仮面ライダーW RIOT CRISIS (七夕祝)
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1、「『R』/暴動』

初書きです。
書き方全く分からなくて視点がめちゃくちゃになってるかもしれません、生暖かい目で見てください、どうかよろしくお願いします…


裏路地にて相対する2つの影

 

片方は異形の風貌をしており、おおよそファンタジーの世界に出てくる化け物のような姿だ、ガイアメモリによって人間が人智を超えた存在へと変貌する『ドーパント』と言う怪物である。

「…お前なんなんだよ…!」

ドーパントは息も絶え絶えと言った様子で影にに放つ。

 

影の容姿が路地に吊された電球で晒される。

その容姿を一言で表すなら「鉄」だろう、全身が鉄のような装甲で覆われており、傍目から見てもかなり頑強な硬さを持つ事が分かる。

他にも複眼状に青く輝く巨大な目と胸元に描かれた巨大な牙のような柄が目立つ。

 

その中でも一際印象を残すのが動物の口のようなベルトだ。

全身が鋼鉄に覆われている中では、その肉肉しさは一際異彩を放っていて今にも呻き声を出しそうである。

 

ベルトの丁度口の中に小さい箱のような何かが装填されていた。

それを『鉄』の戦士は取り出し、ベルトの横に引っかかっているスロットのようなものに差し込む、

 

『ーーーーー、マキシマムドライブ!』

 

電子的な音声が聞こえ、その周りに『熱』が集まり始める。

 

「(…なんだこのエネルギーは…!?こんなもん食らったら…)」

 

ドーパントはその集合していくエネルギーに圧倒され、絶望した。その場で膝を付く化け物に向けてその絶対的なまでの『熱』が襲い掛かったーーーー

 

倒れ伏せた化け物の右腕からグロテスクな形をした小さい箱、丁度『鉄』の戦士がベルトに装填しているのと同じ形のものが出てきてそのまま砕けた、そこに化け物はおらず、いるのは腹に穴を開け既に絶命している中年の男だけだった。

 

「…お前はなんなんだよ、ね」

 

莫大な熱と共に放ったパンチでドーパントの腹を突き破った戦士と同じベルトを巻いた青年がもう動かなくなった元の人間に呟く。

 

「…お前らのようなこの街のゴミを潰す、『仮面ライダー』だよ』

 

そう言ったまま青年はその凄惨な現場を後にする。

 

夜風が砕けた『ガイアメモリ』を拐うまでそう時間はかからなかった。

 

様々な風が吹く街、風都

かつてこの街にはいくつもの『悪』の風が吹いた。

 

人を化け物へと変質させる「ガイアメモリ」を街にばら巻いた『ミュージアム』

 

街を恐ろしい計画で壊滅させようとした『NEVER』

 

ガイアメモリを利用し、風都だけでなく世界にまで悪事を働こうとした『財団X』

 

そうやって、誰かが街を泣かせるたびにもう一つの風が吹く。

 

「仮面ライダー」

 

これはそんな街の涙を拭うものに憧れた、『R』の物語である。

 

 

よく冷えた冬の朝、携帯のアラーム音で俺は目を覚ました。

昨日は帰ってからそのままベットに直行したので体が固まってるのか節々が痛く、正直もう二度寝したい気分だ。

「…起きるか」

だがそういう訳にも行かない、今日はやるべきことがある。

軋む体にムチを入れ、ベットから抜け出す、一通り身を整えショルダーバックに財布、ハンカチなどを適当に詰めていく。

「これも一応入れとくか」

バックに「ベルト」と「ガイアメモリ」を突っ込む、使うに越したことはないが、入れて損はないだろう。バイクの鍵をポケットに突っ込み、外へと繰り出すーーーー

 

目当ての『冬限定風都バーガー』を食べながら、ガイアメモリ犯罪のリアルタイム情報を調べる。

どうやらまた『仮面ライダー』が街を泣かせる化け物を退治したらしい、容疑者の犯人の画像と、ガイアメモリによってドーパントとなった時の姿が写真で載せられている。

「相変わらずあの人達は凄いな…」

と嘆息した、そして自分自身の自己嫌悪に繋がっていく、俺のやってることはあの人達のやっていることの猿真似以下で、ましてや自らを『仮面ライダー』と名乗るなんて、烏滸がましいーー自然とスマホを持つ手に力が入っていく。と、その時遠くから何かが爆発する音が聞こえた。

結構、距離が離れている様だが、音を聞いて店内はざわめき始める、

「やっぱあってよかったなベルト」

俺は爆発音を聞いてすぐに店から外に出てバイクを発進させた。

さっきから爆音は連続しており、どうやらまだ音を起こした者はそこにいるらしい。

好都合だが、厄介だ。同じ場所に留まる分、明らかに計画的な犯行ではない可能性の方が高いだろう、だがそうでないとしても始末が悪い、そういう人間は他の人達を道連れに破滅へと突き進む、全く、つくづく迷惑な話だ。

 

爆発が起きている現場に着いたらしい、どうやら公園のようだ、そこら中が燃え、煙が辺りに立ち込める酷い有様だった。

「…最っっっ悪だな」

俺はバイクに乗ったまま公園へと走り出した。

 

 

私は公園で友達と待ち合わせしていた、それだけなのにどうして、

 

『最高!!最高!!最高!!!最高!!!』

 

公園を地獄に変えた化け物が何かを叫びながらこっちに来る。

あんまり覚えてないが元はあいつも人間だったはず、なのに、なんであんなのに?

化け物の手が近づいてくる、こいつの体はそこら中青い炎で包まれて降り、触れられたら火傷じゃすまないのは見ただけでわかる。

「やだ…やめて…やめてください…」

一歩ずつ、化け物がよってくる、

 

『大丈夫!!燃える!!燃えろ!!燃えて!!』

 

何が大丈夫なのだろうか、聞こえていたのに返ってきた言葉がこれならこいつの頭はとっくの前に壊れていたのだろうな、炎に包まれた腕が、近づく、熱い、熱い熱い熱い熱い!!!誰かーーーー

 

「お前かぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

そんな誰かの叫びが聞こえたと思ったら、すぐ近くにあった熱さがいつのまにか消えていた。

誰かがバイクで横から突っ込んで化け物を吹っとばしたらしい。

そのバイクの人はヘルメットを脱ぎ捨て、化け物と相対する。

顔はーーーよく見えない、体に何か変な物を腰に巻いている、何…?あれは…口?

 

 

おそらくこの騒動の犯人であろうドーパントにバイクで体当たりをかまし、ヘルメットを脱ぎ捨てる。

腰にはもうベルトを巻いているから後はメモリを入れて、アクションを起こせば俺はいつでも『変身』できる。

だが、こいつに聞いておきたい事があった。

 

「お前に1つ聞く、何故こんな事をした」

 

どうも罪を犯した人間に「why」を問いてしまうらしい、昨日もそうだった。

 

『俺が!!!!俺の!!!!!俺で!!!!!炎!!!!』

 

問いに対してドーパントは支離滅裂な返答で返してきた、そもそも俺のこと認識してんのかねこれ、とげんなりした気持ちになってくる。

気持ちを切り替えて、リセットする。

 

『アレハマチノゴミ』

 

頭に響く、他でもない自分自身の声。

俺は仮面ライダーじゃない、でも、

 

「お前はこの街のゴミだ、だから俺が、裁く」

 

『ライオット』!

 

「変身」

 

ガイアメモリを起動させベルトにセットし、それを上からベルトで「噛み砕く」

 

 

周囲に鉄の嵐が吹き始める。

ベルトによって体の各部位に生成されたパワードスーツに、その嵐が纏わりつく。スーツに色々な形をした鉄が張り付いて行く感覚が、俺を『仮面ライダー』にしていく。

 

『ライオット』!!!!!!

 

ガイアメモリから発生した音声に合わせて嵐が霧散する。

今の俺の姿は、『鉄』の戦士と言ったところだろう。身体中に張り付いた歪な鉄の装甲がそれを主張する。

 

「仮面…ライダー?」

近くにいた女の子が俺を見てそういった、

「そうさ、俺は仮面ライダー…仮面ライダーライオットだ」

俺はその子に言う、自らが何者かを、自分自身で示すために、

 

『燃える!燃やす!燃やす!燃えろ!!』

 

鉄の嵐によって少し吹き飛ばされたらしい、明らかにあのゴミは憤怒している。

ゴミに向けて、体から生成した鉄の槍を2本投げる。

メモリとベルトの力で増強された筋力から放たれるその槍は容易にゴミの腹を貫く、さらにこの隙に相手の懐に近づき、まだ穴の空いてないゴミの脇腹に向けて、分厚く補強した鉄の拳を叩き込む。

『ガッ!?』

どうやら良いのが入ったらしい、ビクビクと倒れながら痙攣している。

こちらも殴った時に炎が燃え移ったのか全身の装甲が少し黒ずんでいた。その部分の装甲を切り離し、倒れているゴミに向けて、スパイクを足の甲に生やした状態で腹を思いっきり蹴りあげる。

『ァァァァア!!!』

蹴られた勢いで回転して起き上がり体の炎を撒き散らし始めた。

青い炎は周辺を焼き、こちらにも迫ってくる、俺はその炎をモロに受けた、だがそんな攻撃はこの鉄の装甲には意味を無さなかったようで、少し熱いが全く活動に支障はきたさない。

 

『お前、もう終わりなんだよ』

 

『ライオット!!マキシマムクラッシュ!!!』

 

メモリをベルトでもう一度「噛み砕く」。そうする事で発生する、メモリの純粋な力をを右足の一点に集中させていく、この技はメモリの力だけでなく周りのエネルギーも集めて放つ、ゴミによって撒き散らされた炎も右足に吸われていき、俺は、必殺の一撃を放つ。

 

『ライオット・セヴァンス!』

 

『断絶』の意味を込めた渾身のライダーキックをゴミに向けて放った。メモリによって足に蓄積された『熱』は凄まじい威力を蹴りに与え、ゴミの胸に直撃した。

 

『ヴァァァァ!!??』

 

俺の必殺が直撃したゴミは甲高い断末魔を響かせながら、爆発した。

 

周囲に爆風が吹き遊んでいく。

そして吹き終わった後は、いつも通りの光景だった。

結局、ここに残ったのは全身凄まじい火傷を負ったもう動かないゴミと、粉々になって使用が不可能になったガイアメモリ、そして、また人を殺めたと言う意識だけだった。

 

 

『…次のニュースです、昨日の朝、風都の公園にてドーパントによる事件が発生しました。死亡者はいなかったものの、火傷を負うなどして重症を負った被害者が多く、』プツン

 

朝のニュース番組が流れていたテレビを切って、俺は昨日の事件を顧みる。

ただのドーパント犯罪…だがここ最近、「計画的で無いドーパント犯罪」が多すぎる気がする。

計画的なドーパント犯罪は基本『仮面ライダー』が片付けているとして、計画的でないものを裁いている俺からしたら最近多くなってる気がしてならない。

一昨日や昨日に戦ったドーパントではない、あるものは怯えながらあるものは狂いながら、あるものは狂乱の果てで自らの命を絶った者すらいた。

「裏から…手を引く奴らがいる…?だとしたら…やるか」

俺はこの事件を解決する事にする。直感だが、かなり嫌な予感がする、だがまだ事件とすら決まっていない、そもそも事件ですらもないかもしれない、だがそれがもし、この街を泣かせるようなものだったら、俺は何も行動しなかった自分に絶望する、だから今から動くのが1番いい。

そうと決まればやる事は一つ、俺はこの不可解な件をまとめ、『ある人物』に纏めたデータと共にこうメッセージを送った、

 

「この俺、『風生海人』が、この事件を解決する」

 

遠回しに挑発してやったが、これで良いだろう、送りつけた相手の組織もこの件に関心を持ってくれるだろうし、そこから伝わってあの2人の『探偵』にも伝わる可能性も高い。

期待に胸を躍らせながら、外に出る。

あるかも知れない街を泣かせる邪悪を探る為、そして、この街のゴミを捌くために。

 

 

 

 

今、『仮面ライダーライオット』「風生海人」の物語が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでくれた貴方に感謝を。
これからもネタが湧いたらちょくちょく書こうかなと思います。
一人称視点はなんか書きにくかったので次から視点変わるかもです…
文法力をつけて頑張ります…
後海人くんが変身時ドーパントの事をゴミゴミ連呼してるのは変性意識で気性が荒くなってるって設定ですね、ファ◯ナーのアレです。


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