道具屋、リーグに挑戦する (クルコイ)
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リーグに挑戦
「いらっしゃい!珍しい道具置いてるから見ていきな!」
ここはガラル地方ラテラルタウンのほりだしもの市。そこに人が背負えるのか?と思えるほど巨大なリュックを背負っているフード付きのローブを着ている人物がいた。
「久しぶりだな、おっちゃん。」
「ん?おぉ!クルカ!久しぶりだな!元気にしてたか?」
「当たり前だ。元気じゃないとこんなでかいリュック背負えるわけないからな。」
「それもそうか!」
巨大なリュックを背負った男、クルカとほりだしもの市の店主は仲が良いようだ。
「で、今日ここに来たのは珍しいものを持ってきてくれたってことだよな?」
「あぁそうだ。シンオウ地方に行って地下に潜って色々珍しいもの掘ってきたんだよ。余分に採ってきたからおっちゃんに売ってやろうかなって思ってよ。ちょっと待っててくれよ。」
クルカはそういうとリュックの中に頭を突っ込み、あれじゃない、これじゃないと探す。
「見つけた。おっちゃんに売ってやるよ。」
「どれどれ?て、なんだこれ?」
「タマ系のアイテムだな。効果はないが宝石としてなら売れるかなって思って持ってきた。」
「なるほどな。で、これはなんだ?板?」
「それはプレート系のアイテムだ。おっちゃんが今持ってるのはしずくプレートっていうみずタイプ技の威力を上げるアイテムだ。」
「クルカ、お前本当に珍しいものを持ってくるなぁ。よし!ここからは値段交渉だ。」
「おう!」
「ふぅやっと終わった。」
俺、クルカはおっちゃんとの値段交渉を終え、ポケモンセンターの宿泊施設の一室に泊まっている。
「今日も疲れた。明日はワイルドエリアにでも行こうかな?」
ベッドに横になる。
「それにしても、この世界に来てからもう5年かぁ。」
クルカという名前を名乗ってはいるが本当の名前は違う。本当の名前は
5年前、気づけば森の中で今と同じ姿でいた俺は四苦八苦しながらもこの世界を生き抜いた。といっても仲間のポケモンたちの協力が一番大きかったな。俺が持っているポケモンは全てゲーム内で育てたポケモンだった。そいつらのおかげで今、こうして無事に生活できている。
それはさておき、今の俺は世界中を旅して、珍しい道具を集めて売るということをしている。別にお金に困っているわけではないが何かしないと暇だからやっているだけだ。
「さて、今日はもう寝るか。」
そういい、俺は眠りにつく。
翌朝、午前6時に起床した俺は朝食を食べ、ジョーイさんに挨拶を済ませ、ワイドエリアに向かう。ワイルドエリアにはアーマーガアを使ったタクシー、そらとぶタクシーを使う。
ワイルドエリアに到着し、タクシーの運転手に料金を支払う。
「よし、じゃあ、いくか。」
今日、ワイルドエリアに来たのはポケモンたちの息抜きのためだ。毎日ではないが森に入ったり、洞窟に入ったりすることが多い俺は野生のポケモンによく襲われる。そのとき、何度もポケモンたちには戦ってもらっていた。今回はポケモンたちの気分転換にカレーでも振る舞おうと思っている。
「どこか開けた場所は………お、あった。」
場所を確保し、ポケモンたちを出す。
俺の手持ちポケモンは、フライゴン、マルヤクデ、ダゲキ、ドクロッグ、サイドン、ココロモリだ。
「お前ら!今日は休暇だから自由にしてよし!」
ポケモンたちはお互いに顔を見合わせると、自由に遊び?始めた。フライゴンは空を自由に飛び回り、ダゲキとドクロッグは組み手、サイドンは眠り、ココロモリは木に留まってリラックスしている。マルヤクデはカレーの準備を手伝ってくれている。
ある程度の時間がたち、カレーも完成したとき、ポケモンたちはカレーの匂いにつられてやってきたのだが、
「あれ?フライゴンとダゲキはどこに行った?」
マルヤクデは首を傾げ、他3体は顔を見合わせ、木々が生い茂る森を指す。そのとき、
「ぐああああああ!」
ジュラルドンと人が吹き飛んできた。
クオオオオオ!
ヒュオオオオ!
それと同時に飛ばされてきた人たちを追いかけるようにフライゴンとダゲキが森から出てきた。
飛ばされてきた人はジュラルドンの下敷きになっている。
「フライゴン、ダゲキ、ストップ!何があったのかはわからないけどストップ!」
フライゴンとダゲキは俺の声に気づいて、動きを止める。
俺は飛ばされてきた人たちを介抱するため、近づく。
「ジュラルドンは完全に瀕死状態だからげんきのかたまりを使うとして、ジュラルドンにつぶされている人は………ん?この顔どこかで見たような?…そうだ!ナックルシティジムリーダーのキバナさんだ!」
急いでキバナさんたちを治療する。
毛布を持っていたから地面に敷き、キバナさんたちを横にする。
「これで大丈夫。よし、みんなとりあえず、カレー食べようか。」
ポケモンたちは美味しそうに食べている。途中、野生のポケモンが何体かやってきたからカレーを振る舞う。
「今回のカレーもいい出来だ。」
「俺たちにもカレーをくれないか?」
「いいぞ。ほいっと。」
「ありがとよ。…うっま。カレー専門店でも作れば人気店になりそうだな。」
「そんなことはない。本物の料理人には負ける………ん?」
「ん?どうした?」
「起きてたのか?」
「おう。」
いつの間にかキバナさんたちが起きていたようだ。
「えっと、少し、聞きたいことがあるんだが。」
「おう、何でも聞いてくれ。」
「どうして、フライゴンたちと戦っていたんだ?」
キバナさんはバツが悪そうに顔を背けながら、
「それは…強そうなポケモンがいたから戦ってみたかったからだな…」
「そ、そうか。で、うちのぽけもんは強かっただろ?」
「あぁ俺たちが戦ってきたポケモンの中でもトップに入る強さだった。」
「それはうれしいな。ほら、カレーお代わりするか?」
「いいのか?じゃあ遠慮なく。」
俺とキバナさんはその後も会話したり、ポケモンバトルをしたりと交流を深めた。
のんびりとした雰囲気で交流しているときだった。キバナさんが、
「なぁクルカ。」
「なんだ?」
「ポケモンリーグに出てみないか?」
「え?なんでだ?」
「ジムリーダーとして本気で戦いたいからだ。あとは、お前の強さをガラル中に広めたいってところだな。」
「まぁそういうことならいいが…ポケモンたちも戦いたいだろうから参加するか。ポケモンリーグ。」
「そうと決まれば、ほら、これやるよ。」
「これは?」
「ポケモンリーグに参加するための紹介状だ。ポケモンリーグに参加するためにはエンジンシティのエンジンスタジアムで紹介状を見せて、登録を済ませるだけだ。登録は今日が締め切りだから…今すぐ行ったほうがいいかも…」
「それを先に言ってくれ!」
俺はポケモンたちをボールに戻し、キャンプを片付け、すぐにエンジンスタジアムに向かう。
その後、なんとか登録を済ませ、ユニフォームに着替え、そのままオープニングセレモニーに参加。
成り行きでポケモンリーグに参加したがまさか、主人公たちが参加する年に参加するとは思わなかった。
「さて、まずはターフタウンでヤロージムリーダーと戦うか。」
俺は最初のジムがあるターフタウンに向かうことにした。
道中、ビートとかいうピンクに絡まれたけど瞬殺してターフタウンに到着。
ジムに挑戦するため、予約を入れ、ポケモンセンターの宿泊施設でのんびり過ごすことにした。
「さて、明日が楽しみだ。」
明日のことを考えるとワクワクするが、それを抑えて、今日は眠ることにする。
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