ネコ科とシンフォギア (Mak)
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吾輩は猫である。名前は・・・

某デカいオオカミと某ガイガンの作者に捧げます。




十数年前 某国 研究施設にて。

この施設の代表と思われる男がスポンサーである軍服の男性を伴ってガラス越しに横たわる研究成果を見せながら機嫌よく説明をしていた。

 

「ご覧ください! 遂に、遂に遂に遂に! 発掘された聖遺物から、クローン技術をはじめとした数々の技術を駆使し、ここまでの復元に成功いたしました! Project RHA の第一段階目はこれで達成と言えます!」

 

男は歓喜の感情を隠すこともせず、まるで子供の様に自分の成果をスポンサーの一人である軍服の男性に説明をする。

 

 

「だが予算をかけすぎだ。 そしてなんだねこれは? 数年投資し続けた結果がこれか!? 我々は絶滅した動物を復活させ動物園に寄贈する為に巨額な予算をかけたわけでは無いぞ?」

 

「勿論です! まだ形は小さいですがこの時点でも、武装させた我が国の兵士と戦わせたとしてもこの仔に傷一つ付けることは極めて困難でしょう! まさに神秘! そして計画書でも説明はしましたがこの仔の最大のメリットはそこでは有りません!」

 

 

軍服の男性は不満を述べるが男の方はさも気にした風もなく、成し遂げた偉業とその計り知れないメリットを説明しだす。

 

 

「このプロジェクトと同時並行に進められているナスターシャ教授の計画は確かに強力な武器に成り得ます。 ですが! 強力な武器も数が一つしかないのではその効果は限定的でしかありません。 で す が! この仔は違う! いくらアレが生きた聖遺物と呼ばれたとしても生物ではありません! 逆にこの仔はれっきとした生物です! 科学的には繫殖させることができます! 我が国が今日まで世界の覇権を握り続けてこれたのは強力だが1つしかない武器を有しているからではありません、物量です! それは軍人である貴方様に説明するまでもないでしょう?」

 

「本当にそんなことが可能なのかね?」

 

「もちろんまだ研究段階です。 それにこの仔はまだ幼体。 近縁種と交配させるにしてもしばらくは掛かるかと。 もちろん別のアプローチも予定はしていますが、それでも数年は掛かる見込みです。 ご安心を! このプロジェクトが成功すれば我が国の兵士の死傷率は劇的に低下します。 これから戦死するかもしれない兵士への恩給に比べれば安いものですよ」

 

「・・・良い報告を期待しているぞ」

 

 

男はスポンサーへのプレゼンを無事終わらせ、再度ガラス越しの成果に目を向ける。

 

(あれでも一軍の長とは、金勘定しか頭に無いとは情けない。 やはり世界は真の英雄を求めている。 そのためのキーはこの仔だ。 はやく大きくなれよ。 そして僕を・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吾輩は猫である。名前はまだない。 って有名だけど読んだことの無い小説1位だと思う。

え? イキナリなんのことだって? 

仕様がないから説明しよう。 

 

オイラ、猫になっていたんだ。 

ん? 意味が分からないって? うん、そうだよね。 オイラもワカンニャイ。

 

でもオイラには確かに人間だったころの記憶があるんだ。 

自分の名前も顔も、住んでいた場所や家族のことも朧気だけど、でも確かに人間だったんだ。

でないと最も有名な猫の小説のフレーズなんて出てこないでしょ?

 

まあ、人間だったという証明なんてこのぐらいしかないのだけどね。

 

もしかしたら人間並みに賢い猫なのかもしれないけどそんな猫なんて前世でも?で良いのか微妙だけど、聞いたこと無いし。

 

・・・とにかく、猫になっていたと自覚してからはあちこち流れてきて今こうして女の子に抱きかかえられてやたらと大きなグランドピアノが置いてある教室にいます。

状況説明終わり!

 

 

「・・・それで立花さん? なぜクラスに遅れたのか説明してもらえます?」

 

「ヒェッ!?」

 

あ、オイラを此処まで連れてきた女の子、立花って言うのか。

持ち方がなってないよね~。痛くはないけど出来ればぶら下げるんじゃあなくって赤ん坊を持つみたいにお尻を支えてほしいんだけど。

 

 

「あ、あのこの仔が木に登ったまま降りられなくなって・・・」

 

「・・・それで?」

 

「きっとおなかを空かせているんじゃないかと思って・・・」

 

 

ちがうちがう! オイラ何年猫やってると思ってるの!? 

あんくらいの高さならラクショウよ! 折角気持ちよく木の枝の上で寝てたのに・・・。

 

まあ~? 可愛い女の子に抱っこされるのは吝かじゃあないから許すけどね。

でもびっくりしたな~。 

普通に二階の窓の高さまである木の枝まで登って来ちゃうんだから。

それもスカートで! ここが女子高でよかったね? 共学だったら男子が放っておかないよ? 絶対に手伝いする振りをして真下で待機するもん!

 

・・・きっと、いや間違いなく前世のオイラは男だな。 

今もオス猫だからTSじゃあなくってよかったと思う。

 

 

「まったく! その仔、アントニオ(・・・・・)なら木の上からでも平気で降りられます! それよりも自分の心配をしなさい!」

 

「え? えっと、アントニオってこの仔の名前ですか? なんかレスラーみたいな名前ですね? ていうかこの仔先生の猫だったんですか?」

 

「ちがいます! アントニオ・ヴィヴァルディから名付けたのよ! 貴女も音楽院の生徒なら「四季」ぐらい分かるでしょ?あとその仔は私の飼い猫ではありません。 この辺りでは有名な野良で他にも色んな名前が付けられているわ」

 

 

そうなんだよね。 名前は無いって言ったけど、実際にはオイラ色んな人に勝手に名前つけられているんだよね。

この先生にはアントニオ、やたらガタイの良い男の職員さん(だと思う)には虎次郎、綺麗な青い髪のここの学生さんにはタマ、商店街のお好み焼きのおばちゃんとかにはハナって呼ばれてる。

 

そうそう。 言い忘れたけどオイラ野良猫なんだ。

だからあっちこっち色んな人に愛想振りまいてエサを貰って生きている。

名前をいくつも貰って、ちゃんとそれぞれ聞き分けているのも生活の知恵なのさ!

 

それに元々人間だからどうやったらエサをあげたくなるのかもう手に取るように分かるんよ!

そこらの野良なんて目じゃないね!

 

オイラクラスになると・・・よし実演だ!

チョイっと失礼するよ!

 

 

「あッ!?猫ちゃん?」

 

「ナォーン」

 

まずは一鳴きして足にテコテコとリズムよく跳ねるように先生に近づく。

この際尻尾をピーンと立てるのがポイント。

で、すぐには触れずに近くでお座りしながら目を見てまた「ニャー」と鳴く。

 

 

「ダメよアントニオ。 いまは授業中なの・・」

 

 

そんなこと言わないで頂戴! って言えないから右前足で先生の足に触れる。

お、ぐらついてきた。 鉄仮面が揺らいできたぞ!

あと一押し! もう一度鳴いておでこをこつんと足にぶつける。

これでどうだ!

 

 

「・・・もうしょうがないわね。 ちょっとだけよ」

 

やった! ニボシを3匹ゲット!

うまい! うまい‼ おやつには丁度いいね!

いや~猫やっててよかった! オイラもハッピー! 先生もにっこり! 見てた女子生徒もほっこり! だれも損してない! なんて素晴らしいんだ猫て!

あ、でも何人かは苦笑いしてる。 なんでだ?

 

 

「あ、あの先生、なんでポケットからニボシが出てくるんですか? というよりなんで飼わないんですか?」

 

 

おっと、嫌なキーワードが出たぞ!? そろそろこの辺でお暇するかな? 

そんじゃあねみんな~! ごちそうさま!

 

 

「見た通りよ。 あの仔人の言葉が解るらしくて“飼いたい”ていうとすぐに逃げちゃうのよ。 だから心を許してもらえるようこうやって頑張ってるのよ。 ・・・さて、そろそろ授業を始めましょう。 立花さんも次回は気を付けるように。 それでも教科書の5ページを開いてください」

 

 

フッ。 すまないねお嬢さんたち。 オイラにはどうしても人間に飼われてはいけない理由があるんだ。

・・・オイラは人間だ。 そして朧気だが前世で猫を飼っていたことがある。

 

最初はメスの野良ネコ、2代目はオスの野良ネコを。

 

正直言うと飼われたい。 外は寒いし、熱い。 雨が降れば濡れるし、エサだって上げ膳だったらどんだけ嬉しいことやら。

 

でもね。 ・・・飼い猫ってある程度大きくなったらどうするか知っているかい?

避妊・去勢手術をするんだ。

 

具体的にいうとメスは子宮を摘出。 オスはキ〇タマを取るんだ。

 

もちろんメリットはある。 基本的には病気の予防だったり、寿命が延びたりするから飼い主と飼い猫の関係性が長く続くし、デメリットは子供が作れなくなるぐらい。

 

・・・正直メス猫にはあまり興味がない。 このかたオス猫なのに発情期に入ったこともない。 だから機能としては要らないんだけど・・・やっぱりヤダ!! 

 

キ〇タマとられたくない! イイじゃんタマタマがあっても! 猫とタヌキぐらいだよ! 可愛いいて言われるの! ニャンタマとか鈴カステラって言われて一部にはマニアがいるんだぞ!

 

あと余談だけど、 前世で飼ってたオス猫の手術が終わって迎えに行ったことがあるんだよ。 

担当したのは女性の獣医さんなんだけどさ、 いい先生なんだよ。 でもさ、ジップロックに入った飼い猫のキ〇タマを見せてきて持って帰りますかって言われたのは結構トラウマだったよ・・・

 

というわけで、オイラは野良として生き続ける!! 

なんとしてもこのキ〇タマは死守するんだ!!!

 

 

なにも持ってないオイラにとって文字通り最後の金の玉(おたから)なのだから!!




息抜きの息抜き、更に息抜きの作品です。

タグは正直何を付けて良いのか分からないので追加した方が良いタグが有りましたら教えてください。

一応一人称で書くための練習の作品です。 よければ感想ください。

もし猫飼ってらしたら、猫あるあるネタも募集してます。

ではまた


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なんで猫って〇ゅーると鰹節の包装を識別できるんだろうね?

ネコはかわいい!と声を 大 にして言いたい。


オッス! オイラ、アントニオ(仮)!

突然だけど君たちは野良猫の縄張りってどのくらい広いかって知ってる?

 

結構広いらしいよ。 具体的な数値は知らないけど。

 

ま、そんなことはどうでもいいや。

オイラは今あの学校からそんなに遠くない山の中に来てるんだ。

 

え? なんでそんな所に居るんだって?

ちょっとね・・・。 まあ、強いて言えば狩りかな?

 

 

ああ、食べるためじゃあないよ? なんか、本能ってやつ? 

なんとなく現れる場所が判っちゃうんだよね。 

あのよく分からないネズミ。 

 

実際はネズミじゃあないけど、ほら猫の狩りの相手と言えばネズミでしょ?

なんでか知らないけど、無性にいたぶりたくなるんだよね・・・

 

あとなんか気持ち悪い緑色のネコ擬きもいたな。

無性にイラついたから相手にするのは最後にしてから、たっぷり時間をかけてボロボロ痛めつけてやろうとしたらいつの間にか死んでたけど。

 

 

 

まあ、猫がち〇ーるや猫じゃらしに逆らえないように、オイラも本能には逆らえないのよね。

・・・悲しいけど、所詮ケダモノなのね・・・・・・。 

 

はやく人間になりたいって妖怪人間だっけ? 観たことないから知らないや。

 

 

あとちゅー〇はマジやばい。 マジ目が離せない。 あれはもはや麻薬じゃないかな?

猫になってから感動したことのトップに入るもんね。

 

 

・・・話が脱線した。

 

と言うわけで、一狩り行ったところで何となく縄張りを巡回したら突然どこかで爆発したんだよ。

 

ヤめてよね!!! 猫はフラッシュと爆音が苦手なんだから。 一言文句言ってやる!!

 

 

んで、猫のすぐれた五感を使って現場に来てみればあの青髪の女の子がいるじゃないのさ。

 

ちょいちょいお嬢ちゃん? 夜中にこんな山奥に居たらあぶないよ?

こわ~~い、こわ~~い肉食獣が襲いかかっちゃうよ? 

 

とりあえずなにか食べ物ある?? くれたらオイラがボディーガードになってあげるからさ。

 

 

「あら? かな・・・じゃなかった、タマじゃないの? どうしたのこんな山奥に?」

 

 

それオイラの台詞だよ。 

てかなんでいつも名前呼ぶとき「かなで」って呼ぼうとするのかな? 別になんでもいいのに。

 

ちょっと女の子ぽい名前な気もするけどね。 

 

そう言えばこの人、初めて会った時から物腰とか雰囲気がそれぽいからそうかなって思ってたけどお嬢様ぽいんだよね。 

付き人らしい人もいたし。

 

その人にやんわりいくら赤毛とはいえ「かなで」って呼ぶのは辞めた方が良いって言ってた気がする。 

 

確かにオイラ全身オレンジ色に近い赤毛の猫だけど関係あるかな?

てか「かなで」って日本名だよね??

染めてたのかな?? それとも国際化が進んだ結果なの??

・・・まあ、このお嬢様も青髪だしそういう世界なのかもね。

もしオイラが人間だったとしたらこの物語は異世界転生モノってことになるのかな?

トラックにひかれた記憶ないけど。

 

あ、近づいてきてどうしたんですか? あ、抱っこですか。 まあ、いつも高級な鰹節くれるしサービスしときましょ。 お嬢さん特別だよ? 5分だけだから?

 

 

「フフフ。 暖かいわね。 とりあえず一緒に山を下りましょ? 迎えに来てくれる緒川さんなら鰹節持っているはずだから、それまでは抱っこさせてね?」

 

 

じゃあしょうがないなぁ~。 ま、たまにはいいか。

 

でもお付きの人は大変だよね。 いつも鉋と鰹節本体を持ち歩かされるなんて。

やっぱりいいとこのお嬢さんなのかね?

 

 

 

 

 

なんで生物は毎日ご飯を食べないとイケないんだろうね?

昨日あんなに美味しい鰹節を食べさせて貰ったのに・・・。

あ、やべ。 思い出したらよだれが・・・。

 

あのお嬢様に飼われる猫はさぞかし幸せだろうね~。 

毎日美味しいごはんを食べさせてくれるし、きっといいお部屋にも住んでるだろうしな~。

 

まあ、オイラは遠慮しとくけどね。

 

 

それよりも今夜の晩御飯をなんとかしなくちゃ。

わざわざあの学校付近に戻るのもどうかとおもうし、今日はこの街を餌場にするか。

 

確か近くにいつもご飯をくれる優しい店員さんが働いているコンビニがあったはず・・・

 

今日シフト入ってるかな・・・・・・ん!?

この気配は・・・ネズミ!?

 

イケナイ! あのネズミは人間にとっての天敵だ! 

なんでか知らないけどあのネズミが人間に触れると問答無用で消し炭になってしまう!

 

クソ! 間に合ってくれッ! 人間が死んでしまうのはとっても困る! 

 

オイラの食い扶持が‼ ・・・じゃなくて! 

オイラは多分人間だ! 人間が人間を守らなくってどうする! 

 

たとえケモノになったとして、 オイラの心が人間である以上、 あのネズミと戦える力があるのならッ!!

 

 

 

 

 

変・・・身!! 

 

 




飼い猫ってたまに本当にネコなのって思う時ってありません?

作者の実家のネコなんて特に冬場はすごいですよ。

なんと母親(人間)と添い寝するんですよ。 しかも母親の腕を枕にして、布団も被るんですよ。

とっても羨ましい。 人肌が恋しいこの季節、猫の体温でも良いから欲しいですね。


残念ながら作者は猫の毛アレルギーなので添い寝なんて絶対に無理ですが・・・・・・・。


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