ヒロアカ×ゴーストライダーネタ (蜜柑ブタ)
しおりを挟む

お試し短編  『俺の目を見ろ!!』

当初の設定から変わってしまった。(いつものこと)



飛び降りた出久がザラゾスに蘇らされて意識を取り戻したところから始まる。



すでに性格が違う。


注意!!


 緑谷出久は、暗闇の中、轟轟と燃え上がるような凄まじい炎の夢を見ながら目を覚ました。

 救急隊員や、涙を流した母が自分を見ている。

「なにしてたんだろう?」

 出久は覚えていなかった。

 だが人伝に聞いた話では、廃ビルの下で倒れているのを発見され救急車で運ばれたらしい。

 そして廃ビルの屋上に靴と、黒焦げになった自分が執筆していたヒーローなどの情報が記載されたノートが残っていて、自殺を図ったのかと警察から聞かれたが出久はその前後の記憶を全て失っていた。

 結局平謝りし、解放されてから母と家に帰った。

「…出久。」

「なに?」

「あなた…ちょっと変じゃない? どこか打ったの?」

「ううん?」

「なら…いいけど。」

 どこか不審げな目で聞いてくる母に、出久は首を傾げた。

 

 

 後日、学校に行くと、机の上に花瓶が置かれていた。

「死に損ないがきたぞー。」

 なーんてはやし立てるクラスメイトに、出久は何も感じること無く、花瓶を窓辺に置いて椅子に座った。

「おい、無個性、昨日自殺未遂したらしいな?」

「そうらしいね。」

「残念だったなー。死ねなくてよ。」

「そうらしいね。」

「……?」

「どうかした?」

「…お前…、なんか変じゃね?」

「頭でも打ったんじゃないのか?」

「かもね。」

「お前変だぞ!?」

 出久は戸惑っているクラスメイト達の様子を不思議に思った。いつも通りのつもりなのに。

 

「おい、デク。」

 

「なに?」

「…なんだその目はよぉ? ああ? 昨日はビルからダイブしたらしいな? けど死ねなかったんだってな? 残念だぜ。この世で無駄なクソナードがいなくならなくってよぉ。」

「『俺』の目が、なに?」

「…?」

「どうかした?」

「お前…誰だ?」

「?」

「いや、そんなわけねぇか…。ともかくその目…やめろ。クソムカつく。」

「普通だけど?」

「ああ?」

「なに? この手はなに?」

 爆豪に胸ぐらを掴まれ立たされた出久は、ジッと爆豪を見た。

 爆豪は、その目に見つめられ、グッと息を詰らせ、火傷でもしたように慌てて手を離した。

 するとチャイムが鳴って教師が入って来た。

「チッ!」

 大きく舌打ちした爆豪は自分の席に座った。出久は何も気にすることなく前を向いて座った。

 

 

 夢を見た。

 

 轟轟と燃えさかる、地獄の灼熱の炎。

 

 すべてを焼き払う、地獄の炎。

 

 

「緑谷!」

「……ぁ。」

「居眠りするとはどうしたんだ! 調子が悪いのか?」

「……眠い、かも。」

「せめて授業が終わるまで起きていなさい。」

「はい…。」

 しかし、出久は眠気に勝てず、そのままウトウトし、眠った。その後教師が起こそうとしたが、まったく起きなかったためほっとかれた。

 

 そうこうしていると進路についての話になり、その頃になってやっと出久は起きた。

 

「確か、緑谷も雄英校希望だったな。」

 

 途端、ドッとクラスメイト達が笑った。

 曰く、勉強は出来ても無個性がヒーローなんて無理だと。

 しかし、出久は。

「それがなにか?」

 っと、なんでもないように言ってのけた。

「おい、デク!」

「なに?」

「てめー、雄英校に行くんじゃねーぞ! クソナードが!」

「とやかく言われる筋合いはないよ。誰にもね。」

 途端、教室内の空気が凍ったような錯覚があった。

「無個性云々でヒーローができないなんて誰が決めたのさ? だいたい君の志望動機だって変だと思うけど?」

「ああ!? てめぇ!!」

「それと、俺はデクじゃなくて、出久って言うんだけどね。人の名前もまともに言えない人がヒーローなんて務まるのか?」

「ぷ…。」

 誰かが思わず吹いた。

 それが聞こえた爆豪は、顔を赤くし青筋を立てた。

「クソデク…、放課後覚えてろよ…!!」

「うん。」

「っ!?」

 冷静沈着な出久の態度に、我慢の限界が来た爆豪が席を立って出久に殴りかかろうとしたため、教師やクラスメイトが止めに入った。

 出久は、何も感じていないような無表情でボーッとしていた。

 

 

「で? これはなに?」

「ああ?」

 放課後すぐに爆豪に捕まり、校舎裏に連れて行かれた。

 爆豪の取り巻きらしき他の男子生徒達がいたが、出久の様子を不気味がっていた。

「用がないなら帰る。」

「待てや。てめぇ…、なんだよその態度はよぉ? 朝からおかしいんだよ!」

「それがどうかした?」

「! 自覚があんのか!?」

「帰るね。」

「待てやぁ!!」

 クルッと踵を返した出久の肩を爆豪が掴んだ。

「……しつこいなぁ。そんなに気に入らないなら無視が一番じゃん。ほら、好きの反対は無関心って言うだろ?」

「死ぃねぇぇぇぇええ!!」

「ふう…。」

 殴りかかってきた爆豪の手を出久は片手で軽々と受け止めた。

 それを見て取り巻き達が目を見開いた。

「ねえ、君はナニがしたいの?」

「その言い方…、てめぇ…、本当にデクかよ!? つい昨日まで俺のこと『かっちゃん』『かっちゃん』って呼んでたじゃねーか!! まさか自殺未遂でおかしくなったか!?」

「さあ? 俺は俺だよ? 緑谷出久だ。」

「っ、ぐあああああ!? いでぇぇぇぇ!!」

 ギリッと出久が爆豪の拳を軽く握ると、爆豪は痛がった。

「な、なんだこの握力!? てめぇ、クソ無個性のクソナードが!」

 

 

 ーーー見ろ…

 

「?」

 

 

 ーーー目を…

 

 

「ああ…、そうか。君ってさあ、本当にヒーロー目指すなら……。大切なモノが欠けてると思うんだ。」

「!?」

 痛がっている爆豪の顎をガシッと掴み無理矢理目を合わせる。

「っ…!?」

 

 

「『俺の目を見ろ!!』」

 

 

 出久の内側に潜む悪魔ザラゾスの声と出久の声が重なり、爆豪は出久のその目の奥から放たれる“ちから”に引きずり込まれた。

 

 

 それは一瞬の出来事だったかも知れないが、爆豪からしたら永遠に思える苦痛だっただろう。

 

 これまで自分が虐げてきた者達への罪、その罪が生み出す苦痛が爆豪を襲ったのだ。

 

 とりわけ虐げていた出久への暴力がすべてその身に降りかかり、爆豪はあっという間に倒れた。口から泡を吹き、白目を剥いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……なぜ殺さなかった?』

 

「かっちゃんなんて、殺す価値もないよ。それにヒーローは、むやみに人殺しなんてしちゃいけない。」

 

『違う。それはお前の良心とやらだ。素直になれ出久。俺に身を委ねろ。』

 

「体をあげるつもりなんてないよ? 死のうとした俺を助けくれたことは感謝してるけどさ。」

 

『まったく…、善意は時に悪意を越える残酷さか…。』

 

 

 

 その後、爆豪は緊急搬送された病院で目覚め、病室にいた出久を見るなり声にならない悲鳴を上げ、頭を抱えて身を丸め、ガタガタと震えながら『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい』っと、延々と謝罪の言葉を口にしていた。

 

 ザラゾスは、これならいっそのこと廃人の方がよかっただろうに…っと思ったのは内緒にしておく。

 

 

 ペナント・ステア(贖罪の目)。

 

 

 出久のヒーローとしての在り方の精神があるため、中途半端な威力で爆豪を蝕むだけにとどまる。

 

 

 

 

 緑谷出久が、『ゴーストライダー』となるのは、あと少し……。

 

 

 

 

 




(※文字数が増えたので、設定は削除して移しました)



感想欄でいただきましたが、一応自殺未遂をしたというのはニュースにすべきでしたかね?
ただ、なぜか無傷で発見されたため大事にならなかったという感じで書いちゃいましたが……。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編2  『覚醒、ゴーストライダー!』

ヘドロ事件。


出久が本格的にゴーストライダーに変身可能に。



(※原作のゴーストライダーとは、設定などが異なりますので注意)



(※筆者は、ヒロアカは未読です!!)





それでもOKって方だけどうぞ!!








いいですね?




『Mサイズの隠れ蓑…。』

 

「……。」

 

 爆豪のお見舞いの後、病院から家に帰る途中でそんな声が聞こえた。

 悪魔ザラソフの力により身体能力が大幅に強化された結果である。

 出久が立ち止まると同時に、ヘドロのようなドロドロが飛びかかってきた。

 

「フッ。」

 

『ああじぃいいいいい!?』

 

 出久が口を尖らせて息を吐くと、吐いた息が端から炎となってヘドロ状のそれにかかった。

 

『このガキ! 相当強力な炎の個性持ちか!? コイツは良い! 利用させて貰うぜ!』

「…個性じゃない。」

 しかしそんな出久の呟きはヘドロヴィランには届かない。

 再び襲いかかってきたヘドロヴィランだったが、横から来た拳に殴り飛ばされた。

 

 

「私が来た!!」

 

 

「…オールマイト?」

 

『ほう? この男が平和の象徴か…。だが…。』

「どうしたの?」

「少年だいじょうぶかね?」

「はい。」

 悪魔ザラゾスの声は、それを内側に宿す出久にしか聞こえていない。

 ザラソフの気配から、オールマイトをジッと見つめる出久。

「どうしたのかね?」

「ひとつ聞いても良いですか?」

「なにかね?」

「無個性でも…、ヒーローにはなれますか?」

 それは、ザラソフが取り憑く以前の出久の疑問。

「ホーリシット! 個性が無いのか!」

「はい。」

「……夢を見るのも良いが。現実を考えなければならない。」

「そうですか。」

「?」

 オールマイトは、少し苦しげに答えたが、まるで気にしてない様子の出久が少しおかしいと思った。

「だがね、少年。必ずしもヒーローだけが夢ではないのだ。例えば人を救うのであれば、警察官も、消防士も…立派なヒーローではないかね?」

「俺の目標は、あくまでも貴方のようなヒーローでした。」

「…?」

 でした?何故過去形?

 その時、オールマイト胸を押さえて膝をついた。

「オールマイト?」

「くっ、しまった…、タイムアップ…!」

「オールマイト…?」

 みるみるうちにオールマイトの巨体が縮み、ガリガリの姿になってしまった。

『やはりな…。この男…、古傷を抱えているぞ。これでは、羽根をむしられた鳥…、いや鶏ガラか? クク…。』

「古傷が堪えますか?」

「OH…、そこまで見抜かれてたか…。その通りだ。」

 その後オールマイトは、自分がヴィランとの戦いで負った傷がもとで数時間しか力や姿を維持できなくなっていると話してくれた。

 出久は、その話に耳を傾けた。

「……それなのになぜそこまでヒーローとして有り続けるのです?」

「私という平和の象徴がいなくなれば、たちまちヴィラン達が活性化してしまう。だから…。」

「辞めるに辞められないんですね。」

「少年…。違うよ…。私は私の意志でヒーローとしてだね…。」

「ところで、さっきのヘドロみたいなのが消えてますけど?」

「ん? ノーーー!! シット!! 私としたことが! グハッ!」

 瓶に詰めたはずのヘドロヴィランが消えていて、頭を抱えるオールマイトだったが無理して動いたため吐血した。

「無理しないでください。探すのを手伝いますから。」

「いや、少年、これは私の役目だ! 君はお家に…。って、いない!? なんという足の速さだ! ムムム!」

 無個性というにはあまりにも身体能力が高い出久に、オールマイトは唸った。

「しかし…なぜだろう? あの少年の目の奥に…、なにか圧倒的な邪悪がいるような気がする! これはいったい!? そ、それよりもヘドロを探さなければ! あの少年が危ない!」

 オールマイトは、体を休ませつつ急いでヘドロを探しに行った。

 

 

 

 

 

 やっとこさ一般的に知られている姿になれるようなったオールマイトが、その先で見たのは……。

 

 

 金髪の少年にまとわりつくヘドロと、ヘドロから逃れようともがくその金髪の少年と、爆炎のような凄まじい炎を身に纏いながら一歩一歩進んでいく出久の姿だった。

 

 歩きながら右手を前に出した出久。すると出久の手から分銅の付いたゴツい鎖が飛び出し、ヘドロもろとも金髪の少年爆豪に巻き付いた。

 

『な、なんだ!? この鎖は…、う、動けねぇ!!』

 

「ふーん…。こんなことも出来るんだ…。」

『だが、まだ始まりですらない。さあ…、始めるぞ。出久。お前の門出だ。』

「うん。」

 他のヒーロー達がまったく手も足も出ない状況で、炎に包まれている出久が悪魔ザラゾスの言葉に頷き、目を閉じた。

 炎はまるで繭のように蠢き、出久を包み込む。

 やがて炎が一瞬膨れ上がり、散るように晴れる。

 炎の中から現れたのは、黒いライダースーツを纏い、頭部がドクロ、しかしそのドクロの頭部は凄まじい炎に包み込まれた異形だった。

 

 

『誕生日おめでとう。『ゴーストライダー』!』

 

 

『ゴーストライダー…、いいね。その名前。』

 出久……否、ゴーストライダーの声が炎に包まれたドクロの口から漏れる。その声色はこの世ならざる者の響きをもち、その場にいた者達全員の背筋に冷たい物を感じさせた。

『く…来るな! 化け物! 来たらこのガキを殺すぞ!』

『お前だって十分変だけど? 俺の今の見た目だけで化け物呼ばわりは止めてよ。』

『来るな、来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな!!』

『あーもう、うるさいなぁ…。さっさとその金髪下水ドブ煮込みから離れなよ。』

 爆豪のことをボロクソにそう言いつつ、口からボーーッ!と炎を吐く。

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 ヘドロヴィランがたまらず爆豪から剥がれて、地面でもがいた。なお、炎を調整しているため爆豪は全然焼けてない。ヘドロヴィランだけが焼けた。

 ザリッという小石を踏んだ音で、ハッとしたヘドロヴィランがガタガタと震え上がる。本能が訴える。目が合ったら終わりだと。

 

 

『俺の目を見ろ!!』

 

 

 その声と言葉に従いたくないのに、なぜか操られるように恐る恐る見上げると、ゴーストライダーと目が合った。

『ひっ、ぃ……、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?』

 途端、もがき苦しみ泣き叫ぶヘドロヴィラン。しかし十数秒とせず、ピクピク…っと痙攣するだけで、動かなくなった。

 場がシーンとなる。

 やがてゴーストライダーから炎が消え、元の出久へと戻った。

「あの…。」

「ひっ!?」

 出久が振り向き、固まっているヒーロー達に話しかけただけで、そのヒーロー達はビクッと震え上がった。

「捕まえないんですか?」

「き…君は…いったい?」

「ただの通りすがりのヒーロー志望です。かっちゃん? あー…、気絶してるか。じゃあ、あとのこと、よろしくお願いします。俺は帰りますから。」

「えっ、あっ…。」

 出久は爆豪の無事を確認してからさっさとその場から去って行った。

 

 

「……あの炎は…、エンデヴァーの比じゃない…。この嫌悪感のような気配はなんだ? やはりあの少年の目の奥の邪悪は危険だ…!! しかし、あの少年はいったい何者なのだ…!? 無個性だと言っていたが、個性じゃないとなると…いったい?」

 

 

 オールマイトは、出てくるタイミングを失い、出久(ゴーストライダー)の異常性に頭を悩ませたのだった。

 

 

 

 

 




哀れ、ヘドロヴィラン……。
原作でギャラクタスをも倒したペナント・ステアの犠牲に……。


しかし、ヒロアカ読んだことないのにオールマイトとの場面を書くものじゃないと認識しました……。


このネタでのザラゾスは、ゴーストライダーになった出久を応援している。そして結構ノリノリ。


そしてザラゾスとゴーストライダーの力を得て、オールマイトへの熱意がかなり冷めた出久君でした。嫌いじゃないですよ?



個性を貰うかどうかについてのアンケートは、しばらく様子を見てから続きにして書こうと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

※現時点での設定(2020/10/11 22:16)

ヒロアカ×ゴーストライダーネタの設定など。




思い付いたり話が進んだら増えるかも。



(※2020/10/11 22:16  身体能力に一部追加)


◇ヒロアカ世界でのゴーストライダー

・無個性の人間にしか憑けない古代悪魔ザラソフが出久に取り憑く。

・ザラソスは、最初は出久を乗っ取る気でいたが、出久の愚直なまでの自己犠牲精神に同情して、内側に潜み出久が戦えなくなったり絶望に落ちるなどしたら表に出て代わりに戦うようになる。

・出久がヴィランデク一歩手前。(ザラソスの影響)

・最初はゴーストライダーとなったことに出久は気づいていなかったが、ペナント・ステア(贖罪の目)で、爆豪を廃人寸前に追い詰めている。結果、爆豪は、一時意識を失うが、目を覚まして出久を見ると青ざめて謝罪の言葉を連呼しながら震え上がった時期がある。

・それ以降、爆豪は二度と出久の目を見れなくなり、出久相手には顔をメッチャ背けながらガクガク震えた状態で虚勢を張るようになる。

・ヘドロ事件でゴーストライダーとして覚醒。ヘドロヴィランに襲われていた爆豪をついでに助けた。なお、ヘドロヴィランはペナント・ステアに犠牲に……。

・ゴーストライダー化した際の見た目が完全にヤバいため、雄英校進学後前からヒーロー達に監視されている。

 

 

 

 

◇ゴーストライダーとしての能力(※クロスオーバーとしての設定)

 

・ペナント・ステア(贖罪の目)

 相手の目を見ることで、その相手が持つ罪とその罪が他人に与えた苦痛が降りかかる悪魔の目。最悪死ぬか廃人。

 ……という、最強最悪の魔眼なのだが、出久自身のヒーローとしての在り方の精神があるため、躊躇して中途半端になることが多い。(※爆豪が助かった要因)

 

 

 

・鎖

 分銅付きのゴツい鎖。巻き付ける、分離させる、投げつける、貫くなど用途は様々。悪魔の力の具現であるため破壊されても直る。

 悪魔の力であるためか、液体状、または気体状の相手を縛ることも可能。

 

 

 

・ヘルバイク

 普通のバイクがゴーストライダーの力で悪魔的な見た目と炎を纏ったバイク。水陸関係なく走れる。壁も走れる。

 本来は、普通のバイクだが、ザラゾスが用意した物を召喚する。ちなみに車でもなんでも可能。強いて言うならFateのランスロットのようなことができる。

 

 

 

・ヘルファイヤー

 悪魔の炎。骨まで焼ける。

 炎の攻撃範囲や、燃える物を選ぶことができ、場合によっては大量の水がないと消えない炎にすることもできる。

 

 

 

・身体能力

 銃や刃物が一切通用しない。

 トラックぐらい片手で持ち上げるほどの怪力。(※原作ゴーストライダーは、戦車なども棒きれみたいに振り回して攻撃している)

 炎を常に纏っている(というか頭部が燃えてる)ため熱関係も通用しない。

 だが、かといって冷気や水に弱いかと言ったら、違う。

 人間形態でも身体能力は凄まじく高くなっており、そもそも個性ではないため相澤の個性消去が無意味。

 また精神面でも悪魔ザラゾスを内側に宿しているため精神系個性を無効化できる。悪く言えば精神構造が悪魔に近くなっている。

 

 

 爆弾はオヤツ。爆豪は、大型駄犬で、パチパチ飴扱い。

 

 

 

 

(※)・弱点

 最大パワーが出せるのは、夜。

 明るいうちは、変身してもすべての身体能力、及び他の能力の力が7割程度に下がる。

 

 ただし相対した相手が流させた血…、つまり利己のために多くの罪の犠牲者達を生んでいる場合は、その罪の度合いにより全ての能力にブーストがかかる。

 悪魔ザラゾスの機嫌が悪いとかで力をあまり貸してくれない場合でも、上記のことからAFOのような巨悪と相対した場合などは夜以上のパワーを出すことが可能になる。

 




文字数稼ぎが大変でした。




2020/09/28
 活動報告欄にて弱点の案をくださった方々に感謝!!



2020/10/11
 爆豪は、パチパチ飴扱い。(酷)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編3  『危険な女の子』

勢いが続くうちに書く!


原作未読なので、トガヒミコのキャラと、しゃべり方が違うかも知れません!
他の二次創作のトガヒミコを参考にしました。




若干、流血的な表現有り?



そして短い。


 

「ねーねー!」

「?」

 少し長い袖…、いわゆる萌え袖と言われる感じにした手元。濃いめの金髪(?)を左右でお団子にした髪型。特に目を引くのが笑った口の中の鋭く尖った八重歯。

 そんな容姿をしたたぶん同い年ぐらいの少女が、出久に話しかけていた。

「なにか?」

「君さぁ…、ビルから飛び降りたよね?」

「うん、そうらしいね。覚えてないけど。」

「私見ちゃったんだー! 血が飛び散ってビシャビシャになってました! なのに…。」

 テンション高めに喋っていた少女だったが不意にテンションを落とした。

「なんかあっという間に治っちゃって残念です。血の一滴も体に戻っちゃって!」

「そう。」

 それが悪魔ザラゾスが取り憑いたタイミングだろう。

「それが君の個性?」

「違うよ。」

「即答! そっかー、じゃあ、あのドロドロの時に見せてくれたあの姿が個性? 頭が骸骨で! ボーボーメラメラ燃えてた! キュンッ!てしました!」

「きゅん…?」

 そう言う言葉は、可愛いものとかに用いるものじゃないのかっと、出久は声に出さず思った。

『この娘…、血のにおいがたっぷりとするな…。かなりの人数の血を…。』

「君…、連続殺人犯?」

「えっ? 匂う? 匂う? でもまだ殺してないよ!」

 出久の言葉に少女は、自分の服の袖を匂ったりしたが、別段慌てた様子は無かった。

 まだ殺してない…。そして悪魔ザラソフが匂うと言うほど濃い何人もの人間の血の匂いをさせている…。

『テレビとやらで言っていたな。逃走中の失血事件の犯人…、この娘だろう。』

「……。」

「……。」

 すると少女がジーッと出久の顔を下から覗き見るように見つめてきた。

「…なに?」

「綺麗な目~。抉り取りたい!」

「させないよ。」

「じゃあ、チウチウさせて?」

「ちうちう?」

「あ、でも…、血が燃えるように熱いとか? 飲んだらお口と喉が大火傷?」

『火傷程度で済めばな。』

「止めた方が良いよ。チウチウできなくなってもいいの?」

「それはイヤ!」

「ならそれでいいんだ。君みたいな美人の唇が無くなったら悲しいことだろう?」

「!」

「?」

「…わたし…美人?」

「俺から見ればそう思うけど?」

 出久がそう言って首を傾げる。すると少女は、ボンッと顔を赤らめた。

「うひゃ~~~…。」

 萌え袖で口元を隠すようにして身をよじる少女。耳まで真っ赤になっている。

「ねえ!」

「ん?」

 バッと顔を上げた少女がズズイッと近寄ってきた。

「わたし、トガヒミコ! あなたの名前教えて! でもって付き合ってください!」

「丁重にお断りします。」

「えー! なんでー、なんでー!?」

「受験勉強中なんだよ。」

「べんきょーなんかよりー、もっと楽しいことしよ!」

「魅力的な言葉だけど。今は、勉学を優先したいんだ。」

「じゃ、じゃあ、受験が終わってからは!?」

「……。」

 どうする? ザラゾス?

『欲望に忠実になれ、出久。』

 つまり、OK出せと言われた。

「…いいよ。」

「やったーーーーー!!」

 トガヒミコは、両手を挙げてピョンピョンと跳ねて喜んだ。

「そうだ、まだ名乗ってなかったね。俺は、緑谷出久。」

「出久君だね! あっ…。」

「どうしたの?」

「マズい、警察だ。ごめんね! また今度、いつか会おうね!」

 トガヒミコは、そう言い残して走って去って行った。

「…せめて連絡手段を残していけよ。」

 出久は、嵐のように去って行ったトガヒミコを目で追いながらそう呟いたのだった。

 内側にいるザラゾスが、クスクスと笑っている気配がしてムカついたのだが。

『自分で自分を殴るのか? しかしお前が痛いだけで俺は無傷だがな。』

 っとまで言われ、更にムカついた。

 

 

 

 

 

 




こんなんでも、トガヒミコがヒロインでいいかなぁ?


ザラゾスは、応援しているわけじゃなく、悪魔らしく欲望を解き放てという意味で後押ししました。



とりあえず、書きたいと思ったのは、ここら辺ぐらいまでかな?

もしかした勢いで雄英校入学試験まで書くかもだけど。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編4  『弱点!?』

弱点というよりは、出久がゴーストライダーとしての力や性質を分析します。



モブの酔っ払い(わいせつ事件常習犯)が出てきたりと、原作乖離しています。


 ヘドロ事件を経て、ゴーストライダーとして覚醒に至った出久であるが……。

 

「ザラゾス…。」

『……。』

「ねえ? どういうこと? 教えてよ。じゃないと分からないから。」

『俺は力を提供しているだけだぜ。細かいことは自分で把握するんだな。ホレ、ヒーローだのヴィランだのを分析していたテメーの観察眼はよぉ、どうした?』

「…分かったよ。自分でやればいいんでしょ? 君に聞いた自分が馬鹿だった。」

 

 出久が、夜の夜中にランニングをしていた時だった。

 いわゆるたちの悪い酔っ払いに絡まれている女性を見つけたのだ。

 その辺に落ちていた缶を投げたら、軽く投げたつもりが酔っ払いの隣にあった電柱を破壊する威力になってしまったのだ。

 まあ当然だがそれによる付近の停電が起こってしまい、警察や騒ぎに駆けつけたヒーローにも怒られた。

 

「力が昼間より溢れている。つまり根本的には悪魔の力だから暗闇の夜の方がパワーが出やすいというか適している。すなわち明るいうちは本来のパワーが出せないでいたから、今が本来のパワー?」

 どうやらゴーストライダーとなったことで体質がより悪魔のソレに近づいたらしい。そのため悪魔にとってあまり適さない日の高い明るいうちは本来のパワーが出せないようだ。

 だが、出久が計算した限りでは、パワーが落ちると言っても3割減といったところだ。

 電柱を破壊する威力で投げてしまった缶が酔っ払いに当たっていたら…っと想像するとゾッとしなくもない。

『絶望したか~? テメーら人間ちゃん達にとっちゃ明るいうちが活動時間だしよぉ。夜しか活動できないヒーローなんざ役立たずだなぁ?』

「別に。」

『…チッ。』

 ザラゾスは、体を欲しがっている。なんやかんやで共生関係ではあるが、出久は完全にザラゾスを信じてはいない。

 なんかあれば表に出ようとしているのが分かるのだ。今のところ出てきたことはないが、初めてペナント・ステア(贖罪の目)を使ったとき…すなわち爆豪にそれを使う際にちょっと表に出てきたような気はする。(『俺の目を見ろ!!』っと言ったとき)

 ザラゾスがなにを考えて出久と共生する道を選んだのかまでは分からないが、いざ何かあった際に体を明け渡す気は出久にはさらさらない。

 ザラゾス自身は、悪魔であるため疑われることについては慣れっこであるらしくクスクスと笑う気配があった。それに対して腹が立ったが、実体のないザラゾスを殴れないので我慢した。

 

 翌日の朝のテレビニュースで、見覚えがある男の写真が映され、その男が自首したという話が出ていた。

 昨晩の酔っ払いだ。

 どうやらわいせつ事件の常習犯であったらしく、昨日の夜の出来事がきっかけで恐ろしくなり、安全な場所を求めて牢屋行きを選んだらしい。

「?」

 そこで出久は、疑問を持った。

 昨晩のことを思い出す。

 酔っぱらいに向けて缶からを投げた。確かに投げた。しかし、殺す気なんてこれっぽっちもなく注意を引くつもりでかる~く投げたのだ。

 出久は自分の手をニギ、パッとしてみる。

 日が昇った朝だからか、夜中と比較するとパワー不足を感じる。

 しかし、ここから夜になると3割回復することを考えると……、少しおかしいということに気づいた。

『ヒントをやろう。……『罪』…だ。』

「…ああ。」

 ニュースを見ていると、昨晩の酔っ払いだった男の事件がもとで自殺者も出ていることが分かっていたが、遺族は泣き寝入りしていたらしい。

『ゴーストライダーとは、『復讐の精霊』の意を持つ…者。罪なき者共の流した血の量で変わるんだぜ?』

「罪…、罪から生まれる罪なき者が流した血の量…。なるほど、だから力が増したのか…。相手が悪だったから…。」

『ククク…、血が流れてからが本領発揮なのよ。絶望だなぁ? 真に救うべき奴を絶対に助けられないんだしよぉ? どうだ、出久。それでもテメーはこの力を使い続けるのかぁ?』

「…当たり前だよ。」

『ほーん? 復讐の代行者って売り出すつもりか?』

「それは、まだ時期じゃないよ。俺は俺のやり方でヒーローとして人を救う。それだけだよ。でも……、流れた血は無駄にしたくはないな。」

 出久は、朝食を食べ終えると立ち上がって登校の支度をして登校した。

 

 学校に行くと、会話を楽しんでいたクラスメイト達が一斉に出久を見て、顔色を悪くしながら道を開けたり、あからさまに距離を取る。

 出久が爆豪に何かした。

 そのことは、すでに学校内で知れ渡っていたが、その原因が分かっていないため避けられるにとどまっている。なぜなら出久が無個性だからだ。

 ヘドロ事件後、あの変身形態の異常性から、警察やヒーロー達に連行される形で個性を調べる検査をしたのだが…、まったくの無個性。

 身体能力が上がっていることについても、むしろ普通の少年少女よりもよっぽど健康状態が良かったほどだ。

 なぜかオールマイトも来て、苦しげに告げられた。

 

 緑谷出久の謎の力があまりにも危険であるため、監視下に置くことが決定したと。

 

 出久は、キョトンとしたが。

 オールマイトから、ヘドロヴィランが廃人状態で取り調べも何も出来ない状態に陥ってることも聞かされた。

 何をしたのかと聞かれたが、目を見ろと言っただけだと出久は答えた。

 本当なのかと聞かれた、出久は嘘は言っていない。

 ペナント・ステア(贖罪の目)の説明をしようとしたが、なぜかオールマイトに待ったをかけられた。

「何故です?」

「君は無個性だと私に告げてくれた。そして個性検査でも無個性だった。だが、そんな君に宿った力……、それは本当に平和のために使える物なのかい?」

「……オールマイトは…。」

「?」

「…罪なき者達が流した血を無駄にしますか?」

「緑谷少年…。」

「俺は、無駄になんかしたくないんです。だから…ヒーローになりたいんです。きっと貴方の考えるヒーロー像からはかけ離れているでしょうが、それでも俺は…、罪なき者が血を流す前に救いたいんです。」

「緑谷少年…!」

「それでも俺はヒーローにはなれませんか?」

「そんなことはない! 君は確固たる信念を持っているではないか! それほどの信念を持つ者を、無個性だからと詰るわけがない!!」

「ありがとうございます。」

「そこで、緑谷少年! 今日の夜に用事があるかね?」

「いえ…なにも。」

「そうか! ならば今日の夜に、君の部屋に行く!」

「えっ?」

「もちろん、こっそりとだがね。大事な話があるのだ。」

「はい…。」

 出久は、首を傾げる。

 

 大事な話? それも平和の象徴として君臨しているトップヒーロー直々に?

 

『……。』

 内側にいるザラゾスから、なんか気にくわないという感じの気持ちが伝わってきた。

 

 

 

 

 

 




雄英校への入試までに、出久はゴーストライダーとしての力の性質を知るために頑張ります。

明るいうちは、変身しても力が3割減。
夜になると最大パワー。
相対した相手が悪人だと更にブーストがかかる。相手が悪い人間であればあるほど、そして罪を犯して罪なき者達が流した血の量が多ければ多いほどブーストがかかる。


弱点?かな? あれ?
まあ、アメコミでは、よく弱点が無くなったりするからなぁ…。うーん。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編5  『雄英校へ。そして爆豪の変化?』

お試し短編なので、話が続いていません。



いきなり雄英校編。1日目?


あと書きたいシーンだけ書いたので、ぶつ切りです。




爆豪のキャラが違います。注意!!


出久に対して、ただただビビってる爆豪が書きたかっただけの短編です。




いいですね?




(※2020/09/29 19:15  出久の台詞を少し加筆)



 

※話をぶっ飛ばして雄英校入試後の時間軸へ。

 

 

 

 

「だいたいよぉ! 俺は雄英を受けるなっつーたよな!? なんで受けてんだこのクソデクが!」

「…かっちゃん。」

「それでなにか!? トップ取って自慢か? ええ!?」

「かっちゃん…。」

「第一、あんな不気味極まりねぇ個性が出たからって調子に乗るんじゃ…。」

「目を合わせないで、そんなガクブルで、そんな虚勢張られても、全然怖くもなんともないけど?」

「うっ!?」

 雄英校に登校1日目から、入試2位だった爆豪に突っかかれたのだが。

 完全に顔を背けて、体だけは出久に向けているものの、足が残像が見えそうなほどに震えてて。

 出久の単調な口調によるツッコミがグサッと刺さっても、爆豪は絶対に出久の顔を見ようとはしなかった。

 ペナント・ステア(贖罪の目)を使ってやったあの日まで、あんな至近距離で唾散らして怒鳴りつけてきていたいじめっ子が今やチワワも負ける震えっぷりと吠えるだけの、ただの大型駄犬に成り下がった。(※出久限定)

『ハハハハ! 駄犬呼ばわりか! 俺が憑く前のお前ならそんなこたぁ思うことも無かっただろうに…。短い間にずいぶんと変わったなぁ?』

「うるさいよ。」

「あぁ!? て、てめぇ…。」

「かっちゃんに言ったんじゃないけど? なに過剰に反応してるのさ? そして何か言いたいなら目を合わせようか?」

「っ…、う、うるせぇよ! 俺がどうしようが勝手だろうが!」

「じゃあ、俺がこの学校を受けて合格したのだって俺の勝手でしょ? 文句があるならせめて震えないで相手の目を見て言いなよ。」

「う…うぅ…。」

「……自分の罪も省みれない臆病者の大型駄犬が。」

「だけ…!? んだとぉ!? ーーあっ…。」

 カッとなってついに出久へ顔を向けた爆豪だったが、途端に青ざめた。

 別にペナント・ステアは使っていない。だがトラウマが爆豪を蝕んでいる。

「ご…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…、だから俺を見るな、見ないでくれよぉ…!!」

 ブワッと顔から出る物全部出して、頭を抱えて蹲り、ガタガタガクガクと震えあがって必死に涙混じりの声を漏らす爆豪。

「……つまらないの。」

「っ……。」

 心底ガッカリしたとばかりにそう呟いた出久の言葉に蹲っていた爆豪がビクッとなるが、出久は無視してさっさと校舎に入っていった。

 

 

 

 

 

 

「ねえ……。」

「ん? なに?」

 ショートボブの髪型をした茶色の髪の少女が話しかけてきたのでそちらを見た。

「酷いんじゃない?」

「なにが?」

「あの人酷く怯えてたよ? 君、何かしたの?」

「…むしろ、『された』方だけどね。」

「どういうこと?」

「君もヒーロー科?」

「えっ、う、うん…。」

「じゃあ、一緒だね。」

「そうなんだ…?」

「他に言いたい事でもあるの?」

「あの…ね…、実技試験の時に、0ポイントの敵から助けてくれたよね? お礼…まだ言ってなかった。ありがとう。」

「そう。」

 彼女がお礼を言いつつも怯えているのを感じた。

 

 入試の実技試験の際に、仮想敵ロボットと戦ったりして貰えるヴィランポイントと、他者を守る行動を取ると貰えるレスキューがあるのだが、0ポイントと呼ばれる強力な敵もいたのだ。

 その敵の圧倒的さに多くの受験生達が逃げる中、出久はゴーストライダーへと変身してコレを破壊したのだ。

 ゴーストライダーとしてのあまりの禍々しい姿に、0ポイント仮想ロボットより受験生達に怖がられたので、出久は密かにちょっと気にしていたのである。

『これからも力を使っていくんじゃなかったのかぁ?』

「…思春期舐めるなよ。」

 実技試験後ザラゾスにそう言われたので、そう返事を返したのである。

 

 

 

 




文字数が足りなかったので後半からクラスメイトになる、お茶子さんを出しました。

たぶん、あの後、爆豪は騒ぎを聞いて駆けつけた教員達により保健室行きかも。



とりあえず、書きたいシーンだけ短編で書いていこうかなって思ってます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編6  ヴィラン連合にて(2020/10/10 20:04 完成?)

色々と吹っ飛ばして、誘拐されてヴィラン連合にて。


続きは、書きたくなったら、書くかも。




何が書きたかったかって?
攻撃相性が悪い死柄木の場面が書きたかっただけです。(酷)



2020/10/10 19:59  続きが思い付いたので載せてみた。





それでもOKって方だけどうぞ。










いいですね?






 ドゴンッ

 

 

 死柄木のひょろっとした体が軽々と吹っ飛ぶ。

 

 倒れた死柄木の方へ、ムワッと熱い空気が容赦なく流れてくる。

 

 

 黒くて厚いライダースーツの全身に炎を纏い。

 頭は露出した頭蓋骨が灼熱の悪魔の炎に包まれ。

 革製っぽい黒い手袋をつけた両手には、分銅付きゴツい鎖を握り。

 厚底の、これまたゴツい革のブーツの足が地面を焦がしながら歩を進めてくる。

 

 緑谷出久。

 通称『ゴーストライダー』。

 

 弱点らしい弱点と言ったら、夜の時間帯しかフルパワーではなく、明るいうちは全パワーが7割に。

 だが、それを補って余りある特性として、罪を犯した者と対峙した時、その罪の度合いですべての能力にブーストがかかる。

 

 死柄木弔。

 ヴィラン連合のヴィラン。

 個性:崩壊。(5本指で触った物を崩壊させて破壊する)

 

 が……、ゴーストライダーは、常時燃えている!

 悪魔の炎は、普通の炎より熱い!

 そんな奴に触れるか? 指が届く前に運が良くて火傷だ。相性が悪いにも程がある。

 

 誰だ!? こんな化け物を攫って来いって言ったのは!?

 …俺だ!!

 

 

 雄英校の林間学校時に、麗日お茶子という女子生徒を人質に、変身前にMr.コンプレックスの個性で圧縮して攫ってきたまではよかっただろう。

 その後、アジトで大人しくさせるために麗日お茶子に危害を加えられたくなかったら…っと脅していたのだが…、まだお茶子を人質にしているという確証が持てないとして、夜の時間帯になった瞬間、ゴーストライダーとなって暴れ出した。(時間が分からない部屋に閉じ込めてたはずなのに)

 

 

「…落ち着いてくれるかい?」

 

「デクくぅん…。」

 

『!』

 

 

 オールフォーワンが、グスグスと泣いているお茶子の腕を掴んで引っ張りながら現れたことで、死柄木にトドメを刺そうとしていたゴーストライダーこと出久が止まった。

 

 

『……貴方が、俺を?』

 

「私は、君じゃなく、君の中にいる者と話がしたかったのだ。」

 

『……。』

 

『……ほう?』

 

 出久の内側にいるザラゾスが興味深そうに呟く。

 

『……どうする?』

 

『…いいぜ。変われ。』

 

『分かった。ただし、その子を雄英に無事に返すことが条件です。』

 

「いいだろう。」

 

「いやぁ!」

 

 オールフォーワンが部下を呼び、お茶子を渡す。お茶子は恐怖心から拒絶するがロクに抵抗できずそのまま連れて行かれた。

 

『じゃあ、変わりますね。ザラゾス。』

 

 そして出久は、内側にいるザラゾスと入れ替わった。

 雰囲気が一気に重苦しくなる。

 

『……なんの用だぁ?』

 

 声の質が変わった。声帯の都合で出久の声なのだが、出久ではない。

 

「本物の悪魔と話すのはこれが初めてでね。不慣れで気分を害するかも知れないが…、どうか話をしてくれるかい?」

 

『それは、てめー次第だ。』

 

 

 

 

 

 

 場所を変えて、会話が行われた。

 

『それで?』

 

「まず、単刀直入に聞きたいのは、君のような本物の悪魔とどうすれば契約を交わせられるのかな?」

 

『…んなこたぁ、調べりゃいいだろうが。てめーら人間ってのはよぉ、古来からありとあらゆる手段で俺達と交渉してきたんだ、わざわざ聞くことでもねーだろうが。』

 

「確かにオカルト文化のどれかを試せば、当たりを引くことが出来るだろうが…、せっかく実物がいるのだ、せっかくだから直接話をしてみたと思ったのだよ。」

 

『…殺すぞ?』

 

「すまない。なにぶん、悪魔という存在を最近までに信じてもいなかったのでね。」

 

『ふん…。』

 

「許して貰えるだろうか?」

 

『どーでもいい。おら、俺がキレる前にさっさと積もる話でしろや。』

 

「ありがとう。では、次に……、君は、なぜその無個性の少年に力を?」

 

『…無個性ねぇ……。俺としては貴重な器なんだけどなぁ。』

 

「ほう?」

 

『俺から見れば…、個性なんぞ、“汚染”だ。むやみやたらにばらまかれたな。そんなもんを尊ぶ時点で知恵の実を食った失敗作としては、本当の意味で終わりだ。下手な力ってのは、進化どころか退化を生む。』

 

「……失楽園か。君から見れば、個性とは、汚れも同然なのかい?」

 

『そうだな。他の連中のことは知らねーが、俺からしてみればそうだ。おかげで、コイツ(緑谷出久)を探すのに苦労したぜ。』

 

「ふむ…、いまや無個性は、全体人口の2割程度しかいない。無個性の肉体でなければいけなかった君にとっては、生きづらい世界か。」

 

『若い連中からしたら、俺はそーとー古い方でよー。そこまで器用じゃねーんだよ。』

 

「だとすると分からないな。せっかく肉体を手に入れたにもかかわらず、なぜあくまで主役をその少年に与えているのかね?」

 

『そんなもん、俺の勝手だ。悪魔の生き方なんざ、人間の基準で考えるなよ。』

 

「それはすまなかった。」

 

『終わりか?』

 

「とりあえずは。」

 

『楽しかったか?』

 

「ああ。とてもね。有意義な時間だった。」

 

『そーかそーか。んじゃ、俺らは帰る。』

 

「もうお帰りかい? …こう言ってはなんだが、私達と共に…。」

 

『コイツがヒーローを目指す限りは、それはないな。』

 

「なぜ、そこまでヒーローに? 悪魔である君としては、ヴィランの方がいいだろうに。」

 

『……覚えておけ。『ゴーストライダー』は、復讐の精霊だ。…罪のねー奴の血が流れるほど力が出るのさ。』

 

「……肝に銘じておこう。」

 

 

 こうして、ゴーストライダーは、ヴィランのアジトから出て行った。

 が……、出久の意識を戻さず、アジトに着火しておいた。

 炎使いの荼毘がいても、悪魔の炎を消せるわけがない。

 バックBGMをヴィラン一味の悲鳴や断末魔と燃える音にして、やっとザラゾスは上機嫌になって鼻歌歌いながらヘルバイクに跨がり夜の夜道を走った。

 

 

 

 




ゴーストライダーそのものを取り込むというより、ザラゾスとの会話の場を設けたかったから攫ってこさせたAFO。



さて…、AFOはなにを目的にザラゾスと会話したかったのか……。
そこが書けなかったんだ…!(2020/10/10)




2020/10/10 20:00

色々と考えたけど、結局、本物の悪魔との契約方法と、ザラゾスがなぜ出久を選んだのかについて聞いただけになりました。

ザラゾスがヴィラン連合アジトを燃やしたのは、単純に機嫌が悪かっただけかな?

この後、たぶん、ドドドドドッ!てエンジン吹かしながら雄英に帰るゴーストライダー。もしかしたら、途中でお茶子拾って連れて帰るかも。

ちなみに、一応、雄英に入った頃には出久はバイクの免許取っている設定で。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編7  『爆弾はオヤツです』

短編同士の話は繋がってません。



書きたいところだけ書いた。




今回は、ギャグを目指した。

実際にゴーストライダーにはない描写です。


タイトル通りのことをやらかします。


爆豪がただただ可哀想?





それでもOKって方だけどうぞ。










いいですね?











 

 

 

 その日、1-Aクラスがパニックになった。

 問題を起こしたのは、緑谷出久。

 

 彼がまるで弁当でも出すような気安さで鞄から出したのは、ダイナマイト。(本物)

 

「緑谷ーーー!? なに弁当みたいに、んなもん出してんだ!?」

 

「爆弾。」

 

「いや、爆弾って…、ってか、それ本物…?」

 

「本物ですわ…。」

 

「八百万が言うならマジだな!」

 

「っていうかなんで爆弾!? どーすんのソレ!?」

 

「…オヤツ?」

 

 おやつじゃねぇ!!(爆豪がいない1-Aクラス。※爆豪は今いない)

 

「さてと…。」

 

「なに着火マン出してんの…? えっ、えっ?」

 

 あまりのことに思わず誰も動けないところに、まるで菓子の封でも破るような気安さで出久がダイナマイトの着火線に火を付ける。

 

「あーん。」

 

 バクリッと…、一口で着火したダイナマイトを飲み込む出久。

 ちょっと、待て。色々と言いたい。

 大きさ的に出久の口に入らない。そしてギャグアニメよろしく噛まずに喉を通過してる。

 

 BOOOM!

 

 少し間を置いて、出久の腹が一瞬膨らんで戻った。

 

「…ふう……。」

 

 プハ~っと煙を吐きながら恍惚とした顔をする出久。

 しかし、ふと自分に集まる視線に気づいて顔を上げる。

 

「どうかした?」

 

「い…いやいやいやいやいやいや!!」

 

「色々と言いたい!」

 

「なんで平気なんだ!?」

 

 出久の声でハッと我に返ったクラスメイト達が大慌てで叫びツッコむ。

 

「爆弾は、オヤツだから。んじゃもう一本…。」

 

「相澤先生ーーーー!!」

 

 パニックになりつつ、出久の爆弾喰いを阻止。ダイナマイトを奪い取った彼らはある意味で勇者だ。

 出久は、むーっと機嫌を悪くする。

 

「おい? なんだこの騒ぎは?」

 

「あっ、ちょうどいいや。」

 

「はっ?」

 

 そこへ教室から出ていて今戻って来た爆豪勝己。それを見つけるなり、立ち上がった出久がツカツカと爆豪を捕まえた。

 そしてあっという間にゴーストライダー形態に。

 

「ひっ…!?」

 

 そして捕まえた爆豪の両手を口に入れた。

 

「ひいいいぎゃああああああああああああああああああああ!?」

 

 プライドもかなぐり捨てたあられもない悲鳴を上げる爆豪。

 

「やだやだいやだあああああああああああああ! 手ぇ離せ、離しやがれえええええええええ!! 喰わないで! 俺喰っても美味くねぇえええええええええ!!」

 

 ギャン泣きでメチャクチャに爆破の個性を使いまくる。

 

 注意。

 

 爆豪の個性は、両手の汗腺からニトロを出し、爆破を起こす個性である。

 

 つまり両手を口に入れられている状態ということは……、爆破が当然ゴーストライダーの口の中で起こっているわけで……。

 

 ちょっと、たまに上顎が動く程度で、ほとんど微動だにしないゴーストライダーは、散々口の中で爆破を受け止めて…、やがてニトロが尽きて、シクシクシク…っと力無く下を向く爆豪をやっと解放し、口から彼の両手を出した。

 

『…ごちそうさま。』

 

 解放されると同時にパタリッと倒れる爆豪を放っておいて、出久は元の姿に戻りながらスッキリしたとばかりに伸びをして教室から出て行った。

 

「ば…爆豪…?」

 

「……。」

 

「…だ、だいじょうぶか?」

 

「…なんか…、ジットリして…。」

 

「ひーーーー!! あんな燃えてるのにか!?」

 

「燃えてるのに、生温か…。」

 

「言わんでいい!!」

 

 

 

 その後、やっと駆けつけた相澤が事情聴取し、出久を職員室に呼び出して説教。以降、入手ルート不明の爆弾を持ち込むことは無かったが…、たまに爆豪がオヤツにと、また両手を口に入れられて爆破を強要される事件が起こるようになった。

 爆豪は、自分の個性を誇りにしていたが、こんな個性持ちたくなかった…っと大泣きするようになってしまった。

 

 

 

 

 




なにが書きたかったって……、単純にゴーストライダー出久に口に両手含まれてギャン泣きする爆豪と、ゴーストライダーの口の中の感触のことについて書きたかっただけ。


ちなみに、ちゃんと爆豪が焼けないように調整はしていますよ?
結果、不快なことになってしまったけど。



ダイナマイト喰いの描写は、一応映画『マスク』の1作目をイメージしました。ただし、あっちはゲップだったけど。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編8  『個性アレルギーのヤクザ』

オーバーホール(治崎廻)が、キャラ崩壊しています。

オーバーホールファンの方は回れ右してください!






個性嫌いでアレルギーレベルなら、無個性の出久は…、どうなんだろう?
いや…、この短編は腐向けでないですよ?
単純に興味です。


設定的にあり得ないけど、オーバーホールが、ゴーストライダーのファンになっています。

注意!!





それでもOKって方だけどうぞ。









いいですね?





 

 

 個性社会。ヴィラン。ヒーロー。

 この世界において、現実世界と違い筋者のヤクザとかそういう悪は、絶滅危惧種みたいなものだ。

 

 死穢八斎會

 

 そんな絶滅危惧種のヤクザの組織が存在する。

 その組織をとりまとめる若頭で、オーバーホールと名乗る治崎廻という男がいるのだが、この男、病気レベルの潔癖症かつ、個性という特殊能力をアレルギーとし、個性がある者に触ると蕁麻疹が出るほどの筋金入り個性嫌いである。

 故に、個性という物を病気だと断じており、自身の個性と、とある少女の個性を利用して、個性の無い大昔の時代を戻そうと画策するほどである。そして実際に個性破壊弾という兵器を作り上げている。

 そんな彼であるから、当然だがヒーローも大嫌いである。

 ヒーローを、他人に世話を焼きたがる英雄症候群と吐き捨てるほどだ。

 

 なのだが…、そんな男が最近注目しているヒーロー(?)がいた。

 

 

 ゴーストライダー

 

 

 その姿は、まさに地獄からやってきた最強最悪の断罪者。

 実際、すでに何人ものヴィランや、隠れて悪事に手を染めていたヒーローすらも、このゴーストライダーに粛正されている。

 まさに圧倒的。いかなる悪も脱兎で逃げ出したくなるような凄みと、力が備わっている。

 ヴィジランテと呼ばれる義賊とも違う。

 治崎がゴーストライダーを初めて見たのは、ヘドロヴィランの事件の時だ。

 その場にいたのは本当に偶然だが、その偶然が彼とゴーストライダーを引き合わせた。

 地味めの緑の少年(推定、中学生)が、炎に包まれたかと思うと、黒いライダースーツを纏う、炎に包まれたドクロの怪物に変身した。

 目が離せなかった。

 誰かに心を奪われるほど心に衝撃を受けたのは初めてだった。

 部下に腕を引かれてその場から立ち去る際に、指摘されたが、気がつけば泣いていた。

 感涙したのだ。

 感動で涙が出たことなどない。初めてのことだった。

 あのゴーストライダーの姿が焼き付いて離れない。

 その日から、治崎は、ゴーストライダーのファンになった。

 自覚してからは早い。ゴーストライダーのことをとにかく調べた。

 するととんでもないことが分かった。

 それは、ゴーストライダーの正体である、あの少年…緑谷出久が、生まれながらの無個性であることだった。

 じゃあ、あのゴーストライダーの姿はなんだ?って話だが、あの事件後、ヒーロー達に連行されたらしく、調べられたそうだが、どう調べても無個性だったらしい。

 

 無個性

 

 それは、個性社会において、今や異端であり、絶滅危惧種と言っていい人種だ。

 だが、治崎からすれば、この世で病気では無い綺麗な存在だ。

 あの圧倒的な姿や力を持ちながら、個性という病気にも汚染されていない……。

 嬉しく嬉しくて、そのことを知った治崎は部下から心配されるほど泣いた。

 法では裁ききれぬ悪人を粛正するゴーストライダーの存在は、一部で熱狂的ファンが付いたらしく、ネット上の個人ショップで個人が作成したゴーストライダーグッズやらフィギアとかがあり、仕事忘れて治崎が買い漁ったものだから部下から怒られたりもしている。

 そうなってくると、ウズウズと湧いてくるのが……。

 

「握手したい…!」

 

「病気レベルの潔癖症がなに言っちゃってるでやすか!?」

 

「もう重症だって。若を止められねーって。」

 

「しかし…、ゴーストライダーの普段の姿は、ただの高校生ですよ? それでも構わないということですか?」

 

「目の前で変身してもらう!」

 

「待ってください! ゴーストライダーは、罪の無い者の血が流れると現れるって噂になってるっすよ!? 俺らヤクザ者なんて、どんだけ…。」

 

「ゴーストライダーに粛正されるなら本望!」

 

 あっ…、ダメだこりゃ…、この人もうダメだこりゃ…。

 っという空気がその時の八斎會の部屋にたちこめたとか?

 

「あっ、でも握手して蕁麻疹出たらどーしやす?」

 

「あっ、おい!」

 

 止めるのが遅く、吐き出された言葉に、興奮していた治崎が固まった。

 

「……………………………………………だいじょうぶなはずだ。彼は無個性、無個性無個性…、病気じゃない、綺麗なヒーロー…。」

 

 ブツブツブツ…っとなんか怖い勢いで独り言を呟く治崎に、他の者達はドン引きであった。

 

 

 

 

 

 

 その後、雄英校に在学している緑谷出久(ゴーストライダー)の行動を把握してこいと部下に命じて、ストーキングさせたのだ、『直接会いに来い』っと張り紙をつけられて焦げた部下が泣きながら帰ってきた。

 

「会いに来いって言うくらいっすから、行けばいいんじゃないっすか?」

 

「……緊張で心臓が爆発する!」

 

「あんたそんなタマじゃないだろ!?」

 

 

 ああ…、きっかけさえあればどんな人間でも変わってしまうものなのだ……。

 ただのダークヒーローファンになってしまった治崎に、部下達は、ため息を吐いたのだった。

 

 

 

 




ダークヒーローって……魅力的ですよね…。(うっとり)


ちなみに、ここでのゴーストライダー(出久)は、罪の無い者の血が流れたときに現れるゴーストライダーを地で行って、悪の粛正を行っています。
一応、殺してはいないはず…、ペナント・ステアは使っても…。(つまり廃人)


もうちょっと、ゴーストライダーファン化してしまった治崎をキモく書けたと思うけど……、私の技量ではこれが限界だったかな…?

治崎の所業的に、ゴーストライダーと会ったら大変なことになる…っと思う。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編9  『ゴーストライダー信者?』

怖いホラーを入れたギャグを書きたかったのに……、なんか方向性がおかしくなりました。





轟焦凍の闇が深いかも……。

もしかしたら壊れている。


あと、ごめんなさい、エンデヴァー!!


時間軸はメチャクチャです。







それでもOKって方だけどうぞ。







いいですね?





 

「ゴーストライダーって…、カッコいいよな。」

 

「!?」

 

 轟焦凍の唐突な一言に、1-Aクラス(※緑谷出久不在中)が、凍り付いた。

 近くにいた蛙吹梅雨が硬直から即座に回復して、轟のおでこを触った。

 

「どうだ!?」

 

「熱、無しよ!!」

 

「つまりしょーきで言ってるって事か!?」

 

「……。」

 

「ああ! 爆豪が単語聞いただけで逝った!? しっかりしろーーー!」

 

「? そんなに騒ぐことか?」

 

「いや…、騒ぐわよ…。轟ちゃん、マジで言ってるわけね?」

 

「俺は事実を言ったまでだが?」

 

「お前、体育祭で炙られて頭のネジ溶けたか!? それか親父さんのエンデヴァーが緑谷(ゴーストライダー化)と喧嘩になって! 最終的にエンデヴァーが泡吹いてぶっ倒れて緊急搬送されたの見て変なインプリンティングされておかしくなったか!?」

 

「アイツの件については、むしろ感謝しているぐらいだ。俺や母さん…、俺の家族…、それにアイツの傍若無人に苦しめられていた奴ら全員の痛みをアイツに与えてくれたんだからな。」

 

「オレはミテナイ、オレはミテナイオレはミテナイオレはミテナイオレはミテナイオレはミテナイ…。」

 

「ギャーーー! 爆豪がバイブレーション状態でなんか念仏みたいに唱えだしたぞ!?」

 

「轟君! 誰からそれを?」

 

「緑谷からだが?」

 

「……もしかして…、直接頼んだ?」

 

「ああ。」

 

 やっちゃった…、やっちゃったのか…!

 クラスメイト達は、轟の心の闇の深さに涙しそうになった。

 

 ゴーストライダーの噂は、野を越え山越え、ネット上にすっかり広まっていた。

 

 噂の出所については、確認しに来たヒーロー公安委員会に対してゴーストライダーの正体である緑谷出久自身が否定しており、ゴーストライダーとして『罪なき者達の流した血』に対する、その罪を生み出し罪なき者を生む悪への報復活動が、民間に広まった結果だった。

 あと、緑谷出久がゴーストライダーであることは、爆豪も被害を受けたヘドロ事件で知られている。

 なので、表沙汰にならない罪の被害者が出久に直接頼みに来るということは、決して“少なくない”。轟焦凍もそんなひとりになってしまったらしい。

 夜な夜な聞こえてくることがある、ヘルバイクが鳴らす凄まじい悪魔のごときバイク音は、畏怖されると同時に罪が裁かれる時だとして、取り締まる側達の苦渋に反して、力の無い守られるべき者達からは一部ではヒーロー以上の希望として捉えられている。

 正体が分かっていても、いくら監視してもゴーストライダーの粛正を止めることは出来なかった。

 実際問題、ゴーストライダーが登場してから巷の犯罪件数が減ったり、表沙汰になってなかった罪を暴かれ突きつけられ自首する犯罪者が次から次に出ているのだ。

 とはいえ……、大半の犯罪者は、最悪廃人になっているので…、法的に裁けないのが問題になっている。しかし、確実に罪の痛みを与えた結果なので、ゴーストライダーへの支持は着実に増している。

 雄英校内でもゴーストライダーの在り方に熱狂的な支持者がいたりして、除籍処分するじゃ、しないじゃで揉めに揉めたのは最近だ。

 

「轟ちゃん…、なにも口に出さなくてもいいじゃないの? 心にとどめておけばよかったのに。下手すると除籍よ?」

 

「…嬉しくてな。アイツの状態を姉さんから聞いて…。あんまりにも嬉しくって…。」

 

 うっとりと、それはそれは嬉しそうに美しく微笑む轟の様に、クラスメイト達は青ざめ、戦慄したのだった。

 

 

「…なにかあった?」

 

 

 出たよ! 元凶!! 緑谷出久! ゴーストライダー!!(※変身してません)

 しかし、口には出せない。

 

「緑谷。」

 

 パッと表情を輝かせて轟が出久に駆け寄った。

 

「どうしたの、轟君。嬉しそうだね。」

 

「ああ…、とても嬉しいんだ。お前のおかげだ。ありがとう!」

 

「…そう。よかったね。」

 

 出久は、興味なさそうに目を細め、あくびをして席に座った。

 

 

 

 

 

 




最後の興味の失せた出久がポイントかな?

あれだ…、味のなくなったガムとかへ向ける目?


エンデヴァーは、罰を受けたんだ……。死んでないし、廃人にもなってないけど、大変な状態かも。


たぶん……、轟は嬉しそうな顔してても目は死んでるかも……。(怖)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編10  『パワー7割は、ウソのようで本当ですから』

途切れ途切れで申し訳ない。


書きたいところだけ書いてるんです。



時間軸は、USJかな。いや、USJだ。



vs脳無だけど……?





短編なので話は繋がってません。





それでもOKって方だけどうぞ。








いいですね?






 

『おい、出久。出久?』

 

「……なに?」

 

『呼んでみただけー。』

 

「……。」

 

『あー、ウソウソ。怒るなって。』

 

「言いたいことあるなら、さっさとしてよ。」

 

『いやぁ…、滑稽な光景だなって思ってなぁ。』

 

「そう?」

 

 

 ザラゾスが言う、光景とは、オールマイトがUSJに襲撃したヴィラン達の中にいた、脳無という怪人と戦っている光景のことだった。

 出久達生徒にもヴィラン達が襲ってきたが、そこは未熟とは言えヒーローの卵、各個撃破し、先に撃破し終えた者達が苦戦しているクラスメイトを助けることで被害者は出なかった。

 USJは、ドーム型の訓練施設だ。あらゆる事態を想定した設備となっており、事件、災害など多岐に亘るヒーローのための訓練の場所だ。

 そんなんだから場所により地形が異なるのだが、それを無視するのが出久。さっさと自分に襲いかかってきたヴィランをぶっ倒すと、ヘルバイクを駆り、ドーム内の人工の山越え谷越え、水越え家越えて、ヘルバイクでヴィラン共を追い回しながら倒したため、ほぼほぼ出久がヴィラン集団を倒したようなものだ。

 そして残りの気配を探しに行くと、オールマイトが脳無と戦っていた。

 ショック吸収と回復能力を持つ脳無は、強大な打撃力でヴィランを倒す戦法のオールマイトと相性が悪く、ハッキリ言わせてもらうとかなりのピンチである。

 オールマイトは、平和の象徴だ。

 その平和の象徴たるオールマイトの存在というか、その在り方というか、なんというかそういうのがザラゾス的には気に入らないらしい。

 

「滑稽でもなんでもいいから…、行くよ。」

 

『は~…、ヒーローってのは、面倒くせぇな。…ヴィランってのもな。』

 

 出久がヘルバイクのエンジンを吹かせ、急発進させた。

 脳無がハッとして振り返ったときには、頭にヘルバイクの炎を纏った前輪がヒットした。そしてぶっ倒れる脳無の上をヘルバイクが走り抜ける。たちまち脳無の体にタイヤ跡。

 

「そのバイク音…、お前が…噂のゴーストライダーか?」

 

 死柄木が言う。

 ブオンッとバイクを止め、バイクごと振り返った出久が目を細める。

 

「緑谷少年! 下がるんだ!」

 

「体がしんどいくせに大人の意地ですか?」

 

「脳無。ターゲット変更だ。」

 

「やめろ!」

 

 死柄木の指示を受け、脳無が膝をついているオールマイトから矛先を出久へと変えた。

 その巨体にしてはスピードがかなりあるが、出久からしたら…それほど驚くほどじゃない。

 ヘルバイクのエンジンを吹かせた出久が、炎を纏いながら前輪を上げつつ突撃し、脳無とぶつかった。

 ガリガリガリっと、脳無が後ろへ押されながら踏ん張り、やがて止まる。

 

「……へえ?」

 

 意外だと、少し声を漏らす出久。

 脳無は、ヘルバイクごと出久をひっくり返す。

 出久はヘルバイクを炎の中に消しつつ地に着地し、器用に素早く脳無の下へ行くと、脳無の下顎を蹴り上げた。

 しかし脳無は、ケロッとした顔をして出久を見るなり、出久の足を掴んで放り投げた。

 

「夜じゃないと、7割弱ってのはマジな情報か…。」

 

 死柄木が、クックッと笑う。

 出久は、投げられた状態からクルクルと体勢を整え着地すると、凄まじい炎に包まれゴーストライダーへと姿を変えた。

 

「変身したからって変わるのかよ?」

 

『いちいちうるさい。』

 

 笑っている死柄木に、ゴーストライダーが吐き捨てる。

 脳無が突撃してくる。

 ゴーストライダーは、拳を振り、脳無の鳩尾に強烈な打撃を与えた。

 ゴボッ…と、何か分からない体液を吐いた脳無は、腹を押さえる。そしてゴーストライダーに縋るように倒れていった。

 

「なっ…! 脳無、なにやってやがる! さっさと立て!」

 

『次…。』

 

「っ!」

 

 ジロッと死柄木を見たゴーストライダーに、死柄木は、思わず構えると、後ろに黒霧が現れた。

 

「ここまでですね。一旦引きましょう。」

 

「黒霧!」

 

「貴方の個性では、触れる以前に火傷じゃ済みません。」

 

 黒霧がゴーストライダーの炎を纏った体を指し、死柄木は、忌々しそうに舌打ちした。

 

 

 死柄木達は退却し、アジトで新たなゴーストライダー情報を入手するのだが

 

 『相手の罪の度合いで、全ての能力にブーストがかかる』

 

 という新情報を得て、AFOがたぶん近場で脳無に指示を出して操っていた死柄木の罪の大きさに影響されてゴーストライダーが夜じゃないのに強くなったのだろうと推測した。

 

「なにそのチート…、きめぇ…。」

 

 っと、死柄木がぼやいていたとか?

 

 

 

 

 

 




短編10を書くにあたり、最初はゴーストライダーに酔狂する轟を書こうかと思ったけど、さすがにアカン…って思ったのでやめました。

で、急遽方向を変えてUSJ。そして最初の脳無との戦いにしました。
なので変な文章になり申し訳ない。
脳無は、死んでませんよ?

ゴーストライダー(出久)にブーストがかかったのは、脳無の罪ではなく、死柄木あたりの罪に反応してのことです。


本当は、他のヴィラン達が、ゴーストライダーの地形を無視するヘルバイクに追い回されてキャーキャー!逃げ回る光景を書きたかったが……、やっぱ変身は脳無戦でかな?っと思ったので中途半端に。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編11  『赤白の大型駄猫』

ギリギリの、轟と出久の話?




タグに、ボーイズラブを追加します。念のために。


出久が、エンデヴァーに復讐後、目が死んだ轟のことを駄猫呼ばわりしています。


轟家そのものも大変なことに!!



注意!!




(※2020/10/20 ちょっと加筆)


それでもOKって方だけどうぞ。









いいですね?


 生きてるのに、死んだ目をしている……。

 

 それが最近の轟の状態だった。

 

 体育祭の時に、依頼してしまったのだ。直接出久(ゴーストライダー)に。

 

 父・エンデヴァーの罪を裁いて欲しいと。

 

「……君が望むような形で裁けないかもしれない。それでも?」

 

 出久(ゴーストライダー)は、一応そう聞いていた。しかし、轟はそれでも構わない、その贖罪の目(ペナント・ステア)で分からせてやってほしいのだと伝えた。

 轟の闇を感じた出久は、分かった…っと返事をした。

 

 結果、エンデヴァーは長期入院に。

 外傷はないが、精神面でのダメージが大きいことを姉から聞いて、死んだ目のまま笑ったらしい。

 

 

 

『す~~かり、お前にご執心だな~。』

 

「……なんで、こうなった?」

 

 出久は共有スペースのソファーに座ってたのだが、そこに轟が来て膝の上に頭を乗せていた。まあいわゆる膝枕なわけだが……。

 身体を丸めて横向きにし、顔を出久の腹側に膝に乗せている様は…なんとなく……。

 

『こりゃ、猫だな。』

 

「猫違う。」

 

『猫だ、猫。野性を忘れたタイプのな。』

 

「轟君は、猫違う。」

 

「……猫でいい。」

 

 寝ているかと思っていたら起きてた。

 

「轟君…、それ認めたら色々問題があると思うんだ。だいたい君の復讐の願いは叶ったんだ。俺に関わる必要は、もうないはずだけど?」

 

「…緑谷は、俺のこと嫌いか?」

 

「なんでそうなるの? 嫌いじゃないよ?」

 

「そうか、よかった…。」

 

「そんな嬉しそうな顔して言うことじゃないよ。でも、目は死んでるし。」

 

『そりゃそーだろうな…、コイツの家……、エンデヴァーっての? 出久が依頼通りペナント・ステアで見てやったらよぉ、コイツの父親、が、ゴーストライダーに狙われるほどの罪を犯しているってことやら、実際やってきたことが世間様に漏れて袋叩きになってるうえに、姉弟も肩身が狭いって状態らしいからな~。目先の復讐に走った結果、家族崩壊を起こしたってんなら、目も死ぬぜ。』

 

「轟君…、俺を恨んでる?」

 

「まさか! そんなことない。1回だってそんなことを思った事なんてない。むしろ、もっと早く会えてれば…って思ってるぐらいだ。」

 

「……。」

 

『出久。お前の存在さえなければ…、コイツの家が破滅することもなかっただろうなぁ? どうだ? 絶望だな?』

 

「……君は…、満足してるんだね?」

 

「ああ。」

 

「……君は、これからどうするの?」

 

「…考えてないな。けど、緑谷の近くにはいたい。」

 

『ペットにでもなる気か?』

 

「…ペットにでもなる気なの?」

 

「それも…いいな。緑谷、俺は依頼の報酬も何も払ってない。俺は何で払えば良いんだ?」

 

「要らないよ。君から貰うものなんてない。」

 

「…そうか。」

 

 心底残念がる轟の様子に、出久はため息を堪えた。

 

「駄猫(だねこ)め…。」

 

「緑谷が望むなら、俺は猫にだってなる。」

 

「そういうことじゃない…。もういい。勝手にすればいいから。」

 

「ああ。そうする。」

 

 出久は諦めてそう言うと、出久の膝の上で轟は嬉しそうに死んだ目のまま笑った。

 

 

 

 




イメージとしては、殺戮の天使というフリーゲームの主人公ヒロインのレイみたいな感じですかね……。生きてるのに死んだ目……。


轟は、意識しているのか無意識なのか、出久に依存、執着、結果、駄猫。
爆豪が大型駄犬呼ばわりされているので、犬との対比で猫にしました。



これ、ハーメルン的には、アウトというご意見がありましたら、活動報告、またはメッセージでお願いします。すぐ削除します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お試し短編13  『ゴーストライダーvsヒーロー殺し』

とりあえず、書いてみたけど……。


これは、原作2巻以降買ったら、たぶん書き直す。(とか言いつつ書き直したことはないけど)



出久(ゴーストライダー)が終始、ステインを狂人と断じています。

あくまで、筆者の主観で書いたので、ステインのキャラが違うと思います!

戦闘描写と多めにしたかったのに、結局台詞ばっかり。





それでもOKって方だけどうぞ。









いいですね?





 

 

 斬られてへたり込んだ飯田の目の前に投げつけられたナイフを横から掴んだ者がいた。

 黒いグローブに包まれた手。

 ボジュッ!とナイフが焼けて蒸発する。

 

『さっさと立て。立てるはずだよ。』

 

「みど…。」

 

「俺に任せろ。」

 

 そこへ轟が来て飯田を避難させた。

 ごうごうと炎を纏った出久があっという間にゴーストライダーへと変身し、飯田を斬った相手と向き合う。

 

 

「ゴーストライダー…!」

 

 

 ヒーロー殺しの異名を持つ、ステインというヴィランが凶悪に笑う。

 ヒーローという物に独自の思想を持つ思想家であり、『ヒーローとは見返りを求めてはならない。自己犠牲の果てに得うる称号でなければならない』という信念を持ち、それに合わないと判断したヒーローや、信念のないヴィランを粛正し、これまで17人殺害、23人を再起不能にしている。

 その思想は、ある種の英雄回帰として、賛同者がいるほどであり、ゴーストライダーが現れてからは、対比されるようにもなっている。

 

「高校生の子供が正体だとは噂には聞いていた…。」

 

『納得できない? こんな子供が…って。』

 

「驚きはした。実際にこの目で見るまでは。聞くところによると、貴様のその姿は、個性ではないらしいな?」

 

『そうだけど? それがなにか?』

 

「疑問を聞いてみただけだ。」

 

『あっ、そう。まあ、それはそうと……、お前に関しては、ようやく捕まえられたってところかな。今まで散々逃げやがって…。』

 

「貴様の噂での別名は…、『復讐の精霊』だったか。俺は、復讐される心当たりはあれど、復讐されるいわれはない。」

 

『それは、お前だけの考えだ。』

 

「…貴様は、自身の復讐の代行が総意であると?」

 

『まあ、たまに個人からの依頼はあるけど。』

 

「確か……、『罪無き者の血が流れたとき』。それがお前が現れ、粛正する理由だったな?」

 

『そうだけど?』

 

「偽のヒーロー共や、信念無きヴィランに罪がないだと? 貴様はそれらを擁護するということか?」

 

『罪の大小を決めるのは、お前じゃない。それだけは言える。』

 

「……一度は貴様と話をしてみるべきだと考えていたが…、どうやら間違いだったようだ。」

 

『自分の思想に合わなかったらすぐそれ? ただの狂人の言い分だな。』

 

「俺をただの狂人だと詰るか。だが、この世に跋扈する贋物も信念無きヴィランを放っておいてはいけないのだ!」

 

『だから、お前自身が粛正するの? それこそただの狂人のやることだよ。歴史上の…。』

 

「貴様と話すことはもうない! 死ね!」

 

 ゴーストライダーの言葉を待たず、刃こぼれした日本刀を手に斬りかかってきたステイン。

 それをゴーストライダーは、拳から出した鎖を振って防ぐ。

 ガキンッと火花が散るが、ステインは、攻撃を繰り出す。ゴーストライダーは、鎖を手に巻き付けるなどして、日本刀による攻撃を全て鎖で弾く。

 ゴーストライダーが鎖を巻き付けた拳をステインに振るうが、ステインはバックステップをして避ける。しかし、悪魔の炎による熱を纏っているゴーストライダーの拳が僅かに擦っただけで、ステインの首に巻いているマフラーの一部が焦げた。

 そのことにステインは、僅かに目を見開く。

 ゴーストライダーは、自分を殺す気だ! そう感じるには十分だった。

 

『自分が…、復讐され、死なないという保証がどこにある?』

 

 ステインのその心情を見透かしたゴーストライダーが声を低める。

 ゴーストライダーが口を開いて炎を吐いた。ステインは横へ飛ぶように転がり避けると、すかさずゴーストライダーの足が踏み込まれてきたため、踏まれないように再度転がった。

 触れたらまずい! ステインは、ゴーストライダーが纏っている悪魔の炎の温度を感じ、とにかく距離を縮めないよう注意を払った。

 

『自分の思想だけでしか考えられない罪深き狂人は、それだけでしか物事を測れない。お前の思想は、お前自身の魂を縛り、何も見えなくさせるだけだ。そしてお前自身はそのことにすら気づいていない。やはり、お前はただの狂人だ。』

 

「黙れ!」

 

『…お前の罪を思い知れ。』

 

 ゴーストライダーは、徐に近くの廃ビルに歩み寄った。

 そして、ガッと両手でその地面に接している部分を掴む。

 

「なっ…!?」

 

 さすがのステインも、ゴーストライダーのその行動に言葉を失う。

 ゴーストライダーは、軽々と廃ビルを引っこ抜き、ジロッとステインを見た。

 そして廃ビルを振り下ろした。文字通り。

 

「うおおおおおおおお!!」

 

 ステインは絶叫した。そして振り下ろされた廃ビルが地面に接触し大破壊が起こった。

 もうもうと立ちこめる土煙とコンクリートの砕けた煙。

 ゴーストライダーは、ジッとその場に佇んでいた。

 だがやがて別方向に鎖を飛ばす。

 飛んできた鎖の先端を、ステインは日本刀で弾くが、鎖はステインの日本刀に巻き付いた。巻き付いた瞬間、ゴーストライダーは、ステインを引っ張り寄せた。

 

「!」

 

『分からない? 今は夜じゃない。つまり、俺のパワーは全開じゃないんだ。それなのにそれ以上の力が出せる理由について教えるよ。』

 

「なに?」

 

『……相手の罪の度合いで、俺の力にはブーストがかかる。つまり、今、お前が戦っているのは、お前自身の罪だ!』

 

「貴様…!」

 

『それでも自分の思想が正しいと?』

 

 ステインの首を掴もうとしたゴーストライダーだったが、直後にステインが投げ放った爆弾の爆発を受けた。

 

「なるほど…、だからこそ貴様は『復讐の精霊』か! だからこそ、何人たる害悪がお前に粛正されているわけだ!」

 

 爆風を利用して飛び退いたステインが叫ぶ。

 

「俺は…、どうやら見誤っていたらしい! ゴーストライダー…、貴様という存在を! お前という存在は個性という概念で捉えられない、巨大な概念に近い!」

 

『……。』

 

 何か酔狂したように叫ぶステインに、無傷のゴーストライダーは、呆れたように見る。

 確かに概念と言われればある意味で合っているかもしれない。

 なにせ、力の源は、負の概念と言っていい悪魔の力なのだから。

 

「お前に対して話すことはないと切り捨てたことは、謝罪する! だが、だからこそ問いたい! なぜ社会のガンとして『英雄』たる概念を歪ませるモノを罪だと思わないのだ!?」

 

『それは、お前の魂を縛る思想という鎖と重りだよ。罪の大小、そしてその思想にそぐわないことを罪と言うのなら、それはそう計っているだけのお前の罪だ。』

 

「……誰が…、誰が罪の所在を問うのだ?」

 

『さあ? 誰だろうね? 少なくとも人間じゃない。』

 

「…お前は…、なんなんだ? 復讐の精霊とは?」

 

 

『例え…、出久がこの世から消えたとして…、復讐求める声ある限り…ゴーストライダーは消えやしないだろうぜ。』

 

 

「今の声…? っ!?」

 

『お前は、お前の罪と向き合え。『俺の目を見ろ!!』』

 

 いつの間にか距離を詰めていたゴーストライダーがステインの頭を掴み、無理矢理目を合わせた。

 

 

『力を貸してやろうか?』

 

 

『!』

 

 次の瞬間、黒い落雷がゴーストライダーを弾き飛ばした。

 

『……おー? 久しいな。』

 

 地面にゴーストライダーが着地すると、ザラゾスが言う。

 黒い電気をまとうステインは、ダラリッと両腕と首を垂らす。だがやがて顔を上げた。

 

『そんな子供にご執心とは、腑抜けたか? ザラゾス。』

 

『若造のボンボンにとやかく言われる筋合いはないぜ、ブラックハート。』

 

 

 なに、知り合い? っと出久(ゴーストライダー)は思った。

 

 

 

 




さて……、いったい誰が罪の有無と、罪の大小を決めているのか…?
ゴーストライダーは、地獄からの使いって感じがするから、そこら辺の概念から来てるのかな?


ブラックハートをなんで出したかって…?
思いつきです。(酷)
なんとなく、ステインが悪魔と契約してもいいじゃないかという思いつき。
ザラゾスが魔界の王(メフィスト)の息子であるブラックハートに敬意をまったく払ってないのも適当です。(酷)


ステインとの対決は、ブラックハートの横槍で有耶無耶になったということにしました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。