涼宮ハルヒと千反田えると雪ノ下雪乃が入れ替わった (時夜 蒼真)
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1日目 前半

精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ


 朝

 

 涼宮ハルヒ宅

 

 ハルヒ「これは、、、どういうことでしょう??」

 

 

 

 雪ノ下雪乃宅

 

 雪乃「なになに!?!? なんなのよこれ!!」

 

 

 

 千反田える宅

 

 千反田「なにが、あったのかしら、、、」

 

──────────────────────────

 

 午前8時

 

 北高

 

 キョン「うぃーす、てハルヒだけか」

 

 ハルヒ「、、、」

 

 キョン「おい、ハルヒ」

 

 ハルヒ「は、はい! 私ですか?」

 

 キョン「そりゃあ、この教室の中にハルヒなんていうけったいな名前のやつはお前だけしかいないだろ」

 

 ハルヒ「私はハルヒさんって人なんですね、、、」

 

 キョン「そうだな、どうした? 朝からお前じゃないみたいだぞ」

 

 ハルヒ「私、、、ハルヒさんじゃないんです!!」

 

 キョン「は?」

 

 

 

 

 

 総武高校

 

 結衣「ヒッキーやっはろー!」

 

 八幡「おう、」

 

 結衣「冷た! 挨拶ぐらい返そうよ、、、」

 

 八幡「はいはいおはようさん。でなんだ? 俺に用か?」

 

 結衣「いやさ、今日ゆきのん学校きてないみたいなんだよ」

 

 八幡「それで?」

 

 結衣「今日の部活どうするのかなあ、て」

 

 八幡「どっちでもいいだろ」

 

 結衣「ヒッキー心配じゃないの!?」

 

 八幡「うぉっ いきなり大声出すな 心臓止まるかと思ったろ」

 

 結衣「ほら前もあったじゃん、ゆきのん家1人なのに体崩しちゃったこと」

 

 八幡「ああ、そんなこともあったな」

 

 結衣「だからお見舞いに行こう!」

 

 八幡「別に体調不良と決まったわけでは」

 

 結衣「学校終わったら部室に集合だから!!」

 

 八幡「人の話聞けよ」

 

 

 

 

 

 神山高校

 

 里志「やあ、おはようホータロー」

 

 奉太郎「里志か、いつも遅刻ギリギリのお前がこんな時間に校門にいるなんて珍しいな」

 

 里志「いやあ、今日は総務部の仕事があってさ。ところでホータロー、今日の部活もちろん行くよね?」

 

 奉太郎「ああ、千反田がクッキー持って来るとか言ってたな。」

 

 里志「いやあ楽しみだね千反田さんのクッキー! おっと会議に遅れちゃう。先に行くよホータロー」

 

 奉太郎「おう、」

 

──────────────────────────

 

 放課後

 北高 文芸部部室(sos団)

 

 キョン「で、詳しく聞かせてもらおうか」

 

 ハルヒ「ええ、ですからお昼の時間までに話した通りです。」

 

 キョン「えっと、、あんたは、失礼あなたはハルヒじゃなくて千反田えるさん、だったか、で朝起きたらその涼宮ハルヒの体になっていたと」

 

 ハルヒ(える)「はいその通りです。」

 

 キョン「はぁ、やれやれ」

 

 ガチャ

 

 みくる「遅れてすいません」

 

 古泉「おや、皆様お揃いで」

 

 キョン「朝比奈さん、古泉、ちょうどいいところに来た。少々めんどくさいことになった。」

 

 古泉「と言いますと?」

 

(かくかくしかじか)

 

 古泉「なるほど、中身が別人の涼宮さんですか」

 

 みくる「じゃあ、今ここにいるこの涼宮さんは涼宮さんではないんですね」

 

 キョン「本人曰くそうらしい」

 

 ハルヒ「えっと、皆さん、同じ部員さんですか?」

 

 キョン「ええ、本当はあなたが団長なんですけどね」

 

 ハルヒ 「団長? 部長じゃないんですか?」

 

 キョン 「公式的にはここは本物の部活じゃないんです。ここは文芸部の部室で本当の文芸部員は奥に座ってるあの子だけです」

 

 ハルヒ 「そうなんですか、私ももとは古典部だったんですよ。といっても特に古典を研究したりしてたわけじゃないですけど」

 

 キョン「意外ですね。とりあえずあなたの話はわかりました。今日はいきなり別人になってしまって混乱して疲れてるでしょうから帰りましょう。」

 

 ハルヒ「そうですね。今日は少し疲れました。でも、なんでこうなってしまったのか、私、、、

 

 キョン「?」

 

 ハルヒ「私、気になります!」

 

 キョン「うぉっ、近いです近いです千反田さん」

 

 ハルヒ「あっ、すみません、私、今日一日中気になって仕方がなくて、、、初対面の方に失礼かとは思ったのですが」

 

 キョン 「いえいえ、それはまた明日考えましょう、また寝たら治るかもしれませんし。」

 

 ハルヒ「そうですね……お言葉に甘えて私今日は帰りますね。」

 

 キョン 「朝比奈さん、心配なので家まで送っててもらえますか。きっと女子同士の方がいいでしょうし。」

 

 みくる 「わかりました。じゃあ千反田さん行きましょう。」

 

 ハルヒ 「キョンさん、今日は一日ありがとうございました。」

 

 キョン 「いえいえ、ゆっくり家で体を休めてください。」

 

 ハルヒ 「はい。ではさようなら」

 

 バタン

 

 キョン「行ったか……古泉、なんか今日おかしいことあったか? 閉鎖空間が現れたり、もっと別のやばいものが現れたり」

 

 古泉「いえ、特には、ですが……」

 

 キョン 「どうした?」

 

 古泉 「どうやら、超能力が使えなくなってしまったようです。」

 

 キョン 「ハルヒの影響か」

 

 古泉 「おそらくそうかと」

 

 キョン 「まあこういう時は、長門」

 

 長門 「……なに?」

 

 キョン「この後お前の家行ってもいいか?」

 

 長門 「別に構わない」

 

 キョン 「じゃあ、朝比奈さん帰ってきたらでるか。」

 

 古泉 「そうしましょうか」

 

 

 

 

 

 雪ノ下雪乃のマンションの前

 

 結衣 「ゆきのん、お家にいなかったねえ」

 

 八幡 「そうだな、どっか買い物にでも行ってるんだろ」

 

 結衣 「学校にも連絡なかったぽいし、心配だね」

 

 八幡 「どっちでもいいだろ、俺帰りたいんだが」

 

 結衣 「先に平塚先生に連絡しなきゃ、安否確認してきて欲しいって言われたんだから。」

 

 八幡 「めんどくせえ」

 

 結衣 「ほら、電話電話」

 

 八幡 「くっ」

 

 プルルルルプルルルル

 

 ガチャ

 

 平塚 『おう比企ヶ谷か。どうだ? 雪ノ下いたか?』

 

 八幡 「残念ながらいませんでした」

 

 平塚 『そうか、わかった。少しこっちでいろいろ調べて見る』

 

 八幡 「帰っていいすかね?」

 

 平塚 『うむ、ご苦労だった。帰っていいぞ』

 

 八幡 「あ、うす、それじゃ」

 

 ピッ

 

 結衣 「先生なんだって?」

 

 八幡 「帰っていいってよ」

 

 結衣 「そうじゃなくて! ゆきのんのこと!」

 

 八幡 「ああ、そっちか。調べるって言ってたからあとは大人に任せるのでいいだろ。」

 

 結衣 「そっか、そうだね。あとは任せて帰ろうか」

 

 八幡 「ん?」

 

 結衣 「どうしたのヒッキー? あ! ゆきのん!! おーいゆきのーん!」

 

 八幡 「タイミングよく帰ってきちまったか」

 

 結衣 「ゆきのん学校休んでどこ行ってたの!?」

 

 雪乃 「あなたたち私が誰か知ってるの!?」

 

 八幡 「は?」

 

 結衣 「へ?」

 

 

 

 

 

 神山高校 地学準備室 古典部

 

 里志 「いやあ、楽しみだね千反田さんのクッキー」

 

 奉太郎 「朝からそれしか言ってないぞお前」

 

 摩耶花 「それにしてもちーちゃん遅いわねえ」

 

 里志 「そうだね、いつもならもうきてるはずだけど」

 

 摩耶花 「まあ、気長に待ちましょ」

 

 里志 「お、来たみたいだよ」

 

 える 「地学準備室ってここでいいのかしら?」

 

 摩耶花 「そうだけど、、ちーちゃんどうしたの?」

 

 里志 「千反田さんがギャグを言うなんて珍しいね」

 

 える 「じゃああなたたちが古典部なのね」

 

 摩耶花 「あなたたちって、ちーちゃんもでしょ?」

 

 える 「私はあなたたちが思ってる千反田えるではないわ」

 

 3人「?」

 

 里志 「千反田さんどうしたの? 言ってることがめちゃくちゃだ」

 

 える 「体が、」

 

 摩耶花 「体が?」

 

 える 「体が入れ替わっちゃったみたいなのよ」

 

 三人 「は?」

 

 える 「だから私は千反田えるではないの」

 

 里志 「いやいやいやありえないでしょ!」

 

 摩耶花 「ちーちゃん大丈夫!? なんか変なものでも食べた!?」

 

 える 「嘘も何も事実そうなってしまったのだらかどうしようもないじゃない」

 

 摩耶花 「……マジなの?」

 

 える 「ええ、」

 

 摩耶花 「はぁ……」

 

 里志 「摩耶花! 何を信じようとしてるのさ!」

 

 摩耶花 「だって本人が言うんだから仕方ないじゃない! ちーちゃんがこんな冗談言うと思う!?」

 

 里志 「それにしたって非科学的過ぎるよ!」

 

 える 「少し黙ってくれないかしら、耳障りだわ」

 

 ……

 

 奉太郎 「要するに本当に千反田じゃないことがわかればいいんだろ」

 

 里志 「そ、そうだね。ホータロー何か案が浮かんだ?」

 

 奉太郎 「まあな。なあ、千反田」

 

 える 「私は千反田さんではないのだけれど、何かしら?」

 

 奉太郎 「これをやろう」

 

 里志 「ホータロー! そ、それは!!」

 

 摩耶花 「折木! あんたなんでそんなもんを!!」

 

 える 「……サンドウィッチ?」

 

 奉太郎 「昨日姉貴が買って来てな、里志に食べさせようかと持って来たんだ。」

 

 里志「そんな恐ろしいこと考えてたのかい! ホータロー!」

 

 える 「私まだそれほどお腹減ってないのだけれど」

 

 奉太郎 「まあいいから食え」

 

 える 「じゃあいただくわ」ぱく

 

 奉太郎「どうだ」

 

 える「……んっ 率直に言ってもいいのかしら」

 

 奉太郎「どうぞ」

 

 える 「とんでもなくまずいわ、本当に。今すぐゴミ箱に突っ込みたいぐらい。あなたがこの味をわかって食べさせているのだったらいじめで訴えるわ。」

 

 奉太郎 「そうか、なんだったら捨ててもいいぞ。別に俺が買ったわけじゃないからな。」

 

 える「そう、なら遠慮なくそうさせてもらうわ」

 

 摩耶花 「あ、ゴミ箱に捨てちゃった」

 

 奉太郎 「決まったな」

 

 里志 「そうだね、認めるしかないかな」

 

 える 「これを食べることで私が中身が違うことが証明されるって、この体の元の持ち主はこれが好物だったのかしら?」

 

 奉太郎 「千反田は食べ物に対してはストイックでな。捨てるってことを許さないんだ。」

 

 里志 「みんなでそれを食べに行った時も残した僕らの分まで全部食べてたしね」

 

 える 「そんな人だったのね」

 

 摩耶花 「とりあえず自己紹介しなきゃね。私は井原摩耶花」

 

 里志「福部里志でーす」

 

 奉太郎「折木奉太郎」

 

 える 「雪ノ下雪乃よ」

 

 里志「雪ノ下さんか、失礼だけどいくつだい?」

 

 える 「16よ。」

 

 摩耶花「なんでこんなことになってしまったかにも心当たりはないの?」

 

 える 「さっぱりね、寝て起きたらこの体になってたのですもの。」

 

 摩耶花 「じゃあ元のちーちゃんはどうなっちゃったの?」

 

 える 「さあ、きっと私の体にでもいるのではないかしら」

 

 奉太郎 「まあお前が誰であろうが俺には関係ない自分でどうにかしてくれ。」

 

 摩耶花 「折木! どうでもいいわけないでしょ!! ちーちゃんいなくなっちゃったのよ!!」

 

 里志 「そうだね、千反田さんの体があったとしても中身がなかったら大変だ。どうにか治す方法を考えないと」

 

 える 「私も正直言うと自分の体に戻りたいわ。」

 

 里志 「だってさホータロー、ホータロー以外はやる気みたいだよ?」

 

 奉太郎 「知らん、俺はやらなくてもいいことはやらない主義だなんだ。千反田の頼みでもあるまいし」

 

 摩耶花 「ちーちゃんならいいの?」

 

 奉太郎 「そう言うわけではないが……」

 

 える 「あなた、私の知っている人ににているわ。まだ、性根が腐ってないだけマシだろうけど」

 

 奉太郎 「それは会って見たいな。話が合いそうだ」

 

 摩耶花 「雪乃ちゃんだっけ、こいつはあてにしないほうがいいのよ。頭はキレるくせに原動力がゼロな人間だから」

 

 奉太郎 「失礼な、俺はやらなくてもいいことはやらない、やらなければいけないことは手短にをモットーに生きてるだけだ。ゼロなわけではない」

 

 里志 「まあ実際たまに考え始めるとすごいけどね。」

 

 える 「あなた、なんでできることをやろうともしないの?」

 

 奉太郎 「それは、だから、、省エネだ」

 

 える 「欺瞞ね。ノブレスオブリージュって知ってるかしら。できるものはできないものを助ける義務があるという考え方よ。あなたは省エネなわけではないわ。やるのが面倒というのを隠したいだけなのよ。もっともヤドカリの生態研究を日がな一日続けてそうなあなたに言っても理解できないだろうけど。」

 

 摩耶花 「雪乃ちゃん、」

 

 里志 「これは、なかなかの毒舌っぷり、、」

 

 奉太郎 「……」

 

 える 「何をだんまり決め込んでるのかしら? あらごめんなさい言葉も理解できないほど低脳だとは思わなかったわ。」

 

 里志 「ほ、ホータロー? 大丈夫かい?」

 

 奉太郎 「……わかった、」

 

 里志 「え?」

 

 奉太郎 「やるよ」

 

 摩耶花 「折木、あんた本当にやるの?」

 

 里志 「そんなバカな! ホータローが自分からやるって言い始めるなんて!!」

 

 奉太郎 「俺も参加してやる。それでいいだろ。」

 

 える 「ええ、精々頑張ってちょうだい」

 

 




後半に続く


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1日目 後半

精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ



 午後6時

 長門宅

 

 キョン 「で、長門。何がどうなってやがる」

 

 長門 「涼宮ハルヒの精神の離脱によりこの地球上での特殊事項が無効化されている。」

 

 古泉 「なるほど、涼宮さんが体はあるとはいえ中身がいなくなってしまったから僕の超能力は使えなくなって朝比奈さんは未来に戻れなくなってしまったと」

 

 キョン 「12月の時よりはマシか」

 

 みくる 「あの〜長門さんはまだ力を使えるんですか?」

 

 長門 「私はまだ力を焼失していない。しかし、自立進化の可能性を失ったことに情報統合思念体は失望し、同時に私の凍結を審議している。」

 

 キョン 「ふざけるなと伝えろ。そんなことをしたら俺はハルヒを焚きつけて、、ハルヒいないのか」

 

 古泉 「そうですね、涼宮さんがいなければ僕たちはただの一般人ですから」

 

 みくる 「未来に帰れなくなっちゃったですし、禁則事項も禁則事項もできなくなっちゃって、、うー」

 

 キョン 「泣かないでください朝比奈さん」

 

 古泉 「しかしながら涼宮さんがいなくなったことに賛同する声も少なくはありません。組織の中ではね」

 

 キョン 「どういうことだ」

 

 古泉 「涼宮さんがいなくなるということは閉鎖空間が発生しなくなることと同義です。その証拠に僕の超能力は使えなくなりましたから。神がいなくなった世界はなんの変化もなく残存しました。これで世界崩壊の可能性はなくなったことになります。ならこのままでもいいのではという考え方が少なからずあるようです」

 

 キョン 「いいわけないだろ! ハルヒがいなかったらsos団はどうする! 朝比奈さんだって未来に帰れない状態をどうにかしなくちゃまずいだろうし。長門に関しては消される可能性まであるんだぞ! それにハルヒだって、あいつだってきっと最終的にはここに戻らなくちゃまずいって思ってるはずだ!」

 

 古泉 「個々人より世界。あなたもわかってるでしょう」

 

 キョン 「古泉、てめえ、、」

 

 古泉 「僕も残念だとは思います。しかし、世界の崩壊の可能性を考えるともっとも最善の策はこのままなのではないかと思います。」

 

 キョン 「俺はてめえが何と言おうと、どうやってでもあいつを連れ戻す!」

 

 古泉 「あなたならそういうと思ってましたよ。」

 

 キョン 「長門、あいつを連れ戻すことはできるか?」

 

 長門 「わからない。現状どの世界線にいるのかわからない状態では手の打ちようがない。精神部分だけを分離させることは可能。」

 

 キョン 「まずはどこに行ったか探すところからか。そういえば朝比奈さん」

 

 みくる 「はい」

 

 キョン 「あのハルヒの中に入っている千反田さんはどうでしたか?」

 

 みくる 「千反田さんとてもいい子でしたよ。」

 

 キョン 「そうですか、俺にはハルヒにも負けず劣らずの好奇心の猛獣に見えたのだが」

 

 みくる 「そうかなあ、わたしにはとてもおとなしい子に見えたけど」

 

 長門 「彼の言っていることも間違ってはいないと思われる。今回の事変も涼宮ハルヒが中心だと考えると彼女の体と入れ替わった人間は彼女の願いによって割り当てられた。涼宮ハルヒは今の状態が崩れないように自分と近い性質の人間を無意識下で割り当てた可能性がある。」

 

 キョン 「ハルヒが望んだからハルヒと近い人間か。あんなのに近い人間がいるとも思えないけどな。」

 

 古泉 「では彼女の体の中に涼宮さんはいると言うことでしょうか」

 

 長門 「わからない。」

 

 キョン 「どちらにしろ長門がいなくなったらもうどうしようもない。長門、お前の凍結が決まるのはいつになりそうだ」

 

 長門 「まだ確実なことは言えない。しかし、おおよそ一週間程度と推測される。」

 

 キョン 「1週間か、、」

 

 古泉 「1週間のうちに涼宮さんを助け出せなければ、どうなります?」

 

 長門 「わからない。最悪の場合、この世界が消える可能性もある。今はそれほどの不安定な状態」

 

 古泉 「そうですか、、」

 

 キョン 「とりあえず今日は時間も遅い。明日か、明後日あたりまでに各自で方法論を考えて話し合いましょう。」

 

 

 

 

 

 雪ノ下のマンションの部屋

 

 八幡 「であなたはどこの誰」

 

 雪ノ下 「私は涼宮ハルヒ!」

 

 八幡 「由比ヶ浜知ってるか?」

 

 結衣 「えっ! うーんと、ハルヒちゃんハルヒちゃん。ごめん、聞いたことないや」

 

 八幡 「俺もだ。その涼宮さんはなんで雪ノ下の体でいるんですかね。というかほんとは雪ノ下が演技してるだけとか。」

 

 雪ノ下 「だから下でも言ったでしょ! 朝起きたらここにいたのよ! 願ってると不思議なことって起きてくれるものね!」

 

 八幡 「そんな非科学的なことがあるわけないだろ。」

 

 雪ノ下 「事実目の前で起きちゃってるんだから仕方ないじゃない! あーわくわくするわ! これからもっと不思議なことが起きるのよきっと!」

 

 結衣 「でも、これが本当だったらゆきのんどこ行っちゃったんだろうね」

 

 雪ノ下 「そうそうこの体の子って何者なの? こんなでっかいマンションの高層階に1人で住んでるなんてどこのお金持ちなの? あ、それとこの板みたいな電子機器は何!? どうやって使うの!?」

 

 八幡 「いっぺんに質問するな。頭が混乱する。」

 

 結衣「えっとねハルヒちゃん一様説明すると、私は由比ヶ浜結衣。総武高校に通っててあなたの体の子と同じ部活に入ってるの。でこの男子が比企ヶ谷八幡。三人で奉仕部っていう部活に入ってるんだ。」

 

 八幡 「お前の体の元の持ち主は雪ノ下雪乃。成績トップで県議委員の娘、おまけに運動神経抜群だ。とんでもない毒舌家で友達は少ないけどな。でお前は?」

 

 雪ノ下 「sos団、団長涼宮ハルヒ!!」

 

 結衣 「sos団?」

 

 八幡 「救難信号打ち続ける団かなんかか?」

 

 雪ノ下 「世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団の略よ! 基本的には不思議なことを探して体験することが活動ね。あと宇宙人とか未来人とかもしくはそれに準ずるなにかと遊ぶこと!」

 

 八幡 「めちゃくちゃだな。」

 

 結衣 「じゃあハルヒちゃんはこんな不思議なことにいつもあってるの?」

 

 雪ノ下 「初めてだわ! 変な夢を見たことはあったけどこんな不思議にあったのは初めて!!」

 

 八幡 「お前の団体の存在意味がほぼないじゃねえか」

 

 雪ノ下 「いいのよ! いま私が不思議なことにあってることが私の団体の本望なんだから!!」

 

 八幡 「まあおおよそ理解した。これからどうするかはまた明日学校で考える。後のことは由比ヶ浜に頼んだ。」

 

 結衣 「えっ! 私?」

 

 八幡 「ほかに適任者がいるか?」

 

 結衣 「いや、いないけど……というかこの後ってどうゆうこと?」

 

 八幡 「今日雪ノ下が学校来なかったてことは学校の場所がわからなかったとかそんなところだろ。もしそいつの入れ替わりが本当ならここでの生活だってわからないことがあるだろ、その辺りを今日泊まってでも教えてやれ。」

 

 結衣 「ヒッキーが優しい、意外、、」

 

 八幡 「バカお前俺は本当はいつも優しいんだよ。後この暑苦しさには俺はついていけない。」

 

 結衣 「ヒッキー一言無駄!」

 

 雪ノ下 「であたしはどうすればいいの!」

 

 八幡 「由比ヶ浜に今日と明日一日一緒にいていろいろ教えてもらえ。俺はもう疲れたから帰る。」

 

 雪ノ下 「わかったわ! じゃあよろしくね結衣!」

 

 結衣 「なんかゆきのんに結衣って言われるの新鮮! でもさヒッキー」

 

 八幡 「なんだ」

 

 結衣 「勝手にゆきのんの家使っちゃっていいのかな? ゆきのんだって見られたくないものだってあるだろうし、、」

 

 八幡 「だったらお前の家にでも泊めとけばいいだろ。」

 

 結衣 「そっか! ゆきのん! じゃなかった、ハルヒちゃん! うちに泊まるのでもいいかな?」

 

 雪ノ下 「あたしはどこでもいいわよ。なんだったらその辺の公園でもいいわ」

 

 結衣 「公園はないかなー、じゃあとりあえず最低限の服とか日用品の持ってくもの準備しようか。」

 

 八幡 「お前この家のどこに置いてあるか知ってんの?」

 

 結衣 「なんとなくわかるし探せばすぐあるんじゃん?」

 

 八幡 「それこそ変なもの見つけかねないと思うんだが、まあお前の家の方がいいか」

 

 雪ノ下 「用意してくるわ!」

 

 八幡 「走ってったな。じゃあ俺帰るから」

 

 結衣 「え、ほんとに帰っちゃうのヒッキー!」

 

 八幡 「このままここに止まるわけにもいかんだろ。後のことは頼んだ。」

 

 結衣 「うん……わかった、」

 

 八幡 「後、くれぐれも他のやつには言うなよ。混乱を招きかねない」

 

 結衣 「そ、そうだよね! みんな混乱しちゃうもんね! わかったよヒッキー」

 

 八幡 「おう。じゃあな」

 

 

 

 

 

 

 

 神山高校通学路

 

 里志 「珍しいこともあるもんだねホータロー」

 

 奉太郎 「人の中身が入れ替わるなんてことがしょっちゅうあったら世の中混乱するだろ」

 

 里志 「そっちもだけどさ、ホータローのことだよ」

 

 奉太郎 「俺はやる気になったわけじゃない。やらなきゃいけないことだと思っただけだ。」

 

 里志 「そうかな。少なくとも僕にはあの時のホータローはやる気に満ち溢れてるように見えたけど」

 

 奉太郎 「あんな千反田はごめんだからな」

 

 里志 「雪ノ下さんのことかい? あれは見事な毒舌だよ。摩耶花でも勝てないんじゃないかな。」

 

 奉太郎 「ああ」

 

 里志 「あれかいホータロー。今更千反田さんが恋しくなったのかい?」

 

 奉太郎 「かもしれんな、俺も焼きが回ったか」

 

 里志 「今日のホータローは一段とおかしいね」

 

 奉太郎 「自分でも驚いてるさ」

 

 里志 「まあいいや。で、何か彼女を治す当てはあるのかい?」

 

 奉太郎 「さっぱりだな。そもそもこの現象を治す方法があるのかどうかも未知数だ」

 

 里志 「流石の僕でもこんな状況になったっていうデータは知らないね。アニメとか漫画の世界ならまだしも現実でってのは聞いたことがない」

 

 奉太郎 「まあ考えてみるだけ考えてみるだけだ。」

 

 里志 「期待してるよホータロー。」




2日目へ続く


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2日目 前半

精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ


 朝

 北高1年5組

 

 ハルヒ 「おはようございますキョンさん」

 

 キョン 「俺のことキョンさんって呼ぶやつ初めてですよ。寝ても治らなかったぽいですね。」

 

 ハルヒ 「はいダメでした、、、」

 

 キョン 「となると戻るのを待つか、どうにか戻す方法を考えるかなんですが。いずれにしろ時間がかかりそうです。」

 

 ハルヒ 「治す方法があるのでしょうか、、、」

 

 キョン 「大丈夫ですよ千反田さん。いろいろ試してみることはありますから。」

 

 ハルヒ 「キョンさんはすごいですね。」

 

 キョン 「なにがですか?」

 

 ハルヒ 「こんなことになってもあんまり慌てませんでしたし。」

 

 キョン 「いやまあ、、いろいろありましたから」

 

 ハルヒ 「そうなんですか。そういえば、」

 

 キョン 「ん?」

 

 ハルヒ 「よかったら涼宮さんのこと教えてもらえませんか?」

 

 キョン 「いいですが、どうしてです?」

 

 ハルヒ 「いえ、特に深い理由はないんです。ただ単にハルヒさんという方がどんな人だったのか知りたくて。」

 

 キョン 「まあ構わないですけど、長いですよ?」

 

 ハルヒ 「はい!」

 

 

 

 

 総武高校

 

 結衣「やっ、やっはろーヒッキー」

 

 八幡「どうしたおまえ」

 

 結衣「ゆきのん、じゃなかった、ハルヒちゃんがね昨日の夜中中ずっと質問してきて全然寝れなかったの、」

 

 八幡「そりゃ随分と大変そうだな」

 

 結衣「そうなんだよぉ」

 

 八幡「そういえばあいつはどうだった」

 

 結衣「今日も学校休んでもらってる。みんなにバレたらまずいから」

 

 八幡「まあそれが妥当か、」

 

 結衣「でも変なんだよねえ」

 

 八幡「なにがだ」

 

 結衣「ハルヒちゃん全然自分のこと話さないの、私が少し質問しても『私のことはどうでもいいのよ!』て言われちゃうし」

 

 八幡「あいつとしては自分のことは後回しなんだろ」

 

 結衣「そうなのかなぁ」

 

 

 

 

 神山高校

 

 里志「おはようホータロー」

 

 奉太郎「里志か、」

 

 里志「僕が早めに来るのがそんなに珍しいかい?」

 

 奉太郎「いや、おまえより千反田の方が合うからな」

 

 里志「へー千反田さんもこのぐらいの時間なんだ、家遠い割には早いね」

 

 奉太郎「そう考えるとそうだな」

 

 里志「でホータロー何かいい案は思いついたかい?」

 

 奉太郎「いやなにも」

 

 里志「まあだよね。」

 

 奉太郎「せめてなにかきっかけがあったらよかったんだが」

 

 里志「昨日特にないって言ってたもんね。」

 

 奉太郎「ああ、朝起きたらなっていたという話しか聞いてないからな」

 

 里志「雪ノ下さん昨日部活来るの遅かったら全然聞けなかったしねー」

 

 奉太郎「細かいことは今日聞けばいいだろ」

 

 里志「そうだね、じゃあまた放課後だよホータロー」

 

 奉太郎「ああ」




後半は続く


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2日目 後半

涼宮ハルヒと千反田えると雪ノ下雪乃が入れ替わった
精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ


 放課後

 文芸部室

 

 ガチャ、

 

 キョン「うーす」

 

 みくる「あ、キョンくんと千反田さん」

 

 ハルヒ「こんにちは朝比奈さん」

 

 みくる「こんにちは」

 

 キョン「ハルヒが朝比奈さんって言うのは違和感がすごいな」

 

 みくる「私もですぅ」

 

 ハルヒ「そうなんですね。どうしましょう」

 

 キョン「いいですよそのままで、正直そっちの方が普通ですから」

 

 ハルヒ「そうですか。ではお言葉に甘えて」

 

 古泉「おや、皆様お揃いで」

 

 キョン「来たか古泉」

 

 ハルヒ「こんにちは古泉さん」

 

 古泉「こんにちは涼宮、失礼、千反田さん」

 

 ハルヒ「で、今日はなにをするんですか?」

 

 キョン「特に何かすることはないですよ。SOS団はハルヒが言い出さなければ 目的はありませんから」

 

 ハルヒ「そうですか、、」

 

 キョン「それでですね、千反田さんに少しお聞きしたいことがあるんですけど。」

 

 ハルヒ「なんですか?」

 

 古泉「あなた自身のことについてです。昨日はなかなか聞く機会がありませんでしたから」

 

 ハルヒ「わかりました。」

 

 キョン「確認なんですがあなたは千反田えるさんで朝起きたら涼宮ハルヒの体になってた、であってますね?」

 

 ハルヒ「はい、そうです」

 

 キョン「もともとはどこに住んでたんですか?」

 

 ハルヒ「えっと、、あれ?」

 

 キョン「住所とか細かいの分からなかったら市とか県でもいいんですけど」

 

 ハルヒ「はい、わかってるんですけど、、?」

 

 古泉「思い出せませんか?」

 

 ハルヒ「絶対覚えてるはずなんですけど、、、ダメです思い出せません」

 

 古泉「それは困りましたね」

 

 キョン「他に、なんでもいいです思い出せることはありますか?」

 

 ハルヒ「えっと、、古典部に所属してたのは覚えてるんですけど、、あっ! 他に三名一緒に部活をしてました!」

 

 キョン「てことは、合計で4人か」

 

 ハルヒ「名前が、、名前が思い出せません!」

 

 キョン「他に何が思い出せることは、」

 

 ハルヒ「えーと、断片的に光景を思い出せるのですが、、すいません、名前とかは思い出せません。」

 

 キョン「いえいえいいですよ。そんなに無理してもあれですから」

 

 みくる「お茶でも飲んで一服つけてください」

 

 ハルヒ「ありがとうございます」

 

 古泉「それにしても困りましたね。彼女の元いた場所がわからないと涼宮さんの精神がどこにいるのかも検討もつきませんから」

 

 キョン「そうだな、」

 

 ハルヒ「すみません、わたしのことなのにご協力できなくて」

 

 キョン「気にしないでください。よくあることです。」

 

 

 

 

 

 由比ヶ浜宅

 結衣「ただいまー」

 

 八幡「お邪魔します」

 

 由比ヶ浜母「おかえりなさーい! あら比企ヶ谷くん!」

 

 雪乃「遅かったわね!」

 

 結衣「そうかな」

 

 由比ヶ浜母「ママ、雪ノ下さんと一日中おしゃべりしちゃったわよ!」

 

 結衣「よ、よかったね! じゃあ私たちちょっと話があるから!」

 

 

 

 結衣の部屋

 八幡「あんな強引に扉閉めてよかったのか?」

 

 結衣「じゃないと話しおわんないんだもん」

 

 八幡「かわいそうに」

 

 雪乃「で! 何か面白いことあった!?」

 

 八幡「何もねえよ。お前がそんなことになった原因もわからずじまいだ」

 

 雪乃「そ。私は結衣のお母さんと話してこの世界の大体のことは理解したわ!」

 

 結衣「うちのお母さん何か変なこと言わなかった?」

 

 雪乃「全然! ふわふわしてて可愛いわね!」

 

 結衣「20以上違うのに可愛いって言われてる……」

 

 八幡「怪しまれなかったのか?」

 

 雪乃「その辺りは抜かりないわ! ちょーっとキャラ変してみようかなと思ったんですって言ったら普通に信じてくれたもの!」

 

 結衣「しかも私でもわかるような嘘に気がつかない……」

 

 八幡「お前の母さんどうなってんだ」

 

 結衣「私が聞きたいよ、、」

 

 雪乃「で! 何かわかったの!?」

 

 八幡「そんな目を輝かせても聞かれてもなにも出でこないぞ」

 

 結衣「色々ネットで調べてみたんだけどなにもわかんなかったんだよねえ」

 

 雪乃「そうなのね、まあいいわ! 結衣! 明日は外に遊びに行きたいわ!!」

 

 結衣「ええー! だ、だめだよ! 知り合いにあったら大変だし!」

 

 雪乃「大丈夫よ! ここのことはかんっぺきに覚えたし!!」

 

 結衣「え、えー……ヒッキーどうしようかな」

 

 八幡「だめだろ普通に考えて。全く知らない人だけに会うならまだしも、この近隣に総武高の生徒だって多くいるんだ。ここから出すわけにはいかない。」

 

 雪乃「えーいいじゃない!!」

 

 八幡「お前千葉の狭さ舐めんなよ。100m歩けば5人の知り合いには会うからな。」

 

 結衣「へーヒッキーそんなに友達いるんだー」

 

 八幡「あっ、当たり前だろ、そんなん腐る程いる。戸塚とか戸塚とか戸塚とか。」

 

 結衣「全部彩ちゃんじゃん!」

 

 雪乃「そんなことはどうでもいいの!! いいから明日は外行くわよ!!」

 

 結衣「ヒッキーぃ、、、」

 

 八幡「はぁ、このまま勝手に外に出られても困る。まだ許可出して管理が効いたほうがいいだろう。涼宮」

 

 雪乃「なによ」

 

 八幡「お前が外に出たいのはわかった。許可しよう。だが、1つ条件がある。」

 

 雪乃「上から目線なのが気になるけど、まあいいわ! 大目に見てあげる! で? その条件は?」

 

 八幡「簡単なことだ。俺らと一緒に動け。何かあった時に1人だとめんどくさい。」

 

 雪乃「まあ、そのくらいは譲歩してあげるわよ。じゃあ明日の学校終わりから外行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 神山高校

 里志「やあホータロー」

 

 奉太郎「里志かどうした」

 

 里志「どうしたもこうしたも部活に行くところだよ。ホータローもそうだろ?」

 

 奉太郎「ああ、」

 

 ガチャ

 

 里志「まだ誰も来てないねえ」

 

 奉太郎「そりゃそうだろ俺が鍵持ってるんだ」

 

 里志「いやいや前に鍵持たずに入った人がいただろ?」

 

 奉太郎「……そんなこともあったな」

 

 里志「時の流れは早いねえ、あの時からもう一年以上も経つんだ」

 

 奉太郎「そうだな」

 

 里志「早く見つかるといいね千反田さん」

 

 奉太郎「そうだな」

 

 える 「2人ともこんにちは」

 

 里志「こんにちは雪ノ下さん」

 

 奉太郎「、、、、」

 

 える「挨拶もろくにできないのかしら彼は」

 

 奉太郎「、、、、」

 

 里志「ま、まあ雪ノ下さんホータローはそういうやつだから、ね」

 

 える「人間としての欠落を感じるわね」

 

 里志「そ、そうだねー、、」

 

 える「ここ座っていいかしら」

 

 里志「どうぞどうぞ、千反田さんの席はもともとそこだったからね!」

 

 摩耶花「あれもうみんな揃ってるじゃない」

 

 里志「ちょうどよかった摩耶花!」

 

 摩耶花「どうしたの福ちゃん」

 

 里志「いやーみんな揃ったところだから」

 

 摩耶花「ふーん、まあいいや。ちーちゃんと雪ノ下さんをどうしたら戻るか考えましょ」

 

 奉太郎「考えるも何も情報が少なすぎる。」

 

 摩耶花「それもそうね。雪ノ下さんあなたのこと教えてくれない?」

 

 える「ええ、いいわよ。名前は雪ノ下雪乃。歳は16歳。家族構成は父母姉私の4人家族。学校は総武高校。元々は奉仕部に所属してたわ。部員は3人、私と由比ヶ浜さんとあなたみたいなの。」

 

 摩耶花「総武高校、、福ちゃん知ってる?」

 

 里志「うーん知らないなぁ」

 

 える「そう、場所は、、どこだったかしら」

 

 里志「覚え出せないのかい?」

 

 える「おかしい、、なんで思い出せないの、、、?」

 

 摩耶花「家の場所とかは?」

 

 える「家、、一人暮らしだったの、、高層マンション、、だめそれ以上思い出せない。」

 

 摩耶花「無理に思い出さなくても大丈夫だから。」

 

 里志「でも困ったね、場所がわからなかったら千反田さんに会いようがない。」

 

 摩耶花「そうねぇ、」

 

 える「ごめんなさい。私のせいで」

 

 奉太郎「雪ノ下、お前ここまでどうやってきた」

 

 える「人の挨拶は無視するのに人に質問はするのね。」

 

 奉太郎「いいから答えろ」

 

 える「普通に自転車よ。」

 

 奉太郎「古典部の場所はどうやって知った?」

 

 える「先生に教えてもらったのよ。地学準備室だって。」

 

 奉太郎「今日はどうやって帰る?」

 

 える「普通に自転車で帰るわよ」

 

 奉太郎「なるほどな、」

 

 摩耶花「何かわかったの折木!?」

 

 奉太郎「まあ、仮説だが」

 

 える「聞かせてもらおうかしら」

 

 奉太郎「今の千反田の体の記憶は全部が全部雪ノ下の記憶じゃないんだ。」

 

 里志「というとホータロー、まだ千反田さんの記憶が残ってるってことかい?」

 

 奉太郎「まあそういうことになるな。」

 

 える「なぜそんなことがわかるの?」

 

 奉太郎「考えても見ろよ。なぜこいつは昨日のうちに学校に来れた? 普通全く知らない場所に放り込まれたら何もわからず右往左往するはずだ。だがこいつは初日から学校まで来れた。その時点でおかしいんだ。」

 

 里志「なるほどホータロー。よく考えたらそりゃそうだ。」

 

 摩耶花「私も流石に見ず知らずの場所で何も手がかりなしに目的地まで行けないわ。」

 

 奉太郎「だろ、ということはこいつの中にまだ前の記憶が残ってるってことだ。もっとも、それを本人が認知してるかどうかは別だが、この様子じゃしてなさそうだな。」

 

 える「ええ、」

 

 摩耶花「どこまでちーちゃんの記憶残ってのかな?」

 

 奉太郎「さあな」

 

 える「ナメクジと同じぐらいと思ってた頭も案外使えるのね。見直したわ。」

 

 奉太郎「際で」

 

 里志「でもホータロー、それがわかったのはいいけど何か戻る方法につながるのかい?」

 

 奉太郎「特にないな」

 

 摩耶花「それじゃ意味ないじゃないの」

 

 える「前言を撤回するわ。何もできないじゃない。」

 

 奉太郎「悪かったな。」

 

 里志「いやいやそんなことはないよ。こんな風にまだ色々わかってないことがあるってのがわかったんだ。それだけでも意味があるよ。」

 

 奉太郎「それよりも今さっきこいつから出た情報を使ってどこが元の居場所か目星をつけておく方がいいだろ。」

 

 摩耶花「それはそうね」

 

 里志「ちょっとまってね。えっと、雪ノ下雪乃さんで、家族が姉と2人姉妹で4人、総武高校だよね?」

 

 える「ええ、」

 

 里志「総武高校の奉仕部と、あとー、、なんだっけ?」

 

 摩耶花「あれよ、部員が3人で雪ノ下さんと、、誰だっけ?」

 

 える「由比ヶ浜さん、もう1人は……ヒキガエルよ」

 

 里志「ヒキガエル!? ヒキガエルが部員なの!?」

 

 摩耶花「そんなわけないでしょ! あだ名か何かでしょ? ね?」

 

 える「そうよ。もっともそのあだ名が似合いすぎて本物のカエルと見間違えるほどなのだけれども」

 

 里志「へ、へえ」

 

 摩耶花「で、この情報から色々調べなきゃいけないのね」

 

 里志「氷菓の時みたいに手分けして調べてみようか」

 

 摩耶花「そうね、私は雪ノ下さんて人がいないか色々調べてみるわ」

 

 里志「僕は高校の方から当たってみようかな。ホータローはどうするんだい」

 

 奉太郎「悪いが俺はやるべきことがあるんだ」

 

 摩耶花「それほんと折木?」

 

 奉太郎「ああ」

 

 里志「まあホータローはホータローで何か策があるんだよ」

 

 える「私は何かまだわかることがないか思い出してみるわ」

 

 里志「外も暗くなってきたし今日はおひらきにしようか」

 

 摩耶花「そうね、また明日にしましょ」

 

──────────────────────────

 

 6時

 北高通学路

 キョン「千反田さんはなにか好きなこととかあるんですか?」

 

 ハルヒ「好きなことですか、、お料理とかは比較的好きな方ですね」

 

 キョン「料理得意なんですか?」

 

 ハルヒ「得意って程ではないんですけど、」

 

 キョン「今度食べてみたいですね」

 

 ハルヒ「ぜひぜひ皆さんで食べましょう」

 

 キョン「他に何かあります?」

 

 ハルヒ「そうですねぇ、あまり記憶が思い出せないんですけど、、あっ、、、」

 

 キョン「どうかしました?」

 

 ハルヒ「えっ、、と、、」

 

 キョン「?」

 

 ハルヒ「好きな、、気になる人がいました、、、、」

 

 キョン「それは、、、意外ですね、、どんな人なんですか?」

 

 ハルヒ「いい人なんです。少しめんどくさがりやさんなんですけど。」

 

 キョン「へえ、」

 

 ハルヒ「それで、すごく頭がいいんです。勉強は普通なんですけど、私が思いもしなかったことをすぐ見つけちゃうんです!」

 

 キョン「頭がキレるってやつですか」

 

 ハルヒ「はい。もう名前は思い出せないですけど、、きっと今度も見つけてくれる気がするんです。」

 

 キョン「信じてるんですね」

 

 ハルヒ「はい……すいませんこんなこと話しちゃって」

 

 キョン「いえいえ。その人の名前を思い出せるように頑張りましょう。俺もハルヒを見つけ出さなきゃいけませんから」

 

 ハルヒ「頑張りましょうね!」

 

 

 

 

 

 千葉県某所

 八幡(さてどうしたものか。このままだと他人に見つかることは必至だ。きっと陽乃さんたちも探しているだろう。だが、あの状態の雪ノ下を他の人間に合わせたらどうなるか。俺は別に構わないのだが雪ノ下自身が嫌がるだろう。早急に普通の状態に戻さなくては)

 

 平塚「比企谷!」

 

 八幡「先生、何してるんすか」

 

 平塚「どうもこうも仕事の帰りだ。」

 

 八幡「独り身は仕事押し付けられそうですもんね。」

 

 平塚「それ以上言ったらお前を轢き殺す」

 

 八幡「じょ、ジョーダンですよ、はははは」

 

 平塚「もう時間も遅い。家まで送って行くから乗れ」

 

 八幡「はぁ、お言葉に甘えて」

 

 平塚「そうだ比企ヶ谷。雪ノ下について何か知ってるか?」

 

 八幡「なんでです?」

 

 平塚「もう2日も学校に来ていない。陽乃が家に行ったらしいがもぬけの殻だったそうだ。幸い大きなキャリーバッグと服がいくつかなくなってたそうだから自分から何処かに行ったらしいのだが、今警察に失踪届を出そうか協議中なんだ。」

 

 八幡「雪ノ下が家出ですか、珍しいこともあるもんですね」

 

 平塚「確認しておくが、昨日、君たちが彼女の家に行った時、誰もいなかったのだな?」

 

 八幡「ええ、まあ、居留守を使われた可能性もなくはないですけど」

 

 平塚「そうか。家柄の問題上、失踪届が出されれば警察も動く。雪ノ下の家としてはあまり警察に厄介になりたくないらしいがやむ終えまい。監視カメラを解析すればどこへ行ったかぐらいはわかるだろう」

 

 八幡「そうっすね、、先生」

 

 平塚「言うな比企ヶ谷」

 

 八幡「はい、、」

 

 

 

 

 茶屋

 

 入須「君から呼び出すなんて珍しいな」

 

 奉太郎「お時間を取っていただいてありがとうございます」

 

 入須「いや、別に構わない。で、話とはなんだ」

 

 奉太郎「医学的に……医学的に人の中身が入れ替わるってことはありますか?」

 

 入須「何を聞いてくると思ったら、そんなSFチックな話か」

 

 奉太郎「ええ、少し気になったもので」

 

 入須「まあ、脳をそっくりそのまま入れ替えれば不可能ではないだろう。事例はないがな」

 

 奉太郎「そうですか」

 

 入須「そんなつまらないことを聞くだけのために呼び出したのか?」

 

 奉太郎「いえ、、先輩、千反田に最後にあったのはいつですか?」

 

 入須「えるか、最後はいつだったかな、、」

 

 奉太郎「直近三日間に会いましたか?」

 

 入須「いや、会ってないな」

 

 奉太郎「では、雪ノ下という名前に聞き覚えは?」

 

 入須「雪ノ下、雪ノ下か、うーむ、、特にないな」

 

 奉太郎「そうですか、」

 

 入須「質問はそれだけか?」

 

 奉太郎「はい、」

 

 入須「随分と焦ってるようだな」

 

 奉太郎「そんな風に見えますか?」

 

 入須「ああ、いつもの君とは違うように見える」

 

 奉太郎「先輩がそんなに俺のことを見ているとは思えませんけどね」

 

 入須「それもそうかもしれない。だが、君が焦るということはなにかあったのだろう」

 

 奉太郎「ええ、まぁ、」

 

 入須「まあいい、また何か力を貸せるようなことがあったら言ってくれ。」

 

 奉太郎「はい、ありがとうございました。」




3日目へ続く


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3日目 前半

涼宮ハルヒと千反田えると雪ノ下雪乃が入れ替わった
精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ



放課後

文芸部室

キョン「うぃーす、、」

 

みくる「こんにちはキョンくん」

 

キョン「まだ、千反田さんは来てないんですか」

 

みくる「そうですねぇ」

 

古泉「今さっき職員室の方へ行くのが見えましたから何か用事があるんでしょう」

 

キョン「ならちょうどよかった。昨日一晩考えたんだが、あいつにお前らの素性バラしてみたらどうだ?」

 

古泉「それはまた思い切ったことを考えましたね」

 

キョン「ここからハルヒを探すにしてもあいつ自身の協力がないと手出しのしようがない。だったらこの際俺らの身分をばらして協力を取り付けたほうがいいじゃねえか」

 

古泉「僕は構いませんが、長門さんや朝比奈さんはいいのでしょうか。それに、あなたはなんの身分も持たないですから何も考えなくてもいいかもしれませんが私たちがそれを明かすのにはそれ相応のリスクというものがつきまといます。それでもいいと?」

 

キョン「それは、、リスクによる」

 

古泉「僕は特にリスクはありませんからいいんですが」

 

キョン「朝比奈さんどうですか?」

 

みくる「ふぇっ!?えっとぉ、、今は未来と連絡が取れないのでわからないんですけどぉ、状況によって存在を知らせることも許されてはいますぅ、」

 

キョン「長門どうだ?」

 

長門「私は別に構わない。」

 

キョン「なら決まったな」

 

ハルヒ「すみません、遅れました」

 

キョン「ちょうどよかった千反田さん。少しお話があります」

 

 

 

八幡メール

『宛先:平塚先生

件名 なし

本文 今日、ディスティニーの花火が上がる時に陽乃さんと2人で城の前に来てください。』

 

 

 

神山高校

地学準備室

里志「よし、それじゃあ、1人ずつ調べたことを発表してこうか」

 

摩耶花「じゃあまず私からね。雪ノ下さんって人をインターネットとかで調べてみたんだけどほぼいないみたいだわ。お店の名前とかでは結構あるんだけど人名だと、せいぜい二世帯分ぐらい見たいね。まあこれもあまり正確な数字じゃないから当てにはできないんだけど。」

 

里志「かなり少ないね。」

 

摩耶花「そうなのよ。しかも、その二世帯東京と千葉にいるみたいなのよね。だから雪ノ下さんの家は少なくとも関東圏だとは思う。あと、地名で鎌倉に雪ノ下って場所があったわ。関連があるのかどうかわからないけど。まあ私が調べたのはこれくらいね。」

 

里志「さすが摩耶花!有力な情報だよ!」

 

摩耶花「そ、それほどじゃないわよ!」

 

里志「次はホータローだけど」

 

奉太郎「俺は特にないぞ」 

 

里志「だよね、じゃあ先に僕が発表しようかな。僕は総武高校について探してみたんだけどそれらしい名前の高校はなかったね。一応総武でも調べたんだけど東京と千葉の古い総称みたいだね。」

 

摩耶花「福ちゃんも東京と千葉なの?」

 

里志「そうなるね。今も残ってる名前だと総武線っていう路線ぐらいかな。僕が調べたのはこれくらい。」

 

える「じゃあ次は私ね。昨日一晩使って何か覚えてないか考えてみたのだけど具体的なことはあまり出でこなかったわ。光景としていくつかの静止画が思い出せたからまとめてきてみたのだけど。」

 

里志「どれどれ、えっと、教室、お城、花火、水族館、海、キャンプ、ラーメン、文化祭か」

 

える「何か参考になるかしら」

 

里志「えっと、、どうだろ?」

 

摩耶花「何かしらのヒントにはなるんじゃない?」

 

里志「そうだね、」

 

える「なら良いのだけど」

 

摩耶花「海って浜辺とか?」

 

える「いえ、、なんていうのかしら、道のすぐそばが海みたいな感じね」

 

摩耶花「へぇー」

 

里志「大体これくらいかな。ありがとう雪ノ下さん。今まで出た情報から何か気がついた人いる?」

 

摩耶花「東京と千葉が関与してるのは間違いなさそうね。雪ノ下さんの海ってのも当てはまるし」

 

里志「僕もそう思うなー。高校の名前が総武高校かどうかは置いといて、それがどこかの名前と混ざったとしても場所は東京と千葉に限られる。」

える「あっ、」

 

里志「ん?どうしたの雪ノ下さん?」

 

える「そういえば…私と同じ部活の人間がよく言ってたわ…千葉のここがすごいみたいなこと」

 

摩耶花「じゃあやっぱし元の住所は千葉で間違いなさそうね」

 

里志「千葉かぁ、行ったことないなぁ」

 

摩耶花「私もね。まず東京すら中学の修学旅行で行ったぐらいなんだから」

 

里志「千葉のどの辺りかわかるかな」

 

摩耶花「うーん……」

 

奉太郎「雪ノ下」

 

える「何かしら」

 

奉太郎「その城は江戸時代とかにみる和風なやつか?」

 

える「いえ、違うわ。洋風なお城よ」

 

奉太郎「そうか」

 

里志「何かわかったかいホータロー」

 

奉太郎「いや、特に何もわからん」

 

里志「…ならしょうがないね」

 

摩耶花「とりあえず千葉について調べるで良さそうね」

 

里志「そうだね今回また出た単語を千葉と絡めて色々調べてみようか。」




後半は続く


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3日目 後半

涼宮ハルヒと千反田えると雪ノ下雪乃が入れ替わった
精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ


SOS団 文芸部室

ハルヒ「えっと……朝比奈さんが未来人で長門さんが宇宙人で古泉さんが超能力者ていうことですか?」

 

キョン「厳密には古泉は元ですが」

 

ハルヒ「キョンさん!私は不思議なことは気になりますが、嘘は嫌いです!」

 

キョン「いや、嘘じゃないんだけどなぁ」

 

ハルヒ「ではなにか証明できるものはありますか?」

 

キョン「なにかー…あ、長門」

 

長門「なに?」

 

キョン「ここにある風船をなんかうまく形変えてくれ」

 

長門「わかった」

 

キュイーン

 

ハルヒ「え、え?手に持っただけで風船がぐちゃぐちゃになって…え?」

 

長門「できた」

 

キョン「犬の形か、いい感じだな」

 

犬の風船「あ、どうも」

 

キョン「シャベッタァ!?」

 

長門「統合情報思念体に繋げてうごくようにしてみた」

 

犬の風船「私のことはそうですねぇ、黄緑色の風船なので気軽にキミドリさんとでも呼んでください」

 

キョン「あ、はぁ」

 

ハルヒ「私……」

 

キョン「?」

 

ハルヒ「私、気になります!!」

 

キョン「うおっ!近い近い!」

 

ハルヒ「なんでこんなことができるんですか!?これどうやって動いてるんですか!?そもそも今さっきのやり方って私にもできるのでしょうか!?」

 

キョン「説明しますから!説明するんで座ってください!」

 

ハルヒ「あっ、すいません。私気になると止まれなくて」

 

キョン「やれやれ」

 

 

──────────────────────────

 

 

午後8時

ディスティニーランド

雪乃「一回来てみたかったのよね〜!ディスティニーランド!」

 

結衣「ま、待ってよ、ハルヒちゃん、、はぁはぁ、」

 

雪乃「まだまだ行くわよ!」

 

八幡「あいつどんな体力してんだよ」

 

結衣「ゆきのん体力ないはずなのにね。あ、もーう勝手に行ったら迷っちゃうよー!!」

 

雪乃「次はスタートゥワーズ乗るわよ!」

 

八幡「待て涼宮。」

 

雪乃「なによいいところなのに」

 

八幡「まあ聞け、そろそろ8時だ」

 

雪乃「そうね。でなんなの?」

 

八幡「8時になるとディスティニー名物の花火が上がる。それ見なくていいのか?」

 

雪乃「そうねえ、なかなか見れないものだし見ておきましょうか!」

 

八幡「そうするといい幸いここは花火がよく見えるお城の前だ。」

 

ヒューーー、、ドーーン!!ドーーン!!

 

雪乃「意外とすごかったわね!」

 

結衣「うちからいつでも見えるから気にしたことなかったけどちゃんと見ると結構すごいんだね!ねっ、ヒッキー!」

 

八幡「ああ、そうだな。」

 

平塚「確かにそうだな比企谷」

 

結衣「平塚先生!!なんでここに!?」

 

陽乃「はぁい雪乃ちゃん」

 

結衣「陽乃さんも!?」

 

八幡「俺が呼んだんだ」

 

結衣「なに考えてるのさヒッキー!自分で他の人には会わせられないって言ってたじゃん!!」

 

八幡「…そうもいかなくてな」

 

結衣「ヒッキー!」

 

平塚「落ち着け由比ヶ浜。ここじゃなんだ、そこのレストランに席を取っている。そこへ移動しよう。」

 

レストラン

平塚「で、比企谷。どういうことだ?」

 

八幡「やむ負えなかったんです」

 

陽乃「やむ負えないで妹を拉致されたら困るんだけど〜」

 

雪乃「私、拉致されてないですけど」

 

陽乃「雪乃ちゃんは黙ってて」

 

雪乃「あなた、なに様?私命令されるの嫌いなの」

 

陽乃「いうねぇ、雪乃ちゃん」

 

平塚「やめろ陽乃」

 

結衣「ハルヒちゃんも落ち着いて」

 

八幡「なんでこうなったか説明するとですね」

 

(カクカクシカジカ)

 

八幡「てことです」

 

平塚「雪ノ下の中身が全くの別人か」

 

陽乃「あははははは!そ、それ本気で言ってるの?比企谷君が、そんな妄想みたいなことを、あはははははははは!はーはーお腹痛い」

 

結衣「本当なんですよ!」

 

平塚「本当なんだな雪ノ下」

 

雪乃「…あっ、私?」

 

平塚「そうだ、といっても今は違うのか、名前を聞いてなかったな。」

 

雪乃「初めまして涼宮ハルヒです。」

 

八幡「おまえキャラ変わってないか?」

 

結衣「私たちの時より礼儀正しいような」

 

雪乃「別に変わってないわよ」

 

平塚「なにか本当に入れ替わってるかどうかわかる方法はないのか?」

 

陽乃「あるわよ。雪乃ちゃん」

 

雪乃「私のことよね、なんですか?」

 

陽乃「雪乃ちゃんの昔の夢ってなんだったけ?」

 

雪乃「夢、夢って、私は雪乃さんじゃないからわからないです」

 

陽乃「あー!思い出した!確か、お」

 

八幡「陽乃さん、やめてください」

 

陽乃「ちぇっ、いいとこだったのに。」

 

平塚「で、わかったのか?」

 

陽乃「うん、確かに彼女は雪乃ちゃんじゃない」

 

平塚「なんでわかる?」

 

陽乃「それは…家族の勘よ」

 

平塚「まあ陽乃が言うのだから私も信じよう」

 

雪乃「で、彼女たちは誰なの?」

 

結衣「あっ、まだ言ってなかったね。私たちの部活の顧問の平塚先生とゆきのんのお姉さんの陽乃さんだよ」

 

平塚「平塚静だ」

 

陽乃「雪ノ下陽乃でーす。いやーごめんねぇーさっきはいつもの雪乃ちゃんじゃないみたいだったからさあ」

 

雪乃「はぁ」

 

平塚「しかし比企谷、なぜ隠していた。」

 

八幡「こんな状態の雪ノ下をほっとくわけにもいかないでしょう。出来るだけ少人数で話を決めたかったんです。」

 

陽乃「それだけじゃないよね〜」

 

八幡「なんのことですか?」

 

陽乃「ふーん、言わないんだ、まあ比企谷くんがそれでいいならいいけどねえ〜」

 

平塚「それにしたって我々大人を頼ることも考えろ。一歩間違えれば君は捕まっていたんだぞ」

 

八幡「…すいません」

 

結衣「で、でも!ヒッキーはいつもよりみんなのこと考えてくれてましたよ!」

 

八幡「それじゃ俺がいつも考えてないみたいじゃん」

 

平塚「まあいい、でこれからどうするかだが」

 

陽乃「雪乃ちゃんのことは私が引き取るわ。いつまでもガハマちゃんの家にいるわけにもいかないでしょ」

 

平塚「学校の方は私がどうにかしておこう。ハルヒさんには悪いが私たちに従ってもらうぞ」

 

結衣「大丈夫?ハルヒちゃん」

 

雪乃「わかりました。でも、」

 

平塚「でも?」

 

雪乃「あなたとは仲良くできないと思います。」

 

陽乃「私?」

 

雪乃「はい。」

 

陽乃「なんで〜?別に捕まえて食べたりなんてしないよぉ〜?」

 

雪乃「あなたのその薄っぺらい笑顔の下にあるものが気にくわないんで。」

 

結衣「は、ハルヒちゃん!?」

 

陽乃「ふーん、、面白いね君」

 

雪乃「それと比企谷君。」

 

八幡「なんだ」

 

雪乃「私をこの人たちに合わせるために連れてきたの?」

 

八幡「……」

 

雪乃「そう、もう少し面白い人だと思ったのに違ったのね」

 

八幡「はっ、俺が面白いやつだったら今頃こんなところにいねえよ」

 

平塚「まあいい、どちらにしろ問題は雪ノ下をどうするかだ。陽乃おまえはどうする気だ?」

 

陽乃「そうねえ、もともと私と同じとこに捕まえておこうと思ったけど気が変わっちゃった。ハルヒちゃんって言ったけ?」

 

雪乃「はい」

 

陽乃「ハルヒちゃんには雪乃ちゃんの部屋を貸してあげる。あそこに好きに住んででいいよ」

 

平塚「いいのかそれで?」

 

陽乃「ええ。夜、家にいてくれればそれでいいわ。それでいいわよね?」

 

雪乃「わたしはかまいません。」

 

陽乃「じゃあそれで決まり〜」

 

 

 

折木宅

奉太郎(あいつの家がどこか、情報量が少なすぎるが、まあ日本全国から千葉に絞られたのはマシな方か、、)

 

供恵「何を難しい顔をしてるんだい?」

 

奉太郎「姉貴、帰ってたのか」

 

供恵「うん今日の午後ねえ」

 

奉太郎「そうか、」

 

供恵「んで?なーに考えてんの?」

 

奉太郎「いや、」

 

供恵「ふーん、まあいいけどねえ〜。あ、これお土産だから」

 

奉太郎「うおっと、なんだこれ?」

 

供恵「ぱんさん」

 

奉太郎「これをどうしろと、、」

 

供恵「一緒に寝たら〜」

 

奉太郎「てか姉貴どこ行ってきたんだよ」

 

供恵「それ見りゃわかるでしょ女子大生らしくディスティニーランドに泊まりで遊び行ってたの」

 

奉太郎「はあ、」

 

供恵「結構よかったわよ〜。昔行った時より色々アトラクション増えてたし、」

 

奉太郎「ディスティニーランドねえ、昔姉貴に引きずられて一回行ったな」

 

供恵「あの時は面白かったわねぇ、あんたジェットコースター乗ってギャーギャー泣くんだもん」

 

奉太郎「まあ小学生だったからな」

 

供恵「まあいいわ、それいらなかったら誰かに渡しちゃってもいいから」

 

奉太郎「おう、」

 

供恵「一緒に寝たら〜」

 

奉太郎「てか姉貴どこ行ってきたんだよ」

 

供恵「それ見りゃわかるでしょ女子大生らしくディスティニーランドに泊まりで遊び行ってたの」

 

奉太郎「はあ、」

 

供恵「結構よかったわよ〜。昔行った時より色々アトラクション増えてたし、」

 

奉太郎「ディスティニーランドねえ、昔姉貴に引きずられて一回行ったな」

 

供恵「あの時は面白かったわねぇ、あんたジェットコースター乗ってギャーギャー泣くんだもん」

 

奉太郎「まあ小学生だったからな」

 

供恵「まあいいわ、それいらなかったら誰かに渡しちゃってもいいから」

 

奉太郎「おう、」




4日目へ続く


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4日目 前半

涼宮ハルヒと千反田えると雪ノ下雪乃が入れ替わった
精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ


放課後

文芸部室

キョン「で、正体がバレたんだが」

 

古泉「では、ここに飛車を」

 

ハルヒ「むむ、やりますね、じゃあ私はここに桂馬を」

 

キョン「なんで優雅に将棋打ってるんですかね」

 

ハルヒ「キョンさんもやりますか?将棋」

 

キョン「え、遠慮しときます。てか長門何かわかったかのか?」

 

長門「昨日彼女の記憶媒体内にある知識、光景、その他情報をこの世界に合致するか調べた。結果、合致しなかった。」

 

キョン「てことはこいつは異世界人ってことになるのか?」

 

長門「そう。この世界にとても近い世界から来た異世界人」

 

キョン「なんというか、ハルヒが喜びそうな話だな」

 

長門「また、その記憶の中には一部ブランクがあった。その上には涼宮ハルヒの記憶がそのまま残っていた。」

 

古泉「なるほど、だから千反田さんは迷わず学校に来れたのですね」

 

長門「そう。」

 

キョン「で、ハルヒの場所はわかるのか?」

 

長門「涼宮ハルヒの位置はわからない。でも千反田えるの記憶から彼女の躰の場所は特定できる。」

 

キョン「てことは、こいつの体のある場所に行けばその中に入ってるはずのハルヒも見つけられるか」

 

長門「そういうこと。」

 

キョン「よし、やっと活路が見えてきたな」

 

みくる「でもどうやっていくんですかぁ?」

 

長門「時空間移動とは勝手が違う。世界線を飛び越えなければならない。彼女の記憶を使って情報構成に介入。この世界での私たちを時間凍結したと同時に並行世界に作った私たちの体に記憶情報を転送させる。」

 

キョン「つまり、どういうことだ?」

 

古泉「こちらの僕たちの時間を止めて、記憶だけをあちらの世界に作った私たちに移すってことですね。」

 

キョン「なるほど。じゃあ今すぐ行こう」

 

長門「今は無理」

 

キョン「なんで」

 

長門「統合情報思念体に察知されないようにする必要がある。その準備には時間がかかる。」

 

キョン「そうか。いつ頃終わりそうなんだ?」

 

長門「明日には終わる。」

 

キョン「じゃあ明日の放課後だな。場所はどこがいい?」

 

長門「私の家が最適。」

 

キョン「わかった。軽く準備してこよう。もっともこちらの俺らは止まってるから特にいらないんだがな」

 

 

 

 

総武高校

奉仕部部室

結衣「ヒッキー、」

 

八幡「なんだ?」

 

結衣「今日さ、ハルヒちゃんとららぽ行こって話になってるんだけどさ、、ヒッキーくる?」

 

八幡「いや、今日はやめておく」

 

結衣「そっか、じゃあ私いくね。部活適当に切り上げていいからね」

 

八幡「おう」

 

ガラガラガラガラ

 

八幡「…俺も帰るか、」

 

ガラガラガラガラ

 

いろは「こんにちわでーす☆」

 

八幡「なんだ?」

 

いろは「げ、先輩1人ですか」

 

八幡「嫌なら帰ってもらっていいんだが」

 

いろは「あーひどいですよぉ〜」

 

八幡「でなんだ?」

 

いろは「でなんですけどね。こんどぉ新入生歓迎会やるんですけどぉ、先輩たちに手伝って欲しいなって」

 

八幡「あざといよ。まあいいが、今は俺1人しかいないがそれでいいのか?」

いろは「あれ、何かありました?」

 

八幡「まあちょっとな」

 

いろは「でもまあ、先輩1人の方があつか、、安心しやすいっていうか!」

 

八幡「いやもう言い換えなくてもいいだろ」

 

いろは「でも仲直りしてくださいよ?きちんとまた3人でいてもらわないとこっちが困るんで、」

 

八幡「なんで」

 

いろは「もー前回すごい睨まれたんですからぁ!3人で手伝ってくださいねぇ〜」

 

八幡「はいはい」

 

いろは「じゃあよろしくでーす☆」

 

ガラガラガラガ

 

八幡「仲良く、ね」

 

 

 

 

 

 

古典部部室

里志「よし!じゃあ、第2回!雪ノ下さんの家を探そう会議を始めるよ!」

 

奉太郎「そんな名前ついてんのかよこれ」

 

里志「じゃあいつも通り摩耶花から!」

 

摩耶花「そうねえ、千葉について軽く調べたんだけどやっぱり教科書に載ってること以上のことはほぼでてこなかったわ」

 

里志「うーん僕もだね。関東の一番端の房総半島ほぼ全域に位置する県で県庁所在地は千葉県。成田空港があるのとピーナッツが名産品だね。あとはーなんかあったけ?」

 

摩耶花「チーバ君ぐらい?」

 

里志「あー!チーバ君結構人気あるよねえ」

 

摩耶花「そうなのよねえ。一応雪ノ下って苗字の人どこかないないか調べてみたんだけどやっぱりダメね。県ぐらいまでしか出でこなかったわ」

 

里志「やっぱダメかぁ」

 

摩耶花「雪ノ下さんは何かあった?」

 

える「ダメね、あれ以上のことは思い出せないわ」

 

里志「うーん、、」

 

摩耶花「あー煮詰まっちゃうわ」

 

奉太郎「…そういえばこれ誰かいるやついるか?」

 

摩耶花「わーパンさんじゃん、昔よくビデオ見たなぁ」

 

里志「どうしたんだいそれ?」

 

奉太郎「昨日、姉貴が渡してきたんだ。いらなかったら誰かにあげてもいいって言うから持ってきたんだが」

 

里志「僕はいいかなあ、そんなに興味ないし」

 

摩耶花「うーん私もここまで子供ぽいものはいらないかなあ」

 

奉太郎「そうか、じゃあ持って帰るか」

 

える「待ちなさい」

 

奉太郎「なんだ?」

 

える「それをこちらによこしなさい」

 

奉太郎「は?」

 

える「聞こえなかったのかしら?それとも元々聴覚に問題があるのかしら?それならごめんなさい今度は手話付きで話すわ」

 

奉太郎「ほらよ」

 

える「これは…これはディスティニーランド内のパンさん専用ショップで売られている期間限定、数量限定の花吹雪が舞う中に笹の葉を撒き散らすパンさんだわ」

 

奉太郎「どんなネーミングセンスだよ。そしてなんでそんなのわかんだよ」

 

える「一般常識よ、このくらい」

 

摩耶花「雪ノ下さんパンさん好きなの?」

 

える「好きというのは少し違うわね。だだ一般的に人気のあるキャラクターには何かしら要因があるはずなのよ。それを知ることができれば確実に今後の生活に生かすことができるわ。それを学ぶために私はパンさんを見ているの。」

 

摩耶花「要するに好きなのね」

 

里志「そういうことだね」

 

える「ち、違うわ」

 

奉太郎「俺はそいつはいらないからやるよ」

 

える「あ、ありがとう」

 

摩耶花「それで本題に戻るんだけど、やっばり千葉に行くのが一番いいと思うのよ」

 

里志「それには僕も賛成だけど摩耶花そんなお金あるのかい?」

 

摩耶花「そこなのよねー。電車代だけで往復2万円超えるし、行くだけで少なくとも5時間はかかるわ。となると泊まりでいかなきゃいけないだろうしそうなると宿代とかご飯代とかも馬鹿にならないのよ」

 

里志「そうだねぇ、なかなか現実的ではないね」

 

摩耶花「はー誰かすごいいっぱいお金持ってないかしら」

 

奉太郎「この市内なら桁上がりの四名家ぐらいだろ」

 

里志「その1人ここにいるけどね」

 

奉太郎「そうだな」

 

える「今の私は無理よ」

 

里志「そういえば家ではどうしてるの?」

 

える「この子の家はあまり親と関わらないからそれほど問題にはなっていないわ」

 

摩耶花「じゃあまだバレてないんだ」

 

里志「でもいつバレるかわからないからね。早めに戻る方法を見つけないと」

 

摩耶花「そうね」

 




後半へ続く


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4日目 後半

涼宮ハルヒと千反田えると雪ノ下雪乃が入れ替わった
精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ



北高通学路

ハルヒ「あのキョンさん。私明日のことよくわからないんですが、どうするんですか?」

 

キョン「まあ簡単にいえば明日貴方の元いた世界に戻るんですよ」

 

ハルヒ「どうやっていくんですか!?私、気になります!!」

 

キョン「近い近いです」

 

ハルヒ「あっ、ごめんなさい」

 

キョン「まあ俺もよくはわからないんですけど、長門の話だとこちらの世界の記憶をあっちに飛ばすみたいですね」

 

ハルヒ「そんなことができるんですか、」

 

キョン「正直長門ならなんでもできますね」

 

ハルヒ「宇宙人ってすごいんですねぇ」

 

キョン「きっと明日あちらの世界に行ったらここには戻ってこれないと思うので何かあったら今日のうちに済ましといてください」

 

ハルヒ「わかりました!と言っても特に何もないんですけどね」

 

 

 

 

総武高校

平塚「比企谷」

 

八幡「先生、今日は帰り早いんですね」

 

平塚「ああ、いつも独り身だからって色々押し付けちゃってるからたまに早めに帰っていい人探してって言われたんだ…」

 

八幡「そろそろセクハラで訴えてもいいんじゃないですかね」

 

平塚「そうだよなぁ、まあいい。私は君に話があるんだ」

 

八幡「なんですか?また脅迫されるのは嫌ですよ」

 

平塚「いいから車に乗りたまえ。なーにすぐ終わる」

 

八幡「これ犯罪者の手口では?」

 

車内

八幡「で、なんですか?」

 

平塚「今日は雪ノ下のところにはいかなかったのか?」

 

八幡「ええ、まあ」

 

平塚「どうして」

 

八幡「どうしてって言われても…まあ嫌われてるみたいですし」

 

平塚「やはりそうか…いつもいつも君には迷惑をかけるな」

 

八幡「こういうことは慣れてるんで」

 

平塚「しかしあんなことになってるとは知らなかったんだ。陽乃も相当狼狽えていたしな。」

 

八幡「そんな風には見えませんでしたけどね」

 

平塚「あの子は外には見せないんだよ。それが自分よりも歳が下の人間には尚更な」

 

八幡「そうですか」

 

平塚「こんなことになってしまった以上私たちにはもはや手に負えない。しかしあのままというわけにもいかんだろう」

 

八幡「まあずっとあのままのらりくらりさせて問題起こすのは目に見えてますからね」

 

平塚「だから君には彼女と過ごしてほしい。泊まりがけで」

 

八幡「は?」

 

平塚「明日の学校は来なくてもいいから」

 

八幡「いやいやいや。冗談にもほどがありますよ先生。」

 

平塚「これも部活の一環だ。ご家族からの要望でもあるからな」

 

八幡「ご家族って、絶対陽乃さんじゃないですか」

 

平塚「我々は君のリスクマネジメント力を見込んで頼んでいるんだ。君には彼女を庇った義務がある。」

 

八幡「はぁ…どうせ俺がやらないって言ったらまた面倒なことになるんですよね。やりますよ」

 

平塚「いい判断だ。私は君の家前で待っている。軽く荷物をまとめたら出て来い。」

 

八幡「そろそろ脅迫罪で訴えたい」

 

 

 

 

神高HPチャットルーム

ほうたる『どうでしょうか?』

 

名前を入れてください『うむ、いいだろう。君があれだけ焦っていて私に頼み込んで来るんだ。これが本当でも嘘でも何かあるのは本当なのだろう?』

 

ほうたる『はい、』

 

名前を入れてください『ならば手を貸そう。といってもそれほど多くは出せんがな』

 

ほうたる『ありがとうございます』

 

名前を入れてください『これで前回の貸しは返したぞ』

 

ほうたる『…わかりました』

 

 

 

 

キョンの家

キョン「妹よ」

 

キョンの妹「なーにーキョンくん?」

 

キョン「俺は少しの間家に帰ってこないがいい子にしてるんだぞ?」

 

キョンの妹「えー!!キョンくんどっか行くの!!?ずるいずるい!!私も連れてって!!」

 

キョン「今回は遊びじゃないだ」

 

キョンの妹「じゃあ何するの?」

 

キョン「今回は仕事なんだ。お前には危険だろうから家でシャミセンの事を見ていてくれ」

 

キョンの妹「わかった!シャミのこときちんとお世話してるね!」

 

キョン「うむ、それでいい」

 

 

 

 

比企谷宅

小町「あれっ?お兄ちゃんどこ行くの?」

 

八幡「雪ノ下のところだ。何日か帰ってこないかもしれないが気にしないでいい。」

 

小町「えっ!?お、お、お兄ちゃん雪ノ下さんの家に泊まりに行くの!?」

 

八幡「まあ、そうだが」

 

小町「およよよよよ、小町はごみいちゃんがこんな高みにいるなんて想像もしてなかったよ…こんなクズでのろまなごみいちゃんがまさか、まさか女の子の家にお泊まりだなんて……でもね、お兄ちゃん」

 

八幡「なんだ?」

 

小町「小町はね、信じてるよ。」

 

八幡「なにを?」

 

小町「こんな大チャンスでもお兄ちゃんは一歩なんて踏み出せない。そんな度胸お兄ちゃんにはないって」

 

八幡「さらっとひでえこと言うな、まあ事実だが」

 

小町「もし、もしお兄ちゃんが一歩踏み出して捕まったとしても小町だけは、小町だけは味方でいてあげるからね。あっ、今の小町的にポイントたっかい〜」

 

八幡「おう、あんがとよ」

 

小町「じゃあ行ってらっしゃいお兄ちゃん!あっ、もし逃げ帰ってきてもお兄ちゃんのご飯ないから〜!」

 




5日目に続く


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5日目 前半

精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ

SOS団
ハルヒ世界→氷菓世界へ


北高1年5組

ハルヒ「おはようございますキョンさん」

 

キョン「あ、おはようございます」

 

ハルヒ「きちんと身支度してきました!」

 

キョン「偉いですね。俺なんて妹に適当に帰ってこれないからって言っただけですよ」

 

ハルヒ「私はもうここには戻ってこれないですから」

 

キョン「そうですね。」

 

ハルヒ「短い間でしたけどお家の人とかにはいろいろお世話になりました」

 

キョン「結局最後までバレませんでした?」

 

ハルヒ「はい。特段演技をしていたわけじゃ無いんですが。なんでですかね?」

 

キョン「やっぱし似てるんじゃ無いですかね。あいつに」

 

 

 

神山高校教室

里志「おはよーホータロー」

 

奉太郎「里志かちょうどいい」

 

里志「なんだい?」

 

奉太郎「今日の午後、学校終わったら千葉行くぞ」

 

里志「ふぇぁ!?ほ、ホータロー、な、なな、何言ってるんだい?」

 

奉太郎「そりゃいきなりだから驚くのはわかるがそこまで驚くことでも無いだろ」

 

里志「違うよ!僕が驚いてるのはね、あの!あのホータローが!!遠出なんてのはめんどくさくて行く気はさらさらない、休みの日はもっぱらヤドカリの生態模倣が趣味のホータローが!!自分から!!旅行に行こうって!!言ってることだよ!!あーどうしたことだ!まさか宇宙人とアブダクションしちゃったんじゃ無いだろうねえ!?」

 

奉太郎「なわけないだろ」

 

里志「あー!!こうしちゃいられない!千反田さん、じゃなかった、雪ノ下さんと摩耶花にもこの驚きを共有してこなきゃ!!」

 

奉太郎「ついでにあいつらにも伝えておいてくれ」

 

里志「わかったよ!じゃー後でねー」

 

奉太郎「今日テンション高いなあいつ」

 

 

 

 

 

八幡(あの後、雪ノ下の家のドアを開けた後メイド姿の由比ヶ浜の絵図らを最後に俺の記憶は途切れてきた。起きて始めて感じるのは後頭部の痛みとソファの柔らかさだ。どうやらあのままぶっ倒れて雪ノ下の家のソファで一晩明かしたらしい。美少女と同じ屋根の下で一晩明かしたとかいう最高のシュチュエーションなのに何も覚えてないとかラブコメの神様は業が深すぎる。)

 

結衣「あっ、ヒッキー起きたんだ!」

 

八幡「おまえ、何やってんの?」

 

結衣「朝ごはん作ってるの!」

 

八幡「絶対に聞こえちゃいけない言葉が聞こえた気がする。」

 

結衣「し、失礼な!私だってちょっとはできるように…うわぁぁ!卵焼き卵焼きが焦げちゃう!」

 

八幡「ダメじゃねえか。で、俺は昨日どうなったんだ?」

 

結衣「あぁ、ごめんねヒッキー…いきなり見られたから私そこにあった置き時計思いっきし投げちゃって…」

 

八幡「で俺はノックアウトと」

 

結衣「うん…」

 

八幡「まあいい。もうほぼ覚えてないんだそんなことに怒ってもしょうがない。涼宮は?」

 

結衣「ほんと!ヒッキーありがとう!!ハルヒちゃんは多分まだ寝てるんだと思うよ」

 

八幡「ん?ちょっと待て。なんでおまえがここにいる?」

 

結衣「あー言ってなかったけ?平塚先生がさあ『比企谷1人だと何かあった時に問題だ。君も一緒にいてくれ』って」

 

八幡「なるほどな、流石に2人きりなんていうドリームパレードは無かったわけだ」

 

結衣「だから今日私も学校休むね!」

 

八幡「おう、頼んだ」

 

結衣「今回はヒッキー帰っちゃダメだからね!」

 

八幡「おうおう、とりあえず風呂入ってくるわ」

 

結衣「うん!朝ごはん作って待ってるね!」

 

八幡(これじゃあ、さながら新婚生活だな。俺の理想とは立場が逆だが)

 

 

──────────────────────────

 

 

放課後

長門宅

キョン「準備はいいか?」

 

ハルヒ「はい!」

 

古泉「僕はいつでも」

 

みくる「は、はい」

 

キョン「よし、長門やってくれ」

 

長門「わかった。」

 

 

 

地学準備室

奉太郎「で、里志に伝えてもらった通り、今から千葉に行く」

 

摩耶花「あんた本当に言ってんの?そんなこと、」

 

奉太郎「ああ本気だ」

 

里志「でもホータローどうやっていくんだい?」

 

奉太郎「無論電車を使う。今から個々人家に帰って準備をして駅に4時半前に集合してもらう。そこからは名古屋で乗り換えて東京を経由して千葉だ」

 

える「行くって言って行けるような距離なのかしら?あなた方にはそれほど金銭的余裕はないように見えるけど」

 

奉太郎「金なら用意した」

 

摩耶花「こんなに!どうやって!?」

 

える「折木君、警察に行くのは早めにしたほうがいいわよ」

 

奉太郎「別に法外なことはしてねえよ。ただ少し今までの貸しを使っただけだ」

 

摩耶花「あんた人に貸しを作ったことなんてほぼ無いでしょ」

 

奉太郎「まあそうだが」

 

える「でもこんな急な話ご家庭の人許してくれるのかしら」

 

里志「うちは特に問題ないけど」

 

摩耶花「私のうちもこの土日親が旅行行くから大丈夫よ」

 

奉太郎「決まったな。電車は4時半だ。乗り遅れても置いていくからな」

 

摩耶花「なんか折木、最近キャラ違わない?」

 

里志「まあ、千反田さんの顔であれだけ強烈な罵倒を受け続ければしょうがないよ」

 

 

 

東京スカイツリー内 喫茶店

八幡「結局千葉飛び出して東京まで来ちまったな」

 

結衣「そうだねー、ハルヒちゃん、都会が見てみたいわ!とか言い出すんだもん。」

 

八幡「まあ、高層ビル見てスカイツリー登って満足そうだからな。いいんじゃねえの」

 

雪乃「ねえ次はどこ行こうかしら!ここからだったら雷門とか近いらしいのだけど!」

 

結衣「いいと思う!」

 

雪乃「じゃあ次は雷門ね!私もうちょっと外見てくるから待ってて!!」

 

結衣「うんわかった!でヒッキー雷門ってなんだっけ?」

 

八幡「お前知らねえのかよ。あれだよ、テレビとかによく出るでかい提灯があるとこ」

 

結衣「へぇー、私あんまり東京来ないからさあ〜」

 

八幡「俺も小町にねだられたときぐらいしか来ねえよ。まあ小町いなかったらまず家からも出ないんだけどね」

 

結衣「ヒッキーそういえばハルヒちゃんと大丈夫だった?」

 

八幡「ああ、」

 

八幡(俺が風呂を出た後、俺と涼宮ハルヒは由比ヶ浜が飯を作ってる間、軽く話した。先生に頼まれてここにいること、これから短期間ではあるが共に過ごすこと、お前は好きにしてていいこと、そして一昨日のこと。最初は機嫌そうな目をされたが次第にそれは落ち着き「まあ、どうでもいいわ」と言われた。どうやら許されたらしい。許すとか許さないとかよく考えるとアホらしい話だが)

 

結衣「じゃあ大丈夫そうだね。あっ、ハルヒちゃんが呼んでる!ヒッキー行こう!」

 

 

──────────────────────────

 

 

4時

神山市内

キョン「う、うぇぇぇ、気持ち悪い、、」

 

ハルヒ「大丈夫ですか?」

 

長門「新たな肉体の拒否反応。時間経過で治る」

 

キョン「ならいいんだが」

 

古泉「ここが千反田さんの元いた世界ですか。」

 

みくる「私たちの世界と特に変わりはないですねぇ」

 

キョン「でここどこなんだ?」

 

長門「わからない。私は彼女の記憶と同じ光景の場所に来ただけ。」

 

キョン「川沿いの道だな。」

 

古泉「千反田さん。何か思い出すことありますか?」

 

ハルヒ「ここは、、あの人と、、、折木さんと話した場所」

 

キョン「折木ってのは?」

 

ハルヒ「私の、古典部の部員の1人です。思い出しました。あの時、私は折木さんとここで話をしたんです。」

 

キョン「その話ってのは?」

 

ハルヒ「私たちの…未来についてです。」

 

キョン「そうですか」

 

古泉「学校はこの近くですか?」

 

ハルヒ「はい、そうだったと思います」

 

キョン「まだこの時間なら千反田さんの体に入ったハルヒは学校にいるはずですからとりあえずそこに行きましょう」

 

 

 

神山駅

摩耶花「福ちゃん!」

 

里志「お、摩耶花だ」

 

摩耶花「ごめん福ちゃん!遅くなっちゃった」

 

里志「大丈夫だよ。まだ時間はあるし」

 

奉太郎「あとは雪ノ下だな」

 

里志「そうだね。まあ千反田さんの家は少し遠いからね。最後になるのは無理もない」

 

奉太郎「そうだな」

 

里志「おっ、来たみたいだよ」

 

える「遅くなってごめんなさい」

 

摩耶花「ううん大丈夫、私も今来たところだから」

 

奉太郎「雪ノ下で最後だな」

 

里志「うん、みんな揃ったね。まだ電車には10分ぐらい早いけど中で待とうか」

 

摩耶花「そういえば折木。」

 

奉太郎「なんだ?」

 

摩耶花「結局誰からお金出してもらったのよ?」

 

奉太郎「1人だけじゃないんだが」

 

摩耶花「1人ぐらい教えなさいよ。あ、できれば私の知ってる人で」

 

奉太郎「はあ、うちの姉貴だ」

 

里志「お、お姉さん!?あのお姉さんが!?」

 

摩耶花「よく出してくれたわね!」

 

奉太郎「部活で必要なんだって言ったら、可愛い後輩のためなら仕方ないってさ」

 

える「いいお姉さんじゃない…うちとは大違いね」

 

摩耶花「雪乃ちゃんにもお姉さんいるの?」

 

える「ええ、尊敬に値する人よ。」

 

里志「へぇ、それはさぞかし良い人なんだろうね」

 

える「まあ一般受けはとても良いわ。頭もいいし、人望も厚いわ。誰にでもニコニコしていて、なんでもやりこなす。ほんと気にくわない人よ」

 

里志「それは会ってみたいね!ねっ!ホータロー」

 

奉太郎「まあ、そうだな」

 

摩耶花「あっ、電車来た」

 

 

 

東京 浅草

結衣「わぁ、おっきい提灯だねえ」

 

雪乃「そうね、でもこんな大きいの何に使うのかしら」

 

八幡「別に使うわけではないだろう。」

 

雪乃「使わなかったら意味ない気がするんだけど」

 

八幡「まあシンボルみたいなもんだからな」

 

雪乃「そんなもんなのね。あ、松下電器って書いてある」

 

結衣「松下電器って?」

 

八幡「今のパナソニックだ。」

 

結衣「へぇ〜」

 

 

──────────────────────────

 

 

4時45分

神山高校

キョン「ここが千反田さんの通ってた高校…なんです?」

 

ハルヒ「ここです、間違いありません!」

 

古泉「まだ部活中だとすると校内に侵入する必要がありますね」

 

キョン「どうやって入り込むか…」

 

古泉「裏口から忍び込むか、正面から堂々と行くか、ですね」

 

キョン「うーむ、下手に裏から入って見つかるよりは正面から入った方がいいかもしれないな。さっきから見てるとこの高校は随分と部活動が盛んらしいから紛れて入り込む余地はずいぶんある」

 

古泉「そうですね」

 

キョン「こんな時ハルヒがいてくれれば楽なんだが…まあいない奴の話をしても仕方がない。行くぞ」

 

ハルヒ「ちょっと待ってください!」

 

キョン「うおっ、あぶねえひっくり返るところだった」

 

みくる「な、何かありましたかぁ?」

 

ハルヒ「あの人…今校門から出でくる人に見覚えが…あっ!」

 

キョン「ん?あっ、ちょっと!千反田さん!?」

 

ハルヒ「入須さん!!」

 

入須「…誰だね君は?」

 

ハルヒ「私です!千反田えるです!!」

 

入須「まさか…なるほど、彼の言っていたのは本当だったのか」

 

ハルヒ「?」

 

入須「そうか、君がえるか。話は聞いているよ」

 

ハルヒ「驚かないんですか?」

 

入須「まあ考えられないことではないからな。で、何か用があるんじゃないか?」

 

ハルヒ「あっそうでした。あの折木さんたち知りませんか?」

 

入須「折木君たちか、彼らは今日千葉に行ったぞ」

 

ハルヒ「千葉ですか?なんで?」

 

入須「君を探しに行くらしい。もう電車に乗った頃だろう。」

 

ハルヒ「じゃあ折木さんたちは私を探しに…わかりました!ありがとうございます入須さん!」

 

入須「ちょっと待て、える」

 

ハルヒ「?」

 

 

 

特急内

里志「で、ホータロー。そろそろ話してくれてもいいだろ?」

 

奉太郎「ああそうだな」

 

摩耶花「何を?」

 

里志「ホータローは何かわかったんだよ。だからいきなり行こうなんて言い出した。じゃなきゃめんどくさがり屋のホータローが遠出なんで自分から言い始めるわけはない。まあ目星ぐらいはついたんだろ?」

 

奉太郎「うむ…前に雪ノ下が思い出せるだけの描写をまとめてきただろ」

 

える「これのことかしら。あなたそのクルクル頭でもきちんと覚えてることは覚えてるのね。」

 

奉太郎「そうこれだ。ここにお城ってのがあるだろう」

 

里志「そうだね、あとあと洋風て書き加えられてる」

 

奉太郎「そうだ、この洋風ってのが肝でな。まあそういうことだ」

 

里志「なるほどねぇ」

 

摩耶花「えっ、なに?福ちゃん何かわかったの?」

 

える「折木君。人に説明するときは道筋を立てて論理的に説明するのよ?小学校で習わなかった?」

 

奉太郎「悪い、これぐらいでわかるかと思ったんだが…」

 

里志「つまりあれだね。日本のお城は和風なはずだから、その洋風のお城ってのは」

 

奉太郎「ああ、昔からあるものじゃなくごく最近人が作ったものだ。で、そんなものがあるのは千葉県内じゃ1つしか思い当たらん」

 

摩耶花「そっか!ディスティニーランドのシンデレラ城!!」

 

奉太郎「まあそういうことだ。とりあえずそのあたりまで行けば何かしら見つかるだろ」

 

える「あなた、やればできるじゃない。マイクロ単位で見直したわ」

 

奉太郎「そりゃどうも」

 

 

 

国立西洋美術館

結衣「わあ!見てみてヒッキー!考える男だよ!」

 

八幡「考える人な」

 

雪乃「どっちでもいいわよ」

 

結衣「これ本物かなぁ?」

 

八幡「なわけないだろ」

 

雪乃「偽物でもいいのよ。別に私たちは鑑定団でもなんでもないんだから。」

 

結衣「そ、そうだね」

 

雪乃「偽物でも形は同じだし、それで十分だわ」

 

結衣「でも、やっぱり本物が欲しい」

 

雪乃「?」

 

結衣「あっ、いや、ほら本物も見てみたいなー!みたいな!?」

 

雪乃「そうね!いつかは本物を手に入れたいわね!!」

 

結衣「あははは、そうだねー」

 

 

──────────────────────────

 

 

5時

パイナップルサンド

古泉「でも困りましたね。探している皆さんが千葉に行ってしまったとは」

 

ハルヒ「そうですね」

 

キョン「でもなんで千葉なんだ?」

 

ハルヒ「私を探しに行ったと入須さんは言っていましたが、」

 

みくる「私たちは千葉から来たわけじゃありませんね」

 

キョン「じゃあなんで、」

 

古泉「千葉にゆかりのある人はこの中にはいませんからね」

 

キョン「そういえば千反田さんあの人になにもらったんですか?」

 

ハルヒ「ああ、これです」

 

古泉「ニューオータニ幕張、」

 

みくる「ニューオータニってホテルのですか?」

 

キョン「多分そうですね。きっとハルヒたちはここに泊まるってことでしょう」

 

ハルヒ「やはり皆さんに会わなきゃわかりそうにないですね」

 

古泉「でもどうやって追いかけましょうか」

 

キョン「長門」

 

長門「なに?」

 

キョン「お前はこの世界でも力を使えるのか?」

 

長門「この世界の統合情報思念体は私達の世界のとは違う。だが、存在はする。この世界の統合情報思念体をハックすることで完全ではないが特殊事項を起こすことは可能。」

 

キョン「空間移動は?」

 

長門「可能。しかしこちらの世界の地理が私達の世界と完全に一致するとは限らない。リスクが伴う」

 

キョン「できるだけリスクは避けたいが、背に腹は変えられないな。行くしかないか」

 

ハルヒ「あっ、でも今行っても会えないかもしれないです」

 

古泉「なぜです?」

 

ハルヒ「入須さんは今頃電車に乗っただろうって言ってました。ここから東京方面だと新幹線を使っても5時間ほどかかるんです。」

 

キョン「なるほど、じゃあハルヒたちはまだ電車の中か」

 

ハルヒ「はい、そうだと思います」

 

古泉「では時間までこの辺りで色々調べてみましょう。きっと何かの手がかりになるはずです」

 

 

──────────────────────────

 

 

19時30分

東海道新幹線内

里志「2人とも寝ちゃったね」

 

奉太郎「そうだな」

 

里志「まあ仕方ないね。長旅だし。ところでホータロー」

 

奉太郎「なんだ?」

 

里志「探す場所のあてはあるのかい?」

 

奉太郎「特にはない。情報が少ないからな」

 

里志「まあそれもそうだね。…千反田さんのことどう思う?」

 

奉太郎「どう思うって言われてもな」

 

里志「別に好意があるとかいう話じゃないよ。千反田さんの体と雪ノ下さんについてどういうことだと思うって話」

 

奉太郎「ああ、俺も原因はわからないが、まあきっと似てるんだろうな」

 

里志「千反田さんと雪ノ下さんがかい?そうは見えないけど」

 

奉太郎「性格は真逆なんだろうが、核の部分がな」

 

里志「だからほっとけないと」

 

奉太郎「別にこいつのためにやってるわけじゃ無い」

 

里志「素直じゃないねホータローは」

 

 

 

 

京葉線

八幡「寝たか」

 

雪乃「あんなに遊んだんだもの無理もないわ」

 

八幡「お前に連れ回されたんだけどな」

 

雪乃「楽しそうにしてたからいいでしょ」

 

八幡「まあそうだが…涼宮」

 

雪乃「なによ」

 

八幡「お前の元いた世界はいいのか?」

 

雪乃「いいのって言われても困るんだけど…まあ今の私が楽しいからそれでいいのよ。元の世界に未練なんてないわ。もうだいたい忘れちゃったし」

 

八幡「そうか」

 

雪乃「…あんたは元に戻れとは言わないの?」

 

八幡「…まあそのままでもいいんじゃねえか。戻れって言ったって戻れるもんじゃなさそうだしな」

 

雪乃「そう。じゃあ存分に楽しませてもらうわこの世界を!」

 

八幡「勝手にしろ」

 

 

──────────────────────────

 

 

8時30分

神山駅前

キョン「よし、大体いい時間になったな」

 

古泉「そうですね。調べられそうなことも調べましたしそろそろ行ってもいいかと」

 

みくる「わぁ、写真のこの可愛らしい人が千反田さんなんですね」

 

ハルヒ「そんな、可愛らしいなんて、、」

 

みくる「周りの方々が部員さんですか?」

 

ハルヒ「ええ、そのはずなんですけど…」

 

みくる「名前思い出せないんですか?」

 

ハルヒ「はい…すいません」

 

みくる「い、いえ全然大丈夫ですよ」

 

古泉「ではそろそろ行きましょうか」

 

キョン「長門頼む。場所はホテルの近場ならどこでもいい」

 

長門「わかった。」

 

葛西臨海公園

キョン「ここは?」

 

長門「目標物の近くの公園に移動した。」

 

古泉「幕張臨海公園の看板ですね」

 

みくる「あっちの方に高い建物がいっぱいありますね」

 

キョン「とりあえず行くぞ」




後半へ続く


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5日目 後半

精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ

SOS団
ハルヒ世界→氷菓世界へ


 8時45分

 東京駅

 奉太郎「着いたな」

 

 里志「う──ん、はぁ、随分座っていたから体が固まっちゃったよ」

 

 摩耶花「福ちゃんここからどうするの?」

 

 里志「ここで乗り換えのはずだけど、ホータロー?」

 

 奉太郎「迷った」

 

 里志「え、?」

 

 奉太郎「次のホームの場所がわからない」

 

 里志「ええー!?」

 

 摩耶花「なんできちんと調べてこないのよ折木!」

 

 える「はあ、少しでも見直した私がバカだったかしら。目的地まで行くだけならアリでもできるわよ」

 

 奉太郎「すまん」

 

 里志「そうだ! 雪ノ下さんならこっちの方に住んでたはずだしわかるんじゃ!?」

 

 える「自慢じゃないのだけど、私いつも車で移動してたから駅は詳しくないの」

 

 里志「お嬢様なんだねぇ」

 

 奉太郎「で、京葉線ってどっちだ?」

 

 

 

 

 

 

 雪ノ下宅

 八幡「帰ってきたな」

 

 結衣「疲れたぁ」

 

 雪乃「私、お風呂はいってくるから!」

 

 結衣「あっ、ちょっ、ハルヒちゃーん!」

 

 八幡「いっちまったな」

 

 結衣「はぁ、もう」

 

 八幡「俺らは適当に待つか」

 

 結衣「そだねー、そういえばさヒッキー」

 

 八幡「なんだ」

 

 結衣「ヒッキーは、ゆきのん戻ってくると思う?」

 

 八幡「わからん」

 

 結衣「私はさ、戻ってくると思う」

 

 八幡「そうか」

 

 結衣「ゆきのん、なんだかんだ言ってみんなのこと好きだし。きっと頑張って帰ってくると思うんだ」

 

 八幡「あいつならどんな手段を使ってでも戻ってきそうだな。なんなら異世界で魔王とかやってて、手下つれて攻め込んでくるまである」

 

 結衣「ゆきのんが魔王かどうか別として、私はゆきのんに戻ってきてほしい。ハルヒちゃんには悪いけど。やっぱり私にとってゆきのんはゆきのんなんだよ。偽物じゃない、本物の」

 

 八幡「本物、雪ノ下雪乃の本物か」

 

 

 

 

 

 

 ホテルニューオータニ幕張

 キョン「ここだな」

 

 みくる「うわぁ、高そうですねぇ」

 

 古泉「でもどうしましょうか、客室を探し尽くすわけにも行きませんし」

 

 キョン「5時間経ってない、多分まだ着いてないな。入り口で見てれば来るだろ」

 

 古泉「なるほど、そうですね。では僕はホテルの部屋を確保してきましょう。どのみち泊まることになりそうですから」

 

 キョン「ああ、頼む」

 

 ──────────────────────────

 

 9時50分

 奉太郎「ここだな」

 

 摩耶花「すご!」

 

 里志「なんだいホータロー! こんなきちんとしたところ取ってたなら言ってくれればいいのに!」

 

 奉太郎「俺だってこんなところだとは知らなかったんだ」

 

 里志「ちょっと入るのに勇気がいるよ一介の高校生には」

 

 える「そんなコソコソやってると田舎者だと思われるからやめてもらえる。一緒にいる私が恥ずかしいわ」

 

 里志「あ、ごめん」

 

 える「行くわよ」

 

 

 

 みくる「来ないですねぇ」

 

 キョン「そろそろ10時になるんだが」

 

 ハルヒ「あっ!?」

 

 キョン「来たか!?」

 

 ハルヒ「あれ!」

 

 みくる「写真と同じ人たちです!」

 

 キョン「じゃああれが! ハルヒ!」

 

 ハルヒ「あ、待ってくださいキョンさん!」

 

 

 

 キョン「ハルヒ!」

 

 える「……誰?」

 

 キョン「俺だよ! 忘れちまったのか!?」

 

 摩耶花「雪ノ下さん知り合い?」

 

 える「いえ、知らないわ」

 

 里志「ホータロー何か知ってるかい?」

 

 奉太郎「いや、なにも」

 

 ハルヒ「待ってくださいキョンさん」

 

 える「退いてくれるかしら、邪魔だわ」

 

 キョン「おい待てよハルヒ!」

 

 摩耶花「ちょっと! あんた! なにすんのよ!」

 

 キョン「ちょっ、腕を捻る、痛い痛い痛い痛い!」

 

 里志「やめなよ!」

 

 ハルヒ「やめてください! 摩耶花さん!」

 

 摩耶花「……なんで、私の名前を……」

 

 奉太郎「まさか」

 

 ハルヒ「お久しぶりです。皆さん」

 

 里志「そんなバカな! こんな簡単に見つかるなんて!」

 

 奉太郎「お前、千反田か……?」

 

 

 

 

 

 雪ノ下宅

 雪乃「明日はなにしようかしら!?」

 

 結衣「私はなんでもいいよ!」

 

 雪乃「うーんじゃあ! 千葉の方に遊びに行きたいわ!」

 

 結衣「え、千葉でいいの?」

 

 雪乃「今日は東京行ったから明日は千葉ね!」

 

 結衣「いいよ! ヒッキーは?」

 

 八幡「俺は別にねえよ」

 

 結衣「そっか、じゃあ明日は千葉で遊ぼうか!」

 

 八幡「遊ぶって言ってもなにすんだ?」

 

 雪乃「行けばなんかあるわよ!」

 

 八幡「なんかあったかなぁ」

 

 ──────────────────────────

 

 11時45分

 ホテルニューオータニ幕張

 客室

 摩耶花「ちーちゃんよかったよぉ〜!」

 

 ハルヒ「摩耶花さんそんなに泣かないでください」

 

 みくる「千反田さん皆さんと会えてよかったですね!」

 

 奉太郎「千反田が世話になったな」

 

 キョン「そんなことねえよ、どっちかというとこっちが色々助けられた」

 奉太郎「そうか」

 

 里志「ホータロー、千反田さんがいなくなってずっとうろたえてたもんね」

 ハルヒ「そうなんですか?」

 

 奉太郎「いらんこと言うな」

 

 里志「へいへい。でも困ったね、まさか中身が違ったなんて」

 

 古泉「ええ、我々としてはなんとしても彼女を確保しなければならないのです」

 

 奉太郎「というか、その前にお前らの言ってることは本当なのか? どうにも信用し難いんだが」

 

 キョン「まあそりゃそうだろうな。長門もいつもみたいなわかりやすい力は使えないし、どーやって信じてもらうものか」

 

 ハルヒ「折木さん、皆さんの言ってることは本当ですよ」

 

 奉太郎「でもなぁ」

 

 里志「まあここまで千反田さんが言うんだ。信じていいんじゃないホータロー」

 

 摩耶花「そうよ折木。ちーちゃんがここまで言うんだから信じなさいよ」

 

 奉太郎「お前入れ替わりの時一番最後まで信じなかったろうが」

 

 キョン「まあすぐ信じてもらわなくても構わん。問題は」

 

 える「何かしら」

 

 キョン「まさかハルヒがいないとはなぁ」

 

 古泉「ええ、こればかりは大誤算でした」

 

 キョン「えーっと、雪ノ下さんだったか」

 

 える「ええそうよ、あなたは確か、キョンシーさんたったかしら」

 

 キョン「そんな大層なお化けみたいな名前してませんよ。で、あんたは何もんだ?」

 

 える「人をあんた呼ばわりとは随分と増長したわね。私はあなた達には何も関係ない。その、ハルヒさんという人もね」

 

 キョン「本当だろうな」

 

 える「何をそんなに疑っているのか知らないけど、人を疑うのならそれなりの根拠を示しなさい。不快だわ」

 

 キョン「いや、悪い。根拠はないんだ。ただ経験則上只者じゃない場合が多かったもんだから」

 

 える「そう、まああなた達の言っている、その妄言が事実だとしたらわたし達はどうすればいいのかしら」

 

 ハルヒ「そうです! 折木さん!」

 

 奉太郎「なんだ」

 

 ハルヒ「誰が何のために私たちの体を入れた変えたか、わたし、気になります!!」

 

 奉太郎「わかった、わかったから」

 

 ハルヒ「あっ、すいません」

 

 古泉「でもこれからどうしましょうか。これでは雪ノ下さんの中に涼宮さんいるのかどうかもわからなくなってしまいました」

 

 里志「僕らがわかる手がかりはここまでだからね。なにか知ってることがあれば教えて欲しいんだけど」

 

 古泉「あいにく僕たちもここまで来るのが手一杯でその他情報は無いのです。わかってるのは彼女たちの体が入れ替わっているということだけ。それも今回の件で何人単位で入れ替わってるのかわからなくなりました。10人、100人、ひょっとしたら1000人単位で入れ替わってる可能性があります。そうしたらお手上げでしょう」

 

 奉太郎「……なぁ、その涼宮ってやつを捕まえたらこいつらは治るのか?」

 

 キョン「長門が戻してくれるそうだ」

 

 奉太郎「そうか」

 

 みくる「でもどうしましょう」

 

 キョン「うーむ……やっぱりハルヒを捕まえるしかないか」

 

 古泉「でもどこにいるのでしょう」

 

 キョン「雪ノ下さん」

 

 える「何かしら」

 

 キョン「あなたの記憶の場所はこの辺りであってるんだよな」

 

 える「そうね、多分だけれども」

 

 キョン「なら、長門」

 

 長門「なに?」

 

 キョン「もう一回別世界に飛べるか?」

 

 長門「彼女の記憶を辿れば可能。場所を移動しなければ時間短縮もできる」

 

 キョン「どんぐらい短縮できるんだ?」

 

 長門「8時間ほど」

 

 里志「今が12時前だから、明日の朝になるね。で、なにをするんだい?」

 

 キョン「雪ノ下の世界に飛ぶ」




6日目へ続く


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6日目 前編

精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ

SOS団
ハルヒ世界→氷菓世界へ


 朝

 雪ノ下宅

 

 八幡「ふぁぁあぁ、」

 

 結衣「あ、ヒッキー起きた?」

 

 八幡「おう、」

 

 結衣「今ご飯作っちゃうね」

 

 八幡「朝からまた地獄飯か」

 

 結衣「そ、そんなことないし! 昨日食べられたし!!」

 

 八幡「ギリギリな」

 

 結衣「う、ぅぅそれはそうだけど」

 

 八幡「……俺も手伝うよ」

 

 結衣「ほんと!?」

 

 八幡「毎日あれはきついからな」

 

 

 

 

 

 ホテルニューオータロ幕張

 里志「やあホータロー」

 

 ハルヒ「おはようございます折木さん」

 

 奉太郎「おーう、」

 

 里志「眠そうだねぇ」

 

 摩耶花「あんたきちんと寝たの?」

 

 奉太郎「まあそれなりには」

 

 古泉「まあ寝れなくても無理もありません。」

 

 キョン「俺も特に寝れなかったからな」

 

 みくる「じゃあみなさん揃ったようなので朝ごはん食べに行きましょう」

 

 里志「おー!」

 

──────────────────────────

 

 9時

 千葉

 雪乃「花の都、千葉よ!」

 

 八幡「実際そんなに多くないけどな」

 

 結衣「まずどこ行こっか」

 

 雪乃「とりあえず、、これ見たいわ!」

 

 八幡「怪獣映画ねぇ、」

 

 雪乃「これ私の世界じゃやってないのよ!?」

 

 結衣「いいじゃん行こう行こう!」

 

 

 

 

ホテルニューオータロ幕張

 里志「いやー食った食った」

 

 摩耶花「ちょっと福ちゃん食べ過ぎよ」

 

 里志「つい美味しくてね」

 

 みくる「美味しかったですね」

 

 キョン「さすがホテルの朝食なだけあるな」

 

 古泉「特にパンの類が美味しかったですね。あれは小麦から違いました。」

 

 里志「おっ! わかるのかい!?」

 

 古泉「なんとなくですが。多分ですが海外の有名店と同じものを使ってるのかと」

 

 里志「そうなんだよ! ここのパンは海外の有名店と提携してオリジナルブレンドの小麦粉を使ってるんだって!」

 

 奉太郎「そんなのよく知ってるな」

 

 里志「入り口のところにポスターが貼ってあったよ」

 

 古泉「なるほど、だからあのようなサクサク感が出せるんですね」

 

 キョン「俺にはだいたい同じようなものに感じたがな」

 

 える「少なくともはじめに食べさせられたサンドイッチよりはマシだったわ」

 

 ハルヒ「サンドイッチですか?」

 

 える「ええ、劇的にまずいものよ」

 

 ハルヒ「ああ、あのサンドイッチですか、、」

 

 える「あれは一生食べたくないわ」

 

 ハルヒ「ええ、私も自分では買う気は起きません」

 

 キョン「で、長門。どうだ?」

 

 長門「彼女が寝ている間にある程度の準備はした。もう少しすればできる。」

 

 キョン「もう少しってのは?」

 

 長門「1時間ほど」

 

 キョン「じゃあ1時間後にチェックアウトするか。よし各自部屋で自分の荷物をまとめてきてくれ。雪ノ下さんは長門と一緒に行ってくれ」

 

 える「いいのだけど、私の荷物はどうすればいいのかしら」

 

 摩耶花「あっじゃあ私やっとくよ!」

 

 える「あ、ありがとう、、」

 

 キョン「てことで1時間後に」

 

 奉太郎「おう」

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 

 

 10時

 千葉

 

 八幡「ポップコーン何味にする。ちなみに俺は塩……」

 

 結衣「キャラメル!」

 

 雪乃「キャラメル!」

 

 八幡「はい、キャラメルにします」

 

 

 

 

 

 幕張海浜公園

 キョン「よし、いくか」

 

 ハルヒ「皆さんちょっと気持ち悪くなるかもしれないので気をつけてください」

 

 える「本当にそんなことができるのかしら」

 

 みくる「大丈夫だと思いますぅ」

 

 キョン「長門やってくれ」

 

 長門「わかった」

 

 里志「いやー世界を超えるなんてこんなすごい経験できるなんて感動だねホータロー!」

 

 奉太郎「うっ、、まあ、いった先にあいつの中身がいればいいがな、まあ俺は特に何かやる気はない、、」

 

 摩耶花「なによあんた無責任ね」

 

 里志「千反田さんが見つかって自分のやることは終わったと思ってるね」

 

 奉太郎「そうじゃない、ただ俺は見ず知らずの昨日初めて会った人間に手を貸すほど暇じゃないだけだ。」

 

 摩耶花「あんたいつも暇でしょ」

 

 ハルヒ「折木さん!」

 

 奉太郎「なんだ、」

 

 ハルヒ「私はこのキョンさんたちにとても助けてもらいました!」

 

 奉太郎「そうらしいな、」

 

 ハルヒ「私は人に受けた恩は返さなければいけないと言われてきました!」

 

 奉太郎「そ、そうか」

 

 ハルヒ「だから手伝ってください!!」

 

 奉太郎「いやだが、」

 

 ハルヒ「折木さん!!」

 

 奉太郎「うっ、わかった! わかったから離れてくれ! 吐きそうなんだ!」

 

 ハルヒ「あっ! ごめんなさい折木さん! 大丈夫ですか?」

 

 里志「あーあーホータローやっぱりこういうの弱いんだねえ」

 

 みくる「私袋持ってますよ」

 

 奉太郎「すみません……吐かないとは思うんですけど念のためもらいます」

 

 古泉「で、どこから調べましょうか」

 

 キョン「とりあえず駅まで移動しよう」

 

 里志「地形変わってないなら僕が案内するよ。マップも持ってきたしね」

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 

 

 12時5分

 千葉

 雪乃「映画面白かったわね!」

 

 結衣「そうだね〜!」

 

 雪乃「やっぱ怪獣よ! 怪獣!!」

 

 結衣「あんなの本当に来たらめちゃめちゃ怖いけどね」

 

 八幡「まあ千葉には来ねえから大丈夫だろ。やはり安全地帯千葉最高。」

 

 雪乃「それにしてもお腹減ったわ!」

 

 結衣「私もお腹減ったかも」

 

 八幡「今さっきポップコーン1人1つずつ平らげたはずなんですけどね。」

 

 雪乃「いいからなんか美味しい所に連れてきなさい!」

 

 八幡「それじゃあ……」

 

 

 

 

 

 

 

 キョン「とりあえず総武高校を探すか」

 

 みくる「でもどうやってさがすんですか?」

 

 里志「うーんスマホも圏外だしねえ」

 

 奉太郎「普通に交番とかで聞けばいいだろ」

 

 摩耶花「あ、そっか」

 

 里志「あれ? 千反田さんは?」

 

 ハルヒ「すいません! 総武高校ってどこですか!?」

 

 奉太郎「あっ! ばか!!」

 

 警官「ん? 総武高校?」

 

 ハルヒ「はい!」

 

 里志「あーそうなんです! 僕たち今総武高校で部活の試合があって!」

 

 奉太郎「この辺りきたの初めてだからよくわからないんですよねーハハハ」

 

 警官「へえーそうなの、えっとねえ、、今地図出すからちょっとまってな、そこの駅から千葉方面に電車乗ってもらって2つ次の稲毛海岸っていう駅で降りて、あとは海の方向に歩いていけば着くから。」

 

 里志「なるほどこーいう風にいけばいいんですね」

 

 警官「わかんなくなったら駅前に交番あるからまた聞いてな」

 

 ハルヒ「ご親切にありがとうございます」

 

 警官「大丈夫よー試合頑張ってなー」

 

 里志「ありがとうございまーす!」

 

 摩耶花「どうするの?」

 

 里志「とりあえず電車に乗ろうか」

 

 




中編へ続く


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6日目 中編

精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ

SOS団、古典部
氷菓世界→俺ガイル世界へ


 1時

 千葉

 結衣「ラーメン美味しかったね!」

 

 雪乃「ラーメン久しぶりに食べたわ!」

 

 八幡「そりゃよかったね」

 

 結衣「次なにする?」

 

 雪乃「そうねー、卓球がやりたいわ!」

 

 結衣「いいね!」

 

 八幡「なんかこの流れどっかでみたな」

 

 雪乃「ほら行くわよー!」

 

 

 

 

 

 総武高校

 キョン「ここか」

 

 みくる「雪ノ下さん何か思い出しましたか?」

 

 える「ええ、確かにここだわ」

 

 キョン「じゃあ行くか」

 

 長門「この人数で入るのはこちら側の生命体の多くに認知される可能性がある。」

 

 キョン「じゃあ少数で行くしかないか」

 

 奉太郎「まず今日土曜なのに誰かいるのか?」

 

 里志「部活の人とかはいるんじゃないかな」

 

 摩耶花「雪ノ下さん、誰か頼れる先生とかいないの?」

 

 える「心当たりは1人、」

 

 キョン「まあとりあえず行ってみないとわからない、俺と雪ノ下さん、あと誰か行きたいやついるか?」

 

 ハルヒ「私も行きたいです! ほら折木さんも行きましょ!」

 

 奉太郎「なんで俺まで」

 

 里志「いいじゃないか僕たちはここで待ってるから行ってきなよ」

 

 摩耶花「そうよ行ってきなさい折木」

 

 奉太郎「くそ面白がりやがって」

 

 える「ナメクジの割には押しに弱いのね。気持ち悪い」

 

 キョン「じゃあ4人だな」

 

 える「入るならこっちよ」

 

 キョン「よし行くぞ」

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 

 

 1時半

 千葉 卓球場

 

 結衣「やばいですぅやばいですぅ、うりゃ!」

 

 八幡「甘いんだよ。てかその技どこで手に入れたの」

 

 結衣「前、いろはちゃんが教えてくれたのー」

 

 八幡「あいつ余計なことを」

 

 雪乃「まだまだね! 私がやればストレートで勝って見せるんだから!」

 

 八幡「その体の運動神経なら出来かねないから怖い」

 

 

 

 

 

 総武高校

 える「すみません」

 

 事務員「はいどうしましたか?」

 

 える「神山高校の千反田と申します。奉仕部の平塚先生とお約束があるのですが」

 

 事務員「平塚先生ですねわかりました。少々お待ちください」

 

 奉太郎「よく本人が隣にいるのに名乗れるな」

 

 える「別に今は私が彼女なのだし問題ないでしょう」

 

 ハルヒ「なんか、客観的に自分を見るのって照れますね」

 

 える「出来るだけあなたの尊厳を傷つけないようにしたつもりなのだけれど、ダメだったかしら?」

 

 ハルヒ「いえいえ! そんなことありません! きっと私が余所行きの時はそんななのかなーと思っただけです。」

 

 える「そう、それならよかったわ」

 

 事務員『平塚先生、平塚先生、お客様がお待ちです。』

 

 キョン「先生休みの日にいるのか?」

 

 える「あの先生ならいるわ。ほら」

 

 平塚「やれやれ誰だね私を訪ねてきたのは」

 

 える「ね」

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 

 

 2時

 千葉

 雪乃「うりゃ!」

 

 八幡「っ……」

 

 雪乃「やったー! また私の勝ち!!」

 

 結衣「ハルヒちゃん強いね!」

 

 雪乃「ふっふーん私にかかればこんなもんよ」

 

 八幡「これで3戦連続負け、なんだあいつの身体能力」

 

 雪乃「この体すごいわね! 思った通りに動く! あと胸が軽くて動きやすいわ!」

 

 結衣「あははは、そ、そうだね」

 

 八幡「それ本人には絶対言うなよ」

 

 

 

 

 

 

 

 総武高校

 奉仕部部室

 平塚「君が雪ノ下か」

 

 える「はい、突然すみません平塚先生」

 

 平塚「いや無事でよかった」

 

 える「信じるんですか?」

 

 平塚「信じるも何もこんな不可解なことが起こっているんだ事実として受け止めねばなるまい。で、この子たちは?」

 

 える「協力者です」

 

 ハルヒ「はじめまして。千反田えると申します。雪ノ下さんの、の、、折木さん私は雪ノ下さんのなんなんでしょうか?」

 

 奉太郎「まあ、知り合いとかでいいんじゃねえの? あと体貸してる。」

 

 ハルヒ「そうですね。知り合いで体を貸してる関係です!」

 

 える「何か誤解を招くようなことを言ってるような気がするのだけど事実なのよね」

 

 奉太郎「おまけの折木です」

 

 える「自分で付属品だと言うことが理解できてるなんて偉いじゃない。」

 

 奉太郎「際で」

 

 キョン「えっと、俺は」

 

 平塚「まあいい大抵わかった」

 

 キョン「ええー俺の自己紹介はー」

 

 平塚「で、雪ノ下の体を探してるんだろ」

 

 える「はい、先生ならどこにいるか知ってるかと思ったので」

 

 平塚「今どこにいるかはわからないが、お前の家に泊まってるから家で待っていれば帰ってくるはずだ」

 

 える「そうですか、」

 

 ハルヒ「その雪ノ下さんの中に入ってる人物の名前わかりますか?」

 

 平塚「ああ、確か涼宮って言ったな」

 

 キョン「あいつ何かやらかしましたか!?」

 

 平塚「いや、特に」

 

 キョン「そうですか。それなら良かったです。」

 

 平塚「とりあえずお前の家に戻ってみろ。そしたら会えるはずだ」

 

 える「わかりました。」

 

 ハルヒ「あの、家の場所って教えてもらえますか?」

 

 平塚「まあいいが、なぜだ?」

 

 ハルヒ「え、あの、えっと」

 

 奉太郎「別行動する可能性があるのできちんとした住所を知っておきたいんです。」

 

 平塚「そうか、少し待っててくれ」

 

 ハルヒ「ありがとうございます折木さん。」

 

 奉太郎「別に」

 

 キョン「ともかくこれで次の目的地は見つかったな」

 

 える「ええ私の家にいればよいのだけど」

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 3時

 千葉

 雪乃「うーん! 運動したからお腹空いたわね!」

 

 結衣「そうだね、なんか甘いもの食べたいかも」

 

 八幡「ねぇ、もう帰っちゃダメですかね、ずっと相手させらてヘトヘトなんですけど」

 

 雪乃「そうね! 甘いもの食べましょ!」

 

 結衣「じゃあそこのカフェ入ろう!」

 

 八幡「え、無視、まあ慣れてるけどね」

 

 

 

 

 

 

 雪ノ下宅前

 キョン「で、ここが」

 

 摩耶花「雪ノ下さんの家、」

 

 みくる「おっきいですねぇ」

 

 里志「いやー千反田さんのお宅もすごいけどこれまたすごいねぇ」

 

 える「ここが、私の家」

 

 ハルヒ「何か思い出しました?」

 

 える「少しだけだけど思い出したわ」

 

 奉太郎「今インターフォン鳴らしてみたが誰かいる気配はなかったぞ」

 

 キョン「先生の言ってた通りどっか行ってるのか。」

 

 古泉「そうなると張り込むしかなさそうですね」

 

 里志「でもさすがにこの人数でここにいたら怪しまれるよ」

 

 みくる「あそこにファミレスありますよ」

 

 キョン「よし、とりあえずあそこで待つか」

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 

 

 4時

 千葉

 結衣「いやー美味しかったね」

 

 雪乃「甘いもの久しぶりに食べたわ!」

 

 結衣「写真も撮れたし大満足〜」

 

 雪乃「次どうしよっか!」

 

 結衣「うーん」

 

 八幡「そろそろ帰んないと飯の時間が遅くなるぞ」

 

 結衣「夜ご飯家で食べなきゃだもんね」

 

 雪乃「じゃあ今日は帰りましょ! また明日もあるんだし!」

 

 結衣「あ途中で夜ご飯の素材買って帰ろ!」

 

 雪乃「いいわね!」

 

 

 

 ファミレス

 女子席

 摩耶花「で、3人は好きな人とかいないの?」

 

 みくる「わっ、私は特には、、」

 

 長門「よくわからない。」

 

 える「くだらない、恋なんて一種の病気よ。」

 

 ハルヒ「そうですか? 恋愛っていいじゃないですか」

 

 摩耶花「まあ、そんないいことばっかりでもないけどね」

 

 みくる「伊原さんは好意を寄せる方がいるんですか?」

 

 摩耶花「そ、それはどっちでもいいじゃない!」

 

 ハルヒ「ふふふ」

 

 摩耶花「ちーちゃんも変な笑い方しないで! ていうかちーちゃん、そのブドウジュースいつの間に飲んだの?」

 

 

 

 男子席

 キョン「なんか盛り上がってるなあっちは」

 

 古泉「楽しそうで何よりです」

 

 奉太郎「それはいいが、お前らが探してるやつが帰ってきときわかるのか?」

 

 キョン「そういえば顔もわからないな」

 

 里志「雪ノ下さんが覚えてるそうだからそれを頼るしかないね」

 

 奉太郎「見落とさなければいいんだがな」

 

 古泉「まあ一息つけましたから今は少し休みましょう。」

 

 里志「ここ2日動きっぱなしだからね。流石に僕らも疲れたよ」

 

 奉太郎「そういえばそっちにいた時の千反田はどうだった」

 

 キョン「ん、まあ、、特段変わったことはなかったな」

 

 奉太郎「そうか。」

 

 里志「何気にしてんのさホータロー」

 

 奉太郎「別になんでもない」

 

 古泉「私たちの正体を明かした時はとても好奇心をしめしていましたけどね」

 

 キョン「あの『気になります』はいつもなのか?」

 

 奉太郎「そうだな。自分が気になることがあれば出るがいつもは比較的おとなしい」

 

 里志「ホータローはいつもそれにビクビクしてるもんねえ」

 

 奉太郎「最近は慣れたがな」

 

 キョン「いいやつなんだな」

 

 奉太郎「そんなことねえよ」

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 

 

 5時

 雪ノ下宅近辺

 結衣「いやーいっぱい買ったね! こんなにあったら家から出なくても生きてけちゃうね!」

 

 八幡「俺の理想」

 

 雪乃「そんなのつまんないわ!」

 

 結衣「今日の夜は冷しゃぶ〜」

 

 八幡「豚肉がお買い得だったからな。当分は豚だな」

 

 雪乃「豚でも牛でも美味しければそれでいいわ!」

 

 八幡「へいへい」

 

 

 

 ファミレス

 える「あっ、あれ」

 

 摩耶花「ん? どうしたの」

 

 える「いたわ。私」

 

 摩耶花「えっ!?」

 

 みくる「どこですか!?」

 

 える「あれよ。」

 

 みくる「キョンくん!」

 

 キョン「ああ!」

 

 古泉「ここの支払いは僕が」

 

 キョン「悪い!」

 

 古泉「後で返してもらいますよ」

 

 ハルヒ「ほら! 折木さんも行きますよ!!」

 

 奉太郎「なんで、って腕引っ張んな! 痛い痛い!」

 

 

 雪ノ下宅まえ

 キョン「ハルヒ!」

 

 雪乃「あれ!? キョンじゃない!? なんでこんなところにいるのよあんた!」

 

 キョン「こっちのセリフだ! あほ!」

 

 雪乃「なによ! 出会い頭にあほって!」

 

 キョン「アホはあほだ!」

 

 雪乃「なによまったく!」

 

 キョン「とりあえずよかった、」

 

 ハルヒ「よかったですね折木さん」

 

 奉太郎「まあそうだな」

 

 結衣「ハルヒちゃんのお友達?」

 

 雪乃「そうよ! こいつはキョン!」

 

 キョン「ハルヒが世話になったな」

 

 結衣「いえいえいえ! こちこそ!」

 

 雪乃「て! 私の体じゃない!!」

 

 ハルヒ「始めまして」

 

 雪乃「自分を外側から見るってこんな感じなのねえ、」

 

 八幡「てことはお前が雪ノ下……」

 

 結衣「え!?」

 

 ハルヒ「い、いえ! 私は違って」

 

 える「人の内面を見抜くのもできなくなってしまったのかしらヒキコモリ君」

 

 八幡「いや、外出てるから、てか今ここ外だから」

 

 える「生産的なことをしてないのならば同じよ。せめて息を止めて温暖化の歯止めに貢献しなさい。」

 

 八幡「俺1人の息止めて温暖化が収まるならとっくにやってるよ」

 

 結衣「ゆきのん!? ゆきのんだ〜〜!! 良かったよ〜!」

 

 える「ちょっ、由比ヶ浜さん離れてもらえる、、暑いのだけど」

 

 奉太郎「これで全員揃ったみたいだな」

 

 キョン「ああ、やっとだ」

 

 古泉「すいません遅くなりました」

 

 八幡「こんな大人数でマンションの前にたむろってたら邪魔でしかないな。とりあえず中に入るか」

 

 雪乃「そうね! 今日はみんなでパーっとやりましょ! パーっと!!」

 

 える「私の家なのだけれど」

 

 




後編へ続く


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6日目 後編

精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ

SOS団、古典部
氷菓世界→俺ガイル世界へ



 6時

雪ノ下宅

 古泉「女子のみなさんは料理するそうですから僕たちはソファで待っててくださいとのことです。」

 

 奉太郎「それは省エネでいい」

 

 八幡「労働せず人の金で食べる飯は超うまい」

 

 里志「にしても、いや〜雪ノ下さんの家も千反田さんに負けず劣らずのすごいとこにあるねえ」

 

 八幡「どこにもおかしいような金持ちってのはいるんだな」

 

 キョン「俺のとこにもいた」

 

 古泉「とりあえずもう一度自己紹介でもしましょうか」

 

 

 

 結衣「いや〜でもさ! ゆきのん帰ってこないかと思ったよ!」

 

 える「帰ってくるわよ。当たり前でしょ」

 

 ハルヒ「皆さん会えて良かったですね。私も入れ替わった時はどうなるかと思いましたけど、ひゃくっ」

 

 雪乃「あたしは色々楽しませてもらったわ!!」

 

 える「そ、それは良かったわね」

 

 摩耶花「ほら喋ってないでご飯作んないとみんな」

 

 ハルヒ「あっ! そうでしたお水やかんにかけっぱなしです」

 

 

 

 

 

 7時

 里志「可愛い女の子たちの手料理食べれるなんて棚ぼただねホータロー!」

 

 奉太郎「そうだな」

 

 摩耶花「ちょっと福ちゃん」

 

 里志「ごめんごめん。もちろん摩耶花も含めてだよ」

 

 摩耶花「すぐそういうこと言う」

 

 結衣「仲いいんだねえ」

 

 ハルヒ「ふふ、摩耶花さんはですね、福辺さんに好意を持っているんですよ、ひゃくっ」

 

 摩耶花「ちーちゃん!!」

 

 結衣「こーい?」

 

 える「好きだってことよ」

 

 結衣「マジで!!」

 

 みくる「えっ!?」

 

 古泉「それは意外ですね」

 

 キョン「てかそんな本人の前であからさまにしていいのか」

 

 雪乃「恋なんてのは一種のビョーキよ! ビョーキ!」

 

 ハルヒ「そんなことないです! ひゃくっ!」

 

 結衣「そうだよ!」

 

 八幡「まあ落ち着け」

 

 みくる「千反田さんも落ち着いてください」

 

 里志「そのくらいにしてやってよ。摩耶花が真っ赤になって今にも倒れそうだ」

 

 摩耶花「うるさいわね! バカ!」

 

 ハルヒ「ごめんなさい、、摩耶花さん、、ひゃくっ」

 

 摩耶花「ちーちゃんそんなに謝んないで。てかさっきから大丈夫?」

 

 ハルヒ「大丈夫ですよー、だいじょーぶ! だいじょーぶ、うふふふふふ」

 

 里志「ホータローこれって」

 

 奉太郎「ああそうだな」

 

 キョン「どういうことだ?」

 

 里志「あれは完全に」

 

 奉太郎「酔ってる」

 

 ハルヒ「折木さん!」

 

 奉太郎「いきなり大声でなんだ」

 

 ハルヒ「折木さんはいつもいつもすごい推理をしますよね!」

 

 雪乃「そうなの?」

 

 摩耶花「まあそうね」

 

 奉太郎「だからなんだ」

 

 ハルヒ「私、気になります!」

 

 奉太郎「なにを今更っ、て近い近い近い重い近い!」

 

 ハルヒ「頭の中見せてくださ〜い」

 

 キョン「千反田さんが折木さんに乗って」

 

 みくる「そのまま倒して」

 

 結衣「馬乗りになっちゃった!?」

 

 古泉「マウンティングポジションですね」

 

 摩耶花「ちっ、ちーちゃん!? 

 

 ハルヒ「頭を破りますよぉ〜」

 

 奉太郎「ばか! やめろ! おい! 誰かこいつを止めろ!!」

 

 ハルヒ「うふふ、逃がしませんよぉ〜、あっ!」

 

 キョン「いきなり立った」

 

 ハルヒ「万華鏡です、、」

 

 奉太郎「ごふ!」

 

 ハルヒ「わた、、、つば、、すーぴー」

 

 摩耶花「……寝ちゃった」

 

 里志「とうとう押し倒されちゃったねホータロー」

 

 奉太郎「アホなこと言ってないでどかしてくれ、重いんだ」

 

 雪乃「重くて悪かったわね!」

 

 古泉「とりあえずソファに寝かしてあげましょうか」

 

 

 

 8時

 八幡「で、誰かこの状態を説明してもらえるのか」

 

 キョン「ああ、と言っても見たまんまだがな」

 

 結衣「えっと、ゆきのんとハルヒちゃんとえるちゃんが入れ替わっちゃったってこと?」

 

 キョン「わかってるのはその結果だけだ」

 

 雪乃「なによ使えないわね」

 

 キョン「悪かったな」

 

 八幡「というかどうやってここまで来たんだ?」

 

 雪乃「そう言えばそうよキョン。なんでここにいるってわかったの?」

 

 キョン「それは……平塚先生に聞いてな」

 

 八幡「あの人か」

 

 雪乃「そんなのはどうでもいいのよ! ここ異世界よ!? パラレルワールドよ!? どうしてあんたたちここに来れたのよ!?」

 

 結衣「えっ!? ここ異世界だったの!?」

 

 える「私たちにとってはここが元の世界よ」

 

 キョン「あー、それはだな」

 

 雪乃「最初はなにも感じなかったのだけれど、よく考えたらおかしいわ!」

 

 奉太郎「正直にいうしかないんじゃないか」

 

 キョン「うむ、、」

 

 雪乃「キョン私に隠し事してるなら早く白状しなさい!」

 

 みくる「す、涼宮さん! お醤油切れちゃったので買いに行きましょ!」

 

 雪乃「邪魔しないでよみくるちゃん!」

 

 みくる「ふにゅ〜」

 

 キョン「俺が後で説明してやるから行ってこい」

 

 雪乃「ほんとね!?」

 

 キョン「ああ、」

 

 雪乃「破ったら死刑だから!!」

 

 摩耶花「あっ、私も一緒に行くよ」

 

 雪乃「後でちゃんと教えなさいよ!!」

 

 キョン「ああ」

 

 古泉「行きましたね」

 

 キョン「さて、えっとだな」

 

 

 

 

 

 結衣「ええ!? 長門ちゃん宇宙人だったの!?」

 

 長門(こく)

 

 結衣「みくるちゃんが未来人で、古泉君が超能力者!?」

 

 古泉「そうなりますね」

 

 里志「僕たちも最初は疑ったけどね。本当に世界を飛び越えちゃったんだ。信じるしかないよ」

 

 八幡「で、治るのかこれ」

 

 キョン「ああ、だよな長門」

 

 長門「3人の中にある記憶の情報を完全に入れ替えることは可能。」

 

 古泉「なるほど、記憶を入れ替えれば必然的に元に戻りますからね」

 

 奉太郎「ならささっとやっちまおうぜ」

 

 古泉「彼が言った通り彼女に私たちの正体を知られてはならないんです。」

 

 八幡「めんどくさい縛りだな」

 

 える「でもよかったのかしら、彼女たちが帰ってきたらあなた、説明するって約束しちゃったけど」

 

 キョン「そこはうまくやる。」

 

 長門「ただし、3人の自我がある状態でないとダメ」

 

 奉太郎「つまり、今はできないってことだな」

 

 里志「千反田さんぐっすりだからねえ」

 

 摩耶花「ただいまー」

 

 結衣「あっ、帰ってきた!」

 

 

 

 雪乃「で、キョン、説明してもらおうかしら」

 

 キョン「ああ、驚くかと思うが聞いてくれ。俺な、超能力者になったんだ」

 

 える「は?」

 

 みくる「へ?」

 

 奉太郎「は?」

 

 古泉「ふふ」

 

 雪乃「はぁ、あっそ、」

 

 キョン「それだけか?」

 

 雪乃「なによそれだけって。まだなんかあるの?」

 

 キョン「いやもっと色々あるだろ」

 

 雪乃「バカねぇあんた。私は自分が今変な事に巻き込まれてることで十分なの。正直あんたが超能力者でもそうじゃなくてもどうでもいいの。わかった?」

 

 キョン「そ、そうか。ならそれでいいんだが」

 

 雪乃「で! 明日は何しようかしら!」

 

 

 

 

 

 

 

 11時

 リビング

 

 奉太郎「女子陣は寝たか」

 

 古泉「ええ、それはもうぐっすりと」

 

 キョン「で俺らはリビングで寝ろと」

 

 八幡「ずいぶんな扱いだな」

 

 里志「まあしょうがないねえ」

 

 奉太郎「そういえば、雪ノ下はいつもあんななのか?」

 

 八幡「あんなってのは?」

 

 奉太郎「あの悪魔を擬人化したような口とかだ」

 

 里志「ホータローにしては面白い例えだね」

 

 八幡「まあそうだな、毒舌なのは俺が初めて会った時から変わらねえな。もっとも最近はずいぶん落ち着いた気がするが」

 

 奉太郎「よく相手にしようと思うなおまえ、」

 

 八幡「はっ、友達でもねえからな。慣れれば楽なもんだ」

 

 古泉「友達じゃないんですか?」

 

 八幡「あんなの友達とも呼べねえよ、俺のことなんてよくて知人、悪くてそのあたりにいるアリンコぐらいとしか思ってねえだろうよ」

 

 里志「聞いてた通りの腐り具合だねぇホータローも大概だけど」

 

 奉太郎「ほっとけ」

 

 八幡「逆におまえらはどんな繋がりなんだ?」

 

 里志「どんな、どんなねー。どう思うホータロー?」

 

 奉太郎「別に同じ部員ってどこだろ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

 里志「はは、違いないや」

 

 古泉「僕たちは涼宮さんの周りにいなければならない、いえ、いることが運命付けられてますから」

 

 里志「どういうこと?」

 

 キョン「俺らの世界はあいつの望みどおりになるようになってるんだ。こいつがここにいるのは超能力者と会いたいってあいつが願ったからだな。」

 

 八幡「じゃあ、今回のこの一件は」

 

 キョン「ああ、多分あいつのせいだろう。なんでかは知らんがな」

 

 里志「なるほどねぇ」

 

 奉太郎「まあどうあれ全員捕まったんだ。あとは戻すだけだろ」

 

 八幡「そう簡単に行けばいいんだがな」

 

 




7日目に続く


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7日目 1

精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ

SOS団、古典部
氷菓世界→俺ガイル世界へ

SOS団、古典部、奉仕部が合流


 9時

 雪ノ下宅

 キョン「ふぁああ」

 

 雪乃「やっと起きたわねキョン!」

 

 古泉「おはようございます。」

 

 キョン「ああ、おはよう」

 

 摩耶花「朝ごはんできたわよ」

 

 八幡「やっとまともな朝飯が食える」

 

 結衣「ヒッキーそれ私のがまともじゃないって言ってるでしょ!」

 

 奉太郎「とりあえず食べるか」

 

 

 

 10時

 ハルヒ「うぅ、頭がガンガンします」

 

 みくる「大丈夫ですか?」

 

 奉太郎「なんで前回もやったのに同じことしてんだ」

 

 ハルヒ「不思議なお味だったのでつい」

 

 里志「今度からは気をつけなきゃねえ」

 

 える「で、これからどうするのか早く決めたいのだけど」

 

 八幡「まあどうするって言ってもな」

 

 雪乃「そうねぇ、だいたいやりたいことはやり尽くしたし、結衣なんか行きたいとこない!?」

 

 結衣「うぇ!? あたし!? えーと、そうだなぁ、、あ! 水族館とか!?」

 

 雪乃「良いわね! 行きましょ!」

 

 える「水族館、、」

 

 摩耶花「大丈夫ちーちゃん動ける?」

 

 ハルヒ「はい、私も行きます」

 

 雪乃「じゃあお昼ご飯を食べてから行きましょ!」

 

 奉太郎「今朝飯食ったばっかりじゃねえか」

 

 

 15時

 葛西臨海公園

 結衣「ついたー!」

 

 雪乃「ただの公園でそれっぽい建物ないけど?」

 

 結衣「ふっふーん! ここを行くんだよ!」

 

 雪乃「地下! いいわねぇ秘密基地ぽくて!」

 

 奉太郎「水族館なんて小学生ぶりだな」

 

 里志「まあうちの周りは山ばっかりだからねえ」

 

 みくる「ここのお魚がどんなのがいるのか気になりますね」

 

 ハルヒ「はい! 私、気になります!!」

 

 摩耶花「ちーちゃんあんまりはしゃぐときつくなるよ」

 

 

 16時

 雪乃「結構充実してるわね!」

 

 結衣「あっ! またお触り体験できるって!」

 

 ハルヒ「エイの肌気になります!」

 

 える「ネコザメ、ネコ、、ねこ、、ニャー、、、いえ、シャーかしら」

 

 八幡「サメの鳴き声はシャーじゃないと思いますよ。てか雪ノ下さん前回もそれやってましたよね」

 

 キョン「ネコ好きなのか?」

 

 える「えっ、ええ、」

 

 キョン「うちにもネコがいるんだが、こいつがよく喋るんだ」

 

 える「詳しく教えなさい。場合によっては受け取りに行くわ」

 

 八幡「いや行くなよ」

 

 キョン「いや来んなよ」

 

 里志「うわっ、ぬるっとした! ホータローも触ってごらんよ!」

 

 奉太郎「いや俺はやめとく。ペンギン見てるから」

 

 古泉「ペンギンですか、鳥なのに飛べないとは面白いですね」

 

 奉太郎「きっと飛ぶ必要がなかったんだろからだろうな。翼を与えられても飛び方も忘れちまったんだろ」

 

 古泉「皮肉なものですね」

 

 奉太郎「生き物なんてそんなもんだ。必要ないことはしない。省エネでいいじゃないか」

 

 古泉「もし必要になったらどうするのですかね」

 

 奉太郎「……さあな」

 

 

 

 17時

 

 雪乃「うーん、見切ったわ!」

 

 みくる「はい! 色々な魚がいて面白かったです!」

 

 ハルヒ「折木さんはどの魚が一番良かったですか?」

 

 奉太郎「チョウチンアンコウだな。動かず来た魚だけを食べる。省エネのお手本みたいでいい」

 

 摩耶花「はぁ、あんたはまたそんなことを」

 

 八幡「奇遇だな、俺もだ。飯が来てくれるとか超最高」

 

 結衣「ヒッキーまで!?」

 

 える「あなたもうちょっと現実見ないとダメだと思うのだけど」

 

 里志「さーて、そろそろ帰ろうか」

 

 摩耶花「そうねぇ、明日から学校も始まっちゃうし」

 

 キョン「そうだな。」

 

 える「ちょっと待ちなさい。私たちをこのままで帰るつもり? 頭弱いとは思っていたけどこれほどとは思わなかったわ」

 

 キョン「なわけねえだろ」

 

 古泉「はい、きちんと直しましょう」

 

 キョン「飛ぶのと同時に入れ替えるんだ」

 

 みくる「色々ありましたけど楽しかったですね」

 

 ハルヒ「なかなかできない体験でしたね」

 

 里志「そうだねー、色々な不思議を体験してきたけど今回ほどのはもうないだろうねえ」

 

 奉太郎「こんなのはもうごめんだがな」

 

 結衣「もうそんな時間かあ、ちょっと寂しいかも」

 

 キョン「まあ元々違う世界の住人だからな。」

 

 古泉「そうですね。各々元の世界での役割があるのですから」

 

 キョン「よしそれじゃあ行くか。ハルヒ……?」

 

 雪乃「……私は……帰らない」

 

 キョン「は? 何言って……」

 

 雪乃「私は帰らない!」

 

 キョン「ちょっ! おい待てハルヒ!!」

 

 結衣「走ってちゃった」

 

 みくる「キョンくんも行っちゃいました」

 

 八幡「どういうことだ?」

 

 古泉「さあ、僕にもわかりません」

 

 摩耶花「みんな何ぼさっと立ってんのよ! 追いかけないと!」

 

 

 みくる「はあはあ、キョンくん!」

 

 キョン「はーはー、朝比奈さん、みんなも、、悪い、捕まえられなかった、、」

 

 古泉「涼宮さんはどこへ?」

 

 キョン「わからん、あいつ足早すぎだろ」

 

 八幡「まあ元の涼宮の体に比べて軽いからな。主に胸部」

 

 える「ミキサーにかけて鳩の餌にするわよ比企肉君」

 

 八幡「こえーよ、ひき肉って言っちゃってるじゃねえか。人肉ハンバーグでも作る気かよ。てか鳩って肉食じゃねえだろ」

 

 里志「でも困ったねえ。これじゃあ中身の移し替えができないんだろう?」

 

 キョン「どうなんだ長門」

 

 長門「不可能。三人が私に繋がってなければできない。」

 

 キョン「くっそ、あのやろう何考えてやがる」

 

 八幡「まあ、今探すことねえだろ。明日明後日に探して入れ替えれば……」

 

 キョン「ダメだ!」

 

 える「なぜそんなにも急ぐのかしら。あなたの精神の余裕のなさの表れよそれ」

 

 キョン「それは……」

 

 古泉「僕から説明しましょう。今日中にあなた方を元に戻せなければ、長門さんは消えます。」

 

 ハルヒ「そんな」

 

 結衣「そ、そんなこと」

 

 古泉「あるんです。」

 

 キョン「ああ、そうだ。今日中に元に戻さないと長門は、、消える。」

 

 摩耶花「今日中って、もう後6時間しかないわよ!」

 

 八幡「そう焦ることねえよ。家にでも帰ったんだろ」

 

 里志「でもまずいね、それこそ電車に乗られたらどこへ行ったかなんてわからない。」

 

 える「とりあえす手分けして探しましょ。私たちはこのあたりを探すわ」

 

 摩耶花「じゃあ私たちは駅のあたりを探す」

 

 キョン「俺らは公園をもう一回探して回る見つけたら携帯に連絡してくれ」

 

 古泉「では、6時半に駅前集合ということで」

 

 




2へ続く


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7日目 2


精神入れ替わり状態
ハルヒ→雪乃
雪乃→える
える→ハルヒ

SOS団、古典部
氷菓世界→俺ガイル世界へ

SOS団、古典部、奉仕部が合流


 SOS団組

 キョン「長門、なんか力とか使ってあいつがどこいるのかわからないか?」

 

 長門「不可能。この世界では通常の10%以下の力しか使えない。」

 

 キョン「どこ行きやがったあいつ」

 

 古泉「涼宮さんの考えることですから僕たちには想像できないようなことでしょう」

 

 みくる「でもこのまま涼宮さんが見つからなかったらわたし達、元の世界に戻れなくなっちゃいますぅ」

 

 キョン「そうなったらここまで来たことの意味がなくなってしまいますから。早く探し出さないと」

 

 古泉「でもなぜいきなり戻りたくないと言い出したのでしょうか」

 

 

 

 

 奉仕部組

 結衣「ハルヒちゃーん!! どこー!!」

 

 える「由比ヶ浜さんそんな大きな声で呼んでも出てこないと思うのだけど」

 

 結衣「そうなの?」

 

 八幡「相手は逃げてんだぞ。聞こえたとしても出でこないだろ普通。頭使え頭」

 

 結衣「あっそっか。でもなんで帰りたくないんだろう」

 

 八幡「さあな……」

 

 える「彼女に帰ってもらわないと私が困るのだけれど」

 

 結衣「そうだよねぇ、ゆきのんその体のじゃ困るもんねえ」

 

 八幡「ああ、その顔でその性格は似合わねえからな」

 

 

 

 

 古典部組

 摩耶花「福ちゃんいた?」

 

 里志「いや、駅の中も見に行ったけどいなかった」

 

 ハルヒ「私も見つけられませんでした」

 

 奉太郎「俺もここにいたが見つからなかったな」

 

 摩耶花「あんたは何もしてないのも同じでしょ」

 

 里志「でもなんでいきなりあんな事言い出したんだろう」

 

 摩耶花「そうよね、よほどここが楽しかったのかしら」

 

 ハルヒ「私、、」

 

 摩耶花「気になるちーちゃん?」

 

 奉太郎「おい、面倒なことになるだろ」

 

 ハルヒ「いえ、気になりません。」

 

 里志「珍しいね。千反田さんなら食いつきそうな話題なのに」

 

 ハルヒ「ええ、私もそう思います。でもなんか、うまく言えないんですけど、、その、気にならないんです」

 

 奉太郎「好奇心も鳴りを潜めてきたってことだろ。めでたいことじゃねえか」

 

 ハルヒ「そうですかね。」

 

 摩耶花「まあそれは後にして。早く探さないと」

 

 里志「そうだねあんまり油を売ってる時間はなさそうだ」

 

 

 

 

 

 6時半

 駅前

 古泉「ここに全員集まったということは」

 

 里志「見つからなかったんだね」

 

 八幡「ああ」

 

 キョン「このままじゃ見つかるものも見つからねえ」

 

 結衣「でもどこに行ったかなんて何もわからないよ」

 

 八幡「まあ見つからないだろうな」

 

 みくる「でもこの後どうしましょうか」

 

 摩耶花「そうよねぇ、どこ行ったかもわからないし」

 

 里志「こいうときは、ね。ホータロー」

 

 奉太郎「なにもねえよ」

 

 里志「またまたぁ、何かわかってるくせに」

 

 ハルヒ「折木さん! 何かわかったんですか!?」

 

 結衣「どういうこと?」

 

 古泉「さあ?」

 

 摩耶花「折木はね、悔しいけど推理力があるのよ。」

 

 みくる「推理力ですか」

 

 える「涼宮さんの場所でもわかったのかしら」

 

 奉太郎「いや、そこまではわからない。」

 

 キョン「じゃあなにがわかったんだ?」

 

 奉太郎「わかりそうなやつに当てがあるだけだ。なあ八幡」

 

 八幡「いきなり気安く呼ぶな。友達かと思っちゃうだろ」

 

 奉太郎「いなくなった時から1人だけ妙だった。周りが焦っているのにも関わらずどこか余裕のある様な態度。最初はそういう奴なのかと思ったが今の言葉でピンときた。」

 

 結衣「今の言葉って?」

 

 里志「友達かと思っちゃうだろ発言?」

 

 奉太郎「違う、その前だ」

 

 える「『まあ見つからないだろうな』という言葉ですか?」

 

 奉太郎「そうだ。『見つからないだろうな』これは普通隠した側が言うセリフだ。探してる側からは出でこない。かといって場所自体を知っていたらこんな面倒なことしないだろう。場所ではないがそれに間接的、いや、直接的にわかる何かを知っている。違うか?」

 

 八幡「……ああ、そうだ」

 

 キョン「本当か!?」

 

 八幡「あいつの居場所がわかる方法に思い当たりがある。できれば使いたくなかったんだが、」

 

 える「あるなら先に言いなさい。その場で却下してあげるわ」

 

 八幡「これ以上の方法が見つかってから言えよ。」

 

 古泉「その方法とは?」

 

 八幡「知ってるであろう人に教えてもらうんだ」

 

 結衣「それって?」

 

 八幡「まあ見てろ」

 

 プルルルルルプルルルル

 

 陽乃『やっはろー比企谷くん』

 

 八幡「どうも」

 

 陽乃『珍しいじゃん比企谷くんから連絡してくるなんて』

 

 結衣「誰だろ? 声があんまり聞こえないや」

 

 八幡「ええ、まあはい、少し聞きたいことがありまして」

 

 陽乃『なになに〜、あっ! 雪乃ちゃんの昔の夢とか!』

 

 える「この声まさか、、」

 

 八幡「そんなわけないでしょ。俺が聞きたいのは1つです。陽乃さん、雪ノ下の体がどこにいるか知ってますよね。」

 

 える「姉さん!」

 

 陽乃『えー比企谷くん雪乃ちゃんの体と離れちゃったの〜? でも残念。お姉さんどこにいるかなん知らないよ』

 

 八幡「とぼけないでください。用心深いあなたのことだ。何かしらの予防線を張っていないわけがない」

 

 陽乃『もしわかったとしてもわざわざ君に教えると思う?』

 

 八幡「教えてもらわないと陽乃さんも困りますよ。」

 

 陽乃『どういうこと?』

 

 八幡「今日中にあいつを捕まえられないと雪ノ下は永遠に戻ってこれなくなります。」

 

 陽乃『うーん、それは確かに困るね。でも、その言葉が本当という証拠はない。比企谷くんなら嘘八百ついちゃいそうじゃない』

 

 八幡「じゃあ、証拠に雪ノ下を出しましょう。ほれ、」

 

 える「わ、わたし? こほん。もしもし姉さん」

 

 陽乃『あなたが雪乃ちゃん役?』

 

 える「役とは失礼ね。7月7日生まれの雪ノ下陽乃さん。」

 

 陽乃『あらーきちんと人の名前と誕生日覚えてて偉いねえ。じゃあ問題。雪乃ちゃんは、いつまで私と一緒にお風呂に入ってたでしょ〜か?』

 

 える「小学四年の夏までよ」

 

 陽乃『だいせいかーい。じゃあ本当に雪乃ちゃんなんだね。』

 

 える「だから最初からそう言ってるでしょ。私が帰ってこない方が都合が良かったかしら。」

 

 陽乃『全然そんなことないよ〜むしろお姉ちゃん嬉しくて泣いちゃいそう。』

 

 える「そんなこと1ミリも思ってないくせに」

 

 陽乃『うえーん雪乃ちゃんひどいよぉ〜。ま、それはそれとして比企谷くんに代わって』

 

 える「あなたに代われって」

 

 八幡「はいもしもし」

 

 陽乃『あ、比企谷くん? しょうがないからお姉さんが教えてあげる』

 

 八幡「そりゃどうも。」

 

 陽乃『えっと、ちょっと待ってねえ、、お、いたいた。えーっと今ねえ、ああ、、、』

 

 八幡「どこにいるんですか?」

 

 陽乃『学校だね。総武高』

 

 八幡「学校、」

 

 結衣「学校って、私たちの?」

 

 える「そうでしょう。」

 

 里志「確かに記憶をある程度受け継いでるだろうからありえなくないね。」

 

 キョン「わかったなら行くぞ!」

 

 結衣「学校行くなら電車だよ!」

 

 摩耶花「早く行きましょ!」

 

 八幡「おいちょっと……」

 

 陽乃『これで良かったのかしら比企谷くん』

 

 八幡「ありがとうございました陽乃さん。』

 

 陽乃『全然気にしないで〜可愛い後輩の頼みだもの。』

 

 八幡「そうですか。じゃあ」

 

 陽乃『あっでも、』

 

 八幡「まだ何かあるんですか?」

 

 陽乃『比企谷くん……ありがとね』

 

 八幡「……あ、」

 

 プープープープー

 

 八幡「あっちから切りやがった」

 

 結衣「ヒッキー早くしないとおいてっちゃうよー!!」

 

 八幡「ああ、悪い今行く」

 

 

 

 

 

 7時半

 総武高校

 結衣「着いたー!」

 

 みくる「ここが皆さんの通ってる高校」

 

 ハルヒ「意外と遠かったですね」

 

 古泉「でももうこんな時間です。まだいるのでしょうか」

 

 キョン「いようがいまいがここにしか手がかりはないんだ行くぞ」

 

 摩耶花「まだ入れるの?」

 

 八幡「完全下校時刻は過ぎてる、先生が残ってれば空いてるはずだが」

 

 ハルヒ「門まだ空きますね」

 

 える「ならまだ誰かいるはずだわ。行きましょう」

 

 奉太郎「お前ら意外と度胸あるよな」

 

 

 

 校内

 みくる「でもどこにいるんでしょう」

 

 古泉「何か心当たりはありませんか?」

 

 結衣「部室じゃない?」

 

 里志「部室?」

 

 八幡「といっても使われてない教室に机と椅子並べただけなんだがな」

 

 ハルヒ「とりあえずいってみましょうか」

 

 

 

 部室

 八幡「入るぞ」

 

 キョン「ハルヒ!」

 

 古泉「涼宮さん」

 

 結衣「ハルヒちゃん」

 

 雪乃「あんたたちよくここにいることがわかったわね」

 

 八幡「まあな」

 

 える「そろそろ私の体返してもらえるかしら。」

 

 雪乃「私は帰らないわよ」

 

 摩耶花「なんで帰りたくないの?」

 

 雪乃「こんな面白いことなかったもの!」

 

 里志「それはどういうことだい?」

 

 雪乃「今までこんな面白いことなかったもの! どれだけ探しても、色々なことしても何も起きなかった、でも! ここなら面白いことがいっぱいあるわ!!」

 

 キョン「……SOS団はどうするんだ」

 

 雪乃「そんなのどうでもいいわよ、解散でもいいし、、そうだキョン。あんたの好きにしていいわよ! 団長の座を譲るわ!」

 

 キョン「……そうか、じゃあもう一切こっちの世界で何があろうと興味はねえんだな?」

 

 雪乃「そうよ」

 

 キョン「……俺らがどうなろうと知ったこっちゃないんだな!」

 

 雪乃「そうよ! 何か悪い!?」

 

 キョン「……それで俺らが死んだって構わないんだな!!」

 

 雪乃「っ、、どういう……」

 

 キョン「てめえの身勝手で人が死んでもいいのかって聞いてんだ!!」

 

 古泉「まあまあ」

 

 摩耶花「2人とも落ち着いて」

 

 雪乃「……知らない、そんなの知らないわよ!! 私のせいじゃないもの!! いいじゃない私がいなくなって! もううんざりなのよ!! 団長も! sos団も!!」

 

 キョン「何言ってやがる!! お前が作ったんだろうが!!」

 

 雪乃「うるさいうるさいうるさい!! あんたちは私に従ってればいいの!! 誰からも期待されたくないの!!! 私はだだ普通に生きたいだけなのに!! 誰にも縛られないで生きていたいだけなのに!!!」

 

 長門「異常な時空間振動を確認」

 

 古泉「まずい!」

 

 みくる「キョンくん!」

 

 キョン「えっ、」

 

 




3へ続く


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7日目 3

精神入れ替わり状態
???

閉鎖空間


 北高

 キョン「う、うーん……? ここは部室? なんだこれどうなってやがる。今さっきまであいつと喧嘩して、、、」

 

 

 

 総武高校

 八幡「世界が歪んだと思ったら、、、」

 

 

 

 神山高校

 奉太郎「部室に飛ばされたな」

 

 

 

 北高 部室

 キョン「あの空、、閉鎖空間か! だかなんでいきなりここに飛ばされた。あいつが原因なのはわかるが、、、古泉か?」

 

 赤玉「やあ、どうも」

 

 キョン「今回はえらく早いな」

 

 赤玉「ええ、今回は私たちも巻き込まれましたから」

 

 キョン「じゃあお前らもこの世界の中に?」

 

 赤玉「いえ、残念ながら僕たちは自分たちの世界に戻されてしまったようです」

 

 キョン「じゃあこの世界にはまた俺とハルヒだけなのか」

 

 赤玉「そういうことになりますね。」

 

 キョン「そういやあ神人が見えないがどういうことだ?」

 

 赤玉「まだ現れてないのでしょう少ししたら現れるはずです。」

 

 キョン「で今回はどうすりゃ戻れるんだ?」

 

 赤玉「前回と同じようとはいかないとは思いますがやることは同じです。彼女が元の世界に戻りたいと思わせることができれば成功です。」

 

 キョン「はいよ」

 

 赤玉「今回は随分と素直ですね。」

 

 キョン「まあ2回目だからな。それに原因を作ったのは俺だ。」

 

 赤玉「そうですか、とりあえずそちらの世界から出てきてから反省会としましょう。おっとそろそろ限界のようです。最後に伝言を、朝比奈みくるからは謝っておいて欲しいと言われました。『ごめんなさい。』と長門有希からはパソコンの電源を入れるようにと。」

 

 キョン「相変わらずだな」

 

 赤玉「そうですね。それでは。」

 

 キョン「、、さてと、やるか」

 

 

 

 総武高校

 八幡「何がどうなってやがる。今さっきまでいた奴らはいなくなってるし、、窓の外は真っ白で何も見えねえな。てか寒! なんでこんなに寒いですかねえ。世界を移動したらそこは雪国でしたってか、冗談じゃねえよ」

 

 

 

 神山高校

 奉太郎「ふむ、」

(なんでこんなことになった。あの現象はなんだ、おおよそ世界を飛び越えた時と同じような感覚だったが、酔ってないから違うな。とりあえず廊下に出で歩いてみたが誰か居る気配はない。人がいないだけならいいんだが学校自体もおかしい。全体的に色が抜けているというか、味の亡くなったガムみたいなイメージを抱かせる。その感覚が俺にここは普通の世界じゃないということを確信した。まあそんなのはどうでもいいんだが問題はここからどうやって戻るかだ。世界を飛び越えていたあいつらなら何か手立てがあるかもしれないが、ここにはいないだろう。問題には解法がある。その答えが正しいかどうかは別として何かしらできることがあるはずだ。)

 

 

 

 北高

 キョン「とりあえずパソコンを開いて、っと」

 

 YUKI.N>みえてる? 

 

 ああ

 

 YUKI.N>そっちと時空間とはまだ完全には連結を断たれてはいない。

 

 でも時間の問題。そうなれば最後。

 

 どうすりゃいい

 

 YUKI.N>前回と同じ。あなたに賭ける。

 

 いつも通りってことか

 

 YUKI.N>もう一つ忠告。

 

 YUKI.N>その世界は通常の閉鎖空間ではない。

 

 なに? 

 

 YUKI.N>世界が歪み、3つの世界の情報が連結している。

 

 YUKI.N>校舎のを3分の1を共有し、繋がっている。

 

 YUKI.N>そこにいるのはあなただけではない。

 

 YUKI.N>比企谷八幡、雪ノ下雪乃、折木奉太郎、千反田える、の四名があなたと涼宮ハルヒの他にいる。

 

 なぜだ

 

 YUKI.N>この現象の原因は涼宮ハルヒだけではない。

 

 だけではない? 

 

 YUKI.N>涼宮ハルヒ、雪ノ下雪乃、千反田えるの三人が原因。

 

 YUKI.N>修正するにはすべての原因分子を同時に消滅させなければならない。

 

 YUKI.N>期限は1時間。

 

 キョン「今8時だから、9時までか。」

 

 YUKI.N>sleeping beauty

 

 キョン「長門!! て、前も同じような展開だったような。」

 

 ドォン! 

 

 キョン「うおっ! くっそ神人が暴れ出したか!! とりあえず後の4人を見つけねえと!」

 

 

 

 総武高校

 ドォン! 

 

 八幡「おいおい、今度はなんだよ。なんだあのどでかい巨人!?」

 

 

 

 神山高校

 奉太郎「と思ったが閃きは運だからな。こうどうにも煮詰まってしまうとなかなか出てこない。」

 

(第一情報が少なすぎる。とりあえず二階に降りたがやはり人はいなさそうだ。8時台の学校なのだから当たり前だが夜の学校というのはどうにも気味が悪い。)

 

 ドォン! 

 

 奉太郎「うおっ」

 

 

 

 北高エリア

 ドォン! 

 

 キョン「あぶね! これじゃあ部室になんか戻れそうにないな。とりあえずあいつらのいる場所を探さねえと! ってここどこだ?」

 

 総武高校エリア

 

 八幡「おーい!」

 

 キョン「比企谷か!」

 

 八幡「助かった。誰もいねえから壮大ないじめでも受けてんのかと思った」

 

 キョン「ああ、説明は歩きながらするとりあえずもう一人探さねえと」

 

 八幡「なら逆の渡り廊下の方だ。ここにはもう誰もいない」

 

 キョン「ならそっちだ!」

 

 

 

 神山高校エリア

 奉太郎(一階までやはり誰もいないな。あっちの校舎、と言ってもあんなじゃなかった気がするが行ってみるか。)

 

 

 キョン「どこだ!?」

 

 八幡「いや俺もわからねえよ」

 

 キョン「そりゃそうか、」

 

 八幡「とりあえずこのフロアを探すか」

 

 キョン「いや、その必要はなさそうだ。」

 

 奉太郎「お前ら……いたのか」

 

 八幡「それこっちのセリフだからね」

 

 キョン「とりあえずどっか退避できる場所ないか?」

 

 奉太郎「とりあえず部室に。」

 

 

 

 地学準備室

 八幡「で何がどうなってやがる」

 

 キョン「ああ、説明しねえとな。ここは閉鎖空間。まあなんというか別世界みたいなもんだ。簡単に言えばハルヒが暴れるために自分で作った世界なんだが、今は世界を作り直すために作った世界になってる。」

 

 奉太郎「俺らがいる世界がいた世界とはまた違う世界ってことか」

 

 キョン「うんまあ、そんなとこだな。古泉がいればもっと上手く説明してくれるんだろうが。」

 

 八幡「まあそれはいい。問題はどうやったらここから出れるかってことだ。」

 

 キョン「解決策は単純だ。ハルヒに元の世界にいたいと思わせればいい。方法は……」

 

 奉太郎「ちょっと待てそれじゃあ俺らは関係なくないか?」

 

 キョン「いや、ある。」

 

 八幡「なぜ?」

 

 キョン「これを先に言うべきだったな。ここには雪ノ下雪乃と千反田えるがいる。」

 

 奉太郎「なに?」

 

 八幡「なら早く捕まえないといけないんじゃ」

 

 キョン「まあ聞け。ハルヒを含めたその三人がこの世界を作り出した原因だ。つまり、三人に元の世界にいたいと思わせなきゃいけないんだ。それも同時に」

 

 八幡「だから俺らがここにいるってわけか」

 

 奉太郎「なら俺らは抑止力みたいなものなのか?」

 

 キョン「いやちょっと違うな。俺らはあいつらが元の世界から連れて来たかった人間だと古泉は言っていた。」

 

 八幡「なんだその神に選ばれし人みたいな設定」

 

 キョン「あながち間違いではないなその表現。」

 

 奉太郎「で、どうすればあいつらに元の世界がいいと思わせられる。」

 

 キョン「人によって違うだろうが、前回は……」

 

 八幡「前回は?」

 

 キョン「あれだ、」

 

 奉太郎「どれだ?」

 

 キョン「……キスした。」

 

 八幡「は?」

 

 奉太郎「はあ、」

 

 キョン「そんな、なに馬鹿なこと言ってやがるこいつという顔で見ないでくれ。」

 

 奉太郎「じゃあなにか、俺にもそうしろと」

 

 八幡「俺そんなこと死んでもできねえよ。てかその前に殺されるわ。」

 

 キョン「別にそう言うわけじゃない。さっきも言った通り元の世界にいたいと思わせればなんでもいい。」

 

 奉太郎「だが肝心のあいつらはどこにいるんだ」

 

 八幡「ああ、それなら多分。」

 

 キョン「校庭だろうな。」

 

 八幡「部室から見えた校庭が白い雪のようなもので覆われていた。あの中にいるんだろう多分。」

 

 奉太郎「ならうちのはあれか」

 

 キョン「あれは……倉庫?」

 

 八幡「蔵か、てかなんであんなとこにあんだよ。普通校庭の真ん中に作らないだろ。設計者精神病にでもかかってたの?」

 

 奉太郎「あれはもともとあったもんじゃないからな。」

 

 キョン「てことは」

 

 奉太郎「ああ、多分あの中にいる。」

 

 八幡「なら早いな。さっさと終わらせて帰るぞ。」

 

 キョン「期限は9時までだ。」

 

 八幡「それ過ぎたらどうなるんだ? 戻れなくなるのか?」

 

 キョン「多分、世界が消える。」

 

 八幡「そんな材木座の小説みてえなことがあるわけ、、まじ?」

 

 キョン「まじだ。」

 

 八幡「肩の重量が重すぎる」

 

 奉太郎「全員同時に思わせなきゃいけないんだよな」

 

 キョン「そうだな」

 

 奉太郎「なら時間を決めておいたほうがいいんじゃないか」

 

 キョン「それもそうか。よし、なら55分だ。今が20分だからあと30分後。同時になにかしらの手を使って元の世界にいたいと思わせてくれ。頼む。」

 

 八幡「世界助けるのもボランティアにはいんのか。」

 

 奉太郎「まあ世界とかそんなでかいものは背負えないが千反田一人ぐらいなら」

 

 キョン「ありがとう。もう会うことはないかもしれないが色々迷惑かけたな。」

 

 八幡「なーに気にすんな。この世界の創造神として新たな世界の創造神とやりあうのはちょうど良さそうだ。何せ相手は世界の全てを知ってるユキペディア様だからなあ」

 

 奉太郎「迷惑とも思ってねえよ。面白い体験もできたしな。やらなくていいことはやらない、やらなければいけないことは手短に。世界を、千反田を助けることは俺にとってやらなければいけないことらしい。」

 

 キョン「ああ、」

 

 




4へ続く


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7日目 4

精神入れ替わり状態
なし

閉鎖空間内
涼宮ハルヒ キョン 千反田える 折木奉太郎 雪ノ下雪乃 比企谷八幡


 北高エリア

 校庭

 キョン「校庭まで来たのはいいんだが。もう神人のせいでめちゃめちゃだな。ハルヒのやつは、いた! 野球のネット側! あそこまで行くには大量の神人を掻い潜らなければいけないが!」

 

 ドォン!! 

 

 キョン「あぶねっ! そう簡単にはたどり着けそうにないな」

 

 

 

 総武高校エリア

 校庭

 八幡「寒っ! なんだこれ! 今の時期こんなに寒くないはずなのになぜ。まあ、どうみたってこの吹雪の壁が原因だよなあ。名前に雪多めだからってちょっと多くしすぎじゃないですかね。これじゃバナナで釘打てるぞ。」

 

(あいつの抱えてる問題。あいつが元の世界を捨ててでも手に入れたいなにか。それが何か俺にはわからない。)

 

 

 

 神山高校エリア

 校庭

 奉太郎「さて、蔵の前まで来たが、千反田いるのか」

 

 千反田「折木さん……ですか?」

 

 奉太郎「ああ。ちょっとめんどくさいことになってな。」

 

 千反田「折木さんは……なんで私がここにいるのか知っていますか?」

 

 奉太郎「いや、知らない」

 

 千反田「そうですか……私は、私は籠の中にいました。」

 

 奉太郎「……」

 

 千反田「生まれた時からずっとその中にいたんです。」

 

 

 

 北高エリア

 キョン「ハルヒ!! 聞こえてるんだろ!!」

 

 ドォン! 

 

 ドォン!! 

 

 キョン「クッソ! あのやろう的確に俺だけを狙ってきやがる。あいつ自分でこいつらを動かせるようになったのか!?」

 

 ドォン! 

 

 キョン「拉致があかねえ!」

 

(こうなったら最後の切り札を……いやしかし……)

 

 

 

 

 

 総武高校エリア

 八幡「中はもっと寒いな。目の前真っ白でなにも見えねえし。あー早く帰って小町が作ったあったかいご飯食べてぇ。具体的には麻婆豆腐。」

 

(もし雪ノ下が俺に理由を話した時、俺はそれを否定する権利はあるのだろうか。世界という巨大な代償を払ってまで手に入れたいもの。それに向かっている彼女を果たして俺が止めていいのだろうか)

 

 八幡「寒いと思考能力落ちるな。今さっきから何回も同じこと考えてる気がする。無限ループって怖くね。」

 

 

 

 

 

 神山高校エリア

 千反田「どれだけ籠の中を飛んだとしても最後に留まる止まり木は決まっていた。でも私はそれでも構わなかったんです。いえ、もしかしたら心のどこかで嫌だったのかもしれない。でも……受け入れるしかなかったから……」

 

 奉太郎「そうか……」

 

 千反田「そんな私に折木さんは今まで色々なことを教えてくれました。私が思いつきもしないようなことを色々教えてくれました。だから……だから教えて欲しいんです。続きを、あの時聞けなかったことを。私は、私はどうすればいいんでしょう。自由に生きろって言われても……好きな道を選べって言われても……そんなこと言われても」

 

 奉太郎「……」

 

 千反田「いまさら翼といわれても、困るんです。」

 

 

 

 

 

 北高エリア

 ドォン! 

 

 キョン「ハルヒ! 不満なら聞いてやる! 一日中不思議探索に駆り出されても文句も言わねえ!! 喫茶店ぐらいなら奢ってやるから!! 話を聞いてくれぇ!!」

 

 ドォン!! 

 

 キョン「くそっ! ダメだ! 全く話にならねえ!」

 

 ドォン!! 

 

 キョン「ええいこうなったらやけくそだ!! 世界がどうなろうと知ったことか!!」

 

 ドォン!! 

 

 キョン「ハルヒ!!」

 

 ドォン!! 

 

 キョン「四年前の七夕! あの日お前は校庭に忍び込んで出来損ないのナスカの地上絵を描いた! 夜の学校に忍び込んだのはお前だけじゃなかったはずだ!」

 

 ドォン! 

 

 キョン「くっ! その時、女の子を背負ったおとこがいっしょだっただろう!」

 

 ドォン!! 

 

 キョン「うぉっ! お前はそいつと絵文字を描いた! そしてその内容は多分! 私は、ここにいる!」

 

 ピタ

 

 

 

 

 

 総武高校エリア

 八幡「あーさっむ、てかそろそろ感覚なくなってきちまったぞ。これ風呂入ったら痛いだろうなぁ。探しても探しても雪ノ下はいないし、吹雪は落ち着く気配もないし。はぁ、おーい!! 雪ノ下!! いたら返事しろ!!!」

 

 雪乃「比企谷くん、、なぜ来たの。あなたもしかして私のストーカー?」

 

 八幡「え、なにこれ頭に直接呼びかけてんの? どこいんのか全然わからないんだけど」

 

 雪乃「いいから出でいきなさい。このままだとあなた、低体温症で死ぬわよ。」

 

 八幡「じゃあ止めてくれないこの吹雪。」

 

 雪乃「嫌よ」

 

 八幡「あっそ。で、なぜこんなことに」

 

 雪乃「私がしたことじゃないわ」

 

 八幡「始めは涼宮だったのかもしれないが、だからといって何も知らないわけではないだろう?」

 

 雪乃「そうね……あなたには話しておいた方がいいのかもしれないわね。どうしようもないことだけれども。」

 

 

 

 

 

 神山高校エリア

 奉太郎(彼女は今まで見て見ぬ振りをしてきたこの問いに俺なら答えられると期待しているのだろう。それは虚妄だ。俺は全知全能じゃない。たまたま少し運がいいだけの一介の高校生に過ぎないのだ。だが、俺はこの問いから逃げられない。いや、逃げちゃダメな気がするのだ。ふと、今回の事件がなぜ起こされたのかわかった気がした。)

 

 

 

 

 

 北高エリア

 ハルヒ「……なんで、どうして知ってるのよ! いったい誰に聞いて、いいえ、私は誰にも言ってない、なんであんたが、キョンがそんなことを知ってるのよ!」

 

 キョン「ハルヒ! 俺は、俺は! ジョンスミスだ!」

 

 ハルヒ「ジョン、スミス……あんたが? う、うそよ、、だってジョンは……四年前に会ったのに……」

 

 キョン「本当だ。俺がジョンスミスだ。あの時、俺は時を超えてあそこにいたんだ。」

 

 ハルヒ「そんな、非科学的なことがあるわけない……」

 

 キョン「現に今こんな非科学的なことにあってるじゃないか」

 

 ハルヒ「でも、そしたら今まで私は、なんで! ありえないわよ!!」

 

 キョン「ハルヒ! 聞いてくれ!」

 

 

 

 

 

 総武高校エリア

 雪乃「ここは私の心を表した場所、らしいわ。といっても私にはどうしようもないし何もできないのだけれど。」

 

 八幡(あいつの心の中はいつもこんななのか、いや、今だけってこともあるか。)

 

 雪乃「私自身周りが雪だらけの中に閉じ込められて何も見えないの。幸い寒くもないし体も正常だから大丈夫よ。だからあなたは帰りなさい。」

 

 八幡「帰れっていっても帰り方がわからねえからなどうしようもないんだが。」

 

 雪乃「ここの外にいれば勝手に帰れるわ。なんとなくだけどそんな気がするの」

 

 八幡「そうか……なあ雪ノ下、」

 

 雪乃「なに?」

 

 八幡「一つ聞いていいか?」

 

 雪乃「どうぞ」

 

 八幡「なんでこんなことをした?」

 

 

 

 

 

 神山高校エリア

 奉太郎「俺は、明確な回答は持ち合わせてない。今から言うことは単なるアドバイスに過ぎないから正しい保証もない。それでいいなら、俺はまだ決めなくてもいいと思う。」

 

 千反田「……」

 

 奉太郎「飛んだことがない鳥が飛んでいく場所なんてのを考えてもキリがない。まずは飛び方を覚えて、飛べるようになってから行く場所を考えればいい。最後の着地点を決めるまでにはまだまだ時間はある。もちろんもろもろの相談にも乗る。なんだったら色々手伝いもする。だから、結論を出すのはまだもう少し先でも、焦らなくても、いいと思う。」

 

 

 

 

 

 北高エリア

 キョン「ハルヒ、お前は団長であることにストレスを感じてたんだろ! 色々な人に変人と思われて、たまには普通に生きてみたかった! でも俺らが無理矢理連れ返そうとするからこんなことをした! 違うか!?」

 

 ハルヒ「っ、、そうよ! だったらなんだって言うの!! 私は悪くないわ!」

 

 キョン「違う! 俺はお前を叱りたいんじゃないんだ! 俺はお前に謝りたいんだ!」

 

 ハルヒ「な、なによ急に」

 

 キョン「ハルヒ! すまなかった。」

 

 

 

 

 

 総武高校エリア

 八幡「雪ノ下雪乃は嘘はつかない。だが、真実は隠す。お前は今さっき話した内容の中に動機については一切触れなかった。それは話したくないからだろう? だから俺は敢えて聞くぜ。雪ノ下、なんでこんなことをした?」

 

 雪乃「言ったでしょ私にはどうにもできないって。ちゃんと人の話聞いてたかしら。」

 

 八幡「とぼけるのはやめろよ。天下の雪ノ下雪乃の名が泣くぜ。」

 

 雪乃「仮にあなたに話したところでなんになるのかしら?」

 

 八幡「いやどうにもならない。」

 

 雪乃「なら話す必要はないわ。早く出て行きなさい。じゃないと本当に死ぬわよ」

 

 八幡「ああ、今さっきより吹雪が強くなってそろそろ口を動かすのも辛いんだ。だがお前が話さないと言うなら俺が突きつけてやるよ。」

 

 雪乃「……」

 

 八幡「雪ノ下、お前は肩書きに見合う人間になれなかったからこんなことをしたんだ。雪ノ下家に生まれながらも姉よりも期待されず。姉を追い越してどうにか目を向けてもらおうと策を弄した。だが、やはり届かなかった。どれだけ努力しても陽乃さんには追いつかない、誰にも期待もされない。ただの置物。お前はそれが嫌だった。違うか?」

 

 雪乃「……そうよ、私は憎かった。私を見てくれない周りも、振り向かせられない自分も、そんな現実から目を背けたかったの。だってどうしようもないじゃない。」

 

 八幡「だから世界を変えるのか。それでどうする? 新世界の神にでもなるのか?」

 

 雪乃「そんなつもりはないわ。ただ、もう少し私が生きやすいように改変するだけ。わかったら出で行きなさい。」

 

 八幡(くそ、これ以上、なんて言えばいいんだ。吹雪も強くなって顔に当たる氷が痛い。このままじゃ本当に死んじまう。だが、俺のやり方では真っ向からこいつのやることを否定できない。考えろ、考えろ、)

 

 

 

 

 

 神山高校エリア

 千反田「それが折木さんの答えですか。」

 

 奉太郎「まあそうだな、さっきも言った通りこれが正しいかどうかはわからない。決めるのはお前だからな。」

 

 千反田「いえ、私は正しいと思います。折木さんはいつも正しいですから。でも、やっぱり怖いんです。ここを開けることが。このまま全てが変わってしまってくれればいいと思うぐらい。」

 

 奉太郎(千反田が求めてるのは理論じゃない、ましてや方法論でもない。俺は彼女が何を求めているのかわかる。だが、俺はあいつにそれを与えていいのだろうか、いや、与えるなんてそんな大層なものじゃない。俺が決断できないのはあいつのせいじゃない。俺がそれを背負う覚悟が無いからだ。まだ心の中で日和っている自分がいるからだ。折木奉太郎、覚悟を決めろ。お前は今度こそ自分で休日を終わらせるんだ。)

 

 

 

 

 

 北高エリア

 キョン「俺は周りのことばかり気にしていた。だからお前を見ていなかった。いや違うな、心のどこかであいつはほっておいても大丈夫だと思っていたんだ。それだからお前の悩みにも気がついてやれなかった。悪い。ハルヒ。」

 

 ハルヒ「ふっ、ふっん! 今更言っても遅いわよ! もう後戻りはできないわ!」

 

 キョン「ああ、昔の話をしてもしょうがない。でもなハルヒ。俺はなんだかんだ言って今までの暮らしが結構好きだったんだ。アホの谷口や国木田も、古泉や長門や朝比奈さんも、そこに、消えちまった朝倉も含めてもいい。」

 

 ハルヒ「あんた何言ってんの……」

 

 キョン「俺は連中と会いたい。まだ話さなきゃいけないことがたくさんある気がするんだ。」

 

 ハルヒ「あんたのために戻せっていうの!? 私にもっと我慢しろっていうの!?」

 

 キョン「そうじゃない、そうじゃないんだハルヒ。」

 

 

 

 総武高校エリア

 八幡「……お前はそれで本物が得られるのか?」

 

 雪乃「何を言って……」

 

 八幡「お前はそれで本物を得られるのか? 都合のいいように発言する友達、都合のいいように変わる状況、そんな作り上げた世界で得られたものは本当に本物と言えるのか?」

 

 雪乃「それは……っ」

 

 八幡「言えねえよなあ。到底本物には程遠いから。」

 

 雪乃「だからどうしたっていうの? 元の世界にも本物なんてなかったじゃない。」

 

 八幡「そうじゃねぇ。確かに元の世界で本物は見つからなかったかもしれないが、それはお前が見えてないだけだ。由比ヶ浜のお前への信頼と友情は偽物だったか? 平塚先生の心配は偽物だったか? 陽乃さんの愛着は偽物だったか? いや違う。少なくとも俺はあれを偽物とは呼びたくない。世界を作り出すことはそれら全てを本物と呼べなくする行為だ。これから生まれてくる本物も含めて。全てを」

 

 雪乃「……」

 

 八幡「それでもまだお前が不安だというなら……俺が、お前の本物になってやる。」

 

 

 

 

 

 神山高校エリア

 奉太郎「ところで千反田」

 

 える「はい。」

 

 奉太郎「いつかお前は自分は文系は諦めて理系に行くって言ってたな。」

 

 える「そうです。今では関係なくなってしまいましたが。」

 

 奉太郎「そうかもしれないが、もしかしたら必要になることもあるだろ?」

 

 える「そう……ですね。」

 

 奉太郎「なら隣にに文系の人間がいた方がいいな」

 

 える「そうかもしれません。」

 

 奉太郎「それを、俺が治めるというのはどうだろう」

 

 える「っ……」

 

 

 

 

 

 北高エリア

 キョン「お前は我慢する必要なんてなかったんだよ。俺はここ一年かなり面白い目に合ってきたんだ。俺がジョンスミスだってことがその証拠だ。俺はそんな面白いことを独り占めしたくないんだ。楽しいことは共有したいだろ? だからだな、うまく言えないんだが。俺はもっとお前と元の世界に居たいんだ。お前と一緒に辛いことも楽しいことも共有していきたいんだ!」

 

 ハルヒ「そんなの……信用できない。そんな言葉だけじゃ信用できないわよ!!」

 

 

 

 総武高校エリア

 八幡「吹雪がやんだな。よお雪ノ下。久しぶりだな。」

 

 雪乃「あなたの顔ガチガチ震えて、まるで陸に打ち上げられた魚みたいになってるわよ。」

 

 八幡「うるせ、寒いところから普通の温度に戻ると変に痙攣するんだよ。」

 

 雪乃「それであの言葉は嘘じゃないでしょうね。」

 

 八幡「もし嘘だったらどうなるんだよ。」

 

 雪乃「地の果てまで追い詰めてやるわ。私こう見えて結構根に持つタイプだから。」

 

 八幡「見たまんまだよ。」

 

 雪乃「で、あなたはどうやって証明してくれるのかしら。」

 

 八幡「あー、どうすっかな。今が8時53、4分か、まあ頃合いだな。」

 

 

 

 神山高校エリア

 える「それは……そういうことだと思っていいんですか?」

 

 奉太郎「ああ、」

 

 える「でも私きっとまたご迷惑をかけてしまうと思います……」

 

 奉太郎「気にすんな。それも覚悟の上だ。」

 

 える「っ、ありがとうございます。ありがとうございます折木さん。」

 

 奉太郎「あー今更なんだが、中入ってもいいか?」

 

 える「だ、ダメですダメです!」

 

 奉太郎「なんで?」

 

 える「えっと、それはですね。きっと今私すごい顔しちゃってると思いますから……ちょっと恥ずかしいというか、なんというか。」

 

 奉太郎「入るぞ」

 

 える「えっちょっと、待ってくださいよ折木さん! ダメですこっち見ないでください!」

 

 奉太郎「うずくまって隠すほどじゃないだろ。俺も正直表情冷静に保っておく自信はないし」

 

 える「そ、そうですね。ちょっ、と待ってください今落ち着かせますので。すーはー。」

 

 奉太郎「落ち着いたか?」

 

 える「はい、とりあえずは。なんだかこうして顔を見るのも久しぶりな気がしますね。」

 

 奉太郎「まあ一週間ぐらい会ってなかったからな」

 

 える「そうですね。あっ、でもどうやって元の世界に戻ればいいんでしょうか?」

 

 奉太郎「ああ、それは、確実な方法がある。」

 

 える「折木さん知ってるんですか!?」

 

 奉太郎「まあな、軽く指示に従ってくれるか?」

 

 える「わかりました! 私なんでもします!」

 

 奉太郎「そりゃありがたい」

 

 

 

 

 

 北高エリア

 キョン「なら態度で表せばいいんだな。」

 

 ハルヒ「なによ」

 

 キョン「ハルヒ、いつだったか言ったかもしれないが、俺、ポニーテール萌えなんだ」

 

 ハルヒ「はぁ?」

 

 キョン「お前のポニーテールは反則なまでに似合ってたぞ。」

 

 ハルヒ「あんたなに言っ……」

 

 

 

 総武高校エリア

 

 八幡「あとあと訴えられるのが怖いがしょうがねえ。その時はその時だ。」

 

 雪乃「?」

 

 八幡「したことないからうまくいかないかも知れないが怒るなよ」

 

 雪乃「なんのこ……」

 

 

 

 神山高校エリア

 

 奉太郎「じゃあ軽く目を瞑ってもらって」

 

 える「はい」

 

 奉太郎「若干上向いといてくれ」

 

 える「はい。折木さん、これってもしかし……」

 

 

 

 ハルヒ「っ……!」

 

 雪乃「とっ……!!」

 

 える「んむっ……!!」



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8日目

特異事項 なし


 キョンの家

 キョン「うぐっ! ……なんつう夢見ちまったんだ!! しかも2度目だ!! あああああたフロイト先生も爆笑だっぜ!!!」

 

 

 

 比企谷家

 八幡「……なぜ俺はあんな恥ずかしいことを……あああああっ、死にたい! 死にたいよぉぉ!! 明日学校行きたくないよぉぉぉお!! バカじゃねえの! バカじゃねえの!! バーカバーカ!! ぅうぉぬきくけぉ!! ……死にたい」

 

 小町「お兄ちゃんうるさい!」

 

 

 

 折木家

 奉太郎「……はぁ、寝よ……」

 

 

 

 

 

 8日目

 朝

 北高 1年5組教室

 

 キョン「よお元気か?」

 

 ハルヒ「元気じゃないわね。昨日悪夢を見たから。」

 

 キョン「ほぉ」

 

 ハルヒ「お陰でちっとも寝れやしなかったわよ。今日ほど休もうと思った日もないわ。」

 

 キョン「そうかい……ハルヒ」

 

 ハルヒ「……」

 

 キョン「似合ってるぞ」

 

 

 

 総武高校

 八幡「ふぁあああ、、」

 

 結衣「おはようヒッキー!!」

 

 八幡「うぉっ! お前いきなり押すなよ」

 

 結衣「ごめんごめん。そういえばあのあと大丈夫だった?」

 

 八幡「お前こそ大丈夫だったのか?」

 

 結衣「うん。なぜか家のベッドで寝てて起きたら朝だったの」

 

 八幡「俺も同じだ。」

 

 結衣「そっかあ、ゆきのん大丈夫かなぁ。朝連絡したんだけど返信ないから学校来ちゃったけど。」

 

 八幡「大丈夫だろ。」

 

 結衣「なんで?」

 

 八幡「なんとなくだ。」

 

 

 

 神山高校

 里志「おはようホータロー」

 

 奉太郎「里志か」

 

 里志「眠そうだね」

 

 奉太郎「まあな」

 

 里志「にしてもいやー無事に戻れてよかったよ。朝起きた時は全部夢かと思ったけどカレンダーは進んでるからどうやら夢じゃないらしい。」

 

 奉太郎「俺は夢であってほしいけどな」

 

 里志「なかなか変な体験しちゃったね。あとは千反田さんが元に戻ってるかだけど。」

 

 奉太郎「どうだろうな」

 

 里志「まあ人事は尽くしたしあとは天命を待つだけだね。」

 

 奉太郎「そうだな」

 

 

 

 

 

 放課後

 北高 文芸部室

 

 古泉「あなたには二度も助けられてしまいましたね。今回こそはもうダメかと思いましたよ。まあこの世界が昨日の晩に出来たばかりという可能性も否定できないわけですが。」

 

 キョン「前回も同じこと言ってたぞ」

 

 古泉「そうでしたか? まあ、またあなたと涼宮さんに会えて光栄です。」

 

 キョン「そうかい」

 

 長門「あなたと涼宮ハルヒ、他4名は約1時間各世界から消えていた。」

 

 キョン「他の4人は大丈夫だったのか」

 

 長門「わからない。でも、この場合あなたと涼宮ハルヒと同じようになったと考えるのが自然。」

 

 キョン「なら大丈夫かね」

 

 みくる「キョンくんうううん! よかった! よかったですぅ!!」

 

 キョン「そんなに泣かないでくださいよ朝比奈さん。もう二回なんですから。」

 

 みくる「でも、でもぉ、もう会えないかとおもってぇ、、」

 

 キョン「まあまあ俺は大丈夫ですから」

 

 ハルヒ「あんたたち、何やってるの?」

 

 みくる「ひっ! す、すすすすす涼宮さん!」

 

 ハルヒ「みくるちゃん、今度は巫女さんよ! ミニスカ巫女!!」

 

 みくる「ひっひいいい! や、やめてください!!」

 

 ハルヒ「暴れないでほら着なさい!!」

 

 古泉「部屋から出されちゃいましたね。」

 

 キョン「まあお茶でも飲んで待ってるか。」

 

(あいつらは無事に戻れただろうか。もう確かめるすべもないが。あの一癖も二癖もある奴らと違う世界でよろしくやってるのだろう。そう思うとなんとなく俺も頑張ろうかという気になる。またどこかで会えるような気もする。まあ、それまで)

 

 

 

 総武高校

 奉仕部部室

 結衣「ひ、ヒッキー行くよ、、」

 

 八幡「おう」

 

 結衣「、、ごくっ、」

 

 八幡「早く扉開けてくれないか?」

 

 結衣「ちょっと待ってよ! 今落ち着かせてるんだから!」

 

 八幡「あそう」

 

 結衣「すー、はー、、やっはろー!!!」

 

 雪乃「!!? ゆ、由比ヶ浜さん、やっは、、こんにちは」

 

 結衣「あっごめんゆきのん寝てた?」

 

 雪乃「いえいいのよ。居眠りしてた私が悪いのだし」

 

 結衣「そっかぁ、て、ゆきのん!?」

 

 雪乃「え、ええ。私だけど」

 

 結衣「よかったぁー! よかったよぉ〜!! ぐす、ゆきのん戻ってきてくれてありがと〜!!」

 

 雪乃「そんなに泣かないで由比ヶ浜さん。ほらハンカチ貸してあげるから」

 

 結衣「ううう、ありがとうねぇ、ゆきのん」

 

 八幡「よかったな」

 

 雪乃「あらあなたもいたの? ゴミクズよりも存在感がなかったからわからなかったわ」

 

 八幡「なんだよゴミとクズって大体同じものだろ」

 

 結衣「ゆきのんだぁ、、ゆきのん、、よかったよぉ」

 

 雪乃「ちょっ、由比ヶ浜さん。あまり抱きつかないでくれるかしら。息が苦しいわ」

 

 結衣「あっ、ごめんねぇ、、ぐす、、」

 

 雪乃「落ち着いたかしら」

 

 結衣「うん、ありがとう」

 

 雪乃「よかったわ」

 

 平塚「邪魔するぞ。雪ノ下、戻ってこれたみたいだな」

 

 雪乃「平塚先生。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。私がいなかった間の埋め合わせはなんでも。」

 

 平塚「そう固くなるな。君が無事に戻って来てくれただけで私は嬉しいよ。」

 

 雪乃「ありがとうございます。」

 

 平塚「うむ。そうだ。お前に会いたいって奴がいたから連れて来たぞ。」

 

 雪乃「誰ですか?」

 

 平塚「入り給え」

 

 陽乃「ひゃっはろー」

 

 八幡「げ、」

 

 雪乃「姉さん、なぜここに」

 

 陽乃「いやーお姉ちゃん雪乃ちゃんのこと心配で来ちゃった☆」

 

 雪乃「心配なんて本当は一つもしてないくせに」

 

 陽乃「本当だよ雪乃ちゃん。妹がいなくなって心配しないのはお姉ちゃんじゃない。だから、雪乃ちゃん……戻って来てくれてありがとう、」

 

 雪乃「姉さん……泣いて……」

 

 平塚「よかったな陽乃」

 

 八幡「邪魔者は外に出てますかね。」

 

 陽乃「比企谷くん。」

 

 八幡「はい」

 

 陽乃「雪乃ちゃんを、雪乃ちゃんの本物になってくれて、、ありがとう」

 

 八幡「……」

 

(もう渡り廊下は二つもない。夕焼けが赤く校舎を照らす。そのいつか見た景色を見てやっと戻って来たという実感が湧いてくる。他の2人も、うまくやったのだろう。さっき、雪ノ下はしきりに何か言いたそうな目でこちらを見ていた。何と無く想像はつくがあまり聞きたくないような気がする。だがまあ俺は聞かなきゃいけないのだろう。色々な事が一通り終わったように見えるが、きっとこれはまだ中間点でしかない。ここからの先へ、由比ヶ浜も雪ノ下も、そして俺も。だんだん変化しながら向かっていくのだろう。めんどくさいったらあらしない。まあ未来のことはまた、その時考えればいい。今は終わった一連の騒動を安堵しつつ、どこかにいるあいつらのことを思い出そう。また出会うまで)

 

 

 

 

 

 神山高校

 ちがくじゅんびしつ

 里志「やっほー!」

 

 摩耶花「わっ! 福ちゃんかびっくりさせないでよ!」

 

 える「こんにちは。福部さん。」

 

 里志「千反田さん!? 中身も千反田さんなのかい!?」

 

 える「はい」

 

 里志「よかったぁ。あのままだったらどうしようかと。よかったねホータロー」

 

 奉太郎「そうだな。」

 

 える「この度は私のせいでご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした。」

 

 里志「そんなに謝んないでよ。僕たちも貴重な体験できたし、無事に戻ってこれたんだから」

 

 摩耶花「そうよ、そんな謝んなくていいんだよちーちゃん」

 

 える「ありがとうございます。」

 

 里志「これで一件落着だね。」

 

 摩耶花「そうね。にしても変な体験しちゃったわねえ」

 

 里志「この世界とは別の世界があるなんて、小説の中ぐらいでしか知らなかったよ」

 

 摩耶花「そうだ! 今度この話を漫画にしようかしら!」

 

 里志「そりゃいいや!」

 

 摩耶花「じゃあ早速プロット書きましょ!」

 

 える「あの、折木さん」

 

 奉太郎「小声でどうした千反田」

 

 える「昨日の夜のことを覚えていますか?」

 

 奉太郎「ああ、」

 

 える「じゃあやっぱり夢じゃなかったんですね……」

 

 奉太郎「夢だったらよかったか?」

 

 える「いえ、そうじゃないんです。夢じゃなかったから良かったんです。」

 

 奉太郎「俺は夢が良かったがな」

 

 える「折木さん。私はきっとまた迷惑をかけてしまいます。」

 

 奉太郎「ああ、」

 

 える「でもきっと折木さんとなら乗り越えられます。」

 

 奉太郎「そうか」

 

 える「だからこれからも、、よろしくお願いします」

 

 奉太郎「そんなに期待されても困るがな。」

 

 える「いえ、側にいてくれるだけで私は満足ですから」

 

 奉太郎(笑いかけてくる千反田は無垢な表情をしていた。俺はとうとう休みの日をやめてしまった。だが省エネ主義を捨てるつもりはない。やらなければならないことに千反田という項目が増えただけだ。これから面倒なことに巻き込まれることもあるだろうが、まあ自分で選んだ道だ。後悔はしていない。あいつらは元に戻れたのだろうか。俺たちが進むきっかけをくれたあいつらに一言礼を言いたいが、それはまた今度の機会にしよう。その日まで)




読んでいただきありがとうございました。ハルヒつい最近直感が出ましたし、古典部シリーズはまだ続くようです。俺ガイルはアニメも含めて綺麗な終わりが見ることができ私としては少し寂しいようなでも満足したような気持ちでした。
3年以上前に書いたこの作品でしたが自分が好きなものを詰め込んだようなもので所々キャラが崩壊してるような部分もあり、ほかのファンの皆さんからするとお叱りを受けることもあるかも知れません。しかしながら初めてまともに書いたSS出したので完成して皆さんが読んでくれることがとても嬉しいです。
今後も何か書く機会があればあげようと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。


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