方舟の伝説 (マカロニサラ・ブリッグス)
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頂点の始まり
今思えば、Apexって東方並にクロスオーバーしやすい作品ではある気がする。だってレイスの力ってどうみても二次創作量産機だし...
最近、ロドス内で変わった噂が立て続けに入ってくるようになった。
何も無い場所から突如として現れ、窮地を救ってくれる正体不明のソルジャー。
ありとあらゆる装備、兵器を使いこなし戦場を駆け回る所属不明の軍人。
突然現れ、そして突然に消え、またある時は増える...見たもの全員を華麗に翻弄する虚像の戦士。
......日に日にそういった報告が挙がるので、全部話そうとするとキリが無い。だが、これらの報告の内容に一貫しているのは『その人物達は逸脱した能力、技術を有している』ということだ。
「ドクター、今日のお仕事です。それと......また新しく報告が」
「ああ、ありがとうアーミヤ......」
アーミヤから差し出された書類を受け取り目を通す。今度は......死神?随分と物騒な報告だな。
今まではピンチを救うヒーローのような報告ばかりだったが、今回はただレユニオンの部隊を惨殺しているというシンプルな内容だった。
容姿については......影?この前の虚像とやらとは違うのか?まあ、何かしら関連性はありそうだしとりあえず覚えておくか。
報告を確認し終え、書類をしまうとアーミヤが話しかけてきた。
「この手の報告、どんどん増えてきてますね......」
「ああ、彼らの行動理由も未だに不明......そろそろ、私達も調査に向かったほうがいいかもな。今は彼らに助けられてはいるが、放っておくとこちらに影響が来る可能性もある」
「そうですね、ではケルシーさんにも話を通しておきましょうか?」
「そうだな。早いうちに行動に出られれば良いんだが......」
「如何せん、足取りが掴めずにいますからね」
その人物達は、たとえどんな状況であっても痕跡を残さない。現在も龍門から調査隊が出てはいるが、依然として捜査に進展が無かった。
「まあ、今悩んでいてもどうにもならない。まずは目の前の仕事に取り掛かろう、アーミヤ」
「はい、お手伝いします。ドクター」
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『右から敵よ。』
『背中に気を付けて。スナイパーよ。』
自分からの助言を聞きながら、常に最善の行動をとる。
彼女は【レイス】、次元を駆ける傭兵。そして現在はAPEX・GAMEに参加しているレジェンドだ。今回の試合は、運悪く四方八方を敵に囲まれていた。大方漁夫を狙ってきたのだろう。
レイスは走るスピードを変えず、腰に携えたRe-45を手に取り右の通路に発砲しながら通り過ぎていく。
すぐさまグレネードの安全ピンを外して後ろに転がすと、爆発の影響で射線が塞がれスナイパーからの脅威は消え去った。
「これじゃ埒が明かないわね、次から次へと部隊が来るわ」
「おいおい、人気者はツラいな!このミラージュ様を倒そうだなんてはだはだ......はなは......そう!甚だ図々しいぜ!」
「出口を作るわ、援護をお願い!」
「ラジャー、スモークで射線を切る」
「任せな!そら、騙されろ!」
策を聞き入れた2人は各々のアビリティを展開する。
【 エネルギー充電完了 】
右手の転移装置のエネルギーが溜まったのを確認し、起動すると同時に駆け出した。
バンカーの扉を開き、ゲートを出て何も無い平地へと身を出す。本来は無防備になってしまうこの行動だが、スモークとデコイが敵を塞ぐことで私への注意を逸らしてくれる。
(お堅い軍人も、いつも賑やかなお調子者も、こういうときには頼りになるものね......)
【 残りエネルギー60% 】
銃弾の飛び交う戦場の真ん中を青い軌跡を描きながら疾走する。タイミングをみて彼女は虚空へと入り、正面の部隊を通り抜けた。
【 残りエネルギー30% 】
ちらりと見た右手の装置の数字は、もう残り少ないことを告げている。視界に映った手頃な建物へと向かいゲートを繋ごうとした。
しかし、そこで異変が起こる。
【 残■りエネrギ10% 】
転移装置の表示にノイズが走る。
その影響からか、彼女の周囲にあるエネルギーの流れが乱れ、青紫の景色が眩い光に包み込まれ見えなくなっていった。
(ッ!次元が歪んでいく!?)
【 残りエネルギー0% 】
想定外の現象に戸惑っている暇もなく、エネルギーは底を尽きる。それと同時に、虚空のエネルギーは次元を跨ぐゲートを形成した。
彼女の着いた先はキングスキャニオンの建物の中......ではなく、見知らぬ鬱蒼とした森の中だった。
(参ったわね、こんなこと今まで起こらなかったのに......)
仲間の元に戻ろうとするべく、彼女は次元のゲートへ入りこんだ。しかし、入った先は何の景色も映しておらず、ただ青白いだけの世界だった......
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世界は無限に存在する。
無数の選択によって枝分かれしていく世界には、様々な物語がある。それは消えるはずの無いものだ。決して、消えてはいけないものだ......
「とんだ災難ね。これじゃゲームを再開出来そうにないわ」
心底面倒くさそうな顔をしながら愚痴を呟くアニータ。彼女は【バンガロール】としてAPEXに参加している軍人だ。
「なぁに、心配するな!すぐに解決するさ!......多分な!」
「酷くお気楽ね、あなたは......」
その謎の自信はどこから来るのだろうか?この売れないコメディアンは...。
このお調子者の男はウィット。【ミラージュ】として同じくAPEXに参加している1人。
彼らもまた、私の作ったゲートを通ったことでこの現象に巻きこまれてしまった。そしてこのことで気づいたことだが、どうやらこのゲートは一応あちらからこちらへ来ることは可能らしい。
その後に仲間としばらく考えた結果、私はこのゲートを残しておくことに決めた。なぜか?この世界がどういったものかが分からない以上、私達だけではどうにもできない状況が生まれる可能性もあるからだ。
そんなとき、他のレジェンド達が助けに来ることもあるかもしれない。そのためにも残すことになった。
それにあちらへ戻ることも他の世界に入ることもできないのなら、もしこの世界の生物が入ってしまっても問題は無いだろう。
「よし。それじゃ、まずはこの世界の情報収集ね......」
「手分けして探すべきかしら?」
「それでいいわ。お互いの位置情報と通信は繋がる?」
「問題無い」
「ああ、繋がってるぜ」
「OK。なら別行動で探して、何か分かったら記録の共有をお願い」
「「了解」」
「じゃあ、行動開始ね。いくわよ」
この異世界から帰還するため、彼女達の長い旅が始まった。
レジェンド達の持ち物紹介&知識の無い方への、APEXの簡単な説明。
レイス(本名レネイ)
装備:Re-45(連射式のハンドガン)、マスティフ(ショットガン)
世界と世界を渡り歩ける能力を持った、それチートじゃね?と思いたくなるやべーやつ。
世界の狭間【虚空】を使って無敵状態で移動できたり、長距離をワープするゲートを作れる。実際ゲーム内でも最強クラス(扱いは難しい)
転移装置の故障かテラ世界に入ってしまい、ついでに戻れなくなりました。なんでかって?作者も知らない。
バンガロール(本名アニータ)
装備:G7スカウト(マークスマンライフル)、モザンビーク(ショットガンピストル)
大砲おばさん。スモークやら爆撃やら使う天才軍人。敵の奇襲を受けて元いた惑星に帰れなくなったので資金集めのためにApexに参加。
目隠しでピースキーパーを20秒で組み立てることが出来る変態。
ミラージュ(本名ウィット)
装備:Lスター(エネルギー式のLMG)、ウイングマン(リボルバー)
ナルシスト一般人おじさん。昔はクソザコナメクジ性能だったけど、アプデで多少、ほんとに多少マシになったやつ。
人気になりたいという理由でApexに参加したやつ。自立した動きをするホログラムデコイで敵を騙す、といったトリッキーな戦い方するよ。
Apex・Game
エーペックス・プレデターズという最強の傭兵組織が作ったバトルロワイヤルゲーム。多分大体ブリスクおじさんのせい。
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探索はapexの基本だ、よく覚えときな新米!
えぺムービーカッコよすぎやろ!!!!パスファカッコよすぎやろ!!!!!
スズラン可愛すぎやろ!!!!!!!!リフォニックさんもすっごいすこ!!!!!!!!!
最近モチベとテンション爆上がりとなっております
バンガロールside
レネイとウィット達と別れた後、アニータは険しい森の中を進んでいた。
右も左もわからないため、とりあえず開けた場所を探しに進んでみることにしたが......まだまだ景色は変わらない。
(面倒ね、あの狩人がいれば楽に進めそうなのに......)
しばらく茂みをかき分けながら進んでいくと、運良くけもの道を見つけることができた。これで多少は効率よく移動ができるだろうと彼女は安堵する。
この先で何か発見があることを期待しながら、道を進んでいった。
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漸くけもの道が終わり、ひらけた地形に出る。そして私はあるものを見つけることが出来た。
「これは......」
木の幹に傷があった。一見するとそれは弾痕のようだったが、少し違う。銃弾にしては傷が大きい。
木から視線を外し、周りを見渡してみる。
ひらけた場所はただの土の地面が広がっているだけのように見えるが、若干の凹凸が複数見受けられる。
(なるほどね......これは恐らく戦闘痕。時間が経って風化してるけど、名残がまだ残ってる......)
戦闘痕、つまり文明が存在している証拠だ。木にも痕があることから、さほど時間は経ってはいないはずだ。最初の発見としては充分といえる情報が手に入った。
通信を入れ、彼らに報告をする。
「報告、こちらバンガロール。手がかりを見つけたわ。」
「こちらミラージュ、奇遇だな〜こっちも同じく発見したぜ!」
「レイスよ。教えてちょうだい」
「じゃあ私から。茂みを抜けた先で戦闘痕を見つけたわ、そう長い時間は経ってない」
「文明は存在しているのね、それは良かった。戦闘痕ってことはIMCかミリシアでも近くにいるのかしら?」
「それは分からないけど、警戒はしておくべきね。遭遇したら真っ先に報告を、すぐに向かうわ」
「わかったわ。それで......ウィット、あなたは?」
「ああ、こっちは見たこと無い鉱石を発見した。黒い...なんか変な結晶だ、だいぶ大きいな......アレ売ったらいくらになるんだ?」
「そう、でも迂闊に近づかないようにしなさいウィット。どんな影響を及ぼすか分からないわ」
それ以上に、ウィットは何をやらかすかわかったものじゃないからってのが本音なのだけれど。
「あー、大丈夫だ。遠くから観察してるだけだからな......ん?ありゃ一体なんだ?」
「どうしたの?」
「変なのを見つけた、棘の生えた岩みたいなやつだ。よく見たらゆっくりと動いてるな、ありゃ生き物か......?」
ふむ、フライヤーやリヴァイアサンみたいな原生生物の一種かしら?別世界なわけだし、そういう生態系の変化もありえなくはない。
そういえば以前、あのお喋りが大好きなロボットも別世界に行った際に緑に発光しているリヴァイアサンを見たという話をしていたし、それに似たものだろう。
当時、それを聞いていた私は『面白いおとぎ話ね』と軽く流していたのだが......今一瞬、彼の胸元のモニターが悲しい表情に変わっているのが見えた気がしたけど、きっと気のせいね。
「まあ、どちらにせよ近づかず観察。他に何かわかれば報告をしなさい」
「ああ。ここに留まってても仕方ない、探索を続けるか!」
「同じくこちらも再開する。私も何か見つけなきゃね」
「なら、一旦通信を終了するわ。健闘を。」
通信を切り、引き続き探索を続行する。文明が存在していることを知れたのは大きい。あとは痕跡を辿っていけば何かしら見つかるかもしれないと考え、痕が続いてる方向を進んでいくことに決めた。
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どうやら私の予想は正解だったらしい。人工物を見つけることができた。少し大きめな一軒家みたいな建物だ。残念ながら、既に廃墟だったのだが。
けれどまあ、手がかりを見つけられれば廃墟だろうとなんだろうと問題は無い。
念の為モザンビークを手に持ちながら建物へと近づいていく。
崩れた壁から中を確認する。瓦礫や落ち葉などが散乱してはいるがテーブルや戸棚などはあまり朽ちておらず、生活感がハッキリと残っており想像より綺麗だった。
アニータは家全体のクリアリングを済ませ。警戒は緩めずに物色を始めた。
見つけたいものはこの世界の情報が記された媒体だ。
本棚を探る。置かれている本の背表紙にはほぼ全てに英語の表記があった。言語に関しては問題無いだろう。短編小説などの本が多いが、この世界について書かれているものを3冊見つけたのでそれを棚から抜きとり、中身に目を通す。
2冊はこの世界......「テラ世界」についてだった。国家、歴史、種族に関しての情報が詳細に記されていた。
アニータはその内容に驚愕した。なぜなら、彼女の知る世界と何一つとして一致するものが無かったからだ。彼女の軍人としての人生を形作ったIMCも、ミリシアもこの星には存在しない。それどころか宇宙開発すら進んでいなかったのだ。
(文明レベルとしては私達の世界より数百年前のもの......随分と、遠い次元に飛ばされたようね)
ページを進めていくと次は種族についての説明があった。
フェリーン、サンクタ、コータス......様々な種族が存在していて、彼らには必ず耳や尻尾、角など動物の特徴があるそうだ。サンクタ族に至っては、天使の光輪や羽がついているらしい。
まるでファンタジーの世界じゃないかと思わず笑ってしまう。
「ハハ、まだ文明が滅んでると伝えた方が信憑性があるわね......」
皮肉を口にしながら再び通信を入れようとしたが、その直前に着信音が鳴った。レイスからのものだ。
「こちらレイス。重要な連絡よ」
「こちらミラージュだ。思ったより早かったな!」
「こちらバンガロール。どうしたの?」
「人間を見つけたわ。それも複数よ、武装もしてる」
「第一村人発見か。幸先がいいな!」
「それで、様子はどう?」
「仮面を着けた連中がどこかへ向かっているわ。武装は刃物や鈍器ばかりで飛び道具の類は見られない、このまま尾行してみるわ」
「そう、わかったわ。その間に私が入手した情報を教えるわね」
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レイスside
バンガロールからこの世界についての情報を聞きながら謎の武装集団の跡をつけていると、小さな集落へと辿り着いた。
「......居住区を発見したわ、どうやら小さい村みたいね。ピンを差しておくわ、確認して」
「位置は把握した。そこは、そいつらの拠点か何かか?」
「......違うわね、あれはただの一般人の居住区みたいよ。仮面の集団が武器を構え始めた。略奪でも始める気ね」
「......了解。それで、どうするつもり?」
「当然、止めるわ。でも殺しはしない」
「援護は必要?」
「必要ないわ。偵察と強襲、情報収集は私の得意分野よ」
「了解、こちらで探索は続行しておくわ」
「ハハハ〜、楽しんできなレディ。」
「...」
無言で通信を切る。
それと同時に村の方から叫び声が聞こえてきた。彼女は顔色ひとつ変えず、しかし素早く準備を始める。
「弾数確認、よし。装備、状態良好。」
バックパックには回復等の装備が万全に整っていた。
「......少しだけ借りるわよ、レネイ」
最後に取り出したヘルメットを見つめ、
『さあ、行きましょう』
彼女の幻聴を聴きながら、戦いへと突入した。
この小説のレイスさんの実力はプレデターのボーダーに入れるくらいには高いと思ってください。
分かりやすくいえば1on3返せるくらい?
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ヴォイド・ウォーカー
銃は使用せずに身体能力のみで暴れ回ります。
Apexゲームで幾度となくあらゆる局面で行っているとはいえ、隠密行動というのはいつも疲れるものだ。戦闘以上に神経を研ぎ澄ませなければいけない。
けれど、ありがたいことにこの村は建物のほかに身を隠せる遮蔽物が多く置かれている。文明レベルが低くとも機械技術は発展しているらしく、車などの機械製品もちらほら確認できた。
それを遮蔽代わりに伝いながら動いていけば、気付かれることなく簡単にヤツらへと接近できる。
今見えている標的は3人、装備は刃物と鈍器のみ......周囲に人の気配はない。これなら楽に済ませられそうね、やりましょう。
フェーズシフトを発動し、肉体を加速させて前方の敵の背後へと肉薄する。
「ん?なんの音──っ!?」
足音に気づいた最初の1人を足払いして体勢を崩させると、続けざまに横の男の頭を掴み壁に叩きつける。突然の攻撃に何も反応出来るはずもないその兵士は、脳に衝撃をモロに食らい意識を失った。
「き、貴様……ガっ!?」
転ばせた男は状況を把握したのか急いで体勢を立て直そうとしているようだが、迷いなくその男の顎を蹴り上げ同じように気絶させる。
残りの1人に視線を移した。そいつは既に武器を振りかぶってこちらを殺そうとしているようだけど......背後から奇襲するには、気配が全く隠せていない上に遅すぎる。
「っ!?」
振り下ろされる鈍器を半身を逸らすことで避ける。回避されたことが予想外だったのだろうか、振り切ったまま硬直している。隙だらけとなった男の腕を掴み、手前へ思い切り引き寄せる。
かの“鉄壁の巨人”を殴り飛ばすこともできる膂力があれば、この男一人動かす程度は造作もないだろう。
間抜けな声を上げ前のめりになる男の足をかけると容易に地面へと倒れた。あとはその無防備な背中へ馬乗りになり、掴んだ腕を背中へ回して関節を固めれば簡単に拘束することが出来た。
「ぎっ......が、あぁ!!」
仮面の男は苦痛の声を上げ、拘束を解こうとしているようだ。抵抗できないように脅しとして喉元にクナイを突きつける。
「大人しくしていなさい」
「ッ......くそ......!」
抵抗の余地がないと悟ったのか、すぐに男は静かになった。
「質問よ。IMC、ミリシア、アウトランズ、オリンパス......これらの単語にひとつでも聞き覚えは?」
「......ね、ねえよ!」
「......そう、わかったわ」
どうやらアニータの情報は確かなようね。
「じゃあ次に、貴方達は何者?」
「そういうお前こそ何者だ!まさかロドスのやつらじゃないだろうな!」
「ロドス?......いいから質問に答えなさい。貴方達は何者で、何故この村を襲っているの?」
「俺達はレユニオンのただの下っ端だよ!ここに来たのは物資を調達するためだ!」
「レユニオンは貴方の所属している組織の名称でいいのね?」
「あ、ああそうだよ!」
レユニオン......企業や正規の組織ではなさそうね、装備が明らかに粗末すぎる。野盗の集団かしら?
「今、ここには貴方達の幹部はいるの?」
「い、いない......この村にいるのは一般兵の連中ばかりだよ!」
一般兵のみであの数なら、レユニオンというのは随分大きい規模の組織なのね。 野盗というよりはギャングやテロリストグループってところかしら。
「......そう、質問は終わりよ。ここで寝てなさい」
「ガハッ!?」
質問を終えたレネイは殴打で男の意識を刈り取る。フェーズによって威力が増しているため、早々に目を覚ますことは無いだろう。
「ん?この男......」
気絶させた男の体をよく見ると、ボロボロの服の破れ目から見えている肌に、謎の黒い石のようなものが生えていることに気づいた。
そういう種族なのかしら?アニータの話では悪魔や天使の特徴を持った人間もいると書かれていたらしいし、それならゴーレムに類似した種族がいても不思議ではないけれど......。
まったく、知れば知るほどファンタジーね。まさか魔法もあったりするのかしら?オクタビオやナタリーが知ったら子供のようにはしゃぎそうだけど......いえ、オクタビオに関してはそれがいつも通りだったわね。
くだらないことを考えながらも、他の暴徒を止めるために彼女は再び動き出した。
村の中を駆け回り、レユニオンの連中を見つけたら不意をついては無力化を繰り返していく。複数人相手だろうとそれは関係無しで、様々な技術を駆使して素早く戦闘を終わらせていった。
その途中、襲われている村人の救助も並行して行っている。
「ふっ!」
壁を利用し跳躍、その勢いのまま暴徒の側頭部に蹴りを叩き込む。鈍い音と共に暴徒は吹き飛ばされ動かなくなった。
「う、え......?」
「あなた、怪我はない?」
「え、は、はい......」
襲われていた女性へと顔を向けると、ポカンと口を開けながら放心しているようだった。容態を聞くと少し冷静になったのか返答が返ってくる。
「良かった、早く避難しなさい。次は助けられないかもしれないわ」
「あ、ありがとうございます!」
急いで避難していく女性の背中を見送り、息をつく。
これでヤツらの数も大方減ってきたかしら?村人が救援を呼んでくるまでは行動を続けましょう。それと、時間があればもう少し情報を得ておきたいわね。何か次元の復元に繋がるものが見つかればいいけど......ん?
──どこかで、微かに金属音が響いていることに気がついた。
Apexシーズン7、ダイヤ3までいって燃え尽きました。
いや、始まって1週間程でそこまで到達はしてたんです。ソロからはもう心が……ね?
大人しくカジュアルで平和に生きていきます(平和主義者)
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