剣士×は×ハンター (WATAHUWA)
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ショウカイ×ト×ハナシ

初めましてこんにちは!実はこの間映画・鬼滅の刃見ました!ホントよかった~。でも泣いた~(´;ω;`)。そしてふと思った。ハンターハンターの世界にヒノカミ神楽があるならどんなになるんだろう。それではまず紹介から。



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名前:カオル

ゴンとキルアと同い年のジャポン人。
鬼滅日ノ神(きめつひのかみ)流剣術(つまりヒノカミ神楽)の使い手。

武器は 鉄刀 (捕具)。理由は元々鬼退治の剣術の為、相手(人間)の命を考えた結果である。真剣だったら彼女曰く「胴体真っ二つは確実」

それでは皆さん!剣士×は×ハンターをよろしくお願いします!



ザバン市。とある定食屋の前に男と風呂敷包みを背負い、鉄刀を腰に差した少女がいた。

 

「……ここ定食屋ですよね」

 

 

少女・カオルは怪物・財宝・賞金首・美食・遺跡・幻獣など、稀少な事物を追求する者、ハンターになる為に会場があるザバン市に来たのだが目の前はどう見ても定食屋である。試験会場へ案内するナビゲーターは「ああ、そうさ!ほら入るよ」とカオルに言った。

 

「いらっしぇ~~~い!」

 

店主が迎える。店主が「ご注文は?」と聞く。男は意味ありげに「ステーキ定食」と言う。それを聞いた店主は反応する。

 

「焼き方は?」

「弱火でじっくり」

 

(そっか。注文が合言葉なんだ)

 

二人の様子にカオルは理解した。そうしている内に店員が「奥の部屋へどうぞ!」と言う。

 

「それじゃあお嬢ちゃん、来年もがんばれよ」

「一発で合格します!」

「自信満々だねぇ」

 

ナビゲーターの応援を受け取ったカオルは奥の部屋へ入る。扉が閉まった時、揺れた。

 

「わあ!からくりになってるんだ!」

 

エレベーターになっているようだ。ジャポンにはないため、カオルは驚く。しばらくしてエレベーターは止まった。扉が開き、カオルは出る。そこは大きなトンネル。そしてカオルと同じくハンターを目指す者たちが沢山いた。

 

「どうぞ」

「ありがとうございます」

 

頭が豆の人物から札を受け取るカオル。402と書かれた番号札を胸につけているとだ。

 

「新顔だねお嬢ちゃん」

 

小柄な男が話しかけてきた。

 

「俺はトンパって言うんだ」

「新顔と言ったってことは去年も出たんですか?」

 

カオルの問いにトンパは自慢げに「もう35回も出ているからね」と答える。

 

「そ、そんな。カッコ悪すぎる」

「え?」

 

カオルの言葉にトンパは固まる。

 

「35回も不合格じゃないですか!カッコ悪すぎます!」

 

正論だ。

 

「…あ、あー。試験内容は毎年違うから面白くってわざわざ不合格になってるんだ」

「え?そうだったんですか。ごめんなさい。カッコ悪すぎって言ってしまって」

 

カオルはバツが悪そうに謝罪する。

 

「いやいやいいんだ。それより喉乾かないかい?ジュースがあるんだ」

 

トンパは缶ジュースを出すがカオルは「そろそろ開始になりそうなので遠慮します」と丁寧に返された。

 

 

「それではお互い頑張りましょう」

「あ、そうだね」

 

去っていくカオル。残されたトンパの正体は「新人つぶし」。あの手この手でカオルの様に初めて参加した新人を潰していくのだ(ちなみにジュースは強力下剤入り)。トンパの正体を知っているベテランたちはカオルに正論を言われたトンパの様子に一生懸命笑いをこらえていた。

 

ジリリリリリリリリリリリリリリ

 

「!」

 

ベルが鳴り響く。

 

「ただ今をもって、受付時間を終了いたします!」

 

そう言ったのは紳士服の男性。男性は「ハンター試験を開始いたします」と言った。やはりというべきかトンネル内に緊張が走る。でも男性の脅し文句でも逃げない。「こちらへどうぞ」と歩いていた男性・サトツに続いた。……でも。

 

「ん?速くなってねェ?」

 

一次試験の内容はものすごい速く”歩く”サトツについてくること。こうして今年、第287期ハンター試験が開始された。

 



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ハンター試験
イチジシケン


 

走る受験者達。せっせと走る中、カオルは余裕だ。するとだ。

 

ガ―――

 

「え?」

 

彼女の傍をスケボーに乗った少年が通り過ぎた。それを見た近くにいた3人組の1人・男性が「そりゃ反則じゃねーかオイ!!」と怒鳴る。

 

 

「違うよ試験官はついてこいって言っただけだもんね」

「ゴン!てめどっちの味方だ!?」

 

3人組の1人である少年・ゴンに男性・レオリオは怒鳴る。

 

「男の子の言う通り」

 

「「「え?」」」

 

カオルが3人組に言う。

 

「実際、私は武器を持っているし、男の子は釣り竿持っているでしょ?」

 

その説明に最後の1人、クラピカが言う。

 

「彼女の言う通りだ。テストは原則として持ち込み自由なのだよ」

 

その様子にスケボーに乗った少年・キルアがゴンとカオルに話しかけてきた。

 

「ねぇ君達、年いくつ?」

 

「もうすぐ12歳!」

「あ、私も12」

 

ゴンとカオルは素直に返答する。同い年の子が二人も参加したことに興味を持ったのか「やっぱ俺も走ろっと」と言い、スケボーから降りた。

 

「オレキルア」

「オレはゴン!」

「私はカオル!」

 

自己紹介する3人。キルアは「オッサンの名前は?」とレオリオに名前を聞いたのだが…

 

「オッサ……!これでもお前らと同じ10代なんだぞオレはよ!!」

「「「ウソォ!?」」」

 

レオリオの言葉に思わず3人は声を上げる。レオリオの外見は20半ばか後半なのだ。3人のリアクションにレオリオは「あー!!ゴンまで…!ひっでぇもォ絶交な!」と悲しむ。一方クラピカは静かに彼らから少し離れた。まあ、離れたくなるのは無理もない。

 

 

 

およそ3時間、40kmくらいは走っただろうか。流石に疲れが出始めたのかレオリオの脚が止まってしまう。もうリタイヤか?そう思ったが

 

「……ざけんなよ……絶対にハンターになったるんじゃ――!!!くそったらァ~~!!!」

 

気合を入れなおしてくれた。それを見たゴンは忘れていったレオリオのカバンを見事な釣竿さばきで回収する。

 

「わあ!すごい!」

「おー!かっこいいー!後で俺にもやらせてよ」

「スケボー貸してくれたらね」

 

こうしてまた走り始める。しばらく走ると今度は長い階段が現れた。

 

「こんなのありかよー!!」

 

「あ、ゴン!キルア!出口!」

「おお!」

「やった!」

 

三人はスパートをかける。外に出るとそこは森の中だった。

 

「わーすっげ」

 

「ヌメーレ湿原。通称詐欺師の塒。二次試験会場へはここを通って行かねばなりません。」

 

ヌメーレ湿原は詐欺師の塒と言われるように人間を欺き、食糧にしようとする狡猾で貪欲な生き物が沢山いるそうだ。サトツ曰く「だまされると死にますよ」らしい。

 

「ウソだ!!そいつはウソをついている!!」

 

傷だらけの男がサトツを指さして「そいつはニセ者だ!試験官じゃない!オレが本当の試験官だ!!!」と叫ぶ。いったいなぜサトツとをそう言うのか。彼はある物を見せた。

 

 

「ヌメーレ湿原に生息する人面猿!」

 

その人面猿はサトツそっくりだったのだ。それを見た受験生たちは慌ててサトツを見る。

 

するとトランプが男の顔に刺さった。サトツの手にはトランプがある。

 

「くっくなるほどなるほど」

 

トランプを投げつけてきたのはピエロのような男。とても危ない雰囲気がある。サトツたちの様子を見た彼は「そっちが本物だね」と言う。偽者だったら武器を受け止めることが出来ないからだ。こうした命懸けの騙し合いが日夜行われている。

 

「それでは参りましょうか。二次試験会場へ」

 

また走る受験者達。カオルはある気配を感じ取っていた。この気配は間違いなくピエロのような男・ヒソカだ。

 

(霧が深まったら確実に仕掛けてくる。)

 

キルアもそう思っているのかゴンに助言していた。すると

 

「ってぇ――――――!!!」

 

ゴンとカオルはその方向へ走った。

 

レオリオがヒソカに襲われていた。それを見たゴンは釣り竿を使って攻撃を仕掛ける。

 

「釣り竿?面白い武器だねちょっと見せてよ」

「ってめェの相手はオレだ!!!」

 

攻撃を仕掛けるレオリオだったが目にも止まらない速さで拳を喰らい倒れた。咄嗟に釣り竿で攻撃を仕掛けるゴンの一振りも虚しく、目の前のヒソカはゴンの真横へ。その時だ。

 

ガキン!

 

ヒソカはトランプで弾く。攻撃を仕掛けたのはカオルだ。

 

「ゴンから離れて」

 

かなり怒っている。

 

「ふ~ん?♧」

 

トランプを投げるヒソカ。しかしカオルは落ち着いている。

 

『烈日紅鏡』

 

キンキンキン

 

「!♠」

 

∞の字を描くように素早く左右に刀を振る剣術を仕掛けるカオル。その技にヒソカはビックリだ。

 

「お嬢さん合格♥」

 

「合格?どういうこと?」

 

ヒソカはゴンを見ると「うん!君も合格!いいハンターになりなよ」と言う。本当になにが合格なのか。

 

《ヒソカ、そろそろ戻ってこいよ。どうやらもうすぐ二次試験会場につくみたいだぜ》

 

 

「オーケーすぐ行く…お互い持つべきものは仲間だね」

 

ヒソカはゴンたちに戻れるかを確認する。ゴンは頷く。

 

 

「いいコだ」

 

くつくつと笑いながらヒソカは霧へ溶けていった。

 

クラピカとも合流してなんとか二次試験会場へ辿り着いた。ただし入れない。中から猛獣のような唸り声が聞こえてくる。一体どういうことか。少しして扉が開いた。

そこにいたのは美女と巨人。唸り声は巨人のお腹の音だった。美女・メンチは巨人・ブハラにお腹のすきぐあいを確認していた。つまり二次試験は…

 

「二次試験は、料理よ!!!」

 

 

まさかの料理であった。

 

 

 



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ニジシケン×ハ×リョウリ その1

二人が指定した料理を作り、彼女たちが美味しいと言われたものが合格するのだ。しかしこれはハンター試験。周りは確実に料理は作ったことはないだろ。

 

「カオルは料理を作った事あるか?」

「難しいのは流石に無理だけど基本は大丈夫!」

 

レオリオの問いにカオルは答える。カオルは女の子らしく料理はできるそうだ。するとブハラは料理を指定する。

 

「俺のメニューは……豚の丸焼き!!オレの大好物。森林公園に生息する豚なら種類は自由。」

 

ブハラの指定した料理はまさかの豚の丸焼き。しかしそれならここにいる皆も作れるはずだ。

「それじゃ、二次試験スタート!!!」

 

メンチの合図により二次試験は開始された。

 

「豚かぁ。良い奴あるかなぁ」

 

師匠に連れられてイノシシ狩りをやったので捕まえるのは上手いし、捌ける。すると声が聞こえてきた。その方向を見るとそこには鼻と体がバカでかい豚がいた。しかも骨をしゃぶっている。確実に凶暴な種類だ。

 

「あー…なるほど。凶暴な食材もあるってことか」

 

カオルはブハラが豚の丸焼きを指定した理由がわかった。

 

「ブギ――――――!!」

 

襲ってくる豚。しかしカオルは落ち着いて

 

『碧羅の天』

バキ!!

 

豚の頭部を殴った。こうして豚狩りに成功したカオルはたんこぶをつくった豚を引きずって戻った。

 

「ただいまー」

「あ、お帰り!」

「カオルもやっぱり捕まえたか!」

 

ゴン達も捕まえ、焼きにかかる。カオルは羽織りを脱ぎ、邪魔にならないよう袖をたすき掛けをする。

 

「ん~刃物でも」

「刃物?どうするんだ?」

「血抜きをするの」

 

「「「「「え」」」」」

 

ゴン達は当然、周りも固まった。

 

「生きている内に血を抜かないとせっかく捕らえた獲物が美味しくなくなるんだって!師匠が言ってた!」

「そ……そうか」

 

クラピカに説明した後、見つけた刃物で血抜きを開始するカオル。まさか女の子がそういうグロいことを実行する様子を見た周りは固まるしかなかった。

 

(へぇー理解してるじゃない)

(あの子の豚が一番美味いな~♪)

 

でも美食ハンターのメンチとブハラは肉を捌くのに必要な知識と技術を持っているカオルに好感を持った。こうして出来上がった豚の丸焼き。ブハラはご機嫌よく食べる。

 

「終―――了ォ―――!!」

『(豚の丸焼き70頭!!バケモンだ……!!)』

 

周りは思わずドン引きした。無理もない。

 

「あたしはブハラとちがってカラ党よ。審査もキビシクいくわよ~」

 

 

すぅ、と空気を一息吸って、ビシィッとキメるメンチ。

 

「二次試験後半!あたしのメニューは……スシよ!!」

「え?」

 

カオルは固まる。伝統料理だ。

 

「スシはスシでもニギリズシしか認めないわよ!!」

 

「ごめんゴン、キルア。私落ちた」

「え!?どういうこと!?」

「なんで料理を聞いた瞬間、落ちたって言うんだよ!?」

 

落ち込むカオルにゴンとキルアは慌てる。

 

「スシっていうのは私の国の伝統料理なの。でもね」

「「でも?」」

「物凄く難しい!最低でも10年修行しないといけない!」

「ま、マジかよ!!」

 

キルアの問いにカオルは頷く。

 

「で、でも作り方は知ってるんだよね?」

 

ゴンの問いにカオルはまた頷く。

 

「うん。試験だから形や作り方は教えられないけど材料だけなら」

「「よし!」」

 

材料を聞いて、後は自分たちで頑張るしかない。カオルが教えようと口を開いた瞬間、

 

「魚ァ!?お前ここは森の中だぜ!!」

「声がでかい!!川とか池とかあるだろーが!!」

「「「「「魚」」」」」

 

レオリオとクラピカの言葉に周りが大げさに反応、川や池へ走った。

 

「………卵も使えるよ」

カオルは小さい声で言う。

 

「ありがとカオル!」

「お前もちゃんとやれよ!!」

 

ゴンとキルアは大急ぎで魚の調達に行った。

 

「確かにそうだよね……あきらめちゃいけない!」

 

カオルも調達するために走った。

 

(絶対魚ばかり出るよね。だから私のネタは玉子にしよう!)

 

ネタは何にするか決めたカオルは卵を探すために木に登る。

 

(卵~…あ、見っけ!)

 

野鳥の巣を見つけた。

 

(あれってハンターが教えてくれた卵だ)

 

カオルは時々ジャポンにくるハンターからジャポン以外の一般常識や野営に役立つことを教えてくれたのだ。

 

(ハンターのオジさんありがとうございます!そして親鳥!一個だけ貰います!)

 

カオルは石を近くに投げ、親鳥が逃げた瞬間、一個だけとった。

 

***

 

場所は変わって調理場。そこにはニヤニヤご機嫌の禿げ頭がいた。彼はハンゾー。カオルと同じくジャポン出身の忍者だ。ご機嫌なのは料理が知っている物。そして周りはスシと思いっきりかけ離れたものばかり(レオリオ、ゴン、クラピカにいたっては魚丸ごと使っていた)作っているからだ。

 

(ただしあのお嬢ちゃんがマズイ!)

 

ハンゾーの視線の先には戻ってきたカオル。カオルが調達したのは卵。さらに調理場に出汁や玉子焼き器、のりを置いていた。

 

(用意している物や服装からして確実にジャポン出身!さらには料理が上手いと見た!)

 

手早く卵を溶いている彼女が先に出す前にハンゾーは急いでスシを作り、メンチの下へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 



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ニジシケン×ハ×リョウリ その2

自信満々にスシを出した。ただし結果は

 

 

「ダメねおいしくないわ!」

 

やっぱり駄目だった。さらにハンゾーはどんな料理なのかを大声で叫んでしまったせいで受験生はドンドン作り、メンチのもとへ持ってくる。

 

 

「こうなったら味で審査するしかないわね」

 

そして味でもだめだめだめ。駄目とやり直しの連発だ。

 

「次!!」

「はい」

 

次はカオルだ。

 

「どうぞ」

「あら玉子ズシじゃない!」

 

魚以外のスシが来たのでメンチの機嫌が少しだけ直った。

 

「た、玉子!?」

「玉子ってスシにできるのか!?」

 

「そうよ玉子もOKなのよねー!それじゃ!」

 

メンチはぱくっと一口食べる。カオルは当然のこと、周りも思わず見守る。

 

「………ぐす」

『泣いた!?Σ(・□・;)』

 

涙を流した。その様子に驚く受験生。

 

「玉子は完璧よ!美味しい!ほのかに出汁が利いてる!!でもシャリが残念!!もう少し柔らかく!!柔らかかったら合格だったのに!!!(ノД`)・゜・。」

『えええ!?』

 

受験者たちは「合格だった」の言葉に驚き、ブハラと木の影に隠れているサトツは「美味しい」の言葉に驚いた

 

「あーやっぱり。崩れたらいけないと思うとどうしても力が入りますよね」

「そうね!あ、玉子焼き余ってたら後でちょうだい」

「はい」

 

こうしてまた辛口で審査をするメンチ。しばらくして…

 

 

「ふ―――っ……ワリ!おなかいっぱいになっちった!」

 

70人が出したスシのおかげで満腹になってしまったメンチ。そのおかげでひと悶着が発生。どうするかと思った時だった。

 

「それにしても、合格者ゼロはちとキビしすぎやせんか?」

 

老人の声が聞こえた。すると受験者の1人があることに気づいた。

「あれは!ハンター協会のマーク!審査委員会か!!」

 

審査委員会の飛行船から老人が一人、ドォン!と派手な音を立てて着地した。一同は目を真ん丸にする。メンチは緊張気味に教える。

 

「審査委員会のネテロ会長。ハンター試験の最高責任者よ。」

 

まさかのお偉いさんだった。ネテロのおかげで理不尽な審査は無効となり、もう一回することになった。そして今度のお題は…

 

「じゃ、ゆで卵」

 

メチャクチャ簡単。ゆで卵だった。メンチはネテロに頼み、受験者(とカオルの玉子焼き)と共に飛行船である場所へ向かう。

 

***

 

山の上でメンチが指さすのは断崖絶壁。下はメンチ曰く「流れが早いから落ちたら数10km先の海までノンストップ」の深い河だ。靴を脱いだメンチがそれじゃお先に、と軽く地面を蹴ると、真っ逆さまに落ちてゆく。クモワシという鳥の卵を取りに行くためだ。しばらくしてメンチが戻ってきた。それを聞いたカオルたち5人は余裕で飛び込む。メンチとひと悶着を起した受験者は驚いていた。

 

 

ぐつぐつ

 

しばらくしてゴン達、なんとか取りに行けた受験者達のゆで卵が完成した。

 

 

「こっちが市販の卵で、こっちがクモワシの卵。さぁ食べ比べてみて」

 

『う、うまいっっ!!』

「わあ!すごい!美味しい!」

 

崖から飛び降りる価値があるほど美味しかった。ひと悶着を起し、断崖絶壁に怖気ついてしまった受験者はというと取りに行けなかった。するとゴンは卵を分けた。ゴンに分けて貰った卵を食べ、彼はその味に驚く。自分の行動に反省したのか「……今年は完敗だ。来年また来るぜ」と言った。

 

こうして二次試験は終了した。

 

 

 

 

 



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ヒコウセン×ノ×ヒマツブシ

ハンター協会の飛行船内。次の目的地までは丸々12時間あるという。それまでは各自自由行動だ。

 

「ゴン!カオル!飛行船の中探検しようぜ!」

「うん!」

「行く!」

 

3人は飛行船内の探検を始めた。(レオリオとクラピカは流石に疲れて寝ることにした)

 

「うわすげ―――――」

「キラキラだ――――」

「宝石みたいだね―――」

 

美しい夜景に興奮する3人。するとゴンが「キルアとカオルの父さんと母さんは?」と聞いてきた。その問いにキルアとカオルは答える。

 

「生きてるよー多分」

「知らない。」

「「…………え?」」

 

カオルの言葉にゴンとキルアは固まった。

 

「捨て子だったの。拾ってくれたのが後の師匠。」

 

かなり重たい話だ。ゴンは話しをそらすために「何をしている人なの?」と聞く。

 

 

「殺人鬼」

 

今度はキルアが重たい話をした。

 

「「両方とも?」」

 

ゴンとカオルは真顔で聞いてしまった(その際キルアは大笑いだ)。キルアの家は暗殺一家でさらにはキルアは期待されている。人にレールを敷かれた人生が嫌ゆえに大喧嘩して家出したそうだ。

 

「ハンターの資格とったらまずうちの家族とっ捕まえるんだ、きっといい値段で売れると思うんだよね―」

「輝いてるねー」

「う、うん」

 

カオルの言う通りキルアの表情が輝いていた。自分の家族が物凄く嫌というのがよく分かる。

 

「カオルの師匠ってどんな人?」

「んー。色々やってる。竹や木で物作って売ったり、村人の依頼で暴れ猪退治をやったり(牡丹鍋になった)、師匠の実力を聞きつけた挑戦者を倒したり。この笛も師匠が作ってくれたんだよ!寂しくなったら此れを吹いて心を落ち着かせなさいって」

 

そう言ってカオルは懐から短めの竹笛を出す。

 

「師匠の事大好きなんだね!」

「うん!すごく好き!」

 

笑顔で答えるカオル。するとだ

 

ぞわ

 

「「「!」」」

 

3人は寒気がした方向を見たが誰もいない。その代わりに反対からネテロが現れる。

 

(か、会長さん)

 

カオルはすぐに分かった。先ほどの寒気は会長の悪戯だった。

 

「どうかな?ハンター試験初挑戦の感想は?」

 

その問いにゴンとカオルは答える。

 

「うん楽しいよ!想像と違って頭使うペーパーテストみたいなのないし。」

「初めてだらけだから面白いです」

 

しかしキルアは拍子抜けだったのかつまんなそう。「次のテストはもっと楽しませてくれるんだろ?」と聞く。

 

「さぁ、どうかの──?」

 

これは答えてくれなさそうだ。呆れたのかキルアはゴンとカオルを連れて去ろうとする。しかしネテロは待ったをかけた。

 

「まぁ待ちんさい。おぬしらワシとゲームをせんかね?」

 

突然のゲームの提案だった。ネテロは3人を広い部屋に案内する。ルールは簡単。目的地に着くまでにボールをネテロから奪う。ただそれだけだ。

 

「じゃ、俺から行くよ」

「御自由に」

 

するとキルアが増えていく。その様子にゴンは驚く。

 

「ゴン。キルアの家暗殺一家って言っていたでしょ?多分特殊な技術を叩きこまれたんだと思う」

「ああ」

 

その説明に納得した。しかしネテロは奪う事を許さない。キルアは直接奪う方法から目的を切り替えた。片足立ちするネテロの左足に向かって蹴りを入れようとする。

 

「キルア待った!!!―」

 

叫ぶカオル。しかしキルアの蹴りの方が速かった。

 

「いって~~~~~~」

 

キルアは思わず大声を上げる。メチャクチャ堅かったのだ。とりあえず今度はゴンがやる。ものすごい速さで迫るゴン。ただし

 

「ってぇ~~~」

 

フェイントかけようとしたみたいだがジャンプがすごすぎで頭をぶつけていた。

 

「うわ……痛い」

 

カオルは思わず頭を押さえてしまう。キルアは呆れていた。でもネテロは将来が楽しみといわんばかりニヤリと笑う。

 

(朝まで退屈せんで済みそうじゃ)

 

その後もゴンは挑戦するがやっぱり届かない

 

「あー!届かなかった!!」

「ゴン!選手交代!」

「うん」

 

パァン

 

「今度はお嬢さんか」

 

ゴオオオ

 

「? なんだ?」

「燃える音?」

 

キルアとゴンの耳に届く音。なんだか燃える音に聞こえる。

 

(……これはまさか)

 

バっ

 

カオルは一気に間合いを詰め、大きな半円を描くように腕を振るう

 

(おっと)

 

ネテロは避ける。すると

 

『炎舞』

 

「連撃!?」

 

キルアの言う通り、連撃だった。

 

「惜しい!掠めた!!」

 

「「えぇ!?」」

 

ボールを掠めたことにゴンとキルアは驚く。

 

「(間違いない。あの動きは間違いなく……)お嬢さん、タンジュロウは元気かの?」

「え?会長さん師匠の事知っているんですか?」

 

ネテロが師匠の名前を言ったことにカオルは驚いた。

 

「まあの」

「師匠は元気ですよ。頭突きで暴れ猪を退治しました」

「「頭突き!?」」

 

暴れ猪を頭突きで退治。その言葉に驚くゴンとキルア。ちなみにネテロはというと……

 

(相変わらずの石頭か)

 

みょうに納得していた。その後も3人はネテロに挑戦するがネテロの圧勝だったのは言うまでもない。

 



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トリックタワー×ノ×シレン

次の日

 

《皆様大変お待たせいたしました。目的地に到着です》

 

目的地に到着した。飛行船が降りたのは、どこかの塔の上。

 

「わー高いなー」

 

カオルの言う通り、高かった。

 

「ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです。ここが三次試験のスタート地点になります。」

 

ビーンズが試験官からの伝言を伝える。

 

「試験官の伝言です。生きて下まで降りてくること…制限時間は72時間。」

 

そう言って彼は飛行船に乗り《それではスタート!頑張って下さいね》と伝えて去っていった。残された受験者は塔を観察する。塔の側面は窓一つない壁。ここを降りるなんて自殺行為だ。しかしある男が前に出る。

 

「これ位のとっかかりがあれば、一流のロッククライマーなら難なくクリア出来るぜ」

 

楽々に降りていく男。ただし…

 

「あ」

「なんだありゃ!」

 

合格第一号は自分だと余裕の男に、怪鳥が食らいついたのだ。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

こうして男は合格第一号ではなく犠牲第一号となってしまった。しばらくして…

 

「カオル!」

「ゴン?」

 

ゴンが話しかけてきた。ゴンは小声で説明しはじめた。

 

「隠し扉があった」

「ホント!?」

 

ゴンはカオルを連れてキルアの下へ行く。

 

「ほらここだ」

 

キルアが床を押すと確かにわずかに動いた。

 

「確かにあるね。でも一回限りか」

「でも降りれるのはわかったよね」

「3人で探そうぜ」

 

3人はさっそく探しに行く。そうしている間にも一人、また一人と隠し扉を見つけた。半数近くが居なくなった時だ。

 

ガコ

 

「あ、見つけた」

 

カオルがまだ使ってない隠し扉を見つけた。少し離れたところでゴンが「こっちも見つけた!」と教える。キルアも「こっちもあったぜ」と教えた。

 

 

「全部で6個かあ」

「しかも5個は密集しているし」

「とりあえず二人に教えたら?」

 

キルアの提案にゴンは「そうだね」と頷き、レオリオとクラピカに隠し扉が6個も見つかったことを教えた。

 

 

「1、2の3で行こうぜ、ここで一旦お別れだ」

 

レオリオが皆に確認する。1回につき1人がくぐるので精一杯だから。カオルは自分が見つけた扉。4人は5個の内の一つの傍による。

 

「1」「2の」「「「3!!!」」」

 

ガコン

 

5人が扉へ入った。

 

***

 

「あれ何?」

 

壁にあったのは扉。その隣には腕時計があった。

 

『障害の道』

 

「障害の道?」

 

壁にある文字に疑問符を浮かべるカオル。するとだ。

 

《その通り!》

 

アナウンスが入る。この声の主がおそらく試験官だ。

 

《階ごとに色んな障害物がある。ステージに到着したら説明文があるので読むように》

 

「分かりました」

 

カオルは残り時間を教える腕時計をつける。

 

《それでは第三試験・トリックタワー開始!健闘を祈る!》

 

すると扉が開いた。カオルは扉の向こうへ行く。

 

「うわーこれはすごい」

 

その部屋には深い川が流れていた。川の向こうには扉がある。

 

「えーとまず川。助走をつけて、ジャンプし進むように。」

 

カオルはこの階の説明文を読む。まずは深い川をジャンプして通るだ。

 

「水」

 

簡単なステージのはずなのだがカオルは何を思ったのか風呂敷包みに入れていた非常食を投げてみる。すると

 

ザパァ

 

「!!?」

 

ハンターが教えてくれた巨大ピラニアが現れた。助走およびジャンプが足りなかったら確実に喰われる。これは秘境をイメージしたステージのようだ。それを理解したカオルは鉄刀を用意する。

 

ゴオオオオ

 

 

川に向かって走るカオル。強く踏み込みジャンプした瞬間、巨大ピラニアが現れた。

 

『火車』

 

飛び上がり、円を描くようにして素早い攻撃で巨大ピラニアを倒したカオルは扉へ向かった。川には巨大ピラニアが哀れに浮かんでいた。

 

***

 

階段を下りるカオル。次の部屋は5個のハンマーが揺れていた。

 

「5連ハンマー。5つのハンマーをかわしつつ進む。」

 

カオルは説明文を確認した後5個のハンマーを見る。揺れる動きを観察するカオル。

 

「今!」

 

カオルは走った。

 

1個目、2個目は上手く避ける。しかし3個目に入る途中、

 

カチ

 

「!」

 

足元が無くなった。落とし穴だ。しかし

 

ガシガシ

ガシガシ

 

 

 

「ふーあぶなかった」

 

カオルは両手を伸ばしたおかげで落ちなかった。

 

(ハンマーは…)

 

カオルは周りを確認する。3個目のハンマーは時々、頭上を通り抜けていた。

 

(よーし)

 

頭上を通り抜けた瞬間、カオルは走った。4個目、5個目も通り過ぎる。こうしてカオルは苦労しつつも『障害の道』を進んでいった。

 

 

(時間も残り3時間。残りの試練は1,2個ぐらいかな?)

 

すると次の部屋の入口が見えてきた。入るとそこは何もなし。でも確実に何かが起こる。

 

「なんだ今年は小娘かよ」

 

現れたのはガラの悪い大男だ。

 

「今度はあんたが相手?」

「俺は審査委員会に雇われた『試練官』である!!ここでお嬢ちゃんは俺と戦わなければならない!!」

 

 

試練官というが超長期刑囚である。かなりの狂悪で前科100以上もあるほどなのだ。でもカオルは気にしていない。むしろ「わかりました」と落ち着いている。

 

「よーしじゃあ始めるか」

 

カオルは鉄刀。男は刃物を出す。

 

 

「オラアアアアアア!!」

 

斬りかかる男。しかしだ

 

『陽華突』

バキィ!!

 

「が…!」

 

ドサ…

 

カオルの一点集中の突きを顎に喰らい倒れた。カオルは気絶した男の顎に触れる。

 

「……うん。折れてない。良かったねーご飯が重湯にならなくって」

 

そう言ってカオルは次の部屋へ進んだ。

 

「うん?扉が…」

 

扉があったのだが今までの扉の構造と違う。カオルは扉の前に立つ。するとゴゴゴゴゴゴ…と扉が開いた。そこにいたのはトリックタワーから降りてこれた者達。ただし……

 

(ゴンたちいない)

 

ゴンたち4人が居なかったのだ。おそらく手こずっているのだろう。カオルは必ず時間内に来てくれると信じ、待つ。しかしだ。

 

(………視線がいや)

 

ヒソカからの視線が嫌だった。あまりにもイヤの為「うー…う―…」となる。確実にストレスが溜まるだろう。周りも流石に心配するが原因であるヒソカを注意出来ない。彼自身が怖いからだ。

 

「だ、大丈夫か?」

「……スシを暴露した人」

「言うな!!!」

 

カオルの言う通り、スシを暴露し、挙句の果てに怒鳴られたハンゾーだった。

 

「俺はハンゾー。お前もジャポン出身だろ?」

「私はカオル。ハンゾーさんも?」

 

「ああそうだ。お前機嫌悪そうだな。気分転換できそうなことやらねぇか?」

 

様子からして不機嫌になっていく同郷のカオルを心配して話しかけてきたようだ。

 

「気分転換……そうだこれ」

「笛か!いいなそれ!吹いてくれよ!」

 

カオルが出したのは師匠が作ってくれた笛。

 

ピヒョロロロ―ピヒョロ―――♪

 

 

器用に吹くカオル。師匠が作ってくれた笛の音色のお陰で機嫌が直って来たようだ。

 

後1分の時だった。

 

「ケツいてー」

「短くて簡単な道がスベリ台になってるとは思わなかった」

「キルア!ゴン!」

 

キルアとゴンが降りてきたのだ。更には同じ扉からレオリオ、クラピカ、ついでになぜかトンパも現れる。

 

《タイムアップ―――!!》

 

こうして5人は三次試験も合格できた。

 

 

 

 




試練はSASUKE、笛は篠笛をイメージしてください


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シマ×デ×サバイバル

三次試験官リッポーは四次試験について説明する。四次試験は島でのサバイバルだ。

 

「この中には、25枚のナンバーカード、すなわち今残っている諸君らの受験番号が入っている。今から1枚ずつ引いてもらう。」

 

その受験番号が引いた受験生のターゲット。

 

「それぞれのカードに示された番号の受験生が、それぞれのターゲットだ。奪うのはターゲットのナンバープレート。」

ターゲット、そして自分自身のナンバープレートは3点分。それ以外のターゲットは1点にしかならない。ちなみにリッポー曰く「最終試験に進むために必要な点数は、6点」。受験生はいそいそと番号札を取り、服の中に隠す。滞在時間は1週間だ。

 

《それでは第三次試験の通過時間の早い人から順に下船していただきます!1人が上陸してから2分後に次の人がスタートする方式をとります!!滞在時間の1週間で6点分のプレートを集めて、またこの場所に戻ってきてください!》

 

島に到着した受験生たちは1人ずつ島へ入っていった。

 

(私は201番)

 

カオルのターゲットは201番の男だ。

 

 

(にしても狙ってる)

 

カオルを尾行している者がいる。おそらくカオルがターゲットなのだろう。カオルはすぐさま隠れ、尾行する者を確認する。

 

「あ!?あれあの子どこ行った!?」

(ハンター協会の人だった)

 

どうやら受験生の様子を見るために尾行しているようだった。その理由がわかったカオルは姿を現した。

 

(ん?今度こそ発見)

 

ターゲットではないが受験生を見つけた。すかさず走った。

 

「ええ!?」

 

ゴン!

 

「よし!まず1点!」

 

こうしてカオルはまず1点手に入れた。

 

 

2日目

 

「よーし俺のターゲットだ」

「悪いな嬢ちゃん。仲間のターゲットなんだよ」

「運が悪かったと思いな」

 

カオルの前に3人の男たちが現れた。しかしカオル自身はそんなことは全然気にしていない。それはなぜかというと

 

(201番!)

 

1人がカオルのターゲットだったのだ。

 

「「「喰らえ!!」」」

 

襲い掛かる男達。ただし…

 

『灼骨炎陽』

 

「「「ぐは!!!」」」

 

前方の広範囲に渡って、大きな渦を描くような技・灼骨炎陽によって倒された。3人を同時に倒したカオルは201番の番号札を手に入れる。

 

「運が悪かったって思ってね」

 

そう言って去っていった。

 

(((こえ—―…)))

 

3兄弟で参加している男達はその様子にドン引きしていた。そして彼らはこう思った。「あの子に攻撃を仕掛けても絶対に負ける」と…

 

そんなこんなで1週間はあっという間に過ぎていくサバイバル。すると

 

ボ―――――――――――…

 

船の汽笛が聞こえた。

 

《只今をもちまして第4次試験は終了となります。受験生のみなさん、すみやかにスタート地点へお戻りください》

 

それを聞いたカオルはすぐさまスタート地点へ向かう。

 

 

「カオル!」

「ゴン!キルア!レオリオ!クラピカ!」

 

当然4人もいた。四次試験を合格した5人は他の受験生と共にまた飛行船に乗るのだった。



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ネテロ×ノ×メンダン

《えー、これより会長が面談を行います。番号を呼ばれた方は、2階の第1応接室までお越しください。》

 

まずはヒソカが呼ばれた。次の試験会場に着くのかと思いきやネテロと面談することになったのだ。

 

「面談なに話すんだろ」

「やっぱあれだろ試験会場に行く前のやつ」

 

レオリオの言葉にカオルは納得する。実は試験会場に辿り着く途中にも様々な罠が仕掛けられている。実際、ゴン・レオリオ・クラピカもその罠にかかりそうになったのだ。

 

「あー。あれか。私は大丈夫だったんだけど他の人達が落ちたんだよね。『素直に答えなかったからだ』って怒鳴られていた」

 

「まさかあれが試験会場に行くためのテストだとはなー。この面談もそれじゃなければいいが…」

 

やっぱり不安である。

 

しばらくして…

 

《402番・カオルさん。第1応接室までお越しください。》

「あ、私行くね」

「おう!頑張れよ」

 

カオルが呼ばれた。カオルはネテロがいる第1応接室へ向かう。

 

「失礼します」

「おお、いらっしゃい」

 

ジャポンをイメージした和室だった。懐かしい和室にカオルは安心する。

 

「参考までに幾つか質問をするだけじゃから気軽にな」

「はい」

「では君はなぜハンターになりたいのかね」

 

その問いにカオルは答えた。

 

「御存じのように師匠はとても強いお方です。幼いころの私は師匠が世界一強いと思っていました」

「ふむふむ」

 

確かに幼子からすればそう思ってしまうだろう。

 

「でも師匠は否定し『世界にはわしより強い者がたくさんいる。もし興味を持ったのならいつかジャポンを出てみなさい』と言いました。さらに時々ジャポンに来るハンターの皆さんの話を聞いてハンターになろうと決めたんです」

 

「なるほど」

 

ネテロはメモを書く。

 

「それでは次の問いに行こう。9人の中で注目しているのは?」

 

「良い意味で99番と405番。悪い意味では44番です」

「ほう。意味の理由は?」

 

ネテロの問いにカオルは答える。

 

「99番と405番は飛行船のゲームで見たように伸び代があって将来が楽しみです。44番は実力は上位に入るんですけど強者を倒したい気配が出ているので嫌ですね」

「ふむふむ」

 

ネテロも納得な理由だ。

 

「それじゃあ最後の質問。9人の中で戦いたくないのは?」

「99、403、404、405です。すっかり仲良くなったので。もし戦うことになったら一発で気絶させて軽傷で済ませたいです」

「ふむ。よし、面談は終了じゃ」

「わかりました」

 

こうしてカオルの面談が終わり、彼女は「失礼しました」と退室した。全員の面談が終わり、暫くした時だった。

 

《みなさま、長らくお待たせいたしました。間もなく最終試験会場に到着します》

 

到着を知らせる放送が流れる。最終試験、一体どんなものか

 

 



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サイゴ×ノ×シケン

「さて諸君、ゆっくり休めたかな? ここは委員会が経営するホテルじゃが、決勝が終了するまで君達の貸し切りとなっておる。最終試験は一対一のトーナメント形式で行う」

 

 そしてネテロは「こうじゃ!!」とトーナメント表を見せた。

 

(ヒ、ヒソカ)

 

『「逆トーナメント」に沿って行い、負けた人間が次の試合に進む。 最後まで負け残った1名だけを不合格者とし、残りの受験者を全員合格とする』という内容にも驚いたがカオルの相手がヒソカだったことに驚いた。

 

「カオル大丈夫なの?」

「殺しは失格だから殺されはしないが……」

「すぐに参ったといえば大丈夫か?」

「重傷を負う前に言った方が良いぞ」

 

 実際戦ったゴン、レオリオ、クラピカとヒソカの狂気を感じ取っているキルアは心配する。

 

「うーん。レオリオの言う通り殺されはしないから多分大丈夫」

 

 再起不能にならないならまいったは言わない様に決めたカオルだ。

 

「第一試合! ハンゾー対ゴン!!」

 

 カオルたちや受験者達はゴンの試合を見守る。しかし実力差があるためゴンはボコボコだ。ここまで生き残った受験生たちは身体的にも強いが同じくらい精神的にも強い。そう簡単に「まいった」は言えないのだ。最終的にはレオリオが「オレが代わりに相手してやるぜ」と言うがゴンは拒否する。

 

「カオル~お前も説得してくれよ~。あんな血も涙もない奴にボコボコされているんだぞ」

 

「え? ハンゾーさん。かなり血も涙もあるよ?」

「「「え?」」」

 

 カオルの言葉にレオリオ達は固まる。

 

「ハンゾーさんは攻撃をする前に話しかけているでしょ? 忍者を知っているジャポン人から見れば「怪我させたくないから早く降参してくれ」って言っているようなものなの」

 

 その言葉にハンゾーはというと

 

「(やっぱバレてた)腕を折る」

 

 ゴンの腕を腕を掴むハンゾー。ハンゾーは緊張気味な表情で言う。様子からしてカオルの言う通りだ。それでもゴンは

 

「…………い いやだ」

 

 拒否だ。

 

ボキッ

 

 

 当然折られた。ハンゾーは「次は脚を切り落とす」と脅しと言う名の説得をする。

 

「だが、その前に最後の頼みだ。まいったと言ってくれ」

 

 しかしゴンは当然拒否。

 

「……それは困る!! 脚を切られちゃうのはいやだ! でも降参するのもいやだ! だからもっと別のやり方で戦おう!」

「なっ、てめ──!! 自分の立場わかってんのか!!」

 

 説得が通じなかった。ゴンらしい。もはや二人は口喧嘩の状態だ。

 

「ね? かなりあるでしょ?」

「た、確かに」

 

 カオルの言葉の通り、かなり血も涙もあった。

 

(実力はかなりあるのに性格があれ。階級は中忍止まりだな)

 

 カオルがそう思っていたらゴンは父親に会いに行くことを教えた。

 

 

「もしオレがここであきらめたら、一生会えない気がする。だから退かない」

 

 嘘偽りのないゴンの言葉。精神的に負けたと思ったのかハンゾーが参ったと言ってくれた。こうしてゴンはボコボコにされるは骨を折られるはだったがハンゾーに勝てた。(ただしハンゾーのまいったに文句を言ったため、ハンゾーに気絶させられた)

 

 

 

「第二試合! ヒソカ対カオル!!」

 

 カオルとヒソカが前に出る。キルア達は当然、周りの受験生たちも不安そうに見守る。相手は性格が悪いから当然だ。

 

「始め!」

 

 審判の合図が出た瞬間、ヒソカはトランプを投げる。今度は量が少し多めだ。でもカオルは落ち着いている

 

 

『灼骨炎陽』

 

 ガガガガガガガガガガ! 

 

『!?』

 

 その技にキルア達は驚き、ヒソカは(ぞくぞく~)と興奮している。

 

(今!!)

 

 カオルは走った。

 

『円舞』

 

 

 上から下へ円を描くような攻撃を仕掛けるカオル。ヒソカがギリギリ避けた。

 

「ま、間違いねぇ!! あれは鬼滅日ノ神流だ!!」

「きめつひのかみりゅう?」

「何だそりゃ?」

「流派か?」

 

 驚いたハンゾー。キルア達は疑問符を浮かべる。

 

「大昔の剣士が鬼たちを退治するために作った剣術だよ!! 技がさっきみたいに日輪に見えるのが特徴!!!」

 

 その説明を聞いたヒソカはまたぞくぞくする。

 

(さっきは避けられた。なら……)

 

『飛輪陽炎』

 

 飛輪陽炎は避けたはずの攻撃が伸びたように見える技。これだったらヒソカも喰らうだろう。と思いきや

 

「まいった❤」

「え!」

 

 ヒソカがあっさりまいったと言ったのだ。カオルは思わず止まる。

 

 

 

「熟すまで、もう少し我慢しないとね◆」

「?」

 

 少しして……

 

「第三試合 ヒソカ対クラピカ!!」

 

 ヒソカとクラピカが対峙することになった。

 

「クラピカ大丈夫なのか?」

「うーん。わからない」

 

 不安げに見守るレオリオとカオル。そうしている内に審判が合図した。一通り戦うクラピカとヒソカ。どちらが勝つのかと思いきや……

 

「まいった♠」

 

 クラピカになにかをささやいた後まいったと言ったのだ。

 

「な、何言ったんだあいつ」

「うーん。クラピカの様子を見る限り聞かないほうがいいと思う」

 

 カオルの言う通り、聞かないほうがいいだろう。

 

 

 

「第四試合 ハンゾー対ポックル!」

 

 ポックルは弓使い。接近戦は苦手そうだ。

 

「始め!」

 

 その瞬間、ポックルは矢を放とうと構える。しかし

 

 ダン

 

「わあ!」

 

 やっぱりハンゾーにねじ伏せられた。

 

「くぅ」

 

 ポックルはなんとか拘束を外そうとする。

 

「悪いがあんたにゃ遠慮はしねーぜ」

 

 ハンゾーの言葉に青ざめたポックルは「…………まいった」と言った。

 

「これは仕方がないね」

「ああ。仕方がない」

 

 ゴンをボコボコにした相手に「遠慮しない」と言われたら言うしかない。哀れ

 

 

 

 

「第五試合 ヒソカ対ボドロ!!」

 

 今度はヒソカとボドロ。ボドロは武道家だ。

 

「始め!」

 

「はあ!!」

 

 ボドロが走る。ただし……

 

 ドドドドドドドド

 

「がは!!」

 

 ヒソカの一方的な攻撃に倒れた。

 

「うお……容赦ねェ」

「私って手加減されてたんだ」

 

「ああ」

 

 そう言っているとヒソカは倒れているボドロに耳打ちをする。それを聞いたボドロは「まいった」と言った。

 

「ほんと何言ったんだあいつ」

「弱みでも握っているのかな」

 

 ヒソカの行動にキルアとカオルは疑問符を浮かべた。

 

「第六試合 キルア対ポックル!」

「じゃ、行ってくる」

 

 そう言ってキルアは向かった。向かったのだが……

「始め!」

 

「まいった」

「へ?」

『え?』

 

 キルアの言葉に固まる。

 

「悪いけどあんたとは戦う気がしないんでね」

 

『ええ!?』

 

「そ……そんな」

 

 ハンゾーの時は本当の仕方がない。相手が強すぎる。なのに今回は不戦勝(小馬鹿にされた)なのでポックルはショックを受けた。

 

 

「第六試合 レオリオ対ボドロ!!」

「あ! ちょっと待ってくれ!」

「?」

 

 するとレオリオが前に出て待ったをかけた。

 

「俺の対戦相手、ヒソカの攻撃でボロボロだろ? ちゃんとした勝負にならないから延期してもらいたいんだ」

 

 その言葉にネテロは考える。

 

「ふむ……確かにその通りじゃの。わかった。君たちの試合は延期しよう」

「お! ありがとうございます!」

 

 こうしてレオリオ対ボドロは後になった。

 

 

 

「それでは先に第七試合 キルア対ギタラクル!」

「よし! それじゃ勝ってくる」

 

 キルアが前に出た。この試合に大きな誤算がある事を知らずに

 

 

 

 

 

 



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キルア×ノ×アニ

こうしてキルアの試合が開始されたのだが……

 

「あの顔はな…」

「確かにいくら何でも」

「鍼治療じゃないのに」

 

キルアの相手・ギタラクルの顔は針だらけ。とても怖い。そのせいなのか顔色が悪かった。するとギタラクルが「久しぶりだね、キル」とキルアに親し気に話しかけたのだ。

 

「え?知り合い?」

「しかし本人は分かっていないぞ」

 

クラピカの言う通り、キルア本人も分からなそうだ。

 

 

「あ、見ろ!」

 

レオリオが声を上げる。ギタラクルが耳の針を抜くとボンビキビキと鳴らしながら顔が変わっていくのだ。

 

「うわ…怖すぎる」

 

カオルの言う通り、怖い光景だ。

 

しばらくするとギタラクルの顔が止まった。黒髪・黒目、無表情の青年になったのだ。

 

「へ、変装」

「針でやるなんて!」

 

針で変装なんてありえない。しかも彼の正体が驚いた。

 

「兄…貴!!」

「「「え!?」」」

 

彼の本名はイルミ。キルアの実の兄なのだ。全然似ていない兄がいたことにカオル達は驚いた。イルミはカオル達を無視して「母さんと次男(ミルキ)を刺したんだって?」とキルアに聞く。

 

「あ?どいう事だ?」

「キルアの実家、暗殺一家なの知ってる?」

 

疑問符を浮かべるレオリオにカオルが確認する。「キルアが父親の事を言った」とクラピカが答えた。

 

「キルアはレールを引かれる人生が嫌になって家出したんだけど、その時お兄さんの言う通りお母さんたち刺したって」

 

イルミも「母さん泣いてたよ」とキルアに教える。確かに我が子に刺されたなら母は泣くだろう。レオリオも同意する。

 

 

「そりゃそうだろうな、息子にそんなひでー目にあわされちゃ」

「感激してた。“あのコが立派に成長してくれててうれしい”ってさ」

 

 

イルミの説明にレオリオはズッコケる。カオルはズッコケたレオリオを起こしながら説明した。

 

「暗殺者の常識と一般人の常識を比べちゃ駄目だよ」

「た、確かに」

 

一般人だったら泣くが、暗殺者だったら喜ぶ行動だ。クラピカは納得する。

 

「“でもやっぱりまだ外に出すのは心配だから”って。それとなく様子を見てくるように頼まれたんだけど…奇遇だね。まさかキルがハンターになりたいと思ってたなんてね。実はオレも次の仕事の関係上資格をとりたくてさ」

「別になりたかった訳じゃないよ。ただなんとなく受けてみただけさ」

 

キルアは緊張気味に答える。実力はイルミの方が上のようだ。しかもキルアのことを「熱を持たない闇人形」と例えていた。するとキルアは反抗した。

 

「オレにだって、欲しいものくらいある」

 

キルアははっきりと答えた。「ゴンとカオルと友達になりたい」と。

 

「もう人殺しなんてうんざりだ。普通に、2人と友達になって、普通に遊びたい」

 

そこらへんの男の子と変わりのない望みだった。でも当然、イルミは否定する。そんなキルアにレオリオとカオルはハッキリと言った。

 

「ゴンとカオルと友達になりたいだと?寝ぼけんな!!とっくにお前ら友達(ダチ)同士だろーがよ!!」

「第三試験に行く途中の飛行船でキルア私とゴンを探検に誘ったでしょ!?あれは何なの!?私と他の皆さんは分かるよ!!理由は私とゴンを友達だからだよ!!私とゴンを友達だと分かっているからキルアは探検に誘ったんだよ!!」

 

レオリオとカオルの言う通り、周りから見れば三人はとっくの前に友達になっていたからだ。しかしそれに文句があるのは当然イルミ。ゴンとカオルが友達のつもりなら「ゴンとカオルを殺そう」とあっさり言ったのだ。理由は簡単。殺し屋に友達なんていらないからだ。まずこの場にいるカオルを殺そうした。カオルは鉄刀を構え、クラピカとレオリオも彼女を守るために前に出た。ハンゾーやハンター協会の黒服たちはゴンを守るために扉を塞いでくれた。

 

「(頼りになるな)キルア!私は簡単に殺されないよ。私の師匠は普段は優しいんだけど修行になると容赦ないの。小刀飛んでくるし、落とし穴には包丁が仕込んであるし、受け身の修行は泥だらけになるまで転がされたよ。そう簡単には死なない」

 

しかしキルアはまいったと言ってしまった。「合格してからゴンとカオルを殺す」等、イルミによる精神的な脅しにやられたからだ。

 

 

「お前に友達をつくる資格はない。必要もない。今まで通り親父やオレのいうことを聞いて、ただ仕事をこなしていればそれでいい。ハンター試験も必要な時期が来ればオレが指示する。今は必要ない。」

 

 

「キルア!」

「おいしっかりしろ!!」

「キルア!」

 

カオル達は座り込んでしまったキルアの下へ駆け寄る。

 

「キルアしっかりして!私もゴンも生きているよ!!」

「そうだぜ!ちゃんと生きてる!!」

「だから少しでも反応してくれ!」

 

3人が必死に声をかけるがキルアは抜け殻の様に動かない。

 

 

「うーん精神科に連れて行った方が良いかもな」

 

レオリオとボドロの対戦が終ったら大急ぎで精神科医に見せようと決めた。しかし

 

ザシュ…

 

『え?』

 

レオリオとボドロの対戦が始まった瞬間、キルアがボドロを殺したのだ。いきなりのことに固まる周り。そんな皆を無視し、キルアは去っていき……不合格となった。

 

 

 

 



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ゾルディック家
タメシ×ノ×モン


イルミのせいで実家に帰ってしまったキルア。4人はキルアの実家、ゾルディック家があるパドキア共和国に来ていた。まずは情報収集として地元の人に聞くとだ。

 

「ククルーマウンテン?ゾルディック家の観光かい?山景巡りの定期バスが日に1本ガイド付きで出てるよ」

 

まさか暗殺一家の隠れ家が観光地になっていたのだ。とりあえず助言通りに観光バスに乗ることにした。

 

「えー、皆様、左手をご覧下さいませ。あちらが悪名高いゾルディック家の住むククルーマウンテンです。樹海に囲まれた標高3722mの死火山のどこかに彼らの屋敷があると言われていますが、誰も見た者はいません。」

 

バスガイドの説明を聞きながらククルーマウンテンを見る。バスガイド曰く曾祖父、祖父、祖母、父、母の下に5人兄弟がいるそうだ。さらにククルーマウンテンに近づくバス。そして大きな門の前に止まった。

 

「おお、こりゃすげーな」

「えー、ここが正門です。別名黄泉への扉と呼ばれております。入ったら最後、生きて戻れないとの理由からです」

 

「ん?」

「どうしたカオル」

 

疑問符を浮かべるカオルにクラピカが聞く。

 

「お姐さんが黄泉への門って言ったでしょ?装飾に数字っているのかな」

「ああ。7まであるな」

 

正門には1から7までの数字がある。一体何の意味があるのか。一方、ゴンはいつも通りの様子で「中に入るにはどうしたらいいの?」と聞いていた。当然バスガイドは「中に入れば2度と生きて出られません。」と言い聞かせていた。するとガラの悪い男2人組が現れる。

 

「ウワサだけが一人歩きして伝説となり、実際は全く大したことがねェってのがオチよ」

 

そう言って守衛から鍵を奪い、隣の小さな扉から入っていった。

 

(あの人門番じゃない。弱すぎる)

 

カオルの言う通り守衛は弱すぎる。暗殺一家の門を守る守衛ならとても強いはずなのにだ。するとゴゴゴゴと音を出して扉が開いた。出てきたのは巨大な獣の手。先ほどの男たちの白骨死体だった。

 

「時間外の食事はダンナ様に堅く止められてるのになー。ミケー!!太っても知らないよ―――!!」

「ミケ!?」

 

ジャポンではミケとは猫の名前。まさか巨大化け猫を思い浮かべてしまったカオル。守衛は先程の獣?に向かって言ってる一方、観光バスは大急ぎで逃げる準備をする。

 

「あんたら何してんだ早く乗って!」

「あ、行っていいですよ。オレ達ここに残ります」

「私達、此処に来るために乗ってきただけなので」

 

観光バスが逃げていったあと、守衛・ゼブロは驚いた様子でゴン達に話しかけてきた。

 

「君達なんで逃げないんだい?普通だったらああして逃げるはずなのに」

「キルアの友達です!」

「キルアに会いに来ました!」

 

笑顔で言うゴンとカオル。その言葉に更に驚くゼブロ。とりあえずゼブロは4人を守衛室に案内した。

 

「いやー、嬉しいねェ、わざわざ訪ねてくれるなんて。20年勤めていて友人として来てくれたのはあんた達が初めてだ」

 

キルアはまだ子供。だから同い年の友達ができて、さらにわざわざ来たのがゼブロにとって嬉しいことだった。

 

「しかし、君らを庭内に入れるわけにはいかんです。」

 

キルアに初めて出来た友達を先ほどの番犬・ミケの餌にしたくないのだ。ゼブロは実際は守衛ではない。ミケが食い殺した者達を片付ける掃除夫。そして門は鍵がかかっていない。レオリオが試しに開けようとするが開かない。

 

「単純に力が足りないんですよ」

「アホかー!!全力でやってるってんだよ!!」

「えーそこまで重いの?」

 

カオルの問いにレオリオは「メチャクチャ重い!」と答える。

 

「ふーん」

 

カオルは試しに押してみると確かに重い。

 

「ホントに重い?」

 

ゴンの問いにカオルは「確かに重い」と答える。

 

「あ、でも」

 

「「「「でも?」」」」

 

ゴオオオオオ…

 

「え?これ前にあった…」

「なんだ?」

「燃える音?」

「え?火事でもないのに!?」

 

以前、ゴンとキルアが聞いた燃える音。その音にゴン達は驚く。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 

「う~ん」

 

「「「「え!?」」」」

 

1の門が開き始めたのだ。ゴンたちは開いた口が塞がらない。この門を良く知っているゼブロも驚きだ。

 

「こりゃたまげた!この門さえ開けられないような輩は、ゾルディック家に入る資格なしってことなのに!」

 

そうしている内に扉の向こうが見えてきた。

 

「よし!もう一息!」

 

しかしだ

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

 

「あー!閉じる!閉じる!!」

 

少し力を抜いただけで閉じてきたのだ。こうしてカオルは門の向こうへ行けなかった。

 

「ご覧の通り扉は自動的に閉まるから、開いたらすぐ中に入ることだね。年々これがしんどくなってきてねェ……」

 

ゼブロは「1の扉は片方2トンあります」と言う。この門は1から7までの大きさがある。押す者の力に応じて1から7までの大きい扉が開く仕組みになっており、数が増えるごとに重さが倍になっていく。そしてキルアは3の門を開けたらしい。

 

「3…ってことは12トン!!」

「……16トンだよゴン」

 

ゴンの計算間違いにクラピカが訂正する。

 

「おわかりかね?敷地内に入るだけでこの調子なんだ。住む世界が全く違うんですよ」

 

 

 



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ミケ×ト×トックン

それでもゴンは諦めない。侵入者用の扉から入るというのだ。当然、ゼブロは渡さない。ゴンが食べられるのが嫌だから。なので一か八かとゾルディック家の執事へ電話をかけてみる。ただし…

 

「いや~~~やっぱりしかられちゃったか」

 

無理だったようだ。ゴンが代わりにかけてみても《キルア様に友達などおりません》と切られた。ゾルディック家は暗殺一家。自然と敵が出来る。そんな外敵から主を守るのが執事の務めなのだ。

 

《悪いがお引き取りねがおう》

 

ツ―――ツ―――

 

ゴンが次に起こした行動は。釣り竿を使って潜入だった。カオル達は必死に説得する。

そんな様子を見たゼブロは、ゴンにカギを貸そう、と言う。その代わり私も付いていくというのだ。そしたらゼブロが死んでしまう。

 

「それじゃあゼブロさんが死んじゃいますよ!」

 

カオルが言うがそれでも彼は譲らない。キルアの友達を見殺しにしたら合わせる顔がないのだ。

 

「あなた達が死ねば私も死にます」

 

その言葉に反省したのか

 

「おじさんのこと全然考えてなかったね」

 

やめてくれた。するとゼブロは試しの門を開け、ミケを見せてくれるそうだ。

 

「化け猫が来るかな」

 

カオルの言葉にゴンは「なんで化け猫?」って聞く。

 

「ジャポンではミケは猫の名前なの」

 

二人がそう話していると何か声が聞こえてきた。

 

「「!!」」

 

二人の目の前に現れたのは化け犬と言ってもおかしくない姿の巨大犬。ミケの目に感情はない。あるのは主の命令を遂行するだけ。

 

「ゴン君、カオルちゃん…こいつと闘えるかい?」

「いやだ怖い」

「戦ったら良くて重傷。悪くて死亡だよ」

 

素直に答える二人。ゼブロは(素直な子だな)と思う。とりあえず今夜はゼブロ達使用人の家に泊るゴンたち。彼らの家の物全部重たい特注品、なのでゼブロは「この家で特訓してみませんか?」と提案してくれた。確かにここで特訓していればあの試しの門も開けられるかもしれない。

 

 

「試させるのが不本意でも」

「他に方法がないのなら」

「やるしかねーか」

「特訓がんばろ!!」

 

こうして4人は明日から特訓を開始することになった。

 

 

ー翌朝ー

 

ずし…

 

「お、重い」

 

現在ゴン達は上下50キロの重りをつけている。なので思うように動けない。

 

「最初の内は動けないので掃除をやってもらいましょうか」

「よし!驚くぐらい綺麗にしてやるぜ!」

 

まずは簡単な家事から行く。

 

「う~…」

「やっぱり」

「道具も」

「重い」

 

やっぱり道具も重い。扉も開けるのも精一杯。スリッパも湯吞みも20キロはあるのだ。重たい体を動かし、掃除をする4人。夕方、夕飯直前にやっと終わった。

 

「「「「終わったぁ~」」」」

「お疲れ様。お茶でもどうだい?」

 

そう言ってゼブロは片手で湯吞みを持つ。夕飯が終わり、4人は寝ることになった。

 

「あ~~体が軽いぜ!!」

「うん!さっきの重さが嘘みたい」

「そんな大げさな」

「クラピカも本当はそう思っているんじゃないの?」

 

カオルの問いにクラピカは「……思っている」と小さい声で答えた。

 

「にしてもカオルすごいね!俺たちより動いているし」

「そうだなーなんかコツでもあるんか?」

 

ゴンとレオリオの問いにカオルは答える。

 

「ちょっと聞いてて」

「「「?」」」

 

ゴオオオ

 

「あ!燃える音!」

「これ私の呼吸音だよ」

 

「「「え」」」

 

呼吸なのに燃えるように聞こえる。一体どういうことなのか。

 

「鬼滅日ノ神流は鬼を退治するために作られた剣術。そのためには”全集中の呼吸”を覚えないといけないの」

「ぜんしゅうちゅう?」

「どんな呼吸なんだ?」

 

「分かりやすく言えば身体能力向上するための呼吸。だから私は後もう少しで”試しの門”を開けそうになったの」

「じゃあ俺たちもぜんしゅうちゅうの呼吸できる!?」

「無理」

 

その即答にゴンとレオリオはズッコケた

 

「な、なぜ即答するのだ?」

 

クラピカが代わりに聞いた。

 

「体得するには3年以上は修行しないといけないの。実際私だって罠だらけの山を駆け下りたり、千回も素振りをやったり、師匠に投げ飛ばされて受け身をやったりした」

 

「そっかー。無理か」

「流石に3年はなー」

 

今回では時間が足りないのだ。

 

「更に呼吸の相性があるからね。……あ、あれはできるかも」

「「「あれ?」」」

 

カオルは説明する。

 

「師匠の友達の剣士は巨大な岩を押し進めることが出来るの。お弟子さんもクラピカと同じくらいの体格なのに物凄い大きな岩を押し進んでいた。どうしてそんな風にできるんですかって聞いたらお弟子さんは集中を極限まで高めるために予め決めといた動作をするって」

 

「極限まで?」

「どんな動作なんだよ」

「それは人それぞれだって言ってたよ。なんでも大事な人を思い出したり、恩師から教えてくれた言葉を思い出したりするって。もしかしたらレオリオが一番最初に決められるかもね」

 

実際、ハンター試験でレオリオはやめそうになったけど気合入れなおしてくれた。もしかしたらあれがその動作になるかもしれないからだ。

 

 

「「「なるほど」」」

 

 

カオルの説明が試しの門攻略の手掛かりになるかもしれない。そう思いながらゴン達は寝た。

 

 

 

 

 



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コンド×ハ×シツジ

ゴオオォォ

 

カオルは最近長く「全集中の呼吸」を行っている。そのおかげか重たい物も大分楽に持てるようになった。ゴン、レオリオ、クラピカも極限まで高めるために予め決めといた動作「反復動作」を決めたのか、3人も大分動きが良くなってきた。そのおかげで掃除が綺麗に早く終わるようになった。

 

「大分動きが良くなってきましたね」

 

ゼブロも嬉しそうに言う。

 

「どうだ!頑張ってるぜ!!」

「カオルのお陰だがな」

「うん!カオルありがと!」

「どういたしまして!」

 

そんな4人にゼブロは言う。

 

「今度は掃除に加えてまき割りもしましょうか」

 

外に出る5人。ゼブロはまき割り用の斧を渡す。そして斧は当然

 

ずし…

 

「お、重てぇ」

 

レオリオの言う通り重たかった。

 

「うおぉぉ」

 

ごす

 

レオリオは斧を振り下ろす。ただし斧はまだ太い薪に刺さった。

 

「ち、ちくしょ」

「薪は割ったことないからね」

「お前達斧は垂直振り下ろすんだ」

 

クラピカは上手く薪が割れないレオリオとゴンに説明する。

 

「垂直って縦にするあれ?」

「まあそうだな。カオルを見てみろ」

 

今からやるようだ。

 

「ふ!」

 

ガコン

 

見事割れた。ゴンとレオリオは彼女の動きを観察して薪を割っていく。こうして数日後…

 

 

ギギ…

 

片方200キロある家の扉も余裕で開けれるようになった。その様子を見てゼブロは言う。

 

「大分力がついてきました。そろそろやってみますか?」

「「「「!」」」」

 

試しの門をとうとう自分自身の手で開けることになったのだ。

 

「よし!まずオレから行く!」

「ゴン頑張れ!」

 

門に触れるゴン。そして

 

「う…ぐ…」

 

ギィオオオォォン

「やったぁ!!」

「よっしゃぁ!!」

「ゴン!力を抜くな!」

 

クラピカに言われ、ゴンはすぐに扉の向こうへ行った。

 

「次私が行く」

「頑張ってね」

「俺たちに繋げろよクラピカ!!」

 

クラピカは決めた「反復動作」をする。

 

ギィオオオォォン

「「おおぉ!!」」

 

クラピカも門を開けることが出来た。

 

「じゃあレオリオ私行くね!」

「気合入れろよ!」

「うん!」

 

レオリオの応援を受け、カオルは門に触れる。24時間・起きている時も寝ている時もできるようになった全集中の呼吸を行う。

 

ゴオオォォ

 

「う~~ん」

 

ギィオオオォォン

 

「3かよ!!Σ(・□・;)」

 

キルアと同じ3の門を開けてしまったのだ。

 

「レオリオがんばれー」「早くー」「さっさと来い」

 

試しの門の向こうから聞こえる3人の声。

 

「よ、よし」

 

門に触れるレオリオ。そして

 

ギィオオオォォン

 

レオリオは2の扉を開けた。

 

「わ―――すごいやレオリオ」

「レオリオやった―――」

 

ゴンとカオルは喜ぶ。ちなみにゼブロは驚いていた。たったの2週間で開けたので驚くのは無理もない。

 

こうして試しの門を突破した4人はゼブロの助言に従い道を進む。すると執事服を着た少女が杖を持って現れた。少女・カナリアは言う。

 

「出て行きなさい。あなた達が居る場所は私有地よ……断りなく立ち入ることはまかり通らないの」

 

そんな彼女にゴンは言う。

 

「ちゃんと電話したよ。試しの門から通ってきたし」

 

ゴンの言う通り、確かに試しの門を開けた。

 

「執事室が入ることを許した訳では無いでしょう」

「……確かに」

 

カオルは納得する。確かに執事に拒否された。彼女たち執事にとって試しの門を開けても執事室が許さなければ侵入者なのだ。

 

「この線を1歩でも越えたら実力で排除します」

 

ゴンが試しに通ろうとすると

 

ゴン!!

 

勢いよく杖で殴った。それを見たカオルは「ゴン手伝う?」と聞く。

 

「カオル、クラピカ、レオリオ!手を出しちゃ駄目だよ。俺に任せて」

「うん。わかった」

 

ゴンのお願いにカオルはしっかり答えた。こうしてゴンは再挑戦するがやっぱりカナリアに殴られた。何度進んでも殴られる。

 

「いい加減にしてよ!無駄なのは分かるでしょ?!あなた達も止めてよ!仲間なんで…………!?」

「あなた執事なのに忘れちゃだめでしょ」

「え?」

 

カオルはそんな少女に答えた。

 

「ゴンは言ったでしょ?手を出しちゃ駄目って。私たちは友達のお願いに応えているだけ」

 

「何でかな?友達に会いに来ただけなのに、キルアに会いに来ただけなのに!なんで、こんな事しなきゃならないんだ?!」

 

ゴンは樹海の門の片方の小さな柱を粉々に砕いた。

 

「ねえ……もう、足……入ってるよ。殴らなくていいの?」

 

ゴンの言う通り、線を越えていた。

 

「……君はミケとは違う」

 

「え……」

「どんなに感情を隠そうとしたってちゃんと心がある」

 

するとカオルはある気配を感じた。「カナリアを攻撃する」。そんな気配だ。

 

「お願い…………キルア様を……助けて……。」

 

カナリアがそう言った瞬間、カオルは鉄刀を用意した

 

パン

 

ガキン

 

『え!?』

 

その場に銃声と弾丸が弾かれる音が響いた。カナリアの隣には鉄刀を持ったカオル。彼女の足元にはしゃげた弾丸が転がっていた。

 

「人が話している時になにしてるの?」

 

カオルが話しかける。

 

「全く……使用人が何を言っているのかしら。まるで、私達がキルをいじめているみたいに……ただのクソ見習いの分際で失礼な。」

 

ゴーグルと包帯で顔が見えない女性とジャポンの民族衣装を着た女の子だった。

 

「顔の包帯……キルアのお母さん?」

 

「はい。申し遅れました。私、キルアの母です。この子はカルト」

 

母は自分と子供の紹介をする。

 

あなた達がゴンとカオルね?イルミから話を聞いています。あと、あなた方が邸内に来ていることキルは知っていますよ。」

 

しかし母が伝えてくれた伝言は「今は会えない。」だった。聞くと兄を刺し、家出に反省するために独房に入った事。いつ出てくるかわからないと教えようした時だ。

 

「まぁお義父様ったらなんで邪魔するの!?」と慌て始めた。彼女たちが屋敷に戻ろうとした時、ゴンは「10日くらいこの町にいます」と伝言をお願いした。彼女たちが去った後、レオリオが言う。キルアが「自分から」というのが嘘臭いからだ。

 

「ムリにでもついていかねーか?」

「でもそれはやめた方が良いよ」

「きっと彼女が責任をとらされるような気がするから」

 

確かにこのまま着いて行ったらカナリアが責任を取らさせる。良くて折檻、悪かったら殺されてしまう。するとカナリアが執事室まで案内すると言った。

 

「ゼノ様がお出になられればあるいは」

「ゼノって誰?」

「キルア様のお祖父様よ。あの方はキルア様に理解があるから」

「「「「あー成程」」」」

 

しばらくして執事室と言う名の屋敷に着いた。5人の執事が頭を下げて出迎える。キルアも少ししたら来るそうだ。

 

「「良かったー!」」

「良かったな二人とも!」

「苦労したかいがあったぜ!」

 

4人はやっとキルアに会えることに喜ぶ。執事長・ゴトーがゲームで時間を潰そうと提案した。

コイン1枚上に投げパシッと両手でキャッチする。

 

「コインはどちらの手に?」

 

どっちの手にあるかを当てるゲームだ。4人は素直に「左手」と答える。これは簡単だ。しかしこれはキルアを奪っていく4人を地獄に落とすためのゲーム。だんだんどちらの手の中にあるか分からなくなってきた。ゴンとカオルが頑張って当てていく。

 

「じゃこいつはどうだ」

 

今度は3人の内誰が持っているかだ。そんなゴトーにゴンとカオルは言う。

 

「後ろのこっちの人でしょ?」

「意地悪ですね」

 

ゴンたちの後ろに立っている人を示した。彼の手には間違いなくコインがあった。

 

「すばらしい!!」

 

パチパチパチパチ

 

ゴトーと周りの執事たちは拍手を二人に送る。するとゴーンと呼び鈴がなった。

 

「「キルア!!」」

 

やっとキルアが来てくれた。ちなみにこれはゴトーの悪ふざけである。

 

「ゴン!!カオル!!あとえーとクラピカ!!リオレオ!!」

 

キルアはゴンたちに会えてすごく嬉しそうだ。キルアはさっそく4人に出発しようという。ゴトーに何を言われてもついてくるなと釘を刺すことを忘れずに。

 

 

これからどこへ行こうか考える。ゴンは父・ジンではなくヒソカに会いに行くという。かくかくしかじかで渡された番号札をヒソカに顔面パンチのおまけつきで叩き返すためだ。しかし彼がどこにいるか分からない。しかしクラピカが代わりに教えた。ハンター試験でクラピカに「クモについていいことを教えよう♥」「9月1日ヨークシンシティで待ってる♦」と言ったのだ。。クラピカは本格的にハンターをするために雇い主を探すらしい。

 

「オレも故郷へ戻るぜ」

 

レオリオは故郷へ帰る。ハンター試験に受かった。無料で治療する医者への一歩が踏み出せるのだ。

 

「国立医大に受かればこれでバカ高い授業料は免除されるからな」

 

なのでレオリオはこれからは猛勉強だ。

 

「そうだな……次は」

 

「「「「「9月1日、ヨークシンシティで!!」」」」」

 

こうして5人は9月1日、ヨークシンシティで再会することを約束したのだ。

 



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天空闘技場
ヤバンジン×ノ×セイチ


ゴン、キルア、カオルはレオリオとクラピカと別れた後、天空闘技場に来ていた。ヒソカに勝つために、しばらくの生活費を稼ぐためだ。この天空闘技場は地上251階、高さ991m、世界第4位の高さを誇る建物で幼少の頃、父・シルバに「200階まで行って帰ってこい」と放り出されたキルア曰く「上にいけばいくほどファイトマネーも高くなる。野蛮人の聖地」らしい。

 

「ヒソカクラスの奴と戦うならそれ以上の階の相手と戦わなきゃだめだ。急ぐぜ」

「うん」

「わかった」

 

するとだ

 

《1973番、2055番の方、Eのリングへどうぞ》

 

ゴンと対戦相手が呼ばれた。

 

「あ、オレだ。う~、キンチョーしてきた」

 

今までやったことのないことをするためゴンは緊張気味だ

 

「ゴン、お前試しの門クリアしたんだろ?ならもうさ、ただ思いっきり突飛ばせ!それで十分!」

「試しの門と比べれば絶対に軽いよ!」

「え?本当に?」

 

キルアとカオルに言われ、ゴンは進む。相手はゴンの2倍ほどの大きさのある大男だ。当然、周りはゴンをバカにする。

 

「ここ1階のリングでは入場者のレベルを判断します。制限時間3分以内に自らの力を発揮してください。それでは……始め!!」

 

審判の合図に攻撃を仕掛けた男。でもゴンは避ける。そして…

 

ドン!!

 

 

その一発で男は場外に吹っ飛んだ。当然、周りは驚く。まだ子供なのにブッ飛ばしたから無理もない。そのおかげでゴンは「キミは50階へ。」と審判に言われた。

 

《2055番、1984番の方、Fのリングへどうぞ》

 

今度はカオルが呼ばれた。

 

「私の番だ!キルア行ってくるね!」

「あ、待った!腰の奴置いてけ!」

 

Fリングにいこうとするカオルに待ったを掛けるキルア。それを聞いてカオルは慌ててキルアに預けた。

 

「今度もガキかよ!?」

「お嬢ちゃーん、やめたほうがいいぜー」

「可愛い顔に傷がつくぞー」

 

やっぱりからかう周りと対戦相手。対戦相手はゴンの対戦相手と同じくらいデカい。それでもカオルは気にしていない。

 

「始め!!」

 

合図が出た瞬間、カオルは走った。

 

『陽華突・無刀』

 

ドゴン!!

 

陽華突の動きで掌底を決めるカオル。ゴンと同じく対戦相手をぶっ飛ばした。

 

「なんだよあれ!?」

「嬢ちゃんもブッ飛ばした!?」

 

当然周りは驚いた。

 

「君もすごいな。50階にどうぞ」

「わかりました」

 

そしてキルアは当然圧勝。更に来たことがあるので「180階までいきなさい」と言われたがやめた。ゴンとカオルと行きたいからだ。なのでキルアは2人と同じ50階にしてもらう。周りが驚いていると離れたところから同じくらい驚きの声が上がった。

 

「こっちにももう一人いた――!」

 

そこにいたのは道着を来た小さな男の子。彼も50階だった。

 

 

天空闘技場はただ戦うだけの場所ではない。建物内部にはサービス用の各種施設が完備されている。

高い階級の闘士は1フロア全てを所有することが出来る豪華な部分があるのだ。

 

「100階をクリアすると、専用の個室を用意してもらえるんだ」

「へぇー」

「宿の代わりになりそう」

 

3人が話しているとあの道着の男の子も来た。

 

「押忍!」

 

男の子はしっかりと挨拶する。

 

「自分ズシといいます!御三方は?」

 

「オレキルア」

「私はカオル」

「オレはゴン、よろしく」

 

自己紹介した後4人は歩きながら話す。

 

「さっきの試合拝見しました!いやー、すごいっすね!」

 

ズシは3人の実力を褒める。

 

「ま、お前だって一気にこの階まで来たんだろ?」

「そうそう、一緒じゃん」

「ズシも同じくらいすごいよ。」

 

ズシは「自分なんかまだまだっす!」と謙遜する。闘い方を教えてくれる師範はとても強いようだ。

 

「ちなみに御三方の流派は何すか?自分は心源流拳法っす!」

「私は鬼滅日ノ神流剣術だよ」

「ああ!ジャポンの!!師範代が凄い剣術と言ってるっす!」

「ワア!嬉しい!」

 

ズシとカオルが和やかに話している一方、ゴンとキルアはポカンとしている。

 

「別に……ないよな」

「ええ!?誰の指導もなくあの強さなんすか……ちょっぴり自分ショックっす……」

「あー…あれはね」

 

カオルは悩む。キルアは暗殺一家。ゴンは自然の中で育った野生児みたいな子だから無理もない。そんな話をしていると「ズシ!よくやった」と褒めながら眼鏡の男性が現れた。彼を見てズシは「師範代!」と呼ぶ。ただし彼は寝ぐせ立っている。シャツをズボンに入れていないなど身なりを整えていなかった。

 

「ズシ、そちらは?」

「キルアさん、ゴンさん、カオルさんす」

 

師範代に聞かれ、ズシは3人を紹介する。

 

「はじめまして、ウイングです」

「「「オス!」」」

 

3人は思わずズシの真似をして挨拶した。ウイングは優しい人なのか「くれぐれも相手と自分、相互の体を気遣うようにね」と教えてくれた。

 

 

「いらっしゃいませ、キルア様、ゴン様、カオル様、ズシ様ですね。チケットをお願いします」

受付に言われ4人は審判に渡されたチケットを出す。代わりに今回のファイトマネーを貰ったのだが…

 

「152ジェニー」

「安!」

 

メチャクチャ安かった。経験者であるキルア曰く「1階は勝っても負けてもジュース1本分のギャラ」らしい。キルアはここのファイトマネーについて説明した。

 

・次の階からは負けたらゼロ

・50階なら勝てば5万は貰える。

・100階なら100万ジェニー

・150階を超えるとマネーも1000万ジェニー

 

ちなみにキルアが190階に行った時は2億ジェニーを貰ったそうだ。(ただしお菓子代に消えた)

 

「おい、早くいこーぜ。オレ達前の試合でダメージ無かったから、きっと今日もう一試合組まされるぜ」

「ああ、確かに」

 

こうして2回戦目が組まれた。

 

「オラアアアアアア!!」

 

襲い掛かって来る対戦相手。でもカオルは落ち着いている。

 

『火車』

 

カオルは手刀で火車をやる。首筋を打たれた相手は気絶した。カオル、ゴン、キルアは勝った。しかしキルアの様子がおかしい。対戦相手はズシだったのだが構えを変えた瞬間、イルミと同じ嫌な感じがしたそうだ。其の後ウイングはこういって叱ったらしい。

 

「レンはまだ使うな」

 

レンとはいったいなんだろうか。更にはウイングは言う。

 

「前の目標ははるか先にあるのだろう?この塔の最上階に。」

 

レンと同じく謎である。

 

「“レン”と最上階か……」

 

話を聞いたゴンは呟く。

 

「レンは多分極意だと思うんだけど…」

 

特殊な技術を知っているカオルはそう言うが最上階はやはりわからない。

 

「ゴン…カオル……オレちょっと予定を変えるぜ。最上階を目指す!」

「「うん!」」

 

レンとは一体どういうことなのか。ヒントは最上階。3人は最上階を目指すことを決めた。

 

 

 

 

 



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レン×ノ×ショウタイ

上の階に行けばズシの“レン”とやらが分かるかもしれない。キルアも「もっと上のクラスに行けば同じような奴がいるかもしれないな……」と考える。ただしだ。

 

「それよかズシに聞いた方が早いんじゃない?」

「確かにズシ素直だし。あの子に聞いた方が早いよ」

 

ゴンとカオルの言葉にキルアは固まった後、そうだったなと言う感じに笑う。なので三人はズシの下へ行った。

 

「“レン”はヨンタイギョウの一つっす。ヨンタイギョウとはシンを高めシンを鍛える全ての格闘技に通じる基本っす!テンを知りゼツを覚えレンを経てハツに至る。要するにこれ全てネンの修行っす!!以上っす!!」

 

その説明にキルアは「わかんね――――よ!!!」とツッコむ。

 

「ズシ……何か説明する時は字や絵を使うと良いよ」

「?  オス!」

 

カオルの言葉に疑問符を浮かべつつズシは答えた。

 

「ズシ!あなたいつから人に教えられる程物を修めたのかな?」

 

ウイングが現れた。確かにズシはまだまだ修行中の身。教えられるほどではない。

 

「ゴン君、キルア君、カオルさん、昔の訓辞に“物事とは中途半端に知ることで何も知らないより分からなくなる”とあります」

 

さすが師範代。言葉の重みが違う。その説明にカオルはわかった。

 

「”生兵法は大怪我の元”ですね」

「でもオレは今知りたいんだよね」

 

でもキルアは今知りたい。キルアからすればイルミの強さの秘訣が分かるかもしれないからだ。だから今教えられなくてもいつか突き止められるだろう。

 

「でもオレだって半端に知るよりキチンと理解したい……あんたがちゃんと教えてくれれば、オレも下手に我流で覚えようとはしないよ」

 

その説得に折れたのか「わかりました」と言ってくれた。

 

 

ウイングたちが泊っている宿についた三人。ウイングは三人に説明する。

 

「ネンとは。心を燃やす「燃」のこと。すなわち意志の強さ!四大行とは意志を強くする過程の修行。」

 

・「点」で心を一つに集中し、自己を見つめ目標を定める。

・「舌」でその想いを言葉にする。

・「錬」でその意志を高め

・「発」でそれを行動に移す。

 

「キルア君はズシの“負けない”という錬に気圧されたのです。」

 

ウイングが「点」から実践するとピン、と空気が張り詰めた。

 

「「舌」。これは頭で想っても口にしても結構です。」

 

悪意のない穏やかな顔でウイングはキルアへ言葉を放つ。

 

「君を殺す。」

 

3人を突如襲った殺気。ゴンはゾクと感じ、カオルは刀を構え、対象であるキルアは耐え兼ね跳んだ。

 

「……今のが「錬」です。錬(意志)が強ければ発(行動)に足る。」

ウイングから気が消えるとキルアは床へと降りた。

 

「君達もズシも今は心を鍛え育てる時期です。もし燃について学びたければ、今は点を極めることのみに励みなさい。点を修めれば相手の気概に圧されることもなくなりますよ」

 

説明を聞いた3人は天空闘技場へと夜道を歩く。キルアはウイングの説明が嘘だという事とズシとの試合の事をゴンとカオルに説明した。いくら倒しても起き上がって来るから最後に本気を出してしまったそうだ。

 

「え!?キルアの本気!?ズシ生きているよね!?」

 

キルアの本気は”死”を意味している。なのにズシはカオルの言う通り生きているのだ。

 

 

数日後、3人は200階に到着した。ただし200階は今までとは違う。3人をストーカー(電脳ネットで飛行機のチケットを手配した時、誰が何処へいつ行くのかが簡単に検索できる方法)してきたヒソカが説明した。彼は「このフロアに足を踏み入れるのは、まだ早い」と忠告する。

ヒソカは手のひらを3人に向けるとズゥンと空気が重くなり、金縛りにあったようにその場から動けなくなる。

 

(ウイングさんがやったやつ!ヒソカも体得してる!?)

 

「3人共、無理はやめなさい。」

 

現れたのはウイングだ。3人は200階に行くと知り、心配になって来たようだ。

 

「彼の念に対し、君達はあまりに無防備だ。極寒の地で全裸で凍えながらなぜ辛いのか分かっていないようなもの。これ以上心身に負担をかけると死にかねないよ」

 

ウイングの「本当の念について教えます。だからひとまずここから退散しましょう」の言葉を聞き、3人は渋々降りることになった。

 

***

 

ウイングは花瓶めがけてダーツの矢のように尖らせた花を刺してみせる。

 

「これを肉体にとどめる技術を纏といいます。これによって肉体は頑強となり常人よりはるかに若さを保てます。絶は字のごとくオーラを断つ技術。気配を消したり極度の疲労を癒す時などに効果があります。練は通常以上のオーラを生み出す技術。」

(呼吸と反復動作を組み合わせたらどうなるんだろう)

 

人を強くする全集中の呼吸と反復動作。それを組み合わせるとどうなるか気になるカオルだ。

 

「いろいろともったいつけて脅かしもしましたが、君達ならこの方法で確実に目覚めるでしょう。それだけの素質がある!資格も!君達の錬、見事でした」

 

こうしてウイングによる精孔のこじ開けが始まった。

 

 

***

 

その後、念を覚えた3人はギリギリ200階を登録できた。しかし翌日、ゴンはウイングに「2ヶ月は戦うことを我慢するように」と言われたのに試合に出たその結果、右腕、とう骨、尺骨完全骨折。上腕骨亀裂。肋骨3か所完全骨折、亀裂骨折が12か所の重傷となり、ウイングに当然叱られ

 

「今日から2ヶ月間一切の試合を禁じます!念の修行及び念について調べることも許しません!」

 

と課せられたのだ。

 



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200カイ×ノ×タタカイ

「もうバッチリ!完全に治ったみたいだよ」

(こ、こいつ……全治4ヶ月のケガをたった1ヶ月で完治させやがった!!)

(ハンゾーさんにやられた怪我も早く治ったし、どういう回復力なんだろう)

 

 

全治4か月の重傷を完治させたことに驚くキルアとカオル。

 

 

「キルア君、ゴン君。カオルさん。今日から2人がズシと共に修行をすることになります。」

 

やっと念願の修行が出来る。その修行の課題は精孔を広げて、通常以上のオーラを出す「練」を習得しヒソカがやった絶の応用技、オーラを見えにくくする技「隠」を見破ること。3人は毎日それを修行し最終日ギリギリに登録することになった(途中ズシが誘拐された)。

 

 

6月4日、

 

今日、ゴン、キルア、カオルは試合をする。まず最初にやるのはカオルだ。ゴンに重傷を負わせた200階クラスの闘士の仲間が相手だ。

 

《さァ!やって参りました!ゴン選手の仲間!カオル選手とロイド選手の試合です!!》

 

「カオル頑張れー!!」

「修行思い出せ―――!!」

 

ゴンとキルアは彼女を応援した。

 

《それでは開始!!》

 

すると相手は石板に手を触れ念を流し込む。すると

 

 

ごごごご…

 

(! 石板が浮かび上がった!これが相手の能力!!)

 

 

 

「喰らえ!!」

 

大量の石版を生き物の用に操るロイド。

 

ゴン!

 

ガン!

 

カオルは上手く避ける

 

《襲いかかる石版!!カオル選手どう対応する!!》

 

(武器や物に念を流し込めるなら!)

 

ズズズズズズズズズズ

 

それを見たゴン、キルア。少し離れた場所にいるズシは「凝」をする。

 

「ア!カオルの念が武器に!!」

「ああ。カオルは独楽野郎みたいにやるつもりだな」

 

 

 

ゴオオオオオオ

 

(な、なんだこの音は)

 

知らないため、カオルの呼吸音に怯えるロイド。するとカオルは走った。

 

「させるか!!」

 

ロイドは石版を操る。今度は四方八方から襲い掛かってきた。

 

『日暈の龍 頭舞い』

 

ガガガガガガガガガガ

 

「な!?」

 

バキ

 

「グハァ!!」

 

《凄い!カオル選手!まるで舞うかの如くの動きで襲い掛かる石版をすべて破壊!!ロイド選手をぶっ飛ばしました!ロイド選手の様子はどうでしょう!?審判どうですか!?》

 

審判は確認を取る。気絶しているようだ。

 

「勝者!カオル選手!!」

 

ワアアアアアアア!!

 

「キルア見た!?」

「見た!カオルの念…」

 

「凝」をマスターした者から見たら龍が舞っていたのだ。ズシも「龍が見えたっす」と興奮気味にウイングに言い、テレビでカオルの様子を見ているヒソカはメチャクチャ楽しそうだ。

 

 

ーゴン対ギド戦ー

 

 

 

《さあーー!いよいよ注目のリベンジマッチが始まります!ギドVSゴン!!3.11決戦で病院送りにされたゴン選手!どう戦うか!》

 

「釣り竿持っているけどどうするのかな。私だったら相手の義足を壊すけど」

「俺もそう思う。けどゴンの事だから面白い作戦考えてるぜ」

 

今日のゴンは釣り竿を持っている。キルアの言う通り何か作戦でもあるようだ。

 

「始め!!!」

 

ゴンは開始と同時に猛ダッシュ。しかしギドもそれを予期していたかのように竜巻独楽で応戦した。

 

《ここにただ突っ込んでは前の二の舞!!ゴン選手手が出せないぞ!》

 

さらにギドは本人が回りながら独楽を飛ばす散弾独楽哀歌(ショットガンブルース)で攻撃をしかける。しかし、ゴンは練で完璧に正面から防いで見せた。

 

「上手く防いだね!」

「しかも相手に精神的ダメージを与えてるな」

 

散弾独楽哀歌は自慢の技。それを防がれたギドはショックだろう。

 

 

「今度はオレの番だ」

 

そう言ってゴンは釣り竿を出す。ギドめがけて一直線に釣り竿を振りかぶった。でもギドは回転しているので釣り針は弾かれてしまう。しかしだ。

 

「おりゃあ――――――!!!!」

 

《なんとォ―――!リングの石版ごとギドをひっくり返した―――!!この手があった―――!!》

 

そしてギドは地面に落ちた。すかさずゴンが拳を作り、大きく振りかぶる。

 

「わっ待ってくれ!!まいっ……!!!」

 

慌てて言うがズシを攫った罰。ゴンの鉄拳制裁によって鉄製義足が破壊された。続行は無理だ。

 

「そっちがどんな手段でも使うなら、こっちも同じことだ。もう一度ズシに手を出してみろ。次は全力でその顔ぶっとばす!!」

「勝者!ゴン選手!!」

 

こうしてゴンはリベンジを果たしたのだった。

 

そして次はキルアの番だ。

 

《さあ本日のメインイベント、キルア対リールベルト!!一体どんな戦いをみせてくれるでしょうか!?》

 

開始早々キルアは高くジャンプして背後へと回り込む。しかしだ。

 

「“爆発的推進力(オーラバースト)”!!」

 

リールベルトが座っている車椅子が物凄いスピードで走ったのだ。

 

「カオル!あの車椅子速いね!」

「きっと専用に作られてるんだよ」

 

すると解説が《貯めたオーラを一気に噴出することで得た推進力を利用し、自在に車椅子を操ります!》と説明してくれた。

 

「“双頭の蛇による二重唱(ソングオブディフェンス)”!!」

 

リールベルトは今度は二本の鞭で防御しつつ攻撃を仕掛ける。しかしキルアはあっさりとそれを掴んだ。

 

「あ、やった!」

「あれ?でもあいつ慌てて無いよ?」

 

確かに武器を掴まれたら流石に慌てるのだがカオルの言う通りリールベルトは慌ててないのだ。

 

「両方合わせて100万ボルトの電流をプレゼント!どんな大男でも身動きすら取れず気を失う!!ムチに逆らうバカどもは全てこのサンダースネイクのエジキとな!!?」

 

「「お―――――――……」」

 

説明している最中にキルアが投げ飛ばしたのだ。

 

落ちてくるリールベルト。当然彼は慌てる。思わずキルアにお願いした。100万ボルトの電流が流れたムチを持ったままキルアは彼をキャッチした。

 

「「あー…」」

 

予想通り電流をもろに浴びる。

 

バリバリバリ

 

「ギィエアァェ」

 

「うわ痛そ…」

「見ての通り痛いよ」

 

ちなみに6月10日にリールベルトと戦うゴンは作戦を考えたらしい。

 

6月10日

 

リールベルトはゴンを警戒して鞭を出していた。開始された瞬間“双頭の蛇による二重唱”で決めようとするリールベルト。……ただしゴンはリングの石版をベリッと剥がした。

 

《んでもってぶん投げた――――!!!これはムチでは防ぎきれ――ん!!》

「“爆発的推進力”!!!」

《かろうじて脱出――!!》

すると“爆発的推進力”で上手く脱出できた。危機一髪だ。

 

「お、捕まるぜ」

「逃げ道を一つだけにしたら捕まえやすいね」

 

カオルの言う通り捕まってしまったリールベルト。さらには鞭を奪われる。ゴンはその鞭をぐるりとリールベルトの首に巻き付けた。

 

「あ、電気やるの?」

「あいつのことだからやらねーよ!」

 

「スイッチ…オン!!!」

 

がく

 

 

「なんちって」

 

「リールベルト選手、失神KOとみなし、勝者ゴン選手――――!!!」

 

ゴンらしい勝ちだった。

 

 

 



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インネン×ノ×タタカイ

今日、4人がやる修行は「発」。念能力の集大成(いわゆる特殊能力)だ。ウイングはホワイトボードに六角形を描く。

 

「これが属性の相性を示す表 六性図です」

 

上から時計回りに

 

・肉体や武器の強化する「強化系」

・オーラの性質や形状を変える「変化系」

・オーラを物質化する「具現化系」

・他に類の無い特殊なオーラ「特質系」

・物質や生物を操る「操作系」

・オーラを飛ばす「放出系」

 

 

「カオルさんは鉄刀を強化していたので強化系ですね。更にあの時念が龍の形になっていたので、強化系の隣にある変化系も得意そうです」

 

「「「「お~~~~~~~~!!」」」」

 

そしてどうやって属性を調べるのかというと水と葉を使った「水見式」。グラスに水を入れ葉を乗せる。そして「練」をすると…

 

 

ザーー

 

水が増えたのだ。水の量が変わる。これは強化系の証である。これなら簡単で分かりやすい。4人もやってみると

 

カオルは水が増えたので正真正銘強化系

 

ゴンも水が増えたので彼も強化系

 

キルアは水が少し甘いので、水の味が変わる変化系

 

ズシは葉はユラユラ動いたので物を操る操作系

 

こうして水見式のお陰で属性が分かった4人。後は顕著になるよう鍛錬をすることだ。4人は毎日毎日水見式をする。こうして7月9日

 

 

ブワ

 

「おお!!」

「わあ!」

「すげー――勢いだぜ!!」

 

ゴンがやるとキルアの言う通り凄い勢いで水が溢れた。

 

「よろしい。カオルさん」

「はい!」

 

カオルが「練」をすると…

 

ドボドボドボ

 

「お―――!!!」

「増えてるっす!!!」

「でもやりすぎだよー」

 

ゴンの言う通り、ゴン以上に増やしたのだ。ウイングは「次キルア君」と言う。水の味はと言うと

 

「わあ甘い♬」

「ハチミツみたいだよ」

 

初日は少し甘い程度だったのに今ではハチミツレベルの甘さだ。ウイングはゴン、キルア、カオルに言う。

 

「3人とも今日で卒業です」

「「「!」」」

 

卒業。つまり教えることはもうないということ。

 

「そしてゴン君、カオルさん。裏ハンター試験合格!おめでとう」

 

「「え」」

 

実はプロハンターになるためには念習得という裏ハンター試験があったのだ。こうしてゴンとカオルは正式にプロハンターになった。

 

7月10日

 

今日はゴンとヒソカの因縁の対決である。

 

《ゴン選手VSヒソカ選手!!いよいよ注目の1戦が始まろうとしております!!》

『オオオオオオオオオオォ!』

 

とうとうゴンとヒソカが戦う日が来たのだ。

 

「うわ…うるさい」

「盛り上がってんなー」

 

ゴンは注目の新人。ヒソカは戦績は9勝3敗。勝てばフロアマスターへ挑戦できるためか盛り上がりが半端ない。

 

ぞわ…

 

「………キルア。ヒソカの気配が」

「ああ。禍々しいな」

 

ゴンを殺しそう。それくらい禍々しいオーラなのだ。ウイングも心配そうにゴンを見守る。

 

始まった瞬間、ゴンはヒソカにぶつかっていった。激しいパンチを繰り出すが、ヒソカはそれを見切り、避けてみせる。ゴンもヒソカの攻撃を交わしつつ、攻撃の隙を見計らう。激しい攻防した後、ヒソカの一撃がゴンの脇腹に当たった。

 

「ゴン!」

「げ!隙が出た!」

 

このままではヒソカの猛攻で負けてしまう。しかしゴンは体制を立て直し、ヒソカに蹴りを見舞う。どちらも譲らずの攻撃が続くが、フェイントを入れたヒソカにより、ゴンの顔面に一撃が入った。

 

「楽しんでやがるぜヒソカの野郎」

「やっぱり戦闘技術はヒソカが上だね」

「ああ。でも弱みはある。」

「調子に乗ってる部分?」

 

カオルの問いに「ああ」と頷くキルア。ヒソカは自分が格上だと自覚しているのだ

 

 

「だっ!!」

 

《出たァ――-!!!ゴン選手の石板返しィ―――――!!!》

 

しかもそれだけじゃない。

 

ヒソカの一瞬の隙をつき、砕かれた石つぶての裏側で息をひそめている。

 

「絶上手くなってきたね」

「これなら流石のヒソカもすぐに見つけられない!」

 

 

ヒソカが気づいた瞬間、ゴンの渾身の一撃がヒソカの顔面にぶつかったのだった。

 

「「やった!」」

 

やっとの一撃にキルアとカオルは喜ぶ。

 

《何と――――-!!ゴン選手にクリティカルヒットが出ましたァ――――—!!》

 

するとヒソカはゴンの元へ歩く。ゴンも歩いた。

 

「何するんだあいつら」

 

疑問を浮かべるキルアにカオルは「ほらヒソカを探す理由の」と教える。

 

「このプレートをヒソカに顔面パンチのおまけつきで叩き返すをするため」にゴンはポケットからヒソカの番号札を出す。ヒソカはそれを受け取った。互い満足そうに目を合わせると、再び間を取り臨戦態勢へと戻る。

 

するとヒソカが「キミ強化系だろ?」と聞いた。

 

「え?」

「なんで?」

 

カオルとキルアは驚く。当然、ゴンも「なんでわかるの!?」と驚いていた。

 

「あの時、ヒソカ居なかったよね!?」

「ああ!まさか監視してたのか!?」

 

実際、ヒソカはストーカーじゃないかと思う方法でゴン達を探して天空闘技場に来たのだ。ヒソカ曰く血液型性格判断と同じで根拠はないが自分で考えたオーラ別性格分析で分かったそうだ。

 

「キルアキルア血液型性格判断って何!?」

 

ジャポンにはそう言う物は無いため、カオルは慌ててキルアに聞く。

 

「えーと分かりやすく言えば血液がA型の奴は几帳面の性格やAB型の奴は行動的な性格ってやつだな」

 

するとヒソカはビシッとゴンを指さして言う。

 

 

「強化系は単純一途」

 

((あってる))

 

キルアとカオルは納得する。実際ゴンは単純だ。

 

「ちなみにボクは変化系 気まぐれでウソつき」

 

(((あってる……!!)))

 

実際、ヒソカは気まぐれでウソつきだ。

 

「ボク達は相性いいよ性格が正反対で惹かれ合うとっても仲良しになれるかも」と言った。

 

(確かにゴンとキルア相性が良い)

カオルは納得する。

 

そう言ってヒソカは奇襲を始めた。そのおかげでこの場は完全にヒソカのペースだ。さらにはなぜか審判が

 

「両者クリティカル!!プラス2ポインーーン!!プラスダウンポイント1!!ヒソカ!9-4!!」

 

と言う始末だ。

 

「審判ずるい!ひどい!師匠が審判は常に公平にやるもんだって言ってたよ!!?あんたはやらないの!?」

 

カオルが文句を言うと

 

「そうだ嬢ちゃんの言う通りだ!!」

「審判のプライドってないのか!?」

「ちゃんと公平にやれ!!」

 

と周りも文句を言い始めた。しかしキルアは「あ、わかった。」と言った。

 

「なにがわかったの?」

「審判は試合内容が危険な方向にエスカレートするのを防ぐため攻撃の有効ポイント判定の採点基準を下げてるんだ。そうすると当然試合は早く終わる。つまりゴンは大怪我やらずにすむってことだ」

 

そうしている内に試合続行。ただし…

 

「ダウン&クリーンヒット!!プラス2ポイン11-4!TKOにより勝者ヒソカ!!」

「え!?これで終わり~~!?」

 

キルアの言う通り試合は終わってしまった。

 

 

***

 

キルアの言う通り危険な試合と判断した場合に行う早く決着をつけるテクニカルジャッジだった。残念な結果だったがゴン自身は「これからもっと念を磨いて、ヒソカより強くなってみせる!」と気合を入れていた。

 

「さて、これでようやく目標クリアだな」

「お金も稼いだし、番号札も顔面パンチのおまけつきで叩き返したしね」

「うん。」

 

とりあえず当初の目標はクリアした。キルアはゴンに「今度はお前ん家行こーぜ!」と言う。ゴンの育ての親・ミトに会いたいのだ。

 

「いいね!私もミトさんに会ってみたい!」

 

こうして3人はゴンの故郷・くじら島へ行くことにした。

 

 

 



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くじら島
ゴン×ノ×コキョウ


 

♪~

 

くじら島行の船の上。カオルはのんびり笛を吹いている。ゴンとキルアはその音色を聴きながら海を見ている。すると

 

「あ!!見えてきた!!」

 

ゴンが嬉しそうな声を上げる

 

「あれがくじら島かー」

「なんかかわいい!」

 

名前の通りくじらの形をしていた。少しして港に到着する。

 

「あ!ゴンじゃねえか」

「まあお帰りなさいゴン!」

「久しぶりだなゴン」

 

船を降りると猟師のオジサンたちが嬉しそうに出迎えてくれた。ゴンも嬉しいのか「うん!ただいま!!」と皆に言う。

 

「その二人は友達かい?」

 

「うん!男の子がキルアで女の子がカオル!」

「どうも」

「初めまして」

 

キルアとカオルは挨拶する。

 

「そうかそうか!」

「ミトさん達喜ぶわねー」

 

こうして3人はミトと曾祖母がいる家へ向かった。少しすると家が見えてきた。

 

「ほら!あの家だよ!」

「ん?人がいるぜ?」

 

キルアの言う通り女性が洗濯物を干していた。

 

「あ、もしかしてあの人がミトさん?」

「そうだよ!ミトさーん」

 

カオルの問いにゴンは頷き、ミトを呼んだ。当然、ミトはビックリだ。でもすぐに嬉しそうな笑顔になり、ゴンを抱きしめる。

 

「お帰りゴン!!」

「ただいまミトさん!!」

 

ゴンが帰ってきたことに満足した後、後から来たキルアとカオルを見る。

 

「貴方がキルアとカオルね?初めましてミトよ」

 

友達を2人も連れてきたからさらに嬉しそうだ。入るとゴンの曾祖母が迎え入れてくれた。ただし…

 

「も――帰ってくるなら先に教えてよ!何にも用意してないわよ!」

 

ミトは不満気に言う。せっかく友達を連れて帰ってきてくれたのにご馳走とか作っていなかったのだ。慌てて支度するミトにゴンは「いいよテキトーで」と言うが「何言ってんの」とミトは言う。

 

「いえいえ」

「お構いなく」

 

カオルとキルアは言うがミトは手を止めない。更にはゴンに「合格したって電話くれてから全然連絡ないし心配してたんだからね」と文句を言う。

 

(まああれは仕方がない)

 

あの後、キルアを連れ出すためにゾルディック家に行ったり、鍛えるために天空闘技場に行ったりしたから連絡出来ないのは仕方がなかった。

 

「あ、そーだゴハン作る間にお風呂入んなさいよ、服も全部出しといて。洗濯するから」

「うん、あとで」

「今!!10秒以内!!い――ち!」

 

ミトのカウントダウンを聞いてゴンは慌ててキルアを風呂場へ連れていく。

 

(肝っ玉母ちゃん)

 

ゴンを優しく出迎え、尚且つしっかり者の部分が肝っ玉母ちゃんだった。カオルはそう思いながら着替えを用意する。

 

「カオルどうぞー!」

「いい湯だったぞ」

 

少しして2人が出てきた。カオルは「はーい」と言って風呂場へ向かった

 

 

「ふーさっぱりした!」

 

甚平を着たカオルが現れた。ミトは笑顔で「出来たから座ってね」と言う。

 

「わー美味しそう!」

 

カオルの言う通り、美味しそうな料理がテーブルの上に並ぶ。帰ってきてくれたゴンや友達のキルアとカオルのために作ったというのがよく分かる。

 

「それじゃあ食べましょ!」

「「「いっただっきまーす!」」」

 

 

こうして5人はご飯を食べ始めた。

 

「美味しいです」

「それは良かった♪」

 

カオルの言葉にミトはご機嫌だ。するとミトはハンター試験の事を聞いてくる。

 

「やっぱり大変だったよ。会場まで辿り着いたのがたった400人で……合格したの、その中の8人だもん」

 

ハンターになるのは難しいというのがよく分かった。

 

「見て!これがハンターライセンス!」

 

ゴンはハンターの証であるハンターライセンスを見せた。

 

「ふーん、結構普通ね…えい。」

「「わ――っ!Σ(・□・;)」」

 

ライセンスカードを折ろうとしたミトにゴンとカオルは慌てた。

 

「何すんだよ、も――」

「紛失したら再発行は無理なんですよ!?」

「冗談よ、本気でやるわけないでしょ」

 

ミトは冗談と笑いながら言うが3人は思う。

 

(((絶対本気だ)))

 

 

 

 



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ジン×ノ×メッセージ

翌朝

 

「キルア!カオル!これ見て」

「「?」」

 

朝起きるとゴンが興奮気味にキルアとカオルにある物を見せる。ゴンが見せたのは黒光りする小さな箱だった。

 

「何なのこれ?」

「実はジン、ミトさんに俺がハンターになったら渡してほしいって預けた物があったんだ!」

「なるほど。んで、それがその箱な」

 

キルアはその箱を見る。しかしいろいろ試したのだが開かないらしい。

 

「開かないかー。蓋は確かにない。表面も動かないから秘密箱でもないな」

 

カオルは箱に触れながら確認する。するとキルアが「ちょっと力入れていいか?」とゴンに確認する。許可をもらった後、キルアは勢いよく力を入れたのだが……

 

「っだめだな、フツーの箱じゃねーよ。ただの鉄箱だったら溶接されてたってねじ開けられるのに」

 

かなり丈夫に作られているようだ。試しに振ってみても音がしない。

 

「(ハンターになったら渡せって何かあるのかな?ハンターになって手に入るもの……)あ。」

 

カオルはあることを思いついた。それは念。キルアも「ハンターになったら渡せ」という言葉で同じことを思いつく。

 

「ハンターになった今、なる前には持ってなかったものがあるだろ?」

「そう考えればわかるよね?」

 

キルアとカオルの問いにゴンも思いついた。

 

「あ!!そっか、ハンター証!!」

 

・・・・・・・・ちがいます(汗)

 

「「念だよ念!!」」

「あ」

 

ゴンは念を流し込んでみる。すると

 

ガラガラ

 

箱は真っ白な光を放ち、箱はバラバラの鉄きれに分解された。

 

「また箱?」

 

現れたのはまた箱。ちなみに最初の板には複雑な模様があった。念を流し込めば壊れる仕組みだったようだ。

 

「その箱は開きそう?」

「もしかしたらここにカード差し込むのかも」

 

カオルの問いにゴンはハンター証を差し込む。今度は簡単に開いた。箱に入っていたのはこの三つ。

 

「指輪と」

「テープと」

「ROMカード」

 

しかも指輪の裏には板と似たような模様があった。なにか怪しい。とりあえずカセットテープをダビングをしながら聞いてみることにした。

 

ボタンを押すと、ジー、という音とともにテープが再生され始める。

 

《……よぉ、ゴン。やっぱりお前もハンターになっちまったか》

 

男性の声が聞こえてきた。恐らくジンだろう。ジンは続ける。

 

《それで一つ聞きたいことがある。お前、オレに会いたいか?》

 

会う気があるならこのまま聞いて……その気がないなら、停止ボタンを押せと吹き込まれていた。ゴンはそのままにするがジンは《できれば会いたいって程度の気持ちならここでテープを切っといた方がいい》と録音されていた。

 

(会うの嫌なのかな)

 

しばらくすると実際ご本人も《オレはお前に会いたくない》と言った。曰くどのツラ下げて会えばいいのかわからないそうだ。

 

(確かに会いづらいよね)

 

カオルは納得する。

 

《それでも会いたきゃ探してくれ。だが、さっきも言ったがオレはお前とは会いたくねェ。近づくのが分かったらトンズラかますぜ。捕まえてみろよ

 

お前もハンターなんだろ?》

 

こうしてジンのメッセージは終わった。

 

「ふふん。お前の親父も一筋縄じゃいきそーもねーな」

「トンズラかますって言ってたしね」

「うん」

 

キルアがテープを止めようとすると、ゴンはそれを制する。

「ジンはまだそこにいる」

 

《…………あー、一つ言い忘れたぜ。お前の母親についてだ。知りたければこのまま聞いてくれ。別にいいなら》

 

カチ

 

これは即止めた。だってゴンにとって母はミトだから。

 

「ゴハン食べよ!」

 

 

そうゴンが部屋の扉を開けた瞬間のことだった。ラジカセのボタンがひとりでに押され、キュルキュルと音を立て始めたのだ。

 

「ゴン!機械がおかしい!」

「止めたテープが勝手に動き出したぞ!」

 

3人は目にオーラを集める。念がテープを巻き戻していくのだ。さらに驚くのはこれだけじゃない。

 

「今度は録音……!そーか!!消す気だ!自分の音声を!!」

 

 

カオルは壁に立てかけていた鉄刀を掴む。

 

「ゴンごめん壊す!!」

「俺も!!」

 

 

弁償覚悟でカオルとキルアは壊そうとしたがオーラがガードしているため壊れない。ラジカセは録音までの工程を終えると、何事もなかったかのように動かなくなった。試しにダビングテープを聞いても慌てる自分たちの声とラジカセを壊そうとする音だけだった。

 

 



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ノコリ×ノ×テガカリ

残りの手掛かりは怪しい指輪とROMカード。

 

「この板は何に使うのかな?」

「通常規格より小さいね、これ専用のハードがあるのかな」

 

疑問符を浮かべるカオルとゴンにキルアは「知らねーのジョイステ」とあっさり言った。

 

「ジョイステ?」

 

こういうものは無いジャポン出身のカオルは疑問符を浮かべる。ゴンもなにそれ?と言う感じの表情だ。

 

キルア曰くゲーム機専用のROMカードらしい。

 

「ジョイステーションっての」

 

なのでキルアがゲーム機本体を買った。

 

「これってもう3世代前の型なんだけどなァ。未だに売れてるってすげーよな。隠れだけゲーがいっぱいあるかららしいけど」

 

ゲームで遊んだことがあるキルアが操作する。どうやら入っているゲームは一つだけらしい。一応データをコピーする。すると「グリードアイランドをコピーします」

 

「グリードアイランド……か。知ってる?」

「いんや」

「当然知らない」

 

 

 

とりあえずゲーム名がわかったので取り寄せすることが出来るので早速取り寄せしようとしたのだが「該当件数は0件です」と出たのだ。

 

「あれ?」

「0ってことは無いの?」

「即日配達希望にしたからかな、とりあえず売ってる店全部リストアップするか」

 

それでも「該当件数は0件です」とでた。考えられるのは市場に出ていない。売り切れ。

 

「市場に出てない……」

「売られてないの?」

 

 

「つまり個人が作ったゲームでさ、元々売りもんじゃないか、何かの理由で発売禁止になってるゲームってこと」

 

そう言いつつもキルアは調べる。そしたらあった。

 

 

 

 

 

「ちゃんと正規のルートで販売されたゲームソフトだ」

実際売られていたゲームだったのだ。

 

グリードアイランド

・ハンター専用ハンティングゲーム

・制作発売元 株式会社マリリン

・発売年度 1987年

 

「ハンター専用!?」

「ええ!?そんなのがあるんだ!!」

 

まさかハンター専用ゲームだった。それだけでも驚くのに値段が驚きだ。

 

 

『5.800.000.000』

 

「ごっ……!!」「じゅ…!!」

「「「58億!!?Σ(・□・;)」」」

 

正規のゲームのはずなのに58億ジェニー。

 

「何なのこの値段は――!作った人と売ってる人何考えてるの!!」

 

カオルは思わず叫んでしまう。

 

「販売個数100個ってのは少ないの?」

「すっげー少ねーよ!!」

 

ゴンの問いにはキルアは答え、会社に問い合わせてみることにした。答えは絶版になっており再生産の予定もなしだ。オークションサイトで告知することになる。ただしお金が足りない。ファイトマネーで稼いだ金を合わせても12億ジェニーだ。

 

更には個人との本当に取引となると売り手の言い値次第だから、市場価格より高い金を要求されるなんてザラ。倍のお金を用意しないといけない。とりあえずダメ元で『グリードアイランド求ム、値段応相談』と告知する。だが…

 

「ええ!キルアどうしよ!どんどん増えてるよ!」

 

焦るカオルの言う通りアクセス件数が100件からどんどん増えていき、あっという間に1万件になったのだ。確実にお金目当て。偽物を売ろうとしていた。

 

「もっとディープなトコに入り込めば情報も豊富になるけど、オレもあんま詳しくねーしなー」

「ゲームと電脳ネットに詳しい人っていないかな」

「詳しい人かー。詳しい人探しています!って出す?……あ、さっきみたいになりそうからダメか」

 

3人が話し合っているとキルアが思い当たる人がいたのか不満気に言い始めた。

 

「……いた。両方詳しいヤツ。つーかアイツだったらグリードアイランド持ってるかも」

「本当!?」

「どんな人?」

 

2人は聞くがキルアは答えてくれない。物凄い嫌な人物のようだ。

 

 

「あ、ゴトー?オレキルア。ブタくん呼び出して」

「ゴトーさん?」

「ブタくん?」

 

実家の執事長・ゴトーに電話したのだ。でもその人物は居留守を使っているらしい。

 

「10秒以内に電話に出ねーとテメーのフィギュアぶち壊すって伝えてよ!」

 

キルアの脅しが効いたのか出てくれた。

 

「冗談だよ兄貴!怒んないでよコワイなぁ」

(あ、ミルキって人か)

 

キルアは兄、イルミはミルキを刺したと言っていたので、電話に出ているのはミルキという人物のようだ。

 

 

しばらくして電話が終る。カードのコピーと交換ということで有力情報を手に入れた。

 

・情報量の多さ、信頼度はネットでも最高峰のハンター専用サイト。

・ヨークシンシティのオークション。

 

この二つのどちらかだ。確かに稀少な事物を追求することに生涯をかけるハンター専用サイトならかなりの情報がはいるだろう。

 

オークションは兄曰く「今年のオークションにそのゲームが数本、あるいは数十本流れるってウワサ」らしい。こうして3人はクラピカとレオリオと約束したヨークシンシティへ行くことに決定した。

 



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ヨークシンシティ
オカネ×ヲ×カセゴウ


くじら島を出発した3人はネットカフェでハンター専用サイト「狩人の酒場」を見る。

「ゲームの項を。あ、あったぜ。グリードアイランド」

「両方ハンター専用だからあるんだね!」

 

グリードアイランドの情報をやっと見つけた3人。画面に出た「情報提供料として2000万必要」の表示に驚きつつも、振り込む。すると情報が音声で出た。なんでも念能力者が作ったゲームで100本のゲームソフトすべてに念を込めた。ゲームがスタートするとプレイヤーをゲームの中に引きずり込む。プレイヤーがゲームの中で生きている限り、ゲーム機はたとえコンセントを抜いても動き続ける。死ねば止まる。セーブポイントさえ見つかれば戻れるらしい。所有者の証言によると50名のハンターを雇い(そのうち3名はライセンスを持つプロだった)ゲームのクリアを試みたが、還って来た者は誰一人いないそうだ。

 

「……本当かな」

「信頼度は最高峰だから…」

「ハンターサイトの情報だぜ、まず間違いない」

 

他の関連項目をクリックするとキルアの兄の言う通り、「ヨークシンシティで開催されるオークションには8月14日現在までに7本のグリードアイランドが競売申請登録されている模様」と出た。

 

ただし…最低落札価格は、89億ジェニー

 

「はちじゅ…」

「きゅうおく……」

「やっぱ上がってんよ30億も―――!!」

 

思わずキルアは頭を抱えてしまう。無理もない。するとゴンがあることを提案する。

 

「うーん、ねェこれってオレ達も参加できるのかな」

「あ!?見ただろ最低でも89億!!オレらの入り込む余地ねーよ!!」

「流石にいくら何でも無理があるよ」

 

キルアとカオルが言うとゴンは「買う方でじゃなく売る方でだよ」と説明する。

 

「オレ達も何かお宝を探して競売に出すんだよ!」

「上手く行けば大儲けできるかもな!!」

「掘り出し物だったら意外といけるね」

 

まず手をつけたのが一般ネットのフリーマーケットとオークションサイト。

キルアとゴンは電話担当、カオルは買い出しなどを担当する。2人にお金を預け、カオルは2人に頼まれたお菓子やらご飯やらを買っては戻りの繰り返す。

 

「どれくらい稼いだの?」

 

カオルは買い出しなどしていたため金額を知らない。なので聞いたのだが…

 

「…………3人分合わせて残り1626万ジェニー……」

 

減っていた。

 

「……ええ!?え!?一体どういうこと!?少し増えてるならともかく何で減って!?(汗)」

 

8億あった軍資金が1626万。いったいどういうことなのか。カオルは慌てて聞くと

 

 

「くそ―――!!あのジジイまんまと騙されたぜ!!」

 

キルアは叫ぶ。小金を儲けさせて信用させてから大金をせしめるという詐欺の常套手段にやられたそうだ。するとゴンとキルアはなぜか微妙な喧嘩が始まった。

 

「オークションまでの残り2週間誰がいっぱいお金を稼げるか、勝負だ!」

 

勝敗は542万ずつ持って8月31日夜9時の時点で多い人の勝ち。負けたら勝った人の言うことをひとつ、何でもやるだ。そしてカオルも参加する。こうして3人はお金をできる限り稼ぐ勝負をすることにした。

 

 

「と言ってもこの年齢で雇ってくれる人はいない。いたとしても裏の人間で恐らく運び屋されるかもしれないし。んー。」

 

カオルは考える。すると家電量販店の店頭にあるテレビを見つけた。テレビでは一般人がプロ並みの路上ライブをしたことに盛り上がったニュースが報道されている。

 

「………これだ」

 

箱を用意して路上ライブをする。そうすれば多少お金は手に入るだろう。

 

「でも場所どうしようかな。やっぱり広い場所……あ」

 

カオルはある場所へ行く。そこなら教えてくれるだろう

 

 

「すみません!聞きたいことあるんですけどいいですか?」

「なんだいお嬢ちゃん」

 

交番だった。

 

「路上で楽器やりたいんですけどどうすればいいんですか?」

「………えーとお嬢ちゃん。お小遣いほしいならお父さんやお母さんにね(汗)」

 

警官はできる限り優しく説明する。

 

「これ見てください」

「ハ、ハンターライセンス!?え?君ハンター!?」

 

まだ10代前半の女の子がハンターだという事に警官は驚いた。

 

「実は獲物を狙っているんですけどかなりの代金が必要なんですよ」

「うーん。それじゃあ一旦確認して」

 

警官はパソコンでハンターライセンスを確認する。当然本物だ。しばらくしてやっと許可をもらえたカオルはやっていい場所へ向かう。

 

***

 

目の前に箱を置き、笛を構えて準備は完了。カオルは笛を吹き始めた。

 

 

ピヒョロロロ―ピヒョロ―――♪

 

 

フルートとは違う音色が響く。周りの人達も自然と足を止めた。

 

 

ピヒョロ―――♪

 

その音色に客になってくれた人たちは箱にお金を入れる。さていくらになるだろう

 



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ナカマ×ト×サイカイ

9月1日の早朝、3人はヨークシンドリームオークションという年に一度の世界最大の大競り市へ来ていた。

 

「うわ―――!早朝なのにすっごい人だよ!!」

「世界最大ってあったから当り前だよ!」

 

ゴンの言う通り、たくさんの人で賑わっている。しかしキルアは元気ない。

 

「あ~~あ、4コーナーでムームーダンスがこけなきゃ12倍で入ってたんだよな~」

「博打で1発当てようとするのがまず間違い」

「身を滅ぼしているね」

 

キルアは博打で稼ごうとしていたのだ。その結果は542万から2億86万…から0ジェニー

 

「っせーな!お前こそ2週間で1万5000!?路上で空き缶置いただけでもそれよりは稼げるぞ!!実際、カオルは12万は稼いだし!!」

「私は笛で稼いだしねー」

 

路上ライブでそれなりに稼いだカオルの勝利だった。

 

ちなみに会う約束しているレオリオとクラピカなのだがレオリオは午後に着き。クラピカは昨日から来てるが仕事中だから時間取れないかもしれないそうだ。

 

「もし空いたら連絡くれるって」

「オッケ、んじゃ電源オンにしといて…………って、お前らもケータイ買えよ!ハンターの必需品だろが!!」

「と言われてもね」

 

ジャポンには携帯電話はない。なのでカオルは持っていないのだ。とりあえず3人は携帯電話を買うことにした。

 

「いらっしゃい!これいいよ!今1番の売れ筋!カードサイズの超薄型!所在地モードがついて待ち合わせに便利だよ!」

 

 

店員はおススメの携帯電話を見せる。

 

「んー。薄すぎない?もう少し丈夫なのはある?」

 

カオルが確認すると「その通りそれはやめとけ」と待ったがかけられた。

 

「使えねェ国が結構あるし、防水でもねーし完全に電話だけかける人用だ」

「「「レオリオ!!」」」

「よ!」

 

現れたのはレオリオだった。するとレオリオは自分おススメの携帯電話をゴンとカオルに見せた。

 

「オレのオススメはビートル07型。少し重くて値も張るが、全世界対応、屋外での圏外なし、200種類の民族言語通訳機能付き。テレビも観れるし録画もできる。女子だったらそこのニャンフォン07型だな。同じく機能完璧。見た目も女子好み」

 

そう言って自分の携帯電話と店頭に売ってある携帯電話を見せる。

 

「え!?マジ!?」

「わー!可愛い!」

 

それはカブトムシ型とニッコリ笑顔の猫型の携帯電話だ。その機能とデザインにキルアも買いたがる。さっそくレオリオは3人に携帯電話を買ってあげようと店員に話しかける。

 

「よぉオッチャン、これくれ。いくら?3本で60万!?高――よ8万!3本で。……わかった、他で買うよ」

 

なんと3個買うと高いため、値切り交渉を始めたのだ。

 

「うわぁ値切り交渉」

「すげーなあいつ」

「なんかギャラリーが出来てるよ」

 

しかも根切の結果が1本11万580ジェニー(ちなみにレオリオが以前買った時は曰く「8万29ジェニーでゲットした!」)だった。

 

「売り子絶対に泣いたね」

「「うん」」

 

カオルの言う通り店員は泣いたとわかった。

その後、ジンの手掛かりになるグリードアイランドを手に入れるべくオークションに参加したい旨を言う3人。レオリオの「確実に儲かる競売方法」でお金を稼ぐことになった。

 

 



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ウデズモウ×デ×カネカセギ

「まずは宝石を買う!」

 

「「「宝石?」」」

 

レオリオはまず宝石を買うというのだ。

 

「なのでカオル。買うの手伝ってくれ。買う理由はおふくろの誕生日だって設定してな」

「わかった」

 

 

ー宝石店ー

 

「いらっしゃいませ!どのような物をお探しでしょうか?」

 

店員が話しかける。

 

「お母さんに贈りたいんです!」

「いつも頑張っているおふくろの誕生日がもうすぐなんだよ。良いのあるか?」

 

設定通りに話すカオルとレオリオ。2人に騙された店員は「それならこちらの品がおすすめです」とおすすめのダイヤモンドを見せる。お金は300万ジェニー。これなら大丈夫だろう

 

「よし!それを買おう!!」

「お母さん喜ぶかな!!」

「きっと喜びますよ」

 

こうして2人は300万ジェニーのダイヤモンド(鑑定書付き)を買った。そして次に用意したのはテーブルと椅子。

 

「なんでテーブルと椅子?」

 

ゴンの問いにレオリオは答える。

 

「俺たちがやるのは条件競売!落札条件は腕相撲だ!ゴンとカオルに勝った者にダイヤモンドが与えられるって内容だな。参加費は……1万ジェニーと1万5000ジェニーにするか。その稼ぎがオークションの金になる」

 

考え方自体はいいがこの場合100万回は勝たないといけなかった。

 

「さぁ―――!!いらっしゃいいらっしゃい!条件競売がはじまるよ―――!!」

 

レオリオが客寄せを始める。

 

「落札条件は腕相撲!最初にこの少年少女に勝った者に与えられます!!参加費用は1万ジェニー!少女の場合は1万5000ジェニー!!」

 

男たちはお金を払う。ただしカオルへの挑戦が多かった(確実に下心はある)。

 

「それではオークションスタート!!」

 

カオルとゴンは指示されたことを思い出す。

 

(①相手の力具合を見て手加減すること)

(②時々苦しいフリをすること)

 

「レディーゴー!!」

 

その合図にゴンとカオルは腕相撲を始めた。当然2人は勝っていく。どんどん現れる挑戦者とギャラリー。いつの間にか150人倒していた。

 

「ハイ負け――!!次の人どーぞ!」

 

レオリオの言葉に現れたのは眼鏡の女性。1万ジェニーを持っている。

 

「よ――し初めての女のコが挑戦だ!しかも少年の方に挑むか自信ありげだー!!」

 

それによりこの場は盛り上がる。

 

「さぁ~~レディ~~~~ゴッ!!!」

 

始まったゴン対女性の腕相撲。2人の腕相撲はなかなか決着がつかない

 

(この人意外と強い)

 

少ししてゴンがなんとか勝った。

 

「ハイ残念負けちゃった~~!!」

「よくやったネーチャン!」

「ボウズ!演技が上手いぜ!」

 

周りは女性の頑張りとゴンの演技(ちがう)を讃える。

 

「ありがとうございました」

 

女性はゴンに頭を下げた。

 

「今の、本気だったろ」

「ゴンを本気にするなんて強いね」

 

キルアとカオルの言葉にゴンも同意する。

 

「……うん、何者かなあのコ」

 

ゴンの言う通り、何者だろうか

 

「腕相撲の女世界チャンピオンじゃねー?」

 

 

翌日4人は話し合っている。レオリオのアイディアとゴン、カオルの頑張りにより275万ジェニー稼げた。

 

「しめて約800万の予算がある!」

 

しかし不安がある。理由は2人が勝ち過ぎたこと。後半はなかばやけになったリベンジャーしか挑戦してこなかったのだ。

 

「今日はもううわさが広まって誰も挑戦してこないよきっと」

「来ても観客だけだと思うな」

 

2人の言葉にレオリオは「いいんだよ、はじめからそのつもりだったんだから。」と言う。

 

「腕相撲はエサ撒きさ。地中のモグラをおびき寄せるためのな」

 

餌撒き。一体どういうことなのか

 

昨日と同じく競売が始まった。しかし来るのはギャラリーだけ。挑戦者はこない。ゴンとカオルの連勝に尾びれがつき、噂になっているのだ。

 

(でもゴリラに育てられたサル人間は失礼)

 

カオルがそう思っているとだ

 

「どけ」と現れる。現れた挑戦者はレオリオよりも身長が高く、ガタイの良い男性。連れの男性も顔つきが悪く、カタギではないことは一目瞭然だ。ガタイの良い男性はゴンの前に腰掛けたが…。

 

「ん~~?どうやって組むんだ?こりゃあよォ」

 

体格差があるため腕を組めないのだ。するとレオリオがゴンの代わりをする。

 

「ニイちゃん。ごねる気はねーが、そりゃ条件違反だろ?」

「分かってる。500万、プラスダイヤ!オレに勝てばあんたのもんだ。」

 

そう言ってレオリオは今まで稼いだお金と競売品のダイヤモンドを出す。これで許してくれた。

 

「カオル合図を頼む」

「わかった」

 

レオリオと男が組む。

 

「それではよーい…始め!!」

 

ゴッ!!!

 

レオリオが勝った。男の腕は折れ、テーブルはへこんでいる。そのせいで挑戦者はでなくなった。

 

「しゃーねー。店終まいすっか」

 

 

レオリオがため息をつくと挑戦しなかった方の男は何やら紙とペンを取り出した。

 

「いやァ強いねニイちゃん、気に入ったぜ」

「後ろの3人はもっと強いぜ」

 

レオリオはゴンたちを示す。

 

「……ほォ」

 

そして男は先程書き物をしていた紙をレオリオへ手渡す。そこには住所とその場所の名前。裏には地図と男のサインが書いてあった。

 

「今日ヒマだったら5時までに遊びに来な」

 

この紙には一体何の意味があるのだろうか



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クモ×ト×ホリダシモノ

人は男に貰った住所を辿り、住所に会った店へ入る。人がかなりいる。レオリオは例の紙を場違いな雰囲気を醸し出す黒いスーツの男が2人に渡す。

 

「エレベーターで一番下まで降りな」

「すぐ始まる」

 

一体何をするのか。いわれた通り一番下まで降りる。すぐそばにあった扉を開けると、また人が沢山。しかし上の階とは明らかに違う顔つきの面々だ。真ん中にある大きなリングが天空闘技場を連想させた。するとリングに照明が点った。

 

「さて皆様ようこそいらっしゃいましたー!!それではさっそく条件競売を始めさせていただきます!!今回の競売条件は……かくれんぼ!!!でございます!!」

 

つまりターゲットを捕まえれば賞金を貰えるというやつだ。そのターゲット7人の顔写真を見て驚いた。

 

「おい、このコ確か」

「うん!腕相撲に来てた人だ」

「なんで昨日の人が!?」

 

昨日ゴンに本気を出させた女性の写真があったのだ。

 

「落札条件は標的を捕獲し我々に引き渡すこと!!!そうすれば標的1名につき20億ジェニーの小切手と交換させていただきます!!」

 

こうして始まったかくれんぼ。ただしこれはただの競売ではない。

 

「まさか…地下競売の品がこいつらに盗まれた…!?そこでしかたなく競売を装って盗っ人の首に賞金をかけたのか!」

「そ。マフィアのお宝盗むなんてこいつら頭イカレてるだろ。」

 

本来の競売(キルア曰くバトル)をする予定だったがこいつら7人に盗まれたのだ。そんなことができるのはあの組織だけ

 

ー幻影旅団ー

 

 

窃盗と殺人を犯す熟練ハンターですら迂闊に手が出せない危険度Aクラスの賞金首の集団。クラピカにとって同胞の仇だ。

 

***

 

情報収集をするが相手は幻影旅団。やはり収穫はなし。さらに問題がもう一つ。ジンの手掛かりになるゲーム・グリードアイランドだ。ゴンはハンターライセンスを質に入れて1億ジェニーを手に入れた。最後の軍資金を合わせてお金を稼ぐだけだ。まずはホテルに戻ってネットに情報提供求める伝言流す。帰る途中庶民的な雰囲気漂う市場を通る。レオリオ曰く「競売と蚤の市が合体したもの」。するとゴンがあることに気づく。

 

「どしたゴン」

「何それ?変わった形だね」

 

ゴンは興味を示したのはナイフ。カオルの言う通り変わった形だ。するとキルアが「何とかあれ、今すぐ手に入れてよ」とレオリオに言う。レオリオは疑問符を浮かべつつ得意の値切り交渉で手に入れた。300ジェニーで手に入れたナイフ。キルア曰くベンズナイフだそうだ。

 

「ベンニ=ドロン。100年くらい前の大量殺人鬼なんだけどさ、ベンズナイフってそいつのオリジナルブランドなんだ」

 

元々刀鍛冶だった彼は人を殺す度に記念として番号入りのナイフを製作していた。その数は288本にもなる。

 

「犯罪者が製作したってことで正当な評価をされにくいけど、その反面熱狂的なコレクターが結構いるんだ。隠れた名品だよ」

 

キルアの父もコレクションを持っているそうだ。

 

「で、そのナイフいくらするんだ?」

「名品ってことはけっこうするの?」

 

レオリオとカオルの問いにキルアは答えた。

 

「番号によって全然値段は違うけど……安くて500万」

「マジ!?」

「ウソォ!」

 

まさかの掘り出し物だった。しかしなぜゴンは見つけられたのか。

 

「う――ん、ちらっと目に入った時ね、なーーんか変な感じがしたんで「凝」で見てみたんだ」

 

凝を使って見ると僅かにオーラが出ていたのだ。おそらく製作者の気持ちだ。

 

「あ、そうだ!」「こんな方法があったか」

 

カオルとキルアは同時に言う。ずば抜けた才能の持ち主は知らず知らずのうちに念を使っている場合が多い。なので凝を使ってオーラが漂っている品を見つけ出せば、それはすごい天才が作った可能性が高い。つまり掘り出し物を見つけられる可能性があるのだ。

 

「その方法なら鑑定の知識がなくても埋もれた逸品を見つけることが出来るね!それをもっとグレードの高いオークションにかけて高く売る!」

 

こうしてレオリオは伝言サイトの情報チェックを。3人は掘り出し物探しに向かった。

 

***

 

「あ、発見!」

 

カオルはさっそくオーラが漂っている品を発見。なかなか品の良い花瓶だ。先客もそう思っているのか500ジェニーになっている。

 

(それじゃあ私は…)

 

カオルはキルアから教わった通り先客の2.5倍の値段を書いた。

 

(ゼパイルって人ごめんなさい)

 

カオルは先客に謝りながら去っていった。

 

「アレ?」

 

見つけたのはアンティーク人形。キルアの名前があったのだがゼパイルという人物が書き換えていた。

 

「まさか」

 

カオルは自分が見つけた花瓶を見に行く。これもゼパイルと言う人物が書き換えていた。

 

(私達と同じ事をしている!)

 

きっとゴンが選んだものにもゼパイルの名前があるだろう。カオルはキルアに連絡した。

 

「あ、キルア?カオルだけど」

《カオルもか!こっちもゼパイルってやつが俺達が選んだ奴を狙ってやがる!》

「この場合は時間ギリギリに書き直した方が良いよね?」

《ああ!こっちは3人だから最悪3つは落札できるからな!》

「それじゃあ私近くで見張っているね」

《わかった。それじゃあ後でな》

 

ピッ

 

「にしてもゼパイルって何者なんだろ。念が使えるのかな」

 

しばらくして

 

「この値段でお願いします!」

「まいどー!」

 

狙った花瓶は落札できた。ちなみにゴンとキルアはというと

 

「1つ負けちまった!」

「でも3つは落札できたよ!」

 

1つはゼパイルに落札されたがその他は落札できたのだった。

 

 

 

 



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ゼパイル×ノ×ショウタイ

3人は手に入れた品をオークションハウスに持っていったのだが…

 

「申し訳ございませんが…当ハウスではオークションに出品する目録を半年前には完成させております。今すでに来年の目録に載せる品物を検討している最中です。」

 

目録の品物は責任をもって本物と断定し、鑑定書を付してある逸品であるからだそうな。担当者は「業者市に出展するという方法がありますよ」と3人に教える。業者市というのは競売品の仲介を生業としている専門家のみが集う競売市だが、参加には許可証があれば良いので一般人が参加することも多いのだそう。さっそく3人はその業者市へ持っていくことにした。

 

「業者市か…プロがいっぱい参加するんだから本物だったら高く売れるよね!」

「うん。軍資金増えるね!」

「うん、できれば普通の競売に出したいけど仕方ねーだろ」

 

すると3人はふと思い浮かんだ。この手に入れた品は全部でいくらになるか気になる。なのでまず骨董品店で見てもらうことにした。

 

「うーーん、どれもいい品だよ!例えばこれ。ムカトリーニの50枚限定リトグラフ。作者の直筆サイン入り。この人は気に入った作品にしかサインをしないので有名なんだ、しかも番号が若い。まぁ15万はするだろうね」

「「「おお~~っ」」」

 

思わず声を上げてしまう。

 

「全て手造りの素晴らしいアンティーク人形だよ、本体の状態もいいし箱と備品が無傷で残っているのが価値をあげるんだ。これも30万はするね」

「「「うお~~!」」」

 

人形も高額だ。

 

「この花瓶もまた見事な物だ。色合いや形からして…40万だね」

 

「「「うお~~!」」」

 

カオルが落札した花瓶も40万。3人は興奮する。最後の一つを木像を見る。ただし結果は「残念ながらたいしたものじゃないね」。

 

大したものじゃないだ。オーラはちゃんとある。いったいどういうことなのか

 

「まずね、箱と像の年代が明らかに違うんだ。箱は最近作られたもの。おそらく像の持ち主が裸じゃかわいそうだからって作ったんだろうね。像自体も彫りが荒くて統一性に欠けるし何より作者の名前もない」

 

しかしこの木自体が実は知る人ぞ知る値打ちものらしい。「これほどの古木なら10万で買ってくれる人をボクは知ってる」

 

ただし曰く「市に出してもこの価値を知ってる人はプロでも少ないね。」だ。

 

「もしこっちのふたつを42万で売ってくれたら、この木も8万で買い取ってあげるよ?」

 

その提案に3人は考える。

 

「誓ってもいいけどこの2つはどこの店や業者市に持っていっても50万は出さないよ。45万以上出したら自分の儲けがなくなるからね。」

 

 

ちょっとこの木の年代調べてみていいかい?と店主はその木を手に奥へ入ろうとしている。その時だ。

 

「待ちな!!!その木像そこに置け!!」

 

現れたのは太い眉毛が特徴的な男性だ。

 

「誰?」

「知らね」

「わからない」

 

 

「なんだキミいきなり!ボクはウソなんかついてないぞ」

「そうかァ?その木に8万も出す古美術商はいねーだろ。お前が欲しいのは……その木像の内容!!」

 

実はこの木像は木造蔵といい、昔流行った税金逃れの隠し金庫だった。この店主は中身をすり替えようとしていたのだ。

 

「ええ!?」

「すり替えってことは…」

「盗もうとしてたんだ」

 

3人はじと―――……と店主を冷たい目で見る。

 

「ぐ…くそ!」

 

こうして3人は大事な軍資金になる品を奪われずに済んだ。骨董店を出た後3人は男に言う。

 

「オジさんなにもんなの?」

「かなり詳しいよね?」

「おじさんも骨董品を扱ってるんですか?」

 

キルア、ゴン、カオルの言葉に男性は言った。

 

「おじさんおじさん言うな!名前だけだったら分かるだろ!俺がゼパイルだ!!」

 

「「「え?」」」

 

3人は固まる。この男性が例のゼパイルだったのだ。その後、お昼を食べながらゼパイルは言う。実は3人は他の値打ち物には全然目が向かなかったことに興味を持ち、自分が作った贋作(変な壺)に値段をつけてくれたのが嬉しかったそうだ。

 

「お前ら見てて目利きとしてのオレがささやくんだ。“こいつらと仕事がしたい”ってな。それが答えだ。そっちの答えは?」

 

微笑みを浮かべた3人は揃って頷く。こうしてゼパイルと行動することになった。ゼパイルの宿で木造蔵の中を確認する。木造蔵の中はたくさんの宝石で一杯。安く見積もっても3億だそうだ。まずゼパイルの助言でカタログに間に合わなかった品をお披露目する下見市に行く。しかし木造蔵のことでイチャモンを付けられてしまった。

 

贋作師が玄人の鑑定師をだます手口・殺し技というものがある。特に木造蔵は本物であっても中身がすり替えられている“ヌキ”をされている可能性がある。例えば

 

①全て偽物の宝と入れ替えておく

②本物を少しだけ残しておく

③見せる時には本物の宝を見せて、売る直前に偽物とすり替える

④偽物ではないが最近の安物とすり替えておく

⑤偽物ではないが当時の安物とすり替えておく

 

それゆえ木造蔵は目利き泣かせと呼ばれてしまうのだ。下見市には目が利きそうな業者がいたので本番でもいてくれると助かる。公園でそんな話をしているとだ。

 

「殺し技には他にどんなのがあるの?」

「あ、私も気になる!」

 

ゴンとカオルが興味を示した。ゼパイルはガチャポンを使ってどんな殺し技があるのかを教える。その時だ。

 

「旅団が!?」

 

レオリオから連絡が来た。とうとう目撃情報が来たのだ。ゴン、キルア、カオルはさっそくレオリオが教えてくれた場所へ向かおうとする。

 

「おい!!競売はどーする気だよ!?」

 

慌てて聞くゼパイルにゴンは「任せる!」と即答。ゴンに続いてカオルとキルアも言う。

 

「ゼパイルさんお願いします!」

「なるべく高く売ってよ!!」

 

そう言って走る3人。そんな3人に驚きつつもくゼパイルはしっかり答えた。

 

「よっしゃ任しとけ!!!」

 

子供3人が自分を信じて任せてくれた。ゼパイルがキルアの希望通り、高く売ることにするのだった。

 

 

 

 



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クモ×ヲ×ビコウ

3人がレオリオと合流すべくやってきたのはとある広場。レオリオのいる飲食店に入り、勘づかれない程度に広場を見渡す。旅団は男女のカップルになりすましていた。

 

「もしもし、こちらお尋ねサイトの者だ」

 

レオリオが情報提供者に連絡する。

 

《遅いわよ!!今どこ!?》

 

旅団近くに座る男女が周りを見る。おそらくデートしている時にサイトで見た旅団らしき人物を発見、連絡したようだ。確認したレオリオは「約束の金を振り込むから確認してくれ」と伝える。カップルがご機嫌よく去った。

 

「どうやってあの二人を捕まえるかだが」

「……無理だね。俺たちの手に負える相手じゃないよ」

「なんだと!?」

 

レオリオが文句を言い始める。せっかく狙っている相手がいるのにやめようとするから無理もない。キルアはどれだけ危険か分かりやすく説明する。

 

「あそこにヒソカが2人座ってると考えたら、少しわかるか?」

「あーなるほど。かなり危険だね」

 

1人でも十分恐ろしいヒソカが2人もいる。分かりやすい例えにカオルは納得。ゴンとレオリオも理解してくれた。そして旅団がカップルのふりをしている理由。それはこれだ。

 

「連中がクモだってこと忘れてた。奴等見つかるのを待ってる。獲物が引っかかるのを待ってんのさ」

 

それがマフィアなのか、はたまた別の誰かなのかは不明である。キルアが説明していると例の2人の様子が変わった。

 

「まさかバレたか?」

「様子を見る限りまだバレてない」

「今ここでんなことしたら逆に不自然だっつーの。奴等が今探ってるのはそんなとこじゃない。広場にいる人間の表情や仕草、視線なんかから「違和感」を見つけようとしてんの!」

 

キルアがレオリオ達に笑顔の指導をしていると2人が動き始めた。なのでキルア、ゴン、カオルは尾行。レオリオはゼパイルと合流することになった。

 

「ゼパイルさんは目つき悪い。眉が太い。短い茶髪だから」

「目つき悪い、眉太い、短い茶髪な」

 

カオルはゼパイルの容姿をレオリオに教えた。こうして各自行動を開始する。

 

***

 

キルアとカオルは屋上から旅団の様子を見る。”絶”を使っているから今のところバレていない。しばらくすると2人はどんどん人気のないところまで進んでいく。

 

「………バレちゃった?」

 

2人の様子にカオルは心配そうにキルアに聞く。2人を観察していたキルアは答えた。

 

「……奴らの態度に不自然なトコはない」

「続行だね」

 

さらに進む2人。すると

 

ピタ

 

「「!!」」

 

2人が人気のない場所に止まった。隠れもしない。待ち合わせか3人を誘っているだろう。

 

「動かないね」

《どう?キルア》

「待ち合わせか…俺たちを誘ってるかどっちかだな」

 

なので今は動かず様子を見ることにした。

 

♪~

 

男の携帯電話が鳴った。3人は男の様子に違和感を感じたら脱出することにした。男は話している。その時だ。

 

 

 

「「「!」」」

 

男がキルアとカオルがいる方を見たのだ。寒気を感じ取った3人はすぐさま走る。

 

「「!!」」

 

キルアの前には体格の良い男2人。きっとゴンのところにもいるだろう。キルアとカオルは縦横無尽に動き回る。

 

(今!)

 

カオルは走る。男の1人がカオルを捕まえようとすると

 

『幻日虹』

 

すか

 

(残像!?)

 

カオルの姿がまさかの残像だったという事に驚く男。しかしすぐに捕まえようと行動を仕掛けた。

 

『火車』

 

ガガッ!

 

「くっ!」

 

怯んだすきにカオルは部屋を脱出した。

 

(私が逃げだしたと勘違いさせてキルアを)

 

すぐにキルアを救出しようとしたが

 

「嬢ちゃんやるな」

 

「む(流石にさせてくれない)」



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クモ×ノ×アジト

 

カオルと幻影旅団の男・ドーマはまさに鬼ごっこの最中だ。

 

(本気なのに距離が取れない)

(本気なのに捕まらん!こうなったら嬢ちゃんが体力ギレになるまで追いかける!!)

 

ドーマが考えている時だ

 

ブルルル

 

「「!!」」

 

カオルの携帯電話が鳴った。そのせいでカオルに隙が出来てしまう

 

ガシ

 

「つーかまえたー」

「う~」

 

やっぱり捕まった。

 

「ほら、ケータイ出せ」

「壊したら殴るよ!友達が値切って買ってくれたんだから!」

(値切って?)

 

カオルは不満気に携帯電話を出す

 

《ようドーマ!嬢ちゃんは捕まえられたか?》

 

出たのは幻影旅団の男・フィンクス。カオルを捕まえるのに協力するためにキルアかゴンの携帯電話を使ったようだ。

 

「ああ!足が速すぎて助かった!ただかなり離れた場所で捕まえてな。アジトには先に行ってくれ。すぐに行くからよ!」

《よしわかった。》

 

 

「ほらよ」

「……」

 

カオルが受け取った瞬間

 

バキ

 

彼女はドーマを蹴った。ただし

 

「ぜーんぜーん痛くねーよ!!」

「う~」

 

やっぱり効いてなかった。

 

***

 

廃屋・幻影旅団のアジト

 

「「カオル!」」

「ゴン!キルア!あ――やっぱりゴン達怪我してる!誰!?ケガさせたの!!」

「カオルはなんで逃げてないの!!」

 

カオルとドーマは鉄刀の両端を掴んでいる。鉄刀を離せば逃げられるのにだ。

 

「師匠が敵に武器を掴まれても離すなって」

「あー敵に武器を奪われてはいけないってやつか」

 

キルアは納得する。実際、自分も父に言われたから。カオルは師匠に言われていたことを純粋に守っていただけだ。

 

「ぎゃはははは!!!パク」

 

ドーマは大笑いした後、女性・パクノダを呼ぶ。

 

「ねえお嬢ちゃん。鎖野郎って知らない?」

 

パクノダはカオルに触れながら「鎖野郎」という人物を聞く。

 

「鎖?……鎖鎌じゃなくて?」

 

カオルが思い出すのはジャポンで勝負した鎖鎌を操る男。ただし弱かったのでしばらく宙づりにした。

 

「…………わからないみたいね」

 

パクノダは離れた。

 

こうして3人はカップル役をしていた男・ノブナガによって一室に入れられた。(ゴンを気に入ったから団長に「推薦したい」と言う為)

 

(鉄刀を奪われずに済んだけど)

 

鉄刀は奪われずに済んだカオルは前を見る。部屋の出口にはノブナガが座っている。攻撃を仕掛けても彼が勝つだろう。だからカオルが持っていてもノブナガは全然気にしないのだ。そんな中ゴンはゼパイルから教わった殺し技について聞いたリ、キルアは自分が囮になると言ったりする。

 

「あ!!!」

 

「「!?」」

 

ゴンはいきなり大きい声を上げる。

 

「ヨコヌキだよヨコヌキ!!」

 

キルアとカオルは最初疑問符を浮かべていたのだが

 

「「あ」」

 

思い出した。なのでキルアとカオルは笑いながら「思い出した思い出した」「忘れるなんて私達バカだったねー!」と言う。そのせいでノブナガは疑問符を浮かべた。

 

「すっきりしたとこで」

「行くか」

「了解」

 

3人はオーラを出す。理由はこれ。

 

ドゴォ!!

 

「こいつら壁を!!?」

 

出口が塞がれているなら違うところから出ればいい。こうして3人は自分たちの声、壁の破壊音、”絶”でノブナガを撹乱し、アジトを脱出するのだった。

 

 

 

 

 



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ゼンイン×ト×サイカイ

「よーし乗ってきた!」

「もう一杯行っとこ!!」

「「「・・・・・・・。」」」

 

なんとかアジトから脱出できたゴン、キルア、カオル。3人はレオリオとゼパイルのもとへ帰れたのだが、彼らは呑気に酒盛りしていたのだ。なのでゴンとカオルは目が点。キルアは呆れた目をしてしまう。とりあえず様子からしてなかなかの代金になった様だ。

 

「明日は朝イチから競売だぜ?オレはもちろん行くが、お前らどうすんだ?」

 

レオリオの問いにゴンとキルアは答える。

 

「本当は行きたいけど…」

「クラピカに会って、念を教わらなきゃな」

 

念を教わる。一体どういうことなのか。なんでもクラピカは旅団の1人を倒しているらしい。どうやら念にはまだまだ経験やパワー以外の独特の強さがあるようだ。

 

ブルルルル、と消音通知にしておいたゴンの携帯電話に着信が入った。その相手は

 

「クラピカ!?」

「え!クラピカから!?」

 

クラピカからの電話。驚きの内容だった。

 

《旅団は…死んだ》

 

 

危険度Aランク。熟練ハンターですら迂闊に手が出せない幻影旅団のメンバーが死んだのだ。一体どういことなのか聞いても答えない。それどころか電話を切った。

 

「………。」

 

何かを考えたゴンはピッピッとメールを操作する。

 

「どうしたのゴン」

「何かするのか」

 

ゴンの様子にカオルとキルアは聞く。ゴンは操作しながら答えた。

 

「うん。「お昼にデイロード公園で待ってる」ってメール送った」

「「「「???」」」」

 

強制的に約束をしたゴン。一体どういうつもりなのか。

 

***

 

 

お昼・デイロード公園

 

ゴン、キルア、カオルの前には沢山の食糧。ゴンとキルアはクラピカを待つ間、早食い対決をすることになったのだ。

 

 

「よ――し!!先に食べるのやめた方が負けな!」

「負けないぞ!」

「それじゃよーい…始め!」

 

 

カオルの合図にゴンとキルアはガツガツ食べ始める。しばらくしてカオルが気づく。

 

「あ!クラピカ来た!」

 

クラピカが来たのだ。来るかどうかわからなかったのでカオルは驚く。

 

「ぶぁはピカ!!」

「ふぎゃ!!Σ(・□・;)」

 

それを聞いたゴンは口いっぱいに頬張ったご飯を盛大にキルアと傍にいたカオルに吹っかけてしまったがそんなのお構い無し。ゴンはクラピカの元へ走り、ある事を伝える。

 

「旅団が死んでこれでやっと1番したかったことに集中できるね!早く見つけてあげなきゃ!仲間達の眼」

 

確かに幻影旅団はもういない。きっとクルタ族の眼はクラピカを待っているだろう。

そんな話をしている一方…

 

「もーゴンめ」

 

カオルはお手拭きで顔を拭いているとだ。

 

「……カオル」

「ん?」

「やるぞ(怒)」

 

キルアは怒ってガシッとパイを掴む。

 

「よし!やろう!」

 

カオルもハンバーガーを掴んだ。

 

「もしオレ達にてつだぶ」

 

べちゃっとキルアとカオルにやられたゴン。

 

「なにやんだよー!!」

「うるせ!先にやったのはお前だ!!」

「顔にぶっかけたゴンが悪い!!」

 

3人のケンカが開始された様子を見てクラピカはため息をつき、久々に笑った。幻影旅団がここに来ていなかったら本当はこうして再会を喜びたかったのだ。競売を終わらせたレオリオも合流する。

 

「久々!!!全員集合だね!!!」

「ホント!!クモのせいで遅くなっちゃったもんね!!」

 

 

 

 

 



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クモ×ヲ×ツイセキ

「何かオメー威圧感つーか迫力みてーなもんが出た気がするな」

「そうか?君は……大した変化もなさそうだなレオリオ」

「ムカつく度も増したなオイ」

 

レオリオとクラピカのこの対応も久々だ。

 

「それはそうと何か旅団の1人と闘って倒したらしいな」

 

しかしクラピカは「私の話は参考にはならない」と言う。クラピカの能力は旅団以外の者に使えないのだ。とりあえず場所を変えて説明をする。制約が厳しいものであればあるほど念能力は強大化するが、術者の背負うリスクも大きくなる。クラピカは幻影旅団以外の人間に対して鎖の能力を使用すると死ぬルールを決めたそうだ。

 

「何で話したんだ!!そんな大事なこと!!」

「キルアの言う通りだよクラピカ!!」

 

キルアとカオルは声を荒げる。

 

「まずいんだ!まだ残ってる!奴等の生き残りに記憶を読む能力者がいる!!おそらく対象者に触れるだけで欲しい情報を読み取れる力だ!たとえオレ達が全く喋る気がなくても、そいつなら自在に記憶を引き出す。」

「私たちがまたその人に捕まったら鎖野郎がクラピカで能力がバレちゃうんだよ!!」

 

キルアとカオルの言う通り旅団には記憶を読み取る能力者がいる。つまりゴン達4人が捕まったらクラピカのことがバレてしまうのだ。しかもノブナガがクラピカを探してる。またゴンとキルアとカオルに接触しかねない。さらにクラピカとヒソカがコンタクトを取っているため、ヒソカはクラピカが鎖野郎と知っているのだ。また先ほど最悪な連絡が届いた。

 

『死体は偽物』『コミュニティがクモの追跡を諦めたこと、懸賞金も白紙に戻すこと』

 

旅団に偽物を作り出す能力者がいる。旅団の懸賞金については、実は旅団の故郷は流星街。マフィアがここの住人達に武器や資金の提供を行っている。その見返りとして、「社会的に存在しない人間」というマフィアにとって貴重な人材を得ており、二者は蜜月関係にある。さらに流星街の住人は仲間想いらしく流星街を脅かす存在には自爆テロ等で報復する事件も起こしたほどだ。ノブナガがクラピカを捜すのも納得である。これで賞金で軍資金集めは出来なくなった。でもゴンには秘策があるらしい(ゴン曰く60か70%)。とりあえずもう少し旅団を探すことにした

 

***

 

アジトを張る係キルア・カオル

クラピカと行動する運転手・レオリオ

敵の目をくらます役。攪乱係・ゴンとなった。作戦はかなり単純。

敵がゴンに気を取られているスキにクラピカが記憶を読む能力者パクノダを捕え車で連れ去るだ。

 

 

 

雨の中を走るキルア。もう少しでアジトが見えてくる。……はずなのだが

 

「……?何かが昨日と違う?場所が違う…?」

「いや、そんなハズない…!まさか、建物が増えてる!!?」

 

キルアの言う通り建物が増えているのだ。

 

「ア!念能力!!ほら偽の死体作ってたみたいだし!!」

 

カオルの言葉にキルアは「あ~なるほどな」と納得した。死体が念能力で作り出した物だったら建物も作り出せるかもしれない。にしてもこのままではアジトへ行くことが出来ない。

 

「くそ…どんな罠があるかわかんねーぞ」

「私たちからすれば怪しいものだらけだからね。」

「とにかくクラピカに連絡するか」

 

キルアはクラピカに連絡することにした。

 

《かといってやみくもに動き回って鉢合わせになるほうがもっとマズイな》

「だよなオレ達もそれは絶対ゴメンだしカオルが周りを見張っているからまだマシだけど突然奴らの声がしたらどうしようって心臓バクバクいってんだからさ」

「こういう時耳がすごく良い人が居たらなって思うよ」

「そうだなー」

 

カオルの言葉にキルアは同意する。カオルとキルアの言葉を聞いたクラピカはあることを思いついたのか5分後にもう一度かけると電話を切った。

 

「クラピカどうするんだろ?」

「あいつの事だ。何か思いついたんだろ。とりあえず待つぞ。」

「うん」

 

カオルとキルアは周りを注意しながら待つ。

 

ー5分後ー

 

ブルルル

 

電話が来た

 

「もしもし」

《あキルアくん?》

 

女性の声が聞こえる。曰くクラピカの仕事仲間だそうだ

 

「あ、あの人じゃない?」

 

《ケータイ切ってすっごい小声で私に何か命令してみて?》

「何にする?」

「それじゃ無難に…(右手上げて)」

 

彼女の言う通りすっごい小声言うとだ。

 

す…

 

「あ、上げた!」

 

クラピカは助っ人として地獄耳の仕事仲間を寄こしてくれたのだ。背が低く出っ歯で人間離れした男性だった。

 

「初めましてセンリツよ」

「カオルです」

「(男だったのか)俺キルア」

「ふふ…私は女よ」

 

キルアの心音でわかったのかセンリツは教える。

 

「「ウソォ!?」」

 

2人の反応にセンリツはクスクス笑いながら「それじゃあ彼らを探すわ」と言う。彼女は「雨音で内容は聞き取りづらいけど、確かにあの敷地内で話してる声がする。」と言い、さらには足音で人数や「こちらとは反対側に向かってるわね」と言った。こうして彼女の協力の元、旅団の尾行を始めた。

 

「あなた……、まさか殺し屋さん?」

 

センリツの問いにキルアとカオルはビックリする。

 

「なんでわかんの?」

「足音よ。こんなに近くにいてもエスティント(やっと聞こえる程度)だから。」

 

確かに雨の中走ったら足音するのにキルアは音をほとんど出していない。足音を消して行動する人物。つまり殺し屋という事だ。

 

「カオルちゃんは呼吸音が変わってるわね。炎のような音」

「私が使う剣術はこの呼吸じゃないとできないんです。」

 

その説明にセンリツはクラピカが頼るのも納得する。

 

「この道、曲がってさらに100m位先に奴等がいるわ」

「これも足音ですか?」

 

カオルの問いに「そう」と答える。

 

「クセがあるのよ、それぞれ微妙にね」

 

キルアは旅団の姿を確認する。頭の顔は気配が恐くて見れなかったそうだ。

 

「やつらは駅に向かっている」

「列車に乗るんだね」

 

カオルの言葉にキルアは頷く。センリツは同じ車両。キルアとカオルは顔を見られているため別の車両で行くことにした。

 

センリツと駅の出口で合流し、キルアはクラピカに連絡を入れる。

「北西の方向に走ってるわ、凄い速さよ」

「すごい速さ?だれかを追っている?」

 

センリツとカオルが話しているとクラピカの電話がつながった。

 

「……あ、クラピカ!?今駅の出口にいる。6人は北西の方向に走ってるってよ」

 

キルアは旅団の状況を説明する。

 

《ああ、私が追ってる》

「まさか走って追っかけてんのか!?ヤバイって!!絶対気付かれるぞ!!すぐ中止…オイ!」

「レオリオにかけてみる!」

 

カオルは急いでレオリオの携帯電話に掛けた。

 

「あ、レオリオ?クラピカ勝手に行動しちゃってるみたいなの!!ゴンはどうしている!?」

 

カオルの問いにレオリオは慌てた様子で《クラピカについてっちまったよ!!》と答えた。

 

「え―――――!?どうしよキルア!!ゴン、クラピカ追いかけちゃったしレオリオはらっしゅ?で動けないって!」

「あいつら…(怒)とにかく俺らも追いかけるぞ!!」

 

とにかく3人は急いだ。すこしして長髪の女性に変装したクラピカを見つけた。確実に攻撃を仕掛けるチャンスを狙っている。

 

路地を出たところでは

 

「ごめんなさい!!もう追っかけないから許して下さい!!」とゴンが偶然を装っていた。旅団の1人はもう一人いることに気づいているため「出てきな」と言う。クラピカは出てはいけない。カオルはある行動を起こす。

 

 

がし

 

「むぐ!?む~」

 

カオルは片手でクラピカの腕を掴み、もう片方の手で口を塞いだ。でもクラピカは放せとばかりに暴れる。

 

(こうなったら……ごめん!クラピカ!!)

 

ゴン!!

 

「「~~~っ(泣)」」

 

カオルはクラピカの後頭部に頭突きをかましたのだ。倒れそうになる2人をセンリツは慌てて支える。

 

「(ナイスカオル!後は任せとけ!)」

 

キルアは代わりに路地裏を出る。こうしてゴンとキルアは旅団とともにホテルへ向かった。

 

 

 

 

 



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ヒトジチ×ヲ×コウカン

「ク~ラ~ピ~カ~…」

「ゔ」

 

目の前には怒りっぷりが半端ないレオリオ。クラピカは思わず引いてしまう。

 

「全くお前は何やってんだ!!」

「す、すまない」

「すまないで許されるなら警察はいらん!!」

 

レオリオのお説教を喰らうクラピカであった。

 

「レオリオとりあえず待った!」

「今はゴンくんとキルアくんを助けるのが先よ!」

 

カオルとセンリツのおかげでレオリオは「……それもそうだな」と落ち着いてくれた。今はゴンとキルアの救出が先だ。

 

「それでクモの行き先がホテルなんだな!?」

「ええ。ホテルに来てくれと電話かけていたわ」

 

 

レオリオの問いにセンリツは地獄耳で聞き取った内容を言う。

 

「それじゃあホテルで救出する方法を考えないとね」

「ならこういうのはどうだろう?」

 

クラピカは考えた作戦を3人に説明する。

 

「ホテルの明かりをまず消す。ゴン達なら必ず闇に乗じて逃げ出すことが出来るだろ」

「あ、確かに」

「それじゃあ誰かがブレーカーを落とさないとな」

 

センリツとレオリオは話すがカオルが「待って」と言った。

 

「相手は幻影旅団だよ?そう簡単に行くと思う?」

 

カオルの言う通り相手は幻影旅団。幻影旅団のアジトを脱出できたのはノブナガ1人でバカだったからだ。しかも今回は大人数。さらに団長が居る。脱出するのは無理がある。

 

「それなら大丈夫だ。闇の乗じて私が頭を捕らえるからな」

「「「え!?」」」

 

クラピカの言葉に3人は驚く。

 

「え!?頭を捕らえるって!」

「どういうことだよ!!」

「頭を捕らえ、それと同時にパクノダ宛に手紙を残す。「仲間の記憶、話せば殺す」と書かれたものをな。」

 

その説明に3人は納得する。団長が人質ならゴンとキルアの記憶は読まれないし殺されない。団長を救うために人質交換を願うのは確実だ。

 

「レオリオはフロントでゴンとキルアにメッセージを送ってくれないか?」

「メッセージ?」

 

クラピカはレオリオに説明する。

 

「先にゴンたちにしかわからない方法で「目をつぶる」「真っ暗」または「闇」。そして「きっかり7時」を伝えるんだ。」

「よーしメッセージは任せとけ!」

 

クラピカは今度はカオルを見る。

 

「カオルは機動力がある。だから7時同時にブレーカーを落としてほしい」

「わかった!」

 

次はセンリツだ。

 

「センリツは車で待機してくれ」

「ええ」

 

「明かりが消えた瞬間、レオリオとカオルは急いで車へ戻る事。私も頭を捕らえ次第戻る!」

 

「うん!」

「わかった!」

 

こうしてクラピカ達は大急ぎでホテルへ向かった。

 

***

 

ホテルに着いた瞬間、レオリオ、カオル、クラピカは行動を開始した。

 

(あった。関係者以外立ち入り禁止)

 

カオルはクラピカから『ブレーカー等は大事な物だから立ち入り禁止区域にある』と聞かされていたのだ。カオルはその奥にあるだろうブレーカーがある電気室へ走る。

 

 

コ…コ…

 

「!」

 

足音が聞こえてきた。カオルはすぐに物陰に隠れる。

 

(警備員って人だ。これじゃ7時に間に合わない。……なら)

 

ドゴ!

 

「ぐは!?」

 

警備員を見事な手刀で気絶させた。

 

「おじさんごめんね。明かりを消すだけだから」

 

カオルは警備員に謝った後、また電気室に走る。しばらくして電気室へ到着した。

 

「うわ…大きい」

 

ホテルのためかかなりデカい。

 

「あ、時間」

 

カオルは携帯電話を確認する。もう少しで7時だ。

 

(9、8、7、6、5、4、3、2、1)

 

 

バチン

 

ブレーカーを落とす。これでフロントは真っ暗だろう。カオルは警備員が来る前に走った。

 

ー駐車場ー

 

「レオリオ!センリツさん!」

「カオルちゃん!」

 

センリツの他にレオリオがいた。ゴンとキルアはいない。

 

「ゴンとキルアは!?」

 

「詳しくわからねェが音からして逃げられなかったようだ。ただし…」

「頭は捕まえた」

「クラピカ」

 

クラピカが鎖で拘束した男を連れてきた。こいつが幻影旅団の頭・クロロだ。これで人質交換ができる。クラピカはまずパクノダだけリンゴーン空港へ行くことを指示した。

 

 

ーリンゴーン空港ー

「それじゃあ行ってくる」

「待っててね」

 

クラピカとセンリツはクロロを連れてパクノダに会いに行く。

 

「大丈夫かな」

「ああ。危険度Aランクだから心配だよな」

 

 

カオルとレオリオは心配そうに2人を見た。しばらくして……

 

「今帰った」

「クラピカ!」

「センリツさん!」

 

2人が帰ってきた。今夜0時までにゴン、キルアを小細工無しで無事に解放することを伝えたそうだ。

 

「後はあいつらがちゃんとゴンとキルアを連れてくるだけだな」

「うん」

 

0時近く…ゴン、キルアを連れてパクノダが現れた。約束通り誰もいない。そう思ったのだが…

 

「あれは、ヒソカ!?」

「ええ!?なんであいつがいるの!?」

 

なぜかヒソカが現れた。そのヒソカはパクノダに怒鳴られている。

 

「怒鳴られてるなー」

「仲間が来たらダメって約束したからね」

 

ここに来た理由は一つ。クロロと闘いたい。それだけだ。とにかくクラピカは携帯電話で「変な動きをしたらすぐさま団長を殺す」と言った。

念願叶ってご機嫌気分のヒソカも乗せた飛行船は、荒野の広がる岩場の平地に到着する。クラピカは何もされていないか確認すべくキルアの心臓に携帯を宛てさせ、何も無いことを確かめた。

 

「どうですか?」

カオルの問いにセンリツは「何もされてないわ」と教える。

 

「よし!!交換開始だ!」

 

こうしてゴンとキルアはカオル達の元へ帰って来れた。

 

 

「ゴン!キルア!よかったー!」

「お前ら怪我は!?」

「大丈夫だ!」

「心配させてごめんね」

 

2人の様子にカオルとレオリオは安心した。飛行船に乗り、残ったヒソカの様子を窓からみたのだが

 

「あれ?ヒソカ固まっている?」

「本当だー!」

「何やってんだあいつ」

 

珍しく固まっていた。しばし固まった後、ヒソカはパクノダ達が乗ってきた飛行船に乗り去っていった。

 

「ヒソカのやつ戦わずに行っちまったぜ」

「何で?戦闘狂なのに」

 

レオリオとカオルの疑問にクラピカは考える。おそらくクロロはヒソカが団員でないことに気付き、奴が鎖のことを話したのだろう。

 

「ヒソカにしてみれば念能力を使えない相手では意欲をそがれたとしても不思議じゃない」

 

小指の爪ぐらいちょっとだけ可哀想なヒソカだった。

 

こうして幻影旅団との戦いは一時的だが終わった。翌日、気が抜けてしまったのかクラピカは熱を出してしまった。レオリオとセンリツが看病している一方、ゴン、キルア、カオルはグリードアイランドを手に入れる作戦を話し合っていた。ゴンがキルア曰く「勝算あり!50%どころか8割方成功する」作戦を考えてくれた。3人はゼパイルと共にグリードアイランドが出るオークションに参加することになった。

 



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オークション×ノ×ハジマリ

「一時はどうなるかと思ったが」

「ゴンの考えのおかげでなんとか出来そうだね」

「うん!後は参加するだけ!」

 

ゴンの作戦のおかげでオークションに参加できるようになった3人。しかしオークションに参加するにはそれにふさわしい衣装を着ないといけない。そんなわけで3人は服をレンタルすることにした。

 

「それじゃカオル後でね!」

「分かった!」

 

ゴン、キルアとカオルは一旦分かれる。

 

 

「わあ。いっぱい!うーん。迷うな」

 

カオルの言う通り、ドレスがいっぱい。どれにしようか迷ってしまう。

 

「何かお探しでしょうか?」

 

スタッフの女性が話しかけてきた。

 

「はい。ドレスを借りたいんですけど、どれがいいのか迷ってしまって」

「それでは一緒に選びましょう!」

 

カオルはスタッフの女性と一緒に選ぶことにした。……したのだが

 

「では今度はこちらはどうでしょうか?」

「このドレスを着るならこの靴がおすすめですよ?」

「せっかくなので髪型も変えてみますか?」

 

「お…お願いします」

 

いつのまにかスタッフ女性が数人集まり、カオルは着せ替え人形状態になってしまったのだ。さすがに疲れたので最後に持ってきてくれたドレスにすることに決めた。

 

 

「まあお嬢さん、ステキです!」

「それでは髪型も変えましょう!こちらへどうぞ。」

「はい」

 

 

カオルは鏡台の前にある椅子に座る。

 

「それではリボンを外します。」

 

スタッフがリボンを外す。カオルの赤みがかった髪が背中に広がった。

 

 

「お嬢さんの髪を櫛で更に綺麗にして上半分だけ結うと…完成です」

「わあ!ありがとうございます!」

 

「それではレンタル代は8万ジェニーになります」

(高!でも89億よりは安い)

 

代金を支払った後、カオルはタキシードを着たゴンとキルアと合流することにした。

 

 

「ゴン!キルア!お待たせ!」

「カオル!」

「お袋並みに遅かった……。」

 

ゴンとキルアは固まった。

 

「ど、どうかな?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

緊張気味に聞くカオル。ゴンとキルアの感想は……

 

「カオル似合ってる!!」

「ドレス姿も良いな!」

 

キルアの言う通りドレス姿もなかなか良かった。カオルも「ありがと!2人も凄くカッコイイ!」と2人に言う。こうして3人はオークション会場へ向かった。

 

 

ーオークション会場ー

 

名高いオークションのためか会場はとても大きく、参加者も多かった。

 

「レンタル料は高かったがタキシード借りて良かったな」

「普段着で来てたら浮くとこだったね」

「絶対「なんで一般人がここに?」なんて思われるよね」

 

3人はレンタル出来て良かったと安心する。

 

「でも結構みんなこっち見てるよ」

 

ゴンの言う通り、周りは3人を見る。

 

「ま、基本的に子供の来れるトコじゃないからな」

「相応しいおしゃれしても目立つよねー」

 

キルアとカオルが言っているとだ。

 

「「「ん?」」」

「お」

 

どこかに去ったはずの幻影旅団・フィンクスとフェイタンが居た(しかもタキシード着てた)。

 

 

・・・・・・・・・。

 

 

ドギュン!!

 

ゴン、キルア、カオルは全速疾走で逃げる。

 

 

「何でやつらがここにいんのさ!?」

「知るかよ!!」

「とにかく逃げるが勝ち!!」

 

 

「ヘイ」

「「「!!!」」」

 

ゴン達以上のスピードでフィンクスが先回りしていた。更にはフェイタンが3人の後ろを塞ぐ

 

 

「つれねーな、逃げるこたねーだろ。」

「いやあんた達相手だったら逃げるって」

 

カオルの言葉に2人は納得した。

 

「……それもそうだな」

「ごもともね。それと安心するね、別にお前達殺る気ないよ」

 

フェイタンの言葉の意味を説明する。

 

「今となっては鎖野郎を殺るわけにもいかなくなったしな」

 

フィンクス曰く念は死ねば消えるとは限らない。それどころか死ぬことで逆に強まる念があるらしい。つまり呪いだ。クラピカの念はまさにそれ。今クラピカを殺したらクロロは確実に死ぬので殺したくても殺せないのだ。

 

 

「ま、そんなわけでオレ達はお前らから手を引く。てなわけでオレ達は純粋に競売を楽しみに来ただけだ。他の連中はみんな本拠地に戻る気だしな」

「あの、パクノダさん……も?」

「あいつは死んだよオレ達に記憶を撃ち込んでな。」

 

その言葉に3人は驚いた。まさか自分の死の代わりに伝えていたのだ。

「……パクは、お前らに感謝してたぜ」

 

「「「…………」」」

 

***

 

 

サザンピークオークションがスタートし、数々の品が競り落とされていく。そしてメインともいえるグリードアイランドがスクリーンに映し出される。

 

《もうお気付きの方もいらっしゃいますでしょう!このハードは電力を使わず不思議な力で動いております!》

 

筋骨隆々とした大男がハンマーで壊しにかかっても無傷。くじら島の時と同じ様子だ。今回の入手経路は画面の男との契約によるもの。彼はプロハンターで7本ものグリードアイランドを所有していた。

 

 

彼は顧問弁護士にこう残している。

 

 

「もしも2000年1月1日までにグリードアイランドのクリアを公表し、それを証明するものが現れなかった場合、仮にその時点で自分を含めたゲームプレイヤーがプレイ中であっても、無償でハード機共にこのオークションに提供し、才能ある後輩にゲームクリアの夢を託す」と。

 

《このゲームは大変危険です。安易な購入はお勧めしません。覚悟のある方のみご参加下さい!それでは10億ジェニーから!》

 

どんどん増える金額。

 

 

《16番さらに倍!!120億!!》

 

とうとう120億に到達した。

 

「挙げた手の形で金額を表すんだね」

 

ゼパイルが「進行役がその中から瞬時に1番多く提示した者の金額を発表するんだ」と教えた。

 

「これは何を表すの?」

 

そう言ってゴンは先程120億を出した者と同じハンドサインをする。

 

《201番さらに倍!!240億です!!》

「えっ」

 

参加した状況になってしまった。

 

「そりゃ前の人と同じアップの合図だ!!コールされたが最後間違いでしたじゃ済まされねーんだぞ!」

 

さらに最悪なことに司会が《他、ありませんか?》と聞いてきた。これはマズイ。もうダメかと思った時だ

 

 

《16番250億出ました!!》

 

他の人がハンドサインを上げた。

 

「ほ~~助かった~~~~」

「ったく気ィつけろよ!!(オレもやるとこだったけど)」

「もう!ゴン手を上げるの禁止!」

 

最後はある2人が競り争いをする。その結果、バッテラという人物が勝った。実はゴンが考えた作戦はハンターサイトにあった情報からきている。大富豪バッテラがゲームとクリアデータに報酬をかけているというものだ。なので今回、競り合いに勝ったバッテラに雇われたら無料でグリードアイランドが出来るということだ。

 

 



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ゲーム×ノ×センコウカイ

3人はさっそくバッテラに会いに行く。しかしだ。

 

半年で5回グリードアイランドと現実世界を行き来しているプロハンター・ツェズゲラから「プレイしても死ぬだけです逃げ回ったあげく死ぬのがオチ」と言われたのだ。9月10日に選考審査がある。なのでキルアは”発”。つまり必殺技を作ろうと提案した。ゴン達は各々部屋に戻って考える。

 

(私は強化系。自分の体や武器を強くする。天空闘技場で頭舞いをやったらゴン達はオーラが龍の形になっていたって言ってたよね。ウイングさんも性質や形状を変える変化系も得意そうって言っていたし、それだったら変化系のオーラを鉄刀に纏わせてやったらいけるかも)

 

そう考えたカオルは部屋を壊さないために外へ出た。

 

 

 

 

(あの時の様にオーラを鉄刀に……集める!)

 

 

ずずずずず

 

 

(そして…)

 

 

ゴオオオオォォォォ

 

 

『円舞』

 

『碧羅の天』

 

『烈日紅鏡』

 

『灼骨炎陽』

 

『陽華突』

 

『日暈の龍・頭舞い』

 

『斜陽転身』

 

『飛輪陽炎』

 

『輝輝恩光』

 

『火車』

 

『幻日虹』

 

『炎舞』

 

 

鬼滅日ノ神流剣術・12の技すべてをひたすらやった。

 

こうして選考会当日

 

 

「それではこれよりG・Iプレイヤー選考会を始めたいと思います。今回バッテラ氏が落札した6本のゲームがプレイ対象となります。」

 

とうとう選考会が始まった。選ばれる人数は32名だ。

 

 

「ゴン、カオル、先に行くぜ」

「がんばって!」

「いってらっしゃい」

 

キルアがカーテンの中へ入る。

 

「キルアだったら余裕だね」

「うん。キルアはどんな技にしたんだろうね」

 

次はゴンだ。

 

「それじゃ行ってくるね!」

「がんばってね」

 

ゴンがカーテンに入って少しした時だ。

 

ドォン

 

『!!?』

 

物凄い音が聞こえた。

 

「な、なんだ!?」

「あの小僧なにしやがったんだ!?」

(ゴンのことだから思いっきりやっちゃったな)

 

 

そう思いながらカオルも進んだ。

 

「どうぞ」

 

 

カーテンの中へ入るとやっぱり壁が壊れていた。

 

 

「ゴンがすみません」

「いや、別にいい。やれって言ったのは俺の方だからな」

 

ツェズゲラは「それじゃあやってみろ」とカオルに言う。カオルは鉄刀を抜いた。すると

 

 

ゴオオオオォォォォ

 

鉄刀が赤々と燃えたのだ。

 

「どうでしょう?」

「あ、ああ。合格だ」

「やった!」

 

カオルは喜び、鉄刀を元の姿に戻した。

 

「な、なぜ炎を出せるんだ!?」

 

 

ツェズゲラは慌てて聞く。

 

「炎には慣れているんです。それでは」

 

 

カオルはキルアとゴンがいるだろう部屋へ向かった。

 

「ゴン!キルア!」

「「カオル!」」

 

その後も合格者が現れる。22名のところで終わってしまったのかツェズゲラが現れた。

 

 

「さて、とりあえずおめでとうと言っておこう。君たち22名にG・Iをプレイする権利を与える。ゲームをクリアした場合に限りバッテラ氏から500億ジェニーの報酬が出る。詳細は契約書にあるので目を通しておいてくれ」

 

 

契約書が配布され、各々それに目を通す。

 

 

「午後5時にヨークシンを出発する。それまでに契約書を読みサインを済ませ、プレイの準備を終えてターセトル駅の中央口に集合してくれ」

 

 

こうして選考会は3人合格。レオリオとクラピカとはまたしばらくお別れになった。ヨークシンを出発したプレイヤーは古城のある部屋に案内される。パソコンだらけだ。一人ずつジンが残した指輪をはめてオーラを流し込む。それがゲーム内に入る方法だ。合格者は1人ずつゲームに入った。

 

***

 

 

 

 

「G・Iへようこそ。これよりゲームの説明を致します。説明をききますか?」

「はい」

 

この女性はゲーム内の案内係のようだ。カオルは頷く。

 

「このゲームでは指輪をはめていれば誰でも使える魔法があります。ブックとゲインです。」

「指輪」

 

カオルは指にはめた指輪を見る。

 

「これですか?」

「はい。その手を前に出し「ブック」と唱えてください」

 

カオルは言われた通り「ブック」と言う。

 

ボン!

 

ぶ厚い本が現れた。本を開くとカードポケットに番号が振ってあるページと、何も書いていないページがある。

 

「番号が振ってあるポケットには同じ番号のカードしか入れることができません。これを指定ポケットといいます。何も書いていないのはフリーポケットです。指定ポケットは000番から099までの100個。フリーポケットは45個です」

 

 

ゲームクリアの条件は指定ポケットカードを全て埋めること。

 

(簡単な事なのにどうして帰れないんだろう)

 

ルール自体は簡単。なのになぜクリアした人物が出ないのか気になる。

 

ゲイン、というのはゲーム内での魔法でカードから使えるアイテムにすることが出来るがそれも1回きり。カード化限度枚数」がMAXになっている場合、カード化もできないそうだ。

 

「そして最後に最も重要な注意点を。もしもプレイヤーが死んでしまった場合、本と指輪は破壊され、中のカードは全て消滅しますのでご注意ください」

 

「はい」

 

「この説明も最低限の情報ですので、詳しいことはゲームを進めながら御自分で入手してください。それではご健闘をお祈りいたします。そちらの階段からどうぞ」

 

女性に言われ、カオルは階段を降りていく。辺り一面、草原が広がる所に出たのだった。

 



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グリードアイランド
サイショ×ノ×トラブル


「ゴン!キルア!」

「カオル!」

「よ!」

 

カオルもゴンとキルアと合流出来た。次々にプレイヤーが降りてきてほぼ同じ方向へと歩いていく。

 

「私達はどっちへ行く?あっち?こっち?」

 

実は視線を感じる。カオルの指さした方角に町はあるだろう。

 

「俺は向こうに行ってみたいんだけど」

 

ゴンは指さすとキルアは「オレはこっちに行きたいんだ」と反対を示した。

 

「それじゃあ公平にじゃんけんだね」

 

カオルの提案に異議なし。ゴンとキルアは「最初はグ―――!!」とジャンケンを始める。その結果。

 

「くそォ」

「よーしこっちへGOー!」

「おー!」

 

ゴンが勝った。なのでゴンが選んだ方向へ進む。どうやってカードを集めるのかわからない。町に着いたら情報収集したり、G・I(グリードアイランド)の地図を入手したりしようと話し合う。しばらく草原を歩いていると、ゴンは急に立ち止まる。

 

「どした?」

 

聞くと「上から音が」と答える。カオルは疑問符を浮かべながら上を見る。

 

「何アレ!!」

 

空を見上げれば光る球?のようなものが勢いよく落ちてくるのだ。それは目の前にバシュ!と音を立てて落ちる。現れたのは何処からどう見ても悪っぽい男。本があるからプレイヤーだ。

 

 

「ここは……スタート近くの平原か。……ってことは君達ゲームは初めてかい?ん?」

「バインダーを持ってるってことはあんたもプレイヤーだね」

「なんで出発地点に来るの?」

 

その問いに男は「キシキシ……まぁね」と言う。この男怪しすぎる。

 

「ふーん、キルアくんとゴンくんにカオルちゃんか」

 

「「「!!」」」

 

自分達の名前を当てたことに3人は驚く。

 

「ねェ、なんで名前がわかったの?」

 

ゴンが聞いても「さぁて、何でかな~~??」としらばくれる。男は何を考えたのか「”追跡(トレース)使用(オン)!!キルアを攻撃!!」とキルアに攻撃を仕掛けたのだ。

 

「キルア!!大丈夫!?」

 

ゴンはキルアを心配し、カオルは駆け寄る。

 

「オレに…何した?」

 

キルアはメチャクチャ怒っていた。それを感じ取った男はまた飛んで逃げていった。

 

 

「ちょっとごめんね。自分の名前と私と彼の名前言える?」

「キルアとカオルとゴン」

 

キルアはスラスラ問いに答えた。

 

(意識はちゃんとあり。脈大丈夫。熱は平熱)

 

カオルはキルアに異常がないかを確認する。

 

「今のところは大丈夫みたい」

「あーよかった」

 

カオルの言葉にゴンは安心する。

 

3人は異常がないので町へ行くことにした。しばらくして…

 

「あっ!あった!!街だよ!!」

「懸賞の街アントキバ?」

 

確かに壁には懸賞金絡みの張り紙だらけ。名前の通りだった。

 

「あっ2人ともあれ見て!」

「アントキバ月例大会行事表か」

大きく張り出された月ごとの大会一覧が目に入る。

 

「9月はジャンケン大会だってさ」

 

今月は現実世界と同じく9月だった。

 

「この中も9月なの?」

 

カオルの疑問を確かめるためにゴンが近くの人に日付を尋ねると9月11日だよと答えが返ってきた。リアルタイムみたいだ。

 

「毎月15日開催か……9月の優勝賞品が「真実の剣」」

 

しかも重要アイテムなのか最初に審査に合格した男性や、他にも審査を通過した者達がいた。なので3人も参加することに決めた。とりあえず大会は4日後なので周りに貼ってある懸賞をやることにした。

 

 

ぐうぅ~~

 

あ、と3人揃って顔を見合わせる。3人はメチャクチャお腹を空かせていた。

 

「………////」

 

カオルは顔を赤くする。

 

「腹ごしらえと情報収集と懸賞品、一石三鳥で行くか」

 

キルアの提案の懸賞は大食い(貼紙には巨大パスタ、30分以内に完食で料金無料、懸賞品として「ガルガイダー」をプレゼント)。お腹いっぱい食べられて懸賞品を貰える。更に情報を手に入れられるからだ。

 

「30分以内に完食すればお代はタダ!さらに「ガルガイダー」プレゼント!」

 

 

それではスタート!と店主の合図でパスタを頬張る。カオルも頑張って食べている。キルアは食べつつ情報収集をするのだが……

 

「魔法?なんだそりゃ?」

 

 

ゲームのキャラクターは特定の内容は言えないようだ。

 

 

「アイヤーやられたアル!見事10分と13分29分で3人とも完食!!」

 

「う~食べ過ぎた」

 

カオルはお腹をさする。当分スパゲッティは食べたくない。ソーダを啜って待っていると店主が賞品を持って来た。

 

「お待たせ、賞品のガルガイダー3枚アル」

 

店主はグロイ顔の魚のカード(説明文には3大珍味でうまいとあった)を持ってきた。そのカードの左上には1217、右上にはF-185と表示してある。

 

「これなんのことだろ?」

「店主さん、この数字はなんですか?」

 

カオルが聞くとこれだけは答えてくれた。

 

「オウ君達カード初めてか、異国の人アルか。左の数字はアイテムのカードナンバーで、右の方は記号がアイテムの入手難度のことアル。」

 

難易度はSSからHまで。記号の横の数字はそのアイテムのカード化限度枚数のことらしい。つまりこれはクズカードだった。残念。とりあえず情報収集再開するために外に出ようとした3人。すると店主から待ったをかけられる。

 

「他に注文したアイスソーダ有料ね。3杯で1020ジェニーアル」

 

確かにその通りなのでお金を出したのだが……

 

「…………何ソレ?この島ではお金この状態でないと使えないアル」

 

この世界ではお金もカードだった。なので3人はお代分働くため、ゴンとキルアは皿洗い。カオルは給仕をすることにした。しかしG・Iをやるうえで色々問題が上がる。例えば

 

・カードはバインダーに入れておかないと1分で戻ってカード化出来なくなるから、バインダーに入れておかないと次に使えないことになる

 

・しかしフリーポケットの数は45しかない

 

・フリーポケットの方はすぐ満杯

 

・お金以外にも色々必要なもの出てくるだろうし、割とシビアに入手アイテム絞らなきゃいけない

 

・資金集めはどうするのか

 

 

その後、やっと代金を払う事が出来た3人は外に出た。

 

ザワザワ

 

左側からどよめきと悲鳴が上がる。1番最初に審査に合格した男が仰向きに倒れている。しかも腹部はぐちゃぐちゃで血だらけになっていたのだ。

 

「ねェ何があったの?」

「突然体が爆発したんだ、内側からボーンとよ!」

 

すると突然ブゥゥン、と死体の周りに光が出現し、死体ごと消えていった。ゲームオーバーになったから現実世界の戻ったのだ。この様子を見てゴンとカオルはキルアもこうなるんじゃないかと不安になってしまう。

 

「安心しな」

「「「!!」」」

 

男が話しかけてきた。

 

 



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オトコ×ノ×テイアン

男性曰く「このゲームにそんな呪文(スペル)は存在しない」らしい。ゲームオーバーした男の死因は念だったのだ。

 

「プレイヤー同士で殺し合いをしてるってこと?一体何で……!?」

「プレイヤー狩りさ」

「狩りってことは……もしかしてカードを?」

 

男性の言葉にカオルは聞く。カオルの問いに男性は「その通り」と言う。存在できるカードには数に限りがある。しかも貴重なカードほどその数は少なくなる。つまりプレイヤーが増えれば増えるほど、限りあるカードが自分に回ってくる確率が下がる。つまり逆に言えばプレイヤーが減れば減るほどカードの配分が増える。G・Iに死者が出る原因の1つがこのプレイヤー狩りだったのだ。

 

「それであんな残虐なマネをする過激な連中が出てくる。オレ達は逆……数で勝負し決して血は流さない」

 

「「「?」」」

 

男性は3人にある提案をする

 

「オレ達と組まないか…?確実にゲームクリアできる方法がある……!!」

 

確実にゲームクリアできる方法。それは一体何なのか。「ブック!」

 

出したのは例の本。3人が距離を置く。カオルは鉄刀を抜いた

 

「相手がバインダーを出したら自分もバインダーを出す!このゲームに慣れた者なら必ずそうするんだ。」

 

男は「君達オレがバインダーを出したら緊張したね?お嬢ちゃんに至っては武器を抜いた」と言う。それを聞いて3人はハッとした。

 

「1度バインダー内のスペルカードで攻撃を受けた経験上オレを警戒したんだろう、しかしバインダーは出さなかった。それは「どうしたらいいかわからない」初心者だから。」

 

スペルカードでの攻撃はスペルカードでしか防げない。慣れた者なら例えカードを1枚も持ってなかったとしてもバインダーは出す。それがこのゲームで重要なルールだ。

 

「話だけでも聞く気になったかい?そこの広場だ」

 

今のところの情報源はこの男とその仲間だけ。キルアがかかってしまった呪文カードの事もあるのでついて行くことになった。

 

 

***

 

広場に着くと3人と同じく選考会に参加した者たちもいた。仲間の男が説明を始める。

 

 

「まず君達が1番心配していることを解決しておこう。彼の死は呪文によるものではない。このゲームのスペルの中には人を殺傷する類のものはひとつもない。故に君たちがかけられたスペルで負傷したり、ましてや死ぬことなどありえない。」

 

スペルは全40種類。移動型、攻撃型、防御型など様々。キルアが喰らったスペルは調査型である。一言で言うと呪文をかけられたプレイヤーは情報を奪われる。自分が現在どこにいるのか、どんなカードを所有しているか。それが敵に筒抜けになる。それが調査型の特徴だそうだ。

 

 

先ほど殺された人物は爆弾魔(ボマー)という最も過激な部類のプレイヤー狩りにやられた。最低でもそんなヤツらが4人は存在するという。

相手を殺してしまったらカードは奪えない。当初このルールはプレイヤー同士の殺し合い防止が目的だったはずなのだが状況が煮詰まってきて、相手を殺してカード化できるアイテムが1つでも増えればよしとするヤバい連中が台頭してきたという。男は宣言した。

 

「オレ達がその状況にピリオドを打つ!!同士を募りゲームを攻略する!!協力して欲しい」

 

しかしその方法は奪うだ。「腕ずくで奪うのか」と呆れるプーハットという人物に、ゴン達を誘った男は「違う!」と声を張る。男が使う方法はスペルを使ってカードを集めるという。スペルカードの中にはカードを奪う呪文、それを防ぐ呪文のスペルカードある。それを独占し使って奪うのだ。殺して奪うよりはマシだったがなんだかそれもどうだろうかと思ってしまう。

 

そしてゴン、キルア、カオルの答えは…

 

「オレはいい。自力でプレイするから」

「リーダーがそう言うんでね」

「私も同じく!」

 

ゴンの言う通り、自力で集めるにした。なぜ自力で集めるのかと言うと…

 

「あいつらジンの作ったゲーム、殺戮だとか奪い合いが前提だとか、悪い風にばっか言うんだもん」

 

父が作ったゲームを悪いように言うから嫌だ。協力したくないと思ったようだ。その気持ちを汲み取ったキルアとカオルは殺しは絶対にしない奪い方を提案した。

 

「例えばプレイヤーが互いにカードを1枚ずつ出し合って、ルールを決めた上での戦闘で勝った方が相手のカードをもらえる」

「絶対にやってはいけないのは殺し。もしやってしまったらカード全部没収!て言うのもどうかな?」

 

キルアとカオルの言葉にゴンは「アリだ」と言う。

 

 

「ま、あんな奴らほっといてオレ達はもっとゲームを楽しもうぜ」

「賛成!さっき言ったのだったら楽しくゲームができるよ!」

 

キルアとカオルの言葉にゴンは「……うん!」と応えた。

 

「キルア、カオル。ありがと!」

「「!」」

 

「2人と一緒にここに来れて……ううん!2人と会えて、オレ本当に良かったよ!」

「………うん!私もゴンとキルアに会えてよかった!」

 

ゴンとカオルの言葉にキルアは「やめろよバカ、恥ずいだろ」と言う。

 

「キルア照れてる?」

「なんで?オレ本当にそう思ってるんだよ!!」

 

こうして3人は次は何をしようかとまた話すのだ。



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ジャンケン×ノ×トックン

カードを手に入れるため、ゴン、キルア、カオルはじゃんけん大会に参加することに決めた。

 

「あ、ジャンケン大会に参加するんだったら特訓でもしない?」

 

カオルの提案にキルアは考える

 

「確かにやらねーよりはいいよな」

「それじゃさっそくやろ!」

 

ゴンも賛成したので3人は大会に向けて特訓することに決めた。3人は構える。

 

 

「「「最初はグー!ジャンケンポン!!」」」

 

・ゴン、グー

 

・キルア、チョキ

 

・カオル、チョキ

 

ゴンの勝利だ。

 

「やった!」

「ちくしょ!ゴンまたやるぞ!!」

「キルアの言う通りやるよ!!」

 

ゴンは喜び、キルアとカオルは悔しそうに言う。

 

 

 

「「「最初はグー!ジャンケンポン!!」」」

 

 

・ゴン、チョキ

 

・キルア、パー

 

・カオル、パー

 

またゴンの勝利。

 

「また負けたー!」

「もう1回だゴン!」

「いいよ」

 

またジャンケンをする3人。ただし

 

「が――また負けた!!」

「またぁ!?」

 

キルアとカオルはまた負けた。

 

「チクショー何でだよ!?」

「ゴンの勘が凄すぎるの!?」

 

連敗更新中のキルアとカオルは不満気にゴンに聞く。ゴンは「実はヒケツがあるんだ。」と答えた。

 

「くじら島に来てた漁師のオジサンに教えて貰ったんだけど。キルアとカオルの目なら絶対出来ると思うよ」

「目!?」

「なんで目?」

 

ゴンはキルアとカオルに教える

 

「オジサンが言うには最初はグーか始めるのがミソで相手の手の動きにだけ注意しろって言うんだ。」

「グーから?」

「手の動き?」

 

余計にわからん

 

「相手はグーの状態から振り上げて、振り下ろす瞬間には十中八九、既に出す手の形にしてるはずで。グー以外の手を出そうとする人は、握り方が空き気味になる。つまり敵の手がグーなままだったり変えた手がハッキリ見えたらそれより強い手を出して、微妙だったらチョキを出しておけば負けないってこと!最初はグーで相手の拳を前に出させとけば動きが見やすいから、「目がいいやつならこの方法で90%以上勝てる」って言ってた!」

 

・・・・・・・・・・・。

 

「てめキタネーな!!先に言えよそーゆーの!!」

「ゴンずるーい!」

 

文句を言うキルアとカオルに「他の人に聞こえるよ!!」とゴンは言う。それを聞いて2人は慌てて口を押さえた。ちなみに理屈はカンタンだけど、実は才能と練習がいるらしい。実際、レオリオに教えても出来なかったそうだ。

 

「てかズルだろぶっちゃけ」

「こういうの大会でやっていいの?」

「じゃ、使うのやめる?」

 

ゴンの問いに2人は「「………………やる」」と答えた。

 

「名付けて「目で勝つ大作戦」!!」

「「真実の剣」はもらったぜ!」

「それじゃあもう一回!」

 

3人は構える。キルアとカオルはじー…とゴンの手を見る。

 

「「「最初はグー!ジャンケンポン!!」」」

 

・キルア、パー

 

・カオル、パー

 

 

そしてゴンはグーだった。

 

「よっしゃー!」

「初勝利!!」

 

方法はズルいが初勝利なのでキルアとカオルは大喜び。こうして3人は勝ち負け繰り返しながらジャンケンの特訓をし、ついに15日の大会の日を迎えた。

 

 

 

 

 

 



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カード×ノ×トウナンタイサク

3人は特訓のおかげで順調に勝ち進んでいく。準決勝にてキルアとカオルが勝負している。どちらかが勝ったら先に決勝進出したゴンと勝負だ。審判がレディ、と叫び2人は構える。

 

「「最初はグー!ジャンケンポン!!」」

 

カオルはチョキ。キルアはグーだった。

 

「よし!オレの勝ちぃ!!」

「あー負けた!」

《キルア選手の勝利!決勝進出です!!はたしてどちらが勝つでしょう!!》

 

こうして決勝戦。ゴン対キルアが開始された。

 

「2人ともがんばれー!」

 

 

 

「「最初はグー!ジャンケンポン!!」」

 

キルアは右手じゃなく左手でジャンケンをした。

 

「え!?」

 

当然相手をしているゴンは驚く。

 

「あ――…キルアまさか」

「でもあの方法対策なら納得だけど」

 

カオルは納得する。基本的にズルい方法。なので対策として両手を使い、右手と左手どちらを出すかをわからなくするのだ。その後もその方法でジャンケンをするキルア。そして

 

 

「「最初はグー!ジャンケンポン!!」」

 

結果はグーとチョキ!キルアの優勝が決まった。

 

「く~~左かァ」

「ィエス!」

 

キルア曰く「対ゴン用の秘密兵器、名付けてスイッチ必勝法!」だそうだ。すると優勝賞品、「真実の剣」が運ばれてくる。

 

「おめでとう、優勝賞品の「真実の剣」です!」

 

渡された真実の剣はボン、と音を立ててカードになった。

 

「キルアおめでとー」

「ああ!見ろこれ!指定ポケットのカードだった!」

 

機嫌よく見せるキルア。これでやっと1枚目だった。ただし…

 

「問題はどうやってこのカードを守るかだね」

 

カードの中には奪う効果のある物もある。

 

「特にオレ達がこのカードを手に入れたのは大勢に見られてるし、確かに格好の標的だよな」

「実際ついて来てるしね」

 

カオルの言う通り、確かについて来ていた。

 

「皆があんな風にわかりやすいといいんだけどな」

「でも油断はできないよ。何しろ相手がどんなに弱くてもスペルカードを使われたら防ぎようがないもん」

「実際こっちはカード一枚だから無理だし」

 

そう話し合う3人。しかしキルアは「そうでもないぜ」とゴンとカオルに言う。うまくいけば防御カードなくても防げる方法があるのだ。

 

 

あれこれ考えを出し合っていけば防御カードがなくとも対策は意外とあると気付いた。防御カードがない間はそのような方法を使う事にしよう。

 

「次はどこに行こう「ま、待て!!そこの子供達!!」

 

ついて来た男が叫ぶ。

 

「真実の剣を置いていってもらおう。大人しく言うことを聞けば乱暴な真似はしない」

「やだよバーカ」

「おじさん。奥さんに尻敷かれているの?」

 

「うぐ!!」

 

男はカオルの言葉にぐさっときた。実際、奥さんが男の稼ぎを待っているのだ。

ばっ、と男はバインダーからカードを取り出した。それを見た3人は「「「ブック」」」と叫ぶ。

 

「お前らがこのゲームに来たばっかりなのは分かってるんだ。防御呪文も「真実の剣」以外の指定ポケットカードも持ってるわけないね!キルアを攻撃!真実の剣を奪え!」

 

男はカードを盗む「窃盗(シーフ)」を使う。しかしできなかった。

 

「指定ポケットのカードだからって、指定ポケットに入れてるとは限らないぜ」

 

違うところにしまっていたのだ。「窃盗」はレアカードだったのかショックのあまり膝をついている。襲い掛かって来る男たちは基本的に雑魚。そのため、キルア達が考えた作戦(G・Iではシャッフルガード法やフルポケット法という)にもあっさり引っかかっている。ゴンが持っているかしっかり調べた男でもゴンは一瞬で男の手元から「強奪(ロブ)」のカードを奪った。

 

こうしてその場をしのいだ3人。ただし実力がある他のチームに捕られた。

 

 

 

 



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ナゾ×ノ×ショウジョ

「待って下さい!」

 

目的地をマサドラに決めたゴン、キルア、カオル。マサドラへの情報を聞き、「いざマサドラへ!」と思った時、同年代でツインテールの少女が話しかけてきた。間違いなく選考会やハメ組に誘われた時広場にいた子だった。

 

「あ、確かあの時一緒にいた……」

「選考会にもいたよね?」

 

カオルの問いに「はい」と答える少女。少女は真剣な様子でお願いする。

 

「あの…私を仲間に入れてください!」

 

「あーごめん」

 

キルアの言葉にショックを受けたのか「ど、どうしてですか!?」と聞く。理由はこれ。

 

「ジャマだから」

 

ただ邪魔だからだ。少女が心の中で怒り狂っている一方、3人は今の内にと進もうとした。

 

「あ!待ってお嬢さん!お嬢さんもお願いします!」

 

同姓であるカオルだったら聞いてくれるかもしれない。少女はカオルに言うが

 

「どうして?初心者だけどかなりの実力者でしょ?」

「え?」

 

小声で言われた少女。カオルは小声で続ける。

 

「G・Iは死者が出るゲーム。普通の女の子だったら確実にやりたくない。なのにあなたは選考会に参加し、合格もした。さらにハメ組に誘われていた。でも一人でいる。実力があるから出来る行動だよ。なので私たちの信頼関係を壊すために近づいてきた可能性大」

(ぐわ~~当たってるだわさ―――!!実際、少しだけオメーらの関係かき回してやろーと思ってたし!)

 

思わず心の中で本当の口調が出てしまう。

 

 

「それではさようなら。」

「まっ、待って下さーい、足でまといにならない様に頑張りますからっ!ちょっと…待って…コノ待ちやが……って下さ――い!」

 

少女は慌てて3人を追いかけるのだった。

 

 

***

 

情報によると北へ真っ直ぐ行けば目的地、そして途中山賊に気をつけろとあった。それを話終わった後

 

「で、どうする?」

 

まだ例の少女が追いかけているのだ。

 

「ほっとけほっとけ。山賊が出たらドサクサでまけばいいよ」

 

キルアの言う通りに行動することになった。しばらく山道を走っていくが、少女はかなりの速さで着いてくる。

 

「思ったより着いてくんなァ……」

「うん、オレ達結構飛ばしてるよね」

「なんかサトツさんを思いだすよね!あの人物凄い速さで歩いて(・・・)たし」

「「あー」」

 

確かにカオルの言う通りあの人は歩いていた。なのに物凄いスピードだったのをゴンとキルアは思い出した。

 

そう話していると気配を感じ取った。山賊の登場だ。

 

「「助けてください!!お願いします!!」」

 

・・・・・・なぜか見事な土下座を決める山賊。とりあえず敵意は無いようなので事情を聞いてみることにする。

 

 

ログハウスがいくつか並ぶうちのひとつに上がらせてもらうと、そこには小さな男の子が寝かせられていた。山賊たちは島の風土病にかかり、この男の子は一番重かったのだ。

 

「なんとかお金を恵んで頂くことは出来ないでしょうか!」

 

薬代を恵んでほしいとお願いする山賊たち。ちなみにゲーム語に訳すと金を恵んでくれたらお礼としてお得なアイテムか情報を渡すだ。しかし薬代を渡しても男の子が「寒いよ寒いよ」と言うから3人は上着を渡しても情報はもらえなかった。

 

身ぐるみ剥がされた3人は森を進んでいく。少女はいつの間にかいなくなっていた。しばらくしてそのかわりと言わんばかりに視界は開け、見渡す限りの岩石地帯が現れた。そろそろ怪物が現れるようだ。

 

「行くぜ!」

「「おー!!」」

 

気合を入れる3人。ただし現れたのは崖よりも更に大きい1つ目の巨人(しかも複数)。ドコからどう見てもラスボスレベルだった。しかし暫くすると目が弱点と分かってきた。

 

「しかもこいつら攻撃パターンが2通りしかないよ!」

「ならまだ戦いやすいね!」

 

カオルはジャンプしながら巨人の体を登っていく

 

『円舞』

 

ザシュ!!

 

こうしてカオルに倒された巨人。ただし

 

「・・・・・・G」

 

巨人はまだ弱いGランクだった。確かに攻撃パターンが二通り。目が弱点と分かりやすいから仕方がない。

 

「でもいけるぜ……!怪物にちゃんと弱点とクセがある。こっちが冷静に理詰めで対処すれば正解に辿り着けるよう設定されてる。山賊の時はかなり不安になったけど」

 

確かにキルアの言う通り、冷静に対処すればちゃんと倒せると分かった。

 

「ジンが作ったゲームだもん、まっとーに決まってるよ!」

 

ゴンも真っ当だと言う。その様子にキルアとカオルは苦笑いだ。

 

「よーし!この調子でマサドラ目指すぜ!」

「「オー!!」」

 

 

気合を入れる3人。ただし先程の巨人何体分……と数えるのも億劫になりそうな巨大トカゲに気合を壊された。

 

「たまたま1つ目巨人にはあっただけかもな。難易度Gだし。恐らく今のトカゲはランクAとみた」

 

3人はとにかく倒せそうなら攻撃。やばそうだったら即バックレでマサドラを目指そう、ということになったがそれからも大変だった。スゴイ速さのまっくろ〇ろすけ、当たったら音と衝撃が凄いシャボン玉を作る馬など、トカゲと比べれば弱そうなのだが3人を翻弄するモンスターが出てくるのだ。

 

「お」

「今度は手強そうだね」

 

「凝!!!」

「「「!!」」」

 

先ほどまでのか弱い様子を取り払い、少女は本来の様子で話す。

 

「凝だよ!!出来るの!?出来ないの!?」

 

3人が凝で鎧の騎士を見ると、オーラがどこか別の場所へ伸びているのが分かった。

 

 

「見えただろ?その騎士は傀儡でいくら攻撃しても効かないよ」

 

こうしたらかなり簡単だ。カオルとキルアは騎士の気を引く。その隙にゴンはダッシュする。陰になっているオーラの先。その先には小さなネズミがいた。ネズミはビクッ!と体を震わせると気絶してカード化したのだった。

 

「カードゲット!」

 

少女が崖の上からストンと降り立つ。

 

「何で言われるまでやらなかったの?ずっと見てたけど1度も使ってないよね?」

「いや……まぁ…な」

「うん」

「習ったばっかだったからね」

 

3人の様子でやらなかった理由が分かった少女だった。少女は人差し指を出す。一体どういうことだ。

 

「何ボサっとしてんだよ凝!!!!」

 

慌ててみると数字の1が出た。

 

「いいこと?これからは私が指を1本立てたらすかさず凝!!そして何が見えたか大声で言うこと!!それ以外にも何か怪しい雰囲気を感じたら凝!!いいね!?」

 

教え方がかなり的確だった。

 

「これからは私がコーチしてやるからね、特別にタダでいいよ。その代わりビシビシ鍛えるからそのつもりでね!」

 

コーチする。その言葉にキルアが「寝呆けんなよ」と言った時、彼女は指を出した。

 

(凝)

 

カオルはすぐに凝をする。見えたのは数字の5だ。

 

「「数字の5!!」」

 

ゴンもすぐに凝をしたのか同時だった。彼女は正解と言う。そして遅れたキルアに「お前、腕立て200回」と言った。

 

「ああ!?ふざけんな誰がっぶへっ!!

「「わ―――!?!?」」

 

遠くへブッ飛ばされた。的確な指示。キルアをぶっ飛ばすほどの実力。本当に何者なのか。

 

「あなた私たちと変わらない歳なのに」

 

カオルが聞くと少女は一言。

 

「ん?私は57才だわよ」

「57才!?」

「ババアじゃん!!」

「ウソつくならせめて20歳にしなよ」

 

当然キルアはぶっ飛ばされ、カオルはチョップを喰らった(でも師匠の頭突きと比べればあまり痛くない)。

 

「念を覚えて約40年!あんた達より随分先行ってるし、コーチしてやるって言ってんだから有難く受ければいいだわさ」

 

こっちの意向は無視だ。

 

「だいたいアンタ何者だよ!!」

 

キルアの問いに「自己紹介がまだだったわね」と彼女は答える。

 

「あたしはビスケット=クルーガー。プロハンター!よろしく!!堅苦しいのは苦手だから呼ぶ時はビスケでいいわよ。その代わり教えを乞う身としてあたしの言いつけは絶対守ること!」

 

謎の少女・ビスケはなぜか3人に教えることに決定していた。しかし3人にはウイングがいる。そのことを話すとだ。

 

「もしかしてひよっこウイング?メガネをかけた寝グセボウヤでしょ?服の着方をいくら注意しても直らない、あの」

 

 

実はウイングはビスケの弟子だった。

 



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サイショ×ノ×シュギョウ

ビスケの実力はカオルが思っていた通り本物だった。後から狙っていた男を見事な拳法で倒したのだから。

 

(あの動き……師匠といい勝負)

 

実力はカオルの師匠といい勝負だ。

 

「もしあいつがゲームのキャラなら、あいつをカード化してゲット出来てるわけだけど、 その時の入手難度はDってとこだわね」

 

危険極まりない男がまだ弱い方のDランク。そのことに3人は驚く。

 

「この運がいつまでも続くかしらね?」

 

これまでの状況からして3人は必ずゲームオーバーだ。するとふと疑問が出る。

 

「ビスケはなんでグリードアイランドに来たの?」

「ゴン。バッテラさんの選考会に参加したなら懸賞金目当てでしょ?」

 

カオルが言うとビスケは説明する。

 

「それももちろん。でも1番の目的は宝石よ」

 

彼女曰くグリードアイダンドの指定ポケットカードNo.81にあるブループラネットという月のように美しい宝石を狙っているそうだ。

 

「あ、オレ達もゲームクリアだけど。実はこのゲームオレの親父とその仲間が作ったものなんだけど」

 

ゴンはジンたちが作ったゲームだったと説明する。ジンのことはビスケも知っていた。ジンはかなりの有名人だそうだ。

 

「……もしも、宝石を探すって目的を後廻しにしてもいいならオレ達に念を教えてください!」

 

お願いするゴン。当然、ビスケは了承する。

 

「ただし、あたしはウイングみたく甘くないわよ。覚悟はある?」

(絶対師匠と同じだ)

 

確実に体育系だと分かったカオルだ。ビスケの問いにゴンは「はい!!」としっかりと答える。

 

「そっちは?」

 

キルアも「大丈夫」と答える。カオルはビスケに耳打ちをする。

 

「私たちの仲を壊さなければ別にいいよ」

「……わ、わかっただわさ」

 

3人の言葉を聞いたビスケは先程倒した男を起し、本にしまってあるカードを出させ、没収する。

 

「2週間!!あの3人の攻撃をかわすこと。それが出来たら見逃してやる。もしも決定打を浴びて悶絶したり立ち上がれなくなったらやっぱりあんたを殺す。」

 

そしてルールがひとつだけ。岩壁に囲まれたこの空間。ここから出ないこと。破れば失格。その場合も殺すだ。

 

「オレ達は?」

「あんた達もここから出てはダメ。ここから出たり2週間以内にあいつを倒せなければ、あんた達には罰を与える。」

「私達やらないよね」

「うん」

 

ビスケは「あんたビノールトだわね?」と男に確認する。実はこの男・ビノールトは賞金首ハンターなのに第一級殺人犯でもあるのだ(好物は「22歳の女性の肉」)。

 

「始め!!」

 

ビノールトは開始の合図とともに膝をついて絶状態になった。

 

「何ボサっと見てるんだい?傷んだ箇所の回復をはかってるんだわよ!やらせといていいの?」

 

ビスケの指示にカオルは走る。

 

ゴオ

 

「「「「「!」」」」」

 

鉄刀が燃えたことに驚くゴン達。ビノールトは最初は驚いたがすぐに落ち着き、カオルに攻撃を仕掛ける。ただし

 

『幻日虹』

 

幻日虹によってカオルは回避する。更に

 

『火車』

 

ビノールトの真上を飛んで背後に周って斬り込む。しかしビノールトは気づき、何とか避けた。

 

(あの動き……鬼滅日ノ神流。あいつの弟子ね)

 

ビスケは考える一方、キルアはカオルが作ってくれた隙をつき、飛びかかるが、攻撃させまいとビノールトはハサミを振る。キルアはギリギリ避けたため、頬を切られていた。するとビノールトは咳き込む。攻撃のチャンスとゴンも地面を蹴るがハサミを構えられまともに近寄ることが出来なかった。しかしカオルは一気に間合いを詰める

 

『炎舞』

 

ビノールトはギリギリ一撃目を避ける。

 

(今!)

 

カオルを突き刺そうとするビノールト。しかし

 

ガキィン

 

「な!?」

 

二撃目が弾いた。

 

「ゴン!!カオル!!持久戦で行くぞ!」

 

それを聞いたカオルはビノールトから離れた。6時間交代で投石攻撃をするのだ。その様子にゴンは思いついたのか岩を破壊する。ガラガラと崩れた岩の一部を持ち上げ、ゴンはビノールトに突撃していくのだ。

 

「なるほど。あれだけ大きかったら避けないといけない」

 

ゴンが攻撃を仕掛けてはキルアとカオルが岩を投げつける。こうして半日。ゴン達によって岩の密林が出来上がった。3人は一旦ビノールトから離れた。

 

 

「大分隠れるところが出来上がったね」

「うん。罠を仕掛けることが出来る」

「それじゃあカオルが石を投げて隙を作る。んでもってゴンがパンチで石つぶて(?)を飛ばして怯んだすきにオレが捕まえるってことで」

「「了解!」」

 

こうして最後と言わんばかりに作戦を実行する3人。

 

 

「ゲームオーバーだぜ、おっさん」

「だめだ!!!キルア!!!」

 

ゴンがなぜか待ったをかけた。

 

「まだまだ時間はある!一対一であいつを圧倒出来るようになるまで続けようよ!」

 

今やめるの勿体ないよ!と笑うゴンに開いた口が塞がらない。ビノールトからすればゴンの行動はバカだ。

 

「今度はこっちから攻めてやる!ミンチにしてやるぜ!!」

 

ビノールトが言うが…

 

「うん。でも明日からにしようよ。おじさんも体を休めた方がいい。大分動きが鈍くなってるよ」

 

確かに今のビノールトに勝っても嬉しくない。調子のいい状態で1対1で勝たないとこれから現れるだろう敵に対抗することができないだろう。キルアとカオルも納得してくれた。

 

 

10日後

 

 

キルアとカオルが一人ずつ調子のいいビノールトを倒す。そしてゴンも倒すことに成功。寸止めで倒したその優しさを感じたビノールトは「……もういい。オレに勝ち目はない。殺せ……!」と言う。しかしゴンの答えは…

 

「ビノールトさんありがとう!おかげでオレ達すごく上達しました!!」

 

ビノールトへの感謝だった。ビノールトは震える声でグリードアイランドを出たら自首する、と顔を上げた。

 

「…それで見逃してくれるか?」

 

ビスケは「……行きなさい」と言ってくれた。こうしてビノールトは去っていき、3人は合格した

 

 

 



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イワヤマ×ヲ×トッカン

「それじゃこれからマサドラへ向かうわよ」

 

ビスケの言う通り、一行はマサドラへ行くことになった。

 

「いよいよ呪文カードが買えるね!」

「どんなの買えるかな!」

 

楽しみにしているゴンとカオル。ただしキルアは「金をなんとかしなきゃな」と言う。

するとカオルは気づいた。

 

「数字の9!」

「「あ!」」

 

カオルに言われゴンとキルアも気づいた。

 

「ピンポーン。でもあまりに反応遅い!全員腕立て!!」

 

当てたが反応が遅かったため、3人全員腕立てをすることになった。腕立て200回を終えた後、一行は出発した。

 

岩石地帯を抜け、まるでキャンプ地のような1つ目の村を通り過ぎ、廃村になってしまった2つ目の村を通り過ぎる。海辺を走って暫く行くと……

 

「あっ、あれだ!」

「形面白いね!」

 

一行はやっとマサドラへ到着。たくさんのバルーンが浮かぶ、建物の形が面白い街だった。

 

「呪文カードどこで売ってるんだろ」

「やっぱりゲームの人達に聞く?」

 

カオルが言っているとビスケが「デパート探して」と言う。どうやらデパートで買うようだ。

 

「キルア、デパートって何?そういうのジャポンに無くって」

「んー。いろんな店が中にあるデッカイ建物って言えば分かるか?」

「ああ。なるほど」

 

キルアの説明にカオルは理解する。こうして一行はデパートへ入る。商品はやっぱりカードだ。

 

「店にしたら収納スペースが節約できていいよね」

「でもオレは実物みてから買いたい派だからなー」

「使い方よくわからないよね」

 

そう話しながら店員を探す3人。

 

「あ、あのお爺さんじゃないかな?」

 

プレイヤーがお爺さんにお金カードを渡していた。カオルの言う通り、あのお爺さんが店員だろう。

 

「お爺さん呪文カードどこに売ってるの?」

 

ゴンが話しかけると「ああ、あっちのほうじゃ」と答えてくれた。

 

 

「ビスケ!呪文カードの売り場が分かったよ!」

 

ビスケは「疲れてない?」と何故か確認する。ゴンが「全然」と答えると…

 

「んじゃさっきの岩石地帯まで戻るわよ!」

「「「え―――――――――!!?」」」

 

まさかの逆戻りだった。曰く修行に必要ない。

 

「別に貴重なカード持ってるわけでもないし」

 

とりあえず一行は岩石地帯に戻る。

 

「ゲイン!!」

 

デパートに来た理由は修行に使う道具を買いに来ただけだったのだ。修行に使うのはトロッコにロープ、そしてシャベルと懐中電灯3人分。更にさっきそこから戻って来たばかりなのにまた行くのだ。ただし方法が違う。

 

「今度は文字通り本当にまっすぐ進んでいく!!」

 

そう言って岩山を指さすビスケ。先ほど出したのは穴掘りに必要な物。つまりだ。

 

「掘るの♡」

 

突貫工事だった。

 

 

シャベルを岩に刺すと意外と柔らかかった。これなら進めるだろう。掘っていく3人。ただし掘り進めると岩山はだんだん堅くなってきた。そしてトロッコで運ぶのも大変である。そしてようやく…

 

ボコ

 

開通した。3人は倒れてしまう。

 

「多分……200mくらいしか進んでねェぞ」

「ホント?昨日の100倍疲れてんのに……」

「何年後に着くかなー」

 

3人が話しているとビスケが「休むなら座って」と言う。言われた通りにやると頭上にはロープがつけられた石。自分たちが持っているロープを離したら頭に落ちるしかけだ。

 

「それから、たまにあたしがこの投げナイフでそのロープを切るから休んでる時も頭の一部は緊張させとくように!」

(師匠とやった時あったなー。これ。失敗したら結構痛かった)

 

そう思いながらカオルは器用に寝た。

 

翌朝

 

「ゴン!?なんだその頭!!」

「なんでたんこぶだらけ!?とりあえず薬薬!」

 

キルアとカオルは思わず叫ぶ。起きたらゴンの頭はたんこぶだらけだったのだ。カオルは慌てて師匠特製傷薬を塗ってあげる。

 

「うーん。失敗ばかりしちゃって」

「あーなるほど」

 

その説明にキルアは納得する。こうして2日目の突貫工事が始まったがゴンの足がおぼつかない。不安だ(しかも2日目の就寝に使う石が大きくなった)。

 

翌日、3人は岩山を掘り進める。今回からは一味違う。ゴンがカオルの技を真似して念をシャベルに流し込めばいいと気づいたからだ。さらに危険な睡眠(今は岩)でもあっさり避けるようになった。そしてついに

 

「よっしゃ――――――!!」

「マサドラ(二度目の)到着――――――!!」

「年内についてよかった―――――――!!」

 

年内にマサドラに到着出来た。喜ぶ3人。ただしだ。

 

「じゃ、また元の場所戻るわよ!!」

「「「また!?!?」」」

 

一行はまた岩石地帯へ戻ることになった。

 

 

 

 

 

 



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モンスター×ヲ×ホカク

「今度は、モンスターカードをゲットする。岩石地帯で今まで遭った怪物を全種類!!その中にあんた達の基礎能力で倒せない敵はいない。もしも倒すために足りないものがあるとすれば、敵を観察し分析する力。そして敵を攻略するための手段を戦いながら瞬時に考える力。すなわち戦闘考察力!!」

 

さっそく3人は怪物を捕まえに行った。

 

ブブブブブブブブブ

 

「!」

 

現れたのは虫。以前ゴン達を追いかけてきた虫の群れだった。前回、追いかけられた時はカオルが半分倒した。でも今は違う

 

(今度は全部倒す!)

 

『灼骨炎陽』

 

ボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンボン

 

広範囲の技・灼骨炎陽によって虫たちはカードとなった。

 

「次!」

 

 

ガチャンガチャン

 

「!」

 

現れたのはビスケに言われて正体が分かったネズミが操っている鎧だった。

 

(凝)

 

すぐに凝をするカオル。すぐにネズミが隠れている場所へ向かった。

 

「見つけた!」

「Σ(・□・;)」

 

当然、怖がりの鼠・リモコンラットは気絶。ポンッとカードになった。

 

「よし、次」

 

 

現れたのはふよふよ浮いている箱型のモンスター。前回会った時は3人とも疑問符を浮かべたものだ。箱型モンスターはスイー…とカオルの上を飛ぶ

 

『陽華突』

 

ボン

 

今度は陽華突で突き刺すカオル。次のカオルの相手は……

 

「あれかぁ」

 

推定ランクAの巨大トカゲだった。

 

(凝)

 

カオルは凝を使い、弱点を探す。

 

(模様の一つがおかしい……あれだ!)

 

背中の模様の一つがおかしいと気づいたカオルは巨大トカゲの背中に飛ぶ

 

『碧羅の天』

 

ザシュ

 

「~~~~~~~!!!Σ(T□T;)」

「え!?」

 

ドオオオン!!

 

模様の一つを斬った瞬間、巨大トカゲは気絶した。

 

ポンッ

 

巨大トカゲがカードになった

 

 

『No.697「メラニントカゲ」E-100

牛を丸飲みするほど巨大なトカゲ。押されるだけで気絶してしまう程、敏感なホクロが背中のどこかに1つあり、それを隠すために大小様々な斑点でカムフラージュしている。 』

 

「………Eだったんだ」

 

まさかAじゃなくEだったとは

 

こうして3人は順調に怪物を捕まえていく。最後に捕まえるのは

 

「カオルとキルアも馬だったんだ!」

「捕まえるの一番難しそうだよね」

「とりあえずあのシャボン玉を攻略しねぇとな」

 

破裂するシャボン玉に怯んでいる隙に逃げる馬だ。しばらくして3人は例の馬を見つけた。3人に気づいた馬は赤と白のシャボン玉を作り出す。

 

 

「うわマズ!」

「避けろ避けろ!」

「危ない!危ない!」

 

しかし触れてしまったため破裂した。

 

「ん~~~……」

 

 

カオルは考える。まず念を流し込んでいない鉄刀で白いシャボン玉をつついてみる。

 

ぽよん

 

(破裂しない)

 

今度は念を流し込んだ鉄刀で白いシャボン玉をつついてみると

 

バン

 

破裂した。それを見たゴンは念を出した状態で、キルアは念を出していない状態で赤いシャボン玉に触れてみる。その結果

 

 

ぽよん

「破裂しない!」

 

バン

「わ!?」

 

ゴンの場合、破裂しない。キルアの場合は破裂するだ。

 

「シャボン玉の破裂は念を出してるか出してないかだ!」

「白いのが来たら念を出さないで赤いのが来たら念を出せばいいんだ。」

「それじゃあ絶をする・しないを繰り返すだけだな!」

 

ただし

 

バンバンバン

 

そう上手くいかないのが修行。赤白ごちゃまぜで来るから物凄く早く「絶をする・しない」をしないといけなかった。ビスケ自身も岩石地帯で一番苦労する怪物はシャボン玉を出す馬・バブルホースだと思っている。

 

数日後

 

(絶)

 

白いシャボン玉が来たのでカオルは絶をする。そしてすぐに赤いシャボン玉が来たので解除する。

 

(このまま!)

 

調子よく進むカオル。そして

 

「捕まえた!」

「Σ(・□・;)」

 

バブルホースを捕まえた。後日、キルアとゴンも捕まえられた。これで岩石地帯にいる怪物は全部ゲットできた。

 

「ではこれより、防御の修行に入る。」

 

こうして3人は今度は防御の修行にはいることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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オウヨウ×デ×クミテ

ビスケはオーラを増幅させ、それを手に集中させる。キィィィン、と音を立てる拳は力強く輝いている。3人は見覚えがある。これはゴンがいつもやっている技だ。

 

「“纏”、“絶”、“練”、“発”、“凝”。これを全て複合した応用技を“硬”」

 

ビスケ曰く体中のオーラを全て1部に集め攻撃。それ故に通常攻撃よりはるかに威力が増すのだ。

 

「これからあたしが“硬”をこめた拳で攻撃する。あんた達はこれを全て受けて防ぐこと!避けてはいけない!」

 

つまり3人は大量のオーラで防御をしないといけない。

 

「さてどうする?」

 

その問いにゴンが「こっちも硬を使う!」と答える。半分正解だ。これはそのガードした部位をピンポイントで防御できた時のみだ。硬でガードした部位以外に攻撃が当たれば即体は破壊されるだろう。この場合この応用を使う。

 

「纏と練の応用技。「堅」は全身を通常よりも遥かに多いオーラで覆い防御する。」

 

硬よりは防御力が落ちるがこれが最も実戦的な防御!訓練を積めばオーラの総量も上がり防御力も増すそうだ。

 

「カオル!練をやって」

「わかった」

 

ビスケに言われカオルは練をやる。

 

「この状態をずっと維持するのが堅!その状態であたしのパンチをガードして」

 

しかしビスケはかなりゆっくり動かしている。

 

「「?」」

 

ゆっくりな動作に疑問符を浮かべるゴンとキルア。一方、カオルは力を緩めない。

 

(確実に不意打ちを喰らわせるな)

 

そして

 

ドン

 

「「!?」」

 

ブッ飛ばされるカオル。

 

ズザザザザ……

 

勢いよく地面を転がるがすぐに立ち上がった。

 

「(へえ……たくさん受け身をやったのね)硬の威力は見ての通り!でもカオルは堅をやっていたから立ち上がれただわさ。」

 

「う~~腕がジンジンする。堅がなかったら間違いなくタタキみたいになってたよ」

 

カオルは涙目で腕をさすりながらゴン達の下へ戻ってきた。

 

「タタキってなんだ?」

 

キルアの問いにカオルは「肉や魚を細かく切り刻んだもの」と説明する。

 

((ミンチか))

 

意味がわかったキルアとゴンは青ざめた。

 

「それじゃ次はゴン。さっきみたいにゆっくり打つから堅の状態でできる限り耐えてみなさな」

「うん!」

 

ゴンはカオルみたいに力を抜かず堅をする。ただし2分後、ビスケに打たれる前に膝着いてしまった。練の長時間の維持がとても難しいのだ。

 

「それなりの実力者と戦おうと思ったら、最低30分は堅を維持しないとお話にならないわよ!」

 

 

こうして3人は最低30分堅を維持する修行に入った。

 

 

そして1か月後

 

ドッ

 

硬で殴られるゴン。しかしゴンはギリギリ堪える。3人とも30分経過することが出来た。その後、3人は凝の「オーラを移動させて集中する」行為を素早く行う、集中する量を意識的にコントロールする技術”流”で組手をするのだった。

 

 

 

 



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ケイトウベツ×ノ×シュギョウ

放出系

 

 

「それじゃあ今日は放出系を修行します!」

「「オス!」」

 

先日から系統別の修行(強化系は石割。変化系はオーラの形状変化)を開始した3人。ビスケの言葉に応えたゴンとカオルだけ。キルアが居ないのはもうすぐハンター試験がある。参加するために一回現実世界へ帰ったのだ。(更にキルアが居ないとき、選考会に参加していたアベンガネからハメ組(キルア命名)初期メンバー・ゲンスルーが爆弾魔だと聞かされたり、奴ら対策として買った呪文カードにSランクがあったことにあたふたした)

 

「まずは指に注目」

 

カオルとゴンはすぐに凝をする。

 

「人差し指から球体状のオーラを出す」

 

ビスケの指から小さな球体のオーラが出てくる。

 

「そのオーラを少しずつ離していき、球体を最低でも1分維持」

 

1分後

 

「1分たったら普通に投げる!」

 

そう言って離れたところにある岩に当てた。

 

「これが放出系のレベル1だわさ。それじゃ開始!」

 

こうして始まった放出系修行。数時間後

 

 

パーンパーン

 

「あっホントだ届いた」

「やった!」

(はやっ)

 

ゴンとカオルのことだから1日かかると思ったビスケ。2人はあっさりとレベル1の修行を終えた。

 

操作系

 

「今日は操作系。レベル1は木の葉を操る事!」

「なんか水見式みたいだね!」

「うん!木の葉が動いたら操作系って言っていたしね」

 

ゴンとカオルは水見式を思い出す。

 

「その通り!一番簡単に出来るから木の葉はレベル1の修行に相応しいだわさ!まずオーラを木の葉に流し込む」

 

ビスケは木の葉にオーラを流し込む。

 

「そして浮かばせたり」

 

ふわ~

 

「下ろしたりすること」

 

ぽす

 

ビスケの手のひらにあった木の葉は浮いたリ、落ちたりした。

 

「最終的に縦横自由に動かせたらクリアだわさ!はじめ!」

 

ビスケに言われ、ゴンとカオルはオーラを流し込む。ただし

 

ボス

 

ボス

 

「Σああ!!」

「Σ穴開いた!!」

 

放出系のようにオーラを使ったため、木の葉に穴が開いた

 

(強化系から離れてるから時間かかるだわさね)

 

 

具現化系

 

「今日は具現化系をやるけどオーラは使わないだわさ」

「え?」

 

その言葉にカオルはキョトンとする

 

「あ、クラピカから聞いたよ!具現化系はイメージが必要だって!」

「そうだわさ。創りたい物に触れたり、絵を描いたりするのが具現化系の修行!なのでレベル1は木の葉を触ってイメージ!」

 

なのでゴンとカオルは目を閉じて木の葉を触ったり、たくさんの絵を描いたりした。

 

 

強化系

 

「さて今日の石割は何個まで行くか楽しみだわさ」

 

強化系の修行・石割はオーラを流し込んだ石でひたすら他の石を割る。1日に1個の石で1000個の石を割れたらクリアだ。

 

「始め!」

 

ゴンとカオルは石割を始める。その結果

 

「あー200かー」

「1000個はまだまだ先だね」

 

2人とも200個だった。

 

変化系

 

「できた!!」

 

「「小っちゃ!!」」

 

 

ゴンはビスケからジャンケンの由来を聞いて、グー(強化系)、パー(放出系)、チー(変化系)にした。でも変化系は凄く下手の為、念で作ったナイフは小っちゃかった。

 

「ま、まあ一応できてるから後は長く作る事だわね」

「それと腕の振り方も覚えとかないとね」

「「腕?」」

 

カオルの言葉にゴンとビスケは疑問符を浮かべる

 

 

「刀剣は縦からの力には強いけど横からの力には弱いの。だから刀剣には力を真っ直ぐに乗せる事がとても大事。刃の向き、込める力の方向は同じじゃないといけないんだ」

「なるほど。変化系はナイフだから確かにそれも覚えないといけないだわさ」

 

カオルの説明にビスケは納得した。

 

「カオル質問!」

「なあに?」

 

ゴンはある疑問を聞く。

 

「向きが違ってたらどうなるの?」

「わずかに切れ目がつくか。真っ二つに斬れる前に真ん中で止まるかだね。ちなみに師匠は「刀を折ったらお前の骨も折るからな」って言った」

 

「「・・・・・・・・・・・・。」」

 

 

こうしてゴンは刃物の振り方をカオルから教わるのだった。



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ゲーム×ヲ×コウリャク

後日キルアが帰ってきてくれた。曰くソッコー合格。むしろ帰って来るのがしんどかったそうだ。其の後、呪文カードの話になったので「交信(コンタクト)」で何人遭ったかチェックしてた時だ。

 

クロロ=ルシルフル

 

「クロロ!!?」

「え!?なんであいつがここに!!?」

 

幻影旅団団長の名があった。なぜクロロの名前が会った事に3人は話し合ったが

 

「あたしもまぜなさい――――――!!!」

 

蚊帳の外のビスケに殴り飛ばされた。とりあえず3人はかくかくしかじかと説明する。クラピカによって念能力の使用はできない。つまりここにはこれないのに。しかし外せる方法があった。

 

「除念っていわれる能力よ。でもこの能力を使える能力者は少ないわよ」

 

つまり本物の可能性が出てきた。とりあえずまた現実世界に戻り、クラピカに連絡すると本物ではないらしい。

 

 

***

 

 

「ジャン!!ケン!!!パー!!!!」

 

そう言って手のひらを前に出すゴン。ゴンの手のひらから野球ボールサイズのオーラがポンと出てフワフワとゆっくり飛んだ。

 

「おお~~~」

 

 

クロロの件は取り越し苦労だったのでゴンはキルアに修行の成果を披露する。キルアはフワフワ飛ぶオーラに興味津々だ。

 

「次ね」

 

ゴンはカオルが立ててくれた枝の前に立つ。

 

「最初はグー!」

 

オーラを手に集めるゴン。

 

「ジャン!!ケン!!チー!!!!」

 

シャ!!!!

 

まだ短いオーラのナイフでゴンは枝を切った。

 

「やった――――――!!できた――――――!!」

「やったねゴン!!」

 

喜ぶゴンとカオル。実はカオルから剣術を教え込まれたゴンなのだがバッキリへし折る。ちょっと線がつく等たくさん失敗して5回目の成功だったのだ。にしてもあの掛け声は隙だらけで心配してしまう。ビスケはゴン、キルア、カオルがよく頑張っているからそろそろあることを始めることを提案する。

 

「本格的なゲーム攻略!」

「「「!!」」」

 

やっとG・Iのゲーム攻略を始めるのだ。

 

「まずは昆虫採集に行くだわさ!!」

「「昆虫採集?」」

「カブトムシ捕まえに行くの?」

 

・キングホワイトオオクワガタ ・

 

「指定ポケットカードの内の一つがキングホワイトオオクワガタという大きな白いクワガタムシなのだわさ」

「だから昆虫採集か」

「白いクワガタかー」

「楽しみだねー」

 

大きな白いクワガタムシ。一体どんなものなのか楽しみだ。

 

「森の番人にキングホワイトオオクワガタについて聞くだわさ」

「森の番人?」

 

カオルは大男を思い浮かべてしまう。するとキルアが「あいつじゃね?」と言った。小屋があり、近くになぜかデカいハンマーを持った男が居た。

 

「ねえおじさん!キングホワイトオオクワガタって知ってる?」

 

ゴンは男に話しかける。

 

「ああ?あれを捕まえに来たのか?あれは捕まえにくいぞ」

「大丈夫!」

「どこに居るんですか?」

 

ゴンとカオルの問いに男は4人を巨木に案内した。。この奥にキングホワイトオオクワガタがいるらしい。捕獲方法は唯一現れる夕方に木を叩いて落とすだ。

 

(他にも方法あると思うけど)

(ジャポンに来たハンター曰く焼酎漬けの果物で捕まえられるって)

(ま―――ゲームだからな)

 

現実的に言うゴンとカオルにキルアは苦笑いだ。そして男は揺らすポイントに案内してくれた。そこは今までの挑戦者がつけた凹みがある。ゴンはジャンケン・グーで思いっきりブッ叩くことにした。

 

「最初はグ―――」

 

「なんだありゃ」

 

その様子に疑問符を浮かべる男。その瞬間だった。

 

「ジャン!!ケン!!!グ――――――!!!!

 

ゴオォン!!!

 

「おおっ虫の雨だ――――!!」

「わ―――――いっぱい!!」

 

4人はさっそく探しに行く

 

「クワガタ―クワガタ―白くて大きいクワガタ―」

 

するとだ

 

「いた!!キングホワイトオオクワガタ!!」

 

目的のキングホワイトオオクワガタを見つけた

 

「こっちにもいたぜ!」

「もう1匹発見ー!!」

「こっちも見っけ!!」

 

キルア、ビスケ、カオルも1匹ずつ見つける。ドコからどう見ても普通に昆虫採集に来た子供たちな4人だった。

 

 

・金粉少女・

 

「次のカードは少女シリーズ金粉少女!ガラの悪い奴の屋敷にその子が閉じ込められている。その子の救出が次のゲームだわさ」

「金粉少女?」

「金粉塗りまくってるのかな?」

「なんか想像したくね」

 

とりあえずゴンとビスケが門番の気を引いている隙にキルアとカオルが金粉少女救出という作戦にした。

 

「それじゃ」

「頼んだよ!」

「うん!」

 

ゴンとビスケは「閉じ込めてる少女を返せ!」「ここに居るのはわかってるだわさ!」と門番に話しかけた。

 

 

((凝))

 

カオルとキルアは凝をする。所々オーラがあった。そこに触れず先を進む。

 

「ん?大きいオーラ発見」

「例の金粉少女か」

 

地下4階で壁の向こうに大きいオーラを発見した。

 

「隠し扉か」

「うん。念のため……」

 

カオルは鉄刀で隠し扉(どんでん返しだった)を押す。覗いてみると少女が一人いた。

 

「あなた金粉少女って呼ばれてる?」

 

少女は頷く。

 

「よし!それじゃあ」

「ゴン達のトコ行くか!」

 

カオルとキルアは金粉少女を連れて脱出した。

 

玄関では門番がゴンとビスケに「罠が君達を襲う」と警告していた。

 

「見つけたぜ――――地下4階の隠し部屋にいた」

「あのオーラって罠だったんだ」

 

無傷で少女を見つけ出したことに驚く門番。悔しまぎれに攻撃を仕掛けようとしたが

 

バキ

 

キルアにやられた。

 

「少女シリーズ金粉少女ゲット!!」

 

 

次の街はギャンブルの街・ドリアス。3つカードを手に入れられるイベントがある。するとキルアがある事を思い出した。

 

「明日って15日じゃなかったっけ」

「あ――そうだった!」

「懸賞の街の月例会!!」

 

毎月15日はアントキバの月例会。丁度通る場所なので参加することにした。

 

 

・聖騎士の首飾り・

 

アントキバに到着した4人。さっそく会場に行ってみる。

 

「今月は2人綱引きか」

「だから体格がいい大人ばっかなんだね」

「ビスケもやる?」

「あたしがやったら意味ないだわさ」

 

確かに意味ない。ただしこのままは奇数なので

 

「「「最初はグー!ジャンケンポン!!」」」

 

ジャンケンで決めることにした。結果は

 

「勝った~!」

「勝利!!」

 

ゴンとキルアが参加することに決まった。

 

 

「「せ――のっ!!」」

「「わあ!!」」

「キルア・ゴンペア勝利!」

 

当然、どんどん勝ち進むキルアとゴン。そして

 

《優勝はァ―――――キルア・ゴンペアで―――――――す!!お2人には懸賞品!『聖騎士の首飾り』が贈られます!!》

 

「おめでとう!」

「ありがとう!」

 

そう言って受け取るゴン

 

「聖騎士の首飾りゲットォ――――――!!」

 

しかも聖騎士の首飾りは身につけている間は反射(リフレクション)の効果がかけられる。呪いが掛けられているカードをもとのカードに戻せる。さらには条件さえそろえば増やせるなど交換にも使えられるのだ。なのでジャンケンで勝ったゴンが聖騎士の首飾りを身につける。

 

「よし!!もう怖いもんなしだ!!ギャンブル都市ドリアスへゴ―――!!」

 

こうして5人はギャンブルの街ドリアスへ出発した。

 

 



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ゲーム×ヲ×コウリャク その2

・レインボーダイヤとギャンブラーの卵・

 

ドリアスについてからも4人は調子がいい。意中の相手を虜にする『魔女の媚薬』。大吉が出たら幸運になるが大凶が出たらチャラになるほど不幸になる『リスキーダイス』。被っている時見聞きしたことは忘れない『記憶の兜』をイベントで、どんな場所でもこの券を渡せば入ることが出来る『顔パス回数券』を以前、『真実の剣』を奪った男達と交換して手に入れた。ドリアスにはまだイベントがあるのだが運の要素があるスロット(777を出すが条件)なのだ。するとキルアは思いついたのか「あのダイス」と言う。

 

「あ、そっか」

 

リスキーダイスは大吉が出たら幸運になる。なので大吉を出してからスロットをすると……

 

ンパカパ――――ン

 

 

大当たり。これでレインボーダイヤを手に入れることが出来た。

 

「万が一大凶が出たらって思うと怖いわね」

「うん。恐ろしいことが起きそう」

 

ビスケとカオルは心配そうに言う。大凶とは縁起や運勢がこの上なく悪いこと。心配するのは無理もない。キルアはこのゲームにとっての不幸・カード紛失対策としてゴンたちに渡した。

 

「キルア、紛失はただの凶だよ!そんなものじゃすまないって」

 

ジャポン出身の為大凶とはどんなものか理解できるカオルは注意を促す。カオルの言葉に心配になったのかゴンは「キルアに何かあったら困るよ!!」とキルアに言う。

キルアは「心配ないって」と言うが……

 

ドウン!!

 

離れたところにあったスロットマシンが爆発した。

 

「客の顔面がグッチャグチャだァ―――!!」

 

目撃者の証言によると変なサイコロ(つまりリスキーダイス)を転がしていたらしい。

 

「キルアもうやめとこうよ!!」

「キルアの顔グッチャグチャになるのイヤ!!」

 

ゴンとカオルはやめさせようと説得するが「やると言ったらやる!」と拒否した。賭け事に弱いくせに

 

「次はポーカー。カジノ王とポーカー対決して勝ったら『ギャンブラーの卵』をゲットだわさ」

 

4人はカジノ王の下へ行く。

 

「ポーカーで勝負って言ったらゲーム開始だわさ」

「よし」

 

キルアはカジノ王に近づく。

 

「カジノ王ってお前か。俺とポーカーで勝負だ」

「カジノ王の私とポーカーで勝負?ボウヤよしなよ火遊びは…」

 

その忠告にキルアはニヤリと笑いリスキーダイスを転がす。結果は大吉だ。

 

キルアは配られたカードを変えない。カジノ王は2枚手札を捨て、山札から2枚引いた。

 

「「コール」」

 

バッ

 

「ストレートフラッシュだ」

 

「ビスケ意味は!?」

「かなり強いだわさ」

 

さすがカジノ王と言うべきか。しかしだ。

 

「ロイヤルストレートフラッシュ!」

「グハァ!!!」

 

リスキーダイスの効果でキルアが勝った。

 

「ギャンブラーの卵ゲット――――!!」

「はい じゃこれでダイスはお終いね」

 

ゴンは言うが(もう1回くらいなら…)と考えている。その表情で察したのかビスケとカオルは気絶させた。ゴンは気絶したキルアを背負う。

 

「さ――次の街へゴ――♡」

「お――」

「余ったダイスは売っちゃおうね」

 

こうして3人は気絶したキルアを連れて次の街へ向かった。

 

・カードを交換 ・

 

その後も『大社長の卵』『長老の背伸び薬』『天罰のつえ』等を手に入れた4人。

 

「よーしこれで半分!!50種類目ゲット!!」

 

これで指定ポケットの半分だ。ただし情報を手に入れられるのはランクAまで。ランクS以上は情報収集だけでも困難なのだ。とりあえずマサドラで呪文カードを買うことにした4人はマサドラへ行った。

 

***

 

呪文カードを買った5人は呪文カード屋を見張っている。実は道標等を買った後、あることに気づいた。対象プレイヤー1名を島の外へ飛ばす呪文カード・離脱(リーブ)を手に入れるためにコツコツお金を貯めている実力不足で現実に帰りたいプレイヤーがいるとしよう。その者がその過程で高ランクのカードを手に入れていたとすれば?今ゴンたちが持っている「「離脱」(今3枚所持)と高ランクカードと交換」と言えば喜んで交換するかもしれないのだ。そしてそれをやった結果

 

「「離脱」3枚で…

ランクAの「擬態(トランスフォーム)」「聖水(ホーリーウォーター)」をはじめ カードいろいろ合わせて57枚ゲット―――!!」

 

交換作戦は大成功だった。

 

・奇運アレキサンドライト・

 

沢山集めた4人。これからは自力で取得できそうなカードは全部取っていきつつ、途中で出会ったプレイヤーとカードの交換することになった。時々偽物を渡されても

 

ボン

 

「聖騎士の首飾り」の効果で判明する。するとゴンがあることを言い出した。

 

「もしかしてあの村の人達の病気って呪いじゃないのかな――—って思ったから」

 

ゴン達の上着を奪った(?)山賊たちだ。彼らの病気が呪いだったら「聖騎士の首飾り」の効果で治るはず。

 

「カードじゃないからダメだわね」

 

ビスケの言う通り、彼らはカードではないからゴンの考えは無理。しかしだ

 

「やってみる価値あるな」

「意外とできるかもしれないよ」

「え!?」

「どういうことだわさ」

 

ゴンとビスケの問いにカオルとキルアは教える。

 

「だって怪獣や少女シリーズはカードに出来たんだよ」

「あいつらはG・Iの住人!カードに出来る可能性はあるってことだ」

「「あ!」」

 

確かに生き物もカード化できる。つまり山賊たち人間もカード化できる可能性が高い。なので4人は山賊の村へ行くことになった。

 

その結果

 

キルアの考えた通り、カードになった。ゴンはカードを拾う。カードは「病気の村人」から「元気な村人」に変わった。なので

 

「おお―――――治ったぞ!!」

 

大喜びの山賊が現れた。

 

「ありがとうございます!!ぜひ お礼にこれを……」

「やった!!」

「ちゃんとやってなかったから貰えなかったんだね」

「「聖騎士の首飾り」を手に入れてからだったんだな」

 

「「奇運アレキサンドライト」ゲット――—!!」

 

こうして奇運アレキサンドライトを手に入れた4人であった。



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カイゾク×ト×ショウブ

最悪なプレイヤー狩り・爆弾魔ことゲンスルーと本当の仲間が指定ポケットカードのほとんどを手に入れた。残りは後4種類。なのでゴン達はカードを奪われたり、交換したりで知り合ったカヅスール達や他のチーム、「ヤビビ組」「アスタ組」「ハンゼ組」。一人で行動していたゴレイヌと共同戦線を張った。そしてゲンスルー達が持っていないうちの1つ「一坪の海岸線」を手に入れるために海辺の街・ソウフラビに居た。次は情報収集なのだが意外とあっさり見つかった。

 

「海賊・レイザーと15人の悪魔を倒す。それが条件だ」

 

15人以上で「同行」を使わないとイベントが発生しないそうだ。これならゲンスルー達も簡単に手に入らないだろう。ゴン達は情報提供してくれた女性キャラのもとへ行く。

 

「教えてくれ 海賊の居場所」

「酒場よ。この街で一番大きい酒場。その海賊が連日貸し切ってるから人が集まらないの」

 

「海賊といえば酒場ってことかな」

「きっと酒好きだから酒場にしたんだよ!」

「うーんそれは違うと思うぜ」

 

その後、海賊がバカにする。相撲勝負を仕掛けられるとトラブルがあったが実力は上の海賊がアジトに案内してくれることになった。

 

 

「灯台?」

「灯台だな」

「改造してるのかな」

 

案内されたのは灯台だった。カオルの言う通り、案内された部屋は

 

 

「た、体育館!?」

 

体育館だった

 

「えー!体育館って運動する場所だったよね?」

「うん!色んなスポーツするところ!」

 

なぜ海賊がスポーツを?そう思っているとダンベルでトレーニングをしている男性が「誰だ?そいつら」と聞いてくる。彼が船長のようだ。船長・レイザーは仲間から話を聞き、勝負しようとする。ルールは簡単。メンバーの得意スポーツで勝負。先に10勝した方が勝ちだ。

 

「オレが一番手だ。 オレの勝負形式はボクシング」

 

「キルア ボクシングって?」

「分かりやすく言えば殴り合いだな」

 

キルアの言う通り、ボクシングは基本的に殴り合い。ただし特別ルールで念で作り出した者なら道具もありだそうだ。最初は放出系のパンチで攻撃を仕掛けていたのだが海賊のアッパーで負けた。

 

「さあ次は俺がやるか テーマはサッカーのリフティング」

 

「3人とも、今回だけワザと負けるぞ」

「確かに知らないスポーツもあるよね」

「相手が出す運動やその時の念も調べる必要もあるよね」

 

キルアの言葉にゴンとカオルも理解する。ビスケもその方が賢明だと提案に乗ってくれた。こうしてワザと負けたゴン達。爆弾魔組のコンプリートの阻止、そして逆に手に入れたら狙われると考え、別れることになった。残っているのはゴン達4人とゴレイヌだけ。新しい11人を集め、海賊達にリベンジすることに決定した。ただし11人組のパーティーかどうかが悩みである。



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ショウタイ×ト×コウショウ

海賊達にリベンジするために強そうなプレイヤーを勧誘しようとするゴンたち。自分たちの知っている限り強い者を出しているがどうもしっくりこない。更にゲーム内にいる「クロロ」とは何者なのか。しょうがないから会ってみることにした。

 

「「同行」使用!!クロロ=ルシルフル!!」

 

「同行」で飛ぶゴン達。そして着地した時だ。

 

「おやおや……♦これは予期せぬお客さんだ♥」

 

そこにいたのはクロロではなくヒソカだった。

 

 

「わ――――!!!見ちゃったよキルア!ゴン!お嫁に行けないよ――――――!!!!(ノД`)・゜・。」

 

ガシっと泣きながら隣にいたキルアに抱きつくカオル。ヒソカは水浴びしていたので服を着ていない。女の子には刺激が強すぎる。

 

「わかった!わかったから茂みに隠れとけ!」

「話しは俺たちが聞くから茂みに行って!」

(気持ちはわかる!)

 

キルアとゴンは茂みに隠れることを促す。ゴレイヌはカオルの気持ちがよくわかった。ちなみにビスケはと言うと

 

じ―――とよだれをたらしながらヒソカの体を見ていた(バレたらすぐにカオルの下へ猫被りモードで行った)。

 

とりあえずヒソカは服を着た後、何しに来たのか説明する。

 

「クロロを探しているんだ♦」

 

ヒソカはまだクロロと闘う事を諦めていなかった。なので除念を教えたいのだがクロロは何処にいるのか分からない。でも旅団の何人かがこのゲームに興味を持っていたのを思い出した。旅団ならクロロの行き先に心当たりがある筈。なのでヒソカはクロロの名前を使い、向こうからのアプローチを待っていたのだ。

 

 

「まさか その質問をするためだけにここへきたわけじゃないだろ?」

「ううんそうだよ」

 

ゴンの即答にさすがのヒソカは無言になった。

 

 

「あの…実は私達できるだけ強い人を探してるんです 仲間になっていただけませんか?」

 

先ほどお年頃の女の子として逃げたビスケが前に出てヒソカにお願いする。大人しいお嬢さんの様に話す彼女にゴンたちは引いていた。ビスケのお願いにヒソカは言う。

 

「ん?いいけど強い人を探してる理由は?」

 

「ちょっと待てよ オレは反対だな危険だぜ?」

「人としての常識がない奴を入れたくない!」

「そーだよビスケはあいつ知らねーから」

 

ゴレイヌ、カオル、キルアは性格的な問題から反対する。しかしビスケは説明する

 

「あの方には何か近しいモノを感じますもの」

 

そう言いながら念で文字を書いた

 

《奴はウソをついている》

 

 

 

取りあえずヒソカを身近に置き様子を見ることにしたゴン達。歩いていると……

 

ざわ

 

何やら寒気がゴン、キルア、カオルを襲った。後ろにいるのはヒソカ

 

「見られてるよね…確実に」

「オイ ちょっと前 歩けよ」

「なんかすごくやなんだけど」

 

ゴンはぞわぞわくる寒気でヒソカの様子を感じ取り、キルア、カオルはヒソカを前に行かせる。しばらく進むと「見えてきたよ♧」とヒソカが言う。

 

「恋愛都市アイアイ♥」

 

そこは立派な建物が並ぶ都市。そこまではいいのだが呑気な顔のでかいハートがその街並みを残念にしていた。ヒソカ曰く「色んな出会いが楽しめる街」との事。実際入ってみるとビン底眼鏡を探す美人な女性。遅刻のためパンを食べながら大急ぎで走る女性。さらにはヘアカットモデルを探しているイケメンが現れる。アイアイはその名前に相応しく恋愛ゲームのような出会いが沢山ある街なのだ。

 

「ヒソカ本のリスト見せてよ」

 

自分たちが知っている中で強い人物・ツェズゲラに遭っているかどうか見るためだ。ゴンのやり方説明を聞いたヒソカはリストを確認する。

 

「ツェズゲラツェズゲラ……ああいるね♧」

 

ツェズゲラに遭っていた。ゴンとキルアが確認するとたしかにツェズゲラの名前があった。なので「交信」を使う。

 

《誰だ?》

 

ツェズゲラの不満気な声が聞こえる。

 

「ツェズゲラさん。バッテラさんの選考会に参加したカオルです。」

《なんだ。あの時のお嬢ちゃんか》

 

ツェズゲラはなんだか安心した声を出す。恐らくは敵プレイヤーの罠にかかってカード何枚か盗られた様だ。

 

「話があるんだけど今大丈夫?」

「実はあんた達と共同戦線を張りたいんだ」

 

ゴンとキルアの言葉に《共同戦線?》と疑問符を浮かべる。

 

「「一坪の海岸線」の情報欲しくないですか?私達知ってるんですけど」

《何!?》

 

「なので直接会って話をしたいんだ」

「ただしあんた達が先にクリアしたら情報の見返りを貰うぜ」

 

3人の言葉にツェズゲラは少し仲間と話し合う。そして…

 

《……どこで会う?》

 

直接会うことになった。呪文カードで待ち合わせの場所へ飛ぶ。ゴレイヌが交渉をすることになった。ただし

 

「成功報酬500億の10% 50億」

「わー法外」

「いやいやこれぐらい妥当だぜ」

「これぐらいの価値はあるよ?」

「キルアとカオルの言う通りだわさ」

 

ゴレイヌが出した見返りにツェズゲラは不満そう。でもゴレイヌの入手不可能を聞き、「条件は呑む」と言ってくれた。

 

「まず16人同時に「同行」を使い、海辺の街・ソウフラビへ行く。そうしないとイベントが開始されない。更に15人のキャラクターとスポーツ勝負して9勝しないと「一坪の海岸線」は手に入らないんだ」

 

その説明に納得してくれた。ただしゴン達は5人、ツェズゲラ達は4人。人数が足りないので数合わせとして現実に帰れないプレイヤーを誘うことになった。

 

こうして1週間後

 

メンバーを変え、ソウフラビに到着した16人は海賊たちがいる要塞へ来た。

 

 



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ゴンタチ×ノ×リベンジ

ゴン達はツェズゲラ達を体育館へ案内する。

 

「おお、マジだ」

「本当に体育館」

 

ゴン達の言う通り体育館になっていることに驚くツェズゲラ達。するとトレーニングしていたレイザーが気づいた。

 

「ほうリベンジに来たか」

「うん!今度は俺たちが勝つ!」

 

気合十分に言うゴンにレイザーは面白そうに笑う。

 

「最初は前回と同じくボクシングだ。誰が行くんだ?」

 

レイザーの問いにツェズゲラの仲間・バリーが「俺だ」と前に出る。誰がどのスポーツをするかを話し合っている時、「相手の念への対応策もある」と自信満々に言っていたのだ。バリーは上着を脱ぎ、渡されたグローブを着けて支度をする

 

*ボクシング*

 

「くくく返り討ちにしてやるぜ」

 

カ―――ン

 

ゴングが鳴った瞬間、バリーは一気に間合いを詰めた。

 

「速い!」

「なるほど」

 

ビスケは納得する。相手の海賊は腕だけ瞬間移動できる。

 

「遠距離が得意な奴は近距離戦が苦手なんだよね」

 

カオルの言う通り遠距離戦が得意な者は近距離戦が苦手。さらにツェズゲラは説明する。リング上にある模様はただの飾りではない。あれは念を補助する「神字」と呼ばれるものだ。

 

「奴の瞬間移動能力はリング上限定」

 

なので相手は自分達の敵ではないのだ。そうしている内に

 

バキ

 

「やった!」

 

バリーの一撃がヒットした

 

「ダウン!!ニュートラルコーナーへ」

 

でも相手は立ち上がらない。レイザーは「勝者バリー」と言った

 

 

カンカンカンカンカン

 

こうしてまずバリーが勝利した。

 

 

*ボウリング*

 

「次はボウリングだ。誰がやるんだ?」

「今度は俺だ」

 

またツェズゲラの仲間だ。仲間のロドリオットは前に出る。

 

「本当は10フレームやるんだが今回だけ一発勝負だ」

 

レイザーが説明する。

 

「それじゃあボス。俺からやります」

 

相手が先にやることにした。レイザーがボウリングのピンを10本並べ、相手は18m離れた場所で待機する。

 

「並べたぞ。それじゃあ始め!」

 

ガコォン!!

 

8本倒した

 

「よし!」

 

「げ!8本!」

「え――!!ツェズゲラさんあの人大丈夫なんですか!?」

 

カオルが心配そうに聞く。ツェズゲラは余裕そうに言った。

 

 

 

「決める時言っただろう?自分が最適って。見ればわかる」

 

「始め!」

 

レイザーが合図するとロドリオットはボールを転がした。

 

「ああ!」

「ずれてんじゃんか!!」

 

数合わせのプレイヤーが慌てる。このままじゃ負ける。しかしツェズゲラの言葉を聞き、凝をしたゴンたちは心配してなかった。ボールが急転換をしたのだ。

 

「何!?」

 

そのことに驚く相手。そして

 

 

 

ガコォン!!

 

10本全部倒した。

 

「すっげ―――!!」

「いきなり方向変わったぞ!?」

 

オーラを込めていたから方向転換し、10本すべてを倒すことが出来た。「自分が最適」と言った理由がよくわかる。

 

「勝者ロドリオット」

 

これでゴンチームの2勝目だ。

 

 

*フリースロー*

 

「フリースローは誰がやる?」

「俺だ」

 

ツェズゲラの仲間・ケスーが答えた

 

しゅっ

 

相手がボールを投げると

 

ガコォン

 

ゴールに入った。ケスーも

 

ガコォン

 

 

一発で入れる。1回目は二人とも入れた。

 

・2回目・

 

相手はゴールに入れる。ケスーも一発で入れた。2回目も二人とも入れた。

 

・3回目

 

3回目は…

 

ゴン!

 

 

「ち!」

 

3回目は相手の失敗。ケスーは緊張気味だ。ゴン達の固唾を飲んで見守る

 

しゅ

 

ボールを投げるケスー。そしてボールは…

 

ガコォン

 

「やった!」

「入った!」

 

なんとか入ってくれた

 

「勝者ケスー」

 

こうしてゴンチームは3連勝。しかし相手にはレイザーがいる。ここからが本番だろう



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カゲキ×ナ×ドッジボール

次のスポーツ対決(種目はドッジボール)に行く前にレイザーの傍から8人の念で出来た人形が現れ、ある真実が発覚した。実はこのG・Iは現実にある島だったのだ。更にレイザーはゲームマスター。つまりG・Iを創った集団の1人で、手下の海賊達は色々やらかした死刑囚だった。G・Iが現実にある島。それを聞いたゴンは慌てて聞く。

 

「ジンもこの中にいるの!?G・Iの中に!!」

 

レイザーはジンから聞いていたのか「お前がゴンか」と納得する。

 

「うん!」

 

「確かにいるかもしれないな」

「いやいや伝言聞く限り一か所にとどまらない根なし草のような人だよ?」

「あ、そういえばそうだな」

 

ゴンの言う通り、ジンがいるかもしれないと思ったキルアだがカオルの言葉にすぐに考えを変えた。実際、テープにあったメッセージにも「近づくのが分かったらトンズラかます」とあったから。一方そんなジンの知り合いであるレイザーはと言うと

 

ゴッ

 

かなりのオーラを出した。

 

「お前が来たら手加減するな…と言われているぜ お前の親父にな」

 

ジンはレイザーにゴンを鍛えてほしいとお願いしていたようだ。そのおかげで数合わせのプレイヤーが逃げていく。

 

「まああれはな」

「仕方が無いよね」

 

実力がない者からすれば大量のオーラを出すレイザーは恐ろしい男。逃げ出すのは無理もない。するとゴレイヌが言う。

 

「オレが3人分になる」

 

ゴレイヌの傍に黒いゴリラと白いゴリラが現れた。確かにレイザーは同じことをやっている。これなら大丈夫だ。こうしてゴンチーム対レイザーチームのドッジボール対決が始まった。

 

 

「あいさつ代わりにかましてやるぜ!!」

 

ゴレイヌが勢いよく投げる。ボールは4番の念獣(念で作った生物)に当たる。

 

(あっさりし過ぎている。つまりあの人はまだ準備中。なら開始は2匹目あたり)

 

カオルはあっさり当てられた念獣を見て思う。実際2匹目が当たった時だった。

 

「よーし準備OK」

 

レイザーが言った。実際、ゴレイヌが投げたボールをレイザーが片手でキャッチしたからだ。レイザーは勢いよくゴレイヌに投げる。ボールの威力は強い。スピードは速い。避けるのは無理。当たったら確実に死。

 

「まずい!」

「よけて!」

 

キルアとゴンが叫ぶ。すると

 

パアッ

 

当たったのは外野にいたはずのゴレイヌの念獣(白いゴリラ)だった。どうやらゴレイヌの能力は自分と念獣の位置を入れ替えるようだ。

 

「まずいよ」

「え?どういうこと?」

 

カオルの言葉に疑問符を浮かべるゴン。するとヒソカが言う。

 

「彼の顔を見てごらん♦実力の差を感じ取ってる♠克服するのはもう無理♥」

「ヒソカの言う通り。ゴレイヌさん、実力差を感じ取ったから。続けられるかどうか……」

「それじゃあ残りは俺達次第」

 

ゴンも理解してくれた。するとレイザーチームは高速パスを始めた。

 

(速い!)

 

するとツェズゲラが狙われた。

 

「ツェズゲラ!!」

「後ろ!!!」

「危ない!」

 

キルア、ゴン、カオルが叫ぶ。しかし当たってしまった。一応生きているが骨が折れているのは確実だ。ツェズゲラはリタイヤすることになってしまった。

 

「ヒソカ!」

 

ゴンはヒソカに話しかける。

 

「(あ、そっか)うん。あれやっちゃって」

 

カオルも言う。2人の言葉が分かったのか「ボールを♧」とお願いした。ヒソカの念能力・伸縮自在の愛(バンジーガム)を使えばボールは手元に戻る。これならレイザー以外の念獣には効果があるだろう。

 

「いくよ♦」

ビギュ

 

(威力良し!これだったら2匹ぐらいは)

 

威力もある。なので2匹ぐらいは倒せると思ったカオル。ただし

 

バシ!!

 

「「合体―――――!!?」」

 

6番と7番が合体して巨体な13番になってしまった。

 

「審判いいのあれ!!」

「あれアリかよ!!」

 

カオルとキルアの文句に審判念獣は「アリです」と答える。規定人数をオーバーしなかったら分裂もアリらしい。

 

 

(こうなったら堅)

 

ゴン、キルア、カオルはビスケからならった防御技”堅”をやった。

 

「行くぞゴン!!」

 

レイザーの気迫のゾクと来たがゴンはしっかり答える

 

「来い!!!」

 

投げるレイザー。威力はツェズゲラの時よりあった。するとゴンは両腕と頭に”硬”をやった。その結果

 

 

ドゴ!!

 

腕に当たったゴンは遠く離れた壁に激突した。

 

「「ゴン!!」」

 

その様子にキルアとカオルは慌てる。そしてボールは

 

ドゴ!!

 

天井にめり込んだ。でもキルア達はそんなことはどうでもいい。

 

「ゴン!!」

「大丈夫!?」

「しっかりしてゴン!!」

 

慌てて駆け寄る3人。ゴンの様子は

 

「全然ヘーキ!!」

「じゃねーだろ」

「全然平気じゃない!!」

 

血まみれだった。「”硬”で手と頭をガードしちゃったから足の踏ん張りが全然効かなかった。」

 

ゴンは両腕を動かす。

 

「手も…動く!!次は捕る!!」

 

意地でも捕る気だ。しかしゴンは外野に行ってしまう。

 

「あれは意地でも捕る気だね」

「そうだなゴン!手当てしとけ!!」

 

キルアはゴレイヌにパスしながらゴンに言う。少ししてだ。

 

「ゴレイヌさん?」

 

なぜかゴレイヌはパスをやめた。何かやるつもりだ。

 

(白い猩々は自分と入れ替えする。………それじゃあ黒の猩々は)

 

「くらえ」

 

ゴレイヌは前に出た黒いゴリラに向かって勢いよく投げる。すると

 

ドッゴォオオオ

 

黒いゴリラとレイザーの位置が入れ替わった。黒いゴリラは他人と位置を入れ替えられる。それを利用してゴレイヌはレイザーにボールを当てた。

 

「一本とられたね」

 

 

 



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カゲキ×ナ×ドッジボール その2

「ざまぁみやがれ」

 

せめてもの報いをレイザーにしたゴレイヌ。ゴンチームの外野に行ったボールを取りに行こうとした時だ。

 

ギュオ

 

「なっ」

 

巨体の13番が小さい体の2番をボールに投げた。空中でキャッチした2番は13番にパスをする。

 

「な…」

 

その連携に驚くゴレイヌ。その瞬間。

 

メキッ

 

13番が投げたボールが顔面に直撃。倒れてしまった。(ボールはリバウンドしてレイザーがキャッチした)

 

「ちょっとあんたなんてことすんのよ!!」

「ゴレイヌさんしっかりして!!」

 

ビスケは文句(レイザー曰く「敵にパスしちゃいけないなんてルールはないぜ?」)を言い、カオルは気絶したゴレイヌに駆け寄る。

 

「うわ…ゴレイヌさんが凄い顔に」

「いや嬢ちゃん。ミンチよりマシだぜ?」

 

ドン引きするカオルの言う通り凄い顔になってしまったゴレイヌ。しかしバリーの言う通りミンチよりはマシだった。こうしてゴレイヌもリタイヤした。

 

「次は誰かな!?」

 

勢いよく投げるレイザー。投げた先にいたのはキルアだ。ただしボールは曲がり、カオル、ビスケ、ヒソカに向かった。

 

(まずい!)

 

カオルは堅をしつつよける。ビスケは上手よけ、ヒソカもよけたが外野に居た5番が受け止め投げる。確実にヒソカに当たる。しかし

 

バチュ!!

 

ヒソカは伸縮自在の愛のおかげで顔に少し傷が出来ただけでなんとか受け止めた。

 

(袖が…)

 

堅をしたおかげで怪我はしていないが袖が破れた。ビスケもスカートの裾が破れている。

 

(念あり、合体・分裂あり、敵にパスありなら…)

 

「ビスケ選手、カオル選手アウト!!」

 

衣服も体の一部ということだ。

 

「残念」

「仕方がないだわさ」

 

すると

 

「バック!!」

 

ゴンが内野に戻れるバックを宣言した。真剣なのかカオルとビスケの問いには「うん」しか答えない

 

「まったく単純だわさ」

「ヒソカが言うには強化系は単純で一途らしいよ」

「なるほどね」

 

キルアは腰を落とし、ボールをしっかり持っている。ゴンはジャンケンの構えをしていた。

 

「やるつもりだね」

「ええ。様子からしてグーだわさ」

 

「最初はグー!!ジャン!!ケン!!!グー!!!

 

ドコ

 

ボールをブン殴るゴン。勢いよく飛んだボールはレイザーより巨体の13番をぶっ飛ばした。

 

《No.13アウト――—――—!!!》

 

13番がアウトになった。バリー達は思わず喜ぶ。しかしゴンはというと

 

「くそっ!!だめだ!!あんなんじゃ!!」

 

納得のいく一発じゃなかったのか悔しがっていた。

 

「あ、やっぱり」

「ホントに単純だわさ」

 

そう話しているとゴンは”練”をした。

 

「さすがのレイザーさんも避けるしかないよね」

「ええ」

 

ビスケはカオルの言葉に頷き、レイザーに「避けた方がいいんじゃない?」と聞く。

 

「ジャン!!ケン!!!グー!!!!」

 

ドゴォ!!

 

ただしレイザーはボールに当たったがレシーブで威力を殺した。おかげでレイザーは怪我一つしていない。

 

(威力を殺し、受け流した。あれなら堅を使わなくても防御できる)

 

堅を使わずに防御したレイザー。さすがジンの知り合いだけある。

 

(ゴン…この人を倒せるぐらいの実力が無いと本当にお父さんに会えないよ)

 

一方、宙に飛んだボールはヒソカの伸縮自在の愛で回収された

 

《クッション制によりレイザー選手アウト!!外野へ!!》

「……バック!!」

 

笑っているがレイザーは初めて冷や汗を流した



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カゲキ×ナ×ドッジボール その3

レイザーにバックを言わせたゴンチーム。念獣に当てれば状況がさらに変わるだろう。ゴンたちは作戦会議をしている。

 

「ヒソカ!球」

 

カオルはボールを持っているヒソカにパスをお願いする。ヒソカは「どうぞ♥」とカオルにボールをパスした。

 

(念ありならこれもいいでしょ?)

 

カオルはレイザーを見る。レイザーは察したのか「いいぞ」とばかりに頷く。

 

ゴオオオオォォォォォ……

 

「なんだい?♦この音♠」

「……この音確か」

「カオルの呼吸音だ!」

『はぁ!?』

 

この音はカオルの呼吸音。そのことにツェズゲラ達は驚く。カオルは助走をつけるのか少し離れる。

 

(右手70・全体30)

 

カオルがやろうとしているのは凝。凝は弱点や居場所を見つけるだけではなく、攻防力・身体能力が部分的に強化できる。

 

ダっ!

 

(来る!)

 

めき…

 

コートすれすれで足に体重を乗せ、

 

『円舞』

 

ドゴオオォォン!!

 

威力の凄い投球を放った。念獣はぶっ飛び、バウンドしたボールはビスケがキャッチする。

 

「すっげ―――!!」

「坊主といい勝負だぞ!!」

 

バリー達は大興奮。

 

「カオルすごい!!」

「つーか床が抉られるぞ」

(ぞくぞく)

 

ゴンも褒め、キルアは床が抉るほどの脚力にドン引きし、ヒソカは興奮した。そしてボールをキャッチしたビスケは「あんまり投げるのは得意じゃないんだけど」と言いつつ中々の投球で念獣に当てた。残りはレイザー一人。……ただし

 

 

 

「不安要素がある…」

「どうしてそう思うだわさ?」

 

考えることも修行とばかりにカオルに問うビスケ。ビスケの問いにカオルは答える。

 

「レイザーさん程じゃなくても念獣も威力があるせいでヒソカの指は何本かやられている。ゴンはオーラの使い過ぎ。一番ひどいのはキルアでしょ?」

「正解だわさ」

 

カオルの言う通り、念獣の投球も威力があった。なのでヒソカの指は何本かやられている。ゴンはさっきから大量のオーラを込めたジャンケン・グーを連続で放っている。そしてキルアはと言うとボールを支えていたためジャンケン・グーの影響でかなり負傷しているだろう。そう思ったビスケは彼の腕を強引に掴んだ。思っていた通りボロボロだ。でもゴンはやめない

 

「球はキルアが持ってくれないと」

 

一番信頼できるキルアが持っているからこそゴンは全力でぶつけられるのだ。

「さーわかったろオッチャン戻って休んでな」

 

ゴンとキルアに言われ、ツェズゲラはしょうがなく戻った。

 

「確かに単純一途だわさ」

「それだけ信頼しているって事。だから信頼を壊そうとしたビスケに警戒してたの」

「・・・・・・・・・。(汗)にしてもあいつら何してるんだわさ」

 

3人はボソボソ話し合っていた。

 

「キルアの様子からしてゴンが面白い作戦でも考えたかな?」

 

キルアは呆れた表情。ヒソカは面白そうに笑る。確実にゴンが作戦を考えたようだ。

 

《それでは試合を再開します!!》

 

審判念獣が言う。するとレイザーの念獣が消え、集まってきた。

 

(念獣が消えた。つまりレイザーさんは本気を出した!)

 

レイザーはボールは上に投げる。これは間違いなく

 

「バレーのスパイク!!?」

 

バレーボールの技だった。一方ゴン達はと言うと一番前に受け止めようと構えるゴン。その後ろには背中合わせでゴンを支えるキルア。最後尾にはゴンと同じ様に構えるヒソカ。レイザー対策として合体をしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 



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カゲキ×ナ×ドッジボール その4

 

「合体!?あ!そっか!」

 

ゴン達の合体に最初は疑問符を浮かべたカオル。しかしすぐに分かった。レイザーの殺人剛速球をゴンが止め、ヒソカが覆い、キルアが支える。そのおかげで

 

 

しゅううううううううう…

 

なんとか受け止めることが出来た。

 

「うおお――――おおおおお」

「止めたァ――――――――!!!」

 

バリー達はあの殺人剛速球を受け止めたことに大興奮だ。

 

「ビスケ。あれキルアがいなかったら出来なかったことだよね?」

「ええ。キルアがオーラの攻防力移動を間違えたら、全員やられる。」

「針に糸を通すぐらいの精度じゃないといけないよね?」

「そうだわさ。」

 

ビスケは思わず恐ろしい才能と思ってしまった。今度はゴンチームの攻撃。するとゴンはさっき以上の念を出す。

 

(ゴンの場合はこの大量のオーラ。多分次で終わる)

 

ゴンはというと「最初はグー!」と構える。

 

ビィィィ

 

拳に念が集まる。

 

「ジャン!!ケン!!!グー!!!!」

 

ジャンケン・グーを放つゴン。レシーブで弾くレイザー。ボールは一直線にゴンへ向かっていた。

 

「ゴン!!よけろォそれでも勝てるんだァ―—――—!!」

 

ツェズゲラは叫ぶ。

 

「ゴン!」

 

カオルも慌てる。ゴンの事だ。絶対避けないはず。ただし

 

ドオ!!

 

「「ゴン!?」」

 

ゴンが倒れてしまった。オーラの使い過ぎだ。

 

(胸を張っていい!!お前の勝ちだゴン!!)

 

心の中でツェズゲラはゴンを讃える。

 

「まだだね♥」

 

なぜかヒソカが前に出た。

 

「な なぜわざわざ~~~~~~」

「ヒソカのバカ――――――!!」

 

思わず叫んでしまうツェズゲラとカオル。ヒソカが前に出るのはただ一つ

 

「カンペキに勝つ♧だろ?ゴン♥」

 

”伸縮自在の愛”でボールを受け止めるヒソカ。ボールを受け止めた念はグニュウ~~ウと後ろまで長く伸びる。すると

 

ビョオ

 

ゴムの反動で弾き返したのだ。しかも

 

バチュ

 

(球が離れない!!?)

 

ボールが飛ばされないようくっつけたのだ。レイザーはそのままコートの外までいく。

 

《レイザー選手エリア外に触れた状態での捕球は反則!!アウトです!!よってこの試合ゴンチームの勝利です!!》

 

「うおおおお」

「すげーぜお前ら!!」

「ゴン!キルア!ついでにヒソカ!」

 

カオルは急いでゴン達の下へ行く。

 

「え…?でも最後…どうなったの!?」

 

ゴンは気絶したせいかどうなったのか理解できてない。

 

「ゴンが気絶した直後にヒソカがやり返してくれたの」

「そのボールがくっついたままレイザーがエリアの外に行ったんだ」

 

カオルとキルアの説明に納得した。

 

「結局 おいしいトコは全部持っていかれたな」

「みんなの力があったからだよ♧全員(チーム)の勝利ってやつさ♥」

 

珍しくカッコイイセリフを言うヒソカ。しかし

 

「なんかそのセリフ似合わないよ」

「セリフはカッコいいのになんで?」

「♠(-_-)」

 

 

こうしてレイザーに勝ったゴン達は「一坪の海岸線」を手に入れることが出来た(ジンはやっぱりいなかった)

 



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3シュウカン×ノ×シュギョウ

「一坪の海岸線」を手に入れた直後、爆弾魔ゲンスルーからの交信が来た。とにかくツェズゲラが考えたのは3週間ツェズゲラ達大人組が時間稼ぎ。その間ゴン達は「この条件ならゲンスルーを倒せる」状況を創り出すことだ。まず怪我をしたキルアは治療に専念、その間に作戦を考える。ビスケはゴンとカオルを鍛えることになった。

 

「放出系レベル2浮き手」

 

片手逆立ちの状態になるビスケ。彼女は地面についている片手から念を放出する。

 

ドウ!!

 

地面に念を放った瞬間、膝より上に浮かんだ。

 

「まぁ 最低 このくらい体が浮き上がって合格」

 

「「よーし」」

 

ゴンとカオルは片手逆立ちをする。

 

「「は!!!!」」

 

ただし

 

ポフ…

 

ちょっと浮いただけ。ビスケぐらい飛ぶのにまだ威力が足りなかった。

 

「その姿勢でいられる限りは続けていいわよ」

「オス」

 

こうしてゴンとカオルはポフ…と可愛い音を出すだけだ。カオルは考える。レベル1の放出系修行は小さい球状オーラを投げるだけだった。そして今回の修行は地面に放ち、宙に飛ぶ。

 

(難しい。最初の放出系は小さな念を作って投げるだけだった。確実にこの修行は5、6個は先の修行!)

 

恐らくレベル2、3をやっているヒマは無いのでいきなりレベル5からやることにしたようだ。

 

残り5日

 

レベル5の修行はビスケ曰くコツは水鉄砲だが勢いが足りない。

 

(ジャポンと海外の水鉄砲は威力が違うからなー)

 

竹で出来た水鉄砲とプラスチックで出来たハイテクな水鉄砲じゃ威力が違うからだ。

 

「(体内のオーラを手のひらから一気に出す。一気に……)あ」

 

どうすればいいのか考えていたカオルはあることを思いついた。カオルは急いで片手逆立ちをする。

 

(陽華突と頭舞い!頭舞いの龍が陽華突のような勢いで…)

 

ドォン!!

 

カオルは勢いよく膝より上。大人の頭辺りまで飛んだ。

 

「あ!やった!」

「えー!?いいな――!!」

 

喜ぶカオル。ゴンは羨ましそうに言う。カオルの場合、水鉄砲より陽華突と日暈の龍・頭舞いの方がイメージしやすかったのだ。

 

「ねえ!どうやったの!?」

 

威力のある放出をしたカオルにゴンは興味津々に聞く。

 

「私の技に突き技があってね…」

 

 

「へーカオルは水鉄砲じゃねーんだな」

「さっき説明したように「感覚」は1人1人違う。カオルの場合は師匠から教え込まれた技が感覚だったようね」

 

カオルとゴンの様子を見ていたキルアとビスケは2人の下へ行く。

 

「ゴン カオル。タイムアップだ。修行は終わり」

 

キルアの言葉にゴンとカオルは固まる

 

「え?」

「まだ5日あるよ!?」

 

ゴンが慌てて言うが「予定変更」という。

 

「変更ってツェズゲラさん達に何かあったの!?」

 

ツェズゲラ達大人組はゴン達のために時間稼ぎをしてくれている。カオルは彼らがやられたと思ってしまったが違った。

 

「ちがうちがう。奴らを倒す作戦が決まったんだ」

 

ゲンスルー達を倒すための作戦が決まったのだ。

 

「もう…少しで出来そう かも…」

「いやムリだまされないわさ」

 

そんなゴンを一蹴するビスケ。キルアに「あきらめろ」と言われ、カオルに「カワイイ音しか聞こえなかったよ(汗)」と言われ、渋々諦めた。こうしてキルアは考え出した作戦を3人に説明する。

 

 



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ボマーイチミ×ト×セントウ

キイイイィィィ

 

遠くから音が聞こえてきた。

 

「来たね」

「ああ」

 

とうとうゲンスルー達が来た。相手はゴン達と同じく4人だ。

 

「何のようだ?」

「まぁそんなにトンガるなよ 取引しに来たんだ」

 

でもいろんな人たちを殺したことを知っているため、ゴン達は嘘だとわかっている。なので拒否していると

 

 

「ゴチャゴチャ言わずカードをよこせ ぶっ殺すぞ」

 

やはり恐ろしい正体を出した。

 

「「同行」使用!!ソウフラビへ!!」

 

こうしてカードを使った鬼ごっこが開始された。そしてとうとう

 

「くくくどうした 鬼ごっこは終わりか?あきらめてカードをよこしたらどうだ?」

 

 

(よし。上手く騙されてる。後は少しずつ引き離すだけ)

 

するとキルアがそのうちの1人に攻撃を仕掛けた。

 

「ビスケ!!カオル!!お前らは逃げろ」

「でも…でも…」

「キルア怪我してるでしょ!!」

 

ビスケとカオルは演技で怯えたり、心配したりする

 

「いいから行け!!」

 

キルアの言葉にビスケとカオルは走った。当然2人が追いかけてくる。残されたゴン達も戦闘を開始した。怯えて逃げる演技をしたカオルとビスケは顔を見合わせ、二手に分かれる。

 

(なんだ?)

(二手に分かれる?)

 

相手の男2人は疑問を浮かべつつも二手に分かれ、カオルとビスケを追いかける。カオルと男がビスケから大分離れた時だ。

 

「(大分離れたね。それじゃそろそろ)ブック!」

 

ボン

 

カオルは本を出した。

 

(なんで本を?移動系使いきったはずだろ?)

 

カオルは本から一枚のカードを出す。その瞬間

 

ボン!!

 

違うカードに変わった。ゴン達は移動系カードを使い切ったふりをしたのだ。

 

「「同行」使用!!アイアイへ!!」

 

カードに向かって叫ぶカオル。それによってカオルと男はアイアイへ飛んだ。

 

ザザザ…

 

アイアイに飛んだカオルと男。男は周りを確認する。相手は子供。そのため実力のある大人を集めたと思ったが周りは誰一人いなかった。

 

「一体どういうことだよ嬢ちゃんよぉ」

「ゴンの邪魔したくないだけ」

 

そう言ってカオルは鉄刀を抜いて睨む。ハメ組の頃の様に頑張って集めればクリアできたのにゲンスルー達はたくさんの人達を騙し、殺したのだから。

 

 

「まあいい。嬢ちゃんは両手、両足折って人質にするか」

 

そう言って男はオーラを出す。オーラはだんだんと大きく、そして形が変わっていく

 

 

(念獣)

 

出来上がった念獣は鬼だった。

 

「どうよ!嬢ちゃんからすればこえーだろ?」

「全然怖くないよ」

 

ゴオオオオォォォォォ

 

(剣が燃えている)

 

炎で赤々と染まった鉄刀を持ち、カオルは走る。

 

「(速い!!)行け!襲え!!」

 

男は念獣に命令するがカオルの方が速かった。

 

『輝輝恩光』

 

ドゴオオォォン!!

 

「なあ!?」

 

渦巻くように回転しながら念獣に突っ込むカオル。そのおかげで念獣の腹には巨大な穴が開く。そのことに驚く男。その隙に今度は男を倒すためにカオルは走る。

 

ビュッ

 

「く!(よかった!ギリギリ避けられる)」

 

鉄刀の間合いがほんの少しだけ届いていない。これなら避けられると高を括る男。しかしだ。

 

『飛輪陽炎』

 

バキィ!!

 

「グハァ!!(け、剣が伸び…た?)」

 

ドサ

 

 

飛輪陽炎は刀の長さを錯覚させ、相手を斬りつけることができるのだ。

 

「こいつらに殺された人たちへ。一人討ちました。安心して成仏してください」

 

カオルは空に向かって「南無南無」と手を合わせた後、男を引きずって歩いた。

 

 

合流地点

 

「カオル!」

「あ!キルア!ビスケ!」

 

合流地点にはキルアとビスケが居た。

 

「勝ったんだな!」

「うん!ハメ組達の仇討った!」

 

そう言ってカオルは引きずってきた男を見せた。

 

「後はゴンだけだね」

「ああ」

「喉を潰される前にやってほしいだわさ」

 

キルアが考えた作戦はあらかじめ巨大な落とし穴とそれを塞げるぐらいの巨大な岩を用意。落とし穴に落ちてすぐゴンは真横に掘った穴に逃げ、そしてカード化を解除した巨大岩をゲンスルーの真上に投げる。当然、ゲンスルーは急いで横穴に逃げるはず。岩で退路を塞いぎそこでゴンは休ませる隙を与えず渾身のジャンケン・グーを放つ作戦だ。

 

ボン

 

「「「!」」」

 

キルアの本が現れた。

 

《他プレイヤーがあなたに対し「交信」を使用しました》

「ゴンだ!」

 

ゴンからの交信だった。

 

「遅いーよ!!大丈夫か!?どうなった!?」

「ゴン大丈夫!?怪我は!?」

 

キルアとカオルはゴンに確認する。

 

《大成功 左手ふっとばされちゃったけど》

 

その説明に3人は固まる

 

「ひだりてふっとばされた?」

「何 言ってるかわかんねー」

「やっぱりノド潰されちゃったんだわさ」

 

喉を潰されたため上手く発音できないと思った3人。とりあえずゴンと合流すると本当に左手が吹っ飛ばされていた(汗)

 

しばらくしてゲンスルーが目を覚ました。ハメ組を裏切って手にしたカード全部返して貰う為、本を出すことを命令する。するとゲンスルーは両隣で倒れる仲間を見て言う。

 

「条件がある…「大天使」でバラたちを治してやってくれ…「複製(クローン)」はある」

 

敵に対しては鬼のようなゲンスルーだが心から信頼する仲間に対しては優しい。そのためボロボロの姿を見てお願いした。

 

「安心しろよ はじめっからそのつもりだから」

「こっちはあらかじめ8人分の「複製」用意してたわさ」

 

キルアとビスケの言葉に安心したのか本を出した。

 

「ゲイン!」

 

ビスケが言うと美しい女性が現れた。

 

「わらわに何を望む?」

「コイツの両手とノドを元通りに治してもらいたいんだけど つかできれば悪いトコ全部治してもらえる?」

 

大天使は「お安い御用」とあっさり治してくれた。男たちも「大天使」に治してもらった。その後ゴレイヌが来たことにより「ゲンスルー達に大天使を使う必要があるんだ」とごねられたり(キルアとゴンの説得のおかげでゲンスルーは直された)、バッテラ氏の違約金を6人で10億円ずつ山分けすることに脅かされた。そして今、一番大事な話に入る。

 

「カードが99種そろったら一体どんなイベントがおきるのか皆の興味が完全にそこへ集中してきてるんだ」

 

ゴレイヌに促され、ゴンはすべてのカードを本に納める。

 

《プレイヤーの方々にお知らせです》

 

あるプレイヤー、つまりゴンが指定ポケットカードを揃えたことを説明し、それを記念して全員参加のクイズ大会(問題は全部指定ポケットカードについて)を開始されると発表した。そして賞品は

 

《No000カード「支配者の祝福」が贈呈されます》

 

「支配者の祝福」だった。



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クイズ×ト×ホウシュウ

No000カード「支配者の祝福」が贈呈されるクイズ大会。野次馬たちの中でゴン達(ビスケはクイズ嫌いのため不参加)はクイズに望む。「一坪の密林」に関して重大なヒントをくれる長老の名前。「酒生みの泉」の周りに咲く花の色。「大天使の息吹」を入手するための条件などが問題だ。実際にその場所に行き、その時の事を覚えていないと答えられない(しかもクイズは5択)。

 

(実力がなかった人たちは勘で行くしかないね)

 

カオルはそう思ってしまう

 

《No079レインボーダイヤを手に入れるためのキーアイテムは?》

(リスキーダイス)

 

《アントキバからマサドラへ行く道に出る怪物は何種類?》

(えーと怪物は……まずい数えてない)

 

《No075奇運アレキサンドライトを手に入れるためにはどこへ行けばいい?》

(山賊の村)

 

《少女シリーズの中で監禁されている少女は?》

(金粉少女)

 

しばらくして…

 

 

《終了――――――!!それでは これより最高得点者を発表いたします!!》

 

 

ドキドキしながら結果を待つゴン達。その結果は

 

 

《プレイヤー名 ゴン選手です!!》

 

「やったァ―――!!!」

「100種類コンプ!!!!」

「ゴンおめでと―――!!」

 

ゴンが優勝。なのでゴン本人は当然の事、キルアとカオルも喜ぶ。周りの野次馬たちも悔しそうだがおめでとうと言ってくれた。

 

「これで罰ゲームはキルアとカオルだね」

「くそォオレ達何点だったんだろ」

「うーん。聞きたくないな」

 

そう話しているとフクロウがゴンへ封筒を渡した。封筒に入っていたのは『支配者からの招待』というカード。これを持って支配者がいる城へ行かないとNo000カード「支配者の祝福」が貰えないようだ。

 

キイイイイイイ

 

また誰かが来た。現れたのがガラの悪い男3人。確実にゴンのカードを全部奪おうとしている。……ただし

 

バキドコドス

 

瞬殺だった。

 

***

 

 

「それじゃあ行ってくるね!」

 

男3人を倒し、支配者がいる城下町リーメイロへ到着したゴンたち。ゴンは招待状を持って城へ入った。

 

「レイザーさんはジンさんはいないって言ってたよね」

「ああ。支配者は親父さんじゃなくってレイザーと同じ知り合いだと思うな」

 

カオルとキルアは支配者の正体はジンじゃなくてレイザーと同じジンの知り合いだと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

「………遅いだわさ」

「うん。」

「親父さんの話に花を咲かしてんじゃね?」

 

 

かなり遅い。キルアの言う通り話に花を咲かせているようだ。

 

 

「あ、ゴンだ」

「どうだったんだゴン!」

「うん。ジンの仲間2人がいた!ジンは当然いなかったよ!」

 

思っていた通りだった。

 

「それでジンの昔話を聞いたり、此れを貰った!」

「箱?」

 

ゴンは説明する。この中に指定カード3枚だけ入れることが出来る。そしてその3枚を現実世界へ持ち帰って使用することができるそうだ。

 

《プレイヤーの皆さんにご連絡です。今夜城下町リーメイロでゴン選手とその仲間のグリードアイランド・クリアを祝してパレードを行います。その後、城でパーティーを催すのでぜひいらしてください》

 

「パレード!?パーティー!?」

 

その放送でビスケは興奮する。

 

「あ、こっちで支度してって言われてたんだった」

 

ゴンは案内する。

 

「初めましてジンの仲間のリストです。こちらは」

「ジンの仲間で支配者役をしているドゥーンだ!よろしくな!」

 

現れたのは外見はゴン達と同じくらいの少年と小汚い男だった。

 

「いや――ちょっとばかり難しくしたせいでクリアしてくれる奴が居なかったんだよな――――!」

「そのおかげでプレイヤー狩りも出て来て巷では危険なゲームと言われるようになってしまったんです。」

 

2人曰くジンが「物足りねーだろ!!」と難しくしたそうだ。

 

「でもおかげで強くなりましたよ!ねえゴン!キルア」

「うん!」

「確かに実力が上がったな!」

「………そっかそう言ってくれるなら作ったかいがあったな」

 

3人の言葉にドゥーンは嬉しそうだ。

 

「それではパレードの支度をしましょう。こちらへどうぞ」

 

そう言ってリストはパレード用の車がある場所へ案内した。

 

「わ―――!!」

「お―――すっげ――――!!」

「凄いねビスケ!華やかだ!!」

「そりゃパレードだから華やかさは大事だわさ!」

「華やかと言えばこれを首にかけてください。フラワー・レイです。」

 

リストは4人の首にフラワー・レイをかけた。すると運転手が現れる。

 

「それでは皆さん。車に乗ってください」

 

運転手に言われゴン達は「「「「は―――い!!」」」」と応えて車に乗った。

 

「いってらっしゃい」

 

リストに見送られ、ゴン達を乗せた車は外へ出る。その瞬間

 

 

『わあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

パチパチパチパチパチパチパチパチパチ

 

たくさんのゲームのキャラクター、そしてプレイヤーたちがゲームクリアを拍手喝采で祝ってくれた。

 

「ありがとー!ありがとーだわさ♥」

 

ビスケはノリノリで手を振る。ゴン達は慣れていないのでちょっと緊張気味に手を振った。パレードが終ると

 

「えーそれじゃあジンの息子!ゴンと仲間たちのゲームクリアを祝って!!」

『カンパ――――イ!!』

 

ドゥーンの音頭を合図にどんちゃん騒ぎのパーティーが始まった。全員心行くまで楽しんだ。

 

 

 

 



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キメラアント
オクチ×デ×サイカイ


現実世界(?)に帰ったゴン達。ブループラネットを手に入れたビスケと別れ、ニッグというジンかもしれない人物の下へ『「同行」を「擬態」で指定カードに変身させる→変身した「同行」をクリア報酬のカードに選ぶ→「聖騎士の首飾り」で「同行」に戻す』のコンボで飛ぶ(理由はジンのアルファベットのスペルはGING。つまりNIGG(ニッグ))。

 

「ジン…!?」

「……ゴン…か!?」

 

バサっと上着を脱いだのはジンではなかった。ただし…

 

「お――—でかくなったな。!というかお前何してんだこんなとこで」

「カイト!?」

「え―――――!カイトさん!?」

 

「「……え?」」

 

ゴンとカオルはこの青年・カイトの事を知っていたのだ。ゴンとカオルはお互いの顔を見る。

 

「ゴン!とりあえず説明してくれよ」

 

置いてきぼりにされているキルアに言われ、ゴンは「あ、うん!」と応える。

 

「この人はカイトって言ってジンの弟子!カイトこっちはキルアって言って俺の友達なんだ!」

 

「そっか!よろしくな!」

「おう!……でカオルはなんで知ってるんだ?」

 

キルアの問いにカオルは答える。

 

「カイトさん、私が小さい頃にジャポンに来たの」

「ジャポンにも遺跡がたくさんあるからな。遺跡ハンターのジンさんが来ている可能性が高かったんだ。新しい遺跡が発見された場所へ行く途中、カオルとお師匠さんに会ったのさ」

「そうだったんだー!」

「なるほどな!」

 

その説明にゴンとキルアは納得した。

 

「世間は広いようで狭いってこういう事ですね!私の友達のゴンの知人だったなんて」

「そうだな。ちなみにジンさんはトンズラかました後だった」

「あらまあ」

 

到着した時はとっくに逃げた後だったそうだ。

 

「でもどうしてジンじゃなくてカイトのとこに飛んだんだろ?」

「そういえばそうだな。」

「どういうことだ?」

 

ゴンとキルアの疑問にカイトは聞く。

 

「もしかしてカイトさん。ジンさんと一緒にグリードアイランドっていうゲームやりませんでした?オーラを流し込めると入れるハンター専用のゲームなんですけど」

 

カオルの問いに思い当たるのがあったのか「そういえばあったよ」と答えた。ジンによって偽名入力されていたようだった。

 

「う~~~~~~~くそ~~~~~~~やられた~~~~~~~」

「絶対に会えると思ったのにな」

「自分の息子だからこそ行動がわかったのかな?」

 

そんな3人にカイトは言う。

 

「ま たっぷり話を聞かせてくれよ 時間はあるんだろ?」

「もちろん!!」

 

ジンには会えなかったがカイトに再会できた。ゴンにとってそれも嬉しいことである。

 

「何話そっかな―――!」

「やっぱハンター試験だろ!」

「天空闘技場も捨てがたいよ!」

 

3人の話にカイトは楽しそうに聞いたのだった。



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オクチ×デ×ハント

「いたいたまた発見――――!!」

「おっとこっちも見っけ」

「私も居た――!!」

 

ゴン、キルア、カオルはカイトと仲間のアマチュアハンター6人(カイト曰くアマチュアだけど優秀)ともに現在位置であるアイジエン大陸の真ん中。カキン国の奥地で新種・珍種を探している。念を習得したゴン、キルア、カオルは新種・珍種をカイトの仲間曰くガンガン見つけていた。

 

「よし!捕まえた!」

 

カオルは蝶を1匹捕まえ、すぐに虫かごに入れる。

 

「んー?……電話番号?」

 

カオルが捕まえた蝶の羽根に電話番号が書かれていた。

 

「どうしたのカオル」

「あ、ゴン見て。蝶の羽根に電話番号が書いてあるの」

「ホントだー!」

「ん?なんか認識番号もあるな」

 

キルアの言う通り、認識番号(Aー11とあった)も書かれていた。

 

「こういうのはやっぱり」

「うん」

「そうだな」

 

こういう時はやっぱり

 

「「「カイト(さん)これ見て―――――!!」」」

 

先輩であるカイトに聞くことだ。

 

「どうした?」

「私が捕まえた蝶に電話番号と認識番号が書かれているんです」

「1回人が捕まえたってことだよな?」

「カイト意味わかる?」

 

3人に言われ、カイトは虫かごに入っている蝶を確認する。

 

「ああ!ヒスイマダラチョウか!」

「ひすいまだら?」

 

確認したカイトはカオルが捕まえた蝶について説明をする。

 

「こいつはヒスイマダラチョウっていって燕やカモのように遠くへ渡りをする蝶なんだ。しかしその渡りのルートなどまだまだ分からない事が多い。なので研究者たちは蝶の羽根にマーキングして調査をしているんだ。」

「じゃあ、私が捕まえたその蝶はその内の1匹なんですね?」

 

カオルの問いにカイトは「そうだ」と頷く。

 

「だからこの蝶を捕まえたカオルはこの電話番号にかける義務があるってことだ。できるな?」

「はい!」

 

カオルは早速蝶の羽根に書かれている電話番号にかけてみる

 

 

《はい。こちらアラン国立大学・昆虫研究室です。ご用件はなんでしょう》

「初めまして!カオルと言います!電話番号とA-11って書かれたヒスイマダラチョウを捕まえたのでお電話しました!」

 

そう説明すると《A-11のヒスイマダラ!?》《君メモとってメモ!!》《地図どこー!?》と慌てる声が聞こえてきた。

 

《はい失礼しました!さてその蝶を捕まえたところはどこかな?》

「アイジエン大陸の真ん中。カキン国の奥地です」

 

カオルは偽りなく答える。

 

《え?………お嬢ちゃん嘘はいけないよ》

「え――!嘘じゃないですよ!!」

「どういうこと?」

「きっとあれだ!本来子供が来る場所じゃねーから嘘だって勘違いされてるんだ!」

 

慌てる3人。カイトはある人物を呼ぶ

 

「リン!ちょっと来い!」

「はははははいどうしました?」

 

この人物はアマチュアハンターの1人、リンだ。そして虫にとても詳しく、1019種の新種発見をした実力者である。

 

「アラン国立大学・昆虫研究室に知り合いはいるか!?」

「ははははい!いますよ!」

「よし!カオル代わってくれ!」

「はい!」

 

カオルはカイトに言われ、すぐにリンに携帯電話を渡す。

 

「もももももしもし?室長ですか?リン=コウシです」

《あ!リンくん!?》

 

リンが出たことに室長は驚く。

 

「かかかか彼女の言葉に嘘はありません。彼女と自分たちもカキン国の奥地にいます。ちゃんと目の前にヒスイマダラチョウがいます」

 

《え――――!!そうだったの!?》

 

「やっと信じてくれた」

「災難だったねー」

「大変だったな」

「次マーキングされた虫を捕まえたら大人を通した方が良いな」

 

場所によっては信じてくれないとしみじみと思った3人であった。



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ナゾ×ノ×アシ

後日・依頼人の下へ到着したカイトたち。カイトたちが作った資料を見て依頼人は「素晴らしい!」と褒める。曰く国の調査機関の200年分の仕事に当たるそうだ。そのためかボーナスを払えないのが心苦しいとのこと。その代わりに親しい国の関連省にカイトたちを強く推してくれるそうだ。すると依頼人は興味深いことを話す。

 

「サザンピースに奇妙な生物の一部が持ち込まれたらしいな」

 

奇妙な生物の一部。ハンターとしてかなり興味がある。ゴン達はその生物の一部を見るためにサザンピースへ向かった

 

***

 

 

「へェーここかぁサザンピース」

「おっきいねー」

 

まるでホテルのような大きい建物に到着したゴン達。カイトが受付嬢に話しかける。

 

「プロハンターのカイトだ。カキン国の役人・ウォンさんの紹介で来た」

 

そう言ってハンター証を見せるカイト。受付嬢は確認した後、電話で「プロハンターの方が到着しました」と担当者に連絡する。少しすると男性が現れた。

 

「ようこそサザンピースへ。さっそく例の物を見ますか」

「ああ。頼む」

 

話しが通っているのでスムーズだ。少しして例の奇妙な生物の一部がある部屋に到着した。

 

「こちらでございます」

 

見せられたのは昆虫の物らしき足。ただし大きかった。

 

「おっきいね」

「うん」

「人と同じくらいだな」

 

キルアの言う通り、人と同じくらい大きい。サンプルとして指先を貰ったり、発見された場所を調べることにした。ゴンはサンプルの匂いで、カオルが凝で探す。

 

(んー。怪しい物は特にないなー)

 

凝を使っても怪しい物は無い。海の波打ち際で漂っていたそうなので本体は潮で流されたのかもしれない。するとサンプルの遺伝子などを調べた結果、キメラアントの女王蟻と判明された。キメラアントとは第一級隔離指定されている蟻だ。しかも女王蟻は他の生物を食べることにより、その生物の特徴を次世代に反映することが出来る。強い遺伝子を取り込み、種の保存を図ろうとする女王蟻は気に入った種が絶滅するまで摂食することもあるそうだ。しかし問題が発生した。普通のキメラアントの女王蟻は10cm。今回見つかった足はキルアが言った通り人の腕と変わらない大きさだった。つまり今回の女王蟻は2mはあるということ。

 

「こいつ多分2m以上あるぜ。人間でも食えそうだ。」

「そうなる前に退治した方が良いと思います」

 

本体は腕の大きさからみて2m。さらに食いしん坊なら虫だけではなく大きな動物。最悪人間も食べるかもしれない。キルアとカオルの言葉にカイトも同意したのか「探そう」と言った。カイト曰く人間に目をつけたのなら集団失踪事件が起きているはずだそうだ。調べた結果、機械文明を捨てて自然の中で生活しようする団体NGL自治区にいる可能性が出てきた。

 

 

 

 

 

 



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ナックル×ト×シュギョウ

目的地には確かにキメラアントがいた。現れた手下たちはそんなには強くない。しかし最後に現れた猫耳女のようなキメラアントが強かった。ゴン達はカイトに逃がされ、残ったカイト自身の生死は不明だ。後から来たキメラアント討伐隊であるネテロから割符を渡された。カイトを救出したいのならもう片方の割符を持つ者を倒せという事だ。ゴン達はキメラアント討伐隊の1人、ノヴの弟子であるパームとグリードアイランドでお世話になったビスケの協力のもと修行することになった。

 

「んじゃ特訓開始だわさ”練”!!」

 

ゴン達は”練”をするがその状態を3時間維持することだった。

 

「キルア達どのくらいいける?」

「調子がいい時で最高55分位かな カオルは?」

「半刻(役1時間)ぐらい」

 

ゴンの問いに答えるキルアとカオルは答える。少ししてゴン、キルア、カオルはダウンしてしまった。

 

(キルアの実家に行った時みたい)

 

全集中の呼吸を24時間・起きている時も寝ている時もすることには慣れたカオル。しかしやり始めの時は今の”練”の意地の様に物凄くきつかったのだ。またしばらくして30分休憩することになった。

 

「「「くか―――…」」」

「寝ちゃった」

 

やっぱり疲れてしまった3人はぐっすり眠る。ビスケは女性の念獣をだす。

 

「まじかるエステ!!桃色吐息(ピアノマッサージ)!!」

 

ビスケの念能力・まじかるエステは女性の念獣、「エステティシャンのクッキィちゃん」を出し、特殊なローションに変化させたオーラを使って様々なマッサージを行う美容に効果的な能力なのだ。今行っている桃色吐息は30分で8時間睡眠と同等の疲労回復効果を得られるマッサージである。桃色吐息のおかげで元気になったゴン達はまた気合を入れて修行をするのだった。

 

そしてとうとう

 

「はいOK!ようやく3時間達成だわさ!」

 

ビスケの言葉を聞いた瞬間、3人はぶっ倒れた。ただし休憩するヒマは無い。片方の割符を持っている一人、ナックルの下へ行くのだ。なぜそうするのかというと

 

「これからは毎日3時間”練”!!其の後、ナックルに挑戦!!」

 

例え負けても割符を奪われなければいい。それを利用してもう片方の割符を持つ男の1人、ナックルを修行相手にするのだ。ゴン達はナックルがいる場所へ向かう。向かったのだが…

 

「ホントに不良だ」

「うん」

「だろ?」

 

ナックルは学ランにリーゼント。ドコからどう見ても一昔前の不良だった。なのに「闘るのはグッスリ休んでバッチリ起きて5時間後がベスト」と言い聞かせるは怒鳴りつつも泣いている。

 

「意外と心配性?」

 

思わず聞いてしまうカオル。そんな彼女の問いにナックルは「心配してねーよ!」と叫び涙をゴシゴシ拭く。最終的には「俺を殴れ」と叫ぶしまつだ。ゴン達のパンチを受けても一歩も動かなかったら割符を置いて行けなんてどう聞いても疲れているゴン達をケガさせたく無いに聞こえる。ちなみに結果は

 

どさ

 

ゴンのジャンケン・グーで一撃で倒された。

 

「何だろこの人」

「100%バカだろ」

「この人絶対強化系だよ」

 

確かに単純な所がある。カオルの言う通り強化系の可能性が高い。

 

「とりあえずどうする?」

「流石にこのままは可哀想だよね。」

「しょーがね。連れていくか」

 

このままでは流石に可哀想なのでナックルを連れていくことにした。

 

くい

 

「?」

 

服を引っ張られるカオル。振り返るとそこにいたのはナックルの傍にいた犬だ。自分に優しくしてくれたナックルが倒され、更に連れていかれると思ってしまったのだろう。

 

「………連れていこっか!」

「賛成!」

「何もしねーからちゃんとついて来いよ」

 

3人の言葉を聞いて犬は「ワン!」と元気に応えた。

 

***

 

しばらくしてナックルは目を覚ます。彼は見た目は怖いが良い人。

 

「何度でも相手になってやる。あと20日足らずでオレが負けるなんざあり得ねーがな」

 

こうしてナックルは正式にゴン達の修行相手を務めてくれることになった。

 

 

 

数日後

 

 

 

 

ナックルのおかげで技の欠点を少しずつ改善していくゴン。カオルとキルアも本来の姿のビスケ(カオル曰く男と勘違いするほどの筋肉質)のおかげで強くなっていく。そして今日、キメラアント討伐に参加するのはどちらになるかが決まる。

 

「負けた方が相手に割符を渡す!!」

 

ゴン達の前にはナックルを含めた相手3人がいる。ゴンは当然ナックルと。キルアとカオルは残りの2人とすることにした。

 

 

 



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キケン×ナ×デート

始まった割符争奪戦。その結果

 

 

「約束だよ!!カイトを…カイトを絶対助けてね!!」

「ナックルさん!!私たちの分までお願いします!!」

「任せとけ必ず連れて戻る この割符に誓ってな!!」

 

後一歩のところでゴン達は負けてしまった。なのでゴンとカオルは必死に討伐隊に入った3人にお願いする。そんな2人にナックルは応えNGLへ向かった。

 

帰り道のトラックの中、ゴン、キルア、カオルは最初の内は悔しくて落ち込んでいたが立ち上がった。いつまでもこうしていたら絶対カイトに怒られるだろうから。………ただし3人はその前にある事をやらないといけない。建物からパームの怒りがあふれ出ていた。

 

(怒ってる!パームさん物凄く怒ってる!!)

 

3人はパームの怒りがこもったオーラを感じ取り、引いていた。実際に部屋に入るとたくさんのゴン人形が破壊されていた。刃物を使ってゴン人形を破壊するその姿はまさに鬼。

 

(ヨリマル様。絶対鬼って勘違いするな)

 

カオルは鬼滅日ノ神流の開祖・ヨリマルはパームを鬼と勘違いすると思っていた。パームはあることを提案する。

 

「私とつきあって」

 

恋人になることだった。しかもすぐにデートすることにした。とりあえず明日まで鍛えていた時だ。

 

 

 

プルルル

 

 

「「「!」」」

 

 

ゴンに電話が来た。ナックルからの電話でカイトを保護。その代わり、カイトはキメラアントに操られている状態らしい。でもカイトが生きていて保護された。それだけでも十分嬉しい。

 

「いやったぁ―――!!やっぱりカイトは生きてたあ――――!!」

 

ゴンは大喜び。キルアとカオルも「よかったな」「ホント生きててよかったぁ」と嬉しそうに言う。カイトが生きててくれたことに喜ぶ3人は更に気合を入れるのだった。

 

 

翌日

 

ゴンとパームはデートすることになった。そしてキルアとカオルはというと

 

(裸同然のゴンを放っくわけにはいかねーからな)

(パームさん邪魔だけはしませんから!)

 

実はゴンはナックルの念能力により、しばらくジャジャン拳が使えないのだ。なのでキルアとカオルは簡単な変装をして護衛をすることにした。

 

ただし

 

「誰だよ!?」

「え――――!!パームさん美人――――――!!」

 

貞〇並みに恐ろしい外見と性格のパームが美女になっていた。身なりをちゃんと整えればかなり美人だったのだ。さら「に恋をすると可愛くなる」と言う言葉もあるほどだ。一方、ゴンは「すっごいキレイ」と素直に褒め、真っ赤に照れたパームに押されて出発した。

 

***

 

水族館に行ったり、喫茶店に行ったりするゴン達。キルアは心の中で(俺たちの方がストーカーじゃねーかよ)とぼやいてしまう。

 

 

「?」

「!」

 

何かに気づいたパーム。それに気づいたキルアはガシっとカオルの肩を掴んで方向転換する。

 

「ほらサラこれお前に似合ってんじゃね?」

「え!ホント!?嬉しいなー!!」

 

声色をできる限り変えて話すキルアとカオル。するとゴンが「パームどうしたの?」と話しかける。

 

「あらごめんなさい。気のせいみたい」

 

そう言ってパームはゴンと共に進んだ。

 

「……行ったか?」

「……うん。行った」

 

バレていたら確実にパームにやられていただろう。胸を撫で下ろした2人だった。

 

「あ、そろそろ行かなくっちゃ」

「どこ行くの?」

「絶対喜ぶ場所!」

 

ゴンはパームを山奥へ案内する。

 

((いる))

 

キルアとカオルは兵隊蟻の気配を感じ取ったのだ。

 

(気配はほんの幽か。でも遭遇の可能性が高い!本当はゴンを安全な場所に連れていきたいけど確実にパームさんは怒り狂う。……なら)

 

キルアとカオルは頷き合う。

 

((自分達でなんとかする))

 

2人はすぐにその場から離れる。兵隊蟻の気配もキルア達を追いかけた。

 

 

ブブブブブブブブブ

 

「待て待て待て待て―――――――!!」

 

カオルを追いかけてきた兵隊蟻は蜂だった。ただし

 

『陽華突』

 

ドス

 

「ぐは!!」

 

「ゴンとパームさんの邪魔しないで」

 

『烈日紅鏡』

 

ドスドス

 

そう言ってカオルは烈日紅鏡で止めを刺した。

 

「キルア!?なんでボロボロ!?なにがどうしてそんな風になったのさ」

「大丈夫大丈夫!おかげで解放されたし!」

 

心配するカオルに笑顔で言うキルア。なんだかスッキリした様子だった。ゾルディック家の教育のせいでちょっとでも強い敵が現れたらすぐに戦闘をやめさせることを教え込まれたキルア。ビスケはそこを指摘したがやはりすぐに治せない。しかし先ほどの戦闘で頭に刺されたイルミの針(逃げる原因の一つ)を抜いたおかげで逃げない男になったのだ。

 

「とにかくゴン達の下へ行こうぜ!」

 

2人はゴン達の下へ戻るのだった。

 

「あれ!?いない!!」

 

カオルの言う通りゴンとパームがいなくなっていた。

 

「もしかしたらパーム、ゴンを連れて逃げているかもしれねぇ!」

「あ、確かにそうかも」

 

パームは必ずゴンを連れて退避しているかもしれない。なのでいる可能性が高い家へ向かった。

 

「うお!!」

「う…わ…」

 

部屋中、墨で書かれた謝罪文が散らばっている。その中心にそれを書いているゴンとその様子を見張るパームが居た。

 

「あの―――パームさん?」

「何してんだよ」

「あ?」

 

カオルとキルアに気づいたパームは「罰を与えているのよ」と説明する。

 

「ふざけんなよ無理難題ふっかけてんのお前の方だろ」

「パームさん。お願いです。ゴンにはゴンの事情があるんです」

 

でもパームは「関係ないでしょ」と一蹴。そんな彼女にキルアは怒鳴る。そしてとうとう

 

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」

 

怒り狂う鬼女になった

 

「ごろず!!あ゛っ!!ごろ゛ず!!!ゔあ゛あ゛あ゛あ゛っ」

「捕まえてみろよバーカバ――――カ!!」

「キルア煽っちゃ駄目!!パームさんは深呼吸!!せっかくの美人なのにもったいない!!(汗)」

 

キルアはゴンを脇に抱え、カオルの手を引いて走る。カオルは煽りまくるキルアや怒り狂うパームを落ち着かせるために叫んだ。

 

ー後日ー

 

ナックル達が帰ってきた。カイトは傷だらけ。ナックル曰く兵隊蟻の訓練人形にされたらしい。ゴンはカイトをこんな姿にした蟻を必ず自分の手で倒すと決めた。

 



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アリ×ノ×キョウリョクシャ

キメラ=アントを倒すため、奴らがいる国へ密入国したゴン達は一旦別れてこうどうすることになった。

 

 

「おうおうなかなか柔らかそうな人間だなぁ」

 

じゅるりとよだれを垂らすのは虎型のアリだった。

 

「すっげー美味そうだ」

「あんたに言われたくない。さっさとどいて」

 

「どかねぇよ!!!」

 

虎型のアリ。ただし

 

『幻日虹』

 

すか

 

「幻覚!?(くそ!どこだ!!)」

「ここだよ」

 

『斜陽転身』

 

ゴオォォォン

 

「ぎゃあああ!!熱い!!熱い!!」

 

カオルの一撃。そしてオーラで作った炎で燃えるアリは走り回る。

 

「人間だからって弱くないの」

 

『円舞』

 

 

ゴオォォォン

 

 

こうしてアリは倒された。

 

(早く行かないとアリが近づいてくる)

 

カオルはすぐに移動した。

 

***

 

(! 殺気)

 

カオルが跳ぶと

 

ゴオォォォン

 

「ち!残念」

 

脚は全部カマキリの鎌の大百足だった。

 

(鎌で獲物を押さえつけ、毒を与える。その隙に捕食ってことだね)

 

「さあ、さっさとオレに食べられちゃいなよ。」

「食べられたくないね。」

 

一気に間合いを詰めるカオル。アリは鎌で迎撃する。

 

「はははははははは!!俺の脚は全部鎌!つまり一体多数の状態ってことよ!」

「だったら龍にやられちゃえ」

「へ?」

 

『日暈の龍・頭舞い』

 

 

(ほ、炎の龍)

 

ゴオォォォン

 

こうしてアリは日暈の龍・頭舞いによってぶつ切りにされた。

 

ブーブー

 

「!」

 

バイブにしていた携帯電話が震える。

 

 

「もしもし?」

《あカオル!》

 

ゴンからだった。

 

《実はナックルから一旦合流しようって連絡が来たんだ。》

「そっか。場所はどこに決まったの?」

《マンダイ市ってとこ。》

「わかった。すぐに行くよ」

 

 

カオルは携帯電話に付属されている地図で場所を確認する。

 

「よし」

 

カオルはゴン達と合流するために走った。

 

***

 

「・・・・・・・・・どなた?」

「メレオロンだよ!」

 

そこにいたのはカメレオン人間だった。

 

「キメラアントだよね?どうしてここに?」

「実はね」

 

ゴンは説明する。メレオロンはカメレオン型の蟻。蟻王に殺された蟻が人間だった頃の自身の里親であったことを思い出し。そこで王への復讐を果たす為ゴンに接触、意気投合した(しかもナックルと仲良くなった)。

 

「そっかなんか視線を感じるって思ったらあんただったのね」

「そういうことだ。」

「とりあえず理由はわかったけど……キルアはどうしたの?」

 

カオルはこの場にキルアが居ないことを指摘する

 

「実はキルアと連絡取れないんだ」

「え?携帯電話に出ないの?」

「うん」

 

 

 

 

2日以上経過した

 

キルアはまだ来ていない。

 

ブーブー

 

『!?』

 

ゴンの携帯電話のバイブが鳴った。この状況の電話。すぐに電話に出た。

 

《もしもしオレ》

「「キルア!?」」

 

キルアからの電話だった。やっと来たキルアからの連絡にゴンとカオルは安心する。なんでもかなり手強い相手のせいで病院送りにされていたそうだ。入院費を振込したら今日中に合流できる。

 

「タコだ」

「タコだね」

「タコ言うなー!!」

 

キルアと現れたのはタコだった。彼の名はイカルゴ。蟻で仲間想いで人情に厚い性格。自分の事を認めてくれたキルアを助けてくれたのだ。

 

「そうだったんだ!キルアを助けてくれてありがと!」

「見た目は可愛いけど中身はカッコイイね!」

「か、かっこいいゆーなよ」

 

カオルの言葉にイカルゴは照れる。

 

「まあイカルゴらしいっちゃらしいな」

「俺も意外だったぜメレオロン」

 

こうしてゴン達は2人(匹)の念能力も入れた作戦を考える。計画実行は2日後だ。

 

 



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アリ×ト×セントウ

キメラ=アントがいる宮殿侵入へのカウントダウンが始める。その声に合わせて表情豊かなゴンは冷たくなっていた。その様子にキルアとカオルは心配する。

 

「GO!!」

 

その合図に討伐軍宮殿侵入を開始した。侵入した瞬間やはり蟻がいる。

 

(人に近いけど6本腕…今まで以上の異形な姿だ)

 

最初は2本腕だったのに6本腕になる形状変化。好戦的な表情。カオルの思うように異形な姿だ。

 

ドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

『!!?』

 

槍に形状変化した念が空から落ちてきた。

 

(もしかして会長さんの念?)

 

カオルはその威力からもしやネテロの念能力かと推測する。(ホントはキルアのおじいちゃんの念)一瞬固まってしまったがゴンが立ち止まらず走ったためすぐに動けた。さらにナックルとメレオロンのタッグ攻撃を開始する。その隙にその他の討伐軍は走ったが

 

ぞわ

 

(凄い寒気!異形な鬼みたいに見えた!!)

 

異形な蟻、ユピーのオーラの底が見えない。カオルは文献に描かれた鬼を思い浮かべた。その瞬間、ユピーは王の下へ行くための階段を破壊し、討伐軍を分断した。ゴン、キルア、カオルは走る。するとなぜかキルアは方向転換した。イカルゴが進む先に兵隊蟻がいたから。

 

(キルア…克服したんだ。それじゃあ私は…)

 

ゴン達の進む先から現れた兵隊蟻。ゴンの体力温存のため、カオルは攻撃を仕掛ける。

 

『円舞』

 

円舞で兵隊蟻を倒すカオル。彼女が作ってくれた道をゴンが走り抜けた。カイトの仇、ピトーが居る場所へ。

 

ゴオオォォォ

 

光る龍が空へ飛んで行った後、ゴン達はある建物へ向かった。ネテロがピトーが居る場所を示してくれたらしい。しかしキルア、カオルは不安だった。ゴンが変わっていくんじゃないかと不安だった。

 

こうしてピトーを見つけた。少女を改造している。ゴンは怒鳴るがピトーの様子がおかしい。

 

(どういうこと?あいつまるでお母さん)

 

少女を改造しているピトー。しかしピトーの様子はせっかく作った改造体を壊されたくないというより、ケガした我が子を守ろうとする母だった。

 

(まさか女の子を助けようとしている?アリだったらむしろ王に差し出しているはずなのに)

 

疑問符を浮かべるカオル。その一方でゴンは戦っていた。女の子を助けようするピトーに攻撃しようとする自分と…。

 

ゴンはキルアとピトーの説得により女の子の峠を越えるまで治療することを許した。後は何が起ころうともピトーをカイトの下へ連れていくだろう。

 

ガッ

 

((メレオロン))

 

キルアとカオルを掴んだのはメレオロンだった。2人はメレオロンに連れられて場所を移動する。なぜこうしたのかと言うとシュートがリタイア。そのためかナックルが単独でユピーと戦っているそうだ。3人はナックルが居る場所へ行った。

 

「うわ、相手さらに異形になっている」

「それでキルア。作戦ってなんだ?」

 

「メレオロンの念能力で姿を隠し、蟻の頭上へ飛ぶ。その瞬間、俺の落雷(ナルカミ)を喰らわせるんだ」

「それじゃあナックルさんが離れている時が良いね」

 

ナックルは離れた瞬間、落雷を喰らわせるのがベストだ。

 

「それじゃあ行くよ!メレオロンは歯をしっかりくいしばってね」

「お、おう!」

 

カオルに言われ、思わずキルアを掴んでしまうメレオロン

 

『輝輝恩光』

 

「~~~~~~~~~!!!(泣)」

 

 

回転の勢いで飛ばされるキルアとメレオロン。メレオロンはもう涙目だ。

 

ドン!!

 

キルアが放った落雷がユピーに直撃する。キルアが作ってくれた隙をナックルは当然、無駄にしない。

 

ズキァ

 

ナックルは怒りの鉄拳をユピーに喰らわせたのだった。



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アリ×ト×セントウ その2

その後、8発ぶん殴ったナックルは途中で合流したドフと共にシュートの救出に向かった。一方キルアは他の新技でユピーに八つ当たりしていた。

 

「うわ…物凄く八つ当たり。気持ちはわかるけどさ」

 

そう見守るカオル。するとキルアの姿が消えた。

 

(メレオロン。そろそろ帰って来るってことだね)

 

少しして

 

ガシ

 

カオルもメレオロンに掴まってその場を離れた。

 

「オレたちは充電追えたらゴンとこ戻る。お前はナックルんとこ言ってくれ」

 

ゴンはああなってしまったらテコでも動かない。最悪心中するかもしれないのだ。それを聞いたメレオロンは心配してしまう。

 

「ウソだよ!」

「私たちには「カイトさん」っていう呪文があるから!」

 

カイトの名前を聞けばゴンは大人しくなるはずだ。

 

「こっちは任せろ」

「だからナックルさんのとこへ行って!」

 

キルアとカオルに言われ、メレオロンは「わかった」と言う。

 

「3人とも気をつけろよ」

「メレオロンもね」

 

しばらくして…

 

「よし充電完了」

「それじゃあ行こ!」

 

急いでゴンの下へ向かう。すると

 

「「「!」」」

 

気配を感じ取った。

 

(見られてる……しかもこの気配)

 

 

2人にとって覚えのある気配だ。2人は一回その場から離れ、曲がり角の陰に隠れる。キルアは自分の武器・ヨーヨーを手鏡のように使う。

 

(誰もいない?)

(どういうこと?気配があったはずなのに)

 

2人は疑問符を浮かべてしまう。気配は気のせいだったのか?そう思っていると現れた。両手足の肌はウロコ。額には大きな水晶玉。その顔を見て驚いた。

 

(パームさん!?やっぱり捕まっちゃったんだ!)

(そして変えられた)

 

ゴンはパームのことをすごく心配していた。今の彼女を見れば確実に壊れてしまう。2人はアイコンタクトした。パームに記憶があるかどうかを確認するために出てみると

 

「キル…ア。カ…オルね ゴンは……?」

 

彼女に記憶があった。パームは「こんな姿になったあたしをもうゴンは嫌いになるかしら……?」と不安げに言う。たった1日だけだったがゴンを好きになり、デートしたから心配してしまうのは無理もない。

 

「ゴンは見てくれで人を判断しないよ」

「見た目タコのアリとカメレオン人間と仲良くなったので大丈夫です!!」

 

パームの性格も変わっていない。どうやら変わったのは容姿だけのようだ。しかしある言葉でわかった。

 

「敵だろお前」

 

パームは能力でビスケを見つけたって言っていた。つまりパームは人探しが得意。なら「ゴンは?」と居場所を聞かずに探し出すはずだからだ。キルアが言った瞬間、彼女の髪はまるで貴婦人の姿になり、キルアに打撃を喰らわした。

 

 

「キルア!」

 

ちなみになぜキルアだけ攻撃を仕掛けるのかと言うとキルアが嫌いだからだ。

 

(一回気絶させる?でもパームさんは強化系だから確実に髪で弾かれる!)

 

パームの髪でできた服はまさに鉄壁の鎧だ。するとキルアはゴンの事を偽りなく話す。パームの事をずっと心配していたことを。そのおかげで落ち着いてきた。逆にキルアはというとゴンの様子を言いながら説得した瞬間

 

「あああああぁぁぁぁ!!!」

「キルア!!しっかりして!!」

 

カオルはキルアの下へ駆け寄る。「ゴンを正気にできるのはパームだけ」。そのことで泣いてしまったからだ。その時だ。

 

『スキだらけ予定変更』

「!」

 

蝿の羽を持った小さな人間型蟻がパームに指示をしていた。

 

(させない!!)

 

キルアを守るために、パームがキルアを殺させないためにカオルは蟻に斬りかかる。その時だ。

 

バチ!!

 

パームが蟻を攻撃したのだ。

 

「あんた達の蟻の手先になんか死んでもならない」

「パ、パームさん?」

 

彼女の言葉と表情に偽りなんてなかった。キルアの言葉が彼女を正気に戻したのだ。そしてパームは2人に言う。

 

「ゴンに一番必要なのはあなた達なのよ」

 

ゴン、キルア、カオル。3人を見てきたからこそゴンにはキルアとカオルが必要なのだとわかっているからだ。

 

「………パームさん!!」

「カオル!!」

 

カオルはガシっとパーム抱きつく

 

「ゴンは当然だし私もナックルさんも心配してたんですよ」

「そうね。元気な姿ちゃんと見せないとね。」

 

「あの人たちの事だから号泣しますよ」

「ふふ、あり得るわ」

 

「ノヴさんもきっと心配してます」

「そうかしら?」

 

「この戦いが終わったら沢山甘やかしそうですよ」

「ならデートに行きたいわ」

 

キルアとカオルはパームを連れて移動することにした。

 

ドオォン

 

「「「!!」」」

 

大きな破壊音が聞こえた。3人は急いで走る。破壊音が聞こえた場所に到着するとだ。

 

「イカルゴ!?」

「ホントだ!イカルゴこっち見てー!」

 

キルアとカオルはイカルゴを呼ぶ

 

「キルア!!カオル!!」

 

さらにパームに気づいてくれた。その後4人はナックルと合流することにする。

 

「パァァムゥゥゥゥゥ!!!生きてたかこの野郎!!!ノヴさんに会ったらちゃんと安心させてやれ!!」

 

ナックルは思っていた通り号泣して喜んだ。ナックルを落ち着かせた後、キルア達は話し合う。

 

「終えるか続けるか」

 

王と護衛軍を分断し、ネテロに王討伐を託す。役目を終えた。後はナックルの言う通りこのまま終えるか、それともまだ参加を続けるかだ。ナックルは納得いくまでやるだ。それはキルア達も同じ。なので全員このまま続けることにした。

 

***

 

ゴンとピトーの所に到着するとピトーは治療を終わらせ、女の子は意識を取り戻していた。そしてゴンから女の子を託された。

 

(ゴン……この子を人質に)

 

いつもならこんなことをしないゴンが無力な女の子を人質にした。そのせいでカオルは不安そうだ。そうしている内にゴンとピトーは猛スピードで去った。

 

 

 



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会長選挙
ゴン×ノ×キキ


キメラアントとの戦闘は一応終わった。蟻たちの王はネテロの命よって爆発させた毒がある爆弾によって少しずつ弱っている。しばらくすれば死ぬだろう。ピトーはというとゴンに倒された。カイトは死んだ。直すのは無理だった。それによりゴンは怒り、クラピカ以上に厳しい制約と誓約によってピトーを倒したのだ。

 

ただし

 

 

シュー

 

シュー

 

ゴンは死にかけている。体はミイラの如く干からび、呼吸はまさに虫の息。

 

「キルア カオル」

「ノヴさん」

 

パームの師匠・ノヴが現れた。ゴンを救うために医療チームを結成するので一緒に来るかと誘って来た。キルアは拒否する。理由はこれ。

 

「オレがゴンを助ける」

「!?」

「え!?」

 

その言葉にノヴとカオルは驚いた。

 

「医者の方は頼むよ。それも必要だ。オレが戻るまでは」

「キルア!?」

「キルア!!当てがあるの!?」

 

カオルは慌てて聞く。

 

「ああ。だからカオル。オレがそいつを連れてくるまでゴンの事頼む」

 

キルアの表情は真剣だ

 

「………うん。必ず戻ってきてね!キルアとその人が怪我して戻ってきたら物凄く怒るから!お仕置として頭突きかますから!」

「ああ。約束する」

 

するとキルアは親指の皮膚を噛み、血を出す。ゾルディック家流の指切りのようだ。カオルもキルアの真似をして親指の皮膚を噛み、血を出した。そして2人はその親指をお互いの指に押し付ける

 

「それじゃあ頼んだぞ」

「うん。任せて」

 

こうしてキルアはその人物を連れてくるために病院を出た。

 

 

しばらくして

 

ダダダダダダダダダダダ

 

 

「ゴ―――ン!!キルア―――!!カオル―――!!」

 

「モラウさん!?」

 

病院の廊下を走ってきたのはモラウだった。

 

 

「ぜーぜー 聞け…実は ぜー」

「モラウさんとりあえず落ち着いて下さい!ハイ深呼吸!」

 

カオルに言われ、モラウは「ス――――ハ――――…ス――――ハ――――…」と深呼吸する。

 

「落ち着きました?」

「カオル!!落ち着いて聞け!!」

「はい」

 

「カイトが生きている!!」

 

・・・・・・・・・・。

 

ぽん

 

「………熱は無いですね」

「いやいや気持ちはよーくわかるから!!熱はねぇ!!」

 

熱を出したんだなと勘違いしたカオルにモラウはツッコむ。

 

「実は王に妹がいる。」

「え?どういうことです?」

「王はまだ生まれる時じゃねぇのに女王蟻の腹を突き破って生まれたそうだ。当然、女王蟻は死んだが腹に栄養をほとんど取られたせいか未熟児の妹が残されていた。そしてその子はレイナってかわいい名前を付けられたんだが名前が違うって言うんだ」

「ちがう?」

 

カオルは疑問符を浮かべる。

 

「電話の向こうでその子は大声で言ったんだよ」

 

『あたちの名前はカイトです!!』

 

「……ウソォ!!つまりカイトさん生まれ変わったってことですか!!?」

「まーそうなるな。それでこれをゴンに言えば」

 

ゴンに言えば何か反応があるかもしれない。

 

「ゴン!ゴン聞こえる!!カイトさん生きてるって!!」

「女の子になったけど元気に生きてるぞ!!」

 

2人は必死に言ったがゴンは無反応だった。

 

「ダメかー」

「ダメだったな」

 

 

数日後

 

ばさ

 

ばさ

 

1匹の鳥が手紙を持ってきた。

 

『ネテロ会長がお亡くなりました。なので第13代会長総選挙を開始します。詳しくは2枚目の手紙をご覧ください。』

 

しかしカオルは興味ない。今1番大事なのはキルアと彼が連れてくる人物。ゴンだけだから。なので

 

ビリビリ

 

思いっきり破り捨てた

 

その後、選挙の合間を縫ってビスケやウイングなどゴンと親しい人たちが来てくれた。しかし彼女たちの声でも反応してくれない。

 

ドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

『!』

 

「ゴン!!キルア!!カオル!!」

「レオリオ!!」

 

レオリオも来てくれたのだ。

 

「すまねえカオル!ゴンがあぶねぇっていう時にオレは呑気に勉強なんてよー(泣)」

「ううん。レオリオは医者になるために頑張って勉強してるんだよ。」

 

医者になるための勉強をほっぽり出してゴンのもとへ来てくれた。カオルはそれだけでも十分嬉しかった。

 

「ん?キルアはどうした?いる筈だろ?」

 

キルアが居ないことに疑問を持ったレオリオは聞く。

 

「キルアはゴンを助けられる可能性がある人を連れてくるって。だからその間、「ゴンの事頼む」って言われたの」

「そうだったのか。それじゃあ様子を聞いてみるか」

 

レオリオはキルアに電話をかけることにした。

 

「あ、キルアか?……え?キルアの携帯じゃねーのか?……じゃあなんでキルアが出ねーんだよ。……誰だテメェ!!」

 

 

レオリオはキルアじゃない人物と口論した後無表情で電話を切った。

 

ピッピッ

 

またキルアへ電話するために深呼吸しながらボタンを押す。

 

(あ!まさか!)

 

その様子に気づいたカオルは急いで耳をおさえた。

 

「こちらレオリオと申しますがァァ―――ア!!!キルア君に代わっていただけますかアア――――――!?」

 

こうしてレオリオはやっとキルアに代わってもらった。

 



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ゴン×ノ×チチ

レオリオの大声に観念したのか相手は何かを言う。

 

「ああ!?あ!!わかったコインの野郎か!!」

「え!?ゴトーさん!?」

 

キルアの携帯電話に出たのは執事のゴトーだった。

 

「なんでゴトーさんがキルアの携帯電話に出るんですか!」

 

思わずレオリオの携帯電話を取るカオル。その声に《カオル様もお久しぶりです》とゴトーは言う。

 

「あ、お久しぶりです。でも本当にどうしてキルアの携帯電話にゴトーさんが出るんですか?」

「キルアはどうしたんだよ!?」

 

レオリオの問いにゴトーは《我々と共にそちらに向かわれています》と答える。

 

「つまりゴンを助けるために一緒に行動してるんだな?」

《ええ ゴン様救済のためです》

 

しかしそのためには厳しい条件があるとのこと。レオリオとゴトーの会話にカオルは考える。

 

(ゴトーさんが出たってことはゴンを治してくれる人はゾルディック家の人)

 

カオルはキルアがお願いしに行ったの人物はゾルディック家だとわかった。そうしている内に電話にキルアが出た。

 

《オレを信じてゴトーの言う通りしてくれ》

「………わかった約束したもんね!」

「代わってくれ」

 

ゴンの親友であるキルアからのお願いだ。信じるしかない。するとなぜかモラウが条件は自分が聞くと言って来た。理由はこれ

 

「出来るワケね―だろ!!国立病院だぞ建物ん中に一体何千人いると思ってんだコラ」

 

条件が厳しすぎるのでレオリオが怒鳴るからだ。こうしてモラウが条件を聞くことになった。

 

「レオリオ。ゴトーさんどんな条件出したの?」

「キルア達が到着したら病院内はゴンだけにしろだと」

 

「医者も?」

「医者も!」

 

「他の患者も?」

「患者も!!」

 

つまり医者も患者も全員追い出せということ。医者を目指すレオリオからすればイラつく条件だった。そうしている内にモラウはゴトーとの電話を終わらせた。元々ここの病院は大きい。当然駐車場も大きいのでゴン専用病室を建てることで条件をクリアした。大人として落ち着いて無理難題な条件を聞いてくれたモラウに好感を持ったのか《次から是非貴方と話がしたい》とゴトー本人から言われた。そのためキルアとの連絡係がモラウになった一方、レオリオはある場所へ行くために立ち上がる。

 

「どうしても一言…言っておきたい奴が多くってな!!カオル!ゴンを頼んだぜ!!」

「うん!任せて!!」

 

レオリオとカオルはガシッとお互いの拳を掴んで約束を交わした。

 

「なあカオル あいつどこへ行くんだ?」

 

「ゴンのお父さんに会いに行くんですよ」

 

実はジン、ハンター協会の幹部。そして現在、会長選挙に参加している。だからレオリオはジンにゴンの下へ行ってくれとお願いしに行ったのだ。

 

「そうか。なら動画で様子を見るか」

 

そう言ってモラウはタブレットを用意させた。

 

「ほら。こいつがジン=フリークスだ」

「この人が」

 

モラウが指さした人物。彼がゴンの父・ジンだ。やっぱり親子なため顔立ちが似てた。ただし

 

《アイツが自分から「来て欲しい」とでも言ったのか?》

 

レオリオの「ゴンのとこに行ってやれよ」「あいつが元気になるかもしれねぇんだぞ」の言葉に冷たく答えた。顔立ちは似ているが性格は冷たいようだ(実際、幹部・十二支んを初めとして他のハンターからはあまり快く思われていない)。ジンの様子にカオルは思わず呟く。

 

「…………ゴンが純粋でよかった」

「…………そうだな」

 

カオルはゴンをいい子に育てたミトに心から感謝した。すると怒ったレオリオは行動を起こす

 

《くそ野郎!!》

 

レオリオがテーブルをぶん殴ると、

 

ドゴォ!!

 

オーラで出来た拳が遠くに座っているジンの顎に炸裂した。

 

《いっぺん死ね!!》

 

 

 

アッパーを決めたことにカオルとモラウは思わず「「おぉ――――!!」」と言ってしまう。会場内も大盛り上がりだ。こうしてレオリオはジンをぶっ飛ばした超新星として不本意で会長選挙に参加する羽目になった。

 

 



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アルカ×ノ×チカラ

プルルルルル

プルルルルル

プルルルルル

 

「う~~ん」

「モラウさん。ゴトーさん出ないんですか?」

「ああ。出ない」

 

カオルは心配そうに聞く。ゴトーからの条件通り、医者・患者がいないゴン専用病室と言う名の建物建築がトラブルなく進んでいることを話すために連絡を入れたいのだが、ゴトー自身と連絡つかないのだ。

 

 

すると

 

ブーブー

 

「!」

 

カオルの携帯電話のバイブが鳴った。

 

「もしもし!?」

 

《もしもしオレキルア》

 

ゴトーではなくキルアからの電話だった。

 

「え!キルア!?どうしたの!?今忙しいんだよね!?」

《追っ手をまいたから電話したんだ。ちゃんとゴンを助けてくれる奴も連れてきてる》

 

「モラウさん!ゴンを助けてくれる人連れてきてるって!」

「そうか。ちょっと代わってくれ」

 

モラウに言われ、カオルは携帯電話を渡す。

 

「おうどうした?心配したぞゴトーさんと連絡とれなくてな………!!兄貴が弟を…!?」

(! イルミ!)

 

カオルは心配になったのかモラウから携帯電話を返して貰う。

 

「キルア一体どういうこと!?」

《オレが連れてきている奴はアルカ=ゾルディック。オレの妹だ!》

「その子、除念師なの?」

《いや……念能力は持ってない。》

 

アルカにはおねだりを三回連続で叶えると他人の願いを叶える、念能力とはまた違う能力を持っている(その時のアルカをキルア達はナニカと呼んでいるそうだ)。しかしその能力は願い事の難易度に比例して、次のおねだりの難易度が上昇し、おねだりを叶えることができなかった場合死ぬという。さらにキルアのみ、ナニカに「命令」することで無条件で願いを叶えることができ、代償を必要としない。イルミはアルカ…というよりナニカを殺すために追いかけているそうだ。

 

 

「「針人間」!?」

「え―――イルミみたいな姿なの!?」

 

イルミの変装姿を思い浮かべたカオルは青ざめる。

 

「あ?どういうことだ?」

「イルミったらハンター試験の時、色んな所に針刺して顔を変えてたんです!!」

「……うわ」

 

その説明にモラウも気分が悪くなる。

 

《ちげーよ。針人間ってのは念を込めた特殊な針で死ぬまで働く戦闘兵》

 

ハンターは同胞のハンターを標的にしてはいけないというルールがあるがグリードアイランドで会ったビノールトのようにハンターなのに犯罪を犯した者だったら狩ってもいい。キルアはイルミを狩るためにその証拠になる針人間を捕獲してほしいそうだ。とりあえずこれに関してはルール改訂やハンター試験見直しを望むハンターにお願いすることにした。

 

「は―――――――………まさか実の兄を売るとは」

「モラウさん。キルアの実家はゾルディック家です」

「………マジで?」

 

その後ゴン専用病室が出来上がった。ゴンは医者たちによって運ばれる。ゴンと親しい者達はゴン専用病室の周りの警備だ。

 

暫くすると車が建物内に入る。あの車にキルアとアルカがいる。

 

(キルア…アルカちゃん。ゴンをお願い)

 

 

ズン

 

 

『!?』

 

念とはまた違う気配を感じ取った。間違いなくナニカが能力を発動したのだろう。少しすると扉が開く。

 

ごく…

 

 

 

『ゴン!!!!』

「あれ?カオル?みんな?」

 

元に戻ったゴンだった。

 

「よかった元に戻ったんだね!?」

「心配かけさせやがって!!」

「まったく制約と誓約やりすぎだわさ!!」

「でも本当に良かった!!」

 

カオル達は大喜びでゴンの下へ駆け寄る

 

「カイトさん生きているのにゴンが死んだら元の子も無いよ」

「え!?カオルどういうこと!?」

 

カオルの言葉にゴンは慌てて聞く。

 

「カイトさんなぜか女の子として生まれ変わったの。女の子になっちゃったけどちゃんと生きてるんだよ!!」

「そっか……カイト生きてるんだぁ」

 

カイトが生きている。女の子になってしまったが生きていることを理解したゴンはボロボロと涙が出た。

 

「ゴン。それも大事だがレオリオ達にも元気になった事教えようぜ」

「あ、そうだった」

 

キルアはきっと疲れていると思うので先にレオリオの下へ行くことになった。

 

「ゴン!!!!うオオおをちくしょオオオ心配したんだぞ!!!」

「レオリオ!!!」

 

ステージに立っていたレオリオも大喜びでゴンの下へ走った。



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ナカナオリ×ト×ヤクソク

ゴンはアルカのおかげで回復した。選挙会場でジンと再会したり、さらにカイトが生きている理由が判明したり(「絶対に死んでたまるか」と強く思わないと発動しない念能力のおかげだった)、ハンター協会会長は嫌われ者のパリストンに決まったが、副会長を頭脳明晰のチードルにした瞬間、会長を辞めたりと色々あった。そして現在のゴンは物凄く緊張している。前から歩いてくるのかアルカらしき女の子を連れているキルアだった。

 

「……ゴン」

「………キルア」

 

「バッカヤロオォォ!!」

 

ゴン!!

 

「痛!!ごめんなさい!!」

「なんで怒ってるのは分かってるな!?」

 

キルアの問いにたんこぶがついた頭をさすりながら涙目で答える

 

「一緒にいてくれたのにキルアの気持ちを考えずにやってしまいました!!」

「その通りだ!!心配かけさせやがって!!!……いつ死んでしまうか不安だったんだぞ」

 

最後は弱弱しく言うキルア。すごく心配したのがよく分かる

 

「うわあああああキルアごめんなさ――――――い!!!」

「反省するならあんな制約と誓約するな!!!」

 

大泣きするゴンとキルア。これで彼らはもう大丈夫だろう。

 

「貴方がアルカちゃん?」

「うん!そうだよ!」

 

ゾルディック家の子しては珍しく無邪気で素直な子のようだ。

 

「私はカオルっていうの。アルカちゃん、ゴンを助けてくれて本当にありがと。アルカちゃんとナニカちゃんのおかげでお兄ちゃんの友達はあんなに元気になったんだよ」

 

するとキョトンとしていたアルカは

 

「えへへへへへあたしとナニカも嬉しい!//////」

 

顔が崩れるぐらい照れていた。自分の力のせいで家族の仲が悪くなる。そう思っていたのでカオルの心からの感謝がすごく嬉しかったのだ。

 

「それでお前これからどうすんだ?」

「カイトに会ってー其の後ジンに会いに行ってくる!」

 

キルアの言葉にゴンは素直に答える

 

「はあ!?カイト死んだんじゃねーのか!?」

「実はキルア。カイトさん生まれ変わったんだよ」

「うん。ジンが言うには「絶対に死んでたまるか」と強く思わないと出ない数字のおかげだって」

 

カオルとゴンの説明に「あーなるほど」と納得してくれた。こうしてゴンはカイトに会いに行く。しばらくして…

 

「カイトが「キルアとカオルにもよろしくな」だって!元気そうだったよ!」

 

色々話したのかゴンの様子はスッキリしていた。

 

「それじゃあ今度は親父さんか」

「どんな話するの?」

「うーん。……それはまだ」

 

さすがに何話そうか悩んでいるようだ。とりあえずジンが居る建物に行ったゴン。ただし

 

「どうだった?」

「何話したの?」

「えーと」

 

ゴンの様子がおかしい。一体どうしたのか

 

「………『世界樹のてっぺんで待つ』ってメモが置いてた(汗)」

「「………。(汗)」」

「せかいじゅってなあに?」

 

本当にトンズラかましたジンであった。

 

 

***

 

 

後日

 

 

「うお――――たっけ――――!!」

「さすが世界最大の樹!!!」

「ホントにてっぺん見えないね!!」

「うん!」

 

キルア、ゴン、カオル、アルカの4人は電脳ページ(インターネット)で調べ、世界樹がある町へ来た。電脳ページによると1784Mもある世界一の高さを誇る世界樹の名に相応しい樹木で頂上まで登り、さらに降りてこれる強者は年間延べ30人しかいないそうだ。そして4人はまずやることがある。それは

 

 

「「「「イエーイ♪」」」」

 

カシャ

 

観光だった。アルカは危険な能力のせいで幼少期から地下室に厳重に隔離されていたので色んなものを見せてあげたかったのだ。こうして観光をした4人。そろそろゴンが世界樹に登る時間になってしまった。

 

「じゃオレ達はここで」

「私も同じく」

 

キルアはアルカを色んな所へ連れていく旅へ、カオルはジャポンへ里帰り。しばらくはお別れだ。

 

 

「じゃあまた…!!!」

 

こうしてゴン達は必ず会う事を約束し、別れた。数年後…狙った獲物は必ずハントする凄腕のチームが出来たそうだ。

 

終わり

 

 

 



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