遊戯王GX~GX世界に転生してデュエルアカデミアでカイザー達と同期になったんだけど、多分僕はモブだろう~(お試し版) (カイナ)
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プロローグ

 吾輩は転生者である。名前はまだない。

 

 ……冗談だ。名前はきちんとある、どこにでもあるような苗字二文字と名前二文字が組み合わさった面白みのない名前である。しかし昨今よくあるキラキラネームと比べればマシというものだろう。

 

「……じょーだんはさておき。まあ、そんな冗談を呟いてないと緊張でしょうがないんだけど」

 

 埠頭の中でも入り組んだ場所、そう簡単には見つからないような場所で一人ごちる。ドクンドクンと心臓が脈打つのが分かる。しかしそれも仕方のない事だと自分に言い聞かせる。

 

 ──もうすぐ、デュエルアカデミア高等部行きの船が出発します。デュエルアカデミア高等部への入学生の皆さんは所定の位置に集合してください。

 

 そんな放送が集合場所から少々離れたこの場所でも耳に届く。いよいよだ。この()()()()()の物語の主な舞台、デュエルアカデミアへ向かう船が今自分がいる埠頭から出る。

 そう、この世界は遊戯王GX、さらに細かく言えば遊戯王デュエルモンスターズの世界。それを自分が理解したというか唐突に()()()()()のは幼少の頃にテレビで「デュエルキングの軌跡」と題された武藤遊戯がペガサス島から始まってバトルシティを勝ち抜いてきた事を振り返るという特番を見た時だ。

 それからこちらの世界でも遊戯王デュエルモンスターズを始めて、近所で開催される小さなもの限定だが大会にも出場してそれなりに結果を出して、そうしたら馴染みのカードショップでデュエルアカデミア中等部の話を聞いて入学試験を受けて、中等部生活を経て、成績優秀な特待生としてデュエルアカデミア高等部への編入試験を受ける事が出来て合格。

 ついに遊戯王GXの主な舞台であるデュエルアカデミアへと行く事になったのだ。

 

「武藤遊戯がいて、バトルシティが終わったって事は無印が終わった後なのは間違いないよな……」

 

 武藤遊戯がデュエルキングと呼ばれているのだから時系列的にバトルシティが終わっており、それから特番が組まれる程に時間が経っている以上は恐らく無印も終わっているのだろう。となると次はGXになるのだが……。

 

「僕、GXは途中までしか見てないんだよね……異世界に渡ってからどうなったんだっけ?」

 

 実はGXは途中までしか見ておらず、その後の作品もノータッチ。だから正直GXしか自分が分かるものがないというのも、次はGXだという判断材料という名の希望的観測だ。

 

「ま、関係ないか」

 

 しかしそこはもう気にしたって今更どうする事も出来ないだろう。大体、自分がそんな物語で活躍できるとは思えない。

 遊戯王GXの記憶自体かなり曖昧になっているが、自分の名前をしていたキャラは覚えている限りいなかったし、平凡な名前だからきっとモブだろう。それなら自分から関わろうとしない限り安全は保障されているも同然だ。

 最後には主人公(遊城十代)がなんとかしてくれると信じて自分はデュエルアカデミアで平和な学園生活を満喫すればいい。それに結局危険に巻き込まれるのは最低でも一年だけだろうという確信もある。

 

「そこにいたのか」

「やっほー」

 

 誰かが唐突に声をかけてきた。いや、今まで一緒にやってきた親友であり好敵手(ライバル)である彼らに対して誰かなんていうのは無粋だろう。

 

「ちょっと緊張しててさ。一人で落ち着きたいと思ってたんだ。ごめんね、亮、吹雪」

 

 青い髪を短く切った背の高いイケメン──遊戯王GXではカイザーの異名を持つ凄腕デュエリスト、丸藤亮。

 その隣に立つのは人懐こい笑みを浮かべた茶髪のこっちもイケメン──遊戯王GXではキングとまで呼ばれたデュエリスト、天上院吹雪。

 二人とも遊戯王GXの登場キャラで、本編が始まった時には三年生。つまりそれと同級生である自分は留年でもしない限りデュエルアカデミアにいる間は彼らが、正確には吹雪はダークネスに洗脳されていたから亮が卒業するまでに起きた唯一の事件──セブンスターズ編に注意すればいいということだ。破滅の光とかに関してはまあ、おいおい考えるとしよう。

 

「そろそろ集合場所に向かおう」

 

「オッケー、行こうか」

 

 目下の目標は結局どうしてそうなったのか分からないけれど吹雪がダークネスに洗脳されないように気を付ける事。そうすればとりあえず二年間は安全だろう。

 せっかく転生したんだ。いくら識っているからとはいえ先の事を考えすぎるのもつまらないだろう。そう考え方を変えればこれからの学園生活が楽しみになり、思わず走り出していた。

 振り返れば突然走り出した僕にポカンとしている亮と吹雪の顔が見え、思わずおかしくなる。

 

「ほらほら亮、吹雪、急いで! 船に乗り遅れてデュエルアカデミア入学取り消しとか笑い話にもならないよ!」

 

 顔を見合わせてやれやれというように苦笑して、二人も僕を追いかけて足を進めたから僕ももう一度振り返って集合場所目指して駆け始める。

 

「待て、優介」

「待ってよ優介」

 

 声をかけて追いかけてくる二人に追い抜かれまいと走るスピードを上げると、二人も追いかける足を速める。それに負けじとスピードを上げれば二人もまたスピードを上げる。

 いつの間にか全力疾走になっていた負けず嫌いな男子三名の意地の張り合いは集合場所まで続き、引率の教師や他の入学生達のポカンとした顔が僕らを出迎えるのであった。

 

 これは僕。遊戯王GXにおいて特に物語の舞台に上がる事のなかったモブ、()()()()のなんの変哲もないだろう物語だ。



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前編

【注意】
これは三話連続投稿の二話目です。
もしも一話目を読んでいないまま間違えてここに飛んできた方は一話目への移動をよろしくお願いいたします。


 デュエルアカデミア。デュエルの貴公子とも呼ばれる海馬コーポレーションの現役社長──海馬瀬戸が未来のデュエル界を牽引するエリートデュエリストを育てるために設立されたデュエリスト養成学校。

 何故か海のど真ん中の島に設立されているため学生は強制的に三つある寮に割り振られる事になる。またその三つの寮は成績によって所属が決められ、成績によってはより上位の寮に昇格したり逆に下位の寮に降格する事もあるという、実力主義といえる校風になっている。

 そんなこんなの説明を入学式の中で受けながら、優介達のデュエルアカデミア入学式の時間は過ぎていく。

 

「ん~っ! やっと入学式が終わったね」

 

「吹雪、みっともないから伸びはやめろ」

 

 大きく伸びをする吹雪とそれをみっともないと注意する亮。新しい環境になってもいつもの光景に優介もふっと笑った。

 

「えーっとそれで、僕達はオベリスクブルーに行けばいいのかな?」

 

 オベリスクブルー。先ほど説明したこの学園の三つの寮の中でも最上位の寮、デュエルアカデミア中等部からの所謂内部進学組の中でも特に成績優秀な生徒だけで占められており、まさしくこの学園のエリートと呼べる立ち位置の生徒が所属する寮だ。

 原作でも亮と吹雪はブルー寮に所属していたからそこに行けばいいのかと考えている優介に対し、亮が呆れたようにため息を漏らした。

 

「お前は入学案内をきちんと読んでいなかったのか? 俺達は特待生として扱われるから別の寮に行く事になっている」

 

「「え、そうなの?」」

 

「吹雪もか……」

 

「いや、特待生なのは知ってるけど。別の寮が用意されるとまでは覚えてなかった」

「同じく」

 

 暢気な学友二人に亮は頭を抱えたのだった。

 

「おー見つけたデアール。ムッシュ丸藤、ムッシュ天上院、ムッシュ藤原デアールな?」

 

 そこにドスドスとした重い足音をさせながら、太った小柄な男性が駆け寄ってきた。

 その相手に吹雪が首を傾げる。

 

「あなたは?」

 

「入学式で自己紹介したはずデアールが……まあいいデアール。吾輩はデュエルアカデミア教頭のナポレオン、デアール。三人を特待生寮に案内するデアール、ついてくるデアール」

 

 男性──ナポレオンはそう言って歩き始め、三人もついていく。そして少し歩いた先に車が用意されていてナポレオンが「乗るデアール」と促してきたので乗車、ナポレオンが助手席、三人が後ろの席に乗って車が出発。

 その車は森の中の豪華な洋館とでもいうべき場所まで三人を送って停車。車から降りたナポレオンは同じく降車した三人に対してその洋館に仰々しく手を向ける。

 

「ここが特待生寮デアール。ドロップアウトのオシリスレッドや凡人のラーイエローなどに邪魔されないような静かな環境で、授業以外でも勉学に励んでほしいデアール。あーちなみに寮長は実技最高責任者のクロノス平教諭が、オベリスクブルーの寮長と兼任して行うデアール、何かあればそっちに言ってほしいデアール」

 

 どうやら特待生寮への所属生徒は形式的にはオベリスクブルーへの所属という事になっているらしく──実際彼らに配布された制服もオベリスクブルーのものである──そこの寮長が特待生寮の寮長も兼任して行うとのことだ。

 しかし兼任とはいえ本来の寮長であるクロノスはオベリスクブルーの寮長としての生徒への挨拶や歓迎会への参加、その他の寮長としての業務で忙しいため、代理としてナポレオン教頭が案内役を行っているらしく、クロノス教諭はこの後落ち着いてから挨拶に来るそうだ。

 

「あとは内装や設備の説明デアールな。ついてくるデアール」

 

 ナポレオンに促されて寮に入る三人を出迎えるのは「お帰りなさいませ」と一糸乱れぬ動作で声をかけてくる大勢のメイド及び執事の使用人。

 亮と優介がぎょっとし、吹雪がメイドさんに笑顔で「どうも」と手を振って挨拶する辺りに咄嗟のコミュニケーション力の違いが表れていた。

 

「特待生寮にはシフト制の24時間体制で警備員兼任の使用人が在住しているデアール。日常生活で困った事があれば彼らにお願いするデアール」

 

 警備以外にも食事の準備や寮内の掃除などの日常生活における雑務も使用人がこなすため、寮生は学生生活に集中するようにということらしい。

 その他に特待生寮にはわざわざアカデミアのデュエルスペースに行く必要がないように寮の地下に特待生専用(「そもそも特待生寮には特待生以外立ち入り禁止」と注意された)のデュエルスペースやそこで使用可能な最新式のAIを搭載したデュエルロボ、さらには本来はアカデミア内にある資料室のデュエルモンスターズのカードデータベースとリンクしたカードデータの検索及び閲覧システムまで完備されていた。

 平たく言えば「極論授業の時を除けばずっと寮内にいてもデュエルの修練には困らない」ようになっている。

 

「とはいえ、いくら最新式のAIと言っても。実戦はやっぱり生きたデュエリスト相手が一番だよね」

 

「ああ。各人の個性がデッキ、そしてデュエルには表れるからな」

 

「それにずっと寮に引きこもるっていうのも性に合わないしね。まあデッキ調整には便利だと思うよ?」

 

「むぅ……まあ、その辺は生徒の自由デアール。こっちとしても特待生として問題ない成績や素行、要は結果さえ出してくれればあまり文句は言わないデアール……が」

 

 厚意は受け取るが、やっぱり寮に引きこもっているのは面白くなさそうと答える生徒達にやや閉口しつつもナポレオンは結果さえ出せばうるさく言わないと回答。しかしその次に目を鋭く研ぎ済ませた。

 

「君達は特待生としてデュエルアカデミアに選ばれた。これだけは忘れないで欲しいデアール。君達は全ての生徒の模範となり、目標とならねばならない。もしも君達の成績や素行がそれにそぐわぬと判断された場合、君達の特待生としての資格は容赦なく剥奪されるデアール……その先がどうなるかなど、言うまでもないデアールな?」

 

 特待生、すなわち特別な待遇が約束された生徒、しかし全ての物事には対価があるのは世の常識。

 入寮初日だけでも専用のデュエルスペースと最新式のAIを組み込んだデュエルロボを専用の相手として準備され、さらにはデュエルモンスターズのカードデータをわざわざ資料室に向かわずとも寮ですぐに確認できる専用データベース。そして豪華絢爛な寮で何不自由なく勉強に集中できる環境。

 この待遇の対価として彼らはこのデュエルアカデミア全ての学生の模範にして目標として君臨する義務が課せられる。

 もしもそれが出来ないのならそれはこの待遇を与えるだけの価値がないという意味も同然、その資格が剥奪されるのも道理である。

 そのプレッシャーに対し、三人はただ微笑を以て返す。その意味を理解したのかナポレオンもうむと頷いた。

 

「これ以上は吾輩からは何も言わないデアール……では吾輩はこれで失礼するデアール。君達が特待生としての重圧に負けず、良き学園生活を送れるよう祈っているデアール」

 

 そう言ってナポレオンは去っていき、それを確認してから優介が亮と吹雪を見た。

 

「これからどうする?」

 

「歓迎会というのが行われるそうだが、それまで暇だからな……」

 

「アカデミアに行ってみようよ。歓迎会まで暇なのはきっと皆一緒だしさ」

 

 優介の問いかけに亮が歓迎会までの時間潰しをどうしようかと考え、吹雪が提案。だがアカデミア校舎から特待生寮まで車でそれなりに時間がかかっており、それを今から徒歩となると歓迎会に間に合うかと二人が不安そうに吹雪を見た。

 

「心配ないよ。さっきメイドさんに教えてもらったけど、朝夕は車での送迎が出るけどそこ以外の自由時間にも生徒が自由に移動できるように自転車が用意されてるらしいから。ちょっと来て」

 

 学生の移動は基本徒歩だというアカデミア内で車での送迎だけでも大層だというのに自由移動まで自転車という特別待遇が準備されているらしい。

 それよりもいつの間にかメイドから情報収集をしている抜け目ない吹雪に二人は苦笑しつつ、玄関近くにいた使用人に「ちょっと出てきます」と伝えて外に出る。そこにはたしかに自転車が人数分置かれていた。なお車に乗せる事も想定しているのか折り畳み式である。

 

「ここにPDAをかざせば電子ロックが外れるようになってるんだって。あと自転車にGPSがついてるからどこにあるかはPDAを見れば分かるそうだよ。えーと、これが僕ので、これが亮の、これが優介のみたいだ」

 

 自転車そのものは同じものでそれぞれ亮が青色、吹雪が黄色、優介が赤色にペイントされているくらいしか違いがない。恐らく入学主席が亮、次席が吹雪、そして三番目が優介だからだろうか。

 あらかじめ説明を受けていたらしい吹雪が試してみて開錠したのを真似て亮と優介も自転車の鍵を開錠、三人は自転車に跨ってアカデミア校舎へと向かう。

 そして三人は校舎にやはり特待生用なのかあるいは来客が来る際に使うのか分からないが設置されている駐輪場に自転車を停めると校舎内に入ると、自分達と同じ青色を基調とした制服以外に黄色、赤色を基調とした制服を着た生徒が新たな生活に目を輝かせながら校舎内を探検しているのを見て優介達はフッと微笑んだ。

 

「彼ら全てが俺達の学友にしてライバルというわけか……腕が鳴るな」

 

「うん。彼らの模範だとか目標だとか、そういうのも大事かもだけど……それよりも彼らと楽しく戦いたいよね」

 

「実は結構戦闘狂だよね、二人とも……」

 

 亮と優介がうずうずとした様子で呟くと吹雪が呆れ気味に声を漏らす。

 どうやらイエロー寮の生徒は中等部を卒業して高等部への進学を希望・合格した生徒の中でもブルー寮に入れる程の成績は取れなかった生徒が大半を占めている──残るは外部受験組の成績優秀者で、レッド寮は外部受験組の中での成績優秀者以外だそうだ──ようで、何人か黄色の制服を着た顔見知りを見かけて軽く挨拶しながら、彼らはデュエリアリーナへと足を運んだ。

 

「ここがデュエルアリーナ……やっぱり中等部と比べても規模が段違いだね」

「ソリッドビジョンも最新式だ」

「早速誰かにデュエルでも挑んでみようか」

 

 吹雪が中等部以上の規模の設備に驚き、亮もソリッドビジョンまで最新鋭になっていると分析、優介が我慢できないとばかりにデュエルディスクにデッキをセットして対戦相手を探し始めようとする。

 

「うわああぁぁぁっ!!」

 

 突然聞こえてきた悲鳴に反応した優介が声の方を見る。

 そこにはイエローの制服を着た男子生徒が悔しそうな顔をしながら、目の前でニヤニヤと笑っているブルーの制服を着た男子生徒を睨んでいる光景があった。

 

「あれはたしか……」

 

「渡邊君、大丈夫!?」

 

 見覚えがあるのか吹雪が呟くがそのピンと来ないというような表情的に名前までは覚えていないらしく、優介が咄嗟にというように声をかけて駆け寄った。

 

「ああ、そうだ。渡邊(わたなべ)(たけし)だっけ?」

 

「優介とはデッキタイプが似ているからとよく話していたな……それよりも吹雪、対戦相手を見ろ」

 

「ん……? って、うへー、こりゃ入学早々面倒くさいことになったなー」

 

 亮の促しに吹雪は面倒くさいという顔を見せるが、親友を放っとけるわけがないというようにデュエルディスクにデッキをセットして歩き出す。軽薄そうだが意外と情に厚い親友の姿に亮も控えめに笑みを浮かべると自分も同じくデッキを準備して歩き出した。

 

「一体どうしたんだい、渡辺君?」

 

「いや、この人がいきなり“レッドのクズやラーイエローの凡人がエリートである俺達ブルーに近づくんじゃねえよ”って喧嘩売ってきてさ……ちょっとカチンって来ちゃったから……」

 

 優介がイエローの友人──渡辺に話を聞き、その対戦相手であるブルーを睨みつける。

 

「……って、あんたは沼瀬(ぬませ)伊香(いか)……先輩」

 

「よお、生意気な藤原に、丸藤と天上院か。相も変わらず三人でつるんでるんだな」

 

 ニヤニヤとした笑みを浮かべた沼瀬なる男子生徒に嫌そうな表情で先輩をつけて名前を呼ぶ優介。どうやら中等部時代の先輩らしく、沼瀬もフンと鼻を鳴らして三人を睨んだ。

 

「デュエルアカデミア中等部開校以来の天才トリオだとか呼ばれていい気になりやがって、ここでも特待生だとか言って調子に乗る前に先輩として洗礼を浴びせてやるよ。そこの凡人の雑魚みたいにな」

 

「いいだろう。あなたの言動、そしてデュエルには相手に対するリスペクトがないと気になっていた。俺が相手に──」

「待ってよ亮。友人がやられたっていうのに敵討ちのチャンスを取らないでよ……僕がやる」

 

「僕はどっちでも……なんならその間暇だし、暇潰しにそこの取り巻き連中を相手してあげててもいいよ?」

 

 沼瀬に対して亮がデュエルを受けようとするも優介が横入り、吹雪は肩をすくめて自分は沼瀬とここでデュエルをする気なしと表明しつつも、彼の後ろにいる取り巻き二人(もちろんブルーだ)の相手になると答える。

 そして亮も沼瀬の相手は優介に譲って吹雪と共に取り巻き二人をそれぞれ相手すると決め、互いにデュエルアリーナで向かい合う。特待生の噂は有名なのか「ブルー二年と特待生の一年がデュエルをする」という噂はあっという間に駆け巡って観客が大勢集まってくる。

 

「「デュエル!!!」」

 

 しかしそんな事関係ない、というように優介は声を張り上げ、彼のデュエルアカデミア最初のデュエルが幕を開ける。

 

 

 

「うふふふふ……見ぃつけた」

 

 そんな彼の姿をアリーナの入り口で見つめ、赤色の瞳を宿す美しい目を細め、形のいい唇を湿らせるようにぺろりと妖艶に舌なめずりをしている者がいるなど、彼は気づくことはなかったのだった。



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後編

【注意】
これは三話連続投稿の三話目です。
もしも一話目、二話目を読んでいないまま間違えてここに飛んできた方は一話目あるいは二話目への移動をよろしくお願いいたします。


「先攻は僕だ。ドロー! 僕はモンスターをセットし、カードを二枚セットしてターンエンド」

 

「へっ、相変わらずつまらねえ手だ。俺のターンドロー!」

 

 優介はモンスターと魔法・罠のセットという堅実な手でターンを終え、それを見た沼瀬は「つまらない手」と嘲笑してカードをドロー。

 

「俺は[ジャイアント・オーク]を攻撃表示で召喚し、バトルだ! ジャイアント・オークでセットモンスターを攻撃!」

ジャイアント・オーク 攻撃力:2200

 

 沼瀬の場に呼び出されたのは薄灰色の肌をした巨体のオーク。手にした棍棒をポンポンともう片手に軽く叩いて弄ぶオークは主からの攻撃指示を受けてセットモンスターに突撃。戦闘に入った事で姿を現したモンスターに棍棒を力強く叩き付ける。

 

[マッシュー]

 

 しかし守備モンスターはその柔らかい体で棍棒を受け止める。

 

「[マシュマロン]は戦闘によっては破壊されない! そしてマシュマロンの効果発動! 裏側表示のこのカードが攻撃されたダメージ計算後に発動し、このカードを攻撃したモンスターのコントローラーは1000ダメージを受ける!」

マシュマロン 守備力:500

 

[マローン!]

 

「なに!? ぐああぁぁぁっ!」LP4000→3000

 

 そして守備モンスタ──―マシュマロンは弾力性のある身体で逆にジャイアント・オークを弾き飛ばし、弾き飛ばされたジャイアント・オークが沼瀬に直撃。逆に彼のライフを削る結果に終わる。

 

「く、くそっ! バトルフェイス終了時、攻撃したジャイアント・オークは守備表示に変更される……俺はカードを一枚セットしてターンエンドだ!」

ジャイアント・オーク 攻撃力:2200→守備力:0

 

 高攻撃力のモンスターで先手を打ったつもりが相手のモンスターに被害はなく、逆に自分がダメージを受ける結果に終わった沼瀬は悪態をついてカードをセットしターンエンド。

 ジャイアント・オークは戦闘が終わったからと怠けてごろ寝を始め、高い攻撃力に反して低い守備力を露わにした。

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 優介が勢いよくカードをドローし、ドローカードを手札に入れるとマシュマロンが光に包まれる。

 

「僕はマシュマロンを生贄に捧げ、[天空騎士(エンジェルナイト)パーシアス]を召喚!」

天空騎士パーシアス 攻撃力:1900

 

 光に包まれたマシュマロンがいた場所に出現するのは上半身は羽を纏った鎧を着た騎士然とした人間、下半身は白馬になった半人半馬の天空騎士。続けて優介が「バトル!」と宣言すると天空騎士は右手に握る剣を構えた。

 

「天空騎士パーシアスでジャイアント・オークに攻撃!」

 

「ぐぅっ!」LP3000→1100

 

 優雅かつ勇猛に突進した天空騎士の斬撃がごろ寝していたジャイアント・オークの首を断ち、さらにその剣の軌跡から生じた光の衝撃波が沼瀬に直撃、彼のライフを大きく削った。

 

「え? なんで守備モンスターを攻撃したのにダメージが……」

 

 

「天空騎士パーシアスには守備モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える効果があるんだ。さらにパーシアスの効果発動! このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動し、僕はデッキから一枚ドローする!」

 

 観客の疑問の声を拾った優介が説明。元々の攻撃力こそ低いが本来なら相手に戦闘ダメージを与えられない守備表示モンスターとバトルしてもダメージを与えるチャンスがあり、さらにダメージを与えれば手札を増やす事が出来る。優秀な効果を持つモンスターに観客が「おぉ!」と歓声を上げた。

 

「僕はリバースカードを一枚セットしてターンエンドだ」

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 さらに伏せカードを一枚追加してターンエンドを宣言。沼瀬が勢いよくカードをドローした後、彼の場の伏せカードが翻った。

 

「永続罠[強化蘇生]発動! 自分の墓地のレベル4以下のモンスター一体を特殊召喚する! そのモンスターは、レベルが一つ上がり、攻撃力・守備力が100アップする! 戻って来い、ジャイアント・オーク!

ジャイアント・オーク 攻撃力:2200→2300 レベル4→5

 

 沼瀬の場に先ほど倒されたジャイアント・オークが再び出現する。だがその身体が、さっきのターンのマシュマロンのようにこちらは闇に包まれた。

 

「俺はジャイアント・オークを生贄に捧げ、現れろ! [偉大(グレート)魔獣ガーゼット]!!」

偉大魔獣ガーゼット 攻撃力:0

 

「攻撃力0……いや」

 

「その通りだ! 偉大魔獣ガーゼットの攻撃力は生け贄召喚時に生け贄に捧げたモンスター一体の元々の攻撃力を倍にした数値になる! ジャイアント・オークの元々の攻撃力は2200、よって!」

偉大魔獣ガーゼット 攻撃力:0→4400

 

「攻撃力4400……」

 

 偉大魔獣ガーゼットの纏うオーラが突如強まっていき、そのオーラに呼応するようにガーゼットの身体も巨大化していく。

 このデュエルアカデミアのオーナーである海馬瀬戸の最強モンスターと名高い青眼の白龍を上回り、その融合モンスターである青眼の究極竜に迫る攻撃力に優介は警戒を強くした。

 

「さらに魔法カード[ダブルアタック]を発動! 手札のモンスターレベル7の[可変機獣 ガンナードラゴン]を捨てる事で捨てたモンスターよりもレベルが低いモンスター一体はこのターン二回攻撃をする事ができる! 偉大魔獣ガーゼットはレベル6、よって二回攻撃の権利を得るぜ!」

 

 

「攻撃力4400の二回攻撃!?」

 

 観客がざわつく。初期ライフは4000、それを容易く消し飛ばす程のモンスターの二回攻撃など早々耐えられるものではない。

 

「バトルだ! 消し飛べ、天空騎士パーシアス!」

 

 主の指示を受けたガーゼットが動き出し、拳を勢いよく振り上げる。その拳に纏うオーラだけでもパーシアスなど簡単に消し飛ぶ程の威圧感があった。

 

「リバースカードオープン! 速攻魔法[エネミーコントローラー]! 相手フィールドの表側表示モンスター一体の表示形式を変更する!」

 

「チッ。俺はカードを二枚セットしてターンエンドだ」

偉大魔獣ガーゼット 攻撃力:4400→守備力:0

 

 しかし優介が発動したカードから出現したコントローラーのコードが伸びてガーゼットに刺さり、コントローラーがコマンド操作を行うようにボタンが押されると、ガーゼットは攻撃をやめて守備の体勢になった。

 それを見た沼瀬が舌打ちを叩き、カードを伏せてターンエンドを宣言する。

 

「待った。そちらのエンドフェイズに速攻魔法[サイクロン]を発動するよ! 僕から見て右の伏せカードを破壊する!」

 

 再び優介が発動したカードから巻き上がった竜巻が沼瀬の場の伏せカード[聖なるバリア-ミラーフォース-]を粉砕。強力な防御カードの場所を読み切って先手を打った優介に場が「おぉ!」と盛り上がった。

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 そして優介はデッキからカードをドローするとモンスターを召喚するまでもないのかそのまま「バトル」と宣言。ガーゼットを指差した。

 

「天空騎士パーシアスで偉大魔獣ガーゼットを攻撃!!」

 

 偉大魔獣ガーゼットはその強大となる攻撃力と引き換えに守備力は0のまま変化する事はない。さらにさっきのターン、パーシアスが貫通効果を持つ事を見ていた観客が「これで特待生の勝ちだ!」と歓声を上げる。

 

「それはどうだろうなぁ!?」

 

 しかしそれを沼瀬が声を上げて否定、彼の場の伏せカード、先程サイクロンで破壊されなかったカードが翻った。

 

「守備表示の偉大魔獣ガーゼットが攻撃対象になった瞬間、トラップカード[ガムシャラ]を発動! このカードは自分フィールド上に守備表示で存在するモンスターが攻撃対象になった時に発動でき、その守備表示モンスターの表示形式を表側攻撃表示に変更する!!」

偉大魔獣ガーゼット 守備力0→攻撃力:4400

 

「っ!?」

 

 守備の体勢を取っていたガーゼットが起き上がり、攻撃体勢に変化。その攻撃力はパーシアスを大きく上回っており、このまま攻撃を仕掛ければ返り討ちの上に大ダメージは免れない。

 

「ガムシャラにはまだ効果がある! その戦闘によって攻撃モンスターを破壊し墓地へ送った時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!」

 

 攻撃表示モンスター同士のバトルでは攻撃力が低い方のモンスターが破壊され、さらにその攻撃力分の差のダメージが攻撃力の低いモンスターのプレイヤーに与えられる。

 それだけではなく破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受けるというのはもはや実質ダイレクトアタックを受けるも同然。

 

「このままじゃ特待生は合計4400のダメージを受けて、逆転負けだ!?」

 

 

「その通り! そしてお前の手札にはあのカードはない! あったらさっきのターン、わざわざエネミーコントローラーなんかで防ぐ必要なんてないんだからな!!」

 

 沼瀬は優介の手札に逆転のカードはないと得意気に宣言、同時にガーゼットがパーシアスを優介ごと叩き潰そうとするように拳を振り上げ、沼瀬は「ひゃははは」と笑った。

 

「特待生だとかもてはやされておいて、入学初日から敗北スタートだ! そのまま底辺にでも落っこちやがれ!!」

 

「……それはどうかな?」

 

「……は?」

 

 得意気に笑う沼瀬に対し、優介は静かにそう啖呵を切った。

 

「たしかにさっきのターンまでは僕の手札に逆転のカードはなかった……だけど、今は違う」

 

「っ……ま、まさか、あり得ねえ!?」

 

 慌て始める沼瀬に対し、優介は焦ることなく左手に握っていた四枚手札の内一枚を、このターンのドローフェイズでドローしたカードを右手に取り、その()()()()()()()()を人差し指と中指で挟んで沼瀬に見せつけるように構えた。

 

「僕は手札の[オネスト]の効果発動!」

 

 

「な、なんだって!?」

 

「この状況でモンスターの効果を!?」

 

「しかも手札から発動するだって!?」

 

 その宣言に観客──主に優介のデュエルを知らないらしいイエローやレッドなどの外部入学組──が困惑に叫ぶがもはや止まることはなく、青色の衣をまとう金髪の天使が純白の翼を羽ばたかせ、半透明の姿になって優介の背後、彼に従うように出現。

 

「自分の光属性モンスターが戦闘を行うダメージステップ開始時からダメージ計算前までに、このカードを手札から墓地へ送って発動でき、そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!!」

天空騎士パーシアス 攻撃力:1900→6300

 

「こ、攻撃力6300だとぉ!?」

 

 オネストが天空騎士に力を与えると天空騎士の背から翼が生え、金色の光を身に纏う。その光から発されるオーラはもはやガーゼットなど相手にならない。

 

「オネスティ・パーシアス・スラッシャー!!!」

 

 光のオーラが強まり、もはや光の槍となったパーシアスはガーゼットの身体を一直線に突き抜け、腹に風穴を開ける。ガーゼットは己の腹に空いた穴に信じられないとばかりに目を見開くが、その穴から徐々に身体中にヒビが広がっていくと「オオオォォォォッ!?」と悲鳴を上げ、ヒビが完全に身体中に広がると爆散。

 

「ぐああああぁぁぁぁぁっ!!!」LP1100→0

 

 その衝撃波がガーゼットの主たる沼瀬を呑み込み、そのライフは0を示す。

 即ちこのデュエルの決着、それを示すブザーも高らかに鳴り響いた。

 

 

 

 

 

「ば、馬鹿な……」

 

 デュエルが終わり、沼瀬は信じられないとばかりに目を見開く。沼瀬のライフが0を示しているのに対し、藤原のライフは4000。高い攻撃力による力押しのビートダウンを得意とする沼瀬だが、それをもってしても彼のライフを1ポイントさえ削る事が出来なかったという証明だった。

 

「そ、そんな……」

 

「嘘だろ……」

 

 両隣からどさりと膝をつく音が聞こえ、慌てて両端を見る。そこには沼瀬と同じようにデュエルディスクのライフが0を示し、膝をついている彼の取り巻きの姿があった。その向かいに立つのは丸藤亮と天上院吹雪。

 即ち取り巻き二名も特待生二名にやられたという事だ。それを理解すると同時、沼瀬は立ち上がる。

 

「ク、クソ! 覚えてやがれ!!」

 

 怒号を上げて彼らに背を向けて走り出し、進行先にいる生徒に対して「見せもんじゃねえぞ!」と八つ当たり染みた怒号を上げて邪魔になるなら力任せに突き飛ばして走り去る。取り巻き二人も「ま、待ってください!」と声を上げてそれを追いかけ、走り去っていった。

 それを見届けた後、優介は歩み寄ってきた亮と吹雪に目を向け、両手を上げる。二人も優介の上げた手に対応する側の手を上げ、三人は優介を中心にパチンとハイタッチを行った。

 

「入学初日、まずは勝利。幸先良いスタートだね」

 

「ああ。この調子でいこう」

 

「そうだね」

 

 優介の言葉に亮が僅かに笑みを浮かべて頷き、吹雪もにししっと笑う。

 その時、ぱち、ぱち、ぱち、と静かな拍手が聞こえてきた。

 

「見事なデュエルだったわ」

 

 同時に聞こえてくるのは女性の声、どこか色気を感じるねっとりとした声を聞いた優介はぞくりっと背筋に震えを走らせ、声の方を見る。

 

「ひぃっ」

 

 優介の喉からか細い悲鳴が漏れる。ゆっくりと拍手を続けながら、これまたゆっくりとデュエルスペースに上がってきたのは一人の少女。

 オベリスクブルーの女子制服に身を包んでいる、紫色の髪をツインテールにした、美麗な雰囲気と年齢離れした妖艶な色気を漂わせる赤眼の少女。その目は細く澄まされており、それはまるで己の獲物である蛙を捉えた蛇の如く。

 彼女は顔を青くして硬直した優介の前に立つ。彼の寮隣にいた亮と吹雪は訳が分からないという顔をしながらも、彼女から発される妙なオーラに圧されたのか数歩後ろに下がっていた。

 元々亮と吹雪を除けばデュエルスペースの上には優介と少女だけ、まるでこの二人だけの舞台であるかのように二人は向かい合う。もっとも優介の方は顔を青くして硬直しているどころか細かく震えているのだが。そして観客も何故か声を出す事さえ憚られるというように無言で二人を見守っていた。

 

「な、なんで、君がここに……」

 

「あなたのために、進学先をここに変えたのよ……ねぇ」

 

 どうにか震える声を漏らす優介にそう言い、少女は白魚のように美しい指で優介の頬を撫でた後、ぎゅっと優介を優しく、それでいて二度と離さないというように強く抱きしめる。

 

「私の愛しい人」

 

 そして少女は静かに、しかしここにいる全ての者に対して宣言するようにそう呟いた。




 初めましての方は初めまして、こんにちはの方はこんにちは。カイナと申します。
 本作はちょっと……というか大分前から構想していた「遊戯王GXの世界に藤原優介に憑依転生したけど、転生者は遊戯王GXを途中で見るのやめちゃったせいで藤原優介の存在を知らず自分をモブだと思い込んでいる」というネタを、今回はあくまでお試し版という事で思いついているところまで書いてみました。
 え、なんか変なフラグが立ってるって?まあここまでは思いついてるので……ここからどうしよ?(おい)

 そして連載を予定したい……と思ってはいるんですが、むしろ最近投稿してた短編シリーズの中でも連載したいのはやまやまといえるやつなんですが……終わりまで引っ張れるネタが思いつかん!!!
 三年目(十代達一年生)はセブンスターズ編でどうとでもなるとして、一年目二年目のどっちか一年は漫画版準拠でアメリカ・アカデミアとの戦いっていうネタが(三幻魔とか影丸理事長の計画とかの兼ね合いがどうにかなれば)あるし、そこは漫画版のデイビットとレジー以外のメンバーの代理をタイラー姉妹とかいざとなったらツァン・ディレとかレイン恵とかのTF外国人っぽい名前メンバーで埋めればどうにかなると思うんですが。もう一年メインとなるシリアスイベントが思いつかず……ってな感じです。
 そこさえどうにかなれば後は学生生活の中のサブイベントを埋めて本格的に連載に向けられるんですが……。

 まあその辺は思いつくかどうかなのであまり期待せずにお待ちください。
 では今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。


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