天職【ソロ】は草。 (ゆう@男子系女子)
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休息~余談と設定~ ※読んでおくとわかりやすいかも?
休息 呼び名と本名 ついでに余談


この小説で、本名呼びしてないのでここにて紹介。

 

―――

 

 

 

勇者

天之河 光輝

 

女神

白崎 香織

 

雫氏

八重樫 雫

 

筋肉

坂上 龍太郎

 

オタク君

南雲 ハジメ

 

いじめっ子

檜山 大介

 

眼鏡さん

中村 恵里

 

ロリおじさん

谷口 鈴

 

騎士団長/団長

メルド・ロギンス

 

先生

畑山 愛子

 

 

―――

余談

 

主人公の容姿は黒髪でちょっと癖毛。両目2.0の健康児。

前世云々は正直抜こうかと思ってた。いつの間にか入れてた。これはもう性と書いて運命って読むやつじゃな?

なお、あんまり使われていない模様。

 

主人公はありふれた原作は知らない設定。名前だけ聞いたことがあるみたいな感じ。聞いたことだけあってもこの世界じゃ名前すら聞かなくなっちまうもんだから…。

だから転生設定が目立たないんだよ。

 

主人公が前世でなくなったのはだいたい高校生ごろ。小説とかよりもゲームばっかしてたっぽい。主にRPG。お気に入りは流星のロックマン3。エグゼと流星はやりこんでいたそうな。普通にゲームシステムが好きだとか。

やりようによっては無敵になり放題*1だもんなあれ。たーのしー。ちなみに気に入ってるノイズチェンジはブライノイズ。ウォ―ロックアタック*2の爽快さよ。

ちなみに作者はブライノイズにデメリットがあるのをこれ書いてて初めて知った。

 

 

勉強はそこまで得意ではない。二回目なのに。

 

ここまで読んでてわかる人はわかると思うんですけど、今書いてる主人公、ほとんどブライに似てないんですよね。わざとなんですけど。

 

これから似せていく予定なので。どう似せるかはお楽しみなんですけど。

 

…よくよく考えたらブライがハマってたのゲームだったな?(ウォーロックのアビリティ*3をみつつ)

 

あと、雫ちゃんが雫氏呼びなのはあることがあったからなんですね。

それの結果雫ちゃんが主人公のオカンに…。

わあ、主人公のヒロイン決定だ~(すっとぼけ)

 

はい、私基本読専で今年忙しいのでエタる可能性大ですけどこの作品をよろしくお願いします。

 

誰か、続きを書いてもいいのよ?

 

 

*1
バトルカード(武器)を選ぶとき、流星1.2では縦横そろって並べられていたのが、3ではメガカード(ボスが落とすカード)、ギガカード(めっちゃ強いカード)に大きさが加わり、カード同士が重なるようになった。重なったカードの下のカードをサポートとして使うことができる。属性によって能力が違い、無敵になれる(だいたい当たらない)インビジブルは水属性カードを下にすることで使うことができる。やってみたほうが早い。

*2
簡単に言うと相手に向かって突進

*3
ユーモアワード:主人公の相棒が冗談を言うやつ



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休息2 主人公の設定(改めて)&ほかのヒトとの関係性。(新しい設定が分かってくるたび更新します)

主人公

西舘 東(にしだてあずま)

 

ハジメ君と同じクラス。

捨て子らしく施設そだち。でも施設で特に仲のいい人はいないそうな。これでも一応前世持ちで好きなことはゲーム。特に流星のロックマンが好きだった。ちなみに今世に流星はない。残念。それでもゲームはやめられないらしい。

前世で覚えているのは18歳の記憶までとかなんとか。多分本編に関係ない。

勉強は得意なほうではない。でも二回目だし大丈夫だろと高をくくっている。多分地球に帰ったらクラスの中で一番点数が悪くなっていることであろう。

 

他人のことはイメージに合ったあだ名で呼ぶ。EX)ハジメ→オタク君 光輝→勇者 表は前回のでいいな?

ただし雫ちゃんのことは別。雫氏と呼ぶ。地球で何かあったそうな。書くかは知らん。俺の管轄外だ。

名前を呼ぶ気はあんまりないらしい。膵臓かな。

 

それのおかげで若干主人公に対して世話焼き。たまにオカンと呼ばれることも。そのたびに雫氏は怒るんだとか。

 

外見は黒髪くせっけ。眼鏡はしていない。身長は高め。

 

 

 

トータスで得た職業はソロ。簡単に言ってしまえばボッチということで職業にもからかわれていると思っている(1話現在)

 

以後ネタバレを含む(苦手な人は下を選択で読まないようにしてね)

 

檜山に攻撃されて、無傷な状態に疑問を持ち、ステを見たら電波障壁と書いてあった。そのことからこのソロって流星のソロじゃね?と確信する。(3話)

ステータスの伸びがハジメ君よりも悪い(3話)

何かのきっかけで電波変換をする。それの途中は自我が飲み込まれるようだ。少しは何かに自我を侵食されているっぽい。(4話)

電波変換時はハジメ君を抱えて壁伝いに降りれるスペックを持つ(5話)

透視はできないけど迷宮の壁をすり抜けられるっぽい。(6話)

 

これからまた何か足していきます。

今考えてある設定だけでも結構あるので。ソロの設定は凝らせやすくて好き。

 

 

 

主人公との関係性

 

ハジメ(オタク君)

低ステ同士仲良くしよ、というのが主人公の言い分。転移前は香織ちゃんの猛アタックに嫉妬してた。主人公が。

異世界行ってから初めて関わった。ちょっとうざったく感じるも払いのける程度のものでもないらしい。初期ハジメ君は払いのけるって概念すらなさそうだな?

たまに主人公とゲームの話をする。異世界での主人公のかかわり率がすごい。ダンジョン行く前も何かと主人公とはかかわることが多かったみたい。書かないけど。

 

 

光輝(勇者)

主人公に対していい感情を持ってはいない。でも主人公とはあんまりかかわらなかった。

主人公は外側から見て、あんまり好印象じゃない感じ。正義を押し付けているように見えるのがあんまり気に入らないらしい。あと嫉妬。

 

坂上竜太郎(筋肉)

主人公は筋肉だなって思ってる。

坂上君は…だらしのねえやつだな?ぐらいでは。

 

雫(雫氏)

なんかあって主人公にかまってくれる人。オカン。

最大のヒロイン候補。ちなみにヒロインにする確率は結構低い。

 

香織(女神)

主人公はかわいいなあ、いいなあぐらい。

香織ちゃんはハジメ君ファーストだから。考えることが。だけど異世界行ってハジメアタック協定を結んだとかなんとか。主人公も香織ちゃんも下心あれどハジメ君と仲良くしたいから同盟を組むのも致し方ないこと。ちなみに書く気はない。想像してね?

 

檜山(いじめっ子)

低ステであるハジメを庇おうとした同じ低ステである主人公はからかい、もしくはいじめの対象に。なってたりなかったりする。

 

園村さん?

助けられたことには気づいてない。

 

その他

ああ、ボッチだなあ。

 

 

何かあったら増やします。

では。



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一章 天職にもボッチって言われた
1 天職がぼっちって言ってる。


初投稿です。
ごゆっくりどうぞ。


はっきり言おう。俺は転生した。

 

さっき転生したことに気付いた。なんか、現代で二度目の人生やってた。びっくり。

今世の名は西舘 東(にしだてあずま)。現在高校生。捨て子らしく施設で育ち、現在一人暮らし。朝がつらい。

前世は…。もうあまり覚えていない。15年以上こっちの生活やってたし、転生したことについても知識として頭に入ってきたって感じがすごかった。正直、自分のことでいっぱいいっぱいで自分のことなのかすらわからん。

 

で、思い出したきっかけは。

クラス全員で異世界転移なんてしたからだ。うん、何言ってるかわからねえと思うが俺も何言ってるかわからねえ。普通に授業受けて…。いや俺4時限目は寝てたわ。前日、ゲームで3時ごろまで起きてた。MMOってどこで辞めればいいかわかんねえよなあ。

 

で、いつの間にか床の上にいた。違うな。頭が床にダイレクトアタックしたんだ。頭われるかと思った。

その衝撃なのか思い出せた。前世を。そこまで重要じゃねえな、この情報。

 

で、ただいま勇者が「たすけるぞ」って奮闘中。なんだこいつ。

神父みたいなやつが、「魔族と戦っているから人間を助けてくれ」ということで正義の心に火が付いたらしい。

勇者。すんげーカリスマの持ち主。美人を二人侍らせて…いや女神はオタク君にアタック中か。美人にアタックされるなんて羨ましいねえ。何の反応もないからオタク君には嫉妬の視線の雨。ちなみに俺も送るやつらの一人な。いかん、話がそれた。

 

勇者は、自分が正しいって態度を貫くやつだ。外から見てて思った。俺はあんまり好きじゃない。

女神は前述したとおり、オタク君にめっちゃアタックする子。かわいい。

オタク君、不憫なやつ。

 

あ、クラスの中心人物たちが戦うって決めた。周りのボルテージが上がる。ついでに俺のボルテージも上がる。

異世界なんてそうそうないしな。俺、転生もしたし。なんか万能感が心を満たす。エヒトって神がいないと帰れないらしいし。

 

でも、俺はわかっていなかった。

これは戦争なんだってこと。人を殺すということ。

これから俺に起こってしまうこと。

 

そのすべてが転移される前からつながっていることを。

 

 

俺に起こる最初の出来事は、アーティファクトを手にいれるまで先に送ろう。

 

―――

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 〝ステータスオープン〟と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

そう言って渡されたのは、銀色の12×12センチくらいのプレート。

血を垂らす。

そこにはこんなことが書いてあった。

 

===============================

 

西舘 東 17歳 男 レベル:1

 

天職:ソロ

 

筋力:15

 

体力:5

 

耐性:5

 

敏捷:15

 

魔力:5

 

魔耐:5

 

技能:■■■■・言語理解

 

===============================

 

いやソロってなんだよ。

 

「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に〝レベル〟があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」

 

騎士団長がそんなことを言う。

まるでゲームだ。得意分野、と言いたいが、生憎体を動かすのは少し苦手だ。

 

「次に〝天職〟ってのがあるだろう? それは言うなれば〝才能〟だ。末尾にある〝技能〟と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」

 

天職は才能。

俺は、ソロの才能があるのか。なるほどなるほど。わかるわけがない。

いや、わかりたくない。職業にまでボッチって言われていることなんて。

ついでに言うと、平均は大体10程度らしい。少年よ。これが絶望だ。この場合の少年は俺なんだが。

 

軽く回りを見てみると能力がいいのか喜んでいるやつばかりだ。俺たちの世界はこの世界よりも上位で、それがステータスにも反映されるらしい。

その中で一人だけ青い顔をしたやつがいた。オタク君だ。

 

騎士団長が勇者のステータスを見る。

 

============================

 

天之河光輝 17歳 男 レベル:1

 

天職:勇者

 

筋力:100

 

体力:100

 

耐性:100

 

敏捷:100

 

魔力:100

 

魔耐:100

 

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

 

==============================

 

なんつーチートの権化。チートや!チーターや!

俺その能力値の10分の1以下なんだけど。

 

技能なんて俺一個だけ、しかも塗りつぶされててわからないという。

 

俺、現実を知ったよ。

そんな、いいもんじゃねえって。

 

次々にステータスを見せていく。

なんかみんないい反応なんだが。

 

俺の番が来た。

 

やっぱいい反応しないよなあ。

 

騎士団長、わけのわからん天職に低いステータス、加えて技能がさっぱりわからないという三段構えに考えるのをやめたようだ。俺もやめてる。

 

からかうやつもいたがなんか怖いから離れておいた。

 

次、オタク君の番。青い顔してたからお仲間かなって思ったが案の定そうだった。

傷を…舐め合おうか…。

 

オタク君にそんな気持ちで近づいた。

違うやつも近づいて行った。

 

「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か? 鍛治職でどうやって戦うんだよ? メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」

 

からかってきたやつだ。ここじゃ長いからいじめっ子にしよう。

 

「……いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」

 

「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

ニヤニヤと聞くその態度にイラっとする。なんもしないけど。

 

「さぁ、やってみないと分からないかな」

 

「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」

 

反応見るに低いってことはわかっているはずなんだが…

 

ステータスプレートをぶんどる。

 

バカにしたような笑いが響く。

 

肩をたたき、俺もいるぞ!と話しかけた。

 

ステータスを見せる。

 

 

めっっっっちゃ馬鹿にされた。

そこにみんなのアイドル、先生降臨。

 

先生のステータスを見せられて撃沈した。



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2 ボッチは剣を使いたがる。

初投降です。


ステータスの一件から、俺たちはどんどん訓練していった。

勇者をはじめとしたクラスメートたちはめきめきと力をつけていった。俺?俺こんなんなんですけど。

 

===============================

 

西舘 東 17歳 男 レベル:10

 

天職:ソロ

 

筋力:16

 

体力:6

 

耐性:6

 

敏捷:16

 

魔力:6

 

魔耐:6

 

技能:■■■■[+■■■■]・言語理解

 

===============================

 

ほとんど伸びてねえ。

刻みすぎなどころか半分くらい宙に消えてるような気すらもする。育てるの概念間違ってない?

その代わりに技能が増えたってか…変わらんってか…。

 

オタク君もそんな感じらしい。なんか、親近感感じちゃう。トゥンク

ほんと、勘弁してほしい。

 

で、訓練なんだが。

 

とりあえず、全員に細身の剣が支給された。もうちょっと幅があるものだと使いやすそうだなって思ったの俺だけか?つかそんなこと考えたこともないのに何で思ったんだ?なんか、剣を持っただけで何でもできる気がしないでもないって思うのもおかしいよな。異世界だからか。

 

意外とまじめにやってる奴は多い。意外でもないか。帰りたいもんな。

朝から訓練してる奴が大半だ。俺もそのうちの一人なんだがな。

 

とはいえ剣の使い方とか全然だから騎士団長や雫氏に特別訓練をしてもらってる。

雫氏。勇者グループのうちの一人で、なんか知らんけど俺と仲良くしてくれる人。話す人がいてくれるって結構うれしい。あんまり話してくれる人いないもんな…。俺はボッチじゃない。雫氏がいるから…。多分そこにオタク君も入ってくれるから…。

悲しくなってきた。

 

まあともかく、練習してた。

 

オタク君にいじめっ子が絡んでいった。

どうやら訓練らしいけど…。

 

顔がどう見ても訓練する顔じゃないよなあ。ありゃめちゃくちゃに歪んでらっしゃる。やんわりと断ったが殴られていた。

 

暴力にためらいが無くなってきたな。これが異世界の影響か?

 

いじめっ子の取り巻きたちもドンドンと魔法を投げかける。いや死なない?

さすがに見てられなくなった俺はオタク君を引っ張る。何とかなるわけないとは思うがこれでダメージはいくらか減ったはずだ。

 

地面に当たる。

衝撃は()()()()()

 

「おい!西舘!お前も特訓されたいのか?」

 

どっちかっていうと下心満載で近づいてきたから首を振る。

 

「邪魔すんじゃねえよ、ここに風撃を望む――〝風球〟」

 

風の弾が来る。避けられない。

 

___それは何かにぶつかったかと思うと消えてしまった。

なにか見覚えのある文様を残して。

 

唖然とするいじめっ子’s

ついでに俺も。

 

「何してるの!」

 

そこで女神が来た。というより勇者グループが来た。

弁明するいじめっ子。ちなみに勇者がいるから俺は何も話さん。

 

勇者グループがいじめっ子を非難する中、勇者だけ、見当違いなことを言った。

 

「だが、南雲自身ももっと努力すべきだ。弱さを言い訳にしていては強くなれないだろう? 聞けば、訓練のないときは図書館で読書に耽っているそうじゃないか。俺なら少しでも強くなるために空いている時間も鍛錬にあてるよ。南雲も、もう少し真面目になった方がいい。檜山達も、南雲の不真面目さをどうにかしようとしたのかもしれないだろ?」

 

どう解釈したらそんな風になるのだろうか。突っ込む気も失せた。

 

そんなこんなで訓練が始まった。

俺が無傷なことについて誰も触れずに。

 

―――

 

まじか。

 

これからダンジョンを攻略するらしい。

 

謎バリア以外ない俺、もしかして詰んだ?

 

 




転生したってのがほとんど死に設定になってる希ガス。
気にしたら負けかなあ。

よくよく考えたらブライノイズってソード系の攻撃力を上げるけど元はそんなに剣使ってなかったな?使い始めたの2の後半か。避けるのまじ辛かった。当てるのもつらかった。あれ、3の時もやったけど剣持ってたか?クリムゾン破壊のために使ってたわ。失敬。


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3 どちらにせよボッチ。

正直に言おう。
設定考えただけでほとんど行き当たりばったりなんだ。

つーことで初投稿です。



当日になった。

 

夜に雫氏が来て、不安をぶちまけ合った。

それを聞いて思ったことがある。

 

そっか、戦争だもんな。

 

今俺らが住んでた日本じゃ全然そんなことなかったし、戦争はだめ、と言われてもいまいちピンとこなかった。

そっか、人を殺すのか。

 

正直、俺が人を殺すなんて思えない。そんぐらい弱いから思えるわけがないんだけど。

 

雫氏は頭がいいな、オカンだなあ、大丈夫大丈夫何とかなるなるみたいなことを連呼してたら落ち着いたらしい。みんなのオカンがしおれてたらなんか、元気でないもんな。

よかったよかった。

 

さて、それでよくないのが俺なんだが。

 

今朝ステータスを見たらこんなんなってた。

 

===============================

 

西舘 東 17歳 男 レベル:11

 

天職:ソロ

 

筋力:17

 

体力:6

 

耐性:6

 

敏捷:16

 

魔力:6

 

魔耐:6

 

技能:■■■■[+電波障壁]・言語理解

 

===============================

 

あれれ~おかしいぞ~。

 

■の内容が一つだけ開示されているうえになんか見覚えのある文字列。

電波障壁。

 

前世で好きだったゲーム、「流星のロックマン2」に出てくるライバルキャラ、ソロ(またはブライ)の固有?アビリティだ。アビリティかこれ。

孤高の証を手に入れ、人を拒絶することで障壁を生み出すとかなんとか。

 

そこで気が付いてしまった。

 

これ、ボッチのソロじゃなくてそっちのソロじゃね?

 

てことは■の内容は…。

という風にどんどん考えていく。

 

「じゃあ、行くぞ!」

 

あ、置いてかないで。

 

―――

「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行け!」

 

勇者グループが前に出る。ついでに眼鏡さんとロリおじさんも

ラットマン。ムキムキネズミ。気持ち悪い。いい川柳ができた。

 

眼鏡さん。眼鏡。たまに闇が見えたりしなくもない。降霊術師らしいが倫理的にあんまり使えないそう。しゃーなし。

ロリおじさん。ロリっこなおじさん(女)。結界師だった希ガス。

 

勇者パーティの前衛は勇者、筋肉(男、拳士が天職)、雫氏。後衛は女神、ロリおじさん、眼鏡さん。

ほとんど女子じゃねえか。流石勇者。

 

気持ち悪さはあれども難なく突破していく。

 

俺?おこぼれ貰ってる。騎士団長と雫氏にいい感じと言われてもちっとも自信は持てない。しかもこの世界の人にとってソロって職業はわからねえし、俺だってついさっきブライのソロってのに気付いたもんで詳細はほとんどわかんねえ。剣、うまくなりましたか…?ステータスひっくいのに自信が持てるか。当然、グループからあぶられたわ。

オタク君のほうがましなのかもしれん。

オタク君、さっきから錬成で落とし穴作ったり壁いじったりスゲーんだわ。錬成ってこんなこともできるんやな。納得。

 

あ、今女神がオタク君に微笑んだ。こいつ。なんかいい雰囲気醸し出すな。今死地だぞ。死んでも知らんからな。

あやっぱやめて、低ステ同士仲良くしよ

 

―――

さあ、20階層だ。

どうやら17階層まではきちんとマッピングされているらしい。

で、とりあえずは21階層で一回終了らしいんだけども…

 

「擬態しているぞ! 周りをよ~く注意しておけ!」

 

騎士団長がそう伝える。

よくよく見るとなんかいるって感じもしなくもない。多分節穴だわ俺の目。

 

その直後に魔物が起き上がる。

 

「ロックマウントだ! 二本の腕に注意しろ! 豪腕だぞ!」

 

勇者パーティが前に出る。

 

すると、すごい音量でロックマウントが咆哮した。

 

 

グゥガガガァァァァアアアアーーーー!!

 

 

 

耳が死んだかと思った。(白目)

 

誰もが止まった。勇者パーティですら止まった。

岩が勇者パーティ後衛に襲い掛かる。

 

岩が岩じゃなかった。

ロックマウントがロックマウントを投げ、襲う。

 

目は血走っているようにも見える。ミーハーか。

 

そんな魔物を騎士団長は切り捨てる。

 

「こらこら、戦闘中に何やってる!」

 

青い顔をした後衛組を叱りつける。

 

「貴様……よくも香織達を……許さない!」

 

そこで出るのは勇者。死の恐怖に見えたのか、怒りを燃やす。

 

「万翔羽ばたき、天へと至れ――〝天翔閃〟!」

 

「あっ、こら、馬鹿者!」

 

降り下ろす。

かなり大振りだったのか、壁がパラパラと音を立てる。

 

魔物はもう消えていた。いや、倒したといったほうがいいのか。

俺、実況しかしてねえや。

 

勇者は騎士団長に説教され中。

 

そこで女神が言った。

 

「……あれ、何かな? キラキラしてる……」

 

崩れた壁の向こう側にキラキラとした鉱石が見える。

どうやら、アクセサリーによく使われる鉱石らしい。ほお。こんなところにあるのか。

 

そこで、いじめっ子’sが取りに走った。

 

 

ココが運命の分岐点だった。

 

 

アイツらが鉱石に触った瞬間、魔法陣が展開される。

石橋のようなところに転移した。

 

そこでまた大量の魔法陣が展開され、そこから魔物がうじゃうじゃ、わんさか、ゴミのように出てくる。

それが逃げ道側。

 

反対側には一体の巨大な魔物がこちらを睨む。

 

そこで団長はこう、こぼした。

 

――まさか……ベヒモス……なのか……

 

詰んだな?

 




ソロの技能明かすのは次。
流星のロックマンを知っている方ならもうわかってるよなあ?

今回、主人公ほとんど出番なくて草。


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4 ボッチ は ■■ に 進化 した !

授業中とかに元書いてないから推敲ナシ一発書き。
だから、お初です。

10/29 三人称の呼び方を変更


目の前にはでっけえ魔物

背後には大量の魔物。骸骨。

 

どっちがいいかなって思うけどどっちもやばいから選びようがない。

それに、騎士団長のあの感じ。多分デカい魔物のほうには勝ったことがないんだと思う。ベヒモスって言ったかな、こいつはやばい。

 

囲まれて撤退できない。

 

 

グルァァァァァアアアアア!!

 

その咆哮が団長たちを正気に戻す。

 

「アラン! 生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ! カイル、イヴァン、ベイル! 全力で障壁を張れ! ヤツを食い止めるぞ! 光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」

 

「待って下さい、メルドさん! 俺達もやります! あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう! 俺達も……」

 

「馬鹿野郎! あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ! ヤツは六十五階層の魔物。かつて、“最強”と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ! さっさと行け! 私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」

 

「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さず──〝聖絶〟!!」」」

 

戦況は依然として変わらない。俺は完全に守られているだけだし、ベヒモスはどうにもならない。大量の骸骨も。

 

俺があっち行ったところで足手まといにしかならないんだけどな。

 

考えろ。

俺ができることはなんだ?

雑魚を倒すだけか?

守られるだけか?

 

 

違うだろ。誰かに守られるなどというそんな無様な真似は俺には耐えられない。

何より…

 

「俺の体に流れる血が、それを許さない」

 

―電波変換、ソロ、オンエア

 

 

ムーの紋章を携えて、黒き戦士が誕生する。

 

──―

 

電波変換。

異星の生命体と手を組み、心を重ねることで強大な力を手に入れる。

地球を救った青い流星の名を持つ戦士も、人を乗っ取る宇宙人も。

互いがいないと成り立たないシステム。

 

の、はずだった。

 

古代に存在していたムー大陸。そこに住んでいたものは電波体との絆なしに電波変換することができた。

力に頼り切り、絆が消えてしまったその大陸。唯一の生き残りはソロただ一人。

 

絆なんて必要ない。

先祖の誇りを汚すことはできない。

何より俺が許さない。

 

その感情だけが()()を突き動かす。

 

恐ろしい魔物の気配などものともせずに振るわれるその剣は光輝たちが支給されたもので。

しかし耐久力などなかったかのようにスパスパと骸骨たちを裁いていく。

 

同級生たちは転移したときからほとんどパニック状態だ。

出口に思われる階段にみんながみんな、駆け寄る。

 

ある少女が突き飛ばされた。

「うっ」と声を上げ、転倒。骸骨の戦士が頭を狙って武器を振り下ろす。

 

「あ」

 

避けられない攻撃。思わず目をつむる。

 

 

ザシュ

 

 

来ない衝撃。

代わりに聞こえるのは頭の落ちる音だけ。

 

気が付いたらそこに魔物はいなくなっていた。

 

──―

 

 

「ええい、くそ! もうもたんぞ! 光輝、早く撤退しろ! お前達も早く行け!」

 

「嫌です! メルドさん達を置いていくわけには行きません! 絶対、皆で生き残るんです!」

 

「くっ、こんな時にわがままを……」

 

限定された空間での戦闘はそろそろ限界を迎える。

障壁に突進し続けるベヒモス。

 

ココでの最良の選択は『障壁を展開しつつ撤退すること』

ココのモンスターたちは20階層のモンスターよりもはるかに強いやつばかりだ。

しかし、それをやるのはかなり難しいと団長は踏んでいた。

 

撤退を促す団長。そんな団長を置いていくまいと光輝は前へと進む。

 

「光輝! 団長さんの言う通りにして撤退しましょう!」

 

 

雫は状況がわかっているようで光輝を諌めようと腕を掴む。

 

しかし、龍太郎の言葉に更にやる気を見せてしまった。それに雫は舌打ちする。

 

 

「状況に酔ってんじゃないわよ! この馬鹿ども!」

 

「雫ちゃん……」

 

トータスの人間が一度も勝ったことのないベヒモスと対峙する光輝パーティ。チームの頭脳はいらだち、香織は心配そうな顔をする。

 

そこに、ハジメはやってくる。

 

「天之河くん!」

 

「なっ、南雲!?」

 

「南雲くん!?」

 

「早く撤退を! 皆のところに! 君がいないと! 早く!」

 

「いきなりなんだ? それより、なんでこんな所にいるんだ! ここは君がいていい場所じゃない! ここは俺達に任せて南雲は……」

 

「そんなこと言っている場合かっ!」

 

乱暴な言葉で返すハジメに驚く。

 

「あれが見えないの!? みんなパニックになってる! リーダーがいないからだ!」

 

胸ぐらをつかみながら怒鳴るハジメ。

そこにはパニックになっているクラスメイト達。

 

見えない何かのおかげで最初の三分の一以上は減ったものの、それでもパニックに。訓練したことも体に出ていない。好き勝手に戦っている。

 

「一撃で切り抜ける力が必要なんだ! 皆の恐怖を吹き飛ばす力が! それが出来るのはリーダーの天之河くんだけでしょ! 前ばかり見てないで後ろもちゃんと見て!」

 

 

 呆然と、混乱に陥り怒号と悲鳴を上げるクラスメイトを見る光輝は、ぶんぶんと頭を振るとハジメに頷いた。

 

 

 

「ああ、わかった。直ぐに行く! メルド団長! すいませ――」

 

「下がれぇーー!」

 

障壁が砕け散る。ハジメが石の壁を咄嗟に作っても、すぐに壊れてしまった。

よく見ると団長、騎士団の数名は気絶しているようだった。

 

 

 

これ以上は限界だ。

 

覚悟を決める。

 

雫と龍太郎がベヒモスに突貫する。

 

香織が騎士団の人たちに治療を、ハジメは周りに石壁を張る。

 

光輝は、今の自分が出せる最大の技を放つための詠唱を開始した。

 

 

「神意よ! 全ての邪悪を滅ぼし光をもたらしたまえ! 神の息吹よ! 全ての暗雲を吹き払い、この世を聖浄で満たしたまえ! 神の慈悲よ! この一撃を以て全ての罪科を許したまえ!――〝神威〟!」

 

先の天翔閃と同系統だが威力が段違いだ。橋を震動させ石畳を抉り飛ばしながらベヒモスへと直進する。

 

当たった。

 

 

舞う土煙。威力のおかげか橋に亀裂が生まれる。

誰もかれもがボロボロ。終わってくれればいいのだが…。

 

 

晴れた視界の先に、無傷のベヒモスが立っていた。

 

 

治療で起きたのか団長は撤退指示を出す。

 

 

狙っているのは光輝。

回避するのもギリギリ。満身創痍。

 

「お前等、動けるか!」

 

前線で戦っていた光輝たちに問いかける。

が、うめき声を出す程度しか声を出せない。

 

「坊主! 香織を連れて、光輝を担いで下がれ!」

 

偶然視界に入ったハジメにそう呼びかける。

 

決死の決断だろう。光輝さえいれば何とかなる。

 

しかしそこでハジメの出した提案は息をのむものだった。

あまりに馬鹿げている上に成功の可能性も少なく、ハジメが一番危険を請け負う方法。

 

「…やれるんだな?」

 

「やります」

 

決然とした眼差しを真っ直ぐ向けてくるハジメに、団長は「くっ」と笑みを浮かべる。

 

 

「まさか、お前さんに命を預けることになるとはな。……必ず助けてやる。だから……頼んだぞ!」

 

「はい!」

 

団長は風の壁を展開して避ける。さっきまで団長のいたところに衝撃が走る。

 

再び、頭部をめり込ませるベヒモスにハジメが飛びついた。赤熱化の影響が残っておりハジメの肌を焼く。しかし、そんな痛みは無視してハジメも詠唱した。最も簡易で、唯一の魔法。

 

 

「〝錬成〟!」

 

 

 

石中に埋まっていた頭部を抜こうとしたベヒモスの動きが止まる。周囲の石を砕いて頭部を抜こうとしても、ハジメが錬成して直してしまうからだ。

ベヒモスが頭部を抜こうとする。錬成で離さない。

 

ベヒモスのパワーは凄まじく、油断すると直ぐ周囲の石畳に亀裂が入り抜け出そうとする。だがベヒモスは頭部を地面に埋めたままもがいている。中々に間抜けな格好だ。

 

 

その間に、団長は回復した騎士団員と香織を呼び集め、光輝達を担ぎ離脱しようとする。

 

 

逃げ道側にいた骸骨たちはかなり減った。それでも200体は優にいるだろう。連携で倒したのか落ち着きが戻っているような雰囲気だ。

 

「待って下さい! まだ、南雲くんがっ」

 

 

 

 撤退を促す団長に香織が猛抗議した。

 

 

 

「坊主の作戦だ! ソルジャーどもを突破して安全地帯を作ったら魔法で一斉攻撃を開始する! もちろん坊主がある程度離脱してからだ! 魔法で足止めしている間に坊主が帰還したら、上階に撤退だ!」

 

「なら私も残ります!」

 

「ダメだ! 撤退しながら、香織には光輝を治癒してもらわにゃならん!」

 

「でも!」

 

 

 

言い募る香織に団長の怒鳴り声が叩きつけられる。

 

 

 

「坊主の思いを無駄にする気か!」

 

「ッ――」

 

そう言われ正気に戻る香織。

 

気持ちを抑えつつ、光輝の治療を行う。

何か横を通り過ぎていく気配がしたが治療に専念する。

 

ただいま骸骨100体。どんどん増え続けるソイツは橋を埋め尽くしている。

連携はまだ取れていて、突貫しようとする生徒もいない。でももう少しで崩れてしまう。

 

いまだに死人がいないのは奇跡と呼べるようなものだった。

 

 誰もが、もうダメかもしれない、そう思ったとき……

 

 

 

「――〝天翔閃〟!」

 

光輝の白い斬撃が骸骨たちを斬る。

それに続いて団長の剣戟、怒声が戦場を走る。

 

 

同級生たちは元気づけられたようだ。

 

階段が見えた。

 

「皆! 続け! 階段前を確保するぞ!」

 

 

光輝が掛け声と同時に走り出す。

 

 

 

ある程度回復した龍太郎と雫がそれに続き、バターを切り取るように骸骨の包囲網を切り裂いていく。

 

そうして、遂に全員が包囲網を突破した。背後で再び橋との通路が肉壁ならぬ骨壁により閉じようとするが、そうはさせじと光輝が魔法を放ち蹴散らす。

 

 

「皆、待って! 南雲くんを助けなきゃ! 南雲くんがたった一人であの怪物を抑えてるの!」

 

 

困惑するクラスメイト達。数の減った骸骨越しに橋の方を見ると、そこには確かにハジメの姿があった。

 

 

 

「なんだよあれ、何してんだ?」

 

「あの魔物、上半身が埋まってる?」

 

「そうだ! 坊主がたった一人であの化け物を抑えているから撤退できたんだ! 前衛組! ソルジャーどもを寄せ付けるな! 後衛組は遠距離魔法準備! もうすぐ坊主の魔力が尽きる。アイツが離脱したら一斉攻撃で、あの化け物を足止めしろ!」

 

ピリピリとする空気。早く逃げたい。そんな言葉が聞こえてくるようだ。

 

「早くしろ!」

 

クラスメイトはその言葉で未練を断ち切るように戦場にもどる。

 

その中にはいじめっ子もいた。ハジメのことが気に入らない、いじめっ子。

 

 

ハジメが離れる。

 

 

もがくベヒモスから距離を取ろうと必死に走るハジメ。

 

ようやっと抜け出したベヒモスの目がハジメをとらえた。

が、何か別の力が働いたのか、急に横を向くベヒモス。

 

何かをたたきつけられたようだ。

よくよく見ると支給された剣のようにも見える。

 

「何あれ…幽霊?」

 

誰かがつぶやく。

 

 

今、ベヒモスと対峙しているのは正体不明の魔力の塊だ。そいつがいるおかげでハジメはベヒモスから距離を取れていた。

 

 

 

どういうわけか、ベヒモスがハジメをとらえなおした。見えない相手を探すのをあきらめたらしい。

ドンドン近づいてくる。鼓動がはやる。なんという絶望。

 

次の瞬間、流星のごとく魔法弾がベヒモスに飛んでいく。

 

いける! と確信し、転ばないよう注意しながら頭を下げて全力で走るハジメ。すぐ頭上を致死性の魔法が次々と通っていく感覚は正直生きた心地がしないが、チート集団がそんなミスをするはずないと信じて駆ける。ベヒモスとの距離は既に40メートルは広がった。

 

曲がった。

 

途中で火の玉がハジメ目掛けて飛ぶ。明らかに故意。明らかに、確実に狙ってきたもの。

 

止まる。

着弾の衝撃波をモロに浴び、来た道を引き返すように吹き飛ぶ。直撃は避けたし、内臓などへのダメージもないが、三半規管をやられ平衡感覚が狂ってしまった。

 

ベヒモスはまだろくに動けない。最悪地を這ってでも戻ろうとする。

 

 

ドゴオォォォォオン

 

橋が崩れる。

 

もう限界だった。

度重なる突進に咆哮。光輝の技能。しまいには何かわからない魔力の塊が橋を襲ったのだから。

 

崩れる。

 

しがみつくところすらなくなってしまうくらいに。

 

崩れる。

 

ハジメは落ちていった。

 

一瞬見えた黒い何かとともに。

 

 

―――

 

気が付いたら電波変換してベヒモスらしきものと対峙してた件について。

 

何言ってるかわからないと思うが俺も何言ってるかわからねえ。

ベヒモスってスンげーつええのになんで俺こんなところにいんの?みんな―、安全なところに行かせ…

 

ドクン

 

そうだった。自分のことは自分で何とかしないとだよな。()()()()()()()()

とりあえず戦略的撤退をしたい。なんでかベヒモスの真正面にいるんだよな。なんか見えてないっぽいけど。

電波変換してるからかあ?ここ電波ねえじゃん。ついでに地球にも電波エネルギーってないんだけどさ。

 

まあそれはさておき。

 

その…ベヒモス?オタク君に直進してるんだけど。

待て、ステイだステイおとなしくしくれよ頼むから。

 

そんな気持ちを込めて手に持っていた剣を叩き込もうとする。

 

 

まって、その魔法球俺避けらんない。

 

 

ベヒモスに当たる当たる超当たる。ついでに俺にもあたってる。かすり傷だけど。

 

さてと、痛いけどこの隙にベヒモスはお釈迦になr…

 

ドゴオォォォォオン

 

 

大きい音が響く。パラパラと落ちていく音がする。これは…。

 

 

 

「やべえ、落ちる!?」

 

 

 

近くにはまだオタク君がいて、オタク君も落ちそうになっている。

 

ベヒモスはもう落ちた。

 

…オタク君も落ちてしまった。

 

降りれそうなところはないし、多分落ちたら死ぬ。

 

だったら…。

 

 

意を決して、オタク君の元へ飛び込んだ。

 

 

 

―――

 

「黒い…人型…?」




難産。どう原作と変えようか迷い中。
三人称視点って難しいなあ。

主人公?乗っ取られたんじゃね?もしくはバグった。(白目)

ちかれた。


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5 ボッチから脱出できなかった。

ロックマンXの新しいアクションアプリが登場しましたね。
早速プレイしてみました。
…wifiが遠くて思うようにいかん。あとでまたやろ。

勉強もしなきゃ

止まるんじゃねえぞ…。

おい、勉強しろよ。

受験だぞ。

てことで初です。

10/29 サブタイの番号がおかしかったので修正


オタク君を抱えて下に降りた。なんか、ロックマンZを思い出すなあ。崩れ落ちる…ゲームじゃあれなんだ?橋?と共にシエルを抱えて落ちるゼロ…。*1

今の状況だと、俺がゼロでオタク君がシエル…。

シエルとは違ってオタク君気絶してるから何とも言えねえけどなんかやだなそれ。

 

まあ、ゼロのごとく壁キックとかはできないけどな!

出来ても東京タワー以上はありそうな壁相手に上りたくはない。

 

…待てよ。

 

俺今電波変換中。電波の力で元の場所に戻れるんでない?それか電波変換解くとか。

いや待てよ、ここってウェーブロード*2って判定なのか?

たしか設定じゃ初期は地上だとめっちゃ重くって限られた電波体しかいられなかったんだっけな。

 

それが2になって地上歩けるようになって、3になってウェーブホール*3消えて…。

 

ん?ウェーブホール?

 

そもそも俺、どうやって電波変換した?

 

なんか考えてたら意識飛んでたし…よくよく考えたらやばいなこの状態。

意識飛んで実は窮地にいましたなんてなってたら次、多分死ぬぞ?

 

クラスメートに攻撃されたし。いや、電波変換中だったから仕方ないんだけどね?見えないし。わあ、最強だあ。

見えないからって当たらないわけないんですけどね。インビジブル*4ないですか?…さいでっか。あってもブラックエンドギャラクシー*5とかインビジブル突破する性能があったら死んじゃうんですけどね。あれ、ブラックエンドギャラクシーって突破したっけ?主人公の最終フォームの技だしするか。

 

じゃあ、謎ワープは?ワンチャンいけるんでない?ムービー中でしか見たことないんだけど。

ブライも使ってたし行けるっしょ!

 

てことで、とりあえず電波探しだな。どっかアンテナになりそうなとこ…。

 

そんな近代っぽい仕様がトータスにあるわけない。知ってた。

じゃあ、なおさらなんで電波変換できたんだよ。

 

 

「あれ…僕は確か…」

 

あ、オタク君起きた。

 

 

―――

 

 

ザーッと水の流れる音がする。

 

ひんやりと冷えた空気に意識が覚める。

随分と体は冷え切っていた。

 

覚めたばかりでぼんやりとした頭をフル回転させて記憶を呼び覚ます。

 

「そうだ……確か、橋が壊れて落ちたんだ。……それで……」

 

周りは緑光石のおかげかまったく見えないわけではない。近くには川があり、地面はぬれていた。

もう少しここにいたらオタクはもしかしたら凍え死んでいたのかもしれない。水溜りに落ちていたらなおさらだ。

 

 

ふと、自分の体は濡れていなかったことに気が付く。

 

「なんで生きてんだろう…」

 

オタクは橋から放り出されてすぐに気を失った。意識が遠のく前に誰かに抱えられたような気もするがそれだけだった。

 

 

「ハックシュン!…寒い…ずぶぬれになってないだけましに思おう…」

 

硬い石の地面に錬成で魔法陣を刻んでいく。

 

望むのは火種の魔法だ。その辺の子供でも十センチ位の魔法陣で出すことができる簡単な魔法。

しかし、今ここには魔法行使の効率を上げる魔石がなく、魔法適性もゼロ。たった一つの火種を起こすのに一メートル以上の大きさの複雑な式を書かなければならない。

 

その魔法陣を地面に刻み込もうとしたとき、とあるものが目に入った。

 

「…剣?」

 

そこには剣が落ちていた。

勇者たちの使うような聖剣ではなく、最初に貰った細身の剣。

 

 

近づくとこつ、こつと音が増える。まるで誰かがいるみたいに。

 

 

剣を拾おうとするとひとりでに剣が浮き上がった。

 

「ひっ」

 

ここは奈落。どんな魔物がいてもおかしくはないところ。そのどの魔物にも太刀打ちできないのは自分自身よくわかっていた。

後ずさりをして、その場から逃げる。

 

 

残されたのは何もなかった。

 

 

―――

 

待って待ってオタク君。おいていかないで。

見えないけどいるから。

 

 

「オタク君、待って、はなしあおう。怖いもんじゃないから。」

 

 

自分の声が嫌なほど響く。

何の反応もない…ただの屍のようだ…。

 

やめよう折角助けた命なんだから。想像でも殺すの禁止。

 

剣を持ったまま追いかけた。

 

 

ようやっと見つけたと思ったらオタク君死にかけな件について。…熊?いろんなところが血走ってる。怖い怖い。何か食べて…そんなことよりオタク君が危ない。

助けんと死ぬぞ、と思っても足が動かん。まじか。

 

…怖いのか。

 

 

「あ、あ、ぐぅうう、れ、〝錬成ぇ〟!」

 

 

背後の壁に縦五十センチ横百二十センチ奥行二メートルの穴が空く。オタク君は爪熊の前足が届くという間一髪のところでゴロゴロ転がりながら穴の中へ体を潜り込ませた。

 

 

 

気配を感じとったのか、こちらを向く。

さらに動けなくなった。見えないはず。大丈夫。そう思っていても頭が警鐘を鳴らす。

 

逃げないと。

後ずさる。音が響く。

 

それが合図だった。

 

熊がこちらに向かってくる。50m、20m、5m…。

 

必死に反対方向に逃げる。なぜか熊は追ってこない。いつの間にか全然わからないところにいた。え、どこだココ。オタク君の穴倉なんてどこにあるのかすらわからない。

戻るのも熊がいて戻れそうにない…。

 

あの熊、俺のことみて追っかけたよね?

こわ。何が怖いって全部怖い。気配でもつかんだ?

 

もしかして、ビジブルゾーン?

 

思いついたと同時に震える。

 

奈落の魔物たちが気配を捕まえられるかどうかはともかく、見えるのであれば危険度は上がる。

ついでにオタク君を見捨ててしまったことを後悔する。

 

戻ろう。

 

その道を戻る。だいたい道はわかるはずだ。

 

 

―――

 

道に迷った。

*1
ロックマンZ、最初のシナリオ(チュートリアルともいう)。敵だらけの状況を突破するため出口を目指す二人に行き止まりが立ちふさがる。シエルが先の橋()に立ってすぐにそれは崩れ落ちた。そこにゼロがダッシュで駆け寄り、シエルを抱えて降りる場面。正直シエルって序盤どれほど攻撃されても死なないから落ちても生きてると思うんです。まあ、そこはロマンだよね。ちなみにゼロは登れる。登れないとシナリオが進まないよ。

*2
RPGのダンジョン的位置の道。電波の集合体が道になったもの(だったはず)。その中にウイルス(敵)が潜んでいる。って設定。

*3
電波変換ができるところ。いわゆるダンジョンの入り口。そこでしか電波変換ができない。ゲームでは特殊な場合を除いて電波変換をしている時だけいつでもどこでも電波変換したウェーブホールに戻ることができた。

*4
無敵

*5
フィールドの中央にブラックホールを生み、動けなくなった敵をソードで切りつけるという容赦ない技。エボルトかな?多分エボルトよりはまし。知らんけど。




あれれ~おっかし~ぞ~。
別行動させるつもりはなかったのになあ。これでハジメ君が魔王様になるのは避けられないですね。運命だったのか。



アンケート、します。

下の通りです。良かったら投票お願いします。


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6 ボッチ、迷子になる。

天職ソロの設定はどんどん練れるのにそのほかよ。

…お初です。もうこれを挨拶にするもん。


うへえ、戻っていったはずなんだけどなあ。

 

現在、何処かもわからない迷宮の十字路。前も後ろもわがんね!!

まじか。いやマジか。

 

左手の法則とかって効果あったか?途中からやると迷うんだっけ知らん。

何処だココ、オタク君のところに行けないやん。熊やべえけど何とかなるかもしれんやん?何しろ転移後に仲良くしてくれた恩があるやん?

 

しゃーない、思いつくのこれだけだしとりあえずフレミング左手の法則!絶対名前違うけど!

 

 

手が壁すり抜けるって、ないわー。

 

つかすり抜けた手がピリピリする。

なして?

 

腕が入るか試してみる。

すっぽり入った。

 

全身。

難なく入った。

 

これのせいかあ。迷子になったの。

あの時の俺は恐怖のあまりに右も左も見ずに全速力ダッシュした。

まっすぐ。

 

まっすぐ。

 

 

そう、まっすぐに進んだんだ。これ、一番大事。

だから熊は襲ってこれなかったし、俺は逃げきることができた。壁…多分生身だったら逃げきれなかったろうな…。電波体最高。つかこれってありなのか?電波体的に。ありなんだろうなあ。なんでも。見えない通路とかあったし。多分そういう類なんだろ。知らんけど。

 

まあ、オタクのところに行くって目的はどんどん遠ざかったからな。あながち喜べることでもない。視界が邪魔である。特に壁。透視なんてできないしな。残念。

 

地道に探すしかないのか。

生きて待ってろよ、オタク君。

 

 

先に出口を探すほうが早かったりしてな。早かったらわらっとこ。

 

―――

 

あれから2、3か月たった。

気が狂いそうです。誰か助けてください。

 

あれからずっとオタク君探しをしていたわけだが。

壁、魔物、壁壁、魔物魔物壁魔物…

 

マジデキガクルイソウデシタ。

 

壁すり抜けたり、八つ当たりに魔物にちょっかいだしたり。死にかけたり。隠れたり。ちなみに魔物には俺の位置とか知られているらしい。やっぱビジブルゾーンなのか?気が抜けない。

 

あ、そうだ。ずっと壁の中にいるチキン戦法ができないことに気が付いた。つか気が付かないと死んでた。

 

壁の中って入ってしまうとなんにも見えないし自分の音しか聞こえない。

だからまっすぐ進んでいくしかないんだけど。

 

ずっと壁の中に入っていると息がだんだんと上がってくるんですね。ついでにだんだんだるくなる。

 

気絶すると電波変換解けるから壁の中に埋まってがめおヴぇr、なんだけども。

がめおヴぇrってなんだよ。ゲームオーバーだってば。

簡単に言うと息できなくて死、デス。お疲れさまでした。来世に期待する前に今世をよく生きれるようにします。一人で。

 

あれ、俺ボッチが身についてる?

 

んで。

階段を見っけて降りるかどうか悩んでいた時に現代兵器が降ってわいたかのように聞こえてくる銃の音。しかもクソ小さい。

もしかしたら他の人がいる…かもしれないし、オタク君かもしれない。案外錬成でいろいろ作ってたりしてな。現代兵器とか、銃とか…。

俺、銃剣にロマンを感じるんだけど誰かわかってくれる人いない?

 

話を戻そう。

 

壁の中だと音は聞こえないし、わずかに聞こえる音だけで追っていかないと手掛かりはつかめない。

 

追っている途中なんだが…。

 

やけに豪勢な扉、そこにいたのは2人の巨人と白髪の男。

重火器ドーン血がぐっしゃーってなっているところだった。

 

 

…帰ろうかな?

 

唖然として持っていた剣(折れてる)を落とした。

―――

 

カランカラン

 

戦闘を終了したハジメの耳に聞こえてきたのは鉄製の何かが落ちる音だった。

すぐに臨戦態勢になる。

 

音のしたほうに近づくと落ちていたのは奈落で落ちていたものと同じ、剣だった。

剣先は折れ、刃もボロボロ。よく持ったもんだと感心しながらもそこに気配探知が何かいると知らせていた。

 

剣が浮かび上がり、その剣を腰に差したような動きをした後、その気配はこちらに近づいてきた。

 

瞬間、体の魔力に異変を感じた。

少しだけ揺らされているような、かすかな違和感。

何かを伝えているような、そんな違和感。

 

「何なんだこの感じ…」

 

気配の主は攻撃する兆しはない。

ならば無視して先に進もうとなったのか、回れ右してサイクロプスのほうへ歩き始める。浮いた剣は気配と共に付いてくる。体にまとわりつくうるさい違和感と共に。

 

魔石を回収して扉へとはめ込んだ

 

―――

 

白髪君、見えていないっぽい?剣を落としちまったからなんかいる程度にはわかっていると思うんだけどな…。ビジブルゾーンじゃないっぽいな。気配かなんかか?魔物って怖い。

 

 

 

うっわまぶし。

 

白髪君がなんか石?を巨人から取り出して扉にはめ込んだ瞬間に光がぶわって、ぶわってなった。語彙力の欠如よ。

 

いきなりフラッシュたかれたから目が痛い。結構暗かったしそれもあるんだけど。

 

白髪君が扉を開ける。

 

真っ暗で何も見えない。ホラゲーによくある展開のようだ。

 

それをものともせずに進む白髪君。暗闇の先に何か光があるのが見えた。

どうやら何か反射しているらしい。

 

閉まらないように固定する白髪君。

 

「だれ?」

 

そこには白髪君が出せないような、高く、鈴のような声が響く。

女性の声。

 

ゑ、女の子?

 

「人…なのか?」

 

白髪君は驚いたようにつぶやく。さっきも思ったんだけど、やっぱどっかで聞いたことのあるような声だな…。

 

流石に予想外だったみたいで、白髪君は硬直していた。これの先に何があるのか?白髪君をいま盾にしてるから動きたくない。

 

ゆっくり深呼吸し決然とした表情で告げる。

 

「すみません。間違えました」

 

 

うおおおおおおおおおい?

 

 




ハジメ覚醒シーンはキャンセルだ。

ユエちゃん…どんなあだ名にしようかな。


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