アイドルだって恋はする (シャーリィ)
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出会い

新しくプロデューサーに指名された僕はアイドルのスカウトの仕事も任された。3人のユニットを作るように社長に言われたが元々2人はこの事務所に所属しているので実質あと1人スカウトするだけでよかった。
スカウトのため町に行くと買い物袋を両手に持つ少女を見つけた。
そこから物語は始まる。


「ねえ、君ちょっといい?」

 

歩いてる少女はキョトンとした顔で「はい」と返事をして立ち止まった。

 

 

「僕はこういう者なんだけどよかったらうちでアイドル目指しませんか?」

 

 

「え、アイドル!?私がですか!?」

 

 

「あぁ、君を見た瞬間可能性を感じたよ。是非うちに来てほしい」

 

 

「でも私ダンスとかやったことないですし、迷惑をかけてしまうだけだと思いますよ?」

 

 

「そこは大丈夫!ちゃんと練習もあるし、仲間たちもいるからね」

 

 

まだ彼女は不安そうな顔をしていたのでとりあえず「見学だけでも」と言って名刺を渡した。

 

 

「また時間があるときはここに連絡してくれればいつでも見学にきてくれていいから。そういえば君の名前は?」

 

 

「私は佐竹美奈子です」

 

 

彼女はこれから用事があったみたいなのでここで別れた。時間も時間だったので僕は事務所に戻った。

 

 

 

 

「今日は誰かいい子はいたかね?」

 

 

「はい、明るくてちょっと控えめな感じの子ですがアイドルに向いていると思います」

 

 

「そうか、その子が入ってくれればユニットとして練習も始められるな。まぁその子のことは任せたよ、〇〇君」

 

 

「はい」と頭を下げ社長室から出た。

 

 

「はぁ、疲れた」

 

 

「お兄ちゃん桃子の前で溜め息なんてしないでよ、みてるこっちまでやる気なくすじゃない」

 

 

「悪いな桃子、つい癖で」

 

 

この子はこの事務所所属の周防桃子。子役で大人気の売れっ子だったが突然芸能界から姿を消したところにたまたまうちの社長が見つけて拾ってきた。僕のことをお兄ちゃんと呼んでいるが勿論兄妹ではない。

 

 

「そういえば桃子、奈緒はどこに行ったんだ?」

 

 

「奈緒さんなら甘いものが食べたいとか言ってクレープ買いに行ったけど」

 

 

「もうすぐレッスンの時間だっていうのに全く・・・」

 

 

「まぁ仕事があまりないから仕方がないんじゃない」

 

 

急にドアが勢いよく開いた。そこにいたのは奈緒だった。

 

 

「レッスンのことすっかり忘れてたわ!!危うく遅刻するとこやったで!」

 

 

「奈緒さん大きい音を立てないでください!ビックリするじゃないですか!」

 

 

「桃子ごめんなぁ、焦ると周りのこと見えんくなってしもうて」

 

 

やれやれという顔で桃子まで溜め息をついた。そのあと2人をレッスンの場所へ送っていったあと書類の整理をして1日を終えた。

 

 

しかし夏ももう終わるというのになんでこんなに暑いんだ。今日は佐竹さんが見学をしたいと連絡をくれたので駅まで迎えに行くとこだった。

 

 

「佐竹さんお待たせ」

 

 

「あ、おはようございます。今日はよろしくお願いします!」

 

 

「こちらこそよろしく。とりあえずまだ時間もあるしそこらへんの店にでも入って話そうか」

 

 

近くにあるファーストフードの店に入った。

 

 

「佐竹さんは学生だよね?」

 

 

「はい、今高校」

 

 

 

 

 

 

 



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