TS病患者てぇてぇされる (バロヌ@一般人)
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1.やらかした日

TS沼に落ちて早10年たったので初投稿(大嘘)です

Vtuverもの増えて…(懇願)


『こんばんわー俺たち―』

 

・具現化助かる

・こんばんわー

・今日はハイテンション

 

『えー、昨日は具現化できなくて申し訳ない。その代わりに本日は二回行動。連戦だけど大丈夫?』

 

・休め

・持ち行ける、けど休め

・毎日配信1年半やってるやつが休むのは異常、休め(\1500)

 

『えーと、続投でヨシ。俺に休めという前にお前らが休め?お前らが休まねえ限り俺も休まねえからよ…‼』

 

・お前を休ませるためなら仕方ない(\500)

・休もう

・しないして具現化できなかったん?

・――本日の配信は終了しました――

 

『待て待て、配信終わってないわ。んな、確かにマネジャーと社長と同期と後輩数名にめっちゃ心配のコメもらったけど…あ、俺らもありがとな』

 

・いつもの定時に待機所すらなく焦った俺らの気持ちを述べよ

・これは人望

・事前に何も言わずに定時過ぎに放送中止連絡はマジで焦る。

・はよ休め

・もしかして病気?

・治療費(\50000)

 

『おうおうおう、まてい、上限赤スパニキ、お前月面民やろうがい!、俺に赤投げるんなら新作ボイス買え!』

 

・買ってるんだよなあ(\3000)

・安定のリスナー把握率

・クマトラも買って(\5000)

・布教代(\6000)

 

『は?買ってるが?日付変わった瞬間に買ってるが?違うやつに布教せい!』

 

・高速反論たすかる

・流石終身名誉俺らの具現体

 

『まぁ、それはさて置き過剰金はいつものように同期と後輩の進化に消費するとして、まー昨日休んだのはちらっとコメにあったけど病院行ってた』

 

・ニキの献身ェ

・クマトラもアップデートしてどうぞ(\3500)

・ふぁ!?

・休め

・休め(\300)

・今日ははGO to ベットってどうぞ

・休んでください+霞宇良ch

・人に休養要求する前にさ…+室町佳乃ch

・!?

 

『いや、俺のアプデするくらいなら…って、ゆららんにかのんおる…同期に言われたら仕方ない、今後は休まないように病院の時間考える』

 

・違うそうじゃない

・同期降臨レベルはガチで矢部

・クマァ!そう言うことじゃねえ!

・寅さん休も、な?休も、な?+城下パーマch

・いや、今病院続投宣言したぞこいつ。

・ヤバみが深い

 

『うへ、後輩にすらツッコミ食らってる…や、ちがう、違うんです。命にかかわったりする病気……………ではない。うん。だけどちょっと面倒な病にかかったけど今日の午前中検査結果説明受けたら医者には定期的に経過観察言われただけ、うん。セーフセーフ』

 

・間

・間

・これは協議

・アウトやアウト

・で、医者なんて?

・いや、魔が怖い

 

『いや、医者には生活リズムを崩さないように言われただけ。安定剤出さ---うん、何でもない。これはいつも通りの生活リズムを守ってるだけ。この18時配信は俺の伝統。何も問題n/ピコン/ええい!だから問題ないんじゃ――やっべマネージャー』

 

・クマトラ、それ配信業みたいなやつのリズムと一般のリズムちゃうで

・せや

・仮に生活リズムと言うなら二回配信はいけない

・マネージャー凸これで勝つる

・勝ったな風呂入ってくる

 

『------えー、皆さんすみません。先ほどマネージャーからお怒りのHIMOが入りました。上に体調の報告が遅れて居たため、安全を期すために向こう行って色々説明するまで配信禁止を言い渡されました…』

 

・マネージャーGJ

・わしが通報した+のむのむの戯言ch

・マネさんGJ(\20000)

・これは有能

・野村有能

・さすノム

・有能(\600)

 

『うっ、炎上案件…』

 

・マット トラ 布団

・(湯たんぽ)トラ(エアコン)

・羽毛布団大(¥36000)

 

『ノム、お前今配信時間じゃろ…信者に申し訳ねぇ…済まねえ…』

 

・そっちの園城下

・もっと自分の心配してけ

・私のチャンネル切り抜き配信禁止令出すよ?+霞宇良ch

・上に同じ+室町佳乃ch

・休みましょう

・やったね、これで最低土日は休憩だよ!

 

『金曜が憎いと思ったのは初めてだよ…くっ、それは俺に効くっ!うぅ…はい、皆さんご心配おかけしてすみませんでした…本日はここら辺で部屋仕舞いです。ゆっくり寝ます…みんな、アーカイブは残して…そうしないと死ぬ…』

 

・ばーい

・もっと寝とけ

・これを機に配信頻度見直せ

。これは一時非公開待ったなし+ノムノムの戯言ch

・そ れ だ 

 

『え、やめ、やめてください、それがないと俺死ぬ、お願いですから勘弁してください、え、あ、はい。寝ます。おやすみなさい』

 

――本日の配信は終了しました――

 

 

 〇

 

 

『やらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかしたやらかした…」

 

 わずか7分強で終わったしまった本日の配信を振り返り、そのまま頭を抱える。

 

「つら」

 

 壊れた機械のように連呼を続けていれば少し声が高めの成人男性と言った印象の声から透き通った綺麗な声がネガティブなことをつぶやく。

 

 昨日の午前2時まで同じレーベルのVの動画視聴と切り抜き作業を寝落ちして起きたら昼過ぎ、体が激変したので慌てて病院へ。

 いろいろと検査だのが長引いた。

 マネージャーから、いつもの18時を過ぎているがもしや体調でも崩したのでは無いかと電話で連絡を受け、病院にいることと本日は休ませてもらうことの連絡をした。

 

 それで、家帰ったら一人暮らししてる家に帰ったら親父とお母んがスタンバイ。

 色々あって、翌日に家族で病院行って服屋行って帰ってきて配信開始…で、今の状態。

 

「ちゃうねん、ただ女体化しただけやねん…」

 

 後天性性転換障害、通称TS病と言う病状でそこまで珍しくないやつである。

 だが、20歳を過ぎた成人がこの病に罹るのは珍しく、成長期ならまだしも、もうすでに成長期を終えた身では今後のホルモンバランスの具合だとか、そこら辺に異常が無いかの定期健診を行う必要がある。

 

 TSしたものの、以前から声の調子を弄るのは慣れたものなので幼女からおじいさんまで自由自在だからそこは問題なかった。

 

 だが、自分が一年半もの間、正月お盆関係なく、毎日投稿を行っていたことからか、一日休むとここまでことが大きくなるとは思わなかったし、同期や後輩の時間を奪ってしまったと思うと大変心苦しい。

 

「やらかした…」

 

 いつもノリノリでついてきてくれるリスナーにここまで心配されるとは思っていなかった。

 

「…寝よ」

 

 必要以上に考えても仕方がないので大人しく寝ることにした。

 

 

 




※後天性性転換症候群:通称TS病が世間でガン並みの理解はある世界線。
 A型(朝起きたら性別変わってた)とBⅡ種(年単位で徐々に変化していくタイプ)が有名。
 非感染型で遺伝子型の突発的な変動が原因ではないか、とされているが詳細は今なお研究中である。
 また、指定病となっており、国からの支援金等があったりと理解がない病と言うわけではない。


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2.身内の突撃イベ

特殊タグはようわからんのでそのままです(老人並みの感想)


  翌日

 

 昨日も抱いた朝起きたら男に戻っていないか、という幻想は叶うはずもなく、TSして速攻で切ったけど未だに慣れないミディアムロングの髪の重さに負けながら起床する。

 

――朝おんの典型で初めて起きたときは髪がめっちゃ伸びたし、成人男性の夢を裏切らない豊かな凹凸が安っぽくオタクらしい“課金は呼吸”と達筆で書かれたTシャツを持ち上げてたし、短髪だった髪は床に届きそうなほど髪が伸びていた――

 

 起き上がろうとするもTS病の後遺症と言うのか、医者曰く一時的なものではあるそうだが低血圧と貧血を患ったため行動はかなりゆっくりとなる。

 

 昨日の配信に関してサケンダーをしていなかった、と思いながら枕もとのスマホを手に取る。

 

 ロック画面には色々な人からの連絡通知が来ていたことに昨日の出来事で頭を痛める。

 

「ディスコもすごいことになってそう…」

 

 そんなことを考えながら、サケンダーでシャウトする…前にSNS投稿についてマネージャーとの連絡。協議を簡単に行ってから、投稿。

 

 熊平虎徹 @kumabeartg0041

 

・昨日の配信では皆様にご心配をお掛けしました。

 配信後は速やかに睡眠に入り、現在起床した所です。

 病状としては詳細なことは控えさせて頂きますが、軽い貧血のようなものですので、今後の配信に関わるような大きな病気ではないですのでお気になさらないでください。

 

+追加の叫び

 今後、このような事態が無いよう体調管理を含め十全に注意して今後も活動を行っていきたいです。

 また、マネージャーストップがあり、事実確認のため週明けに会社へ説明を行い、投稿を再開できればと思っています。

 この度は誠に申し訳ございませんでした。

 

 

 〇

 

 

 投稿から1分としないうちに多くのコメント、お気に入りヤマビコをされた。

 30分もしないうちに同期、後輩からも多くのコメントをもらい、ちまちまとコメント返しをしていると、時刻は10時を回ろうとしていた。

 

 10時からは、両親…は仕事のため妹が突撃してくると言う。

 そう思いだしたのと同時に甲高く伸びるインターホンの音がした。

 

 インターホンの推し方ひとつでここまで人が判るものかと思いつつ、内蔵のカメラで来客を見れば妹の姿だった。

 

『兄ぃ、はよ開けて』

「んー、はい」

 

 男の身ではあるがオートロック…何と言うか、防音とかそこら辺の環境を加味した結果おまけでついてきた機能だが、この状況になってからは両親に安心だと言われた。最もいいのは実家に帰ってこい、とのことだったが。

 

「いらっしゃい」

「うっわ、ドン引きするくらい美人…あ、眼鏡そのままはポイント高い」

「兄の顔見て一発目がそれか貴様」

 

 玄関を開けるとそこにはあざとい風貌の今どき女子、と言えばいいのだろうか年齢に対して垢の抜けたかわいらしい少女がいた。

 いつもの目線で居たのだろうがゆっくりと上がる顔、目が合った瞬間にこの発言である。

 

「や、パパとママが写真見せてくれなかったからアレだけど、マジアレじゃん。全世界の年頃の女敵に回しやがったよこいつっ!?」

「玄関で罵倒するな、入れ」

「ういうい、おじゃまー」

 

 何と言うか自由気ままな我が妹である。

 

 大きな荷物を渡されたのでそのまま受け取ると、ずかずかと知った我が家のようにリビングに入ってゆく。

 

「コーヒー?紅茶?」

「来る途中で買ったスポドリ残ってるからまだいい」

「わかった」

 

 現在の収入あっての2LDKの我が家はそれなりの広さがあり、それに合わせた3人掛けのソファーなんかも置いてあるのだが、妹はそこへとダイブした。

 それを尻目に冷蔵庫から自分の飲み物を用意して妹の対面を向くようにスツールに腰掛ける。

 

「ぬー、ほんとに美人、おばあちゃんの若い頃の写真そっくりじゃん」

「あはは、もともと父似だったけどそれがそのまんま変わったみたい」

「夕莉(ゆり)のブラコンがシスコンになるじゃん」

「流れるように弟をディスるな妹」

 

 がばっと起き上がり、眉間にしわを寄せながらこちらをみる妹の牡丹(ぼたん)が牡丹の弟である夕莉に対するディスりをかます。

 

「…で、声は変わんなかったの?アッチの人っぽくてすごくヤ」

「……これでいい?」

 

 玄関開けてた時から前と同じくらいの声を再現していたのだが、妹はそれが気に入らなかったのか、現在の地声に戻すとキラリと目を輝かせる。

 

「うひぃ」

「人気声優が出しちゃいけない声出さないで」

「あっ、あっ…」

「限界オタクの俺のマネはやめて?」

「罵倒、罵倒頂戴?」

「うっわ、ドン引き」

「ありがとうございます!」

 

 流れるように声豚化する妹。

 一応、これでも現役の人気声優で今期もレギュラー数本持っているとは思えないキャラの崩壊っぷり。

 この崩壊っぷりがある声豚のためデビュー4年で未だ尚、事務所NGで彼女の反応するいい声の人種と一対一で仕事をすることができていないという現状。

 ラジオやったらイメージ総崩れ案件。

 

「抱きしめて良い?」

「その涎どうにかしてから言って」

「無理」

「うわ、ちょ、その機動力、引っ張るな!」

 

 キラリとした目はだんだんと血走ってゆき、立ち上がったかと思うとテーブルを挟んだ対面の俺を無駄に段持ちの合気道で引き寄せにかかる。

 

「はー、ナニコレめっちゃいい匂い…男くさかった時もよかったけど、これはこれで好きぃ…」

「声フェチで面食いで匂いフェチってどんだけカルマ積めば満足するのお前」

「は?手フェチですけど?」

 

 あっさりとソファーに俺を組み敷いた妹は胸に顔を埋めてくる。

 俺のツッコミに対して逆切れしたように自分のフェチズムを語り始める妹。

 

「まて、流れるように手を絡めるな!」

「いやー世界で一番自分の手が好きな私だけど、同じ卵子から分裂した兄の手も好みなんだよねー」

「その理論だったら夕莉の手も変わんないだろ」

「は?ふたなりと男の娘くらい違うんですけど?」

「あ、はい、すみません別物ですね、はい」

 

 変な切れ方をする妹だが…うん、悔しいがよくわかる。

 

「はー心の♂がイキリタツ」

「やめ、人気声優が言っていい言葉じゃない」

「舐めて良い?いいよね?」

「ダメに決まってんだろうが!」

「じゃ、型取らせて」

「自分の手と変わんだろ!?」

「は?〇クとゲ〇ググくらい違いますけど?」

「あ、はい…じゃねえよ、お前は某殺人鬼か何かか?モナリザの手大好きか?」

「ごめん、モナリザより細い指が好きなんだわ」

 

 いや、いい加減にしろ、 

と強めに言えばしぶしぶと言った感じで手を放し、ゆっくり解放される。

 

「で、変貌した兄見に来たのはわかるけど、その大荷物どうした」

「あ、それざっくりママにサイズ聞いたから合いそうな服と下着。ほら、殆どサイズ感変わんないはずだし」

「あ、うん、ありがと」

「…でもさっきタッチした感じ明らかに私よりでかいんだよね。声優界でもそこそこデカい方の私よりとか!」

「いや、知らんがな!」

 

 どうやら妹は衣服をもってきてくれたらしく、それをありがたく受け取る。

 

「いや、だって一昨日聞いたサイズ私と同じだったのに何でもうデカくなってるの?同じ父方の遺伝なのに!一卵性なのに!」

「いや、キレるな、俺だっていらんわ、王道のロリの方がまだ気分が楽だったわ」

「くっ、2次成長期までほとんど同じ顔だったって言うのにどこで差がっ!」

「いや、知らんがな、あと揉むな、これ以上デカくなったらどうしてくれる」

「え、私が娶る」

「法律上絶対無理だから」

 

 オノレ巨乳め!と言われながら世間一般では十分に巨乳サイズの妹にもまれる兄と言う地獄絵図をどうにかするまで少し時間がかかりながらもどうにか話してもらう。

 

 妹と俺は一卵性、で弟も一緒だったので三つ子の兄妹となる。

 弟が母の家系似で俺と妹が父の家系似。

 妹はそれなりに整ってる顔の父を更に何段階も綺麗にしたような綺麗と言うよりも少し幼さのある美少女、と言った容姿で俺は父の母、要は祖母の顔立ちによく似ている。

 一卵性で性別が分かれてること自体が珍しいのが原因かそんな感じで顔は兄妹だとわかるくらいに似通ってるが激似と言うわけではない。

 弟は母の血筋によく似ていて俺と妹と違って背が180近くある長身だ。

 

「夕莉は仕事ほっぽってきそうだったから必死に私が抑えたんだから感謝してよね」

「さっきの押し倒しと乳揉みで帳消しだボケ」

「あー声戻さないでよぉ」

「お前が付け上がるからこのまま」

 

 弟の夕莉も妹と同じくそれなりに人気の声優をやっているのだが、そのラジオとかでも家族大好き発言をしまくるファミコンとしてファンからの愛称がつけられている。

 

「で、お前収録は?」

「夕方から」

「そう、昼でも食べてく?」

「そだね。兄ぃ仕事は?」

「納期がひと段落ついているので今日明日はお休みです」

 

 そう、兄妹にはシステムエンジニア系の在宅ワーク職と嘘をついている。

 妹はアレだが、普通身内にあそこまではしゃいでいる限界オタクを見られるというのはなかなか恥ずかしいのでデビューしてから未だに打ち明けていないのである。

 

「じゃ、一緒に出掛けよ?その素人カット勿体ないから美容院行こ?」

「陰キャがそんな空間行けるわけないだろ」

「あとコスメ探し」

「いや、在宅だし、必要性を感じない」

「まぁ、元の顔がいいから許されてるけど…最低限化粧水くらいもらうよ」

「あ、はい」

 

 そんな感じで急遽お出かけが決定。

 

 妹が持ってきた大量の荷物から着せ替え人形をさせられ、化粧直し道具できっちりとメイクをされ、ヘアアイロンだのされ、家を出る頃には時間は12時を回っていた。

 

 

 〇

 

 

「ふっふーん、ふっふふーん」

「いや、歩きづらい」

「別に良いじゃん」

「よくないんだけど」

 

 昼を回っているというのに最初に妹の馴染みの美容院と言う場所に事前に“予約はしておいた”と確信犯的発言をされ、髪を整えその後美容院の横の建物にあった喫茶店で昼食。

 で、服を色々物色しておそろいの服を購入、そのまま双子コーデに。

 そして腕を組みながらぶらぶらと街を回っていた。 

 

「今まで双子ファッションの座は夕莉に持ってかれてたけどついに私のターン来た!ってね」

「いや、双子も何も、三つ子だから、そもそも背丈に差がありすぎて同じ服着てもなんやこれやったから」

「それでもうらやましかったんですぅー」

「お前今までも散々俺を女装させてきただろうが」

 

 そう、男2の女1の兄妹だったからか、俺の背丈と顔立ちが女っぽかったからなのか、よく牡丹には女装をしろとせがまれ、高校卒業するくらいまでよくやらされていた。

 

「それにお姉ちゃん欲しかったんだよねぇー兄ぃでもオギャれてたけど」

「人の話聞こう?」

 

 

 




 ※サケンダー:Twitt〇r
  ヤマビコ:リツ〇ート

誤字ったらすみません


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3.現実はめんどくさい

文章量が少ないのは許してもろて


 牡丹に連れまわされ家に帰る頃にはへとへとになり、シャワー浴びて寝る、と告げると”また明日来るね”と告げられ、牡丹は仕事に向かっていった。

 

 シャワーを浴びようとしたら合鍵で母が来た。

 

「うっわ、加工なし?コワ…」

「息子に対してなんやその反応」

 

 脱衣所で中途半端に服を脱いでいる途中で来たもんだからまだがっつりメイクに髪のセットもほとんど崩れていないような状況。

 

「お義母さんみたいな美人っぷり…薄い本が厚くなるわ…」

「やめろ、息子で掛け算すんな」

 

 まぁ、先にシャワー浴びてくる、と言ってざっとシャワーを浴びる…つもりだったのだが、髪が長い、乳房で体が洗いずらい、と数十苦。

 男の時の2倍以上の時間を掛けながらシャワーを浴びて出るとカメラ構える母。

 ドア脇のタオルをつかむとそのまま投げつけた。

 

「何やってんねん」

「いや、その構図欲しくて」

「実の息子で構図とんな、親父とやってくれ、そう言うの」

「はっ、母さんの体系じゃロリキャラしかできないんだよ!」

「威張るところじゃないからな」

 

 華麗に避ける母に対してツッコミを入れるが、それでも資料集めを辞めようとしない母。

 この母、古平美代子(こだいら みよこ)は人気イラストレーター兼同人作家。

 その関係か幼い頃からゲーム、漫画、アニメには非常に寛容的で、“ゲームは一日一時間ではありません、キリのいいセーブポイントまでです。あ、そこ後もう少し進むと激熱ポイント。続けなさい”止めるどころか推奨してくる始末。

 それにそれ終わったら宿題しなよーと緩くいってくるのが父と言うのが我が家の構図。

 

「ちょっとした出来心ジャン」

「せめてタオルくらい巻かせろ、データ流出した時が怖い」

「ひゅーっ!さっすが雛菊ぅ!息子娘がやってくれないことをやってくれるぅ!そこにしびれるあこがれるぅ!」

「数枚だけだからな」

「じゃ、さっそく」

 

 長年こんなリアクションの母に育てられたか、もはやこれくらいの奇行には驚くことすらなくなった。

 そうでもなければ牡丹が俺に女装させようとしてくるときに“いい服あんだけどさ…使う?”と流れるように中学生が着れるサイズのメイド服とか出てこない。

 ……あれ?もしかしてサイズ的に母のじゃね?

 なんて、過去のことを思い返しつつも無駄に細かい指定なんかを熟していった。

 

 

 〇

 

 

 そんなこともありつつ、土曜であるものの、それなりに特殊な病気として色々な手続きをしてきたと、母から住民票やらを預かる。

 

 色々ナイーブな面のある病気であることから夜間、休日窓口なんかにも対応しているとのことで実際の男性がアレをアレして性別を変えるための簡易裁判所などを経由せずに医師の診断書等で変更が効く模様。

 

「古平雛菊…名前変動なし、ありがちの年齢変更なし、住所変更もなし…免許書き換え行かないと」

「あと銀行と会社も忘れないように」

「あーうん了解」

「一人で大丈夫?」

「まぁ、成人してるし大丈夫。母さんもう40半ばなのにロリロリしてるからどっちがどっち状態になるし」

「ねー、旦那と歩いてても事案とか、息子と歩けば兄妹ですか、なんていわれるんだもの」

 

 うちの母はロリロリしている。

 幼馴染だったと言う父曰く中1から見た目にほとんど変化がないとのこと。

 

「よく役場大丈夫だったn―――ああ、叔父が役場職員だっけ」

「そーそー。事前に話付けといたからスムーズに済んで助かったわー」

 

 そんなロリロリしてる母とは対照的に叔父は長身イケメンのイケオジである。

 たぶん夕莉が歳を取ったらこんな感じなんだう、とうらやましく思う。

 

「おかん助かった」

「別に良いわよこれくらい。昔っから雛菊には牡丹と夕莉の面倒見てもらいっぱなしだったもの、母親らしくやれることはちゃんとやるわよ」

「で、母だからってVになって息子に絡んで来ようとするのはやめてくれませんかねぇ!」

「ほら、息子が名義別だけど自分で自分のママになるって不思議なことするからお母さんはジェラシーを焼いただけよ」

「母レベルの人気イラストレーターがママになると薄い本にされること必須なんだよ、ってかなんで息子のキャラ見た瞬間全経緯察するの?超能力でも持ってるの?」

「そりゃあんたに絵を教えたの誰だと思ってるの。手癖ぐらいわかるわよ」

 

 …うちの母はバ美肉してる。

 イラストレーター”もっちーもんもん”として俺の所属するVtuberグループと並んで二大Vタレント所属企業と呼ばれる企業のグループで2名ほどのママをやっており、自身もイラストレーター仲間と遊ぶためバ美肉している。

 

「ほら、私が絡んでるのはイラストレーターのベア小町さんだから、熊平虎徹じゃないから」

「なんともリアクションのし辛い返しをしよって!」

 

 俺自身も色々変な経緯があってVtuberになった身なのだが、ママどうする?と言う話の中に、もっちーもんもんが候補と上がっており、それくらいなら、趣味で活動していたイラストレーター“ベア小町”を起用。当初は同一人物でバレなかったのだが社内では税金関係の下りでバレてしまっているが、他のグループ内ではバレていない。情報漏洩絶対許さないマンの弊社最高。

 

「はぁ、とりあえずベア小町のコラボの件はまだ会社に何も言われてない…と言うか専属じゃないから言われても困るんだけど、どうにかなるから心配しないで」

「その件はザルが缶詰されてるから流れた」

「え、うそ、マジ?またやったのあの人」

「そ、あのサルはソシャゲのログで担当バレして締め切り缶詰」

 

 サルで酒豪でザルの”しゃんぱんサル”さんと言う人気女性イラストレーターがいるのだが、とにかく自分の欲求に素直なので、よくソシャゲの嫁に課金しては納期を遅らせるという、やばい人なのだが、実力はとある出版社が出しているイラストレーター人気格付けで3年連続ラノベの部でクランプリを取っているやべー人。

 

「俺は来月出る終刊でしばらく落ち着くから問題ないんだけど」

「私は今まで一度も締め切り落としたことないから。出版社から大天使扱いだから」

「相変わらずの化け物っぷり」

 

 ちなみに母はイラストレーター人気格付けで殿堂入り果たしたおかしい人。

 

「Vやって切り抜きやってイラストレーターやっておまけに声優やってる息子、いや娘の方がよっぽど化け物よ、ほんとに休んでる?」

「休んでる休んでる」

 

 …とまあ、客観から見たら過労死一歩手前と呼ばれるのが俺。

 

 Vtuber:熊平虎徹

 イラストレーター:ベア小町

 声優:原田鉄

 

 オタクっぽいこと大体やってる系の人、それが俺古平雛菊である。

 

 

 〇

 

 

 俺がVtuberになったきっかけは知り合いの音響監督から、声優でVtuberに興味がないか、と言われたこと。

 高校時代の後輩からモブの増援を頼まれた仕事終わりのことだった。

 

 以前からVtuberと言う名前は知っていたし、もともとその手のサブカルチャーが好きで、あったが手を出していないジャンルだった。

 素人でも、喋りが面白い奴が結構いてよ、と監督のスマホから動画見た次の瞬間、ハマった。結構ドはまりした。沼入りだった。

 個人でこんなに面白いんだからバックアップのある状態でやったらそりゃ一つの文化だろ、なんて言われて、監督の知り合いのもとに連絡して色々あってVtuberになった。

 声優として伸び悩んでることもあったし、イラストレーターとしても伸び悩んでた時期だったので、ある程度人気になったら正体を告知してもいいか、と言う条件で契約。

 

 …いうタイミングを逃してずるずる過ごしてたら声優としてはイベントの司会の天の声として、イラストも画集出したりとてんやわんやの馬鹿みたいに働いてた。

 

 現状、Vtuberとしても多忙、と言っても問題ないくらい人気やらせてもらっているし、イラストレーターとしても実力が認められた。

 ここに声優業が一気に襲い掛かってくる、と考えたらたぶん死ぬ。

 医療従事者系の人はどんな体力してるんだろう、ってホントに思う。

 

 そんな感じで、Vと絵描きとしてはそれなりに忙しく、声優としてはのんびりやらせてもらっている。

 

 TSしてしまったから色々と問題だらけなんだけど。

 

 

「ひとまず今の問題かたづけないとなー」

 

 




私はハイスペックなのにメンタルクソ雑魚ヒロインが好きです(謎のアピール)


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4.時に勝てないものもある

 2大Vタレント事務所“スリ-ステーション”“大月プロ”があり、どちらも大手企業の傘下企業である。

 

 “スリーステーション”は芸能系のプロダクションの傘下で所属の多い企業で『正統派』『別業種枠』『色物系』と大まかに3種類の分類がされており、良くも悪くも放任主義で個人の実力至上主義と言った雰囲気。

 

 “大月プロ”は音楽レーベル組織内にある部署。

 所属数は少ないものの少数精鋭を図る、と言うか経営方針として各個人をプロデュースしていくライバーに手厚い。現在4期生までいる。

 

 自由性で見れば私はスリーステーション通称3ステに所属しているように思われがちではあるが、所属しているのは大月プロである。

 声優名義で作詞作曲したりした縁もあり、創設時に誘っていただいたのが経緯である。声優としての所属もこの大月プロ。

 

 そんな大月プロの自社ビルに出社するのはそれなりの頻度で来ており、Vtuberとしての仕事よりは楽曲提供の仕事としてよく訪れていた。

 

 月曜の午前10時

 勝手知った建物なので自分のIDカードをカバンから出しつつ、Vの部署がある4Fへ。

 社員用と来客用があり、エレベーターとか部屋の出入りがID制なのでセキュリティー面はすごく気を使っている。前社長時代に情報漏洩で痛い目を見たらしい。

 

 4Fにたどり着くと所属のタレントとは言え必要がない限りデスクの方へは迎えないので打ち合わせブースに入ってない内線電話でマネージャーを呼ぶ。

 

『お疲れ様です、古平です。松田さんはいらっしゃいますか?先週の件でお話に来ました』

『はい、少々お待ちください―――松田をそちらに向かわせます』

『よろしくお願いします』

 

 連絡が取れたので席について少し楽にする。

 程なくしてマネージャー、それに専務が来た。

 

「お疲れ様です、松田さんに加藤専務」

「まだ心の整理も着いていないだろうに、すまないね」

「…??????????超絶美少女???????」

 

 すっと立ち上がってお辞儀をするとナイスガイの加藤専務と頭にクエスチョンを浮かべまくるできる女風貌なのにちょっと間の抜けた顔をした松田さん。

 

「ああ、私が来て良かったみたいだね。松田、彼…いや彼女は古平雛菊さんで間違いないよ」

「え、あ、はい?女装性癖?」

『えーと、混乱されてるみたいですけど、あの、古平です』

「松田、それは殴られる」

 

 困惑の表情と事態が呑み込めていない松田さんに俺を説明する加藤専務。

 俺も声のトーンを変えいつも配信を行っている声を再現するとはっとしたような表情になる。

 

「えー、その病院に行った関係の話等を詳しくお話していきたいと思います」

 

 そう言って、TS病の関係の説明、現状の自分の状態等の説明を一通り行い終わる頃にはいつものバリキャリの松田に戻っていたので今後の話に戻していく。

 

「私もそういった病状の名前を聞いていたことがありますので知識としてゼロではありませんでしたが、ここまで変わる…めっちゃ美肌、キレイ…モデルにしたい…」

「あはは、これ以上は死んでしまいます」

「私も大地から事前に話を聞いていなかったらにわかに信じられなかっただろうね。とまぁ、この後のIDの書き換えなんかはこちらで進めておくよ。今後の話は松田と進めてくれるかい。私はここで失礼するよ」

 

 松田はそのふにゃ付いた表情をどうにかしな、と告げ加藤専務は仕事に戻っていった。

 

「ん゛ん゛。失礼しました。打ち合わせを行いましょう。と、その前に古平さんは本日時間はありますか?あ、配信は明日からにしてください」

「えーと、配信がなければ今日の所は夜の7時頃までは時間があります。別件の配信は止めないでくださいよ?」

「はい、そちらは契約外ですので。時間的にはそこまでかからないかと思います」

 

 すると松田さんはスッと取り出したタブレットからいくつからの動画ファイルを見せる。

 

「以前から社内で度々話が有ったのですが、切り抜きの件について熊平氏の公式切り抜きの作業の重労働性を軽減するべく、公式として切り抜きを行うクリエイターの選抜が行われ、こちらの5名の切り抜きが社内の最終選考に残ったものになります」

「え、あの、切り抜きは私の憩いの時間なんですが」

「はい、ですが現在4期生までいる我が大月プロも現在5期生を募集している状態。さらに増えます」

「むしろご褒美です」

「はい、別にやめろと言ってる訳ではありません。負担の軽減です」

 

「え、あ、あ、まさか」

 

 \Picon/

 脳内に明確に効果音が鳴り響く。

 極力なってほしくない方の、だ。

 もはやゲン〇ウポーズを取り怪しく眼鏡を光らせているのに嫌な予感しかない。

 

「はい、現在熊平虎徹に対してコラボをさせろ、同期もっと絡ませろ、歌枠を出せ、と多くの視聴者要望が募り募ってます」

「え、私はてぇてぇ風景を静観したい壁、観葉植物でありたいんですが!?」

「メール279件、電話146件、公式アカウントクッキー788件」

 

「ああああああアアアアアアアァァァァァあぁっ!」

 

「その悲鳴、イけますね!」

「サムズアップしないでください!CPの間に私は入るつもりはありません!」

 

 キャラ崩壊ってレベルじゃないレベルで松田さんはいい表情をしている。

 

「主に会社が強制的に禁止をしているのか、など多くの声もあり、会社としての信用性に影響与えかねないレベルなんです。部署内一同そろそろクマトラをてぇてぇしたいんです」

「後半が本音か!?」

「ん゛、社内でも多くの配信で熊平虎徹と言うキャラクターは人畜無害、キャラの引き立て上手の壁の化身と呼ばれるライバー愛のあふれるキャラとして一部過激派にすらそろそろ絡んでくれと懇願されるレベルなんです。あきらめてください」

「俺があきらめるのをあきらめてください」

「あなたが3窓するくらい私たちもクマトラが欲しいんです、主にノムトラ」

「ぬぐぐぐぐって、最後はあんたの本音だろうが!?」

 

 いや、ほら、四季でやってる社内イベのちゃんと絡んでますし、希少価値性と言う売りもあるじゃないですか。と食い下がっても変わらず。

 

「ぬぬぬ…わかりました…やります…オフはこの状態なので無理です」

「はい!そこはもちろん調整させていただきます。お泊りオフ、等はいろいろとしがらみがありますのでことの進み具合次第では弊社スタジオ内でのオフはご了承ください!」

「…松田さん今日一番の笑顔ですね」

「ええ、これでいろいろな企画案件が進みますよ!」

「うう…」

「かわいい…じゃなくて、はい。ではこちらの切り抜きに関してなんですけど―――」

 

 机に沈没する俺と対照的にうっきうっきと話を進める松田さんと対照的な構図で話は進んでいった。

 あと、健康体アピール面もあると言われればうなずくしかなかった。

 

 

 〇

 

 

「と言うことで以上が今後の流れの予定となります。公式アカウントでも告知を行いますのでよろしくお願いします。セキュリティーキーの写真も先ほど取らせていただいたものを使用します。本日はお疲れさまでした」

「お疲れさまでした」

 

 あれから2時間が経過して打ち合わせが終了。

・コラボ解禁(内部で様子を見て1か月目途に外部解禁)

・音声作品ペースを他のライバーと同じレベルへ。

・熊平虎徹オリジナル楽曲提供の案内(8件)

・LIVE2D強化

・3Dお披露目決定(完成済)

 と言ったところだろうか。

 

 自身としての仕事は増えるわ、いくら何でも8件も楽曲を提供したいと声がかかってくるとは…同期も音楽レーベルの強みを生かして既に3曲以上手持ちがあるが差がすごい。

 

 俺、トーク中心裏方系Vtuberだったはずなのにどうしてこうなった…

 

 

 



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5.口が軽くなってるわけではないのですが

とりあえずいったんここまで一気に投稿(投稿ペース考えない人)

つ、続きは掛けたら書きます(RTA走者並みの失踪率)

数年ぶりに投稿するので投稿フォーム変わってないような変わったような…うろ覚えすぎて怪しい面は許していただけると



 熊平虎徹 @kumabeartg0041

 

 推しのてぇてぇを壁になって見守りたい系Vtuberの私ですが皆様からの多くの声を頂いた結果、推しに迷惑を掛けない程度に絡んでくこととなりました。

 それに伴い、公式の発表通り歌枠実装です…くっころ。

 本日3日ぶりの配信よろしくお願いします

 

 1.7万ヤッホー 4.1万☆

 

+ヤマビコ――

 霞宇良 @yurayurakasumi

・コラボ解禁やったー

 コラボしようねー

 

+ヤマビコ――

 室町佳乃 @MT_YSNpp

・同期集まろー

 一年半やってるのに同期がまだ社内イベしか集まっていないとは…

 

+ヤマビコ――

 野村武光 @TK123nomuZZ

・男一人コラボから解放やったぜ

 

+ヤマビコ――

・待ってた

・これは第一次クマトラショック

・お歌助かる

・外部ももっと絡んで行け

・スパチャの素振りしておきます。

 

 

……----

 

 

『こんばんわー俺たち―3日ぶりー』

 

・(\50000)

・お前のことを待っていたんだよ!(\50000)

・配信やったー

・クマトラ切らしてた

 

『はい、始まりましたよー。あ、初手上限赤スパニキ、お帰りニキありがとう。運営の許しがおりましたので復活です。おかしいなー俺壁や観葉植物になっててぇてぇしたいだけなのに』

 

・お前もてぇてぇされるんだよ!

・クマトラニキが同期褒めちぎってるの本人の目の前でやるとどうなるのかすっごい気になる。

・ユニコーンキャンセラー系俺ら

・↑俺らにはなることは不可 

  

『えーと、はい。事前告知の通りコラボ解禁しました。これは運営に止められていた、とかではなく俺が“壁…あわよくば観葉植物になってCPてぇてぇしたいんです”って言って自分でCPに入るつもりは一切なかった…のにお前らときたら、運営にお気持ち寄せすぎだぞー。怒らないからお気持ち送った人手を上げなさい』

 

・ノ

・これは怒られるやつ ノ

・ノ

・(^^)ノ

・当然だよなぁ ノ(\50000)

・上限赤ならごまかせる ノ(¥50000)

・それだノ(\25000)

 

『やめい。コメントするやつ大概送ってんじゃん…赤スパでもごまかされません。運営にコラボ解禁してください、と言われたとき一体どのくらい来たって言われたと思う?』

 

・(\16001)

・(\5000)

・600件くらい?

・予想王杉ィ(\4545)

・予想無言スパチャwwww

 

『はい、予想をスパチャで送らない流石に赤スパほどは多くないけどメール電話公式クッキー合わせて1200件越え。対応でスタッフの一日終わるので泣きつかれました』

 

・めんご

・すまない

・多すぎィ

 

『これに味占めても対応の困窮でスタッフの疲弊にライバーのメンタル疲れちゃうからやめてくださいね。これ具現体との約束』

 

・はーい

・…割と深刻だった

・これはやめないと

・でもそれにこたえてくれる具現体スコ

 

『と、それはひとまず置いといて歌枠告知してからクッキー缶が3つ埋まりました。送りすぎです』

 

・クッキー1缶=1000ってことは3000越え

・wwwwwwwwwwwwwwwwwww

・ww

・↑解説ニキ助かる

・うち100はワシ

 

『えー問答無用でそれらは総没です』

 

・えー

・えー

・仕方ない

 

『代わりにこれから一曲歌いきる前に送られてきたやつから今日の枠分選びます』

 

・!?

・!?

・投稿してないワイ助かる

・さすトラ

・さす具

・でも最初って…?

 

『最初はこの曲。大月プロK(かがやく)V(ヴァーチャル)S(スター)テーマソング”the next stars”』

 

 

 〇

 

 

『----と、言うことで一曲お聞きいただきました。いかがだったでしょうk―――あれ、コメ覧曲半分くらいで止まってる』

 

 

『え、あれ、そんなにダメでした?地声からちょっとピッチ変えてるんですけど…あれ?一応、マネにそれで行け‼と力推しされたんだけど、はい、音痴でしたかね。今日の枠はここm―――うわ、復活した』

 

・8888888888888888888888888888888888

・88888888888888

・8888888888888888888888

・88888888

・お前の歌が好きなんだよォッ!(\50000)

・なんでこんな歌唱力えげつないのに今まで歌わなかったん?

・初めて歌効いて泣いた

・聞き惚れてコメ打てんわ

・心の汗で視界がぼやける

 

『うわーべた褒めー。すごい嬉しいですけど、なんというかリアクションに困る。今度機会あるかわかんないけどもうちょっとボイトレしとく』

 

・これ以上あがるだと!?

・カラオケオフ確定ね+霧宇良ch

・歌唱力天元突破で草生える

・ボイスはよ

・うんえーい早く具現体に曲与えて―

・!?なにその耳幸せ空間

 

『あ、ゆららんいる。か、カラオケオフはカラオケ未経験者には効く』

 

・?!

・?!

・この歌唱力未経験、だと!?

・KVSやべー隠し兵器だしてきたな

・もっとカラオケ行って

 

『いや、弟か妹によく誘われるから行ったことはあるんだけどいつも聞きに徹してタンバリン担当だから仕組みは知っててもカラオケで歌ったことないだけです』

 

・こいつ弟と妹居やがるぞ

・兄妹も歌唱力えげつなそう

・熊平家情報助かる

・歌って、どうぞ

 

『その、両親にはいってるんですけど、兄妹にVやってる、とか普段曲作ってご飯食べてるとか言ってない……あ、リスナーにも言ってなかったですね。とまあ、身バレ防止と言うやつですね』

 

・!?

・!?

・納得の理由

・え、気になる

・同期も聞いてないんですがー+室町佳乃ch

 

『誰に楽曲提供してる、とかは身バレするので言えないけど印税はおいしいと言っておきます』

 

・こいつきっと人気音楽家やぞ

・同期すら知らないのは草

・気になって夜しか寝れない

・クマトラの仮歌だけでアルバム作れる説浮上

 

『うちの会社情報関係は厳しいので。あ、仮歌ベスト作れるくらいは、まぁ結構書いてます』

 

・そりゃ上手いわ

・うますぎて馬になってました責任取ってください

・兄妹にバレないのは不思議

 

『ふふふ、妹と弟に楽曲提供してるけどいまだにバレてませんのでお前らにバレることは永久にない。やったぜ』

 

・!?

・!?

・!?

・おや?

・兄妹も音楽関係で笑う

・それでバレないのは尊敬

 

『そりゃまあ、女声で歌ってるんでバレるわけがないんでs――――あ、やばい、墓穴ほった、なし、今のなし、切り取り班今の切り取るんじゃねえぞ』

 

・珍しくぼろを出してくぅ!

・たすかる

・女 声 来たー

・女性の楽曲送んなきゃ

・クマ女装ワンチャン

・切り抜きました(\250-)

 

『なんで俺らそういう時だけ早いの?』

 

・それが俺ら

・お前には言われたくない

・で、何歌うん?

・やっべ、まだ送ってねぇわ

 

『はー、そういわれるとなんも言えない。適当に抽選して知ってる曲だったら歌います。現時点で来てるのが800超えてるからこれで締め切りねー。お前らって、ホントさぁ…』

 

・リクエストしに行ってたら生で聞けてない

・アーカイブ残して

・わずか6分で800枚のクッキー集める男

・もっと遅らせて(泣)

 

『そのうちたぶんやるから許せ。……と、決まったな。"scarlet over drive”声優の猪口さんの2ndシングルですねー。これなら弾き語れるけどカラオケ音源とアコギ弾き語りどっちがいい?』

 

・弾き語れんの⁉

・んーどっちも!

・もはや多才すぎて驚かなくなってきている

・弾き語り聞きたい

 

『あー、弾き語りの方が多いねー原キーきついけど許してねー』

 

・予防線張らなくてもいいんやで

・さっきの歌声で一矢の心配がない

・もはやCD出してほしいまである

 

『それでは聞いてください“scarlet over drive”』

 

 




文字数が少ない感が否めない…と言うか実際少ない。

どうにか改善できればうれしいけどたぶんこんな感じ文字量で投稿していく予定です。

作者がてぇてぇを補給出来たら次話ができるかもしれない()


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6.身内バレはVの伝統芸能

冷静に考えるとこのn番煎じ感すごいですけどそこんところは許してもらえると…


『配信中迂闊なこと言うもんじゃねえな』

 

・声が疲れてる

・まさか病気?

・まさかのあれか

・身 バ レ 伝 統 芸 能

 

『察しいいじゃん俺ら、そう弟に身バレしたわ』

 

・キタ――(゚∀゚)――!!

・助かる(\600-)

・この頃御口かるかるさん助かる

 

『ざっくりと経緯説明すると弟の仕事仲間が仕事の合間動画投稿してるらしくてさ、その動画開こうとしたら関連動画のとこに俺の切り抜きあったらしくて間違ってタッチして見たらしいのよ』

 

・あっ

・あっ

・切り抜き数えげつないからしゃーない

 

『で、よりにもよって切り抜くなと俺らに言った楽曲制作してるってとこのやつよ』

 

・スヤ

・ナカーマ(;;)+城下パーマch

・正直すまんかった

・だがわくわくしてる俺ガイル

 

『最初弟が突然電話してきて「家族の声聞き間違えてたとかつらたん」とか言うから何事かと思ったらね、俺の今の声は判別付いたらしくて激落ち込みしてあやすのが大変だった』

 

・弟さん、その席いくらですか

・寅ママー

・流石の包容力

・俺も甘やかされたい(半ギレ

 

『とりあえず妹の方にはまだバレてない、って言ったら「勝った」って言って機嫌よくなってた』

 

・弟かわいい

・これは妹バレRTA

・でもよく1.5年持ったよな

 

『まぁ、バレたら仕方ない。ただアーカイブ全部見てくるって言ったのは狂気だと思った』

 

・弟ェ

・弟さんブラコン過ぎん?

・オトウトラかわいい

 

『弟ももう成人してるから兄離れをしてくれないものか…。と言い始めるとガチであいついじけるし、俺も一人暮らしするときどんだけ引き留められたことか…』

 

・成人してそれは仲良すぎん?

・弟×トラ

・弟は誘い受けだと思う

・捗る(\50000-)

 

『はいはい、俺で掛け算すんな俺ら。ってことで、突然ですが発表です』

 

・弟実装?

・ワンチャン妹実装

・3D?クマ3D?

 

『コラボ解禁第一弾同期の決定でーす』

 

・まってた

・やったぜ

・同期助かる

・同期の誰なん?

 

『えー俺は非常に反対したく、通常のネット環境上のコラボがよかったんですが同期全員とオフコラボです…』

 

・キタ――(゚∀゚)――!!(\50000-)

・顧客が求めていたもの(\350-)

・これはカラオケだよなぁ!

 

『ついでに言うと3D実装オフです…』

 

・ふぁ?!

・え!?

・ついでで言う内容じゃねえぞオラッ!(\500-)

・今日雑談枠だよな(困惑)

 

『俺に金をかけるくらいなら同期と後輩の新衣装を実装してほしかったっ!』

 

・あー(察し)

・これだから貢ぎたがるオタクは…(\600-)

・でも3ステより衣装実装率はエゲツない

・分母も違うがな

・お前も貢がれるんだよォ!

 

『だが時すでに遅し!すでに運営が作ってた!この死んだ目のトラを‼』

 

・この絶妙に死んだ目の実装ができないから実装してないのかと思った。

・それな

・それな

・それな

 

『え、俺らの解釈そんなんだったの…?』

 

・せやな

・下手なもん作ったら俺らが荒れるもんな

・ご神体はしっかり作ってもらって

・依り代はいいもんにしてどうぞ

 

『お、おう。俺らにそこまで応援されているとは…』

 

・クマの置物3D実装されそう(小並感)

・ついにオフだなァ!+のむのむの戯言ch

・応援しとるでー

・そりゃ祀らせてもろて

 

『ノムいる…え、なに俺後ろ狙われてんの?』

 

・そうはならんじゃろうがい!

・ノムはホモ

・あり

・同期来とる助かる

・要見とる

・ケツを?

 

『ノムホモ疑惑は将来的に俺が怖いので流そう。後有りコメした君、ホモの香りが漂ってる配信でどこにでもわくよね』

 

・狙ッとらんわい!+のむのむの戯言ch

・ひぇ…+霞宇良ch

・室町佳乃ch(\801-)

・ひぇ!

・同期やったー

・このクマなのかトラ名の分からない生物の記憶能力ホントやべえな

 

『切り抜きしてると高頻度で見かけるから覚えてただけ…あ、俺で掛け算はしないでください』

 

・あ、はい

・薄い本が厚くなるなぁ!

・去年の夏コミで出しちまったよ…+しゃんぱんウッキーch

・!?

・【悲報】手遅れ

 

『…シャン猿はかえって原稿して。後その同人誌買った奴は拡散しないでくれ』

 

・あーシャン猿は…ね?

・それは仕方ない

・大体レアキャラ配信者がそろうなこのチャンネル

・シャン猿また脱走したんか

・クマ公必死で草

 

『え、同期さっき流れなかった…いた。かのんちゃん、その無言スパ何を期待されてるんでしょう』

 

・ショタボでは?

・濃厚な絡み

・ただのオタクの興奮に一票

 

 



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7.ドッキリはほどほどに

すまねぇ…てぇてぇはもうちょい待って


 なんやかんやVtuberをやって1.5年もたっているのに同期との絡みが一切ないのは一期生のみんなはオーディションを受けているのに対して私はスカウトであることからの引け目を拗らせた結果合うタイミングを逃し事務所企画の打ち合わせで音声通話をすることこそあれど、一度も顔合わせと言うものをしていない。

 

 

 事務所企画でも別室からの天の声参戦が殆どだったし。

 

 

 今回に限ってはモーションキャプチャーを使う関係上顔合わせは回避不可能。

 当日の配信を夕方ごろに設定して10時頃から事務所所有のスタジオで顔合わせの打ち合わせを行うこととなった。

 

 

 事前の打ち合わせを一期生担当マネージャー2名を含め計5名で行うことになった。

 

 

「突然呼んだと思ったら、服を選んでほしいと」

 

 

 以前妹との買い物からかなりの数の衣類を購入したのは良いが何分服装のセンスが怪しいので妹を召喚して選んでもらうことにした。

 便宜上は服を買いに行く服がない。

 

 

 最初はスーツにするつもりだったが仕立てに時間がかかるので却下と言うことになった。

 

 

 …イラストはかわいい女に好き勝手着せらせるのでネットで見かけた好きな感じの服からキャラを連想させて描いている場合が多いのでそっちは困らないのだが、自分に服を合わせるとなるとイメージがどうしても浮かばなかった。

 

 

「シンプルでいいんじゃない?」

 

 

 と、おしゃれ上級者らしい発言をしてさくっと服を選んでくれた。

 薄手のセーターとシンプルなチノパンに薄手のコート。普段かけている眼鏡をコンタクトにされその上でちょっとこじゃれた大きめの薄型レンズの眼鏡を装備。

 化粧に緩い三つ編みを施され……

 

 

「…なあ、これどことなく人妻感がすごいんだが」

「いつ私がおぎゃることを辞めたと錯覚していた?」

 

 

 どことなくあふれる未亡人感を出した。

 

 …妹はこういうやつだということをすっかり忘れていた。

 

 

「あ、これ私がサンプルでもらった時計、似合うと思う」

「SEI〇×声優とのコラボモデルだよな…発売来年じゃなかったっけ?」

「デザイン監修ってことでメーカーがくれた」

 

 

 これは完全に未亡人フゥー↑と妹が“コーディネート代”と称して抱き着いてきたのであやしていたら「やっべ」と妹が言うので今日の収録現場を聞くと予定していたスタジオから一駅離れたところ。

 

「付き合わせたお礼に送ってく」

「ありがとー」

 

 マンション近くの月極駐車場のある立駐まで歩いて行き、3週間ぶりに愛車のエンジンをかける。

 

 

 年々法規制でマフラーの音が小さくなっていく中で多少エンジン音を楽しみたいと買った15年落ちのスポーツカーは完全に街乗りに使っている。

 遠出する時に山超えたりする時があるから大きめの排気量とターボがあるモデルを選んだ。

 色々弄ったけど最終的にはノーマルに近い状態が一番乗りやすい。

 

「この車結構乗ってるよね?」

「18で免許取ってずっと乗ってるから今年で6年かな」

「本当物持ちいいよねー」

「日々のメンテナンスとそんなに走行距離乗らないから。ま、行くよ」

 

 そう言って妹を送りに行った。

 

 

 〇

 

 

 妹をスタジオ近くで下ろして自分も打ち合わせの時間が近いのでそのままスタジオ管理の駐車場に車を止める。

 

 今度の週末仕事片付いたら山にドライブだな、とそう思いながら車から降りてぐっと背筋を伸ばす。

 

 運転時にはぬいでたハイヒールを履き直すときちっとした感じに、女性大変すぎん?と思いながら事務所に向かおうとすると、隣に会社の使用車が止まった。

 

「……え、あれ、古平さん未亡人???????」

「あの、人の顔見る度思考停止しないでください」

 

 ちょうど降りてきたのはマネジャーの松田。

 有能なのに時々ポンになる。

 

「やっぱモデル…モデルやりませんか…」

「やりませんて」

 

「お前は落ち着け」

 

 スッと運転席から降りた長身の男性が軽くチョップを入れる。

 

「はっ!?、私は何を…」

「やっぱお前の構成コードにどっかミスあんだろ」

「それは激しく同意したい」

 

 長身の男性は鵜杉次郎 (うすぎ じろう)さん。

 顔は厳つく、セルフでスキンヘッドをしているので一瞬ヤの方の人かと思ってしまうことも。とてもグラサンが似合う一期生マネージャーその2である。

 

「あーで、古平か。まー美人になりおって」

「まぁ、発症者の特徴ですから」

「俺も発症すればこの薄毛から解放ワンチャン…」

「25過ぎたらほぼほぼ確率無いですからね?」

 

「KU☆SO☆GA」

 

 厳つい見た目の割にはギャグに方向性を振っている人なのでちょこちょこ自分の頭部をネタにしてくる。

 なお、スキンヘッドの理由は薄毛よりいっそない方が未練がないからとのこと。

 

「んで、どうするんだ?」

「元男でしたーって言っても仕方ないですし普通に行きますよ?」

「いや、ドッキリサプラーイズな面だ」

「?」

「別にデビューから顔を合わせないなんてうちの事務所でも先輩後輩関係だとけっこうあるからな、そう珍しい話じゃない。ただ、1年半引っ張ったことになるネタだ。盛大に行きたくないか?」

「なんでそんなに芸人根性がすごいんですか」

 

「あいつらが動揺してどういうリアクションしたいか見たいだろ?」

 

「見たい」

 

 すぐに同意し、当初の目的殴り捨てて唐突にドッキリが進むことになった。

 

 

 〇

 

 

 打ち合わせをするために集まった会場でさらにドッキリするための打ち合わせとかいう頭の悪い打ち合わせが始まった。

 

「では、構成作家でいいんじゃないですか?」

「んースーツがあれば新マネで通せるんですが…」

「松田のサイズじゃ合わねえよな…」

「鵜杉さんそれセクハラ」

「誰が壁じゃい!」

 

 秋特有の若干冷え込む空気のなか駐車場で話し込む怪しい集団。

 

「あ、5期生のスカウト枠でやってきた方でちょっと早めの職場見学言うのはどうでしょう。3期生の時やりましたし」

「それだ!」

 

「職権的にアウトでしょ」

「職権は使えるときに使うもんだぞ」

 

 こうして5期生(嘘)としてまた一つ謎の肩書が増えるのであった。

 

「こうなったらロールプレイはしますけど…どうしましょう?」

「今の風貌完全に未亡人ですもんね…」

「『亡き夫の借金返済のため夜のお店で働く事になったが借金取りに追われるためヴァーチャルに逃げた債務者系未亡人』で行こう」

「それあんたの性癖だろ!?」

 

 

 〇

 

 

「うっす、てめーらそろってっかー」

「おはようございます…って、ジロちゃんそれマネージャー的にアウトじゃね」

「そんなこと言ったら俺の見た目でアウトだろうが」

「1out抱えてるのに更にアウト抱えるのやめようぜ?リアルチェンジになっちまうぞ…」

 

 本日は一期生の貸し切りのためスタジオには5名しか来る予定はない。

 そんな中すでに一期生の3名は来ており各々が慣れた様子で着席していた。

 

「清水に佐田と浦野は来てるな。古平まだ来てねぇのか」

「意外ですね、一番真面目と言うか絶対遅刻しそうにないんですが…」

 

 ものすごく白々しく私をこの場に居ないものとして扱っているのだが……動揺のなさがすごいな。

 

「禿と松田さん、おはようございます」

「え、あのおはようございます。その、そちらの方は…?」

 

「ん、ああ。こちらに居るのは事務所の方で推薦枠で採用になったから一足先に現場見学に来た小原さんだ」

「この度、大月プロダクションKVSの5期生に内定を頂きました小原涼子と申します。本日は無理を言って一期生の皆様に挨拶をさせていただきたく参りました。どうぞよろしくお願いいたします」

 

 スッと紹介をされたので少し前に進みやや深めのお辞儀をする。

 …本当に動揺しないなこの禿とポン。

 

 

「あー、そんなに畏まんないでもらえると。えーと俺は一期生のゲーマー担当の野村武光です、本名はジロちゃん…鵜杉さんが言ってた通り清水敬です、よろしく」

「では次は私、一期生の霞宇良よ。ここでは浦野五月(うらの めい)って呼んでちょうだい。禿にセクハラされたら言うのよ?」

「あ、わたしも同じく、室町佳乃っていいます、本名は佐田芳(さた よしの)です。よ、よろしくお願いします」

 

「つー訳でこれがうちの一期生。大体配信のキャラだろ?」

「ええ。皆さん誠実な方みたいですね。少し安心しました」

「一期生はありのままの自分、二期生が自分の隠れてた面、三期生がRestart、四期生が新しい挑戦ってテーマだからな。つう訳で3期生の時もあったが職場見学ってことで今日は一日お前らの仕事っぷりを見られるから気合入れて行けよ」

 

 わー、生一期生!。

 ボイスにノイズが入ってない!(現実なので当たり前)

 ノムは確か26歳の特徴のない顔、と言えば聞こえは悪いが清潔感もあり気が付いたら誰かと結婚してそうな雰囲気のあるゲーマーそんな感じの顔している。マンスリーボイスはなんか隣にいるのに違和感がないと、女性のガチ恋勢もそこそこいる現在チャンネル登録者数32.4万人。

 

 ゆららんは声がドSで定評のあるロリキャラなんだが現実との乖離ッ!顔がイイ!でかい!(どことは言わない)現在21歳の大学3年生。

 結構な寂しがり屋やだが理性がえげつない仲間大好き美少女。

 入ってくるまで足を組んでたのに、初見の人がいるとスッと足を戻すTPOのわきまえる系である。

 ファンの総称ダメ男製造機。

 現在チャンネル登録者数62.2万人

 

 かのんちゃんは庇護せねば、と気が付けばファンネームは親衛隊。最近こそちょっと改善しているがコミュ障だが、1期生の中で一番頑固で行動力のあるある意味問題児。

 最近20歳になり酒を覚え、飲むと言葉にキレが出てきて歌唱力がすごいことになる飲兵衛。

 記憶は一切消えず次の配信は謝罪から始まる。

 現実でも小動物観がすごい。かっわいい。一家に一台抱き枕でほしい。

 現在チャンネル登録者数58.7万人。

 

 現実の姿を見ると、うん、Vでのキャラ個性がやっぱすごく表れてるんだなって本当に思う。

 一期生ありのままの自分に偽りなし(若干名除く)

 はー、空気がうめぇ。

 表情には出さないけど。

 

「あ、小原さんゲームは得意だったりする?」

「ええ。主にFPSはよく行います」

「わ、なんか意外…と言うかなんかしっくりくるというか…」

「掃除、得意なんです」

 

 そう言ってハンドガンをコッキングするジェスチャーをしながら笑みを浮かべてみる。

 

「え、何、ヤ?ヤのモノ?未亡人感と言うかなんというか幸薄げなのにすっごい生命力ある感じがする」

「極妻、今までいなかったジャンルね」

「いえ、現在の予定では『亡き夫の借金返済のため夜のお店で働く事になったが借金取りに追われるためヴァーチャルに逃げた債務者系未亡人』となっております。戦いは得意ではないのですが」

「いや絶対肉弾戦行ける感じだよこれ、逃げてるのが周囲を血だまりにしないために自らの力必死に抑えてる系じゃん!?小原さんに拳銃持たせて大丈夫?大月プロ崩壊しない?」

「リアルでは合気道の黒帯を頂いています」

「大月プロやってんなぁ!」

「ひぇ…またとんでもない新人…」

 

 と、思い付きで謎のカテゴリーが増えているがリアルで黒帯取っているのは事実である。

 流石ノム、ツッコミの切れ味がすごい。

 

「よし、馴染んだな。これから今日の打ち合わせ始めんぞ」

「え、いや、熊公まだ来てないんですけど」

「…思ったより時間押してんだわ。始めるぞ、松田!」

 

「テッテレー」

 

 先ほどまでだいぶ口数少なかった松田さんが鵜杉さんのガタイの良さを生かして隠していた小さい看板を取り出す。

 

「ドッキリ大成功!」

「……何が!?」

 

『新人ライバーが職場見学に来たと思ったら熊平虎徹の中の人でしたドッキリってことよ』

 

 

「……」

「……」

「……」

 

 

『ぽかん顔助かる』

 

 

 

「「「くぁwせdrftgyふじこlp」」」

 

 

 

 ドッキリを行った結果同期がバグった。

 

 コレドウスンノ?

 

 

 




ようやく同期の登場です。


誤字報告ありがとうございます。
後ほど行います。

感想評価もありがとうございます。
起きたらバーに色がついてておビビり申し上げた。


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8.一期生オフすごろくバトル

感想、評価、誤字報告ありがとうございます

バー伸びてるヤッターって嬉しくなったのでそのテンションで描きました


「【放送事故発生?!】一期生オフすごろくバトル!」

「無事始まったわね」

「打ち合わせはどうなることかと思いました…」

『その話は、今日の配信内で話していければいいな、と思ってます』

「と言うことで情緒もクソもないすらっと現れるのはこのクマっぽいトラ!」

 

・無事始まったな

・バックレ案件かとおもった

・同期が同じ空間に居るだけでてぇてぇ(\500-)

・やっぱKVSの3Dポリゴン数えぐいな

・それに対して一名完全にお遊戯会の木なんですが

 

『公式バーチャル観葉植物の熊平虎徹です。今日はてぇてぇをいっぱい吸って明日からの配信の糧にしたいと思います。スパチャありがとうございます』

 

・初手棒立ち観葉植物は草

・観葉植物の心を忘れず二酸化炭素(てぇてぇ)を吸い込む姿…さすがです。

・え、今日は3D木実装ですか?

・具現化助かる

 

「あ、自己紹介忘れた。公式いい意味でモブの将軍、野村武光と!」

「正直に言って配信の打ち合わせで今日の体力失ったわ、霞宇良と」

「夢は一生、お酒は2合まで。バーチャル飲兵衛の室町佳乃です」

 

・我らがモブ界の将軍今日も足軽と変わらないフェイスに安心

・みんなどことなく元気がねえな…

・かのちゃんすでに飲んでないこれ

・飲んでますねぇ!

・果たして二合までが似合うまでを訛らせたものとかけていることにいったいどれほどの人が気付く事か

・↑酒カスになってしまったがために…

 

「はい、と言うことでKVS一期生全員集合です!」

 

・最初にうら様が3D手に入れてからもう9ヶ月か…

・泣いた

・助かる+城下パーマch(\50000-)

・!?

・!?

・後輩も要見とる

 

「ん、もじゃが来てるわね」

「ちなみにこの配信KVSメンバーが上限投げたら電話で強制出演がありますのでご注意を」

『スタッフ、俺のスマホどこ、投げたい』

「いやもう出てるから」

 

・!?+城下パーマch

・いったい何があるんだ

・すごろく、いったい何が…

・背景がクソデカマップやんけ

 

「オープニングテーマはこれくらいにして本日の企画説明です」

「本日の企画は社内でいろいろな案があったのだけれど3期生の紅葉(くれない よう)からの案によりすごろくになったわ。中身は打ち合わせでも見れてないから完全に恐怖よ」

『マスに止まる度に開かれるので完全に恐怖仕様となってます』

「唯一開かれてる王冠マークのマスは王様ゲーム枠とのことだ」

 

・葉っぱァ!よくやった!(\9999-)

・微生物も元気にしとる

・完全にバラエティー放送やたっぜ

・これはめっちゃ楽しみ

・具現体はいったいいつまで木に…

 

『と言うことで、開始のじゃんけん…だとカメラアングル厳しいので王様ゲーム用の棒で順番決めてきます』

「じゃ、これ…1ね」

「私コレ…3です」

「コレは…2だな」

 

『王様は今回一番最後と言うことで、ゆららんから!』

「トップバッターは嫌よ」

『かのty「いやです」』

「モブは中途半端と相場が決まっている」

『あ、はい。俺やります』

 

・草

・流れるような拒否は草

・木を一周回って草

・手に持ったあの木の棒の揺れえぐない?

 

『そい!…初手6!』

「スタッフさん、6お願いします』

 

 

【自分より後ろにいる人全員と“愛してるよゲーム”】

 

 

『葉っぱァ!』

 

 

・草

・えっぐ

・初手で消費していいカロリーじゃない

・取れ高を忘れない男

・切り抜いときますね+公式切り抜き師(\10000-)

 

『これマ?』

「マ」

「マジよ」

「俺はパスでいいよ」

 

・ドキドキ

・ワクワク

・すでに心配停止してますどうしてくれる

・停止ニキは成仏して

・切り抜き師wwwwwww

 

『わかったよやるよ!こうなったら絶対テレ顔出してやる』

 

・お前にしかできない

・これぞ具現体

・前世で徳を積みまくった男

・自棄になったな

 

「な、なによ急に真面目な顔になって」

『愛してる』

「っっっっつ~~~~ッ!?」

 

・顔まで真っ赤に出来る技術班の力よ

・女王のテレは貴重

・これは俺らの欲望の具現化

・てぇ…t―――

・メディーック!

 

「ふっ。ツンデレ女王は四天王でも最弱!」

『強がってるところも素敵だよ。愛してる』

「--ッスーー」

 

・……最強すぎん?

・イケボがえぐい

・シュチュボ決まったな

・はよ出して

・つよつよはお酒だけだったかー

 

『愛してる』

「俺もだよ」

『  』

 

・……あ、この人最弱でしたね。

・ガチ恋勢、良いすか

・ホントモブ面将軍はもはや声で天下を取ったと言っても差支え無いからな…

・ボイスは明後日まで衣替えボイス販売中だゾ

・↑助かる

 

『はー即死だった』

「……」

『あれ、ノム、どうしたノム!』

「クソ高顔面偏差値でそれはずるいんだよ…」

『あの、真顔で言われると、エゲツナイハズカシイ』

 

・クマ虐助かる(\8000-)

・うっすい本が厚くなるなぁ!(\1000-)

・両デレぇ!

・なんかすでに満足してきた

・+もっちーもんもん(\50000-)

 

『……』

「ん゛‼つ、次は私ね…6、6以外……4ね」

『スタッフ―‼4番お願いしまーす!』

 

【今来てるクッキーの一番上を回答】

 

・クソデカボイス助かる

・無言赤スパモチネキやんけ

・!?

・公式?女王のチャンネル?

 

「えー、公式のチャンネルの一番上みたいね」

 

 

[初めてメンバーとあった時と今の印象のは?]

 

 

「これ、何度か言ってるわねよ…まぁ、いいわ。武将の最初の印象は、なんというかどこにでもいそうなスタッフかと思ったわ。今は頼れるリーダーってとこかしら」

 

・んーこれはいつも言ってるな

・将軍とオフであってる人みんな言ってるもんな

・逆にすごいよなみんな印象一緒って

・将軍また撃沈してる…

 

「佳乃は妹みたいな感じね、それは今も変わらないわ。でも酒を覚えさせたバカには一言言ってやりたいわね」

『すみませんすみませんすみません誕生日に酒送ってすみません』

 

・ゆらかのてぇてぇ…

・親衛隊的にも解釈一致

・「く、クマさんから貰ったからわ、わたしちょっと、ちょっと飲んでみるね」…ちょっととは

・いつの間にか公式アル廃だもんな…

・あれ、画面外に消えた

 

「ノムさん、これどうぞ」

「え、おちょこ…」

「どうぞ」

「あ、はい」

「飲まずにやってられません‼乾杯!」

 

・(深呼吸)

・そういうとこやぞ

・酒召喚しおった

・え、おちょこってことは日本酒…?

・カ オ ス に な っ て き た

 

「最後にクマね。私が炎上したときとかちょこちょこメッセージくれたし、気周りのできる良い人、なんだけどそうね。オフですべて覆ったわね」

「あ」

「あ」

『あれは、マネージャーが悪い』

 

・!?

・!?

・いったい何があったんだ

・クマが責任転嫁は珍しい

 

「まぁ、後でどこかのタイミングで言わせてもらうけど今日オフで初めて会う時にドッキリを仕掛けてきたのよ。マネージャーとグルになって」

「あれは一時間消えたな」

「私が収録前にこんな、酒を伸ばさずにはいられなくなったのはこれが原因なんですが」

『いや、佳乃ちゃんはt「何ですか?」あ、いえ、何でもないです』

 

・え

・何それ気になる

・ドッキリ…?

 

「たぶんドッキリの話だけで一時間終わってしまうからそれはまた今度ね」

「じゃ、次俺です…5」

 

 

【一回休み】

 

 

「シンプル!」

「ある意味取れ高取ってるわね」

「私はこの配信休み欲しいんですが…1」

 

 

【この放送終わるまで語尾ににゃん】

 

 

・んーモブ

・これは…

・一マス目にこれを置くセンスよ

・んーこれはオタサーの姫

 

 

「酒もってこいや‼」

 

 

 〇

 

―以下ダイジェスト―

 

【今季アニメのキャラのモノマネ】

 

『え、じゃあモノベンの須藤が先輩バンドメンバーがそろうまで必死に場を繋ぐために舞台に上がったときのセリフ』

 

『こっから3分間、俺のテクに酔いな』

 

「いや、完成度!?」

「あー酢豚先輩…ボッチで目立ちたくないのにさっと外したメガネからの眼光に私は酔った」

「佳乃、キャラ崩れてるわ」

 

 

【右の人に壁ドン】

 

「いや勘弁して!?」

『ん?どうぞ』

 

 

【なんでもいいから演奏披露】

 

「……ベースならいけるわ。ないと思うけど」

『ここにあるで』

「…チッ」

『え、今舌打ち?舌打ちしなかった?我々の業界だとご褒美なんですけど』

 

 

【早口言葉】

 

「にゃみゃぎゅ…舌噛んだ…いたひ」

『切抜き班!わかってんな!』

 

 

【ロシア】

 

「漠然過ぎん?」

「何やってるのコサックよ」

『いや、コサックはウクライナ…』

 

 

【次のターンまで前の人と腕を組む】

 

「佳乃」

「はひ…」

「酔ってるわね…クマあなた飲んでないのに何で突っ伏してるのよ」

 

 

【ゴールと見せかけてこの3マス前がゴールです】

 

「拡大しねぇと見えねぇわ!」

「つまり私ゴールね」

 

 

 




KVS一期生
・野村武光(清水敬)
 モブ面と称される平均的な顔立ちの一期生リーダー
 ツッコミ担当のゲーマー
 衣装は甲冑

・室町佳乃(佐田芳)
 当初コミュ障よわよわ母性本能ホイホイだったが今では立派な飲兵衛キャラ。
 一期生では一番外部コラボが多い。
酒が入って暴走すると夢小説を描き始める。
 好物は日本酒、山口と新潟の酒が特に好き。
 衣装は緋袴の巫女

・霞宇良(浦野五月)
 配信ではロリだが、面倒見の良さが露見するにつれてママと呼ばれるドSの女王様罵声の語彙力に愛があってよい。
 後輩コラボが結構多い。
 根が真面目なリアリスト。押しに弱く身内に甘い。
 衣装はゴスロリ


 残りの今回でき来たキャラは次回あたりでざっくり説明ができればと
 次回は掲示板回かな

 やべー炎上とかは私のダークサイドが暴走するのでやさいせいかつな雰囲気になります


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9.【part189】kvs一期生を語るスレ

感想、評価、誤字報告ありがとうございます

日刊ランキングに乗ってて震えあがったので初投稿です

短いです、短いです。許して


【part189】kvs一期生を語るスレ

 

 

 

22:名無しのファン

 やべー配信でしたね

 

26:名無しのファン

姫「ベース出来る」→スラップゴリゴリのテクニカル

将「ドラムなら」→打ち込みのようなリズム感(ただしオカズも入れていく)

具「アコギとエレキなら」→指の速度がえぐい、KVSのトラッキング技術もえぐい

酒「あ…シンセなら」→パリピシンセからピアノまで綺麗に使える

 

 こいつらだけでバンド出来るのでは?

 

28:名無しのファン

≫≫26

 それな

 

29:名無しのファン

≫26

 具がアコギで弾き語れんのはやってたけど一期生全員楽器できるの強くない?

 

30:名無しのファン

 いくら大手音楽レーベルの傘下企業の配信者とは言え楽器ができるとはたまげたな…

 

33:名無しのファン

 オーディションに楽器ワンチャン?

 行ってくるわ

 

34:名無しのファン

 まだ五期生オーディション応募してたっけ?

 

37:名無しのファン

 ≫≫34

 してるぞ

 ワシもした

 

40:名無しのファン

 このスレからVが生まれる可能性が微レ存…?

 

44:名無しのファン

 振り返り配信で

具「ちょっと早めに決まった五期生が見学と言う名目でゴリゴリに変装してどこまでバレないかドッキリやってた」

 草でしたね

 

45:名無しのファン

「妹に女装手伝ってもらった」

 まさかここまでネタに走るとは思わんよなぁ…

 

46:名無しのファン

妹「私何をやらされて?」

 って絶対なってんぞ

 

50:名無しのファン

 具現体そろそろ俺らにも女声晒してもええんやで…

 

51:名無しのファン

 ↑それな

 

52:名無しのファン

 

酒「女として負けた気がするんですよ」

 

 あの日の翌日は二日酔いでグロッキーになっていたのに夜また飲んでるっていうね

 

54:名無しのファン

【悲報】熊公、将軍にトラウマを植え付ける

将軍「なんかあれだな、化粧ってすごいんだな」

 

55:名無しのファン

 エイプリルフール企画でトラ子ワンチャン…?

 

56:名無しのファン

≫≫55 天 才 か よ

 

57:名無しのファン

≫≫55

 そこにクマトラサンタがおるじゃろ?

 

58:名無しのファン

≫≫57 天才

 

59:名無しのファン

≫≫57 

 去年は企画裏話とか聞かせてくれてたけどクマトラサンタにお願いすれば行ける気がし

てきた

 

66:名無しのファン

姫「一週間分のカロリー使ったわね」

 

68:名無しのファン

今回のまとめ

・一期生楽器つよつよ

・クマ女装しても違和感のない顔面偏差値つよつよ

・葉っぱは神

・酒覚醒

・KVSのトラッキングと言うか3Dマジ強い

・同期の不仲説改善

・マネージャー意外とファンキー

 

 こんなとこ?

 

69:名無しのファン

≫≫68 優 秀

 

80:名無しのファン

 今までなんやかんや3人通行でクマが追加されたから違和感あったけど結果これが一期生なんだな、って思った。一期生ありのままに嘘なし

 

82:名無しのファン

 一方

具「やー、あの場では話の流れ崩しちゃいけないからね、この場でぶちまけるわ」

 同期についてノンストップで2時間しゃべり続けるマシンガン限界魔人が居た訳だが

 具のKVS好きやっぱおかしいわ(誉め言葉)

 

83:名無しのファン

 本当に草だった

 

84:名無しのファン

 総合的になんか満足したわ

 

85:名無しのファン

 それな

 

86:名無しのファン

 今後も期待

 

 




KVS二期生

城下パーマ
わかめヘアが特徴の自称野村の家臣で実際に野村の配信を見て
「モブっぽくても配信者になれるんだ」
と2期生オーディションを受け合格した男。
一期生に遭遇すると限界化して語彙力がガクッと下がる。

KVS三期生

紅葉(くれない よう)
今回の地獄の主
輪廻を通って転生しようとしたが犬になった自称ケルベロス
犬耳生やしたショタ
クソガキロール配信の切り抜きはミリオン越え


次回はクマ視点の予定


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10.違うアングルから見るのも大事…?

先ほどあまりにも短かったので本日2更新目です。(時間ギリギリ)


 

「いぇーい!ネット老人ども見てるぅー?ヴァーチャル絵師のもっちーもんもんでーす」

「い、いえーい、イラストレーター仲間のベア小町です」

「町で偶然ベア小町ちゃんと遭遇したので話してたらこの後空いてるって言うから拉致って来た!」

「アウトですアウト、BANされちゃいますよ」

 

 

 どうしてこうなった

 

 

 

 

 どうにかあの3D配信を乗り切り早3週間

 

 現在いくつかの危機に瀕していた。

 

 いつも通り切り抜きして、今日の配信何しゃべろうかと考えていた時だ。

 

「冬のボイスは2週間後までにお願いします」

 

 マネージャーからの連絡だった。

 

 ボイス解禁と言った手前、出さなければいけないのがマンスリーボイスとシュチュエーションボイスだ。

 マンスリーボイスはいつも配信で話すようなことをかぶらないようにちょっといつもより近い距離間で考えるとしてそれはどうにかなる。

 事務所の方でお題が決まっているからだ。

 

 頭を抱えているのはシュチュエーションボイスの方である。

 俗に言う友人だったり、恋人想定だったり、えげつない近さのファンサの塊と言っても過言ではないボイスである。

 うちの配信ガチ恋勢おらんし、居るのただの俺らだし…

 かといって、いつも道理の仲間!って感じのボイスを出すのもなんか違うんだよな。

 

 

 そうして一つの考えが浮かんだ

 

「そうだ、母さんに頼ろう」

 

 何故この時マネージャーに相談しなかったか後悔するのは2時間後のことだった。

 

 

 〇

 

 

 要約すれば母に相談しようとしたら母が“リスナーに聞けば良いじゃん”と言うのでそれを聞いて戻ろうとしたら

 

「ダイレクトに聞いても面白くないジャン?」

「クッキーとか使うってこと?」

 

「違う違う、熊平虎徹のママのベア小町として聞くんだよ!」

 

「いや、どうしてそうなった」

「そっちの方が面白いからに決まってんだろぅ?」

「うっわムカつく」

 

 で、なんか流れるようにさっとサムネを作ってゲリラオフコラボが始まることになった…

 そんな速度で描くからファンから「等速が10倍速」とか言われるんだよ…しかも並行してTwitter巡回とか……マルチタスク過ぎません…?

 

 

 〇

 

 

「やっぱりかわいいな…やっぱ私小町ちゃんのママになるわ」

「私のママは実母で埋まってますんで、はい」

 

・母性まき散らし婆ステイ

・どうして今日捕まったのか

・ママになるには圧倒的料理スキル不足の模様

 

「うちの子ママーって呼んでくれなかったから呼ばれたいんだけど」

「あー私も実母はお母さんって物心ついた時から言ってたと思います」

「幼少期に”お母さんでちゅよー”って言ってたのがアレか、ママでちゅよーが正解だったか…」

「刷り込みは…下手をすると成人まで癖が抜けない場合があるのでほどほどにしてくださいね」

 

・信じられるか…こいつ成人した子供いるんだぜ(震え声)

・ベア小町、刷り込み…はッ!?

・通報しました

・逮捕しました

・起訴しました

・判決しました

・連携wwwwwwwwwwwwwww

 

「っと、それはさて置き今日のタイトル読んだな?」

「……当初の目的からもちさんの欲望になってますよねこれ」

 

・清楚に何やっとんのじゃ

・イラストレーターVの唯一の清楚やぞ

・でも正直聞きたいんだよな…

 

「ではでは、タイトルコール!【ついにボイス出す!?内容決めようバトル―‼】」

「バトルも何も、もちさんは出さないでしょ?」

「私かわいい子と旦那にしか愛は囁かないから」

「私も好きな人にしか言いたくないんですが…」

「ぐっh―――みんな!聞いたか‼これが清楚だ!」

 

・そういや人妻

・だが自分の子供くらいのキャラの凌辱本は出す

・清楚助かる(\600-)

・清楚代(\200-)

・小町先生のガチ恋勢なのでもっと配信してください

 

「ガチ恋勢、その夢は一生叶わないから捨てなさい。私も友達と遊ぶためにモチさんにボディーたたち――叩きつけられたから配信してるの。私みたいな陰キャがVと遊ぶのには配信くらいしかできないの」

 

・ロリやって

・ロリ代

・陰のモノをめっちゃ感じる

・そういえばそんなこと言ってた

・かみかみたすかる(\2323-)

 

「と言うことで私は誘われたり、子供の記念イベントくらいしか配信しないから」

「お前ら―、ベア子は私が気軽に拉致ってるけどめっちゃ忙しい人だかんな!」

「なら拉致らないでよ」

「それは別」

 

・別腹理論

・そういえば熊公3Dになりましたね

・純ちゃんの新衣装もよかった

・やっぱこの人妻燃やすしか…

 

「おーい、ここ私の配信だぞーと言ってもベア子のサケンダーほぼほぼ動かさないし配信ほとんどしないし伝える場所内の分かるけどさぁ…」

「ここでコメくれなくても子どもに送られたコメとハッシュタグはある程度見てるから」

「はい、そうですねこの子エゴサの鬼なんで不穏なこと起こしたらすぐに通報する子なんで」

「いや、私以上のエゴサの鬼が何言ってるの?」

 

・あ…

・あ…

・え、マジ?

・清楚崩れへん?

・母性愛強いだけだから(震え声)

 

「まぁ、クマは運営にケツたたかれてようやく3Dです。初期に結構な量の資料作ってたからその中から採用されたのがあの木ですね。デザインは私が2分で描いたものになります」

「あー私も見てたお遊戯会感あるあの木」

「私はクマの晴れ姿リアタイで見れません出来たですけどね!寝過ごしで!」

「あの配信後の叫びはすごかった」

 

・肝心なところでポンは遺伝だったか…(純ちゃん見つつ)

・そりゃそうなるわ

・あの叫びはすごかったな

・ママドンマイ!+滝嶋純ch(\400-)

・娘も要見とる

・すごかった

 

「ふぇあ、じゅ、純ちゃん来てるの⁉こんな面だけいいVの地獄に顔出して大丈夫?!」

「あ、はい、ありがとう…ママ頑張る」

「はークッソ可愛い子顔出してたからうちの配信呼べない?ベア子どうにかなんない?」

「いや、ここに来たらもう終わりみたいなもんだから娘は駄目です」

 

・はい保護者ブロック入りましたー

・こんなかわいいママ存在するってマ?

・両方ママだっていうのにどこで差が付いたんだ…

・コーナーでは?

・面が良いと自分で行ってしまうあたり自他ともに認める神絵師だわ

 

「えーとまあ、私がクソ雑魚晒したんですけどクマにボイスどうすればいい?って相談受けたから私なりに情報収集しようとして、もちさん頼ったんですけどモチさんが完全に暴走してなんか放送始まってるのが経緯です」

「いや、ついでにベア子もボイス出そうよ」

「出しません」

「(´・ω・`)聞きたい」

 

・はー何このママ、息子のために聞いて回るとか可愛すぎん?

・小町ママ―

・美少女輪郭にショボン顔が実装されてるのに本当に笑う

・聞きたいが切実過ぎて草

・ママのASMRまだですか!

 

「もちさんはずっと言ってるから此間の誕生日に渡したじゃないですか」

「一度手に入れると止まらないんだわ」

 

・は?

・は?

・は?

・ もち 

・ モチ 

・は?

・ もち 

 

「…あの、ベア子さん、めっちゃ燃え始めたんだけど、あ、これがホントの“焼きもち”ってね!」

「さむい」

「あ、はい、すみません。クマのボイス考えましょ」

 

・ママのボイスさきっちょだけでも!

・ふークッソサム

・やっぱモチは焼く前に突かなきゃ…

・ママの絶対零度ボイス助かる

・ママの罵倒.mp3代(\1500)

 

「少なくともお前らのママではないです」

「老人、そろそろベア子ガチギレするから考えよーなー私の首が物理的に飛ぶー」

 

・はーい

・はーい

・ガチギレもおいしそう

・はーい

 

 

 

 

 その後の話は結構熊平虎徹の定時配信時間近くに伸び、配信がやや遅れそうになりつつ、リスナーに伝書鳩されたのは別の話。

 

 どうにかボイスはできたがマネージャーなんでそれでオッケー出したんだ……

 

 




絵師

もっちーもんもん

 名前の由来は子供が一番最初にぬいぐるみにつけた名前から。
 それ以前はmiyo(WIKI)
 主人公母、古平美代子その人。
 絵師人気格付けで殿堂入りを果たす自他ともに認める神絵師
 締め切りを一度も落としたことのないやべー人
 絵描きとゲーム以外はクソ雑魚で料理洗濯掃除は子か夫任せ
 息子とどうにか遊べないか考えた結果勝手にベア小町の絵柄に寄せてLIVE2D発注して叩きつける。
 現在はVも悪くないなと色々なVと遊んでいる。
 外見はjk。ブレザーの制服。

しゃんぱんさる

 現在27歳の顔だしもする人気絵師。
 締め切りをよくブッチしてソシャゲの周回と課金をする人
 JCJKJDJPと中学生から郵便配達員場でとにかく顔のいい女が好き。
 最近結婚を考えているらしいが条件がおかしく「現実見ろよ」と言われている人
 
 大晦日も更新できそうだったら更新します


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11.困ったら相談できる知識人がいると人生が少し楽

あけましておめでとうございます。

評価誤字報告ありがとうございます。

本話にはロリからショタになった男の娘後輩キャラが現れます。

このサイト男→女のTSはめっちゃいるけど女→男を見る割合が少なく受け入れられるか分からないので実質初投稿です(?)




 

 突然だがPCがお亡くなりになった。

 成人してから組んだPCなので度々メモリーの増設等をしていたり、CPUグリス確認したりしていたのだが、電源がお亡くなりになった。昔使ってた電源と入れ替えても無である。

 

 幸い、外部SSDにバックアップを取っているので消費したのは今日の3時間の切り抜き編集記録が消えただけである。

 こまめなバックアップ大事。

 昔、切り抜きを作りすぎてデスクトップにファイルを置きすぎて負荷が来たのかブール―アウトしてセーフモードにも行けずデータ丸おじゃんになったことがあったのでそれ以降は4時間に一回は成果物を外部記録媒体に保存するようにしている。

 

 まぁ、ソフトの入れ直しだとか大変ではあるが、PCは消耗品なので仕方ないという面もある。

 一日のうち19時間くらいは稼働しっぱなしだからむしろよくここまでもったなとさえ感じる。

 これを機にPCの見直しをしないとな、と考え今日の所はサブのイラストを描く用のPCで凌ぐことにした。

 ログインアカウントミスらないようにしないと身バレするから気を付けないと。

 まぁ、故障もある意味良い話題作りになっただろう

 

 

 〇

 

 

 リスナーに“n年前のフルスペかよ”と笑われたのでネットで予習…をするにはいささか時間が足りないので、急遽買いに行くことにした。

 

「雛ちゃんパイセン後輩使い荒くないっすか?」

「お前8年位前まで先輩を気軽に拉致ってただろうが」

「そりゃあ先輩ボッチだったじゃないですか!」

「ボッチじゃねーよ」

「一日違いで弟ちゃんたちとものの見事にはぐれてボッチ決めたのに何強がってんですか。冗談は先輩のお誕生日だけにしてくださいよ」

「エイプリルフールバカにしてんのかてめぇ」

「冗談すよ冗談。ライブ明けで暇だったから良いっすけど」

 

 パソコンを買いに行く際に拉致ったのは中学時代からの知り合いの後輩”加部美郷(かべみさと)”

 現役バリバリの声優で単独で代々木第一を満員にさせる人気声優兼歌手。

 そして女装好きの男子である。

 

「やー、良いんすよそんなパソコン選ぶの付き合うだけで着せ替え人形になってくれるなんて」

「誰も言ってねぇわボケ」

 

 本人曰く身長は女装するといい感じの162㎝のタッパをくねくねさせあふれ出るめんどくさいオーラが周囲の人間の比ではない。

 

「ま、先輩が釣れないのはいつものことなんでいいんですけど…マジでその恰好で行くんですか?」

「人気声優と街を歩って事がバレた時の〇春砲がこえぇんだよ」

「まぁ、先輩も僕とそんな背丈変わらないからあんま目立たないですけど…いささかもっさい感じ過ぎません?男装女装Cp作品でもろくに見ねえもっさり感が過ぎますよ。何ですかチェックシャツにGパンって。あの凶器(むね)どこに隠したんですか」

「いや、胸を小さくするブラってあんじゃん、アレつけてデカいサイズ切ればほぼほぼないわ」

「うっわ、この人えげつねぇ着やせするタイプだ、逆詐欺だ」

「なんじゃそりゃ」

 

 と、清楚スタイルのワンピースにニーソな加部に対して私はオタクチェックと馬鹿にされることで有名な赤のチェックの襟シャツにちょっと大きめのGパンに手提げスタイルである。

 一応、ウィッグも何となくかぶって襟足長めのクソニート感がすごい(小並感)

 

「はー、あんなえげつない美人がここまでダサくできる…?」

「素体は良いからな…秋葉原行くとワンチャン妹に間違えられてやべーのよ」

「あ…(察し)」

 

 人気声優と人気声優がオフに秋葉の町をあるって見ろ、即炎上だぞ。

 

 そんなことを言いながら後輩を拉致ってPCショップに向かった。

 

 

 〇

 

 

「で、配信するならインよりライおすすめするんすけど…予算は?」

「気にしない」

「よし、ライの9で。メモリも64GBとして…コレ行けるか…?確か行けたなグラボは…希望有ります?なければゲーム配信もできそうなつよつよにしますけど」

「それで」

「んー来月になればもっといいの出るんだけど…まぁ、今使ってるのよりはこれで34%は確実に上がるし…インターフェイスUR55でしたよねマイクこの前の配信でちょっと良くなってたから…プリ入れたんすか」

「いや、マイク一世代新しくした。先週出たから」

「はー、アレ良いっすよねー。先輩歌高音めっちゃ綺麗ですもんね、あの癖の方があってますわ」

 

 とまぁ、ほぼほぼ後輩任せでどんどん中身が決まっていく。

 後輩は機材沼で生きる変態なので現状を答えていくとなんかいい感じにパーツを選んでくれる。楽。

 機材沼はPCのみならず楽器関係にもつよつよである。

 この前は「PRSのストック買いに行くんで付き合ってください」と拉致られ。100万単位のギター弾いてた。

 私も試奏だけしたが音がよかった。思わず手が届く範囲の一本買ってしまった

 Sのダイアモンドシリーズ。

 あのヘッドが好き。

 音的にはJPシリーズも捨てがたいけど。

 

「じゃ、これで組みますか?組んでもらいますか?たぶんおんなじ構成の在庫あると思うんで店員に聞いてきますね」

 

 コレBTOの強みっすよねーとスタスタと店員のもとに行き在庫があると言うのでWIN10のインストールが終わっているものを購入。

 うちの事務所機材手当で3割負担してくれるので領収書を忘れない。

 仕事道具はケチるべからず。

 

 

 〇

 

 

「やーおごってもらちゃって悪いっすね」

「飯くらい気にすんな」

 

 近場の焼肉で飯を食って市街から少し離れたとこに置いといた車持ってきて後輩の家まで送る道すがら。

 

「にしてもなんやかんや着せ替え人形になってくれるとこ優しいっすよね」

「元々お前が俺に牡丹とグルになって女装させてたんだろうが」

「やー牡丹ちゃんもあんときすごく不安定な僕のためにいろいろ助けてくれたっすから」

「いや、俺を女装させていたに関してはあいつの趣味だ」

「半Aになった僕を嫌わずに先輩と一緒になって助けてくれたじゃないっすか“ありのままでいいじゃんか”って」

「自分らしく居られるならそれに越したことはないだろ」

 

 こいつとは高校を卒業してからもなんやかんや週に2,3回は連絡を取り合う仲が続いている。

 そして、こいつがまだ少し残るTS病の偏見を感じさせないのはこいつ自身も発症者だからである。

 

「その環境作ったのも先輩じゃないっすか。声優だったら自分であった自分じゃない存在になれるって」

「そこに俺まで引きずりこんだの解せないがな」

「どこの世界に男の娘歴半年のクソ雑魚美少年をだまして声優養成所の試験に叩き込む人がいるんですかって話ですよ。初めて外部アタッチメントからエネルギーこぼれそうになりましたもん」

「お前の親の事務所だと更にメンドクセエだろうが。子役上がりなんだし実際余裕だったろ」

「そうっすよ、それっすよ。未だに親父からなんでうちの事務所入らなかったん?って実家帰るたびに言われるんですから」

「まぁ、獅子は崖に落とすもんだろ」

「いや、あんたトラやろ」

 

 なんやかんやあってこいつは声優になって、私はこいつによく現場に拉致られ台本読みを手伝わされて気が付けばフリーの声優になって、こいつの親父のいる事務所”大月プロ”に所属することになった。

 

「あ、こないだのボイスの原稿お前の奥さんに原稿任せりゃよかったな」

「ん、そんなもん任せたらエゲツないイケメンムーブさせられますよ?」

「それも一つの手だったな、と」

「ワンチャンあのクソガキショタとお兄ちゃんムーブよりは良かったかもしれませんけど…」

「いや、なんで聞いてんだよ」

「彩がリビングで大音量で流してたんですもん…と。今日はありがとうございました」

「あー。今日は助かった。彩ちゃんには抑えるように言ってくれ」

「そりゃ無理な相談ですね。あいつ先輩信者ですから」

「あの出会いは不幸だったな」

「ですね…と、じゃ、またなんかあったら呼んでください。手伝いますんで」

「お前の方もなんかあったら言えよ」

 

 そんなこんなで無事新PCを手に入れた。

 早く切り抜きを作らねば。

 

 




声優
 加部美郷(かべみさと)
 主人公一歳下の後輩。
 なんやかんやこの業界に入ることになった元凶。
 歌唱力は主人公を超えており、武道館も遠くない音楽つよつよ声優。
 パソコンは男になってから初めて恋をした相手に振り向いてもらうべく必死に覚えた結果沼に落ちる。
 汚い高音と呼ばれる叫びの多いショタキャラに起用されることの多いノリツッコミキャラ。
 既婚者。
 妻との出会いは高校の文芸部の展示物の美郷×雛菊と言う業の深いBL本を描いた張本人と顔を合わせて一目ぼれから。

 普段は垢ぬけたイケメンフェイスの中性的な美男。
 女装の6割5分は妻の采配。


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12.KVS公式ラジオにて

評価・誤字報告ありがとうございます。

感想より多い誤字報告に「Oh…」と思わず口から出ました。
今後もお願いします。

今回もまた登場キャラが2名…


 

「皆さん、今日も己のバスターソード磨いてますか?KVS二期生のノールド・アッカーンと」

「KVS三期生のサァバ・オイッシーノが送りますインターネットラジオ文明放送で毎週木曜の16時から1時間お送りする“輝けバーチャル放送局”です。今月11月からはこの異世界出身の僕ら二人が担当させていただきます」

「本日は大人気過ぎて隔週企画になった大型企画“みんなの音源”をお送りします」

「では、その前にふつおたからです」

 

 千葉県在住の童貞を守れないやつに何が守れるさん

 

 ノールドさん、鯖こんきらー

 いつも楽しく配信を聞かせていただいてます

 僕は最近てぇてぇの波動が強すぎて死にそうな時があります

 それは“ダブらん”の配信を聞いているときです

 NLBLGLを二人だけで完全に行っているおかげで関係値の変動に対しても二人の絶妙なじれったい距離感を感じるからです

 そんなてぇてぇの波動の渦の中に男女どちらの声も出せる熊公を投入したら僕はいったいどうなってしまうのでしょうかぜひ運営の力で実現してほしいです

 

「はい、と言うことでダブらんの中に熊先輩を叩き込みたいと言うお便りです」

「これは俺のバスターソードが唸りますね」

「バスターソードにすれば下ネタが回避できると思うなよ?オンエアーだと全部【ピー】でかぶせるから…やっぱプロの音響さんがピー音入れると綺麗に入りますね。すごい」

 

「大体編集だと思うけどアレだな、生放送でもいい感じに【ピー】入れるのすごいわ……お【ピー】!」

 

「はい、音響さん要らない仕事させてすみません。ここだけ良い感じにカットできます?……できる?やったね」

 

「たぶん構成作家の水鍋さんだから絶対これ放送に入れるぞ。鷺【ピー】のラジオで見た」

「同局内の番組だからってスポンサー関係複雑だからやめようね?」

 

「と言うことで熊先輩です。あの人一期生のメンバーに気づかれないレベルで女声出せるらしいし、めっちゃクオリティー高いらしいんですよぜひ聞きたい」

「確かに商業レベルの声出てくるらしいですね。しかも総受けと言うか総攻めですから全方位にたらしをまき散らしますよあの人」

「いや、だが一期生オフの後の配信後だと全力で悶えていたので顔の皮が厚いだけとみた。押しに弱いぞ」

「推しと押しを掛けた弱点4倍ですね。これは気になってきました。熊先輩も順次後輩たちとコラボしていくらしいのでもしかしたら、ダブらんのお二人と絡みがあるかもしれません。本人は”百合と薔薇の間に挟まるつもりはないそんな奴絶対殺したるランサー”と言う場合もあるので深く期待はしないでください。僕からも運営に言ってみます」

「圧がすごい。次のお便りです」

 

 長野県在住のここには百合の花が咲きます、大切に育てましょうさん

 

 パーソナリティーのお二人こんきらー

 季節もすっかり秋から冬になってきました

 私はおいしい食べ物をたくさん食べたので脂肪がたまり寒さが去年より緩和されているように感じます

 ノッちんは普段から自炊すると配信で言っていましたが、得意料理はありますか?

 また、鯖にも聞いてみたいです

 どんどん寒くなっていくので体調管理には気を付けてお過ごしください

 

「うん、普通これが一枚目だよね、無難だもん。こんな感じだからKVSは重いコンテンツを先に使いたがるって言われるんだよ」

「KVS伝統芸能だから」

 

「そうだね。えーと僕は住んでいるところが防音関係を気にしまくった結果キッチンの狭い賃貸なので普段はお弁当ばっかだね」

「俺は基本冷蔵庫のモノとその時食べたいもの買って適当に味付けて食ってるだけだから得意料理と言われて答えられるものがそんなにないな」

「じゃ、いつも同じ味に作れるものは?」

「肉じゃが」

「めっちゃ女子力高い!筋肉バキバキ金髪マッチョなのに!」

「いや、一人暮らしするときに親に最低限くらいは料理する習慣付けないと社会人になって金がたまらないって言われて一番最初に覚えこまされたのが肉じゃが」

「じゃあ肉じゃがじゃん」

「だけど実家の肉じゃがの方が旨いからなんか得意料理って言えないんだよな」

「うわ、なんかめっちゃ普段から料理やってそうな人の発言」

「いや、やってんのよ俺は」

 

「そうだ、また熊先輩の話になるんだけど」

「ほう」

「あの人さりげなくチョロいからよくマネージャーに騙されて誰も不幸にならない小規模ドッキリやってんのよ」

「何それ初耳なんだけど」

「先週の収録後めっちゃケーキ配られたじゃん?」

「あのめっちゃうまいケーキな。しかも多かったから一人2個配られたやつ」

「あれ、片方熊先輩の手作りケーキなんだよ」

「ふぁ!?」

 

「企画で”Vが作ったケーキはどっち!”って企画が一瞬あったんだけど、先輩の負担が多いからお流れになったはずだったんだけど、まぁ、うちのマネージャーが連絡忘れちゃって送られてきて、俺らのおなかが幸せになったって話なんですけど」

「いやいやいや、あのクオリティーで!?お店レベルだぞオイ!今日収録終わった後に先週食べたヤツどこのケーキだったんか聞こうと思ってたのに!」

 

「ちなみに先輩がベリーがめっちゃ乗ってたミニタルトの方な」

「僕的にめっちゃ好みだったほう!?」

「渡された当初はどっちがどっちか分からなかったから電話して聞いたら『あ、そうなんだ無駄にはならなかったみたいでよかったー。正解の電話待ちだったんだけどベリータルトの方』って言ってて企画は無かったんですって言っても『クリエイターの腹の足しになったなら満足』って言われた。マジ聖人」

「うっわ熊先輩に後でお礼言っとかなきゃ」

 

「と言うことで、4割くらい熊先輩の話になっちゃったけどココからは一般人からVtuberまで誰でも応募オッケーなお題に沿った音源を応募してもらいその中からスタッフの独断と偏見で決めた音源を紹介させていただきます。今回の応募は“59件”。多い。これで一本番組作れちゃいますね」

「前回は三桁越えしたから募集期間狭くしたのにな」

「ちなみに選ばれなかったものの中から僕らが選んでKVS公式チャンネルでいくつか紹介させてもらうんでこれからも応募待ってまーす」

「今日のテーマは【KVSがアニメ化したら流れそうな音源】です。さっそく行ってみましょうまず最初の音源は“酒を飲んで覚醒したときに流れる曲”……ナニコレ」

 

 

 〇

 

 

「なんかめちゃくちゃ気合の入ってるBGMから風景の想像できるキャラソン感あるものまでありました」

「この番組のリスナーの謎の技術が怖い。何ですか”バスターソード折ってアッカーン状況になった時に流れる曲”って」

「投稿主にメールで確認して許可が取れれば使っていきたいと思います」

「いや、使うんかい。っと、次で最後の音源ですね。……なんか音響監督がめっちゃにやにやしてる。え、原稿交換?」

「えっと、来週からこの番組のOPがこれになります??」

「そんなヤバいの来てるんですk―――オイ、スタッフゥ!ガチの声優さん来ちゃってますよ?!これ正式な応募?正気ですか!?」

「えーと、声優の大越夕莉(おおこしゆうり)さん…バチバチの人気声優ですね」

「応募動機は“最近熊公の配信にハマり、このラジオ存在を知ったので、近くに居た収録現場のメンバーで作りました”しかも一人じゃないんですか⁉」

「声優大好きのパオに闇討ちされそうな雰囲気出てきたな。とりあえずどうぞ」

 

 

 〇

 

 

「――――語彙力消えるわこんなの」

「さらに追加の情報。今ここにいるスタッフの6割が収録現場におりノリノリで収録を行い、ガチの音楽作ってる人に編曲お願いしたそうです」

「大越夕莉さんとしかもこれ小渕猪里(おぶち いのり)さんまでいらっしゃるじゃないですか、ナニコレ」

「編曲は鯖の楽曲も作詞作曲をしたこれまた声優の原田鉄さんです」

「どうりで僕が好きな要素まみれてる訳だ。僕原田さん信者なんで」

「人気声優が収録後の謎テンションで作る楽曲ではないことは確か。ただめっちゃいい曲」

 

「こんなことするからこのコーナー謎に人気になってくんだよぅ!」

 

「と言うことで本日はここまでとなります。アフタートークがこの配信後にHiTUBEで投稿されるので是非確認お願いします。たぶんこの勢いだといつもの30分は軽くに超えるので結構長めになると思います。それではよい夜を」

 

 

 

 




KVS二期生
 ノールド・アッカーン
 下ネタフラットな危険と無難が入り混じったやべー奴。
 名前は絵師さんが二日酔いしてる時に考えたらしい。
 姿は金髪のゴリゴリマッチョで正装にマント。目つきがちょっと悪い。

KVS三期制
 サァバ・オイッシーノ
 名前決めの打ち合わせをファミレスで行っていたため起こった悲劇とのこと。
 割とハイテンションな若干怪しい敬語キャラ。
 ズボンにシャツインしてる七三眼鏡。

主人公妹
 古平牡丹(芸名:小渕猪里)
 声フェチ・手フェチ・匂いフェチの面食いと性癖拗らせガール。
 現場入りすると高確率で限界化して5分ほど使い物にならない。
 黒髪ロングヘア―の清楚面。
 我が強いが面倒見がよい。
 兄妹で声優をやっていることは世間に公開されていない。

 弟
 古平夕莉(芸名:大越夕莉)
 身長180㎝の長身でクール系のイケメン。
 家族大好き人間。
 自分のパーソナルスペースに他人絶対入れたくないマン。
 仕事関係の付き合いはボチボチ。
 コミュニケーションは取れるが疲れるので積極的には行わない擬態系コミュ障。

 そろそろ何となく世界観出来てきたので主人公への攻撃を始めようと思います
 
 


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13.5期生オーディション

 評価、感想、誤字訂正ありがとうございます。

 もはや誤字訂正報告機能の練習場か誤字報告RTA会場になりつつあって震えているので初投稿です。

 ちなみに最速は公開から5分でした。

 まさかの報告数が感想の5倍です。

 主人公に攻撃と言ったな、それは次回だ。
 とりあえず面合わせて絡ませる下準備しなきゃ、と思ったらまた登場人物増えてた。

 正直すまんかったと思ってる。


 KVS5期生の募集が始まり早6週間。

 11月も終わろうとしている25日。ついに20名の中から最終選考を行い5名のKVS5期生が決まろうとしていた。

 

 その最終選考をKVS配信者が別室モニターで視聴していた。

 

「おうおうおう、みんな声良いな…」

「特技もエゲツない配信映えするやついっぱいいるんだが……」

 

 この場には運営から“合格者にサプライズしたいので来れる人は来てください。後タレントの意見も聞きたいです”とのメッセージが来たので都合のついたメンバーが数名訪れていた。

 

「今回もこれやるの?ホント心臓持たないよ」

「それなー。四期生の時は二期生のおめでとうムービー見せかけたKVSオールスターの祝福コメだったもんな…」

 

 現在この場には二期生三期生四期生の計6名が来ていた。

 二期生から城下パーマと百敷モモ

 三期生から千寿鈴蘭と紅葉

 四期生から九蘭ちとせとジルコパ・オッセイ

 

 何れも登録者数最低25万人を超えてる人気配信者である。

 

「しかしながら一期生の皆さんがいないのは残念ですね」

「いやたぶん一期生が全力でドッキリするフラグだと思う」

「そんな馬鹿な。そんなことしたら5番の熊先輩大好きっ子死ぬで」

「8番の女王の椅子になりたい子も死にますね」

 

 ドッキリしかけるの大好きな犬耳ショタの紅葉と見た目パッション決めてるのに言動クールな百敷モモがドッキリの予想を始める。

 

「今の11番の子のドS風私好きだな」

「絶対上から圧掛けたらあの子折れるよ?」

「それが良いんだけどな…声がいいからリアクション楽しそう」

「ちーちゃんやっぱ怖い…」

 

 KVS真のドS女王と名高い九蘭ちとせと鋼メンタル千寿鈴蘭が不穏な空気を流す。

 

「あ、アレゲーム声優だ、2年くらい前に聞いたことあるわ」

「声豚コワ」

「私の心のパオンが叫んでんだよ…」

「自重しようや」

 

 声豚ジルコパ・オッセイとわかめヘッドの似非イケメン。

 彼らも高倍率のKVSオーディションを勝ち抜いたものたちであるが故非常にキャラが濃く、オーデション会場の2.3倍くらいの濃度を出していた。

 

 

 〇

 

 

 受験者が20名持ち時間30分の試験が若干の時間オーバーをしながら終了をした。

 ランダムにABCDグループに分け休憩時間を取りながら計2時間35分と言う結果となった。

 

「別室待機とは言われたけど…後どれだけ時間がかかるんだろう。具現体の配信には帰りたいんだけど…」

「にしても待機少なくね?」

「あ、アバ、アババババ」

「一人バグ起こしてるし、一人角で読書してるし……」

 

 おおよそ30帖ほどのカーテンによる仕切りが二つ分かれてる部屋に7人の男女が待機していた。

 

「こちらにお入りください」

 

 そう言ってスーツ姿の女性と一人の少女が入室してきた。

 少女が近くの席に案内され着席を確認したところで、スーツ姿の女性がまっすぐ待機している受験生5名を見据えたものだから皆の背筋がスッと伸びた。

 

 彼女がポケットから何か取り出したかと思えば甲高い音と火薬のにおいと金色のリボンが飛び散った。

 

「ここにいる5名の皆さま合格おめでとうございます」

 

 大声を出して驚く9番

 ぽかんとした顔の16番

 そんなこったろうと思ったと言わんばかりの5番

 バグりから機能停止した2番

 泣き始める19番

 

 5名それぞれの違ったリアクションで合格を知る。

 

「いやいや、普通後日郵便とかメールで結果発表がベターじゃないですか!?当日発表とかマジで言ってます!?」

「この待たせてドーンするのがこの事務所の方式で一期生の時からずっと変わりません」

「これでもやし生活から解放されるよぅ……」

「バグ女子そんなヤバい状況だったの⁉どおりでめっちゃ旨そうに弁当食べてると思ったけど!」

 

 

 皆が驚く中16番の女性がスーツ姿の女性に一つの疑問を投げかける

 

「あ、あの、この場に8人いるんですが5人って一体どういうことなんでしょうか」

「後ろに座ってる3人は弊社の真の最終試験官です」

「ふぁ!?」

 

「うそです」

 

「 」

 

「百聞は一見に如かずと言いますし見るのが判りやすいでしょう。皆さん準備をお願いします」

 

「うーい」

「ドッキリする側と言うのも楽しいわね」

「私の同期メンタル強すぎぃ…」

 

 そう言って3人の男女はカーテンの奥へと入っていった。

 

「え、あ?」

「…嘘やん」

「っど、どどどどどどどいゆうこと」

「予想が当たったら僕は確実に死ぬ」

 

 その姿に完全に予想が付いた合格者たちは入り口の反対にあるカーテンをジッとを見つめる。

 

「こちら準備オッケー」

 

 2分としないうちにカーテンの奥から声が聞こえ、内側から別のスーツ姿の女性がカーテンを開いてゆく。

 

 そこにはプロジェクターで移された3人のこの場の全員が知る配信者の姿があった。

 

「ってことで、俺たちKVS一期生!この日のために一曲練習してきたから聞いてってくれよな!」

「曲は熊がノリノリで作ってたわ」

「私たちから送る5期生へ歓迎の歌です」

 

 そう言って画面の向こうでは3人が楽器の演奏を始める。

 3名とも2週間前の配信で楽器の演奏ができると判明したばかりのメンツである。

 

 ギターが居ないままイントロが流れ始める。

 

 BPM126とアップテンポなドラムとベースの格好の良いリズムに心を奪われ、シンセサイザのメカニカルな音に体を動かし始め、

 

 

 ―――背後から襲うギターの歪に言葉を失った。

 

 

 〇

 

 

「完全に5期生言葉失っとるやん」

「そりゃ、そうよ」

 

 歌が終わると同時に聞きなれた声が聞こえてくる。

 

「ま、俺らも声どっか落としたんだけど…さっき先輩方カーテンから入ってきたときちょっと過呼吸になったもん」

「熊パイセン、それは初見殺し過ぎる」

『いやー5期生のリアクション助かったわ』

「この先輩何でも助かってるから実質最強よね」

「いや、その前に熊公こっち来い」

『はいはーい』

 

 今回のドッキリとしては一期生突然襲来ドッキリである。

 なんか鵜杉さんと松田さんを筆頭に部署内で今回はどんな迎え方をするかめちゃくちゃ盛り上がった結果、一期生バンドを組むという流れになった。

 

『あー、液晶の中の方が落ち着くわー』

「このネタのために武将と佳乃にネタ配信させる辺りスタッフも本気よね」

『おかげで今こっちの裏に居るマネージャー所属タレントの限界化に興奮して悶絶してるんだわ』

「身内ドッキリ、大成功…?」

「大成功だろ。これはアレだ、なんか楽しいわ」

 

 

「KVSあったけぇってレベルじゃないんですが…」

 

 

 ぼそっと2番が零した言葉に他全員の合格者が首を激しく降っていた。

 

 

「コレ現実ですか……推しがおる…この空間に…あれ、さっき推しと会話してなかったか僕、どんな態度だったっけ、あれ、さっきのハイテンションで記憶がどっかとんだ…円盤、コレ円盤になりませんか繰り返し何度も見たい…」

 

 

 なんか一番5番がこの場の誰よりも限界化していた。

 

 

 

 




二期生
 百敷モモ
 外見パリピ金髪ギャル。ただし言動はクッソクールなお姉ちゃんキャラ。
 ファンはよくバブる。
 KVS配信者内で一番格闘ゲームが上手い。

三期生
 千寿鈴蘭
 黒髪ロング貧乳のたれ目の自身のなさそうな少女
 ダブらんの片割れ。愛称はみゅー(鈴蘭のフランス語ミュゲから)
 ちなみに鈴蘭の花言葉は“再び幸せが訪れる””純潔”
 蘭と言う漢字に使われている門の意味は“閉じ込める”
 深い意味はない

四期生

 九蘭ちとせ
 ドSの銀髪眼帯巨乳陰陽師。通称KVSの真のドS女王。
 ダブらんの片割れ。
 洋蘭の一種デンドロビウムの花言葉は“我儘な美人”“お似合いの二人”“有能”
 大アルカナのタロットカードの9は真実の探求を意味しているとか。
 深い意味はない
 

 ジルコパ・オッセイ
 声豚


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14.突然の

誤字脱字報告、評価、感想、ありがとうございます。

安定の誤字報告数が感想の3倍‥‥気を付けてはいるのですが、勢いで書き上げているので…皆様には大変お世話になっております。

14話書いてて登場人物がどんどん増えてるから書き分けの特徴無くて読みずらいんですよね…すみません。

とりあえず、主人公にジャブ打ってみました(薬品ではない)


 

 チープなよくある物語の展開の定番、“一目ぼれ”と言うものをご存じだろうか。

 物語の導入には多用しても展開が読みやすく余計な不安と言うものが減り、物語をより楽しむ手法の一つだと思っている。

 

 私の恋愛観として、一目惚れと言うものは正直ないと思う。

 身内から親戚類まで顔が良い、性格が良いとそんな人間に囲まれてきたし、実際に学生の頃から芸能文化に足を踏み入れている身だ。

 目は肥えてるが故に、私も妹と同じ面食いと言うジャンルに含まれるのだと思う。

 だが、24年間の人生の中でそんな状況に陥ったことがないのだ。

 

 遠回りに見たら、他人にモノすっごい興味がないというのかもしれない。

 

 かといって自分好き好き大好き愛してる、と言う訳でもない。

 

 ただ、私の恋愛観として好きになっていくものはずっと自分と寄り添っていくものを自然と好きになっていくだけなのだ。

 

 母親がイラストレーターでゲーム好きだから、絵を描くこともゲームも好きになった。

 父親がアーティストだからギターが好きになった。

 弟妹が、声優にハマったから、気になって、済崩し的に後輩と声優になって、この仕事が好きになった。

 

 ようは自分と切っても切り離せないような存在にならないと好きだと言えない。言いたくないのだ。

 

 簡単に言えば恋は落ちるものではなく、沼に全身浸かった状態で抜け出せなくなる類。

 それ故に、身元がしっかりしているとか、絶対に逃げられない状況にしてからじゃないと関わりたくないのだ。

 正直関係性が壊れた瞬間に心も壊れる自信がある。

 

 そう思っている私なので、

 

「あなたに一目ぼれしました! どうかお友達からお願いします!」

「はぁ」

 

 クソ真面目に正面からくる人間にどう対処していいのかわからない。

 

 このスーツ姿で花束を持っているこの男を、どうすればいいのか分からなかった。

 

 

 〇

 

【KVSでもっと絡んで! テェテニウム不足してます!】

 

『はい、こちらのクッキーです。んー、てぇてぇの中に自分が含まれるとか想像ができないんだわ』

 

・…What?

・箱で関係性があるだけでてぇてぇんですが

・お前の存在が尊いんだよ(\1010-)

・十数億分の一がお前だからそれだけでてぇてぇ

 

『なんか俺ら全肯定過ぎん……?』

 

・自分のことは好きじゃないが具現体は好き

・具現体はご神体なんで

・そりゃ祀らせてもろて

 

『……いつから俺祀られてたん?』

 

・偶像やんけ

・アベンジャー的な信念の集合体の結果が俺らな訳で

・合法的に推しにワイらの感情叩き込めんのは神しかおらんて(\510-)

・神×推し=てぇてぇ

 

『なんかもうわけわかんね』

 

・俺らの癖に哲学ってるぞこいつ

・俺らにも中二、合ったじゃろ

・中学二年、ネット、ニーチェ…う、頭が‥

・逆に熊は何がてぇてぇ思うん?

 

『感情と感情がぶつかる瞬間、個を感じる時』

 

・ふかぁ…

・わかる

・存在が確立されたとき、つまり具現体は確立されている…つまりてぇてぇ…?

・その理論でワイは鉛筆と消しゴムすらてぇてぇぞ

 

『そうなるじゃん? でもよく考えてみ、自分自身が推しと絡んでそれはてぇてぇなのか』

 

・あっ…(察し)

・てぇてくない

・一生壁で居させてもろて

・観賞植物になって眺めてたい

・空気になっててぇて二ウムを摂取したい

 

『そう、てぇてくないのだよ。壁で居たい』

 

・まぁ、具現体とワイらはまた別の個ではありますしおすし

・てぇてぇは勝手に俺らが感じるものなのでいつも通りでどうぞ

・はしゃいでる姿も考える姿も掛替えのないものなんやで

・もっと自我を出してもろて

 

『た、確かにてぇてぇは意図的に出るものではなく勝手に発生し勝手にこちら側が受けってるだけなんだよな……』

 

・ようやく理解したか(\10000-)

・はよよこせ(\5000-)

・お?理解したか(\2500-)+城下パーマch

・勉強代になったわ(\10100-)

・俺らってやつは…ホント…(\4545-)

 

『やめい、スパやめい、なんで俺がお金でわからされた風になってんの?! んー明日の配信にしようとしたけどいいや、KVSのメンバー15人+マネで焼肉行った話するわ。そん時の費用として運営に投げます』

 

・わかってんじゃねえか!(\50000-)

・求めてるもんようわかっとる(\10000-)

・そういうのでいいんだよ、そういうので(\500-)

・ハラミ代(\960-)

・KVS交際費(\20000-)

 

『いや、投げスギィ!』

 

 

 

 〇

 

 

 

 てぇてぇどころか、自分が恋愛対象に入っていることすらよくわかんないTS歴2ヶ月半児は絶賛混乱しているのである。

 

「では、~私を彼氏にするとどんなことがあるのか~のプレゼンを始めます」

 

「いや恐怖」

 

 混乱している間に半個室のチェーン店で茶を取ることに。

 

「……そうですね、先走りすぎました。見知らぬ大男に半誘拐で一緒にお茶ですから恐怖を感じて当然だと思います。たぶんA〇の撮影もこんな流れで持ち去られると思うので十分ご注意を」

「初対面相手に堂々と下ネタ言いますか普通」

「すみません。思ったことを口から垂れ流してしまうものでして」

「はぁ」

 

 私に突然告白と言うか友達になってください宣言してきたスーツ男は、まぁ、見てくれは悪くなく、清潔感がある。

 ただ表情が薄く少し目つきが悪い。

 

「先ほどお声かけさせて頂いた喫茶店で一週間ほど前に見て以来あなたのことが頭から離れず、行動が先走りました。あ、これ身分証です。不快になったら容赦なく通報してください」

「何さらっと覚悟完了してるのこの人」

 

 さらっと、大男はカバンから免許証と保険証、名刺を懐から取り出す。

 ……情報量が多い。

 とりあえず不安なので写真を撮っておく。

 念のためにクラウドにも保存しておく。

 

「容赦のない感じ。たまりません」

「こわ」

 

 表情はほぼ変わらないのにちょっと声が上ずって怖い。

 

「名前も確認していただけたと言うことで、自分は織田一心と申します。健康保険証にある通り、サラリーマンです。ただ職種としては芸能の声優をしています。芸名は織田和春、株式会社showIamと言う芸能事務所です」

 

「さらっとプレゼンに入ったこの人」

 

「声優と言う人気商売ですが、ありがたいことにそれなりの知名度を頂いてます。貯金もそれなりに蓄えているので、ひもじい思いをさせることは無いかと思います。万が一の場合でも事務員や力仕事の土木業でも働けるよう資格は各種取得していますので。大型のトラックドライバー、タクシー運転手も行けます」

 

 ……さりげなくこの人二輪以外運転免許フルコンしてる。

 

「稼ぐことには困りません。性格面、行動、理念等につきましては友人として、たまに遊んで、話等をさせていただき次第に理解していただければ、と思います」

 

「は、はぁ……」

 

「一方的に突っ走ってすみません。非常に緊張しているものですから。その、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」

 

「……こういうものです」

 

 なんか根負けしてとりあえず声優名義の名刺をカバンから取り出し大男、織田に渡した。

 

「原田鉄さn――すみません。ササ僕からの大ファンです。サイン頂いてもよろしいでしょうか」

 

 薄い表情が目に見えて喜びをあらわにする……若干の表情の動きだが。

 先ほどから色々とカバンから出てきているがこいつのカバンはどうなっているんだ……?

 

 そして、さらっと出してきたのは私が後輩に拉致られ出演した初めて名前のあるキャラをやった作品“叫び囁く僕と君”ノベルゲームの略称である。

 裏ボスが私のキャラだった。

 

 一瞬で出てくるあたりそれなりに、ファンをしてもらっているのだろうか。

 

 思わずサインをしてしまったが。

 

「……私の直感が推しを探り当てたのかもしれませんが、それ以上にその瞬間のあなたの姿に見惚れたのは確かです」

 

「恥ずかしげもなくよく口が回りますね」

「嘘は付きたくありませんので」

 

 

 なんか、気まずい空気となり、2分ほど無音の空間を彼の電話が破り、此方から声をかけたのにこの後仕事があるので、と言うのでその場で解散となった。

 

「連絡をさせていただきます。なんでもいいので声をかけていただけると嬉しいです」

 

 そう言って深々と頭を下げて去っていった。

 

 

 これは、いったいどう状況なんだ…?

 

 

「あ、伝票もってかれた」

 

 

 冷静になるために口にした紅茶の飲み終わる頃には会計はとうに済まされていた。

 

 

 ShowIam……よりによって妹と弟のいる事務所か……。

 まぁ、人となりは聞けるかもしれないが。

 そんなことを二人に言った瞬間どうなるかは分かったものではないが。

 とりあえず、嫌悪感は感じない類の人ではあった。

 

 さりげなく先ほどの喫茶店で買い忘れたケーキを買いに戻り、店員に好奇心の目で見られたが、そっとスルーした。

 

 しばらくあの店寄れないな。

 

 ちょっとしょぼくれながら自宅へ帰った。




声優
 
 織田一心(芸名:織田和春)
 長身の目つき悪いイケメン。
 将来惚れた相手がどこら辺が琴線に触れるか分からないので、いろいろな趣味と知識を持つ。
 声優としては、そのシーズンアニメに2作品ほど大体名前があるやべー奴。
 ゲームの方洋ゲーの吹き替えなんかもよくやっている。
 一言でまとめるなら”一途なやべー奴”

 
 
 主人公の好感度グラフ(仮)

 突然花束を渡される -100
 身分判明する    +5
 声がいい      +25
 顔が良い      +5
 素直        +20
 ファン       +25
 不快ではない    +30
 弟妹の同僚     +35


 妹に教えてもらったケーキ屋に寄りずらくなった -100
 人気声優はパパラッチ怖い -150

 計-205

 まだまだ先は長いようです。
 
 
 次は百合の間に突っ込まれそうになるがどうにか回避しようとするが逃げられない
 Vの方の話の予定

 主人公を混乱の海に落とさなきゃ…(使命感)
 


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