やはり俺の極道生活はまちがっている 続 (ガム【s32099】)
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新年度

皆さん初めまして!ガムって言います!まさかの処女作で他人の作品で続編を書くとはなんと命知らずなんでしょうね…生焼け肉さんの作品を汚さないように頑張りますので応援・アドバイス等よろしくお願い致します!

 

※生焼け肉さんには許可を頂いております。

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千葉仁堂会

 

それは千葉県に拠点を置き、関東一帯を縄張りとする日本の中でも有数な暴力系組織であり、その力は他の組織からも1目置かれており、直系団体が80団体で構成員18000にも及ぶかなり大きな組織である。

 

 

 

この物語は、千葉仁堂会直系八十神会総代である比企谷八幡の波乱万丈な人生の1部である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「や、やめてください!!」

 

1「おいおい、姉ちゃんあんまり暴れんなよ?ちょーっ

と俺達と楽しいことして遊ぼうってだけなんだからさ〜?」

 

???「誰があなた達みたいな人と遊ぶもんですか!!」

 

2「往生際の悪い姉ちゃんやなぁ?こりゃちょっとだけ痛い目見てもらった方が良いか?」グイッ

 

???「っ!」

 

一人の女が、複数の男に連れされようとしたその時…

 

 

 

 

 

 

八幡「おい、俺の陽乃に手ぇ出してるのはどこのどいつだ?」

 

陽乃「は、八幡君!!」

 

3「あぁ?なんだテメェ?こいつの男か?だったら残念だったな!この女はこれから俺たちと遊ぶんだからよ!」

 

八幡「…人の女に手ぇ出しといてどうなっても文句は言えねぇよなぁ?」

 

2「はっ!1人に何ができるってんだ!」

 

1「おいお前ら!うるせぇこいつから先やっちまうぞ!」

 

「「おう!」」

 

八幡「…お前ら一気にまとめてかかってこいよ、その方が早くゴミ掃除が終わる。」

 

1「俺らを…舐めてんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「やっぱり、口ほどにも無かったな」

 

1「つ……強ぇぇ…」

 

2「な……なん…だよこ…いつ」

 

3「ば…化け物かよ……」

 

 

倒れていたのは1人の方ではなく女を連れ去ろうとしていた複数の男の方だった

 

 

八幡「…それで陽乃、怪我は無かったか?」

 

陽乃「ううん、八幡君が助けてくれたから大丈夫だよ。」

 

八幡「そうか、それは良かった……にしてもお前は本当に高い頻度でこういう輩に絡まれるよな。」

 

陽乃「わ…私だって好きで絡まれてるわけじゃないもん!」

 

っと、ここで俺のことを紹介しておこうか。俺の名は千葉仁堂会直系八十神会総代をやっている比企谷八幡だ。

そして、さっきまでナンパしている輩に絡まれていたのが雪ノ下建設のご令嬢の1人であり、俺の彼女の1人雪ノ下陽乃だ。…なんで彼女が複数いるみたいな言い方かって?その内分かるさ。っとそんなこと言ってたらほら…

 

狂三「八幡さーん!せっかくご一緒して帰れるチャンスだったのになんで先に帰っちゃうんですの?」

 

夜架「そうですよ。帰る家も同じなんですからご一緒させて頂いてもよろしいのに。」

 

大声で俺の名前を呼んでこっちへ向かってきたのは時崎狂三。千葉仁堂会直系時崎組組長、時崎狂四郎の一人娘で今は八十神会若頭をしている。こいつも俺の彼女の1人だ。

そして、狂三の後から着いてきたのが羽々斬夜架。神戸連合若頭補佐である霧崎組組長霧崎深架の一人娘で、今は俺の護衛をしている。こいつも俺の彼女の1人だ。

 

八幡「いや、今日は入学式だったろ?あんなにたくさんの新入生と保護者がいる中でお前らがくっついてきて目立つのを避けたかったからな。……遅かれ早かれ目立つことにはなるんだろうがな。」

 

そう、今日は総武高校の入学式があったのだ。ちなみに、小町も今年度から総武高校の生徒となった。小町は極道の世界に入ってないとはいえ、俺が兄としているからとかで友達ができないとかならないといいが…まぁ、小町のあのコミュニケーション能力とルックスだ、極道がどうとか関係なく友達なんて簡単に作ってしまうだろう。っと話が逸れたな、もちろん入学式だ。息子や娘の晴れ姿を見るためにたくさんの保護者が来るわけだ、その中で目立ってみろ。また学校で噂とかになって過ごしにくくなるわ!!(今更)

 

狂三「あら、何を今更そんなことおっしゃいますの?八幡さんはもうこれ以上ないほど総武高校の有名人ではありませんの?」

 

八幡「それでもだ!新入生とか保護者の中には知らないやつもまだたくさんいるだろ。結局いつかは知られるとしても平穏な時間は長いほうがいい。」

 

陽乃「ふふふ…狂三ちゃん達は学校でも相変わらずなんだね~」

 

八幡「せめて人の目を気にしてくれたら良いんだけどな。」

 

夜架「それが私流の護衛のやり方ですので。」

 

八幡「護衛ねぇ…もう慣れたから良いが少しは人目を気にしてくれよ?」

 

「「善処します♡」」

 

八幡「はぁ…もういいや、帰るぞ。」

 

ーー帰り道ーー

 

八幡「…結局、言った傍からこれかよ。」

 

今俺の右腕には狂三、左腕には夜架が抱きついてきており、その横では陽乃が物欲しそうな目でこちらを見てきている。…あとで可愛がってやるか。

 

八幡「無駄な足掻きだと分かっているが一応聞いておく。…少しは「「離れません♡」」な…そうですか。」

 

もうこれからはこうなったら諦めた方が良いな。…今更感が強いかもしれないが。

 

???「あらあら〜、こんなところで八幡さんと出会えるなんてやっぱり運命なのかしら〜♪」

 

???「姉さん、ちょっと大袈裟よ!会えて嬉しいことは同感だけど。」

 

???「…八幡…兄さん…」

 

八幡「ん?カナエにしのぶにカナヲじゃないか。三姉妹で出かけるところを見るのはなんだか久しぶりだな。」

 

今、俺の前を3人で歩いているのは胡蝶三姉妹のカナエとしのぶとカナヲだ。カナエは元胡蝶組組長で今では俺達八十神会の相談役として活躍してくれている。しのぶは元胡蝶組若頭で今は胡蝶病院の院長をしている。カナエとしのぶは俺の彼女だ。最期にカナヲだが、元胡蝶組若頭補佐をしており、今はキメツ学園でふつうの学生として過ごしている。ちなみに今年度で中3らしい。俺との関係を表すなら…妹的存在になるのか?

 

カナエ「しのぶちゃんの病院のみんながね、『働いてばっかいないでたまには三姉妹で出かけてはどうですか?』って言ってくれたから今日は3人でお出かけするところなの〜♪」

 

しのぶ「そういう訳なんだけど私達って病院で働いたりばっかりで遊ぶってなるとどこ行けば良いのか分かんなくなるのよね。」

 

カナヲ「…八幡…兄さん…どこか無い?…」

 

八幡「うーん、俺もあまり遊ぶってことも無かったからな…でも、やっぱりここら辺ならショッピングモールくらいなんじゃないのか?」

 

カナエ「やっぱりそうなるのかしらね?久しぶりに3人で行動するのだからどこか珍しい所にって思ってたけど3人仲良くショッピングにしましょうか♪」

 

八幡「それでも良いんじゃないのか?たまには3人で楽しんでこい。」

 

しのぶ「分かったわ。じゃあ、私達は行くわね。」

 

カナエ「八幡さん、また後でね〜♪」

 

カナヲ「八幡…兄さん…バイバイ…」

 

八幡「おう、行ってらっしゃい。」

 

狂三「……あの御三方が来てから私達空気じゃありませんですの?」

 

「「うん(はい)、そうだね(ですね)。」」

 

 

ーー

 

 

ガチャ

 

八幡「ただいま。」

 

狂三「ただいまですの。」

 

夜架「ただいま帰りました。」

 

陽乃 「たっだいまー♪」

 

ふぅ、やっと家に着いた。あの視線を今までも浴びていたとはいえ慣れる気がしない。

 

めぐり「八君おかえり〜。みんなも〜。」ポワポワー

 

八幡「おう、ただいま。めぐりはもう帰ってたんだな。」

 

めぐり「うん、今日は午前中のうちに帰れたから帰ってきたんだよ。」

 

今、俺達を出迎えてくれたポワポワしてる女の子は城廻めぐり。昨年度までは総武高の生徒会長をしており今年度からは陽乃と同じ大学の学生だ。両親はインテリアショップを経営している。この流れから分かる通りもちろん、俺の彼女の1人だ。

 

めぐり「八君はこれからどうするの?」

 

八幡「俺か?俺は夜架とこれから組の方に顔を出すつもりだが…どうかしたのか?」

 

めぐり「八君が午前中で帰ってくるから一緒に過ごせないかな?って思ってたけど、組のことなら仕方がないよね。」

 

八幡「そっか、それはすまんな。また今度一緒に過ごしてやるからな。」ナデナデ

 

めぐり「えへへ〜///…約束だよ?」

 

八幡「あぁ、約束だ。…っともうこんな時間か。俺はこれから組の方に行くわ。」

 

狂三「では、私は巡回の方に行ってきますわ。」

 

八幡「おう、狂三頼んだぞ。じゃあ、夜架行くぞ。」

 

夜架「はい、八幡さん。」

 

「「八(幡)君、行ってらっしゃい♪」」

 

八幡「おう、行ってくるわ。」

 

 

 

ーー八十神会・事務所ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『お疲れ様です!総代!』』』』

 

 

 

 

 

 

 

八幡「おう、みんなもお疲れさん。」

 

 

 

 

 

 

 

???「八幡さん、やっと来てくださったのですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「悪ぃな、有栖。ちょっと帰り道で面倒事がな…」

 

有栖「まぁ、八幡さんがこうやって来てくださったのでいいですけど、その面倒事とやらはお済みですか?」

 

今、こうやって事務所の中で俺を出迎えてくれたのは千葉仁堂会相談役にして直系坂柳組 組長 坂柳宗右衛門の孫娘である坂柳有栖だ。今は八十神会で顧問をやってもらっている。もちろん有栖も俺のかn…もう分かってるって?じゃあ説明不要だな。

 

八幡「あぁ、パパっと終わらせてきたよ。」

 

有栖「そうですか。それは良かったです。それと、先程八千代様からお電話がありまして、『八幡が事務所に来たら電話を折り返すように言っておいてくれないかしら?』とのことです。」

 

八幡「母ちゃんから電話?何の用だ?」

 

母ちゃんが事務所に電話とか珍しいな…新年度早々親父が居なくなったりする面倒事じゃないといいが

 

有栖「私も詳しいお話は聞いておりませんので。」

 

八幡「分かった電話してみるわ。」

 

 

ーー

 

 

prprpr…prprpr…

 

八千代『もしもし』

 

八幡「もしもし、母ちゃん。俺だ。」

 

八千代『あら八幡。意外と早かったじゃない。』

 

八幡「それで組の事務所の方に電話して何の用だ?また親父がどっか旅に出たのか?」

 

八千代『そんなんじゃないわよ。ただ、昨日伝え忘れてたことを伝えようと思ってね。』

 

八幡「伝え忘れてたこと?」

 

八千代『そう。今日うちで小町の入学祝いをするから八幡も来てちょうだい。』

 

八幡「それだけのために組に電話を?」

 

八千代『だって八幡、組で仕事始めたら終わるまで電話に中々出ないじゃない。だから組の事務所に電話した方が確実にかなって思ったんだけど、まだ来てないって言うから…』

 

八幡「…心当たりがありすぎる返答をありがとうございます。」

 

つい最近もそのことを狂三に言われたんだよな…集中しすぎると他のことに頭が回らなくなる癖直さないとな。

 

八千代『まぁ、そういうわけだから今夜は彼女達の相手じゃなくて小町の相手をお願いね。』

 

八幡「わかったよ。組のことが終わったらそっち行くわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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第1話いかがでしたでしょうか?地の文に違和感を感じるのは私だけですかね?ww

 

一応ここから見始めた人のために、キャラ登場回として今回と次回辺りを使わせて頂こうかなと思っております!そして、本編へ進むわけなんですが…私、本編(山場って言った方が近いのかな?)の方は構想が浮かんでいるのですが、閑話休題のネタをあまり持っていないことに気づきました!

 

なので、活動報告の方に閑話休題に扱うネタを募集します!全部扱えないと思いますが、皆さんの妄想を僕が形にできるかもしれませんのでどうかリクエストのほどよろしくです!

 

長くなりましたがまた次回!



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入学祝い

みなさんこんばんは!ガムです!
遅くなってしまいすみません!一日に書ける時間が少ない上に文才の無さによって時間がかかってしまいました!
この作品の投稿頻度は1週間に1本出たら良いなぁくらいでよろしくお願いします!投稿できる時はできるだけ多くするので!
そして、本当ならもっと少ない文量だったはずなのに書いてたらちょっと多めになっちゃいました!ww

ていうか、この作品投稿してから1日経った後に見たらUAが1200くらいだったんですけど、見てくれた人ありがたやー!


ー八幡sideー

 

 

はぁ…それにしても入学祝いを今夜するから来いって、今更だけど結構横暴だよな。もっと前々から伝えとけって…

 

 

八幡「有栖、夜架!ちょっと話があるんだが。」

 

有栖「どうしたんですか?八幡さん?」

 

夜架「まさか、夜のおs「いや、違う」そ……そうですか。」

 

 

いや、ちょっと2人とも何少し落ち込んでんだよ。俺が今から言うことがもっと言いにくくなるから。

 

 

八幡「済まないが俺は今日家に帰れない。」

 

有栖「何かあったんですか?」

 

八幡「今夜、実家で小町の入学祝いをするそうだ。それに俺は参加してくるから。多分だが、その後実家にそのまま泊まる。帰ったとしても日付が変わった後にはなるだろうしな。」

 

夜架「それなら致し方ありませんね。家族との時間を邪魔するほど無粋ではありませんし。このことは私から後ほど皆様にお伝えしておきますね。」

 

八幡「サンキューな、夜架。」

 

夜架「ところで、八幡さんの妹さんってどんな方なのですか?顔を合わせたことはありますが、あまり話したことが無いもので。」

 

 

そういえば、去年の年末とか顔合わせてたけど、ほとんど俺のために時間使ってたんだもんな…なんか今更ながら時間無駄にしてね?とも思わなくはない。

 

 

八幡「小町ねぇ…一言で言えば俺と真逆な性格してるな。」

 

夜架「と言うと?」

 

八幡「あいつは、頭はちょっとあれだが基本的にコミュ力高くて誰とでも仲良くなれるし、料理もめちゃくちゃ上手だし、何かとポジティブだし、何よりめちゃくちゃモテるからな変な男に言い寄られたりしてないかお兄ちゃんとても心配で…」ベラベラ

 

夜架「八幡さん?」

 

八幡「あ。……最後の方聞かなかったことにしてくれ。」

 

夜架「………八幡さんって実はシス「断じて違う!」コ……そうですか。八幡さんがそう言うならそういうことにしておきましょう。」

 

八幡「ま…まぁ、小町のことはその内ちゃんと紹介してやるから。」

 

夜架「はい。その時はよろしくお願い致します。」

 

 

 

 

 

 

有栖(八幡さんのシスコンは未だに健在でしたのね。)

 

 

 

 

 

 

ーー

 

 

八幡「っと、もうこんな時間か。」

 

有栖「八幡さん。ここは私達に任せて小町さんに入学祝いのプレゼントを買って行かれてはいかがですか?」

 

八幡「いや、それじゃお前達に迷惑かけるだろ。」

 

 

これでも俺はこの組のトップなんだから下の者に迷惑かけたくはないんだが。

 

 

夜架「私達なら大丈夫です。今日は小町さんのご入学を祝福する日なんですから、小町さんのために時間を使ってあげてください。それに、もうすぐ狂三さんも戻ってくる頃ですし。」

 

八幡「…そうか。じゃ、お言葉に甘えて今日は先に失礼するわ。」

 

有栖「はい。そうしてください。」

 

 

…本当によく出来た部下たちだ。また何か褒美でもやらねぇとな。

 

 

八幡「それじゃ後は頼んだぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーショッピングモールーー

 

 

八幡「とはいえ、年頃の女の子が喜ぶプレゼントって知らないんだよな。」

 

 

狂三とか夜架とかは何あげても大体喜ぶからあまり参考にはならないんだよな。

 

 

 

 

 

???「あら?八幡くんじゃない。」

 

 

 

 

 

八幡「ん?…雪乃か。こんなところでどうしたんだ?」

 

 

今俺に声をかけてきたのが雪ノ下雪乃。雪ノ下建設のご令嬢で、陽乃と姉妹だ。総武高校では生徒会長をやってる。もちろん俺のk …もう分かってるって?じゃあ説明不要だな。

 

 

雪乃「私は帰りに本を買おうと思ってね。そういう八幡くんは?」

 

八幡「俺か?俺は、今夜に小町の入学祝いを実家でするらしくて、それに参加するんだがその時に小町に何かプレゼントしようと思ってな。それを買いに来たんだ。」

 

雪乃「妹さんの入学祝いのことなら夜架さんから聞いているわ。せっかくだし、私も妹さんのプレゼント選び手伝うわよ?あなたの事だから年頃の女の子のプレゼントに何がいいか迷ってるんじゃないかしら?」

 

八幡「実を言うと雪乃の言う通りだ。お言葉に甘えて手伝ってくれるか?」

 

雪乃「ええ、もちろんよ。そもそも私から促したんだもの。」

 

 

ーー

 

 

そうして、俺と雪乃はプレゼント選びを始めたんだが…

 

 

雪乃「このパンさんのぬいぐるみ…確かこの一週間限定で販売されてる…」ブツブツ

 

 

さっきからこの調子でパンさんの前から全く動かないんだけど。

 

 

八幡「おい、雪乃?そんなにパンさんが欲しいのか?」

 

雪乃「っ!…いえ、大丈夫よ。」チラッ

 

八幡「はぁ…少し待ってろ。」

 

雪乃「え?」

 

八幡「パンさん欲しいんだろ?買ってきてやるから。」

 

雪乃「そんな。悪いわよ。」

 

八幡「気にすんな。これから小町のプレゼントを一緒に選んでくれるお礼だと思ってくれ。」

 

雪乃「…分かったわ。それじゃありがたくいただくわ。」

 

 

高校3年生にもなってパンさんとは…いや、そこは雪乃の自由だから良いのだが、もう少し年相応の好みを持って欲しいとも思わなくはない。

 

 

八幡「よし、それじゃ小町のプレゼント選び再開だ。」

 

雪乃「正直な話、私は妹さんのことよく知らないのよね。そこで聞きたいんだけど、妹さんの好みとか趣味とか分かるかしら?」

 

八幡「小町の趣味ねぇ……趣味なのかは知らねぇが、あいつ料理得意だぞ。親父がいなかった時なんて、母ちゃんご飯を作る暇さえなくて、そんな時に小町が朝食や晩御飯を作ってくれてたな。」

 

雪乃「あら、とってもお利口な妹さんなのね。」

 

八幡「あぁ、今でも、母ちゃんとかが忙しい時は作ってくれるし、そうじゃなくても頼めば作ってくれるし、何かとスペックの高い俺の自慢の妹だ。」

 

雪乃「ところで、プレゼントの件なんだけど、迷う必要は無いんじゃないかしら?」

 

八幡「?どういうことだ?」

 

雪乃「無理に女の子らしさや流行とかを考えずに、無難に相手がよく使う実用的な物の方が良いってことよ。」

 

八幡「そういうもんなのか?…雪乃がそう言うなら従うが。」

 

雪乃「そういうものよ。妹さんはよく料理するのよね?だったら、料理でプレゼントと言ったら……八幡くん、ここにいい物があったわ。」

 

八幡「ん?…なるほど、これはプレゼントとしても無難でいい感じかもな。」

 

 

にしてもエプロンか…俺が1人で選んでたらエプロンなんて出てこねぇな。小町が喜んでくれると良いんだが。

 

 

雪乃「これで、私の役目もおしまいね。」

 

八幡「おう、ありがとな雪乃。助かったわ。」

 

雪乃「お礼ならいらないわよ。さっきも貰ったから。」

 

八幡「そうか、じゃあ俺はもう行くわ。」

 

雪乃「妹さん、喜んでくれるといいわね。」

 

八幡「雪乃が一緒に選んでくれたんだ。確実に喜んでくれるよ。」

 

 

俺が1人で選んだ物よりは確実に喜んでくれるだろうよ。

 

 

 

ーー比企谷家・実家ーー

 

 

八幡「邪魔するぞー。」

 

『『『『『お疲れ様です!若!』』』』』

 

八幡「もう、若はやめてくれ。…せめて総代呼びで頼む。」

 

『『『『『失礼しました!総代!』』』』』

 

 

今、俺を出迎えてくれたのは比企谷組の組員達だ。比企谷組の事務所と実家は繋がってて、事務所も実家の一部分みたいな感じだ。家に直通のルート(裏口)もあるんだが、まだ親父や母ちゃんは組の仕事してると思うから挨拶するために今、事務所の中へと入ってきるわけだ。

 

 

八幡「ここに親父は居るか?」

 

組員1「へい!親父ならここの奥におられますぜ!」

 

八幡「分かった。お前らも元の業務に戻っていいぞ。 」

 

 

さて、親父と母ちゃんに帰ってきた報告くらいはしとかねぇとな。

 

 

ーー

 

コンコン…ガチャ

 

八幡「親父。入るぞ。」

 

涼「おう、八幡か、お帰り。」

 

八幡「ただいま。」

 

八千代「八幡、お帰り。」

 

八幡「母ちゃんもただいま。」

 

 

今、俺の目の前に居るのは比企谷涼と比企谷八千代。俺の親父と母ちゃんだ。親父は比企谷組の2代目組長で、よく長期間家を空けて地方の組と盃を交わしに行ったりする。母ちゃんは比企谷組の本部長をしており、主に親父のサポートとかをしている。特に、親父が家を空けて居ない時に代わりに組をまとめてる。後、何かと頭が切れる。

 

 

八千代「にしてもちょっと早かったわね。私達はまだ仕事があるから小町の入学祝いならもう少し後よ。」

 

八幡「それは俺も分かってるから、こうやってここに真っ先に来たんだよ。」

 

八千代「どちらにしろ、私達はまだ家の方に行けないから八幡、小町の相手をしてやってちょうだい。」

 

八幡「分かったよ。それじゃ俺は先「おい、八幡。」に…何だよ親父?」

 

涼「入学祝いが終わった後で良い、お前にとっていい話があるぞ。」

 

八幡「…分かった。あんまり期待しないでおくよ。」

 

 

何だよ、親父のやつ。またなんか厄介事か?…いや、俺にとっていい話って言ってるから厄介事では無いと思うが…なんだ?まぁ、今考えても仕方が無いし、後でちゃんと話聞いとくか。

 

 

 

 

 

 

 

ーー比企谷家・実家ーー

 

 

八幡「ただいま。」

 

小町「あ、お兄ちゃんだ!」

 

八幡「おう、小町。元気にしてたか?」

 

 

今、こうやって俺を出迎えてくれてるのは俺の自慢の妹の小町だ。今年から、総武高校の1年生で俺の噂とか評判とかのせいで何かあったらと思うと心配になるが、小町に口と武力共に勝てるやつなんて総武高校にはそうそういないだろうから大丈夫だろうと思いつつもお兄ちゃんとても心配。……っと話が逸れたが、とにかく小町は自慢の妹!それだけだ!

 

 

小町「うん、一応元気にしてたよ。」

 

八幡「そうか。それなら良かった。それと小町、今日の入学式良かったぞ。これ入学祝いのプレゼント先に渡しとくわ。」

 

小町「わ〜!お兄ちゃん開けてもいい?」

 

八幡「おう、いいぞ。」

 

小町「…へ〜、このエプロン、お兄ちゃんのセンスじゃないね。」

 

八幡「うぐっ!…雪乃に選ぶのを手伝ってもらいました。」

 

小町「うむ。正直でよろしい。…でも、お兄ちゃんがプレゼントをくれる気持ちだけで小町は幸せでいっぱいだよ!あ、今の小町的に超ポイント高い!」

 

 

まだ、そのポイント制あったのね。去年そのポイント制を聞いたかどうか覚えてないほど使ってなかったよね。…いや、去年が忙しなさ過ぎたせいかもな。

 

 

八幡「まぁ、喜んでくれて何よりだ。」

 

水守「あら〜八幡ちゃんじゃない!お帰りなさい♪」

 

八幡「あ、婆ちゃん。ただいま。…爺ちゃんは居ないのか?」

 

水守「あのススキなら今日来られないんですって。せっかく小町ちゃんの入学祝いなのに来れないなんて本当になんでかしら?」 ゴゴゴ…

 

 

今、俺に気づいて来たのは比企谷水守。うちの婆ちゃんだ。めちゃくちゃ喜怒哀楽が激しくて、俺や小町には甘々だけど、親父や爺ちゃんにはめちゃくちゃ厳しい。見てて親父と爺ちゃんが気の毒に思うほどに。(婆ちゃんは極道とかではなくカタギ)ちなみに、婆ちゃんがススキって言ってるのはうちの爺ちゃん、比企谷修作。比企谷組初代組長であり、千葉仁堂会の初代会長を務めてるうちの組織で1番偉い人ってことだ。…婆ちゃんには頭が上がらないがな。

 

 

八幡「まぁまぁ、爺ちゃんだって頑張って働いてくれてるんだから。小町もそこはちゃんと理解してくれてるよ。な?」

 

小町「うん、そうだよお婆ちゃん。お爺ちゃんが大変なのは分かってるから。気持ちだけで嬉しいよ。」

 

水守「本当に八幡ちゃんと小町ちゃんは優しいのね〜♪」パァ

 

 

ほらな。俺の婆ちゃんの喜怒哀楽がすごいだろ?

 

この後、俺と小町は他愛のない話をして過ごした。婆ちゃんが入学祝いの時に食べる料理を作りながらこっちを幸せそうな目で見てたのが気になったけど。

 

その後、親父と母ちゃんも帰ってきて小町の入学祝いは無事開催された。人数も少ないからか、年末の時みたいな大仰なことにはならず…言うなれば特に何が起きることも無く入学祝いも終わる頃

 

 

八幡「そういえば親父。さっき言ってた話ってのはなんだ?」

 

涼「話?…おー、そうだった!八幡。久しぶりにあいつに会いたくないか?」

 

 

あいつ?……ってもしかして?!

 

 

八幡「そりゃ俺が中学に入ってからまるっきり会うことも無くなってたからな。久しぶりに会いてぇよ。」

 

涼「それが、今度のゴールデンウィークに親父さん共々こっちへ来るそうだ。なんでもジジィに話があるとか。そこで、あいつにはうちへ泊まってもらうことになったから、八幡お前相手してやってくれ。」

 

八幡「いや、それは良いんだが屋敷の方はどうすんだよ。俺がゴールデンウィークの4日間居ないだけで何か起きそうな予感なんだが。」

 

涼「じゃあ、八幡。お前の屋敷に泊めてやったらいい。ついでに彼女紹介して、驚かせてやったらいい。」

 

八幡「…まじかよ。」

 

 

なんか思ってた方向と違う方向からの厄介事が来てしまった。…まぁ、阿保露組の戦争の時よりかはマシか。

 

 

 

 

 

 




第2話いかがだったでしょうか?

小町をちょっと原作感出すためにあの口癖使ってみたけど使うの難しくね?ww

私、実は女の子は年下派なんですよね。(同級生も有)でも、ちょうどいい年下キャラこの作品居ねぇから妹キャラ2人(小町&カナヲ)の出番増やす予定です!新たな年下キャラ作るかもだけど…

最後の方に出てきた「あいつ」一体誰なんでしょうね?一応言っておきますが男の子です。女の子じゃないです。そこはほんとにゴメン!でも、八幡に男の友情も欲しいと私が勝手に思ったから!!

では次回もよろしくお願いします!


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旧友

こんばんは(*^▽^*)ノガムです!
遅くなってしまいすみません!
実は先週の前半のところで風邪を引いて寝込んでしまい中々書けずに投稿するまでに1週間を過ぎてしまいました!次はもう少し早く投稿できるように頑張ります!
ちなみに、今回から文字数控えめにします。


ーー千葉仁堂会・本部ーー

 

 

 

 

ー八幡sideー

 

 

今日は夏休み前の長期連休であるゴールデンウィークの初日で、学生は勉強のことを1度忘れてカラオケやゲームセンターに入り浸っていたり、あるいは部活動に熱心に打ち込んだりと、それぞれの連休を謳歌している頃。

そんな連休の中に俺は今、千葉仁堂会本部にて、ある団体を待っている。

 

 

八幡「有栖、予定時刻まであとどれくらいだ?」

 

有栖「あと5分程ですね。もうそろそろ来られる頃かと。…それにしても、あの方に会うのは私も久しぶりです。」

 

八幡「有栖も小学生の時以来だから5、6年振りになるのか?」

 

有栖「はい、今でもあの小学生の時の事思い出せますよ。」

 

八幡「そうだな、それは俺もだ。」

 

 

 

「総代!客人が来られましたぜ!」

 

 

 

八幡「…来られたみたいだな。行くぞ有栖。」

 

有栖「はい。」

 

 

それにしても、本当に久しぶりに会うからなんかちょっと緊張してきた…

 

 

涼「お、八幡と有栖ちゃんも来たか。今こっちに向かっておられるからな失礼のないようにな。」

 

八幡「分かってるよ。一応、会長の客人なんだからな。」

 

涼「ま、お前のことだから大丈夫だろうな。…っと姿がお見えになったようだぞ。」

 

 

いつ見ても思うが、本部の人たちがいっせいに頭下げるのなんか迫力があるんだよな。…あそこ通るの本当に恐れ多い。

 

 

涼「長旅お疲れ様です。会長がお待ちしておりますのでご案内します。」

 

 

 

 

 

 

???「おー、涼か!久しぶりだな。元気にしとったか?」

 

 

 

 

 

 

 

涼「はい、一条の叔父貴もお元気そうで何よりです。」

 

一条「なぁに、オレも修作のやつももう立派な老害になっとるわ。」

 

涼「いえいえ、一条の叔父貴にもうちの会長もまだまだ頑張って頂けませんと。」

 

一条「まぁ、うちの組もその内息子に渡す時が来るだろうからな。そん時までは頑張るわい。…ん?そこにいるのは八幡と坂柳さんの娘さんかな?」

 

八幡「はい、お久しぶりです。一条の叔父貴。」

 

有栖「お久しぶりです。一条さん。」

 

 

今、俺たちの目の前にいる客人は『 一条岳(いちじょうがく)

集英組という組の初代組長をしておられる方で、なんでもうちの爺ちゃん、比企谷修作と唯一五分の盃を交わした人らしい。昔は爺ちゃんが比企谷組を立ち上げたばかりの頃の組員で、5年程して独立、今では東京にある凡矢理というところに組を構えている。

そして、1番特殊なのが、この集英組は千葉仁堂会の力が及びやすい東京に組を構えていながら、千葉仁堂会に属していないということだ。理由は知らないが、もし千葉仁堂会に入っていたら即直系に上り詰めることができるほどデカい組なのである。

 

 

岳「二人とも大きくなったな。昔はまだまだちびっ子だったのになァ…特に八幡は組を持って、しかも直系になったと聞いたが、こりゃ大物だな。はっはっは!」

 

八幡「そんな、大袈裟ですよ。」

 

岳「そんな事ないと思うんだがなァ…まァ、その謙遜も八幡らしいがな。そうだ、うちの息子ならもう少ししたら来るから待っといてくれ。」

 

八幡「はい、わざわざありがとうございます‪。」

 

涼「叔父貴。そろそろ会長の元へ…」

 

岳「おう、そうだったな。八幡に坂柳さんの娘さんはまた後でな。」

 

 

そう言って親父と一条の叔父貴は会長の元に向かって行った訳だが、まだ叔父貴達しか着いて居ないようだし、通す部屋で待っとくか。

 

 

八幡「にしてもちょっと遅くねぇか?」

 

有栖「予定時刻を5分過ぎてますね。」

 

八幡「まぁ、今回は俺個人の客としての扱いだから全く問題はないんだが…何してるんだよ。」

 

有栖「あの方のことですから道中でd「総代の客人が来やしたぜ!」…来られたようですね。」

 

八幡「みたいだな。」

 

 

さて、お迎えに行きますか。

 

 

八幡「お、あれか。」

 

 

 

 

???「久しぶりだな、八幡に有栖。本当に遅れてすまん。」

 

 

 

 

有栖「お久しぶりです。楽さん。」

 

八幡「本当に久しぶりだな。楽。どうせ、道中で野生動物でも見つけたんじゃないのか?」

 

楽「ははは…おっしゃる通りで。」

 

八幡「動物から好かれることほとんど無ぇのによくやるよ。」

 

楽「好かれねぇは余計だ!…それでも見捨てることは出来ないんだよ。」

 

八幡「まぁ、それでこそ楽だな。」

 

 

今、俺と話している客人は『 一条楽(いちじょうらく)』さっき来られた一条の叔父貴の息子さんだ。

俺とは小学生からの仲で小学校6年間はほぼほぼ楽と過ごしてた気がする。楽は集英組の組員というわけでは無いが、めちゃくちゃ組員に慕われている。だが、動物にはめちゃくちゃ嫌われやすい。

 

 

楽「にしてもすまんな、ゴールデンウィーク中はお世話になるわ。」

 

八幡「おう、気にすんな。せっかく5、6年振りの再開なんだから久々にゆっくりしていけよ。」

 

楽「そう言ってくれると助かる。…あと、今外で待ってもらってる人がいるんだが入れてもいいか?」

 

八幡「?…別にいいが、誰だ?」

 

楽「まぁ、それはお楽しみってことで。じゃ、呼んでくるわ。」

 

八幡「おう。」

 

 

にしても誰だ?楽がこんなところに呼ぶって…集のやつしか思い付かないんだが。

 

 

楽「呼んできたぞ。」

 

 

 

???「八幡ちゃん、有栖ちゃん久しぶりー♪」

 

 

………え?この声って

 

 

八幡「え?!……ゆ、羽さん?」

 

羽「八幡ちゃん、大当たり!」

 

有栖「羽さん?!いつの間に戻ってきてたんですか?」

 

羽「凡矢理に帰ってきたのは、つい最近だよ。今はまた集英組に居候させてもらってるの。」

 

 

楽が呼んできた人物。それは「奏倉羽(かなくらゆい)」父親が中国人のハーフで、俺たちが小学生の頃よく一緒にいたんだが、進学に伴って居なくなってそのまま音信不通になっていた人なんだが…

 

 

八幡「それはそれで驚きなんだが、なんでまた急にこっちに戻ってきたんだ?俺はてっきり中国の方に行ってそのまま生活するもんだと思ってたんだけどな。」

 

有栖「わ、私もです。羽さんが居なくなったあと、中国の方に行ったことだけは分かったのでそのままそこで生活するのではないかと…」

 

羽「まぁ、私もいろいろあったんだけどね。そこも含めて、今日は久しぶりに会った八幡ちゃんと有栖ちゃんと色々話したかったんだよね?楽ちゃん?」

 

楽「うん、そうだな。」

 

 

な、なんだろう。今までの戦争だったりとは違う波乱の予感がするんだが…

 

 

 

 

 

 




ということで第3話いかがでしたでしょうか?
ニセコイから集英組の一条楽と楽の親父と奏倉羽(羽姉)が出てきました!名前だけですが舞子集も…
時系列的にまだニセコイの作品終わって無いので、まだ控えめに関わってきます。
ちなみに、この作品にニセコイのストーリーが深く関わってくることは無いのでご安心を!ただ、知ってたらちょっと得をするくらい?


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ある悩み

こんばんは(*^▽^*)ノガムです!
遅くなりました!1度完成した作品を保存せずに消してしまい意気消沈。そして、書き直してもなんか納得がいかず何日かけても及第点辺りまでにしか出来ませんでした。ごめんなさい。

次回はもう少し早い投稿&クオリティ向上できるように頑張ります!


ーー八幡sideーー

 

 

結局、あの変な不安感を感じた後は特に何事も起こることが無く、俺たちは小学生の頃の思い出話や俺らが会わなかった5年間の間に起こったことを話していた。

 

 

八幡「にしても、楽はすげぇ高校生活送ってんな。」

 

楽「……八幡、それ本気で言ってる?」

 

八幡「だって、高校卒業までアメリカのギャングとの抗争を止めるためにそのギャングのところの一人娘と恋人の振りをしてるんだろ?しかも、それが楽と俺が会う前にしてたっていう約束とその鍵のペンダントが関わってきてたんだろ?中々にすごい高校生活だろ。」

 

楽「いや、確かに俺も一般的な高校生活とは少し違うとは思ってるけど、八幡にそれを言われるとなんか違うっていうか…」

 

八幡「?なんでだ?」

 

楽「だって、お前が話した事を思い出してみろよ!高2になってから自分の組を持ち始めて、神戸連合所属の組と喧嘩して、全国でも話題になったゲーム内に閉じ込められる事件まで解決して、直系昇格まで…しかもこれで全てじゃないって言うんだから、八幡がやたらと遠い存在に思えるよ。」

 

 

……なるほど、楽はそういう風に捉えてたか。

 

 

八幡「別に、俺は大したことはしてないし、そういうことを言いたかったんじゃねぇよ。…俺はさ、楽みたいに平和でそれでいて毎日が退屈しない刺激がある高校生活が羨ましいよ。見知らぬ奴と恋人同士とか嫌だけどな、それでも俺が過ごして来た日々の何倍も高校生らしくて楽にふさわしいものだと俺は思う。」

 

楽「…八幡」

 

八幡「俺は、小学生時代の時から楽みたいに友達を欲しがることもそこまで無かったし、公務員っていう夢を持ってる楽と違って俺は極道一筋で生きてきたからな。楽が羨ましくないといえば嘘になるよ。…でも、俺は皮肉ってる訳じゃなくて、そういう意味ですげぇ高校生活って言ってるんだよ。」

 

楽「…変なこと言って悪かったな八幡。すまん。」

 

八幡「別に気にする事はねぇよ。確かに、楽みたいな高校生活を過ごしてみたいとも思う。でも、俺は今の生活も気に入ってるし楽しんでるつもりだ。自分で組を持って責任も出来たし、守らねぇといけねぇものも増えたし、それにやり甲斐も感じてる。」

 

楽「そっか、八幡の本音が聞けてよかったよ。普段はお前そういうの話さねぇからな。」

 

八幡「はは、久しぶりに楽に会った影響かな。ちょっと熱く語っちまったみたいだ。それで、楽たちはこれか「総代!会長がお呼びです!」ら……分かった、すぐ行く。すまねぇ、楽に羽さん。ちょっと席を外させてもらうわ。」

 

楽「おう、行ってらっしゃい。」

 

羽「うん、八幡ちゃんまた後でね〜♪」

 

 

さて、客人が来てるのに俺を呼ぶって何の用だ?また面倒事にならないといいんだけど…

 

 

八幡sideout

 

 

 

ーー楽sideーー

 

 

やっぱりこうして八幡の姿を見ると、本当に組持つトップとして忙しそうで、マジで同い年なのか疑っちまうよ…やっぱりすげぇよ、八幡は。

 

 

有栖「…あの、楽さん。」

 

楽「なんだ?有栖。」

 

有栖「先程、八幡さんとのお話の中で気になることがあったので聞きたかったんですけど、楽さんって集英組の2代目をお継ぎにならずに公務員を目指してるんですか?」

 

楽「…」

 

羽「楽ちゃん、せっかくなんだから有栖ちゃんにも意見求めてみたら?」

 

有栖「?」

 

楽「…あぁ、そうだな。有栖、さっきの質問だが俺は公務員を目指してる。それは間違いない。だけど、集英組の2代目を継ぐっていう話も俺は否定しきれない。」

 

有栖「と、言いますと?」

 

楽「…迷ってるんだよ。真っ当な職業について裏社会とは無縁な所に行くか、それとも親父の意志を継いで集英組の2代目を継いであいつらの上に立って支えてやるか。」

 

有栖「ちなみに、そのことを一条さんには…」

 

楽「親父には言ってないよ。親父的には俺が公務員になろうと2代目を継ごうとどっちでも良いっぽいからな。俺の答えが決まったら親父には言うつもりだ。」

 

有栖「…それで、私や八幡さんに相談がしたかったと。」

 

楽「あぁ、そういうことだ。」

 

有栖「そういうことなら、私の意見で良ければ…」

 

楽「出来ればお願いしたい。」

 

有栖「分かりました。私が思うに、楽さんは事務職が向いていると思います。楽さんは他人のために全力で仕事が出来る方です。きっと事務職であれば会社のためと言って全力で働いて成果をあげるのでしょう。それは楽さんが目指してる公務員も同じです。」

 

楽「じゃあ、俺は公務員を目指した方が「ですが!」いい…え?」

 

有栖「楽さんには、事務職では収まらない程の人徳がございます。それこそ、一条さんと同等…いや、もしかしたらそれ以上の。」

 

 

…え?俺に親父と同じくらいの人徳が?

 

 

有栖「楽さんにはご自覚が無いかもしれませんが、楽さんはたくさんの方に慕われていますよ。そういう私も楽さんを慕っております。……八幡さんの次に。」

 

楽「そこは相変わらずブレねぇのな!?」

 

有栖「ですから、一条さんの後継者として集英組の2代目を継いでも私なら失敗どころか、成功して集英組をもっと盛り上げることが出来ると思いますよ。でも、()()()()()()()()()()話であれば私にするより八幡さんの方が適任ですよ。」

 

 

……ん?()()?この言い方、もしかして有栖

 

 

羽「有栖ちゃん。もしかして気づいてたの?」

 

有栖「何をですか?」

 

羽「楽ちゃんの本心」

 

有栖「…私には何を言っているのか分かりかねますね。ただ私は楽さんを適正に評価しただけですし、決めるのは楽さんですから。」ニコッ

 

 

はぁ、本当にこいつらには適わねぇよ。

 

 

楽「あぁ、そうだな。後は八幡に聞くか。」

 

有栖「えぇ、私よりは良いアドバイスを頂けるのでは無いですか?」

 

楽「そうだといいけどな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第4話いかがでしたでしょうか?
本当はもうちょい男の友情を出そうと努力したんですが無理でした!なので男の友情は少し先送りに!

ちなみに、この楽と八幡の回はしばらく続きます。あと何話かは具体的な数字は出せませんが、この投稿ペース維持だと今年中は続くかな?…頑張ってペースあげます!
そして、次回から色々と種も蒔いておこうかな?


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まさかの事実

こんばんは(*^▽^*)ノガムです!
遅くなり申し訳無いです!
毎回毎回投稿ペース早くすると言ってこのザマ…もう言わんとこうかな?ww

感想と評価の方お待ちしております!
では本編どうぞ!


ーー八幡sideーー

 

 

楽と羽さんが来てるってのに呼び出しって何の用だ?全く検討がつかないんだが。

 

 

コンコン…ガチャ

 

八幡「失礼します。」

 

修作「おお、八幡。せっかくの再会のところ呼び出してすまんの。かしこまらんで良いからこっち来てくれ 。」

 

八幡「…爺ちゃん、それは良いんだが何かあったのか?」

 

修作「急ぎではないんじゃがな、お前の耳に入れておきたくてな。実は「修作。ここからは俺が言おう。」な…そうか、分かった。」

 

岳「八幡、お前『叉焼会(ちゃーしゅーかい)』って知ってるか?」

 

八幡「叉焼会?それって、中国でも有数のあのマフィア組織ですか?」

 

岳「あぁ、そうだ。よく知ってたな。」

 

八幡「親父がいなくて俺が組長代行してた時にここら辺にちょくちょくちょっかい出していた叉焼会の奴がいましたから。そのときは特に何事もなく済んで良かったんですけど。」

 

岳「そォか、涼のやつそんな前から八幡に組長代行任せてたのか!ガッハッハッ!」

 

修作「…今じゃ笑っていられるが、その時はあのバカ息子をどうしようか悩んだものじゃったよ。八千代さんがいたから、八幡に任せた状態にしたんじゃが、居なかったらと思うとぞっとするわい。」

 

八幡「…それで話を戻しますけど、その叉焼会がどうしたんですか?」

 

岳「おっと、すまんな。実は、その叉焼会な…首領が羽なんだよ。」

 

 

…………え?今なんて?

 

 

八幡「一条の叔父貴…今、叉焼会の首領が羽さんだと?」

 

岳「おう、そうだ。」

 

八幡「……」

 

岳「どうした八幡。そんな黙って、そんなに驚いたか?」

 

八幡「…さすがにそれは驚きますよ。今でも一条の叔父貴が嘘ついているって言う方が僕の頭では納得がいきますから。」

 

岳「そうか、だが残念ながら事実だ。」

 

八幡「でしょうね。一条の叔父貴が嘘をついた所を見たことないので。」

 

 

一条の叔父貴は、聞かれたことをはぐらかしたり、ぼやかしたりはすれど、嘘をつくことはない。…俺が見てきた中に限るが。

 

 

八幡「それで、羽さんが叉焼会の首領ってことは分かりました。…ですが、それがどうしたんですか?何か問題でも?」

 

岳「あぁ、ここからが本題なんだがな、2年前に本当は羽の父親が継ぐはずだった叉焼会の首領なんだが、その時には既に羽の父親は亡くなってたんで、血統を継ぐのが羽しかいなくて仕方なく継いだらしい。」

 

八幡「羽さんにそんな事情が…」

 

岳「その時に叉焼会は抗争ばかりで分裂状態だった。それを羽が収めた。」

 

 

羽さん、あの大きな組織を統治するなんてあの人意外な才能持ってたんだな。…でも待てよ?

 

 

※実は、羽の美貌と泣き落とし(天然)で争いが収まりました。

 

 

八幡「ちょっと待ってください。話が羽さんが叉焼会を収めたで終わってますが何か問題が?」

 

岳「あぁ、ここからが問題なんだがな、八幡お前が比企谷組の組長代行として動いていた時叉焼会の構成員がここら辺りに来てたって言ってたな?」

 

八幡「はい、でも最近は来なくなりましたけど……まさか!」

 

岳「あぁ、八幡がたどり着いた考えで間違いがないと思うぞ。」

 

八幡「羽さんが叉焼会を収めた時期って確か2年前って言いましたよね?確かに、その時期辺りから叉焼会の構成員は見なくなりましたけど、やはりその分裂って俺たちに関係があるんですか?」

 

岳「あぁ、分裂状態の叉焼会の1部の野郎共がなその抗争のどさくさに紛れてこの日本に構成員を送り込んでたみたいだな。…そして、ここからだが叉焼会がまた分裂寸前まで来てる。」

 

八幡「要するに、また分裂状態になり抗争がまた起きてしまったらうちにも被害が出ると言うことですか?」

 

岳「高い確率でそうなるだろうな。今こうやって羽がこっちに来てるのは表向きは帰国のためだが、本当は叉焼会の構成員が来るのを抑制あわよくば止めるために日本に滞在してる。」

 

八幡「…事情はよく分かりました。ですが、これを今俺だけに話してどうしたんですか?俺、現状じゃ何にも出来ないと思いますが。」

 

岳「八幡、今叉焼会では羽やその部下が抗争を止めるために奔走している羽は周りに被害が及ばないように、要するに1番に大きな被害を受けるであろう日本に足を運んで叉焼会の野郎共の動きを阻害している。…これで収まれば何にも問題はないんだが、そうもいかなくてな。羽曰く、足止めが持ってあと1年って話だ。」

 

八幡「い、1年ですか?」

 

岳「そこで、八幡。お前ら八十神会には近いうちに中国…詳しく言えば香港に飛んでもらおうと思ってな。 」

 

八幡「な!それは本気で言ってるんですか?!」

 

岳「あぁ、本気だ。羽もその時は中国に戻る、その時に羽の客人として呼びやすいしな。なぁに、今すぐって訳でもねぇし、現段階での話だ。100%中国の方へ飛ばないと行けないわけじゃねぇ。ただ、今のうちにその心づもりをしておいて欲しくてな。」

 

 

……一条の叔父貴、また1番大事なところ隠してるな?だが、それが分かっても今ははぐらかされて終わるだけだろう。

 

 

八幡「爺ちゃんは俺が中国へ行くのを許可したのか? 」

 

修作「…わしは、この千葉仁堂会の会長として八幡が最適だと思ってる。」

 

八幡「そうか、俺が中国へ行くのは分かった。でも、そこで俺は何をするんですか?」

 

岳「その時の状況次第になるが、現状で言うならばある組織との繋がりを調べてもらう。」

 

八幡「ある組織?」

 

岳「すまんな。詳しい話は今はまだおいそれとは言えねぇ。あと、今日ここで話したことは外ではまだ他言無用で頼むよ。まだ不確定要素が多くてな、この話で浮き足立たせるのは得策じゃない。」

 

八幡「分かりました。では、またその時になりましたらお呼びください。では失礼します。」

 

岳「ちょっと待て八幡。」

 

八幡「どうしました?一条の叔父貴?」

 

岳「八幡、楽から何か相談を受けたか?」

 

八幡「相談ですか?いえ、何も受けてませんが。」

 

岳「そうか、楽の周りでは今色んなことが起きてる。八幡程では無いかもしれんがな。でも、そのせいで楽が色々煮詰めててな、八幡どうかこの休みの間サポートしてくれ。楽の親父としての頼みだ。」

 

八幡「…そうですか。分かりました、楽のことは任せてください。何が俺に出来るかは分かりませんが、できる限りやらさせていただきます。」

 

岳「すまんな。親として解決してやりたいんだがな。親より親友の方が今回の件は良いらしくてな。」

 

八幡「?そうですか。」

 

岳「引き留めてすまなかった。楽のことよろしく頼むよ。」

 

八幡「分かりました。それでは失礼します。」

 

 

……はぁ、それにしても中国に飛べか、その時がきたら組員とか狂三達にどう説明してやれば良いのか。それにプラスして楽の悩み事ねぇ。…なんかやること多くねぇか?

 

 

八幡sideout

 

 

ーー岳sideーー

 

 

さすがは修作の孫であり涼と八千代さんの息子だな。それにしてもあれは出来すぎか…

 

 

修作「岳よ。あれで良かったのか?」

 

岳「何がだ?」

 

修作「八幡に本当のことを話さなくて。」

 

岳「あぁ、()()1()0()0()()()()()()()()()()()()って事か?」

 

修作「その言い方にも語弊があるが、まぁそうじゃな。」

 

岳「飛ばなくてもいいとは言っても飛んではいけないわけじゃないがな。」

 

修作「岳、お主何をする気じゃ?」

 

岳「今はまだ、ただの叉焼会の内部分裂だ。俺らがどうこう出来ることじゃない。だが、俺らが手を出せる状態になってからでは確実に1歩遅れるだろう。だから奴らに出遅れない、そのための布石を八幡に頼もうと思ってるだけだよ。」

 

修作「お主、本当にそれだけか?」

 

岳「最近、俺も隠し事が下手くそになってきたのかね?多分、八幡にも隠し事してるのはバレてたしな。」

 

修作「何を隠しておる?」

 

岳「その時に楽を一緒に同行させる。」

 

修作「?!…楽くんはまだ高校生じゃ!それは早すぎなんじゃないのか?」

 

岳「それを、孫を千葉仁堂会の直系にしてる奴が言うか?」

 

修作「うぐっ…そうじゃがな、楽くんはこっちの世界の経験もないじゃろ。それはどうかと思うのじゃが…」

 

岳「楽も八幡と同じだよ。」

 

修作「そ、それはどういうこ…」

 

岳「簡単だよ。あいつは俺を軽々と超えてのける力を秘めてる。楽が本気でこっちの世界に入ったら俺は即引退だろうな。」

 

修作「……それを、その力を引き出すために八幡と中国に行かせるのか?それには本人の意思もいるんじゃないのか?」

 

岳「それに関しては大丈夫だ。さっき八幡がどうかしてくれるって言ったろ。」

 

修作「まさか、もう楽くんは…」

 

岳「あぁ、後は八幡に任せとけば大丈夫だろう。」

 

修作「お主の観察眼と頭の回転には恐れ入るわい。」

 

岳「そんな大したことねぇよ。それを言ったら修作の組員共の教育術とカリスマ性も大したもんだと思うがな。」

 

修作「はは、それこそ大したことはない。」

 

岳「とりあえずは、俺がここに来た目的は終わった。後は千葉を楽しませてもらうよ。」

 

修作「そうか。お主にとっては5年ぶりの千葉じゃったな。楽しんでこい。」

 

岳「言われなくても。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第5話いかがでしたでしょうか?
今回は後の展開に響くであろう内容でした。私が忘れてなければ後々なんかあるんでしょうww
私の文章能力が低くて少し分かりにくいところがあるかもしれません。そこら辺は感想にて教えていただけると嬉しいです!次以降に、活かさせていただきます!

感想and評価お待ちしております!
ではまた次回!

ー追記ー
とても押したくなる魔法

ちょっと人の真似をしてみました!成功してるか分からないけど出来てたら押して評価してってね♪


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羽の弱点(?)

こんばんは(*^▽^*)ノガムです!
本当に度々遅くなり申し訳無いです!
最近、この作品にも出てくる時崎狂三の原作である、デート・ア・ライブを買って読んでまして…めちゃくちゃ面白くてこの作品の続きを書かずに読みふけてましたww

では、本編どうぞ!


ーー八幡sideーー

 

 

やべぇ、呼び出しに思ったより時間がかかっちまった。楽達はまだ待ってるか?

 

 

有栖「八幡さん。お疲れ様です。」

 

八幡「あれ?有栖、お前だけか?」

 

有栖「はい。楽さんと羽さんはお先に八幡さんのご実家の方に行かれてご両親と小町さんにご挨拶の方に行かれましたよ。」

 

八幡「そうか、これからどうする?」

 

有栖「とりあえず、私達も八幡さんのご実家の方に行って、そこでこれからの事を4人で考えましょうとの事ですので、私達も八幡さんのご実家に向かいましょう。」

 

八幡「分かった。それじゃ行くか……って有栖?」

 

有栖「どうしました?八幡さん。」

 

八幡「そんなに俺に寄りかかられると俺も歩きずらいというかなんというか…」

 

有栖「?」

 

八幡「…少しは「お断りします。」な……そうですよね!分かってましたよ!」

 

 

楽達が居た時は珍しくこんなこと無かったのに、いなくなった途端にこれかよ……一応、羞恥心というものは持ってるのか?

 

 

八幡「ま、一応楽にこれから家に行くって連絡でもしとくか。」

 

 

こんなこともあろうかと、楽と連絡先を早めに交換しといて良かったわ。

 

 

prprpr…prprpr…prprpr…ガチャ

 

楽『もしもし、八幡か?』

 

八幡「もしもし、楽。すまんな、呼び出しが思ったより時間掛かって…そっちはもう家に着いたか?」

 

楽『あぁ、とっくに着いてるよ。…ところで八幡。』

 

八幡「ん?どうした?」

 

楽『小町ちゃんってこんな子だったっけ?』

 

八幡「ん?小町がどうかし……あぁ、そういえばそうだったな。」

 

楽『え?何1人で納得してるの?俺にも説明して?!』

 

八幡「まぁ、そのあたりは後ほどでいいか?」

 

楽『……分かったよ。お前の家で待っとくわ。』

 

八幡「じゃ、今からそっち向かうよ。」

 

楽『それじゃ、また後で。』

 

プツ…

 

八幡「…にしても小町の今がいつも通りすぎて忘れてたな。」

 

有栖「八幡さん、どうかされました?」

 

八幡「いやな、さっき楽との電話で小町の事聞かれてな。」

 

有栖「小町さんですか?……あ、なるほど、確かにあれは楽さんと疎遠になった頃でしたね。私も詳しくは知りませんが、八幡さんはご存知で?」

 

八幡「あの時は『小町になんでこんなことが!』って思う所もあったけど、今思うと避けては通れない道だったのかもな。」

 

有栖「何があったんですか?」

 

八幡「ま、その辺の詳しいことは楽たちと合流してからな。」

 

有栖「分かりました。車は前に停めてありますのでそれに乗ってご実家に向かいましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー比企谷組事務所&実家ーー

 

 

……で、家に着いたは良いんだけど。

 

 

八幡「…何この状況?」

 

有栖「私にも分かりません。」

 

 

今、俺達の目の前には…

 

 

楽「ちょっと羽姉に小町ちゃん!そんなに引っ付いてどうした?!」

 

羽「楽ちゃんは私の事…好き?」

 

楽「…っ!いきなりどうしたんだよ羽姉!」

 

小町「?!…わ、私だって…楽くんの事…

 

楽「え?小町ちゃんなんか言った?」

 

小町「い、いえなんでもないです!」

 

 

という感じのやり取りをしている楽と小町と羽さん。もっと詳しく言うと、楽とその両隣に小町と羽さんがひっつき虫の様に抱き着いてるんだけど…何故だろう、俺と狂三と夜架の登下校のワンシーンにも見えてしまう。

 

 

八千代「あら、八幡に有栖ちゃん帰ってきてたのね。」

 

八幡「あぁ、母ちゃんただいま…ってそうじゃなくて!何この状況?!」

 

八千代「実はね、羽ちゃんももう20歳になった訳だからちょっとしたお酒のお誘いをしたのよ。そしたら…」スッ

 

 

そう言って母ちゃんが俺の前に何か出してきた。これは…

 

 

八幡「なにこれ?お酒の缶か?」

 

八千代「そう、私の大好きな梅酒なんだけど、ちょっと持ってみて。」

 

八幡「……え?ほとんど減ってなくない?」

 

八千代「ほんのちょ〜っとだけしか飲んでないのに、羽ちゃん酔っ払っちゃって…」

 

 

え?!羽さんいくらなんでもお酒弱すぎない?

 

 

有栖「羽さんさすがにお酒弱すぎません?!」

 

 

有栖も俺と同じこと思ってたし…

 

 

八千代「それで酔っ払っちゃった羽ちゃんが楽くんに甘え始めて、対抗意識を燃やした小町が負けじと甘え始めて……こうなっちゃったのよね。」

 

八幡「いや、何で対抗意識燃やしちゃってんの?!小町ちゃん!?」

 

有栖「……本当にこういうところですよね。」

 

八幡「え?」

 

八千代「本当にそうよね。有栖ちゃん。」

 

八幡「え??」

 

有栖「あら、お義母様。気が合いますね。」

 

八千代「本当にそうね。」

 

 

……何でこの2人は意気投合しちゃってんの?

 

 

有栖「八幡さんは人の気持ちというものをしっかり考えてお勉強してください!」

 

八幡「いや、お勉強って言われても…」

 

八千代「八幡。みんなと結婚するまでにちゃんとお勉強しとくのよ。」

 

八幡「だから何をだよ?!」

 

有栖「それを考えるのもお勉強の1つです。」

 

八幡「…さいですか。」

 

 

急にどうしたってんだよ。…適当に受け流しとけばいいか?

 

 

八千代「あ、それよりも、楽くんを助けてあげて?」

 

八幡「いや、助けてあげてって言われても…親父はどうしたんだ?」

 

八千代「涼なら楽くん達に挨拶だけして事務所の方に行ったわよ。」

 

八幡「はぁ、分かったよ。おい楽!」

 

楽「?!は、八幡来てたのか?」

 

八幡「おう、お楽しみ中悪いな。」

 

小町「そうだよ。ゴミぃちゃん、空気読んでよね!」

 

 

ん?小町ちゃん?…今、お兄ちゃんの事をゴミぃちゃんって言った?気の所為だよね?うん、気の所為!

 

 

楽「いやいや、お楽しみ中でもなんでもないから!とにかく、先に羽姉をどうにかしていただけませんか?」

 

八幡「分かったよ。……よいしょっと。有栖!」

 

有栖「はい、八幡さん。こちらの部屋にお布団用意しました。」

 

八幡「……俺が言っといてアレなんだけど、よく俺の家の布団の場所とか分かるよね。」

 

有栖「それはもちろん、未来のいつか此処にお世話になるかもしれませんから。」

 

八幡「本当に、そういうこと恥ずかしげもなく言えるよな。」

 

 

っと、羽さんはここに下ろしといてっと。

 

 

楽「すまんな。八幡、迷惑かけて。」

 

八幡「別にどうってことねぇよ。…あと、小町ちゃん。羽さんに何の対抗意識を燃やしたか知らんけど、羽さん離れたから小町ちゃんも離れてあげなさい。」

 

小町「ちぇー、分かったよ。」スッ

 

 

あれ?ちょっと落ち込んじゃってる?…羽さんに対抗意識燃やしてるんだから、その件に関しては勝ってるんだよね?勝敗条件とか全く検討もつかないが。

 

 

楽「八幡ありがとな。助かったわ。」

 

八幡「俺こそ、お前らの時間邪魔して悪かったな。」

 

楽「邪魔して貰ってありがたいくらいだ。」

 

八幡「そうかよ。それで、これからどうする?」

 

楽「羽姉がこんな状態じゃあな…確かここの近くに商店街あったろ?」

 

八幡「お、久しぶりにあそこ行くか?俺たちがいつも遊んでだところ。」

 

楽「羽姉には悪いけどここで寝ててもらって、俺らは商店街の方行くか。」

 

有栖「あそこですか、懐かしいですね。今じゃ通りすぎることはあれど寄ることは無いですし。」

 

小町「それ私もついて行っていい?」

 

八幡「俺は良いけど…お前らは?」

 

楽・有栖「いいぞ。(いいですよ。)」

 

八幡「じゃ、小町も一緒に行くか。」

 

小町「わぁーい!やったぁー!」

 

 




第6話いかがでしたでしょうか?

とても押したくなる魔法

↑前回と同じくとても押したくなる魔法を取り付けてみました!…パクリなんですけどね。

そんな事は置いといて、今回のお話で小町の掘り下げをしようとしたんだけどちょっと羽姉のくだりを思いついちゃって後回しにしちゃいました!なので小町の掘り下げはもう少し先です!

この作品に対する評価・感想のほどお待ちしております!

ではまた次回!


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過去と懺悔①

こんばんは(*^▽^*)ノガムです!
今回は本当に遅くなり申し訳ありません!
2ヶ月半もみなさんをお待たせしたことを深くお詫び申し上げます!

しかも、投稿しない間にお気に入りも150をこえて、評価も沢山していただけて感謝感激でいっぱいです!

次はこれ以上は間を開けないようにするので!

私の懺悔はこのくらいにしといて、では本編どうぞ!導入がちょっと雑かも?ww


ーー楽sideーー

 

 

にしてもこの商店街も懐かしいなぁ。よくここら辺に来て遊んでたな。

 

 

楽「5、6年経ってもあんまり変わって無いんだな。」

 

八幡「あぁ、ここら辺は前と変わらず栄えてるからな。あの駄菓子屋なんか良く遊びに言ってたよな。」

 

楽「おー、あの駄菓子屋か。きなこ棒どっちがより多く当たりを引き続けられるかって勝負してたのが懐かしいよ。」

 

八幡「まぁ、あの駄菓子屋は小学校4年生くらいから行く回数も減っていったしな。」

 

楽「俺の記憶だとここら辺に抜け道っぽいところが…ここか?」

 

八幡「おう、ここだな。」

 

小町「私ここに来た記憶があまり無いんだけど。」

 

有栖「まぁ、私達が学校の帰り道に寄るところでしたから。」

 

小町「…そっかだから私あまり知らないんだ。」

 

八幡「……」

 

楽「…八幡?」

 

八幡「…いや、なんでもない。」

 

 

久しぶりに見たな、八幡の思い詰める顔。…やっぱり何かあったのか?

 

 

有栖「八幡さん、せっかくですから何か食べ物でも買ってきましょうか?」

 

八幡「あー、そうだな。楽と小町はなんか食べたいものでもあるか?」

 

楽「俺はなんでもいいよ。」

 

小町「私もー♪」

 

八幡「分かったよ。じゃあ、有栖と2人で行ってくるわ。…あと楽!」

 

楽「ん?どうし「俺に聞きたかったことは本人に聞いてみろ。」へ?…わ、分かったよ。」

 

 

さっきの反応は小町ちゃんに対するものか。いやでも、つい分かったって言ったけど八幡がそんなに思い詰めることを俺に出来ることなんてたかが知れてると思うんだけど…

 

 

小町「ら〜くくん♪」ダキッ

 

楽「おわっ!どうした小町ちゃん?」

 

小町「楽くん…知りたいんでしょ?私が変わった理由。」

 

楽「っ!…ば、バレてた?」

 

小町「お兄ちゃんと有栖さん2人して変な行動するからバレバレだよ。あの2人はそれも承知の上で行動したんだろうけど。それに…元々楽くんには聞かれたら話すつもりだったんだよ。」

 

楽「え?そうなの?」

 

小町「うん…全部楽くんのおかげだから。」

 

楽「俺のおかげ???」

 

小町 「だから、楽くんには全部包み隠さず話す。ちゃんと聞いてよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽sideout

 

 

ーー有栖sideーー

 

 

咄嗟に八幡さんを誘って抜け出そうとしてみたのは良かったのですが、これで良かったのでしょうか?

 

 

八幡「有栖は良かったのか?」

 

有栖「何のことですか?」

 

八幡「いや、お前もあそこに残っても良かったんだぞ。」

 

有栖「いえ、私は構いませんが…私から誘っておいてなんですが、八幡さんこそあそこに残られなくて良かったのですか?」

 

八幡「俺か?俺はいいよ……俺は何があったのかは知ってるし、なにより俺には小町を救えなかった、小町の環境の変化に気づけなかった、兄貴なのにな。今でも思い出すとあの時のことを悔やむよ。」

 

有栖「……」

 

八幡「でも、今思えば俺じゃ小町を慰めることは出来ても、救うことは出来なかったとも思う。...いや、出来るはずがない。」

 

有栖「それは…どういう?」

 

八幡「.......本当は俺から話すのはダメだと思うんだが、小町と楽が再会出来てこの話題が浮き彫りになったのも何かの縁だ。俺の懺悔を聞いてくれるか?」

 

 

…あの八幡さんがここまで素直になってくれるとは。いや、それほどのことだったんでしょう。

 

 

有栖「ええ、もちろんです。八幡さんの頼みとあらば。」

 

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

『いじめ』子供のイメージが強いかと思うが大人でもまた然り。それは、その昔まだ日本の多数の国民が百姓として働いている時代でも見られる差別的な行いを特定の人物に意図的に行うこと。しかし、この時代では当たり前とされていたのだが。

現代社会では禁止されているいじめも問題として根強く残る事のひとつであり、すぐにでも無くすべきことである。

 

だが、ここで皆に問おう。現代社会に根付くいじめの定義とは何なのか?厳密に言えば定義自体は決められている。みんなの検索アプリ先生を使い調べると難しい言葉で書かれているので私の方で噛み砕いて説明すると、

「人物Aの一定の人間関係にあるその他の人物が人物Aに対して心理的、又は物理的な傷を負わせる行為であり、人物Aが心身に苦痛を感じているもの。」

とある。だが、この場合は一律にいじめと言えるのであろうか?.......いや、言い方を変えよう。この場合は定義で語るのならいじめと言えるだろうが、加害者側を罰せようと思うのが多数派になるであろうか?

 

『加害者側が防衛本能によってその人物と関わるのを避け始め被害者側がどんどん孤立し、最後に心身に苦痛が与えられるものに変わった。』

 

きっとこの文だけでは誰も理解が及ばないのだろう。ではここで、ある具体的なお話の1つを聞いていただければと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで話すは1つのきっかけから虐げられる1人の女の子が自分の生まれを憎み、恨み、しかしその中で1人の男の子に憧れ成長していく物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸恵「小町ー!一緒に遊ぼー!」

 

小町「う、うん。」

 

真美「小町ちゃんってさ、なんでそんなに暗いの?」

 

小町「そ、そうかな?」

 

幸恵「そうだよ!小町はこんなに可愛いんだからもっと堂々としなきゃ!」

 

小町「ど、どうどう?」

 

幸恵「そうだよ!…ところで堂々って何?」

 

真美「えー、分かんないのに難しい言葉使うのダサー!」

 

幸恵「そ、そんなことないし!」

 

小町「は、はは。」

 

 

この話の主人公として据えるーー比企谷小町ーー。小学四年生の女の子。5年後の彼女からは全く考えることの出来ないほど、引っ込み思案で目立つようなことが苦手な内気な女の子である。

その両隣で盛り上がっているのがーー小暮幸恵(こぐれさちえ)ーーとーー乃際真美(のぎわまみ)ーーどちらも、内気な小町とは違いとてもアグレッシブな所謂陽キャというやつで、実はちょっぴり絡みにくいと小町は思っている。でも、良い奴に変わりはない。

 

 

幸恵「ねぇ、あの人知ってる?」

 

真美「え?誰だれ?」

 

幸恵「ほら、あそこでアホ毛頭の人と話してる人。」

 

真美「うーん、知らないなぁ。小町ちゃんは?」

 

小町「え、私?…知っては、いるよ。」

 

真美「え?知らないのわたしだけ!?…でも、その人がどうかしたの?」

 

幸恵「なんかあの人のお家ってヤクザ?っていう怖い人が沢山いるんだってー。」

 

真美「えー!その話ってほんと?」

 

幸恵「本当だよ!学校来る時もその人達を連れてきてるって噂だし。」

 

小町「へ、へぇー、そうなんだ。」

 

 

この女の子達の話題の的である彼。その男の子の名を ーー一条楽ーー と言い女の子たちの知る噂通り、彼の正体は東京にある凡矢理町を牛耳る集英組の一人息子である。

ちなみに、この女の子たちには知る由もないが、彼、一条楽の隣にいるアホ毛の男の子 ーー比企谷八幡ーー は千葉全体を牛耳る極道組織「千葉仁堂会」の直系組織である比企谷組の組長比企谷涼の息子であり、比企谷組若頭である。

しかし、一条楽を話題にしている女の子たちだが、実はもっと身近にも彼らに近い立ち位置の子がいることをまだ知らない。

 

 

小町「(お兄ちゃんは兎も角、楽くんはやっぱり噂になりやすいんだね。…組の人があんな感じだから当然かもしれないけど。)」

 

 

ーー比企谷小町ーー彼女は千葉仁堂会の直系組織である比企谷組の娘であり、比企谷八幡を兄に持つ極道一家の一員なのである。

 

 

幸恵「?…?!ほら、あそこ見てよ!」

 

真美「え?何あれ?」

 

小町「(送り迎えにあんな大きい車で来るから余計楽くんは目立っちゃうんだよね。…楽くんはめちゃくちゃ嫌がってるけど。)」

 

幸恵「.......ね?私の言ったことホントだったでしょ?」

 

小町「そ、そうだね。」

 

真美「なんか私、すごいもの見た気がする…」

 

 

しばらく放心状態でリムジンで一条楽を迎えに来た集英組の若頭である竜とそれに対して説教する一条楽を眺めていると

(小町はこの光景に慣れているので残り2人が元の世界に戻ってくるまで静かに待っていた)

 

 

幸恵「…あ、そうだ!今から商店街に行かない?」

 

小町「い、良いけど…何かあるの?」

 

幸恵「実はね、駄菓子屋にスーパーボールクジが新しくなったって聞いてね。行ってみたいなって!」

 

真美「それホントに?!私も行きたい!」

 

小町「わ、私も行く!」

 

幸恵「じゃあみんなで行こー!」

 

 

 

 

ーー駄菓子屋ーー

 

 

 

 

幸恵「わぁ!やっぱり新しいからまだ沢山残ってるよ!」

 

真美「ほんとだ!1等とかも全部残ってる!」

 

小町「これとかボールの真ん中にハートがあるよ!」

 

 

今、小町の学校ではスーパーボールが流行中なのだ。何故流行したのかは誰にも知る由もないのだが、この流行を子供っぽいと思いつつも心の底から楽しんでいる当たりまだまだ一般的な小学四年生なのだろう。

 

 

幸恵「ふっふっふ。ではここで運試しの勝負をしようではないかー!」

 

小町「勝負?」

 

幸恵「そう、勝負だ!ルールは、今ここには1等から200等までのスーパーボールがあります。…間ちょっと抜けてるけど。1人3回クジを引いて、3回分の結果を足して1番多い人の勝ちね!」

 

真美「数が多い方が勝ちってどっちかって言うと運が悪いんじゃない?」

 

幸恵「.......少ない方の勝ちね!」

 

小町「ご、誤魔化しきれてないんじゃ?」

 

幸恵「細かいことは気にせんで良いから、ほらやるぞー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸恵「ま、負けた。」ガクッ

 

真美「わーい!あたしの勝ちー!」

 

小町「さ、幸恵ちゃん大丈夫?」

 

幸恵「大丈夫に見える?…なに?下から3つって?200と199と198は流石にっ!」

 

小町「だ、大丈夫だよ!きっとこの後に良いことあるって!」

 

幸恵「そ、そうかな?」

 

小町「うん!そうだよ!」

 

幸恵「でも、真美とのこの差は許せん!」

 

小町「あー…ははは。それは、どうしようもないかな?」

 

 

当の本人である乃際真美は1等、3等、10等というかなりの幸運に舞い上がっている様で幸恵のことは微塵も目に入ってないらしく

 

 

真美「小町ちゃんが当てたハートのスーパーボール可愛くて良いなぁ。」

 

幸恵「それだけの幸運を引き当てといて満足出来てねぇのかこいつはッ?!」

 

小町「あはは。これだけは真美ちゃんでもあげれない、かな?」

 

真美「小町ちゃんくじ引く前から狙ってたもんね!なら、仕方ないか。」

 

幸恵「その3つで満足出来ずに小町のものまで狙うのかこいつは?!」

 

小町「さ、幸恵ちゃん…ま、また新しくなったら来よ?その時はもっと良いのが当たるよ!」

 

幸恵「そうだね。また今度来たらいっか。」

 

真美「…ん?あれって美柑ちゃんじゃない?」

 

幸恵「あ、ホントだ。おーーーい!みかーーん!!」

 

 

幸恵が駄菓子屋の前で大声で叫ぶとこちらに気づいたのか寄ってくる影が1つーー結城美柑(ゆうきみかん)ーー彼女らと同じく小学四年生であり小町が1番心を許す友である。

 

 

美柑「サチとマミに小町ちゃん。3人揃ってどうしたの?」

 

真美「幸恵ちゃんがこの駄菓子屋でスーパーボールクジで運試し勝負するって言うから勝負したんだけど。」

 

幸恵「.......私がフルボッコにされました。」

 

小町「あ、はは。」

 

美柑「そっか。そういえば最近、学校でスーパーボールが流行ってるもんね。」

 

幸恵「そういう美柑は…そっか、買い出しか。」

 

美柑「家にお父さんもお母さんも居ないし、リトも部活で遅いしね。私がやるしかないんだよ。」

 

小町「た、大変だね。」

 

美柑「慣れればどうってこと無いよ。」

 

 

ーー結城美柑ーー彼女は5つ上の兄を持ち、両親は共働きで家にほとんどおらず兄とほぼ二人暮しのような生活をしている。そのため、年の割に大人びており同級生だけでなく先生達からも頼られるような彼女。たくさんの男共から交際を求められるも全てを断っている。あと、ブラコン…隠してるのか無自覚なのかは知らないが結構なブラコン。

 

 

真美「美柑ちゃんもこれから帰るの?」

 

美柑「うん、帰って夕飯の支度しなきゃいけないから。」

 

幸恵「じゃあ、ちょうど良かった!私達もこれから帰るから一緒に帰ろー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女らの放課後。何気のない日常の1つ。これだけでも分かる何の変哲もない幸せな日々。しかし何の因果か、この何気のない日常が壊れて行くことをこの時はまだ誰にも知る由がない。そして、この因果は遅かれ早かれ来るものであったのかもしれない事を知るのもまた彼女ら、尚且つ彼にもまだ知る由はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第7話いかがでしたでしょうか。今回の後書きは長くなること間違い無しなので興味の無い方はここらで読むのをやめてアンケートと感想だけお願いします!

ということで、第7話は当初の予定より早めに小町の過去編突入です!本当は、もっと後々の予定でしたが、過去の私のある暴走によりここらで早めにやった方がいっか!という結論に至り突入しました!ww
あとは、このままゴールデンウィークを進めても平坦ばかりになるかな?と思い、山を1つここで挟みました!
正直、小町過去編は私の頭の中では穴が空きすぎで形にするのにどれくらい時間がかかるんだろうと心配です(๑•̀д•́๑)キリッ

さて、ここで新キャラの投入です!男子の道徳の教科書ToLOVEるから小学生キャラ『結城美柑』『小暮幸恵』『乃際真美』の3人が登場です!あ、あとついでにリト君もお名前だけ。結城美柑はみなさん分かりそうなんだけど、他2人が頭に浮かぶ人いるのかね?ww
過去編が小学生なので良いキャラいないかな?…あっ!この子達使えそう!と私の家の本棚の中から選びました!
最初書いてた時は名無しの友達だったのに名前が付くことになるとは!名前を付けたのはその方が感情移入しやすいというか、小町の過去がより鮮明にわかりやすくなるかな?と思ったので!次回からもこの3人を有効活用できるように頑張ります!

ちなみに、戻って最初の方のきなこ棒とか分かりますかね?私これでも若い方なんですけど…スーパーボールは実際に私が小学生時代に一時期流行りました!今思うとなぜ流行ったのか謎ですがww

そして、皆さんが1番気になったであろう過去編に入ってからの地の文!これは私の挑戦でもありお試しでもあります!私、とあるシリーズが大好きでして次回作はとあるシリーズやろうかな?とか考えちゃってるアホなんですけど、とあるシリーズ特有の言い回し…には全くなっていませんが、第三者目線というか語り部というかそういう感じを目指した地の文を書いてみました!正直、これはアンケートによって続けるかやめるか考えようと思ってるのでアンケートよろしくお願いします!
ちなみに、続けることになってもやるのは過去編のみです!


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過去と懺悔②

ガムです!
ほんとーに長らくお待たせしました!!
やっと、小町の過去の話の大筋(本当に大筋)がたてられましたので皆さんにできるだけ早めにお届けできたらなと思います!
では、本編どうぞ!


同日。夜

 

 

ーー比企谷家・実家ーー

 

 

小町「ただいま〜!」

 

八千代「あら、小町お帰り。もうすぐでご飯出来るから手を洗って来なさい!」

 

小町「は〜い。」

 

 

そう言って小町は洗面所へと移動する途中

 

 

八幡「お?小町帰ってきたのか。」

 

小町「あ、お兄ちゃんただいま。」

 

楽「小町ちゃんお帰り。お邪魔してるよ。」

 

小町「楽くんいらっしゃい!今日は一緒にご飯食べていくの?」

 

楽「うん、そうだよ。」

 

小町「そっか、ゆっくりしていってくださいね。」

 

 

☆☆

 

 

八千代「楽くん、うちの息子が迷惑かけてないかしら?」

 

八幡「母ちゃん、いきなりなんだよ。」

 

 

家族揃って夕食中、いきなりそんなことを言い始めた八千代に八幡が疑問をもつ。

 

 

涼「八幡はある意味問題児だからな!はっはっはっ!」

 

八幡「なんだよそれ…」

 

楽「いえ、何も迷惑なんてかけてないですよ。八幡は、運動も勉強もできて頼りにさせてもらってます。なんなら僕の方が迷惑かけてますから。」

 

八千代「あらそうなの…なら良かったわ。小町の方は大丈夫?なんともない?」

 

小町「ううん、いつも通りだよ!」

 

八千代「そう…何かあったらすぐに言うのよ。」

 

小町「…お母さん、よく学校のこと聞くよね。どうしてなの?」

 

八千代「親は子どもの事が気になるものよ。小町も大人になればよく分かるわ。」

 

小町「ふーん、そっか!」

 

八幡「…」

 

 

親は子供のことが気になる。それはどこの家庭でもそうだろう。だが、この家は千葉仁堂会直系の比企谷組の家、実際に比企谷組と関わっているもの(商店街など)は比企谷組の良さや凄さを知っている。それは小町も同様。だからこそ、彼らは忘れてはいけない。比企谷組は何も知らないものから見ればただの反社会勢力…暴力団…社会の必要『悪』であることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小町「それにしても、もう6年生かぁ…お父さんもまた居なくなって今回はお兄ちゃんに組を任せちゃったし、私も迷惑かけてばかりじゃ居られないな。」

 

 

比企谷小町が小学6年生、比企谷八幡が中学2年生となり、小町は1人小学校へ登校している

 

 

小町「私も、お兄ちゃんを手伝えないかな?……でも無理だよね。お兄ちゃんはなんでも出来ちゃうから、私は家から出て真っ当に生きていくしか無いんだから」

 

 

そう呟きながらも、足取りは衰えることなく学校へと向かっていく。そして、学校に着いてすぐ小町はいつもと違う異変に気づく

 

 

小町「な、なんかみんな私を見てる?」

 

 

学年を問わず多数の人間が小町の方に視線を向ける。見ている人間になにか法則がある訳ではなく、視線を向けている人は向ける、向けてない人は無関心と言ったように何もかもがバラバラで纏まっておらず、気味が悪い

 

 

小町「は、早く教室に入ろう」

 

 

そして、小町は歩く速度を上げる。そして、逃げるように校舎内、そして、教室へ辿り着くとそこにもまばらな視線が…

 

 

小町「なんだろう?小町が何かしちゃったのかな?」

 

 

もちろん小町には心当たりは無い。幸か不幸か、小町自身に何かあるわけでも無いので無視をするが。

 

 

小町「やっぱりなんか気持ち悪い」

 

 

小町は家の事もあり、敵対組織から狙われる立場にいる。その自覚がある小町は、普段から八千代に護身術を教わっており、大の大人1人程度なら相手に出来るので逃げられる。が、護身術は最終手段であり、小町の本領は索敵能力にある。

 

 

小町「あまりの数に意識しなかったけど、この視線は……畏怖?軽蔑?好奇?なんか色々あって分かんないよ。」

 

 

小町は普段から狙われてしまう立場にあることは自覚している。それすなわち、自分の身を守ることが出来る『何か』が無いといけない。それが、八千代から教わる護身術ではなく。気配の察知能力だ。普段から物陰や人通りの無い裏路地や自分の死角にある所を警戒する癖がついており、それが身を守ると共に、今みたいな弱点として露出するのである。

 

 

幸恵「小町?」

 

小町「っ!?……あっ」

 

 

小町はここで1つのミスをした。沢山の視線に晒されている中での幸恵の何気ない声掛けが小町には警戒していたセンサーに引っかかってしまったのだ。つまり

 

 

幸恵「痛い痛い!どうしたのさ小町?」

 

小町「ご、ごめんなさい。つい、咄嗟に」

 

 

そう、小町が咄嗟の判断で幸恵の手を捻ってしまった。幸恵本人は笑っているようで何事も無かったが、このやり取りを見ていた周りの目が変わった。

 

 

小町(な、なんでこんなに私が怖がられてるの?)

 

幸恵「小町、大丈夫?あんた本当に今日どうかした?」

 

小町「え?いや、な、何も無いから大丈夫だよ」

 

幸恵「本当?…ならいいけど」

 

 

幸恵は小町に向けられた視線に気づくことなく小町とのいつもの日常の会話を続けるが、小町はそれどころではなく、幸恵の話もほとんど頭に入ってこない状態である。

 

と、そこに担任の教師が入ってきた

 

 

担任「はい、みんな席に着いてー!」

 

幸恵「あ、先生が来ちゃった。小町、また後でね!」

 

小町「あ、うん」

 

 

そうして、普段ならばこのまま朝礼となるがそうはならなかった。

 

 

担任「えっと、みんなにご報告があります」

 

 

先生のご報告という言葉の後いくつか視線が小町に飛んでいく

 

 

担任「つい先日、乃際真美さんが病院に救急搬送されました。現在は病院で入院中だそうです。」

 

小町「え?」

 

担任「原因はとある事件の巻き添えでの怪我です。命に別状はなく怪我の経過を見ての退院だそうです」

 

 

小町は耳を疑った。そして、真美の居るはずの席を見るがそこには真美の姿は無い。視線に気を取られすぎていて、真美の姿が無かったことに気づけなかったことに自己嫌悪する。

 

 

担任「良ければみんなもお見舞いに行ってあげてください。きっと喜んでくれますよ」

 

 

そして、いつも通りの朝礼へと変わっていく。だがこのままいつも通りとなっていくようには感じられない小町であった。

 

 

幸恵「ねぇ、真美のこと知ってた?」

 

美柑「ううん、知らなかった」

 

小町「わ、私もです」

 

 

朝礼が終わり、今は1限目の授業が始まる前の少ない休み時間。美柑と幸恵と小町は3人で集まって話していた。内容はもちろん真美のことである。

 

 

幸恵「先生はある事件に巻き込まれたって言ってたけど、そもそも事件なんてあった?」

 

美柑「うーん、私は昨日とかバタバタしてたし分からないな」

 

小町「私も昨日は習い事やってたから」

 

 

ちなみに、小町の習い事は八千代による護身術のことである。

 

 

幸恵「そっか、それじゃ仕方ない。病院にいるって話だったし直接聞きに行ってみよう!」

 

小町「い、良いのかな?そんないきなり行って」

 

幸恵「大丈夫、大丈夫!真美の親友である私たちが行けば問題ないって」

 

美柑「いや、そういう意味で小町ちゃんは言ったんじゃないと思うんだけど?」

 

幸恵「んもー、細かいことは気にしないの!とにかく放課後に病院に行ってみよー!」

 

 

幸恵の少々強引な提案によって放課後に真美のお見舞いに行くことになった3人。しかし、小町は素直に行こうという気になれなかった。生まれた家が危険なことが多いからだろうか。どうしても、未だに注がれる視線の数と真美の入院がどうしても無関係とは思えない嫌な予感を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一日中周りからの視線は止まないものの特に何かが起こる訳ではなくそのまま放課後となり、幸恵と美柑そして小町の3人は真美が入院している病院へとやってきた。

 

 

幸恵「パトカーも何台か止まってるね」

 

美柑「真美は事件に巻き込まれたって話だけど、大丈夫なのかな?」

 

小町「……」

 

 

小町は家のこともあり、パトカーはどちらかと言うと嫌いだ。いつか、家族の誰かが乗ってしまうのではないか?という想像をしないようにしているが、それでも少し考えてしまう。それでも、家族を信用している小町はいつもなら何事もなくスルー出来ていただろう。だが

 

 

幸恵「小町?どうかした?」

 

小町「っ!…ごめんね。なんでもないから大丈夫」

幸恵「そう?なら真美のお見舞いに行くよ」

 

 

いつもとは違う日常。絶え間なく不特定多数の人間から視線を向けられる恐怖。友人の入院。小町の非日常に加えてただでさえ不安を感じてしまうパトカーというのはそれは何かの暗示じゃないのかと疑ってしまう程の不安を感じていた。

 

 

☆☆

 

 

コンコン

 

 

幸恵「真美?入るよ〜」

 

美柑・小町「お邪魔します」

 

 

3人は受け付けで真美の部屋を聞き出して入院している個室へ向かった。その中では

 

 

警察「そうですか、ではまた後ほど」

 

真美母「はい」

 

 

警察と真美の母が何やら話をしていたのか、警察の人が個室から出ていくところだった

 

 

幸恵「あの、真美のお母さん」

 

真美母「…あら?幸恵ちゃんじゃない。後ろの2人もお友達?」

 

幸恵「はい、そうです。ところで真美はどうですか?」

 

真美母「今はぐっすり寝てるわ。怪我も命に別状は無いから安心して」

 

幸恵「そっか、良かったです。」

 

真美母「でもね、事件の犯人が捕まってないから何も安心できないんだけどね」

 

幸恵「その、事件って何なんですか?」

 

真美母「そっか、まだ知らないのね」

 

幸恵「はい、私たち3人何も知らなくて」

 

真美母「そうね、何から話せば良いかしら。昨日の夜は真美が塾に行っててね、帰りが夜遅かったのよ。」

 

幸恵「真美って塾行ってたんだ」

 

真美母「ええ、それで帰り道にね、この子いつもと違う道…近道を通ろうとしたみたい。その時にね……撃たれたの」

 

3人「う、撃たれた?!」

 

 

この時、小町は1番したくない想像をした。だが、それが外れて欲しいのにそれしかないと思えて仕方がない。

 

 

真美母「腿に1発…警察の人が言うにはね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真美母「比企谷組の組員が他の組織の抗争による流れ弾…なんですって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第8話いかがでしたでしょうか?

正直言ってこの先の展開マジで手が進まないんです。なぜかって?それは、次回以降の更新を待っていただければ…でも遅くても怒らないでね?
でもまぁ、進まない理由を一言で言えば良心の呵責ですかね?

後ですね、違う作品書いてると台本形式がめちゃくちゃ難しく感じます。

ということで、次回まで気長に待っていただければと思います!

ではまた次回!


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