東方の世界へ (シャト6)
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1話

「さて、神様に連れて来られたのはいいが…」

 

俺はさくら達を助け出す為、俺を転生させた神様に連絡をして、修行場所を相談したところ、幻想郷に連れて来られた。

 

「幻想郷…っとなると、東方Projectの世界になるのか」

 

キャラとかは多少は知ってるが、話とかは全然わからねぇな。ま、なんとかなるだろう。取り敢えずまず俺がするべき事は…

 

「この森からの脱出だな」

 

取り敢えずタケコプターで上空に出るか。すると…

 

「シャンハーイ!」

 

「ん?」

 

俺の横にフワフワ浮かんでる女の子の人形がいた。人形…だよな?この大きさ…(上海のモデルはMMDで使われている物を想像して下さい)

 

「えっと…」

 

「シャンハーイ!シャンハーイ!!」

 

すると人形は俺の頭の上に乗ると、左側を指している。

 

「あっちに向かえばいいのかな?」

 

「シャンハーイ♪」

 

俺の言葉に頷く。取り敢えず宛もないし、この人形の言う通り進むか。暫く森の中を進んでいると、何処から声が聞こえてきた。

 

「上海〜!どこなの〜?」

 

「シャンハーイ!!」

 

すると俺の頭の上に乗ってた人形は、声がする方に飛んで行った。俺も後を追い掛ける。

 

「シャンハーイ!」

 

「上海!もうどこに行ってたの!」

 

上海「シャンハーイ!シャンハーイ!」

 

「えっ?」

 

「こんな場所に人がいるとは驚きですね」

 

「貴方は?」

 

上海「シャンハーイ!」

 

すると上海と呼ばれる人形が、再び俺の頭の上に乗った。

 

「この上海?って言うのかな?この子に案内されてここまで来たんですよ」

 

「そうなの。上海がここまで懐くなんて珍しいわ」

 

「そうなんですか?おっと、自己紹介が遅れましたね。私は森川大輔といいます」

 

「宜しく。私はアリス・マーガトロイドよ。アリスでいいわ」

 

「宜しくお願いしますアリスさん。自分も好きな様に呼んでください」

 

アリス「じゃあ大輔さんと呼ばさせてもらうわね。それと、彼女は上海人形の上海よ」

 

上海「シャンハーイ♪」

 

「よろしくね上海」

 

アリス「それにしても、大輔さんはなんで森に?」

 

これ言ってもいいのか?

 

「いえ、目が覚めたら森にいて、出口を探していたら上海に出会いまして。彼女の案内でここまで来たんですよ」

 

上海「シャンハーイ!」

 

いつの間にか、俺に抱っこされてる上海を見ながらそう説明する。

 

アリス「すると貴方は外来人なのね」

 

「外来人?」

 

アリス「外から来た人の事を私達は外来人って呼んでいるの」

 

なるほど。確か神に聞いたら、この世界は俺の…俺達の世界から切り離されているらしい。だから外来人か…

 

「そうなんですか」

 

アリス「取り敢えず、霊夢の所に案内しな…」

 

 

 

 

 

ドオオオオオオン!!!!

 

 

 

 

 

 

「「『!!!?』」」

 

音がした方を見ると、俺は驚いた。何故かここに降魔がいたのだから。

 

アリス「な、なんなのあれは…」

 

上海『シャ、シャンハーイ…』

 

「なんで降魔がここに!?」

 

アリス「降魔って?」

 

「ああ。俺の世界で戦っている魔物だ」

 

アリス「魔物…」

 

俺達は降魔を見る。

 

「取り敢えず、話をする前にこいつを倒さないとな」

 

アリス「そうね。上海!行くわよ!」

 

上海『シャンハーイ!!』

 

「いや、一匹だけだ。ここは俺に任せてくれ」

 

俺はアリスと上海の頭を撫でて前に出る。

 

「さて降魔。さくら達がいないからと言って、好き勝手できると思うなよ?」

 

降魔「ギシャアアアアアア!!!」

 

「悪いがさっさと終わらせてもらうぞ!投影・開始!!」

 

俺は一本の剣を投影する。

 

アリス「えっ!?剣が!?貴方も能力を持っているの!?」

 

「能力と言われれば能力だな。だが、その話は後だ。さて降魔よ…覚悟はいいか?」

 

俺は剣を降魔に向ける。

 

「…聴くがよい。晩鐘は汝の名を指し示した。告死の羽ーーーーー首を断つか!死告天使(アズライール)』…!!

 

降魔「ギシャアアアアアアアアアア!!!!」

 

辺りに鐘の音が響き渡り、降魔の首はズリ落ちた。

 

「……ふぅ」

 

「『……』」

 

振り返ると、アリスと上海は驚いた顔で俺を見ていた。

 

「あ〜…どうかしたか?」

 

アリス「いえ…貴方とても強いのね」

 

上海『シャンハーイ…』

 

「まぁな。こいつらとは幾度となく戦ってきたからな」

 

アリス「そうなの。それと貴方それが素なのね」

 

「ああ。初対面なんかにはあの話し方だが、戦闘やバレるとこれに戻るな」

 

アリス「そうなの。まぁ別に気にしないわ」

 

「ならこの口調で話させてもらうぞアリス、上海」

 

アリス「ええ」

 

上海『シャンハーイ!』

 

アリス「さて、本当なら霊夢の所に連れていきたいんだけど、もう遅い時間ね」

 

周りは既に暗くなり始めていた。

 

「だな」

 

アリス「仕方ないわ。今から行っても霊夢に文句言われそうだし明日にしましょう。大輔さん、よかったら私の家に来てください」

 

「いいのか?別に1日くらいならなんとかできるが?」

 

アリス「大丈夫よ。助けてもらったし、一晩くらい家に泊まっていって。それに…」

 

上海『シャンハーイ!』

 

気が付くと上海が俺の裾を引っ張っていた。

 

アリス「この子も貴方に泊まっていってほしいみたいだしね。上海がここまで感情を出すなんて初めてだわ。余程大輔さんの事が気に入ったのね」

 

上海『シャンハーイ♪』

 

上海は俺の肩に座りながらそう言う。ま、気に入られたなら悪い気はしないがな。

 

「なら今日は世話になるぞ。代わりに飯を作らせてくれ。これでも向こうにいた時は料理屋を経営してたからな」

 

アリス「ならお願いしようかしら」

 

そして俺はアリスの案内で彼女の家に向かうのだった。



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2話

アリス「ここが私の家よ」

 

「へ〜。案外普通の家なんだな」

 

こんな場所に住んでいるから、どんな要塞じみた家に住んでるかと思ったが、俺の時代(前世や今の)と何ら変わりない普通の家だ。

 

アリス「失礼ね。でも、確かにこんな場所じゃそう思っても仕方ないわね。取り敢えず入って」

 

「ああ。お邪魔するぞ」

 

上海『シャンハーイ!』

 

上海がドアを開けてくれ中に入ると、家の中には色々な人形がいた。

 

「…ガキが夜見たら泣くぞ」

 

アリス「い、いいでしょ別に!」

 

所狭しに人形があれば、そう思いたくもなるだろう…

 

上海『シャンハーイ!』

 

『ホーライ』

 

「ん?」

 

すると上海と似た人形が出てきた。

 

アリス「あれは蓬莱人形よ」

 

「あれも人形か。上海に似てるが?」

 

アリス「ええ。上海の後に作ったのよ」

 

「なるほど。って事は姉妹みたいなもんか」

 

アリス「そうね」

 

すると上海が蓬莱を連れて俺の所に来た。

 

上海『シャンハーイ!シャンハーイ!』

 

「ん?」

 

上海は俺の手を取り、自分を抱き込むようにする。なんだ?蓬莱と一緒に抱っこしろって事か?その通りにすると…

 

上海『シャンハーイ♪』

 

蓬莱『ホラーイ♪』

 

2体は満足そうな顔をした。

 

アリス「…大輔さん、上海と蓬莱に随分好かれてますね」

 

「いや、俺も驚きだが…」

 

アリス「蓬莱は、上海より更に人見知りなのに。私の知り合いも、蓬莱が懐くまで1年はかかったのに」

 

んな事言われても知らんがな…

 

上海『シャンハーイ♪』

 

蓬莱『ホラーイ♪』

 

そんなのを他所に、2体は笑っていた。取り敢えず暫くは好きな様にさせていたが、そろそろいい時間だ。

 

「上海、蓬莱。悪いが一旦離れてくれ。アリスに晩飯作る約束したからな。そろそろ作りたい」

 

上海『シャンハーイ…』

 

蓬莱『ホーライ…』

 

んな残念な顔するなよ。罪悪感が半端ないんですけど…

 

「…飯食って風呂入ったらまたしてやるからよ」

 

そう言うと2体は笑顔になった。マジでなんでここまで好かれてんだ?

 

「さて…材料はっと」

 

俺は冷蔵庫の中身を見る。ん〜…結構野菜や山菜、キノコ系が多いな。調味料とかは…結構揃ってるな。

 

「山菜系があるならあれにするか」

 

俺は早速料理に取り掛かる。まずは油を入れて火をかけて…その間に小麦粉をボールに入れて冷水を入れる。少しかき混ぜたら卵を入れて軽くかき混ぜる。混ぜ過ぎには注意だ。んで、温度計なんてもんは無さそうだから、作った衣を少し油の中に入れる。

 

「…よし!」

 

いい温度だ。材料を衣につけて揚げる。

 

 

 

ジュワアアアアアアア

 

 

 

いい音だ。だが、ここは集中しなきゃなんない。油の音でいい感じの揚がり具合が分かる。だが、音が変わるところで上げないといけないから、かなり集中する。

 

「……」

 

まだだ…

 

「……」

 

まだ…

 

「…ここだ!」

 

揚げたキノコを引き上げる。…うん。いい感じだ。そして天つゆも作っておく。醤油、みりん、干し椎茸、削りかつお節…はないから、俺がポケットから用意する。聞いた話じゃ、この世界には海がないみたいだからな。魚介系は無いと思った方が良さそうだ。

 

「おし!完成!飯出来たぞ!」

 

俺は出来た天ぷらをアリスに出す。流石に上海達は食わないから用意していない。

 

アリス「凄いわ…まさか家で天ぷらが食べられるなんて」

 

「俺の世界では、自分で作ることも可能だぞ。ま、面倒くさがって殆どは店に食いに行くみたいだがな」

 

アリス「こっちだってそうよ。天ぷらはお店の食べ物だもの」

 

「そうか。ま、とにかく食ってくれ」

 

アリス「ええ、いただくわ」

 

そしてアリスは、山菜の天ぷらを食べた。

 

アリス「……」

 

「ん?どうした?もしかして不味かったか?」

 

しまった!こっちの味覚と俺の味覚が同じとは限らない事をすっかり忘れてた!

 

アリス「いいえ、違うわ。こんな天ぷら…今まで食べた事ないわ。初めての美味しさよ」

 

「…そうか」

 

安心した…

 

アリス「とっても美味しいわ」

 

「そう言われりゃ料理人としちゃ嬉しいぜ。どんどん食べてくれ!」

 

そしてあっという間に天ぷらは完食されました。

 

アリス「ご馳走さま。本当に美味しかったわ」

 

「そりゃよかった」

 

俺はチャチャッと洗い物を終わらせ、アリスが淹れた紅茶を飲んでいる。

 

「そう言えば、ここって風呂はあるのか?」

 

アリス「一応あるにはあるけど…私みたいな魔法使いは、あまり使わないわね。汚れとかは魔法でなんとかなるし」

 

なるほどね。便利な魔法があるようで。

 

「なら、悪いが使ってない部屋を借りていいか?」

 

アリス「いいけど…どうするの?」

 

「ま、見てな」

 

俺達は湿気とかが大丈夫な部屋に行く。

 

「えっと、確かこの辺に…」

 

俺はポケットの中を探る。…っと、あったあった。

 

「これこれ。温泉ロープ〜」

 

アリス「温泉ロープ??」

 

上海『シャンハーイ?』

 

蓬莱『ホーライ?』

 

「これを拡げて床に置けば…あっという間に温泉の完成だ」

 

床に置いたロープの内側が温泉になる。

 

アリス「…凄いわ。本当にお湯だわ」

 

アリスは温泉に手を入れ驚いていた。

 

「これは俺の秘密道具でな。どんな場所でも気軽に温泉に入れる代物だ。さて、早速入るか。アリスも後で入るか?」

 

アリス「そうね。そうさせてもらえるかしら?」

 

「ああ。上がったら言うから」

 

アリス「じゃあひとまず失礼するわね」

 

そしてアリスは部屋を出ていった。温泉をお互い楽しんだら、寝間着に着替えてノンビリする。ん?どっから寝間着を出したかって?んなの着せ替えカメラで着替えたに決まってるだろ。

 

アリス「そろそろ寝ましょうか」

 

「そうだな」

 

俺達はベットがある部屋に行く。

 

アリス「そっちのベットを使って」

 

「ああ。けど、なんでベットがもう一つあるんだ?」

 

アリス「私の知り合いがよく泊まりに来るのよ。それでね」

 

なるほどね。

 

「一緒の部屋で大丈夫なのか?」

 

アリス「ええ。大輔さんがそんな人じゃないのは分かるもの」

 

「ま、アリスがいいんだったらいいけどさ」

 

流石に嫁さんを複数人抱えてるからな。ここで何かすれば、離れてても制裁を喰らいそうだしな。

 

「…で、お前らはここで寝る訳ね」

 

上海『シャンハーイ』

 

蓬莱『ホラーイ』

 

何故か上海と蓬莱が俺のベットに潜り込んでいる。

 

アリス「本当に懐いてるわね。そこまで行くと嫉妬しちゃうわね」

 

「ならアリスも一緒に寝るか?」

 

冗談でそんな事を言ってみる。

 

アリス「さ、流石に遠慮しておくわ」

 

「だろうな。冗談だ冗談」

 

アリス「羨ましいけど、まだハードルが高いわ。上海達が羨ましいわね」

 

いやアリスさん。羨ましいのかい。こういう時耳が良すぎるのは考えものだな…



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3話

翌日、俺はアリスが言っていた外来人が来た時に行く神社に向かっていた。

 

「なるほど。本来外来人が来たら、まずその神社に行って帰るか残るか選ぶ訳か」

 

アリス「そうね。そんなに多くは無いけど、偶に紫が隙間を開けっ放しにしたり、結界が緩んだ時にやって来る事が殆どね」

 

いや、原因はほぼその紫って奴な気がするんだが…

 

アリス「着いたわ」

 

ここがその神社、博霊神社か。

 

「…随分ボロいな」

 

アリス「言わないであげて。場所が場所だから、あまり参拝客が来ないのよ」

 

あ〜確かにそうかもな。俺達は飛んできたが、歩いて来るとなると遠すぎる。

 

アリス「さて…霊夢いるかしら?」

 

声をかけるが、誰も出て来ない。

 

アリス「ふぅ…仕方ないわね」

 

そう言うとアリスは、賽銭箱の前に立つ。

 

「ん?賽銭か?」

 

アリス「ええ。あの娘を呼び出すには1番の方法よ」

 

賽銭が呼び出す方法って…まぁいい。俺も賽銭するか。

 

「ん〜…無難に百円でいいか」

 

俺は百円を入れる。因みに百円札ではなく、俺がいた前世での百円玉だ。フエール銀行に預けてれば、どの時代の金とも交換できる。ま、改造してそうしたんだがな。

 

 

チャリン…

 

 

ドドドドドドドドドドドド!!

 

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

 

キキーーーーーーーィ!!

 

 

 

「お賽銭の音〜〜〜!!!!」

 

奥から脇を出してる巫女?が出てきた。ってかどんだけ耳いいんだよ…きり丸かよ。

 

「貴方ね!お賽銭を入れてくれたのは!!」

 

「え、えぇ…」

 

「ありがとおおおおお!」

 

手を掴んでブンブン降ると、彼女は中身を確認する。

 

「す、凄いわ!百円も入ってる!!」

 

そんな百円玉を泣きながら握りしめんでも…

 

アリス「コホン」

 

「ん?あらアリス。いたのね」

 

アリス「最初から居たわよ!全く…相変わらずね霊夢」

 

コイツがアリスの言ってた博霊の巫女か。

 

霊夢「けど珍しいわね。アリスが知らない人と一緒だなんて」

 

アリス「その事で貴方に相談に来たのよ」

 

少し呆れながら、アリスはおれのことを説明する。

 

霊夢「なるほどね。あんの隙間BBA…また外来人を勝手に呼んで…」

 

なんか凄い事言ってるが…気にしたら負けだろな。

 

グウウウウ……

 

「ん?」

 

アリス「わ、私じゃないわよ!」

 

って事は…

 

霊夢「……」

 

顔を赤くして下を向いてる霊夢がいた。

 

「もしかして霊夢さん…」

 

霊夢「…何も食べてないの」

 

はぁ…仕方ない。何か作ってやるか。

 

「霊夢さん、よければ台所を借りてもいいでしょうか?」

 

霊夢「ええ、別にいいわよ」

 

「では失礼して」

 

俺は台所に向かった。

 

「さて、何があるか…」

 

米に野菜…おっ!鶏肉もあるのか。ならあれだな。

 

『シャンハーイ』

 

『ホラーイ』

 

「ん?」

 

後ろを振り返ると、上海と蓬莱がいた。

 

「どうした?」

 

上海『シャンハーイ!シャンハーイ!』

 

何やら手足を動かしている。もしかして…

 

「手伝うって言ってんのか?」

 

俺がそう言うと、二人は頷く。

 

「ま、時間がかかるのは飯を炊くぐらいだしなぁ…それじゃあ人数分の食器を用意しておいてくれるか?」

 

上海『シャンハーイ!』

 

蓬莱『ホラーイ!』

 

そう言うと二人は食器を取り出し始めた。さて、俺も作るか。

 

「材料は米、鶏肉、ごぼう、こんにゃく、人参、油揚げ、生姜、醤油、みりん、砂糖、塩、七味っと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「ねぇアリス」

 

アリス「何かしら?」

 

霊夢「あの人…えっと」

 

アリス「彼は森川大輔さんよ。私は大輔さんって呼んでるけど」

 

霊夢「その森川さんだけど、台所に行ってから戻ってこないわよ?」

 

ああ、それね。

 

アリス「おそらくだけど、霊夢の為に何か作ってるんじゃないかしら?」

 

霊夢「へ〜。あの人料理できるのね」

 

アリス「霊夢は知らないけど、大輔さんは向こうの世界では料理人みたいなのよ。昨日も私の家でてんぷらを作ってくれたわ」

 

本当に美味しかったわ…

 

霊夢「天ぷらですって!?あんなの高級店の食べ物じゃない!!」

 

ま〜、霊夢からしたらそうよね。

 

「お〜い!霊夢〜!!」

 

はぁ…煩いのが来たわね。

 

「霊夢いる…って、アリスもいるのか」

 

霊夢「相変わらず煩いわね。それで、何しに来たのよ魔理沙」

 

魔理沙「そんな言い方はないのぜ」

 

全く…魔理沙も相変わらずね。

 

魔理沙「けど、なんでアリスがいるんだ?」

 

アリス「私は昨日来た外来人を連れてきたのよ」

 

魔理沙「へ〜。また外来人が来たのか」

 

霊夢「そうよ。全く、あの隙間BBA自分が開けた隙間くらいしっかり管理しなさいよね」

 

魔理沙「なんだ、また紫のせいなのか?」

 

霊夢「多分ね」

 

多分って…

 

魔理沙「んで、その外来人はどこにいるのぜ?」

 

アリス「霊夢がお腹をすかしていてね。台所で何か作ってくれてるわ。言っておくけど、強制して作らせてないからね」

 

魔理沙「へ〜。随分物好きな奴がいるんだな」

 

確かにそうかもね。

 

魔理沙「そう言えばアリス。上海達は今日は連れてないのか?」

 

アリス「あら?一緒に来ていたはずよ?」

 

周りを見渡しても上海と蓬莱はいない。となると大輔さんの所ね。

 

アリス「多分大輔さんの所ね。あの二人、昨日あったばかりなのに大輔さんに懐いてね」

 

魔理沙「嘘だ〜!上海はともかく、蓬莱は絶対嘘だぜ。私だって1年はかかったんだぜ?」

 

確かに普通ならそう思うわよね。ん?なんだかいい匂いがするわね。そっちの方に意識を向けると足音が聞こえてきた。

 

アリス「あら?そうでもないわよ?かなり気に入られてるから」

 

私は台所の方を見ると、お櫃と鍋を持ってる彼と、食器等を持ってる上海と蓬莱を見る。

 

「お待たせしました…後、どちら様で?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました…後、どちら様で?」

 

俺が戻ると、霊夢とアリス以外にもう1人増えていた。取り敢えずお櫃と鍋を置く。上海達も食器をアリス達の前に並べる。だが、もう1人増えてるならもう一つ持ってこないとな。

 

「上海、蓬莱。申し訳ないですがもう一人分食器を持ってきてもらえるかな?」

 

上海『シャンハーイ♪』

 

蓬莱『ホウラーイ♪』

 

俺がそう言うと、二人は台所に食器を取りに行った。

 

「嘘だろ…アリス以外で言う事を聞くなんて…」

 

アリス「だから言ったでしょ?気に入られてるって」

 

「えっと…」

 

霊夢「コイツは霧雨魔理沙よ。本人曰く【普通の魔法使い】らしいけど」

 

魔理沙「らしいじゃねぇ!魔法使いだ!!」

 

へ〜魔法使いか。

 

上海『シャンハーイ』

 

蓬莱『ホウラーイ』

 

すると上海と蓬莱が、魔理沙の分の箸や茶碗を持ってきてくれた。

 

「ありがとう上海、蓬莱」

 

俺は二人の頭を撫でると、嬉しそうな顔をする。

 

上海『シャンハーイ♪』

 

蓬莱『ホ、ホウラーイ///』

 

「さて、取り敢えずありきたりですがご飯を作りました」

 

俺はお櫃の蓋を開ける。

 

「「「うわ〜!」」」

 

3人は中を見てそう言う。

 

アリス「これは炊き込みご飯なの?」

 

「そうですね。これは【かしわめし】と言います。霊夢さんの台所に野菜等があったのでこれを作りました。後は味噌汁程度ですけど」

 

魔理沙「すげ〜!霊夢とこで、こんなのが食えるなんて思わなかったぜ」

 

霊夢「魔理沙、どういう意味よ!」

 

アリス「ま〜、言いたい事は分かるけどね」

 

普段どんなの食ってんだよ。そして俺は、俺を含めた4人分よそう。

 

「ではいただきます」

 

「「「いただきます」」」

 

さて、味は大丈夫だと思うが…

 

魔理沙「うんめえええええええええ!!!!!」

 

霊夢「美味しいいいいいいいいいいい!!!!」

 

んな大声で感想言わんでも…

 

アリス「うん。やっぱり美味しいわね」

 

「それはよかった」

 

俺も一口…うん。味も充分染み込んでて上手くできてる。まぁ、もう少し時間があればもっと味染みたがな。そして二人はあっという間に平らげ、おかわりもして満足そうにしていた。

 

魔理沙「ウップ…食べ過ぎたぜ…」

 

霊夢「あたしも…」

 

アリス「呆れた…」

 

霊夢と魔理沙は、茶碗5杯もおかわりをした。そら腹一杯になって当然だ。俺は洗い物を済ませ、膝には上海と蓬莱が座っている。

 

霊夢「そう言えばあんた、昨日幻想郷に来たって言ってたわね」

 

「ええ」

 

霊夢「一応あたしに手で返す事もできるけど?」

 

ん〜参ったな。神様に頼んで複数の修行場所の1つなんだが、今すぐ帰っても意味がない。それに、降魔が出たからには、その原因も調べなきゃなんないしな…

 

「彼を返す事はできないわ」

 

すると霊夢の背後に空間が現れ、中から女が出てきた。

 

霊夢「それってどういうことよ紫」

 

こいつがアリス達が言ってた紫か。

 

紫「どうもこうもないわ。少し前に私の家に神を名乗る人物がやって来て、彼の事を説明されたわ」

 

魔理沙「神?諏訪子や神奈子みたいなのか?」

 

「いや、あの二人よりも更に上の存在だ」

 

また空間から出てきた。今度は…狐か?しかも尻尾が9本もある。…九尾の狐か。

 

霊夢「アイツらより上の存在ですって!?」

 

ってかこの世界にも神様いたのか。まぁ、あの人は自分で『全世界…いや、全宇宙の神だよ』って言ってたっけ。つまり創造神…始まりの存在だ。

 

紫「さて…」

 

すると紫と九尾狐は俺を見る。俺は上海と蓬莱をアリスの方に渡す。

 

紫「初めまして。森川大輔さん。私はこの幻想郷の管理者よ」

 

「私は八雲藍だ。紫様の式だ」

 

「これはご丁寧に。それで、幻想郷の管理者である八雲紫さんが、1個人の私に何かようでしょうか?」

 

紫「ええ。あの神から貴方がここで修行を終えるまで、ここにいさせてあげてって言われたのだけれど…」

 

「そうですか」

 

紫「神が1人の人間にそこまでする事が珍しいわ。それでも敢えて聞くわ」

 

ま、聞かれることは大体想像できるけどな。

 

紫「あなた…一体何者なの?」



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4話

紫「あなた…一体何者?」

 

まぁ予想通りな答えなことで。けど、普通は思うよな。傍から見たらただの人が、神に…それも創造神と知り合いって時点でな。

 

「すみませんがお答えできません」

 

紫「そう…」

 

そう言うと紫は、背後に先程の空間を出し攻撃してきた。

 

「!?」

 

俺は素早く避け外に出る。

 

霊夢「ちょっと紫!あんたいきなり何してんのよ!!」

 

魔理沙「そうだぜ!いきなり攻撃っておかしいだろ!!」

 

紫「黙りなさい!」

 

突然の怒鳴り声に、霊夢達は驚いた。

 

紫「彼は、幻想郷の秩序を乱す可能性がある限り、私は幻想郷を守護する義務があるのよ」

 

藍「紫様…」

 

なるほどね。この今の時代の背景などを考えると、俺のいる太正より前。多分江戸時代が一番当てはまるだろう。それに俺は神様…創造神のおかげでさくら達がいる太正の世界に転生した。だから、あの時代よりも更に先の技術や知識もある。それがこいつ、紫にとっては都合が悪いって事か。けど、別にお前らに敵対する気もなかったんだがなぁ。まぁ仕方ない。相手もやる気だし…

 

「そっちが先に手ぇ出したんだ。殺られる覚悟があるって事だよな?」

 

 

 

ギン!!

 

 

 

『!?』

 

俺は覇王色の覇気で、紫達全員を睨む。…ふむ、流石にアリスや上海達は気絶したか。霊夢と魔理沙、藍は気絶はしてないまでも、膝をついてる。紫は…

 

紫「な、なんなのよこれ…」

 

立ってるだけって感じだな。

 

「俺は別にお前と戦うつもりはなかったんだがな。けど、そっちから手を出してきたんだ。それなりの覚悟はあるって事だよな?」

 

紫「クッ…バカにして!」

 

紫は俺の上空に空間を開ける。

 

紫「くらいなさい!廃線『ぶらり途中下車の旅』!!」

 

すると俺の足元にいつの間にかレールが引かれ、目の前から電車が突っ込んできた。

 

「マズイ!」

 

俺はそのまま下敷きになる。

 

紫「……」

 

藍「紫様…やったのですか?」

 

紫「分からないわ」

 

「ほう…油断していないとは流石ですね」

 

『!?』

 

「やれやれ。先程の反動で眼鏡が壊れてしまいましたね」

 

俺は紫が出した廃車になった電車や船が溶けていく。あ〜、久々にこの力を解放したな。またタイミングも良く、昼ではないがそこそこ太陽は高い位置にある。

 

紫「な、何が起きてるの!?」

 

藍「紫様が出した物が…溶けている…」

 

「私があの程度で殺られるとでも?実におこがましい!」

 

俺は溶けた場所から脱出し、紫達の前に出る。一応距離は取っている。

 

霊夢「ねぇ…さっきから暑くない?」

 

魔理沙「そう言われれば…」

 

「霊夢、魔理沙。アリス、上海、蓬莱を連れて、今すぐここから離れる事をオススメします」

 

紫「あら?何故かしら?」

 

「それはですね…」

 

太陽がどんどん高くなっていく。すると当然俺の力も上がっていく。

 

「私が強い故に、彼女達を巻き込まない配慮です」

 

紫「あら…随分と言ってくれるわね」

 

「当然です。我が意志に応えよ…神斧リッタ!

 

この力を使う時に使う神器【神斧リッタ】を投影する。

 

「「!!?」」

 

神斧リッタを持った瞬間、紫と藍の奴の顔が変わる。

 

紫「なんなのあの斧は!?」

 

霊夢「片手で持つ斧なんて聞いたことも見たこともないわ!」

 

「神斧リッタ。太陽に愛でられし、乙女の名を冠した戦斧。暗闇に轟き生きる妖怪如きが名を言っていい物ではない」

 

藍「神斧…リッタ…」

 

紫「あなた…本当に人間なの……」

 

「ええ…人間です。ただし、全ての種族の頂点に立つ者でもある」

 

紫「全ての種族の頂点…ね。随分と傲慢な事を言うわね」

 

「当然です。それが私…〈傲慢の罪(ライオン・シン)〉森川大輔様だ」

 

紫「傲慢にも程があるわね」

 

「事実ですから」

 

俺はそう言うと、指先に力を集める。

 

霊夢「な、なんなのよあれ!?」

 

魔理沙「わ、私が知るかよ!!」

 

無慈悲な太陽(クルーエル・サン)!」

 

紫「クッ!」

 

俺は少し加減をした無慈悲な太陽を放つ。当然だが、博霊神社は跡形もなく消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「ああああ…じ、神社が…」

 

魔理沙「うわ〜えげつないな」

 

アリス「う…うぅ〜ん」

 

魔理沙「おっ!アリス達が目を覚ましたぞ」

 

アリス「あれ?私は一体…って何よこれ!?」

 

魔理沙「あぁ。博霊神社がこうなった理由はあれだ」

 

私は魔理沙が指差す方を見ると、大輔さんと紫と藍が戦っていた。

 

アリス「…恐ろしい力ね」

 

魔理沙「全くだ」

 

霊夢「神社があああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「厄介ね…」

 

藍「はい、紫様」

 

紫「藍、あの力を抑え込むわよ。一時的にあの力を封印してみるわ」

 

藍「分かりました」

 

ふむ…どうやら俺のこの力を封印するみたいだな。無駄な事を…

 

紫「……」

 

まぁ、どんな感じで封印するか見てみるか。俺はわざと隙きを見せる。

 

紫「!今よ藍!!」

 

藍「はい!!」

 

すると藍は、俺に向けて術をかける。

 

紫「よし…これで…」

 

「がああああああああ!!!!」

 

紫「ら、藍!?」

 

術をかけた藍が突然苦しみ出す。

 

紫「藍!藍!!しっかりして!!」

 

「やはりこうなったか」

 

紫「あなた…藍に何をしたのよ!!」

 

何をって…俺何もしてないんだけど?

 

「俺は何もしていない。恐らくだが、俺の力を術で抑えつけているからだろうな」

 

紫「どういうことよ」

 

「お前が封じた力の一部〈太陽〉(サンシャイン)。太陽と同じ力だ。普通の人間…ましてや妖怪に扱える筈がない」

 

紫「妖怪って…藍は妖怪の中でもトップクラスの実力なのよ!」

 

「だが現に苦しんでるじゃねぇか。早く封印を解いた方がいい。でないと太陽の力でこの狐は燃えるぞ…」

 

『!?』

 

俺の言葉に苦しんでいる藍以外が驚きの顔をする。

 

紫「藍!すぐに封印を解きなさい!」

 

すると太陽の力が俺に戻ってきた。そして俺は新しい眼鏡をかける。

 

藍「さて…」

 

俺は藍に近づく。

 

紫「な、何よ」

 

藍「どけ。火傷が酷すぎる。治療する」

 

紫「触らないで!今から永遠亭に連れて行けば…」

 

「間に合うか!どけ!!」

 

俺は紫を弾き飛ばし藍の容態を確認する。

 

「…流石は九尾の狐だ。あれを喰らってもこの程度で済んでんだからな。なら」

 

俺は急いで藍の服を脱がせる。

 

紫「ちょっ!?何してるのよ!!」

 

「黙ってろ!」

 

俺はドクターアロエを藍に巻く。

 

紫「なんなのそれ」

 

「これはドクターアロエっていってな。外傷は勿論だが、火傷や凍傷等の壊死した細胞組織も治療する包帯だ。因みに1メートル辺り数十万円するけどな」

 

霊夢「す、数十万円…」

 

そう言うと霊夢は倒れた。

 

魔理沙「あちゃ〜。あまりの値段に霊夢の奴気絶したぞ」

 

アリス「そういう魔理沙も足が震えてるわよ」

 

魔理沙「ま、まぁな」

 

金額聞きゃそうなるか。

 

「さて…それでこいつの治療費だが…」

 

紫「……」

 

「普通の包帯ならいいが、これは希少でな。安くはしとくがな」

 

紫「…分かったわ」

 

「なら治療費だが…すぐには思いつかんから、思いついた時に言う。拒否権はないぞ?」

 

紫「分かってるわよ。…藍を助けてくれてありがとう」

 

「気にするな。数日は安静にしておけよ」

 

紫「ええ、分かったわ」

 

そして紫は、藍を連れて帰っていった。

 

「ふぅ…どうにかな「だ〜い〜す〜け〜さ〜ん〜!!」!?」

 

俺は振り返ると、霊夢が鬼の形相で睨んでいた。

 

「ど、どうした…」

 

霊夢「どうしたじゃないわよ!あなたの攻撃で神社が無くなったじゃないのよ!!」

 

「ま、待て!ちゃんと神社を直すから!」

 

霊夢「その間はどうするのよ!」

 

「いや…だから…」

 

胸ぐらを掴んで前後に揺するな!

 

「だから…落ち着け!」

 

俺は霊夢から離れる。

 

「一瞬で直るから安心しろ」

 

アリス「けど大輔さん。流石にそれは無理なんじゃ…」

 

いや、そうでもないんだよな。

 

「復元光線〜♪」

 

「「「復元光線?」」」

 

上海『シャンハーイ?』

 

蓬莱『ホウラーイ?』

 

「この光線を壊れた神社に当てると…」

 

復元光線を当てた神社は、あっという間に壊れる前に戻ったのだった。

 

「この通り」

 

『…………』

 

ま、当然だよなその顔…

 

霊夢「ホント大輔さんって何者なのよ」

 

「一応ただの人さ」



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5話

霊夢「それで、これから大輔さんはどうするのよ?暫くこっちにいるなら、住む場所とか必要でしょ?」

 

「確かにそうだな」

 

ん〜…どうするか。土地とかがあれば、俺の技術や秘密道具なんかで家はできるんだが…

 

「この辺に手頃な土地とかないか?」

 

魔理沙「土地?」

 

「ああ。流石にこのままアリスの家に世話になる訳にはいかないしな」

 

アリス「あら?別に私は気にしないわよ?上海達もそうでしょ」

 

上海『シャンハーイ♪』

 

蓬莱『ホウラーイ♪』

 

アリス「ほら、この娘達も嬉しそうだし」

 

上海も蓬莱も嬉しそうに返事をする。しかし、やはりさくら達の事もあるしな。

 

「気持ちはありがたいが、やはりな」

 

アリス「そう。なら仕方ないわね」

 

上海『シャンハーイ…』

 

蓬莱『ホウラーイ…』

 

アリスは顔に出してないが、上海と蓬莱は見て分かる通り落ち込んでる。

 

「なに、別に一生会えない訳じゃないんだ。会おうと思えば会える」

 

そう…さくら達と違ってな。

 

(あいつ等…元気のしてんのかな)

 

俺は向こうにいるさくら達の事を思い出すのだった。んで、俺は結局博霊神社と人里の間位の土地を紫と霊夢に紹介された。

 

(ま、家は後で建てりゃいいだろ)

 

その日は博霊神社に泊まった。因みに魔理沙やアリス、上海に蓬莱も泊まったのはお約束だ。翌日、俺達は人里に向かっている。霊夢達に色々店を教えてもらう為だ。

 

「へ〜、ここが人里かぁ」

 

霊夢「そうよ。必要な物は、皆大体ここで買ってるわね」

 

魔理沙「まぁ、これから頻繁に来ると思うしな」

 

アリス「後、案内できる場所といえば、香霖堂(こうりんどう)くらいかしら」

 

「香霖堂?」

 

魔理沙「人里の物はもちろん、冥界や妖怪、魔法の道具、それに外から来る道具も扱ってるんだぜ?」

 

「へ〜」

 

外からの道具ね。もしかしたら俺の知ってるのもありそうだな。

 

霊夢「香霖堂は今度案内するわ。アリスが」

 

いや、そこはお前じゃないのかよ!

 

アリス「霊夢は香霖堂の店主にツケ。魔理沙は、よく物を盗っていくから行けないのよね」

 

霊夢「グッ…今度依頼が来たら返すわよ…多分

 

コイツ、物凄い小さな声で多分って言ったぞ。返す気ないな…

 

魔理沙「アハハ〜…わかってるんだけどな」

 

2人とも何やってんだか…

 

霊夢「そ、そう言えば紫が言ってたけど、今日家で宴会やるから」

 

魔理沙「おっ!宴会か!」

 

アリス「随分と急ね」

 

確かに。ま、話をそらしたかったってのもあるだろうがな。

 

霊夢「既に紫が幻想郷の連中に伝えてるわ。文の力も使ってね」

 

文?

 

アリス「そういう事なら、私達もここで食材買って帰りましょう」

 

魔理沙「だな」

 

俺達は食材や酒などを買って、博霊神社に帰った。夜になり、神社には人が集まっていた。

 

「随分多いですね」

 

アリス「いつもこんな感じよ?」

 

霊夢「そうね。後は森川さん見たさに来てるってとこかしら?」

 

アリスと霊夢が説明してくれる。既に魔理沙は酒を飲んでいた。

 

紫「やっほ〜霊夢」

 

霊夢「来たわね紫。藍も見た感じ大丈夫そうね」

 

藍「ま、まぁな」

 

藍は少しビクビクしながら答える。ま、俺の力…しかも太陽で焼かれそうになりゃトラウマになるわな。

 

「紫しゃま。この人が紫しゃまや藍しゃまに勝った人ですか?」

 

すると猫耳を生やした女の子が話しかけて来た。

 

紫「まぁそうね。紹介するわ。藍の式の橙よ」

 

橙「藍しゃまの式の八雲橙です」

 

「しっかりと挨拶できて偉いですね。私は森川大輔といいます。宜しくお願いしますね。橙さん」

 

橙「はい!」

 

俺は頭を撫でてやる。随分と人懐っこいな。

 

紫「さて、それじゃあ私達も楽しみましょう」

 

霊夢「そうね」

 

俺はアリス、上海、蓬莱、霊夢、紫、藍、橙と座り飲み始めた。

 

「それにしても、見た感じ人間が殆どいませんね」

 

紫「分かるの?」

 

「ええ。人は誰でも気や電磁波を発しています。人間には人間の。妖怪には妖怪の気や電磁波の色があります」

 

藍「そうなのか?」

 

「ええ」

 

俺は酒を飲みながら説明した。しかし、色んな奴がいるな。

 

「ん?」

 

すると神社の外から気配を感じた。

 

紫「これって…」

 

霊夢「十中八九…アイツよね」

 

アリス「もしかして…」

 

上海「シャ、シャンハーイ…」

 

蓬莱「ホーライ…」

 

橙「ら、藍しゃま…」

 

藍「……」

 

どうやら、こいつ等からしても、かなりの実力者が来るみたいだな。

 

「あら?随分警戒されちゃってるわね」

 

やって来たのは、緑色の短髪癖っ毛の女だ。コイツも妖怪か。

 

霊夢「あのねぇ…あんたが来たらそうなるに決まってるでしょ!」

 

アリス「まぁ…そうよね」

 

紫「それで、何しに来たのかしら?幽香?」

 

どうやらこの女は幽香っていうらしいな。

 

幽香「私は、ここに来た外来人見に来たのよ。なんでも紫、あなたに勝ったって知ってね」

 

『!?』

 

幽香「何故知ってるって顔をしてるわね?それはあそこの鴉の新聞で知ったのよ」

 

おいおい…いつ見てたんだよ。

 

紫「そう…」

 

やれやれ。これ以上隠れてると、アリスや上海に蓬莱が気の毒だな。

 

「えっと、私がその外来人?ですけど」

 

幽香「あら?貴方がそうなのね」

 

「ええ」

 

幽香「へ〜…」

 

すると幽香は、俺をジロジロと見る。

 

幽香「あなた本当に紫に勝ったのかしら?」

 

「そんな」

 

幽香「そうよね。するとあそこの鴉のデマって事かしら?」

 

このまま穏便に済みゃいいがな。

 

「あややや…」

 

「そうかしら?」

 

すると今度は、メイドの側にいた紫の髪の子供が来た。

 

「名乗っていなかったわね。私はレミリア・スカーレットよ」

 

「これはご丁寧に。私は森川大輔といいます」

 

レミリア「森川ね。それで、あなたは本当はそこのスキマ妖怪に買ったんじゃないのかしら?」

 

このガキ、穏便に済む話を蒸し返しやがって…

 

「いえいえ。私は人間ですよ。妖怪である紫さんに敵う筈ないですよ」

 

レミリア「ふ〜ん…」

 

「…!!」

 

するとレミリアは俺に攻撃してきた。

 

『!!』

 

レミリア「やっぱりね」

 

コイツ…

 

幽香「どうやら、あの鴉が言ってた事は本当みたいね」

 

すると幽香の奴もコッチを見る。はぁ…面倒だな。

 

「仮にそれが本当だとしてどうするんですか?」

 

幽香「もちろん私と戦ってもらうわ」

 

「は〜…」

 

面倒だな。今は夜だからあれは使えないが…ま、俺も修行になるしいいか。

 

「断りたいですね」

 

幽香「あら?断ってもいいわよ。けど…貴方が何もせずに死ぬだけよ!」

 

すると幽香は、地面から蔦を出して俺に攻撃してきた。このバカ!場所を考えろ場所を!!

 

「ボイスアーマー&音壁!」

 

俺は素早く、霊夢達参加者にボイスアーマーと音壁で守りを作る。

 

幽香「あら?随分と頑丈なのねそれ」

 

「……」

 

コイツ…被害関係なく攻撃してきやがったな。なら仕方ない。ここから離れるか。

 

幽香「あら、どこに行くのかしら?」

 

そう言いながらも追いかけて来る。さて、神社から大分離れればいいだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大輔さんは幽香を連れて行ってしまった。

 

紫「あの人、私達やここにいる皆の事を気遣って離れたのね」

 

霊夢「でしょうね。いくらなんでも幽香の攻撃じゃ、並の連中じゃ敵わないわ」

 

アリス「……」

 

私はそのまま大輔さんの後を追い掛けた。

 

魔理沙「お、おいアリス!」

 

霊夢「仕方ないわね!」

 

魔理沙「霊夢の奴まで…あ〜もう!私も行くのぜ!」

 

見ると霊夢と魔理沙も追い掛けてきた。急いで行かなきゃ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「やれやれ」

 

藍「紫様。如何なさいますか?」

 

紫「そうね…」

 

どうしようかしら…

 

「紫」

 

紫「あら幽々子」

 

幽々子「ここは私と妖夢で見ておくわ」

 

紫「いいのかしら?」

 

幽々子「ええ」

 

けど珍しいわね。幽々子からそんな話が出るなんて。

 

紫「何を考えているのかしらね」

 

幽々子「酷いわ紫。私はただ、あの人が作るご飯を食べたいだけよ」

 

紫「…ホント幽々子らしい理由ね。藍、行くわよ」

 

藍「分かりました。橙、あなたはここをお願いね」

 

橙「分かりました!紫しゃま!藍しゃま!お気を付けて!」

 

そして私と藍も、霊夢達の後を追い掛けて森川…いえ、大輔の元に向かった。



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6話

あれから随分と離れたし、丁度広い場所も見えるな。

 

「この辺でいいだろう」

 

俺は広い場所に着地する。するとついてきてた幽香の奴も来た。

 

幽香「あら?もう逃げないのかしら?」

 

「ああ。テメェ如きに逃げる必要ねぇからな」

 

その言葉に、表情は変わってねぇが怒りは感じた。

 

幽香「へ〜…話し方もさっきと違うし、雰囲気も変わったわね」

 

「……」

 

幽香「これなら、私も存分に楽しめそう…ね!!」

 

すると幽香は、地面から複数の蔦が出てきた。

 

「!?」

 

俺は素早く距離をとる。

 

幽香「あら?よく避けたわね」

 

「まぁな」

 

幽香「フフフ…どんどん行くわよ!」

 

すると幽香は、次々と蔦や触手を出してくる。

 

「数が多いな…宝具解放!

 

俺は宝具を解放し、蔦や触手の相手をする。

 

「…三千世界に屍を晒すが良い。……天魔轟臨!これが魔王の三千世界(さんだんうち)じゃあ!!」

 

俺は全ての蔦類を破壊した。

 

幽香「!?驚いたわ。まさか私の攻撃が全てやられるなんてね。紫を倒したって信じれるわ」

 

「それはどうも。で、まだやるか?」

 

幽香「当然よ。貴方を倒せば、私はもっと強くなれるわ」

 

すると今度は、幽香の背後に無茶苦茶な数の弾幕が出現した。オイオイ…昔ゲーセンでやった弾幕系シューティングじゃねぇか!まさか自分が生身で体験するとはな。弾幕には及ばないかも知れないがな。

 

幽香「次は何かしら?特に変わりないわよ?」

 

「それはどうかな?」

 

幽香「何を…」ピチャッ

 

幽香の奴が動くと水音が聞こえた。

 

幽香「!?水…いつの間に」

 

「俺が『それはどうかな?』言った時だよ!」

 

辺りは水浸しどころか軽く湖が出来上がる。もちろん、村の方とかには結界が張ってある。俺は出てきた帆船に乗る。

 

幽香「なっ!!」

 

霊夢「ちょ、ちょっと!!」

 

魔理沙「流されるのぜ〜!」

 

「俺の名前を覚えて逝きな!『テメロッソ・エル・ドラゴ』!太陽を落とした男ってな!!」

 

幽香「きゃあああああああ!!!!」

 

主砲を撃った瞬間、周りからも同じ様に主砲が撃ち込まれる。当然幽香が出してた弾幕に対抗できたのは言うまでもない。

 

「さてと」

 

俺は気絶した幽香の側に行く。って…

 

「なんで霊夢に魔理沙までいるんだ?」

 

アリス「それは貴方を心配して来たからよ」

 

振り返るとアリス、上海、蓬莱がいた。少し怒ってるが…

 

アリス「全く…急に辺りが水になるなんて驚いたわ。咄嗟にあの木に掴まったからよかったけど」

 

上海「シャンハーイ!」

 

蓬莱「ホウラーイ!」

 

アリスの言葉に頷く上海と蓬莱。

 

「あ〜…それは悪かった。まさかお前らがいるとは思わなかったから」

 

アリス「もう…」

 

「…さて、帰るか」

 

アリス「帰るのはいいけど、霊夢達どうするの?」

 

「あっ…」

 

そうだった。幽香の奴はほっといてもいいが、霊夢と魔理沙は連れて帰らなきゃなんねぇよな。

 

紫「それなら安心してちょうだい」

 

紫が隙間から出てきた。

 

紫「霊夢と魔理沙、幽香は私が家まで隙間で送っておくわ」

 

「そうか」

 

紫「ええ。それに、貴方達が行ってから皆解散しちゃったしね」

 

解散したのか。あのガキにお仕置きしたかったが…

 

紫「そうそう。レミリアから伝言よ」

 

「あっ?」

 

紫「『面白いものを見せてもらったわ。今度屋敷に来なさい。存分にもてなすわ』ですって」

 

「ほう…」

 

あのクソガキ…お前が原因なのに何が『存分にもてなすわ』だ!一度立場を分からせねぇとな…

 

「…ん?どした?」

 

アリス「いや…怒るのは分かるけど」

 

紫「殺気を抑えなさい。私でも気を抜けば気絶するわよ」

 

「ああ。悪い悪い。あのガキが舐めた事をぬかしてたから」

 

俺が殺気を収めると、安心したのか上海と蓬莱が来て抱っこを求めたので応じた。

 

アリス「なんていうか…レミリアには同情するわ」

 

紫「そうね。私や藍、幽香に勝った大輔を相手に、よくそんな事が言えたわね」

 

「ま、一度痛い目に合えばいいんだよ」

 

今度あったら、拳骨とケツ100叩きしてやる!

 

「けど、お前の隙間便利だよな。中のあれはキモいけど」

 

紫「酷いわね。皆センスが分かってないわ!」

 

センスもなにもねぇだろ。どう考えてもキモいだろ。中に目があんだけあれば…けど、あの隙間の能力があれば、もしかしたらアイツ等の所に…



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7話

幽香との戦いが終わった1週間後、俺は霊夢と紫に教えてもらった土地に建物を建てた。

 

「こんなもんか?」

 

建物は俺が向こうで住んでるものとほぼ同じだ。唯一違うとしたら、地下がなくその代わりに店の規模がデカくなったくらいだ。一階はキッチンがありカウンターがある。席は10席だ。奥に進めば住居スペースになっている。キッチンがあり掘り炬燵がある。お風呂場や脱衣所もある。2階は寝室と部屋が数個。

 

「この世界に電気はないからな。自家発電装置を付けて正解だな」

 

ソーラーパネルや風力発電等を取り付けている。おかげで電気は困らない。ガスに関しても、ノビールガス管を使い下水もノビール下水管を取り付けている。そして下水に関しては、一部を肥料に変換して家の横の畑に蒔いている。

 

「とはいえ、この世界では商売はしてないからな。店部分は使わないかもな」

 

ほぼここを使う事はないと思うな。すると、住居側のドアが叩かれる。

 

魔理沙「オッス!遊びに来たぜ!」

 

アリス「こんにちは大輔さん」

 

霊夢「お邪魔してもいいかしら?」

 

上海『シャンハーイ♪』

 

蓬莱『ホウラーイ♪』

 

やって来たのはアリス達だ。

 

「おう。どうした?揃いも揃って」

 

霊夢「大輔さんの家が出来たって紫から聞いたのよ」

 

「なるほど。それで見学ついでに遊びに来たって訳か。ま、立ち話もなんだし入れよ」

 

「「「お邪魔します」」」

 

霊夢達は中に入り、家の中を見ていた。

 

「まだ外は寒いだろ?炬燵にでも入ってな」

 

魔理沙「分かったのぜ」

 

霊夢達は炬燵に入る。

 

アリス「あら?これって足がおろせるのね」

 

「ああ。それは掘り炬燵だ」

 

霊夢「随分と便利ねこれ」

 

そんな話をしながら霊夢達は話している。俺は霊夢達に飲み物を出す準備をしてる。

 

上海「シャンハーイ」

 

蓬莱「ホウラーイ」

 

上海と蓬莱は、俺の準備をしてくれてる。あれ以来本当に懐いてくるよな。

 

アリス「大輔さん」

 

するとアリスがやって来た。

 

「ん?どうした?」

 

アリス「後ででいいんで、少しお時間いただけますか?」

 

「あ、ああ…」

 

随分と真剣な顔で話してきたな。なんだ?

 

「おまたせ」

 

俺は温かいココアを出す。

 

霊夢「黒いわね」

 

魔理沙「そうだぜ」

 

「ココアだが…知らないのか?」

 

アリス「ええ。一応ここには紅茶とかあるけど、霊夢も魔理沙も普段あまり飲まないから」

 

「なるほどね。まあ飲んでみろ」

 

俺にそう言われ、霊夢と魔理沙は恐る恐るカップに口を付けた。

 

「「!!美味しい/美味い!」」

 

アリス「久し振りに飲んだけど、今までで一番美味しいわね」

 

「それは光栄だな」

 

そんな風にのんびり過ごしてると、外が暗くなっていた。曇ったか?

 

「急に暗く…なっ!?」

 

どうなってんだ!さっきまで晴れてたのに、空が赤くなってるぞ!

 

霊夢「…何よこれ」

 

魔理沙「空が紅いのぜ!」

 

アリス「ねぇ霊夢…これって」

 

霊夢「ええ…異変ね」

 

異変?

 

霊夢「とにかく、私の大切なデザートの時間を台無しにしてくれたお礼は、たっっっっぷりとしてあげるわ!」

 

あ〜…こりゃ止まらねぇな。

 

霊夢「魔理沙!現況の元に行くわよ!アリスは万が一の為に、人里の方をお願い」

 

魔理沙「分かったのぜ!」

 

アリス「分かったわ霊夢。人里の方は任せておいて」

 

それぞれの役割が決まったな。俺?俺は当然霊夢達と一緒に行くに決まってるだろ。なんの為にこの世界に来たと思ってんだよ。読者諸君…そして俺、霊夢、魔理沙はこの異変の首謀者の所に向かった。場所は…霊夢の勘で進んでいったら当たった。どんな勘してんだよ全く。

 

「ここか…」

 

俺達は湖の近くにある真っ赤な屋敷の前にいる。紅い空に紅い屋敷。流石に目が痛い。

 

霊夢「それじゃあ早速入るわよ…と言いたいけど」

 

魔理沙「どう考えても、門番らしき奴がいるのぜ」

 

「……」

 

屋敷の門の前には、宴会でちびっ子の横にいた女がいる。

 

「あら?この屋敷に何か用ですか?」

 

霊夢「ええそうよ。この異変を起こした奴に会いに来たのよ。分かったらそこをどきなさい」

 

「お嬢様の邪魔をしにきたのでしたら、すみませんがここを通す訳には行きません!」

 

すると女は構える。ほう…あれは中国拳法だな。紅蘭のを見た事あるし懐かしいな。

 

霊夢「面倒くさいわね…さっさと異変を解決しなきゃなんないのに!」

 

そういう霊夢を差し置いて、俺は前に出る。

 

大輔「霊夢さん、魔理沙さん。ここは自分が引き受けますんで、お二人は先に屋敷へ!」

 

魔理沙「む、無理だぜ!相手は妖怪だ!」

 

霊夢「いえ…先に行くわよ魔理沙」

 

魔理沙「れ、霊夢!?」

 

霊夢「大輔さんが、紫達と戦ったの忘れたの?」

 

魔理沙「!!」

 

霊夢にそう言われ以前の事を思い出した魔理沙。ってか忘れるなよ。

 

魔理沙「け、けど!今は太陽も見えないんだぜ!!」

 

大輔「心配無用です魔理沙さん」

 

神斧リッタがあれば、太陽が出ている間よりは短いが返信できるしな。それに、見えないだけで実際は出てるなら問題ない。記憶でだが、メリオダスが魔神化した時も太陽は隠れてたし…大丈夫だろ。

 

魔理沙「…分かったぜ」

 

そして霊夢と魔理沙は屋敷に入っていった。

 

大輔「以外ですね。二人を見逃すとは」

 

「いえ。貴方を倒して追い掛ければいいだけですので」

 

なるほどね。そりゃ敵も1人減るし合理的だわな。だが…

 

「私を倒す…HAHAHA!!面白い事を言うじゃないか!!」

 

俺はオールマイトモードに変わる。それを見た女は驚いていた。

 

「いやいやいや!何がどうなってそんなガチムチになるんですか!ハッ!さては貴方能力者ですね!」

 

能力者ねぇ。一応能力っちゃ能力だが…神様の特典だし。

 

大輔「HAHAHA!!そんな事はどうでもいいさ。…えっと」

 

名前分かんねぇ。

 

「…私は紅美鈴です」

 

「あ、これはご丁寧に」

 

…そんな哀れんだ目で俺を見るでない。仕方ないだろ。ここでは紫、藍、橙、霊夢、魔理沙、アリス、上海、蓬莱、幽香、ちびっこ(レミリア)しか名前知らねぇんだしよ。

 

大輔「それでは改めて…始めるとしようか!美鈴少女!!

 

美鈴「私はこう見えても、貴方の何倍も生きてるんです!」

 

ムッ。それは失礼したな。けど、オールマイト口癖だしな。仕方ない…うん。



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8話

大輔「悪いが、博麗少女と霧雨少女を待たせる訳にはいかないのでね!早目に終わらせてもらうよ!」

 

美鈴「そう簡単にいくと思わないで下さい!紅寸勁!」

 

大輔「HAHAHA!!打ち合いというわけかい?ならば…TEXAS SMASH!!!!

 

お互いの拳同士がぶつかり、周囲に衝撃波が生まれる。

 

美鈴(な、なんですかこの威力!?普通の人間にこんな拳を打てるなって…)

 

大輔(フム…流石は中国拳法をしてるだけあるな。だが、あれはただ拳を打ち込んだだけじゃないな。おそらく…)

 

俺はまさかと思い、美鈴に尋ねる。

 

大輔「少し聞きたいが…君、もしかして気を使えるんじゃないかな?」

 

美鈴「!!」

 

俺の言葉に、美鈴は心底驚いていた。図星だったか。

 

美鈴「よく分かりましたね。そうです。私の能力は【気を使う程度の能力】です」

 

大輔「やはりそうか」

 

けど、なんで程度なんだ?

 

美鈴「ですが、能力が分かったところで、人間に負けるはずありませんので!スペルカード発動!華苻【芳華絢爛】!」

 

すると、俺の周りを全方位囲むように弾幕が襲い掛かってきた。

 

大輔「おおっ!流石にこれは少し本気にならねばならないな!」

 

美鈴「本気ですって!?するとなんですか!貴方は本気で闘っていなかったって訳ですか!」

 

大輔「HAHAHAHA!気分を害したのならば申し訳ない。だが、私が本気を出すと、この辺りが危ないのでね」

 

美鈴「ふざけないで下さい!」

 

そら怒るわな。けど、お前如きに本気で行っちゃ彼奴等に申し訳ないからな。

 

大輔「なら、それがふざけてるか自分の目で確かめなさい!DETROIT SMASH!!!!

 

俺は思いっきり地面に拳を打ち込んだ。

 

美鈴「なっ!?きゃああああああ!!!」

 

その風圧で美鈴は吹き飛んでいった。

 

大輔「……」

 

や、やり過ぎた。本気になっちゃって言ってた癖に、結局は8割近く出しちまった。

 

大輔「しかもそのおかげで…」

 

赤い空は変わりないが、霧は晴れ代わりに雨が降っていた。完全にオールマイト(原作)と同じじゃねぇかよ…

 

大輔「…取敢えず中に入るか」

 

俺は吹き飛んで気絶した美鈴を背負い、屋敷の中に…

 

 

むにゅ…

 

 

大輔「……」

 

…屋敷の中に入るのだった。慎重に…けして背中の柔らかいマシュマロを堪能したい訳じゃないからな!

 

大輔「…お邪魔〜」

 

うわ〜。外もそうだが、屋敷の中も赤いこと赤いこと。

 

大輔「さて、霊夢と魔理沙は何処だろう?スゥ…エコーロケーション!反響マップ!!」

 

俺は反響マップを使って、屋敷全体を確認する。2階には…霊夢とあのチビッコだな。1階の気配は4人。1つは魔理沙だが、残り2つの反応はこの屋敷の住人だろ。だが、地下深くにチビッコと似たような反応があるが…

 

美鈴「う…うぅん…」

 

おっと、起きたみたいだな。

 

大輔「目が覚めたみたいですね」

 

美鈴「え…ああっ!」

 

俺は目が覚めた美鈴を下ろす。

 

美鈴「そっか…負けたんですね、私は」

 

大輔「ええ。ですので、こうやって屋敷の中に入らせてもらいました。ただ、流石にあの場所に放置しておくのもあれだったんで」

 

美鈴「あ、ありがとうございます」

 

んで、残り1つの気配はというと…

 

大輔「さてと…自分の前にメイドさんがいるんですが…」

 

「お待ちしておりました」

 

メイドは俺を見てお辞儀をした。

 

「私は、この紅魔館でメイド長をしている十六夜咲夜と申します」

 

大輔「あ、これはご丁寧に。自分は森川大輔といいます」

 

咲夜「それでは森川様。申し訳御座いませんが、ここで死んでいただきます!」

 

すると突然俺の周りを覆い隠すかのように、大量のナイフが出現した。

 

大輔「なっ!」

 

この量は流石に避けれない。となると…

 

大輔「Oklahoma SMASH!!!!」

 

俺は体を回転させて、ナイフを吹き飛ばす。

 

咲夜「なっ!?」

 

あんだけあったナイフが、体を回転させただけで吹き飛んだらそら驚くわな…

 

美鈴「…というか!なんで回転しただけで竜巻が起こるんですか!!」

 

そう。俺の回転…遠心力の力が強すぎる為、部屋の中で竜巻が発生した。当然見事天井を突き抜けたのだった。

 

咲夜「……」

 

大輔「なんか…すみません」

 

この異変が終わったら、後で復元光線で修復しとこ…

 

咲夜「…降参します」

 

ありゃりゃ。

 

美鈴「ですよね〜…」

 

いや、お前も納得すんなよ…すると、上の方で爆発音等が響いた。多分霊夢とあのチビッコが戦ってんだろ。

 

大輔「さてと。自分はひとまずここで待ちますか」

 

俺は近くにあった椅子に座りそう言う。

 

美鈴「えっと…いいんですかね?」

 

大輔「大丈夫だと思いますよ?最も、この建物の地下にある、ここの主と似たような気が邪魔しなければ…ね」

 

「「!?」」

 

俺の言葉に、美鈴と咲夜は驚きの顔をする。

 

美鈴「な、何を言うんですか森川さん」

 

咲夜「…そうですね。何故この紅魔館に地下があり、そこにお嬢様と似た人物がいると?」

 

…ん?この反応を見る限り、何か隠してるな。ま、嘘を言っても俺には分かるんだけどな。

 

大輔「嘘を言っても意味ないですよ?私には、この屋敷にいる人の気が分かりますので」

 

美鈴「私みたいですね…」

 

ま、エコーロケーションの方が気よりもっと正確だけどな。すると、2階の扉が吹き飛び、霊夢とチビッコが出てきた。

 

大輔「霊夢さん!?」

 

咲&美「「お嬢様!?」」

 

霊夢「あら大輔さん。メイドとさっきの門番がいるって事は、勝ったのね」

 

大輔「ええ。ですが霊夢さんの方は…」

 

霊夢「大丈夫よ。もう少しで決着がつくわ」

 

そんな話をしてると、今度は1階の右側爆発し、箒に乗った魔理沙と、その後ろからチビッコに似た奴が出てきた。続いて紫髪の女と赤髪で悪魔の翼が生えてる女が出てきた。

 

「フラン!?どうして貴方がここにいるのよ!」

 

フラン「アハハハハ…オネーサマ…」

 

なんだコイツ…

 

美鈴「い、妹様…」

 

レミリア「すぐに地下室に戻りなさい!」

 

フラン「イヤダヨ…マタアノ暗イ地下ニ戻ルクライナラ…壊レチャエ!」

 

レミリア「!!」

 

フラン「ギュットシテ…ドカン」

 

するとその言葉を聞いたレミリアは、すぐに自分がいた場所を離れた。その後、その場は握りつぶされたかの様に爆発した。



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9話

おいおいおい…いきなり姉妹で闘い始めたぞ!?

 

魔理沙「霊夢!大輔!」

 

霊夢「魔理沙!」

 

すると魔理沙が俺達の所に来る。

 

霊夢「一体何者なのよアイツ!」

 

魔理沙「分からねぇ!あたしがパチュリーと闘ってたら、いきなりやって来たんだぜ!」

 

大輔「いきなり?」

 

どういう事だ?

 

咲夜「妹様…」

 

大輔「おい咲夜!美鈴!お前等アイツの事知ってんだろ!」

 

美鈴「は、はい…」

 

咲夜「レミリアお嬢様の実の妹です。名前はフランドール・スカーレットと言います」

 

霊夢「あいつの妹ってのは分かったわ。けど、見た感じ妹の方はよっぽど姉を嫌ってるみたいだけど?」

 

美鈴「それは…」

 

どうやら言いにくい事みたいだな。

 

「それは、フランの中にある狂気が原因よ…ケホッケホッ」

 

「「パチュリー様!」」

 

コイツが魔理沙が言ってたパチュリーって奴か。

 

大輔「狂気が原因だと?」

 

パチュリー「ケホッ…ええそうよ。そのせいで、フランはこの紅魔館の地下室に幽閉してたのよ。495年もの間ね」

 

「「「よ、495年間!!?」」」

 

おいおい。流石にそれはいくらなんでも長すぎだろ!

 

魔理沙「いくらなんでも長すぎだろ!」

 

俺が思ってた事を代弁してくれた魔理沙であった。

 

パチュリー「私もそう思うわ。だけど仕方ないのよ。フランが持ってる能力のせいで、狂気が発生する可能性があれば…」

 

霊夢「どんな能力なのよ?」

 

美鈴「妹様の能力は、【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】です」

 

魔理沙「いや、ですじゃないんだぜ!」

 

魔理沙の言う通りだ。何だよそのチート能力は!

 

大賢者『解。全ての物質には「目」という最も緊張している部分があり、そこを攻撃することで対象を破壊する事ができるというもの。更に彼女はその「目」を自分の手の中に移動させることができ、手を握り締めて「目」を壊せば無条件で対象を破壊できます』

 

…大賢者さんや。それは流石にヤバタニエンですわ。

 

大賢者『解。その回答は古いと思われます』

 

ホッといて。けど、それだとこっちの対抗手段が限られてくるな。

 

大賢者『ですが、あと数刻で正午になります』

 

正午…なるほど。あの力なら対抗できるかも知れないな。なら、俺が正午になるまで、霊夢達に時間を稼いでもらわないとな。

 

大輔「霊夢、魔理沙、美鈴、咲夜、パチュリー」

 

霊夢「何?」

 

大輔「俺がなんとかするから、1分だけ時間を稼いでくれ」

 

魔理沙「時間を稼ぐって。何か方法があるのかだぜ?」

 

大輔「ああ、もちろんだ!」

 

俺はそう言いながら眼鏡を外す。それを見た霊夢と魔理沙は、俺の意図をかんじたのか、納得の顔をする。

 

霊夢「…分かったわ。そこの門番とメイド!あんた達も手伝いなさい!」

 

魔理沙「パチュリー!お前も手伝ってくれ!」

 

美鈴「も、森川さんなんですかその姿!?」

 

霊夢「後で説明するから、あんた達はあんたらのお嬢様を妹から離しなさい!」

 

咲夜「貴方に命令されるのはしゃくですが…分かりました」

 

パチュリー「レミィが離れたら結界魔法を張るわ!」

 

大輔「後、これを渡しておく」

 

俺はポケットからテキオー灯を渡す。

 

咲夜「これは?」

 

大輔「テキオー灯といって、我が作った物だ。これを浴びせれば、24時間はどんな状態、場所でも快適なく過ごす事ができる」

 

パチュリー「そ、そんなのがあるの!?」

 

大輔「そうだ。我が今から使う技に対しての対策だ。消滅されてはかなわぬからな」

 

霊夢「了解よ。なら…行くわよ!」

 

そして霊夢達は、未だ戦ってるレミリアとフランに突撃していった。さて、俺は俺で…

 

大輔「我が意志に答えよ…神斧リッタ!」

 

俺は神斧リッタを投影し、更に力を貯める。大賢者、正午まで後どれくらいだ?

 

大賢者『解。正午になるまで残り45秒です』

 

45秒か。それまでもってくれよ…お前等

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「霊符、夢想封印!」

 

魔理沙「くらえ!恋符、マスタースパーク!」

 

私と魔理沙が攻撃してる間に、メイドがお嬢を助け出す。

 

レミリア「咲夜!?」

 

咲夜「失礼しますお嬢様!」

 

パチュリー「今よ!」

 

離れたのを確認したと同時に、待機してた魔法使いが結界を張った。

 

魔理沙「やったぜ!」

 

パチュリー「安心するのはまだ早いわ!この様子じゃすぐに結界を破壊されてもおかしくないわ!」

 

嘘でしょ!

 

フラン「パチュリーも私の邪魔をするんだ。皆そうだ。お姉様の味方で、私の味方はいない…」

 

レミリア「フラン…」

 

フラン「こんな結界…壊しちゃえ!ぎゅっとしてドカーン!」

 

パチュリー「嘘…」

 

結界はアッという間に破壊された。まずいわね。大輔さんの言われた1分…持たないかも知れないわね…

 

フラン「アハハハ!私の邪魔するなら…皆壊れちゃえ!!

 

流石にも駄目と思ったわ。けど、あの人の声が聞こえた…

 

大輔「我の為、よく時間を稼いだ。後は任せるがいい」



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