俺のネギま! (ばうえもん)
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プロローグ「彼は
先輩と俺
…先輩、好きです。付き合って下さい!!」
中学2年の終わり頃の事だ、中学卒業を控えた部活の先輩に告白した俺はまるで相手にされなかった。
今なら理由も分かるのだが当時の俺は彼女の事情を知らなかったので失意と共に部活も辞めてしまった。まあ彼女に一目惚れして入部したという不純な動機がミエミエだったらしく特に引き止められる事もなかったのが更に堪えたものだ。結構貢献してたと思うんだがなあ。
そして3年生へと進級直後に俺は目を疑う光景を見て反射的に動いてしまった。未だ癒えない失恋のショックから迂闊な行動を取ってしまったのだ。
いやだって卒業したハズの先輩が違う中学で真新しい制服を着てピッカピカの一年生やってんのよ!!
「えっ? 先輩それ中学の制服ですよね????」
「何だお前は?」
「ちょっ!?
こっぴどく振ったあげく覚えて無いとか酷くないですか!!」
正直この人明らかに何か有るってわかってたのに一目惚れした俺は告白してしまった。仮に付き合う事になったら自動的にそっちの事情に巻き込まれて必然的に俺の秘密もバレるのにだ。
幸いと言うには辛いものがあるが振られたお陰で俺の秘密も隠し通せたものを、再会した先輩の態度から食い下がってしまった俺は先輩の事をしっかりと認識できた事で認識阻害に抵抗した事実に気付かれて盛大に墓穴を掘ったわけだ。
いやだって俺の為に知らない振りしてくれたわけでなくて、本気でわかってなかったんだよ!!
彼女の周辺に居た関係者から説明されてもそんな事も有ったなといった感じで本気で忘れられていたのだ。最初は彼女に好き好んで近付く奴など何か企んでいるに違い無いと怪しんでいた典型的な正義タイプの関係者が最後には憐れんで同情からクラスメイトを紹介しましょうかと言い出す始末だからな!!
そうして今まで学園に隠し通してきた俺の秘密が知られる事になってしまったのが全ての始まりだ。
その翌年、高校1年の秋の事だ。とある事情から9歳の少女と従者契約を結んだのだが、その結果翌年の春先に先輩と敵対する羽目になった。なんでやねん!
この時点で関係者になっていた俺の方も退けない理由が有ったので本気で戦ったのだが、相変わらず俺の事など眼中にないようで全く覚えていなかったので少し凹んだのであった。
ただアレだ、当事者である俺の契約相手のご主人様と先輩はマジで殺し合いの一歩手前で、俺の方も「不死者だろうが問題無い、陰陽師の舐めんな!!」と本気で封殺しようとしたのだが……
件の振られ事件のせいで周囲は自分に熱を上げていたハズの俺が違う女(契約主)に乗り換えたのが面白く無い先輩が新たな女(契約主)に絡んだ痴話喧嘩程度の認識で本気にしてないの!!
俺にクラスメイト紹介しようとした奴もご主人様を見て
「そうですか、通りで同年代の紹介を遠慮したわけですね。いえ、数年もすれば解決する問題ですから私は応援いたしますわよ」と何やら納得顔で頷くから勘違いが加速して行く。クネクネすんなご主人
そんな俺とご主人様の日常が始まります!!
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学園長と俺
横嶋忠雄は転生者である。
別に神の手違いで殺されたので上から目線で特典を要求して○○の世界へ転生させろとかいったやり取りは無い。ある日気が付いたらそうだったのだ。
そのとき自分がYOKOSHIMAのパチモンだと気付いて能力を確認してみたところ霊能力に目覚めた。その時点でだいたい生前NTとかで読んだYOKOSHIMAだった
そもそも彼は厳密な意味ではGSファンとは言い難い経歴を持つ。元々はKYOUYAとかSHIROUとかのエロゲ系の二次創作を読みふけるうちにGS二次にたどり着き、そこで散々クロス系の二次を漁った後にGS逆行物を読んで、そこから漸くサンデーでは流し読みしていた原作をちゃんと読み直したのだ。その弊害か初期の横島の人間的酷さを見て愕然としたのは良い思い出だ。
次に確認したのはこの世界についてだ。これは子供でもテレビや新聞を確認してみればある程度の事は判る。少なくともゴーストスイーパーも超能力もメイドロボも存在しないこの社会は椎名先生の世界では無いのだろう。銭湯宇宙人系のやつだと一般的な情報網に載らないのでお手上げだから考えない様にする。
次に考えたのは型月系の様な神秘が秘匿された社会の可能性についてだ。これだと非常に拙い事になる。現状は力を抑えているが目覚めた瞬間は結構な力を発揮したのでその手の観測網が存在する場合は捕捉された恐れがある。今の所それらしい接触や監視の類は無いが相手が自分に気取られる様な格下と決めて掛かるのは拙い。用心するに越したことはないのだ。
何故ならば横嶋忠雄は過去からの転生者だからだ。どういうわけか平安時代の京の都でやり手の陰陽師だった記憶も持っていて、そちらは明らかにこの世界と地続きな記憶故にこの世界には過去に神秘が存在した事は事実である。だから現代にも存在する可能性が高いのだ。
それにしても何故二重に生前の記憶が有るのか? 恐らくはこの世界の輪廻の外から来た「魂」が憑依転生した事から本来の前世の方も目覚めたのだろう。これは悪い事では無い。少なくとも魂魄の「魂」が強化されて前世以上の可能性を感じるからだ。シャーマンキングでも臨死体験で巫力が上昇する事から少なくとも二つの死を体験している俺の魂の力はかなり高いハズだ(漫画脳)
可能性は兎も角現状は修行不足の雑魚キャラなんだがな。
子供の身としては時間以外の点であらゆる事に制限がある為、先ずは移動手段として「縮地」(武術の歩法ではなく仙術の技法)の習得を目標にした。
霊脈を利用して移動するこの技法を手に入れて最初に向かった先は自身の知識の元である平安時代の陰陽師、高島の遺産を回収する為に京都近くのとある山中に向かった。
その時の事だが、山中から京都を見て焦ったね。京都を囲む結界が視認出来た為だ、もう少し京都に近い場所だったら結界に引っかかっていた。
仮にそうなっていたらあの結界を管理する何者かと接触する羽目になっただろう。
とにかく、それのお陰で裏の世界の存在を確信できた。
その後は特に問題も起きずに小学校を卒業した。
そこまではいい、その後GS原作通り両親が外国へ赴任する事になり俺は日本に残った。ただしGS原作と違い中学生だった為に全寮制の学校へ入れられたのだった。
学園長と俺
学園長室ナウ
オカンが学園でも屈指の有名人だった為に背後に誰か居るとか全く疑われなかったでゴザル
「いや、ホント、何したんですか?」
「何というか、立場は裏を知る一般人だったんじゃがな」
「彼女がこの学園に通っていた頃に素行の悪い魔法関係者が表の方から圧力をかけられてやり込められてのぉ、泣く泣く本国へ逃げ帰った事が数度あったのじゃ」
「さいですか。俺にとっては特売好きの主婦なんですけどね」
「どうやら家庭に入って多少は丸くなったようじゃのう。
ホント、昔のアレやコレやを盾に君の入学をねじ込んで来た時は肝が冷えたわい」
「母子そろってご迷惑をおかけします」
ここはオリ主ムーブする場面かと無駄に気を張って居たのに、話を聞くうちにだんだん肩身が狭くなったのは何故だろうか?
『僕は悪くない』って言えたらいいんだけど、身内の事だけに日本人的に無理だな……
「それはそうと、君を振った「ウグッ」エヴァンジェリンじゃがな、ちと複雑な事情があって人間不信な所もあるので悪く思わんでくれの」
改めて学園長にまで言われるのはキツイもの…?
いやそこまで知られてるのか? 碌に話す時間はなかったハズなんだが
「その、学園長は告白の件までご存知でしたか。しかし、何故?」
「いや、それはのぉ。
君には非常に申し訳ないのだが、彼女の立場は特別でのう。彼女に近づく人間は監視されていての、情報の共有もされているんじゃよ」
「はっ??? それって…」
「非常に申し訳ないが、君の疑いは早々に晴れたんじゃがの、彼女の監視自体は続けていた関係上裏の関係者は君の事を生暖かく見守って居たんじゃよ」
「………いっ、いっそ殺せぇええええええええ!!!!」
・
・
「落ち着いたかの」
「取り乱してすみません」
落ち着け、平常心だ、術者たるもの心を制御せよ!!
しかし、さっきから部屋の隅で直立しているデス眼鏡の胡乱な視線が気になる。
疑い?とは違うがなんだ?侮蔑? 確かに醜態だがそこは思春期の男の子なんだからしょうがないだろ!!
現場に居合わせた他のメンツは学園長の話が始まるや早々に退室していった。そりゃ出歯亀の自覚があれば気まずかろう。
だがデス眼鏡は何故居る?護衛か?
「さて、今度は君の事を話してくれんかの」
「これ以上の恥を晒せとおっしゃりますか」
「いやいや、そういう話じゃないわい。君も知っていたんじゃろ?裏の事を」
「俺が母から魔法の事を聞いたと?」
「いいや、君のお母様から君は裏を知っているようだから迷惑かけるかもしれないから注意していてくれと忠告があったんじゃわい」
「母親というものは子供が思っている以上に子供の事を見ているもんじゃぞ」
マジか
「正直に言うが今までの君の素行には全く怪しいところはなかった。エヴァンジェリンの件が無ければそのまま何事も無く卒業していたんじゃろ」
「ええまぁ、正直に言いますがこの都市見た時点でヤバイって思ったので大人しくしていましたが」
「ふむ、君の経歴に怪しいところは無い、だからこそ何処で知ったのかがわからんのじゃ」
オカンにバレてる時点でヘタな事は言えんか、これは正直に(言える事だけ)言うしかないか?でもあなぁ
「そのですね、ちゃんと話しますから疑問や質問は最後にお願いしますね。途中で遮る様なら聞く気が無いと判断して話しませんので」
「どういう意味だい?」
ここでだんまりだったデス眼鏡こと……名前知らんわ。有名人らしいけど俺の行動エリアと被らんからなぁ
とにかく不機嫌そうに声を掛けてきた
「そのですね、与太話と思われそうな話ですので信じて貰えないかと」
「まあまあ、高畑先生、生徒の事をそう疑うものじゃないわい。ほれ、この爺に君の秘密を話してくれんかの」
タカハタ先生を窘めて、お道化るように促す学園長。これはアレだな、尋問の役割分担だわ。しかし俺の何を疑っているんだ?
とりま話してみないと始まらない。
嘘を吐くポイントは真実を混ぜる事、だが俺は嘘は付かないでちゃん陰陽師の前世については話す。GS云々と輪廻の外からの転生は省くけどな
しかしここまで聞いた話に何処かで聞いたキーワードが幾つかあるんだが、なんだっけ? ひょっとしてこの世界って漫画かゲームの世界なんか?
ぱっと出て来んのは原作未読なんだろうが、覚えがあるって事はクロス系の二次創作か? 記憶に引っかかってるって事はクロス先としては多分頻繁に蹂躙されているんじゃなかろうか? つーと3魔界かな?
あっ、それだわ! とらハが元のなのちゃんと違って二次創作しか知らんからビジュアル情報無いのは二つ、ネギ魔とゼロ魔、現代舞台だからネギ魔とかいうヤツだわ
つーてーとマクダウェル先輩って確かYOKOSHIMAやSHIROUが高確率でお世話になるエヴァちゃんじゃん!!気付けよ俺!!
しゃーねーだろ!! 原作未読だから外見知らんし!!
えーと、テンプレだと先輩が3年の頃に主役がショタ先生やっててそこへ来訪パターンだから現在は原作開始前か?
なんだっけ?エタポイントは停電と京都と学園祭の順番だったか? まぁ女子中エリアが舞台だろうから学祭以外で男子校の俺が関わる事もなかろう
なんか当初のネギまサイドのシナリオメモから大分変わってしまいました。
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紅き翼と俺
学園長や裏の関係者の方々と話をした結果この世界の事がわかった。高位魔法使いと言う名前のマップ兵器が横行する危険なネギ魔(うろ覚え)の世界だったのだ!!
いやね、正直に言うけど俺って文珠っていうチートの代名詞を使用可能なんで何だかんだでいざって時は華麗に無双出来るって思ってたんだけど……
原作未読なんで飽くまで二次の知識だけど絶対零度で湖凍らせる先輩の火力って控え目に言っても頭おかしいと思う。俺だって文珠使えば絶対零度出せるよ。ただ範囲はせいぜい畳二枚ってところで、その文珠も造るのに三日は掛かる。なのに先輩は絶対零度の範囲呪文連続で何発打てるか知らんけど絶対一発じゃない。しかも魔法使いの魔力って一晩寝たら回復するんだぜ。もう一度言うが俺は文珠一個に三日は掛かるのにだ。アイツらコスパも段違いなんだよ!!
そんでもって、それより劣る魔法学校卒業したぺーぺー主人公でも水平に竜巻放って射線上の式神数十鬼薙ぎ払うとかやっぱりパワーバランスが可笑しい。てめえ式神の維持コストどんだけ重いか知ってんのか!!それをあっさりと蹂躙とか魔法使い怖い。
クロス物でYOKOSHIMAが文珠でTUEEEEEしてるけど、いざその立場になってみると魔法使いを相手に俺TUEEEEEとか絶対無理。魔法使い怖い
……チートってなんだっけ?
しかしなんだ、俺の事を話す前に晴らしておきたい疑問もある。それはタカハタ先生のこちらを見る目だ。
この人と接点無いハズだが妙に当たりが強いというか嫌われている。視線に混ざる見下し?侮蔑?とにかくそんな目で見られる覚えは無い。
あるいは先輩に対して何か特別な感情(淫行教師疑惑)を持っているのだろうか?
「という訳で言いたいことがあるのならばはっきりとお願いします。俺が無自覚にそちらの業界のタブーを犯しているのかもしれませんし」
俺が問いかけるとバツが悪そうに謝る学園長とタカハタ先生
「ふぅむ、あの母にしてといったところかの。タブーでは無いがこちらの一方的な理由で不快にさせたのは済まんのぉ」
「申し訳ない、個人的に思うところがある人物に余りにもそっくりなもので態度に出てしまったようだ。不快にさせて済まない」
一見謝ってるようでもその態度については反省していない気がするんだがなんなの?
俺にそっくりなソイツって何しやがったんだ?
ふんふん、タカハタ先生は20年前に魔法世界であった大戦の英雄の仲間だった?は~、人に歴史有りっすね。そんで?
突然、叫び声とともに天から降ってきた男を赤毛の英雄と筋肉英雄が気に入ってメンバーに加わった!? あっ…(察し)
普段は女性を見つける度にナンパを繰り返す変質者。
戦闘時は安全地帯で気の抜ける様な応援や野次を飛ばす道化師。
英雄の恥部、金魚のフン、あいつなんで居るの?と業界で悪い意味で有名な
それって横島忠夫本人じゃねーか!!
いや厳密にはGS原作世界ではないので本人ではないが…むしろもっとヤバイ存在になってる可能性ががが
"
魔法世界の人間どもも少しは考えろよ、本当に無能なら戦争中の前線で生き残れるわけないだろ!!(初期の横島の生き汚さなら無能でも生き延びそうだが、わざわざ男所帯に同行して前線に居るとは思えない)
実力隠しとか人間不信の可能性有りだろ、スレ島か!人間に裏切られてGS世界から追放されたスレ島さんなのか!!
人間に絶望しているパターンだとたとえ
頼むから転移事故とかで原作時間軸の延長線から偶然来訪した穏便なタイプであってくれ!!
「なんとも言えない表情じゃの、重ね重ね不快な思いをさせて済まんの」
「本当に申し訳ない。当時間近で見ていたものだからつい」
違うんです!!
言いたいけどややこしくなりそうだから言えないけど、呆れとは違う意味で絶句しているんです。具体的には関わりたく無いんです!!
「それで、その俺と同姓同名な人はどうなりましたか?」
これが一番大事な事だ。どうか本来の居場所へ帰還していてくれよな
「それがある日突然行方不明になったんだよ。数日居なくなる事はよくあったから気にしてなかったけどいつの間にか消えていたんだ」
「ただ今にして思えば僕と師匠が別行動していた時期に何か大きな戦闘が起きたようでその時にはぐれたか何かあったのかもしれない」
暗に死亡したのかもしれないと言っているが絶対違うよね、むしろ仲違いして英雄相手に一戦交えた挙句に別れたと言われた方が納得なんだけど
その後20年音信不通ならば大丈夫なのか?
「ありがとうございました。納得したわけではありませんが(その後の行方について)考えても仕方が無い問題なのでここまでにしておきます」
「そうしてくれるかい。僕の方も気を付けるから」
それって態度に出さないだけって意味で言ってそうなんだけど、魔法世界の住人って選民思想なんか?
「それでは俺の方の話ですね。出来れば途中で遮らずに最後まで聞いて下さい」
そう言って今度は俺の情報を開示するのだった
・
・
一通りこちらの事情を話し終わったところで眼鏡を外してただのデスになったタカハタ教諭が目頭を押さえて溜息一つ
「三年に進級したんだから中二病は卒業した方がいいと思うよ」
デスヨネー
自分でも他人が転生とか言い出したら同じような反応する。だから言いたくなかった!!
だが何か思い当たる事があるのか学園長の反応は少し違った。ひょっとして前例があるのだろうか?
「それを証明できるのかの」
「無理ですね。自分で言うのもなんですが洗脳か何かでそう信じ込まされているって方がまだ信憑性がありますね」
「じゃが本来なら君が知り得ない事柄が幾つかあった。西でも余り知られていない古い記録じゃ。勿論君が言う通り西でそれを知り得る誰かが仕込んだ偽の記憶という可能性も有る」
先程話しながら即興で書いた古い形式の霊符が効いたようだ。あと京都近辺の高位妖怪等の封印の情報とかも渡したところ幾つかが秘匿されている封印とドンピシャだったから残りも確認するそうだ。意外とフットワーク軽いな
「そうですよ、それならば説明も付く」
「高畑君、確かに説明は付くがわざわざそれを行う理由がない。手の者を送り込むにしてももう少し説得力がある欺瞞をするじゃろうな」
「それは……そうですが。だからと言ってとても信じられる話では」
「それが実は少し心当たりが有っての、横嶋君に関する情報を提供してくれた御仁から別人の話じゃが前世の記憶持ちという同様の事例を聞いている」
まさかもう一人の転生者!?
これは調子に乗らなくて正解だったかもしれん
「真偽の程も確認する方法は考えてあるからの。先ずは報告…「っ!? 特殊干渉かっ!!」
自身の力でレジスト出来ない干渉系やそもそもノウハウが無くて防げない類の特殊攻撃に対するお守り替わりの文珠が反応して何かを弾いたっ!!
話を聞いている途中だが思わず声を上げ咄嗟に立ち上がった俺は文珠の反応した方向に向き直…くそっ、アクティブ系の警戒は逆に能力が露見する恐れがあるから今までパッシブ主体の警戒しかしてなかったのが癖になっている。正体バレたんだから最低限の警戒はしておくべきだった。霊視すりゃ一発だ!!部屋の隅に魔法で隠れている奴が居た
立ち上がると同時に咄嗟に左手にサイキックソーサー、右手に霊波刀を展開した俺に反応したデス眼鏡が迎撃態勢を取ろうとしたようだが、俺の視線が明後日を向いて居るのに気付き警戒をそちらに向けたようだ。つまりデス眼鏡はグルでは無い。学園長は……無反応、クロかっ!!
「その物騒な光を消してくれませんか。以前タダオの不興を買って滅ぼされそうになった時の事を思い出しますので」
空間が揺らいで姿を現したのはローブ姿の優男だった。デス眼鏡は動揺?つまりここに居るのが意外な人物なのか?
しかし、コイツ人の形をしているが……人じゃ無いナニかだ。霊波刀を見て滅ぼされそうと言うからには……まて、今コイツなんて言った。タダオ?滅ぼされる?
コイツは横島忠夫の事を知っているのか?
その霊能力を含めて……
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横島忠夫と俺
「はじめまして、私の名前はアルビレオ・イマ。先ほど話題に上がった
「……アル、何時から麻帆良に?」
「お久しぶりですタカミチ、その件については後日時間を取りますので今は下がっていて貰えますか」
俺に声を掛けてきたアルビレオ・イマとやらに質問をするタカハタ先生、だが静かだが有無を言わせない調子で黙らせる。つまり力関係はコイツが上か
「その英雄さんが俺に何の用ですか? いきなり何らかの魔法干渉を仕掛けてこられては攻撃されたかと勘違いされますよ」
「横嶋君!! そのような言い方は」
「落ち着いて下さいタカミチ、彼の言う事ももっともですよ。先程監視の話をした時に疑っていないと言って、裏ではこの仕打ちですからね」
「わかってんならやるんじゃねーよ。少なくとも俺は協力的に振る舞ったんだから調査目的なら正面から来い」
「これは手厳しい、ですが不意打ちだからこそ判る事もあります。君の実力の一端と、直ぐに実力行使に出ないで先ず会話から入る冷静さ等ですね」
飄々と返してきた。愉悦系か? 相性が悪そうだな
「横島忠夫は問答無用で切り掛かったんじゃないか? 俺なら切り掛かられても対応出来る自信があったのか?」
「あの時は"死"と言うモノを実感しましたよ。ナギとラカンの必死のとりなしがなければ滅ぼされていたでしょうね」
「そんな目に遭って懲りてないんかよ…」
「これは性分でして、既に人では無い事は気が付いているのでしょう。在り方といいますか存在意義ですからどうしようもありません」
「開き直りかよ、言葉が通じるから意思疎通が出来ると思ったのが間違いか。思考形態から別物じゃお互い分かり合えんわな」
「そういうことですね。そういえばタダオも疲れた顔で同じように溢してましたね」
「ああ、先ほどの呪符を見せていただけませんか。私も判別くらいは出来ますので」
そう言って学園長から俺が書いた霊符を受け取るアルビレオ何某
ああ、そういや学園長もグルだったか。ちょっとお袋に電話するか
「まてまて、待つんじゃ!! まさかと思うがご両親へ連絡するつもりか!?」
携帯電話を取り出した俺に慌てて待ったを掛ける学園長
「勿論です。裏とやらを知っているなら遠慮する必要も無いですし、転校も視野に入れて話し合います」
「落ち着てくれんかの。ワシの方は悪気は無いんじゃが、アルビレオ殿に頭を下げて頼まれては否とは言えんでの…」
こいつが頭を下げた? そういうタイプには見えないんだが……
何か俺に関する相応の理由が有るという事なのか? 俺に覚えが無い以上は横島忠夫絡みか? 厄介な
しかし当の本人は俺の視線など気にせずにいる。"横島忠夫"に比べればってところか
「なるほど、タダオが私達の為に書いてくれた物と同じですね。しかし筆跡まで似るものでしょうか?」
「関西でも唯一婿殿だけが書ける古式の呪符なのじゃが、やはりそうじゃったか」
「まってくれアル!! 治療符や結界符は詠春さんが書いていたのでは!?」
「ええ、タダオに習って書いていましたよ。もっとも九割はタダオが鼻歌交じりに書いていましたが」
「婿殿に聞いておったが真実じゃったか。横島殿に鍛えられたお陰で今の関西呪術協会の長を周囲に舐められずに務められると溢しておったわい」
「このクラスだと一時間は掛かると言っておったが横嶋君はどうかの?」
「ちゃんと使える様に書くならそれくらいは必要ですね」
特に霊力も込めず形だけの見本だからサラサラと書けたが、ちゃんと効果がある呪符を書くにはそれなりに時間は掛かる。それを鼻歌交じりで量産とかバケモノかよ
「ふむ、本来ならその年で関西の長である詠春と同等なのを流石と言うべきなのでしょうが、タダオの後継と見ると足りませんね」
どうして英雄様が態々接触して来たかと思えば案の定YOKOSHIMA案件だったよ!!
多分今の俺は凄く嫌そうな顔をしていると思う。
アルビレオ何某には霊波刀に対する恐れがあった。おそらくは横島忠夫は躊躇なく滅ぼそうとしたのだろう。ならばスレ島さんの可能性が高いと思われる。
そしてスレ島さんなら態々英雄様に同行するとは思えない。おそらく何等かの取引があったと考えられる。
その何等かを横島忠夫が履行出来なくなったので同種の異能持ちと当たりを付けた俺に代役を求めているのだ。つまり俺には関係ないじゃん!!
「先程貴方が魔法干渉と誤認したのがこの『イノチノシヘン』です。このアーティファクトは対象の半生を記録するのですが、使用する為には対象と対面して名前を聞き出す事と儀式が必要なのです」
「ですので今回は飽くまで貴方を観察するに止めて、後日接触を持つかどうかの判断材料にする予定でした。ですが、私の意に反して自動的に起動して貴方に干渉をしたのです。もっとも貴方が何らかの妨害をしたので停止しましたが」
なんだそりゃ? 学園長やタカハタ先生が怪訝な顔をしている所を見るに異常事態なのか?
そして改めてアルビレオ何某はカードを取り出してアーティファクトを呼び出す。アレって確か儀式でキスするんだよな、その、ネギの父親とやらとか? えっ?ネギ魔って少年漫画の皮を被ったBL漫画なのか!?
俺の慄きを余所に話は進んで行く
「そしてこの本なのですが」
そう言って周囲を漂う中から唯一翡翠色に輝く一冊を手に取る。アレは霊力か?
「実はタダオを怒らせた原因でして、タダオに騙し討ちのような形で作成したところ怒りを買ってしまい危うく滅ぼされるところでした。その時は黒く染まって使用不可の状態だったのですが、貴方と出会って活性化したようです」
「おそらくは使えという事なのでしょう。タダオは貴方の存在を予期していたのでしょうか?」
「それでは覚悟はよろしいしょうか?私は出来てます。 では行きますね、ここからはタダオが説明してくれると思います」
そう言ったアルビレオ・イマは覚悟したと言ったのに少し躊躇した後、翡翠色に輝く本に挟んだ栞を引き抜いた
爆発的な翡翠色の霊光が部屋を満たした直後、
「おー、学生時代の俺に似てるな。でも何か混ざっているか? 奴が作った平行世界だし差異は当然だろうが……なんかありそうだな、気の毒に」
光の中から現れた男は俺を見るなりそう言った。前世の漫画で見たままのジージャンにバンダナの古臭いファッションの男がそこに居た。
一級の霊能者にそんな事言われるなんて予言染みてものっそ不吉なんですけどぉ!
「ちょっと待て、今現状を確認しているから……しくじりやがったか。詠春が切り札だって忠告無視しやがって、あのメンバーはナギを中心に纏まっていたから追い詰められると心理的にナギに頼るのは必然かもしれんが……」
「俺が呼び出されたって事は本体は健在だろうが……」
記憶を辿るような仕草の後、おそらくは依り代であるアルビレオ・イマの記憶を読み現状を把握したのか何かに納得しつつ文珠を数個作り出す横島忠夫。存在が薄れた所を見るに本に事前に霊力を充填してあってそれを利用して顕現しているのだろう。ただコイツが俺と同程度の知識持ちならこの霊地・麻帆良なら
「ああ、お前も見ているのか。宇宙にも太陽方向から流れてくる剥き出しの
そこでは世界樹の役割りは
「これで良しっと、今俺が使った分はこれで大地に回収出来るし、アルにも補充したから問題無いだろ。流石にこれでアルに消滅されるのも困るからな」
何か異世界の話しっぽい雑談の最後に割と物騒な事を言い放った。背後で置いてけぼりの二人も動揺しているようだ。この横島ドライ過ぎんか?
「あっ、あんたまさか依り代使い潰す勢いで力使ったんかよ……元仲間じゃなかったっけ?」
「ああん? こいつにゃ人の過去勝手に覗こうとした件で貸しがあんだよ、ちゃんと回復させたから文句は言わせねえよ」
やべぇ、スレ島さんで確定だわ
こりゃ怒らせたらラスボス化してたな……、英雄さん達で止められたのなら未だ人類を見捨ててはないんだろうが
「それで本命はこれだな、今さっき本体から届いた」
そう言って横島忠夫が取り出したのは(継/承)の二文字が入った陰陽模様の文珠、はいきました、この人押し付ける気満々ですね。
でもどう考えても抵抗しても勝ち目無いから受けるしかない。絶望した!!
つーか横島忠夫本人はつまりエーテル・ストリームとやらの先に居るんかよ!!宇宙に居るんかっ……よく考えたらGSじゃ別に宇宙に居ても珍しくもなかったよ!!
「じゃっ、そういうわけで後は好きにしろ。ただアルの奴に貸し作れば後ろ盾になってくれるだろうから出来ればコイツの願いを聞いてやってくれ」
原作並みにコロコロ変わる表情とは裏腹にずっと冷たい光を灯していた目が初めて緩んだので油断した
そう言った横島は有無を言わさず俺の頭に文珠を叩き込んで消えていったのだ
「ぐっ、こ、ころ、死ぬっ、消える、上書きされ……」
何というか、詰めの甘さは横島忠夫だわ、人間の範疇を超えた横島忠夫の文珠に込められた霊基構造は人間の俺を凌駕する。つまり過ぎた力は身を滅ぼす状態なわけで
本気で死ぬかと思った。実際半分は横島忠夫に塗り替えられて死んだも同然だ!殺す気かよ!!
いやかなり綱渡りだったのだが、俺の魂魄の「魂」が二人分あったからギリ耐えられたんだ。ぶっちゃけ輪廻の外からの「魂」を犠牲にして「魄」から切り離して外付けみたいな形にして注ぎ込まれた霊基構造の大半をそちらに押し付けて何とか乗り切ったのが実情だ。
敢えて何かに例えるとすれば神降ろしに近い状態で制御をしくじれば人間なぞ簡単に消滅する。これを何とか少しずつ自分の物にするのが当面の目標だ。なんというか仙人にでもなりそうだな
俺が目覚めるまでに一週間を要した。
事が魔法世界の英雄、
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心眼と俺
「ふ… 学校か… 久しぶりだぜ」
「横嶋…!?」「横嶋クンだ!」「何!? 横嶋!?」
「あいつまだ学校やめてなかったのか!?」
体調も回復して久し振りに登校したのだがえらい言われようである。
まあ三年に進級していきなり始業式の翌日から一週間以上も休めば辞めたかと言われても無理もないか?
「なんでも一年生に強引に迫って広域指導員に補導されて反省室に入ってたとか…」
「違うよ、デス眼鏡にぶっ飛ばされて入院していたそうだよ」
「いや、俺が聞いた話では…」
「本人の前であることないことウワサしてんじゃねー!!」
厳密には女子中等部一年生のマクダウェル先輩*1に迫ったのは事実だから微妙に合ってるんだが
中には気さくに声を掛けてくれる連中も居る。何故か妙に絡んでくる体育会系・武闘派の面々だ
「おー、忠雄ちんお久」
「もう体はいいのか?」
「おう、かなり強く頭打ったから念の為に検査をしてただけだからな」
俺って一応は文系部活だったんだけどなぁ、何でコイツらとつるんでんだろ?
「ふむ、漢のアイテムである鉢巻きをして登校とは漸くこちら側に来る気になったか?」
「バンダナな、傷隠しなんだよ」
ほら、とバンダナをずらして額に出来た縫い目が残る傷口を見せる。学園長室でぶっ倒れた時にぶつけて切れた傷だ。
「むっ、もしや入院の原因なのか? それは悪い事を言った」
気にしてねーよとヒラヒラと手を振り自席に着いて鞄の中から朝飯のアンパンと牛乳を取り出しパクついていると予鈴が鳴る
暫くして教室に現れたグラヒゲは俺を見るなり
「横嶋か、漸く復帰したか。現場で対応した先生方から報告は受けているが…プッ、俺も生で見たか…いや災難だったな」
「オイコラ!! 教師が生徒の失恋笑ってんじゃねーよ!! しまいにゃグレるぞゴラァ!!」
ひょっとしてこの先も事ある毎に「魔法世界のナマハゲに告白して振られた男」と笑われるんか!?
魔法生徒の件断って正解だったぜ……
心眼と俺
目を覚ますと何処かわからないが空気は澄んでいて
剥き出しの木の根の様な物から推測するに世界樹の下、図書館迷宮の下層だろうか?
周囲を見渡せば椅子に腰かけて眠る様に休んでいるアルビレオ・イマ、アレの依り代を務めたのだから寝込んでないだけマシだろう。最も俺の方がヤバイ物を宿す破目になったわけだが。
しかしアルビレオ・イマは横島忠夫が説明してくれると言ったが結局何も聞いていない。
と思えば勝手に励起する
『ふむ、どうやら起きたようだな。正直スマンカッタ』
俺と目が合うなり重々しく声を掛けてきたが、その後は酷く軽く謝られた
「横島忠夫でいいのか?」
『正確には横島忠夫の霊基情報から構成された制御用の疑似人格だな。
ただ切り離す際のベースとなったの「魂」の前世の影響というか最後の足掻きだろう、こちらの人格形成に干渉して結局別の人格が生まれた』
それで俺に害を及ぼさないで助けになる人格のイメージだろうか? 心眼擬きが生まれたわけか。なるほど、まさに最後の意地だな
『これは完全に横島忠夫のミスだ、自身が魔神を降ろしても*2何事もなく済んだものだから、高位霊体との接触の危険性について認識不足であった』
「勘弁しろよ…、あっちのアルビレオ・イマも結構ダメージ深そうだぞ」
『そうだな、だがあちらは自身で望んで行った事。詫びるのはただの傲慢であり、彼の者に対する侮辱であろう』
「ええ、その通りです」
どうやら起きてはいたようだ、こちらの会話に加わってきた。
「えっと、どの程度認識しています?」
「あの場で起きた事は理解出来ています。あなた方が扱う力の結晶、『文珠』でしたか? もう何個か貴方の中に入れていましたよ」
「あー、客観的内容じゃなくて主観的に認識出来るんですね」
こちらの秘密も有る程度筒抜けになるわけか、確かにそれを承知なら無理をしたからといって心配するのは違うな。寧ろリスクを負うのは当然か
つーわけで意識下にあった数個の文珠の中で(情/報)を使用して少しずつ取り込んで行く。
「こりゃ文珠で渡して正解だわ、麻帆良がどの程度の情報を持ってるか判らん以上はあの場で話す内容じゃねーな。単純に情報量的に口頭では無理ってのも有るけど」
三行でまとめるなら
① 神様転生どころか神殺ししそうな人間(魔神殺し実績有り)の後継者に指名されたでゴザル
……いや絶対元世界で下級神辺りを何柱か殺ってるだろ。
② 魔法世界の横島忠夫はただのスレ島系来訪者ではなく、複数の世界を跨いだプレインズウォーカー*3の類だった
……いや絶対渡った先でも何柱か殺ってるだろ。
③ ライフメーカー(アダム・ヨコシマ)を成仏させて苦しみから開放してやれ
……俺にも神殺しをしろとおっしゃるか、いや絶対返り討ちになるだろ。
この世界はネギ魔とやらの皮を被ったGS世界であり、アシュタロスが勝利した世界*4だ。この世界の横島忠夫はルシオラとの愛に生きる寝返りルートで結果アシュタロスサイドが勝利。つまりラスボスって俺みたいなパチモンじゃなくてアシュタロスの世界創世前の正真正銘オリジナルかよ!!
つーか魔法世界を舞台にYOKOSHIM大戦やってたって事!? 巻き込むんじゃねーよ!!
この上原作始まったら今度は新しいYOKOSHIMAが麻帆良に来訪するんじゃねーの!? 既に関西とかイギリスに居るパターンもあり得るぞ!?(うろ覚え二次知識)いっそEMIYAとかSHIROUが来れば丸投げしてやるのに
「それではそろそろ私の話を聞いていただけませんか?」
ああ、何も知らないせいかこの場で冷静なコイツが憎い、八つ当たりなのはわかるけど
「そーッスね、同じ情報でも主観で捉え方も変わりますから序にすり合わせもしますか」
・
・
推測通りアルビレオ・イマの願いはライフメーカーからナギ・スプリングフィールドの解放で、そのライフメーカーについては世界樹地下最下層に厳重に封印されている。
現場を確認してみたところこの世界の物では無いヤバ気な感じの封印でこのまま千年も放置すれば中の人も擦り減って消滅するんじゃなかろうか?
これはアルビレオ・イマも寝耳に水で、どうやらあの日コピー横島が行った一連の作業の一つがコレだったようだ。なるほど、俺には好きにしろと言うわけだ。
「それは困ります。なんとかなりませんか?」
アルビレオ・イマが確認してみて自身では解けない強固な封印に冷や汗を搔きつつ俺に言う
「俺に死ねと?」
いや中の人見て思ったけどなんでナギ・スプリングフィールドはあんなバケモノ抑え込めるの!? メンタル強過ぎぃ!?
俺がアレに憑かれたら確実に乗っ取られる自信が有る。相性良過ぎるってのもあるけど基本的に霊格で負けてるし霊能者としても年期が違い過ぎる。
あんなんと殺り合った(実は横島が
一応は切り札としてコピー横島が残してくれた
出身世界で何が有ったか知りたくもないが、対神術式から読み取れる神魔族絶対殺すという執念というか妄執というか殺意がヤバ過ぎてキロ島さんの七つの霊波刀なんて可愛く思えるわ。ダークサイド横島怖い
可能性としては、今現在『心眼』として切り離してある『来訪者・横島忠夫』の霊基を取り込めれば指先位は届くかもしれんが
これは年単位の修行が必要だな。大学院までで済めばいいけど
最悪俺も界渡りして高位霊体との戦闘経験稼がんとダメかも……
「とにかく俺もこのままだと拙い予感がするので修行してみますけど、その間は雑音カットする為に後ろ盾頼みますよ!!」
「やっていただけますか。後見人についてはお任せ下さい」
こうして対外的にはアルビレオ・イマの弟子となった俺は、図書委員に就任して足繁く図書館地下迷宮へ通うのであった。
実際の師匠はバンダナに憑りついた心眼だけどな!!
最後駆け足ですが(偽)ネギま!世界のYOKOSHIMAの事情でした。
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先輩と私
「あっ、どっかで見た概念と思えばこれTILTEだわ」
放課後の委員会活動の片手間、空き時間に個人的な作業をしていたのだがちょっとした気付きに声が出てしまった。しかしその場には俺以外の人間も居て、その俺の声を聴いた図書館探検部一年生が反応したのだ。何故かこいつら勝手知ったるとばかりに図書委員の控え室の片隅で寛いでいる。
「先輩、備品のパソコンと睨めっこして何をしてるかと思えばゲームだったとは感心しませんね」
「しかもウィザードリィとは私達図書館探検部に対する当て付けですか?」
「いんや、
「どちらにしろ迷宮物ではないですか。
いえ先日遭難した際にはご迷惑をお掛けしたのは自覚しておりますが、いささか陰湿ではありませんか?」
「だからゲームちゃうと、それにしてもこれが通じるあたり綾瀬後輩は年齢詐称を疑いたくなるんだが?
あと自覚あるんなら君たちの班は少しは活動控えろ」
「う~ん、いくらウチと先輩の仲でもそのお願いは聞けへんわ~」
「仲もなにも学園長通じて顔見知りってだけだろうが、学園長の孫だからって俺は手加減せんぞ」
「でもお父様も手元に欲しいって言うてんよ。ほら、将来の上司の娘や❤」
どうやら学園長へ卸している治療符や結界符の情報が洩れているらしい。勘弁しろっつーかそもそも西の長が仕留め損ねたから俺が苦労してるわけで
「俺は関西へ行くなんて一言も言ってないぞ…」
「でもお爺ちゃんも家への就職を進めておったやん」
「それもこれも全て断っただろうが」
「夕映で良くてもウチじゃ駄目なん? ウチくらい育ったら駄目なんて先輩は筋金入りのロリコンなんやなー」
「なんでそうなるんだよ」
「そうです。そして遠回しに人の体型をディスらないで下さい」
対外的にだが英雄に弟子入りした以上は将来的には接触するだろうと覚悟はしていた。だが偶々学園長と会った際にヒロインとの縁が出来てしまったのだ。なにか作為的なモノを感じるのだが学園長も狸なんで確証は無い。
因みに見合いは断った!!
いやだって高島を罠に嵌めた六道の娘とそっくしなんだもの、影の中で十二神将もざわついていたから近衛には六道の血が入っていてそれが彼女には強く出たのだろう。
オマケにあの禍つ鳥には辻斬りされかけるし、刹那子さんって二次設定じゃなかったんかい!!
全くこちらの話を聞く様子が無い態度にちょっとムカついたので、解析中の対神呪法から読み取れた部分を使って即興で組んだ封神結界で隔離してやったら恐怖で上下から水分放出する事になり、騒ぎを察知して駆けつけて来た葛葉先生に遣り過ぎと怒られた
そもそもホウレンソウはちゃんとしとけよな。えっ?ちゃんと話したのに暴走したのか?自業自得じゃねーか!!(まさか俺の対応を見る為に敢えて桜咲刹那の暴走を見逃した?流石に考え過ぎか?)
まあそんな些事は捨て置いて、
決して泣いた先輩が見たいわけではないぞ、単なる術者としての好奇心だ
先輩と私
図書委員の控室のパソコンでなにやら外国語のテキストを読んでいる横嶋先輩、今年から図書委員へ就任した三年の先輩だ。
正直にいってやんちゃ坊主の様な雰囲気でとても本など読みそうに見えないのだが、意外な事に語学に堪能で外国語や古語を原書で読むインテリだ。面倒見も良くのどかの様な男性が苦手なタイプとも根気よく付き合って話を聞いてくれるので私達下級生からは頼りにされる先輩なのだ。
ただ私達中等部一年の間では別の意味でも有名人でして、その噂が理由で私も最初の頃は距離を置いていたのですが…
「おんやぁ、夕映ってば不機嫌ですねぇ」
「不機嫌やなぁ」
「なんだ、夕映も満更じゃないんだね。先輩もあれで語学力高いインテリだからお似合いだと思うけど」
「二人とも何をハルナに影響されて頭が沸いた事を言ってますか!
私は別に先輩の事など意識しているわけではありませんよ!!」
「ちょっ、それ酷くない!?」
「普段からラブ臭などと怪しげな事ばかり言っているからです」
私の気持ちでは只の先輩なのですが、このように周囲が面白おかしく囃したててくれます。
二年の終わりに卒業する上級生、私達の入学式の日にエヴァンジェリンさん、そして図書委員になってからは私とこの二ヶ月間にアプローチを掛けた女性は全て幼い容姿の女性であった為に、その事でロリコンと噂がたっているのです。
そもそも先輩がエヴァンジェリンさんに迫った件について納得出来る説明を受けてもいないのにモーションを掛けられても納得は行きません。
勿論先輩がエヴァンジェリンさんの代わりに同程度の成長具合の私に声を掛ける様な不誠実な人と思っているわけではありません。ですが年頃の男性というものが女性に飢えているというのも事実である事は他の男性を観察すれば確定的に明らかです。故に先輩の態度が本気か否か判断に迷うのも無理は無きにしも非ずでして……
「また夕映が考え込んでる」
「悩むって時点で脈はあるでしょ。先輩!ここが勝負所ですよ!!」
「いやお前ら引っ掻き回さんでくれよ。別に返事は急いで無いから」
「しっかし先輩ってやっぱり幼い娘が好みなわけ? 私みたいにオッパイあるのは駄目? なんならロリコン治療に揉んでみる?」
「いや中一って時点で同じだろうが……
そういや後輩のクラスって年齢詐称疑惑が酷いって言われてたっけ?」
「そうそう、これがまたお前ら大学生じゃねーのって感じのドスケベボディが三人も居てね」
「委員長も入れれば四人じゃないかな?」
「そういやこないだ幼学舎の近くで中等部の制服着たお姉さんが居たな。そんときゃ卒業しても着るんかよって思ったけどアレは現役だったのか?
アレくらい立派なボディを好きに出来るならロリコンの誹りを受ける価値はあるかもな」
「うわ先輩サイテー」「エッチなのはイケないです」
「そもそも早乙女後輩が「揉む?」って聞いてきたんだろうが!!
中一女子相手に猥談する俺も問題だけどお前らなんだかんだで食いついてくるよな!?」
「そのお姉さんって多分那波さんやわ。小学校の頃からランドセル似合わないんで苦労してたさかい」
「へ~、違う意味で興味出てきたな。あそこの金融部門が妙な所に投資してんだよなぁ」
「っと、時間だから巡回行かんとな。お前らここで本読むならいいけど持って帰んなよ。まだタグとか付ける前や修繕する予定の本だから」
「「は~い!」」「ほら夕映、先輩行っちゃうよ」
「はっ!? 先輩どちらへ?」
「巡回な、あと序に修繕済んだ本を棚に戻してくるわ」
「お仕事でしたか。ご苦労様です」
「おう、行ってくら~」
そう軽く言って先輩は本を満載にしたワゴンを押して出て行きました。
手先が器用な先輩は個人的に古書の類を所持しており自分で修繕をしていたそうです。そして学園長にその修繕技術を買われて図書委員へ就任したそうです。
人は見かけによらないと言いますが、まさにその見本の様な先輩はこうして放課後はこの部屋で傷んだ本の修繕をしています。
私は本を大切に扱うその作業を見るのが好きで最近はこの作業部屋に入り浸っていました。男性が苦手なのどかが先輩には普通に接する事が出来る様になったのも先輩のそんな作業の様子を私と一緒に見学していたからでしょう。
悪い人ではないんです。普段は私が嫌うようなやんちゃな振る舞いをしますが、仕事に関しては丁寧に行う好ましい人なのです。
これで女性に関する事をきっちりとして頂けるのでしたら私も真剣に考えなくもないのですが。
閑話でした。
ここまでがプロローグでして、次回より本編に入ります。
それに伴いタイトルも変更される予定です。
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第一章「その日、私達の運命の歯車が噛み合う音が聞こえた」
その日、私達の運命の歯車が噛み合う音がした。
横嶋を進学させるのを忘れてた為に時間軸がおかしくなっていました。
修整しましたので原作開始時点で横嶋16歳、アリサ9歳になっています。
あれから俺は世界樹地下下層に敷かれた結界内で修行をしつつ、アルビレオ・イマから魔法使い的な常識等の指導を受けていた。とはいえ彼は魔法世界の出身なので麻帆良における注意点等は同級生の魔法生徒達やグラヒゲ等の教師陣に聞く必要があるのだが。
また修行の一環で量産した治療符や結界符を学園長へ渡して裏の方でもそれなりの信用と地位を得てもいた。気のせいか関西(近衛後輩)からのラブコールが増した気がせんでもない。
そんな俺が気にしている事が有る。アルビレオ・イマや学園長に話せば冗談か気が狂ったと思われそうだが、割と真剣に三人目のYOKOSHIMAが現れないかと心配しているのだ。二度ある事はじゃないが平行世界の存在が確定した以上は確率はゼロじゃない。そしてこの手の事象に限って確率とか無視するが如く引き当てるのがYOKOSHIMAだと思う。
そんなわけで麻帆良以外で出現ポイントになりそうな京都やイギリスでの情報収集については幾つか案があるので後は実行するだけだ。なお魔法世界についてはどうせD横島*1が外からモニターしてるだろうから無視する。
イギリスだが恐らくだが魔法世界へのゲートと近い場所と思われるので地図と航空・衛星写真と龍脈とを照らし合わせて推測をする。何だかんだ人が住む以上は自給自足を徹底しない限りは外部と接触はある。確か郵便も届くらしいので人間の文明圏に含まれるのは確定だな
ゲートなんて大規模な術式を扱う以上はそれなりの龍脈の太い部分、所謂パワースポットなんかを中心に調査すれば良い。ぶっちゃけ俺なら外国でも龍脈周辺に限ってだが縮地で移動出来るからな。つーわけでメルディアナ魔法学校とやらを中心に周辺の調査をしようと計画を立てていたところアルビレオ・イマが同行すると言い出した。
なんでもナギ・スプリングフィールドの息子の様子を確認したいそうだ。一応は高畑先生も何度か会いに行っているらしいが普段の様子を自身の目で見てみたいと。
「でしたら最初から場所を教えてくれてもいいんじゃないですかねぇ?」
「いえいえ、私に相談せずに何か始めたのは横嶋君ですから。科学と魔法を併用した調査の手並みについては大変興味深い物でした」
「それを見て目的を察したと、まあ人に聞かずに自力で調べるのを選んだのは俺ですからいいですけど」
「因みに質問ですが京都にも行くのですか?」
「そっちは来月の修学旅行で正々堂々乗り込みますから連れていけませんよ」
事前の準備を考えるとイギリス行きの方は学際後かな?
念の為に少しはレベルアップしときたいし。
「それは残念ですね。てっきり古い陰陽道の知識を手土産に詠春へ娘さんを下さいと挨拶しに行くのかと思いました。
ぜひ貴方と詠春の修羅場を見学したかったんですが」
「…なんでそうなるんすか。学校行事で行くから自由に動けないんで余計な予定は無いっすよ」
「何度か見かけましたが彼女の方は満更でもないようでしたよ。
世間一般、そして裏でも高嶺の花の彼女ですが、関西に大きな利益をもたらせる貴方なら手を伸ばせば届く女性でしょう。
「もう追いかけてねーからほっとけ!!」
それから一年経ち高校生になった。
とある目的の為に半年程の時間を根回しに費やす羽目になった。現状問題が有るとすれば関西の長に借りが出来た事だが必要経費と割り切る事にする。ぶっちゃけ二次知識だが来年春頃に借りを返す機会があるからそれでチャラに出来るハズだ。
その日、私達の運命の歯車が噛み合う音がした。
アリサ・スプリングフィールドは転生者である。
主人公であるネギ・スプリングフィールドの双子の妹、外見的特徴は父親ではなく母親似で両親譲りの莫大な魔力と才能に加えて魔法無効化能力まで持った地雷要素満載のテンプレ転生者だ。
中の人は神に遭った記憶は無く、死に瀕したショックで唐突に思い出したのだ。
前世の彼女は身体が弱く、正確に言えば当時の医学では治療が難しい病気を患っていて人生の半分以上を病院で過ごしていた。
学校へは碌に通えない為に友人には恵まれず、漫画等のサブカルチャーへと傾倒していったのは必然であろう。携帯電話等のモバイル通信も普及し始めてはいたが、話し相手が居ない彼女にとっては無用の代物であった。変わりといっては何だが、当時そこそこ普及していたインターネットの世界こそが彼女のホームグラウンドで、大好きな漫画の情報を集めるうちに二次創作の世界へと踏み込んでしまったのは必然だったのだろうか?
確かに傍から見れば道を踏み外す行為だったのだが、その知識こそが今の彼女をギリギリだが持ち堪えさせる為の力となったのは皮肉である。
村で暮らして居た頃の私達はそれなりに上手くやっていたと思う。
その頃は未だ生前の記憶には目覚める前であったが、私は兄よりも物覚えは良くて魔法も直ぐに使えるようになった。それが兄のプライドを刺激して彼が拗ねる事はあったが喧嘩するような事は無かった。
また周囲の人間は父親に似た兄に期待を向けていた為に、子供なりにそれを感じとった兄は優越感を感じていたのかもしれない。兄が父親へ傾倒していった原因と考えると恨み言の一つ二つもある。
生前読んだ二次創作のパターンでは兄弟・妹転生のテンプレだとオリ主はネギよりも石化解除に拘るのものだが、兄を歪めた原因の一つと思うと私には無理そうだ。
現実問題として現状の私に余裕が無いのも理由ですけど。
私は悪魔の襲撃の際に攻撃魔法に巻き込まれて負った負傷のせいか、魔力の放出に問題が起きて出力が一般魔法使い程度まで下がってしまった。
保有魔力はそのままなのでスタミナの面では問題は無いが、兄と比較されると出力に劣る私は落ちこぼれとなるらしい。
私を落ちこぼれとなじる魔法使い達と然程変わらないのにだ。
彼等より精神的には年上といっても入院生活ばかりで人付き合いは無いまま十三歳で死んだ私には圧倒的に経験が足りない。これは後で聞いた話だが、当時の事を調べてくれた横嶋さんによると兄に対する周囲の不満を向けるスケープゴートとして利用されていたらしい。
また、この先兄がお世話になるであろう神楽坂明日菜(叔母)同様にどうやら私にも完全魔法無効化能力を持つ可能性が有る。
現状魔力を十全に扱えない関係で気と供に確認してみたところ小規模ではあるが抵抗や消失が可能であった。ただ魔法無効化能力は私にとっては切り札であると同時に命を狙われる理由になりえると原作知識から予想される為確認する場合も秘匿には気を使った。襲撃の時にこの力が使えていればもう少し状況は良かったかもしれない。だが現実は私に厳しかった。
村の襲撃から数日後、私が目覚めた時の事だ。
私を見舞いに来た兄は誇らしげに不吉な気配を発する杖を見せながら「お父さんがボクを助けてくれた」と私に言った。今にして思えば兄は直接杖を貰った事から多少の優越感はあれどそれ以外の他意は無く、寧ろ父親が生きている事伝えれば私も喜ぶだろうと元気付けに来たのだろう。
だが当時の私は自身の状況が危険な事を原作知識と二次創作から推測して余裕が無かった。ましてや私を拉致していた悪魔ごと吹き飛ばした風と雷の正体に思い当たった為に兄に対してキツイ物言いで当たってしまった。兄に罪は無いが呪文に巻き込まれて死にかけた身としては平常心ではいられなかったのだ。
その日から私と兄は他人になってしまったのだと思う。精神的には年上だが前世は入院生活ばかりで人生経験がさして無い私は未だ子供で、他者を慮るだけの強さを持ち合わせてはいなかった。
あと数日で卒業式を控えた日の事です
もっとも卒業するのは飛び級をした兄であり、私は座学は兄に負けてはいませんが実技が一般魔法使いレベルな為にスキップはしていませんので来年度も引き続き通う事になります。
そのような理由から兄と私を比較する周囲の目が煩わしくなって人気が無い場所まで逃げてきました。
特にする事も無いので前世の知識(フィクション)を生かして自主訓練をしています。体内で魔力を循環させてなんとか魔力放出を改善出来ないか試していますが芳しくはありません。
怪我の治療が済んで直ぐの事です。自身の症状について確認してみましたが、前例が無い上に治療師が見る限りは体に問題は無く、結局周囲の認識では私の魔力量は兄より劣る一般魔法使い程度となっています。もっと有ると言っても所詮は子供の言う事です。兄と比べられて癇癪を起しているとしか思われませんでした。
そのような理由から魔法使いでは私の治療は不可能と判断して、前世の記憶から幾つか効果が有りそうな修行法を手探りで試している現状です。大抵の創作物ではこの手の修行方法で上手く行くのですが、現実はそう都合良くはありません。ですが周囲の大人が信頼できない私にはコレしか無いのです。
「お嬢ちゃん、ソレやり方間違ってんぞ。どこのどいつだよ。そんな雑なやり方教えた奴は」
「えっ、だ、誰です…か……日本、人?」
そんな時に背後から急に声を掛けられた私は驚いて身構えてしまいました。ですが、私の目に映るその人影は
「おっ、日本人ってわかるのか?」
「だって、そのバンダナ」
その姿を見た私は一つの噂話を思い出しました。
何故か魔法学校で
ある日教師の一人が兄に比べて劣る私の事をまるで
「その歳で日本語も話せるとかすげーな。親も才能マンだったらしいから遺伝もあるんかね?」
「あの、その……、横島忠夫さんですよね。私を、私を助けて下さい!!」
初めて会ったその人に、私は恥も外聞なく縋りつきました。
この世界で一人ぼっちの私は、形は違えど一人ぼっちの異邦人であろう彼に縋りつきました。
二次創作では困っている女の子を助けてくれる。原作でも恋する女の子のヒーローだったこの人ならきっと私の事も……
「ああ、助けに来たぞ」
何か困ったように苦笑いしても、彼は縋りつく私に合わせてしゃがんで優しく抱き返してくれました。
そんな彼の胸の中で私は泣き出してしまい。子供にするように、安心させるように、優しく背中をポンポンと叩かれた私は泣き止む事も無く、そのまま疲れて寝てしまうまで縋りついて泣いていました。
ここからが本番なのにペースが落ちてしまいました。
あとタイトルが未だ思いつかないので暫らくそのままです。
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その時、私達の運命の歯車が廻る音がした。
修整しましたので原作開始時点で横嶋16歳、アリサ9歳になっています。
「これはこれは、随分遅いので迎えに来てみればお楽しみの最中でしたか?」
「何処をどう見たらそうなるんですか」
近くで行われた会話で目が覚めた私は身を起こす。今まで枕にしていたのは先程会ったばかりの横島忠夫さんの太股だったようだ。寝ぼけて働かない頭のまま、いつの間にか敷かれていた敷物の上で座り込んでもう一人の声の主を見上げて絶句してしまいました。
「アルビレオ……、イマ?」
「おや? 私の事をご存知でしたか」
「先程会ったネギ君にはスルーされたんですけどねぇ」と溢す彼の態度に私は自分のミスを悟りました。
どういうわけか私達兄妹に対して
そんな状況ですので、ネギの様に只のお客様として接するのが正しい反応だったのでしょう。ですが私は二人とも名前で呼んでしまいました。お二人がメルディアナ魔法学校の現状を知らなければ誤魔化せますが、先ほどの反応からある程度は気付いているようです。
「そういえば「横島忠夫」の事も知ってたな。この現状で情報を集める事が出来るとは、俺が思っている以上に強かなのかな?」
どこか他人事のような声色で話す横島さん。彼は先程助けに来たと言ってくれました。下手に誤魔化して不信感を与えるよりは信用して貰う為にも話してしまうべきでしょうか? ですが嘗ての仲間の娘がわけがわからない存在に取りつかれたなどと思われては。
彼らにしてみればライフメーカーの例が有りますから憑依という現象を理解出来るはずです。その場合は私の存在が原因でアリサ・スプリングフィールドが落ちこぼれになってしまったと考えられる可能性も有るのではないでしょうか……
「既に動き出したんだから悩むのは終わってからだな」
「さて、お姫様。君には二つ…いや三つだな、謝らないといけない事があるんだが聞いてくれるかい?」
「はい」
お道化たように振る舞いつつも真剣な目で此方をみる横島さんに私はそう答えるしかなかった。どの道どん詰まりの私の人生をどうにかするには彼を頼るしかないので「まず最初に誤解を解いておくが俺は横島忠夫じゃあないんだ」「へっ!?」
助けを求めてアルビレオ・イマさんを見れば彼は胡散臭い笑顔で面白そうに此方を見ているだけです。向き直った私に横島忠夫さん
「なんでか知らんが魔法関係者にはよく間違われるのだが、俺って40代に見えるんかね? そもそも大戦の頃って未だ生まれても居ないんだが」
「それは、その、魔族因子…じゃなくて魔法世界なら長命種とか年齢詐称薬とか色々と有りますので」
「ん? まぁいいか。
横島忠夫に見た目が似てるのはどうも遠縁らしいからだ。正真正銘の別人なんだが、今は後継として修行中だから君の希望になれると思う」
私の失言を軽く流して自己紹介を続ける彼の名前は……こう書くんだぜと翡翠色に輝く指先で宙に書かれた文字は『横嶋忠雄』
やっぱり彼はヨコシマタダオさんで、確かに誤解はあったけど、なんとなくだけど、私は彼に嘘を吐かれたわけではないと思った。
疲れ切っていた私に手を差し伸べてくれたこの人は横島忠夫ではないけれども、私のヒーローなのだから
その時、私達の運命の歯車が廻る音がした。
時は遡り中学三年の春、俺のクラスは修学旅行で京都へ行った。
俺自身はD横島から与えられた能力の一つであるゲームの様なメニューシステム*1があるので現地に入ってしまえば調査関係は片手間で出来る。もっとも地脈記憶から情報を習得するというマップ機能の仕様を知っていれば誤魔化す事は可能なのだが、俺が知る限りこの世界では未知の技術なので大丈夫だろう。
D横島が行方不明になった原因だがこれが複雑で、ナギ・スプリングフィールドに与えた特殊な式神が
今度はその穴の向こう側から入り込もうとした連中がいて、なんとかソレを押し返したがD横島本人も次元の狭間っぽい場所に落ちてしまう。その後は帰還する際に直接移動が不可能だった為に複数の世界を渡り歩いて来たそうだ。
その過程で訪れた世界でその世界固有の能力を手に入れるわ現地で神魔族殺すわ数段階位を上げるわで、最終的に普通に宗派で祭られるレベルの神魔族と戦闘をこなす化け物が誕生したわけだ。ぶっちゃけ今ならライフメーカーも瞬殺可能なんだが、むしろ外側から魔法世界を足掛かりに現世に入りこもうとする連中の方が数段ヤバくて手が離せないらしい。一体なにと戦ってるんだ…!?
そんなD横島のおこぼれで霊能以外の異能を得たんだが、ゲームみたいなこのシステムって出来る事が多くて呆れる程にチート*2なんだよな。
話を戻すがこちらの日程を学園長を通じて手に入れていたのか自由行動のタイミングで近衛詠春が接触して来た。幾ら関西呪術協会の御膝元だからって組織のトップがホイホイ顔出すのはどうかと思います。
なんでも桜咲刹那の件で一言言いたかったそうだ。俺がほんの少し前まで一般人だった為に、切り掛かられて過剰に反撃してしまったのも理解出来るし、通達を受けたにも拘らず一方的に敵視して仕掛けた側なので苦情で済ませるが、娘の護衛を駄目にしたのだから目に届く範囲でいいから気を付けてくれと言われた。
その苦情って恐らく桜咲刹那の行動を察知していても俺の力を見る為に放置していた学園長に言うべきじゃないですかねぇ?
「それを踏まえて娘の周囲に気を配って欲しくてお願いしているんですよ」
ああなるほどね、裏の事情に巻き込んで欲しくないから俺に対する釘刺しも兼ねてってわけね。
「多分それ無駄に終わるんじゃないでしょうか」
「どういう事でしょうか、何か掴んでいるのですか?」
「いえ全然、ただ予知は無理でも予想は出来ます。何時何が起きるかわからなくても、何れ騒動が起きると予想は出来ます」
「いったい何を言いたいのですか?」
「彼女のクラスって異常に多いんですよ。あれだけ集めれば騒動の一つや二つ起きても不思議じゃないでしょう?」
主語を省いたが言いたいことは伝わっただろう。クラスメイトの情報を何処まで把握しているか知らんが娘の同居人が誰かは知らんはずがあるまい。俺がアルビレオ・イマに師事している事と横島忠夫の関係者で有るとの情報も有るだろうから俺が魔法関係者だけではなく巫女についても言っているのも理解しているだろう。
その時はその程度のやり取りで終了した。
麻帆良に戻ってからは学祭期間に入る。
その時期の世界樹の高まった魔力を消費して地下遺跡の最下層の更に下に設置された元始風水盤(これは麻帆良側も把握していなかった。ご都合主義乙)を使用して一時的に麻帆良の結界内の法則に手を加えた。内容はとある因子を持つ俺以外には何の意味も無い物だ。
この短期間で本来はあり得ない程の強化を実現したのだが、それは飽くまでも肉体面であり、霊能力者としての格は上がっていない。もっともこの数か月は霊能力者としての成長が早過ぎて肉体面の成長が間に合ってなかったのでこれでトントンといったところである。
果たして何処から何処までがD横島の仕込みなのだろうか?
その他にD横島が残したアイテムや資産を回収した結果一生遊んで暮らせそうな財産を引き継ぐ事になったのだが、そもそも表の資産じゃ無いので裏の取引以外では迂闊に使う事も出来ん。多少は表での活動資金が欲しかったのだが中学生の身では現金化に手間取り必然的に学園長に頼らざるを得なかった。
そこまで準備して、まとまった活動時間を取れる夏季休暇中に俺達はイギリスへ不法入国をした。真っ当に移動したら時間が掛かるし足跡も残るから止むを得ないのだ。
件のネギ少年の日常を観察できて満足そうなアルビレオ・イマと対照的に俺は混乱していた
なぜならば原作(未読なので二次知識だが)には存在しないハズの妹が居たからである。
そうですか、警戒していた第三のYOKOSHIMAではなくまさかのオリ主登場ですか。俺は風雲拳の使い手ではないがブーメランが唸るぜ!!
彼女を観察していて思い出したが高畑先生から彼女の名前が出た事がなかった。疑問に思ってアルビレオ・イマに話を振って見れば珍しくばつが悪そうな顔をしている。ついついナギ・スプリングフィールドに似ているネギ・スプリングフィールドに肩入れしがちになるらしい。
因みに妹ちゃんは二股眉ではないものの母親似のようだ。普通の眉毛で良かったな、眉毛一つでも結構印象が違うからな
それにしても違和感があったので数日に亘って観察を続けたのだが……
魔法使いの子供が言う「立派な魔法使いに成りたい」って嘘だろ。虐めやってて何処が立派な魔法使いだよ
「率直に言ってどう思います?
俺は気持ち悪いって思うし、横島忠夫が見たら人間嫌いが加速しそうなんすけど」
横島忠夫は母親の方とは元々折り合いが悪い上に自分が別れてからの出来事を知ってからは完全に嫌っていたようだけど
母親に付いては自業自得って思ってるようだけど、娘には罪は無いからこの場合はどういう反応をするだろうか?
「助けたいのですか?」
「貴方はナギ・スプリングフィールドが解放された時に合わせる顔が有りますか?」
「そうですね、私達こそ率先して動くべきでした。しかしどうしましょうか?母親の時のように拐って逃げるわけにもいけませんし」
「あー、少し考えてみます。
手っ取り早いのは貴方のネームバリューに頼る事ですが、まだ弱いかな?」
「私が隠れているのには理由が有りますので手掛かりになるような事は避けたいのですが」
となるとあの人に頼るしかない? 結局俺が表立って動くわけかよ。
しゃーねーか、今日のところは接触は諦めて一端日本に帰りますか。
「すみませんが結局は貴方に頼る事になりそうです。根回しに関しては出来るだけ手伝わせて戴きますので」
「しかし横島忠夫は貴方を後ろ盾にと言ったけど、表立って動けない後ろ盾ってあんまり意味ないっすね」
「面目無い、この際詠春に鞍替えしますか?」
「現実問題この件はそうしなきゃならんでしょうよ。
ポン刀ってOSR値高くてオリ主っぽいから師匠替えも有りか?」
「そこは嘘でも否定して欲しかったですね」
それからは根回しに帆走した結果、俺は近衛詠春の名代としてアルビレオ・イマと二人でメルディアナ魔法学校の校長をノーアポで訪ねた。正式な方法だと俺からアルビレオ・イマの足取りを追われる可能性があるからだ。
俺が文珠まで使用して職員や出入りする人間の裏を取って、メガロメセンブリアの息の掛かった人間に気取られないタイミングで極秘に接触した。
英雄二人の名前の効果は絶大で、アリサ・スプリングフィールドの現状に思うところがあった校長も協力してくれる事になった。ただ普通に彼女をメルディアナ魔法学校から出すとメガロメセンブリアも相応の対応をしてくるので何らかの工作が必要となる。
そこで彼女には詠春さんの養女となってもらう方向で交渉をした。
かの英雄の戦友であるサムライマスターが残された英雄の忘れ形見を引き取ると言えば周囲も反対し難い。これがネギ・スプリングフィールドだったら次代の英雄候補を魔法使い以外に託すのに抵抗があっただろうが、魔力が並の彼女ならばそこまでの抵抗はない。更には彼女の状況をかなり正確に把握していたのかメガロメセンブリア元老院議員のクルト・ゲーデル氏から後押しもあり何とか話しも纏まった。その流れで俺も何度か非公式にだがメッセンジャーとしてゲーデル氏を訪ねている。
なおゲーデル氏はガトウという有名諜報員が派手に動いている(顔が売れている時点で間諜としては致命的だったので逆に囮として動いていた)裏で横島忠夫が動いていた事を把握していたようで、こちらを侮るような事はなかった。
そんな準備期間中も俺は彼女の周りに密かに式神を配置して常に監視をしていた。正直胸糞悪い光景を何度も見て、さっさと拐ってしまおうかと何度考えたことか。
それでは根本的な解決にはならないのでここ迄手間を掛けたのだが。
そして全ての準備が整い、後は彼女と接触するだけという段階に入ったのだが、ここまでやって当人の意思を確認していない事に遅まきながら気が付いたのだった。だが見た感じ限界近いのでもはや彼女の意思がどうあっても環境を変える必要は有るからこのまま実行する事にする。
幸いと言っていいのか最近の彼女は人気が無い場所で一人で居る事が増えていて、周囲の人間もネギ・スプリングフィールドの卒業に伴う雑事で彼女から目を離す事が増えていたのだ。
接触するにはいいタイミングで、彼女の準備が出来次第日本へ連れて行くつもりだ。
ファーストコンタクトの後、疲れていたのか彼女は俺の膝枕で睡眠中だ。起きたらこのまま校長へ挨拶をして関西へ向かうつもりでいる。夜逃げ地味た真似だが関係者には話しは通っているので問題あるまい。
ネギとネカネ? 妹守らない姉と兄なぞ知らんわ
そして俺は彼女に悪いと思いつつも、メニューの鑑定機能で読み取れた彼女のステータス情報で疑惑から確信に変わった事実を(確/認)すべく彼女の額に手を置いた
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そして歯車は廻る
年齢の割に大人びていた彼女も俺の膝で眠る今は年相応に見える。
妹ちゃんの幾つかの疑惑については差し当たって緊急の問題ではないので後で本人に聞くとして、重要なのは彼女の体の状態である。
監視の際に何度か読み取った彼女のパラメータと学校の授業から推察できる魔力量の差について疑問に思っていた。見たところ演技で無能を装う様子ではなかったので恐らく何らかの問題を抱えているのだろうと考えていたのだ。
因みにそれの極端な例がタカミチ・T・高畑の「呪文詠唱が出来ない」という体質で、D横島は理由と解決方法までわかってはいたが自分を軽んじている彼の面倒を見る気は無く放置していたようだ。自分から道化師ムーブやって篩に掛けておいての塩対応だから人間不信も極まった物である。まあ俺の事も軽んじているので方針を同じく放置一択ですが。
言い訳になるが一応は真面目な理由もある。既に完成された強さを持つ彼が今から魔法を覚えたとしても強くなるとは限らず、寧ろ手札に半端な物が混ざった結果隙が生まれて弱くなる可能性すらあるのだ。つまり余計な事はしないに限る。
そんなわけで眠る彼女の状態を文珠で詳しく読み取ってみたところ予想以上の問題があって正直これでよく普通に生活できたものだと感心した。詳しく調べないとわからないが霊体に破損個所があるようで、本来なら病弱とか麻痺とか何らかの欠陥が体に出るハズだ。だが見たところ表面上は健康体である。ただ怪我を魔法で治した痕跡が見られるので恐らく肉体的には無理やり修復されたのだろう。
また霊格が今まで見た人間の中でも群を抜いて高いので通常より霊体が強靭なようだ。これは俺と同様に転生者故の副産物であろう(転生している事は鑑定機能で読み取れる称号から確認出来る)
その後は目を覚ました彼女に意思確認をした俺達は、最後の確認を取りに彼女を連れて校長の元へ向かった
横島忠夫にそっくりな部外者が訪れた、それも英雄の娘を伴ってだ。とうぜん騒ぎになる。やれ今度は娘に取り入る気かとかなんとか
幾ら東洋人が幼く見えるからって俺がアラフォーやそこらに見えるのかと問いたいのだが、魔法世界ではなまじ魔法による年齢詐称や長命種という実例が有る為に変に柔軟で困る。そして実はD横島は人間辞めていて年取ってないのであながち間違いでもないのが質が悪い。
因みにアルビレオ・イマはフードを深く被って顔を隠して素知らぬ顔である。てめぇ口元笑ってんだよ!!
幸い今回は近衛詠春の名代として正式な訪問で有り、更にメガロメセンブリア側からもゲーデル氏の代理人も訪れており程なく誤解も解けた。
その後は校長と面談、手続きを行い晴れて彼女の身柄は関西呪術協会預かりとなった。これまで頑なに関西呪術協会所属を断り続けた俺が正式にその構成員の一人になった瞬間でもある(白目)
いやわかっているんだ、俺の年で信用を得るにはそれなりの信用あるバックが必要なんだって。
実はゲーデル氏からも誘いがあったので何方にするか迷った、麻帆良でならメガロの紐付きという立場も悪くないだろう。一部の魔法使いはお袋の件で思う所もあろうが、逆に所属する事で俺の方から歩み寄ったと解釈も出来るからな。
とか考えていたらゲーデル氏からいっそ両方に所属して連絡役みたいな立場を取れば良いと言われた。蝙蝠ですね、わかります(白目)
ただ今度は関西呪術協会とメガロメセンブリアが険悪で有る事実が俺の足を引っ張る。
それでも周囲には関係改善の為の双方を行き来出来る人員が必要と大義名分を持ち出して、メガロメセンブリア側が近衛詠春と親交が有り話が分かるクルト・ゲーデル氏が相手であったのでなんとか落ち着いた。
さて、近衛詠春の名代として来ている以上は一応は彼女の親族に挨拶するべきかと考えたが、兄の方まで奪われてはサウザンド・マスターを輩出した(と言い張る)メルディアナの沽券にかかわると一部の教師が妨害をしてくれた為に無事接触をせずに出る事ができた。ニヤソ
それでも自称姉のネカネ・スプリングフィールドとやらには校舎の外で会ったが、まあ見た目は良いけどなんかこう、先入観が有って受け付けんな。
彼女も本来は大人に守られる立場の少女と言ってよい年齢である。だから姉代わりとはいえ完璧に子供の面倒を見ろと言うのも酷であるのだが、どうにも妹ちゃんに肩入れしている身としては厳しい人物評をせざる得ない
妹ちゃんに言いつのる彼女を俺は妹ちゃんを姫抱っこで抱えて躱し、そのまま彼女の周囲を馬鹿にするように奇妙な動きで一周する。
俺の
妹ちゃんの監視としてメルディアナに置いていた式神が伝えてきた映像ではメルディアナの結界を無視して無詠唱で転移して見せた俺に関心する校長やゲーデル氏の代理人に対して、大半の教師は横島忠夫のイメージで俺を舐めていたのか俺が何をしたのか理解出来なかったようだ。それはそうと窓から此方を伺っていた人影はネギ少年と幼馴染のアーニャとやらだったかな? 関西呪術協会の名前は出しているので変なフラグ立たないといいけど
そして歯車は廻る
「横嶋さはーーーーん!!」
私はまるで漫画の様に煙を上げながら(実際少し焦げている)道場の床に突っ伏す忠雄さんに慌てて駆け寄り治療呪文をかけます。
「アリサちゃん、
そう言って詠春パパ(呼称は本人の強い要望により決定しました)は自分の頬を指さしちょっぴりついた掠り傷を強調します。
ちょっと頬を掠めたからって素人相手に雷鳴剣を使うパパは大人げないと思います。治療ならそこの自分の奥さんに頼んで下さい。
「『老いて、なお盛ん』でしたか?
剣を置いて久しいと伺っておりましたが安心しました。我が友サムライマスターは健在ですね」
などと呑気に観戦しているのは忠雄さんのもう一人の師匠であり、ナギ・スプリングフィールドの仲間であったアルビレオ・イマさん。
私の記憶ではこの人は世界樹の魔力が高まる時期限定で分体を麻帆良内で活動させるのが精いっぱいだったと思ったのですが割とフリーなご様子。原作を最後まで見ることなく死んでしまったので推測の域を出ませんが世界樹地下で何かの番をしていると思われていたのですがそんなそぶりも有りません。横島忠夫さんが何かしたらしいのですがその辺りの事は未だ教えていただけていません。
私達は現在は関西呪術協会にお世話になっています。忠雄さんは昼間は忙しく麻帆良と往復をして色々な事情説明と事務処理に追われています。流石にイギリスに日帰りで移動していれば転移よりも運用コストが低い縮地(仙術)の事も説明しないわけにはいかず、結果的に唯一の使用者である忠雄さんが麻帆良と京都を移動する足替わりに使われる事となりました。
また夜は家に帰らず私に付き添い此方で就寝しています。その為に比較的暇な早朝に「
「旦那様ったら最近元気になって嬉しいですわ。二人が来てくれて娘と息子が出来たみたいで喜んでますのよ」
などとこれまた呑気に宣わるのは原作では描かれていなかった木乃葉ママ、実は忠雄さんをいたく気に入ったのか
ママは元々体が弱かったそうですが、詠春パパが横島忠夫さんから習った陰陽道の治療符でなんとか持たせていたそうです。そこを去年交渉で訪れた忠雄さんが文珠で治療をして完治させたそうです。
こっそり教えて貰った事ですが、なんでも近衛家の何代か前に女性が短命になる呪いを受けた他家の血が入っていたそうです。厳密には呪いでは無く件の家で発生した霊障が変異したのが原因だそうですが、子孫に引き継がれてしまい結果的に呪いとなってしまったそうです。
その説明をする忠雄さんはどこか苦い表情と罪悪感を交えた複雑な様子でした。この人も何やら秘密が多くて聞くのが怖いですね。
パパの鬼の扱きですが見たところ悪い事ばかりではありません。同じように早朝に鍛錬している京都神鳴流の方々に同情されたのか仲良くなっています。
圧倒的剣技で神鳴流剣士の尊敬を勝ち取り、尚且つ自分達以上に扱かれた忠雄さんを感心と同情で周囲に馴染ませる効果を発揮しています。全ては偶然の産物なのですが
また夜には忠雄さんが講師役で失伝していた古い陰陽道の勉強会が開かれていて、魔法使いに対して比較的悪感情が少ない若手、つまりは魔法使いと距離が近い現長である詠春パパに比較的友好的な方々との交流の場となっております。忠雄さんは着実に関西呪術協会内での足場を固めているようです。
こうして着実に忠雄さんの取り込みが進む状況は、全ては一見して穏やかな笑みで逆に感情を隠したこの新しい母親の掌の上なのでしょうか?
「かわいい義娘からそんな胡乱な目で見られるなんてママ悲しいわ~~~~」
忠雄さんがママを苦手だ言っていたのが良く分かります。
また
最近は環境が変わって少し余裕が出来た為か原作の事を考えてしまいます。私が遭う人たちは確かに漫画のキャラクターに似ていますが、一緒に暮らしていれば原作では書かれていない側面が見えてきます。ネギにとって優しい姉代わりのネカネが、ネギを優先して私には当たり障りのない対応だったように。
良くも悪くもココは漫画の世界ではなくて現実なんだと改めて実感します。
先輩と私 2冊目
中学生になっての最初の麻帆良祭、私は何故か横嶋先輩と古本市を巡っています。
「返事は急いでいない」などと言っていました先輩ですがアプローチが無いわけではありません。今回も古本市巡りなどと私の興味を引きそうなチョイスで誘いを頂きました。男の人と二人っきりで出かけるなど私のキャラではないのでお断りしたのですが、ハルナやのどかに押し切られてあれよあれよという間にデートのセッティングを…違いますね、私と先輩はお付き合いをしているわけではありませんのでデートではないハズです。
「おっ、こんなのが無造作に売られているから麻帆良の古本市はたまらんな。
ん? どうした綾瀬、ひょっとして退屈だったのか、それとも歩き疲れたか?」
先程から慣れた様に店舗を巡り店主と親し気に会話している先輩、てっきり私の為のチョイスかと思いきや普通に常連だったようです。
「いえ、楽しそうで何よりですね」
「おう、しかし後輩は何を怒っているんだ?」
デートと思って緊張していた私は何だったのでしょうか?
確かに先輩の口からはデートしようと言われた覚えは有りませんし、私以外にのどか達にも誘いをかけていました。ええ、てっきり私が一対一では行かないだろうと予想して全員に声を掛けたのだと思っていましたが、それがなんですか、普通に良い店を案内したかっただけだったんですね。
だから言い掛かりとわかっていても、少し不機嫌になっても仕方がないのです。
「少し疲れました。何処かでジュースでも飲みたいですね」
「うげっ!?
後輩御用達の特殊飲料系はこの辺じゃ扱ってないぞ、何時ものストックはどうしたんだ?」
「常に持ち歩いているわではありません。ましてや今日はこの格好ですし。別に普通の物でも問題ありませんよ」
ハルナが何処から調達したそれは服ではなく衣装とでも言うべきコルセットや編み上げブーツで重武装された本格的なゴシックロリータ系です
お祭りですから差ほど目立ちませんが、普段から着るには勇気が必要な格好ですね
ハルナ曰く、「これだけガチガチに固めておけばお互いの同意がなければそうそう脱がせる事もできないだろう」と言うだけあってパーツも多くて結構重いので疲れているのも本当です。
「ああ、可愛いけど色んな理由で余計な物は持てないか。オーケー、それじゃ移動して少し休息するか」
可愛いと誉めていただけるのは嬉しいですが二度と着たくないですね。なにしろトイレが大変なのが死活問題ですので。今日は水分は控えましょう
「んっ?
ちょっと悪いがあの店が気になるから少し我慢してくれないか」
ですが移動し始めて直ぐに先輩の足が止まりました。気になるといいますが何方かといえば険しい表情をしていて何か悪い事が起きているようです。
店舗の本を見た先輩は携帯を取り出して何処かへ連絡を始めました。
店主と話を始めた先輩を邪魔にならない位置で眺めて数分後、先輩に親し気に声を掛ける女子中等部とは違う制服を着た女性が到着したのです。
「来て上げましたわよ、急に呼び出すなんていったいどうしたのかしら?」
「グッドマンか、連れがいるんで誤解受けそうなセリフは止めてくれ。先生は居ないのか?」
「この時期はトラブル対処で忙しくて急遽顔見知りの私に声がかかりましたの」
「そうだよなぁ、喜べ、新たなトラブルだぞ」
「これは……、まさかこの古本屋に売っていたのですか!?」
「ああ、店主に話を聞いたところ故人の物で何か分からず売っていたそうだ」
「ああなるほど。これは学園でチェックして問題のある品は買い上げの交渉、合わせてその方の他の持ち物も確認が必要かもしれませんね」
「つーわけで引き継いで貰っていいか、一応は俺の担当じゃないから」
「あら、本が関わるのでしたら図書委員の貴方の出番ではなくて?」
透き通った流れるようなブロンドのロングヘア、先輩と話し込む彼女の身長は先輩と釣り合いが取れていて制服の上からでもスタイルの良さは見て取れます。言動から察するに学園で何らか立場に所属しているようでその関係か先輩と付き合いがあるのか親し気で
先輩は私より綺麗な女性と話し込んでいて、それが先輩の仕事に関する事だとわかっているのに……何故でしょうか、私は酷く惨めな気持ちになりました。
こちらのシナリオに合わせてヒロアカ側でアリサ・スプリングフィールドに関する記述を一部修正しました。
当初のプロットではアリサはテンプレに習ってネギと一緒に卒業して2Aの生徒コースでしたのでその名残です
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契約の糸車は私達の運命を紡ぐ
「君は彼女を連れだして何を企んでいるんだい?」
眼鏡の奥の目が全然笑っていない笑顔でそう問いかけてくるのは高畑先生
「企むも何も俺は代理人として動いただけですので。長も近々こちらにも説明に伺う予定ですのでその時確認して下さい」
「もしくは知り合いなのですからご自分で連絡を取っては如何ですか?」
そう返す俺に言葉を詰まらせる高畑先生、目の前に俺が居るから思わず訪ねたってところで特に他意はないのだろう。
とはいえ些か直情的過ぎないかと思うがそれもこれも俺と相性が悪いせいだろうか?
ただ今学園長室で学園長と高畑先生に事情説明中である。
現時点で麻帆良は一切関わってはいないのだが、関西呪術協会にパイプが無い派閥から日本における魔法使いの代表者である学園長に問い合わせでもあったのだろう。両協会の長が血縁関係で有る事は調べれば直ぐに分かる事だしな。
あっ、そこから邪推する奴も居て探りを入れてくる線もあるか。その気が無くても当時者の仲間入りだな。
流石にその辺の麻帆良との調整は俺じゃなくて師匠の仕事だと思うから丸投げすんべ。
「確かに横嶋君は代理人に過ぎないじゃろう。
だからこそ儂も君に問いたい、それをする意味が君にあったのかと」
「ですから師匠に頼まれてですね…」
「それで今まで拒んでいた関西呪術協会へ所属までしてかの? 師に頼まれた為と言えば一見筋は通っているが高畑君と違って儂の論点はそこでは無い」
「横嶋君と彼は対等に近い、いや若干横嶋君の方が優位の契約を交わしていると儂は睨んでおる。今回の事は横嶋君ばかりに負担が掛かる、だとすれば相応の理由が有るのではないのかの?」
そこに疑問を持つか、高畑先生や魔法使いの人なら
二次創作だとオリ主に正論で言い包められて「ぐっ」とか言葉を詰まらせているイメージの学園長だが流石に現実ではそんなに甘くはないようだ。
本国と関西の板挟み状態の日本の魔法協会を切り盛りしてるんだからそんなに無能なわけないわな。あと現実問題世間は正論だけでやっていけるもんじゃないし十代の餓鬼の正論や屁理屈で大人しくなるわけもないか。
「……他言無用でお願いしますが、神を斬るノウハウを欲しくて取引しました」
正直に言えば桃源神鳴流の方がその手のノウハウは優秀そうなので出来ればそちらがよかったのだが、嘗て横島忠夫が接触した結果討伐対象になってしまったので接触するのは拙い気がする。俺もD横島の霊基構造を受け入れた結果肉体を持つ神魔族状態だからな、ぱっと見
「神を斬るとはまた笑えんの。察するに斬魔剣が必要な事態になると考えておるのかの?」
まっ、地下のアレを知っていれば意味もわかるか。
……アルビレオ・イマの事も知らなかったようだし高畑先生は知らないようだな。つまりこの場で突っ込んだ話は出来ないわけだな。
「そもそも学園長も俺に関西行きを勧めて居たでしょう。
大方サムライマスターなら俺の中の横島忠夫に対するストッパーになりえて、いざとなったら斬魔剣で始末も出来るので側に置いておきたかったのでしょうが」
まあそのサムライマスターは奥さんを治療して恩を売っているんだがな、妹ちゃんの件を極力秘密にして進めた関係で接触していたこと事自体を口止めはしていたんで知らないだろうが
「それは些か穿ち過ぎじゃよ、確かに婿殿なら抑止力として理想的じゃがの…」
紅き翼と俺 2限目
「魔法の勉強をしましょう」
お盆も過ぎ妹ちゃん関連の雑事もある程度落ち着いてきた或る日の事、昔ナギ・スプリングフィールドが滞在していたという建物を絶賛(不法)改築中の俺に付いて来たアルビレオ師匠は見学中の妹ちゃんに対してそう言った。
妹ちゃんは今現在自分が関西呪術協会預かりという立場からどう返事するべきか困ったのか俺の方を向く
「いきなりっすね」
「私としてもここが関西であり、詠春と彼女の立ち位置が微妙なのは理解しています。ですが詠春も横嶋君も彼女を東洋魔法使いにしたいわけではないのでしょう?」
「確かに長の養女とはいえ陰陽師の道を強制するつもりもないですが。その辺は彼女の希望と適正次第なんで未定ですね」
実は旧世界の横島忠夫に連なる血筋なうえに今後行う治療で適正は高いんだけどそこは触れないで置く。なおエンテオフュシアの血筋を辿ると最終的には地母神へ行きつくんで魔法世界の礎となるのも理解は出来る。納得はせんがな
「今まではここが関西故に遠慮をしていました。ですがここでなら人の目を気にする必要もないですし」
続けて「なにより横嶋君を鍛える詠春のドヤ顔がイラつきます」との事、どうやら裏で
「そっすか。
アリサちゃんも今の軽い治療でも以前よりは改善しているので、確認がてら進展を診てもらうのもいいですね」
っと、今後の為にもセーフハウスの防御はしっかりとしとかんとな。
妹ちゃんが言うには原作でも出ていたらしいこの建物だが、こっちではD横島名義である。受け継いだ資産を確認してみれば世界中に拠点に使えるような建物を所有していて驚いた。そんな準備をするぐらい用心深くなったのも闇落ちした結果なんだろうな。
ただ下手に魔術的防御を施した結果逆に目を引くのを恐れたのか建物自体は周囲に溶け込む普通の物である。ここについてはナギ・スプリングフィールドが滞在していた為に関西呪術協会に把握されていて、さらに去年裏の資産一部を現金化した際に俺の物だとも知られているので遠慮なく呪術的防衛機構を敷く事にしたのだ。
「では持ち主の許可も出た事ですし始めましょうか。ほらほら、席について下さい」
そう言って嬉しそうにいそいそと備え付けのホワイトボードを持ち出す。んじゃっと踵を返して作業に戻ろうとしたところ
「何を言っているんですか我が弟子、貴方もですよ」
どうやら長に扱かれる俺を見て本気で師匠替えの可能性を恐れたらしい
・
・
「わぁ、横嶋さんは魔法も使えるんですね!」
「何故…、私に教えを乞わなかったのですか…」
やんややんやと俺を持ち上げる妹ちゃんと対象的に、がっくりと失意体前屈のアルビレオ師匠。あんたそんなキャラじゃないだろ?
そう、実は対神呪法の理解度を高める為に古今東西の魔法書を読みふける俺を見かけたお人好しな方々が指導をしてくれたのだ。
二次創作ではアンチされがちな魔法使いだが、基本麻帆良の魔法使いは善意の人で付き合ってみれば悪い感じはしない。立派な魔法使いとかは要はキリスト教における教会学校の道徳教育と同種の物で、日本人は学校で道徳教育を受ける関係上宗教イコール道徳の仕組みが理解しにくいが、そこの差異を理解すれば立派な魔法使いが一種の道徳教育の結果だと理解も出来る。思想的にちょっと行き過ぎた感じだと妹ちゃんのイジメの原因にもなるんで良し悪しなんだが、その辺も含めて魔法は一種の宗教なんだろう。
「あとこんなんもあるんすよ」
と意識下から掌にカラフルな球体を取り出す。
「綺麗ですねー」と呑気な様子でいながら目が笑っていない妹ちゃん、これが何なのか予想はつくようで話が早い。
二次創作では横島忠夫の霊能は収束特化という解釈が多い。ついで陰陽師の前世の影響で力のコントロール、つまり両方そなわり最強に見える文珠が爆誕!!
そんな感じで俺も収束は得意である。基本力のベクトルが内向きなんでエネルギーが全く洩れないせいでロスも少ない半面、普通に自然体でいてもハンターの絶に近い状態なので強者に見えないあたりが侮られる原因でもあるんで良し悪しだが。
それでだ、これが原因なのか魔法に霊力を乗せると収束が出来るんだよ。
魔法でエネルギーを代用して属性特化したソ-サーや霊波(魔法)刀を作れる。そして当然その先も有るわけだ。
とは言っても実はストレージには発動した魔法もストック出来るので魔法の文珠化の利点は少ないのだ。せいぜい安定しないから危険だけど他人に渡せるくらいかな?
魔法による属性付与された強化魔装術とか実演して見せたら妹ちゃんが絶句してしまった。なんか拙ったか?
「エヴァンジェリンの闇の魔法!?」
どうしてそこで先輩の名前が?
あっ、なんか妹ちゃんの目が据わって……
「エヴァについては調べていないのですか? いくらフラれたからとはいえ仕方がありませんね、我が弟子は」
あっ、アルビレオ師匠が復活した。
妙に"弟子"を強調しつつ説明してくれたのが闇の福音(先輩)が編み出した禁呪「闇の魔法」
そしてフラれたのあたりでさらに目のハイライトが消える妹ちゃんが少し怖い。済んだ事だからそこは触れんでくれ
「だからとても危険なんです! 二度と使わないでください!!」
と力説する妹ちゃんなんだが心配する程のもんでもなかろう。正直去年のD横島から譲渡(強制)された霊基構造による霊体浸食の方が危険だった。今の俺なら負けんだろ
「今の俺なら然程危険とも思えんな。要は霊体が変質するのは強度の問題だろうし、精霊より格が高ければそう簡単に浸食もされんだろう」
なにより既に人間辞めてるしな。そして妹ちゃんも他人事じゃないからな
「そうだな、この際説明しとくがアリサちゃんの霊体には欠損がある。多分悪魔に襲撃された時に奪われたのだろう」
これむっちゃフラグ臭いんだよな、妹ちゃんの霊基構造が有れば魔法世界のシステムに干渉出来るんじゃないかと俺は考えている。GS原作でも人造魔族という技術があったし、なんでもネギま世界でも
恐らく裏で色々と煽動していたと思われる魔族が
つーかそいつの正体がD横島の予想通り最後まで抵抗していた妖怪系統神族ならば、世界が裏返ったとたん有能になるとか最悪だな!!
「それでアリサちゃんの霊体を俺が持っている横島忠夫の霊基構造で補おうと考えている」
「エンテオフュシアはアダム・ヨコシマと創世神の娘の血筋なんだが、
当初の予定では施術は麻帆良で一気に済ませるつもりだった。もっともダイオラマ魔法球を利用して実際は年単位の時間を掛け、試算では2年は掛かると予想している。
しかしだ、妹ちゃんを猫可愛がりする近衛夫妻がだ、信じて送り出した幼女が少女になって戻って来たときいったいどんな反応をするのか? 予想が付かない、考えるだけで寒気がする。
このまま関西在住の線も有るので極力雇い主から不興を買いたくない、ダイオラマ魔法球の使用は目に見える変化が起きないペースに抑えて多少時間を掛けてでも行うべきだろう。
その為の現在俺が行っているのは複合結界や物理、呪術トラップによるこの家の要塞化である。最終的にこの家に増築した地下スペース(文珠による転移前提の閉鎖空間)にて施術を行う予定だ。
この俺以外誰も入れない空間ならばYOKOSHIMA以外の侵入は防げるハズだ!!
なんかフラグっポイ事を考えているけど多分大丈夫だと思う。きっと、なんか斬魔剣で結界無視して切られそうだけど気のせいだろう!!
契約の糸車は私達の運命を紡ぐ
魔力に満ちて輝く契約の魔法陣の中央で、私は忠雄さんと向かい合っています。
「これが
「グヌヌヌヌゥゥゥ、アル!! やはり
「往生際が悪ですよ詠春、そうそう奥さん、このように男女のカップル限定というわけではありませんよ」
と言いつつ自身のカードを見せるアル先生、魔法を習うさいに呼び方を決めたのですが少し嬉しそうでした。忠雄さんには師匠らしい事を出来ていないので私をターゲットとして詠春パパと張り合う方向にシフトしたようです。
……ではなくて、この人私の血縁上の父親と従者契約をしているんですね。キス以外の方法もあるのでしょうか?
「んまっ!」と食いつく木乃葉ママを始めとする巫女の方々、できればもう少しロマンティックにと願うのは悪い事でしょうか?
私の身長を考慮して、私からキスし易いようにと騎士のごとく跪く忠雄さんに私が口付けると供に発するのは契約の魔法陣が動作した魔法光、……と黄色い歓声
術者のアル先生はともかく養母と御付きの巫女軍団の見学に養父の監視付きとは、私の初めてはとてもではありませんがカップルの為の儀式とは程遠い喧騒でした。
儀式が無事終了してカードを受け取った私にキャイキャイと詰め寄る木乃葉ママと年若い巫女、「いいもの見たわ、若返るわ」とは纏め役的立場の年配の巫女さん。
そして年配の巫女さん達からの冷たい眼差しに気付かず、腰の剣に手を掛け忠雄さんに凄む詠春パパ。
そこへ更に燃料を追加投入するのがアル先生
「では今度は我が弟子横嶋君を主とした契約を行いましょうか」
「………」
「「「「「「キャー!!!」」」」」」「アル!! 貴様そこへなおれぇええ!!」
年配の巫女さん達に羽交い絞めにされる詠春パパを見ていた木乃葉ママがなにやら悪い顔をすると
「しょうがない旦那様ですね~、あっ、フミさん。旦那様をこちらへ」
とこしょこしょとアル先生へ耳打ちして魔法陣の中央へ、そんな自分の奥さんの奇行に気を取られた詠春パパは巫女軍団に魔法陣へ抛り込まれて……
「パクティオー!!」
非常に楽しそうなアル先生の掛け声のなか行われたのは
「んむっっ、ん、ふむ~」
「はぁ……ん、ちゅ、ちゅ」
「ふむっーーー!! ふむっ」
「んっ、んぐ」
あわわわわわ
目の前で行われているのはとても仮契約にふさわしいとは思えない大人のキスっ!
えっ、ベロチューってあんなふうにするんですか!?
ゴクリと唾を飲んだのは私だけではないようで、周囲の巫女のお姉様方も目が離せないようで、
現れたカードを手にするアル先生も流石にこの流れは予想外だったようで、この人の呆然とした顔を見れるとは思いませんでした。場違いな感想を持ったのは養父母の濡れ場を目撃して気まずい思いをした精神の逃避の結果でしょうか。
「それではアリサちゃん、頑張ってね❤」
そう言って木乃葉ママはフミさんに引きずられた詠春パパと寝室へ引っ込んで行きました。
「ここ俺の家なんだけど……、人のベッドで頑張るんじゃね-よ」
呆然とした周囲の気まずい雰囲気の中で虚しく響くのは忠雄さんの声
周囲は気の毒にといった様子で、アル先生も苦笑い。
どうしよう、
ここは
「忠雄さん!!
私なら大人のチューも予習していますから大丈夫です!! 知識だけで実戦経験は有りませんけど頑張ります!!」
「頑張るなっ!!」
怒られました。
仮契約は「普通じゃつまんない!」と巫女のお姉様方が騒ぐのを睨み付けて黙らせた後、普通にキスしてくれました。
それはそうと、覗き込んだ忠雄さんの右目に傷でしょうか? 傷にしては綺麗に等間隔で縦に二本の線が見えたのですが
本人は問題無いと言っていますがアル先生は困った顔をしていたので気になります。
それはともかく……
「そこの少女巫女!! 横嶋さんは私のパートナーです!!」
自分も魔法のカードが欲しいと忠雄さんに群がる少女&幼女巫女を蹴散らすのが今の私のお仕事です!!
割とどうでもいいと思われる設定
木乃葉ママ
エロい木乃香、病弱だった為に大人しくしていたが根はスケベ
名前は適当だが多分どっかのネギま二次と被ってる
フミさん
二人の姉みたいな幼馴染、近衛家の付き人の家系で木乃葉に使えている
木乃葉が病弱な頃は代わりに詠春のお相手をしていた。そして元気になった今でも混ざっている
今の木乃香くらいの年でショタ詠春の筆おろしをした
詠春パパ
最近嫁が元気になったので二人目を作る為に奮闘。元気になった嫁がこんなにスケベだとは知らなかった
フミさんにショタの頃喰われた為か逆らえない。女性に弱いのもそのせい
少女&幼女巫女
横嶋に関する根も葉もない噂を信じた木乃葉ママにより抜擢されたハニトラ要員
旧家から集められた為か政略結婚とか妾とか10歳で嫁入りとか問題にしない訓練されたロリ
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輝く腕は運命の鎖を断ち切る
輝く腕は
私の治療も済み、リハビリを続けていた夏の終わりのことです。忠雄さんが犬を拾ってきました(白目)
何でも長に取り入った西洋魔法使いの男が我が物顔で本山に出入りしてると噂を聞いて、後ろでコソコソと魔法を撃つしか能が無い癖に威張り散らす西洋魔法使いが気に入らないお犬様はいっちょ懲らしめてやるかと襲い掛かったそうです。
襲われた忠雄さんは能力こそ高いものの、去年まで普通に生活していた為に一般人マインドなのでこういった緊急事態に弱く、つい過剰に迎撃してしまい瀕死の重傷にしてしまったので慌てて本山まで連れて来たそうです。
「手加減が下手ですまんな。なんせ去年まで一般人で今も稽古ばかりで戦闘経験無いから気が動転してしまったんだ」
「頑丈が売りの俺を一発で倒せるあないなおっかない手をした一般人がおるか!!」
なんでも忠雄さんの
「ええ、あのような異能を使う以上は素人であっても一般人と言い張るのは無理が有りますよ。私達にとっては死神の鎌に等しい力を…」
「うわっ!? アンタだれや」
いきなり犬妖の少年の後ろに現れて話に加わってきたのはアル先生
「噂の魔法使いってのが長の古い友人であるその人の事だよ。取り入った云々ってのは俺の事だけどな」
「なんや、人違いやったんか。でも取り入ったのがホントなら謝らんわ」
何やら震えながら言い訳をするのですが、怖いのなら素直に謝ればいいのに。そして明らかに日本人ではない私にお前も魔法使いなのかとこちらに視線を向けてきました。
「小太郎君で良かったかな、幾ら私の
今にも刀を抜きそうなパパに青い顔で大慌てで頷く犬妖の少年の名は犬上小太郎。また原作が破壊された(白目)
「なんやわからんが複雑な事情がありそうやな、理由もしらんと喧嘩吹っ掛けて悪かった」
原作でも年齢の割に聡い所が有るので、この場に集まった人間から何やら事情があったようだと当たりを付けて、自分の早とちりだと忠雄さんに頭を下げたのは好感が持てますね。
「あいよ、謝罪は受け取ったが許すかどうかは別問題だぞ」
「忠雄さん、反省していますし、酷い目にあったのですから許してあげても」
「いいや、罰を受けてもらおう。お前怪我が治ったら俺ん家に泊り込みで勉強地獄な」
「なんやて!? そりゃ横暴や!!」
「うるせーよ、敗者に人権は無い。悔しかったら俺に勝ってから出て行け」
なんでしょうか、この茶番は。関西に来てから私の周りは随分と賑やかになりましたね
隅では騒ぐパパをママとフミさんが窘めています。パパカッコ悪い
「なるほど婿殿は彼をアリサちゃんの護衛にと考えたのですね」
「未だ婿では無いっ!! そして護衛とはいえ
「どうせ小学校は男女共学やないですか、あんまり過保護ですと嫌われますえ」
紅き翼と俺 3限目
やって来ました魔法世界。俺の横で妹ちゃんと忠犬小太郎はぼへっとした顔で呆け、師匠は引き攣った笑みを浮かべている。
「タダオならひょっとしたらと思ってはいましたが、まさか貴方までゲート無しで移動出来るとは」
「横島忠夫はどうか知りませんが、俺は一応ゲートを繋ぐ
本来は魔法で動くゲートに文珠でわずかばかりの魔力をチャージして
なお失敗すると宇宙空間に投げ出される事は内緒である。
「さて、見つかると面倒ですからさっさと移動しましょう。今回の主役は師匠で俺は飽くまでもサポートですのでお願いしますね」
「了解しました。今回も楽しませていただきます」
今回の目的は妹ちゃんが以前口にしていた先輩のオリジナル・スペルの入手だ。麻帆良に当人が居るのに何故態々魔法世界まで来たのか。本人に交渉するのは俺の精神衛生上良くないのと、妹ちゃんと先輩がどんな化学反応を起こすか読めないからである。普通に考えれば因縁的に衝突は必至なのだが、妹ちゃんの行動が読めないというかなにか斜め上の反応をしそうで嫌だったのだ。
他にも妹ちゃんと師匠がジャック・ラカンに会いたい(むしろ此方が本命)そうで、また俺としては二人を連れてお世話になったゲーデル氏に挨拶をするべきとも考えていたので今回の魔法世界訪問と相成ったのだ。
つーわけで妹ちゃんの原作知識を元に自由交易都市「グラニクス」へ移動、そのまま周囲を移動しつつマップ検索して居場所を特定して訪問。
原作ではちゃらんぽらん自由人のジャック・ラカンも嘗ての仲間を無下には出来ないようで突然訪ねて来たにも拘らず受け入れてもらえた。その勢いで事前に連絡しておいたゲーデル氏を俺が縮地で連れて来て合流となった。
残念ながらゲーデル氏のスケジュールの都合で余り時間が取れなかったので会談の場所は俺が持ち込んだダイオラマ魔法球内だ。色々と当時の話や魔法世界の現状について話を聞けたのが良かった。
幸い俺が懸念していたゲーデルPによる妹ちゃんのプロデュース計画は持ち上がらなくて良かった。どうやら横島忠夫が女王様と折り合いが悪かった為、藪をつついて俺が臍を曲げるのを恐れたようだ。妹ちゃんがそっちへ進むなら俺としても手を引くつもりだったのでその懸念は正しい。
そして冬休みの数日を魔法世界で過ごす予定だったのだが、初日からいきなりジャック・ラカンが稽古をつけてくれる事になった。それに乗っかって来たのが妹ちゃんを守る俺の実力を知りたいゲーデル氏、その結果俺はジャック・ラカンとゲーデル氏、最後に悪乗りした師匠と三連戦をする破目になったのだ。死ぬわ!!
なんだかんだで俺は文珠まで使って食い下がったが、対人というか戦闘そのものの経験の無さが露呈するだけだった。その結果こりゃアカンと思った三人に経験を積んで来いと闘技場へ放り込まれた。どうしてこうなった!?
そんな俺は妹ちゃんから「テンプレ乙」というありがたい言葉を頂いた。どうやら魔法世界へ来たら拳闘士デビューは既定路線らしい。
【ネギま】2人マルチで闘技場
俺と妹ちゃんのレベル・システムについてだが、オリジナルでは向こうの世界に満ちる魔素による強化を行われる。
なおこの世界向けにチューニング済みのレベル・システムはこちらの世界の魔力でも効率は落ちるが若干の細工で利用可能であり、そして魔法世界は全て魔力で構成されている。つまり魔法世界訪問の目的の一つとして空いた時間で狩りをして俺と妹ちゃんのレベル上げをする予定だったのだ。
別に殺し合いをしなくても経験値を得る事は可能なのだが、正直闘技場の試合では経験値効率が悪すぎる。とはいえ俺に不足している経験を積むには悪くない場所だ
ゆけっ! こたろう!
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「ほえるだ!!」
「おっしゃあ、って出来るかぁああああ!!」
「お前関西人の癖にノリ悪いなぁ、拳闘士なんて魅せてなんぼだろ」
「にーちゃんじゃあるまいし、俺は戦いの場ではマジで行くんや!!」
「俺は真面目に生きているよっと、とりま
突っ込む小太郎を援護すべく左手でささっと九字切って術で加速した気弾を刀印の指先からばら撒く
「こいつ、ふざけた態度の癖に地味に的確な援護をっ、意外と出来るぞ!!」
「うわはははっ!! こーゆー嫌がらせは得意だぞ!! ほーれチクチク」
弾速の早さで相手の遠距離技を潰しつつ分断する。一対一なら小太郎の相手にちょうどよかろう
「カッコ悪いなぁ でもこれで間合いに入れたわ、オラッ!!」
相手ペアを分断したところで左手で気弾をバラ撒きつつ握りしめた右手に意識下にストックしてある氷の矢の魔法文珠を取り出し、発動と同時に熱交換の術式を起動してストレージへ熱を収納、更に冷却して魔法を強化する。
「これでも喰らっとけ!!」
牽制していたもう一人へ向けて2倍位の威力へ強化した氷の矢をぶちまける。インチキだとかなんか叫んでいたが弾幕に飲まれて敢え無く沈黙。
小太郎の相手は相方をあっさりと氷漬けにされて動揺したのか俺に意識が向いた。その隙に分身した小太郎の連続攻撃『狗音連弾(命名:妹ちゃん)』を捌ききれずに敗北。
初戦は上々といったところかな。
それはともかく、純粋な小太郎にネタ技仕込むのは止めて差し上げろ
なんか客席は困惑でズルとかなんとか聞こえてきたんだが何でも気と魔法の同時使用とか普通はあり得ないらしい。俺普通に出来るんだけど?
反発するって言われても咸卦法とかちゃんと併用技術存在するから無理じゃないだろ? 陰陽師だって普通に両方使ってるぞ?
「にーちゃん、東洋魔法使いでも術の使用時はどっちかに寄せとるはずや」
「マジか!? 千年経って随分レベル落ちたな」
とりま関係者の前で気で身体強化しつつ魔法詠唱して見せて納得してもらった。
これで俺も一躍人気者に!!
と思っていたのだが数戦勝ち抜いたにも拘わらず、
「どっちかというと、にーちゃんの戦い方のせいやから」
話題の新人には違いないんで興行主は割と喜んでいるというか、悪役人気も人気には違いないんで敢えて煽っていやがる。どうしてこうなった!?
「そいうお前は可愛いとか言われて普通に人気者じゃねーか? よかったなぁ」
子供の小太郎が普通にガチンコやってるせいかペアの俺と扱いが違い過ぎる。俺の本質は術者だからしゃーねーじゃん
「にーちゃん"手"を使えばガチンコでも俺より強いんやから前出ればいいやん」
「アレはこっちの連中相手だと下手すりゃ触れただけで削るから、殴ったらパァンって弾けるぞ」
「だから訓練でラカンのオッサン相手でも使わなかったんや」
「そーなんよ、実体持ちでも魔力体は削るからこっちじゃ迂闊に使えないんよ。ちゃんとお前みたいに受肉した体で守られていない相手だと即死しかねんからな」
「難儀やなぁ、だったら神鳴流はどうや?」
「強敵に接近されて敗北寸前いうここぞという場面まで隠しておきたいからパス」
「にーちゃんって無駄にエンターテイナーやな。
ほな甘んじてヒールやりいよ。それはそれで美味しいやん」
「それもいいかなって思える自分が可愛い」
「にーちゃんの場合はアリサの声援あるから有象無象なんか気にせずおればいいやん」
まぁ世紀末ファッションなむくつけき男どもの声援なんぞよりは、ロリとはいえ応援してくれる女の子の方が良い。だが騙されんぞ!!
「最近闘技場の女性人気独り占めの小太郎君は余裕ですなぁ、お前マジ夜道気を付けろよ」
まあ頑張っている子供はなんだかんでみんな応援するから、人気商売な拳闘士連中なら下手にやっかみを向けて自分の株を下げるような馬鹿は居ない。問題は俺とつるんでいるから
事あるごとに似ているけど別人だと言って回っているし、年齢とそれなりに戦えるところを見せているので本人説は今の所少数だけど血縁を疑っている奴らはそこそこ居るみたいなんだよな。
「わかっとるわい、一人では行動せんから安心してや」
ほんとコイツ子供の癖にこの手の機微は察しが良すぎる。苦労してたんだろうな
手頃な位置にある頭をわしゃわしゃかき混ぜ
「んじゃ、酒場でメシ食ってから帰るか」
「やった!! 肉食おう! 肉!!」
俺ははしゃぐ小太郎の手を取って歩き出した
「お二人が仲良く食事している様は頻繁に目撃されていますから腐人気は高いですよ。ペア解消の話が出ないのはその為ですね」
「ですです。二人が一緒に寝ているプライベートフォトをマホネットに上げたら尊死した方が多数出ています( *`ω´*) ふんす!」
古本もご主人も腐敗していたようだ。
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お嬢様と俺
wikiとかだとネギの来日時点で満9歳って話ですから5月生まれのネギの場合は数え年だと11歳になると思ったんですが、数えで10歳ってどういう事だろうか?
日本の数え年と計算違うのだろうか?
時は遡り秋になったばかりの頃の話だ、治療も済んで11歳位に成長した妹ちゃんと護衛の小太郎は麻帆良の小学校へ通う事になった。
一応は麻帆良に俺を含め3人で住める広さのマンションを購入しているが、
まあその辺りで色々とあった、主に実の娘に何も説明していなかった近衛夫妻のせいなんだが、何故か俺に苦情がくるんだよな。
「信じられへんわぁ、まさか先輩を堕とす為に養子を迎えるなんて」
「おいコラ、んなわけあるか!!
そーいや近衛後輩が奥様に有る事無い事吹き込んだから幼女&少女巫女軍団に迫られるハメになったじゃないか!!」
嬉しい癖に怒っちゃやぁ~んと全然悪びれないお嬢様、そのうちコマしてくれようか!! ホントにコマしたら婿入り一直線だからやらんが
「ひょっとして先輩が夕映を振ったのってアリサちゃんと婚約するからなん? やっぱり和ロリよりエヴァちゃんみたいな洋ロリが良かったん?」
「アホ、一年ズレてるってーの。綾瀬後輩の事は麻帆良を出る可能性高くなったからだっつーの」
実際現状京都に住んでいるも同然だしな、去年の夏に妹ちゃんを助けると決め、その為に関西呪術協会所属になった俺は綾瀬後輩へのアプローチを止めた。
「振った」と言われても別に付き合っていたわけではないが、散々アプローチを掛けていたのでケジメをつけるべくきちんと話をした。
それ以来彼女達からは距離を置かれていたんだが、近衛後輩だけは奥様に言い含められいたのか何かと接触していたのだ。
しかしアレだ、近衛後輩は妹ちゃんの件を上手く消化出来ないようで結構絡まれていたんだが、実はそれ以上の厄介ネタが控えているんだよなぁ
未だ話していないようだが本当の妹か弟が出来た話をされてまた俺に絡んでくる未来が!! しかも今度はお妾さんと同時だからな、年末に帰郷したら荒れそうだな。いっそ冬休みは京都から離れようかな
そんな思惑で年末年始は魔法世界訪問と相成ったわけである。
お嬢様と俺
「これが
ではこのような危険物は処分するという「まてコラ!!」なんですか?」
態々魔法世界まで来た理由は
「てっきり欲しくて来たのかと思えば処分しにきたのか? だいたい人の物を勝手に処分していいんかよ?」
「いえ、別に
えっ、つまりなんだ、その巻物を手に入れれば先輩(のコピー)が俺の物に!?
「…お前ら人の所有物で勝手な事してんじゃねーよ」
「はっ!? つまりこの筋肉達磨に先輩が所有されているってことか!! このロリコン!!」
「お前らもう帰れよ……」
「やれやれ、我が弟子の
「この野郎、そいつは紛れもなくテメーの弟子だ! 納得したよ!!」
戦友同士が心温まるやり取りをする横で手の中の巻物を一瞬ブレさせた妹ちゃんはソレを返却した。あの一瞬でストレージで取り込んだようだな。
おっと、メールで記述内容が送られてきたのだが、残念ながら人工精霊の部分は省かれていた。チッ
「しょうがないので処分は諦めます。貴方には不要な物でしょうがお返ししますね」
「だから俺の物を勝手に処分すんじゃねぇよ。確かに既に最強の俺様には不要な物だが」
「しかしこの
「アン? なんで使用もしていないのにそんな事がわかるんだ?」
「色々と不穏な運命に翻弄される身の上ですので、おじ様でも手の内は内緒です❤」
「おっ、おう。どこまで聞いたのか知らんが…子供に後始末をさせる不甲斐ない大人で済まんな」
この筋肉達磨め、戦友の娘におじ様呼びされて照れているんか?
「ホント、両親には育てて貰ってもいないのに負債だけ押し付けられていい迷惑です」
「いやホント悪かったからそれくらいにしてくれ。俺の事ではないがダチとしてはいたたまれない」
「次世代に負債を押し付ける気満々な不甲斐ない大人達の事は取りあえず置いておいてだな、その
「……お前ら俺の事嫌いだろ」
今更何を言うかと思えば、血縁組ならまだしも元は完全に部外者だった俺としてはいい迷惑に決まっとろうが。妹ちゃんに関わるのは自分で決めた事だから軽い嫌味で済ますが、正直俺を巻き込んだ横島忠夫については一発殴ってもいいよな!!
「そうですね、安全性を無視した余りにも不完全な呪文ですね」
「いや、リスクに付いては先輩が使う分には無視出来る範囲なんだろう。つまり実質専用呪文になるのだから態々残す意味が無いわけだな」
「ああなるほど。そもそも自身が不老不死であるのならば後継者とか必要ありませんし残す意味が無いわけですね」
「そういうこった。なのにご丁寧に自身の人格コピーのナビゲート付で残すとかなんの意味があるんだ?」
まさか万が一自分が討たれた時の為に自分が存在した痕跡を残したのか?
正直俺の先輩のイメージだとそんなセンチメンタルは似合わないんだが、
かといって本人に聞こうにも話を聞いてくれるかどうかってレベルだしなぁ。いや別に未練とかじゃないんで妹ちゃんはそのジト目は止めてくれんかな?
【ネギま】2人マルチで闘技場 後編
14文字、原作で10年後の未来横島が時間移動を成し遂げた時の驚異のコントロールは下手なYOKOSHIMAを凌駕する。実は公式こそが最もチートなのかもしれない(なお文珠一個のエネルギーで時間移動出来る美神母娘の方がチートではないかと言ってはいけない)
世界を渡り歩いて来たD横島ならその領域に至っていると思われるのだが、精々その半分が関の山の俺には現実とは思えない数字である。
昨晩メニューシステムに届いた
「にいちゃん! そろそろ俺らの出番やで!」
「おう、行こうか」
まっ、面倒事は未来の俺に任せるか。持て余して死蔵していた『
『対する東方はヘカテスのベテラン自由拳闘士
アルギュレの虎獣人、ラオ・バイロン! ケルベラスの森妖精、ラン・ファオ!』
「噂の新人ね 揉んでやるかラン」
「ウホッ❤ いやっホーイ♪」
「何や? 俺よりちっこい拳闘士がいたんかい?」
「いやいや、そういう種族だからサイズはかんけーねーって」
しかし困った。実は今までの試合相手は基本的に前衛タイプだったんだが、今回のような前衛、後衛ときっちりと役割分担されたコンビとの対戦は初めてだ。ちょっと勝手が違ってくるから油断は出来ないな。
『ルールは皆様ご存じの通り!! ギブアップ戦闘不能で決着!! 武器・魔法に使用制限無し!!』
『
「ほないくでぇって うおっ!?」
ちっ、開始と同時に飛び出した小太郎の瞬動の到達地点に先回りしやがった。流石はベテラン
だが足止めに一発当てただけでバックステップだと…ちっ、何かを撒いていやがった!?
『ピピルナ・パピルナ・パリアンナ
「クソっ、詠唱が速いっ!! 間に合えっ!!」
気弾を撃って妨害を試みるが、体格を活かして上手く相方の背後に隠れて詠唱をする妖精、俺が知っている麻帆良の魔法使いと比べてかなりの手練れだ。
ならば俺も近接に切り替え接近するが、
「なっ!? そういう事か!!」
呪文の完成によって先ほど撒かれた…いや、蒔かれたのは触媒の種なのか魔法によって一瞬で生まれた蔦が小太郎の身体を拘束する。
「蔦あ!? こんなんまでありなんか!?」
「コタきゅんの緊縛ぅ❤」
「うっひゃぁぁぁあああ❤」
「「「「「「「キャァアアアア♡♡♡」」」」」」」
おいコラそこの実況!! なんで妖精と一緒に並んで鑑賞してやがんだ!!
馬鹿二人のお陰で気勢をそがれた獣人の前衛は追撃を躊躇っている。とにかく小太郎を救出せねば!
「レーティング違反禁止ぃいいい!!」
『あああああ、小太郎選手の緊、失礼、拘束をタダオ選手が気の刃らしきもので切り裂き救出してしまいました!!』
此方に来てからその危険性から封印していた霊波刀だが、咄嗟の事だったのでつい使用してしまった。とにかく小太郎を抱えて距離を取る
そして救出してしまいましたってなんだよ!! 私情っていうか煩悩!!
「たっ、助かったわ、にいちゃん」
「こいつは俺が思っていたのと別の意味で危険な相手だ、今度こそお前は下がれ」
「うううう、さっきの攻撃ダメージ少ない割りになんやえらい寒気がしたからそうするわ」
尻尾を股の間に挟んで震える小太郎にまたもや客席からの視線が集中する。つーか中継カメラも自重しろ!!
とにかく今回に限っては小太郎の腕試しは中止してマジでいかねば。
「おいこら!! 何が森妖精だ! 闇の教義に染まった邪妖精じゃねーか!!」
「ひっどぉーいい、でも今のコタきゅんの姫抱っこが萌えたから許す❤」
「……ラオさんだっけ? そんな相方で大丈夫か?」
「言うな、俺も最近知ったんだ……」
「ふぅ、変態の巻き添えですまんがこれ以上は小太郎の教育に悪いから取りあえずタヒってくれ。右手に気、左手に魔力、融合…」
「ちっ、魔法と気の同時使用とか頭おかしいマネしてんだから当然使えるよな!!」
使えるけど今回は増幅した気で身体強化ではなく、そのままブッパする
『
「ちっぃ!
割とヤバイ威力の気功波を虎獣人の咆哮と妖精の魔法で防がれた
「とんでもねぇ威力の気弾だな、
「そっちこそ気功波と衝撃波が一瞬拮抗した隙に相方が障壁を張ったか、腐っていてもベテランだな」
「腐ってんのはランだけだよ!!」「ひっどぉい、趣味と実力は別なんだよぉ!!」
「うっせ、害悪ベテランは浄化だっ!! 邪悪の使徒よ湖底へ沈め、 黄色魔術
小太郎を邪な目で見る邪悪な存在共を浄化の水流で押し流す!!
「うぉっ!! て外れた!? あっ…」
「「キャァァアアアアア!!」」
「おいおい、実況の嬢ちゃんまで攻撃したらマズイだろう…」
不愉快な実況のねーちゃんごと攻撃した結果没収試合となりました。後悔はしてない(`・ω・´)キリッ
『対する東方は女性拳闘士団グラニキス・ワルキューレの獣人と魔族のコンビ
虎獣人、寅子・T・ティガー! 魔族、ユキノ・ダテ!』
そんな事があったにもかかわらず翌日にまた女性相手に試合が組まれた。
ガタイがいい獣人のねーちゃんと小柄な魔族少女のコンビ ふ~ん(察し)
こりゃ小太郎には厳しいかもしれんな。注意しとくか
「小太郎、多分小柄な魔族の方はお前と噛み合うハズだからそっちに行ってくれ。それと注意しとくがお前の女性に手を挙げたくないって考えは立派だが、相手は拳闘士なんだから試合の場では侮辱になるぞ。そもそも相手はそんな心配が要らないような格上だから思い切って胸を借りてこいや」
「胸を借りる!? 私の胸はそんなに安くはないぞ!!」
「いやなんでそうなるんだよ、ゆっきー」
「ゆっきー!? かっ、勝手に愛称とか付けるんじゃない!」
「なんだか満更でもなさそうですのぉ、これだから喪女は」
「誰が満更でもないって!! お前も俺が欲しければ先ず俺に勝ってからだ!! 俺に勝ったらお前の女になるから胸でもなんでも好きにしろ!!」
「なんで俺が告白した流れになってんの!?」
「すんませんですけぇ、ユキノさんは女ばかりの施設で育ったうえに、拳闘士になってからも周りはデリカシーの無い漢ばかりですんけん横嶋さんみたいな同年代の紳士に免疫ないんですじゃぁ」
「今の流れで俺が紳士とかコッチの男ってそんなに酷いのか!?」
「横嶋さんはコタ君の優しいお兄ちゃんですけぇ(腐女子のイメージ)」
「うっせー!! おいこら横嶋!! テメェ子供の後ろに隠れていないで俺と拳で語れ!!」
「あー、なんか変な誤解があって嫌だけど逃げられそうにないから小太郎はあっちのデカいねーちゃんに相手して貰ってくれや。一見パワーファイターに見えるけど一癖も二癖もありそうだから無理に勝たなくてもいいぞ」
『ちっ、闘技場でナンパとか死ねばいいんデス』
「こら実況!! 心の声洩れてるよ! あとナンパなんぞしてな『
「オラッ ヨコシマっ、行くぞ!!」
「ええい、近接苦手なのにっ 第三門解放っ」
とにかくチャクラを廻して気の総量を引き上げる。そこまでやって漸く互角とかコイツ強すぎいいいいい!?
ええい、反動考えるとこれ以上解放は拙いんだが技術では完全に負けているし…溜めの時間が取れればやりようもあるんだが
ちなみにラカンのオッサンはナチュラルにチャクラが全部稼働しているコウ・カルナギと同類のバグキャラだった
「ああ、男の子の汗の香りが… あちきは…あちきはもう!!」
とにかく今はチャンスを……んぁ!?
「うへ…うへへ…
うえへへへ…!!
男の子!! やんちゃなショタ…!!」
ふと小太郎の方を見れば暴走する虎獣人が居た、ゆっきーも手を止めて額を抑えている。そっか、常習犯なんか……狩るカ
「全く、闘技場の女はこんなんばかりか?」
「おっ、オイ、ヨコシマ!! 穏便になっ!!」
俺の顔を見てなにやら青褪めるゆっきー、魔族の黒い肌でも青褪めるんだな。どうでもいい事を考えながら
「アリサ直伝・男女平等パゥァンチッツツ!!!」
この日、小太郎は殻を破ってまた一つ成長した
「と、いうわけで小太郎の教育に悪いので引き上げてきました(なお妹ちゃんは手遅れ) 唯一の収穫といえば小太郎も身の危険を感じれば女性が相手でも戦えるようになりましたが」
大晦日の夕方、俺達は関西の屋敷で長に報告をしていた
「忠雄さんはカワイイ要素テンコ盛りの魔族の女性にモテて良かったですね」
宇宙意思あたりの介入があったんじゃないかと疑わしい女性拳闘士コンビの魔族の少女、ユキノ嬢は褐色ポニテロリ巨乳と萌え要素盛り過ぎな生き物であった。これでダンピール枠が揃えば役満だな
「いや、ちゃんと誤解は解けたから……」
解けたよな、なんかあったら呼び出せって悪魔召喚契約結んじゃったけど大丈夫だよな?
「帰る時に見送りに来ていましたよね。なんだかんだで気に入られたんじゃないですか?」
さて、長に報告も済ませた俺は現在お嬢様に絡まれている。誰だよCHU学生に飲ませたのは
まあ予想通り長からお目出度の話を聞いたまでは良かった、年の離れた妹弟とか多少は微妙な気持ちになっただろうがその事は素直に喜べただろう。
だが自分もお世話になった巫女、母親の親友と聞いていた女性が実は父親の妾で母と同時に妊娠していたと聞いた彼女は荒れた、そりゃそうだ。
魔法世界から帰ってきた妹ちゃんに構うのが忙しい奥様を尻目に飲酒して俺にウザ絡みしてくるのだ。いや奥様はお嬢様を俺に嗾ける為にワザとやっているだろ。お嬢様に絡まれる俺を見て抜刀した長はフミさんに羽交い絞めにされているのだが、それがまた奥さんと娘の前でイチャイチャしているように見えてお嬢様を不機嫌にする。
普段は面白がって場を掻き乱す師匠はお嬢様への魔法バレを警戒して俺のセーフハウスで大人しくしているし、小太郎も勘が働いたのか挨拶そこそこでセーフハウスへ逃げ出しやがった。弟分が薄情でにーちゃんは寂しいです。
「せんぷわぁいい、ウチとせっちゃんのことも貰うてぇ~」
「えー、俺どっちも結婚相手としては嫌なんだけど」
妹ちゃん情報だと人気ヒロインらしいのだが、通り魔と腹黒はノーセンキューである
つーか父親が妻とその親友を孕ませたのが原因で荒れてるのに俺に自分と友達を二人纏めて娶れとは…、自分も同じ事して父親への当て付けのつもりだろうか?
「うわぁあああん、先輩もお母様も新しい
「いや、ほら、アリサちゃんはちょっと治安の悪い外国に行っていたから心配だっただけだからさ」
अवतार
「……此処まで侵入出来ているとはこりゃ時間の問題だったな。神族時代と違ってえらい優秀だがひょっとして属性が逆転した影響か?」
廃都オスティア中心部、墓守り人の宮殿の奥深く、位相空間で封鎖された通路を正常化しながら進む小柄な人影があった。気が遠くなるような時間をかけてここまで進んできた彼女は感じる手応えから目的地が近い事を確信していた。
だがそんな彼女の認識外から声を掛ける一人の男が現れたのだ。
「ヨコシマだと…馬鹿なっ!! 闘技場に居たのを確認して…今も試合中ぅ!? どういうことなのねぇ~!! まさか来訪者の方なの!?」
「どっちも俺だよ、時間軸がズレているがな」
「時間移動っ!? どこまで反則なのね~」
「確かに反則だな、未来人が所持していた
「まあなんだ、俺自身はアンタに恨みは無いがここで死んでくれ。神造結界の要である
「ようやく、ここまで来たのにっ! 貴方達ヨコシマタダオさえ居なければ!!」
憎い裏切り者と同じ顔をした男、自身の苦境はあくまでも旧世界での出来事に起因する。故にこの男はなんの関係も無い存在だと頭ではわかっていても奴を思い起こされる姿と魂の色が心を掻き乱す。落ち着け、あの男の同位体ならばこちらを滅ぼすだけの力を持ってはいるのだから
「だいたいアンタらが横島忠夫の事を雑に扱ったからアシュタロス一味のヘッドハンティングに応じたんじゃねーの?」
「それは美神母娘のせいであって私達は関係ないのねぇ~」
「そうは言うがアンタこの世界で人間を煽動してライフメーカーを追い詰めたんだろ。結果ライフメーカーは再び人間に絶望して滅ぼそうとして英雄に封印された。後は組織を引き継いだ魔族の幹部に接触して火星の秘密に手を掛ける寸前だ。たいした手並みだよ」
「だけどアンタの企みはここまでだ、恐らく
どうやら魔法使いどもを煽動してライフメーカーが守っていた魔法世界をボロボロにしてやった自身の些細な復讐に気付いたらしい。
だがこちらの全てを知っているわけではないようだ。なにしろ私は自分の為だけに……
「そんな気は更々ないのねぇ~。自分達は何も出来なかった癖に最後まで抵抗した私達に文句を言う、そんな連中なんて知らないのねぇ~」
私は別に世界をひっくり返そうだなんて大それた事は考えていない。無能共など知った事か、奴が私達を裏切って得た物を台無しにしたかっただけなのだ。先の事など考えてはいない、精々残った物が有れば慰謝料代わりに戴いてやろうかという程度だ。
「ああ、アンタも色々とあるんだな。でもだからといって魔族を手引きしてアリサを害したアンタを許す気はない。アンタの企みで傷ついたアリサを治療したせいで俺は真正のロリコンになってしまったのだから! お前はここで死ねぇええ!!」
「ロリコンは私には関係ないのねぇ~!!!!!!!」
不意に確信してしまった。てっきりこの世界の横島忠夫だと思ったコイツは全くの別人なのだと。
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魔法使いと俺
三学期の初日の五年生の教室、教室に入り小太郎君が挨拶するなり数人の男子、それも学年もクラスもバラバラな集団に飲み込まれた。
「あの集団は…ひょっとして関係者ですか?」
これまた自分を取り囲む女子魔法生徒の集団に確認したところ、年末魔法世界へ帰省していた魔法生徒が向こうの雑誌を持ってきたそうで、その中で忠雄さんと小太郎君の事が記事になっていたそうだ。
その結果ちょとした有名人と化した小太郎君、闘技場で中堅どころの拳闘士を相手に正面から勝利をもぎ取った小太郎君は男子は当然として、ちょうど異性を意識し初めたお年頃の女子魔法生徒にとっては前衛として魅力的で違う意味で注目の男子というわけだ。
「それで、その、ヨコシマタダオさんと小太郎君ってパートナーなんですか?」
よりにもよって、私と忠雄さんの仮契約ではなくそちらを確認しますか!!
むしろその期待に満ちた目はそうで有って欲しいと口以上に語っていた
「忠雄さんは私のパートナーですのでそんな事実はあり得ません!!」
まあ向こうではマホネットで積極的に話題を提供していた私が言えた事では有りませんが。乙女心は複雑なのです。
他の写真が無いかって?
有りますよ、見ますか…いえいえ、それはそれという事で
魔法使いと俺
時間移動というものはある種の究極のメタを張る行為である。メタを張るとは本来の意味では仮想敵に対して予め対策をしておくような行為なのだが、時間移動の場合はカンニング同然で既に勝った勝負をなぞる作業になるわけだ。
ただここで時間移動による歴史改変が可能かどうかという問題が絡むのだが、GS美神 にしろ ネギま! にしろ過去の自分に接触するや過去でフラグを建てるなど時間移動そのものが規定の歴史として成立している場面が存在する半面、主人公にとって都合が悪い場面では改変をしているので割とあやふやで油断は出来ない部分も有る。
とはいえ未来の俺からの接触があった以上は既定の歴史なのだろう。つまり勝ったなガハハ!
……いやまて、
恐らく
これ材料と設計図が揃っていれば大概の物は作れるんだよな。馬鹿みたいにエネルギーを食うので費用対効果は悪いんだけど、俺なら文珠かアーティファクトで賄えるので問題ないし、材料と設計図にしても神魔スケールなのか人間が一生掛かっても使いきれないくらい内部にストックされているんでやりたい放題か。難点が有るとすれば材料ストックが人界に存在しない素材が多いので場合によっては別途素材調達が必要なのと、航宙艦のような大きい物はそれなりに時間が掛かる事ぐらいだろうか?
本日、その
「噂のロリコンさんはゴミ漁りあるか?」
無視無視
「ふむ、答える気が無いようなら私にも考えが有るヨ。ここで私が悲鳴を上げれば『ふむ、答える気が無いようなら私にも考えが有るヨ。ここで私が』……録音しているとは用心深いアルね」
嫌な感じがしたから最近立場が高い魔法関係者と会う時に使用しているICレコーダーを使用していて良かった
「許可取ってんだから何でもいいだろ」
「しかしロリコンさんは魔法使いのハズアル。何故ここで廃材漁りをしているのか気になるアルヨ」
「……ちょっと模擬戦と言う名の公開リンチの予定が入ったんでな、対策として殴り合いにも使える頑丈な杖を作るんだよ」
「それは今夜アル。今から作って間に合うアルカ?」
「やっぱ知っていやがったか」
「アイヤ、誘導尋問とは酷いアルね」
事は休み明けの始業式が終了した直後まで遡る。
新年早々に学園長に呼び出された俺はいつぞやと似たようなやり取りをしていた。
「君は何を考えているのかね。また本国からの問い合わせで儂の休みが潰れたんじゃが」
そう言われても俺も自分から進んで拳闘士デビューしたわけではないんだが。一応は上司の指示だったので俺に拒否権は無かったし。
それに麻帆良に問い合わせが来るのは向こうの連中が関西を麻帆良の下部組織と勘違いしているせいだから俺は悪くない。両組織を血縁者で牛耳ってんだからそんな誤解も加速する。その程度の不利益は必要経費じゃなかろうか?
といった指摘をしたら本人もわかってはいても一言言いたかったと返された
まあ今年の正月はお嬢様も帰省したから一人で寂しく過ごしてその件も堪えたそうだ。
それはさておき面白くなさそうな空気を隠しもしないのがデス眼鏡。新世界で勝手な事をしないでくれとの事
そもそも俺は関西所属だしメガロにも籍は有りますんでアチラでの活動になんぞ問題がありましたかと返せば不機嫌そうに黙り込んだ。ほれほれ、クルト氏の直轄の身分証も有りますよ。
ぶっちゃけ俺と高畑氏の向こうでの公的立場にはさほど差はない。むろん高畑氏には実績が有るので伴う評価は天と地程の差があるのだが、それでも建前上でも俺が動きやすいようにクルト氏が準備した身分を無視出来ないのだ。
その後何をトチ狂ったのか模擬戦の話が出た。なるほど、本音は俺が自分の精神的柱である咸卦法を使えるのが気に食わないってあたりだろうか? おまけに普通に魔法も使うから穏やかではなかろう
というわけで妹ちゃんを本山へ送り届けたら麻帆良へとんぼ返りして本日使う武器を準備する為急いで材料仕入れているのだ。
せっかくだから新作の霊式機功刀『樹麟帝青継』でも使おうかと思ったんだが、一応は味方なので斬るのも体裁が悪い。そこで魔法の発動体としても使える神通棍を作る事にしたのだ。
夜の世界樹の麓にて魔法先生や生徒の集会というか高畑氏を相手に俺の力試しが行われる。
あー、うん、何か順調にテンプレを重ねているな。妹ちゃんは早々にフェードアウトしたのに俺の方は非常に不本意ながら全盛期のテンプレオリ主と化した(先輩関連除く)気がする。
こーなったら開き直って暴れてやろうかしら。未来俺からのメールには色々と有用な情報が有ったので指示に従い正月中に文珠のストックを使い切る勢いでかなりの数のスキルを習得した。ただまだ慣らし程度なので検証として高畑氏との模擬戦は適当かな?
「そもそも実戦経験も無いペーペー虐めてどーすんですか」
「言葉では謙遜しているようだが本音はどうか見極めて上げよう」
「いや、マジで西でも魔法世界でも神鳴流剣士な上司にボコボコにされて増長とかしようがないんですけど」
「…魔法世界…クルトにかい?」
「あと面白がったジャック氏にもボコられました。あの人に斬りつけたら刀の方が折れたんですけど…」
斬岩剣を無防備に受けたと思ったら、なんと刀の方がポッきりと折れた。そんな経緯で長に拝領したシメサバ丸・影打を折られた俺は闘技場では無手で戦う羽目になったのであった。
「…あの人剣刺さらないですけどってホントなんだ」
「でも英雄ジャック・ラカンに稽古付けて貰えたとか羨ましい」
しかしやられっぱなしでは長に顔向けが出来んので、
流石に頭に来たのでその辺りにあった素材になりそうなブツを片っ端から分捕ってきた、
開始の合図で神通棍を向けてワザとターゲッティングを省いた
ここぞとばかりに瞬動で間合いを詰めて神通棍で打ちかかるが居合拳のカウンターがお出迎え、慌てて左手で真田流居合拳を撃ち衝撃波の壁で防御する。
どうやら居合拳は体勢を選ばず打てるようで今のが誘いの隙だったのか単に俺が隙だと思い込んだだけだったのか判断が付かない。やはり俺の経験の少なさは如何ともし難く相手の挙動の真贋を判断出来んのが痛い。
とはいえデス眼鏡の方も俺の真田流居合拳に苦い顔だ、メタな話をすれば既に別物と化したとはいえジュウベェの真田流居合拳が本家本元なんだけどな!!
右手の神通棍にはこれ見よがしに気を込めて発光させながら回避行動を取りつつ、杖代わりに左の袖口からもう一本の神通棍を左手に滑り込ませて伸長、風の障壁を無詠唱で張り敢えて居合拳の弾幕に突っ込む……と見せかけて
数分後、豪殺居合い拳とかいう人に向けて打ってはいけない威力の攻撃を至近距離でモロに受けた俺は大の字になっていた。
側に立つデス眼鏡はそんな程度では護衛など任せられないとかなんとか宣わっているが
「いやいや、他人の貴方にそんな事を言う権利はないですよ。護衛は彼女の養い親である長が自分の部下に指名したんですから」
よっと飛び起きる俺に少し驚いた顔のデス眼鏡
「直撃したハズだけどまだ動けたのかい?」
「意外と節穴っすね(煽り)
ちょっと注意深く見ればダメージ無い事に気付けたでしょうに。ヨコシマタダオは無能だという願望で目が曇りましたか?」
倒したと思った俺がピンピンしているからか、それとも煽られたからか苦い顔のデス眼鏡
この人にしてみればヨコシマタダオの無様さに優越感を感じていたのに実は優秀だったと言われたら馬鹿にされていたのかと感じるだろうし、仮にも諜報系のガトウ何某に弟子入りしていてそれに気が付かなかった自分は道化となるので無意識に認めたくはないのだろうが……
どっちにしろいい迷惑である。英雄亡者の拗らせ眼鏡も原因のD横島も両方な!!
「西の術者が使う身代わり符か…」
「正解、ヨコシマタダオが呪符の生産をしていた事実を知ったのだから可能性くらいは考えましょうよ」
地面を派手に転がったので汚れてはいるが呪符で守られてほぼノーダメージ。とはいえ依然として力量差は有るので事態は好転したわけではない。
妹ちゃん情報だとこの人
「つーわけで未だ続行って事ですよ」
「今までのやり取りで君では勝てないと未だ気が付かないのかい?」
「いやいや、勝ち負けじゃなくて力を見る為の模擬戦って建前忘れてません? 新人が調子こいてるから公開リンチって本音を隠す気が無いなら出るとこ出てもいいんですが」
「横嶋君!! 儂等はそんなつもりでこの場を設けたわけではないんじゃ!!」
俺の発言にメガロや西と事を成す事になりかねないと思い至り慌てる学園長。まあデス眼鏡の暴走ってのはわかっているんで適当に煽って後は逃げる所存ですが。
デス眼鏡の周囲を瞬間移動染みた歩法で立ち位置を変えて動き回る。まるで分身の術のような挙動にギャラリーが騒めくがアレだな、ぶっちゃけどっしりと構えたデス眼鏡とその周囲を回る俺という状況に格付けも済んだ形だ。もちろん周囲をグルグル回る俺が格下、だがそろそろ下剋上の時間だ
「驚いたよ、随分とスムーズな移動は瞬動ではなくて縮地かい? その年で見事なものだ」
残念、縮地の上位スキルだ。ただしこの世界には存在しないがな。何の返事もしない俺に気を悪くしたようだが、そもそも音速越えで動き回っているので音が追い付かずに会話が出来ないんだよ!気付けよ!! なお俺の方は観測用の式神を配置して音を拾っているので聴いてはいるのだが。
両手の神通棍を短刀程度の長さに縮め右を順手、左を逆手にして左側で納刀を意識して構え…閃駆で256方向からの異界の爆裂魔法「
この程度でどうにか出来るとは微塵も思っていないので爆発の中に飛び込む、当然デス眼鏡も居合拳の連打で正面の爆発を相殺して飛び出してきた、そのタイミングで居合拳が使えない至近距離に踏み込み抜刀右薙ぎ、回避されるがその流れで更に踏み込み左薙ぎを迎撃の拳に合わせるが腕を引かれて空振り、腕を振る勢いを超える速度で体をその場で回転させて腕を体へ引付け…危機察知、背を向けた形になったところを襲う貫手を体を倒し込み交わしてそのまま回転で加速した右薙ぎ、俺が倒れ込んだ形なので上から切り下す形の神通棍をデス眼鏡は半身で躱す。そこへ回避先に順手に持ち替えた左手の神通棍で突きを放つが間合いを見切り後退したデス眼鏡が…直撃を食らい吹き飛ぶ!! 最後の突きの瞬間に神通棍を元の長さに戻したのだ!!
なんちゃって薙旋の最後の突きはガードクラッシュって衝撃を撃ち込む技だったからそれなりに効いただろう。
しかし、クリーンヒットしたと思ったのだが流石はAA+というか派手に吹き飛んだのは瞬動で跳んでダメージを抑えていたようだ。
「少し、君の事を甘く見ていたよう…」
大したダメージではないのか余裕を持って立ち上がり大物っぽい物言いをするが、違和感に気が付いたのかセリフが途中で止まった。
突きは浅かったのだが、元々衝撃を打ち込む防御破りの武器スキルなので接触した段階で衝撃が発生する仕様である。模擬戦ということでそこは手加減をしたが、その代わりに上乗せした霊力が衝撃と供に浸透した結果狙い通りに経絡系を乱されて気の運用が阻害されているようだ。いくらなんでもその状態では数分は咸卦法は使えまい。これで詰みだな
「お互い相手を吹っ飛ばしたって事でここらで終了しませんか? 別に俺が望んだ手合わせではないので俺はかまいませんよ」
この状況なら勝てるとは思うが、それはそれで面倒な事になるのでここは敢えて勝ち逃げだな。所詮は一度限りの奇策の類いなのでこれで勝っても実力の証明としては微妙だからだ。
幸いデス眼鏡が気を使えないのに気付いていたギャラリーは居ないのでここで終わっておけばお互い見せ場が有り良い手合わせだったなで済む。
そこへ声を掛けてくる一人の男性が現れた。
「お久しぶりですねタカミチ君」
「詠春さん、いつこちらに…」
俺の側にはそれなんてセイバー・リリィって純白の可憐で瀟洒な金属鎧を着こんで(ただし手にするのはトゲトゲが痛そうな鈍器)バイザーで目元を隠した妹ちゃん。
あっ、中の人の正体に気が付いたのかコチラを見てキャイキャイしてる小学生の集団はクラスメイトかな? 妹ちゃんも手を振ってるし。
しかし高畑氏は気が付いていない模様、なんでじゃ?
ひょっとして年齢か? 妹ちゃんは魔法学校時代は会うのを避けていたそうで殆んど会っていないし、治療に掛けた時間で見た目がかなり成長したので認識している年齢とかなりズレがあるはずだ。
「……とにかく他人の君に我が家の事に口を出して欲しくないんだよ。わかるかい」
「しかし、アリサ君はあの人の娘で、僕としても心配で……」
だからその本人が居るのに反応無しとか口出す権利は無いと断じられても当然じゃなかろうか?
そりゃ一応は魔法世界で使うつもりで作った装備だからバイザーに認識障害が付いてるけど、知ってる人間(クラスメイト達)にはバレる程度だぞ
そろそろ妹ちゃんの魔力量が増えた(実際は放出量できる量が怪我をする前まで回復なのだが)事が周囲に洩れるのを懸念した長はこれを機に妹ちゃんは西の長の
「護衛の忠雄さんの力が見たくて模擬戦をしていたのですよね、でしたら魔法使いと従者という本来の護衛の状態で見るべきではないでしょうか?」
「むっ、君は彼の従者かな? 今は忙しいからその件は後で…」
高畑氏の雑な対応に対して今まで絶で抑えていた魔力を徐々に解放する妹ちゃん、流石に何かを感じたのか妹ちゃんと向かいあった高畑氏に困惑が見て取れた
「やはり君には資格はありませんよ。彼女が誰か気が付かない程度で関係者を語って欲しくはないですね」
「むう、魔法使い関係ということで儂も会うのを避けられていたが、初めましてじゃな。ようやく新しい孫に会えたわい」
「なっ、まさか…、アリサ君!? しかし、ネギ君と比べて随分と身長差が…下手すれば中学生くらいに見えなくも。それにその魔力はネギ君を超えて…馬鹿な、彼女は魔法使いとしては平凡なハズだ…」
「成長期ですから、小学5年生くらいだと個人差も大きいですから私位の身長も数人いますよ」
「それはそうと私の事を気付きもしない人間に私の将来に口出しして欲しくはないですね」
それでもサウザンドマスターがどうとか食い下がる高畑氏、父親関連って妹ちゃんには禁句だよな
「では、魔法使いと従者の正しい護衛の形で戦う私達に勝てたら話を聞きましょう、負けたら金輪際関わらないで下さいね」
「いいだろう、多少手荒くなるが彼女が言い出したことだから良いですよね、詠春さん」
なんか既に自分の勝利をうたがっていないようだけどねぇ、
「いいでしょう、では早速始めましょうか」
ここは模擬戦会場だから直ぐに始められるのよね
「えっ…、あっ、いや、それは後日日を置いて…」
長の登場から多少混乱していたようだが戦いの場ともなれば冷静なるのは流石だ。だが気が乱れて精密制御が出来ない自分の状態を理解するには遅すぎたな。
そして高畑氏の気が乱れていることに長も妹ちゃんも気が付いてた、モーニングスターのような杖を構えてその莫大な魔力を充填する妹ちゃん
「敵がこちらの都合に合わせて待ってくれるとでも!! 英雄の割に随分とふざけた物言いですね!! いっきますよ~ぉ!!」
「ドカンボーーーーッ!!!」
先輩とデス眼鏡
「はっ? 魔法生徒に貴様が負けただと?
戦闘格付けAA+とか言われて少し増長していたんじゃないか?」
「僕は負けてはいない、お互い一撃入れてダウンを取っての引き分けだ」
「神鳴流に魔法の併用だと?そんな何方付かずの半端者に一発貰うとは負けではないか」
「そちらでは勝ったよ、問題は恐らく本来の…いや、そういえば彼は陰陽師だと申告していた…とにかく見た事が無い魔法を使った後半戦だ」
「つまりそいつは一秒も掛けずに縮地で立ち位置を変えつつ無詠唱で単発の魔法を100発以上バラ撒いて飽和攻撃を仕掛けたわけか? 素直に範囲呪文を使えば済むところを無駄に演出に凝った見せ技を使い、貴様はそれに気を取られてまんまとしてやられたわけか?」
「気が変わった、修行には付き合ってやる。私の手を煩わせるのだから必ずそいつを叩きのめせよ」
「いや、修行場所を借りれればそれで…」
「ふん、今回の敗北は多少力を付けたくらいで奴らの仲間入りをしたつもりの貴様にいい薬だ。私が直々に鍛えてくれるわ!!」
(とはいえコイツに食らいつくとは奴の娘の護衛は刹那以上の腕前か? 学生といえど詠春が付けた本物の護衛という事か)
「ん? どうした茶々丸」
「マスター、実はこのような映像が…」
「なんだ、忙しいか ら……タカミチ!お前その後しっかり負けてるじゃないか!!!」
本編書く前にとにかく何か書いて感覚を戻したいのと、苦戦している戦闘シーンの練習回でした。
時代小説でも読み込むべきか?
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