奇跡の杯は黄金の掌の上に (Akimiya)
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01_プロローグ 聖杯戦争開始前 _1


テスト投稿も兼ねています


 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトは天才である。

 彼は幼い頃から神童と称され,また自身もそれに応えるかのような結果を出し続けた。

 誰もが彼を認め,尊敬し,そして畏れた。しかしこれは当然の摂理でありこれといって不思議なことではない。

 9代続く魔導の名門「アーチボルト」,その正当後継者。若年ながらも魔術協会本部,時計塔の一級講師。加えて彼自身も才能の塊なのだから。

 人は度を越した才能を畏れるものである。

 

 

 さて、このような評価を受けるケイネスであったが、ただ一つ思うところがあった。

 彼は俗にいう研究畑の人間であり、魔術戦は今までに経験はあるものの実践を重視する同胞からの認識は自分が想像するものと少々違ったのだ。

 認めぬ、断じて認めるものか。彼は思った。

 どのように自身が努力しても、分らない奴には分からない。専門家が専門以外のことを十分に理解しているのか、というのと大体同じである。

 ならば。ケイネスは考えた。

それならば、彼らにでも分かるように証明しよう。ケイネスは彼らと同じ土俵に立ち、その力を示す事を決めたのだ。

 そこで彼は手っ取り早くそれを可能とさせる方法を探した。大規模な魔術戦が可能で、且つ魔術師が多数知る、そんな方法を。

 

 そして、見つけた。

 名を”聖杯戦争”。ドイツのアインツベルン、ロシアのゾォルケン、そして日本の遠坂が始めた聖杯光臨の魔術儀式。7人の選ばれた魔術師によるバトルロワイヤル。

 資料を見るところ近々4回目が行われるらしく、自身は”英霊”を使役しこの戦いを生き残ればいいのだ。

 これだ、ケイネスは確信した。

 過去に名だたる魔術師が挑戦し、終ぞ勝者が現れることのなかったとされる争い。

 選ばれるのは7人。全世界には何千何万もの魔術師が存在するであろうが、その中から7人しか選ばれない。

 その7人の中に自分が入り、且つ勝者の出ない戦いに終止符をうつ。このケイネス・エルメロイ・アーチボルトこそが聖杯戦争初の勝者となるのだ。

 そうと決まれば話は早い。直に準備に取り掛からなくては。資格を得、そして戦いを制することのできる駒を揃えねば。

 

 ケイネスは足早にその場を去る。向かうは資料館。更に多くの情報を手に入れなくては、とその歩みに迷いはない。だが彼は忘れていた。既に戦いは始まっているのだ。水面下で全てが動き出しているのだ。

 そして、彼を始めとする魔術師はおろか法を司るもの(魔法使い)さえも認識できない存在さえも動き出していた。

 

**************

 

 そうして時計はその針を進めていく。

 ケイネスは己が計画の通り聖杯戦争参加資格である”令呪”を手にいれ、駒を得るための手配を済ませた。

 あとは自身が誇る降霊術の全てをもって儀式を行い、戦場へと赴くだけなのだが一つ問題が発生した。

 聖遺物の盗難。

 まさかの目の届く範囲での犯行。やられた、ケイネスは行き場のない怒りに身を焦がす事になる。

 マケドニアから送られてくるはずだった聖遺物。恐らくは自身の聖杯戦争参加を妨害する者の犯行だろうとケイネスは想像した。

 マケドニアの聖遺物は確かにすばらしいものだ。喚びだせるだろう英霊も特A級や最上級と呼称しても問題ない程の力を持つだろう。それを盗られたのは確かに痛い。

 だが、こんなことは想定済みだ。たかがイレギュラー一つでどうにかなってしまうことのないように対策はしてある。

 スペア。ケイネスはもう一つ、聖遺物を調達したのだ。

 ケルト神話、フィオナ騎士が一人。”輝く貌”ディルムッド・オディナ。それを喚ぶための聖遺物。彼が生前扱っていたとされる槍の欠片。

 この聖遺物が本物ならば喚びだせるのは彼のはずだ。

 ディルムッドは名こそかのアーサー王やアレクサンドロス王などには及ばぬがそれでも強力な英霊だ。

 少なくとも、霊媒なしに召喚するよりはよいだろう。

 

 

だがここで正史とは違う流れが発生する。暗躍する影は遂に動き出すのだ。

 

 

「アーチボルト殿。そのような物を使う必要はない」

「この欠片を使うといい。きっと、貴方の助けになるはずだ」

「貴方のご懸念は杞憂に終わることでしょう。これは(わたくし)めが知る最高の聖遺物。ああ、ただ召喚の際、祝詞の一節に以下の言葉を加えていただきたい――■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、と」

 

 時計塔の()()から手渡された聖遺物。最初は半信半疑だったが、一目見た途端その疑いは崩壊した。

 黄金。その身を焦がし、全てを消し去る破壊の奔流。

 素人や半人前の魔術師ではこの瞬間に魂が崩壊し、消えてなくなることだろう。だが彼はアーチボルト。その程度で消えてなくなるような柔な鍛え方をしていない。

 だが、これは……

 降霊術を扱ううえで体をのっとられないように自身の精神を鍛える事は常識となっており、それを修めているケイネスでさえも気を抜けば魂をもっていかれそうになる。このような事態は初めてだった。

 

「くれぐれも扱いには注意してくださいませ。これは本来、唯人の扱えるものではないのですから」

 

 ケイネスはこの強大な力にこそ恐怖したが、同時に確信していた。これさえあれば自身の勝ちは揺るがないと。

 この欠片を霊媒としたならば、どれほどの英雄が召喚されるのだろうか。

 ああ、楽しみだ。楽しみで楽しみで仕様がない。

 

「感謝する。■■■■殿。心配なされるな、アーチボルトの名にかけて必ずやこの戦いを生き抜いてみせよう」

 

 即席ながら欠片に封印を施し、ケイネスはその場を去る。目指すは日本――冬木の地。

 

 

 

 

 

「貴方の成功を心よりお祈り申し上げる」

 

 ケイネスの背に浴びせられる言葉はどこか遠くの友人に贈るような、そんな感じがした。




-その後-
ケイネス「(とりあえず研究室で厳重に封印しよう)」



同僚、……一体何クリウスなんだ……!?
/*次回予告*/
新たな聖遺物を得、ケイネスは遂に召喚に挑む。
喚びだされるのは一体誰なのか。ケイネス先生のご活躍を乞うご期待。
次回、奇跡(きせき)(さかずき)黄金(おうごん)(てのひら)(うえ)に。第二話、プロローグ 聖杯戦争開始前 _2 お楽しみに



もう一つのSSの方は実は7回書き直していて全てボツにしているオチ


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02_プロローグ 聖杯戦争開始前 _2

遅くなって申し訳ない。
書く暇がないのです。何卒お許しを……



<Infomation>
時計塔の同僚:
ケイネスと同じ専門で時計塔に所属する謎の青年。ボロ衣ローブ姿ではない。
時計塔で彼の姿を見ることは稀だという。
彼の研究室に脚を踏み入れたものはおらず、場所も定かではない。
噂によると金髪の少女の写真や絵画やその他もろもろが安置されているらしい。


『この欠片を使うといい。きっと、貴方の助けになるはずだ』

 

 本当に自分に扱えるのだろうか。

 同僚から託された聖遺物を眺めながらケイネスは静かに溜息をついた。

 私ならばどのような事であっても成し遂げられる、などど豪語していたものの不安の念は払えない。

 この聖遺物は今まで自分が見たものと次元が違う。この輝きにはどのような宝物でさえもガラクタに見えることだろう。

 見るものの魂を侵食する破壊の光。絶対的な武の奔流。厳重に封印を施したはずであるが、不足であったらしく未だその気配を感じる事ができる。

 これから喚び出される英霊は一体誰なのだろうか。欠片の状態では判断することはできないが、さぞ強力な駒であろう。それだけは確信できる。

 資料を捜し求めてみたものの情報の少なさ故か検索に引っかかることはなかった。何が出てくるか分からない以上有効な対策を考えることはできないが、やれることはやっておきたい。

 ケイネスは決して愚かではない。失敗を経験したことが無く、成功を得るための不断の努力が日常化しているだけである。ただ成功することが常であるために自身の失敗する光景が想像できないだけなのだ。

 成功を得るためにはどのようなアプローチでいけばよいのか、不確定要素は何か、どうやればそれを削減できるか、成功を得るための必要要素はどのようなものか。日常にて論理的思考を欠かさないケイネスには容易い思考である。

 さぁ、そろそろ刻限だ。不安はあるものの、成し遂げて見せよう。さぁ、神秘との邂逅だ。

 

「ソラウ、往くぞ」

 

 ケイネスは行動する。目指すは勝利。魔道の頂を目指してただひた走る。もしかしたらこの積極的な探究心、そして研究者特有の頭の固さこそが、彼に目をつけられた理由かもしれない。尤も、それは神だけが知ることだ。

 

 古時計がその太針を天へと掲げる。新たな一日が始まる。光ある民は眠りにつき、百鬼が蠢き出すこの刻に、ついに行われるのだ。

 

 

「ねぇ、ケイネス。一体どのようにやるのかしら?」

 

 ソラウが問いをなげる。何をとは言わない。分かっているからだ。彼女とて魔道を修める者故に、これから行われようとしていることはいうまでもなく理解していた。

 

「召喚は変則的な手法を用いて行う。本来ならば令呪を持つ魔術師がその英霊の維持を行うが、今回はソラウ、君にもそれを担ってもらう。

 令呪をもたぬ君ならば他のマスターから狙われる可能性は低くなる。さらに単純に考えると二人分の魔力をサーヴァントに供給できるのだ。サーヴァントの現界及び戦闘行為には普段以上の魔力を消費する、宝具の使用などその顕著な例だろう。一人分の魔力だとどうしても限界がある。だがそれを二人で賄うのだ。それならば――」

「その分手札をきれる、という訳ね」

「その通りだよ、ソラウ。私をこれをもって聖杯を獲る。私たちの魔力さえあれば狂戦士の維持すら従えるのも造作ないだろう」

 

 ケイネスは祭壇に聖遺物を安置する。召喚を行うための魔法陣は通常のものより巨大で複雑な紋様をしている。変則召喚を行うための用意なのだろう。

 

「ソラウ、こっちへ」

 

 続いてケイネスはソラウを近くへと呼び寄せ、魔術防壁を起動させる。

 

 

 ――降り立つ風には壁を

 ――四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

 ――閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。

 ――繰り返すつどに五度、ただ満たされる刻を破却する

 

英霊の座と現世を接続する。陣に魔力を送り込み、無理矢理次元に孔を空ける。

 何かが軋む音がする。世界に干渉し、事象を限定的に改変しようとしているためなのか、まるでとてつもなく大きな何かで鋼鉄を引き裂くような音が響き渡る。

 

 ――告げる

 ――汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に

 

 古の世界に生きた英雄よ。私の剣となって現世に蘇れ。

 座の管理者は供物(魔力)を受け取り、その願いを叶えようとする。だがここでケイネスはそれに待ったをかけるように言葉を追加する。

 

 ――汝は並ぶものなき至高の黄金、汝の前に敵は無し

 ――今こそ聖杯(水銀)の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

 

 そう、願い奉るのは正史における管理者ではない。世界を侵食し、座を侵す水銀の影。

 そして彼が保有する宇宙に存在した、とある人物にである。

 

 この祝詞によって術式は書き換えられる。英霊の座へ繋がっていた世界は永劫回帰とある城へと対象を変更する。

 ――どこかで誰かが笑みを浮かべた気がした。

 

 ――誓いを此処に

 ――我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者

 ――(あま)統べる第四天の盟約の元、我は願い奉る

 

 水銀よ、永劫回帰よ。至高の黄金に我が願いを伝えたまえ。

 術式は改変され、その意味を大きく変える。本来の目的である英雄の座への接続は果たされず、水銀の保有する宇宙、とある城へと接続される。

 「獣殿よ。刻は来た。今一度世界に降り立とうぞ」

 水銀の術式は聖杯を侵す。黒く染まった聖杯、その中に潜むものは突然の来訪者に驚き畏れる。

 塵芥、貴様は邪魔だ。消えてなくなれ。

 術式は法となり聖杯を書き換えてゆく。汚濁した聖杯はその様相を変える。狂気は払われ、新たな理が書きもまれてゆく。

 何をする、侵入者よ。ここから立ち去れ。

 潜むものは必死に抵抗するが水銀は意に介さない。象が蟻を気にするか、などど言わんばかりに処理を進める。

 水銀にとってこの世全ての悪(アンリマユ)など眼中にないのだ。障害にすらならない。私に認識して欲しくばせめて至るがよい。水銀は嘲笑う。

 やがて塵は払われ、聖杯は掌握される。

 聖杯から漏れ出す異常な魔力がケイネスの魔法陣へと流れ出す。

 唯人では何人集まろうと、至高の黄金の影すらも現世へ呼び出すことは叶わない。

 本来聖杯がその魔力を提供する事で成っているのだ。だが、通常の出力では不可能。ならば、書き換えるしかあるまい。

 

 魔法陣が白熱する。空間に罅が入り激しい揺れがケイネスを襲う。

 それだけではない。ケイネスが自身とソラウを守るために展開した防壁さえも悲鳴をあげている。

 ああ、分かる。理解してしまう。この程度の防壁では壁にもならないと。

 だが諦めるわけにはいかない。為すべき事があるのだ。何が起ころうともこの儀式、完遂してみせる。

 ケイネスは決意した。そして、召喚の為の最後の節を紡ぐ。

 

 ――今こそ黎明の鐘を鳴らし、まだ見ぬ地平へと誘わん

 

 至高の黄金よ。私を新たな世界へと誘って欲しい。

 未知の領域、根源にたどり着きたい。我が一族、我が一門、いや魔術を学ぶ者達共通の悲願なのだ。

 故に見たい。故に至りたい。私は未熟だから。これこそが私を導く光なのだ。

 ケイネスの元々の動機は何処へやら、ケイネスはただ乞い願う。

 上辺だけのプライドをもって外観を取り繕うなど水銀、ひいては黄金には非礼千万。真の願い、それこそ世界を揺るがすほどの渇望でなければ彼らがその呼びかけに応えることはない。

 故の本能的な選択なのか、ケイネスは普段の仮面を投げ捨てて祝詞を唱える。

 

「ケイネス……」

 

 ソラウの声は虚しく宙へ広がり消える。

 彼女は儀式が始まってからのケイネスの豹変に驚く、そして魔法陣から発せられる異様な力に疑問を覚える。

 本来召喚の儀式はこのような精神汚染のようなものをばらまくものだっただろうか? いや,そんなはずはない。少なくとも霊体が出てきてないような状況ではありえない。

 聖杯戦争とはこのような儀式を必要とするのだろうか?

 彼女の疑問は至極当然のものだろう。しかしこれは本来の儀式ではない。ケイネス曰く同僚の手が加えられている儀式なのだ。

 

 祭壇の欠片が光輝く。破壊の奔流は誰にも受け止める事はできない。

 防壁に罅が入る。周りが抉れ消え去る。

 だがケイネスは臆さない。僅かに残ったプライドがここで諦めてはいけないと告げていたのだ。

 破壊の光がケイネスに届く。服は裂け、血液が飛び散る。しかし彼は儀式を中断しない。彼は祝詞を唱え続ける。

 あと数節なのだ。ケイネスは歯を食いしばり最後の祝詞を紡ぎだす。

 

 ――汝三大の言霊を纏う七天、抑止(永劫回帰)の輪より来たれ

 ――天秤の守り手よ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ。卿がカールの言っていた魔術師か」

 

 

 

 

 

 暴風が吹き荒れた。

 世界が震撼し、魂は砕け散る。

 

「――――ッ」

「あっ……あっ……」

 

 ケイネスとソラウは言葉を漏らす。圧倒的は力に呑まれ、自分を保つのに精一杯だった。

 だがケイネスは考える。この程度なのかと。

 答えは本人の口から語られる。

 

「心配するな。卿らは触媒、故に壊さぬ。ああ、この場合はこの口上が最適か。

――サーヴァント"ランサー"、嘆願に応え現界した。今宵、未知を見ようぞ、魔術師よ」

 

 

 

 そこに立つのは至高の黄金。宇宙を統べうる神の一柱。

 黄金の獣。愛すべからざる光。ラインハルト・ハイドリヒ(修羅道・黄金至高天)であった。

 

 

 




<Servant Data>
CLASS:Lancer
STR:A
DEF:EX
AGI:A
MAG:EX
LUC:A
NIP:EX

-ステータス確認後のケイネス-
「勝ったわ」


という設定の獣殿。形成とかすると能力値上昇するチート。
やっぱ獣殿はチートじゃないと。

プロローグはこれにて終了です。
次回は遂に聖杯戦争に参戦……かもしない。


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聖杯戦争開始 01


<遊戯王の話>
フリーで満足民と戦いましたが、あいつらヤバイ。マジでヤバイ。
フリーでソリティアはNGだと思いました(KONMAI感)。


2015/03/27
リアルが少し落ち着いたため執筆再開


 ケイネスが召喚した英霊は、今世を生きるものならば知らぬものは少ないと断言できる人物だった。

 伝説上の人物、存在が疑われた――などそんなものではなく、誰もが一度は耳にしたことのあるであろう組織の重鎮。

 ナチス・ドイツ――金髪の野獣、ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ。

 納得できる。この人物の生前の行為はまさしく偉業。人にとっては英雄とも呼べる人物だろう。

 だが、この圧力はなんだ。

 彼はこのような力を持っていたのか? それはない。彼はただの人間のはずだ。魔術士ではなく、特異な能力を持っていたわけでもない。では何故だ。

 ケイネスには分からなかった。彼は近世の英霊だ。神秘という意味でもこのような力を得ているのは不可思議。

 いや、それだけではない。

 彼のクラスは"ランサー"。何故セイバーやライダーではないのだ。史上ではフェンシングが堪能で空軍のパイロット経験があると伝えられている。しかし槍、それについては聞いたことがない。

 そして、問題はそれだけではない。

 彼は近世の英霊。つまり参加マスターから見てみれば彼の真名は明らかなのである。

 聖杯戦争において情報アドバンテージはとても大きな要素だ。真名を知れば弱点、宝具、そして戦い方が知られてしまう恐れがある。

 故に彼を序盤から聖杯戦争に参加させるのはあまり推奨される行為ではない。

 しかし此方からある程度は行動しなければ向こうの情報は得られない。

 まずは序盤、どう行動するかを考えればならない。

 

 次に考えなくてはならないことは彼の運用についてだ。

 近世の英霊らしからぬ神秘を保持すると思われるランサーの魔力消費はすさまじい。

 ソラウと二人がかりで維持に努めてはいるもののそれでも足らなかった。

 現界だけならばどうにか可能であるが、彼が宝具――聖遺物を使用するとなると話は別だ。

 彼の力はすさまじい。確かにあの力を十全に振るわせることが可能であればこの聖杯戦争は勝ったようなものだろう。だがしかし、今のケイネスらにはその力はなかった。

 ランサー足りえる宝具の真名開放、それが叶わないのだ。

 どれだけ強力な英霊であってもその力を振るう事ができないのであればただの身体能力の高い人間と考える事もできる。

 故に今必要なのは安定的な魔力の補給源。

 ケイネスは近くに置いてあった冬木の地図を眺めた。

(霊脈を上手く使用するほかないか)

 候補は複数あるが、ケイネスが手を出せる場所となると限られてくる。

 

「危険を承知で赴くしかないか」

 

 最強足りえる英雄を召喚したはずなのに前途多難なケイネスである。

 

 

*

 

 月日は流れ、冬木のコンテナ街。そこには二つの陰が対峙していた。

 片方は煌びやかな鎧を身に纏いその様相はさながら騎士のよう。もう片方は蒼の外套で手には一冊の書籍を携えている。

 街中の喧騒もここまで離れられれば気にはならない。時間的にこの場に立ち入るものも皆無である。つまり邪魔者は入らない。

 

「ここまで似ているとは、神は私をどこまで愚弄すれば気が済むのか」

 

 蒼がひとりごちる。その言はどこまでも暗く、憤怒の念が篭っていた。

 

「これが神が与えた試練だとも言うのか。認めん、断じて認めん。私は決して諦めぬ。

 ――故にそこな英霊よ!! その身朽ち果て我が糧となれ!!」

 

 蒼――男は慟哭する。その目は濁り決して現実を捉えることはない。病的なまでの執念だけが、彼を動かす燃料なのだ。

 

「糧となるのは貴公の方だ。私は目的を果たさぬ限り、倒れるわけにはいかない」

 

 しかしながら騎士も下がる訳にはいかないと、青い瞳を輝かせ男を見つめる。

 どちらも下がるつもりはない。戦闘は必至であった。

 

「ならば――」

 

 もう二人の間に言葉はない。これから始まるのは人外の闘争。唯人には理解できぬ領域。

 

 聖杯戦争が始まる。

 

 

 まず動いたの外套を羽織る男。男は騎士から距離をとるかの如く後ろへと大きく後退する。

 騎士は対して前に踏み出す。見かけどおり近接を重視するスタイルのようだ。騎士は手に持つ見えない獲物を構え、男に斬りかかる。その動きは素早く、一息で騎士のキルレンジに入った。

 しかし男は焦らない。まるで予定調和かと言うかの如く不気味な笑みを浮かべた。

 

「Ph’nglui mglw’nafh Cthulhu R’lyeh wgah’nagl fhtagn」

 

 ――死せるクトゥルー、ルルイエの館にて夢見るままに待ちいたり。

 

 男の影が爆ぜる。現れるのはこの世の生き物ではない何か。

 その何かは鋭利な牙を突き立てるべく、騎士へ飛びかかった。

 

「海魔――!?」

 

 騎士は一目でその正体を見破る。だがしかし、騎士は踏み込みすぎていた。

 騎士にとってのキルレンジは男にとってのキルレンジでもあったのだ。

 

「Ia! Ia! Cthulhu fhtagn!」

「くっ――」

 

 騎士は攻撃を中止し、見えない何かにて海魔を迎撃する。だが、男から湧き上がる海魔はその数を爆発的に増加させていく。

 いつしか男の前には壁ができた。海魔という厚い壁はその物量にて津波の如く騎士を押し飛ばしていく。

 

「ほう、やはり貴様はセイバーか」

「如何にも。そして貴公はキャスターだな。面妖な」

 

 見えない何かは海魔の大量の体液が付着しその姿を現していた。両刃剣、典型的な西洋剣だ。

 

「この数の我が神の眷族に何が出来る? 大人しく餌となればよかろう」

「フッ、勘違いしてもらっては困る。この程度、生前に嫌というほど味わっている!!」

 

 轟、音と共に海魔たちは宙を舞う。

 

「その輝き……そうか、貴様が――」

 

 男は目を見開く。騎士の獲物、剣がその透明のベールが剥がれ、黄金の輝きで夜を焼いたのだ。

 これほどまでの剣、推測するまでもない。男の脳裏を掠めるのはとある伝説。選定の剣から始まるそれは、あまりにも有名すぎた。

 

「貴様がブリテンの騎士王か」

「如何にも、私はアーサー・ペンドラゴン。ブリテンの王だ」

「ならば、こちらもそれなりの対応をせねばなりますまい……Ia! Cthulhu!!」

 

 次に生まれるは今までと比べてはるかに巨大な海魔。海魔はその触腕にてセイバーを掴もうとする。

 しかしセイバーは一息でその触腕を両断。そのご正眼に構えキャスターを睨んだ。

 

「このような木偶の攻撃では私には届かない!!」

 

 叫ぶセイバー。状況はセイバーの方が優勢というところだが相手は魔術士、本来ならば正面から戦うクラスではないのだ。

 基本的にクラスはサーヴァントの適性をあらわす。例外的に複数の条件を満たす場合があるが、大体の思考は想定可能だ。

 キャスターというクラスながらセイバーと戦っている事態に、本来ならば疑問に思うはずである。

 つまりは何かしらの対策はしており、この状況こそが罠という可能性も大いに考えられるのだ。

 

「恐れ多くも神の眷属を木偶呼ばわりとは、よほど死にたいと見える。だが忘れてはいまいな? 貴様はキャスターに戦いを挑んでいるのだぞ?」

「!?」

 

 セイバーの影が蠢く。

 セイバーは一転、焦った表情でその場を離れようとするも好意虚しく影が爆ぜる。

 

「一撃では命までは獲れぬだろうが……とりあえず片腕でも貰っていくとしよう」

 

 セイバーの影から出てきた海魔はその口を開け、鋭利な牙をその獲物に向ける。

 セイバーは自身の剣で海魔を切り裂こうとするが間に合わない。

 

 海魔の牙がセイバーの腕に突き立つ。防護のための装備は少々の抵抗を見せるが無慈悲に牙はセイバーの肉体に埋もれたのだ。

 ゴリッというような音があたりに響き、鮮血が舞い散る。

 キャスターはその口を三日月状に歪める。セイバーはその姿に男の本質を見たような気がした。

 だが、セイバーも最優と呼ばれるサーヴァントだ。このまま引き下がる訳にもいかない。

 食い破られた防具ではあるが、刹那の時間を稼いでくれた。その刹那はセイバーに一縷の希望を与える。セイバーは器用に手首を捻り、その刃を無理やり海魔に届かせた。

 海魔は何の抵抗もなくその姿を崩した。セイバーは直に体勢を建て直し、再び剣を構える。だがしかし、左腕には痛々しい捕食痕が赤い色と共に存在していた。

 

「やはり現実、上手いようにはいかぬようだ。だがセイバー、その状況では当分満足に剣を振るうことはできまい?」

「なんと卑怯な……」

「恨むなよセイバー、これも戦いだ。騎士道や作法などとほざくのであれば、疾く海魔の糧となるがよかろう」

 

 キャスターの影から再び海魔が解き放たれる。

 その数は先ほどの比ではない。ここでセイバーを刈り取るつもりなのか、大群であった。

 セイバーは悔しそうに声を漏らす。剣に頼る英霊がその武器を十全に扱えぬのだ。ここまで悔しいことはないだろう。

 

「Ia! Cthulhu!」

 

 海魔たちは一斉にセイバーに飛びかって行った。

 

 

 

 




青髭さんは狂人ですがこんなキャラでいきます。
ディルムッドさんの代替に選ばれてしまったせいかキャスターなのに前線で戦うキャラと化す。不憫で仕方がない。しかし頑張るじるどれさん。知略を駆使して戦います。

しろう「なんでセイバーとジャンヌ間違えないの?」
じるどれ「胸」
しろう「ゑ?」
じるどれ「胸」






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聖杯戦争開始 02

3,4年ぶりの復活。
途中まで書き上げてて(9割ぐらい)放置くらってたやつをやっとこさ完成させて投稿。
プロットは、前のPCと逝緒。


「ふむ。なんとも珍しい戦いだのう」

 

 セイバーとキャスターの戦いはあまりにも裏を知る人間にとっては目立つものだった。

 聖杯戦争、この冬木の地で行われる魔術儀式を知るものたちには一目瞭然。人外の戦いを眺めようとするものも少なくはない。しかしながら聖杯戦争には観覧者にすら危険が及ぶ。守秘義務というやつだ。

 一言でいうと関係ないやつは殺すということ、故に一部の例外を除いて除く輩はいない。

 つまりはそれでもなおこの戦に首を突っ込む輩は関係者にほかならない。

 冬木にかかる大橋から眺めるは2つの影。

 口を開いたのはそのうちの大柄な方だった。

「正面からセイバーに相対するキャスターだろ。あんなの見たことない。ていうかありえない」

「しかしなぁ、現にああやっているではないか。それにもしかしたら他にも適正があって今回たまたまキャスターとして呼ばれただけやもしれん」

 

 もう一人の小柄な少年――ウェイバーは大柄の方の言葉を否定しようとする。しかし大柄の方――ライダーはウェイバーの言葉を更に否定する。

 世の中には弓兵なのに槍兵や剣兵と平気で打ち合う例外も存在するのだ、何ら不思議ではない。

 

 そうこう二人で話しているうちに戦況は大きく傾く。キャスターが召喚する海魔によってセイバーは消耗戦を強いられ、キャスターの策によって傷を負った。

 十全な力を振るえぬセイバー、攻勢に出るキャスター。この戦いの形勢は誰が見ても明らかだった。

 

「さて、向かうか坊主。このままでは不味い」

「何が不味いってんだよライダー?」

 

 ウェイバーは疑問を発する。

何が不味いというのか。このまま勝敗が決まればライバルが一人減るということだ。この戦いの本質は生存、つまり最後の一組になれば勝利なのだ。

 この自分のパートナーは一体何がやりたいというのか。

 ウェイバーの顔色を読み取ってか、ライダーは神妙な顔つきで口を開く。

 

「このままではこの戦いが終わってしまう。それは阻止せねばならん。

 ・・・・・・つまらんではないか」

「何神妙な顔で言ってやがりますかこの馬鹿は!!」

「ほら、そうと決まれば往くぞ坊主。善は急げだ」

「え、ちょ・・・・・・」

 

 ウェイバーの苦労は耐えない。

 

 

 

 

*

 

 

 

「Ia! Cthulhu!」

 

一面を埋め尽くす海魔、その全てが鋭い捕食器をセイバーに向ける。

その数は不明。最優といわれるセイバーでさえこれならば葬れるだろう。

 大勢は決していた。誰がどう見てもこの戦いはキャスターの勝利。戦いを知らぬ素人が見てもそう思うことだろう。

 それほどまでにセイバーは劣勢だった。

 片腕を負傷し、剣は満足に振るえない。元々が両手用として設計してあるためか、片手では十全にその力を発揮できなかった。

 だがそれでもなおこのサーヴァントは剣の英霊。生前にこのような状況は嫌というほど味わっていた。

 故に対処法も知っており、セイバーは行動に反映させる。

 

 「舐めるな!!」

 

 まず第一波。先頭の海魔に向けて素早く剣を薙ぐ。負傷してもなお強力な一撃によって海魔は一瞬で物言わぬ肉塊に変貌を遂げる。そしてその肉塊を緩衝とするとセイバーは素早く後退する。

 そして剣を降り終わったあとの体勢――残身――を利用して瞬時に次の攻撃を行う。

 斬り上げ、横薙ぎ、斬り下ろし。大振りで隙も大きい攻撃であるが、知能の低い相手ならこれで十分であった。

 

「流石はセイバーといったところか。人でないのがもどかしいな」

 

 キャスターは笑う。危機的状況を神がかり的な挙動で打破しようとしているセイバーではあるが、依然として有利なのは明白。

 距離さえ詰められなければキャスターに死角はないのだ。如何に対魔力の高いセイバーであっても物理的なものは防げぬし、負傷すらしている。

 キャスターの攻撃手段は依然として海魔の召喚、使役のみ。まだまだ隠し玉はあるかもしれぬし、その数は知られていない。

 だが現状、硬直状態といっても過言ではなかった。

 キャスターの海魔のみだと如何せん決定力に欠け、セイバーは負傷故に満足に剣を振るえず距離を詰められない。

 お互いに千日手の状況だ。

 

「貴公こそ、その手腕恐れ入る」

 

 セイバーも笑う。このような戦いなど久方ぶりであった。残念ながら相手は騎士ではないが、将を錯覚させるような戦いを仕掛けてくる。

 

「だがこのままでは埒があかぬ。私としては早々に退場していただきたいのだが」

「無茶を言う。私もまだ戦える。貴公こそ、座に帰っても構わないが?」

「ハッ。その体で何を言う。せめて私に一太刀浴びせてから言うのだな!!・・・・・・ならば少しサービスしてやろう!!」

 

 キャスターの周りの空気が歪む。セイバーは確信した。キャスターは奥の手、もしくはそれに類ずるものを使ってくると。

 

「Ia! Ia!」

 

 高らかに響き渡るはキャスターの詠唱。世界を歪ませる程の魔素(マナ)が空間を覆う。

 その声は女か男か。性別すら感じさせない荘厳な響き。

 魔本が邪悪な光を放つ。まるで持ち主に応えるかの如く胎動する。

 本は持ち主の魔力を吸い、大気の魔素(オド)を喰らい、その輝きを増す。

 

「R'lyeh Cthul――チッ!!」

 

 しかしキャスターは不意に詠唱をやめる。そして放たれるは罵倒。

 魔本を閉じ、強制的にその昨日を停止させる。そして疑問符を浮かべながらも此方を睨みつけるセイバーに注意を払いながらも空を見上げた。

 直にセイバーも気付く。この戦いに介入しようとする存在を。

 

「――――AAAALaLaLaLaLaie!」

 

 鬨が響き渡る。この状況で介入するとは酔狂な存在なのだろう。

 本来ならば、これから切り札の一つを切るキャスターを止める必要なない。情報は何よりも変えがたいアドヴァンテージとなるからだ。

 なぜそれを知りながらもとめようと乱入してくるのか。考えたセイバーだが一瞬で放棄した。

 もし乱入者がキャスターの味方をしようものならばセイバーに勝ち目は薄い。

 ではどのような行動が最適か。逃走か、迎撃か。はたまた交渉か。だがそれを考えるのは従者(サーヴァント)ではなく使役者(マスター)の役目であるからにセイバーは静かに命令を待つ。

 

「この状況で邪魔に入るか、サーヴァント」

「このまま終わってしまってはつまらぬではないか。そうは思わぬかの?」

「そう思うのは貴様だけだ。理由がつまらぬとは、呆れるしかないがな」

 

 現れたのは二頭の雄牛を率いる覇気を纏う男(筋肉モリモリマッチョマン)

 

「まぁそう言うな、我が名は征服王イスカンダル。此度の聖杯戦争ではライダーのクラスを得て現界した。この戦い、調停させてもらうぞ」

 

 

 

    *

 

 

「征服王? 貴様がかのマケドニアの覇王か。なるほど、それならこの威圧感も納得できる。

 しかしながら征服王、何故止める。これは戦争だ。共に疲弊したところを狙うのが定石ではないか? 調停なぞ、気でも狂ったか?」

「気など狂っておらぬわ、キャスターよ。一つ提案をするために余は来たのだ」

「提案だと?」

 

キャスターは訝しそうにライダーを睨みつける。警戒は解かず、何時でも攻撃を行える体制で問う。ライダーは「うむ」と頷く。

 

「うぬらとは、聖杯を求めて相争う巡り合わせだが、まずは問うておくことがある――うぬら、ひとつ我が軍門に下り、聖杯を余に譲る気はないか。さすれば余は貴様らを朋友として遇し、世界を征する快悦を共に分かち合う所存である」

 

 大真面目な顔で問いかけるライダー、しかし戦場は静寂で満たされる。

 

「貴様は私を嘗めているのか、征服王。私は確固たる願いをもってこの戦いに身を投じたのだ――やっと機会を得たのだ。私はこの機を逃す積もりはない。それに……貴様は尋常な戦いに横やりを入れたのだ。無事で帰られると思うなよ。我が神は生贄を求めている。そう、生贄だ。上等な魂だ。」

「まぁそう急くな。そこな騎士の答えを聞いてからでも遅くはない。それに……」

 

「どうも余以外にもこの戦いを眺めていた者がいるようだしの」

 

 風切り音が響き渡る。飛んでくる――いや、伸びてくるのは銀色の槍。征服王は腰から剣を引き抜き何事もないかのように打ち払った。

 

「問うぞセイバー。貴様は余に下るつもりはあるか?」

「私は騎士だ、二君に仕えるつもりはない。それに、私も聖杯を欲してこの闘争に参加したのだ。諦めるつもりは毛頭ない。ただ――」

「まずは、この何かを投げてきた糞野郎を殺すべきだろう。ああ、好い。今宵は生贄にあふれている」

 

 言葉を被せてきたのはキャスターであった。その眼はただ何かの投擲元を見据えている。海魔を生成し、本体を守るように布陣させている。

 

「ああ、臭うぞ。神の臭いだ。この私から聖処女を奪ったゴミカスと同じ臭いだ。

 ――姿を現せ。その忌々しい存在を混沌におくってくれる」

 

「ゴミとは失礼だなキャスター。私は神でも貴様から女を奪った忌々しい何かでもない。私は――」

 

 暗がりから出てくるのは一人の男。群青のコートを翻し、こちらに姿を現す。堂々としたその姿はどこか気品を漂わして。

 

「私の名はケイネス、ケイネス・エルメロイ・アーチボルト。とある人物から貧者の金と名付けられた――ただの魔術師だ」




ISの方は原作ごとどっかいったので、この作品を完結させたらプロットから書き直そうと思う今日この頃である


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