ハイスクールディスガイア✕RPG (ボルメテウスさん)
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結婚式をぶっ潰す事に

まずは、ハイスクールディスガイアの更新を楽しみにしていた皆様、申し訳ございません。
リメイク前の作品において、主人公で常識に対して、夢で片付けたりするのはさすがに無理があると思い、少し設定を変更して、リメイクさせてもらいます。
すいませんが、これからもよろしくお願いします。

また、参戦する日本一ソフトウェアの作品に関しては作者が知っている作品を中心になっています。
参戦して欲しい作品がありましたら、メッセージなどでお願いします。


人生というのは何が起きるのか分からない。

 

高校生に入るまでは平穏に過ごしていた俺だったが、ある日、俺のスマホが魔界と呼ばれる所に繋がってしまう。

 

通話先で知り合った多くの人々との交流もあったり、スマホを通してなぜか魔界に連れてこられた事もあったが、特に問題なく、今日も俺は平穏に送っていた。

 

「というよりも、キリアさんはこっちで店を出すんですね」

 

「まぁな。

向こうでは落ち着いてカレーも作れないからな」

 

そう言いながら、俺は現在バイト先であるキリアさんと雑談を行いながら、カレーを作っていた。

 

スマホの向こうで知り合った人物の一人で、俺に護身術を教えてくれた人物でもあるキリアさんは最近になって結婚したらしい。

 

そうして生活する場所として、俺の地域を選んで、そこで店を開く事になった。

 

資金に関しては、セラフィーヌさんが出してくれたが、あの人は結婚しているキリアさんを今でも狙っているので、金を借りる際には俺とクリフトさんの二人で契約書をしっかりと隅々まで見た。

 

油断も隙もないあの人らしく、契約書の隅だったり、あぶり出しじゃないと分からない文字、さらには魔界隠し文字などで隠蔽されており、なかなかに厄介だった。

 

俺達を睨み付けていたが、それでも無事に資金を手に入れて、キリアさんはこうして無事に店を建てた。

 

「それにしても悪かったな、急なバイトを頼んで」

 

「気にしないでください。

キリアさんにはいつも世話になっていますから。

丁度バイト先も探していたので」

 

スマホが繋がるようになってから、彼らの騒動に巻き込まれ、死にかけた事もあったが、こうして無事に生き残れたのは他でもない彼らのおかげだから。

 

「おい、邪魔するぞ!」

 

「あれ、ラハールさん、珍しい」

 

俺はそう言いながら、カレーを作り終えて、開店前なのに入ってきたラハールさんを見つめる。

 

「やっほ、藤木」

 

「あっエトナさんも。

あれ、というよりも普段の格好じゃないですね」

 

そうして見てみると、普段の二人の格好からは考えられない程に露出度が少ないスーツとドレスを身に纏っている。

 

「面倒な事に巻き込まれたからな。

なぜ、結婚式などに呼ばれる必要がある」

 

「あぁ、それはやっぱりラハールさんも魔王だからじゃないですか」

 

普段から魔王と名乗っているこの人だから、悪魔の結婚式でのゲストに呼ばれる事はあるだろう。

 

だがしかし、なんでそこまで不機嫌なんだ

 

「当たり前だ!

俺様がなんで、そんなくだらない事に出なければならないんだ!

珍しい物があると聞いて、来てみたが、どれも見飽きていて、つまらん!!」

 

「まったく、殿下はこの調子だから。

まぁ私としても気に入らなかったから別に良いけど」

 

「へぇエトナさんもか」

 

特に珍しくない事だが、とりあえずは言葉に出さない。

 

二人とも、はっきり言って人の言葉を聞かないタイプなので、俺も関わっている時に特に苦労する。

 

「まぁ、それで機嫌を直すついでに藤木を虐めにここに来た訳」

 

「なんか理不尽過ぎる!!」

 

まさかの理由に俺は思わず叫んでしまう。

 

本当になんでこの人はこういう事をするんだろう。

 

「まったく、あの程度で偉そうにしやがって。

藤木程度にも負けそうな癖に粋がりやがって」

 

「ははは、まぁまぁ」

 

そう文句を言いながら、憤怒の表情をしているラハールさんに落ち着いてもらうように、俺はとりあえずカレーを作る。

 

こういうタイプには話を聞いて、不機嫌にならないように注意をしなければ

 

「あっそれですよ、殿下」

 

「何がだ?」

 

「人間程度に負ける奴らが調子に乗るなという意味で、藤木に結婚式を潰して貰いましょう」

 

「えっ」

 

何を言っているのか分からず、俺は思わず聞き返してしまうが

 

「ほぅ、それは面白そうだな」

 

そう行ったラハールさんは笑みを浮かべていた。

 

「えっと、あの、俺はそのここのバイトがありますので、そういうのは」

 

「良いからとっと行ってこい!」

 

そう言うとラハールさんは俺のスマホを取り出し、無理矢理次元の扉を開いて、蹴り上げた。

 

「理不尽過ぎる!!」

 

それによって、吹き飛ばされた俺はそのままラハールさんが言う結婚式に連れてこられた。

 

「なんだ、貴様は」

 

その言葉と共に、上を見ると、こちらを警戒している黒服達に見覚えのある赤髪の先輩、さらには不良。

 

「あぁいや、なんでもないです。

俺はこれでうごぉ!?」

 

そう、俺はそのままスマホを取り出して、帰ろうとした瞬間、投げ込まれたプリニーが俺の頭に激突する。

 

「理不尽ッス!

こんな結婚式を潰すとか、理不尽すぎるッス!!」

 

「あぁ、馬鹿!!」

 

上手くキャッチしたので、爆発せずに済んだが、プリニーの余計な一言を言ってしまう。

 

これだったら、爆発させといた方が良かったかも。

 

そう思いながら、周りを見つめると、既に殺気を立てている多くの人々とこちらを心配そうにしている先輩だけだった。

 

「ほぅ、結婚式を潰すか。

覚悟はできているようだな、人間!!」

 

「えぇ」

 

その言葉に俺は思わず脱力してしまう。

 

そうしている間にも周りの黒服達はこちらに向けて、魔法を放とうとしたが

 

「本当に勘弁してくださいよ!!」

 

そう言いながら、俺は迫り来る魔法に対して、俺は取り出した物で、魔法を受け止めながら、そのまま放ってきた悪魔へと返す。

 

「なっ武器を」「熱っ?!なんか熱いっ!?」「というよりも服が汚れたけど、これって!」

 

「お前、巫山戯ているのか」

 

「いやぁ、持ってきて良かったぜ、お玉」

 

そう言いながら、俺はお玉をヌンチャクのように動かしながら言う。

 

まさかカレーを作っている最中に持っていたお玉がそのまま役に立つとは思わなかった。

 

それが気に入らなかったのか、金髪の不良がこちらに向けて、炎を放ったが、俺はそのままお玉でその炎を受け止める。

 

「気に入らない!

このライザー・フェニックスを馬鹿にしているのか」

 

「いやぁ、別に馬鹿にするつもりはないよ。

だって、馬鹿にする程、お前知らないから」

 

俺はそう言っていると、怒ったのかそのまま身体を炎をにしながら、こちらに襲い掛かったが

 

「遅い」

 

「がっ」

 

襲い掛かってきた奴に対して、俺はそのままお玉で撃ち落とす。

 

すると、お玉で攻撃された部分がいきなり燃え始めたが

 

「貴様っよくもよくも!!」

 

「あぁ本当に面倒だな。

こういう時は」

 

そう言いながら、俺はお玉を軽く振り、そのまま仕舞う。

 

「武器を仕舞って何を「火遊びを」っ」

 

「するんじゃない」

 

そう言い、俺はそのまま目の前にいる不良を凍らせる。

 

「なっなんだ、今のは魔力がまったく感じられないだと」

 

「あぁ、思った通りね」

 

そう言いながら、次元の扉を開いて、入ってきたのはエトナさんだった。

 

「エトナさん、これ狙ってプリニーを投げたでしょ」

 

俺はそう言いながら、エトナさんを睨み付けるが

 

「それが何が悪いの」

 

何事もなかったようにエトナさんは言う。

 

既に、こういう事に巻き込まれるのに慣れたとはいえ

 

「エトナ様っまさか、その人間はあなたの差し金ですか!」

 

「そうね、まぁ殿下が9割9分だけど、私も気に入らなかったから加担したわ。

にしても弱いわね、藤木が手加減した超魔流で、ここまでやられるなんて」

 

「超魔流っ!」

 

その言葉に周りが騒いでいるが、そこまでの事か?

 

超魔流って、確かゼロッケンが色々と手を出したせいで、結構簡単に習得できるようになった護身術だと聞いているぞ。

 

「さて、すっきりしたし、帰るわよ」

 

「バイト中に無理矢理連れてきて、その態度ですか」

 

「なんか文句でも」

 

そう言い、こちらを睨んでくるが

 

「別にないです」

 

俺はそう言い、エトナさんに従うように渋々入っていった。




藤木大地
CV畠中祐
ある日、魔界と繋がったスマホの持ち主。
スマホを通して、魔界に連れられ、そこで様々な騒動に巻き込まれながら、史上最強の魔王を育てる事になる。
魔界での戦いを繰り広げる中で、強さは冥界の悪魔では魔王クラスまで強くなったが、本人は魔力がまったくなく、強さの基準を魔界の悪魔だと考えている。
魔界の常識に浸食されている常識人。

戦法
魔力の才能がまったくない一般人。
生前、血縁含めて全てが普通だったが、魔界での経験と周りに規格外の魔王や悪魔達に囲まれ、戦った影響もあって、力は魔王級、さらにはキリアから超魔流などを学んだ事によって、その戦闘力は魔王クラス。

お玉ヌンチャク
藤木がカレーを作っている時に使ったお玉。
熱い鍋の中にあるカレーを掬う為に耐熱性はばっちりな一品。
溶岩麻婆豆腐を作る時には秘術品だ。


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道路で遊んではいけない、これは常識

活動報告で新たな募集を行っています。
皆様の応募、お待ちしています。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=251300&uid=45956


「まったく、いきなり雨が降るとはな」

 

その日は久し振りにカレーの出前の注文を受けて、俺は原付に乗りながら、店に帰っていた。

 

激しい雨の中なので、視界が見えにくいので、事故が起きないように注意しないと。

 

「ひゃはははは!!」

 

「あっ」

 

そう俺が走っていると、奇妙な声と共に目の前でいきなり何かが目の前に出てきた。

 

「あがぁあ!!」

 

俺はすぐにブレーキをするが、既に遅く、ヘットライトに丁度ぶつかる。

 

それと共に、何かは地面に勢いよく倒れ込んでしまう。

 

「おい、大丈夫か、あんた!!」

 

俺はすぐに駆け寄る。

 

まるで中二病を思わせる格好をしている白髪の男であり、その手は尻に手を当てながら震えている。

 

「おっおっお前ぇ、絶対に許さねぇ!!」

 

「えぇ!!」

 

そう怒声と共に、その手に持ったのは剣だった。

 

嫌なぐらいに光り輝いている剣を持っているが

 

「いや、危ないだろ!!」

 

俺はすぐに襲い掛かってきた中二病の攻撃をすぐに横に避けると、時間がゆっくりと流れる感覚だった。

 

「久し振りだけど、やるとするか」

 

俺はそのまま中二病の腹を殴る。

 

「そして時は動き出す」

 

その言葉と共に中二病はそのまま吹き飛び、近くにある貯水タンクへと埋まった。

 

「思わず、やってしまった。

まぁとりあえず警察に連絡だな」

 

俺はそう言い、警察に連絡して、その場から離れていった。

 

「今のは一体」

 

その時の光景を見ていた誰かの視線があったが、俺は特に気にする事なく店に帰った。

 

「ただいま戻りました、キリアさん」

 

「あぁお疲れ?

んっ、藤木、そこに刺さっているのはなんだ?」

 

「刺さっている?」

 

俺は見ると、出前用のバイクに突き刺さっているのはさっきの中二病が持っていた剣だった。

 

見れば豪華な装飾がついており、なかなかの一品だったが

 

「どうしたんだ、それは?」

 

「帰りの途中で白コートの変な奴に襲われて、その時に返り討ちにしたんだけど、その時に刺さったんでしょ」

 

激しい雨で見えなかったとはいえ、よく俺も捕まらなかったなと、思ってしまう。

 

「いります?」

 

「いらん」

 

「ですよね」

 

俺もキリアさんも基本は剣はあまり使わないし、ここまで光り輝いている剣は使わないだろうし

 

「売りますか」

 

「そうだな」

 

面倒になった俺達はそのまま資金にする為に近くの質屋で剣を売ることになった。

 

豪華な装飾をされているが、宝石の類いも付いていないが、意外と30万円で売れた。

 

えっ、人の物を勝手に売って犯罪じゃないかって?

 

「襲ってきた奴の物を売るのは常識だろ?」

 

この一年で染みついた常識に対して、俺は思わず声を出しながら言う。

 



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売っちゃった

藤木大地の朝は早い。

 

彼の自宅は現在は海外出張で両親がおらず、一人暮らしのマンションという事で伸び伸びと過ごしている。

 

という訳ではなかった。

 

「というよりも、なんで毎日来るの」

 

「だって、あんたが作った方が早いじゃない」

 

そう言いながら、俺に話しかけている少女の名前は風祭フーカ。

 

本来ならば魔界に住んでいるはずの少女だが、暗黒議会で無理矢理承認させ、俺のマンションに引っ越してきた自称中学生である。

 

魔界の事を夢だと言っているが、その実力はかなりやばく、何度か三途の川に吹き飛ばされかけた。

 

「それにしても、あんた、相変わらず朝は鰯なのね」

 

「当たり前だ、朝は魚強に限るだろ」

 

当たり前の事に疑問に思いながら、俺は朝取れたての魚強だけで食べた魚強丼を食べながら言う。

 

ヴァルバトーゼ師匠のように丸ごと食べる事は今はできないが、こうやって朝から贅沢に魚強を食べられるのは贅沢だ。

 

「ヴァルっちの影響についてはもう良いとして、あんた、なんかこっちで変なこと起きなかった?」

 

「変な事って?」

 

「さぁ、私も分からないけど、昨日変な黒ずくめの男を見かけたのよね」

 

「俺は白いコートの男が襲ってきたぐらいだからな」

 

「へぇ、コートって、今の季節、熱くない?」

 

「さぁ」

 

まさかフーカの方でもまさかコートの男が出会うとは

 

「って、もうそろそろバイトに行かないと!」

 

「まぁ頑張って」

 

そう言いながら、フーカはそのまま出て行った。

 

こっちに来て、フーカがどこでバイトをしているのかは詳しく知らないが、まぁなんとかなるだろ。

 

俺はそう思いながら、俺もそろそろバイトの時間なので出掛ける事にした。

 

「今日も良い天気だな、こんな日は「どこだ!?どこなんだ!?」んっ?」

 

何やら叫び声が聞こえて、見てみると、そこには明らかに怪しい白いローブの女性がいた。

 

「この辺りに何か反応があるようだが、一体どこにっ!!」

 

「・・・」

 

何やら危なそうだったので、俺はすっとスマホを取り出し

 

「もしもしポリスメン。

商店街に怪しい「ちょっと待ってくれ!!」ぎゃぁ!!」

 

そう言っていると、こちらに気づいた怪しい女性がこちらに詰め寄ってきた。

 

「君が藤木大地だな!!」

 

「えっなんで俺の名前を知っているの!?

怖っ!?むっちゃ怖いんだけど!!」

 

その言葉を聞いた瞬間、俺はその場から走り出した。

 

だが、どういう訳か、俺の服を掴んで離さない謎の女性だった。

 

「お前、なんだ?!

悪いが、ストーカーはお断りなんだが!!」

 

「いや、待ってくれ!!

私はここにある物を追って、ここまで来たんだ!!

そこで、お前が例の物を持っていると聞いた」

 

「例の物?

なんだそれ?」

 

俺は思わず首を傾げる。

 

こんな怪しい奴が探しそうな物なんて

 

「リアス・グレモリーから聞いたが、お前がエクスカリバーと関わりがあると聞いた!!

それは本当なのか!?」

 

「エクスカリバー?

何を言っているんだ?」

 

「彼女の眷属から聞いた、お前がエクスカリバーを持ち去ったと」

 

「エクスカリバー?

それって、もしかして剣なのか?」

 

俺は恐る恐る聞いてみる。

 

「あぁ、教会の裏切り者であるフリードが持ち去ったと」

 

「・・・あ」

 

その言葉と共に思い出したが

 

「どこにあるんだ、あれは私にとっては大切な物なんだ」

 

「いやぁ、正直に悪いと思うけどな」

 

「なに?」

 

「売った」

 

「・・・はい?」

 

俺の一言に彼女は呆けてしまった。



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高い買い物をする時には要注意

「たっ高い」

 

今、俺と謎の女性ゼノヴィアは一緒に質屋に向かった。

 

そこには先日俺が売ってしまったエクスカリバーが飾られていたのだが、その値段は100万と値段がかなり上がっている。

 

それを見ながら、ゼノヴィアはそのまま頭を抱える。

 

「一応聞くけど、金は?」

 

「私と一緒に来た相方によって、持ち金を全て変な絵に使われてしまった」

 

俺は思わず罪悪感があるが

 

「まぁ、そういう事で。

俺はバイトがあるから、この辺で」

 

俺はすぐにその場から離れようとしたが

 

「待ってくれないか。

こんな金額、私だけでは払えない、手伝ってくれ」

 

「いやぁ、俺もバイトで忙しいので。

まぁ、場所が分かっただけでも良かったじゃないですか、100万円、頑張ってください」

 

「何を言っているんだ!!

君が売ったんだろ!

だったら、その金はあるはずだろ!」

 

「えぇ」

 

そう言われても、あの金はその後キリアさんに管理してもらう為に渡しているので、現在手元にはない。

 

「とりあえず、俺はバイトがあるので、これで失礼する」

 

そう言い、俺はすぐに残像拳を使い、その場を去った。

 

「なっ残像!?」

 

後ろから声が聞こえるが、とりあえず無事に逃げ切る事ができた。

 

そして、その日の晩

 

「ふぅ、なんとか買い直す事ができた」

 

あの後、俺はすぐにキリアさんに相談し、100万を返して貰う事ができた。

 

本当ならば、あのまま放置しても良かったのだが、あぁいうタイプは放っておくと面倒なので、早々にエクスカリバーを買った。

 

「はぁ、面倒な事にならないと「見つけたぞぉ」うわっと」

 

俺はエクスカリバーを持っていると、こちらに襲い掛かる殺気を感じて、思わず回し蹴りを行う。

 

見てみると、そこには何もなかったはずだが

 

「俺様のエクスカリバーちゃん、返して貰いますよぉ」

 

「あっこの前の不審者」

 

そこにはこの前、エクスカリバーを持っていた謎の不審者がいた。

 

「ふふっ、さっさとそれを変えさせて貰うぜぇ!

旦那から無理したこのエクスカリバーで返させて貰うぜぇ」

 

「面倒だなぁ、剣は使っていないのに」

 

そう言いながらも襲い掛かってくる不審者に対抗する為に、とりあえずエクスカリバーを手に取り

 

「お覚悟!!」

 

そう言いながら再び襲い掛かったが、俺はすぐにその場を飛び跳ね

 

「とりあえず、振空斬破Xの太刀!」

 

「えっ」

 

俺は剣技で教えて貰った中で面白そうなので習得した振空斬破Xの太刀を不審者に向けて放った。

 

放たれた技をそのまま不審者に向けて放ったが

 

「あっ」

 

思った以上に威力が強すぎて、近くにある建物を壊してしまった。

 

「・・・・・」

 

さすがにこれはまずい。

 

そう思った瞬間、とりあえず俺が見つめた先には先程までいた不審者が握っているエクスカリバーだった。

 

「さて、過剰防衛だけど、まぁ仕方ない。

警察に、あれ?」

 

そう思い、携帯を取ろうとしたが、既にそこにはエクスカリバーも不審者もいなかった。

 

「どうやら、思った以上に面白い奴がいるようだな」

 

そう言って現れたのは背中から黒いカラスのような翼を生やしている男がいたが

 

「顔怖っ!?」

 

あまりにも特徴がありすぎるとんでもない男がそこにいた。

 

「まさか魔王の悪魔だけではなく、これ程の人間がいるとはな。

エクスカリバーも奪われる訳だ」

 

「それで、あんた何?」

 

「俺か?

俺はコカビエル「そうですか、それでは」むっ」

 

奴が何やら自己紹介している間に、俺はすぐにその場から逃げた。

 

こういう顔も目がやばい奴に限って関われば厄介な事になるのが、常識。

 

だから隙があれば、とりあえず逃げる。

 

「とりあえず、誰かに相談するか」

 

そう言い、俺はスマホを取り出し、相談できる相手を探す事にした。



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深夜の電話は迷惑だから注意

投稿遅れてしまい申し訳ございませんでした。
ディスガイア5の助っ人のアンケートについて誰にしようか悩んでいたら、何時の間にかアンケートの項目が増えていたので、ようやく書けるようになりました。
同時にディスガイア6発売されましたね。
時間がまだまだ足りなく、まだクリアできていませんが、相変わらずのディスガイアなので、これから楽しみです。
これからも、よろしくお願いします。


「なるほど。

この街に堕天使が」

 

俺は無事に顔の怖い堕天使から無事に逃げる事に成功し、そのままキリアさんに相談する為に電話をしていた。

 

近くに堕天使がいないように注意しながら行っているが

 

「正直に言って、どうすれば良いのかさっぱりですわ」

 

「それは俺に言われてもな。

それに、この街の事に関してはあまり俺は関わらないようにしている」

 

「というと?」

 

俺は気になり、思わず質問する。

 

「縄張り意識が高い悪魔が多いのはお前も知っているだろ?」

 

「それはまぁ、キリアさん達と関わっていたら、そういう連中に関わるのが多かったですし」

 

だが、そんなメンバー以上にとんでもないラハールさん達に巻き込まれるのが問題があった。

 

「あぁ、だからこそ、俺達は彼らを刺激しないようにしていた。

実際に俺とヴァルバトーゼはその考えもあって、なんとかラハールとマオをここに来させないようにしていた」

 

「まぁ確かに」

 

あの人達が来たら、正直言って、とんでもない事が起きるのは俺でも分かる。

 

「だが、そうも言っていられないようだな」

 

「というと?」

 

「堕天使は本来は悪魔の領地に入る事はない。

それが入ってきたという事は、大きな事が起きる可能性がある」

 

「けど、フロンさん達は普通に来ていますが?」

 

思い出す限りでもフロンさんを初めアルティナさんやクリストさんは結構な頻度で遊びに来ている。

 

「あぁ、だが問題にならない程度にきちんと許可を取っている。

しかし、そんな堕天使が侵入したのは知らされていない。

そして何よりもエクスカリバーを盗んだという事が問題だ」

 

「問題ですか」

 

そう言われても、実際何が問題だろうか?

 

ラハールさんやマオさん達が起こす問題に比べたら、それ程大きくない気がする。

 

最近では仲良くなったゼットという奴もそうとうな問題児なのだが

 

「とにかく、事によっては大変な事が起きる。

悪いが怪しい場所に向かってくれないか」

 

「怪しい所って、言われてもな」

 

そう言われ、俺は周りを見渡す。

 

見渡す限りでも怪しい場所も見えず、とりあえずは建物の上に上り、怪しい所はないか探すが

 

「あれか?」

 

見てみると、そこには何か四角い何かに囲まれている駒王学園があった。

 

明らかに怪しいのは丸わかりである。

 

「ありました」

 

「よし、ならばすぐに迎え。

到着したらスマホで誰かを呼べ、分かったな」

 

「了解です」

 

俺はそれを聞くと共にすぐに走り出した。

 

幸い、駒王学園はここからそう遠くないので、十分もしない内に辿り着き、校舎の入り口へと向かう。

 

「なっ藤木君!」

 

辿り着くと、なぜか生徒会長達がいたが

 

「悪い生徒会長!

あんたと話している時間はないから、先に行かせて貰うよ!」

 

そう言い俺はそのまま校舎の中へと入った。

 

入ると、既に戦闘が行われているようだったのか、なかなかにボロボロな状況だ。

 

「なっ藤木!?」

 

「君がなぜ」

 

「ほぅ」

 

俺の到着に驚きを隠せない様子の一同。

 

そんな彼らをできる限り見渡すと、怪我人が多く、空には顔の怖い堕天使、それに気絶している謎の不審者。

 

「何が起きているのかさっぱりだけど、とりあえずお前がなんかやろうとしているのか?」

 

「そうだ、貴様を待っていたぞ。

正直、そいつらでは退屈していたからな」

 

そう言いながら、堕天使はこちらに向けて光の槍を準備する。

 

「さぁ戦いを始めようとするか」

 

そう言いながら、こちらに向けて話しかけるが、俺は無視して、そのままスマホを取り出し、電話をかける。

 

「・・・何をしているんだ」

 

「何って、電話だけど?

あぁ、もしもし、はい、今来れますか?

あぁ、来れますか、それじゃ、お願いします」

 

そう言い、スマホを切る。

 

「貴様、何をした」

 

「何って、呼んだだけですよ」

 

「呼ぶ、一体何をっ」

 

その言葉を言い終える前に俺のスマホから魔方陣が現れる。

 

「なっ何っこの魔力はっ」

 

「この魔力の量っ、下手をしたら魔王級っ」

 

「藤木君、君は一体何を呼び出すんだ」

 

そう言って、こちらに向けて叫んでいくが

 

「何って、勿論、俺の知り合いですけど」



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護身術の超魔流

そこに現れたのは一人の少女だった。

 

藤木大地が作り出した魔方陣から現れたのは長いウサ耳で黄色いパーカーを身に纏った少女であった。

 

召喚する時に感じた魔王と見間違う程の魔力に比べたら、その可愛らしい容姿の少女が出てきた事に対して、リアス・グレモリーを初めとしたメンバーは戸惑いを隠せなかった。

 

「ごめんな、いきなり呼び出してしまって」

 

「気にしなくても大丈夫びょん」

 

そんな周りの事を気にする事なく、藤木と謎の少女は挨拶を行いながら

 

「それで、あれがキリアさんが言っていた堕天使ですか?」

 

「まぁそうだな。

それで、聞きたいけど、目的ってなんだ?」

 

「知らずに来たのか?」

 

「まぁね。

ただ、嫌な予感だけで来ただけだから」

 

俺はそう言うと、堕天使に尋ねると

 

「簡単だ、ここでエクスカリバーを使い、天使・堕天使・悪魔による三つ巴の戦争を再度引き起こす。

本当ならば、ここにいるリアス・グレモリー達を殺すつもりだったが、まさかお前のような強者と出会えるとはな」

 

「・・・戦争ですかぴょん」

 

「それは、駄目だな」

 

その言葉と共に藤木と少女から溢れ出る魔力。

 

それには、その場にいた全員が驚きを隠せなかった。

 

「この魔力は」

 

「これって」

 

「ほぅ、そこにいる男にも驚いたが、そこにいる小娘、一体何者だ?」

 

「兎兎魔界の魔王、ウサリアだぴょん」

 

「まっ魔王!?」

 

「悪いけど、この街にこれ以上被害を広げない為にも、藤木さん」

 

「あぁ」

 

その言葉と共にウサリアの身体が光ると共に、そのまま藤木の右腕を纏い、変わったのは巨大な兎の手袋だった。

 

「えっと、あれは、神器?」

 

それに驚きを隠せない一同の反応とは別に藤木は一瞬でその姿を消す。

 

「なっ!?」

 

「おらぁ!」

 

姿を消した藤木はそのままコカビエルの元へと近づくと共に蹴り上げる。

 

それには反応する事ができなかったコカビエルはそのまま地面へと落とされる。

 

「ぐっ」

 

だが、すぐに体制を整えると、その手に光の槍を作り出すと、藤木に向けて放つ。

 

「獄滅魔炎兎弾!」

 

その言葉と共に放たれたのは兎の形をした炎の弾丸だった。

 

それらは光の槍を打ち砕き、コカビエルの身体を吹き飛ばす。

 

「ぐっ、これはまさかっ、魔王の魔力が合わさって「おらぁ!」ぐっ」

 

その言葉を言い終える前にコカビエルをそのまま地面へと叩き落とす。

 

「部長、あれって、魔王ならばできるんですか」

 

「いいえ、あんな事できる魔王なんて、来た事ないわ。

それに魔王って、私も知らないわ」

 

「えっ、それじゃ、嘘なんですか?」

 

「それは、違うと思います。

あの魔力、少なくとも上級悪魔を超えています。

だとしても一体」

 

そう言いながら、その戦いは終わりを迎えそうになっていた。

 

「ぐっ、このまま終わらせるか!」

 

そうしながらコカビエルは地面に手を置く。

 

それと共に展開されたのは魔方陣だった。

 

「なっあれって、まさかコカビエルの奴っ」

 

「この町を消滅させるつもりか」

 

そこから、何をするのか分かった一誠達が叫ぶ。

 

「だったら、止める。

いきなり本番だけど」

 

そう言いながら、藤木はそのまま構えると、ウサリアの身体に溢れるばかりの魔力が集まる。

 

「超魔流 最終奥義!」

 

「なっ超魔流だと、まさかお前は」

 

何かに気づいたコカビエルは目を見開くが

 

「無明神水!」

 

「っがああああぁl!!」

 

溢れ出る魔力がコカビエルに向けて放たれた。

 

それを受け止めたコカビエルは光に飲み込まれながら、その魔方陣は消えていく。

 

「なっ今のは一体」

 

「超魔流」

 

そんな現場を見ていたもう一人の白い影がゆっくりと現れる。

 

「お前は?」

 

「なに、そこにいるコカビエルの奴を回収しに来たが、まさか伝説の武術を使う奴がいるとはな」

 

「伝説の武術っ」

 

その言葉に全員が驚きを隠せなかった。

 

「一騎当千、負け無しと言われる伝説の武術。

藤木大地と言ったか、貴様、その武術をどこで学んだ」

 

一瞬で、場は静かになりながら、藤木は

 

「知り合いに護身術として習った」

 

「・・・護身術の域を超えているだろ!!」

 

その言葉に、一誠を代表に思わず叫んでしまう。



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藤木大地観察記録

藤木大地という男が出てから、悪魔、天使、堕天使の三大勢力は彼に注目を集めていた。

 

事の始まりは、とある悪魔の結婚式の出来事だった。

 

当時、巨大な力を持つ謎の存在、ラハールと接触する事ができ、彼の存在を探りを入れると言う事もあり、招待する。

 

だが、招待したラハールは現れる事なく、代わりに現れたのが藤木大地だった。

 

当時は魔力はなく、気も感じる事がなく、どこにでもいる普通の人間だと思われた彼だったが、その身で操る超魔流でフェニックス家三男であるライザー・フェニックスを一方的に倒した。

 

その実力の高さ、そして謎に包まれた超魔流の使い手という事で、悪魔達はその素生を調べる事になった。

 

その経歴はどれも平凡という言葉で片付き、遠い祖先には裏に関係している者はいない、一般人だった。

 

その為、今回、この記録はそんな藤木大地のとある1日を観察した記録である。

 

「ふあぁ、よく寝た」

 

藤木大地の朝は早い。

 

彼は朝5時頃に起床すると共にリビングへと向かうと、そのままテレビをつける。

 

そのまま彼はテレビに映し出された映像を真似て動いており、それが彼の朝の習慣だろう。

 

「さて、終わった事だし、朝ご飯を食べるとしますか!」

 

朝の体操を終えた彼はそのまま厨房に入ると、作り始めたのは鰯の塩焼きだった。

 

彼の冷蔵庫の中は大抵は鰯かカレーの材料しか入っていない為、彼の強さの源はこの二つではないかと推測される。

 

そうして、朝ご飯を食べ終わると共に彼は準備を終えて、学校へと登校しようとした時だった。

 

「ちょっと、大地!

なんで、起こしてくれなかったのよ!!」

 

彼の隣の部屋から現れたのは青いペンギンの帽子を被った少女である。

 

彼女は藤木大地の隣の部屋に住んでいる少女、風祭フーカである。

 

その素生について調べた限りでは怪しい所はないと思われるが

 

「お姉様、それよりも遅刻してしまいますよ!!」

 

風祭の後に出てきたのは風祭デスコ。

 

どうやら風祭フーカの妹らしく、近くの小学校に通っているらしい。

 

「あぁ、そうだった!

急ぐわよ、大地、デスコ!」

 

「はい、お姉様!

ほら、お義兄様も早く!」

 

「分かった、分かった」

 

そう言いながら、デスコを肩車にした藤木はそのまま走り出した。

 

それも、既に見えなくなる位置まで一瞬で移動する程の早さで。

 

当初はこちらの追跡を振り切る為の行動だと思われたが、駒王学園に登校している情報を元に、彼らにとってはこれが日常茶飯事であるらしい。

 

魔力も使わず、人が視認する事もできない程の早さで移動する彼らをこれまで領地の頭領であるリアス・グレモリーが確認する事ができなかったのは無理もない話である。

 

その事もあって、町中に調査員を配置し、なんとか彼らの動向を探っている。

 

「あっおはようございます、プリニーマンさん!」

 

「いや、今はオフだし、プリニーマンじゃないから」

 

そんな彼らに平行するように走っているのは虹野ぴより。

 

この駒王街から少し離れたテレビスタジオで働いている人物であり、藤木大地の知り合いだと思われる。

 

ついでに彼らと当たり前のように平行で走りながら会話を行っている。

 

「それよりも、今度こそゲストで出てくださいよ!

良い子の皆はやっぱりヒーロー同士の共闘、ずばり私とプリニーマンさんの活躍を見たいのです」

 

「あんな格好できるかぁ!!」

 

その言葉と共にさらに加速させながら走り抜ける。

 

「わはははぁ、早いデェス!!」

 

そして、そんな状況でも特に気にしていないデスコという少女に大きく気になる所でもある。

 

そうして、駒王学園に到着した彼だが、その学園内の生活は普通の人間と変わりなかった。

 

だが、その日の体力測定が行われ日常生活の端々でその超人的な身体能力を意図せずして発揮してしまう。

 

力の加減が苦手である節が見られる。その結果、学校の体力測定でも測定不能の珍記録を連発し

 

「やっぱり自分は体力がないのかなぁ?」

 

と呟いた。

 

いや、それはないだろ!!

 

おほん、報告中にすみませんでした。

 

そんな彼は学校を終えると、そのまま帰宅する。

 

普段の彼はバイト先に向かうが、今日はどうやら別の目的があるらしい。

 

「さて、この前はウサリアに世話になったからな。

上手いカレーを作るか」

 

どうやら、先日のコカビエルの事件において召喚した謎の存在、ウサリアに対する献上物だと思われる。

 

なぜ、カレーを求めるのか謎だが。

 

「ガアアァァ!!」

 

そうしている間に藤木の前に現れたのは現在指名手配されている飛蝗のような姿をした虫風のはぐれ悪魔だった。

 

だが

 

「まったく、ここ最近害虫が多いな」

 

そのまま彼は何事もなく、そのまま蹴り飛ばした。

 

そのまま高く吹き飛ばされたはぐれ悪魔の末路は現在は指名手配を取り下げているように、見事に倒されている。

 

これまで、リアス・グレモリーの領地でははぐれ悪魔の出現率が低いが、なぜか死体の発見率が多さがこの調査で判明した瞬間でもある。

 

「さぁて、良い材料も集まったな」

 

「藤木さん!」

 

「おぉ、ウサリアか!」

 

そうしていると、藤木の目の前に現れたのは報告にあったウサリアだった。

 

彼女はそのまま藤木に抱きつくと

 

「今日はカレーですかぴょん!?」

 

「あぁ、カレーだぞ。

ウサリアの方は仕事は大丈夫なのか」

 

「えぇ、勿論。

きちんと終わらせてますし、藤木さんと一緒に食べたかったので」

 

「そうか?」

 

そう言いながら、藤木はそのまま帰宅しようとすると

 

「藤木さぁん!!」

 

「がはぁ、何をするぴより!」

 

その後ろから突撃してきたのは、今朝別れた虹野ぴよりだった。

 

「明日こそ、一緒に出ますよ!

という事で、お邪魔しますね!」

 

「いや、良いって言っていないぞ!

たくっ、ウサリア、少し早く帰るぞ」

 

「えっはっはい」

 

その言葉と共にウサリアを抱き、そのまま走り出した。

 

「あっ待ってください!藤木さん!!」

 

その叫び声と共に藤木は姿を追いかけて、ぴよりはその姿を消した。

 

そうして、彼の1日を終えると共に判明した結果としては藤木大地の高すぎる身体能力を自覚していなかったのは、それ以上のとんでもない存在がいるという事。

 

 




「ついに明らかになった藤木大地の強さ。
そんな彼に伸びる魔の手の前に立ちはだかったのは謎の美少女悪魔、エトナ!」

「いや、何をしているですか、エトナさん」

「藤木大地を惑わせる為に現れる悪魔を相手にエトナが次々と制裁する!」

「制裁って、何を?」

「主に巨乳相手全員じゃぁ!!」

「えぇ!?」

「まずは赤髪!次は黒髪!最近加わった青髪!!」

「うわぁ、この人、絶対に駒王学園に近づけちゃ駄目だわ」

「次回!美☆少☆女悪魔 エトナ!
巨乳死す!デュエルスタンバイ!
そして、私がメインヒロインじゃああぁ!!」

「何を言っているんですか?」


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堕天使との開拓

「はぁ、面倒だなぁ」

 

そう言いながら、俺はスクーターに乗りながら、目的地に向かっていた。

 

今日は久し振りの配達の注文があったので、俺はすぐに配達先へと向かっていた。

 

「お待たせしました」

 

「おぉ、待っていたぜ」

 

そう言いながら、出迎えてくれたのはプリンを思わせる金髪のおっさんだった。

 

外国人なのか、なぜか和服を着ているが

 

「いやぁ、噂になっている奴に会いたかったけど、調べていたら、カレーも食いたくなったから、つい頼んでしまったぜ」

 

「噂?」

 

一体、誰の事なのか、疑問に思い、首を傾げるが

 

「コカビエルがこの前、世話になったな」

 

「・・・誰?」

 

「おっと」

 

何やら最初から核心を持ったように自慢げに言うが、コカビエルって、一体誰なんだ?

 

「いやいや、冗談は良くないぞ」

 

そう言いながら、こちらが嘘をついていると思って、こちらを見るが、コカビエル?

 

「・・・えっ本当に誰?」

 

「・・・マジかよ。

お前さんがこの前、倒した堕天使だよ」

 

「あぁ、半裸の変質者か」

 

「ぷふぅ」

 

俺の言葉になぜか反応したが、少し腹を抱えただけで、すぐに向き直った。

 

「あっあぁ、その通りだ。

まぁ、俺はその上司という訳だ」

 

「なるほど、変態か」

 

「変態じゃなくて、元々働いている所が一緒で、上司だっただけだ」

 

「そうなのか、というよりも上司?」

 

「あぁ、上司だ。

俺は堕天使の組織の長を務めている」

 

「堕天使?」

 

「あぁ、もしかして知り合いでもいたか?」

 

「俺の知り合いの堕天使。

覚えている限りでは愛と特撮をモットーにしている奴とむっちゃバレバレなスパイ活動をしている二人ぐらいしか」

 

「待て待て、さすがの俺でも、そこまでとんでもない奴だったら知っているはずだぞ、第一、本当に堕天使なのか?」

 

「あぁ、片方はオフの時は堕天使をしていて、普段は天使長をしていますね。

あとは魔法少女もやっていますね」

 

「よし、俺の知り合いに絶対にいないわ!

そこまでとんでもない奴はさすがの俺にもいなかったわ!」

 

そう言いながら、目の前にいる謎の堕天使さんは思わず、頭に地面を叩きつけた。

 

「はぁはぁ、とにかくそいつらは俺の知らない堕天使で間違いないな。

はぐれにしても、さすがにそこまで強烈な個性を持っている奴、とくにもう片方はさすがに分かるからな」

 

「はぁ」

 

俺はそう言いながら、とりあえずは落ち込む堕天使を無視して帰ろうかと考えていたが、それ以上に面倒な事が起きても嫌なので、とりあえず話を聞く事にした。

 

「まぁ、良い。

お前、魔王と知り合いだったよな、名前は確か」

 

「ウサリア」

 

「あぁ、そうだ、冥界にそんな悪魔なんて、聞いた事ないぞ」

 

そう言いながら、堕天使さんは言ってくるが

 

「・・・冥界って、なんですか?」

 

「・・・いや、冥界は冥界だろ?」

 

「魔界じゃなくて?」

 

「んっ?」「んっ?」

 

その時、俺達は二人になって、頭を捻り始めた瞬間

 

「お前、もしかして「危なぁい」ぎゃふぅ!」

 

「おっさぁん!」

 

こちらに何か言おうとした瞬間、突然出てきた謎の影によっておっさんが吹き飛ばされた。

 

「ふぅ、大丈夫、ボルメテウス」

 

「いや、全然無事だけど、というよりもお前は何をしているんだ、ルーシー」

 

「いやぁ、藤木さんが出前からなかなか戻ってこないという事で、エトナさんからお願いされて、迎えに来たんですよ」

 

「お願いねぇ」

 

そう言いながらも、相変わらず、バレバレな態度で目を晒しているルーシーに対して、俺は呆れたように見ていると

 

「だから、帰りましょう!

急いで!でないと、私殺されますから、早く!!」

 

「うわ、ちょ!?」

 

ルーシーは俺の腕を掴んで、走り出した。

 

虫の息になっているおっさんを放っておいて。

 

「お帰り、遅かったわね」

 

「いやぁ、変なおっさんに絡まれて、大変だったから」

 

「・・へぇそうなんだ」

 

「本当大変だったんですよ」

 

そう言いながらルーシーは笑みを浮かべているが、なぜだろう、エトナさんの殺気がやばい事になっている。

 

「エトナさん、あの、どうしましたか」

 

「ねぇ、藤木、聞きたい事があるけど良いかしら」

 

「はっはい!」

 

「そいつはなんであんたの腕を掴んで、しかも私の自慢げに見せつけるように胸の中に挟んでいるのかしら」

 

「「あっ」」

 

その一言と共にこの状況の危険性が分かった。

 

「とりあえず、お仕置きするけど、文句はないよね」

 

「あっ」「あっ」

 

「「ああぁぁぁぁぁ!!!!」」



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とある会議が始まるまで

「ふむ、久し振りだな」

 

「げぇ」

 

その日、駒王学園に行くと、そこで待ち受けていたのは、以前のエクスカリバーの事件で知り合ったゼノヴィアだった。

 

「なんでこんな所に?」

 

「聞いていないのか?

私は少し前、ここに転校したんだ。

それにしても、本当にここにいるとは思わなかったぞ」

 

「いやぁ、あの時は本当に申し訳ない。

ははっはぁ、それでは」

 

「まぁ待ってくれ」

 

そう俺はすぐにその場から逃げだそうとしたが、ゼノヴィアが俺の腕を掴んだ。

 

「君には以前の件で私に借りがあるはずだ。

その借りを返してくれないかな」

 

「借りと言うと」

 

「エクスカリバーを勝手に売った事だ」

 

「・・・ナンノコトカ?」

 

「まぁ良い。

なに、借りを返して欲しいと言っても、君の強さを教えて欲しいだけだ?」

 

「強さって言われてもな。

別に普通の事だぞ」

 

「普通って、何が」

 

「えっと確か」

 

そう言いながら、俺はそのまま懐からとある物を取り出した。

 

「これは」

 

「魚強」

 

「鰯?」

 

それは俺が弁当用に用意していた魚強の塩焼きだ。

 

「魚強で本当に強くなるのか?」

 

「何を言っているんだ!

魚強はDHAやIPA,EPAにペプチドまで含まれている安価で理想的な食材なんだぞ!」

 

「・・・どういう意味なんだ」

 

俺が言った言葉に疑問に思って、そのまま首を傾げる。

 

「まぁ簡単に言うと血液サラサラになったり生活習慣病の予防だけではなく脂肪を燃焼させる効果をも期待できるんだ!」

 

「はっはぁ、確かに健康に良いかもしれないが、それが強さに繋がるのか?」

 

「繋がる!

その証拠に俺はここまで強くなってくれたし、俺の師匠もこれで強くなった!}

 

「師匠!

それはまさか超魔流の!」

 

「いや、あれは護身術」

 

「えっ?」

 

俺の言葉に驚いたゼノヴィアは一瞬だけこけたが

 

「では、どういう師匠なんだ?」

 

「まぁ簡単に言うと、俺に魚強の魅力を教えてくれた師匠だ!

まぁ、まだ俺は師匠の域に達していないから、丸ごと食べる事はできないが」

 

「それは私でもやらないぞ。

というよりも、その師匠は本当に人間か?」

 

「えっ吸血鬼だけど」

 

「・・・吸血鬼だと?」

 

俺の言葉に一瞬驚いたが

 

「なぜ、吸血鬼が魚強を」

 

「いや、俺も詳しい事は分からないが、とある事情で人の血を吸わなくなって、そこから魚強を食べ始めたんだけど、思いの他、魚強が素晴らしかったらしい」

 

「・・・人の血ではなく魚強の血を吸ってる吸血鬼。

それは果たして、強いのか」

 

そう言っているゼノヴィアだが

 

「強いって、何を言っているんだ。

俺が師匠に勝てるビジョンなんて思い浮かぶ事ができない程に強いに決まっているだろ」

 

「魚強を丸ごと食べる吸血鬼が!」

 

何やら驚いた声で叫ぶが、そこまで驚く事ではないだろ?

 

「それで、もう良いか?」

 

「あっいや、もう一つ伝言なんだが、なんでも魔王からだが。

以前の結婚式で会議に出てこなかったラハール殿達に来て欲しいとの事だが」

 

「ラハールさん達を」

 

それはまた

 

「命知らずな」

 

「そこまでなのか」

 

「あの人達は基本容赦ないから。

何か菓子は絶対に用意しておいた方が良いよ」

 

「そっそうなのか」

 

そう言いながら、俺は頭を悩ませながら、家に帰ったが

 

「何事!?」

 

「あれ、藤木さん、お帰りなさい」

 

そこにいたのは珍しくもフロンさんだった。

 

普段はあまり見掛けないはずのフロンさんだったが、その格好は

 

「フロンさん、その格好は?」

 

「おぉ、気になりますか!

実はこの前魔界に遊びに来た子が着ていた悪口なんですがね!

なんだかとっても格好良くて、真似してしまいました!」

 

そう言いながら、確かにメイド服がとても似合っているようだが、俺はそれよりも気になるのはなぜか生えている角と鉄球だ。

 

「その角と鉄球は」

 

「その子が付けていた奴です。

どうですか似合いますか?」

 

「似合うと言ったら似合いますが。

あっそういえば、フロンさんに頼みがあるんだった!}

 

「頼みですか?」

 

そう言いながら、俺はゼノヴィアから頼まれたラハールの件を伝えた。

 

「なるほど、会議ですか。

私は別に構いませんが、なんで私から?」

 

「ラハールさんに伝えると面倒なので、ここはフロンさんから頼んで貰おうと思いまして」

 

実際、ラハールさんはなんだかんだフロンさんに甘い所がある。

 

「まぁ良いでしょ!

これも愛の為だと思えば、良いですね!!

 

「頼みますよ」



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会議の侵略者

フロンさんに頼んで、何かの会議に参加する事になった俺はその後は様々な事が起きた。

 

なぜか学校で魔法少女の格好をした二人がおり、その内一人は知り合いだったり。

 

師匠が来日した際に、同じく魚強を広めたり、色々と忙しかった。

 

「いや、お前の知り合い、本当にどうなっているんだよ!!」

 

「んっ、どうしたんだ一誠?」

 

その日はフロンさん達が来るまでの間、会議室で座っていると、なぜか一誠が突っ込んできた。

 

「いやいや、お前の知り合いに巻き込まれたが、色々と突っ込み所が多すぎるだろ!!」

 

「それにしても、まさかあれが藤木が言っていた師匠だったのか。

ある意味、納得だな」

 

その中でゼノヴィアは師匠の事を思い浮かべて、納得sいた。

 

「さて、彼らが来る前に君には聞きたい事がある」

 

そう会話をしていたら、会議室の中央にいた一番偉い人物であるサーゼクスさんが俺に話しかけてきた。

 

「俺に?」

 

俺は首を傾げる。

 

「君は一体何者なんだ?」

 

「別に俺はどこにでもいる普通の高校生ですよ」

 

「普通の高校生で、あそこまでの強さはあり得ない。

これまで多くの謎に包まれたラハール殿達とは一体どこで知り合ったんだ?」

 

「どこと言われても、たまたまスマホで繋がったのが、ラハールさんが住んでいた魔界だっただけですよ」

 

「まっ魔界だって!!」

 

その言葉にその場にいた全員が驚きを隠せない様子だった。

 

「あの、なんで、そんなに驚いているんですか?」

 

それに疑問に思ったのは俺だけではなく、ゼノヴィアやアーシアさんも疑問に思ったのか首を傾げる。

 

「冥界には多くの悪魔が住んでいるが、実はそれ以前に魔界と呼ばれる世界があったという言い伝えがあった」

 

「言い伝えですか?」

 

「あぁ、冥界と比べても、空気中に含まれる魔力は多く、超越者が数え切れない程いたそうだ」

 

「超越者?

ふんっ、その程度を言っているのか」

 

その言葉と共に俺のスマホから声が聞こえたと思うと、次の瞬間現れたのは、なんとラハールさん、エトナさん、フロンさんの3人だった。

 

「ラハール様」

 

「えっ、こんな子供が」

 

「誰が子供だぁ!!」

 

一誠の一言に怒ったのか、ラハールさんは思わず叫んだ。

 

「まぁまぁ、ラハールさんがそう言われるのは珍しくないのだから」

 

「まぁ殿下を見たら、誰だってそう言うでしょ」

 

「お前らか!!」

 

そう、俺と、煎餅を食べながら呟くエトナさんに対してラハールさんは再び怒り出す。

 

「まさか、ラハール様が魔界の魔王だったとは」

 

「さて、俺様は忙しいんだ。

手短に済ませろ」

 

「もぅ、ラハールさん、そんな事を言っては駄目ですよ!!」

 

「そう言ってもねぇ、フロンちゃん。

私達がこっちに来た時に厄介な奴ら連れてきたの、忘れたの」

 

「・・・あっそうでした」

 

「はい?」

 

その一言に俺は思わず首を傾げる。

 

「いやぁ、ここに来る前にうっかりXENOの奴らを連れてきちゃったのよ」

 

「はああぁ!!」

 

「なっなんだ、どういう事なんだ!?」

 

俺の叫びに周りにいる彼らは驚きを隠せなかったが

 

「えっと、そのXENOって、なんだ?」

 

「冥界でも、魔界とは違う世界で、なんかよく分からないけど攻め込んできた奴らだ」

 

「はぁ!

それって」

 

そう言っている間にも、運動場には謎の穴が現れる。

 

「あっ、来ちゃった」

 

「来ちゃったって!?」

 



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決戦、ラスボス戦

その穴が出現してから、1時間、その穴の前に藤木大地はその場に座っており、その間、学園では介入してきた渦の団がテロを起こし、学園を襲っていた。

 

その中で襲い掛かろうとした魔法使いの魔法を簡単に跳ね返したり、ラハール達に襲い掛かった旧魔王派の一人カテレアを吹き飛ばすなど、はっきり言えば、これ以上ないぐらいに無茶苦茶な行動をしていた。

 

「本当に、とんでもない集団だよ、あいつらは」

 

その中でアザゼルは未だに現れないXENOに向けていた。

 

あの穴の前で待っていた理由など、気になる事が多く、彼らはその場から離れていた。

 

その理由は穴の中から感じる凄まじい魔力、それに対応する為に離れていた。

 

「けど、結局なんで、ここまで出てこないんでしょう」

 

それと共に先程までヴァーリと激闘を繰り広げていた一誠は疑問に呟くが

 

「そんなの決まっているでしょ。

ラスボスというのは最後に出てくるからデス!!」

 

「っ」

 

聞こえてきた声、同時に穴から現れたのは一人の少女。

 

全身が黒く、赤い瞳は狂気に満ちており、何よりも全身から放たれる魔力は先程までのヴァーリと比べても遙かに上だと思える程に溢れていた。

 

「あれは」

 

「我が名はデスコ!!」

 

「出たか、デスコXENO。

こっちはさっきから待っていて、暇だったんだぞ」

 

そう言いながら、大地はそのまま立ち上がり、ゆっくりと構える。

 

「ふふっ、今回の目的は貴様をこちらの世界に連れて行く事だ。

悪いが大人しくついてきてもらうぞ」

 

「嫌だ、俺、この後、バイトがあるんだよ」

 

「そういう理由!?」

 

その答えに思わず一誠は突っ込みを入れるが、大地は特に気にした様子もなかった。

 

「という事で悪いが、さっさと帰ってくれないか?」

 

「ラスボスを前に逃げれると思っているんデスか!!」

 

その言葉と同時に戦いが始まった。

 

大地は片手にポケットを入れたまま、目の前にいるデスコXENOに向かって走り出した。

 

「片手で何ができるですか!」

 

その言葉と共にデスコXENOの背中から生えたのは無数の触手であり、触手は真っ直ぐと大地に襲い掛かる。

 

その速度は悪魔になって、身体能力が上がったはずの一誠では見る事すら難しい程に素早く、その数十本の触手が襲い掛かる。

 

「よっ、ふっ、おっと!!」

 

だが、その攻撃に対して、大地はまるで何事もなく、跳び、触手を蹴りながら、その攻撃を避けながら、真っ直ぐとデスコXENOへと近づく。

 

「なっなんだよ、あいつの身体能力!

前から化け物染みているとは思っていけど、ここまでかよ」

 

「何を言っている。

あの程度が藤木の本気だと思っているの」

 

そう言いながら、一誠の近くに来たのは、エトナだった。

 

「それはどういう事なんですか?」

 

「その言葉のままの意味よ。

あいつは生まれは確かに人間で、才能も凡人な奴よ。

ただ、私達と関わった事が起因してか、あいつの元にはどういう訳か奇妙な縁が生まれたのよ」

 

「奇妙な縁って」

 

何を言っているのか分からず、疑問に思っている間に戦いは変化が訪れた。

 

「ふわははははぁ!!

かかったな、アホが!!」

 

「んっ」

 

聞こえた声、それと共に見つめた先には、デスコXENOの触手は口を大きく開き、魔力が溜まり始めていた。

 

すぐに逃げようとする藤木だったが、彼の周りには既にデスコXENOの触手によって逃げ道を塞がれており、彼には逃げる術はなかった。

 

「藤木っ」

 

リアスはその状況を見て、叫ぶが、無情にもデスコXENOの魔力は藤木に襲い掛かる。

 

それも一度だけではなく、何度も喰らわせ続けた。

 

地震が鳴り響き、その場で身動きが取れない程の衝撃が何度も襲い、彼らはその場を動く事ができなかった。

 

やがて、デスコXENOの触手は消え、そこには魔力の攻撃によって、地面が大きく穴が開いており、影も形も残っていなかった。

 

「そんなっ」

 

その状況を見て、未だに信じられず、同時に先程までの一撃によって、確かにデスコXENOが自身よりも格上だと、一誠を初めとした若手の悪魔達が納得していた。

 

「死んだのか」

 

「そんな訳ないだろ」

 

その言葉と共にエトナは特に気にした様子もなく、見つめていた。

 

疑問に思いながら、見つめると、デスコXENOは未だに余裕がないのか、周りを見渡しており、一瞬、後ろを振り返る。

 

「そこデスっ!!」

 

その言葉と共に再び触手の攻撃が襲い掛かるが、それよりも早く、デスコXENOは大きく吹き飛ばされた。

 

その場にいたのは学生服を着ている事もあって、藤木だという事は分かるが、その顔は明らかに違った。

 

西洋の鎧に装着される兜を装着しており、青い炎が出ていた。

 

「はぁ、久し振りに出すのに手間取ったけど、まぁこれでなんとかなるか」

 

そう言いながら、呟く藤木の瞳は黒からオレンジへと変わっていた。

 

「さてっと、反撃に行かせて貰うぜ!!」

 

「ぐっ」

 

その言葉と共に藤木は叫びながら、そのままデスコXENOに向かって、走る。

 

すぐに反撃するように次々とデスコXENOは攻撃を仕掛けてくるが、その攻撃を一瞬避けると姿を消え、まるで瞬間移動をしたように、デスコXENOの懐に飛び込み、そのまま殴る。

 

「ぐっ」

 

「何が起きたんだっ」

 

「あれか?

あれはまぁ、魔女と契約した事で得た能力だ」

 

「魔女と?

いや、魔女と契約したから、あれ程の力を得たって」

 

「昔色々あったんだよ、あいつは。

おかげで、色々な世界の色々と変な力を取り込んで、今ではとんでもない奴になったよ」

 

「まぁ、ぶっちゃけヒーロー物のお約束ですね!!

けど、彼、そういうの積極的じゃないので」

 

「そういう問題か?」

 

そう言いながらも、戦いはいよいよ終わりを迎えようとしていた。

 

触手で襲い掛かる攻撃に対して、大地はそのまま拳を振り上げる。

 

同時に彼の拳には次々と影が集まり、その影は巨大な拳となり

 

「とりあえず、拳骨!!」

 

「ぶぅ」

 

そのままデスコXENOはそのまま地面へと叩き落とされる。

 

同時に大地もそのまま地面に降り立ち、そのまま兜は脱がれる。

 

「ふぅ、疲れた」

 

「疲れたで済むのかっ、あれは」

 

そう思わず突っ込みたくなる状況に一誠は見つめる。

 

「ぐっぐぐぐっ、負けたデスっ!

だけど、こっちの世界に来て貰うのは諦めていないデスっ!!」

 

「えぇ、嫌だよ、面倒くさい」

 

「面倒とはなんですか!

なんだって、こっちの「デスコ」っ!!」

 

それと合わせるようにデスコXENOの背後から現れた穴、そこから出てきた腕はデスコXENOを掴む。

 

「余計な事を言わずに、さっさと帰ってくる」

 

「ごっごめんなさいっ」

 

それと共に未だに本気を出していないデスコXENOはそのまま大人しく穴の中へと戻っていく。

 

「今のは」

 

「あぁ、どうやら、あいつらが言っていた事に間違いはないようだな」

 

同時にサーゼクスとアザゼルは穴の向こうから僅かに感じた魔力、それがラハール達が脅威を感じるのは無理がない程の強さだと感じた。

 

そして、穴だけ出ている腕はそのまま真っ直ぐと藤木に向けると

 

「とりあえず、今度は覚悟しなさいよ!

今度はあんたを絶対にこっちに連れてくるから」

 

「えぇ、こっちはバイトで忙しいから無理だよ」

 

「知らないわよ、そんな事!!」

 

その言葉と共に、穴は消え、今度こそ戦いは終わった。



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魔界の夏は命懸け

久し振りの投稿、すいません。
今回から5巻という事になりますが、D✕Dとはあまり関係ない所からスタートします。
そして、後書きにて、僅かですが魔女と百騎兵の世界で起きた出来事が描かれております。
これからもよろしくお願いします。


夏休み。

 

社会に出たらほとんど存在しないが、今の俺は学生。

 

つまり、今しかない長期間の夏休みを楽しむ学生は多いだろ。

 

4月から、これまで繋がりのあったラハールさん達は勿論の事、なぜか学園にいたという冥界の悪魔であるリアスさん達を初めとした様々なメンバーが起きるトラブルに巻き込まれていた。

 

それらを乗り越え、迎えた夏休みに胸を躍らせていたが

 

だが、悲しいかな

 

「はぁ、夏休みって、なんだっけ」

 

そう俺は目の前にある海を見ながら、思わず呟いてしまう。

 

今回の夏休みという事で、ラハールさん達によって、魔界の海へと連れて行かれた。

 

「何を落ち込んでいるのよ、藤木」

 

そう俺に話しかけたのは俺とは違い、遊び目的でこの島にやってきたフーカだった。

 

青いスカジャンにサンバイザーを付けた格好をしているのだが

 

「何をそんなに疲れているんだ?」

 

「疲れもするわよ!!

というか、私の誘いを断って、やっていたのが鰯の養殖って、どういう事よ!!」

 

「どういう事も何も、以前から深刻な魚強不足を解消する為に俺が師匠に提案したんだ。

さすがにまだ学生という事で手伝える事は少なかったが、おかげで満足な魚強ができた」

 

「あぁ、もう、ヴァルっちのせいでとんだ魚強馬鹿になってぇ!」

 

そう言いながら思いっきり頭を掻いていく。

 

「はぁはぁ、まぁ良いわ。

とりあえず、あんた、これから暇よね!!」

 

「えっ、今から師匠と一緒に魚強の料理研究があるんだ「そういうのを暇って言うのよぉ!!」えぇ」

 

これから行おうとしていた事に胸を躍らせていたら、いきなりフーカが怒鳴ってきた。

 

「良いから、その、今日はせっかく海なんだから、私に付き合いなさいよ」

 

「えぇ」

 

フーカと付き合うと大変なイベントに巻き込まれるので極力関わりたくないんだが

 

「その話、待ったぁ!」

 

「その声は!」

 

後ろから聞こえてきた声、そこに振り返ると、そこに立っていたのはなぜかスク水を身に纏っていたエトナさんだった。

 

「そいつを使った遊ぶのは私が先よ」

 

その一言に俺は助かる所か、さらにやばい事に巻き込まれるのではないか。

 

「いやぁ、助けてぇ!」

 

「ぐへぇ!!」

 

そう悩んでいる俺に飛び込んで来た謎の影に俺は吹き飛ばされる。

 

「痛っ、てめぇルーシー!!」

 

そこにはかなり過激な格好をしているルーシーが俺に泣きついてきた。

 

「どうせお前は虎千代とディエスに隠れてサボっていただけだろ!!

俺をそれに巻き込むなぁ!!」

 

「嫌だぁ!!このままじゃぁ、殺されるよぉ!!」

 

その言葉と共に後ろから感じた殺気に見ると、そこにはフーカとエトナの視線だった。

 

「へぇ、あんた、やっぱりそっちが大きいのが良いだ」

 

「どうやら、お仕置きが必要なようね」

 

「こっちもやばいっ」

 

このままではあの二人に殺されてしまう。

 

きっと、一誠の奴がこの状況を見たら、ハーレムのようで羨ましいと言うだろう。

 

けどな、実際は違うんだよ。

 

どの選択肢を選んだとしても、俺が待っているのは地獄。

 

「どれが、正解なんだ、教えてくれ、ゼロ」




「おいぃ、マオさん、いい加減、ここから出して下さい!!」

そう言いながら、俺は目の前にある転移装置のドアを吹き飛ばす勢いで蹴るが、それでもまるで壊れる気配がない。

なんとか出して貰えないか、ドアの外にいるマオさんに向けて、俺は叫ぶ。

「何を言っている。
これからお前にはXENOの奴らの世界に調査に行って貰う必要がある。
本当は俺自ら行きたい所だが、ここで他の実験もあるから、一番死ににくいお前を選んだ」

「死ににくいって、そりゃ、あんだけ色々とやっていても生きていたら奇跡だけど、それが向こうで通じるとは限らないだろ!!」

「何、心配するな。
いざという時にはすぐに戻ってこれるように準備している。
それに死んでもお前ならば幽霊でも十分に行けるだろ」

「この人はぁ!!」

「という事でスイッチオン」

「覚えてろ、マオさーん!!」

そんな叫び声と共に、俺はそのままどこか別の世界へと飛ばされてしまう。

まるで洗濯機に入れられたようにぐるぐると回されながら、やがて光が見えた先に辿り着くと、俺は吐き気を覚えながら、寝ていた。

「うぐぅ、気持ち悪い」

そう言いながら、俺は立ち上がると、そこにはこちらを驚いたように見つめる女がいた。

格好は上半身はビキニ、下はズボンというかなり過激な格好をしており、魔法使いを思わせる帽子を被り、腰まで伸びたオレンジ色の髪が特徴的だった。

「なんだ貴様、本当に百騎兵か?
いや、魂を見ても、間違いないが」

「百騎兵?
何のことだ」

何を言っているのか分からず、俺は首を傾げる。

「ちっ記憶はないのか。
まぁ良い、それよりもお前の名は」

「名?
いや、藤木大地だが」

「ふぅん、まぁ良い。
とにかく、百騎兵として召喚した以上、私の約に立って貰うぞ、百騎兵」

「だから、その百騎兵って、なんだよ!!」

そう俺が叫んでいると、身体が徐々に変わっていく。

身体には簡易だが籠手があり、何時の間にか被っていた古臭い兜を被っていた。

「・・・なんだこれは」

「何って、決まっているだろ。
今日から下僕の証だ」

「巫山戯るなよ、こんなの「あぁ、言い忘れていたが」なんだ!」

「私との契約を無視した場合、お前、死ぬぞ」

「・・・なんだって」

俺は思わず返答する。

「なに、契約なんて何時」

「私が名を頂いた事を。
そして、お前の名は今は百騎兵という事」

「あのな、名前なんて」

そう言うと、俺は思わず疑問に思う。

そういえば、俺の名前って

「キヒヒ、つまり、それが契約の証だ。
お前は私から名を取り戻さなければ、元の世界には帰れない。
そして契約を破棄した場合、お前は向こうの世界に戻る事も、かといってこの世界で干渉する事ができない存在になる」

「お前」

その言葉を聞き、俺は思わず目の前にいる魔女を睨む。

「契約が完了したら、すぐにぶっ倒す」

「キヒヒ、その時は楽しみにしているぞ、百騎兵」


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浜辺の魔王

長らくお待たせしました。
これからもよろしくお願いします。


「なんとか、逃げ出す事ができた」

 

そう言いながら、俺は現在、なんとかエトナ達の猛攻を乗り越え、少し離れた浜辺で倒れながら息を整える。

 

途中で、俺にしがみついてきたルーシーに関しては、俺が知らない内にどこかに行ったのだが、どうでも良い。

 

「さて、どうするか」

 

そう言いながら、俺は目の前に広がる海を見つめていると

 

「あれ、藤木さん?」

 

「この声は?」

 

聞こえてきた声に振り返ってみると、そこにはなんとウサリアがいた。

 

普段のバニースーツを思わせる格好ではなく、彼女の体型に合わせた子供用の花柄水着を着ている。

 

「どうしてここに?」

 

「エトナさんに誘われて来たのは良かったのですが、何やら物騒な雰囲気もあり、少し落ち着きたくてここに来ました」

 

「あぁ、なるほど」

 

その言葉に納得すると同時にどうやら、未だにエトナ達は殺気を放っているようだ。

 

「それじゃ、しばらく俺と遊ぶか?」

 

「えっ?」

 

このまま何もしないのもあれだったので、俺はウサリアと一緒に遊ぶように誘う。

 

すると、少し驚いたように目を開く。

 

「駄目だったか?」

 

「そっそんな事ないですぴょん!

 

むしろ、良いですかぴょん!!」

 

「おっおぅ」

 

何やら興奮している様子を見せるウサリアに対して、少し引き攣るが、まぁ良いだろう。

 

普段から、魔王として頑張っているウサリアだし、たまにはこう言う時間があっても良いと思うしな。

 

そう思いながら、俺はウサリアを連れて、一緒に海に入る事にした。

 

小さな子と一緒に遊ぶというのにも戸惑いはあったけど、ウサリアの方から積極的に遊び始めた事ですぐに気にならなくなった。

 

ただ、小さいながらもやはり女の子なのか、貝殻拾いに夢中になったりしていた。

 

ちなみに、最初は砂場で遊んでいたのだが、途中で貝堀りを始め、最終的には海に潜り始めてウニを見つけていた。

 

うん、やっぱり魔王だよ、この子は。

 

それでも、俺と普通に接してくれる辺りが嬉しいところだ。

 

そうして過ごしていると共にやがて夕日が沈み始めてくる。

 

「もうこんな時間でしたか……」

 

そう言って残念そうな表情を浮かべるウサリアを見て、俺は立ち上がり

 

「よし、ちょっと待ってろよ」

 

そう言い残してから一旦その場を離れる。

 

しばらくして戻ってきた俺は手に持っていた物をウサリアに差し出す。

 

「ほれ、これをやるよ」

 

「これは……?…………わぁ!」

 

俺の手にある物を見た瞬間、目を輝かせるウサリア。

 

それは、先程の貝で作ってきた髪飾りであった。

 

それを手に取り、嬉しそうに見つめているウサリアを見ながら、俺は砂浜に腰を下ろす。

 

「気に入ったか?」

 

「はい! ありがとうございますぴょん!」

 

満面の笑みで答えるウサリア。

 

そして

 

「へぇ、私達が忙しかった間、随分楽しそうねぇ、藤木」

 

「・・・」

 

聞こえてきた声、それと共に俺はゆっくりと振り返る。

 

そこには先程まで互いに戦っていたはずのエトナとフーカがおり、その手に持っている武器は明らかに俺達に向けている。

 

「さて、何か言い残す事は?」

 

フーカのその一言に対して、俺は笑みを浮かべながら、ウサリアを抱えると

 

「逃げるが勝ち!!」

 

同時に走り出した。

 

「逃がすかぁ!!」

 

背後からは怒りの声を上げながら追いかけてくる二人。

 

夕日を背に男女が追いかける光景、それはまさに恋愛映画の定番だが、この状況はそれとは程遠いだろう。

 

「藤木さん、素敵な思い出を、ありがとうございますぴょん」

 

その状況の中で話しかけるウサリアはそのまま俺に何かした。

 

それが何なのかよく分からないが、なぜかエトナ達の殺気がさらに強くなった。

 

「はぁ、夏休み、どうなる事やら」



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