作品名は場合によっては変えます。
のんびりとだらだら書いていきます。
一応紅魔郷から順に話をつくっていくつもり
あと妙な終わり方していますが、一話って毎回どう書けばいいか迷うのです
幻想郷。
ここは人間、妖怪、魔法使い、神などといった種族が住む地。
ここには外の世界で失われ「幻想になった」ものが集まるとされ外の世界で減少した生物が幻想郷で増加したり、外の世界で消えつつある道具などがここに現れることもある。
そんな幻想郷のとある森にて、今。
「ガラガラガラガラ・・・」
「グルルルルルルル・・・」
とても巨大な生物同士がにらみ合いをしていた。
片方はとても長く、太い身体を持った大蛇。
そしてもう片方は、大きな顎、短い腕、発達した太い足・・・そう、大昔に絶滅したとされる恐竜。ティラノサウルスであった。
「シュゥゥ・・・シャァァァァァ!!」
大蛇がティラノサウルスへと飛びかかる。
「ゴアアアアアアアア!!!!」
それを迎え撃つティラノサウルス。
大蛇がティラノサウルスの首に噛み付き身体を巻き付かせ締め上げる。
ティラノサウルスも大蛇へ噛み付き巻き付きを解こうと暴れまわる。
「シャァァァァァァァァ!!!」
「グゴアアアアアアアア!!!」
ズドーン、ドゴーン
「・・・・・」
バコーン、バキバキバキ・・・
「・・・・・」
「シャァァァァァ!!!」
「ゴアアアアアア!!!」
「なにこの怪獣大決戦」
と、いつの間にやらいた第三者の声が二匹の耳に入る。
「シャ?」
「グル?」
二匹が同時に声のする方へ顔を向けると、そこには空間に開いたスキマから上半身を出し、扇子で口元を隠し、笑みを浮かべている女性がいた。
彼女の名は【八雲 紫】この幻想郷に張られた二つの結界の内の一つ、幻と実体の境界を張る、妖怪の賢者である。
『おお、紫か、いきなりでてくるんじゃないよ」
二匹の内の一匹ティラノサウルスがそう言いながら、体を変化させる。
数秒後にはがっしりとした体型の一人の男に変わっていた。
「あら、ご挨拶ね、せっかく来てあげたのに」
紫は楽しそうに言葉を返す。
そんな様子の紫に男は呆れたように目を細め
「で? なんか用か?」
そう問う。
「いえね、最近人里で里の近くの森に巨大な生物が争っているという噂があるらしいって藍に聞いてね、様子を見に来てみたの。
まぁ、案の定あなただったようだけど・・・何してるの?」
少し首をかしげながら紫が聞く。
「いや、お前も知ってのとおり俺は恐竜の妖怪だ。
お前たちと違って俺は人型じゃなく恐竜の方が本体だからな、定期的に元の姿に戻らないと身体がなまるんだよ」
「それは、知っているけど… それじゃあ、この蛇は一体なに?」
大蛇をチラリと見る紫。
「?」
不思議そうにする蛇。
「ああ、そいつは俺の爬虫類友達のみーくんだ、見てのとおり蛇の妖怪でここらの下級~中級たちの親玉みたいなもんだな
たまに身体のなまりを取る手伝いをしてもらっているんだ」
大蛇(みーくん)を見上げつつ言ってのける男。
「おもいっきり噛み付きあってたみたいだけど・・・」
「甘噛みみたいなもんだ」
「そ、そう」
なんとも言えぬ表情で納得する、紫
「最近はこの幻想郷も暇だからな、ちょっと前に吸血鬼達がここを支配しようとしていたあの異変以来、あんまり身体動かしてないから、こうでもしないと戦い方を忘れそうだ」
「もう6500万歳こえてるんだから隠居でもすればいいのに」
「確かにそうだが、妖怪化したせいで俺の闘争本能が当時とまったく変わらない、というかむしろ上がっているんだよなぁ」
男は腕を組み、うーんと唸った。
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其のニ 6500万年
前回の続きなんてなかった。
ずっと主人公の語りです。
突然だが、俺は転生というものを経験している。
俺は恐竜として生まれる前は人間だった、しかも遥か未来の。
しかし、どうして死んだのかなぜ恐竜に転生したのかはもう覚えていない、なにせ6500万年以上前の話だからな、妖怪化して記憶力がよくなってとんでもなく昔のことも覚えてはいるが、流石に限度がある。
話を戻そう。
恐竜に転生した当初はそりゃもう混乱した、そのときは前世の記憶もはっきりと残っていたわけだからな。
回りは得体の知れない草木の生えたジャングル、馬鹿でかい虫、さらに恐竜と・・・
人間では1000年生きたって絶対に味わえない恐怖だと思う、小型の肉食竜に狙われたりとか何回死にそうになったか・・・
それでも今俺が生きているのは、ティラノサウルスの俺の父親が守ってくれたからだろう、いい人・・・竜?だったよ、恐竜の言葉はヒトの言語のように複雑じゃない、鳴き方や雄叫びなどに様々な意思や意図がある、恐竜として生まれたからか鳴き方の意味などは自然とわかった、そういった意味などを理解して、父親に狩りの仕方などを学んだ。
最初のうちは親父と共に獲物を狩り、暫くして一人で狩ることも多くなってきたころの事だ、ふと前世のことを思い出すことがあった、家族や友人、そして自分はどんな顔で、どんな格好をしていたかなどを・・・
その時だ、俺は気がついたら人間になっていた。
最初はえ?と思ったよ、悪い夢でも見ているのかと、水辺に行き水面に自分を映すと間違いなく前世の俺だった。
まぁ、今となっては分かることだが、どうやら俺は生まれた頃から妖力を持っていた、もしくは恐竜として生活するにつれて妖力が身についていたみたいだ。
それでもなんで自身の姿を想像しただけで変化できたのかは謎だがな。
その時から俺は人と恐竜に自由に変化できるようになった。
ま、あくまでも恐竜の方が素だから人の状態をずっとは保てなかったが。
そういった不思議な力を身につけ、数十年ほどでこの暮らしは終わりを迎えた。
そう、恐竜が絶滅する原因になった隕石の衝突だ。
唐突すぎて意味がわからなかった、凄まじい地響きに火山の噴火、森は燃え、隕石の衝突によってできた塵により太陽の光が遮られ、世界は急速に冷えていった。
俺は妖力を使って、なんとか生き延びていたが、とんでもない寒さにより、次第に弱り、歩けなくなり、俺は死を覚悟し、意識を失った。
次に目が覚めたのが、なんと平安時代である。
は?って思った。
目が覚めたところはどこかの無人島らしき砂浜。
寒くもなければ景色も違う。
無駄に馬鹿デカくなっている自分の妖力。
そして、全体的に赤っぽかった自分の身体が色が抜け落ちたかのように灰色になっていた。
現状を把握するために、人に変化して、海を泳いでどこでもいいから島を目指した。
今でこそ飛べるからいいが、海を泳いで横断するとか、恐竜の体力があってこその荒技だったな。
そうして見つけた島には村があり、人がいた。
久しぶりにみた人間に泣きそうになったと同時に恐竜は、親父や仲間のみんなは死んだのだと、理解した。
それから俺は久しぶりに人と話し、今がいつなのか、ここはどこかなどを聞いた。
それで平安時代だというのはわかった、かぐや姫の話題なんかも出てたし。
だから実質おれは6500万年以上生きてはいるが、大半を寝て過ごしていたということだ。
いつから妖怪になったかは知らんが、俺が生きていられたのは、おそらく無意識に力を使って身を守っていたのだろう、それが封印のようなものになっていてずっと眠っていたのかもしれない、と推測。
話を聞いた俺は、行くあてなど何もないため、適当に旅をすることにした。
かぐや姫の話題も出ていたため、まずは平安京へ行ってみることにした。
うさぎやイノシシ、時には妖怪なんかも食べながら旅すること十数日。
平安京に無事たどり着けた、が、かぐや姫はもういなかった。
なんでも月の使者に連れて行かれたとかなんとか。
すこし残念に思いながらかぐや姫が住んでいたとされる屋敷を覗いたりしていたら、後ろから「もう、かぐや姫は行っちゃったわよ?」と声をかけられた。
そこにはカッターシャツにチェックのロングスカートという今にして思えばとんでもなく時代を先取りしている女が立っていた。
詳しくはここで省くが、こいつも妖怪だった。
初めて出会う力をもった上級妖怪。
まぁ、これといって何かあるわけじゃなく、同じ妖怪どうし少し話をしただけだった。
俺が恐竜と知って驚いていたが、この時代に恐竜という存在は知られていたのだろうか・・・
なんとも不思議な妖怪と別れ、それから再び各地を点々と旅をした。
鬼と出会いなぜか決闘して仲良くなったり、体を鍛えたり、妖力の使い方を詳しく学んだりと色々あった。
その過程で俺がいつからか持っていた能力のことも知ることができた。
俺の能力は【強者である程度の能力】・・・らしい。
程度ってなんだ?とか思ったがそこらへんは置いておく。
どうやらこの能力は“俺が不利となる力の影響を受けつない”というものらしい。
簡単に言えば状態異常完全無効といったものだろうか?
そのときは、毒とかで死ぬことはなさそうだなーと漠然におもった。
知り合いの鬼や妖怪の中には攻撃的な能力や自身の得意なものをさらに強めるような能力もあった。
まぁ、純粋な力比べなら鬼にも負けないから、なかなか使える能力かもしれない。
こちらが有利になることはないが相手も有利にはならないのだから。
そうして俺は強くなりながら旅を続けていると、スキマ妖怪、八雲 紫と出会った。
いきなり話しかけられたとおもったら空間に裂け目ができたのは正直びびった。
そしてババーンと現れる紫、昔から何かしら胡散臭さを醸し出してるやつだったな・・・
それから、ちょくちょく俺の前に紫が現れ続け、最終的には幻想郷に連れてこられたのであった。
幻想郷でも安定するまでは人を襲う妖怪から人間を守ったり、幻想郷を支配しようとした吸血鬼と戦ったり、なかなか退屈しない日々だった。
博麗っていう人間なのにすごい強い巫女さんには驚いた。
今代の博麗、霊夢も相当な力を持っているが先代の巫女もとんでもなかった。
人間の可能性をみた気がした。
とまぁ、俺が生まれてから現在まで、こんな感じで生きてきた。
おそらく世界最後の恐竜だが、最強の恐竜の名に恥じないようこれからも生きていきたいものだな。
とりあえず俺の話はこれで終わりだ。
「そういや、紫、なんでお前、俺にまとわり付いてきたの?」
「まとわり付くだなんて失礼ね
別にただなんとなくよ、恐竜っていう珍しいもの見たさってのもあったかもしれないわね」
「ふーん、俺のこと好きなのかと思ってたよ」
「っ!? な、何を馬鹿なことを」
「まぁ、どうでもいいけどな」
「そ、そう・・・どうでもいいの・・・」
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