鬼滅のジョジョ (すおう)
しおりを挟む

その男「古城 誠之助」

・オリ主
・クロスオーバー
・独自解釈
・原作改変
・キャラ崩壊
・不定期更新
・拙い文章
・大人は嘘つきではないのです。間違いをするだけなのです

が含まれていますのでご注意ください
合わないと思った方はブラウザバックしてください


「場所」とは重要だ

この世で唯一無二を意味する座標ではないかと、ある人は言った

 

 

では、自分が突如として全く見知らぬ「場所」にいたとしたら

それは自分自身のアイデンティティの欠落と同じことではないか?

 

 

そして今――彼、「古城 誠之助(こじょう じょうのすけ)」がいるのはそんな「場所」――

 

 

「この場所はどこだ………?」

 

 

山?どこの?

そんな疑問に答えてくれる者は誰もいない

 

 

あるのは静寂と木々のざわめく音だけ――

いや!微かにだが人の悲鳴の様な音が彼方から聞こえる!

 

 

 

「襲われている?誰が?分からない…が、俺はそこに行かなきゃならねぇ…!」

 

 

 

彼の誇り高き精神を持つ彼が、悲鳴を無視できるはずはなかった!

そう、たとえそれが彼にとって未知の世界であろうと――

 

 

焦る気持ちを抑え、彼が辿り着いた場所には血塗れの少年がいた

いや、正確には血塗れの少年と、それを今にも喰わんとしている異形の姿があった

 

 

 

「どういうことだ?これは?あれは吸血鬼か?兎も角、俺の前で人を喰わせるわけにはいかねぇ!」

 

 

「なんだぁ?俺の食事を邪魔しようっていうのかぁ!?アイツの弟子でもないくせに!?」

 

 

 

まるで複数の手を重ねたような大柄な異形が、食事を邪魔した者を殺さんと肥大化した複数の腕を伸ばしてくる

このままでは彼はなすすべもなく喰われてしまうだろう――だが、彼は、古城誠之助は、その腕を殴りつけた!

 

 

 

「ぎゃあああああ!?馬鹿な!俺の腕がぁ!あぁ崩れて再生しねぇ!?」

 

 

「ば、馬鹿な!日輪刀を使わず鬼の腕を!?」

 

 

「波紋法、貴様ら吸血鬼を殺すための技だ!」

 

 

 

波紋法とは!簡単に説明すれば、水に波紋を起こす様に呼吸法によって肉体に波紋を起こし、太陽光の波と同じ波長の生命エネルギーを生み出す秘法である!

この鬼にとっては奇しくも、最も苦手とする太陽光を浴びることと同様であった為、肉体が崩壊してしまったのである!

 

生涯を通して起こり得なかった事態に動揺してしまうが、その隙を逃すほど古城誠之助という男は甘くはなかった!

 

 

 

「おおお!!!震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!刻むぞ血液のビート!山吹き色の波紋疾走!!!!」

 

 

「こ、この俺が刀も持っていないこんな奴にぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

 

 

あふれ出るほどの生命エネルギーを叩き込まれた鬼は、頸を斬られた時と同様に身体を崩壊させていった!

助けられた少年は、今目の前で起きたことが信じられないのか、口をぽかんと開けたまま固まっている

 

 

 

「ふぅーやれやれだぜ……少年、怪我はねぇか?」

 

 

「あ、ああ…助かった、礼を言う。お前みたいな奴が最終選別に参加しているとはな……」

 

 

「最終選別?なんだそりゃ??」

 

 

 

彼が首を傾げるのも当然である!何故ならば彼がいた世界では吸血鬼はいても、鬼を狩る鬼殺隊などという存在はいなかったのだから

最も彼の中では鬼も吸血鬼も大した違いはないのであったが――

 

 

 

「なに?最終選別を知らないのか?」

 

 

「初めて聞いたぜ。その前に、少年の怪我を手当しなきゃならんな。どれ、具合を見せてみな」

 

 

「……すまないな」

 

 

 

幸いにも少年――錆兎と名乗った――の怪我は比較的軽傷で済んでいたため、波紋法を使わずとも応急処置で何なく対応することができた。

 

 

そして手当の最中に錆兎から聞いた話に、誠之助は大きな衝撃を受けた!

最終選別について、鬼について、そしてここが自分といた世界とは違うということに!

 

 

 

「(今まで世界中を旅して様々な文献を見て来たが――”過去”に”日本”に鬼なんて生物がいたなんてことは聞いたことがねぇ!ここが過去なのか、世界そのものが違うのか分からねぇが――ここは俺がいた時代と同じじゃねぇし、人を喰らう外道がいる!!)」

 

 

そう!この男にとって時代や世界が異なるということは問題ではなかった!

何故なら、人に害をなす外道がいるということ、それこそが彼にとって優先される事柄だからだ!

 

 

 

「(俺がここに呼ばれたことには――理由がある。きっと”鬼”を倒す、そのために呼ばれたのだ!)」

 

 

 

この世界にとって大きな転換となる日の夜は静かに更けていった――

 

 

 

 

 

 

――7日後早朝

 

 

 

「錆兎!」

 

 

「義勇か…無事だったようだな」

 

 

 

誠之助と錆兎は、その後も特に問題なく最終選別を終えた。

道中、聞かされていた義勇という友人の元へと錆兎は駆けて行った。

 

 

 

「お帰りさないませ」「おめでとうございます。ご無事でなによりです」

 

 

 

双子だろうか――白い髪で着物を着た女の子が2人、最終選別を終えた者たちを出迎えた

彼女達は鬼滅隊のことを説明すると、次に刀を作るための鋼を選べと言ってきたので参加者たちは思いおもいに、玉鋼と呼ばれる石の塊のようなものを手に取っていく

 

 

 

「あなた様は選ばれないのですか?」

 

 

「刀を作るためというのであれば不要だぜ。造ってもらった所で――俺はそれを使わないからな」

 

 

「……どういうことでしょうか?」

 

 

「使い慣れていない武器を使うよりも、ぶん殴った方が早い。人間、最後に頼れるのは己の肉体だ」

 

 

「は、はぁ……?」

 

 

 

鬼を倒すには日光か日輪刀で頸を斬るしかないというのがこの世界の常識なので、少女が誠之助に見せるこの反応も仕方ないことなのである

 

この世界にとって異物なのは誠之助の方なのだから――!

 

 

 

「あの…本当によろしいのですか?」

 

 

「流石に刀はなぁ――そうだ、例えば防具にはできないか?こう…腕に着ける籠手のような感じだと有難いんだが」

 

 

「籠手…ですか?伺ってみないと何とも言えませんが、それでも?」

 

 

「大丈夫だ。できそうであれば、それで頼む。俺の想定と違えば、必要になるかもしれないからな」

 

 

 

少女にとって本日2度目の衝撃も、誠之助にとって何でもない風に流されてしまった

人の機微に聡い誠之助だが――この男が持ち得ている優れた観察眼は戦闘以外では基本的に機能しないのである

 

 

 

 

 

藤襲山――最終選別が行われていた山のことである――から離れた誠之助は、錆兎と連れの義勇に別れを告げ、1人旅の準備を進めていた

 

長年の吸血鬼ハンターとしての、もしくはその血に流れる記憶が彼に告げていたのだ、進むべき道を!

己はそこにたどり着かなければならない!そして、それは己にしかできないことなのだと!

 

 

 

 

「行くぞ!」

 

 

 

 

古城 誠之助、エジプトへ旅立つ―――!

 

 

 




面白いと思ったら評価頂けるとすごい嬉しいです

続かないかも


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

古城家の伝統

・オリ主
・クロスオーバー
・独自解釈
・原作改変
・キャラ崩壊
・不定期更新
・拙い文章
・大人は嘘つきではないのです。間違いをするだけなのです

が含まれていますのでご注意ください
合わないと思った方はブラウザバックしてください


 

人が出歩くのをためらう程の寒さの中、1人の女性がその若い命を落とそうとしていた

苦痛に顔を歪める彼女の脳裏にあるのは、怒りか、それとも後悔か

 

 

 

「肺胞が壊死してるからね、つらいよね。俺の血鬼術吸っちゃったからな、ごめんね。すぐに救ってあげるから」

 

 

 

今まさに女性を殺そうとしている鬼が何を言うのか――という状態だが、このままでは鬼に喰われずとも間違いなく命を落とすことだろう

ただしそれは――

 

 

 

「コオォォォォ!波紋疾走!!」

 

 

 

――古城 誠之助がいなければの話ではあるが

 

 

 

「おっと危ない危ない、鬼殺隊の増援が来ちゃったかぁ」

 

 

「ごほっごほっ……あなたは……?」

 

 

「無理して喋るんじゃないぜ、見た所お嬢さんはかなりの重傷だ」

 

 

 

エジプトから帰ってきた誠之助は、たまたま立ち寄ったこの町で不穏な気配を感じ取り――導かれるようにこの場所へとやって来たのだ

 

 

 

「わぁ随分と大きな人が来たね……って君、刀持ってないじゃないか?大丈夫?忘れちゃったのかなぁ?」

 

 

「人の心配をするとは中々気配りが上手いじゃねぇか優男、最も女を殺そうとするようなゲスに心配された所で吐き気しかないけどな!」

 

 

「君、随分と酷いこというなぁ…傷ついちゃったよ俺」

 

 

「そいつは重畳。質問の答えだが――この場を切り抜けるのに、刀なんざ必要ないんだよ、とっておきの策がひとつありゃいい!」

 

 

「へぇ…これは「次にお前は、面白い子が来たなぁという」面白い子が来たなぁ――八ッ!?」

 

 

言葉を当てられた鬼――上弦の弐 童磨――は驚いた顔をしているが、それは誠之助の観察眼の高さを見抜いたからこそ出てしまった表情であるとも言える

誠之助のことを決して油断できない…されど興味深い敵だと悟り、さて何をしてくるのかと警戒を強めるが、それこそが誠之助の狙いなのだ――!

 

 

 

「え?え?」

 

 

「まさか、とっておきの策って――!?」

 

 

 

誠之助は傷を負った女性を抱きかかえると、上弦の弐と反対の方向をクルリと向いた

 

 

 

「逃げるんだよォ!スモーキーーーーーーッ!」

 

 

「わぁやっぱりか!相撲鬼って誰?って君足速すぎない??」

 

 

童磨は知らぬことだが、驚異の身体能力を持つ誠之助が波紋法を使い身体能力を更に向上させて本気で逃げているのだ

誠之助の身体能力と戦術眼を持ってすれば、上弦の鬼にも引けを取らないと言っても決して過言ではないのである!

 

 

 

「俺を追ってきていいのかぁ?もうすぐお前等の大好きな、そう!太陽が昇る頃合いだぜ!」

 

 

 

文字通りの”鬼ごっこ”をして時間を稼いでいると、やがて太陽の登る気配が高まってきた――それは理の外の者たちが消え去る時間、人を祝福する光の抱擁――!

それを敏感に感じ取った童磨は名残惜しそうにしながらも、太陽の光に追われるようにして去っていった

 

 

 

「(――やれやれ、恐ろしい相手だったぜ…とても誰かを守りながらじゃ勝つことは不可能だろうと思うほどにはな)」

 

 

 

目の前で救える命を見過ごすことができない誠之助にとって、敵を打ち倒すことだけが勝利ではないのだ――その姿は、かつて弱き者の為に立ち上がってきた彼の祖先を彷彿とさせる気高き精神を、確かに感じさせた

 

 

 

「ゴホゴホっ」

 

 

「おっと…こっちも早く処置をしないとまずいな――波紋エネルギーを温存してよかったぜ、これならあんたを助けられる!――コオォォォ!」

 

 

 

そしてこれが戦闘より逃走を選んだもう一つの理由、波紋エネルギーの温存だ

 

 

 

誠之助は特殊な呼吸法によって自らの波紋エネルギーを高めていった――ここが水場であれば波紋となって現れるほどのエネルギー量だ!

そして、高めた波紋エネルギーを目の前の女性の身体へと叩き込んだのだ!

 

 

 

「ポゥ!!」

 

 

 

波紋エネルギーは太陽の光と同じエネルギー!それを身体へ注ぎ込むことによって、女性の体内から鬼の血鬼術を消し去り、溢れ出るエネルギーにより肉体に生命力が与えられ負傷した肉体を治療したのだ!

ただ一つ誠之助にとって誤算だったのは、その光景を他人に見られたら誤解を生むということを考えていなかったことだ!

 

 

 

「あなた!姉さんに何をしているの!!」

 

 

「メメタァ!?」

 

 

 

不幸中の幸いだったのは、既に日光が昇っていた為か刀ではなく拳でただ殴られたことだろうか

最も、呼吸――波紋とは別の呼吸だが――を修めている剣士の拳が「ただ殴られた」で済まされるかどうかは別の話である

 

潰れたカエルのようになった誠之助は、その意識を暗闇へと落としていった

 




Q.波紋エネルギーとは?

A.私にも分からん


Q.何で逃げたの?

A.カナエさんが死ぬ未来しか見えなかったから
 次あった時には特別な必殺技を叩き込む予定


面白いと思ったら評価して頂けると作者嬉しいです
続かないかも


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

胡蝶姉妹とのひと時

・オリ主
・クロスオーバー
・独自解釈
・原作改変
・キャラ崩壊
・不定期更新
・拙い文章
・大人は嘘つきではないのです。間違いをするだけなのです

が含まれていますのでご注意ください
合わないと思った方はブラウザバックしてください


誠之助が目を覚ましたのは藤の花の香りがする、日本家屋の中だった

呼吸を整え身体の調子を確認するが――特に問題はなさそうだ

 

 

 

「目を覚ましましたか?」

 

 

「アンタは……そうか無事だったのか、安心したぜ。身体は平気なのか?」

 

 

 

誠之助が助けた女性――胡蝶カナエと名乗った――は微笑みながら感謝と謝罪を告げてきた

あの時、誠之助を気絶させたのはカナエの妹のしのぶという少女とのことだった

 

 

 

「ごめんなさいね。あの子が手をあげてしまって…」

 

 

「いい、いい、気にするな。本人が反省しているなら、その失敗を笑って許してやるのが良い男の条件だぜ」

 

 

 

女性には優しくしろというのが古城家のしきたりであり、誠之助もその精神を受け継ぐ者であった

そもそも、古城家に嫁いでくる女性は様々な意味で”強い者”しかいないため、不義理を働いて怒らせるなという教訓から生まれたものでもあるのだが

 

 

 

「姉さん!あの人が目覚めたって…あっ」

 

 

 

などと誠之助とカナエが話していると、件の女性――カナエの妹の胡蝶 しのぶ――が誠之助の眠っていた部屋に現れた

しのぶは誠之助を目にすると――おずおずと誠之助に近寄り謝罪の言葉を口にし、誠之助は先ほど言った様に笑って許した

 

 

 

「それにしても良い拳だったぜ。しのぶならボクシングでチャンピオンを目指せるぞ!」

 

 

「は、はぁ?ぼくしんぐ?よく分かりませんが、ありがとうございます…?」

 

 

「ボクシングは別名「ピカレスク・マッチ」と言って「古城さん?しのぶを変な道に引き込まないで頂けますか?」はい」

 

 

「こほん、しのぶが来たのなら丁度いいですね。古城さん、あなたが私にした”何か”をご説明して頂けますか?」

 

 

 

体内にあった血鬼術を一瞬で消し去るだけでなく、身体を治すなんてことは胡蝶カナエの――いや、この世界の常識に当てはめたら異常なのだ

だからこそ鬼殺隊ではないのに上弦の鬼を前に生き延びた誠之助を警戒はしつつも、一抹の希望の様なものをカナエは感じていた

 

 

誠之助は気づいたら山の中にいたこと、鬼とよく似た敵と戦っていたこと、波紋法についてを胡蝶姉妹へ伝えた――が、その反応はやはりというべきか、思わしくなかった

 

 

 

「うーーん…嘘は言ってないのだろうけど、にわかには信じられない……」

 

 

「…私もしのぶと同じ意見です…失礼ですが」

 

 

「気に病むな、それが当たり前の反応だろうさ。波紋法については実演するのが一番だろうが――そうだな、ここに池はあるか?」

 

 

 

誠之助は胡蝶姉妹の案内で庭に出ると、姉妹が止めるのも聞かずに池の中ほどへと入った

スーハースーハ―と息を整えると特殊な呼吸法によって自らの波紋エネルギーを高めていった!

 

 

 

「一体なにをするつもり…?」

 

 

「コォォォォオオオオオ」

 

 

「「!」」

 

 

「は…波紋がっ!」

 

 

「こんなの、不自然だわ!?」

 

 

池の水が誠之助の立っている所を起点として、小石でも投げ入れられたかのように波立っている!

微動だにしていない彼が起こしたのだ!この波紋を!

 

 

 

「水に波紋を起こす様に呼吸法によって肉体に波紋を起こし…エネルギーを作り出すッ!今から見せるエネルギーは、君の身体を治したエネルギーと同じものだッ!るオオオオオオオオ!!」

 

 

 

誠之助は波紋エネルギーを高めると、たまたまそこにいた季節外れのカエルに向けて勢いよく拳を振り下ろした!

 

 

 

「きゃあああああっ!」

 

 

「蛙が可哀想でしょ!!」

 

 

「メメタァ!?」

 

 

 

カエルは無残にも潰れてしまうかと思われたが――なんとカエルは無事だった!波紋エネルギーがカエルの肉体を波紋となって伝わり、カエルの下にあった岩のみを砕いたのだ!

潰れたカエルのようになったのは、しのぶに殴られた誠之助のみだった!

 

 

 

「しのぶは直ぐに手を出さないこと、誠之助さんは何かやる前にはきちんと説明をすること、いいわね?」

 

 

「はい……」「ごめんなさい……」

 

 

「全く――兎に角、波紋というのは凄いものなのね。未だにこの目で見たものが信じられないけど……」

 

 

「私もよ姉さん。あの人が触れた木に花が咲いた所を見なかったら、きっと未だに奇術か何かと疑ってたわ」

 

 

 

誠之助がバランスを取るために木を掴むとその身体に残っていた波紋エネルギーが、枯れかけていた蕾から花を咲かせたのだ!

たまたまその光景を見ていた胡蝶姉妹が驚きのあまり暫く固まっていたことは創造に容易いことだろう

 

 

 

「一度お館様へ報告した方が良さそうね……しのぶ、屋敷と誠之助さんを頼めるかしら?」

 

 

「ええ、任せて姉さん。常識というものを教えておいてあげるわ」

 

 

「まるで俺が常識を知らないような言い方には頷けないが、暫くゆっりとしたいのは事実だし遠慮なく世話になるぜ」

 

 

 

こうして、カナエから鬼殺隊の最高管理者であり――鬼の頭首である鬼舞辻無惨と敵対する産屋敷一族の97代目当主である産屋敷耀哉へと、誠之助の情報がついに届けられたのである

産屋敷耀哉は理の外からの存在である誠之助について長考し、最終的には未来予知にも等しいと言われている己の勘に頼ることにした

 

 

すなわち、それは――古城 誠之助との対面である

 




Q.ピカレスク・マッチって何?
A.民明書房を読むのだ


鬼殺隊が波紋覚えるルートか覚えられないルートか悩んでるんだぜ

面白いと思ったら評価してくれると嬉しいんだぜ
続かないかもなんだぜ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

産屋敷耀哉との会合

・オリ主
・クロスオーバー
・独自解釈
・原作改変
・キャラ崩壊
・不定期更新
・拙い文章
・大人は嘘つきではないのです。間違いをするだけなのです

が含まれていますのでご注意ください
合わないと思った方はブラウザバックしてください


「初めまして、君が古城誠之助さんだね?」

 

 

 

誠之助がその声を聴いて感じたものは、安らぎと高揚感であった

元来”カリスマ”と呼ばれている者の中には、人を惹きつける何かを持っているものが多く、産屋敷耀哉の場合はそれが顕著に表れたのが声だったのだろう

 

 

 

「おう!態々招待してくれてありがとうなッ!カナエから話が言っていると思うが、俺が古城誠之助だ。誠之助って呼んでくれ」

 

 

 

だからこそ誠之助は普段と変わらぬ態度を貫いた――頭を垂れるわけでも、畏まるわけでもなく、全くの平常心。あくまで対等な存在としてここに有らんとしていた

護衛だろう大きな数珠を身に着けた男と、派手な髪色をした男は不躾な態度をとる誠之助を睨みつけ、カナエとしのぶの姉妹は達観したような呆れた目をしていたが――産屋敷耀哉は心なし嬉しそうに微笑んでいた

 

 

 

「ふふっ、君は中々豪気な人の様だね。私は産屋敷 耀哉――できれば耀哉と呼んで欲しい」

 

 

「おう!それじゃあお言葉に甘えて……よろしくな耀哉!」

 

 

 

耀哉は誠之助と握手をした時、不思議と身体が軽くなった感覚を覚えた

―族から鬼舞辻無惨を輩出してしまったために産屋敷家は呪いを背負わされており、自身も幼少より病魔にその身を侵されているいた耀哉にとっては初めてといっても言い感覚であった

 

これは誠之助の中の波紋エネルギーが耀哉へと流れ込み、生命エネルギーとなって耀哉の身体を活性化させたためである

この時点で彼は半ば確信していたのかもしれない――古城 誠之助が大きな変革を起こす存在だと

 

 

 

「――なるほど、それで今はカナエとしのぶの所にいるんだね」

 

 

「ああ、2人にはかなり世話になってる。飯も上手いし、面白いし、美人だし、言うことなしだ」

 

 

「面白いは余計でしょ……」「そう言ってくれると嬉しいわ」

 

 

「ふふっ随分と仲良しなんだね。2人も君をよく信頼しているみたいだ」

 

 

「別にそんなことは……」「あらあら~」

 

 

 

2人の会談は終始和やかな雰囲気で進んだ――と思っているのは耀哉と誠之助、それとカナエの3人だけかもしれないが――兎に角、この会談で誠之助は鬼殺隊へできる限りの協力を行い、鬼殺隊は誠之助へあらゆる支援を行うことが決まった

 

 

 

「「できる限り隊員と行動すること」そして「波紋の呼吸を教えること」これらは勿論可能な限りで良い、だけど君が鬼と戦う時は気を付けて欲しいことがある」

 

 

「気を付けること?俺は鬼にそうそう遅れをとることはないと思うが……」

 

 

「……鬼舞辻無惨はね、とても臆病なんだ。鬼殺隊がいる地域に己は絶対に近づかない程にね……だから、君の存在を知ったら鬼舞辻は2度と私たちの前に顔を出さないだろう」

 

 

 

今まで戦ってきた吸血鬼のボス達は、勝つために卑怯な手段は取れど決して臆病者ではなかった

相容れない存在であり、選んだ道が違ったとはいえ彼らの矜持や精神には尊敬できるものがあったのもまた事実――だからこそ鬼舞辻無惨の話に大きな衝撃を受けた

 

そして同時に――とてもやっかいな敵だということが理解できた

 

 

 

「そのためにも誠之助にはこれを渡しておこう――これは君が頼んだものじゃないかな?」

 

 

「あ~最終選別とかいう時に頼んだ籠手か……まさか作ってくれていたとはな……」

 

 

「ふふっ必要なものだと思ったからね――日輪刀の力は聞いているかい?材質は同じ物だから、もし君が鬼と戦う時には必ず身に着けるようにして欲しい。鬼殺隊の隊員を同行させるというのも同じ意図なんだけど――鬼舞辻に君の力が露呈するのを防いでくれるだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

誠之助が去った後、耀哉の命により成り行きを黙って見守っていた2人――炎柱 煉獄槇寿郎と岩柱 悲鳴嶼行冥は重々しく口を開いた

 

 

 

「ああ…お館様の決定とはいえ私は納得できません、彼は鬼殺隊の管理下に置くべきです」

 

 

「私もそう思う、態々野放しにしておく必要はないでしょう」

 

 

「そうだね、2人の心配も最もだと思うよ。でもね、彼には自由に動いてもらった方が良いと感じているんだ――私の勘だけどね」

 

 

それに、言っても彼は聞かないと思うよ――と耀哉は朗らかに笑った

まるで十数年来連れ添った友のように、産屋敷耀哉は古城誠之助のことを理解していた

 

高潔な精神を持つ者同士、通じ合うものがあったのだろうか

 

 

こうして比較的穏やかに古城誠之助と産屋敷耀哉との初めの会談は終わりを迎えた




勘ってすごい便利
早く本編に移りたいので本編開始まではダイジェストでお送りするかもしれません

面白いと思ったら評価して頂けると嬉しいです
続かないかも


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

竈門家との初遭遇

・オリ主
・クロスオーバー
・独自解釈
・原作改変
・キャラ崩壊
・不定期更新
・拙い文章
・大人は嘘つきではないのです。間違いをするだけなのです

が含まれていますのでご注意ください
合わないと思った方はブラウザバックしてください


産屋敷耀哉との会合から、誠之助は精力的に活動した

煉獄槇寿郎の奥方の生命エネルギーを活性化させ死の淵から救ったり、特別になりたがっていた元鳴柱の弟子に古城家の精神を叩き込んだり、柱を中心に波紋法を教えたが完全な習得は誰もできなかったり――それなりに忙しい日々を過ごしていた

 

 

その間も鬼の噂を聞いては出向き、戦ってきたが――鬼舞辻無惨とはただの一度も遭遇することはなかった

耀哉に聞いた通り――いや、それ以上に厄介な相手だと誠之助は感じた

 

 

そんな日々を過ごす中で主に誠之助に同行してくれていたしのぶやカナエ、そして他の柱たちとも良好な関係を築くことができたのは幸いだろう

特に胡蝶姉妹とは、寝床を提供してくれているということもあり半ば家族の様な関係を築いていた

 

 

あっという間に月日が流れ――何度目かの産屋敷耀哉との会合の日、耀哉より1つ依頼をされた

 

 

 

「誠之助、君に来てもらったのは他でもない。私の下に面白い報告が上がってきてね、それを君に確かめてもらいたいんだ」

 

 

「おいおい、また「振り返ると死ぬ小道」系の話なら帰らせてもらいたいんだが」

 

 

「ははは、相変わらず君は怪談話に近しいものが苦手なんだね」

 

 

「あれはそんな生易しいものじゃ……いや、まぁいい――それでカナエやしのぶにも話せない改まっての話ってのはなんだ?」

 

 

「実はね――義勇から人を喰わない鬼と出会ったと報告を受けたんだ。」

 

 

「ほう?それは何というか――面白い…面白いな!」

 

 

「あり得ない話だとは思わないのかい?」

 

 

「俺が戦ってきた奴等の中には背後から刺してくるような卑怯者もいれば、戦った相手に敬意を払う誇り高き戦士もいた――人を喰わない鬼がいてもおかしくはないだろうさ」

 

 

「ふふ、誠之助ならそう言ってくれると思っていたよ。鬼殺隊に所属している者は鬼に対して深い恨みを持っている者が多い……きっと直ぐに頸を斬ってしまうだろう」

 

 

「耀哉……」

 

 

 

件の鬼の名前は竈門禰豆子、そしてその兄は竈門炭治郎というらしい

 

今は元柱である育手 鱗滝左近次の元におり――禰豆子は眠りにつき、炭治郎は妹の禰豆子を人に戻すため強くなることを望み今は修行中とのことで

丁度いまくらいの時期に鬼殺隊に入るための最終選別を受けているだろう、とのことだ

 

 

誠之助は二つ返事で耀哉の頼みを引き受け、1人彼らがいるという狭霧山へと赴いた

鬼と共存したいと考えているカナエへも秘密にした理由は、彼女が優しすぎる故だろう

 

 

 

「ここが育手がいるという小屋か?随分とお洒落だなぁ……山のそばに住むってのも良いもんかもなぁ」

 

 

「……何者だ?どうやら鬼殺隊の者ではないようだが」

 

 

「む、天狗?いや、人間か。俺は古城誠之助――あんたが鱗滝さんだな?産屋敷耀哉の使いできたと言えばわかるか?」

 

 

「誠之助、誠之助か……錆兎や義勇からよく話は聞いている……お館様の使いということは禰豆子の件か」

 

 

「Exactly!その通りだ――っと安心してほしい、俺が頼まれたのはただのお目付け役で、すぐにどうこうという話じゃあない」

 

 

 

誠之助の言葉に鱗滝は胸をなでおろした様子だった

引退したとはいえ明らかにベテランだろう鬼狩りと、すでにこれだけの絆を結んでいるのかと誠之助は密かに驚いていた

 

 

小屋に入ると件の鬼――竈門禰豆子と会合した

 

 

人と同じ外見をしているが、人と異なる気配――だが、他の鬼とは違う「ナニカ」を誠之助はこの少女から確かに感じ取った!

 

 

 

「この子が、竈門禰豆子だ」

 

 

「むー!」

 

 

「グレート…グレートだぜこいつはぁ……人を喰っていないからか?この子には他の鬼とは違う「凄み」のようなものを感じるッ――!」

 

 

「そ、そうか……(話に聞いていた通り変わっているな……)」

 

 

「むー?」

 

 

 

等と交流を深めたり遊んだりしていると、突然禰豆子が外にてててと飛び出していった

 

 

 

「あーーーーっ禰豆子ォお前っ…起きたのかぁ!!」

 

 

 

少年の声、禰豆子の兄の声だろうか?

禰豆子を追って外に出た鱗滝と少年の感極まった声が聞こえてくる

 

 

 

「ふっ……古城誠之助はクールに待つぜ」

 

 

 

誠之助は自称空気の読める男だった




早く本編に入りたかったんや
許しませい


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。