ようこそ問題児至上主義の教室へ (ルクシア)
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「天はオレの上に人を作らず」

肉体面は完全に逆廻十六夜くんですが、彼の頭の回転は綾小路くんと同じくらいとします。
経験値は逆廻十六夜くんの方が上なので初めは勝てますが、才能は綾小路くんの方が上です。主人公だもの。


「平等とは存在するのか?」

 

この問はよく聞く問題であろう。この世の中はみな、平等を求めてやまない。人種差別の撤廃。性別差別の撤廃。まああげようと思えばこの世界に幾らでも平等を謳い、世間一般的な不平等を正そうとするもの達は幾らでもいるだろう。しかし、よくよく考えれば、平等を求めている時点で、平等は存在しないのだ。差別の撤廃という概念そのものが差別になるし、その逆もまた然り、だ。ただ、オレはこの問いにこう答えるね。

 

「天はオレの上に人を作らず、オレの元に全ては平等だ」

 

というか、オレみたいなのがポンポン生まれてたまるか、この世界が滅びるわ。

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

オレの生い立ちから語ろうか。まず、前提としてオレは所謂前世の記憶というものを持っている。生まれた瞬間からオレは異常だった。生まれた瞬間から意識があり、泣くことも、何かを恐れることもなかった。まあ、これは前世の"俺"が社会人だったこともあり、達観している面もあったからだろう。そして、この体は普通じゃない。普通のやつは第三宇宙速度(時速60100km)で走れないし、ナイフを体に刺そうとしたらナイフが砕けるなんてことは起こらないし、山を殴り砕けない。その上、一度読んだ本や、教科書、果ては論文まであらゆるものを忘れずに、暗唱なんてことも出来ない。…何故ここまで詳しく知ってるかって?オレのこの体の本来の持ち主を知ってるからだよ。さて、ここで自己紹介をしようか。

 

───────オレの名前は逆廻十六夜、分類学上は人間のはずだ。恐らくね

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

しかし、だ。オレが逆廻十六夜に転生したと言って、この世界が問題児の世界である可能性は低い。なんで分かるんだって?理由は簡単、金糸雀(カナリア)が居ないからだ。いや、()()()()()()()()()が正しい。原作の逆廻十六夜と同じ手法で金糸雀をおびき出そうとしたが、見つからなかった。それどころか、逆廻十六夜以外のキャラクターと呼べる全てがいなかった。というか、オレは別に箱庭には行きたくない。絶対悪(アジ=ダカーハ)と戦いたくなんてないし、マスクウェルの悪魔も、エンド・エンプティネスも太陽主権もまるで興味無い。てか、平穏に暮らしたい。数年かけて正体不明(コード:アンノウン)の制御できるようになったのに、今更戦いなんて求めてない。まあ、対等に戦える存在が欲しいとは思わなくもないが。動体視力が凄まじいせいで、ゲームも楽しくないし、本を読んでも、二回目が出来ないので一度で飽きる…そう、娯楽がない。今更チェスをAIとやっても負けるわけないしなぁ…と、思っていたらだ。なんだかとても面白そうなモノを見つけたのだ。ソレの名は、『東京都高度育成高等学校』…何だこの名前から漂う面白いですよオーラは。行くしかない!ってことでパパっと願書を纏め、送り付ける。どうなるかなぁ…!

 

「ヤハハ!なかなか楽しそうじゃねぇか!オレも混ぜてもらおうじゃねぇか!」

 

入試も、面接も軽くこなし、届いた通知は合格。…さぁて、この世界がどんな世界かは知らんが、オレの本能が告げている。ここに主人公がいるってな…!せっかくこんな馬鹿げた力を得ての二度目の人生だ、自分に正直に生きさせてもらうぜ!




現在のパワーバランスをわかりやすく言うと、綾小路くんや坂柳をバレーボールくらいの大きさだとすると、突然火星が突っ込んできたみたいな感じです。なんやこのクロスオーバー頭おかしいんか(自爆)


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「始まるストーリー」

自分のことをこの世界で1番強い(比喩に在らず)と思ってるマジモンの化物が乱入します。


今日は入学式当日。(オレが走る風圧によって)散る桜を後目に、全力疾走(加減しつつ)をカマしているオレ。別に遅刻した訳では無い。ただ、バスで行くより走っていった方が早いと言うだけだ。もっと早く走れやバスゥ!!!…まあマッハ49超えた速度でバスが運行すれば死者が出るからな、オレ以外だが。

 

「へぇ?悪くねぇな、なかなかいいカンジの学校じゃねぇか!…ん?」

 

なんだか、周りとは異なった気配がしたので、そちらを見てみると、そこには黒髪ロングの美少女と、茶髪の目立たない感じのイケメンがいた。…ああ、あの茶髪イケメンが主人公か。魂の格が違ぇわ。…なんだよ魂の格って思うかもしれんが、文字通りなのだ。オレのような異物は置いておいても、魂の格が才能に繋がる。問題児で言うところの恩恵(ギフト)の大きさが変わるみたいなもんだ。アレほど表面的に分かるもんじゃねぇがな。

 

「何か用?」

 

おっと、主人公ボーイの方を見すぎて、黒髪ロング美少女に絡まれてしまった。黒髪ロングって毒舌キャラってイメージ強かったが、こいつも例に漏れず毒舌キャラだったらしい。

 

「おっと、悪ぃな。随分と面白い話をしてたみてぇだから気になって聞いちまった」

 

「そう。いい趣味してるわね。…ところで貴方、バスに乗ってなかったはずよね?どうやってここまで来たのかしら?」

 

「あん?走って来たんだよ、文字通り全速力でな」

 

そう言うと、少し驚いたように目を見開く黒髪ロング美少女と茶髪イケメン。まあ驚きの種類は違うが。黒髪ロング美少女は少しの疑いを込めた驚き、茶髪イケメンは嘘ではないと確信した上でありえないって思ってるってとこか?残念ながら事実なんだよ。

 

「ま、オレのことは別にどーだって良いだろ?オマエらの名前教えてくれよ」

 

「俺は綾小路清隆だ…それでこいつが…名前なんて言うんだ?」

 

「嫌よ、教えないわ。綾小路くんはともかく、あなたは野蛮で凶暴だもの」

 

「ハッ、なかなか刺激的な挨拶だな?オレは見ての通り野蛮で凶暴な逆廻十六夜だ。よろしく頼むぜ!」

 

ヤハハハハハ!と笑うと周りの生徒がこちらを見てくる。なんだ?オレは見せもんじゃねぇぞ??って言うても目立つわなぁ…オレの容姿は逆廻十六夜ということもあって、イケメンだしな。というか逆廻十六夜の金髪は地毛であることが転生して初めて知ったことでもあるんだぜ。

 

「そう、貴方の取扱説明書を作ってくれたら考えてあげるわ」

 

「おう、オレの取扱説明書を懇切丁寧に作ってオマエに渡してやるからしっかり読めよ」

 

嫌味をガチトーンで返すと本気で嫌そうな顔をされる。まあこいつで遊ぶのもこれくらいにしておくか。

 

「まあアイツは仲良く出来そうにもねぇし、オマエと仲良くすることにするか、よろしく頼むぜ、綾小路」

 

「あ、ああ…よろしく頼む」

 

「オイオイ、暗いっつーの。学校の始まりの日くらい明るく行こうじゃねぇか!」

 

ケラケラと笑うと一部の生徒から不愉快なものを見る目で見られる。まあどうでもいいけど。所詮はモブだしな。というかコレ、もしかしなくても学園モノだよなぁ…でも、この主人公の感じ的に恋愛とかじゃない気がする。頭脳バトルとかか?まあ情報は足りないが、大体はわかった。

 

「おっ、オレはAクラスだな、綾小路と黒髪ロングはどこだ?」

 

「オレはDだな、お前は?」

 

「私もDね…まあ、逆廻くんと離れられただけ良かったかしら…あと、黒髪ロングと呼ばないで」

 

「オイオイ、随分厳しいねぇ?でも、オレらは名前を知らないんだ、なんて呼んでも文句は言えねぇだろ?」

 

ニヤニヤ笑いながら言うと、黒髪ロングはまたもやめちゃくちゃ嫌そうな顔をした後、ため息をつく。

 

「…はぁ、私の名前は堀北鈴音。これでいいかしら?」

 

「なんだよ、いい名前じゃねぇか、言うのを渋るほどでもねぇだろーに…なあ?綾小路」

 

「ああ、俺もいい名前だと思う」

 

おっ、思ったことをキッパリ言う主人公はモテるぜ?まぁ恋愛モノならだけどな。この場合黒髪ロング…堀北には無駄だろうし。こういうのはチョロインっぽく見えるが、その実そんなやつはそうそういねぇ。さすがに盛すぎだ。

 

「まっ、クラスは別だが仲良くしてくれや。んじゃな」

 

オレは手を振りながらさっさとAクラスに向かう。主人公とクラスが離れたのがアレだが、まあ様子みてから適当に考えるか。




目をつけられた綾小路くん。
魂の格に関しては自己解釈です。
マッハ49で駆け回ったらガラスとか吹っ飛ぶわコンクリ消し飛ぶわで大変だと思うんだ。


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「今生一番の楽しみ」

スゥーーーー…お久しぶりっすねー…
いやほんとすいませんでした。
書き方忘れてると思うので変なところがあっても見逃してクレメンス…ユルシテ…ユルシテ…。


Aクラスに入ると既にそこそこの人数が席につき、友人作りに励んでいた。ここに愉しみを求めてやってきたとはいえ、友人がいなければつまらないのは確実。綾小路と友人になれるならそれでいいのだが、クラスが違うという点は微妙にめんどくさい。

 

「オレの席は…あそこか」

 

ホワイトボードに貼られた紙に書かれた席に向かうと、ちょうど窓際かつ最後列に座れる位置だった。俗に言う主人公席というやつだ。幸先の良いスタートに口元が緩むが、さっさと席につくことにする。物語が始まれば引っ掻き回す予定なので別に変人扱いされても構わないのだが、好き好んで変人扱いされたい訳では無いのでとりあえず今のところは自重してカバンの中に入れてある本でも読んで時間を潰そうと思い本を取りだし開く。

 

「あら、随分と難しい本を読んでらっしゃいますね」

 

数分ほどそうしていると隣の席に座ったのであろう生徒から話しかけられる。鈴のように澄んだ少女の声だった。そちらを見てみると銀色の髪に整った顔つきの妖精のような少女が座ってこちらを見ていた。──なんだか面白そうなやつに話しかけられたな。それにしても難しい本か?ただのギリシャ神話だぜ?

 

「ヤハハ!そこまで難しい本でもねぇだろ?」

 

「確かにただのギリシャ神話であれば簡単でしょうね。しかし、それが全文英語で書かれているものだとすれば話は変わってくるでしょう?」

 

ああそうか、この肉体になってから言語を覚えるということに関して簡単になったから感覚が麻痺していたが英語ってのは難しいもんだったな。

 

「あ~確かにそりゃそうだ。けどよ、オマエも読もうと思えば読めんだろ?」

 

「さあ、それはどうでしょう?」

 

「やれやれ、つれないねぇ?ま、オマエなら読めるだろうよ。また今度貸してやろうか?」

 

「あら、よろしいのですか?では今度お借りしましょうか」

 

そんなことを隣の少女──坂柳有栖と名乗ったコイツと話しているとガラリと扉を開けて教師であろう男性が入ってくる。

 

「皆の者、席につけ。入学式の前に軽い説明がある。──うむ、全員揃っているようだな」

 

グルリとクラスを見回しながら話すおそらく担任であろう男性。随分と値踏みをするような目で見てくるなと目を細めながら見ているとまた話し始める。

 

「おはよう、Aクラス諸君。私はAクラス担当の真嶋智也という。私の担当教科は現国だ。予め言っておこう、この学校には学年ごとのクラス替えは無い。卒業まで私が3年間君たちの担任ということになる」

 

3年間クラス替えが無い?そりゃまた随分と思い切ったシステムだな?なるほど、やっぱり面白いことになりそうだ。眞島によって配られたその資料に目をパラパラと通していると、その資料は学校に関するルールブックのようなものだと分かる。へぇ?面白いじゃねぇか。

 

「あらかた目を通したな?では、次は学生証を配布する。この学生証は決して無くさないように。この学生証はこの学校内にあるものの購入などに使用される重要なものだ。まあ、早い話がクレジットカードだ。決して無くすなよ」

 

前から配られてきた端末──学生証を見てみるとオレの軽い情報が書かれたホーム画面が開く。ふぅん、スマホのようなもんか?…っと、この数字はなんだ…?10万ポイント?

 

「あらゆる施設にはその学生証を通す機械が設置されている。バスや電車のカードと同じ使い方で売店や娯楽施設での買い物や支払いが可能になっている。そして、その支払い方法、プライベートポイントと呼ばれるものになるが、そのポイントは毎月1日に振り込まれる。今月は10万ポイント君たちに振り込まれている。──そして、そのポイントは1ポイントにつき1円の価値を持つ」

 

そこ瞬間、周囲がざわめく。なるほど、今オレたちは10万円を渡されたことになるわけだ。──へぇぇぇ?オイオイなんだよ愉しくなってきたじゃねぇか。毎月1日に振り込まれるねぇ?

 

「静かに。この学校は前から聞かされていたとは思うが、実力ですべてを計る入学した時点で君たちはそれだけの価値があるということだ。…では、君たちの健闘を祈る」

 

そう言って出ていった眞島を見送ったオレは上がる口角を隠さずに笑みを浮かべる。

 

「おや逆廻くん、随分と嬉しそうですね?」

 

「ヤハハ、分かるか?」

 

「ええ、そんなに素敵な笑顔を浮かべられていれば誰でもわかると思いますよ?」

 

「そりゃそうだな!…ああ、嬉しいぜ?何せ生まれてから久しぶりに楽しい事になりそうだからな」

 

ああ、これからの生活が待ち遠しい。どんな波乱に満ち溢れた生活が送れるのかが楽しみだ。




いや、ほんとに書くの下手になったな!?


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