舞台少女がダンまちの世界に出会いを求めている (かぐらすす)
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舞台の開幕
私は大場なな、みんなはばななやばななちゃんって呼ぶ。
だけと、あの子は私のことをななって呼ぶの。
もう毎日あの子の声聞きたいなぁ。
でもまさかあの日は最後の別れになるのは夢にも思わなかった
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Side: 大場 なな
「なな」
この優しくてかわいいの声の持ち主は星見純那ちゃん。
聖翔音楽学園第99期生出席番号25番。第99期生学級委員長。2年A組に在籍。
私のクラスメートでもあり、ルームメートでもある。
「なに、純那ちゃん?」
純那ちゃんはやや困った時の顔して、ため息をついた後、私の目に向かって言った
「なな、あなたまだB組の手伝い、行ったでしょう。」
「うん、だめだった?」
「だめじゃないけど。。。でもななは疲れているでしょう」
最後の一言で私は何も言えなくなる。
確かに料理が得意なだけで毎朝の朝飯を作ったり、俳優育成科のレッスンもしたり、脚本作りにも参加したり、もうやることがいっぱいで大変なのに、まだ手伝いに行って、当然心配されるんだよね
「大丈夫だよ、純那ちゃん。私、ちゃんと休憩したよ。」
「そう、でも働きすぎないようにね」
「うん、分かってるよ。」
純那ちゃんはまだため息をついて、眠りについた。
私も純那ちゃんと同じように眠りにつきたくて、ベッドに横向きをして、天井をただただボーっと眺めた。
ーーーー何度も繰り返した
ーーー最高のスタァライトを再演し続ける為に
ーー何度も何度もトップスタァを獲得し続けた
ーでも純那ちゃんに出会った
幸せだったなぁ
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Side: アイズ・ヴァレンシュタイン
「アイズ、上のミノを頼む!」
「うん、わかった」
私はフィンの指示で上に逃げたミノタウロスを狩ることにした。
「リル・ラファーガ―――――――」
「リル・ラファーガ―――――――」
「リル・ラファーガ―――――――」
あ、人影が前に?ミノタウロスが!
「あぶないーーーーーー」
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Side: 大場 なな
「―――――――……んぅ…?」
目を覚ました時、私の視界に映ったのはいつもの天井じゃない、岩の天井でした。
どう考えても、私の部屋の天井とは違う。てっきり寝ぼけているかと思い、そして周囲の暗さからまだ夜中なのではないかと考えた私は、再び目を閉じて微睡みそうになるが…
―――ピチョン
「うぉっほぅ…!!?」
額に落ちてきた水滴に間の抜けた声を上げ、がばりと身を起こす。素早く周囲を見渡し、次いですぐに頭上へと視線を向けて…絶句する。
「(な…なにこれ…!!?)」
先ほど寝ぼけ眼な視界に入ったものと同じ、無骨な岩の天井――それに…今度はゆっくり、努めて冷静に周囲を見渡した。其処は自分が住んでいる寮の一室…ではない、まるで知らない場所だ。言うならば洞窟の様な感じか。
勿論自分はこんな場所知らないし、こんな場所で寝た記憶もない。そもそも東京住まいの自分の生活圏に、こんなだだっ広そうな洞窟があるという事など聞いたこともない。
しかも自分の服は制服ではなく、地下の劇場にあるとき着ているレヴィ服である。そんな状態で自分の左右に使っていた日本刀まで置かれていた。
「い、一体どうなってる……え…?」
困惑するままに呟きを零し…また困惑する。
----ぐあああああああ!!!!!!!
「なに?!」
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Side: none
叫び声とともに、困惑するななの前にミノタウロスが現われた。ミノはななを見て、彼女に向かって走りながら吠えた。
「あぶないーーーーーー」
と誰か叫んでいたが、ミノの動きが突然止まった。そして肉の塊になっていた。なぜというと、ななが切ったからである。
そんなななに声をかけたのはLV 5アイズ·ヴァレンシュタインである。
「あなた、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。この牛さんと関係ある?君はだれかな」
「あると思う。私はアイズ、アイズ·ヴァレンシュタイン」
「アイズちゃんか、かわいい名前だね。私は大場なな、ばななで呼んでね」
「ところでアイズちゃん」
「なに、ばなな」
「ここは……どこかな?」
「……えっ」
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