せなくなっちまった……。好きって言われたことなんざねぇから……ドキドキしちまってる……」

 

 クリスちゃんからはもうすでに先程の殺気のようなものは感じられなくなっていた。

 でも、彼女は泣きそう顔をしている。

 どうしたと言うのだろうか……。

 

「おい、お前! あたしのことを好きって本気で言ってんのか!?」

 

「うん! 私、クリスちゃんのことが好き! だから、もう戦うのは止めようよ! 好きな人と戦いたくないから!」

 

「あ、あたしも……お前のことが……。――っ!? の、ノイズ!?」

 

 私が差し出した手を取ろうとするクリスちゃんだったが、私たちの間にノイズが落下してきた。

 

 な、なんで……こんなことに!?

 

 

「命じたことも出来ないどころか……あまつさえ、敵の手を取ろうとする体たらく……。もう、お前には用はない……!」

 

「フィーネ! あ、あたしは! 戦争の火種を消そうってことを諦めた訳じゃない! 待ってくれ!」

  

 フィーネと呼ばれた女性は、ネフシュタンの鎧と呼ばれるものを回収して……クリスちゃんに用はないと断じる。

 彼女は焦ったような顔して、フィーネという人を追いかけて行ってしまった。

 

 もう少しだったのに。もう少しで、クリスちゃんと分かり合うことが出来たのに……。

 

 私はそれが悔しくて堪らなかった……。

 翼さんと合流して、ノイズを倒しながら……私は思う。

 クリスちゃんのこと、そしてこのまま帰ると、100パーセント未来に怒られるということを――。

 

 

 ――――――――――――

 

 

「み、未来……、ご、ごめんなさい。私、ずっと未来に隠し事してて……!」

 

 部屋の中の雰囲気は最悪の中の最悪だった。

 未来にシンフォギア装者である事がバレただけならまだしも、クリスちゃんとの関係もまた彼女を不機嫌にしている要因でもあった。

 

「別に……。響の性欲の強さは知ってるから。他の子と関係を持つことに怒ってるんじゃないし……」

  

 プイッとそっぽを向いて、未来はベッドの方に行ってしまった。

 そうだよね。私が隠し事してたことに怒ってるんだよね。

 未来には何でも話す間柄じゃないといけないのに……。

 

「み、未来……」

 

「さ、触らないで。もう響のこと、信じられない……」

 

 ベッドで横になる未来に手を伸ばすと、彼女は私の手を払いのける。

 やはり、凄く怒ってる。もう取り返しがつかないくらい……。

 

「クリスちゃんとは、3回会った。キスもしたし、胸も揉んでイチャイチャした。正直に言って好きになってると思う……」

 

「……そ、そう。そんなにはっきりと赤裸々に言わなくても……」

 

「翼さんとは、しょっちゅうキスしたり、ハグしたりしてる。わ、私が一人でするときも未来の次に妄想でする回数は多い……」

 

「つ、翼さんとまで!? でも、私の方が多いんだ……。って、なんで私は喜んでるんだろう……」

 

 未来に他の女の子との関係を全部話す私。

 そして、その後……。私はさらにクリスちゃんや翼さんとどんなことをしたのか事細かな説明をした。

 

 未来に全部話す。

 たとえ、軽蔑されようが……全部秘密を喋らないと。

 

 そう思って話していたんだけど……。

 

 思い出したら、めっちゃムラムラしてきた。

 未来が怒ってるにも関わらず、欲情してしまっている。

 

 なんてバカなんだ。私は……。

 

 そりゃ、キスしたりナニしたりを話すとこうなるなんて、目に見えていたじゃないか。

 

 

「あのさ、未来……」

「だ、ダメだよ。響……。私、怒ってるんだから」

 

 切なくなってきて、未来を後ろから抱きしめると……彼女はダメだと言ってきた。

 でも、私を振り解こうとしない……。

 

 未来の髪……、いい匂いがする。このままずっとこうしていたい。

 

「私、未来のこと大好きだよ。愛してる……」

「そ、そんなこと……。んんっ♡ ダメだって、まだ許してないもん」

「ごめん。つい、調子に乗って」

 

 未来に抱きついて、どうしたも辛抱出来なかったので首筋に軽くキスすると……彼女はビクンッと体を震わせながら、可愛い声を出す。

 怒られたけど、抵抗はしない。だから、私は謝りながらも……未来の体の色んなところに口づけした。

 

「んあっ♡ んんっ、んっ……、あんっ♡ も、もう響ぃ……、ダメ……♡ こんなことしても……、んんっ♡ 許さないんだからぁ……あんっ♡」

 

 未来の敏感な場所を愛撫しながら、優しくキスをする。

 彼女は体をくねらせながら、甘い声を出しながらダメだと口にする。

 でも、相変わらず無抵抗で私の行為を受け入れているように感じた。

 

「ごめん。私、未来がいないと生きてけない。未来に危険が及ぶと思って秘密にしてたけど、間違ってた。必ず未来を守るって強い意志を持つべきだった……!」

 

「響……」

 

「私はこれからもずっと未来のことを愛し続ける! これは100パーセント、剥き出しの私の本心だ!」

 

 私は真剣に未来に自分の想いを伝えた。

 自分が一番辛い時、ずっと側にいてくれた彼女のことを私は愛してる。

 好きで、好きで仕方がない……。

 

「き、来て……、響ぃ……。わ、私のことを好きにしてほしい。私、響のものになりたいって、本気で思ってる」

 

「未来……」

 

「響のこと、全部受け入れるって言ったもん。それに、響が黙ってて辛かったってことも分かったし……。ちゅっ♡ ねぇ、早くきて……。んんっ……♡」

 

 仲直りをするためにこんなことをするのは、どうかと思われるかもしれないけど……この日はいつも以上に激しく愛し合ってしまった。

 

 もう何だろう……。私も未来も、獣になったみたいに……ベッドのシーツが色んな染みでベトベトになるまでお互いを求め続けたのである。

 

 本当に私の全部を受け入れてくれた未来に感謝をしながら……私は彼女の愛情に全力で応えた――。

 

「んんっ♡ あんっ♡ 響ぃ……、愛してる♡」

「うん。未来、大好きだよ……」

 

 そして、私たちは深夜に疲れて眠りに落ちるまでずっとベッドの中でお互いの温もりを感じあった――。

 




未来とはある意味最低なやり方で、原作よりも早く仲直りしました。
多分、無印編はあと1、2話で終わるかと思います。



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第四話

ちょっぴりエッチとシリアスの塩梅が難しくて、最後の戦いが適当になりました。
すいません。


「なぜ、小日向がいるの? 私は立花と二人きりでデートをするつもりだったのに……」

 

「翼さん、私のことはお気になさらずに。響が変なことをしないように監視しているだけですから」

 

「いや、気にしないのは無理だと思うのだが……」

 

 翼さんが一日まるっとオフの日が出来たので、デートをする約束をしたと未来に報告すると「セクハラ防止」という名目で彼女が付いてきた。

 

 今日の私は朝起きてからベッドで一回、家を出る前にトイレで一回……自家発電してきたから賢者モードに入っている。

 

 だから大丈夫だと言ったんだけど……。

 

『最近の響は獣並みの性欲なんだから。響が暴走してアイドルの翼さんのスキャンダルの原因になったら大変だよ』

 

 とまぁ、こんな感じで一切信用して貰えない。

 でも、毎晩のように未来に相手をしてもらってる私は彼女に反論出来ない。

 

「じゃ、じゃあ。翼さん行きましょうか?」

 

「そ、そうね。た、立花……私と、そのう……」

 

「デートですから、手を繋ぎましょうか?」

 

「う、うん。そうしてくれると嬉しい」

 

 私が差し出した手を翼さんはギュッと握る。

 その時の彼女はちょっと目を逸らして、頬を赤らめていたんたけど。

 正直に言って、めちゃめちゃ可愛かった。

 

 ああ、今すぐ誰も居ないところに行って――。

 

「――痛っ!?」

 

「響ぃ〜〜。今、翼さんの顔見てエッチなことを想像してたでしょ?」

 

 未来は私の首筋を抓る。

 どうやら、私が翼さんに欲情してしまったことがバレたらしい。

 うーん。流石は未来だ……。私の表情一つでいとも簡単に見抜くなんて……。

 

「そうなのか? 立花……。そ、その。私の顔を見て……不埒なことを考えていたのか?」

 

 うわ〜。翼さんがドン引きしてる……。

 そりゃ、そうだよね。デートが始まってまだ一分も経ってないのにこんなのって――。

 

「ごめんなさい。翼さん……。も、もう大丈夫です。いくら翼さんが可愛くても変なことを考えません」

 

「か、可愛い? 私が……? き、気にするな。そういう風に見られて、実はちょっと嬉しかったりする」

 

「つ、翼さん!? だ、駄目ですよ。響が調子に乗りますから!」

 

 あはは、全部見抜かれてる。

 でも、翼さんにそんなこと言われたら、抱きしめたくなるのって普通だよね? 自重しなきゃいけないのは分かるけど……。

 

 

 その後は服を買いに行ったり、ゲームセンターに行ったりして遊んだ……。

 

 そして、その次はカラオケに行ったのだが、そこで事件は起こる――。

 

「た、立花……。ちょっとだけ、こうしても良いか?」

「つ、翼さん?」

 

 未来が歌ってる最中に翼さんは私の肩にもたれて、手を触ってくる。

 二人きりのとき、彼女はかなり甘えん坊になることが多い。今日は未来がいるんだけど……。

 

「……こうしてると、心地よい。私は寂しかったんだと思う。あなたのおかげで人の温もりを思い出すことが出来た」

 

「そ、そうですか。それは、何というか……えへへ」

 

「立花……」

「翼さん……、んっ……」

 

 見つめ合って、一秒もしないうちに私たちは唇を重ねる。

 もう幾度となくこうしてキスをしたことはあるのだが、カラオケボックスという環境は中々どうして刺激的だった。

 

 しかも、未来の歌声を聞きながら翼さんと舌先を絡めるなんて――めちゃめちゃ背徳的で興奮する。

 

 もう手遅れなのは自覚してたけど、完璧に人の道を踏み外してるなぁ……。

 

「んちゅっ♡ んっ、んんっ……」

「んんっ……、立花ぁ……」

「つ、翼さぁん……」

 

「響ぃ〜〜、何してるのかなぁ?」

 

 妙に優しい未来の声を聞いて私は背中から汗がダラダラ出てきた。

 あー、完全にやっちゃったよ。翼さんと濃厚なキスしてるの未来にバッチリと見られちゃった――。

 

 

 特にだからといってお叱りを受けることはなく、翼さんとのデートは終了する。

 

 

 そして、その夜――。

  

 未来と二人きりの寮の一室――。  

 

 

 

「響のバカ……、私の知らない所ならまだしも、目の前で翼さんとあんなことを……」

 

「ご、ごめん。でも、なんで私……縛られてるのかな? んっ……♡」

 

 私は両手を縛られた状態でベッドに括りつけられていた。

 未来はそんな私の耳たぶを甘噛みする。

 

 そして、私の首筋からドンドン下へ至るところに未来の印を付けられた。

 そうしてるうちに私の体は段々と敏感になっていき、下半身の抑えが効かなくなってくる。

 彼女はそんな私の反応を楽しんでいるようにも見えた。

 

「んっ♡ あっ、あっ、あんっ♡ んんんっ♡」

「ふふっ、響ったら……ちょっと首筋を舐めただけでココをこんなにしちゃって……。ほら、こうするといやらしい音が凄く聞こえるよ♡」

 

 未来は私の敏感なところを愛撫しながら、首筋からへそ下辺りまで舌を這わせる。

 私はそんな彼女の攻めに耐えられずに、すでに何度も体を痙攣させながら達してしまっていた。

 

 こうして私は一晩中未来の玩具にされてしまう。

 もう、未来無しでは生きられない体にされてしまったような……そんな気持ちになってしまった。

 だって、未来ったら大きな声じゃ言えないようなことをするんだもん。

 一番、びっくりしたのはお尻の――。

 

 

 と、そんな話はどうでも良かった。

 それから間もなくして、私たちは大きな戦いに巻き込まれることとなる。

 

 そう、ノイズやクリスちゃんを使って暗躍していた犯人が分かったのだ。

 

 私たちシンフォギア装者たちは月を破壊しようとしている、その犯人と最後の決戦を行った――。

 

 

 

 

 ――――――――――

 

 

 

 

「お、おのれ! 私を誰と心得る! んあっ♡ え、永遠の刹那を……んんっ♡ い、生きちゅぢゅけりゅ……んんんっ♡ ふぃ、フィーネ……んっ♡ や、やめろ……! そ、そんにゃところを触って……んんっ♡」

 

「うわっ……、相変わらずエグいテク使いやがるな。あいつ……」

「むっ!? 雪音……、まさかお前も……」

 

 櫻井了子さん……仲間だと思っていた彼女が実はフィーネだったなんて信じられない。

 

 私は心の中が真っ黒に塗りつぶされて理性が飛んでしまっている。

 今までにないくらい肉欲に身体が支配されているのだ。

 

 これには理由がある。 

 

 ――了子さんは、私を無力化するために……性欲が高まる薬を飲ませた。いわゆる媚薬って奴だ。

 ただでさえ、異常に強い私の性欲がさらに高まれば必然的にギアを纏うことなど出来ないと彼女は読んだらしい。

 

 しかしながら、これがいけなかった。

 

 私の性的な欲求は今までに無く暴走して、気付けばギアを纏って、ネフシュタンの鎧でよりセクシーな格好になってる了子さんを襲っていたのである。

 

 何度も再生するネフシュタンの鎧を砕きながら、彼女の至るところを弄くり回し……舌を這わせている私。

 了子さんは身体をくねらせながら本気で抵抗しているけれど、抵抗の力は弱々しく……私は彼女の全てを貪っていた。

 

「んんんっ♡ んちゅっ♡ あんっ♡ 耳をそんなに舐めりゅにゃっ♡ だ、ダメ♡ んんんっ♡ そんなところに指を入れれば、私は……、私は……んんんんんんんッッッ♡♡」

 

 私の指の動きと呼応して、了子さんは身体を痙攣させながら甘い叫び声を上げる。

 彼女の足元の水たまりは、いやらしい音を立てながらドンドン面積を広げていた。

 

「はぁ、はぁ……、了子さんのココ……凄いことになってますよ。私が舐めとってあげますね♡」

「――っ!? や、やめろ! 今、ソコは敏感になって……んんんっ♡ あんっ♡ ひぃん♡ んああっ♡ ひゃめろオオオオオ♡」

 

 了子さんの下半身が切なそうにしていたので、私は彼女の敏感な場所を思いきり舌で舐め上げたりしながら、何度も吸い付く。

 その度に彼女は声を上げながらビクンッと小刻みに痙攣を繰り返していた。

 

「くっ……、このフィーネがこのまま好き放題されてヤラれてなるものか! 貴様の性欲を枯らせてみせる! ちゅっ♡ んんっ♡」

「んんんっ♡ 了子さぁん♡ んあっ♡ んんんんんっ……♡♡」

 

 そこからの了子さんはスゴかった。

 ムチで私の至るところを刺激しながら、キスを繰り返して……私を何度も何度も達するようにテクニカルに攻めまくる。

 

 今までにない快感が全身を駆け巡り、私も負けじと攻めたのだけど、段々と体力の限界が来てしまう……。

 

 しかし、了子さんの動きは大きな音ともに停止した。

 

 

「し、しまった! こちらに夢中になっていて、カ・ディンギルが……! な、何と悪辣な……!」

 

 翼さんとクリスちゃんがカ・ディンギルという何か凄いビームを打ち出す塔を破壊しようと動いたのである。

 

 了子さんは慌てて、カ・ディンギルを動かそうとしたが……そのビームの軌道は大きく逸れてしまい、月を破壊するに至らなかった――。

 

「もう一発!」

「もういっちょ!」

 

 そして、翼さんとクリスちゃんは更にカ・ディンギルへ追撃して――それを完全に破壊することに成功する。

 

 

「くっ……! よくも、カ・ディンギルを!」

 

「よほど、欲求不満が溜まっていたのだな。途中から夢中になって立花の体を貪っていたのは正直言って見ていられなかった」

「あのバカの性欲に当てられたのが、運の尽きだったな。フィーネ、お前の負けだ!」

 

 このあとの戦いについては実はよく覚えていない。

 

 了子さんが凄い力を発揮して、私たちは追い詰められたんだけど……最後に翼さんやクリスちゃんとキスをし合うことで昂ぶった性欲が爆発して、絶頂(エクスタシー)モードというシンフォギアの決戦機能とやらが作動したようだ。

 

 身体中が気持ち良くなって、痛みも苦しみも全部が快感となり、信じられない力が湧いてきたこのモードによって、了子さんとの戦いに打ち勝ち……、彼女が最後の最後で月の欠片を落下させようとしたのを何とか防ぐことに成功したのである。

 

 

 そして、私たちは3人の装者たちは秘密保持のために軟禁されることとなった――。

 

 

 ―――――――――――

 

 

 

「クリスちゃん、好き……。んっ♡ んんっ♡」

「んあっ♡ んんっ♡ こ、このバカ……。朝からずっとあたしの胸ばかり揉んでいたかと思ったら。んんっ……♡」

 

 拘束期間中……私はクリスちゃんとかなり仲良くなった。

 彼女はその大きな胸を私の腕に押し付けながら、唇を何度も短いキスを繰り返している。

 

「立花、次は私と……」

「わ、悪ぃけど、このバカは当分の間あたしのモンだぜ。んあっ♡」

「ゆ、雪音ばかりずるいぞ。ならば、勝手に混ざる」

「あんっ♡ んんっ♡♡ 翼さんったら、急にそんなところを――」

 

 そして、私たち3人は毎日のように体を重ね合い……。

 装者としての絆は強固なものへとなっていった。

 

 この絆こそ、私たちの最大の強みになることをこの時の私たちはまだ知らなかった――。

 

 ――無印編 完――




思いつきで書いてみたけど、意外と難しい。
G編以降も新たな犠牲者……じゃなかった、装者たちと仲良くなる描写だけ頑張りますのでよろしくお願いします。



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G編
第五話


G編スタート
5千字を目標で書いてたら辛くなったので、3千字を目処に投稿します。ごめんなさい。


 立花響の体液を摂取した装者たちは適合係数が上昇し、シンフォギアの出力を著しく上昇させるという実験結果が出た。

 また、それに伴い……風鳴翼、雪音クリスは立花響の体液を本能的に求めるようになる傾向が強くなっている。

 特にフォニックゲインが上昇中……つまり()()()()()()()()()立花響の体液を摂取すると、催淫効果のような症状が現れてしまうので注意。

 

 依存性や禁断症状などは見受けられないが、適合率が若干不安定になるので、立花響と接する時間を定期的に取得することが推奨される。

 

 ――なお、その間の装者たちのプライバシーは保護され……完全に秘匿するものとする。

 

 

「――というわけだ。分かったか? 立花」

 

「全然、分かりません! 翼さん!」

 

「このバカにでも理解出来るように説明しようと思ったら日が暮れちまうぜ」

 

 ある日、私と翼さんとクリスちゃんは高級なホテルの一室に案内された。

 中には見たこともないほどの大きさのベッドとか何やら色々なモノが用意されている。

 

 みんなでお昼寝……ってわけじゃあ無いよね……?

 

「つまり、だ。私も雪音も……お前が欲しくなってたまらないってことだ。見てくれ……実は私のここはもうすでにこうなっている……」

 

 えっ? そんな嬉しい状況になってたの?

 つ、翼さん……いつになく大胆。

 ――ていうか、堂々とそんなところ開いて見せるなんて、ある意味では彼女らしいか……。

 

「涎を垂らしてるのを見せつけるなんざ、節操がねぇな。……と言いたいとこだが、あたしも限界だ。ほら、これ好きだろ? いくらでも触ってくれ」

 

 クリスちゃんは服をめくって私を誘う。

 薄々気付いてたけど、今日は下着付けて無かったよね。

 もしかして、私のために……そんなことを……?

 

「卑怯だぞ雪音! 持たざる者の身にも……、あんっ♡」

 

「翼さんのココも大好きですよ。大きさなんて関係ないです」

 

「た、立花! ちゅっ♡ んんんっ♡ んっ♡ んんっ♡」

 

 私と翼さんは互いに体を触り合いながら、唇を重ねる。

 本当に彼女のココはいつもよりも凄いことになっている。指を動かせば、動かすほどいやらしい音が部屋に響き渡り……私はその音と翼さんの匂いだけで興奮が最高潮に達してきた。

 

 そして、私はクリスちゃんの方にも手を伸ばす。彼女の身体を触るために――。

 

「んっ♡ んんっ♡ 見ずに的確に弱いとこをついてくるな……んあっ♡ あたしともちゃんと……シテくれ。んちゅっ♡ ちゅっ♡ んんんっ♡ これ好き♡ んっ♡ んっ♡」

 

 体を弄られて、艶声を上げるクリスちゃんは私の背中に手を回しながら豊満な胸を押し付けて強引に唇を奪った。

 その時の彼女の表情は蕩けたような顔になっており、快感を貪っているように見える。

 柔らかなクリスちゃんの感触と甘酸っぱいような唾液の味を感じながら、私はギアを纏ってなくてもエクスタシーモードを発動出来るような錯覚に陥った。

 

「ベッドに行こう……。立花ばかりに攻められるのも悔しいからな」

「今度はあたしたちがお返ししてやる!」

 

 大きなベッドへと私を誘う翼さんたち。

 私は言われるがままに、ベッドの上で仰向けになって寝転ぶ。

 

 

「ふふっ、いい眺めだな。立花の体液を貰うぞ。んむっ♡ ちゅぷ♡ ちゅぷっ♡」

「んんっ♡ 翼さん、いつの間にそんなに上手く……んんんっ♡♡」

  

 翼さんは私の大事なトコロを丹念に舐めたり、吸い取ったりする。

 このときの私はかなり昂ぶっており、彼女が体液を摂取するのに都合が良くなっていたと思う。

 私は翼さんの攻めに耐えきれずに……遂に達してしまった。

 

「あたしはいつも良いようにされて、イラッとしてんだ。オラ! ココも舐めてやるよ! んちゅっ♡ んむっ♡ んむっ♡ ちゅぷっ♡♡」

「く、クリスちゃん。んはっ♡ ちょ、ちょっとくすぐったいよ。んんんっ♡ ま、待って♡ ああんっ♡」

 

 クリスちゃんは、とにかく私の至るところを舐め回してきた。

 耳の裏とか、脇の下とか……もっと凄いところとか……。

 最終的には信じられないトコロに舌を這わせるからびっくりしたけど、気持ちよかった。

 仕返しとか言ってたけど、こんな仕返しなら大歓迎だよ。

 

 

 そこから数時間に渡り、私たちはお互いを求め合った。

 

 明日は私とクリスちゃんは装者としての仕事。

 翼さんは米国のヒットチャートで一位に駆け上がった歌姫――マリア・カデンツァヴナ・イヴとのコラボレーションライブがある。

 

 どうやら、気分を高めるために今日はみんなで集まって仲良くさせたらしい。

 

 これが、翌日にあんな結果を招くことになるとは思わなかった――。

 

 そう、この日の昼間にあまりにもハッスルしたせいで……私は夜中になると体の疼きが抑えられなくなる。

 生憎、未来が熱を出していたので彼女に相手をしてもらうことも出来ずに……悶々として次の日を迎えたのである。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「ゆ、融合症例第一号……! 動きが見えなかった――だと? 同じガングニールのギアでここまでの出力差が……!? んんんっ♡ な、何をする!? んあっ♡」

 

 テレビとかポスターで見たときから……どストライクな見た目だったマリアさんが黒いガングニールを纏うなんて思ってもみなかった。

 

 クリスちゃん以上の爆乳の持ち主が如何にも破廉恥な黒のシンフォギアで誘ってきたので私は我慢が出来なくなってしまう。

 

 何か、マリアの動きがスローモーションに見えるんだけど気のせいかな? 簡単に彼女に近付くことが出来て、口づけをすることに成功した。

 

 うわー、おっぱいの弾力が凄い。ポヨンって、押し返される感じがなんとも言えない。

 

「んっ♡ んっ♡ んっ♡ な、なんで胸を揉むの……!? んんっ♡ そ、それに……どうして、こんなに感じやすく……」

 

 唇を奪うとマリアさんは途端に内股になって悶始めた。

 でも、私は彼女の胸を揉むのを止められない。どうしても手を離すことが出来ないのだ。

 

「マリアに何をしたの……!」

「様子が変デスよ!」

 

 さらに二人の装者(それもびっくりするくらいの美少女)がこちらに向かってアームドギアを振ってきた。

 

 危ないから、避けないと……。

 やっぱりスローモーションに見えるなぁ……。

 

「は、早い……!」

「これじゃ、攻撃が当たらないデスよ〜〜!」

 

 あの二人……どう見たって年下だよね? でも、だからこそ……私は求めてしまう。

 だって、すっごく美味しそうに見えるんだもん。

 

「とにかく、切ちゃん。まずは、マリアを――。んんっ♡ んあっ♡」

 

「し、調!? んんんっ♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡」

 

 調と呼ばれたピンクのギアの女の子はキスするとミルクのような甘い香りがした。

 切ちゃんと呼ばれていた緑色のギアの女の子は無臭に近いけど、唇の弾力が心地よくて何度もキスしてしまった。

 

「はぁ、はぁ……、何だか体が変……、んっ♡ ふわぁ♡ んんっ♡」

「あ、熱いデス……。それに下半身がムズムズします……んあっ♡ んんっ♡ んんんっ♡♡」

 

 調ちゃんという子は舌を入れると、無意識に唇で私の舌に吸い付く。

 目はトロンとして恍惚とした表情を浮かべていた。

 

 切ちゃんという子はキスしながら胸を揉むと……甘い声を大きくしながら膝を震わせる。

 おそらく立っているのが辛くなったのであろう。

 

 

「三人相手どころか……、たった一人の装者にめちゃめちゃにされるなんて……! 切歌! 調! 撤退するわよ! くっ……、屈辱的なのに、なんで憎めないの……? それどころか……気をしっかり持たないと――」

 

 マリアさんたちは慌てたような声を出して撤退してしまった。

 

 後で聞いた話だと、今日の私たちのフォニックゲインの数値は絶唱を何度も使ったときに相当していたらしい。

 ギアの出力が異常に上がっていたのは、昨日の三人での交わりが原因だろうという結論になったんだとか。

 

 

「ということで、今日も頼む。立花」

「逃げんじゃねーぞ。気持ち良くしてやるから、覚悟しな!」

 

 そんなわけで、私たち三人は定期的に愛し合う日が出来た。

 こういったら、不謹慎だけど……私はとても幸せだ――。

 




今話から少なくなって申し訳ありません。
楽しめる内容に出来るように頑張ります。
響が完璧にエロに都合の良い能力に目覚めました。



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第六話(マリア視点)

「はぁ……、はぁ……、んあっ♡ んんんっ♡♡ ふぅ……」

 

 昨日から身体の火照りが冷めない。

 融合症例第一号――立花響にあんなことをされてから、あの時のことを思い出すと自然に身体があの子を求めてしまうのだ。

 こんなことドクターになんか相談出来ないし、マムにも……。

 

 変わったことと言えば、私たちの適合率が跳ね上がったらしいこと。

 昨日は確かにLiNKERが切れそうになる……あの嫌な感じも無かったから、変だとは思ったけど。

 

 ダメだ……昨日のことを思い出しては……。

 また、私はあの子のことを考えてる。

 

「んっ♡ んっ♡ んんんっ♡♡ んふぅっ♡♡♡ ……はぁ、はぁ、フィーネとして世界に喧嘩を売って、これからってときなのに。私はナニをしてるの……? 最低……」

 

 今日だけで3回もあの子に襲われるのを想像しながら自分を慰めていた。

 こんなこと今まで無かったのに。どうなってるの……。

 

 とにかく、気を確かに持ってこんなことはもう止めないと。

 

 でも……今度、あの子に会ったら私は耐えられるだろうか。

 

 

 

「マリア……、ちょっといいデスか?」 

「相談したいことがあるの……」

 

 廃病院に潜伏している私たち。

 トイレから出てきた私に声をかけて来たのは切歌と調だった。

 

 まさか、この子たちも私と同じで……。

 

 そう、私が予想するのは簡単だった。

 彼女ら二人の顔は熱でもあるのかと思うくらい赤くなっており、切なそうな顔をしていたから……。

 

 

「昨日から身体が変なの……」

「調もあたしもずっと身体が熱くて眠れないんデス。それに……」

「切ちゃん……、それもマリアに伝えるの?」

「いや、確かに恥ずかしいデスが……」

 

 二人とも羞恥心によって言い淀んでいるみたいね。

 仕方がない……。私から言うしかないか。

 

「言わなくていいわ。私もずっとアソコの疼きが止まらないのよ。朝から3回も自分で処理シテるし。――あなたたちもそれで楽になるなら仕方ないと割り切るしかないと思うわ。多分……昨日のことが原因ね」

 

「ま、マリアもアソコがムズムズしてるのデスか!?」

「切ちゃん、誰も居ないとはいえ声が大きい」

 

 やっぱりそうか。

 この子たちも立花響が接触している。

 どう考えても彼女が原因としか思えない。

 

 なんと悪辣なんだろう。

 身体をこんなふうにされて、仲間もその毒牙にかかって、それでも……あの子の事が欲しいと思うなんて。

 

「とにかく、あなたたちは……」

「それで……マリア、()()()()()ってなんデスか?」

「私もそれが気になった。楽になる方法があるの?」

 

「…………」

 

 はぁ!? 何よ、その性の知識がありませんっていう純粋無垢な表情!?

 ちょっと待って! それ以前に……な、なんで私は勢い余って自分を慰めた回数まで告白してるのよ!?

 

 もう、無理よ……。絶対に無理。

 恥ずかしくて、この子たちの顔が見れない。

 

 ていうか、本当にやり方を知らないの? 知ってるでしょ。普通は……。

 如何に私たちが施設育ちだとしても、人知れず覚えるものでしょう。

 実際に私がこの子くらいの年齢のときとか結構な頻度でシテたわよ。

 

 いや、よく考えてみればセレナともそんな話をしたことないし。

 

 ――それじゃ、私が特別エッチな女みたいじゃない。

 

 ああ、止めて。そんな無邪気な目で見ないで。

 それどころか自分で処理するって言葉に好奇心を見せないで……。

 

「ま、マリア? 大丈夫デスか? 顔色が悪いみたいデスけど」

「本当に真っ青……。ドクターに診てもらったほうが……」

 

「あり得ないわ! 診てもらうなんて!」

 

 今度は凄く心配そうな顔をして私を見る二人。

 こんなこと言えるはずないじゃない。

 

 ――とにかく、この子たちに教えなきゃ。今は緊急時なんだし。

 

 ううっ……、セレナにだってこんなことを教えるなんてやってないわよ。……当たり前だけど。

 

 それから私はなるべくオブラートに包みながら切歌と調に性教育の授業をする羽目になる。

 

 こんな情けないことないわ。

 ヤケクソで目の前でシテみたら、二人ともちょっと引いてたし。

 

 でも、ヤッてみたらスッキリして楽になったということだし……。とりあえず急場は凌いだようね。

 

 この場所もそうそう簡単に見つからないだろうし、あの子と再会するのもかなり先のことになるでしょう。

 

 ……なんで、今……寂しいとか思ったの?

 

 立花響に会って、死ぬほど犯されたいって思うなんて……どうかしてるわよ。私は……。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 あのドクター、何考えてんのよ。

 簡単にアジト見つかっちゃったし、捕まってるじゃない。

 

 相変わらず、三人の装者はこっちよりも強いし……。

 あっ……、キスしてる。あの子、仲間にもあんなことを……。

 

「スキだらけだぞ!」

「きゃっ!?」

 

 風鳴翼……危ないじゃない。

 容赦ない斬撃に私は終始押されていた。

 この前に手合わせしたときはこんなに圧倒されていなかったのに……。

 ダメ……、集中できない。これじゃ負けちゃう。

 

「マリアさん! 話し合いましょう! 何か事情があるなら聞きますから!」

 

 ――こ、声すらも愛おしく感じてるじゃない。

 ああ、舌を入れた濃厚なキスがしたい。

 胸もアソコもめちゃめちゃに触ってほしい。

 

「立花の方ばかり見ているな。戦場でそれは命取りだぞ」

 

「――っ!?」

 

 あっ……、負けちゃったわ。私……。

 まともに攻撃を受けてギアが維持できなくなってしまったみたい。

 

 切歌も調も融合症例第一号……立花響の毒牙にまたかかったのか惚けた顔をして戦ってるし……。

 

 いや、私も同じような顔をしているのかしら……。

 あのとき、唇を奪われた瞬間に……勝負はついてしまったのかもしれないわね。

 

 このまま、彼女らに捕まるのも……悪くな――。

 

「マリア! 退却デス!」

「ドクターは回収した。逃げられるはず……」

 

 切歌に抱えられて、私はヘリコプターの中に逃げ込む。

 神獣鏡の力によって完全なるステルス性能を持つこのヘリにさえ乗れば、確かに彼女らに追われる心配はないわね。

 

 それにしても、劣勢だったのにどうやって逃げることが出来たのかしら?

 

「調が絶唱を使ったんデスよ」

 

「そ、そんなことをしたら……バックファイアで――」

 

「それも覚悟したんだけど……。どういうわけか平気。ちょっと疲れたけど……」

 

「また、適合係数が上がったということかしら? どういうことなの……?」

 

 ともかく、調の活躍によって私たちは敗北を免れた。

 とはいえ、私は惨敗もいいところ。

 その上……何もかも諦めて立花響の手に落ちることまで半分望んでしまった。

 

 こんなに心が弱くなるなんて……。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「マリア、そんなに気を落とさないでください。きっと、フィーネの魂が身体に宿ってるから精彩を欠いてしまうんデスよ」

 

「私のことなら気にしないで。本当に大丈夫だから……」

 

 切歌、違うのよ。私にはフィーネなんて居ないの。

 ただ、私は淫らな欲望によって支配され……スキを見せて敗北しただけ。

 

 調に絶唱まで使わせて……。

 

 もしも、調に何かあったら私はどう責任を取れば……。

 

 私がしっかりしなきゃいけないのに。彼女らにこんな顔をさせて……。

 

 本当に最悪よ。泣きたくなってきたわ……。

 

 

「私なら平気よ。ごめんなさい。もう、二度とあんな情けない姿は見せないわ」

 

 でも、立ち止まるわけにはいかない。

 私には成さなくてはならないことがあるから。

 もう、立花響への性欲に負けたりなんかしない。

 

「マリア……、大丈夫そうデスね」

 

「ええ、心配かけたわ」

 

「じゃあ、これから私と切ちゃんでネフィリムに食べさせるためのギアペンダントを取ってくるから――」

 

「ギアペンダントを――?」

 

 話によれば、ネフィリムを成長させるために必要な聖遺物が無くなったので、入手する必要が出来たのだそうだ。

 私は寝込んでしまっていて、何も知らなかった。

 

 それで、切歌と調が風鳴翼と雪音クリスの所持するギアペンダントを盗みに行くという話になったみたいだけど。

 

 何だか、また近いうちに再戦するような気がしてきたわ。

 

 立花響……やだ、あの顔を思い浮かべたら私はまた……。

 

「話は分かった。ちょっと、お手洗いに行ってくるわ……」

 

 私は真剣な顔をする彼女らにトイレに行くと伝える。

 まったく、面倒なことになった。

 

 トイレの鍵をかけて、私はそこに腰掛ける――。

 

「んんっ♡ んあっ♡ はあんっ♡ んんんんっ♡♡ ぜ、絶対にぃ♡ 今度は負けないんだからぁ♡♡」

 

 指で強く抓んだり、擦ったりしながら自分で処理をするも、私の心はまだ折れてない。

 次に戦うときは醜態を見せたりしない。

 

 でも、今はこの疼きを止めないと。

 

 あっ♡ ここ、気持ちいいかも♡ んんっ♡♡




もう既にただのやらしいマリアな件。
きりしらもその内困ったことになりそう。
響の体液がただの凶器になっています。

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