虹が咲き、白が交ざる (水甲)
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一期
01 私の始まり


私が……この場所に立ったのは、あの日、あの時、彼女の姿を見たからだ。

 

彼女の歌声は力強く、聞いてる人が熱くなる。

 

私もあんな風に歌えたら……でも………………

 

 

 

 

 

 

 

たまたま立ち寄った優木せつ菜ちゃんのライブ……終わったあと、私はそのまま動けないでいた。

 

「あれ?未唯?」

 

「未唯ちゃんも来てたの」

 

「侑さん、歩夢さん」

 

あまりの感動で動けないでいた私に声をかけてきたのは幼馴染の高咲侑さんと上原歩夢さんだった。二人も遊びに来てたんだ

 

「もう!相変わらずさん付けして~昔みたいに……」

 

「あ、あれは……その……恥ずかしいし……それに歩夢さんに失礼だから」

 

「あはは……でも私は気にしてないよ。未唯ちゃんにそう呼ばれるの好きだから」

 

それでもやっぱり遠慮しちゃうな~

 

「それで二人もさっきのライブ見たの?」

 

「うん!凄かった!」

 

「それでね。さっきの優木せつ菜ちゃん……虹ヶ咲にいるみたいなの」

 

「そうなの!?」

 

知らなかった……と言うか世間は狭い。

 

「会ってみたい」

 

一発でファンになってしまった。でも会ってなんて話したら……

 

「ねぇ、未唯はこのあと暇だったりする?」

 

「えっ?」

 

「久しぶりに髪いじりたいからさ」

 

「あ、私も」

 

「その……うん」

 

幼馴染二人にちょくちょく髪を弄られるけど、私はそれを嫌だって思わない。何と言うか……その時間が好きだからかな?

 

 

 

 

 

侑さんの家で二人に髪を弄ってもらい、サイドテールにしてもらった。

 

「未唯可愛いよ」

 

「うん!未唯ちゃん、どんな髪型も似合う」

 

「ありがとう」

 

二人にそんなことを言われたらうれしい気持ちでいっぱいになる。

 

「明日の朝やってあげるね」

 

「いいの!」

 

「それじゃ明日の朝、待ち合わせね」

 

「うん!」

 

一緒に学校に行くことを約束して、私はうれしい気持ちいっぱいで家に帰るのであった。

 

 

 

その日の深夜、私はせつ菜ちゃんのライブ映像を見返していた

やっぱり格好いい……私もこんな風になれたら……でも……

 

「私なんかじゃ……無理だよね」

 

ステージで踊る自分を想像できない…………

 

「侑さんと歩夢さん……同好会に入るのかな?」

 

だとしたら……私はどうしよう?

 

そんなことを考えながら眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

朝になり、マンションの前で二人を待っていると歩夢さんが少し眠そうにしながらやって来た。

 

「おはよう。未唯ちゃん」

 

「歩夢さん、おはよう。眠そうだね」

 

「うん、ちょっとね」

 

歩夢さんが眠そうにしているの珍しい…………

 

「侑ちゃん来る前に……髪の毛しちゃおうか」

 

「うん!」

 

私は歩夢さんに髪を弄ってもらい……

 

「どんな髪型がいい?」

 

「えっと……歩夢さんと同じで……」

 

「私と?」

 

「うん!その……お揃いにしたくって……」

 

「そっか、それじゃ……」

 

歩夢さんとお揃いの髪型にしてもらいつつ、侑さんを待っていると……

暫くして侑さんがやって来たけど、侑さんは凄く眠そうだった。

 

「おはよ~」

 

「侑ちゃん、もしかして……」

 

「うん!ずっとスクールアイドルの動画を見てて……」

 

「大丈夫?」

 

「うん!さぁ!早く行こう!」

 

侑さん……元気だな~

 

「あ、そうだ!未唯」

 

「何?」

 

「歩夢とお揃いで可愛いよ」

 

笑顔でそう言われて、何だかドキッとした。

何と言うか侑さん……無自覚でそう言うこといって…………

 

「未唯ちゃん、顔赤いけど……大丈夫?」

 

「うん……歩夢さんは大丈夫?」

 

「えっと……何が?」

 

歩夢さんは気づいてないのかもしくは気にしてないのかな?

とりあえず侑さんはその無自覚のタラシを直した方がいいと思いつつ、一緒に学校へと向かうのであった。

 

 




めったにやらないキャラ紹介

高柳未唯(たかやなぎみい)

16歳

155㎝

髪色 白

せつ菜と同じくらいの長さ

侑と歩夢の1個下の幼馴染

二人に誘われてスクールアイドル同好会に入る。
スクールアイドルをやらないかと言われるが、恥ずかしがって断り、裏方に回る。

幼馴染二人によく髪を弄ってもらい、それが嬉しかったりしている。



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02 ここから始めよう

お昼休み、お弁当を食べながらあることを思い出した。そう言えば同好会に入部していた子いた気がする……名前は確か…………

 

「えっと……かす……何だっけ?」

 

特別知り合いと言う訳じゃないから……名前を覚えてない

 

ちょっと探してみようかな?

 

 

 

 

いくつかの教室を訪れたけど、例の同好会の子は見つからなかった。どうしたものか……

 

「後で二人に話してみようかな?」

 

多分侑さんはせつ菜さんに会いたいだろうし……

 

 

 

そんなこんなで放課後になり、侑さんと歩夢さんが待っている場所に来ると、既に二人とも来ていた。

 

「お待たせ」

 

「そんなに待ってないよ」

 

「それにしても未唯が結構乗り気なんて」

 

「そう?」

 

「うん、子供の頃に戻ったみたい」

 

「そっか……」

 

こうして三人で何かするの本当に久しぶりで、嬉しい気持ちでいっぱいだ

 

「それじゃ!同好会の部室を探してみよう!」

 

「侑ちゃん本当にやるんだね」

 

「歩夢さんは嫌なの?」

 

「えっと……まぁ……」

 

でも確かに侑さんと歩夢さんは二年生だからそろそろ予備校とかに通ったりを考える時期だもんね

 

でも侑さんは乗り気みたいだし……止めることは無理そうかな?

 

 

 

 

 

 

 

暫く探し回ったけど、見つからなかった。それにしても流し素麺同好会って……虹ヶ咲って本当に自由な校風だな~

だからこそこの学校を選んだと言ってもいいかもしれない。

 

そんなことを考えると、侑さんと歩夢さんの二人が誰かと話しているのを見かけた。

二人が話終えるのを待って、駆け寄ると……

 

「さっきの人たちは?」

 

「あ、うん、同好会の場所聞いたんだ」

 

「分かったよ」

 

早速同好会に行き、侑さんがノックをすると反応がなかった。

 

「いないのかな?」

 

「ここまで来て~」

 

「残念だね」

 

「ここで何をしてるんですか?」

 

突然後ろから声をかけられ、振り向くと眼鏡でみつあみの美少女がいた。この人って確か……

 

「普通科二年の高咲侑さんと上原歩夢さん。一年の高柳未唯さんですね」

 

「えっと確か……」

 

「侑さん、この人生徒会長の中川菜々さんだよ」

 

「あっ」

 

全校集会とかで見たことがある。でもどうしてここに?

 

「あなた方はどうしてこちらに?」

 

「そのスクールアイドル同好会に用事が……」

 

「優木せつ菜ちゃんに会いに来ました!」

 

「わ、私も……」

 

「そうですか……ですがもう彼女は現れないと思います」

 

「「「えっ?」」」

 

「それにスクールアイドル同好会も……廃部となりました」

 

廃部って……何で……

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと私は一人で帰り道を歩いていた。

それほどにまでショックが大きかったのかもしれない。

 

「侑さん、落ち込んでなければいいけど……」

 

歩夢さんがついてるから大丈夫かな?

後で二人にメッセージを送ってみようかな?

 

一人でそんなことを思いながら、マンションの近くに着くと、歌声が聞こえた。この声は……

 

 

私は急いで歌声が聞こえてきた場所に行くと歩夢さんが歌っていた。制服姿なのに何故かピンクの衣装を纏っているように思えてしまうくらい……素敵だった。

 

歌い終わると歩夢さんはそっと侑さんに近寄り何かを渡していた。

 

「歩夢さん……」

 

「未唯ちゃん」

 

「あのね……私たち決めたんだ」

 

「決めたって?」

 

「スクールアイドル同好会がなくなったなら……私たちで一から始めようって!」

 

二人で……そっか……そうだよね。無くなったなら新しく始めればいいんだよね

 

「そっか、それじゃ私は……応援……」

 

「何言ってるの?未唯もだよ」

 

「えっ?」

 

「未唯ちゃん、ずっと目をキラキラさせてたもん。侑ちゃんと同じように……」

 

「で、でも私は……」

 

歌ったりなんて……

 

「お願い……一緒に始めよう」

 

「三人で始めたいの……」

 

侑さんと歩夢さんは手をさしのべてくれた。私は……まだどうしたらいいかわからないけど……でも……きっとここから始められるはず……

 

私は手をさしのべると二人は私の手をつかみ……

 

「「未唯ちゃん、これからよろしくね」」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「始めるとなったら、未唯の呼び方も直してほしいな~」

 

「えっ?」

 

「やっぱり他人行儀みたいだし……歩夢はどう思う?」

 

「私も未唯ちゃんの呼び方好きだよ」

 

「で、でも……」

 

「お願い」

 

「うぅ……侑お姉ちゃん、ぽむお姉ちゃん」

 

「うん!いいね」

 

「未唯ちゃんにそう呼ばれるの本当に懐かしいな~」

 

うぅ本当に恥ずかしい……慣れた方がいいかな?




感想等待ってます!


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03 かすみん登場!

生徒会室に部活動の申請書を貰いに来た私。侑お姉ちゃんとぽむお姉ちゃんはまず最初に何をやるか話し合ってるから、私は私なりに出来ることをってやろうと思って来たけど……

 

「しかし目的は果たしました!さらば!」

 

「お待ちなさい!」

 

生徒会室の扉が勢いよく開けられ、そこから何かを持ち出した子とその子を追いかける中川生徒会長。一体何があったんだろう?

 

「って!?申請書……」

 

貰いに来たのに……生徒会室を見ても誰もいないし……諦めよう

 

 

 

 

 

 

二人と合流して、申請書を貰えなかったことを話した。

 

「そっか~」

 

「でも何で申請書?」

 

「スクールアイドル始めるんだから……必要じゃない?同好会はもうないから新しく立ち上げる必要があるし……」

 

「あ、そっか」

 

「でも生徒会長、何があったんだろうね?」

 

あの追いかけられていた子も気になるけど……

 

「はい!出来たよ」

 

ぽむお姉ちゃんがそう言って、今日も髪弄りをしてもらった。

 

「わぁ~未唯、みつあみ似合う~」

 

「何だか……生徒会長の見ていたら、同じようにしてもらいたくなって」

 

「未唯ちゃん何でも似合うもんね。私もたまには髪型変えようかな?」

 

「「それはダメ!」」

 

「えぇ!?」

 

ぽむお姉ちゃんは今の髪型が一番にあってるもん。確かに他のも見てみたいけど……

 

「ぽむお姉ちゃんは今の方が一番なの!」

 

「そうだよ!凄く可愛いんだから」

 

「あ、ありがとう////」

 

侑お姉ちゃん、自然にそういうこと言えるのは凄いけど…………とりあえず今は……

 

「スクールアイドル同好会のことを……」

 

「そこのお三方、さっきスクールアイドルがどうとか言ってませんでした?」

 

不意に声をかけられ、振り向くとそこには、さっき生徒会長に追いかけられていた子だった

 

「えっと?」

 

「私、スクールアイドル同好会!2代目部長のかすみんこと中須かすみでーす!」

 

「スクールアイドル同好会!?」

 

中須さん……そっかこの子がそうなんだ。それにしても追いかけられていたのは気になるけど…………

 

 

一旦ベンチに座りながら私たちは自己紹介を始めた。

 

「私、高咲侑です!」

 

「上原歩夢です」

 

「高柳未唯です。中須さんと同じ一年です」

 

「あの、同好会って廃部になったんじゃ……」

 

「諦めなければ同好会は永遠に続くのです!」

 

そう言うものなの?いや、そう言うものなんだろうな~

 

「お近づきの印にどうぞ」

 

中須さんは私たちにコッペパンを渡してきて、早速食べてみると……

 

「美味しい」

 

「これあそこのお店の?」

 

「そのパンはかすみんの手作りですよ」

 

「へーさすがスクールアイドル。こんなに可愛くって料理まで出来るんだ」

 

「えっ?可愛い?」

 

「そんなー!そりゃあ確かにかすみんは可愛いに決まってますけどー!」

 

あれ?何か……ちょっと心配になったけど……気のせいだよね?まぁ三人とも仲良さそうに話してるから大丈夫なはず……

 

「誰が見たって可愛いよ」

 

「ほんとですかー!?」

 

何か急な心配が収まらないから、ぽむお姉ちゃんの服の裾を引っ張り

 

「お姉ちゃん大丈夫?」

 

「えっ?」

 

「何か心配になって……」

 

「未唯ちゃん……大丈夫だよ」

 

何故か声をかけなければいけないと思った私であった。

 

「じゃあ先輩方!そんな可愛いかすみんとスクールアイドルになりませんか?」

 

「えっ?」

 

「大丈夫かな?」

 

「うーん……」

 

折角のお誘いだけど……信用していいのかな?

 

「大丈夫です!信じてください!かすみん 最強に可愛いスクールアイドル同好会にしてみせますから!」

 

「可愛い……だったらやろうかな?」

 

侑お姉ちゃん……可愛いが基準でいいの?

 

「入部決定ですね」

 

「あ、ちなみに私はアイドル志望ってわけじゃないんだ。歩夢と未唯を応援したくて」

 

「えっ?あの…私は……」

 

「あれ?違うの?」

 

「未唯ちゃん、一緒にやろうよ」

 

「で、でも……」

 

「む~」

 

すると中須さんが私をじっと見つめていた。あのあまり見つめられると……恥ずかしい……

 

「確かにかすみんほどではないですけど、可愛いですが…………」

 

「未唯って歌声も綺麗だよ」

 

「うん、カラオケに行ったときも凄かったよ」

 

「あ、あのお姉ちゃんたち……」

 

「試しに歌ってみてください!」

 

これ……歌わないといけない雰囲気なのかな?

私は諦めて、少しだけ歌ってみた。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……どうだった?」

 

「凄いよ!未唯!」

 

「一緒に頑張ろうよ!」

 

「ぐぬぬぬぬ、た、確かに……綺麗な歌声……みんなの前に立つのが恥ずかしいとかは慣らしていくことにして」

 

「その……私もスクールアイドルになっても……いいのかな?」

 

「「もちろん!」」

 

お姉ちゃんたちからの熱い一声で私もなってみようと誓うのであった。

 

「中須さん、よろしく」

 

「これから一緒にやっていくから気軽に呼ぶこと!いい?みい子」

 

「みい子!?じゃあ……」

 

「中須かすみちゃんだから……かすかすだね」

 

「かすみんです!」

 

「そっちの方が可愛いと思ったんだけど……」

 

「もう!かすみんって言ってるのに……」

 

「えっとよろしくね。かすみちゃん」

 

それから早速同好会の活動を始めることになったのだが……

 

「そういえばなんで歩夢先輩の事をぽむって呼んでるの?」

 

「えっ?えっと……それは……」

 

「小学生の頃に未唯があゆむって読めなくって、ぽむって読んだんだよね」

 

「それ以来ぽむお姉ちゃんって呼ぶようになったんだよね」

 

うぅ……その話は本当に恥ずかしい……



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04 可愛いのワンダーランド

早速同好会の活動を始めようとする私たちだけど……

 

「見てみて」

 

「ぽむお姉ちゃん上手い」

 

ゲートボールをやっている公園に来ていた。

 

「これが同好会?」

 

「別の場所に行きましょう」

 

私とぽむお姉ちゃんはゲートボールをやっていたおじいちゃんたちにお礼をいい、次の場所へとみんなと向かうと……

 

今度は工事の音がうるさくって全然聞こえない……

 

更に次の場所は子供が多い。私とぽむお姉ちゃんはパペットを使って小さい子達と遊んでいた。

 

「ここも無理ですね」

 

「なんでわざわざ学園の外に?」

 

「かすみんは生徒会に睨まれてますから校内での活動は厳しいのです」

 

睨まれてるって、あの時追いかけられていたことが原因なのかな?

 

 

 

 

次の場所は広く、人もあまりいない場所だった。ここなら大丈夫だよね?

 

「おぉー!広いです!」

 

「ここなら迷惑にならないでしょ?どうかな?」

 

「バッチリです!ここにしましょう!」

 

かすみちゃんはそう言って、鞄からあるものを取り出した。これって……スクールアイドル同好会の……ネームプレート?

 

「じゃーん!」

 

「あれ?このネームプレートって…」

 

「かすみんが生徒会から取り返してきました!…………無断で」

 

「だから睨まれてるんだ…」

 

「もしかして生徒会長に追いかけられていたのって……これが原因?」

 

「あ、あはは……ってみい子に見られていた!?」

 

「うん、用事があったんだけど……」

 

「と、とりあえず何はともあれしばらくはここが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部室ですよ!ダンスや歌の練習は追々始めるとしてまずは部員をゲットです!」

 

「なんで部員募集からなの?」

 

「人がいっぱいいた方が可愛いかすみんが引き立つからです」

 

「あはは……」

 

でも部員集めには私も賛成かな?人数集まれば別に生徒会長に反対されたりしないし……もしかしたら部室も貰える

 

「ともかく手っ取り早く部員を集めるならこれでしょ」

 

かすみちゃんはそう言って始めたのは自己紹介動画作りだった。

 

「やっほー!みんなのアイドルかすみんだよー!かすみん虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部長になったんだけどー、そんな大役が務まるかとっても不安ー!でもー!応援してくれるみんなのために日本一可愛いスクールアイドル目指して頑張るよ!」

 

「は?」

 

ぽむお姉ちゃん……辛辣だよ……

 

「わースクールアイドルの自己紹介初めて生で見たー!ときめいたよ!かすみちゃん!」

 

「えっ?」

 

「かすみちゃんらしい可愛らしさたっぷりだったよ」

 

「みい子も分かってくれる!この動画を投稿して部員を募ります!さぁ!次は歩夢先輩ですよ!今みたいな感じでお願いしますね」

 

「えー!?ムリムリムリだよ!恥ずかしいよ!」

 

「何が恥ずかしいんですか?自己紹介はスクールアイドルの第一歩ですよ?」

 

「め、目が怖いよ……かすみちゃん」

 

「大丈夫です!かすみんほどじゃないですけど歩夢先輩も十分可愛いですから。張り切っていきましょう!」

 

こうして、ぽむお姉ちゃんの自己紹介動画撮影が始まったけど……

 

「えっと…虹ヶ咲学園普通科2年の上原歩夢です…あ、あの私…ス、スク…」

 

「声が小さいですよ」

 

「ご、ごめん…」

 

「私スクールアイドルやりたくて!」

 

「大きすぎです。ちゃんとファンのみんなを思い浮かべて」

 

ぽむお姉ちゃん、恥ずかしがって上手くいっていないみたいだった。

 

「不合格です。一旦歩夢先輩は保留にして、みい子!」

 

「えっ?」

 

「えっ?じゃなくって、みい子もやる!」

 

し、仕方ないよね……ちょっと恥ずかしいけど……

 

「高柳未唯です。幼馴染みのお姉ちゃんに誘われて、スクールアイドル始めました。これから頑張っていきます!」

 

「普通ですね」

 

「でも何だか未唯らしかったよ」

 

私らしいか……誉められて嬉しいな

 

「はい!次は歩夢先輩!歩夢先輩はさっきと少し感じを変えて……まず両手を頭の上に付けて」

 

「こう?」

 

あれ?このポーズ……昔ぽむお姉ちゃんが…………

 

「語尾にぴょんを付けてください」

 

「ぴょん!?」

 

「ぴょん!」

 

「うさぴょん!」

 

侑お姉ちゃん……ぽむお姉ちゃんのあの姿好きだったもんね……だから凄い見たいって顔してる……でも私も見てみたい

 

「わくわく」

 

「わくわく」

 

「侑ちゃん……未唯ちゃんまで……うぅ……あ…歩夢だぴょん」

 

「声が小さい!もういっかい!」

 

「歩夢だぴょん!」

 

「もっとうさぴょんになりきって!」

 

「うさぴょんだぴょん!」

 

「ぴょんに気持ちがこもってない!」

 

「ぴょぉぉおおおおん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、今日の活動は終わったけど……ぽむお姉ちゃんはすごく疲れ切っていた。私はそんなお姉ちゃんの頭をなでていた

 

「週末には動画をアップするのでちゃんと自主練しておいてくださいね」

 

「可愛い…怖い…可愛い…怖い…」

 

「よしよし」

 

「可愛いって大変なんだね」

 

「アイドルの基本ですから」

 

「でもせつ菜ちゃんは可愛いっていうよりはカッコイイって感じだったな」

 

「せつ菜先輩を知ってるんですか?」

 

「うん。一度遠くで見ただけなんだけどね」

 

確かにせつ菜さんはすごくかっこよかった。スクールアイドルにも可愛いとかっこいいいの2種類があるのかな?

 

「気になってたんだけど同好会って何で廃部になったの?」

 

「元はと言えば、せつ菜先輩がいけないんです。グループを結成した時は結構いい感じだったのに、お披露目ライブに目標を決めたあたりからなんかピリピリしてきて……『こんなパフォーマンスではファンのみんなに大好きな気持ちは届きませんよ』」

 

かすみちゃん、声マネかな?なんとなく似てる感じだけど……

 

「って!だからかすみんもムキーッてなっちゃって!そのまま活動休止に…」

 

「かすみちゃんもせつ菜ちゃんもファンに届けたいものがあるんだね」

 

「当たり前ですよ!スクールアイドルにとって応援してくれるみんなは一番大切なんですから!より一層可愛いアイドルであるために…」

 

「うぅ…可愛いって何…可愛いって難しい…可愛いって…」

 

「ぽむお姉ちゃん、ほら、落ち着いて」

 

ぽむお姉ちゃん、トラウマになってない?

 

「もう。そんなんじゃファンのみんなに可愛いは届きませんよ……」

 

かすみちゃんがそう言った瞬間、俯き始めた

 

「ん?かすみちゃん?」

 

「もしかしてかすみん、同じことしてる?」

 

かすみちゃん、どうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、集合場所に行こうとしていると、ぽむお姉ちゃんが何かをしているのを見つけた。せっかくだから一緒に行こうとしていると……

 

「新人スクールアイドルの歩夢だぴょん。臆病だから寂しいと泣いちゃう~ぴょん。あたたか…」

 

ぽむお姉ちゃんは私と通りかかった先輩に気が付き、すごい汗を流していた

 

「こ、これは…その…練習をしてて…ス、スス…」

 

「スクールアイドル?」

 

「お姉ちゃん、ごめんね……」

 

「あぁ、未唯ちゃん謝らないで……」

 

「あら?姉妹なの?」

 

「あ、幼馴染です」

 

「そう、それにしてもごめんなさいね。とっておきの可愛いところ見ちゃって、でもそれはあなたの言葉?」

 

「え?」

 

「あの……それって……」

 

「もっと伝える相手のことを意識した方がいいわよ」

 

「頭では分かってるんですけど今の私にファンなんていませんし…」

 

「ぽむお姉ちゃん…私はそうは思わないよ」

 

「えっ?」

 

「私はお姉ちゃんのファンだし、侑お姉ちゃんだってそうだよ」

 

「あ……うん、応援してくれてるもんね」

 

「お節介終わり。頑張ってね」

 

先輩はそう言って去っていった。奇麗な人だったな~

 

「ねぇ、未唯ちゃん。手伝ってもらえないかな?」

 

「うん、いいよ」

 

私はぽむお姉ちゃんの自己紹介の手伝いをすることになった。昨日に比べてお姉ちゃん、すごくよくなってる……

 

「どうかな?」

 

「早速侑お姉ちゃんとかすみちゃんに見せに行こう」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合場所に行くと侑お姉ちゃんとかすみちゃんが待っていたみたいだけど、何か話していたのかな?

 

「遅れてごめんなさーい!」

 

「遅れてごめんね」

 

「あ、歩夢、未唯」

 

「あの、自己紹介なんだけど今撮ってもらっていい?」

 

「は、はい」

 

ぽむお姉ちゃんは深呼吸をして、練習した自己紹介を始めた

 

「虹ヶ咲学園普通科2年 上原歩夢です。自分の好きなこと、やりたいことを表現したくてスクールアイドル同好会に入りました。まだまだできないこともあるけど一歩一歩頑張る私を見守ってくれたら嬉しいです。よろしくね」

 

最後にウサギのポーズとウインクをするぽむお姉ちゃん、うん、ばっちりだよ

 

「どうかな?」

 

「すっごく可愛い!ときめいちゃったー!」

 

「よかったよ~お姉ちゃん」

 

「ありがとう。侑ちゃん、未唯ちゃん」

 

「かすみんの考えてたのとはちょっと違いますけど可愛いから合格です」

 

「あのね、かすみちゃん、多分やりたいことが違っても大丈夫だよ」

 

「えっ?」

 

「うまくいえないけどさ、自分なりの一番をそれぞれ叶えるやり方ってきっとあると思うんだよね」

 

「そうでしょうか…」

 

「探してみようよ。それにその方が楽しくない?」

 

「楽しいし可愛いと思います」

 

「でしょ」

 

かすみちゃん、何だかすっきりした顔してる。何か悩んでる感じがしたけど解決したみたいでよかった。

 

「3人とも見ていてください。かすみんの最高にかわいいところを!」

 

かすみちゃんはわたしたちだけに見せてくれた歌う姿………かすみちゃんの可愛さが伝わってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道、お姉ちゃんたちが話しているときに、私はこっそりかすみちゃんに話した

 

「あのね、絶対に内緒にしてほしいことがあるの」

 

「何?みい子」

 

「あのね……私がもしもスクールアイドルデビューするときなんだけどね……」

 

ちょっとした思い付きを話すと……かすみちゃんは難しい顔をしていた。

 

「確かにそれはいいかもしれないけど……」

 

「その時になるまで……内緒だよ」

 

「まったく仕方ないですね~」

 

 

 



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05 未唯と菜々

私たちが改めて同好会の活動を頑張ろうとしている中、生徒会室ではあることが起きていた。

 

 

 

 

 

せつ菜side

 

 

優木せつ菜の正体が生徒会長私だと突き止めた朝香果林は元同好会のメンバーと供に来ていた。廃部になった件を私に問い詰めてきたけど……

 

「優木せつ菜は、もういません! 私は、スクールアイドルをやめたんです!もし皆さんがまだスクールアイドルを続けるなら、ラブライブを目指すつもりなら……皆さんだけで続けて下さい……」

 

私は突き放すようにそう告げた。それはみんなを突き放すための言葉なのか……それとも…………

 

 

 

 

 

 

 

私はもうスクールアイドルをやらないと決めて、家に帰って衣装をしまいこんだ。これで……良かったんだ。これで…………

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

お昼休みの事、生徒会長さんがジャージ姿で何かを捕まえようとしていた。

 

「どうしたんだろう?」

 

ちょっと気になるけど…………今は少しやるべき事をやっておこう。

 

 

私は人気のない場所で、練習着姿でダンスレッスンをしていた。正直今の私では歌って踊るのはかなり難しい。

だからこそ少しでも練習をしておかないと…………

 

「高柳未唯さん?」

 

「きゃ!?」

 

不意に声をかけられ、驚いた私は思わず転んでしまった。

 

「大丈夫ですか!?」

 

声をかけてきたのは生徒会長さんだった。私は生徒会長さんの手を借りて立ち上がる。

 

「ありがとうございます」

 

「あなた、確か帰宅部では……」

 

「あはは、えっと……その……」

 

同好会を始めたこと話しても良いのかな?もしかして話したら問題が起きたりとか……

 

「高咲さんたちが作り上げた同好会に入ったんですね」

 

「あ、知ってたんですか?」

 

「先程、高咲さんとお会いして……少し話をしました」

 

「話?」

 

「あなたと高咲さんは……優木せつ菜さんに憧れて……」

 

「はい!かっこよくって…………私もあんな風に……」

 

「…………憧れなんてしない方がいいですよ」

 

「えっ?」

 

「せつ菜さんは、あのライブで終わりにして良かったんです。あのまま続けていたら、彼女は部員の皆さんをもっと傷付けて、同好会は再起不能になっていたはずです……」

 

普通なら……そんなことないって否定しないといけないのに……何故か生徒会長さんの言葉はせつ菜さんの言葉に聞こえた。

 

「ラブライブをご存じですか?ラブライブは、スクールアイドルとそのファンにとって、最高のステージ。あなたもせつ菜さんのファンなら、そこに出てほしいと思うでしょ?スクールアイドルが大好きだったせつ菜さんも。同好会を作り、グループを結成し、全国のアイドルグループとの競争に勝ち抜こうとしていました。勝利に必要なのは、メンバーが1つの色にまとまる事…………ですが、まとめようとすればするほど、衝突は増えていって…………その原因が、全部自分にある事に気付きました・・・。せつ菜さんの大好きは、自分本位のワガママに過ぎませんでした…………」

 

生徒会長さんの言葉の重み……もしかして生徒会長さんは…………

 

「そんな彼女が、スクールアイドルになろうと思った事自体が、間違いだったのです…………幻滅しましたか?」

 

幻滅……なんてしてない。

 

「あの!」

 

「話しすぎましたね。頑張ってください。応援しています」

 

生徒会長さんはそう言い残して去っていく。

 

 

 

「せつ菜さん…………多分間違ってます」

 

私の声は届いているか分からないけど…………せつ菜さんにはもう一度戻ってきてほしい。

 

きっと侑お姉ちゃんと話したから、お姉ちゃんも同じことを思ってるはず…………

   




今回、結構難しい…………


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06 大好きを貫きたい

練習を始めようとしたとき、かすみちゃんが前の同好会の子に呼ばれたということで、みんなが行き、軽く自己紹介を済ませて話を聞くと……

 

「えーっ!? 意地悪生徒会長がせつ菜先輩!?ていうか、何でかすみんを置いて、そんな大事な話をしに行ったんですか!? 部外者のお姉さんがいたのに!」

 

「へえ、面白い事言う子ね…」

 

「ヒイーごめんなさい……コッペパンあげるから許して下さい……」

 

かすみちゃんは怯えて、しずくちゃんの後ろに隠れながら、コッペパンを……というか今、どこからコッペパンを出した?

 

「かすみさんにメールしたけど、見てないの?」

 

「えっ?あ……」

 

見てなかったんだね……

 

「やっぱり生徒会長……せつ菜ちゃんだったんだ」

 

侑お姉ちゃんも気が付いていたんだ……すると果林さんがあることを言ってきた

 

「別にいいんじゃないの?」

 

「えっ?」

 

「だって同好会もこれで活動再開できるでしょ。それにあの子が辞めたところで困ることがあるの?」

 

それは……そうかもしれないけど……でも

 

「本当にやめたいのかな?」

 

「何でそう思うの?」

 

「皆さんはどう思いますか? せつ菜ちゃん、やめてもいいんですか?」

 

『それは嫌だよ!』

 

みんなもやめてほしくないんだ……

 

「せつ菜ちゃん、すごく素敵なスクールアイドルだし、活動休止になったのは、私達の力不足もあるから…」

 

「彼方ちゃん達、お姉さんなのに、みんなを引っ張ってあげられなかった…」

 

「お披露目ライブは流れてしまいましたけど、みんなでステージに立ちたいと思って練習してきたんです! せつ菜さん抜きだなんてありえません!」

 

「かすみんもそう思います! せつ菜先輩は絶対必要です! 確かに、厳し過ぎたところもありましたけど、今はちょっとだけ気持ちが分かる気がするんですよ…前の繰り返しになるのは嫌ですけど、きっと、そうじゃないやり方もあるはずで…それを見つけるには、かすみんと全然違うせつ菜先輩がいてくれないと、ダメなんだと思うんです!」

 

「大きくなったね、かすみちゃん!」

 

「バカにしてませんか!?」

 

「本気で褒めてるよ!」

 

彼方さんに頭をなでながら、照れているかすみちゃん。私も……せつ菜さんにはやめてほしくない

 

「せつ菜ちゃんは私達に夢をくれた人だもんね! 私も一緒にやりたい!」

 

「私も……いっしょにやりたい」

 

こうしてせつ菜さんに戻ってきてもらうように、ある作戦を実行するのであった。それは……

 

 

 

 

 

 

 

次の日、校内放送でせつ菜さんと菜々さんを同時に呼び出すという方法を取った。私と侑お姉ちゃんは来るのを待っていると……

 

「高咲侑さん…それに高柳未唯さん」

 

「こんにちは、せつ菜ちゃん」

 

「来てくれたんですね」

 

「エマさん達に聞いたんですね?」

 

「そうなんだけど、音楽室で話してた時に、そうじゃないかなって」

 

「私も……話したときに」

 

「それで、どういうつもりですか?」

 

「ごめんなさい!」

 

突然謝りだすお姉ちゃん。

 

「何ですか、いきなり……」

 

「昨日、何でスクールアイドルやめちゃったのかな、とか言っちゃったから……無神経過ぎたかなって……」

 

「気にしてませんよ。正体を隠していた私が悪いんですから。話が終わったのなら……」

 

「あ、まだあるの!」

 

「何ですか?」

 

「私は、軽蔑なんてしてないよ」

 

「私も……せつ菜さんはあこがれだから……軽蔑なんてできない」

 

「だからスクールアイドルとして、せつ菜ちゃんに同好会に戻ってほしいんだ……」

 

「何を……もう全部分かっているんでしょ! 私が同好会にいたら、みんなのためにならないんです! 私がいたら、ラブライブに出られないんですよ!」

 

「だったら! だったら、ラブライブなんて出なくていい!」

 

「「!?」」

 

お、お姉ちゃんすごいこと言ったよ……でも何故か私は……

 

「お姉ちゃん……すごいこと言うね」

 

何故か笑いそうになっていた。出なくていいって……それもpいいかもしれない。新しい道を進むなら……

 

「あ、いや……。ラブライブがどうだからとかじゃなくて・・・。私は、せつ菜ちゃんが幸せになれないのが嫌なだけ、ラブライブみたいな最高のステージじゃなくてもいいんだよ。せつ菜ちゃんの歌が聞ければ、十分なんだ…スクールアイドルがいて、ファンがいる。それでいいんじゃない?」

 

「どうして、こんな私に……」

 

「言ったでしょ? 大好きだって。こんなに好きにさせたのは、せつ菜ちゃんだよ!」

 

「あなたみたいな人、初めてです……期待されるのは嫌いじゃありません……ですが……本当にいいんですか?私の本当のワガママを・・・、大好きを貫いても、いいんですか?」

 

「もちろん!」

 

「私も……せつ菜さんには大好きを貫てほしいです」

 

私とお姉ちゃんは笑顔でそう言うと、せつ菜ちゃんは満足そうな顔をしていた。

 

「分かってるんですか? あなたは今、自分の思ってる以上に、すごい事を言ったんですからね?」

 

髪をほどきながら、生徒会長から私たちが大好きなせつ菜ちゃんに変わった。

 

「どうなっても知りませんよ!これは始まりの歌です!」

 

せつ菜ちゃんは歌いだし、まだ学校にいた生徒たちを魅了していった。これが……私たち同好会にとっての……始まり……

 

こうして私たちの同好会は本格的に動き出すのであった。




次回はオリストになります


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07 みんなと仲良く ①

今回はオリストです


「第一回!一年生親睦会!」

 

ある日のこと、かすみちゃんからファミレスに呼び出されて行くと、突然親睦会が始まった。

 

「えっと……」

 

「もう、かすみさん、ちゃんと説明しないと未唯さんが困ってるよ」

 

「えぇ~しょうがないな~ほら、同好会が再活動開始したから、折角だから親睦会をやろうかな~って」

 

そう言うことか……確かにこう言う親睦会と言うのも悪くないかもしれない

 

「…………」

 

するとしずくちゃんが何か考え込みながらかすみちゃんを見つめていた

 

「どうしたの?しず子?」

 

「何か企みがあるんじゃないかって思って……」

 

企み?

 

「ちちちち、違うよ~そんな~」

 

あれ?ものすごく動揺してるけど、本当に何もないよね?

 

「ほ、ほら、しず子とみい子ってまだちゃんと話してないから、いい機会かなって」

 

「あ、そういえばそうだね」

 

「うん、ちゃんと話すのって今日が初めてだよね」

 

今まではお姉ちゃんたちとかすみちゃんだけだったし…………この機会で仲良くなれたらいいな~

 

「未唯さんは侑先輩と歩夢先輩と……」

 

「幼馴染みだよ」

 

「お姉ちゃん呼びなのは……」

 

「その……小さい頃の癖と言うか……」

 

うぅ、何だか恥ずかしくなってきた。するとしずくちゃんは優しく微笑んでいた。

 

「それだけ仲良しで羨ましいなって思って」

 

「そ、そうかな?でも、よく髪の毛弄って貰ったりしてるし……」

 

「凄く可愛いよ」

 

改めて誉められると凄くうれしい……

 

「えへへ……」

 

「むぅ~二人だけで楽しそうにして……かすみんもいれなさい」

 

そう言いながらかすみちゃんが私たちに抱き付いてくると、しずくちゃんは慣れた感じでしずくちゃんの頭を撫でた

 

「はいはい、かすみさんも可愛いよ」

 

「もう~何だか心がこもってる気がしないんだけど……まぁいいか」

 

こうして一年生だけの親睦会が終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その帰り道、ある人を見つけた。

 

「あれ?エマさん?」

 

「あ、未唯ちゃん、こんにちわ~」

 

「こんにちわ」

 

「今帰りなの?」

 

「はい」

 

エマさん、何というかすごく母性を感じさせる人というか、声を聴くとすごく癒される

 

「エマさんは、買い物ですか?」

 

「うん、今日は卵が安かったから買いに来たんだ~」

 

「卵?」

 

「ほら」

 

そう言って袋に入ったいくつものパックを見せてきた。エマさん、卵好きなのかな?

 

「何か作るんですか?」

 

「うん、卵かけご飯を」

 

ん?えっと……どういうことだろう?詳しく聞きたいけど、聞かないほうがいいのかな?

 

「じー」

 

「あ、あの?どうしたんですか?」

 

「未唯ちゃん、故郷の妹ににてるな~って」

 

そういえば留学生だっけ?もしかして寂しいとか?

 

「未唯ちゃん、ちょっとごめんね」

 

「え?」

 

エマさんはそう言って、私をぎゅっと抱きしめた

 

「あ、あああああ、あの……」

 

「こうしてぎゅっとしてると思い出すな~」

 

故郷のことを思い出してくれるのはいいんだけど……その……顔が胸に埋まって苦しい……

 

「あ、ごめんね。苦しかった」

 

「い、いえ」

 

苦しかったことに気が付いて謝るエマさん。その何というか……すごかった。

 

「あの、もしも寂しかったりしたら……いつでも」

 

「本当に?それじゃ今度からそうするね」

 

エマさんと別れると、そういえば今日はママたちがいないことを思い出し、何か買って帰ろうとスーパーに寄るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簡単なものでいいかなと思いながら、食品を買っていくと……

 

「あれ?」

 

「ん?あ~未唯ちゃんだ~」

 

スーパーの制服を着た彼方さんと出会った。もしかして……

 

「バイトですか?」

 

「うん~そうなんだよね~」

 

そういえば彼方さんって特待生で勉強もしつつ、バイトも頑張って……それに妹さんのために家事とかも……

 

「お疲れ様です」

 

「えぇ~急にどうしたの~」

 

「いえ、なんとなく言いたくなったというか……」

 

「そっか~ありがとうね~」

 

彼方さんは優しい笑顔でお礼を言うのであった。本当にすごい人だな……

 

「今度遥ちゃんに合わせるね~未唯ちゃん、きっと仲良くなれると思うから」

 

遥ちゃんか……会うの楽しみだな~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯を買い終えて、家に帰ろうとしていると、あることを思い出した。そういえば小説の発売日……

 

近くの書店に入ると……

 

「あ……」

 

「あれ?菜々さん」

 

菜々さんとばったり出くわした。

 

「き、奇遇ですね」

 

「はい、菜々さんは何を買いに……」

 

菜々さんが持っている本を見ると……これってラノベ?

 

「ラノベとか読むんですか?」

 

「はぅ!?」

 

すごい動揺してるけど、そんなになのかな?

 

「この本、私も好きですよ」

 

「ほ、本当ですか!」

 

「はい!」

 

「それじゃこれは……」

 

それから菜々さんが見せてくれた本は私が大体読んだことのあるものだった。

 

「まさか同志に出会えるとは……」

 

「菜々さん、こういうの好きなんですね」

 

「意外ですか?」

 

「意外というか……親近感わきました。私にとって憧れみたいな人ですから……」

 

「そうですか……でもこれから一緒に夢に向かっていく仲間ですよ」

 

「はい!」

 

それから菜々さんと一緒に本を買って、家に帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扉を開けようとすると何故か鍵が開いていた。締め忘れたのかなと思っていたら、中には

 

 

「あ、おかえり」

 

「お姉ちゃん」

 

ぽむお姉ちゃんがいた。それにエプロンつけてるってことは……

 

「もしかして頼まれたの?」

 

「うん、未唯ちゃんのことだから総菜とかですませそうだからって」

 

読まれてたか……でもいっか。ぽむお姉ちゃんのご飯おいしいもん

 

それから侑お姉ちゃんも呼んで、三人で楽しい夕食となるのであった。



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08 新しいスタート

愛side

 

あの日、私は友達のりなりーと一緒にあのライブを見ていた。学園のスクールアイドル『優木せつ菜』のライブ……すごく熱くって、すごく惹かれ……それだけじゃない。

屋上から聞こえる歌に盛り上がってるみんなを見て、自分も未知なる道にチャレンジしたいって、そう思ったんだ……

 

 

その次の日に、りなりーと一緒に私たちもやってみないかって話した。りなりーもやりたいと言い、私たちは部室へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

今日は認可された同好会の部室清掃をみんなでやっていた。掃除だけでも結構大変だけど、みんなでやると何だか楽しくなってきた。

 

一通り終わるとかすみちゃんがネームプレートを飾った。

 

「これで復活ですね」

 

「本格的に始められるね」

 

かすみちゃんと笑顔でそう言っていると、ある二人が訪ねてきた

 

「やっほ~」

 

あれ?この二人ってこの前部室を教えてくれた人だよね?私は遠くからしか見てなかったけど……

 

「あれ?どうしたの?」

 

侑お姉ちゃんがそう聞くと……

 

「実は…愛さん達も、この前の屋上ライブを見て、なんかドキドキしちゃってさ!」

 

それって……せつ菜さんのほうを見ると、せつ菜さんは照れていた。

 

「分かるよ! ときめいたんだね!」

 

「うん! そうそう!という訳で、2人とも入部希望です!」

 

「おおー!」

 

「大歓迎だよ!」

 

「やるからにはバッチリ頑張るし、みんなの事も手伝うよ!ところで、スクールアイドル同好会って何するの?」

 

と、とりあえず新しく宮下愛さんと天王寺璃奈ちゃんの二人が入部するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

掃除も終わり、改めて何をするか話し合うけど、みんなやりたいことがバラバラで意見がまとまらず、とりあえずそれぞれやりたい練習をやろうという話になり、私は愛さんと璃奈ちゃんと一緒に参加することにした。

 

「愛さん柔らかいですね」

 

「そう?ほら、未唯も押してあげる」

 

ダンスをやるなら体を柔らかくする必要があるということで、柔軟などのグループに入った。そこには私たち三人のほかに、彼方さん、エマさん、そして手伝いの果林さんがいた。

 

果林さん入らないのかなと思いつつ、早速始めたけど……

 

「いたた……」

 

「未唯は少し固いね~」

 

「家でも少しはやってるんですけど……」

 

「まぁあの二人よりは……」

 

愛さんが見たほうを見ると、彼方さんと璃奈さんはあんまり曲げられていなかった。

すると愛さんは二人にアドバイスをあげた

 

「息を大きく吸って、ゆっくり吐いて……」

 

二人とも少しだけどさっきより出来るようになっていた。

 

「どう? ちょっとでもできるようになると楽しくない? 続けていけば、もっと柔らかくなっていくし!」

 

「うん。頑張る」

 

「そういえば彼方ちゃん、てっきり果林ちゃんも同好会入ると思ってたよ」

 

「ん? そんな訳ないでしょ。私は、エマの悲しむ顔が見たくなかっただけよ」

 

『へー?』

 

果林さん、優しいな~

 

「な、何よ……」

 

「ありがとう」

 

「別に、いいわよ……」

 

照れている果林さんってすごい珍しいな~

 

 

 

 

 

 

 

 

次は講義の時間ということで、かすみちゃんとしずくちゃんのグループに混ざったけど、

 

「おっほん! これより講義を始めます!」

 

眼鏡をかけたかすみちゃんが講師してくれるのはいいけど、概論の概を間違えた?それにその眼鏡って……

 

「面白そう!」

 

「その眼鏡、どうしたの?」

 

「せつ菜先輩に借りました!無断で」

 

「絶対怒られるよ!?」

 

無断で借りたんだ……

 

「話の腰を折らない! 桜坂君! スクールアイドルには何が必要なのか答えなさい!」

 

「え、えーと、自分の気持ちを表現する事?」

 

「正解!」

 

「あ、正解なんだ…」

 

「天王寺君にも同じ質問です! 答えをどうぞ!」

 

「ファンの人と気持ちを繋げる事?」

 

「正解!」

 

「1つじゃないんだ……」

 

「高柳君」

 

「えっと、思いを届けること?

 

「正解!最後に宮下君!」

 

「アッハハ、ごめん! 分かんないや!」

 

「ピンポンピンポーン! それも正解でーす!」

 

「何で?」

 

「あれー? しず子、分からないんですかー?」

 

かすみちゃんにそう言われて、少しふくれるしずくちゃん。

 

「今の質問には、ハッキリした答えなんてないんです! ファンの皆さんに喜んでもらえる事なら、どれも正解って事です!」

 

「へー、奥が深いんだね!」

 

「んー、合格!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度はお姉ちゃんたちとせつ菜さんたちの所に混ざって、歌の特訓をしていた。ぽむお姉ちゃんが終わると、

 

「次は、どなたが歌われますか?」

 

「せっつーの歌が聞きたい!」

 

「せっつー? 私の事ですか?」

 

「うん! あだ名!」

 

「いいなあ。私は?」

 

「ゆうゆ!」

 

「じゃあ私は?」

 

「あゆピョン!」

 

「ピョンは、やめて……」

 

「私は?」

 

「う~ん、みーちゃん!」

 

結構普通……まぁ私のは変えようがないから仕方ないよね

 

それからいろいろと話していき、愛さんと璃奈ちゃんの二人がせつ菜ちゃんの正体が生徒会長だって気づかれたりしたけど、楽しく歌のレッスンが出来たのであった。

 

 

 

そんな一日が終わり、みんなで帰り支度をしていると、せつ菜さんが私とかすみちゃんを呼び止めた。かすみちゃんは無断で眼鏡を借りたこと怒られるかと思っていたみたいだけど、私もだから関係ないような…・・・・



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09 楽しさを伝える

私とかすみちゃんはせつ菜さんに呼ばれて、部室である話をしていた。

 

「ソロアイドルですか……」

 

「私達だからできる、新しい一歩です。部員1人1人が、ソロアイドルとしてステージに立つ。その選択肢は、皆さんの頭の中にもあるはずです」

 

ソロアイドル…………確かにせつ菜さんの言う新しい一歩は分かるけど……

 

「はい……でも、それって、簡単には決められないですよね?」

 

「はい……」

 

「グループだとみんなと助け合い出来るけど……」

 

一人だと……

 

「それに……一人でファンのみんなを喜ばせられるかも……不安になりますよね」

 

「みい子は結構考えてるんだね」

 

「未唯さんは侑さん、歩夢さんのグループではしっかりと考えるタイプだと思ったので……今回、この話し合いに参加してもらいました」

 

しっかり考えるタイプって……そうかな?侑お姉ちゃんは引っ張っていくタイプ、ぽむお姉ちゃんは支えるタイプ。必然的に私は考えるようにってなってきたのかもしれない

 

「暫くはソロについて考えるようになりますね」

 

そうして話し合いは終わったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土曜日、9時に集まって練習することになり、私はお姉ちゃんたちより少し早めに集合場所に着くと……

 

「あれ?愛さん?」

 

「あ、みーちゃん早いね~」

 

「私、もう少し体力つけたくって」

 

「みーちゃん、がんばり屋だね~」

 

褒められてちょっと嬉しい。

すると愛さんは時間があるからレインボーブリッジの遊歩道まで行こうと提案して、一緒に走ると…………

 

「あれ?エマっち、やっほ~」

 

「あ、愛ちゃん、未唯ちゃん」

 

休憩がてら少し話をすることになった私たち……

 

「昨日はソロアイドルと聞いて、驚いた?」

 

「確かに驚いたけど、一番驚いたのは、自分に対してなんだよね……」

 

自分に対して?

 

「ん?」

 

「同好会のみんなが悩んでるのって、自分を出せるかって事でしょ? 今まで色んな部活で助っ人やってたけど、考えてみたら、みんなと一緒にやる競技ばかりでさ……いやー、めっちゃハードル高いよね……ソロアイドルか……」

 

愛さん…………愛さんのこれまでの事を考えると……確かにそう思っちゃうかもしれないけど……

 

「そろそろ走ろっか。」

 

「ん?」

 

「9時だし、もう行く時間だよ?」

 

すると何故か愛さんは固まっていた。あれ?エマさん、何かおかしなこと言ったのかな?

 

「どうしたの?」

 

「アハハハハハハ! ウケる!」

 

「え?え?」

 

どうして急に笑いだしたのか戸惑う私とエマさん。すると愛さんは笑いながら……

 

「ソロでそろそろ! 9時だし、行く時間って! アハハハ! ダジャレだよね!」

 

あ、愛さんダジャレ好きなんだ~

 

「ダジャレ? ああ、全然気付かなかったよ!愛ちゃんが同好会に来てくれて良かった……」

 

「え? 何で?」

 

「すっごく前向きでいてくれるから!」

 

「そう? 今はめっちゃ悩んでるけど……」

 

「でも、みんなといる時、いつも楽しそうにしてたよね!」

 

「私も……愛さんの楽しいって気持ちが凄く伝わって……私も楽しくなってます」

 

「私達、色々あって、ようやくスタートラインに立ったばかりなんだ……きっと、みんなが不安で、でも、本当は、それと同じくらい、これからに期待してると思うんだ……そうじゃなけりゃ悩まないもの……まだ、一歩を踏み出す勇気が出ないだけ……愛ちゃんが来てから、同好会のみんなの笑顔、すっごく増えてるんだよ!」

 

「そうなの? 自覚ないけど……」

 

「ないから、すごいんだよ!」

 

「そうかな?」

 

「そうだよ!」

 

「えへへ……そっか」

 

愛さんは太陽に手を伸ばし……そして何か決意したような顔で……

 

「エマっち、みーちゃん、走ってくる!」

 

「「えっ?」」

 

私とエマさんは追いかけていくと、愛さんは公園で歌を披露していた。愛さんの楽しそうな姿を見て、周りの人たちも楽しそうにしていた。そっか……これが……

 

すると侑お姉ちゃんたちも見ていて……

 

「すごいね……あれが愛ちゃんのステージなんだ……私、みんなのステージも見てみたい……1人だけど、1人1人だからこそ、色んな事できるかも!そんなみんながライブをやったら、なんかすっごい事になりそうな気がしてきちゃった!」

 

「負けてられませんね!」

 

「燃えてきた……」

 

「うん!」

 

「そうだね!」

 

みんなのソロアイドルとして……前に向かう気持ちが固まった。そして私も……私らしいライブを出来るように…………

 

 

 

 

その数日後の部室にて

 

「歩夢、最高に可愛いね! 高2だけに! 走るのってランランするよね! ランだけに!」

 

「アハハハハ!」

 

愛さんのダジャレに侑お姉ちゃんは爆笑していた。変わらないな~お姉ちゃんも

 

「次は同好会で、どーこー行こうかい?」

 

「すごくウケてますね……」

 

「侑ちゃん、幼稚園の頃から、ずっと笑いのレベルが赤ちゃんだから……」

 

「何でいきなりダジャレを?」

 

「スクールアイドルの特訓だよ!」

 



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歩夢誕生日 幼馴染みの誕生会

今回は特別編と言うことで、歩夢ちゃんの誕生日やります。
未唯ちゃんのある役割が……


「ぽむお姉ちゃんの誕生日?」

 

「うん、そろそろだからさ……二人で何か買いにいかない?」

 

3月1日、ぽむお姉ちゃんこと、歩夢お姉ちゃんの誕生日。毎年別々に買いに行ってるけど……何で今年に限って?

 

「そのさ……実はと言うと……」

 

「もしかして……お金ないの

?」

 

まさかと思い聞いてみると、侑お姉ちゃんは目線をそらした。

そう言えば前に使っていたピアノが壊れたとか言ってたけど……

 

「もうしょうがないな~」

 

「本当にごめんね」

 

「謝らなくていいよ。たまには……」

 

たまにはこういうのも悪くないよと言おうとしたけど……これ、大丈夫かな?

ぽむお姉ちゃん、少し考え込みやすいから…………変な風に捉えたりしたら大変かもしれない。それなら……二人で一つのと侑お姉ちゃん個人の用意した方がいいかも……でもお姉ちゃん、お金ないって言ってたしな~

 

「…………」

 

「未唯?」

 

「お姉ちゃん、お金かからないプレゼント用意しておいた方がいいんじゃないかな?」

 

「えっ?何で?」

 

「何でも」

 

二人には喧嘩とか話しづらい関係にはなってほしくないからね。頑張らないと!

 

「えっと……じゃあどういうのがいい?」

 

「ん~お姉ちゃんが喜ぶもの」

 

まぁお姉ちゃんなら何でも喜びそうだけど……

 

「それじゃ……肩叩き券でも……」

 

「侑お姉ちゃん?」

 

それは手抜きだよね?絶対に貰ったらちょっと微妙な顔をするからね

 

「えぇ~でもこの間彼方さんが貰って、凄く嬉しかったって」

 

それは彼方さんだからだよ…………

 

「それじゃ……」

 

「もうお姉ちゃんが喜びそうなもの…………あ」

 

私はあることを思い付いた。これなら一番喜びそう!私はお姉ちゃんに耳打ちをして……

 

「えっ?そんなんでいいの?」

 

「きっと喜ぶよ!」

 

自信満々に私はそう言うと、侑お姉ちゃんは渋々納得するのであった。

 

「それじゃ……次は二人で送るのは?」

 

「あ、それなら……エプロンとかどうかな?」

 

「エプロン?」

 

「うん、歩夢って料理とかお菓子作りとか得意だからさ」

 

「うん!それならいいね!色はピンクで」

 

「こう……リボンとかついてるのとか!」

 

二人で送るものは直ぐに決まって良かった~

 

 

 

 

 

 

 

そして誕生日当日

 

「「歩夢(お姉ちゃん)!誕生日おめでとう!」」

 

二人同時にクラッカーを鳴らすと、ぽむお姉ちゃんは嬉しそうにしていた

 

「二人ともありがとう~」

 

「部室ではみんなとだけど」

 

「今からは幼馴染みでのお祝いだよ」

 

「えへへ、二人とも毎年ありがとうね」

 

照れてるお姉ちゃん。それにしても……まさか料理とかケーキとかの準備をお姉ちゃん自身がするとは思ってなかったな~

 

「早速、プレゼント渡すね」

 

「これは二人で買ってきたんだよ」

 

私たちは包みに入ったプレゼントを渡した。お姉ちゃんは包みを開けると……

 

「わぁ~可愛いエプロン」

 

「歩夢に似合うと思って買ってきたんだよ」

 

「もう見た瞬間、これだ!ってなったんだよ」

 

「二人ともありがとう~」

 

「それでね。まだプレゼントはあるんだよ。侑お姉ちゃん」

 

「えっと……本当にやるの?」

 

恥ずかしがる侑お姉ちゃん。普段は無意識に恥ずかしいこと言ってるのに……

 

「約束したでしょ」

 

「うぅ……歩夢!」

 

侑お姉ちゃんはぽむお姉ちゃんを抱き締め……

 

「えっ?ゆ、侑ちゃん?」

 

「誕生日おめでとう……大好きだよ」

 

と耳元で囁くと、ぽむお姉ちゃんは顔を真っ赤にさせて……

 

「はぅ……」

 

そのまま気を失うのであった

 

「あ、歩夢ーーーー」

 

「お姉ちゃん、耐性なかったか……」

 

「いや、冷静に言ってないで!」

 

でも絶対にお姉ちゃん喜んだよね~

 

 

 

 

 

 

 

意識を取り戻したお姉ちゃんは少し顔を膨らませていた。

 

「もう!未唯ちゃんは……」

 

「ごめんね」

 

ちょっと怒られる私だった。

 

「でも心配してくれたんだよね」

 

「う、うん」

 

「未唯ちゃん、ありがとうね。でも私、未唯ちゃんからも欲しかったな」

 

あ……そこは考えてなかった……どうしよう?今から何か……

 

「だから私からプレゼント上げる」

 

お姉ちゃんはそっと私を抱き締めてくれた。

 

「いつも気にかけてくれてありがとうね。大好きだよ……未唯ちゃん」

 

「あう……」

 

これは反則だよ……お姉ちゃん……

 

「あー!ずるい!私も!」

 

すると侑お姉ちゃんも抱き締めてきた。ちょっと苦しいけど……嬉しいな……

 

 

こうして幼馴染みでの誕生会は終わるのであった。



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10 未唯の苦労

エマちゃん回だけど……未唯がある意味苦労している話に……


ある日の放課後、エマさんは彼方さんを膝枕しながら嬉しそうにしていた。

 

「よーしよしよし」

 

「ごろにゃ~」

 

「こうして撫でてるとネーヴェちゃんを思い出すよ」

 

ネーヴェちゃん?もしかして……

 

「スイスのお友だちですか?」

 

エマさんって留学生だから故郷のスイスに友達がいるから、きっと思い出してるのかな?

 

「ううん。家で飼ってる子ヤギだよ」

 

「子ヤギ!?」

 

「エマっちの家ヤギ飼ってるの?」

 

「うん。小さい頃はよくヤギたちに歌を聴いてもらって。懐かしいなぁ」

 

何でだろう?エマさんのそういう姿が凄く似合っていると言うか……見てみたい

 

「エマさん、お家を離れてホームシックとかないんですか?」

 

「うん。同好会のみんなといるとスイスの妹たちといるみたいなんだもん。いっつもワイワイ賑やかで」

 

「なんか嬉しい」

 

「うん、嬉しいです」

 

璃奈ちゃんと二人で言っていると、エマさんはちょっとだけ寂しそうな顔をしていた。

 

「でも家族は私が日本でちゃんとやってるか心配みたい」

 

そうだよね……遠い異国にいるんだから、心配もするよね…………でもエマさんがそんな風に言うのが珍しい気がする。あんまりそんな風に感じさせないと思っていたんだけど…………

 

「みなさん、お揃いですね」

 

「遅かったね 2人とも」

 

何か用事があったのかかすみちゃんとせつ菜さんの二人が遅れてやってきた。でも何故かかすみちゃんは嬉しそうにしていたけど、なんだろう?

 

「ふっふっふー」

 

「どうしたの?かすみちゃん」

 

「ちょっとこれを見てください」

 

そう言ってかすみちゃんはある動画を見せてきた。これって前に撮ったぽむお姉ちゃんの自己紹介動画だけど……再生数が伸びてる?

 

「歩夢の動画だー」

 

「ど、どうしてこれをみんなで?」

 

「実はこれ最近再生数めちゃめちゃ増えてるんですよ」

 

「それってつまり……私たちの事が少しずつだけど認知されてきてるってこと?」

 

「そうそう、みー子のも結構伸びてるんだよね~」

 

私のも!?それは嬉しいな……

 

「そこで提案なんですが私たちもソロアイドルとしてプロモーションビデオを作りませんか?」

 

「プロモーションビデオですか?」

 

「はい。自己紹介でも特技でも自分をアピールできるものを動画にしたいと思います」

 

「へぇーPVね!面白そうじゃん!」

 

「エマさん!家族に見せるのにもいいんじゃない?どんなPVにしよっか!?」

 

「えっ?うーん…どんなか…」

 

とりあえず他に上げているPVも見てみようと言う話になり、みんなで見ることになった。

 

「やっぱりカッコいいね、せつ菜ちゃん」

 

「もう結構再生されてるんだね!」

 

「はい、おかげさまで」

 

「これ編集りなりーでしょ?」

 

「うん。侑さんにアイディアたくさんもらった」

 

「大したこと言ってないけどね」

 

「かすみちゃんのは?」

 

「カモーンかすみん!」

 

『やっほー!みんなのアイドルかすみんだよー!』

 

かすみちゃんのPVはかすみちゃんらしく可愛らしいものだな~

 

「これで知名度を上げれば私たちのライブも夢じゃありません!」

 

「みなさんもこのかすみんみたいにアピール度満点のPVをお願いしますね!」

 

「アピールかぁ。私どんなところをアピールしたらいいんだろう?」

 

「うーん…歩夢といえば…」

 

「なに?」

 

「ニコニコ笑ったかなと思えば 急に泣いたりほっぺ膨らませて怒ったりずっと見てて飽きない感じ?」

 

「侑ちゃんそれ全然アイドルっぽくないよ。むぅ!」

 

「ほらそれそれ」

 

「もう!侑ちゃん!」

 

ぽかぽかしているぽむお姉ちゃん。本当に二人が仲いいところを見ると、落ち着くな~

 

「侑ちゃんってよく見てるよね。歩夢ちゃんこともみんなのことも」

 

「それにスクールアイドルのことも色々調べてくれてて助かります」

 

「私スクールアイドルにほんとハマっちゃって。だからみんなを応援したくて」

 

「えっ?」

 

「侑お姉ちゃん、最初はぽむお姉ちゃんをでしょ」

 

「えっ?うん」

 

ちょっとホッとするぽむお姉ちゃん。何だか……二人の幼馴染みだからこそ分かることが一つだけある…………ぽむお姉ちゃんはちょっと些細なことを気にしちゃうところがある。そこから喧嘩……と言うより微妙な空気になるから…………私が何とかしないといけなくなる。

 

二人にはずっと仲良しでいてほしいからね。




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11 エマと果林の気持ち

最近ガチャ引く度にエマちゃんのRを見ると……でかいなと思ってしまう


エマさんのイメージに合うものはなにかと言う話になり、折角だから衣装から何かアイデアもらえないかと言うことで、エマさんは果林さんに相談し、服飾同好会に訪れた私たち

 

「わぁー」

 

部室には沢山の衣装が並んでいた。どれも可愛い

 

「本当にありがとうございます!」

 

「い、いえ」

 

「さすが果林ちゃん。こんな同好会にツテがあるなんて」

 

「たまたまクラスに部員の子がいただけよ」

 

果林さんって何だかんだ言って協力的だな~

 

それからエマさんはメイド服を着たり、浴衣を着たり、チアガールの服を着たり、くまの着ぐるみを着たりしていた。いや、着ぐるみなんてあるんだ……侑お姉ちゃん、癒されるって言って抱きついてるし…………

 

そんな光景を見ていると、私はある衣装に目を奪われた。

 

「これ……」

 

真っ白な衣装……凄く可愛い……

 

「未唯ちゃん、どうしたの?」

 

「あ、ううん、何でもないよ」

 

ぽむお姉ちゃんに声をかけられて咄嗟にそう言う私……あの衣装……着てみたいな……

 

「もしかしてこれ着てみてみたいの?」

 

「えっと……うん」

 

「それじゃ着てみよう」

 

ぽむお姉ちゃんに言われるまま、私は試着室に入り、衣装を着ることに……

 

『ねぇこっちはどうかしら?エマに似合うと思うんだけど』

 

『お、さすが現役モデル!センスいい!』

 

『ねぇエマさん!次の衣装に着替える前に一緒に写真撮らせて!』

 

『もちろん』

 

着替えながら外から聞こえる話を聞いていた。何とか着替え終えて、みんなの前に出ると……

 

「ど、どうかな?」

 

「未唯、凄く似合うよ」

 

「うん、未唯ちゃんの衣装、これにしてもいいくらいだね」

 

お姉ちゃんたちが凄く絶賛してくれている。

 

「確かにみー子はこういう衣装が似合うよね」

 

「未唯さんにぴったりですね」

 

「可愛い」

 

かすみちゃん、しずくちゃん、璃奈ちゃんも褒めてくれて、

 

「未唯さんのイメージに合いますね」

 

「なんと言うかこれで完成って感じだよね」

 

「未唯ちゃん似合う~」

 

「本当に可愛い」

 

せつ菜さん、愛さん、彼方さん、エマさんもそう言ってくれた。

 

「あ、ありがとうございます」

 

それからみんなで衣装を着た私とエマさん(くまの着ぐるみ)で写真を撮っていると、果林さんは混ざらずに部室から出ていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、私は用事があるからみんなには先に帰ると伝えて、用事を済ませる私……

 

「時間余った……」

 

今から学校に戻るべきかと悩んでいると、エマさんと果林さんの二人を発見した。あれ?二人とも何してるんだろう?

 

何だか声をかけにくいし、ちょっと物陰に隠れながら様子をうかがっていると、エマさんは一枚の紙を果林さんに見せていた。

 

『これ果林ちゃんのでしょ?貰った雑誌に挟まってたの。それってほんとの気持ち?一番興味があるのがスクールアイドルって……どうして言ってくれなかったの?私には興味のないフリをしてずっと自分の心をしまい込んで…前に言ったの覚えてる?私見てくれた人の心をぽかぽかにするアイドルになりたいって……でも私は一番近くにいる果林ちゃんの心も温めてあげられてなかった。そんな私が誰かの心を変えるなんて無理なのかもしれないけど』

 

『エマ……』

 

エマさん……

 

『果林ちゃんの笑顔久しぶりに見たよ!私もっと果林ちゃんに笑ってて欲しい!もっともっと果林ちゃんのこと知りたい!』

 

『エマのために同好会のこと手伝うようになって。そしたら楽しかった。みんなで1つのことに向かって悩んだり 言い合いしたり 笑ったり。くだらないと思ってずっと遠ざけてきたことが全部楽しかった。でも私は、朝香果林はそんなキャラじゃない。クールで格好付けて大人ぶって。それが私なの……なのに今さら…』

 

どうしよう……そんなことないって、出ていきたいけど……隠れて聞いてたことがバレて怒られないか心配しちゃう。

 

『分かったでしょ。悪かったのは私。エマのせいじゃない。エマならきっとみんなの心を…』

 

エマさんはまだ一歩踏み出せない果林さんを後ろから抱き締めた。

 

『いいんだよ果林ちゃん。どんな果林ちゃんでも笑顔でいられればそれが一番だよ。だからきっと大丈夫……もっと果林ちゃんの気持ち聞かせて!私に!』

 

エマさんの想い……きっと……届くはず。私はそう信じてその場をあとにするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日、果林さんはエマさんに背中を押されて、スクールアイドル同好会に入部するのであった。

 

みんな歓迎していると、エマさんは私にそっと耳打ちをしてくれた。

 

「昨日は心配して見てくれてたんだよね。ありがとう」

 

「えっ!?あの、気付いていたんですか?」

 

「うん、果林ちゃんは分からないけど…………」

 

バレてたんだ…………私は謝るとエマさんは……

 

「未唯ちゃんはみんなの事を見守る優しい子だよね」

 

「えっと……そうかな?」

 

「そうだよ~もしかして侑ちゃんと歩夢ちゃんの二人と一緒にいた影響で?」

 

「えっと……そうなのかな?私的には喧嘩とかしてほしくないと言うか……このみんなが仲がいい空気を壊したくない……って思って……」

 

「本当に……優しいね」

 

エマさんは私をぎゅっと抱き締めた。うぅ、本当に抱き締められると気持ちがぽかぽかしちゃう…………




次回!璃奈ちゃん回!と思いましたが、オリストやります!
オリストと言うより外伝です。あの子と未唯ちゃんの話です

感想待ってます!


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12 外伝 栞子ちゃんと未唯ちゃん

今回は外伝として未唯ちゃんと栞子ちゃんの話です。

未唯は本気で苦労してる…………


ある日のこと、私は生徒会室を訪れた

 

「失礼しまーす。あ、栞子ちゃん、まだ終わらない?」

 

「未唯さん、もしかして迎えに来てくれたのですか?すみません、わざわざ」

 

少し前に同好会に入った三船栞子ちゃん。入るまでは色々とあったけど、今は仲良しだ。

 

「手伝おうか?」

 

「え、それは……」

 

「二人でやった方が早く終わるから」

 

私は栞子ちゃんの返事を待たずに手伝うのであった。

 

「未唯さんはこういう仕事に向いてますね……」

 

「えっ?」

 

「手際がいいのでそうかなと思い……」

 

「う~ん、こう言う書類整理とかはやってて楽しいと言うか…………何も気にしないですむからかな?」

 

「気にしないで?」

 

「うん、二人が喧嘩しないか見守ったり、上手く回避させられるようにしたりとか…………考えなくていいから……」

 

ため息をつきながらそう言うと、栞子ちゃんは苦笑いを浮かべていた。

 

「本当に苦労しているんですね……前の一件を見ている身としては本当に……」

 

「あはは……あの時は見苦しいところを……」

 

 

 

 

 

 

 

前の一件…………侑お姉ちゃんとぽむお姉ちゃんが言い争いになったときの事だ。ボランティアの事で周りが見えなくなった侑お姉ちゃん、ぽむお姉ちゃんはそれを心配して、折角だからと贈り物を送ろうとしたけど……

やっぱり周りを見えてない侑お姉ちゃんがぽむお姉ちゃんのプレゼントを払い除けてしまい、ぽむお姉ちゃんは気持ちを爆発させてしまって……生徒会室から出ていこうとしたけど…………

 

「ちょっと待った!」

 

「未唯ちゃん……ごめん……今は……」

 

「待ったって言ってるでしょ」

 

逃げようとするぽむお姉ちゃんの腕を握りしめ、椅子に座らせると、今度は侑お姉ちゃんのスマホを奪い取り……

 

「ちょ……ボランティアの……」

 

「侑お姉ちゃんは黙ってぽむお姉ちゃんを見てる!」

 

「は、はい!」

 

侑お姉ちゃんのスマホの電源を落として、私は二人に向かって……

 

「さっきから見てて思ったけど…………ちゃんとお互いの事を見る!!!」

 

「あ、あの……私は……」

 

「言い訳しない!」

 

「はい……」

 

ぽむお姉ちゃんを叱ると、今度は侑お姉ちゃんを見る

 

「お姉ちゃんはボランティアの件を一人で抱え込みすぎ!」

 

「で、でもこれは……私が……」

 

「抱え込みすぎって言ったよね……」

 

「は、はい」

 

「二人がそんな風だと、周りにいる人たちにだって心配したりするんだからね!」

 

「「はい……」」

 

「侑お姉ちゃんはちゃんと周りを見る!ぽむお姉ちゃんは思いを爆発させてそのまま逃げない!わかった!」

 

「「はい……」」

 

言いたいことをすべて吐き出すと……私は我にかえり……

 

「あ……」

 

思わずやってしまった…………

栞子ちゃんは拍手してるし……

 

「そ、その……私は二人が仲良くしてるところを見てるのが一番好き……だから……喧嘩しないでね」

 

「未唯……」

 

「未唯ちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれで私は未唯さんはすごいと思ってますよ」

 

「あはは……思わず本音を言っちゃったから……けっこう恥ずかしいんだよね……」

 

「それでも羨ましいです……そんな風に出来るのが……」

 

「どう言うこと?」

 

「私にも幼馴染がいるのですが…………未唯さんたちみたいに仲良しと言う事ではなく…………我が儘を聞いてそれを叶えると言うことだけで…………本当に仲のいい幼馴染と言う感じではないと思い始めてます」

 

我が儘を聞いてって…………何だか栞子ちゃん、可哀想……

 

「栞子ちゃんはその幼馴染のわがままにたいしてどうしてるの?」

 

「聞かないとすぐに不機嫌になって…………やむなく……」

 

「それじゃダメだよ!」

 

思わず大声を出してしまったけど、このままだとダメだ。もしもその幼馴染が転入とかしてきたら、偉いことになりそうだし……

 

「えっと……」

 

「我が儘を聞いてると、その子は栞子ちゃんの事を何でも言うことを聞く都合のいい子だって思ってるよ!」

 

「そ、そんなことは……」

 

「今は違うかもしれないけど、そうなるかもだからね!」

 

「は、はい……」

 

「これからはちゃんと断ること!もしも我が儘を聞いていたら取り返しのつかないことになるからね!」

 

「は、はい……」

 

あ……またやってしまった?私は咄嗟に謝ると……

 

「いえ、何だか背中を押してくれたみたいで……良かったです。未唯さんは思った以上にしっかりしてますね」

 

「そ、そんなことは……ほ、ほら、早く終わらせて練習に行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、部室でみんなを待っていると、栞子ちゃんが慌てて入ってきた

 

「どうしたの?」

 

「あの……前に話した幼馴染が転入してこようとして……」

 

「うん、それで……」

 

「同好会を廃部にして部を作ろうとしたり、反対した子はライブや練習を禁止させたり、監視役を作ろうとしたり…………」

 

何だか聞いてて嫌になる……でも栞子ちゃんは……

 

「私にも手伝えって言ってきて、私は答えようとしたのですが……未唯さんの言葉を思い出して……言いました!」

 

 

『私は貴方の我が儘を聞くだけの人間じゃない!それにそんな風に学校を私物化しないでください!!!いくら理事長の娘だからって、幼馴染だからってやっていいことと悪いことがあることを理解してください!それと!理事長も娘を甘やかさないでください!!親なら注意してください!!虹ヶ咲は貴方の学校ではなく、みんなの学校ですからね!!』

 

 

「と……そしたら理事長は幼馴染を叱り、幼馴染はそれでも納得しなかったのですが…………理事長は強制的に幼馴染を帰らせました」

 

えっと…………何か大事になっていた気が………………

 

「未唯さんのお陰です。本当にありがとうございました」

 

「あ、あはは……うん、どういたしまして……」

 

これ……本当に大丈夫だよね?

 




普通に仲良しの話を書きたかった…………

次回もオリストです!
感想待ってます


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13 栞子ちゃんとデート?

今回も外伝です


『未唯、今日遊べる?』侑

 

『ごめん、今日は無理~』未唯

 

『何か用事?』侑

 

『今日はデートなの』未唯

 

『デートか~え?』侑

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

「と言うわけで…………未唯のデートを見守ろうと思うの」

 

「ねぇ、侑ちゃん……本当にデートなの?」

 

「未唯がそう言ってたから!幼馴染みとして見守らないと!」

 

「もう~侑ちゃん、未唯ちゃんの事になると……」

 

「歩夢?大丈夫!歩夢の時は全力で相手を見極めるから!」

 

「も、 もう」

 

と言う訳で未唯の後を付けていくことに、それにしても未唯の服……凄いオシャレ……一体相手は誰なんだろう?

 

「あ、お待たせ~」

 

未唯が嬉しそうにしながら駆け寄った相手は…………

 

 

 

 

未唯side

 

「待った?栞子ちゃん」

 

「い、いえ、そんなには……」

 

「わぁ~栞子ちゃんの服、すごくかわいいね」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

「それで行く場所の事なんだけど…本当にいいの?」

 

「はい」

 

今日は栞子ちゃんが行きたいところに行くのではなく、私が行きたいところに連れていって欲しいって話だった。

そもそも今回のお出掛けは栞子ちゃんともっと仲良くなりたいって言う話から始まったものだった。

 

「それじゃ映画見に行こう!!」

 

「はい」

 

私は栞子ちゃんの手を握りながら映画館へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

侑side

 

「映画みるんだね」

 

「二人は何をみるんだろう?」

 

「う~ん、ここからじゃよく見えないから……歩夢は何を見たい?」

 

「えっ?私?その…この恋愛映画かな?」

 

「それじゃ見よう!」

 

「えっ?未唯ちゃんが見るものじゃないの?」

 

「何見るか分からないし、折角だから歩夢が見たいものがいいかなって」

 

「ゆ、侑ちゃん///」

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

私たちが見ようとしている映画は日曜の朝にやっているアニメの劇場版。前にせつ菜さんにお勧めされて見てみたら、すごく面白かったんだよね

 

「その…初めて見る作品なので私にも分かりますか?」

 

「始まる前に簡単に説明するね」

 

ワクワクしながら、劇場へと入る私たちであった。

 

 

 

 

 

 

侑side

 

「けっこう面白かったね」

 

「う、うん……」

 

映画を見終わると歩夢は泣いていた。本当に泣くほど良かったんだね

 

「幼馴染みが大好きな人の事諦めちゃうなんて…………うぅ」

 

「よしよし、そこのベンチで少し落ち着こうね」

 

「うんうん」

 

歩夢の頭を撫でる私だけど、何か忘れていたような…………

 

「あれ?侑おねえちゃんとぽむおねえ……」

 

「歩夢さん、どうして泣いて……」

 

あ、後をつけてたの忘れてた。

 

 

 

 

未唯side

 

何故かベンチに座っているお姉ちゃんたちを見つけて、話を聞くとどうにも私が誰とデートするのか気になって後をつけていたみたいだった。ぽむお姉ちゃんが泣いていたのは見た映画に感動したとの事らしい

 

「もう私に恋人はいないよ~出来たらちゃんと言うもん」

 

「あはは、そうなんだ」

 

「歩夢さん、落ち着きました?」

 

「うん、ありがとうね……栞子ちゃんたちは何を見てたの?」

 

「私たちはアニメ映画だよ」

 

「子供向けと思っていましたが……奥が深いですね。テレビシリーズ見てみたいです」

 

「それなら私、Blu-ray持ってるから今度貸すね」

 

「いいんですか?」

 

「だって友達だもん。そういう風に貸し借りとかしてみたいよね」

 

「は、はい」

 

顔赤らめてるけど、栞子ちゃん嬉しそうだな~

 

「それじゃ次は……四人でどこか行く?」

 

「うん、次は私のお勧めの場所に連れてくよ」

 

「それじゃその次は私のお勧めの場所を」

 

こうして夕方まで四人でお出掛けを楽しむのであった。




次回は外伝ではなく、普通にオリストに入ります
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14 璃奈ちゃん頑張る

オリスト書こうと思ったけど、璃奈ちゃんの話が終わってからにします


昨日、お姉ちゃんたちと愛さん、璃奈ちゃんとでジョイポリスで遊んできた帰り道、璃奈ちゃんのクラスメイトの子が、ジョイポリスでライブとかやらないのかと言われ、璃奈ちゃんはやってみたいと言い…………そして今日の活動の際、その事を話していた。

 

「色々足りないのは分かってる。でも、みんなに見てほしくなって……それに、PVはキャラに頼っちゃったから……クラスの子達は良いって言ってくれたけど、あれは本当の私じゃないから……ダメ…かな?」

 

「良いんじゃない!」

 

「決めるのは璃奈ちゃんだよ!」

 

「私は、璃奈さんの決めた事を応援しますよ!」

 

「そうです! チャレンジしたいという気持ちは大事な事だと思います!」

 

「うん」

 

みんな賛成みたいだった。

 

「良かったね璃奈ちゃん」

 

「うん…」

 

「私も何か手伝えることがあったら手伝うからね」

 

「ありがとう。未唯ちゃん」

 

璃奈ちゃんって表情を上手く出せないけど、何となく気持ちが分かる。凄いやる気だった。

 

「にしても先輩たちだけ遊んでずるいですよー」

 

「VRで遊んだんですよね?どうだったんですか?」

 

「えっと……」

 

「なんと言うか……」

 

「いやーあれは愛さんも驚きだったよ……」

 

「未唯ちゃん、凄かった」

 

『え?』

 

昨日遊んだメンバー以外が何故か私の方を見て驚いていた。私、そんな凄いことしてないんだけどな~

 

「迫り来る敵を全部撃ち落としてるし」

 

「動きも普段と違ったよね」

 

「前からやってたり?」

 

「そんなことないよ?ちょっとだけ……」

 

「ちょっとって感じじゃなかった」

 

そ、そんなに私……凄かったの?自分ではよくわからない

 

そんなこんなで練習が始まるのであった。

 

璃奈ちゃんは気合が入っていて、普段以上に練習に励んでいる。

 

「こんにちはー! 今日は、かすみん、会場のみんなを夢中にさせる魔法、かけちゃいますからねー!」

 

可愛らしくそう言うかすみちゃん。これ、何の練習?

 

「もう夢中だよ!」

 

「良いよ! かすかす!」

 

「かすかすって呼ばないで下さい! プン!」

 

あぁこれMCの練習なのか…………

 

すると今度はぽむお姉ちゃんの番に

 

「えっと……今日は来てくれてありがとうございます。一歩ずつ頑張っていくので、応援よろしくお願いしますね!」

 

凄い……ぽむお姉ちゃん、正統派って感じがするよ

 

「歩夢! 今日も可愛いよ!」

 

「え……照れるよ…」

 

「そういうところが可愛いよ!」

 

侑お姉ちゃんにそう言われて照れるぽむお姉ちゃん。二人は本当に仲が良いな~

 

「ムム…かすみんだって、可愛さなら負けてませんよ!」

 

かすみちゃんは変なライバル心を持ち始めたけど…

 

「かすみちゃんにはかすみちゃんの可愛さがあるから大丈夫だよ」

 

「みい子ったら、もう~」

 

かすみちゃんは照れてるけど、璃奈ちゃんは何だか難しそうって思ってるのかな?

 

「璃奈ちゃん、出来そう?」

 

「今回はできないからやらないは、なしだから」

 

本当にやる気満々だ

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の練習帰りに、私たちは璃奈ちゃんの家を訪れていた。

璃奈ちゃんの家はなんと言うか凄いハイテクな感じで……部屋には沢山の機械が置いてあった

 

「機械とかも得意なんだね!」

 

「うん。私、小さい頃から、表情出すの苦手で、友達いなかったから……1人でできる遊びばかりしてたんだ……だから、高校生になって、こんなに毎日がワクワクするなんて思わなかった……こんなに変われるなんて、思わなかった……みんなに、すごく感謝してる。私、頑張るよ!」

 

璃奈ちゃんは変わろうとしてるんだね。

愛さんは璃奈ちゃんの話を聞いて思わず抱き締めていた

 

「ライブ、成功させようね!」

 

「うん!」

 

璃奈ちゃんの思いが……頑張りが実るように私も頑張ってサポートしないとね

 

 

 

  




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15 エイプリルフール!

璃奈ちゃん回後編書こうと思いましたが、折角なので…………


「そう言えば今日ってエイプリルフールだよね?」

 

「うん、侑ちゃん、何か嘘つくの?」

 

「う~ん、つきたいけど……歩夢が泣いちゃうからな~」

 

「えぇ!?私、泣かないよ」

 

「いや、子供の頃に、歩夢に大嫌いって言ったら……大泣きしてたじゃん」

 

「あ、あれはエイプリルフールってこと知らなかったから……今はもう大丈夫だよ」

 

歩夢は自信満々にそう言うけど……本当かな?ちょっと試しに…………

 

「歩夢、大嫌い」

 

あ……ダメだ……私が凄い嫌な気持ちになる。歩夢はちょっと悲しそうな顔をして…………

 

「侑ちゃん……嫌い、大嫌い!」

 

あ……歩夢……に嫌いって…………

 

「えっと侑ちゃん、大丈夫?」

 

「う、うん……何とか……結構来るね……これ……」

 

「もうやめようか」

 

「そうだね」

 

二人でそう話ながら学校へと向かうのだったけど………………

 

「た、大変だ……お姉ちゃんたちが喧嘩してる!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

少し寝坊した私は、先に出た二人の所へと向かっていた。

すると前を歩く二人を見つけて声をかけようとした瞬間…………

 

『歩夢、大嫌い』

 

『侑ちゃん……嫌い、大嫌い!』

 

二人のそんな声が聞こえた。い、今のって…………聞き間違いじゃないよね?二人は暗い顔してるし…………ど、どどど、どうしよう?

 

二人に声をかけるべきか……こう言うときに相談できるのは………………

 

 

 

 

 

 

 

「お二人が喧嘩を?」

 

「うん……」

 

お昼休みに生徒会室で栞子ちゃんに今朝の事を相談した私。栞子ちゃんは真剣な顔をして……

 

「確かに……それはかなり危機的ですね……あの二人が喧嘩と言う事は…………」

 

「ど、どうしよう!?栞子ちゃん!?」

 

「時間が解決して…………では無理そうですね」

 

「うん……私は早く二人に仲直りしてほしいから…………」

 

「ではお二人を呼び出して、仲直りしてくださいと言うべきでは?」

 

「それしかないよね……」

 

「えぇ、言葉にしてハッキリと伝えるべきです!」

 

栞子ちゃんはお姉ちゃんたちを呼び出して、しばらくすると…………

 

「どうしたの?栞子ちゃん」

 

「未唯ちゃんも?」

 

「あのね……お姉ちゃんたち……何があったか分からないけど………………仲直りしてほしいの」

 

「「えっ?」」

 

「今朝、未唯さんはお二人が喧嘩をしているのを見て…………どうにかしたいと思ったみたいなんです」

 

「私……お姉ちゃんたちには喧嘩とかしてほしくないの……二人が暗い顔してるの見るのが凄く辛いの……」

 

「えっと……」

 

「未唯ちゃん?」

 

「お互いのこと、嫌いにならないで…………」

 

思いが溢れてしまったからか、私はつい涙を流してしまった。すると侑お姉ちゃんは……

 

「も、もしかして…………今朝のアレ……聞いてたの?」

 

「未唯ちゃん、あのね。あれは……」

 

二人は今朝の事を話すと…………

 

「エイプリルフール…………」

 

「そう言えば今日でしたね」

 

つまり……私の勘違い?凄く恥ずかしいんだけど…………

 

「ま、まぁ知らないと勘違いしちゃうよね」

 

「大丈夫だよ。私たちは未唯ちゃんを悲しませたりしないから」

 

「うぅ…………ごめんね。栞子ちゃん……巻き込んじゃって……」

 

「いえ、その…………未唯さんが私のことを頼ってくれたのが嬉しかったです」

 

「栞子ちゃん……」

 

「未唯も折角だから栞子ちゃんに嘘ついてみたら?」

 

「え?」

 

「そうですね。折角の機会ですから」

 

嘘か……それじゃお姉ちゃんたちに習って……

 

「栞子ちゃん、嫌いだよ」

 

「はい、私も貴方が嫌いです」

 

うん、嘘でもちょっと良い気持ちにはならないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

しずくside

 

見てしまった。

 

私は歩夢さんにユニットの事で相談をしに探していたら、生徒会室から声が聞こえ……覗き込むと…………

 

「お姉ちゃんたち、大嫌い!」

 

「私も未唯のこと大嫌い!」

 

「私も大嫌い!」

 

ま、まさかあの三人が喧嘩を……栞子さんは笑顔ですし……これは…………由々しき事態!

 

 

 

 

 

 

それからしずくちゃんがエイプリルフールだと言うことに気がついたのは、練習後のことだった。




次回本編に戻ります
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桜坂しずく誕生日回 しずくの妹

本編に戻るつもりでしたが、誕生日回です!


「えっ?しずくちゃん、明日誕生日なの?」

 

「うん、未唯さんに言ってなかったっけ?」

 

「聞いた覚えがあるけど……忙しくって……プレゼント買わないと!」

 

部室で明日、しずくちゃんの誕生日だと言うことを知った私は急いで帰る準備をしようとするけど、しずくちゃんがそれを止めた

 

「そんな気にしなくて良いよ。お祝いしてくれるだけでも嬉しいから……」

 

「で、でも……」

 

友達としてはちゃんとお祝いしないといけない!でも急いで買いに行くとしてもゆっくり選んでられる時間がない…………どうしたら……

 

暫く悩んでいるとあることに気がついた。

 

「しずくちゃんって一年生の中で……一番お姉さんなんだよね?」

 

「え?うん、そうだけど……」

 

それなら……私はあることを思い付いた。そのために……

 

「しずくちゃん、今日しずくちゃんの家に泊まって良い?」

 

「え?うん、いいけど……」

 

「それじゃ急いで帰ろう!」

 

「え?え?」

 

私はお母さんとお姉ちゃんたちに連絡をして、しずくちゃんの家にお泊まりするのであった。

 

 

 

 

 

 

しずくside

 

目を覚ました私。昨日は未唯さんがお泊まりにきて…………ずっと話したり、オフィーリアと遊んだりしたんだっけ?

 

「おはよう。お姉ちゃん」

 

「ん……おは……え?」

 

先に目を覚ましていた未唯さんだけど……今、何て言った?

 

「お姉ちゃん、寝ぼけてる?」

 

「えっと……お姉ちゃん?」

 

「うん、お姉ちゃん」

 

こ、これは……どう言うことだろうか?未唯さんが私の妹に?もしかして…………

 

「もしかしてプレゼントととして、1日妹に?」

 

「うん!」

 

未唯さんって……しっかりもので、こう言う悪ふざけはしないかと思っていたけど……まさか…………

 

「お姉ちゃん」

 

でも未唯さんみたいな可愛らしい子が妹と考えると……結構うれしいものがある…………

 

「な、なぁに?未唯さん」

 

「もう!妹なんだからさん付けはなしだよ!」

 

あ、しっかりそこも演じるんだね…………

 

「み、未唯ちゃん、今からオフィーリアの散歩に行く?」

 

「うん!」

 

弾ける笑顔を見せてきた未唯さん。ど、どうしよう……本当に可愛い……って変なことを思ってしまってはダメだ!未唯さんは友達、友達…………

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん~」

 

無邪気にはしゃぐ未唯ちゃんとオフィーリア。うん、ほのぼのした光景に私はうっとりしていた。

 

「未唯ちゃん、転ばないようにね」

 

「はーい」

 

本当に未唯ちゃんに魅了されてしまった私……未唯ちゃん……恐ろしい子…………

 

「お姉ちゃん、あっちでアイス売ってるよ~買いに行こう~」

 

「うん」

 

それから私たちは姉妹のように休日を楽しむのであった。

 

 

 

そして次の日…………

 

部室にやってきた侑先輩たち…………そして

 

「しずくちゃん、おはよう」

 

「おはようございます。未唯ちゃん」

 

思わずそう呼んでしまい、先輩たちが?マークを浮かべていた

 

「しずくちゃんって……未唯のこと、そんな風に呼んでたっけ?」

 

「え、えっと…………」

 

何て説明すれば良いのか考えていると、未唯さんは笑顔で……

 

「おはよう。しずくお姉ちゃん」

 

「「お姉ちゃん!?」」

 

「み、未唯さん!?」

 

無邪気に笑う未唯さん。なんと言うか……からかったりしてくるとは思ってもみなかったけど…………そういう風に絆が深まったのかな?

 

「しずくちゃん、どう言うこと?」

 

「お、お姉ちゃんって……」

 

でもまずは二人に事情を話してほしいのだけど…………




次回こそは本編に…………

と言うか未唯の誕生日考えてないや……誰かいい日ない?


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16 思い、伝える

ようやく本編に戻ります


少し遅れて練習場所に向かおうとする私。だけど、その途中で璃奈ちゃんとすれ違った。

 

「あ、り…なちゃん?」

 

何だか様子がおかしかったけど……何かあったのかな?

 

 

 

 

みんなの所に行くと璃奈ちゃんが急に帰ると言い出して走り去ってしまったらしい。私はふっと窓ガラスに描かれていた文字に目が入った。

 

「今日はもう解散しない?」

 

「果林ちゃん、拗ねてる?」

 

「何で私が!?」

 

「明日は、モデルのお仕事入れないようにしてたもんね」

 

「本当は璃奈ちゃんのライブ、楽しみにしてたんじゃない?」

 

「わ、私は、ライブの内容に興味があっただけよ!」

 

「そうなんですかー? 果林先輩も可愛いとこあるんですねー!」

 

「お黙り!」

 

みんながそんなことを話している中、私はお姉ちゃんにお願いをした。

 

「お姉ちゃん、璃奈ちゃんの所に……」

 

「未唯、うん、わかってるよ。みんなで行こう」

 

お姉ちゃん……わかってくれたんだ

 

私たちは急いで璃奈ちゃんの家へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エントランスまで来て、愛さんが連絡を入れた

 

「りなりー、いる?」

 

「愛さん! いきなり、りなりーはどうかと思いますよ……」

 

「ああ、ごめんごめん…普段この時間は、りなりー1人だって聞いてたから……」

 

璃奈ちゃんに話をしたいと伝えると、マンションのドアが開かれ、中に入り、家の中に入ると……部屋の真ん中に段ボールがおかれていた。もしかして……この中に?

 

「りなりー」

 

「ごめんね、勝手に休んで…」

 

「ホントだよ……心配したんだぞ……どうしたの?」

 

「自分が、恥ずかしくて……私は何も変わってなかった…昔から、楽しいのに怒ってるって思われちゃったり、仲良くしたいのに、誰とも仲良くなれなかった……今もクラスに友達はいないよ……全部私のせいなんだ……もちろん、それじゃダメだと思って、高校で変わろうとしたけど、最初はやっぱりダメで……でも、そんな時に、愛さんと会えた・・・。スクールアイドルのすごさを知る事ができた」

 

璃奈ちゃん……

 

「もう一度、変わる努力をしてみようって思えた……歌で沢山の人達と繋がれるスクールアイドルなら、私は変われるかもって……でも、みんなは、こんな事でって思うかもしれないけど、どうしても気になっちゃうんだ……自分の表情が、ずっとそれで失敗し続けてきたから…ああ、ダメだ……誤解されるかもって思ったら、胸が痛くて、ギューって……こんなんじゃ……このままじゃ……私は、みんなと繋がる事なんてできないよ……ごめんなさい……」

 

それは……違う…それは違うよ。だって……

 

 

「ありがとう」

 

「え?」

 

侑お姉ちゃんの突然の言葉に驚く璃奈ちゃん

 

「璃奈ちゃんの気持ち、教えてくれて」

 

「うん。愛さんもそう思うよ」

 

「私、璃奈ちゃんのライブ、見たいな。今はまだできない事があってもいいんじゃない?」

 

「え?」

 

「そうですよね。璃奈さんにはできるところ、沢山あるのに!」

 

「頑張り屋さんなところとか!」

 

「諦めないところもね」

 

「機械に強いし」

 

「動物にも優しいですしね!」

 

「みんなー! ドンドン言っちゃって、ずるいよー!よーし! 愛さんも!」

 

愛さんは段ボール事抱きしめていた。そして私も自分の思いを告げた。

 

「璃奈ちゃん、大丈夫だよ。伝えられないって思っても……私には伝わってるよ。璃奈ちゃんの気持ち……」

 

「「あ…」」

 

「未唯ちゃん……」

 

私だけは分かってしまう。別にへんな力とかそういう空想の力と0か使えるわけじゃない。ただ……

 

「りな子。ダメなところも武器に変えるのが、一人前のアイドルだよ」

 

「そうそう! できない事は、できる事でカバーすればいいってね!」

 

「一緒に考えてみようよ!」

 

「まだ時間あるし!」

 

「ありがとう……」

 

「璃奈さんとこういうお話できたの、初めてですね」

 

「そういえば、そうだねー」

 

そういえばどうしてこんなにすらすら話せるんだろう?少し考えてみるとある事に気が付いた。それは璃奈ちゃんも……

 

璃奈ちゃんは立ち上がり、カーテンを開け………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてライブ当日

 

ステージのある画面に映像が映し出された

 

『ニャニャーン! 初めまして! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の天王寺璃奈です! 今日は、今の私にできる精一杯のライブを見てもらいたいです! 楽しんでくれると嬉しいな!』

 

そしてステージにはライブ衣装をまとい、表情を読み取るボードをつけた璃奈ちゃんの姿があった。

 

これが……璃奈ちゃんの目指すアイドルなんだね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブ終了後、みんなで璃奈ちゃんに話しかけていると、璃奈ちゃんは私に……

 

「どうして未唯ちゃんは私の気持ちわかったの?」

 

「え?あーそれは……」

 

「なんとなくじゃダメ……」

 

だ、だよね~まぁ別に話してもいいかな

 

「私も昔は璃奈ちゃんみたいだったの……」

 

「えっ?」

 

「だからわかっちゃうんだと思う……」

 

「それって……」

 

「あはは、つまらない話だから……あんまり話したくないんだよ。ただね……」

 

私は笑顔で話す侑お姉ちゃんとぽむお姉ちゃんをみた。今の私があるのは……

 

「二人のお姉ちゃんのおかげだよ……」

 

「そっか……」

 

 

 

 

 




次回、もしかしたらオリストかな?もしかしたら彼方ちゃんの話か……



また前回、未唯の誕生日案もらったりしましたが、とりあえず3月31日にします

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17 外伝 栞子との出会い

はい、外伝です!


栞子side

 

ある日の昼下がり、私は部室で読書をしていた。

 

「みんないるーって栞子ちゃんだけ?」

 

「侑さん、しー」

 

私は指を口元に当てながらそう言い、ある場所を指差した。

 

「あ、珍しいね。未唯がお昼寝してるなんて」

 

「ほんの10分前に寝たんですよ」

 

今、私は未唯さんを膝枕している。未唯さんの寝顔は……なんと言うか……いや、普段の姿を見ていると分かってしまうけど……

 

「でも本当に二人とも仲良しだよね。未唯の幼馴染件姉としてはうれしいよ」

 

「そうですね……私も……未唯さんとこんな風になれるとは思ってなかったですし……」

 

「そうなの?」

 

「はい、特に最初の頃は……」

 

「最初って、栞子ちゃんが同好会にきて廃部にするーって言っていたときの事?」

 

「あ、あのときの事は本当に申し訳ないことを…………普通なら土下座をするべき……」

 

「いやいや、そこまでしなくていいからね。それで未唯との関係が最悪だったの?」

 

「あの時は……まだですね……彼女なり……その件は彼女からしてみれば特に気にしてはなかったと言うべきか…………」

 

「どう言うこと?」

 

「そうですね……話しておくべきですね……あれは生徒会長再選挙が終わった次の日…………選挙の際は彼女、風邪を引いていて休んでいて………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

部室で選挙のことを聞いた私は、生徒会室を訪ねていた。

 

「失礼します」

 

「貴方は……高柳未唯さんですね」

 

「はい、今日はお話があってきました」

 

「話ですか……普通なら……」

 

「事前に連絡をするべきでしたが……急ぎなので……」

 

私は穏やかな口調で話を進めた。

 

「先ずは会長就任おめでとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

「それでですね……同好会を廃部にするという話ですが…………」

 

「えぇ、スクールアイドル同好会は必要は…………」

 

「でもおかしいですよね?」

 

「はい?」

 

「虹ヶ咲は自由な校風と多様な専攻の学園ですよね?なのに…………廃部にするのはおかしいですよ」

 

笑顔で更に話を続ける。

 

「それは……前任者である中川さんは…………」

 

「せつ菜さんは同好会に所属件部長でしたから、廃部にするのは特に問題はないですよ」

 

「…………貴方は要するに廃部にすることを撤回に……」

 

「はい、それにですね。生徒会長に廃部にする権限はないですよ?」

 

「…………」

 

黙り混んじゃったか……まぁまだ話は続けちゃうけどね

 

「もしもその権限が与えられていたとして、ただ気に入らないからという理由で執行するのは……しょっけんらんよう?でいいのかな?まぁそれになるよね」

 

「…………ですが……」

 

「ちゃんと明確な理由を提示してください。同好会には誇るべきものが無いと言いたいのであれば…………前にせつ菜さんが大会に優勝してますよ?」

 

「っ!?」

 

「他に理由はあります?」

 

終始笑顔でいる私だけど……栞子ちゃんからしてみれば…………怖いと思ってるのかな?

 

「…………貴方はどうしてそこまで…………他の方は直談判に来てないですよ」

 

「そこまでするのか……ですか?決まってるじゃないですか…………私たちの居場所を奪わないでください!」

 

少し声をあらげてしまった。栞子ちゃん、凄い驚いてる……

 

「…………」

 

「それでは失礼します」

 

「あの……貴方は私が会長になることに関して…………文句はないのですか?」

 

「え?ないよ」

 

「どうして…………」

 

「だって……せつ菜さん、少し抱え込みすぎだからね。少しでも軽くしてあげたいの」

 

「……そう…ですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

「ということがありまして…」

 

「未唯…結構やるときはやるからね……でも昔に比べたら凄い成長してるよ…」

 

「そうなのですか?」

 

「うん、昔はもう少し大人しかったかな?」

 

「ん…」

 

すると私たちの声で目を覚ました未唯さんは目を擦りながら、起き出した

 

「あ、栞子ちゃん、ごめんね。膝大丈夫?」

 

「えぇ、大丈夫ですよ」

 

「何だか…栞子ちゃんと話してた夢見てた…」

 

「それって栞子ちゃんに直談判した夢?」

 

「何でわかるの!?って栞子ちゃん、あのときのこと話したの!?」

 

「す、すみません…」

 

「うぅ、あの頃はなんと言うか……居場所を守りたいって思ったから…………ちゃんと後でキツいこと言ってごめんって言ったけど……」

 

「でもそれで変われたかと思います。未唯さん、本当にありがとうございます」

 

「えっと……どういたしまして……なのかな?」

 

「本当に二人は仲良しだね~」

 

「お姉ちゃんたちもだよね~」

 

「あ、あはは……」




割とみいしおは書いてて楽しい

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18 外伝 栞子と猫

また外伝です!にゃんヶ咲ネタというべきか……


生徒会の業務を終え、遅れて同好会へと行くとテーブルの上に……

 

「猫?」

 

一匹の白猫がいた。何処から入ってきたのだろう?もしくは誰かが連れてきた?

 

「みー」

 

「はんぺん……とは違うみたいですね……」

 

子猫だから小さい。私はそっと抱き抱えた。

 

「おとなしい子……それに何だか……この子、未唯さんみたい」

 

大人しく、そして可愛らしい…未唯さんが猫になったらこんな感じになるのかな?

 

「そう言えば皆さん…まだ来てないけど…どうしたのでしょうか?」

 

「みーみー」

 

「あ、ごめんね。抱かれるの嫌だった?」

 

下ろすと、子猫は何故か私にすり寄ってくる。

 

「えっと…」

 

もう一度抱き上げると、子猫は何だか落ち着いている。

 

「可愛い…」

 

ちょっと気を緩んでしまった。それほどこの子は可愛いということなのかな?

 

「この子に向かって可愛いって言えるのに……私は……未唯さんに可愛いって言えないのはちょっと情けないですね」

 

「み?」

 

「あぁごめんなさい。貴方は分からないですよね?友達に貴方に似た子がいて……凄く可愛らしい子なんですよ」

 

本当に気が緩んでいるせいか、普段思ってることを子猫に話していた。

 

「未唯さんは大人しい子なのですが、納得できないことがあると普段の感じでは考えられないほど積極的になったりもするんです。最初の頃は驚きましたが…………そう言うところも未唯さんの魅力なんです」

 

「み、みー」

 

「ふふ、一人でいることが多かった私に……未唯さんは優しく手をさしのべてくれて…………天使みたいな人なんですよ」

 

子猫の頭を撫でながらそう言うと、子猫の様子がおかしかった。どうしたのだろうか?

 

「お腹すいたの?えっと…」

 

ミルクか何かないか探そうとしていると、子猫は急に暴れだした。私は慌てて下ろそうとした瞬間、転んでしまい、謝って子猫にちゅうをしてしまった。すると…………

 

「あ……」

 

「え?」

 

ぼんっと音が聞こえた瞬間、私の上に裸の未唯さんが………………

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

少し前のこと、部室でみんなとのんびり過ごしていると…………

 

「はぁ~猫の気持ちを知りたい」

 

「どうしたの?未唯ちゃん、突然……」

 

「ぽむお姉ちゃん、いや、猫可愛いな~って思って……猫とお話しできたらな~って思ったの」

 

「ふふ、未唯ちゃんらしいね」

 

そんな他愛のない話をしていると、璃奈ちゃんがあることを言い出した。

 

「その夢、叶えられるかも」

 

「え?」

 

「クラスの子に科学部の子がいて……偶然そう言う薬を作ったって……今あるから使ってみる?」

 

「いや、明らかにそんなものできるわけないでしょ」

 

「まぁまぁかすみさん、少しは夢を持ちましょう」

 

「しず子!それじゃ私が夢を持ってないみたいじゃない!」

 

二人がいつもの喧嘩をしていると、璃奈ちゃんが白い薬を取り出した

 

「飲んでみて」

 

「あ、明らかに大丈夫そうな薬には見えないんだけど……」

 

「未唯ちゃん、やめた方が……」

 

「飲んでみるね!」

 

「「えっ!?」」

 

お姉ちゃんたちが驚いているけど、本当に猫の気持ちが分かるなら試す価値あるよね!

私は一気に飲み干すと…………ぼんっと音がなり…………

 

「みー」

 

何故か猫になっていた

 

『えぇーーーーーー』

 

私の姿にみんなが驚くけど……当たり前だよね……

 

「みーみー」

 

私は必死に『何で猫になってるの』って伝えようとするが、鳴き声だから伝わらない

 

「りなりー、その薬……もしかして……」

 

「うん、猫の気持ちを知るの意味が違った『オロオロ』」

 

「みー」

 

「未唯ちゃんって猫になるとこんな感じなんだ」

 

「まぁなったらこんな感じになりそうだとは思ったけど……」

 

「可愛い~よしよし」

 

エマさん、果林さん、彼方さんは落ち着いてるけど……いや、そうじゃなくって……

 

「こ、これは……正に漫画みたいな展開ですね!服も脱げてしまって……」

 

あの……せつ菜さん?状況読んで……

 

「と、とりあえず元に戻す方法は……」

 

「聞いてみる……」

 

「みんなで行こう!未唯、待ってて」

 

いや、誰か残っててほしいのだけど……ってみんな行っちゃった…………

 

とりあえず戻ってくるまで何してよう……

そんなことを思っていると、栞子ちゃんがやって来た。

 

栞子ちゃんは私を抱き抱えて、可愛いと言ったり、撫でたり……普段私にたいして思ってることを…………って聞かされる方が恥ずかしいよ………………

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで元に戻れたけど………………

 

「///////」

 

栞子ちゃんはずっと顔を真っ赤にして、俯いていた。私は脱げた制服を着直して……

 

「えっと…栞子ちゃん」

 

「あ、あれは…その…」

 

「えっと」

 

天使みたいなとか言ってしまったことを恥ずかしがってるのかな?

 

「と、とりあえず今日のことは忘れた方がいいよね?」

 

「で、出来たら……お願いします」

 

お互いそう約束をするのであった。

お姉ちゃんたちが戻ってくるまでの間、栞子ちゃんはずっと顔を真っ赤にさせていたのであった。




本当に外伝の方が書きやすい

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19 外伝 Liella!との出会い

今回はLiella!組との話です


はぁ……みんな遅いな~

 

私は今、待ちぼうけを喰らっていた。理由としては……今日はいつもと違う場所で練習をしようと言う話になり、渋谷の代々木公園でみんなと待ち合わせをしていたのだけど…………

 

「遅いな~」

 

お姉ちゃんたちは買い出しをしてから来るらしいけど、みんなはみんなでそれぞれ違った理由で遅刻している。

 

「これだったらお姉ちゃんたちと一緒に来れば良かったな~」

 

一人でそんなことを呟いていた。

 

それにしてもいい天気で……段々と眠く…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「の……」

 

ん?

 

「…………ますよ」

 

誰の声だろう?

 

「風邪引きますよ」

 

「ん…」

 

目を開けると私の顔を覗き込んでいた女の子がいた。

 

「あ、ごめんなさい」

 

「いえ、ベンチで気持ち良さそうに寝ていたみたいですけど、まだ寒いですから………」

 

見知らぬ人に気を遣わせちゃったな~

 

「あなた、ここら辺に住んでるの?」

 

「ううん、お台場周辺だよ」

 

「そうなの?」

 

「今日は友達と練習に……」

 

「練習?」

 

「かのんちゃーん!」

 

するとこっちに四人の女の子が駆け寄ってきた。このかのんちゃんって子の友達かな?

 

「かのんさん、その人は?」

 

「ベンチで寝てたから……」

 

「ナンパしてたの?」

 

「かのんさん、意外と……」

 

「違うから!ちーちゃんもお願いだから変なこと言わないでよ~」

 

仲良いな~、幼馴染なのかな?

 

ふっと気がつくと、一人の女の子が私のことを見つめていた。

 

「あ、あの……」

 

「あなた、もしかしてスクールアイドルですカ?」

 

『えっ?』

 

「あ、はい」

 

何で分かったんだろう?まだライブとかしてないのに………

 

「やっぱり!虹ヶ咲の天使の子ですヨ!」

 

て、天使!?

 

「天使って、前に可可ちゃんが話してた子だよね!」

 

「はい、虹ヶ咲のスクールアイドル10人はライブを披露しているのにも関わらず、11人目の彼女はまだ披露していないのですガ、その天使の様な容姿から人気が高い。高柳未唯ちゃんですヨ!」

 

わ、私、そんなこと言われてるの!?

いや、ライブはまだやってないけど……天使なんて……

 

「わぁ~凄い子なんだ~ねぇ、今から色々と話したいから家に来ない?」

 

「そうですね。スクールアイドルの先輩として、お話を聞けるのもいいかもしれません」

 

「え、ちょ……」

 

「それに私たちの事も知ってもらえるかもしれないからね!」

 

「ほら、待ち合わせの子達に連絡して、早く行こう!」

 

「あ、あの……」

 

そもそもこの子達、スクールアイドルなの!?

自己紹介する前に、私はかのんちゃんの家の住所を教えてもらい、みんなにメッセージを送り、連れてかれるのであった……




次回に続きたいですが、次回は普通に本編に戻り、そのあとに続きやります!

みんなの口調難しい……

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20 遥ちゃんとの出会い

朝の同好会のミーティング中、彼方さんからある話が出た。

 

「実は今日~遥ちゃんが来るんだけど、いいかな~?」

 

「遥ちゃんって、彼方さんの妹の……」

 

「そう~スクールアイドルですごく可愛いんだよ~」

 

そう言いながらうっとりする彼方さん。本当に遥ちゃんの事が好きなんだな~

 

「うん、大丈夫だよ。私も会ってみたいし」

 

「では出迎えは侑さん、歩夢さん、私、未唯さんでしましょう」

 

「私も?」

 

何で私もなんだろうと思っていると、彼方さんはあることを言い出した。

 

「実は遥ちゃん、未唯ちゃんにも会ってみたいんだって」

 

「私に?」

 

「そう~だから仲良くしてね~」

 

「は、はぁ……」

 

遥ちゃんが私に会いたいって一体何でだろうと思いながら、朝のミーティングが終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後……

 

「じゃーん!遥ちゃんでーす!」

 

「今日はよろしくお願いします!」

 

「すごいすごーい! あの東雲学院で注目度ナンバー1の近江遥ちゃんに会えるなんて、ときめいちゃう!」

 

「いえ、そんな……」

 

「侑ちゃん、他校のスクールアイドルもチェックしてるんだね。」

 

「だって、あの東雲学院だよ! 都内でも有名なスクールアイドル部に期待の1年生現るって、ネットでも話題なんだから!」

 

「そうなんだよー! 侑ちゃん、分かってるー!」

 

「急なお願いだったのに、ありがとうございます」

 

お姉ちゃん、本当にスクールアイドル好きになったんだな~

 

「いえ。お越しいただいて光栄です」

 

「可愛い上に礼儀正しくて、天使!」

 

「でしょー。なんかね、最近の彼方ちゃんがとーっても楽しそうだから、同好会に興味津々なんだって!」

 

「うんうん! 彼方さん、どんな練習も楽しそうだもんね!」

 

「ふふふーん。今日の彼方ちゃんは、一味違うよー!」

 

彼方さん、いつも以上に楽しそうだな。すると遥ちゃんが私のことを見つめた

 

「あ、あの高柳未唯さんですよね」

 

「う、うん」

 

「やっぱり……噂通りかわいい」

 

「え?」

 

「前々からお姉ちゃんから未唯さんのこと聞いてたんですけど、スクールアイドル界隈で、凄くかわいい子がいるって噂があって……」

 

そんな噂あったの!?私はお姉ちゃんたちのほうを見ると首を横に振っていた。お姉ちゃんたちも知らなかったみたいだ。

 

「中では天使みたいに可愛いって話から、天使系アイドルとか純粋無垢系アイドルとかって言われてるの」

 

そ、そんな……天使だなんて……うぅ、すごく恥ずかしい

 

「未唯ちゃん、凄いよ。ライブとかまだなのにもうそんな風に……」

 

「確かに未唯さんは魅力たっぷりですからね」

 

「遥ちゃんと未唯ちゃんの天使二人……ユニット組んでみるとか~」

 

「それいいかも!」

 

あ、あのお願いだから変に盛り上がらないで……恥ずかしいんだから……

 

「えっと未唯さん」

 

「あ、さん付けはいいよ。同じ年だし……」

 

「それじゃ未唯ちゃん。これから連絡取り合ってもいいですか?」

 

「うん、遥ちゃんが良ければ」

 

何だかすぐに仲良くなれたけど……その天使系とかそういう肩書ってどうにかできないのかな?

 

 

 

 

 

 

 

早速練習の様子を遥ちゃんに見てもらうことに、彼方さんは遥ちゃんの前だからかいつも以上に気合が入っていた。

 

「うぉぉおおおお!」

 

「お姉ちゃんがあんなに速く走るなんて…」

 

「うん。同好会の活動が再開してから彼方さんすごく頑張ってるんだよ」

 

「そうなんですね…」

 

「ん?」

 

ランニング中に侑お姉ちゃんと遥ちゃんが何か話しているみたいだけど……あの遥ちゃんの表情……

 

「もしかして……」

 

「どうかしたの?未唯さん」

 

「あ、ううん、何でもないよ。しずくちゃん」

 

私の勘違いならいいけど……とりあえず走らないと

 

それからいつも以上に張り切っている彼方さん。そしてそれを見守る遥ちゃん……

う~ん、やっぱり遥ちゃんが今日来た理由って………

 



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21 外伝 無慈悲な天使

外伝ですが……うん、思い付いた話を書いてしまった


「お邪魔するわよ!」

 

同好会のミーティング中に突然やって来た来訪者が勢いよくドアを開けてきた。私はそっとその来訪者を外に出し、扉を閉め、鍵をかけた。

 

「いや、未唯!鍵かけちゃダメだよ!」

 

侑お姉ちゃんがツッコミを入れてきた。いやだって…

 

「つい」

 

「未唯ちゃん、何か凄いノックが……」

 

ドンドンと大きな音が聞こえ、更に声も……

 

『ちょっと開けなさいよ!』

 

「……何かここの制服着てないから部外者だよ」

 

にこやかにそう言うと……栞子ちゃんが申し訳なさそうに……

 

「あの、未唯さん、彼女は私の幼馴染で……前に話した……」

 

あれが噂の?とりあえずみんなから話ぐらい聞いた方がいいと言われて、私は扉を開けると……

 

「やっと開けたわね!何のつもりか知らないけど…………」

 

ビシッ!

 

扉を閉めて、私はスマホで…………

 

「あ、すみません。学校に不審者が…………」

 

『未唯(ちゃん)(さん)!?』

 

みんなに止められてしまう私であったけど……何か関わりたくないから…………仕方ない。右ちゃんと左ちゃんに頼んでおくかな?

 

暫くして外が更に騒がしくなった。

 

『いいから行きますよ!』

 

『待ちなさい!まだ話は……』

 

『不審者扱いされてますよ!このままだと警察沙汰に………………』

 

そんな声が聞こえたけど、私は気にしないようにするのであった。

 

「未唯って、実は凄い子だったりするのかしら?」

 

「えっ?何で?」

 

「確かに~さっきの声の子って生徒会の子達だよね~?いつ知り合ったの?」

 

「知り合ったのは……栞子ちゃんの手伝いをしていたら自然に?」

 

「未唯ちゃんって意外と友達多いよね?」

 

「そんなことないですよ」

 

そんなに友達は多くないけど……

 

「でも未唯さんの頼みを聞くとは……」

 

「未唯ちゃん、弱味とか握ってる?」

 

「いやいや」

 

「だよね『ほっ』」

 

「手伝いをしてたときに困ったときは力を貸しますって言ってくれたから…………」

 

「所でさっきから気になってるんですけど……侑先輩と歩夢先輩は何を震えているんですか?」

 

かすみちゃんはそう言うと、みんなもお姉ちゃんたちを見た。二人は何故か震えていた。

 

「み、未唯……その怒ってないよね?」

 

「大丈夫だよね?」

 

「え?怒ってないけど…………」

 

「ゆうゆと歩夢~何かそれじゃ怒ったみーちゃんが怖いって感じだよ~」

 

「未唯さんが怒った姿……見てみたいですね。きっとかわいらし…………」

 

「「やめて!!」」

 

せつ菜さんの言葉を遮る二人。私……そんなに怖いのかな?

 

「未唯は自覚がないけど……」

 

「一回だけ……私たちが大喧嘩したときに…………………………」

 

「歩夢……止めよう……あの時の事は思い出したくない」

 

「みい子……一体何をしたの?」

 

「えっと……一回叱っただけだけど…………」

 

この時、私はみんなの心の声が一致していたことが分からなかった。ただ後々思うと…………みんなはこう思っていたのかな?

 

(一体どんな怒り方をしたんだろう?)

 

 

 

 

 

 

 

夕方、栞子ちゃんと一緒に帰ろうとしていると、校門の前に…………

 

「やっと来たわね!貴方が高柳未唯ね!」

 

「えっと……どちら様ですか?」

 

「貴方……扉を閉めて鍵をかけたこと忘れたのかしら……」

 

あぁあの時の不審者さんか

 

「ランジュ!?何をしに……」

 

「何を?栞子に余計なことを吹き込んだその子から栞子を取り戻しに来たのよ!!」

 

「余計なこと?何の話?」

 

「忘れたとは言わせないわ!貴方のせいで……私の計画が………………だから栞子をかけて勝負よ!」

 

栞子ちゃんをかけて?まるでものみたいな言い方…………気に入らない………………

 

「まぁライブとかで勝負してあげたいけど……それじゃ貴方が可哀想だからね!!貴方が決めていいわよ!何が来ても私には無問題ラ!」

 

私は騒動を見ている子達からある人たちを見つけて、あるものを不審者さんに渡した

 

「これは?」

 

「エアガンだよ。弾はペイント弾だから怪我しないよ」

 

「ふっ!先に当てた方が……」

 

言い終わる前に、私は顔面にペイント弾を当てた。

 

「み、未唯さん?」

 

「ちょ……まだスタート言って…………うぎゃ」

 

更に撃ちまくり、リロードをして、更に撃ちまくる

 

「……………………」

 

小銃じゃ直ぐに弾がなくなるな~

私はサバゲー同好会の子からマシンガンを借り、更に撃ち続ける

 

「ちょ……やめ……」

 

「知ってる?勝負にはゴングとか必要ないんだよ。ゴングが必要なのは試合だけ………………」

 

私は更に水風船(多分手榴弾の代わりかな?)を投げ続け…………

 

「栞子ちゃんは物じゃないよ。賭けるとか言わないでね」

 

「……………………」

 

笑顔でそう言うけど、不審者さんは震えていた。すると右ちゃんと左ちゃんがやって来て……

 

「あ、あの……何が……」

 

「何でもないよ。栞子ちゃん、帰ろう」

 

「は、はい!」

 

サバゲー同好会の子から借りたものを返し、私は栞子ちゃんと帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「ねぇ未唯」

 

「何?お姉ちゃん」

 

「何か未唯の事…………無慈悲な天使って呼び名が広まってるけど……何かあった?」

 

「う~ん、覚えてない」

 

「そ、そう(事情は聞いてたけど…………あのランジュって子…………絶対にトラウマになってるだろうな~)」




おとなしい子を怒らせると怖いと言う話を書いたつもりです。
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22 遥と彼方

「改めまして!」

 

「ようこそ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会へ!」

 

練習も終わり、私たちは遥ちゃんをもてなしていた。

 

「すごい!本格的」

 

「喜んでいただけて嬉しいです」

 

「急いで準備したからお菓子はクッキーしか焼けなくて」

 

「かすみんは特製コッペパンを用意しました!」

 

「可愛い!」

 

「ふふん!それほどでもありますよ!」

 

楽しそうにしている遥ちゃん、練習の時に感じたものは私の気のせいだったのかな?

 

みんなでお茶会を楽しんでいると、侑お姉ちゃんが遥ちゃんに今日見てみてどうだったか聞いていた

 

「今日見てみてどうだった?」

 

「あ、はい。お姉ちゃんも皆さんも楽しそうでした。それぞれの個性に合った練習もあって素敵な同好会ですね」

 

「ほんと!?嬉しいなぁ!」

 

すると何かの音が聞こえて、見てみると彼方さんが充電切れたみたいに寝ていた。

 

「お姉ちゃん?」

 

「大丈夫ですよ。枕はちゃんとありますから」

 

しずくちゃんが彼方さんに枕をあげるけど………これって……大丈夫かな?

 

「この枕 彼方ちゃんのお気に入りなの。寝心地いいんだって」

 

「あの、お姉ちゃんはよく寝ちゃうんですか?」

 

「はい。私の知る限り彼方さんは寝るのが大好きだと思いますよ」

 

「特に膝枕で寝るのが好きだよね」

 

「膝枕!?」

 

あれ?もしかして遥ちゃん、知らなかった感じなのかな?まぁ彼方さんはがんばり屋な所を見せたいって感じがするから…………でもこれ、大丈夫なのかな?

 

「そうそう!愛さんもしてあげたよ!」

 

「お姉ちゃん皆さんに膝枕をしてもらうほど頻繁に寝ているんですね」

 

「そう言われると最近いつにも増してよく寝ているような」

 

「練習しながら寝てた」

 

「この前も全然起きないくらい熟睡してて」

 

「未唯ちゃんは確か……抱き枕にされてたよね?」

 

「う、うん」

 

起こそうとしたら、寝惚けていたのか抱きつかれて、起きるまで抱き枕になっていたけど…………

 

とりあえず彼方さんが起きるまで待とう…………

 

 

 

暫くして彼方さんが起きると……

 

「くぅー!遥ちゃんにお姉ちゃんの恥ずかしいところ見られてしまったー!」

 

「恥ずかしくなんかないよ お姉ちゃん。疲れて当然だよ。いっぱい無理してるんだから」

 

「ん?無理してるって何を?」

 

「やっぱり…」

 

「遥ちゃん?」

 

「お姉ちゃん同好会が再開してからあんまり寝てないでしょ?」

 

「うん。つい楽しくって」

 

「私 お姉ちゃんが忙しすぎて倒れちゃうんじゃないかって心配で。それで今日見学に来たの」

 

「そうだったの?」

 

「でも今日のお姉ちゃんは疲れなんて感じさせないくらい元気で楽しそうですごく嬉しかった。いつも私を優先してくれたお姉ちゃんがやっとやりたいことに出会えたんだって」

 

「遥ちゃん……」

 

「今のお姉ちゃんには同好会がとても大事な場所だってよく分かったの。だから私決めたよ。私、スクールアイドルやめる」

 

「「えぇーー!?」」

 

彼方さんとお姉ちゃんが驚くけど、お姉ちゃん…………

 

「やめ……」

 

「どうして!」

 

「このままじゃお姉ちゃんが体壊しちゃうから」

 

「彼方ちゃんが寝ちゃったせいで遥ちゃんのこと心配させちゃったの?大丈夫だよー」

 

「全然大丈夫じゃないよ!お姉ちゃんはお母さんが忙しいからってお家のこと全部して、家計を助けたいからってアルバイト掛け持ちして、奨学金もらってるからって勉強も頑張って、その上スクールアイドルもなんて誰だって倒れちゃうよ!もういいの。私のことよりお姉ちゃんにはやりたいことを全力でやって欲しいの」

 

「遥ちゃん……」

 

「あの…そのために遥さんはスクールアイドルをやめるんですか?」

 

「はい」

 

「ダ、ダメ!そんな…遥ちゃんは夢を諦めちゃダメ!」

 

「お姉ちゃんが苦労してるの分かってて夢を追いかけるなんてできないよ!」

 

彼方さんが必死に止めてるけど、多分……遥ちゃんの意思は固いと思う。

 

「そんなの気にしなくていいんだよ。だって遥ちゃんは大事な妹なんだもん」

 

「どうして?妹だったら気にしちゃいけないの?」

 

「心配させちゃってごめんね。彼方ちゃんもっと頑張るから」

 

「お姉ちゃんのわからず屋!」

 

そう叫んで遥ちゃんは出ていった。彼方さんはショックを受けて、動けないでいた。

お姉ちゃんは慌てて追いかけるけど…………多分説得出来ないかも…………

 

「………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝、私は駅に行き、遥ちゃんを待っていた。少しして遥ちゃんが来て、私に気がついた。

 

「おはよう」

 

「未唯さん……未唯さんも私にスクールアイドルやめてほしくないって言いに?」

 

「う~ん、違うよ。私は遥ちゃんがそうしたいならって決めたなら止めないよ」

 

「未唯さん……」

 

「でもね……彼方さんの想いを知ってほしいかな?」

 

「想いを……?」

 

「彼方さんがどうして頑張るのかって……」

 

「あの……どうして……そんなこと……」

 

分かるかって?それは……

 

「二人のお姉ちゃんと一緒にいると……自然に分かるようになったからかな?」

 

「お姉ちゃん?」

 

「侑お姉ちゃんとぽ……歩夢お姉ちゃん。幼馴染でずっと一緒にいたから…………」

 

「未唯さん……」

 

「遥ちゃん、一人で頑張ろうとしないでね」

 

私はそう言って、学校へと向かうのであった。今の時間だと……確実に遅刻だよね…………

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてお昼休みにみんなでご飯を食べていると、彼方さんが昨日の夜の話をした。遥ちゃんはあんまりスクールアイドルをやめることを話したがらなかったみたいだった。

 

「遥ちゃんせっかくスクールアイドルになったのに心配掛けちゃって。遥ちゃんがやめるくらいならいっそ彼方ちゃんが…」

 

「それはダメ!」

 

「はっ」

 

侑お姉ちゃんに遮られると、エマさんが語り出した

 

「彼方ちゃん、それは本当に彼方ちゃんが望んでいることなの?」

 

「違う。彼方ちゃんの望みは、ずっと探してた夢はここにある。同好会が再開してからずっと楽しかったんだ。やりたいことがどんどん増えていって それを一緒に目指す仲間がいるのがすごく幸せ……みんなとの同好会は彼方ちゃんにとってもう大事な失いたくない場所なんだよ。でも遥ちゃんの幸せも守りたいの。そんなのワガママだよね」

 

ワガママ……それで良いんだと思う。

 

「そうかしら?それってワガママじゃなくて自分に正直って言うんじゃない?」

 

「うん。自分に嘘ついてるよりずっといいと思うよ」

 

「きっと遥ちゃんも彼方さんの幸せを守りたいんだと思います」

 

「似た者姉妹だと思う」

 

「似た者姉妹?」

 

「だって2人とも言ってること一緒だよ?」

 

「そうですね。お2人とも全部自分1人で解決しようとしています」

 

「でも遥ちゃんは彼方ちゃんが守らないと…」

 

「彼方さん、遥ちゃんはもう守ってもらうだけの人じゃないと思う。だってそうじゃなきゃお姉さんのことを助けたいってあんなに真剣にならないよ」

 

「何となく分かったような気がする。遥ちゃんに伝えないと!」

 

「それなら……伝える方法は1つですよ。彼方さん」

 

「未唯ちゃん?」

 

私は遥ちゃんに自分の想いを伝える方法を話した。話し合うのではなく、きっと伝えたい想いを伝えられる方法を…………

 

 

 

 

 

 

 

そしてライブ当日……

 

侑お姉ちゃんとせつ菜さんが遥ちゃんを特設ステージに連れてきた。

 

「未唯さん……」

 

「遥ちゃん、聞いてあげて…………彼方さんの想いを」

 

ステージにはライブ衣装を纏った彼方さんの姿があり、ライブが始まった。

遥ちゃんは彼方さんのライブを見て……そっと涙を流していた。

 

伝わったんだね……

 

 

 

 

 

 

ライブが終わり、舞台袖で

 

「お姉ちゃん!素敵なライブだった!」

 

「遥ちゃん。ごめんね。遥ちゃんのこと分かってなくて……遥ちゃん、彼方ちゃんのこととっても大事に思ってくれていたんだね。ありがとう。あのね2人とも同じ思いならお互いを支え合っていけると思うの」

 

「支えあって?」

 

「これからはウチのことをいっぱい手伝ってね。お互い助け合ってスクールアイドル続けていこ。2人で夢を叶えようよ」

 

「お姉ちゃんはそれでいいの?アルバイトをしながらスクールアイドルってやっぱり大変だよ?」

 

「平気平気。だって遥ちゃんがスクールアイドルをするのも彼方ちゃんの夢なんだもん」

 

「お姉ちゃん……」

 

「あれー?遥ちゃんは彼方ちゃんがこんな素敵なライブをしたのに今日でやめるなんて悔しいって思わないの?」

 

「それは…思う…」

 

「スクールアイドルではライバルだよ。お互い頑張ろ」

 

二人は握手を交わす。仲直りできて、元通り仲の良い姉妹に……ううん、もっと仲良しな姉妹になったのかな?

 

「それにしても未唯さんはこんなことよく思い付きましたね」

 

「そうだね。どうして?」

 

「う~ん、この方が一番想いが通じるかなって…………だから私のライブのときは想いをたくさん込めるから……楽しみにしててね」

 

「うん」

 

私も……始めないと……その前に準備しないと…………

 




彼方ちゃん回は個人的に好きな話だったりします!

次回は外伝……と言うよりオリストになります

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23 天使なアイドル ①

しばらくオリストになります


彼方side

 

ある日の事……洗い物をしていると、遥ちゃんがお洒落な格好をして……

 

「あれ~遥ちゃんおめかししてどこか行くの?」

 

「あ、お姉ちゃん、今からデートしに……」

 

「そっか~デートか~えっ?」

 

思わず拭いていたお皿を落としてしまった。

 

「わ!?お姉ちゃん大丈夫?」

 

「は、はは、遥ちゃん!?い、今デートって…………」

 

「うん、デート……って言うより……」

 

は、遥ちゃんにいつの間にそんないい人が…………姉として祝福するべきなのだけど…………でも……

 

「は、遥ちゃん……」

 

「何?」

 

「お出掛け中止にして……遥ちゃんのその……お相手の子……今から家に来てもらうようにして!」

 

「え?」

 

姉として見極めないと!遥ちゃんに相応しいかどうかを!

 

 

 

 

 

 

 

一時間後、遥ちゃんがお相手の子を迎えに行って帰ってきた。その子は…………

 

「えっと……お邪魔します」

 

「え?未唯ちゃん?」

 

「お姉ちゃん、連れてきたけど……」

 

「え?え?未唯ちゃんと遥ちゃんがお付き合いを?」

 

「お姉ちゃん……何でそうなるの?」

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

今日は遥ちゃんと一緒にお出かけをするはずだったのだけど…………何故か家に来て欲しいと言われて、私は遥ちゃんと一緒に向かうけど…………彼方さん、何か勘違いしてたみたいだった。

 

「は、遥ちゃんがデートって言うから~」

 

「未唯ちゃんと一緒にお出掛けするんだから、デートみたいなものだし……」

 

「その……デートって言われると恥ずかしいんだけど…………」

 

「未唯ちゃん、顔真っ赤だね~」

 

茶化す彼方さん。うぅ……

 

「それで一緒に遊びに行くの?」

 

「ううん、未唯ちゃんが私にお願いしたいことがあるって言うから……」

 

「あ、うん、実は……」

 

私は出来ればお姉ちゃんたちに内緒にして欲しいと言い、今日遥ちゃんにお願いしたいことを話した。

 

「そっか~未唯ちゃん頑張るね~」

 

「でも私なんかでいいの?」

 

「スクールアイドルとして、遥ちゃんが先輩だから……もしかしたらって思って」

 

「分かったよ。アドバイス出来る事があったらするからね」

 

「うん、お願いします」

 

私と遥ちゃんは一緒に出掛けるのであった。

 

「それにしても~未唯ちゃんがね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東雲学園のトレーニングルームで、私は息を切らしていた。

 

「お疲れ様。ステップも凄く上手くなったね」

 

遥ちゃんが私にタオルを渡してくれた。私は汗を拭きながら座り込んだ

 

「もう少しだけ頑張りたいけど……」

 

「ダメだよ!無理な練習したら体壊しちゃうから」

 

「うん……」

 

「でも未唯ちゃん、本当に気合い入ってるね。やっぱり大好きな人たちだから?」

 

「うん、だから……伝えたいの……私はここまで成長したんだよって……だって二人は私にとって……最初のファン……だから」

 

でも最初のファンだって思ってるのは私だけかもしれないけど……それでもいい。伝えたいから…………

 

「そっか、未唯ちゃんは本当に凄いね」

 

「そんなことないよ~」

 

「それじゃ…続き頑張ろう!」

 

「うん!」

 

練習を再開しようとすると、遥ちゃんがあることを聞いてきた。

 

「そういえば衣装は?制服のまま?」

 

「ううん、学校の被服部の人に頼んだから……」

 

聞いた限りだと…………私にぴったりな衣装を作ってもらってくれてる。

 

 




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24 天使なアイドル ②

深夜の公園、私は一人で踊っていた。

 

「ふぅ……」

 

ここまで出来るようになったけど、あともう少し頑張らないと…………

 

そろそろ帰る時間だけど、もう少しだけ……もう少しだけ…………

 

 

 

 

 

 

 

「未唯、大丈夫?」

 

「えっ?」

 

「何だかボーッとしてるけど……」

 

登校中にお姉ちゃんたちが心配そうに私を見つめていた。私は心配かけないように笑顔で……

 

「ちょっと寝不足なだけだよ」

 

「それなら良いけど……」

 

「ちゃんと寝ないとダメだよ~」

 

「うん」

 

危ない……二人に心配かけちゃった……だけど……これだけは……これだけは…………

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

最近、未唯の同好会への出席率が悪い。

何か用事があると良い欠席している。

本当に用事なら良いけど…………

 

「侑ちゃん、未唯ちゃんの事……やっぱり心配だよね」

 

「うん……用事っていってるけど……前に被服部で見かけたし……」

 

声をかけたら、笑ってごまかされたし…………

 

「もしかして……私たちに話せないことでもあったのかな?」

 

「話せないこと…………」

 

もしかしたらいじめ!?って事はないか…………普通にクラスの子と楽しそうに話してるところ見掛けたし…………

 

「うぅ、未唯……本当にどうしたんだろう」

 

「一回聞いてみる?」

 

それしかないのかな…………

 

「何というか……二人も過保護よね……」

 

果林さんは呆れながらそう言うけど……仕方ないことなんだよね……私たちには……

 

「侑先輩と歩夢先輩って未唯さんと小さい頃から一緒なんですよね?」

 

「うん……」

 

「みー子の小さい頃ってちょっと気になるな~」

 

「未唯ちゃんの……小さい頃……」

 

「話しても……良いかな?」

 

 

 

 

 

未唯は今と違って……昔はあまり感情を表に出したりしない子だった。私たちはそんなことを気にせずに未唯と一緒に過ごしていたけど…………

 

ある日、些細なことで歩夢と喧嘩をしたときに…………

 

「…………て」

 

言い争いをする私たちを見て、未唯は今にも消えそうな声で何かを伝えようとしていたけど、私たちには聞こえなかった。

 

「もうゆうちゃんなんて……」

 

「あゆむなんて……」

 

大嫌いって言葉を言おうとした瞬間だった。

 

「もうやめて!」

 

今にも泣きそうな声で未唯がそう言い放った。私たちははっとして、未唯の方を見ると……未唯は泣きそうになりながら…………

 

「もう……喧嘩しないで……お姉ちゃんたちが喧嘩してるのやだ……」

 

泣きじゃくる未唯を私たちは必死に宥めていたのだった。それから……私たちは未唯の事を泣かせないように…………

 

 

 

 

 

 

「見守るようにしてきたんだよね……」

 

「それに……その事がきっかけで……未唯ちゃんは今みたいになったけど…………やっぱり心配なんだよね」

 

「そう……だったんですね」

 

「だから……あの時……」

 

璃奈ちゃんは何か覚えがあるのかな?でも何となく分かる。璃奈ちゃんと未唯は少し似ている気がするから…………

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

東雲学園で、私は遥ちゃんの膝枕をしてもらっていた。

 

「練習しすぎだよ」

 

「あはは……つい」

 

「もう!」

 

怒ってる遥ちゃんに謝り、私は起き上がると…………

 

「それで……準備出来たの?」

 

「うん、今から……なんだけど…………」

 

私はそっと自分の髪に触れた。

伸ばしてきたこの髪……いつかお姉ちゃんたちが褒めてくれた。それが嬉しくって……伸ばしてきた。たまにお姉ちゃんたちが髪を弄ってくれて、嬉しかった。

 

私は…………

 

「一歩……踏み出そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

そろそろ下校時間が近づいてきた。みんな、片付けをしていると…………

 

『高咲侑さん、上原歩夢さん、至急体育館に来てください』

 

「体育館?」

 

「何だろう?」

 

何かやったかなと思ったけど、身に覚えがない。

 

「お二人とも何かあったんですか?」

 

「分からないけど……」

 

「行った方がいいよね」

 

私と歩夢は体育館へと向かうのであった。

 

「一体何が?」

 

「さてと彼方ちゃんたちも行こうか~」

 

「彼方先輩、もしかして例の件知ってたんですか?」

 

「かすみちゃんも知ってるんだね~」

 

「お二人とも何か知ってるんですか?」

 

「それは~行ってからのお楽しみ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館に入ると、真っ暗で何も見えなかった。何で呼び出されたのかわからないままでいると…………ステージにライトが照らされた。

 

「え?」

 

「あそこにいるのって……」

 

ステージの中央にいたのは……白い衣装を身にまとった未唯だけど……見慣れた白く長い髪ではなく、セミロングに変わっていた。

 

「お姉ちゃんたち…………あのね、伝えたい事がいっぱいあるんだけど…………全部伝えるの大変だから…………歌声に込めるね」

 

歌い出す未唯。その姿は衣装が相まって……天使のように見えた。

 

歌声には……一緒にいてくれてありがとうとこれからも一緒にいてという感謝と願いが込められ…………私と歩夢は知らない内に涙を流していた。

 

「……ふぅ……」

 

歌が終わると……私と歩夢は盛大に拍手を送った。

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

私は歌い終わり、ステージを降りてお姉ちゃんたちに近寄り……

 

「私の最初のライブは……私の最初のファンのお姉ちゃんたちにだけ見せたかったの」

 

「未唯……」

 

「未唯ちゃん……」

 

「私の新しい一歩……どうだった?」

 

私がそう聞くと、二人は抱き締めてきた。

 

「良かったよ……未唯」

 

「伝わったよ……未唯ちゃんの想い」

 

二人は泣いていた。それを見た私も……自然と涙が流れた。

 

「良かった……お姉ちゃんたち……これかも……よろしくね」

 

「「うん」」

 

これが私の新しい一歩…………

 

私は協力してくれたかすみちゃん、彼方さん、遥ちゃんにお礼を言わないとと考えていたけど……扉の近くで同好会のみんながいたことに気がついた。

 

「ありがとう」

 

聞こえたか分からないけど…………お礼を伝えるのであった。




次回は外伝になります!

未唯ちゃんが髪を切ったのは新しい自分になるためにです!


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25 ユニットとある出来事?

「う~ん」

 

ある日の活動中、侑お姉ちゃんが項垂れていた。一体どうしたんだろう?

 

「どうかしたの?お姉ちゃん?」

 

「あ、実は言うと……今度のライブの事で……悩んでるんだよね」

 

「ライブ?」

 

そう言えば今度のライブって…………だとしたら

 

「私と栞子ちゃんの事?」

 

「そうなんだよね~」

 

まぁ仕方ないよね。ユニット決めるときに、お姉ちゃんが相性とか考えて決めてたけど…………私はどこのユニットに入れても合わないって話になったんだっけ?

 

「私は別に裏方に……」

 

「ダメだよ!折角デビューしたんだし……栞子ちゃんだって……」

 

そうは言うけど……今から私たちが何処かのユニットに入っても……ユニットの持ち味を活かせるかどうかだよね

正直な話……私には難しいと思ってる。侑お姉ちゃんもきっとそうだ

 

「って……よくよく思ったら私と栞子ちゃんが組めばいいんじゃないの?」

 

「あ……」

 

何処かのユニットにいれるんじゃなく、二人で組めば良い話……今更思い付く私たちであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言うわけでよろしくね。栞子ちゃん」

 

「は、はい」

 

早速一緒に練習を始めようとするけど……栞子ちゃん、何で緊張してるんだろう?

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

未唯さんとユニット……いつもなら緊張とかしないのに……何故か今はすごく緊張してしまっている。

 

前に未唯さんが猫になっていたときからだ。本当に何でだろう?

 

「栞子ちゃん?」

 

「あ、はい!何でしょうか?」

 

「いや、お互いにダメなところあったら指摘し合おうねって言ったんだけど……」

 

「あ、はい」

 

ちゃんと集中しないと……でも……

 

踊る未唯さんを見詰めていると…………

 

(この間のライブで髪を切ったみたいですが…………より魅力的になったというか…………)

 

笑顔とかも今まで以上に可愛く…………うぅ……私は何て言うことを……

 

「栞子ちゃん?」

 

「えっ?」

 

「何だか凄い形相だったけど……何処かダメなところあった?」

 

「え、えっと……」

 

顔を覗き込む未唯さん。ち、近い…………

 

「遠慮しないで……栞子ちゃん」

 

え、遠慮…………遠慮…………

 

遠慮しないで……って……何だか頭がぐるぐるして…………

 

ちゅ

 

気がついたら未唯さんにキスをしていた。

 

「…………」

 

「………………?」

 

い、今……私……何を?

 

未唯さんの方を見ると……口元を押さえているけど……えっと…………

 

「え、えっと…………栞子ちゃん?」

 

「あ、あの…その…えっと……」

 

「ぱ、パフォーマンスにキスをしようとするところをいれようってこと?」

 

あ、変な方向に持っていってるけど……

 

「そ、そういうのも新しいかと……」

 

「そうなんだ~でも今は指摘しあう時間だから……パフォーマンスについては後で決めよう」

 

「は、はい」

 

思わずキスをしてしまったなんて言えない……けど………誤魔化せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

練習も終わり、お姉ちゃんたちと帰る時に……栞子ちゃんがしてきたことを思い出していた。

 

あ、あれって……そう言うことだよね……そういう意味でしたんだよね?

 

だとしたら…………いや、勘違いとか?でもあの顔は…………

 

「未唯ちゃん、どうしたの?」

 

「何だか顔赤いけど?」

 

「えっと……何でも……」

 

待った!こう言うときはお姉ちゃんたちに……………………相談できないよね…………キスって好きな人にしたいものかって…………

 

お姉ちゃんたちの場合は子どもの頃からしてるけど……あくまで子どもの頃の話だし……今は………………

 

「お姉ちゃんたち、もう少し一歩踏み出せば良いのに」

 

「「え?」」

 

改めて栞子ちゃんに聞いてみようかな?




ユニット名……どうしよう?

ユニット完成と二人の関係が進みました!次回はその続き……ではなくリエラ編の後編書きます

感想待ってます!


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26 外伝 自分の気持ちに向き合おう

たまに外伝をタイトルにつけ忘れる……

リエラ回を書こうと思ったけど、あえての続きを……


う~ん、本当にどうしたらいいのやら…………

 

私はあることで悩んでいた。それはこの前、栞子ちゃんにキスをされたことについてだ。あれ以来栞子ちゃんは顔を会わせる度に顔を真っ赤にさせて私の側からそそくさと逃げ出してしまっている。

 

これは本当に由々しき自体かもしれない。別にライブが出来なくなるからと言う訳じゃなく、栞子ちゃんとのこれからの関係について……

 

「どうしたらいいのか……」

 

確かに栞子ちゃんはかわいいと思ってるけど……お付き合いしても……いいと思ってるけど……絶対に今付き合おうって話したら、

 

『あ、あのときのキスはその……気の迷いと言いますか……』

 

って言ってうやむやにされそう……

 

こう言うときは誰かに相談した方がいいけど…………

 

侑お姉ちゃん……そう言うことに関して疎そうと言うより鈍い

 

かすみちゃん……ちょっと相談できそうで出来なそう

 

しずくちゃん……行けるかな?

 

璃奈ちゃん……もしかしたら

 

せつ菜さん……ちょっと難しいかな?

 

愛さん……頼りになりそう

 

エマさん……何かしら答えを出してくれそう

 

彼方さん……意外と相談して答えをくれそう

 

果林さん……何か誤魔化されそう

 

ぽむお姉ちゃん…………答えをくれるはず

 

とりあえず一番頼りになりそうな人に相談してみよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと……キスされたの?」

 

「うん、そうなんだよね。ぽむお姉ちゃん」

 

一番頼りになりそうなぽむお姉ちゃんに相談してみたけど……あれ?これ大丈夫かな?

 

「その……キスするのって……好きだからだよね?」

 

「う、うん、そうだと思うけど……」

 

「私、どうしたらいいのかな?」

 

「その……未唯ちゃんは栞子ちゃんの事は……好きなの?」

 

「多分……好きだと思う」

 

最初は苦手なイメージがあったけど……栞子ちゃんを知っていくうちに……苦手意識はなくなった。と言うより大切だと思い始めてるけど……これって……

 

「それじゃ…未唯ちゃんの気持ちを伝えて…栞子ちゃんの気持ちを教えてもらった方がいいよ」

 

「そうだよね…うん、ありがとう。お姉ちゃん」

 

「ううん、未唯ちゃんの悩みが解決できたなら……それにしてもキスか……」

 

「お姉ちゃん……言っておくけど、侑お姉ちゃんに対してしたりとかダメだからね」

 

「え?」

 

「多分したら……『子供の頃みたいだね』って言われるよ」

 

「あ、あはは……何か侑ちゃんなら言いそう」

 

何か放っておいたらお姉ちゃん……思いが溢れて押し倒したりしそう…………まぁあくまで想像だからそんなことないだろうけど…………

 

「とりあえず栞子ちゃん呼び出すね」

 

私は栞子ちゃんに話があるとメッセージを送り、待ち合わせ場所に向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

待ち合わせ場所に……と言うよりまだ生徒会の仕事が残っているから生徒会室にいた栞子ちゃん。

 

「未唯さん……」

 

「栞子ちゃんに話しがあるの」

 

「その……この間の件は……私がどうかしていただけで……」

 

「逃げないで!」

 

咄嗟に大声をあげると、栞子ちゃんは体を震わせた。ちょっと怯えさせちゃったけど……私は話を続けた

 

「キスされて、私考えたの。私は栞子ちゃんの事をどう思ってるのか……」

 

「未唯さん…………」

 

「本当の事を言うとね。最初は居場所を奪おうとした栞子ちゃんの事を苦手だったよ」

 

「それは……」

 

「でも栞子ちゃんの事を知っていくうちに……段々と苦手から変わっていったの」

 

「それは……」

 

「今は大切な友達で……大好きだよ」

 

「未唯さん……その……友達でいようと言うことで……」

 

「何でそうなるの?」

 

私、変なこと言ったかな?別に言った覚えが…………あれでも……友達でって……友達として好きって意味に…………

 

「その……いいんです。私は未唯さんの事が好きですけど、無理に好きになってもらうわけには」

 

「違う!私も栞子ちゃんの事が大好きなの!ぽむお姉ちゃんが侑お姉ちゃんの事が好きな気持ちと同じように!」

 

「え……?」

 

「だから……その……栞子ちゃんは私とどうしたいの?正直な気持ちを教えて」

 

「わ、私は…………未唯さんの事が……好きです…………その……不馴れですが……こんな私とお付き合いしてください」

 

「うん!」

 

こうして不馴れだけど私たちは付き合うことになったのだった。




次回こそは……リエラ回を……

にしても未唯ちゃん、爆弾発言しまくってる。

感想待ってます!


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27 外伝 無自覚の天使の魅了

リエラ編後編!

タイトルとしては未唯ちゃんの新たな二つ名が……


かのんちゃんたちと出会った私。かのんちゃん以外の子達は用事があるということで途中で別れ、私はかのんちゃんに案内された喫茶店に入ると、梟が出迎えてくれた

 

「梟?」

 

「コノハズクのまんまるだよ」

 

「へぇ~」

 

梟って怖いイメージがあるけど、こうしてみるとすごく可愛い。

 

「撫でてみてもいい?」

 

「うん!いいよ」

 

大人しくって可愛いな~自然と笑顔になっちゃう

 

「…………本当に天使みたい」

 

「え?」

 

「あ、ごめんなさい。未唯ちゃん、本当に天使のように見えたから……」

 

「あはは、周りでも結構言われてるんだよね~」

 

でも別に嫌だと思ったりしない。それだけスクールアイドルとして認めてくれているって事なんだから

 

「未唯ちゃん……あ、そうだ!何か飲む?」

 

「それじゃ…カフェオレで」

 

「それじゃ待ってて」

 

私はカウンターに座ると、かのんちゃんは『お母さーん、カフェオレ二つとパンケーキ二つ』っていうけど……あの、パンケーキは頼んでないけど……まぁいいか

 

暫くしてかのんちゃんがカフェオレとパンケーキを持ってきて隣に座り

 

「うちのパンケーキ、おすすめだよ」

 

「ありがとう~」

 

一口食べると……うん、美味しい

 

「本当に未唯ちゃんって……」

 

「天使みたいって?」

 

「ううん。可愛いなって……」

 

「かのんちゃんも可愛いよ~」

 

「え、そんな……」

 

「もっと自分に自信もって!」

 

「あぅ……」

 

照れてるかのんちゃん。可愛いって言われなれてないのかな?

 

「未唯ちゃんって……それだけ可愛いんだからモテたりとか……」

 

「うーん、そんなことないかな?」

 

「そうなの?」

 

「同好会のみんなの方が可愛いし……私はスクールアイドルとしてもまだまだだからね」

 

「そっか……ねぇ未唯ちゃん」

 

「何?」

 

「私たちも頑張るから…………未唯ちゃんも一緒に頑張ろう!そして……」

 

かのんちゃんは拳を突き出してきた。これって……これでいいのかな?

 

「いつか一緒のライブをしよ!」

 

「うん!」

 

拳を合わせて、私たちは笑うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

パンケーキとカフェオレをご馳走になり、私はみんなが待ってる場所へと向かった。

 

「いつかきっと……うん!私、頑張ろう!」

 

私のライブを見せられるようにしないとね。

 

「どうしたの?未唯。何だか嬉しそうな顔して」

 

「えっとね。友達と約束したの。一緒に頑張ろうって」

 

「そっか……それじゃ頑張らないとね」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

それから二週間後の事…………かのんちゃんから連絡を受けて、待ち合わせ場所に行くと……

 

「お待たせ~」

 

「未唯ちゃん、ごめんね。急に呼び出して」

 

「ううん、遊びたいっていうから断ることなんて出来ないよ」

 

「えへへ、ありがとう」

 

何処に遊びに行こう?とりあえずブラブラしてみるのもいいかもしれない。

私はそう思い、かのんちゃんの手を握った

 

「あ……」

 

「どうしたの?」

 

「あ、ううん……その……何でもないよ」

 

「?」

 

どうしたんだろう?何でもないっていってるから気にしない方がいいかな?

 

(未唯ちゃん、自然に手を繋いでくれたけど……すごく緊張しちゃう……それに髪も切ったみたいだけど……何というかより可愛くなった感じが……うぅこれが噂に聞く未唯ちゃんの無自覚の天使の魅了…………)

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

それから一緒に遊びに行き、色んな所を回ったけど……未唯ちゃんと一緒って思うと……本当にドキドキしっぱなしだった。

私…………未唯ちゃんの事が好き……なんだろうけど…………これはきっとファンとしての好きなんだろうな~

 

「楽しかったね。今日は」

 

「うん」

 

ファンになったとしたら……これは物凄く素晴らしいことなんだろうな~推しの子と遊べるって…………やっぱり凄いな未唯ちゃんは…………

 

私はただただそう思うのであった。




次回も外伝になるかな?ついにあのキャラが登場!

感想待ってます!


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28 外伝 ミア・テイラーは謝る

何気にミア初登場…………あくまでミアの主観なので


最近、どうにも気になる子がいる。

 

気になり出したのは、ランジュと供に日本に来た日の事、スクールアイドル部を作るから幼馴染みに協力させようとしたけど、断られた。更には母親にも止められる始末……僕は何しに来たのだろうか?

 

そう思いながらとりあえずのんびりと日本での暮らしを楽しんでいると、今度はランジュがペイント弾まみれで帰ってきた。話を聞くとその例の幼馴染みに良からぬことを吹き込んだ(ランジュ曰)子にやられたらしい。

更に今後スクールアイドル同好会に危害を加えないようにと厳重注意を受けたらしい…………

 

そこまで学校を動かす存在……高柳未唯に私は興味を持ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

「あの子がそうだよ」

 

日本に来て、色々とあって友達になった璃奈に未唯という奴を紹介してもらうことになったけど……至って普通の子だ。あれで『天使』って呼ばれてるのか?

 

「でもどうして未唯ちゃんに?」

 

「少し興味があって……」

 

正直言うと彼女以外の同好会のメンバーとは多少話したりしてたけど…………彼女とはこれが初遭遇だ……

 

「どんな子?」

 

「未唯ちゃん?優しい子だよ」

 

優しい……ランジュの話とは違う気が…………

 

「あれ?璃奈ちゃん、何してるの?」

 

すると未唯は私たちに気がつき、駆け寄ってきた。

 

「未唯ちゃん、ミアちゃんに未唯ちゃん紹介しようと思って」

 

「ミアちゃん?前に学校に来た子だっけ?」

 

「うん」

 

「よろしく」

 

「よろしくね。ミアちゃん」

 

笑顔で挨拶する彼女……本当に普通の子だ………………ランジュは嘘でもついてるのか?

 

「未唯ちゃんは侑さんと歩夢さんと幼馴染みなんだよ」

 

「侑?あぁあのベイビーちゃんか…………っ!?」

 

一瞬、悪寒を感じた……彼女は笑顔で私を見ていた

 

「ベイビーちゃん?」

 

「え、あ……」

 

「誰の事?」

 

「い、いや…………」

 

彼女から感じるのは……なんだ?これは……

 

「ダメだよ~年上の人にそんな風に言ったりしちゃ」

 

「は、はい……」

 

ふ、触れてはいけないものに触れてしまった…………気を付けなければ…………

 

「あー!またきたー!!」

 

すると今度はかすみがやって来たけど…………どうにも彼女は上級生に対して礼儀がなってない

 

「邪魔物みたいに……それに私の方が上級…………」

 

また悪寒を感じた…………

 

「ミアちゃん、上級生って?」

 

「あ、いや、一応……私……飛び級で…………」

 

「日本には飛び級制度ないよ」

 

優しい声だけど…………何処か恐ろしさを感じる

 

「あ、いや、理事……」

 

「飛び級でも年上の子には……」

 

彼女が手を伸ばそうとした瞬間、震えが止まらなくなった。私は直ぐ様日本に伝わる由緒正しき謝罪の体勢……土下座をした

 

「ご、ごめんなさい……気を付けます!未唯さん」

 

「え?」

 

「ミアちゃん?」

 

「みい子、何したの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

「って事があったんだけど……」

 

「それは……大変でしたね」

 

ちょっと注意したら……何故か敬語を使うようになったミアちゃん。何でだろうか私は栞子ちゃんに相談した。

 

「もしかしたら未唯さんの優しく諭すような言い方に負けたのかと」

 

「私……そんな言い方してる?」

 

「諭すは……冗談ですけど……未唯さんは優しさを感じる話し方ですから…………」

 

顔を赤らめる栞子ちゃん。もしかして…………

 

「栞子ちゃん、キスしてほしいの?」

 

「そ、そう言うわけでは……私は事実を……」

 

最近、栞子ちゃんは私を誉めることがある。大体そう言うときは……キスしてほしいときだったりする

 

「栞子ちゃんって本当に変わったね」

 

「そ、それは……未唯さんが変えてくれたから……」

 

「えへへ」

 

キスはしてあげないけど……私は栞子ちゃんをぎゅっと抱き締めた。

 

「み、未唯さん!?」

 

「栞子ちゃ~ん」

 

抱き締められて余計顔を真っ赤にさせる栞子ちゃん。本当に可愛いな~

 

「右月……鼻血……」

 

「左月、あの二人尊い…………」




右月……何となくやりたかった……

あと一話くらい書いたら、本編に戻ります

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29 外伝 見た目は子供?

はい、今回も外伝です。カオス回


ある日のこと、私は科学部の部長さんに呼び出されあるものを渡された。それは謎の液体だった。

 

「これは?」

 

「これはですね……小さくなる薬です」

 

科学部の部長さんは頭がおかしくなったのかな?そんなの作れるはずは……でもこの間の猫の薬を思い出すと…ありえそう

 

「ちょっとした実験台に付き合ってもらっても……」

 

「わかりました……」

 

断ったら何があるかわからないし……飲んでみよう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

部室にはいると何処か見覚えのある少女がいた

 

「あれ?ねぇ、どこから入ってきたの?」

 

「……お姉ちゃん誰?」

 

「あぁ私は上原歩夢だよ」

 

警戒心が強いから最初は解かないとだね。すると少女は不思議そうな顔をしていた。

 

「あゆむ?あゆむちゃんなの?」

 

「え?」

 

「私のお友だちにもあゆむっていう幼馴染みの子がいるんだよ」

 

「え?え?」

 

この子……何を……ってもしかしてこの子は……

 

「えっとお名前は?」

 

「みい…たかやなぎみいです」

 

「え、ええええええええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなを呼び出し、未唯ちゃんがどうしてこんなことになってしまったのかを話し合った。

 

「言えることは一つね」

 

「まぁ前にもなったことあるし~」

 

「聞いてみたらそうだって」

 

果林さん、愛ちゃん、璃奈ちゃんは心当たりがあるみたいだった。そういう私も……というよりみんなもだ

 

「科学部ですね」

 

「あそこは部長さんの技術がすごいからね~」

 

「凄いですむことなんでしょうか?」

 

「普通に考えてありえなさすぎですよ」

 

「でも前は猫から人に戻ったから…今回も戻れるんじゃないのかな?」

 

私たちは栞子ちゃんのほうを見ると……栞子ちゃんは顔を真っ赤にさせていた

 

「あ、あの時は事故みたいなものでしたし……またするなんて」

 

あ、あれは恥かしいもんね……

 

とりあえず栞子ちゃんの覚悟が決まるまでの間待つことにするしかないけど……

 

「未唯ちゃん、すきな人は?」

 

「あむゆちゃんとゆうちゃん」

 

「そっか~」

 

話に入らずにずっと未唯ちゃんを可愛がる侑ちゃん……うん、お願いだから話に入ってきて……

 

「このころの未唯は本当に天使みたいでかわいいんだよね~」

 

カシャカシャと写真を撮りまくる侑ちゃん。うん、その気持ちはわかるけど、今の未唯ちゃんは最初のころの時だから……気持ちをはっきり言えないんだよね

 

「もう先輩~かすみんのほうが可愛いですよ~」

 

「かすみん?」

 

「この子は中須かすみちゃんだよ」

 

「かすかすおねえちゃん?」

 

「かすかすじゃない!」

 

「ふえ……」

 

いつものかすみちゃんのツッコミに驚いて未唯ちゃんが私のほうに駆け寄ってきた

 

「ママ~」

 

「え?」

 

私が……ママ?え?

 

「ママ~」 

 

「わ、私、未唯ちゃんのママじゃないよ?歩夢だよ」

 

「あゆむちゃんじゃないもん……ママだもん」

 

え、これ記憶とか無くなってる?

 

「あはは~歩夢がママか~確かにそんな感じがするよね」

 

侑ちゃん……笑い事じゃ……

すると未唯ちゃんは今度は侑ちゃんの所に行き……

 

「パパ~」

 

「「!?」」

 

「あら、いつの間に夫婦になったのかしら?」

 

「と言うか未唯ちゃんが二人の子供なら、高咲一家だね」

 

果林さんと愛ちゃんは冷静にそんなこと言ってないで……

 

「…………?」

 

何故かしずくちゃんは未唯ちゃんのことをじっと見つめてたけど……どうしたんだろう?

 

「ねぇ、未唯ちゃん?私は?」

 

「エマお姉ちゃん」

 

「えへへ、お姉ちゃんって呼ばれると故郷の弟たち思い出すな~」

 

「かすみんは?かすみん?かすみお姉ちゃんかな~」

 

「かすかす」

 

「何で!?」

 

何かこの未唯ちゃん、かすみちゃんに厳しい

 

「あの……未唯さん……私は……」

 

「しおりこちゃん」

 

「栞子ちゃんだけいつも通りなんだ『はてな』」

 

「え、えっとどうして……」

 

栞子ちゃん、泣きそうな顔してるけど大丈夫?

 

「しおりこちゃん、大好きだからだよ」

 

「/////」

 

あー顔真っ赤……ってあれ?

 

「未唯ちゃん、何で栞子ちゃんのこと好きなの?」

 

「え?」

 

『あ……』

 

「……未唯さん、そろそろいいんじゃないんですか?」

 

するとしずくちゃんがそんなことを言い出した。未唯ちゃんは舌を出して、悪戯っぽく……

 

「あはは、バレてた?」

 

「はい、最初は信じてたけど、どうにも粗があったから」

 

「ちょっとしたドッキリなんだけど……段々と楽しくなってきて……」

 

こ、これ……未唯ちゃんの演技だったの!?

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

時間制限で元に戻ったけど……

 

「もう!いたずらしたらダメだよ」

 

「つい」

 

「ついでもダメ!」

 

ぽむお姉ちゃんに怒られてしまっていた。本当なら『ママとパパは仲良しだからいつもちゅーしてるんだよ』って言おうとしたけど……その前にバレちゃったか~

 

「まぁまぁ未唯がこんな風に悪戯したりするのは喜ぶべきだよ」

 

「でも……」

 

「それにね。歩夢がママで私がパパで未唯が子供って昔みたいじゃん」

 

「そ、そうだけど……」

 

まぁこんな風に仲のいい二人が見れただけでも充分か




因みに小さくなる薬はニジガサキシン0301という名称で……
カオス回でした。とりあえず次回は本編に戻ります

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30 東雲の天使

今回はある小説に出たあるキャラの登場です!


遥side

 

今日は練習が休みだから…………お姉ちゃんと待ち合わせして、一緒に買い出しをして……

 

昼休みに放課後の予定を確認している時の事、黒髪の子とすれ違った瞬間、ある違和感を感じた。今のって…………

 

「未唯ちゃん?」

 

思わず声をかけた私。すれ違った少女は不思議そうな顔をしていた。

 

「はい?」

 

髪の色が黒以外未唯ちゃんに似てる少女……そっくりさんなのかな?

 

「あ、ごめんなさい。友達に似てて……」

 

「もしかしてスクールアイドルの近江さん?」

 

「え?は、はい」

 

私の事を知ってる?でもこの学校ならある程度の認識はあるし…………

 

「姉から話聞いてるよ」

 

「姉?」

 

姉って……まさか……

 

「初めまして、高柳苺です」

 

 

 

 

 

 

お姉ちゃんとの待ち合わせ場所まで一緒に帰ることになった私たち。それにしても……

 

「未唯ちゃんに妹が……それに双子の……知らなかったよ」

 

「まぁ未唯姉はそう言うこと話したりしないからね~」

 

確かにお姉ちゃんから聞く限りだと未唯ちゃんはあんまり自分について話したりしないらしいけど……

 

「未唯姉の場合は聞かれないと話さない。昔からそこは変わらないんだよね」

 

「未唯ちゃんが昔は今みたいに感情を前に出さなかったってこと?」

 

「その影響が残ってるから……まぁそこら辺はあの二人が何とかしてくれたみたいだからね」

 

侑さんと歩夢さんのことだよね。それにしても苺ちゃん、嬉しそうな顔してるな~未唯ちゃんと同じように侑さんと歩夢さんの事が大好きなんだね

 

「それじゃ私はこっちだから……またね。近江さん」

 

「あ、遥でいいよ」

 

「えっでも……」

 

「折角友達になったんだから……ね」

 

「あ、その……」

 

何故か顔を真っ赤にさせる苺ちゃん。どうしたんだろう?

 

「えっと……ばいばい」

 

そう言い残して走り去るのであった。私……何か悪いことしたのかな?

 

 

 

 

 

 

 

それからお姉ちゃんと買い出しをして、いつも通り夕食を食べ終えた後…………私は未唯ちゃんに苺ちゃんの事を聞いた

 

「それで逃げるように帰ったんだけど……」

 

『そっか~あんまり気にしないでって言っても気にしちゃうよね。苺ちゃん、ちょっと分からなかったりするから』

 

「分からない?」

 

『遥ちゃんは苺ちゃんと話しててどう思った?』

 

「えっと……未唯ちゃんを強気にした感じ?」

 

『あはは……苺ちゃん、強いように見えて人一倍弱いから…………友達でいいのかなって悩んだりしちゃうんだよね』

 

「う~ん、それじゃ……」

 

『負けずに接してあげて、姉としては嬉しかったりもするから』

 

「うん!」

 

電話を切ると……姉としての未唯ちゃんも新鮮だな~と思う私であった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日、学校で苺ちゃんを探していると、クラスの子と一緒にいるところを見つけた。楽しそうに話してるし、声をかけるのはやめた方がいいのかなと思ったけど……

 

「苺ちゃん~」

 

声をかけないとダメだよね。

名前を呼ばれて戸惑う苺ちゃん。私は笑顔で……

 

「今日、練習あるんだけど、見に来ない?」

 

「えっと……」

 

「終わったら寄り道しよ」

 

「う、うん……は、遥ちゃん」

 

もじもじしながらそう言う苺ちゃん~可愛いな~

 

 

 

 

 

 

 

苺side

 

その日の夜、

 

「それじゃ遥ちゃんと仲良しになったんだ」

 

「うん!ただ……」

 

「ただ?」

 

「その……距離が……手を繋ぐのってその……」

 

「あ~」

 

手を繋いで一緒に遊んだりするのって……家族や幼馴染以外はこ、恋人同士がすることなのに…………遥ちゃん、大胆すぎるよ……

 

「苺ちゃんは純粋だからね~」

 

「も、もうお姉ちゃん!私は純粋じゃないよ!世間一般的なことを……」

 

「はいはい」




高柳苺

主人公、未唯の双子の妹。

髪の色以外は見た目はほぼ同じ。ある一部分だけ違う。

未唯を少しだけ強気にした感じだけど、実際は人一倍弱いため、いきなり友達だよって言われると戸惑い逃げ出すことがしばしば

姉との関係は良好。外では未唯姉呼びだけど、家ではお姉ちゃん呼び

本人は純粋ではないと思ってるが、かなり純粋。


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31 しずくの悩み

今回からしずく回!


ステージ上に白い衣装をまとったしずくちゃんにスポットライトが当たった。

 

『ある町のある劇場に1人の少女がいました。彼女の夢はこの町一番の歌手になること。そしてたくさんの人に歌を届けること。あなたの理想のヒロインになりたいんです』

 

すると右側にスポットライトが当たり、黒い衣装に仮面をつけたしずくちゃんの姿があった。

 

『無理だ。私の歌なんて誰にも届かない。本当は分かっているのでしょう?あなたは私だもの』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前のこと……今日は校内新聞に同好会のことを取り上げてもらうことになり、そのインタビューや写真撮影に新聞部の子が来ていた

 

「可愛いよ歩夢!果林さん素敵!愛ちゃん最高!みんなすっごくいいよ!」

 

一番盛り上がってる侑お姉ちゃん。あれって邪魔になってたりしてないよね……

 

「はいはーい!次はかすみんの番ですー!」

 

かすみちゃんが撮影中、私は隣でインタビューを受けているしずくちゃんのほうを見た。

 

 

「では次に桜坂さんがどんなスクールアイドルを目指しているのか教えてください」

 

「私は愛されるスクールアイドルを演じたいと思っています」

 

「と言いますと?」

 

「みなさんにとって理想のアイドルを想像してその子に成り切るんです」

 

「では今この瞬間も桜坂さんは理想のスクールアイドルを演じているということですか?」

 

「はい」

 

「なるほど。演劇部に所属している桜坂さんらしいアイドル像ですね」

 

「そういえば今度 藤黄学園との合同演劇祭が開催されるそうですが」

 

「えぇ。藤黄学園と虹ヶ咲がそれぞれ別の演目で公演を行うんです」

 

「虹ヶ咲の主役に抜擢されたのは桜坂さんだそうですね。是非とも校内新聞を読む生徒たちに一言お願いします」

 

「精一杯演じますので是非見に来てくださいね」

 

しずくちゃん、はきはきと答えられてすごいな~

 

「高柳さん、いいですか?」

 

「は、はい」

 

「高柳さんは先日、ライブを披露したらしいですね」

 

「はい、二人の姉……幼馴染は私の最初のファンで……一緒にいて支えてくれたので、これまでの感謝とこれからもよろしくねという思いを伝えようと思って…」

 

「そのライブシーン、現在は配信していて高評価もらってるみたいですね」

 

「はい、うれしいです」

 

「おぉ流石は虹ヶ咲の天使……笑顔がまぶしいです」

 

「そ、そんな……」

 

「髪を切ったのも新たな気持ちを表すためですか?」

 

「はい!昔みたいな弱い私じゃないよって込めて……髪を切ったら妹と区別がつきにくくなりましたが……」

 

「妹さんですか?」

 

「はい、東雲にいるんです。妹も応援してくれています」

 

「なるほど、妹さんはスクールアイドルになったりとかは……」

 

「あはは、どうでしょう?」

 

といった感じでインタビューが終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しずくside

 

演劇部の部長に呼び出された私は部室に行くとそこであることを告げられた

 

「こ、降板ですか!?」

 

「今回の役はしずくとはちょっと違ったみたいだから」

 

「ダメなところがあれば言ってください!私頑張りますから!」

 

「この役は自分を曝け出す感じで演じて欲しかったの」

 

「曝け出す?」

 

「役柄も歌手って設定だしスクールアイドルのしずくなら適任かなって思ったんだけど」

 

「もう一度チャンスをください!」

 

私は必死にお願いをして、何とかチャンスをもらえることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

かすみちゃんと一緒に部室へと向かおうとしていると空き教室から声が聞こえた

 

『私歌いたいの。たくさんの人に歌声を届けたい。私が歌に込めるのは喜びと感動と少しの熱狂』

 

この声……しずくちゃん?

 

二人でのぞき込むとしずくちゃんの姿があった。最初は熱心に練習しているのか貯思ったけど……

 

『はぁ…』

 

ため息をついていたけど……何かあったのかな?

 

「しず子?」

 

ちょっと気になる私とかすみちゃんであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃーん!みんなの初めてのインタビューが校内新聞に載りました!」

 

部室でお姉ちゃんがうれしそうに見せてきた

 

「わぁー!」

 

「みんなめっちゃいい感じじゃん!」

 

「結構評判いいみたいよ」

 

「またインタビューしてもらえるといいね」

 

「今度は練習風景をメインに取材してもらうというのはどうでしょう?」

 

「それすごくいいアイデアです!せつ菜さん!」

 

しずくちゃん、いつも通りみたいだ。私とかすみちゃんは顔を見合わせて安堵するのだけど……

 

「ねぇ!演劇部の公演のことも載ってるよ!」

 

「どれどれ?」

 

公演の話になった瞬間、しずくちゃんの顔が曇りだした。いったい何があったんだろう?

 

「それにしても主役なんてすごいよねー」

 

「彼方ちゃん絶対見に行くよ」

 

「はい。ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、かすみちゃんと一緒に璃奈ちゃんの教室に訪れてしずくちゃんのことを話した

 

「しずくちゃんの様子がおかしい?」

 

「うん。なんかねいつものしず子よりもシューンって感じで」

 

「そうだったような?そうじゃなかったような?でも未唯ちゃんもそう思うならそうかもしれない」

 

「かすみんだけじゃ信用できないの!?」

 

「未唯ちゃんはそこら辺はしっかり見てるから」

 

まぁ昔からの癖だから

 

「そういえば主役降ろされちゃったって聞いたけど」

 

「えっ!?何それ!?」

 

「演劇部の子が言ってたの。それでもう一回オーディションがあるって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台は移り変わり、再び白と黒のしずくちゃんのシーンに

 

『私の歌は誰にも届かない』

 

『子どもの頃のこと覚えてる?みんなと少しだけ違う。ただそれだけのことだったけど私はいつも不安だった』

 

『誰かに変な子って思われたら?嫌われたらどうしよう?』

 

『いつもそんな風に怯えていた。だから本当の自分を隠すようになった。そうしたらすごく楽になれた』

 

『あの日からずっと私は嘘の私のまま。自分を偽っている人の歌が誰かの心に届くわけがない』

 

『そうでしょう?』

 

 




次回に続きます!にしてもライブ楽しみですわ!

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32 必要な人

私とかすみちゃんと璃奈ちゃんの三人は、ボーッとしているしずくちゃんを見つけ……

 

「しず子確保ー!」

 

「か、かすみさん!?」

 

しずくちゃんの腕をがっしり掴むと……

 

「なに?」

 

「りな子」

 

「ラジャー」

 

璃奈ちゃんが前もって書いてあったのかしずくちゃんの顔が書かれていたボードを出し、

 

「璃奈ちゃんボード拘束!」

 

「ちょっと!これじゃ前が…!」

 

しっかり目隠しした。

 

「未唯さん!助けてください!」

 

「あはは、行こう。しずくちゃん」

 

「未唯さ~ん!?」

 

助けを求めてるけど、今回ばっかりは仕方ないよね

 

 

「それじゃあ出発ー!」

 

「オー!」

 

しずくちゃんを連れ出して向かった先は……喫茶店だった。

 

かすみちゃんは悩んでいるしずくちゃんを元気付けようと計画していたのだ

 

そして私たちの前にはメガ盛りのパンケーキ『マウンテンパンケーキ』があった

 

「おぉー!」

 

「これが伝説の…」

 

「ほんとに食べるの?」

 

 

「マウンテンパンケーキ0勝5敗のかすみんが3人に完食の極意を教えてあげる」

 

「勝ててない」

 

「ひたすら食べ続けるべし!」

 

食べ続けるか……こう言うの初めて食べるな~

 

それからみんなで食べ続けていくけど……

 

「どうしたの?」

 

「み、未唯さん、すごい食べるなって……」

 

「み、みい子って少食じゃなかったっけ?」

 

「いつも小さいお弁当」

 

「少食だよ?」

 

みんな、何を言ってるんだろう?それにしてもこのパンケーキ、フワフワで美味しいな~

 

「実は大食い?『璃奈ボードびっくり』」

 

「人は見かけによらないと言うべきですが……」

 

「こ、これならもっと早くみい子つれてくれば良かった……」

 

 

 

 

 

 

 

それから四人で色んな所を回っていく中、しずくちゃんが映画のポスターに目を奪われていた。これって昔の映画の?

 

「好きなの?昔の映画。もしかしてしずくちゃんが演技を始めたのってこういうの見てたから?」

 

「そうかな…。それもあるけど私ね 演じてる時が一番堂々としていられるの。誰の目も気にならないし、自分が桜坂しずくだってことを忘れられるの」

 

それって……自分が嫌いなの?

 

「自分が…嫌なの?」

 

「ご、ごめんね変な話して。忘れて」

 

「あー!また暗い顔してる!スマイルだよしず子!えへっ」

 

「かすみさん……」

 

「今日は嫌なこと全部忘れてパーッと遊ぼ!それで元気出たらオーディション頑張って主役取り返そう!」

 

「知ってたんだ……」

 

「うん。でも別に内緒にしなくてもいいじゃん。私たち応援するし。それにもししず子が落ち込んでるなら話を聞くぐらい…」

 

「大丈夫。心配しないで。私は平気だから。3人ともありがとう」

 

笑顔でそう言うけど……その笑顔は演じているように思えた。

 

私は声をかけようとするけど、しずくちゃんはそそくさと帰っていった

 

「しずくちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

『やっぱり怖いんだ。本当の自分を見せることが』

 

『だって…』

 

『嫌われたくない。そうでしょ?私歌いたいの。みんなの心に届く歌を……そのためには自分を曝け出さなきゃ……受け入れて……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、三人で集まり、しずくちゃんに連絡を入れたことを話したけど……

 

「返事来た?」

 

「演劇の自主練だってさ」

 

「それじゃあしょうがない」

 

「あーあ、せっかく一緒にお昼食べようと思ったのに。知らなかった。しず子があんなに頑固だったなんて。本当どうしちゃったんだろう?」

 

しずくちゃん、多分だけど悩んでるんだと思う。自分について……ただその答えが見つけられない……答えが見えてるはずなのに……

 

「きっと今のしずくちゃんもしずくちゃんだよ」

 

「ほえ?」

 

「私もちょっと同じだったから分かるんだ。自分のことが嫌な気持ち。私の時は愛さんがぐいって引っ張ってくれた。みんなが励ましてくれた。だからライブができた」

 

「私も同じだった。かすみちゃん、今しずくちゃんに必要なのは……」

 

「あっ……」

 

かすみちゃんは私たちが何を伝えようとしているのか気がつき、直ぐにしずくちゃんのもとへと向かっていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しずくside

 

一人で練習を続けていても、全然ダメな感じがしていた。本当にこのままでいいの?自分をさらけ出すなんて……

すると勢いよく扉が開かれ、振り向くとそこにはかすみさんの姿があった。

 

「見つけた!」

 

「かすみさん?ど、どうしたの?」

 

「どうってそりゃ…。昨日変な感じで別れちゃったじゃん?だからどうしてるかなって」

 

「ごめんね心配かけて。でも私は本当に大丈夫。オーディションだって…」

 

笑ってごまかそうとしてけど、かすみさんは私の両頬に手をやり、見つめた

 

「目ちょっと腫れてるよ?しず子が頑固キャラだってことはよーく分かったよ。でも…そんな顔で必死に隠そうとしないでよ!私としず子の仲でしょ!?」

 

私と……かすみさんの仲……私は思わず隠していたことを話した

 

「今度の役ね 自分を曝け出さなきゃ行けないんだって。でも私にはできない。私 小さい頃からずっと昔の映画や小説が好きだったの。でもそんな子は私しかいなかったから……不安だった。誰かに変なのって顔される度 嫌われたらどうしよう?って。そのうち他のことでも人から違うなって思われることが怖くなって……だから演技を始めたの。みんなに好かれるいい子のフリを……そしたら楽になれた」

 

「しず子?」

 

「私やっぱり自分を曝け出せない。それが役者にもスクールアイドルにも必要なら私はどっちにもなれないよ!表現なんてできない…嫌われるのは怖いよ…」

 

嫌われたくない……誰にも嫌われたくないの……

 

「なに……」

 

「えっ?」

 

「甘っちょろいこと言ってんだ!」

 

かすみさんに殴られそうになり、目をつぶったけど、額に軽い痛みが走った。でこぴん?

 

「嫌われるかもしれないからなんだ!かすみんだってこんなに可愛いのに褒めてくれない人がたくさんいるんだよ!?しず子だってかすみんのこと可愛いって言ってくれたことないよね!?」

 

「しず子はどう思ってるの!?」

 

「えっ!?えーっと…」

 

これは何て答えた方が正解なのかな……

 

「可愛い!?可愛くない!?」

 

「か、可愛いんじゃないかな?」

 

「ほら言ってくれたじゃん!しず子も出してみなよ!意外と頑固なところも意地っ張りなところも本当は自信がないところも全部!」

 

「それ褒めてない…」

 

誉めてないけど、改めてそんなこと言われると……恥ずかしい

 

「もしかしたらしず子のこと好きじゃないって言う人もいるかもしれないけど私は桜坂しずくのこと大好きだから!」

 

「あ……」

 

「だから心配しなくても…」

 

かすみさんは自分がさっき言ったことを思い出して、照れながら帰ると言い……帰り際に……

 

「かすみんにここまで言わせたんだから絶対に再オーディション合格してよね!」

 

そういい残して去っていくかすみさんを見送りながら、私は気がついたら笑っていた

 

何だか……吹っ切れた……ありがとうかすみさん

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

それからしずくちゃんは見事オーディションに合格し、私たちはみんなでその演劇を見に来た。

 

ステージには白い衣装を纏ったしずくちゃんの姿があった

 

『ある町のある劇場に一人の少女がいました。彼女の夢はこの町一番の歌手になること。そしてたくさんの人に歌を届けること……あなたの理想のヒロインになりたいんです』

 

 

『待ってくださいオーナー!どうして私だけ出番がないんですか!?』

 

「残念だけどあなたの歌の評判がよくないの。もうウチの劇場に立たせてあげることはできないわ」

 

 

 

 

「ねぇ待って!もう一度オーナーに頼んでみようよ!チャンスをくださいって!」

 

『もういいの!』

 

 

 

 

終盤に差し掛かり、白い衣装のしずくちゃんと黒い衣装を纏った仮面をつけたしずくちゃん?がステージ……

 

『そんなに怖いの?本当の自分を見せることが』

 

『待って!私…それでも歌いたいよ!』

 

『ずっとあなたから目を逸らしていた。でも歌いたい。その気持ちだけはきっと真実。今までごめんなさい』

 

『これが私。逃れようのない本当の私』

 

『嫌われるかもしれない』

 

『でも好きだって言ってくれる人もいた』

 

『だからこの小さなステージでもう一度始めよう!』

 

ステージが暗くなり、明るくなった瞬間、そこには白と黒の衣装を纏ったしずくちゃんの姿があった。そして始まる…………しずくちゃんのライブが…………

 

 

 

 

 

 

 

舞台が終わり、かすみちゃんの方を見ると……すごい拍手をしていた。

 

「かすみちゃん、泣いてる?」

 

「な、泣いてない!」

 

そう言うけど……まぁ本当に凄かったもん……しずくちゃんの演技もライブも…………

 

 

 

 

二人の女子生徒が帰り際に舞台の感想を話していた

 

「いいステージだったわね」

 

「はい……虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 面白いですね」




しずかすは良いぞ

二期決定し、もしも未唯ちゃんの彼女が出てきた場合は……外伝が外伝ではなくなりそうw

次回はまたオリストになります
感想を待ってます!


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33 天使の演技

今回からまたオリストが続きます


しずくside

 

「ねぇ、しずく」

 

「はい?」

 

ある日の事、演劇部の練習中に部長に呼び出された。一体何なんだろうかと思っていると……

 

「今度の演目についてだけど……ちょっと相談したいことがあるの」

 

「相談?」

 

部長が相談って一体……

 

 

 

 

 

 

 

演劇部を後にした私は、直ぐに同好会に向かい、部室に入りある人物がいることを確認すると…………

 

「未唯さん!お願いがあります!天使になってください!」

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

部室でみんなと休憩しているときのこと、演劇部の練習を終えてやって来たしずくちゃんにいきなり『天使になってください!』発言を聞かされた私。

一体何が…………

 

「えっと要するに今度の演目の天使役のイメージが未唯にぴったりと」

 

しずくちゃんが一から説明してもらい、何とか理解できたけど…………

 

「部長から天使のイメージを聞いて、ぴったりと思ったので……」

 

「いきなり天使になってくださいって言われたら、びっくりするよ…………でも私は……」

 

天使って言われるほどなのかな?周りからそう言われるようになったけど、それはあくまで周りの印象だし…………

 

「演技とか出来ないけど…………」

 

それに天使みたいな子って……

 

「天使だったら、遥ちゃんとかしずくちゃんの方がぴったりだと思うけど」

 

「え……えぇ!?」

 

「ほほ~う、未唯ちゃんはお目が高いね~」

 

遥ちゃんの名前が出たからかさっきまで寝ぼけていた彼方さんが起き出してきた。いや、でも実際そう思うってるし……

 

「まぁ確かにしず子は可愛いけど、天使ってイメージがぴったりなのはかすみんだと思うんだけど!」

 

かすみちゃんは…………天使って言うより……

 

「小悪魔?」

 

「何で小悪魔!?」

 

「何となくぴったりだし……」

 

「それなら、私はどんな感じかしら?」

 

果林さんは……天使って言うより悪魔のような…………悪魔でもないから…………女神?美の女神ってなんだろう?確か…………

 

「女神……フレイヤ的な?もしくはアスタルト?」

 

「ぶふ」

 

何故かしずくちゃんが噴き出したけど、どうしたんだろう?

 

「女神ね~いいわね~」

 

女神って言われて何処と無く嬉しそうな果林さん。良かった

 

「因みに歩夢は?」

 

「ぽむお姉ちゃんは女神かな?侑お姉ちゃんは天使」

 

「わ、私が女神……えへへ」

 

「私は天使なんだ」

 

「あの、とりあえず話だけでも聞いてもらえないでしょうか?」

 

あぁそうだった。話だけなら……

 

 

 

 

 

 

 

演劇部につれられた私は、部長さんにジロジロと見られていた。

 

「うん、こうしてじっくり見ると役柄的にぴったりね」

 

「は、はぁ」

 

「どう?やってみない?大きい公演って訳じゃないから大丈夫よ」

 

「で、でも演技とか……台詞とか」

 

「台詞はないわよ。演技の方はしずくがマンツーマンで教えてあげて」

 

あれ?何かもう引き受けたことになってない?

 

「未唯さん、お願いします」

 

「ま、まぁいいけど……」

 

 

 

 

 

 

 

それから空いた時間でしずくちゃんに演技を教えてもらうことになった。

 

「未唯さん、自然体でももう天使みたいですね」

 

「そ、そうかな?」

 

私が与えられた役は主人公が死ぬ間際に現れて、頬笑む天使の役。台詞がないけど……演じるだけでもけっこう大変かも

 

「もっとこう動作を……」

 

しずくちゃんが密着しながら教えてくれるけど、結構くすぐったい

 

「どうしました?」

 

「何だかくっつかれるとくすぐったくって」

 

「あ、すみません」

 

「大丈夫だよ。それにしずくちゃんの教え方丁寧だから分かりやすいよ」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「それじゃよろしくね。しずく先生」

 

それから公演まで付きっきりでしずくちゃんに指導を受け、何とか演劇も成功した。

 

「流石はしずくに頼んだかいはあったわ」

 

「そんな、私は全然……」

 

「主役の子、本当に天使が現れたみたいだって言ってたわよ」

 

そ、そんなになのかな~でもちゃんとできて良かった。

 

「これを機に演劇部に入る気は?」

 

「あはは、今はスクールアイドルでいっぱいなので」

 

「そう、残念」

 

本当に残念そうにしている部長さんだった。

 

 

 

 

 

 

 

しずくside

 

未唯さんに参加してもらった公演も終わり、私は安堵していた。

 

別に未唯さんがいやと言うわけではなく……

 

「未唯さんとあんな風に密着しながらなんて……」

 

未唯さん、本当に可愛い。かすみさんとは違う可愛さがあると言うか…………かすみさんはみんなを魅力させる可愛さなら、未唯さんは一人を魅了させる可愛さ…………まさに天使の誘惑と言うべきか……

 

「変なことを考えないように気を付けないと……」

 

しかも未唯さんは無自覚に色々と言うから、更に魅了させてくる。

 

「気を付けないと…………」

 

下手すれば私は未唯さんを抱き締めてたかも…………




因みに未唯的には

天使 せつ菜、彼方、侑、遥、璃奈、しずく

女神 果林、歩夢、エマ

小悪魔 かすみ、愛

になります

果林さんを例えた女神については、調べてみてください

感想待ってます


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34 外伝 第二回お馬鹿王決定戦?

第一回は……気にしないでもらいたい


ある日のこと、突然栞子ちゃんに家に来てくれないかと頼まれたので、おめかしして栞子ちゃんの家を訊ねた。

 

和風なお家だからもしかしたら色々と厳しいと思いつつ、チャイムをならすと……

 

「貴方が高柳未唯さんね」

 

出てきたのは見知らぬお姉さんだった。なんと言うか……怪しい人だ…………ここは……

 

「すみません。家間違いました」

 

門から離れて、栞子ちゃんに連絡を入れて…………

 

「何かもらった地図間違ってたよ」

 

『いえ?あっていると思いますが……』

 

だとしたら……あの人は……

 

「間違ってないわよ。三船家で合ってるわよ」

 

「おねえさん、泥棒?」

 

だとしたら栞子ちゃんは助けを…………と言うのは冗談として……

 

「まぁ怪しいと思うのは仕方ないわね。私は栞子の姉の薫子よ」

 

薫子?確か…………

 

「あぁフェスティバルの実行委員の人で、途中で投げ出した」

 

「何か……話を聞いてる感じとは違うわね……優しい子と聞いてたけど……」

 

「こう見えてちょっと怒ってますので」

 

その事で色々と大変だったからね。本当に……

 

「フェスティバルの事は本当に……もうしわけ……」

 

「謝るならお姉ちゃん……高咲侑さんに謝ってくださいね。一人で背負い込んだりしたので……」

 

「分かったわ。それで栞子に用事?」

 

「あぁそうでした。何か来てって言われたので」

 

「そう、ゆっくりしていってね」

 

そう言って薫子さんは出掛けていくけど……まず戻ってきてたんだ。

 

「後で栞子ちゃんに聞いてみよう」

 

 

 

 

 

 

 

栞子ちゃんのお家にお邪魔して、私は栞子ちゃんの部屋に案内された。

 

「それで話って?」

 

「実は……学校で話すのは難しいのですが……」

 

「デートのお誘い?」

 

「い、いえ、そ、それは……学校でも……」

 

顔真っ赤にさせて可愛いな~

 

「ある問題が同好会で浮上しようとしてます」

 

「問題?」

 

もしかして……ランジュって人がまた?でもこの間、ミアちゃんが土下座させに来て…………

 

『口の聞き方と態度をどうにかするように言い聞かせますから。本当に許してください!未唯さん!』

 

ってことがあったから大丈夫かと……え?ランジュって人は…………震えていたような……気のせいだけど……

 

「これなんですが……」

 

栞子ちゃんに見せてもらったのは……これは確かにまずいかもしれない。下手すれば同好会が活動停止に……

 

 

 

 

 

 

 

次の日、朝のミーティングで私と栞子ちゃんの二人で昨日の話をした

 

「と言うことでテスト勉強強化期間に入りたいと思います」

 

「突然だね……ってそろそろテストか」

 

「何だか前のテストの時のことを思い出すね」

 

「あぁ、お馬鹿王決定戦でしたっけ?」

 

あの時はまだ栞子ちゃんが素直じゃなかったからね~でもまだそんなに経ってないのに……懐かしく思えるよ

 

「彼方ちゃん~成績落とさないように気を付けてるよ~」

 

「ですが油断していたらダメですね!」

 

「でも、なんで突然?」

 

璃奈ちゃんの疑問は分かる。まだ期間があるのに急いで始める必要はないけど……

 

「空が青いわね」

 

「見てください。雲が……コッペパンですよ」

 

遠くを見ている二人を見て、全員が納得した。

 

「果林ちゃん、成績落ちてるの?」

 

「そんなことないわ」

 

「因みにこれがこの間の小テストの結果です」

 

栞子ちゃんはみんなに見せると、何人かは苦笑いを……しずくちゃんは呆れていた

 

「果林さん、点数が……」

 

「かすみさん?」

 

「……調子が悪かっただけよ」

 

「か、かすみんも部屋の掃除とか……」

 

「…………」

 

しずくちゃんに無言で見つめられて怯えるかすみちゃん。流石に可哀想だけど…………

 

「次のライブ……下手すれば出れなくなりますよ」

 

「だから昨日栞子ちゃんと話し合ったんだけど-お姉ちゃん、どうかな?」

 

「まぁ私も今回は早めに勉強会とかしたいねって歩夢と話してたから……」

 

「私たちは大丈夫だよ。教えられたりもするし」

 

「そうだよね。折角二人が提案したことだし、愛さんも乗るきゃない!」

 

「でも前みたいにやるんですか?」

 

前みたいな感じの方が良いけど…………しずくちゃんは何か案でもあるのかな?

 

「勉強合宿とか……ダメでしょうか?」

 

合宿……そう言うのも面白そうだけど…………

 

「その提案……「でも下手なところだと遊びたくなりそうだね」

 

何か誰かの声を遮ったけど気にしない~

 

「確かに……集中できませんね。部室でやるしかないですね」

 

「まぁその後に合宿でも良いかも」

 

とりあえず話は纏まったから…………

 

「あの未唯?」

 

「何?お姉ちゃん」

 

「いや、彼処で悲しそうな顔をしている人が…………」

 

侑お姉ちゃんが指差している方を見ると、薫子さんがいた。私はそっと薫子さんを外に出して、扉を閉めるのであった。

 




何故か辛辣な未唯という…………

地味に続きます

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35 外伝 勉強会!

とりあえず鍵をかけて…早速勉強会を……

 

「ちょっと待った!」

 

始めようとしたらかすみちゃんが待ったをかけた。

 

「どうしたの?」

 

「かすみさん、勉強したくないからって…」

 

「そういう訳じゃなく、みい子はどうなの?」

 

「!?」

 

「そういえば未唯って、成績いいんだっけ?」

 

「あんまり見せたりしないよね?」

 

お姉ちゃんたちがそう言うけど……今は…

 

「わ、私の点数より…今は…」

 

「栞子ちゃん、未唯ちゃんの点数分かる?」

 

「はい、確か……」

 

栞子ちゃんは私の点数表をみんなに見せた。

 

現国 80点

 

理科 58点

 

数学 40点

 

日本史 75点

 

英語 80点

 

「…………」

 

「未唯ちゃん~理数系苦手なんだね~」

 

「代わりに他は割と取れてるね」

 

「でも数学…………」

 

エマさん……お願いだからコメントに困らないで……

 

「みい子もお馬鹿王決定戦やる?」

 

「そうね……と言うより前回はどうしてたの?」

 

前回は栞子ちゃんに言われたから、負けないように一人で勉強していたから部室に来てなかったけど……まさかこんな感じにバレるなんて……

 

「未唯さんは理数を徹底的に鍛える必要がありますね」

 

「栞子ちゃん、知ってる?」

 

「はい?」

 

「数学なんて……足し算と引き算と割り算と掛け算だけで社会に出ても十分やっていけるんだよ」

 

「未唯、あなたの言う通りよ」

 

果林さん……分かってくれたんだ

 

「未唯さんは私が付きっきりですね。せつ菜さんもお願いできますか?」

 

「はい!任せてください!」

 

あ……スパルタ…………でも仕方ないか……

 

 

 

 

 

 

 

「つまりここがこうなって……」

 

それぞれの教科に分かれて、勉強会をすることになった私たち。

 

「未唯さん、ここはこうですよ!」

 

なんと言うか…………私だけ得してないかと思ってしまう。

栞子ちゃんもせつ菜さんも優等生だし、教え方も上手い。これなら結構捗る……捗るけど…………

 

「はぁ……集中切れた……」

 

「まだ……二時間たってますね」

 

「未唯さんは集中力あるんですね」

 

「う~ん、夢中になればそれなりに…………でもずっとだと疲れちゃうよ」

 

「では休憩しましょう!」

 

「私は何か入れてきますね」

 

暫くして栞子ちゃんがお茶を入れてきてくれた。私たちは少し休憩しながら……

 

「そういえば未唯さんは文系が得意なのはどうしてですか?」

 

「え?」

 

「確かに感じ的には全部出来そうですけど…………」

 

私ってそんな風に見られてたの?ちょっと意外……

 

「それでどうして得意なんですか?」

 

「う~ん、特に思い当たることは…………ぁ」

 

よくよく思い返すと思い当たることがあった。

 

「周りに鈍感なのに無意識に口説く人と思い詰めやすい人がいて…………その二人が喧嘩しないように気を付けていった結果……かな?」

 

「二人?」

 

「ぁ……」

 

せつ菜さんは分からないみたいだけど、栞子ちゃんは察していた。

 

「因みに苺ちゃんは逆かな?」

 

双子だからなのか何なのかわからないけど……ね

 

「では読み解くということならうみがめのスープとか得意では?」

 

「うみがめ?」

 

「あー、あれはどうだろう?やってみたいってことはあるかな?」

 

「では今から…………」

 

「せつ菜さん、まだ勉強会中ですよ。やるなら今度の合宿の時にでも」

 

「はい……」

 

まぁ合宿の時のお楽しみにして、今は勉強に集中…………

 

「その合……」

 

押し出し→手を振る→扉をしめる→鍵をかける

 

「姉さん…………」

 

ここのセキュリティどうなってるんだろう?知らない人が入ってきすぎじゃないかな?

 

 

 

 

 

それから暫くの間は練習の合間に勉強会を開いて、テストの結果が返ってきた頃……

 

「あ、結構点数上がってる」

 

「未唯さん、おめでとうございます」

 

「えへへ、栞子ちゃん。ありがとう。せつ菜さんもありがとうございます」

 

「いえ!お役に立てて何よりです!」

 

「…………赤点は回避できたわね」

 

「…………えぇ、それにコッペパンってこんなに美味しかったんですね」

 

「本当に……」

 

かすみちゃんと果林さん……疲れきってるけど……大丈夫かな?

 

「それで合宿なんだけど……栞子ちゃんのお姉さんが…………」

 

「ん?」

 

薫子さんと侑お姉ちゃんって顔見知りだっけ?

 

「前にみんながやった無人島でって話が出たんだけど……断って学校の合宿施設でやることになったから……みんな!頑張ろう!」

 

『おーー!!』

 

断ったんだ……でもなんでだろう?まぁいいか。

折角だしあの子達に声をかけて、合同でできないかな?お姉ちゃんに相談してみよう




塩対応なのかワサビなのか…………未唯の場合は大切な人を傷つける人に対してはこうなります。

そこら辺栞子も含まれるけど……次回は栞子と未唯との関わりについてやります!

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36 外伝 仲良くなる前のお話

今回からちょっとの間は外伝になります


合宿の準備を家でしているときのこと、苺ちゃんが暇そうにその様子を見ていると思ったら……

 

「そう言えばお姉ちゃん……」

 

「ん~」

 

「お付き合いしてる人いるんだよね?」

 

「うん、そうだけど……」

 

珍しい…苺ちゃんがそう言う話を振ってくるなんて……恋バナとかそう言う話苦手……と言うより思っている以上の話が出てきて赤面したりするのに……

 

「ちょっと気になったんだけど……そのお付き合いしてる人って同好会を廃部しようとしたんだよね?」

 

「うん」

 

「おねえちゃん、そう言うことをされると凄く嫌うよね」

 

嫌う……でいいのかな?まぁ嫌いなんだろうな~

 

「それにしてはよく好きになれたね」

 

「う~ん、まぁ色々とあったからね」

 

正直言うと私も驚いている。

私は大切なものを奪ったり、辛い思いをさせようとしたり、傷つけたりするような人は嫌いだ。

だからそう言う人に対しては例えどんなことがあっても…………許そうと思ったりはしない。例え許すことがあったとしても…………かなり長い時間をかけなければいけなくなる。

 

だけど……栞子ちゃんだけは違った…………

 

 

 

 

 

 

 

少し前に3校合同合宿で選抜された組と留守番組で分かれたときに、私は先生にあることをお願いされていた。

 

「ボランティアですか?」

 

「そうなのよ。申し訳ないのだけどお願いできないかしら?」

 

まぁ暇していると言ったらあれだけど……予定もなかったしいいかもしれない。

 

「分かりました。参加します」

 

「それじゃあ、参加するもう一人の子呼んでくるわね」

 

もう一人?

 

「その子、よく参加してるから、仲良くね」

 

「はぁ」

 

うーん、正直知らない子と一緒って言うのはちょっと苦手と言うべきか…………でも引き受けた以上は……頑張らないと…………

 

暫くして先生が連れてきたのは…………

 

「「あ……」」

 

三船さんだった。ついこの間色々とあったのに…………気不味い…………

 

「それじゃ二人ともよろしくね」

 

「はい」

 

「はい……」

 

なんと言うか気が重くなる…………

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず三船さんにボランティアで何をするかの説明を受けることになった。

 

「えっと、子供たちと遊んだりすればいいの?」

 

「遊ぶだけではないです。勉強を教えたりも」

 

「なるほどね~」

 

それにしても丁寧に教えてくれるんだ……私的には嫌われたりしてるから、心配はしてたけど…………

 

「…………高柳さんはスクールアイドル……なんですよね?」

 

「うん、まぁまだライブとかしたことないけど…………」

 

「正直言うと…………あなたには向いていないと思います」

 

適性がどうとかの話か……拘るね……

 

「どうして?」

 

「……はっきり申し上げますと……体力面、歌唱力を踏まえた上で……あなたには別の……」

 

「そうだね。スクールアイドルやるには私に足りないものはそれだね」

 

「それなら……」

 

「だけどね……私はやりたいの。憧れのせつ菜さんみたいにかっこよくなくても、大好きなぽむお姉ちゃんみたいに可愛らしくなくても……自分らしいアイドルを目指したいの。適性に合ってないからやめるつもりはないよ」

 

「…………それが無駄な……」

 

「無駄なことだって言うつもりなら…………私は三船さんの事を軽蔑する」

 

無駄なんて言ってほしくない…………この世には無駄なことなんてないんだから……

 

「…………そうですか……」

 

それからまたボランティアの話に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い返すと……私、よく栞子ちゃんの事好きになったな~

出会いは最悪だし、それ以降の事も考えると……嫌ってたのに…………

 

「はぁ」

 

「どうしたの?ため息なんてついて」

 

「恋って凄いなって……」

 

「いきなり何をいってるの?お姉ちゃん?」




出会いもそのあとも最悪だった二人……次回に続きます!
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37 お誘い

ちょっと10話、11話の展開思い付いたので、本編に戻ります!
今回は果林さん回!


「みなさーん!可愛い写真が撮れたのでお裾分けしちゃいますねー!」

 

ある日、活動中にかすみちゃんが自撮り写真を私たちに見せてきた。

 

「わぁー!」

 

「キュン」

 

「かすみちゃん、可愛い」

 

「あら可愛いわね」

 

「えへへー!もっと褒めてくれてもいいんですよ?」

 

「パンダの方よ」

 

「かすみんを見てくださいよ!」

 

パンダも可愛いけど、こういうのどこで買ってくるんだろう?今度かすみちゃんに聞いてみようかな?

 

「最近ね 色んな人に声を掛けてもらえるようになった気がするよ」

 

「みんなもそうなのね」

 

「最初の頃は同好会の存在すら知られてなかったのに。PVや璃奈さんのライブの影響でしょうか?」

 

「私なんか……はぁ…」

 

知られるようになったのはいいけど……私の場合は問題があった。

 

「あー、未唯の場合はね」

 

「うん、未唯ちゃんはね」

 

「みい子はね……」

 

全員がため息をついた。ファンクラブまで出来たのはいいけど…………

 

表だって声をかけてきたりとかはなく……遠くから見守る感じのファンクラブだなんて…………

 

「ま、 まぁファンクラブが出来たことを喜ぼうよ」

 

しずくちゃん、優しいね…………

 

「ま、まぁみんな頑張ってるもんね」

 

「うん。いい感じだよね」

 

「順調だからこそ先のことを考えなくては」

 

「ん?」

 

「少しずつではありますが私たちはソロアイドルとして成長していると思います。ですが同好会としての私たちはまだ何も成し遂げていません」

 

「私たちのライブ」

 

「活動を再開した時にみんなで話しましたよね」

 

「今なら実現できるかな?」

 

ライブ…………確かに披露したことあるのって、璃奈ちゃん、彼方さん、しずくちゃんくらいだから、まだみんなでってなかったよね。私の場合は個人的に披露しただけだから、ファンの人に見せたりしてないし…………

 

「もう一度みんなで話してみようよ!」

 

早速話し合おうとした瞬間、私と彼方さんのスマホがなった。同時に確認すると…………

 

「どうしたの?」

 

「遥ちゃんから~」

 

「苺ちゃんから……多分彼方さんと同じ内容だと思う」

 

二人で話したいことがあるから、今からこっちに来るって?どうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

暫くして遥ちゃんと苺ちゃんの二人が訪ねてきた

 

「お邪魔します」

 

「いつでも大歓迎だよー」

 

「そちらの方は……前に話に聞いた……」

 

「未唯ちゃんの妹?」

 

「うん、高柳苺。東雲に通ってて、スクールアイドル部のマネージャだっけ?」

 

「違うわよ。お手伝い!遥ちゃんがどうしてもって…………」

 

「でも家では楽しそうに話してたもんね」

 

「未唯姉!」

 

「おぉ、みーちゃんってあんな風に笑うんだ」

 

「家族のみに見せる笑顔かしら?」

 

「苺ちゃん~遥ちゃんからよく聞いてるよ~気が利いて、優しいって~」

 

「お、お姉ちゃん////」

 

本当に仲の良い姉妹だな~そう言えば二人とも今日はどうしたんだろう?

 

「今日はどうしたの?」

 

「実は…」

 

遥ちゃんが話そうとした瞬間、遥ちゃん、苺ちゃんの後ろから一人の女の子が出てきた。

 

「大事なお話がありまして」

 

「あなたは?」

 

「初めまして。藤黄学園スクールアイドル部の綾小路姫乃と申します」

 

「藤黄って……」

 

確かこの間しずくちゃんの演劇の時の…………

 

「突然ですが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の皆さん、私たちと一緒にライブに出ませんか?」

 

『えぇーーーー』

 

突然の申し出…………みんなが驚く中、私はなんでまた?と考えてしまった。何か裏とか…………あるわけないか

 

 

 

 

 

 

姫乃さんが改めて話をすると…………今度あるイベントが開かれるらしい。そのイベントが…………

 

「ダイバーフェス?」

 

「毎年お台場で行われている音楽イベントよね」

 

「はい。色んなジャンルのミュージシャンが参加するんですよ」

 

「今年はスクールアイドル枠に藤黄学園と東雲学院が呼ばれたんですけど遥さんと相談して虹ヶ咲学園の皆さんを推薦させていただいたんです」

 

遥ちゃんが推薦してくれたんだ。彼方さんは嬉しそうに遥ちゃんを抱き締め……

 

「遥ちゃん、偉い」

 

「えへへっ」

 

「私も推薦したんだけど……」

 

「苺ちゃん、ありがとうね」

 

私は頭を撫でると苺ちゃんは恥ずかしそうに顔をうつむかせていた。

 

「でもどうして綾小路さんが?」

 

「この前の合同演劇祭であなたの歌を聴いたのがきっかけです。皆さんがどんなライブをするのか見たくなったんです。特に朝香果林さんはよく雑誌で拝見していましたし。人気の読者モデルがスクールアイドルをするなんてすっごく魅力的じゃないですか」

 

姫乃さん、果林さんのこと挑発してる?ん?でもちょっと違う感じがする

 

「それに高柳未唯さん、あなたの事も知ってますよ」

 

「私の事も?」

 

「えぇ、ライブは配信のみでしたが…………その前から天使のように可愛らしいと呼ばれるアイドル……虹ヶ咲の天使であるあなたのライブも見てみたいです」

 

そ、そんな風に言われると……テレる…………

 

「苺ちゃんだって、東雲の天使って言われてるよ」

 

「/////」

 

遥ちゃん、対抗するのは良いけど…………苺ちゃん照れてるから……

 

「ここここ、これってすっごくお客さん来るんですよね!?」

 

「はい。3000人くらい」

 

「3000!?ひょえー!?」

 

それ……凄いよね…………そんな人数の前で歌うのって…………

 

「出ましょうよ!こんなおっきなライブに出るチャンスなんてそうそうないですよ!」

 

みんな、やる気満々だけど……でもこれって……大丈夫なのかな?タイムテーブルとか?

 

「でも1つだけ問題があって…。私たちスクールアイドルが披露できるのは全部で3曲だけなんです。東雲と藤黄はグループなので問題はないんですけど虹ヶ咲の皆さんはソロアイドルですから…」

 

「10人で10曲?」

 

「なので正直お誘いするか迷ったんですけど…」

 

「でも出来たばかりの同好会にとっては悪い話ではないですよね?」

 

「それは…」

 

「確かに…」

 

やっぱり問題はそこだよね。

 

 

 

 

 

 

三人が帰った後、みんなで話し合うけど……みんな出たがってる。メドレーにしても時間がかかるし…………くじ引きにしようと提案が出るけど……果林さんも見かねて、

 

「互いに遠慮し合った結果 運頼み。そんなのでいいわけ?」

 

「ですが私たちは…」

 

「衝突を怖がるのは分かるけどそれが足枷になるんじゃ意味ないわ。それで本当にソロアイドルとして成長したと言えるの?」

 

みんな……黙りこんだ。果林さんの言うことは正しい……だからこそ言い返すことも出来ない…………

 

「遥ちゃんはともかく綾小路さんは好意だけで私たちを誘ったわけじゃないでしょうね」

 

「え……?」

 

「そうなの?」

 

「いずれにしても今回は同好会が試されるライブになる。だから本気でそれに立ち向かえるメンバーを選ぶべきよ」

 

本気で…………それなら…………

 

「あの……」

 

私は挙手をすると、みんなが注目してきた。

今の私では3000人を満足させることも出来ない…………逃げる感じだけど……

 

「私は今回のライブは……辞退しても良いかな?」

 

『えっ?』

 

「怖いから逃げるの?」

 

「怖いけど…………果林さんのさっきの言葉を聞いて……今の私じゃ全然駄目だと思ったから…………これで選ばれても……みんなの期待を裏切っちゃう……」

 

「未唯……正しい答えかもね。それじゃ今日は帰るわ」

 

果林さんはそのまま帰っていくのであった。呆れて帰った感じではなく、私の答えを気に入ったみたいなのかな?

 




感想待ってます!!

因みに10話、11話の例のあれは変えます!やりたいけど、未唯がいた場合回避出来るので……


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38 弱さ

果林さん回後編です!


ライブに誰が出るかの話し合いは一旦やめて、その日は解散した。

 

「決まってないんだ」

 

家で苺ちゃんにその話をして、驚いていた。そんなに早く決まると思っていたみたいだ。

 

「うん、みんなは出たいけど、遠慮しちゃってね」

 

「それでお姉ちゃんは参加しないと……何で?」

 

「私はまだまだだから……それに誰かと争うのが嫌なだけ…………」

 

「争うのが嫌か…………お姉ちゃんらしいね」

 

「うん、逃げてるように思われそうだけど…………」

 

「それなら大丈夫。お姉ちゃんは普段はそうだけど、大切なもののためなら、争い事に参加するからね~」

 

「それは……もしもの時のことを考えて…つい」

 

「そんなお姉ちゃんが大好きだよ」

 

笑顔でそんなことを言われると…凄く恥ずかしいんだけど……

 

 

 

 

 

 

 

次の日、お姉ちゃんたちとせつ菜さんとでお出掛けすることになり、一緒に歩いていると前の方に見覚えのある人を見つけた

 

「あれ?」

 

「果林さん」

 

「お買い物ですか?」

 

「こんなところで……」

 

何かスマホをかかげていたけど……迷子ってことはないよね?あの果林さんが……

 

「いや…」

 

「もしかして!果林さんもこういうの好きだったんですか!?」

 

「えっ?あぁ…」

 

せつ菜さん…多分だけど偶然だと思う…

 

 

折角会ったと言うことで、果林さんも一緒にアニメショップに付き合うのであった。

 

せつ菜さんはほしかった本を見つけて、目を輝かせながら…

 

「ありました!買ってきますね!」

 

嬉しそうに本を抱えて、レジへと持っていくのであった。私たちはお店の中を見ているとスクールアイドルのグッズが目に入った。

 

「これって…」

 

「最近スクールアイドルのグッズも取り扱い始めたらしくて」

 

「だからせつ菜ちゃんに連れてきてもらったんです」

 

「へぇー」

 

「あっ!東雲と藤黄のもある!」

 

「綾小路さんだ!すごいなー!」

 

あ、遥ちゃんのだ。苺ちゃんのお土産に買ってこうかな?

 

「お待たせしました」

 

「ねぇあなたのグッズはないの?」

 

「えっ?ないですよ。ちょっと悔しいですけどね。いつか私たちもここに並べるようになりたいです」

 

「うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでアニメショップを回り終え、外に出ると、果林さんはそろそろ行かないといけないみたいだけど……

 

「私そろそろ行かなきゃ」

 

「用事あったんですか?」

 

「引き留めてしまってすみません」

 

「いいのよ。ただ時間通りに着くといいけど…」

 

「ここから遠いんですか?」

 

「そんなことはないはずなんだけど何だか分かりにくい場所にあって……どこだかわかる?」

 

スマホに映し出されたマップを見ると……えっと……

 

「その…果林さん…」

 

「ダンススクール…」

 

ぽむお姉ちゃんが指さし、果林さんがその方向を見ると…………果林さんの目的地であるダンススクールがあった

 

「もうついてますよ」

 

「あっ!」

 

「気付いてなかったんですか?」

 

「地図を見ても分からないなんて」

 

「もしかして方向音痴?」

 

「わ、悪い?」

 

「意外だけど可愛いです」

 

「何だか果林さんのそう言うところ知れて良かった気がします」

 

今までは大人でちょっと近寄りがたかったけど…………

 

「ダンス習ってるんですか?」

 

「たまたま仕事でここの先生に会ってね」

 

「さすが果林さん!」

 

「そうですね。影で努力してるなんて尊敬します」

 

「努力しなきゃライバルに追いつけないからね」

 

ライバルと言われて、ぽむお姉ちゃんとせつ菜さんがきょとんとしていた。ライバルって……もしかして……

 

「あなたたちのことよ」

 

「「えっ?」」

 

「なんていうか手を抜けないのよ。せっかく部活に入ったんだから楽しみたいって気持ちもあるんだけど……だから昨日は言い過ぎたかもしれないわ。ごめんなさい」

 

「謝らないでください」

 

「果林さんは正しかったと思います」

 

「私たちはソロアイドルだもんね」

 

「えぇ。お互い切磋琢磨していかなくては成長できません。それなのに私はまた皆さんに迷惑掛けたくなくて遠慮してました」

 

「多分同好会のみんなもね」

 

「ちゃんと言っていただいてありがとうございました」

 

「生真面目ね」

 

「それは果林さんもだよね」

 

「えっ?」

 

「なんだかんだ言って世話好きだし」

 

「そうかも」

 

「そうかしら…」

 

「まだ少し時間ありますか?」

 

「えぇ」

 

「誰がダイバーフェスのステージに立つかみんなで相談しませんか?」

 

「えっ!?」

 

「今決めるの?」

 

「はい。果林さんの本気は全員に届いているはずですから」私たち同好会が次のステップに進むために必要なことだと思うんです。どうでしょう?」

 

「ふふっいいんじゃない?」

 

「では皆さんに連絡しますね」

 

みんなで一斉にメッセージを送った。すると直ぐに返信が来た。みんな、本当に同じ思いだ

 

「そう言えばあなたはどうするの?」

 

「私ですか?」

 

「改めて話し合うとしても、あなたは昨日みたいに参加するのは辞退するの?」

 

「はい、一度決めたことなので…………」

 

「なるほどね。未唯の事が少しわかった気がするわ」

 

わかったって何を?

 

「争うことが嫌だけど……本当は誰かのために自分は一歩引く。そんな感じね」

 

それは……はじめて言われた。私ってそんな感じなんだ

 

「それに誰かを傷つけたくないんじゃなく、守りたい。そんな感じかしら?」

 

「あ、それは当たってるかも」

 

「未唯ちゃんは誰かのためなら一生懸命になれるもんね」

 

「そ、そんな///」

 

「それで色々と誤解されるけど……私は……と言うより私たちは未唯の事をわかってあげているわ」

 

「果林さん…………」

 

みんなが分かってくれてるか……何だかうれしいな~

 

 

 

 

 

 

 

 

そして話し合いをして…………ダイバーフェス当日

 

みんなで決めたのは、自分以外の人を推薦すると言うこと…………だとしたら一人しかいなかった。それは果林さんだ。

私はお姉ちゃんと一緒に結果をまとめていたけど、納得行く結果だった。

 

そんな私は一人、藤黄の控え室に来ていた。目的は確認したいことがあったからだ

 

「未唯さんが訪ねてくるとは思っても見ませんでした」

 

「ごめんね。出番が近いのに呼び出して……姫乃さん」

 

「いいえ、こうしてお話をできるのはうれしいです。虹ヶ咲の天使であるあなたと」

 

笑顔でそういうけど、普通なら挑発かなと思ったけど…………私にはわかる。分かるからこそ

 

「本当は果林さんと話したいのでは?」

 

「!?」

 

「隠してるみたいだけど……私はそう言うのが分かるので……」

 

「なるほど……えぇ朝香さんのファンですよ。モデルからスクールアイドルになったときは凄く嬉しかったです」

 

「そっか……ありがとうね。わざわざ聞くことじゃないのに聞いて」

 

「いいえ、えっと…用事はそれだけですか?」

 

「うん、それだけ。気になったからだけだから」

 

「そうですか……では答えた代わりにお願いがあります」

 

「何?」

 

「…………あなたのファンも藤黄にいるので、後でサインを」

 

サインって…………私、書いたことがないんだけど…………

 

 

 

 

 

 

とりあえずサインを書き終えると、侑お姉ちゃんから連絡が入り、果林さんが行方不明らしい。もしかして迷子?

私は急いでお姉ちゃんたちと合流しに行く

 

 

 

合流して、探しているとようやく見つかったけど様子がおかしかった。

 

「具合悪いの?」

 

「ビビってるだけよ。我ながら情けないったらないわね。こんな土壇場でプレッシャー感じちゃうなんてほんとみっともない。あんな偉そうなこと言ったくせに。ごめんなさい」

 

果林さん…………

 

「そんなことないですよ」

 

「大丈夫だよ果林ちゃん」

 

「大丈夫」

 

「私たちがいるじゃん」

 

弱いところをみせた果林さんだけど……だけど大丈夫。みんながいるから…

 

「そうですよ。ソロアイドルだけど1人ぼっちじゃないんです」

 

「なんで…そんなに優しいのよ…」

 

「分かるでしょ?そんなの聞かなくたってさ」

 

私たちは一人じゃない…………だよね。

 

「もう大丈夫……」

 

かすみちゃんの提案でハイタッチをしてみんなのエネルギーを分けようとなり、果林さんは私たちとハイタッチをして、ステージへと向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

果林さんのステージは……みんなを魅了させていた。凄い…………私も…………こんな大人数の前で………………

 

何故か私は後悔していた…………

 

「…………うん、今度こそ……」

 

一人そう呟くのであったけど………………

 

 

 

 

 

 

 

後悔した瞬間、もうチャンスはないって誰かが言っていた。

 

「ごめんね……私…………ステージに立てない」

 

「えっ?」

 

「どうして……私たちのせい?」

 

「ごめんね……」

 




不穏な展開を残しつつ、次回はオリスト!本編の次の話が合宿回なのでそれ関係です

感想待ってます


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愛さんの誕生日 愛さんの妹

愛さんの誕生日回!


ある日のこと、部室に入ると机の上に置かれた大量のキュウリとそれを囲む璃奈ちゃん、しずくちゃん、かすみちゃんの姿があった。

 

「何があったの?」

 

「あ、未唯ちゃん。実はね愛さんの誕生日プレゼントを考えてたの」

 

誕生日?確か30日だよね?まだ三週間近くあるけど……

 

「ねぇ、りな子~本当にやるの?」

 

「璃奈さん、普通にプレゼント買いにいこう」

 

「ううん、愛さんにプレゼントしないと……」

 

璃奈ちゃん、気合いが入ってるけど……それもそうか。璃奈ちゃんからしてみたら、愛さんは恩人だもんね

 

「それでそのキュウリは?」

 

「愛さんにとびっきり美味しいキュウリの漬け物を作るの『えっへん』」

 

「そっか~プレゼントに………………」

 

いや、それは……どうなのかな?いや、確かに喜ぶけど……プレゼントに漬け物を……

 

「みい子からも言ってよ~プレゼントを別のにしてって」

 

「えっと……璃奈ちゃん」

 

「何?未唯ちゃん」

 

「その………………漬け物は…………プレゼントじゃなくパーティーの時の料理として出さない?」

 

「プレゼントダメなの?」

 

不思議そうに顔をかしげてるけど……なんと言えば……

 

「あーその……ダメじゃないよ。でも持ち帰るの大変だし……持ってくるのも大変だから……ね」

 

「そっか……それだったら…………」

 

納得してくれたかな?

 

「ここの調理室で保管してもらう」

 

「…………それなら問題ないね」

 

「みい子!?」

 

「未唯さん!?」

 

ごめん……どうしようもないよ…………

 

 

 

 

 

 

 

かすみちゃんとしずくちゃんの二人が璃奈ちゃんを説得を続けることになり、私は一人飲み物を買いに行こうとしていると、

 

「あれ?みーちゃんじゃん。みーちゃんもジュース買いに来たの?」

 

「愛さん、はい」

 

愛さんと出くわした。丁度プレゼントに関して聞きたいことがあったんだ

 

「愛さん、今月誕生日ですよね?」

 

「そだよ~何々?プレゼントくれるの?」

 

「はい、それで何がほしいのかなって聞きたくって」

 

「そっか~でも愛さん、みんながくれるものなら何でも良いよ~」

 

愛さんならそう答えそうだと思っていた。それなら何か可愛い小物を…………

 

「あーでもみーちゃんにはプレゼント代わりにお願いしたいことがあるんだけど?」

 

「お願いしたいこと?」

 

 

 

 

 

 

 

 

5月29日 夕方、宮下家

 

「おぉ~みーちゃん、けっこう似合うじゃん」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「うんうん、意外とギャルみたいな格好もいいね~」

 

愛さんの家で私は愛さんが用意した服を着ていた。

前々から着せてみたかったらしい

 

「メイクもギャルみたいにして…………うん、バッチリ!」

 

「私……そんなに似合ってます?」

 

「元々素材は良いからね~これ、写真とってゆうゆと歩夢に見せようよ」

 

「えっと……それは……やめた方が……」

 

多分直ぐに電話がかかってきそう…………下手するとこの家まできそう…………

 

「いや~みーちゃんをこうして着せ替えとかしてみたかったんだよね~」

 

「まぁこれがプレゼントの代わりになるのはあれなんで後でちゃんとしたもの買いますね」

 

「気にしなくて良いのに~」

 

「私が気にします!」

 

ため息をつきながら私は姿見の前で自分の姿を見てくるくる回ったりした

 

「愛さんに妹がいたら、こんな風にしてみたかったんだよね」

 

「えっ?」

 

「ほら、この間のしずくの誕生日の時は妹になったんでしょ」

 

「あーそうですね」

 

ちょっと最後はからかったりしたけど…………

 

「それでね。みんなと話してて、出来たら誕生日の時は妹になってもらいたいねって」

 

何でそんな話になったのか分からないけど……誰かの妹か~

 

「それじゃ……愛お姉ちゃん♪」

 

「なぁに?未唯」

 

あ、これはけっこう恥ずかしいね

 

「いや~いいね。これゆうゆたちが羨ましいよ」

 

「あはは……」

 

「それじゃ明日まで妹でお願いね」

 

「うん、愛お姉ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日…………

 

「愛お姉ちゃん~」

 

「はいはい、あ~ん」

 

誕生日パーティーで料理を食べさせてもらっていた

 

「おいしい?」

 

「うん、美味しい」

 

「本当、未唯は妹を演じるのはうまいわね」

 

「あの自然な姿……見習わないと……」

 

「未唯ちゃんも楽しそう」

 

「だね~」

 

「所でりなりーのプレゼントは?」

 

「「!?」」

 

そういえば説得できたのかな?すると璃奈ちゃんは俯いていた

 

「ごめんなさい」

 

「えぇ!?何で謝るの?」

 

「愛さんに特製の漬け物を食べてもらいたかったんだけど…………失敗して……」

 

「そうなんだ……でもりなりーが作ろうとしてくれたの嬉しいよ!今度一緒に作ってみよう」

 

「愛さん……うん」

 

何だかんだ良かったかもしれない。

 

「それじゃ次の私の時は楽しみにしておくわ」

 

「え?」

 

果林さんの妹に…………

 

「あの……私……その……お胸……そんなにないから……着せ替えとか……」

 

「何を言ってるのかしら?」

 

果林さんの妹…………何をされるんだろう?やっぱり着せ替えとか?が、頑張らないと…………




愛さん誕生日おめでとーーーー

そして次回の果林さんの誕生日にナニをされるのか……

感想待ってます~


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39 みんなと仲良く ②

今回はオリスト回!


「未唯ちゃん、そっち行ったよ」

 

「OK任せて」

 

迫り来るモンスターに対して太刀を振るう…………

その瞬間、撃破完了と言う文字が画面に映される。

 

 

 

 

 

今日は部室で璃奈ちゃんと一緒にオンラインゲームをやっていた。そもそも学校内でのゲームの持ち込みとかは禁止だけど……これは璃奈ちゃんが依頼を受けたものらしいからOKみたいとか…………

 

「未唯ちゃん、凄い助かった」

 

「いやいや、そんなことないよ~」

 

「モンスターの攻撃を全て回避して、大技を叩き込む…………プレイヤースキルが本当に凄い」

 

「いやいや、そんなことは……」

 

「未唯ちゃん、ゲーム得意なの意外……」

 

意外って言われても……

 

「昔から外とかで遊ぶって言うのしなかったから…………遊びに行くって言ってもいつもお姉ちゃんたちと一緒だし、苺ちゃんと遊んだりしてたし…………」

 

「未唯ちゃん、今度一緒にやろう。おすすめのゲームとかあるから……一緒にやりたい『わくわく』」

 

「あはは、そのときはよろしくね」

 

「うん」

 

璃奈ちゃん、嬉しそうだな~

すると部室に愛さんがやって来て、

 

「あれ~りなりーとみーちゃんだけ?」

 

「みんな遅くなるって」

 

「だからまだ私たちだけなんです」

 

「へー、それで二人でゲームしてたの?」

 

「はい」

 

「未唯ちゃんとまたやりたい」

 

「いや~二人がこうして仲いいといいね~」

 

「そう?」

 

「りなりー、楽しそうだからさ」

 

「そうかな?『テレテレ』」

 

「私もこうして璃奈ちゃんとゲームできて嬉しいよ」

 

「未唯ちゃん……笑顔でそんなこと言われると余計に……」

 

璃奈ちゃんボードで照れてるのを隠している璃奈ちゃん。本当に嬉しいんだな~

 

「そう言えば今度の合宿さ、二人は水着持ってくるの?」

 

水着?合宿やる場所ってまだ決まってないけど…………海とかあるのかな?

 

「海とかならほら、たくさん遊べるしさ」

 

「……楽しそう『わくわく』」

 

「水着か~スク水でいいかな?」

 

「「え?」」

 

「え?」

 

「いや~そこは普通にみんなで遊びに行くときのとかで……」

 

「私、持ってないです」

 

「「え?」」

 

いや、遊んだり、泳いだりするんだからスク水でもいいんじゃないのかな?

 

「いやー未唯ちゃん、もしかしてスク水しか持ってない?」

 

「持ってないですけど…………」

 

「そりゃもったいないよ~」

 

「侑さん、歩夢さんはなにも言わなかったのかな?」

 

お姉ちゃんたちには……言われたけど…………私がいいならって納得したような…………

 

「あら~もったいないわね」

 

不意に後ろから声をかけられ、振り向くと果林さんがいつのまにかいた。

 

「か、果林さん!?」

 

「話は聞いてたけど、確かに勿体ないわね……」

 

あの……果林さん……脇とか触るの……やめてほしいんだけど…………

 

「スク水もいいけど……意外とあるんだからそう言うところを見せつけないとね」

 

「見せつけるって誰にですか~/////」

 

「ふふ、しずくちゃんより小さいけど……少しいじれば…………」

 

「ひゃう!?」

 

変なところ……いじらないでほしいんだけど…………

 

「果林さん……?」

 

「何してるんですか?」

 

「あ……」

 

身体中触られていると、遅れてやって来た侑お姉ちゃんとぽむお姉ちゃんが優しい笑顔で見ていた

 

「ちょっと話し合いましょうか」

 

「そうだね。ちょっと話し合いましょう」

 

「あ、あはは……ちょっとこれは誤解よ……」

 

そのまま引きずられる果林さんであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、話に出た水着を買いにきた私だけど……どういうのがいいのか分からない

 

「うぅ、やっぱり普通にスク水で…………」

 

「何が?」

 

また後ろから声をかけられ、振り向くと遥ちゃんと苺ちゃんの二人だった。

 

「お姉ちゃ……未唯姉、どうしたの?」

 

「もしかして水着を買いに?」

 

「あ、うん」

 

「未唯姉が……水着を!?」

 

そ、そんなに驚かなくても…………

 

「苺ちゃん、何かあったの?」

 

「未唯姉って、あんまりそう言うのに拘らないからね~泳げればいい、着れればいいで水着はスク水、普段もジャージで出掛けようとするから私が必死に説得したりしてるから…………」

 

「あ、あはは……未唯ちゃん、アイドルなんだからもう少しこだわろうよ……」

 

「でもちょっとそう言うのに疎いから…………」

 

「それじゃ……」

 

遥ちゃんは並んだ商品からある水着を手に取った。布面積が多いけど……これってビキニ?

 

「いいね。お姉ちゃんに似合うとおもうよ」

 

「色も白だから未唯ちゃんに合うかなって」

 

「可愛い……これにする!」

 

遥ちゃんが選んでくれた水着を手に、私は早速買うのであった。

 

「はー、未唯姉……今度服とか一緒に買いに行こう……」

 

「ふふ、仲良しだね~苺ちゃんたちと」

 

「そ、そんなことないよ……普通だよ。これくらい」

 

「そっか、普通なんだね」

 

「何?その笑顔は……」

 

「別に~」

 

水着を買い、二人のところに戻ると二人とも仲良さげだった。何だが羨ましいな~




次回は栞子関係になります。姉妹関係の話にする予定


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40 外伝 未唯と薫子

今回の話は翠いカナリアの話を少し混ぜた感じです


「ちょっといいかしら?」

 

ある日の学校で、教育実習中の薫子さんに声をかけられた。

 

「なんですか?」

 

「警戒心が……凄いわね」

 

「すみません。私としてはあまりいい印象がないので…………」

 

薫子さんに対しては本当にいい印象を持っていない。まぁ話せば色々と分かるかもしれないけど…………

 

「ちょっと栞子の事でね」

 

「栞子ちゃんの事?」

 

 

 

 

 

 

空いている教室で薫子さんと話すことになった私。

 

「あの子と付き合ってるのよね?」

 

「はい」

 

「実際どうなの?高柳さんから見たあの子は……」

 

私から見た栞子ちゃん?えっと正直に話せばいいのかな?

 

「なんと言いますか…………最初は私たちの居場所を奪おうとする子って印象が強いです」

 

「話は聞いてるわ。あの子はスクールアイドルに対していい印象を持ってないことは…………その結果が同好会を廃部にしようとしていた…………でもそれを貴方が止めた……それでいいのかしら?」

 

「私は止めてなんか…………」

 

おかしいと思ったことを率直言っただけ…………止めるなら選挙の時に止めていた。まぁあのときは休んでいたから仕方ないけど…………

 

「でもその考えはいつから変わったのかしら?」

 

いつからだろう……確か……

 

「あれは……」

 

 

 

 

 

 

一緒にボランティアをすることになり、その当日……

 

三船さんが子供たちに見せる笑顔が何だが惹かれた

 

「あの……何か?」

 

「いや、子供には笑顔とか見せるんだって思って……」

 

「何を当たり前のことを…………それにその言い方では私がまるで笑顔を見せたりしないみたいじゃ…………」

 

「みんなと話すときは大体そうじゃないの?」

 

「…………」

 

あ、黙りこんだ。普段から笑顔とか見せればいいのに……

 

「真面目な話をしているのに笑顔を見せるなんて…………」

 

まぁ確かにそうだけど…………

 

「私は高柳さんみたいに可愛いくはないので?」

 

「え?」

 

「高柳さんは思っている以上に魅力的な方です。それに優しく、誰かを魅了するほどの…………」

 

「//////」

 

何でいきなり口説きだしたの?この子は…………

 

「私には持っていないものを持っています…………」

 

「そ、そっか……」

 

「あの?何故顔を背けるんですか?」

 

「き、気にしないで…………えっと三船さんは適性を見抜いて、その人にあった部活を進めたりしてるみたいだけど…………何か言われたりはしないの?」

 

「何か……とは?」

 

「その人が本当に好きだからその部活に入ってるのに…………三船さんは適性に合ってないからって否定してるけど……」

 

「否定なんて………………」

 

「ごめんね。いい言葉が見つからないから否定って言った。それで何か言われたりは?」

 

「…………言われてますね。それで陰から色々と…………」

 

暗い顔をしている三船さん。文句とか言われるのは分かっていたことかもしれない。でもそれは三船さんがその人を思ってやっていることだから、間違っていると言われて余計に落ち込むのかもしれない…………

 

こう言うときはどうしたらいいのかな?

 

暫く考え込み……あることを思い付いた。

 

「三船さん、今度同好会の練習に参加してみない?」

 

「え?」

 

「自分にはその適性がないって思ってるけど、三船さんはまだ分かってないことが多いからだよ」

 

「分かってない…………」

 

「ただ見聞きしただけで、その本質を見抜けてないと思うの……だから実際にやってみようよ」

 

「で、ですが……」

 

「生徒会の仕事は手伝うからさ」

 

「その…………」

 

「お姉ちゃんには話しておくから、都合のいい日教えて」

 

「あぅ……」

 

押しに負けて、三船さんは私のお願いを聞くことになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこからかな?」

 

「なるほどね。その時の栞子の印象はどう変わったの?」

 

「う~ん、不器用なのかな?自分の正しいと思っていたことと違うことに対して戸惑ったりして……それを理解するのに時間をかかってる感じで…………」

 

「そう」

 

「あの、話はそれだけですか?」

 

「あぁ、実はね。ちょっと栞子と喧嘩して…………」

 

「喧嘩?」

 

そう言えば何か今日は元気なかった…………どうしたのかなって思ってたけど……

 

「昨日は何処かに泊まっていたみたいだから、心配でね」

 

「心配……なんて声をかけたんですか?」

 

「えっと……『貴方はまだ子供なんだから……』って言いかけたら怒り出しちゃって」

 

それは怒るよ…………いつまでも小さな妹だと思われるのは……

 

「それに昔なんか、私がせっかく勉強に行き詰まってるからちょっと楽しませようと、蝉を部屋に放ったら、怒り出すし」

 

「あの……どれくらい…………」

 

「え?大量に…………」

 

この人…………やり方が斜め上だ…………

 

「とりあえず薫子さん、お説教です」

 

「えぇ!?」

 

「少しは考え方を改めてください!!」




次回は栞子と苺の話に……

感想待ってます


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41 外伝 未唯の適性

はい、今回も外伝です


「すみません。お呼びして」

 

「ううん、大丈夫です……姉からはよく話を聞いてます。三船さん」

 

昨日の夜、遥ちゃんから三船さんと話したがっていると言われ、喫茶店でお茶をしながら話をしに来ていた。

 

「それで話って?」

 

「そ、その…………苺さんと未唯さんのお二人は仲がいいのですか?」

 

「仲?まぁいいほうかな?お母さんもお父さんも忙しいから基本的に二人でいることがあるし……」

 

「ご両親が忙しい?」

 

「もしかして聞いてない?まぁ未唯姉は基本的にそう言うことは聞かない限りは話したりしないからね」

 

「そうなんですか…………その……喧嘩とかはしたりは」

 

「喧嘩?するけど……」

 

「その……例えばどんなときに?」

 

「えっと……例えば……」

 

 

 

 

 

 

 

中学生の頃に一緒にショートケーキを食べてたときに、未唯姉はイチゴを残してたの。

だからいらないのかなって食べたら…………

 

「ぁ……最後に食べようと思ったのに……」

 

「え?そうなの?ごめんね。いらないかと思って」

 

「苺ちゃんなんか大嫌い!」

 

って言って部屋に閉じ籠る未唯姉…………

 

 

 

 

 

「それでど、どうしたんですか?」

 

「うーん、どうしたと思う?」

 

私がそう聞き返すと暫く考え込む三船さん。

 

「正解は未唯姉から謝ってきた」

 

「未唯さんから?」

 

「不思議に思うよね?」

 

 

 

 

 

 

「ごめんね。苺ちゃん、嫌いって言って」

 

「いや、そんなお姉ちゃんが謝ることじゃないよ」

 

「でも……怒ってるからって……嫌いって言っちゃったから……」

 

「大丈夫だよ。お姉ちゃんが本気で嫌ったりしないって……分かってるから」

 

「苺ちゃん……」

 

お姉ちゃんは泣きながら私に抱きついてきて、私はそっと頭を撫でたりするのであった

 

 

 

 

「未唯姉は本気で人を嫌うことがないけど、ただ嫌なことをしようとする人に対してはいい感情は抱かない」

 

「…………覚えがあります……私と未唯さんは最初はそう言う関係でした」

 

「そこから今みたいな関係になれたのは素直にすごいと思うよ」

 

「い、いえ、そんな…………」

 

「大好きな親友同士になれるなんて」

 

「はい?」

 

「え?」

 

私、変なこと言ったかな?

 

「あの、恋人……同士です」

 

「恋人?えっ?」

 

そうだったの?で、でも……お姉ちゃんがまさか…………エッチなことを…………

 

「その……キスとかは?」

 

「えっと……事故で……」

 

「不健全!」

 

「えぇ!?」

 

キスは大人になってからだって……なのに…………うぅ……

 

「あ、あの…………」

 

「後でお姉ちゃんには詳しく聞くけど…………今回は私たちの姉妹の仲を聞きに来ただけなの?」

 

「あ、えっと……実は私も姉との関係が……」

 

「あぁそれで実際にどうなのかって…………参考になったの?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

「良かった」

 

やっぱり悩む人は悩むよね。あ、そうだ。折角だから聞いてみようかな?

 

「三船さんはお姉ちゃんとどんなふうに友達になったの?」

 

「え?あぁ……それは…………」

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

高柳さんに誘われて、同好会に体験入部することになった私。中須さんは最初は文句を言っていたけど、高柳さんが上手くフォローしていてくれた。

 

慣れないことが多い。それに高柳さんの練習を見て、やはり向いていないのではと思っていたけど…………高柳さんは心の底から楽しそうだった。

 

「…………」

 

「どうしたの?」

 

「いえ、楽しそうだなと」

 

「うん、楽しいよ」

 

高柳さんは笑顔でそう告げる。本当に……この人は…………

 

「高柳さんは…………これを私に教えようとしていたのですか?」

 

「何を?」

 

「適性にあっていないのに頑張るのは無駄かと思っていました…………ですが……高柳さんや同好会の方々を見て…………その…………」

 

「楽しいからこそ適性とかは関係ないってことだよね?」

 

「はい……」

 

「三船さんはどうだった?今日は楽しかった?」

 

「…………慣れないことが多いですが……楽しいと思えました………………私は間違っていたのですね」

 

「間違ってはないよ」

 

「え?」

 

「何でもかんでも間違いだと思うのは良くないよ。その中に正しい事があるんだし……」

 

「…………」

 

「でも全てが正しくはないよ」

 

全てが正しくはないけど、その中に正しいと思えることはある…………

 

「三船さんはみんなの適性を見抜くことが得意だから……今度からはちゃんと話を聞いてあげたりしたら?」

 

「……そうですね」

 

高柳さんのお陰と言うべきでしょうか…………心が軽くなった。

 

「因みに私にはある適性があるけど、分かる?」

 

「高柳さんの適性ですか?その…………」

 

考え込むが一体なんだろう?

 

「むーわからない?」

 

「すみません……」

 

「正解は」

 

高柳さんは笑顔で手を差し伸べ…………

 

「栞子ちゃんと友達だよ」

 

「…………友達に」

 

「これからもよろしくね。栞子ちゃん」

 

「は、はい、高柳……」

 

「未唯でいいよ」

 

「み、未唯さん」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺side

 

「それで友達に……」

 

「なんと言うか……未唯姉らしいね……」

 

「はい、未唯さんらしいです」

 

二人でそう笑いあうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「はい、薫子さん!ショートケーキのイチゴを食べたときのお詫びは!」

 

「えっと…………そんなにイチゴが好きなら……沢山イチゴを買ってくる!」

 

「おかしいからね!!」

 

未だに続く姉同士の話し合いだった。




ショートケーキのイチゴは定番なのかな?因みに薫子さんの答えはあくまで想像です。他に何か答えがあるかも?

次回は本編に戻るかもしくはカオス回にするか……

感想待ってます


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42 それぞれの合宿と思い ①

合宿回、長めにやるつもりです


テスト明けの同好会、かすみちゃんが返ってきたテストを見て項垂れていた。

 

「うううううう……こんな点数なんて……」

 

「22点だニャンニャン! 可愛いじゃん!」

 

「全然可愛くないよ!」

 

いや、しずくちゃんが可愛い……なんて言わない方がいいのかな?

 

今日で一学期も終わり、夏休みに入ると言うことで……

 

「テストの結果は置いといて、今日で一学期も終わり」

 

「夏休みに入ると言うことで……」

 

「今からスクールアイドル同好会、夏合宿、出発です!」

 

 

 

 

 

 

私たちは事前に持ってきていた荷物を持って合宿所向かうとそこは……

 

「合宿所って……」

 

まさかの学校だった。

 

「もう、てっきり、海辺の別荘とかに泊まるのかと……」

 

「そんな無駄遣いはできません!幸い研修施設も兼ねているので、泊まるのにも最適です」

 

まぁ確かにそう考えれば学校の方が都合がいいけど…………水着無駄になっちゃうな~

 

とりあえず今日は練習はせずにお泊まりを楽しむことになり、みんなで夕食を作ることになった。そんな中、私と璃奈ちゃんはあることに気がついた

 

「ん? 独創的な香り……」

 

「なんだろう?」

 

「できました!」

 

せつ菜さんの方を見ると、せつ菜さんはスープを作っていたみたいだけど…………紫色のスープって…………

 

「お味見いかがですか?」

 

「うん……」

 

璃奈ちゃんが味見をすると……

 

「どうですか?」

 

「あわわわ」

 

「ビックリするほど美味しいですか!」

 

璃奈ちゃんが代わる代わるボードの表情を変えていたけど……バグってない?

 

「未唯さんもどうですか?」

 

「わ、私!?」

 

食べるべきなのか……でも璃奈ちゃんの反応を見ると…………食べない方がいい。だけど…………

 

「?」

 

憧れのせつ菜さんのあの無邪気な表情を見ていると…………ここで食べないと…………

 

「どうかしました?」

 

ダメだ……迷っている場合じゃない……味見をして『不味い』とか言ったらダメだ……ちゃんと『美味しいよ』って言わないと…………

 

「い、頂きます…………」

 

私はそっと口をつけようとした瞬間、ポケットに入っていたスマホが鳴った。

 

「あ、ごめんなさい。苺ちゃんから……ちょっと出てきますね」

 

ギリギリの所で、救われたのかな?いや、救われたって言うのはおかしいよね……

 

廊下に出て、電話に出ると…………

 

「どうしたの?」

 

『あ、お姉ちゃん、そっちは楽しんでる?』

 

「うん、みんなで夕食作り、苺ちゃんは?」

 

『こっちも遥ちゃんとご飯作ってるよ』

 

私が合宿に行ってると同時に遥ちゃんがお泊まりに来ていた。二人ともそんな仲になったなんて……お姉ちゃんうれしいな~

 

『それでね、お姉ちゃん宛に手紙が届いてるよ』

 

「手紙?」

 

『うん、気になって見ちゃったけど…………………………』

 

それって…………それが本当なら虹ヶ咲も今以上に有名に…………とりあえず今はゆっくり考えるべきだよね

 

「ありがとう。とりあえず考えてみんなに相談してみるよ。だから……」

 

『分かってる。お姉ちゃんが話すまでは内緒だね』

 

「うん」

 

「電話誰から?」

 

電話を切ると同時に後ろからぽむお姉ちゃんに声をかけられた

 

「わ!?えっと……苺ちゃんからだよ」

 

「苺ちゃん?そっか苺ちゃんは遥ちゃんとお泊まり会してるんだっけ?」

 

「うん、仲良くなって良かったよ」

 

「あはは、未唯ちゃんは苺ちゃんの事好きだもんね」

 

好きと言うか……姉としてだけど……

 

「ま、まぁ好きだよ」

 

「そっか、それじゃ私も未唯ちゃんのこと好きだよ」

 

笑顔で好きって言わないでほしいのだけど…………結構心にくるものがある……

 

「ぽむお姉ちゃん……そう言うことは侑お姉ちゃんにも言えたらいいのに」

 

「ゆ、侑ちゃんに!?」

 

あ、声に出してしまった…………

 

「侑お姉ちゃん、鈍いからちゃんと言わないと伝わらないと……思……う……」

 

あれ?ダメだ…………普通に言っても通じなそう…………友情と愛情どっちなのか分からなそうだし……

 

「そ、その……未唯ちゃんは気がついてたの?」

 

「何を?」

 

「えっと……私が侑ちゃんの事が好きだって」

 

「まぁ幼馴染みだからね。気づいていたし、ぽむお姉ちゃんが変な勘違いしないようにサポートしたり…………」

 

「あ、あはは……ごめん」

 

「でも私はお姉ちゃんたちが仲良しなのが一番だから…………」

 

「未唯ちゃん、ありがとうね」

 

「何かあったら相談してね」

 

「うん」

 

つい私がしてきたことを話してしまったけど……これで色々と良くなるならいいよね

 




割とオリジナル要素が多くなるかな?

感想待ってます


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43 それぞれの合宿と思い ②

今回、かーなり変化してます…………


何やかんやで夕食を作り終え、ちょっとしたパーティーになった。

そして沢山の料理の中にせつ菜さんのシチューが並べられていた。だけど侑お姉ちゃんが食べて、特に問題はなく話を聞くと彼方さんがちょっと手を加えたみたいで、食べられ…美味しく仕上げてくれた。凄いな…彼方さん、後で遥ちゃんに『彼方さんって凄いね』って送っておこう

 

夕食を食べながら、今回の合宿の目的、ライブについての話になった

 

「ライブか……ダイバーフェス、ホント、すごかったな……」

 

「あー! かすみんも早くステージに立ちたいです! その時は、かすみんのめちゃかわパワーで、お客さんをメロメロにしちゃいます!」

 

「私は自信を持って自分を表現したいです!」

 

「彼方ちゃんはベッドの上でリラックスしたいなー」

 

「愛さんは、ライブでダジャレぶちかましたい!」

 

「来てくれた人みんなと、手を繋いで踊ったりしたいな!」

 

「オンライン中継で、離れた人とも繋がりたい!」

 

「ダイバーフェス以上に、本気の私を見せるつもりよ!」

 

「私も、私の『大好き』を叫びたいです!」

 

「ステージに立つだけで、胸がいっぱいになっちゃいそうだよ……」

 

「私は……私の想いを伝えたい……今度はいろんな人たちに」

 

「みんな、本当にバラバラだね!でも、すごいライブができそう……個性がぶつかり合って、お互いを刺激し合えるような……」

 

「ですね。バラバラの私達だからこそできる、ソロステージの集合……そんな虹ヶ咲のライブをやりましょう!」

 

「早く見たいな……みんなのライブ」

 

「ねえ、ゆうゆは、どんなライブ見てみたい?」

 

「うーん……私は、みんなのステージが見られるだけで、ときめいちゃう!」

 

お姉ちゃんらしいな……そうだ……後であの話をしないと……

 

 

 

 

 

夕食食べたあと、ぽむお姉ちゃん、侑お姉ちゃんと一緒に洗い物をしていると……

 

「あー、食べ過ぎちゃった……」

 

「そういえば、小学校の時の林間学校でも、2人でお皿洗ったよね!」

 

「あー、カレー作った時だっけ?」

 

「違うよ! それは中学の時でしょ?」

 

「そっか! って、いつも一緒にやってるね!」

 

「だね!」

 

「本当に二人とも仲良しだね~」

 

「未唯もだよ」

 

「そうだよ!未唯ちゃんは私たちを繋いでくれたもん」

 

「繋いだって……」

 

そんな子供の頃の話は……それに

 

「未唯がいてくれたから私たちはずっと一緒にいられるんだよ」

 

「これからもずーっと一緒にいよ」

 

「そうだね……よろしく頼みますよ、歩夢おばあさん。」

 

「もう、侑ちゃんったら!」

 

二人が笑い合う。二人は私に感謝してるけど……感謝をしたいのは私の方だよ…………二人のお陰で今の私がいるんだから…………

 

 

 

 

 

 

 

洗い物が終わり、私は夜の校舎を散歩していた。こんな機会じゃないと夜の校舎を散歩なんか出来ないよね

 

「ん?」

 

歩いているとピアノの音?もしかしてお化け?

そう思いつつ、そっと音楽室を覗き込むと侑お姉ちゃんがピアノを弾いていた。

 

いつの間に始めたんだろう?ぽむお姉ちゃんも何も言ってないから上手になってから教えようとしてるのかな?

 

私は邪魔をしては悪いと思い、その場を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

一階に降りて部屋に戻ろうとすると

 

「未唯ちゃん」

 

「ぽむお姉ちゃん、どうしたの?」

 

「侑ちゃん探してるんだけど…………」

 

「お姉ちゃんなら音楽室でピアノを弾いてたよ」

 

「え?ピアノを?」

 

この感じだと知らなかったみたいだ。

 

「もしかしてだけど、上手になってから教えようとしてるんじゃないの?」

 

「そう……かな?」

 

「もう!お姉ちゃんは変な風に考えるんだから…………」

 

私はお姉ちゃんの両頬を手で挟んだ

 

「うぅ…みいひゃん…」

 

「始まりはお姉ちゃんたちだったんだから、侑お姉ちゃんもそれを知ってるはずだから」

 

私は挟むのをやめるとお姉ちゃんは挟まれたときの痛みで出た涙を拭きながら笑顔になった

 

「そうだよね…ごめんね。心配かけて」

 

「大丈夫だよ。私はお姉ちゃんが好きだから……もしもピアノを知ってるのが他にいたとしても、多分偶然知ったかもしれないとかだから」

 

「未唯ちゃん…結構変な想像してるね」

 

「色々と可能性を考えないとだから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

せつ菜ちゃんと部屋に戻ろうとすると、一階で歩夢と未唯の二人がいたのを見つけた。私は声をかけようとしたけど……

 

「え?」

 

未唯が歩夢に顔を寄せて……いる?

 

「どうかしました?」

 

「あ、えっと…」

 

見間違いかと思って、二人の方を見ると……歩夢が涙を拭きながら笑っていた…………

 

もしかして二人は……そう言う想いを…………それで未唯が今、想いを伝えて………………

 

「あの?侑さん?」

 

「あ、ううん、大丈夫」

 

何でだろう?二人がそう言う関係なら素直に喜びたいのに…………胸が苦しい…………




アニメでは楽しげに話す二人を歩夢ちゃんが見つけるでしたが、こちらではこんな展開に…………ここからどうなるのか…………(私だけの侑ちゃん回避)

感想待ってます!次回をお楽しみに


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44 それぞれの合宿と想い③

前半、何を書いてるんだっけって思ってしまった


「全く!かすみさんたちは」

 

ぽむお姉ちゃんと一緒に部屋に戻ると何故かかすみちゃんたちが怒られていた。話を聞くと驚かせようとしていたみたいで、騒ぎ過ぎたとか…………

何だかそう言うの……私もやってみたかったな~

 

「とりあえずお風呂に入って今日は休みましょう!入る順番は……」

 

「あら、学年別でいいんじゃないの?」

 

「ぶーぶー、果林先輩、それだとつまらないですよ!ここはグーチョキパーで別れましょうよ」

 

「なるほど……学年別でと考えていましたが、それも面白そうです。早速やってみましょう」

 

せつ菜さん、乗り気だ……まぁ確かにこういうのはバラバラに別れた方が…………

 

『あ…』

 

「え?」

 

みんなが出した手と私が出した手は…………

 

 

 

 

 

 

 

「あはは、まさか未唯さん以外、全員学年別になるとは……」

 

「こ、こんなことあるんですね……」

 

まさかの私だけが二年生と同じ…………まぁ仕方ないか……

 

「でも未唯ちゃんと一緒に入るのって久しぶりだね」

 

「そうだね。小学校以来だっけ?」

 

「うん」

 

「…………」

 

あれ?侑お姉ちゃんが話に入ってこないけど……珍しい

 

 

 

 

 

 

侑side

 

未唯と歩夢の二人のことを考えていたけど、あれは見間違いかと思ってたけど、あんな風に一緒にお風呂に入れることを喜ぶなんて…………いやいやあれは純粋に……

 

 

 

 

 

 

 

苺side

 

「ちょ……遥ちゃん……くすぐったいよ」

 

「えー、くすぐってるつもりはないよ~」

 

「くすぐったいの」

 

私と遥ちゃんは一緒にお風呂に入っていた。普通なら別々に入ればいいのに……遥ちゃんから入ろうと言われて、渋々……

 

「こうして誰かと入るのって久しぶりだな~」

 

「そうなの?お姉さんとは……」

 

「お姉ちゃんとはあまり、忙しいから……」

 

そういえばバイトをしてるって話だっけ?それなら仕方ないのかな?

 

「それにしても……苺ちゃんって……スタイルいいよね」

 

「にゃ!?どこ見てるの!?それなら遥ちゃんだって大きいじゃん!」

 

「わ、私は………その……」

 

「私はもう少しほしいの!未唯姉位は!」

 

「だからって揉まないでよ~」

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

みんなで湯船に浸かる中、私は一部分を見て…………ため息をついた。

 

それなりにあるけど……やはりというべきか……二年生の三人は……凄いな…………

 

出来たらもう少しほしい…………参考に聞こうかな?

 

「未唯ちゃん、どうしたの?元気ないけど」

 

「あ、うんと……もう少しほしいなって……」

 

「ほしいって……あ…」

 

察しないでほしいけど、仕方ないよね

 

「その……未唯ちゃんももう少ししたらきっと……」

 

「なれたらいいなって……」

 

「何の話?」

 

「えっと未唯ちゃんがもう少し大きく……」

 

「大きく……あー未唯らしい大きさだと思うよ」

 

私らしい大きさって……なんだろう?そう言えばよく聞く話で……揉めば大きく…………

 

私はのんびり浸かってるせつ菜さんを見た。

 

「…………」

 

「どうしました?」

 

「せつ菜さん、ごめんなさい!」

 

「ひゃ!?何でいきなり!」

 

「大きくなるためです!」

 

「未唯ちゃん、それ違うから」

 

「誰かの揉むんじゃなく…………」

 

それから落ち着いたあと、せつ菜さんに怒られる私であった。うぅ、割と本気の悩みなのに…………

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、ランニングしていると、かすみちゃんが……

 

「こう練習ばかりだと飽きちゃいます~」

 

確かに昨日が楽しかったぶん、仕方ないけど…………

 

「だったらさ、愛さんのアイディア、乗ってみる? アイだけにね!」

 

愛さんの提案、それは鬼ごっこだった。確かにこれなら楽しく練習もできるよね。

 

みんなで逃げていると、私はタオルの上に置いてあったスマホにメッセージが入っていたのに気がついた。見てみると……

 

「答えは急ぎか……」

 

やるべきだよね…………それなら…………

 

「未唯さん!捕まえました!」

 

「あ……」

 

「どうしたんですか?ボーッとして」

 

「あはは、そのちょっと……」

 

最初は二人に相談するべきだけど、せつ菜さんに先に相談するべきだよね

 

私はあの件をせつ菜さんに話すと……

 

「なるほど……確かにそれは受けるべきです」

 

「そうですよね……ちゃんとお姉ちゃんたちに話さないと」

 

「話したあとはみんなですね!その時は応援に行きますから!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

みんな捕まると、汗いっぱいかいたということで……プールに入ることに、みんな楽しく遊ぶ中、私は夜空を眺めていた。

 

「未唯ちゃん」

 

「一人で何してるの?」

 

「お姉ちゃん……何だか今日は疲れちゃって……」

 

「そっか……」

 

「それにね。スクールアイドルやってなかったら私たちはどうなってたのかな?」

 

「本当は今頃、私たち2人で予備校行ってたかもしれないんだよね……」

 

「うん、未唯は…昔みたいな呼び方してなかったかも」

 

「私は…多分昔のままかも」

 

「でも、やっぱりこうして一緒にいる……」

 

「だね」

 

みんなと会えたから……私は変われたんだよね

 

「同好会に入るって決めた日の事、憶えてる?」

 

「うん。もちろん」

 

「侑ちゃんはあの時、私もスクールアイドルの夢を一緒に見るって言ってくれたの、すごく嬉しかったな」

 

「スクールアイドルの夢……そっか……あの時、歩夢が勇気を出してくれたおかげなんだ……歩夢の夢を一緒に追いかけて、今の私がいる……みんなとも……」

 

「え……」

 

「お姉ちゃん、みんながいたから、侑お姉ちゃんは夢を見つけられたの?」

 

「そうかも……でも一番は歩夢かな?」

 

「侑ちゃん……」

 

一瞬、危なかったけど……ぽむお姉ちゃんは多分大丈夫……

 

「周りにどんどん輪が広がって、いつの間にか、スクールアイドルが好きな人達ですごく、大きな力が生まれてた……ありがとう、歩夢! 私も勇気を出して、今の自分にできる事、やってみる!」

 

「できる事?」

 

その時、大きな花火が上がった。とても大きく……きれいだった。みんなも集り、花火を見る中、お姉ちゃんは

 

「今度の私達のライブ、虹ヶ咲だけじゃなくて、もっと大きなライブにしたい!あのね、この間のダイバーフェス、ホントすごくて、それってきっと、観客の応援とステージが1つになったから生まれたトキメキがあって……それが会場にあふれてたからじゃないかって……そんなトキメキを生み出せるような、あの時以上のライブがしたい! スクールアイドルもファンも、全部の垣根を越えちゃうような……ニジガクとか東雲とか藤黄とか、そんな学校とかも関係なく、スクールアイドル好きみんなが楽しめる、お祭りみたいなライブ…………知らなかったスクールアイドルに出会ったり、ファンの熱い声援に勇気をもらえたり、そこにいるみんなの心が強く響き合って、新しい『大好き』が生まれる!そういう場所で、みんなに思い切り歌ってほしい!」

 

「なんというか、その、ドキドキしました!」

 

「スクールアイドルとファンの垣根を越える……」

 

「みんなが楽しめる、お祭りみたいなライブ!」

 

「お祭り……愛さん、大好き!」

 

「うん! すごく面白そう!」

 

「私、そのステージに立ってみたい!」

 

「みんな……」

 

「にしても、侑ってホント、すごい事考えるわね」

 

「ですが、ファンを巻き込み、他校まで巻き込むとなると、きっと大変ですよ」

 

「うん。それでもやってみたい! アイドルじゃない私だからできる事もあるって、そう思うから!私もそこから何かを始めたい!」

 

「よーし! じゃあ、みんなで頑張ろう!」

 

『おーっ!』

 

「スクールアイドル、フェスティバル……スクールアイドルが好きな、みんなのためのお祭り、スクールアイドルフェスティバル!」

 

「やりましょう! スクールアイドルフェスティバル! 私達ならきっとできます!」

 

お姉ちゃんがやりたいことを見つけられて、私とぽむお姉ちゃんは顔を見合わせて微笑んだ。

良かったね……お姉ちゃん

 

 

 

 

 

侑side

 

未唯と歩夢の二人が微笑み合うけど……本当に……私の勘違いなんだよね……やりたいことを見つけられたのに…………二人の事が気になって仕方ない…………

 

でも普段からの未唯を見ていると歩夢に気を遣っている感じが…………

 

 

 




合宿編、これにておわ……らない!後一話、おまけ的な話をやります

外伝やって合宿おまけやります
感想待ってます


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45 外伝 栞子ちゃんの初めて

明日からのパーティーガチャの栞子ちゃん、こんな話だったらな~


「今日はみんなでハンバーガー食べに行きましょう!」

 

『はい?』

 

部室で一年生で集まっているときの事、かすみちゃんからそんな話が出てきた。

 

「食べにって……前も」

 

「私としずくちゃんで行ったよね?」

 

「私と未唯さんは用事があった時ですね」

 

「うん、そうだね」

 

「デートだったんですね」

 

しずくちゃん、お願いだから濁したんだからはっきり言わないで…………栞子ちゃん、恥ずかしがってる

 

「未唯ちゃん、苦労してるね」

 

「栞子ちゃんからって中々ないから…………」

 

「すみません、もう少し未唯さんの事をエスコート出来れば……」

 

「大丈夫だよ、そんな栞子ちゃんも可愛いから」

 

「未唯さん……」

 

「ってそこでのろけない!今やってるキャンペーンをみんなでやろ……行こうって思ったの!」

 

そんなキャンペーンやってるんだ……半額とかかな?

予定もないし、折角だから行こうと言う話になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………かすみさん?」

 

「し、しず子~どうしたの~そんなに睨んで~」

 

「ちゃんと伝えてほしかった…………よ」

 

私たちの前には大量のポテトと普通のサイズよりも大きなハンバーガーが……人数分

 

「ま、まだ…食べられる…『きゅ~』」

 

「璃奈さん!しっかり」

 

「わ、私も……ちょっと……」

 

「未唯さん!?」

 

私と璃奈ちゃんは限界近い。かすみちゃんとしずくちゃんは後もう少しだけど…中々進まないみたいだった

 

「かすみさん、ちゃんとこういうことは話して…」

 

「はい……」

 

「それじゃ残りは食べてくれますね。かすみさん」

 

「えぇー何でー!?」

 

「当たり前です!(私だって最近……ちょっと…なのに…)」

 

何かしずくちゃんの心の声が聞こえたような……

そう言えば栞子ちゃんはさっきから話に入ってこないけど…………

 

「これ、美味しいです!」

 

あれ?何かパクパク食べてる……

 

「栞子ちゃん、美味しい?」

 

「はい!こういうのは初めて食べて……こんなに美味しいんですね」

 

栞子ちゃん、本当に無邪気に食べてて……可愛いな……

 

「かすみさん、こんなに美味しいお店に連れてきてくれてありがとうございます!」

 

「あ、うん、どういたしまして……」

 

かすみちゃんもこの栞子ちゃんの様子に戸惑っていた……まぁ、こんな栞子ちゃんを見れてよかっ……あれ?

 

「栞子ちゃん、ケチャップついてるよ」

 

「え?何処に?」

 

急いで取ろうとしてるけど、こう言うときは……

私はそっと栞子ちゃんに顔を寄せて……ケチャップを舐めとる

 

「取れたよ」

 

「//////」

 

あれ?何か栞子ちゃん、固まった…………

 

「かすみん、急に胸焼けが……」

 

「それは別のあれですから、私たちの残り食べてくださいね」

 

「かすみちゃんふぁいと」

 




本編、外伝ともに感想待ってます



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46 外伝 新しいキズナエピソードの猫耳メイド栞子ちゃん可愛くね?

タイトルのまんまです


同好会の練習も終わり、私は栞子ちゃんと一緒に帰るために生徒会室のドアを開け、

 

「栞子ちゃん、一緒に帰……」

 

「あ……」

 

ドアを閉め、私はさっき目に飛び込んできたものについて考え込んだ。

今のは……何だったんだろう?

普通に栞子ちゃんは仕事中かな?それだったら手伝おうと思ってたけど……何か栞子ちゃんがメイド服に猫耳と尻尾をつけていたような…………

 

疲れてるのかな?私…………

 

きっと目の錯覚だよね……うん……

 

私はもう一度ドアを開けると…………

 

「うぅ、未唯さんに見られました……」

 

「だ、大丈夫だよ!栞子ちゃん、似合ってるから変だと思われてないよ」

 

「そうです!きっと大丈夫です!」

 

膝を抱える栞子ちゃん(猫耳メイド)と必死に励ます侑お姉ちゃんと右ちゃん。本当に何があったんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

「えっとつまり、今度の校内フィルムフェスティバルで生徒会としてPR動画を作るために、親近感を持たせるために栞子ちゃんを知ってもらうためにって事だよね?」

 

「はい!前回はキャラ作りで左月が!今回は私が!」

 

「私はあくまで意見をと言うことで」

 

「なるほどね」

 

私は特に今回はいいかなと思って裏方に回っていたけど……いつの間にそんな話に…………にしても

 

「栞子ちゃんがメイドなのはその一環なの?」

 

「はい!未唯さんはどう思いますか?」

 

未だに膝を抱える栞子ちゃんを見て、私は思ったことをハッキリと伝えた。

 

(こんな変に意識した姿よりも普段の栞子ちゃんの方がより親近感わくんじゃないのかな?)

「栞子ちゃんのメイド服、新鮮で可愛いよ」

 

あれ?何か本音を伝えた気が…………

 

「右ちゃん、栞子ちゃんの写真撮ってあったら、ちょうだい」

 

「はい!」

 

うん、もう本音しか言えてない…………

何かもう破壊力がすごいんだもん…………

 

「因みに未唯さん、私からのリクエストを聞いてもらえたら…………動画を譲りますよ」

 

「右ちゃん…………(そんなことしたら、駄目だよ。栞子ちゃん困ってるでしょ)いいよ」

 

あ、だめだ。本音しか言えない

 

「では!侑さん!」

 

「うん!未唯!これを着て」

 

 

 

 

 

 

 

お姉ちゃんに渡された服に着替えると、何でドレス?

 

「未唯、ドレスも似合うな~」

 

「こういう服……落ち着かない……」

 

「さぁ!会長!三歩後ろに立ってください」

 

「こうですか?」

 

「いいですね!お嬢様とメイドのセット!これはいいです!」

 

「おしとやかなお嬢様と真面目なメイドさん……何だか絵になるね」

 

「あはは……」

 

何かこういうのも悪くないな~。私は栞子ちゃんの方を見ると、栞子ちゃんは私の姿に見惚れていた。

 

「どう?」

 

「えっと……とてもお似合いです…………未唯さん」

 

「栞子ちゃん、今はメイドさんなんだから…………」

 

「あ……えっと……お嬢様……」

 

恥じらいながら言われるとものすごくドキドキする…………

 

「未唯さん…………こちらに猫耳がありますが…………」

 

「そうだね……」

 

私は白の猫耳をつけると…………

 

「栞子ちゃん、にゃんにゃん」

 

「//////」

 

「どうして目をそらすにゃん?未唯にゃんの方をよく見てほしいにゃん」

 

「こ、これは…………いけますよ!いけます!」

 

「二人とも可愛いよー」

 

何か変な方向に向かってる気がするけど……気のせいかな?

 

「会長、メイド服から制服に着替えて、二人で猫耳を…………」

 

「えっと…………」

 

「…………何してるの?」

 

不意に声が聞こえ、振り向くと…………ぽむお姉ちゃんが…………

 

「………………」

 

「//////」

 

「………………」

 

物凄く困った顔をするぽむお姉ちゃん…………これは…………

私は咄嗟に猫耳を侑お姉ちゃんにつける。お姉ちゃんは直ぐに理解して…………

 

「歩夢、にゃんにゃん」

 

「侑ちゃん?」

 

あ、効かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ぽむお姉ちゃんにお説教を受けることに…………私は悪いことしてないのに……まぁ本来の目的を忘れたから仕方ないけど…………

 

「はぁ……」

 

栞子ちゃんは落ち込んでるし……

 

「未唯さんだけじゃなく、歩夢さんにまで……」

 

「そんなに落ち込むことじゃないと思うよ」

 

「ですが……」

 

「栞子ちゃん、可愛かったし、今度二人で猫耳メイドになろう」

 

「そ、それは……」

 

「それとも二人でその衣装でライブする?」

 

「う、うぅ……」

 

照れてる栞子ちゃん、可愛いな~本当に後でまた着てくれないかな?

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「もう!侑ちゃんまで忘れちゃうんだから」

 

「あはは、ごめんって……所で私の猫耳どうだった?」

 

「普通に可愛かったけど…………私も猫耳つけた方がいいかな?」

 

「あー歩夢は猫耳じゃなく……うさみみ?」

 

「うさみみ?」

 

「あゆぴょん、見たいな~」




オチナシ!

因みに前回の合宿…………愛さん素で忘れてた

後、外伝はちょっと悩みと言うべきか……外伝、別作品として今後分けるべきか……書くとしたら本編終わってから?になるかもですが、どうでしょうか?

感想待ってます


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47 それぞれの合宿と想い おまけ

今回で合宿回終わりです


合宿も明日で最終日、次の目標も決まり練習もより一層励み、夕食を食べ終えた後、かすみちゃんからある提案が出た。

 

「肝試しをやりましょう!」

 

『はい?』

 

かすみちゃんの提案にみんなが?を浮かべていた。

肝試しって……面白そうだけど初日にせつ菜さんに怒られなかったっけ?

 

「ちょっとした息抜きみたいなものをしましょうよ~」

 

「かすみさん、あのですね……」

 

「せつ菜先輩、あの一応許可はもらってます」

 

しずくちゃん、いつの間に……仕事が早いと言うべきか…………もしかしてしずくちゃんも楽しみにしていたとか?

 

「で、ですが……」

 

「せつ菜さん、何か問題あるの?」

 

事前に許可を貰っているなら良いのだろうけど、せつ菜さんが納得しないのは不思議だ。

 

「その……私もやりたいことがあって…………」

 

せつ菜さんはリュックから大量の花火セットを取り出してきた。もしかしてやりたかったとか?

 

「その……プールの時に見た花火を見て…………まさか肝試しを……」

 

「それなら肝試しが終わってからやれば良いんじゃないのかな?」

 

「そうね。歩夢の言う通りね」

 

「それなら両方楽しめるね」

 

「ほらほら、せっつー、これなら良いんじゃないの?」

 

「そうですね!それなら……」

 

ぽむお姉ちゃんたちの説得で肝試しの後に花火をすることになったけど……問題がひとつ……

 

「かすみちゃん?人数合わないよ?」

 

「え?あ……」

 

11人……二組だと一人余るよね?

 

「うーん、誰か一人でってこと?」

 

「それしかないね~遥ちゃん呼ぶ?」

 

「遥ちゃん呼ぶなら苺ちゃんも…………」

 

それだと余計に人数が…………あ、そうだ。私はある人に連絡を取ると直ぐに来てくれるみたいだ。更に遥ちゃんたちも……入校許可?多分大丈夫…………

 

 

 

 

 

 

 

暫くして苺ちゃん、遥ちゃん、そして姫乃ちゃんが来てくれた

 

「お邪魔します。未唯ちゃん、お誘いありがとうね」

 

「いやいや、こういうのはみんなで楽しんだ方がいいかなって」

 

「というか未唯姉も突然すぎるよ……」

 

まぁ急な話なのは仕方ないけど……

 

「姫乃ちゃんも来てくれてありがとう」

 

「いえ、まさかお誘いをしてくれるなんて」

 

四人で楽しく話していると、かすみちゃんたちは

 

「みい子って結構社交的というか」

 

「繋がりを大切にするみたい」

 

「そう言うところは侑さんと歩夢さんのお陰なのかな?」

 

「うーんとそうかも」

 

「未唯があぁして誰かと一緒にいるの見ると……嬉しくなるよ」

 

あの、聞こえてるから……恥ずかしいんだけど……

 

さて早速二人組に分かれることに、因みにくじで分かれる。

 

歩夢&せつ菜

 

しずく&姫乃

 

かすみ&彼方

 

果林&璃奈

 

エマ&侑

 

愛&苺

 

未唯&遥

 

という組み合わせに…………因みに宿舎から音楽室に行って、事前にかすみちゃんが置いてきたぬいぐるみをとってくるということ単純なもの。脅かし役について聞いても答えなかったからお楽しみなのかな?

 

 

 

 

 

歩夢side

 

せつ菜ちゃんと一緒に音楽室に向かう中、

 

「えっ!?侑さん……まだ話してなかったんですか!?」

 

ピアノの事を話してきたせつ菜ちゃん。私は知らないと聞いたら驚いていた

 

「す、すみません、知っているものかと……」

 

「ううん、大丈夫だよ。もしかして偶然知ったの?」

 

「はい……まさか歩夢さんに内緒にしていたなんて…………」

 

「あはは、未唯ちゃんが何となく予想はしていたから」

 

「予想を?」

 

「うん、予想というか……未唯ちゃんは何となくそういうことじゃないかって思ったりしてるから……」

 

「そうなんですね……未唯さんはすごい人です」

 

「えへへ、未唯ちゃんが誉められると私も自分の事みたいに嬉しいよ」

 

「仲良しですね!」

 

「うん!所でせつ菜ちゃんは怖くないの?」

 

「え?いえ、少しですが……歩夢さんは?」

 

「私は誰かと一緒だからかな?それにね、昔も三人でやったことがあるから……その時の侑ちゃんが」

 

「おぉ!侑さんがそんなことを……」

 

という感じで楽しく話していたら、あっという間に終わったのだった。

 

 

しずくside

 

「今日は本当にお誘いありがとうございます」

 

「いえ、誘ったのは未唯さんなので」

 

「それにしても桜坂さんは礼儀正しいですね」

 

「そ、そんなことは……」

 

「それに演劇をしながらスクールアイドルなんて……すごい人です」

 

「そ、そんな~私は……」

 

「それにしずくさんと一緒で良かったです」

 

「はい?」

 

「いえ、何でもないです」

 

もしかして特定の誰かと?それだと誰と…………もしかして未唯さん!?未唯さんが誘い、直ぐに来てくれた…………まさか……未唯さんの事を?いやいや、そんなまさか……

 

「それにしても虹ヶ咲のみなさんは本当にいいですね」

 

「はい?」

 

「仲間でありライバル…………普通なら空気が悪かったりするのに…………」

 

「きっとそれは…………侑先輩のお陰です。あの人がそうしないようにって気を付けていたりも……」

 

「そうですか……下手すればそんな空気が壊れたりしないかと私は心配してましたが……」

 

「壊れる?」

 

「もしもですよ。何処からともなくやって来た転入せいによって新たに作られた部に同好会の活動が禁止され、何人か行ってしまい…………ちょっとした仲間割れみたいなことが…………」

 

「……そんなことは…………分かりませんが……もしもそんなことが起きたら…………私はその部に行くかもしれません……」

 

「と言いますと?」

 

「もしかしたら、そちらで見えるものがあるかもしれないと思い…………でも私は同好会の方が一番ときめく……と思って……なんて実際したらかすみさんに嫌われますね」

 

「ですが…………もしかしたら未唯さんがどうにかするかもしれませんよ?」

 

「え?」

 

「あの人は……私が見る限りでは間接的に問題を起こさせないと言うことができそうです」

 

「起こさせない?解決するのではなく?」

 

「事件を未然に防ぐ……そう言うことが出来そうな方だと思います。ただそれをするのには何かしらきっかけがあるかもしれませんね」

 

「未唯さんに…………」

 

確かにそうかもしれない。未唯さんならそんなことしそうと思ってしまう。

 

「ぬいぐるみ、これですね。では戻りましょうか」

 

「はい」

 

 

 

 

かすみside

 

「さてこれで取れましたよ!」

 

「お~やるね~」

 

「さて戻り……」

 

「でも~お化け役いなかったね~」

 

う、鋭いことを…………しょうがないことだと思っている。そんなことを頼んでも引き受けてくれそうな人が今日いなかったのだから……でも

 

「彼方先輩、戻ったら……ゴニョゴニョ」

 

「かすみちゃん……いいね~彼方ちゃんもやってみたい~」

 

「それじゃ戻りましょうか!」

 

さぁてこれから行くメンバーは楽しみですね~

 

 

 

璃奈side

 

ちょっと心配していたけど……もう少し注意しておくべきだった。

 

「果林さん、迷った?」

 

「ま、迷ってないわよ!ただ夜の学校だから……ちょっとね」

 

それを迷うと…………

 

「とりあえずこっちから行けば着くよ」

 

「あ、そっちね」

 

私たちはぬいぐるみを取り、本来の道から戻ろうとするが…………

 

「そういえばかすみちゃん、何か怪しかった」

 

「かすみちゃんが?」

 

「もしかしたらこっそり脅かし役を…………」

 

「そう言えば彼方も……しょうがないわね。どうする?」

 

「ここはあえて来た道から行って、かすみちゃんたちは驚かす?」

 

「あら、それも良いわね」

 

果林さん、何か楽しそう。普段は大人な感じなのに、こんな子供っぽいところを見ると…………

 

「かすみちゃんの反応楽しみ『わくわく』」

 

それから来た道を戻り……本来のルートで戻ってくるのを待っていたかすみちゃんと彼方さんを驚かす私たちであった。

 

 

 

侑side

 

何故かかすみちゃんの悲鳴が聞こえたけど、どうにもお化け役をやっていたみたいだった。折角だから終わった組はお化け役をやるみたいになった。私はエマさんと一緒にちょっと警戒しながら歩いていた

 

「これが肝試し……楽しみね」

 

「エマさん、怖くないの?」

 

「う~ん、侑ちゃんと一緒だからかな?侑ちゃんは平気でしょ」

 

「そ、そんなことは……でも平気かも……」

 

昔歩夢と未唯を守ろうと頑張っていたし…………それがきっかけで平気に…………

 

「そう言えば悩んでいたみたいだけど、どうかしたの?」

 

「え?悩みは……」

 

ある。歩夢と未唯の事だ…………

 

「普段仲良い子が知らないうちに更に仲良くなっているのを見て……胸が何かモヤってしたんだ……」

 

「そっか……もしかしたらそれは……ううん、言わない」

 

「えぇ!?」

 

「それは侑ちゃんが気づくことだよ」

 

私が気付くこと…………

 

「わ、わー!」

 

するとお化けに扮装した歩夢が……うん、怖いより可愛い

 

 

 

 

苺side

 

なんというかくじ運悪いのかな?私…………こうも知らない人と組まされるなんて……

 

「ほらほら、まいっち、早く行こうよ」

 

「あの早いです……それにまいっちって……」

 

「えーあだ名で呼んだ方が良いじゃん」

 

「はぁ……」

 

というかこの人には怖いというものはないのか……驚かしてきた人たちを普通に笑って流してたし……

 

「それにしてもみーちゃんと似てるね」

 

「まぁ双子だから……見分け方なんて髪の色くらいで……」

 

「中身もだよ」

 

「中身?」

 

「そう、なんというか本質は変わらないみたいな」

 

本質は変わらないって…………

 

「みーちゃんは、弱さを見せる。まいっちは弱さを隠す。でも二人はその弱さを乗り越えてる。そんな所とか」

 

確かに……そうかもしれない…………お姉ちゃんは弱さを見せるけど、乗り越え……私は……

 

「乗り越えてるのかな?」

 

「乗り越えてるよ。だって不安でもこうして私たちと話してるし」

 

それは……そうかもしれない…………多分それはお姉ちゃんと遥ちゃんのお陰かもしれない。

 

「だから似てるんだよ」

 

「そうですか……それじゃそんなことを教えてくれたお礼に……1つだけ注意を」

 

「何?」

 

「私もなんですが……姉は大切なものを奪われそうになると…………本気で怒ります」

 

「奪われそうに?」

 

「もしくは大切なもの同士が傷つけ合おうとしたら……ですね」

 

「そんな感じは……」

 

「そういうところがあるんですよ。どんな理由でも……姉はそう言うことをする人を…………敵と認識します」

 

敵と認識した場合は……滅多なことでは許そうとしない。許そうと思えたなら、それは姉からしてみれば心を許した人と言うことになる。

 

「だから気を付けてください」

 

「私がそんなことすると思ってる?」

 

「もしかしたらですよ…………姉は許そうとしないので…………」

 

まぁ同好会を見ているとそうはならないから良いけど……

 

「うん、覚えておくよ」

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

二人で話ながら音楽室を目指す

 

「それじゃ話を受けるんだね」

 

「うん、一応改めて説明を受けてから、お姉ちゃんたちやみんなには話すつもり」

 

「よかった。実はあの件は私と綾小路さんが推薦したんだ」

 

「そうなの?」

 

「未唯ちゃんにぴったりだと思って」

 

そ、そんなことは…………ふっと階段から何かが降りてくるけど……ブリッジしながら奇声をあげながら猛スピードでだ。

 

「ひぃ!?」

 

「すごい気合いが入ってる…………」

 

あぁいうこと出来そうなのって愛さんかな?

さっきの視聴覚室のテレビから出てくるのも凄かった。璃奈ちゃんが何かしらしたのかな?

 

「そう言えば虹ヶ咲に入る前にオカルト研究会の人とすれ違って……」

 

「何かしてたのかな?」

 

お、今度はボサボサ髪の人が……

 

『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛』

 

みんな、本気出しすぎじゃない?

 

「というか……あれ、本物?」

 

「さぁ?」

 

とりあえず気にしないで音楽室に行こう。

 

 

 

 

 

 

 

私たちが終わり、それから花火を楽しんでいた。因みにみんなにあのお化けについて聞いたら知らないと…………うん、気にしない。

 

みんなが楽しそうに花火をしている中、私は離れたところで線香花火を楽しむのであった。

 

「お姉ちゃんは相変わらずだね」

 

「何が?」

 

「みんながやってる花火とかじゃなく線香花火をやるのが」

 

「そうかな?楽しいよ」

 

「そう…………一応言っておくけど…………お姉ちゃんを怒らせないようにって話した」

 

「愛さんに?」

 

「うん……何となく妹として心配だからさ」

 

「心配しなくてもそう言うことする人はいないよ……」

 

「…………そっか」

 

虹ヶ咲にはいない……そう決めつけないと気を張って疲れちゃうからね…………

 

「今度ライブするんだね」

 

「うん、侑お姉ちゃんの夢のひとつだから」

 

「…………私にも見せてね。お姉ちゃん」

 

「うん、楽しみにしてて」




何か初めて4000文字越えしたんだが…………

今回はある意味メタ話が多かった……

次回は他のグループとの話を……
とりあえずこちらの話もクライマックスに入るので、もしかしたら未唯と栞子の外伝を連載するかも?

では感想待ってます


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48 きっと私がいなくても

今回から11話の話になります!あれを回避してますが……


生徒会室でフェスの申請書を持ち込んだ侑お姉ちゃん、かすみちゃん、私。

 

「スクールアイドルフェスティバルの申請書です!」

 

「承認をお願いしまーす!」

 

せつ菜さんが生徒会長だから多分すぐに申請が通るかなと思ったけど、他の生徒会メンバーの表情を見ると……不安しか……

 

「ふむふむ。とても面白そうな企画ですね」

 

「はい!スクールアイドル好きのみんなが楽しめるイベントにするつもりです」

 

「あの」

 

「「え?」」

 

副会長さんが遮る。やっぱり問題あったのかな?

 

「私が疎いだけかもしれませんがスクールアイドルとはどういうものですか?」

 

「えっと……」

 

「元気でかわいいかすみんのことでーす」

 

副会長さん、苦笑いしてるよ……確かにいざ説明すると難しいよね。

 

「一般の生徒たちが学校の部活としてアイドル活動をするんです」

 

せつ菜さんがフォローするけど……

 

「会長、よくご存じで」

 

「え、あ、う、うぅん、生徒会長たるもの当然です」

 

「私も会長を見習ってもっと勉強しなくてはいけませんね。この申請書ですが内容があまりにも漠然としていてこのままでは承認できません」

 

「まずどこの学校と合同なのか書いてありません」

 

「具体的な行動予定を書いてほしいところです」

 

「進捗状況も知りたいですね。何より開催地の希望を出してもらわないと……」

 

うん、私は今回何かあったときのフォロー役として来たけど…………全然まとまってなかったんだ……

 

とりあえず一旦持って帰って再度まとめることに……

 

「おや?」

 

生徒会室から出ようとすると、せつ菜さんがあることに気がついた

 

「どうしました?会長?」

 

「い、いえ、何でも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

部室でみんなと開催場所を何処にするか話しあい、探しに行った帰りのこと、私はせつ菜さんにあることを聞かれていた。

 

「あの、開催日時が被ってませんか?」

 

「あ、うん、被ってるね」

 

「これでは未唯さんが……」

 

「仕方ないよ。私だけのイベントじゃないから……ずらしてもらうわけには行かないから」

 

「ですが……そもそもまだ話して……」

 

「うん、話してない。と言うより話せてない」

 

ここ最近、侑お姉ちゃんが時折浮かない顔をしている。フェスの申請関係で疲れているからと思いたいけど…………

 

「ちゃんと話します。そして…………」

 

「未唯さん……」

 

 

 

 

 

 

次の日

少し遅れてバス停に行くとお姉ちゃんたちがもう来ていた。声をかけようとしたけど、邪魔しちゃ悪いかなと思い、物陰に隠れて……

 

「夏休みの宿題、やってる?」

 

「うん。古典と数学は、もうすぐ終わるよ」

 

「さすが歩夢。私なんて、まだ手を付けてもないのに」

 

「侑ちゃん、最終日にまとめてやってるもんね」

 

「あ、あのさ……歩夢……」

 

「何?」

 

「あの……」

 

侑お姉ちゃん……何だか歯切れが悪いけど……本当にどうしたんだろう?

 

「侑ちゃん、バス来たよ」

 

「あ、じゃあ、打ち合わせ終わったら、部室行くから……」

 

「うん。行ってらっしゃい」

 

ぽむお姉ちゃんが笑顔で見送るけど……本当に大丈夫かな?

 

「あれ?未唯ちゃん、そんなところで何してるの?」

 

「ん?えっと……告白でも始まるのかなって」

 

「こ、告白って////」

 

「いや、冗談だよ」

 

だとしたら隠れずに何処かで時間を潰してたかも

 

「フェス、成功するといいね」

 

「うん……」

 

フェス……確かに成功してほしいけど……私には成功させるとは言えない。

 

 

 

 

 

 

合宿の日、苺ちゃんから私宛の手紙について聞いた。それは少し大きなイベントでゲストとして出てくれないかという話だった。

遥ちゃんと姫乃ちゃんが私を推薦してくれたみたいで、更にはイベントスタッフの人も私のライブ映像を見て、決めたらしい。

 

これならきっと虹ヶ咲はもっと凄いことになる。私は出ることを決めたけど…………

 

「フェスの日はこの日がいいかな?」

 

「いいと思いますよ」

 

侑お姉ちゃんとかすみちゃんが話し合ってるときに開催日時を見て私は少し迷った。

 

同じ日に……しかも終わってもギリギリ…………

 

「未唯はどう思う?」

 

「えっと……」

 

どうしたらいいのか分からなかったけど……きっと私がいなくても…………大丈夫だよね

 

「いいと思うよ」

 

私は出れないけど…………きっと同好会のみんななら…………フェスを盛り上げてくれる。

 

だから私は…………




外伝は新しく連載させるため、鋭意制作中です

次回は終わりまで書きたい
感想待ってます


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49 フェスに向けて

今回、かなり話が…………


侑side

 

私、せつ菜ちゃん、果林さん、彼方さんで東雲、藤黄と打ち合わせをしていた。今回のフェスで出演してもらえないかの話し合いだけど……

 

「いかがでしょうか?スクールアイドルフェスティバル、参加していただけないでしょうか?」

 

「やってみたいです。お姉ちゃんから話を聞いてずっと楽しみで」

 

「私も賛成です。とても面白そうですし、また果林さんと同じステージに立てるなんて……光栄です……」

 

「え? こちらこそ、そんな風に評価してもらえて光栄だわ」

 

「はわわわ……」

 

姫乃さん、何で照れてるんだろう?

 

「この子、果林さんのファンなんですよ」

 

「み、美咲さん……」

 

「あら、そうだったの? もっと早く、教えてほしかったわ」

 

顎クイしながらそう言うと、姫乃さんは感激のあまり顔を真っ赤にさせて倒れそうになっていた。

 

「え、エッチだ……」

 

苺は苺で何か変なこといってるし……

 

「私も賛成です。スクールアイドル好きのみんなが楽しめる祭りって、何だかワクワクするわ」

 

「私も素敵だと思いました。正式なお返事はメンバーと話し合ってからになりますが東雲学院のみんなもきっと参加したいと思います」

 

「藤黄学園も前向きに考えさせてください」

 

参加してもらうことが決まり、私とせつ菜ちゃんは喜び合うが……

 

「あれ?この日って……」

 

「どうしたの~?遥ちゃん」

 

「あー、ううん、何でもない……」

 

「日にちに何か問題あるの?」

 

「!?」

 

「えっと……まだ話してないみたいですので、私からは……」

 

いったいどうしたんだろう?何かあるのかな?

 

「………………」

 

 

 

 

 

 

未唯side

個人練習を終わらせて、部室に戻ろうとすると苺ちゃんからメッセージが入った。

 

『お姉ちゃん、まだ話してないの?』

 

『ちゃんと話すから大丈夫だよ』

 

『日にち被ってるし……怒られるし、もしかしたら日にちをずらすって言われるよ』

 

『私だけのために日にちをずらしてもらうのは嫌だから……ちゃんと話すよ』

 

『分かった。遥ちゃんも姫乃ちゃんも心配してたからね』

 

『うん』

 

ちゃんと……話さないと……ね

 

部室に戻ると苦笑いをするみんなと、侑お姉ちゃんに泣きつくかすみちゃんと机に置かれた段ボール製のかすみちゃんがあったのだった

一体何があったんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

それから会場をどこにするか考えていくなか、段ボール製のかすみちゃん……かすみんBOXにみんなの声が入り、それを元に会場をどこにするか決まったそこは……

 

 

 

「会場をひとつに絞らない?」

 

「はい、メッセージを読んで、みんなと話し合いました。本当にスクールアイドル好きのみんなが楽しめるお祭りって何だろうって……それはきっと、ライブをするだけじゃないって気付いたんです」

 

「ライブをするだけじゃない?」

 

「はい、そうです!」

 

「だって、かすみん達の夢だけ叶えるより、応援してくれるみんなのやりたい事も叶った方が、絶対楽しいじゃないですか!」

 

「会場についても、いっぱい希望が集まりました。だから、会場は1つに絞りません。全部でやります!街全体を巻き込んで、お祭りみたいにしたいんです!色んな所で、色んなアイドル達が、自分らしいライブを披露する。そして、スクールアイドルが大好きな人達を、自分の『好き』を自由に表現できる……みんなの夢が集まって、それを全部叶える場所・・・。みんなが好きになってくれたスクールアイドル同好会らしいフェスの形って、そういうものだと思うんです!」

 

「なるほど。スクールアイドル好きのみんなが楽しめるお祭り、という事ですか……」

 

「はい。ワクワクしませんか?」

 

「分かりました。会長、私からはもう何もありません。会長はいかがですか?」

 

「はい。良いと思います」

 

生徒会の許可も貰えてた。これでフェスが開催できる……

 

「やったー! やりましたよ!」

 

「うん! ありがとうございます!」

 

良かったね。お姉ちゃん、かすみちゃん、みんな……

 

「私は、参加してみたくなりました……」

 

「え?」

「それって……」

 

「実はあの後、スクールアイドルについて少し勉強したんです。それで……」

 

「分かります! 見ると好きになっちゃうよね! ちなみに誰が好きなの?」

 

「優木せつ菜ちゃん……」

 

まさかの!?せつ菜さんは何か凄い顔をしてるし……これ、大丈夫かな?

 

「え……」

 

「でも、私、好きになったばかりで、好きというのもおこがましいというか……」

 

「そんな事ないよ! 『好き』に早いも遅いもないって!」

 

「そうです! ゆ、優木さんも『好き』だって言われたら喜びます……絶対!」

 

「もしかして会長……せつ菜ちゃんのファンですか!?」

 

「え……」

 

「力説されるから、そうなのかなって! 嬉しいです! こんな近くに同志がいるなんて!」

 

気づかれなかったけど、これ後々苦労しないかな?

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

フェスを認められて、みんなでそのお祝いをしている中、未唯の姿がなかった。どうしたんだろう?

 

「どうしたの?侑ちゃん」

 

「あ、いや……ねぇ、歩夢……終わったら話したいことがあるの」

 

「話?」

 

「うん……」

 

認められたことは嬉しいけど、自分の中での問題をいつまでも先伸ばしにしていられない。歩夢にそう伝えて、私は未唯にも夜に私の家に来てとメッセージを送るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「侑ちゃん家に来るの久しぶりだね」

 

「うん……」

 

「あ、ピアノ……」

 

「あ、これは……」

 

説明しようとすると、歩夢は微笑んだ

 

「私たちの為に曲を作りたいんだよね」

 

「え……」

 

どうして……まだ誰にも話してないのに……

 

「未唯ちゃんが侑ちゃんがピアノ弾いてるところ見て、そうなんじゃないかって」

 

未唯が…………

 

「話したいことって……それ?」

 

「あのさ……未唯のことなんだけど」

 

「未唯ちゃん……何で来なかったんだろう?何かあったのかな?」

 

「歩夢……未唯のことどう思ってる?」

 

「え?未唯ちゃんは……優しく私たちのことを思って行動して、分かってても自分から傷つきに…………私にとっては大好きな……」

 

「私……見たんだ……」

 

「何を?」

 

こんなこと言えば……今の関係が終わってしまう……言わない方がいいのに……私は……

 

「歩夢と未唯がキスをしてるところ!」

 

「え?」

 

「合宿の夜に、たまたま二人がキスをしてるの見て…………二人が付き合ってると思ったの」

 

「…………」

 

「私的には嬉しいけど…………嬉しいはずなのに……何故か胸が苦しいの……嫌だなって気持ちが溢れてくるの…………このままじゃ……私……未唯が嫌いに…………」

 

「侑ちゃん……何言ってるの?」

 

あれ?歩夢のあの顔、怒ってる?凄い頑張って自分の気持ちを言って、涙まで出てきてるのに!?

 

「合宿の夜、それって侑ちゃんはどこから見たの?」

 

「えっと……上の方から……」

 

「多分、角度的にそう見えて……あれは未唯ちゃんが私を元気付けるために……」

 

歩夢は私の両頬を挟んだ。

 

「私は……色々と思い詰めやすいから…………未唯ちゃんはこうして元気付けてくれたの!」

 

「そ、そうなの!?でも大好きな……」

 

「大好きな幼馴染の一人だよって言おうとしたの!」

 

「え、えっと……」

 

これって……私の思い込み過ぎ…………

 

「もしかして侑ちゃん……嫉妬してたの?」

 

「そ、そうかも…………うー」

 

顔が熱い…………これって私が歩夢のこと好きみたいじゃん……と言うか遠回しに告白してる…………

 

「未唯ちゃんに謝ろう。勘違いで…………」

 

「こんばんわ」

 

すると未唯が部屋に入ってきた。タイミングが良いのか悪いのか……

 

「あ、未唯、あのね」

 

「二人に話しておきたいことがあるの…………」

 

話したいこと?さっきまでの私だったら付き合ってるってカミングアウトを…………

 

「私……スクールアイドルフェスティバルに出ない」

 

「「え?」」

 

「ごめんね……きっとみんななら……私がいなくても……大丈夫だから…………」

 




侑ちゃんカミングアウトからの…………

歩夢ちゃんの愛が大きいように、侑ちゃんも愛が大きい

三人の問題がどうなるかは次回!

感想待ってます!


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果林さんの誕生日回! ありのままの私

果林さん誕生日おめでとう!


『それじゃ未唯。明日はよろしくね』

 

果林さんに誕生日プレゼントは1日妹になってねと言われた次の日、私は寮の果林さんの部屋の前に来ていた。

 

「朝早くから来てほしいって……どうしてだろう?」

 

放課後でもいいんじゃないかと思ったけど、何かしら理由があるのかな?

 

「果林さ……果林お姉ちゃん、おは………………」

 

貰った合鍵でドアを開けて中に入ると飛び込んできたのは…………

 

「あら~いらっしゃい」

 

下着姿の果林さんが服やら何やらが散乱してるベットの上で手を降って出迎えてくれた。

 

「あ、あの果林さん……この部屋は……」

 

「あぁちょっと散らかってるけど、気にしないで」

 

気にしないでって……果林さんのイメージってたまに見せる子供っぽい所もあるけど、それを忘れるほどの大人な女性なイメージなのに…………

 

「果林お姉ちゃん…………」

 

「それじゃどこか行く?」

 

「その前に!お掃除です!」

 

このままだとダメだと思い、私は掃除を提案するのであった。

 

 

 

 

足の踏み場もないとかそういう感じではないけど、それでも服とか脱ぎ散らかしているのはどうかと思う…………

 

「お姉ちゃん、ちゃんと片付けとかしてる?」

 

「こう見えてしてるわよ。まぁ普段はエマが来てくれてるけど…………」

 

エマさん…………よく怒らないな…………

とりあえず服とか綺麗に…………

 

「………………」

 

私の目にあるものが飛び込んできた。それは果林さんのブラジャー……しかも黒…………黒いのとかは何と言うか大人な感じがするけど……一番気になったのはサイズだ…………普段から思ってるけど……大きい…………

 

自分の胸を触るけど…………これ、絶体余りまくる…………

 

「あら~興味あるの?」

 

見つかった!?

 

「い、いえ、その……」

 

「未唯も気にしたりするのね」

 

「そ、それは……その……」

 

侑お姉ちゃんとぽむお姉ちゃんと比べると正直私だけ小さいし、個人的にはもう少しほしい

 

「未唯はあるじゃない?」

 

「その……まぁありますけど……」

 

「これからよ」

 

「これからって言っても…………」

 

「そんなに気にすることなの?」

 

「ま、まぁ……そうですね……お姉ちゃんたち二人位はほしいって思ってたけど、最近じゃ1センチ違うのにしずくちゃんの方が凄くスタイルいいなって…………何か負けてる気がして……」

 

「あー確かにしずくは意外とね……まぁこれからよ」

 

これからか……それとなく頑張ろうかな?

 

「って掃除しないと!」

 

「頑張れー」

 

「果林お姉ちゃんも手伝って!」

 

「はーい」

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで片付けが終わるとお姉ちゃんがお茶を入れてくれるらしいので私は待っていたけど、何だか疲れが…………

 

「お待たせ……ってあら?」

 

 

 

 

 

 

 

エマside

 

未唯ちゃん大丈夫かなと思い、心配で果林ちゃんの部屋を訪ねる私。

 

「果林ちゃん、入るね」

 

部屋に入ると部屋が片付いていた。未唯ちゃんやってくれたのかな?

 

「未唯ちゃんお疲れ様って……あれ?」

 

目に入ったのは、果林ちゃんに膝枕をしてもらって寝ている未唯ちゃんの姿だった。

 

「いらっしゃい。エマ」

 

「疲れて寝てるの?」

 

「そうみたいなの。練習とかの疲れがあるのに片付けなんてさせちゃって悪いことしたわ」

 

「もうそれなら前の日に片付けようかって言ったのに」

 

「だって……未唯には私のありのままを見せてもいいかなって」

 

「ありのまま?」

 

「えぇ、がんばり屋で、人一倍みんなの事を気遣っているこの子にね。ありのままの私を見せてもいいかと思ってね」

 

「そっか……うん、そうだね」

 

「本当に今日はありがとうね。可愛い妹さん」




未唯ちゃんは79


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50 信じること

原作12話はゆうぽむ問題回避したので全カットです!
基本的にオリジナルになってます



私は一人、マンションの前に立っていた。

待っていても……しょうがない……よね……

 

私は一人学校へと向かうのであった……

 

 

 

 

 

侑side

 

いつもの待ち合わせ場所に行くが、未唯の姿はなかった。

 

「未唯ちゃん、いないね」

 

「…………うん」

 

昨日の夜、未唯から告げられたこと…………フェスに出ないとのこと…………前々からライブをしないかと言われていたらしいけど……未唯は迷っていたのに…………私は…………

 

『未唯は何でそっちを優先したの!』

 

『それは…………』

 

『未唯にとって大切なのは…………同好会のみんなよりも…………』

 

『侑ちゃん!?』

 

この先の言葉を言おうとしたが歩夢に止められた。未唯は泣きそうになりながら…………

 

『フェスは……みんながいるから大丈夫だと思ってる…………私がいなくても…………』

 

『そんな……こと……』

 

『同好会のみんなには後でメッセージ送るから…………』

 

 

 

未唯はそのまま帰っていった。

 

「歩夢が止めなかったら……私は……未唯に酷いことを言ってた」

 

「侑ちゃん…………」

 

「私は……未唯の事が分からないよ」

 

未唯はどうして……ライブを優先したんだろう…………それに同好会のみんながいるなら…………自分がいなくてもって…………

 

 

 

 

 

 

 

部室に歩夢と一緒に入るとみんなが…………未唯以外全員いた。

 

「侑さん、未唯さんは…………」

 

「知らないよ……」

 

「あの、みい子がフェスに出ないって……」

 

「うん、私たちも昨日知ったから…………」

 

「あの……私も未唯さんがライブに出ることは聞いてましたけど…………」

 

せつ菜ちゃんだけ知ってた!?

 

「未唯さんはちゃんと自分で話すまで待っていてほしいと…………」

 

だからって…………せつ菜ちゃんを責めても仕方ないけど…………

 

「未唯は同好会のみんながいるなら……自分はいなくてもって……言ってた……」

 

「侑ちゃん……」

 

未唯が言いたいことは自分は同好会にもう必要がない…………そんな風に考えているように思えた…………

 

「ねぇ、未唯がフェスに出ないことがそんなに悪いことなの?」

 

すると果林さんがそう告げてきた。悪いことって…………

 

「私も同じようなことがあったら、未唯と同じことをしてたわ」

 

「果林ちゃんは…………未唯ちゃんと同じ様に自分がいなくてもって…………」

 

「何だか聞いてるとみんな、いなくてもって悪い意味に聞こえてない?あの子も私も同じ想いのはずよ」

 

「同じ想い?」

 

いなくてもって……悪い方に考えないでって…………

 

「そっか~果林ちゃんも未唯ちゃんもそうなんだね~」

 

「確かに未唯さんはそういう風に思うかと…………」

 

彼方さんもしずくちゃんも分かったの?未唯の真意が…………

 

「もしかして……未唯ちゃんは…………みんなの事を信じてるから……」

 

「信じてる…………」

 

信じているからこそ…………私がいなくてもきっと…………

 

「…………未唯……」

 

「侑ちゃん、探しに行こう」

 

「うん」

 

「私たちも探すよ」

 

「うん……みんなで探そう『フンス!』」

 

「ま、まぁみい子くらいかすみんにかかれば直ぐに見つかりますからね!」

 

「よぉーし、みんなで捜索だー!!」

 

私たちは急いで未唯の事を探しに向かうのであった。

 

それに……私が……

 

「侑ちゃん、私もだよ」

 

「え?」

 

「私ももしかしたら未唯ちゃんを傷つけたかもしれない……だから私たちが言うべき事を伝えよう」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

一人……空を眺めていた。そう言えばこの場所……懐かしいな…………

 

侑お姉ちゃんたちと同じ高校に入ると言うだけの気持ちで、私は虹ヶ咲に入ったけど……自分から友達を作ろうとはしなかった…………だから自然と一人でいることが多かったけど…………今は…………

 

「私は…………」

 

お姉ちゃんたちに言ってほしかった言葉……言ってもらえなかった…………それだけがショックなのに…………ショックともうひとつ…………寂しさを感じた。一緒に出来ずに一人でいることがこんなに辛いんだ…………

 

「あの……」

 

「え?」

 

顔をあげるとそこには見知らぬ子がいた。

 

「どこか苦しいんですか?」

 

「ううん、そういう訳じゃ……ただ自分の感情がぐるぐるしてて」

 

「感情が……」

 

「えっと貴方はこんなところで何してるの?」

 

「私は……今準備しているものから少し逃げてるだけです」

 

「逃げてる?準備しているってスクールアイドルフェスティバルのこと?」

 

「はい、苦手……というより嫌いだと思っています」

 

「そっか……」

 

「何も言わないんですね」

 

「だってそういう風に思ってる人がいるかもしれないから……でもきっと見ればその考えが変わるかもしれないよ」

 

「そうでしょうか……」

 

「嫌いから好きになるってことはないけど…………嫌いから苦手くらいにはなってほしいな」

 

「嫌いと苦手は同じでは?」

 

「違うよ……嫌いは拒絶、苦手はほんの少し好きに近づいている。私はそう思ってる」

 

「…………時間があれば参加してみます……では私はこれで」

 

彼女はそう言って去っていくけど……あの子の名前聞き忘れた…………また会えるかな?

 

「未唯!」

 

「未唯ちゃん!」

 

さっきの子と入れ違いにお姉ちゃんたちがやって来た…………話さないと……私が言いたかった言葉を…………言ってほしかった言葉を

 




次回三人の絆がどう変わるか…………

感想待ってます!


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51 仲直り、そして開幕

今回は短めです!


「未唯……」

 

「未唯ちゃん……」

 

侑お姉ちゃんとぽむお姉ちゃんの二人が私の前に現れた。ちゃんと……向き合わないと…………言ってほしかった言葉があったことを伝えないと…………

 

「あのね……確かめたいことがあるの。未唯は…………私たちの事を信じてるんだよね」

 

「…………うん」

 

その事には気がついたのかな?

 

「私はその事に気がつかなかった……ううん、分からなかった……」

 

「私もだよ……私も未唯ちゃんがそういう気持ちだって…………」

 

「いいの……私がちゃんと言えなかった……ううん、分かってるんだって思ってたから……」

 

「ごめん……分かってなくって……」

 

「いいよ……今回の件は私が悪かったし……」

 

「未唯ちゃんだけじゃない!私たちだって…………」

 

お互いに自分が悪いからって言っているけど……結局……

 

「「「ごめんなさい」」」

 

三人同時に謝ることになった。

 

「こうして謝ったから……ちゃんと伝えるね……未唯、頑張って」

 

「うん」

 

「フェスは私たちが盛り上げるから…………未唯ちゃんは未唯ちゃんらしく……」

 

「うん!」

 

本当にほしかった言葉を貰えてやる気も嬉しさもいっぱいだ。

 

「そう言えば、この間お姉ちゃんたち何を話してたの?」

 

「「え?」」

 

今回の件が片付いたけど、侑お姉ちゃんの様子がおかしかった事が解決してないような…………

 

「あ、えっと……その」

 

何故か歯切れが悪いお姉ちゃん。本当に何だったんだ?

 

「侑ちゃん、私と未唯ちゃんが付き合ってるって勘違いしてたんだって」

 

「へー、え?」

 

いや、何で?そんな風に見られる要素なかったような…………

 

「この間の合宿の時に未唯ちゃんが私にキスしてるように見えたんだって」

 

キス?あー、あの時か……もしかして角度的な問題でそんな風に見えたのか

 

「それで何だかこう……モヤモヤして……」

 

侑お姉ちゃん、それ無自覚なんだろうけど…………まぁ今は黙っておこう…………いつまでも進展がなかったら言うけど…………

 

「そ、その話は終わり!みんなに知らせないと…………」

 

「そうだね。みんな、心配してるよ」

 

「もしかしてみんな、探してるの?」

 

だとしたらかなり迷惑かけた……ちゃんと謝って……自分の気持ちを伝えないと…………

 

 

 

 

 

 

それから部室に戻り、私はみんなにライブに出ることとみんなの事を信じていることを伝えた。みんな、受け入れてくれた。

応援してもらってるんだから…………頑張らないと…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事が合った日の夜、私と苺ちゃんは…………

 

「お姉ちゃん、どうするの?」

 

「どうするって…………どうしたらいい?」

 

「いや、まさかこんなことに…………」

 

「どどど、どうしよう!?」

 

「お姉ちゃんが動揺するのは仕方ないとして…………ここは………………………………しかないね」

 

「だ、だよね…………」

 

「……………………には伝えておくから……上手くやらないと」

 

「私も………………さんには伝えないと…………はぁ」

 

ある問題に悩まされていた。でも仕方ない…………これが上手くいくためには……覚悟を決めないと…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

「それじゃ!みんな、頑張ってね!」

 

「うん!」

 

「かすみん、来てくれる人だけじゃなく、別の場所で頑張ってるみい子にかすみんの可愛さが伝わるように頑張りますよ!」

 

「はい!未唯さんの分まで盛り上げましょう!」

 

「みんなが楽しんでもらえるように!」

 

「みんなの心を癒したい!」

 

「私たちの想いは一緒だって、未唯ちゃんに伝わるように!」

 

「彼方ちゃん、今日は全力だよ~」

 

「離れていても……みんなの心はひとつです」

 

「えぇ、魅了させましょう!来てくれる人を!」

 

「それじゃ!みんな、スクールアイドルフェスティバル!開幕だよ!!」

 

『オーーーー!!!』

 




歩夢ちゃんの和服衣装、もしくは巫女服はまだですか?

次回よりスクールアイドルフェスティバル編が始まります!!
ちょくちょく未唯ちゃんの話も混ぜていきます!

感想待ってます!


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52 スクールアイドルフェスティバル① みんなに会いに

スクールアイドルフェスティバル編スタート


未唯side

 

広がる青い空……きっとすごい人が集まってるんだろうな…………みんなは大丈夫かな?

なんてみんなのことよりも自分の事を心配しないとね…………

失敗はできない…………

 

「不安な気持ちでいっぱいだけど…………」

 

きっとみんなも不安になってるけど…………それよりも楽しませたいという気持ちが勝ってるはず…………だから…………

 

「私も…………頑張ろう!」

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

私たちの夢……スクールアイドルフェスティバルがついに始まった。みんな、それぞれのステージでお客さんを楽しませているはず、私は沢山の人に見てもらえるようにチラシとか配ったりしないと…………

 

「よろしくお願いしまーす」

 

すると遠くの方で見知った姿を発見した。あれって…………苺?

 

「苺、ここにいていいの?」

 

「え?」

 

「そろそろ東雲のステージだよ?」

 

「あー、そうだけど……私も出来ることはしたいから…………」

 

それってもしかして…………

 

「未唯の分まで?」

 

「うん、おね……未唯姉は今も頑張ってるはずだから…………私も頑張らないと!」

 

「そっか……そうだよね!」

 

苺も頑張ってるんだ!私もできる限りの事をしてかないと…………

 

「それじゃそろそろあっちにいってくるね」

 

「うん」

 

苺と別れて、私はチラシ配りを続けた。あれ?あっちって歩夢の…………まぁいいか

 

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

ステージを終えて、控え室に戻ると苺ちゃんが出迎えてくれた

 

「苺ちゃん!ここにいていいの?」

 

「うん、出来たらみんなのステージを回りながらチラシ配りとかしたいから…………未唯姉の分までね」

 

「未唯ちゃん、今ごろ何してるんだろうね?」

 

「多分、緊張しながらみんなのこと心配してるかも」

 

「そうかな?」

 

「未唯姉、自分よりもみんなのことを心配する。そういう姉だから」

 

「そうかも……だから未唯ちゃんに救われたかも」

 

「そうなの?」

 

「未唯ちゃんが沢山気遣わなかったら、もしかしたら私と侑ちゃん、変な感じに喧嘩してたかも…………」

 

「未唯姉、大切な人が喧嘩してるの嫌いだもんね」

 

「だから、ちゃんと未唯ちゃんにはお礼に……侑ちゃんにはこれからの私を見てと頑張れの想いがこもった歌を贈りたい」

 

「きっと終わってからでも贈れるよ」

 

「そうだよね……苺ちゃんも頑張ってね!」

 

「うん」

 

苺ちゃんは急いで次の所へと向かった。未唯ちゃんの分まで頑張ってるんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛side

 

「あれ?まいっち?さっきも来なかった?」

 

「いやー、結構美味しくって……おかわりに」

 

そんなに気に入ってくれたんだ。うれしいな~

 

「じゃ頑張ってるまいっちにたくさんあげるからね!食べ過ぎて参らないように、苺だけに」

 

「あはは、上手いですね」

 

「お、結構好評価!気に入って貰えて何よりだよ」

 

私はまいっちにもんじゃを渡すと、あることを話した。

 

「この間、まいっちに言われたこと…………しっかり守ろうと思ってるよ」

 

「え?」

 

「ちゃんと話そうって……多分何か言われるけどそれでもちゃんとね」

 

「そっか……信じてます!愛さん」

 

あれ?今の…………

 

「どうかしたんですか?」

 

「いや、一瞬みーちゃんに見えたから……姉妹だから変に重ねちゃってるね」

 

「そうかもしれないです。私たちは似てますから……でもそれがすごく嬉しかったりします」

 

「そっか、仲良しな姉妹だね」

 

「はい!仲良し姉妹です!」

 

本当にみーちゃんに似ていい子だ。まいっちは…………

 

「そう言えばみーちゃんから連絡とかは?」

 

「あー、入ってないですね。いっぱいいっぱいだと思うから」

 

「そっか、てっきり寄るかと思ったけど、直行だったから寄せ書き渡せなかったな~」

 

「後でも大丈夫ですよ。未唯姉、喜びますから」

 

「そうだよね」

 

「では私はそろそろ」

 

「うん、またね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうしたの?』

 

「いや、大丈夫かなって?」

 

『ちょっといっぱいいっぱいだよ』

 

「そっか、でも……」

 

『うん、頑張るよ!』

 

「ファイト!お姉ちゃん!」

 




スクールアイドルフェスティバルはそれぞれのところに訪れる形式になってます!次回はどこに…………

感想待ってます!


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53 スクールアイドルフェスティバル② みんなの思い

正直焦っている。本当に大丈夫なのか…………いや、きっとうまくやっているはずだ。

本当にこう言うときは不安でしょうがなくなる………………

 

 

 

 

 

 

 

 

次に訪れた場所は彼方さんのステージだ。もうライブは終わったみたいだけど…………

 

「あれ?苺……ちゃん。どうしたの?」

 

「ちょっとみんなの様子を見に……彼方さん、寝てるの?」

 

「そうみたい」

 

苦笑いを浮かべる遥ちゃん、まぁらしいと言うべきなんだけど…………

 

「んん~あれ~未唯ちゃん~」

 

「!?」

 

「もう、お姉ちゃん、苺ちゃんだよ」

 

「そっか~寝ぼけて見間違えちゃった~」

 

「あ、あはは……まぁ双子だから間違えても仕方ないですよ」

 

「本当に~髪の色くらいしか見分けつかないよ~」

 

「そうかな?私は未唯ちゃんと苺ちゃん髪の色以外にも見分けつくけど…………」

 

「そう?」

 

「何て言うか雰囲気とか……未唯ちゃんは人懐こい感じで、苺ちゃんは警戒心が強い感じで…………」

 

「それ、私たちが猫みたいじゃん……」

 

「でも二人が猫って言うのは~ちょっとわかる気がするな~本当にそんな感じがするもん」

 

いやいや、そんな猫みたいって…………

 

「とりあえず私は行くね。彼方さんお疲れ様」

 

「は~い、またね~」

 

 

 

 

 

 

 

次に訪れた場所には果林さんがいたけど、エマさんも一緒だ

 

「果林さんの迷子防止ですか?」

 

「あら……来て早々失礼なことを言うわね」

 

「そうじゃないよ~果林ちゃんのステージ見たくなって来たんだ~」

 

何というか本当に仲がいいな~あの二人みたいというか……何というか……

 

「苺ちゃんは皆のところ回ってるんだよね?」

 

「はい、未唯姉の分までちょっと頑張りたくって」

 

「そっか~」

 

「あの子、自分のステージが終わったら苺と同じようなことしそうね」

 

確かにやりそうだ……しかも時間ギリギリまで……

 

「でもそれがあの子らしいと言うべきね」

 

「未唯ちゃん……頑張ってるかな?時間があるときにステージ配信とか見れないかな?」

 

「あー、やってないみたいですよ」

 

「あら、調べ済み?」

 

「はい」

 

「それじゃ帰ってきたらいっぱい話さないとね」

 

「フェスの事もね」

 

「はい!」

 

もしかしたら話が止まらなくなりそうだけど、きっと楽しいだろうな~

 

 

 

 

 

 

 

もう少しで終わるけど…………正直まだ不安だ……不安で仕方ない。連絡した方がいいかな?でも……これは私が決めたことだし…………うん、不安で押し潰されそうなら………………連絡するべきだよね

 

 

 

 

 

 

 

せつ菜さん、しずくちゃん、かすみちゃんの三人がひとつのステージに集まっていることを知り、向かうと…………何してるんだろう?

 

せつ菜さんはステージ衣装だけど、かすみちゃんは何か悪役の衣装にかすみちゃんを模した御輿が…………後々聞いたら『どこでもかすみん』というらしい。そしてしずくちゃんは変なマスクをつけてる……格好も未唯姉が好きそうなヒーロースタイルだし…………

 

「あ、苺さん、来てくれたんですね」

 

「はい、その……何をしてたんですか?」

 

「ちょっとした演出を!」

 

「こう言う格好はやると楽しいですね」

 

「というか何でかすみんが悪役なの!」

 

「あ、あはは……」

 

何というかこっちはこっちで凄いことをしてたみたい……後で未唯姉に教えておこう

 

「苺さんはここで回るところは終わりですか?」

 

「はい、後は手が足りないところに行って来るだけです」

 

「本当にお疲れ様です。東雲のみなさん行ってますよ。苺さんが居てくれて助かってるって」

 

「そんな……私は出来ることをやっているだけで…………」

 

「ふふ、きっと苺さんがスクールアイドルになったらすごいことになってましたね。期待の新星あらわる!とか東雲の天使とか」

 

「もしかしたら学校を越えた姉妹ユニット誕生になったり…………」

 

「まぁそれでもかすみんは……虹ヶ咲は負けませんけど!」

 

「…………」

 

「あの?どうしました?」

 

あ、ついボーとしていた。せつ菜さん、心配してるし……

 

「その……未唯姉……本当に楽しそうなんだなって」

 

「「「?」」」

 

最初は誘われてやっているだけと思っていたけど、帰ってくる度に楽しそうに今日はこんなことがあったとか今度はこう言うのに挑戦してみるとか……楽しそうだった。きっとお姉ちゃんにとって本当に大切な場所が出来たんだ…………

 

「それじゃ私は行きますね」

 

私は三人にそう言ってその場から離れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

そろそろ終盤になってきた。私の出番はもう少しだけど…………不意に外を見ると雨が降っていた…………これって…………大丈夫かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

雨が上がるけど…………もう時間もない……こんな終わり方って………………

 

「侑ちゃん……まだ終わりじゃないよ」

 

「え?」

 

歩夢は私の手を引き、ある場所へと連れていく。そしてみんなも…………

 

たどり着いたステージ……最後に参加してくれたスクールアイドルたちが集まる場所…………雨で濡れてない

 

「苺ちゃんが頑張ってくれたんです」

 

「一人でブルーシート引いて……雨で台無しにならないように……それに……」

 

「虹ヶ咲の副会長さんと一緒に後少しだけ時間を取ってくれたんですよ」

 

苺が……本当に未唯の分まで……ううん、それ以上かもしれない

 

「侑ちゃん。このステージは、客席から見ててほしいの」

 

「え?」

 

そしてみんなのステージが始まる…………みんなはそれぞれ衣装に着替えると…………

 

「最後のステージに集まっていただいた皆さん! そして、モニター越しに見てくれている皆さん!今日は私達と一緒に楽しんでくれて、本当にありがとうございます!」

 

「ちょっとアクシデントもあったけど、みんなのおかげで、このステージに立つ事ができました!」

 

「今日は色んなステージを回って、みんなと繋がる事ができて、とっても大切な1日になりました!」

 

「スクールアイドルフェスティバルは、みんなの夢を叶える場所!私達同好会は、グループとしてではなく、1人1人がやりたい夢を叶えるスクールアイドルとして歩き始めました!」

 

「1人で夢を追う事は簡単ではなくて、それぞれが、それぞれの壁にぶつかったけど……」

 

「そのたびに、誰かが誰かを支えて、今日、ついに大きな夢を叶える事ができました!」

 

「私達は1人だけど1人じゃない!今までみんなに支えてもらった分、次は、私達がみんなの夢を応援します!」

 

「これからも、つまづきそうになる事はあると思うけど、私を支えてくれたように、あなたには私がいる!この思いは1つ!」

 

歩夢……みんな…………

 

「だから、全員で歌います!」

 

『あなたのための歌を!』

 

みんなの想いが……初めての9人の歌が…………本当ならここに未唯が……10人目がいたかもしれない………………みんなの思いを聞いてうれしい気持ちと寂しい気持ちが混ざっているけど…………

 

「未唯にも届いてるかな?」

 

離れていても……きっとこの曲は届いてる……はずだよね

 

歌が終わり…………歩夢は最後の挨拶をしようとしていた。このあとは三校での……

 

「虹ヶ咲にはもう一人……アイドルがいるのですが……今回は……………………」

 

「一曲だけど…………歌わせてください……」

 

聞き覚えのある声が聞こえ、会場に集まっていたみんながその子に注目していた。どうして…………ここに?

 

「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の高柳未唯です。最後の最後によろしくお願いします」




最後の最後でようやく…………

次回はちょっとした話になります!


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55 スクールアイドルフェスティバル③ 未唯の答え

未唯side

 

昨日の夜の事、イベントスタッフさんからあるメールが届いた。それはイベントが延期すると言うことだった。

それを知った私はフェスに参加できる…………と思ったけど、あんなにみんなが送り出してくれたのに、今更やっぱり出ますっていうのは…………

その事を苺ちゃんに話したら……

 

「それじゃ他の学校の人に相談してみない?」

 

と言うことで遥ちゃんと姫乃ちゃんに相談してみると…………

 

「影でこっそり手伝うか……」

 

「まぁ最後の最後にサプライズで出てくるくらいは調整できそうだよ」

 

「そうなんだ……って誰に聞いたの?」

 

「虹ヶ咲の副会長さん」

 

いつの間にか連絡先を交換してたんだろう?

 

「でもうっかり見つからない?」

 

「お姉ちゃんは甘いね!私たちは双子だよ!」

 

「も、もしかして……」

 

「そう……そのまさかだよ!」

 

と言うことで苺ちゃんの発案で私は苺ちゃんに変装をすることにした

 

 

上手く時間を合わせて同じ時間帯に同時に存在しないようにしていたけど……苺ちゃんはみんなの前ではお姉ちゃん呼びしないから気を付けたりしていたり、愛さんの所でちょっと前に苺ちゃんがいた事があったことに関しては上手くごまかせていた。彼方さんに名前を呼ばれたときは焦ったけど……誤魔化せた

 

問題は…………しずくちゃんだ。下手すれば一瞬で気づかれそうだし…………ここは苺ちゃんに行って貰った方が一番だと思い、頼むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

雨が降ってきたときはこんな形で終わらせたくないと言う思いで、私は急いでステージに行き、ブルーシートを張って濡れないようにしたり、副会長さんと一緒に学校に時間の延長を頼んだりして…………最後の……ライブが始まった。

 

『最後のステージに集まっていただいた皆さん! そして、モニター越しに見てくれている皆さん!今日は私達と一緒に楽しんでくれて、本当にありがとうございます!』

 

『ちょっとアクシデントもあったけど、みんなのおかげで、このステージに立つ事ができました!』

 

『今日は色んなステージを回って、みんなと繋がる事ができて、とっても大切な1日になりました!』

 

『スクールアイドルフェスティバルは、みんなの夢を叶える場所!私達同好会は、グループとしてではなく、1人1人がやりたい夢を叶えるスクールアイドルとして歩き始めました!』

 

『1人で夢を追う事は簡単ではなくて、それぞれが、それぞれの壁にぶつかったけど……』

 

『そのたびに、誰かが誰かを支えて、今日、ついに大きな夢を叶える事ができました!』

 

『私達は1人だけど1人じゃない!今までみんなに支えてもらった分、次は、私達がみんなの夢を応援します!』

 

『これからも、つまづきそうになる事はあると思うけど、私を支えてくれたように、あなたには私がいる!この思いは1つ!』

 

『だから、全員で歌います!』

 

『あなたのための歌を!』

 

9人の歌…………私も入りたいけど…………

 

「未唯姉」

 

苺ちゃんに呼ばれて振り向くと、苺ちゃんは私の衣装を持っていた

 

「最後のオオトリは未唯姉がやるべきだよ」

 

「で、でも……」

 

「私は未唯姉が……お姉ちゃんが歌う姿を見たい……それはここに集まっている人たちも…………侑さんたち同好会の人たちもそれを望んでる!」

 

「みんなが…………」

 

そうだよね…………ただ手伝うだけじゃ前みたいになっちゃう……私は変わったんだ…………

 

「行ってきます」

 

「行ってらっしゃい」

 

私は衣装を受けとり、着替えてステージに上がるのであった

 

 

 

 

 

 

 

そして今……

 

「未唯ちゃん……どうしてここに?」

 

「色々とあってね……後でちゃんと話すよ」

 

私は笑顔でそう告げて……ここに集まっている人たちに向けて歌い出した

自分の思いを…………

みんなに届けたい

スクールアイドルは素晴らしいと…………

これからもみんなに少しでもときめきを届けられるように…………

 

 

 

 

 

 

 

 

私の歌が終わり、最後は参加した学校のみんながステージに上がり、一緒に歌い…………フェスは終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかあの苺が未唯だなんて」

 

「全然わからなかったよ」

 

お姉ちゃんたちと一緒に帰りながら、私がしていたことに話していた

 

「あはは、何か恥ずかしくって…………」

 

「でも……未唯が来てくれて嬉しかった」

 

「私も……」

 

「え?」

 

「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は9人じゃなく、10人だって」

 

「私もその事みんなに伝えたら……未唯ちゃんが来てくれた」

 

「そっか……」

 

同じ気持ちだったんだね……私たち…………

 

「未唯ちゃんは……スクールアイドルはじめて良かった?」

 

「私?うん……はじめて良かった……私はきっとスクールアイドルを通じて、みんなと出会えたから……変われたんだと思う」

 

「そっか……」

 

「未唯と歩夢がこれからも頑張れるように私も転科試験頑張らないとな~」

 

「ふふ、侑ちゃんなら大丈夫だよ」

 

「応援するね」

 

「二人ともありがとう」

 

こうして……私たちの大きな目標は達成したのであった…………

後は私がやり残したことは………………

 

 

 

 

 

 

 

二日後

 

「せつ菜さん、お願いがあるんです」

 

「未唯さん?どうしたんですか?改まって」

 

「私とデートをしてください!」




次回最終回になります!

因みに未唯ちゃんの伏線に関しては

侑との会話時におねえ…と言おうとしたこと

愛さんのところに来たときに、さっき来たのではと言われたこと

彼方さんに一瞬間違われたところ

等々です

次回で最終回ですが、どんな物語になるのかはお楽しみに
感想待ってます


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最終回 新しい誓い

今回で最終回です!


せつ菜side

 

フェスが終わり、いつも通りの日常が戻ってきた。

生徒会の仕事も片付いたし、今日は侑さんの提案で休息日で部室には私しか来ていない。

 

何故休息日なのに私が部室に来ているかと言うと…………

 

「さて、新刊も買ったので今までの刊を読み返して…………」

 

家の事情で読めなかった漫画を読まないと…………ずっと楽しみにしていた漫画だからじっくりと…………

 

「あ、せつ菜さん、ここにいたんですね」

 

読もうとしたら未唯さんが部室に入ってきた。

 

「どうしたんですか?今日は活動は……」

 

「せつ菜さん、私とデートしてください!」

 

「はい?」

 

今、デートって…………普通は好き同士の男女がするものじゃ……いや、漫画やアニメで同性同士でも……

 

「あ、あの……その……未唯さんは……私の事をどう思ってるんですか?」

 

「え?好きですけど?」

 

「す、好きって……」

 

未唯さんは確かに可愛らしい女の子で…………そんな子にこんな風に好かれるのは良いかもしれないけど…………

 

「あ、あの私たち……女の子同士ですよ」

 

「あの、何か勘違いしてるみたいですけど…………私の言った好きは友愛の意味です」

 

「え、あー!?そうですよね!」

 

 

 

 

 

未唯side

 

せつ菜さん、変な勘違いをしてたけど……でも仕方ないか私も変な言い方したし……

 

「デートと言うよりかは遊びの誘いみたいなものです」

 

「遊びですか?」

 

「はい、その……せつ菜さんに伝えたいことがあるので……ただ伝えるよりかは…………」

 

「一緒に遊びに出かけて……ですか。いいですよ。いつにします?」

 

「それじゃ今度の日曜日に」

 

「はい!」

 

とりあえず約束は出来た。後は…………この思いをしっかり伝える準備をしないと…………

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで日曜日

駅前で待ち合わせをしていると、せつ菜さんがやって来た。

 

「あれ?今日は菜々さんモードなんですね」

 

「あはは、急いで出てきたので、直ぐにいつもの……」

 

「あ、出来たらそのままで……」

 

「え?」

 

「その姿のせつ菜さんちょっと新鮮ですから」

 

「そ、そうですか////」

 

「はい、それにいつものせつ菜さんはかっこよくって可愛いのが、今はすごく可愛い感じですし」

 

「み、未唯さんは……その…………無自覚にそんなこと言うのは侑さんの影響ですか/////」

 

無自覚に?普通に思ったことを言ったんだけど…………

 

「さ、早速どこに行くんですか?」

 

「せつ菜さんが行きたいところに、私がいきたいところは最後で良いので……」

 

「それじゃ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に訪れた場所はアニメショップだった。

 

「この漫画おすすめですよ」

 

「本当ですか?」

 

「はい!読み始めると一気に読んでしまいます!今度貸しますよ」

 

「あはは、それじゃお願いします」

 

「あ、これは…………もう出ていたんですね!このアニメのBlu-ray!」

 

「あ、これ、私も見てます」

 

「本当ですか!」

 

「はい、子供向けのアニメなのにストーリーが……」

 

「そうなんです!それに戦闘シーンも熱くて」

 

「わかります!凄い気合いが入ってますよね!」

 

「はい!」

 

せつ菜さん、本当に好きなんだな~大好きなものに対してのせつ菜さんは子供みたいな笑顔を見せてくるから惹かれてしまう

 

 

 

 

 

 

 

それからせつ菜さんが行きたい場所へと行き、今はちょっと休憩中だ。

せつ菜さんは何か飲み物を買ってくると言って今はいない

 

「本当に今日だけで色んなせつ菜さんを見たな~」

 

一人でそう呟いていると……

 

「あ、あの……」

 

一人の女の子が声をかけてきた。灰色で肩までの髪の長さ、同い年みたいだけど…………

 

「高柳未唯さんですよね?スクールアイドルの」

 

「は、はい」

 

「わ、私……ファンなんです」

 

わ、私のファン!?まさかいるなんて…………いや、いるんだろうけど……こうして声をかけられるのは…………

 

「会えて嬉しいです!握手してください」

 

「あ、はい」

 

軽く握手をすると、彼女は本当に嬉しそうにしていた。

 

「私……高柳さんのステージを見て…………いつか私もって思い始めて……その……」

 

「スクールアイドル始めたくなったの?」

 

「はい、でも……その……自信がなくって……」

 

自信がないか……それは誰だってそうだけど……

 

「それだったら最初に見せたい人に見せようと言う気持ちでやれば良いよ」

 

「見せたいひとに…………」

 

「うん、私もそうだったから…………」

 

「そっか……ありがとうございます!」

 

「紗桜莉ちゃん~」

 

するとあっちの方でオレンジの髪の子が彼女の名前を呼んでいた

 

「あ、すみません、友達待たせてるので……」

 

「うん、また何処かで」

 

「はい、あ、私……相花紗桜莉って言います。それでは」

 

紗桜莉ちゃんか~あの子もスクールアイドルになって……いつかまた何処かで会うのかな?

 

「お待たせしました!ってどうしたんですか?」

 

「え?」

 

「何だか嬉しそうですよ」

 

「嬉しいですね……誰かにきっかけを与えられて……」

 

「?」

 

「今度話しますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の目的地にたどり着く。そこは…………

 

「ここって……」

 

「私が……ううん、あの日……私、侑お姉ちゃん、ぽむお姉ちゃんはここから始まったの」

 

あの日……私たちはせつ菜さんのステージを見て……ときめきを……夢を見つけた……

 

「そうでしたね……ここで私のステージを見て……侑さんはスクールアイドルに興味を持ち、歩夢さんも……未唯さんも…………」

 

「ここで私が今日、ずっと伝えようとしてきたこと伝えるね……」

 

私は一度深呼吸をし……せつ菜さんを見つめながら告げた

 

「私はせつ菜さんにずっと憧れてました」

 

「……はい」

 

「今まで……憧れのせつ菜さんと一緒に歩んできましたが……これからは違います…………これからは仲間として……ライバルとして…………せつ菜さんと…競いあいたい……ダメですか?」

 

「…………私の答えはわかってます…………」

 

せつ菜さんは髪をほどき、いつものせつ菜さんの姿になり…………

 

「未唯さん!これからはライバルとして仲間として未唯さんと……いいえ、みなさんと一緒に……頑張りましょう」

 

「はい!」

 

これからはライバルとして仲間として……一緒に…………

 

「せつ菜さん、大好きです」

 

「私も未唯さんが大好きです」

 

こうして新たな誓いを二人で誓うのであった

 

 

 

 

 

 

その日の夜、親が仕事でいないのでぽむお姉ちゃんが夕食を作ってくれることになり、私は手伝いながら今日の事を話した。

 

「そっか、そんなことがあったんだね」

 

「うん、憧れたままの気持ちを変えたんだ」

 

「ふふ、未唯ちゃん、本当に変わったね」

 

「そうかな?」

 

「そうだよ~」

 

「そっか」

 

本当にうれしい気持ちでいっぱいだ

 

「そろそろ出来るから侑ちゃんと苺ちゃん呼んでくるね」

 

「あ、侑お姉ちゃんにも声をかけたんだね」

 

「だってかけなかったらきっと後でさみしがると思うよ?」

 

うん、それは何かありそうだ

 

「あ、そうだ……今日ね、ファンの子にあったの」

 

「そうなの?」

 

「その子、私のステージを見て……スクールアイドルを始めたくなったんだって……それ聞いて嬉しくなっちゃった」

 

「嬉しく?」

 

「私にも……誰かの夢を……ときめきを見つけさせられたんだなって……」

 

「そっか、そうだね」

 

「よーし、まずは延期になったライブのために頑張らないと!絶対に見に来てね!」

 

「うん、みんなと一緒に行くね」

 

こうして私たちの夢はまだまだ続く…………もしかしたらこれから先新しいときめきが見つかるかもしれない。

 




と言う訳で、今回で虹白最終回!
外伝含んで割とこんな話数に…………

アニガサキ一期の話まででしたが、来年の二期始まるので、そちらも書く予定です。果たしてどんな感じになるのか…………

後、今回の話で出てきた紗桜莉はスーパースターのオリ主になります!その内新作として出ます

未唯ちゃんのこの話は終わりますが、翡翠の方はまだまだ続くのでそちらもよろしくお願いいたします

では新作、もしくは翡翠にてまた


感想待ってます!


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二期
01 消えた白い天使


アニガサキ二期一話。本当に面白かった。
その勢いで冒頭だけですが更新します!


吹き荒れる風、私は一人立ち尽くしていた。

あのトキメキが溢れたステージから時が経ち、私は…………

 

「未唯ちゃん……」

 

「行こう。私と一緒に……」

 

 

 

 

 

侑side

 

同好会のみんながスーツを身に纏い、向かってくる敵を凪ぎ払っていく。そして一人だけ黒いドレスを着た少女……高柳未唯はビルの屋上から落ちながら迫り来る巨大な物体に二丁のビームライフルを構え、発射する。その背中には白い翼が…………

 

「ねぇ、侑ちゃん」

 

「何?歩夢」

 

「何で未唯ちゃんだけドレスなの?」

 

「あー衣装あわせの時にスーツが似合わなくって……未唯も似合ってないし、何か一人だけ浮く感じがするからって……」

 

未唯だけは本当にドレスが何故かしっくり来ていた。

 

「確かに未唯さんだけスーツが似合ってなかったですね」

 

「何だか七五三みたいだったわね」

 

果林さん……それ言いすぎだよ……

 

「未唯も言い返さない……あ……」

 

私が未唯に話しかけるが、部室には未唯の姿はなかった。それもそのはずだよね……未唯は……

 

「未唯ちゃん、元気にしてるかな?」

 

「歩夢先輩と侑先輩は連絡取ってないんですか?」

 

「うん、メッセージは見てるけど……返信がね」

 

「未唯さんいないだけで……凄く淋しい『しくしく』」

 

「仕方ないですよ……未唯さんも残りたいと話していましたが……」

 

「やっぱり淋しいね……」

 

「何か愛さんまで悲しくなってきた……」

 

それほどまでに未唯はこの同好会に大切な存在だった。だけど……今は……

 

「遥ちゃんも苺ちゃんがいなくて……元気なかったよ……」

 

「何時までもくよくよしてられないわね。ほら、早くその紹介動画をオープンキャンパスまでに完成させないとね。何せ第二回スクールアイドルフェスティバルに向けての告知なんだしね」

 

「そうだね……うん!」

 

未唯……私たちは今も夢に向かって頑張ってるから……だから……心配しないでいいよ

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室

 

作業中の副会長の元に一通の手紙が届いた。

 

「これは……なるほど……会長には黙っていた方がいい案件ですね」

 

その手紙ともうひとつ一枚の紙が入っていた。その紙は………………

 

「すみません。実行委員会の三船栞子です。あの会議はここで?」

 

「あ、はい。合ってますよ」

 

「その手紙は?」

 

「あぁこれですか?心配しているみたいで……色々と対策を取ってほしいからと……」

 

「一体誰が?」

 

「それは……」

 

副会長の口から出された名前。栞子にはその名前に聞き覚えがあった。

 

「彼女ですか……」

 

「お知り合いで?」

 

「一度話したことがありましたが、その時とステージに立っている姿とは違う印象をもちました」

 

「それが彼女の魅力かもしれませんね」

 

「ですが彼女は……」

 

「えぇ残念ですが……」

 




今後の更新についてですが、外伝の方の更新スピードは落ちますが続けていきます
因みに冒頭のあの映像を見て、不意に未唯ちゃんはツインバスターライフルを持っているイメージが……
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02 オープンキャンパスの準備

今回も主人公不在でお届けします


侑side

 

朝、歩夢からのモーニングコールに目を覚まし、ベランダに出ると制服に着替え終えた歩夢が待っていた。

 

「ふわぁ…おはよ」

 

「おはよーまた遅くまでピアノの練習してたの?」

 

「まぁーね」

 

背伸びしながら答える私。流石にまだ眠いな

 

「あんまり無理すると未唯ちゃんに笑われるよ」

 

「歩夢…未唯は……」

 

「あ…ごめん」

 

あの日から未唯は私たちの前から姿を消した。あの時……未唯は必死になって…謝り続けていた

 

 

「未唯ちゃん……元気にしてるかな?」

 

「きっと元気にしてるよ……」

 

あまり考えないようにしてるけど、やっぱり未唯のこと考えてしまうな……でも今はそんなんじゃダメだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

制服に着替え、歩夢と一緒に学校へ向かう。

 

「音楽科の方はどう?もう慣れた?」

 

「まだ転科したばかりだからね~一学期分の補修もピアノも毎日弾いたほうがいいし」

 

「あんまり無理しないでね…」

 

「平気平気。やりたいことなんだから大丈夫だよ」

 

私は心配かけないように笑顔で答えた。あんまり無理したら歩夢が悲しんじゃうって、未唯に言われてるしね

 

「そういえば今日だっけ?」

 

「何が?」

 

「ほら、オープンキャンパスで講堂が使えるかどうかの抽選会」

 

「うん、かすみちゃんがはりきってたよ」

 

講堂でみんなの歌を発表できたらいいな~それにもしかしたら……ね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菜々side

 

生徒会室でオープンキャンパスの実行委員会が開催されている、私も生徒会長として頑張らないと……

 

『せつ菜さん、お姉ちゃんたちのことお願いしますね』

 

未唯さんにも頼まれたこともこなしていかないと

 

「二学期からは学校行事が目白押しとなりますが、その先駆けとなる虹ヶ咲のオープンキャンパスは毎年在校生全員で入学希望の中学生に向けた体験授業や部活紹介を行っています。円滑な運営を行うにはここにいる実行委員の皆さんの協力が不可欠です。一緒に良い行事にしていきましょう」

 

本来ではここには未唯さんもいたのですが……やはり残念です。未唯さんはいろいろと知識も豊富で何かに気が付いたら直ぐに指摘もしてくれる。本当に……

 

「今年はスクールアイドルの注目度も上がっていますし、盛り上がるかもしれませんね」

 

「そ、そうかもしれませんね」

 

あと副会長に私のことがばれないようにうまくサポートしてくれてもいましたね。未唯さんは……

すると副会長の隣に座っていた一年の……確か彼女は……

 

「普通科一年の三船栞子です。質問があるのですが?」

 

「どうぞ」

 

「部活説明会でスクールアイドル同好会が行う発表とはなんでしょうか?」

 

「次のスクールアイドルフェスティバルについての告知を行うそうです」

 

「それなら私も調べたことがあります。みんなの夢をかなえる場所。素晴らしい理念だと思います。学園の生徒の皆さんにとって良いイベントになるのなら、私もお手伝いしてみたいです」

 

「是非!お願いします!」

 

はっ!?気が付いたらせつ菜が出てしまった。うう、気を付けないと……

 

「ただ残念なのが……」

 

「はい?」

 

「高柳さんが出れないのが……」

 

「あ…」

 

三船さんというより、皆さん知っているみたいですね……

 

「高柳さんって確か……」

 

「急にいなくなったよね」

 

「病気?事故?」

 

「あの高柳さんの事を知っているのですか?」

 

「はい、一度お話をしたことがあり、その時にフェスを見に来てほしいと話してましたが……高柳さんのステージを見て……その…いえ、なんでもありません」

 

三船さん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

かすみちゃんから抽選会の結果を聞いた私たち。外れちゃったけど、仕方ないか。もともと部活の数が多く倍率の高かったし……

 

「実はフェスの告知映像を東棟の大きなスクリーンで流せることになったんです!時間は限られていますけど、宣伝効果はばっちりです!」

 

「すごいじゃ~ん」

 

これならもっといろんな人に見てもらえるはずだよね。するとしずくちゃん、璃奈ちゃんの二人は神妙な顔をしていた

 

「どうしたの?二人とも」

 

「侑先輩、一週間あるのならもっと映像のクオリティを上げられます!」

 

「せっかく見てもらえるんだから全力を尽くしたい」

 

二人は真剣だ。それだったら……

 

「そうだね!やろう!」

 

「私たちも負けずにオープンキャンパスの準備頑張ろうね」

 

「がんばるぞー」

 

『おぉーーーーーー』

 

 

 

 

 

 

 

それからみんなで準備を進めつつ、私はPVの方を手伝っていた

 

「やはり未唯さんの所は…この映像ではなく」

 

「あのミサイル百発分に耐えきれるビルをバスターライフルで誤差なしに撃ち続けるシーンを……」

 

「いや、普通にOK出したほうが……」

 

「私は……侑さんと歩夢さんの二人が幼馴染愛で合体技を放つ際の女神役のを……」

 

「三人とも……」

 

なぜか呆れる歩夢だけど、仕方ないじゃん。未唯の場合は結構な数とってあるんだし、この蝶の羽の所も捨てがたいし、青い衣装をまとったせつ菜ちゃんと黒いドレスの未唯が愛を語る戦いも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで一週間が過ぎ、遂にオープンキャンパスの日となった。

 

 

 

 

栞子side

 

入り口で案内図を配っていると、そこに……

 

「ただいま。栞子」

 

「ランジュ……久しぶりですね」

 

「早速で悪いんだけど……会いたい子達がいるの。案内してくれる?スクールアイドル同好会」

 

「スクールアイドル……」

 

 

 

 

 

副会長side

 

「搬送は済みました。はい、後は……とは言え貴方が送り続けてくれたものはどれも緊急時の……はい、はい、そうですね。分かりました」




次回あたり一話の話が終われたらいいな
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03 異国の来訪者

今回アニメとちょっと改変入れます


侑side

 

歩夢と一緒にチラシが入った段ボールを運びながら、懐かしんでいた

 

「今年もたくさん来てるね~あぁ、私たちも中学の時、来ればよかった」

 

「家から近いって理由であんまり考えずに決めちゃったもんね」

 

「まっ、結果オーライだったけどね。未唯も同じ感じだったし」

 

「未唯ちゃん、東雲と悩んだけどコインで決めたらしいよ」

 

流石は幼馴染であるというか……

 

「私もやりたいことちゃんと見つけられたしね」

 

「そうだね。侑ちゃん、この後は?」

 

「映像の編集に戻るよ」

 

「まだやってたの?」

 

「大丈夫。あと少しだから」

 

「音楽科も忙しんだよね?本当に両立できてるの?」

 

「あぁこの前の小テストは赤点取っちゃったけど」

 

「えぇ!?」

 

でもオープンキャンパス終われば、少し時間はできるしね。歩夢は心配してるけど、私は大丈夫というと…

 

「見つけた!」

 

「「ん?」」

 

誰かの声が聞こえた瞬間、

 

「廊下は走らないでください!」

 

「あなた、歩夢ね! 会いたかったわ!」

 

歩夢が突然見知らぬ女子に抱き着かれた。そして何だか私はもやっとしたものが?

 

「スクールアイドルをやるために、香港から短期留学で虹ヶ咲学園に来たの! よろしく!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず彼女ともう一人の友達の子を同好会のブースへと連れていき、みんなに紹介することにした。

 

「留学生?」

 

「スクールアイドルになるために香港から~」

 

「私と同じだ~」

 

「鐘嵐珠よ」

 

「留学生はもう一人いると聞いてましたが?」

 

「あの子は別にスクールアイドルに興味があるわけじゃないから、学校のどこかにいるはずよ」

 

「そうですか。ではわたしはそろそろ持ち場に戻らないといけないので」

 

「謝謝、助かったわ。持つべきものは幼馴染ね」

 

「どれでは同好会の皆さん、後ほど東棟の方で」

 

ランジュちゃんの幼馴染の三船さん、何だか礼儀正しい子だったな……

 

「でも、スクールアイドルなら、他に有名な高校はいくらでもあるのに、どうして虹ヶ咲に?」

 

「スクールアイドルフェスティバルの動画を見たからよ! すっごくときめいたわ!」

 

そっかランジュさん。興味を持ってくれたからわざわざ来てくれたんだ。何だかうれしい

 

「それぞれが、自分のやりたい事を表現していて、輝いていて、アタシもあのステージに立ってみたいって思った! 高校生の今しかできないから、だから、ここに来たの!」

 

「すっごく嬉しいよ! ようこそ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会へ!」

 

「この後、次のフェスの告知映像を流すんだ! 見ていく?」

 

「本当!? 見る見る!」

 

「沢山集まってもらえるように、チラシ配らないとね!」

 

そういえばここにいない子たちは……せつ菜ちゃんは運営の仕事だし、しずくちゃんたちは……まだ編集してるみたいだ

 

「私も二人のところに戻らないと」

 

「ダメです!三人揃ったらまたこのシーンが気になるってなるにきまってます!かすみんに任せてください!」

 

かすみちゃんがそう言って急いで部室へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チラシ配りを終えたあと、ランジュちゃんと一緒にスクリーンへと向かうことになった

 

「スクールアイドルフェスティバルは、好きっていう気持ちさえあれば、誰でも参加できるようなお祭りにしたいんだ…どんな部活に入っててもいいし、入ってなくてもいい……ニジガクの生徒じゃなくたっていい…色んな人達が好きを伝え合えればいいなって!」

 

「ふーん。面白い事言うのね。ところで気になっていたのだけど、あなたは新人アイドル? フェスの動画にはいなかったから?」

 

「私はスクールアイドルじゃないよ」

 

「え? どうしてスクールアイドルじゃないのに同好会にいるの?」

 

「私はスクールアイドルから夢をもらったんだ。だから今は、夢をくれたみんなを応援したくて、同好会にいるんだ…」

 

「私も同好会のみんなも、侑ちゃんや沢山のファンに支えてもらえてるから、スクールアイドルでいられるの!」

 

「ファンがアイドルを支える、ね……」

 

ん?ランジュちゃん?

 

「そういえば今日はいないの?高柳未唯は」

 

「あ、未唯は……」

 

「来てないの……」

 

「ふーん、あの噂は本当だったみたいね」

 

「「噂?」」

 

「色々と流れてるわ。スクールアイドルをやめたとか転校したとか……まぁ会えないならいいわ」

 

ランジュちゃん……

 

 

東棟に移動して、出来上がったデータを貰って早速告知PVを流すけど……あれ?この流れてる映像って……

 

「ももも、もしかして…」

 

「かすみさん、これ使わない方の映像データだよ」

 

「間違えた」

 

映像を切り、集まってくれた人たちの様子を見るが、みんな移動し始めてる。私と歩夢は三船さんに時間をずらせないかと頼み込むが……

 

「すみません。特別扱いはできないんです。ここに集まった人の多くはスクールアイドルだけを見に来たわけじゃありません。残念ですが……」

 

「どうすれば……」

 

「無問題ラ! 任せなさい!アタシが出るスクールアイドルフェスティバルに、ケチがつくのをただ見ている訳にはいかないわ!みんなをここに釘付けにすればいいんでしょ?ミア!」

 

「はいはい」

 

ミアと呼ばれる子。この子がもう一人の留学生?ミアは機材をいじろうとした瞬間、

 

「すみません、ちょっと弄らせてもらいます」

 

今度は黒髪に毛先が白が交ざった見知らぬ子がミアさんが座ろうとしたところを割り込んだ

 

「ちょっと!貴方……」

 

「完了です!あとは……」

 

「侑お姉ちゃん、ぽむお姉ちゃん、荷物よろしくね」

 

「「え?」」

 

白い髪の少女が私たちの横を通り過ぎた。見慣れたはずなのに、私と歩夢は懐かしさを覚えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

副会長side

 

東棟の影のところで私は密会をしていた

 

「来たみたいですね」

 

「それで準備は?」

 

「何事もなく」

 

「それじゃ私は……」

 

「ところでその子は?」

 

「あぁちょっとした事情でね…あ、始まるみたいですよ」

 

スクリーンに映し出されたのは告知pvではなく……あれはNGシーン?

 

「まさか本当に……」

 

「はぁ仕方ない。でも手は打ってあるから……うら、あそこに機材とかがあるから」

 

彼女は紹介しようとした子に指示を出した。まさか本当に貴方の予想通りですね

 

「予想じゃないけどね。あくまで念のために用意していたことだから……」

 

彼女は微笑みながら、駆け出した。本当に帰ってきたみたいですよ。同好会のみなさん、彼女が天使が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

のんびりしてから部室でサプライズしようとしたけど、仕方ない。この場を動けるのは私だけだからね

 

「初めまして、皆さん。高柳未唯です!ちょっとした手違いでPVが流れなくて残念ですが、お詫びに私のステージをお見せします!」

 

久しぶりの虹ヶ咲でのライブ。私の歌を聴いて、帰ろうとした人たちが足を止め、夢中になってくれている。

何だか本当に久しぶりだからテンションが上がってきたけど、歌い終わると知らない子が近寄ってきた

 

「あなた……」

 

「貴方も歌いますか?」

 

「いいわ。貴方が釘付けにした人たちを私が釘付けにしてあげる!スクールアイドル・鐘嵐珠のデビューステージよ! 伝説の始まりを心に刻みなさい!」

 

もしかして新しく入部した人かな?凄いな~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「未唯!」

 

「未唯ちゃん!」

 

無事PVも流し終えるとお姉ちゃんたちが抱き着いてきた

 

「ちょ、苦しいよ」

 

「いつ帰ってきたの!」

 

「連絡しても返事なかったし」

 

「あはは、色々とあってね」

 

とりあえず苦しいから抱き着くのをやめてほしいのだけど、すると一人の子が声をかけてきた

 

「高柳さん、申し訳ありませんが講堂以外の場所で歌うのは禁止です。あとで反省文を」

 

「えっと、そのことなんだけど、事前に許可を取ってあるよ」

 

「「「はい?」」」

 

私はカバンから一枚の紙を見せた。それは申請書だった

 

「いつの間に……」

 

「これは……副会長の印ですね。わかりました。では反省文はランジュに」

 

「ちょっとなんで」

 

「この申請書は高柳さんだけの名前しか載ってないからですよ」

 

「むぅ、分かったわよ」

 

ランジュさんは納得し、えっと三船さんはまだ仕事があるといい去っていくけど……あの子前にあった子だよね?

 

「それにしてもスクールアイドルをやめたはずなのに、戻ってくるなんてね」

 

「はい?私やめたことになったの」

 

私はお姉ちゃんたちやかすみちゃんたちのことを見るが首を横に振っていた

 

「どういうこと?」

 

「未唯は親戚の葬式で休学してたんだよ」

 

「確かすぐに帰れるはずだったのが、親族会議が始まったから休学してたんだよね?」

 

「まぁ会議って言っても、ちょっとした飲み会だったし……それでえっと……」

 

「まぁいいわ。私もライブができたし、それに……アタシも出られんでしょ? スクールアイドルフェスティバル!」

 

「当ったり前じゃん!」

 

「みんなでやろうよ!」

 

「歓迎するよ! 同好会へようこそ!」

 

「入部はやめるわ。あなた達とは考え方が違うみたいだから」

 

「え? どういう事?」

 

「アタシは誰よりも、みんなを夢中にさせるスクールアイドルになりたい。アイドルがファンに夢を与えるのは、素晴らしい事よ。でも、与えるだけでいい。誰かに支えられなきゃパフォーマンスもできないアイドルなんて、情けないわ」

 

「ちょっと!」

 

「スクールアイドルフェスティバルには、鐘嵐珠個人として申し込んでおく。この同好会では、アタシの夢は叶いそうにない。だから1人でやってみせる。もう一度聞くわ、侑。あなたはどうして同好会にいるの?アタシはスクールアイドルにトキメキを感じて、やりたいと思ったから、ここまで来た。でも、あなたの夢はスクールアイドルじゃないのよね?だったら同好会を離れて、その夢を真剣に追い求めるべきよ」

 

何だか険悪なんだけど……というかそもそもこの人……

 

「確かに、ランジュちゃんはすごいよ。ライブでも言葉でも、あんなに堂々と自分を表現できて……でも、やりたい事をやりたいって気持ちだったら、私だって負けてないつもり!今はまだ全然だけどね…私だって、私のやり方で、この同好会で夢を叶えたいって思ってる!」

 

「それは、私達だって一緒だよ!」

 

「みんな、自分がやりたい事をやるために、ここにいる」

 

「アタシは、アタシの正しさを、スクールアイドルフェスティバルまでに証明してみせるわ! スクールアイドルフェスティバルで一番注目を集めるのは、このアタシよ!」

 

「望むところだよ!」

 

「楽しみが増えたね!」

 

「そこでお互いのパフォーマンスをぶつけ合いましょ。バイバイ」

 

かっこよく去っていくけど、いや私の疑問に答えてほしい。

 

「あの……まずあなたは誰!」

 

私がそう言った瞬間、転びそうになっていた。いや、自己紹介まだだし

 

「そうね。私は鐘嵐珠よ。覚えておきなさい」

 

「鐘さんですね。では私から色々と……先ずはもしも同好会を陥れたり、廃部に追い詰めようとしたりしたら…部を設立して同好会から何人か引き抜こうとしたりしたら…私は許さないです」

 

「ふぅん、会ったばかりなの…に……」

 

「それと何だか勝ち負けを決めるような事を言ってましたが、スクールアイドルフェスティバルはそういうものじゃないですよ」

 

「そ、そう……わ、分かったわ」

 

鐘さんは去っていくと、今度はみんなが抱き着いてきた

 

「みい子~本当にありがとう」

 

「これで全員がそろいましたね」

 

「寂しかった『うるうる』」

 

「やっぱりみーちゃんがいないとゆうゆたちもダメみたいでさ」

 

「まぁこれで二人も安心ね」

 

「二人じゃなくって私たちも寂しかったから、安心だよ」

 

「それに遥ちゃんも喜ぶよ」

 

「ちょ、苦しい……いろいろと話す前に紹介しておきたいんだけど」

 

『紹介?』

 

何とか解放され、私は彼女をみんなに紹介した

 

「私の親戚で今度からここに転入してくる高柳うらだよ」

 

「は、初めまして」

 

「親族会議で決まってね。家で一緒に住むことになったの。だからよろしく」

 

 

 

 

 

 

 

ランジュside

 

あの高柳って子、噂通りだったわ。パッと見そこまで上手いわけではないのに……あの時圧倒的にあの場にいた人たちを魅了していたのは私ではなく、あの子だった。あれが虹ヶ咲の天使……

ただそれと気になるのは……

 

「あの時、何で私は恐れたのかしら?」

 

何故か宣言されたとき、この子に逆らったら……痛い目を見ると思ってしまった。何者なのよ……あの子は……

 

 

未唯side

 

 

うらの事も紹介できたし……あ、そうだ。いい忘れてた。

私はみんなの方を見て、笑顔で……

 

「ただいま」

 

『おかえり』

 

 




ちょこちょこ副会長が連絡を取っていたのは未唯という。

未唯の場合はもしものときのために色んな申請書を出していたという……
後々外伝の方にある話とこちらで裏で動いていた未唯の話をやります

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04 うらと未唯

今回は新キャラのうらについてと未唯が裏で色々していたことについてやります


うらside

 

私の名前は高柳うら。特別金持ちと言うわけではなく、普通の一般家庭だ。

ただ今は……家族は私一人だけになった。

結婚記念日と言うことで、二人で旅行に行っていたけど……その時事故で亡くなった。

そして残された私が今直面している問題は……誰が私を引き取るかだ。

まだ高一の私を一人暮らしさせるのは大変だろうと言う話なのだろうが…………

よくドラマやアニメとかである私の扱いについて揉めていた。そう……揉めているのだが…………

 

「うらちゃんは家で引き取るわ!」

 

「いいえ、家で引き取ります!」

 

「家が」

 

「家が!」

 

揉めてはいるけど……何だか思っていたのとは違う!?

 

「どうかしたの?うらちゃん」

 

「苺ちゃん、いや、思っていたのとは違うことがあるんだなって……」

 

この子は高柳苺ちゃん。従姉妹の一人で同じ歳だから割と仲良しである。

 

「まぁあっちの方はお母さんたちが決めるだろうし……私たちは遊んでようか」

 

「苺ちゃんたちも大変だね。付き添うことになって」

 

「これぐらいは……まぁ未唯姉の方が大変だよ」

 

 

未唯ちゃん……苺ちゃんの双子の姉で今はスクールアイドルをやっている。そんな未唯ちゃんはと言うと…………

 

「そうですね……講堂で行われないとしたら、講堂での申請書等は破棄してもらっていいですか?」

 

『はい、後は……』

 

「後は告知PVが流れなかった場合のことを考え、もしものために東棟でのライブ許可を取りますね」

 

『名前は高柳さんの名前で?』

 

「そこはまだ未記入の方がいいかもしれないですけど……うん、私の名前の方がいいですね」

 

『それにしてもそこまで対策をしていていいのですか?』

 

「まぁ何事もなく終われば私の徒労で終わりますが……対策をしておいて損はないですよ」

 

『なるほど……分かりました』

 

未唯ちゃんは電話を切ると、私たちに気がついた。

 

「まだ話し合い終わらない感じ?」

 

「うん、まだ言い争ってる」

 

「そっか~」

 

「未唯姉はオープンキャンパスの件?」

 

「うん、向こうにいなくても……やれることはやっておきたいからね」

 

未唯ちゃんは本当に凄い。色々と対策を練るようにしてる。苺ちゃんの話ではスクールアイドルを始めたことで自然とそう言う仕事を出来るになったとか……幼馴染みの対応でそうなったとか…………

 

「さて、後は予習を……」

 

「今度は勉強って……未唯姉、忙しいね」

 

「まぁやっておいて損はないし……」

 

未唯ちゃんも苺ちゃんも何だか楽しそうだな…………今揉めてる問題……私のわがままを通せるかな?一応言ってみよう

 

 

 

 

 

 

 

私は親族会議中に割って入った。

 

「あの!私……未唯ちゃん達と暮らしたい!」

 

大声でそう言うとみんな、きょとんとした顔をしているけど……えっ?ダメだった?

 

「いいわよ。うらちゃんがそうしたいって言うのが一番だからね」

 

そう言ったのは未唯ちゃんたちのお母さんの逢さんだ。

こうして私は未唯ちゃんたちの家に住むことになった。因みに転入手続きがあるため、暫くは未唯ちゃんたちに勉強を見てもらうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして未唯ちゃんは驚かせたいからと私を連れて、搬入物の中に隠れて、虹ヶ咲に潜入…………って

 

「普通に入らないの!?」

 

「いや、何かこう言うのやってみたくって」

 

そんな理由なの?と言うか手引きしたこの副会長さんもノリノリだし

 

「特に問題が起きていないみたいですし、高柳さんはどうします?」

 

「部室にいようかな?普通にいた方がいいかもしれないし」

 

そんなことを言っていたけど……トラブルと言うもの起きるみたいだ。だけど未唯ちゃんは私に機材の操作を頼み、トラブルを解決した。

話に聞いていたけど……未唯ちゃんは本当に……凄い。まるで天使みたいだ

私も未唯ちゃんみたいに出来ることを見つけられたらいいな。

 




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05 帰ってきた未唯

虹ヶ咲二話……良かった。エモかった


朝、目を覚ますと身体が動かなかった。なんだろう?もしかして金縛り!?でも金縛りにしては……どうにもおかしい……なんだろう?両隣から寝息が……

 

「すぅ……すぅ……」

 

「すぅー」

 

私の両脇に……ぽむお姉ちゃんと侑お姉ちゃんの二人が……あぁそうだった。昨日はお泊まり会をしていたんだった。

私が帰ってきてからというもの、何故か色々と距離が近くなったような……かすみちゃんいわく寂しかった反動だとか……それにしてはちょっと……

 

「お姉ちゃんたち、起きるよ……」

 

「う~ん、あともう少し……」

 

「すーすー」

 

起きる気ないのかな?どうしたものか……と扉の方を見ると……

 

「「//////」」

 

苺ちゃんとうらちゃんが顔を赤らめて、お母さんは……

 

「あらあらやるわね。未唯」

 

「誤解だからね!」

 

変なこと言わないでほしいのだけど…………

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

「ごめんね。未唯ちゃん」

 

「あはは、なんと言うかね。ついね」

 

「本当に……帰ってきてから大変なんだけど……」

 

学校に登校中、私と手を繋ぐお姉ちゃんたち。これ、本当に反省してる?

 

「未唯姉は本当にモテるからね。覚えておいた方がいいよ。うらちゃん」

 

「う、うん……」

 

「苺ちゃん、うらちゃんが誤解するからね。と言うか聞いたよ!遥ちゃんに抱きつかれたって!」

 

「あ、あれは……その////」

 

彼方さんから聞いた話では、苺ちゃんの姿を見た瞬間、遥ちゃんが抱き締めていたとか……

 

「その///寂しかったからだからね」

 

「そう言えば未唯ちゃんは放課後補講?」

 

「ううん、予習はしてあるから、誰かしらにノートを見せてもらうから大丈夫って先生に言ったから大丈夫」

 

私が休んでいる間、授業が何処まで進んだか次第だけど…………

 

「それじゃ、未唯姉、侑姉、歩夢姉、うらちゃん、私はここで」

 

苺ちゃんと別れて、私たちは学校へと行くのであった。

 

 

 

 

 

 

うらちゃんとは職員室で別れ、私たちは部室に行こうとすると

 

「高柳さん、少し良いですか?」

 

「はい?えっと……三船さん?」

 

「すみません。余計なお世話かもしれませんが……こちら、高柳さんが休学中のノートです」

 

「わぁ、ありがとう」

 

三船さん、優しいな~そう言えば改めてお礼を言わなきゃ

 

「三船さん、あの」

 

「それでは……失礼します。上原さんと高咲さんもあまり高柳さんを困らせないように」

 

三船さんはそう言って去っていった。お礼を言いそびれた……うぅ

 

「それじゃ未唯!朝練頑張ろうか」

 

「そう言えば未唯ちゃん、この間のライブ見てて思ったけど、レベルアップした?」

 

「どうだろう?何だか色々と久しぶりだったから……テンションとか上がったからかな?」

 

今まで以上のパフォーマンスを出せたような……あれってなんなんだろう?

 




勢いで書いてるので短めです!

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06 お誘い

そういえば侑ちゃん寝そべり手に入れました。触り心地良すぎる


今日の活動は第二回スクールアイドルフェスティバルの懸案事項について話し合うことになったけど……あの「ケン」は誰が書いたのだろうか?いや、あぁいう風に書くのがお洒落だったりするのかもしれない

 

「未唯ちゃん、なんか変なこと考えてる?」

 

「気のせいだよ」

 

何というかぽむお姉ちゃんに考えが読まれるなんて……

 

「内容的には前回をベースにする形でいいと思うんだけど」

 

「賛成でーす」

 

「いいと思う~愛さんもやりたいことまだまだたくさんあるよ~」

 

「私も」

 

「一番怖いのは天気ですね」

 

「確かに…あの時は未唯ちゃんが裏で動いてくれてたからステージが濡れずに済んでたけど」

 

「流石に天気は読めないからね……前の時は私が何とかしたけど、今回はステージに出るからサポートとか無理だし……」

 

天気をどうにかするなんてこと、普通に考えて無理だろうしね。そんな雨雲に向かって『晴れろーーー』なんて言って晴れたりすることなんてできないし……

 

「全て屋内ステージにできればいいんだけど……」

 

「その場合大きな場所を探す必要がありますね。参加者も前回より増えそうですし」

 

「うーん、ぜいたくな悩みですね」

 

「じゃあ~これも窓に飾ろうよ~」

 

そういって彼方さんが取り出したのは彼方さん型のテルテル坊主?

 

「てるてる坊主だよ~遥ちゃんと二人で作ったんだ~」

 

「可愛いです」

 

「窓辺に飾っておこうよ」

 

「もしくは全員分作っておく?」

 

それだったらきっと効果もすごいことになりそうだしね

 

「いいね~」

 

そんな私たちの様子を侑お姉ちゃんは微笑ましく見ていた。

 

「東雲と藤黄からは参加決定の連絡も来てたし、そっちの打ち合わせもしないとね」

 

段々と進んでいくスクールアイドルフェスティバルの準備。本当に楽しみだな~

するとエマさんのスマホにメッセージが入った。

 

「どうしたの?」

 

「ほかの高校でスクールアイドルをやってる友達からなんだけど、私たちと合同ライブやりたいって」

 

『合同ライブ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早速その合同ライブをやりたいと提案してきたスクールアイドルたちと打ち合わせをすることになった。

 

「YG国際学園スクールアイドル部部長ジェニファーと」

 

「副部長のラクシャータです」

 

金髪でおさげの子がジェニファーさんで褐色の子がラクシャータさんか……

 

「YG国際学園…」

 

「海外からの留学生が多く在籍する高校ですね」

 

「うん、二人とは留学生が集まるネットコミュニティで知り合ったんだ。お互いスクールアイドルやってるって分かって」

 

「すっごく盛り上がったよね」

 

「もちろんスクールアイドルフェスティバルに参加したいです」

 

結構好印象だ……まぁエマさんの知り合いだからなのか信用も信頼もできそうだな。

 

「それでお互いのことをよく知りたいなって思って」

 

「だから合同ライブ?」

 

「いいですね!私たちもYG国際学園のステージ見たいです!」

 

「決まりね。昨日のランジュのステージもすっごく良かったし、みんなのステージも楽しみ!」

 

ランジュ……鐘さんのことか。未だによく分からないというか私的の距離感がつかめてないから鐘さんって呼んでしまう。というかみんな、ライブをやったこと知らなかったからか固まってる

 

「ん?どうしたの?」

 

「ショウ・ランジュがライブをやったんですか!?」

 

話を聞くとゲリラライブだったらしく、ジェニファーさんたちも途中からしか見られなかったらしい。

そして二人は鐘さんが同好会にいないことを不思議そうに思っていた。せつ菜さんは少し考え方が違うと説明はするけど……

 

「んー?」

 

「どうしたの?未唯ちゃん」

 

「鐘さん……何で私のこと……」

 

あることを言いかけたけど、やめた。まだ確信を持てないし、何というか気のせいだったら嫌だしね。

 

「あなたが高柳未唯さんね」

 

「見たわよ、あなたのライブ。まさに天使を思い浮かばされたわ」

 

「て、天使なんて…そんな……」

 

「照れなくていいのに~」

 

「うぅ、あ、そうだ!うらちゃんに学校医を案内することになっていたから、私はそろそろ行くね」

 

そう言って私は部室を後にするのであった。というか最初に天使って通り名をつけたのは誰なんだろう?結構恥ずかしい

 

 

 

 

 

 

 




基本的には未唯ちゃんは親しくならないと、名前では呼びません。現時点では警戒心マシマシです

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07 合同ライブに向けての準備

うらちゃんの学校案内をして行くうちに、ちょっと落ち着いてきた。

 

「どうしたの?未唯ちゃん?」

 

「あーまぁ色々とね。うらちゃんは部活入るところ決めたの?」

 

「うーん、一応は」

 

同好会に入ってほしいと言うべきだけど、こう言うことは本人が決めないとダメだからね。無理強いは良くないよね。

ふっとエマさん、かすみちゃん、果林さんの三人が鐘さんと話しているのが見えた。私はこっそりとうらちゃんと一緒に聞き耳を立てた

 

「お断りするわ」

 

「即答ですか……」

 

もしかして合同ライブに参加しないか聞いてみたのかな?

 

「小規模のライブなら1人でもできるって分かったしね。私は自由にやりたいの」

 

「でも…」

 

「それにあなたたちと同じステージに立つのはスクールアイドルフェスティバルまで取っておきたいの」

 

あくまで一人でやっていくつもりなんだ……なんと言うか一匹狼みたいな感じだ。

 

「用がそれだけなら私はもう行くわ」

 

鐘さんはそう言って、去っていくけど……なんだろう?どうにも不安が拭えない。特に誰かに迷惑をかけているとかじゃないのに……

 

「未唯ちゃん、どうしたの?」

 

「ううん、何でもないよ。ただちょっとね」

 

「なんですかあの態度~!」

 

「想像通りじゃない。エマ、仲間はずれにしたくないって気持ちは分かるけど…」

 

「鐘嵐珠には負けてられません!私たちも合同ライブに向けて準備を進めましょう!」

 

かすみちゃんの言う通り、今は目の前の事に集中しないとだけど……エマさんはどうしてあんなに気にかけてるんだろう?

 

「それで?未唯ちゃんたちは何をしてるのかしら?」

 

あ、聞き耳を立ててたのバレてた。

 

「何か邪魔したらダメかなって……」

 

「こ、こんにちわ」

 

「あ~うらちゃん。うらちゃんは何処に入るか決めたの?」

 

「は、はい……その……」

 

「もしよければスクールアイドル同好会に……」

 

かすみちゃん、私もそれは思ったけど……

うらちゃんは首を横に振り、

 

「自分に合ってるかなって思って科学部に入ります」

 

『えっ?』

 

科学部に……科学部って……あの科学部だよね?

 

「結構設備とか揃ってるみたいだから!色々な実験が出来るみたいだし!」

 

「えっと……そっか~」

 

「まぁ、うらちゃんはしっかりしてるから大丈夫よね」

 

「み、みい子、大丈夫?」

 

「う、うん……」

 

科学部……璃奈ちゃんが部長さんと仲良しだけど……私はちょくちょく被害に遭ってるというか……なんと言うか…………うらちゃんがいれば大丈夫だよね?うん

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで合同ライブに向けて、練習や打ち合わせが始り……

歌う順番を決めることになった。

 

 

「まずは歌う順番を決めましょうか」

 

「はいはーい!1番はやっぱりかすみん!」

 

「ちょっと待った~!愛さんも最初がいい!」

 

「私もトップバッター希望です!」

 

「彼方ちゃんも~」

 

「私も」

 

「おぉ!りなりーやる気だね!」

 

「もちろん」

 

「私は……一番で!」

 

みんなやる気満々だし、私も一番で歌ってみたい。ふっとエマさんの顔が目に入った。何だか浮かない顔を一瞬してたけど……

 

「りな子負けないよー!」

 

「彼方ちゃんも~」

 

「じゃあ間を取って私が1番やろっかな」

 

気のせいだったかな?でも気になる……

 

「全然間取ってないじゃ~ん」

 

 

 

 

 

 

 

そして告知ポスターも出来上がり、みんなで見ていた。

 

「我ながらいい出来」

 

「うんうん!」

 

「侑先輩は音楽科の補講ですか?」

 

「うん。今日は小テストだって」

 

侑お姉ちゃん、本当に忙しいというか……無理してないよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

小テストを受けていると、一人の女の子が入ってきた。確かあの子って……ランジュちゃんと一緒にいた……

 

「遅刻ですよ ミア・テイラーさん」

 

「いいでしょ。来たんだから」

 

「ねぇミア・テイラーって…」

 

「ウソ。あのテイラーファミリー?」

 

教室にいた子達がこそこそ話してるけど……有名な子なのかな?

 

「静かに。もう一度弾きましょう」

 

「いいよ。廊下まで聞こえてたから」

 

もしかして絶対音感を持ってるの?それはそれで凄い……

するとミアちゃんは私に声をかけてきた。

 

「鉛筆貸してくれる?」

 

「はいどうぞ」

 

「Thanks」

 

ミアちゃんは直ぐに答案用紙に答えを書き出し、教卓の前に解答用紙を提出した

 

「Bye」

 

「ミアさん待ちなさい」

 

なんと言うか……凄い子だ……

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

そう言えば三船さんにノートを返さないと……確か文化祭の実行委員をやってるから、生徒会室かな?

 

「あれ?未唯ちゃんも生徒会に?」

 

「うん、三船さんいるかなって……ぽむお姉ちゃんは?」

 

「申請書出しに来たの。折角だから一緒に行こう」

 

「うん」

 

お姉ちゃんと一緒に生徒会室に入るとせつ菜……今は菜々さんと三船さんがいた。

 

「失礼しまーす。申請書を持ってきました。今大丈夫でした?」

 

「構いません。ちょうどスクールアイドルフェスティバルのことを話していたんですよ」

 

「えっ?どうしたんですか?」

 

「文化祭とフェスの日程が近くなりそうで両方に参加する生徒の負担が増えるんじゃないかと文化祭実行委員の三船さんと相談していたんです」

 

「そうなんだ」

 

日程調整とかも結構大変みたいだ……まぁどっちも疎かにしちゃダメだよね。

 

「高柳さん、上原さん、スクールアイドルのライブを楽しみにしている人もたくさんいますし万全の形で開催できるようアイデアを出してみますね」

 

「ありがとう」

 

「あ、三船さん、これ借りてたノート。ありがとうね」

 

「いえ、私は当然の事を……ただ高柳さんには余計なお世話だったかなと」

 

「そんなことないよ。一応は予習していたけど、三船さんのノート……凄く分かりやすかったし……三船さんありがとうね」

 

「い、いえ////」

 

 

 

 

 

 

生徒会室を後にした私たち。ぽむお姉ちゃんは三船さんに話しかけていた。

 

「そういえば三船さんはランジュちゃんと友達なの?」

 

「はい。家が近かったので彼女が香港に行くまではよく一緒に遊んでいました」

 

「そうなんだ。ゲリラライブには行ったの?」

 

「いいえ。事前に連絡が来ていなかったので」

 

「そっかー今度私たちもライブやるんだけどもしよかったらどうかな?」

 

「考えておきます」

 

三船さんって……結構不思議というか……前に会ったときは真面目であんまり表情を崩さない感じだったけど、何かぽむお姉ちゃんと話していると凄く和らいでる。

 

「あ、三船さん、あのときはありがとうね」

 

「あの時……いえ、私は特に何も……高柳さんが自分で答えを出したみたいですしね」

 

「それでも話を聞いてくれたから……お礼を言いたくって……ありがとう」

 

「いえ////」

 

何か私……顔を背けられてるけど……何でだろう?




アニメ一話だと栞子ちゃんが無表情なのが二話だと和らいでるのを見ると……歩夢ちゃんの事が好きなのではと思ってしまう
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08 ランジュを知るために

今回、うらのあることが……


うらside

 

どうも高柳うらです。名前の由来は何処かの地方の一人称とか

ここ虹ヶ咲に転入してから数日が経ったけど、思っていたよりも直ぐに馴染めた。理由としては親戚である未唯ちゃんのお陰だったりします。

そんな私は科学部部長に頼まれてあるものを探していると、見知った人たちが歩いているのを見つけた。

 

「結局ミアって子 満点でさ」

 

「へぇー!」

 

「ネットで調べたんだけどテイラーファミリーって世界的な音楽一家であの子も期待の新人作曲家って話題になってるみたい」

 

「すごいね」

 

「しかも今14歳なのに飛び級で高校3年生なんだって」

 

「へぇー…えっ14歳!?やばっ!」

 

「まいっちゃうよねぇ」

 

「侑さん、こんにちわ」

 

「あれ?うらちゃん」

 

「科学部の活動中?」

 

えっと宮下さんだったけ。未唯ちゃんがお世話になってる人のことを覚えないとな~

 

「はい、お二人はライブの準備ですか?」

 

「そうだよ。うらちゃんも見に来てね」

 

「はい、それでお二人が話してたのって、あそこにいる子ですか?」

 

私が指を指した方を二人が見ると、二人が話していたミアちゃんと……猫?

 

「ほら、怖くないよ」

 

ミアちゃんが触ろうとすると、猫は逃げ出してしまった。

 

「あ、おい」

 

猫は私たちの方に近寄ってきた

 

「よしよし」

 

「ネコ好きなの?」

 

「別に」

 

「気持ちいいかい?はんぺん」

 

「その子はんぺんって言うの?」

 

「うん。一緒にご飯あげる?」

 

そんなこんなで何故か一緒にご飯を上げることになった。まぁいいか。頼まれたものもそうそう見つかるわけないし……

 

 

 

 

「ねぇランジュちゃんの曲ってあなたが作ったの?」

 

「そうだけど」

 

「素敵な曲だった!」

 

「どうも」

 

「曲作りだけじゃなくて一緒に留学してくるなんて仲いいんだね」

 

「日本に来たのは気まぐれさ。それに僕とランジュは友達じゃない」

 

「えっ?どういうこと?」

 

「彼女は僕の曲を歌いたい。僕は彼女を通して作った曲を広めたい。僕自身をみんなに認めさせるためにね」

 

「要するにビジネスパートナーってこと?」

 

「まぁそんなところ、と君は前にあの未唯って子と一緒にいた子だね」

 

「はい、うらっていいます。ビジネスパートナーか……あれ?ミアちゃんは有名音楽家の娘さんだから……」

 

そんな子がランジュさんのパートナー関係なのか?普通ならそんな有名な家系の子に曲作りをすると言うことは……

 

「ランジュさんとは……お金の関係?」

 

「何でそうなるか分からないんだけど……まぁいいや、See ya」

 

否定しないということはやっぱり……お金の関係なのかな?

 

「うらっちって、面白いね」

 

「まぁ未唯曰く色々と勝手に考えては結論を出して、それが答えだと思ってるみたいだよ……所でうらちゃんは何か探してるの?」

 

「へっ?あぁ、忘れてました。何だがある生徒が作った特殊な料理を探してきてほしいって」

 

「「特殊な料理?」」

 

「料理の部類に入らないけど、薬の調合に使えるとか……確か夏休みに廃棄された紫色のシチューみたいなものらしいですけど……」

 

「紫の……」

 

「シチュー」

 

あれ?何か思い当たることがあるのかな?

 

「とりあえず、後で未唯に持たせるよ」

 

「本当に?ありがとうございます。侑さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

今日の分の準備が終わり、そろそろ帰ろうとすると、璃奈ちゃんと彼方さんの二人を見つけ、声をかけようとすると、エマさん、かすみちゃんの二人ともばったり出会った。

 

「あ、三人とも何してるんですか?」

 

璃奈ちゃんはスマホを私たちに見せた。これって鐘さんの……

 

「あ、これって…」

 

「ランジュさんのファンサイト」

 

「もうできてるの!?」

 

流石というべきか……鐘さんの活動とか聞いてる地道に頑張ってる感じだからこその結果なのかな?

 

「気になる?」

 

「そ、そんなわけないじゃないですか」

 

彼方さんはかすみちゃんに抱きつきながらそう聞いていた。かすみちゃんは否定するけど、気になってる感じがすごく伝わる。

 

「彼方ちゃんは気になるなぁ~」

 

「アルバイトありますよね!?」

 

「今日は休み~」

 

「私も見たい」

 

「えっ!?」

 

「ランジュさんの歌すごかったから」

 

「ぐぬぬ…でもライブの時間も場所も分からないんじゃいけないよねぇ…」

 

するとタイミングがいいのか鐘さんが帰っていく姿を見つけた。エマさんは直接聞こうとするが……

 

「どうしても行くなら……」

 

かすみちゃんが提案した内容は…………

 

 

 

 

 

 

「なんでスパイみたいになってるの?」

 

「鐘嵐珠にライブ見せてなんてお願いするの恥ずかしいじゃない」

 

だからってこのサングラスにマスクだと余計に怪しい感じがするのは気のせいかな?

 

「このままついていけばライブ会場にも行けるし、むふふっ。あわよくば弱点を見つけられるかも」

 

「それはどうかなぁ…」

 

「行きますよ!」

 

 

 

 

 

 

最初に訪れた場所は駄菓子屋だった。何か普通に楽しんでる?

 

「梅ジャムせんべいだ」

 

「美味しそう~」

 

「遥ちゃんにお土産買ってこ」

 

「エモエモで尊みが深いねぇ」

 

「そんな言葉誰に教わったんですか」

 

それ、多分せつ菜さんだと思う。

 

今度はおみくじを引く鐘さん。どうやら大吉が出たみたいだ。

 

「わ~!」

 

「大吉を引いたみたいですね」

 

「彼方ちゃんはこの前 吉だった」

 

「私は大体大吉」

 

「私はいつも末吉なの」

 

「私は超吉引いたよ」

 

「「「超吉!?」」」

 

何百分の確率で出てくるらしい超吉。多分それで運を使った感じがするのは気のせいだと思いたい

 

 

 

次に訪れた場所は……

 

「むむむっ。今度はデザートビュッフェ」

 

「ライブ前の腹ごしらえかな?」

 

「お菓子ばっかり食べてる」

 

「アイスはすぐ溶けてなくなるから大丈夫だよ」

 

「そういう問題じゃありませんよ!目的完全に忘れてませんか?」

 

目的?はて?なんだっけ?




次回で二話の話も終われるかな?
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09 お互いの意見

鐘さんが次に訪れた場所は……ゲーマーズだった。何かのグッズを買いに来たのかな?

 

「お買い物?」

 

「本当に今日ライブやるんですか?」

 

確かに、ここまで来るとライブをやる感じはしない。ライブに関してはあくまでファンサイトの噂みたいなものだし…………

 

「あっ!あったわ!」

 

鐘さんが手に取ったのは、私たちのグッズだった。と言うかいつの間に……

 

「あれは…」

 

「私たちのグッズが出てる!」

 

「くう~!同好会もついにここまで来たんですね~!」

 

「あとでみんなに教えてあげよ」

 

「というか買わなきゃ」

 

「あれ~?未唯ちゃんのないね」

 

「あ、ランジュさん、店員さんに聞いてる」

 

「すみません。高柳さんのものは作られてなく」

 

「そうなの?」

 

「作ろうにも写真など写らず……」

 

あぁなるほど……そう言うことか

 

「写真とか撮られるの嫌いなの?」

 

「なんと言うか自然に写らないようにしてるから……ほら、私なんかよりみんなの方が可愛いし」

 

なんて笑顔で言うと……

 

「みい子もかわいいじゃん!」

 

「そうだよ!未唯ちゃん、可愛いよ」

 

「今度未唯ちゃんの写真集を作ろう!」

 

「それいいね。侑ちゃん提案してみるね」

 

何でそんなことに!?

 

結局鐘さんは9人分を買っていくのであった。え?私の写真集?折角だから侑お姉ちゃんと一緒に作るならと言う話になった。

 

 

 

 

 

次に訪れた場所は広場だった。もしかしてここで?

 

「もしかしてここがステージ?」

 

場所を選ばない……まさにゲリラライブって事か

 

「よく来たわね!今日もランジュがみんなを夢中にさせてあげる!」

 

現れた鐘さんは早速ライブを始め、集まった人たちを直ぐ様魅了していった。本当に凄い人だ

 

 

 

 

 

 

ライブも終わり、私たちはベンチで話していた。

 

「なんか凄かった」

 

「これからどんどん人気出てくるよね」

 

地道に頑張ってる人は本当に凄いな……

するとライブを終えて帰る鐘さんにばったり出会した。

 

「あ、来てたのね」

 

「わぁ!えっとこれはたまたま通りかかっただけというか…」

 

着けていたなんて言えないよね。

 

「そんなことどうでもいいわよ。見に来てくれてありがとう」

 

うーん、本当に私が思っていた感じより何かいい人な感じが…………

 

「そうだ今からみんなでうちに来なさいよ!」

 

「へっ?」

 

 

 

 

 

 

鐘さんの提案で私たちは鐘さんの家を訪れた。なんと言うか……マンションなのに凄い豪華だった。と言うか一部屋がトレーニングルームって……

 

「さぁ飲んで」

 

出されたお茶を飲む私たち。けっこう美味しい

 

「一人で暮らしてるの?」

 

「えぇ。人を招いたのはあなたたちが初めてよ。ねぇどうだった?ランジュのステージ」

 

「そ、それは…」

 

「とってもよかった」

 

「本当にみんなランジュちゃんに夢中になってたね」

 

「うん、凄かった」

 

私が素直な感想を言うと何故か鐘さんは嬉しそうにしていた。

 

「そうよ。これが私のやりたいスクールアイドル。鐘嵐珠は集まってくれたファンに最高のパフォーマンスを見せる。そしてファンは鐘嵐珠のステージに満たされる。私に注目するみんなの顔を見るのは最高の気分よ!きっかけをくれたあなたたちには感謝してるわ。でも私はこれからも同好会とは違うソロを追求していく!私自身を証明するためにね」

 

本当に……凄い目標だけど、鐘さんなら本当に出来そう。

するとエマさんが突然話を遮った。

 

「本当にそれでいいの?」

 

「えっ?どういうこと?」

 

「ランジュちゃんは本当に1人でやりたいの?」

 

「決まってるでしょ。私はソロでやりたいの。そのために日本に来た。もし同好会に入ってたら今みたいに自由なステージだってできなかったわ」

 

「できるよ。同好会はそんな場所じゃないよ。もしそうだったら私はスクールアイドルを続けられなかった」

 

「だからランジュちゃんはランジュちゃんのままで一緒にやれるはずだよ」

 

「一緒にしないで。変なことを言うのね。あなたたちも同じスクールアイドルでしょ。なのに人のことばかり気にして」

 

「私は自分の足で高みに登りたいの。ファンと一緒なんて言ってる同好会に入ったらパフォーマンスにも悪影響が出るわ」

 

「ランジュちゃんそんなことないよ」

 

「そこまで言うなら証明してみせてくれる?スクールアイドルならやり方は分かるわよね?」

 

「…………」

 

どっちの言い分も分かる。鐘さんのやり方だってあるし、私たちみたいにファンと一緒にだって言うのも分かる。

ただ……

 

「鐘さん」

 

「何かしら未唯?」

 

「私はどっちのやり方に関しては特に何も言わないけど、ちゃんと同好会の事を知った上で同好会のやり方とか言ってほしい」

 

「……それに関しては謝るわ。だけど今の私からしてみれば、同好会に入っても自分のやり方ではなく、あなたたちのやり方を押し付けられる。自由にできない。そう思ってるわ」

 

「それで証明してって事ですね」

 

「そう言うことよ」

 

「分かりました。それともう一つ、鐘さんは逆の立場だった場合、私達が同じことを言ってきたら……どうします?」

 

「…………そうね。同じことを言うかもしれないわ」

 

そっか……この人はちゃんと考えてるみたいなんですね

 

「分かりました。変な事を聞いてすみませんでした。ランジュさん」

 

「あら、ランジュって呼んでくれるって言うことは認めてくれたことでいいのかしら?」

 

「認めるというより、警戒しなくてもいいかと」

 

「ふふ、本当に面白いわね」

 

 

 

 

 

 

ランジュさんの家を後にした私達は近くの公園で話していた。

 

「一体どういうことですか?大体どうして鐘嵐珠にお節介するんです?果林先輩だって言ってたじゃないですか」

 

「エマちゃん結構前から気にしてたよね」

 

「最初は私と同じスクールアイドルになりたくて日本にまで来た子だから気になってた。でもランジュちゃんを見ていたら本当のことを言ってないんじゃないかって思えたんだ」

 

「ほぇ?」

 

「彼方ちゃんもそう思ったよ。ランジュちゃんが言ってたこと分かることもあるけど分からないこともあるよね」

 

「私もそう思う」

 

「無理に同好会に入ってほしいわけじゃないんだ。もしかしたら全部勘違いで余計なお世話かもしれない。でも1つだけハッキリしてることがあって……ランジュちゃんは私たちが作ったスクールアイドルフェスティバルがきっかけでここに来てくれたってこと、だから放っておくことなんてできなくて。ちゃんと向き合いたかったんだ」

 

「分かりました。まぁ実を言うとかすみんもちょっとだけ鐘嵐珠のことを気にしていたんですよ?私たちであの人の本音を引っ張り出してやりましょう!そしてもし"同好会に入りたいですぅ~"って言ってきたら全力で歓迎してやるんです!だって同好会は色んなアイドルがいられる最高の場所なんですから」

 

「うん!」

 

私達でか……あれ?私もその中に入ってるのかな?そう思いながら鉄棒で回っていた。

 

「やっぱりかすみちゃんはいい子だね~」

 

「バカにしてませんか?」

 

「してないよ~」

 

 

 

 

 

それから四人はブランコに乗りながらどうするかを話していた。

 

「でもさっきの感じだと話しても無理そうですよね」

 

「だからスクールアイドルらしい方法でやるしかないんだよ」

 

「うん。ライブで」

 

「ライブですか?」

 

「ランジュさんのライブやっぱりすごかった」

 

「そう?今になってみたらかすみんはちょっと物足りないかなって」

 

「ん?」

 

「パフォーマンスは確かにすごかったけどファンとの距離?がもっと近い方がよかったかな」

 

「それってファンのみんなと気持ちをつなげたいってこと?」

 

「つながりか…私たちのライブはソロだけどどこか一緒って気持ちあるよね」

 

「うん。仲間もファンもね」

 

「かすみんたち普段はバラバラなんですけど前のフェスティバルでは同好会みんなで歌いましたよね」

 

「あれは楽しかった」

 

「あの時はみんなの気持ちが揃ってたからね」

 

「ねぇ今度の合同ライブ五人でやってみない?」

 

5人?へ?

 

「一緒にやったらもっともっと伝えられる気がするの」

 

「うん、やろう」

 

「あ、あの、私も入ってるの?」

 

「うん」

 

「当たり前だよ」

 

「未唯ちゃんも入れて、五人でね」

 

「未唯ちゃんはやなの?」

 

いやという訳じゃないけど……私的にはその……

 

「足を引っ張っちゃうかもしれないよ」

 

「それでも未唯ちゃんと一緒にやりたい。ダメかな?」

 

「もしも今後ユニットとして活動することがあるかもしれないけど~未唯ちゃんは今回だけでもいいから」

 

「やろう!みい子」

 

「うぅ……分かった」

 

こうして私はかすみちゃんたちと一緒に今度のライブに出るのであった。

 

 

 

 

 




こちらではユニットに一時的に未唯ちゃんが加入する感じになります
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10 妹二人

三話も良かった。今回もちょっとした幕間から


苺side

 

どうも。高柳苺です。今日は遥ちゃんからのお誘いでお泊まりに来てます。

 

「うーん、衣装の費用とか考えるとやっぱりこれぐらいの方が」

 

「そうだよね~全員同じ衣装ってなるとこっちの方がいいよね」

 

普通におしゃべりしたりとかではなく、今日は衣装について話していた。そもそも私はスクールアイドルではなく、マネージャーとして入部している。だから私なりに勉強して色々と頑張ってる

 

「衣装はいいとして、やっぱりステージ演出には拘りたいよね」

 

「そうだね。みんなも言ってるね。部費で足りる?」

 

「まぁ色々と頑張れば……後はうらちゃんに頼むか……」

 

「うらちゃん?」

 

「ほら、私の親戚で、今は虹ヶ咲に通ってる子だよ」

 

「あぁお姉ちゃんに聞いたよ。苺ちゃんたちに似てるんだよね」

 

「そ、そうかな?」

 

私は……未唯お姉ちゃんやうらちゃんみたいになんでも出きるとかないけどな~

 

「どうかしたの?」

 

「えっと、私だけ何も出来ないなって……」

 

ちょっと自信なくなるな~私なりに頑張ってるけど……これと言ったものがない。

すると遥ちゃんはちょっと怒った顔をしていた。

 

「苺ちゃん!そんなことないよ!」

 

「へ?」

 

「私が振り付けが上手く出来なかった時に、励ましてくれたり、出来るようになるために色々としてくれたでしょ。みんなも同じことを言ってたよ」

 

そ、それは……その……

 

「皆が元気なくなるのは嫌だから……ほら、それに……遥ちゃんは笑顔の方が可愛いから……暗い顔なんてさせたくない」

 

「ま、苺ちゃん////」

 

あれ?何か物凄く恥ずかしいことを言ったような……うぅ未唯お姉ちゃんのがうつったかな?

 

「えへへ、どう?苺ちゃんは皆を支えてくれる東雲の天使なんだからね」

 

「あ、あの……その天使って……一体誰が言い出したの?」

 

「えっと……最初は未唯ちゃんのステージを見た人が天使みたいだって言ったらしく、そしたら苺ちゃんの事が知れ渡って……」

 

そんな……私の事まで認知されてるの!?そっちが驚きだよ!?

 

「その内、スクールアイドルのマネージャーが可愛いって特集が組まれるんじゃないの?侑さんと一緒に」

 

「いやー侑姉は難しいと思うよ」

 

「そうなの?」

 

「あの人、自分は可愛くないって思ってるところあるから」

 

なんと言うか可愛いって言われたら、『歩夢の方がかわいいよ』って言いそうだし……

 

「うーん、ちょっと勿体無いな~それじゃ今度苺ちゃん、写真撮ろう」

 

「そこでなんで私になるの?」

 

「苺ちゃんの写真集を部の資料として作ろうかなって」

 

そ、それは勘弁してほしいのだけど…………

 

「そ、それだったら遥ちゃんの方が可愛いから遥ちゃんの方がいいよ」

 

「いやいやいや、苺ちゃんの方が……」

 

「いやいやいやいや」

 

それからお互いにかわいいを言うのであったが、私たちの会話を聞いていた人が……

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

ある日の部室で……

 

「未唯ちゃん!昨日遥ちゃんと苺ちゃんがお互いに可愛いって誉めあってたんだけど……これってあれかな?姉として何か言った方がいいかな?」

 

「あの、なんでその事を私に?」

 

ため息をつく私であった

 




近江ママ……美人過ぎません?
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11 四人と一人

三話本当に良かった


ランジュさんに認めてもらうために、かすみちゃん、璃奈ちゃん、彼方さん、エマさんの四人はユニットを組むことになった。私も最初は一緒にやろうという流れになっていたけど、足を引っ張ってしまうのではないかと思い、断わったが押し負け…今回だけという話になった。

そんな私たちは合同ライブに向けて、練習を頑張っていた。

 

『ニジガクーーーファイオー』「ファイオー」

 

「彼方先輩、タイミングずれてますよ」

 

「おー?ごめんごめん」

 

まずは息を合わせるために頑張る私たちだけど……でも、これ大丈夫かな?

 

 

 

侑side

 

私たちはかすみちゃんたちの練習を見守っていた。

 

「張り切ってますね」

 

「でも大丈夫かな?合同ライブまで時間ないのに、四人で歌うなんて」

 

「四人が決めたことなら私たちは応援するのみです」

 

「ですね」

 

「愛さんたちもがんばろーーー」

 

あいちゃんも張り切ってるな~でも未唯が心配していたこと…大丈夫かな?いやいや未唯も言っていたから大丈夫だ。それに

 

「私も急がないと……いつまで経っても追いつけないや」

 

「ん?」

 

「ううん、何でもない」

 

かすみちゃんたちのほうは未唯に一任してもいいよね。うん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

テラスで私たちは集まり、衣装について話していた。

 

「てなわけで、五人でお揃いの可愛い衣装を着ましょうよ」

 

「わ~すごくいいね。みんな、着ぐるみで踊ろうよ~」

 

「えっと、着ぐるみ?」

 

確かに着ぐるみなら印象もばっちりだけど……向いてないような気がする

 

「それならバーチャル空間でライブしたらどうかな?そこなら自由に変身できるよ」

 

「夢の中ならなんでもできるよ~五人いるならステージに五台並べられるね~」

 

「ライブ中に寝るつもりですか!というか五代は多すぎです」

 

「それじゃ~未唯ちゃんは彼方ちゃんと添い寝で~」

 

「そ、添い寝!?」

 

それは結構恥ずかしいというか……何だろう彼方さんとエマさんと添い寝をしたら……本当に寝てしまいそう

 

「みい子も考えない!」

 

色々と話し合うが、全然気持ちが揃わない。まぁここは何となく予想はしていたけど

 

「全然気持ち揃わないじゃないですか~」

 

「このやり取り、前もした気がするよ~」

 

「合同ライブまで一週間しかないのに……これじゃランジュちゃんどころかファンのみんなと盛り上がれるライブにもできないよね」

 

「はぁやっぱり五人でやるなんて無茶だったんですかね?」

 

「無茶じゃないとは思うよ……」

 

「みい子?」

 

「前までなら無理だったけど、今ならできると思うしね」

 

「未唯ちゃんのいう通り、あと一週間ある。一日一人ずつ時間をかけて、自分のやりたいことを発表しあうのはどうかな?」

 

なるほどね……たしかにそれならこのユニットの問題も解決できるかもしれない。

 

「そうすればお互いのことをもっと知ることができると思う」

 

「いいねそれ~」

 

「うん、やろう」

 

「流石りな子」

 

みんなが璃奈ちゃんに抱きつき、璃奈ちゃんはボードで顔を隠しながら更に提案した

 

「部活の時間だけじゃ足りないからだから……みんなの家に順番で泊っていって合宿しよう」

 

「うんうん、いいね。それ」

 

「未唯ちゃんはアイディアを出してもらうより、私たちのアイディアに対して何か指摘してほしい」

 

「そんなのでいいの?というか口を出していいの?」

 

「今回、未唯ちゃんはゲストとしてこの四人に加わる。未唯ちゃんは足を引っ張ってしまうと心配していたからこんな感じになったけど、それでも今だけは私たちは同じユニットで仲間だから。それにね未唯ちゃんなら何となく答えを出してくれそうだから」

 

私が答えを出す?そんなことあるかな?

 

「ふふん、みい子の事は私たちがよく知ってるからね。みい子以上に」

 

「いやいや、そんなかすみちゃん……大見え切らなくても」

 

「みい子がたまにしず子の着換えを見て、同じ年なのにって気にしてたり」

 

「うっ!?」

 

「部室に置き忘れたボードをつけたり」

 

「はぅ!?」

 

「たまに私に膝枕してもらいたそうに見てたりとか?」

 

「妹の事がすっごく大好きで、たまに迷惑かけてないかって心配して聞いたりしてるもんね~」

 

「ご、ごめんなさい。私が悪かったです」

 

本当によく知ってたよ……というかしずくちゃんに対してのあれは、本当に同じ年なの?って思って自分のと比べただけだし……

 

そんなこんなで最初は私の家に泊まることになった。

 

というか連絡しておかないと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




因みに何処かで言ったかもしれませんが、未唯ちゃんは栞子ちゃんと同じサイズです。未唯ちゃんにとって将来的には歩夢ちゃんサイズになりたいと思っています
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12 みんなの家にお泊まり!

早速合宿が始まり、最初のお泊まり先である私の家にかすみちゃんたちがやって来た

 

「「「いらっしゃい」」」

 

「今日はお世話になるね」

 

「おぉ~苺ちゃんとうらちゃんだ~」

 

「お久しぶり……ではないですね」

 

「苺ちゃんはよく彼方さんの家にお泊まりしてるんだっけ?」

 

「そうだよ~未唯ちゃんも今度は姉妹で泊まりに来てね~」

 

「あはは、考えておきます」

 

「うら子は学校馴染んだ~」

 

「はい、未唯ちゃんのお陰で」

 

私のお陰というか……うらちゃんの性格が成せるものだと思うけどな~

 

「あれ?未唯ちゃんのお母さんは?」

 

「キッチンにいるよ」

 

私はかすみちゃんたちが来たことを呼びに行くと、直ぐに出てきた。

 

「いらっしゃい。いつも娘の未唯がお世話になってます」

 

「若っ!?」

 

「若いというか……背が小さい感じが……」

 

「未唯ちゃんと変わらないくらい?」

 

「あらあら、嬉しいわ。若いだなんて」

 

いや、お母さんの場合、背の低さが……まぁそこまで低いって訳じゃないけど……とりあえずまだ夕飯が出来るまで時間があるから、私の部屋で待つことに

 

 

 

 

 

 

「おぉ、みい子らしい部屋だ」

 

「私らしいって……何?」

 

「なんと言うか……イメージ通りって言うかね」

 

「あ、侑さんと歩夢さんとの写真もある」

 

「未唯ちゃん、小さい頃は何だか本当に天使みたいだね」

 

「本当だ~それに苺ちゃんとの写真もあるよ~」

 

「あの、あんまり見ないで欲しいのだけど……恥ずかしいし……」

 

でもこうやって昔のことを知ってもらうのは良いことかもしれない。

 

「私、お母さんの手伝いをして来るから……アルバムとか見てていいよ」

 

そう言って私は部屋を出ていくのであった。

 

 

 

 

 

 

かすみside

 

みい子の了承も得たことだし、アルバムを……

 

「おぉ、やっぱり侑先輩って、小さい頃は男の子っぽい感じなんですね~」

 

「歩夢ちゃんは大人しい女の子って感じだね」

 

「よく見ると未唯ちゃんはこの頃は歩夢さんにべったりだったんだ」

 

「本当だ~歩夢ちゃんの服の裾を握ったりしてるね~」

 

今のみい子は二人とも好きって感じだけど、この頃は歩夢先輩にべったりだったのか~

次のページを捲ると……

 

『………………』

 

私たちはアルバムを閉じた。何?今のは……みい子が両手に水鉄砲を持って、公園にいた同じ年の子をびしょ濡れにしてたような…………

 

「えっと……今のはなんですかね?」

 

「その、はしゃいでる写真かな?」

 

はしゃいでるって言うより、敵を容赦なく撃退してる姿が…………

 

「未唯ちゃんってたまに凄い怖いときがあるって侑ちゃんが言ってたような……」

 

「未唯ちゃんは昔からゲームとか好きだからたまに遊ぶけど……性格が変わる……それに前にオンラインゲームのFPSをやったときなんか…………」

 

「りな子……それ以上は言わないで……」

 

何だか触れてはいけない気がする。いや、たまにみい子の事を『無慈悲な天使』って呼ぶ声があるから、なんだろうとは思っていたけど…………

 

私たちはみい子の過去に少し触れ、何とも言えない空気になるのであった

 

 

次の日、私は歩夢先輩にみい子のあの写真について聞いた。

 

「え?未唯ちゃんの子供の頃?」

 

「はい……みい子が水鉄砲を持って……」

 

「あぁそれは……ちょっと色々とあって未唯ちゃんが活躍した日のことだね」

 

「その色々って……」

 

「うーん、この話は未唯ちゃんが恥ずかしがるから……ごめんね。話せなくて」

 

みい子……本当に何者なんだろう?でもこれ以上気にしてたらあとが怖いから止めておこう

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

次の日の合宿先はかすみちゃんの家になったけど、昨日のあの気の使われようはなんだったんだろう?うーん、アルバムに変なの載ってなかったし……まぁいいか

 

「見た目のイメージは大事です。だからやっぱり衣装を決めましょう。服飾同好会からカワイイ衣装をたくさん借りてきましたよ!」

 

と言うことで皆でいろんな衣装を着ることになった。最初は不思議な国のアリスみたいな服を……

 

「じゃ~ん」

 

「キュルルルル~ン」

 

「みい子、やっぱり白い衣装似合うね~」

 

「えへへ、ありがとう」

 

次の衣装は魔法使い……と言うより魔法を使う妖精みたいな衣装だった。

 

「え~いっ」

 

「マジカル~!」

 

「未唯ちゃんは本当にこういう服が似合うね~」

 

「なんと言うか……着ててしっくりすると言うか……」

 

次は小悪魔衣装だけど……私のだけなんか……変な感じが……

 

「お~?」

 

「ニッヒッヒ」

 

「あの、こういうのは……」

 

スカート短いし、変に背中が開いてるし……

 

「うーん、みい子はセクシーキュートは難しいね。でもみなさんすっごく可愛いですよ」

 

「そう?」

 

「じゃあ皆さんこれでステージに立ちましょう!」

 

これの衣装で……流石にそれは……彼方さんたちも何となく思っていたのか直ぐに着替え……

 

「いや~ステージは厳しいかなぁ」

 

「ちょっと恥ずかしい」

 

「着ぐるみならいいけどね」

 

「あぁ~!」

 

だよね……

 

「みんなノリノリだったじゃないですか~!」

 

「ごめ~ん」

 

「ふふふっかすみちゃんは5人でもカワイイ感じにしたいんだね」

 

「だって彼方先輩もエマ先輩もりな子もみい子もすっごくカワイイからそれをもっと引き出してあげたいんですよ~」

 

「そうなんだ~」

 

「もう!真面目に聞いてくださいよ~!」

 

「聞いてるよ~」

 

かすみちゃんは本当にみんなの事を考えてるし、いい子だよね~

 

するとエマさんが本棚からあるものを見つけた。

 

「あ、それってもしかしてかすみちゃんのアルバム?」

 

「それはまだ整理中のやつで!」

 

「未唯ちゃんのも見たし……」

 

「うんうん、かすみちゃんのも見よ~」

 

「あぁーーーー!!」

 

アルバムを開くとこれは……小学校の入学式の写真?可愛いけど、何か不機嫌そうだ

 

「カワイイ~!」

 

「それは全然かわいくないです~!」

 

「そんなことないよ~」

 

「ありますよ~」

 

こうして夜が更けていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せつ菜side

 

文化祭とフェスの件について生徒会室で話し合っていた。

 

「先日話していたスクールアイドルフェスティバルの件ですが文化祭と合同開催にするのはいかがでしょう?」

 

三船さん……中々いいアイディアですね

 

「合同開催ですか」

 

「かなり思い切ったアイデアですね。学園の承認が取れるでしょうか?」

 

「可能性は十分です。現在フェスティバルの参加希望者は全生徒の過半数を超えていますから」

 

「他校のスクールアイドルやファンが参加できる仕組みを作るなどいくつか課題も…」

 

「そちらの方はお任せください。学園に掛け合ってみましょう」

 

「三船さん素晴らしい提案をありがとうございます」

 

「三船さんもスクールアイドルが好きなんですか?」

 

「私はただ私の適性に沿って動いているだけです」

 

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

打合せが終わり、少し学園の見回りをしようとすると……

 

「あ、栞子」

 

「ランジュ」

 

ランジュもこっちに来て馴染んでいるみたいですね……

 

「スクールアイドルの方はどうです?ライブをしたと聞きましたが」

 

「試しに何度かやってみたけど大成功だったわ」

 

「さすがランジュですね」

 

「次はもっと大きい規模でライブをやろうと思ってるの……その…来てくれるわよね?」

 

「もちろんです」

 

「うん!」

 

ランジュも本当に頑張っているみたいですね。ふと私は合同ライブのポスターが目に入った。

 

「そういえば私このライブにも誘われたんです。ランジュは行くんですか?」

 

「えぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

次のお泊まり先は彼方さんの家だ。

今回の議題はステージについてだ。確かにユニットで歌うとなるとステージもユニットにあったものにするしかないよね

 

「ファンのみんなと一緒に楽しめるステージを考えた方がいいよね」

 

「賛成」

 

「そういうわけでステージの案を考えました!ドドン!」

 

「これもうステージじゃなくて枕じゃないですか!」

 

枕型のステージ……新しい感じがするけど……

 

「みんなとすやぴできる夢の空間だよ~」

 

「気持ちよさそうだね」

 

「確かにいい夢見られそう」

 

「寝ちゃダメだって!」

 

話し合いが進んでいくと、遥ちゃんが声をかけてきた

 

「晩ご飯ができましたよ~!」

 

『はーい!』

 

「ごめんね。遥ちゃん、お手伝いできなくって」

 

「未唯ちゃん、今日はお客さんなんだから気にしないで。でも本当に姉妹だね」

 

「へ?」

 

「苺ちゃんもお泊まりしに来るときいつも同じこと言ってるよ」

 

あ、あはは……まぁ姉妹だからと言うか……なんと言うか……

 

「さぁ召し上がれ」

 

「わぁ~!」

 

「おいしそう!」

 

凄い豪華だ……というか彼方さんのお母さん……凄く美人だ。と言うか本当に親子だな~彼方さんにも遥さんにもそっくりだ

 

「あ、私ご飯よそうよ」

 

「いいから」

 

「今日は座ってて」

 

「私とお母さんでやるから」

 

「ごめんね。料理手伝えなくて」

 

「何言ってるの。かなちゃんがせっかくお友達連れてきてくれたんだもの。こんなときくらい母親らしいことさせて」

 

なんと言うか……彼方さんって普段はしっかりしてる感じなのに、お母さんの前だと子供っぽくなるな~

 

「ささっ。冷めないうちにどうぞ」

 

『いただきまーす』

 

早速食べると……うん、美味しい

 

「ボーノ!」

 

「おいしい~!」

 

「その卵焼き私が作ったんです」

 

「やりますねぇ!」

 

「お姉ちゃん直伝です!あ、そうだ。お姉ちゃん私の制服にアイロンかけてくれたんでしょ。ありがとね」

 

「あぁシワになってるとこあったから~あ、りなちゃんお口についてる」

 

「あっ」

 

「は~い。これでよし」

 

彼方さん…正にお姉ちゃんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うらside

 

うーん、見当たらないな~まぁ時期的に無理そうだし……諦めるか

すると噴水の所に侑さんがいたけど、どうしたんだろう?空を眺めて……

 

「侑さん、どうしたんですか?」

 

「あ、うらちゃん、ちょっとね……ってわっ!?はんぺん」

 

何処からかやってきたはんぺんが侑さんの膝の上に乗ってきたけど……何だか逃げてきた?

するとはんぺんを追いかけるようにミアちゃんが猫じゃらしを持ってこっちにやってきた

 

「待ってよ」

 

「ミアちゃん」

 

「あっ……ミアちゃんってなんだよ。僕は先輩だよ」

 

「えへへ」

 

先輩?えっと……14歳だよね?飛び級してるって話だけど、日本では無理だけど……うーん、どういうことだろうか?

 




次回もうらちゃんパートになります
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13 みんなに届け!

今回で三話の話終了!


うらside

 

はんぺんと遊ぼうとしていたミアちゃん。侑さんは課題について悩んでいて、その事をミアちゃんが相談に(相談にのってほしいと)乗ることになった。私も一応話を聞くことに……

 

「補講で教わったことおさらいするので精一杯でさ。作曲はやってみたかったんだけど自分でいいと思えるメロディーが全然思い浮かばないんだよ」

 

「別に自分がいいとかどうでもいいんじゃない?」

 

「えっ?」

 

「求められるものに忠実に応えるのが音楽さ」

 

流石はプロ……答えも何だかプロみたいだ。

 

「相手が先生なら教わったことを守ればなんとかなるよ」

 

「求められるものを…」

 

「僕が言えるのはそれだけさ。じゃあねベイビーちゃん」

 

そう言って去っていくミアちゃん。うーん、何か聞き捨てならないことがひとつあった。

 

「ミアちゃん」

 

「何?」

 

「侑さん……赤ちゃんじゃないよ」

 

「はぁ?」

 

いくら飛び級していても流石に年上にそう言う呼び方はダメだと思う。

 

「別に誰をどう呼ぼうとボクの勝手だよね?」

 

「勝手だけど、ちゃんとしてないとダメだと思う。流石にミアちゃんは侑さんの事をあかちゃんに見えたりはしてないよね?」

 

「あのね……ベイビーちゃんって呼び方は『まだ音楽に触れ始めた初心者』って意味を込めたんだよ」

 

「なるほど……それならまだ……何かごめんね。いちゃもんつけて」

 

「全く……君の親の顔を見てみたいよ」

 

「あ、私、親いないよ」

 

「へっ?」

 

「あーごめんね。うらちゃんは両親が事故で……」

 

「…………sorry」

 

申し訳なさそうに謝り、去っていったミアちゃん。あんまり気にしないでほしいのに…………

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

今日のお泊まり先は璃奈ちゃんの家だ。今回の議題は気持ちが通じ合えるかだけど……

 

「第1問。赤い果物といえば?」

 

「りんご」璃奈

 

「いちご」彼方

 

「さくらんぼ」かすみ

 

「パッションフルーツ」エマ

 

「ドラゴンフルーツ!」私

 

「なにこれ?」

 

「5人の気持ちを揃えるためのゲームを考えた」

 

「どういうこと?」

 

「確かにこれならだけど……揃わないね」

 

「次。第2問 虹ヶ咲学園といえば?」

 

「スクールアイドル同好会」

 

「学科がたくさん」

 

「校舎がキレイ」

 

「みんながいる場所」

 

「果林ちゃんが迷う」

 

果林さん……未だに迷うんだ……

 

「あはははっ!」

 

「全然揃わないね」

 

「案外難しいもんだね」

 

「揃うまでやる」

 

「えっ?」

 

「第3問 お台場といえば」

 

「レインボーブリッジ」

 

「ビーナスフォート」

 

「ジョイポリス」

 

「自由の女神」

 

「大盛りの牛丼屋さん?」

 

「どこですかそれ!エマ先輩合わせる気あります!?」

 

「あるよ~?」

 

「絶対ウソです!」

 

「えへへ~」

 

「まだやる!」

 

これ、揃えるの難しくない?特に私たちじゃ……

 

「全然揃わないよ~」

 

「彼方ちゃん疲れた~」

 

「私も~」

 

「私たちやっぱりバラバラですね。3回もお泊まりしたのに~このままならソロでやった方がいい結果になるんじゃないですか?それに合同ライブは鐘嵐珠だけじゃなくてファンの皆さんや私たち自身も楽しめなきゃ意味ないですし」

 

「その通りだよね~」

 

「私たち4人だからできることって…」

 

「なんなんでしょう?」

 

「難しいよね……気持ちを揃えるのは……」

 

「みい子?」

 

「私たちの場合は個性が強いって言うのが一番の武器だけど、弱点でもあるから……」

 

ユニットに関しては私も難しいと思っている。まぁこれは最初の頃せつ菜さんたちが揉めた理由でもあるからあまり言いたくなかったけど……

 

「だよね……」

 

「でも私は何となく出来ると思うよ」

 

「「「「へっ?」」」」

 

「今の私たち……ううん、同好会ならきっとね」

 

 

 

 

 

 

 

次の日の同好会にて、私が出した答えについて、かすみちゃんたちは考えていたけど……未だに理由が分からずじまいで疲れていた。

 

「大丈夫かしら?」

 

「う~ん…」

 

「はぁ…」

珍しい……侑お姉ちゃんもため息ついてる……

 

「ん?侑さんも何か悩まれているんですか?」

 

「うん…」

 

『あっ!』

 

「大丈夫!?」

 

「大丈夫なの!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「ええっ!?」

 

そりゃみんな、心配するよ。あのお姉ちゃんが悩みがあるなんて言われたら……

とりあえずお姉ちゃんの悩みについて聞くことに……

 

「課題うまくいってないんだね」

 

「ミアちゃんにアドバイスしてもらったんだけど…でもやっぱりできないんだよね。私以外の子はみんな出来てるみたいなのに」

 

「確かにね。求められるものに応えるのは大切なことだもの」

 

「でも聞いてるとなんかそれだけじゃ物足りない感じするな」

 

「うん。侑ちゃんのやりたいことをやってみたらいいと思う」

 

「でもそれだと…」

 

でもこう言うのは侑お姉ちゃんが一番答えを早く導かせそうだけど……やっぱり曲作りってなると難しいのかな?

 

「大事なのは侑先輩が満足できるかどうかじゃないでしょうか?」

 

「必ずしも正解を出すために頑張らなくてもいいと思います」

 

「やってみてダメならダメでもいいじゃない」

 

「せっかくなら侑さんらしい曲を聴いてみたい」

 

「私らしさか。それはそれで難しいよ。私にはみんなみたいな個性はないし」

 

「「えっ?」」

 

私とぽむお姉ちゃんはハモった。お姉ちゃんに個性がない?何を言ってるんだ?この幼馴染みは…………

 

『…………』

 

「ん?」

 

「何言ってんですか!?」

 

「えっ!?」

 

「侑ちゃんには侑ちゃんらしいところいっぱいあるよ~」

 

「そ、そうかな?」

 

「よくときめいてるよね」

 

「うん」

 

「人の気持ちがよく分かるし」

 

「私たちの気持ちに寄り添っていつも応援してくれてる」

 

「えっ?私ってそんな感じ?」

 

「一個下の幼馴染みの意見を言いますと、素直な気持ちをしっかり伝えては、それでかんちが…………周りの子達の気持ちに寄り添っては、不安にさせて、そこからちょっとした喧嘩になったり、その度に間に入ったりして大変な思いをしつつ、頼りになる人だと思うよ」

 

「未唯さん……それは文句では……」

 

しずくちゃんは苦笑いをしているけど、こう言うのはたまに発散しないとね

 

「自覚ないんですか?」

 

「うん。正直…でもそうなんだね。なんか嬉しい。みんなにそう言ってもらえてやる気出てきたかも」

 

「よかった~」

 

「ありがとね。がんばるよ」

 

お姉ちゃんは答えを見つけたみたいだね。それに……かすみちゃんたちも……

 

 

 

 

 

 

そして合宿最終日。最後は寮のエマさんの家に来ていた。

私たちはミルクティーを飲みながら……

 

「侑ちゃん元気出てよかった」

 

「でも侑さんが自分のことあんな風に思ってたなんて」

 

「ほんとだよ~」

 

「侑ちゃんだけじゃないのかもね」

 

「ん?どういうことですか?」

 

「実はみんな人のことはよく見えてて自分のことは見えてなかったりするのかなって」

 

「あっ…」

 

「私たちもそうなのかな?」

 

「そうなのかも」

 

うん、答えの理由が分かったみたいだね。みんな、知ってるようで知らないことがあるしね

 

「ちなみに皆さんから見たかすみんはどんな感じですか~?えへっ!あはっ!キャピ!ルルル~ン!」

 

「本当はすごくみんなのことを考えてくれるよね」

 

「分かる」

 

「ステージ衣装の話をしてたときも自分だけじゃなくて私たちのことも考えてくれてたもんね」

 

「あとはいい子かな?」

 

「うぅ……彼方先輩だってマイペースに見えてほんとはすっごくお世話好きじゃないですか~!」

 

「違うよ~」

 

「分かる」

 

「お泊まりしたときお母さんが2人いるみたいでしたよ」

 

「これなんか恥ずかしいね」

 

「ねぇねぇ私は?」

 

「いつもポカポカだけど意外と芯は強い」

 

「すっごく真っ直ぐだよね」

 

「とっても素敵だと思います!」

 

「ありがとう」

 

「璃奈ちゃんは引っ張るタイプだよね」

 

「この合宿を提案してくれたのもりな子だったしね」

 

「てれてれ」

 

「みい子は、結構しっかりしていて、みんなの事をちゃんと見てるし」

 

「サポートにまわって、いい方向に導いてくれてる」

 

「それにお姉ちゃんみたいな感じもするよね」

 

「侑ちゃんと歩夢ちゃんの妹的でもあって、姉みたいなところもある」

 

「あ、ありがとう////」

 

「自分のやりたいことを発表する合宿だったのに最後はみんなから自分のことを教えてもらう合宿になっちゃったね」

 

「でも何か見えた気がするよ」

 

「ソロの時は自分のやりたい自分だけど」

 

「一緒になると新しい自分を見つけることができる」

 

「私たちで新しい色を作ってみようよ」

 

答えが見つかったね。みんな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてライブ当日、私は彼方さんにあることを聞かれた。

 

「未唯ちゃんはしっかり分かってたんだね」

 

「うん、個性が強いけど、一つになったときは凄いことが起きるんじゃないかって事はね。あとはどうすればいいかもね」

 

「でも未唯ちゃんは自分自身の事知ってたんだね」

 

「まぁよく苺ちゃんと話してるからね」

 

「そっか~」

 

「ほらほら、みい子も彼方先輩もそろそろ始まりますよ」

 

「「はーい」」

 

今回だけ私は参加だけど…………頑張らないとね!

 

『みんなー!』

 

「始めまして!」

 

「私たち!」

 

『QU4RTZです!』

 

そう、QU4RTZとして頑張らないとね!

 

「今回だけ高柳未唯ちゃんも参加だから、五人でのステージ見てください!」

 

そして始まるライブ。これでランジュさんに……ううん、ここにいるみんなに届け!

 

「伝わったかな?ランジュちゃんに」

 

「きっと伝わってますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

うらside

 

未唯ちゃんに見に来てほしいと言われて、見にきた私。前の方にいるのって…………三船さんとランジュさんだっけ?

 

「これが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会なんですね」

 

「私には真似したくてもできないステージだった。それは認めるわ。でも……」

 

なんだろう?ランジュさんは……意地を張ってるのかな?でも少しだけでも気持ちが届いたみたいだね

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

合同ライブが終わり、私は課題の発表をすることになった。

 

(私は同好会のみんなに夢をもらった。音楽をやりたいと思ったのはみんなみたいに自分を表現できる人になりたかったから……この世界に私は私しかいない。うまくできなくてもいい。私にしかできないことを……)

 

私は弾き始めた。私らしい曲を…………

 

(どこに向かうかまだ分からないけど……おもしろそうな未来が待ってると……笑い合えるみんながいれば……私は……)

 

 

 

 




なんとかアニメの前にあげられた
感想待ってます


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14 菜々からの頼み事

今回も安定の本編始まる前の幕間です


この間の合同ライブから数日後の事、私はせつ菜さんに話があると生徒会室に呼び出された。

何かしら頼み事とかなら部室でも良かったと思うけど……たぶん今回はせつ菜としてではなく……

 

「失礼します。中川会長」

 

「お待ちしてました。高柳さん」

 

中川菜々として頼みたいことがあるのだと思った。

 

「それで話とは?」

 

「現在、文化祭とフェスの日程が近いと言う話は知っていますね」

 

「はい、だから同時開催をすると聞いてます」

 

「えぇ、そこで貴方にお願いしたいことがあります」

 

「内容によりますけど……まぁ基本的に良いと答えますね。私は……」

 

「そうですか……実は実行委員と同好会の架け橋となる中心人物をある方にお願いしようと思っています」

 

「もしかして三船さんですか?」

 

あの人は確か……実行委員だし、それなりにスクールアイドルに対して理解がある感じがする。確かに今回の架け橋となる中心人物としてならあっている感じがする

 

「ですが問題がひとつあります」

 

「問題?」

 

「えぇ、ちょっとしたアクシデントとかでもしかしたら三船さんに全部対応させてしまうかもしれない事です」

 

うーん、確かにそれは……キツいかもしれない。いくら好きでも全部背負い込むと録な事が起きないし……もしかしたら背負った結果、幼馴染みと喧嘩したり、周りの声が聞こえなくなったり、見えなくなったり…………下手するとスクールアイドル活動は全面的に禁止とか勝手にライブとか出来ないように監視する人が現れたり…………まぁ三船さんがそんなことをするようには思えないけど…………

 

「そこで補佐として付いてもらいたいのです」

 

なるほど、それなら確かに……多少の負担軽減になるし、分からないことがあったら私が教えられるかもしれない

 

「お忙しいのは分かっていますが……よろしいでしょうか?」

 

「良いですよ。ただ中途半端な参加になってしまいそうですけど」

 

練習の合間とか、しっかり関われない事が多そうだしね。

 

「そこは三船さん次第ですね。今度の議会でその話をしますので……後々お知らせはします」

 

「分かりました。あとは……まぁ大丈夫かな?」

 

今から心配なことを話しても良いけど、流石に多いかも知らないし、今回は良いかな。

 

「それにしてもわざわざ中川会長として頼まなくても……」

 

「まぁそこはしっかり分けないといけないと思い……所で話が変わりますが、前回の合同ライブで未唯さんが参加しましたが……やはりユニットとしての活動は……」

 

「うーん、やっぱり足引っ張ってないか心配ですね。かすみちゃんたちは特にそんなことはないと言ってたけど」

 

「そうですね。私も見た限りでは未唯さんは合わせるのが上手いと思います。ただ」

 

「ただ?」

 

「合わせるだけでは……何かいけないような気がするような……もしくは未唯さんの持ち味を活かせないような……」

 

「まぁ今後の事は侑お姉ちゃんと話してみます」

 

「分かりました。では補佐の件、本格的に決まったらお願いします」

 

「はい!」

 

生徒会室を後にした私。それにしても私の持ち味ってなんだろう?




4話を見て、未唯ちゃんの出番が少なくなるなと思いつつ、栞子ちゃんとの関わりを増やすための今回の話です!
次回からの本編4話は……うらちゃん大活躍!感想待ってます


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15 愛さんのお姉ちゃん

今回から本編4話
栞子ちゃん、メイン回はまだか!?


合同ライブの評判が好評と部室で話題になっていた。

 

「五人で歌うの楽しかった」

 

「ソロとは違う楽しさがあったよね」

 

「これでまた同好会の名が広まりますね。皆さんもガンガン活動して来るスクールアイドルフェスティバルを大成功させましょう!」

 

かすみちゃんたちも気合が入ってるな~

 

「あれ?みい子は何をしてるの?」

 

「ん?あぁせつ菜さんに頼まれた事があって、色々と確認とかしてるの」

 

どんなスケージュールとか物品管理とかいろいろ考えないとね。

 

「あ、さっきの活動するで愛さんやってみたいことがあるー」

 

「やってみたいこと?」

 

「愛さん、オンラインライブやってみたい」

 

「オンラインライブですか?」

 

「うん、会場に来られない人がいるだろうし、ネットでもライブを楽しめればみんなで盛り上がれるでしょ」

 

「おうちでゴロゴロすやぴしながらみられるしね~」

 

「なるほど、フェスの宣伝にもなるいいアイディアですね」

 

「映像研究部とかに相談すれば、実現できると思う」

 

「本当!りなりー」

 

みんなも協力する感じになり、結構形になってきたみたいだ。

 

「ユニットもやってみたいけど……みーちゃんはどう?」

 

「私ですか?うーん、今はちょっと…」

 

流石にやることがあるから、全部引き受けていたら、パンクしそうだし……何より

 

「愛さんと衣装を合わせると……なんかセクシー系になりそうで……」

 

「あー未唯は露出多いのが苦手だもんね」

 

「でも未唯ちゃんは何でも似合うと思うよ」

 

「いやいやお姉ちゃんたち、勘弁してよ」

 

愛さんは遠慮して、私だけ露出少なめでもいいと言いそうだけど、それはそれで浮きそうだし

 

「果林ちゃんは?」

 

「うん?」

 

「果林ちゃんはやってみたくないの?ユニット」

 

「私は誰かと一緒にやるより競い合うほうがいいかしら」

 

何とも果林さんらしい答えだな~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

u

うらside

 

休日、今日は私がご飯当番のため、何を作るか考えていた。うーん、なにかいいものないかな?

 

「あら?貴方……うらちゃんだったかしら?」

 

急に声をかけられて、振り向くと……えっとどこのお姉さん?と思い出した。確か……

 

「果林さんでしたっけ?」

 

「ふふ、そんなに会ってないのに、覚えていたのね」

 

「はい、記憶力はいいほうなので」

 

「そうなの?」

 

「はい、あとは未唯ちゃんからよく話を聞くので」

 

「あら?どんな?」

 

「えっと、セクシーな人でよくセクハラをしてくると」

 

「そ、そう……少し控えたほうがいいわね」

 

「あとはすごい人と」

 

「ふふ、未唯ちゃんがどんな風に私のことを凄いと思ってるのか気になるけど……うらちゃんは何をしてるの?」

 

「夕食を考えていて、思いつかないのでウロウロしてました」

 

「ウロウロね……というかこんなところで思いつくの?」

 

こんなところ?普通のヴィーナスフォートだけど……

 

「一応聞くけど、未唯ちゃんはうろちゃんの料理はどんな風に言ってるの?」

 

「えっと、化学室にある食材だって」

 

「……そう」

 

何故か遠い目をしているけど、どうしたのだろうか?

 

「少し一緒に回ってもいいかしら?」

 

「はい!」

 

私は果林さんと一緒にヴィーナスフォート歩くのであった。すると果林さんはあるパジャマを見て、立ち止まっていた。これってパンダ柄の?

 

「それ、可愛いじゃん!」

 

「愛…」

 

「ヤッホー! カリン! うーちゃん!何してるの?」

 

声をかけてきたのはえっと愛さんだっけ?何だか明るい人だな~

 

「あ、ええ、今流行のコーデをチェックしにね」

 

「ふーん?」

 

「何よ!」

 

「私は夕飯の献立を考えてて」

 

「こんなところで!?」

 

そんな驚くことなのかな?すると果林さんは愛さんの隣にいる女性に気が付いた。

 

「あ、そちらは?」

 

「紹介するね! こちらはアタシのおねーちゃん!」

 

「え?」

 

「……的な存在の!」

 

「川本美里です。愛ちゃんとは家が近所で、昔からよく遊んでいたの!」

 

「おねーちゃん! この子は朝香果林! アタシと同じスクールアイドル同好会のメンバーだよ!こっちは高柳うら!みーちゃんの親戚」

 

「はじめまして。いつも愛ちゃんがお世話になってます」

 

「こんにちわ」

 

「みーちゃん。あぁ愛ちゃんがよく言ってる頑張り屋の子の親戚の子ね」

 

「は、はい」

 

未唯ちゃんって同好会でどんな風に思われてるのかちょっと気になるな~

 

「そうだ、折角だから二人も誘っていい?」

 

「えぇいいわよ」

 

「「え?」」

 

 

果林さん、愛さん、美里さんと一緒に色んな所を回って遊びに行くことになった。因みに夕食の食材を買わなきゃだけど、愛さんからある提案を出され、私はそれに乗るのであった。

 

最初に訪れた場所はボーリング場だけど、私は初めてやるから……

 

「えい」

 

滑らせて投げるのではなく、投げて転がしていた

 

「うーちゃん、それ凄すぎ」

 

「と言うより初めてやるの?」

 

「はい、こう言う所に行くの初めてで……」

 

「そう、それじゃ愛!もうワンゲームよ」

 

「よぉし!うーちゃんも!」

 

「うん!」

 

「私は休んでるから三人でやってて良いわよ」

 

「お姉ちゃん、どうしたの?具合悪い?」

 

「ううん、ちょっと疲れただけよ」

 

美里さん……何処か体悪いのかな?私が聞いた限りだと、こんな風に心配したりする人ではないらしいけど……

 

「そっか、でも少しでもおかしいって感じたら教えてね」

 

うん、やっぱり変に気にしすぎな感じがする……

 

「あの、何処か悪いんですか?」

 

「えぇ、私ね。最近まで入院と退院を繰り返していたの」

 

「え?」

 

「今は元気なんだけどね」

 

「だから今日は退院祝いなんだ~」

 

それって私たちは物凄く邪魔しているような……でも愛さんと美里さんは誘ったのは自分達だから遠慮しないでと話してくれた。

それから私たちは色んな所を周り、水上バスを待っていると、愛さんがファンの子たちに声をかけられ……

 

「人気者なのね」

 

「そうですね。歌もダンスもハイレベルで、私にとって負けられないライバルです」

 

「そう、そうなのね。凄いわね……二人とも……」

 

何だか浮かない顔をしてるけど……どうしたんだろう?

すると愛さんが水上バスがそろそろ来ると教えてくれて、私たちは乗るのであった。

それにしても水上バスか……昔見たテレビで、水上バスが何かぶつかって、怪人が乗り込んで来るのを思い出すな~

くっ、未唯ちゃんと苺ちゃんがいたら……

 

「わ、私は……」

 

「獲物だッ!」

 

を出来るのに!

 

 

 

 

 

 

 

それから愛さんの家のもんじゃ焼きで、お土産のもんじゃ焼きを貰うことになり、出来るまで待つことになった。

 

「それでね、お姉ちゃん!私、今度オンラインライブをするだ」

 

「えっ?」

 

「いきなりライブ会場はハードル高いかもだけど、オンラインなら」

 

「絶対見るよ。愛ちゃん」

 

「オンラインライブは、美里さんのためだったのね」

 

「もちろん、沢山の人に見てほしいのも本当だよ! でもね、実は愛さん、小っちゃい頃は結構泣き虫の人見知りだったんだ……」

 

この明るい愛さんが!?それはかなり衝撃的な事実なんだけど……

 

「冗談でしょ?」

 

「ホントホント! でも、おねーちゃんがいつも笑いかけてくれて、沢山遊びに連れて行ってくれたおかげで、いっぱい友達もできたし、身体を動かすのも大好きになったんだ!だから今度は愛さんの番! やっと元気になれたんだもん! 色んな所に行って、楽しい事いっぱいしようね!」

 

「そうね…………」

 

うーん、これは……

 

 

 

 

 

 

 

 

お土産に材料とレシピを貰い、早速作ることになり、未唯ちゃんと苺ちゃんとで作りながら……

 

「重荷になってる?」

 

「うん、何だかそう感じて……」

 

「愛さんって良い人だよね?あの人の善意とか重荷になるの?」

 

苺ちゃんの疑問も分かるけど、私的にはそう感じたんだよな~

 

「うらちゃんの言う通りかもね」

 

「「え?」」

 

「誰かを楽しませるために、みんなを楽しませるためにって……良い事だけど……それが重荷になるのは人によってなんだよね」

 

「そうなの?」

 

「ただ今回の場合は…………足を引っ張っているのではないかって思ってるのかもね」

 

未唯ちゃん……それ、想像だよね?と言うか今日は未唯ちゃんの様子がおかしい……いや、おかしいと言うより調子が良すぎるような……

 

「未唯お姉ちゃん、疲れてる?」

 

「まぁ……覚えることが多くてね」

 

「はぁ、今日はゆっくり休んだ方がいいよ。そう言うときのお姉ちゃんは……鋭すぎるから」

 

「はーい」

 

 




今回はうらちゃんが本当に動く分、未唯ちゃんの出番が少ないと言う……
因みに水上バスが何かにぶつかって、怪人が乗り込んで来ると言うのは某ライダーかつ見てて素で思い出した
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16 互いに競い合い高め合う二人

一気に書き上げました!


未唯side

 

うらちゃんから相談された翌日の事、私は以前から菜々さんに相談されていた手伝いの件で、生徒会室にて会議に参加していた。因みに私は菜々さんの隣に立っている。

 

「それでは正式に決定したんですね?スクールアイドルフェスティバルと文化祭の合同開催」

 

「はい。これも皆さんの協力と三船さんが作ってくださったプレゼン資料のおかげです」

 

「お役に立てたのなら良かったです」

 

「その上で生徒会から三船さんにお願いがあるのですが」

 

「何でしょう?」

 

「合同開催成功のためにはフェスの運営を担う同好会と文化祭実行委員会に加えて」

 

「両方のまとめ役となる新たな責任者が必要です」

 

「それをぜひ三船さんにお願いできませんか?」

 

「私がですか?」

 

「三船さんとならみんなが楽しめるお祭りができると思うんです。いかがでしょう?」

 

「生徒の皆さんのために頑張れるのならぜひやらせてください」

 

「ありがとうございます。更にですが、補佐として高柳さんをつけることになりますが宜しいでしょうか?」

 

「高柳さんですか?」

 

「今回、生徒会長に頼まれました。不馴れですがよろしくお願いします」

 

「高柳さんはスクールアイドル同好会の代表として、三船さんのサポートに回ります。スクールアイドルについてやステージ等の機材など詳しい人がいればと思いましたが……どうでしょうか?」

 

「良いですが……高柳さんは忙しくないのですか?それに代表なら高咲さんの方が……」

 

「高咲さんも考えましたが……あの方も色々と抱えていますので……」

 

「なるほど……分かりました。高柳さん、よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、分からないことがあったら教えてね」

 

握手を交わしつつ、そんなことを言うと三船さんは微笑んだ

 

「聞いてね……ではないんですね」

 

「あはは、一応色々と覚えてきたけど、まだ不安だから……」

 

「分かりました。困ったことがあればいつでも」

 

 

 

 

 

 

 

うらside

 

放課後、欲しい本があり、探しに行くと果林さんと美里さんの二人がいた。

 

「美里さん、それにうらちゃん」

 

「果林ちゃん…うらちゃん」

 

「こういうのに興味あるんですか?」

 

美里さんが手に取ってるのは……英会話の本?

 

「昔は海外で働いてみたいって思ってたんだけど」

 

あ、そっか、身体のことが……

 

 

 

 

 

少し場所を移して、改めて話を聞くことになった私たち

 

「昨日はありがとう。愛ちゃんと果林ちゃんのおかげですごく…」

 

「そんな風に無理して笑う必要ないんじゃないですか?」

 

「えっ?」

 

「ごめんなさい。でも美里さん何かを抱えているように見えたから」

 

確かに昨日は何だか時折浮かない顔をしている感じがしていたのは気になっていたし……私自身もある予測を未唯ちゃんに話してたし……

 

「愛とは長い付き合いなんですよね?だったら本当の気持ちを伝えてもいいんじゃないですか?愛だってその方が…」

 

「今 愛ちゃんはやりたいことを見つけてどんどん進んでる最中でしょ?余計な心配させたくないの……すごいね愛ちゃんも果林ちゃんも。歌って踊ってたくさんの人を笑顔にして」

 

「美里さん……」

 

「じゃあ私こっちだから」

 

美里さんを見送る私たち……なんだろうな~美里さんは美里さんで重荷にならないようにしてる感じだけど……

すると果林さんのスマホにメッセージが入ったみたいで……

 

「うらちゃん、少し付き合ってくれない?」

 

「は、はい」

 

果林さんに言われるまま、ある場所へと向かう私であった

 

 

 

 

 

 

 

果林さんに付いていくと、そこには愛さんがいた。

 

「うーちゃんもいたんだ」

 

「丁度会ってね……」

 

「良かった……連絡先知らなかったからどう呼び出そうか悩んだんだ……」

 

そう言えば教えてなかった……と言うか未唯ちゃんに聞けば良いのに……

 

「それでどうしたの?急に」

 

「うん。あのさ昨日のことなんだけどお姉ちゃんの様子どう思った?お姉ちゃんってね入院中の治療が大変なときでもいつも笑顔だったんだけど退院してからかな?時々考え込んでる感じがあって。気のせいかもだけど元気ないのかなって思って」

 

「確かに私もそう見えたわ」

 

「私も……」

 

「そっか。私お姉ちゃんと話してみる」

 

「愛、話してどうするの?」

 

「どうって…悩みを聞いたり 励ましたり 気晴らしに遊んだり…」

 

「それを美里さんは望んでいるのかしら?」

 

「どういうこと?」

 

「今はそっとしておいた方がいいと思うわ」

 

「いやだよそんなの!悩んでるお姉ちゃんを放っておくなんてできない!話聞いてくれてありがとう。愛さん行ってくるね」

 

愛さんが行こうとするけど、私は慌てて愛さんの腕をつかんだ

 

「あの、お言葉ですが……人によっては放っておいて欲しいと思うときがあります。何でも間でも放っておけないからと関わるのは……その人の心を逆撫で……と言うか刺激するのはどうかと思いますよ」

 

「ッ!!!」

 

無理矢理私の手を引き剥がし、愛さんは走り去っていく。

 

「私……余計なことを言ったかな」

 

「……まぁ余計なことだけど……良いと思うわ。流石は未唯ちゃんの親戚ね」

 

「そんなこと……未唯ちゃんなら上手く出来たかもしれないのに……」

 

「そうね……でもうらちゃんにはうらちゃんなりのやり方はあるわよ」

 

「果林さん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

愛side

 

うーちゃんの言葉が頭の中に響く。でもこれは私なりのやり方だから……

私はお姉ちゃんを呼出し、話した。

 

「いきなり呼び出してごめんね」

 

「ううん。懐かしいね。ここ小さい頃よく一緒に…」

 

「ねぇお姉ちゃん」

 

「ん?」

 

「私、お姉ちゃんに聞きたいことがあるんだ。お姉ちゃん何に悩んでるの?」

 

「悩んでなんて…」

 

「私お姉ちゃんのためなら何でもしたいよ!お願い教えて!私にできること!」

 

「思い付かないわ」

 

「お姉ちゃん…」

 

「ごめんなさい。思い付かないの。だって私……」

 

「もしかして…私のせい?」

 

私が……知らないうちに……お姉ちゃんを…………

 

「違う。悪いのは私なの……私が入院してる間、学校に行けなくなった私の時間はどんどん友達と離れていったけど……愛ちゃんはずっと励ましてくれたよね……嬉しかったよ本当に。愛ちゃんが支えだった……でも……愛ちゃんがスクールアイドルを始めることになって、嬉しそうに話しているのを見てね。やりたいことを見つけてどんどん先に進んでいく愛ちゃんを近くで見ているうちにふと気付いたんだ……私にはもう何もない。どこにも行けない。楽しいって気持ちも分かんなくなっちゃった……愛ちゃんはスクールアイドルを頑張ってるだけなのに勝手だよね」

 

「昨日は?」

 

「え?」

 

「私昨日すごく楽しかった。お姉ちゃんが元気になってまた一緒に遊べて。お姉ちゃんは楽しかった?」

 

「……愛ちゃんのことはこれからも応援してるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

うらside

 

「……はぁ」

 

「私の方に連絡が入ってたけど……なるほどね」

 

家に帰り、未唯ちゃんから愛さんの伝言を聞かされていた。因みに未唯ちゃんは伝言残すなら事情を話してからにと言ったらしく、さっきまで愛さんと美里さんの間の出来事を聞かされた。

 

「未唯ちゃんの言う通りだ……知らないうちに重荷にも傷つけることにもなってたなんて……」

 

「うらちゃんは、ちゃんとそこら辺を言ったんだよね?」

 

「うん……」

 

「……人によってはだけど、愛さんならなんとかできるかもね」

 

「え?」

 

未唯ちゃんは笑顔であることを私に伝えた。

 

「確かに何でも間でも放っておけないからと関わるのは負担になるかもしれないけど、愛さんならそんな後ろ向きな考えなんて吹き飛ばす人だから……大丈夫だと思うよ」

 

「そっか……そうなんだ……」

 

「さて、そこでうらちゃんに仕事があります」

 

「え?」

 

なんだろう?買い物かな?もしかして同好会の手伝いとか?

 

「最後まで関わること」

 

「最後まで……分かった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、私は愛さんを探していると、果林さんに呼び止められた

 

「愛のところに行くのね」

 

「はい!」

 

「それなら一緒にいきましょう」

 

居場所知ってるのかな?私は付いていくと、愛さんが練習をしていた。

 

「愛」

 

「カリン……うーちゃん……昨日はごめん」

 

「良いわよ。それで話してどうだったの?」

 

愛さんは改めて昨日の事を話した。愛さんは落ち込んでいる……そうだよね……信頼していた人からだもんね

 

「そう。美里さんが…」

 

「あ~あバカだなぁ。お姉ちゃんの気持ちに全然気付けなくて。愛さんなら笑顔にできるって勝手に思い込んで。でも本当はずっと傷付けてた。愛さんどうすればよかったのかな?果林の言うとおりそっとしておけばよかった?それともスクールアイドルにならなければよかったの?」

 

「そんな話 意味ないわよ。ショックなのは分かるわ。でもオンラインライブだって近いんだからしっかりしなきゃ。あなたのファンが待ってるわよ」

 

「できないよ!楽しいことを教えてくれたお姉ちゃんを私が傷付けた!そんな私がスクールアイドルなんてできないよ!」

 

「本当にやめるつもり?分かったわ。じゃあ代わりに私がステージに立ってあげる。愛のファンをごっそりいただくチャンスだもの。きっと美里さんも私に魅了されてファンになっちゃうわね」

 

おぉ、煽ってる……こう言うとき煽るとどんな人でも……

 

「いやだよそんなの!お姉ちゃんやファンのみんなを果林に取られちゃうのはやだ!」

 

「でもスクールアイドルやめるんでしょ?」

 

「だったらやめるのやめる!だって私…私…ほんとはスクールアイドルもっともっとやりたいよ!」

 

「それがあなたよ」

 

「えっ?」

 

「誰も傷付けないなんてそんなことできる人いないわ。それでも太陽みたいにみんなを照らせる笑顔があなたにはあるでしょ?」

 

「うん!」

 

「せいぜい頑張りなさい」

 

「待って!愛さんと一緒にステージに立ってほしい!」

 

「私はそういうの興味ないって言ったでしょ」

 

「ううん。気持ちを合わせるとかじゃなくて、仲間っていうかライバルとして同じステージに立って同じ歌で競い合おうよ!私に火を付けてくれた果林とならすっごいライブができる気がするんだ!だから!」

 

「競い合う、そんな形があるんなら面白いかもね。受けて立つわ!愛!」

 

「うん!」

 

良かった……後は美里さんが見てくれることを……でももしかしたら……

 

「愛さん、美里さんの事、私に任せてくれませんか?」

 

「うーちゃんが?」

 

「はい!こうしてお二人に関わったのですから……最後まで関わることにします!未唯ちゃんにもお願いされましたし」

 

「それじゃ、よろしくね。うらちゃん」

 

「お願いね」

 

「はい!」

 

二人にはライブに向けて頑張って貰いつつ、私は私なりに頑張らないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてライブ当日、私は美里さんがいそうなところを愛さんに聞いて、探していると……

 

「いた!」

 

「うらちゃん!?どうしたの?こんなところで……」

 

「それはこっちの台詞です!オンラインでも見れるけど……愛さんの想いを受けとるには直接見るしかないです!」

 

「え?」

 

「負担だのなんだの後ろ向きな考えなんて吹き飛ばしてくれますから……それが愛さんが美里さんに教えられてきた事を愛さんなりに出した答えなんですから!」

 

「うらちゃん……」

 

「私だってスクールアイドルに……未唯ちゃんに救われたんですから」

 

「え?」

 

「両親が死んで……一人になった私。親戚の人はみんな迎えてくれる気満々だったけど……私は遠慮しようと思った。もしかしたら負担になるかもって……でも……未唯ちゃんがあの時、歌ってくれたから……だから!」

 

「……うらちゃん……分かったわ……行きましょう」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

移動しながら、ライブを見る私たち。二人は本当にすごいな……

 

 

 

 

 

 

私たちは会場につき、最前列で最後までライブを楽しみ……控え室で……

 

「会場に来てくれるなんて思わなかったよ~!」

 

「うらちゃんに言われてね……胸が苦しいくらいにドキドキして心が動き出して……楽しかった」

 

美里さんは愛さんを抱き締めた。愛さんも愛さんで嬉しそうだ。

 

「私 愛ちゃんのファンになってもいい?愛ちゃんのライブすっごく笑顔になれて頑張る力がもらえるから」

 

「うん!」

 

良かった……そう言えば未唯ちゃんは……そうだった。打ち合わせがあるから、その子と一緒にオンラインで見るって言ってたな~

 

 

 

 

 

 

後々果林さんから聞いた話だと、美里さんは気持ちも前向きになって、果林さんみたいに愛さんと切磋琢磨できる間柄になりたいとの事だった。




次回は幕間と言うか、四話の裏で合った未唯と栞子のお話を……

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17 三船さんと打ち合わせ

五話の最後の最後でゆうぽむが……ゆうぽむが……


未唯side

 

「前夜祭を?」

 

「はい、折角なのでと思ったので」

 

三船さんの家で打ち合わせしている私。三船さんからの提案は面白そうだった。

 

「確かに前夜祭って言うのは考えてなかった……」

 

「あくまで文化祭とフェスの両方を楽しめるようにと思ったので……」

 

「なるほどね……どんなのがいいかな?」

 

「そうですね……」

 

二人して頭を悩ませていると、私はあることに気がついた。そう言えばそろそろ時間だ

 

「三船さん、一旦休憩でちょっと見たいものがあるんだけど」

 

「見たいもの……あぁオンラインライブですね」

 

「うん!」

 

私は持ってきたノートパソコンを起動させ、ページを開いた。

 

「三船さんも見る?」

 

「よろしいのでしょうか?」

 

「スクールアイドルを知るためにはいいかもしれないよ」

 

「分かりました」

 

三船さんは私の隣に座り、一緒にライブを見た。愛さんと果林さんの二人……凄いな……互いに競いあって高めあっている。これが二人のユニット……

 

 

 

 

 

 

 

見終えると私はあることを思い付いた

 

「前夜祭だけど……演劇はどうかな?」

 

「演劇ですか?」

 

「うん、スクールアイドルをモチーフにした感じの……そうすれば文化祭とフェスの両方を楽しめるかなって」

 

演劇は文化祭として、考えてみた結果思い付いたんだけど……

 

「それはいいですね。後日演劇部の部長と後は……」

 

「しずくちゃんに話してみよう!」

 

「はい」

 

これで前夜祭については決まった。良かった良かった

 

「それにしても高柳さんは凄いですね」

 

「何が?」

 

「補佐についてから高柳さんの仕事を見てましたが、優秀です。以前からこういうことを?」

 

「ううん、してないよ?」

 

「じゃあ……そういえ適正があるんですね」

 

「そうかもしれないけど……適正って重要なのかなって?」

 

「と言いますと?」

 

「なんと言うか……適正に合ってるからって、本当にその人が楽しいのかなって……」

 

「つまり……適正にあっていても……その人次第と言うことですか……」

 

「でも確かに適正は重要だし……まぁ変に押し付けなければ……ね」

 

何となく栞子ちゃんにはそういっておかないとダメかなと思った私であった。

 

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

高柳さんは忠告をしたのでしょうか?それとも釘を刺したのでしょうか?

ランジュからは高柳未唯に気を付けなさいと言われているけど……もしかして高柳さんは……

 

「どうしたの?栞子」

 

「ランジュ……ライブお疲れ様です」

 

ランジュのライブを見終わり、私は待ち合わせをしていた。

 

「何か悩んでるみたいね」

 

「そうですね……高柳さんの事を」

 

「あぁ天使ね。もしかして何か言われた?」

 

「あれは言われたのでしょうか?ただそうなってほしくないと願っている気が……」

 

「あの子は不思議なのよ……人当たりのいい感じの中で時折見せる意志……私はその意志を含めて天使みたいだと思ってるわ」

 

「天使……導く感じですか?」

 

「いいえ、あの子は導き……そして……」

 

「久しぶりね。栞子!」

 

突然声をかけられ、振り向くとそこには……

 

「姉さん!?」




幕間でした……ゆうぽむが……ゆうぽむが……
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18 お願いと未唯のユニット

やはりゆうぽむは偉大


未唯side

 

三船さんと打ち合わせをした結果、前夜祭を行うことが決まり、そのことを演劇部にお願いをしに来た私たち。

 

「前夜祭ですか?」

 

「はい、文化祭とスクールアイドルフェスティバルの前日に行うのですが、その総合演出を演劇部の皆さんに是非御願いしたいと思いまして」

 

「それってどんな企画をやるかってことも私たちが決めていいのかな?」

 

「勿論です」

 

「企画などは演劇部の皆さんの方がいいものを思い浮かべると思ってます」

 

「分かりました。三船さん、未唯さん。今回のお話引き受けます」

 

無事演劇部の了解も得た。特に揉めることなく進められてよかった。

 

「あ、しずく、そろそろ時間じゃない?」

 

「あ、そうでした。未唯さん、同好会に行きましょう」

 

「うん、三船さん。あとは任せても大丈夫かな?」

 

「えぇ頑張ってください」

 

私としずくちゃんは二人に挨拶をして、部室へと行くのであった。その途中……

 

「あの未唯さん」

 

「ん?何?」

 

「今回のお話なんですが…私、やってみたいことがあるんです」

 

「やってみたいこと?」

 

「ユニットを組みたいと思います」

 

ユニットか……でも珍しいな

 

「しずくちゃんから言いだすのって珍しいね」

 

「そうでしょうか?」

 

「うん、何というか……一年生ってかすみちゃん以外は基本的に積極的じゃないというか……しずくちゃんは自分からこれをやってみたいって感じじゃなく、誰かの意見を聞いて賛同するというか……」

 

「あはは、確かに未唯さんの言う通りですね……かすみさんだけじゃなく、璃奈さんとも違い、私にはあまり自分からやりたいと言い出すことはないですけど……でも」

 

「やりたいんだよね」

 

「はい!」

 

「いいと思うよ。それで誰と組むのって……決まってるか」

 

「歩夢さんとせつ菜さんとです…出来れば未唯さんとも…」

 

「私と?」

 

「はい、未唯さんとなら…今書いているものにピッタリなんです」

 

書いてるものって何だろう?歌詞とか?

 

「とりあえず一回お姉ちゃんに相談してからの方がいいよ」

 

「そうですね。出来れば未唯さんにも……」

 

「うん、付き合うよ」

 

それにしてもしくずちゃんとぽむお姉ちゃんとせつ菜さんのユニットか~どんな感じになるんだろうな?

というか私もユニット組むべきなんだろうけど……あんまりイメージができないんだよな~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部室にてフェスについてある話が出ていた

 

「そろそろフェスでやる曲を決めないとですね」

 

「ソロステージはやるとして~それとは別にユニット曲もやったりする~?」

 

「うん、いいかもそれ」

 

「私もやってみたい」

 

「次は愛さんとカリンでとっておきのダジャレMCやっちゃうよ~」

 

「そんなのお断りよ」

 

「え?」

 

「ダジャレは禁止」

 

「え~カリンにそんなことを言われたら……愛さんがっかりん」

 

「あははははは」

 

侑お姉ちゃん……ツボにはまってる。しずくちゃんはタイミングを見てこっそりとお姉ちゃんに頼みごとをするのが聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、部室でお姉ちゃんに私としずくちゃんでユニットを組むことを話した

 

「そっか……うん、いいと思うよ」

 

「はい…それで少し……悩んでいることがあって」

 

「悩み?」

 

「はい、どうにも煮詰まっていて……」

 

「うーん、それだったらいいところがあるよ。今度の休み一緒に行かない?」

 

「いいところですか?」

 

「うん、いいところ。きっと閃くかもしれない。それに未唯も一緒にどうかな?」

 

「私も?」

 

「そうですね。未唯さんならきっといい答えを見つけてくれるはずです」

 

「そうかな……」

 

こうして今度の休み、三人で出かけることになった

 

「ところで未唯は誰かとユニット組まないの?」

 

「私?私は……」

 

「今回は未唯さんにピッタリですが…今後のことを思うと未唯さんは誰かと本格的に組んだ方が……」

 

「うーん、あまり思い浮かばないんだよね。誰かと組んでも私はきっと足を引っ張らないようにするのが精いっぱいな気がして……それに……」

 

「「それに?」」

 

「一緒に組みたいって心から思える人と組んでみたいなって……他校の人でも誰でも……」

 

「そっか、未唯らしいね」

 

笑顔で言うお姉ちゃんだけど、何というか私のわがままみたいなものだよね。これ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは明らかに私のミスだった。少し安心していた。だけど気づくべきことだった

 

「どうしたの?未唯」

 

「調子悪いんですか?」

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

お姉ちゃんはいつも通りの私服で、しずくちゃんは少し気合が入ってる。いやそんなことよりも気にするべきことがある。それは……

 

「………」

 

離れたところの物陰で見覚えのあるものを見つけた。うん、あれはぽむお姉ちゃんの……だよね。

きっと朝辺り遊びに行かない?って誘ったぽむお姉ちゃんだけど、侑お姉ちゃんは断った。

そして私たちの待ち合わせ場所に向かうお姉ちゃんを見かけ、付いてきたのか……これ、素直に教えた方がいいのかな?はぁ……

 

 




未唯の場合は本当に心から望んでいる人と組みたいと思っています

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19 みんなでお出かけ

AZUNA回は本当に良かった


未唯side

 

ぽむお姉ちゃんが後をつけているけど……うーん、放置していてもいいかな?今回に限ってはぽむお姉ちゃん自身がどうにかするかもしれないし……

 

「私服の先輩、久しぶりです!」

 

「しずくちゃんもね! 花柄のスカート、すごく似合ってる!」

 

「本当ですか!」

 

変に誤魔化したりしなければよかったものを……

 

 

 

 

歩夢side

 

陰に隠れながら三人の様子をうかがう私。というか未唯ちゃんと何度も目が合うから気が付いてるような気がするけど……でも

 

「すごく楽しそう」

 

「あれ? 歩夢さん?」

 

不意に声を掛けられ、振り向くとせつ菜ちゃんが笑顔でいた。

 

「せ……、せ、せ、せ、せつ菜ちゃん?」

 

「偶然ですね!こちらに何か?」

 

「せつ菜ちゃん、これは……」

 

慌ててせつ菜ちゃんの口をふさぎ、事情を説明することに……

 

「それで後を追っていると?」

 

「だ、だって、侑ちゃん、寝不足で疲れてるし、倒れたりしないか心配で……」

 

「それは確かに」

 

「そうだよね!」

 

三人がが電車に乗り込むのを見て、私はせつ菜ちゃんの手を握り、

 

「行こう! せつ菜ちゃん!」

 

「え? 歩夢さん!?」

 

後を追うことに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

おかしい……何でせつ菜さんが増えてるんだ?

 

「これ、お恥ずかしいんですが、先日お話ししてた台本です」

 

「歩夢とせつ菜ちゃんをイメージしたお芝居だよね?」

 

「はい。この話をベースに、お二人による歌とお芝居のユニットができればと思ってるんですが…」

 

「おお…」

 

「歩夢さんとせつ菜さんを見ていると、どんどんイメージが膨らんで……恐ろしい姿であるがゆえに、愛する気持ちを少女に伝えられない野獣…一方、少女もまた野獣に惹かれてゆく……そんな2人が初めてダンスをする夜、たとえ言葉は交わさなくとも、触れ合う手と手が、互いの気持ちを物語る…」

 

「これ…」

 

「変ですか?」

 

「すっごく良いよ!」

 

「やっぱり! 侑先輩なら分かってくれると思ってました!ですが、野獣役が歩夢さんというのもアリだと思うんですよね!」

 

こっちはこっちで真面目というか……何というか

 

「あー分かる分かる…」

 

「配役を悩んでたら、続きが書けなくなってしまって、未唯さんは?」

 

「私はせつ菜さん野獣で」

 

「未唯さんはそっちですか……どっちも捨てがたいですね」

 

「今から行くところなら、きっと何か参考になると思う。今日一日、一緒に考えてみようよ!」

 

「ありがとうございます!」

 

「ヒントになるものがあるといいね!」

 

「はい!」

 

さてあっちはどうしてるかな?そう思いながら私は隣の車両に目をやった

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

「なんか、すっごーく盛り上がってる…真実を暴いてみせるんだから!」

 

「探偵みたいで面白そうですね!」

 

目的地に着いたのか、侑ちゃんたちは電車を降り、私たちも降り。三人を追う

 

「急ごう!せつ菜ちゃん!」

 

「はい!」

 

侑ちゃんたちの目的地はスクールアイドル展だった。

 

「わぁ~こんなイベントやってたんですね」

 

「うん、でも思ってた以上に人気だな~とりあえず整理券もらおうか」

 

「はい」

 

陰で三人の……あれ?

 

「面白そうな展示会をやってますね」

 

「でも何で二人だけ……」

 

違和感を感じた。さっきまで三人だったのが未唯ちゃんがいない。もしかして……

 

「こんなところで何してるの?お姉ちゃん」

 

「「!?」」

 

いつの間にか後ろにいた未唯ちゃん。全然気がつかなかった。

 

「えっと……これは……」

 

「あはは、ばれてしまいましたね」

 

「あれ?歩夢にせつ菜ちゃん?」

 

「奇遇ですね。お二人でお出掛けですか?」

 

「えっと、あーと……」

 

どう誤魔化すか考えていると通りすぎる親子を見て……

 

「せつ菜ちゃんとヒーローショー見に来たの」

 

「えっ?あ、はい、そうなんです!」

 

「いいですね!私達も見ましょう」

 

「うん!そう言えば未唯はトイレ大丈夫?」

 

「うん」

 

あ、私達に会うためにそう言い訳してこっちに来たんだ…………

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

そんなこんなでみんなでヒーローショーを見ることに、私も丁度この作品は見てるから楽しめるけど……一番に楽しんでるのは…………

 

「いっけー!」

 

「コスモフラッーーーシュ!」

 

せつ菜さんは勿論の事、しずくちゃんも楽しんでる。

 

「ものすごく感動しました! この勢いで、遊園地を楽しんじゃいませんか?」

 

『おー!』

 

それからみんなで色んな乗り物に乗ることに、ジェットコースターで侑お姉ちゃんはせつ菜さんに抱きつき、空中ブランコでは高さに怖がる侑お姉ちゃんがぽむお姉ちゃんに抱きつき、ぽむお姉ちゃんは何だか嬉しそうにしたり、メリーゴーランドでは私はせつ菜さんと一緒に乗ったり、お化け屋敷では怖がる侑お姉ちゃんを凛々しく助けるぽむお姉ちゃん。なんと言うか二人とも子供の頃と逆転してるな~

 

「どうしたんですか?未唯さん」

 

「ん?時間の流れは凄いなって」

 

「何で未唯さんは高校生らしからぬ事を……」

 

「まぁしずくちゃんも知っての通り、私達は幼馴染だから……色々とね思い出すんだ」

 

「そうでしたね……因みに先程の脚本では歩夢さんとせつ菜さんのイメージが時には逆だったりしますが、未唯さんは変わらないですね」

 

「そう言えば私のイメージって?」

 

「歩夢さんを守る天使ですね」

 

「あ、やっぱりそうなんだ」

 

「未唯さんが天使なのは導いたりするだけではなく、時には厳しくしたり、罰を与えたりするイメージがあります」

 

天使って言うのはそう言うものだけど……私は別に罰を与えたりとかは……

 

「まぁ天使と言うよりかは騎士みたいな……守護騎士ですね」

 

「いやいや、騎士なら侑お姉ちゃんの方が……」

 

「侑さんはどちらかと言う王子さまと言うべきか……なんと言うかですが……悩み所です」

 

何だか脚本がまとまっているようなまとまってないような感じがするけど、結果オーライなのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

次に乗る観覧車だったけど、点検中で乗れなかった。するとせつ菜さんのスマホに電話が入り、せつ菜さんは眼鏡をかけ、菜々に戻る

 

「はい。中川です」

 

電話の相手誰だろうと気になりつつ、終わるのを待つ私達

 

 

「ふーお待たせしました!」

 

「せつ菜ちゃん、切り替えすごいね……」

 

「それほどでも……」

 

と言うかよくばれないな~

そんなことを心の中で思っていると、今度は私の方に電話が来た。相手は……三船さんからだった

 

「どうかしたの?」

 

『すみません。先程中川さんに確認をしたことを報告をと』

 

「そっか、ありがとうね。ちょっと待ってて」

 

いつも持ち歩いているメモを取り、連絡事項をメモる私。

 

「うん、とりあえずこっちでも進めておくから、三船さんも折角の休日だからゆっくりしたほうがいいよ」

 

『まぁそうしたいところ……なんですが……』

 

何か疲れた声をしてるけど……大丈夫かな?

 

「と、とりあえずまた明日ね」

 

『はい……』

 

「三船さんと組んでいて問題はないみたいですね」

 

「うん、しっかり者だし、結構色々と話してるよ」

 

世間話とかだけど……でも何処と無く可愛さを感じると言うか…………ん?

 

「未唯?どうかしたの?」

 

「あ、ううん、何でもない」

 

何でだろう?一瞬……三船さんとユニットを組めたらいい感じになるかもって思ったのは?

 

 

 

一旦休憩をすることになり、近くのスペースで休むと、しずくちゃんから例の脚本をぽむお姉ちゃんたちに見せ、話し出した。

 

「私、以前から歩夢さんとせつ菜さんに、並々ならぬスター性を感じていて、どうしても、お二人が組んだステージを見てみたいんです!」

 

「正直、ユニットを組むというイメージはありませんでしたが、このアイディアなら!」

 

「私も面白いと思う! 自信はないけど……あ、もしかして侑ちゃんと一緒に出掛けてたのは……この事を侑ちゃんに相談してたの?」

 

「はい。それで今日、ここに連れてきて下さって……未唯さんにもお願いしてたんです」

 

「なーんだ」

 

ぽむお姉ちゃんも安心してよかったよかった。

 

「あ、そろそろ時間だ。折角だからスクールアイドル展、みんなで行こう。一枚で五人まで入れるし」

 

と言うわけでみんなでスクールアイドル展に入る。中には歴代のスクールアイドルに纏わるものが飾られている。

えっと……伝説のアイドルグループがやったと思われる練習メニュー……うーん、何か遠泳とか本当にやったのかな?こっちは……ゴスロリ衣装に……とあるアイドルが愛読していたと思われる薄い本……これ、本当なの?

 

「未唯ちゃん」

 

「ぽむお姉ちゃん?」

 

「未唯ちゃん、気づいてたよね?私達が……と言うより私が付けてたの」

 

「うん、ぽむお姉ちゃんこそ、私が気づいてるのを気づいてたよね?」

 

「あはは、うん……何だかいつもごめんね」

 

「何が?」

 

「その、いつも心配させちゃって……」

 

「そんなことないよ。と言うより慣れたよ」

 

長い付き合いだからね。

 

「それにお姉ちゃんは前よりもしっかりしてる感じかするよ」

 

「しっかり?」

 

「うん、しっかり。不安を溜め込まないようにしてるし……」

 

「未唯ちゃん……何だかいつも本当にごめんね」

 

「謝らないで、私としては憧れの人にそんなことを言われたくないし」

 

「ふぇっ!?憧れって……未唯ちゃんの憧れはせつ菜ちゃんじゃないの?」

 

「それはスクールアイドルとしての憧れ。女性としてはぽむお姉ちゃんが私の憧れだよ」

 

「何だか照れるよ////」

 

 

 

 

 

 

 

展示を見終わり、出ようとすると何だか見覚えのある人がグッズを大量に買い込んでる姿が……あれって……

 

「ランジュちゃん!?」

 

「あら、あなたたちも来てたのね」

 

 




早く栞子ちゃんメイン回を……と言うかもしもやるなら生徒会選挙を……
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20 AZUNA劇場

今回で五話の内容が終わります


スクールアイドル展でランジュさんと出会った私たちは、一緒にお茶をしていた

 

「よかったよねスクールアイドル展!色んなアイドルの子たちを見られてすっごく元気をもらえたよ!」

 

「そうね。とても刺激を受けたわ」

 

「同好会のみんなも誘ってまた来よっか」

 

「相変わらずみたいね あなた」

 

「えっ?」

 

「そうやって遊んでる暇あるって言ってるの。音楽科の成績どうなのよ?」

 

また厳しいことをお姉ちゃんに言うなんて……一回ランジュさんを怒るべきか……

 

「ミアちゃんから聞いたの?前より少しは上がってるんだけどまぁギリギリはギリギリかな」

 

どうしよう……ランジュさんより侑お姉ちゃんを叱ったほうがいいかもしれない

 

「やっぱりそうなのね。中途半端なのって見ててイライラするの。いい加減 同好会の活動に付き合うのなんかやめてもっと自分の夢に向き合ったら?」

 

「勝手なこと言わないで」

 

「そうですよ。侑さんは…」

 

「そうやって甘やかすから良くないのよ。同好会で夢を叶える。そう言っていたのに今のあなたは周りに自分の夢を重ね合わせてるだけよ。あなたはそれで満たされたとしても何も生み出してないわ」

 

「それ、ただランジュさんが来てから見てきたものですよね」

 

「未唯…いいから」

 

「よくないよ。黙ってられないからね。私も」

 

正直これまでのことを知らない人が知ったようなことをいうのはやめてほしい

 

「お姉ちゃんがいたからこそ、スクールアイドル同好会は変わってこれた。確かに音楽科に移ってからのお姉ちゃんの夢はまだ何も達成してないけど……ちゃんとこれまでのことを知ったうえでいろいろと言ってくれませんか?」

 

「……分かったわよ」

 

あれ?やけに素直だ……

するとお姉ちゃんが……

 

「ありがとう。ランジュちゃんは優しいんだね。あの時ランジュちゃんに言ってもらえたから今はまだ全然だけど私結構前向きに頑張れてるんだ。だからもし気にしてくれてるんならもう少しだけ見ててくれないかな?」

 

「誰が気にしてるなんて言ったのよ」

 

うーん、これってもしかしてランジュさんなりの励ましというか応援というか……ツンデレなのかな?

 

「もういいわ……そうだ、未唯を少し借りるわ」

 

「え?」

 

お姉ちゃんたちと離れたところに連れてこられ、ランジュさんはあることを告げた

 

「貴方は誰かとユニットを組もうとか思ってるの?」

 

「まぁ一応は……」

 

「そう…どうして?」

 

「その…同好会のみんながユニットを組んでいるのを見て、私もあんな風に輝けるかなって…なんて何だか軽い考えでごめんなさい」

 

「別にいいわよ。立派な理由だと思うわ。ただ、それなら同好会のユニットのどれかに入れば済む話よね?かすみたちや愛、それに多分だけど歩夢たちも組もうとしている。それなら……」

 

「その……これは私の変なこだわりというか……心の底から一緒に組みたいと思える子と組みたいって思ってる」

 

「……面白いことをいうわね。それはもしかしたら私とも組むことになってもかしら?」

 

「ありえそうですね」

 

ランジュさんは笑みを浮かべていた。何だろう?私の答えが気に入ったのかな?

 

「まぁいいわ。それじゃ」

 

ランジュさんは去っていく、私はお姉ちゃんたちのところへと戻ると……

 

「自分のやりたいことを周りに重ねていたのは私です。勝手に妄想して勝手にユニットを考えて…」

 

ランジュさんに言われたことが一番突き刺さっていたのはどうやらしずくちゃんみたいだった。そんなに気にすることなのかな?

 

「待って。ランジュちゃんが言ってたのは侑ちゃんのことで…」

 

「そうだよ。しずくちゃんが気にすることないよ」

 

「私は自分だけで満足して結局 何も生み出せていないんです」

 

「そんなことやってみないと分からないじゃないですか」

 

「そうそう」

 

「せつ菜さんの言うとおりだよ。やらずに後悔するよりもやって後悔したほうが……ってあれ?」

 

何だか、せつ菜さんの言い方だと今からやろうっていう感じな気が……

 

「えっ?やるって一体…」

 

「さぁ開演です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丁度ステージスペースが開いていたけど、ここって勝手に使っていいものなのか気になるけど……ぽむお姉ちゃんとせつ菜さんはステージに上がり

 

「ここはダンスホール。タキシード姿の野獣のもとに華やかなドレス姿の少女がやってくる」

 

そして始まる物語だけど、これって二人ともセリフ覚えてるのかな?

 

「私セリフ覚えてないよ?」

 

「私もですが何とかつなげてみましょう」

 

「えぇ…」

 

「こ、こんばんは野獣さん。あの私…」

 

「どうせ私のことが怖いのでしょう…こんな恐ろしい姿なのですから」

 

「いいえ。そんなことはありません。ただどうしてあなたはそんな姿に?」

 

「私はこの城に住む王子でした。ですが魔女に呪いをかけられこの姿になってしまったのです」

 

「そんな!」

 

「あぁ!王子の姿に戻れたなら!」

 

「この後どうするんだっけ?」

 

「勢いで行っちゃいましょう」

 

何か勢いって聞こえたのは気のせいかな?

 

「あ、あの!野獣さんのままでもいいんじゃないかな?」

 

「えっ?」

 

「どう見えるかなんて気にせず今のあなたにできることを一歩一歩やっていけばいいと思う」

 

「一歩一歩できることを…ならば私はこの野獣の力で世界に蔓延る悪を倒したいです!」

 

「実は私も傷付いた人を癒やしてあげたい」

 

「だったら2人で旅に出ましょう!」

 

「うん!」

 

何だかアドリブだけで話が進んでる……でもこれは面白い……ん?何だかしずくちゃんがアイコンタクトを……もしかして私も出るの?仕方ない

 

「お嬢様……いけませんよ」

 

「あ、あなたは……」

 

「誰だか知りませんが、彼女は渡しませんよ!」

 

「野獣……私お嬢様を守る騎士!貴方のような野獣になんかには……」

 

「それなら騎士様、一緒に行きましょう」

 

「へ?」

 

「そうですね!それならば騎士様の役目もしっかり全うできるはずです」

 

「そうして旅に出た私たちは悪しき野獣を次々に倒していきます」

 

「しかし少女には気になることがあったのです」

 

「えっ!?何が気になるんですか!?」

 

「そのとき2人の前にたくさんの野獣が現れたのです!」

 

「それは大変ですね。ひとまず逃げましょう」

 

何だか終わり方を見失ってないかな?するとしずくちゃんがステージに上がってきて……

 

「お久しぶりです」

 

「あなたは一体…」

 

「私は以前あなたを野獣にした魔女」

 

「なるほど。そう来ましたか。思い出しました!あなたはあの時の!」

 

「あのとき獣の姿にしたのは間違いではありませんでした」

 

「あなたは王子の頃にはなかった優しい心を持つことができました」

 

「そうなんですね」

 

「それはきっとその少女のおかげ。そして次々と現れた悪しき野獣たちは皆 心を改めず本当の獣になってしまった人間なのです!」

 

「ええっ!?だったらどうすれば!?」

 

「歌おうよ。傷付いた人たちを救うために旅に出たんだもん」

 

「ですね。魔女さんも歌いましょう」

 

「えっ?私もですか?」

 

「私たちがここにいるのはそもそもあなたの魔法がきっかけなんだもの」

 

「さぁ一緒に!」

 

「ふふふっ。お二人とも自由すぎます。でもその自由さが大事なんだと教えてもらいました」

 

私はそっと舞台から降りながら、三人の演劇を見ていた。多分だけど今この瞬間だけは……この三人でいいと思う

 

「今の歩夢さんやせつ菜さん、展覧会で見たスクールアイドルの先輩方からも、型にはまらず目一杯自分を表現すればビックリするほど楽しいものが生まれるんですね」

 

「そうかも」

 

「ですね!」

 

『今日ここから私たち3人のステージが始まります!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日も暮れ始め、今日は解散ということでみんなそれぞれ帰ることに……

 

「ねぇ最後にあと1つだけ乗っていかない?」

 

「ん?」

 

「もしかして……観覧車?」

 

「そうだよ。三人で……」

 

この時、私に中の何かがあることを察知した。三人で乗るべきではないと……

 

「あ、トイレ行ってくるから二人は先に乗ってて」

 

「え?うん」

 

「未唯ちゃん?」

 

私はお姉ちゃんたちから離れた。せっかくだから二人きりのほうがいいよね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

未唯ちゃんの言う通り二人で乗ることになったけど……未唯ちゃん……

 

「ありがとう侑ちゃん」

 

「ううん。私も乗りたかったし、舞台の歩夢すっごくよかったよ」

 

「えへへへへへ」

 

「私ねユニットなんて本当は無理だと思ってた。でもせつ菜ちゃんやしずくちゃんと夢中でお芝居してたらどんどん楽しくなってきて。そんな自分をねファンの人に見てもらえたらいいなって思えたの」

 

「そうだね。ファンのみんなも歩夢と一緒に楽しんでくれると思う。もちろん私も」

 

「うん」

 

「侑ちゃん、私にもできることがあったら何でも言ってね」

 

「ありがとう。でももうたくさんしてもらってる。次はきっと私の番なんだ」

 

「侑ちゃん……ねぇ、この観覧車、あと一回乗れるみたいだよ」

 

「歩夢……歩夢の考えてたんだね」

 

「うん、気を遣って自分が楽しむことを忘れてる……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

お姉ちゃんたちが下りてくるのを待つ私……どんな話をしたのか気になるけど、まぁ二人の時間を邪魔したらだめだよね

 

「未唯ちゃん」

 

するとあれ?なんでぽむお姉ちゃんだけ?ぽむお姉ちゃんは私の腕をつかみ……

 

「今度は三人で乗ろうよ」

 

「え?え?」

 

「私たちのわがまま、聞いてくれるよね」

 

わがままか……もうこのお姉ちゃんたちは……仕方ないんだから

 

そして私たちは観覧車に乗り、思い出話に花を咲かせるのであった。

 

 

 

 




ランジュがまともすぎて口喧嘩にあまりならない説

次回はせつ菜ちゃんの正体が……本当に毎週楽しみ

ちなみに歩夢ちゃんがみんなを癒したいっていうから……今期の歩夢ちゃんの中の人が出てるヒーラーを思い出した

感想待ってます


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21 放課後の二人

6話……本当に良かった……せつ菜ちゃんの決意が本当にね
今回も幕間回!


未唯side

 

遊園地の一件から次の日の夕方、私は生徒会室で三船さんを待っていた。どうにも書類を持ってくるのを忘れたとか……ただ待つのも暇だし、私はぽむお姉ちゃんから貰った衣装の候補を見ていた。すると書類を取りに来た三船さんが戻ってきた。

 

「お待たせしました。何を見ているんですか?」

 

「あ、これ?今度お姉ちゃん……歩夢ちゃんとしずくちゃんとせつ菜さんと一緒にゲストとしてユニット組むからその衣装を見てたの」

 

サーカスをイメージにした衣装。私は白を基調にし、スカートには三人のメンバーカラーが入っている。

 

「高柳さんに似合いますね」

 

「えへへ、ありがとう」

 

褒められると素直に嬉しいな~ってあれ?三船さん?

 

「何かあった?」

 

「何がですか?」

 

「いや、何だか『まさかあの人が?いやいや、そんなことは……』って顔をしてるけど……」

 

「高柳さんはそう言うことに直ぐ気がつきますね。まだ確証を得ていないのですが……」

 

「うんうん」

 

「高柳さんは優木せつ菜さんの正体を知っていますか?」

 

んん?何だかものすごいことを聞いてきたな…………基本的にせつ菜さんの正体については全校生徒知らない。せつ菜さんはまだ話したくないって言ってたし……

 

「まぁ知ってるけど……何で?」

 

「いえ……ただ気になったので」

 

これ、その内バレたりしないよね?だとしたら……まぁその時はその時で……

 

「とりあえず作業を進めちゃおう」

 

「そうですね……とはいえ、高柳さんが大体進めてくれているじゃないですか」

 

「あはは、まぁね」

 

「貴方はこういう仕事に適正がありますね……ただ」

 

「ただ?」

 

「高柳さんのステージを見ましたが、魅了されました」

 

「へ?」

 

「以前向いてないとかそういうことを言いましたが……高柳さんは本当に凄い人です」

 

三船さん……誉めすぎだよ……

 

「それで思ったのですが……高柳さんは自分自身のユニットを組まないのですか?」

 

「あー、ランジュさんにもみんなにも言われてるけど……私は本当に心の底から組みたいって人と組んでみたいって思ってるの」

 

「心の底から……」

 

「うん……そうしたいって思ってる……三船さんがスクールアイドルだったら、一緒に組めたんだけど……」

 

冗談みたくと言うか半分本気で言ってみると、三船さんは少し暗い顔をしていた

 

「私は……なれないですよ」

 

「え?」

 

「脱線しましたね。下校時間が近いので進めましょう」

 

「う、うん」

 

何かあるのかな?踏み込んでみたいけど……嫌がりそうだし……うーん……

 

「所で三船さん」

 

「はい?」

 

「私の事、未唯って呼んでいいよ。折角仲良くなったんだから」

 

「……それなら私の事を栞子と呼ぶんですか?」

 

「うん、栞子ちゃん!」

 

「……遠慮しておきます」

 

「えぇ~」

 

「高柳さんが呼ぶのは良いですが、私にはまだ……」

 

うーん、一応は距離が縮まったのかな?

そんな放課後の出来事であった。




次回からは6話の話をやります……
早く来週の栞子ちゃん回を見たい。書きたい!
感想待ってます!


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22 優木せつ菜として

栞子ちゃん、本当にいい子だ


未唯side

 

「メイキング映像?」

 

ある日の同好会にて、映像研究部の人たちからある話を持ち出されていた。

 

「えぇ!今年の文化祭はスクールアイドルの祭典との記念すべきイベントだもの」

 

「そう言えば生徒会にも相談が来てましたね」

 

「スクールアイドルが今回の象徴的存在だから思いきりフューチャーしたいんです!」

 

「特に神出鬼没のスクールアイドル、優木せつ菜ちゃんの正体に迫っちゃいたいな~なんて」

 

「そ、それだけは勘弁してくださいーーー!」

 

未だに正体隠してるからな~

 

「因みに天使の異名を持つ高柳さんの事も……」

 

「いやいや、私は別に……」

 

「一年の中でも有名な子ですからね。スクールアイドルとしても有名になりつつあり、普段の学校生活でも優しく、困った人がいたら直ぐに手を差し伸べる。そして可愛い。もう最高です」

 

えっと……本当にそれは困ると言うか……

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなで練習風景を撮ることになり、せつ菜さんの事を撮ることになったけど……

 

「せつ菜先輩、スマイルですよ」

 

「あ、あまり撮らないで下さい……」

 

「そう言うわけにはいかないですよ。映像研究部にはオンラインライブの時に協力してもらってますし、お礼にとびっきり可愛いのを撮らないと!生徒会長と分かるものは後でカットしておきますから~」

 

「あぅ……」

 

「やっぱりまだ正体は明かしたくないのね」

 

「家族にも内緒のままなんだよね?」

 

「ファンの子達がせつ菜ちゃんの話題について盛り上がってたよ」

 

「愛さんも聞いたことあるー!実は有名な女優さんとか」

 

「あるいは宇宙人とか」

 

「せつ菜ちゃん、宇宙人なんだ~」

 

「実はスパイだったりして」

 

みんな、せつ菜さんの事からかって楽しんでるな~

まぁ正体が不明だからそういう話にみんな、盛り上がるのは仕方ないよね

 

「因みに私が聞いたのは、教師とか幽霊とか……」

 

「うぅ……そういう噂が流れてるのは知ってます!私自身、ミステリアスなのはいいなって思ってましたし、今更夢を壊すような事は出来ません……それに……」

 

『ん?』

 

「生徒会長とスクールアイドルって全然違うものですから、どちらも大好きでやりたい私としては、今のままがいいと思います」

 

せつ菜さんらしい答えだな~普通なら両立するの本当に難しいし、下手をすればどちらが蔑ろになってしまうし……どっちも蔑ろになることがある。でもせつ菜さんは本当に凄い

 

「合同文化祭はもう目の前!悔いなくやれることやっていこうよ!」

 

『おーーーーー!!』

 

それから侑お姉ちゃんは練習風景を撮ったり、文化祭の準備風景を撮ってるのであった。と言うかこれって……お姉ちゃんも撮った方がいいよね?後で映像研究部の人に頼んでおこう

 

 

 

 

 

 

侑side

 

ちょっとした日常風景も撮った方がいいと思い、音楽科の教室でもカメラを回す私

 

「演奏会で弾く曲決まった?」

 

「うん!」

 

「ん?」

 

「スクールアイドル撮ってるんじゃないの?」

 

「そうだけど、みんな頑張ってるな~って」

 

スクールアイドルだけが主役じゃないからね。文化祭を盛り上げようとしているみんなも撮らないと!

すると先生が来て、私はカメラを仕舞った

 

「席について、今日から一緒に授業をすることになった先生を紹介するわね」

 

教室に入ってきたのは黒と赤の髪の何処と無く誰かに似た女性だった。

 

「三船薫子です。よろしくー」

 

 

 

 

 

 

 

うらside

 

どうもうらです。今日は文化祭で使う花火作りのために、準備をしていると……あれってスクールアイドルの子だよね?

 

「ほら、はんぺん」

 

「りなりー可愛いよ~」

 

「もう愛さん……」

 

愛さんと璃奈ちゃんだっけ……それにしても愛さん……

 

前にフッと思ったことがあった。愛さんって、どんな子にも優しい人だけど、実は小さい子が好きなのではと……

未唯ちゃんに試しに聞いたら……

 

「あはは、そんなことはない……と思うよ。多分、きっと……うん、多分」

 

目が笑ってなかったけど……気のせいだよね?

するとミアちゃんがこっちに近づいてきた

 

「何してるの?」

 

「うん、花火に使う素材を探しに」

 

「相変わらず変わってるね……」

 

「あれ?ミアちにうーちゃん」

 

「ミアちって、僕の方が先輩だって言っただろ。何そのカメラ?やめてよ」

 

「あぁそう言えば先輩って設定だったね」

 

「君は君で失礼だね……」

 

すると璃奈ちゃんがミアちゃんをじっと見詰めていた

 

「なんだよ?」

 

「私、一年の天王寺璃奈」

 

「三年のミア・テイラーだけど……」

 

「知ってる。最近新曲の動画あげてるよね?」

 

「うっ……」

 

「そうなの?」

 

有名な音楽家の娘なのに……動画をあげてる?何だか気になるけど……

 

「うん、凄い再生数」

 

「当然の結果さ」

 

「はんぺんと遊びに来たの?」

 

「悪い?」

 

「悪くない」

 

それから璃奈ちゃんとミアちゃんがはんぺんと遊ぶのを私は見ていたけど……うーん、新曲をあげているって本当に気になるな~

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

生徒会室で文化祭の話し合いをしていた。

 

「それでは他に議題がなければ終わりにしましょうか。所用があるのでここで失礼します」

 

そう言えばこの後、ユニットの話し合いだっけ?

 

「高柳さんもそろそろ……」

 

「うん、まだ時間に余裕があるから大丈夫だよ。栞子ちゃん」

 

「そうですか。会長、お手伝いは……」

 

「い、いえ、大丈夫です。生徒会とは関係ない用事なので」

 

色々チェックをしていると、副会長さんがあるミスに気づいた。

 

「小芥子同好会の書類に記入もれがありますね」

 

「それなら、私が行ってきますね。丁度部室棟に行く用事があるので」

 

「あ、じゃあ途中まで行こう。栞子ちゃん」

 

「はい」

 

「あの、高柳さんはいつから三船さんを下の名前で?」

 

えっと双子の……見分けがつかない。

 

「うん、この間からだよ」

 

「高柳さんがそうしたいと言ったので許可をしただけです」

 

「なるほど……(なんでしょうか?この二人が仲良しだと……)」

 

(尊さを感じます)

 

あれ?双子さんたち……様子がおかしいけどどうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

栞子ちゃんと一緒に同好会に向かう私。他愛のない話をしていると声が聞こえてきたけど……これってせつ菜さん?

 

『せつ菜と菜々。二つの大好きを持ってますが、私は結局一人なだけで……』

 

これ、扉閉まりきってないないから、声が……

 

「この声は……」

 

「…………」

 

栞子ちゃんは勘づいてるし、誤魔化すのは無理そうだから…………何も言わないでおこう

 

『二学期で会長の任期も終わりですし、スクールアイドルと生徒会の職務を一緒にやれる機会なんてもうないかもしれません。ですから!この行事を私の集大成にしたい……』

 

栞子ちゃんは勢いよく扉を開けた。うん、アウトだ……

 

「なるほど、生徒会長が優木せつ菜さんだったんですね」




愛さん……色々とね……うん

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23 苦渋の決断と最後まで足掻くこと

ちょっとした分裂が起きます


ひょんな事からせつ菜さんの正体を栞子ちゃんに知られてしまった。せつ菜さんは一体どう誤魔化すのだろう?

 

「な、ななな、何の事でしょう?えっと………菜々です!中川菜々です!」

 

「そ、そうだよ!眼鏡してるし、何処から見ても菜々ちゃんだよ!」

 

「せつ菜ならここにいますよ!せつ菜スカーレットストーム!ふぅ、今日もまた世界を救ってしまいましたー」

 

「………………」

 

凄い……これで誤魔化せたら、本当に凄い

 

「み、未唯ちゃんからもほら」

 

あれ?これ、私も誤魔化すのを手伝わないといけないの?まぁここまで来たら

 

「栞子ちゃん、せつ菜さんは菜々さんだよ」

 

「そうですよね」

 

「「「未唯ちゃん(さん)!?」」」

 

いや、もう諦めようよ……

せつ菜さんも諦めたのか、頭を下げながら栞子ちゃんに謝る

 

「悪気はなかったんです!ですからこの事は内密に!」

 

「私たちからもお願いします!」

 

「うん!」

 

「……安心してください。誰にも言うつもりはないですよ。私は会長が学園のために沢山貢献してきたことも、せつ菜さんがスクールアイドルとして人気を獲得していることも知っています。どちらにも適正があって皆さんを幸せにできている。その邪魔をするつもりはありません」

 

栞子ちゃん……本当にいい子だな~一瞬、両方を両立するなんて無理です。そもそも貴方は生徒会長の職務を蔑ろにしています!しかもスクールアイドルという無駄な活動なんて……って糾弾すると思ってしまうなんて……

 

「高柳さん、どうしました?」

 

「いや、栞子ちゃんはいい子だな~って」

 

「いい子なんて……私は自分が思ったことを素直に伝えただけです」

 

「そっか~」

 

「……?未唯ちゃん、いつから三船さんの事名前で呼んでるの?」

 

「え?この間からかな?」

 

「そっか、そうなんだ~」

 

何で嬉しそうにしてるのかな?お姉ちゃんは……

 

「どうかなさったんですか?歩夢さん?」

 

「うん、未唯ちゃんが自分から下の名前で呼ぶってことは本当に珍しいなって思ってね」

 

「そうなんですか?でも私やかすみさんには普通に……」

 

「うーん、しずくちゃんたちの場合は自分達から下の名前で呼ぶから自然と未唯ちゃんは下の名前で呼ぶようにしてるけど、今回は本当に珍しいから、未唯ちゃん、三船さんに心許してるんだね」

 

「そ、そんな///」

 

「そうですよ……それではまるで高柳さんが私の事を好きみたいな……」

 

「そうかもしれないね」

 

「「/////」」

 

うぅ、珍しくぽむお姉ちゃんにからかわれてる…………

そんなとき、せつ菜さんのスマホに電話がかかってきた。その内容は…………

 

「えっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

副会長からある報告を受け、栞子ちゃんはみんなにその事を伝えた。

 

「キャパオーバー!?」

 

「みなさんのユニットやランジュのライブが話題になっていたのは勿論把握していたのですが……」

 

「締め切り直前に応募が殺到してしまって……全てを行うのは不可能な状況です」

 

「そんな……」

 

まさかここまでになるとは……考えてなかった……と言うか考えていたけど、想定外過ぎるよ

 

「抽選で選び直すと言う方法も考えられますが……」

 

「誰かが落ちちゃうなんて嫌だよ……」

 

校内でのライブは無理となってしまうとなると……どうしたものか……

 

「校内で無理なら前のフェスティバルみたいに外のステージを借りてみたら?」

 

「それだよ!果林ちゃん」

 

「当たってみましたが、急だったのでどこも無理でした……」

 

手立てなしか……すると慌ててランジュさんが扉を勢いよく開けてやってきた

 

「ちょっと!?フェスが出来なくなるってどう言うこと!?学園中で噂になってるわよ!」

 

もう広まってるのか……情報を絶つとかするべきだったけど、対応に遅れが出てる……

 

 

 

 

 

 

 

学園中で噂が広まってる……私たちは生徒会室で話し合いをしていた。

 

「文化祭とフェスティバル……どちらを優先するか生徒の間で意見が割れているようです」

 

本当にどうしたら……私は日程を確認しているけど……どうにも無理そうだし…………うーん

 

「それは考えるまでもないです。合同開催は白紙。例年通りの文化祭に戻す形で検討を始めましょう」

 

「……会長……」

 

「……いいんですか?」

 

中川さんは頷き……栞子ちゃんに謝った……

 

「すみません。三船さん……せっかくご尽力頂けたのに……」

 

「いえ、残念ですが……生徒会長として正しい判断だと思います」

 

正しい判断……か。確かに正しいかもしれないけど……これがせつ菜さんの……大好きなのか……ただ現実を受け止めるしかないなんて……そんなこと……私は……

 

「申し訳ないですが……会長。貴方の判断は間違っています」

 

『!?』

 

私の発言に全員が驚いていた。だけど私は気にせずに話を続けた。

 

「私は……諦めません……まだやるべきことがあるかぎり……足掻きます」

 

「ですが……現状……」

 

「中川さん……申し訳ありませんが……諦めている貴方にはもう何も期待出来ません……それでは」

 

私は……それだけを言い残して、生徒会室を去った

 

 

 

 

 

 

 

菜々side

 

「何も期待出来ません……ですか」

 

私は………未唯さんに嫌われてしまったみたいですね…そうですよね……嫌われて当然ですよね……




未唯の真意は……そしてせつ菜ちゃんの選択は……

なお某オリ主の紗桜莉は……がちで交渉しにいきます。理事長か町の人に……

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24 ありのままの私を

今回書いてて、あることに気がついた……


菜々side

 

未唯さんに嫌われてしまった。仕方ないですよね……私は……諦めてしまったんですから……未唯さんからしたらショックですよね……

そんなことを思いながら屋上で一人でいた

 

「そう……上手くはいきませんよね……」

 

「せつ菜ちゃん!」

 

すると歩夢さんとしずくさんの二人が駆け寄ってきた。

 

「みんな、探してたんですよ」

 

「すみません……」

 

「それでどうなったの?」

 

「……フェスティバルは延期になると思います。前回以上の規模になることが分かったので、次はいつ開催になるかもわかりません。参加を表明してくれたスクールアイドルやファンのみなさんには今日中にお詫びの挨拶に向かいます。ランジュさんにも謝らないといけないですね……それに未唯さんにも……」

 

「未唯ちゃんに?」

 

「……納得はしてくれないと思いますが、生徒会長として誠意をもって……」

 

振り向くと歩夢さんとしずくさんは笑っていた。どうして……

 

「何で笑っているんですか?」

 

「だって自分一人が悪いって言い方してるから……」

 

「誰もせつ菜さんのせいだって思ってないですよ」

 

「ですが……誰かが責任を取らないと……」

 

「まだ出来ないって決まった訳じゃないでしょ」

 

「考える時間はまだ残ってます」

 

「いっぱい考えました。でも私には何も思い付かなかったんです」

 

「そりゃー一人じゃそうだよ!」

 

侑さんの声が聞こえ、振り向くとそこにはみんながいた。

 

「みなさん……」

 

「全くどうしてそう何でも抱え込もうとするんですかね?」

 

「そ、それは……今回は仕方ないじゃないですか……私は生徒会長なんですよ」

 

「生徒会は~会長しかいないのかな?」

 

「あっ……」

 

「貴方の事だもの。役員の子達にもろくに相談してないんでしょ」

 

「もっと頼っちゃいなよ。せっつー」

 

「私たちにもね」

 

「一人じゃない」

 

「生徒会も同好会にもこんなに仲間がいるなんて、先輩は幸せものですね~」

 

「やりきりたいんだよね。始まったのなら貫くのみ!でしょ」

 

歩夢さんは拳を前に突き出し、笑顔でそう言った。もしかしたら……この言葉は……もしかしたら歩夢さんが悩んでいたときに私が歩夢さんに向けて言った言葉かもしれない。そう思ってしまうくらい、強い言葉だ。

 

「……まだ方法はあるのでしょうか……」

 

泣きそうになりながらも私は……みんなに助けを求めた。

 

「もう一度考えてみよう!みんなで」

 

「はい!」

 

「それにしてもみい子はどこにいるのよ~」

 

「あ、未唯さんは……」

 

「さっき未唯ちゃんに嫌われたって言ってたけど……多分違うと思うよ」

 

「え?」

 

「未唯はね。本気で嫌うことはないからね」

 

「ですが……」

 

「未唯ちゃんはなんて言ってたの?」

 

「確か……『私は……諦めません……まだやるべきことがあるかぎり……足掻きます。中川さん……申し訳ありませんが……諦めている貴方にはもう何も期待出来ません……それでは』と……」

 

「それなら大丈夫だね」

 

「え?」

 

「未唯はね……足掻くときは足掻き続けるからね。きっと助けになることをしてると思う」

 

「侑さん……歩夢さん……」

 

未唯さんのあの言葉は……諦めてほしくないと言っていたのかもしれませんね。それなら私は……諦めませんよ!

 

 

 

 

 

 

 

それから生徒会のみんなにも協力をしてもらうことを頼み、各校のスクールアイドルたちにも協力をしてもらうことになり、話し合うことに……

 

「急なお話ですみません」

 

「謝らないでください」

 

「私たち全員の問題でしょ」

 

「そうそう、私がいなきゃ始まらないもんね」

 

「オンラインでお集まりいただいたみなさんもありがとうございます。私たちなら、今の状況も解決できるはずです!」

 

『おおーーー』

 

「あれ?未唯姉は?」

 

「あ、苺さん。未唯さんは……」

 

「未唯なら未唯なりに考えてるから大丈夫だよ」

 

「あー、全力中か~まぁ大丈夫だね」

 

「全力中?」

 

「多分後でわかると思うよ」

 

苺さんは何を言ってるのでしょうか?とりあえず話し合いを進めることに……

 

 

 

 

 

 

 

話し合いをして行くが、答えが出ないまま時間だけが過ぎ、みんな集中力も切れていた。

 

「これ、虹ヶ咲でやるのは難しいよ」

 

「私たちの学校が変われたらいいのですが……」

 

「うちの学校も来週から文化祭ですが……この中では虹ヶ咲が一番大きいですからね」

 

「そうですよね~」

 

文化祭が……近い?もしかして……

 

「あのYG国際学園は……」

 

「日程が違うけど、来週文化祭だよ。東雲も藤黄もね」

 

突然ドアが開かれ、その事を告げたのは未唯さんだった。短い時間で……まさか……

 

「未唯さん……まさかと思いますが」

 

「中川さんもたどり着いたんだね……その答えに……」

 

「えぇ、まだ足りませんが、未参加の高校も合わせて、全ての学校で合同開催をやります!」

 

『えぇーーーー!!?』

 

「諦めなかったんだね」

 

「はい、みなさんのお陰です」

 

「そっか……とりあえず東雲と藤黄とYGには話を聞いてもらうようにとお願いはしておいたから……」

 

「いやいや、みい子!?話を聞いてもらうようにって……」

 

「説得に時間がかかったけどね……あとはみんなの協力が必要だから……だから……」

 

未唯さんは突然電池が切れたように倒れこむ。まさか何かしらあった!?

 

「あー、全力で頑張ったからか……」

 

「あはは、未唯のこれ、久しぶりに見たな~子供の頃も疲れて寝ちゃったんだっけ」

 

「へ?」

 

「zzz」

 

まさか本当に寝ている?

 

「この感じだと起きたときは大変だけど、まぁ大丈夫だね」

 

「うんうん、歩夢にも言っておくから」

 

起きたときに何が……とりあえず今は学校の許可をもらうことに!

 

 

 

 

 

 

 

未唯さんの尽力で三校の許可は貰えたけど、まだ足りない。

 

「ギリギリ足りません……あと一校……」

 

「じゃあ解決ね」

 

部室に現れたのは……えっと……

 

「どなた?」

 

「紫音女学院の黒羽咲哉と」

 

「黒羽さくらです」

 

「ショウ・ランジュから話は聞いた!うちなる声に従い!今からフェスティバルに参加を希望するわ!」

 

「内なる声?」

 

「気にしないで……」

 

えっと、変わった方なんですね……

ですがこれで!合同開催は!

 

「所で!高柳未唯……もとい天使はどこかしら? 」

 

「未唯ちゃんなら……三船さんの所だよね?」

 

「まだあの状態だったよ」

 

「みい子……あれは凄かった……」

 

未唯さんの事は……まぁ仕方ないですね

 

 

 

 

 

 

 

問題も解決し、後は……私なりに答えを出したことを成し遂げる前に……

 

「あ、菜々。文化祭、明日からだっけ?」

 

「明日は前夜祭だよ。……お母さん」

 

「ん?どうしたの?」

 

「大事な話があるんだけど……」

 

そう私は………

 

 

 

 

 

 

 

 

そして前夜祭。メイキング映像が流れる中、私たちはステージの裏で待機していた。

 

『今年の文化祭はスクールアイドルとの合同。そして更に五つの高校での連続開催というこれまでにない形で行われることになりました!』

 

映像は準備をする生徒たちが流れ、そして……

 

『虹ヶ咲学園生徒会長。中川菜々です。私自身も今回の出来事から、自分を支えてくれる人たちとの繋りを再認識することが出来ました。みなさんの大好きな気持ち。その全部が私を助けてくれて、それを感じて、感謝する度にもう今の私は大好きを隠す必要がないんだって気づくことが出来ました。だから今ここでみなさんに生徒会長の私と一緒に……スクールアイドルの私を紹介しようと思います!スクールアイドル同好会の優木せつ菜です!』

 

『ひええええええええええ!!!』

 

「何か……今副会長さんの悲鳴が聞こえなかった?」

 

「あれは多分……驚きの悲鳴ですね」

 

「あはは、副会長さんはせつ菜ちゃんのファンだからね」

 

「未唯さん……」

 

「はい?」

 

「すみませんでした。私は一人で抱え込んで、一人で決断し、諦めていましたが……未唯さんは信じていたんですね」

 

「……うん、せつ菜さんならきっとって……思ってたから……私もついきついことを」

 

「いえ、助かりました!だから今日は……楽しみましょう!」

 

「うん!」

 

私、歩夢さん、しずくさんのAZUNAと未唯さんを交えたこのライブを!

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブが終わり、そして明日から5校合同のフェスティバル開催スタートを切った!

そして……

 

 

 

 

 

栞子side

 

「……」

 

「あんたもやりたいんじゃないの?スクールアイドル」

 

「姉さん…」

 

私は…………

 

「あの子、高柳未唯だっけ?」

 

「えぇ」

 

「凄いわね……観客全員を魅了している。それもユニットに合わせるように……」

 

「……そこが高柳さんの……」

 

「でも惜しいのは……あの子自身の持ち味を隠していることよ」

 

「え?」

 

「足を引っ張らないようにとしているけども……それじゃダメね。自分自身のパフォーマンスを出さないと……きっとそれには……あんたが必要なんじゃないの?ねぇ、栞子」

 

「…………そんなのあり得ません。私がスクールアイドルになったとしても……高柳さんと一緒になんて……」

 

「ユニットは……一緒にやるだけじゃないわよ」

 

一緒にやるだけじゃないって……それって…………




歩夢ちゃんの始まったのなら後は貫くのみ……普通にいい話だし、一期のあのシーンをってなるけど、こっちではオリストだったからやってなかった……
次回は幕間で全力中の未唯が寝て、起きたあとの話をやります!
と言うか早く次回の話を見たい……栞子ちゃん……

因みに未唯は、学校側が生徒の話を聞いてもらうように交渉し、紗桜莉は……多分文化祭の日程を増やしたりしそうです

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25 未唯の後遺症

7話……マジで良かった……栞子ちゃん可愛すぎだろ……

今回も幕間!


せつ菜side

 

未唯さんがきっかけをくれて、他の学校を使っての合同フェスティバルに向けて、準備を行うことになった。頑張った未唯さんはというと、あの話し合いから起きたが、未だにボーッとしている様子で、まだ覚醒してないとか……

そんなある日のこと…………

 

「…………」

 

「あ!未唯さん、起きたんですね!」

 

「……」

 

今までは起きては直ぐに寝てしまう感じではあったが、今はそんな感じはなく、きっと目覚めたのだろうと思っていると……未唯さんは近くにいた歩夢さんに抱きついた

 

「おっと……未唯ちゃん?」

 

「お姉ちゃん……歩夢お姉ちゃん~」

 

「んん?」

 

何だか呼び方が……それに何だか甘えている感じが…………

 

「あぁ、はいはい、どうしたの?」

 

「ん~ぎゅ~」

 

「抱き締めてほしいんだね。よしよし」

 

こ、これが未唯さんが頑張った後遺症……ただ子供みたいに甘えてるようにしか……

 

「書類持ってきましたよって……未唯姉?」

 

「あーこっちだったか」

 

すると苺さんと侑さんの二人がやって来ては、直ぐに未唯さんの様子を見て、特に驚く様子を見せなかった。

 

「今回は普通だね」

 

「だね」

 

「いやいや、未唯さんのこれを放っておいていいんですか!?」

 

「前に話したけど、未唯姉が全力の集中力を見せることによって、後遺症が発生するんだよ……全力集中時は見た目は子供で頭脳は大人な探偵とかおじいちゃんの名に懸けての探偵とか二人で一人のハーフボイルドの探偵みたいな感じにあらゆる面で凄い推理力や発想力を見せるけど、その分、未唯姉は……後遺症によって甘えん坊になる!」

 

「そ、そんなことがあり得るんですか?」

 

「今回は短い時間内だったから軽いものだけどね~因みにこの時は素直だから嘘とかつけないし、何しても記憶がないからね」

 

いや、記憶がないからって何かをするとかないですからね…………

 

「未唯ちゃん、一番好きな人って誰?」

 

歩夢さんーーーーー!?何を聞いてるんですか!?

 

「えっとね~歩夢お姉ちゃんと侑お姉ちゃん~」

 

「そっか~」

 

「そこは変わらないんだね。因みにせつ菜ちゃんは?」

 

「憧れの人~」

 

侑さんも……その変なことを聞かないでください……恥ずかしいんですから……

 

「失礼します……何事ですか?」

 

すると三船さんがやって来てはこの状況を見て不思議そうな顔をしていた。

 

「えっと実は……」

 

私は状況を説明すると……

 

「なるほど、とはいえこの状態では作業に集中できませんね……私の方は一段落したのでしばらく預かります」

 

「お願いします」

 

三船さん……色々と分かってくれて助かります…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

生徒会室で高柳さんを見ることになった。基本的に大人しいのだけど……

 

「栞子ちゃん~」

 

くっつかれるのはどうにかしてほしい……無理に引き剥がすと何だか泣かれそう……

 

「あの高柳さん……離れてください」

 

「え~」

 

「え~ではありません……」

 

本当に子供みたいですね……そう言えばこの状態の時は記憶が残らないらしいと聞きましたが…………

 

「高柳さん」

 

「なに?」

 

「例えば……例えばの話ですが……私がもしも……スクールアイドルをやりたいと言ったら……どうします?」

 

「応援するよ~だって栞子ちゃんはスクールアイドルになれるから」

 

「無理ですよ……そんなの……」

 

「栞子ちゃん?」

 

「私は……後悔も失敗したくない……だから自分に合った適正に従う……それしか出来ないんです……」

 

思わず隠していた事を話してしまった……けど高柳さんは寝ている?

 

「あの高柳さん?」

 

「すぅ~」

 

本当に寝てますね……仕方ありません……もしかしたら起きたら忘れてるはずですし……何かかけておきましょう……

 

「もしも……もしも私がスクールアイドルになったら……あなたの事を未唯さんと呼んでいたかもしれませんね」

 

それはきっともう叶わないことだけど……今だけは……

 

「頑張りましょう……未唯さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

目が覚めると生徒会室だった。そう言えば……寝ちゃったんだっけ?

 

「起きましたか?高柳さん」

 

「うん、何だか迷惑かけちゃった?」

 

「いえ、少し積極的だったくらいですよ」

 

「そうなんだ……そう言えば、ここ最近の記憶がうっすらなんだけど……フェスは?文化祭は?」

 

「高柳さんと会長のお陰でなんとかなりそうですよ」

 

「良かった~私も回復したから手伝わないとね!」

 

「無理はなさらないでくださいね」

 

「うん!」

 

部室に行った方がいいよね。その前に……

 

「ねぇ栞子ちゃん」

 

「はい?何ですか?」

 

「……やっぱり何でもない」

 

私は生徒会室を後にして、部室に向かいつつ……

 

『私は……後悔も失敗したくない……だから自分に合った適正に従う……それしか出来ないんです……』

 

あの時の言葉は……栞子ちゃんの言葉だよね……栞子ちゃんは…………スクールアイドルになりたかった?




7話における栞子ちゃんに対しての説得の言葉はきっとディケイドのアギト回の説教の言葉が合うと思ってしまった。
次回は栞子ちゃん回!気合い入れて書きます!

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26 白と翡翠 ①

7話の感想で誰かが言ってたけど……
スクスタ、部屋にセミを放つ
アニメ、部屋にセミを放たない
この違いで三船姉妹の関係が変わるとか……


誰もが幸せになれる世界……私が望む世界……

それはどこにあるのだろう?

 

「やりたいって言ってたじゃない。スクールアイドル。このお祭りに協力してるってことはそういうことでしょう?てっきり貴方もステージ立つと思ってたわ」

 

「……それは子供の頃の話でしょう。私の適正は皆さんを応援し、サポートすることです。フェスティバルの間は関係ない話で時間を取られたくないんです」

 

姉の言葉を否定し、私はその場を後にする。

 

「でもあの子には気に入られてるんでしょ?高柳さんに」

 

「……あの方は誰にも好意的なので……」

 

「誰にも……ね。そうは見えないけど、特に前に貴方と彼女が話している所を見た限りでは」

 

「姉さんの勘はあてになりません。それに私が高柳さんのパートナーになっても、適正がないので長続きはしませんよ」

 

そう、これでいいんだ。私は適正に合ったことをしていれば……

 

 

 

 

前夜祭ライブを終えた高柳さんたちの所に来た私。上原さんたちはもちろんの事、高柳さんも同じように疲れている

 

「あ、栞子ちゃん」

 

「お疲れ様です」

 

「三船さんも見てくれてたんだね」

 

「ありがとうございます」

 

「すみません、前夜祭のスケジュールなどの調整など任せてしまい」

 

「いえ、お気になさらず、会長も高柳さんもスクールアイドルなのですから」

 

「栞子ちゃん、栞子ちゃん、どうだった?」

 

高柳さんは無邪気に感想を求めてきた。彼女の凄いところは適正がないように見えるのに、まるでそんなの関係ないと言う感じで全部大好きと言う気持ちではねのけてしまう。私には無いものを持っている

 

「良かったですよ。ですが高柳さん、あまり無理はしない方がいいですよ。前までお疲れでしたから」

 

「あはは、まぁ疲れてたし……今は体力とか色々と回復してるから大丈夫!」

 

本当に凄い人ですよ……貴方は……

 

「栞子ちゃん?」

 

「あ、なんでしょうか?」

 

「何か悩みごと?」

 

「いえ、大丈夫ですよ。それでは私はこれで、皆さんも明日からも頑張ってください」

 

気づかれた?そんなことはないですよね……

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

次の日、部室でみんなで侑お姉ちゃんのあるものを聞いていた。

 

「どうかな?」

 

「侑はどう思ってるの?」

 

「正直、あと一歩だと思ってます……」

 

お姉ちゃん、けっこう苦戦してるみたいだ。まぁここで満足しても仕方ないよね

 

「待たせちゃって申し訳ないけど、もう少しだけ考えてもいい?」

 

「勿論だよ!」

 

「じゃあそろそろ東雲に行こうか!」

 

「そうだね」

 

「今日からスクールアイドルフェスティバル~!最高の一週間の始まりです!」

 

「彼方ちゃんも楽しみすぎて、夜しか眠れなかったぜ~」

 

「彼方さん、それ普通です」

 

今日からスクールアイドルフェスティバル!みんなで頑張っていかないとね!

 

 

 

 

 

 

 

とはいえ、一日目は私とせつ菜さんは運営の仕事で一緒に回ることになった。

校門の前に行くと、栞子ちゃんと副会長さんの姿が合ったので声をかけることに

 

「お疲れ様です」

 

「せつ……生徒会長!」

 

「お二人ともお疲れ様です」

 

「今日はここで案内を?」

 

「えぇ、高柳さんは会長と一緒に?」

 

「うん!」

 

「それにお二人とも気合いが入ってますね」

 

二人の格好は、スクールアイドルフェスティバルのシャツに法被を羽織ってるけど……あれって作ったやつだよね?

 

「はい!これ、見てください!」

 

副会長さんの法被の後ろにはせつ菜さんの名前が……いや、気合いが入りすぎと言うか……もう爆発してない?副会長さん……

 

「ライブ!盛り上げていくからね~せつ菜ちゃん!」

 

「は、はい」

 

「栞子ちゃん、時間があったら一緒に回ろうね」

 

「一緒に……難しいですね。やることが沢山あるので……」

 

「それなら手伝う!」

 

「は、はぁ……」

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

高柳さんとの約束だけど、私は正直彼女と一緒に回るより、こうしていろんなステージを見て回った方が…………と思っていたが

 

「みんな、凄いね」

 

「……えぇ」

 

まさか3日間、一緒に行動することになるとは……それだけ高柳さんはこう言った運営関係の仕事が向いたいるみたいと言うべきか……

 

「みんなの夢が叶う場所……今回のスクールアイドルフェスティバルもそれを実現できたみたいですね」

 

「実現できたのは、スクールアイドルみんなのお陰じゃないよ」

 

「え?」

 

「栞子ちゃん、色んな学校のみんなが助けてくれたからこうして実現できたんだ」

 

「…………そうですか」

 

本当にこの人は笑顔でそう言うことを言えるのが凄い……私には眩しい

 

「栞子ちゃん?」

 

「高柳さんは結局ユニットはどうするんですか?」

 

「うーん、仕方ないとは言え、やっぱり一人かな?みんなが誘ってくれたけど……やっぱりこういうイベントの時は私が望むユニットでって思ってね」

 

「そうですか……」




今回はちょこちょこ変えていきます!

感想待ってます!


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27 白と翡翠 ②

今回はうらと苺の二人も登場!


苺side

 

スクールアイドルフェスティバルももう四日目。私はと言うと部長さんから頑張ってくれたからと言うことで、今日一日は自由に回っていいと言われた。なので虹ヶ咲に来ていたけど……

 

「何でうらちゃんの手伝いを……」

 

「いや~助かったよ~一人で運ぶの大変だったから」

 

大変と言うか……花火をセットするって仕事は明らかに学生の仕事ではない感じがするけど……

するとうらちゃんはある人物を見つけ、声をかけた。

 

「ミアちゃん、暇そうだね~」

 

ミアって確か……有名な音楽家の子で、ランジュさんの曲を作った人だよね?と言うかどんだけハンバーガー食べてるんだろう?

 

「…………」

 

って音楽聞いててうらちゃんの事を無視してるし……

するとうらちゃんはポケットからリモコンを取り出し……スイッチを押した

 

「………………!!!!?」

 

ミアちゃんは驚き、イヤホンを外してうらちゃんを睨み付けた。

 

「君は何を……」

 

「何って……あぁこれ、ちょっと特殊なリモコンで電子機器をちょこちょこやれるんだよ」

 

「それで音量をMAXにする馬鹿はどこにいるんだ!」

 

「ここにいるけど」

 

「君って奴は~」

 

あぁミアちゃん、本当にごめんね……

 

「どうかしたの?」

 

すると璃奈ちゃん、しずくちゃん、かすみちゃんの三人が声をかけてきた。

 

「この子が色々とね」

 

「うらちゃん、何かしたの?」

 

「なにもしてないよ」

 

いや、明らかにしてるからね……

 

「ミアちゃんはフェスに行かないの?」

 

「興味ないね」

 

「絶対楽しいのに~」

 

「良ければ会場まで案内しますよ」

 

「所詮アマチュアの遊びだろ」

 

「……ぷん」

 

かすみちゃん……何て分かりやすい反応を……にしてもアマチュアの遊びか……するとうらちゃんはミアちゃんを見て笑みを浮かべた

 

「へぇ~アマチュアの遊びね~見てもないのに凄いね~そんなこと言えるの~」

 

「見なくてもわかるよ」

 

「もしかして……負けるのが怖いんだ~」

 

「はぁ?何に?」

 

「自分が作った曲がアマチュアの遊びに負けるのが~だってそうだよね?ミアちゃん、子供だから負けるのが怖いからここで大人しく強がってるんだもんね」

 

「君は……いいよ!その見てやるよ!」

 

うらちゃん、煽ってるけど……ミアちゃんに対して、何か気になることがあるのかな?

 

「なんと言うか……うら子……」

 

「多分、うらちゃんはミアちゃんの事を気にかけているからだと思う」

 

「なるほど……」

 

「三人とも理解力があって助かります。ミアさん、そう言えば紫音女には特別なハンバーガーがあるみたいですよ」

 

「そう言えば私も割引券を……」

 

「早く行くよ!」

 

いつのまにか行く準備を済ませてるけど……どんだけハンバーガー好きなんだろう?

 

 

 

 

 

 

紫音女学院に来た私たち、早速ハンバーガーを食べてるけど……なんだろう?何を混ぜたんだろ?パンが紫だけど……

 

「あら、未唯……ではないわね。貴方は確か……」

 

「えっと、苺です。ランジュさん」

 

そう言えばランジュさんも今日ここでライブなんだ

 

「にしてもミア。珍しいわね。貴方がフェスに参加するなんて」

 

「このうらって子に……っていないし!」

 

「うらさんなら面白そうな実験をやってるからって見に行ってますよ」

 

「あいつ~」

 

「何だか愉快な子ね……」

 

「はは、うらちゃんが色々とごめんね」

 

休息日のはずが何でこんなに疲れる思いをしてるんだろう?私……と言うか未唯姉は?

 

「そう言えば苺さん、その手に持っているのは?」

 

「ん?あぁこれは……遥ちゃんが試しにって作ってもらったもので……未唯姉に渡しておこうかなって」

 

遥ちゃんが嬉々として私に着せてくれたけど、私はスクールアイドルじゃないし、折角だから未唯姉にあげてもいいかなって、遥ちゃんにも許可をもらってるしね。

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

紫音女学院の展示室に来ていた私。色々と回っていたけど、ちょっとした休憩になるかなと思って見ていたけど……うーん?

 

「この子……誰かに……」

 

一枚の写真には憧れの眼差しを向ける少女とその少女の頭を撫でる少女が写っていた。この子……誰かに……

 

「あれ?未唯?」

 

「あ、お姉ちゃんたち、ライブお疲れ様」

 

「未唯ちゃんはどうしてここに?」

 

「色々と回ってて、ここには休憩がてら」

 

「みーちゃんも頑張ってるもんね」

 

「はい!生徒の間では次期生徒会長にふさわしいのではと言われてますし」

 

「いやいや」

 

「それで何を見てたの?」

 

「あぁ、この写真の子……誰かに……」

 

「みんな、来てたのね」

 

声をかけてきたのは確か……三船先生だっけ?教育実習生の……

 

「あら、懐かしいわね~」

 

三船先生は私たちが見ていた写真を見て、懐かしいって……あ、もしかして……

 

「この写真の人って、三船先生?」

 

「スクールアイドルだったんですね!」

 

「そっ、でこっちが妹の栞子」

 

「「「えぇ~」」」

 

確かに面影があるけど……

 

「可愛いでしょ~高校生になったら、絶対スクールアイドルやるんだって言ってたんだよ」

 

栞子ちゃんが……

 

「私たちの代ってさ、ぱっとしてなくってさ。ラブライブも予選落ちだし、当時は栞子、がっかりさせちゃっただろうけど、でもこれは姉の勘だけどあの子のやりたいって気持ちは変わってないんだと思うんだよね」

 

気持ちは……でもあの時の言葉は…………

 

「高柳さんだっけ?」

 

「えっ?あ、はい」

 

「栞子は特にあなたに惹かれてると思うよ」

 

「それも姉の勘ですか?」

 

「まぁね」

 

栞子ちゃんがスクールアイドルをやりたい……色々と気になることが多いけど、一旦話を聞きに行かないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

ぽむお姉ちゃんたちと一緒に栞子ちゃんを探しに行き、丁度歩いているところを見つけて声をかける私たち

 

「三船さん!」

 

「どうしましたか?」

 

「水臭いじゃないですか!大好きな気持ちを抑えることはないですよ!私たちと一緒にスクールアイドルしましょう!」

 

「……何ですかいきなり?」

 

「お姉さんから聞いたんだ。三船さんがスクールアイドルになりたがってたって」

 

「はぁ~、姉さん……」

 

「もし今でもやりたいんだったら、私たちはだいかんげ……」

 

「そこまでです」

 

栞子ちゃんは愛さんの言葉を遮った。そして……

 

「私はスクールアイドルはやりません。もう諦めましたので」

 

「諦めたって、どうして?」

 

「おっしゃる通り、私がかつてスクールアイドルに憧れていたのは事実です。私の目標は姉でした。姉は歌もダンスも充分な実力を持ちかつ努力を惜しまない人でしたが、結局姉にはスクールアイドルの適正がなかったのでしょう……思うような結果も得られず、夢破れ、傷ついて終わりました。私は自分の適正に合った生き方をしたいと思っています。それは皆さんの夢をサポートすることです。ステージに立つことではありません」

 

「両方やればいいじゃないですか……三船さんだって、私にそう言って……」

 

「それは貴方だから出来ることです!身の丈に合わないことに入れ込むより、向いていることに全力を尽くす。そうすれば皆さんの役に立てますし、喜んでもらいます。それが間違っているとは思えません。この話は終わりにしましょう。まだ仕事があるので失礼します」

 

栞子ちゃんはそういい残して、去っていく。私は……私は……

 

「栞子ちゃんはそれでいいの?」

 

「高柳さん?」

 

「未唯?」

 

「栞子ちゃんは本当にそれでいいの?」

 

「……さっきも言いましたが、私は……」

 

「ずっと憧れていたお姉さんに対して、適正がなかったからとか自分の夢を自分で否定してて、悲しくもなんともないの!」

 

栞子ちゃんの考えは正しい……だけど栞子ちゃんは間違っている。

 

「それは……」

 

「私は……そんな風に怯えている栞子ちゃんは間違ってる!まだ何もしてないのに……ただ失敗を恐れてるだけで諦めている栞子ちゃんなんて…………栞子ちゃんなんて…………」

 

大嫌いと言おうとしたけど、何故か心の何処かで言ってはいけないと思いとどまり、私はその場から逃げ出した。

 

「未唯ちゃん!?」

 

「あ……」

 




まだまだ続きます!
感想待ってます!


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28 白と翡翠 ③

三日連続投稿!


『ここ、お姉ちゃんの学校?』

 

『そ、ランジュが香港に引っ越しちゃってから寂しそうな栞子を励ましてあげようと思ってさ』

 

私は姉のキラキラした姿を見て、私もあんな風になりたい……そう願った。

 

『ねぇ、お姉ちゃん。ステージに立つってどんな感じ?』

 

『立ってみる?』

 

『えっ?だ、ダメだよ~私、スクールアイドルじゃないし……』

 

『じゃあ、いつか自分で立ちなさい』

 

姉の言葉に私は夢を持った。いつも格好よくって、輝いていた姉さんが憧れで、目標だった。

もしもスクールアイドルの適正がないと最初から分かっていれば……姉さんは不要な後悔をすることはなかった。私は……同じ失敗をしない……

 

「いや、誰だってそんな思いをするべきではないんです……」

 

そう思っていたのに…………

 

『ずっと憧れていたお姉さんに対して、適正がなかったからとか自分の夢を自分で否定してて、悲しくもなんともないの!』

 

『私は……そんな風に怯えている栞子ちゃんは間違ってる!まだ何もしてないのに……ただ失敗を恐れてるだけで諦めている栞子ちゃんなんて…………栞子ちゃんなんて…………』

 

どうして、あの人の言葉がこんなにも……突き刺さるのか……それに…………私はあの方を悲しい思いをさせてしまったことに酷く後悔をしているのか……分からない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺side

 

虹ヶ咲のみんなと話していると(うらちゃんは直ぐに戻ってきた)侑姉から集合をかけられたみたいで、私たちも集まることに……

侑姉の話を聞くと、三船さんの事とそれを聞いた未唯姉が色々と言って、何処か言ったらしい。

 

「身の丈に合わないとこをしないで、向いていることにだけに全力を尽くすか~」

 

「三船さんらしい考え方なのかもしれませんが……」

 

「やるやらないは本人の自由よ。未唯ちゃんはどうしてあんな風に関わろうとしてるのかしらね?」

 

「あー、多分だけど未唯姉は三船さんの事を気に入ってるからだと思いますよ」

 

「気に入ってるからって……」

 

今の未唯姉は多分、あの時の状態に近いと思う。

 

「それでも放っておけないよ。向いていることだけをするとかみんなをサポートするとかそれだけ聞けば正しいと思うよ。でもそれって……後悔するんじゃないかな?」

 

侑姉……

 

「全くお人好しね。所で歩夢は何処に行ってるのかしら?」

 

「あぁ歩夢は未唯の所に行ってるよ」

 

「それなら安心だね。歩夢姉は……と言うより私たちは未唯姉の事を一番よく知ってるからね」

 

未唯姉がそんな風に感情的になるときは……いつも決まってるから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

はぁ……思わず感情的になってしまった。普段はそんなことはないのに……

 

「本当に私らしくない」

 

「そうかな?未唯ちゃんらしいよ」

 

不意に声をかけられ、顔をあげるとぽむお姉ちゃんがいた。なんで私がここにいることを?

 

「未唯ちゃんって落ち込んだりするときは、決まって人気のないところにいるから、紫音女学院の子に聞いて、ここに来たの」

 

分かられてる……まぁ当たり前か

 

「栞子ちゃんは?」

 

「多分、何処かにいるよ。未唯ちゃんが走っていったときは……すごく悲しそうだったけど」

 

「……そうだよね。私も思わず感情的に……」

 

「未唯ちゃんは三船さんの事を大切な人って思ってるんだね」

 

「へ?」

 

なんでそうなるの?私は……

 

「未唯ちゃんって、自分では分かってないと思うけど、そんな風に感情的になるときって大体は大切なものの為を思って行動しているときなんだよ」

 

「あ……」

 

思い返すとそうかも……特にお姉ちゃんたちが喧嘩してるときとか…………

 

「未唯ちゃんは自分で思ってる以上にね」

 

「そっか、そうだったんだ……」

 

私がするべきことは決まった。私は……

 

「お姉ちゃん、お願いしたいことが」

 

「うん、必ず未唯ちゃんのところに連れてくる!だからステージの前で待ってて」

 

「うん!」

 

「それとこれ、苺ちゃんから渡してって」

 

これって……私がいつも着ているステージ衣装?でも色が黒と翡翠色?

 

「前に苺ちゃんが遥ちゃんに作って貰って着てみたいけど、もう着る機会がないからって」

 

「……そっか」

 

私は衣装を握りしめ、ステージの前で栞子ちゃんを待つことにした。

ちゃんと話そう……私の思いを……栞子ちゃんの思いを知るために!




未唯ちゃんは歩夢が言っていたように、大切なものの為に行動する感じです。
ゆうぽむ喧嘩や外伝でもそれが見られると言う
次回で七話の話も終わりです!感想待ってます!


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29

今回タイトルがないのはある事をやるためです
今回でアニメ七話の話も終わりです!


栞子side

 

色々と考えてしまったが、本来の仕事に戻ろうとした私に高咲さんたちが声をかけてきて、一緒に学園祭を回ろうと誘われた。確かに運営の仕事で学園祭を楽しめてなかった。それを見越して誘ってきたのだろうと思い、一緒に楽しむけど…………

この場には高柳さんの姿はなかった……会って謝りたいのに…………

 

 

 

 

 

そして最後に連れてかれた場所は……紫音女学院のステージだった。

 

「ここは……」

 

「ここが三船さんの夢が始まった場所でしょ」

 

いつの間にか同好会の皆さんが集まっていた。その中には高柳さんの妹さんと親戚の方も一緒だった。

 

「三船さん……やりたいこと……してください。三船さんが出来ることを大切にしているのは分かります。そのお陰でフェスは素晴らしいものになりました!だから今度は私たちに三船さんを応援させてほしいんです。私が生徒会長とスクールアイドルを両立出来たのは同好会、生徒会、ファンのみんな、そして三船さん、貴方がいたからです」

 

「貴方が私たちにしてくれたように、私たちも貴方に何かをしたい」

 

「それは当たり前のこと」

 

「ねぇ、今日は何の日か知ってる?」

 

今日は……何の日か……

 

「フェスティバルの四日目では?」

 

「そうじゃなくって~」

 

「みんなの夢を叶える日だよね」

 

「こーんなに頑張ってくれた栞子ちゃんの夢が叶わなきゃ、スクールアイドルフェスティバルは成功とは言えないよね」

 

「私の……夢……」

 

「栞子ちゃん……」

 

振り向くと高柳さんがいた。高柳さんは私に近寄り頭を下げた

 

「ごめんなさい!栞子ちゃんの言うことは正しいけど、感情的になってあんなことを言って」

 

「……いえ、私も……すみません……」

 

高柳さんの言葉も正しい。どちらも正しいけど……でも……

 

「姉は泣いてました……夢を叶えようと……三年間……努力し続けて、最後は泣いていたんです!後悔していたんです!」

 

私はつもり積もった思いを……吐き出した。姉のあの時の姿が今でも思い浮かべてしまう……

 

「後悔してないよ」

 

すると今度は姉さんがやって来た。いつの間に……

 

「姉さん!?」

 

「確かにあの時は悔しかった。でも今ではやって良かったって思える。スポットライトの眩しさも歌を届ける喜びも可愛い妹に凄いって言われる誇らしさもスクールアイドルをやって知ることが出来たんだから」

 

やって知ることが出来た……

 

「高咲さんたちの言う通り、私は貴方が応援してくれたから幸せな高校生活を送れたと思ってる。それで今は教師になって、たくさんの生徒を貴方を応援できる人になりたいって思ってる」

 

「三船さんはお姉さんのステージを見て、沢山幸せを貰ったんじゃないの?」

 

そうだ……私は……私は……今になって思い出した。この気持ちを……

 

「そうです。姉は私に沢山の胸が高まる思い出をくれました。そんなもの現実の前では無意味だと思っていました。その筈なのに……私が皆さんを応援しようとしたのは、スクールアイドルから離れたくなかったのかもしれません。私に出来ますでしょうか?」

 

「出来るよ。栞子ちゃんなら絶対!」

 

「高柳さん……」

 

「失敗とか後悔とか先に考えていたら、ずっと止まったままだよ!それだったら……」

 

高柳さんは私に手を差し伸べた。

 

「先ずは歩き出そうよ!私が……ううん、私たちが付いてる!」

 

歩き出すか……本当にこの人には……そうでしたね。私が……ずっと消そうとしていた思いを再び思い出させてくれたのは……あの時のフェスティバルで見た高柳さんのステージだった。

私はステージに上がり、そして歩き出した。この先、失敗したり、後悔したりするかもしれないけど、それでも皆さんが……一緒だから!大丈夫!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

栞子ちゃんのステージは、栞子ちゃんの止まっていた時が動き出したように思えるステージだった。

栞子ちゃんはフェスティバルが終わったあと、同好会に入部すると言ってくれたけど、私は……

 

「未唯ちゃん?」

 

ぽむお姉ちゃんが心配そうにしているけど、私は栞子ちゃんに近寄り……

 

「栞子ちゃん……」

 

「高柳さん……どうでしたか?」

 

「すごく良かったよ。それでね……お願いがあるの」

 

「お願いですか?」

 

私は歩き出した栞子ちゃんのステージを見て、ずっと願っていた。夢を叶えたいと思っていた。

 

「私の夢を叶えてほしいの」

 

「高柳さんの夢ですか?それは……」

 

「ずっとかすみちゃんたちやぽむお姉ちゃんたちと一緒にやって来たけど、それでも私の考えは……思いは変わらなかった。私の夢は……心から一緒に組みたいって思える人とユニットになること……栞子ちゃん、私の夢を叶えて」

 

「そ、それって……」

 

「まさか……」

 

みんなが驚き、動揺する。だけど、私の意思は変わらない。

 

「……私でいいんですか?今の私じゃ……」

 

「大丈夫……栞子ちゃんは私が助ける。失敗しそうになったりしたら、私が栞子ちゃんを補う」

 

「補う……」

 

「私が失敗しそうになったりしたら……栞子ちゃんが助けて……」

 

「……互いを補っていくユニットですか……本当に私とで」

 

「うん、栞子ちゃんと組みたい!一緒にやりたい!」

 

「…………」

 

栞子ちゃんはしばらく考え込み、答えを出した。

 

「栞子ちゃん?」

 

「高柳さんの夢だけ叶わないのはダメですね。分かりました…私でよければ」

 

「栞子ちゃん……栞子ちゃん!」

 

嬉しさのあまり、私は栞子ちゃんに抱きついた。

 

「あ、ちょっと……高柳さん!?」

 

「栞子ちゃん、栞子ちゃん~」

 

「あー、あれは滅多に見れない嬉しさのあまりに爆発してる未唯姉だ」

 

「あんなみい子……初めて見ましたよ」

 

「でも未唯ちゃん、本当に嬉しそう」

 

「案外、いいユニットになるかもね。だって高柳さんと相性が良さそうだしね」

 

「ね、姉さん!?」

 

その後、私が落ち着くまで、栞子ちゃんに抱きつくのをやめなかった。そして、ある事を侑お姉ちゃんにお願いした。

 

「スケジュールの方も空きがありますから大丈夫です」

 

「それじゃ、未唯と三船さんは……」

 

「はい、皆さんの前に歌わせてもらいます」

 

「うん、時間はないから、軽く合わせるくらいだけど、私たちなら大丈夫……だよね」

 

「はい!」

 

「分かったよ。それじゃ頑張ってね。えっとユニット名は……」

 

「私と栞子ちゃんの色を合わせたユニット」

 

「互いに補い、互いに高め合い、互いに光輝きたい……」

 

「「私たちは…………」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

29 白翡翠

 

「一緒に頑張ろうね。栞子ちゃん」

 

「はい、高柳さん」




タイトル不明にして、本編でタイトルをやると言うのは、色んな作品であったりもします。特にスパロボとかスパロボとか

因みにリバースに関しては、ちゃんと組ませます!とは言えアニメでリバースがちゃんと出るのかあれですが……
とりあえず感想待ってます!


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30 夜の練習と迷い

トキメキが……


「はぁ…はぁ…休憩しようか」

 

「そうですね」

 

栞子ちゃんがスクールアイドルになることを決めてから、数時間後の夜の学校。許可を貰って練習をしていた

 

「あまり焦らない方がいいですかね?」

 

「うん、そうかもしれない。変に無理をしていたらどっちかが倒れちゃうし…」

 

「そうですね」

 

お互い無理は禁物と考えていたから良かったかもしれない。

私も時間がないから、気合いで頑張るよって言うタイプではないし、栞子ちゃんもそうだしね

 

「後は明日何回か合わせよう」

 

「そうですね…」

 

栞子ちゃんは少し不安そうな顔をしていた。初めての事だから仕方ないけど……

 

「何か不安なの?」

 

「えっ?」

 

どうにも別なことに不安そうにしてる。私はジーッと栞子ちゃんを見つめて……

 

「ランジュの事です」

 

「ランジュさん?」

 

「スクールアイドルになると聞いたら、どんな事を思うのか……それにユニットのことも……」

 

応援してくれそうだけど……でも何処と無くランジュさんって……

 

「私からはなんとも言えないかな?こうかもしれないって思うことがあるけど、実は私の勘違いかもしれないし」

 

「高柳さん……」

 

「だから今は……ね」

 

「はい!」

 

とりあえず着替えないと……

 

「そう言えば高柳さんは……皆さんと一緒に立たないんですか?」

 

「えっ?」

 

「明日の最後のステージ……私たちの後に皆さんが全員で立つステージに……」

 

その事は……正直迷ってる。

 

「私が入っていいのかなって……」

 

「高柳さん……恐いとかですか?」

 

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。今はただ迷ってるだけだから……ちゃんと答えは出すよ」

 

「分かりました……もしも最後まで迷っているなら……背中を押しますね」

 

「うん!その時はお願いね」

 

「はい!」

 

今は迷っている……あの9色の虹に……私は…………入っていいんだよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はスクールアイドルフェスティバルには最後しかステージに立てなかった。まぁこれは私自身が決めたことだったから仕方ないけど…………

今はみんなと一緒にステージ立ちたい。でも……

 

「はぁ~我ながら変なことで迷ってるな~」

 

栞子ちゃんは背中を押してくれると言ってくれたし、きっとみんなも受け入れてくれる。だけど迷いが出てる……

うーん、こう言うときは誰に相談したらいいんだろう~

 

「あれ?未唯さん?」

 

不意に声をかけられ、振り向くとそこにはせつ菜さんの姿があった。

 

「今帰りですか?」

 

「う、うん、栞子ちゃんと練習してて……せつ菜さんは?」

 

「何だか眠れなくって……明日でスクールアイドルフェスティバルも終わりですね」

 

「はい、いろいろとありましたが……ここまでやれましたね」

 

「えぇ、明日は10人で立ちましょう!」

 

「え……」

 

「え?未唯さんは……立たないんですか?」

 

「その……色々と迷いがあって……あはは」

 

「未唯さん?大丈夫ですよ。皆が望んでいますから」

 

「え?」

 

「未唯さんは多分遠慮してしまっているんです!だから変に迷ってしまう。ですが皆さんは未唯さんと一緒に立つことを望んでいます!あの時、出来なかったことを……今度こそ果たしましょう!」

 

あの時出来なかったことを……そうだよね……

 

「ありがとうございます。せつ菜さん。私も立ちます」

 

「はい!」

 

背中は栞子ちゃんとせつ菜さんが押してくれた。後は迷いを吹き飛ばす勇気がほしい。こう言うときは……

 

 

 

 

 

 

 

私は家にある連絡をした後、ぽむお姉ちゃんに電話をした

 

『どうしたの?未唯ちゃん?』

 

「お姉ちゃん、お願いがあるの……」

 

『お願い?』

 

「今日、一緒に寝て!」

 

『へっ?』

 

「勇気がほしいの……だからと言うか」

 

『あぁそっか……分かったよ』

 

こうして私はぽむお姉ちゃんの家に泊まるのであった。

 

そして明日はついに……最終日




未唯の迷いを吹き飛ばすために歩夢ちゃんと寝ることの理由は次回!
感想待ってます!


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31 最終日に向けて

何気に遥ちゃんはかすみの事をかすみんさんって言ってるのね


スクールアイドルフェスティバル。5日間続いたお祭りも今日で最終日

みんなで更衣室で着替えていると、

 

「かすみんさん、その髪飾り可愛いね」

 

「えへへ~そんなこともありますよ~何たって今日は最終日ですからね。気合い入れていかないとダメですよ~」

 

「うん、未唯ちゃんも気合い入ってるよね」

 

「うん、昨日色々とありがとうね」

 

昨日はぽむお姉ちゃんに沢山勇気をもらえたからね。お陰で体力満タン!

 

「みい子~緊張してたの~?」

 

「まぁ色々とね……せつ菜さんにも栞子ちゃんにも背中を押してもらったし……今日は頑張るよ~」

 

「未唯さんがこんなにテンション高いのは始めてみました!それぐらい今日は頑張るんですね!」

 

「うん!」

 

「それにしてもあっという間だよね~」

 

彼方さんの言う通り、本当にあっという間だった。ここまで色々あったけど……楽しいことはあっという間だ。

 

「12時からライブだよね?」

 

「うん」

 

「まだ時間があるよね?」

 

「文化祭、みんなで回ろうよ」

 

「オープニングアクトはランジュさんなんですよね?」

 

「はい!この短期間で人気もうなぎ登りですし、ガッツンと勢いをつけていただこうと思いまして」

 

「任せておきなさい!」

 

すると噂をしたらなんとやらなのか、ランジュさんがドアを勢いよく開けて現れた。いや、あのランジュさん、せめてノックくらいして……

 

「いよいよね」

 

「うん」

 

「あなた達の今までのライブ見せてもらったわ!どれも良かった。でも今日の主役はあなたたちじゃない。この鐘嵐珠よ!最初に約束したようにこのスクールアイドルフェスティバルで最高のソロアイドルの姿を見せてあげるわ!」

 

「それは楽しみね」

 

「かすみんだって負けませんよ~」

 

「お互い頑張ろう。璃奈ちゃんボード『むん!』」

 

「私たちも合同ライブに参加してくれた人たちも今日が最高の一日だったってステージにしようね」

 

なんと言うか……ランジュさんは相変わらずだな~そこも良いところだけど……悪いところでもあるような……

 

すると黒羽さんがあることに気がついた。

 

「あれ?最後の曲……空白ですけど……」

 

最後の曲……まだなんだよね……

 

「実は……まだ決まってないんだ」

 

「同好会で歌える曲を侑先輩に作って貰ってるんですが……」

 

「息詰まってるみたいなんだよね~」

 

「そう言えばいないわね。あの子」

 

頑張ってるみたいだし、後で様子を見に行った方がいいよね。

 

「未唯ちゃんはこれからは?」

 

「クラスの方に行くよ。当番あるし」

 

「そう言えばみい子のクラスって……」

 

かすみちゃん、あの事を知ってるのか……まぁ同じ普通科だから知ってるか……と言うか交渉がスムーズにいって良かったけど……

 

「未唯ちゃん、本当にお疲れ様」

 

 

 

 

 

 

 

 

と言うことでクラスの出し物……それはコスプレ喫茶だった。2年生の出し物と被っていて色々と問題になったけど…………

 

「まさか合同でやるなんて……」

 

時間を分けて、二年生は午前中、一年生は午後と言う風にお店を変えることになった。そして私とぽむお姉ちゃんは……

 

「お姉ちゃんはウサミミのメイドさん?」

 

「うん、でもちょっとだけアリスイメージだったりもするよ」

 

確かに服の色的にはそんな感じがする

 

「未唯ちゃんは……」

 

「うん、チシャ猫だよ」

 

ちゃんと猫耳を着けて、チシャ猫みたいな色のメイド服を着た私、何だか最初は…………

 

『高柳さんは天使の衣装よ!』

 

『いいえ!スナネコの格好よ!』

 

『違う!クリオネよ!』

 

などとクラスの子が揉め、私がお姉ちゃんに合った服がいいなって言って何とか収まった

 

「ふふ、未唯ちゃんは人気者だね」

 

「あはは……」

 

「そう言えば練習は?」

 

「うん、朝早くに最後の練習したよ。後は……」

 

「侑ちゃんだね」

 

「私の方が休憩時間早めだからその時に様子見に行ってくるよ」

 

「お願いね。未唯ちゃん」




歩夢ちゃんのクラス、コスプレ喫茶だけど不思議の国のアリスメインなんだよね
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32 トキメキ不足

侑お姉ちゃんの様子を見に行くことになった私。丁度お客さんとして来ていた果林さん、エマさん、彼方さんと一緒に部室へと行くと、扉の前で栞子ちゃんとばったり出会った。

 

「おや?栞子ちゃん」

 

「どうしたの?」

 

「高咲さんが悩まれてると聞いたので」

 

「優しいね~」

 

「そんな…」

 

「栞子ちゃんは優しいもんね~」

 

「高柳さんまで……」

 

「本当、仲がいいわね」

 

「えへへ」

 

「と、とりあえず様子を見ましょう」

 

恥ずかしがる栞子ちゃんの言う通りに部室のドアを開け……

 

「侑ちゃ~ん」

 

「もうすぐランジュのステージ始まるわよ」

 

「トキメキはどこ~!?」

 

思いきり叫んでた……と言うかこの状態はもしかして……

 

「トキメキ…トキメキ…」

 

トキメキと呟きながらうろうろしたり……

 

「うぅ~全然出てこない~!」

 

床をゴロゴロしたり……

 

「どんだけ考えても~!」

 

ブリッジしたり……

 

「ときめかないよ~!」

 

最終的には逆立ちしてるし……

 

「こりゃ思った以上に重症だ~」

 

お姉ちゃんのこの状態を例えるなら、トキメキ不足。たまにトキメキがないとこうなるんだよね~

 

「試しに……」

 

私はぽむお姉ちゃんのメイド服を見せるけど、侑お姉ちゃんのトキメキ不足は解消されない。

 

「ダメか……」

 

「未唯ちゃん、流石慣れてるね」

 

「まぁ……」

 

「それにしてもこれでは……ここは気分転換ですね」

 

と言うことでお姉ちゃんを連れて気分転換をしに行くことになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

うらside

 

私はかすみちゃんたちと一緒にハンバーガーを食べていた。因みにミアちゃんも一緒だ。

 

「おいしい~!」

 

「なんで僕まで一緒に」

 

「おいしいものはみんなでシェアするもんなんだよ」

 

「そんなもん?」

 

「そんなもんだよ」

 

「見るなよ…」

 

『あははははっ』

 

ミアちゃんも馴染んできてるみたいだ。流石に14歳のミアちゃんからしたら、もしかしたら寂しかったりするよね。

 

すると未唯ちゃんたちが向こうの方にいるのを見つけた。

 

「未唯ちゃん、どうしたの?」

 

「うらちゃん、実は……お姉ちゃんがトキメキ不足で」

 

トキメキ不足……なにそれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

「これ飲んで落ち着いてください」

 

「ありがとう」

 

お姉ちゃん、トキメキ不足と言うのもあったけど、どうにも疲れている。やっぱり悩みすぎてなのかな?

 

するとぽむお姉ちゃん、愛さん、せつ菜さんも来て、これで全員揃ったのかな?

 

「別に体調悪いわけじゃないから」

 

「ごめんね。みんなには何度も相談乗ってもらってるのに」

 

「相談くらいいくらでも乗りますよ」

 

「話して」

 

「せっかく開催できることになった大事なフェスの曲だから最高のものにしたくてさ……でもみんなの素敵のところはどうやって表現できるかとか、どうしたらファンの人たちに喜んでもらえるかとか……それにこの曲がランジュちゃんと約束した私が同好会にいることの答えに相応しいのかとか。そういうの全部叶えられるものになってるのかなって思うと自信なくなっちゃって……考えれば考えるほど頭がグルグルしちゃってさ」

 

「力入りすぎですよ」

 

しずくちゃんはお姉ちゃんの頬をつっつく。私もお姉ちゃんあることを話した。

 

「変に考えすぎちゃうと、余計わからなくなるよ」

 

「そうだね……うん」

 

「そうそう、色々考えすぎ」

 

「侑ちゃんらしいけどね」

 

「私が言うのはおかしいかもしれませんが深く考える必要はないのではないですか?」

 

「そうだよ。侑ちゃんの曲を私たちで歌うなんてそれだけですっごく素敵なことなんだからさ」

 

「侑さんが作ってくれた曲を歌えるなんてすごく嬉しい」

 

「かすみんたちは自信を持ってステージで歌います」

 

「そっか。だったらやっぱり同好会やファン、みんなの中のトキメキに応えられるそんな曲になれば…みんな本当にありがとう!もう少しでできると思うから待ってて!」

 

お姉ちゃんも元気出たみたいで良かった。

 

「それに未唯が初めて歩夢たちと一緒に歌うもんね」

 

「うん」

 

「もうすぐライブ始まるわよ」

 

もうそんな時間か……あれ?そう言えば……

 

「ニジガク号ってうらちゃんも設計手伝ったんだっけ?」

 

「うん、頼まれたからね~まぁ普通な感じにしちゃったけど……」

 

うん、普通のにしてもらって良かったよ

 

 

 

 

 

 

 

ステージ裏で私たちはランジュさんのステージを待っていた。そろそろニジガク号もゴールするみたいだし

 

『ジェットスライダーもついにクライマックスを迎えようとしています!見事ゴールすればスクールアイドルフェスティバルのメインステージが鮮やかにライトアップされライブがスタートします!あとちょっとでゴールだよ!頑張って~』

 

それにしてもこんな大掛かりな装置を……あの流し素麺同好会がなんて……凄いな~

 

『順調に校内を巡り最後のレーンに入ったニジガク号!いよいよゴール寸前!』

 

最後のレーンに入ったが、直前のカーブでニジガク号が引っ掛かった……

 

みんなが残念がる中、一番残念がっているのは…………

 

「くっ、これなら勢いの増すロケットエンジンを……」

 

うらちゃん……でもこれどうするのだろう?

 

「ランジュちゃん…」

 

「お膳立てなんて最初から期待してないわ。前に言ったでしょ。私は与えるだけでいいって、私は私を知らしめるためにステージに上がるんだから。私にはそのやり方しかないの」

 

ランジュさんはステージに上がり、アカペラで歌い出す。今のうちにレーンの様子を見に行く私。するとニジガク号が止まっているレーンの支柱にはんぺんともう一匹の黒猫が支柱に振動を与えると、ニジガク号は動きだし、いいタイミングでライトアップした。

それにしてもあの黒猫は……見たことないけど、迷い猫かな?

 

 

 

 

 

 

 

オープニングアクトが終わると、栞子ちゃんはランジュさんに声をかけていた。

 

「すごかったです。ランジュ」

 

「ありがとう。あなたもスクールアイドルをやりたがってたなんて知らなかった」

 

「それは……」

 

「別にいいわよ。こういうの慣れているから、次はあなたたちの番よ。楽しみにしてるわ!」

 

そう言い残して去っていくランジュさん。そしてそれを見ていた他の学校のスクールアイドルの子達は……

 

「まさに孤高」

 

「ソロアイドルだね」

 

孤高………か。孤高は時には孤独になる気がするけど……ランジュさんは大丈夫かな?

 

「高柳さん?」

 

「なんでもないよ」

 

私の考えすぎだよね。

 

「ランジュさんのパフォーマンス前に見たときよりもっとすごくなってた」

 

「プレッシャーかけられちゃったわね」

 

「皆さんそろそろ準備された方が…」

 

「そうですね」

 

ライブが始まる。とは言え私と栞子ちゃんは最後の曲の前座だから、運営の仕事を…………

フッと気がつくと侑お姉ちゃんがそっとみんなの所から離れるように何処かへ行くのであった。




まさに孤高という台詞は、孤独にもとれるとリアタイしたさいに思いました
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33 トキメキ!

8話は本当にいい最終回だった。あれ?まだ8話?あれ?


侑お姉ちゃんの様子が気になり、探していると丁度階段に座りながら、ミアちゃんと話しているのを見つけた。

 

「どうしたんだよ?」

 

「ミアちゃん」

 

「んっ…ミア先輩だろ?」

 

「あはは……」

 

「ミアちゃんって相変わらずそこら辺厳しいね」

 

「未唯まで……」

 

「厳しくってダメかい?」

 

「ううん、ミアちゃんなりに年下だからって言われないようにしてるのかなって」

 

「本当に……君たちは似ているね。まぁ君がそう思うならそうでいいんじゃない?」

 

「うん、そうする。それでお姉ちゃん、どうしたの?」

 

「うん……さっきのランジュちゃんのライブ、私すごいときめいたよ。うまく言えないけど私はこうなんだって気持ちが歌や踊り全部から伝わってきて…あの瞬間ランジュちゃんで心の中がいっぱいになった」

 

「ランジュは最高のプレイヤーだから……ランジュだけじゃない。他のスクールアイドルだってきっとそうだ。自分の存在全てをステージに懸ける。そういうものなんだ。でも僕たちはそんなことをする必要はない。求められる曲を作って評価してもらえるんならそれでいいじゃないか。同好会のアイドルのために作るっていうベイビーちゃんの判断は絶対に間違ってない。みんな喜んでくれるさ」

 

「そう……なのかな?」

 

お姉ちゃんなりに自分の求めているものが本当に正しいのか悩んでるけど……私としてはミアちゃんと同じ考えだ。お姉ちゃんはただ評価されたいからじゃない。みんなのために作ってるんだよね

 

「確かに今のままでもみんなに喜んでもらえるかもしれないけど…今 私が感じているこのトキメキはもっとなんていうか…そっか。私は…ファンの私はスクールアイドルのパフォーマンスや音楽だけにときめいてたんじゃなくって……歩夢、しずくちゃん、せつ菜ちゃん、愛ちゃん、果林さん、かすみちゃん、璃奈ちゃん、エマさん、彼方さん、そして未唯……自分を目一杯伝えようとしているみんなの姿にときめいていたんだ!

私もみんなに近付きたい……みんなと一緒に今ここにいる私を伝えたい!そうなんだ!これが私のトキメキ!」

 

お姉ちゃん、ようやく自分の求めている答えが見つかったんだね。

お姉ちゃんは早速曲を作り上げるためにミアちゃんの手を引いて、部室へと向かう。私も追いかけていき……

 

「Are you serious!?本気で言ってるのか!?」

 

「うん。それに合わせてアレンジを変えたいんだ。手伝ってくれる?これが同好会の中で私のやりたいこと、スクールアイドルがみんなと一緒に叶えたい夢!」

 

その後、みんなを集めて出来上がった曲を聞かせたお姉ちゃん。お姉ちゃんのトキメキが沢山詰まったこの曲……きっとそうだよね……これが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最後のステージ……虹ヶ咲の最後の曲の前に……私と栞子ちゃんの前座ステージが始まりつつある。

 

「栞子ちゃん、緊張してる?」

 

「……はい、とても」

 

私は白いドレスを、栞子ちゃんは私のドレスのカラバリで黒いドレスを着ている。このドレスは苺ちゃんから貰ったものを、栞子ちゃんに合わせたもの。間に合って良かった……

 

「高柳さんは……緊張してないんですか?」

 

「してるよ……すっごく!」

 

笑顔でそう言うと栞子ちゃんも釣られて笑った。私は優しく頬笑み……

 

「大丈夫……栞子ちゃんは私が補う」

 

「私は未唯さんを補います」

 

「互いに補い合い」

 

「高めあっていき」

 

「「二つの光を一つに……それが私たち……白翡翠!!」」

 

私たちはステージに上がり、挨拶をした。

 

「今日はみなさん、楽しんでくれましたか?虹ヶ咲最後の曲の前に私たちのステージを見て、もっと楽しくなってくれればいいと思います!」

 

「初めまして、三船栞子です。こうしてステージに上がれたのは、同好会のみなさんや姉……そして高柳さんのお陰なのかもしれません」

 

「私は誰かずっとユニットを組みたいと思ってた。他のみんなのユニットに交ざったりしてましたが……私は心から組みたいと思った人と組んでみたいと思い……そしてスクールアイドルフェスティバル……みんなの夢が叶う場所で、私の夢が叶いました!それでは見てください!」

 

「私たちの…白翡翠のステージを!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ステージが終わり、私は少しだけ水分補給をし……

 

「……」

 

みんなの待っているステージに行こうとするけど……駄目だ……折角勇気とかもらったのに……まだ緊張してる……

 

「高柳さん……大丈夫ですよ」

 

「栞子ちゃん……」

 

「未唯さんはもう大丈夫です。貴方の適正は……あの9色の虹に交ざる事ができる人ですから」

 

「それなら栞子ちゃんもだよ。知ってる?虹って見た人によっては何色にも見えるんだって……だから私たちの虹がいつかもっと交ざった大きな虹になるのを待ってる」

 

「はい!」

 

「それと……最後の一押しに……名前で読んで」

 

「……分かりました。行ってらっしゃい。未唯さん」

 

「うん!行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

ステージに上がり、みんなと並び立った。

 

「5日間にわたった合同文化祭、スクールアイドルフェスティバルも最後のステージとなりました」

 

「参加していただいたたくさんの学校、スクールアイドル、ご来場の皆さんにこの場を借りてお礼を言わせてください」

 

『ありがとうございました』

 

「次が最後の曲になります。私たちの大切な仲間が作ってくれた曲です」

 

「これから歌う曲、そしてこのステージは今日まで出会ってきたみんなのおかげでできたものです」

 

「たくさんの出会いが私たちに力をくれました」

 

「ある人が助けてくれたから新しい歌は生まれました」

 

「ある人が提案してくれたから今回のフェスティバルは実現しました」

 

「ある人が素敵なライブを見せてくれたから私たちはもっと成長することができました」

 

「そしてここに集まってくれたスクールアイドルを愛してくれる皆さんがいてくれたから、このフェスティバルは無事フィナーレを迎えることができました」

 

「そしてまたここから次の夢は始まります」

 

「私たちと一緒に走り出していきましょう」

 

「みんなと……そしてあそこにいる……私たちを支えてくれた人と……」

 

私は観客席のある場所を見た。これがやりたいことなんだね。お姉ちゃん。

 

「それでは聞いてください」

 

スポットライトが観客席の奥の方に照らされた。そこにはお姉ちゃんとピアノがあった。お姉ちゃんは丁寧にお辞儀をし……ピアノを弾こうとすると……

 

「頑張れ」

 

ぽむお姉ちゃんの小さな声が私には……ううん、きっと侑お姉ちゃんに聞こえたはずだよね。

そしてピアノの伴奏と共に始まる私たちのこの10色の虹の始まりの曲……みんなのトキメキが走り出すような曲……これが私たちのステージ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長かったスクールアイドルフェスティバルもこれで終わり、みんなで打ち上げをしていた。

 

『かんぱ~い』

 

「みなさん最高でした!」

 

「ありがとう!」

 

「未唯ちゃんも良かったよ」

 

「えへへ~」

 

みんなで楽しく打ち上げをしているとランジュさんがやって来た。ランジュさんも見てくれたんだよね?

 

「辛苦了」

 

「ランジュちゃん」

 

「よかったわよ」

 

「ランジュちゃんのおかげだよ」

 

「あなたの覚悟伝わったわ。あなたたちも見事に正しさを証明してみせた。私は100%やりきったけど同好会はそれ以上だった」

 

「ん?」

 

「ここに来た価値は十分あった。後悔はないわ。それに……」

 

ランジュさんは私と栞子ちゃんの方を見て、何故か安心したような顔をしていた。そして……誰にも聞かれないように……

 

「バイバイ」

 

そう呟くのであった。だけどそれは誰にも届かなかった。

 

そして……

 

 

 

「みー、みー」

 

一匹の黒猫が外で寂しそうに泣いていた




ランジュの本当の目的は……一体……
次回は幕間にてあの子がついに
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34 迷い猫

今回は幕間!
ようやく出せた


栞子side

 

スクールアイドルフェスティバルも終わり、皆が片付けをしている最中、私は璃奈さんに頼まれてはんぺんさんの餌をやりにきていた。はんぺんさんは中川会長の任命でお散歩委員になっている。迷い猫をそのままにしておけないと言うことで、そうなったらしい。

 

「お待たせしました。はんぺん……さん?」

 

餌をやろうとすると、はんぺんさんの傍らには黒い子猫がいた。

 

「にゃー」

 

「みー」

 

いつの間に迷い込んだのか?いつからいたのか分からないけど……これは……

 

 

 

 

 

 

 

「お散歩委員の増員ですか?」

 

子猫について早速中川会長に相談をすることにした私。

 

「はい、この子なのですが……」

 

「まだ小さいですね……」

 

安全のために連れてきた子猫を見つめる会長。

 

「はんぺんの方はどんな感じですか?」

 

「特に縄張りだからといじめたりはしてないです」

 

「なるほど、それなら増員はいいですが……」

 

少し悩む会長。まだ何か問題があるのか?

 

「はんぺんはまだ大丈夫ですが、この子はまだ小さいです。はんぺんと同じように学園で過ごさせるのは厳しいかと……」

 

「そうですね……何かあってからでは…………因みに中川会長の家は……」

 

「難しいですね。両親ともに忙しいですし……三船さんは?」

 

「私も……ちょっと……」

 

姉が変なことをしないかは心配ないが、いざ飼うとなると……

 

「そうですね……ではここは……」

 

 

 

 

 

 

 

「と言うことでお願いできませんか?ランジュ?」

 

私は子猫を連れて、ランジュに頼み込んだ。

 

「猫ね~あのマンション。ペット禁止なのよね。それに……」

 

「それに?」

 

「後で話すわ。力になれなくって悪いわね」

 

「いえ、急なことを頼んですみません」

 

「それにしてもこの子猫……似てるわね」

 

「似てる?誰にですか?」

 

「ふふ、貴方によ」

 

私とこの子猫が?流石にそれは……

 

「似てますか?」

 

「何となくね。子猫の事だけど、同好会の子達に頼んだら?」

 

「わかりました。聞いてみます」

 

私はランジュに改めてお礼をいい、部室へと向かうのであった。

 

「…………悪いわね。本当に……」

 

 

 

 

 

 

 

部室で皆さんに聞いてみることにした私。因みに果林さん、エマさん、せつ菜さん、璃奈さん、愛さんは寮暮らしだったり、家の都合で無理という判断だ。

 

「猫ですか~かすみんの家もちょーと厳しいですね」

 

「家もオフィーリアがいるので……」

 

かすみさん、しずくさんは無理と……歩夢さん、侑さんはと言うと……

 

「うーん、私たちの住んでるところはペット可だけど……ちょっと難しいかな?」

 

「うん、力になれなくってごめんね」

 

「いえ、急なお願いをしてすみません。後は……」

 

未唯さんは……話に入らずにスマホで何かをしていた。すると私の視線に気がつき、あることを言い出した

 

「家はOKだよ」

 

「いいんですか!?」

 

「うん、お母さんに許可をもらったから」

 

「ありがとうございます!」

 

「ちゃんとお散歩委員の仕事もしっかりやるんだよ」

 

「みー」

 

「大丈夫。はんぺんが教えるから」

 

「そっか」

 

それにしても未唯さんが引き受けてくれるなんて……侑さんたちと同じ感じで断るかと思っていた。

 

「名前どうしようかな?えっと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

いざ名前を決めるとなると難しいな……お姉ちゃんたちとかは割とすんなり決められそうだけど……あぁでもあの蛇のぬいぐるみにサスケって名付けてたし……うーん

 

「未唯ちゃん、こう言うのはパッと思い付いた名前の方がいいよ。私もはんぺんをはんぺんって思い付いて名付けたし」

 

「うーん……それじゃ……」

 

「そう言えばランジュがこの子を私と似ていると言ってましたね」

 

栞子ちゃんに似てる?確かに何だかそんな感じが……としたら……『栞子』だと怒られるし……『栞』は……うーん……ピンと来ない。そう言えばどこかの言葉で栞を……

 

「シニエはどうかな?」

 

「シニエ、いい名前だね」

 

「はい、とても素晴らしいです」

 

「未唯らしい名前だね」

 

私らしいってなんだろう?でもこの子にしっくり来る感じがするし……

 

「シニエ」

 

「みーみー」

 

シニエも気に入ったみたいだ。

 

「今日からよろしくね。シニエ」

 

「みー」

 

こうして高柳家に新しい家族が出来たのであった。因みにちゃんとお散歩委員のために家から学校まで連れていくようにするためにキャリーバックを帰り道買うのであった。

 




アニメのランジュは普通にいい子

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35 突然の別れとうらの思う曲

「心の奥にある答えは本当にそれでいいの?見たことのない世界を見てみたい」

 

 

 

 

 

 

うらside

 

「ミーアちゃーん」

 

「君か……ボクは忙しいんだけど」

 

学校の裏の方で何かを見ているミアちゃんを見つけた私は声をかける。相変わらずうざがられてるけど、正直慣れてきた。

 

「シニエ見に行かないのかな~って」

 

「シニエ?あぁ君たちのところ……」

 

未唯ちゃんがこの間引き取った猫シニエ。まだ小さいからか散歩していても直ぐに未唯ちゃんのところに甘えにきたりしている。

ミアちゃん、猫好きだし会わないのかなと誘いに来た私。

 

「後で行くよ」

 

「ふーん、所で何を見てるの?」

 

「別に、何だっていいだろっておいっ!」

 

ちょっとスマホを拝借して、なるほど、この間のライブの映像か

 

「あっこの前の!見てくれてるんだね!」

 

「うわっ、ベイビーちゃん!?これは……た、たまたまだよ」

 

いつの間にかいた侑さん。それにしても侑さん、ミアちゃんに対して距離近いな~

 

「でも嬉しいよ」

 

「……」

 

恥ずかしがっているミアちゃん。するとミアちゃんのスマホに誰かからメッセージが入った。

 

「ランジュ?」

 

侑さんと一緒になって覗き込むと文面は……

 

『やりたいことはやりきったし、スクールアイドルは止めて帰国するわ。曲も、もう作らなくていいから』

 

これって……

 

「やめる?ランジュちゃんが?一体なんで…」

 

「ミアちゃん」

 

「直接話聞いてくる。ランジュは歌わなきゃいけないんだ。僕のために」

 

僕のために?どういうことだろう?ミアちゃんは直ぐ様ランジュさんの所へと向かい、私も追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

侑お姉ちゃんからランジュさんの件を聞き、栞子ちゃんに確認をとることになった私たち。栞子ちゃんはと言うと……

 

「じゃあしおってぃーも突然知らされたの?」

 

「はい…」

 

「何か詳しい事情は聞いてませんか?」

 

「いえ。来たメッセージはこれだけで」

 

メッセージは……『近いうちに帰国することにしたわ』のみだった。本当に急すぎるような……いや、少し思い返せば……所々思い当たる事があったかもしれない。

 

「どういうことですかねぇ?しお子にも話さないなんて」

 

「ランジュちゃんスクールアイドルをやめちゃうんだ…」

 

「しかも帰国だなんて…」

 

「ちょっと急すぎよね」

 

「…………」

 

栞子ちゃんも突然の事で色々と考え込んでるみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

うらside

 

ミアちゃんと一緒にランジュさんの家に来た私。ミアちゃんは説得を試みていた。

 

「ようやく知名度も上がってきたんだ。これからというときにどういうつもりだよ?」

 

「だってスクールアイドルはもうやりきってしまったんだもの」

 

やりきったって……そんなにやったのかな?と変に突っ込まないように成り行きを見守らないと……

 

「やりきった?」

 

「そうよ。スクールアイドルでやりたかったこと、やれることに全力で取り組んできたわ。そして歌もパフォーマンスも全てやりきった。だからやめるの。私たちのパートナーシップも解消しましょう」

 

「何言ってるのさ。僕たちの音楽を知らない人はまだたくさんいる。その人たちに見せつけてやらなきゃ」

 

「分かっちゃったのよ」

 

「何が?」

 

「この前のスクールアイドルフェスティバルで私は100%出し切った。でもあの子たちはもっとそれ以上だった。いくら手を伸ばしてもやっぱりあそこには届かないって。思い知らされちゃったわ……特にあの子……未唯にね」

 

「彼女が何さ……」

 

「あの子は栞子と共に組んだことで更に高みへと登り詰めた。未唯は本当にすごいわよ。あの子の言う心から組みたいと思った人と組んだことで100%以上のパフォーマンスを見せたんだしね」

 

未唯ちゃんってそんなに凄いんだ……近い人だから、気づかなかったけど……

 

「僕の曲じゃあの子たちにはかなわないってこと?」

 

「そうじゃないわ。ただ…」

 

「だったら今度は絶対負けないような最高の曲を作る」

 

「ミア……」

 

「その出来に納得できたらスクールアイドルをやめるのは撤回してもらうから。君にはまだ僕の曲を歌ってもらわなきゃ困るんだ」

 

ミアちゃんはそう言って出ていくのであった。えっと私も出ていくべき?

 

「それで貴方は未唯に頼まれて来たの?」

 

「いえ、ミアちゃんにくっついてきただけです」

 

「そう……貴方はどう思っているの?」

 

どう思っている?何に対して?ランジュさんが届かないからって諦めていることに対して?それとも……

 

「多分……ミアちゃんが作る曲は……ランジュさんを引き止めるほどのものじゃないと思います」

 

「それはどうしてかしら?あの子は自信満々だけど?」

 

「えっと……私は音楽は分からないですけど……ただ誰かに認めてもらおうとしている曲に……何の感動も生まれないと言うか……」

 

「ふーん、続けて」

 

「えっと、ランジュさんのステージは何度か見ましたが……ミアちゃんがランジュさんに歌ってほしいという想いがあったから、ランジュさんはミアちゃんの曲を歌ったんだと思います。でも今回のミアちゃんの引き止めるためだけの曲には……ランジュさんは歌いたいと思わないと思います……」

 

「未唯もだけど貴方も面白いわね」

 

「あぁすみません。思ったことを素直に言っただけなので……」

 

「そうね……貴方の言う通りかもね。ミアがどんな曲を作ってきても……私の決意は変わらないわ」

 

ランジュさん……

 

「そろそろいいかしら?荷物片付けたいのだけど……」

 

「あぁすみませんでした。では……」

 

私はランジュさんの家を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

次の日、侑お姉ちゃん、エマさんと一緒にランジュさんを説得するけど、ランジュさんは聞き入れてくれなかった。そして私たちは璃奈ちゃんとミアちゃんと一緒に集まっていた。

 

「はぁ~結局やりきったからとしか教えてくれなくて」

 

「ふ~ん」

 

「本当に帰っちゃうのかな?」

 

「もっと仲良くなれたらって思ってたんだけどな」

 

「ランジュは帰らせないよ」

 

「えっ?」

 

「曲を作ってる。ランジュのための最高の曲だ。それを聴けばランジュの考えも変わるさ!ランジュにやめられたら困るんだよ」

 

なんだろう?ミアちゃんはランジュさんのためにって言ってるけど……自分のためにしか思えないのは……うらちゃんとそこを気にしてたみたいだけど……伝えた方がいいのかな?でも伝えても今のミアちゃんは意地を張りそうな気がする……

 

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

帰ろうとするとランジュが黄昏ているのを見つけた。ランジュも私に気がつき、一緒に帰ることに……何か話さないと思い、話しかけると……

 

「「あの……」」

 

被ってしまった……

 

 

「あ、ランジュから先に…」

 

「ううん。栞子が先に言って」

 

「あの大したことじゃないんです。ただ一緒に帰るのランジュが戻ってきてから初めてだなって」

 

「そうね。栞子ってば文化祭の準備で大忙しなんだもの」

 

「すみません」

 

「責めてないわ。違うの。私もライブとかで忙しかったから」

 

「スクールアイドルを頑張ってましたものね」

 

「うん…」

 

しっかりと謝らないと……ランジュに内緒にしていたことを……

 

「ランジュ謝りたいことがあるんです。スクールアイドルに憧れていたこと、ランジュに黙っていてごめんなさい」

 

「どうして栞子が謝るの?」

 

「あなたを傷付けたと思って」

 

頭を下げ、謝る私。ランジュは特に怒った様子もなく……ただ申し訳なさそうにしていた。

 

「怒っていますよね?ずっと」

 

「怒ってなんかいないわ。ただ私が…」

 

「ランジュ?」

 

「私こっちだからバイバイ」

 

ランジュは何かを言いかけるが、逃げるように去っていく……私はランジュを…………

 

「あれ?栞子ちゃん?」

 

するとすれ違いに未唯さんと鞄から顔を覗かせるシニエが駆け寄ってきた

 

「何かあったの?」

 

「……ランジュに謝ったんです……スクールアイドルに憧れていたことを……」

 

「ランジュさんは何て?」

 

「……怒っていませんでした。ですが自分のせいでと何かを気にしているようです……」

 

「そっか……ランジュさんは私に怒ってるのかな?って思ってたけど……それも何だか違う感じかする」

 

「え?未唯さん……何か怒らせるようなことを?」

 

「栞子ちゃんとユニットを組んだこと……経験上……幼馴染みを取ったから……」

 

「それは……」

 

「でも違う感じがする……」

 

「未唯さん……」

 

「どうにかしたいね……」

 

「はい……」

 

ランジュは……本当にどうしたのでしょうか……




ランジュの足止めのためにある事を思い付いたけど、流石にやめました。
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36 一人でいる理由と存在証明

今回は一気に最後まで……


ミアside

 

何とかしてランジュを引き止められる曲を作ってみせる。ボクは部屋に籠ったままずっと曲を作っていた。

 

「ランジュは完璧主義者だ。それにこれまでの傾向からすると…」

 

ランジュの好みを考えればきっと……

 

 

 

 

 

 

 

うらside

 

はんぺんとシニエの所に行くと璃奈ちゃん、愛さんの二人がいた。

 

「あ、うーちゃん」

 

「うらちゃん、ミアちゃん見てない?」

 

「ミアちゃん?見てないけど……」

 

もしかしてまだ曲を?未唯ちゃんも今回はちょっとどうするか悩んでるしな~もう少し私も様子を見るか……

 

 

 

 

 

 

 

それから次の日、璃奈ちゃんと一緒に寮に来て、エマさんの案内でミアちゃんの部屋の近くまで来ていた。

 

「ここがミアちゃんのお部屋だよ」

 

「ありがとうエマさん」

 

ドアをノックしようとすると、タイミング良くミアちゃんが出てきたけど、髪の毛がボサボサだけど……ずっと曲作りをしていた?

 

「璃奈、うら、どうしたの?」

 

「ミアちゃんに会いに来た」

 

「なんで?あ、それより曲できたんだよ!」

 

「ランジュさんの?」

 

「そうさ!ランジュは帰さない!このミア・テイラーがね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ミアちゃんとランジュさんの様子を物陰で侑さん、璃奈ちゃんと一緒に見る私……

 

「どう?君のために書いた君のための最高の1曲だ!」

 

「クオリティーも高いしさすがミアだわ。でもこれは私の曲じゃない」

 

ランジュさんはそう冷たく言い放ち去っていき、ミアちゃんも英語で何かを言いながら何処かへ行こうとする

 

「ミアちゃん!」

 

「放っておいてくれ!」

 

と言うか私はここまで関わっていいものかと今更思い始めた。別にスクールアイドルじゃないし、今回は巻き込まれただけだけど…………

 

仕方ないか。

 

 

 

 

 

 

璃奈ちゃんと一緒に屋上に行くとミアちゃんが怒りに震えていた。

 

「間違いなく今まで一番のクオリティーだった!ランジュの求めるもの、方向性にもピッタリ合っていたのになんで!」

 

「ミアちゃん」

 

「何?笑いに来たの?自信満々で持っていってこのザマだからね。笑えばいいだろ」

 

「笑わないよ」

 

「じゃあ放っておいてくれ!」

 

「無理」

 

「ウザいな!」

 

璃奈ちゃんの手を叩くミアちゃん。すると我に返り、ミアちゃんは謝るのであった。

 

「うらも無関係なのに……お人好しだね」

 

「まぁ無関係だけど……」

 

「ううん、うらちゃんは無関係じゃない」

 

「へ?」

 

一応部外者なんだけどな~ここに来たのは最後まで付き合うと思っただけで……

 

「うらちゃんもミアちゃんの友達」

 

友達か……まぁそうかもしれないね

 

とりあえず璃奈ちゃんの提案で一旦落ち着くために中庭でハンバーガーを食べることになった。

 

「そういえば最近食べてなかった」

 

「食事は大事」

 

「あの曲に全部かけていたんだ。ランジュが歌えば僕の曲をより多くの人に届けられる。アイツがパートナーならやっと結果が残せるって思ってたのに」

 

「どうしてそんなに結果が欲しいの?」

 

「えっ?」

 

「ミアちゃんとても苦しそう。苦しんでまで結果が必要?」

 

確かに……結果を残そうとしていることは何となく感じていた。動画で曲を投稿したりしてるし……まるで自分の存在証明をしているように思えた。

 

「必要だよ。僕はミア・テイラーなんだから音楽で認められなきゃ僕に価値はない」

 

「ミアちゃんはミアちゃんだよ。価値がないなんてことない」

 

「ダメなんだよ。だって僕にはもう曲を作るしかないんだから」

 

「ミアちゃん?」

 

「テイラー家の娘としてせめてそれくらいは果たさないといけないんだ。小さい頃、僕は歌が好きだった……

歌うのが楽しくていつも歌ってた。あるとき家族と一緒にステージに立つことになったんだ……歌手としてのでビューさ。ワクワクしたよ。でも僕は分かっていなかった。テイラー家の名がいかに大きいものか……何千という目が新しいディーヴァの誕生を待ち望んでいた。ただ歌が好きで楽しむことしか考えてなかった自分がそれに答えられるのか……歌えないテイラー家の娘に価値なんてない。だからせめて自分にできることでこの世界に居場所を作ろうとしたんだ。ランジュを利用してまでようやく手が届くと思ったのに」

 

自分の居場所をか……まぁビジネスパートナーって互いの目的のために利用しあってる感じがするし……

 

「でもミアちゃんは今ここにいるよね」

 

「えっ?」

 

「ここはミアちゃんの居場所にならない?私ミアちゃんの歌聴きたい」

 

「ダ、ダメだよ!だって…」

 

「ミア・テイラーじゃなくてミアちゃんの歌が聴きたいな」

 

「えっ…」

 

「テイラー家がどんなものか私は知らない。でも歌が好きならその気持ちをなかったことにしないでほしい。ミアちゃんにもっと楽しんでほしい。ここならきっとミアちゃんが望むものを叶えられる」

 

「僕が望むもの…。歌いたい…歌いたいんだ」

 

「夢を叶えるのがスクールアイドルだよ」

 

「そうだね」

 

「と言うか……ミアちゃん」

 

「何さ……」

 

「ミアちゃんの家族は歌えなかったことに対して何て言ったの?」

 

「何て言った……か?」

 

「テイラー家の恥さらしとかそういうこと言われたりした?」

 

「まさか、ただ謝られたよ。ボクに重すぎるものを背負わせたことに対してね」

 

「そっか、いい両親だね」

 

「あ……」

 

「価値がないとかそう言うのはミアちゃんがそう思ってるだけだし……きっとミアちゃんの両親はミアちゃんの進む道を認めてくれてるかもしれないね」

 

「そうだといいけどね……」

 

「きっとそうだよ」

 

「だから私も璃奈ちゃんと一緒で……ミアちゃんの歌が聞きたい。ミアちゃんが楽しんで歌っている姿が見たい。だって……私はそういう歌に救われたから」

 

「救われたって……あ……」

 

「うらちゃん……」

 

「あはは、わざわざ話すことではないけどね。両親が死んで……色々と悩んで苦しんでるときに……未唯ちゃんの心から楽しんでる歌に救われたからね……多分だけどランジュさんは苦しんでると思う。だから逃げようとしている……だから」

 

「分かってるよ……ボクは曲をもう一度作る」

 

決意が固まったのかな。これならきっと大丈夫だよね

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

それから私たちはミアちゃんのサポートをしていた。それにしてもうらちゃんが……

 

「救われたか……」

 

「本当に君はangelだね」

 

「いやいや、良く言われるけど……私は天使なんか……」

 

「天使だよ。人を導き、人を救う。そんな天使……」

 

「そっか……」

 

「だから君は誇るべきだよ。その呼ばれ方を」

 

「うん」

 

誇るべきか……少しずつだけど……そうしてみようかな。

 

 

 

 

 

 

次の日、部室に向かおうとすると……何となく嫌な予感と言うべきか……虫の知らせを感じた

 

「…………まさか」

 

ランジュさんの性格を考え、メッセージだけで帰国すると送ったのを思えば……私のこの嫌な予感は当たっているのかもしれない。今から向かうべき?でも間に合うか…………うーん

 

「あら、高柳さん。こんなところで何してるの?」

 

「あ、薫子先生……そうだ!薫子先生!お願いしたいことが!」

 

「お願い?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ランジュさんがもしかしたら急に今日帰るかもしれないと思い、私は薫子先生に頼んでバイクに乗せて貰い、空港に来ていた

 

「それじゃ私はまだ仕事があるから」

 

「すみません。こんなこと頼んで……」

 

「いいから、行ってきなさい。栞子たちには私から伝えておくから」

 

「はい!」

 

私は薫子先生と別れ、ランジュさんを探し回った。そして……

 

「ランジュさん……」

 

「未唯……見送りに来たのかしら?」

 

「まさか……引き留めに来ました」

 

「……悪いけどどんな事を言われても……」

 

「…………まぁ引き止めるって言っても、私は足止めに来たの」

 

「足止め?」

 

「そう……私一人じゃ止められないけど……私たちなら……」

 

「ランジュ!」

 

間に合ったみたいだね。みんな……

 

「栞子…」

 

「ランジュちゃん見つけた!」

 

「一体何なの?」

 

「少しだけ時間をくれないかな?」

 

「ミアがあなたのために曲を作ってるわ!」

 

「ランジュちゃん!」

 

「悪いけどどんな曲を持ってきても答えはノーよ」

 

去ろうとするランジュさん。だけどかすみちゃんたちが道を塞いだ。

 

「なに?」

 

「ダメ」

 

「行かせませんよ!」

 

「ミアさんの曲聴いてください!」

 

「言ったでしょ。全部やりきったの。未練はないわ」

 

「鐘嵐珠がそれでいいのか!?」

 

ようやくやって来たミアちゃんとうらちゃん。ミアちゃんはランジュさんに向かって更に言い続けた

 

「僕はずっと思ってたよ。鐘嵐珠ほどパーフェクトなヤツはいないって。歌もパフォーマンスもプライドも努力も嫌味なくらい全部……そんなヤツが本当の夢には手も伸ばさず諦めて帰ろうとするなんてらしくないだろ」

 

「たとえどんな曲を作ってきても私には…」

 

「これは君の曲じゃない。僕もずっと手を伸ばせずにいた夢があった。でも諦めるのはもうおしまいにする。君と違ってね。歌が好きだったのに自信がなくて目を逸らしていた。でも教えてもらったんだ。スクールアイドルはやりたい気持ちがあれば誰でも受け入れてくれる。だったら僕の手もきっと届く。僕は夢を掴むよ」

 

ミアちゃんは歌い出した。自分の夢を掴むための歌を……

歌い終わり、ミアちゃんはランジュさんに手を差し伸べた

 

「君はどうする?」

 

「ランジュ、私はあなたと一緒にスクールアイドルをやりたい。私と一緒にステージに…」

 

「無理よ……」

 

「あっ……」

 

「無理なのよ。私は誰とも一緒にいられないの。昔からそうなの。仲良くなりたいと思うのにどうしてもうまくいかない」

 

「そんなことは……」

 

「栞子だけよ。私と友達になってくれた人は。他の人はみんな初めはよくてもだんだん遠巻きになって離れていった」

 

ランジュさんは何でも完璧にこなしてしまう。だからつい周りの人にどうして出来ないのとかそういうことを言ってしまうと前に栞子ちゃんに聞いたことがあるけど……でも……

 

「まぁ分かるけどね。ランジュの言い方は癇にさわるときがある」

 

「だって分からないんだもの。何が悪いのか、なんで避けられるのか……どうやっても人の気持ちが分からない。だったらもう一人でいようって……ここに来たのもソロアイドルならできると思ったから。相手の気持ちが分からなくても認めさせることはできるって」

 

「誰だって相手の気持ちが分からないことはあります。ランジュだけじゃ…」

 

「ただ一人の友達のことも分からないのよ?ひとりでいるしかないのよ」

 

「それで同好会の誘いも断ったの?」

 

「そうよ。むしろソロのスクールアイドルたちが同好会として絆を深めていたことに驚いたわ……互いに信頼し合ってユニットもそれ以上のこともできる。それがスクールアイドルなら私にはできない」

 

「なぁその腑抜けた目で周りをよく見てみろよ。ここにいるみんなが誰のために来たと思ってるんだ。僕が頼んだだけじゃこんなに集まるわけないだろ。過去に囚われたままじゃ今目の前にいる人の気持ちを踏みにじることになるんだぞ。ランジュ 僕と君は似ているよ。ずっと過去に囚われ 夢に手を伸ばさずにきた。でもここは今までの場所とは違う」

 

「ランジュちゃん、私たちがユニットを始めようと思ったのはランジュちゃんのおかげなんだよ!」

 

「ランジュちゃんの真っ直ぐな言葉があったから私は前に進めたんだ。ありがとう」

 

みんながランジュさんへ向けての言葉を言い、栞子ちゃんはランジュさんをそっと抱き締めた。

 

「もう一度ここから始めませんか?私たちもっと仲良くなれると思うんです」

 

「栞子いいの?」

 

「うん」

 

「僕たちはもうビジネスパートナーじゃない。これからよろしくライバルさん」

 

「まだデビューもしてないのに私に張り合うなんて……」

 

「ランジュさん……全部やりきったって言ってたけど……スクールアイドルはやりきるとかじゃないと思うよ」

 

「未唯……そうね。私は届かないからやりきったって結論を出したわ」

 

「私はランジュさんの事をまだまだ知らないことだらけだけど……届かないから諦めて、終わりにするような人じゃないよね?」

 

「えぇ、勿論よ……未唯」

 

「良かった」

 

お互い笑い合うと、ランジュさんはみんなの方を見て……

 

「今からでも間に合う?」

 

「もちろん!ようこそ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会へ!」

 

こうしてランジュさんとミアちゃんは同好会へと入るのであった。

 

 

 

 

帰り道、私はうらちゃんとお姉ちゃんたちと一緒に帰っていた。

 

「人の気持ちが分からないか……確かに分からないままだと……辛いよね」

 

「侑ちゃん……」

 

「未唯は人の気持ち分かってるように思えるけど……」

 

「私?私は……分からないかな」

 

「そうなの?未唯ちゃんは分かる感じがするけど……」

 

「分かるんじゃなく、分かろうとしてるだけ……それでも分からない事があるけどね……特にお姉ちゃんたちのとかね」

 

「「あ……」」

 

「まぁ……侑さんたちは……」

 

「それにしても栞子ちゃん、ランジュさんたちと一緒のステージか……」

 

「「「あ!」」」

 

「楽しみだな~」

 

この時は純粋に楽しみにしていた。三人がどんなステージを見せるのか……それと栞子ちゃんとの今後予定とか合わせないといけないよね。練習が被ったりしたら栞子ちゃん大変だろうし……ランジュさんに後で相談してみよう。そう思っていたけど、後ろでお姉ちゃんたちは……

 

「み、未唯ちゃんは……その栞子ちゃんを盗られちゃうから……」

 

「いやいや、そんなことは……」

 

「でも未唯ちゃん……侑さんたちの悪いところとか無意識に影響受けてるし……」

 

「「「ど、どうしよう……」」」




最後の最後で……この続きは多分幕間かもしくはリバース結成の時にやります
因みに前回やろうとしていた足止め方法は……

うらちゃん、ランジュのパスポートをこっそり持っていく。
ランジュ焦る
足止め成功
後でちゃんと返す

をやろうとしましたが……未唯ちゃんたちがやることではないと思い、やめました。そう、未唯ちゃんたちならやらないけど…………某彼女なら……やりかねない……

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37 しっかりもの?

10話……エモエモでした!


未唯side

 

ある日の学校にて、シニエを連れてはんぺんに会いに行くと……

 

「あれ?ミアちゃん」

 

「ん?あぁ未唯か。シニエを連れてきたのかい?」

 

「うん、今日もシニエ、はんぺんの所じゃなく私の所に来たから」

 

シニエはどうにもお散歩委員の活動が終わる私の所に来るようになった。一体なんでだろうって思ったけど……

 

「なつかれている……と言うより親みたいなものだからじゃない?」

 

「あはは、それなら嬉しいな~」

 

シニエにこんなになつかれるの嬉しいな~

 

「にしても……本当に同じ血筋なのか?」

 

「へっ?何が?」

 

「君とうら。君の方がしっかりしてるよ」

 

「そ、そうかな?」

 

「うらは自由と言うより自由すぎるから……」

 

『まちなさーーーい!!』

 

『生徒会の人ですね!私は追われるようなことはしてないですよ!』

 

『あなたが科学部入ってから問題が……と言うより科学部部長もだけど、自由に行動しすぎです!』

 

『虹ヶ咲は自由が校風だよ!その自由を縛るのはどうなんですか!』

 

何か校舎からうらちゃんの声が聞こえてきたけど……うん、ミアちゃんが言いたいことが良く分かる

 

「止めなくていいのかい?」

 

「あーせつ菜さんには一応自由でも自由すぎるのは良くないから止めてねとは言ったけど……」

 

「なるほどね……まぁそういうことでうらを見ていると君はしっかりしてる感じがするよ」

 

「いやいや、私はそんなにしっかりは……」

 

「双子の妹は?どんな感じ?」

 

「えっと……まぁ苺ちゃんはしっかりしてるかな?頼りになるときだってあるし、あーでもたまに甘えてくるかな?」

 

あれ?良く考えると……私はミアちゃんの言う通りしっかりしてるのかな?

 

「それに君の場合は、色々と同好会のメンバーを助けてるし……しっかりものであってるよ」

 

「うーん、まぁ……小さい頃に比べたらそうかもしれないね」

 

うん、本当に小さい頃に比べたら、私は成長してる。

 

「小さい頃?」

 

「うん、小さい頃。お姉ちゃんたちの後ろに隠れてたりしてたし……」

 

「ふーん」

 

でもこうして誰かにしっかりものって言われるのは嬉しいな~

 

「それじゃシニエ。はんぺんの言うこと聞くんだよ」

 

「みー」

 

「ニャー」

 

はんぺん、任せろって言ってるみたいで可愛いな~

 

「あ、いたわ。未唯!」

 

するとランジュさんが駆け寄ってきた。あれ?何か約束あったっけ?

 

「貴方に許可を貰いたいの!」

 

「許可?」

 

「えぇ、侑や歩夢から話を聞いてどうしたらいいか悩んだけど……ちゃんと言わないといけないから……未唯!私とミア!栞子とユニット組んでもいいかしら?」

 

「へ?」

 

「貴方と栞子がユニットを組んでるけど……私も栞子と組みたい!だから許可を……」

 

「いや、許可いるの?」

 

「へ?」

 

「あーもしかして未唯が嫉妬するとか思ってた?」

 

「そうなの?」

 

「ほら、未唯と栞子は仲が良いし、変に二人の関係を崩すようなことをしたくないって、ランジュは遠慮してるんだと思うよ」

 

「あぁ、そうだったんだ……私は気にしないし……ランジュさんたちとのユニットも見てみたいって思ってるし……それに栞子ちゃんは誰のものでもないから……私は気にしてたのは練習時間とかちゃんと分けるようにした方がいいかなって思っていたくらいだし」

 

「あ、そうなの?なーんだ。侑と歩夢が気にしてたから」

 

「お姉ちゃんたちが?」

 

「えぇ、嫉妬してたらどうしようとか……大事になるかもしれないとか……」

 

「へー」

 

そっか~お姉ちゃんたちが……ちょっと「それ、まずは自分達が言われてることだよね?」ってお説教してこないと……

 

「それじゃミアちゃん、後でね。ランジュさんも」

 

 

 

 

 

 

 

ミアside

 

未唯を見送るけど……何となくわかった気がする。未唯がしっかりしている理由が……幼馴染みのために色々と頑張った結果なんだろうな……

 

 




幕間でした!
何気にこちらではミアは呼び捨てにしてると言う……
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38 親睦を深めよう

ゆうぽむが充実した10話!


「では改めて!」

 

『スクールアイドル同好会へようこそ!』

 

今日は栞子ちゃん、ランジュさん、ミアちゃんの正式な同好会入部日、私たちは三人を盛大に歓迎した。

 

「こんなに歓迎されてるなんてなんか変な気分だわ」

 

「ランジュ緊張してるわけ?」

 

「な、慣れてないだけよ」

 

「同好会の皆さんまだまだ分からないことばかりですがどうぞよろしくお願いいたします」

 

栞子ちゃん、堅いな~

 

「栞子ちゃん、堅いよ~」

 

「す、すみません。未唯さん」

 

「まぁ未唯の言う通り、そんなに堅くなくてもいいと思う」

 

「そういうミアチは前から同好会にいるみたいだけどね!」

 

「ってミアチはやめろよ」

 

「だってミアチっぽいじゃ~ん」

 

「随分賑やかになったなぁ」

 

「全員揃うと部室もちょっぴり狭く感じるしね」

 

すると栞子ちゃんは入部届けをせつ菜さんに渡そうとしたけど……

 

「あの部長 入部届を提出したいのですが」

 

「いえ私は部長じゃないですよ」

 

せつ菜さんは言うなれば元部長だよね。それにしても……

 

「侑さんこちらをお願いします」

 

「あぁ部長は私じゃなくて…」

 

「ん、んん!この同好会の部長はこの中で一番人気があって実力があってとびきり可愛い子ですよ!」

 

「えっ?ランジュ?」

 

「んなわけないだろう」

 

「あ、では……未唯さんですか?」

 

「いや、私じゃないけど……」

 

「あの…人気と実力は皆さんお持ちですけど……しっかりした人を考え、せつ菜さんでも侑さんでもなければ、その次にしっかりしている未唯さんかと……」

 

前にミアちゃんと話したけど……客観的に見たら私はしっかりしているイメージなんだ

 

「同好会の部長はかすかすだよ」

 

「かすかすじゃありません!っていうか部長はかすみんですけど!かすかすって呼ばないでください!」

 

「キャンキャンうるさいなぁ。子犬みたいだ」

 

「こ、子犬!?かすみんはかすみんは子犬でもありません!ガルルルル…!」

 

「ミアちゃん、学年は上だけど年下なんだから年上の人にそんなこといったらダメだよ」

 

「OK。分かったよ」

 

「何でみい子には素直なの!」

 

「まぁまぁ かすみさん」

 

「もうこんな状態じゃ先が思いやられます。あ、そうだ。ねぇしず子んちって広いよね?みんなで泊まれる?」

 

「あ、うん。大丈夫だよ」

 

「みなさ~ん!」

 

「ん?」

 

「今度の連休は同好会のみんなで親睦を深めるためにお泊まり会を開いちゃいましょう!」

 

「お泊まり会……!」

 

「いいねぇお泊まり」

 

「せっかくだし色んな所に行きましょうよ」

 

「楽しみ」

 

お泊まり会か……同好会みんなとするのは夏以来だな~その前はユニット関係でお泊まりしたり、かすみちゃんの思い付きで一年生でやったりしたな~

 

フッとかすみちゃんの方を見ると何か企んでる?もしかして……(このお泊まり会でかすみんが同好会の部長であることを全員にきっちり教え込んでやります)なんて思ってそうだな~

 

 

 

 

 

かすみside

 

親睦会当日、私は小さな旗を持ち、あることを考えていた。

 

(かすみん部長化計画。それは部員の尊敬を一身に集め 新の部長となる壮大な計画)

 

「すごいですこれ。かすみさん全部予定を立ててきたんですね」

 

「気合い入ってるね」

 

「ま、部長として当然です」

 

「えっと…まずはショッピングして交流を深めるんだね」

 

(と見せかけてかすみん部長がみんなをバッチリ引率しリーダーシップを示してやります)

 

とは言えみい子にはかすみんの考えを読まれてそうですね……前の日に連絡が来て……

 

『予定表手伝う?』

 

なんて来たくらいですし……

まぁ今は何も言ってこないから大丈夫かな?

 

 

 

 

早速みんなで横浜を回ることに……なるのだけど……

 

「早速レッツゴー!」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

「ほらかすみちゃんも行こ行こ」

 

「うわぁぁ!ちょっと彼方先輩!」

 

 

 

 

未唯side

 

かすみちゃん、きっと完璧な引率をすると考えていたのかもしれないけど……多分難しいだろうな~同好会のみんなの事を考えると……

そんなことを思っていると璃奈ちゃんが果林さんにあるものを渡していた

 

「これを私に?」

 

「今日一日つけててほしい」

 

小さな猫のぬいぐるみだけど……あれってもしかして前に…………

 

「果林ちゃん似合いそう」

 

「ありがとう璃奈ちゃん」

 

果林さんは気づいてないけど……まぁそんなに悪いものではないし、いいか

 




未唯の察しが良すぎる
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39 みい子の謎?

しずくママ……


かすみside

 

みんな別れてショッピングを楽しんでるけど……

 

「もう!かすみんが先頭に立ってみんなをビシッと案内するつもりだったのに~!」

 

こうなったら……次の……

 

「ねぇかすみちゃん見て見てこれ!すっごく可愛いよ!」

 

「わぁ~!かすみんに似合いそう~!」

 

「えへへっ」

 

歩夢先輩は優しいな~かすみんに似合う帽子を見つけてくれるなんて~

 

「あ、未唯ちゃんはこれ似合いそうだな~」

 

白い帽子かなと思ったけど、歩夢先輩が手にしているのはピンクの帽子?あれ?みい子って白が好きなイメージだけど……

 

「どうしたの?かすみちゃん」

 

「いえ、何でも……」

 

よくよく考えたら……みい子の事ってあまり知らないな~

優しくって、色々と気配りしてくれて……スクールアイドルとしても魅力あって……

 

「んー」

 

そっとみい子を見ると、しお子と楽しそうに話している。私は……みい子の事を……

 

 

 

 

 

 

ショッピングも終わり、みんなで休憩をすることに……

 

「おいしい~!」

 

「ボーノ!」

 

「あれ?ミアちゃんと果林さんがいないね」

 

「さっき2人でいるのを見かけたよ?」

 

「もう集合時間なのにどこ行っちゃったんだろう?」

 

「大丈夫!ここは部長のかすみんに任せてください!2人の行き先はだいたい見当が付きますから!」

 

全く果林先輩は仕方ないですね~まぁミア子はまだ14歳ですから年上のかすみんがちゃんと誘導しないと!

 

「おそらく2人は今も一緒。方向音痴の果林先輩が率先してどこかを目指している可能性は低い…とすれば向かっているのはミア子の行きたい場所。ハンバーガーショップかそれとも中華街か……」

 

「大丈夫だよ」

 

「エマさんに頼まれて果林さんの迷子対策してある」

 

「えぇっ!?」

 

「やっぱりあれ、そういうのだったんだ」

 

「うん、未唯ちゃん気がついてたんだね」

 

「まぁあのタイミングで渡してたから」

 

その後、果林先輩とミア子を無事発見できたけど……一つ分かったことがある。みい子は意外と察しがいい。これはかすみんの部長をしっかり理解してもらうのと……意外と知らないみい子を知ることも課題に上がったのかもしれない!

 

 

 

 

 

 

 

次の目的地に着く早速あることを始める

 

「次はスポーツで連帯感アップって書いてあるよ」

 

(と見せかけてかすみんのキャプテン感アップ作戦)

 

更にはみい子の身体能力を知ることができる!普段の練習ではそつなくやっているけど……実際球技ではどうなのか……

早速ボールで遊ぶことに……とは言え人数が多いので、私、しず子、歩夢先輩、せつ菜先輩、愛先輩、みい子でやることに

 

「はい!」

 

「ああっ!」

 

歩夢先輩、せつ菜先輩はなんとか繋ぎ、しず子の所にボールが…しず子は目を閉じ……何か呟いてる?

 

(私はバレーボール部のエース!球技が苦手な私でもこうやって役に入り込めばどんなボールでも絶対返せるはず!)

 

しず子は目を開けた瞬間…………ボールが顔面に直撃した

 

「ふぎゃ!?」

 

そ、そう言えば……しず子って……球技苦手だった。

ボールはみい子の所へ……みい子は球技とかは…………

 

「おっと……」

 

そつなく返した。本当に運動系はそつなくこなしてる……

 

「ナイスレシーブ!」

 

みい子が返したボールを愛先輩が勢いよく打つ。ここはかすみんが華麗にレシーブをして……

 

「ぴぎゃ!?」

 

返せず顔面に直撃した…………

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

電車に乗りつつ、みんなそれぞれ何かをして楽しんでる。因みにぽむお姉ちゃんたちは……ダジャレ?

 

「次のお題は"野菜"」

 

「えっと…レタス売れたっす!」

 

「あははっ!レタス売れたっすって!ひひひひっ!」

 

「次は"魚"」

 

「サメは余裕シャ~クシャ~クさぁ!」

 

「あははっ!」

 

あれ、一番楽しんでるのは……侑お姉ちゃんじゃ……

 

「なかなかチャンスがないわ…」

 

フッとランジュさんの呟きが聞こえた。ランジュさんはお姉ちゃんたちの方を見てる。それに……スマホを持って……もしかして?

 

「じゃあ"料理"」

 

「美味しい煮物を作ったのは何者~?」

 

「あはははっ!もう…もう苦しい~!」

 

「何をしているんですか?」

 

「なんでもないわ」

 

ランジュさん……素直になればいいのに……

あと侑お姉ちゃん、大丈夫かな?呼吸困難になったりかしないか心配だよ…………

 

「あはははは~」

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでしずくちゃんのお家に着いた私たち。

何となくしずくちゃんのことを見てて、お嬢様みたいな感じがしたけど……こんな大きな家を見るとやっぱりと思ってしまう。

 

「どうしたの?栞子ちゃん」

 

「実は私お友達とお泊まりは初めてなもので少し緊張してしまって」

 

「ランジュもだわ」

 

「あれ~?そういえばしお子もランジュ先輩もまさか枕を忘れたなんてことないですよね~?」

 

「枕!?」

 

「必要だったのですか!?」

 

「そんなわけないだろ」

 

「てへっ」

 

「持ってきたよ~」

 

「えっ!?」

 

まぁ彼方さんは……持ってきてそうだとは思ってた

 

「さぁ皆さんどうぞ」

 

しずくちゃんが玄関の扉を開けるとお出迎えをしたのはゴールデンレトリバーだった。これが噂のオフィーリアか~

 

「オフィーリア!お出迎えしてくれたのね!」

 

「ワンッ!」

 

可愛いな~

するとオフィーリアは私の事を見つめ、すり寄ってきた。

 

「え、えっと……」

 

「ふふ、未唯さんの事大好きみたいですよ」

 

「そ、そうなんだ////」

 

こうやって好かれるのはうれしいな~

 

 

 

 

 

「ようこそ皆さん。ゆっくりしていらしてね」

 

「ありがとうございます」

 

しずくちゃんのお母さんに挨拶をする私たち。しずくちゃんのお母さん……和服美人だな~

 

 

 

 

それからみんなで夕食を取っている中、ぽむお姉ちゃんが侑お姉ちゃんにあーんをさせてるけど……珍しく顔を真っ赤にさせてる侑お姉ちゃん。もしかしてみんなの前だからって事なのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

かすみside

 

夕食を食べ終わり、次の計画を発表した。

 

「さ~てお泊まり会のお楽しみといえばこれですよ!」

 

「次はゲーム大会か」

 

(このゲームで勝ちまくり部長としての勝負強さを見せつけます)

 

などと思っていたら……ジェンガで負け、人狼で負け、箱の中身を当てろでも負け、番猫ニャンニャンでも負けてしまった……因みにみい子は全部勝ってるし……

 

「未唯は凄いな……ゲーム系得意じゃないか」

 

「えへへ、まぁね」

 

「未唯ちゃんはかなりの腕前。私も一緒にやっててたまに負ける」

 

「へー」

 

みい子……意外とゲーマーと……

 

 




仲良しでも意外と知らないと言う感じに……
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40 みんなで……

未唯ちゃんがかなり特殊な……


未唯side

 

目を覚ますとまだ深夜だった。もう少し寝ていようかなと思うと、三人ほど姿がないことに気がついた。お姉ちゃんたちに、かすみちゃん?どうしたんだろう?

探しに行くと縁側でお姉ちゃんたちを見つけた。

 

「二人とも眠れないの?」

 

「あ、未唯」

 

「ちょっとね。未唯ちゃんも?」

 

「まぁ目が覚めちゃったから」

 

「そっか」

 

三人で月を見つめる。と言うか私……邪魔しちゃったのかな?まぁでも二人とも嫌がる感じはないし……大丈夫か

 

「そう言えば二人とも覚えてる?」

 

「あぁ子供の頃にこうして三人で月を見たこと?」

 

「あったね~あの時は苺ちゃん寝ちゃったけど……」

 

侑お姉ちゃんが月が綺麗だから見に行こうって言い出したんだっけ?懐かしいな……それにお姉ちゃんたちがこうして月を見ているのは夏の時を思い出すな~あの時は大変だったけど……でも……あの時の月と今見ている月は……私たちの思いもだけど違うよね

 

 

 

 

 

 

 

次の日、かすみちゃんから親睦会の次のスケジュールが発表された。

 

「今日の鎌倉観光はオリエンテーリング形式にしたいと思いま~す!」

 

「オリエンテーリング?」

 

「詳しくはりな子からどうぞ」

 

「スマホを使って鎌倉を散策しながらあちこちランダムに現れる14匹のバーチャル猫を集めるってゲーム。猫に近付くと音がして地図上に出てくる。誰かが先に捕まえても同じ猫が発生するから取り合わなくてオッケー。時間内にたくさん集めた人が優勝」

 

「へぇ~」

 

「璃奈がこれ作ったの?」

 

「えっへん」

 

「我が同好会はライバルだけど仲間、仲間だけどライバルです。『競い合いつつも絆を深めていきましょう!」

 

『は~い!』

 

それにしてもこの猫……もしかして私たちがイメージ?確かにあってる気がするけど……何で私だけスナネコ?

 

「因みに未唯ちゃんは得意みたいだから」

 

「あ、うん、事前に話を聞いてたから、私はゲームに参加しない感じかな」

 

「そうなの?」

 

「だから色々と回りつつ、オフィーリアの散歩してるね」

 

「わん!」

 

それにしても初対面なのにこんなになつかれるなんて……しずくちゃんはクスクス笑ってるし

 

「未唯さん、オフィーリアの事お願いね」

 

「うん!」

 

「ところで優勝したら商品ってあるの?」

 

「特に考えてなかったですけど…」

 

「じゃあ優勝した人のお願いをみんなで叶えてあげるのはどうかな?」

 

「いいですね」

 

「だったら私は皆さんと12時間耐久アニソンカラオケ大会がしたいです」

 

せつ菜さん、それはある意味……いや、言わないでおこう

 

「愛さんはみんなに胴上げしてもらいたいな」

 

それにしてもランジュさんは相変わらずスマホとにらめっこしてるけど……大丈夫かな?散歩しながら様子を見に行こうかな?

 

「私は侑ちゃんに新曲を作ってもらおうかな」

 

「うん。私の曲でよければ喜んで」

 

「本当ですか?」

 

「でも私が勝ったらみんなにも何かお願いしちゃうよ」

 

「望むところです!」

 

「そう言えば未唯ちゃんは……」

 

ぽむお姉ちゃんが私だけ賞品がないことを気にしてるけど……私は別に……

 

「そこは大丈夫。未唯ちゃんをモチーフにした猫はレア度を高くしてるから、そうそう見つからない……だから誰かが見つかったら未唯ちゃんにも賞品が貰える」

 

「なるほど……」

 

私だけある意味得はするのか……でもどれだけ発見率が違うんだろう?

 

「因みにみいにゃ発見率は…………○○モンのダ○パのゴ○ベなみにしてある」

 

鬼畜過ぎない?

 

「それでは鎌倉散策ニジガクGOスタートです!」

 

みんなが探し回り、私はのんびりとオフィーリアを連れて回るのであった。

 

 

 

 

 

 

回りつつ、様子が気になったランジュさんを探しに行くと……

 

「どうしよう…部長化計画全部ダメだったらかすみん部長じゃいられなくなっちゃいますよ~!」

 

「かすみさんどうかされましたか?」

 

「しお子にランジュ先輩…」

 

「あれ?三人ともこんなところで何してるの?」

 

「みい子も!そうだ!四人で一緒に猫を探しませんか?」

 

「私も?」

 

「良いのでしょうか?」

 

「探すだけなら大丈夫ですよ~ね、みい子」

 

「まぁそうだね」

 

それから四人と1匹で探すけど、ここまで見つからないなんて……結構難しいな~

 

「こんなに探してるのに~!もう~!」

 

「落ち着いてください!」

 

「かすみったらよっぽど優勝したいのね」

 

「だって優勝したらすごいって思われるじゃないですか!そしたらきっとかすみんなら部長として立派にやれるって認めて…はっ!っていうのは冗談で。もしかすみんが優勝したらみんなに百万回可愛いって言ってもらいますからね!」

 

かすみちゃんらしい考えだな~でも私はかすみちゃんが一番部長に向いてる気がするけど……

 

「あ~!あっちの方に猫の気配がする~!さ、さらばです~!」

 

かすみちゃんは誤魔化すように何処かへ行くのであった。

 

「かすみって可愛いわね」

 

「えぇ。あんな風に自分の気持ちに正直でいられるって素敵だと思います」

 

「そうね。かすみが羨ましい」

 

「ランジュも自分の気持ちに素直になってください」

 

「えっ?」

 

栞子ちゃんも気がついてたのか。流石と言うかなんと言うかだね

 

「昨日から何か隠してませんか?」

 

「それはその…」

 

「私ランジュの考えていること知りたいです」

 

「写真を…」

 

「ん?」

 

「同好会のみんなと一緒に写真を撮りたいの」

 

結構可愛い悩みだった……私と栞子ちゃんは思わず笑ってしまった。

 

「なによ~!正直に話したのに~!」

 

「ですがそんなことを悩んでいたなんて」

 

「だってみんなになんて言ったらいいか分からないんだもの」

 

「それなら最初は栞子ちゃんと撮ったら?」

 

「そうですね。ランジュまずは私と2人で撮りませんか?」

 

「いいの?」

 

「はい」

 

そうだよね。これまでお互いに素直になれなかったからこそ、最初はこの二人で撮るべきだよね。

私はスマホを受けとり、撮ろうとすると……あれ?

 

「どうかしたんですか?」

 

「後ろに……」

 

「「あ!」」

 

まさかここで二人の最初の1匹が見つかるなんてね。

 

 

 

猫と二人のツーショットを撮り終え、今度は私とランジュさん。栞子ちゃんがカメラマンになると……

 

「あ……」

 

「どうかしたの?」

 

「未唯さんの頭の上に……みいにゃが……」

 

「「へ?」」

 

カメラに納めてもらい、確認すると確かに私の頭の上に……いやいや、これ……確かに普通に探したら見つからないよね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時間切れになり、結果発表になった。

 

「発表します。優勝は13匹捕まえた…侑さ~ん!」

 

「やった~!」

 

「おめでとうございます!」

 

「さすが侑ちゃん!」

 

「それとレア猫を捕まえたのは栞子ちゃんとランジュさん!と言うことで未唯ちゃんにも賞品が!」

 

「凄いね。ランジュ」

 

「未唯のだけ見つけられなかったけど……何処で見つけたの?」

 

「ま、まぁ近くに偶々ね」

 

「えぇ、偶々です」

 

まぁ言えないよね。私の頭の上にいたなんて……

 

「でゆうゆのお願いは何なの?」

 

「実はこの13人のために前から曲を作ってて」

 

「えっ?」

 

「その曲にみんなで歌詞を付けてほしいんだ。ダメかな?」

 

「そんなのもちろんいいに決まってるよ」

 

「最高のお願いだね」

 

「お姉ちゃんらしいね」

 

「かすみちゃん昨日も今日も最高に楽しかった。これも全部かすみん部長のおかげだね」

 

「えぇ!?」

 

「そうよ。かすみは立派な部長だわ」

 

「はい。それにかすみさんがいるだけで同好会がとても華やぎます」

 

「まぁそんなことありますよ~!」

 

「やるねぇ!かすかす部長!」

 

「ナイス!子犬ちゃん部長!」

 

「だから~かすかすでも子犬でもありませんってば!」

 

「かすみちゃん、流石だね」

 

「もうみい子だけは素直に誉めてくれるんですから~あぁそう言うところもみい子なのか」

 

「どういうこと?」

 

「かすみん、思った以上にみい子の事知らないな~って思って」

 

「そうだったんだ」

 

「でもみい子はいい子だって言うことは分かったよ」

 

「えへへ、ありがとう」

 

いい子か。そう言って貰えるのはうれしいな~

 

 

 

 

 

 

 

 

それからみんなで歌詞を作り……夜は花火をして……

 

「ありがとうみんな。すっごく素敵な歌になったよ」

 

「この14人ならきっともっと色んなことに挑戦できそうです」

 

「こういうのきっと忘れられないね」

 

「だね」

 

「あぁ もう消えちゃうわ」

 

果林さんたちの会話を聞いてると何だかしんみりしちゃうのはどうしてだろう?

 

「大丈夫です!まだまだ花火いっぱいありますよ~!」

 

「打ち上げ花火ばっかり」

 

「風情も何もあったもんじゃないわね」

 

「どんどん打ち上げていきますよ~!」

 

「ランジュ」

 

「ん?」

 

あぁそうだ、ランジュさん……

 

「ねぇみんな、お願いがあるんだけど……」

 

ランジュさんのお願い。それは14人で写真を撮ることだった。

かすみちゃんのお陰でこうしてランジュさんがずっとしたかったことが出来たんだね……良かった。

 




みいにゃのレア度はリメイク前のゴ○ベです

次回はお風呂回!とシニエ回!
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41 お風呂と新しい一歩

あのタイミングで未来ハーモニーはずるいですよ……



未唯side

花火を終え、しずくちゃんのお母さんにお風呂が沸いたと言われ、入ることに……昨日は学年で入ったから、今日はじゃんけんで分かれて入ることになり……

 

 

「あー日本のお風呂っていいわね~」

 

「ふふ、喜んでもらえて何よりです」

 

「ランジュ、おじさん臭いですよ」

 

「でも今日は歩き回ったから疲れがとれるね」

 

「ほんとだね~」

 

ランジュさん、しずくちゃん、栞子ちゃん、ぽむお姉ちゃん、私の五人で入ることになったけど……うーん

 

「どうしたの?未唯ちゃん?」

 

「いや、しずくちゃんって本当に同じ年なのかなと……」

 

「えっ////」

 

4月生まれだから同じ年でも成長の差を感じるのはなんでだろう?

 

「み、未唯さん!?」

 

「しずくちゃんって、胸とお尻も大きいし……なんと言うか女性らしさが……」

 

「えっと、その……み、未唯さんだってそこそこは……」

 

「まぁそうだけど……」

 

この間確認したら、栞子ちゃんと同じだったし、年相応なのかもしれないけど……やっぱりな~

 

「あら、未唯は大きくなりたいの?」

 

「そうですね。もう少し欲しいですね」

 

「あはは、未唯ちゃん。いつも言ってるもんね」

 

「そ、その、大きいのは……その///」

 

栞子ちゃん……何か顔が赤いけどのぼせたのかな?

 

「未唯さんは確か憧れは歩夢さんでしたよね?」

 

「うん、一番女性らしい感じがするし」

 

「えへへ、未唯ちゃんの憧れになれてうれしいな~」

 

「本当に仲が良いわね」

 

まぁ幼馴染みだし~

 

「そう言えば気になっていることが……前に学生証の写真を見せてもらった際に、未唯さんは髪が長かったんですね」

 

「うん、夏に入る前に切ったかな」

 

「あの頃未唯さんは長い髪でしたから、よく髪型を変えてましたね」

 

「うん、お姉ちゃんたちにね」

 

今もたまにやってもらってるしね。

 

「どうして切ってしまったのですか?」

 

「どうしてか……スクールアイドルを始めて、みんなのステージを見ていって、思ったの。私がステージに立つときは、今までの自分じゃなくスクールアイドルとして新しい一歩を踏み出したいって、だからこれは」

 

「新しい自分になるという決意なのね」

 

「うん、それにあの時はお姉ちゃんたちに一番最初に見せたかったから……」

 

「未唯さん……私とは違いますね」

 

「栞子ちゃん?」

 

「幼い頃の私も髪が長かったですが、姉の件があり、スクールアイドルになりたい自分ではなく、誰かの夢を応援する自分になるために……と」

 

栞子ちゃんもまた新しい自分になりたかったのだろうけど……決意の意味は人それぞれだから……

 

「お二人は似てますね」

 

「「え?」」

 

「そうだね。未唯ちゃんたちは似てるね」

 

「確かにね。新しい自分になるために髪を切るなんて……本当に羨ましくらいに仲良しね」

 

いやいや、そんなことは……でも

 

「何だか照れるね」

 

「そうですね」

 

こうして私たちの入浴は終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺side

 

お姉ちゃんが親睦会でいない頃、あることが起きていた。

それは……

 

「みー」

 

お姉ちゃんが拾ってきたシニエが玄関の前から動かない事が多かった

 

「シニエ、帰り待ってるのかな?」

 

うらちゃんも心配そうにしている。

シニエは私たち一家にすごくなついてるけど、一番なついてるのはお姉ちゃんにだ。やはり一番最初に優しさを受けたのがお姉ちゃんだからなのかな?

 

「みーみー」

 

寂しそうに鳴くシニエ。どうしたものか……ここ最近は冷え込むようになったし、風邪でもひいたら……

 

「ただいま~」

 

そんなことを思っていると、お姉ちゃんが帰ってきた。その瞬間、シニエがお姉ちゃんに飛びかかった。

 

「おっと、シニエ?どうしたの?」

 

「みーみー」

 

「寂しかったんだと思うよ」

 

「シニエ、未唯ちゃんが一番大好きだから」

 

「そっか、ごめんね。寂しい思いをさせて」

 

「みー」

 

シニエも嬉しそうだな~

 




何気に11話のそれぞれが新しい道を進んだり、変わっていく事に対して、未唯ちゃんが一番最初に新しい道を進んでいるという
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42 みんなの考え

次回のゆうぽむが気になる


ある日の部室で、この間の親睦会について盛り上がっていた

 

「お泊まり会 楽しかったなぁ~!」

 

「みんなで曲も作れたしね」

 

「またみんなで楽しいことしたいわ!」

 

「うん、楽しかった」

 

色んなイベントを計画してくれたかすみちゃんには本当に感謝しかないな~

 

「そうだね。私たち14人だからこそやれることをこれからいっぱい考えていこうよ」

 

14人でか。何がいいかな?

そんなことを思っていると、かすみちゃんが扉を勢いよく開けてやって来た。

 

「大ニュースです!なんと私たちスクールアイドル同好会がスクールアイドル部になっちゃうそうなんです!」

 

部に昇格?同好会が出来てからようやくという感じがする。

 

「確かに聞いたんですよ!皆さんが話してるのを!」

 

だとしたら嬉しいことだけど……あれ?確かそう言うときって……

 

「ただの噂話ですね。そもそも部への昇格は希望制です」

 

「えっ?」

 

うん、だよね。本来なら学校側が認めればなんだけど、ニジガクの場合は希望しないとダメっていうのは聞いたことがある。かすみちゃんは部長だから知ってると思っていたけど……あまり知られてないのかな?その制度は……

 

かすみちゃんの早とちりだったみたいだけど……タイミングとしてはいいかもしれない

 

「なんだ。ちょっとビックリしたよ」

 

「ですが実際部になることは可能だと思います。実績は十分ですし」

 

「部になると何が変わるの?」

 

「より広い部室やトレーニングルームが使用できるようになったり、あとは正式に学校の公認となるので公式大会に出場することができます」

 

「公式大会って?」

 

「スクールアイドルの全国大会だよ。藤黄や東雲、YGや紫苑のみんなも出ると思うよ」

 

「遥ちゃんも出るんだ~」

 

「僕たちは出ないの?」

 

「活動を始めた当初は私たちもラブライブを目指していたんですが…」

 

せつ菜さんは話始めた。前の同好会で自分がかすみちゃんたちに押し付けてしまったこと。そして侑お姉ちゃんに説得をされてラブライブには出ない事にしたことを……

 

「ふ~ん。そんなことがあったんだ」

 

「出場したかった?」

 

ランジュさんからしたらどうなんだろう?ラブライブはスクールアイドルたちの祭典。出たいと言う気持ちはあるだろうし……そもそも私たちのフェスを見て、『こんなに素晴らしい子達が同好会のままなのは勿体ない』と言い出したり……

 

「別に。僕は歌えればそれでいい」

 

「私もです。ラブライブだけがスクールアイドルではないと皆さんを見て知ることができたので」

 

ランジュさんは何も言わない。多分だけどこれは肯定と取るべきだよね

 

「ラブライブには出ないにしても部になるかどうかは考えないとね」

 

「確かに。どうしよう?」

 

「まぁ急いで答えを出す必要はないんじゃない?」

 

「そうだね。もうすぐ定期試験も始まるし考えるのはその後でいいかも」

 

「うっ!」

 

「て、定期試験…」

 

「大丈夫。一緒に勉強しよう」

 

「えいえいおー!」

 

果林さん、かすみちゃん、嫌そうな顔をしてけど、うん、学生の本分だからね。

 

「では各学年それぞれ協力し合ってベストな成績を目指しましょう!」

 

「賛成~!」

 

「は~い」

 

 

 

 

 

 

 

少ししてから、一年生だけで勉強会をしないかとしずくちゃんに誘われ、カフェに向かう途中のこと

 

「未唯さん、すみませんがよろしいですか?」

 

「せつ菜さん。どうかしたんですか?」

 

部室で話せないことだったのか。私が一人でいるときに声をかけてくるなんて……

 

「実は現生徒会からある声が上がっていて……」

 

「ある声?」

 

もしかしてうらちゃんが色々とやっているから、教師から次の試験で平均点を取るようにって言われてるとか?でもうらちゃんは成績がいいから問題がないはずだよね?

 

「未唯さんを次の生徒会長にしたいとの声が……」

 

「私が?」

 

「はい、これまでの未唯さんの行動を見て、向いているのではないかと言われています。勿論断っても良いですし……立候補するのであれば……」

 

生徒会長か……

 

「少し考えさせてください」

 

「分かりました。まだ立候補期間には余裕があるので」

 

「はい」

 

私が生徒会長か……うーん

 

 

 

 

 

 

 

カフェにて一年生で集まるけど、かすみちゃんは上の空だった。

 

「ん?」

 

「かすみさん?」

 

「スイッチオフしちゃってる」

 

「休憩しましょうか」

 

「するする~!」

 

「もう~」

 

休憩に入るとかすみちゃんからある話が出た。それは部についてだ

 

「ねぇもしかすみんたちがスクールアイドル部になったら今までとは違う新しいステージとかできるようになるのかな?」

 

「新しいステージですか?」

 

「歌もダンスもみんなの気持ちも一致団結みたいな」

 

「グループで活動してる人たちみたいに?」

 

「うん」

 

「だから上の空だったんだ」

 

確かに考えちゃうよね。でも私からしたら新しいことに挑戦すると今までのがなくなっちゃうかもしれないと言う不安もあるな~

 

「でも今はちゃんと勉強しないとニャンニャンがワンワンになっちゃうかもよ?」

 

「あぁんあ!?」

 

「頑張るよね?」

 

「が、がんばります…」

 

「ふふふっ。ならよろしい」

 

「動物の話ですか?」

 

「ううん。テストの話」

 

うん、かすみちゃん、22点から11点にならないように頑張ってね。さてと私は……

 

「一旦シニエの様子を見に行ってくるね」

 

「はい、行ってらっしゃい」

 

この間からかなり寂しがり屋になったから、様子を見に行けば少しは落ち着くかな?

 

 

 

 

 

「みー」

 

様子を見に行き、シニエもこの間みたいに寂しがったりはしてないみたいで良かった。

少し前までは私のことを探しては迷子になって、はんぺんに救助されてたし……

 

戻る前に少しみんなの様子を見に行こうかなと思い、お姉ちゃんたちの所へと向かうと、ある話が聞こえた。

 

『ランジュさんはよかったんですか?ラブライブ』

 

『えっ?』

 

『先ほど少し変な様子でしたので。もしかしたら出たかったのではと』

 

『確かに心惹かれるけどステージでみんなと一緒にパフォーマンスをするっていうのが今の私にはまだ難しいと思うの』

 

『じゃあできるようになったら最高のスクールアイドルになっちゃうね!』

 

『あっ…』

 

『ランジュちゃんなら誰と一緒でもすごいパフォーマンスできるようになるよ』

 

『少しずつ練習していこう?』

 

『私もご一緒させてください』

 

『えぇ!』

 

ランジュさんも色々と考えてるんだな~と言うかランジュさんが変なことをやらかさないか疑っていた私が恥ずかしいな。

 

『そう言えばこっちにくる前に見たんだけど、未唯だけ別の大会に出てなかった?』

 

『あぁあれは大会じゃなくってイベントのゲストだね』

 

『丁度第一回のフェスの時と被って色々と……ね』

 

『とは言えイベントの開催日が変わって、未唯さんはあれだけみんなが応援してくれたのに、まさか延期してたなんてって、直前に言われたらしく……』

 

『恥ずかしいから裏で動いてたんだよね』

 

『そうだったのね。あの子だけ最後に出たから何故かって思ってたから』

 

あの時の話は……うん、恥ずかしい。とりあえず3年生のところに行かずに、かすみちゃんたちのところに戻ろう




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43 同好会でありたい

割と優秀なうらちゃん


うらside

 

「ん?」

 

「果林ちゃんボーッとしてる」

 

「疲れたならお昼寝が一番だよ?はいどうぞ」

 

「いいえ大丈夫よ。ちょっと部の昇格のことを考えてただけ」

 

「確かに悩むよね~」

 

「でも今は頑張らないと。前回も赤点ギリギリだったんだから」

 

「うっ…」

 

「大変そうだね果林は」

 

「ミアあなたは勉強しなくていいの?」

 

「僕はステイツじゃ大学に通ってたんだよ」

 

「ミアちゃんって確かまだ14歳だったよね?」

 

「神童じゃ~ん!」

 

「フッ。勉強教えてあげようか?果林」

 

「ありがとうミア。なんだか無性にやる気が出てきたわ。所でうらちゃんは何をしてるのかしら?」

 

「えっ?私?暇潰ししてる」

 

試験が近いからけっこう暇なんだよね~

 

「全く、君は勉強しなくていいのかい?どうしてもと言うなら……」

 

「勉強?別にしなくても……点とれるし」

 

「はぁ?」

 

「いや~前に住んでたところでは、娯楽とかなかったから暇潰しに勉強してたから」

 

「暇潰しって……」

 

「考えられないわ……暇潰しが勉強って……」

 

そんなに驚くことなのかな?まぁこっちに来てからはやりたいことが沢山出来たから暇潰しがなくなったけど、それでも割と点はとれるし

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

シニエを連れて、お姉ちゃんたちと合流し、3年生のところへと向かった私たち。

 

「みなさ~ん!気分転換に何か甘い物でも…」

 

かすみちゃんがドアを開けると、果林さんがミアちゃんとうらちゃんに勉強を教わっていた。

もう折角なのでみんなで勉強会をすることになった。

 

 

 

 

 

 

「結局全員での勉強会になりましたね」

 

「おっつ~!」

 

「意外に教え方上手なのね」

 

「おかげでこっちがクタクタだよ」

 

「そう?人に教えるのけっこう楽しいよ」

 

「それは君だけだよ」

 

「それじゃあ今度こそ気分転換に行きましょ~!」

 

まぁ根を詰めすぎるのもいけないし、少し気分転換しないとね。

フッと栞子ちゃんがあるものを見つめていた。あれって、生徒会長選挙の……私もどうしたらいいのかな?

 

 

 

 

みんなでクレープを食べることに、因みに私はシニエにおやつをあげている。うらちゃんはと言うと、買い物当番だからと言って途中で別れた。

 

「このチョコクレープとってもボーノ!」

 

「みんなもほら食べて!」

 

「じゃあ私のハムチーズも食べてみて」

 

「私甘くないクレープって食べたことないです」

 

みんながクレープに夢中になっていると、かすみちゃんがあまり食べていないことにせつ菜さんとランジュさんが気がついた。

 

「お口に合いませんか?」

 

「ランジュが食べてあげるわよ」

 

「ダ、ダメです!あげません!じゃなくてまだ色々考えちゃって……あ~もう!みなさん部の昇格のことここで決めちゃいませんか!?とは言ってもかすみんはまだハッキリした答えが出てないんですが…」

 

「やっぱりもう少し考えてみた方が…」

 

「でもこうやって悩んでる時点で違うかなって思うんです!」

 

「そうかもしれません」

 

「私たちはいつでも団結してるわけじゃない」

 

「やりたいことも叶えたい夢も違うしね」

 

「それでも私たちが一緒にいるのは想いがひとつだから」

 

「ステージに立つときはバラバラでもみなさんとスクールアイドルがしたいです!」

 

「それにスクールアイドルが大好きなところは一緒だよね!」

 

「まさに同好会だね!」

 

「ランジュも大好きよ!スクールアイドルもランジュのことを受け入れてくれたみんなのことも!」

 

「私 虹ヶ咲じゃなかったらスクールアイドルになっていなかったかもしれません」

 

「僕もこの場所は気に入ってるよ」

 

「私も……同好会が……ううん、あの日見たせつ菜さんが私に夢をくれて、同好会だったからこうして私は私でいられるから……」

 

みんながいたから、私は変われたんだよね。もしも出会ってなかったら……私はここにいなかったかもしれない。

 

「そう言ってもらえると嬉しいな~」

 

「だったらこれから入る誰かのためにも今の私たちでいたいです」

 

「決まりだね」

 

「ええ!部の申請はしません!私たちはこれからもず~っと虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会です!」

 

「うん」

 

「スッキリしました」

 

「これで勉強に集中できるね」

 

「うっ…がんばります…」

 

「じゃあテストが終わったら改めて次の活動を話し合おうよ」

 

「うん。私たちらしくて」

 

「楽しいことをみんなでしたいわ!」

 

部への昇格の問題は特にもめることなく、解決して良かった。さて、私は私で自分の問題を解決しないと……でも何となく答えは見つかっている。だって、私は誰かの上に立つよりも…………

 

 

 

 

 

 

 

 

苺side

 

早朝、私は未唯姉たちより早めに起きて、遥ちゃんの家に来ていた。

 

「おはよう。遥ちゃん」

 

「苺ちゃん、わざわざ来てもらってごめんね」

 

「ううん、マネージャーだからね」

 

「苺ちゃん……本当にありがとう」

 

「おはよう遥ちゃん、それに苺ちゃんも~」

 

「おはよう」

 

「おはようございます」

 

「もう出るの?」

 

「もうすぐ東京予選だから自主練しようと思って」

 

「私は遥ちゃんの付き添いです。無理したりしないか心配だしね」

 

「もう~」

 

「苺ちゃん、本当に未唯ちゃんの妹だね~」

 

「へっ?」

 

「二人とも誰かのそばにいることで、支えるのが大好きみたいだね」

 

「そ、そんなことは……」

 

確かに姉妹してそうかもしれないけど、でも彼方さんの言い方だと……なんと言うか遥ちゃんの事が大好きみたいだよ……それ

 

「予選ってオンラインライブだよね?じゃあ当日は画面越しに応援するからね」

 

「ありがとう お姉ちゃん」

 

「苺ちゃんも遥ちゃんの事、お願いね」

 

「はい!」

 




二期だと苺ちゃんの出番が少ないような……気のせいだ
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44 未唯の答え

今回は短めです!


うらside

 

ミアちゃんで……もといミアちゃんと遊ぼうと思ったら、かすみちゃんに勉強を教えていたので付き合うことに

 

「ハァ…かすみの勉強まで見させられるなんて」

 

「だって今日はしお子もみい子も忙しいし~」

 

「子犬ちゃんは何を書いてるんだい?」

 

「誰が子犬なの?」

 

「まぁまぁミアちゃんもそんな風にからかってると、子犬みたいだよ」

 

「まぁ僕は子犬でも血統書つきだけどね」

 

おぉ、怒らずに普通に返してきた。ミアちゃんも変わったな~

 

「同好会の予算申請書だよ。休憩の間にちょっとでも書いておこうと思って」

 

「へぇ~ちゃんと部長してるんだ」

 

「えへへ~!もっと褒めて~!」

 

うーん、ミアちゃんの子犬呼びは馬鹿にしてる感じじゃなく、見たままを言ってる感じなのかな?

 

「本当に子犬みたいだな……」

 

「そういえばミアさんって短期留学でこの学園に来たんだよね?いつまでいられるの?」

 

「短期ってことはすぐに帰っちゃうってこと?」

 

「帰らないよ」

 

「ん?」

 

「やっと夢に手を伸ばしたばかりなんだから」

 

ミアちゃんは変わった……と言うよりここに来て、自分がやりたいことを知れたみたいだ。私も……変われたよね。

 

「そう言えば未唯さんは何処に?」

 

「何だかせつ菜先輩に話があるらしいよ」

 

 

 

 

 

 

栞子side

 

生徒会室で菜々さんと一緒に話をしていた。

 

「そういえば試験が終わったら生徒会選挙ですね」

 

「菜々さんは次も会長に立候補されるんですか?」

 

「いいえ。私は次の選挙には出ません。生徒会長として叶えたかったこと、果たすべきことは全てやりきったつもりです」

 

そうでしたね。中川菜々としてやりたかったことをやりきったんですね

 

「残りの学生生活はスクールアイドルに捧げたいと思っています」

 

「そうですか。私はみなさんのおかげでスクールアイドルとしての一歩を踏み出すことができました。でもみなさんの夢を応援しサポートしたいという思いが今もあるんです。この学園の皆さんのために働きたい。私 生徒会長に立候補します」

 

「えぇ。栞子さんは栞子さんの叶えたい未来を作ってください」

 

私は私になりに夢を叶えたい。だから……

 

「ですがもしかしたら手強い人が出るかもしれませんよ」

 

「手強い人?」

 

「少し前にある方を生徒会長をやってみませんかと誘いました。その場では返事はくれませんでしたが……」

 

「もしかして……」

 

何となく分かる。私が思っている人なら確かに手強いかもしれない。

すると生徒会室に一人の少女が入ってきた。

 

「失礼します」

 

「未唯さん。どうしました?」

 

やはり未唯さんが……私と争うことになるのか……

 

「先日の生徒会長のお話ですが……お断りします」

 

「……理由を聞いてもいいですか?もしかして栞子さんに気を遣ってですか?」

 

「それでしたら……私は未唯さんの事を……」

 

「いいえ、気を遣ってるわけじゃなく、考えたんです。みんなが新しいことに挑戦しようとしていること、それも悪くないと思ってるけど、でも変わらないこともいいって思ってます。それで考えたんです。私は誰かの上に立って、導くことは自分には合ってない……適性じゃないって」

 

「では未唯さんの適正は?」

 

私は思わず聞いてしまったが……でも未唯さんの答えは分かってる。

 

「私は誰かの側で……支えたい。出来たら支え合えるようになりたい。それが私の適正だよ」

 

「ふふ、そうですね。未唯さん……」

 

「はい!」

 

未唯さんらしいですね。でもそれが未唯さんだ

 

「では栞子さんが生徒会長になったら、未唯さんは副会長ですか?」

 

「それもいいですけど……出来たら生徒会長補佐でも」

 

「新しい役職を作るんですか……それもいいかもしれませんね」

 

こうして未唯さんも私も新しい挑戦をすることになったのかもしれませんね




虹ヶ咲二期からスーパースターまで割と空くのか……
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45 今を楽しむ

今回で本編11話も終わり!


苺side

 

今日の練習も終わり、私は寄り道をしながら帰ろうとすると、珍しい人を見つけた。

 

「果林さん?」

 

「あら、苺ちゃん。こんなところで会うなんてね」

 

「寄り道をしてたんで……あの、どうかしたんですか?」

 

「何がかしら?」

 

「その、何だか黄昏ていたので」

 

「色々と考え事をしていたのよ」

 

考え事をしていただけなのかな?あんまり果林さんが悩んだりしなさそうに思えるけど……

 

「果林ちゃ~ん!」

 

するとエマさん、彼方さんの二人がこっちに駆け寄ってきた。

 

「エマ、彼方。どうしたの?」

 

「あれ?苺ちゃんと一緒だったの?」

 

「珍しい組み合わせだね~」

 

「たまたま会ったのよ」

 

「はい」

 

「それで二人はどうしたの?」

 

「電車から果林ちゃんが見えてもしかしてこの公園に行くのかなって」

 

「隣の駅から走って来ちゃった」

 

「大丈夫?」

 

「うん!」

 

「平気平気!」

 

「……」

 

何だか沈黙が流れたけど……これ大丈夫かな?とりあえず何かしら聞いた方がいいのかな?

 

「果林さん、考え事って?」

 

「え?あぁ……」

 

果林さんはエマさんたち二人を見つめ、ため息をついた

 

「二人は心配できたみたいだし、話してもいいわよね」

 

 

 

 

 

 

 

ベンチに座りながら、果林さんの話を聞くことになったけど、私もいてもいいのかなと思った。だけど果林さんは私にも聞いてほしいらしい

 

「同好会、まだ初めて半年ちょっとだけど想像以上に楽しくて充実した時間だったわ。みんなでたくさんのことを叶えていって 私たちのあり方もしっかり考えて。明日へ向かって確実に進んでいる。これからも色んなものが変わっていく中でちょっと思っちゃったのよ。3年生の私たちは最初にここからいなくなるんだなって」

 

「寂しくなっちゃったんだね。昨日までの時間が楽しすぎたから」

 

「分かるよ~。同じ気持ちだから」

 

そっか、3年生はもう少しで卒業……何だか三人の姿を見ると……あの頃の未唯姉を思い出すな~

 

「悪いわね。苺ちゃん」

 

「はい?」

 

「こんな話聞いてもらって」

 

「いえ、何となく覚えがあるので……私じゃないですけど」

 

「と言うと?」

 

「未唯姉も同じ感じだったんです。侑さんと歩夢さんが先に卒業することに……」

 

未唯姉は最初の頃は普通にいたけど、表に出さない感じで寂しそうにしていた。

 

「そう……あの子もね」

 

「あのね果林ちゃん、昨日や明日のことで悩んでたら楽しい今が過ぎちゃうよ」

 

「あっ……」

 

「そうだね~。毎日今を全力で楽しんでいけばきっと寂しいだけじゃない未来が来てくれると思うよ」

 

「そうかもね。私スクールアイドル同好会が好きよ。ひとりで歌うのも

 

「誰かと歌うのも みんなで歌うのも全部好き」

 

「もし次に何かやるなら今の私たちを…」

 

その時、レインボーブリッチが光だした。いつの間にか日も沈んできてたから、ライトアップする時間だったんだ。

 

「そうね。それがいいわ。ひとつの種類じゃなくて一人一人が違う私たちで……」

 

果林さんは何かを思い付いたのかメッセージで何かを書き込んでいた。

 

「苺ちゃんも話に付き合ってくれてありがとうね」

 

「いえ、私は部外者なのにここにいてもいいのかなと」

 

「部外者じゃないわ。スクールアイドルじゃないけども、可愛い後輩の未唯ちゃんの妹なんだから」

 

「それなら友達だし、仲間だよね」

 

「うんうん、苺ちゃんはちょっと自信がないところも未唯ちゃんに似てるね~」

 

「あはは」

 

姉妹して変なところが似てるな~私たち。

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

せつ菜さん、栞子ちゃん、しずくちゃん、かすみちゃんとでユニコーンの前で……

 

せ「熱……暖かな光……こんなものがいくら集まっても、何も……そう、何も……!」

 

未「そんなんでしずくちゃんを抱けるのかよ! オードリーを盗っちまうぞ、かすみちゃん!!」

 

か「え、あ、ユニコォ――――ン!」

 

「って何をやらせるんですか!」

 

「折角なので」

 

「色合い的に私が主人公の方が……」

 

「そうですね……因みに栞子さんはこちらの台詞を」

 

「えっと……歩夢さん、あなたが鳥になるなら、私は……私も鳥になる!」

 

「侑お姉ちゃんはもう一人の幼馴染だね」

 

「璃奈さんかミアさんは……不完全なクローンで」

 

「感じ的にはミアちゃんに、『僕の心を!救ってみろよ、ヒーロー!』を言ってもらおう」

 

「なるほど、某ゲームでの台詞ですね!」

 

「しず子~ついてけないよ~」

 

「まぁお二人とも好きな作品ですから」

 

「ロボットものの話でしょうか?」

 

そんなことをしていると、果林さんからグループメッセージが届いた。果林さんの提案を見て、私たちは急いで果林さんたちの所へと向かった

 

 

 

 

他のみんなも集り、一緒に並んだ。

 

「私たち同好会のファーストライブ!すっごい面白いことができそう!」

 

「ソロもユニットもグループも私たち14人の全部を詰め込んだステージですね!」

 

「そういえば同好会だけのライブというのはまだ開催していませんでしたね」

 

「最高のアイデアね果林!」

 

「まぁ悪くないんじゃない?」

 

「でしょ」

 

「さっそく具体的な企画を考えてみましょう」

 

「これまで支えてくれたみんなにありがとうを伝えられるかな?」

 

「届けようよ!」

 

「よ~し!最高のライブ作るぞ~!」

 

『オー!』

 

私たちのファーストライブ……頑張らないと!

あれ?そう言えば……

 

「苺ちゃんもいたんだ」

 

「うん、成り行きでね。でもありがとうを伝えるか」

 

苺ちゃんは何故か遠くを眺めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

それから試験も終わり、かすみちゃんも無事赤点を逃れられたけど……55点。まぁ半分はとれてるから……ね

 

 

 

 

 

この時はまだ知らなかった。侑お姉ちゃんもぽむお姉ちゃんもある事に悩むことになるなんて……そして苺ちゃんも……

 

「私も……ありがとうを伝えたい……」

 




3年生+苺が真面目な話をしている裏で、せつ菜、未唯……

因みにミアちゃんに言わせようとしている台詞は原作ではなく、某ゲームの某ヒーローに向けての戦闘台詞です

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46 眩しすぎる光

今回は幕間です!
短めです


苺side

 

いつかの日、私は遥ちゃんにあることを言われた。

 

「苺ちゃんはスクールアイドルにならないの?」

 

「私?私は……無理かな」

 

「無理って……何で?苺ちゃん、可愛いし……」

 

「私には……眩しすぎるから……」

 

 

 

 

 

その日以来、遥ちゃんは私にスクールアイドルにならないのかと聞くことはなかった。私には本当に眩しすぎる。あのスクールアイドルたちの光は……それに未唯姉のアイドルとしての輝きも……

 

ラブライブ予選も近付く中、私は部長に呼び出されていた。呼び出された理由は……

 

「ライブに出てほしい?」

 

「えぇ、そうよ」

 

何で今更と思った。今までずっとサポートに回っていたのに……

 

「今度のラブライブの予選……突破するには何か新しいことをと思ってね」

 

「それで……正直その考えはどうかと思います。私ではただ足を引っ張るだけですよ」

 

「そんなことないわ。サポートとしての貴方を見てきて、分かったことがあるわ。歌唱力もダンスも充分実力があるわ」

 

「……たまたまです」

 

「少し考えてみてくれないかしら?」

 

「…………」

 

私は何も言わず、その場から立ち去った。

 

「遥がそう言っていたって伝えた方が良かったかしら……」

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

どうにもおかしい……ここ最近、私の周りでは気になることがありすぎる。

一つは苺ちゃんだ。何だかここ最近は心ここにあらずな感じだ。聞いても練習の付き添いで疲れているだけと答えるのみ。

本当に何かあったのかな?

二つ目はお姉ちゃんたちのことだ。いつも通りなんだけど、何だか時折悩んでいる感じがする。

もしかしてまた喧嘩でもしたのかと思ったけど、そんな感じじゃないし……と言うか喧嘩したら私がすぐに気がつく。

どうにもお互いに気を遣ってる感じがする。

 

「どうしたの?未唯ちゃん」

 

うらちゃんはいつも通りでホッとする。

 

「色々と知らずに何か起きてるな~って思ってね」

 

「?」

 

「もう少し様子を見るかな」

 

本当に何が起きてるんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

苺side

 

未唯姉がスクールアイドルになると聞いたときは驚いた。でも今まで何かをしようと思ったことがない姉が夢中になれることを見つけられて、妹として嬉しかった。

私も何か始めようかなと思っていたけど、何も思い付かないでいたが、遥ちゃんに出会い。スクールアイドルのサポートをすることになり、私なりこれがやりたいことだって思っていた。

だけど……それと同時に私がスクールアイドルになるという気持ちは消えた。

多分今のこの立場に満足しているからと言う理由と未唯姉が理由だ。

別に未唯姉は悪くない。ただ私は……知らない誰かに……

 

「姉が凄いのに、妹は……」

 

とか良くない声が聞こえてきてしまうことを恐れている。

この事を未唯姉に話したら、きっと未唯姉は気にしてしまう。だから……私は……

 

「私は……どうしたいんだろう?」




歩夢ちゃんの留学が二週間で侑ちゃん以上にホッとしている自分がいる
12話の話はゆうぽむのことを気にする未唯と苺ちゃんのメインになります
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47 彼方大慌て

苺ちゃんと遥ちゃんの話をいれつつやっていきます!


未唯side

 

ファーストライブに向けて、私たちは部室で話し合いをしていた。

 

「もう12月だしライブするならやっぱり年内がいいわよね」

 

「クリスマスとか?」

 

「25日はラブライブの東京予選。遥ちゃんが出るからダメ~」

 

「確かに。フェスに出てくれたみんなのこと応援しないと」

 

「配信はリアタイ必須です!」

 

侑お姉ちゃんとせつ菜さんはブレードを持ってそう言うけど、いつも持ち歩いてるのかな?それにしてもクリスマス……聖夜だから予定がある人とかい…………やめておこう。これ以上言うのは…………

 

「予選は無観客なのよね」

 

「そういえばランジュちゃんは紫苑女学院のスクールアイドル部とどこで知り合ったの?」

 

「あぁ日本に来てすぐにゲリラライブした時 たまたまあの子たちも見てくれてて、ランジュのパフォーマンスに魅了されちゃったみたい」

 

ランジュさんのゲリラライブがフェス開幕を成功させたのかもしれない。さて、後は開催する日にちは……

 

「そうだったんだ」

 

「クリスマスを避けるとなると…」

 

「だったら大晦日しかないよ!盛り上がると思うよ!」

 

『おぉ~!』

 

確かに大晦日なら盛り上がるはずだよね。

 

「年末といえばクリスマスと大晦日ですしね」

 

特に反対意見もなく、ライブは大晦日に決まった。

 

「開催日は決まりね」

 

「じゃあ次はライブのキャッチコピーを決めましょう!」

 

「どんなライブにしたいかはすごく大事だよね!」

 

「"かすみんとカワイイ年末過ごしませんか?"とかどうですか~?」

 

「What are you saying…」

 

「やっぱりいいと思う!?」

 

「"意味分かんない"って言ったの」

 

「なっ!」

 

「あとそれだとかすみちゃんだけのライブにならない?」

 

「うっ!」

 

みんなが笑う中、侑お姉ちゃんとぽむお姉ちゃんが浮かない顔をしている。うん、絶対に何かあったのかもしれないけど……どうにも思い当たらない。大体二人が浮かない顔をしているときは、周りに心配かけないようにしている事があるけど、その理由は二人が喧嘩したときぐらいだ。でも今回はそんな感じが全くしない。これは……一体何が起きてる?

それに苺ちゃんも様子がおかしいし……うーん?

 

 

 

 

 

 

話し合いも一旦終わると副会長さんたちが訪ねてきた。

 

「同好会ファーストライブやるんですか!?」

 

「ぜひ私たちにも!」

 

「お手伝いさせてほしいです!」

 

「虹ヶ咲初の単独ライブ!最高のものにしましょうね せつ菜ちゃん!」

 

「はい、一緒に頑張りましょう」

 

副会長さん……全力全開だな~

 

「当日の応援もよろしくね」

 

「もちろんです!」

 

「そうだ!焼き菓子同好会でクッキー焼いてきたんですけど」

 

「見せて見せて!」

 

みんなの形をしたクッキー。可愛いな~でもあれ?

ランジュさん、栞子ちゃん、ミアちゃんのがあるのに私のが……

 

「あの未唯ちゃん。未唯ちゃんのは……まだ完成さてないの」

 

「完成してない?」

 

「同好会の子で未唯ちゃんのファンの子がいて……『こんなんじゃ未唯さんを表すことが出来ない!』って言って……」

 

「いや、普通に作って貰った方が嬉しいんだけどな~」

 

苦笑いをしながらそう言う私であった。

 

 

 

 

 

 

 

彼方side

 

その日の夜、遥ちゃんと夕食を食べながらある話をしていた。

 

「ファーストライブの準備はどう?お姉ちゃん」

 

「順調順調。遥ちゃんは?」

 

「部のみんなと毎日特訓してるよ」

 

「大事なラブライブの予選でもセンターなんてほんとすごいよね。配信楽しみだよ~」

 

笑顔でそう言うと、遥ちゃんは何時にもなく真剣な表情をしていた。そして何処か悲しそうにしている

 

「うん。だからこそ人一倍頑張らなきゃ……私にセンターを託してくれた先輩たちや応援してくれるファンのみんなのためにもいいパフォーマンスをしなきゃいけないんだ……」

 

「遥ちゃん……」

 

「それとね……苺ちゃんと揉めたの……」

 

苺ちゃんと揉めたのか……え?揉めた?えっ?えっ?遥ちゃんの大親友って言ってもいいくらいの苺ちゃんと……喧嘩……苺ちゃんと会ってから、今日の苺ちゃんはって話をしているくらい仲良しの……

 

「お姉ちゃん?」

 

「み、未唯ちゃんに電話してくる……」

 

「え?」

 

直ぐ様未唯ちゃんに電話をかけると……

 

『もしも……』

 

「遥ちゃんが苺ちゃんと喧嘩したって本当なの!あんなに仲良しな二人が喧嘩したって!大事だよ!全国ニュースに取り上げるくらい重大な事だよ!」

 

『え?え?彼方さん、落ち着いて……』

 

「とりあえず話を聞きに未唯ちゃんの家に……」

 

「お姉ちゃん、落ち着いて、喧嘩じゃなくちょっと揉めたくらいだよ」

 

「ちょっと揉めたくらいでも、大事だよ!」

 

「お姉ちゃん!落ち着いてくれないとお姉ちゃんの事、嫌いになるよ」

 

「え、あ……はい……」

 

『落ち着いた!?』

 

「未唯ちゃん、ごめんね。後で事情話すから」

 

『う、うん』

 

私は一旦落着き、遥ちゃんの話を聞くことにしたのだった。




友達と喧嘩したことを聞いたら、絶対に彼方さんは慌てると思って……
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48 それぞれの悩み

あと3日……いや、14話あるはず……きっとある


遥side

 

私はお姉ちゃんに苺ちゃんと揉めたことを話した。

それは練習の休憩中、もう少し頑張ろうとすると苺ちゃんに止められた。

 

「センターに選ばれたからってあんまり無理しない方がいいよ」

 

「分かってるけど……」

 

苺ちゃんはいつも私たちの事をしっかり見ている。ほんの小さいことでも直ぐに気がついてくれる。そう言うところがマネージャーにあっているのかもしれない。あっているのかもしれないけど……

 

「部長にね。今度の予選に出ないかって言われたの」

 

「え?」

 

「考えておきますって返事はしたけど、やっぱり私はスクールアイドルにはなれないと思うの」

 

「そんなこと……ないよ」

 

「え?」

 

「部長に話したのは私なの……苺ちゃんの歌声、ダンスはスクールアイドルになれるくらいだって……」

 

「遥ちゃんが……」

 

隠していても仕方ないと思う。苺ちゃんは俯いていた。

 

「何で……そんなこと……」

 

「ごめん……でも私は……」

 

「私はスクールアイドルにならない。私がなったら……未唯姉に…………」

 

「未唯ちゃんに?何で未唯ちゃんが関係してるの?」

 

「…………関係あるんだよ!

 

「苺ちゃん!?」

 

突然大声を出す苺ちゃん。私は吃驚すると、苺ちゃんは我に返り……

 

「ごめんね……遥ちゃんには悪気があってやったことじゃないって分かってるけど……私は……スクールアイドルになっちゃダメなんだよ…………」

 

「そんなこと……」

 

「これ以上は何も言わないで……言ったら私は……苺ちゃんの事を嫌いになっちゃうから……」

 

 

 

 

 

 

「と言うことなの……」

 

「そっか……」

 

「苺ちゃんと言い争いになったって聞いて、てっきりもっと凄いことが起きたと思ったよ~」

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

「でも苺ちゃんがスクールアイドルになっちゃダメって……どうしてだろう?」

 

「そこが分からないの……」

 

「うーん、未唯ちゃんはどう思う?」

 

あ、まだ未唯ちゃんと電話繋がってるんだ……

 

『なんとなく…苺ちゃんがそんなことを言った理由が分かるけど、この事は遥ちゃんが頑張るしかないと思うよ』

 

「私が?」

 

『うん、届くまで話してみて』

 

未唯ちゃんがそう言うなら……そうするべきだって思う。

 

「ありがとうね~未唯ちゃん」

 

『こっちもそんなことになってるなんて知らなかったのですみません』

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

苺ちゃんと遥ちゃんの問題……多分だけど苺ちゃんは、もしも自分がスクールアイドルになったら、私と比べられてしまうと思ったからだと思う。

 

「…………!」

 

比べると言っても、劣等感からとかではなく、比べられて、私の評価が悪くなってしまうんじゃないかって思っての事だ。

 

「……い!」

 

苺ちゃんは変なところで責任感が強いからな~

 

「未唯!」

 

「きゃ!?ってランジュさん?どうし……何で泣いてるの?」

 

いつから声をかけていたのか分からないけど、何故かランジュさんは涙目だった。

 

「だって、さっきから声をかけてるのに……無視するから……」

 

「ご、ごめんなさい。考え事をしていて」

 

「知らないうちに嫌われるようなことしちゃったと思っちゃったじゃない!」

 

ランジュさん……こんなに精神面弱かったっけ?まぁこうして受け入れてくれたのは同好会のみんなが初めてだから仕方ないか

 

「それで何か用ですか?」

 

「あぁそうなのよ!実はね。前に話した栞子とミアとで組むユニットの件よ」

 

ユニット……確かにその話は覚えてるけど……わざわざ私に声をかけなくても……

 

「実はステージ演出で、白翡翠が終わったあとに、私たちのユニット登場をやろうと思ってるんだけど……ちょっと考えたのよね」

 

「というと?」

 

「ユニットとしての練習に付き合ってほしいのよ」

 

「練習にですか?」

 

「ほら、私たちってまぁ個性がね」

 

「あー」

 

個性が強いから、変にまとまり辛い可能性あるし……

 

「だから未唯には客観的に私たちのユニットの練習に付き合ってほしいのよ!もちろん!白翡翠の合間でもいいから!」

 

「うん、分かったよ。特に断る理由もないし」

 

「流石未唯ね!助かるわ!それじゃ早速栞子たちを呼び出したから!」

 

 

 

 

 

 

 

しばらくしてから栞子ちゃんとミアちゃんがやって来て……

 

「どうしたんですか?こんな所に呼び出して」

 

「しかも練習着で来いってまだ昼休みだろう?」

 

「特訓するからに決まってるじゃない」

 

「私たち3人でですか?」

 

「えぇそうよ。同好会はソロだけじゃない。みんなの気持ちが重なれば一緒に歌うこともあるでしょ?私にそれができるのか自信はないけど同好会に入ったんだもの。挑戦してみたいわ。栞子、ミア手伝ってほしいの。それに未唯は私たちの練習に付き合ってくれるから白翡翠の方も大丈夫よ!」

 

「Sounds good!」

 

「私も挑戦したいです!」

 

「ありがとう二人とも!」

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

私は教室で一人、あるメールを見ていた。あの時送られてきたメール……

 

『はじめまして。私はロンドンの公立学校に通う16歳の学生です。先日友達と一緒にスクールアイドルフェスティバルの動画を見て歩夢ちゃんにときめいてしまいました。友達は自分もスクールアイドルになりたいと言っています。私も彼女の夢を応援したいのですがここにはスクールアイドルの文化がなくてどうしていいか分かりません。でも諦めたくはありません。いつかスクールアイドルフェスティバルに参加して歩夢ちゃんに会いたいです。これからも応援しています』

 

「私を見てこんな風に思ってくれた人がいるんだ」

 

そんな人がいてくれるって知っただけでもすごくうれしい……でも……このメールを見ていると……

私に何か出来ることはないかな……

 

そんなことを考えながら帰ろうとしていると掲示板に貼り出された一枚の掲示物が目に入った。

ロンドンに留学……

 

 

 

 

 

 

侑side

 

三船先生にあるコンクールについて詳細を聞いた私。

 

「このコンクール知ってるわよ。結構昔からやってるやつだから」

 

「音楽家のクラスメイトもたくさん参加するみたいなんですよね」

 

「でしょうね。いい成績を収めれば作曲家の道も開けるかもしれないし」

 

「そうなんですか?」

 

自分の力を試してみたいけど……だけど……

すると歩夢が帰ろうとするところを見掛け、声をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

お姉ちゃんたちが帰ろうとしているところに偶々合流でき、三人で帰ることになった。

 

「作曲コンクール応募するの?」

 

「う~ん…興味がないわけじゃないけど今はいいかな」

 

「なんで?」

 

「私はただやりたいって思って音楽を始めただけで本気で作曲家の道を目指すかどうかなんてあまり考えてないし」

 

「そっか…」

 

「歩夢はそういうの考えたことある?」

 

「漠然とはあるけど…」

 

「コンクールって本気のみんなが集まる場所じゃん?そんな中にただやってみたいだけの私が入っちゃっていいのかなって思うんだよね。今 同好会で十分楽しくやれてるし」

 

「そうかもね」

 

うん……話を遮らないように黙っていたけど……侑お姉ちゃんが浮かない顔をしていたのって……コンクールの事だったのかな?でも……いや、多分だけどもう少し何かあるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰るとまだ苺ちゃんとうらちゃんは帰ってなかったけど、珍しくお母さんが出迎えてくれた。

 

「あら、おかえりなさい」

 

「ただいま。ほら、シニエ。着いたよ」

 

「みー」

 

シニエは嬉しそうにしている。

 

「そう言えば歩夢ちゃん、留学するの?」

 

「へ?」

 

「さっき、歩夢ちゃんと会ってね。ロンドンへの留学の紙を持っていたから」

 

「うーん、悩んでる感じなのかな?何も話聞いてないし……」

 

だとしたらぽむお姉ちゃんの悩みは……留学関係なのかな?

でも……うーん、何で二人とも変に悩んでるんだろうな~

 




ようやく未唯ちゃんは気がついたという……
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49 それぞれの相談事

明日で……虹ヶ咲は……


遥side

 

予選に向けて練習をする私。苺ちゃんはいつも通りに私に付き添ってくれている。

 

「調子良さそうだね」

 

「うん……あのね。苺ちゃん」

 

「何?」

 

一瞬話すのをやめようかと思ったけど、未唯ちゃんの向き合って話してみてという言葉を思い出し、私は苺ちゃんをしっかり見詰めて話した。

 

「昨日はごめん……」

 

「遥ちゃんが謝ることじゃないよ……私も変に意地になってたから……」

 

「苺ちゃん……聞かせて、どうしてスクールアイドルになっちゃダメなのかを!」

 

「……ごめんね……これは私がちょっとそう思い込んでることだから……」

 

「苺ちゃん……」

 

今日はこれ以上は話してくれなそうだった。本当にこのままでいいのかな?

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

私はランジュちゃん、ミアちゃん、エマさんに他の国のスクールアイドルについて聞いていた。

 

「日本以外の国でスクールアイドルはできるかって?」

 

「そもそもアイドルって言葉の定義がない国も多いし」

 

「それを言うなら部活の形も日本とは全然違うよ」

 

「そうなんだ…」

 

「実際はかなり難しいと思う。だからランジュちゃんや私はここに来たわけだし」

 

「う~ん」

 

難しいのか……でも……

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

ここ数日、お姉ちゃんたちは悩んでるし、苺ちゃんと遥ちゃんはまだぎくしゃくしてるみたいだし……どうしたものか……

 

「彼方さんは何してるんですか?」

 

「横断幕作ってるんだよ~」

 

それにしては大きすぎるような……でもこれはきっと彼方さんの気持ちがしっかり入ってるからだと思おう……それにしても習字で横断幕って……スクールアイドルの歴史の中では彼方さんが初めてだよね……うん、多分きっとそうだよね

 

「あれ?彼方さん、未唯?」

 

すると侑お姉ちゃんがこっちにやって来た。話し声でも聞こえたのかな?

彼方さんは遥ちゃんのために横断幕を作っていることを話、私は見掛けて見学をしていることを伝えた。

 

「侑ちゃん最近何か考えごとしてるよね?」

 

「えっ?どうして分かったんですか?」

 

「彼方ちゃん意外にみんなのことよく見てるからね~」

 

「えっと……」

 

「因みに未唯ちゃんも気がついてるもんね~」

 

「まぁ私は……長い付き合いなので」

 

とりあえずお姉ちゃんから詳しい話を聞くことに……

 

「歩夢にはコンクールには応募しないって言ったけど少しだけ挑戦してみたい気持ちもあるんです。結局怖い気持ちの方が勝っちゃってるんですけど」

 

「そっか~。なんで侑ちゃんはそれを歩夢ちゃんに伝えなかったのかな?」

 

確かにいつもならぽむお姉ちゃんに話していてもいいくらいなのに……

 

「それは…なんでだろう?多分 私と歩夢は同好会に入ってからお互いに相手の背中を押してここまで来たから……私が立ち止まっているときは歩夢がまた押してくれるって勝手にそう思っているのかも……」

 

「まぁお姉ちゃんたちはね」

 

「勿論未唯だって……いや、未唯は私たち二人を見守って、支えてくれる存在だよ」

 

「そっか」

 

そんな風に思われているのか……嬉しいな

 

「じゃあもうちょっとだけ待ってたらいいんじゃないかな?2人は大の仲良しさんなんだからきっと歩夢ちゃんは侑ちゃんの期待に応えてくれるよ。彼方ちゃんも侑ちゃんの背中を押してあげたいけど今は我慢しとくね」

 

「彼方さん……」

 

「私も背中を押すのは、ぽむお姉ちゃんが押したあとにするよ」

 

「未唯……」

 

お姉ちゃんも満足したみたいだ。それにしても当たり前だったことについて悩むなんて……

 

「手のかかる姉だな~」

 

「未唯ちゃんも大変だね~」

 

「まぁ慣れてますけどね」

 

「彼方さ~ん、未唯ちゃ~ん」

 

彼方さんと笑いあっていると、今度はぽむお姉ちゃんがやって来た。

 

「あの…今 大丈夫ですか?」

 

今度はぽむお姉ちゃんか……

 

 

 

 

「海外留学?」

 

やっぱりか……

 

「2週間の短期留学なんだけどメールをくれた子たちが住んでる町で直接会って手助けできるかもって」

 

「なんだか壮大な話だね。なぜその相談を彼方ちゃんに?侑ちゃんに言ってないの?」

 

「離れてしまうのが怖くて……侑ちゃんとは同好会に入ってからもずっと一緒に進んできて。けどやりたいことは同じじゃないから……このままお互いが進めば進むほど距離は離れていってそのうち同じ場所にはいられなくなってしまう。今は大袈裟な話だけどいつかはそんな現実が来るんじゃないかって」

 

「今じゃなくて将来の話か~。みんな考えることは一緒だね」

 

「えっ?」

 

「こっちの話だよ~夢を真剣に追い求めるなら同じ場所にいられなくなる。ランジュちゃんが最初に言ってたこともある意味正しかったのかもね。2人の悩みが分かったのはよかったけどこれは結構難題かも」

 

「ん?2人って?」

 

「いや。これもこっちの話。アドバイス保留してもいい?」

 

「う、うん」

 

ぽむお姉ちゃんを見送り、帰り支度をして彼方さんと一緒に帰る時……私は思わず……

 

「似たもの夫婦ーーーー!!!」

 

「おぉ、未唯ちゃんが叫んだ!?」

 

「すみません……でも何で二人して同じ理由で悩んでるの!」

 

「だから似たもの夫婦か~」

 

「でも二人が離ればなれになることが怖いって言うのはなんとかなく分かります」

 

「未唯ちゃんも?」

 

「二人は……というより私たちは一緒にいた時間が長かったので、離ればなれになることが怖いんですよ……私の時も大変だったので」

 

「そう言えばそうだったね~」

 

「多分だけど苺ちゃんも表向きの悩みとは別に裏の悩みとして、遥ちゃんとこれまで違う関係になるんじゃないかって思ってる感じだし……」

 

「そっか~一緒にいられたらいいのにって気持ち、彼方ちゃんにも分かるよ」

 

「そうですよね……」

 

どう解決したらいいのな悩んでいると、私たちの前に三人ほど立ち塞がった。

 

「見つけた!」

 

「近江彼方さんですね!?」

 

「こ、これはあげないよ!」

 

いや、彼方さん……それを流石にとる人はいないですよ

 

「折り入ってご相談があるんです!」

 

「へっ?また?」

 

今日は相談事が多いな~

 




次回で12話の話は終わりです!
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50 黒い天使と押した背中は……

今日で虹ヶ咲が……


未唯side

 

私と彼方さんの前に現れたのは、東雲の生徒たちだった。相談があると言うことで私たちはファミレスで話を聞くことに……

 

「私たち東雲学院スクールアイドル部のファンクラブをしております」

 

「おぉ~!いつも遥ちゃんがお世話になっております~!」

 

「うちの苺ちゃんも……ってスクールアイドルだから苺ちゃんは……」

 

「いえ、苺さんも応援してますよ」

 

「一生懸命でスクールアイドルを支えてくれる子ですし」

 

「そっか~」

 

「私たちみんな違う部活やってるんですけど、スクールアイドルフェスティバルをきっかけにすっかり意気投合しちゃって」

 

「スクールアイドルって最高ですよね!勉強や部活で疲れても動画を見たら元気がもらえるし!」

 

「うんうん!分かる~!」

 

「これまでのお礼にラブライブという大舞台に挑戦する遥ちゃんたちにエールを届けたいんです!」

 

「なんと!」

 

「会場には行けないけどとびきりの応援をしてあげたくて」

 

「お力を貸してもらえませんか?」

 

「どうしよう!?」

 

「えっ!?」

 

彼方さんはファンクラブの子の手をつかんだ。丁度自分もそうしたいって思っていたからタイミング良かったみたいだった

 

「彼方ちゃんもそうしたいって思ってたんだ~!」

 

「それと苺さんの事も……」

 

「苺ちゃん?」

 

「はい、噂で聞いたんですが……今度の予選に出るかもって……」

 

「でも苺さんに聞いたら、出ないって……」

 

「何だか苺さんは自分はスクールアイドルになっちゃダメって思ってるみたいで……」

 

うーん、みんなに気づかれてるのか~だとしたら……

 

「みんなはどう思う?苺ちゃんはスクールアイドルになったら、私と比べられて……私の評価が落ちてしまう。そう思ってるみたいなんだけど……」

 

「そんなことないです!」

 

「苺さんは苺さんです!未唯さんと比べられることはあっても」

 

「私たちは苺さんを応援します!」

 

それだけ聞ければ充分だよ。

 

「ありがとうね。彼方さん」

 

「なに?」

 

「遥ちゃんに伝言お願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

遥side

 

お姉ちゃんから未唯ちゃんへの伝言を聞き、私は苺ちゃんと向き合った。

 

「話ってなに?」

 

「苺ちゃん……私はどんなにスクールアイドルになっちゃダメって言っても……私は苺ちゃんのスクールアイドルの姿を見たい!」

 

「また……その話……」

 

「苺ちゃんは未唯ちゃんのためにやるべきじゃないって言うけど……そんなのおかしいよ!」

 

「そんなこと……私が一番分かってる!だけど……」

 

不安なんだよね……もしもとかそういうことを考えると……だけどそんなの!

 

「私が……ううん、私たちが吹き飛ばしてあげる!」

 

「ふ、吹き飛ばす?」

 

「苺ちゃんの不安な気持ちなんて吹き飛ばす!不安よりも楽しいって思いをさせたい!だから……」

 

私は手を差しのべた。一緒にやろうと言う気持ちを込めて……

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

昨日の件を同好会のみんなに話す彼方さんと私。

 

「応援?」

 

「うん。みんなにも相談したくて。遥ちゃん日に日に笑顔がなくなってきてるんだよね」

 

「苺ちゃんの件もあるしね」

 

「本人は言わないけどプレッシャーを感じてるんだと思う。本当に一生懸命に練習してるから後悔するようなことになってほしくないんだ。本番のときも大丈夫だよって伝えてあげたいんだよ」

 

「それは遥さんだけではないかもしれません」

 

「えぇ。この日のために努力してきたのは出場する皆さん同じでしょうから」

 

「みんなにとっては大きな目標だもんね」

 

「事情は分かったよ!協力する!」

 

「うん!遥ちゃんもそうだけどみんなのことも応援しよう!」

 

「大賛成~!」

 

「ありがとう!」

 

後はどうやって伝えるかだ。予選は無観客だからな~

 

「あとは会場で応援してあげるのが一番なんだけど」

 

「予選は無観客ですからそれは難しいですね」

 

「会場に入れなくてもやれることはあると思う。ファーストライブ用に準備してたんだけど…」

 

「えっなに!?」

 

確かにこれなら……伝えられる。

 

「おぉ~!」

 

「これいいんじゃない?」

 

「えぇ!楽しそう!」

 

「私みんなに連絡取ってみる!」

 

「これでいきましょう!題して"スクールアイドルみんなで応援プロジェクト"スタートです!」

 

『オー!』

 

「そう言えば苺って何かあったの?」

 

「ん?まぁ色々とね」

 

私は笑顔でそういうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

予選当日、彼方さんから遥ちゃんが出掛けたことを知らされ、お姉ちゃんたちはアイコンタクトを取っている。

 

「頑張れ。苺」

 

 

 

 

 

 

 

遥side

 

予選会場で始まるのを待つ私たち

 

「緊張してる?」

 

「だ、大丈夫です!」

 

「そういうクリスも足震えてるよ」

 

「えっ!?」

 

「気持ちは分かります。観客のいない予選は独特の空気感ですから」

 

会場にいるみんな、緊張してる……そうだよね。みんな……だけど一番緊張してるのは……

そんなとき、お姉ちゃんからメッセージが届き、確認すると……

 

『見てほしいものがあるの』

 

というメッセージとともにURLが送られていた。

 

「みなさん!」

 

「どしました?」

 

「メールを確認してみてください」

 

会場にいるみんなが送られてきたURLを開くと……

 

 

『本当に見てもらえてるんですかね~?』

 

『もうつながってるよ』

 

『うわぁぁ!ほんと!?』

 

かすみんさん……これって生中継?

 

『ラブライブ東京予選に出てるみんな、今日私たちは会場には行けないけど今から気持ちを届けたいと思います。みんな~!』

 

これって……学校のみんな?

 

『遥ちゃん最高~!』

 

『私たちがついてるからね!』

 

『ちゃんと見守ってるから!』

 

『楽しんでね!』

 

『いつも通りの咲夜ちゃんが見られたら私たちは幸せです』

 

『ほらランジュちゃんも』

 

『えっ私も?えっと…なんて応援すればいいのかしら?』

 

『難しく考える必要はありませんよ』

 

『思ったこと言えばいいんだよ』

 

『そ、そっか…無問題ラ!ベストを尽くしなさい!』

 

『こっちはもう楽しむ準備はできてるからね!』

 

『せーのっ!』

 

『がんばれ~!スクールアイドル~!』

 

みんなの応援……届いたよ……

 

「私たちは一人じゃない!」

 

「私たちも応援してますから」

 

「いってらっしゃい!」

 

そうだよ……一人じゃない。だから……

 

「行こう。苺ちゃん」

 

「うん!」

 

さっきまで緊張していた苺ちゃんが笑顔を見せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

東雲のステージ。遥ちゃんの隣に立つのはみんなの衣装とは違う黒い衣装を纏った苺ちゃんだ。

 

「うそ!?まい子が!?」

 

「え?え?」

 

みんな、驚いてる中、私は遠くの方から満足そうに見ていた。

 

「嬉しそうだね~未唯ちゃん」

 

「うん、嬉しいよ。苺ちゃんがようやく一歩を踏み出したんだから」

 

「そうだね~」

 

私たちはお姉ちゃんたちの方を見た。

 

「みんな楽しそう」

 

「気持ち届いたんだね」

 

「そうだね距離なんて関係ない。それに…スクールアイドルはそれぞれ学校が違うし ファンもそれぞれやりたいことは全部違うけど、それでも同じものを好きになれば仲良くなれるし 力を与え合える。突き詰めるとみんな根っこは一緒で大切な人を応援できる友達なのかもね。歩夢ちゃんと侑ちゃんみたいに」

 

「本当にそうだよ。もう二人してね」

 

「背中を押して距離が離れたって押してくれた手のぬくもりは残るよ。2人ならきっと大丈夫」

 

「ありがとう彼方さん」

 

ぽむお姉ちゃんは侑お姉ちゃんの方を向き……

 

「侑ちゃん!私 年が明けたらスクールアイドルはすごいって伝えるために留学してくる!」

 

「えぇ~!?」

 

「驚いた?侑ちゃんもどんどん進んでくれなきゃ置いてっちゃうんだから。もし失敗したら励ましてね。私もそうするから」

 

「うん私も決めた!作曲コンクールに参加して自分を試してみる!」

 

二人とも、ちゃんと決められたみたいだね。

 

「私としては一番最初に相談してほしかったけどな~」

 

「未唯、ごめん」

 

「その、いつも未唯ちゃんに助けられてたから……」

 

「遠慮しなくてもいいよ。私はお姉ちゃんたちを支える存在なんだから」

 

「「うん!」」

 

 

 

 

 

そして私たちはファーストライブに向かって、頑張っていかないとね。まぁ……

 

「私もトキメキ全開だよ!だからその勢いで全員のソロ曲作っちゃった!」

 

まさか全員分作るなんて……まぁそれぐらい力が入ってるって事だよね。

それにしても……ぽむお姉ちゃんが2週間留学か……大丈夫かな?お姉ちゃんたちは……

 




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51 お願い事

今回は幕間!
最終回……本当に良かった……


栞子side

 

「ふぅ、今まで一番良かった気がするわ!」

 

「そうかもね」

 

「はい、後はこの後の私と未唯さんの……未唯さん?」

 

練習に付き添ってくれている未唯さんを見ると、未唯さんは穏やかな寝息をたてていた。

 

「お疲れみたいですね」

 

「そうね。未唯はソロの練習とかライブに向けての準備もしてるから」

 

未唯さんは頑張り屋だからと言いたいが……今回はちょっと頑張りすぎな気がする。

 

「私とミアジュース買ってくるから、栞子は未唯のことお願いね」

 

「はい」

 

二人を見送り、私は未唯さんの隣に座る。

 

「ん……」

 

「起きましたか?」

 

「あれ~?栞子ちゃん……ごめんね。寝てたみたい」

 

「お疲れなんですからもう少し寝てていいですよ」

 

「うん……」

 

また座ったまま寝るのかと思ったら、私の膝に頭をのせて寝ようとする未唯さん

 

「み、未唯さん!?」

 

「駄目だった?」

 

「い、いえ……ダメと言うわけではなく……」

 

「えへへ、栞子ちゃんの膝枕~」

 

寝起きだからなのか普段より子供みたいになっている。

 

「お疲れみたいですが……無理はしてないですよね?」

 

「うーん、大丈夫だよとは言えないかな?スケジュールとか練習とか考えるのでいっぱいで……」

 

やはりと言うかなんと言うか……

 

「あまり無理をするとライブ当日に倒れますよ?」

 

「うん……気を付ける」

 

未唯さん、分かってくれたみたいですね。そう言えば……

 

「未唯さんは親睦会の際のお願いはどうしたんですか?」

 

親睦会のレクリエーションで未唯さんも賞品が貰えることになったけど、そのお願いはまだ未執行だった

 

「あー、考えていたのは虹ヶ咲だけのライブをやりたいって事だったんだけど……」

 

お願いをする前に叶ったと言うことですね

 

「他に何か無いんですか?」

 

「他か……うーん、いざ考えると難しいな~」

 

「まぁ今すぐにと言うわけでは……」

 

「あ、そうだ。栞子ちゃんとデートしたい」

 

「へ?」

 

未唯さん、今なんて……

 

「栞子ちゃんとデートしたいな~」

 

「あの、その……それは……」

 

「だめ?」

 

「い、いえ、その////」

 

友達と何処かに出掛けると言うのは素直に嬉しいことだけど……デートはその……付き合っている二人がするもので……

 

「その////私でよければ……」

 

「やった~ありがとうね。栞子ちゃん」

 

未唯さんは嬉しそうにしている。と言うかお願い事はそれで良かったのですか?

 

「あと少しだね……ライブ」

 

「そうですね……」

 

「絶対に最高のライブにしようね。栞子ちゃん」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

その日の夜、私は侑お姉ちゃんの家にいた。理由は……

 

「え?歩夢と2週間離れて大丈夫かって?」

 

「うん、お姉ちゃんたち、私が休学中あれだけ落ち着かなかったから……」

 

「大丈夫だよ。歩夢を応援してるからこそ送り出したんだし」

 

「そっか~」

 

大丈夫だって言ってるけど、やっぱり不安だけど……まぁその時になったら色々と考えよう




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52 虹を咲かせに!①

短めです。何気に最終話は切り時が難しい


『トキメキを感じたあの日から私たちは夢中で走り始めて……そして今……』

 

 

 

 

未唯side

 

ファーストライブ当日。控え室でみんなそれぞれ過ごしていた。

 

「このサンドイッチ美味しそう!」

 

「ほんとだ~!」

 

「遥ちゃん特製厚焼き玉子サンドだよ~!」

 

「部室棟のみんなからの差し入れすっごく個性的だよね」

 

「ニジガクだからね」

 

机の上に置かれたぬいぐるみや色んな物が置かれていた。本当に個性的と言うか……

 

「あの未唯さん……目をそらさないでください」

 

「栞子ちゃん……流石の私もあれは予想外すぎるし、目をそらしたくなるよ」

 

「未唯ちゃんファンクラブの子達が一生懸命作ったみたいだよ」

 

ぽむお姉ちゃんも苦笑いをしながら言う。差し入れの中に置かれたのは立体の私のクッキー。いや普通にどうやって作ったんだよ?

 

「未唯のファンクラブは変わった子が多いわね」

 

「ランジュさん、変わり者で済ませないでくださいよ……」

 

「僕が聞いた限りだと、うらも関わってるみたいだよ」

 

うらちゃん……

 

「みんなちょっと来てくれる?」

 

侑お姉ちゃんに誘われ、みんなで着いていくとそこにはたくさんのフラスタが置かれていた。

 

「すっごいきれい!」

 

「ファン有志からだって」

 

「可愛いです~!」

 

「メッセージもこんなにたくさん」

 

「嬉しくて泣いちゃいそうです」

 

これだけの人たちが私たちを応援してくれているって言うことだよね。嬉しいな~

 

「みなさ~ん!そろそろ開場の時間です!」

 

「じゃあ行こっか」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

侑お姉ちゃんは機材の確認しに行き、私たちは舞台袖で待機していた。

 

「改めて見ると広いですね会場」

 

「皆さん私たち同好会のためだけに集まってくれたんですよね」

 

「緊張してるの?」

 

「手握ってあげようか?」

 

「武者震いです!」

 

「はいはい。そろそろ円陣しよ」

 

「円陣!?やってみたかったの!」

 

「教えてあげるね」

 

「これでいい?」

 

「うん。ありがと」

 

「璃奈ちゃんボード ニコッ」

 

「ん?りなりー怒ってる?」

 

「えっ?」

 

もしかしてボードの故障かな?まだ開演前だけど、璃奈ちゃんの番までに直ればいいけど……

 

「未唯ちゃん、緊張してるの?」

 

「えっ?」

 

「何だか口数が少ないけど……」

 

「もしかして準備の疲れが今になって……」

 

「ううん、違うよ」

 

今はその逆……物凄く身体も心も熱くなっている……この感覚は覚えてる……

 

「あの日……ランジュさんがニジガクに来た日みたいに凄くテンションが上がってる……」

 

あの時はお姉ちゃんたちに会えることとみんなの危機を何とかしないといけないと思っていたから……だからあの日は……

 

「あの時の未唯は凄かったわ。パフォーマンスも歌も凄かった。本当に天使みたいに思えたわ」

 

「未唯さん、私も未唯さんに合わせますね」

 

「違うよ。栞子ちゃん」

 

「あ……そうでしたね」

 

「お互いに補って……」

 

「お互いに高め合う」

 

「「それが白翡翠」」

 

私と栞子ちゃんは微笑み合う。

 

「始めますよ!みなさん!」

 

侑お姉ちゃんも戻ってきて、かすみちゃんの号令で私たちは円陣を組んだ

 

「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!FIRST LIVE with You。ここからが新しいスタートです!私たちを支えてくれた皆さんへのありがとうを込めて!今できる全部を出し切りましょう!」

 

「行こう!私たちの虹を咲かせに!」

 

始まる。私たちのファーストライブ!

 




14話楽しみだな……
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53 虹を咲かせに! ②

いやー14話面白かったな~


苺side

 

「お母さん、早く。始まっちゃうよ」

 

「まだ時間あるわよ。苺」

 

今日は未唯姉達のファーストライブ。普段忙しいお母さんも今日は休みを取って、一緒に見に来てくれた。

 

「おーい、苺ちゃ~ん」

 

私を呼ぶ声が聞こえ、声の方を見ると遥ちゃんと遥ちゃんのお母さんがいた。

 

「初めまして、いつも娘が仲良くしてくれているみたいで」

 

「こちらこそ、いつも娘の苺が~」

 

お母さんたちが挨拶をする中。私は遥ちゃんが持っているものに気がついた。

 

「遥ちゃん、それって」

 

「うん、お姉ちゃんがしてくれたこと、私もしようと思って」

 

「そっか~」

 

本当に仲の良い姉妹だな~

 

「今日は未唯姉たちにとって大切な日だからね。私たちも応援頑張ろう」

 

「うん!そう言えばうらちゃんは?」

 

「うらちゃんは裏方だよ。気合い入ってたな~」

 

うらちゃんも変われたのはニジガクに来たことが影響してるからね~

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

ついに始まったライブ。トップバッターは……

 

「私たちの伝説の始まりを心に刻みなさい!」

 

ランジュさんからだ。私たちからか……最初の頃に比べて、本当にランジュさんは変わったな~

 

「さすがだね」

 

「えぇ。それに楽しそう」

 

「ランジュさん、多分今までのライブより一番楽しんでると思う」

 

「そうね。未唯の言う通りね」

 

「かすみんも負けてられません!」

 

ランジュさんのステージが終わり、かすみちゃんの番になるとかすみちゃんとランジュさんはハイタッチをして、かすみちゃんはステージへと向かった。

 

「みなさ~ん!かすみんと世界一かわいいステージにしましょう~!」

 

かすみちゃんらしい可愛らしいステージが始まり、後半に差し掛かると巨大なかすみちゃんバルーンが飛び出してきた。

 

「かすみんバルーン!」

 

聞いた話だと製作にうらちゃんも関わっているとか……うらちゃんも本当に私たちを支えてくれてるな~

 

そして次のステージは彼方さんだ。彼方さんは月とベッドを使ってのステージ。本当に彼方さんらしいな~

 

「おねえちゃーん!」

 

観客席から遥ちゃんの声が聞こえてるけど、もしかしてと思い、カメラで確認すると横断幕を持って応援する姿があった。因みに苺ちゃんもだ。

 

「おやすみ~」

 

次はエマさんのステージだ。

エマさんらしい癒しを感じさせるステージ。そう言えば家族が配信で見ているって聞いたけど、きっと見てくれてるよね

 

「みんな~!気持ちをつなげよう~!」

 

「未唯、ちょっと悪いけど璃奈ちゃんたちの所に行ってくれない?」

 

「もしかしてボード?」

 

「うん」

 

侑お姉ちゃんに頼まれて、控え室に向かうとボードの故障はまだ直ってなかった。

 

「直らない」

 

「これはちょっと…」

 

「時間かけないと直せないみたいだね」

 

「うん……未唯ちゃんも来てもらってごめんね」

 

「大丈夫だよ」

 

でもどうしたものか……順番をずらす?

 

「……僕が先に行こうか?」

 

ミアちゃんがそう言うけど、ミアちゃん、手が震えてる。やっぱり緊張……と言うよりかは昔の事が……

すると璃奈ちゃんは……

 

「大丈夫。見てて」

 

ボードを着けずにステージへと上がっていく。もしかして……

 

璃奈ちゃんはボードを着けずにライブをしている。璃奈ちゃん……成長したんだね。

観客のみんなのブレードで璃奈ちゃんボードを再現するって言うのも凄いな~

 

「ありがとう!」

 

そして次はミアちゃんだけど……大丈夫かな?心配して見に行くと……うらちゃんと何かを話していた。

 

「緊張してるんだ」

 

「別に、君に心配されるような事じゃ……」

 

「音楽一家のミア・テイラーとか今は関係ないよ」

 

「はぁ?」

 

「今ここにいる観客は……スクールアイドルのミア・テイラーを見に来てるんだから」

 

「全く……君に励まされるとはね……Thank You」

 

緊張が解れたのかミアちゃんはステージに上がり、素晴らしいライブをしてくれた。

 

「うんうん、それでこそだよ」

 

「うらちゃん、お疲れ様」

 

「未唯ちゃん。まぁ私も出来ることを精一杯ね」

 

次は果林さん。そしてDIVERDIVA。愛さんのステージへと続き……

 

「未唯さん」

 

「栞子ちゃん、次だね」

 

「いよいよね!」

 

私、ランジュさん、ミアちゃんで栞子ちゃんの背中を押した。

 

「頑張れ!」

 

「はい!」

 

さぁ、ここからサプライズ二連発!




侑ちゃんもっと出番を……
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54 虹を咲かせに! ③

侑ちゃん……もっと色々と出てほしい


栞子ちゃんのステージ。栞子ちゃん、いろいろとあったけど、今はスクールアイドルの適正が凄く感じられるよ。

栞子ちゃんのステージが終わり差し掛かるとランジュさんとミアちゃんがステージに上がろうとしていた。私もそろそろ準備しないと

 

「ミアさん、ランジュさん!?」

 

二人はステージに上がり、三人のユニットとしてライブを始めた。

 

「三人のステージ見てください!」

 

「Are you ready?」

 

ずっと見てきたけど……本当に三人のユニットは凄いな~でも私だって負けてられない!

照明が落ち、中央のディスプレイに白い翼と翡翠色の翼が映し出され……

 

「私たちはお互いを補い」

 

「お互いを高めあっていく!」

 

「それが私たち白翡翠!」

 

私たちの白翡翠のステージが始まった。

 

 

 

栞子side

 

未唯さん……凄いです。今までよりも凄いパフォーマンスをしている。ライブの前に話していた事はこの事なんですね。普通ならついていくのは難しいけど、私たちはユニット。だからこそ高めあっていけばきっと!

 

白翡翠のステージが終わり、未唯さんのソロステージが始まる。私は舞台袖の近くで見守っていた。本当に未唯さんは……楽しそうに……そして誰かに夢を与えてくれるようなステージを見せてくれた。

 

「私は誰かの支えになりたい。そしてこのライブを見てくれている人たちに少しだけでもいい。きっかけを与えられるように……それが私の……スクールアイドル高柳未唯です!」

 

本当に……凄い人です。あなたは……

 

未唯さんのステージも終わり、愛さんが興奮していた。

 

「聞いてないよ~!」

 

「サプライズだもの」

 

「むぅ~」

 

しずくさんは頬を膨らませ、歩夢さんたちにある提案をした。

 

「私たちもやりますよ!」

 

AZUNAのステージが始まると未唯さんは嬉しそうにしながら話しかけてきた。

 

「栞子ちゃん、どうだった?私のステージ!」

 

「大変素晴らしいものでしたよ」

 

「本当に?やった~!」

 

ぴょんぴょん跳ねる未唯さん。テンションが上がりすぎて、子供みたいになってるけど、可愛らしい。

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

AZUNAのステージからしずくちゃんのステージになり、しずくちゃん。凄く格好いい。

そして次はせつ菜さんのステージ。

 

「まだまだこれからですよ!」

 

せつ菜さん……私にとってきっかけをくれた人。本当に全力で楽しそうに歌うな~

 

ラストはぽむお姉ちゃんの番

 

「一緒に歌おう!」

 

「未唯!一緒に」

 

「うん!」

 

私と侑お姉ちゃんはせーので合わせて、

 

「「歩夢~(おねえちゃーん)」」

 

ぽむお姉ちゃんのステージ。本当にお姉ちゃんは変わったな~

スクールアイドルとして大切なことに気づけたから、お姉ちゃんはこうして夢を与えているんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

みんなのステージが終わり、今は幕間映像が流れている。そう言えば流すって言っていたけど……ちょっと恥ずかしいな~

 

 

 

 

 

 

苺side

 

未唯姉のインタビューが流れた。未唯姉、ちょっと恥ずかしそうにしてるな~

 

『スクールアイドルを始めたきっかけですか?最初はスクールアイドルになろうとは思ってなかったんです。優木せつ菜さんのステージを見て、あんな風に歌えたらいいなってそう思っていたんですけど……そんな自分が想像できなかったんです』

 

『何かきっかけがあったんですか?』

 

『幼馴染みの二人に誘われて、やってみるべきだって言われたのもありますが……部長のかすみちゃんにも進められて……あの頃はいろんな人に背中を押してもらっていたんだなって思ってます』

 

『高柳さんの最初のライブは幼馴染みの二人だけのためにやったとか』

 

『はい、いつも支えてくれた大切な幼馴染みのお姉ちゃんたちに……私は強くなれたよ。これからはもっと頑張れるようになるから……一緒に進んでいこうと言う気持ちを込めました』

 

『なるほど……そこから高柳さんの評判が高まっていましたね』

 

『そうですね。フェスの日に別のイベントのゲストとして誘われたりしましたが……ちょっとした手違いとかでフェスには最後の最後に出た感じですね』

 

『そうですか。ユニットとして白翡翠を三船さんと組んでいますが、その前からユニットに混ざったりしてましたね』

 

『はい、誘われたりしていて……その中で私が心から一緒に組みたいと思える人とやってみたいと思い始め……』

 

『それが三船さんだったんですね。因みに高柳さんにとって三船さんは?』

 

『えっと……大好きな存在です』

 

これ、未唯姉……告白してない?




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55 虹を咲かせに! ④

未唯side

 

幕間映像が流れている中、みんなのところに行くとかすみちゃんに呼び止められ、あることを聞かれた

 

「みい子、あれ告白してない?」

 

「告白?」

 

「いや、ほら…これ」

 

私のインタビューを見せたかすみちゃん。確かにこれは告白みたいなものだけど…

 

「素直な気持ちを言っただけだけど?」

 

「……なんというかみい子は本当に侑先輩に似てきたよね」

 

えぇ?なんで?普通に栞子ちゃんに対して思っている感情を伝えただけなのに?

 

「未唯ちゃん、ちょっといい?」

 

かすみちゃんにあきられているとぽむお姉ちゃんに呼ばれ、お姉ちゃんのところに向かう。

 

「どうしたの?」

 

「あのね。さっきこれが届いたの」

 

「これって……」

 

どうやさっき届いた花束みたいだけど……これってもしかして……

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

副会長さんと一緒に最後の準備を進めている私。

 

「ランジュさんたちには驚きました」

 

「ね!こんなにたくさんの人が同好会のアイドルを好きになってくれてなんだか嬉しいな」

 

本当に開催できてよかった。それに未唯があんな風に思っていたのも驚きだ。未唯が誰かの支えになるだけじゃなく、誰かに夢を与えられるようにか……

 

そんなことを思っていると歩夢から電話が来た。

 

『侑ちゃん』

 

「歩夢?」

 

『ちょっと来られるかな?』

 

なんだろうと思い、控室に向かう私であった。

 

 

 

 

 

 

 

控室に行くとみんな最後の衣装に着替え終わっていた。

 

 

「どうしたの?歩夢」

 

「侑先輩」

 

「侑ちゃん」

 

歩夢の手には黒い花束だった。これってもしかして……私は花束と一緒に送られたメッセージカードを見た。そこには私への応援のコメント……

 

「さすが私たちのファンです~。分かってますね~」

 

「うんうん」

 

「あなたは私が思っていた以上にすごかったわ」

 

「ランジュちゃん…」

 

「私たち14人でスクールアイドル同好会だしね!」

 

「うん。侑ちゃんもスクールアイドルだもん」

 

「ええっ!?ちちち、違うって!」

 

「違わないよ~」

 

「侑先輩はもうたくさんの人にトキメキを与えられる存在なんですから」

 

うぅ、めちゃくちゃ恥ずかしい。こんな風に面と向かって言われるなんて……

 

みんなはそろそろステージに上がる時間ということで向かった。私はというと少し落ちくために歩きながら……

 

(私は歩夢たちみたいにステージでキラキラ輝けるわけじゃないし、同好会の一員としてスクールアイドルがいろんな人たちに好きになってもらえる手伝いができたら最高だなって そう思ってた。だけど…)

 

「こんなのめちゃくちゃ嬉しいに決まってるじゃん!」

 

私はいてもたってもいられなくなり、会場へと走り出した。まだ始まっていない。私は自分の思いのまま叫んだ

 

「みんな~!大好き~!」

 

思わず叫んでしまい、会場中の人たちの視線が集まる。あ、私…やらかしちゃった?

 

「侑ちゃん」

 

その時副会長さんからこっちにマイクを活かせるといわれ、私は話し出した。

 

「えっと…今日は同好会のライブに来てくれてありがとう。私本当に嬉しくて…同好会を始めてから楽しいことばっかりでこんな幸せでいいのかなって、でもね これってきっと特別なことじゃないんだと思う。みんなだってそうだよ」

 

私はステージへと歩き出す。みんなが……大好きなみんながいるところへ

 

「もう走り出してる人もいっぱいいるはずだし、向いてないとか遅いとかそんなの全然関係なくって、うまくいかないこともいっぱいあるかもしれないけど、そのときは私たちがいるから!元気が欲しいときは会いに来て!」

 

これが私が今伝えたかった事。いまここにいるみんなに……あなたに届いてるよね

 

気が付くと歩夢と未唯の二人が私に手を差し伸べていた。私は二人の手をつかみ、ステージに上がった。

 

「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はずっとあなたと一緒にいるよ」

 

『みんなありがとう!』

 

会場には虹が咲き誇る。思いが届いたからかな?

 

「聴いてください!これが最後の曲です!」

 

13人の……ううん14人の光が一つになったステージ。きっとこれをきっかけに誰かの夢を与えられたら……ううん、与えられているよね。だって私たちはずっとそうしてきたから……

 

 

 

 

 




これにて最終回……ではなく残り二話で終わります

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56 本当の未唯

モンハンやりまくっていて、ようやく書けた


ファーストライブから数日後、明日はぽむお姉ちゃんが留学先へ出発するため、私、侑お姉ちゃん、ぽむお姉ちゃんとでお泊まり会をしていた。

 

「こうして三人でお泊まり会するのって未唯が戻ってきた以来だよね」

 

「そう言えばそうだね」

 

あれからそんなに経つのか~

 

「でも侑ちゃんからお泊まり会をしようなんて提案するの珍しいね」

 

「そう?」

 

確かに侑お姉ちゃんからなのは本当に珍しい。子供の頃からお泊まり会を提案するときは大体はぽむお姉ちゃんか私くらいだった

 

「うーん、何となくそうしたかったからかな」

 

「そっか」

 

お姉ちゃん。何か企んでるのかな?色々と考えたいけど、眠気も限界が近いし……

 

「未唯ちゃん。眠そうだね」

 

「そろそろ寝ようか」

 

そう言って寝ようとするとあることに気がついた。あれ?何で川の字になって寝るのに、私が真ん中なんだろう?

 

「どうしたの?未唯」

 

「ううん、何でもないよ」

 

うーん、まぁいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

未唯はすぐに眠った。それを確認した私は歩夢に声をかけた。

 

「まだ起きてるよね?」

 

「うん」

 

「ごめんね。急にお泊まり会をしようなんて言って」

 

「気にしないで……侑ちゃん、未唯ちゃんの事を考えて提案したんだよね」

 

「うん……」

 

穏やかな寝息をたてる未唯。こうやって直ぐに眠るのは未唯のある前兆があるからだ

 

「侑ちゃん、未唯ちゃんの事は直ぐに気がつくのに……」

 

「え?あ、それは……その……」

 

歩夢。もしかして嫉妬してる。その歩夢の事だって心配してるし……

 

「ふふ、侑ちゃん。困った顔してる。気にしなくていいよ。私も侑ちゃんのより先に未唯ちゃんの事が心配しちゃうから」

 

「それだけ未唯は私たちにとって大切な存在なんだよね」

 

「うん……」

 

未唯は昔から私たちの事を思って支えてくれるけど……その裏の思いを考えると……

 

「明日、未唯の様子次第では……」

 

「うん、ちゃんと話すよ」

 

私たちは未唯の事を気にかけながら眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

そして次の日、空港までみんなでぽむお姉ちゃんの見送りに来ていた。

 

「歩夢、頑張ってね」

 

「うん、連絡するね」

 

「歩夢先輩~かすみんにも連絡してくださいね。落ち込んだりすることがあったら、かすみんの可愛い写真を送ってあげますから」

 

「かすみさんの写真だったら、元気になりますね」

 

「もう~しず子は……んん?普通に素直に誉めてる?」

 

「誉めてますよ」

 

「言葉わからなかったりしたら、私が作ったアプリ使ってね」

 

「りなりーの作ったアプリ凄いよね~まさか簡単に通訳できるなんて」

 

「えっへん」

 

「璃奈ちゃん、ありがとうね」

 

「歩夢さん!きっと向こうでもスクールアイドルの素晴らしさは伝わりますよ!」

 

「そうね。エマやランジュみたいにね」

 

「うんうん、歩夢ちゃん、頑張れ~」

 

「もしも寂しくなったら、ランジュが侑を連れてそっちまで行くから!」

 

ランジュさんなら本当にやりかねないな~

 

「歩夢ちゃん~枕持った~眠れなくなったりしたら困るよね~」

 

「多分大丈夫です」

 

「もしも向こうの子達の曲作りで迷ってたら、僕に相談しなよ。アドバイスくらいは出来るからさ」

 

「歩夢さん、頑張ってください。私も生徒会長として虹ヶ咲を盛り上げていきますから」

 

「栞子ちゃん、応援してるね」

 

「ぽむお姉ちゃん。いってらっしゃい」

 

「未唯ちゃん……」

 

あれ?何でぽむお姉ちゃん、私だけ変な反応なんだろう?すると侑お姉ちゃんが私の頭を撫でた。

 

「未唯、たまには本心とか隠さないで、素直な気持ち出したら?」

 

「え、素直って……素の私……」

 

「知ってるんだからね。未唯は昔に比べて強くなったけど、弱かった自分を隠してること」

 

侑お姉ちゃん……

 

「未唯ちゃん」

 

ぽむお姉ちゃんは両腕を広げていた。私は……隠し続けていた自分を前に出し、ぽむお姉ちゃんに抱きついた。

 

「お姉ちゃん……寂しいよ」

 

「うん、うん」

 

「たった二週間だけど……会えなくなるのやだ……」

 

「大丈夫だよ。未唯ちゃん」

 

 

 

 

 

 

侑side

 

ようやく本当の未唯の気持ちが聞けたな~

 

「意外ね。あの子、強い子だって思っていたのに」

 

「ランジュちゃん、未唯は強くないよ。強くあろうとしてるだけだから」

 

「たまに子供みたいな感じになりますが…今の未唯さんは本来の未唯さんなんですね」

 

「……ねぇ、栞子ちゃん」

 

「なんでしょうか?」

 

「未唯の事、お願いね」

 

「と言いますと?」

 

「多分だけど、未唯が本音を語れるのは私たち幼馴染以外では栞子ちゃんだけだと思うんだ」

 

「そう……なのでしょうか?」

 

「うん、きっとそうだよ」




次回最終回!
感想待ってます!


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57 未唯と栞子と夢を与える

今回で最終回です!


朝、目を覚まして顔を洗い、髪を解かすとあることに気がついた。

 

「髪、伸びたな~」

 

切ったときからそれなりに経ってるから当たり前だけど……

 

「そう言えば今日からだよね」

 

それなら早めに準備をして、登校しないと。とりあえず侑お姉ちゃんに連絡を入れて、私は学校へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

朝の生徒会室に入ると、既に栞子ちゃんが来ていた。

 

「おはよう。栞子ちゃん」

 

「未唯さん、おはようございます……今日は髪型違うんですね」

 

「うん、ちょっと気分転換に」

 

いつもは結んだりせず、下ろしたままにしてるけど、今日は気分を変えて髪をひとつに結んでいる

 

「どうかな?」

 

「似合ってますよ」

 

栞子ちゃん、照れたりせずに普通に言うんだから……

 

「未唯さんは今日はどうしてこんな時間に?朝練はないはずですが」

 

「うん、少しでも仕事を片付けておこうかなって」

 

「そうですか。それならこちらの方の確認をお願いします」

 

「うん」

 

栞子ちゃんの指示に従い、生徒会の仕事を始める私。

三学期から私は生徒会長補佐として生徒会に入った。

副会長ではと思うけど、副会長ではなく、補佐だ。簡単に言えば秘書みたいな感じでやってる

 

「それにしても未唯さん」

 

「ん?何?」

 

「補佐として手伝ってくれるのは嬉しいのですが……何故眼鏡を?」

 

「え?」

 

そんなに眼鏡かけてるのおかしいかな?生徒会、栞子ちゃん以外みんな眼鏡だし……私も合わせた方がいいかなと思ってだて眼鏡をかけてるけど……

 

「そんな拘らなくても……」

 

「えぇ~ダメ?」

 

「ダメではありませんが……」

 

栞子ちゃんと他愛のない話をしながら、作業を続けていくと……栞子ちゃんはあることを聞いてきた

 

「未唯さん。大丈夫ですか?」

 

「え?」

 

大丈夫って何が?

 

「この間の事で未唯さんが表に出さないようにしていることが多いと言う事です」

 

「あーそれは……その……」

 

まさかお姉ちゃんたちに知られていたとは、いや、知っていても当然だよね。

 

「もしも溜め込んでいることがあれば、いつでも言ってください。私なら受け止めますから」

 

「受け止めるって……」

 

「えっと……抱き締めるとか?」

 

「それなら……」

 

私は栞子ちゃんに抱きついた。あ、何だか落ち着く

 

「え、あの、私が抱き締めるんじゃ……」

 

「私が抱き締めちゃだめ?」

 

「そ、その……だ、ダメでは……ないですが……」

 

栞子ちゃんって押しに弱いと言うか攻められると弱いみたいなんだよね~

 

「この間のデートの時も栞子ちゃん、手を繋いだだけで顔真っ赤にさせてたな~」

 

「あ、あれはその////」

 

それから他の生徒会の子達が来るまで、私は栞子ちゃんをからかうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

生徒会での仕事を終わらせ、私はフッと空を見上げた。本当にいろんなことがあったな~

 

スクールアイドルになって、それからたくさんの出来事があった。楽しかったことやお姉ちゃんたちと揉めたこととか……本当に沢山あったけど……私のスクールアイドルとしての物語はまだまだ始まったばかり……次はどんなことが起きるのか分からないけど……でも大丈夫だよね。だって……みんながいるから……

 

「未唯さん」

 

「どうしたの?栞子ちゃん」

 

「今度の休みなんですが、予定ありますか?」

 

「栞子ちゃんからデートのお誘い!?」

 

「ち、違います!その、ボランティアの活動で病院に行こうかと思って……もし予定が空いていれば……」

 

「うん、いいよ。何をすればいい?」

 

「そうですね……子供たちと遊んだり……歌を歌ったり……」

 

そして……私のスクールアイドルとしての夢はある少女に夢を与える。

 




最後の最後で未唯が夢を与えるという……
これにてアニガサキ二期の話が終わりです。きっと三期はあるはず、三期はあるはずだ。

こちらに集中していたため、止まっていた外伝も更新していこうと思います。そして来週からあちらも二期の話が始まります
あとは少し考えているサンシャインの方も書いていこうかなと思っておりますので、そのときはそちらもよろしくお願いします
では感想待ってます!


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にじよん
01 同好会の日常!


と言うことで三期ならぬにじよん編開幕します!


未唯side

 

ある日の同好会のおやつタイムの時だった。侑お姉ちゃんがカメラを持って部室に入ってきた。

 

「みなさんこんにちわ。私は今虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部室に来てます。ただいま、おやつタイムでーす」

 

 

「え?動画撮ってるの?」

 

「さぁ歩夢さん!今のお気持ちをどうぞ!」

 

「えっと……普通に困ってます……」

 

ぽむお姉ちゃんは恥ずかしそうにしながらそう答えた。まぁ確かに急に撮られたりするのは……特におやつタイムの時はね

 

「優木せつ菜です!みんなー!見えてますかー!」

 

「チャオ!エマだよ。これは彼方ちゃんが作ってくれたクッキー。とってもボーノ」

 

「お褒めに預かりし、彼方ちゃんでーす」

 

「はいはーい!かすみんでーす!かすみんも褒めてくださーい」

 

「ランジュだっていくらでも褒めていいのよ!」

 

「かすみんが先ですよ」

 

「ランジュも負けないわよ」

 

「あの……それでこの動画の趣旨はなんなんでしょう?このままだと収拾がつかなくなりそうですが……」

 

なんと言うかみんな、撮影しているって言うことを知ると我先にと映りたがってるけど……

 

「それに……未唯さんは何で歩夢さんの後ろに隠れているんですか?」

 

栞子ちゃんは隠れる私に対してそう言う。いや、だって……

 

「あはは、未唯ちゃんはカメラとかに映るの苦手だからね」

 

「そうなのですか?でもライブとか後はファンの方と一緒に撮影したりとかしてませんか?」

 

「その……普段の時は……その……」

 

ライブとかファンの子達と一緒にいるときは、気にならないけど……こう言うときは物凄く恥ずかしくなってしまう。

 

「あはは、まぁ未唯のこういう一面も新鮮かもね。今回撮り始めたのはこの同好会の日常を記録しておきたいなと思って、ほら、学園以外のファンの人たちはステージ上のみんなしか知らないでしょ。スクールアイドルとしてじゃなく素のみんなもこんなに素敵なんだよって、みんなに伝えられないかなと思ってさ」

 

侑お姉ちゃんらしい思い付きだけど、その……やっぱり恥ずかしいな……

 

「……なるほどね。話は分かったわ。だけど……」

 

「うん、その撮り方だけじゃ伝わらない事もある」

 

「え?」

 

「そうだよ!愛さん達の日常を映したいんでしょ?だったら絶対に欠かせないものがあるじゃん!」

 

そういえばそうだよね。日常なら一人だけ映らないといけない子がいたよね

 

「んーなんだろう?ホワイトボードとか?それともバランスボール?」

 

「侑先輩、にぶいです」

 

「I'm so stunned」

 

うん、にぶいよね……まぁお姉ちゃんらしいけど……

 

「侑さん!次は侑さんの番です!」

 

するとせつ菜さんがお姉ちゃんからカメラを取り、お姉ちゃんを映した。

 

「こ……こんにちわ。スクールアイドル同好会の高咲侑です……みんなの応援したり曲を作ったりしてます。不束者ですがよろしくお願いします…………改めて挨拶するのって何だか照れるね」

 

お姉ちゃんは自分が注目されたりするの苦手だからな~でもそう言うところもお姉ちゃんの良いところだったりもする。

 

「さぁ侑さん!今後の意気込みをどうぞ!」

 

「え!?えっと……えっと……!みんなのことは私が幸せにします!」

 

うん、誤解を招きかねない発言してるよ……

 

「わーお、大胆発言」

 

「大胆問題発言ね……」

 

「いや……部員としてみんなのライブが最高のステージになるようにちゃんとサポートするよっていう……」

 

「みんな最高……というのは言葉として矛盾してませんか?」

 

「そうですよ!侑先輩にとっての1番は誰なんですか!勿論かすみんですよね!ね!」

 

「きっと私です!」

 

「ボクでしょ。ベイビーちゃん」

 

「私も立候補したいです」

 

「あら私よね?」

 

「ランジュに決まってるわ!」

 

「愛さんだよね」

 

「彼方ちゃんは~?」

 

「侑先輩、私ではないんですか?」

 

「璃奈ちゃんボード『うるうる』」

 

「間を取らなくても私だよね」

 

「侑ちゃん……?」

 

何だかみんな、誰が1番なのか立候補してる。普段なら私は呆れるかお姉ちゃんのサポートに回って助けるべきだけど……たまには……

 

「お姉ちゃん……私だよね?」

 

乗ってみることにした。お姉ちゃんはみんなに詰め寄られ、その結果……

 

「ひ、ひと……ひと……ヒトリダケナンテエラベナイヨーーーー」

 

と叫ぶのであった

 




にじよんバージョンだと未唯ちゃんは天使ではなくデフォルメされるので良いところのお嬢様みたいな感じになりそう……
感想待ってます!


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02 可愛さ対決!

にじよん二話目からして、いい意味で作画崩壊してたな


「你好!みんなのアイドル ランジュよ!」

 

ぽむお姉ちゃんと果林さんと一緒に部室に入るといきなりのランジュさん発言に戸惑う私たち……

 

「えっと……」

 

「どうかしら?」

 

「どうって…何が?」

 

「あ、髪切った?」

 

「切ってないわ」

 

「シャンプー変えた?」

 

「変えてないわ」

 

「少し痩せました?」

 

「痩せてないわ」

 

じゃあ一体なんなんだろうか?すると侑お姉ちゃんが解説してくれた。

 

「今ランジュちゃんと愛ちゃんでかわいさ対決をしてるんだよ!」

 

「かわいさ対決?あぁそれで」

 

かわいさ対決だからなのかちょっと雰囲気違ったのかな?

 

「かすみ師匠に教わったのよ!」

 

「かすみ…師匠?」

 

かすみちゃんの方を見るとかすみちゃんが何だか王冠を被り、マントを羽織って台の上に乗って誇らしげにしてるけど……あれって

 

「フッフッフ~高みで待っていますよ」

 

「舞い上がってるわね、かすみちゃん」

 

「それでは辛口審査員の皆さん点数をお願いします!」

 

「そういう形式なんだ…」

 

と言うか審査するのミアちゃん、栞子ちゃん、エマさんだけど……何だかんだ甘そうな3人だけど大丈夫なのかな?

 

「55点」

 

「28点」

 

「3恒河沙!」

 

「エマさんとっても甘口!」

 

「と言うか100点満点じゃないの!?」

 

「ミアちゃんこの点数は?」

 

「う~ん…いつも通りのランジュっていう感じだったかな」

 

「栞子ちゃん」

 

「そうですね、ランジュには不利な対決だと思います」

 

「ハッキリ言うわね栞子…ランジュのかわいさでみんなのハートをキュンキュンさせちゃうわよ!ほらキュンキュン!」

 

「審査員に圧かけるのやめてください!」

 

あの圧だけでマイナスになったりしそうだけど……大丈夫かな?

 

「よかったよランジュちゃん」

 

「ありがとうエマ!」

 

エマさんはエマさんで甘いし……

 

「それでは後攻 愛ちゃん!どうぞ!」

 

次は愛さんの番。愛さんは両手でハートを作りながら

 

「ちゅっちゅちゅきちゅきラブラブリン!」

 

物凄く可愛い感じになってた。これ、愛さんの勝ちなんじゃないかと思っていたけど……

 

「ぷふっ!アハハハッ!ムリムリ笑っちゃうって!ヤバすぎるでしょこれ!アハハハッ!アハハハッ!」

 

ツボにハマって大笑いしてるし……

 

「も、もう一回いくね…?チュ…アハハッ!アハハハハッ!イヒヒヒッ!くるし~い!」

 

「もはや何もできてないけど…」

 

「言えてないし48点だね」

 

「53点ですね」

 

「8阿僧祇!」

 

「エマさんの甘さがとどまるところを知らない…」

 

せめて100点満点でやろうよ。エマさん……

 

「アイヤー。ランジュもまだまだね。かすみのようにもっと高みを目指さなくちゃ」

 

「あんまり褒めすぎると高みから下りてこられなくなっちゃうわよ」

 

『下ろしてくださ~い!』

 

かすみちゃん、なんと言うか頑張れ!

 

「いやカワイイとかムリだよ~。途中で面白くなっちゃうもん。愛さんには向いてないよ。ゆうゆも笑っちゃうでしょ?」

 

「私は普段から2人のことカワイイなって思ってるけど?」

 

「そう…」

 

「あはは…そうくるか…」

 

「ん?」

 

お姉ちゃんの無自覚の誉め殺し……無自覚ゆえに耐性がない人が受けるとランジュさんと愛さんみたいに照れてしまう。うん、お姉ちゃんは本当に気を付けてほしい。そのせいで色々と考えすぎちゃう人がいるんだから……

 

「100点」

 

「100点」

 

「100那由他~!」

 

まぁ結果的に審査員の3人から満点を取れたからいいのかもしれないけど……

 

「折角だから未唯もやってみてよ」

 

「私!?」

 

「あ、ちょっと見てみたいかも」

 

「そうね。未唯ちゃんの可愛いを見てみたいわね」

 

「ぽむお姉ちゃんに果林さんまで!?うぅ……」

 

可愛い……可愛いって何をすれば…………かすみちゃんみたいにやる?でもあれは可愛いかすみちゃんがやるからこそ、その可愛さが出るから…………私にとって可愛いっていうと…………ぽむお姉ちゃん?でも私にはレベルが高すぎるし……そうだ!シニエみたいに……

 

「それじゃ未唯!どうぞ!」

 

私は意を決して手で猫の耳を作り……

 

「にゃ……にゃー、みいにゃだにゃん/////」

 

『………………』

 

無反応!?いや、それはそれで悲しいんだけど!?

 

「120点」

 

「120点」

 

「120点」

 

「120点ね」

 

「120点」

 

「120点」

 

「「12不可思議!!」」

 

何かお姉ちゃんたちの点数の付け方がおかしいよ!

 




ゆうぽむは未唯に対してあまあまです
感想待ってます!


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03 みんなでホラー映画鑑賞

とりあえずEDの未唯侑は未唯の髪を弄る侑ちゃんの図で!


ある日の同好会にて、ぽむお姉ちゃん、しずくちゃん、せつ菜さんの3人からある提案があった。

 

「ホラー映画?」

 

「うん。A・ZU・NAの表現力を高めるために見ようって話になって」

 

「せっかくなので今から皆さんも一緒にどうですか~?」

 

「大勢で見ると楽しいですよ~?」

 

しずくちゃんとせつ菜さんは幽霊のポーズしながら言ってるけど、今時の幽霊ってあんまりそう言うポーズしないような…………

 

「体よく道連れにしようとしてない?」

 

まぁ皆で見るって言うのは悪いことじゃないからいいかもしれないけど……するとぽむお姉ちゃんはミアちゃんの様子がおかしいことに気がついた

 

「ん?ミアちゃんは怖かったら無理しなくていいからね」

 

「はぁ~!?はぁ~!?はぁ~!?バカにしないでよ!こんなの楽勝さ!言っておくけど僕は3年生!歩夢よりも先輩なんだからね!」

 

ミアちゃん……強がってるけど……あれ、大丈夫かな?

 

「と言うか怖がりそうなのは未唯さんとかすみの二人でしょ!」

 

「かすみん、怖がったりなんてしないよーだ!」

 

「まぁ私もあんまり……昔は苦手だったけど」

 

「ふん、そう強がってられるのも今のうちだよ!」

 

早速みんなで見てみることになったけど…………

 

映画はまぁよくある幽霊が大暴れする系統のものだった。まぁみんなが割と見易いホラー映画で良かった……

 

「ぎゃああああああ!ぼ、僕は14歳だぞ!手加減してよ~!」

 

一番怖がってるのはやっぱりミアちゃんだった。

ミアちゃんはぽむお姉ちゃんの腕を掴みながら恐がってる…………

 

「うふふっ。子どもでも大丈夫な作品ですよ」

 

しずくちゃん……それ、ある意味ミアちゃんのことを……うん、ツッコまないようにしておこう。

 

「ひぃ~怖いよ~ランジュちゃん~!」

 

「無問題啦!ランジュが守ってあげるわ。もっとランジュに頼りなさい」

 

エマさんが怖がるって言うのは結構意外。まぁ日本のホラーは外国の人からしたら、やっぱり恐怖度が違うのかな?

 

「あああ歩夢 だだだ大丈夫だよ!わわわ私がついてるからね!」

 

「うん。侑ちゃんも無理しなくていいからね」

 

と言うか侑お姉ちゃんも恐がってるし……

 

「怖いです、怖いですぅ…」

 

「はいはい」

 

「自分より怖がってくれる子がいるとなぜか冷静になれるわよね」

 

栞子ちゃんも怖がるのは意外だな~折角だし

 

「栞子ちゃん、手を握っててあげようか?」

 

「お、お願いします」

 

栞子ちゃんは私の手をぎゅっと握りしめた。本当に怖いんだろうな~

こんな栞子ちゃんに対して不謹慎だけどちょっと新鮮で可愛い

 

「ふむ、ここの演出は…」

 

「もうすぐ出口ですよ!」

 

しずくちゃんは演技関係に取り込めないか研究してるし、せつ菜さんはワクワクしてるよ……

 

「すやぴ」

 

「うわっ!彼方先輩ずるいです~!」

 

「全然余裕!『璃奈ちゃんボードきりりっ!』」

 

「りな子も画面見てないでしょ!」

 

彼方さんはよく眠れてるし、かすみちゃんは普通に恐がってるし、璃奈ちゃんはボードで画面を見ないようにしてるし、何だかみんな、ばらばらな感じだな~

 

「み、未唯さんは何で平気なんですか?」

 

震える栞子ちゃんがそんなことを聞いてきた。いや、怖いのは怖いけど…………

 

「なんと言うか……克服するために沢山見たからかな?リ○グ、○怨、○暗い水の底から、○信あり、色々と見てきたから……苺ちゃんと」

 

意外と苺ちゃんはホラー関連は強いからな~私も付き合ってみているうちに慣れてきたし…………

 

「しいて苦手なのは……外国のホラー映画と言うか……怖いからと言うか……」

 

「あぁ、外国ものってそういうシーンが多いわよね」

 

「果林さん……察してくれてありがとうございます」

 

何であぁいう映画はそういうシーンが多いのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

ミアside

 

見ていくうちに気がついたら、いつもと違う雰囲気の部室にいた。

部室全体が赤く染まり……そして誰もいなかった。

 

「みんな?どこに行ったの?誰か~」

 

壁には何故か璃奈のボードが一面に貼られていく……なんだよこれ……

ボクは意を決して外へと出て、みんなを探しに行くのだった。

 

 

 

 

 

廊下へと出るが真っ暗で月明かりのみが頼りだった。何かおかしい……気がつくと壁に貼り付く璃奈のボード……勝手に水が出てくる水道……一体何が……

 

廊下を進んでいくと歩夢がポツンと立っていた。

 

「歩夢…?」

 

声をかけるが反応がない……

 

「よかった。歩夢!」

 

反応がないけど、歩夢に出会ったことでボクは安堵し、歩夢の肩を掴み……

 

「ねぇみんなは?あっ……」

 

突然歩夢のお団子が取れ、歩夢はそのまま倒れこんだ。

 

「歩夢!歩夢!」

 

ボクは必死に歩夢の身体を揺すり、声をかけ続けるが反応がない……

 

「ねぇ大丈夫!?起きてよ歩夢!ねぇしっかりしてよ歩夢!」

 

『遊ボウ…遊ボ…遊ボウ?』

 

後ろから不意にそんな声が聞こえ、振り向くが誰もいない。

 

『遊ボウ…一緒ニ遊ボ?』

 

辺りを見渡すけど誰もいなかった。気のせいだと思い、安堵した瞬間、目の前に歩夢のお団子が現れ……

 

「うえっ!?」

 

『ねぇミアちゃん遊ぼう?』

 

お団子が揺れ始め、真ん中が裂けて口のようになっていた。このままだとボクは…………

 

「ミアちゃん!」

 

もう終わりかと思ったが、誰かに腕を掴まれた

 

「み、未唯さん!?」

 

「こっちだよ」

 

ボクは未唯さんに引っ張られながらその場から離れた。

 

「未唯さん、さっきのは……」

 

「あれに取り込まれたらおしまいだから……逃げるよ」

 

「う、うん」

 

ボクは心細かったのか未唯さんに頼ることを嫌だと思わなかった。こうして付いていけばきっと安全な場所に…………

 

 

 

階段の側まで何とか逃げ出せたけど、さっきのは追ってこない……逃げ切れた?

 

「もう大丈夫だね。下に降りよう」

 

「うん……」

 

きっと1階に下りたらみんなが…………

 

「ココヲ降リタラ……皆トイラレルヨ」

 

不意に未唯さんに背中を押された。ボクは助かろうと手すりを掴もうとするが掴めない……そしてボクの目に焼き付いたのは………………

 

 

 

 

 

 

 

歩夢のお団子が未唯さんの回りにいて、未唯さんは悪魔のような笑顔を見せ…………

 

 

 

 

 

 

「わあっ!Nightmare?」

 

夢だったの……と言うかボクは途中から寝ていた?

 

「大丈夫?随分うなされてたから…」

 

べいびーちゃんと歩夢と未唯さんが心配そうにしてるけど……あのお団子……取れないよね?未唯さんの笑顔は……本当に本当の笑顔だよね?

ボクはベイビーちゃんの後ろに隠れながら様子を伺うのであった。

 

「どうしたの?ミアちゃん」

 

「なんでもない…」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

もしも未唯がホラー系苦手だった場合

 

 

 

 

歩夢side

 

みんなでホラー映画見て、しずくちゃんもせつ菜ちゃんも満足そうにしてた。ミアちゃんは何故か私を見て怯えていたけど……どうしたんだろう?

そんな事を思いつつ、そろそろ寝ようとしていると……

 

ピンポーン

 

呼び鈴がなった。もしかしてと思い、玄関を開けるとそこには

 

「お、お姉ちゃん……一緒に寝よう……」

 

「はいはい、未唯ちゃんが来るかなって思ってたよ」

 

「うぅ……苺ちゃんもうらちゃんも一緒に寝てくれないし……シニエも一緒に寝てくれないの……」

 

「うんうん、大丈夫だよ~」

 

怯える未唯ちゃん。こうして見ると幼く見えるな~

 

「あはは、未唯も来たんだ~」

 

部屋に先に着ていた侑ちゃんがいたけど……侑ちゃんも怖くて一人で寝られないって訪ねてきたような……

 

「とりあえず歩夢……一緒にトイレについてきて……」

 

「わ、私も付いてく!」

 

「はいはい」

 

何だかこう言うときだけ二人のお姉ちゃんになった気分だ




未唯ちゃんは基本的にホラー系は平気ではありますが、怯える未唯ちゃんも書くべきかと思った!
そして栞子ちゃんと何気に怖がるとは……

因みに自分はそこまでホラー映画見たことはないけど、今見たら考察してしまいそう

感想待ってます!


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04 果林さんの夢

やはりにじよんはいいな


ある日の事、私、栞子ちゃん、果林さんの3人で部室でのんびりしていた。

果林さんはファッション雑誌を読み、栞子ちゃんはお茶を飲み、私はホットミルクを飲んでいた。やっぱりホットミルクは美味しいな~

 

「果林さんは将来モデルを目指しているんですよね?」

 

「えぇそうよ。そのために故郷を離れてここまで来たの」

 

栞子ちゃんが急にそんなことを聞いていた。そういえば果林さんの話を聞けるのは結構珍しいかも

 

「あら~もしかして栞子ちゃんもモデルに興味ある?」

 

「いえそうではなくて」

 

果林さん……栞子ちゃんの頬をプニプニしてるけどちょっと羨ましい……

 

「生徒会長として生徒の皆さんの相談にも乗ってあげられたらと思いまして、果林さんのお話をお聞きしたいです」

 

「それじゃあ特別に3人に色々と教えてア・ゲ・ル」

 

「はい。よろしくお願いします」

 

「栞子ちゃんって真っ直ぐすぎてからかい甲斐がないわね…」

 

「栞子ちゃん、真面目と言うかいい子と言うか……」

 

「え?」

 

「そうね。参考になるかは分からないけど……島で暮らしていた頃は結構やんちゃで活発な子だったわ」

 

果林さんはスマホから昔の自分の写真を見せてきた。何だか今と全然違う

 

「これが果林さん…」

 

何だか写真の果林さんだと、あまり今の果林さんになるとは思えない……

 

「毎日海で遊んだり島中を駆け回ってた。意外でしょ?」

 

「今の果林さんからは想像できないです」

 

「なんと言うか……そのまま成長したら凄い人になってた感じに……」

 

「そんな私だったけどファッション雑誌を読むのが好きでモデルさんに憧れては都会のキラキラした世界を夢見てたわ。それであるとき鏡を見て思ったの」

 

「「ん?」」

 

「私もなかなか美しいじゃないってね」

 

わー凄い自信……と言うか……

『お~っ!』

 

「なんかいつの間にか聴衆増えてない?」

 

いつの間に侑お姉ちゃんとしずくちゃんが来ていた。本当にいつの間に……

 

「まぁ結局都会で暮らすカッコいいお姉さんに憧れたっていうだけの話なんだけどね。それで島を飛び出しちゃったってわけ」

 

「都会で暮らすカッコいいお姉さん…ではその夢はきちんと叶えたんですね。素晴らしいです」

 

「あっ……」

 

確かにちゃんと夢を叶えたって言うのは凄いと思う。果林さんの凄いところを見つけたかもしれないな

 

 

「そうかもしれないわね。それに今はスクールアイドルっていう新しい夢も見つけたから忙しくなっちゃったわ。だけどこの先どんな夢だって叶えてみせるわよ」

 

「素敵です果林さん!私も女優になれるように頑張らなくては!」

 

「私も作曲の道に!」

 

「未唯ちゃんはないのかしら?そういう夢?」

 

「私は……誰かの夢のきっかけになれる人になれたらなって思います」

 

「未唯さん、素晴らしいです」

 

「ふふ、本当に未唯ちゃんは……」

 

「果林さん、今のお話をぜひ全校集会で!」

 

「ふふ、これはここだけの秘密よ。前半が恥ずかしいから」

 

「この同好会の皆さんと同じように生徒の皆さんもやりたいことは一人一人バラバラで……だけど情熱は誰もが持っていて、その背中をそっと押してあげられたら、夢を追いかけている人を応援できたら……私は生徒会長として、スクールアイドルとしてそんな人間になりたいです。私の背中を押してくれた同好会の皆さんのように」

 

栞子ちゃん……その言葉……そっか……そうだよね

 

「それじゃあ私はそんな栞子ちゃんを応援するね!」

 

「いえ私も侑さんを応援します」

 

「いやいや私が…」

 

「負けませんよ」

 

「私だって負けないよ」

 

「この2人もある意味 仲間でライバルね」

 

「そうですね」

 

「因みに未唯ちゃんの夢は……栞子ちゃんと一緒に叶えるのかしら?」

 

「え、えっと///」

 

「未唯さんの夢ですか?そうですね!私でよければ一緒に!」

 

「う、うん///」

 

あれ?最終的に私が何だか恥ずかしくなったような……




基本的に未唯が栞子を照れさせるが、たまに栞子が未唯を照れさせるのも……
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05 エマさんの歌

ともりる……


うらside

 

どうも、うらです。さっきまでミアちゃんと一緒にはんぺんとシニエと遊んでました。

 

「相変わらず君は何で僕に構うのさ」

 

「えー友達なんだから別にいいじゃん~」

 

「友達だとしてももう少し……ん?」

 

『♪~』

 

そんな話をしていると何処からか歌声が聞こえてきた。私とミアちゃんは歌声の方へと向かうとそこにはエマさんがいた。

ライブとかでも思っていたけど、エマさんの歌声は本当に癒される。

歌い終わるエマさん。私は思わず拍手をし、ミアちゃんは……

 

「Bravo!」

 

「ミアちゃん、うらちゃん」

 

「やっぱいい歌だね」

 

「凄くきれいな歌声でした!」

 

「エヘヘありがとう」

 

「zzz」

 

「エマさ、シンガーになったらどう?歌唱力もあるし声も綺麗だし僕がプロデュースしてあげてもいいけど」

 

「え~」

 

エマさん、ミアちゃんに誉められて嬉しそうにしている。でも確かにミアちゃんに絶賛されると結構嬉しいことなのかもしれない

 

「そうだなぁ、楽曲は僕がバズる曲を用意するし、いいエンジニアも紹介できるし、レコーディングをするならスタジオはあそこかな」

 

「わぁぁ…」

 

「一回ニューヨークシティまで来てもらって」

 

「ミアちゃん……少し落ち着いた方が……そのままだとうっかりエマさんを連れ出しそうだよ」

 

「おっと……」

 

「ありがとうミアちゃん」

 

「ん?」

 

「たしかに歌は続けたいなって思うけどまだそこまで考えられないな~今はただスクールアイドルとして私を必要としてくれる人にそっと寄り添ってあげたいだけだから」

 

未唯ちゃんから聞いていた通りの人だな。本当に優しくって暖かい。だから未唯ちゃんもエマさんに対してはかなり信頼を寄せてるのかもしれない

 

「昔、私のことを勇気づけてくれたあのスクールアイドルの歌みたいに」

 

「そっか、まったく。僕の誘いを断るなんてこんなにおいしい話なかなかないからね」

 

「ごめんね」

 

「ま、分かってたけど。エマの歌を聴いてると思い出すよ。人気とか再生数なんかじゃなくて、僕は歌そのものが大好きなんだなって……そう思わせるほどの純粋さがエマの魅力だからね。近くにいてくれる安心感っていうかポカポカする感じ……な~んてね」

 

「ふふっ。ありがとうミアちゃん。そう言ってもらえると嬉しいな。みんなにとっての癒やしになれることが私の幸せだから」

 

「いやいや、エマさんはもうみんなの癒しになりつつあるよ」

 

「そうだね。特に……エマさんに膝枕をしてもらっている眠り姫ならぬ眠り天使にとってはね」

 

エマさんの所に来たときから気になっていたけど、未唯ちゃんがすやすや寝ている。こんな風に寝ているのは珍しいな~

 

「あはは、何だか未唯ちゃんお疲れだったから膝枕してあげて、歌っていたらいつの間にか寝ちゃってね。それじゃ次は二人のために歌うね」

 

「エマ、ありがとう」

 

エマさんの歌は本当に心地いい。何だか穏やかな草原にいるみたいだ。

そんなエマさんの歌を聞いていると……

 

「あ~!ミアとうらと未唯ってばずるいわ!エマを独占して!」

 

ランジュさん、せつ菜さん、侑さん、璃奈ちゃんの四人が集まってきた。

 

「うるさいなぁ。エマの歌の余韻が…」

 

「えっ!エマの歌!?ランジュにも聴かせて!」

 

「私も聴きたいです」

 

「私も~!」

 

「みんなで何してんの~?」

 

すると他のみんなも集まってきた。何だかみんな、エマさんの歌に誘われてやってきたみたいだ。

 

「ん……あれ?何でいつの間にみんなが?」

 

未唯ちゃんも騒がしかったからか起きたみたいだ。

 

「おはよう。未唯ちゃん。そうだ!みんなで歌おう!」

 

私も自動的に一緒に歌うことになったけど……何だかみんなで歌うと本当にいい感じになってる。本当にエマさんは凄いな~




にじよんでは初登場のうらちゃん視点でした!
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06 みんなでゲーム!

にじよん6話も良かった!


ある日の同好会にて、璃奈ちゃんは侑お姉ちゃん、愛さん、栞子ちゃんにある事を相談していた。

 

「璃奈ちゃんRunRuns?」

 

「うん。新しいゲームアプリを作ってみた。簡単操作で誰でも気軽に遊べるものにしたつもり、3人にもテストプレイしてほしい」

 

「もちろんいいけど私たちでいいの?せつ菜ちゃんとかミアちゃんに聞いた方が参考になるんじゃない?」

 

「その二人にはもうプレイしてもらってるんだけど」

 

ソファーの方を見るとせつ菜さんとミアちゃんの二人が熱くゲームをプレイしていた。

 

「イエス!またタイムを縮めたぞ!」

 

「私もまだまだ詰められますよ!」

 

この二人の場合はやり込むからな~まぁゲーマーとしてはかなりいい感じなんだけど……

 

「すでにやり込んで高得点を更新し合ってて」

 

「上手すぎて参考にならないんだ…」

 

「あの、未唯さんは?」

 

「私?私は開発とか手伝ったし……後はまぁ……うん……」

 

「未唯ちゃんは未唯ちゃんであそこの二人よりかなりやり込んでいたから……同じように参考にならないというか……」

 

「まぁ今回はサポートとして璃奈ちゃんと二人で三人を導くよ」

 

「なるほど……」

 

侑お姉ちゃんたちは早速プレイすることに……

 

ゲームキャラは2頭身の可愛らしい猫の姿に三人の特徴を押さえた感じだった

 

「なるほど。あの遠くに見えるのがゴールだね」

 

「操作方法は走ったりジャンプしたり…私にもできそうです!」

 

「よ~し!それじゃあ始めよう!」

 

「3人とも準備万端みたいだね」

 

「あれ?未唯さんのその姿……」

 

栞子ちゃんは私のアバターを見てうっとりしていた。まぁこのデザインは璃奈ちゃんが作ってくれたものだからね……

 

「シニエみたいだね」

 

「それに羽も生えてる……天使猫?」

 

「何だか私のイメージだとこんな感じらしいよ」

 

「可愛いです///」

 

あの栞子ちゃん、私のアバターと触れ合うゲームじゃないからね……ずっと頭撫でてるけど……

 

とりあえず早速三人はゲームを始めた。順調に進んでいく三人。するとそこには……

 

『侵入者発見!侵入者発見!』

 

「えっ!?何かに見つかった!」

 

「それは飛行型璃奈ちゃんボード。ビームを撃ってくるから気をつけて」

 

あの飛行型璃奈ちゃんボード……作るの大変だったな……でもこうして動いているのを見ると……達成感がある

 

「因みに難易度によっては飛行型璃奈ちゃんボードから小型飛行型璃奈ちゃんボード……通称『ファン○ネル』が飛び出る仕様にしたんだよ」

 

処理落ちとか大変だったな~

 

「何か未唯……疲れてる?」

 

「そんなことないよ~」

 

「未唯さん……」

 

そんな話をしていると飛行型璃奈ちゃんボードからビームが発射されてきた。

 

『ビビビのビ~ム!』

 

「撃ってきた~!」

 

「よ~し!逃げながら先に進もう!」

 

「愛さん待ってくださ~い!」

 

「うわぁぁ!」

 

まぁ避けながら進むのが一番だけど、それでも割と難しいんだよね~

 

「足場がありません!」

 

「うぅ…追い詰められた~!」

 

「楽しそうでいいねぇ。あははっ」

 

楽しんでもらっているなら何よりだね。ゲームはやっぱり楽しいのが一番!

 

三人は回転する足場へとたどり着くと愛さんは軽々と動く次の足場に乗る。

 

「おっと」

 

「愛ちゃん上手いね!」

 

「私も!あ、あれ?ここ足下がネバネバして歩きづらい!」

 

あーそこは一時的に動きづらくするゾーンだけど……まさか侑お姉ちゃんが填まるとは……

すると愛さんは何を思ったのか……

 

「ゆうゆネバーギブアップだよ。ネバネバだけに」

 

「あははははっ!」

 

駄洒落を言って侑お姉ちゃんを笑わしていた。うーん、わざとなのか思い付いたから言ったのか……どっちなんだろう?

 

「愛さん!侑さんをさらに動けなくしないでください!」

 

それから侑お姉ちゃんは笑いのツボと足場から何とか抜け出すことに成功したみたいだ

 

「何とか抜け出せた…あれ?このアイテムは?」

 

侑お姉ちゃんの前にはアイテムが置かれていた。あれって確か……

 

「それは璃奈ちゃん特製ドリンク。取ると超高速スピードで走れるようになる」

 

お姉ちゃんは早速ドリンクを取るともうスピードで走り出した。

 

「うわぁぁ!止まれないよ~!」

 

みるみる内に栞子ちゃんと愛さんを抜き、ゴールするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一週間後、ゲームは無事公開され、今では色んな人が遊んでくれていた。

 

「璃奈ちゃんあのゲームたくさんの人たちに遊んでもらえてるみたいだね」

 

「うん嬉しい。みんなのおかげ」

 

「未唯の作った難易度もクリアしてる人も多いみたいだしね」

 

「最初は難しいけど、慣れると簡単だからね」

 

タイムアタックも色んな人が挑戦してるみたいだし

 

「ミアさんランキング見ましたか!?」

 

ふとソファーでせつ菜さんとミアちゃんがランキングについて話していた。

 

「見たよ。まさかあのタイムが超えられるなんてね」

 

「どうしたんだろう?」

 

「日に日にスコアを更新しているプレイヤーがいるみたい」

 

そんなにすごい人がいるんだ……どんな人なんだろう?

 

「製作者としてはとっても嬉しい」

 

「そうだね!それにしても誰なんだろう…えっ!?」

 

「どうしたの?お姉ちゃ……あ……」

 

ランキング一位の人の名前を見た瞬間、それが誰なのか私とお姉ちゃんは頭にある人物を思い浮かべた。

 

「すごいなぁSASUKE」

 

「すごいですよねSASUKEさん」

 

「あははっ…意外とアプリゲームコツコツやり込むの得意だから」

 

「しかも難易度高い奴も一分切ってるし……本当に凄いな……」

 

何だろう?笑顔で上機嫌にプレイをして……

 

「楽勝~」

 

って言ってるぽむお姉ちゃんの姿が思い浮かんだよ。




因みに未唯のプレイはTAS並みです
それにしてもにじよんもだけどアニガサキは本当に細かいところを回収しているな~飛行型璃奈ちゃんボードとか、歩夢がコツコツやる系のアプリゲームが得意だったりとか……
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07 あまりもののジョーカー

歩夢「分かってるよね」

未唯「分かってるよね?」




ある日の事、ぽむお姉ちゃん、しずくちゃん、エマさん、彼方さんの四人が神経衰弱をしていた。私はというと見学していた。

 

「わぁ~やった~!揃った~!」

 

何で私は見学というと……強すぎるからちょっと遠慮しているだけ。

そんな事を思っているとランジュさんが部室に入ってきた。

 

「ん?みんな何やってるの?」

 

「神経衰弱だよ~」

 

「トランプを持ってきたのでみんなで遊んでいるんです」

 

「へぇ~」

 

ランジュさん、何だか凄いうずうずしてるけど、交ざりたいのかな?

 

 

「ランジュちゃんも一緒に遊ぼう!」

 

「わぁ~!やるわ!もちろんやる!」

 

ランジュさんはトランプデッキを受け取ると

 

「ランジュはトランプが得意よ!」

 

と自慢気にデッキをシャッフルし始めた。

 

「見なさい!このカードさばき!」

 

『すご~い!』

 

私、あのシャッフルの出来ないんだよね~それが出来る時点で結構凄いな~

 

「あれ?歩夢たち何してるの?」

 

侑お姉ちゃんたちも来たみたいだし、折角だからメンバー全員でゲームをすることになった

 

「じゃあ次は何で遊ぼうか。ランジュちゃんは好きなゲームある?」

 

「そうね…ソリティアとかピラミッドとかトランプタワー作るとか」

 

それ、一人用じゃ……うん、ツッコミを入れたらダメだよね

 

「せっかくだからみんなで遊べるやつにしない?」

 

「もう無難にババ抜きやらない?」

 

「ババ抜きだと未唯ちゃんも遊べるね」

 

「うん」

 

ババ抜きならまだね。本気を出してもポーカーフェイスとか見抜くの難しいし……

 

因みに人数が多いから愛さん、璃奈ちゃん、栞子ちゃん、私は一回見学と言うことになった。まぁ人数が多いと最初の時点でカードがなくなる人がいたりするしね。

 

「さぁババ抜きで勝負よ!誰がジョーカーを持っているのかしら!せつ菜?」

 

「どうでしょう?」

 

「果林?」

 

「どうかしら?」

 

「それじゃあ侑?」

 

「どうかな?」

 

「かすみが怪しいわね」

 

「っていうか持ってても言いませんよ!」

 

と言うかそんなわざわざ聞いたりしなくても……

ランジュさんはカードを一枚引くと何故か嬉しそうに……

 

「ジョーカーよ!ジョーカーを引いたわ!さぁ奪ってみなさい。できるものならね」

 

「ランジュ先輩、ババ抜きのルール知ってます?」

 

「と言うより……」

 

ランジュさんは誰かとトランプで遊ぶのが嬉しいのかな?

 

そんなこんなでみんな上がっていき、残ったのは……

 

「残るは歩夢とランジュちゃん」

 

この二人。ぽむお姉ちゃんは悩みながらカードを選んでいたけど……

 

「わぁー」

 

何かランジュさん、分かりやすいと言うかなんと言うか……

 

 

 

 

 

 

結局最後まで残ったのはランジュさんだったけど、ランジュさんは嬉しそうにしていた

 

「やっぱり最後までジョーカーを持っていたのはランジュだったわね」

 

「なんで負けたのに勝ち誇ってるのさ」

 

「それじゃあ次は何のゲームにしましょうか?」

 

「大富豪やりた~い!」

 

「もう一度ババ抜きもやりたいです」

 

「その前に私たちと入れ替え」

 

「しおってぃーもね」

 

「ありがとうございます。未唯さんも」

 

「うん!」

 

「はぁ…」

 

「よ~し負けないぞ~!」

 

「璃奈ちゃんボードがんばる!」

 

「彼方ちゃんもがんばっちゃうぞ~」

 

「じゃあ私が替わります」

 

みんなが次のゲームに対して盛り上がっている中、ランジュさんだけはちょっと暗い顔をしていた。

 

「やっぱり…」

 

「ん?」

 

ランジュさんは残ったジョーカーを見てため息をついていた。もしかして……

 

「特別なカードはいつもひとりぼっちなのね」

 

ひとりぼっちか……確かにババ抜きはそう言うゲームだけど……

 

「お~っと!こんなところにもう一枚ジョーカーが!」

 

すると愛さんはケースに残ったジョーカーを手に取りそう言うと、璃奈ちゃんが受け取り、侑お姉ちゃんに受けとると……

 

「ひゅ~ん!」

 

「ぐ~るぐるぐる!ガッシャーン!」

 

ランジュさんの手に渡ると……ジョーカーが二枚になった。それによって……

 

「あっ!ランジュちゃんカードが揃ったよ!」

 

ランジュさんはみんなのことを何度も見て、

 

「ランジュ上がれた!ついにランジュも上がれたわ!」

 

「ふふ、ランジュおめでとう」

 

ジョーカーは特別なカードだけど、別に一人ぼっちにはならないもんね。




ランジュ「UNO!」

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08 姉妹仲良し

遥ちゃん可愛かった
一週間、他のラブライブ作品書けてなかったよ……


今日はせっかくの休日なので未唯姉と一緒にシニエを連れて遠くまで散歩に来ていた。

 

「それにしても……シニエまで連れてくる必要あったの?」

 

「うーん、シニエには外の世界とか知ってほしいから」

 

未唯姉らしい考えだよね。まぁ元々は捨て猫だったし、こう言う散歩はいいかもしれないけど……

 

「シニエ……未唯姉から離れないけど……いいの?」

 

「まぁこう言うのも一応は散歩に……」

 

苦笑いを浮かべる未唯姉。まぁ未唯姉が良いなら良いけど……

ふと海岸沿いに見覚えのある姿を見つけた。

 

「お~い、未唯ちゃ~ん」

 

「あ!苺ちゃ~ん!」

 

「お二人も散歩ですか?」

 

「わん」

 

彼方さんにしずくさん、遥ちゃんと後は……この子がオフィーリア?

 

「オフィーリア、元気にしてた?」

 

「ワン!」

 

「わぁ~!かわいい!」

 

しずくさんが大きい犬を飼っているって聞いてたけど、こんなに可愛いなんて……

 

「皆さんは何してるんですか?」

 

「天気がいいから遥ちゃんと散歩してるんだ~」

 

「私たちも散歩だよ。後はシニエに色々と見てほしくって」

 

「あ、私たちもです」

 

「奇遇だね~」

 

「本当ですね」

 

三人して楽しそうに話していると遥ちゃんの目線に気がついた。何だかオフィーリアとシニエを撫でたそうにしてる。因みに私もオフィーリアを撫でたい

 

「おぉ…!」

 

「撫でますか?」

 

「はい!もちろん!あと……」

 

「シニエも撫でていいよ」

 

 

 

 

 

未唯side

 

遥ちゃんと苺ちゃんの二人はオフィーリアとシニエを嬉しそうに撫でていた。

 

「ふわふわ~!おとなしいね~!いい子だね~!よ~しよし!」

 

「ほんとだ~オフィーリア可愛いね~」

 

「シニエちゃんも毛並みいいね~それに人懐こいよ~」

 

「かわいいですね。撫でてもいいですか?」

 

「どうぞどうぞ」

 

「えっ!?」

 

遥ちゃん……どんま……

 

「うちの苺ちゃんも良かったら。ちょっと警戒心強いけど頭を撫でると凄く可愛いですよ」

 

「未唯姉!?」

 

 

 

 

 

 

「それ!」

 

「冷たいです~!」

 

「遥ちゃん~しずくさん~こっちこっち~」

 

苺ちゃんたち三人して水のかけあいっこをして楽しそうにしていた。私と彼方さんとオフィーリアはその三人の光景を眺めていた。因みにシニエはと言うと……

 

「みー、みー」

 

「わん!」

 

オフィーリアになついていた。犬と猫は仲良くなるのは難しいって聞いたけど……この2匹の場合は違うみたいだね。

 

「三人とも仲良しさんだねぇ。結構気が合うのかな?」

 

「そうかもしれないですね。遥ちゃんと苺ちゃんは元々仲良しだったけど、もしかしたらしずくちゃんと仲良くなるかもね」

 

「苺ちゃん、本当に猫みたいだからね~ところで君たちは一緒に遊ばなくていいのかい?」

 

「わん!」

 

「こうしてのんびりするのも悪くないかなって」

 

「そうかそうか~。それじゃあ今日は彼方ちゃんとのんびりしようね~」

 

「わん!」

 

「みー」

 

「そうですね」

 

 

 

 

 

 

苺side

 

三人で夢中になって遊んでいると、遥ちゃんがあることに気がついた。

 

「あ!」

 

「ん?」

 

「あはは」

 

未唯姉、彼方さん、オフィーリア、シニエがのんびりとぼーとしていた。

 

「未唯ちゃんたち仲良しさんですね」

 

「結構気が合うのかもしれませんね」

 

「意外とね」

 

折角だから未唯姉たちもと思って私たちは声を掛けることにした。

 

「お~い、お姉ちゃん~」

 

「オフィーリア~」

 

「未唯姉~シニエ~」

 

未唯姉たちは顔を見合わせて、こっちに来て遊ぶのであった。

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

いつの間にか夕方になり、遥ちゃんは彼方さんに膝枕をしてもらい、オフィーリアはしずくちゃんの隣で、苺ちゃんは私の肩を借り、シニエは私の膝の上で眠っていた。

 

「日が落ちてきたね~」

 

「えぇ。遥さんたち寝ちゃいました?」

 

「遊び疲れちゃったんだろうね」

 

「苺ちゃんも珍しく遊び疲れちゃってるよ」

 

「苺さん、大人しい方かと思ってました。それに最後辺りには私の事をちゃん付けで呼んでたよ」

 

「えへへ、苺ちゃんはなつくと可愛いからね」

 

「すやぴ~」

 

遥ちゃん、寝顔が彼方さんと似てるな~

 

「寝顔、彼方さんにそっくりですね」

 

「えへへ~。姉妹だからね~」

 

「未唯さんたちもですね」

 

「双子だからね~でも……」

 

私はシニエを見ると、何だか苺ちゃんとシニエが同じ感じで寝ていた。

 

「こうして、シニエと苺ちゃんを見てるともしかしてしずくちゃんとオフィーリアちゃんの寝顔も似てるんじゃない?」

 

「そうかもしれませんね。オフィーリアは私の妹のような存在ですから」

 

「私もシニエは可愛い妹だって思ってるよ」

 

「三人ともかわいい妹を持ちましたな」

 

「はい。自慢の妹です」

 

「可愛い妹たちです!」

 

 

 

 

 

そろそろ暗くなってきたから、寝ているみんなを起こすことになった。

 

「遥ちゃん。遥ちゃん起きて。そろそろ帰るよ」

 

「んん…お姉ちゃん~」

 

遥ちゃんは目を擦りながら起きると、寝ぼけているのかオフィーリアの頭を撫でなから……

 

「お姉ちゃんよ~しよし」

 

「クゥ~ン、クゥ~ン」

 

彼方さんの犬の鳴き真似を聞いて、遥ちゃんは自分がしたことに気がつき、顔を真っ赤にさせていた。

 

「苺ちゃんも起きるよ」

 

「う~ん、おはよう……お姉ちゃん」

 

苺ちゃんは苺ちゃんでしずくちゃんをお姉ちゃんって呼んでるし……

 

「あ////」

 

 




一週間書けてなかった理由としては、ともりるの件が思った以上に心に来るものがあったため、正直この状態で書くとなるとともりるの件に関しての内容の小説を書いてしまいそうだったからです。
ちょっとした未来で未唯がせつ菜を継ぐという話で……ハッキリと言って、自分しか満足できない話になりそうだからでしたので、書くのをやめました。

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09 妹王決定戦!

妹王と聞いて、やはり妹と言うなら……


「妹王決定戦~!わ~い!」

 

突然始まったかすみちゃん主催の決定戦……うん、本当に何で急に?

 

「彼方先輩お願いします!」

 

「え~っと…妹と言えば可愛い存在!可愛い存在と言えば妹!わかるよ~。遥ちゃんかわいいもん~」

 

「まぁ彼方さんが言うのは何となく分かりますけど……」

 

苺ちゃん可愛いし、妹として扱うとしてもシニエも可愛い。

 

「つまり かわいい子には妹の適性があるのです!」

 

「そうなるものなの?」

 

「そうなるの!一番の妹を決める、それはすなわち…一番かわいい存在を決めることに他ならないのです!というわけでスクールアイドル同好会 妹王決定戦 ここに開幕です!」

 

「は…はぁ…」

 

「妹属性たしかにいいですよね」

 

「楽しみだわ」

 

「頑張ってね かすみさん」

 

「1年生のしず子はこっち側だからね!」

 

あ、1年生で決めるんだ。まぁミアちゃんを除けば一番年下の一年生がやるのが当たり前か。

 

 

 

 

 

 

かすみside

 

この妹王決定戦で一番の要注意人物はみい子!しず子みたいにしっかりしてるけど、何処か妹みたいなものを感じる。しかも誕生日の度にみんなの妹に…ん?あれ?そんなことあったっけ?まぁいいや、要注意のみい子を越えれば、かすみんが妹王になれる!

 

「こほん!えへっ!お姉ちゃん!妹にするならやっぱりかすみんですよね!ねっ?ねっ?」

 

全力の妹キャラ!これは勝ちですね

 

「はあ~っ!かすみちゃんかわいい~!」

 

 

未唯side

 

妹…なのかな?まぁつっこまない方がいいかもしれないね。

 

「実際に妹なのが栞子ちゃんだよね」

 

「栞子ちゃんみたいな妹欲しい」

 

ぽむお姉ちゃんにそんなことを言われ、顔を赤らめる栞子ちゃん。うん、確かに……

 

「栞子ちゃんみたいな妹もありかもしれない」

 

「わかる。栞子ちゃん欲しい」

 

「そ、そうですか…?」

 

「ミアちゃんにもお姉さんがいるんだよね」

 

「ミアちゃんみたいな妹もいいな~」

 

「わかる。ミアちゃん欲しい」

 

「なんか複雑…」

 

「と言うか侑お姉ちゃん、段々見境なくなってきてるよ」

 

「不行!栞子もミアもランジュの妹にするんだから!」

 

「ランジュこそ手のかかる妹といった感じなのですが」

 

「Yeah exactly」

 

「何よもう~未唯!あなたはどう思う?」

 

「え?私?えっと……」

 

ランジュさんは確かに姉というより手のかかる妹……というより…………

 

「元気が有り余ってる…………犬」

 

「犬!?」

 

ごめんなさい。ランジュさん……そうとしか思えなくって……

 

「そういえば愛も美里さんの前では妹らしい言動になるわよね」

 

「愛ちゃん結構甘えん坊さんだもんね」

 

「ええっ!?やめてよ~!恥ずかしっすた~!妹だけに~!」

 

「ちょっとダジャレにキレがないね~」

 

「あははははっ!」

 

「思ったのですが、妹属性なら未唯さんもですね」

 

「ん?まぁそうかも」

 

「うん、未唯ちゃん、私と侑ちゃんの幼馴染件妹だもんね」

 

「それで苺ちゃんのお姉ちゃんをやってるから~姉妹王になるかもね」

 

「妹王なのに!?」

 

「それじゃみい子!やってみて!」

 

やってみてって言われても……普段通りになりそうだけど……折角だからぽむお姉ちゃんに……

 

「歩夢お姉ちゃん……大好き!」

 

「えへへ、未唯ちゃん、歩夢お姉ちゃんだよ~」

 

嬉しそうに私を抱き締めるぽむお姉ちゃん。いや、思っていた反応と違うんだけど……

 

「……」

 

すると璃奈ちゃんが侑お姉ちゃんの肩を叩き……

 

「ん?はっ!」

 

「侑お姉ちゃん…」

 

「かわいい~!かわいすぎてときめいちゃうよ~!」

 

「ランジュお姉ちゃん」

 

「太可愛了吧!」

 

「ミアお姉ちゃん」

 

「ふふふっ」

 

「エマお姉ちゃん」

 

「うんうん!」

 

「りな子がひとりずつ落とし始めてる!」

 

「あれが璃奈ちゃんの本気……」

 

妹オーラが凄すぎる……

 

「かすみお姉ちゃん」

 

「キュウウウ~!」

 

「かすみ…お姉ちゃんだよ!」

 

「かすみさんもついに屈したね」

 

「というわけで見事妹王に輝いたのは…璃奈ちゃ~ん」

 

「ブイッ!」

 

うん、これはもう璃奈ちゃんで決定だよね。妹オーラ凄かったし

 

「うぅ…負けた…。悔しいよぉ~…」

 

「かすみさん」

 

「ん?」

 

「かすみさんともあろう人が一度負けたくらいでなんですか」

 

落ち込んでいるかすみちゃんをせつ菜さんが励ます。そして果林さんとしずくちゃんも……

 

「そうよ、顔を上げて」

 

「かすみさんならまだいけるよ」

 

「みなさん……」

 

「さぁ次はマスコットキャラクター王決定戦です!」

 

「それはかすみんが望んでるかわいさじゃないです~!」

 

 

 

 

 

シニエside

 

お散歩の帰り道に未唯ちゃんのところに遊びに行くと、何だか楽しげなことをしていた。

 

「みー(なになに?なにしてる?)」

 

「あ、シニエ。どうしたの?」

 

「みー(未唯ちゃん、なでなでして)」

 

私は未唯ちゃんの足にすり寄ると……

 

「現時点ではマスコット王はシニエかしらね」

 

「か、果林先輩!?」

 




未唯の場合は姉であり、妹でもあるので姉妹王です!
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10 ドッキリと憧れ

今回のにじよんは本当に良かった。


「せつ菜先輩ドッキリ企画会議~!わ~い!」

 

かすみちゃん主催の企画会議が突然始まったけど……この間も企画会議やらなかったっけ?いや、あれは企画会議ではなく、企画そのものだったけど……

 

「スクールアイドルとしていつも完璧なせつ菜先輩ですが、ライブが始まった時いつもと違う状況だったらどう反応するのか?検証してみたいと思います!そして驚いたり慌てたりするせつ菜先輩をカメラに収めちゃいますよ!」

 

『おぉ……』

 

「まぁドッキリって言えば何しても許されるからって怪我とか危険なことをしなければいいけど……」

 

私としてもそこら辺は心配だった。と言うかドッキリなら何でも許されると言うことはあってはならないけど……

 

「ふふふ、みい子は心配性だな~そこら辺はちゃんと考えてるよ。彼方先輩」

 

「なになに?」

 

かすみちゃんは事前に考えたドッキリの内容を彼方さんに読ませた。

 

「例えばライブのお客さんがハロウィンのコスプレをしていたら……」

 

「多分だけどそれは……」

 

きっとノリノリでせつ菜さんは……

 

『邪悪な者に取り憑かれていますよ!せつ菜スカーレットストーム!』

 

ってなりそう……

 

「普通にテンション上がるだけじゃない?」

 

「他にはライブステージに上がったら異世界だった件」

 

「たしかにそれは見てみたいけどそのセットどうやって用意するの?」

 

「あとそれもそれで喜びそうだよ……」

 

せつ菜さんのことだからきっと……

 

『異世界に来てしまったんですね!早速冒険に出ましょう!』

 

って言いそう……

 

「はいは~い!それじゃあこれは!?ファンが全員パンダだったら!会場はパンダでパンパンだ!パンダだけに!」

 

「悪くないわね…」

 

それから色んな意見が出たけど……この『ステージに魔王(しずく)が乱入する』って……演劇が始まりそうな気が…………

 

とはいえ色んな意見が出るがどれもピンと来ない感じだった。と言うよりも何か大喜利になってきてない?

 

「もっと面白い反応してもらえる企画があればいいんですけど」

 

「面白い反応?」

 

「いつものかすみんみたいな反応だね」

 

「違いますよ~!」

 

「うんうん。いい反応よ」

 

「撮らないでくださ~いれもう~!」

 

「何の話をしているんですか?」

 

「だからせつ菜先輩のドッキ…リ?」

 

気がつくといつの間にかせつ菜さんが来ていた。あ……これ……ドッキリ仕掛ける前にバレるパターンじゃ……

 

「ん?私の何です?」

 

愛さんと果林さんはそそくさとホワイトボードを片付けているけど、これ大丈夫なのかな?

 

「え……え~と……せつ菜先輩にドキッとしちゃったなって話です!せつ菜先輩って改めて見ると可愛くてカッコよくてドキッ!好き!みたいな?ハハハハ~」

 

何とか誤魔化すかすみちゃん。誤魔化せたのか心配だけど……

 

「あっ…ありがとう…ございます…」

 

「あれ?」

 

「面白い反応撮れたわね」

 

かすみちゃんに褒められて照れるせつ菜さん。まぁこれはこれでいい反応が見れたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

数日後、せつ菜さんの単独ライブ。何故か急にせつ菜さんだけの単独ライブをやるべきではと言う話になったけど、会場が凄く盛り上がっていた。

 

「やっぱりせつ菜ちゃんのライブはすごいね」

 

「えぇ!最高だわ!」

 

「今回も完璧だね」

 

みんなでライブを見ていると突然停電になった。

 

「ん?」

 

「音が!照明も!」

 

「トラブルですか!?」

 

「か、かすみんじゃないですよ…違います…ドッキリじゃなくて…うえぇん!信じてくださ~い!」

 

「誰も疑ってないわよ」

 

「どうしよう?」

 

「みなさん、復旧までしばらく時間がかかるそうです」

 

「そんな……」

 

突然のトラブル……何でだろう?折角のライブなのに……

するとせつ菜さんはアカペラで歌い出した。会場にいるファンの人たちをがっかりさせないように?ううん、違う……せつ菜さんはどんな状況でもファンの人たちに……大好きを届けようとしてる

そしてサビ入った瞬間、停電が直った

 

「さすがせつ菜先輩!」

 

「結局いつもこっちをドキドキさせてくれるのはせつ菜ちゃんなんだよね」

 

「それに……」

 

せつ菜さんのライブを見て、改めて思った。やっぱり私は……

 

「私の憧れのスクールアイドルは……変わらずみんなに大好きを届けようとしてるせつ菜さんだな~」




せつ菜ちゃんの神回過ぎる
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11 幼馴染三人

ゆうぽむ回は神回!


「ワンツースリーフォー、ワンツー…」

 

私と侑お姉ちゃんとランジュさんは練習をしているぽむお姉ちゃんの所に来ていた。理由としてはあるお誘いをするからだ。

 

「歩夢!歩夢!今度ジョイポリに新しいアトラクションができるんだって!」

 

「へぇー!そうなんだ!」

 

「次の休みの日 遊びに行きましょ。ランジュも行くわよ」

 

「他のみんなもオッケーだって。歩夢も行くでしょ?」

 

ぽむお姉ちゃんも参加すると思っていた。ぽむお姉ちゃんの場合、こういったお誘いに関しては断ったりすることないだろうなと……だけど……

 

「あっ……う~ん…」

 

「ん?」

 

「ごめんね。今はライブに向けてもっと練習しておきたいから」

 

「そっか……」

 

侑お姉ちゃんはぽむお姉ちゃんの足元を見ていた。私も見てみるとぽむお姉ちゃんの靴はボロボロになっていた。ぽむお姉ちゃん、こんなになるほど練習を毎日頑張ってたんだ。

 

「そっか!」

 

「ねぇ、私もライブ近いから付き合っていい?」

 

「うん、いいよ!」

 

侑お姉ちゃんと私はつい嬉しくなり、ランジュさんはそんな私たちを見て不思議そうな顔をしていた。

 

 

 

 

 

侑side

 

歩夢と未唯の二人が並んで練習をしている。そんな二人の姿を栞子ちゃんと見ていた。

 

「歩夢さん最近特に練習頑張っていますね。それに未唯さんも何だか楽しそうに練習してます」

 

「うん。今回のライブも気合い入ってるみたい。未唯もそれを見て気合いが入ってるのかも」

 

「それは楽しみですね」

 

「うん!」

 

「歩夢が頑張ってる姿、つい見入っちゃうんだよね。前に向かって進んでるんだなって、幼馴染としてすっごく嬉しいし誇らしく思うよ」

 

「その気持ちは分かります。私にも誇れる幼馴染がいますから。置いていかれないようにするのが大変です」

 

「あのランジュちゃんだもんね」

 

「はい。あのランジュですから目が離せません………………しっかり見てないとどこで何をしでかすか分からないですからね」

 

「そういう意味でなんだ…」

 

栞子ちゃん、何だかランジュちゃんの行動に対してため息をついてた。まぁランジュちゃんは……色々と楽しんじゃうからね……

 

「そういえば未唯さんは?」

 

「未唯?」

 

「侑、さっきは歩夢さんが頑張っているのを誇らしいと言ってましたが、未唯さんは?」

 

「未唯はね……」

 

私は未唯のことを見つめ、つい顔が緩んだ。

 

「秘密かな。ただ言えることは……栞子ちゃん、未唯の隣にいてあげてね」

 

「はぁ……分かりました」

 

 

 

 

 

 

夕方になっても、二人の練習は続いていた。すると歩夢が私の姿に気がつき……

 

「な、何?侑ちゃんなんか今日ずっとこっち見てない?」

 

「えへへっ」

 

「それに私も練習に参加してからもずっとニコニコしてたし」

 

「何でもないよ。歩夢の顔を見てただけ、未唯は頑張ってる姿が嬉しくなってね」

 

「もう、恥ずかしいよぉ…そんなの見慣れてるでしょ?」

 

「そのはずなんだけどね」

 

すると未唯は何かを察知したのか。飲み物を買ってくると言って離れた。

 

「スクールアイドルをやってるときの歩夢って私の知らない顔をするんだよ。歩夢ってこんな表情できるんだなって初めて気がつくんだ。だから新鮮だよ。ついつい見つめちゃう」

 

歩夢は嬉しそうにしながらも呆れた顔をしていた。

 

「またそういうこと言って」

 

「えへっ」

 

「もう、私先に行くからね。置いてっちゃうよ?」

 

「待ってよ歩夢~。一緒に帰ろうよ~」

 

「侑ちゃんが変なことを言うからだよ~」

 

「えぇ~思ってたこと言っただけなのに」

 

「だって急に言われたらビックリするもん」

 

「侑お姉ちゃん~ぽむお姉ちゃん~さっきかすみちゃんから近くのお店、今日クレープが半額なんだって~食べに行こう~」

 

「はーい」

 

「えへへ」

 

(それに最近は正面からよりも横顔を見ることが増えたなって。それが嬉しいんだ。そして未唯は……昔から私たちの後ろをついて歩いていたのが、今はこうして前を歩いているのを歩夢と二人で見ているのが嬉しいんだよね)




今回は未唯視点よりも侑視点の方が書きやすい!
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12 虹に重なる白い羽

にじよん……二期はまだですか?出来れば100話くらいやってほしい


ある日、今日は雨が降っていてあいにくの天気。私はシニエを連れて校内を何となく歩いていた。

 

「今日はお散歩委員会の活動できないね。シニエ」

 

「みー」

 

それでも何処かご機嫌なシニエ。もしかして私とこうしていられるのが嬉しいからかな?なんてね

そんなことを思っていると、何処からかピアノの音が聞こえてきた。このピアノの音…………

私はもしかしてと思って、音楽室に行くとピアノの音は聞こえなくなっていたが、拍手する音が聞こえた。

 

『ん?あ、せつ菜ちゃん!?』

 

『ピアノさらに上手になりましたね』

 

『ありがとう。少しずつだけどね』

 

話し声から侑お姉ちゃんとせつ菜さんの二人がいるみたいだ。たまたませつ菜さんが通りがかった感じなのかな?

 

『一歩一歩って感じ。難しいけど楽しいよ。ピアノを弾くのも曲を作るのも……』

 

一歩一歩か……それでもお姉ちゃんのピアノは、私は大好きだな~お姉ちゃんみたいに優しい音で……

うん、だから私みたいに引き寄せられる人もいるみたい。

 

「ぽむお姉ちゃん、何してるの?」

 

「あ……」

 

柱の影で隠れながら音楽室の様子をうかがうぽむお姉ちゃん。別に気を使わないでいいのに……

 

「えっと、これはその……」

 

「何となく察してるから……」

 

「はい」

 

二人でもう一度覗き込んだ。

 

『だからせつ菜ちゃんには本当に感謝してる』

 

『えっ!?私は何もしてないですよ?』

 

『ううん。同好会のみんな、スクールアイドルのみんなの輝きが私の本当の気持ちを照らしてくれたんだ。でもそれはせつ菜ちゃんと出会えたから。あの日せつ菜ちゃんがスクールアイドルでいてくれたから私は今もここにいるんだよ。だからトキメキを教えてくれてありがとう!せつ菜ちゃん!』

 

『侑さん…』

 

そうだったよね。侑お姉ちゃんの夢の始まりはせつ菜さんからだった。ううん、お姉ちゃんだけじゃない。ぽむお姉ちゃんや私だって……

 

『もう~!なんてこと言うんですか~!私の大好きが溢れちゃいますよ~!?』

 

うん、急にそんなことを言われて、大好きが溢れそうになってるせつ菜さん。するとぽむお姉ちゃんが慌てて音楽室に入っていった。

 

「ふ、ふたりで何を話してるの!?」

 

「あれ?歩夢に未唯。どうしたの?」

 

「えっ!?えっと…その…」

 

「私とぽむお姉ちゃん、シニエで散歩してたら、侑お姉ちゃんのピアノが聞こえたからね」

 

「そうなんだ」

 

すると彼方さんがやって来た。

 

「侑ちゃんのピアノが聞こえたぞ~」

 

いや、彼方さんだけじゃなく、みんなも侑お姉ちゃんのピアノを聞いてやって来たみたいだった。

 

「お邪魔しま~す」

 

「私も聴きたい」

 

「愛さんも!」

 

「うふふっ。みなさんピアノの音につられて集まっちゃいました」

 

「ベイビーちゃんのピアノは分かりやすいからね」

 

「はい。とても楽しそうでそれでいて優しい音色です」

 

「そ、そうなの…?」

 

「うん、私も侑お姉ちゃんのピアノ、大好きだよ」

 

「な、何だか未唯に言われると照れるな~」

 

「何で私だけ?」

 

「うーん、何となく嬉しくなるからかな?」

 

どういうことなのか気になるな~それ

 

「ランジュ、侑のピアノ好きよ!」

 

「かすみんも大好きです!」

 

「ランジュの方が!」

 

「かすみんの方が!」

 

ランジュさんとかすみちゃんは張り合ってるけど、それでも何処か楽しそうだった。14人になってからそれなりに時間が経ったけど、それだけみんなの絆も深まってるってことだよね

 

「そうだ!侑ちゃんのピアノで歌わせて!」

 

「いいわねエマ」

 

「はい!私も歌いたいです!」

 

それからみんなでお姉ちゃんの伴奏で歌う。シニエも楽しそうに尻尾を振っているから、みんなの歌声が、侑お姉ちゃんのピアノが大好きみたいだね

 

それにさっきまで雨が降っていたのに、いつの間にか雨は止み、空には……

 

「こういうのもいいわね」

 

「もう一曲いこう~!」

 

「ふふっ」

 

「ん?どうしたの侑ちゃん?」

 

「ううん。ちょっと思っただけ……」

 

侑お姉ちゃんは空にかかる虹を見て、笑顔で……

 

「始めてよかったって!」

 

「私もだよ。侑ちゃん……未唯ちゃんもだよね?」

 

「うん、私も……はじめて良かった」

 

空にかかる虹に重なるように……白い羽が舞っていた。

 




今回でにじよん編終わりです。やはりアニガサキは愛を感じます
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NEXTSky
01 おかえりなさい


今回から虹ヶ咲OVA編スタート!
注意としては、Blu-ray買ってないので台詞などうろ覚えになってます
またOVA見てない人はネタバレになります


ぽむお姉ちゃんがロンドンに行ってから暫くして、私は舞台袖で栞子ちゃんたちのライブを見ていた。

今回のR3BIRTHのライブに私はサプライズゲストとして栞子ちゃんとのユニット『白翡翠』として出る予定だけど……

 

「虹ヶ咲学園生徒会長の三船栞子です。皆さん、今日は楽しんでもらえるよう誠心誠意頑張っていきます」

 

栞子ちゃんコールアンドレスポンスを聞いた観客のみんなは少し戸惑ったが、直ぐに歓声をあげていた。

 

「んー大丈夫かな?栞子ちゃん……」

 

観客のみんなのあの反応……それを見て栞子ちゃんも何だか考え込んでいた。

 

 

 

 

 

 

ライブ終了後の控え室で、私はみんなと話していた。

 

「サプライズ大成功だったわね!」

 

「本当、未唯さんの予定も聞かずに頼み込んだときはどうなるかって思ったよ」

 

「ですが皆さん盛り上がってましたね」

 

「流石にR3BIRTHのライブに出るってなったときは不安だったけど、不安なんて吹き飛んじゃったよ」

 

ライブの話で盛り上がっていると、私のスマホにメッセージが入った。

 

「侑さんからですか?」

 

「ううん、離れて暮らしてる妹から、R3BIRTHのライブも白翡翠のライブも良かったって」

 

「離れて?」

 

「暮らしている?」

 

「sister?」

 

「あれ?話してなかったっけ?」

 

私には双子の妹の苺ちゃんの他にもう一人妹がいる。今はお父さんのところにいて、まだ小学生だ

 

「あー、みんなに話したつもりだったけど、話してなかったね。しあちゃんって言って、私と苺ちゃんの妹なんだ」

 

「未唯さんにまだ妹がいたなんて……」

 

「一体どんな子なのよ?」

 

「と言うかそのしあって子もスクールアイドルになりたい感じなの?」

 

「うん、夢は私みたいな天使のようなスクールアイドルになりたいって、何だか天使って呼ばれると恥ずかしいようななんと言うか……」

 

「未唯さんの夢が一歩進んでいるんですね……」

 

「うん!私の夢、誰かに夢を与えられるようなアイドルになることだもん!」

 

「そうですか……」

 

栞子ちゃん、やっぱり様子がおかしいような…………

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでぽむお姉ちゃんの帰国の日、私たち同好会のメンバーは空港に集まっていた。

 

「歩夢からもうすぐ着くって」

 

「それなら!サプライズで用意したこれの出番ですね!」

 

せつ菜さんは手作りの巨大クラッカーを取り出し、はしゃいでいた。いや、そのクラッカー……大丈夫なのかな?空港だから色々と怒られそうと言うか……

 

「まぁこれで寂しがっていた未唯ちゃんも元気になるわね」

 

「え?わ、私は寂しがってなんて……」

 

「寂しがってた。歩夢さんどうしてるかな?ってずっと言ってた『にっこりん』」

 

「それに寂しさのあまり彼方ちゃんを抱き枕にしていることがあったよね」

 

「未唯ちゃん、抱き枕にしてきたからね~」

 

「それに落ち着かない感じだったよね」

 

「だからランジュさんは少しでも気が晴れるようにとライブに誘ってましたよね!」

 

「ちょっとせつ菜……それは言わない約束でしょ!」

 

「でも未唯さん……今日はずっと笑顔でしたね」

 

「みい子は歩夢先輩のこと大好きだもんね~」

 

「未唯さん、本当に歩夢さんのことを慕っているんですね」

 

「うぅ///」

 

お見送りのあの日、私は自分の想いを隠さずにぽむお姉ちゃんに気持ちを伝えたからか、まさかみんなに気づかれるなんて……

 

「それに未唯があまりにも寂しそうだからって、ファンの子達が作った歩夢が寝そべっているぬいぐるみ『歩夢寝そべり』をずっと抱いて寝てるくらいだもんね~」

 

「侑お姉ちゃん……それは秘密だよね……それなら侑お姉ちゃんだって、ぽむお姉ちゃんがいなくて寂しがって、寝そべりだけじゃなくもちもちぬいぐるみ『歩夢もちもちぬいぐるみ』を作って貰ってたよね!」

 

「な!?未唯なんて学校行くとこにマンションの前に行くと歩夢の姿がなくって泣きそうだったのに!」

 

「そういうお姉ちゃんは毎晩『歩夢元気かな?』って私にLINE送ってきてたよね!」

 

私と侑お姉ちゃんが言い合っている中、栞子ちゃんたちはというと…………

 

「未唯さん、本当に変わりましたね」

 

「まぁ素の自分を見せるようにしたからね」

 

「まさかあんな風に寂しがり屋なんて……意外ですね」

 

「未唯さんがあんな風に変われたのに……私は……」

 

「どうかしたの?」

 

「実はこの間のライブで少し……」

 

この間のライブ……やっぱりみんなの反応が気になってるのかな?

 

「この間のライブは良かったんじゃ……『?』」

 

「曲は熟考をして決めましたが……私はスクールアイドルに向いてないのでしょうか?」

 

「なぁに言ってるのよ!栞子はスクールアイドルに向いてるじゃない!」

 

「ランジュさんの言う通りだよ。栞子ちゃんは向いてる」

 

ただちょっとした悩みを大きく悩みすぎてるだけなんだよ。

そんな話をしていると飛行機が到着し、ぽむお姉ちゃんが一番に出れたと言うメッセージが侑お姉ちゃんのスマホに入った。みんな出迎える準備をして…………あの、せつ菜さん、ランジュさん……本当にそのクラッカーやるの?

ゲートから人の姿が見えた瞬間、クラッカーの音ともに……

 

『歩夢(さん)(ちゃん)(お姉ちゃん)おかえりなさい!』

 

みんなでおかえりを伝えるけど……あれ?何で後からぽむお姉ちゃんが出て…………

クラッカーの煙が晴れるとそこには見知らぬ女の子がいた

 

『あれ?』

 

「あはは……えっと……この子はロンドンで……」

 

「もしかして歩夢にメールを送った子?」

 

「はい!アイラって言いマス!スクールアイドルをやるために日本にきました!」




OVAにおけるオリジナル主人公のキャラ設定

高柳未唯

髪の色 白

髪形 ロングからセミロングに変わった

身長、スリーサイズは栞子と同じ

趣味 ゲームや散歩

特技 ゲーム。集中力が高いが集中力しすぎて、デメリットあり

二つ名 無垢な天使 無慈悲な天使 天使系のスクールアイドル

ユニット 白翡翠(栞子と組んでいる)

所属 スクールアイドル同好会兼生徒会会長補佐

歩夢と侑の一つ下の幼馴染。虹ヶ咲入学した頃は二人のことを下の名前で呼ぶようにしていたが、スクールアイドルを始める際に『お姉ちゃん』呼びしている。
また歩夢の事を子供の頃のように『ぽむ』と呼んでいる
始めたての頃は髪は長かったが、自身のデビューの際に髪を切って、現在はセミロング
ファンや他のスクールアイドルからその容姿やライブでのパフォーマンスから天使と呼ばれている(本人は恥ずかしがっている)

双子の妹と年の離れた妹がいる。また親戚のうらと飼い猫のシニエもいる。

子供の頃は幼馴染二人にベッタリ。現在は初対面の人には警戒心を向けるが、仲良くなれば普通に仲良しになれる。

幼馴染二人が喧嘩しないように注意した結果、一期の歩夢のもやもやを無くしたりしていた。その結果、『私だけの侑ちゃん事件』は起きなかったが、別の問題が起き、侑たちと少し喧嘩してしまった。その際栞子と出会っている(互いに名前は教えなかった)二期にて話すようになった。
二期のストーリー内でみんながユニットを組む中、自分が本気で組みたいと思えるような子と組みたいと思っている中、栞子がスクールアイドルになったことを切っ掛けにユニットを組むことになった。
二期終盤にて、侑に素の自分を見せていいんだと言われ、素の自分を見せるようにした。今は侑、歩夢、栞子には素の自分を見せている(時折同好会メンバーにたいしても)

基本的に可愛らしい服装は似合うが、格好いい系の服は似合わず、オープンキャンパスのPVでは一人だけドレスだった。

スクールアイドルとしての憧れはせつ菜。
女性としての憧れは歩夢

夢は『誰かに夢を与えられるようなそんなスクールアイドルになること』

一年生組とは基本的に仲良し。特に栞子

未唯の特徴としては、ルールの中での戦いなら負け知らず、ルールに則った事ならどんな手でも使う(別世界線では生徒会長選挙における栞子の暴走を未然に防いだり、ランジュに対しても栞子から事前に話を聞いていたからスクールアイドル部関連の事件は起きなかった)


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02 アイラちゃんの校外学習 一日目

ここら辺の話は本当に凄かった。まさかシリーズ全部……あれ?いや、自分が見逃しただけだけど……Liellaは……


学校に戻り、ぽむお姉ちゃんのおかえりパーティーとアイラちゃんの歓迎パーティーを開くことになった。

 

『歩夢さんおかえりなさい&アイラちゃんいらっしゃい!』

 

「前にロンドンとの交換留学があると聞いてましたが、それがアイラさんだったとは」

 

「そこら辺の情報はまだ伝達不足だよね~」

 

とは言え生徒会も活動し始めたばかりだからそこら辺はしょうがない。

 

「歩夢から虹ヶ咲について聞いて、スクールアイドルをやってみたくて」

 

元々ぽむお姉ちゃんはそのために留学したからこうして夢が繋がっていくのはぽむお姉ちゃんからしたら嬉しいことだよね。

 

「あの子、栞子にちょっと似てるわね」

 

「そうですか?」

 

「確かに……何処と無く似てる……」

 

だからこそなのかな?私は何処と無くアイラちゃんも悩んでいるような……気のせいだよね。うん、何でもかんでも考えすぎだよね。

 

「未唯は私たちとで良いよね?」

 

「あ、ごめん。聞いてなかった。何が?」

 

「アイラちゃんの留学中に日本のスクールアイドルについて知ってもらうために、同好会のみんなで色んなところを回ろうって話だよ」

 

そっか、勉強しに来たんだから、ただ日本の街を楽しむってだけじゃダメだもんね。

 

「それじゃ私も侑お姉ちゃんたちと一緒でいいよ」

 

「分かった」

 

アイラちゃんにはスクールアイドルについてより深く知ってもらいたいもんね。

 

「よろしくね。アイラちゃん」

 

「はい!えっと……未唯……

?歩夢!未唯ってもしかしてあの未唯?」

 

「あー、うん……あはは……」

 

あの未唯って……私はロンドンでどんな風に伝わってるの?

 

「歩夢の幼馴染で、妹みたいな子で、ステージでの姿は天使を思わせるような姿から『虹ヶ咲の天使』って呼ばれていたり、ゲームが得意でそのプレイスタイルから『無慈悲な天使』って呼ばれてるあの!」

 

「本当に……私は世界で変な伝わり方してない?」

 

今更否定することなんてできないし、これ以上変な通り名がつかないことを祈ろう……

 

「折角だから苺ちゃんとうらちゃんも参加してもらうようにしておくよ……」

 

話し合った結果、うらちゃんは二日目、苺ちゃんは三日目に参加することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなぽむお姉ちゃんが帰ってきた日の夜……

 

「えっと、未唯ちゃん?何でくっついてるのかな?」

 

「まぁ……素の未唯を出した結果と言うか……」

 

私はぽむお姉ちゃんに抱きついていた。

 

「ダメだったか?」

 

「ううん、こうして未唯ちゃんが甘えてくるのって、昔を思い出すよ」

 

「私たちにベッタリだったもんね」

 

「だって……私としてはお姉ちゃんだから甘える相手が二人だけ……特にぽむお姉ちゃんだけだったから……」

 

「ふふ、いつでも甘えてきていいからね」

 

「それに栞子ちゃんには素の自分を見せてるんだよね?」

 

「うん、ただ……」

 

「「ただ?」」

 

栞子ちゃんが悩んでる事があるって二人に話すべきかどうか少し悩んだ。もしかしたら栞子ちゃんは自分で解決したいと思ってるかもしれないし…………

 

「うーん、まだ秘密かな」

 

後でちゃんと話さないとな~

 

 

 

 

 

 

 

次の日の放課後、早速アイラちゃんのスクールアイドルについて学ぶための郊外学習的なものが始まった。

初日は私、お姉ちゃんたち、愛さん、璃奈ちゃんでスクールアイドルの聖地と言うべき秋葉原に来ていた。

 

「スクールアイドルの聖地秋葉原!そしてここには多くのスクールアイドルが生まれた学校UTXがあるんだよね」

 

UTX……私も詳しくは聞いたことないけど、かなり有名なスクールアイドルのグループがいて、そのグループがきっかけで今やスクールアイドルの強豪校と呼ばれてるとか……

 

「へー、この学校そんなに有名なんだ~」

 

「ただその有名なグループは一度だけラブライブ出場を逃したことがあるって……」

 

「そうなの?」

 

「あ、私…聞いたことアリマス!そのグループは結成されたばかりなのに、ラブライブに優勝をしたと…………その後アメリカでライブをしたり、秋葉原に全国のスクールアイドルを集めてライブをしたとか……そんな逸話があるって」

 

「それ、愛さんも聞いたことある!確かスクールアイドルと言う名前を轟かせたくらいなんだよ!」

 

「だから秋葉原はスクールアイドルの聖地って呼ばれてるのかな?」

 

ぽむお姉ちゃんはそう呟いた。きっとそのグループがみんなに夢を与えたってことだよね…………

 

 

 

 

 

次に訪れた場所は神田明神……

 

「ここで沢山のスクールアイドルの子達が願掛けをしてるんだって」

 

確かにちらほらお参りをしている子達がいる。

私たちもお参りをし、神田明神を後にしようとすると、

 

「あれ?あそこ……」

 

侑お姉ちゃんがあるものを見つけた。そこは物産店だった。折角だからと言うことでみんなで入ってみることに

 

「わぁー色々あるね」

 

静岡の物産店みたいだ……ミカンにのっぽパン……沢山あるな~

 

「そういえば沼津にも有名なグループっていたりしたの?」

 

「スクールアイドルは全国で有名だから……多分いると思う」

 

「私が聞いた話だと、ラブライブに優勝したグループの一つが沼津のスクールアイドルだったはず」

 

「あ、私も知ってるよ。確かそのスクールアイドルの子達が通っていた学校は統廃合で学校の名前がなくなっちゃったとか……」

 

「そうなんだ……」

 

「何だかショックデスね……」

 

「そうでもないみたいだよ。学校は無くなっちゃうけど、その学校の名前は残そうって決めたとか……」

 

スクールアイドルにも色々あるんだな~もしかしたら生まれた時代が同じだったら、会って友達になったりしてたのかな?

 

 

 

 

 

最後に訪れた場所は何故かメイドカフェ『キュアメイド』だった。

 

「なんでメイドカフェ?」

 

「スクールアイドルとは関係ないかもしれないけど、秋葉原と言ったらと思って」

 

「私、入ってみたいデス!」

 

アイラちゃんも入ってみたい感じだし、まぁこれくらいなら栞子ちゃんに怒られたりしないだろうな~

 

「あ、ここメイド服の試着出来るみたいだよ」

 

「楽しそう『わくわく』」

 

「いいね~みんなのメイド服姿見てみたいよ」

 

「それじゃ侑ちゃんも」

 

「え?あ、いや、私は……」

 

侑お姉ちゃんを後ろから押すぽむお姉ちゃん。強くなったな~

 

 

 

 

 

 

 

早速メイド服を試着するけど、私は着替えに手間取り、少し遅れて試着室から出た

 

「えっと、みんなは……」

 

「そこの貴方!」

 

「はい?」

 

突然お店の人に声をかけられた。あ、もしかしてみんなの所に案内してくれるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

みんなで未唯のことを待っているけど……全然出てこない。うぅ……メイド服なんて私には似合わないのに……早く着替えたい

 

「どうしたんだろうね?」

 

「ちょっとお店の人に聞いてみるよ」

 

愛ちゃんが近くにいた店員に声をかけた

 

「あのメイド服の試着体験に来た子で、白い髪のセミロングの子を見かけなかったですか?」

 

「えぇ!?あの子……お客さんだったの!?」

 

何か普通にあり得ないミスが発覚してない?

私たちは店員さんに案内されて未唯の所に行くと……

 

「おかえりなさいませ。お嬢様」

 

「あ、はい///」

 

メイド服姿で働く未唯の姿があった。

それから私たちは店員さんに未唯の事を話、店員さんは未唯に謝り、食事代を割引してもらうことになった。

未唯は勘違いだと言うことを話そうとしていたが、店員さんが困っていたから手伝うことになったとか……

 

「未唯ちゃん、本物のメイドさんみたいだったよ」

 

「この間、しずくちゃんに演技の練習に付き合ってて……その時にメイドさんの演技を覚えさせてもらったから……」

 

何だかそれはそれで大変そうみたいだなと思う私であった。

 

 

 

 

 

 

 

こうしてアイラちゃんの郊外学習一日目は終わるのであったが、秋葉原ではある噂が流れていた。

 

『キュアメイドに伝説のメイド再来か!?』

 

『真っ白な髪のメイド……その容姿から天使のメイドと呼ばれているとか』

 

『彼処のメイドカフェはミナリンスキーを生まれた場所でもあるから、もしかしたら二代目ミナリンスキーの誕生?』

 

『伝説のメイド……『エンジェル』って呼ぶことにしよう!』




メイド服姿の面々……歩夢と侑ちゃんにしか注目してなかったから愛さんのこと見てなかった……
多分未唯はミナリンスキーに並ぶ伝説のメイドに……
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03 アイラちゃんの校外学習 二日目

二回目見に行ったけど、校外学習……あれ、一日で済ませたのかな?それとも日を跨いで?


うらside

 

交換留学生のアイラちゃんの校外学習のために色んなところを案内してスクールアイドルについて学んでもらうと言うことで、私はその手伝いに駆り出された。

 

「どうも。未唯ちゃんの親戚のうらです」

 

「アイラデス。よろしくお願いシマス」

 

互いに自己紹介済ませ、今日訪れた場所はゲーマーズだった。せつ菜さん曰くここならスクールアイドルのグッズが揃っているから勉強になると言うこと。

因みに今回のメンバーはせつ菜さん、エマさん、彼方さん、しずくちゃんだ。因みにもう一人は別の場所にいる

 

「わぁー虹ヶ咲のグッズが沢山ある~」

 

「ここには色んなグッズが集まりますからね」

 

「これもかなり作り込まれてますよ」

 

しずくちゃんはかすみんBoxぬいぐるみの頭を叩きながらそう言うけど……数ある中でかすみちゃんの取ったことに対しては何も言わないでおこう。

 

「あれ?」

 

するとアイラちゃんはグッズを見てあることに気がついた。

 

「未唯のグッズがない……どうして?」

 

「あぁ~未唯ちゃんのはね~」

 

「未唯ちゃんは本人の希望でグッズ化は禁止してるんだよね」

 

「何だか恥ずかしいって言ってましたよ」

 

恥ずかしがることないのに……アイラちゃんは未唯ちゃんのグッズ欲しかったみたいで残念がっていた。

 

「アイラさん、よろしければ私が持っている未唯さんグッズ差し上げますか?」

 

「本当!」

 

「はい!未唯さんに譲ることを話しておきますね。後でファンクラブの方々に持ってきてもらいます」

 

「あれ?でも未唯のグッズはないって……」

 

「あーそれはね」

 

私はアイラちゃんに話した。それはランジュさんたちが同好会に入った頃…………

 

「失礼します!」

 

私が同好会に遊びに来ていた時、一人の生徒が大量の紙の束を持って同好会に訪れてきた。その生徒は未唯ちゃんの紙の束を渡すと……

 

「これ……署名?何の?」

 

「高柳未唯さんのグッズ作成の署名です!」

 

『はい?』

 

「えっと……私のグッズは……」

 

「分かってます!未唯さんは恥ずかしいってことを……でもこの間のフェスで未唯さんのグッズがないことを嘆いている方が多くいました……そんな悲しい思いがあったのであれば作るべきかと!」

 

「うぅ……」

 

「まぁ未唯のグッズ化は私も賛成かな?」

 

「うん、それに限定品って事にしたらそんなに出回らないし、お店で売られたりとかもしないし」

 

「お姉ちゃんたち……」

 

「安心してください!未唯さんファンクラブ会員全員で転売など絶対にさせません!」

 

その生徒の押しに負け、未唯ちゃんのグッズは虹ヶ咲のみで売られることに……因みにグッズはというと……

 

「えっと……ブロマイド、ぬいぐるみ、ライブで使うようの天使の羽を模した風船、アクスタ、後は希望者がかなり多かった写真集ですね」

 

「しゃ///写真集///」

 

「あら、それなら早速ブロマイドと写真集用の撮影をしないといけないわね。早速行くわよ。未唯」

 

未唯ちゃんは果林さんに連れられ、撮影が始まり、戻ってきた頃には……

 

「うぅ////」

 

「み、未唯さん、しっかりしてください」

 

顔を真っ赤にして固まっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

「そ、そんなことが……」

 

「販売開始直後に売り切りましたよね」

 

「一応グッズ製作はまだしているので残っているはずです」

 

アイラちゃんは後日無事に未唯ちゃんのグッズを手に入れられたのであった。因みに未唯ちゃんはまた顔を真っ赤にさせていた

 

 

 

 

次の場所に行くと屋形船がこっちに向かってやって来た。そしてそこに乗っているのは

 

「待たせたわね!」

 

ランジュさんだった。折角日本に来たのだから日本の文化に触れてもらうために屋形船を貸しきってきたらしい。

私たちは屋形船に乗り、彼方さんお手製の天ぷらや刺身を堪能するのであった




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04 アイラちゃんの校外学習 三日目

アイラちゃんの声優事態は二期の最終回で既に決まってたのかー


苺side

 

未唯姉に頼まれて、アイラちゃんの校外学習の案内を頼まれた私。

頼まれた以上は頑張るつもりだけど……

 

「高柳苺です……よろしく……」

 

「アイラです。えっと、苺は何でかすみの後ろに?」

 

「まい子は人見知りだからね~初めて会ったときもこんな感じだったよ」

 

「あの未唯さんの妹なのに、ここまで警戒心が強いなんてね」

 

「未唯姉は警戒しつつ、親しくなろうとしてるから……」

 

「まぁ苺ちゃんも慣れたら人懐っこい感じになるから大丈夫よ」

 

「……果林さん。苺さん、余計警戒してます」

 

「あら?まだ慣れないのね」

 

「年上だからなのカナ?」

 

「別にそう言う訳じゃ……」

 

年上でも彼方さんやエマさんは平気だけど、果林さんはなんと言うか大人な雰囲気だから緊張しちゃうと言うかなんと言うか……

 

「そういえば苺さんはスクールアイドルの方は順調なのですか?」

 

「うん、始めたばかりだけど、私なりに頑張ってるよ」

 

「前に未唯さんから動画を見せられたけど、けっこう頑張ってるみたいだね」

 

「聞いたことありマス!東雲の黒天使!東京予選でデビューした際、注目度ナンバーワンだって」

 

「えっと……その///ほら、今日は原宿の案内ですよね!何で原宿なんですか?」

 

これ以上聞かれると私が恥ずかしくなってしまうから、話を変えないと……

 

「ここなら流行の最先端が分かるからね。色んなところを案内するわ」

 

「かすみん、パンケーキ食べたいです!」

 

「かすみさん、ダメですよ。これはあくまで学習の一環なんですから」

 

「でもランジュ先輩達は屋形船で美味しいものを食べたって言ってたよ」

 

「だからランジュには後で反省文を書いてもらいます」

 

ランジュさん、なんと言うか自業自得なのだけど、ドンマイ

 

「そういえば皆さん、ここにいて大丈夫なんデスか?こんな人が多いところにいたら、注目が……」

 

「アイラちゃん、大丈夫よ。案外気付かれないものだから」

 

「そうそう、こーんなに可愛いかすみんがここにいても誰も……」

 

気付かれないと思っていたら、通り掛かった子が果林さんに気がつき、話しかけてきた。まぁ果林さんはモデルをやっているから気づかれてもと思っていたら、かすみちゃんやミアちゃんの所にもファンの子が寄ってきた。私と栞子ちゃんはアイラちゃんを連れてみんなから離れたところに避難した

 

「す、凄い……あっという間に人が集まった」

 

「そうですね。苺さんは別のところに行った方が……」

 

「私の場合は何故かファンの子に恥ずかしがり屋なことを知られてるから……あまり声をかけてきたりは……」

 

「あの、三船栞子ちゃんだよね」

 

「え、あ、はい」

 

「そちらは高柳苺さんですよね?」

 

そんな話をしていたら普通に声をかけられてしまった。栞子ちゃんは応援してますと言う声に対して、丁寧にお礼を言うが固すぎるためか一瞬変な空気になり、栞子ちゃんもその事を気にしている感じだった。

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

アイラちゃんの校外学習も終わり、みんなでカフェに集まった。因みに苺ちゃんは練習に合流すると学校に戻っていった。

 

「どうだった?アイラちゃん」

 

「こんなにもスクールアイドルについて知れて良かった」

 

「最終日にはミニライブしよう!」

 

「それなら残りの日程は練習ね」

 

「ランジュは反省文を忘れないように」

 

「なんでよ~」

 

みんなが楽しそうに話しているとき、苺ちゃんから電話がかかってきた。私は席を離れて出ると……

 

『栞子ちゃんのことなんだけど』

 

「もしかしてファンたちとの対応について?」

 

『未唯姉、気づいてたの?』

 

「うん、その事で悩んでて、前に自分にはスクールアイドルの適正がないって話してた」

 

『そうなんだ……未唯姉が気づいてるなら大丈夫かな?ちゃんと力になってあげるように』

 

「苺ちゃん、スクールアイドルになってから変わったね~」

 

『こうみえて成長してるからね!』

 

電話を切り、さてさて栞子ちゃんの事も気になるけど……アイラちゃんも少し気になるんだよね




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05 壁を乗り越えることを信じる

今回短めです


アイラちゃんが帰国する前にライブをする事が決まった。ただ今回は街の何処かではなく、学校の講堂でやることになった。理由としてはあくまで校外学習の一環としてライブを行うからと言うからだ。まぁ学校外の施設を借りるとなると手続きが……うん、私や栞子ちゃんの負担が大きいからというのもある

と言うことでみんなで練習をすることになった。私はぽむお姉ちゃんと栞子ちゃんと同じグループでランニングをしていると、ぽむお姉ちゃんがある場所を見つけ、懐かしそうにしていた。

 

「ここって確か……」

 

「うん、私や侑ちゃん……それに未唯ちゃんがせつ菜ちゃんのライブを見た場所だよ」

 

「何だか懐かしく思っちゃうな~」

 

「歩夢さんや未唯さんの始まりの場所なんですね」

 

始まりの場所。そう言われればそうかもしれない。

あの頃は何となくお姉ちゃんたちと距離を取っていた時期だった。距離を取っていたのは……今ではよく覚えてないけど、多分思春期特有のものだと思っている

 

「…………」

 

栞子ちゃんは未だに浮かない顔をしている。苺ちゃんも心配しているため、いい加減私も動くべきと判断した。

 

「栞子ちゃん、大丈夫?」

 

「え?」

 

「悩みすぎて答えが見つからなくなってる感じがするよ」

 

「あ……すみません…」

 

「栞子ちゃん、悩みがあるなら私たちが聞くよ」

 

「……私はスクールアイドルの適性があるのかどうか悩んでいます。分かっています。ただ私が悩みすぎな事だって」

 

「何でそう悩むようになったの?」

 

「以前から……ファンの方々の反応が…………」

 

それを聞いて何となく思い当たる事があった。うん、これに関しては栞子ちゃんが考え込んでしまうのは納得してしまう。だからと言って放っておくことは出来ない。

 

「栞子ちゃん、ファンの人たちは栞子ちゃんの対応を見て変なことを言ったりは?」

 

「いえ、そんなことは……」

 

「それじゃ栞子ちゃん、つい堅苦しい感じの対応したあと、ファンの子達はどんな感じだった?」

 

私に続いてぽむお姉ちゃんが聞く。

 

「えっと……一瞬変な空気になったりしますが、すぐに皆さん笑顔でした」

 

「それなら大丈夫だと思うよ」

 

「未唯さん……」

 

「後は栞子ちゃんが壁を乗り越えるだけ。それだけだよ」

 

「壁を……」

 

「私は栞子ちゃんならそれが出来るって信じている。あの日、あの時、私が栞子ちゃんと一緒にユニットを組みたいって思わせてくれたんだから」

 

「わ、分かりました」

 

栞子ちゃんは少し一歩踏み出せるかもしれない。後は…………アイラちゃんの事だ。アイラちゃんも何処か悩んでいる所がある。でもそれが何なのか分からない。

どうしたらいいのか悩んでいる間、気づいたらライブの日になった。

 




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06 動く未唯

蓮ノ空の推しが決まりました。村野さやかちゃんです


アイラちゃんを交えたライブも無事に終わった。アイラちゃんはぽむお姉ちゃんと一緒にお揃いの衣装を着てステージに立ったりした。

ライブは好評で終わったのだが……その打ち上げの時……

 

「残念だったわね」

 

果林さんは残念がっていた。いや、理由は分かってる。私が原因だけど……

 

「あの、果林さんがプロデュースしてくれたのは嬉しかったですけど……あの衣装は流石に恥ずかしすぎますよ」

 

「勿体ないわ。未唯ちゃんなら凄く似合うと思ったんだけど……」

 

果林さんがデザインし、被服部の人たちに作らせた衣装は確かにありがたかったですけど……何で背中があんなにぱっくり開いてるのか凄く気になった。

 

「天使みたいな衣装ってことで作ったのに……」

 

「私にはセクシー系は似合わないですよ」

 

「そうかしら?未唯ちゃんが目指す歩夢も露出多めだったじゃない」

 

「えっと///」

 

「歩夢のあの衣装、凄くときめいたよ」

 

ぽむお姉ちゃん、顔真っ赤にさせてるけど……でも私が着るにはまだまだだからね

 

「勿体ないわ」

 

「栞子ちゃん、果林さんにセクハラしてきたから反省文書かせて」

 

「果林さん、未唯さんに対してそういうのは良くないですよ。今回は厳重注意だけにしておきますからね」

 

栞子ちゃんに厳重注意してもらい、あの衣装についてはこれ以上は触れないことになった。

 

「皆さん、ライブに出させていただきありがとうございマシタ。留学のいい思い出になりマシタ」

 

「ロンドンに帰ったらスクールアイドルの活動を頑張るんですよね」

 

「ライブやるときは教えてくださいね。かすみん、楽しみにしてますから」

 

しずくちゃんとかすみちゃんの二人がそんなことを話しているが、アイラちゃんは一瞬曇った表情をし、直ぐに笑顔を向けてきたけど……どうしたんだろう?

 

「…………」

 

栞子ちゃんもアイラちゃんの様子に気がついてる感じだった。私はどうしたものか?いや、悩むことではないよね。

 

 

 

 

 

 

 

打ち上げも終わり、明日はアイラちゃんが帰国するとのこと。みんなで見送りに行きたかったけど、平日だから無理だと言う話になった。

そんな夜のこと……私はぽむお姉ちゃんに電話をしてある人の連絡先を聞くと……

 

『未唯ちゃんもアイラちゃんの様子気になってたんだね』

 

「私もって……もしかして栞子ちゃん?」

 

『うん、私もだけどアイラちゃんの様子おかしかったから……』

 

そっか……栞子ちゃんも……多分だけど似ているからこそ気がつけたのかもしれないね。

 

「私も私なりに調べてみるから……ありがとうね。お姉ちゃん」

 

『ふふ、こう言うときはお姉ちゃん呼びなんだ』

 

「え、あ……その……ありがとうね。歩夢ちゃん」

 

『うん』

 

なんと言うか素の自分を見せてから、ぽむお姉ちゃんがそんな私を見たがっているような気がするよ……とりあえず今はアイラちゃんのことを……今の時間的にはあっちは……うん、大丈夫だよね

 

しばらくコールが流れると出てくれた。

 

「初めまして、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の高柳未唯っていいます。あ、えっと……」

 

『あ、少しナラ日本語、分かりマス』

 

「あ、良かった。ぽむお姉ちゃん……歩夢ちゃんに教えてもらったんだね。あなたの名前は……」

 

『ペネロペっていいマス。未唯……エンジェル?』

 

「あはは……えっと、実は聞きたいことがあって……アイラちゃんの事だけど……」

 

『もしかして……あの事デスカ?』

 

「あの事?」

 

『アイラから聞いてナイデスカ?実は……』

 

ペネロペちゃんから聞かされた話。聞き終えて全部繋がった感じがした。そっか、だから……

 

『あの……お願いシマス。あの子を……アイラを助けてください』

 

「うん、大丈夫。きっとアイラちゃんがそっちに帰るときは……きっと笑顔だから」

 

電話を切り、私はどうするか考えた。そして……

 

「明日は早起きしないとな~」

 

本来ならみんなにも話すべき事だけど……でも栞子ちゃんも動いていることを考えれば……きっと大丈夫。




次回でOVA編も終わりです
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07 次への物語へ

今回でOVA編終了です


栞子side

 

アイラさんの事が気になり、アイラさんの通う学校に問い合わせをしてみた結果……ある事実が分かった。このままアイラさんを帰国させるわけには行かない。

 

「どうしたんですか?会長」

 

「副会長、一身上の都合により早退します!」

 

今いけばまだ駅につくかつかないかくらいだ。急がないと……それに皆さんにも伝えないと……

 

「会長一体どこに?それにしても今日は高柳さんも来てすぐ早退してましたし……」

 

 

 

 

 

 

 

歩夢さんたちに連絡をしながら、走っているとアイラさんの姿を見つけた

 

「アイラさん!」

 

「栞子?どうしたんデスカ?」

 

「アイラさんは今回の留学が終わったら、スクールアイドルを辞めるんですか?」

 

「っ!?」

 

ロンドンの学校に問い合わせた際に、私は聞かされた。スクールアイドル部を設立しようとしていたが、海外ではまだスクールアイドルという文化事態は馴染みがなく、そう簡単に許可が下りなかったことを……アイラさんたちも頑張ってはいたが……今はもう諦めており、今回の留学でスクールアイドルになることを諦めようとしていることを…………

 

「学校でスクールアイドルの部の申請が却下され続けた……友達はそれでも諦めてほしくないって言ってくれたけど……私はもう……」

 

諦めてしまっている……だから今回の留学で区切りをつけようと思った。アイラさんはそう決め付け……そして諦めた。昔の私みたいです……

 

「アイラさんは私に似ていますね」

 

「え?」

 

「私の姉の事があり、スクールアイドルになることを諦めていました。だけどそんなとき……ある人が……いえ、皆さんが私に手を差し伸べてくれました」

 

侑さんたちや未唯さんが私に手を差し伸べてくれた。それは今もそうだ。だから今度は私が手を差し伸べる番

 

「アイラさん……少し連れていきたい場所があります」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

私はアイラさんをある場所に連れてきた。そこは今の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会にとって……

 

「ここって……」

 

「今の同好会の始まりの場所です」

 

「始まりの場所?」

 

「ここで侑さん、歩夢さん、そして未唯さんはせつ菜さんのステージを見て、スクールアイドルについて触れました。ですがこの頃は同好会事態は存続が危うかったんです」

 

「えっ?」

 

「それは私が悪かったんです。自分の大好きがみんなを苦しめていました」

 

「それはかすみんたちもですよ」

 

気がつくとせつ菜さん、かすみさんが来ていた。いえ、二人だけではない

 

「あの頃はみんな沢山悩んだりしてたからね」

 

「だからせつ菜さんはここでのステージを最後にしようとしてました」

 

「でも私や侑ちゃん、そして未唯ちゃんが三人で始めようと思ったんだよね」

 

「うん、ここから私たちのときめきが芽生えたんだ」

 

「同好会のお陰で変われた……私もそうだった」

 

「りなりーだけじゃないよ。私や果林だってそうだった」

 

「ボクらだってそうだよ」

 

「そうね。今こうしてみんなといられるのはここから始まった事がきっかけよ」

 

ランジュはそう言って、階段の上を見た。そこにはこの間のライブで着ることを拒否した衣装を身に纏った未唯さんがいた。

 

「アイラさん……見ていてください。貴方の背中を押すために……」

 

私はリボンを一度解き、髪を後ろに纏めて、未唯さんの隣に立った。変わり始めるのはアイラさんだけじゃない。私も……変わろう……

 

「やりましょう。未唯さん」

 

「うん、栞子ちゃん」

 

「「白と翡翠の光が交わる……それが白翡翠!」」

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

歌い終えるといつの間にか近くを歩いていた人たちも集まっていた。おまけに近くにあるガ○ダムが……あれは覚醒してるのかな?

アイラちゃんは笑顔で拍手をしていた。今のアイラちゃんならきっと……

 

「ありがとう……みんな。私……諦めていたけど……まだ諦めたくない!」

 

「応援してます。アイラさん」

 

「それじゃ、このままアイラちゃんの見送りしようか」

 

「そうですね。それと皆さん、後で反省文ですよ」

 

「えぇ~いいじゃん~今回くらい」

 

「ダメです。学校をサボってしまっているのですから」

 

「むぅ~塩対応のしお子になってる~」

 

 

 

 

 

 

 

アイラちゃんが帰国してから数日後、アイラちゃんはロンドンに戻ってから、部活動としてではないが、スクールアイドルを始めることにしたみたいだった。その自己紹介動画が上がっていて、みんなでそれを見つつ……

 

「って!何でみい子は反省文書いてないの~」

 

「いや、こうなると思って事前に書き終えてたから」

 

「なるほど、あの日、未唯さんが早めに学校に来た理由は、反省文を貰いに行きつつ、あの衣装を受け取っていたのですね」

 

「栞子ちゃんなら動くと思ってたし、それに変わろうとしているんだから、私も少しは……」

 

「未唯ちゃん、似合ってたよ~」

 

「そうね。今後あぁいう衣装を着てもらおうかしら?」

 

あの衣装は出来れば今回限り……いや、ちょっと待って……

 

「栞子ちゃんも着てくれるなら」

 

「未唯さん!?」

 

「そうね。栞子ちゃんも似合うわね」

 

「そ、それはその……」

 

「今度一緒に着ようね。栞子ちゃん」

 

恥ずかしそうにする栞子ちゃん。アイラちゃんの一件で少しずつだけど変わってきている。こうして私たちの次への空を目指す物語は一旦終わるのだが……後日、同好会に一通の手紙が届いた。

それはまたの物語に……続く

 




色々とあやふやな所が目立ちますが、これにてOVA編終了です。
それにしてもOVAを見て、思ったのは虹ヶ咲の象徴はユニコーンではないかと思い始めてる……
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