異世界まったり錬金術師 (猪子)
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異世界転生

 気が付くと一面真っ白な場所に浮いていた。

「ここはどこ?さっきまで会社で仕事をしていたはずなのに……」

 私はあたりの様子を見回すと、かわいい玉座がありそこに男の子が座っていた。

 その男の子と視線が合うとその子は立ち上がり「気が付いたみたいだね」と言ってくる。

 私は状況が分からなかったので「ここはどこですか?」と、男の子に聞くと答えてくれた。

「ここはいわゆる天界と呼ばれている所です。そして、僕はここを管理している人間の言葉でいう神様となります」

「えっ!?天界や神様って……夢じゃないの?」

 私は神様という男の子の言葉に戸惑う。

 私はいわゆるOLで名前は前田 葵、つい先ほどまで仕事をしていたはず。

「……どうして私は天界にいるのですか?」

 神様は悲しそうな表情になり、深々と頭を下げて「ごめんなさい、君は僕のミスで間違って死んでしまったんだ」と謝罪した。

 その後こう聞いてきた「怒っているよね。僕のせいでまだ死ななくてよかったのに死んでしまったから」

 それを聞き私はびっくりしたが今の状況が分かった。

「全然怒ってませんよ?むしろ感謝しているくらいで、やっとあの地獄の社畜生活を辞められるんだから!どおりで仕事の激務のせいで重かった体がとても軽く感じるわけだ。なんだ死んでたのか……」

 というと驚いたような顔で言ってきた。

「そうですか……てっきり怒ったり悲しんだりするものだと思っていました。いいのですか?友人や家族にもう二度と会えないのですよ?」と心配そうに尋ねてきた。

 「そのことなら問題ありません。友達は元からいませんし、今の会社に入るときに親の猛反対を押し切って家との縁も切ってきているので今更未練はありません」

 と普通の当たり前のことのように言った。

 神様は苦笑いをしながら「すごい人生だったんですね。話は変わりますが感謝しているとおっしゃいましたが、それでも僕のミスで死んでしまったことには変わりがないのでお詫びと言っては何ですが、今いた世界とは別の異世界に転生をしていただこうと思いまして、その世界の名前と特徴をリストにまとめたので選択していただいてもいいですか?」

 と言って何もない空間にディスプレイのようなものを出してきた。

「そうですね…ではここに行きたいです。」

 リストを見てじっくりと考え、魔法が使えて争いごとが少ないと書かれているマトローニという世界に行きたいと思ったのでそれをタップした。

 そうすると画面が切り替わってまた別のものが表示された。

「それでは、そこで使える既に存在している魔法をリストにまとめました。これ以外にも使ってみたいものがありましたら口頭でおっしゃっていただければ付与することも可能なので、5つまで選んでください」

 私は長時間悩んだ末に決めた。

「では、アイテムボックスと鑑定、クリエイトマテリアルに魔力探知最後に神の加護をください」

 と言いタップした。

「分かりました、そのスキルを授けましょう。もうそろそろ生まれ変わる時間になりましたので最後にそのスキルを使うのに適した家が見つかったのでそちらに転生していただきますね。それでは、幸多き人生になりますように」

 そういうと周りが真っ白に光りだす、私の意識は徐々にうすれていった。

 

 

 




処女作でへたくそですみません。


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スキル診断

-前回までのあらすじ-
 前世の名前は前田 葵神様のミスにより死んでしまい好きな異世界に転生することになった。
 私が選んだ世界は魔法が使えて争いごとが少ないマトローニという世界だった。
 私はアイテムボックスと鑑定とクリエイトマテリアルと魔力探知と神の加護のスキルをもらい転生したのだった。



 意識を取り戻すと、目が見えづらくなり、身動きもとりづらくなっていた。

 そして、急に体が持ち上がり、声が聞こえてきた。

「おめでとうございます!元気な女の子ですよ」

 そして、どたどたバン!とうるさい音とともに男の人の声が聞こえてきた。

「生まれたか!男の子女の子どっちだ、元気に生まれてきたか?」

 と病院のベッドに座り、自分を抱いている女の人に向かって荒い息も整えずにまくし立てた。

「元気な女の子が生まれましたよ。この子の名前はどうしましょう?」

とうれしそうな表情で言っていた。

「そうだな…なにがいいかな?」

「私は元気がよく、無邪気な女の子に育ってほしいと願っているので、マーガレットなんてどうでしょう?」

と男の人に言うと、男の人は目を輝かせながら

「マーガレットか、いいなだとおもうそれにしよう!」

 と、その会話を聞いていると目がはっきり見えてきて自分は赤ちゃんになったと気づき、目の前にいるのはたぶん自分の母親と父親になる人達なんだと分かった。

 にぎやかな声を聞いていたが、とても眠くなってきて目を閉じると、いつの間にか眠ってしまったのだった。

 次に目が覚めると見覚えのない場所にいた。

「お!目を覚ましたみたいだぞ。ここは我が家で、俺はお前の父親でカルセドニー・フォーサイス、こっちが母のアルメリア・フォーサイスだ。そしてお前の名前はマーガレット・フォーサイスだぞ」

-それから5年後-

「やっとこの日が来たね!アルメリアおかあさま」

 と私はお母さんと手をつないで教会まで自分が持っているスキルを確かめに来た。

「楽しみなのは分かりますが、そんなに慌てなくても教会は逃げも隠れもしませんよ」

 そういって教会の前まで来て開け放たれた入り口から中に入っていった。

「教会へようこそスキルの診断ですか?」

 そう聞かれたので、私は元気よく

「はい!おねがいします」

 と、返事をした。

 教会のシスターは微笑みながら

「では、お一人で祭壇の前までお進みくださいそして、膝をつきお祈りをささげてください。終わりましたら司教様からお声がけをさせていただきます。

 そう言われたので祭壇の前まで行き、膝をつき祈りをささげていると、司教様から

「頭をお上げください終わりました。スキルの発表をしようと思うのでシスターがお母さまをお呼びするまでお待ちください」

 しばらく待っているとお母さんがシスターと共に来た。

 そして、司祭が読み上げを始めた。

「では、マーガレット様のスキルを読み上げます。クリエイトマテリアルと魔力探知と鑑定です」

 そういうと、周りがどよめきだした。

「珍しい鑑定を使えるなんて!でも、50年に一人はいるというのだからまだ、いやでも…」

 とみんなが口々に言っていた。

 そこで私はほっとした。なぜかというと本当は神様からアイテムボックスと神の加護をもらっていたが、それは教会では分からなかったみたいだから。

 教会での診断が終わったので家に帰ることにした。

 

 




 まだまだ拙いですが、楽しく読んでいただけたら幸いです。
 では、次回にご期待ください。


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お母さんの手伝い!

 家で待っていたお父さんに結果を伝えると

「そうか……クリエイトマテリアルと魔力探知それに鑑定なんて珍しいスキルを持っていたのか!さすが母さんの子だな将来の仕事は最終的には自分で決めることになるが、どうだ?母さんの仕事を手伝ってみる気はないか?」

 とお父さんが訪ねてきたので母さんが何の仕事をしているのか知らなかったなと思い聞くことにした。

「お母さんの仕事って何?」

 そう聞くとお母さんはびっくりしたような表情をして「そういえば仕事の話はしたことがなかったわね。ちょっと着いてきて」と言い家の横にある建物へと案内された。

 連れてこられた建物の中には窯が一つといろんな機材そして植物や鉱石、獣の皮や肉などほかにも見たこともないような物であふれかえっていた。

「ここは私のアトリエよ!そしてお母さんの職業は錬金術師をしているわ」

 それを聞き私は目を輝かせてアトリエの中を見て回ったそして最後に窯の中を覗き込みながら

「今日からお母さんの仕事の手伝いがしたい!いろんなことを教えてほしいな」と言った。

 それを聞いたお母さんは笑いながら「マーガレットのスキルが分かったからお祝いをしたいのだから仕事は今日からじゃなくて明日からにしましょう。」というので私はしぶしぶ諦めることにした。

 その日は豪華なご馳走がテーブルの上に山のように並べられ、二人に祝福の言葉をかけられながら幸せな一日を過ごしたのだった。

 

-次の日-

 朝目を覚ますと朝食を食べに下へ降りると誰もおらず机の上に「アトリエの整理整頓をしているので呼ぶまで朝ごはんを食べて待っていてください。アルメリアより」という手紙が置いてあったので朝ごはんを済ませ掃除をして待つことにした。

 しばらく待っていると母が汗を垂らし息を切らしながら私のことを無化に来た。

「お母さん大丈夫?いまタオルと水持って来るね」

 と私は駆け足でぬれたタオルと水を持ってきて母に渡すと勢いよくコップの水を飲み干し、汗を拭き糸息つくと「用意ができたからアトリエに行こうか」と満面の笑みで手を引かれていった。

 アトリエに入ると昨日まで乱雑に置かれていたものが整理され新しく窯がもう一つ追加されていて、大きな机が置かれておりその上に本が5冊ぐらい積まれていた。

 お母さんは椅子に座ると手招きして自分の隣に座るように椅子をポンポンとたたいた。

 私は促されるままに椅子に巣をるとお母さんは一番上になっている本を手に取って

「じゃあ始めようかこの本を一緒に見ながら調合の勉強をしていきましょう。最初は簡単なものから作っていこうね」と言い勉強を始めた。

「じゃあ次は今覚えた調合を実際にやっていきましょうか。そうね最初は基本中の基本中和剤の調合からしていきましょう」と言い材料を渡してきた本来ならすり鉢などで材料をすりつぶしたりして作らなければいけない所なのだが私はスキルクリエイトマテリアルを使い途中を省略して行い窯の中に材料を入れ。 

 そして、窯をかき混ぜていると変化が起こり中からポコポコと泡が出て、その後もかき混ぜていると表面が黄金色に輝きだした。

「ストップ!完成したわ。じゃあ表面の部分だけを掬い取れば中和剤の完成よ」と言われて表面を掬い取り、瓶の中に移し終えてそれを渡した。

 しばらくの間お母さんは観察した後「こんなに純度の高いものをしかも初めての調合で作れるなんてすごいわ!これだったら勉強を終えるころには私を超える錬金術師に慣れるわね」と言われ私は嬉しくてさらに勉強をするのであった。

 

 



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