銀色暗号 ~落ちて 堕ちてく あなたのすべてに~ (ENDLICHERI)
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キーワード01:失くしたもの
後書きで色々書いてます。
人は成長する度に何かを得る。その代わり、無意識に何かを失っている。例えば、仕事で苦手な人の対処法を得て人を信じる心を失くす、とか。・・・・・・そんな人はいないだろうけど。
失くしたものを取り戻すのは難しい。世間一般的な落とし物ならすぐに見つかるだろう。でも、それが目には見えないものだったら見つかる確率はかなり低い。
でも、それでも僕は見つけたい。この街で、失くしてしまった『失くしてはいけないもの』を・・・・・・。
『まもなく〇〇駅、〇〇駅──』
「っ、もう着くよ。」
「~~~♪」
「・・・・・・ま、いっか。」
「~~~♪──ん?何か言った?」
「うん?『もう着くよ』って言っただけだよ。」
「えっ?・・・・・・ほんとだ。」
「音楽は聴いてていいけど、ちょっと周りに意識向けておいてね。」
「はーい。」
そう言って、横に座っている少女はまたイヤホンを付ける。僕は外の景色を眺めながら、目的の駅に到着するのを待っていた。
そして、5分もしないうちに僕たちを乗せた新幹線は駅に到着した。
『〇〇駅、〇〇駅、降りられる際は足下に──』
「おにーちゃん、行こ!」
「うん。」
僕たちはショルダーバッグを背負って、僕はそこそこ大きい旅行バッグを持ち、横にいた少女──僕の妹はソフトタイプのキャリーケースの取っ手を持って、改札口を出た。
「着いた~!」
「そうだね。」
「どぉ?少しは何か
「・・・・・・ううん、何も。」
「そっか・・・。でも、駅だけ見ても分かんないもんね。とりあえず、これから住む家に向かいつつ、色々見て回ろ?」
「そうだね、ある程度場所の把握もしたいからね。」
僕たちはそう言って、駅の外に出て、街を見歩き始めた。
まずやって来たのは、これから住む場所から一番近いスーパー。思ったより店は大きくて、それなりに人はいる。
「へぇ~、意外と広いね~。」
「おまけに、そこそこ安い。」
「ねぇ~。・・・・・・あ、見て~!お惣菜も安~い!前のスーパーより安いんじゃない?」
「東京の方は高いと思ってたけど、場所によるのかな?」
「それより、あたしちょっと喉乾いちゃった・・・。」
「じゃあ、何かジュースでも買ってく?」
「買ってくー!」
スーパーの視察を終えた後、僕たちはそれぞれ500mlのペットボトルを手荷物に追加して、再び街を歩き始めた。
「ふんふふ~ん♪あ、ここだよ!あたしたちが行く学校!」
「ここか・・・。」
「安心して!おにーちゃんに何があったらあたしがすぐに駆けつけるから!」
「むしろ、そっちが何か凡ミスして泣きついて来ないか心配なんだけど・・・。」
「なぁにぬぉ~!?」ムキー
2人でこれから通う学校の前を通った後、一度これから住む家(アパート)に向かい、この荷物をすべて置くことにした。
「たっだいま~!」
「今日来たばっかだけどね。」
「ここがリビングでしょ~!こっちがおにーちゃんの部屋で、あたしがこっちの部屋~!」
「気が早いな・・・。」
「だって、こういうの楽しくない?あたし、引っ越しの度に部屋を決めたりするの楽しみなんだもん!」
「そうなんだ・・・。そういや、そうだったね・・・。」
僕たちは父親の仕事の関係で、日本各地を転々としていた。最初は嫌だった
「とりあえず、今ある荷物の荷解きでもする?」
「うん!・・・・・・って、あのダンボールは・・・?」
「どう見ても、僕たちの荷物だね。もう届いていたんだ・・・。」
「どうする?あたしたちだけでやっちゃう?」
「・・・・・・今日は、一晩過ごすのに必要なものだけだそう。さすがに、叔母さんたち抜きでやるのは厳しいよ。」
「それもそっか。それじゃあ、一緒に街の探検に行こ~!」
「うん。」
貴重品だけ持って、僕たちは再び街を歩き始める。
「えっとね~・・・・・・。」
「今度はどこに行くの?」
「商店街だよ。色んな店があるから、そこも見ておいた方がいいでしょ?」
「確かにね。」
「えっと・・・・・・こっちかな?」
「なんで自信ないの?・・・・・・うん?」
「おにーちゃん?・・・・・・どうしたの?」
僕たちの視界に入ったのは、水色髪の女性・・・・・・でいいのかな?そんな人がキョロキョロしている光景だった。
「もしかして、迷子かな?・・・・・・って、あれ?おにーちゃん?」
「え、えっと・・・?」
「大丈夫ですか?」
「ふぇえええ!?」
「っ!あの、怪しい者じゃないですよ・・・。」
「あ、ごめんなさい。ちょっと、驚いちゃって・・・。」
「・・・・・・あ!いつの間に!?・・・・・・その辺は、前と変わんないな~。」
僕は咄嗟に身体が動いて、その女性の下へ向かっていた。
「何か、困りごとですか?」
「その・・・・・・道に迷っちゃって・・・。」
「よければ、あたしたちが案内しますよ。」
「・・・・・・と言っても、僕たちは今さっきこの街に来たばっかですけどね。」
「え、えっと・・・・・・商店街の場所は、分かりますか・・・?」
「商店街・・・・・・あたしたちも行こうとしてたとこだよ!」
「そうなんだ。だったら、一緒に行きますか?」
「い、いいんですか・・・・・・?」
「困った時はお互い様、とかいいますしね。」
「じゃ、じゃあ・・・・・・よろしくお願いします・・・。」
「よし!それじゃあ、いざ商店街へ!」
僕たちは、妹の掛け声に続いて、のんびりと足を動かした。
「って、2人ともそっちじゃなーい!」
改めまして、初めまして。ENDLICHERIです。・・・・・・生きてるよ。
今回は『記憶』をテーマに書いていこうと思ってんだけど・・・・・・やっぱこういう恋愛小説系は書きやすいね。恋愛したことないけど。戦闘系とかはやっぱ苦手だ。・・・・・・頑張ってライダーは残してるけど。
今回のヒロインは・・・・・・タグを見ての通りだよ。でも、ソレがメインヒロインとは限らないからなぁ~。
そして、今作は前書きは基本書きません。アンケートとかする時は書くけど。基本は全部後書きにアホか!?っていうほど書いてます。だって、その方が本編だけ見たい人間にはありがたいだろ?
では、おつモニ~!・・・・・・モニカ出す予定はないけど。
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キーワード02:迷子少女
‐追記‐
サブタイ入れ忘れてました。
商店街に行く途中に出逢った水色髪の女性・・・・・・というより、近くで見たら同年代ぐらいの少女だったけどね。少女は道に迷っていたらしく、一緒に商店街に行くことになった。
「あ、あの・・・・・・!」
「はい?」
「私、『
「「・・・・・・えっ?」」
「ふぇ~・・・!ご、ごめんなさい・・・!」
「いやいや、名乗ってすぐに謝られても・・・・・・。」
彼女が突然名前を言い出して怯えたことを真っ先にツッコむ妹。僕も思ったけど・・・・・・。
「その・・・・・・まだ、名前を言ってなかったな~、って思って、つい・・・・・・。」
「あ、そうだったね。」
「あたしもうっかり忘れてたや。」
僕たちは顔を一度見合わせて、自己紹介する順番を決めた。
「じゃあ僕から。僕は『
「あたしは『楠木
「これでも・・・・・・?」
「気にしないで、そういう性格だから。」
まだちょっとキョトンとしてるけど、妹はそこそこスルーしとかないと疲れるだけだから。
「松原さんって、商店街に行くのは初めてなんですか?」
「ううん、よく行くよ。」
「えっ?そんな人がなんで迷ってんの?」
友利さん、ちょっとシャラップ。
「私、実は方向音痴で・・・・・・ちょっと前に帰ってる途中に羽沢珈琲店で集合って呼ばれちゃって・・・。」
「「えっ?」」
「ふぇ?」
この辺の人ってことはなんとなく分かったけど、地元だったらそれぐらい分かると思うけど……。
「この辺の人なんですよね?それなのに迷うって、重症ですね。」
「うぅ・・・。」
「松原さん、ごめんなさいね。ちょっとこっちを見ないでね。」
「えっ?おにーちゃん?」
「余計なことを言わないの。」ゴツンッ
「痛っ!」
ちょっと妹をお仕置き。
「それより、商店街はまだなの?」
「うぅ・・・、もうすぐだと思うけどね・・・。」
「うーん・・・・・・あ、見えましたよ。」
松原さんの言葉を聞いて、僕たちの前に商店街の入り口が見えた。
「松原さん、ここからはさすがに分かる・・・・・・よね?」
「うん、大丈夫だよ。ここまで、ありがとうね。」
松原さんは先に商店街の中へ入っていった。僕たちはまだ入り口で松原さんを見送っていた。
「おにーちゃん、あたし、またあの人と会う気がする・・・・・・。」
「うん、僕も会う気がする・・・・・・どっかの住宅街で。」
「うん、会う時は絶対迷ってそう・・・・・・。」
失礼だろうけど、迷ってる松原さんとしか会わない気がする・・・・・・。
まぁ、花音さんと会って送ってさよなら、まででした。
今回のオリキャラの名前、マジで思いつかなかったんよ。んで、車内で休憩中に『楠木ともり』さんの曲を聴きながら、「あ、苗字これでいいや。」ってなってこうなった。『蓮』は、1曲だけハマってる『King&Prince』の『永瀬廉』のれんから取った。・・・・・・妹?んなもんすぐ分かんだろ?
んじゃ、おつモニ~。
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キーワード3:転校初日
前は色んな学校を転々していたらしいけど、今日からまた新しい学校。僕と妹:友利はこれから通う学校の制服を着て、学校へ行く準備をしていた。
「おにーちゃん、弁当持った~?」
「うん、ちゃんとカバンに入れたよ。そっちこそ、忘れ物ない?」
「大丈夫大丈夫!」
「ほんとかな・・・?」
僕が覚えている限り、友利はこういう時によく何か忘れることがある。
「あっ!!」
「っ!びっくりした・・・。」
「洗濯機回すの忘れてた~!」
ほらね。にしても、まさか洗濯機を忘れるなんて・・・。
「とりあえず、今から回して、帰ったら干そ?」
「うん・・・。」
「そんな落ち込まないで。大切なもの忘れるのに比べれば、まだ軽いから。」
「おにーちゃん、そんな事言わなくていいから・・・。」
「あ、ごめん・・・。」
僕が無意識に言った言葉は、思いのほか空気を重くしてしまう。
「・・・・・・行こっか。」
「うん・・・。」
(やっぱり、そういうとこは・・・・・・
僕たちはこの重い空気を出来るだけ変えようと、登校しつつ世間話をしていた。・・・・・・と言っても、最近のニュースのことぐらいだけど。
「やっぱ、あたしは怖いな~。もしもかかったら、おにーちゃんと最低2週間ぐらいは会えないんでしょ?」
「隔離されるし、僕も濃厚接触者扱いだから、互いにしばらくは一人きりだね。」
「そっか・・・。じゃあ、安心かな~?」
「どういう事?」
「おにーちゃんに悪い虫が付かないか心配だからね~?」ニヤニヤ
「親切にどーもー。」
「もうちょい感情込めて言ってよ~!」
「・・・・・・ねぇ、あのポスターって・・・?」
「うん?・・・・・・あぁ、最近の流行りなんだって。」
「バンドが?」
「うん。今じゃ、『大ガールズバンド時代』っていうらしいよ。その内『一つなぎの大秘宝』でも探し始めるんじゃない?」
「それはない。」
「アッハハ~、だよね~。」
僕はそのポスターに目が行った理由はもう一つあった。それは、この街に来て初めて話した迷子の松原さんが載っていたから。
(あの人、バンドやってたんだ・・・。)
「そうそう!最近だと、バンド以外も有名らしいよ~!」
「それは・・・・・・後で聞くよ。」
「えぇ~!?なんで後~!?」
「だって、ほら。もう着いたし。」
「えっ?・・・・・・あ、ほんとだ。」
「じゃ、また後でね。」
「うん、バイバーイ!・・・・・・って、あたしも職員室行くんですけどー!」
僕たちはまず職員室に行き、先生と話をして僕たちは各クラスの教室へ向かった。
「今日は転校生を紹介する。」
「楠木蓮です、よろしくお願いします。」
「これから仲良くしてやってくれ。そうだな、席は・・・・・・そこで教師の話を聞かずにずっとカメラを弄くっている不良少年の隣が空いてるから、そこに座ってくれ。」
「は、はぁ・・・。」
不良少年?・・・・・・ずいぶん優しい雰囲気の人だけど・・・?
「おい
「うん?うん・・・。」
聞こえてるんだけど・・・。でも、あの人動じないね~?
「えっと・・・・・・よろしくお願いします・・・。」
「よろしく~。後でまた話すね~。」
「は、はい・・・。」
「悪いな、あいつ今カメラの調整で忙しいんだよ。俺は『
「親が離婚して再婚して『
「余計なこと言わんでええねん。」
「おーい、
この人たち、ちょっと癖が強そうだな・・・。
そんな放課後、僕はある程度予習していたからなんとかなった授業を乗り越え、僕は帰り支度をしていた。
「あとは・・・・・・大丈夫かな。」
カシャッ
「うん?」
「あぁ、ごめんね。これでも僕、写真部なんだよね。」
「はぁ・・・。」
「改めて、僕は『
「よ、よろしくお願いします・・・・・・。」
写真部・・・・・・なのは分かるけど、今時そのカメラって・・・?デジカメじゃないし、レンズが2つあるし・・・。
「おにーちゃーん、帰ろー!」
「ちょっ、声大きいって・・・!」
「いいよ、僕の事は放っておいて。」
「すみません。」
先生から『不良少年』って言われてたのに、優しい・・・。
「ここがおにーちゃんのクラスかぁ~。」
「ジロジロ見なくていいから、行くよ。」
「あ、もうちょっと~!」
僕は友利を連行する形で、学校を後にした。
「そうそう!今朝言った他のブームなんだけどね、」
あ、その話ですか。
「最近だとバンド以外にも、『DJ』と『舞台』が流行りなんだって。」
「へぇー。・・・・・・なんでその2つ?」
「分かんな~い。」
なんで分かんないのかな?
『DJ』なら分からなくはない。だって、朝見たポスターにはピンクのクマがDJしてる絵があったから。でも、どうして舞台まで・・・?
「舞台のだけは、『舞台少女』って言われてるらしいよ。舞台やってる女の子たち。」
「へぇー、僕には無縁の話かもね。」
「だと思うよ~。」
なんなら、今流行りのもの全てが僕とは無縁な気がするよ・・・。
「・・・・・・おにーちゃん、あれ・・・。」
「うん?・・・・・・あ。」
僕たちは見てしまった・・・。
「ふぇ・・・。」
おそらく迷子な松原さんを。・・・・・・またですか。
スタリラやりながら書き終えた。D4DJは未だにEASYしか挑んでない・・・。
さてと、知ってる人からすれば、『またアイツ出てるし・・・。』って思うだろうね~?しゃーないよ、花音ヒロインにするんだから、花音と言えばあの人、あの人と言えばあのオリキャラ、になっちゃったんだもん。反省?何それ、美味しいの?
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キーワード4:道案内
僕たちは下校中に見つけてしまった、おそらく迷子になってるであろう松原さんを。
「おにーちゃん、どうする?もう一回助ける?」
「悩みどころだね、助けないと後味悪いし・・・。」
「また助けるのもアレだしね・・・。」
僕はどっちかというと、助けたい方かな。でも、友利の方は・・・・・・ちょっと面倒くさそうな顔してる。
「・・・・・・ごめん、先に帰ってて。」
「へっ?おにーちゃんは?」
「急用を思い出した。晩御飯とか色々よろしくね。」
「あ、ちょっと~!」
僕は友利の声を無視して
「ふぇ・・・、どうしよう・・・?」
「松原さん。」
「?・・・・・・あ、この前の・・・!」
「久しぶりですね、また迷子ですか?」
「そ、そうなんです・・・・・・。」
この人は天性の方向音痴なのかな・・・?
「今回はどこに行きたいんですか?」
「ふぇ?で、でも・・・・・・?」
「僕もこの街のことをあまり詳しくありません。・・・・・・だからといって、当てずっぽうでは歩きませんよ。ちゃんとナビは使います。この街を知るついで、って事で送るだけです。」
「本当は、違うんですか?」
「え?」
「だって、その言い方だと、私を助けてくれる理由が他にあるんですよね?」
「・・・・・・。」
僕も、言葉には気をつけないといけないな~。いつも友利に言われてるけど。
「あ、あの・・・・・・?」
「そうですよ。本当は、困ってたから助けようとしてるだけです。」
「へ、へぇ~・・・・・・。」
「・・・・・・な、何ですか・・・?」
返事をしてくれたけど、何故か松原さんの顔がにやけている気がする・・・。
「いや、思ってたより普通な理由だから・・・。」
「・・・・・・ごめんなさいね、普通で。」
「ううん、嬉しいんです。」
「・・・・・・じゃあ、行きましょうか。」
僕はスマホを取り出して、地図アプリを開いた。
「それで、どこに行きたいんですか?」
「こころちゃんのお
「えっと・・・・・・住所は?」
「確か・・・・・・」
僕は松原さんに言われた通りに住所を入力していき、検索に引っ掛かった。
「あ、出ましたね。・・・・・・ここ?」
「うん?・・・・・・うん、そこですよ。」
「えっと・・・・・・本当にここであってます?」
「はい、あってますけど・・・・・・?」
僕の考えは間違っているのだろうか?松原さんに教えてもらった住所の家は、かなりの豪邸だった。そんな豪邸に用がある松原さんって何者・・・?
そんな考えを一応胸に秘めながら、地図アプリでルートを出して、僕たちは歩き始めた。
「松原さん、少し聞いてもいいですか?」
「はい、いいですよ。」
「その・・・・・・『こころちゃん』って、一体何者なんですか?」
「こころちゃんは私の友達ですよ。それと、同じバンドメンバーですよ。」
「バンド?・・・・・・あぁ、そういえばバンドしてたんでしたっけ?」
「知ってるんですか?」
「朝偶然そのポスターを見つけたんです。」
「そのポスターに写ってた黄色い髪の子がこころちゃんですよ。」
「・・・・・・あぁ、あの真ん中にいた子ね。」
そんな子が豪邸に住んでるの?・・・・・・ごめん、やっぱり何者?
「私も少し聞いてもいいですか?」
「はい、いいですけど。松原さん、こっちね。」
「あ、はい・・・!」
てっきり僕の後ろを歩いていると思ったら、急に別方向へ行っちゃうからちょっとびっくりした・・・・・・。
「その制服って、晴斗くんと同じ学校のですよね?」
「晴斗くん?・・・・・・あぁ、そうですね。彼と同じクラスですよ。」
「じゃあ、晴斗くんと同級生なんですね。・・・・・・ってことは、私とも同級生なんだ!」
「そう、なりますね。・・・・・・敬語、止めます?」
「ふぇ?」
「同級生に対して敬語で会話ってのが、ちょっと疲れるから嫌で・・・。多分これから色々絡むだろうから、どうかな~って?」
「そう、だね・・・。そうしよっか。」
「それで、松原さんは黒崎さんのことを知ってるんですか?」
「うん。
にしても、また知らない名前が出てきたね・・・・・・名前や呼び方からして女子なんだろうけど。
「そうなんだ・・・・・・。あ、着いたよ。」
「あ、本当だ。ありがとね。」
「いえいえ、じゃあ僕はこれで。」
「あ、待って!」
「えっ?」
送り届けたけど、まだ何かあるのかな・・・?
「良かったら、連絡先を交換しない?」
「・・・・・・?」
「ほ、ほら・・・・・・晴斗くんつながりで、これからも会うかもしれないから・・・!あと、もうちょっと仲良くなりたいなぁ~って・・・・・・。」
「まぁ、いいですけど・・・・・・。」
「・・・・・・これでよし。ま、またね、蓮くん・・・。」
「はい。では、また。」
僕は松原さんを目的地に送った後、スマホの地図アプリを頼りに自宅へ向かった。
でも、『蓮くん』って呼ばれたけど、何故か懐かしく感じたなぁ・・・。昔、そう呼ばれてたのかな・・・?
なんだろう・・・?蓮くん、どこかで会ったような気がする・・・・・・。でも、男の子と前に会ったってなると、小学生ぐらいの時まで遡るんだけど・・・・・・あの時の子、元気かなぁ~?
初めて私が、
「もぉ~!明日はぜーったいにおにーちゃんを当番にさせてやるー!」
でも、まさかあの人と会っちゃうなんてな・・・・・・。あの人と会って、おにーちゃんの
あの、
生きてます!
もう最近ねぇ~、FF14とD4DJとAmazonプライムでKinKiのライブ映像が配信されてるのを見てやってるから、もうね、ぜーんぜん書いてないんよ。
でもね、たまに他の人の作品とかはちょいちょい見てるんよ、ドレさんのとかね。皐月さんのも見ようと努力してんだけど、誘惑に負けちゃうんだよね~。
ではでは、おつモニ~。
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キーワード5:転校後初の・・・
学校での生活にも慣れてきて、クラスの人たちとも『広く浅く』ぐらいで仲良くなった。・・・・・・いや、両親にそう習ったから、そうしてるんだよ。
「今日はここまでだ。」
「ぃよっしゃー!飯だー!」「購買行こーぜ!」
「ねぇねぇ、中庭行こ!」「イイね~!」
・・・・・・元気過ぎて絡みにくい、ってのもあるけど。
「おーい晴斗ー、飯食おうぜー!お前飯なー!」
「そんな『サッカーやろうぜ、お前ボールな』みたいに言うなよ。悪いけど、今日は先約があるんだ。」
「んだよ、釣れねぇなぁ~。しゃーねぇ、『
「ぐっどらっくー。」
「もうちょい感情込めろよ。」
僕の周りで黒崎さんと仁藤さんがする漫才もさすがに見慣れてきた。・・・・・・これは慣れていいのかな?
さてと、僕はお弁当を──
「楠木さん。」
「はい?」
「ちょっとお話があるんだけど、いいかな?」
まさかの『先約』って僕のことなの・・・・・・?まぁ、どんな用なのかは察するけどね。
「いいですけど・・・・・・松原さんのことですよね?」
「そうそう、松原さんの──って、なんで分かったの?」
「いや、松原さんから貴方の名前を聞いたからですよ。」
「そ、そう・・・。」
あれ?知らないと思ってたのかな・・・?
「それで、僕に一体どんな用で?」
「実は、千聖がちょっと気になっているんだ。君がどんな人なのか知りたいんだって。」
「そうですか・・・。申し訳ないけど、貴方から説明してくださいます?」
「僕や花音ちゃんが説明したんだけど、納得してくれなくて・・・・・・。」
「はぁ・・・。」
松原さんからもその『千聖』って名前を聞いたけど、僕のイメージだと『娘を気にしすぎるお父さん』なんですけど・・・・・・?
「ってことで、次の土曜日空いてる?」
「空いて・・・・・・ますけど?」
「じゃあ、駅前に10時に集合ね。」
「そこまで決めてるんですね・・・・・・。」
「千聖に色々と言われてね・・・。」
あ、そうですか・・・。僕、次の土曜日に絶命するのかな・・・?
僕は家で夕食を取っている時、学校で作ってしまった約束を友利に話すことにした。
「友利、ちょっといい?」
「何~?」
「次の土曜日に、クラスメイトと遊びに行くんだけど・・・・・・。」
「へぇ~、いいじゃん。」
「いや、それがさ・・・・・・この前助けた松原さんの知り合いからで、僕がどういう人間か知りたいんだって。」
「っ!松原さん、ねぇ・・・・・・。」
「友利?」
どうしたんだろう?『松原さん』って言葉に反応したけど・・・・・・。
「・・・・・・よし、あたしも行く!」
「えっ!?」
「そっちがおにーちゃんを見極めるんだったら、こっちだっておにーちゃんに相応しい人か見極めてやるんだから!」
「・・・・・・ほどほどにしてよ。」
「おにーちゃんを見極めようなんて、2万年早ぇぜ!」
一体どこのゼロなの・・・?
「ってか、何人ぐらい来るの?」
「うーん・・・・・・僕含めて、最低3人かな?」
「おにーちゃんと・・・・・・あとは?」
「僕のことを知りたいって人と、その彼氏さん。」
「ワァーオ。」
「君は本当にユーモアあるね。バラエティー番組にうってつけだよ。」(棒)
「でしょでしょ~?・・・・・・って思うならもうちょい感情込めんかい!?」
「ほら、そういうとこ。」
でも、黒崎さんと
「そうだ!おにーちゃん、服はあるの?」
「え?あるけど・・・・・・?」
「まさか、あの全身黒の服で行く気じゃないよね~?」
「ま、まさか・・・・・・アハハ。」
・・・・・・何か他の服あったかな・・・?
前回の更新に比べれば早いんちゃうん?w
次回はお出かけ回だけど、とりあえずアレをする予定だよ~。そして、定番のようにアレも出すよ~。
んじゃ、おつモニ~。
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キーワード6:初めてのカラオケ
歌詞が出ます、苦手な方はご注意ください。
あれから数日、待ちに待って・・・・・・ないけど、約束の日が訪れた。
「・・・・・・って、結局真っ黒じゃん・・・。」
「あはは・・・。」
出かける前から友利に言われているけど、結局僕の服装は全身黒コーデだった。他の色の服は一着もなかった。・・・・・・どんな服のセンスしてたんだろう、僕は?
「はぁ・・・、まぁいいや。おにーちゃん、行くよ。」
「うん。・・・・・・って、なんで君が指揮を取るの?」
そんな僕のツッコミはスルーされたけど、何事もなく黒崎さんから聞いた集合場所に辿り着いた。『ここまでは』何事もないけど・・・・・・。
「お、蓮じゃねーか!おーい!」
「?・・・・・・いた──って、あっちの人数、僕が予定してた人数が違うんだけど・・・?」
「ほんとだ、あっち2人も多いじゃん。」
僕の方は予定としては1人のはずが2人になってる。
これは・・・・・・うん、明らかに面倒な事が起きる予感しかしない。
「あ、蓮くん。久しぶりだね。」
「お久しぶりです。」
「あなたが花音を
「えっ?誑かした!?ちょっ、黒崎さんどうなってるの!?」
「えっ!?え、えっと・・・・・・?」
ちょっと、目を反らさないでよ!
「ぷふーっ!おにーちゃんが女の子を誑かすなんて・・・!w 無理無理!www」
友利、君は後で嫌というほど説教してあげるよ・・・!
「さぁ、答えてもらいましょうか?」
「っ・・・・・・。」
それはそうと、この金髪(?)の人怖いよ・・・!もしかして、この人があの噂の『千聖』って人!?
「あの・・・・・・申し訳ないんですけど、僕は誑かしてないですよ・・・。」
「証拠はあるのかしら?」
「証拠というか、証言というか・・・・・・僕たちはここに引っ越してきたばかりで、引っ越してきた日に街を見て歩いていたら偶然迷子の松原さんと会ったんです・・・。」
「・・・・・・そこは、花音の話とだいたい合ってるわね。でも、そんなのが2回も起きるのかしら?花音の弱みを握って──」
「もしも僕がそんなの持ってたら、きっと今頃あなたまで脅してますよ。それに、僕が知ってる松原さんの情報は・・・・・・」
「っ・・・・・・!」
「・・・・・・方向音痴ってことだけです。」
・・・。
「ほ、他にも教えたよね・・・?ほら、バンドのこととか・・・?」
「え?・・・・・・あ、確かに聞きました。ごめんなさい、あと『バンドをやっている』を追加してください。」
「はぁ・・・、もういいわ。」
えっ?まだ言い訳しようと・・・・・・思ってたけど、もうネタがないや・・・。
「ここまで話してみて、あなたが誑かすような人には到底思えないもの。」
「あはは、ですよね・・・。」
って、悲しむ必要ないじゃん。逆に喜んだ方がいいんだよな?
「イエーイ、おにーちゃんボロクソ言われてるー!w」
「友利、帰ったら楽しい事が待ってるよ・・・・・・。」
「あ。・・・・・・ごめんなさい、許してください、すみませんでした。」
すぐさま道路で土下座をする友利。恥ずかしいから止めて。
「・・・・・・よし!千聖の誤解も解けたことだし、カラオケ行っか!」
「「なんで
「揃って言うなよ!」
「そうよ、そもそも浩輔がここにいること自体間違っているんだから。」
「千聖、テメェーーー!!」
賑やかですね・・・・・・。
「友利ちゃん、って呼んでいいかな?」
「もちろん!あたしは・・・・・・松原さん?花音さん?花音先輩?花音ねーさん?うーん・・・・・・どれがいいですか?」
「ふぇ?えっと・・・・・・好きなように呼んでいいよ。」
「じゃあ・・・・・・花音さん!花音さん、今日はよろしくお願いします!」
「う、うん。よろしくね。」
(思ったより普通の呼び方だった・・・。)
なんだろう、向こうでは呼び名とかで話し合ってるけど・・・・・・何故か松原さんがホッとしてる。
「でも、僕カラオケに行ってみたいな。」
「蓮くん、何も浩輔に付き合う必要ないよ?」
「晴斗、お前最近名前の通り黒くなってねぇか?」
「いや、仁藤さんの意見なんか全く無視してるけど、行ってみたいんだ。」
「蓮も相当だな?」
「それじゃあ、行ってみよっか?」
「出たよ、新人には優しい晴斗様が。」
「そうね、たまには晴斗の歌声も聴いてみたいから。」
「えっ?」
「わ、私も行ってみたい・・・!」
「あたしもー!」
「俺の威厳は一体
何故か僕が行きたいと言ったらみんな行くことになったカラオケ。仁藤さんがそんな扱いなのは大体分かった。
カラオケが初めての僕には、何をすればいいのか全く分からなかった。すると、仁藤さんが色々教えてくれた。あんな立場なのに、優しい時は優しいんだと理解できた。途中、黒崎さんに「なっ?こういう時は頼りになるだろ?」っとボソッと言われた。確かに頼りになるけど、そんなのが口にできるわけでもないから、とりあえず苦笑いしておいた。
「これで、ここを押すと曲が流れるんだ。分かった?」
「はい、ありがとうございます。」
「ってことで晴斗先輩、お手本お願いします!」
「えぇ・・・。」
黒崎さんすごい嫌そうなんだけど、歌いたくないのだろうか?
「晴斗くん、頑張って・・・!」
「はぁ・・・、頑張ります・・・。って、この曲なの・・・?」
えっと、確か・・・・・・『緋色の空』って曲。
「♪そしてこの空赤く染めて また来る時 この
「フゥー!」
「浩輔、静かにしなさい。」
「♪すれ違っていく‘人’も 紛れ失くした‘モノ’も いつかは 消えゆく記憶
熱く揺るがす‘強さ’ 儚く揺れる‘弱さ’ 所詮 同じ
そんな日常
風になびかせ 線を引いて 流れるよな髪先 敵を刺す
振り斬った想い
黒崎さん、歌上手いんだね。・・・・・・素人の僕から見れば、だけど。そんな横でずっと端末を弄っている友利。
「えっと・・・・・・あった。で、これがこうで・・・・・・オッケー!」
「何か歌うの?」
「うん、自己紹介も含めてね。」
わー、すごい。そんな度胸は僕にはないよ。
「ちなみに、おにーちゃんの分も入れてあるよ。」
「えっ!?」
そんな発言を受けたあと、黒崎さんの出番が終わった。
「さっすが晴斗~!」
「浩輔・・・・・・後で覚えてなよ・・・!」
「うぅ~怖い怖い。次は・・・?」
「はい!楠木蓮の妹の楠木友利です!よろしくお願いします!」
「友利ちゃん、オーディションじゃないよ・・・。」
確かに。
友利が歌う曲は、僕も聴いたことのある曲だった。と言っても、友利が聴いてたのを聴いただけだけどね。
「♪トーキョーは 薄暗い閃光放って 消耗した MPも回復できぬまま
相当な 厄介者の説法聞いて 硬化した モノクロのレム睡眠♪」
友利の歌声なんて、多分きっと初めて聴いたけど、きっといい線行ってると思うなぁ・・・。この後僕も歌うんだよね・・・?どうしよう、緊張してきた・・・!
「♪ロマンロン 僕の前を過ぎる子供達のパレードは 可能性 煽るメロディー 離してくれない
ロマンロン 口開けたまま 瞳孔開いておいで 夢幻的 悪いことじゃない 僕の灯よともれ♪」
「あら、妹さんは思ってたより上手いのね。」
「えっへっへ~!次はおにーちゃんの番だよ!」
遂に回ってきてしまった・・・・・・。こうなったら覚悟して行くしかない・・・!
「えぇー、楠木蓮です、よろしくお願いします。」
「ぃよっ!待ってました!」
「頑張って~。」
この『smile』って曲なら、バラードだし歌いやすいから大丈夫だろう。後は・・・・・・泣かないようにしないと。
「♪昨日の暴風雨でゴミが散乱していて 駅前の通りにも爪痕残している
でも午後には 片付くだろう またいつもと同じようにさ
重なった痛みに心が
君らしくて あったかくて またいつかと同じようにさ
泣いてたことなんか 忘れるくらいのsmile smile けりをつけなくちゃね その悲しみに
明日の今頃は 陽気な歌でも歌っていようよ そう All you need is only smile♪」
ヤバい、目頭が熱くなってきた。この曲を聴くといつもそう、何故か泣けてきてしまう。だけど、なんとか踏み
「♪泣いてたことなんか 忘れるくらいのsmile smile けりをつけなくちゃね その悲しみに
明日の今頃は 陽気な歌でも歌っていようよ そう All you need is only smile
誰かに憧れて 身に
だけど忘れないで [君の笑顔に逢える] それだけで生きていける 僕がいる
そう All you need is only smile♪」
なんとか歌い切った・・・!
「「「・・・・・・。」」」
・・・・・・あれ?なんで何も言わないんだろう?
「蓮くん、大丈夫?」
「えっ?何がですか?」
「その・・・・・・目から涙が・・・。」
「?・・・・・・っ!ごめんなさい、この曲を聴くと、何故か泣けてきちゃって・・・!」
僕は黒崎さんの言葉を聞いて、頬に一筋の涙が零れ落ちていることに気が付いた。僕は咄嗟に涙を拭いながら、何故か起きるこの現象を話した。
「・・・・・・そっか。君も何か抱えてるんだね。」
「えっ?何か言いました・・・?」
「ううん、なんでもないよ。それじゃあ!次は浩輔のターンかな?」
「おう!任せとけ──って、なんで団子三兄弟やねん!?」
黒崎さんが何か呟いたけど、今は聞かない方がいいのかな・・・?
はい、性懲りもなくまた歌詞出したよ。
今回の出した曲は、ガルパでRoseliaがカバーした川田まみさんの『緋色の空』と楠木ともりさんの『ロマンロン』、そして
『緋色の空』は、今度リリースされる中島由貴さんのアルバムの曲の中に『緋色の空』の作詞曲のコンビがいるからです。要は・・・・・・チェックしてみて、って話。
そして『ロマンロン』は・・・・・・最近改めて気に入ったからです。それだけ。
最後の『smile』は、仕事中に
んじゃ、おつモニ~。モニカのライブ良かったよ!
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キーワード7:見透かす・見透かされてる
カラオケ屋を出た僕たちは、近くの喫茶店に入っていた。
「「の、喉が・・・・・・。」」
「浩輔歌いすぎだよ。」
「友利もね。」
この2人だけは机に顔を伏せるように、テンションが下がっていた。
「それにしても、蓮くんは歌が上手なのね。感情まで乗せれちゃうし。」
「えっ!?あ、あれは・・・・・・僕にも分からなくて・・・。」
「分からない?」
「っ・・・・・・。」
僕は内心、口が滑ったと思った。そのまま「そうですね。」で済ませれば良かったものを、バカ正直に「自分でも分からない」と言ってしまった。僕は助けを求めようと、友利に視線を向けた。
「・・・・・・いいんじゃない。」
「ありがとう。」
友利に視線向けたら、察してくれて、了承を得ることができた。だから、僕は思いきって話すことにした。
「実は僕、記憶喪失なんだ。」
「「「・・・・・・えっ?」」」
「いやだから、僕記憶喪失なんだって。」
「いや、2回も言わなくてもいいよ。」
「ど、どういう事・・・・・・?」
「あれは2ヶ月ぐらい前だったかな?事故に遭ったらしくて、頭部に大きなダメージが入って、記憶が失くなったんだ。」
「へ、へぇ・・・・・・。」
「よ、よく普通に言えるね・・・・・・?」
「正直、あんまり気にしてないから。」
「ちなみに、あたしたちがこっちに引っ越して来たのは、おにーちゃんの記憶を戻すためなんだ。」
「「「えっ!?」」」
「僕たち、前に一度この街にいたんだって。そして、この街にいた時間が、他の街よりも長かった。」
「だから、ここならおにーちゃんの記憶が取り戻せるはず、と思ってね~。奈良にいても、知ってるのは家族しかいなかったから、全然記憶が戻らなくて・・・・・・。」
「「「へ、へぇ・・・・・・。」」」
あれ?なんか3人共呆然としてる・・・・・・。
「えっと・・・・・・何かマズいことを言いました?」
「い、いや・・・・・・さらっと凄いこと言うから・・・。」
「蓮くんは、その・・・・・・寂しいとかはないの?」
「寂しい?」
「ほ、ほら・・・!記憶がないと、昔の事を懐かしく思えなかったり、とか・・・・・・?」
「そういうのはあまりないですね。なんせ今、僕は記憶がないので、そういう感情はないですね。」
まぁ、たまに不安になることはあるけどね・・・・・・。
「・・・・・・蓮くん、無理してない?」
「えっ?無理?してないよ。」
松原さん、何故急にそんなことを聞くんだろう?
「・・・・・・なら、いいんだけど・・・。」
「花音?」
「う、ううん!なんでもないよ・・・・・・!」
もしかして松原さん・・・・・・エスパー?
「極度の方向音痴の花音ちゃんがそんな事言うのは珍しいね。」
「ほ、方向音痴は関係ないよ、晴斗くん・・・・・・!」
「そうよ、今は関係ないわ!ねぇ、花音!」
・・・・・・その言い方、千聖さんも方向音痴だと言ってるようなものでは・・・?
そのあと、特に何もなくその日を終えてしまった。・・・・・・ううん、何も起きなくてよかったかも。うん、起きなくてよかった。
これ、何日前に更新したんだっけ?・・・・・・うっわ、10日前だって!怖いね~!・・・・・・知ってる?この作品のこの先、まっっっっったく思い浮かばないんよ!!これが見事なものでね~!・・・・・・そろそろ展開させよっかな~?
ほいなら、おつモニ~。・・・・・・なんでモニカの挨拶なんやろ?ハロハピメンバーを誰一人出してないのに・・・。
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キーワード8:甘いのはドーナツかも
今日も学校を終えて、今は帰宅中。最近は友利にも友達が出来たらしく、その友達とも一緒に帰ってるらしい。僕はそういうキャラではないから、今日も一人でのんびりまったり帰宅している。
「昔も、こんな風に帰っていたのかな・・・・・・?」
「あら~?お兄さん、ちょっといい~?」
「えっ?は、はい・・・・・・?」
誰、この・・・・・・オカマ?体格的には男なんだけど、髪型とか仕草が女っぽいから、多分世間で言うオカマなんだよね・・・・・・?
「お兄さん、もしかして蓮くんじゃな~い?」
「えっと・・・・・・そう、ですけど・・・・・・?」
えっ?何?僕って、もしかしてこのオカマの人と顔見知りだったの?・・・・・・えぇ~嫌なんですけど・・・・・・。
「やっぱり~!蓮くん久しぶりじゃな~い!」
「えぇ・・・?」
「店長~・・・・・・って、またナンパしてるの?」
「はるく~ん!いらっしゃ~い!今日のおすすめは──」
「プレーンシュガー。」
「ってて・・・。そうよね、いつものよね?」
黒崎さん、ここの常連なんだ・・・。しかも、おすすめの商品聞く前に欲しい物言ってるし・・・・・・。
「それより店長、いくらイケメン顔の蓮くんでも、彼をナンパするのは止めてもらっていい?僕の友達なので。」
「えっ、そうなの!?」
「あはは・・・。」
「でもアタシ、蓮くんのこと知ってるんだよね~。」
「えっ、そうなの?」
「知りませんよ・・・・・・。」
「・・・・・・あ、それもそっか。」
「えっ?どゆ事?」
僕の過去の事を話した。・・・・・・横でずっとドーナツ食べてる黒崎さんが気になってたけど・・・。
「そうなのね~。だったら、このドーナツを食べてよ!」
「えっ!?」
「店長、それ新作ドーナツでしょ?こういう時は思い出のドーナツとかを食べさせるものでしょ?」
「こんにちは。」
「あ、晴斗くん。それに蓮くんも。」
「やぁ千聖。それに花音ちゃんも。」
「あらいらっしゃ~い!新作──」
「いつものをください。」
「──って、千聖ちゃんまで~!?」
店長、色々頑張ってるんですね・・・・・・。
「あ、蓮くん・・・・・・。」
「松原さん、こんにちは。今日は千聖さんと一緒なんですね。」
「う、うん・・・・・・。蓮くん、ちょっとお話したいんだけど、いい・・・?」
「えっ?いいですけど・・・・・・。」
僕と松原さんは少し離れたテーブルに向かい合って座った。黒崎さんと千聖さんは一緒に座ってこっちをチラチラ見てるんですけど・・・・・・?
「あの・・・・・・蓮くん。」
「はい?」
「どうして、千聖ちゃんには名前呼びで、私は苗字なの?」
「・・・はい?」
「だって・・・・・・私の方が早く会ったんだよ。」
・・・・・・どうすればいい?何?僕の中では松原さんの方が仲がいいって感じなんだけど・・・。もしかして、呼び方の問題ってあるのかな・・・?
「あの・・・・・・もしかして、呼び方の問題?」
「・・・・・・っ!」コクッ
でしたか・・・。そうだったんすね・・・。
「えっと・・・・・・僕が千聖さんを下の名前で呼ぶのは、最初から下の名前しか聞いてなくて、苗字を知ったのはあの時会ってしばらくしてから、なんですよ。」
「ふぇ?・・・・・・あ。」
「基本は苗字呼びなんですけどね・・・・・・。文句があるなら、苗字を教えてくれなかったそこのイチャイチャしてる
「ご、ごめんなさい・・・・・・。」
「・・・・・・僕が松原さんのことを苗字呼びしてるのに嫉妬してたんですか?」
「ふぇ!?し、嫉妬なんて・・・・・・!?」
「ふふふ、冗談ですよ。じゃあ、
「っ!」///
「・・・・・・うん?あの・・・?」
「ふぇ、ふぇ、ふぇ~~~!!」
「あ、ちょっと──あぁ・・・。」
「か、花音~!?」
「千聖、追うよ!蓮くん、また今度ね!」
「は、はい・・・・・・。」
・・・・・・名前で呼んだのが、マズかったのかな・・・?
はい、こっちでも登場。オカマのドーナツ屋店長。多分、今日で出番終了ですw
ちょっと気になってる異性に急に下の名前で呼ばれたらこうなるもんなのかな?いや、そんな経験一っっっっっ切ないからね。
んじゃ、ばいべ~い!・・・・・・誤字じゃないよ。
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キーワード9:お誘い
「それでね、あれはいつ頃だったかな~?」
僕はあれから、たまにドーナツ屋に来ては、昔よく食べていたドーナツを食べつつ、店長が知ってる僕の話を聞いていた。・・・・・・全く思い出せないけど。
「れ、蓮くん・・・・・・!」
「?・・・・・・あ、花音さん。こんにちは。」
「っ!こ、こんにちは・・・・・・!」///
あ、もしかして名前で呼ばない方が良かったかな?でも、この前その件でちょっと機嫌損ねられたからな・・・。
「えっと・・・・・・何か、僕に用が──ん?」
とりあえず、面倒だから名前を呼ぶのを避けつつ話を進めようとした。僕が言葉を止めた理由は、物陰からこちらを覗く仁藤さんが見えたから。そして、仁藤さんの視線がたまに彼の後ろを向くから、他にも誰かいるのだろう。おそらく、黒崎さん辺りって予想もできる。
「えっと・・・・・・どうかしたの?」
「・・・・・・いえ、何も。」
「はぁ・・・?」
花音さんは、彼らの存在を知っているのか知らないのか、顔を見ても分からない。だって、顔が真っ赤でそれどころじゃないから・・・・・・。
「あ、あのね・・・!」
「はい?」
「こ、今度の土曜日空いてる・・・・・・?」
「土曜?基本空いてるので、空いてますが・・・・・・?」
「そ、それじゃあ、土曜日の朝10時に、駅前に来て・・・・・・!」
「えっ?」
「ま、またね・・・・・・!」
「あっ、ちょっと!?・・・・・・行っちゃった・・・。」
視線を仁藤さんたちの方に向けると、そこの人たちは誰一人いなかった。一体なんだったんだろう・・・?とりあえず、次の土曜日の朝10時に駅前に行けば分かるか。
ちょっと後ろでキャッキャしてる店長さんたちは無視しよう。
い、言えた・・・・・・!ハロハピでライブする時より緊張したかも・・・・・・!
「花音ちゃん、大丈夫?」
「いや~、見事な全力ダッシュだったぜ!」
「ちょっと浩輔──」
「分かってる!皆まで言うな。」
「分かってないでしょ?」
「それじゃあ花音ちゃん、後は土曜日に頑張るだけだよ。」
「う、うん・・・!」
「分かってないわね、晴斗。」
「えっ、何を?」
「女子は、『一緒にお出かけする』が決まった時から戦いが始まるのよ。ね、花音?」
「う、うん・・・・・・?」
なんだろう?千聖ちゃんの目がちょっと怖いんだけど・・・・・・?
そして時は過ぎて、約束の土曜日。僕は集合時間の30分前に家を出ることにした。
「おはよ~・・・・・・。」
「おはよ。今日はずいぶんと遅いね?」
「ちょっと徹夜しちゃって・・・・・・あれ?おにーちゃんどっか行くの?」
「うん、ちょっと花音さんとお出かけにね。」
「ふーん。うん~?・・・・・・はい!?」
「ビックリした。急に何?」
「それ!あたし、聞いてない!?」
「そりゃそうよ、言ってないもん。」
「ちょまま!すぐ準備するから!20分待って!」
そう言って支度を始める友利。僕はそれを無視して、こっそりと家を出た。・・・・・・20分は待ってられないからね。
さて、色々ニヤニヤ展開になりました~。デートですよ、奥さん!
さてさて、間が空いて申し訳ない!・・・・・・空きすぎか?そんなのミクロンミクロン!なんか、先月の22日以来なんだって。・・・・・・さーせーん。
んじゃ、ばいべ~い。
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キーワード10:繋がり落ちる時
「うぅ・・・・・・!」
駅前で回りをキョロキョロしながら落ち着かなそうな雰囲気を
《大丈夫よ、何年芸能界にいると思っているの?変装のことなら任せてちょうだい。》
いや、心配なのはそこじゃ──まぁいいや。駅前で蓮くんを待っている花音ちゃん。それを少し離れたところから見守る──という感じでストーカー行為をしていて罪悪感を抱いている僕:黒崎晴斗と、罪悪感が一切ない僕の彼女:白鷺千聖が、花音ちゃんたちのデートのナレーションをすることになっちゃった・・・。
《それよりも花音、集合時間の30分前に着くって、どれだけ健気なのかしら?》
ちょっと千聖、うるさい。まったく、花音ちゃんのことになるとめんどくさく──あ、来たみたいだね。
「おはようございます、花音さん。」
「蓮くん・・・!おはよう。」
一瞬で花音ちゃんの顔から緊張や不安の色が消えたんですけど?
「もしかして僕、遅刻でした?」
「う、ううん!私が早く来すぎちゃっただけだから・・・!」
「待たせてしまってすみません・・・・・・。」
「ううん、気にしないで・・・!」
《花音、なんて優しいの・・・・・・!?》
もう・・・・・・千聖、黙ってて。そういえば、僕も花音ちゃんが今日どこに行くのか聞いてないんだよね・・・?
「それじゃあ、行こ?」
「良いですけど・・・・・・どこに行くんですか?」
「それは・・・・・・えっと・・・・・・行ってからのお楽しみってことで・・・。」
「はぁ・・・。」
あ、動き始めた。僕たちも行こう。
《私もあれくらい彩ちゃんたちに優しくした方がいいのかしら?》
そのくだりはもういいから!行くよ!
気付かれないように追いかけてきたけど・・・・・・公園?なんで?
「ここは・・・・・・?」
「実は、友利ちゃんに聞いたんだ。蓮くんが昔遊んだり、よく行ってた場所を。」
「なんで、そんなことを?」
「だって、この街に来たのって、記憶を取り戻すためでしょ・・・・・・?私、蓮くんの力になりたくて・・・・・・。」
「そうでしたか・・・。花音さん、ありがとうございます。」
そうだったんだ・・・。花音ちゃん、意外と優しいからな~。
《そうよ!花音は本当に──》
オーケーオーケー、どうどう。まったく、少しは落ち着きなさいよ。
「でも、意外だったな~。」
「何がですか?」
「だって、蓮くんがよく遊んでいた場所が、私も昔よく遊んでいた場所だったから。」
「へぇ~、奇遇ですね。」
「うん。あの頃は、同い年の男の子とここでよく遊んだんだ。その子はね、あまり活発な子じゃなくて、男の子たちとじゃなくて、私に合わせてくれるような感じで遊んだの。」
「そう、なんですね・・・・・・っ!」
「でもね、親の仕事の都合で引っ越しちゃったんだ。元気にしてる、かな──」
どうしたんだろう?蓮くんはちょっと顔をしかめ始めて、花音ちゃんは言葉を途切れさせて・・・・・・?
「・・・・・・蓮くんって、ここでどんな遊びしてたの?」
「っ・・・・・・僕は、ここで同い年の女の子と、遊んで──もしかして・・・・・・っ!?」
「蓮くんって、もしかして・・・・・・!?」
「まさか──ぐっ!?うぅ・・・!?」
「れ、蓮くん・・・!?だ、大丈夫・・・・・・!?」
蓮くんが苦しみだした。千聖!尾行は終了だ!行くよ!!
《分かったわ!!》
「ぐっ・・・・・・!?」
「れ、蓮くん・・・!?」
「かの、ちゃん・・・・・・っ。」
「・・・・・・っ!」
僕たちが駆けつけた頃には、もう気を失ってしまった。
「晴斗、彼は!?」
「・・・・・・大丈夫、気を失ってるだけだ。花音ちゃん、妹さんに連絡を!・・・・・・花音ちゃん?」
「花音?大丈夫・・・・・・?」
「そんな・・・・・・蓮くんが・・・・・・!?」
この二人、もしかして・・・・・・?
そんなことより、早め蓮くんを連れていかないと。そう思った僕たちは、妹の友利ちゃんに連絡して、蓮くんを病院へ連れていった。
どや~!デートのイチャイチャ展開になると思ったやろ~?残念で~した!・・・・・・やっぱ、『生命の灯火』以上のストーリーを書こうと思ってもなかなか書けないな。こんだけ恋愛もの書いてると、どうにもストーリーが似てきちゃって・・・・・・。
んじゃな~。
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キーワード11:一度きりのあの日とふたり
銀色暗号ってね、KinKi Kidsの曲名なの。・・・・・・あれ?前に話したっけ?
晴斗さんの連絡を受けて知ったけど、病院におにーちゃんが運ばれてから3日が経過した。頭を抱えて倒れたというおにーちゃんはまだ目を覚まさない。きっと、記憶を取り戻したのかもしれない。
「・・・・・・あ、友利、ちゃん・・・。」
「花音さん・・・・・・おにーちゃんのお見舞いですか、ありがとうございます。」
「友利ちゃん、その・・・・・・。」
「おにーちゃんの事なら、謝らないでください。こうなる事を理解した上でこの街に来たんですから。」
「強いね、友利ちゃんは・・・・・・。」
「いえいえ、兄の面倒を見るのが妹の務めなので!」
・・・・・・ちょっと、調子狂うな。いつもならここで「逆だろ。」っておにーちゃんからツッコミが来るのに、沈黙がやって来るなんて・・・・・・。
「・・・・・・友利ちゃん、実は昔、蓮くんと遊んでいたの・・・。」
「・・・・・・。」
「この前友利ちゃんに聞いた場所に行ったら、私は昔のことを思い出せて、そしたら蓮くんも記憶が戻ったみたいで、昔私を呼んでた呼び名を呼んだあと、気を失ったの・・・・・・。」
記憶、戻ったんだ・・・・・・。
「ごめんなさい、私が記憶を戻そうとしなければ、蓮くんが気を失うことはなかったのに・・・・・・。」
「花音さん、そんなことより、昔遊んでた相手の記憶が戻ったことを喜ばなくていいの?」
「ふぇ?」
「あんなに楽しそうに、しかもカップルのようにイチャイチャしてた相手だよ?もっと喜ばないと。」
「ふぇええ!?ど、どうしてそんなことを・・・・・・!?友利ちゃんは、あの時いなかったよね・・・・・・!?」///
やーい、顔真っ赤ー。
「おにーちゃんの記憶を戻そうとしてた時、偶然そんな写真を見つけたの。女の子の方は、もしかすると『ずっと一緒』とか思ってたんだろうな~?」ニヤニヤ
「うぅ・・・・・・!」///
なんか、面白い。もうちょっとからかおっかな~?
「その辺に、しなよ・・・・・・。」
「れ、蓮くん・・・・・・!?」
「あらま、おにーちゃんもう起きたの?」
「まぁね。・・・・・・僕が起きてたの知ってたでしょ?」
「ちょいちょい布団が動いてたからね~。で、状況の理解はできましたか~?」
「・・・・・・。」
「・・・・・・まぁ、そこそこに。久しぶりだね、かのちゃん。」
「思い、出したの・・・・・・?」
「そう、みたいだね。僕の記憶が正しければ、友利が横断歩道を渡っている最中に突然トラックがバカみたいに突っ込んできて、友利を安全なところまで飛ばして引かれたとこまでしか記憶がないんだよね。」
「えっ?えっと・・・・・・?」
ずいぶんとリアルに鮮明に覚えてらっしゃいますね。しかもそれを真面目にサラサラ~と言うから、見てて面白いけど内容のせいで笑いづらいんだよね・・・・・・。
「・・・・・・で、ここどこの病院?」
「あ、そこは分かんないんだ。」
「いや、かのちゃんの『この前友利ちゃん──』のとこからしか意識ないから。かのちゃんがいるってことは、ここは東京?」
「そだよ。花音さんと遊んでた街に来て、おにーちゃんの記憶を戻そうとしてたの。」
「なるほど、それでかのちゃんと話して記憶が戻って気を失ったと。」
「れ、蓮くん・・・・・・?」
「なんでしょう?」
「ほんとに、蓮くんなんだよね・・・・・・?なんか、この前とは別人な気がして・・・・・・。」
「・・・・・・ねぇ、記憶喪失の頃の僕ってどんなんだった?」
「ん~・・・・・・今よりもめっっっっっちゃ礼儀正しい感じだったよ。」
「へぇー・・・・・・。」
うっ!?この頭部から感じる『圧』という名の手の感触は・・・・・・!?
「まるで『記憶喪失じゃない頃の僕が礼儀正しくない』みたいだね~?」
「痛い痛い!ごめんなさい謝りますだからその手を離してーーー!!」
「はぁ・・・。言葉には気をつけましょうね?」
「あぃ・・・。」
久しぶりにおにーちゃんからお仕置き受けちゃったよ・・・・・・。なんか、懐かしい・・・!って、何変な扉開けようとしてんのよあたし!!しっかりせい!!
「そうだ。友利、ちょっと外してくれる?」
「うん?・・・・・・あぁ、ごゆっくり~。」ニヤニヤ
「この後が楽しみだね?」ニヤァ
「うっ!?」
怖っわ!?
なんか、蓮くんのイメージが違う気がする。と言っても、昔の記憶は曖昧だから、この前までの記憶がない頃の蓮くんしか知らないんだけど・・・・・・。
「・・・・・・かのちゃん。」
「は、はい・・・・・・!」
「僕のイメージが違うから戸惑ってるんでしょ?」
「ふぇ!?いや、そんなことは・・・・・・。」
「やっぱ当たりか。そりゃそうだよね・・・・・・。」
「うぅ・・・・・・!」
なんか、ガッカリさせちゃったな・・・・・・。
「仕方ないか。僕だってこの街を離れてから色々あってそこそこ性格変わっちゃったからね。」
「えっ?何か、あったの・・・・・・?」
「・・・・・・よく聞けるね?」
「あ、ごめんなさい・・・・・・。」
「いや、別にいいよ。隠すことでもないし。・・・・・・あれから、色んな場所を親の転勤と共に回ったんだ。中学生になる頃かな?その辺りから
また真顔でそんな話を・・・・・・。ってか、さっきからあんまり表情が変わってない・・・・・・。
「だから、たまに思い出すんだ。あの頃に・・・・・・『かのちゃんと遊んでいた頃に戻りたい』って。」
「っ!」
「・・・・・・ねぇ、また友達として遊んでくれる?」
友達・・・・・・昔みたいに・・・・・・。
「・・・・・・かのちゃん?」
「・・・・・・ゃ、です・・・・・・。」
「えっ?」
「嫌、です・・・・・・。蓮くんの記憶を戻そうとしてた時に思ったの。蓮くんのことが、
「えっ!?それって・・・・・・。」
「・・・・・・蓮くん、私と・・・・・・付き合ってくれる・・・・・・?」
・・・・・・あ、言っちゃった・・・!?
はい、今回はここまで!良いとこでしょ~?ここで止めるのもアリかなってね?
それでは、ここでちょっとしたお知らせです。この小説、次で終わりです。早いでしょ?でもね、テレビ的には1シーズン分書いたの。こんぐらいなら普通ちゃうん?
でもさ、1つ問題があるの。Morfonicaがカバーしてる『深海少女』、あれをイヤホン・ヘッドホンで聴いてるとさ、ボーカルは普通なんだけど、右側からはギターとドラム音、左側からはバイオリンと多分ベース音が流れるの。凄ない!?・・・・・・以上です。
では、また~。
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ラストキーワード:愛へと昇り、愛へと成る
たまに評価バーに色が付く作品があるんだけど、どんなのが評価されてるのかが分からない・・・・・・。
僕の記憶が戻ってしばらく経った後、僕は今少し遠くのアウトレットに来ていた。理由は・・・・・・
「今日はごめんね、家からずっとついてきてもらって・・・・・・。」
「いいよ。にしても驚きだよ、前より方向音痴が悪化してたなんてね。」
「うぅ、それ言わないでよ・・・・・・!」
僕は花音と恋人関係になり、今日がその初デートというわけです。花音が千聖さんにそれをバラしてしまい、記憶を失くしている頃に仲良くなったという黒崎晴斗さんと仁藤浩輔さんとその千聖さんが『ついていく』と言ったけど、前に身に付いた『相手に圧をかける』ってのを使ってなんとか黙らせた。
「私もビックリしたよ。」
「うん?」
「だって、あんな千聖ちゃんたちを黙らせちゃうんだもん。」
「・・・・・・まぁ、色々成長してますから。」
「そこ、成長って言うかな・・・・・・?」
「そういう花音だって、方向音痴度が成長してるでしょ?」
「そこは成長とは言わないよ~!」
あと、僕的には『仲の良い人をからかう』能力も身に付いたかな?
「でも、記憶喪失って、記憶が戻ったら失くしてる間の記憶って失くなるんだね?」
「そうらしいよ。この前調べたら、記憶を失くした人の記憶が戻った時は、失くしてる間のことは全く覚えてない人がほとんどらしいからね。」
「じゃあ、蓮くんの状態は普通なんだね。」
「記憶を失くしている時点で普通じゃないと思うけどね。」
僕たちは色々話ながらアウトレットをのんびり歩いている。
「でも、ここは記憶喪失中に来たことあるの?」
「ううん、ないよ。」
「はい?」
「だって、昔一緒に遊んでいた男の子と、恋人になれたらこういう所に来てみたかったんだもん・・・・・・。」///
・・・・・・皆さん申し訳ない。
「蓮くんは、そう思わなかった・・・・・・?」
「どうだろうね。・・・・・・あの頃は、こんな関係になるとは思ってなかったから、まだあんまり実感湧かないな。それに、あの時の女の子がこんなに可愛くなるとは思ってなかったしね。」
「っ!」///
「花音?」
「・・・・・・ねぇ、昔みたいに呼んで?」
「?」
「ほら、昔の呼び名で・・・・・・。」///
「・・・・・・じゃあ、かのちゃん。」///
「うん・・・・・・。」///
僕たちはしばらく黙ってしまった、互いに顔を赤くして。
周りからはかなりのバカップルと思われているだろう、手を繋いで、向き合って顔を赤くして恥ずかしくなって
でも、今の僕にはそれでも構わないと思った。周りがどう思おうが、迷惑さえかけてなければ問題ない。そして、僕たちが幸せならば、それで・・・・・・。
「・・・・・・それじゃ、続き見て回ろっか?」///
「う、うん・・・・・・!」///
普通の恋人たちよりも歩みが遅くても、僕たちは周りの意見に流されず、自分たちの歩幅で進んでいく。記憶を失くした間にあったことを再び新しい記憶として刻みながら・・・・・・。
「晴斗、俺今ならブラックがめっちゃ飲めるわ。」
「僕も飲めるよ、あんな甘い空間見せつけられたらね・・・・・・。」
「私も、今日はブラックの気分だわ。」
「あたしもー。」
・・・・・・ねぇ、なんで友利や千聖さんたちのセリフがここで入ってくるの?
これにて、『銀色暗号 ~落ちて 堕ちてく あなたのすべてに~』が完結しました。ご愛読いただいたごく少数の皆様、ありがとうございました。
書いてて思った。深夜1時に書いてるから、結構雑になったなって。しかもさ、『銀色暗号』要素が全然ないねん!元ネタとなった曲の歌詞にはね、
「鮮やかな夜が
夜が明ける頃 空へ還る 銀色 暗号 どうしてだろう 涙 止まらないよ...。」
って感じの切ない歌詞がある、切ない歌なの。・・・・・・なんでこの曲をタイトルにしちゃった?
さてさて、次は
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アフターエピソード1
お久しぶりです!
この前(8/15)ニコ生してて、その最中に「銀色暗号のその後が見たい」って言われたので書きました。でも・・・・・・これがめっちゃ大変なんよ。まずは主人公の設定を全く覚えてない。(笑)そして、最終回がどんな終わり方をしたか覚えてない。(笑)
それにね、元ネタのKinKi Kidsさんの「銀色暗号」は結構暗い歌なのよ。それを頑張ってハッピーエンドにしたんだから~!(笑)
ってことで、本編どうぞ~。ところでさ、リクエスト奴誰?
『羽沢珈琲店』・・・・・・商店街では有名の喫茶店。看板娘の羽沢つぐみさんがツグりながらお客さんに接客することと、バイトの若宮イヴさんが素敵(?)な言葉使いでお客さんの度肝を抜くことで有名な喫茶店。・・・・・・ねぇ、この説明であってるの?
その喫茶店の常連客の中には癖のあるお客さんも多いという。
「あ・・・。」
「どうしたの、かのちゃん?」
「あそこの喫茶店、寄っていい?」
「いいけど、よく行くの?」
「うん、千聖ちゃんとよくお茶してるんだ。」
「へぇ~。かのちゃんが唯一迷わずに行ける喫茶店なんだ。」
「ひ、一言多いよ~・・・・・・!」
どうやら、かのちゃんも常連客らしい。あのかのちゃんにのみ過保護な千聖さんと一緒にとなると・・・・・・迷惑はかけてなさそうだね。
「こんにちは~。」
「いらっしゃいませ~。花音さん、こんにちは。」
「こんにちは、つぐみちゃん。」
「と・・・・・・そちらの方は?」
「あ、紹介するね。昔一緒に遊んでて最近こっちに戻ってきた『楠木蓮』くん。」
「こんにちは・・・。」
「初めまして、羽沢つぐみです。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。・・・・・・えっ、どうして挨拶?」
「あっ、ごめんなさい!花音さんととても仲が良いんですよね?きっと何回も会うと思ったので、つい・・・。」
「あぁ、そういう事・・・。改めて、よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。花音さん、いつもの席空いてますよ?」
「ありがとう。行こ?」
僕は
「えっと・・・・・・どうしようかな・・・?」
「千聖ちゃんはいつもアールグレイの紅茶を頼んでるよ。」
「へぇ~。いや、紅茶はいいや。カフェオレにするよ。」
「デザートもあるけど、どうする?」
「そうだね・・・・・・ティラミスでも頼もうかな?」
「蓮くんって、大人だね・・・。」
「この先色んなコーヒーを飲むと思うからね。これでもまだ子供寄りだと思うけど?」
そんなことを話しながら注文する物が決まった僕とかのちゃんは、店員さんを呼ぶことにした。
「すみませーん。」
「はい、ご注文をお伺いします。」
「あれ?つくしちゃん?」
「花音先輩、こんにちは。」
「知り合い?」
「うん、ガールズバンドでちょっと・・・。つくしちゃんはバイト?」
「はい!最近始めました!」
「そうなんだ。あ、注文お願いしてもいい?」
「大丈夫です!」
かのちゃんも、意外と顔が広いんだね。確か、かのちゃんが組んでるバンドと仲が良いバンドが6組あって、それぞれ5人ずつ。自分のバンドを含めて34人は知り合いがいるんだ・・・。1クラスじゃん!?
「ご注文承りました!すぐにお持ちしますので、少々お待ちください・・・・・・!」
「気を付けてね・・・・・・!」
「・・・・・・えっ?なんで心配するの?」
「実は、千聖ちゃんから聞いたんだけど・・・・・・つくしちゃん、バイト初日はだいぶ危ない感じだったんだって。」
「へ、へぇ・・・。ちなみに、それっていつの話?」
「今月入ってすぐだと思う気がする・・・・・・。」
ちょっと待って、それは色々不安だ!あの感じだと、結構頑張り屋だというつぐみさんと同じ性格のはず!デザートセットを2人分頼んじゃったけど、大丈夫か・・・?
「・・・・・・ねぇ、かのちゃん。あの子が運んでるの、どう見ても僕たちの分だよね?」
「そ、そうだね・・・・・・。」(千聖ちゃん、バイト初日の時に来てあれを見たんだ・・・・・・。)
つくしさんを見ている僕たちの顔が一気に青ざめたのがなんとなく分かる。それほど今のつくしさんを見ていると不安でしかなかった。
「お、お待たせしました・・・・・・!」
「ありがと・・・。」
でも、思ってたような嫌な展開にはならなかった。噂によれば、イヴちゃんが教えてたりしてるらしいから・・・・・・まぁ、大丈夫そうかな?これから頑張っていけばいいんだろうし・・・。
「おぉ~!美味しそうだね~!」
「でしょ?つぐみちゃん家の料理はどれも美味しいんだよ。」
「そうなんだ。・・・・・・うん、美味しい。かのちゃんがよく来るのも納得だよ。」
「うふふ、蓮くんも通っちゃう?」
「どうでしょ~?」
でも・・・・・・真面目にここには通ってしまいそうだな・・・。
ウルトラマンZをライダー化させるなら、オーズのベルトが一番合うよね?(知らんわ)
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