魔法少女の追加戦士になってしまった。 (萩月輝夜)
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神様との出会い
男は駆け出していた無意識に。
目の前にある親子の盾になろうとした。
男は素人の弾なら死にはしないだろうとたかを括っていた。
どうしてそんなことを思っていたのか今さらに思ったが後の祭りだった。
当然だろうこの日本は米国のように銃社会じゃないし撃たれたことがないのだから。
よく洋画でムキムキのマッチョマンが庇って「かすり傷だ」で済ませていたしと。
「ぐがっ…!?」
しかし、運悪くその強盗犯が撃った9ミリ弾は男性の背中、心臓の部分に到達し内部で心臓は血の華を咲かせていた。
即死だった。
それは無意味ではなかった。
発砲を合図に室内が騒がしくなる。
発砲を合図に機動隊が突入して銃を持った犯人を取り押さえた。
地方都市での強盗殺人事件は一人の男性が犠牲になり親子、母親と子供の命が救われた。
救われた親子は涙し感謝し周りの人間も身を呈して親子を守った男を言葉にはしなかったが称賛し尊敬していた。
直ぐ様救急車の隊員が到着し縦断によって死亡した勇敢な男に布を掛けて運び出された。
その男の死に顔は苦しみ…と言うよりも無念だ、という表情だった。
◆ ◆ ◆
それを天界から見ている所謂”神”がいた。
その姿は正に人間が思い浮かべる黒曜石の輝きを持つのは腰よりも長い豊かな黒髪。
豊満な胸と括れた腰に柔らかそうなお尻。
女神と呼ぶにふさわしいご尊顔でそしてすべてをすべてを包み込むような母性愛。
女神ヘスティアが
「何という勇気のある男性なのでしょう…死んでしまっては褒美も謝辞も与えられません…他の神のようにトラックで退いて強制的に第二の人生を送らせるのも…忍びないですし…どういたしましょうか…。」
ヘスティアは神様ではあったが直近の同類が人の子を選別し娯楽目的で復活させるのは躊躇われた。
そのくらいには常識?がある女神であった。
ヘスティアは思い悩んでいると奥から一人の少年が現れた。
少年は鍛冶に使う布製の腕宛を着け左上半身は裸。
しかし、鍛え抜かれたその体は少年というミスマッチでインモラルな色気を感じさ顔も素晴らしく整ったご尊顔の鍛冶神ヘファイストスであった。
「生まれ変わらせてやればいいのではないか?それくらいは許されるだろ。人の子が死ぬのは自然の摂理ではあるが他者から命を害されたのは別だろう。」
ヘファイストスに言われヘスティアはハッとした。
そうだった!と。しかし…。
「ですが一度は亡くなられた人の子の肉体を蘇らせるのは周りの人々が驚いてしまいます…。」
「だからこその他の神が行っている”異世界転生”を行えばいいだろう。其ならばハデスからも文句はあるまい。」
ヘファイストスの助言にヘスティアはハッとした。
そうだと、そのまま生き返らせることはできないが別世界に転移させて器を用意し魂をそこに入れようと考え付いた。
「盲点でした…ナイスです!ヘファイストス!」
「最近は他の神によって悪戯に寿命で死んだ人の子を異世界転生させているらしいからハデスもお冠だからな…今回は許してくれるだろう。」
満面の笑みでこの場に先ほどの青年を此処へ呼び出した。
◆ ◆ ◆
俺は津上秋人。
あそこで倒れているのは俺…らしい血色は完全に血の気が引いており死んでいるように仰向きで倒れ周りの人間が騒ぎ立てて撃たれそうになっていた親子の姿が見える。
それを俺ではなく第三者の視点で視ているということは…つまり。
「…死んじまったのか。」
何とも呆気の無い人生だったと思う。
俺は今年で二十四歳で彼女いない歴=年齢という悲しき獣(童貞)で終わってしまったことに何とも言えない感じになった。
正直二次元が嫁な人間なのでリアル女子は風俗で触れ合うぐらいで丁度いい。
そんなことを考えていると声が聞こえた。脳内に直接響く。
『勇気ある青年さん。私の声が聞こえますか?』
こいつ脳内に直接…とやけにいい声が聞こえたので振り返ると背後から女性の声が聞こえ良く注視すると暗闇の向こうから光を伴って女神が顕現した。
『あ、聞こえていますね。良かったです。其では話を続けますよ。』
女神は聞こえていることを確認して姿を正して厳格な佇まいで話してきた。
『人の子よ。あなたは自らを省みず二つの命を救いました…素晴らしいことです。更にこの事以外にも様々な善行を重て来ました。貴方に神として謝辞を申します。有り難う…。』
慈愛溢れる女神、とはこう言うことなんだろうなとその姿に見惚れていた。
反射的に女神様に返答する。
「え、あ、いや、そんな大層なことは…。」
『謙虚ですね貴方は…こほん、そんな貴方に一つこの女神から提案があります。』
女神は神妙な顔で話した。
『あなたを生き返らせたいのですがどうでしょう。』
「えっ、それって不味いんじゃ…」
そうだ、人間にはある種の運命があり確定した出来事をなかったことにしてはいけないはずだ。どこかで矛盾が起こるはずだ。
タイムパラドックス起こっちゃうんでは?
『あ、大丈夫ですよ…ただですね…』
女神が言いづらそうに言い淀んでいるとその背後から気配を感じ取ったのでそちらの目を向けると此方も現実では見たことの無い美丈夫が現れた。
ギリシャ彫刻もかくや逃げ出しそうな肉体美だ。
『言ってしまえば良かろう。別に言い淀むことでもあるまい。』
「え、ど、どなたですか…?」
そう問いかけると少々…というか面倒くさそうにしていたが説明してくれた。
『…自己紹介は面倒だから割愛する。つまりお前はお前という肉体は死んでしまったがこちらで新しい肉体を用意するからお前の魂をそちらに写し変えるぞと言うことだ。』
つまりはだ、別の人物になると言うことだ。
正直頭が追い付かず混乱しているが俺は「お願いします」と答えてしまった。
それを聞いた女神は嬉しそうに。
『本当ですか!有り難うございます!じゃあ早速…』
「え、もうですか?!早くない?」
『一瞬ですから一瞬!じゃあ目を閉じてください…いきますよ、あ、どこの世界に生まれ変わりたいですか?』
急に振られたもんで咄嗟に俺は今でも愛読しているメディアミックス作品の「魔法少女プリズマーズ」の世界に生まれ変われたらな~…と。
この作品日曜の朝8時代に放映している作品で女児向けアニメであるが某ライダーや、戦隊ものの熱い設定が多く含まれいわゆる大きなお友達が多い。
実際に俺もこの作品のファンでガキの頃からはまっていた。
事件の当日プリズマーズの新刊が1年ぶりに発売されるため俺は事件の当日に銀行に金を下ろしに来ていたのだった。
見れなかったのが心残りであったため無意識にそれを願ってしまっていた。
それがある意味俺をまた波乱の人生に巻き込む要素になってしまった…。
気がつくと俺は光の中へと飲み込まれれていった…自分が自分で失くなるような、だが自分という個は存在していた。
◆ ◆ ◆
(…転生させるって言ってたけど一体…ってめっちゃ眩しいっ)
目が覚めると若い二人の男女に覗き込まれていた。
「おはよう、っていってもわからないか。しかし、君にそっくりだね」
「顔は私だけど瞳はあなたそっくりよ。」
どうやら生まれたての子供らしい…ん?子供?なぜ俺はこの会話をこの目線で聞いているんだ?あれ身体が思うように行かないぞ?、
なんか手足も…小さい…声は「あう、あう」し言えない…俺赤ちゃんになってる…嘘だろ…!?
「~~~~~~~~!。」
赤ん坊特有の泣くのが仕事な泣き声を発すると抱き抱えている黒髪が美しい母親に揺りかごのごとく揺さぶられる。
「あらお腹がすいたのかしら?」
「きっと僕たちを読んでいるのさ。ほら、僕たちはここにいるよ。」
「ママたちはここにいまちゅからね~元気な泣き声…きっとこの子は健やかに育つわ。」
(お、元気な泣き声…じゃないんですよ…こちらら赤ん坊になって混乱をしてるんですけど…?)
混乱する俺を尻目に目の前の両親がなにやら相談しているのが耳に入る。
どうやら自分の名前を付けるところだったらしい。
「あなた名前はこの子の?」
「もう決めてあるんだよ、この娘は真白だ」
「真白?」
「ああ。純粋で穢れなく世界を見据える視点を持った優しい子に育ってほしいって意味でね。」
「黒澤、真白…ふふっ…真白ちゃん~生まれてきてくれてありがとう。」
両親の笑みを見せられ俺はもうどうとでもなってくれ、とやけになって赤ん坊らしく「キャッキャ」と笑って手を伸ばす。
温かい感触が赤ん坊ながらの小さい手に伝わるのと同時に心音が聞こえてきて再び眠りに落ちてしまった。
「あら?寝ちゃったわ。」
「寝る子は育つ、って言うしね。君みたいに可愛い健康な”女の子”に育つさ。」
「よろしくね真白ちゃん?」
…今、女の子って言った?
再び俺は泣き声をあげて病室に轟かせ津上秋人、もとい黒澤真白ちゃん(俺)は爆誕してしまったのだった。
マジっすか…?
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喋る猫との出会い
6/4本文一部修正あり アクア→ブルーへ変更。クローバーエッジ→クローバーアローへ変更。
俺、津上秋人は生まれ変わって13才の女の子になりまして…えーと、なんでだよ…確かに「魔法少女プリズマーズ」の世界にいきたいと
思ったけどさ…いや一般男性でレッドとアクアのイチャイチャがみたかったけどさ…何で女の子なんだよ…俺のフレイムセイバーは使用され
ないで折られちまったよ…しかもこの世界「プリズマーズ」の5人目だって…?
話は俺が5歳になった頃まで遡る…
「んなぁ、真白。私の声が聞こえとるかえ?」
俺が生まれた頃からいる黒猫のクロエ、それが急に話始め俺は「ふぇ?」と間抜けな声をあげた。
「なんじゃ真白、間抜けな声をあげおってからに」
「いやいや!フツーにびっくりするから!アニメじゃないんだから…ってそうか『プリズマーズ』の世界だったね確か…実感わかないね」
クロエはクスクス笑いながら俺の反応を面白がっていた
「まぁそうじゃろて、敵もいなければあやつらもまだみておらんしのう。真白よ右の掌をみてみよれ。」
クロエに言われ俺は右の掌を見てみた。するとそこには双銃をモチーフにしたエンブレムが浮かんでいた。まさにこのエンブレムこそ
『プリズマーズ』が存在していることを示していた…が
「あれ、でもこのエンブレムみたことない…」
そのはずだ、エンブレムは4つしかない。レッドのハートソード、ブルーのダイヤランス、グリーンのクローバーアロー、イエローの
スペードハンマーだけだったはず…?クロエはそれを尻目に話し始める。
「それもそうじゃ、お前が5人目のプリズマーズなんじゃからな」
「は?俺が?」
「そうじゃ?」
おもおっきり関わってんじゃねーじゃ!おい!しかも追加戦士だって…本作じゃあそんな話はなかったはずだぞ…
「まぁスティーアに頼まれとったからの。『あの人には報われた人生を再び送って欲しい。プリズマーズの世界ではエンジョイして欲しい
んです。なので超美少女になって登場人物としちゃいました!てへっ 』じゃそうじゃ。」
おいめっちゃにてたぞ水瀬い◯りさん声だったぞ。スティーアってそういう…
スティーア様…ありがとう俺の為に…真面目に生きててよかったけど…けどさぁ…何で女の子にしたのよぉ…おじさん(現幼女)TSって…
はやんねーよ。
「お主には戦闘訓練と魔導具の扱い方を完璧にマスターしてもらう」
この世界に生まれたからには魔法少女彼女らが傷付くことが確定しているのだ。少しでも彼女らが傷つかないように俺が強くなればいいのだ。
「お主は…本当に…自らを大事にするんじゃぞ」
女の子の身体を傷物にするものかよ。困った人がいたら助けるけどな!
「わかった、原作が始まるまで鍛えておかなきゃな。」
「あとその口調はなおしておきんし。はしたないと思われるぞ?」
「う…わかった直すよ」
「『わかりましたわ』じゃ」
「わ、かっ『わかりましたわ』わかりましたわ…」
「うむ。」
こうして原作が始まるまでの8年間、道具の使い方と戦闘について、あと女の子のらしくなる訓練もクロエと一緒に行った。
戦闘よりも女の子の訓練の方が辛かったのは内緒だ。だって言うとクロエが頬っぺたを舐めてくるんだもん。くすぐったくて困る。
そして時は流れ、今に至る。季節は春に…
木々や花々が芽吹き始める季節。並木の桜が鮮やかな桜色を鮮明に彩っている。桜の並木を通る子供たちがいた。今日は虹ヶ崎第一中学校の
入学式だ。一人の少女が学校の入り口に向かう少女がいた。
その少女が通る度みんなが振り返った。絹のような美しいロングヘアーの黒髪、目鼻立ちくっきりとした強い意思を宿す瞳に整った顔立ち
中学生にしては…すごく大きいです…身長は同学年にしては大きく手足が長くスラッとしている。美少女といって差し支えない娘がいた。
その姿を見て男子中学生はドキドキしたり赤面していたり同性には「お姉様…///」なんて声も聞こえてくる始末。先輩に至っては
「ナンパしてこいよ」何て言う。
「…はぁ…皆凄く見てくるわね…何か変かしら…?」
的はずれなことを呟くと不意に声が聞こえてきた
「そんなわけないじゃろうて。お主が絶世の美少女にだからじゃよ」
ビックリしたが慌てずに声がする方向へ視線を向けると肩に掛けていた通学鞄の中にクロエがいた。
「何でいるの(小声)」
「今日はお主の入学式じゃ。祝わんでどうする。」
「だからって鞄に入らなくてもいいじゃない!(小声)」
「そんなことはどうでも良いじゃないか、それよりもお主、自分が美しくないといっておったな…はぁ、自覚なしか。やれやれ」
あきれたと言わんばかりのため息混じりのコメントだった。
「うーんそんなこと言われても、皆可愛いじゃない。」
そう、この世界皆顔立ちが整っているのだからこう思っても仕方ないと思う。私みたいなのはごろごろいると思うんだけど。
「まぁ、よいかの急ぐぞ真白よ。遅れてしまう。」
そういわれ腕時計を見ると開場まで残り10分を切っていた。
「不味いわね。」
門までは1キロ以上ある、幸い回りには人はいない…で、あれば…
「急ぐわね。使っちゃおうか…set…call…accelclock…」
脚部へ魔力を伝達させる。加速魔法だ。1000倍のスピードで動けるようになる。足を踏み出した瞬間校門へと到達していた。
校門へたどり着いた時なに食わぬ顔で会場まで進もうとしたとき、目の前にいる少女が私に気がつきビックリしたと声を掛けてきた。
「わっ!あなたいつの間に?急に現れたみたいだったよ!」
「気のせいじゃないかしら。あなたの後ろにいたわよ。」
「うーんそうかな…そうかも!…うわぁ…綺麗な人…」
「…えーと、ずっと見つめられるのは恥ずかしいのだけど…」
彼女いわく私がきれいすぎて見とれていたらしい…それはそれで恥ずかしい赤髪のツインテールの美少女に見つめられたとなれば。
時間を思いだし我に帰る。遅れてしまう急がなくては。
「急ぎましょう!入学式に遅れてしまうわ。」
「わ、わ!まずい!急がなきゃ!」
二人は式場へと急いだ。
そして、入学式はつつがなく終わり…クラス分けの発表を確認していた。
「私は1ーAか。」
真白と同じクラスになったものは喜びの声をあげているものもいたりした。先ほどあった女の子がいたので真白が声を掛けてみる。
「あなたはどのクラスだったの?」
話しかけられたことに気がついた少女は
「あ!さっきの美人さん!」
変なあだ名をつけられていたので…
「私はそんな名前じゃないわ。黒澤真白って言うの。」
「へぇ!真白ちゃんって言うんだ!可愛い名前だねぇ~。あ、私は…」
この名前を聞いた瞬間時が停まった感じがした。
「私は 『火神 茜』だよ 宜しくね 真白ちゃん!」
彼女(俺)は遂に出会ったのだ。『魔法少女プリズマーズ』の主人公。最後は悲惨な死を迎える。本来であれば真白(俺)は存在しない
5人目の戦士。不要な要素《ファクター》
彼女達をエンディングまで導けるのかすべては俺…いや私黒澤真白の手に掛かっている。
はじめの出会いは終わりを告げる、
戦いの嵐はまもなくだ。
次回戦闘回です
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原作主人公との出会い
入学式が終わり真白は自宅への帰路へ着いていた。向かう最中に昼間あったこと思い考え事をしていた、クロエが声を掛けてきた。
「どうした?真白。先ほどの娘のことかえ?確か火神茜といっておったか?」
「うん、今日の夜中原作だと茜が魔石獣の声を聞いて聖石獣のイチゴを庇って瀕死の重症をおっちゃうんだけど、そこでイチゴと契約して
回復し必殺技で魔石獣を倒すんだけど…」
原作がそうだったが、私がいることで何か変化が訪れているかも知れない。警戒は怠らない方がいいだろう。しかし…、
「けど?なんじゃ?いうてみい」
「茜が傷付くのを見たくないけど、その…私が介入するのはね…」
「なるほどな。見ているだけでも問題あるまい。我よりも下級ランクの宝石獣じゃが低級魔獣程度ならば問題ない。序盤も序盤じゃ
問題なかろうて。」
「そうだね…」
杞憂で終わってくれればいいのだ。しかし、この胸のざわめきはなんだろう…?
こうして自宅にに到着し両親に今日のことを伝えた。そしてママが作ってくれた手料理を食べて部屋で寛いでいた。
深夜になろうと言うときに獣の咆哮が聞こえた。遂に来たのだ魔神の手先、魔石獣。人の悲しみ、憎しみ、妬み、怒りを糧とする魔獣。
人すら補食してしまうそれは現代の重火器では倒すことはできない。神によって神造された魔導具でのみ存在を葬り精神体を封じることができるのだ。
「聞こえたか。真白。」
クロエが普段の優しげな表情が一変し鋭い目付きへと変わっていた。私は遂にといった顔つきへ。
「うん、この近くだ。行こうクロエ!」
自室の窓を開け放ち夜の帷へと駆けていった。
私火神茜は幼い頃から星を見るのが好きだった。辛いことや泣きたいことがあればいつも星空を見上げていた。今日も日課の星数えを家の近くの公園でおこなっていたの。
「998、999、1,000…ふぅ…今日も星がよく見えるなぁ…」
この場所は私のお気に入り。春先でまだ夜は冷える。澄んだ冷たい空気で星をよく見えるようになっていた。空は満点の星。
私は今日であったばかりの美人さん…じゃなかった黒澤真白さんだっけ凄く綺麗だったな…仲良くなれるかぁ…
そんなことを思っていると近くで誰かの悲鳴と獣のような声が聞こえた。
「っ!な、なにっ!?」
私は思わず両手で身体を抱くようにし、身を屈めてこえのする方向を見つめた。するとそこにはみたことがない生き物が二匹。片方は
白猫だろうか羊のような毛量の綺麗な毛並みの白毛は血でよごれてしまっていた。そして先ほどのおぞましい地獄のようなと形容できる
ような鳴き声をあげていたモノからだ全体が鉱石のような物体で覆われ体色は血液のように赤黒く線が走っており胎動するように動いて
いる。手足の鉤爪は先ほどの白猫を襲ったものだろうか?血が滴っている。
「なに、あれ…」
私は思わず呟いた。すると化け物がこちらに気がついたようだ。牙をカチカチと言わせこちらに狙いを定めた。
「あかん、はよにげるんや! げほぉ!」
白猫が喀血しながらこちらに叫びつける!早くにげろと、襲われてしまえば少女の命などひとたまりもない。
私は恐怖で動けずにいたのだった。目の前の非現実的な出来事に脳と体が動けずにいるのだ。
「ヴァァアアアアオオオ!!!」
獣がこちらに鉤爪を振りかざす!私はとっさに動くことができた。その直後私がいた地面は粉々に砕けた。その勢いで私は白猫の場所まで
弾き飛ばされた。
「きゃあ!!」
弾き飛ばされた衝撃で足をけがしてしまった。鈍い痛みが駆け抜ける足が折れてしまったかも知れない。私は痛みで喋れない。
白猫は私に声を掛けてきた。
「あんさん、大丈夫か!?はよにげな!」
「うっ…くっ。あなたの方こそ怪我してるじゃない…」
すると白猫は
「わては聖石獣やから大丈夫なんや!それよりも魔石獣から…まずい!」
魔石獣がこちらに向かい鉤爪を叩きつけてくる!私は白猫を抱き抱えて横へと転がる。間一髪。獣との距離をつけた。
「わては、聖石獣のイチゴっちゅーもんや…あんさんは?」
「わ、私は火神茜…13才の中学生1年生…」
息も絶え絶えに呑気に自己紹介なんかをしている。死と隣り合わせの状態でだ。
「わてが食い止める…ここはにげーや…」
「そんな怪我で無理だよ!逃げるよ!」
「わては人間の命を守ることなんや、奴ら『魔石獣』の危機から…!」
白猫が悲痛な訴えをしている。自分よりも小さい体でボロボロになりながら闘おうとしている。私はそんな自分が許せなかった。
私は争うことが嫌いだ。
喧嘩が嫌いだ。
悲しむ顔を見るのが嫌いだ。
苦しんでいる顔を見るのが嫌いだ。
涙を見るのが嫌いだ。
今、イチゴちゃんのそんな悲しんでいる顔を見たくない!!!こんな意味のわからない存在にめちゃくちゃにされたくない!
私は無意識に立ち上がり先ほどの衝撃で折れた木の1mほどの棒を手に痛みも忘れて魔石獣に駆け出した。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
「何しとるんや!あんさんじゃ勝てへん!!!にげーや!」
イチゴちゃんの警告を無視して棒切れを叩きつける。魔石獣は痛くも痒くもないといった感じでその表情は獲物をいたぶる狩人のような笑みを
浮かべていた。
「いやぁあああ!!」
再度棒切れを叩きつける。しかし効果はない。魔石獣はどかすような仕草で手を降った。
魔石獣にしては何気ない動作だか普通の人間にしてみれば驚異的なスピードであった。叩きつけることに集中していた私は避けられず直撃
してしまった。
ザシュッ
私から鮮血が迸った。あからさまにわかる。もう助からない。袈裟斬りのよう切り裂かれ肺まで達しているだろう。
ヒューヒュー
呼吸ができない…息苦しい…何で血溜まりに寝ているんだろう…あ、そっか私…遠くからイチゴちゃんの声が聞こえてくる。
「あ、ああ…茜しっかりせい!」
イチゴちゃんが駆け寄ってくる。そんなに揺らしたら死んじゃうよ…あ、もう死んじゃうか…まだやりたいこといっぱいあるんだけどなぁ…
瞬間、イチゴちゃんの首元の宝石が輝き出した
「なんやて…ハートソードのエンブレムが…まさか!」
聖霊世界における伝説の戦士のみが選ばれる4つの紋章の一つ、『勇気』を示した者が選ばれる証。
「これを使えば…助けられる!」
イチゴちゃんは迷うことなくエンブレムを瀕死の茜へと近づけた。
ハートソードのエンブレムが展開。茜の身体を覆い傷がふさがりピッチリとしたボディスーツが着用された。さらに頭部にヘッドギアが
装着され、胸部に腕部、脚部にアーマーがそして腰の部分にはスカートが装着された。腰部には剣の柄が装備されていた。
「う、うぅん…これは…うへぇ!?」
茜が目を醒ますと魔法少女のような格好になっていた
「やったぁ!成功したで!」
「これは…?」
「聖霊世界に伝わる伝説の戦士、プリズマーズ。茜はプリズマレッドに選ばれたんや!!!」
ここに炎を司る伝説の魔法少女プリズマーズの一人。プリズマレッドが爆誕した。がしかし…
「くっ…」
立ち上がったと思ったら膝をついてしまった。息も絶え絶えにだ。
「回復してないやて…!?そんな!?」
最大の誤算だった、変身はできたがダメージを全回復できていなかったのだ。それに追い討ちを掛けるように茜が話す。
「あの魔石獣…首のアミュレットが3つ付いてる…くっ!」
その言葉を聞いてイチゴは驚愕した。魔石獣達にはラングづけされている。アミュレットが1つなら下級、2本なら中級。そして3本の上級。
上級魔獣は伝説の魔法少女2人でようやく倒せるレベルなのだ。つまり今の茜、レッドでは倒すことは不可能だ…!!!
「レッドしっかりせい!とにかく逃げるんや!」
「くっ…」
傷は回復してる。しかし、動けるほどの体力がない。このままではレッドがやられてしまう…!
魔石獣が新しい獲物を見つけ、こちらに近づいてきた。そして仕留めようと駆け出した…
「あ…」
鉤爪がレッドの首をはね…ることはなかった。
バァン!!!
銃声が聞こえる。茜は閉じた目を開くと魔石獣の鉤爪はなくなっていた。
魔石獣も怒り銃声の方向をにらみつけている。視線の先には暗闇でよく見えないが女の子と猫のようなものが見える…
「やっぱりこうなったわね…クロエ。さっさと決めるわよ。」
「そうじゃな…行くぞ!」
右手を手前に差し出すと手の甲からトランプの《ジョーカー》が鏡合わせになった様なデザインに自動拳銃が交差したエンブレム『ツインジョーカー』が。
実体化したエンブレムを手に取り左手のプリズマチェンジャーへ装填する。軽快な待機音と共に変身待機状態になる。変身するには秘密のキーワードが必要だ。
「
キーワードを発した瞬間真白の真上に満月が浮かび辺りに闇の霧のような特殊なフィールドが展開される。真白が身に纏っていた衣服がプリズマチェンジャーに格納され一瞬の裸になるがピッチリした
「未来を飲み込む絶望の光…漆黒のエレメント!黒の魔法少女!プリズマノワール!」
「な、なんやあいつ…」
「誰…なの…」
困惑の声をあげる想定外の味方。
本来存在しない5番目の魔法少女プリズマノワール。原作主人公を守るため。ハッピーエンドに向かうため今、闘いの渦中へ
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魔石獣(ジュエルビースト)との出会い
茜とイチゴは困惑していた。茜は私を助けてくれるの?といった感情だったがイチゴは目の前にいる5人目の戦士がいることに驚きを覚えていた。
「なんやあの、魔法少女は…伝記に書かれておった他の魔法少女とも違う…なんなんや…」
そんな困惑を尻目にノワールは魔石獣と対峙していた。
「ヴァァアアアアアアアオ!」
魔石獣が咆哮を上げ武器である鉤爪の切っ先をこちらに突き刺してきた。ノワールは苦もなく回避する。すれ違い様に体術を叩き込み魔石獣を地に伏せる。
「キャオワァイン!!」
「上級といってもこの程度ね。…だけど、今のままの彼女らでは手が折れるわね。」
「グオオオオォオォォォォ!!!」
上級の魔石獣に挑発を掛けるように煽った。言葉が理解できているとは思えないが魔石獣は煽りを受けたのか魔法の弾丸を飛ばしてくる。その数20発。直撃は避けられない。見ていた茜は「危ない!」と声をかける。しかしそれら全てを手足で叩き落とし。発射の隙を突いて魔石獣の懐に入り込んだ。
「!??」
「甘いわね…はぁっ!!」
ズドン!!!
強烈な一撃の体術が叩き込まれる。これにはたまらず魔石獣もすぐには立ち上がれない。
「そろそろ終わりにしようか。ベガルタ・モラルタ」
腰部後ろに装備されている自動拳銃型の銃剣を引き抜いた。カートリッジに魔力が込められた魔弾をクイックリロードしていく。劇鉄を起こす。
カチッ
「終わらない悪夢へ堕ちていきなさい…《フォールダウン》!!」
左手の銃剣《黒夢》から魔力を込められた魔弾が発射されマズルフラッシュで一瞬だけ明るくなる、が表情は見えない。
魔石獣に着弾する。瞬間獣の咆哮が公園内に響き渡った。
「グアァアアアアアアアア!!ギャアオオオオオオアアア!!」
ピシリっ!ギリギリ、ガシャアアン!!
硝子が砕け散る破砕音が聞こえる肉体は完全に崩壊した。その肉体からは黒く光る球体が出ていた。その姿を見たノワールは腰横のホルダーからカードを取り出しこう唱えながら投擲した。
「シール《封印》」
カードはまっすぐ球体に刺さり吸収されていく。吸収されたカードはノワールの手元にかえってきた。
公園内に静寂が訪れた。戦闘終了、
「終わったわね…かえ…」
私は戦闘に夢中で忘れていたが茜とイチゴは重症だ。早く回復させなければ。しかし…
「(どうしよう、『原作では』こんな会合なかったよ…どうしよう!)」
ノワールはテンパってた。『原作』ではレッドが下級の魔石獣を倒して初勝利!といった感じだったが今回は導入から違う。上級魔石獣が出てきている以上今後も展開が変わってくるだろう。原作大好きなノワールとしては展開を変えたくなかったのだ。
「(どうしよう…!どうしよう…!)」
冷静な表情を取り繕いつつ一人でテンパっていると声を掛けられた。
「助けてくれてありがとう…あなたは一体…?」
「助けてくれたのはありがたいんやけど…あんさん一体何者や……!?」
茜とイチゴはそれぞれの反応を示している。茜は感謝と不思議そうに。イチゴは疑いと敵意を。
それを見たノワールは
「(敵だと思われてる…ん、んっ!!上手い返しを…!)」
二人に言葉を掛けた。
「敵でも味方でもないわ…貴女たちを助けたのは気まぐれよ。質問なら一つだけ受け付けるわ。」
某サイボーグ忍者の名言借りて返答するすると…
茜は「でも、助けてくれたんですよね…ありがとう!」
イチゴは「あんさんほんまに何者や…」
ノワールは
「そうね…貴女たちに近しい存在よ。だけどまだ存在は明かせない。知りたければもっとレッドが、あなたが強くなることね。今のままじゃ『奴には』勝てない…」
「奴!?奴って誰なんや!」
「質問は一つだけだと言ったわよ。」
その場から立ち去ろうとするノワールを茜は引き留める。
「待って!あの、あなたの名前は…?」
「せや、待ってくれ!、せめて名前を教えてくれ!」
「ノワールよ。それじゃあね。そうだ…茜。体の倦怠感はないでしょ。お大事にね♪」
そういい残しその場から跳び去った。
「あ、待って!。ホントにありがとう!またねノワールさん!!!はぁ、かっこよかったなぁノワールさん…ってあれ?体がさっきより軽いや…」
「ノワールはん、茜に回復術かけていきよったんやで…あの重症を回復出来るのは高位の神様位やし…まさかスティーア様…?いやあれは…うーん??」
それぞれにノワールへの感情を言葉にしていた。茜はふと、気になりイチゴに話しかけた。
「ねぇ、イチゴちゃんすむ場所どこなの?来る場所ないならうち来る?」
「エエんか!いやーこっちからお願いしようと思てたんやわ~!頼むわ!」
「あ、でも家族の前ではしゃべらないでね?」
「大丈夫や、魔法少女に選ばれたもんしか聞こえへんよ。」
「そうなんだ…あれっ?ってことはこの声が聞こえる人が魔法少女素質がわかるってことだよね。」
「せや、茜の学校にも魔法少女反応があったからな。明日から捜索開始やな。」
「おー!仲間を増やすんだね!よーし!明日から活動開始!どんな娘が仲間になるのかなぁ~」
「なぁ、今さらやけど怖くないんか。さっきも死にかけてんやぞ?怖くないんか?」
イチゴの言うことも真っ当だ。先ほど死にかけたのだ。巻き込まないでください!の一言もなかったのだ。茜はこう答えた。
「確かに…危なかったけどさ…他の人の代わりになれたんなら良かったって思ってるんだ…あんな危ない存在に他の人が襲われたらひとたまりもないでしょ。あれと闘う力を手に入れることになったし、頑張って守って見せるよ。笑顔を」
イチゴに向けてサムズアップする、眩しい笑顔だった。
「せやな…ワイも全力でサポートするで!改めて宜しくな茜!」
「うん、宜しくねイチゴちゃん!」
今後の方針を決めて茜とイチゴは帰路へ着いた。
ところかわってノワールの場面では
先ほどの場所から跳び去ったノワールは先程の戦闘をクロエと話し合っていた。
「ねぇ、クロエ…やっぱりあの魔石獣…」
「ああ、魔石獣は『原作』で中盤に出て来る犬型やねぇ…」
「やっぱりね…『私』がいることで敵が強くなっているのかな…」
「そう考えるのが妥当じゃな。ニューゲームなのに最初から無限武器のロケランがある某ホラーゲーみたいなものじゃな。」
最初から無限武器ありって…クリアランク下がりそう…つまり私が積極的に関わるとメタい話が評価(エンディング変化)が変わるってことか…それくらいチート性能ってことかノワールって言う存在は…だけど関わりを断って一人で闘うことは私はしない。あくまでも彼女達の物語だ。裏で協力する事位は許されるだろう。あの神様はどれだけ私に闘わせたくないのだろう…
スティーア神…あなたは一体…何を…
「まぁ、難しい話は明日の自分にまかしや。今日はもう寝よか」
「そうだね明日も早いし。寝よう。」
彼女たちも自宅につき、クロエと真白は一緒にベットに潜り込んだ。
少し肌寒かったので真白はクロエを抱き抱えて眠りに落ちた。とても暖かかった。
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2人目の魔法少女との出会い
茜視点)魔石獣が現れ封印し数日がたち私こと火神茜は学校へと登校してきてます!体も調子がいいので元気に学校に来ているよ!昇降口で昨日からお友達になった真白ちゃんに出会ったので私の今日のテンションも高いままでいられそうだよ!早速真白ちゃんへ挨拶をかける私!
「おはよう、真白ちゃ…!」
「おはようございま…危ない!」
勢いよく真白ちゃんに向かっていったため真白ちゃんめがけてぶつかっちゃう!よけて真白ちゃん!
ぶつかる!とおもって目をつぶったら地面の堅い感触が私の体に伝わることはなかった私は何で?と思って目を開けたら目の前に
真白ちゃんがいたの…しかも抱きかかえられた状態で…私は突然のことでフリーズしたけど状況を理解したら貌から火が出そうなくらいはずかしかった…
とっさに離れちゃったけどもっと真白ちゃんの触感をたのしんでいたかった…うへへへへっ////////おっといけない…
真白ちゃんが心配そうな顔でこっちを見ていから急いで離れて教室へと向かったよ…
柔らかくていい匂いしたなぁ…うへへへっ////
真白視点)昨日の戦闘が無事に終わって本当によかった…これからのことを考えつつ学校にむかっていた私。
校内の昇降口でうち履きに履き替えていた私は声を掛けられて顔を上げると茜ちゃんが元気に私に挨拶をしながら近寄ってきた。
その瞬間茜ちゃんが段差に躓いてしまった。私はとっさに茜ちゃんにケガをさせまいと加速術を使い茜ちゃんを抱きかかえる状態に
なってしまった。
呆然と私を見上げる茜ちゃん…かわいいな//
その直後顔から火が出る勢いで顔が真っ赤になり超特急で私の腕の中からぬけだして教室へと向かっていった…
あれ?なんかわたし変なことしたかな…思考の海に沈んでいるとクロエからの声が届き浮上させられた。
「お主のような美少女に抱きかかえられて至近距離で微笑みかけられたら女子もイチコロやんなぁ…」
とクロエが語り掛ける。
「危ないと思ったから支えてあげただけなのだけれど…そこまでかしら…はっまさかきのうのダメージがまだのこっていたのかしら…!いけない…!」
急いで茜ちゃんのところへ向かうがクロエが止めにはいった。
「落ち着け、真白。彼女なら昨日の傷はいえておる。ただ単にお主の美貌に赤くなっただけじゃ」
「え?そうなんだ…うーん私に見られてもそこまでかしら…」
クロエはあきれたように
「はぁ…本当にお主は自己評価が低いのぉ…まぁよいか…さっさと教室へと向かうとしよう。」
私に見られてそこまではずかしがるもんかなぁ…確かにこの世に転生してから大分女の子の感性に近くなってきたとはおもうけどいまいちそこらへんが理解できていない…
前世では30近いお兄さんおじさんだったし茜ちゃんを見ていても妹のような感じがするんだよねぇ
…そんな考えをしつつ私も教室へとむかった。
茜視点)うわぁぁぁぁぁ/////さっき真白ちゃんの顔が目前にっ!!しかも優しく微笑みかけて/////
はわぁあああ…今日はもう幸せだなぁ…
???「おはよう茜さん」
「おはよう!雫ちゃん!」
教室へ入ってきた私に挨拶してきてくれたのはクラスメイトの水原雫(みなばらしずく)ちゃん!
青みがかった長いロングヘアーのポニーテールがにあうクールな女の子!また美少女に挨拶されちゃってパパ、ママ。私は今日も元気です。
雫ちゃんとたわいのない会話をしていると少し遅れて教室に真白ちゃんが入ってくる。入ってきたとたんクラスメイト(特に真白ちゃんをお姉さまと慕う女の子やお近づきになりたい男の子)たちに挨拶をされていて真白ちゃんも微笑を浮かべながら挨拶を返していたの。赤くなる男の子や頬を赤らめる女の子もいて流石の人気って思っちゃった!
真白視点)教室に入って目についたのが茜と談笑している女生徒だった。
彼女の名前は水原雫。
原作では二番目の魔法少女プリズマブルーとして活躍する。巻き込まれるイベントがそろそろくる。
内容が雫にはこの学校に水原涙(みなばらるい)という容姿がよく似た姉がいるのだがその姉に告白した男子生徒が振られてしまい、
その振られたことへの憎しみを魔石獣の現界させるためのエネルギーになり涙を襲おうとしたが帰宅途中の姉によく似た雫を発見して襲い掛かってきてしまうというながれだ。
そこへプリズマレッドが駆け付け魔石獣との戦闘。窮地にたったレッドを救う為雫も魔法少女プリズマブルーへと変身。撃破、封印を果す。これで正式に二人目の加入となるのだ。
しかし不安材料もある。
レッドが初めて戦闘した際に上級種が現れたこともあり介入も必要なのだろうと思っている。
しかし素性を晒すわけにはいかないので少し手助けしてあげるだけなのだが…
そう考えつつ授業に取り組んだ。やたら授業では先生に回答を当てられたりなぜか4限目の体育の授業では着替えるときめちゃくちゃ着替えをガン見された、一緒に着替えていた女生徒からは羨望の眼差しで見られたり片一方では「くっ!」や「貧乳はステータス…希少価値…」や「防盛っ!」何て言葉が聴こえてきたが気にしないことにした。でかくておもいだけなんだけどなぁ…綺麗な形をしているとは自負しているけど…
雫視点)始めて真白さんを見たときにこんなにこんなに綺麗な人がいるんだと思ったの。クラスの皆や上級生に慕われ先生からの信頼もすでに厚い。まるでお姉ちゃんを見ているようだった。優秀で高くて遠い壁。話しかけてくれるけど素っ気ない受け答えをしてしまっている私がいる。本当はなかよくしたい。お姉ちゃんとも…想っていることと喋る言葉はあべこべで嫌になってしまう…真白さんとも喋れるようになればお姉ちゃんとも…そう思ったやさき茜ちゃんが私の手を取って真白さんのところへ向かい昼食とることになった…
場面は変わって昼休み。多くの学生が賑わう食堂では各々が様々な昼食をとっていた。あるものはラーメンを、ある武術部員は激辛麻婆豆腐を、あるものは好きな男の子と一緒に食べるために5段のお重を作り他のライバルたちとバチバチしたり…等と行った光景が広がっている。
そんななか真白はサンドイッチと野菜ジュースを購入し表のテラスで食事にしていた。その姿だけでも一枚の絵画のような美しさがあり見とれて声をかけようとする者はいない…と思われたが一人、いや二人存在した。火神茜と水原雫だ。食堂に入ってきた二人は真白を見つけるや否や最速で食券を購入し食事を持って真白の元へ向かう。
「真白ちゃんっ!」
食事している手を止めてお行儀よく茜へ顔を向ける真白。
「どうしたんですか?茜ちゃん?と水原さん?」
「うーんとね!一緒にお昼食べたいなって思って!一緒にいい?」
「もちろんいいですよ?水原さんも宜しければですけど。」
話を降られた雫はいつものようなつっけんどんな態度をとってしまう。
「私は別に…」(しまった、いつもの癖で…!)
焦る雫だったが真白はにこやかに話しかける。
「ではこちらへご一緒にどうぞ」
茜もその回答に満足だったのかにこやかに笑顔で
「うん一緒に!」
三人で昼食をとった。雫の表情はパッと見るだけではわからなかったが確かに笑みが浮かんでいた。
そして授業が終わり下校時間。
結界内で分裂した二匹の獣声がする。片ひざを付く赤い魔法少女。魔石獣が鍵爪を振るうその瞬間、青い閃光が遮った。
この瞬間、青い魔法少女プリズマブルーが誕生した。
次回話は戦闘回です。次回も見ていただければ幸いです。
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青い少女は仲間と出会う。
お気に入りと評価ありがとうございます!
私水原雫には姉がいる。姉の名前は水原涙。姉は私も通っている虹が崎中学校で生徒会長を務めており先生、下級生のみならず学校の先生、近所人たち、商店街人たちにも信頼があり姉のファンクラブが学校にあるほど才色兼備、文武両道が似合う人物だ。それは私の親も同じで基本的には姉のお願いを何でも聞き入れいる。
私?私は永遠の二番手。姉が小学校の時自由工作で県から表彰されたけど私は二番目に表彰されたみんなは姉にすごいすごいと言うけれど私には何もなかった。っていってくれるだけ。お父さん、お母さんからは何もない。運動、成績は全部姉の次。2位。
準優勝、二番手、全てが姉より劣っていて姉と同じ中学生に行きたくなかったけどそんなわがままもいっていられないので虹が崎中に進んだけど名乗るたびに「水原の妹か…」「会長の妹さんなんだ!」「あの優秀な水原の…」全部全部全部…っ!姉さんの名前!私はあの人じゃない!表情は薄い笑みを浮かべているが中身は違う姉への妬みで般若面のようになっている。
そんな、比較される生活を中学でもされるのかと思ったけど2人私を私で見てくれている人たちがいた。火神茜と黒澤真白だ。最初は表層でいい人を取り繕っているだけだろうと思っていたけど茜ちゃんは姉さんを知らなかった。「涙さん?えーっと誰?知り合い?」何て言うレベルでこの人も姉ことを聞けば色眼鏡で見てくるに違いない。突き放すために姉のことを伝えたが茜ちゃんからは私が予想もしない答えが帰ってきた。
「うーん、でも雫ちゃんは雫ちゃんでしょ?一番のところいっぱいあるよね!例えば私の友達の中だとだと超美少女だし、運動神経抜群だし、髪の毛サラサラだし…!あと…雫ちゃん人と話すとき人の目を見て話すでしょ?自信がない人は視線そらして話すけどそれは自信があるからだよ。じゃなきゃ視線そらしちゃうもん。だから雫ちゃんはお姉さんの代わりじゃない。友達の私が自信を持って断言してあげる!」そう言って茜ちゃんは笑顔で私の両手を包み込むように握った。黒澤さんも「私はあなたのお姉さまは存じませんが貴女を見ていますととても優秀なのでしょうね…ですが私のおともだちは貴女です。優劣の全てが貴女の全てではないのですよ、私は貴女という存在を好いているとそう思います。」
出会ってから数日しかたっていないのになぜこんな気持ちになるのだろう…?とても胸の奥がじわりと熱を持つ涙が出てきそうだった。だけどこの気持ちの名前はまだ私にはわからない…。
学校の裏側で男子生徒が落ち着かなさげに誰かを待っているようだった。この男子生徒は学校の生徒会長に片想いをしている同学年の男で告白するために校舎裏に呼びだしたようだった。
正面の門から人の気配がしている。そろそろのようだ男子生徒は緊張からか唾を飲み込む。数秒後彼が呼び出した人物が現れた。生徒会長の水原涙だ。柔和な笑みを浮かべながら生徒の前へ。彼女が生徒へ話しかける。
「ごめんお待たせしちゃったかな?」
男子生徒も受け答えする。
「う、ううん。待ってないよ。呼び出してごめんねそれで…」
「ところで呼び出しってなにかな?」
男子生徒は意を持って告白する。
「会長…いや、水原涙さん。俺と…俺と付き合ってください!会ったときから好きでした!」
一生一代の告白を決めた男子生徒は綺麗なお辞儀を90度決め手出して涙への返答を待った。一瞬の時間だったが男子生徒にとっては永遠にも感じる時間でまだかまだかと待っていた。
「顔をあげてくれないかな?」
涙の声が男子生徒の耳へ入る。男子生徒は恐る恐る顔を上げると困ったようにはにかんだ微笑で男子生徒へ語り掛ける。
「気持ちとっても嬉しいよ…。でも…ごめんなさい。わたしは今誰とも付き合う気がないので…ごめんなさい」
そう言って踵を返してその場から少年を残して立ち去った。
振られた少年は世界の終わりのように両ひざをついて絶望した表情でうつむいていたが次第にその表情は怒りを表し始めた。
「くそっ…くそくそくそぉ!顔がいいからっていい気になりやがって…!僕を振ったこと後悔させてやる…!」
空間が歪みを表し始めた。彼にはそれは見えない奴が現れるその負の感情が彼らの
縞馬のような魔石獣が少年を取り込んでいく。
「ヴァァアアアアアアアアアアア!!!!」
地獄のような叫びが校舎裏に響き渡る。
「ルイ…ゼッタイユルサナイ…」
一匹の魔石獣がひとりの少女に狙いを定める。獣は駆け出した。その場から立ち去った涙は背後からの驚異に気がついていない。涙に近づいた瞬間驚きと恐怖の表情のまま魔石獣へ変貌した少年の闇へと取り込まれた。
場面は変わって少年少女たちが最後の授業が終わって下校し始めるところまで。
茜、雫、真白の3人は仲良く下校していた。今日の授業は難しかっただの今度スイーツ食べに行こう等といったJCにありがちな会話が飛びかっていたが真白はこれから起こることに意識を向けていた
真白視点)そろそろか…雫ちゃんが一人になったところで目掛けて魔石獣は襲ってくる…私がついていた方がいいんだけど帰り道反対方向になっちゃうし…どうしようか…そう思案していると雫が思い出したかのように声を上げた。
「あ、ごめんなさい。学校に宿題置いてきちゃった…取りに戻るから先に帰ってて…。」
「うん、わかったまた明日ね。ばいばーい!」
「でしたら私も一緒に…」
そういいきる前に雫は駆け足で学校に戻っていってしまった。しまった!と毒づいたがすでに遅く。彼女が一人になるシュチュエーションが出来上がってしまった。
「それじゃ私はこっちだから。じゃーね!」
「え、ええではまた…」
視界から茜が消えたあとに真白は呟いた
「よし、茜ちゃんの初戦闘シーンだ…見に行かなきゃ…」
別方向から雫の元へ向かうのだった。
数秒後獣の叫び声と少女の悲鳴が聞こえた。
(茜視点)真白ちゃんと別れたあとに獣の叫び声が耳に入ってきた同時に
「ん!なに!?」
驚いた私の反応にイチゴが答えた。
「魔石獣が現れたんや!場所は…学校や急ぐで!」
「うん!」
茜は学校へと全速力で向かう。
駆けつけたとき目の前で女の子が襲われそうになっている!
「行くで茜!変身や!」
イチゴが茜に向けて話すと茜はプリズマセルラーを構えてネックレスに繋がっている《ハートソード》の紋章をプリズマセルラーのスロットに装填し右手を上空に掲げキーワードを発する。
「
キーワードを発した瞬間茜の回りに炎のような特殊なフィールドが展開される。茜が身に纏っていた衣服がセルラーに格納され一瞬の裸になるがピッチリした
「燃える炎は勇気のエレメント!紅の魔法少女!プリズマレッド!」
変身完了後襲われそうになっている少女の前に現れ魔石獣を殴り飛ばし少女へ話しかける
「今のうちに!はやく逃げてって…雫ちゃん!?」
「へ?あ、ありがとう!でも腰が抜けちゃって…」
ここで戦うのは不味いと思った茜は雫から距離を取るため前方へ押し返した。
押し返した魔石獣は転倒せず吹き飛ばされたが着地しレッドへ襲いかかる。蹄のような巨大な爪を脳天めがけ振りかざす。すんでのところでレッドはかわし魔石獣へ右の拳を振り当てると魔石獣は苦しそうな鳴き声を上げる。
「グギャっ…!」
「てりゃあ!!」
ダウンした敵に茜は右の拳を振り上げアッパーガットが縞馬魔石獣に当たり吹き飛ぶ前に左こぶしを当てて二連戟を決めると大きく吹き飛んでいった。
隙を見つけたイチゴは茜に指示を出す。
「よし!茜。
「わかった…ってどうやってだすの?」
イチゴが頭から突っ込みずさーっとなってしまった。
「阿呆か!そんなもんイメージせいっちゅうねん!剣をイメージせい!」
「えー!そんなこと言われても…うーん…!出ろーーーー!」
茜の叫びもむなしく武器は出てこない。ダウンから復帰した縞馬魔石獣はこちらに向かってくるかと思いきや雫の方へと向かっていった。
不思議に思った茜はイチゴへ問いかける。
「何で雫ちゃんが狙われるのよイチゴ!攻撃したのは私なのに!」
「奴らは人間の憎しみや妬みで具現化する化け物や!茜なにか心当たりはないか!?」
「解ってるならとっくに…!あれ?」
茜は雫から姉への劣等感を感じていると言った。もしそうならあれは雫ちゃんのお姉さんが原因…?狙われる原因が姉にあるなら…?考えに更けそうになる瞬間イチゴの声で呼び起こされる。
「茜、魔石獣のコアに人が…あれは雫か!?」
茜が目を凝らすと魔石獣の人一人が入れる大きさの赤黒い半透明な部分には雫に非常ににているが髪型や雰囲気が違う少女が一人。
「姉さん…どうして…!」
雫の姉水原涙がそこにいた。
「くっ!止めないと!」
雫へ向かう敵を止めようとしたが目の前に影が飛び出してきたその姿は縞馬魔石獣に瓜二つの怪物だった。
「分裂した!?」
茜、プリズマレッドもピンチを迎えていた。
(雫視点)どうして姉さんが…何で…考えが纏まらない。化け物に襲われそうになりそしたら魔法少女のコスプレのような茜ちゃんが私を助けてくれて…夢でも見ているのかな…化け物がこちらに向かって来ているもう駄目かな…思考を破棄しようとするけどそこに姉さんの声が届く。
(雫ちゃんに謝りたかった…小さいころから雫ちゃんに謝りたかった…。でも…周りは私を【水原涙】として期待する…お父さん、お母さんの期待を裏切れなかった。雫ちゃんには負担をかけたくなかったの…雫ちゃんには話し合う機会を作るために今は男の子と付き合ったりするのは駄目だとおもって断ったのだけれどももうダメみたい…ごめんね雫ちゃん…言えなかったけど雫ちゃん、雫ちゃんは私の最高の自慢の妹よ…。)
「お姉ちゃん!!」
雫は涙の想いを感じ取り目から熱いものを感じた。姉は幼いころから私に気にかけていて心配させまいと親の重すぎる期待を一身に受けていてそれは雫から見れば姉が他者からの自分への関心を奪っているとおもっていた。しかしそれは姉の独白で知ってしまった。雫はどうしたらいいのかわからなくなってしまったのだ。
そんな呆然とした
蹄鉄に引き裂かれると思ったがその痛みはなく変わりに人一人分のおもさを感じ瞼を開けるとそこには人懐っこい自分を友達と言ってくれた可愛らしい少女の姿があった。衝撃が強かったのか片膝をつき息もするのが辛そうなほど疲弊しているがその赤い瞳は怪物を見据えたまま揺るがずにいる。
「まにあった…まってて雫ちゃん…必ずお姉さんはたすけるからっ…はぁ、はぁっ!」
「茜ちゃん…もう無理だよ…。」
「無理なんかじゃない…救える可能性があって手を伸ばさなくて後悔するより手を伸ばしてから後悔した方がいい…!それと…雫ちゃんは友達だから泣いてる顔みたくないしね…!うおぉぉぉぉ!!」
立ちあがり化け物へ向かっていくレッド。やはり多数対1。次第に押されていき茜ちゃんへととどめを指すために化け物は蹄鉄を振りかざす
あの傷では…!私は友達もお姉ちゃんも守れない…!守りたいよ…!大事だと思う人たちを…!瞬間青い光が雫を包んだ。
(茜視点)「茜ぇ!あかんよけいやぁ!」
イチゴの声がする。雫ちゃんを守るためにかばったのはいいけど結構ダメージが多くて立っているのもやっとの状態で結構ふらついているんだ…。
「くうっ!そりゅああ!!」
カウンターの要領で蹄鉄を右手ではじき左拳を魔石獣Aへ叩き込み追撃をしようとするがそれが魔石獣Bがそれを許さない。魔石獣Bの蹴りが私のお腹へと突き刺さり威力はそれほどではなかったと思うけど勢いがあったがために私は倒れこんでしまった。
イチゴが叫んでいるけど回避が間に合わず私は死を覚悟したけど青い閃光が魔石獣を吹き飛ばし私は驚いた。だって雫ちゃんが…
(雫視点)左手の手甲に浮かび上がる紋章みたいなものが見える。それはトランプのダイヤに槍が二つ交差するようになっているもので気が付くと右手にはスライド式のスマートフォンが握られていた。
「え、これは…?」
疑問に思うところに背後から声が聞こえる。
「それは魔法少女に変身するアイテムよ」
背後から聞こえる声に驚き振り返るとそこには茜ちゃんと同じような目元を隠した黒い魔法少女が立っていた。
「あなたは一体誰なの…!?茜の仲間なら彼の「それをするのは私の役目ではないの。それはあなたの役目。守りたいなら信じなさい。自らの想いを…。」をって…」
「想い…っ!」
黒い魔法少女はいつの間にかいなくなっていたが私は覚悟を決めた。
私は右手の紋章を実体化させプリズマセルラーのスロットへ紋章を挿入し右手を上に掲げ変身のコールをする。
「
キーワードを発した瞬間雫の回りに水のような特殊なフィールドが展開される。雫が身に纏っていた衣服がセルラーに格納され一瞬の裸になるがピッチリした
「揺蕩う水は慈愛のエレメント!青の魔法少女!プリズマブルー!」
次こそは戦闘回終わらせたい…
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青い少女は本物と出会う
評価とお気に入り登録ありがとうございます!
試験的に次回予告入れてみました。
閃光が晴れてその姿があらわになる。レッドとイチゴはその姿を見て驚いた。水原雫が二番目の魔法少女プリズマブルーとして誕生したのだった。
ブルーはすぐさま魔石獣Bへ移動した。
「はぁぁっ!!」
ブルーは魔石獣Bへ掌底を当ててBをひるませる。反撃しようとするがブルーがそれを許さずBからの蹄鉄攻撃を受けるが受け流し左ストレートを打ち込み怯んだところへ目にもとまらぬ速さで拳を叩き込む。
「だだだだだだだっ!!!はっ!!」
「グギャァアア!!」
この攻撃にはたまらず魔石獣Bは苦悶の声を上げてダウンした。それを見ていたレッドは
「負けてられないね…!」
レッドも立ち上がり魔石獣Aへと向かっていく。
「たりゃぁぁぁぁ!!!」
魔石獣Aにライダーキックのような飛び蹴りを食らわせAは吹き飛ばされる。きれいにレッドは着地し瞬時にAへと近づき連続で蹴りを浴びせ続ける。
これには魔石獣Aもたまらず苦悶の声を上げてダウンした。
魔石獣ABのダウンを確認したレッドとブルーは止めを刺すため追い討ちをかけようとするがイチゴに止められる。
「待つんやレッド、ブルー!あの魔石獣のなかには産み出す原因になっとる肉体が取り込まれとる。分裂させて保護して
レッドとブルーはイチゴへ疑問を投げ掛ける。
「どうやるのイチゴ!!」
「どうしたら良いのイチゴ?」
「魔法少女が各自に持っとる
イチゴの発言により魔法少女達はイメージする。レッドは炎を、ブルーは水を。
「(水をイメージ…来たっ!)来なさい!アクアスピアー!!…綺麗…」
水の柱に両手を差し込み一気に引き抜くとブルーの両の手に握られているのは2振りの美しい装飾が施された青い槍だった。突けば水が吹き出し、払えば水の霧が出てきて、切れば水の刃が出てくる。
ブルーは無事にジュエルウェポンを呼び出したがレッドは何かを躊躇っているようで中々出る様子がなかった。ブルーは思った。
「(何をしているのレッド…!はっ!まさか…レッドは躊躇っているのかもしれない…例え化け物でも。レッドは優しいから…なら!)」
躊躇うレッドにブルーは話しかける。
「レッド!」
「な、何ブルー!」
「大丈夫!イチゴと私を信じて!」
「…うん!必ず助ける!ジュエルウェポン!てりゃぁぁぁぁ!!……来いっ!フレイムセイバーっ!」
レッドが叫ぶとレッドの周りが炎に包まれる中心部には揺らめく炎の柱が。臆することなくレッドはそびえる柱に手を差し込み一気に引き抜く!その手には片手直剣の美しい装飾を施された唾の部分の宝石に炎が揺らめいていた。
「行こう!ブルー!」
「いくわよレッド!」
二人の魔法少女はジュエルウェポンを手に魔石獣を倒すため駆ける。
ブルーは魔石獣Bの元に向かいまだふらついているのを確認し必殺技を決める。
「人の思いを悪用するも者よ…消えなさい!スプラッシュエンド!」
ブルーが振り払ったアクアスピアーから水がほとばしり魔石獣の全身に降りかかる。すると凍りつき動けなくなりブルーはその瞬間2振りの槍で魔石獣Bを刺し貫いた。すると虚骸が砕けちり二つの物体が飛び出てきた。姉の涙と男子生徒だった。男子生徒はその場に倒れ込み涙をブルーが抱き抱えるような形になったのだ。姉の姿を確認するとブルーは安堵した表情になった。
「良かった…!」
無事に姉を救うことができたのだった。
場面は変わってレッド
「人の願いを悪用するなんて…ぜぇぇぇぇぇったい許さないんだから!邪悪を断て!一刀両断!クリムゾンスラッシュ!!」
フレイムセイバーを構え円を描くように回し紅蓮の刃が頂点から袈裟斬りの要領で振り下ろされる直撃した虚骸は耐えきれず崩壊し鈍く輝く物体を吐き出す。
「シール!!」
レッドは腰についているケースから真っ白なカードを取り出し投げつける。掃除機のように吸い込まれたカードは地面へ落ちる。そのカードは色がつきシマウマのようなイラスト姿が描かれていた。拾い上げケースへ収納した。
「やったね、ブルー!」
レッドがブルーのもとへ駆けていく。その姿を見たブルーは笑みを浮かべた。
「ええ、お陰で姉さんも救えた…ありがとう。今さらなんだけどレッド…私と友達になってくれない?」
笑顔から一変して真面目な表情になったブルーが可笑しかったのかレッドは吹き出してしまう。
「ぷっ…っふふ、あははは!なにいってるの初めから友達だよ!」
その言葉を聞いてブルーも笑い出す。この日初めて青い少女は胸のなかにあった言い表せない思いをやっと口にすることができたのだった。
レッドとブルーは握手した。その表情は晴れ晴れとしたものであった…。
二人の姿を遠くから見つめる真白の姿があった。
「ふあぁ~!!レッドとブルーの戦闘最高だった…!特に必殺技なんかはアニメで見たまんまでかっこ良かったなぁ…!しかも二人の掛け合いがてぇてぇかった…」
二人の戦闘を見ていた真白は只の気持ち悪いオタクになっていた。それもそうだろうアニメで見ていた光景を現実で見せられているのだ真白はこれがやはり現実なのだと言うことを再確認する。その事に自覚し真白は先程のふにゃふにゃした顔から真面目な顔に変わった。
「とりあえず大きな変更はなかったけど魔石獣が分裂するとは思わなかったな…取り敢えず原作通りか…」
「これからも多少の介入は?」
クロエが問いかける。
「多少はサポートしてあげるよ。でも…これは彼女達の物語…私は俯瞰するに徹底する。後方彼氏面でね!!」
残念な真白だった。
ブルーの追加によって次なる物語が進む。次なる登場人物は…
次回予告
こんばんわ水原雫です。最近は茜ちゃんと真白さんと一緒に楽しく学校生活を過ごしています。学校で中間テストがありましたが学年一位は真白さんでした。流石です♪ですがやたらと真白に勉強に運動となにかと対抗意識を向け来る緑髪のお嬢様がいるみたいで…これまた一波乱起こりそうなことで…?
次回《魔法少女プリズマーズ》『波乱の緑の少女との出会い』お楽しみに!来週もプリズマチェンジ♪
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波乱の緑の少女との出会い
コメント、お気に入り、評価ありがとうございます!
学生であるならば避けては通れないことがある。誰かが学校は小さな社会だと。
明らかにされてはいないが不可視のヒエラルキーが存在する。
運動ができたり、周囲の空気を読むことにたけていたり、見た目の秀麗さもスクールカーストのトップにいることができる要因だろうか。ねくらであったり、人とは違う趣味があったりするといじめの対象や仲間外れされたりするだろう。
しかし学生であることで最も大事なことそれは《勉強》だ。避けては通れない。虹が崎中学校でも中間テストが行われ結果の発表が学校の掲示板にて張り出されていた。
その結果を見るために一年生の集団が貼り出される結果に雑談しながら一喜一憂しながらまっていた。そのなかには茜達のグループがあった。
「ねぇ真白ちゃんテストはどんな感じだった!私はぜんぜんだったよ〰️」
「真白さんは手応えは?私は自信がありました」
茜と雫はそれぞれのテストの手応えを言い合っていた。真白は言うと
「それほど難しくはなかったと思いますので上位には入ってると思いますけれど…」
「しかし直ぐにテストとか…魔石zy(茜ちゃん!)むごごごご!!」
茜がなにか言い出しそうとしていたが雫が大慌てで茜の口を手でふさいだ。真白は不思議がって茜たちに問いかける。
「どうされたんですか?魔石?」
茜は大慌てで
「あー!あー!えーとネックレス!そうネックレス作りにはまっててね!」
「そ、そうなんです!さいきんはまっててまして…」
「そうなんですか!機会があれば是非見せてくださいね♪」
「う、うん!(よかったぁ〰️ばれてない…!)」
茜は真白にバレていないことにほっとした。数分後試験の結果が貼り出されるそこに書いてあったのは…
中間テスト結果1学年
1位500点中/500点 黒澤真白 1年1A 国100 数 100 英 100 理 100 社100
2位500点中/492点 緑ノ宮風音 1年1A 国98 数 98 英 98 理 98 社100
3位500点中/490点 水原雫 1年1A 国98 数98 英98 理98 社98
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・
15位500点中/400点 火神茜 1年1A 国80 数80 英80 理80 社80
・
・
となっていた。名前を見つけた各生徒は喜んだり悲しんだりしていた。茜達は自分達の名前を見つけて驚いていた。
「真白ちゃんすごーい!満点だよ満点!」
「むぅ…負けてしまいましたか…次は負けませんよ」
茜達からは羨望の眼差しと負けません宣言を受け同じクラスの生徒からは
「流石ですお姉さま…!」
「流石!我らのアイドル…!」
「惜しい!あともうちょっちだったさぁ!」
「うわl、俺赤点ギリギリ…」
「可愛い顔して頭も良いのね…嫌いじゃないわ!」
「まさに彼女こそ神だぁ…」
一部おかしな奴も居たりしたが皆がみんな一喜一憂していた。そんな中真白へと敵対心を向けている少女が一人いた。
「あり得ないですわ…!あり得ないですわ!」
その少女は真白へと近づくと見上げるように立ち塞がった。
「黒澤真白さん!私は緑ノ宮風宮ですわ!次は貴方に勝って見せますわ!首をお長にしてお待ちくださいまし!」
「え、あはい。」
それだけいって風音は立ち去っていって残された真白達は呆然としていた。
「えーと彼女は…」
真白は茜たちに問いかけると答えてくれた。
「同じクラスの緑ノ宮風音ちゃんだよ噂だと真白ちゃんに対抗意識燃やしてるんだって!でもかわいいよねえツンデレお嬢様って感じがしていいよね〰️」
「確か緑ノ宮コーポレーションのご令嬢でしたね。」
「少々気難しい子に絡まれてしまったようですね…」
これを皮切りに真白に対して緑ノ宮風音が勝負を挑んでくるようになったのだ。
授業にて…
「じゃあ、小テストすんぞー」
「「「「えー!!」」」」
数学の授業で先生がクラスの皆に小テストの開始を伝えるとブーイングが起こる。するとテストを席に就いてる真白に対して緑髪の少女が立ち上がり真白へ声明する。
「黒澤真白さん!勝負ですわ!」
「はい、よろしいですわ。」
「おーい、緑ノ宮席につけー。」
「あ、はい。申し訳御座いませんでしたわ。」
「「「「(あ、ちゃんと謝るんだ)」」」
そして結果は…
「よーし、こないだやった小テスト返すぞー。まずは…緑ノ宮流石だな。」
風音に手渡された答案用紙には《99点》と記載されていた。
「おっほほほほ!真白さん!どうです!!」
めちゃくちゃどや顔していたが真白のテスト結果をみて唖然とした。
「私はこのような結果でしたわ。」
真白すっと差し出した答案用紙には《100点》がそれを見た風音は目を潤ませてプルプルしながらキッと真白を見据えていた。
「次は負けませんわ!覚えておきなさーい!」
風音は立ち去ろうとするがまだ授業中の為先生に呼び止められる。
「緑ノ宮今授業中だぞー。」
「あ、はい、申し訳御座いませんわ。」
「「「(ちゃんと座るんだ)」」」
クラスメイトちゃんと座る緑ノ宮風音を生暖かい目でみていた。
体育にて…
「はーい今日はマラソンよ♪」
「「「「えぇー!!」」」」
生徒からのブーイングが飛び交うが先生はお構いなしに授業を進める。
「はい、文句言わない。それじゃ早速開始よ」
各生徒は
「真白ちゃん、雫ちゃん一緒に頑張ろー!」
「◯◯〰️一緒にはしろうぜー。」
「私たちはゆっくり行こうね!」
「お前も地獄に落ちようぜ…」
「ひとっ走り付き合えよ!」
さまざまな反応があった、
走り始めようとする真白にまたも風音は立ちはだかり勝負を仕掛けてきた。
「黒澤真白さん!勝負ですわ!」
「いいですよ。」
「でわ、スタートですわ!」
風音の掛け声でクラスメイトは一斉に走り出す…!
「はっ、はっ、はっ!」
「お、おいみろよ黒澤さん…揺れてやがる…!!」
思春期男子が釘つけになる双峰が揺れておりクラスメイトの男子全員はなぜか前屈みになったそうな。
それはさておきマラソンの結果はというと
「お、黒澤さんが一着か。流石ね。緑ノ宮さんは惜しいな2着ね。」
「はい、ありがとうございます。」
「ぐぬぬぬ…!悔しいですわ…!次は負けませんわー!」
そう言って風音は立ち去ろうとするが先生に呼び止められる。
「緑ノ宮さん今授業中よ」
「あ、はい、申し訳御座いません。」
「「「(ちゃんと謝るんだ)」」」
やはりクラスメイトは緑ノ宮風音を生暖かい目でみていた。
緑ノ宮風音は事あるごとに黒澤真白に勝負を挑んできた。家庭科の授業では料理をうまく作れるか、美術の授業ではどっちが上手に描けるかなどの勝負を仕掛けてくるなど、出会うたびに勝負を挑んできているのだ。それを見ていた茜や雫は真白に迷惑ではないの?と確認するが…
「あの、真白さん?」
「どうしました?雫さん?」
「緑ノ宮さんに勝負を持ちかけられて迷惑ではないんですか?」
問われた真白は少し考えてから雫へ答える。
「…別に迷惑ではないのですが、何で勝負を挑まれるのかが不明なのですが…雫さんはなにか覚えはありますか?」
「(この人わかってなかったよ…!)い、いえちょっと検討もつかないですね…」
「そうですか…でも私は迷惑ではないですよ?割りと勝負事は好きですから♪」
「真白さんは結構負けず嫌いですよね…」
「かもしれませんね♪」
真白視点)さて、前回水原雫がプリズマブルーが前回変身したことで物語は3人目の魔法少女《クローバーアロー》の紋章で変身するプリズマグリーンと緑ノ宮風音がメインとなるお話だ。
彼女はとても負けず嫌いと社長令嬢と言うこともありプライドが高いが実は本人は努力家で本当であれば水原雫に対抗意識を燃やしており事あるごとに勝負を挑んでくるのだ。しかし、今回は対象が黒澤真白つまり私にタゲが向いている。
これは私にとっては予想外ではあったが原作に触れられることがとても幸せなのだ。
彼女が魔法少女となる事の発端は詰まるところ妬みから来ている。出来事の発端は緑ノ宮風音をライバル視する妬む別クラスの女子が彼女を陥れようと取り巻きの女子生徒をけしかけてお礼参りをしていたが女子生徒が魔石獣に取り込まれ女子生徒の毒牙にかかる前に幸か不幸か風音は鯱石獣に襲いかかられてしまう。しっかしこのエピソードホントに中高生向けの原作か?割りとRー18に近いぞこれ…まぁ、そこで緑ノ宮風音は鯱型魔石獣に取り込まれた女子生徒の心の声を聞き実はこの女子生徒の勘違いで勝手に勝負を挑んできて負けて逆怨みに近いものだったと言う落ち。そこはロリオカンの属性を持つ風音がこれまでのことを許し助けるため変身、封印する…というのが今回の緑ノ宮風音のストーリーだ。
今回私は風音と一緒にいる場面が多いので私も標的にされているかもしれない。私のような女子もスクールカーストの標的にされている可能性がある。いくらかでも視聴者の気分がマイルドになるように努力に勤めよう…。
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緑色の魔法少女と出会う
ちなみに今回の緑色の魔法少女の名前は緑ノ宮風音《みどりのみやかざね》が呼び方です。
6/2.6/3誤字報告ありがとうございます!
お気に入り、コメント、評価ありがとうございます!
それではどうぞ!
(風音視点)私は緑ノ宮風音。緑ノ宮コーポレーションの一人娘ですわ!私は文武両道と才色兼備を兼ね備えるのですわおっホホホホ!……ですが最近は私の前に強力なライバルが現れたのですわ…!その方のお名前は黒澤真白さん。私と同じく高い頭脳と見た目の秀麗さは私と同じところに立つところ…つまりライバルですわ!しかし、勝負を挑んでおりますのに全く敵いませんわ!悔しいですの…!私が勝つまでは勝負を挑み続けますの!…姫宮◯◯さん、今は黒澤真白さんと勝負中なのです!少し待っていてくださるかしら?そういった彼女はなぜか苦虫を噛み潰したようなお顔をされていましたが体調が悪いのでしょうか?季節の変わり目なので体調に気をつけてくさだいましね?
黒澤真白と緑ノ宮風音が勝負をしているころ別のクラスのどうやらそのグループのリーダーらしき女子生徒が取り巻きの女子生徒と共に会話をしていた。その内容はあまりにも過激だった。
「風音さん…!なぜ私を見てくれないの…私だけを見ていてほしい…そうか…黒澤真白…貴方は排除しなければ…」
「姫宮さん、風音さんすきすぎでしょ?」
姫宮と呼ばれた女子生徒は緑ノ宮風音に対して病んだ感情を抱いていた。その感情の発端は入学当初まで遡る。姫宮と呼ばれた女子生徒は入学式の数時間前に犬の散歩をしていたが愛犬がリードから外れてしまい引かれそうになったときたまたま通りかかった風音が犬を抱えて飛び込み車をよけて犬を救出した。そこから顔見知りになり姫宮は愛犬の命の恩人と憧れの対象となり慕っていたが最近取り合ってくれないことに苛立ちその問題が風音が同じクラスの黒澤真白という少女に夢中になっていることを聞き付けると悔しそうにしながら嬉しそうにしている風音の表情を見て真白に嫉妬の感情が生まれてしまったのだ。
そんな感情を知ってか知らずか取り巻きの女子生徒は
「黒澤さん可愛いからってちょーしにのってるしねー、ここはわからせないとねぇ」
「だねー。」
この取り巻きは託つけて最近学年のカースト上位にいる黒澤真白が気に入らない為陥れようとして企んでいた。
「調子に乗ってるし!痛い目見ればおとなしくなるっしょ。」
「上級生の男の先輩に頼んで…ゴニョゴニョ…」
「うっわ、ひっどw」
姫宮に同調して黒澤真白をターゲットに定め悪意が動き始めた。
(真白視点)多分だけど私がいじめのターゲットに定められてるとおもうんだよなぁ…中学生だからそんな過激なことはしないとは思うけど男の子の上級生の呼ばれて制服剥かれて下着姿カメラに撮られて脅されられたりしそうだな…。まぁ、3人くらいなら生身で圧倒できるし私は風音ちゃんを守護することを考えていれば…
思考している真白のところに風音が近づいてくる。時刻は放課後。
「黒澤真白さん!勝負ですわ!今回はどっちが先にきれいに掃除が終わらせられるかですわ!」
「はい、いいですよ。わかりました。」
真白が席から立とうとしたとき入り口に女子生徒が立っていることに気がついた。その女子生徒は真白たちに近づいてくる。
「黒澤さん。ちょっとお話あるんだけど時間あるかな?」
女子生徒Aが真白へ話しかけてきた。
「私に何かご用でしょうか?貴女達は隣のクラスの…?」
「えーと、私じゃなくて、私達のクラス委員長が用事があるみたいでー」
「あぁ、姫宮さんですね。わかりました場所は?」
真白が場所を聞くと真白に顔が見えないよう醜悪な笑顔に顔を歪ませて女子生徒はかかった!と確信しその表情を出さぬよう場所をつたえる。
「えーと会議室Aだよ、じゃぁ伝えたからね。」
そう言って女子生徒Aは用件を伝えて足早に立ち去ってしまった。
真白は風音に断りを入れた。
「御免なさい風音さん、委員の仕事をしなくてはならないので勝負はまた後程。」
「むぅ…わかりましたわ。終わってからにしましょう。」
「でわ、また。」
そう言って真白は会議室へ向かった。その後ろ姿を物陰から見ていた女子生徒は携帯を取り出しどこかに連絡していた。
「私です先輩。ええ、今向かいましたぁ…宜しくですぅ。…さぁ、黒澤さん。ふふふ…」
その表情は醜悪な笑顔が張り付いていた。
「黒澤さんが戻ってくるまで待ちましょうか。」
風音が自分の席に着いて文庫本を読んで真白が帰ってくるまで待とうと思ったが教室後ろ出入口から近づいてくるのを感じた。振り替えるとそこには
「緑ノ宮風音さん…」
そこには真白を呼び出していたはずの姫宮と呼ばれた女子生徒がその虚ろな瞳に狂喜を称え風音を見ていた。
会議室へ到着した真白は入室するとカーテンをされており薄暗くなっていた。
「おや、姫宮さんは…?」
辺りを見渡しても人の姿が見えないため教室から出ようとした瞬間会議室の扉が押さえつけられあかなくなっていた。
「扉が開かない…んん!!むごごごごっ!!」
真白は突然何者かに口を塞がれ振り替えると男子生徒が3人いた。その表情は卑しい表情を浮かべていた。
男子生徒達は
「おい、暴れるなよ…!」
「ほ、ホントにやっちゃっていいのかよ。ばれたら…!」
「ばっか、動画撮って脅すんだよ!」
上級生のネクタイの色から3年生だろうか。男子生徒が3人おり一人は真白を手で口をふさぎ男子生徒二人はカッターとハンディカメラを持っていた。そこから導き出される答えは最悪な物だった。カッターで服を切り裂かれ恥態をハンディカメラに納められ脅されるだろう。その事が脳裏によぎった真白は男子生徒に押さえられているが激しく抵抗した。
「んん!!んん!!むごっ!!ん!!!」
「おい、さっさとやっちまおうぜ!」
ビデオカメラを持った男子生徒が興奮ぎみにカメラを回そうとし片方の男子生徒がカッターで真白の服を切り裂こうとした瞬間…!真白が視界から消えた。カッターを持った男子生徒が腕を捻られて組伏せられていた。その生徒はなぜ自分が床に組伏せられているのかわからない状態だった。
「え???」
「いけませんよ?女の子にこんなことしちゃ。」
真白はその男子生徒の首に手刀を当てて意識を飛ばした。
その姿を見た男子生徒は唖然とするが襲いかかってきた。
「くっ!おとなしくしろっ!」
真白を押さえていた男子生徒は背後から襲いかかるがその場からひらっと退いてよろついたところに背後からの回し蹴りが炸裂した。直撃した男子生徒は吹っ飛ばされて会議室の机が粉々になった。
ハンディカメラを持っていた男子生徒も襲いかかってきたが脚を引っ掻けて転倒させ鳩尾に一発。気絶させた。落ちていたハンディカメラを手に取り録画されている動画を確認するした。
「うわぁ…完璧にそっちの動画だね…」
そこに写っていたのは真白が涙目で男子生徒3人に襲われている様子だった。その後の立ち回りも録画されていたが動画を削除しハンディカメラを放り投げると
ズドンッ、ズドンッ、ズドンッ!!
男子生徒に向けて魔法弾を打ち出し男子生徒に取りついていた使い魔を消滅させた。
「やっぱり取りついて操られていたわね…まさか◯◯まがいのことをされかけるとは…」
前世が男であった真白はそういった知識はあったがやはり実際にされかけると不快感が勝っていた。実際にまだ少し気分が悪いところもある。しかし、雫がこんな目に会わなくてよかったし下手すれば風音もこんな目に会う可能性だってあったのだ。そんな考えに浸っていると遠くから悲鳴が聞こえてくる。風音の声だ。
「…!風音さん!いまいくから…!」
屋上へ向けて疾走するのであった。
真白が会議室へ向かっているころ教室では風音と姫宮がいた。姫宮の異様な雰囲気に呑まれそうな風音はなんとか言葉を発する。
「姫宮さん…?貴方は黒澤真白さんに用があったのではなくて…?」
「風音さん、私わかったの…貴女に纏わりつく害虫を殺さなきゃ貴女を守れないって…」
「何をいって…ひっ!?」
姫宮の姿を見て悲鳴をあげる風音。その姿は人間ではなくなっていたのだから。
「マシロォ…コロスコロスコロスゥ…キシャァアアアア!!」
空間が歪み姫宮の負のエネルギーが魔石獣の格好の餌となり取り込まれていく。その姿は手足が付いた鯱のような姿へ変貌した。
「ひっ!?化け物…!いやぁああ!」
その場から逃げ出そうとする風音だったが恐怖で尻餅をついてしまい腰が抜けて動けなくなってしまった。鯱型魔石獣は真白の雰囲気を纏う目の前の少女を取り込み補食するべくその牙を向けた。風音は顔を覆ったがいつまでたってもその痛みと衝撃は来なかった。なぜなら……
「風音さん!大丈夫!?」
「へぇ!?黒澤さん…?」
そこには風音を抱えて鯱型魔石獣と対事している黒澤真白がいた。
「隠れてて私が囮になります。」
物陰に風音を隠すと踵を返して鯱型魔法獣のもとへ向かおうとするが風音に手を捕まれ止まってしまう。
「だっ、ダメですわ!危険なことしないでくださいまし!黒澤さんに何かありましたら私…!」
涙目の上目使いで真白を見上げるが真白は
「大丈夫です。武術の心得がございますので。怯ませたら直ぐに私も逃げますので。」
握られた手を優しく振りほどいて物陰から飛び出す。標的を見つけた鯱型魔石獣はうめき声をあげながら襲いかかってきた。
「キシャァアアアア!!」
牙を使って攻撃してくるが動きが遅いため真白は後退し回避する。魔石獣の脚を重点的に攻撃することにした。
「キシァア!!」
噛みついてきた隙を狙い関節に足技を当てる。人体を模している以上は関節への攻撃は有効で膝をついたところに鯱の鼻の辺りを狙いハイキックを当ててやるとたまらずダウンした。
「はぁっ!!」
バシンッ!!ハイキックが炸裂し辺りに音が響く。
「風音さん、今です!」
魔石獣がダウンしている隙に真白は風音を呼び屋上入り口へ誘導していた。風音が入り口へ駆け込んだのを確認したところで真白も走りだす。風音が無事たどり着き振り替えるとそこには魔石獣に吹き飛ばされ上空に浮きフェンスの外側へ弾き出される真白の姿があった。落ちていく真白を見て風音はたまらず悲鳴を上げた。
「黒澤さん…!いやぁ、いやぁぁぁぁぁぁ!」
邪魔物はいなくなったとばかりに鯱型魔石獣は取り込むため飛びかかる。が、虚しくもそれは叶わなかった。なぜならそれは青い閃光に阻まれたのだから。
「もう大丈夫ですよ。」
風音の前には青い衣装を纏った魔法少女がたってるのだから。
「助かったの…。!!そうだ黒澤さんを!助けて…!」
「大丈夫、彼女が向かいましたから。」
少し遡り姫宮が鯱型魔石獣に取り込まれたところから遡る。
プリズマセルラーからコールがなる、魔石獣が現れた反応だ。コールを受けて下校途中だった茜と雫は反応地点へ向かう。
「雫ちゃん!」
「はい、茜さん!ええと場所は…学校?」
「急ぐで!」
現場に急行し校舎に入る前に屋上から投げ出された物が茜の視界に入った。それは真白だった。驚いた茜は走りだし変身する。
「雫ちゃんは魔石獣の所へ!間に合えっ!プリズマチェンジ!」
「茜さん!?」
茜はプリズマレッドに変身し真白の元へ駆けつける。100m5秒で駆け抜けるレッドの脚力のお陰で砂煙が上がる。砂煙が晴れるころ地上に叩きつけられる手前で真白をお姫様抱っこするような形で救出できた。
「大丈夫!?真白ちゃん!」
茜は真白へ無事を確認するが放心状態だったのか少し虚ろだ。
「え…はい…大丈夫ですよ…。(キャー!超至近距離でのレッドは来ちゃ~!可愛い!)」
少ししてからレッドを見上げる色白の真白の顔色が赤色に染まり若干だが涙目になっていた。レッドははにかみながら安全な所へ降ろした。
「それじゃ!危ないからここにいてね!」
真白は立ち去ろうとする命の恩人に声をかける。
「待って!お名前は!」
赤色の少女は振り替え語りかけるように名前を告げる。
「私は…レッド…プリズマレッドです!」
真白は名前を噛み締めるように繰り返し感謝を伝えた。
「ありがとう!レッドさん!」
レッドは地面を蹴って屋上へ飛翔した。
残された真白は一人悶えていた。
「(ほあぁぁぁ!、マジものの生レッドじゃー!しかもお姫様抱っこされちゃった…!しかもめちゃくちゃイケメンだった…茜ちゃんあの表情の時スッゴいかっこいいんだよね…」)
悶えているときに屋上から金属が弾け会う音が響いた。戦闘が開始されたのだろう。見届けるために真白はその場に向かうためにクロエを呼ぶ。
「クロエ行こう。」
「あいな。」
《ツインジョーカー》のエンブレムをプリズマセルラーへ装填する。
「プリズマチェンジ」
真白の姿は漆黒の闇に取り込まれ《プリズマノワール》へ変身する。
茜、雫たちに悟られないように屋上の物陰へと隠れ物語見つめる。
一方その頃屋上では魔法少女達が鯱型魔石獣と対事していた。
「キシャァアアアア!!」
鯱型魔石獣が魔法少女たちへ牙を向く。大振りなため攻撃が当たれば大ダメージだが二人の魔法少女はジュエルウェポンを取り出し隙をついて攻撃する。しかし…
「くっこいつ!」
「すばっしこいですね!」
武器を振るうも姿を捉えることができない。鯱型魔石獣が潜る地面を液状化させて潜航してしまうからだ。潜られてしまえば攻撃ができず浮上しても当てるタイミングで素早く潜られてしまう。
「どうにかしないと…!うわぁっ!」
このままではじりじりと体力を奪われていくのは明白だった。
緑ノ宮風音は目の前で起きていることが信じられなかった。目の前には化け物。相手取るはコスプレのような少女が戦っている。これは夢でも見ているのかしら…?と思いたかったが先ほどの死の恐怖が夢ではないことを知らせてくれた。ふと鯱のような化け物を視線を会わせないように見ていると脳内に声が届いた。
「(緑ノ宮さんに見ていてほしかった…。)」
「これは姫宮さんの…?」
化け物に取り込まれたはずの姫宮の声が風音の脳内に響く。
「(入学式の時犬の散歩をしていたら引かれそうになってもうダメと思ったとき緑ノ宮さんが助けてくれてすごく嬉しかったの…それから学校で緑ノ宮さんを見かけて嬉しくなって声をかけたら緑ノ宮さんは私のことを覚えていなかった…!そして気づいたの貴女のとなりに黒澤真白がいた。貴方は黒澤真白しか見てない…だから!私は黒澤真白を陥れようとして会議室に誘い込むことにした…!)」
姫宮の負の感情が風音に届く。しかし風音はそれを否定する。
「違いますわ!…姫宮さん貴女のことを私が忘れていると申しましたわね?それはあなたの勘違いですの。あのとき私はワンちゃんを助けたさいにあなたのもとに行ってちゃんとお名前をお聞きしましたわ。そしてこれも何かの縁とおともだちになりましょうと。姫宮梨花さん。」
「(どうして私の名前を…う、嘘よ!嘘に決まってる!)」
「嘘ではございませんわ。友達でないお人と勝負なんかしませんもの。ですが最近は真白さんと勝負が楽しくて『梨花』さんとの勝負がおろそかになっていましたね。それは申し訳ございません。…ですが!一時の感情でお友だちを傷付けることは私緑ノ宮風音が許しませんわ!」
「(ご、ごめんなさい…)謝るのは私ではなく
何故か鯱型魔石獣が緑ノ宮におそれをなしているようだ。
「反省していただくためにも取り敢えずは貴女をその化け物から救って差し上げますわ!」
その瞬間緑ノ宮風音の手に緑色の光が宿る。手の甲に浮かんでいるのクローバーの模様に弓が浮かび上がっている紋章と左手にはプリズマセルラーが握られている。困惑する風音。
「これは…いったい…?」
その光景を見ていたレッドたちは驚き、物陰から見ていたノワールはニヤリとした。
「嘘!?緑ノ宮さんが3人目の魔法少女!?」
「驚きです…!」
「(3人目が覚醒したか…)きたーーーっ!」「心の声漏れとるでノワール」
緑ノ宮風音は迷うことなく《クローバーアロー》の紋章をプリズマセルラーに装填する左手を掲げキーワードを発する。
「
キーワードを発した瞬間、風音の回りに風のような特殊なフィールドが展開される。風音が身に纏っていた衣服がセルラーに格納され一瞬の裸になるがピッチリした
「吹き荒ぶ風は叡知のエレメント!緑色の魔法少女!プリズマグリーン!ですわ!」
ここに3人目の魔法少女。プリズマグリーンが誕生した。
次回予告 私を救うために生身で怪物に立ち向かう真白さん…はぁ~とても素敵……はっ!み、皆様はじめまして私は緑ノ宮風音ともうしますわ!ひょんなことから魔法少女になってしまいましたの。私の弓術で怪物を可憐に退治してあげますわ!ん?なにやら少し捻くれた少女が次のお話に出てくるようですわね。
次回《魔法少女プリズマーズ》『捻くれた黄色の少女との出会い』次回もプリズマチェンジ♪ですわ!
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捻くれた黄色の少女との出会い
誤字、脱字報告ありがとうございます…!
コメントありがとうございます!
それではどうぞ!
3人目の魔法少女として緑ノ宮風音は《プリズマグリーン》に変身した。二人の魔法少女の隣に降り立つ
「参りますわよお二人様!」
「よろしくねグリーン!」
「ええ、いきましょう!」
プリズマグリーンがジュエルウェポンを呼び出す。
「おい出ませ!《ウィンドシューター!》」
グリーンが掛け声をあげると目の前に緑色の風の柱が発生する。グリーンは柱に手を入れ優しく引き抜く。その手に握られていたのは美しい翡翠の色をした機械の洋弓が握られており弓塚えの場所には緑色の宝玉がはめられており中には旋風が渦巻いていた。
「っ!!」
グリーンは矢をつがえ鯱型魔石獣へと向ける。鯱型魔石獣がこちらに攻撃するために浮上してきた刹那のタイミングで射る。
バシンッ!!
グリーンが放った矢が直撃し鯱型魔石獣はうめき声を上げた。
「グギャァァ!」
「凄い!潜られる前に当たった!?」
「攻撃が当たる前に当てられるとは…」
「私、弓道を少し齧っていましてよ?」
グリーンがの基本スペックもあるのだがグリーンには対速度戦闘と高速戦闘の能力が与えられておりヘッドギアには射撃時にホロスクリーンが展開し精密射撃も行うことができる。しかし代償もあり…
「体が少し重いですわ…」
神経系が強化される代わり身体への負担も大きくなるため体力が著しく低下してしまうのだ。
「おっと!」
倒れ混みそうになるグリーンをレッドが支える。そのつきをついて敵はまたしても地面へ潜り込もうとするが…
「させませんよ!」
ブルーが鯱型魔石獣へ《アクアスピアー》を振るう。水の霧が出て鯱型魔石獣の体を覆う。すると凍りつき動けなくなってしまった。
「キッ!キシャーー!!」
もがくもその場から動けない鯱型魔石獣は俎板の鯉状態だった。
ブルーはグリーンへ
「いまですグリーン!」
「ナイスアシストですわ!」
必殺の一撃を叩き込む。
「清らかなる旋風よ!悪しき者を祓いたまえ!『トルネードシュート!!』」
つがえた矢の先端に暴風が宿り一点に集中する、放つときそれは収まり魔石獣へと飛翔する。直撃した瞬間膨大な密度の風は吹き荒れる。
「グッ!グギャァァァァァァァァァァァァ!!」
魔石獣をかたどっていた遺骸が崩れ落ち中から姫宮梨花が出てきた。そして鈍く黒く光る球体が飛び出しグリーンの後方にいたレッドが封印のカードを投げつける。
「シール!」
レッドの掛け声で球体はカードへ封印される。鯱のようなイラストが描かれた封印されたカードがレッドの手元へ。
「正義は必ず勝ちますわ!…きゅぅ…」
「「ちょっ!グリーン!」」
二人は急いで駆け寄る。こうして3人目魔法少女プリズマグリーンの登場により無事に勝利を納めることが出来たのだった。
校庭のベンチに魔法少女たちに寝かされていた姫宮は柔らかな臭いが鼻腔をくすぐり目を覚ます。
「う、ううん…」
「あ、目が覚めましたね?」
目を覚ました姫宮は真白が自分を見下ろしていることと後頭部が柔らかいものに乗せられている気がついた。
寝惚けた意識が覚醒する。
「(え、私膝枕されてる!?)っっ/////////!!」
「どうされたんですか?顔を赤くして?まさか…具合が悪いとか?」
「ち、違うの!黒澤さんが膝枕を…」
「あっ、ごめんなさい。これですか?お嫌なら止めますが…」
「う、ううん。いやじゃないです…!このままで…」
「???…わかりました」
姫宮の必死の抗議により真白が困惑していた。姫宮は悲壮な顔で真白を見上げて話し始める。
「黒澤さん…私嫌な子なんだ…。」
「そうなんですか?」
真白はすっとぼけた反応をした。姫宮には伝わらなかったようだが。
「うん…自分の憧れてる女の子が他の女の子と楽しそうに話しているのを見てたら自分の心が黒く染まっていくような感じがして…そしたら私が怪物になって緑色の女の子に叱られて助けられてね…「謝るのは私ではなくございません」て…」
そう言って謝罪するために起き上がろうにも真白の柔雪ような太股の柔らかさと真白の「そのままで」の圧力に抗えず起き上がれない。
「?どうしました?」
姫宮はなにやら言いづらそうだったが意を決して話す。
「貴女を目の敵のようにしていてごめんなさい…私の知り合いが迷惑をかけてごめんなさい…!それと…むしのいい話だけど私と友達になってください…!」
「それは…どうして私が友達に?」
「だから…私が今後、悪いことしないようにあなたが後ろでちゃんと見張っていてほしいの!だから友達になって!」
突拍子もない発言に真白は目を丸くするが暫くして鈴の音のような笑い声が聞こえてくる。
「くすっ、ふふっ。嫌ですねすでにあなたとはお友だちですよ?梨花さん?」
「え、いいの…?私嫌なことしたんだよ…?それでもいいの?」
「緑の女の子に言われて反省されたんでしょう?貴方が考えその行動に移したなら私は何も言いませんよ。そうですね…改めて私と友達になりましょう。」
「うん、うん…ありがとう…」
涙を流し真白と友達になることが出来た姫宮は子供のように泣きじゃくり頭を膝に乗せ頭を撫でられながら泣いていた。
その姿は母と娘のようだった…。
その姿を3人の少女が物陰から見ていた。
「ああっ!姫宮さん羨ましいなぁ…!」
「膝枕羨ましいです…」
「お二人とも…全く…発破かけた手前うまく行ってよかったですわ」
二人は姫宮に嫉妬し風音は謝罪が成功して安堵している。
「さて、お二人様、梨花さんのところに参りましょう。」
物陰から出てきた3人を見て姫宮は更に顔を真っ赤にしていた。ちなみに真白に乱暴しようとしていた女子、男子生徒は教育委員会に何故か情報が提供され退学になるのは別の話…。
緑ノ宮風音を仲間に加えた次の日。いつもの学校で茜たちのグループに噂話が入って来た。
「ねね、茜ちゃん。」
クラスメイトが茜に話しかける。
「ん?どうしたの?」
「最近巷で不審者が出回ってるんだって。」
「へー。どんな不審者なの?」
気になった茜がクラスメイトに聞いてみると驚きの答えが帰ってきた。
「えーと、噂だと犬みたいな怪物が人をさらって仲間を増やすとかとか、振られた男子生徒が恨みで怪物になって女の子襲ったり。それを助けるために魔法少女みたいな見た目の女の子に助けられたりしてるんだって!アニメみたいで凄いよね!」
「いやぁ~それほどでもぉ~!」テレテレ
雫、風音「「ガタガタガタッ!!!」」真白「へぇ、怖いですね~。ん?どうされました?」
「どんな人なんだろうね?」
「可憐で誰かの為に頑張れる素敵な人ですよ。」
「え、真白さん!?あったことあるの?」
クラスメイトは顔を近付け興味津々で聞いてくる。
「私も怪物に襲われそうになったときに助けてくださって…あのときの表情と行動が素敵でしたわ…///またお会いしたいです…///」
恍惚とした表情で助けてくれた状況をクラスメイトに説明する。何故か茜が。
「いやぁ~それほどでも~!」
「???茜さんのことを申したわけでは御座いませんよ?確かに茜さんは可愛らしいですが…?」
クラスメイトが真白に対して「うわー…女誑しだぁ…」「誑しだ…」
雫、風音「「「う、ううん何でもないよ!ちょっとお花摘みにいってきますね!?」ますわ!?」
「え、え?なに?どうした~ー!!」
そう言って2人は茜を引きずって教室を離れていった。
「どうしたんだろうね?茜ちゃん達?」
「さ、さぁ…どうしたんでしょうか…?」
残されたクラスメイトと真白達はぽかんとしていた。
場面は変わって3人組は屋上近くの階段の踊り場に来ていた。
「ちょ、ちょっと急に!」
「「ちょっと茜ちゃん!」さん!?」
二人同時に話しかけられたので茜はびっくりした。
「ふぇっ!?な、なに!?」
「イチゴちゃんに言われたこと忘れたんですか?」
茜は首をかしげ片手を頭に当てはまることを考えたが…
「えーと、なんだっけ?」
雫はえぇ…?という表情で。風音は呆れた…という表情でみていた。茜はわからん!といった表情で。
「茜ちゃん…イチゴちゃんに言われたでしょ!?私たち《プリズマーズ》は変身者は正体がバレてはいけないって…」
茜はそれを聞くと
「あ゛そうだった…!」
「全く…貴女の方が一日の長でしょうに…。」
そうなのだ。《魔法少女プリズマーズ》の存在を他の人物に知られてはいけないのだ。その理由は多数の人々を事件に巻き込まないためであるからだ。魔石獣という怪物の存在が明るみに出れば混乱することは必須で、現代火器では倒せず唯一倒せるのが魔法少女達が持つ《ジュエルウェポン》でのみ遺骸を倒すことができるのだ。《魔法少女プリズマーズ》になるということは超人的な力を手にしてしまいその力で大事な人を傷つけてしまう可能性もある。生身で狙われればひとたまりもない。その事を踏まえてイチゴはバレないようにして欲しいと言ったのだ。
「そうだった…ごめんなさい…。」
茜がシュンとして二人に謝罪した。
「過ぎたことは仕方ありませんわ。気持ちを切り替えましょう。」
「特に真白さんには気がつかれないようにしないとですね。」
「うん、そうだね…わかった!気をつけるよ!」
3人は再確認し授業が始まる前に教室へと戻った。
~授業中~
教師が黒板へチョークを走らせると同時に重要な箇所を口頭で伝えノートに取らせるように指示する。生徒はその口頭で受けた重要な所をノートに書き写し黒板の内容も書き写す作業をしていた。授業が進むことに教科書やノートの紙のめくれる音がする。そんな最中真白は一人の少女に視線を向け次に出会う魔法少女についての思案していた。
真白)「(3人目が無事に加入出来たね…差異は今回のイジメの対象が私になっていたこと位か…まぁ、大きな変更は無かったし用心はしておくに越したことはないね。
次に加入する女の子は
黄色掛かった金髪セミロングの髪型で快活を思わせる雰囲気だが性格は捻くれている性格だ。
彼女が巻き込まれる事件が兄に関連するものだ。雷華ちゃんの兄
「そうだなーここの問題は黄嶋。答えてみろー。」
先生に指名された黄嶋雷華みて真白は思考を切り替える。
「え、めんどくさい。えーとその問いは〰️〰️。」
まぁ、新しい魔法少女に出会う前にこの授業を終わらせようか?
次回予告!皆さんはじめまして黒澤真白です。こっちは家の猫のクロエ。 にゃあー。
次回は遂に魔法少女の四人目プリズマイエローが登場して遂に《魔法少女プリズマーズ》が勢揃い♪熱い展開が待ってそう!にゃぁ!
次回《魔法少女プリズマーズ》『黄色の魔法少女との出会い』!次回もプリズマチェンジ♪にゃぁ♪
魔石獣以外の反応…!首のアミュレットが4本…!?あれは…!《
次回は世界観のお話投稿するかも…!
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黄色の魔法少女との出会い
筆が乗っていつもより長くなっちゃいました…お気に入りしてくださった人やしおりを挟んでくださった人お待たせしました。
それではどうぞ。
(雷華)俺は黄嶋雷華。自分で言うのもあれだが、かなりの美少女であると思う…しかし聞いてわかる通り俺は一人称が《俺》だ。愛想もよくないし、目が死んでいるなんて言われる。身長も同年代の女の子に比べると頭2つぐらいデカく同級生の男子よりでかいぐらいだ。小坊ぐらいの時に同じクラスの男子に「オトコがオンナの格好してる〰️!」何て言われて結構ショックでその男の子3人組をボコしたことがある。それ以降俺はスカートはかなくなって今の制服も男子のスラックスを履いて学校にいっている。この身長がコンプレックスになっているのだ。
小学校の頃は虐めにもあったりした。俺が通っていた学校では頭の悪い遊びが流行っていたのだ。
それは『告白ゲーム』と呼ばれるグループカーストの男女グループがターゲットに手紙を書いて屋上や校舎裏に呼び出し誰も来ないところをそのグループカーストのトップの連中はそれをみてほくそ笑みクラスに「あいつ誰も居ないところで告白待ってたんだよ~。ウケるw」言い広げその『告白ゲーム』とやらをそれを繰り返していた。たまたまそれが何の因果か知らないが今度は私…ではなく唯一の友達にお鉢が回ってきたのだった。その友達も『告白ゲーム』の事を知っていたので行かないと行かないで「○○君待ってたのにひどーい!」と何故か悪者扱いされる。俺は友達の変わりに行くことにし屋上へと向かうことになる。変わりに向かった私をみて困惑しているグループカーストの女子生徒に
「○○ちゃん呼んだのに何であんたがいんの?」
俺は「くだらねぇ…」と呟いてその場を去ったのだがその態度が気にくわなかったらしくその翌日から俺は「あの○○君の告白を振った男女」と評され苛めの対象になり友達は俺のこと心配してくれていたが巻き込まれないように縁を切った。これで良かったんだと思う。苛めは中学に入った今でもそれがつづいている。今日なんて下駄箱の上履きに画鋲が入れられ…なってことはなく綺麗な上履きがそこにあった。おかしいひどいときは俺の机にゴミが入れられている時もあるぐらいなのに。良く飽きねぇなとあきれながら学校の掲示板に画鋲を指して登校するはずなのに今日はそれがなかった。嫌気が差して不登校になるかと思うがそうでもないケロっとなにも感じずにいればいずれ無視されるだけだからな。と思い昔は結構他人(友達)と喋っていたはずだが最近は必要最低限の会話しかしない。いずれこの苛めが消滅するまで待てばいいし対象は俺だけでいい。だがそのいやがらせ行為事態が消えている。
教室に着く。今日も俺の机はゴミ箱のようになっているな…と思いきや机は綺麗になっており新品同様だ。教科書は…入ってない。都合のいいことが続くわけないよな。まじか…捨てられたと思いきや肩を叩く者がいた。またイジメっ子たちかと思い不機嫌そうに振り返るとそこにいたのはクラスのマドンナ黒澤真白が微笑を称えてそこにいた。
「黒澤さん俺なんかになんか用?」
「これ…雷華さんの教科書ですよね?地面に落ちていたので拾いました。」
そういって何故か新品同様になっている俺の教科書がそこにあり手渡してきた。
「俺のはもっと…ボロボロのはずだったけど。」
「でも此方に『黄嶋雷華』とかいてあります。」
「んな事が…ホントだ。」
手渡された教科書をみてみると俺の名前が俺の字で書いてある…目の錯覚だろうか。なんて思っていると黒澤が
「実は前に黄嶋さんのイジメの現場をみてしまったんです。それでイジメをしていたグループにちょっと『OHA★NA★SHI』をいたしまして(ブルー登場回)そのイジメグループに私もイジメられてたんですよ。」
「そんな事したらもっとイジメが酷くなんぞ…余計な…」
「でももう彼女ら彼らは後ろ指差されて生活するしかないですよ?もうこの学校に居ないですし。」
「事をって…は?」
「証拠握って教育委員会に提出しましてあと、そのグループの親たち学校にきて喚き始めたんですけど私のお父様が出てきてくれて。現役の警視総監なので彼女達の親を黙らせたんです。」
「まじか…じゃあ俺はもうあいつらにおそれなくていいって事か…?」
「もうビクビクして暮らさなくていいんです。ごめんなさい…もっと早くに貴女にお声がけすれば。」
黒澤から言われた言葉が嘘ではないと思った俺は緊張の糸がほつれてしまったのかその場に女の子座りでペタリとなってしまった。何故か頬には熱い雫が流れている。なんだこれあちぃな…くっそとまらねえ。とまらない雫を手で拭っていると、ずいっと刺繍の入った白い綺麗なハンカチを手渡された。
「これをお使いください。頑張りましたね…よしよし。」
無理矢理黒澤にハンカチを渡されて涙を拭う。久々だったこんなに他人に優しくされることは。更に泣いてしまった。
真白ちゃんは膝を地面に付けて俺の頭がちょうど真白ちゃんの胸の部分に当たっている。どうやら抱き締められているらしい俺も放心状態だったので良くわからなかったが後から登校してきた茜達にからかわれた。くそう。これが真白ちゃんとの出会いだ。
あと、真白ちゃんのおっぱいはスッゴク柔らかかったです。
まぁ、最近私の回りというか真白ちゃんの周りにキャラの濃い奴が一杯いる。俺が真白ちゃんと会話していると「捻ねくれてるね!」と笑顔で言ってくるツインテの赤い髪の美少女の茜
「雷華さんはなんというかその…らのべ?の主人公みたいですね。」と青い髪のポニテ美少女の雫。だれがじゃい。君の方がラノベの主人公してるよ?。最近は双子のお姉さんと仲良くなったとか言ってたっけ。もう一人が「貴女は本当に素直じゃありませんわね…自らを犠牲にして大勢を救うのはあまり誉められた行動では有りませんわよ?ご自愛くださいましね」緑の髪のサイドアップテールの美少女の風音。なんなの君は?俺のお母さんなの?頭お撫でられされて気持ちよかったけどな…。
騒がしいけど今はめちゃくちゃ満足感があるといってもいい。
授業が終わり帰宅すると兄ちゃんが先に帰ってきていた。
「ただいま~。」
「おう、おかえりー。手洗ってこい。」
「はーい。」
「今日の晩飯兄ちゃん特製のカレーだ」
そういってキッチンから出てきたのは高校生にして身長190で体重95キロのどこの空条○太郎だよ言わんばかりの体躯と美丈夫である雷華の兄『
「まじ?やった兄ちゃんのカレーじゃん。」
「そうだぞ…あ、やべ。雷華~福神漬け買ってきてくれないか?」
「ええぇ!?福神漬けないの!?しょうがねぇな~。買ってくるわ。」
「おうわるいな。」
そういって椿は白い歯をにかっと笑って見せて雷華は「しょうがねえな」といった表情で先ほど帰ってきた家からすぐ出てコンビニへと向かった。
「(全く兄ちゃんカレーなんだから福神漬けを買っておけよな…まぁ最近兄ちゃんは家にすぐ帰ってくるからいいけど♪)」
雷華の兄は高校2年。虹が崎高等学校に通っており元々の腕っぷしの強さと皆を率いるカリスマ性もあってそこの生徒会長を勤めていた。隣町の井坂高校の不良グループに絡まれた際に椿対不良30人相手に傷ひとつ負わなかったらしく伝説になっている。そのため井坂高校の不良に目をつけられているらしい。絡まれないために授業が終わったら帰宅しているそうだが。
「まぁ、兄ちゃんが負けるわけないもんな…ん?」
コンビニに入ろうとすると漫画とかで良く見る不良達が軒先で飲み終わった缶ジュースにたばこをいれて陣取っている不良達がいた。関わりたくない雷華はその不良達と接触しないように避けて店内に入ろうといたのだが…不良の一人が雷華を認識せずよそ見をして立ち上がりぶつかってしまった。不良は自分よりも年下の女の子にガンを飛ばしていた。
「ってーな。てめぇどこ見て歩いてんだぁ…!」
「ご、ごめんなさい…!急に立ち上がったりしたので…。」
「あ゛あ゛?なんだぁ?俺がわるいってか?」
「きゅ、急に立ち上がるあんたがわるいんじゃないか…!」
「このガキ…容赦し」
「おい、宮本。」
「あんだよ?このガキに大人の怖さを…」
「こいつの顔どっかで見たことあんな…?」
「あー、おいらもどっかでみたことあるような…」
三人の不良は少し思案すると思い出したようで
「こいつ黄嶋の弟か!」
「ああ!どっかでみたことあると思ったら黄嶋じゃねーか!」
「俺らに見つかったのが運のつきだな。黄嶋椿を誘い出すエサがまさか自ら出てくるとはな!」
「いったい兄ちゃんになにをする気!?それと俺はおん…うっ…」ガクッ
宮本と呼ばれた青年がポケットから出したスタンガンに雷華が当てられて気を失ってしまった。
「おい、こいつが携帯持ってるか探れ。」
「おう…ん?これか…よし、あったぜ」
「よし、アドレスから黄嶋椿の携帯へ連絡を取るんだ。あいつをこっちのホームへ誘い込むんだ。」
宮本は手下に雷華の服のポケットから携帯を探させ黄嶋椿へ連絡を取るように指示した。
◆
「遅いな…雷華の奴どこで路草食ってるんだ…?」
買い物に出掛けてから20分。コンビニは歩いて5分程の場所にあるのだが帰ってくるのが遅いと感じた椿は携帯に掛けようと思い椿自身の携帯を取りだし掛けようとしたとき
「てれれれれ~てっててれてれ~」
携帯の着信音がなる。その表記は妹の雷華。直ぐ様着信に出る椿。
「おい、雷華いったいどこで…」
「お前の大事な家族は預かったぜ。」
「手前ぇ…誰だ?雷華はどうした?」
携帯に出たのは妹の雷華ではなく若い男の声だった。椿は自らを落ち着かせ掛けてきた相手の話を聞く。
「俺は井坂高校で頭はってる宮本だ。お前にこけにされたな。そのお礼参りって訳だ。大事な家族が大変な事になる前に町外れの廃工場までこい。来なかったら…」
ピロンと携帯がなりメールが送られてきていた。そのメールには写真が添付されている。開いてみると雷華が手足を縛られ拘束され吊るされている。そこには60人近い不良達の姿が。
「お前の家族がみるも無惨な姿になるだろうさ…」
「……」
「はっ?びびっちまって声もでねぇか?泣きわめいて助けをこうならかいほ…」
「今すぐそこにいっててめぇらぶっ殺してやるから待ってろ…!!!!」
椿は電話をきり車庫へ向かう。愛用のバイクへ跨がり宮本に指定された廃工場へ飛ばす。その姿は鬼神のような形相だった。
◆
「さて今日は雷華ちゃんの変身の日だねクロエ!」
「落ち着きなんし…すっかりこの世界になれてしまったな真白。」
今日は雷華がプリズマイエローに変身する日。ある意味お当番会で真白はいつものおしとやかさは形を潜め男子小学生のようにワクワクしている。茜や雫、風音にみられたら大層驚く事になるだろう。
「うぅ…!早く4人の揃った名乗りがみたいよぉ~!」
「そこに真白…お主は入ってないんやなぁ。良いのかえ?」
「え、だって私がいたら邪魔でしょ?だって《魔法少女プリズマーズ》は4人で《プリズマーズ》なんだから。」
「まぁ、真白がそういうなら宜しおすなぁ…(そんなこと言うてはるけど本当はそのなかにはいりたいんやろな…全く意地っ張りや。)」
「ん?なんかいったクロエ?」
「いいや?なんにも言うとらんよ?」
「ん?あれは雷華ちゃん?あ、あれは井坂高校の不良グループ…!始まったのね。場所はたしか廃工場だったね…」
「行くのかえ?」
「もちろん!」
不良グループは車に気絶した雷華を車にいれて発進していった。結構なスピードを出して町外れの廃工場へ向かっていく。真白は誰にもみられない場所へ移動し左手のプリズマチェンジャーを起動させ《ツインジョーカー》のエンブレムを実体化させて装填する。
「クロエ行くよ!」
「あいな!」
「
光を切り裂きマントを翻し5番目の魔法少女が誕生する。
「未来を飲み込む絶望の光、漆黒のエレメント、プリズマノワール!」
「行く是よノワール。」
「うんクロエお願い。」
クロエが光輝いて生物から無機物へと変化する黒い近未来なバイクへと変形したのだ。ここで質量保存の法則とかは言ってはいけないぞ。
「さぁーて行くよ!」
アクセルをふかして不良グループの後を追うのだった。
◆
俺は宮本の指定された廃工場へ法定速度も真っ青なスピードをもって向かう。妹が…なんて想像すると俺は自分の怒りを抑えられそうにない。スロットルを強く握りしめる手がどんどん強くなっていく。
「待ってろよ雷華。」
しばらくして指定された廃工場へ到着してバイクを止めて急いで中へ入り込む。なかにいたのは大勢の不良軍団、その中央の天井部分に妹の雷華が吊るされていた。俺は駆け寄ろうとしたがそのリーダー格の宮本が俺を呼び止める。
「雷華!!」
「兄ちゃん!」
「おっと、動くなよ黄嶋。動けばお前の家族はあの高所から叩き付かれる事になるぜ。」
「くっ…いったい何が目的なんだ。」
「目的?それは決まってんだろ、お前に舐められたお礼参りだよ。これからお前をぼこぼこにするぜ。おい!お前らやっちまえ!避けるなよ?」
「兄ちゃんだめだ!逃げて」
「うるせぇ!」
宮本が学生服のポケットからスイッチのようなものを取りだし少し押し込む。そうすると雷華の固定されているロープの装置が片方外れて不安定に宙吊り状態になっている。
「きゃあああ!!」
「雷華!!くっそ!!」
不良軍団がバットや鉄パイプをもち俺に襲いかかってくる。ばこっ!!
「ぐあっ!!」
「てめぇ、あんときは良くもやってくれたな!おらっ!」
「はははっつ!!良い様だな黄嶋ぁ!」
「くそっ…!!ぐほっ…」ポタポタッ…
「お願い…もう、やめて…やめてぇぇぇぇぇ!!」
手出しが出来ない椿に襲いかかる不良軍団。防いでいるが一対多数、防ぎきれず直撃し頭から血を流しだんだんと四肢の力が抜けていく椿。その姿をみて悲鳴をあげやめるように懇願する雷華とボロボロになっていく椿をみて狂喜を憶えている宮本。その光景を遠くからみていた謎の男がいた。
???「ほう?貴様中々の負の感情をもっているな。貴様を使わせてもらおう。」
そのとき宮本に変化が起こる。
「はっは!良いぞ良い様だな黄嶋ぁ!!そのまマ、ナぶりコロシテやルゥゥゥゥ!!!」
「宮本さん?宮本さん!う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
様子がおかしくなっていた宮本の側近が声を掛けるがその瞬間宮本が黒い霧に覆われていく。その姿は巨大な北極熊のような見た目だが現実のそれではない。全身が赤黒い胎動する鉱石のような皮膚に両前足には鋭利な爪が、口にも鋭利な牙が付いている。首に付いたアミュレットは2本。
「ば、化け物だぁ!」
「に、にげろぉ!!」
突如化け物に変化した宮本から逃げるように側近と椿に危害を加えていた不良軍団は慌てて逃げ出す、しかしー
「な、なんだこいつら、はぐほっ!」
「う、うわぁ!ぐぎゃぁ!!」
人の形をした怪物の身体のところどころに赤黒い鉱石が付いて鬼のような仮面を付けているが中には空洞の
「外れない…なんで…!っく兄ちゃん!!っ!!」
「hfhofhndkvnva;」カチャ
「『ストームシュート!!』」
廃工場の入り口から飛んできた風の矢が弾丸を弾き飛ばし、その後方から赤い影が熊型の
「反応があったからきてみたらやっぱりコイツらね!」
「この戦闘員達は?!イチゴちゃん!」
「こいつらは…!
「吊るされている子をって…雷華さんじゃありませんの!?」
「茜に雫、風音?なんでそんな格好…?」
雷華は驚愕していた三人がコスプレという結構際どい格好をしていたからだ。
「ええーと、説明すると長くなりますというか…」
「茜さん!コントやってる場合ですか!っく!」
「え、嘘…きゃぁぁぁ!!」
「「「雷華ちゃん」」さん」!!」
数十メートルの高さから投げ出されてしまう雷華。しかも手足が拘束されての落下だ無事では済まない。彼女を助けに向かおうにもレッドとブルー、グリーンは敵との戦いで手が離せず
「全く…世話が妬けるわね…。(うっひょー!雷華ちゃんかわいい過ぎる…ふへへ、あ、やべ。)」
彼女を抱いていたその正体は。
「「「ノワールちゃん」さん」」!!」
正体不明の謎の魔法少女プリズマノワールだった。
「大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫です。っそうだ兄ちゃん!」
「大丈夫よ、私の治癒の魔法で治してあげたから。」
そういって椿のまえまでつれていくノワール。確かに傷は治り先程の表情からは苦悶の表情は無くなっていた。それをみた雷華は安堵した。しかしそれは同時に雷華の身体が震える。
「ねぇ、あいつらは何なの!?あの化け物達は!?」
「あいつらは聖霊魔界の尖兵。人間の負の感情を糧に生きる醜い生き物よ。今回たまたま貴女のお兄さんが巻き込まれただけ。事故に巻き込まれる確率と同じね。」
「なんだよそれ…気まぐれでこんなことをするのかよ…ふざけんなよ…。」
「貴女の怒りももっともね。まぁ知能のない奴に何をいっても無駄よ。」
「じゃあこれからも関係のない人たちが犠牲になるのか…?」
雷華は怒りで拳で震えている。
「そうかもね…だから
「全部は救えないっていいたいんだろ…だったら、」
瞬間、雷華に黄色い光が放たれる。イチゴは驚いている。ノワールはようやくといった感じで
「まさか、あのお姉ちゃんが4番目の魔法少女やったんか!?」
「覚悟は決まったようね…!」
雷華の左手にはプリズマセルラーが握られ、左手の手の甲にはトランプのスペードのマークに電撃が迸るハンマーが象られたエンブレム《スペードハンマー》が現れた。
「俺が救ってわるい奴は全部ぶっ潰してやる!!!」
エンブレムを実体化させて左手のプリズマセルラーに装填する。軽快な待機音が流れ変身するにはキーワードが必要だ。セルラーを掲げてキーワードを発する。
「
キーワードを発した瞬間雷華の辺りに雷鳴が轟き電気のスパークような特殊なフィールドが展開される。雷華が身に纏っていた衣服がセルラーに格納され一瞬の裸になるがピッチリした
その光景をみた三人。
「うそ…雷華ちゃんが4人目?」
「雷華さんが!?」
「これは…勇ましい姿ですわね…!頼もしいですわ!」
そしていつのまにかその場から立ち去って高いところからその場をみている。
「そろったか…(きたぁーーーー!!!)」「だからキャラぶれとるで真白…」
イエローのそばに駆け寄る三人。茜が提案する
「よーしそろったことだし皆でアレするよ!」
「アレって…?」
「アレとは?」
「ああ、マジでやるのか?」
「もちろん!ほらみんな!ってノワールちゃんいない!がびーん…しょうがない…いくよっ!皆!!」
レッド、ブルー、グリーン、そしてイエローがならび立つ
「燃える炎は勇気のエレメント!紅の魔法少女!プリズマレッド!」
「揺蕩う水は慈愛のエレメント!青の魔法少女!プリズマブルー!」
「吹き荒ぶ旋風は叡知のエレメント!緑の魔法少女!プリズマグリーン!」
「迸る轟雷は希望のエレメント!黄の魔法少女!プリズマイエロー!」
四人の掛け声が合わさる。
「「「「溢れる光が未来を照らす!世界を救う希望の輝き!魔法少女プリズマーズ!!!!」」」」
「心の隙間に」「入り込む」「悪い者達」「その命」「「「「神に還しなさい!!!!」」」」
「うふぁぁぁぁぁぁぁーー!!きたぁぁぁああ!!!(そろったか…4人の戦士達)」
「逆だ逆。全く台無しやんなぁ…」
遂に戦士が集結する。
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