鬼を滅するヒーローアカデミア (斑鳩風舞)
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1話 転生






『無』『羽が生える』『空気から水を作る』『突然変異』

 

 

 

『突然変異』『突然変異』『突然変異』『突然変異』

 

 

 

『覇気』『破壊殺』 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(こ、ここは…)

体が思うように動かない、声もアーとかダーしか出せない。

 

(個性、ヴィラン、ヒーロー、………)

 

5歳の誕生日に病院へ連れていかれた、

なんでも個性発現とやらの検査をするらしい。

 

(この前みたオールマイトってヒーローかっこよかったな、俺もあんな風に人を守れるようになりたいな・・・。)

 

個性は親の個性のどちらかあるいはその複合型の個性が

発現するか低確率で無個性となるかのどちらからしいが

俺はどちらの個性でもない突然変異型と診断された。

言葉からして珍しそうな型だ

 

「非常に戦闘に向いている個性と言えます。将来、個性面でいえば文句なしのトップヒーローになれるかもしれません」

 

結果から言うと俺の個性は俺的に2つ程に分けられる

 

1つ目は覇気 自分より弱い相手を威圧することができる。

腕を黒く変色&硬化させる。(液体系などの相手にも攻撃を入れることができる。)

相手の動きを読める

2つ目は身体強化と投げやり気味に言われた()

 

いい能力だ。

 

 

もしかしたら呼吸とかもいけるかもしれない

 

 

病院から帰ってから俺はまず覇気の練習をしてみた。

 

腕にみえない鎧を纏わせるイメージで庭の木を殴ってみると

とてつもなく痛かったが木の皮がほんの少し剥がれた

 

見聞色は目をつぶって感覚を研ぎ澄ませて

少し過ごしてみたり

 

とにかくワンピースのレイリーが言っていた方法を

実践しまくってみた。(メタ)

 

呼吸のほうは鱗滝さんが炭治郎に課したトレーニングは再現できなかったものの、家にある木の棒を刀に見立て、動きのトレーニングをした。(メタ)

 

小学校に入るころには武装色は超低確率だがうまくいくと身体のごく一部が硬化&黒化させることができるようになった。

見聞色のほうはなんとなーくだが近くの人の気配が読めるようになり、見なくてもどんなことをしているかわかるときがあり、会話が聞き取りやすくなった。

 

覇王色は……制御がまだできないから非常に注目を集めるのと無差別だから敵扱いになってしまう可能性が非常に高い。

 

呼吸のほうはまだまだだ、最近は近くの山に籠り修行をするようになる。

 

子供らしい感情を捨てひたすら修行に打ち込む訳は自分でもわからない。何か・・・大切なものを失いたくない、何かを失うのが死ぬより怖いのだ。

 

楓は学校以外の時間は山でトレーニングをするようになり、、個性を磨くことにすべての少年時代を費やしていた・・・。



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2話 目標

劇的な変化が表れたのは中学3年生からだった。

 

武装色は硬化&黒化が必中で出せるようになり、小木くらいなら拳や脚で壊せるようになり、

見聞色は半径100mの人の会話が聞こえるようになり、動きもなんとなく読めるようになった。

 

呼吸はというと覇気よりすごい、全集中・常中を習得するのに6年近くかかったが、なんとかできるようになり、基本の呼吸のうち、『水・炎』を見よう見真似でそれっぽく覚え、今は月を練習中だ。 炎のほうは中途半端になってしまっている。

 

あれ?なんで炎の呼吸とか水の呼吸なんてものを知っている?

 

血鬼術の個性のほうもある程度様になってきた、技が出る感覚がわかるのだ。名前もさっと思いついた。本当に訳が分からない。俺はこの技の数々をどこかで知っている・・・?

血気術とはなんだ・・・?遺伝子レベルで刻み込まれている感覚だ。

 

いくら思考を巡らせてもわからない、喉まで出かかっているのに分からないのだ。

 

 

ある日、母さんに商店街までお使いを頼まれその帰りに商店街を適当に歩いてると人だまりを見かけた。

(またヒーローとヴィランが戦ってんのかな…ちょっと見てみよ)

 

もう誰か戦ってるだろう

 

そんな軽い気持ちでいったが実際問題そんなに

上手く事は運んでいなかった。

 

「強い個性の中学生が捕まってるぞ!!

個性使って暴れてる!」

「ヒーローは何やってるんだ!」

 

通行人の声からしてまだヒーローは到着していないらしい

 

と、思っていたがヒーローは何人かいた。

「二車線以上は無理~」

「炎は不得意とするところ…ここは他のだれかに譲ろう」

 

となんだかんだ理由をつけていこうとしない

(なんで誰もいかないんだ………)

 

 

頭はそう思っても自分の体は動く気は起こっていない

 

(い、いやいや、そもそもこんな公共の場で個性を使うのはだめだし万が一俺までヴィランに捕まったら…

 

あれ、今の俺ってそこらへんのやつとなにもかわらn)

 

「おい!止まれ!!」

 

俺が人としてはよくてもヒーローを目指している身としては持ってはいけない考えを抱き迷っていた時に一目散に飛び出し、ヘドロみたいなヴィランの体を必死に掻き出そうとしている同い年くらいの地味めな男子が目に入る。

 

「デ、デク…なんで…てめえがぁ…」

 

「わからない!体が勝手に!!」

 

(……!!!)

 

この事件は直後にNo.1ヒーロー『オールマイト』

が現れ、すぐに解決された。

 

オールマイトをこの目で見たのは初めてだったし、

テキサススマッシュという必殺技も生でみれた。

 

だが今はそんなことどうでもいい

テレビのニュースをみて飛び出した少年が無個性だったことがわかり、先ほどの自身の思考や言動を後悔していた

 

「こんなんじゃだめだ………

あいつみたいに考える前に動けるようにならないと」

 

この時なんとなく目指していた日本最高峰のヒーロー科が

ある高校【雄英高校】だったが

・どんな時も人も自分も助けられるようになる。

・誰からも信頼されるヒーローになる。

 

この2か条を目標に雄英合格を目指してから数か月

 

 



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3話 勉強はしっかりとしましょう

近所でミニヒーローのような活動をはじめ、

カツアゲしているチンピラと戦ったり

迷子を捜したりとしているうちに

身体能力や覇気(見聞色)はどんどん精度が上がっていった(覇気はぱっと見個性には見えないので多分セーフなはず。)

 

そして入試当日………。

 

 

ヴォイスヒーロー『プレゼントマイク』による

説明が終わり筆記試験を終えた。

 

説明の時に質問をしていた眼鏡をかけた人に

あのヘドロ事件の時の地味めの人が怒られていた

 

元々勉強はできないほうだったが

ヘドロ事件以降外にいるか勉強してるかの

どっちかのような生活だったため、

筆記試験は特に苦戦することはなかった。・・・はずだ多分うんきっとそうであってくれ(懇願)

 

実技試験直前

 

 

 

 

お坊ちゃんみたいな見た目のやつに怒られていたあの

地味め君ともヘドロの人質になってた爆発君とも

一緒ではなかった。

 

ちなみに俺のコスチュームは隊服姿に白の羽織で武器は日輪刀を模した刀だ。やっぱ羽織は杏寿郎のが一番かっこいい

 

 

 

モブ(始まったらほかのやつらのいないとk)

「はいスタートォー」

 

シュッ

 

 

始まったらのことを考えていたおかげでいち早く

スタートが切れたが、他の人はまだ状況が呑み込めてない様子。

 

(常に見聞色発動しておくべきだった…危ない)

 

 

「HeyHeyどうしたぁ!?実戦にスタートはねぇんだよぉ! もう賽は投げられんぞぉ!!」

 

マイクの声を聞いてようやく先頭集団が動き始める。

 

 

 

 

 

が、ちょっと遅すぎた。

 

先頭集団が見たのはもはやゴミ捨て場だった。

 

電気系統がやられ煙をあげている仮想ヴィラン

頭部のカメラ付近のメインコンピューターが貫かれ、爆発する仮想ヴィラン

 

まだ多数は動いているがものの10数秒でパッと見約5%はもう使い物にならない。

 

(初速としてはこんなもんか…

 そういや0ポイントってのがいねーな、)

 

各地で戦闘音が聞こえ始めて数分後

 

大きな振動とともに高層ビル位の高さがある巨大ロボ【0ポイント】が姿を見せる。

 

 

 

 

「おいおいまじかよ・・・規模にも限度ってもんが・・・」

所狭しと歩き回る0ポイントによって市街地のような場所はほほとんど壊滅してしまった。

 

生徒の多くは0ポイントを圧倒的な脅威と認識する。

ある者は逃げ、ある者は遠くからただ茫然としている。

楓は小さいビルの屋上から0ポイントを見つめる。

 

「こりゃ随分と手応えありそうなのが・・・出てきたな!」

0ポイントに向かって屋上の側面を蹴り、飛び降りる楓

 

【武装色硬化】【全集中 炎の呼吸 伍の型 炎虎】

 

そこら辺の金属なんかとは比べ物にならない刀で放たれる衝撃が0ポイントの左足関節に一発打ち込まれる。

 

左足に隕石のような衝撃を受けた0ポイントはバランス感覚を失い、後方に身を傾け、街に向かって倒れた_。

 



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4話 初日

0ポイントは再起不能になり、

それと同時に試験終了を知らせるアナウンスが鳴り響く・・・。

 

 

 

 

時と場は飛んでとある会議室。

 

「試験時間中ずっと動き回っていた、タフネスの塊だな彼は」

モニターには試験会場を動き回る爆豪勝己が

「こっちもすごいな、0ポイントを吹っ飛ばしちゃうなんて」

「でも腕が腫れあがってるな、なんだこの個性は、リスクが高すぎる。」

お次は0ポイントの頭部を吹き飛ばしている緑谷出久が、

「・・・この生徒を見てくれ」

「獲得ポイント142とは・・・歴代最高得点、速度もパワーも化け物だな。」

 

「1年で0ポイントが2体も壊されちゃ、俺らの給料なくなっちゃいますよ(笑)・・・。」

0ポイントを破壊する楓が映っていた。

 

 

入試から数日がたったある日、雄英高校から封筒が届いた。

 

不合格ですはい残念メールにしては分厚い封筒を開けた。

 

結果を言うと一般入試の中でトップの成績で合格、

他の受験者に攻撃を仕掛けていたものもとりあえず目に映ったら破壊していたので、完全審査制である『レスキューポイント』なるものも加算されていたらしい。

なるほど、ヴィランポイントは0でも事実上逃げ惑う生徒を大量に救ったんだからそのレスキューポイントはガッポガッポというわけか、0ポイントとはよく言ったものだな。

 

封筒に入っていた機械からオールマイトが投影され、上記の説明を受けた。

「ここだけの話、筆記のほうはほんっとうにぎりぎりだったぞ・・・。」

と、微妙な顔をされて付け加えられた、もっとちゃんと勉強しておこう。

 

 

 

 

さあ入学初日。

 

合格通知に同封されていた校内マップを片手に1年A組を探す。

 

「相変わらずバカ広いな・・・一回迷ったら二度と帰ってこれなさそう笑」

 

なんとかA組の前までたどり着くと何やら中が騒がしい。

 

「君!机に足を置くのはやめたまえ!製作者や先輩方に申し訳ないと思わないのか!」

「思わねぇよ!!てめえどこ中だよこの端役がぁ!」

 

「あ、ヘドロヴィラン事件の」

 

「次から次へと誰だてめえ!その事を俺の前で口に出すんじゃねえ!!!」

(しまった、声に出てたか。)

胸倉を掴まれながら考える。

どうやら彼は相当負けず嫌いらしい、人質になんてなったあの事件は彼にとって黒歴史のようなものになっているのだろう。それはそうとうるさいし苦しい。

「ごめんごめん そう怒んないで、な?」

そんなこんなしていると入り口あたりで丸顔の女の子が叫ぶ。

そっちを見ると寝袋の中からなんか出てきた。

「仲良しごっこならよそでやれ、、、ここは雄英高校ヒーロー科だぞ、、、」

それぞれが席に着いた後その男は言う。

「はい、静かになるまで8秒かかりました。君たちは合理性に欠くね。俺は担任の相澤消太だよろしく。」

なにやら服のようなものを取り出す。

「お前らこれ着てグラウンドαに来い、個性把握テストをする。」

 

「「個性把握テスト?!」」

 



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5話 個性把握テスト

ここまで見てくださった方は察していると思いますが、投稿する気はなかったので区切り方が雑なのと、タイトルに関してはもう一貫性もクソもありません。
こうしたらいいなどあったら感想欄にぜひよろしくお願いします。


「雄英は、自由な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。お前達も中学の頃からやってるだろ?個性使用禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。全く・・・合理的じゃ無い。」

 

「ええ!ガイダンスは!?入学式は!?」

丸顔の女の子が驚いて質問をする。

「ヒーローを目指すならそんなもん出てる暇はないよ。

放課後マックで談笑したいならご生憎、雄英は常に君たちに試練を与え続ける。【Plus Urtra】ってやつだ、頑張って乗り越えろ。わかったら早く着替えろ。」

言葉は冷たく聞こえるが、言ってることは中々アツいことを言っている。

 

グラウンドにつくと各々が準備体操やらを始めていた。

ぱっと見普通のグラウンドだが···奥行きが桁違いに広い、なんなら向こうが見えないほどにだ。

 

 

「実技テストぶっちぎりの斑鳩、中学の頃のソフトボール投げ何メートルだ?」

「69とかだったと思います。」

相「じゃあ個性使って投げてみろ、この円からでなければ何してもいい。」

「はあ、それじゃあ。(呼吸しかないか・・・)そいっ!!」

こんなとこで鬼になったら焦げちまうし覇気も身体能力を上げるものはない。

ㇱィィィィィィィ

「なんだこの音・・・?」

呼吸音にみんなが反応し始める。

 

「445.8m」

ㇲゥゥと音を立てて飛んで行ったボールは見えなくなり、先生の携帯?のようなものに今の俺の記録が映し出されていた。

 

「400!!??すげー!!」

「面白そう!!早く私もやりたい!」

あーあ騒がしくなってきた、こりゃあ・・・。

「面白そう、か。お前らぁ、そんな腹積もりでこの3年間過ごすつもりか?よし、、、このテストで最下位だった奴は除籍処分ということにしよう。」

騒がしいクラスにまた騒がしさが増す。先生曰く自由な校風が売り、それは教師も例外じゃない。だそうだ、緊張感が増していいと思う。

 

握力

「ふんっっ!」

ピピッ 「182kg」

「障子の500はぶっちぎりでバケモンだけど、個性使わずにそれもやばいだろ!」

ぶどうみたいなやつに褒められた。

50メートル走

 

「よーい・・・ドン!」

ドッッ!!!

「2, 12」

あら、タイミングミスった。

みんな驚愕の目で見ている。その技でその記録かよってとこ?

「すっげー!!どんな個性なの??」

黄色い髪のザ・リア充みたいなのが声をかけてきた。

「あー、これは個性じゃなくて一種の呼吸法なんだ。それを使うと人間でも鬼と同じような力が使えるようになる。」

「お、鬼?まあとにかくすごい技なんだな!じゃあ俺も練習すればできるようになるのかな??今のやつ!」

次は赤髪のやつが話に入ってきた。

「んーできると思うよ。呼吸習得に1~2年、それを常中状態にするのに5年、1つの呼吸だけなら1つの型につき1か月くらいで。」

 

「お、おう、、、そんなにかかるんだな、、、今の。」

 

2人が苦笑いを浮かべている最中、爆発したような衝撃が背後からした。

 

「先生・・・まだ・・・やれます!」

「コイツ・・・!」 ニッ

 

冷や汗を滝のように流しながら笑っている…(引)大丈夫かあいつ、指紫だし曲がっちゃいけない方向曲がってるけど。

 

 

 

その後は何事もなく測定終了。

 

「あ、因みに除籍はウソな。」

「「「はぁ?!」」」

「君らの個性を最大限引き出す合理的虚偽。」

「「「はぁぁぁーー?!」」」

「これで終わりだ。教室にカリキュラム等の書類があるから戻ったら目通しとけ。あと、緑谷。保健室でバァさんに治してもらえ。明日からもっと過酷な試験の目白押しだからな。覚悟しとけよ。」

 

ハチャメチャな初日が幕を閉じる。

 



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6話 先生ー○○君が余ってまーすは結構つらい

翌日からの授業はザ・普通といった感じだった。

ただし偏差値70越えなだけあって授業に食らいつくのに必死だった。ほんとなにこいつら頭良すぎ。

 

しかし午後は違った。

 

「わーたーしーがー!!普通にドアから来たぁぁぁぁ‼」

あ……普通だ。デカいな。

 

「うっそだろオールマイトだ!」

「すげぇ本物だ!!本当に先生やってんだな!」

「あれ銀時代のコスチュームね。」

 

生で見たのは2回目だが、前回とは距離感が違う。こうみると杏寿郎には劣るが貫禄はなかなかのものだ。

 

 

ん?さっきから杏寿郎って・・・誰だ?

 

「私の担当はヒーロー基礎学!!ヒーローの素地を作る為様々な訓練を行う課目だ!単位数も最も多いぞ!」

へー!

 

「早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!!」

戦闘か、腕が鳴る。

「それでソイツにともなって入学前に送って貰った個性届と要望に沿ってあつらえたコスチューム!!」

「おおぉおおお!!」

「着替えたら、順次グラウンド·βに集まれ!!」

 

「「「「はーい!!」」」」

 

コスチュームに着替えると、みんなは外に出た。

「わ、斑鳩君のコスチュームかっこいいね!なんか鬼殺隊に似てる気がするけど・・・。」

「そうか?ありがとう。麗日のもかっこいいぞ(鬼殺隊ってなんだ?)」

ちなみに、楓のコスチュームは鬼殺隊の隊服に刀を帯刀している状態だ。(作者目線)

 

 

「あ…ありがとう。要望ちゃんと書かへんかったからパツパツスーツんなった(笑)。恥ずかしい。」

「そうか、サイズも大事だからな。」

 

「あら楓ちゃん、刀持ってるの?ケロ。」

「あぁ、これは刀だが、刃がついていない。人を傷つけることはしないから安心してくれ。」

「ふーん、そうなのか、でもあの速度でぶっ叩かれたらぜってー痛いよな・・・。」

「まあ、死なないように手加減してみるさ。」

 

その場にいた全員が思った。

(((言ってること物騒すぎんか!!!???)))

 

 

「あ、緑谷!そのコスチューム、面白いな!元にしたのはオールマイトか?」

「そうだよ!!憧れなんで・・・///」

 

 

 

 

「先生!ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか?!」

「いいや!もうちょっと先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!」

「屋内?!」

「そうだ!真の賢い敵は屋内に潜む!」

「おおー!」

 

「これから君らには、敵組とヒーロー組に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!」

「基礎訓練なしに?」

「その基礎を知るための実践さ!」

 

「いいかい?!状況設定は、敵かアジトの何処かに核兵器を隠していて、それをヒーローは処理しようとしている!ヒーローは時間内に核兵器を回収するか、敵を捕まえなければならない!敵は制限時間まで核兵器を守るか、ヒーローを捕まえればいい!分かったかい?!」

「はい!!」

 

「コンビ及び対戦相手はくじだ!」

「適当ですか?!」

「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップすることが多いし、そういうことじゃないかな?」

「そうか!先を見据えた計らい……失礼しました!!」

「いいよ!早くやろう!チームを決めるぞ!」

 

Aコンビ 緑谷出久&麗日お茶子

Bコンビ 轟焦凍&障子目蔵

Cコンビ 峰田実&八百万百

Dコンビ 爆豪勝己&飯田天哉

Eコンビ 青山優雅&芦戸三奈

Fコンビ 砂糖力道&口田甲司

Gコンビ 上鳴電気&耳郎響香

Hコンビ 蛙吹梅雨&常闇踏陰

I コンビ 尾白猿尾&葉隠透

Jコンビ 切島鋭児郎&瀬呂範太

 

K 斑鳩楓……。

 

ん?俺ボッチ?

 

オールマイトは気づいた。

(うん?ひぃふぅみぃ……あ!1人余る!!)

 

ど、どうしよう…!

そうだっ……!

 

「オールマイトー、斑鳩君が余ってまーす。」

「うん!それ今私も思った!だからね!入試成績トップの斑鳩君は、エキシビションのような形をとって最初に私と一対一でやってもらうよ!」

「えぇぇぇぇ?!」

「一対一でですか?!」

「うーん、そうなるね!」

まじですか・・・。

 

 



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7話 雄英初戦 VS平和の象徴

「じ、じゃあ、移動しようか!」

 

「斑鳩君!頑張って!」

「楓、応援してるぞ!」

「斑鳩!負けんなよ〜!笑」

「あぁ、ありがとう、苦笑」

 

そして、楓は屋内に入った。

……思ったより狭いな。

 

おそらくやることは決まっている。

 

「それでは!!スタート!!」

始まりの合図と共に、楓は呼吸で走り出した。

あまりの速さにカメラが姿をとらえきれない。

 

「これで個性ないんだもんなぁ・・・はえー。」

 

一対一なのでオールマイトは核の部屋の通路の前にいた。

「お!きたねヒーロー斑鳩!さあどんと来なさい!」

「お言葉に甘えて」スッ

【炎の呼吸 壱ノ型 不知火】

「!?」 ドスっ

ビルの床が陥没するほど強い踏み込みで繰り出される一閃。

1秒にも満たない時間で10mもの距離を詰められたオールマイトは避ける間もなく腕でのガードを強いられた。

(おいおい・・・今頸狙ってきてなかったか・・・?)

 

「カロライナ・・・スマッッシュ!!!」

腕をクロスさせ楓に突進する。

無論手加減はしているつもりだが、そこら辺のヴィランなら一瞬で意識を刈り取られてしまう威力だ。

 

なるほど、単なるパワー型ってだけじゃ平和の象徴は務まらないってか。

見聞色を発動しているので楓にはどういった攻撃が来るか手に取るようにわかっている。

 

まっすぐ突っ込んでくるオールマイトに対し、楓は背中を踏む形で前宙し避ける。

 

「オールマイトの技を躱した!?」

 

【水の呼吸 捌ノ型 滝壺】

一瞬の内にオールマイトの頭上をとった楓は落下の勢いを利用し、刀を叩きつける。

まさか避けられるとは思いもしなかったオールマイトはバランスが戻りきらずに背中にもろに食らう。

「グッ!!効いたぜ!今のは。」

さすがNo.1ヒーローというべきか、攻撃を受けて即座に受け身をとり、腕を振りぬき風圧で楓を入り口に押し返す。

 

その後も少しずつオールマイトが攻撃をくらい押されてきたころ、飯田が放送で声をかける。

「オールマイト!これ以上続けるとぼ、俺達の時間が無くなってしまいます!」

「むう、それはまずいな、斑鳩少年!ここは引き分けで手を打ってくれるかい?」

「はい、ありがとうございました。」

 

すると、スピーカーからオールマイトの声がした。

『勝負は引き分けだ!遅れてごめんね!1戦目のチームは準備を!』

 

 

 

 

 

1回戦目。A 緑谷・麗日チーム、D 飯田・爆豪チームが戦った。

爆豪は終始不服に緑谷を攻撃し続けていた。

そして、緑谷は自己防衛をせずに麗日の方を気遣い個性を使ったため、また大怪我をしてしまった。

「大丈夫か?!緑谷、」

「斑鳩君……!すぐ保健室に行くから大丈夫だよ。ありがとう。」

「そっか、無理するなよ。」

 

爆破もそうだが、体感や身のこなしも洗練されている。

 

そしてついに最後の組が終わった。

 

 

 

「おいおいおいおい!すげぇぞ斑鳩!」

「オールマイトとあそこまで渡り合うなんて!すげぇ!」

 

「Excellent!!斑鳩君!凄かったぞ!これで個性を使っていないとは、考えられないな!」

「凄いね斑鳩君!かっこよかったよ!」

「凄い…斑鳩君、でも、今のはなんだろう。刀を装備していたのに、凄いスピードで走っていた。それも雑に動き回っていたのではなく、常に周りに気を配りながら、怪我人も器物損傷も出さなかった。無駄な動きが無かった…!どういう動きをしているんだ?まず関節の動かし方が違った。だから…ブツブツブツ」

緑谷は親指を顎に触れながらブツブツと楓

の動きを細かく分析している。

癖なのか?はは、、、。

「緑谷、それより、保健室に行かなくていいのか?腕、痛いんだろう?」

「あ、うん。ありがとう。授業終わったら行くよ。」

「それは駄目だ。早く行かないともっと悪化するかもしれない。俺が付き合おうか?」

「あ、いいよ!ありがとう。でももう終わるから自分で行けるよ。」

「そうか、でも、無理はしないようにしろよ?」

「うん、ありがとう。」

 

「優男だ・・・!」

「イケメンだ・・・!」

 

女子からの好感度が高まり、一部の男子から反感を買った。



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8話 鬼、怒らせるべからず

麗日から言われた鬼殺隊という言葉が頭から離れない、どこか懐かしい響きだったな。だが鬼殺隊と言われた瞬間に麗日は謝ってきた。そこが引っ掛かりネットで調べてみると

【ヴィランを斬り殺す殺人集団】とでた。

なんでも人を食らうヴィランが出ると現れ、そいつの頸を切り落として去っていく謎の集団だそうだ。

 

「人を食らうって・・・そういう個性なのか???」

 

 

ある日の通学路、雄英高校が見えると同時に沢山の人がいた。

「なんだ?!」

「なんか凄い沢山人がいるんだけど!」

 

他の雄英生も困惑しているようだった。

 

近くまで行き状況を確認すると、そこに居たのはオールマイトに話を聞こうと押し寄せている沢山のマスコミだった。

 

(あー、オールマイトは人気だからな。No.1ヒーローが雄英高校の先生になるなんて大ニュース、マスコミが見逃すわけないよな。)

 

雄英生達はマスコミの圧に押されながらも、マスコミの間をくぐり抜けていった。

「あ!君、オールマイトの授業受けてますか?どんな感じですか?やはりNo.1ヒーローは他の先生と違いますか?」

「どいてください、遅刻します。」

「じゃあ質問に答えたら通っていいから!」

「雄英の前で道ふさいどいて随分上からですね。」

するとマイクを向けていた1人の男が怒鳴るように言う。

「いいだろ別に減るもんじゃないし!!!」

 

チッ

楓から見えない衝撃波のようなものが放たれた。

その瞬間それまで騒がしかったマスコミ達が一斉に静かになり怯えているようだった。

人によっては気を失っている者もいた。

 

「おはよう緑谷、瀬呂、今のうちにさっさと行こう。」ニコ

「「お、おう(う、うん)。」」

((斑鳩(君)こっわ))

 

 

「おぉ、斑鳩。今日は遅かったじゃねぇか。」

「おう切島、校門前のマスコミが邪魔だったもんでな。」

「あぁ、あれすげぇよな!俺もインタビューされて、答えたんだぜ!新聞に出るかな!って、お前らもそうか?瀬呂達。」

「「う、うん。まあね(怖)」」

 

そして、HRの時間になり、相澤先生が来た。

 

 

「早速だが、」

相澤が口を開くとその場に緊張の匂いが充満した。

「委員長を決めて貰います。」

「「「「学校ぽいのきたぁぁ‼‼」」」

「俺やりたい‼」

「もう、僕の為にあるヤツ☆」

「リーダーやるやる!」

「俺も‼」

「ウチもやりたいっス」

普通なら押し付け合うであろう委員長の仕事。しかし、ここにいるのは皆、ヒーローを目指すものだ。やりたくないわけがない。クラス全員が手を挙げた。

「このままでは収集がつかないな……。」

 

「ここは、投票で決めるのがいいかと思う‼」

その時、天哉が手を挙げて発言した。

「そびえ立ってんじゃねぇか!何故発案した!!!」

「でも天哉、多分みんな自分に投票すると思うぞ?」

「そんな中でも皆の信頼を勝ち取ることが出来る者こそが、委員長に真に相応しいと思う!!」

「は、はぁ……」

「と、言うことで先生!投票で決めてもよろしいでしょうか!」

「なんでもいい。早く決めろ。」

「ありがとうございます!!」

 

先生の許可も貰い、皆は投票していった。

 

結果は、

 

緑谷 4票

八百万 2票

斑鳩 1 票

飯田 1票

その他 1票ずつ

 

俺は、なんとなく飯田に入れた。真面目そうだし。

??俺に1票をいれてくれたのは誰だろう?

 

 

 

 

そんな疑問は晴れぬまま、昼休みに。

 

切島たちに誘われてお昼を食べていると、学校の防犯ブザーが鳴った。

 

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください。』

 

「な、なんだ!敵か!」

 

避難の途中、生徒達がパニックになっていたせいか皆んなとはぐれてしまった…。

ふと、窓の外を見ると、報道陣が押し寄せていた。???ただの報道陣がヒーロー科最高峰である雄英のセキュリティを突破できるのか??否、そんな事ある訳が無い。何か裏があるハズだ。

 

 

 

 

 

警察が来て、マスコミ達は無事に鎮圧された。

騒動が治まり、だいぶ遅れて午後の授業が始まった。

 

「あの、ちょっといいですか?」

「??どうしたんだ、緑谷。」

「あの、やっぱり委員長は僕より飯田くんが向いていると思います。」

「ま、確かに、いいんじゃね?」

「非常口だしな!」

「非常口??」

「飯田、さっきの騒動ン時に扉の上まで飛んでって非常口になったんだよ。すっげー頼りになったわ。『皆さん!大丈ー夫!』ってさ、安心したぜ。」

「それで、飯田くんが委員長になった方がみんな安心すると思うんです。どうですか?」

「賛成!」

「いいと思う!」

「異議なし!眼鏡だし向いてんだろ。」

「眼鏡は関係ないと思うが!!」

 

 

 

 

そして、委員長 飯田天哉、副委員長 八百万百となった。

 



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9話 初遭遇

こんにちわー斑鳩でーす。

UAの数がなんかすごい数で伸びていてびっくりしました。

いつもご覧いただきありがとうございます。

まだまだストックはありますのでしばらくは続きます。

感想や評価等頂ければストック増加の励みになりますので、批評等ぜひよろしくお願いします。

それと設定のようなもの挟んだほうがいいですか・・・?ご要望があれば作るのでそこらへんもよろしくお願いします。

 

それでは本編お楽しみください。

 

 

 

 

朝のHRにて。

 

「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイトそしてもう1人の3人体制で見ることになった。」

「あぁ~この前のあの騒動があったからな。」

「先生―今日は何をするんですか?」

「災害水難なんでもござれ人命救助訓練だ。」

 

 

 

 

 

訓練所となる場所は離れた場所にあるので、バスで移動する。

 

バスでは皆が世間話に花を咲かせていた。

 

「……爆豪ちゃんはヒーローになっても人気出なさそうね、ケロ」

「んだとこら!出すわぁ!!」

「ほら、気性荒いじゃない。そういうとこよ。」

「クソを下水で煮込んだような性格ってもうこの時点で認識されてんだもんな・・・。」

「んだとこらアホ面ぁ!!!」

「かっちゃんが・・・いじられている・・・。」

 

 

 

そんな事を話していると、訓練所に着いた。

 

「すっげぇ!USJかよ!?」

「ここは、沢山の事故や災害を想定して作られた訓練所です。つまり、"ウソの災害や事故ルーム"。略してUSJです!」

「「「本当にUSJだった!!」」」

「初めまして、僕は13号。この訓練所の担当をしています。」

「わぁ!!13号…本物だぁ……!」

「お茶子、13号さんが好きなのか?」

「勿論!!なにせ13号の個性はブツブツ……」

 

う麗日が緑谷みたいになってしまった…!

「あ、麗日。あとで聞くな?今は先生の話を聞こうぜ。」

「はっ!ごめん上鳴君、つい……」

 

 

「僕の個性はブラックホール。吸い込んだものをチリにしてしまいます。靄も光も瓦礫も吸い込めます。本当になんでも吸い込んでしまい、取り返しがつきません。人を吸い込まないよう注意しないとそれもあっさりチリになってしまうので、細心の注意を払わないといけません。"ヒーローの力は人を傷つけるためではなく、助けるためにある"ので……」

 

納得出来る言葉だ。

『ヒーローの力は人を傷つけるためではなく、助けるためにある。』

これは直感に基づく推測だが、呼吸は俺が編み出したものではない気がする。いくら調べても出てこなかったが、型の名前がいちいちしっくりきすぎる。破壊殺もそうだった。

まるで何かに対抗するために作られたみたいに・・・。

 

 

「斑鳩君、どうしたんだ?何か考えているようだが。」

「あ、飯田。なんでもない……」

その時、底知れぬ気配がUSJに漂った。悪意だ。

「先生!敵襲です!」

「ああ……全員構えろ!!ひとかたまりになって動くな!来るぞ!」

「敵襲!?」

 

 

時空を曲げるような黒い霧が現れたと思うと、それはどんどん広がり、中から手だらけの男や武装した人達が現れた。

 

「オールマイトがいないじゃないか・・・。頂いたカリキュラムと違うぞ。餓鬼を殺せば来るのかな・・・?」

 

 

死柄木は首をカリカリと苛立ちながら掻く。

「はぁぁ……めんどくさいなぁ…。いけ」

死柄木の号令で一斉に向かってくるヴィラン。

 

「先生。俺も戦えます。」

「お前達はまだ卵だ。壊す訳にはいかない。」

「先生の個性でこの人数は無茶です!」

「安心しろ、一芸だけじゃヒーローは務まらん。」

そういうと、相澤はヴィラン達の中に飛び込んでいった。

 

無理だ。相澤先生の個性は、個性を抹消するだけ。対多人数の戦闘は向かないはず……

 

「すげぇ、見ろ。どんどん倒されていく。」

でも、相澤先生はドライアイ。長く目を開けていられる事は無い。早く応援を呼ばないと…。

 

「飯田!このクラスで1番足が速いのはお前だ!頼む。応援を呼んできてくれないか?」

「あぁ、わかっている!」

 

飯田が扉に向かうと、先程の黒い靄が立ちはだかる。

「飯田!!!」

 

【武装色 硬化】【水の呼吸 肆の型 打ち潮】

 

飯田に襲いかかろうとしている霧を、離れた位置から直進してきた楓が舞うように襲う

「おっと危ない危ない。……あの位置からここまでこの一瞬で移動したんですか?凄い個性ですね。」

「俺は無個性だ、そして今からお前を止める!」

「無個性……?では貴方もあの"鬼殺隊"と同じですか?」

「???どういうことだ?」

「確か、身体強化が出来る呼吸法を使うんでしたか。」

「鬼殺隊なんてものは知らん…何故呼吸を知ってる?」

「ヴィラン連合の情報網は広いですからね。」

 

「おい斑鳩!そいつヴィラン!普通に喋っちゃいけない奴!!」

「あ!そうだった!!飯田早く行け!!」

「分かっている!!」

天哉がもう一度走り出す。

「そうは行きませんよ。」靄が飯田の足を阻もうとする。

 

「麗日!飯田の足を浮かせろ!」

「?!分かった!!」

 

飯田の足を掴むと、麗日は飯田を扉の方まで放り投げた。

「気張れ!飯田ァ!!」

「チッ……一人、逃してしまいましたか。」

「お前達の目的は何だ?」

「私達の目的はただ1つ。平和の象徴に死んでいただこうかと思いまして。。」

 

ヒーローを滅ぼして何になるんだ?

ヒーローが居なくなったら世の中が困る。なぜヒーローを嫌悪する?

 

 

 

「って、ここは何処だ?!」

知らぬ間に変な所まで飛ばされている!

みんなは何処だろう。ここは?ぱっと見家の中だ。バラバラに散らされているな。

(早くヴィランを倒して元のところに戻らないと…!先生が危ない!)

 

「!!」

 

「ウ・・・ウ・・・ニンゲンダ・・・ヤット・・・クワセロオオオォ!!!」

 



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10話 再失

猫のような目に生きているとは思えない青白い肌、長い舌に長い牙、口ぶりからしても明らかに人間ではなかった。

 

「お前・・・ヴィランか?」

「ソンナモノハシラン!オレハモットヒトヲクライ!ヨリツヨイオニニナルノダ!!!」←以後かな&漢字

「鬼?ヴィランとは違うのか?まあいい、こんなところで遊んでる暇はない!」

【炎の呼吸 壱ノ型 不知火】

 

床を踏み込み鬼の脛に一閃打ち込む。

「あ、加減間違えた。」

下手したら脛が粉々になりかねない威力で打ってしまったので一瞬心配するが、打ち込んだ箇所の傷はみるみるうちに言えてしまった。

「な!一瞬で治した!?」

鬼はニタニタ笑いながらこちらにゆっくり近づく。

 

「ナンダ、ヤイバモナケレバニチリントウデモナイノカ、ソレナラアイテガワルカッタナァ」

 

(攻撃が単調だから避けるのは簡単だが、素のパワーがすごいな、俺と同じくらいか?)

 

何度打ち込んでも再生する鬼に楓も手を焼く、そこに窓を破り先生が入ってくる。

「大丈夫か!斑鳩!」

「スナイプ先生!コイツ攻撃が効きません!捕食衝動に駆られているようです!」

「斑鳩が苦戦しているなら相当なんだろうな・・・悪いが本気でとらえさせてもらう!」

スナイプが鬼に雨のように弾丸を浴びせる、が鬼は打たれても表情一つ変えることなくスナイプの首元を掴む。

「が、がはっ」

「先生!」

「アノガキヨリハマズソウダガオマエハトリアエズクウ!」

 

鬼の牙がスナイプの喉を突き刺そうとしたその時、赫い刃が鬼に斬りかかる。

【ヒノカミ神楽 円舞】

 

鬼の首はスパッと落ち、ぼろぼろと体全体が崩れ去った。

「!!鬼殺隊か、雄英にまで乗り込んでくるまではいい度胸だな・・・!」

(この人が鬼殺隊・・・)

「あ、ありがとうございました、助かりました。」

「斑鳩!なぜ感謝なんてしている!こいつらはたった今人を殺したんだぞ!?」

「こいつらは鬼です、人ではありませんよ。それに、、、なに!?もう一軒!?すぐ向かう!」

そういって少年はどこかへ飛び去ってしまった。

「待て!ちっ、逃げられたか、くそっ!次はとらえる!」

おいちょっと待てよ、今その人殺しと呼んでいる人に命を助けられたんだぞ?相手が誰だろうとまずお礼を言うのが筋ってもんじゃないのか?

スナイプ先生に連れられ、入口へ向かう。

相澤先生がぼろぼろになっていたり緑谷がまた腕を怪我していたりと割と悲惨なものだった。

A組を集め13号は言う。

「皆さん!とりあえずヴィラン達は去りました。今から校舎に向かいます!怪我人はそのまま保健室へ、今日はとても遅くなり、且つ緊急事態だったので念のため親御さんに迎えに来てもらいます。」

 

そして雄英本校舎へ・・・

 

 

そこで待っていた先生からの言葉は労いの言葉でもなく、心配の言葉でもなく、ヴィランの特徴を聞かれたわけでもない。

 

「斑鳩君!鬼と呼ばれるヴィランに親御さんが・・・!」

 



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11話 喪失

1話前での報告を忘れてしまいました。

土日はおそらく投稿が難しいのであしからず。

UA4000はすごいんですかね?よくわかりませんけど、そんなに多くの人に見てもらえてるって事実はすごくうれしいです。ありがとうございます。

では本編どうぞ!

 

 

 

 

 

 

「斑鳩君!鬼と呼ばれるヴィランに親御さんが・・・!」

「!!!!!」ダダッ

 

呼吸を使いわが家へ全速力で進む。

どこかで感じた感覚だ。とてつもなく嫌な思い出。

何かを失うのが怖いといったがドンピシャでこの感覚だ。

20分走りわが家へ着く。バスや電車よりも最短距離を走れる分、こちらのほうが早いのだ。

「あー、斑鳩君かい?」

なんだこいつは、ヒーローか?

「俺はアイアンフィスト!ヒーローだ。君の親御さんは、、、残念ながら救えなかった・・・。」

「傷ひとつついていませんが・・・戦いはしたんですよね?」

「ああ!あまり大したことなかったから無傷でね!心配してくれたのかい?」

家の中を見ればわかる、捕食されている。そこら辺の強盗とは違う。一目でわかるほど惨状だ。ということはさっき出くわした鬼がここにも出たんだろう、なら刀でもないのに鬼を倒せるわけがない。

 

「邪魔だ」

「は?」

「家の中に入らせろ」

「お礼はないのか!?命がけで戦ったのn」

「傷ひとつなかったんだろ、何が命懸けだ、逃げ回っているだけで金がもらえるなら随分と楽な仕事なんだな、ヒーローってのは。」

 

推測で言ったがぐうの音も出ていない。図星か。と思ったらにやつきだし

「おい、ヒーローにそんな口をきいていいのか?俺はレディから人気だからな、ちょっとマスコミに助言するだけでこの先犯罪者のような扱いで生きていかせることもできるんだぞ?」

と脅迫、ヒーローとはここまで腐っている者でもなれるものなのか?

「いいからどけ。」

「ふふん、まあいい。じゃあね少年。」

これは後日近所の人に聞いた話だが、両親の叫び声が聞こえ、リビングの窓から様子を見ると、当時見回りで近くにいたあいつが家の中に入っていったが、ものの数分で外へ逃走、その後とある青年が来るまで誰もこなかったそう、さらにあいつはその青年を人殺しと怒鳴りつけ追い出し、そこから警察が来たのだという。つまりだ、逃げた後にヒーローに応援を呼ぶことも警察を呼ぶこともせず、自分ひとり残った状況で自分の都合のいいように事実を塗り替えたのだ。

アイアンフィストは美形で女性のファンが多いと聞く。

ヒーローとはなんなんだ、俺はあんなやつを目指していたのか?そこからアイアンフィストと話していた時に生じた黒い感情が心を支配する。

 

 

 

もう・・・どうでもいい・・・。なんでもいい・・・。

 

 

頭が真っ白になり忌引きの1週間を過ぎても学校には行かなかった。ヒーロー関連のすべてが憎い、それの矛先は雄英にも向いた。どうしても行く気にはなれずに口座も勝手にストップしてしまったので、来月からは行く資格もない。

鬼殺隊について本格的に調べ始めたのはそれから間もなくだった。もちろんまともな情報は何一つ出てこない。ヴィランの本拠地をネットで調べているようなものだ、出てくるはずがない。

「腹減ったな・・・最近有名な竈門ベーカリーにでも行くか・・・。」

 



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12話 光

竈門ベーカリーとは、隣町にあるパン屋の名前だ。

家族で経営しているらしく、パンの味も店員さんの人柄もすごくいいと評判である。両親を失ってからトレーニングばかりでろくなものを食べていなかったので自分の体がこれを食えと脳に信号を送っている。

 

特に何を考えることなくぼーっとしながら竈門ベーカリーに到着。店から随分離れたところからパンのいい匂いがしていたのでもう空腹で倒れそうだ。

 

「いらっしゃいませー」

店内には一人の女性と奥でパンを焼いている痩せ型の男性。

(なるほど、夫婦で経営しているのか、それにしてもうまそうなものばかり・・・) フラッ

 

「だ、大丈夫ですか!?」

女性が大急ぎで駆け寄ってくる。

「だ、大丈夫です・・・。ちょっと立ち眩みがしただけです。」

女性の声を聞いて男性も厨房から出てくる。

「今の声はなんだ!?大丈夫かい!?」

「あぁ、あなた・・・この人が倒れそうになって、」

男性が俺の肩を抱きよせながら言う。

「君・・・何日食べていない?やせ細っているではないか・・・とりあえずうちにあがって待っていなさい。」

正直大丈夫だと見栄を張る余裕もないのであがらせてもらう。

「もう2日ろくなもの食べていなくて・・・すみません、お言葉に甘えさせてもらいます・・・。」

 

 

パン屋という店の内装とは裏腹に家の中はとても和風だった。

客間のような場所に連れて行ってもらい、そこで待っていると男性にお盆いっぱいのパンをもらった。

「あの・・・もう親がいなくてそこまでお金がないです。」

「お金なんて取る気は元からなかったよ。2日も食べていないんだ、何か事情があるのはわかるよ。」

 

うちの親はどちらも優しい人だった。

小さいころから裕福な暮らしではなかったし父親は朝早くから夜遅くまで仕事なのであまりしゃべれる機会はなかったが、その分休日になったら存分に構ってくれたという。

両親を亡くしなにか心の大事なものが壊れてしまった感覚だった、竈門夫婦にもらった優しさは期間でいえばたった数日だが、楓にとっては久しく感じたことのないやさしさだった。

楓は涙を流しながら今までのことを吐露した。

両親のこと、鬼のこと、ヒーローに憎しみともいえる感情を持ってしまっていること。

奥さんのほうはお客さんが来てしまったので行ってしまったが、旦那さんのほうは何も言わずに話を聞いてくれた。

「ゆっくりしていきなさい」と旦那さんを部屋を後にし、楓はゆっくりとパンを食べ終わった。

楓は今までの疲労もあり、倒れるように意識を手放した。

 



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13話 取戻

「う、うーん・・・はッ!眠ってたのか!ど、どのくらいだ・・・?」

「あ!起きた!お母さーん!!」

髪にリボン?のようなものを付けた女の子が急いで部屋を後にする。

その直後に同じくらいの背格好をした青年が入ってくる。

「お!もう疲労の匂いはないな!ならもう大丈夫だ!俺は竈門炭治郎だ!母さんたちから話は聞いてるよ、大変だったな・・・。」

「あ、ああ・・・俺は斑鳩楓だ、よろしく。」(疲労の匂い?)

よろしくな!と握手をすると一目見たときに浮かんだ疑問が強くなる。

(あれ・・・この人USJの・・・?)

握手をしたときに感じた、手の皮が尋常じゃなく固い、まるで何かを振り回しているように・・・。

「さあ!夕飯も食べるだろ?楓の分もあるぞ!いこう!」

半ば強引に食卓へ連れられる。

(結局夕飯もいただいてしまった・・・。)

もうあの状況で断ったら弁当かなんか作ってもらって持たされるんじゃないかって雰囲気だった。

夕飯の時に自己紹介をし、軽く雑談をした。

炭治郎のお父さんに「住むところがないならうちにいたらどうだ?店が混んできたら2人だと捌ききれなくてな。」

「いいんですか?今日あった他人なのに・・・」

お母さんが言った。

「炭治郎が悪い人じゃないっていうんなら大丈夫よ。それに何かあってもうちの長男長女は強いから笑」

ムン!とポーズをとる炭治郎と禰豆子をみて思わず笑ってしまった。

「お世話になります。よろしくお願いします!」

 

その夜、俺は炭治郎の部屋へと足を運ぶ。

「炭治郎、ちょっといいか?」

「ああ楓!どうした?」

「鬼殺隊って・・・知っているか?」

「え・・・?」

「数日前、雄英で俺を助けてくれたのは君だろう?声でわかった。ありがとう。」

「・・・ああ、その通り俺は鬼殺隊だ、お前をどこかで見たけど思い出せなかったが、そういうことだったか。」

「俺は、個性が鬼化なんだ、ただの鬼じゃない、日光を浴びると陽光灼けを起こしたり、怪我をしてもすぐに治るんだ。」

「・・・」

「君のような太刀筋は知らないが、俺は一種の呼吸法で体を強化するおかげで昼も鬼になることもなく自分のまま戦うことができる。」

「それなら」

「?」

「水の呼吸、って知ってるか?」

「ああ、呼吸の仕方も知っていたし型の名前も驚くほどしっくりくるんだ。」

楓は自分の覚えている【水の呼吸 炎の呼吸】の技名を出せるものは全て教えた。

「!?関係がないとは思えない・・・。楓!ちょっと鬼になってみてくれないか?」

「ああ、それは構わないが・・・。」

「あらかじめ聞いておくが、食人衝動はあるか?」

「いやない、初めて自分以外の鬼を見たときびっくりしたよ。」

「嘘の匂いはしないな・・・じゃあ頼む!」

「わかった。」 グッ!

楓の体がみるみる白くなる。

髪は桃色になり、青く太い線のような模様が浮かび上がる。

「!!!猗窩座・・・!」

楓の姿を見た炭治郎は即座に戦闘態勢へと移る。

その構えは100年以上前、外道の道に外れていた弱い自分を終わらせた鬼殺隊の竈門炭治郎そのものだった。

「!!!!!思いだした・・・・・・・・。思い出した!この姿、技の名前!」

今の今までずっと喉に引っ掛かっていたとっかかりが消えた気がした。いい気分だ。

「やはり記憶がなかっただけか!」 チャキ

「おい!早まるな炭治郎!俺は戦う気はない、話を続けよう。」

「え!?あ、ああ、すまない、お前からそんな言葉が出てくるとは思わなくて・・・。」

「なら変身を解こう。そっちのほうが落ち着けるだろう。それと猗窩座と呼ぶな、俺は狛治という名前がある。」

「狛治?・・・・・楓じゃないのか?」

「なんだその間は、もうその名ではしっくりこない。」

「ああいや・・・なんでもない。」

その後炭治郎とは朝まで話をした。

炭治郎が猗窩座を討った直後、感謝の匂いがしたのはなぜか、この世界に来てから何があったか詳しく、狛治側は鬼殺隊はどこにあるのか、なぜ鬼は絶滅していないのか、どこから記憶が戻ったか、あとは誰かいるのかなど、話すことは山ほどあった。

 



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14話 動きだす歯車

どうも斑鳩です。なんか文字のフォントがおかしくなってしまっているかもしれません。

 

 

「キメツ学園?」

「ああ、学校に紛れて鬼殺隊は存続している。いや、詳しくは復活したといったほうがいいだろうな。」

「俺が死んだあの日無惨様も死んだといっていなかったか?」

「(猗窩座じゃなくて狛治だから忠誠心はないってことか)その通りだ、あの日確かに無惨は死んだ。だが鬼は死んでいなかったんだ、無惨が直接作り出していない鬼、無惨の血の効果を研究し、擬似的な鬼を作り出す悪人が現在いるらしい。俺たちが死んで生まれ変わるちょっと前あたりから鬼の被害が増えている。この世界に個性が発現するようになって鬼が人を喰った時により多く力が増すようになってしまった。それについてヴィランと呼ばれている存在も関与している噂もある。世間一般で鬼殺隊がそう認識されている奴だ。鬼を作っているのもおそらくそれだろう。だから記憶を持っている元鬼殺隊が集結してきている。」

「俺が死んでいる間にそんなことが、、、」

「あえてこの言い方をさせてもらうが、狛治と猗窩座に頼みがある!キメツ学園にいって鬼殺隊として戦ってくれないか?」

「もちろんいいぞ。頼まれなくてもこっちから頼むはずだったしもうヒーローに憧れは持っていない。」

「ほんとうか!?ありがとう!!!お前がいれば100人力だ!よろしくな!」

「ああ!よろしく。」

 

1日店の手伝いをし、その日の夕飯にキメツ学園に入りたいことを打ち明けた。炭治郎が理事長の産屋敷輝哉に話を通したら、無料で入学を許可してくれたそうだ、夫婦の二人とも「「今の時代君くらいの年はパン屋で働くより学校に通うことが大事だ、その代わりたまに手伝ってくれるだけでいい」」といってくれた。そして向こうからは寮の手続きが済むまで、うちで暮らすか?とまで提案してくれた。おれはその日涙が止まらなかった。

最近涙もろくて困る。

 

「ここがキメツ学園・・・。」

藤の花に囲まれた謎多き学園。

入試等は受け付けておらず小さいころからそこで育ってきた人がそこで授業を受けているのが大半だそうだ。

 

「な、なあ炭治郎?今思えばここは鬼殺隊の巣窟なんだろう?そんなところに俺が行って大丈夫なのか?」

おそらく全員が記憶ありの状態だろう。柱になんて囲まれた日には流石に勝ち目はない。入って次の瞬間には即死なんてたまったもんじゃない。

「大丈夫だ!お館様からもう話は通してもらっている!それに狛治のクラスで絶対に敵対されることはない!」

「それならいいんだが・・・。なぜそんなに言い切れる?」

 

「やあ、君が狛治君かな?」

中から白髪の女子二人に連れられた男性が姿を見せる。

「はい!お館様!」

「柱合会議でもないんだから跪かなくていいよ。それと狛治君、ようこそキメツ学園へ、せっかくだから私が学園内を案内するね。」

「は、はい(なんだこの声は・・・聴いてて気分がいい。)」

その後は炭治郎と別れ、理事長に学園を案内してもらった。

1年中藤の花が咲き乱れる美しい学校。

鬼化していると居心地はよくないが、普段はそうでもない。

科はいくつかあり、【鬼殺科】【鬼科】【普通科】【サポート科】【看護科】に分けられている。俺は前世が上弦の参ということもあってか鬼科だそうだ。

 

 

 

ゑ????????

鬼科???

 



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15話 再会の気配

2021/01/06 柱たちの住居に関する設定を編集しました。

 

 

 

 

ゑ????????

鬼科???

 

 

はあああああああああああああ!?!?!?!?!?!?

 

俺以外にも鬼いるのかよ!!!

そりゃあ敵視されるわけないわな!と心の中で突っ込む。

「これで一通り終わったかな、じゃあ次が3限だからそこで君を紹介してもらうね。時間まで応接室を貸すからそれまでゆっくりしてて。」

 

ここが鬼殺隊・・・前世では俺達も標的だったのにつくづく縁とは不思議なものだ。

 

鬼殺隊は本来、政府の上層部の一握りのみが存在を認識、承認している組織のはずらしい。

 

だがあるニュースでオールマイトが「鬼殺隊は人を殺している。ヴィランであることに変わりはない。」

と発言してしまったために世間一般と警察の下の階級の何も知らない人々はそれを鵜呑みにしてしまい、【鬼殺隊はヴィラン】という認識が広まってしまった。

 

したがって万が一捕まったとしても秘密裏にその件は処理されるらしい。

 

(完全にヴィランってわけじゃないのか・・・。)ホッ

 

その後狛治の名で自己紹介を終え、その後の授業を終えた。

雄英から来たということで周りの視線は冷たいと思ったが、まあそんなことあるはずもなかった。

ちなみに担任は前世の記憶はないので、俺達のことを知らないようだ。そっちのほうが気が楽だ。

「猗窩座殿――!!会いたかったよー!」

 

相も変わらず童磨はうざいし、

「久しぶりだな・・・ずいぶん遅かったじゃないか・・・。」

妓夫太郎も相変わらず暗い。

「ああ、まあな。堕姫はどうした?」

「あいつならまだ中等部だ・・・。」

そんな歳離れてたのか、双子かと思ってた。

「他のやつらは?」

「玉壺殿は芸術家の先生で、半天狗殿は理科の補佐、黒死牟殿は教頭だよ!ちなみに無惨様は校長の補佐をしているね!」

「な!?無惨様もいらっしゃるのか!?」

「今は産屋敷無惨って名前でね。鬼を狩る側も結構楽しいよ!今度一緒に任務へ行こう!猗窩座どn!」

「黙れ」

 

なんでも今無惨様は理事長(以後お館様)の弟として生まれたので下手なことはできないんだそうだ。

そして鬼でキメツ学園に入っている者は、上弦が柱のようなものなのだそうだ。まあ鬼科の3割が十二鬼月なんだけどな。

前世では十二鬼月を倒すか、鬼を50体倒すことが柱になる条件だったらしいが、それでは鬼の生徒の大半が柱になってしまうということで、十二鬼月の制度が認められたのだそうだ。

 

放課後に職員室へ向かい

「無惨様はいらっしゃいますか。」

「随分と遅かったな猗窩座。」

「申し訳ありません。」

「ふん、まあいい、知っての通り今は鬼狩り共と手を組んでいる。私の血を勝手に研究し無断で使用するなど甚だ図々しい。他の十二鬼月にはもう言ってあるが、任務の際可能な限り元凶らしいヴィランという組織も並行で探れ。」

「は。(可能な限りなんて言葉が無惨様の口からきけるなんて…。お館様の家庭で何が・・・?)」

声を聞くと跪いてしまうのは柱がお館様に跪くのと同じなんだろう、条件反射ってやつだ。

鬼化の際の目に上弦の参と入れてもらい、職員室を後にする。

その後は杏寿郎と再会し詫びを入れた。

「過去には色々あったが!今はもう仲間だ!!!」

といってくれた。鳩尾貫通させて殺したのに心広すぎないか?

 

どうやらこちら側の鬼のほうも夜以外に活動できるように呼吸を使えるようにしているらしい。俺を含め皆鬼化の最中は使えないが、解除すれば使えるようになる。

 

 

 

柱と上弦はキメツ学園の隣の超超超広大な土地の中に住居を構えている。

ただし、炭治郎のように家族の中に体が弱い者がいる場合などは考慮してくれるらしい。

狛治も例外ではなく、手続きを済ませ家の構造を明日詳しく伝えるように言われた。

 

 

 

帰り炭治郎に声をかけられた。

「狛治!明日にでもぜひ看護科の1年8組に行ってやってくれ!」

「行ってやってくれ?何かあるのか?」

「お前のことをここに入学からずっと探している人がいるんだ!詳しくはいけば分かると思う!!」

「ああ、わかった。」

 



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16話 引き寄せられた赤い糸

お久しぶりです。斑鳩です。

もうしばらく【思い出せば毎日投稿】が可能です。

ですが冬休みということもありしばらく投稿がまばらになってしまうと思いますのでご了承ください。

それともう一つ。

作品に関する評価や批評はもちろん受け付けておりますが、根拠のない誹謗中傷は目に入り次第ブロック対象にしますのでよろしくお願いします。

 

それでは本編をお楽しみください。

 

 

 

 

 

次の日朝学活前に言われたクラスに行こうとしたが、科によって棟が分かれており、非常にわかりづらくて軽く迷ってしまったほどだ。

無事に目的の教室に辿り着き、「失礼します、1年3組の狛治です。」と教室の扉に手をかけ顔を覗かせると不意に後ろから衝撃が走り、態勢が崩れる。。

「狛治さん!!会いたかった!!」

その声を聞いた瞬間頭が真っ白になった。

その人の顔も見えてないのに涙が溢れて止まらない

「こ、恋雪さん・・・?」

そう、この後ろから抱き着いてきた人は前世での俺の奥さん。罪人の入れ墨が入り、どうしようもない自分を愛してくれた俺の最も大切な人だ。

 

看護科の先生に「朝学活始まっちゃいますよー?」

と声をかけられるまで人目もはばからずにずっと抱き合っていた。

お互い顔を真っ赤にしながら「お昼にまた///」と教室を出る。

 

その後その先生とその妹(花&蟲柱)目的で来ていた童磨に見られ、自分たちの教室でいじりにいじられた。

 

お昼になり恋雪と再会する。

彼女は前世同様父親と二人暮らしで実家通いだそうだ。

死んだときに見た恋雪の幻は本物の恋雪の魂だったらしく、今世でも俺を探してここに入ったんだそうだ。

「もしよかったら、うちで暮らしませんか?」

と言われたら普通は首を横に振る選択肢なんてあるはずがないのだが、柱と上弦は都合上、すぐに向かえるようにしないといけないため住所は定まっている。

「残念だがそれはできない、俺は上弦だから住むところが決まっているんだ。」

「そうですか・・・。」シュン

「(かわいい・・・。)そ、その代わりといっては何だが・・・。お、俺と・・・」

「?」

「俺と一緒に暮らさないかっ!」

「!!!はいっ!」パアア

(かわいい・・・!)

「で、では家が建つまでの間はうちに!」

「そ、それはもちろん!ぜひそうさせてもらいたい!」

 

その日の放課後にいったん竈門家にお礼を言いに行き、彼女の家で一緒に暮らす旨を伝え、恋雪の家に行く。

前世同様師範もいて、小さい道場を経営していた。

師範とも再会を喜び、稽古もした。

「狛治なら恋雪を任せられる!家が建つまでの間は、ぜひうちにいなさい!」

と言われ、もちろん二つ返事でOKした。

 

そこからはもう夢心地だった。

朝4時に起き1人でトレーニング、5時からは師範と稽古(流石に呼吸は不使用)、6時半に恋雪さんを起こし、ご飯を一緒に作って7時30分に2人で登校する。

恋雪さんは夜遅くまで勉強している分朝に弱く、甘え上戸になる。

「んー・・・。オキル・・・。」と睡魔と葛藤している様はひじょうにかわいい。 たまに「もうちょっと一緒に寝よー・・・」と布団の中に引きずり込まれるのはちょっと心臓に悪いが。

 

そんな生活をしているおかげで学園内カップルランキング第1位だ。(ちなみに元1位は宇髄先生と食堂の3大美女{他称}らしい。)

 

恋雪が言うには俺がくるまでここ数週間付けられている気がしたらしい。

 

恋雪に付く虫は俺が払う。(鬼)

 

 

 

 

ここからは作者目線です。

 

 

キメツ学園のカップリングは以下の通りです。

 

炭治郎×カナヲ

善逸×禰豆子(長男監視)

伊之助×アオイ

義勇×しのぶ(しのぶが卒業するまで学校では我慢)

実弥×カナエ(夫婦)

小芭内×蜜璃(夫婦)

宇髄さん夫婦

 

狛治×恋雪(狛治が結婚できる歳になり次第婚約予定) (new!)

 



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17話 鬼の嫁、絶対に手をかけるべからず

時は進んで狛治の初任務

上弦と言えどルールもわからないのに急に1人で任務に行けというのは流石に酷だろうということで、炭治郎達3人と任務に出ることになった。

 

「お、そういえば善逸!狛治と任務一緒なのに騒がないんだな!偉いぞ!」

「3回も上弦と任務行けば嫌でも慣れるよ・・・。」

「わははは!!大丈夫だぜ紋逸!こいつが何かしてきたら親分の俺がぶっ倒してやる!!」

「こ!こここいつとか言うなよ!!!怒ったりしたらどうするんだ!!!それと誰だよ紋逸って!!!ぜ・ん・い・つ!!!」

「喧嘩はよせ2人とも!、狛治は任務初めてなんだから、色々教えてあげないと!」

 

そうして狛治は3人(主に炭治郎に)に任務が始まってからの一連の流れを教えてもらった。鎹鴉と顔を合わせ、できるだけ現場にいる時間は短く、あまり物を触らず、といった具合に。

どうも俺は水の呼吸が合わないようで、黒死牟こと厳勝に月の呼吸をしっかり教えてもらった。

前世でたまに稽古の様を見ていたので、記憶を取り戻して以来炎や水よりもすぐに習得することができた。

まあ雑魚倒すくらいならどれでもいいんだがな。

 

 

 

 

 

任務を終え家に帰る途中家の塀に上り家の中を覗いている輩が見えた。

(あの部屋の位置確か恋雪の!?あの顔・・・どこかで…?・・・!!!!!!)

 

見覚えがないはずがない。

なぜならそいつは前世素流道場に隣接していた剣術道場の息子であり、素流道場の井戸に毒を入れた張本人だった。

そいつは前世とても身勝手な性格で俺が道場に来る前、病弱だった恋雪を無理やり連れだし、挙句そのせいで病気が悪化し苦しみだすと彼女を置いて逃げるというクソ野郎だった。

しかもそれを恋雪が病弱なのが悪いと考え、床に臥すことが少なくなってからはずっと粘着行為を繰り返すというなんとも性根が腐りきっている男だった。

 

「お前のことをずっと想っていたのに、あんなひょろいチビと同棲だと・・・?ふざけるな・・・。」

そういってそいつはマッチを取り出す。

「こんな家があるからいけないんだ・・・そうだ!火が迫ってくるところを助けてあげれば俺がヒーローじゃないk」 ガシッ

 

{視点変更}

 

何者かに掴まれた手首は岩に繋がれたかのように動かない。

思うように事が運ばなかったのでそちらを睨み付ける。

とそこには、手首が真っ青どころか黒く腫れあがり腕は上に向かっているのに指が真下を向いて掌がこちらを覗いている右腕。

そして眼前には額に青筋を立てている殺してやりたいほど憎い男だった。

「おまえh」ムグ

 

{視点変更}

 

一瞬で町はずれの森の奥のほうに連れていき、そいつを投げ捨てる。

そいつはしきりに「気持ち悪い!なんだその髪と肌の色は!」とか「俺が誰だかわかっているのか!」とか「こ、こんなことしてただで済むと思うのか!」とか色々ほざいていて非常に癪に障る。

俺はまず無惨様からもらった血を無理やりそいつの口に押し込む、するとたちまち純正の鬼に変わる。

まがい物でも昔のものでもないので食人衝動はないもののそいつも立派な鬼だ、再生能力はある。

 

 

 

そこからは無我夢中だった。

 

 

 

【破壊殺 脚式 冠先割】

 

かつて炭治郎が掠っただけで出血したかかと蹴りで顎を蹴り上げて、

 

【破壊殺 空式】

 

浮かび上がった鬼の体を空気の衝撃波で地上に叩きつけ、

 

【破壊殺 砕式 万葉閃柳】

 

地面で這いつくばっているそいつを上から殴り潰す。

そいつはもうあまり原型を留めていなかったので少し待ってやる。

「た、助け」

喋れるようになったので頭の上半分を裏拳で飛ばす。

「やm」

「喋る余裕はまだ残っているな」

 

【破壊殺 鬼芯八重芯】

 

蹴りの雨を浴びせる。

一発一発がそこら辺のやつなら絶命もんだ。

再生の速度が遅くなって来た。

腹部に蹴りを入れ岩場に叩きつける。

 

【破壊殺・滅式】

 

岩にもたれかかってるクソ野郎の頭めがけて一撃打ち込む。

脳が貫通していてもなお命乞いをしている。

 

「じゃあこれを読んだら終わりにしてやろう。」

猗窩座は1枚の紙を取り出す。

 

「わ、分かりました、読みます!き、鬼舞辻無惨・・・?・・・・・!が、がぁ・・・!」

「ふん、二度と俺の前に現れるな。」

鬼が首魁の名前という大事な情報を外部にばらすのはご法度。その名を口にするとそのものを排除するため、たちまち呪いが発動する。

「う、ガ!ガハア!!!!!」

 

真っ赤で巨大な手が鬼の口からでて、その頭を握りつぶす。

 

するといくら攻撃しても死ななかったその体が塵のように崩れていく。

その手は俺の足にしがみついてきた。助けでも求めているのだろうか?

俺は手を取り力が抜けるまで1つずつへし折ってやった。

 

 

(?誰かの気配・・・。)

完全に消滅させた後、不意に何者かの気配を感じたので、

咄嗟に変身を解除し木の上に隠れる。

「ああん!?山奥でバカでかい音がするっていうから来てみたらぁ、なんもいねーじゃねえかよ!!」

(爆豪!?なんでここに・・・。あいつは、ベストジーニストか?)

 

そう、今雄英ではヒーロー体験の真っ最中なので、いたるところに雄英生が散らばり、ヒーロー活動をしている。

 

爆豪はベストジーニストの元で活動を行っており、それがうちの近所だったわけだ。

 

「爆豪君、君はどこに目を付けているんだ?痕跡はこれでもかと残っているだろう。」

「ああん!?・・・ッ!!!」

 

そう、爆豪達が立っていたのは、猗窩座の万葉閃柳によって半径十数mにわたってひび割れている地面の上だった。

 

「炎や爆発で起こせる形じゃない・・・。オールマイトのような自強化系で殴ったりしないとできない痕跡だぞ・・・!?し、しかもとてつもない範囲だ・・・!」

 

返り血だらけということもあり今この場を大勢で捜索されるのはまずい、大急ぎでその場を後にする。

 

こんな状態で恋雪さんに会うわけにもいかない。

すぐに家とは離れた川で目立った血を流し、銭湯で体を洗い家に帰る。

恋雪さんはすでに寝ていたので少し安心した。

 

 

 

この寝顔を守るためなら、俺は鬼でもなんにでもなろう。

 



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18話 パワハラ上司がいるからといって、上もブラックだとは限らない。

明けましておめでとうございます。この度学校が始まりましたので、投稿も再開したいと思います。久々に評価の欄をみたら色付きの評価がついていて驚きました。

かなり低めでしたが、それを挽回できるようによいものを作っていこうと思います。

 

そして、16話の内容を大きく変更しました。主に狛治が住むところについてです。

 

それでは本編をどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日俺はすぐにお館様のところへ行き、雄英が辺りに来ていることを報告した。

 

「ありがとう狛治、君は大丈夫だったかい?」

「はい、戦闘の跡を見られましたが、鬼化していたのでおそらく捜索が入っても情報は出ません。体も無事です。」

「うん、それが一番うれしいよ。といっても君自身は心配する必要なかったかな?」

「まあ・・・雑魚に負けていては上弦の参は務まりません。」

「それもそうだね、報告ありがとう、じゃあ近辺の任務は細心の注意を払ってやってもらおう。狛治も十分注意してね。」

「は。」

「よし、じゃあ行っていいよ。授業頑張ってね。」

「ありがとうございます、失礼します。」

 

俺は理事長室を後にしクラスへ向かう。

(お館様超優しい・・・神・・・。)

 

担任である先生が

「最近、雄英生が職業体験のようなものを行っているという情報が入りました。任務の際はくれぐれもバレないようにしてください。」

「鬼の倒し方も知らない分際で・・・しゃしゃり出てくるなよなぁ」

「うぅ・・・その程度の事も知らないしそれに加えて弱いなんて!なんてかわいそうなんだ!」

「童磨、嘘泣きはよせ耳に障る。」

「あ、ばれた?流石猗窩座殿!」

 

そうやってそれぞれがヒーローに対しての不満を口に出す。

少なからず全員ヒーローに対していい印象は持っていないようだ。

 

まあ俺はしばらく見回りの任務はないし、クソ野郎も始末したし、平和な時が過ごせそうなので気分がいい。

 

 

 

 

「来週から柱稽古が始まるので保護者の方に伝えておくように。猗窩座は柱の人に概要を詳しく聞いておけよ。」

「おい妓夫太郎、柱稽古とはなんだ?」コソッ

「ああ、お前は前回いなかったんだったなぁ、俺も1回しかやってないから詳しく説明はできねえが、柱が考える稽古を隊士がこなすみたいな感じだあ。」

「そういうことか・・・、

 

 

ん?それでなぜ俺は柱に稽古について聞かなきゃいけないんだ?」

 

「そりゃあもちろん稽古する側だからなぁ」

「そうか俺上弦の参か・・・。」

 

人にものを教えたことなんて全くないぞ?

そもそも俺は何を教えればいいんだ?

月の呼吸か?適正じゃないものはどうする?そもそも黒死牟がいるじゃないか。

素手での戦い方?鬼を狩るのに?

 

モブ「最近鬼を狩ってるときにヒーローがこっちに攻撃してくるからたまったもんじゃないよ・・・。」

 

「それだ!!」

「え!?」ビクッ

 

 

別に鬼を倒すための訓練をする必要はない。

ただでさえ上弦含め柱の数が鬼殺隊史上最多なのだ。みんなトレーニングや鬼を倒すための訓練をするんだろうから、一人ぐらい邪魔者に対処するための術を教えても罰は当たらないだろう。

 

俺はさっそく机に向かい、稽古のメニューを考える。

 

俺は柱稽古初指導ということで、順番が最後の上弦2人のところに入ったやることは大体一緒らしいからちょうどよかった。

 



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19話 柱稽古

今回はタイトル通り柱稽古に入りますが、とある理由がありすっっっっごく適当に作ってあります。ちゃんと理由がありますのでご了承ください。

 

 

 

 

 

 

柱稽古当日

 

 

 

早朝の朝早くから始まる柱稽古は、本来柱1人の稽古につき2日かけるのだが、人数が多いのもあってメニューがかぶっている稽古は合同で行われるらしい。

 

1,2日目は音柱と鳴柱の合同稽古。

 

1日目は主に足腰の強化のための走り込みだ。

 

校庭を100周近くランニングし、ウォーミングアップが済んだら登山と下山を1日かけて行う。

前では善逸が「こんな弱い俺ができるんだからできるよね?」と追い込み、後ろでは宇髄が「こんなもんでへばってどうすんだよ!この地味野郎どもぉ!!」とへばっている隊士の尻を叩く。

 

2日目も足腰をいじめるのは変わらないのだが、1日目の長期的なものと違って、鳴柱恒例のダッシュなどの短期系だ。

鬼のようなダッシュが終わるとしばらく休憩をはさみ、山での鬼ごっこが始まる。

ダッシュで一番終わるのが早かった隊士を鬼とし、増え鬼形式で始まる。×2

捕まった先着10名は鬼ごっこが終わったら最初の半分の量のダッシュが課せられる。

逆に鬼が開始7分で1人も捕まえられなかったら同じ罰ゲームが待っている。

どっちも鬼気迫る表情で走り回っていた。

結局2日目は夕方に終わった。

 

 

3,4日目は霞柱と炎柱の基礎稽古だ。

 

内容はいたってシンプル、素振りをしてその後新品の打ち込み台を壊れるまで竹刀で打つだけだ(鬼畜)。

 

杏寿郎が素振りの際に癖や無駄な部分を直し時透が手合わせをしながら毒たっぷりのヤジを飛ばす。

杏寿郎もたまに打ち込みの手本を見せるので隊士たちもやる気が途切れなく継続できている。

2日目の昼過ぎに最初に壊したものが現れ最後に終わったのは19時過ぎだった・・・。

 

5,6日目は恋柱の柔軟と蛇柱の太刀筋矯正。

 

恋柱に地獄のような痛みを伴う代わりに体をほぐされ、

後はひたすら蛇柱に木刀で攻撃を仕掛けるといったものだ。

羽織でもなんでも掠りさえすれば終わり。

 

稽古の際に気絶したり蛇柱をイラつかせることをすると休息がてら柱に括り付けられる。

 

その間を縫って攻撃しなくてはならないので攻撃側が精神にくるものだ。

括りつけられた側は「頼むから当てないでくれ!」と懇願するのでなおさら参ってしまうようだ。

 

7,8日目は蟲柱と花柱の機能回復訓練。

三つ子に体をほぐされ、花柱と薬湯をかけあい、蟲柱と鬼ごっこをする。

こなせれば終わり、だが大半は花柱のところで止まっていた。

 

9,10日目は日柱と獣柱の登下山マラソン。

炭治郎の師直伝の罠が張り巡らされている山を1日往復3周する。

鼻や肌の感触は利かずとも、周りをよく見ればわかるようになっているため観察眼が鍛えられる。

 

これは余談だが、1日の終わりに出されるご飯はここが1番美味しかったらしい。

 

11,12日目は岩柱と喰柱の基礎鍛錬。

もはや稽古というよりは修行みたいな感じだった。

隊士曰く昔はここが1番辛かったらしい。

主に岩柱のやる修行を体験し、喰柱が補佐するといった感じだった。

 

13~18日目はついに俺たちの番だ。

ここは特に大事だから期間が長いんだそうだ。

 

風柱とひたすら木刀で戦い、気絶するまでやったらついに俺の番だ。

素流の闘法を2日かけて可能な限り叩き込み、気絶したら恋雪のところに送り、看病してもらう。

 

「へへ、君が看病してくれたの?ありがとう!目を覚ましたついでに連絡先を・・・。」

 

猗窩座「休憩は済んだか?」ゴゴゴ

「黙ります」(即答)

 

俺が終わると童磨の結晶の御子を倒すまで戦う。

皆に止められたので首は柔らかめに、凍て曇りや粉氷などの危険な血鬼術は使わないように設定している。

それを倒すといよいよラスボス。

 

黒死牟に攻撃を仕掛ける。

 

殺されたり、体を切り落とされるなどはしないにしろ、軽く反撃もするし殺気は実戦と同じように出すので、隊士は萎縮してしまう。

 

2日かけた攻撃が終わったらついに柱稽古終了。

隊士いわく「今なら上弦以外のどんな鬼にも勝てる気がする。」

だそうだ。

 



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20話 設定

おかげさまで20話まで継続することができています。

ここらでホントにかるーく設定ぶち込んでおくことにします。

柱や鬼、主要人物は目線も使って箇条書きのような形で紹介していきます。

それではいきます。

 

 

 

鬼殺隊

・平安時代に鬼の鬼舞辻誕生の少し後に誕生

・大正時代に鬼舞辻を討ち取り解散

・現代で一番最初に記憶が戻った産屋敷輝哉により再結成、その後次々と隊士が再集結し今に至る。

 

隊士

・ヒーロー嫌い

・鬼に大切な人を奪われているのでヒーローの言う〈捕まえる〉なんて絶対ごめん。甘っちょろいこと言うな。

 

ヒーロー

・人殺しを正当化しようとしているそこら辺のヴィランよりたちが悪いヴィラン

・もはや鬼がかわいそう

・鬼は生まれつきの個性だと思っている。(芦戸の見た目みたいなもん)

・逃げ足速すぎんか?

 

炭治郎

 

個性:嗅覚

・善逸、伊之助と小さいころに再開し記憶ゲット

・鬼舞辻は嫌いだけど鬼殺隊に協力してくれているからまあ今のところはいいだろう

・善逸は禰豆子を前世で幸せにした実績があるからそろそろ認めるしかないと思っている。

 

善逸

 

個性:聴覚

・檜岳がまた鬼になったのが不満、でも味方だからよし

・炭治郎が認めてくれたら禰豆子ちゃんと同棲したい

・相変わらず鬼は怖いけど、大切な人を殺されるのはもっと怖い

・じいちゃんには記憶を取り戻してほしくない

 

伊之助

 

個性:無し

・母親はちょっと抜けてるところあるけど優しい

・生まれてからの父親の記憶はない

・子分共が覚悟決めて鬼殺隊に入るのに親分の俺が入らないわけがねえ

 

産屋敷耀哉

 

個性:予知夢

·柱や十二鬼月などの誰がどこに出没するかたまにわかるからそこに赴いてスカウトのようなものをしていた。

·記憶があってもなくても嫌なら無理して欲しくはない

·無惨、君は許されると思うなよ

 

 

無惨

 

個性:鬼の始祖

・鬼殺隊に手を貸すのは嫌だが、自分の細胞を好き勝手使われるのはもっと気に食わない

・お兄さん怖い(輝哉)

・黒死牟が存在する以上いつ縁壱が現れるか気が気じゃない

 

狛治

 

個性:鬼化

・恋雪ラブチ

・柱鬼会議で上司に殺される心配がないので安心

・家広すぎて困惑中

 

緑谷

 

個性:ワンフォーオール

·楓君今何してるんだろう

·USJの帰りのバスで話してた鬼殺隊となにか関係が···?ブツブツ

·麗日さんかわいい

 

オールマイト

 

個性:ワンフォーオール

·緑谷少年にオールフォーワンの事を教えるべきか···

·斑鳩少年が純粋に心配、ヒーローを恨んでヴィランに堕ちてないといいんだが···

·鬼殺隊はただのヴィラン、どんな理由があろうと人殺しは人殺しに変わりない

 

 



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21話 再会の気配 part2

お久しぶりです斑鳩です。

新年ゆっくりしてたら気づいたらだいぶ期間が開いてしまいました。

何度も言うようですが19話の内容が簡潔だったのはちゃんと理由があって書いているものです。

メッセージに送ってくるのはやめてください。1件2件ならまだ大丈夫なのですが何件も来ると正直対応がめんどくさいです。

 

 

 

銀魂っておもしろいですね、好きなキャラをぶっこんじゃおうか悩んでいます。

やめたほうがいい等のご意見ありましたら感想やメッセージにお願いします。

 

 

 

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

「「明日の朝に柱合会議を行います。柱と上弦の方々は校長室までお越しください。」」

初日に理事長の隣にいた双子の声だ。

 

 

 

狛治初の柱合会議

 

 

とある日の校長室

「「お館様のおなりです」」

 

その声とともに部屋にいる全員が跪く。

 

「やあみんな、今日は空がとてもきれいだね。」

 

ちなみに前世と違って呪いによる痣が消えています(メタ)

 

「こんな朝早くに集まってくれてありがとう。みんなよく揃ってくれたね。」

 

実弥が口を開く

「お館様におきましてもご壮健で何よりです。益々の御多幸を切にお祈り申しあげます。」

「ありがとう実弥。」

 

(私があいさつしたかったのに・・・!)

 

「さて、今日皆に集まってもらったのはただの定期的なものじゃない。ちゃんと理由があるんだ。ある山岳地帯に鬼が出るという情報が入った。しかもかなり広範囲に多数出没しているらしい。基本的に鬼は群れないからこんなケースは普通に考えたらあり得ないことだ。行冥、実弥と玄弥を除いた柱と上弦の君たちには鬼の討伐と、こういう状態が起こっている理由を探ってほしい。」

 

義勇が口を開く

「お言葉ですがお館様。いくら広範囲とはいえ柱や上弦がそこまでの人数動くほどのレベルなのでしょうか?」

「それについても説明するね。確かにただ討伐と調査をするだけならいいんだけど・・・、そこにプッシーキャッツっていうヒーロー事務所があるのと、そこに雄英高校の1年生が林間合宿にくるんだ。万が一普通の隊士がヒーローに接触してしまった場合を考えて甲以下の子たちはここに残ってもらうことにした。」

「雄英!?」

「そう、だから狛治、君は参加するかしないかは君に任せるよ。」

「もちろん参加します。ヒーロー志望とは言え少しの間一緒に過ごした仲です。見殺しは後味が悪い。」

「わかった。よろしく頼むね。」

 

 

 

時と場所は飛びヒロアカの林間学校編へ・・・(メタ)

 

 

 

陽が落ちきりそうな山奥。

狛治達はそれぞれの位置についていた。

この日の為に鎹鴉も慣らしていたので連絡もばっちりだ。

(賢い鴉もいるもんだ。)

狛治は雄英が泊まる宿舎を含むエリアを任されており、接触を避けるために鬼化し、崖のような場所で待機していた。

(秘密の場所って感じがするな・・・。)

 

するとどこからともなく声が聞こえる。

 

「カアアアア!!南東二鬼多数出現!水柱ガ現在交戦中!!」

「始まったか・・・。」

 

助けに行く必要はない。今のは出現の報告のようなものだ。

 

いざというときに見聞色は張り巡らせているので、鬼でも人間でもすぐにわかる。

 

「!きたか・・・。」

 

3体の鬼が猗窩座を囲む。

「クハハ!随分とチビなのがいるな!」

「体真っ白じゃねえかよへなちょこw」

「腹の足しくらいにはなるかぁ?」

 

「名前もないような雑魚にここまで言われるとは、俺も随分と人気がなくなったものだ、ハァ・・・。」

 

【月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮】

 

横に一閃し、あえて1体を残し2体の首を切り捨てる。

「は?え?」

生かされたほうは何が起こったかわからず茫然として辺りを見回す。

「人間の首と大して変わらないじゃないか。鬼が聞いて呆れるな。」

「だ、黙れぇ!!」

鬼が左肩に噛みつく、が猗窩座の皮膚が硬すぎて牙が欠けてしまう。

「つぁ!!!」

「牙も脆い。お前、数人しか食ってないだろう。弱すぎる。」

と吐き捨てると鬼の手足を切り落とすし、胴の上に馬乗りになる。

「お前達は誰に作られた?覚えている限り最初から吐け。」

「き、気づいたらこうなっていて気づいたらここにいただけだ!」

「人間だったころの記憶は?」

「俺が人間・・・?ハッ!そんなことあるはずがないだろう!」

「記憶なし、か。冥途の土産にいいことを教えてやろう。まず俺も鬼だ。だがお前たちのようなまがい物とは違い、本物の鬼は全て鬼殺隊側についている。なにせ本当は大正時代に全てのかたがついたからな。本来鬼というのは鬼の始祖の血を頂戴した者のみがなれるものだ。だがお前たちはその始祖の血の仕組みを研究し、似たものを作ったに過ぎない。そんな中途半端なものが」ザシュ!

再生しかけていた四肢を再び落とし顔を覗き込む。

「本物の鬼に敵うわけないだろうが」

鬼は萎縮し、ガタガタ震える体抑えることができない。

「い、、、命だけは、、、」

「鬼が命乞いか。ふん、もういい」

鬼の首を斬り、偵察に戻る。

すると岩場に小さい子供が現れた。

(たった一人でこんなところまで・・・?)

しばらくした後に金髪で筋骨隆々の男が現れる。

「お前がマスキュラーか・・・お前があの昼に父さんと母さんを!!!!!」

「ああーん?お前あの時のガキかぁ???」

 

どうやらマスキュラーという男は子供の親の仇らしい。

だが一つ明確におかしい部分がある、それは

 

 

 

マスキュラーが鬼だったからだ。



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22話 邂逅

お気に入りが100件を突破しました!

ありがとうございます!

 

 

 

 

 

 

 

 

一つ明確におかしい部分がある、それは

 

 

 

マスキュラーが鬼だったからだ。

 

あの子供はあいつに向かってあの昼といった。

鬼は日光の前では外に出られない、俺だってそうだ。

まがい物のほうも任務の際にしっかり陽光灼けするのを確認している。

とすると導きだされる仮説がひとつ。

 

この鬼たちはここに来る前に鬼にされて投入されている。

 

鬼が群れることはない、だがここに連れてこられたとしたら?

USJの時に見かけたあの黒い靄のような奴、あいつなら鬼たちをここに大量に投入することなど容易なはずだ。

 

 

「ヴィラン絡みか・・・ん?」

 

マスキュラーに向かって飛び出していく影がひとつ。

猗窩座もよく知る人物、緑谷出久だ。

 

「この子は絶対に傷つけさせない!!!」

「身体強化の個性かぁ??俺の下位互換みたいな個性のくせによぉ!」

(あいつは人間の頃の記憶はあるのか・・・!?)

聞き出したいのは満々だが、ここで飛び出して雄英に存在がばれるのはまずい。

両者の力の差は圧倒的だった、元が割とやるやつだったのだろう、鬼になったことでかなり強化されている。

それこそさっきの鬼では比べ物にならないほどだ。

 

(緑谷のやつ・・・動きが全く違う・・・。パワーが落ちた代わりに自傷もないし小回りが利く印象だ。克服したんだな・・・!)

 

だがやはりそのパワーでは限界がある、かと言ってフルパワーを使ってしまってはまた腕が粉々になってしまうんだろう。

 

(・・・ん?)

 

「ワンフォーオール100%!!デトロイトスマッシュ!!!!」

(お、使ったな、さてどうなる?)

 

マスキュラーにダメージがない、当たり前だ。鬼なのだから。

「はっはー!今のはきいたぜぇ?人間だったころの俺だったら結構なダメージだったかもなあ?」

「100%が・・・効かない・・・・!どうする、考えろ考えろ!人間だったとはどういうことなんだ・・・?」

「ごちゃごちゃうるせえなあああ!!!」

大岩のように膨れ上がった腕を振りかざし緑谷に殴りかかる。

「潰れちまえええええええ!!!!!!!!」

 

「まずい、洸汰君を連れて逃げないと・・・!くっ・・・足が・・・動かない・・・!やられる・・・!」

 

【破壊殺 空式】

 

「ぐはっ!?」

突如空気の砲弾がマスキュラーを吹き飛ばす。

 

「まったく・・・、この程度の相手に殺されてる場合じゃないぞ緑谷。」

「だ・・・誰だ!?」

「俺は狛治、いや、今は猗窩座というべきだな。」

「あかざ・・・?」

「今はお前とお喋りしている場合じゃない。そのガキ連れてどいてろ。」

「待て!一人でどうにかできる相手じゃ!」

「いいから早くいけ、心配なら離れたとこで見てればいいだろう。」

「わかった!この子連れてったらすぐ戻るから!」

そういって緑谷は崖裏に消えていった。

 

「おい、お喋りはすんだか??お前を殺してからあいつらを追っても」

マスキュラーが猗窩座にとびかかり、

「十分間に合うだろうがぁ!!!」

 

肥大化した腕で殴り掛かった刹那・・・・

「ぷっ日本刀か?そんな短い刀じゃ俺は斬れねえ」

 

【月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾】

 

「ぜ・・・。」

先ほどの鬼2体を斬り飛ばしたものとは比べ物にならない速さ、威力、そして何より

「お、俺の腕がぁ!!!」

肥大化した腕を一閃で斬りおとす圧倒的なリーチ、月の呼吸のみが成せる御業といっても過言ではない。

 

「どうした?鬼なんだろう?早くかかってこい、腕落とされたくらいでいちいち悲鳴をあげるな。」

「なんでお前が鬼のことを・・・ちっ!こん畜生がぁ!!!」

再生しかけの細い腕で殴り掛かる。

 

「斑鳩君!子供は避難させ」

 

【月の呼吸 伍ノ型 月魄災禍】

 

「・・・え?」

「・・・は?」

緑谷は状況が呑み込めず、マスキュラーは自分の胴が真っ二つにされたことに気づいけていない。

(い、いま、今抜刀しねえで・・・)

「本当だったらもう少し戦っていたいが、任務の途中なんでn」

「セントルイス!スマッシュ!!!か、硬っ!」

マスキュラーを飛び越え蹴りを入れてくるのをノーガードで受ける。

「・・・蹴る相手を間違えてるぞ。」

「君こそ!なんで殺したんだ!!立派な殺人だぞ!」

「・・・ああ?」ブワッ

「!?」ゾワ

「そう思うならお前がさっさと倒してしまえばいい話だっただろう。お前の実力不足だ、それと一つ言っておいてやる。

コイツは人間じゃなく鬼だ。・・・おい、マスキュラーの個性は知っているか?」

「え?に、ニュースでは筋肥大っていってたはず・・・。」

「そうだよな、戦っててそうだった。だったら」

 

【月の呼吸 玖ノ型 降り月・連面】

 

緑谷の頭上をかすめる形で斬撃を振り下ろし、殴り掛かってきていたマスキュラーを斬撃が切り刻む。

「ぐあっ!!!くっ!」

「なぜこいつが両断された胴をくっつけてお前に殴り掛かれたと思う?」

「な・・・!」

驚きのあまり言葉がでていない。

「答えは簡単、こいつが鬼だからだ。鬼は打撃なんてものは効かない、USJの時の脳無とは訳が違う。鬼に限界なんてものはない。鬼は人とは違う、大半が食人衝動に駆られて本能のままに人を喰らうだけの化け物だ。薬もないから人に戻すすべもない。殺すしかないんだよ。鬼が人を喰うと力が増す、被害者が強個性であればあるほどその強化量はでかくなる。そうなる前に切ってしまうんだ。」

「だったら薬ができるまで閉じ込めておけば」

「それができたら苦労はしていない。1000年以上前からある鬼の歴史の中で人間に戻れた例はたった2人だけ、それも特殊な家系なこともあってそうなったに過ぎない。それで?誰が捕まえるんだ?ヒーローか?雄英にスナイプ先生ってのがいただろう。そいつでさえ1人も喰っていない鬼に手も足も出ない始末だ。10人も喰えばオールマイトですら手が出せなくなるぞ。鬼になるのは個性じゃないからイレイザーヘッドの抹消も効かない。」

「そ、そんな・・・。!!な!なんで君が雄英のこと!」

「今俺が喋った情報も何百年も前に多くの人が命を散らして命がけでつかんだものだ。それほど鬼狩りの歴史は古い。」

「・・・」

 

【月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮】

 

マスキュラーの首が宙に舞う。

「普通の人間はボロボロ体が崩れて死なないだろう?わかったらさっさと消えろ。この山は今鬼がうじゃうじゃいる。俺たちの邪魔はするなよ。」

目の形や牙など鬼の特徴を伝え雄英の生徒と先生じゃそいつらには敵わないから逃げろと広めるように伝え、その場を後にする。

 

非戦闘中の柱に鬼の量と担当区域を聞いた文を鴉に持たせ飛ばす。すぐに蟲柱から返事が来た。

 

【月の呼吸 陸ノ型 常世孤月・無間】

 

周りの鬼を一掃し返事を読む。

「距離は結構離れてるな、鬼とは・・・まだ2体しか遭遇していない?こっちはもう20は狩ったぞ!?・・・なんでだ?地域によって差があるとしか思えない。ちっ!量も多いしなんか人間も混じってるし雄英に見つかったらいけない・・・し?」

(鬼の大量出没、雄英、そこらをうろついてる人間・・・ハッ!そうか!こいつらは一般人じゃない!ヴィランだ!俺の動きが早すぎて攻撃されなかっただけか!)

「今すぐ柱と上弦に伝えろ!ヴィラン連合が鬼を使って雄英を襲撃している!」

 



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23話 盾

どうも斑鳩です。

そろそろストックが減りつつあるので投稿頻度を落としていますのでご了承ください。

本編です。

 

 

 

 

 

 

鴉を飛ばした後宿舎の上に飛び乗り、そこを中心に鬼を斬っていく。

あっという間に誰か来た。

「大丈夫か狛治!」

「炭治郎・・・上弦の参がこんな雑魚どもに負けるとでも思うのか?」

「思わない!言葉の綾ってやつだ!」

「この建物は雄英生が泊まっている宿舎だ。そいつらには見つからないように鬼を斬れ。お前は悪意が嗅ぎ分けられるんだろう?悪意を持った人間はヴィランだ。捕まえておいてくれ、鬼の情報を吐かせる。」

「わかった!ありがとう!」

サッと姿が消えまた戦闘が始まる。

 

 

 

 

数十分後

 

「あらかた片付いたか。」

「流石に疲れたな・・・。」

「体力無尽蔵の鬼とは違うからな、少し休んでおけ。」

スン「いいや、そうもいかないみたいだ。木の上へ!」

「?ああ」サッ

 

鬼と混ざって見聞色が細かく発動できない。

誰かいるのはわかっていたから鬼だと思ったら違うみたいだ。

 

「誰だ!」

「隠密は得意分野なんだが、こうも早く気づかれちまうか。」

(イ、 イレイザーヘッド!?)

 

ここでこの人が来るのは完全に想定外だ。

「お前らが鬼殺隊か・・・。悪いが、拘束させてもらうぞ。」

「・・・それはできない。」

「お前たちは大量にヴィランという人を殺している。見逃すという選択肢があると思うなよ。」

 

【捕縛布】

 

「くっ!」サッ

「ちっ、なんてはえー動きだ。」

(なんだ・・・攻撃の匂いが感じられない!?)

(イレイザーヘッドの個性は抹消、だから炭治郎の個性である嗅覚が消されたからいつもの動きが読み取れないのか!)

 

「な!?」

「捕らえた!」

炭治郎は前世からずっと、匂いを利用し戦ってきた。

攻撃を読み回避または防御し、隙を読み攻撃、動きを読み移動する。

数十年の戦いの中でその戦法が染みついてしまっているので嗅覚を消された状態での戦闘は炭治郎のとって非常に大きなハンデとなる。それに加えて100を超える鬼との連続戦闘。雑魚ばかりとはいえ人間にこれはかなり堪えるというものだ。

 

「おとなしく観念しろヴィラン。」

「く・・・!」

 

「なら次は俺が相手だ。」ブチッ

「俺の捕縛布を千切っただと!?特別頑丈な物のはずだぞ・・・。」

「ごめん猗窩座!」

「あとは任せて休んでろ日柱。できれば何人か応援を呼んでくれ、休んでからでいい。向こうも増援が近づいている。」

「わかった!」

 

「作戦会議は済んだか?」

「まあな、しかしなぜ追わない?」

「お前の相手をしつつ奴の動きを再び捉えるよりもお前に集中して捕らえる。その方が合理的だ。」

「ふっ合理的か。普通に考えればそうだろうな?だが俺は鬼だ。さっきのとはわけが違うぞ。それはそいつがよく知っているはずだ。」

「「「先生!」」」

「イレイザーヘッドと呼べ、全員警戒を解くな!こいつは鬼殺隊だ!」

「なあ?緑谷出久。」

「あかざ!な、なんで僕の名前を・・・!」

「なんだこいつ・・・。体が白い!?しかもなんだこの模様・・・。」

「この模様・・・江戸時代の罪人の入れ墨・・・?」

「よく知っているな八百万。」

「な!?わたくしの名前も!?」

イレイザーヘッドが探りを入れる。

「お前、雄英に侵入したときのヴィランか?」

「ふっUSJの話か?」

「やはりそうか!」

 

【術式展開 破壊殺 羅針】

 

「なんだ?雪の結晶・・・?」

「面倒な能力を使われる前に消す!」キッ

 

「ドライアイなんだろう?無理をするな。」

「躱された!?」

 

羅針を通して人間を見ると普段は闘気が見えるだけだが、個性を使う瞬間に闘気がそこに集中する。集まり始めてから発動するまでには少しのタイムラグが発生するので察知して避けることはできなくはない、視界という広大な範囲にちょこっと入るだけで引っ掛かってしまうから簡単ではないが。

 

「悪いがまだ少しやることが残っていてな、生徒の手前格好つかないかもしれないが」

「まずい!先生!」

「ちょっと寝ていてく・・・れ?」

【烈怒頼雄斗 最高硬度】

 

イレイザーヘッドの盾になるように切島が前に出る。

猗窩座はイレイザーヘッドのみに集中し、急に出てきた相手に拳を止めることができなかった。

 

「ぐああっ!!!お、俺の、最高硬度が通用しねえ・・・。」

「そんな・・・切島君の最高硬度が砕かれた!?」

「どんな拳の硬さしてんだあの入れ墨野郎ぅ・・・!」

 

「悪い切島・・・!その一瞬無駄にはせん!」

「ち!後ろに!」

 

【抹消】

 

 

鬼化が強制的に解除されその正体が露わになる。

「え・・・?

「う、嘘だろ・・・」

「ま、まさかそんな。」

 



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24話 作者の趣味全回

・・・はい、全開と○○回をかけました激寒

 

 

 

 

 

 

 

鬼化が強制的に解除されその正体が露わになる。

「え・・・?

「う、嘘だろ・・・」

「ま、まさかそんな。」

「「「「「斑鳩!?」」」」」

「ちっ面倒なことになった。」

 

「斑鳩、急に学校こなくなったかと思えば・・・ヴィランになんてなってたのかよ!」

「そうだよ!心配したんだから!」

「洗脳でもされてんだろ!?な?」

皆口々に狛治に声をかける。

 

「おい!!」

爆豪が口を開く。

「てめえ前に無個性みたいなもんっつってたよなぁ!イレイザーヘッドの個性で消えたってことはお前の白い姿は個性ってことだろうが!雄英にいるときは1回も使わなかったくせに・・・俺達を舐めてたってことか!ああ!?」

「ま!まて爆豪!」

相澤先生の静止もプライドを傷つけられ怒りに燃えた爆豪の耳には届かない。

「死ねええええええ!!!!」

 

「右の大振り。最初の基礎訓練から何も変わってないな。」

 

「な、視線を合わせないで躱した!?」

「毎回死ね死ねやかましいな、本当の死とは」ギラッ

「っ!?」ゾワ

「こういうことだ。」

(USJ時の殺気!前より全然強い、気を失いそうだ・・・!)

雄英生全員萎縮し、イレイザーヘッドでさえ恐怖を抱いている。一番至近距離で殺気にあてられた爆豪は言葉はおろか攻撃も防御も身を引くことも敵わない。

その場の全員共通して、猗窩座に敗北し殺されるビジョンが脳裏ではっきりと再生されている。

 

「・・・ヴィラン共は何人かは泥みたいになってしまったが、拘束した分はそっちに引き渡す。もう俺たちに関わるな。俺達を捕まえたところで揉み消されるのがオチだぞ。」

「それってどういう・・・?」

 

緑谷が言葉を発した瞬間、狛治の姿は消え、代わりに縄で拘束されたヴィランが10人ほど転がっていた。

 

 

「私が助ける必要はなかったようですね?」

「ああ、もうすぐ夜が明ける。任務は終わりだ。」

ふふっと笑いながら言ってくる蟲柱に愛想なく返す。

 

色々な意味で長い夜は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は数か月飛んで秋の中旬頃

なんだかんだ爆豪は攫われずに済みました。

 

 

「も、もう完成したのか!?」

なんともう家が完成しているのだという。

そんなに広い家を要望したつもりはないが、それでも早すぎないか?

「はい!隠半数動員で頑張りました!」

「そ、そうですか・・・。」

 

鬼殺隊を相手にしている時から陰ではこの人達が動いていたと考えると少し恐ろしくなる。

 

大正時代から現代へ変わり、隠の技術力も格段に上がっていた、それに数人鬼も隠として活動している者はいるのでそれもあるのだろう。

大正の頃も柱の家などは隠が建てていたため、今更和風の家1軒くらいもうそれほど問題はない。 とのことだ。

 

見に行ったときに思った

(結構でかいぞ・・・。内装もそこまでこだわりがなかったから恋雪と軽く話し合ったものをそのまま伝えたが、庭のことをすっかり忘れていた・・・。風呂とかの機能はしっかりいいやつだな・・・。)

庭は造り手に任せてしまっていたのでとんでもないことになっていた。元々竹林の道を抜けた先にあるから何もしなくてもいい雰囲気があったのだが、道と庭の灯りが石灯籠で小高く盛り上がった箇所から水が湧き出ており、庭全体に作られた小川を流れ池に入ると最初の場所に循環する。

ところどころに石橋や中洲が作られていて本当に豪邸にあるような庭だった。

(家の何倍土地使ってるんだこれ・・・。趣味趣向が過ぎるぞ。)

 

 

人生で二度目の荷造り

そこまで荷物は多くないので引っ越しはすぐに終わった。

隠科を回り、師範の家に行きそれぞれでお礼を言った。

師範には「恋雪になにかあったらただじゃおかんぞ!・・・という心配もないだろう。何かあったらいつでもうちを頼りなさい。」と改めて許しをもらった。

 

恋雪の荷物を持ち新居へ向かう、家具は要望したものが備え付けられているから布団袋を除いたら小物や本ばかりだ。

師範の家から学校が割と近いこともあって新居につくのに大して時間はかからなかった。

「ここだ。」

「はえー、すっごいきれいな家。庭もすごい!」

「職人の業だな・・・。」

 

恋雪の荷物を恋雪の部屋に運び、一息つく。

「布団はここでいいか?」

「はい!ありがとうございます!・・・・・・・・お、同じ場所で寝ないんですか?」上目遣い

「(かわいい(即答))寝室は一応あるが・・・そ、それは心臓に悪いからもう少ししてからで・・・。」

「楽しみにしてます!」パアア

((かわいい!(即答))なんだこの生物は・・・愛でたい、今すぐに!)

 

一生心臓に悪いかも、と思った鬼殺隊十二鬼月上弦の参なのであった。

 



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25話 各々の計画

一生心臓に悪いかも、と思った鬼殺隊十二鬼月上弦の参なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「本日はこのような場を設けていただき、ありがとうございます。校長の根津です。こちらは」

「相澤消太です。よろしくお願いします。」

「こちらこそ、お会いできて光栄です。それはそうと、本日はどのようなご用ですか?」

 

「そちらに通っている竈門炭治郎君、斑鳩楓改め素山狛治君が、鬼殺隊としてうちの生徒に接触していることが判明しています。ここに来る前に警視庁の方から鬼殺隊は政府公認だと話は聞いています。鬼殺隊とは何か。をより理解するためにわが校の生徒と合同で訓練をしたいのです。」

「ここまで鬼殺隊の方々を無碍に扱ってきてしまったことはお詫び申し上げます。私たちがいくら説明しても一度ついてしまったイメージを完全に拭い去ることができませんでした。なので訓練を通して〈鬼殺隊は悪〉という思い込みを払拭したいのです。」

「・・・わかりました。その話受けましょう。」

「「・・・ありがとうございます」」

 

 

 

 

 

 

「念の為オールマイトにも近くで警戒態勢をとっていてもらいましょう。」

「そのつもりさ!もし狛治君が洗脳されていた場合、少し無理をしてでも連れてきてくれたまえ!」

「あの化け物をですか・・・特別手当はでるんでしょうね?」

「考えておくよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ということで再来週の柱稽古に雄英高校1年A組の人たちを参加させたいんだ。いいかな?」

「お言葉ですがお館様」

「なんだい?実弥」

「俺は反対です、ヒーローなんてものは信用するに値しません。第一我々鬼殺隊になんのメリットもない。イメージなんてものも、向こうが勝手にマイナスに下げたのを向こうが勝手にゼロに戻るだけだ、しかも邪魔をしてくるヒーローがいなくなる確証はない。」

「実弥の言い分もわかった。確かにただこちらの訓練に参加させるだけじゃない。柱、上弦の皆には1日目に雄英にいって彼らの授業にあわせてそのサポートをしてほしいんだ。そこでヒーローに関することを小さい壺を使って玉壺に探ってきてほしい。お願いしてもいいかな?」

「ヒョヒョ、承知しました(まずお願いから入るの優しい・・・誰かさんとは大違い・・・。)」コク

「お前は後で私のところへ来い玉壺」ゴゴゴ

「スミマセンデシタ」

「おそらく2日目以降の柱稽古の中でも向こうは同じことをしてくるだろう。ならお互いに理解も得られるだろうし情報も得られる。こちらはやましい情報なんて1つもないからね。」

「スパイということですか・・・そういうことなら、まあ納得はできます。」

「みんなも異論はないかな?」

「ありません!!!」

「うるっせえぞ煉獄!耳元ででけえ声出すんじゃねえ!!」

「すまん!!!」

「はあ・・・もういいわ」

「・・・もう何もないみたいだね。ではよろしく頼んだよ。」

「「「御意」」」

柱合会議改め柱鬼会議で柱たち全員に伝えられることとなった。

 

{視点変更 緑谷出久}

「「「鬼殺隊との合同訓練ー!?!?」」」

「ああ、先日話した通り鬼殺隊は裏では政府が公認している組織だ。お前たちの考えている鬼殺隊と本当の鬼殺隊の印象をすり合わせるために試しとして1年A組が今回の訓練に選ばれた。俺達プロヒーローも十分警戒をした上で実施する。」

「具体的にはどんなことするんスか?」

「1日目はうちでいつもの授業だ、それに鬼殺隊が生徒として参加する。2日目からは18日かけて鬼殺隊の合宿に参加だ。」

「じ、18日もですか!?」

「なんでも鬼殺隊内の強化合宿が期間内にあるらしくてな、もともとこちらが持ちかけた話だから内容は向こうに合わせた。日程は来週の木曜だ、親御さんに伝えておけ。・・・ここからは教師としてではなく一ヒーローとして喋るが、公認だからって人を殺していることに変わりはない。そんなやつらの訓練なんて軽々乗り越えていってやれ。」

「「「はい!!!」」」

「・・・。」

「ん?どうした?緑谷。」

「あ!ううんなんでもないよ切島君!アハハ・・・」

(おそらくこの中で鬼殺隊について詳しく説明されたのは僕だけだ・・・。[林間合宿編参照] 何人か食べられてしまえば軽くオールマイトを超えるみたいなことを言っていたけど、それを狩り続ける斑鳩君たちって敵だとしたらもしかしてヴィラン連合よりヤバい奴らなんじゃ・・・。)

 

鬼殺隊には負けない!と皆が意気込んでいる中、僕一人だけがとてつもない不安に駆られていた。

 

 

 

 

そして合宿開始当日

 



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26話 久々の雄英

そして合宿開始当日

 

 

いつも通り騒がしい空気の1年A組

「お前らー席つけー」

相澤先生の一言で静まり返る教室

「早速だが今から鬼殺隊の人たちを紹介する。入ってきて下さい。」

 

 

{視点変更 狛治  そして時間は数十分前に遡る}

「じゃあ俺たちは職員室にいるから、引率はここまでだ。」

「ありがとうございました!宇髄さん!」

俺は炭治郎達3人とともに1日入学という形で雄英に入ることになった。

「俺と炭治郎がA組で、善逸と伊之助がB組だな、Bは柱稽古には参加しないから、ある程度目立ってもいいぞ。」

「なんで俺がコイツと一緒なんですかぁ!!ある程度どころじゃすみませんよぉ・・・。」

「うるっせえ!俺と一緒になれるんだから光栄に思え紋逸!」

「狛治さんでさえ名前を覚えてくれてんのになんで100年近く一緒にいるお前は覚えられないんだ!」

「しょうがないだろ、こいつはそういうやつだ。それと組み分けの件だが、まともなのが1人はいたほうがいいとのことだ。」

「善逸、それなら俺が伊之助と行こうか?」

「炭治郎・・・お前はまともだが説明ができないだろう。せめて俺が変わってやろう。炭治郎ならコントロールできるだろう。」

「うう・・・ありがとうございますぅ(:_;)」

「あまりにも騒いだら柱が1人いなくなることになるからな?伊之助」

「ハイ(即答)」

 

そして視点変更前に至る

 

「入ってきて下さい」

ガラガラ

(((斑鳩・・・と)))

「「「猪のばけもん入ってきた!!!」」

「お前らうるせーぞ」

シーン

「この被り物はこいつの育て親の形見みたいなもんなんで大目に見てくれ」

「まあいいだろう」

「先生にタメ口・・・」ボソ

「まあまあ落ち着け飯田!な?」

 

「では自己紹介からお願いします」

「俺様は山の!」

「それは前(世)の話だろ?」(^^)

「獣柱 嘴平伊之助です。よろしくお願いします。」

「コホン・・・上弦の参 素山狛治だ。お前達が知っている斑鳩楓は忘れろ、もう改名済みだ。」

「お前ら、何か質問は?」

「はい!」

「じゃあ瀬呂」

「柱とかなんとかの参ってなんだ?」

「それは鬼殺隊の階級のことだ。上から柱・甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸がある。」

「上弦の参というものはなんでしょう!」

「鬼殺隊の鬼の階級のことだ。上から1人ずつ上弦の壱・弐・参・肆・伍・陸・下弦の壱・弐・参・肆・伍・陸がある。あとは全員階級なしだ。」

「鬼を狩る組織に鬼がいていいんですか?」

「それは後で話す、まず説明をしよう。鬼殺隊とはその名の通り鬼を殺す組織だ、歴史でいえば平安時代から始まっている。どこまで言っていいかわからないから詳しいことをペラペラしゃべるのはやめておく。ちなみにさっき言った階級は功績によって上がる、が柱は明確な条件がある。鬼を50体殺すか十二鬼月と呼ばれる鬼の上位12位までのやつを倒せば柱となる。ここからはその鬼についてだ。鬼は平安時代に鬼の始祖となる存在が生まれてから発生している。その始祖の血を摂取することで鬼となることができる。」

(なることができるってなんかいいことみたいに言うな・・・?)

「鬼は人とは比べ物にならない力を持つ。そして」

チャキという音を立てて日輪刀を取り出す。

「この日輪刀という太陽の光を山ほど吸収した玉鋼で作り出した刀で首を切るか陽光で焼かないと死なない。」

「はい!首以外切ったらどうなるの?」

手袋が宙に舞い質問をする。

「いい質問だ葉隠。じゃあ八百万、ここで剣作ってくれ。形は何でもいい。」

「は、はい!」

八百万は作り上げた剣を狛治に渡す。

「じゃあ伊之助、鬼になるから腕ぶった切れ。」

「「「は!?」」」

「わかったぜ!」

「そ、そんなことしたら戦えなくなっちまうだろ!」

「まあ見てろ」

伊之助は猗窩座の腕を切り落とした、がすぐに再生する。

「このように鬼はすぐに再生する。腕だったら日輪刀でも再生されてしまう。だから日輪刀で首を切るのが有効なんだ。夜行性の鬼を拘束したまま夜明けまで待っていると見張ってないといけないから時間がかかる割に1体しか倒せないだろう?」

「な、なにも殺すことはねえんじゃねえか?どっかに閉じ込めたりとかさ!そうだ!人間に戻す薬はないのか?」

「それがあったら苦労しない。」

「そ、そうだよな・・・。」

「といいたいところだがあるにはあるらしい、現に鬼から人間に戻った2件の内の1件が隣のクラスにいるからな。」

「じゃ、じゃあ!」

「だが無理だ。そいつが鬼から戻れたのは鬼から人間に戻った妹の血を摂取し鬼に対する耐性を付け、それで薬を飲んだから戻った。妹のほうは詳しくは知らんが、鬼の医者の協力があって何百年の時をかけてやっと作り出したものなんだ。俺らが作れるものじゃない。それと個性というものが生まれてから鬼の仕組みも変わった。鬼は元々人を喰った数が多ければ多いほど強くなった。そいつが強ければ強化量も上がる。今は強い個性であれば戦闘力として鬼の強化量が比べ物にならないほど上がる。今なら・・・一般市民を10人も喰えばオールマイトは倒せる。全盛期はどうか知らないが雄英に来たばかりの状態なら瞬殺とまではいかないがいい勝負の後敗北ってとこだろうな。そもそも日輪刀持っていないし。ちなみに言っておくがうちにいる鬼に食人衝動はないし全員自我はある。」

「そ、そんな・・・。」

「悔しいけど鬼殺隊の柱と上弦でも一対一でやったら鬼のほうがつええ事が多いぞ!」

「はっ!てことは元雄英の1年がトップ3かよ!じゃあオールマイトでも大丈夫じゃねえかよ!」

「?柱は全員そこにいる半々羽織みたいなやつよりずっと強いぞ。あいつ、ここで一番強いだろ?」

廊下からこっそりと覗くオールマイトに声をかける

(わ、わたしの存在がバレてるっ!?)

「確かに最初のヒーロー基礎の時オールマイトと互角だったよな・・・。」

「トップ3のこいつで互角ならその柱とやらじゃ勝てないんじゃねーの?」

「そりゃそうだよ!なんてったって記憶を」モガ

「こいつらにそんなこと言って信じるわけがないだろう。事をややこしくするな。まあ柱の強さは明日に嫌でもわかる。生徒であるお前らはもちろん」

「「「?」」」

「オールマイト達プロヒーローも参加するらしいがへばらないように頑張ってくれ、壬辺りみたいに数日で撃沈しないようにな。」

「おい!プロヒーロー達がそんなに弱いと思うのか?さっきのタメ口といい・・・先生たちを愚弄するのもいい加減にしたまえ!!今は君にとっては先生ではないのかもしれないが、年上の方は敬いたまえ!」

飯田が立ち上がって怒号を上げる。

「ぷっお前、前も合わせたら100歳超えてんのにな笑」

「やかましい」

「いいんだ飯田少年。言ってくれるじゃないか!お手柔らかに頼むぜ!」ニッ

オールマイト達は違うとわかっていても、【斑鳩楓】が死んだ日からどうもヒーローたちが信用できない。何度自分にあいつは例外だと言い聞かせても。あいつ個人ではなくヒーローそのものに対する嫌悪感がどうしても拭えない。

「盛り上がってるとこ申し訳ないが、時間だ。一限が始まるぞ。」

と相澤先生が場を収めた。

「じゃあ鬼殺隊のやつらは・・・そこ(左端列の後ろ)に机並べて座ってくれ。」

「わかりました、相澤先生」チラ

狛治がこれでいいかといわんばかりに飯田のほうを見る。

「・・・。」

視線に気づいた飯田は何を言うでもなくふいっと目を逸らしてしまった。

 



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27話 新技

どーもどーも、斑鳩です。

学校が休みになってしまう事が多くなってきたので投稿頻度が落ちます。

理由はこの小説を書いてる理由が授業で眠くなった時にそれを覚ますためだからです。

なので元々投稿も授業中もしくは休憩時間中の気まぐれみたいなもんなんで学校がなかったらその日は書くのも投稿もおやすみになるのでそこんとこよろしくお願いしまーす。

 

 

あと主が銀魂にドはまり中です。恐らくセリフとかだけでもぶっこむと思いますのであしからず。

 

長くなってしまいましたが本編行きまーす。

 

 

 

 

 

 

「ぜんっぜんわかんねえ・・・。」

「うちで教わってんのは偏差値でいえば40くらいだからな。」

「ここ結構難しいとこだからなーおいらでもキツいよ。」

 

伊之助は開始一言目の数学用語で頭がパンクしていた。

 

 

 

 

峰田お前はやればできるのに勉強してないだけだろ。

 

そんなこんなで5,6時間目に突入。

「ここから鬼殺隊の本領を発揮してもらう。」

 

「「技開発?」」

 

「ああ、あんた達鬼殺隊にはそれぞれの呼吸と型ってのがあるんだろう?そういった実戦で使える技があったほうが生徒のモチベーション向上と戦力アップが見込める、2人は技の訓練をみんなとやっているだけでいい。威力、規模ともにけた違いだからな、あいつらにはいい刺激になるだろう。それに・・・」

「「?」」

「あんたらんとこの先生方に「あんまり体力を使わせたり精神的に辛いことをさせてやるな。」って言われてるからな。そっちでしごいてくれるんだろ?」

「ま!そういうこった!せいぜい今日のうちにいかにヒーローの訓練が楽かってのを味わっとけ!」

「そういうことならわかりました。こっちは自由にやらせてもらいます。」

 

 

 

 

 

「えー今日は少し後の内容を先取りして、」

(え、てことは結構難易度高いやつ・・・?)

(大丈夫かな・・・。)

 

「必殺技を作ります。」

「「「夢膨らむやつキタアアア!!!!!!」」」

「それとぉ」ギラ

シーン

「あまり体力使うな。全員明日に備えてくれぐれも無理はするな。」

「え!?どうしたんですか先生!らしくねえぜ!ただ2週間とちょっと合宿するだけだろ?」

先生からの思わぬ発言にすかさず切島が口を開く。

「その2週間がきついらしくてな。教師も仕事以外では無理しないように上から言われてんだ。」

「先生も!?舐めすぎだろーそれは!」

「大丈夫っすよ!まあ楽なのに越したことはないけど・・・。」ボソ

爆豪派閥が口々に意見を通そうとする。

「まあどうするかはお前らに任せる。じゃあ素山、嘴平さん、頼んだぞ。」

「はい」

「この伊之助親分に任しとけ!」

 

「えー、技の開発ということだが、勝手にやってくれとは言われたものの流石にそれだと影響されるものも少ないだろう。だが俺ら特に伊之助は君たちが人殺しだと宣う技しか使わない。よって俺らの技をそのまま教えるってのはこっちも嫌だしそもそも無理だしそっちも同じだろうから殴り合いの近接戦闘のやつは」

体育館のカーテンを閉め暗くなったところで狛治が鬼となり、

「手加減してやるから俺がまとめて相手してやる。他にも俺みたいな真っ向から戦うやつとやりたいときは俺、小技を使って変則的な奴とやりたい奴はそこのアホとやってくれ。ある程度戦ったら止めるから、そこからは各々のやるべきことをやってくれ。」

 

結果的に緑谷、切島、常闇、葉隠、麗日、瀬呂、尾白、砂糖の8人、残りは伊之助が相手することになった。

「何度も言ってるが怪我させんなよ。柱稽古に初日からついてけなくなっちまうからな。」

「わかったぜ!」

 

「んじゃ・・・」

【術式展開 破壊殺 羅針】

「かかってこい」

 

「鬼だからって・・・」

「ケガしても知らねーぜ!!」

 

その言葉を皮切りにスピードも強化できる奴らの第一波がきた。

【OFA15% デトロイトスマッシュ】

「ダークシャドウ!」

「アイヨ!」

「うおらぁ!!!」

「グウオアア!!」

ダークシャドウを殴り飛ばし、

「な!?ぐあっ!」

砂糖の殴打を回避し背中を突き飛ばす、緑谷の拳を手で掴み

「くっ・・・!」

「俺はあの日以来ヒーローというものが信用できない。お前たちは言ったな。」

「俺が止めるからやっちまえ麗日!切島!尾白!」

「わかった!」

「おう!」

「了解!」

瀬呂のテープが胴体に巻き付く

「てやあっ!!!」

「鬼を殺すことはない、捕らえて生かしてやればいいと」グイッ

「うわっ!」

瀬呂をテープで引っ張り

「それが自分の家族を殺した鬼でも同じことが言えるか?」

【ガンヘッドマーシャルアーツ】

「う、動かへん・・・。」

手を掴んだほうと別の腕を麗日に掴まれてもなお微動だにせずに続ける。

「鬼に善の心なんてものはない。家族を殺されたやつの目の前で親を喰い」

「麗日を!」

「離せ!」

尾白、切島の攻撃をノーガードで受け止める。

鉄の肌の猗窩座にとってそれができる限りの反撃だ。

「ま、また硬さで・・・。」

「ちっ!びくともしない・・・。」

「高らかにそいつの無力を嘲り笑う、最後に刃物を渡し腕を切らせて再生して見せる。」

麗日に掴まれた腕から手首の部分を掴み返し投げ飛ばす。

「そうして遊んだ後に殺す。そんな反吐が出るような奴もいる。そんな奴に親を殺されたとき」

掴んだ拳を引き寄せ

「同じことが言えるのか?若造君?」

ペンッ

後ろを向いて背後を取ろうとしていた葉隠にデコピンをかます。

「ひゃう!痛ったー・・・」

「勝負ありだ。実戦ならここで死んでるぞ、伊之助!ここまでだ!・・・ここからは自由にしてくれ」

 

 

「そういえば柱だのなんだのってどう見分けるんだ?」

「柱は格好は隊服を着ていれば自由だからすぐにわかる。甲以下は聞かないとわからん。俺は強さでわかるが。」

「じゃあ上弦は?」

「目を見れば・・・ああ今は人だったな」

そういって鬼になり瞳を見せる

「両目に文字が入れてあるだろう?これでわかる」

「い、痛くねーの?」

「痛みはもちろんある、だから降格は絶対に嫌だ」

「なんもないとこまで降格したらどうなんだよ?」

「確か・・・文字の真ん中に横1本傷が入ったはずだ。」

「う・・・聞かなきゃよかった・・・ありがとう・・・。」

行ってしまった

 

 

さて、かねてから試したかった技がある。

空式以外の遠距離技がないためそれを作りたかった。

いい機会だからイメージを行動に移してみようと思う。

 

闘気を片手に集中、バレーボールほどの大きさになったら体を捻り(ドラゴンボールゼノバース2、ミラの本気玉参照)、戻る勢いで手を突き出し放出(ドラゴンボールZフリーザの最後の一撃参照)。闘気を集中させ続けられるほど余裕がある状況なら半永久的に出し続けられる。

バレーボールくらいといったがこれがなかなか難しい。

たまりきる前に暴発するか穴が開いた水風船のように闘気が漏れ出してしまう。そこを制御するのがとても大変だった。

そして6時間目が終わる頃

 

 

「ようやく形になった・・・。」

仮完成だ

 

【破壊殺 放式 電光冠菊】

 



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