シルバーウィーク 葦の浮船 (新庄雄太郎)
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第1章 奥飛騨二人旅

俺は、善子と一緒に奥飛騨へ行く事になった。


ある日、私宛の電話が入った。

 

「もしもし、あっ、善子ちゃん。」

 

「善子じゃなくてヨハネ!今日は達仁に一緒に旅行に行こうと思うの。」

 

「どこへ?。」

 

「奥飛騨よ。」

 

「ああ、今度は何処へ。」

 

「何言ってるのよ、二人で行くんだったら濁河温泉よ。」

 

「いいね、おい、そこは混浴風呂だぞ。」

 

「こ、混浴、もう、達仁のエッチ!。」

 

「で、どうするんだ。」

 

「達仁はどうするの。」

 

「東京からは新幹線に乗って名古屋まで行くけど。」

 

「うん、じゃあ私は沼津だから「こだま」で行くから、名古屋駅で待ってるね。」

 

「じゃあ、名古屋駅で。」

 

「遅れたら、許さないわよ。」

 

「わかってるよ、俺が善子の約束破ったことあるか?。」

 

「な、ないわよ。」

 

と、善子の顔が赤くなった。

 

「じゃあ、名古屋駅で。」

 

「うん。」

 

と、言って、私は電話を切った。

 

「濁河か、これはいい旅になりそうだ。」

 

次の日、達仁は東京発7時00分新幹線「ひかり1号」に乗り、名古屋へと向かった。

 

「善子と一緒に行くもの、いいかな。」

 

今回の旅行は、善子と一緒に奥飛騨へ旅行に行く事になった、私が奥飛騨へ行くのは2度目である、去年の秋には花丸と一緒に飛騨高山へ行ったことがあった。今回は飛騨の高山と濁河温泉で2人で奥飛騨へ行くのだ。

 

「今回は2人で奥飛騨か、以前は花丸と一緒に行ったけど今度は善子と一緒か。」

 

私が乗った、東海道新幹線「ひかり1号」は名古屋を8時51分に到着した。

 

「達仁、やっと来たのね。」

 

「うん、なんとか新幹線「ひかり」の切符は撮れたよ。」

 

「うん、何とかね。」

 

「それで、善子は「こだま」には乗れたの。」

 

「うん、ヨハネは8時20分に着いたのよ。」

 

「そうか、二人で行くのはいいかもな、善子。」

 

「善子じゃなくてヨハネ!。」

 

私と善子は、名古屋駅のホームへやって来た。

 

「ここか、北陸と高山方面はここでいいのか。」

 

「そうね、ここで特急に乗るのね。」

 

そして、名古屋駅の掲示板を見た。

 

「次の高山本線特急「ひだ1号」は9時41分か、とにかくホームへ行こう。」

 

「ええ。」

 

そして、カメラを構えた。

 

「おっ、キハ85系の特急「ひだ」が入線してきたぞ。」

 

「これで奥飛騨の旅になるのね。」

 

「もちろんだよ。」

 

「ひだ」の写真を撮った後は、善子と一緒に9時41分発特急「ひだ1号」に乗り、下呂へ向かった。

 

「乗るぞ。」

 

「うん。」

 

私と善子が乗った、特急「ひだ1号」はその名の通り、飛騨高山で有名な合掌造りのイラストが描かれている

「ひだ」の由来は岐阜県の北部地方の旧国名である飛騨と名付けている。

 

高山本線への旅は、飛騨の高山と有名な下呂温泉である。

 

特急「ひだ1号」は9時41分に発車し、岐阜、美濃太田、下呂、終着高山には12時29分である。

 

 




次回は、いよいよ奥飛騨へ

どんな、旅になるのか。


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第2章 濁河温泉

1日目は何といっても、濁河温泉へ




善子と一緒に乗った特急「ひだ1号」は11時38分に下呂に到着した。

 

「やっと、奥飛騨ね。」

 

「うん。」

 

この日は、下呂温泉駅で下車し濁河温泉で一泊

 

「温泉のご利用ですか。」

 

と、温泉の宿員が案内した。

 

「はい。」

 

「お世話になります。」

 

温泉送迎車は下呂温泉駅を出発し、温泉へ向かった。

 

「はぁ、2人で奥飛騨へ行くなんて夢にも思わなかったわ。」

 

「でも、花丸も行きたかったかな。」

 

「でも、2人でもいいんじゃない。」

 

「そうだな。」

 

濁河温泉は、濁河川沿いに宿数件と公営の露天風呂が点在しており、夜には、満天の星を眺めることができる。一帯には原生林が生い茂る、野趣豊かな温泉である。

 

「ここの温泉は混浴だし、善子、一緒に来ても大丈夫だよ。」

 

「そうね、じゃあそう言うなら。」

 

そう言って、善子は達仁と一緒に露天風呂に入った。

 

「善子、あ、もう寝たのか。」

 

そして。

 

「善子の寝顔も素敵。」

 

そう言って、俺は善子の横で眠った。

 

「ねぇ、達仁には彼女はいるの?。」

 

と、善子は寝言で行った。

 

「同級生はいるけど。」

 

「そう、じゃあ私があなたをだ堕天するわ。」

 

「おい、こんな所でやめろよっ。」

 

次の日、俺と善子は下呂温泉駅で高山本線に乗り高山へ向かった。8時55分に下呂を発車し、10時06分に高山に着いた。

 

「飛騨の高山か。」

 

「これで、愛は結ばれたのね。」

 

「そういう事だ、善子。」

 

「まさに青春ね、後、善子じゃなくてヨハネ!。」

 

「わかってるよ。」

 

「わかってるなら宜しい。」

 

飛騨高山

 

「ロマンチックな街だわ。」

 

 

 

「凄いわ。」

 

 

 

「うん、飛騨高山は小京都って感じだな。」

 

 

 

「うん。」

 

 

 

「じゃあ、ここで記念写真を撮ろうか。」

 

 

 

「うん。」

 

 

そして、三町通りで写真を撮ることにした。

 

城下町の中心、商人町として発展した高山の上町、下町の三筋を古い町並と呼んでいます。

 

出格子の連なる軒下には用水が流れ、造り酒屋には杉の葉を玉にした「酒ばやし」が下がり、町家の大戸や、老舗の暖簾が軒をつらねています。

上町には、駄菓子屋さんや伝統工芸のお店、名物の「みたらしだんご」のお店などが並び、多くの観光客で賑わいます。

 

「いいネ、この街並みも。」

 

「以前は宮川に行ったんだよね。」

 

「ええ、覚えているわ。」

 

「あの時は楽しかったわ。」

 

「うん。」

 

高山を見物した後は、高山駅で14時35分発名古屋行特急「ひだ6号」に乗り名古屋で新幹線で帰京する事になった。

 

「善子、駅弁買ってきたよ。」

 

「ありがとう。」

 

ファーン!

 

「うーん、美味しい。」

 

「これはうまいっ!。」

 

2人は、高山名物「飛騨べんとう」と「飛騨牛しぐれ寿司」を車窓を見ながら食べていた。

 

「ところで、善子ちゃんは今まで旅行したことある?。」

 

「そうね、リリーと一緒に東尋坊とか、ずら丸とは大和路とか。」

 

「越前と大和路ね。」

 

「そうよ。」

 

善子は、梨子と花丸と一緒に旅行したことも話てくれましてた。

 

17時31分 名古屋に到着した。帰りは東京行「ひかり26号」に乗り帰京する事に、善子はホームで見送った。

 

「じゃあね、善子。」

 

「じゃあね、私は「こだま452号」に乗って沼津へ帰るから。」

 

「うん、又電話するから。」

 

「ええ。」

 

そして、17時38分「ひかり26号」は名古屋を発車し、善子は彼を見送った。

 

「おい、お前も乗っていたのか。」

 

なんと、凜とにこがその新幹線に乗っていた。

 

「その女の子誰なのにゃー?。」

 

「ああ、沼津の津島善子だよ。」

 

「へぇ、この女の子って。」

 

「うん、浦の星の子だよ。」

 

「ああ、今度統廃合になる学校か。」

 

「そうだ。」

 

そして19時32分、「ひかり26号」は東京へ到着した。

 

達仁は、善子と一緒に浮気旅行していることは誰も知らない。




ご意見・ご感想お待ちしています

次回もお楽しみに


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第3章 みやげ話

善子がダイヤ達にお土産を渡しました


そして、奥飛騨から帰って来た善子は花丸と梨子と茉莉と果南とダイヤに飛騨高山のお土産を渡した。

 

「そう、結構楽しかったのね。」

 

「うん、以前はずら丸と一緒に行って来たから今度は男と女で二人旅したのよ。」

 

そして、ダイヤは言った。

 

「温泉はどこに泊まったんです。」

 

「濁河温泉だよ。」

 

「えーっ、濁河温泉!。」

 

と、驚いた。

 

「あそこは、混浴風呂なのよ。」

 

と、梨子は言った。

 

「えっ、そうなの。」

 

その写真を見た、ダイヤは。

 

「男と一緒に入るのは、ぶっぷー!ですわ。」

 

「ダイヤ、混浴やったら許してもいいんじゃない。」

 

「果南さんはよく言えますわね。」

 

「でも、男と一緒に行ってもいいんじゃないの?。」

 

「そうでしょうか。」

 

「そう言えば、聞いたことある話だけど恋した女が未練泣きの気持ちで1人旅をして男に出会った、そして宿で手紙を書いた。」

 

「ちょっとずら丸、恋愛小説みたいなこと言わないでよ。」

 

「オー、何ていい旅何でしょう」

 

と、茉莉は言う。

 

「マリーもそう思う。」

 

「うん、二人で行くなら列車に乗って。」

 

「二人で行くのは浪漫ずらぁ。」

 

「でしょ。」

 

そして、果南は。

 

「それで一緒に行った人は?。」

 

「名古屋駅で東京行の新幹線に乗って別れたわ。」

 

「ほう、新幹線で東京に。」

 

「うん。」

 

「その人は誰なんだろう。」

 

そして次の日、善子に会ったのは3日後の事であった。

 

「へぇ、混浴の話をしたらダイヤさんが。」

 

「うん、そしたらぷっぶーですわって言ったのよ。」

 

「そんな事があったのか。」

 

と、言った。

 

「うん、それで善子ちゃん、今度はどこへ行く。」

 

「ヨ・ハ・ネ!、全くもう、いい加減、ヨハネの名前を覚えてちょうだい!。」

 

「申し訳ございません、ヨハネ様。」

 

「気を付けてよね。で、旅行がどうかしたの?。」

 

「うん、いつか一緒に行こうかと。」

 

「ええ、いいわよ、どこへ行く。」

 

「そうだな。」

 

「ヨハネちゃんは北陸は好きかな?。」

 

「北陸ね、金沢も好きだし、富山もいいけど、能登と越前も好きだったわ。」

 

「能登と越前ね。」

 

「ええ。」

 

「善子ちゃんは旅行好きかな?」

 

「ええ、もちろんよ。」

 

「今まで、何処へ旅したの。」

 

「そうね、ずら丸なら大和路と奥飛騨で、リリーとマリーとは能登かな。」

 

「なるほど。」

 

そして、善子と一緒に行った奥飛騨で事件は起きた。

 

「あれっ、誰か倒れているわ。」

 

「ちょっと声かけて見ようか。」

 

「ええ。」

 

そして、女は声を掛けた。

 

「もしもし、大丈夫ですか。」

 

と、起こした。

 

「ヤダ、この人死んでるわ。」

 

「何だって!。」

 

そして、悲鳴を上げた。

 

キャーッ!

 

この二人旅が事件が起きるとは、誰も予想はしなかった。

 

 




そして、奥飛騨で事件が起きた



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第4章 奥飛騨で殺人

そして、事件が起きた


そして、テレビニュースが始まった。

 

「今日午前10時15分ごろ、岐阜県飛騨市神岡町船津で男性の他殺死体か発見されました、被害者の所持品から遺体の身元から沢村 信さんと判明、岐阜県警では他殺の可能性が高いとみて捜査をしています」

 

それを見た私は。

 

「あっ、濁河温泉で一緒だった人だ。」

 

「知ってるのその人。」

 

「ああ、温泉で一緒だったんだよ。」

 

「えーっ!。」

 

「まさか!。」

 

そして、穂乃果とにこは驚いた。

 

「そうだ、あの時濁河温泉で一緒だったんだよ。」

 

「そうなの。」

 

「嘘でしょ。」

 

と、にこは驚く。

 

翌日、私のところに一人の男がやって来た。

 

「ごめんください。」

 

「あのー、あなたは。」

 

「岐阜県警・捜査一課の寺岡です、ちょっと聞きたいことがあってね。」

 

「あのー、ひょっして奥飛騨で起きた殺人の事でしょうか。」

 

「ええ、この写真の男でご存知があったら教えて下さい。」

 

「ああ、その時女の子と一緒に旅館で一緒でした。」

 

「本当ですか。」

 

「はい。」

 

と、言って写真を寺岡部長刑事に見せた。

 

「この写真で分かりますよ。」

 

「おお、確かに。」

 

「その人がどうかしました。」

 

「その男性は今日未明お亡くなりになりました。」

 

「ええ、ニュースで見ました。」

 

「そうですか、じゃあ、こちらの男性は解りますか。」

 

「おっ、この写真は友人に似ている気がするよ。」

 

寺岡は達仁に言った。

 

「この人に最後に会ったのはいつです?。」

 

「えーと、東京駅でホームで別れて、丁度その穂乃果と凜と一緒に乗ってたので、その二人は別の席に居ました。」

 

「そうか。」

 

「この写真、君の友人ですか。」

 

「はい、前に彼女の事でケンカしたことがあったんです。」

 

「ほう、その彼女の名前はわかりますか?。」

 

「ああ、確か沼津出身の津島善子って言う女の子だけど。」

 

「という事はその女の子は静岡県沼津市に住んでるんだな。」

 

「はい、間違いありません。」

 

そして、寺岡部長刑事は津島善子が住む静岡県沼津市へやって来た。

 

「この写真の男性の事でご存知のことがあったら教えて下さい。」

 

「誰ですか、この人。」

 

「何か心当たりありますか?。」

 

「あれっ、この写真、沢村じゃない。」

 

「何か知ってるんですか。」

 

「ええ、この沢村は私と同じ高校なんです、その沢村がどうしたの?。」

 

「その写真の男性は、昨日お亡くなりになりました。」

 

「えーっ。」

 

と、善子は驚いた。

 

翌日、善子は達仁に会った。

 

「そうか、善子の方も警察が来たのか。」

 

「うん、奥飛騨で起きた殺人の事で聞きたいって。」

 

「でも、この写真が俺の同級生にそっくりなんだよ。」

 

「ああ、それって沢村の事ね。」

 

「でも、なんであいつが死なさなければならないのかな?」

 

「うん。」

 




次回のお楽しみに



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第5章 密会

そして、善子が好きだった友人が死んだ事を聞いたが、達仁に後を付けていた人は一体何者だろうか


「お前、善子のこと好きなんだろ。」

 

「もちろんだけど、何でお前らが俺を憎むんだよ。」

 

「それで、善子とどこへ行ったんだよ。」

 

「何言ってるんだよ、俺は特急「ひだ」に乗って高山と濁河温泉へ行ってたんだよ。」

 

「えっ、マジで。」

 

と、良と奥野が言った。

 

「お前は善子の事、どう思ってるんだ。」

 

「そ、それは、俺は一番好きだよ。」

 

そう言って、俺は帰宅の途に就いた。

 

次の日、善子に会ったのは土曜日の日だった。

 

「濁河温泉、気持ち良かったな。」

 

「もう、達仁のエッチ。」

 

「何で、あこは混浴風呂なんだから。」

 

「もう。」

 

「それで、何か用か。」

 

「実はね、私と一緒にデートに行こうと思うの。」

 

「どういう事、善子。」

 

善子は、2枚のチケットを見せた。

 

「じゃーん、三津シーパラダイスのペアチケット。」

 

「ああ、丁度行きたかったんだよ。」

 

「一緒に行く。」

 

「うん、行くよ行く行く。」

 

そして、日曜日。

 

「ついに来たんだ、三津シーパラダイス。」

 

「私は、バイト依頼行っていなかったから、。」

 

「そうか、善子はここでバイトしたことがあるのか。」

 

「ええ、さぁ、行くわよ、リトルデーモン。」

 

「リトルデーモンだなんて。」

 

「俺、水族館へ行くのは初めてなんだ。」

 

「本当。」

 

「おっ、今イルカショーやるって。」

 

「行こうか。」

 

「ああ。」

 

この日、俺は善子と一緒に三津シーパラダイスへ行くことにした。

 

「わぁ、凄いわ。」

 

「本当だね。」

 

「うん。」

 

三津シーパラダイスを見物した後は、沼津駅で善子と別れた。

 

「じゃあ、気を付けてね。」

 

「うん、時々電話するからね。」

 

「うん、待ってるわ。」

 

「ああ。」

 

そして、俺が乗る東海道本線は沼津を発車し、東京へ帰京した。

 

「楽しかったな、三津シー。」

 

と、呟いた。

 

東京へ戻ったら、岐阜県警の寺岡部長刑事と橋口刑事がやってきた。

 

「早速ですが、この写真の男性と女性の事でご存知でしょうか。」

 

「あのー、この人が俺と善子の偽物を追ってるんですか。」

 

「はい、あなたは輪島朝市と和倉温泉をご存知でしょうか?。」

 

「ええ、知ってますが。」

 

「実は、その二人が事件が起きる一週間前に北陸へ旅行しているんです。」

 

「北陸へ。」

 

「はい、何か心当たりありますか?。」

 

「さぁ、俺はその時は奥飛騨へ行っていましたよ。」

 

「そうですか。」

 

「それに、この二人には全く心当たりがないんです、とにかく、俺の名をかたる奴は又何をやらかすかわからん、捕まえて下さい。」

 

「現在、警察では捜査しています。」

 

「そうですか。」

 

「とにかく、この二人は知らないんで。」

 

「わかりました、お手数をかけました。」

 

と言って、刑事は去って行った。

 

そこへ、ある男が私に押し付けてきた。

 

「あんた、善子と一緒だったな、どうなってもいいのか?。」

 

「そんなことしたら。」

 

「そうか、後で後悔するぜ。」

 

と、言って立ち去った。




そして、次の日

達仁は善子と花丸と一緒に福井へ行く事になった。


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第6章 福井へ

俺は、善子と花丸と一緒に北陸へ


そして、次の日 善子から電話があった。

 

「えっ、善子と一緒に温泉旅行に一緒に行かないか。」

 

「うん、善子ちゃんと一緒なんだけど、マルと善子ちゃんは米原まで特急で行くのずら、それで達仁の方は。」

 

「ああ、俺は上越新幹線で新潟まで行って、そこから北陸本線・信越本線経由の特急「北越」か長岡から特急「かがやき」で行くからさ。」

 

「上越新幹線で行くずら。」

 

「うん、俺の方は東京だから。」

 

「そうか、最近上越新幹線で北陸へ行く人が多いのねずら。」

 

「うん。花丸ちゃん達はどうするの。」

 

「米原から特急「加越1号」金沢行に乗って福井へ行くずら。」

 

「そうか、花丸は「こだま」と「加越」に乗り次いで東尋坊へ行くのか。」

 

「そうよ。」

 

「じゃあ、駅で待ってるからな。」

 

「うん、じゃあ駅でね、待ってるずら。」

 

「花丸ちゃん、ちなみに今度はどこ温泉だ。」

 

「芦原温泉ずら。」

 

「芦原温泉か、わかったよ。」

 

と、電話を切った。

 

達仁は、上野駅から上越新幹線に乗って、北陸へ行くことにした。

 

「えーと、新潟行かこれに乗ればいいんだな。」

 

本来なら、東海道新幹線に乗って京都から「雷鳥」に乗って行くのだが、今回は特急「北越」に乗って芦原温泉へ行く事になった。今回は特急「北越」に乗って北陸本線と信越本線の駅弁を食べながら温泉旅行へ行こうと考えたのです。

 

「新潟から「北越」に乗って駅弁食べて見たかったんだよな。」

 

善子と花丸は、静岡から新幹線「401号」に乗って9時53分に米原で下車し、米原からは北陸本線経由の特急「加越1号」に乗り、芦原温泉へと行く。

 

「善子ちゃん、東尋坊へ行けるなんてロマンずら。」

 

「そうね、なんかドラマで見たことあるけど。」

 

「マルは小説読んたけど、そこはスリルが満載ずら。」

 

「ちょっと、ずら丸ドラマの見過ぎよ。」

 

そこへ、善子と花丸が乗る特急「加越1号」が入線してきた。

 

「あっ、来たずら。」

 

「乗ろう、ずら丸。」

 

そして、アナウンスが流れた。

 

「まもなくー、北陸本線周り特急「加越1号」金沢行が発車します、ドアが閉まります、ご注意ください。」

 

プァーン!

 

と、警笛を鳴らし、特急「加越1号」は米原を発車した。

 

「この列車、私が行く観光名所ね。」

 

「うん、この列車のマークを見ると北陸へ行きたくなるずらぁ。」

 

「そうね。」

 

11時33分 特急「加越1号」は芦原温泉駅に到着した。

 

「やっと、東尋坊ね。」

 

「達仁は、特急で来ると思うよ。」

 

「そうね。」

 

一方、達仁は上野から新幹線「あさひ503号」に乗り、9時37分に新潟に着いた。

 

「えーと、北陸線「北越2号」は10時04分か。」

 

新潟駅で、特急「北越2号」が停車していた。

 

「金沢行か、これに乗ればいいんだな。」

 

プァーン!

 

10時04分、達仁が乗った特急「北越2号」は新潟を発車し、直江津で北陸本線に入った。

 

「アー、美味しい。」

 

と、駅弁を食べながら車窓を眺めていた。

 

「お弁当に飲み物とコーヒーはいかがでしょうか。」

 

と、車内販売のワゴンがやって来た。

 

「すいません、北陸本線の駅弁はありますか?。」

 

「はい、富山名物「ますの寿司」でございます。」

 

「これください。」

 

「はい、まいどどうも。」

 

そして、駅弁を食べて満腹になった。

 

「ふぅー、美味しかった。」

 

13時46分 金沢に到着した、そこから北陸本線に乗り、芦原温泉駅に到着した。

 

「待ってたずら。」

 

「長い乗り継ぎだったのね。」

 

「ああ。」

 

そして、俺と善子と花丸で芦原温泉で1泊することにした。




北陸へ行くには、東海道新幹線と上越新幹線のルートを使うんだな

便利になったもんだ


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第7章 芦原温泉

達仁は善子と花丸と一緒に 福井県の芦原温泉へやって来た。


「善子ちゃん、こっちこっち、飛び石のあるお庭が、とっても素敵ずら―。」

 

「フッ、木の葉も色づいて美しいわ、風に散り行く葉は、共に堕天の刻を迎えるべくヨハネを待っていたのね。」

 

「お前も、風流だな。」

 

と、達仁は言う。

 

「ふふっ、善子ちゃんが落ち葉を堕天に喩えるなんて、風流ずらね、さすが張り切って朝一番の新幹線に飛び乗っただけあるずらー。」

 

「俺は、上越新幹線と特急「北越」で来たから。」

 

「張り切っているのはずら丸も同じでしょ。」

 

「そうずら。」

 

「一度は特急「加越」に乗って見たかったずら。」

 

「そうよね、福井と言えば東尋坊、今日は芦原温泉で1泊ね。」

 

「うん。」

 

そして、花丸は達仁に言った。

 

「ところで、どの旅館に泊まるずら。」

 

「芦原温泉の清風荘だよ。」

 

「ああ、結構大人気の温泉ね。」

 

と、善子は言う。

 

「今日と明日は、このチャンスを満喫するわよ」

 

「賛成ずらー。」

 

「じゃあさ、一条谷遺跡へ行って見るか。」

 

「いいね、それ。」

 

「私も行って見たいずらー。」

 

今回、11月の連休に花丸の誘いで北陸へ旅行する事になった。

 

日程は

 

1日目

 

午前7時32分、上野を出発

 

新潟に出て午前10時04分発の特急「北越2号」に乗車 金沢で乗り換えて

 

芦原温泉に1泊

 

一条谷遺跡へ観光

 

2日目

 

東尋坊を観光

 

芦原温泉駅から北陸本線に乗り、高岡で下車

 

高岡で1泊

 

3日目

 

高岡市内観光

 

高岡-金沢-京都とL特急「雷鳥28号」又はL特急「しらさぎ10号」に乗り、新幹線で帰京。

 

の、日程である。

 

「前は、にこと真姫と一緒に輪島と奥能登へ行ったから、久しぶりだな北陸は。」

 

「そうね。」

 

「ここが一条谷遺跡ね。」

 

一乗谷朝倉氏遺跡は福井市街の東南約10キロにあり戦国時代朝倉氏五代の城下町の跡がそっくり埋もれていました。京都の金閣寺や広島の厳島神社に並び国の三重指定(特別史跡・特別名勝・重要文化財)を受ける大変貴重な遺跡となっています。栄華を極めた城下町の街並みをほぼ完全な姿で再現しており当時の衣装に着替えて戦国時代にタイムスリップしたような感覚になります。毎年8月には「越前朝倉万灯夜」「越前戦国まつり」を同時開催し、迫力ある火縄銃の砲煙を見ることができ夜には約15,000個をこえるキャンドルの灯で幻想的な雰囲気になっている。

 

「凄いずら。」

 

「ほんとうね。」

 

達仁と善子と花丸は、今日泊まる温泉は人気ホテルの「清風荘」である。

 

「はぁぁー、極楽、極楽ずらー。」

 

「花見風呂は格別ね。」

 

「こういう自然に囲まれた温泉も、素敵ずらね。」

 

そして、部屋に戻ると達仁はテレビを見ていた。

 

「気持ち良かったずらー。」

 

「本当、いい湯だったわ。」

 

「そうか。」

 

「紅葉もきれいだし、隣のお部屋には温泉があってすごいずらー。」

 

「うん、夕食の後にも温泉入ろう。」

 

「俺も行くぜ。」

 

「えっ、達仁もなの。」

 

「うん。」

 

そして、夕食の後は温泉を満喫した。

 

 

 




そして、東尋坊へ行くと事件が起きた


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第8章 東尋坊

そして、事件が起きた


次の日、達仁と善子と花丸は芦原温泉で1泊した後は、福井の観光名所・東尋坊へやって来た。

 

「東尋坊か、でも、ちょっと怖いずら。」

 

「ハハハ、花丸は怖がりだな。」

 

「だって。」

 

と、花丸は緊張していた。

 

「崖には海が見えるずら。」

 

「うん、これを見ていると堕天使が命を絶つ時を思い出すわ。」

 

「善子、いいシナリオだね。」

 

「そうね。」 

 

東尋坊とは、荒々しい岩肌の柱状節理が延々と1kmに渡って続く勇壮そのものの東尋坊は、国の名勝・天然記念物に指定されています。なかでも岸壁の高さが20メートル以上に及ぶ大地の断崖は勇壮というより壮絶で、日本海の荒波が打ち寄せる姿は恐ろしいほどの迫力です。遊覧船ではライオン岩、ろうそく岩など自然の造形が目を楽しませてくれます。

 

「東尋坊と言えば、サスペンスドラマがイメージ的なんだずら。」

 

「そうね、善子と花丸が犯人に狙われ、そこへ、俺が助けるのだ。」

 

「まるで、ドラマみたいね。」

 

「これはミステリーずらー。」

 

「ねぇ、東尋坊タワーに行って見ようよ。」

 

「賛成。」

 

達仁と善子と花丸は、タワーに上った。

 

「うわーっ、日本海が大きく見えるよ。」

 

「本当だわ。」

 

「ねぇねぇ、遊覧船だって乗ってみようよ。」

 

「乗ろう、乗ろう。」

 

穂乃果と達仁らは、東尋坊の遊覧船に乗った。

 

「うわーっ、海からの東尋坊ってこんなに大きいんだ。」

 

「うん。」

 

ところが、東尋坊の海に事件の予感がした、花丸は、遊覧船から降りた時事件は起きた。

 

「あっ、何ずら。」

 

「なんか浮いてるわ。」

 

「ま、まさか。」

 

「し、ししし、死んでるわ、キャーッ」と悲鳴を上げた。

 

まもなく、福井県警捜査一課のパトカーが到着した。

 

「福井県警の吉田です、あなたが遺体の発見者ですね。」

 

「はい。」

 

「あなたは。」

 

「俺は、音ノ木坂学院の南 達仁です。」

 

「同じく国木田花丸です。」

 

「なるほど。」

 

と、吉田警部は言った。

 

「で、あなたが第一発見者ですか?。」

 

老刑事の八島警部補が言った。

 

「はい、発見したのは花丸で。」

 

そこへ、善子がやって来た。

 

「有咲、有咲、ありさーっ!。」

 

と、叫びながら走って来た。

 

「すいませんが、この女性を戸存知でしょうか。」

 

「はい、彼女は市川有咲、中学の時の同級生なんです、こんな事になるなんて。」

 

そこへ、福井県警の青木刑事は。

 

「吉田警部、被害者の身元が割れました、免許証の住所から東京在住の市川有咲と判明しました。」

 

「そうか、これはやはり自殺の可能性があるな。」

 

そして、善子は言った。

 

「人殺し!、有咲は自殺なんかしないわ。犯人はあいつだわ。」

 

「善子、人殺しって誰の事か。」

 

「そうよ。」

 

「善子、俺も気になっていたんだ、奥飛騨で友人が殺されたんだよ。」

 

「えっ、本当なの。」

 

その後、奥飛騨と東尋坊で起きた事件は、岐阜県警と福井県警で合同捜査をする事になった。

 

「やはり、あいつだな。」

 

「あいつって。」

 

「あいつが犯人だ、間違いない。」

 

 

 




いよいよ、フィナーレを迎えます

お楽しみに


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第9章 善子の別れ

そして、達仁は善子と別れることを決意し東京へ帰京する事になった

いつか、善子に会える日を


「善子、あいつって誰なんだ。」

 

花丸は達仁に言った。

 

「中学時代の理科の先生ずら。」

 

「えっ、理科の先生。」

 

「そうよ、あいつが有咲を殺したのよ。」

 

「えっ、何だって。」

 

「あいつって言うのは、理科の田中教諭よ。」

 

「そう言えば、俺が中学の時にそうな先生いたな。」

 

「うん、善子ちゃんと有咲ちゃんは小学校の時の幼馴染ずら。」

 

「で、善子が言ってた田中先生って。」

 

「実は、その先生は私にセクハラしたのよ。」

 

「えっ。」

 

「善子ちゃん、田中先生にセクハラされたの。」

 

「そうよ。」

 

「じゃあ、犯人はこの田中先生が。」

 

「うん、間違いないわ。」

 

「よし、早速調べて見よう。」

 

達仁は、早速有咲の足取りを追うことにした。

 

芦原温泉駅

 

「この女性、駅に降りられませんでしたか。」

 

「さぁね、この女性が知りませんが、確か男性が降りてきたのを見たぞ。」

 

「そうですか、ひょっとしてこの男かな?。」

 

達仁は改札員に写真を見せた。

 

「ああ、その男の人は南 達仁と津島善子の名を語ってたけど。」

 

「やはり、あの人は俺と善子の偽物だ、わざわざ偽名を使って旅行客になってたのか。」

 

「その人がどうしたのか?。」

 

「その人は何時の列車に乗って来たのかわかります。」

 

「さぁてねー、列車で来たとしたら10時33分のL特急「しらさぎ1号」でここに降りたけど。」

 

「そうですか、どうも。」

 

芦原温泉駅の調べで、達仁と善子の偽物は10時33分に駅で降りたことが判明。

 

「やっぱり、達仁とヨハネの偽物だったのね。」

 

「ああ。」

 

「被害者は善子を名乗った人だ。」

 

「じゃあ、ヨハネの偽物を殺したって事ね。」

 

「そうだ。」

 

「それで、どんなトリックなの?。」

 

「まず、奥飛騨の事件は、俺の友人の沢村を新保高で殺害し、その後は神岡で遺棄した。」

 

「それで、その後は車で美濃太田まで行き、そこから7時16分の普通に乗る、岐阜に着くのは8時23分、そこから岐阜発8時35分富山行のL特急「しらさぎ1号」に乗り、芦原温泉には10時33分に着く。」

 

「そうか、犯人はこれを利用したって事ずら。」

 

「そうだ、これで田中先生が犯人で間違いない。」

 

俺たちは、田中に狙われるのだ。

 

「アハハハ、よくぞ見破ったな。」

 

「えっ。」

 

「そして、有咲は田中に呼び出され、東尋坊の断崖で突き落とした。」

 

「あっ。」

 

「ごれで、犯人は田中先生あんただ。」

 

「何。」

 

「先生、どうしてあんな恐ろしいことを。」

 

「く、くくく、くそーっ。」

 

そこへ、吉田警部と青木刑事が到着し、犯人田中を逮捕した。

 

次の日、達仁は善子と別れの日がやって来た。

 

「そうか、沼津へ帰るのか。」

 

「うん、これからはお母さんと一緒に暮らすの。」

 

「うん、善子、いつか会いに行くからな。」

 

「うん、待ってるわ達仁。」

 

そう言って、善子は東京駅で東海道新幹線に乗り、沼津へ帰って行った。

 

「善子、元気でなーっ。」

 

と、見送った。

 




この作品はすべてフィクションです

劇中の列車時刻は昭和63年のダイヤを使用しています

ご了承ください

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