無限の成層圏へのジャンプはライダーキックへと変わる (大トロ)
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プロローグ 

さてと…遂にこちらでも投稿を始めることができました。

正直インフィニット・ストラトスと仮面ライダーゼロワンは見てない所が多いので並行して見ていきながら投稿していきたいと思います。


辺りはまるで、大きな爆弾でも落ちたかの様に、建物は崩れ…あちこちで燃え盛っている

 

そして…そんな中で…1人の少年に寄り添う男女が………よく見ると…その男女のボロボロの身体から、機械の様な物が出ている……まもなくこの男女は動かなくなるだろう……それでも、少年に寄り添い……少年に送る言葉をやめない……

 

???「飛んでくれ………」

 

???「飛ぶのよ…あなたは…自分の…」

 

???/???「「夢に向かって…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

ピピピピ(スマホのアラーム音)

 

「……もう朝か…」

 

俺はスマホを取るとアラームを消す

 

「……今になってあの時の事が夢に出てくるなんて……やっぱ疲れてるのかな俺……」

 

昨夜は夜の3時に寝て起きたのが朝の6時半

 

「っと…ボーッとしてる場合じゃなかったな…さっさと起きて準備準備…」

 

俺はそう言うと着替えを始め、着替え終わって部屋から出ると、隣の部屋の扉に向かって

 

コンコンコン(ノック音)

 

「おい、もう朝だぞ。さっさと起きろ」

 

そう言って一階に降り、朝食の準備を始めた

 

しばらく経っても降りてくる気配がなかったので、ため息をつきながら2階に上がり、ノックした部屋に入り

           

「おら!さっさと起きろアクア(・・・)!」

 

「ぶふぇ!」

 

無理やりベットで寝ている青髪の女を引っ張って床に落とした

 

「よう…おはよう寝坊助」

 

アクア「おはようって、いつも思うんだけど、もう少し優しく起こす事はできないの?」

 

「できないね、お前はいい加減一回で起きろ。てか俺に起こされる事に当たり前になるな、俺は親か。それより早く支度しろ。今日から俺達高校生だろ」

 

そう言って俺は一階に降りて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

アクア「それじゃあお父さん、お母さん…もう行くわね」

 

母「ふたりとも……頑張っていきなさいね」

 

カズマ「週末には一回帰ってくるから…」

 

父「ふたり共…高校生活しっかり楽しんで来なさい…」

 

カズマ「うん…父さん…母さん…いってきます」

 

アクア「いってきます!」

                 

父/母「いってらっしゃい!アクア、カズマ(・・・)!」

 

そう両親に見送られて俺達は家を後にした

 

俺事佐藤和真(サトウカズマ)はこの家、水神(みずがみ)家の養子だ…隣で一緒に歩いている青髪は…水神家の一人娘のアクアだ

一応養子になる前からの長い付き合いで、俺からすればこいつとの関係は幼馴染の延長線みたいなものだと思っている

 

カズマ「ここからは、バスに乗ってそれからモノレールに乗るぞ……なんてったってここから『IS学園』まで1時間以上掛かるからな」

 

『IS学園』

それは、IS操縦者育成用の特殊国立高等学校

すべての施設やその周辺は海に囲われ、人工島に建てられている

操縦者に限らず専門のメカニックなど、ISに関連する人材はほぼこの学園で育成される。

また、学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約があり、それゆえに他国のISとの比較や新技術の試験にも適しており、そういう面では重宝されている

 

そしてISとは…正式名称〈インフィニット・ストラトス〉開発者である篠ノ之束《しのののたばね》が開発した女性にしか反応しない世界最強の兵器

元々は宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツ……だが、開発当初は注目されなかった……しかし…今から数年前に起きた『白騎士事件』と呼ばれる事件により…従来の兵器を凌駕する圧倒的な性能が世界中に知れ渡ることとなり、宇宙進出よりも飛行パワード・スーツとして軍事転用が始まり、各国の抑止力の要がISに移っていった

 

そしてこのISには、致命的な欠陥がある

それは…女性にしか使えないというものだ

 

つまりこれから行くIS学園とは、女子校というわけだ

 

では…男である俺がIS学園に入学するのはおかしくないか?という件だが…まあそれは追々話していくとするよ

 

まあそんな女子校に俺みたいなのが行くわけだが不安はねえな…

むしろ不安なのは…横にいるバカがやらかさないかって事くらいだな…

           

それに…IS学園にいる男は俺だけでは(・・・・・)ないしな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△ 

 

同時刻《某国研究所》PM14:00

 

 

 

???「アレが…僕達が次に暴れる研究所だね?」

 

???「ああ……我らが正義の為に……滅亡させる…」

               

???「うん…じゃあ行こっか、(ホロビ)

           

???「ああ…行くぞ…(ジン)

 

高層ビルの屋上から研究所を眺めるふたりの男

 

迅と呼ばれた男はフードを被っており、滅と呼ばれた男は頭にターバンを付けており、腰には日本刀をおさめている

          ・・・

そんな彼らの腰には、ベルトのようなものが巻かれていた

ふたりは懐からそれぞれ、マゼンタ色と紫色のデバイスを取り出した

それぞれハヤブサ…サソリが描かれていた

 

そしてふたりは……高層ビルから飛び降りた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

「ここが……今日から俺が入学するIS学園か…」

 

俺事、織斑一夏(おりむらいちか)は、目の前の大きな施設を前に、そう呟いた

 

本来男である自分にはこの学園とも、ISとも本来なら縁が無いはずなのだが…俺は何故か…ISを…インフィニット・ストラトスを起動させる事ができた

 

つまり俺は……世界で唯一のISを使える男というわけだ

 

一夏「……ここから始まるな……俺の夢を…実現させる為の…」

 

俺の夢……それは…ISが誕生する前の世界…女尊男卑になる前の世界……つまり…男女平等の世界を取り戻す

 

その為に…俺はこれからここで、男性の地位を上げる為に動いていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アラスカ条約…それはIS条約とも呼ばれる、21の国と地域が参加して成立した。

軍事転用が可能になったISの取引などを規制すると同時に、ISの技術を独占的に保有していた日本への情報開示とその共有を定めた協定。IS学園もこの協定に基づいて設置されている

そんなアラスカ条約に参加している国を中心に行われるIS同士での対戦の世界大会

通称『モンド・グロッソ』と呼ばれるそれは…格闘・射撃・近接・飛行など、部門ごとにさまざまな競技に分かれ、各国の代表が競う

各部門の優勝者は「ヴァルキリー」と呼ばれ、総合優勝者には最強の称号「ブリュンヒルデ」が与えられる。

 

その第一回大会で優勝したのが…俺の姉である織斑千冬(おりむらちふゆ)が優勝し、初代ブリュンヒルデの称号を得た

 

しかし…迎えたモンド・グロッソ第二回大会の決勝戦当日、つまり2年前

千冬姉の応援に来ていた俺は…正体不明の謎の組織に誘拐されてしまった

 

その誘拐した連中の目的は、俺を人質に千冬姉の決勝戦出場を棄権させる事

 

だが……

 

奴らは要求を日本政府に伝えた後、俺を始末しようとした

 

後から聞いたが、この時政府はその要求を拒否した

つまりは俺を見捨てたということだ

 

ISを身に纏った連中に俺は殺されそうになった

 

ISを纏った女「まあ…運が悪かったと思って…死んでくれよな…」

 

そう言われ、俺は殺されそうになった……その瞬間

 

カバンシュート!

 

突如紫色の矢が大量に降り注ぐ

 

「「ぎゃああああー!!」」

 

その矢……よく見ればそれは本物の矢ではなく…まるで矢の形をしたエネルギー体のような物だった

 

そして…良く見れば矢は、俺がいる場所を除く場所にだけ降り注いでいた

 

そして…俺の目の前に……紫色の……まるで特撮ヒーローモノに出てきそうなソレが立っていた

ヒーローというよりもダークヒーローに近いソレは…持っている弓状の武器を振り上げると、辺りにいるISを使っている連中を次から次へと始末していく

 

……この時の俺が感じた感情はふたつだった

 

一つは……目の前のソレに対して純粋に『カッコいい』と思う感情

 

そしてもう一つは……俺が持ち得ないものを持つ……強さへの憧れ

 

紫の仮面の男「この世界の悪意は、俺が滅ぼす……」

 

ポイズン!

 

紫の仮面の男は、その腰に付けているベルトに装着している紫色のデバイスの様なものを取り出すと

 

"Progrise key confirmed. Ready to utilize."

 

弓状の武器に差し込んだ

 

スコーピオンズアビリティ!

 

紫の仮面の男「亡き者となれ」

 

弓状の武器にデバイスを差し込み、レバーを引くと発射口が紫に光だし

 

スティングカバンシュート

 

レバーを離すと、先程の矢が分裂して残りの連中を仕留めていった

 

一夏「つ…強え…」

 

自分で言うのもアレだが…俺は結構強い……少なくともそこらの大人に負けないくらいには強い

今日だって俺を拐った連中がISを使ってなかったら負ける事はなかったと自負できる

 

紫の仮面の男「……」チャキ

 

気がつけば、俺の目の前に立っていた紫の仮面の男は持っていた弓状の武器の鋭い先端先で俺を縛っていた縄を切って解いた

 

一夏「…」

 

紫の仮面の男「おい…」

 

突如俺は話しかけられた

 

紫の仮面の男「お前には…゛夢゛はないのか?」

 

一夏「は?」

 

紫の仮面の男「夢はないのかと聞いている…」

 

夢……俺には…一つ……叶えたい夢があった……

 

一夏「俺の夢は……この世界から女尊男卑をなくし…元の、男女平等の世界を取り戻す事だ」

 

紫の仮面の男「そうか……だがその夢を叶えるのは…容易ではない……俺の夢を叶えるくらいにな」

 

一夏「アンタの…夢?」

 

紫の仮面の男「ああ……俺の夢は、この世界の悪意を無くす事だ……だが、俺の夢も…お前の夢も……叶えるには力がいる……」

 

一夏「力…」

 

紫の仮面の男「そうだ……世界を変えるだけの力が……少なくとも……こんな奴らに拐われる様では、力不足にも程があるな……」

 

一夏「……」

 

紫の仮面の男「……夢を持ち続けろ……そして、どんな事があっても…夢を諦めるな……今日の自分よりも…明日の自分が夢に近づける様になれ…」

 

一夏「!」

 

その言葉に…俺の心に強い衝撃を受けた

 

紫の仮面の男「もし……本気で夢を叶えたいなら…………今よりも強くなれ……本気で世界を変えたいならな」

 

そう言って紫の仮面の男は立ち去ろうとした

 

一夏「待て!」

 

俺はつい呼び止めた

 

一夏「アンタはいったい…」

 

紫の仮面の男「……俺は……『滅亡迅雷.net』……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダー滅だ」

 

そう言って立ち去っていった

 

その後、すぐにISを纏った千冬姉が駆けつけた

 

後から聞いたが千冬姉は、試合直前に…一夏が拐われた事をドイツ軍から言われ、試合放棄をして駆けつけたようだ

 

俺は、ここで起こった事をすべて…千冬姉に話した

 

千冬姉は驚いていた

なぜなら滅亡迅雷.netとは、世界中のあらゆる研究所や軍…組織を潰してきたテロ組織の事だからだ

そんな世界中で指名手配されてる様な組織の者に助けられたなんて…信じられない様子だった

 

ただ俺は……俺を助けてくれたあの仮面ライダーを…滅亡迅雷.netの事を…ただの悪の組織とは思えなかった

はっきり言って…俺を見捨てた日本政府よりも信用できる

 

千冬姉の方も、日本政府に対してもはや敵対視しかない…

 

俺は…ここであった事はあの仮面ライダーではなく…千冬姉が暴れたということにして欲しいとお願いした

 

ああいう表で動かず裏で動くような連中は余程なことがない限り…目立つ事を避ける

 

千冬姉は、それを承諾してくれた……俺を救ってくれたせめてもの義理としてだとさ

 

……俺は…この日…自身の力の無さと、夢を実現させる為の覚悟の足りなさを実感した…

 

だが…この日をもって…俺は変わる

 

俺自身の夢を叶える為に

 

そして…日本に戻った俺は……夢を叶える為の力を得る為に動いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

カズマ「じいちゃん…俺もアクアも…今日から高校生だ……」

 

アクア「フフッ…ちゃんと見てくれてる?おじいちゃん…」

 

俺とアクアは…IS学園に行く途中…ちょっと寄り道をしている

 

俺達の目の前には墓がある

 

墓には

 

【飛電 是之助】と刻まれていた

 

飛電 是之助(ひでん  これのすけ) 

 

今から1年半前に亡くなった俺の祖父だ

祖父は生前、とある大企業の創設者であり、初代社長だった人だ

 

生きていた時は…時々だが会っていた……アクアの事も実の孫の様に可愛かってたな

 

そんな祖父が亡くなった後…俺は14歳で祖父の跡をついて社長に就任した

 

元々ガキの頃からじいちゃんからいつか跡を継ぐことを言われていたから…小さい頃から経営学や、ビジネスの心やらとにかく…必要な事はたくさん習ったが…まさか大人になる前に亡くなるなんてな…

 

社長に就任してから1年過ぎて…だいぶ慣れては来たが…そこはやはり仕事は多い…夜中の3時にしか寝られなかったのもそれが原因だ

 

カズマ「じいちゃん……俺…じいちゃんとの約束を守るよ…そして……俺も…飛んでみせるよ」

 

【切り替え】

 

一夏「アレからもう2年か……」

 

俺は……アレから少しは変われたのだろうか

 

それはまだわからない…

 

だが…俺自身の夢を叶える為に……

 

一夏「走って見せるさ」

 

【同時刻】

 

カズマ/一夏「「夢に向かって!」」



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第1話 自己紹介と再会

注意

カズマ達『このふた』組は基本名前をカタカナ表記、IS組はカタカナと漢字を使います。

それと遅くなってすみませんでした。



 

《一夏視点》

 

カズマ「よっ!一夏」

 

アクア「おはよう一夏」

 

一夏「よう!カズマにアクア」

 

IS学園に着いた俺に最初に話しかけてきたのは、中学からの友人のカズマとアクアだ

 

一夏「それにしても、分かっていたが女ばかりだなこの学園は…」

 

アクア「まあ一応ここは女子校だもんね」

 

カズマ「ああ、それも世界中の女子が来る学園な」

 

そう俺達は雑談しながら廊下を歩いて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「……一夏…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

小柄な女子先生「全員揃ってますね!それではショートホームルームを始めます!」

 

俺達は教室に着き、しばらく経つと、一人の女性教師が入って来た

 

女性教師はこのクラスの副担任であり、名は山田真耶《ヤマダ マヤ》と言うらしい

 

なんか見た目は生徒とほとんど変わらない程背が低く、服のサイズもあってないのかダボっとしていて更に小さく見えてしまう。かけている黒縁眼鏡もやや大きめなのかズレている

……なんか…子供が無理に大人の服を着ているようにしか見えない……(ただし胸のサイズはどう見ても子供ではなかった)

 

山田「それでは皆さん…一年間よろしくお願いします」

 

…だが緊張しているのか誰も反応がなかった

 

……可愛そうだな

 

そう思っていると……

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ!

 

どこからか拍手音が教室に響き渡る

 

それに山田先生は反応し表情がゆるんだが…

 

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ(一夏のスマホから流れたオペラの演奏終了後並みの拍手音が流れた)

 

山田「いやちょっと待ってください!何やってるのですか!?」

 

一夏「……いや、あまりにも誰も反応してなくて少し可愛そうに思ったからせめて演出だけでもと…」

 

山田「やめてください!その微妙な気遣いだけでも胸にきますからやめてください!」

 

アイツ………初日にあんな事するなんて……なんて紳士的対応だな←(違います)

 

アクア「カズマ…それは無いでしょ…」←長い付き合いだから何考えてるのか大体わかる人

 

カズマ「ってのは冗談だ…けどな…」

 

俺は周りから集まるクラスメイト(女子)の視線を物凄く感じる

 

よく見ると一夏も同じ様になっている

 

アクア「まるで動物園のパンダね」

 

カズマ「パンダはやめてほしい…せめてワニ辺りに」

 

アクア「それはカズマの好きな動物でしょ」

 

山田「織斑一夏君」

 

一夏「はい…」

 

っと、そうこうしていたら自己紹介…一夏の番が回ってきたな

 

一夏「あー…織斑一夏です。特技は家庭関連を全般で、趣味はスポーツ…好きな事は格闘で嫌いなモノは女尊男卑の考えを持つ奴だ。一年間よろしく頼む…」

 

一夏が自己紹介を終えると…

 

クラスメイトの女子1「きゃあああー!イケメンよ!!」

 

クラスメイトの女子2「しかも中々家庭的なイケメンよ!!」

 

クラス中から女子の金切りが響き渡る

 

カズマ「ッ…!」

 

アクア「あっ…」

 

 

しばらくして今度は俺の番が回ってきた

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

さて…こんなにもうるさいのかIS学園…

 

黒スーツの女性教師「フム……まともな挨拶は出来ているようだな…織斑…」

 

っと…後ろから声をかけられた

 

一夏「……やれやれ……よりにもよってこのクラスの担任はアンタか……それにしても…初日なのに担任のアンタが今頃来るとは……どういう了見で?……千冬姉」

 

そう…この黒スーツを着た女性こそが…初代ブリュンヒルデであり…俺の実姉、織斑千冬だ

 

千冬「織斑先生と呼べ…朝の会議で少し遅くなっただけだ…」

 

へいへいそうですか…

 

次はカズマの番か……さあ…この自己紹介で第一印象は決まると言ってもいいぞ←自己紹介の前にスマホで拍手してイケメンと面白い人と印象付けらた人

 

カズマ「まずははじめまして…俺は」

 

クラスメイト3「キャアアアアア!!また男よ!!このクラスに男が2名も!」

 

クラスメイト4「これは……織斑君との絡み合いのある同人誌のネタができるわ!」

 

クラスメイト5「お母さん!私を産んでくれてありがとございます!!」

 

カズマ「……」ブチッ←青筋立てた

 

またクラスの女子達がキャアキャアわめき出した…

 

カチッ←装填音

 

ダンダンダン!←そこらの机に弾丸をぶっ放した

 

アクアを除く全員「「「!?」」」

 

……ハッ?

 

カズマ「……どうも…佐藤和真です…」

 

一夏「(アイツ最悪の第一印象にしやがった!!)」

 

千冬「おい佐藤……貴様何している!?」

 

カズマ「うるさかったから黙らせたんですよ。それに俺は立場が立場だからこうして護身用で持ち合わせているんで…ああ、安心してください。学園から許可は頂いていますので、それと今撃った玉は実弾ではなく、暴徒鎮圧用非殺傷ゴム弾ですので…」

 

千冬「……そうか…ならばいざというとき以外は使わないようにしろ…」

 

カズマ「はい。ですがその判断は俺が決めますので…ああ改めて俺は佐藤和真だ。特技は人間観察で、趣味はゲームとアニメ鑑賞、好きな事は読書と料理、んで嫌いなのは一夏と同じく女尊男卑の考えを持つ奴…それと人の話を遮る奴に女子の金切り声みたいな甲高い声だな」

 

クラスメイト6「え?も、もしかしてさっきまで私達が騒いでたのって…実は凄く嫌だったの?」

 

カズマ「少数でならまだ大丈夫だが、何十人かでのは結構耳にくる……黒板や窓ガラスを爪で引っ掻く時の音と同じくらい嫌いだ」

 

クラスメイト7「え、えっと…騒がしくしてすみませんでした。それと話遮ってすみませんでした!」

 

そしたらクラスメイト中から謝罪の声が上がった

 

んで次はアクアの番か

 

アクア「え、ええっと、水神アクアです……特技は泳ぐ事と手作業で、趣味はカズマと同じくゲームとアニメ鑑賞で好きな事は大勢で騒いだりするイベントに参加する事で、嫌いなのは勉強と差別する人です。……どうかよろしくお願いします」

 

そう言ってアクアは座った…

 

千冬「さてと、諸君…私が織斑千冬だ。君達新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言う事をよく聴き、よく理解しろ。出来ない者ははできるようになるまで指導してやる。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

相変わらずの暴力発言流石は俺の姉

 

クラスメイト8「キャ━━━!千冬様よ!本物だわ!!」

 

クラスメイト9「私ずっとファンでした!」

 

クラスメイト10「私、お姉様の為なら死ねます!!」

 

あっ…そんなに騒いだらまた

 

カチッ←装填音

 

ダンダンダン!←またそこらの机にぶっ放した

 

教室内が静かになった

 

カズマ「……失礼…また耳障りな音が響いたからつい…」

 

千冬「いやいい…はっきり言って私も鬱陶しかった…また同じ事があったら頼めるか?」

 

カズマ「いいですよ。俺も耳障りですので…」

 

千冬「ではこれでショートホームルー厶は終わりだ。基本動作は半月で身体に染み込ませろ。いいか、いいなら返事しろ。良くなくても返事しろ。私の言葉には返事しろ。以上だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「んで?なにか言う事はあるか?」

 

カズマ「言いたい事は言った…そしてやりたい事もやった…後悔はない」

 

一夏「お前初日に何やってんだ!」

                 ・・

全く……本当にぶっ飛んでるな、俺の上司は

 

カズマ「いや、中学の時のお前の格闘と似たようなもんだろ」

 

一夏「いやお前と違って俺は素手だからセーフだ」

 

カズマ「判断基準がわからん…けどそんな事を言ってるお前もそのうち、学園内で日本刀振り回すようになるんじゃねえの?」

 

っと…一時間目の授業を終えて休み時間になった後、俺はカズマとアクアの席に集まって話をしている

 

カズマ「それで、座学はどうだったか?」

 

一夏「おう…入学前に散々勉強したから今の所は問題ねえな……ただなんて言うか……俺としては高校というより…専門学校に来ている気分になるな…」

 

カズマ「まあ実際ここはISの技術や知識を学ぶ場だからな…俺も同じく問題はない……まあ…」

 

そう言ってカズマは隣の机でうつ伏せになっているアクアを見た

 

カズマ「このバカは…あれだけ勉強見たのについていくのがギリギリだとよ…」

 

アクア「あ…あんなに難しいなんて思わなかったもん……」

 

一夏「相変わらず勉強嫌いだな…運動神経はすげえてのによ」

 

カズマ「全くだ…こいつがバカなのはガキの頃のままだからな」

 

俺はカズマ達と知り合う様になったのは中学2年からだったから…昔のこいつらの事はよく分からん

 

???「…少しいいか?」

 

一夏「ん?」

 

突然話しかけられた俺は声がした方に首を傾けた

 

そこに居たのは、平均的な身長をしていて少し不機嫌そうにした目…白いリボンで長い黒髪を結ってポニーテールにしているこのクラスの生徒……いや俺はこいつを知っている……なぜならこいつは俺の

 

一夏「箒《ほうき》か……」

 

幼馴染だから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「ここでいいか?」

 

箒「あ、ああ…」

 

俺と箒は廊下に出て話をしている

 

 

一夏「まずは久しぶり……」

 

箒「ああ…6年ぶりか…」

 

篠ノ之箒《しのののほうき》は…、箒が引っ越しする小学四年生まで一緒だった幼馴染だ

あの頃は近所付き合いもあって、よく遊んだな

 

実家は剣道の道場でもある篠ノ之神社でガキの頃から剣道をたしなんでいて、俺もあの頃はやってたな

 

一夏「白リボンにポニーテールか……まあガキの頃からずっとそれだったから、こっちのイメージが強いな…あ、それと…去年剣道全国大会優勝したな。相変わらずの剣道の腕だな。流石は『篠ノ之道場の朱雀』だな」

 

箒「や、やめろ!そのあだ名で呼ぶな!」

 

ガキの頃、道場で当時通っていた俺達の年代で特に強かったのが俺と箒…あの頃はよく打ち合いして、大体箒が勝っていた…

昔から剣道の才能があった事で、篠ノ之道場では俺達年代では最強の一角に数えられていたな

あまりにも強かったから…同年代の門下生からふざけ半分で呼ばれてた

 

ちなみに俺は『篠ノ之道場の白虎』って呼ばれてたな

 

箒「お、お前はその…あれから少しは…たくましくなったな……」

 

一夏「そうか?まあ…俺も色々とあったからな…」

 

っと、ここで俺の脳内で宇宙服を着た教官にしごかれている時の事を思い出して思わず顔をしかめてしまう

 

箒「い、一夏?」

 

一夏「ん…ああわりぃ…少し思い出したくない事を思い出してしまったからついな…」

 

箒「そ…そうか…」

 

一夏「そういうお前も…だいぶ大人っぽい雰囲気出すようになったな……目つきが悪いのは相変わらずだが…」

 

箒「め、目つきの悪さは今いいだろ!」

 

こうして次の授業の鐘がなるまで俺達は話した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カズマ「……今のが篠ノ之箒………篠ノ之束の妹か」

 

アクア「カズマが前に見せた資料通りの見た目だったわね」

 

カズマ「アイツは剣道の全国大会で優勝する程の腕の持ち主だ……中学の時に水泳の全国大会で3連覇したお前といい勝負じゃねえか?」

 

そう…こいつはスポーツ類は大抵こなせるが特に水泳は冗談抜きで強い

 

カズマ「これは……お手並み拝見といこうかな…」

 

アクア「けどカズマ…カズマはIS使えないでしょ」

 

カズマ「そんなのいちいち言う必要あるか?当然俺が使うのはISではなく…これだよ」

 

アクア「……いよいよね…」

 

カズマ「ああ…」

 

さて……まずはデータ収集と行きたいが…

 

???「ちょっとよろしくて?」

 

カズマ/アクア「「うん?」」

 

 

 



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第2話 イギリス代表候補生

基本的にはカズマ視点、一夏視点でやります。




《一夏視点》

 

千冬「ソレではこの時間で実践する各種装備の特性について説明する…がその前に、再来週に行われるクラス対抗戦に出るクラス代表者を決めないとな、ああクラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まあ簡単に言えば委員長だな。クラス対抗戦は入学時点での各クラスの実力推移を図るものだ。それと一度決まれば一年間変更はないからそのつもりで」

 

クラス代表者を決めるねえ……まあ…どうなるか大体予想はつくな…なんてったってこのクラス…もといこの学園にとって男とは…

 

「はい!織斑君を推薦します!」

 

「私は佐藤君を推薦します!」

 

物珍しい存在なのだから…

 

千冬「他にいないのか?なら推薦された数の多い佐藤に代表者を一任するが…」

 

カズマ「織斑先生…俺多分まともにできそうにないですよ。立場が立場だからクラス代表者の仕事が欠けてしまいそうですので、その場合は一夏に代理をさせてしまいますがそれでもいいですか?」

 

千冬「そうだな…まあ確かに佐藤は事情があるから分かるが…織斑…お前はどうだ?」

 

一夏「そうですね……まあ良いですよ俺は…」

 

千冬「ならクラス代表者は佐藤に決定…そして織斑は佐藤がいない時の代理人に決定し」

 

そう話がまとまろうとしたその時

 

???「納得行きませんわ!」

 

バンッと机を叩いて立ち上がったのは、金髪が鮮やかで白人特有の透き通った青い瞳をした外国人の女

 

たしかアイツは資料で見たな…名前は…

 

セシリア「このような選出は認められません!大体男が代表だなんて恥さらしもいいところですわ!このわたくし『セシリア・オルコット』にそのような屈辱を味わえとおっしゃるのですか!?」

 

そう…そういう名前だったな

 

そしてこいつはイギリスの『代表候補生』だ

 

代表候補生とは、国家代表IS操縦者の候補生…要するに国から選出されたエリートって事だ

 

セシリア「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然…それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

 

なんだそれ?日本を馬鹿にしてんのか?確かに俺を見捨てようとした日本政府共は馬鹿だが、それ以外にも馬鹿にしてんのか?

 

セシリア「大体、文化としても後推的な国で暮らさなくては行けないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で━━」

 

アクア「そんなに文句があるなら国に帰れば良いじゃないの」

 

と、今まで黙っていたアクアが口を開く

 

セシリア「はい?」

 

アクア「聞こえなかったかしら?文句があるなら帰りなさいって言ったのよ…というかアンタなんなの?さっきも休み時間に私やカズマに突っかかって来て自分がエリートだの選ばれた人間だの自慢ばかりしてやたらカズマを見下した態度とったり高圧的に接するとか……アンタ本当に代表候補生なの?」

 

そういえば休み時間の終了の鐘がなったから教室に戻ろうとしたらなんかふたりから離れて教室に入っていく金髪女が見えたと思ったら、アレはアイツか

 

カズマ「バトンタッチだアクア……全く…俺のセリフを半分も取りやがったな……お前さ、そんなに言うならなぜ最初の時点で自己推薦しなかったのか?大方代表候補生の自分が選ばれるのは必然と思ったから何も言わなかったんだろうがな…」

 

セシリア「グッ…」

 

一夏「更にバトンタッチ…お前自分が代表候補生なのを自慢してるらしいが…そんなに凄いのか?」

 

セシリア「な、何を言いますの!?わたくしは国に選ばれたエリー」

 

一夏「俺の姉は初代ブリュンヒルデ…幼馴染の姉はISの生みの親、そして社長の友人がいる…正直俺の身近に大物が居るからあまりすごいとは思わんな」

 

カズマ「バトンタッチ…お前仮にも代表候補生なんだよなあ?それが他国を侮辱するセリフをよくもまあ堂々と言えたな…一歩間違えば国際問題に発展してもおかしくないというのに…あ、お前分かってて言ってんのか…だとしたらすげえ度胸だな流石は代表候補生だ!」

 

セシリア「……!」

 

一夏「おやおや?もしかして何も考えずにただ喋ったのか?……そんなお前に質問……ここはなんて国だ?」

 

セシリア「に…日本ですわ…」

 

一夏「続いて、初代ブリュンヒルデとISの生みの親の名前は?」

 

セシリア「そんなの常識ですわ!織斑千冬先生と篠ノ之束博士ですわ!」

 

一夏「最後の質問、ふたりは何人《なにじん》だ?」

 

セシリア「……!」

 

俺の質問の意味を知り…セシリアの顔色が青くなっていく…

 

千冬「……オルコット…私は…この教室にいる私達日本人全員極東の猿か?」

 

セシリア「ヒッ!……ち、違いますわ!こ、これはその…こ、言葉のあやでして…」

 

千冬「よかろう……なら一週間後、織斑と佐藤とオルコットは放課後、第三アリーナで代表決定戦を行う…それぞれ用意しておくように…それでは授業を始める」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カズマ「よっしゃあ!思わぬ所でデータ収集のチャンスが巡ってきたぞ!」

 

初日の授業が終わり…俺とアクアは学園にある寮に向かって歩いている

まさか早速データ収集できるとは思わなかったな

 

アクア「…………それで…本当のところはどうなの?」

 

………へえ…

 

カズマ「…分かる?」

 

アクア「何年一緒にいると思ってんの?本当のところは、こういう事になるの分かってて口を挟んだんでしょ?」

 

カズマ「半分って所か?もう半分はダメ元だったが…結果的には俺の思い通りになったしさ…」

 

そうこう話していると

 

???「カズマ!アクア!」

 

???「ここに居たのか!」

 

後ろから俺達を呼び止める声が聞こえた……

 

まあ声の主は分かるわな…なぜなら俺とアクアも聞き慣れている声なのだから

 

カズマ「……お前ら見当たらないから居ないと思ったぞ『めぐみん』、『ダクネス』」

 

俺はそう…黒髪紅の瞳の女と金髪碧眼の女に話しかけた

 

金髪の名前はダクネス

 

俺とアクアの友達で中学からの付き合いだ

ダクネスと言うのは呼び名で

 

本名は『ダスティネス・フォード・ララティーナ』

 

名前のララティーナと呼ばないのは、こいつが自分に似合わないかわいい名前で恥ずかしいからという

見た目は金髪で俺より背が高く、高校生だというのに大人の女性感を出してくる

更に俺の知人の女性の中ではトップクラスに胸がでかい

そして名前と髪色で分かるとおりダクネスは外国人だ

イギリス出身で日本には4年前に来た

ダクネスの実家であるダスティネス家は、古くから名のある貴族であり、ダクネスはその末裔だ

イギリスの政界にも発言力があり、イギリスでも知名度のある金持ちの家である

 

そして…黒髪紅の瞳のこいつはめぐみん

 

あだ名ではなくマジの名前だ

 

本名は紅《くれない》めぐみん

 

見た目は黒髪で、紅色の目をしている

こっちはダクネスとは反対に俺より背が低く、幼い外見をしている

それもそのはず、めぐみんは俺より1歳年下の14歳

ちなみにダクネスは俺より2歳年上の18歳

なぜ俺やアクアの年齢に合わないこのふたりが同じ学年にいるのには理由がある

ダクネスは幼い頃、母を病気で亡くし、そのショックで2年ほど学校に行かなかった為、二歳年下と一緒に授業を受けなければならない

めぐみんは日本人ではなく、日本人の亜種民族である紅魔族だ

紅魔族とは生まれつき頭が良くそれぞれがおかしな名前を持つ民族だ

なぜこの紅魔族が日本人の亜種民族と呼ばれるのは、今から数十年前に遡らなければならない

当時第二次世界大戦が起こっていた時、ある日本の科学者は日本人を世界最高レベルの戦闘兵士に改造して戦争に勝とうと考えていた

そこで数十名の日本人を集め、人体改造を行った

ところがその科学者が作りたかった戦闘兵士は、人間離れした身体能力と並外れた動体視力を持つというものだったのだが

 

人体改造の結果出来上がった戦闘兵士は

並レベルの人間と大した差がないといったものだった

その後戦争が終わり、この科学者は人体改造を行ったという非人道的な事から刑務所行きにされた

しかし、この科学者の改造により戦闘兵士となった日本人達は改造前と色々と変化を起こした

改造した日本人は皆紅色の目となり、全員改造前の何倍もの知力を得ていた(代償に感性が常人とかけ離れてしまったが)

最終的にはこの日本人達は目の色から因んで紅魔族と呼ばれるようになり、今も日本の奥地にある紅魔の里に住んでいる

ちなみに紅魔族の具体的な知力の高さを言うと

平均で海外の大学に入学できるという世界最高レベルの民族だ

中には7歳の時点で大学入学できるレベルの子供も何人かいるという 

ちなみにめぐみんは5歳の時点で日本の難解大学を一番で合格できる位に賢い

本人曰く自分は紅魔族随一の天才だとか言っている

その賢すぎるゆえ…小さい頃から苦労したらしい…

そして紅魔族は例外で、中高大を飛び級で入学をする事を許されている(日本政府からすれば貴重な日本の大きな戦力になる未来の人材の力を上げたいという理由があるだろうな)

ただし、この飛び級が許されるのもめぐみんレベルの学力を持つ紅魔族のみで、ほとんどの紅魔族の子供はめぐみんとは差があり過ぎて飛び級出来ていない

 

そんな俺達だが…なぜかウマが合い、そこから長い付き合いになっている

 

ちなみにめぐみんはとある海外の企業の……であり、ダクネスも所属している

 

ダクネス「聞いたぞ…お前たちのクラスのオルコット…アイツと決闘するらしいな、お前と一夏は」

 

めぐみん「早速データ収集できる場が巡ってきましたね…」

 

俺とめぐみんは、基本的には同じ目的でこの学園に入学しに来ている…まあ俺の方は他にあるが

 

ダクネス「オルコットめ……同じイギリスの貴族生まれとして情けないな…」

 

カズマ「アイツは男を下に見てるからな……同じイギリス人でもここまで違うな…」

 

ダクネス「んっ…アイツとは…そのうちじっくり話し合うか……それはそうと…お前達の部屋はどこだ?ちなみに私とめぐみんは同じ部屋だったぞ」

 

そう…このIS学園の寮はふたりで共同で使う相部屋になっている

 

カズマ「まだ分かんないな……今から寮長…もとい織斑先生の所に行って確認取ってくるつもりだ……」

 

だが…そうなると俺は高確率で知らない女子と同じ部屋になるな

 

そういえば一夏の奴は自分の部屋見つけたのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「……」

 

箒「……なあ…」

 

一夏「……なんだ?箒」

 

箒「その……お前が私のルームメイト…ってことなのか?……」

 

一夏「……そうらしいな……しかし…大勢いる奴の中で俺と同室になったのがまさかお前とはな……まあ、俺としては…知らない奴と同じ部屋になるよりはいいとは思うがな…」

 

《1分前》

 

俺は今…自分がこれから過ごす寮の部屋に来ている

 

鍵をドアに差し込んで部屋に入ったがそこは…まるでビジネスホテルを思わせる程の部屋の広さに羽毛百パーセントの布団付きの高いベッドが2つもある

 

分かってはいたが、この学園はあちこちに金をかけすぎているな

 

とりあえず荷物を置いて部屋を見て回ろうとした所

 

箒「……一夏?」

 

突然玄関から俺を呼ぶ声が聞こえたので振りかけると…

 

一夏「箒……」

 

竹刀などの荷物を持った箒が玄関に立っていた

 

《現在》

 

一夏「まあ…普通に考えたら…女子しか居ないとはいえ、男女が同じ部屋だって言うのも…変な話……あ、やっぱり今の無し…よくよく考えたら身近に普通にいたな、同じ部屋でもなんともない奴らが…」

 

箒「い、一夏?」

 

一夏「ん?ああいやこっちの話だ…それで…入る時間はどうするか?」

 

箒「へ?」

 

一夏「いやシャワーの使用時間の話だ。お前なんか部活やってるか?」

 

箒「わ、私は剣道部に所属しているぞ…だからできれば早いほうが…」

 

一夏「なら午後7から8時までが箒、午後8時から9時までが俺の使用時間な」

 

話はまとまったな…さて

 

一夏「んじゃあ…今日は箒、部活なかったんだよなあ?」

 

箒「あ、ああ…初日はないな…」

 

一夏「なら、今日は先に入らせてもらうぞ…」

 

そう言って俺はシャワー室に向かう……ああそうだその前に…

 

一夏「箒……覗くなよ?」

 

箒「なッ///!?何ば///馬鹿な事を言っている!?///」

 

一夏「いやいやお前も思春期の女の子なんだからそういうのにも興味がある年頃だと思ってさ………なんだったら一緒に入るか?」

 

箒「なッ///!?」

 

俺がそう言うと箒が顔を真っ赤にしてうろたえる

 

クックック…ガキの頃から相変わらずからかいがいのある奴だな…よく箒をからかったりして遊んでたからな俺…

 

箒「ば、馬鹿な事言ってないで早くいけ!」

 

そう言って箒は竹刀を飛ばしてきたが俺は片手で受け止めた

 

一夏「冗談冗談♪お前をからかうのは本当に面白かったからつい久しぶりにやりたくなったんだよ…」

 

そう言いながら俺は今度こそシャワー室の扉に手を掛けた

 

一夏「あ、そうそう箒…」

 

俺は扉に手をかけたまま箒の方を振り返る

 

箒「な、なんだ?また私をからかうのか?…」

 

おっと、警戒してるな……無理もないけど…

 

一夏「いやいや…今度はおふざけとかじゃなくてさ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園最初の一年間…よろしくな!」

 

そう言った俺を見て箒は

 

箒「う///うむ…そ///その…こちらこそ…よ…よろしく頼むぞ///」

 

オドオドでだが、返事を返してきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「所で箒…さっき俺が一緒に風呂はいらないか聞いた時…お前返答に間があったな……」

 

箒「!」

 

一夏「………スケベ♪」

 

箒「なッ!?ち、違う!わ、私はスケベではない!断じて違うぞ一夏!」

 

 

やっぱこいつからかうの面白いや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一歩そのころ、この男女は…》

 

カズマ「……」

 

アクア「……」

 

部屋の前に立つふたり

 

カズマの部屋番号→《1030》

 

アクアの部屋番号→《1030》

 

カズマ/アクア「「うん、知ってた」」←小学校の頃からずっと同じクラスというか席替えがあると必ず隣か真後ろのふたり




ここの一夏は織斑S夏で
箒は一夏にからかわれてイジられます。


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第3話 クラス代表者決定戦

ちなみにめぐみんとダクネスは3組です。


《一夏視点》

 

一夏「っと…おーい!カズマ!アクア!めぐみん!ダクネス!」

 

カズマ「一夏!」

 

翌日、朝食を取る為に箒と一緒に一年生寮の食堂に来ている。

 

箒と一緒に選んだ朝食メニューを取って席を探しているとカズマ達が見えた

 

カズマ「こっち席空いてるから!篠ノ之とこっちで食えよ!」

 

一夏「あいよ、行くぞ箒」

 

箒「あ、待て」

 

俺はそう言ってカズマ達がいる席に向かい、座わる

 

箒「い、一夏…その、彼らは…」

 

カズマ「ん?ああ…悪い…思えば話した事なかったな、んじゃあ改めて、俺は佐藤和真…一夏とは中学からの友人だ。んで隣にいる青髪は」

 

アクア「水神アクアよ…同じく一夏の友達…それと」

 

めぐみん「フッフフ…わが名はめぐみん!紅魔族随一の天才にして、この世のありとあらゆるものを探求する者!」

 

箒「………」

 

一夏「箒…あいつの本名は紅めぐみんだ……紅魔族だからああいう名前なのも納得してくれ」

 

箒「う…うむ…」

 

めぐみん「おい…私の名前になにか言いたいことがあるのなら言ってもらおうじゃないか」

 

ダクネス「掴みかかるなめぐみん…私はダクネス…一応本名はダスティネス・フォード・ララティーナだが、できればダクネスと呼んでほしい…」

 

箒「そ、そうか…私は篠ノ之箒……ISの開発者…篠ノ之束の妹といえば…多分わかるだろうな……」

 

そう言いながら俺達は朝食を食べ始めた

 

ちなみに俺と箒とカズマとアクアは白米と納豆と鮭と味噌汁の和食セット

ダクネスは3種類のサンドイッチセットでめぐみんはカツカレーセットだ……朝からカツカレーとは…相変わらず見た目に反してよく食うなおい

 

箒「その…一夏に佐藤…来週のクラス代表決定戦……大丈夫なのか?…相手は代表候補生……ISを使った時間は…一般生徒とは比べ物にならない程だと思う…」

 

一夏「ん?ああ…問題はねえよ」

 

箒「問題はないって…相手は代表候補生だぞ!生半可な実力では返り討ちに」

 

と、そこまで言いかけた所で…

 

カズマ「その問題はないな篠ノ之…」

 

カズマに止められた

 

箒「なぜそう言い切れる佐藤」

 

カズマ「カズマでいいぜ…安心しろ…俺も一夏も、勝算のない戦いはしねえよ…それに…」

 

一夏「この俺が…この学園に入る前に…何もしてこなかったと思ってんのか?なら、今日の放課後、剣道場にこい…見せてやるから…今の俺がどれほどなのか…」

 

その後、朝食を食べ終えた俺達は、教室にむかい、その日の授業を受けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カズマ「それで…どうだ?今の一夏の強さを見た感想は?…」

 

箒「……正直……私の予想以上だ…」

 

放課後、剣道場に来た俺達は…早速…一夏とダクネスに木刀を使った打ち合いをさせた

打ち合いを始めてそろそろ20分を過ぎるが未だに勝負がつかない

 

箒「むしろ驚いているのは…あの一夏と互角に渡り合っているダクネスだが…アレはどう見ても大会に出れば優勝してもおかしくない……いや、私の中では、間違いなく五本指に入る実力を持ってる……あれだけの腕を持っていたのなら…名は通っているはずだ…なのに私は知らないぞ…」

 

カズマ「まあ、確かにダクネスは、剣道の腕はおそらく全国クラス…あるいはそれ以上あるかもしれないがな…あいつ……公式の大会に出たことがないから……中学の頃の剣道部の奴らと、俺達以外からは知られてないんだよなあ…」

 

箒「出たことがない?それはなぜだ…」

 

カズマ「あいつ……上がり症なんだよ…」

 

箒「はい?」

 

アクア「要するに…人に囲まれた場面では…まともにやれないの、緊張して……それでも引退後、色々と上がり症なのを去勢させる為にやった結果…どうにか今では克服できたけどね…」

 

箒「そ…そうか……時にカズマ…」

 

カズマ「うん?どうかしたか篠ノ之?」

 

箒「私の事は箒でいい…その…中学での一夏って…どうだったんだ?…」

 

突然箒がそんな事を言ってきた

 

カズマ「……気になるか?」

 

箒「そ…そう…だな…」

 

カズマ「と言っても…俺達が一夏と関わるようになったのは、中学2年生の時に同じクラスになってからだからな…2年の付き合いはあるが…あまり多くは語れないな………それで、どんなのを聞きたいか?」

 

 

箒「その…お、おもに…男女仲とか…」

 

アクア「……」

 

めぐみん「……」

 

カズマ「……そうだな…一夏は…かなりモテたな」

 

箒「!」

 

アクア「確かにね…告白こそされなかったけど…うちの中学……『織斑一夏ファンクラブ』なんてものが出来てたくらいだしね…」

 

めぐみん「まあ、姉がブリュンヒルデだというのも理由の1つだとは思いますけど…」

 

箒「そ、そうか…それでその…お前達は…」

 

アクア「うん?私達…そりゃあ当然ファンクラブに所属」

 

箒「なッ!?」

 

アクア「してる人に向けて色々と売りさばいてたわよ」

 

箒「はい!?」

 

めぐみん「一夏のブロマインドに一夏のセリフ付きの抱き枕とか…」

 

カズマ「アレはすげえ儲かったよな…あ、ちなみに一夏もそれに気づいていたけど黙認してたな」

 

箒「も、黙認していたのか!?」

 

カズマ「まあアイツにも売上の何割か渡していたし…お互い…ウィンウィンの関係を築けたな」

 

箒「……(こいつらは本当になんなんだ…)」

 

カズマ「それはそうと…箒…はっきり言うぞ……お前…一夏の事が好きだろ?」

 

俺の言葉に、箒が取り乱す

 

箒「なッ!?な、なぜ突然そんな事を…」

 

めぐみん「いえ…あなたの反応を見れば大体の人は分かりますよ…」

 

アクア「というか…男女仲の話を聞こうとしていた時点で…ボロ出てたわよ」

 

カズマ「隠すならもっと上手く隠せよな…」

 

箒「うっ……」

 

カズマ「まあさっきも言ったように…一夏はモテるが告白はされた事なかったな……」

 

箒「そ…そうか…その……アクア達は…どう…思っているのか?…一夏の事」

 

アクア「うん?そうね……友達っていう感情はあったけど…それ以上といったものは無かったわね」

 

めぐみん「同じく…ちなみにダクネスもそうでしたね…」

 

カズマ「そんなわけだ…良かったな……余計なライバル増えなくて…っと…そろそろ終わりにさせるかな…アクア」

 

俺がそう言うとアクアは…俺の持ってきたボストンバッグから木刀を2本取り出して俺に投げた

 

俺はそれを受け取ると

 

カズマ「はいそこまで」

 

丁度やり合っているふたりの間に入り、2本の木刀で瞬時に受け止めた

 

一夏「なんだよカズマ…せっかく面白くなってきたところだったのによ」

 

カズマ「悪い悪い…まあそんなにトレーニングしたければ…俺が直々にしてやろうか?」

 

一夏「…い、いや…遠慮する…」ビクッ

 

カズマ「そうか?まあいいや、とにかく…一夏、お前はこれからは、学園にあるISの訓練機を使った練習をしておけよ…」

 

一夏「カズマは?」

 

カズマ「俺は俺でやっておく…」

 

箒「(……あのふたりの攻撃を一人で同時に受け止めた……こいつも只者ではないな……そして一夏の最後のアレは一体何だったのだろうか?)所で……2人はISをどれくらい操縦したのか?」

 

一夏「俺は入学前に散々やってきた……時間は覚えてないが…少なくとも一般生徒以上に操縦してきたな」

 

カズマ「俺は使ったこと無いな」

 

箒「へ?ま、まて!そ、それではカズマは、ISを使えないのか!?ならなぜこの学園に入れた!?」

 

カズマ「まあ俺はちょっと特殊な事情でな…何…別に

……ISは使えないが、それ以外(・・・・)で戦えばいいだけの話だ」

 

箒「それ以外で?……ISに変わる…切り札でもあるのか……それは一体…」

 

カズマ「おっと、それ以上は…当日までのお楽しみって事で……ああそうそう一夏…お前の専用機…当日までにはギリギリで完成しそうみたいだが…場合によっては当日に届けられるかも知れないから、その場合のことも考えておけよな」

 

一夏「マジかよ…間に合うのかおい…」  

 

箒「い、一夏!お前…専用機を持つ事になるのか!?」

 

俺の言葉を聞き、箒が驚き出す…まあ、ISを動かすためのコア(ISの心臓のような物)は世界で500個以下しかなく…本来専用機は国家、あるいは企業に所属している                

人間にしか与えられない…まあ一夏は後者(・・)なのと、世界初の男性IS操縦者である為…そのデータ収集目的で、日本のIS企業・倉持技研そして

ウチの会社(・・・・・)が協力して今、開発中だ……

 

一夏「ああそうだ……当日が楽しみだなあ……頼むから間に合ってくれ〜」

 

そう一夏の悲痛の声が、剣道場に響くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

カズマ「ようやく届いたのは良いが……よりにもよって試合直前かよおい…」

 

一夏「はあー…どうしたものか」

 

翌週…クラス代表者決定戦当日…俺と一夏とアクアと箒は第三アリーナの・Aピットに来ている(めぐみんとダクネスはアリーナの観客席にいる)

俺達は…結局やれるだけの事をやって過ごしていたが…一夏の専用機がようやく来た……来たのだが…

 

山田「これが織斑君の専用IS『白式』《びゃくしき》です!」

 

白式

一夏の専用機は、とにかく白だった…眩しいほど純白で、その装甲を開放し操縦者を、待っていた

とりあえず専用機は届いた……だが…

 

一夏「…参ったな……初期化《フィッティング》と最適化《パーソナライズ》と第一移行《ファーストシフト》がまだだ…これじゃあ専用機の力を存分に使えないな…」

 

調整に時間が掛かる………仕方ねえ

 

カズマ「……俺が先に行く…その間にどうにか調整を終わらせておけよ…」         

そう言って俺は……アタッシュケース(・・・・・・・・)を持ち出し、ビット・ゲートに向かって歩き出した

 

アクア「カズマ!」

 

が、アクアに呼び止められ、振り返った

 

カズマ「なんだ?アクア…」

 

アクア「うーん…こういうときなにか気の聞いた言葉を送るのが良いと思うんだけど……まあとにかく、気をつけなさいよ」

 

カズマ「おいおい…まさかとは思うが、俺が負けると思ってんのか?」

 

アクア「思ってないわよ…けど、負けたら笑うからね」

 

カズマ「ハアッ!誰が負けるか!とにかく行ってくるよ…」

 

そう言って今度こそゲートに向かって歩き出した

 

アクア「カズマ!」

 

また呼び止められて振り返った

 

カズマ「なに?」

 

アクア「『行ってらっしゃい』!」

 

………それは…俺が水神家の養子になってからよく聞く、アクアの『行ってらっしゃい』

 

なら…

 

カズマ「……『行ってきます』…アクア」

 

俺もいつもの言葉で返す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

セシリア「来ましたわね」

 

先に来ていたセシリアはISを装着していた

 

アイツの専用機の名は『ブルー・ティアーズ』

 

その外見は、王国騎士のような気高さを感じさせている

 

ISは元々宇宙空間での活動を前提に作られているので、常に空中に浮いている

 

武器は自分の背丈よりも大きなライフル…《スターライトmkⅢ》

 

セシリア「チャンスをあげますわ。わたくしとあなたが戦えばあなたの負けは自然の理。ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ、ここで降伏するのでしたら、許してあげないこともなくってよ」

 

カズマ「……はぁー…」

 

セシリアの物言いを聞き、俺は思わずため息を吐く

 

セシリア「な、なんですの!」

 

カズマ「お前…つまらないこと言ってくるな」

 

セシリア「つ、つまらない…?」

 

カズマ「仮にもこれから戦う相手に向けて降伏しろだの…許してあげるだの……それでも代表候補生なのか?疑わしくなってきたな」

 

セシリア「なッ!言ってくれますわね!早くあなたもISを装着なさい!わたくしがあなたを負かしてあげます!」

 

カズマ「ああ?俺はIS使えないぞ?」

 

セシリア「なッ!まさかあなた…IS相手に生身で戦うつもりでいますの!?ISを相手に生身で戦える者など…この世にいませんことよ!」

 

カズマ「さあ?探せば案外いると思うぞ…いいからさっさとかかってこいよ…なあに、安心しろ…この学園に入学する際の契約書にある『どんな怪我を庇おうが、最悪の場合死亡したとしてもすべて自己責任』にもサインしたから遠慮なく、俺を殺す気でかかって来な!」

 

俺の言葉を合図に…試合が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

セシリア「はあ…はあ…す、すばしっこいですわね」

 

カズマ「どうした?生身の相手に自分の最も得意な戦い方をするのはプライドが許せないのか?」

 

セシリアと戦いを始めてしばらく経つが、未だにお互いダメージを受けずにいる

 

本来なら中距離攻撃が得意のブルー・ティアーズを使っているにも関わらず、近距離でしかも地上戦をしている…

 

セシリアは自分の周りに浮いている4つの自立機動兵器…ややこしいがこれも『ブルー・ティアーズ』と呼ぶそれは、俺に向かってレーザーを飛ばしてくる

俺はそれをかわしながら、持ってるアタッシュケースで防ぐ

 

セシリア「あなたの持つそのケースは一体何でできているのですの!?ブルー・ティアーズのレーザーをくらっても傷一つ付かないなんて…」

 

カズマ「さあそいつは企業秘密だな……っと…まあこんな所だろ………一応代表候補生の実力を生身で体感した……ここからは…俺の本来の戦いに移らせてもらおうか」

 

そう言うと俺は、懐から゛ドライバー゛の様なものを取り出し、腰に装着する

 

ゼロワンドライバー!

 

ドライバーから音声が流れた

 

セシリア「な、何をするおつもりなのか分かりませんが……トドメですわ!!」

 

そう言うとセシリアは自身のライフルとブルー・ティアーズ4機のレーザーを俺に向けて一斉射撃してきた

 

俺は迫りくる攻撃を前にしても慌てず、ポケットからバッタが描かれた黄色のデバイスを取り出すと

 

ジャンプ!

 

右手親指でデバイスのスイッチを押すと音声が流れ、ベルトにかざすと

 

オーソライズ!

 

と、また流れた

 

《場面切り替え》

 

すると……地球よりも天高く……宇宙に漂う通信衛星『ゼア』から光が地球の…俺のいる場所に向かって照射する

 

《場面切り替え》

 

セシリアのライフル…ブルー・ティアーズのレーザーが俺に当たる直前、ゼアから送られた「ライダモデル」……もとい巨大な機械のバッタが降ってきて、セシリアの攻撃から俺を守った

 

セシリア「バ…バッタ!?」

 

カズマ「おいおい…変身しようとしてる時に攻撃はしないのがお約束だぞ…」

 

そしてバッタのライダーモデルが辺りを飛び跳ね周り…俺は両腕を大きく回して前方に突き出し、デバイスを顔の右に持って行きながら展開し

 

カズマ「変身!」

 

ベルトに装填する

 

プログライズ!

 

ドライバーにデバイスが挿入されることでパワードスーツ「ライズアーキテクター」の上から装甲へ分解・再構築されたライダモデル…バッタが照射・装着される。

 

飛び上がライズ!ライジングホッパー!

 

A jump to the sky turns to a riderkick.

 

今…この場に…黄色の戦士が降り立つ

 

セシリア「な…貴方は一体……」

 

俺の変身を見て驚いたセシリアを見て…

 

カズマ「俺は『ゼロワン』、『仮面ライダーゼロワン』!それが、俺の名だ!」

 

《場面切り替え》

 

箒「なッ!アレが…ISに変わる切り札なのか!?」

 

山田「あ…アレはISなのですか!?」

 

千冬「いや…アレはISではない…それとは全くの別物だ」

 

アクア「一夏……」

 

一夏「うん?…ああ………んんんっ…『祝え』!」

 

アクア以外の全員「「「!」」」

 

一夏「『ISひしめくこの世を駆け巡る、新時代の戦士!その名も仮面ライダーゼロワン!…まさに、IS学園での初舞台に立ち会った瞬間である』!ってこれでいいかアクア?」

 

アクア「オッケーよ!カズマのデビュー戦に対しての祝福の言葉は良くできたわ!」

 

山田「アレは祝福の言葉でしたの!?」

 

千冬「はあー…」

 

箒「一夏……」

 

《場面切り替え》

 

カズマ「さあ!戦いの続きといこうか!」



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第4話 俺が仮面ライダーで社長/俺が男性IS乗りで特殊部隊員

カズマ「はあ!」

 

俺事ゼロワンは、バッタの力を宿したフォーム『ライジングホッパー』の姿でセシリアに向かっていった

 

パンチやキックを次から次へと浴びせていき…セシリアは防ぐので精一杯だ

 

セシリア「グッ……生身の時もそうでしたが…近接攻撃が得意のようですね…なら!」

 

そう言うとセシリアは空に飛んで距離を取った

 

セシリア「どうです!飛び遠具のない…飛ぶ事もできないあなたには、わたくしに攻撃する事もできっ!?」

 

話している最中のセシリアに俺が近づく

 

カズマ「バッタはジャンプするって知らないのかおい」

 

ライジングホッパーのアビリティ『ジャンプ』はその名の通り、跳躍に長けた能力

最大で60メートルは飛べる脚力を持つこのフォームならば、セシリアのいる高さにまで届く

 

カズマ「オラァ!」

 

俺の蹴りがセシリアにぶつかり、そのまま地上に落下するが、起動を立て直し、

 

セシリア「クッ…あまり調子に乗らない事ですわよ!」

 

ブルーティアーズ4機を俺に囲わせ、四方からレーザーを飛ばしてきた

 

カズマ「出番だ…」

 

俺は足元に置いてあるアタッシュケースを拾うと展開させると

 

アタッシュカリバー!

 

音声が流れ、アタッシュケースは剣状の武器へと変化し、レーザーを全てそらす

 

セシリア「か、形が変わった!?」

 

カズマ「フン!」

 

俺はバッタの脚力でセシリアとの距離を縮め

 

カズマ「はあ!」

 

アタッシュカリバーで攻撃する

 

セシリア「ッ!……」

 

俺の攻撃を受けてセシリアは苦しそうな顔をしている

 

カズマ「さて…そろそろここらで…」

 

俺はそう言うとドライバーに装着しているデバイスを抜き

 

ジャンプ!

 

スイッチを押し、アタッシュカリバーにある差し込み口に差し込む

 

"Progrise key confirmed. Ready to utilize."

 

カズマ「邪魔なビット兵器(ブルー・ティアーズ4機)を切り裂いてやろう」

 

グラスホッパーズアビリティ!

 

その音声と共に、アタッシュカリバーの刀身に黄色のエネルギーが纏い

 

カズマ「はあああああっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリアのビット2機を破壊した

 

 

 

 

セシリア「なっ!?わ、わたくしのブルー・ティアーズが!」

 

セシリアが驚愕した顔を浮かべるが…

 

セシリア「で、ですが引っかかりましたわね!ブルー・ティアーズは」

 

カズマ「全部で6機だろ?知っている」

 

俺は背後にある別のビット2機の内1つを破壊した

 

セシリア「き…気付いていたですの!?」

 

カズマ「まあ…こんなもんだろ……」

 

俺はそう言うとデバイスを抜き、変身解除をした

 

セシリア「な…何をしているのですか!?」

 

カズマ「お前との勝負はこの位で結構…それに目的は果たしたしな」

 

セシリア「も、目的?」

 

カズマ「イギリスの専用機『ブルー・ティアーズ』のデータ収集は済ませた…俺の目的の大部分は済んだ…それに、お前の弱点は既に見切っている…これ以上戦ってもお前には勝ち目はない…」

 

セシリア「な、わたくしの…弱点…」

 

カズマ「お前は近距離戦が得意ではないのと、お前のそのビットは毎回お前が命令を送らないと機能しない、そしてその間…お前はそれ以外の攻撃ができない…なぜなら制御に意識を集中させなければならないからだ…違うか?」

 

セシリア「……!」

 

カズマ「図星みたいだな…それに……これ以上お前と戦ったら…次お前が戦う一夏が有利になるだけだろ……この決定戦における勝利の条件は、相手を倒すことではなく、相手よりも強いと証明することだ……俺の実力は…戦ったお前がよくわかるだろ?……」

 

俺はそう言うと……俺はピットに戻って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

アリーナでカズマとセシリアの戦いを見ていた俺達だが…箒や山田先生は驚愕していた

 

箒「つ、強い…」

 

山田「一年生とはいえ相手は代表候補生なのに…全く苦戦せずに圧倒するなんて……」

 

千冬「あのくらいで驚くな……これからこんなことがしょっちゅう起こる」

 

一夏「んじゃあ次は俺だな」

 

千冬「一夏…分かっているとは思うが」

 

一夏「言われずとも分かっている…しっかり考えてこの機体の能力を最大限使いこなせるようにする…それと、そこは織斑じゃないですかい…織斑先生?」

 

千冬「フン…これは私の独り言だが……負けるなよ」

 

一夏「はっ!初めから負けるつもりで挑むわけないじゃないですか…」

 

そう言って今度は俺がゲートに向かった

 

箒「一夏!」

 

一夏「うん?」

 

箒「そ、その…勝ってこい!」

 

一夏「ああ…勝ってくるさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

さあて続いては一夏の番でこれからアイツの専用機『白式』がセシリアと戦う事となる

IS同士の闘いが繰り広げられる

 

はずだったが

 

アナウンス『え、えー…勝者…織斑一夏さん!』

 

……なんか清々しいくらい速攻で決着ついた

試合時間わずか10秒足らずで終わった

突然だが、IS同士のバトルの説明をしよう

 

ISバトルは、相手の『シールドエネルギー』(操縦者を守るためにISの周囲に張り巡らされている不可視のシールド。攻撃を受けるたびにシールドエネルギーを消耗し、シールドバリアーを突破するほどの攻撃力があれば操縦者本人にダメージを与えることができる)を0にすれば勝ちだ

 

そしてISの操縦者が死なないように、ISには『絶対防御』(全てのISに備わっている操縦者の死亡を防ぐ能力であり、シールドバリアーが破壊され、操縦者本人に攻撃が通ることになってもこの能力があらゆる攻撃を受け止めてくれるが、攻撃が通っても操縦者の生命に別状ない時にはこの能力は使用されない。この能力が使用されるとシールドエネルギーが極度に消耗する)がある

 

まあ要するに攻撃をくらい続けると負けてしまうと言う単純な事なのだが、それでは試合が10秒で終わった理由の説明がつかない

俺の攻撃を受けてシールドエネルギーが消耗していたとはいえ、セシリアにはまだシールドエネルギーは半分近く残っている…それではなぜなのか……

 

それを織斑先生に聞くと次の様な事を言った

 

千冬「『雪片弐型』(ゆきひらにがた)の『ワンオフ・アビリティー』……『零落白夜』(れいらくびゃくや) の効果は…『バリアー無効攻撃』だ…」

 

雪片弐型とは、白式の近接攻撃用の刀剣型の武器であり、この武器の特殊能力名は零落白夜……発動中に相手に攻撃を加えると、バリアーの残量に関係なく本体にダメージを直接与える事ができる…つまりはISの絶対防御が発動し、シールドエネルギーを大幅に削ぐ事ができる…

一見すると防御無視攻撃の様な強力な効果に見えるがデメリットも存在する……それは

 

千冬「自分のISのシールドエネルギーを攻撃に転化するという、諸刃の剣だ」

 

ゲームで例えると、防御力を犠牲に攻撃力を上げるような物……

 

つまりは理論上、シールドエネルギーの転化量が多ければ多い程威力が上がる

ただし…多すぎればこちらのシールドエネルギーが0になるだけではなく、相手の操縦者ごと切り捨てる危険性もある為、考えて使わなければならない……

 

つまり一夏は、試合開始の瞬間、シールドエネルギーの何割かを攻撃に転化させ、『瞬時加速』《イグニッション・ブースト》(IS運用における加速機動技術のひとつでスラスターから放出したエネルギーを再び取り込み、2回分のエネルギーで直線加速を行う、いわゆる「溜めダッシュ」)を瞬時に発動し、一瞬でセシリアを切伏せ、シールドエネルギーを0にして勝った

 

千冬「全く…一夏の奴め…無茶な勝ち方を」

 

まあそりゃあそうか……今日初めて使う専用機のアビリティをこうも大胆に使う……

 

セシリアの敗因は、相手を甘く見ていた事と、試合開始直後にイグニッション・ブーストをして来ることを予測できなかったことだな

 

それにしても…初めて使ったにも関わらず、シールドエネルギーの量が操縦者ごと切り捨てない程度に抑えられたのは大したものだな

 

セシリア「゛う゛…゛うう゛…゛うううっ゛……」

 

あ、セシリアが泣いている…

そんなに俺に力の差を見せられたのと一夏に負けた事がショックだったのか

 

セシリア「゛うっ…゛ま、負けた…゛見せ場もなく゛瞬殺゛されました゛゛ああっ…゛゛ああああ!゛」

 

いや違った…見せ場もないまま瞬殺された事がショックだったのか…

 

一夏「あ、ああその…なんかごめんな…」

 

あ、流石に罪悪感を感じたのか、一夏の奴…謝ってるな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

山田「ええ、では…一組の代表は佐藤和真君……そして佐藤君がいない場合の代理人として織斑一夏君……そして織斑君もいない場合はセシリア・オルコットさんに代理人に決定です」

 

翌朝のショートホームルーム

 

山田先生が俺達一組の全員にそう告げた

 

セシリア「ま、待ってくださいまし!ど、どうなっているのですか!?」

 

一夏「そこの説明は俺がしよう。俺もカズマも事情があっていない時があるから、その間…他の奴に任せておきたくて、俺とカズマが話し合って決めた…まあここに居るときの間は仕事はしっかりするつもりだからいない時は頼んだぞ…」

 

セシリア「……あなた方は…一体、何者ですの?」

 

……まあそろそろ言っていいかな

 

そう思った俺は立ち上がり、一夏に声をかけてセシリアの前に立ち

 

カズマ/一夏「「申し遅れました。わたくし、こういう者でして…」」

 

そう言って俺と一夏は懐から1枚の紙切れを出し、セシリアに渡した

 

セシリア「なっ、なんですってええええ!?」

 

それを見たセシリアは、驚愕した

 

俺が渡した紙……名刺には次の様な事が書かれていた

 

『飛電インテリジェンス 代表取締役社長 飛電 和真』

 

セシリア「ひ、飛電インテリジェンスといえば、AIテクノロジーの最先端技術を持つ、日本最大の大企業ではないですか!?」

 

そう…俺は飛電インテリジェンスの社長だ

 

ウチの本業は、人工知能搭載人型ロボット「ヒューマギア」を開発・派遣するサービスを展開することだが、ISの開発にも携わっており、それに必要となるISのデータ収集をする……その目的でこの学園に来た

 

そしてアクアは飛電インテリジェンスのテストパイロットとして所属している

 

セシリアの発言を聞き、クラス中が騒ぐ

 

クラスメイト1「え?さ、佐藤君ってそんな大きな企業の社長さんなの!?」

 

クラスメイト2「あ、思い出した!2年か前に雑誌にも載ってた!確か、『AIテクノロジー企業に最年少社長が就任』って見出しだったはずよ!」

 

クラスメイト3「え?でも名字が違くない?」

 

カズマ「ああ、佐藤は俺の本当の名字で飛電は俺のじいちゃん……先代社長の名字だからな…社長の時は飛電って名乗ってるが、それ以外の時は佐藤が姓だからこれまで通りそう呼んでくれ…」

 

そして、セシリアは一夏の名刺も見た

 

セシリア「え…『A.I.M.S.(エイムズ)バルカン隊隊員…織斑一夏』!?」

 

セシリアが再び驚愕した

 

ここでA.I.M.S.の説明をしよう

 

 

A.I.M.S.とは、飛電ともうひとつとある企業が共同で設立した対人工知能、IS特務機関

設立したのはほんの2年ほど前だが、既に世間で認知される程の実績を兼ね備えている

ISによる犯罪の対処及び、人工知能特別法違反を取り締まる権限のある組織だ

戦闘のプロだけでなく、機械を取り扱うエンジニアなどもいる

近頃は海外にも派遣させている

 

なぜ、人工知能を取り扱うウチが設立したのか…それは今は話せないが、一夏はあの誘拐事件(この事件自体は日本政府が隠している為、この出来事を知っているのは少数のみ)後、当時社長に就任する直前だった俺が声をかけ、A.I.M.S.に見習いで入隊させた

え?ではなぜ俺が一夏の誘拐事件を知ってるのかって?………そいつもいずれ話す

 

とにかく、一夏をA.I.M.S.に入隊させたあと、A.I.M.S.に所属しながら飛電にいるとある宇宙服を着た男に散々鍛えられて今の強さを得た

そしてその過程で当時、ウチの会社にあるISの試作型に触れた事で、ISが使える事が判明…そこからすぐに公表せず、ISを使ったトレーニングも行った

初めて使う専用機をあれだけ使えるのは、この時のトレーニングが大きいだろうな

なおこの事を認知知っているのは中学の頃の仲の良かった数人の友達とアクアやめぐみんにダクネス…それと織斑先生位だ

 

セシリア「は…ははは…わたくし…とんでもないものにケンカを売ってしまったのですわね…」

 

カズマ「まあそういうわけで、俺も会社の事情でいない時があるし、一夏もA.I.M.S.の仕事がある時はいないから、その時は任せた」

 

そう言って、俺と一夏は席についた

 

セシリア「は…はい…分かりましたわ…それと…」

 

セシリアは立ち上がると教卓の前まで来て

 

セシリア「ええ…まず初めに、あなた方日本人を極東の猿呼ばわりした事や、あなた方の祖国である日本を侮辱する発言をし、大変申し訳ございませんでした。これからは心を入れ替え、代表候補生の名に恥じない振る舞いをする事をここに誓います。ですので……どうかお許し下さい……」

 

そうセシリアは少し怯えたようにして俺達に謝罪してきた

 

カズマ「……その言葉に…偽りは?」

 

セシリア「ありません。イギリス代表候補生の名にかけて…」

 

一夏「……んで?みんなはこいつを許すか?」

 

一夏がクラスメイト達に言った

 

クラスメイト4「まー…謝ったんだし…私はいいかな」

 

クラスメイト5「二度とあんな事を言わないなら、私も水に流すわ」

 

アクア「まあ私としては、反省するならこれで終わりでいいわ」

 

と、アクアを含めたみんながセシリアの謝罪を受け入れた

 

カズマ「っと、セシリアは謝ったし、これはいらないな……」

 

一夏「そうだな」

 

そう言うと俺と一夏は懐から小さい機械を取り出していじる  

 

セシリア「あ、あの…それは」

 

カズマ「うん?ああこれ…なんてことはない。ただのボイスレコーダーだ」

 

セシリア「ボ、ボイスレコーダー?」

 

一夏「ああ、この学園で何かしらのトラブルがあった時の為に俺達は持ってんだ。お前が俺達に暴言言った日、実はあの時ポケットにしまっていたこいつで録音してたんだよ」

 

セシリア「い、一応お聞きしますが…それを何に使うおつもりでしたの?」

 

カズマ「お前が万が一、俺達に謝罪をせず、態度を改めようとしなかった場合…こいつをイギリス政府に送るつもりだった。けどお前は謝罪して反省したからこれを持つ必要もなくなったわけだから、削除しようとしてるんだよ」

 

一夏「いやー良かったなセシリア。きちんと反省してなかったら今頃これがイギリス政府に送られて、最悪代表候補生の資格剥奪に専用機没収になっていたかもしれないからさ」←悪意のある笑顔(ドS)

 

セシリア「……ビクッ!」

 

その時のセシリアの顔色はものすごく青くなっていた

 

後にセシリアにこの時の心境を聞いてみると次の様な事を言った

 

『生まれてきてから今日程命拾いしたと感じた日はありませんわ…』

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

  

《とあるチャイナ娘視点》

 

???「ふあー…もうそろそろ日本に着くのね」

 

中国から日本行きの飛行機に乗って結構経つ

 

一眠りする頃には着いていると思っていたけど、まだみたいね…

 

中国生まれの中国人のあたしだけど、日本はあたしにとっては第二の故郷であり思い出の地である

 

あたしは携帯で今の時刻を確認しようとしたがそれよりも…携帯の待ち受けに目を止めた

いつも当たり前のように見るけど、目が止まってしまう

 

待ち受けにはあたしを含めた4人の女子に4人の男子が写っている

みんな笑顔でピースしていて、思わずあたしも笑みを浮かべてしまう

 

???「もう少しで…会えるわね……みんな…待ってなさいね」

 

そうあたし事凰鈴音(ファン・リンイン)は、日本にいる友人達との再会を楽しみにしている

 

 



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第5話 就任パーティーと好敵手との再会

最近多機能フォームの使い方が分かってきました。

小説投稿初めて約2年でやっと…


《カズマ視点》

 

パン、パンパーン(クラッカー音)

 

翌日…寮の食堂では、俺と一夏…ついでにセシリアの代表就任パーティーが開催された

 

壁にはデカデカと『佐藤和真クラス代表と織斑一夏代表代理とセシリア・オルコット代表代理の代理就任パーティー』と書いた紙がかけられてある

 

長えなおい…

 

食堂には1組だけでなく、他のクラスの生徒も集まってきている

 

ついさっきまで一夏や俺にたくさんの女子が話しかけてきた

 

箒「人気者だな……楽しいか一夏?」

 

一夏「いや…楽しいというか……騒がしくしてまたカズマが乱射しないか気が気じゃないんだが…」

 

そう箒と一夏の幼馴染コンビは少し離れたところでお茶を飲んでいる

 

アクア「カズマー!このアジフライ美味いからカズマも食べてみて」

 

そう皿を片手にアクアがフォークに刺したアジフライを俺の方に持ってきた

 

カズマ「ん?あん」

 

俺は一口で差し出してきたアジフライを食べた

 

カズマ「ん…衣がサクサクしていてソースではなく塩をかけたのか」

 

アクア「カズマは塩の方が好きだから塩をかけたけど、どう?」

 

カズマ「よく分かってるじゃねえか」

 

俺はそう言いながらコーラを飲んだ

 

セシリア「あ、あの…い、今の関節キスでは…」

 

セシリアが恐る恐るといった感じで俺に言ってきた

 

カズマ「うん?ああ…こんなのいつもどおりでなんともない」

 

セシリア「い、いつものこと!?…あ、あの…前から気になっていたのですが…おふたりはどのようなお関係なのですの?」

 

それを聞いた俺とアクアは顔を合わせると

 

アクア「(どうする?話していいのこれ)」

 

カズマ「(まあ一部端折って話せばいいさ)」

 

と、長い付き合いだからこそできるアイコンタクトで会話した俺達はセシリアに話しだした

 

と、箒も気になるのか耳を傾けている

 

カズマ「まあ俺ってさ、ガキの頃…親を亡くしちゃって…それで丁度交流のあったアクアの家に、名字はそのままで引き取られたんだよなあ…」

 

それを聞いて、セシリアと箒ははっとした

 

セシリア「す、すみません…言いたくない事を言わせてしまって…」

 

カズマ「いや、いい…親が亡くなったのはもうずっと前だから……今ではアクアの両親が俺の親だから…」

 

アクア「うん…今でも覚えてるわ…あの頃のカズマは…とにかく感情が死んでいてね…泣かないし笑わないしで…まるで抜け殻みたいだったの…」

 

カズマ「……そういうのは覚えてなくてもいいのによ」

 

アクア「忘れられるわけないじゃないの…」

 

セシリア「……なんとなく…あなた方の関係が分かってきました……わたくしの両親も……事故で亡くなりまして…」

 

カズマ「そうか…」

 

一夏「……俺の両親は…千冬姉と幼かった俺をおいて出て行った」

 

……こうしてみると、(実)親なき子が多いな

 

セシリア「わたくしの父は…母の顔色ばかりをうかがう人でしたわ…」

 

そこからセシリアの身の上話が始まった

 

セシリアの家は、イギリスの名家で、婿入りした父親は、母親に引け目を感じていたのか、いつも顔色をうかがっていた

だからセシリアはそんな父を見て、弱々しく…媚びてくる男を嫌う様になった

 

母親は、女性でありながらいくつもの会社を経営し成功を収めた人だった

厳しくも憧れていた……だが…3年前にイギリスで起きた鉄道横転事故で亡くなった

 

残されたのは莫大な遺産だけだった

それを守る為にあらゆる事を学び、その一環で受けたIS適正テストでA+を叩き出し、そこから国家代表候補生になる為にとにかく死に物狂いでやってきた結果…今の地位につくことができた

 

セシリア「教えて下さい…なぜ、あなた方は…そこまで強くなれたのですか…」

 

それは…俺と一夏に向けた…セシリアの疑問

 

一夏「別に……俺は自分の夢を叶えたいから……強くなりたいと思っただけだ…」

 

セシリア「あなたの…夢?」

 

一夏「ああ…俺の夢は…いつの日か、この世界から女尊男卑をなくし……男女平等の世界を取り戻す事だ 」

 

セシリア「!」

 

箒「!……い、一夏…お前…その夢は」

 

一夏「難しいって言いたいんだろ?だが俺は本気だ。その為には力がいる……世界を変えるほどの強さを持たないといけない……それが俺の強さの理由だ」

 

カズマ「俺はじいちゃん……先代社長との約束を守る為に強く有りたいと思った…」

 

セシリア「約束…?」

 

カズマ「……じいちゃんはその夢を叶えたくても叶えられずに死んでいった……だから……俺が変わりに叶えたい……………じいちゃんが作ったヒューマギアも…人間も守る……その為に俺は…仮面ライダーになった……じいちゃんの夢だった『人間とヒューマギアが笑える世界』を…叶えたい……それが……俺の夢」

 

セシリアは驚愕したがやがて自分の胸に手を当て

 

セシリア「……夢……ですか……わたくしはこれまで…両親の残したモノを守る事だけを考えて……夢なんて考えたこともなかった……それが…あなた方とわたくしの違い……」

 

一夏「今からでも遅くない……自分の夢を見つけろ」

 

カズマ「ああ……良くも悪くも夢は人を強くする原動力になる」

 

セシリア「はい!見つけてみせます。わたくしの夢を!…」

 

そこから俺達は雑談を始めてしばらくすると

 

???「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生、佐藤和真君に織斑一夏君にインタビューをしにきました〜!」

 

と、自称新聞部が食堂に入ってきた

 

黛「あ、私は2年生の黛薫子(まゆずみかおるこ)!よろしくね。新聞部副部長やってまーす。あ、これ名刺」

 

一夏「いやそこは部長じゃねえのかよ」

 

カズマ「あ、これはどうも…あ、こちらも名刺をって、画数多い漢字の名前だな…おい」

 

黛「ではまず佐藤君!いえ、ここは飛電社長と呼ぶべきなのでしょうか?」

 

カズマ「一応ここにいる時の俺はIS学園生徒、佐藤和真で通しているので一生徒として扱って結構だ…」

 

黛「そっか、ではずばり、代表になった感想をどうぞ!」

 

黛先輩はボイスレコーダーを俺に向けてきた

 

カズマ「そうだな…まあ本音を言うと、会社の仕事があるのに更にやる事が増えるのは結構痛いが、なっちまった以上は、このクラスを間違いなく学年最強のクラスにしてみせる……そして最後に!今後とも、飛電インテリジェンスをよろしくお願いします」

 

黛「ブフッ!い、一生徒と言っているのに自分の会社の宣伝は欠かせないんだ!」

 

カズマ「自分…、学生であると同時に企業戦士ですので」

 

黛「アハハ、君面白いね。では次に代表代理に就任した織斑君にも感想を!」

 

一夏「まあ、社長のサポートをするのも仕事の一部だが…俺もカズマと一緒で、なっちまった以上はこのクラスをどこよりも強いクラスにしていきたい!そして、俺達に挑戦したい奴は、どこからでもかかってこいやー!!以上Presented by A.I.M.S.(エイムズの提供でお送りします)

 

黛「クフッ、君もそんなテレビ番組のスポンサーみたいに言わなくても」

 

一夏「だって社長が会社の宣伝をしたなら、俺も自分の所属している部隊の宣伝すべきだと思ってつい…」

 

アクア「そのうちどこかの変身音声に組み込まれそうね」

 

カズマ「おい、そういうことは言うな」

 

黛「アハハ、予想以上にコメントが取れた!これくらい取れたらもう後は写真に移っても」

 

セシリア「ち、ちょっとお待ちくださいまし!わたくしにもインタビューをしないのですの!?」

 

黛「ああいいよ、適当に捏造しておくから。よし、織斑君に惚れたからにしておこうか」

 

セシリア「なにがよしですの!?」

 

顔を赤くするセシリアに一夏は

 

一夏「セシリア」

 

セシリア「な、なんですの?」

 

一夏「俺これでもガード硬いぞ」

 

セシリア「あなたは本当なんの事を言っているのですか!?」

 

やれやれ…一夏のヤツ遊んでるな

 

黛「じゃあ最後に3人で写真をっとと…」

 

写真を撮ろうとしたら俺とセシリアと一夏以外の1組メンバーが入ってきた

 

カズマ「あー、どうします?このまま撮る?」

 

黛「あー、まあいいやそれじゃあみんな並んで……それじゃあ撮るよー。ところで前の4人(カズマ、アクア、一夏、セシリア)、35✕51÷24は〜?」

 

カズマ「(そこは1+1じゃねえのかよ。まあ別にいいや)」←数学の成績がいつも5の奴

 

一夏「(唐突だなおい。まあこんなの解けるな)」←数学得意な奴

 

セシリア「(こんなの簡単ですわ!)」←こう見えて数学検定一級持ち

 

カズマ/一夏/セシリア「「「74.375!」」」

アクア「25」←いつも数学赤点ギリギリの奴

 

一夏/セシリア「「え?」」

 

パシャッとデジカメのシャッターが切られた

 

だが、アクアの解答を聞いて思わずアクアの方を向いてしまったふたりだけは顔が右向きにした状態で撮られた

 

俺は?

フッ、アイツでは解けない事を知ってたから無反応だよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「(そうか……一夏には夢がある……だから…あれだけ強くなれた……私には…夢がない……)」

 

アクア「箒…」

 

箒「う…なんだアクア」

 

アクア「あまり思い詰めない方がいいわよ…」

 

箒「!顔に…出ていたか?」

 

アクア「うん。今はなくてもいいのよ…いつか必ず見つければいいのよ……一夏が……自分の幼馴染が遠くに行ったように感じたとしても……追いつけばいいだけ……焦る事も…不安になることも無いのよ……」

 

箒「お前はどうなんだ?……不安にならないか?」

 

アクア「私?……そうね……そりゃあカズマがなんだか大人になって先に行ったって感じたわ……けど…そう思ってるといつもカズマは引き返してくるの…私を決して置いていかないように……私は夢はないけど…カズマと一緒に歩んで行く……そんな夢を見つけたいと思っているの……だって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマは私の家族だもん」

 

箒「……なんだか……羨ましいな…お前達のその…関係が…」

 

アクア「でもいい事ばかりじゃないわよ…よく注意されるわ、制裁してくるわ、よく説教してくるわで、結構厳しいのよ…」

 

箒「そ、そうか……だが……アクアはカズマに大事にされているな」

 

アクア「ちょっと!どこをどう見たらそう思うのよ!」

 

箒「それだけアクアの事をよく見ているって事だと思うな…お節介焼くのも…どうでもいいならそもそも干渉なんかしてこない………」

 

アクア「……そんなこと…ないもん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

「ねえ織斑君、転校生の噂聞いた?」

 

翌朝、席に着くなりクラスメイト話しかけられた

 

一夏「いや?てか今の時期なら転入ってことか…」

 

このIS学園は通常の入学もそうだが転入も難しい、試験だけでなく、国の推薦もないとできないようになっている

 

「そう、なんでも中国の代表候補生なんだって」

 

代表候補生ね

 

セシリア「あら、わたくしの存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら」

 

一夏「いやそれはない」手をブンブン

 

カズマ「それはないな」手をブンブン

 

アクア「それはないわね」手をブンブン

 

箒「それだけはないな」手をブンブン

 

1クラス全員「「「ないない」」」全員手をブンブン

 

セシリア「……」チーン

 

こいつメンタル弱いな…しかし

 

一夏「……中国ねー…」

 

俺の脳内で、ツインテールの少女が浮かんできた

 

一夏「……まさかな」

 

アイツなわけないと、俺は頭を振った

 

箒「む…気になるのか」

 

一夏「中国人の知り合いが1人いてな…ま、あいつな訳ないな」

 

箒「そ、そいつとは一体…」

 

一夏「まあ簡単に言えば、セカンド幼馴染…ちなみにファーストはお前な?」

 

箒「セ、セカンド幼馴染?」

 

一夏「ああ、お前が引っ越しした後に入れ替わる様に転校して来てな、そこから中二の終わりに国に帰ってそれっきり……一応今でもメールでのやり取りはするが、あいつどうしてるかな」

 

箒「……仲が良さそうだな」

 

少しムッとした態度で箒がそう言ってきた

 

一夏「あの頃、特に付き合いの長い奴だったし、何かと気が合う奴だったしな……いろんな意味でも……」

 

箒「い、いろんな意味!?」

 

一夏「ん?おやおや?また何か変な事考えてませんか箒お嬢?妄想が豊かなのは若い時の特権なんて言われてますが、あなたは少々豊かすぎません事?」

 

箒「へ、変な事など考えておらん!そして最後のはセシリアの真似か!」

 

セシリア「わたくしはあんな変な話し方では無いですわよ一夏さん!」

 

やれやれ…すぐにムキになるな…まあさせたのは俺だけどな

 

一夏「まあとにかくあいつな訳ないな……それはそうと来月行われるクラス対抗戦。なんとしても優勝したいな。頼むぞ代表」

 

クラス対抗戦とは、クラス単位の交流および、クラスの団結の為のイベントだそうだ

参加するのは各クラスの代表だとか

 

カズマ「ああ、なんてったって優勝商品は学食デザートの半年フリーパスだしな」

 

アクア「ただでさえここの学食は豪華なのばかりなのに、あんな有名ビュッフェ店並に豪華なデザートが食べ放題なのは死ぬほど魅力的ね!」

 

「うちには仮面ライダーと専用機持ちがいるから、この試合、こっちの勝率は高めね」

 

それに対して「それはどうかな」と言おうとしたその時

 

???「それはどうかしら」

 

と、教室の入口から声が聞こえた

 

その声、聞き覚えがある……まさか

 

俺は入口の方を見るとそこには、ツインテールをした小柄な女が立っていた

 

その女を見た瞬間俺は驚いたがそれよりもまず

 

一夏「(りん)!」

 

俺は笑顔で駆け寄り

 

鈴「一夏!」

 

鈴と呼ばれた少女も俺に笑顔で駆け寄った

 

箒「(なっ!?なんだ!一夏がこの学園で見た中で一番の笑顔をしている!あの女はまさか一夏がさっき言った…)」

 

セシリア「(あらあら…これはまた)」

 

箒「(あ、あいつと一夏はいったい…まさか実は付き合ってるのか!?)」

 

一夏「リーン!」

 

鈴「いーちか!」

 

アハハハハハとまるでバカップルの男女が再会した時のように俺と鈴は両腕を広げて近づきそして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏/鈴「「くたばれー!」」

 

俺の左蹴りを鈴は両腕で防ぎ、俺は鈴の左蹴りを両腕で防いだ

 

箒/セシリア/1クラス全員「「「は!?」」」

 

アクア「アハハッ…」

 

カズマ「やれやれ……相変わらずだな」

 




ここのカズマとアクアの関係は次のとおりです

アクアに対してのカズマの本音
『世話が焼けるがこいつがいたから今の俺がある事に対して感謝しているし、こいつが居ないと調子狂って仕方ない…』

カズマに対してのアクアの本音
『厳しいけどいつも一緒にいるのが当たり前って思うし一緒に居ないとなんだか落ち着かないの…』


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第6話 この世で一番の好敵手

《箒視点》

 

箒「は…?」

 

突然一夏の名を呼んだ見たこともないツインテールの少女に一夏が両腕を広げて、同じく相手の少女も両腕を上げて抱きつく……のかと思った瞬間お互い左足の蹴りをし、互いに両腕でガードしていた

 

セシリア「え…えっと…これは…」

 

もう一度言おう、お互いに左足の蹴りをした

 

一夏「……やれやれ…再会して早々手が早いな」

 

鈴「あら?それはお互い様でしょ?そっちこそ再会した瞬間足に力込めてた癖に」

 

しばらくして蹴りと両腕のガードを解き

 

一夏「腕は落ちてないみたいだな、鈴」

 

鈴「そっちこそ、前より腕上げたんじゃないの?」

 

一夏「まああれだけ鍛えればな」

 

鈴「一夏がどう鍛えてるか知らないけどさぞ厳しそうね」

 

一夏「まあな…それはそうと、教室に戻った方がいいぞ。ショートホームルームが始まるし、後ろに大魔神が控えてるしさ、っと!」

 

次の瞬間。鈴と呼ばれた少女の背後から出てきた大魔神事千冬…織斑先生が一夏を出席簿で叩こうとしたがバックステップで避けた

 

千冬「誰が大魔神だ。それよりも凰、そろそろ教室に戻れ」

 

鈴「ち、千冬さん」

 

千冬「織斑先生と呼べ。そして入り口を塞ぐな。邪魔だ」

 

織斑先生に言われてすごすごとドアからどいて教室から出ていこうとした時

 

鈴「一夏!また後で会おうね!」

 

一夏「おう!食堂でな!」

 

そう言うと一夏は席についた

 

どこかホコホコと、上機嫌な顔をしている

 

箒「い、一夏…今のはいったい…」

 

一夏「後で話すからお前も座れ、ブリュンヒルデに頭叩かれるぞ」

 

それを言われて急いで席に座った

 

しかしその後、さっきの彼女の事が気になり授業に集中できず、織斑先生に何度か叩かれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

箒「お前のせいだ!」

 

一夏「人のせいにするな、どうせ鈴の奴が気になって集中できなかったんだろ?」

 

午前の授業が終わり、昼休みになった為俺と箒、それとセシリアは食堂に向かっている

 

セシリア「結局彼女は何者ですの?」

 

一夏「アイツこそ、さっき箒に話した件の知り合いだ」

 

箒「そ、そうか…確かセカンド幼馴染と」

 

一夏「まあ俺からすればアイツは親友でもあるな」

 

そうなんてことないように言うが、箒の顔はどこかムッとしている

 

カズマ「おーい、こっちだ!」

 

食堂に先に来ていたカズマが俺達を呼んだ

 

そばにはアクアとめぐみんにダクネス、それと…

 

鈴「こっちこっち!」

 

ラーメンを持った鈴がこっちに向かって手を降っている

 

俺達は同じ席に座った

 

一夏「久しぶりだな。お前転校して来るなら連絡くらい寄越せよな」

 

鈴「いやいや連絡はしたわよ。……一夏以外には」

 

は?

 

それを聞いた俺はカズマ達の方を見ると

 

【ドッキリ大成功】

 

と書かれたプラカードを出してニヤニヤしてた

 

一夏「……よく考えたらIS学園に入学、転校してくる奴の情報は常に知らせてくるはずなのに無かったってことは、社長…アンタ黙ってたな?」

 

カズマ「悪いな、だが元凶はそこの鈴だから?」

 

鈴「あたしがカズマに黙ってる様に言ったのよ。当日びっくりさせたくてね」

 

一夏「……変な所でサプライズ用意しやがって…ああ鈴、自己紹介な。横にいるのが篠ノ之箒、小学生の頃お前が転校してくる前に転校していった俺の幼馴染…んで横にいる出オチキャラみたいなのがイギリス国家代表候補生のセシリア・オルコットだ」

 

箒「篠ノ之箒だ……その、名前でいい」

 

セシリア「誰が出オチキャラですの!?」

 

カズマ「だってお前大口叩いておいて俺に圧倒されて一夏に瞬殺されたじゃん」

 

セシリア「うっ…」

 

鈴「え、ええっと…あたしは凰鈴音(ファン・リンイン)、気軽に鈴でいいわ。一応一夏の幼馴染兼親友よ」

 

カズマ「鈴は途中までは俺達(カズマアクアめぐみんダクネス)と同じクラスだったんだが、2年生が終わる前に国に帰っちまってさ」

 

一夏「あ、それで親父さんはその後どうだ?」

 

鈴「うん。もうすっかり良くなって、またお店出すつもり」

 

一夏「そっか。あの店の中華は美味いからなあ」

 

鈴「まあ食べに来なさいな。特にカズマは食べに来て、お父さんカズマに感謝してるから、タダで食べさせてくれるって」

 

カズマ「そりゃあ悪いな」

 

セシリア「え、ええっと、話が見えませんが…」

 

カズマ「ああそれは……話していいか?」

 

鈴「うん。あのね…ウチのお父さん……あたしが中学2年の時にね、癌に侵されてたのが分かったの……あの頃…進行も早くて助からないかもってなって…あたしとお母さんに迷惑掛けたくないからって、一時期離婚寸前だったの…けどね、カズマの会社にいる医師型ヒューマギアがね…お父さんの癌摘出手術をして成功させたの。それでね、安静させる為に故郷の中国に家族全員で帰ったの」

 

セシリア「まあ…そんなことが」

 

一夏「……あの頃、鈴がすげえ不安そうにしてたから事情を聞いて、カズマに話を通したら、飛電のヒューマギアを紹介させてな。手術させたんだよ」

 

鈴「うん。ほんと、あたしの事情を聞いて動いてくれた一夏にも、紹介してくれたカズマにも、お父さんを手術してくれた『Dr.オミゴト』にも感謝してるわ」

 

箒「ど、どくたーおみごと?」

 

鈴「あたしのお父さんを手術したヒューマギアの名前」

 

セシリア「そ、そうでしたか…」

 

一夏「てかお前さっさとラーメン食え、伸びるぞ」

 

鈴「あ、いけない」

 

そう言うと鈴はすごい勢いでラーメンの麺をすする

 

一夏「……お前相変わらずラーメン好きだな」

 

鈴「世界で一番美味い料理はラーメンや中華よ。日本の料理も美味いけど中華には負けるわ」

 

めぐみん「相変わらずの中華愛ですね」

 

ダクネス「日本を離れた事でますます愛が増したか?」

 

一夏・鈴「「あ、居たんだめぐみん、ダクネス」」

 

めぐみん「いや居ましたよ最初から!」

 

ダクネス「グッ…忘れられた」

 

箒「な、なあ…今朝のアレはいったいなんだったんだ?」

 

箒が恐る恐ると聞いてきた

 

一夏「ん?ああ、アレはなんてことない。俺と鈴がよくやる戯れあいみたいなものだ」

 

箒「戯れあい!?アレが!?」

 

カズマ「まあそれが普通の反応だろうな」

 

めぐみん「私達も最初見た時は驚きましたが」

 

ダクネス「慣れてしまって今ではお約束と化したな」

 

一夏「そういえば俺達が初めて出会った時もこんな感じだったよな?」

 

鈴「うん!アレは今でも忘れられない!」

 

そうどこか興奮したように鈴が言った

 

箒「ふ、ふたりはどのようにして、今の関係に?」

 

箒がそう言ってきたので俺と鈴は互いを見てそして

 

一夏「うんまあそうだな……あれはお前が転校して行った後だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《小学5生の一夏視点》

 

はあー、退屈だな

 

俺は、教室の席に倒れながらそう思った

 

箒という、今まで剣道で競ってきた奴が転校した事で、張り合う奴が居なくなった事で剣道がつまらなく感じ、やめてしまった

 

他に競えそうな奴は軒並み箒や俺以下だし…

 

俺って案外、誰か対等にやりあえる奴が居ることで初めてスポーツとかにやり甲斐を感じる奴だったんだな

 

あーあ……剣道でやり甲斐を感じる奴も箒だったし、からかい甲斐のある奴も箒だったしで…つまんねーの

 

………暇だし…図書館にでも行くか

 

そう考えて教室を出ると廊下の方で何やら騒がしい、言い争う声が聞こえてきた

 

俺は少し興味を感じ、その方向を見ると、ウチの学年でやたらガタイのでかい、5年生のガキ大将ポジの奴と、その取り巻き数人が、1人の小柄な女子を囲っていた

 

……その女子はこの学年じゃ見ない顔だった……

確かアイツは…先週中国から転校してきた……名前は……何とかリンインだったっけか?

 

ガキ大将がリンインに日本語が下手やら、中国人やら差別発言や馬鹿にするような事を言っているのがよく聞こえてくる

 

って…見てる奴他に居るのにだーれも助けてはくれないのか…

 

……しゃあね…もう少し様子見てから助けに

 

と思った次の瞬間……俺は目の前の光景に思わず驚いた

 

……小柄な女子が……自分よりもガタイのでかいガキ大将を思いっきり蹴り飛ばしやがった

 

すると周りにいた取り巻き達がガキ大将に加勢する形で入って行った

 

普通人数差でリンインが不利でどう見ても男子が女子をいじめている……そう思えてしまうが……現実は違った

 

リンインは人数差を全くモノともせず、それどころか1人で圧倒し、次々と地に伏せやがった

 

……この時の俺は、心の中ですごく震えた

いや、これは怯えとかの震えとは違う……

感極まるって言葉を使うなら、こういう場面なんだろうな

1人で圧倒する程の強さ。そして俺の心が燃え上がるほど興奮した

 

気づけば1人を除いて他を蹴散らした

残った1人は掃除用具入れのロッカーからほうきを取り出して殴りかかってきたが、それよりも速く動いた俺が殴って回し蹴りで沈めた

 

……実を言うと素手で相手を叩きのめすのはこれが初めてだ

 

そして気づけば俺とリンインはお互いに見つめ合っていた

お互い何を考えているのか分からないだろうが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間俺とリンインはお互いを片足で蹴り、片腕でそれを防いだ

 

そしてこの瞬間、俺とリンインは確信した

 

一夏/リンイン「「(こいつとは、これから長い付き合いになるな/わ)」」

 

こうしてこの日…俺とリンイン……鈴は、生涯の好敵手(しんゆう)となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△  

 

《カズマ視点》

 

一夏「とまあこんな感じで俺と鈴はその日からよくあんなふうに戯れあったりして現在に至るわけよ」

 

箒「……」

 

セシリア「……」

 

カズマ「……まあ…そうなるわな」

 

アクア「うーん…なんていうか……アンタ達らしいというか…」

 

めぐみん「殴り合って友となるなんて……どこの青春漫画ですか…」

 

ダクネス「……多分こいつらだけだろうな…」

 

一夏「いやお前ら仕方ねえんだよ。鈴との格闘ってとにかく楽しいんだよ」

 

鈴「ほんと、一夏との殴り合いは楽しいわよ。それに…色々と気が合う所もあるし」

 

箒「気が合う所?」

 

一夏/鈴「「腹立つ奴を黙らすのは口よりもこっちの方が速い」」←お互い袖をめくってグーにして掲げる

 

セシリア「過激ですわね!?その気が合う点は!」

 

ダクネス「それはそうと鈴……お前、2組のクラス代表になったらしいな」

 

一夏「え?そうなのか?」

 

鈴「え、う、うん…」

 

セシリア「ですが、2組の代表はもう決まってたはずでは」

 

鈴「いやー、その…2組…代表候補生も専用機持ちも居ないクラスみたいで…あたしが代表候補生で専用機持ちだって知ったら、無理やりやってくれって押し付け気味に……」

 

カズマ「あー…」

 

アクア「じゃあ今の2組のクラス代表は鈴で良いのね?」

 

鈴「うん…それはそうと……1組と3組は一体誰なの?」

 

めぐみん「一応3組のクラス代表は私で、ダクネスに代理をお願いしました」

 

ダクネス「めぐみんがやれない時は私が代理役をと…」

 

一夏「ウチはカズマが代表で俺が代表代理、セシリアが代表代理の代理だ」

 

鈴「……最後ややこしいわね…つまり来月あるクラス対抗戦……参加するのはカズマって事よね?」

 

そう言われたのでああそうだと答えようとしたら

 

一夏「待ってくれカズマ!このイベントは俺を変わりに出させて欲しい!」

 

突然一夏が言ってきた

 

一夏「他の奴ならともかく、鈴が出るなら俺が参加したい!」

 

カズマ「お前…そこまでして鈴と対決したいのか?」

 

一夏「当然だ。こいつとの対決は、俺の生き甲斐の一つなんだよ」

 

箒「そ、そこまでか!」

 

一夏「ちなみにお前をからかうのは同率で俺の生き甲斐だ」

 

箒「そ、そんな生き甲斐今すぐなくせ!」

 

手な感じで話は弾んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴「そ、それで一夏…あ…あの約束は…」

 

一夏「うん?ああ、もちろん分かってる」

 

箒「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

んでんで結局カズマに頼み込んで当日変わってもらう事になった

 

サンキュー社長!

 

その後俺達は午後の授業を受けて、俺は放課後ISの訓練をした

 

ちなみに俺以外にセシリアと箒も来て一緒に訓練した

 

箒曰く

 

箒「近距離ならともかく、私は遠距離攻撃はからっきしで…できれば教えて欲しい」

 

と言われたので、セシリアが教えたのだが

 

セシリア「まず撃つ側を斜め上に、向けてその後更に5度程傾けて重心を真ん中にしてですね━━」

 

【理論派】

 

一方で接近戦に弱いセシリアは箒からアドバイスをもらおうと聞くと

 

箒「まずガッ!といってその後ゴバッ!と行き最後にシュッ!とその後は━━」

 

【擬音派】

 

そして極めつけは、見学に来た鈴はというと

 

鈴「まずは武器を持って相手を意識する……後は感ね…感覚の問題よ」

 

【感覚派】

 

……うん

 

これらの教えを聞いた俺が言える事は一つだ

 

一夏「お前ら全員教師には絶対向かないな」

 

この一言しかない

 

ちなみに俺に言われた3名はひざまずきして項垂れた

 

んでその後、夕飯を食い終えた俺はと言うと

 

一夏「さーてと…これで用意は済んだ。後は」

 

箒「一夏…何をしているのだ?」

 

箒は、用意したパソコンを開いている俺に聞いてきた

 

一夏「ああ、ちょっとこれから鈴の所で再会を祝して、中学のメンバーで飲み食いしながら話しようと思ってな」

 

箒「パソコンは?」

 

一夏「オンラインで他の奴と画面上で会おうと思ってさ」

 

そう言っている内にノック音が聞こえたので出てみると

 

鈴「一夏!迎えに来たわよってあ、箒が一夏のルームメイトだったの」

 

箒「う、うむそうだ…それで一夏、一応聞くが、いつ頃に帰ってくるのか?」

 

一夏「消灯時間までには帰ってくるつもりだ…鍵は開けといてくれ」

 

箒「わ、分かった、あまり遅くなるなよ」

 

鈴「アハハッ、なんだか夫がいつ帰ってくるのか気にする妻みたいね」

 

箒「なっ///」

 

一夏「おいおい、そんな滅多な事言うなよ鈴………じゃあ行ってくるよハニー」

 

箒「ハッ///!?」

 

一夏「クフッッッッ!」

 

箒「わ、私をからかうな///!!」

 

そう箒が怒鳴ってきたので俺は笑いながら鈴と一緒に鈴の部屋まで逃げて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「ようお前ら!今日はスペシャルゲストが来てるぞ!」

 

鈴「(だん)(かず)!久しぶり!!」

 

鈴の部屋は転校してきたばかりだと言うことで調整するまでは1人部屋ということになっており、ここならいくらでも騒げるという事でここに来た俺は、ジュースとお菓子を出してパソコンを開いて中学の頃のメンバー2名と繋げた

 

弾こと五反田 弾(ごだんだ だん)と数こと御手洗 数馬(みたらい かずま)は、中学の頃、俺と鈴といつも一緒につるんでいたダチだ

 

ちなみに俺は弾と数から(いち)と呼ばれている

理由はメンバーの互いの呼び名が皆名前2字、漢字一文字で統一させたいってのが理由だ

 

数「おお鈴!久しぶりだな!!」

 

鈴「元気そうね!」

 

弾「あー、その…ひ、久しぶりだな…鈴…元気そうだな」

 

鈴「う、うん…///…弾も元気そうね…」

 

……なんだか変な空気出しているこの男女を見て……俺は画面の奥に映る数とお互い顔を合わせると意味深な笑みを浮かべた

 

一夏「さーて!消灯時間まで時間はある!たくさん話そう!!」

 

こうして俺達は時間ギリギリまで語り合った




中学の一夏のグループメンバーは

一夏 鈴 弾 数馬

そして中学から今も続くカズマのグループメンバーは

カズマ アクア めぐみん ダクネス

この2つのグループがよく遊ぶようになったのは同じクラスになった2年からです

そして数馬を数と呼ぶようになった原因は皆さんもご存知、同じ名前が2名居るから分ける意味でこのような設定を作りました。


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第7話 クラス対抗戦

《カズマ視点》

 

鈴が転入して来てから数週間が経ち、今日は一夏が待ちに待ったクラス対抗戦だ

 

アリーナの観客席は満員で通路まで立って見ている生徒で埋め尽くされている

 

ちなみにアクア達はモニタールームで鑑賞する為ここにはいない

 

カズマ「一夏、調子はどうだ?」

 

一夏「ああ、問題ない。今からアイツと戦えると思うと楽しみで仕方ねえよ」

 

カズマ「多分今頃向こうも同じ事を言ってるだろうな」

 

そう、クラス対抗戦の第一回戦の組み合わせは

 

【1組織斑一夏─2組凰鈴音】

 

まさかのこの組み合わせだ。裏で謎の力が働いてないかと怪しんだがそれは流石にないわな

 

一夏「んじゃあ行ってくるぞ」

 

カズマ「おう!無様晒すなよな?」

 

一夏「分かってるって社長。この勝負、心ゆくまで楽しんでくるさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

鈴「それが一夏のISね?」

 

先に来ていた鈴が俺を待っていた

 

鈴「どう?これがあたしの専用機、甲龍(シェンロン)よ!」

 

一夏「なんだと!?お、お前…いつの間に7つの願い玉を集めていたのか!?」

 

鈴「そのシェンロンじゃない!」

 

一夏「いやその名を聞いたら違うの連想するから俺は『こうりゅう』って呼ぶわ」

 

鈴「……まあ、好きにすればいいけど…それはそうと一夏、あたしと賭けしない?勝った方は負けた方になんでも1つ言う事を聞かせるってね」

 

一夏「ああいいぞ…これで更に勝負が盛り上がってきていいね」

 

アナウンス『それでは両者、試合を開始して下さい』

 

そして開始の合図が鳴り、お互いに動きだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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《カズマ視点》

 

カズマ「ふむ……一夏も粘るが鈴も中々粘るな」

 

一夏を見送った後俺もモニタールームに来てみると、アクア達だけでなく織斑先生や山田先生も来ていた

試合が始まってしばらく経つが、お互い互角に近い戦いをしている

 

鈴のIS、甲龍は双天牙月(そうてんがげつ)と呼ばれる大型の青龍刀を近接武器として装備している

連結させてなぎたなのようにすることも可能

だがこのISの最大の特徴……それは

 

山田「やはり『衝撃砲』龍砲(りゅうほう)は厄介ですね」

 

衝撃砲『龍砲』と呼ばれる装備

空間自体に圧力をかけ砲身を作り、左右の翼から衝撃を砲弾として打ち出す衝撃砲であり、肩部と腕部に装備されている

要するに目には見えない空気の砲弾を放ってくる

 

中々厄介な装備だ

 

箒「……このままでは一夏は負けてしまうのか…?」

 

箒が不安そうにしている

 

アクア「大丈夫でしょ…」

 

箒「へ?」

 

カズマ「一夏がそう簡単にやられる奴なら、アイツはA.I.M.Sの訓練で何度もくたばってるわい。信じろよあいつの事、仮にもお前の想い人だろ?」

 

箒「な///!?」

 

山田「へ?あ、あの今のはいったいどういう━」

 

カズマ「お、そうこうしてるうちに状況が変わって来たぞ」

 

最初は龍砲に苦戦していた一夏だったが徐々に龍砲に対応してきている

 

カズマ「……一夏の奴…気づきやがったな…」

 

セシリア「気づいたとはいったいなんのことですの?」

 

カズマ「龍砲がどこに向かって撃つのか…アイツは気づいたみたいだな」

 

箒「それは…?」

 

カズマ「目線だよ、目線」

 

そう、モニターからでしか見てないが鈴の奴、龍砲を撃つ際、その先を見ていた

つまり龍砲を撃つ際は撃つ方向を意識しておかなければならない……セシリアがビット兵器を操る際に集中する為に動かなくなるように…

 

カズマ「これで勝負は分からなくなってきたってあら?」

 

【場面切り替え】

 

《一夏視点》

 

一夏「ああ!やめだやめだ!!」

 

俺はそう言うと雪片弐型を投げ捨てた

すると鈴も双天牙月を投げ捨てた

 

一夏「俺達のタイマンで武器持ちはやっぱ違うよなあ?」

 

鈴「そうね。やっぱあたしたちの勝負っていったら、こっちよね?」←ISの手の掌に拳をぶつける

 

一夏「全くだ。お前とのISバトルは燃えるが物足りなさを感じて仕方がないと思ってたら武器持ちだしな」

 

鈴「よくよく考えたら一夏との勝負はいつも素手だしね……これでやっと」

 

一夏「ああ。これでやっと」

 

一夏/鈴「「本気の勝負ができる(わね)な!」」

 

【場面切り替え】

 

《カズマ視点》

 

箒「いやあいつらISで殴り合い始めたぞ!?」

 

カズマ「……もはや筋金入りだな」

 

山田「いやこんな事ってありますか!?」

 

セシリア「仮にもお互い専用機持ちなのに武器を粗末に投げ捨てていきましたわ…」

 

千冬「……はあー……一応ルールブックにIS同士の殴り合いは禁止とは書いてないが…」

 

アクア「…まあ…あのふたりならああなるわね…(呆)」

 

めぐみん「ここまで来たらもはや病気の域ですよあれは」

 

ダクネス「ま、まあ一夏達らしいといえば一夏達らしいな」

 

なんか試合が予想の斜め上の展開になった

 

……まあ、これはこれで中々見ごたえのある試合だからいいけどさ

 

山田「……あのふたり…素手の格闘だけなら代表候補生以上はありますよ……」

 

山田先生がどこか呆れ気味に言っている

 

まあ本来このクラス対抗戦はISの操縦者同士の操縦の腕や知恵比べや武器を使う腕などが目玉なのにまさかの殴り合いだからな…

 

カズマ「……まあでも、アイツら楽しそうだな…」

 

アクア「一夏…鈴が居なくなって寂しそうにしてたしね……多分鈴も似たような心境だったと思うわ」

 

箒「そ、それは本当なのか!?」

 

カズマ「まあお前が心配していることではないな。一夏の言ってたように、アイツは鈴との殴り合いを生き甲斐にしてるような奴だ。その生き甲斐が無くなれば落ち込むのも無理はない」

 

アクア「カズマ、その言い方だと一夏は鈴の事を生き甲斐としか見てないみたいに聞こえるわよ。まあそれもあるかもしれないけど単純に自分と気が合う好敵手(しんゆう)だからこそ、いなくなった時寂しく感じたんでしょ?」

 

めぐみん「箒が警戒しているのは鈴が一夏の事を好きなのか、一夏が鈴の事を好きなのかということですよね?」

 

ダクネス「なら安心しろ、あのふたりはお互いの事を好敵手(しんゆう)としか見ていないからな」

 

箒「そ、それは本当か!?」

 

カズマ「信用できないなら別々で本人達に聞けばいいだろ」

 

とまあ…これはしばらく続くか?……って?

 

ピー!ピー!ピー!

 

突然俺が持ち歩いているアタッシュケース(アタッシュウェポンではない方)に閉まっているサングラス型の通信機から警報音が流れた

 

俺は何事かと思いながらも通信機を取り出して通信をオンに、すると

 

???「社長!聞こえるか!?」

 

カズマ「(やいば)さん!?突然どうしたんですか?」

 

刃「さっき(ナキ)が社長達のいるIS学園付近で謎の飛行物体が接近しているのを探知した!」

 

カズマ「はい!?」

 

と、突然学園内で大きな衝撃音が響き、何事かとモニターを見ると

 

カズマ「なっ!?」

 

モニターには、一夏と鈴と対峙する謎のISの姿が映った

 

その姿は灰色で手が異常に長く、つま先よりも下まで伸びている。しかも首がなく肩と頭が一体化した、まるで星のカー●ィみたいだった

 

そして全身が全身装甲(フル・スキン)だった

 

本来ISは部分的にしか装甲を形成しない

なぜなら防御の殆どがシールドエネルギーによって行われるから必要がないからである

 

カズマ「あれはまずいか……とにかくアイツらの救援に行ったほうがいいか」

 

千冬「そうしたのは山々だが、これを見ろ」

 

織斑先生はそう言うと端末を開くと表示される情報に切り替えた

そこには

 

山田「遮断シールドがレベル4に設定!?……しかも扉が全てロックされている!?」

 

千冬「おそらくあのISの仕業だろうな。これでは救援おろか、避難させる事もできないな」

 

山田「で、でしたら!緊急事態として政府に助勢を━」

 

千冬「それもやっている。現在も三年生の精鋭がシステムクラックを実行中だ。遮断シールドを解除できれば、直ぐに部隊を突入させる」

 

そう冷静に淡々と織斑先生が山田先生に対応している

 

箒「……このまま見てる事しかできないのですか?」

 

千冬「……そうするほかない…」

 

ふむ………あのISはとりあえず近くにいる一夏達を狙うだろうが観客席にはまだ逃げ遅れた生徒がいる……

 

カズマ「……刃さん。A.I.M.S到着までどれくらいかかりますか?」

 

刃「最速で約25分と言ったところか…できれば社長に避難誘導をして欲しいが…難しい状況か?」

 

カズマ「まあ…な…」

 

……仕方ないか

 

千冬「どこへ行く」

 

カズマ「逃げ遅れた生徒達の避難誘導、それが終わり次第一夏達の救援をと」

 

千冬「勝手に動く事は私が許さない…」

 

カズマ「それは…教師としての判断ですか?」

 

千冬「当然だ。私が私情で動く訳には行かない……」

 

そう言って織斑先生はコーヒーを飲む

 

……そう来るか……

 

カズマ「……所で織斑先生…そのコーヒーは甘いですか?」

 

千冬「ムッ?……いや……なぜ甘くない…」

 

カズマ「そりゃあそうでしょ……貴方がコーヒーに入れたの砂糖ではなく塩なのだから、これで甘いと感じるなら…病院を薦めているところですよ」

 

俺に指摘されて織斑先生はピタッと止まる

 

千冬「佐藤、コーヒーを飲め」

 

カズマ「いやですよ、自分が入れた物は責任持って自分で処理して下さい……砂糖と塩を間違えるっていう簡単なミスを犯すほどあなたは焦ってますね?……本当のところは、今すぐにでも助けに行きたい…そう思ってるのですよね………貴方が動かないなら俺が変わりに行きますよ……罰なら後でいくらでも受けます」

 

そう言って俺は今度こそ行こうとした

 

千冬「一つだけ聞かせろ……お前のそれは社長としての判断なのか……それとも仮面ライダー……としてか」

 

カズマ「……両方ですね……俺は…社長になったあの日から……そしてこのゼロワンドライバーを使った日から一つ心に決めた事がある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何があろうと、社員も人間も……そして人工知能の未来も命も守る……そう決めた……なぜなら俺は…社長であり仮面ライダーなのだから……」

 

千冬「……はあー……言っても聞かないか……全く……なぜ私の受け持つクラスはこうも…問題児ばかりなんだ………勝手にしろ」

 

カズマ「おやおや?初代ブリュンヒルデともあろう者がこの程度でへばるのですか?多分これからこんな事が増えると思うので、今のうちに慣れておいた方がいいですよ」

 

千冬「その問題児の1人の、お前に言われると腹立つ…………罰は多めに用意しておくぞ…」

 

カズマ「はーい………んじゃあさっさと避難誘導済ませて急いで一夏達の救援を…っえ?」

 

俺はモニターに映る光景に驚いた

 

そして他の皆もモニターの光景に釘付けになっている

 

【場面切り替え】

〘ほんの少し前〙

 

《一夏視点》

 

一夏「……」

 

鈴「……」

 

ちょうど勝負が盛り上がってきて俺と鈴が物凄く楽しんでいた最中にソレは現れた

 

現れた正体不明のISは俺と鈴の勝負の邪魔をしてきやがった

 

機体からはビーム兵器を俺達に飛ばしてきたが俺達はそれを難なくかわした

 

一夏「……」

 

鈴「……」

 

俺と鈴は無言で投げ捨てていた武器を拾うと

 

一夏/鈴「「おい」」

 

そのISに呼び掛け

 

一夏/鈴「「俺(あたし)達の勝負に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何横やり入れてんの?」」

 

盛大に殺気を放った

 

そしてそこからはとにかく武器を持って怒り狂って敵ISに襲撃した

 

 

【場面切り替え】

 

《カズマ視点》

 

カズマ「……うん。そんなに急がなくても良さそうだ。アイツらの救援は」

 

アクア「あのふたり……凄く怒ってるわね」

 

めぐみん「まあ…互いの殴り合いを生き甲斐にしてるような人達ですし…邪魔された事が余程頭に来てるみたいですね…」

 

箒「………」←額に手を当ててなぜ私の幼馴染はああなってしまったのかと思っている

 

カズマ「ま、まあいい。とにかく避難誘導をさせて来る。アクアはここで刃さんから通達が来たときの為に待機しておけ」

 

そう俺はモニタールームから出ていこうとしたがここで一つ言って置かなければならないことを思い出して織斑先生の方を振り返った

 

カズマ「あー、すみませんが織斑先生…多分場合によってはシールド破壊とかすると思うので、請求先は飛電に、しておいてください」

 

千冬「はあー………こんな自己申告聞いた事無いのだが?……」

 

カズマ「ははは、なら俺がその初めての生徒って事で」

 

千冬「できればこの先も出て欲しくないのだがな私は………速く行け」

 

カズマ「はい。沢山避難させて沢山破壊してきます」

 

千冬「破壊はできるだけ自重しろ!」

 

そうツッコまれて、俺は今度こそモニタールームをあとにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「はあ…はあ…こ、これでお…終わりか?…」

 

鈴「はあ…はあ…さ…さあ…今にもまた…動き出してきそうだけど……」

 

しばらくこの謎のISに学園の防衛と言うなの八つ当たりをした俺と鈴は、動かなくなったISを前にして座り込んだ

 

中々タフで、ただでさえ鈴との殴り合いでシールドエネルギーを消費している上、無駄なダメージを負わされてて、もう俺と鈴も動けないほど疲れた…いや動けはするが、また戦えと言われたら無理だな

 

一夏「それにしても…コイツは一体何だったんだ?」

 

鈴「さあね…まさか…無人機のISがこの世にあるなんてね」

 

そう…このISには操縦者が乗ってない…なのに動いていた

つまりは無人機

それが分かった理由は単純な事だった

動きが人間が操作しているにしてはあまりにも機械じみていたからだ

 

現在無人機のISなんてどの国でも完成していない物だ

 

だからありえない…鈴はそう思ったが、そのありえないのが目の前に居たとしたらと考えた俺は

手加減抜きで……つまりは本気で零落白夜を使い仕留める事にした

中に誰かが居たら殺してしまう恐れはあるが…俺は自分の考えと勘を信じて切った結果は俺の予想通りだった

 

一夏「まあ何はともあれこれでやっと」

 

勝負の続きができる…そう言おうとしたその時

 

倒したと思っていたISが突如起き上がり、左腕を最大出力形態(バースト・モード)変形させ、俺と鈴に向かって放とうとした

 

一夏「(やべっ!、油断した)」

 

そしてビームは俺達にむけて放ち

俺は近くにいる鈴を庇おうと雪片弐型を持ち構える

 

一夏「(これはちょっと痛いかもな)」

 

そう内心大怪我の覚悟を持ってビームに立ち向かおうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライジングカバンストラッシュ!

 

が、そんな迫りくるビームをどこからか飛んできた黄色の斬撃が飛んできて、ビームとぶつかり合い相殺した

 

カズマ「たくっ…相手を本当に仕留めたと確認するまでは油断するなって、A.I.M.Sで不破(ふわ)さんに何度も言われたよな一夏?」

 

一夏「カ、カズマ!」

 

カズマ「おう……生きてるか鈴?」

 

鈴「ギリギリって所ね…全く……来るなら速く来なさいよね」

 

カズマ「まだそんな口が聞けるなら、大丈夫そうだな……、さて…」

 

乱入して来たカズマのおかげでどうにか命拾いした俺と鈴

 

カズマ「……なんとまあ…無人機かこれ」

 

鈴「な、なんで分かるのよ!?」

 

一夏「カズマが付けているサングラス…あれ通信機になる他に物体をスキャンして分析する事ができる優れものだ。あれであのISの中を見たんだろうな」

 

鈴「何それあたしもそういうの欲しい!」

 

カズマ「お一つ8万6千円になります」

 

鈴「グッ…」

 

カズマ「お前らはそこで休んでな…後は俺がやる」

 

一夏「そんな…わざわざ社長の手を煩わせる訳には行きませんよ」

 

カズマ「一夏、心にも無い事言っても伝わらないからな」

 

一夏「バレたか…」

 

カズマ「さてと……色々とあのISは気になるがまずは倒すか」

 

ゼロワンドライバー

 

鈴「え?そ、それって一夏まさか…」

 

一夏「ああ…お前が国に帰る前に一度だけ見せたアレが見られるぞ」

 

鈴「本当!?あの変身かっこ良かったからまた見たかったのよね!」

 

カズマ「んじゃあ、ご期待に答えられるように」

 

ジャンプ!

 

オーソライズ!

 

俺は空を見上げて鈴を引っ張って今立っていた場所から離れると、空からまたバッタのライダーモデルが降ってきた

 

一夏「あ、あっぶねえ……」

 

カズマ「変身!」

 

プログライズ!

 

飛び上がライズ!ライジングホッパー!

 

A jump to the sky turns to a riderkick.

 

そして俺達の前でカズマが……社長が仮面ライダーゼロワンに変身した

 

鈴「アハハハッ!かっこいい!!」

 

鈴は変身シーンを見せられて大はしゃぎだ

 

ゼロワン「悪いが……あまり長引かせるつもりはない…と言うわけで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

速攻で終わらせてやるよ」

 

そう言うとカズマ…いやゼロワンはドライバーに差し込んでいるデバイスを押し込むと

 

 

ライジングインパクト!

 

ドライバーから音声が流れた

するとバッタの脚力で高速でISに接近して連続攻撃を叩き込み、ISを空に打ち上げた

 

ゼロワン「お前を止められるのはただひとり……俺だ!」

 

上空に打ち上げたISよりも更に高く飛び上がりそして

 

ゼロワン「はあああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ISの機体を貫通する程の飛び落下蹴り

 

 

グインパクト

 

              

 

後にライダーキックとも呼ばれる決め技を使い、敵ISを倒した

 

ゼロワン「ふぅ……いっちょ上がり!」

 

そういうとゼロワンは変身解除をした

 

これで一安心…後の事はA.I.M.S…もとい俺の仲間の部隊が来て事後処理してくれるはずだ……

さて…正直立ってるのもきついが…まだやることがある

 

ふと鈴の方も立ち上がり俺の顔を見た

 

……ああ…お前も考えてる事は一緒か

 

そうだ…俺達の勝負を邪魔したアイツは倒された…これで邪魔する奴は居なくなった

 

と言う事は

 

一夏/鈴「「さあ!勝負の続きと行こうじゃない(の)か!」」

 

そう言うと俺と鈴はボロボロの身体を引きずりながらお互いにISを動かして互いの殴ろうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ/千冬「「いい加減にしろ!!」」

 

が、カズマといつの間にか来ていた千冬姉がそれぞれアタッシュカリバーと日本刀型の近接ブレードを俺と鈴に投げつけ、それにより残りわずかのシールドエネルギーが切れ、おまけにそれをまともに食らって意識を刈り取られてしまった

 

……この勝負…引き分けか

 



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第8話 クラス対抗戦後

《カズマ視点》

 

カズマ「んで?何か言う事は?」

 

一夏/鈴「「反省はしているけど後悔はしてない」」

 

千冬「全く…お前達と来たら…」

 

ここ学園の保健室

 

学園を襲撃したあのISを相手に無茶し、俺と織斑先生に意識刈り取られた一夏と鈴を保健室のベットに寝かせ休ませた

 

しばらくして起きてきたので、軽く説教したらこの態度だ

 

カズマ「呆れた……マジで死ぬ所だったのに、何再戦しようとしてんだ?」

 

一夏「うっ……」

 

鈴「ま、まあ……それよりも試合は結局どうなったのですか?」

 

千冬「……試合は無効だ……あんな事があったんだ…当然だろう」

 

一夏「マジか………結局決着つかずだった上…俺達ただ怪我しただけかよ……あ、そう言えば刃さん達は……」

 

カズマ「あのISを詳しく調べる為にまだいるが、『お前は休んでろ』ってさ」

 

一夏「そうか……」

 

千冬「とにかく…お前達はもうしばらく休んだら部屋に戻ってろ…私はこれからやる事があるからな…」

 

そう言って織斑先生は保健室から出ていこうとしたが俺の耳元に

 

千冬「……弟を助けてくれた事…感謝する…」

 

そう…子声で言って保健室を後にした

 

カズマ「……さて…俺もやる事があるから…後はお前達3人(・・)で話でもしてろよ」

 

そう言って俺も保健室を後にした

 

《鈴視点》

 

3人?

 

一夏「……いるんだろ?箒」

 

え?箒?

 

そうあたしが思っていると保健室の扉が開いて

 

箒「……」

 

箒が入ってきた

 

鈴「箒!あんた来てたなら声くらい掛けなさいな」

 

箒「いや…ふたりの様子を見に来たんだが…先に織…千冬さんが来ていたから入りづらくて………それにしても…ふたり共身体は…」

 

一夏「特に問題はないな」

 

鈴「しいて言えば千冬さんが投げたブレードが特に効いたわ」

 

一夏「俺はカズマが投げたアタッシュカリバーが…」

 

箒「……敵よりも身内の攻撃に効いてどうする……」

 

呆れた様子で箒に言われてあたしは思わず苦笑いした

 

一夏「ふわぁ…悪い…俺さっきの戦いで疲れてるみたいだからまた寝るわ…用があったら起こしてくれ」

 

そう言って一夏は背中をあたし達とは逆向きにして寝返って、少ししたら寝息が流れた

 

鈴「う〜ん、あたしもだいぶ疲れてるわね…」

 

箒「そ、そうなのか?…ならまだ休んでいたほうが」

 

鈴「んー、まああたしはまだ大丈夫だから…それはそうと箒…ここに来たのはあたしと一夏の見舞いだけじゃないんじゃないの?」

 

箒「!」

 

箒はそう…ドキッとした反応を見せた  

 

鈴「当てよっか?それはあたしと一夏との関係についてじゃないの?」

 

箒「……ああそうだ…お前と一夏好敵手(しんゆう)と言っていたが…実際はどうなのか…それを…」

 

鈴「まあ…あれだけ想い人と距離が近かったらそう思っちゃうもんね」

 

箒「なっ///!」

 

鈴「わかりやすいのよアンタは…」

 

箒「うっ…///カズマ達にも指摘された…」

 

鈴「隠すならもっとうまく隠しなさいな…まあでも安心して…あたしは一夏の事は気が合う好敵手(しんゆう)としか見てないから」

 

そう言いながらテーブルにあたしはおいてあるリンゴを…ナイフで切らずにそのまま食べる

 

箒「ほ、本当にそうなのか?」

 

鈴「しつこいわね…とにかく、箒の恋のライバルになる事だけはない…それだけははっきり言えるわ…そ…それに…」

 

箒「それに?」

 

鈴「あ///あたしもその///…す///好きな奴がいるから///」

 

箒「な…」

 

鈴「中学の時によくつるんでいた奴だけどね………告白するチャンスも何度かあったけど…結局告白出来ないまま国に帰っちゃって…おかげでメールとか電話で一夏からヘタレってよく呼ばれて…」

 

箒「うぐっ!」←転校する前からチャンスあったけど告白出来なかった奴

 

鈴「……今の反応…箒…アンタも…」

 

箒「……」コクッ

 

鈴「……」

 

あたし達は無言でお互いの両手を握った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《千冬視点》

 

千冬「……それで唯阿(ゆあ)…これの解析結果は…」

 

刃「ああ千冬……やはり無人機だった……しかも未だに完成していない遠隔操作(リモート・コントロール)独立稼働(スタンド・アローン)が成されていた」

 

山田「そんな!……」

 

ここは学園の地下50メートルに位置する空間

本来レベル4権限を持つ者しか入れない場所だが…

A.I.M.S.は人工知能及び、ISを取り締まる権限を持つ組織である為、こうしてここに入ることができている

 

唯阿こと刃唯阿(やいばゆあ)はA.I.M.S.総指揮官であり、A.I.M.S.特殊技術研究所の最高責任者も兼任している

一応一夏の上司に当たる

歳は私と同い年である為、お互いタメ口で話す

 

千冬「コアはどうだったか?」

 

刃「…登録されていない物だった…」

 

千冬「……そうか…」

 

私には……これについての心当たりがある……

 

こんな事をする……そして、これだけの技術を持つ者は…私の記憶には一人だけ当てはまる…だが

 

千冬「……できれば…お前では無い事を祈るぞ……(たばね)

 

そう…誰にも聞こえないくらい小さく呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カリカリカリカリ

 

カズマ「……」

 

俺は寮にある自室で反省文を書いている

 

織斑先生からの罰として反省文を5枚を渡され現時点で3枚半を書き終えた

 

アクア「お疲れ様……お茶入れたけど飲む?」

 

カズマ「ああ、ありがとうアクア」

 

と、アクアがお茶を入れた湯呑を持ってきた

 

一応言っておくと、俺のルームメイトはこいつだ

 

カズマ「それにしても…織斑先生も少し甘いなあ…」

 

アクア「甘いって?」

 

カズマ「ちょっと上級生から聞いたんだが、織斑先生はこの学園の教師の中で一番厳しいって言われてて、特に反省文を尋常じゃないくらい書かすってさ」

 

アクア「ちなみにそれってどれくらい?」

 

カズマ「一番多くて本のページ並みに書かした事があったらしい」

 

アクア「うっ……私は問題起こさないようにしておこ…」

 

カズマ「だから、この5枚ってのがあまりにも少な過ぎるから甘いって言ったんだよ…大方教師がすべき事を変わりにやったり、弟を助けてくれた事に免じてこの量にしてんだろうな」

 

アクア「まあでもいいじゃないの…少ないなら少なくても…」

 

カズマ「それもそうだな……うっ……ん、少し疲れたな」

 

アクア「カズマ学園にいる時もパソコン使って仕事してるじゃないの。少しは休んだら?」

 

カズマ「もう少しだけだ。これを終わらせればしばらくの間は書類とにらめっこしなくても済む…」

 

アクア「まあカズマは夏休みとかの宿題は最初の内に一気に終わらそうとするタイプだしね」

 

カズマ「言っておくが、俺がそうするのは夏休みとかの宿題や課題を貯めてしまうお前のせいだからな、毎度毎度飽きもせず最終日に泣きついてくる癖に」

 

アクア「うっ…」

 

カズマ「この学園で出された課題はさっさと終わらせるぞ…俺も最終日をお前の課題を終わらせる事に使うのはもう勘弁だからな」

 

アクア「わ、分かってるわよ…」

 

カズマ「……本当に分かってんのか〜?っと、これで終わりだ」

 

アクアと会話しながらも反省文を書いている手は止めずにいた為終わらす事ができた

 

アクア「……会話しながらも反省文を書くなんて器用な事よくできるわね…」

 

カズマ「社長と学生と仮面ライダーの両立するにはこのくらい出来てなきゃ話にならないだろ……それに、器用さならお前に負ける」

 

アクア「……私はカズマみたいに頭の中で複数の事考えながらの作業はできないわよ」

 

俺はパソコンを開きながらも会話を続ける

 

カズマ「………ブルー・ティアーズに甲龍…データも結構集まってきたな……」

 

アクア「まーた仕事しちゃって…もう休んだら?ただでさえ最近忙しかったってのに…」

 

カズマ「しかしだな」

 

アクア「ああもう!いいからこっち来て休みなさい!」

 

そう言うとアクアは俺の手を引っ張るとベットに倒した

 

アクア「ほら、背中を向けなさい…またマッサージしてあげるから」

 

カズマ「……はあー…はいはい」

 

俺はため息を吐いたが諦めて大人しくアクアに従った

 

アクア「ん…だいぶ硬いわね……どんだけこってるのよ」

 

カズマ「最近は1日16時間仕事してたからな」

 

アクア「一気に終わらせて後は楽するってやり方…私は良くないと思うんですけど…」

 

カズマ「分かった分かった…もう少しやり方変えるからそんな口酸っぱく言うなよ…秘書か」

 

アクア「……一応人間(・・)秘書(・・)は私なんですけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏/鈴「「お騒がせしました」」

 

翌日、傷を癒やしたふたりが早速俺に謝罪してきた

 

セシリア「正直驚きましたわ。まさかあれだけ戦ったのにも関わらず更に再戦しようとしたのは…」

 

めぐみん「戦い馬鹿なだけですよ…」

 

ダクネス「ああ、それも末期レベルでな」

 

箒「……なぜ私の幼馴染はこうなったのだ…」

 

……なんか他の奴等から呆れた声があがってきたが、そりゃあそうなるわな

 

今日は休日…その為IS学園内では制服ではなく普段着を着ている生徒でいっぱいだ

 

カズマ「まあ…いい…それよりもお前ら、誓約書は書いたな?」

 

鈴「まあ、昨日書かされたわ」

 

一夏「俺も一応な…」

 

クラス対抗戦で起きたあの襲撃事件は、混乱を避ける為に世間には公表しない方針で学園とA.I.M.Sが事後処理をした

 

他の生徒にも口止めをしたが、直接戦闘に関わった鈴と一夏は誓約書を書かされた

 

一夏はA.I.M.S.所属だから書く必要ないとは思うが一応…

 

え?俺は書かなかったのかって?

 

……こういう時企業のトップって楽でいいよなあ?

 

カズマ「それはそうと一夏…お前昨日は無様だったな」

 

一夏「!」

 

カズマ「お前はいつも詰めが甘い、って雷電(らいでん)に散々注意されてたよなあ?」

 

俺はここで一夏に昨日の戦闘に対しての駄目な点を指摘した

 

カズマ「こんなんじゃお前……また(・・)訓練受けないとなあ?しかも今度は俺も交えて」

 

一夏「!や、やめろ!ま、待て!」

 

この学園に来て初めて一夏がここまで狼狽えているのを見たからだろう…セシリアや箒が驚いた様子でいる

 

カズマ「と言うわけで一夏……いざ!飛電インテリジェンスへ!」

 

そう言って俺は素早く一夏に接近して取り押さえた

 

更にこの中で特に力のあるダクネスも一夏を取り押さえて連行した

 

一夏「やめろ!死にたくない!死にたくない!死にたくない!死にたくなーい!

 

セシリア「なっ!?あ、あの一夏さんがあそこまで取り乱していますわ!?」

 

箒「な、何がどうなっているのか!?」

 

鈴「……またか…」

 

めぐみん「今のが一夏の数少ない弱点ですよ……」

 

アクア「まあそれより、よかったら皆も飛電に来ない?」

 

セシリア/箒「「へ?」」

 

 



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設定資料(1)『このふた組』

一部ネタバレ含みます


佐藤 和真(サトウ カズマ) 本作の主人公の片割れ

 

仮面ライダーゼロワン

 

【人種】

日本人

 

【年齢】

15歳

 

【所属クラス】

1年1組 

 

【職業】

1組クラス代表/飛電インテリジェンス代表取締役2代目社長/仮面ライダー

 

【性格】

普段は常識人だが真面目というわけではなくボケにまわったり、たまに狂った考えをしたりすることがある

厳しくも優しく、会社の社員やヒューマギア、学園の仲間友人達を大切に思っており、傷つけたり悪用した者には容赦しない

女尊男卑の考えを持つ者と人の話を遮る者を嫌い、女子の金切り声みたいな甲高い声を物凄く嫌う(本人曰く黒板や窓ガラスを爪で引っかく時の音並みに嫌らしい)

本人曰く男女平等主義者

ちなみにマジでキレると一夏や千冬でさえ怯えてしまうほどキレると怖い奴

時々気まぐれに色んなもの作ったり色んなことをする

 

【実力】

★1平均的 

★2ちょい強い

★3トリロバイトマギア/並のA.I.M.S(エイムズ)隊員

★4〜6国家代表候補生/

★4〜5マギア/レイダー

★5〜7国家代表

★5〜8ヴァルキリー

★9???〜???ブリュンヒルデ

★6〜???仮面ライダー(変身者やフォームや状況によって強さが変わる)

 

(変身前)★★★★★★

(変身後)★★★★★★★★★

幼い頃から厳しい訓練を受けており、物語開始時生身で専用機を使うセシリアとやりあう程で、既に人間をやめている

本家のゼロワンよりも強い

また頭と運がよく、とっさの機転で状況打破をする

運に限って言えば作中最強クラス

 

【趣味】

ゲーム アニメ鑑賞 読書 アクアと何かをすること

 

【特技】

人間観察 ジャンケンなど運のからむ系のギャンブルやゲーム ポーカーフェイス 料理 ビジネス 

 

【備考】

本作の主人公の片割れであり、『この素晴らしい世界に祝福を!』の二次創作『このふたりの男女に祝福を!』からの出張出演

ここでのカズマは、飛電インテリジェンス創設者であり初代社長飛電 是之助(ひでん これのすけ)の孫

本作開始前に是之助が亡くなり、社長を継いでいる

飛電の社長のみにしか使えないゼロワンドライバーを使い、仮面ライダーゼロワンとしても活動している

幼い頃に両親を事故で失い、心が壊れ掛けそうになった所を以前から交流がある水神家に引き取られた

飛電の社長の時は飛電 和真(ひでん カズマ)と名乗り、それ以外の場では佐藤 和真と名乗っている

自身と長い付き合いであるアクアに対して厳しく扱う事もあるが、内心では物凄く大事に思っており、アクアのピンチにはすぐ駆けつける。また、アクアの事を『この世で最も知っている女』と言うほどアクアを熟知している。アクアの事を相棒とも呼ぶ

めぐみんとダクネスとは中学校で出会って以来の親友達で彼女たちの事を家族と同じくらい信頼している

祖父である是之助の夢である『人間とヒューマギアが笑える世界』の実現を夢見ている

外見は普通だが実は中学時代、一夏のファンに埋もれていてあまり表に出なかったカズマの隠れファンが存在している

 

 

水神(みずがみ)アクア 本作のメインヒロイン

 

【人種】

日本人

 

【年齢】

15歳

 

【所属クラス】

1年1組

 

【職業】

飛電インテリジェンスのテストパイロット/秘書

 

【性格】

明るく前向きで優しい

人を楽しませる事が好きな為、宴会芸を身に着けており、盛り上がらせたりカズマと一緒に勝負の演出をしてくれるなどサービス精神もしっかり持っている

 

【実力】

(本気前)★★★★

(本気後)★★★★★★

生まれつき運動能力と身体能力が高く、特に水泳においては全国大会で最速記録を叩き出すほど

IS適正値はBだが実は本気を出すと国家代表レベルに匹敵する実力を出す

本来の適性値はS以上だが、この事を知っているのはカズマを含めたわずかの関係者のみ(国に引き抜かれ無いように)

ただし、頭と運が悪く、そのせいで逆にピンチになることもある。運に限って言えばカズマとは逆の作中最低クラス

 

【趣味】

遊び カズマとなにかする事 泳ぐ事

 

【特技】

宴会芸 手作業類は大体全て 泳ぎ

 

【備考】

本作のメインヒロインであり、カズマの相棒

カズマとは物心ついた頃に出会い、そこから長い付き合いになった。

カズマの過去を知る数少ない人物でもある

家族を失ったばかりのカズマを自分の家族に迎え入れた。本人はカズマと一緒にいる事を当たり前のように思っており、カズマを大切な家族と思っている

またカズマが仕事などで無茶した際のストッパーの役目を果たしたり多方面でも活躍する

外見は、水色の髪をしていて抜群のプロポーションをして美少女

 

(くれない) めぐみん

 

【人種】

日本人(紅魔族)

 

【年齢】

14歳

 

【所属クラス】

1年3組

 

【職業】

3組クラス代表/ZAIAエンタープライズジャパン社長

 

【性格】

好奇心旺盛で売られた喧嘩は買う主義な位喧嘩っ早く、家が貧乏だったせいで中々の貧乏性な所がある

社長になってもそれは変わらなく、自分の懐に入る金をあまり使わないほどのケチ

また紅魔族特有の厨ニ病な部分も出ている

小柄で貧相な身体(バスト)である事を気にしているので、自慢したりからかう者には容赦しない

 

【実力】

(生身)★★

(???)?????????????

生身ではIS一般生徒よりちょい強い程度

まためぐみんの強みは紅魔族特有の高い知力にある為、戦闘力は必要ないのだが………

 

【趣味】

ボードゲーム 実験 

 

【特技】

頭を使った問題を解く事 料理を初めとした家事スキル

 分析

 

【備考】

日本人の亜種民族紅魔族(こうまぞく)であり、自称紅魔族随一の天才。また、実家が貧乏だった事もあって中々の貧乏性

高い知力を持つ紅魔族の中でも異例とも言われるほどの頭脳の持ち主で幼少期の時点で大人以上の学力を持つが、頭が良すぎるゆえに周りとのレベルに合わせられず、疎遠になっていた所中学時代同じく周りと馴染めずにいたダクネスと出会い、更にカズマとアクアと出会いそこから周りとの付き合い方を学んでいき現在に至る。

中学の時にカズマにZAIAエンタープライズジャパンを勧められ、1000%社長の元で才能を生かして行き、ZAIAエンタープライズジャパンで起きた騒動を解決した結果、若くして社長に就任した。

周りと馴染ませ、自身の才能を生かす為に動いてくれたカズマに対して強い恩を感じており、無意識の内にカズマから一方後ろに引き、目上の人物と扱っている

また貧乳なのを気にしており、それをからかったりした者に対して容赦しない

同じく貧乳の鈴とはシンパシーを感じており、同盟を結んでいる(カズマや一夏からは心の中で〔貧乳同盟(笑)〕と呼ばれている)

外見はまるで人形のようで、カズマからは外見だけなら100点中120点満点(ただし中身は……)与えると言われているくらいの美少女である

 

ダスティネス・フォード・ララティーナ〔ダクネス〕

 

【人種】

イギリス人

 

【年齢】

18歳

 

【所属クラス】

1年3組

 

【職業】

3組クラス代表代理/ZAIAエンタープライズジャパンのテストパイロット/めぐみんのボディガード兼秘書

 

【性格】

真面目な優等生だが実はカズマ達メンバー(カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス)の中では1、2位を争う位の乙女な部分があり、可愛い人形集めや猫の赤ちゃんの動画を見るのが好きな位の可愛い物好き。また、かなりの不器用ではあるが、人形づくりや料理もする

 

【実力】

(普段)★★★★★

(IS装着後)★★★★★★

アクア以上の運動能力と身体能力を持っているが不器用ゆえにIS操縦ではアクアに劣る

剣道の腕は相当の物で、全国大会で優勝した箒からは、大会に出てたら優勝してもおかしくない程の実力と言われている

また筋力も女性にしては優れており、鍛え抜かれた男性にも匹敵している

 

【趣味】

鍛錬 人形集め 可愛い物を鑑賞

 

【特技】

人形づくり(不器用だが) 料理(不器用だが)

 

【備考】

イギリスの名家ダスティネス家の令嬢であり、現在はZAIAエンタープライズジャパンのテストパイロットと社長であるめぐみんの秘書をしている

名前のララティーナと呼ばないのは、自分に似合わないかわいい名前で恥ずかしいからという理由

実家はイギリスの政界にも発言力があり、イギリスでもかなり知名度のある金持ちの家である

幼い頃、母を病気で亡くし、そのショックで2年ほど学校に行かなかった為、二歳年下と一緒に授業を受けなければならなくなり、日本に引っ越してきた後も、周りと馴染めずに居たところ同じく馴染めずにいためぐみんと出会い、更にカズマ達と出会い現在に至った

めぐみんとは、馴染めずにいた者同士だったこともあり親友となった。

またカズマ達メンバーの三人娘の中でトップクラスに胸が大きく、めぐみんに(鈴にも)よく妬ましそうに見られている

実家がとある騒動で無くなりかけたことがあったがカズマの尽力により守る事ができ、それ以来カズマに恩を感じており、めぐみんと同じく無意識の内に目上の人物と扱っている



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第9話 親友達の恋愛事情

最近周一投稿できずにいる事に悩んでいます

それとだいぶ性格改変されてます。

それとカズマ以外での視点が同じ人物が続く場合は〜視点と表示しません。


《一夏視点》

 

弾「で?」

 

一夏「あん?」

 

弾「だから、女の園の話だよ。いい思いしてんだろ?」

 

一夏「なぜそう思った…」

 

6月頭の日曜日

 

俺は久々に中学時代の親友、五反田弾の家に遊びに来た

 

弾「そりゃあお前やカズマ以外女しかいない学園にいるんだぞ?男共にとっては楽園に等しい場所にお前らはいるってんだぞ?分かってんのか?」

 

一夏「お前こそ分かってんのか?あそこは男が希少過ぎて女子共に色々攻められて来るわ、常に動物園のパンダ状態だし仕舞には俺とカズマと会話する為の整理券販売を勝手にしてるわで楽園とは言い難いからな?」

 

弾「う…」

 

一夏「まあ整理券の売上の一部を俺とカズマに還元することで目をつぶってるがな」

 

弾「なんか中学時代にも似たようなことしてなかったか!?」

 

一夏「それにあそこの女共は個性が強すぎる……並みの精神力じゃあ潰れるぞ」

 

弾「ま、まじか…」

 

一夏「それにあそこは国の法律が通じない、治外法権の場所でもあるからな…何をされるか分かったもんじゃないんだよ」

 

弾「……悪い、やっぱ今の無しだ」

 

一夏「分かってもらえたのならいいよ」

 

ちなみに数は用事で、カズマは会社の仕事でいないので、今日は男2名のちょっと寂しい空気をしている

……女子でも良いから誰か誘うべきだったかなあ…

 

そう考えていると

 

???「お兄、もうすぐお昼出来るから下に━━」

 

突然部屋のドアが開けられ入ってきたのは弾の妹、五反田 蘭(ごだんだ らん)

年は俺と弾の一つ下で今は中学3年生

 

一夏「よっ、お久しぶり」

 

蘭「いっ、一夏……さん!?」

 

ちなみに今の蘭の格好はタンクトップとショートパンツの軽装な格好だ

 

蘭「き、来てたんですか……?全寮制の学園に通っているって聞いてましたけど…」

 

一夏「今日は休日だしな……俺も休日までも学園に居るつもりはないからな」

 

蘭「そ、そうですか…」

 

凄くたどたどしく言ってきた

 

弾「一、ちょっとここで待っててくれないか?蘭、ちょっと部屋の外出ろ」

 

蘭「…ビクッ!」

 

そう言うと弾は蘭を部屋の外に連れ出した

 

……うん、まあそうなるわな

俺は目をつぶって、これまでの事を軽く振り返った

 

飛電インテリジェンスに連行されたあと、死ぬ程訓練を受け直されて、またトラウマが蘇った……兄貴は本当に厳しいよなあもう…

その際、自分だけが苦しい思いしたくなかったから箒達を地獄の訓練に巻き込めたから結果オーライだったが…

 

弾「蘭!お前!!自分の部屋以外では薄着で出歩くなっていつも言ってんだろ!」

 

蘭「だ、だって一夏さんが来ているなんて知らなかったから」

 

弾「知らなかったとかの問題じゃねえよ!お前この間回覧板を届けに来た近所のおばさんに薄着姿で出迎えたよなあ?」

 

蘭「な、なんでお兄がその事を…」

 

弾「聞いたからだ!お前恥知らずな女と思われるぞ!いやもう思われてるかもな」

 

蘭「そ、それよりも一夏さんが来ていたなんてなんで言わなかったのよ!」

 

弾「その前にお前が勝手に入ってきたのが行けないんだろうが!これもいつも言ってるよな?部屋に入ってくる時はノックしてから入れってな!」

 

……なんか言い合いしている兄妹の声が聞こえてくるが無視しよう……

 

弾「ふう〜待たせたな。悪いな、あいつ結構ズボラだからどうしても注意せざるをえなかったもんで」

 

一夏「いや、俺はもう慣れたから別にいいさ。むしろ妹がいるお前が少し羨ましいな」

 

弾「羨ましい?」

 

一夏「ほら、俺って末っ子だろ?んで俺の上はあの24歳だからさあ」

 

弾「実の姉を年齢で呼ぶ奴はお前くらいだろうな」

 

一夏「そうなると必然的に下の兄弟が欲しいって思うわけよ。んでガキの頃の夢の一つが、一度でいいから妹に『お兄ちゃん!』とか言われてみたかったんだ…」

 

弾「そんなにいいものじゃないからな?居たら居たでうるせえし。どっちかって言うと俺は姉が欲しかったなあ、兄貴だったらむさっ苦しいが、姉なら華やかさを感じさせてくれそうだから」

 

そう言うと弾は何かを想像している表情になった

 

一夏「華やかねえ…うちのは華やかの欠片も無いがな………んで?」

 

弾「ん?」

 

一夏「お前いつになったら鈴に告白するのか(・・・・・・・・・・・・・・・)?」

 

弾「ぶっ///」

 

俺はここに来た本来の目的を……親友の今後の確認を行なった

 

一夏「お前が鈴を好きになった中学1年生からもう3年は経つんだが、いつまで経っても進展しないお前らの関係に俺も数も何度も何度も告白のチャンス作りをしてきたってのに……いい加減我慢の限界なんだが?」

 

弾「い、いや、まだ時間もあるし、まだどう告白するか決めてないし」

 

一夏「そうやって先延ばしにした結果が鈴の祖国へ帰国だからな?その間の一年間、お前がどれだけ俺や数に『告白すれば良かった』とか言ったことか。それを聞いていた俺も数も苛ついてたからな?だからあれだけさっさと告れって言ったのにも関わらずな」

 

弾「うっ…それを言われちまったら言い返せねえな…」

 

一夏「はあー…とにかく、夏休みの終わりまでにはさっさと告れ、いいな?」

 

弾「わ、分かってる……」

 

一夏「本当にわかってんのか?……それでも告白しなかった場合は………面倒くさいから俺が直接鈴に伝えるからな?」

 

弾「それだけはやめろ!!」

 

その後、俺と弾は昼食を食べる為に下に降りていった

 

はあー…本当、世話が焼ける親友(・・)達を持ったなあ俺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

[クラス対抗戦の前]

 

鈴「ふうー…久しぶりにいっぱい話せたわー」

 

鈴の部屋でパソコンを繋げてオンライン画面で弾達とたくさん話し、消灯時間が迫ってきたので別れの挨拶をしてパソコンを切った

 

一夏「だな。………それはそうと鈴、お前結構緊張して話してたな?」にやにや

 

鈴「うっ///…し///仕方ないでしょ…久しぶりに話すんだから…///」

 

一夏「俺や数相手には緊張せず話してたのに?」にやにや

 

鈴「……分かってる癖に…問い詰めないでくれない?」

 

一夏「悪い悪い、お前があまりにも初々しく弾と話してたの見てたらついな」

 

俺はそう言ってクックックと笑った

 

一夏「……それで?お前はいつになったら弾に告白するのか(・・・・・・・・・・・・・・・)?」

 

鈴「にゃあ///!?」

 

なぜか猫みたいな反応をした鈴、ちなみにこの猫みたいな反応をよくする鈴は中学の頃『鈴にゃん』って呼ばれていた(中学の頃この猫みたいな反応をする所に便乗して猫耳つけたりしてたら広まった)

 

まあ呼ばれる原因作ったの俺だけどな←広めた奴

 

一夏「お前が弾を好きになった中学1年生からもう3年は経つのだが、いつまで経っても進展しないお前らの関係に俺も数も何度も何度も告白のチャンス作りをしてきたってのに……いい加減我慢の限界なんだが?それにお前が『自分で告白するから俺達の口から伝えないで』って約束してだいぶ経つが?」 

 

鈴「う、け、けどまだどう告白するのかまだうまく考えがまとまってないし…」

 

一夏「そうやって先延ばしにした結果が親父さんを安静させる為に家族全員で祖国へ帰国だからな?その間の一年間、お前がどれだけ俺や数にメールや電話で『告白すれば良かった』とか言ったことか。それを聞いていた俺も数も苛ついてたからな?だからあれだけさっさと告れって言ったのにも関わらずな」

 

鈴「うっ…それを言われたら何も言い返せない…」

 

一夏「はあー…とにかく、お前は夏休みの終わるまでにはさっさと告れ、いいな?」

 

鈴「わ、分かってるわよ…」

 

一夏「本当にわかってんのか?……それでも告白しなかった場合は………面倒くさいから俺が直接弾に伝えるからな?」

 

鈴「それだけはやめて!!」

 

その後、消灯時間が近づいてきたので鈴の部屋を後にして、箒のいる自分の部屋に戻って行った

 

はあー…本当、世話が焼ける親友(・・)達を持ったなあ俺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「(やべえよやべえよ!!)」

 

弾の所に遊びに言った翌日、俺は頭を抱えていた

 

なぜなら今朝カズマに

 

カズマ『今日の授業が終わったらまたウチで訓練しようか、ああ箒達も一緒にな?』

 

またあの地獄の訓練を受けるのか…

 

あの飛電インテリジェンスでの訓練は、軍隊でやる訓練よりも厳しいものだ。確かに強くなれるが軽くトラウマになるレベルだ

 

俺はチラッと箒とセシリアの方を見ると青ざめていた

 

……この授業が終わったら………くそ、今日ほど授業が終わって欲しくないと思った事はねえぞ!

 

多分この分じゃ鈴の方も青ざめて授業を受けてるな 

 

一夏「(くそ、かくなる上は)」

 

俺は机の中から白紙の紙を取り出して短い一文を書き、それを丸めて箒とセシリアにそれぞれ投げた

 

それぞれの頭に当たったが、箒達は紙の内容を見た後俺と顔を合わせた

 

手紙の中身はこうだ

 

          【逃げるぞ】

 

その内容を見た箒達は俺と心は一つになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「はあはあ、お前ら急げ!あいつに追いつかれるぞ!」

 

箒「ま、待て!先に行くな!」

 

セシリア「はあはあ、ど、どうなってるのですの!?これだけ走っているというのに一向に差が伸びないなんて…」

 

鈴「それどころかあたし達に徐々に追いついて来てない!?」

 

この日の授業が終わった瞬間、俺と箒とセシリアは廊下に向かって走り出した

 

更に廊下で先に逃げていた鈴と合流した

 

少しするとカズマが教室から出て俺達を追いかけ出した

 

って怖!なんかアイツ両手をポケットに突っ込んだ状態で追いかけて来た

しかも顔が映画とかに出てくる殺人鬼みたいな笑顔だ

 

捕まったら殺されそう

だからこそ逃げ切ってやる!

 

そう思ってたのが一時間前だ……

 

これだけ走っているのにアイツは俺達が逃げた先に周りこんでなおかつ同じペースで追いかけて来てる

 

アイツ体力どうなってんだ!!

 

このままだと、俺達はアイツに捕まって……地獄の訓練を受けさせられて……殺される

 

箒「ど、どうする一夏?このままでは…私達は」

 

……俺は箒の方を見て、ある考えが浮かんだ……

だがこの考えは余り褒められたものでは無い……無いのだが………俺はこんな所で死にたくない!

だから!

 

一夏「箒、靴紐が解けてるぞ」

 

箒「本当か?あいや私の靴は靴紐なんてついていないのだ」

 

箒が下を向いたその瞬間、俺は箒に背を向けて

 

一夏「さらばだ箒!お前の事は忘れな」ガシッ

 

その瞬間、駆け出した俺の手を箒が掴んだ

 

更にその瞬間セシリアが俺と箒に背を向けて

 

セシリア「さよならですわ一夏さんと箒さん!アナタ方の事は忘れませんわ」ガシッ

 

しかしその瞬間俺はセシリアの手を掴んだ

 

そしてその瞬間鈴が俺と箒とセシリアに背を向けて

 

鈴「じゃあね一夏と箒とセシリア!アンタ達の事は忘れな」ガシッ

 

だがその瞬間、セシリアは鈴の手を掴んだ

 

………そう要するに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員同じ考えだったからこそ行動が早かったのだ

 

一夏「箒!テメェ!なにしやがる!!さっさと離しやがれ!!」

 

箒「断る!離したら一夏!お前が逃げるだろうが!」

 

一夏「当然だ!俺はこんな所で死にたくない!!」

 

セシリア「わたくしも死にたくないありませんわ!離して下さい!!」

 

一夏「嫌に決まってんだろ!!離したらお前が逃げるだろ!!」

 

セシリア「一夏さん!ここは殿方の見せ所ですわよ!『ここは俺に任せてお前達は行け!』と言うべきですわ!」

 

鈴「ここはあたしに任せてアンタ達は逝きなさい!!」

 

一夏「ふざけんな鈴!!こうなったらお前も道連……れ…」

 

箒「『行』きなさいの字が違ってない……か…」

 

と、ここで…俺……と箒は…背後からの強い気配を感じて話さなくなった…

 

よく見るとセシリアと鈴も背後からのやつを感じたのか話さなくなった……

 

ポン

 

俺…と箒の肩を、誰かが手を置いた

 

……いや…誰なのかは分かってる

 

俺と箒…セシリアと鈴は…ギリギリギリと首を後ろに向けた

 

そこに居たのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「見い〜つけた〜

 

雰囲気作りのつもりか知らないが能面を被った殺人鬼(カズマ)が立っていた

 

一夏×箒×セシリア×鈴「「「「あああああ!!/いやあああああああ!!/にゃあああああ!!」」」」

 

この日…IS学園に今日一番の悲鳴が響き渡った

 

このあと全員死にましたとさ



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第10話 私の気持ち

《箒視点》

 

箒「わ///私は///い///一夏が///す///好きだ///わ///私と///つ///付き合って欲しい///」

 

いろいろな騒動があった5月の最後の週

私事篠ノ之箒はとうとうルームメイトであり幼馴染の織斑一夏に告白した

 

場所は私と一夏が共同で使っている部屋だ  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分で言うのもあれだが、私は人付き合いが上手くない…いや、むしろ苦手だ

 

小さい頃から剣道をやっている…変わっていると自分も少しは思っている

 

人付き合いが苦手な私は周りと壁を作ってしまっていた

小学校のクラスでは常に浮いていた

 

小さい頃から剣道をやっていた私は同年代の男と比べても強かった

そのせいか…私は周りの男からは常に男女とからかわれいじめられた

それにより更に私は剣道にのめり込むようになり、周りとの壁が日に日に厚くなっていった

 

 

 

 

 

……そんな時だ…アイツと出会ったのは

 

私の家は剣道教室を開いており、そこに入門してくる者もいる

中には同年代の者も入ってくる

 

そんな道場に、ある逸材が入ってきた

その逸材こそが、後にIS乗りとして世界にその名を轟かせた初代ブリュンヒルデ事織斑千冬だった

 

そして…それに付いてくるように入ってきた者もいた

それが、千冬さんの実の弟であり、同年代で唯一私と対等に戦えた男…織斑一夏だった

 

一夏はそれはもう…剣道の才を持っていた

後から始めた癖に…すぐに私と対等の実力を身に着けた

 

ただ…一つだけ言うことがあるとしたら……ものすごく私をからかってくる!!

もうしつこいくらい私をからかって来る為、何度も怒った

 

だが、それを見ていた師範である父からは温かい目で見られ

母からは『箒が私達以外にあんなに話すなんてねえ…』

 

と父同様温かい目で見られた

 

私はそれに八つ当たりをするかのように、一夏に全力でぶつかっていった

 

門下生で私の全力をぶつけられても立ってられるのは一夏だけだった事もそうだが、私と勝負できる奴が居たのが少し嬉しかったからでもある

 

千冬さん?逆に私がのされる

 

そんなこんなが続いたある日…私はいつものようにクラスの男共にからかわれ、いじめられた

 

やれ『男女』だの『剣道やってておかしい』だの

正直もう泣きそうになった次の瞬間

 

一夏「何がそんなに笑えるんだ?」

 

このクラスではない、違うクラスから一夏が来た

一夏はクラスに入ると私と私をいじめてきた男達の間に割って入ると

 

一夏「お前らがなんでこいつの事をバカにできる!こいつの手を見たか?」

 

そう言われて私は自分の手を見た

 

竹刀を握り続けていた為私の手はとてもボロボロだ

同世代で私ほど手がボロボロなのは他にいないだろうな

 

一夏「こいつはな…いつもいつも欠かさず竹刀を振ってんだよ。それこそ休憩の時間になってもずっとだ!こんなに努力して、頑張っているこいつを…なんでバカにできる!!」

 

……その時、初めて私は一夏が私の事をよく見てくれていたと思った

 

あんなに私にからかっていたが、それと同時に私の事をちゃんと見ていた…

 

一夏「お前らこいつと同じ事できるのか?毎日毎日竹刀握って剣道できるか?何も努力していない奴が、努力している奴を笑っていいわけねえんだよ!!」

 

一夏の剣幕におされ、私をいじめていた男共は何も言えなくなっていった

 

これで終わりだと思った次の瞬間

 

一夏「何これで終わりと思ってる?お前ら箒がからかわれていじめられているのを見てるのに誰も助けなかったよなあ?言っておくけど、見てるだけのお前らもこいつらと同罪だからな?」

 

今度は周りにいる私のクラスメイト達を睨んで言った

 

その日から、私はいじめられなくなった

私をいじめていた男共はクラスから分かりやすいくらい孤立し、その一方で私を助けなかったクラスメイト達からは謝られた

 

その一ヶ月後、進級した私の新しいクラスの中に、一夏がいた

 

一夏「お前あのクラスで友達って呼べる奴一人もいなかっただろ?」

 

痛い所をつかれた

 

一夏「もし一人でもいたら、あんなにいじめられなかっただろうに……」

 

私は……今まで友達と呼べる者が居なかった……人との間に壁を作っていた私に…誰(いじめてきた男共を除いて)も関わろうとしなかった

 

一夏「たくっ……とりあえず今日中に友達を5人は作るぞ」

 

箒「は?」

 

一夏「は?じゃない。学校に来てるのに、友達も作らないでどうする。ちなみに拒否権はないから?」

 

なんか段々と進められた

 

一夏「また進級するまでに30人は作る。後29人友達を作る」

 

箒「ま、待て!なぜ私が…それになぜ29人?」

 

一夏「何言ってんの?一人は俺、つまり後29人作る…単純だろ?」

 

……いつの間にか友達認定された

 

そこからは流れるように進んで行った

 

これまで持たなかった友達ができ、慣れない対人関係には疲れる所はあったものの、それなりに楽しい学校生活を送れた

 

一夏からは、友達を紹介されたり、友達の作り方を教えられ、遂には私自身で友達を作れるようになった

 

いつだったか…私は一夏に聞いた

 

 

 

     なぜ私にそこまで関わってくる

 

 

 

それに対して、一夏はこう言った

 

 

 

   お前がどこか寂しそうにしていたから

 

 

 

  後……お前が面白い奴だったからだな!

 

 

 

 

そう…なんてことないかのように、笑って言ってきた

 

 

……寂しそうにしていたか…

 

そうなのかもな……身内以外と関わったことのなかった私は……クラスで誰とも関わる事はなかった……けれど…心のどこかで、クラスで楽しそうにしているクラスメイト達が羨ましく…寂しかった……ちゃんと見ていたのだな…

 

 

そして…私をいじめから守ってくれた辺りから…一夏といる時、なぜか緊張して、女子と話している一夏を見ると不安になる事が増えた

 

手を触れられると顔が赤くなってまともに考えられなくなる

 

それが私の初恋であると知ったのは、それからすぐのことだった

 

……その後……ISを発明した私の姉…篠ノ之束が姿をくらました事で、政府の重要人物保護プログラムにより、日本各地を転々とさせられる事となり、一夏に想いを伝える前に転校して行った…いや、それは言い訳か

 

多分私は告白出来なかっただろうな…

 

一夏と離れ離れにはなったものの、一夏から友達の作り方を教えてもらっていた事もあり、転校先で孤立する事はなかった

 

だが…例え友達ができたとしてもまた転校してしまう

 

それでも友達を作ることはやめなかった……

 

一夏が私に初めて教えてくれた事だったそれを続けて行けば、いつかまた会えると信じたから

…そして、一夏が私の誕生日にプレゼントしてくれたこのリボンを使ったポニーテールをし続けていれば、一夏にすぐ分かってもらえると思ったからだ

 

そして…6年の歳月が立ち、ようやく再会できた

 

色々変わっていた所はあったものの、やっぱり一夏は一夏だった

相変わらずからかっては来るが、なんだか懐かしい

 

私以外の女子と関わりを持ってはいたが、一夏に好意を向けてはおらず、それどころか私の心の内を指摘された

 

そして……私がいなくなった後に転校してきた一夏のセカンド幼馴染兼好敵手(しんゆう)である凰鈴音(ファン・リンイン)に言われた

 

鈴「一夏が好きなら、さっさと告っちゃいなさいよ。一夏はね、直接告白されたことはないけど、ラブレターはたくさん貰ってたのよ。けど、一夏は直接告白じゃないなら話を聞く気はないのよ。自分の気持ちを直接話す。そうしなきゃ、一夏は答えてはくれないの…だから、いつまで経っても好きな男に告白しないあたしの事をヘタレって呼ぶのよ……はあー…」

 

そう言われ…私は、この6年思い続けてきた気持ちを一夏に伝えた

 

一夏「……」

 

言った…言ってやったぞ

 

ど、どうなんだ…お前の答えは……

 

一夏「箒……お前…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いくら今までそういう経験が無いからって、流石に部屋のドアを開けたままの告白は不味いだろ」

 

と…冷静に返された

 

ってえ?開いてた!?

 

私は驚いて寮の廊下に続くドアを見ると開いていた、しかも結構な音量で言ったから外に聞こえてしまったかも…

 

箒「あ///ああっ///」

 

ここまで来て更に恥ずかしくなった

 

一夏「……とりあえずドア閉めて、改めて聞こうか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからは、一夏に自身の胸の内を全て話した

 

一夏は私の本音を全て黙って聞き、それが終わると

 

一夏「そうか……箒が俺の事好きなのは6年前からなんとなく知ってたが……きっかけがよく分からなかったからなんでか考えてはいたんだがなあ…」

 

箒「ふぇ///」

 

ここに来てまさかのカミングアウト!

 

知ってたんだ…

 

箒「な///なぜ知ってたのに///今まで言わなかった!」

 

一夏「単純な理由だ。俺は箒の事意識してなかったからな」

 

箒「え?」

 

一夏「友達として意識してたが異性としてはしてなかった」

 

それはつまり……

 

箒「私のことは……好きでは、なかった……」

 

………失恋…そういうことなのだろう

 

はは…なんてことだ……どうしよう…これから、どう接すれば…

 

そう思っていると

 

山田「あのー、篠ノ之さんと織斑君いますか?」

 

このとぼけた声は山田先生だ

 

一夏「どうかしたんですか?先生」

 

山田「あ、はい。お引っ越しです」

 

一夏「主語抜けてますよ…それでは山田先生がこの部屋に引っ越すと捉えられますよ?」

 

山田「あ、すみません!えっと、お引っ越しするのは織斑君です。部屋の調整が終わったので今日から同居しなくてすみますよ」

 

つまり…一夏とはここでお別れか…

 

今の状況では好都合……だが…こんな逃げる様な真似…私はしたくない…だが…一夏とこの場に居るのは余計に辛い…失恋をする前は同じ部屋に居たかったのに…

 

一夏「ああ待って下さい山田先生。俺は別に移動しなくてもいいですよ?」

 

山田「はい?」

 

箒「え?」

 

へ?

 

一夏「俺はここにいるのが定着してるし何より、ここにいる方が楽しいので…」

 

山田「で、ですが年頃の男女が同室で生活するというのは問題ありますし…」

 

一夏「ならこうしましょうか…この分ですと、もう一組の男女ペアにも引っ越しの呼びかけするつもりなんでしょ?」

 

山田「た、確かに佐藤君にも引っ越しの呼びかけはしますが…」

 

一夏「そっちの男女ペアが別に引っ越さなくても良いって言ったら俺はこのまま箒と同室って事にしてくれません?」

 

一夏がそう山田先生に提案した…こんなの通るわけ無いと思っていたが

 

山田「……分かりました。それでは佐藤君達の所に言ってきます。……多分引っ越すことになると思いますが……」

 

山田先生はそう言って部屋から出ていった

 

一夏「いーや、引っ越さない。100パー、いや…1000%引っ越さないね」

 

そう自信持って言った

 

箒「…どういうつもりだ……」

 

一夏「いやな?俺は箒の事をそういう風に見た事は無いが、何年も俺を想い続けてきた事と、俺に告白した勇気に免じて、一度だけチャンスをやろうと思ってな?」

 

箒「チ、チャンス?」

 

一夏「ああ…来月ある学年別個人トーナメントでお前の全力を俺にぶつけてこい。それで俺が認めたら、お前と付き合おう…」

 

箒「なっ///!?」

 

まさかの展開!つまり認められれば晴れて私は一夏と……いや、待てよ…

 

箒「ま、まさか一夏…お前…この為に……私との同居を……」

 

一夏「もし俺に認められて付き合う事ができれば箒にとっては天国だが…認められずなおかつ付き合えなければ、この一年間……気不味く過ごすことになるな♪」

 

こ、こいつ…私を追い込む真似をするとは…

 

箒「お前性格悪すぎるぞ!!」

 

一夏「その性格が悪い奴を好きになった悪趣味の女はどこのどいつたっけ♪」

 

くそ…これでは意地でも認めさせなければならないではないか!

 

一夏「箒」

 

箒「なっ、なんだ?…」

 

一夏「手を抜くなよ…お前の全てをぶつけろ…さもないと…天国ではなく気不味い一年間を過ごしたくなかったらなあ」

 

そう挑発気味に言われた

 

箒「………ああ!やってやる!!必ずお前に認めさせてみせる!」

 

こうして私は新たな決意を胸に、その日を終えた

 

ちなみに件の男女ペアは引っ越し拒否したので私達は引き離されなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

千冬「諸君…おはよう」

 

6月に入り、学年別個人トーナメントが近づく頃だった

 

山田「えー…本日は大事なお知らせがあります。ええ……このクラスに転校生が2名入る事になりました!」

 

それを聞きクラス中で歓声が上がる

 

山田「それでは入ってきてください!」

 

山田先生の言葉に、教室の扉が開いた

 

一夏「……(転校生…)」

 

《昨日の出来事一夏視点》

 

それは…昨日の夜の出来事だった

 

一夏「……それは本当なのか社長」

 

カズマ「ああ…どうやら明日、俺達のクラスに転校生が2名…しかもどっちも色々問題がある…」

 

カズマ…いや社長に部屋に呼び出された俺は社長がいる部屋まで来た…すると、突然転校生が来る事を話された

 

一夏「どう問題があるのか?」

 

カズマ「ああ…まず片方はフランス…あのISシェア世界第3位の大企業、デュノア社の息子……つまりは世界で二人目の男性操縦者(・・・・・・・・・)だ」

 

一夏「……いつかは出てくるとは思っていたが…きな臭いな」

 

カズマ「だろ?とりあえず、亡にデュノアにハッキングして調べさせてみるつもりだ」

 

一夏「……一応言っておくがそれ犯罪だろ?」

 

カズマ「なに言ってんだ?亡はA.I.M.Sの一員だぞ?それにこれがIS関連の犯罪なら未然に防ぐ為に先手は打つべきだろ?」

 

一夏「……物は言いようだな……それで…そいつの資料は?」

 

カズマ「ああ…今渡す…」

 

そう言ってカズマは俺に写真付きの資料を渡した

 

写真に写っていたのは、金髪で華奢な見た目の女とも男ともとれる美少年だった

 

一夏「……名前は…」

 

 

《現在》

 

シャルル「フランス代表候補生のシャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れな事も多いかと思いますが、皆さんよろしくお願いします」

 

そう告げたシャルルは一礼する

 

その間クラスは静かになった

 

……まるで嵐の前の静けさの様に

 

一夏「(やば!)」

 

俺はこの後の展開を予測できたので耳をふさぐ

 

よく見ると箒やセシリアも同じように耳をふさぐ

 

クラス中の歓声「「「「きゃあああああ!!」」」」

 

やっぱこうなるな

 

「男の子よ!」

 

「しかも三人目でうちのクラスに!!」

 

「美形で守ってあげたくなる系の!」

 

やばい…こいつら初日の出来事忘れてないか

 

そんなに騒いでいると

 

カズマ「うるせえええぇ!!」

 

ダンダンダンダンダンダンダンダンダン!←そこら中にゴム弾を発砲した

 

ほらな?

 

カズマ「あ、これがこのクラスだ。俺はクラス代表の佐藤和真。シャルル・デュノア君、ようこそIS学園に!」

 

一夏「(あの流れで自己紹介に持って行きやがった!?)」



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第11話 金と銀の問題児

《一夏視点》

 

さて…いかにも怪しいシャルルのことはひとまず置いといて、もう片方の転校生

 

髪は輝く様な銀髪で、腰近くまで長くおろしている

 

顔は整っているが、左目に眼帯を付けている

 

……まるで中学時代のめぐみんの様だ

 

てかちっさいな…資料で見た通りだが実際に見ると更に小さく見える

身長の低さは鈴やめぐみんにも匹敵する

 

ふむ、低身長…見た目ロリ…貧乳の三拍子……これアイツらに聞かれたらなにされるんだか

 

千冬「挨拶しろ…ラウラ」

 

ラウラ「はい、教官」

 

一夏「(教官……やっぱりな)」

 

昨日のシャルルの資料と同様に、もう片方の転校生についての資料も見た

ドイツ軍、IS配備特殊部隊『シュヴァルツェ・ハーゼ』通称 黒ウサギ隊の隊長であり、ドイツの代表候補生

 

そして、千冬姉を教官と呼んだと言う事は…やはり…千冬姉の教え子か

 

俺の誘拐事件が起きた当時、ドイツ軍は独自の情報網から俺の居場所を特定しそれを千冬姉に伝え、その見返りとして千冬姉に約1年間、ドイツ軍のIS教官を務めさせたそうだ

そうだって言うのは…千冬姉はその時の一年を詳しく話したがらないからだ…昔から俺をISから離して育てていたからな

 

資料によると…軍のおちこぼれだったラウラを僅かな期間でトップにまで上がらせたそうだ

その結果、ラウラから心酔されているようだ

 

……その資料には……あまり気持ちの良いものが書かれてなかったな

 

ラウラ「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

山田「ええっと…他にはないですか?」

 

ラウラ「以上だ」

 

いや…なんか喋れや

山田先生涙目になってるし泣かすなよな

 

ああ見えて山田先生は生徒達からやまぴーとかまーやんとかマヤマヤとかって呼ばれる位千冬姉とは違うベクトルで慕われてんだからさあ

 

……本人は千冬姉みたいな威厳のある教師でありたいと言ってるがそれは無理だな(断言)

 

そう思っているとラウラと目があい

 

ラウラ「!貴様が━━」

 

つかつかと俺の方に近づきそして

 

バシンッ!

 

俺に突然の平手打ちをしてきた

 

一夏「……駄目だなあ…あんなわかりやすく殺気立って近づいてきちゃあ…俺だって警戒するんだが?」

 

ラウラ「!」

 

が、俺は片手でラウラの平手打ちをしてきた手を掴み、防いだ

 

ラウラの突然の行動にクラス中がこっちを注目しぽかんと口を開いている

 

ラウラ「認めない!貴様があの人の弟であると、認めるものか!」

 

俺を睨みながらそう言ってきたが、俺はそれを平然と流した

 

一夏「認める認めないとかお前には関係ない。それよりも……初日から問題を起こすとは…それでも千冬姉の教え子かラウラ・ボーデヴィッヒ?」

 

ラウラ「なんだと!?」

 

ラウラはそう言うと腰に下げてある軍用ナイフを取り出そうとした

 

カズマ「そのへんにしろ」

 

が、いつの間にかラウラの後ろに回り込んでいたカズマが銃をラウラの後頭部に押し付けていた

 

ラウラ「くっ!貴様!」

 

カズマ「さっさとナイフを取り出そうとした手を引っ込めて戻れ。ちなみにこの銃の中身は暴徒鎮圧用非殺傷ゴム弾だ。この距離からくらっても死にはしないだろうが2〜3時間は痛みでもだえ苦しむ事になるだろうな……そうなりたくなかったら…わかってるな?」

 

ラウラは忌々しそうに俺とカズマを見たがやがて渋々と手を引っ込めて戻って行った

 

千冬「あー、各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は2組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」

 

と、さっきまでの出来事に何も対応しなかった駄目姉がそう、俺たち全員に言った

 

一夏「……」

 

俺はそんな駄目姉を睨むがとりあえず動くことにした

 

千冬「織斑、佐藤。デュノアの面倒を見てやれ。同じ男子だろう」

 

そう言われたが千冬姉の顔はどこか怪しそうにしていた

 

おそらく俺と同じできな臭さを感じてんだろうな

 

さて

 

シャルル「あ、君が織斑君?初めまして、僕は━」

 

カズマ「ああ、今はいいからとにかく走れ。女子共が着替え始めるから走りながら聞く」

 

カズマが説明と行動を同時に移す

 

そして俺とシャルルの手を取るカズマはそのまま走っていった

 

シャルル「ど、どういうこと?」

 

カズマ「クラスで着替えする女子共がいる中で着替えるわけにはいかないだろうが、だから空いている更衣室で着替えるんだよ。まあ俺はIS使えるわけじゃないから着替えるのはお前と一夏だけな」

 

一夏「そうだ、これから実習の度にこの移動があるから、早く慣れておけ。だが少しでも遅れるとブリュンヒルデに雷を落とされるから遅れないようにしないといけないからな」

 

シャルル「う、うん。でも今からなら余裕で間に合うんじゃないのかなあ」

 

一夏「……そう簡単にいかないからなこの学園は…っと噂をすれば」

 

「ああっ!転校生発見!」

 

「しかも織斑君や佐藤君も一緒!」

 

カズマ「あんなふうに各クラスから情報先取の為の尖兵が駆け出して来るんだよ。それもかなりの数が」

 

一夏「捕まったら最後、質問攻めの挙げ句遅刻になっちまう」

 

「いたよ!こっちよ!」

 

「者共出会え出会えい!」

 

カズマ「……いつからここは武家屋敷になった」

 

一夏「まあ生徒の大半は日本人だしな」

 

シャルル「な、なんでみんな騒いでるの?」

 

状況を飲み込めてないのか困惑している

 

一夏「そりゃあ俺達が男だからだ。この学園じゃ、男は俺達しかいないから希少性があるんだよ」

 

カズマ「加えてここは女子校であり全寮制だ。男との出合いが少なくて飢えてんだよ」

 

シャルル「う、うぅっ…」

 

俺達の説明を聞いて苦笑いをしている

 

一夏「あ、やば」

 

走っていると目の前の方から女子共がなだれ込んできた

 

シャルル「ま、不味いんじゃないのあれ!?」

 

シャルルが困惑しながら俺達の顔を見て言った

 

カズマ「いや、問題ない。別の通り道から行けばいいだけの話だ」

 

そう言うとカズマは携帯を取り出してどこかに電話した

 

カズマ「ああ、予定通り頼む」

 

そう言っていると数秒後、めぐみんとダクネスが来て目の前の方から来ている女子の波の手前にある窓を開けた

 

一夏「よし、行くぞ」

 

カズマ「ああ、覚悟決めろ」

 

シャルル「え?覚悟って何!?今から何するの!?」

 

カズマ「何って決まってるだろ?道は一つしかない」

 

シャルル「ええ!?ま、まさか…」

 

一夏「そのまさかだ。Are you ready?(覚悟はできたか?)

 

そして俺が最初に窓から飛び降り、続いてシャルルの手を握るカズマもシャルルと一緒に飛び降りた

 

シャルル「出来てなああああああいい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「あ、ちなみに俺織斑一夏、よろしく」

 

シャルル「飛び降りながらの自己紹介!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

その後着替えた俺達はグラウンドに来た

 

もうすでに他の生徒も集まっていた

 

アクア「3人とも遅かったじゃないの、やっぱり襲撃された?」

 

カズマ「まあな、おかげで窓から飛び降りたが」

 

シャルル「ふ、普段からこんな普通じゃないことしてるのふたりは!?」

 

一夏「そもそも女子校に男子がいる時点で普通ではないだろうな」

 

鈴「ねえ、今日そっちに転校してきた転校生の子にはたかれたって本当なの?」

 

セシリア「ええ、ですが一夏さんは片手で防いでカズマさんが後ろから銃を向けて無力化させましたわ」

 

鈴「なんていうか…相手が悪かったわね、その転校生の子」

 

千冬「ではこれより、戦闘を実演してもらおう。そうだな……凰!オルコット!」

 

鈴「うん?」

 

セシリア「わたくし達が、ですか?」

 

千冬「そうだ、専用機持ちはすぐにはじめられるからな。いいから前に出ろ」

 

そう言われてふたりが前に出た

 

鈴「それで、相手は誰なんですか?セシリアですか?」

 

セシリア「わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんわ。クラス対抗戦で一夏さんとの戦いを見ていたときから、一度勝負してみたかったので」

 

千冬「慌てるなバカ共。対戦相手は━」

 

ん?空から空気の裂く様な音が

 

山田「ああああー!!ど、どいてください〜!」

 

ドカーン

 

声の方を向くとそこにはISを纏った山田先生が墜落した

あ、山田先生が墜落した場所って

 

セシリア「ち、ちょっと待って下さい!山田先生が墜落した先って…」

 

箒「カズマが立っていた……場所だよなあ…」

 

………

 

鈴「ええ!?カズマがISに潰れて死んだ!?」

 

そう……俺の上司が…いた場所に墜落した

 

一夏「ああ…あれは痛そうだな」

 

箒「い、痛そうって、今潰されてるのに痛そうの一言だけか!?」

 

一夏「……そういえばお前らに1つ言ってなかったことがあるな……うちの社長は」

 

やがて土煙が晴れるとそこには…

 

カズマ「……痛い…」

 

一夏「千冬姉にも並ぶ人外だからな」

 

アクア、千冬以外の全員「「「い、生きてるー!?」」」

 

カズマは山田先生に潰されている形でいるが普通に生きている

 

山田「あ、あのう、佐藤君……///」

 

あ、よく見るとカズマの手が山田先生の2つのメロンを触っていた

 

カズマ「あ、すみません山田せん━」

 

山田「その、困ります。こんな場所で」

 

カズマ「いやですから今どきますか━」

 

山田「仮にも教師と生徒でですね!……ああでもこのまま行けば社長夫人ってことで、それはとても魅力的な━」

 

カズマ「一夏、社長命令だ。この色ボケ教師を撃て」

 

一夏「いや俺になんて命令だしてやがる!まあ命令なら仕方ないか」

 

セシリア「仕方ないかじゃありませんわ!何を実行しようとしてるのですか!?」

 

カズマ「俺人の話聞かないの嫌いだからなあ…」

 

箒「そこまでか!?」

 

なんかカオスな場面になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして

 

千冬「さて、お前達の相手は山田先生だ。2対1でな」

 

鈴「え?」

 

セシリア「お、お言葉ですが、それは流石に」

 

ふたりがそう言いたくなる気持ちはわかるが

俺はふたりに近づいた

 

鈴「一夏?」

 

一夏「一応忠告、お前ら全力でやれ。でなきゃすぐ負ける、まあ全力出したところで負けるだろうがな」

 

セシリア「なっ!」

 

一夏「山田先生はああ見えて元日本代表候補生だった女性だ。しかも…実力なら千冬姉に次ぐ程だ。千冬姉が居なかったら代表確実とまで言われたほどだ」

 

鈴「ええ!?」

 

千冬「ほう、よく知ってるな織斑」

 

一夏「……一応過去のIS操縦者の記録は一通り見てますのでね……俺も調べている時、ここまで強かった事に驚きましたけどね……普段はドジっ娘の癖に…」

 

山田先生「ド、ドジっ娘って…織斑君〜…」

 

山田先生が涙目になって言うがそれはIS学園生徒全員が承知していることだ

 

セシリア「で、ですがわたくしは入学試験の時に一度勝っている相手ですわよ!」

 

一夏「あ、俺も確かに勝ったな。ただあれは勝ったってより勝手に自滅したんだけどな……大方あのドジっ娘の所のせいで本来の実力が出せないで負けたってことだろ」

 

山田先生「うっうぅぅ…」

 

千冬「その辺にしてやれ。それでは両者位置につけ」

 

千冬姉に言われた山田先生と鈴とセシリアはそれぞれ配置につき

 

千冬「はじめ!」

 

号令と共に鈴とセシリアが山田先生に襲い掛かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んで、結果だけ言うなら、負けたな

 

千冬「10分か。山田先生が相手の割には少しはやれたところか」

 

一夏「俺の予想では、持って8分だったんだがな…あの地獄の訓練が聞いたってことだろうな…」

 

セシリア「一夏さん!思い出させないで下さい!!」

 

鈴「………訓練用の量産機でこの強さって……」

 

山田先生が使っていたのISはデュノア社製『ラファール・リヴァイヴ』

ISの第二世代開発最後期の機体であり、スペックは初期第三世代型にも劣らず、安定した性能と高い汎用性、豊富な後付武装が売りの量産機だ

んで世界第3位のシェアを持っており、7ヶ国でライセンス生産、12ヶ国で制式採用されている

 

そして最大の特徴は操縦の簡易性により、格闘、射撃、防御など、全タイプに切り替え可能の完全な万能タイプだ

 

一夏「お疲れさん。んで山田先生と戦った感想は?」

 

セシリア「そうですね……日頃のオドオドしている姿からは予想付かないほどの力の差を見せつけられましたわ」

 

鈴「千冬さんが居なかったら代表確実だったのも納得したわ……けど……その山田先生でさえ代表になれなかったって…どんだけ強いのよアンタの姉は」

 

千冬「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力は理解できただろう。以後は敬意を持って接するように。では専用機持ちの織斑、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰。それと、佐藤と水神はこれからグループになって行う実習の各グループリーダーとなり指導しろ。量産機はそれぞれの班に付き1つを使え」

 

一夏「先生、鈴とセシリアはグループリーダーをさせないほうがいいと思いますよ」

 

千冬「なぜだ織斑?」

 

一夏「絶望的に教えるのが下手だからですよ」

 

鈴「なんですって!」

 

セシリア「一夏さん!それはあんまりではないですか!」

 

一夏「だまれ感覚派と理論派。どうしても誰かに物を教えたいなら山田先生か織斑先生の教え方を参考にして教えろ」

 

セシリア「うん?でも待って下さい。カズマさんはIS使えませんし、アクアさんは専用機を持って無いはずなのになぜ指名したんですか?」

 

カズマ「確かに俺はISは使えない……ただし、ウチの会社にはVR式の疑似ISを操作する機械がある。会社にいる時、俺は暇な時間はそれを使ってたからな。本物は動かせないが、VRなら使える。本物との差異が無いから誰でも本物と同等のを操作できる代物だ。実はそれをこんどこの学園に導入する予定だ。だから俺も教えることはできる。それとアクアの専用機は単に白式を作る事を優先にしていただけだがちゃんとある。まあまだ手元には無いがな。それでもウチのテストパイロットだから量産機を散々触ってきたから教えられるはずだ」

 

鈴「そんなのあったの!?」

 

一夏「あるぞ。何だったら俺もしょっちゅうその機械使ってた」

 

セシリア「いや…それよりもアクアさんも専用機があるのですね」

 

アクア「正確にはまだ未完成だけどね。多分今月ある学年別個人トーナメントが終わった辺りに完成する予定よ」

 

こうして俺達はそれぞれ分かれて指導した

 

鈴とセシリアは山田先生と千冬姉の教え方を目で見てどうにか教えようとしている

 

シャルルは分かりやすく説明しており、ISに乗れないカズマもうまく教えている。アイツ案外人に物を教えるの上手いんだよなあ

 

そして、そのカズマの相方のアクアはというと、意外と教える事ができていた

 

アイツ頭良くないから人に教えるのは上手くないと思っていたが俺の杞憂だったか

 

……だが…

 

ラウラ「……」

 

あのドイツ娘は何もせずただじっとしてるだけだ

 

何がしたいんだアイツは

 

あ、山田先生がラウラの代わりに指導に入った

それと千冬姉がなんか言ってるな。そしてラウラを出席簿で叩きやがった

 

相川「出席番号一番!相川清香(あいかわきよか)!ハンドボール部!趣味はスポーツ観戦とジョギング!よろしくおねがいします!」

 

突然の自己紹介をした相川が深く礼をすると右手を差し出した

 

「ああずるい!」

 

「私も!」

 

「第一印象から決めてました!」

 

すると周りの女子共までもが同じように頭を下げて手を差し出した

 

よく見るとシャルルやカズマの所でも同じような現象が起こっていた

 

……まあ意味は分かるが

 

一夏「うむ、正直に堂々と言うのはいいな」

 

女子共の後ろの方にいる箒が愕然としているのが写った

 

一夏「だが生憎俺、ガードは固いんだよ。他をあたってくれ」

 

クラスの女子共「「「ちくしょー!!」」」

 

大勢振った。多分世の男共から『このクソリア充野郎!!』とか言われそうだな

 

とまあ、相川にISの装着から起動、歩行までさせたところで問題が発生した

 

相川「あ、ISしゃがませるの忘れてた」

 

そう、立ったままISの装着解除をするとISは立ったままの状態になる

 

コックピットから結構な高さがある為、よほど身体能力があるやつでもない限り、立ったままのISに乗ることはできないな

 

一夏「……仕方ないか」

 

俺は白式を展開、装着すると

 

一夏「…俺が抱っこするよ」

 

「「「きゃあああああ!!」」」

 

俺がそう言うと女子共が感極まった声をだした

 

相川「あ、ずるい!!」

 

相川が何か言っているが、俺はとりあえず側にいた女子(名は岸里)を抱っこした

 

周りの女子はそれを羨ましそうに見てるが、その中にいる箒は面白くなさそうに見ていた

 

一夏「さて、だっこしたな……じゃあ岸里………後はうまく乗り込めよ(・・・・・・・・)

 

岸里「え?ひゃああああ!!」

 

俺の班の女子全員「「「へ?」」」

 

俺はそう言うと岸里を空に投げてISに乗り込める位置に飛ばした

 

岸里「あ…あ…」

 

一応岸里はISに乗り込めたが軽く放心状態になっている

がしばらくして起動と歩行を終わらせたが

 

一夏「あ、またしゃがみ忘れたな……仕方ない。誰か、俺に抱っこされたい奴は」

 

「みんな逃げるのよ!!」

 

「織斑君に捕まったら投げられる!!」

 

「だっこされるのは美味しいけどその後が怖い!!」

 

そう言って逃げて行った

 

一夏「やれやれ…釣れない奴らだな…そう思うだろ?箒」

 

箒「私に言うな!!そして来るな!」

 

一人逃げ遅れた箒を俺が捕まえようとしていた

 

一夏「大丈夫大丈夫。ちょっと抱っこしてちょっと投げ入れるだけだ」

 

箒「いやそんなことするならお前がそのまま乗せてやればいいだろ!!」

 

一夏「……あ、その手があったか」

 

箒「気づかなかったのか!?」

 

一夏「……まあこっちの方がお前の反応見れて面白そうだからいいや」

 

箒「ま、待て!やめろ一夏!!」

 

一夏「嬉しくないのか?自分が惚れた男に抱っこされるなんて、中々のシチュエーションだろ?」

 

箒「そ///そう言われてみれば///って納得するわけあるか!!お前は単に面白がってるだけだろ!!」

 

一夏「あらバレちゃった……じゃあ投げ込むか」

 

箒「だ、だからやめろ!!わ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の側に近寄るなあああああ!!



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第12話 転校生との交流

大学生生活が始まって遅くなりました。

大学生活になれるまでは投稿ペースが今より遅くなると思いますが、おねがいします。


 

《カズマ視点》

 

一夏「いやーたくさん動いた後に食う昼飯は美味いなあ」

 

鈴「たくさん動いたってより…たくさんいじめたの間違えじゃないの?」

 

セシリア「わたくし達の班にまで悲鳴が聞こえましたわよ」

 

カズマ「前々から思っていたが、お前サドが過ぎないか?」

 

昼時

午前の授業を終えた俺達は屋上で昼ごはんを食べる事にした

 

集まっているのは俺とアクアとめぐみんとダクネス、それと一夏と箒とセシリアに鈴…そして

 

シャルル「あ、あはは…僕も来ちゃっても良かったのかな」

 

転校生のシャルルを合わせた9人だ

 

カズマ「いいに決まってるさ。転校してきたばかりのお前をクラスに馴染めさせる。これもクラス代表の俺の仕事だからな」

 

一夏「カズマ……クラス代表になって2ヶ月経ってやっとクラス代表らしい事をしたな」

 

カズマ「うっせ……それにしても」

 

俺は輪になっている俺達から離れて一夏を睨んでいる箒を見た

 

一夏「いつまでそこで睨んでんだ?早くお前も来いよ」

 

箒「う、うるさいぞ!誰のせいだと思っている」

 

めぐみん「どう見ても一夏のせいですね」

 

ダクネス「お前も箒をあまりいじめるな」

 

一夏「わかったよ。ほら箒、悪かったよ。お詫びに俺が直接食べさせてやるよ」

 

箒「な///!」

 

一夏の発言により箒が顔を赤くした

 

セシリア「まーたいじめてますわよ」

 

鈴「まあこのくらいならさっきよりはだいぶマシよ」

 

このIS学園は全寮制なので、弁当持参にしたい生徒の為に早朝のキッチンが使えるようになっている

 

この中で購買で昼飯を買ったのはダクネスとシャルル

 

それ以外は皆弁当を作ってきた

 

一夏「ほら箒、アーン」

 

一夏のヤツ、箒の弁当箱に入っている唐揚げを食べさせようとしている

 

箒「い、一夏///」

 

一夏「いいから食えよ」

 

箒は顔を赤くして最初は戸惑っていたがやがて意を決して口を開き、一夏が箸で摘んでいる唐揚げを口に入れた

 

一夏「どうだ?自分が作った唐揚げの味は?」

 

箒「う、うむ///衣がぱりっとしていてベタついてなく、噛むたびに口に広がる肉汁。そして冷めることを計算していてやや濃いめに感じる。だが不思議と後味はしつこくなく飲み込むとすぐに次の唐揚げが食べたくなる…って、なぜ私が自分の作った唐揚げの解説をするのだ!普通逆だろ!私以外が食べて解説すべきだろ!」

 

一夏「うん、いいノリツッコミだ」

 

シャルル「ノリツッコミ!?」

 

シャルルは今のやり取りに驚いたようだが一夏はそれにお構いなしで箒の弁当箱の唐揚げを一つ食べた

 

一夏「……味は少し変わってるな、混ぜたのはショウガと醤油とおろしニンニクだな。それとあらかじめ胡椒を少し混ぜてんな。それに隠し味は大根おろしか……仕込みに時間かかっただろうな…」

 

箒「お前は鑑定士か!?あ、いやそれよりも…味の方は…」

 

一夏「普通に美味いな。ガキの頃より料理の腕は上がってるみたいだな……ガキの頃はひどかったのにな」

 

箒「こ、子供の頃の話だろ!……流石に今は大丈夫だ」

 

一夏「はいはい。ほら、もっと食えよ」

 

そう言うと一夏はまた箒に唐揚げを食べさせた

 

セシリア「あ、その…わたくしも作ってきました……今度は問題ないと思いますわ……ですので良かったら」

 

セシリアが恐る恐ると俺達にバスケットに入ったサンドイッチを差し出してきた

 

セシリアがこんなふうな態度なのには理由がある

 

先日、俺と一夏が料理を振る舞ったんだが、その時に箒とセシリアは女子のプライドを傷つけられたようで、その翌日セシリアと箒が料理を作ってきた

 

箒は料理をうまく作れたが、問題はセシリアだった

 

その時作った料理は見た目は綺麗にできていた

まるで一流レストランに出てくる料理並みに見事に彩られていた

 

しかし……味は壊滅的にひどかった

某七つの大罪の団長並みにひどかった

 

そしてその料理を食べた俺はセシリアに『料理とは?』と聞いたら、『写真と同じようにすればよいのでは?』と答えたので俺と一夏はセシリアの両腕を組んで連行した

 

そして数分後、真っ青になったセシリアを連れて戻ってきた

 

このとき箒はセシリアに何をされたのか聞いたが当の本人はたった一言しか話さなかった

 

セシリア「……何も…なかった……」

 

普段のお嬢様口調を話さないくらいの事をされた…だが、ナニをされたのか箒がそれを知ることはなかった

 

カズマ「……」

 

一夏「……」

 

俺と一夏は無言でサンドイッチを食べ、それをセシリアは緊張した様子で見ていた

 

カズマ「……少し油が多いが不味くはないな」

 

一夏「及第点だな……俺とカズマに教えられた事を忘れずに作った事がよく分かるな」

 

俺達の感想を聞きセシリアはホッとした

 

シャルル「……なにがあったのかな……?」

 

鈴「知らないほうがいいわよ」

 

カズマ「それはそうとシャルル、さっき集まってきた女子生徒達に言ってたセリフなんだが」

 

アクア「ウッウン…『僕の様なものの為に咲き誇る花の一時を奪う事はできません。こうして甘い芳香につつまれているだけで、もうすでに酔ってしまいそうなのですから』(シャルルの声真似)」

 

シャルル「ちょっとそれ僕の声真似!?」

 

セシリア「上手くありませんか!?」

 

鈴「相変わらずの器用さね」

 

箒「一瞬本人が言ったと思ったふご!?」←一夏が構わず唐揚げを口に入れ続けた

 

一夏「はいはい早く食べような」

 

カズマ「凄いなお前。ああいうセリフなんて美少年とかが言ったらイヤミに聞こえてくるのにお前のは全くと言っていいほどイヤミ臭くなかったな」

 

一夏「ある種の才能なんだろ」←箒に食べさせ続けている

 

シャルル「そ、それはそうと一夏が篠ノ之さんにやってるのってもしかして日本でカップルとかがするっていう『はい、あーん』って言うやつなのかな?」

 

箒「ゴフッ!?」←口いっぱいに唐揚げが入っている状態で驚いている

 

一夏「ん?フッフフ、そいつはどうだろうな〜♪」

 

一夏が意味深な笑みを浮かべて言った

 

……アイツら絶対何かあったな

 

そう考えているとアクアに俺の弁当に入っていたハンバーグを盗られた

 

カズマ「っておい!俺のハンバーグ取るな!」

 

アクア「だって食べ足りないんだもん」

 

カズマ「だからと言って俺から取るな!たくっ…なんかお前のやつから貰うからな」

 

アクア「あ、じゃあ私の春巻きあげるわ」

 

そう言うとアクアは自分の弁当に入っている春巻きを箸で取ると俺に向けてきたので俺は一口で食べた

 

シャルル「……あっちのふたりは…」

 

鈴「いや、あのふたりはないわよ」

 

ダクネス「ああ、あれはカップルとかそういうものではないな」

 

めぐみん「ある意味カップルよりも密着度は高いですが…」

 

シャルル「そ、そうなんだ(汗)」

 

セシリア「それより一夏さん。今朝あなたはボーデヴィッヒさんに叩かれそうになりましたが、あなた過去に彼女に何かしたのですの?」

 

一夏「……いや、少なくともアイツとは今日あったばかりの初対面だな…だから俺は知らないな」

 

シャルル「そ…そうなんだね…けどまいったな……僕が入る寮の部屋のルームメイトの相手……ボーデヴィッヒさんだからなあ…」

 

カズマ「そうか…何かあれば俺達の部屋とかに避難してこい…」

 

シャルル「あはは、本当に何かあったら頼らせてもらうよ…」

 

鈴「あたしの部屋にも来ていいからね……それはそうと一夏」

 

一夏「なんだ鈴?」

 

鈴「もうあたし達の方を見て話しながら箸で食べ物つまんで箒にあげないでよ」

 

一夏「それはなんでだ?」

 

鈴「箒が保たないから…」

 

箒「……ピクッピクッ…」←口いっぱいに食べ物詰められて苦しんでいる

 

一夏「あっ…」←途中から見ずに箸だけ動かしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

シャルル「一夏ってすごく強いね。武器はその雪片弐型だけで僕に勝っちゃうんだし…」

 

一夏「そうは言うがお前も普通に強いからな。【ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ】だったか?ラファールを更にいじって武器の拡張領域(バススロット)を倍にしたんだったか?」

 

鈴「あたしやセシリアの専用機でも5個が限界っていうのにあたし達の倍は装備できるなんてね…」

 

セシリア「ちょっとした武器庫ですわね」

 

箒「ちょっとしたではないだろ…それだけ装備あれば戦争ができるな」

 

皆で昼食を食べた数日後、俺を含めた専用機持ちと箒はアリーナに集まって自主練をしていた

 

ちなみに社長はアクアを連れて仕事に、めぐみんもダクネスを連れて仕事とか言って今日は学園にいない

 

……まだめぐみんとダクネスがどこ所属なのは俺とカズマとアクアと鈴を除いた連中は知らないからな…

 

一夏「俺のISは近接戦闘向きのISだからな…遠距離相手だと相性が悪いな」

 

シャルル「……一応僕のISは遠距離近距離に対応できる万能型なのにそれに勝っちゃうのに相性が悪いって言われても説得力がないよ。それと一夏のISは後付武装(イコライザ)がないんだよね?」

 

一夏「まあな。どうやら俺の白式は拡張領域がないみたいなんだよな。おそらくワンオフ・アビリティーに容量を喰われてるのが理由だろうな」

 

シャルル「……ちょっと確認なんだけど、一夏の射撃の腕はどれくらいなの?」

 

セシリア「それでしたら実際に見たほうが早いですわよ」

 

そう言うとセシリアは自分のライフルを俺に貸してきた

 

一夏「じゃあよく見ておけよ」

 

俺はライフルを持つとアリーナの壁にある的に向かって

 

数発撃った

 

シャルル「……近距離だけじゃなく…遠距離も強いんだね…」

 

俺の撃ったライフルの弾は的の線の部分に全て命中した

 

セシリア「いや一夏さん!?あなた今スコープを使わずに正確に撃ちましたわね!?どんな目をしてらっしゃるのですか!?」

 

鈴「なんていうか……アンタも人外ね…」

 

箒「格闘もできて銃も剣も扱えて…もはや何でもありだな…」

 

一夏「そりゃあ俺はずっとA.I.M.Sで鍛えてきたからな。これくらいなんてことないな。それと鈴、俺の事を人外って呼ぶのはやめろ。俺は人外って呼ばれるのは好きじゃねえんだよ。人外って言うのは千冬姉や社長みたいなのを言うんだよ」

 

その場の全員「「「「いや…一夏(さん)も大概だと思う(わ)(ですわ)(よ)ぞ」」」」

 

そうこう話しているとアリーナ内がざわつき始めた

 

騒がしくなったほうを見るとそこにはもうひとりの転校生、ラウラ・ボーデヴィッヒがISを装着して立っていた

 

一夏「……あれは、ドイツの第三世代型か」

 

箒「確かまだ日本ではトライアル段階だったはず…」

 

こいつが来た時点で嫌な予感しかしねえな

 

ラウラ「おい」

 

突然ラウラに声をかけられた

 

一夏「なんだよ」

 

ラウラ「貴様も専用機持ちだそうだな。ならば話が早い。私と戦え」

 

いきなり俺に勝負を申し込んできたが

 

一夏「嫌だね。お前と戦っても面白くもない……第一理由が無いんだよ、お前と戦う利用が」

 

ラウラ「お前に無くとも私にはある。貴様が居なければ、教官が大会2連覇の偉業を成し得たというのに…私は……貴様の存在を認めない!」

 

……あのラウラついての資料……そしてこいつが千冬姉の教え子というところで、大体の理由は察することができる

 

一夏「だから、お前にそれを決める権限はない。何度も言うが俺はお前とは今戦わない……どうしてもと言うなら、今月にある学年別個人トーナメントで相手になってやるよ……まあ最も、お前が勝ち上がるほどに強ければの話だがな」

 

俺はラウラに挑発気味で言ってやった

 

ラウラ「……フッ…良いだろう。貴様の事は、そのトーナメントで叩き潰してやろう」

 

そう言うとラウラはアリーナを後にして行った

 

一夏「ふう…危なかったな…ああいうのは周りに他の奴が居てもお構い無しで戦いを挑んで来そうだからなあ」

 

セシリア「あ、あの…一夏さん…本当にボーデヴィッヒさんと何か因縁が……」

 

セシリアが俺にラウラと何かあったのか聞いてきたが

 

鈴「セシリア、一夏が何もないって言ったんだから何もないし…たとえあったとしても…本人が言わないんだから聞くだけ野暮ってやつよ」

 

鈴が俺のフォローに入ってきてこの場はどうにか収まった

 

アリーナを出た所で俺は鈴に

 

一夏「悪いな、庇ってもらって」

 

鈴「いいわよこのくらい……一夏にとって…あんまし良い思い出じゃないんでしょ?」

 

一夏「まあな…」

 

鈴は俺に隠し事を話し、俺は鈴に俺の隠し事を話す…それがガキの頃した俺達の誓い

 

だから、中学時代のダチ達には話してない大まかな事をこいつは知っている

 

一夏「……そう遠くない内に…アイツとはケリをつけなきゃな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「なあシャルル……お前は何しにここに来たんだ?いや…何が目的でここに来た?」

 

シャルル「え?」

 

アリーナから出て行った俺達はその後、それぞれが自由時間を過ごす事にした

 

俺は、俺の部屋にシャルルを呼び出した……

そしてシャルルを尋問した

 

シャルル「な…何を言っているの一夏……僕がここに来た理由は」

 

一夏「俺のISのデータが欲しいのか?シャルル……いや…こう言うべきかな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュノア社長の一人()シャルロット(・・・・・・)・デュノアさん?」

 

 



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第13話 金の真実

遅くなってすみませんでした。


《一夏視点》

 

シャルル「……」

 

一夏「だんまりか…ちなみに誤魔化しても無駄だからな。きっちり裏は取れている。俺さ…これでもA.I.M.S……対人工知能及び、IS特務機関の所属なわけ…うちにはさ、ハッキングのスペシャリストがいるからそいつにデュノア社を調べさせたんだよ……そしたらその結果…ある事が分かった……シャルル・デュノアなんて男のデータは存在してなかった……だが、代わりに…シャルロット・デュノアという女のデータはあった」

 

そう言って俺はシャルル……もといシャルロットを見た

 

シャルル「……いつ…気づいたの?」

 

一夏「ついさっきだ。さっき、社長からメールでお前についての事を全て聞かされた……まあ…最も、社長は転校初日の時点でお前が女だって気づいていたみたいだがな」

 

シャルル「え?」

 

一夏「話を続けるぞ……なぜ男のフリなんてした?」

 

シャルルは俺を見ていたがやがて観念したのかため息を吐き、話しだした

 

シャルル「僕…愛人の子なんだ……父に会ったのは2回くらいかな……引き取られたのは2年前…お母さんが亡くなった辺りに…引き取られた時にした検査でIS適応が分かって非公式だけどテストパイロットをやる事になってね……一度ね…本妻に殴られた事があったよ。『この泥棒猫の娘が!』ってね…」

 

一夏「……」

 

シャルル「それから少しして…デュノア社は経営危機に陥ったの……今の時代、第三世代型が主流になって来ているのに…うちは未だに第二世代型だから…それにISの開発ってものすごくお金がかかるんだけど、ほとんどの企業は国からの支援で成り立ってる所ばかり…フランスは欧州連合の統合防衛計画『イグニッション・プラン』から除名されているから、第三世代型の開発は急務なの。それでデュノアも第三世代型の開発したけど元々遅れに遅れての第二世代型最後発だからね、圧倒的にデータ不足に時間不足……その上政府からの通達で予算大幅カットされたの。そして次のトライアルで選ばれなかった場合は援助を全カットする上、IS開発許可も剥奪するって流れになって……そこであの人から僕に」

 

一夏「なるほどな…大体分かってきた。お前が男のフリをしたのは広告塔の役と男の俺と接触しやすくてなおかつ」

 

シャルル「……白式のデータを盗みやすいから…」

 

そう言うと曇っていたがどこか楽になった様な表情をした

 

シャルル「ははは…でもバレちゃったし僕もデュノア社もおしまいだね……」

 

そして…そんなまるで…もはや何もかもがどうでもいい……そう言いたげな顔をした

 

 

……親…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《過去回想》

 

 

幼い一夏「チフユおねちゃーん…オトウサンとオカアサンは〜?」

 

幼い千冬「……いいか一夏…お前の家族は私だけだ」

 

幼い一夏「え?」

 

幼い千冬「今は分かってくれないだろうがこれだけは覚えていてくれ。私はお前の前から居なくならない。絶対だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《現在》

 

一夏「ふざけてるのか?」

 

シャルル「へ?」

 

一夏「ふざけてるのかって言ったんだよ!何簡単に諦めてんだよ!勝手に親に生き方を決められたその上こんな結果になった。それでおしまいか?なんで簡単に諦める!!親に振り回されてこれでおしまいって本気で思ってんのか!本当にそれでいいと思ってんのか!?」

 

シャルル「良いわけないよ!!僕だって…普通に生きていたい!自分のしたい事…やりたい事だってたくさんあるのに……自由に生きられない……そんなの嫌に決まってるでしょ!!……でも…」

 

そこでシャルルは涙を流した……

 

相当抱えてたんだろうな……

 

シャルル「……頼れる人は居ない……居場所もない……無いものだらけな僕は……どうすればいいの………こんな事聞いてどうするの?……一夏が助けてくれるの?」

 

一夏「いいよ」

 

シャルル「って…そんなことないかっ…え?」

 

涙を流しながら語っていたシャルルは驚きのあまり流していた涙が止まる

 

一夏「助けてほしいなら、助けてあげるって言ってんだよ」

 

シャルル「な…なんで一夏がそんなこと…それに、どうせ時間の問題だし…」

 

一夏「特記事項第21、本学園における生徒はその在学中において、ありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする」

 

俺はテキストに書いてあった事をスラスラと言った

 

一夏「要するに3年間は大丈夫だ…その間に何とかする……ってシャルルどうかしたか?」

 

シャルル「あ、…特記事項って全部で五十五もあるのによくそんなにスラスラと言えたね」

 

一夏「これでも勤勉だからな俺…何だったらこの場で全特記事項を言ってやろうか?」

 

シャルル「そ、そこまでしなくてもいいけど………なんで僕を助けるてくれるの?」

 

恐る恐るとした様子で聞いてきた

 

一夏「……A.I.M.Sってのはな、ISによる犯罪の対処に人工知能特別法違反を取り締まる機関なわけ…お前がされた事はれっきとしたIS関連の犯罪だ…そういうのから人を助けるのが俺達A.I.M.Sの仕事だ………」

 

シャルル「え?」

 

一夏「つまりお前は、ISによって被害を受けた被害者だ。だから助ける……それに……お前悪い奴じゃないしな」

 

シャルル「な…なんでそんなことが言えるの?」

 

一夏「ここ数日間…お前を監視する意味で一緒にいた結果…お前は悪い奴じゃないって判断した……これでも人を見る目はあるつもりだ…」

 

シャルル「……信じてくれるの?……」

 

一夏「しつこいな。俺がそう判断したらそうなんだよ。まあ、うちの社長ははなからお前を助ける気だったみたいだがな…」

 

シャルル「し…社長って…カズマのことだよね?…」

 

一夏「まあな、アイツはお人好しだから…お前みたいな境遇の奴はほっとけないみたいだからな」

 

シャルル「フフッ…」

 

と、シャルルが突然笑い出した

 

一夏「…何笑ってんだ?」

 

シャルル「ううん、カズマの事をお人好しって言ってるけど、一夏も負けず劣らずのお人好しだなあって思って………一夏…僕、もう決めた……あらがうよ…今をあらがって、自分の人生を好きに過ごしたいから!」

 

さっきまでの弱気だったシャルルの表情とは見違える程の覇気を感じた

 

一夏「そうか…もう大丈夫みたいだな………出てきてもいいぞ()

 

シャルル「へ?」

 

シャルルが驚くと同時に、部屋のクローゼットから鈴が出てきた

 

一夏「悪いな…ガキの頃からの約束で、俺と鈴との間で隠し事をしないって事にしてんだ。それで鈴…この事は」

 

鈴「わかってる…この事は、あたし達だけの秘密ね……」

 

シャルル「……もしかして凰さんも僕を怪しんでいたの?」

 

鈴「まあ…普通に考えたら怪しむわよ。昔から一緒にいる一夏はともかく、二人目の男性操縦者で正直男とも女とも取れるような外見のアンタは怪しむわよ。多分言わないだけで、他にも怪しんでいるのはいると思うわ」

 

シャルル「そ、そうなんだ…」

 

鈴「それはそうと、もうすぐ始まる学年別トーナメント……シャルルはあたしか一夏と組んだほうがいいんじゃないの?」

 

シャルル「え?なんで…」

 

一夏「本来なら個人戦でやる筈だったんだが…お前が転校してくる前にちょっとしたハプニングがあって…それを考慮した結果ペアを組んでのイベントになったわけだ……それにバレる危険があるからな…今はまだバレるわけにはいかない……だから…俺か鈴と組もうか…」

 

シャルル「い、いいの?」

 

鈴「あたしは全然いいわよ………アンタの境遇聞いたらほうって置けないし…それに、一夏と勝負するチャンスが回ってくるかもしれないしね♪」

 

一夏「ほう…言ってくれるな。だったら先月果たせなかった勝負の続きをするか鈴!」

 

鈴「上等よ!!どっちが上かはっきりさせてやるわ!!」

 

その後、話の流れでシャルルは鈴と組む事となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルル「あれ?これ僕の為?凰さんと戦う為?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

「━━━ってそれ本当!?」

 

「私はそう聞いたよ!この大会で優勝すれば織斑君と佐藤君と━━━」

 

一夏「……」

 

翌日、俺は教室の机にうつ伏せになって休んでいる

 

時刻は放課後 

もう少し休んだ後はアリーナに言ってISの特訓でもするつもりだ

 

……そう思いながら10分ほど眠ろうと思ったその時

 

箒「一夏!!」

 

突然教室に入ってきた箒が俺を読んだ

 

だが息を上げていた

 

走ってここまで来たってことだろうな

 

一夏「ん?どうかしたか?俺今寝ようと思ってたんだが?」

 

箒「そんなことしている暇じゃない!!大変なんだ?」

 

一夏「……なんかあったのか?」

 

箒の様子を見てただ事ではないと悟った俺は箒に聞いた

 

箒「い、今アリーナで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリアと鈴がボーデヴィッヒと戦っている!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「はあはあはあはあ!!」

 

俺は急いでアリーナに向かって走っている

 

俺の走りに箒はついて行けず置いて行った

 

そしてアリーナに着くとそこには

 

ラウラ「フン、この程度で代表候補とは、笑わせるな」

 

ISを装着しているラウラと

 

セシリア「グッ…」

 

鈴「こ、ここまで相性が悪いなんてね…」

 

ISを装着した状態でボロボロにされている

 

ラウラ「やはり貴様ら如き、私一人で充分だったな」

 

そう言うと更に鈴達を痛めつけた

 

シールドエネルギーはあっという間に減って機体維持警告域(レッドゾーン)を超え操縦者生命危険域(デッドゾーン)へと到達する

 

これ以上ダメージが増加し解除されることがあればふたりの命は

 

しかしラウラは攻撃をやめない

 

普段と変わらない無表情のラウラの口元が確かな愉悦に歪めたのを見た時

 

俺は思わず殺気立ち、白式を展開し、アリーナを取り囲んでいるバリアを破壊しようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラスホッパーズアビリティ!

 

その瞬間横から黄色の斬撃が俺の横を通り抜け、バリアに当たる

するとバリアは破壊され、それでも勢いが死なない斬撃は攻撃を続けているラウラに向かっていった

 

ラウラ「!」

 

が、既のところでラウラはそれを避けた

 

俺は突然のそれを驚いていると

 

ゾクッ

 

一夏「!」

 

突然俺の背後から俺の殺気を上回る凄まじい殺気を感じた

 

よく見るとアリーナにいる他の生徒達もそれに勘づき、怯え始めた

 

ラウラもその殺気を感じたようで、俺の背後の殺気の元の方を見た

 

俺は振り返らない

 

なぜなら、この殺気は誰が放っているかわかるからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「お前…俺のダチに…何してんだ? 」

 

俺の背後にいる殺気の元は……それはもうお怒りだった



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第14話 銀の暴虐

また遅くなってすみませんでした。


《一夏視点》

 

一夏「…社長」

 

アリーナに降り立ったカズマはラウラの方に向かって歩く

 

箒「カ…カズマ……」

 

いつの間にか俺の背後にいた箒は殺気立つカズマを見て息を呑んでいた

 

ラウラ「貴様…私の邪魔をするか」

 

そんなラウラの言う事を無視してカズマはそばで倒れているセシリア達に寄った

 

カズマ「ふたりとも…無事か?」

 

鈴「うっ……カズマ…」

 

セシリア「無様な…姿を…お見せしましたわね」

 

カズマ「喋るな……一夏、箒!」

 

一夏/箒「「!」」

 

カズマ「ふたりを連れて、距離を取れ…」

 

一夏「いや、アイツの相手は」

 

カズマ「こいつとはトーナメントで戦うんだろ?だったら今は温存してろ」

 

カズマはそう言うとゼロワンドライバーを取り出した

 

ラウラ「ベルト?」

 

カズマ「お前に1つ聞きたいことがある…なぜ…必要以上にふたりを痛めつけた。あれ…下手したら死んでたかもしれないんだが?」

 

ラウラ「フン…そんなこと知るか……力無き者は、強者に蹂躪されるだけだ……アイツらが私よりも弱かった…ただそれだけだ」

 

カズマ「そうか……それを聞いて安心した。おかげで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前を痛めつけても心が傷まないからな

 

すると更にカズマから強い殺気が放たれた

 

ジャンプ!

 

オーソライズ!

 

空から例の如くバッタのライダーモデルが降ってきた

ただし、今度は天井のバリアーを破ってだ

 

カズマ「変身」

 

プログライズ!』 

 

ライジングホッパー!』 

 

カズマは静かに仮面ライダーゼロワンに変身した

 

ラウラ「へ、変身だと!?」

 

ゼロワン「仮面ライダーゼロワン…それが俺の名だ!」

 

次の瞬間ゼロワンはバッタの脚力でラウラに向かって飛び掛かった

 

ラウラ「!」

 

突然の奇襲にラウラは驚くがすぐに反応した

 

そこからは互いに一歩も引かない攻防戦になった

 

ラウラ「貴様は!何者だ!」

 

ゼロワン「転校する前の資料見なかったのか?俺は佐藤和真、またの名は、飛電インテリジェンス代表取締役社長、飛電和真。そして仮面ライダーだ!」

 

カバンストラッシュ!

 

殴りながらもアタッシュカリバーでの斬撃攻撃もやめない

 

ラウラはそれをかわしながらも装備品のワイヤーブレードとリボルバーカノンを撃ってきたが、徐々に押されていった

 

ゼロワン「どうした!セシリア達を痛めつけたお前の力はこんなものか!」

 

ジャンプ!

 

"Progrise key confirmed. Ready to utilize."

 

ラウラ「調子に、乗るな!!」

 

ラウラに向かって走りアタッシュカリバーで斬ろうとしたが、ラウラは右手をゼロワンに向けた

 

一夏「!」

 

とその瞬間、ゼロワンの動きが停止した

まるでラウラの周りに見えない壁でもあるかのように防がれた

 

ラウラ「さっきはよくもやってくれたな。貴様など私とこの『シュヴァルツェア・レーゲン』の前では有象無象に過ぎない。━━消え」

 

ゼロワン「所でさ…お前何か無いことに気づかないか?」

 

リボルバーカノンを撃とうとしたラウラだったが、ゼロワンの言葉に思わず止まった

 

ラウラ「?…貴様何を言って…!」

 

そこでラウラはゼロワンの手を見てハッとなった

 

ゼロワンの手には、さっきまで持っていたはずのアタッシュカリバーが無かった

 

グラスホッパーズアビリティ!

 

ラウラ「!」

 

その時、頭上からアタッシュカリバーの音声音が聞こえた

 

そう、ゼロワンはラウラに動きを封じられる前に既にアタッシュカリバーを上空に投げていた

 

アタッシュカリバーはデバイスを入れられていて刀身からは黄色のエネルギーが纏っていた

 

ラウラは一瞬それに気を取られた

 

ゼロワン「今…油断したな?」

 

そのスキを逃すゼロワンではなかった

 

次の瞬間ゼロワンが突如動き出し

 

ラウラ「グッ!?」

 

ラウラの装甲に重いパンチを喰らわせた

 

そして空中からちょうど落ちてきたアタッシュカリバーをキャッチして

 

ゼロワン「はあああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

切り裂いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラ「ぐああああああ!!」

 

ラウラに黄色の斬撃が飛ばされ命中し、アリーナの壁に叩き込まれた

 

ゼロワン「……」

 

それを見届けるとゼロワン……カズマはデバイスを取りだし、変身を解除した

 

そしてラウラに背を向けて俺達の方に向かって歩き出した

 

箒「つ…強い」

 

鈴「あたし達があれだけ苦戦したのに圧倒した…」

 

セシリア「あの人の実力……同年代でも飛び抜けていますわ…」

 

一夏「そりゃあそうだろ……戦闘経験(・・)が違うからな」

 

そう安心仕切っていたのが間違いだったな

 

ラウラ「舐めるなああああ!!」

 

その時、壁に叩き込まれた衝撃で出てきた土煙からラウラが飛び出してきてワイヤーブレードで背を向けたカズマに斬りかかった

 

箒「あ!」

 

鈴「やば!」

 

セシリア「カズマさん!後ろ!」

 

一夏「チッ!」

 

俺は急いでISを装着して止めようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「そこまでだ!」

 

次の瞬間、カズマとラウラの間に影が割り込んできた

 

そして金属同士がぶつかり合う音が響いた

 

その人物とは

 

ラウラ「きっ教官!」

 

カズマ「お疲れさまです。織斑先生」

 

一夏「チッ、どこまでも人間離れしやがって、あの化け物は」

 

そう、俺の姉、織斑千冬だった

 

カズマ「いや―危ない所でしたよ織斑先生」

 

千冬「フン。私が見ていた事を知ってた癖に良くもそんなことが言えたな」

 

千冬姉は、IS用接近ブレードでISを装着したラウラのブレードを止めた

 

セシリア「あ…あの人、ISを生身で止めましたわよ」

 

鈴「千冬さん…前前から人間離れしてるとは思ってたけど…ここまでなんて…」

 

箒「間違いなく私が小学生の時よりもずっと強くなっている」

 

一夏「見たかお前ら。アレが人外だ」

 

千冬「模擬戦をするのは結構だが、アリーナのバリアーまで破壊する事態になられては教師として黙認しかねる」

 

カズマ「分かってますよ。これの続きはトーナメントで……まあ最も、戦うのは俺ではなく一夏ですがね」

 

そう言うとカズマは鈴達の方に近づき、保健室に運んで行った

 

一方のラウラはISの装着を解除し、アリーナから出て行った

 

一夏「なあ織斑先生…1つ良いですか?」

 

千冬「なんだ?」

 

一夏「アンタがラウラの教官だった頃…アイツに生身の人間を背後から斬るって教えましたか?」

 

千冬「そんな事教えるわけないだろ……だが…もし私がアイツにそれを教えてたら…お前はどうした?」

 

一夏「そうですね……とりあえずアイツが歪んだ原因であるアンタを殴っただろうな……」

 

千冬「フッ…お前に私を殴れるのか?」

 

一夏「できない事ではないですよ…何だったら今ここで……やろうか千冬姉(・・・)?」

 

千冬「ほう…やれるものならやってみろ…一夏(・・)

 

俺と千冬姉はそこから互いを睨み合いをしたがやがて互いに目線をそらし、俺はアリーナの外へ、千冬姉はバリアー破壊の報告に行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「お前らのISのダメージレベルはCを超えるみたいだから、今回のトーナメント参加は無理だな」

 

鈴「グッ…せっかく一夏と決着つけようと思っていたのに…」

 

セシリア「貴女そればかりですわね…」

 

シャルル「うーん…筋金入りだね…」

 

箒「心配したというのに鈴ときたら…」

 

アクア「私がいない間に、そんなことがあったのね」

 

場所は保健室

 

ベッドの上では鈴は悔しがり、セシリアは呆れていた

それとさっきアクアとシャルルが合流した

 

カズマ「んで?なんでお前ら、ボーデヴィッヒと喧嘩したんだ?」

 

セシリア「……一夏さんの悪口言われてつい…」

 

一夏「俺の悪口?」

 

鈴「アンタのことを『弱い』とか『教官の面汚し』とか『いっそ死んでいればよかった』とか…そう言われてつい…あたしもセシリアもカッとなって…」

 

一夏「……」

 

鈴「でも…いざ戦ってみたら……このザマね……カッコ悪いったらありゃあしない」

 

セシリア「結局わたくし達は、何もできませんでしたわ……」

 

シャルル「ふたりとも…」

 

箒「……」

 

カズマ「そうか……一夏、どうだ?これでお前…なおさら負けるわけにはいかなくなったな?」

 

一夏「ああ…ふたりの仇は俺が討つ」

 

箒「わ、私もふたりの仇を」

 

一夏「箒、お前は自分の事だけを考えてろ…」

 

箒「うっ…」

 

そう俺達が話していると、突如地鳴りが聞こえてきた

 

それは廊下から聞こえてきて、こちらに向かってきている

 

俺はとっさに身構えた

 

箒「な、なんの音だ!?」

 

やがてドカーン!と保健室のドアが吹き飛んだ

 

その吹き飛んだドアを俺は片手で受け止め、ドアのあった先を睨んだ

 

一夏「……おい…危ねえだろ…」

 

「あ…ご、ごめん織斑君」

 

保健室の外には、数十人近くの女子生徒がいた

 

そしてやがて保健室に入っては、俺とシャルルを囲んだ

 

「織斑君!」

 

「デュノア君!」

 

女子生徒達「「「私と組んでください!!」」」

 

そう言うとトーナメント戦の申込書を俺達に差し出してきた

 

一夏「悪いな。俺はシャルルと組むことにしたから。そうだよなあ、シャルル?」

 

鈴が怪我で出られない以上、俺と組むしかないからな

 

シャルル「え?ああうん。そういうことだからごめん。諦めてくれない?」

 

そうシャルルは申し訳そうに言った

 

「そ…そうなんだ…」

 

「まあ、そういうことなら」

 

「むしろ男同士ってのも…いいし…」

 

「あのふたりだと…どっちが受けでどっちが攻めなんだろうね?」

 

一夏「おい…今気色悪い事言ったのはどこのどいつだ?俺も持参してるゴム弾の餌食になりたいのか?」

 

「やばい!退避!!」

 

そう言うと女子生徒達は急いで保健室から出て行った

 

シャルル「あれ?カズマと水神さんは?」

 

すると、さっき女子生徒達が来るまではいたはずのふたりの姿が見えなかった

 

アクア「呼んだ?」

 

すると、保健室の壁と同じ色の風呂敷を使って壁に同化していたアクアと、天井に張り付いていたカズマが姿を表した

 

箒「お前らは忍者か!?」

 

セシリア「ワオ!ジャパニーズニンジャ!」

 

鈴「ちょっとセシリア。態度がエセ外国人みたいになってるじゃないの」

 

カズマ「なんとなく嫌な予感したから張り付いてたんだが…」

 

シャルル「ええっと…水神さんはどうして…」

 

アクア「気分」

 

シャルル「気分!?あ、そういえばカズマは今回のトーナメントは」

 

カズマ「残念、その日外せない仕事があって、トーナメントに参加できない…一応急ぐが、多分トーナメントをやってる途中に観戦することになるだろうな」

 

一夏「シャルル。悪いが、今からトーナメントの申込みしてきてくれないか?俺はちょっと話があるから」

 

シャルル「あ、うん。分かったよ」

 

そう言ってシャルルは受付に申込みしに行った

 

一夏「さて…セシリア…」

 

セシリア「なんですのッ!?」

 

俺はベッドに横になっているセシリアを強制的に気絶させた

 

箒「お、おい!?何やっている一夏!?」

 

一夏「ああ…今からする話は…セシリアに聞かれたくなかったからな」

 

そう言って俺は椅子に座った

 

一夏「さて…突然だが……先日俺はそこにいる箒に告白されました」

 

箒「なっ!?///」

 

俺の突然のカミングアウトに箒は驚き、鈴はへえ〜とした顔になっていて、カズマとアクアはほう〜とした顔になっていた

 

箒「いいい一夏!?///おおおお前!!///」

 

一夏「それでな?俺は箒に言ったわけよ。『学年別個人トーナメントでお前の全力を俺にぶつけてこい。それで俺が認めたら、お前と付き合おう』ってな」

 

箒「///」

 

カズマ「へえ〜」

 

アクア「な〜るほど…」

 

鈴「ついにやったんだ箒…」

 

一夏「だが、ここからが本題だ。今日の事だ…教室でクラスメート達が話しているのを盗み聞きしてたんだが…」

 

アクア「この人サラッとなんてこと言ってんのかしら」

 

一夏「そしたらその盗み聞きした相手がな、こう言ってたんだ。『この大会で優勝すれば織斑君と佐藤君とデュノア君のどちらかと交際できるのよ!』って」

 

カズマ「はあ!?」

 

鈴「ええ!?」

 

箒「ビクッ!」

 

俺の発言に何名か反応した…

 

一夏「一体どこでそんなデマがでてきたんだか……なあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前心当たりあるよなあ箒?

 

箒「ビクッ!」

 

俺の名指しに大きく反応した箒はやがて観念したかのように話しだした

 

箒「じ…実は…一夏から貰ったチャンスに最初は不安だったんだが、その不安を拭う為に上手く付き合えた場合の事を考えてたらつい浮かれて……『トーナメントで頑張れば一夏と付き合える』って…他の生徒達がいた廊下でつい溢してしまって…」

 

鈴「それを聞いていた他の生徒達が噂を広めていって、それに尾ヒレがついて一夏が聞いた内容になったわけね…」

 

鈴はそう言ったが、カズマとアクアは箒をまるで『なにしてんのお前は』っとでも言いたげに目を向けた

 

一夏「まあ良いじゃねえか…これでお前……もう後には引けなくなっちまったしさ」

 

箒「うっっ…結局自分で自分を追い込む事をしたとは…」

 

一夏「それはそうと箒…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前これだけやっておいて…無様な結果だったら……分かってるな?

 

箒「ビクッ!」

 

こうして……もはや後が無くなった箒であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「そういえばアクアはこの噂知ってたみたいだな?」

 

アクア「知ってたけど面白そうだったから黙ってたの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カズマ「来たか一夏」

 

一夏「んで?トーナメント前日に呼び出すなんて……俺に急な仕事でも入ったのですかい社長?」

 

トーナメントの前日

 

俺は一夏を部屋に呼び出した

 

カズマ「先日の亡にハッキングさせたデュノアの情報の追加報告だ」

 

そう言って俺は一夏に資料を渡した

 

一夏「……これは本当なのか?」

 

カズマ「正直、これだけでは信憑性が薄い…だから明日のトーナメント当日。デュノア社長と直接話を聞くつもりでいる」

 

一夏「アンタの外せない仕事ってのは…」

 

カズマ「これの事だ……とにかく…明日になれば…自ずと真実は出てくるだろうな」

 

一夏「そうか…」

 

そう言って一夏は俺に資料を返した

 

カズマ「それともう一つ…」

 

俺は懐からある物を取り出した

 

一夏「……これは…」

 

カズマ「ああ……いよいよお前が……これを使うようになるのも(・・・・・・・・・・・・)近いかもな」

 

そう言って俺は、狼が描かれた青色のデバイス(・・・・・・・・・・・・・)を一夏に渡した

 



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第15話 学年別トーナメント

超遅くなって申し訳ございませんでした。




カズマ「今日はよろしくお願いします。デュノア社長」

 

ここは飛電インテリジェンス社長室

 

フランスのデュノア社にいるシャルルの父親事、アルベール・デュノア社長とテレワークを使った密談をしている

 

そばにはアクアともう一人の秘書も控えている

 

デュノア「はい、こちらこそよろしく……しかし…それにしても…随分と大きくなりましたな…」

 

カズマ「……まあ…最後にお会いしたのはじいちゃ……先代社長が生きていた頃、社会勉強の意味を込めてフランスでの会議に見学させてもらったとき以来ですね…さて…早速ですが本題に入らせていただきます。……ある程度は察しているとは思いますが…貴方のご子息のシャルルいえ……ご息女のシャルロットについてです…」

 

デュノア「……そうですか……やはり気づかれましたか…」

 

カズマ「……驚かないのですね……つまり貴方はこうなることはある程度は予想していたということですね?」

 

デュノア「……ええ……それで……貴方は私から何を聞きたいのですか?」

 

カズマ「はい……私がお聞きしたいのは貴方とシャルロットの母親の馴れ初め……そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方がシャルロットをIS学園に送った本当の目的を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「しっかし…多いなこりゃあ」

 

IS学園のイベント、学年別トーナメント当日

更衣室のモニターから観客席を見る

 

そこには各国政府関係者、研究所員、企業エージェントにその他諸々が一堂に会していた

 

シャルル「い…一夏…」

 

と、さっきから別のモニターを見ていたシャルルに呼ばれた

 

一夏「うん?どうかしたか?」

 

シャルル「あ、あのね…対戦表なんだけど…」

 

そう言うと俺にさっきまで見ていたモニターを見せた

 

どうやら俺が他の事に気を取られていた間に対戦表が決まったらしい

 

そして俺は対戦表を見た

 

……それを見た俺は

 

一夏「……クックククク……なるほど…考えたな…アイツ」

 

シャルル「い、一夏……なんでそんな悪人みたいに笑うの……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラ「1回戦の相手は貴様か……待つ手間が省けたな」

 

一夏「ああ…テメエにやられた鈴達の仇は討たせてもらうぞ」

 

アリーナでは、既に待っていた箒とラウラがいた

 

そう…俺とシャルルが戦う一回戦の相手はラウラと箒だった

 

俺は箒の方を見た

 

箒はどこか申し訳そうな表情を浮かべている

 

箒「一夏」

 

一夏「いやいい、言わなくてもいい。お前にしてはよく考えたと思ってる」

 

箒がラウラとペアを組んだ理由はよくわかった

 

一夏「俺に全力をぶつける前に、お前はまず俺に当たるまで勝ち進めなければならない。そうなると必然的に自分のペアも強くなければならない。それこそ専用機持ちとペアを組むとかでないとな……そしてラウラと組んだ。ラウラの実力は現時点の1年の中でもトップレベルだ。後は順調に勝ち進めれば俺と当たる………が、まさかの一回戦の相手が俺って誤算だったみたいだがな、正直俺も一回戦でお前と戦うことになるとは思わなかったな」

 

箒「お…怒ってないのか?」

 

一夏「怒る?なぜ俺が怒る?むしろ関心してるところだ」

 

箒「え?」

 

一夏「俺も目的を果たす時は、一番確率が高い方をやる。お前も高い確率を行った。俺もお前と同じ立場なら、同じ事をしていただろうな…」

 

箒「一夏…」

 

ラウラ「おい!貴様ら!私を間に挟んで話をするな!」

 

一夏「おっと、忘れてた。まあ当たっちまったからには箒。覚悟はできてるな?」

 

箒「あ、ああ!とっくにできている!!」

 

アナウンサー「えーそれでは両者位置についてください」

 

ラウラ「覚悟しろ織斑一夏。お前を潰し、教官の汚点を消し去ってやろう!!」

 

一夏「……」

 

試合開始まであと数秒

 

一夏「シャルル。手はず通りに頼むぞ」

 

シャルル「うん!任せて!」

 

俺とシャルルの掛け合いを合図に、試合開始のゴングがなった

 

ラウラ「くたばれー!!」

 

開始早々ラウラが飛びかかってきた

 

一夏「悪いな。お前の相手は後だ」

 

俺はラウラを避けると後ろにいる箒に斬りかかった

 

ラウラ「何!?」

 

箒「ッ!?」

 

が、箒は装着している量産IS、打鉄(うちがね)の武器、近接用ブレード(あおい)で防いだ

 

一夏「へっ…そう簡単にはやられないか」

 

箒「ッ…当然だ!…私の全力を見せてやる!」

 

一夏「いいぞ箒、そう来なくっちゃあ面白くない」

 

ラウラ「待て!私を無視するな!!」

 

シャルル「行かせないよ!」

 

箒と戦っている俺にラウラは斬りかかろうとしたがそれをシャルルが阻む

 

ラウラ「クッ!貴様!!」

 

シャルル「相手が一夏じゃなくてごめんね」

 

 

 

《トーナメント前日》

 

シャルル「え?ボーデヴィッヒさんと当たったらまず僕が戦ってほしい?」

 

一夏「ああ、正直この個人戦。注意すべきは専用機持ちだけだが、参加する専用機持ちはラウラだけだ。だが、アイツのAICに対抗する術をまだ見つけてない」

 

AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)

つまりは慣性停止能力のことだ

対象を任意に停止させることができ、1対1では反則的な効果を持つものだ

 

だが、あの時社長を止めたはずが、なぜか社長は動けた

そして、社長の攻撃を停止させられなかった

 

一夏「あれの有効手段と奴の動きを観察する為に、すまないが、アイツを一人で抑えて欲しい」

 

シャルル「……つまり僕は囮ってこと?」

 

一夏「悪く言うとそうなるな…頼めるか?」

 

シャルル「うん、いいよ。任せて……あ、所で一夏、一つ確認していいかな?」

 

一夏「うん?なんだ?」

 

シャルル「抑えておくのはいいけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別に、僕が倒しても構わないでしょ?

 

一夏「シャルル……お前それ強がりで言ってるつもりだけど、今のセリフで完全に負けフラグ立ったからな」

 

シャルル「ええ!?」

 

《シャルル視点》

 

シャルル「はあ!」

 

ラウラ「無駄だ!」

 

僕が飛ばした銃弾は全てボーデヴィッヒさんには通じなかった

 

やっぱりあの停止結界(AICのこと)は厄介だね

全く…厄介な役を僕に押し付けてくれたね一夏は

 

……まあ…こういうことでしか恩を返せないしね…やるしかないか

 

…それはそうと流石だね

 

篠ノ之さんと戦っていながら、こっちの戦いにも目を向けていてなおかつボーデヴィッヒさんがいつ来てもすぐに対応できるようにしているし…完全に戦い慣れてるね

 

ラウラ「どこを見ている!」

 

ボーデヴィッヒさんはワイヤーブレードで斬りかかるけどそれを僕は躱す

 

正直、まともにボーデヴィッヒさんとやり合って勝てるとは思えない……けどね

 

シャルル「僕だって曲がりなりにもフランスの代表候補生!負けるつもりじゃなくて、勝つつもりで戦うよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《箒視点》

 

箒「はあ…はあ…」

 

一夏「どうした箒…これで終わりか?それがお前の全力か?」

 

強い…分かってはいたが…やはり一夏は強い

共にウチの道場で剣道をやっていたあの頃よりもずっと

 

いつの間にこれだけ差ができてしまったのか

 

正直に言って、私の自信とか…色んなものが崩れさりそうだ

 

一夏「……」

 

駄目だ!

 

こんなんじゃ駄目だ!

 

私は…絶対に一夏に認めさせる!

こんな無様な姿をこれ以上晒してたまるか!

 

一夏「箒!」

 

箒「!」ビクッ

 

突然一夏に呼びかけられて思わずビクついた

 

一夏「気づいてないかもしれないが、今お前は…考え事が多くて…実力を発揮しきれてないからな」

 

箒「え?」

 

一夏「戦いってのは、考え過ぎれば過ぎるだけ、身体の力の入りに影響を及ぼす」

 

箒「……」

 

一夏「お前……せっかく社長(・・)に鍛えて貰ったのに、引き出せてないぞ!」

 

箒「!」

 

そう…実は一夏に全力をぶつけると言われたあの日、すぐカズマに頼んだ

 

私を強くしてほしいと…

 

カズマは快く引き受けたが……余りにも厳しかった

よくよく考えたら、カズマは飛電インテリジェンスのあの教官に何年も鍛えられたのだから、それはそうなるだろうな

 

一夏「しっかりしろ……少し冷静になれ……そして……目の前の事だけを考えてろ」

 

そう言うと一夏は雪片を構えた

 

箒「……すー…はあー…」

 

私は深呼吸をして落ち着かせた

 

何をやっているんだ私は

戦っている最中に…目の前の事以外を考えてるなんて…

 

箒「……」

 

私は、目の前の一夏に目を向け、葵を構えた

 

一夏「フッ…目つきが変わったな」

 

箒「(一夏に攻撃を当てるのは至難だ…だが、決して不可能ではない!)」

 

箒「はああああああああああああああ!!」

 

一夏に向かって剣を振り、一夏も剣で受け止め、そこからお互いに剣の衝突が続いた

 

箒「(一夏…私に合わせてるな。本当はもっと早く振れるはずなのに…だが…これはチャンスだ)」

 

《過去回想》

 

カズマ「一夏の弱点?」

 

箒「ああ…一夏に勝てると思うほど、私は思い上がってない……が、なんとかアイツに一撃…与えることはできるのではないと、私は思っている」

 

カズマ「そうだな……アイツは近距離戦が最も得意だが、かと言って遠距離戦が苦手ってわけではないな……あくまで近距離戦よりも弱いってだけだ…ならアイツが得意ではない戦法で戦うべきだが、あいにくお前は典型的な近距離型だしなあ……遠距離で戦うのはオススメしない」

 

箒「うっ…」

 

カズマ「慣れない戦い方するくらいなら、自分が得意な戦い方をすべきだ。後はそうだな……アイツは一つ、悪い癖があるんだな」

 

箒「癖?」

 

一夏「ああ、不測の事態には強い癖に、本当に倒したかどうかの確認をせず、油断する所だな」

 

箒「油断する…」

 

一夏「自分との実力に差がある相手に対しては特にな。お前がアイツに一撃を入れられるとしたら、そこを突くことだな」

 

《現在》

 

箒「(……奴のスキをつくには…)」

 

私は後方に飛び距離を取った

 

箒「一夏!」

 

私は葵を一夏に向けて斬ろうとした

 

そして一夏も雪片で斬ろうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、次の瞬間、私は葵を手放した

 

一夏「!」

 

意表を突かれ、ほんの一瞬一夏の動きに影響が出た

 

箒「はああああああ!!」

 

私は一夏に殴り掛かるがすぐに防がれた

 

一夏「俺の意表を突く為に武器を捨てたか。だが、ここまでだ」

 

そうして一夏は私を掴み、自身の後ろに投げ

 

一夏「終わりだ」

 

投げざまに零落白夜を発動させ斬り伏せた

 

箒「グフッ!」

 

……ああ…ここまでは予想通りだ

 

エネルギーはもう残りわずかだな……なら、最後に一矢報いる!

 

箒「はあああああああああああ!!」

 

一夏「何!?」

 

こうして…私は、残りすべてのエネルギーを使ってイグニッション・ブーストを発動させた

 

これはまだ、カズマの訓練を受けても10回に4回程度でしか成功しなかったが、最期の最後に上手く行った

 

一夏は完全に油断していた

 

今なら一撃与えられる!

 

武器を持たない私がする攻撃はもはや、拳で殴るのみ

 

これで

 

箒「逃がすかあああああああああ!!!」

 

決める!!

 

勢いの乗った私の拳は一夏の機体に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶつける前に止まった

 

 

箒「え?」

 

一夏「……ISのエネルギー切れか」

 

箒「そ…そんな……」

 

こうして…私の戦いは……こんな無様な形で終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「シャルル…」

 

シャルル「い、一夏……ご、ごめんね…負けちゃった……」

 

一夏「昨日の負けフラグが効いたな」

 

箒との戦いを終え、ラウラと戦っているシャルルに加勢しに来たが、シャルルは既にラウラに敗れてエネルギー切れになっていた

 

シャルル「あ、あははは…一応代表候補生としての意地があって…引くに引けなくて…」

 

一夏「いや、お前は良くやった、後は任せろ」

 

シャルルにそう言うと、ラウラに目を向けた

 

ラウラ「ようやく貴様が相手か」

 

一夏「お前もしつこいな。そこまで千冬姉にご執心なのか、正直引くぞ」

 

ラウラ「フン、多少そこのフランスに無駄なエネルギーを使ったが、貴様を潰すには充分だな」

 

一夏「随分な余裕だな。よほど、AICに自信ありって所だな。社長に見事に破られた癖に」

 

ラウラ「あんなのはまぐれだ。貴様にはまぐれは起きない」

 

一夏「いーや、残念ながら、それの対処法はもう見つけたからな」

 

ラウラ「何!?」

 

一夏「今のお前なら、1分あれば倒せるぜ」 

 

ラウラ「ほざけ!」

 

ラウラは激怒すると俺に銃撃してきたが俺はそれを避けるか雪片で斬るかのどちらかで防いだ

 

ラウラ「はあああああ!!」

 

更にワイヤーブレードで斬りかかろうとしたがそれも防ぎ

 

一夏「フン!」

 

ラウラにタックルをして後ろに大きく仰け反らせた

 

ラウラ「小癪な真似を!?」

 

が、次の瞬間、ラウラの目の前に回転しながら自身に向かって飛んでくる雪片があった

 

ラウラ「ッ!」

 

ラウラはそれをギリギリで避けた

 

一夏「まだまだ!」

 

更にそこへ、イグニッション・ブーストで突進しながら拳を向けた俺が向かって来た

 

ラウラ「かかったな!」

 

が、ラウラは停止結界を発動し、俺を拘束した

 

一夏「……へえー…なるほどな…これがAICか…」

 

ラウラ「そうだ…これが私のIS、シュヴァルツェア・レーゲンの力だ」

 

完全に勝ち誇ってるなおい…

 

まあ、普通…この状態になったら、もうどうする事もできないか…普通(・・)はな

 

ラウラ「さて…これで貴様は完全に敗北した……」

 

一夏「まだトドメも刺していないのにもう勝ち確定してんのか?」

 

ラウラ「今更貴様が何を言おうが、私の勝利は揺るがな!?」

 

続く言葉が詰まるラウラ

 

そりゃあそうだ…なんてったって今ラウラの背には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっき俺が投げた雪片(・・)が刺さっているのだから

 

そう、俺はさっき投げた雪片をただ投げた訳ではない

 

ブーメランの要領で投げたんだ

 

そして、これがラウラの命運を別けた

 

ラウラ「グハッ!?」

 

ラウラは驚いていた

 

そりゃあそうだ…なぜなら動きを封じていたはずの俺の拳が見事にクリーンヒットしたからな

 

一夏「油断大敵」

 

AICの弱点…それは、意識の集中力の乱れ

 

ブルー・ティアーズのビット兵器

甲竜の衝撃砲

そしてシュヴァルツェア・レーゲンのAICはそれぞれ、発動するのに意識の集中が必要だ

 

だから、意識が乱れると能力が阻害される

 

社長があの時、そして俺が今動けたのは、ラウラの集中力の乱れが原因だ

 

社長の時もそうだったが、こいつは不測の事態に弱いみたいだな

 

俺は、ラウラの機体に拳をめり込めながら、もう片方の手で背中に刺さっている雪片を抜いた

 

抜くついでにエネルギー多めでラウラの機体を一部破壊して飛べないようにした

 

エネルギーはこれで3分の1以下だが充分だ

 

一夏「そういえばお前のAIC、エネルギー系は止められないんだろ?」

 

そう、このAIC…一見すると無敵の結界のように思えるが、それならなぜあの時、社長がアタッシュカリバーから放ったエネルギーの斬撃を交わし、防げずダメージを受けたのか

 

その答えは余りにも単純なものだった

 

一夏「さて…これで形勢逆転だな。お前…仕留めてないのに、勝利を確信するのはどうかと思うぜ……ってかく言う俺もあまり言えねえな……それじゃあ…これでおしまいだ」

 

そう言って雪片をラウラに向けトドメを刺そうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが次の瞬間、ラウラの機体に異変が起こった

 

△△△△

 

《ラウラ視点》

 

負けるのか……こんな所で…

 

よりによってこの男に…

 

嫌だ!負けたくない

 

絶対に負けなくない!!

 

この戦いだけは、なんとしても勝たなければならない!!

 

勝ちたい!!

 

その為なら!!

 

何もかも壊してやる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「何!?」

 

突然ラウラのISが変形を起こし、ラウラを飲み込んだ

 

ラウラ「うわああああああああああああ!!」

 

そして全身が黒く、深く濁った闇がラウラを飲み込んでいった

 

それは…シュヴァルツェア・レーゲンだったものは…全く別のものに変わって行った

 

だが…奴の手にある武器は…見たことのあるものだった

 

 

あれは…

 

一夏「雪…片…」

 

姉がかつて振るっていた刀…それに酷似していた

 

《同時刻》

 

《カズマ視点》

 

カズマ「はあ!?どうなってんだおい!」

 

デュノア社長との密談を終え、俺の愛車『ライズホッパー』に乗ってIS学園に向かっていた

 

後ろにアクアを乗せ、向かっている最中に携帯が鳴り、アクアに出てもらった

 

電話の相手はめぐみんで、アクアに俺の耳元に持たせた

 

カズマ「ボーデヴィッヒのISが変化!?」

 

めぐみん「そのようです。今ダクネスや教師達が避難誘導してますが…」

 

カズマ「一夏はどうだ?」

 

めぐみん「それが……」

 

カズマ「おい!どうしたんだよ!」

 

めぐみん「……そばにいたシャルルと箒を庇って、エネルギー切れで…」

 

カズマ「……これは急いだほうがいいな」

 

そう言うと俺はルートを変更し、地下駐車場に向かった

 

アクア「ええ!?どうしたのよカズマ!IS学園に向かってたんじゃないの!?」

 

カズマ「向かってるさ、だがな…さっきまでのルートだと速くても後15分は掛かる……だから近道するんだよ」

 

そう言って俺は地下駐車場をまっすぐ進んだ

 

すると目の前に大きなゲートがあった

 

そのゲートは硬く閉ざされていたが、ライズホッパーに乗っている俺が近づくとゲートは開いた

 

アクア「開いた!?」

 

カズマ「あれは学園に続くゲートの一つだ。登録した者が近づけば開くようになっている。ここからならIS学園まで5分で着くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「はあ…はあ…」

 

シャルル「一夏!もうやめて!」

 

箒「一夏!逃げろ!」

 

参ったな……白式はエネルギー切れで使えねえし…こいつ思ったより危険だし…こいつを放って置くと逃げ遅れた後ろのふたりに観客席の生徒達に行きそうだしな…

 

どうにかさっきから落ちていた武器で抑えてるけど…そろそろ限界か…

 

それに……早くしなきゃ…ラウラが…

 

カズマ「一夏!!」

 

すると……観客席から、バイクに乗ったカズマとアクアが飛び出して来た

 

って!なんて場所から来てんだあのふたりは!?

 

アクア「いやああああああああああ!!!」

 

カズマ「ここに繋がってたって知らなかった!!」

 

うわ…結構な距離を飛行……いや…あれは落ちてんな

 

ジャンプ!オーソライズ!

 

地面に墜落する前にカズマはゼロワンドライバーでバッタのライダーモデルを呼び出して受け止めさせた

 

カズマ「ふうー…あっぶねえ…」

 

アクア「し…死ぬかと思った…」

 

……何しに来たんだあのふたりは?

 

カズマ「一夏!無事か?」

 

一夏「なんとかな…」

 

カズマ「そうか…お前はもう下がってろ……後は俺がやる」

 

そう言ってカズマはデバイスをドライバーに差し込もうとした

 

一夏「ちょっと待て!」

 

が、俺が待ったをかけた

 

カズマ「何?」

 

一夏「アイツは俺にやらせてくれ」

 

カズマ「はあ!?何言っている!お前ISはもう」

 

一夏「ショットライザー(・・・・・・・・)、用意のいいアンタなら今持ってんだろ?」

 

カズマ「……お前……」

 

一夏「こいつだけは…俺が倒さなければならない……何より……俺はラウラを助けたい……」

 

カズマ「……一つ聞かせろ……それは…私情か?それともA.I.M.Sとしてか?」

 

……そんなの決まってる

 

一夏「両方だな…アイツとは一度腹を割って話したい……そして、A.I.M.Sとして…ISによって被害を受けた被害者であるアイツを救う……………俺がやらなきゃいけないんじゃねえ……俺がやりたいからやる……自分の心や信条に反したら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は織斑一夏じゃねえんだよ!!」

 

カズマ「……フッ」

 

カズマは俺の言葉を聞き、笑みを浮かべ…やがて

 

カズマ「はははははははははははは!!」

 

大きな声で笑った

 

カズマ「そうか……それがお前の答えか……一夏……やっぱお前をA.I.M.Sにスカウトして正解だったな……アクア!」

 

カズマがアクアを呼ぶと、アタッシュケースを持ったアクアが来て、カズマに渡しそして

 

カズマ「一夏!」

 

俺に投げてきた

 

俺はアタッシュケースをキャッチして開けた

 

中にはホルスターのようなバックルと、拳銃の形状をした武器が入っていた

 

無論これはただの武器では無い…

 

社長が使うゼロワンドライバーの様に、これも変身する為のツールだ

 

カズマ「使い方は……わかるよな?」

 

一夏「ああ…散々見てきたからな(・・・・・・・)

 

ベルトを腰につけ、更に拳銃をベルトに取り付けた

 

ショットライザー

 

拳銃……ショットライザーから音声が流れた

 

俺は懐から…あの青い狼のデバイスを取り出した

 

箒「一夏?」

 

一夏「そこで見ていろ箒……俺の変身を……見せてやるよ」

 

バレット!

 

デバイスを押して

 

一夏「フン!」

 

片手で開き、デバイスを展開させ、ショットライザーに装填させた

 

オーソライズ

 

ショットライザーから待機音が流れた

 

Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...

 

ショットライザーを抜き、ラウラを飲み込んだISに向けそして

 

一夏「変身!」

 

ショットライザーの引き金を引いた

 

ショットライズ!

 

ショットライザーから青い弾丸が飛び出し、まるで意志があるかのように目の前のISに何度もぶつかりやがて俺の方に飛んできた

 

俺は、ショットライザーを持ってないもう片方の手に握るブレードで

 

一夏「はあ!」

 

飛んできた弾丸を斬ると、アーマーが展開され、それが俺の身体に装着される

 

シューティングウルフ! 

 

The elevation increases as the bullet is fired.

 

今、IS学園に青い戦士が降り立った

 

一夏「俺は『バルカン』…『仮面ライダーバルカン』だ!」

 

箒「い…一夏…なのか?」

 

シャルル「嘘…」

 

周りは戸惑っているな

 

カズマ「『祝え!』」

 

アクア以外のその場の全員「「「!?」」」

 

カズマ「『ISひしめくこの世を変えるべく、あらゆるものに立ち向かう新時代の戦士!その名も仮面ライダーバルカン!……今まさに…IS学園での初舞台に立ち会った瞬間である!』」

 

箒「それ一夏にも言うのか!?」

 

シャルル「『も』ってなに!?他に居たの!?」

 

アクア「あああいいから一夏!やっちゃって!!」

 

カズマ「一夏バルカンのデビュー戦だ!存分に暴れろ!」

 

一夏「ああ!いくぞ!」

 

こうして俺は片手に近接用ブレードを、もう片方にショットライザーを持ち、ラウラを飲み込んだISに向かって撃ちながら突っ込んでいった

 

 




最近劇場版仮面ライダーゼロワンREAL×TIMEのDVDを借りて視聴しました

感動はしましたが、映画館で見るのとではやっぱり感じ方が変わってきますね。

とはいえ滅は相変わらずカッコよかったのと或人とイズの絆は見てて変わらず感動しました


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第16話 俺は男性IS乗りで仮面ライダー/金の真実②

《カズマ視点》

 

一夏があのISと戦い始めて少し経つが、優勢だな

 

バルカン「はあ!」

 

今日初めて使うショットライザーをあそこまで使いこなせてるな

 

片手にショットライザー、もう片方にブレード

 

バランスよく闘えてるな

元々戦闘センスは高いやつだが…

 

アクア「強い…」

 

これで問題ないな……

 

カズマ「不破さん……一夏は無事……あなたの跡を引き継いでますよ」

 

そう俺は目を瞑りながら、今この場にはいない男を思い浮かんだ

 

そうすると『俺死んでねえぞ!!!』

 

って俺の頭の中から聞こえてきたがそれを無視した

 

アクア「でもあのラウラのISの変化って一体なんなのかしら…」

 

めぐみん「おそらく、アレはVTシステムですね…」

 

カズマ「アクア、正式名称言えるか?」

 

アクア「ええ!?、ええっと…ヴ、ヴァルキリー・トレース・システム……だっけ?」

 

カズマ「そうだ…過去のモンド・グロッソのヴァルキリー(部門受賞者)の動きをトレースするシステムだ」

 

ダクネス「だがあれは確か、現在IS条約でどの国家・組織・企業においても研究・開発・使用を禁じられていたはずだぞ……それがなぜボーデヴィッヒのISに…」

 

カズマ「巧妙に隠されてたんだろうな…特定の条件でのみ発動させるプログラムが仕込んでたんだろうな……」

 

ダクネス「……どうやら…決着が付きそうだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

……弱いな……

 

いや…こいつを倒せるIS学園生徒は片手で数え切れる程度しか居ないだろうが…それでも弱く感じてしまう

 

それはこのライダーシステムの力なのか…あるいはこいつよりも強い人達の戦いを見たり直接味わったりしたからなのか……おそらくは両方だな

 

そしてこいつの動きは間違いなく千冬姉の動きだ……おそらくあの変化したISには、過去の千冬姉のデータがあるな…

 

だが…

 

それでも弱い……なんてったって……

 

あの千冬姉(人外)はこれ以上強えからな!!

 

 

 

バルカン「お前を、ぶっ潰す!」

 

バレット!

 

手に持ってるショットライザーに差し込んでいるデバイスのスイッチを押すと音声と一緒に待機音が流れ、俺は

ショットライザーをISに向け撃つと、青いオオカミ型のエネルギー弾が放たれISの四肢を拘束し杭状に変化、更にショットライザーにエネルギーが集中する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルカン「はああああああああ!!!」

 

そしてショットライザーの引き金を引くと、青いエネルギー弾が発射された

 

反動で後方に飛びそうになったがこらえた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シューティングブラスト

 

ショットライザーから放たれた青いエネルギー弾はISの胸部に衝突し爆発した

 

 

バルカン「いい加減、目を覚ませ!!」

 

更に持っていたブレードを投擲し、ISに刺した

 

すると、これまで受けたダメージがエネルギーの限界に達したのかISにヒビが入り、最後には中からラウラが出てきた

 

………全裸で…

 

一夏「……世話の焼ける奴……ッ…!」

 

俺は変身解除したが、ショットライザーを撃った俺の手を抑えた

 

一夏「ッ…流石に反動がでかいな…手が痺れちまってる」

 

箒「一夏!!」

 

シャルル「一夏!」

 

俺に心配したのか箒達が駆け寄って来た

 

その後ろからカズマ達も来た

 

箒「大丈夫か?」

 

一夏「ああ…少し手が痺れただけだ…それより…」

 

俺は地面に倒れているラウラに目を向けた

 

一夏「誰かアイツに何か被せてやれ…いつまでもチチ晒すな」

 

シャルル「あ///」

 

箒「///」

 

それに気づいた箒達が顔を赤くしてどうしようかオロオロしているとカズマが来ていたジャージをラウラに被せた

 

カズマ「さて…一夏?どうだ?ショットライザー使った感想は…」

 

一夏「ああ……一応強力だったが…まだ少し俺の手には余るな…」

 

カズマ「まあ初めて使えばそんなもんだろ」

 

一夏「それより……ラウラのISの変化って…VTシステムだよな?」

 

カズマ「ああ…これは立派なIS条約違反だな………これは近いうちにドイツ軍にA.I.M.Sを派遣させるだろうな」

 

一夏「う…仕事が増えるのか…」

 

カズマ「まあ今回お前は派遣されないだろうが……それより…そろそろ織斑先生のところに戻るか」

 

一夏「……そうだな…」

 

こうして…俺達はアリーナをあとにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カズマ「……」

 

シャルル「……」

 

アクア「……」

 

俺は今、自分の部屋にいる

部屋には俺以外にアクアとシャルルがいる

 

あの後簡単な報告を織斑先生に言ったあと、めぐみん、ダクネス…そして一夏と箒が分かれた

 

カズマ「……シャルル……お前を呼んだのは他でもない……お前には……話さなければならない真実がある…」

 

シャルル「……真実?…」

 

カズマ「最初に言っておく……これを聞くのも聞かないのもお前次第だ……どうする?」

 

俺はシャルルの顔にまっすぐ目を向けて言った

 

シャルル「……うん…僕聞きたい……僕に関わる真実を聞きたい!」

 

カズマ「……そうか…なら話すか」

 

そう言うと俺は資料を一つ取り出して見せた

 

シャルル「これは…」

 

カズマ「それはお前の亡くなった母の預金通帳からコピーした資料だ…」

 

シャルル「こんなの一体どこから!?」

 

カズマ「それは今いいだろ?んで、ここを見ろ」

 

俺は資料に書かれた通帳の振込記録に指を指した

 

カズマ「今から15年前のこの日に振り込まれている……この日付に心当たりは?」

 

シャルル「!……これ…僕の誕生日だ…」

 

カズマ「そうだ……その後、毎月この日に決まって振り込まれている……それは、お前の母が亡くなるまで続いていた」

 

シャルル「!」

 

カズマ「さらに…この振込主の名前はA・Dとしか書かれてなかった……そこで、更にこの振込主を辿ってみた結果……振込主はデュノア社の社長であり、お前の実の父親…アルベール・デュノア(・・・・・・・・・・)本人だってことが判明した」

 

シャルル「嘘…」

 

カズマ「そうだ…お前の父親はな……お前の母親と別れた後もずっと気に掛けていたんだ……」

 

シャルル「……」

 

カズマ「実は今日…お前の親父…デュノア社長とテレワークで話してきた……そこで聞いた……お前の母との馴れ初めを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

ふたりが出会ったのは……とある小さな喫茶店だった……当時、デュノア社の次期社長となる責務に悩まされ……アルベールは気分が沈んでいた……が…そんな時、そんなアルベールを見かね、声をかけた一人のウェイトレスがいた……それがシャルルの……シャルロットの母だった

 

ふたりはその後何度も会うようになり……そう時間が掛からないうちに…ふたりは恋仲になった……

 

本気で結婚も考えていた……

 

だが…それを良しとしなかったのは…当時のデュノア社の社長……アルベールの父だった

 

やがてアルベールの父は…ふたりに別れるよう迫ってきた……当然アルベールはそれに歯向かったが……シャルロットの母は…これ以上アルベールに迷惑を掛けたくなかった為……黙ってアルベールの前から姿を消した

 

愛した女が消えた事に失意を感じながら……その後、社長になり……父が薦めた女と結婚した……それが現在の本妻だ…

 

それから月日は流れ…アルベールはふと……シャルロットの母のその後が気になった

 

そこで興信所を使い…探した

 

その結果、シャルロットの母を見つけることができたのだが、さらなる事実を知る事となった

 

なんと…彼女の腹の中には、一つの生命が宿っていた

 

彼女と過ごした計算と病院に根回しをして調べた結果……その生命の父親は自分であるとわかった

 

本当は行きたい……そう思ったのだが、今更会わせる顔がなかった……その為…せめて、自身が愛した彼女と…彼女との間に授かった子が生活に困らないよう、毎月振り込んでいた

 

それから更に…十数年という年月が流れた

 

 

 

 

 

 

 

………彼女が……シャルロットの母が…病でこの世を去ったと知った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

カズマ「……」

 

シャルル「……」

 

アクア「……」

 

カズマ「以上が……お前の母と父の馴れ初めだ」

 

シャルルは終始無言で聞いていた

 

自身の母と実の父の馴れ初めに衝撃を受けたのか…ずっと黙っていた

 

カズマ「それと、デュノア社長は…お前がバレる事もある程度想定していたみたいだ……」

 

シャルル「え?……」

 

カズマ「むしろバレても問題無いみたいだったな」

 

と、シャルルを見ると…身体が震えていた…よく見ると指の爪を食い込ませる位強く握っていた

 

シャルル「なに……それ…じゃあ…僕はなんの為に………なんの為に僕は送られたの!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「それはねシャルル…あなたを守るためよ」

 

シャルル「え?」

 

それまで黙っていたアクアが口を開く

 

アクア「不思議に思わなかった?……貴方のお父さん……デュノア社長には奥さんが居たのに……その間にいるはずの子供を見たことがなかったのを……」

 

シャルル「そ…そういえば…一度も…」

 

アクア「デュノア社長の奥さんはね……子供が生まれない身体だったのよ…」

 

シャルル「!」

 

カズマ「これを…」

 

俺はまた資料を見せた

 

カズマ「こいつはな…デュノアの家系図だ……デュノア社ができたのは今から約百年前だ……そして歴代の社長を見てみろ……皆初代社長の血を受け継いでいる直系ばかりだ……そして、お前の親父は…その5代目デュノア社長だ………デュノア社は代々、デュノアの血を引く者が跡を継ぐ……だが…現デュノア社長夫婦の間に子を授かることはなかった………するとどうなったと思うか?」

 

シャルルは考える素振りを見せたが、答えを出せずにいた

 

カズマ「……跡目争いだ…」

 

そう…それまではデュノアの血を引く者のみしかなれず、誰もチャンスのなかったものが、デュノア社の社長席だ

 

だが…血を引く者がいないとなると、それまでなかった社長になるチャンスが舞い降りた

 

デュノア社内部では、誰がその席につくか争いが起きた

 

カズマ「だが…そんな時……社長になろうとした野心家達に、厄介な問題が発生した」

 

シャルル「厄介な…問題って?…」

 

カズマ「お前の存在だ…」

 

シャルル「へ?」

 

カズマ「さっきも言ったように…デュノア社の社長になれるのは、デュノアの血を引く者のみだ……そして…お前は現デュノア社社長の血を唯一引いている正統後継者だ……どうやってか…母を亡くしたお前が、デュノア社長の血を引く存在だって気づいたのがいた…それはやがて、社内で争っていた野心家達の耳に入った………自分達が社長になれるチャンスがあったと思ってたら、実は正統な後継者が居た……それを知った奴らは…何をしようとすると思うか?」

 

シャルル「……」

 

カズマ「シャルル……お前の抹殺だ」

 

シャルル「!」

 

カズマ「お前を殺そうとしている奴らがいる……それにたまたま気づいたデュノア社長だったが……お前を抹殺しようとする奴らが一体どれだけいるのか、それは誰なのか…把握できないでいた……このままでは、自身が愛した女の忘れ形見の命が危うい…」

 

シャルル「……」

 

カズマ「だからデュノア社長…お前の親父は……お前を殺そうとする連中の手の届かない……最も安全な場所に、お前を送ることにした」

 

シャルル「!それって!?」

 

カズマ「そうだ…このIS学園だ……ここは他国の干渉を受けない……ここならお前が命を狙われる事もない…そう考えたから、お前をIS操縦者に仕立て上げたわけだ………お前に命令したアレコレは、そういう名目で送る為の絵空事に過ぎなかった……後デュノア社長の本妻がお前を引っ叩いて暴言吐いたり冷たく接したのは、お前自身がここを離れたくなる意思を植え付ける為で、最初からデュノア社長とグルだったってことだ…」

 

……さて…これで話したいことは全て話した……

 

シャルルの反応は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルルの頬から、涙がつたっていた

 

シャルル「……゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛」

 

それから大量の涙を流し…泣いていた…

 

アクア「シャルル…」

 

シャルル「゛ぼ゛僕゛は゛愛゛さ゛れ゛て゛た゛ん゛だ゛……゛愛゛さ゛れ゛て゛な゛い゛っ゛て゛お゛も゛っ゛て゛た゛け゛ど…゛ち゛ゃ゛ん゛と゛ぼ゛く゛を゛…゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ」

 

カズマ「ふう…これで…俺から娘さんに伝えるべきことは伝えましたよ……後は…、あなた自身が話してあげて下さい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュノア社長」

 

シャルル「゛ふ゛ぇ゛?」

 

俺はそう言うとポケットから自分の携帯を取り出した

 

それは、フランスのデュノア社にいる……シャルロットの父親…アルベール・デュノアに通話中だった

 

そう…これまでの会話は全て聞かれていた

 

アルベール「…シャルロット……」

 

シャルル「゛お゛…お゛と゛う゛さ゛ん゛」

 

俺はアクアに目を向けると、アクアは俺の考えを察して、部屋から出ようとする

 

カズマ「俺達はしばらく部屋の外にいるから…親子でたくさん話してな」

 

そう言って俺は携帯を置き、部屋から出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

カズマ「どうだったか?親父さんと話して」

 

シャルル「うん。色々抱えてたものが無くなって、スッキリしたよ…」

 

アルベール「飛電社長…この度はなんと礼を申し上げればよいか…」

 

カズマ「いいんですよ……これは、個人的にやろうと思ってたことですから」

 

シャルル「でも……まだデュノア社には、僕を殺そうとしている奴らが…」

 

アルベール「そうだ…誰が…そしてどれほどいるか…把握しきれてない今、フランスに来るのは危険だ」

 

そう、携帯越しでうつむくデュノア社長だったが

 

カズマ「あ、その事ならご心配なく……貴方の娘さんを殺そうとしていた連中は、こうしてリストアップしておいたので」

 

シャルル/アルベール「「はい!?」」

 

俺の言葉に驚いてこの親子、同じ反応をした

 

カズマ「ウチにはハッキングが得意な奴がいて、デュノア社のサーバーに入って、色々情報を抜き取っておきましたので…」

 

シャルル「ねえ…さらっと言ってるけど…これって犯罪だよね?」

 

アルベール「……あえて追求はしないでおこう」

 

カズマ「そこにあったメールやデータには、シャルルを殺そうとした連中の名前や計画、更にその会話記録まで見つけました……後はこれを警察に提出すれば、娘さんを殺そうとした連中を一網打尽にできますよ」

 

シャルル「……なんか…すごいね…」

 

アルベール「う…うぅ………彼とは決して敵にまわしたくはないな」

 

カズマ「それとデュノア社長……あなたの会社はたしか…現在経営難なんですよね?」

 

アルベール「そ…そうですね……お恥ずかしいながら…ISのデータ不足で」

 

カズマ「それなら、ウチと提携を結びませんか?」

 

アルベール「え?飛電インテリジェンスとうちが、提携を?」

 

カズマ「はい……ウチはこれまで入手したISのデータの提供と信用ある技術者の派遣を…その代わり、あなたの会社からは、技術提供とISの開発のノウハウを…お恥ずかしながら、ウチはデータはあっても…開発に必要な知識がまだまだ足りない新参者ですので」

 

アルベール「な!?そ…その話…本当ですか!?」

 

カズマ「はい」

 

シャルル「お父さん!提携結ぼうよ。これなら会社を立て直せるよ!」

 

カズマ「どうしますか?デュノア社長」

 

アルベール「は、はい!是非、我社と提携を結んでいただきたい!」

 

カズマ「電話越しではなく、できれば直接提携を結びたかったですが……では今後とも、よろしくお願いします」

 

こうして…俺の会社とデュノア社は提携を結び、協力関係となった

 

 

 

 

 

 



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第17話 銀の少女と長年の悲願

《一夏視点》

 

千冬「……起きたか」

 

一夏「……」

 

ラウラ「……き…教官…」

 

トーナメント後、ラウラを保健室に運び、そこで千冬姉と一緒に起きるのを待ち、しばらくするとラウラが目を覚ました

 

ラウラ「なにが…起きたのですか…」

 

そこから千冬姉は、さっきまでの出来事を話した、VTシステムの事…そして、俺が仮面ライダーになって救い出した事を…

 

千冬「アレの発動条件は色々あるが…一番は操縦者自身の願望…」

 

ラウラ「それは…私が望んだからですね……あなたになることを…」

 

千冬「……」

 

その場に沈黙が漂う

 

千冬姉「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

 

ラウラ「!は、はい」

 

千冬「お前は誰だ?」

 

ラウラ「わ…私は…」

 

千冬「……誰でもないなら、ちょうど良い……お前はこれからラウラ・ボーデヴィッヒになればいい……さて…私は事後処理をしてくる…後はそこの愚弟と話してろ……ああそれと」

 

保健室から出ていこうとした千冬姉は振り返るとこう言った

 

千冬「お前は私にはなれないぞ。こいつの姉は、心労が絶えないからな…」

 

そう言って今度こそ保健室を出ようとした

 

一夏「フン…それを言うなら俺もアンタの弟してんのは心労が絶えねえんだよ」

 

俺がそう言うと、ドアに手を伸ばした千冬の手が止まり、俺を振り返った

 

千冬「ほう…今私に向かって言ったのか?」

 

一夏「逆に聞くが…アンタ以外に誰がいるんだ?……24にもなると耳が遠くなるのか?あー、年は取りたくないなあー」

 

千冬「なんだ?殺られたいのか…愚弟が」

 

一夏「あはははは…殺れるものなら殺ってみろよ…この愚姉が」

 

ふたりはそう言うと互いを睨み合った

 

同時に保険室内の空気が重くなっていき、同室のラウラが怯え始めた

 

よく見ると一夏の背後に白い虎(白虎)…千冬の背後からは兜と槍を持った女性(ブリュンヒルデ)がいる幻覚をみた

 

そこからしばらく教師と生徒ではなく、姉と弟の口喧嘩は続いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「ふう…全くあの愚姉は…」

 

しばらくして、ようやく千冬姉がいなくなり、俺は千冬姉が出ていった扉を睨んで言った

 

ラウラ「お…お前…教官相手によくあんなこと言えたな!」

 

一夏「お前からしたらアレは尊敬し敬愛する教官であっても、俺からすれば24過ぎても弟に心配させる駄目姉だからな…」

 

ラウラ「だ…駄目姉?」

 

一夏「ああ…周りにいらん威圧かけ過ぎるせいで異性を寄り付かせなかった結果、あの年になっても未だに彼氏の一人もできてねえんだぜ?いい加減相手見つけて結婚して俺を安心させろ、そしてさっさと子を産んで俺を叔父にしろ」

 

ラウラ「最後私情挟んでなかったか!?……いや…そんなことより……お前に聞きたいことがあった…」

 

と、空気を変えたラウラは俺を見た

 

一夏「……」

 

普段つけている眼帯を外しているラウラはオッドアイだ

片目は赤色で…眼帯で隠していた方は金色だ

 

ラウラ「なぜだ…なぜ…お前は私を助けた……私は……お前を潰そうとしたのだぞ……」

 

ラウラは疑問にしていた事を言ってきた

 

一夏「……半分は仕事…もう半分は私情だ………A.I.M.Sの隊員として…そして…お前と話がしたかったからな」

 

ラウラ「なに…?」

 

一夏「資料で見た……お前の出生をな…」

 

ラウラ「!」

 

ラウラは驚いたがやがて…ポツポツと、自身の出生とこれまでの自分自身の事を話しだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ…それが彼女につけられた名だ……

 

だが…決して普通にこの世に誕生したわけではなかった

 

一番最初につけられた記号は━━遺伝子強化試験体C─0037

 

人口合成された遺伝子から作られ…鉄の子宮から生まれた

 

戦いの為だけに生まれ…育てられ…鍛えられた…

 

そして彼女は優秀だった…何をやらせてもトップレベルだった……しかし…ISが現れたことで…ソレは変わってしまった

 

適合性向上の為に行われた処置『ヴォーダン・オージェ』……疑似ハイパーセンサーとも呼ばれるそれは、脳への視覚信号伝達の爆発的な速度向上と、超高速戦闘状況における動体反射の強化を目的とした、肉眼へのナノマシン移植処理のことを指す……だが…本来危険性はないはずのその処置により…ラウラの片目は金色に変質し…常に稼働状態のままカットできない制御不能へと陥った

 

これにより…彼女は部隊の中でもIS訓練において遅れを取り…遂にはトップの座から転落し…出来損ないの烙印を押される事となった

 

彼女は深く絶望した……これまで味わうこともなかった闇が彼女を包んだ

 

そんな時……彼女は…ある人との出合いにより…その闇から抜け出し…光を浴びることができた

 

その人こそ…この女の教官であり…恩師である一夏の姉

織斑千冬だった

 

彼女はラウラを鍛えた

 

その結果、わずか1ヶ月で部隊トップに返り咲いた

そしてラウラは……千冬に強いあこがれを抱いた

 

信者が自ら信仰する神を深く敬愛するように

 

彼女のようになりたい…そう思うようにもなった

 

そしてある日…彼女に聞いた……

 

ラウラ「なぜそこまで強いのですか?どうすれば…強くなれるのですか?」

 

それに対して千冬は答えた

 

千冬「私にはな…弟がいる……アイツがいるから…家族がいるから…私は…アイツを守る為に強くあろうと思った………まあ…そう遠くない内に…アイツは私が守る必要もないくらい…強くなるだろうがな…」

 

その時の彼女の表情は…どこか照れ臭い…優しい笑みを浮かべていた

 

その表情を見た時………自身の心がチクリと来た……そして…そんな彼女にそんな表情をさせた…まだ会ったことも無い恩師の弟に憎悪を感じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

ラウラ「……以上だ…私は…お前が憎かった……教官にあんな顔をさせるお前が…」

 

ラウラはこれまでのことを…自身の胸の内を話した

 

それに対して俺は

 

一夏「うぇ…気持ち悪っ……千冬姉そんなこと言ってたのか…マジで気持ち悪っ…」

 

ラウラ「え?」

 

一夏「あの姉が絶対に言わなそうなことをお前に言ったのか……あ、ラウラ…今お前が千冬姉が言ってたことを他の奴に言わねえほうがいいぞ…もし千冬姉の耳に入ったら…最悪お前が消されるぞ」

 

ラウラ「うっ…」

 

一夏「とまあ…お前の話を全部聞いてだ……なあラウラ……お前が俺に向けた感情……それは何か分かるか?」

 

俺はラウラに質問を投げた

 

ラウラ「……わからない……アレは…私がこれまで感じたことの無いものだ…」

 

一夏「それは…嫉妬心って奴だ」

 

ラウラ「嫉妬…」

 

一夏「そう……お前にとって千冬姉は尊敬すべき存在だ…だから…その千冬姉にそんな表情をさせた俺に妬いたんだよ………なら…なぜ俺に嫉妬したかわかるか?」

 

ラウラ「……」

 

一夏「それはだな……千冬姉がお前に与えてくれた世界がお前の全てだったからだ」

 

ラウラ「!」

 

一夏「そして…その千冬姉に対して執着心を持っていた…だから…その憧れの千冬姉が自分には決して向けたことのない表情を浮かべさせた俺を妬んだ……」

 

ラウラ「……」

 

一夏「分かるかラウラ…お前にとってな…千冬姉だけがいる……そんなちっぽけな世界で満足していたんだよ…」

 

ラウラ「ちっぽけ…」

 

一夏「お前はな…まだまだ世界をよく見てない……今までお前にあって見てきたのは狭い世界だ………そんなちっぽけな世界を汚した俺を憎んだ……なんでそんな世界に満足してんだ?せっかくこの世に生まれてきたのに……もっともっと自分の広い世界を作れよ」

 

ラウラ「広い…世界」

 

一夏「言っておくが、俺の世界は広いぞ…これからどんどんでかくなる……夢と一緒に…大勢の人に囲まれた……そんな広い世界だ……千冬姉一人いるだけで満足しているお前とは違ってな……」

 

ラウラ「……」

 

ラウラはしばらくうつむいたがやがて…

 

 

 

ラウラ「私は……教官に……執着していたんだな……私はただ……あの人に近づきたかった……ただ…それだけだったのに……あの人への執着心が…あの人になりたい……そう思うようになってしまった……私が…間違っていたのだな」

 

悔やむように言った

 

一夏「ああ?何言ってんだ?別に間違ってなんかねえよ」

 

ラウラ「へ?」

 

一夏「誰かに憧れを抱く事…憧れの人に近づきたい……憧れの人のようになりたい……そう思うのは決して間違いなんかじゃねえよ…」

 

ラウラ「…間違ってない?」

 

一夏「……お前が誰かに憧れる気持ち……俺にも良く分かる……俺にもな…お前が千冬姉に憧れを抱くように……俺にも尊敬し憧れている人がいる……あの人のようになりたい……あの人のような生き方をしたい…あの人のような…カッコいい男になりたい……そう思っている」

 

ラウラ「なら…なぜお前と私とでは…ここまで違ったのか……?」

 

ラウラは顔を近づけて…質問を投げてきた

 

一夏「簡単な事だ……お前は千冬姉しか見てなかったからだ…千冬姉一人いればいいってな……対して俺は憧れの人だけじゃない…大勢の人と繋がりたい……大勢の人と楽しく生きたい……そう思いながら皆を見てきた……一人を見てる奴と大勢を見てる奴とでは違うんだよ」

 

ラウラ「……」

 

一夏「さっき千冬姉も言ってた通り…お前はまだちゃんとラウラ・ボーデヴィッヒって言う人間になれてない……だから、これからここで、多くの人と関わってなれ……必要なら…俺も手を貸す…」

 

ラウラ「!……なぜだ…なぜ…お前はそこまで…私を気に掛ける…」

 

一夏「さあな…」

 

ラウラ「え?」

 

一夏「…昔っから…」

 

 

《過去回想》

 

ラウラ「どうしてですか?…なぜ……私にそこまでしてくれるのですか?」

 

千冬「さあな…昔から…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《現在ラウラ視点》

 

一夏/過去千冬姉「「一人ぼっちな奴を見てると放って置けない質なんだよ……ただそれだけだ」」

 

この瞬間…

 

ラウラには一瞬…一夏と千冬が重なって見えた

 

ああ…こいつは間違いなく……あの人の弟だ

 

ラウラ「フッ…フフフっ…ははははっ…」

 

《一夏視点》

 

一夏「っておいどうした…急に笑いだして…」

 

突然ラウラが笑いだして思わず身構えてしまった

 

ラウラ「……ふぅ……負けだ…」

 

ひとしきり笑った後…ラウラはそう言った

 

ラウラ「完全に私の負けだ……文句の付け所のない…完璧な敗北だ…」

 

そのラウラの表情には…一切曇りなく…このIS学園に来て初めての笑顔を見せた

 

一夏「なんだ…お前笑えるじゃん……」

 

ラウラ「……決めた……私は……今日から生まれ変わったつもりで生きて行く……これまで私が持っていた世界は捨てて……わたしの中の新しい世界を作る!」

 

一夏「念の為言っておくが…千冬姉に対しての憧れまでは捨てなくていいからな」

 

ラウラ「それと…もう一つ……決めた事がある」

 

そう言うとラウラは俺の方を向いたかと思うと、俺に頭を下げてきた

 

ラウラ「織斑一夏!…どうかこれから、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『兄貴』と呼ばせて欲しい!」

 

一夏「は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「……ただいま〜…」

 

保健室でラウラと話をした後、俺は箒の待つ部屋に帰ってきた

 

帰ってきた俺に気付いた箒が俺の方を向くと

 

箒「お…おかえり…い…一夏」

 

どこかぎこちなさそうに返事を返してきた

 

こいつと共同生活して2ヶ月経つのに…未だに慣れてない箒……こいつ多分結婚しても2年くらい新婚妻だろうなあ

 

一夏「ああ……って、今日の晩御飯はチャーハンか…」

 

テーブルの上にはチャーハンの入った皿が2つ置いてあった

 

一夏「わざわざ待っててくれなくても、先に食べてれば良かったのになあ」

 

箒「ひ…一人で食べるのはどうも味気なかったからな…」

 

一夏「素直に俺と一緒に食べたかったって言えばいいのに」

 

箒「///い、いいから食べろ///!」

 

そう箒に照れながら急かしてきたので俺はレンゲを持って食べた

 

一夏「んじゃあ…いただきます」

 

しかし…チャーハンか……たしか…小学生の頃…初めて箒に作ってもらった料理もチャーハンだったな……あの時のチャーハンの味ときたら……

 

俺は昔を思い出しながらチャーハンを一口食べた

 

一夏「………」

 

俺は無言になった

 

箒「ど、どうだ?」

 

一夏「ああ…食べてみろ」

 

俺がそう言うと箒が俺からレンゲをとってチャーハンを一口食べた

 

箒「……味が……しない」

 

一夏「うん…不味い……フフッ」

 

だが次の瞬間…俺は笑ってしまった

 

箒「な!なぜ笑う!!」

 

一夏「いやな…お前が初めて俺に作ってくれた料理もチャーハンだったよな?…あの時のチャーハンもこれと同じで、味無しチャーハンだったって、つい思い出し笑いしてwwwお前wwwどうしてwww他の料理はwwwできるのにwwwチャーハンだけwwww」

 

更におかしくなって笑いながらも味無しチャーハンを食べた

 

箒「お、お前なあ////……ふふっ」

 

最初は笑ったことに怒っていた箒だったが…やがて同じ様に笑いだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「なあ箒…あの約束なんだがなあ……」

 

箒「あ…ああ……結果はなんとなくわかってる」

 

一夏「そうか、なら色々省いてはっきり言うぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

いいぜ……お前と付き合っても」

 

箒「……え?」

 

一夏「あれ?お前結果はわかってるって言っておいてその反応?」

 

箒「だ、だって…わ、私は……トーナメントでのお前との勝負……お、お前に……い、一撃も…与えられなか」

 

一夏「確かに…お前は俺に一撃も与えられなかった…………だがな、お前は忘れてないか?……俺がお前に言ったのはな『全力をぶつけろ』だからな?誰も一撃を与えろとは言ってない……アレが今のお前の全力だろ?………正直な…俺はお前があそこまでやれるとは思わなかった」

 

箒「……」

 

一夏「最後……俺油断してた…もしあの時……お前のISのエネルギーが僅かに残ってたら……俺あそこでくらってたかも知れない………………お前の成長性を…確かに感じた……というわけで、お前と付き合う事にした……」

 

箒「……」

 

一夏「うん?どうした?嬉しくないのか?」

 

箒「い、いや…ま…まだ実感が………う…嬉しいはずなんだが……」

 

一夏「まあとにかく…お前は晴れて俺と付き合えた……そこに喜べよ……まあこれで終わりではないけどな」

 

箒「お、終わりではない?」

 

一夏「なんだ?俺と付き合えたっていう事実だけでお前は満足か?一つ言っておくが、俺はお前とは付き合えたが…俺はまだお前の事を…異性として好きではないからな?」

 

箒「え?」

 

一夏「よくいるだろ?男が女に告白して…女は面白そうだから付き合ったっていうの…今それとは逆パターンだからな?……んで、そこから先…あるのは2つ………『付き合ったけど面白くなくて別れる』…『付き合ってみて好きになる』……この2つだ……だからな箒…」

 

俺は箒の目を見て

 

一夏「俺の事が本気で好きなら……俺を堕としてみせろ……本気で俺を惚れさせろ…」

 

挑発するように言った

 

箒「!………ああ、分かっている!!私は必ずお前を堕として見せる!!お前に好きだと言わせてやる!!」

 

一夏「フッ…やれるものならやってみろよ……楽しみにしているぞ……」

 

こうしてこの日……IS学園に……奇妙なカップルが一つ誕生した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「所で箒………お前さっき…俺が使ってたレンゲでチャーハン食べてたが……」

 

箒「あ///」

 

一夏「気づいてなかったのかよ………あとそれと……あの戦いで駄目な部分たくさんあったから…明日からたっぷりしごいてやるから覚悟しろよ」

 

箒「お…お手柔らかに…」



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第18話 新たな友達

大トロ「゛う゛っ゛う゛ぅ゛ぅ゛キングダムハーツユニオンクロス終わっちゃった!!」

ソラ「つらいか…その辛さを俺が主人公の小説投稿を再開することで発散し」

大トロ「うるせえ!過去の亡霊!!」

ソラ「ごふぁ!」


《一夏視点》

 

一夏「というわけで、箒と付き合うことになりました」

 

箒「///」

 

いつものメンバー達「「「「おおーー!!」」」」

 

一部のクラスメイト「「「きゃあああああー!!」」」

 

一部のクラスメイト「「「「嘘ー!!??」」」」

 

翌朝

 

クラスに来た俺は早速箒と付き合った事を教えた

 

本当はこういうのは最初に告白してきた箒が言うべきなのかもしれないが…この照れ屋は……

 

鈴「良かったじゃない箒!!」

 

箒「あ…ああ…ありがとう鈴」

 

鈴は箒に近づくと祝福して来た

 

一夏「ああ……後はどこかのヘタレ娘も、箒を見習って好きな奴に告白してくれればなあ」

 

鈴「い、一夏///何言っちゃってんのよ///」

 

一夏「あれれ?俺は一言も鈴なんて言ってないけど……もしかして…心当たりがあるんとちゃいますか?」

 

カズマ「唐突のエセ関西弁」

 

そう俺が周りに報告していると

 

ラウラ「兄さん!」

 

昨日の怪我を治したラウラが教室に入ってきた

 

……カズマ「ん?今一夏になんて言った?」

 

一夏「あー…その、色々あって……ラウラが妹分になりました」

 

カズマを除いたその場の全員「「「「はあー!?」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《昨日の一夏視点》

 

一夏「お前…何言ってんだ?」

 

ラウラ「日本では自身が尊敬し心打たれた男を兄貴と呼ぶと、私の部隊の者が言っていたぞ」

 

一夏「日本にはそんな文化ねえよ……って言いたいところだが……俺も一人兄貴って呼んでるのがいるからなあ…」

 

ラウラ「頼む!お前を兄貴と呼ばせて欲しい!私は、お前から教官の面影を感じた!私はお前の言葉に心打たれた!」

 

一夏「……」

 

ラウラ「あ…だ、だがどうしても嫌なら(一夏)「兄さん」…え?」

 

一夏「どうしても呼びたいなら兄さんにしておけ……女に兄貴って呼ばれたくないからな…」

 

ラウラ「わ、分かった…これからよろしく頼む……兄さん」

 

一夏「ああ…さて…お前にはやらないといけないことがあるな」

 

ラウラ「や、やらないといけないこと?」

 

一夏「お前鈴達を必要以上に痛めつけたりしたんだから、しっかり詫びを入れにいかないとな……許してくれるかどうかは別として」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《現在一夏視点》

 

一夏「てな訳でラウラが妹分になったわけ…それはそうと……お前鈴達には謝ったよな?」

 

ラウラ「うむ、昨日あの後ふたりの所へ行き謝ってきた」

 

セシリア「昨日突然謝りに来て驚きましたが…謝罪を受け入れました」

 

カズマ「よく許したな」

 

そうこう話しているとどこかふらふらとしている山田先生が入って来た

 

山田「み、みなさん、おはようございます」

 

ふらふらしている理由は知ってるがすっとぼけておこ

 

セシリア「や、山田先生…いったいどうしたのでしょうか?」

 

一夏「さあ…多分朝食の目玉焼きが半熟じゃなくてショック受けたんだろ」

 

山田「織斑君!私そんな事でショックを受けるほど子供ではありませんよ!身長は子供でも中身は大人なんですよ!!」

 

一夏「冗談ですよ」

 

山田「それに今朝の朝食はご飯と味噌汁と塩鮭でしたよ!」

 

カズマ「いやそこまで聞いてない」

 

と、気を取り直した山田先生はどこか困った様子でだが話し始めた

 

山田「き、今日はですね……その…て、転校生を紹介します……転校生と言いますが…すでに…紹介は済んでいると言いますか…ええっと…」

 

なんだか歯切れの悪い様子だったが廊下へと続く扉に目を向けて

 

山田「入ってください」

 

???「失礼します」

 

この声は…

 

シャルロット「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」

 

スカートを履いたシャルル…もといシャルロットがご丁寧に挨拶した

 

セシリア「え?」

 

箒「ど…、どういう…こと…だ?」

 

一夏「まあ簡単に言えば、デュノア君はデュノアさんだったってことさ」

 

一部を除いたクラス中の女子「「「嘘ーー!!」」」

 

クラス中の何名かはショックのあまり涙を流す者や、ブツブツと言っている者で続出した

 

ラウラ「な!アイツ…女だったのか!?」

 

同室だった事とあり、ラウラも他の女子生徒同様驚いていた

 

箒「うん?待てよ一夏…その反応……お前まさか!シャルルが実は女だったと」

 

一夏「まあ気づいてたな…もっと言うと社長は俺よりも早くに気づいてたらしいが」

 

シャルロット「黙っててごめんね篠ノ之さん…それはそうと……どうしてカズマは僕が女の子って転校初日で気づいたの?ハッキングした?」

 

箒「おい今ハッキングと言わなかったか?」

 

カズマ「ああそれは簡単な事だ……初日にお前の手を握っただろ?その時に『あ、こいつ女だ』って気づいたわけ」

 

箒「はあ!?」

 

シャルロット「そ、それだけ…で…」

 

一夏「社長…手を握っただけで分かるって……ちょっと引くぞ」

 

カズマ「引くな一夏、言っておくが……これ身につけた原因は、よく女子の手を握る機会がガキの頃からあったからだ」

 

一夏「ガキの、頃から?」

 

カズマ「ああ、ガキの頃から」

 

そう言うとカズマはアクアの方を見て言った

 

《過去回想》

【幼稚園】

 

幼稚園児カズマ「あくあ〜、せんせいがみんなよんでるからいこう」

 

幼稚園児アクア「やーだー、わたしもっとあそぶのー」

 

先生の所にアクアの手を引っ張って連れて行くカズマ

 

【小学校】

《低学年》

 

小学生低学年カズマ「アクア、掃除サボるな!」

 

小学生低学年アクア「やだ!雑巾がけやりたくない!」

 

雑巾片手にアクアを教室に引っ張って行くカズマ

 

《高学年》

 

小学生高学年カズマ「アクア!居残りから逃げんな!」

 

小学生高学年アクア「嫌だー!帰ってゲームしたい!」

 

アクアの手を引っ張って教室に連れて行くカズマ

 

【中学校】

 

《1年》《2年》《3年》

 

中学生カズマ「お前いい加減学習しろ!!」

 

中学生アクア「嫌だー!教室に残って課題したくなーい!」

 

3年間引きずられるアクア

 

 

《現在》

 

カズマ「てなことをずっとしてきた」

 

その場の一同「「「「お、お疲れさまです社長(汗)」」」」

 

アクア「フ、フュー、フュー」下手な口笛

 

口笛して誤魔化してるアクア

 

一夏「吹けてないからな」

 

カズマ「んじゃあシャルロット改めシャル、それとラウラ」

 

シャルロット「シャル!?」

 

カズマ「改めてようこそ1年1組へ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

箒「そういえば、一夏が使っていたあの銃みたいなあれはなんだ?」

 

シャルロット「あ、そういえば僕も気になってたんだよね」

 

セシリア「それとカズマさんが使っていたあのドライバーも」

 

ラウラ「後ふたりが使ってるデバイスのようなものはなんだ?」

 

放課後になって箒達に聞かれたので俺とカズマは話しだした

 

カズマ「ああ、俺が使ってるのは『ゼロワンドライバー』、正式名称は『飛電ゼロワンドライバー』。飛電インテリジェンスの社長のみが使うことができるドライバーだ」

 

一夏「んで俺のは『ショットライザー』、正式名称は『A.I.M.S.ショットライザー』。武器兼登録した人間のみが使えるベルトだ」

 

カズマ「そしてだな…」

 

カズマは懐から黄色のデバイスを取り出した

 

カズマ「これは『プログライズキー』……『通信衛星ゼア』に蓄積されたデータを様々な能力に切り分けた『データ・アクティベイトキー』。それぞれモチーフになっている動物とそのアビリティーが設定していて、対応するベルトや武器につければインプットされた生物のデータイメージ、『ライダモデル』の能力を使い、変身や必殺技の強化を行うことができる……んでこれは普段使っている『ライジングホッパー』プログライズキーだ」

 

一夏「んで俺が使ってたのが『シューティングウルフ』プログライズキーだ」  

 

そして俺も青いデバイス……プログライズキーを出してみせた

 

シャルロット「聞いといてなんだけど…もしかしてそれってあまり聞いちゃいけない部類の奴じゃ」

 

カズマ「別にこれは企業秘密とかではないから問題はない。それに両方共生半可な奴では使いこなせない代物だ」

 

一夏「俺のは生身で撃っても反動で倒れない位の身体が最低条件だ」

 

ラウラ「そうなのか…私は意識を失っていたから兄さんがどんなふうに戦ってたのか見れなかったからよく分からないな」

 

カズマ「まあどうせ一夏はこれから散々使うことになるだろうからすぐに見れるだろ」

 

鈴「ゼロワンかっこよかったけどバルカンもかっこよかったわよ!」キラキラ

 

シャルロット「ちょっと気になるけど、一夏とカズマって、どっちが強いの?」

 

一夏「そりゃあカズマ一択だな。俺今までカズマと戦って勝ったこと一回もないからな」

 

セシリア「仮面ライダーに変身してもですか?」

 

一夏「…残念ながらカズマは俺とは戦闘経験も鍛え方も違うからな………」

 

カズマ「ああそうだ一夏、刃さんから言伝を受けてたんだった」

 

箒「刃さん?」

 

一夏「俺の上司……んで言伝ってのは?」

 

カズマ「ああ、……『織斑一夏隊員……本日付けで仮面ライダーバルカン…及びバルカン隊隊長に任命する』」

 

一夏「!」

 

シャルロット「え?どういうこと?」

 

カズマ「A.I.M.Sには様々な部門があるが、その中でもバルカン隊は制圧、殲滅、などをする…部隊の中では精鋭で構成されている……そしてその隊長は仮面ライダーに変身する資格がある……ただ、バルカンの前任者はある戦いで負傷して約1年の絶対安静を言い渡されてな……そこで、最もバルカン変身者の適正がある一夏が後継者になった……そして昨日、こいつはバルカンになった事で、バルカン隊の隊長資格を得た訳だ」

 

一夏「……隊長ねえ……俺あんまりやりたくないが…」

 

カズマ「まあ仮面ライダーになったからにはこれまで以上に忙しくなるだろうが頑張れ、A.I.M.Sは勤務内容は厳しいがその分給料は高いからな…ちなみに隊長は隊員の倍貰えるからな……隊長就任の祝金はお前の口座に振り込んでおいたからな」

 

セシリア「所で…シャルロットさんはどうして男装を?」

 

シャルロット「……うん…それはね」

 

そこでシャルロットは自分の過去を……更に俺やカズマが助けてくれた事を話しだした

 

セシリア「そう…でしたか…」

 

箒「……カズマ…お前…」

 

カズマ「いいじゃん人助けしたんだから、犯罪なんてなんぼのもんじゃい」

 

ラウラ「とても大企業の社長のセリフではないな」

 

アクア「気をつけなさい、カズマそういう所あるから」

 

シャルロット「でもね……ふたりは僕の事を見捨てずに手を差し伸ばしてくれた……お父さんと和解もできた……」

 

シャルロットはそう言うと俺とカズマに身体を向き

 

シャルロット「一夏…カズマ……僕を助けてくれてありがとう!」

 

俺達に頭を下げた

 

それを見た俺とカズマの表情は笑みを浮かべた

 

それは普段するような邪悪の笑みではない…優しい表情だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「んじゃあ…これから飛電インテリジェンスに行って鍛えにいくか、ラウラとシャルも一緒に」

 

箒「ふたりとも逃げろ!!行ってしまったら最後地獄を見るぞ!!」

 

セシリア「カズマさん!!わたくし達以外にも犠牲者を出すおつもりですか!?」

 

鈴「ふたりともこっちよ!」

 

飛電インテリジェンスでのあの地獄の訓練を身を持って味わった三人はシャル達を逃がそうとするが

 

一夏「おっと、逃がすかよ」

 

俺はふたりの手を掴み、逃げないようにした

 

一夏「こういうのはみんなで地獄を味わうのが1番だ。さあ、一緒に逝くぞ」

 

シャルロット「な、なんでみんなそんなに慌てるの?」

 

ラウラ「ふむ…私はドイツで教官の厳しい訓練を受けてきた。皆がいう地獄とはどれほどなのか味わおうか」

 

が…それから一時間後

 

ふたりは地獄を味わった

 

地獄を味わおうと言ったラウラに限って言えば

 

ラウラ「この世に教官の訓練以上に厳しいものがあったのだな…」

 

とフラフラになっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《???視点》

 

???「フフフ」

 

いたる所にケーブルで埋め尽くされた部屋のモニターを、一人の女性が眺めていた

 

その格好はまるで不思議の国のアリスのようなエプロンと背中に大きなリボンがあった

それと兎耳のカチューシャをつけている

 

両目の下にはクマが出来ており、それを見ればずっと眠れてないことが良く分かる

 

???「久しぶりにいっくんや箒ちゃんも見れて嬉しいなあ〜、ふたりとも大きくなっちゃって……でもいっくんの方は随分変わってたなあ〜」

 

彼女はそう言うと、机の上に置いてあるとある物の設計図を見た

 

???「もうすぐ完成する。代用無きもの(オルタナティブ・ゼロ)にして最高性能(ハイエンド)にしてオーバースペック(規格外仕様)。白と並び立つもの……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅椿(あかつばき)が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「もうすぐ臨海学校あるな」

 

箒「お、お前…あれだけ動いた後なのに余裕なのか?」

 

飛電インテリジェンス(地獄)から無事帰還した俺達はその後部屋に帰ってきた

 

一夏「俺…水着買ったほうがいいのかな…」

 

箒「水着……私も買ったほうがいいかもしれない……」

 

それを聞いて箒は考え込んだ

 

一夏「てかさあ…買ったほうがいいって思うなら俺を誘ったら?」

 

箒「さ、誘うって?」

 

一夏「何ってデート」

 

箒「デ///!?」

 

 




えー、諸事情で少しの間投稿ストップします…申し訳ございません。


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第19話 とあるデートをする男女達

はい…超遅くなってすみませんでした。ですがまた投稿ストップになると思いますので…今のうちに投稿できるだけやるつもりです。


《一夏視点》

 

箒「ま、待たせたな……遅くなってす、すまない」

 

一夏「ん…今来たばかりだからなんてことないな」

 

翌日…

 

休日だが、いつもより早くに起きて学園から出て、駅前のベンチに座って携帯をいじっていた俺だったが

 

しばらくして制服姿の箒がやってきた

 

箒「そ、それにしても……わざわざ時間差で待ちあわせなんてせず、一緒に行けばいいのではないか?」

 

一夏「ばーかか箒、時間差で待ちあわせするほうがデートぽいんだろうが」

 

箒「あ///そ…そう言われてみれば///」

 

一夏「お前そこらへん気付けよな……っと、そろそろ電車が来るな…行くぞ」

 

そう言い俺は箒と一緒に歩き出した

 

箒「あ…い、一夏……その」

 

箒は何か言いたそうな態度で俺の手を見てモジモジしていた

 

一夏「……ハアッ……手繋ぎたいなら勝手に繋げ……てかアタックしろって俺言ったよな?グイグイ行くくらいでいいんだよ」

 

箒「う///」

 

そう言い俺は箒の手を繋ぎ歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《鈴視点》

 

鈴「あのふたり……手繋いでるわね…」

 

セシリア「ええ…見てくださいよあの箒さんの幸せそうな顔……もう手を繋いだだけで昇天してしまいそうになってますわよ」

 

建物の影から一夏と箒を覗くあたし達

 

シャルロット「ね、ねえ…こんなのってあまり良くないと思うよ…」

 

ラウラ「とか言っているがシャルロット…お前も覗いているぞ」

 

なんかあたし達の後をつけてきたシャル達も覗いている

 

シャルロット「そ…それよりふたりはなんで一夏達をつけてるの?」

 

鈴/セシリア「「日頃の(お)仕返しにからかう材料集めに決まって(ますわ!)るでしょ!」」

 

シャルロット「う、うわ〜見事に恨み買ってるね一夏は…」

 

鈴「そういうシャル達こそどうしてついてきたの?」

 

シャルロット「う、うん…それがね…」

 

ラウラ「私があまり私服を持ってないから私服と今度ある臨海学校とやらの為の水着を買いに行こうとしてたらなにやら兄さん達を追いかけていたふたりを見つけてこうしてついてきたのだ」

 

鈴「そ、そうなんだ…ってあ、ふたりが行っちゃうわ!追いかけよ、多分ふたりの行く先は『レゾナンス』よ。あそこは品数だけじゃなくて飲食店やレジャーも豊富な超大型ショッピングモールよ!」

 

シャルロット「詳しいんだね鈴」

 

鈴「あそこは中学時代、一夏と他の友達とよく遊びに行ってた所だから、ほら早く行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「(めんどくせーなおい)」

 

通りすがりの女性「ちょっと聞いているの!これ片付けておいて」

 

レゾナンスに来て早速水着選びしていたら見知らぬ女性に絡まられた

 

なんか自分で選んでいた水着以外を俺に片付けさせようとしていた

 

はあー…

 

これがISができてから生まれた女尊男卑の風潮

 

どの国でも女性優遇制度が設けられ、街を歩く男はこうして見ず知らずの女に命令される始末

 

一夏「自分でやれよ。自分でやった始末を自分でやれないのか?今時の小学生でも散らかしたものの後片付けをすると言うのに、小学生以下かアンタ」

 

通りすがりの女「なんですって!」

 

そう言うと女は俺の頬を引っ叩こうとした

 

散々訓練受けてきた俺からすればアクビが出ちまいそうな位余裕でかわせるが

 

ビシッ!

 

あえてうけた

 

通りすがりの女「調子に乗ってるんじゃないわよ男の分際で!!これだから男はバカね。いい?男はね、女の言うとおりにしていればいいのよ!」

 

 

《鈴視点》

 

シャルロット「い、一夏が絡まられてる!」

 

ラウラ「今行くぞ兄さん!」

 

鈴「ちょっと」

 

セシリア「お待ちなさい!」

 

絡まられてる一夏の元に行こうとしたラウラをセシリアが取り押さえた

 

ラウラ「は、離せセシリア!早く兄さんを助けに行かないと」

 

セシリア「落ち着いて下さい」

 

鈴「そうよ、それに気づかなかったの?そもそも一夏ならあの程度のビンタくらい軽くかわせるわよ」

 

シャルロット「え?じ、じゃあもしかしてわざと」

 

鈴「どっちにしろあの女、一夏に絡んだ時点で詰んでるし」

 

セシリア「ええ…もしも一夏さんが、あの日…わたくしがクラスで暴言はいていた時と同じなら」

 

《一夏視点》

 

一夏「バカ?フッ……バカはアンタのほうだろ…」

 

通りすがりの女「はあ!?」

 

一夏「俺に対してやった事への傷害罪、及び名誉毀損に散々暴言を吐かれたことへの精神的苦痛もろもろ……訴えるからな?」

 

通りすがり「ハッ!やって見なさいよ!どうせ勝つのは私の方だから、それに証拠もない。裁判を起こした時点でアンタの負けよ!」

 

一夏「ほう…」

 

俺はポケットからあるものを取り出した

 

一夏「これを見ても同じことが言えるのか?」 

 

ポケットに入っていたのは、クラス代表を決める時にセシリアが暴言を吐き、それをカズマと一緒に録音する時に使っていたボイスレコーダーだ

 

通りすがりの女「なっ!?」

 

一夏「それと気づいてなかったのか?……今俺達がいる場所……監視カメラがバッチリ映る場所って事も」

 

通りすがりの女「へ?」

 

女は驚いて振り返ると、天井には監視カメラが複数張り付いていた

 

一夏「このレゾナンスではな…今のアンタみたいに男に言いがかりをつけたりこき使ったり、挙げ句犯罪行為する女がよく居るから…監視カメラはあちこちに張り付いてんだよ…そんな事も知らずに俺に絡んでくるとは……アンタって本当に……馬鹿だよなあ〜」

 

俺は笑みを浮かべてそう告げた

 

一夏「そしてトドメ…今俺の連れが警備員呼んでるから……逃げるなら今のうちだぞ」

 

通りすがりの女「クッ!」

 

女は悔しいそうな顔を浮かべたがすぐに逃げていった

 

一夏「どこまでもバカな女だな……逃げれば余計自分の立場が不利になるって言うのに…」

 

箒「一夏!」

 

そうこうしていると箒が警備員2名を連れてこっちに来た

 

一夏「ああ…すみません。逃げて行ったので追ってくれませんか?それと監視カメラに俺に暴言吐いたり引っ叩いた場面が映ってると思いますので、いつものようによろしくおねがいします」

 

警備員「またかい?……君も苦労するね…」

 

一夏「まあ慣れてますので…」

 

やがて警備員の片方は逃げた女を追い、もう片方は監視カメラの確認しに行った

 

箒「い…一夏…随分と手慣れている様子だったが…」

 

一夏「ああ、中学時代も似たような事が何度もあったしな…その度に証拠持って裁判して相手から慰謝料むしりとってたな…おかげで同年代で一番小遣い持ってたな…いやーいい小遣い稼ぎだったな」

 

箒「お前小遣い稼ぎとか言うな!」

 

一夏「それはそうと喜べ箒、俺に絡んだあの女、自分から証拠をたくさん残してくれたおかげでまた裁判やってたくさん慰謝料むしり取れるよ…お前が警備員呼んでくれたのも効果的だったからお前にも何割かやるよ」

 

箒「いやいらんわ!私はお前みたいに汚れた金は欲しくない!」

 

一夏「いや一応被害者の俺が謝礼で貰う金を汚いとか言わないでくれない?いやもう水着は選んだし次はお前の服選びな」

 

箒「え?」

 

一夏「お前あまり私服持ってないよな?2ヶ月同じ部屋に居たらわかるよ。てか片方私服なのにもう片方制服なの傍から見たら結構おかしいからな?」

 

箒「う…」

 

一夏「ほら行くぞ、お前に合う服探すぞ」

 

《鈴視点》

 

鈴「ね?だから言ったでしょ。一夏に絡んだ時点で詰んでるって」

 

シャルロット「うわ…やる事がえげつないね…」

 

セシリア「うっ……ボイスレコーダー…」

 

ラウラ「どうかしたかセシリア?」

 

セシリア「い…いえ…なんでもございませんわ…」

 

鈴「一夏ね…中学時代も似たような事があってもそのたびに今みたいにやって撃退してきたのよ…何だったら何度も裁判やって何度も相手を負かして慰謝料むしり取ってたから同年代で一番お金持ってたわ……その時よく口にしてたのが『このご時世で唯一良いことがあるとすれば、自分達が偉くなったと勘違いしてるバカ共を簡単に釣れることだな』って言ってた」

 

シャルロット「その頃から色々ぶっ飛んでたんだ…」

 

鈴「おかげで一夏…女尊男卑に苦しんでいる同級達から英雄扱いされてたわね…」

 

そうあたしが説明してると

 

???「鈴姉!」

 

鈴「うわ!」

 

突然あたしの腹部に強い衝撃がかかった

 

って…この声って…

 

鈴「ら、蘭!?」

 

蘭「うん!久しぶり、鈴姉!会いたかった!!」

 

あたしに飛びついてきたのは…中学時代の友達の妹であり、あたしにとっては妹分の五反田蘭だった

 

鈴「本当に久しぶりね、あたしも会いたかったわ、蘭。一人で来たの?」

 

中学時代に色々あってあたしに懐いているのよねこの娘は…

 

蘭「あ、ううん、今日は店の食材をお兄と一緒に買いに来たんだけど」

 

弾「蘭!急に走り出してどうした…」

 

蘭を呼ぶ声がして声の方を向くと

 

あ…

 

弾「鈴…」

 

蘭と兄であり一夏達と中学時代つるんで来た友人でありそして…

 

鈴「弾…」

 

あたしの想い人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カズマ「へえ〜、面白いシーンを見つけちまったな…」

 

アクア「一夏も相変わらずえげつないわね」

 

千冬「はあー…まったく、あの愚弟は……」

 

山田「あ…あははは…流石は先輩の弟さんって感じですね…」

 

千冬「おい真耶、それはどういう意味だ」

 

カズマ「そのままの意味じゃないですか?貴方も一夏同様、敵対した奴に対して容赦しないじゃないですか…」

 

アクア「ただどちらかと言えば、一夏はそこらへん過激なのよね…」

 

千冬「うっ…」

 

一夏達がレゾナンスに来ている頃

同じく水着を買いに来た俺とアクア、それと偶然会った織斑先生と山田先生と一緒に、一夏の行動を見ていた

 

山田「あ、所で水神さん。ちょっと私の水着選びの手伝いをしてくれませんか?」

 

アクア「あ、はい。わかりました」

 

そう言うとアクアと山田先生は奥の方に行った

 

千冬「……全く、あいつはまた裁判起こすのか?………また飛電の顧問弁護士を使うのか…」

 

カズマ「まあうちは別に構いませんが…」

 

千冬「うちの愚弟が迷惑をかけるな」

 

カズマ「いやいや、むしろあんな女尊男卑に染まっている奴を裁くなら結構ですよ」

 

千冬「……お前もお前で色々ぶっ飛んでるな…とても大企業の社長とは思えないぞ」

 

カズマ「それ、少し前にラウラに言われたセリフですよ」

 

こう見えて俺と織斑先生は学園外でもよく話す間柄だ

 

千冬「所で佐藤…どっちの水着がいいと思うか?」

 

そう言うと織斑先生は2着の水着を見せた

 

片方はスポーティーでありながらメッシュ状にクロスした部分がセクシーさを出している黒水着

 

もう片方はこれまた対極で、一切の無駄を省いたかのような機能性重視の白水着

 

カズマ「これは黒水着一択ですね」

 

千冬「ほう…それはなぜだ?」

 

カズマ「どっちかといえば黒水着の方がよく似合うと思ったからなのと、一夏が同じ立場だとしたら同じ事言いそうだからですよ」

 

千冬「……そうか…」

 

そう言うと織斑先生は白水着を戻し、黒水着を持ってレジに向かった

 

その後、俺は織斑先生達に昼飯を奢ると言ったが、織斑先生は『生徒に奢らす教師がいてたまるか』といい、逆に俺とアクアに飯を奢ってくれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《鈴視点》

 

セシリア「結局弾さん達と話をしてたら一夏さん達を見失いましたわね」

 

シャルロット「うん…僕はラウラの私服買いに行けたから良かったけど…」

 

ラウラ「シャルロット、私の水着と私服を選んでくれて感謝するぞ」

 

弾達と会った後、あたし達は自己紹介をはさみながらそこから2時間ほど一緒に話をした

 

セシリア「それにしても…このタイミングで鈴さんの想い人と会うことになるなんて…」

 

鈴「うっ///………あたし言った覚えないんだけど…」

 

シャルロット「いやまあ…見てたらなんとなくわかるよ…」

 

ラウラ「女の勘…ってやつか?」

 

あたしは箒と違ってバレたらバレたで開き直るし隠さない

 

シャルロット「それにしても、鈴もあんな顔するんだ…」

 

鈴「あんなって?」

 

シャルロット「なんていうか…一夏と一緒にいる時の箒みたいな…」

 

セシリア「楽しそうといいますか…幸せそうといいますか…」

 

ラウラ「そういえば、なぜ鈴はあの男に好意を寄せるのだ?」

 

鈴「……そのうち話すわ…」

 

そうこうしていると、シャルの携帯から着信音がなった

 

シャルロット「もしもし?」

 

一夏「ようお前ら、俺だ」

 

シャルロット「い、一夏!?」

 

電話の相手は一夏のようだ

 

シャルロット「ど、どうしたの、急に電話なんて…」

 

一夏「いやな?お前らに聞きたいことがあってだな」

 

ラウラ「うん?お前ら(・・・)だと?」

 

あ、これ…

 

セシリア「うん?わたくしにも電話が…」

 

一夏「なあ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人様をつけて楽しかったか?

 

アクア「私アクアちゃん…今あなたの後ろに居るの…」

 

うん…バレてたわ

 

セシリア/シャルロット/ラウラ「「「いやあああああああ!!」」」←いつの間にか後ろにいるアクアに驚く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【過去回想】

 

《一夏視点》

 

一夏「所で箒…気づいているか?」

 

箒「うん?」

 

一夏「今俺達、つけられてるぞ」

 

箒「なっ!?」

 

一夏「後ろの建物の影からだ…気配の数は4つ…気配の主は鈴とセシリアとシャルとラウラだな」

 

箒「いやなんでそこまで分かる!?」

 

一夏「これも、地獄の訓練の賜物だ…お前も受け続ければそのうち出来るようになるぞ」

 

箒「……私はもう少し人間のままでいたのだが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《レゾナンス内》

 

箒「さっき鈴達を見かけたんだが、なんか…男とその妹らしき娘と話しているのを見たぞ…」

 

うん?……兄妹?……

 

一夏「……もしかして…その男って、バンダナつけてたか?」

 

箒「え?あ、ああ確かにつけていたが……」

 

一夏「……それ、俺と鈴が中学時代によくつるんでた親友の五反田弾とその妹の五反田蘭だな…」

 

箒「な…なあ…その…もしかしてだが…その…鈴が好きだという相手って…もしや…」

 

一夏「ああ…お察しの通り、弾だよ。ついでに言うと、弾も鈴の事が好きだな」

 

箒「そ、それではあのふたりは…り、両想いと言うことか?」

 

一夏「まあな……ただあのふたりは……相手が自分の事好きってことに気づいてねえし、何だったら俺と御手洗数馬っていうもうひとりの親友も内緒で互いの恋愛の相談相手になってるし……」

 

箒「そ…そうか…」 

 

一夏「たくっあのヘタレ共が、どちらかが告白すればすぐにゴールインできるっていうのに!」

 

箒「い、一夏?」

 

一夏「いつもいつも俺や数に散々面倒かけやがって、おかげでこっちは何年も気分がモヤモヤしてスッキリしないんだよ。さっさと告白してカップルになって幸せになりやがれよ!」

 

箒「いや後半ただの良い奴だな!」

 

カズマ「よう、一夏と箒」

 

アクア「ふたりしてデート?」

 

箒「カ、カズマにアクア!?」

 

一夏「まあそんな所だ、ふたりの気配も感じてたからいたのは知ってたけど…それはそうと……あの愚姉も居たな?」

 

箒「愚、愚姉って千冬さんのことか?…前々から思っていたが、お前達姉弟は一体どうした…小学生の頃はそんなに不仲では無かっただろ?」

 

一夏「別に気にするな…ただの反抗期だ…」

 

箒「そ…そうか?」

 

一夏「それよりあのストーカー共を驚かせたいから、ちょっとアクア…手伝ってくれ」

 

アクア「手伝うって?」

 

その後、俺は鈴に電話し、その間にセシリアに電話を繋げたアクアがセシリア達の背後に回って驚かせた

 

鈴は俺に気づかれてる事を察してたから驚かなかったな



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第20話 ドキドキ?真夏のビーチパラダイス!!《前編》

はい…またまた超遅くなってすみませんでした。
先月は一話しか投稿できませんでした。

諸事情でしばらく投稿ストップしてましたがやっと元のペースで投稿できそうなので、またよろしくおねがいします。


《カズマ視点》

 

千冬「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月(かげつそう)荘だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ」

 

一同「「「よろしくおねがいしまーす!!」」」

 

臨海学校当日、バスに乗り学園から出た俺達は、バスの中でトランプなどをして時間を潰した

 

……トランプを使ったゲームに参加しようとしたら一夏からは「アンタは参加するな」って言われた

 

……解せぬ←運の絡んだゲームが反則レベルで強い奴

 

そうこうしているうちに目的地である海のそばの旅館に到着した

 

清洲「はじめまして、この旅館の女将をしています。清洲景子(きよすけいこ)です」

 

ここの女将が俺達に挨拶してきた

 

清洲「あら、こちらが噂の…」

 

千冬「ええ、まあ。今年はふたり男子がいるせいで浴場分けが難しくなってしまって申し訳ありません…挨拶しろ、馬鹿者」

 

一夏「挨拶しようとしたらアンタが被せてきたんだろうが、挨拶しようとする邪魔しないで貰えます織斑先生?」

 

千冬「先に挨拶しなかったお前が悪い」

 

一夏「アンタは挨拶済ませたならとっとと下がってもらえますか?正直邪魔」

 

おいおい、あの姉弟また険悪な空気当たりに撒き散らしやがって

 

カズマ「一夏、織斑先生、兄弟喧嘩したいなら浜辺でデスファイトでもやってくれませんか?後挨拶したいのでどいてくれると助かるんですが…」

 

そう言い俺はふたりをどかした

 

清洲「まあ!あなたは…」

 

カズマ「お久しぶりです。清洲さん」

 

清洲「はい。お久しぶりです。飛電社長」

 

一夏「あれ?社長知り合いか?」

 

カズマ「ああ…ここの旅館にはな、ウチのヒューマギアが働いているからな…あのところで、『華美(ハナミ)』はどうですか?」

 

清洲「はい。よく働いてくれてとても助かっています。お客様からの評判もいいですよ」

 

カズマ「ははは、それは何よりです…では改めてIS学園一年、佐藤和真です。そして彼は」

 

一夏「同じく一年の織斑一夏です」

 

こうして挨拶を終えた俺達は各々の使う部屋に案内され、それぞれ荷物を置き……水着に着替える為に更衣室に行った

 

ちなみに一夏は箒と同じ部屋で俺はアクアと同じ部屋だった

 

元々俺と一夏は教員室、つまり織斑先生達教師と同じ部屋を使う予定だったらしいが、一夏が『臨海学校に来てまであの姉と同じ部屋とか使いたくねえ…絶対喧嘩になるからなあ』とぼやいた事と、織斑先生が『佐藤はともかく、私はあの愚弟と同じ部屋で寝たくない』といい、結局俺達が使う部屋は他の学生と同じ所になった

 

俺が言うのもなんだが…どんだけ兄弟でいがみ合ってんだか…

 

まあいいや、それより俺もさっさと着替えて来るか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《一夏視点》

 

一夏/箒「…………」

 

更衣室に向かう途中で俺と箒は目の前に生えているウサミミに目が行って立ち止まってしまった

 

箒「……あれ…どうするか?……『引っ張ってください』と書かれた張り紙も付いているのだが…」

 

一夏「ほっとけ…抜いたら面倒くさそうだからな」

 

俺がそう言うと箒も色々言いたそうな顔をしていたがとりあえず更衣室のある別館に向かって歩き出した

 

一夏「……」

 

俺も更衣室に向かおうとしたが張り紙を取るとそこの裏に

『このウサミミを引っこ抜けば災いが訪れます。世界を混沌に沈めたい方、世界を破滅へと導きたい方はぜひ抜いてください。by通りすがりのIS操縦者(男)』

と書くとそれを表にして更衣室に向かって歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「ん〜、久しぶりの海は中々あっちいなあ…」

 

着替え終えた俺は浜辺に出てきた

 

臨海学校初日は自由時間らしく、浜辺には既に着替え終えて遊んでいる女子生徒がちらほらいる

 

「あ、織斑君だ!」

 

「うわ、体すっごいー!」

 

「服着てたからよく分からなかったけど筋肉凄い!」

 

浜辺にいた女子生徒達が俺を見て声を上げた

 

さて…軽く柔軟体操でもするかな

 

鈴「い、ち、か〜〜〜っ!」

 

が、後ろから声が聞こえてきたので素早くしゃがんだ

 

一夏「甘いな鈴」

 

すると鈴はしゃがんだ俺を飛びぬき俺の前に飛び降りてきた

 

鈴「う、今の不意打ちを上手く避けたわね」

 

一夏「残念ながらお前のやりそうな事は大体分かるんだよ」

 

カズマ「いやお前らなにやってんだよ」

 

アクア「学園だけじゃなく、ここでも一戦交えるつもり?」

 

後ろからカズマとアクアが俺達に声を掛けてきた

 

セシリア「あら?一夏さん達も来てたんですね」

 

更にビーチパラソルとシートを持ったセシリアまで来た

 

アクア「あら〜セシリアのビキニ似合ってるじゃない」

 

セシリア「ありがとうございますアクアさん。アクアさんの水着も凄くお似合いですわよ」

 

アクア「ん?えへへ、これカズマが選んでくれた奴なのよ」

 

カズマ「本当はこれ以外にも水着があったんだが、ちょっと胸のあたりがキツくなってたみたいでな」

 

鈴「グフッ…」←水着で胸が苦しくなったことない人

 

一夏「……フッ…」←サドの笑み

 

セシリア「それにしましても、おふたりの身体、すごくたくましいですわね」

 

鈴「うわ、これ中学で別れる前よりあるんじゃないの?」

 

一夏「まあな…あの地獄の訓練を受ければ誰でもこうなるな」

 

カズマ「それ以外にも自主トレはしてるしな……んじゃあ俺とアクアはめぐみん達の所に居るわ」

 

そう言うとカズマとアクアは居なくなり、この場にはセシリアと鈴と俺だけになった

 

一夏「そういえば箒見なかったか?」

 

セシリア「それなら前程シャルロットさん達と居たのを見ましたが…」

 

鈴「……あの木の陰に隠れてるのがそうなんじゃないの?」

 

鈴がそう言うと近くの木に隠れている箒に指さした

 

一夏「おーい箒、恥ずかしがってないで出てこいよ」

 

箒「ビクッ!」

 

だがそれでも出てこない

 

一夏「……たく…仕方ねえな……」

 

俺は大きく息を吸うと

 

一夏「箒は小学生の頃担任の先生をお母さんと呼んだことがある!!

 

更に立て続けに

 

一夏「剣道で千冬姉に戦い方を聞こうと思ってたら緊張して間違えて田んぼの植え方を聞いたことがある!!

 

そして

 

一夏「箒は

 

箒「やめろおおおおおお!!

 

木の陰から涙目になった箒が走って出てきた

 

箒「お、お前!ひ、人の黒歴史をば、バラすな!」

 

一夏「いやだってお前呼んでも出て来ないしさ」

 

箒「だ、だからと言って、私の恥ずかしい過去を話すな!!」

 

一夏「みんなの前に水着姿で出てくることよりもか?」

 

箒「!」

 

そこで箒はハッとして周りを見た

 

一夏「安心しろ、ちゃんとお前に似合ってる水着を選んだんだからさ」

 

箒「うっうぅ///」

 

箒は顔を真っ赤にして顔を両手で隠す

 

鈴「デ…デカイ…」

 

鈴は箒の水着の……おもに胸部分を見て驚愕した

 

セシリア「わ…わたくしも大きい方だと思ってはいましたが………発育がすごいですわ…」

 

それな、それは俺も思った

 

俺と別れた数年間で随分と立派に実ったな

 

大きさで言えば俺のいつものメンバーだとダクネスが一番でその次が箒で続いてセシリア、アクア、シャル、ラウラ、鈴だな

 

???「あ、おりむ〜こんなところにいたんだ〜」

 

と、後ろから着ぐるみを来た女子生徒が声を掛けてきた

 

一夏「本音(ほんね)か、お前それ暑くないか?」

 

今声を掛けてきたこの小柄な着ぐるみ娘は同じクラスの布仏本音(のほとけほんね)

かなりおっとりしていて掴みどころのないやつで不思議な雰囲気を出してきて、いろんな奴らの事をあだ名で呼んでくる

 

実はこいつとはIS学園に入る前からの知り合いで、とある暗部に使える一族だそうだ

 

鈴「ねえ、それ着て泳げるの?」

 

鈴は気になったのかそんな事を聞いてきた

 

本音「ん〜?フッフフ、じーつはー、この着ぐるみの下にはーちゃーんと水着があるから大丈夫なのだー」

 

そう言うと着ぐるみを脱いで水着姿を見せてきた 

 

鈴「あ……あ…」

 

その姿に鈴はショックを受けていた

 

正確には水着姿にではなく…

 

その装甲部(胸)にだ

 

そう…本音はいわゆる隠れ巨乳と言うやつで、普段の制服姿からでは想像つかない様な凶悪な物を制服の下に隠していたのだ

 

鈴「为什么要区分有和没有的人」

 

箒「え?」

 

セシリア「な、なんて言ってますの?」

 

突然の鈴の中国語に箒達が戸惑っている

 

一夏「……『なぜ持つ人と持たざる人を区別してるの』だってさ」

 

セシリア「はい!?」

 

箒「なっ!?」

 

本音「おー、おりむー中国語分かるんだー」

 

一夏「まあ…飛電インテリジェンスには優秀な語学語専門のヒューマギアとか居るからな…学ぶ機会はいくらでもあったしな。ちなみにこれ以外にも数ヵ国語話せるぞ。これで卒業後の就職活動で困らないな」

 

箒「す、すごいがお前、就職活動と言っても今の仕事は辞めるつもりはないのだろう?」

 

一夏「……そうだなー…少なくとも今の所は辞めるつもりはないな」

 

セシリア「あ、そうですわ一夏さん…今手が空いてらっしゃるなら……わたくしにサンオイルを塗ってください」

 

一夏「ん?」

 

箒「なっ!?」

 

鈴「へー…」

 

セシリアがそう言うと周りにいた女子生徒達が

 

「じゃあわたしはサンオイル取ってくる!」

 

「私はシートを!」

 

「私はパラソルを!」

 

「じゃあ私はサンオイル落としてくる!」

 

次々行動に移す

 

こいつ〜…日頃の仕返しに俺にこんな真似させるとは…

 

ああこいつ俺に勝ち誇った様な顔をしてやがるな

 

だがな

 

一夏「……分かった…やるよ」

 

俺はそう言うと早速行動に移した

 

セシリア「はーいよろしくおねがいしますわ、ああわかっているとは思いますがわたくしにいやらしく触ったりしませんことよってアレ!?」

 

一夏「安心しろ。触らないよ」

 

俺は近くにあったバケツにサンオイル一本分を入れると

 

一夏「はい目をつぶって頭から行くぞー」

 

セシリア「ええちょっと待!」

 

最後まで言い切る前にセシリアの頭にサンオイルがいっぱい入ったバケツを被せた

 

しばらくジタバタしていたセシリアだったがやがて動かなくなった

 

……死んでねえよな?

 

一夏「さーて、セシリアは済んだし次は一体誰の番かな?」

 

「「退避ー!!」」

 

「「避難よー!!」」

 

俺が顔を向けると他の女子生徒達が逃げていった

 

一夏「やれやれ釣れない奴らだな…お前もそう思うだろ箒?」

 

箒「私に言うな!そして近づくな!!……アレ?前にもこんな事があった様な…」

 

一夏「大丈夫大丈夫、ちゃんとサンオイル被せるから」

 

箒「今被せると言ったか!?サンオイルは塗るものであって被せるものではああおい!!わ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の側に近寄るなあああああああ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《その頃別の場所にいるカズマ達は》

 

 

アクア「うん?」

 

カズマ「どうかしたかアクア?」

 

アクア「うーん、今どこかで誰かの悲鳴が聞こえた気が…」

 

めぐみん「ああ…それはきっと一夏の餌食になった人の悲鳴ですよ」

 

ダクネス「中学でも一夏によって餌食になった者は悲鳴を上げていたな」

 

カズマ「なら多分今餌食になっているのは箒だな。なんやかんや一夏のお気に入りだしな」

 

他の生徒たちがいる浜辺から少し離れた所で釣りをしているカズマ達であった

 

 



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第21話 ドキドキ?真夏のビーチパラダイス!!《後編》

今回は短めです


《箒視点》

 

一夏「よし!行ったぞ鈴!」

 

鈴「任せて!えい!」

 

シャルロット「あ、ラウラ!」

 

ラウラ「任せろ!!」

 

箒「させるか!」

 

セシリア「あ!」

 

私は一夏の餌食になったあと、復活したセシリアと逃げた鈴と合流してきたシャルとラウラと3対3のビーチバレーをやっている

 

ちなみにチームは

私と一夏と鈴 対 セシリアとシャルとラウラだ

 

だが正直言ってこの組み合わせはミスマッチな気がした

 

なぜなら向こうは軍隊上がりのラウラ以外は運動神経が一般人よりわずかに上のセシリアとシャルに対し、明らかに人間をやめている一夏とその一夏と素手で互角の戦いができる鈴、そしてふたりには劣るが一般人よりかは強い私……戦力に差がある

というか一夏が飛び抜けている

さっきから一夏の一人勝ちだ

今やっと私が点数を取ったのだが……

 

これなら一夏一人で私と鈴は相手のチームに行って5対1でも良かった気が…

 

千冬「む、お前達、こんな所で遊んでいたか」

 

木の陰から私達に声をかけてきた人物…千冬さんの方を私達は目を向けた

 

シャルロット「う…うわー…」

 

セシリア「す、すごいですわ…」

 

鈴「な、なんてスタイルなの…」

 

ラウラ「さ、流石は教官だ」

 

一夏「チッ…部屋に置いてきたカメラ持ってくれば良かったな」

 

箒「一夏!?」

 

千冬さんが着ている黒い水着は…なんというか、大人の魅力を醸し出していた

 

一夏「水着姿が似合っていたからついな」

 

箒「いや、お前がそんな事を言うなんてな…」

 

一夏「俺は撮りたい写真に嘘はつかないからな……後初代ブリュンヒルデの水着姿なんて…いったい幾らで売れるんだか…」

 

箒「!?」

 

一夏「なーんて冗談だ…俺は自分だけが写った写真はともかく、他人が写ってる写真は売らない主義だからな………生活に困ったらあるいは…」

 

なんか最後に聞き捨てならない事を言っていたがとにかく、気を取り直して

 

箒「そ、そうだ織斑先生、織斑先生も一緒にビーチバレーやりませんか?」

 

セシリア「あ、でしたらわたくし達のチームに入ってくれませんか?」

 

私やセシリアが千冬さんを誘うと

 

千冬「ん、そうだな…久しぶりにやろうか……言っておくが、私は強いぞ」

 

千冬さんも混じって楽しい楽しいビーチバレーの続きを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていた時期が私にもありました

 

千冬「どうした?この程度で終わりか?だとしたらお笑いだ」

 

一夏「…今、俺を笑ったか?」

 

千冬さんを相手チームに入れてビーチバレーを始めてわずか数分後、コートには千冬さんと一夏を除いて全滅……

 

一夏「Go to hell!」

 

一夏の渾身の一撃を込めたビーチボールが千冬さんに

 

千冬「甘い!」

 

だがそれを力いっぱいで弾き返した

 

一夏「アンタもな」

 

だがそれを更に弾いた

 

千冬さんの一撃で鈴がまともにくらい脱落し、一夏の本気の一撃でセシリアが脱落し、シャルとラウラも続けて…そして私はコートから脱出し事無きを得た

 

……というかいつからビーチバレーはドッチボールになった

 

それにしてもこの姉弟…本当に人間離れしているな…

 

さっきからこの姉弟の放ったボールが浜辺に落ちると小さいがクレーターができるし人が気絶する威力ときた…

 

というか一夏、さっきまで私達とやっていた時は手加減していたな

 

本当になんなんだこの姉弟は

 

「キャー!!」

 

一夏/千冬/箒「「「!?」」」

 

突然海の方で女子生徒の悲鳴が聞こえてきた

 

「あ!お、織斑先生大変です!!生徒達が遊んでいる方でサメが出てきました!!」

 

千冬「なに!?」

 

ビーチにサメだと!?

 

一夏「!」

 

一夏が突然海に飛び込むと凄まじい速さでサメに襲われている生徒を救出した

 

一夏「はあ、箒…こいつをたのむ」

 

箒「頼むってお前…どうする気だ?」

 

一夏はサメに襲われていた生徒を私に預けるとどこからかショットライザーを取り出した

 

一夏「そんなの決まってる。ちょっと狩って来る」

 

箒「いやそんなコンビニに行ってくる感覚で言うな!」

 

ラウラ「む、ならば私も行こうか兄さん」

 

一夏「あ、ラウラ。もう起きたのか」

 

ラウラ「私の体内にある治療用ナノマシンのおかげで普通の人間よりも回復が速かったのでな。では行こうか兄さん!」

 

一夏「おう!」

 

そう言うとショットライザーを持つ一夏と軍用ナイフを持つラウラは海に飛び込んでいき

 

千冬「待て貴様らー!!」

 

IS用のブレードを片手に千冬さんも飛び込んでいき

 

カズマ「お、サメ狩りか、フカヒレ食えるか?」

 

ゼロワンドライバー

 

更にカズマまで参戦してきた

 

アクア「はい、『バインディングシャークプログライズキー』よ」

 

カズマ「お、サンキューアクア」

 

そう言うとカズマはライトブルー色のキーを

 

ファング!

 

オーソライズ!

 

すると衛星ゼアからバッタのライダーモデルが送られ、続けてサメのライダーモデルも送られ

 

カズマ「変身!」

 

プログライズ!

 

最初に普段のバッタのライダーモデルが装着されると部位移動が起き、そこにサメのライダーモデルが重なり、別の姿になった

 

キリキリバイ!キリキリバイ!バイティングシャーク!

 

Fangs that can chomp through concrete.

 

箒「か…変わった…」

 

カズマ「んじゃあ行きますか!」

 

そう言うとゼロワンに変身したカズマも海に飛び込んでいった

 

その後、海ではサメと人外(おまけにラウラ)達によるハンティングバトルが勃発したが、結果は人外共の圧勝という結果になった

 

箒「……普通の臨海学校から大きく遠退いたな…」

 

セシリア「仕方ありませんわ…」

 

シャルロット「僕達のいる学園も普通ではないしね…」

 

鈴「…あ〜あ、楽しそうな事やってるわね」

 

いつの間にか起き上がっていたセシリア達とともに私は海で繰り広げている戦いを眺めるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴「ヒグマを素手で倒せる程度の力しかないあたしには水中戦は厳しいか」

 

箒「充分だろ!?」

 

セシリア「充分ではありませんか!?」

 

シャルロット「充分じゃないの!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

一夏「ん、まさか旅館に来てフカヒレ料理が食えるなんてな」

 

カズマ「急だったから専門の職人を呼んどいて正解だったよ」

 

時刻は午後7時

 

現在俺達1組は旅館の大広間で夕食を取っていた

 

箒「まさか刺身がカワハギとはな」

 

アクア「うん!久しぶりに食べたけど美味しいわね!」

 

シャルロット「ん?これは…」

 

アクア「それは本わさびよ」

 

カズマ「食べたら鼻にツーンと来るが美味いぞ……俺はワサビ派ではないが…」

 

シャルロット「そ、そうなんだ…はむ」

 

そう言うとシャルはワサビの山を食べた

 

シャル「っ〜〜〜〜〜!!」

 

案の定シャルは涙目になり鼻を押さえている

 

カズマ「あははははバカめ、ワサビだけ食うやつがあるか」

 

アクア「え、えっと…大丈夫?」

 

シャルロット「ら…らいひょうぶ……ふ、風味があって、いいね……。お、おいしい……よ?」

 

だいぶ無理してんな…

 

一夏「そうかそうか…そんなに美味しいか……なら倍プッシュだ」

 

そこへ一夏が更に山盛りの本わさびをシャルの皿に乗っけた

 

シャルロット「ーー!!」

 

カズマ/アクア/箒/他の生徒「「「(こいつ/この人/鬼だ)」」」

 

その場の生徒は心の中でそう思った

 

あれ?

 

そういえばさっきからセシリアの声がしない気が…

 

そう思い俺はセシリアの方を見ると正座をして身体がプルプル震えていた

 

あー……慣れないことするから…

 

一夏「……触りたい…セシリアの足」

 

箒「な!?セ、セクハラか!!」

 

セシリア「な!なんですっぃぃぃぃぃ!?」

 

セシリアが一夏の言動に驚き思わず正座をしていた足を動かすと……痺れで畳に転げ落ちた

 

一夏「ははははははウケる」

 

箒「子供かお前は!!」

 

そんなこんなで夕食時間は過ぎて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラ「む、もう、終わりか?」←終始黙々と食べ続けていた

 

アクア「ラウラよく食べるわね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第22話 舞い降りる天災

そういえば未だにアクアとめぐみんとダクネスの専用機が登場してませんが……正直アクア以外は特に考えてませんでした。


《カズマ視点》

 

翌朝

 

朝食を終えた俺達は浜辺に集められた

 

合宿2日目はISの各種装備試験運用とデータ取りに追われる予定で特に専用機持ちは大量の装備を持っているのだから大変だな

 

まあ一夏の装備は一つだけだがな…

 

千冬「ああ、篠ノ之。お前はちょっとこっちに来い」

 

箒「え?あ、はい」

 

突然織斑先生に呼ばれて疑問に思ったようだが箒は織斑先生の元へ向かう

 

千冬「篠ノ之、お前には今日から専用━━」

 

???「ちーちゃ〜〜〜〜ん!!」

 

すると、砂嵐を上げながら人影が走ってくる

 

すごく速いが多分なにか付けてるな、

 

だがその人影の正体に気づいた俺は一夏に『任せる』とジェスチャーをした

 

そして一夏はその人影に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「おのれ不審者め!!」

 

???「あああああああああああー!!」

 

容赦なくショットライザーをぶっ放した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

???「ひ、酷いよいっくん!!いきなりぶっ放してくるなんてさあ!!」

 

一夏「いやあ〜不審者が迫って来たからついぶっ放してしまったよ。なんだアンタか…チッ…仕留めそこねたか」

 

???「ねえ今舌打ちしなかった!?最後に会ってからこの数年間で何があったの!?」

 

千冬「うるさいぞ(たばね)

 

シャルロット「え、えっとカズマ…今一夏がショットライザーを生身の人間にぶっ放した事に対して何か言う事って…」

 

カズマ「ああ悪い、足元にいたヤドカリを取ってたから見てなかったな」

 

アクア「あ、そっちにいたわカズマ!」

 

シャルロット「!?」

 

一夏「てか何しに来たんだこの『歩く災厄』は…厄介事を持ってくるつもりならさっさと消えてくれないか?」

 

???「ちょっといっくん!!厳しくなってない!?だんだんちーちゃんに似てきてない!?」

 

一夏「だったらそれこそ最悪だな…」

 

セシリア「あ、あの…カズマさん…あの人は……」

 

カズマ「……生みの親だよ……『IS』のな…」

 

シャルロット「え…生みの親ってことは」

 

千冬「それより自己紹介くらいしろ…うちの生徒たちが困っている」

 

???「えー…めんどくさいなぁ。私が天才の束さんだよ。はろー。終わり」

 

そう言ってくるりんと回って見せる

 

鈴「……え?じゃあこの人が…」

 

箒「……そうだ……ISの生みの親にして……今の時代に変革をもたらした張本人……篠ノ之束(しのののたばね)……私の姉だ」

 

そう…この不思議の国のアリスかなんかに出てきそうなワンピースを着てウサミミを付けているこの不審者がISの生みの親であり、千冬姉の親友…そして箒の姉だ

 

……こう言っちゃあなんだがうちの姉はなぜこんな奇人と交友関係持ってるんだか…

 

束「やあ!箒ちゃん!!久しぶりだね。こうして会うのは何年ぶりかな。大っきくなったね特におっぱいが」

 

箒「殴っていいですか?」

 

一夏「いいんじゃないか?どうせならこいつで殴れ」

 

束「ねえ!それブレード!殴るじゃなくて斬るの間違えじゃないの!?」

 

一夏「大丈夫だろ…アンタゴキブリよりしぶといから…」

 

箒「はあ……あの、姉さんお久しぶりです……それで…どうして急に……」

 

束「ああ!!そうだった、今日は箒ちゃんに渡すものがあって来たんだ!さあ、大空をご覧あれ!」

 

すると上空から何かが砂浜に落ちてきた

 

束「じゃじゃーん!これぞ箒ちゃん専用機こと紅椿(あかつばき)!全スペックが現行ISを上回る束さんお手製ISだよ!」

 

浜辺に落ちてきたソレ…紅椿は全身を赤い装甲で纏っており、太陽の光を反射するその様を見るだけで、それが新品であることかがよくわかる

 

「あの専用機って…篠ノ之さんだからもらえるの?……身内ってだけで」

 

「だよねえ…なんかずるいよねえ…」

 

と、紅椿を見ていた生徒達の中からそんな声が聞こえた

 

まあ確かにそうだな…言いたい事はよくわかる…だが…

 

一夏「人間の歴史が始まって以来…世界が平等だったことなんて一度も無いんだよ…」

 

俺がそう言うと気まずそうに口を閉じる生徒の姿があった

 

束「そうそういっくんもよくわかってるねえ…そこらの凡人たちとは違うねえ」

 

一夏「だがISによる不平等を生んだのは他でもなくアンタ自身だけどな」

 

俺が睨む様にそう言うと束さんは頭を抱えるような仕草をしながら

 

束「ああ〜いっくんも厳しい事を言うようになったねえ〜、これはちーちゃんと並んだかなあ?」

 

はあ…俺やっぱこの人苦手だな…ガキの頃からこの人は他の人とは違ってた……

 

得体のしれない空気を出してたな……

 

束「さーて、これで設定は終わったね、さあ箒ちゃん、さっそく試運転もかねて飛んでみてよ」

 

俺達と話しながら箒が使えるよう紅椿の設定をしていた束さんがそう言うと箒に乗るよう言い出したが

 

箒「……けとれません」

 

束「うん?」

 

箒「受け取れません…私には…」

 

なんと箒が受け取りを拒否した

 

束「な、なんでなの箒ちゃん、何が不満なの?不満があるなら言って、お姉ちゃんがなんでもやるから」

 

受取拒否をした箒に束さんは慌てたように言ってきた

 

箒「……専用機を持つ者は皆…それ相応の実力と厳しい訓練を受けて……専用機を使うに値する力を身に着けて使っています……代表候補生でも企業のテストパイロットでもない私が……これを使えません……もし、使ってしまえば……それは……途方も無い努力をして専用機を得た者達に……とても失礼極まりないです……」

 

箒はそうきっぱりと言った

 

カズマ「よく言ったな箒。そうだ、お前の言うとおりだ。力を得るにはそれ相応の事をしなければならない……そして…力を得てしまった者は……それ相応の覚悟を持たなければならない……」

 

そんな箒にカズマが横から入ってきた

 

束「おいお前、箒ちゃんに余計な事言うなよ」

 

カズマ「あーストップ、今話してんのは俺、アンタこそ黙ってろ」

 

そう束さんを睨みつけて言った

 

カズマ「正直言って……今のお前自身の実力は、一般生徒と代表候補生の間って所だ……厳しい訓練って所に関しては、飛電インテリジェンスで受けていただろ?……後はそこの専用機を使うに値する実力をつける事……まあ要するに、あの訓練を受け続けることだ………できるか?」

 

箒「!」

 

箒の表情が変わった……

 

つまり紅椿を使う為の実力をこれから箒に身に着けさせる……そう言っている

 

しかし……飛電インテリジェンスのあの訓練はなあ……今でもトラウマの俺にはなあ……俺だったらあの訓練受けるくらいならナイアガラの滝登りするほうがマシだ

 

箒「ああ…やれる!……昔から同じ事を毎日やるのは慣れっ子だ!!」

 

カズマ「フッ…そう言うと思ったよ」

 

その返答にカズマは嬉しそうだった……

 

てかマジであの訓練を毎日受けるのかよ……

 

カズマ「じゃあ夏休みに入ったら毎日受けてもらうぞ。ちなみに難易度は以前受けたものより上だけどな」

 

箒「え?」

 

山田「た、大変です!!」

 

いきなり山田先生が俺たちの元に大慌てで来た

 

 

 

これは何か嫌な予感がする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

千冬「では、現状を説明する」

 

旅館の一番奥では専用機持ち達と俺とアクアが集められた

 

先に来ていた教員達は織斑先生の補助の為の機材を揃えると皆座った

 

織斑先生の説明をまとめるとこうだ

 

約2時間前にハワイ沖で試験稼働していたアメリカ・イスラエル共同開発の第3世代型軍用IS銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)が暴走し、監視空域を離脱し、後50分もすればここから2キロ先の空域に通過するという…

 

このままでは日本にそのISが上陸し被害をもたらすかも知れない……

 

本来なら教員達が止めなければならないが…空域や海域封鎖を行わなければならない為…俺達に止めるよう言ってきた

 

しかも向こうの機体スペックを見てみると現行の第3世代機をも上回っている

 

しかも超音速で飛行をしている

 

アプローチも一度が限界らしい…

 

一夏「……なら一撃で仕留める必要があるな……」

 

アクア「一撃で仕留めるなら一夏のバルカンか零落白夜、あるいはカズマのゼロワンのどちらかね」

 

カズマ「言っておくが、ゼロワンもバルカンも攻撃面や威力に関してはISを上回っているが……機動力はISに劣る……一応空を飛べるプログライズキーは存在しているが…」

 

セシリア「でしたら一夏さんがやるしかありませんですわ」

 

千冬「だそうだが……やるか一夏?……これは訓練ではなく実戦だ……無理強いはしない……」

 

織斑先生は一夏に向かってそう言うが……こいつの性格をわかってて言っているなあれ

 

一夏「なめてねえか千冬姉?……A.I.M.Sに入った時からこういう危険な事をやる覚悟はとっくにできているし何より…………俺はこういう危険な事が大好きなんだよ………」

 

この時のふたりは教師と生徒ではなく、姉と弟の会話になっていたのだが…周りはそれを黙って見ていた

 

千冬「……そうか……ならさっそく作戦会議を始める。まずは」

 

束「ちょっと待ったー!!」

 

すると突然さっきのウサミミ不審者こと篠ノ之束博士が入ってきた

 

一夏「出たな不審者!」

 

一夏はそう言うとショットライザーを向けた

 

束「ま、待っていっくん!ここは断・然紅椿の出番なんだよ!」

 

そう言うと篠ノ之博士は投影ディスプレイに様々なデータや資料を見せてきた

 

なんと紅椿は第3世代機を超えた第4世代機らしい…

 

しかも展開装甲という第4世代機用の装備もついているらしい…

 

さらに驚く事に、なんと一夏の白式は元々博士が欠陥機として捨てられていたのを拾っていじって使える様にしたという………白式は元々飛電インテリジェンスと共に白式を作る為に倉持技研と共同開発したんだったはずだが……もしかしていじり終えたのを倉持技研に置いてそれを白式開発に使わせたのか?……

 

千冬「……篠ノ之……今日始めて専用機を使う事になるかも知れないが……やれるか?」

 

データを一通り見た織斑先生は、箒に問いかけた

 

箒「わ…私は…」

 

考えて悩んでいる様子の箒

 

一夏「……」

 

その様子の箒を一夏が黙って見ている

 

箒「やります!……正直不安ですが……他のみんながサポートしてくれるなら……絶対に役に立ってみせます!!」

 

千冬「そうか……ならば、各自準備を!織斑と篠ノ之の両名による目標の追跡及び撃墜を目標とする。それ以外の専用機持ちはふたりのサポートを!佐藤と水神は念の為待機!では作戦開始は30分後!解散!」

 

こうして作戦会議を終えた俺達はそれぞれ準備を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

作戦開始まで後数分を前に…俺は浜辺に立って海の向こうを見ていた

 

……俺の見ている方向にいるのか……銀の福音

 

そう思っていると、後ろから気配がした……この気配は…

 

一夏「……準備は終えたのか…箒?」

 

そう…俺と同じく今回やる作戦の要である箒が立っていた

 

箒「……何も言わないのか……」

 

一夏「何が?」

 

箒「私が……専用機を持つことに対して…」

 

箒の奴……さっきの事を気にしてるのか……

 

一夏「……そうだな…専用機を持つにはまだまだ力不足のお前が専用機を持つことに対して……思う所が無いわけではない……が、お前は自覚してるから問題はないな」

 

箒「へ?」

 

一夏「さっきカズマも言ってただろ?……力を得てしまった者はそれ相応の覚悟を持たなければならないって……あれはな…強い力を持ったことで力に溺れたり…浮ついたりなんてせず………間違った使い方をしない………そう言ってんだよ………お前は紅椿という大きな力を得たが浮つかず、調子に乗らず…それの力を正しく使えるか不安になっていた……なら精神面は問題ないな……まあ、後はそれを使いこなす実力だが……それは後でたっぷりと飛電インテリジェンスでしごかれて身に付ければいいよ」

 

箒「一夏…」

 

一夏「んじゃあ…そろそろ行くか……」

 

こう見えてな箒……俺さあ…さっき束さんに言った言葉で結構俺の中でのお前への評価が上がってんだよ

 

自分の今の実力をちゃんと自覚していてあんな発言した事にもな…

 

一夏「箒」

 

箒「な、なんだ…?」

 

一夏「心配するな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前はちゃんと強くなれる……」

 

箒「!」

 

一夏「行くぞ」

 

箒「あ、待て!」

 

さーて…ひとまずは目の前の問題を片付けようか…

 

その後は……こいつに渡す物を渡すか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《???視点》

 

 

華美「あああああ!」

 

???「フフフッ…アーク様復活の為に…役立ちなさい」

 

華美「あ…ああ…あああ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亡国機業.net(ファントムタスク・ネット)に…接…続」



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第23話 銀の咆哮とその裏側

《一夏視点》

 

千冬「今回の作戦の要は一撃必殺だ。短時間での決着を心がけろ」

 

一夏「了解だ」

 

カズマ「作戦は一夏と箒が銀の福音を一撃で倒す為に動き、他は出来なかった時のための補佐だな…」

 

千冬「そうだ、その場合は引き返すべきだが……あの愚弟のことだ……引き返さないだろうな…」

 

外では千冬姉とカズマが何か言っているがそれはさておき……箒の方を見た

 

……まだ少し不安そうだな

 

千冬「それでは……作戦…開始!」

 

千冬姉の号令をうけ、俺は箒の背中に乗る形で飛翔した

 

続けて鈴達も飛翔したが紅椿の速さについて行けず置いてかれた

 

流石は第4世代機だな、スピードは完全に第3世代機以上ときた……しかしこんな最新式のISをまだISの操縦がおぼつかない箒に使わすなんてマジで何考えてんだあのウサミミ女は…

 

箒「!一夏!!」

 

一夏「ああ…見えて来たな、アレが…」

 

飛行を続けて少しすると、目の前には件の銀の福音が見えた

 

銀の福音の名にふさわしく、全身が銀色をしている

 

一夏「さーて、いっちょ勝負と行きますか。銀の福音さ「一夏!箒!!」んって…なんだ?」

 

俺はさっそく零落白夜を発動使用としたが、突然の通信でそれは遮られた

 

めぐみん「私です!!」

 

一夏「急にどうしためぐみん!」

 

通信の相手は他の生徒同様に部屋で待機していた筈のめぐみんだった

 

めぐみん「突然の通信をしてきた事には謝りますが、それよりまだ銀の福音を仕留めてませんよね?」

 

箒「な、なんだ藪から棒に…丁度一夏が攻撃をしようとした時にお前からの通話が来て中断したのだが」

 

めぐみん「そ、そうですか……良かったです…」

 

一夏「おい、良かったってそれどう言う意味だ?」

 

俺はめぐみんに疑問を投げかけた

 

めぐみん「あ、はい!その事なんですが、実は織斑先生があなた方専用機持ち達とカズマとアクアを集合させる少し前にカズマから『気になる事があるから調べて欲しい』と言われて部屋に戻った後アメリカ・イスラエル軍用IS開発のサーバーにハッキングして、ああご心配なく、ちゃんと足がつかないようにしておりますので」

 

一夏「わお、流石は亡さん直伝のハッキング技術だな…」

 

箒「おい!今ハッキングって言わなかったか!?」

 

めぐみん「続けますね、そこでサーバーを調べて分かったことがありました…」

 

一夏「何?それがお前が俺達を止めた理由なのか?」

 

めぐみん「はい、よく聞いてください。そのIS…銀の福音には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今も人が乗っています!」

 

一夏/箒「「何!?」」

 

めぐみんのカミングアウトに俺と箒は驚いた

 

箒「いや待て!人が乗ってるだって!?」

 

めぐみん「はい。おそらく操縦者は暴走したISの中で意識を失っています」

 

一夏「それじゃあイスラエルとアメリカはその操縦者ごと銀の福音を破壊しろって言いたいのか!ふざけんなよ!!」

 

俺は思わず怒りを表に出した

 

情報提示には機体の中に操縦者がいるとは書いていなかった

 

俺達に黙って殺させようとしたってことだな、あの2つの国は…

 

一夏「そういえば社長はどうした!こういうのはめぐみんが社長に伝えて社長が俺達に伝えるものじゃないのか!」

 

めぐみん「……」

 

するとめぐみんが少し黙りだし…そして

 

めぐみん「カズマは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旅館でマギアと戦っています…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

ゼロワン「ハアアア!!」

 

俺は今、旅館に現れたマギアと浜辺で戦っている

 

一夏達が旅館から飛び出して少ししての事だった

 

旅館の中にいた一人のヒューマギア…華美がマギアになった

 

ゼロワン「このタイプは…べローサマギアか…華美…」

 

マギア……それは、世界に混乱をもたらそうとするある組織がヒューマギアに暴走プログラムをインストールさせロストモデル……絶滅種のデータイメージを自らに付加する『ゼツメライズ』を行い、マギアと呼ばれる姿に変貌、インストールされた暴走プログラムに従って人類を絶滅へと導く為に暴れ回る存在

 

俺達仮面ライダーとA.I.M.S.はそいつらと戦っている

 

マギアにも2つのタイプが存在している

 

一つは『ゼツメライザー』と呼ばれるベルトをヒューマギアに取り付け暴走プログラムをインストールさせ、俺達が使っているプログライズキーとは別の……絶滅した生物のデータモデルが存在する『ゼツメライズキー』を装着することでマギアになる…

 

もう一つは組織が持つある通信衛星から発せられる遠隔プログラム改変を受け暴走し、仕込まれたロストモデルによって変貌する

 

目の前のマギアにはゼツメライザーが取り付けられているからこいつは前者だ

 

そしてマギア化したヒューマギアは中核となるデータである「セントラルメモリー」をハッキングによってデータが破壊される為、外見が同じ機体が再生産されてもラーニング(学習)した内容とこれまでの経験を失った「別人」となってしまう

 

だが…後者のマギア化ならバックアップデータが無事の為、また復元できる……

 

べローサマギア「人類は……滅亡…する」

 

べローサマギアは両手の鎌から斬撃を飛ばしてきた

 

ゼロワン「ハッ!」

 

俺はアタッシュカリバーでそれを防いだ

 

ダクネス「カズマ!」

 

そこへアタッシュケースを持ったダクネスが走って来た

 

うん?あのアタッシュケースって…

 

アタッシュショットガン!

 

おいおいマジかよ

ダクネスが持ち出したのはアタッシュウェポンシリーズの一つ、アタッシュショットガンじゃねえか

攻撃力は高いが反動が大きいそれを

 

ダクネス「はあ!」

 

ダクネスが撃った…しかも反動で後方に飛ばないように踏ん張りやがった

 

べローサマギア「ぐはああ!!」

 

ゼロワン「マジかよお前…」

 

サポートはありがたいがあれを生身で撃つとは…

 

ダクネス「カズマ!これを使え!!」

 

そう言うとダクネスはアタッシュショットガンと一緒にグレー色のプログライズキーを投げてきた

 

俺はそれをキャッチすると

 

パワー!

 

"Progrise key confirmed. Ready to utilize."

 

アタッシュショットガンにプログライズキーを差し込み

 

コングズアビリティ!

 

ゼロワン「華美…お前を止められるのはただ一人……俺だ!」

 

俺はそう言うと銃口をマギアと化した華美に向け

 

ゼロワン「はああああああ!!」

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アタッシュショットガンに溜まったエネルギー弾を放った

 

 

 

 

 

カバンショット

 

 

 

 

 

 

べローサマギア「ぐあああああああ!!」

 

エネルギー弾に当たったべローサマギアは爆散した

 

ゼロワン「はあ…」

 

俺は…華美だったものの残骸を見た……

 

ゼロワン「またか……」

 

……これで何度目だ……俺はあと何回……こいつらを破壊するんだ……

 

ゼロワン「許さねえぞ……亡国企業(ファントムタスク)

 

ダクネス「カズマ…」

 

俺は変身解除をしようとしたその時

 

アクア「カズマ!!」

 

アクアが俺達の元に走って来た

 

アクア「大変よ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏が!撃ち落とされたわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《少し前の一夏視点》

 

セシリア「どうしますか一夏さん!!」

 

シャルロット「中に人がいるんじゃ、迂闊に攻撃が!」

 

ラウラ「どうするか、兄さん!?」

 

鈴達と合流した後、俺はめぐみんに言われた事を伝えた

 

すると他のメンバーも驚愕していた

 

鈴「どうにかして、あのISの中にいる人を助け出さないと!」

 

箒「だがどうする!?銀の福音は今もすごい速度で動きまわっている…」

 

一夏「………一か八か、装甲部に零落白夜を叩き込む」

 

鈴「え!?」

 

一夏「もちろん銀の福音を破壊する為じゃない…中にいる操縦者を引っ張り出すためにこじ開けるんだよ」

 

セシリア「で、ですが…攻撃をする場所を間違えれば……中の操縦者ごと…」

 

一夏「他に方法はないし…余り時間も掛けられない……やるしかない……お前らは銀の福音に攻撃して動きを止めてくれ…一瞬だ…一瞬でも止めてくれれば後は俺がどうにかする!」

 

シャルロット「だ、大丈夫なの?」

 

一夏「あまり確実とは言えないが……どんなことになっても……俺を信じろ」

 

一夏以外の全員「「「「……」」」」

 

俺の言葉に全員が黙った

 

鈴「はあ〜…そう言う確実にできるかどうか分からないことだっていうのに信じろって……昔から変わらないわね……一夏」

 

最初に口を開いたのは鈴だった

 

鈴「まあ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言う事言っていつもなんやかんや上手くいかすのも一夏なのよね…」

 

鈴はそう言うと衝撃砲の銃口を銀の福音に向け

 

鈴「一瞬ね…なら作って見せるわ!!」

 

銀の福音に向かって行った

 

ラウラ「私も……ここに来て何もしないくらいなら……わずかの可能性にかけて見せる!」

 

シャルロット「こうなったら…やれるだけやってみるしかないね!!」

 

セシリア「もう当たって砕けろですわ!!」

 

箒「私も……やってやる!!必ず助け出し、銀の福音を破壊する!!」

 

すると他のみんなも動き出した

 

一夏「さて…」

 

俺は意識を銀の福音に向け集中した

 

他のみんなは銀の福音に攻撃をし、チャンスを作ろうともがいた

 

一瞬……一瞬だけでいい……一瞬さえ作ってくれれば……俺が…

 

セシリア「ティアーズ!!」

 

セシリアがビット兵器を飛ばして撹乱し、シャルと箒が斬りかかり…それでも避ける銀の福音に

 

鈴「逃がすか!!」

 

鈴が飛ばした衝撃砲の空気弾で逃げ道を塞ぎ

 

ラウラ「そこだ!!」

 

ラウラがAICで動きを止めた

 

全員「今だ!/今ですわ!/今よ!/今だよ!/今だ」

 

あいつらが作ったチャンス……必ず決める

 

一夏「はあ!」

 

俺は上手くエネルギー調整をして零落白夜を発動させ雪片で装甲を攻撃した

 

一夏「(操縦者は……当たってないな)」

 

そこから無理やり装甲部に穴を空け、中で気を失っている操縦者を引っ張り出した

 

一夏「よし!上手くいったな!後はこいつを破壊して!?」

 

操縦者を引っ張り出したその時、銀の福音が上空でうずくまり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…変化(・・)が訪れた

 

一夏「おいおい冗談じゃねえぞ……」

 

セシリア「あれって…」

 

シャルロット「進化……したの…」

 

ラウラ「あんなに苦戦したというのに今になって第二形態移行(セカンド・シフト)だと!?」

 

鈴「ま…まずいわね……箒!!」

 

箒「へ?」

 

次の瞬間…銀の福音が凄まじい速度で箒に向かって行った

 

箒は反応しきれてない……つまりはノーガード状態

 

そんな状態でただでさえ強い銀の福音がさらに強くなった第二形態移行の攻撃をまともに喰らえば、幾ら新世代型とはいえ無事では済まない!

 

俺は素早く操縦者を側にいたシャルに投げ渡し、イグニッション・ブーストを発動させた

 

《箒視点》

 

鈴「箒!!」

 

箒「へ?」

 

突然鈴に呼ばれ思わず反応した…

 

だが次の瞬間目の前に銀の福音が迫りくる

 

まずい!

 

そう思ったがしかし…身体がそれに対応する前に攻撃が当たる

 

そう思い…私は目を瞑った

 

戦場で目の前に迫りくる敵を前にして目を瞑る事がどれだけ危険なのか、それはよく分かっていたが……

 

目の前の脅威に臆してしまった

 

と、次の瞬間…誰かが私を押し飛ばした…

 

それで私は目を開けた

 

その相手は

 

箒「い、一夏?」

 

銀の福音は私にするはずだった攻撃……特大ビームを一夏が代わりに受けた

 

一夏が攻撃をする直後…

 

一夏「   」

 

箒「え?」

 

そして銀の福音の攻撃をまともに受けた一夏は機体ごと海に沈んだ

 

箒「一夏あああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カズマ「まずいな…」

 

俺はアクアからの報告を受け、少し焦っていた

 

アクア「一刻も早く、箒達と合流しましょ!!私も手伝うから!」

 

そう言うとアクアは量産機を取りに旅館に戻った

 

カズマ「行くしかないか」

 

俺はそう言うとマゼンタ色のプログライズキーを取り出し、

 

ウィング!

 

オーソライズ!

 

例の如くゼアからライダーモデルが送られた

 

送られてきたマゼンタ色のハヤブサが俺の周りを飛び回っており

 

プログライズ!

 

プログライズキーを差し込むとハヤブサのライダーモデルが俺に装着してきた

 

Fly to the sky!フライングファルコン!

 

"Spread your wings and prepare for a force."

 

ゼロワン「んじゃあ…行きますか」

 

マゼンタ色のゼロワンになった俺は飛翔した

 

アクア「あ、待ってカズマ!!」

 

そして遅れて打鉄に乗ったアクアも飛翔した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「どこだー?ここは…」

 

気がつくと俺はどこともつかぬ浜辺を歩いていた

 

一夏「俺死んだのか?……それとも生きてんのか?……ここはあの世とこの世の境目か?」

 

俺は色々考えながら進んでいると

 

???「うっ…うぅぅ……うぅぅぅっ…」

 

どこからか…少女の鳴き声が聞こえた

 

俺は声のする方を歩くとそこには

 

白いワンピースを着た少女が泣いていた

 

俺はこの誰なのかも知らない少女に声を掛けようと近づくと

 

少女「うぅぅぅっ……リストラされる……ショットライザーに出番盗られてリストラされてお払い箱にされる……」

 

一夏「………」

 

俺はこの少女が何者なのか分かったかもしれない



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第24話 ヒーローは目覚めてからが本番

今回は短いです


《箒視点》

 

一夏が撃ち落とされた……私を庇って

 

セシリア「そんな…」

 

シャルロット「嘘…」

 

周りが目の前の出来事に動揺している

 

どうしよう……一夏が…私達の司令塔が討たれた事で…統率が乱れている

 

ただでさえこちらは不利だというのにさらに一夏がやられてしまった……

 

クソ……私のせいだ

 

私が奴の動きに反応できなかったばかりに……

 

いや…私が……専用機も使いこなせない未熟者の私がこの作戦に参加したばかりに……

 

やっぱり私は……受け取るべきではなかったのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴「何やってるの箒!!」

 

箒「!」

 

突然鈴が私に大声で呼びかけられて思わずビクッと反応した

 

鈴「シャルはその人を連れて旅館に行って!セシリアはさっきみたいに撹乱して!箒はあたしと一緒に銀の福音の逃げ道を塞いでラウラはAICで動きを止めたら全員で一斉攻撃よ!!」

 

鈴が私達に的確に指示を出す

 

鈴「まだ戦いは終わってないのよ!気を抜かないで!それぞれのやるべき事をやって!」

 

そう言うと今度は私の方を向き

 

鈴「しっかりして!元々こうなる事も想定した作戦なのよ!それにあたしは一夏があれで終わりなんて思ってないわよ!」

 

鈴が機体で私を掴み言葉を掛けた

 

鈴「あたし達がすべきなのは、一夏が戻ってきたときの為に少しでも戦いやすくする為に少しでも削ることよ!一夏が箒に何言ったか聞こえなかったけど、それは箒を信じての事じゃないの?」

 

箒「!」

 

あの時……銀の福音の攻撃をくらいそうになった私を庇い…代わりにうける直前……一夏は私にこう言った

 

一夏『俺が来るまで持ちこたえろ』

 

アイツは……私を信じてああ言った……

 

箒「そうだ……まだ終わってない……アイツが…一夏があんな事でやられたりするはずがない……」

 

私は銀の福音の方を向き…紅椿の二刀の武器雨月(あまづき)空裂(からわれ)を握る

 

箒「やるぞ……一夏が戻ってくるまで…私達が奴を抑えるぞ!」

 

ゼロワン「なら俺達も混ぜてもらうぞ」

 

すると後方から見たこともない姿のゼロワンに変身して飛んできたカズマと打鉄に乗ってきたアクアが加勢に来た

 

ゼロワン「途中でシャルと合流して一部始終聞いてきた。一夏が戻ってくるまで……俺達で抑えるぞ……まあ…戻ってくるのが遅かったら……俺が潰すけどな」

 

そうカズマが言ったのだが……果たしてできるのだろうか

 

正直カズマが本気で戦った所を見たことが無いから判断しかねる…

 

しかし思えばこれまでカズマは戦っても苦戦という苦戦をしたことが無く、常に余裕で戦ってたな…

 

アクア「それじゃあ……私も久しぶりに本気でやっちゃおっかなあー!」

 

と、打鉄で両手をもんでいた

 

ゼロワン「さっさと戻って来いよ一夏……出なきゃ…俺が終わらせてしまうぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

少女「ねえ本当?本当に私をリストラしない?」

 

一夏「しつこいなあ、しないって言ってんだろ?」

 

どこかわからない場所で気がつき、彷徨っていた俺はそこで出会った少女と話しをしていた……

 

一夏「大体お前はショットライザーに対して何危機感持ってんだ」

 

少女「だ、だってこういう新たに手に入れた力を使うようになると今まで使ってた武器とかフォームとか使わなくなるってマスター(・・・)が見てた特撮ヒーローであったから…」

 

一夏「おい白式(・・)、それを言うな…実際その特撮ヒーローみたいなことしてんのが俺達なんだが…」

 

白式「それにしても…よく私が白式だってわかったねマスター」

 

一夏「ショットライザーが来てリストラされるって聞いたから一瞬でお前がいつも使っている専用機白式って察したぞ」

 

この少女…白式はそれを聞いて頬をかく

 

一夏「ISが擬人化するなんて二次創作かよ」

 

白式「ハハハ」

 

そう笑っていた白式だったが突然立ち上がり

 

白式「呼んでる…もう行かなきゃ」

 

そう言うと白式は姿を消した

 

すると周りの景色が一変した

ついさっきまで俺達がいた浜辺から周りには一切建物もない…青空と水面が広がっていた

 

???「力を欲しますか?」

 

一夏「!」

 

急いで振り返ると白く輝く甲冑を身に纏った騎士の姿をした女性が水面の上で立っていた 

 

一夏「急に出てきて問答か?」

 

???「あなたは……なぜ力を欲しますか…」

 

俺の問に答えない女騎士

 

仕方なくそれに答えることにした

 

一夏「………夢を叶えたいからだ」

 

女騎士「夢を…」

 

一夏「ああ、俺の夢は…いつの日かこの世界から女尊男卑をなくし……男女平等の世界を取り戻す事だ」

 

そうだ……俺は夢に向かって飛んでいる真っ最中だ

 

あの日…俺を助けてくれたあの人から教わった事を忘れず…今も夢に向かって

 

一夏「ただ夢を叶えたいと思うだけでは叶わない。夢を叶えるには、力がいる……その為だ…」

 

女騎士「そう…」

 

女騎士は静かに答えてうなずいた

 

白式「なら、もう行かないとね」

 

後ろから声がして振り返ると白式が立っていた

 

一夏「……そうだな…」

 

俺は目を瞑ってうなずいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

ゼロワン「ああ…やっぱ機動力負けてんな俺」

 

箒「何を言っている!そう言いつつさっきから銀の福音相手に善戦しているではないか!」

 

銀の福音との戦闘を初めてしばらく経ち、銀の福音にダメージを与え続けた事で動きが鈍くなってきた

 

鈴「まだなの一夏…速く来ないと本当にあたし達が終わらしてしまうわよ」

 

セシリア「それよりも未だに戻って来ない一夏さんに不安を感じてきません?」

 

ラウラ「引き上げたほうがいいかも知れん」

 

「その必要はねえぞ」

 

と、突然海から何かが飛び出してきた

 

一夏「よう、まさか社長達まで来てるなんてな」

 

なんと海から撃ち落とされた一夏が白式を纏って出てきた

 

しかも白式の姿が変わっていた

 

ゼロワン「はっ!お前が遅かったからマジで終わらそうかと思ったぞ」

 

一夏「そうか、ならぎりぎりだったわけか…」

 

そう言うと一夏は箒の方を見て

 

一夏「俺が来るまでがよく持ちこたえてくれたな、箒」

 

箒「!」

 

鈴「ちょっとー!それあたし達にも向ける言葉じゃないのー?」

 

セシリア「一夏さん!ご無事で何よりですが…」

 

アクア「どうしたのよその姿」

 

一夏「ああ、どうやら第ニ形態移行(セカンド・シフト)したらしい。その名も白式第ニ形態雪羅(せつら)。フェーズ2、完了だ」

 

一夏がそう誇らしげに言った

 

ゼロワン「そうか、ならあいつがお前の新形態の初実戦相手になるな」

 

一夏「そうなるな……さーて、眠っちまった分…働くとするか」

 

そう言うと一夏が凄まじい速度で銀の福音に近づき斬りかかった

 

ラウラ「兄さんのIS、大型4機のウィングスラスターが追加されているな!」

 

鈴「それで速さが上がってたのね」

 

 

《一夏視点》

 

一夏「はあああああ!!」

 

なるほど…これが第二形態移行の力か…

 

左に追加された《雪羅》は状況に応じていくつかのタイプに変化する

 

銀の福音がレーザービームを発射すれば光の膜を出して防いだ

 

これはエネルギーを無効化する零落白夜のシールド

 

消耗は激しいが防御性能は優秀だ

 

他にもエネルギー刃のクローまで出てきやがった

 

ゼロワン「一夏!そろそろフィニッシュ決めるぞ!」

 

カズマはそう言うと俺にナニかを投げてきた

 

……これって………そういうことか

 

一夏「了解社長!」

 

俺は銀の福音よりも高く高く飛び上がった

 

それを追うように銀の福音も追いかけてきたが、俺の方が速かった

 

一夏「よっと」

 

俺は海上からだいぶ高い位置で白式を解除し、追ってくる銀の福音に向かって落下しながら

 

ショットライザー』 

 

ショットライザーを装着し

 

パワー!

 

一夏「フン!」

 

オーソライズ!

 

さっきカズマから渡された物……パンチングコングプログライズキーをこじ開けショットライザーに差し込み

 

 

Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...

 

一夏「変身!」

 

ショットライズ!

 

引き金を引いて出たエネルギーの弾丸が銀の福音に当たって銀の福音の動きを止めると落下してきた俺の方に来て

 

一夏「はぁ!」

 

俺はそれを殴るとアーマーが展開された

 

パンチングコング!

 

"Enough power to annihilate a mountain."

 

黒の装甲を身に纏い、両腕の巨大な拳を持つバルカンの新たな姿に変わった

 

バルカン「んじゃあ…ついでにこの姿の初実戦になりやがれよ!」

 

パワー!

 

両腕の巨大な拳、ナックルデモリションが光りだし、ショットライザーを銀の福音に向ける

 

 

 

《カズマ視点》

 

上手く銀の福音を上空におびき寄せた一夏に俺は銀の福音の背後から追いかけ、プログライズキーを押し込んだ

 

フライングインパクト! 』

 

ゼロワン「銀の福音!お前を止めるのは」

 

ゼロワン/バルカン「「俺達だ!」」

 

俺は体をねじれ込み、ドリルの様に高速回転をしながら銀の福音をしたから両足の回転キックを

 

ゼロワン「はあああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルカン「はあああああああ!!」  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一夏はショットライザーの引き金を放つと両腕の巨大な拳がロケットパンチの様に発射した

 

ゼロワン/バルカン「「はあああああああ!!」」

          

                 

 

パワーパンチング 

                      

                      

                      

                      

 

インパクト

 

 

 

 

俺達の必殺技が銀の福音を貫き、やがて銀の福音は爆散した

 

 

ゼロワン「おっと」

 

俺は落下してきたバルカン…一夏を掴んだ

 

バルカン「しゃあああああー!!」

 

鈴「やったわね…」

 

アクア「ええ…ようやく」

 

セシリア「あははは……わたくし達…無事に作戦を終えましたわね」

 

ラウラ「ああ…どうにかな…」

 

箒「……」

 

こうして…俺達は無事銀の福音を破壊し…誰も欠けることなく…作戦を終わらせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼロワン「って、おっも!」

 

バルカン「ああ…そういえばこの両手の拳…どっちも150キロはあったな…」

 

ゼロワン「お前さっさと変身解除するかシューティングウルフになれ!」

 

アクア「あ〜あ…大きな戦いの後だっていうのに」

 

鈴「締まらないわね…あのふたりは」

 

 



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第25話 一波乱の終結

《鈴視点》

 

千冬「作戦完了━━と言いたいところだが……無理をしたなお前達」

 

旅館に戻って来たあたし達は広間で千冬さ…織斑先生に報告をしようとしたのだが…織斑先生は腕を組んであたし達にそう言ってきた

 

山田「お、織斑先生。み、皆怪我してボロボロですのでそのへんで…」

 

ボロボロと言っても…この中で怪我しているのはカズマとアクアを除いた専用機持ち達だけなんだけどね…

 

ちなみにカズマは

 

カズマ『ちょっとイスラエルとアメリカ政府におど……オハナシ(脅し)して来る

 

と言い、アクアと一緒に部屋から出ていった

 

……よくよく考えれば今回の作戦は元々は向こうが後始末するはずが、自分達ではなく学生のあたし達に尻ぬぐいをさせようとしただけに飽き足らず…操縦者の存在も告げずにあたし達に殺させようとして…あげく自分達が作ったもので立場上カズマの部下である一夏を殺しかけたし……

 

カズマ相当お怒りだったわね…

 

セシリア「さ、さっきのカズマさんの表情凄かったですわね…」

 

鈴「ああ見えてカズマって部下思いの上司だから………」

 

一夏「まあな……ガチギレした社長は本当に怖いからな……俺でもビビってしまう程にな…」

 

シャルロット「り、旅館に戻って来た時のカズマから凄い憤怒を感じてちょっと怖気ついちゃったよ…」

 

ラウラ「そ、そうだな……怒った時の教官に匹敵していたぞ……そういえばあの操縦者は…」

 

めぐみん「ああ…彼女でしたら今教員達の部屋で寝かせています。目を覚まし次第聞き取り調査をするつもりらしいですよ」

 

ダクネス「名はナターシャ・ファイルス。アメリカのテストパイロットらしい…」

 

千冬「ナターシャ・ファイルスか…」

 

めぐみん「彼女を知ってるのですか?」

 

千冬「少しな……それより……篠ノ之の奴はどこに言った……アイツには専用機を持つ上で渡さなきゃいけない資料や書くものがあるのだが…」

 

ダクネス「いえ…」

 

めぐみん「それなら山田先生が貴女を止めて話が終わってすぐに部屋から出ていきましたよ」

 

一夏「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《箒視点》

 

……逃げてしまったな

 

織斑先生の話が終わって私は、逃げるように浜辺に来て膝を曲げて座った

 

……あの戦い……結局私は何も出来なかった…

 

銀の福音との戦いは…結局私は一度も攻撃を当てることが出来なかった…攻撃を当てたのは経験者である鈴達で、私だけが攻撃を当てられなかった…

 

………

 

箒「……クッ!」

 

思わず私は拳を握った

 

手のひらに爪を立て、血が出てしまいそうなほど力を込めた

 

あの戦いで私は…他の誰よりも高性能のISを使っていながら戦いの役に立てず…それどころか…私自身の力不足が原因で…一夏に余計な怪我を追わせてしまった

 

クソ……私は…私は…!

 

箒「……弱すぎる!」

 

悔しさで涙が出そうになったが…私はそれを堪えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「やっぱここにいたか…」

 

いつの間にか、隣に一夏がいた

 

箒「い、一夏…」

 

一夏は私の方を見ずに、月がうつる海を眺めていた

 

いつの間にか夜になっていたようだ…

 

一夏「……昔から…お前は負けたりしたら、よく人のいない所で悔しがってたな…」

 

箒「!」

 

一夏「剣道も……得意だったからこそ、試合で負けたあとは道場の裏の林で泣いてたな…」

 

箒「い、一夏!?」

 

一夏に言われ…私は慌てだした…

 

そんな過去の黒歴史を、こいつに見られてたのか

 

一夏「そのうちお前は泣かなくなった……千冬姉に『強くなりたければ泣くな』って言われたからだな?……」

 

箒「……」

 

私は黙っていたが…それでも一夏が口を開く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「泣きたいなら泣け…」

 

箒「え…」

 

一夏「千冬姉が強くなりたければ泣くなって言ったのはな、『泣いている暇があるなら次に勝つ方法を考えろ』って意味なんだよ……だが…俺は千冬姉と違って……『悔しさで涙を流しても…次に生かす』……そう考えている………まあ、俺は泣かないけどな…」

 

一夏に言われ…気づけば堪えていた涙が流れた

 

箒「……゛い゛゛い゛ち゛が゛゛゛゛」

 

そこから私はひとしきり泣いた

 

一夏はそんな私のそばで黙っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

束「やっぱり来ちゃったんだちーちゃん……って…言いたい所なのに…後ろに余計な連中を連れてくるなんて…」

 

カズマ「余計な連中とは、とんだご挨拶だな…篠ノ之博士?」

 

アメリカとイスラエル政府とオハナシをして来た俺は、前もって呼んでいた刃さんとA.I.M.S.隊員達と共に篠ノ之博士の元へ行こうとしたが……織斑先生が案内するといい、旅館から離れた岬の展望台に来た

 

カズマ「俺達がここへ来た訳は…ご存知のはずだが?……アンタには聞きたいことが山程ある」

 

束「束さんにはこれっぽっちもないね……」

 

カズマ「……『白騎士事件』……かつて日本で起きた事件……アンタは知ってるな…?」

 

白騎士事件……

 

それはかつて日本で起きた事件 

 

篠ノ之博士が作ったISは誰も認めなかった…

 

しかしそれから程なくして…

日本周辺の国から突如大量のミサイルが放たれた……原因不明の謎のハッキングを受けた事で日本の空から大量のミサイルが降り注ぎ…誰もが絶望を抱いていたその時……白銀のISを纏った一人の女性が現れた

 

そして落ちてきた全てのミサイルを破壊したとそう言われている………表向きは…

 

結局そのISの操縦者の正体は未だに明かされていない

 

だが…この事件をきっかけに…ISは世界に浸透し、今の世界が生まれた

 

カズマ「なぜ俺がそんな事を、言っているかわかるか?……アンタはあの事件の真相を知っているな?……」

 

束「だったらなんだっていうんだい?」

 

刃「社長……少し話を変えよう………社長から聞いた……白式のコアは元々はあなたがいじっていた物だと…」

 

束「そうだよ〜」

 

刃「それと……一夏は銀の福音の攻撃をくらったが傷の再生がされていた……それはまるで…博士…あなたが初めて作ったIS…白騎士のようだ……そして私は思った……白式のコアとは…あなたがいじった白騎士のコアではないかと…」

 

束「うん!正解だね。そうだよ、元々あった白騎士のコアをいじってそれを倉持技研に置いたらそれを使って生まれたのがご存知白式さ!」

 

刃「技術者として、私はあなたとはもっとテクノロジーの語り合いをしたいところだが……あなたには…もっと詳しく聞きたいことがある」

 

そう言うと刃さんは懐からショットライザー(・・・・・・・・)を取り出した

 

刃「それって…君が作ったもの?……中々やるね…まあ束さんには及ばないけど…」

 

カズマ「……今のアンタには何を言っても答えないだろうが……これだけは聞きたい……アメリカとイスラエルの開発したISが暴走を起こした元凶は…アンタなのか?」

 

束「束さんにその動機があるとでも?」

 

カズマ「いや……だが、一夏から聞いたが…アンタはシスコンらしいな……大方箒のデビュー戦の為の相手に使おうとした……そう考えたら辻褄があうな…」

 

束「もしそうだとして………答えなかったらどうするつもり?」

 

カズマ「決まっている」

 

俺はそう言うとアタッシュカリバーを取り出した

 

カズマ「力ずくで答えさせてやる」

 

それを見た篠ノ之博士はため息をついた

 

束「どっちも物騒な物を向けて……まあ、箒ちゃんには渡す物渡したし、おもしろいデータは取れたし……今日の所はこの辺で退散するとしますか!」

 

そう言うと岬の崖から飛び降りた

 

カズマ「!」

 

刃「なっ!?」

 

すると崖の下から人参の形をした小型ロケットが飛び出してきた

 

束「またねーちーちゃん!今度はゆっくり話そう!」

 

そう言いロケットに乗った篠ノ之博士は空へ飛んで消えて行った

 

カズマ「クソッ!結局肝心な所は聞けずじまいか…」

 

千冬「……束…」

 

刃「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「落ち着いたか?」

 

箒「ああ……」

 

一夏「鈴から聞いた……お前、銀の福音相手に一度も攻撃を当てることが出来なかったって………力不足の自分自身に悔しがってんだろ?」

 

箒「うっ…」

 

一夏「確かにあの戦いで……お前は戦力になれなかったかもしれない……だが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前は良くやったよ」

 

箒「え?」

 

一夏「鈴や他のみんなが言ってた『攻撃は当てれなかったけど、私達が攻撃を当てる為に陽動や逃げ道を防いだりしてくれたおかげで私達は攻撃を当てれた』ってな……社長がいたとはいえ…お前は紛れもなく、あいつらが戦えやすくする事に貢献していた………立派な戦力だ」

 

箒「い、一夏…」

 

一夏「とはいえお前が未熟者なのは変わらないがな……まあ…未熟なのは俺も一緒だけどな」

 

箒「そ、そんな…お前が未熟なはずが…」

 

一夏「あの時…お前を庇って攻撃を受けたとはいえ……俺がもっと速く奴の動きを見て、もっと速く動けていれば……俺はくらうこともなかった………だから俺も未熟だ……」

 

実際そうだ……俺は戦闘経験は多いが、それでもまだまだだ

 

セシリア「あなた達だけではありませんですわ!」

 

声がしたので振り返ると、セシリア達が来ていた

 

シャルロット「未熟なのは…箒と一夏だけじゃないよ…」

 

ラウラ「そうだ…あの戦い……兄さんが撃墜されて私達は冷静さを失っていた……」

 

セシリア「鈴さんが声をかけなければ、もしかしたらわたくしは負けていたかもしれないですわ」

 

鈴「待ってセシリア。それを言うなら銀の福音相手に一夏一人にたよってたあたしも未熟よ……」

 

それぞれが自分の未熟さを口に出した

 

一夏「はいはい、きりがないからその辺にしろ」

 

俺は手を叩いて止めた

 

一夏「つまりだな…俺達皆未熟って事だ……なら、強くなるしかないな?」

 

全員「「「「「!」」」」」

 

一夏「俺は臨海学校が終わったらまた飛電インテリジェンスであの地獄の訓練を受けようと思う……お前達はどうするか?」

 

俺は全員に聞いた

 

皆それぞれの顔を見てやがて

 

セシリア「……わたくし…やりますわ!」

 

シャルロット「僕も…今よりも強くなる!」

 

ラウラ「他の誰にも負けたくない!……もう、同じ思いはしたくない!」

 

鈴「当然やるに決まってるでしょ?……でなきゃ…一夏との勝負に勝てなくなるでしょ?」

 

箒「……強くなる……紅椿を使いこなせるくらいに……いや…………一夏……お前を超えた先に行く為になあ!」

 

それぞれが決心した顔になった

 

一夏「フッ……言うじゃんお前ら……よし!んじゃあ今から浜辺を走ろうか!150周くらい!」

 

セシリア/シャルロット「ブッ!!」

 

箒「なっ!?お、お前いきなり」

 

一夏「どうした?強くなるんだろ?……鈴とラウラはやる気みたいだが?」

 

ラウラ「走り込みは教官にさんざんやらされた!!だから問題ない!」

 

鈴「走るくらいがなんだって言うのよ!!こんなのこれから飛電でやる訓練と比べたらなんてことないわ!」

 

鈴達はそう言うと走り出した

 

シャルロット「ああもう!わかった!やるよ!!」

 

セシリア「もうどうにでもなれですわ!」

 

続いてセシリア達も走り出した

 

箒「よし!私も走るとする」

 

一夏「ああ待て箒」

 

走ろうとした箒を呼び止めた

 

箒「な、どうした一夏…」

 

一夏「いや…少し目を瞑れ」

 

箒「ど、どうした急に」

 

一夏「いいから」

 

俺が急かすように言うと箒は目を瞑った

 

一夏「………よし、もういいぞ」

 

箒「な、なあ…お前、私の頭に何を付けたんだ?」

 

一夏「ん、自分で見てみな」

 

そう言い、俺も走り出した

 

《箒視点》

 

箒「……!これって…」

 

一夏が居なくなったあと、私は頭に付けているものを外して見た

 

箒「……髪…飾り」

 

それは…青い星型の花の髪飾りだった

 

それを見て思い出した

 

箒「そうだ……今日は…私の誕生日だった……」

 

最後に誰かに祝って貰ったのは……一体、いつだったのだろうか………

 

私は嬉しくて涙が少し流れたがそれを拭いた

 

髪留めを頭に付けて、私も走り出した

 

……強くなって見せる……

 

もう負けない為に

 

お前にふさわしい女になる為に、そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前を惚れさせる為に!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

セシリア「うぅぅぅぅ…」

 

シャルロット「い、痛いよお〜」

 

箒「あ、足が…」

 

カズマ「全く……あんだけ動いた後に浜辺150周は無理しすぎだろ」

 

翌日…朝食を終えた俺達はバスに乗り帰ろうとしていたが……昨日浜辺で走った6名のうち半分が筋肉痛で足を痛めていた

 

ラウラ「私は軍で鍛えていたから」

 

鈴「あたしは散々鍛えてたから」

 

一夏「俺は飛電で鍛えたから」

 

三人は運動能力が今の一年どころか学園全体を見てもトップクラスだな

 

一夏「それより社長。昨日アメリカとイスラエルとオハナシしてどうだったか?」

 

カズマ「ああ…バッチリあいつらを脅してやったぞ。おかげであいつらからたくさん金をふんだくってやった」

 

そう…俺はアメリカとイスラエル政府に俺達に尻ぬぐいさせた事や操縦者の存在を隠して殺させようとした事に加え、世界唯一の男性操縦者でありうちの部下である一夏が死にかけた事に対して散々脅しのネタをかけて奴らから莫大な慰謝料に報酬、そして口止め料を頂いた

 

セシリア「この人サラッと言ってますが2国脅すなんてやってる事がぶっ飛んでいますわ!!」

 

シャルロット「うわ…デュノア社ハッキングといい…またとんでもない事を…」

 

箒「こいつ怖くないか!?なんで平然とできる!?」

 

ラウラ「とんでもない男だ…」

 

鈴「やると思った……」

 

一夏「な?だから言ったろ?ガチギレした社長はマジで怖いって…」

 

カズマ「ああそうだ。一夏…お前にお礼を言いたい人がいるぞ」

 

《一夏視点》

 

俺にお礼?

 

そう思っていると、俺達の前に金髪の女性……おそらく20くらいの…

 

???「君が織斑一夏君?」

 

一夏「ああ…アンタはたしか…」

 

ナターシャ「ナターシャ・ファイルス。銀の福音の操縦者よ」

 

一夏「そうか…」

 

ナターシャ「助けてくれてありがとう、白いナイトさん」

 

そう言うとナターシャは俺に近づき頬に唇をつけそうになった

 

箒「なっ///」

 

箒が顔を赤くしてこっちを見ている

 

てか周りも見ているな

 

一夏「ん」

 

だが俺は右手で止めるよう諌めた

 

一夏「気持ちはありがたいが……あいにく一応彼女持ちだ」

 

俺はそう言い箒の方を向いた

 

箒「か///」

 

ナターシャ「あら、それはごめんね」

 

一夏「ああ…だからそのお礼は隣の奴にやってくれ」

 

箒「一夏///!?」

 

ナターシャ「そう…なら」

 

そう言うとナターシャが今度は箒に近づき一瞬頬に唇が触れた

 

箒「うっ…///」

 

ナターシャ「それじゃね…白いナイトさんと紅いお姫様」

 

そう手をひらひらさせて俺達から離れていった

 

《カズマ視点》

 

カズマ「ナターシャ……アンタはこれからどうするつもりだ?」

 

ナターシャ「そうね……私を始末しようとした国には今更戻るつもりないし………このまま日本に亡命しようって思ってたけど…」

 

めぐみん「そう言うと思いまして………アメリカ政府に話を通して、あなたをウチ(・・)で雇おうと思うのですがどうですか?」

 

ナターシャ「え?私を…?」

 

めぐみん「ああ…申し遅れました。……私…こういうものです」

 

めぐみんは懐から一枚の紙を取り出してナターシャに見せる

 

ナターシャ「!?え、これって…」

 

めぐみん「はい。優秀なIS操縦者はたくさん欲しいですので…どうですか?」

 

カズマ「ちっ…優秀なIS操縦者は俺だって欲しいのによ…」

 

めぐみん「あなたには一夏がいるではないですか…」

 

カズマ「まあ…そうだが…」

 

めぐみん「まあゆっくり考えてください。それと」

 

めぐみんはまた紙を取り出してナターシャに渡した

 

めぐみん「それはアメリカからあなたに対する退職金と今回の件に対する慰謝料と口止め料の小切手です……そのお金で観光でもしながら考えてください」

 

アクア「カズマ!めぐみん!そろそろバスが出発するわよ!」

 

ダクネス「ああ、もう行こう社長(・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《バスの中の視点》

 

箒「一夏貴様///!」

 

一夏「なんだよ…俺キスしなかったんだから怒るな」

 

箒「いやそれに対してではなくて私にキスさせてどうする!!」

 

シャルロット「うわ〜!アレ百合百合しかった!!」

 

ラウラ「百合とはなんだ?」

 

セシリア「ラウラさんは知らなくても良いことですわ」

 

一夏「……百合は大好物だ」

 

箒「!?」

 

鈴「言うと思った………それはそうと箒……その髪飾りは?……」

 

箒「ん?ああ…これは昨日…一夏がくれたものだ……」

 

鈴「それ、ブルースターの花ね」

 

箒「ブルースター?」

 

鈴「そうよ…確か花言葉は……『信じあう心』『幸福な愛』だったはず」

 

箒「///『信じ合う心』///『幸福な愛』」



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第26話 踊らされた者達《前編》

10月5日

この日は私の誕生日であると同時に、大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALに最後のファイターとして、『キングダムハーツ』の主人公ソラがまさかの参戦の動画が公開された日です!!

まさかのサプライズでリアルタイムで見た時に驚きのあまり発狂しました!!

ユーチューブでソラ参戦に対するユーチューバー達の反応動画を見たら大体私と一緒で笑えましたwww

自分大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL買って無いんですけど、買おうか迷いました。


司会者「さあ!やってまいりました!!第一回ウォーターワールド水上ペア障害レース開催です!!」

 

司会者のお姉さんがそう叫ぶと同時に大きくジャンプするとその動きでビキニから豊満な胸がこぼれそうになった

 

そのせいなのかはたまた単純にレース開始を喜んでか、会場からは歓声(主に男性)と拍手が取り乱れる

 

一夏「フッ……単純だな…」

 

それに一夏が反応した男どもを鼻で笑い冷めた目で見ていた

 

鈴「チッ……男共が…」

 

セシリア「り、鈴さん…殺気を沈めてください」

 

ラウラ「む…武器は使ってはいけないのか…」

 

シャルロット「いやどこから出したのそれ!?速くそれ置いてきて!」

 

箒「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「(どうしてこうなった!?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《箒視点》

 

それは遡ること前日

 

今日はIS学園一学期の最終日

 

旅館から帰った私達はその後厳しい訓練を受け続けた

 

まだまだ身体が慣れていない為、訓練後は身体のあちこちが痛かった

 

一夏「しっかし………この学園の期末テストは随分と変わってんなあ」

 

シャルロット「ISを使った実技試験と筆記試験の合計で成績を出すなんて、ここ以外にそんな成績の付け方ないよ」

 

ラウラ「だが良かったな……期末テストの成績が悪いと夏休みがほぼ全日追試に追われる日々になると言われたのだからな」←実技試験4位 筆記試験3位 総合3位

 

セシリア「確かに夏休みがまるまる潰れてしまうのは最悪ですわね」←実技試験6位 筆記試験3位 総合4位

 

シャルロット「でも成績は思ったより悪くなかった……」←実技試験5位 筆記試験5位 総合5位

 

箒「私もだ…実技試験でまさかあそこまでやれるとは思わなかったぞ……それに筆記も一夏が勉強を見てくれたおかげで点数取れた」←実技試験9位 筆記試験15位 総合12位

 

鈴「うっ…実技試験は一夏と互角だったのに筆記試験がひびいて負けちゃったわ」←実技試験1位 筆記試験9位 総合7位

 

一夏「まあ俺勉強でお前に負けたことないしな」←実技試験1位 筆記試験3位 総合2位

 

アクア「私はなんとか…」←実技試験3位 筆記試験68位 総合50位

 

ダクネス「……分かってはいたが…アクアは実技に強くて筆記に弱かったな」←実技試験6位 筆記試験7位 総合8位

 

めぐみん「逆に私は実技に弱くて筆記に強かったですね」←実技試験35位 筆記試験1位 総合26位

 

カズマ「俺IS使えないから仮面ライダーを使った特別実技試験と筆記試験(他の人が受けた物の倍の範囲と難易度)だけだったな」←特別実技試験と筆記試験 総合1位

 

一夏「その筆記試験でトップ取るのは流石だな」

 

めぐみん「筆記試験が物足りなくなるくらい簡単にできましたので次の試験の時は私もカズマと同じ物を受けようか考えておきます」

 

一夏「それはそうと……お前ら夏休みはどう過ごすつもりだ?」

 

ラウラ「私は2週間後一度ドイツに帰国してシュヴァルツェ・ハーゼの皆に会いに行こうと思っている」

 

シャルロット「僕もそれくらいにフランスに帰国しようと思ってるね……お父さんとお義母さんと家族で過ごしながら話がしたいから…」

 

一夏「そうか……んで他は?」

 

セシリア「わたくしはこのまま残ろうと思いますわ……どうせですので国内バカンスをしに行こうと思っております」

 

鈴「うー…あたしは両親がどっちも日本にいるから中国に行く必要ないし………ああでもあたしもせっかくだしどこかに旅行行きたいと思ってるわ」

 

箒「わ、私は特に予定は……」

 

一夏「なら最初の週はお互い好きに過ごすとして、次の週からは本格的な訓練と行くか……ああでも各自自主トレはしておけよ?……んでカズマ達は」

 

カズマ「例の如く仕事だな……まあ俺も学生だし、休める隙間は作っておくつもりだ…………あ、俺飲み物買ってくるな」

 

アクア「あ、待って私も」

 

そう言うとカズマとアクアは自動販売機の方に行った

 

めぐみん「私も会社の仕事がありますので……ダクネスは実家のイギリスにはまだ戻りません?」

 

ダクネス「ああ……だが夏休みの間に一度くらい戻るつもりだ」

 

シャルロット「それにしても…まさかふたりがあの『ZAIA(ザイア)エンタープライズ』の社長とテストパイロットだったなんてね…」

 

めぐみん「社長と言いましても日本支社の社長に過ぎませんよ…」

 

ダクネス「私も……本社ではないがな…」

 

ZAIAエンタープライズ

 

それはAIや宇宙開発に取り組むトータルカンパニーであり、世界各地に支部が存在する世界的大企業

飛電インテリジェンス以上の規模を持つらしい

 

旅館から戻った後、私達にめぐみんとダクネスは自分達の所属する企業を紹介した時は驚いた……いや、入学から3ヶ月過ぎて今更紹介するとは少々遅すぎる気がするのだが……

 

ふたりが所属する日本支社の社名は『ZAIAエンタープライズジャパン』らしい……

 

???「あ、一夏」

 

突然一夏に声をかける者がいた

 

一夏が声の方を向くので私も思わず振り向くと水色の髪で眼鏡をかけた女子生徒が一夏に近づいてきた

 

一夏「お、(かんざし)か……これから帰省するつもりか?」

 

簪「うん…そうしようと思う」

 

箒「だ、誰なんだ?」

 

セシリア「あ、あの人は確か…4組のクラス代表で4組唯一の専用機持ちでしたはず……確かお名前は…」

 

簪「さ、更識簪(さらしきかんざし)です!」

 

一夏「ん、こいつとは入学前からの俺の友人だ……まあ鈴が国へ帰ったあとのな」

 

箒「に、入学前から?」

 

一夏「あー…ちょっと俺の専用機と簪の専用機開発絡みの問題で知り合っちまってな……」

 

と、そこで一夏が話しだした

 

なんでも彼女……簪の専用機は倉持技研で開発をしていたのだが、男性初のIS操縦者として一夏が大々的に発表を受けてから、日本政府は一夏のデータ収集・解析の為にすべての技術者を取られてしまい、簪の専用機開発を凍結してしまった

 

のだが…それを知ったカズマと一夏が日本政府と倉持技研に猛抗議を入れ、『先に簪の専用機を完成させないのであれば我々はデータの提供も専用機にも乗らない』と言い、その後飛電インテリジェンスの技術者と倉持技研達の共同で簪の専用機を完成させた後に、一夏の専用機の開発も始めたそうだ…

 

だからセシリアとクラス代表の座をかけた試合まで完成してなかったのか

 

そしてこれをきっかけに簪と一夏とカズマは交友関係を持つようになったそうだ

 

カズマ「お、簪…先週の代表集会ぶりだな」

 

簪「カズマ、それにアクアも…」

 

鈴「ん?でもちょっと待って……アンタって専用機持ってるのよね?」

 

簪「あ、うん…一応」

 

鈴「それならなんで今までの専用機を使うイベントや臨海学校で姿見せなかったの?」

 

セシリア「そういえばそうでしたわ…」

 

カズマ「あ、バカ!」

 

簪「……クラス対抗戦の時は、無人機の乱入のせいで私が出る次の試合が潰れて…学年別トーナメント戦も突然中止になるし…挙げ句臨海学校の時は風邪引いてそもそも臨海学校参加出来なかったから……」

 

鈴「あ…」

 

そこで鈴は自分が失言した事に気づいて思わず口を塞ぐ

 

他のみんなも私を含め凄い気まずそうにしている

 

カズマ「あ〜…その、どんまい……二学期から参戦すればいいさ…(汗)」

 

鈴「えっと…ご、ごめんね?何も知らずに無神経に聞いちゃって(汗)」

 

一夏「わー…鈴ちゃん最低……モットモヒクイ」

 

簪「だ、大丈夫だから…一学期はあまり活躍できなかった分、二学期は大いに暴れるから覚悟して!」

 

そう言い簪は去って行った

 

鈴「……フラグにならなきゃいいけど痛て!」←カズマに叩かれた

 

カズマ「お前もう喋んな」

 

その後、それぞれ自分の部屋に戻って言ったが私はカズマに相談したいことがあった為カズマとアクアの部屋に来た

 

カズマ「で、相談ってのは?」

 

箒「う…うむ…実は…」

 

カズマ「ああ言わんでいいぞ。せっかくの夏休み……一度くらい一夏とカップルらしいことしたいから何かアイディアないかって聞きたいんじゃないか?」

 

箒「なっ///!?」

 

アクア「だと思ったわ…」

 

同室のアクアがため息つきながら私にお茶を出してきた

 

箒「そ、その……一夏には、私からガンガンアタックしてこいと言われて……わ、私は知っての通り……ラウラ程ではないが世俗に疎くてな(ラウラ「クシュンッ!」)……どうすればいいか思いつかないのだ」

 

カズマ「………」

 

私の言葉を聞いたカズマは考えだし……しばらくすると何かを思いついたのか部屋の奥に行き、何かを持って帰ってきた

 

カズマ「ならさ、ここにふたりで遊びに行くってのはどうだ?」

 

そう言いカズマは私に何かの紙切れを渡してきた

 

箒「ウ、ウォーターワールドのチケット?」

 

カズマ「ああ…元々あったウォーターパークが先月リニューアルオープンしてな…そのペアチケット、本当はアクアと行こうと思ってたんだが……あいにく有効期限切れまでに行けそうになくてな……だから代わりに使ってくれ……一夏とさ」

 

箒「はっ///!」

 

それを聞き、カズマが言いたいことを理解した

 

箒「つ、つまり…これで一夏とデートして来いと言いたいわけだな?///」

 

カズマ「どう使うのかはお前次第だな……うまく使えよ」

 

箒「ああ!!恩に着るぞ!カズマ!」

 

そう言い私は部屋から出ていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「……なーに企んでんのよ?カズマ」

 

カズマ「ああ………うちの社員達から散々『いい加減仕事を休め』って言われてるし…久方ぶりに俺も休もうと思ってな……どうせならちょっとしたサプライズ贈ろうとな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

箒「一夏///明日私と一緒にデートに行こう!!///」

 

一夏「うん良いよ♪」

 

箒「即答!?」

 

昨夜、箒にデートのお誘いを受けて承諾した翌日

 

俺は箒がカズマから貰ったペアチケットを持った箒と共にウォーターパークに足を運んだ

 

リニューアルオープンして一ヶ月は経ったのにパークは人で賑わっていた

新しい遊具もそうだが夏休みに入ったから当然か……

 

箒「その…よく私のデートの誘いを即答してくれたな……正直……もう少し渋って私を困らせてそれを笑うと思ったんだが…」

 

一夏「いや、やろうとは思ったけどそれ以上にお前からまさかのデートのお誘いが来るとは!って気持ちが大きくて、ついな……やるじゃん♪…言われたとおり……俺にアタックして来るなんてさ」

 

箒「一夏///」

 

一夏「それじゃあ、思いっきり楽しみますか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからはふたりして大いに楽しんだ

 

川の流れよりも速い水が流れる長さ百メートルのウォータースライダー

 

浮き輪に乗って左右に大きく揺れる大きな振り子のような遊具

 

海の波を再現し自分の身長以上の波を起こすプール

 

そして水上で様々な形で存在する水上アスレチック

 

どれもこれも楽しかったが、箒は特に楽しそうだった

 

一夏「ふぅー…少し休憩……お前凄い楽しんでいたな」

 

箒「ああ!!……私は、こういう所には……来たことなかったから……それに……お前が一緒だからなお楽しい!!」

 

一夏「……フッ……」

 

少しこいつの言葉が胸に響いたが俺は大して表情を変えず微笑した

 

一夏「……なら…次はお祭りにでも行くかな……一緒に…」

 

箒「え?」

 

一夏「今日はお前が誘ったからな……次は俺が誘うよ……」

 

箒「一夏///」

 

一夏「さて、休んだしそろそろ次行くか(アナウンス)「ご来場のお客様!」ん?」

 

突然パーク内をアナウンスが響く

 

アナウンス「本日のメインイベント!水上ペア障害物レースは午後1時より開始いたします!希望の方は12時までにフロントへ手続きをしてください!」

 

少し興味があるが、俺は無視してパークをまわろうとした

 

アナウンス「なお優勝賞品はなんと沖縄5泊6日の旅をペアでご招待!」

 

のだが、次のアナウンスの言葉に箒がビクッと反応し……何かを考えている顔になった

 

一夏「……参加したいか?」

 

箒「え?」

 

一夏「んで優勝して俺と沖縄旅行に行ってあわよくばそのまま……って考えてるだろ?」

 

箒「!///」

 

一夏「分かりやすいやつだなお前は…」

 

俺は軽くため息を吐きながら頭をかく

 

一夏「俺はそこまで単純じゃないんだが……」

 

箒「そ、そうだ!///雰囲気とか///ロマンスとか///正直恋愛に対して疎い私とっては難しい事だらけだ///だ、だが…それでも……私は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の思う通りやって!お前を本気で惚れさせたい///」

 

一夏「!」

 

顔を真っ赤にして言った箒の剣幕にほんの一瞬たじろいだ

 

 

 

フフッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「………ハッ!……おもしろい…お前のやろうとしていることに、乗ってやろうじゃねえか」

 

不敵な笑みを浮かべた俺は箒にそう言った

 

箒「!」

 

一夏「んじゃあ、さっそく受付に行くとするか」

 

そして箒と共にフロントに参加の受付をしに行くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《そして冒頭》

 

司会者「さあ!やってまいりました!!第一回ウォーターワールド水上ペア障害レース開催です!!」

 

司会者のお姉さんがそう叫ぶと同時に大きくジャンプするとその動きでビキニから豊満な胸がこぼれそうになった

 

そのせいなのかはたまた単純にレース開始を喜んでか、会場からは歓声(主に男性)と拍手が取り乱れる

 

一夏「フッ……単純だな…」

 

それに一夏が反応した男どもを鼻で笑い冷めた目で見ていた

 

鈴「チッ……男共が…」

 

セシリア「り、鈴さん…殺気を沈めてください」

 

ラウラ「む…武器は使ってはいけないのか…」

 

シャルロット「いやどこから出したのそれ!?速くそれ置いてきて!」

 

箒「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「(どうしてこうなった!?)」

 

 

 

 

 

 

 

 




以下学年総合成績表

カズマ         特別実技試験と筆記試験(他の人が受けた物の倍の範囲と難易度)総合1位
一夏    実技1位 筆記2位 総合2位
ラウラ   実技4位 筆記4位 総合3位
セシリア  実技6位 筆記3位 総合4位
シャルロット実技5位 筆記5位 総合5位 
簪     実技7位 筆記3位 総合6位
鈴     実技1位 筆記9位 総合7位
ダクネス  実技6位 筆記7位 総合8位
箒     実技9位 筆記15位 総合12位
めぐみん  実技35位 筆記1位 総合26位
アクア   実技3位 筆記68位 総合50位


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第27話 踊らされた者達《後編》

前編より後編の方が長い件


《箒視点》

 

レースに参加する為にフロントに手続きをしに行くと、そこには鈴達が来ていた

 

そのまま会場に向かいながら各々と話をした

 

シャルロット「まさか一夏達もここに来てたんだ…」

 

ラウラ「だとしたら少し厳しいな…」

 

セシリア「一夏さんと箒さんとシャルロットさんとラウラさん達が来ていたことは想定外でしたが…」

 

鈴「まあ、あたし達が絶対に勝つわ!」

 

一夏「お前ら何しに来た……まさか全員この場に揃うことになるなんてな」

 

鈴「決まってるわ!ここのウォーターワールドのレースで優勝して沖縄で快適で楽しい思いする為に来たのよ!!」

 

セシリア「ペア参加と聞いて気持ち半分で鈴さんのお誘いに乗りましたが一夏さん、あなたが参加するなら俄然やる気が出てきましたわ。あなた…このレースで優勝したいのですわよね?」

 

一夏「そうだが?」

 

セシリア「そうですか……なら、レースの方は鈴さんにまかせて、わたくしはあなたを妨害し困らせることにしますわ」

 

このレース、なんと妨害もありと言うトチ狂ったルールが存在している

 

一夏「チッ、んな面倒な事を嬉々としてやろうとするなんてな、俺お前に恨まれるようなことしたか?」

 

箒「いやしただろ散々!!お前は気づいているか知らないが、私の次にお前の嫌がらせを受けているのはセシリアだからな!」

 

一夏「あ、たしかにそうだったな……これも日頃の行いの積み重ねの結果か…」

 

箒「そう思うならもう他人に嫌がらせやからかうのをやめ」

 

一夏「無理だな」

 

箒「即答!?」

 

司会者「えーまもなく、レースが開始します。参加者一同は位置についてください!」

 

司会者のアナウンスが聞こえ、私達は定位置についた

 

一夏「まあアレだ、それぞれ目的があってこのレースに参加をするが…お互い恨みっこなしで、手加減抜きでやろうじゃねえか」

 

それを聞き私達は全員意を決し、レースに集中することにした

 

司会者「では!再度ルールチェックの説明です!この50×50メートルの巨大プール!その中央の島へ先に渡ったペアが優勝です!コースはご覧の通り円を描く様にして中央の島へ続いています。途中に設置された障害はペアでなければ抜けられないようになっています!ペアの協力が必須な以上、ふたりの相性と友情が試されるということですね!」

 

箒「……中央の島は……ワイヤーで宙づりになっていてショートカットはできないな…」

 

一夏「いややろうと思えばできるぞ俺は」

 

箒「誰もお前基準で話しておらん!……それよりどうするか?作戦は」

 

一夏「妨害ありってルールだから、やろうと思えば俺はいくらでも暴れられるぞ俺は…」

 

箒「一夏の無双している姿しか想像できん」

 

一夏「まあまずは普通にレースするか……妨害云々はその時その時でな」

 

司会者「さあ!いよいよレース開始です!位置について、よーい…」

 

こうなったらとにかく私のすべてを出し切ろう、そう思い私は

 

パァンッ!

 

競技用ピストルの音と共に走り出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがまあ、わかってはいたことだが……普通に私達IS学園組はレースで敵無しだった

 

次々来る妨害をかわしたり、ラリアットなど明らかに攻撃を仕掛けてきたものにはかわしてカウンターをしたり、プールに突き落とすなどをしながら進んでいった

 

参加者はほぼ一般人ばかりで私達の相手にはならなかった

私自身、一般人相手とはいえこんなに余裕で相手出来たことに驚いた

これもあの地獄の訓練の日々が実った成果なのか…

 

だが途中思わぬ強者も混じっていた

 

先のオリンピックでレスリング金メダル、柔道銀メダルの女子武闘派ペアが私達に攻撃をしてきた

 

流石に苦戦するか………そう思っていた時期が私にもありました

 

そのふたりの鉄拳攻撃を一夏が両手で、受け止めた瞬間、背後から向かってきた鈴とラウラがそれぞれ容赦なく顔面を蹴り飛ばし、よろめいたふたりの拳を握った一夏がそのまま力任せに振り回して、周りの参加者達にぶつけ次々とプールに落とし、最後はこの2名も落としていった参加者達と同じ末路を辿らせた

 

……あらためて思うが…一夏女性相手でも容赦しないな…流石に異性への攻撃は抵抗するとは思っていたのだが……あ、よく考えたらあいつは日頃鈴と殴り合い(週3回)していたな

 

そしてあの3名の容赦なき攻撃に私を含めたそれぞれのペア(シャルロット セシリア)達も引いていた

 

そして私達は最終的に全員同時に中央の島に飛び移った

 

その瞬間司会者は

 

司会者「はいここで終了でーす!」

 

ここでレースを止めた

 

司会者「はい、まさかの3組のペアが同時にゴールの中央島にたどり着くと言う結果になりましたが…優勝できるペアはたった1組です。ですのでここからは!」

 

すると中央の島は拡張しだし、更にフラッグが出現した

 

司会者「ご注目ください!!では只今より、フラッグをかけたバトルロイヤルを開始いたします。ルールは至って単純です。制限時間5分以内にこのフラッグを取ったペアが優勝です!ただし、このフラッグを取ることができるのは…最後まで生き残っていたペアです。片方が生き残って取るのもありです。参加者はプールに落ちた時点で失格です。なおこのバトルロワイヤルもなんでもありですので、それでは皆さん。全力で勝ち抜いてください!」

 

そう言うとバトルロワイヤルが始まり、カウントダウンも始まった

 

5分で…こいつらを倒さなきゃいけないのか…

 

シャルロット「まさかこんなことになるなんてね…」

 

ラウラ「だがシンプルでやりやすいな」

 

さっそくシャルロットラウラペアが鈴セシリアペアに襲いかかった

 

鈴「何よそれ、あたしの得意ジャンルじゃないの」

 

セシリア「こういうのは得意ではありませんが、抑え役位はどうにか…」

 

一夏「ん……向こう側で警戒すべきはラウラ……特に鈴だな………正直、ラウラはともかく鈴相手だとこっちも全力でやらなきゃ負けちまうな」

 

箒「ど、どうするつもりだ?他にもシャルロットとセシリアもいるが、鈴達ほど驚異ではないにしろ無視できない…」

 

一夏「無駄な体力を使わずに、セシリア達を退場させるしかない………止む終えないな…」

 

一夏はそう言うと私に耳打ちをした

 

箒「……!///な!?お、お前///それは本気で言ってるのか!?///」

 

一夏「一番確実だからな……勝ち残りたいなら……やるぞ」

 

箒「///あ、///余り正攻法とは言えないのだが///」

 

そんな私を尻目に一夏はバトっている2組のペアに乱入し

 

一夏「おら!」

 

蹴りやパンチを繰り出した

 

だがそこはさすがは代表候補生達

一夏の攻撃を避けるか防ぐでどうにかした

 

セシリア「一夏さん!この場で一番厄介なのはあなたですわ!」

 

シャルロット「こうなったら一夏を倒すまで一時的に手を組まない鈴?」

 

鈴「う〜ん、そうね…」

 

ラウラ「この状況どう切り抜けるつもりだ、兄さん?」

 

セシリア達4名に囲まれる一夏だったが

 

一夏「……4人がかり程度で俺に勝てると思ってるのか?」

 

箒「!」

 

次の瞬間一夏が殺気を放ち、私は思わずたじろぐ

 

そして一夏はそばにいたシャルロットとラウラを蹴り飛ばし、今度はセシリアに向かって行った

 

セシリア「か、かかってきなさい!」

 

だがセシリアの目の前まで来て突然一夏は持ち前の身体能力でセシリアの頭上を飛びセシリアを飛び越えた

 

そしてこの油断しているセシリアに私は近づき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「悪く思うなセシリア」

 

セシリア「!?///きゃああああああ////!!」

 

セシリアの水着のブラを素早く奪いプールに投げ捨てる

 

そしてそれを追うようにセシリアもプールに飛び降りた

 

これでセシリアは脱落だな

 

一夏「よし、作戦通りだな」

 

箒「……複雑な気分だ……勝ったのに勝った気がしない」

 

セシリア「箒さん!!と言いたいところですが箒さんが自分から進んでこんな事をやるとは思えません……ということは一夏さん!あなたですわね!箒さんに指示したのは!!」

 

一夏「フッ……君のような勘の良い娘は嫌いだよ」

 

箒「こ、こんな事する奴なんてお前に指示された私しかしないのではないか…」

 

一夏「ああそれは安心しろだって」

 

シャルロット「いやあああああああ///!!」

 

一夏「……向こうにも同じ考えを持った奴がいるから」

 

私と一夏がやり取りをしている間に鈴がシャルロットのブラを取って一夏と同じことをして脱落させた

 

一夏「……これで残ったのは俺と箒…鈴、そしてラウラの4人……ただの4人ではないな……この場で最も強い4人だ」

 

鈴は私達に目を向けるがラウラの方にも警戒している

 

ラウラもまた私達を見ているが鈴の方にも警戒している

 

一夏「…箒、ラウラを俺の方に向かわせないようにしてくれ……ちょっと荒れるぞ」

 

鈴「さて…あたし一人なっちゃったけど……覚悟はできてるかしら一夏?」

 

一夏「こっちのセリフだ……手加減はできねえ…かかってこい!」

 

そこから鈴と一夏の激しい戦いが繰り広がれた

 

観客席で私達を見ていた観客達はセシリアやシャルロットのブラが取れたのを見て歓声(おそらく男ども)を上げていたが、一夏と鈴の明らかに相当の実力者達の戦いを見て更に歓声を上げた

 

ラウラ「どこを見ている!」

 

そこへラウラが私に襲いかかってきた

 

流石は軍隊出身のラウラだ

散々訓練を受けている一夏や素手の戦いの才能のある鈴には劣るがそれでも強い

 

ラウラ「箒…お前も強くなったな」

 

箒「はあ…はあ…嫌味にしか聞こえないぞ…私はお前の攻撃を避けるか防ぐので精一杯だというのに、息切れ一つしないではないか…」

 

ラウラ「まあ…お前以上の相手と戦うことは、軍に居たときではよくあったものだからな…」

 

箒「……一つ、聞かせてくれ……お前とシャルロットはなぜこのレースに参加した…?」

 

レース開始前から疑問に思っていた事を話しだした

 

ラウラ「……私もシャルロットも…兄さんに助けられた者同士だ………何か、助けてもらったお礼をしたい………そう思っていた時だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《昨日のラウラ視点》

 

カズマ「はあ?一夏に何か礼がしたい?」

 

ラウラ「ああ…だが何をすればいいのかわからないのだ……」

 

カズマ「……なら、こいつに参加しな」

 

カズマはそう言うと何かを渡してきた

 

ラウラ「これは……?」

 

カズマ「まあ…ちょっとしたヒントだ……後はお前達次第だな…」

 

そう言うとカズマは私にウォーターワールドで開催されるレースを話し……私はカズマからもらったウォーターワールドのペアチケットを持ってシャルロットに話し、その優勝商品を一夏に贈ろうと決めた

 

 

 

《箒視点》

 

ラウラ「そういうわけだ。私が参加とシャルロットが参加理由は」

 

箒「そうか…」

 

ラウラ「箒……お前では私には勝てない……それは、お前にだってわかっているはずだ……」

 

箒「……ああ…そんなこと…わかっている……確かに…私ではラウラ、お前には勝てないと……だが!」

 

次の瞬間私はラウラに掴みかかりそして

 

箒「お前に負けないことはできる!」

 

ラウラごとプールに飛び降りた

 

箒「(後は任せたぞ…一夏)」

 

《一夏視点》

 

一夏「箒…」

 

鈴「これで…残ったのはあたしとアンタだけね……」

 

一夏「ああ……お互い……悔いの無いようにやろうか!」

 

俺は鈴に近づき連続蹴りをするが、鈴はそれを涼しい顔をしてかわし、蹴りをいれる俺の足に飛び乗り、そこから蹴りをいれるが俺はそれを片手で防ぐ

 

小柄ゆえの身軽さから来るこいつの攻撃は、常に相手の急所を狙ってる

 

パワーと体力は俺が上だが、防御テクニックと素早さは鈴が上だ

 

鈴「改めて思うけど……やっぱり強いわね一夏は」

 

一夏「お前が言うか?……同年代で俺とここまでやり合える男女なんて片手で数え切れる程度しか居ないっていうのに………出会った時から変わらず、お前は格闘の天才だな」

 

鈴「フフッ、アンタと殴り合うこの時間……あたしは大好きだけど……一夏はどうかしら?」

 

一夏「言わなくてもわかるだろ?……けど、最近…お前とこうして殴り合う以外で楽しみができた」

 

鈴「楽しみ?………箒のこと?」

 

一夏「まあな、アイツが学年別トーナメントで俺に一撃当てそうになった時に、アイツの可能性を感じてさ……成長が楽しみだ……それに……フッ……俺にあんな啖呵切ったんだ……本当に楽しみでしょうがねえよ」

 

鈴「なーんか妬けちゃうわね…一夏にそんな顔をさせる箒に」

 

一夏「なんだ?お前も俺が好きなのか?今からでも弾から俺に乗り換えるか?」

 

鈴「冗談は顔だけにしなさい………まあ、少し焼けるけど」

 

一夏「お前アイツと付き合ったあと嫉妬深くなるなよ?」

 

鈴「ブッ///急に変な事言うんじゃないわよ!」

 

一夏「おっと…怒らせたかな……さーて、いい加減勝負を終わらせるか…」

 

鈴「はあ…言いたいことは色々あるけど……そうね…」

 

俺と鈴はそれぞれ身構え

 

一夏/鈴「「勝負!」」

 

これで決める!!

 

俺と鈴はそれぞれ走り出し、それぞれに一撃を入れようとした

 

俺のほうが速い

 

勝った!!第三部 完!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司会者「ここでカウンドダウンが終了しました!!」

 

一夏/鈴「「は?」」

 

箒/セシリア/シャルロット/ラウラ「「「「え?」」」」

 

観客達「「「「はあ!?」」」」

 

え?カウントダウンが終わった!?

 

いつの間に…

 

それに対し俺達だけではなく、観客席にいる観客達も同じ反応をした

 

司会者「まさかの結果で終わりましたこのバトルロワイヤル……正直申しまして、私も時間を忘れさせる素晴らしいファイトでした!」

 

司会者が称賛するが…こうなるとどういう結果に…

 

司会者「このバトルロワイヤルは、最後まで生き残ったペアがフラッグを取ることで優勝とするゲームでしたが、結果は誰も取ることがありませんでしたので……残念ですが…優勝商品をお渡しできません……」

 

俺達「「「「「「ああ〜…」」」」」」

 

司会者「ですが…このような結果にはなりましたが、素晴らしいファイトを見せた彼らに大きな拍手を!」

 

そう司会者が言うと会場から俺達を称える拍手と声がかかる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「……悪かったな……勝てなくて…」

 

レース終了後、俺は箒に勝てなかった事を謝った

 

箒「いや、一夏が謝ることはない…もとはと言えば私の言いだしたわがままに付き合ってくれたのだから…」

 

一夏「だが…」

 

箒「まあ…今回は運が悪かったと思うことにする……お前へのアプローチは、また別のを考えることにする」

 

一夏「そうか…」

 

……少し勝てなかったことに対しての罪悪感はあるが…こいつがこう言うのなら、そう納得するしかないか

 

一夏「所で、鈴達の参加の動機はわかったが、ラウラとシャル、お前達の動機はなんだ?」

 

シャルロット「そ…それは…」

 

シャルとラウラは動機を話しだした……なんでも俺に助けられたお礼にこのレースで優勝し商品を贈りたかったそうだ

 

一夏「……一ついいか?」

 

ラウラ「な、なんだ兄さん」

 

一夏「お前らは、俺に勝たせるとかそういうことを考えなかったのか?」

 

ラウラ「そ、それは…兄さんはそういう勝ち方はやりたがらないと思ったから…」

 

シャルロット「だ、だよね…一夏って基本勝負は正々堂々でやりたがるし、僕達も全力で相手しようと思って……」

 

一夏「……そうか…」

 

俺はシャルとラウラを一瞥し

 

一夏「……だがお前らが仮に勝っても俺は受け取らなかっただろうな…」

 

シャルロット「あ、あはははは…そっか」

 

一夏「けどまあ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前らの気持ちは嬉しかった……気持ちは受け取るよ」

 

シャルロット/ラウラ「「!」」

 

鈴「あーあ、結局勝てなかったし…やっぱり旅行計画1から練り直すしかないわね」

 

セシリア「うっ…結局わたくしは箒さんにブラ取られて脱落しますし…散々でしたわ」

 

???「そんなに沖縄旅行行きたかったのか?」

 

一夏「なっ!?」

 

俺は突然声をかけてきた相手に驚いた

 

カズマ「よっ!いい戦いだったな」

 

箒「カ、カズマ!!」

 

それはこの場にいないはずのウチの社長だった

 

カズマ「いやー、わざわざお前らを一箇所に集めてバトらせたかいがあっておかげでこのレースで大いに盛り上がってくれたよ」

 

一夏「はっ!?ちょっと待って…なんだ一箇所に集めたって……」

 

カズマ「あれ?気づかなかったか?箒にラウラ、そして鈴にこのパークのペアチケットを渡したのは俺だぞ?」

 

一夏「鈴、それは本当か?」

 

鈴「う、うん……昨日あたしがどこかに旅行しようか計画をねってた所にカズマが来て、このパークで開催するレースの優勝賞品を教えてあたしにペアチケットを渡してきたのよ。それであたしはちょうど同じく旅行を考えていたセシリアにも声をかけてペアを組むことにしたの」

 

一夏「なるほどな……つまりは社長、全部アンタが仕組んだんだな?」

 

カズマ「おい、そのアンタが黒幕だなみたいな言い方するな」

 

一夏「いや黒幕だろアンタは……んで、どうしてこんな事をしたんだ?」

 

カズマ「ああ、それはだな…ここのオーナーがこのレースを盛り上げるアイディアがないか言ってきてさ、ちょうど箒が俺の所に来た時に思いついたんだよ……お前達専用機持ち達を利用したイベント……結果は大成功。オーナーも喜んでいたよ……んでさ、沖縄旅行……行きたいなら手配できるぞ…お前達全員分」

 

俺達「「「「「「え?」」」」」」

 

カズマ「俺がここのオーナーに口利きすれば、今すぐにでもできるぞ……まあ今回このレースを盛り上げてくれた報酬みたいな物だな」

 

箒「いや待て、お前になんの権限があってそんな事を」

 

カズマ「いやだってこのウォーターワールド…ウチの会社系列のレジャー施設だぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏/箒/セシリア/鈴/シャルロット/ラウラ「「「「「「はあ!?」」」」」」

 

カズマ「いや、このウォーターワールドのペアチケットをよく見てみろ…ウチの会社のロゴが付いてるだろ?」

 

そう言われたので俺と鈴とラウラはチケットを見ると

 

鈴「あ、本当だ!確かに飛電インテリジェンスのロゴマークが付いてる」

 

ラウラ「気づかなかったぞ……」

 

一夏「……つまり、俺達は社長の手のひらの上で踊らされたって事か…」

 

……それに答えるものは誰もいなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《箒視点》

 

結局その後、カズマはオーナーに話し合ってくるから私達は帰ってもいいと言われたのでウォーターワールドを後にした

 

気づけば夕方になっていた

 

もう学園に帰ろうかと私達は話し合っていると一夏が

 

一夏「なら帰る前にアッチによろうか」

 

そのアッチがどこかわからないが鈴はわかるらしい

 

私達は一夏についていくと、城址公園に着いた

 

そして公園にやってくると高校生の男女達が公園で開いているクレープ屋に集まっているのが見えた

 

すると一夏はクレープを2つと私達の分を一つずつ頼んだ

 

だがクレープ屋の店主は一夏や私達にクレープを渡しても料金の請求はして来なかった

 

それに鈴を除いた私達が料金を払わなかった事に疑問を感じたが

 

一夏「ん?大丈夫だ。いいから食え」

 

そう言うのでとりあえず私達はベンチに座りクレープを食べ始めた

 

ラウラ「こういうのは初めて食べたが美味いぞ!」

 

シャルロット「うん!これ美味しいね!」

 

セシリア「はい!動いた後に甘い物は格別ですわ!」

 

鈴「久しぶりに食べるけど、相変わらずの味ね」

 

箒「最後に食べたのはいつだったか忘れたが、冷たくて美味いな」

 

一夏「ん、やっぱここのクレープ屋は絶品だな」

 

ちなみに私達が食べているクレープはラウラとシャルロットがチョコバナナ付きで鈴は黒蜜きなこクリーム付きでセシリアはメイプルバター付きで私はストロベリー付き、そして一夏はブルーベリー&生クリーム付きと抹茶白玉あずきクリーム付きの2つを食べている

 

シャルロット「美味しいけど、僕は『幸せのミックスベリー』が食べたかったなあ」

 

ラウラ「なんだそれは?」

 

幸せのミックスベリー?

 

シャルロット「あ、うん。前にここの公園のクレープ屋さんの事が書かれた記事見たんだけどね、ここのクレープ屋さんのミックスベリーを食べた人には幸運が訪れるって書いてあったんだ」

 

セシリア「あるんですかそのようなものが?」

 

シャルロット「それなんだけどね、メニューにはミックスベリーは載ってなくて、ガセネタだったのかなあ…」

 

一夏「箒、これ食ってみろ」

 

箒「///!?」

 

突然一夏にベリー付きのクレープを差し向けられた

 

一夏「いいからほら、ここはまだ俺がかじってない所だ…お前に俺がかじった部分を食べさせるのはまだレベルが高すぎるだろ?」

 

箒「い、一夏!///お、///お前はこんな公衆の面前で///」

 

そう言った私だが、結局食べてしまった

 

鈴「うっ…箒の方から甘い空気が出てるわ…」

 

セシリア「口の中から、クレープとは違う甘さを感じますわ」

 

一夏「箒、お前今ミックスベリー食ったな」

 

箒「え?」

 

突然私に『ミックスベリー食ったな』と言われ戸惑った

 

シャルロット「あ!ストロベリーとブルーベリー!?」

 

一夏「正解だ」

 

あ!ミックスベリーとは、そういう事だったのか

 

一夏「それにしても幸運のミックスベリーて言われてんのかぁ………本当は『縁結びのミックスベリー』だったんだけどな…」

 

箒「は?」

 

シャルロット「え?それどう言う意味?」

 

一夏「ん…ネタバラシするとだな。このミックスベリーを食べたら幸運が訪れるっていうジンクスを広めるきっかけを作ったのは、俺とカズマなんだ」

 

セシリア「そ、それはどういう意味ですか?」

 

一夏「ああ…あのクレープ屋はな、ほんの一年前まで潰れかけだったんだ……味は良いのに全く客が来なくてさ………あそこは俺のお気に入りの一つでさ、どうしても潰れてほしくなくて、ちょっと社長に相談したんだ。そしたらさ、俺が普段やっている事を利用した客集めをすればいいって言われて」

 

ラウラ「普段やっている事とは?」

 

一夏「ああ…こう見えて中学時代、様々な男女カップルを成立させたんだぜ、俺は」

 

箒「お前は何をやっている!?」

 

一夏「それでな、クラスとかで両片思いしている男女にそれとなーくここのクレープ屋でミックスベリーを食べたふたりは結ばれるって流したら、本当に実行して付き合い出したんだ……そうするとミックスベリーの噂が流れるようになって、ここに男女が食いに来ることが増えて、店は綺麗になるし元々クレープの味も良かったこともあってそれから客足が途絶えなくなって今では縁を結びたい人達が来るようになったわけだ……」

 

セシリア「そ、そのようなことがあったのですね…」

 

シャルロット「え?でもここのミックスベリーって縁結びなんだよね?……それがなんで幸運のミックスベリーなんて呼ばれるようになったの?……」

 

一夏「ああ…なんでもここのミックスベリーを食べて結ばれたふたりの男女がその後色々成功する幸運に恵まれた事がきっかけで縁結びのミックスベリーから幸運のミックスベリーに変わったらしい…まあ客が来る噂なら何でも良かったんだがな……けどここにミックスベリーを食べに来た男女が注文しても、ないと言う代わりに味違いのベリー系のクレープを進めて来るのは縁結びの名残りだ」

 

鈴「それでね、店をここまで繁盛させたカズマと一夏に感謝した店主がね、カズマと一夏…それとふたりのどちらかと一緒に来た人にはタダで食べさせてくれるのよ」

 

ラウラ「なるほど…だからさっきは料金を受け取らずクレープを渡してきたのか」

 

シャルロット「そんな裏話があったなんて…」

 

一夏「ああ、この事は内緒な?」

 

鈴「誰も言わないわよそんな事……それはそうと一夏…さっきの箒へのミックスベリー……アレは幸運?それとも縁結び?」ニヤニヤ

 

箒「ブッ///り、鈴!///」

 

一夏「ん?………さあな♪」

 

またこの男は………だが……後者だと…私は嬉しいな////

 



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第28話 夏祭り

沖縄旅行の話を書きたかったですが、ストーリーを速く進めたいので省略しました。時間があったら番外編として出すかもしれません。



《一夏視点》

 

一夏「……」

 

俺の目の前で、化粧し袴の舞装束に身を包んだ箒が扇と刀を持ち、舞を踊った

 

社長が仕組んだウォーターワールドのイベント騒動と沖縄旅行から数日立つ、ラウラとシャルは祖国へ里帰りし、セシリアと鈴は学園に残っている

 

カズマとアクアとめぐみんにダクネスは夏休みも会社の仕事でてんやわんやしている

 

ここはかつて俺や千冬姉が通った篠ノ之道場……今は箒の親父さんがいない為、ここは定年退職した警察官が剣道教室を開いているらしい

 

現在は箒の叔母の雪子さんが管理をしているみたいだ

 

今日は篠ノ之道場の近くで夏祭りがあり、箒を誘おうと思ったついでに、箒の舞を見ておこうと思い、内緒で来た

 

そうだな…箒の舞う姿を見た感想は美しいの一言だな

 

え?俺が茶化しとか無しでシンプルに褒めるのは珍しい?

 

俺だって美しいと思った物は美しいと言うし、美味いと思ったものは美味いって正直に言うさ

 

一夏「おつかれさん……中々綺麗だったぞ」

 

箒「!?」

 

俺は舞いを踊った後の箒に声を掛けたら何故か驚きと戸惑った

 

多分俺がいるはずないと現実逃避しているな

 

もう少しこいつのこの様子を見てみたい気もするが

 

一夏「箒」

 

俺は箒の後頭部を両手で掴み、俺の額を箒の額につけた

 

一夏「これでもまだ夢と思うか?」

 

箒「あ///」

 

途端に箒の顔が物凄く赤くなっていく

 

箒「わ///わかりましたから///もう///やめて///」

 

そう言うので俺は箒を離した

 

一夏「……もう少し近ければキスできたかも知れないんだけどなあ」

 

箒「キ///!」

 

こんな言葉程度で赤くなるなんて小心者だな

それとも単に俺が思ったことを言い過ぎなのか…?

 

箒「い///一夏、お、お前がなぜここへ」

 

一夏「何って…今日は夏祭りがあるだろ?……ウォーターワールドの時の約束だ……今日は俺の方からお前を誘いに来た……行くか?」

 

俺はそう言い箒に手を差し出した

 

箒は驚いたがやがてオズオズと俺の手を握り

 

箒「あ、ああ///…行こう!夏祭りデートをしよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《箒視点》

 

箒「ん、やはり祭りの焼きそばは美味いな、家で食べる物とは一味違う」

 

一夏「言えてる、夏祭りで出る飲食物はどれも美味い。味以外にも夏祭りって場で食うからなおさら美味く感じるんだろうな」

 

私と一夏は夏祭りの会場を周りながら様々な飲食物を買った

ちなみに私が今食べてるのはソース焼きそばで一夏は焼きそばとイカ焼きと焼鳥とお好み焼きだ

 

箒「それはそうと…お前食べすぎではないか?」

 

一夏「ん?俺にとってはこれくらいが普通だがな」

 

箒「いや、学園で再会してから今日までで思っていたのだが、一夏…お前胃袋が大きくないか?」

 

そう…一夏はこう見えてかなりの大食漢だ

 

学園の食堂では明らかに3人分はある食事をとっているし、私が作る料理も数分足らずで食べきる……一応おかずの量は多いはずなのにだ

 

一夏「ああ……それいろんなことが合わさってそうなったな」

 

箒「いろんな?」

 

一夏「ああ…幼少期…俺の家はあまり裕福じゃなくてさ……食える時にはめいいっぱい食うってずっと意識してたし、中学時代は鈴が弾に愛のこもった『鈴オリジナル酢豚』を完成させる為に何度も試作で作った三百食以上の酢豚食ったし」

 

箒「いや途中気になる話が流れたのだが!?」

 

一夏「鈴オリジナル酢豚の話か?ああ……あいつが中華料理屋の娘なのは知ってるだろ?だからアイツ中華料理は得意なんだが、中学で惚れた男の為に物凄く美味い酢豚を作ろうと試行錯誤して、俺と数ああ中学時代の親友と一緒に食べて処理してたんだ……んでA.I.M.S.入隊前に飛電インテリジェンスで毎日長い時間の訓練に入隊後も散々動くから腹も減って食べる量も増えて現在に至る」

 

箒「そ、そうか…確かに色々な事が合わさっているな」

 

一夏「だろ?んじゃあデザートでも食いに行くか。リンゴ飴食べに行くついでにこの間裁判で慰謝料もぎ取って来たばっかで懐が温かいからジャンジャン遊ぼうか」

 

箒「お前本当にやったのか!?あ、待て一夏」

 

私は焼きそばのパックを捨てて一夏に付いて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「いやー大量大量♪」

 

リンゴ飴片手に一夏が大量の景品の入った袋を持って歩く

 

その横を同じく景品を持った私も歩く

 

リンゴ飴を探す途中一夏が目についた射的屋で無双して、私も少しやるつもりだったのだが思っていた以上に景品を落とした

 

一夏が景品を落とすたびに店の店主がやめて欲しそうにしていたがそこは一夏、無慈悲に落としていき最後には景品全てをかっさらった

 

ちなみに現在で射的屋が3つ一夏によって全滅した

 

本当に容赦しないなこの男は

 

一夏「いやー、去年ここの祭りで無双し過ぎたせいでブラックリストに載ってしまったから参加できないと思ったけどやれてよかったな」

 

箒「!?」

 

訂正…無茶苦茶すぎるこの男は

 

そう思っていると

 

カズマ「よっ!おふたりさん」

 

アクア「ふたりも来てたのね」

 

浴衣を来たカズマとアクアが同じくたくさんの景品を持って現れた

 

一夏「お、その様子じゃ、そっちもくじ屋で無双したみたいだな」

 

アクア「無双したのはカズマだけよ。私くじ運無いから」

 

カズマの持つ景品は最新のゲーム機やゲームソフトに商品券や大型TV等だった

 

いや大型TVは邪魔ではないか?

 

一夏「流石はカズマだな。反則級の運は健在か」

 

そういえば前に一夏が、カズマは運が反則レベルで良いとか言っていたな…あれは本当だったのか

 

カズマ「いやー、去年ここの祭りで無双し過ぎたせいでブラックリストに載ってしまったから参加できないと思ったけどやれてよかったよ」

 

アクア「お店の人泣かしたのよカズマは」

 

ちょっと前に似たセリフを聞いたばかりなのだが!?

 

後お前もブラックリストに載ったのか!?

 

デュノア社の一件といい臨海学校の時といいこの間のウォーターワールドの時といい、この男は一夏とは違う部類でまともじゃない!

 

カズマ「そういえばさっき鈴見かけたんだが、お前ら一緒に来たのか?」

 

一夏「いや?てか来てたんだなアイツも」

 

アクア「ふたりはデートみたいね…」

 

箒「デ///!」

 

一夏「俺や他人に言われて面白いくらい反応するな」

 

その私の姿にカズマ達も苦笑する

 

カズマ「んじゃあ俺達はまだ祭りをまわってるから、お前らもデート楽しんでいけよ」

 

アクア「じゃあまたね」

 

そう言いカズマとアクアは去って行った

 

しかしあのふたり…はたから見れば恋人同士に見えなくもないのだが…

 

箒「一夏、念の為確認するが、あのふたりは恋人同士では」

 

一夏「ないな。いや、お前の言いたいことは俺にも分かる……最初あのふたりを見た時は付き合ってんのかって思うくらい距離近かったんだが関わるうちに『あ、こいつらそういうのじゃないのか』ってなったんだが……近すぎるんだよ。もうそこらのカップルより距離感が凄いんだよ!なんかもう見てて逆になんでくっつかないのか不思議でならない。一応ふたりは家族なんだが別に血も繋がってないんだし仮に付き合うことになっても全然問題ないと思うんだがなあ……てか付き合ってるふたりとか想像できねえな…元々距離が近すぎるせいで」

 

箒「そ、そうか、たしかに私もふたりが付き合っている姿は想像がつかんな」

 

一夏「だが逆に見てみたくないか?」

 

箒「……そうだな…」

 

一夏「あーけど付き合ってもあのふたりの場合付き合う前と全く変わらない気がする……今でも休日には普通に一緒に映画行ったりテーマパーク行ったり動物園行ったりカラオケ行ったりしてるみたいだし」

 

箒「いやそれもうカップルじゃないか!?」

 

一夏「ああ、俺も思わず似たようなツッコミ入れたことがある」

 

しばらくカズマとアクアの話題で盛り上がっていると

 

蘭「あれ?……一夏…さん?」

 

突然声を掛けられた一夏が振り向くと以前レゾナンスで見かけた一夏の親友の妹の…確か五反田蘭という名前だったな

 

蘭「き、奇遇ですね…」

 

一夏「久しぶりだな…お前も来てたのか……浴衣似合ってんな」

 

蘭「そ、そうですか///あ、ありがとうございます!」

 

途端に真っ赤に染めた頬を隠すようにやや俯きになった

 

あの態度はまさか!

 

蘭「あ…あの…この人は…」

 

一夏「ん、そういえば紹介まだだったな…同じIS学園の篠ノ之箒。俺の幼馴染みで一応俺の……いや、なんでもない…」

 

蘭「は、はじめまして…わ、私は」

 

箒「五反田蘭…だったな…」

 

蘭「へ?なぜ私の名前を」

 

箒「いや、実は前に一夏に教えてもらった……何だったら以前レゾナンスでお前と兄も見かけた。ちょうど鈴に抱きついている姿を見た」

 

蘭「あ!鈴姉の友達ですか!?」

 

箒「ああ、あいつとはよく学園で話す。中々ガンガン来るが恋愛面では消極的になるところがあるが…」

 

『それ少し前のお前じゃねえか』

 

と、心のなかで一夏にツッコまれた気がした

 

蘭「ははは、鈴姉そういうところありますもんね…」

 

箒「そういえばさっきから気になっていたのだが、蘭…鈴の事は『鈴姉』と呼ぶのだな」

 

蘭「はい!私にとって鈴姉は尊敬する姉の様な人ですので……本当にあの人が私の姉だったらどんなに良かったと思っています……」

 

一夏「……まあ、お前の兄貴とくっつけばそれも不可能ではないな」

 

蘭「う…うちの兄は見ての通り…」

 

一夏「……確かに…へタレだからな…」

 

ふたりはどこか苦笑する様に顔をしかめた

 

……うん?……ということは

 

箒「い、一夏……まさかとは思うが…彼女も…」

 

一夏「……ああ…当然、兄貴の恋愛事情を知ってる。後鈴の事もな」

 

蘭「正直見ていてすごくむず痒くなってきますよ!!」

 

一夏「だろ!?あの両片思いのふたりを見ているとさっさとくっつけたくなるのにどっちもその一歩を踏み出せてないんだよ!どっちもヘタレだからな!」

 

箒「ゴフッ!」←鈴に言われるまで一歩踏み出せなかったヘタレ

 

蘭「もうお兄と鈴姉にそれぞれ恋愛相談受けたり何すれば好感度が上がるのか相談に乗るたびに思いましたよ。『お兄も鈴姉もどっちも互いに対する好感度は文句無しで高いからそんな事しないでさっさと鈴姉が告白するかお兄が告白するかどっちでもいいからとにかく前に進んで!』って思いました!」

 

一夏「俺だってな弾や鈴にどうにかふたりっきりの場を作るよう散々動いたのにどっちもヘタれて全く進展しない!」

 

一夏/蘭「「本当に手の掛かる兄(親友達だよ!)ですよ!」」

 

なんかふたりの眼力が凄かった

 

蘭「あ、そういえばお兄も来てるんですが、おふたりは見ませんでしたか?」

 

箒「いや、私も一夏も歩きまわったが見ていな」

 

一夏「何!?」

 

箒/蘭「「!」」

 

突然一夏が大声を出し、それに私と蘭が驚いた

 

箒「ど、どうした急に!」

 

一夏「蘭、それ本当か?」

 

蘭「へ?あ、はい。今日のお祭りはお兄とふたりで、来たのですがお兄は適当にまわってるって言って別行動取ってますが…」

 

一夏「マジかよ……こうしちゃいられねえ!」

 

箒「ど、どうした一夏。お前変だぞ」

 

一夏「わからないか箒?いいか、この祭りに弾が来ている」

 

箒「そ、それがどうした…」

 

一夏「そして、さっきカズマが鈴も見かけたと言っていた……これがどういう意味かわかるか?」

 

箒「!」

 

それを聞き私はようやく理解した

 

蘭「え!?こ、ここに鈴姉も来てるんですか!?」

 

一夏「それに俺はあいつらにそれぞれ『夏休みが終わるまでに告白しろ』って言ったから…」

 

箒「ということは…」

 

一夏「ああそうだ、うまくいけば今日であのふたりが結ばれて何より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3年も続くモヤモヤから解放される!」

 

箒「いやそっちか!」



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第29話 ある男女の恋の決着を!

遅くなってすみませんでした。

一昨日バイオハザードヴィレッジを完結し現在3周目をやっています。

いやー、最近のゲームの中で一番感動しました。

家族を愛し、最後まで娘を救う事を諦めなかった宇宙一、いや歴代ゲーム一のパパ、イーサン・ウィンターズに敬礼!!




《弾視点》

 

弾「あ、よう鈴…調子はどうだ?」

 

鈴「だ、弾…あ、あたしは元気だけど……どうしたの急に電話なんかして…」

 

弾「あ、ああ…あのさ、今度夏祭りがあるんだけどよ……その…お前さえよければ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一緒に、まわらないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「は〜あ、緊張する」

 

夏祭り当日、俺は夏祭りの会場である篠ノ之神社に来た

 

俺が今日ここへ来た目的は……中学時代の友人で、その……初恋の相手である鈴に気持ちを伝える為だ

 

事の発端は(いち)(一夏)が

 

一夏「あ、そういえば言い忘れてたが…俺、彼女できた」

 

弾「!?」

 

そう、あの一に彼女が出来たと聞いて少し焦りを覚えたことがきっかけで、常々怖気づいて告白を渋っていた俺に告白の決心がついたからだ

 

しかし、決心がついたとはいえ、やっぱ緊張するなあ〜

 

弾「まあ…これで三年越しの片想いとも決着がつくな…」

 

鈴「弾」

 

弾「うぉ!」

 

突然背後から俺を呼ぶ鈴の声がして驚いた

 

…聞かれてないよな?

 

俺はそう思いつつ鈴の方を振り返るが

 

弾「り、鈴、急に声をかけてくる…な…よ…って?」

 

鈴の姿を見て驚いた

 

あじさいの模様に桜色の浴衣を着ていてそれが物凄く似合っていた

 

いやそれ以前に浴衣を着た鈴を見たのはこれが初めてだった

 

鈴「あ…えっと、ど…どうしたの…?」

 

俺の反応に鈴が疑問を掛けてきた

 

弾「あ、いや…お前の浴衣を着た姿がその…に、似合っててつい驚いちまった」

 

鈴「!そ、そう…あ、ありがとうね///」

 

俺の言葉に嬉しそうに反応してきた

 

やっべ…想像以上にかわいい

 

弾「と、とりあえずこの辺まわろうか」

 

鈴「う…うん、そうね……えっと…」

 

しかし鈴が何かを言いたそうな態度をしている

 

鈴「その…手…繋いでくれない?…」

 

弾「!?」

 

手を…繋ぐ!?

 

あの鈴が俺にそういったのか!?

 

鈴「あ…で、でも弾が嫌なら別に」

 

弾「そんなことはねえよ!」

 

鈴「え?」

 

弾「あ」

 

やば、つい勢いで

 

弾「い、嫌じゃねえ…から…いいぞ…繋いでも」

 

鈴「!う、うん///」

 

そして俺は鈴の手を繋ぐ

 

や、柔らけえ…それにこいつの手ちっせえ……ちょっと力込めたら壊れてしまいそうだ…

 

鈴「い///行こっか///」

 

弾「お、おう」

 

こうして俺達は歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「……やってんなあいつら」

 

箒「て、手を繋いでいるぞ…」

 

蘭「うわ〜、見てて凄く甘酸っぱいです!」

 

鈴と弾を探し始めてしばらくすると、屋台の食べ物片手に祭りの出し物屋を物色して楽しんでいる二人が見えた

 

一夏「さーて、どのタイミングするか告白…」

 

蘭「まあ…今この場でするとは思えませんよね」

 

箒「その、もし告白をするなら誰も居ない場所ですると思うぞ私は…」

 

一夏「ん、その可能性が高いなあのふたりは……」

 

蘭「そういえば屋台で思い出したんですけど私がまわったお店のうち、くじ屋と射的屋が店じまいになってたんですが知りませんか?」

 

一夏「……知らないなあ…そんなこと」

 

蘭「今答える間が空いてましたよね!?絶対何か知ってますよね!?」

 

箒「あ、ふたりがまた動いたぞ」

 

そう言われ振り返ると鈴達が神社の裏の方を歩き出した

 

箒「ま、まさか!?」

 

蘭「じ、神社の裏側でつ、ついに!?」

 

一夏「……行くぞ」

 

神社の裏に行こうとする弾達を追いかけながら、俺は鈴が弾を好きになったあの日を思い返した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《過去の一夏視点》

 

鈴「ん、中学校って毎日制服着なきゃいけないのよね……小学校の時みたく普段着のほうが楽なのに…」

 

一夏「まあそうだな…」

 

中学校入学式の帰り、俺と鈴は帰り道で夕食の食材を買って帰ろうとしていた

 

一夏「しっかし…流石は中学校、見事に知らない奴ばかりだ」

 

鈴「他の小学校からも来てるからそうなるわね」

 

一夏「まあ一番の問題は…中学生活が果たして小学生活よりも楽しいかどうかだ……退屈は嫌だしな、うん?」

 

そう言った俺だが路地の方から誰かが殴られている音と女子の悲鳴の様な声が聞こえた

 

鈴「……今のって?」

 

一夏「分からん…が、見に行ったほうが良さそうだ」

 

そう言い俺と鈴は路地を通り、やがて空き地に出た

 

そこでは制服を着たふたりの男を高校生達数名が集団リンチしていた。その側にはランドセルを背負った女の子を取り押さえている高校生もいた

 

一夏「チッ…なんてことしてやがる」

 

鈴「ひどい…」

 

その光景に俺も鈴も嫌悪感が湧いてくる

 

一夏「……やるか…?」

 

鈴「ええ…やるわ」

 

そこから先は飛び出して奇襲を掛けた俺と鈴に高校生共はボコボコにされていった

 

その最中

 

リーダー格「はあ!?手を貸せだって!?ふざけんな!こっちこそ手を貸して欲しいって時にっ!」

 

なんか電話で援軍を要請しようとしていたがどう言うわけか向こう側も何かがあって援軍がこれない状態らしい

 

そのリーダー格を俺は腹を殴り鈴が顔面に蹴りを入れて沈めた

 

他の高校生「あ、あいつらやばい!逃げろ!!」

 

リーダー格がやられたことで逃げようとする他の高校生達だが…

 

一夏「誰が逃げて良いと言った?」

 

それを俺が見逃すはずはなく、全員捕まえて叩き潰した

 

???「お、おい…」

 

突然高校生達からリンチを受けていた男の一人が俺に声をかけてきた

 

一夏「……大丈夫か?……五反田弾…御手洗数馬」

 

数馬「え?お、俺達を知ってんのか?」

 

一夏「ああ…てかお前ら俺達と同じクラスだろ?」

 

鈴「え?そうだった?」

 

一夏「覚えてなかったのかよ……一応自己紹介だ…俺は織斑一夏、隣のコイツは」

 

鈴「凰鈴音(ファン.リンイン)よ……気軽に鈴でいいわ」

 

???「あ、あの…」

 

そこへランドセルを背負ってた女の子が俺と鈴に

 

鈴「お、お兄と数さんを助けてくれて、ありがとうございます!」

 

一夏「お兄?……てことは君は…」

 

蘭「あ、はい!妹の五反田蘭です!」

 

鈴「大丈夫?どこも怪我してない?」

 

蘭「あ、はい!私は平気です!どこも怪我していません!」

 

そう言うと蘭は俺達にオズオズとお礼を言ってきた

 

鈴「そっか、良かったわ…どこにも傷がなくて…」

 

鈴が笑顔でそう言った

 

弾「……」

 

蘭「お兄!どうしたの?」

 

弾「え!?あ…いや」

 

数馬「お前どうした」

 

弾「いやな…か、彼女の戦い方があまりにも綺麗だったからつい魅入ってしまって…」

 

鈴「!」

 

一夏「ブッ…」

 

それに思わず吹き出した

 

一夏「俺、鈴とは毎日のように殴り合いしてるが、こいつの戦い方が綺麗なんて言われたのなんて初めて聞いたぞ……まあ鈴の親父さんも相当の達人だったみたいだし、その才能を引き継いでんだろ…って鈴?」

 

鈴「へ///あ、ううん、なんでもないわ!」

 

ちょっとボーッとしてた

 

……こいつ…まさか…

 

蘭「どっちもかっこよかったです!!」

 

鈴「……かっこいいって言われるの複雑ね」

 

一夏「まあ…男はかっこいい、女はかわいいって呼ばれたいしな…」

 

弾「な、なあ…よかったら今からウチに来ないか?こう見えてウチは定食屋やってんだ。店はボロいが味は保証する。助けてくれた礼にごちそうするからさ」

 

そうして俺達は弾の実家である五反田食堂に足を運んだ

 

その道中色々話した

 

弾と数馬はなんでも小学校からの親友らしく、今日あった不良共にリンチされていたのは、下校途中の蘭を連れて行こうとしてたのをたまたま見てそれを止めようとして捕まりボコボコにされていたようだ

 

しかし小学生の蘭を連れて行こうとするとはロリコンかあいつらは…

 

そして食堂に着いたあと俺達はごちそうになった

 

確かに味は美味かった

特に野菜炒めやカレイの煮付けは美味かった

思わずご飯を6杯もおかわりした

 

その食べっぷりに店主で弾の祖父五反田 厳(ごだんだ げん)さんも驚いていた

 

そしてその日の内に仲良くなった俺達はまた明日も会おうと約束した

 

その帰り道

 

一夏「んー!久しぶりに腹いっぱい食ったなあ」

 

鈴「一夏食べすぎよ」

 

一夏「そういうお前だって5杯も食ったじゃねえか」

 

鈴「うっ…そ、それより…まさかあんな事になるなんてね」

 

一夏「ああ……まさか集団リンチの場に鉢合わせするとはな」

 

鈴「ほんと、どうなるのか分からないわね人生…」

 

一夏「確かに……まさかお前の初恋の場面に立ち会えるなんてな」

 

鈴「ブッ///な///何言っちゃんてんのよ一夏///!?そ///そんなわけないじゃないの///!!」

 

俺の言葉に鈴が物凄く動揺する

 

一夏「そうか?さっき弾に戦い方が綺麗って言われた辺りからお前うわの空だったり調理場で料理を作っている弾を真剣に眺めてたりしてたのにか?」

 

鈴「///!」

 

一夏「いやー…まさか鈴が恋するとはな…それも今日初めて会った相手に」

 

鈴「し///知らないわよ///……なんかさっきから胸がドキドキしてるけど…」

 

一夏「人はそれを恋に落ちたと言う………さっき中学生活が楽しいかどうか言っていたが、これは楽しくなりそうだな」

 

鈴「い///一夏///!!」

 

それに……あいつの方も脈ありと来た

 

顔を真っ赤にして追いかけてくる鈴を尻目に、俺は笑いながら夜道を歩くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

あれからもう3年……意外と速かったな……結局お互いヘタれてなんの進展もなかったが……

 

蘭「あ、あの…」

 

蘭が俺と箒に声をかけてきた

 

蘭「だ…大丈夫なんでしょうか…」

 

心配そうだ…

 

箒「……大丈夫だ」

 

蘭「え?」

 

箒「蘭の兄の事はよく知らないが、鈴なら大丈夫だ」

 

一夏「ああ……鈴も弾も心配ない……なんてったって、俺の親友達だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《鈴視点》

 

あたしの戦い方が綺麗だった……そう言われた事は今までなかった……

 

それについ心が惹かれ…あいつの事をついつい目で追うようになってしまった

 

一夏に指摘されて初めて自覚した

 

これが……誰かを好きになる気持ち……

 

自覚しても緊張して伝えきれなかった

そのたびに一夏にヘタレって呼ばれたわ

事実だから言い返せなかったけどね…

 

それからまもなく、お父さんが癌で離婚の危機に陥ってたけど、一夏がカズマ経由で医者型ヒューマギアを紹介して治療して、どうにか治すことができたわ……けれど安静の為に中国へ帰らなきゃいけなくなった…

 

……本当は…国に戻りたくなかった

 

けど、お父さん達について行ったほうがいい…そう考えてそうした………でも、みんなと離れたくない…

 

そしたら

 

一夏「鈴、向こうに着いたらISの勉強して学園に来いよ」

 

それは、あたしが中国に帰国する前…一夏に言われた事から始まった

 

一夏「まあ俺は見ての通り、ISが使えるから、中学卒業後はIS学園に入学するつもりだ……だから、必ずお前も来いよ……」

 

鈴「!」

 

それは…一夏からの遠回しなメッセージ

 

『必ず帰って来いよ』

 

一夏はあたしに励ましの言葉ではなく、再会の約束をして来た

 

鈴「……うん!あたし、頑張るから!必ずIS学園に来るから!!だから、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またいっぱい、勝負しようね!」

 

そしてあたしは国へ帰った

 

国へ帰った後、あたしはIS学園に入学する為に必要な物を学んだ

 

勉強は苦手でちょっと挫けそうになったけど、一夏との約束…そして、必ず弾に気持ちを伝える為に……あたしは頑張ってきた!

 

そうしていたら、国があたしの実力を買い、中国の代表候補生に任命された

 

……あたしは学園に入る事を目標にしていたからこれは思わぬ誤算だったわ

 

けどまあ、専用機もらえるし給料も出るから悪くは無いんだけどね

 

そしてそれから一年半

 

あたしはやっと日本の地に足を踏むことが出来た

 

最初に思い浮かんだのは、あたしの背中を押してくれた好敵手(しんゆう)の顔……次に思い浮かんだのは友人達や蘭……そして最後は

 

鈴「必ず伝えるから……あたしの気持ち……待ってなさい……弾!」

 

あたしが初めて好きになった男の顔だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《弾視点》

 

あの日…鈴と一と出会ったあの日…あいつらが不良共をぶっ飛ばす様は圧巻だった

 

一は次から次に不良共を沈めた挙げ句、逃げようとしたほかの連中を容赦なく潰していた

 

見ていて思ったが、本気でビビったぞ

 

だが、そのそばで同じく戦ってる鈴は一とは全く違っていた

 

一は荒々しく相手を叩きのめす我流に対して、鈴の方は洗練された動きでその小柄な見た目で相手を一撃で倒している

 

どう見てもやり慣れている

どんなふうにしてたら身に付けるんだあの強さは?←日頃から互いに殴り合いしている

 

…その鈴の戦い方は…見ていて綺麗に感じ、つい目が行ってしまった

 

そして、蘭が怪我がない事を知ると安心したのか笑顔になった

 

強くて優しいな……そして、こいつの笑顔にやられてしまった

 

小学生の頃、笑顔がかわいいって感じた女子は何人も居たが、鈴の笑顔はそれまでの女子の笑顔を吹き飛ばすレベルでとても可愛かった

 

そこから俺はずっと鈴を想い続けた

 

一から俺が鈴のこと好きになったと指摘されたときは驚いたが、俺はそれを否定しながらも鈴はお前が好きなんじゃないかと言ったら

 

一夏「あ、それはないスわ」

 

まさかの秒で否定された

 

なんか迷いもないそれに逆に納得してしまった

 

そしたら一が鈴にさっさと気持ち伝えろと言われたが…振られた時のことを考えて伝えきれずにいた

 

その後、鈴は中国へ帰った

 

俺は気持ちを伝えきれなかったことを後悔した

 

その間一からヘタレ野郎と言われたが事実だからなんとも言えなかった

 

だが中国へ帰る日

 

鈴「弾……あたし、必ず帰ってくるから……そしたら、伝えたいこと、必ず言うから」

 

鈴が、俺に何を伝えたかったのかは分からなかった…だが、鈴は戻ってくる…そう言ったんだ

 

だから

 

弾「ああ…必ず帰って来い……それと…俺もお前に言いたいことがある…だから、また会おうな!」

 

そう返した

 

鈴は驚いた顔をしたがやがて

 

鈴「うん!また会おうね!!」

 

笑顔で日本を去って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今

 

弾「鈴…俺さ…ずっとお前に言いたかった事があった」

 

鈴「うん…」

 

鈴は少し頬を赤くしながら返事を返した

 

弾「俺、あんま気の利いた言葉とか言い回しとかできねえ……だから、シンプルにはっきり言うぞ……鈴、俺は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前が好きだ」

 

鈴「ッー!!」

 

弾「初めて会ったあの日のお前の戦い方……とても綺麗で目が行ってしまった…けれど、その後のお前の優しい笑顔で心を持ってかれた…」

 

鈴「……」

 

弾「俺は…決して強くなんかない、腕っぷしもお前より弱い。それにお前は代表候補生……いつの間にか遠い存在になってしまった……だが、それでも俺は……お前が好きだ」

 

鈴「……」

 

弾「悪いな…こんなに遅くなって……変にヘタレてずっと言えずじまいだった………鈴?」

 

俺は鈴の方を向くと鈴はうつむいていた

 

鈴「……今日あたしは…自分の気持ちを伝える為に…来たの……ずっと心に抱いていた想いを……けど…先に言われちゃったわ…」

 

弾「!鈴…!」

 

その瞬間、鈴は俺を抱きしめ、胸に顔をうずめてきた

 

鈴「あたしも…弾の事が大好きよ!本当はあたしの方から言いたかったのに……今は、アンタに想われていた事が分かって凄く嬉しくて、幸せが止まらないわ!///」

 

そう言い俺を抱きしめる腕に力がこもった

 

……そうか…俺達…両想いだったのか…

 

弾「鈴……一度しか言わねえからよく聞いてくれ……俺を…お前の……彼氏にして欲しい」

 

俺がそう言うと胸に顔を埋めて頬を赤らめた鈴は少しだけ顔を出し…

 

鈴「うん///あたしの方こそ///弾の彼女にして欲しいわ///」

 

弾「!ああ!!」

 

そして、俺と鈴は互いを見つめ合いそして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーン!!

 

互いの唇が触れ合った瞬間、まるで待っていたかのように花火が打ち上げられた

 

パシャ!

 

弾/鈴「「え?」」

 

が、その直後明らかに花火ではない別の音がなってその方向に目を向けると

 

一夏「やべ、勘付かれた逃げろ!」

 

箒「あ、待て一夏!」

 

どこかで聞いた事のある奴の声と知らない声が聞こえた

 

鈴「なっ///!い///一夏に箒!?///」

 

弾「はあ!?」

 

箒って確か一の彼女の名前で……というか見られてたのか俺ら///

 

蘭「あ、あははは」

 

すると茂みからうちの妹が出てきた

 

鈴「ら///蘭…」

 

蘭「やっと互いに本当の気持ち伝えられたね………」

 

蘭は笑顔で俺達に近づき

 

蘭「おめでと、お兄、鈴姉!」

 

そうにこやかに言われた

 

蘭「本当、お互い両想いなのにいつまで経っても告白しないから見ててヤキモキしてたのよ?」

 

鈴「え?じ、じゃあ蘭は弾があたしの事好きって…」

 

蘭「当然知ってたわ。それとお兄、鈴姉がお兄の事好きなのも知ってた」

 

弾「はあ!?」

 

な、なんだ…妹には全て筒抜けだったわけか…

 

蘭「あ、ちなみに一夏さんは特に知ってたわ。何度もふたりが告白するムード作る為にわざとふたりっきりにさせたり裏で色々手を回してたりもね」

 

弾/鈴「!?」

 

《弾と鈴視点》

 

マジかよ……じゃあみんなで集まる時わざとお前や数が居なかったのも

 

あたし達が告白するよう駆り立てたのも

 

弾/鈴「「全部お前(アンタ)が関わってたの(いちかあああああ!!)か!いちぃぃぃぃ!!」」

 

 




本当に遅くなりました。次回はもっと速く投稿します。


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第29.5話【後日】ある男女の恋の決着を!


ちょっと投稿したくても入れ切れなかった物のショートストーリーです。

結構短めです。


 

《一夏視点》

 

一夏「〜〜しゃあー!!」

 

弾達から逃げた俺と箒は祭りの会場から少し離れた林に居る

 

一夏「よっしゃあー!!ついにだ!ついにあのヘタレ共がようやくくっついた!!これで3年間のモヤモヤとおさらば出来るぜー!!超スッキリするぜー!!今!俺の気分はー!最っ高にハイってヤツだー!!

 

そう言いながら嬉しさのあまり林の木々を手を使わず足で蹴って飛んで回っている

 

箒「いや嬉しさでそんな人間離れした動きをするな!!」

 

一夏「何いってんだ箒ー!!あのふたりはな?お互いに好きなのにへたれて全く気持ちを伝えてこなかったんだぞ?どっちかが告白すれば晴れて付き合えると言うのにー!!んであのふたりをよく知る俺や数に蘭にカズマ達も内心ずっとモヤモヤしてたんだぜー!!さながら良い所でドラマが終わって次回が気になる主婦や好物を目の前にお預けをくらった犬に匹敵する位のもどかしさだなー!!」

 

箒「言いたい事はわかるがとりあえず落ち着け…」

 

木の上から降りて箒の隣に立った

 

一夏「それにしても……良い写真が取れたなあー」

 

俺はそう言うと携帯を取り出してさっき撮った鈴と弾のキスシーンを眺めた

 

箒「あまり撮るべき物ではないと思うのだが?」

 

一夏「まあそう言うな、ちょっとした記念だ……まさか今日だけで2枚も良いのが撮れるなんてな」

 

箒「2枚だと?」

 

一夏「これ」

 

箒「!?」

 

俺は携帯を箒に見せた

 

そこに写っていたのは、さっき神社で舞いを踊っていた箒の姿だった

 

箒「な///!?お///お前なんてもの撮っているのだ!?///」

 

一夏「俺が良いと思った物だから撮っただけだ」

 

箒「え?」

 

一夏「この舞っている時のお前、幻想的で中々美しく感じたぞ……正直見惚れてた」

 

箒「!///」

 

それを聞いて箒が顔を赤くしてうつむいた

 

一夏「なんだ?俺がそんなにはっきり言うことがおかしいか?俺は綺麗なものには綺麗っていうし、美味いものには美味いってはっきり言う性格だ」

 

箒「も///もういい///」

 

更に顔を赤くする箒

 

箒「と、所で一夏…」

 

だが落ち着いたのか俺に話しかけてきた

 

箒「お、お前は私の好意にも気づく位敏感な奴だな?」

 

一夏「だから?」

 

箒「そ、それはつまり…今日会ったあの蘭は」

 

一夏「俺に好意を抱いている事も知っている」

 

箒「!」

 

一夏「……中学二年の、時…あいつに告白された事がある……けど…俺は年上と年下は守備範囲外って言って振った…」

 

箒「そ…そうなのか…」

 

それに安心した様子を見せる

 

ああそうだ、俺と付き合う前に言っておかないといけなかったことがあったな

 

一夏「なあ箒…」

 

箒「な、なんだ…?」

 

一夏「自分で言うのもなんだが、俺ってかなり面倒な奴だ…それに、一緒に居るやつ誰これ巻き込む事なんてしょっちゅうしてる……俺と付き合うっていうのは、そういうことが特にのしかかって来るって事だ……だからさ」

 

俺は箒の方を向き

 

一夏「俺と付き合うことが疲れる、大変と感じたら…いつでも別れろよ」

 

箒「!」

 

それに箒は驚いた表情になったがやがて

 

箒「……そうか……だが……お前と付き合うことが大変なのは分かった上で付き合いたいと私は思った……それに、お前がどんなに面倒な奴だろうと、色々な事に巻き込まれようと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が一夏を嫌いになる事は決してない!」

 

そう強く言ってきた

 

一夏「!」

 

はっきり言ってきたこいつに俺は驚いたが

 

一夏「……言うねぇ…」

 

ニヤッと笑みを浮かべた

 

ド───ン!!

 

一夏「また花火か」

 

箒「ああ…さっきまでの花火はわずかな時間だったがこれは本命か」

 

さっきの弾と鈴の時の花火はわずか10発程度で終わったが、この花火はさっきまでのと違い何十発、いや何百発も打ち上がっている

 

一夏「所で知ってるか箒、自分の好きな奴と花火を一緒に見ると恋の運気が高まるらしいぞ」

 

箒「///!?」

 

俺がボソッとそう言うと箒が頬を赤くしながら俺の方を見てきた

 

それがおかしくてまた俺が笑うと『一夏!』と赤くしながら怒鳴ってきた

 

そして…この終わらない…鳴り止まない花火をふたりで見続けたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《カズマ視点》

 

カズマ「んー…いい眺めだな」

 

アクア「そうね……高い所から見る花火は良いわね」

 

神社から少し離れた鉄塔の上から俺とアクアは祭りの花火を眺めていた

 

アクア「それにしても……まさかあのふたりがねえ…」

 

カズマ「ああ…一夏達と離れた所で鈴と弾の告白プラスラブシーンを見れるとは、今日はいい日だ」

 

そう、実は俺とアクアは鈴と弾がふたりで祭りを回っていたのを遠くから見て、その後の告白の場面まで隠れて見ていた

 

カズマ「………今年も…こうしてふたりで花火を見れたな…」

 

アクア「……そうね……」

 

俺が感慨深く言うとアクアがうなずいた

 

アクア「カズマも命がけで戦っているから…もしかしたら…って思っていたから毎年こうして何かを一緒に見れたり過ごす事ができるのが…とても有り難くて大事なのよね…」

 

少し不安そうにアクアが言う

 

カズマ「アクア、俺は死なねえよ……だから変に心配するな、また来年もこうして花火を見るぞ……次はめぐみんやダクネス達ともな」

 

そんなアクアに来年の事を言うと

 

アクア「カズマ………そうね、…うん、来年もまた一緒に見ようね!!」

 

笑顔で答えてくれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

鈴「いちかあああああああー!!」

 

翌日、俺は学園で突然走り込みからのドロップキックをしてきた鈴を避けた

 

一夏「びっくりしたなあ…どうした突然」

 

鈴「どうしたじゃないでしょうがー!!アンタバラしたわねー!!あたしと弾の事をー!!」

 

そう、学園に戻った俺は鈴の告白が上手く行ったことを鈴の所属クラスの2組の生徒に言い、更に食堂のおばさんに無理言って今日のメニューに赤飯を入れるようにお願いした

 

食堂のおばさん達はノリノリで作ってくれた

 

鈴「おかげであたしのクラスメイト達から祝福の声が掛かるしなんか他の先生たちからもおめでとうっていわれたじゃないのよー!!」

 

一夏「いい事じゃないか」

 

そう言いながら赤飯を食べる俺

 

鈴「良くないわよー!!それより昨日あたしと弾のキスシーン撮ったでしょ!消しなさいー!!」

 

一夏「ええ嫌だな、せっかく3年かけてようやく実ったお前達の愛のシーンを撮れたってのに簡単に消すわけにいくかよ」

 

鈴「ねえ、もしかしてあたしや弾がヘタれて全く関係が進展しなかった事を根に持ってない?」

 

一夏「ハハハ、おかしなことを言いますね凰鈴音(ファン・リンイン)さん?この俺がそのような事で根に持つと思いますでしょうか?」

 

鈴「その慣れない紳士みたいな言い方してる時点で根に持ってる事がわかるわよー!」

 

そう言い鈴が俺を捕まえようとしてきたので俺は窓から飛び降りて逃げるとそれを鈴も窓から飛び降りて追いかけだした

 

カズマ「うーん、平和だなあ…」←赤飯パクパク

 

アクア「そうねー…」←赤飯パクパク

 

箒「このふたり感性が麻痺してるな…」←赤飯パクパク



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第30話 安息の日々

《箒視点》

 

その日、先日晴れて五反田弾と恋人同士になる事ができた鈴と私は一夏の家の前に来たのだが…

 

箒「鈴…一ついいか?」

 

鈴「なに箒?」

 

箒「私が最後に一夏の家に来たのは転校する前の小学四年生までだったのだが、私の記憶違いじゃなければ……何か…違和感を感じるのだが?」

 

鈴「奇遇ね……中学2年の時、国に帰る前のあたしも何度も来たけど、その時に存在してなかった物があるわね」

 

何年ぶりに見る一夏の家、それに感じる違和感とは…

 

箒/鈴「「…増えてる……」」

 

そう、久しぶりに見る一夏の家にはかつて私が来たときに存在しなかった白い建造物が存在し家と繋がっていた。更によく見ると一夏の家の敷地面積が全体的に大きくなっているように見える

 

箒「ど、どうするべきだ?」

 

この違和感しかない家を前にどうしようかたじろぐ私を尻目に

 

鈴「…とりあえずインターホン鳴らすわ」

 

インターホンを押す鈴

 

少しすると

 

一夏『欢迎(いらっしゃいませ)!』

 

鈴「わざわざ中国語で出迎えなくていいから一夏」

 

インターホンの奥で何故か中国語で挨拶してきた一夏に呆れた様子の鈴

 

一夏『冗談冗談、ふたりともよく来たな』

 

鈴「色々聞きたいことはあるけど、取りあえず家に入れてくれない?」

 

一夏『鍵は開いてるから勝手に入れ』

 

そう言われたので私と鈴は家の中に入った

 

内装はそんなに変わっていないなと思いつつも家の中を進み続けると居間に付き

 

一夏「ようふたりとも」

 

そこで一夏が本を読んでいた

 

本を見ると今話題の恋愛モノの小説だった

 

一夏「俺がこれを読んでることに不思議そうだな箒?」

 

鈴「箒、言っておくけど一夏が見る小説や漫画にアニメ、映画のジャンルの一つは恋愛モノよ」

 

一夏「ちなみに好きな恋愛ジャンルは純愛モノだな」

 

なんというか……日頃滅茶苦茶にやっている一夏の意外な一面を見れた気がした

だがよく考えてみれば一夏は鈴と弾の恋愛事情に関してかなり乗り気だったな

 

鈴「そういえば聞きたかったんだけど、なんかこの家、広くなってない?」

 

箒「あ、それは私も思ったぞ…それと外にあった建物とくっついているがあれはなんだ?」

 

私達の質問に一夏はニヤッとなると

 

一夏「ま、それは歩きながら話すか」

 

そう言うと一夏は私達に着いてくるよう言い、居間を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから家の外にあった白い建物と家が繋がっている通路を歩き、白い建物の中まで来ると一夏が近くの机にあるチェス盤上のキングとクイーンとビショップとナイトの駒をそれぞれ特定の場所に移動させると

 

ドドドドド

 

机が動き出し、机の下から階段が現れた

 

これには私は驚いたが鈴は目を輝かせて喜んでいた

 

……そういえばカズマが仮面ライダーになった時もカッコいいと喜んでいたな

 

こんな仕掛けを施されていた事に対し一夏に『これはどうしたのか』と言うと一夏はただ一言

 

一夏「遊び心だ」

 

そう告げた

 

そして階段を降りながらも私達にこの建物や家の事を話した

 

なんとこの建物や家が広くなったのも全て一夏の自腹でやった事のようだ

なんでも一夏の家の隣が誰も住んでいない空き家だった為、一夏が自分のポケットマネーを使って家と土地を買い取り、そこを自分の家の一部にしたそうだ

 

しかもそれだけで飽き足らず、その空き家をこの白い建物に改装し、こんな地下室まで作ったそうだ

 

というかこれだけの事をするのに一体いくら掛かったのか、そちらのほうが気になる

 

その疑問に一夏は

 

一夏「ああ、俺何度も女尊男卑思想の女に喧嘩売られて裁判して慰謝料ぶん取ったり、A.I.M.S.で任務成功報酬やら毎月の給料やら春夏冬のボーナスやらで貯蓄が有り余るほど持ってたからな」

 

箒「いや待て!?最初のはともかく春夏冬のボーナスだと!?」

 

一夏「ああ、前にも言ったようにA.I.M.S.って勤務内容はブラックだが給料は高いんだよ。それとA.I.M.S.は年に3回のボーナス支給と殲滅や制圧を専門にしている俺のいる部隊は任務の成功報酬も渡されたりするし、昇給制だから毎回給料が上がるわけ。それとこの間の銀の福音の騒動後に社長が脅して集めた報酬と口止め料と慰謝料を俺にも渡してくれたしな」

 

鈴「うわ、前にも聞いたけど改めて聞くと支払われる金銭面は凄く充実してるわね」

 

一夏「ただ俺達は命がけの仕事も多いからその分高いんだよ。ちなみに大きな負傷をした時には危険手当も出してくれるから割と待遇は悪くはないな……仕事内容は厳しいが」

 

そうしみじみに言う一夏を見て、遊び心で作ったと言うさっきの仕掛けもこの建物も全て、一夏が無理してきた結果で出来たものだと、改めて凄いと感じた

 

階段を降り、地下を進んでいくと倉庫や空き部屋に武器部屋もあった……武器部屋は気になるがそれはまた後でに…

 

一夏「着いた着いた」

 

そして奥へと進むと大きな空間に出た

辺りの壁は真っ白で凄い広さだった

 

一夏「ここは俺の訓練用に作った部屋だ。ここでよくISを動かしたりバルカンになったりして鍛えてるわけだ。多少の攻撃じゃビクともしないくらい頑丈に出来ている。ちなみにここは俺の為に社長が自腹で作ってくれたものだ」

 

箒「まさか家の地下にこんなものがあるとは…」

 

鈴「お金の使い方が豪快ね…」

 

この空間に私と鈴が圧巻していると一夏の電話が鳴り取り出して電話の相手と話しだした

 

一夏「ああ、分かった。鍵は開いてるから勝手に家に入れてくれ、カズマ」

 

そう言い携帯を戻す

 

箒「今のはカズマか?」

 

一夏「ああ、ここへ来るついでに里帰りしてたシャルとラウラを空港まで迎えに行ってたから今家にカズマとアクアとシャルとラウラが来てる。後でめぐみんとダクネスとセシリアも来るって話になってるから大勢集まるぞ。んじゃあ戻るか」

 

こうして私達は家に戻る為に地上へ出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレベーターで

 

箒/鈴「「え!?階段から戻らないの!?」」

 

一夏「こっちのほうが速いんでね」

 

箒/鈴「「あんな手の込んだ仕掛けを作った意味は…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《一夏視点》

 

鈴「おかえりシャル、ラウラ」

 

シャルロット「ただいまーみんなー!」

 

居間に入るとシャルとラウラとカズマとアクアが待っていた

 

カズマ「よっ、お邪魔してるぞ」

 

箒「ふたりは国へ里帰りして来たんだったな?」

 

ラウラ「うむ、私の部隊の皆へたくさん土産と土産話を持っていってとても喜ばれたぞ。それとこれは土産だ」

 

シャルロット「僕からもお土産」

 

そう言うとふたりは土産を渡してきた

 

一夏「どうだったかシャル?」

 

シャルロット「うん、お父さんとお義母さんとたくさん話してきた……一緒にお母さんの墓参りにも行ってきた……後ね…一緒に遊園地にも行ってきたよ!」

 

話をするシャルの様子はどこか楽しそうだった

 

一夏「……そうか…」

 

箒「それでシャルロットは…今後どうするつもりか?」

 

鈴「そうね、確かデュノア社は初代社長の血を引いている人しか社長になれないんでしょ?」

 

カズマ「んで?結局どうするのか?将来的に社長になるか?」

 

シャルロット「うーん…まだよく分からないけど……ゆくゆくは、って思ってるよ」

 

アクア「ちょっとみんな!せっかく夏休みにみんなして集まってきたのにそんな将来の話なんてするんじゃないわよ」

 

シャルの今後を話してるとアクアに止められた

 

『ピンポーン』

 

一夏「お、チャイムか…多分あいつらだな」

 

カズマ「なら俺が出迎えてくる」

 

そう言いカズマが玄関まで迎えに行った

 

シャルロット「他にセシリア達も来るんだよね?」

 

一夏「まあな、それと何名かお前らに内緒で呼んだのもいるぞ」

 

鈴「内緒?」

 

少しするとカズマが何名か連れて戻ってきた

 

セシリア「こんにちは皆さん」

 

めぐみん「お邪魔します一夏」

 

ダクネス「ふたりともおかえり」

 

そこにはセシリアとめぐみんにダクネス…それと

 

弾「お邪魔するぜ」

 

蘭「お、お邪魔します」

 

数馬「お、話には聞いていたが…大勢集まったな」

 

簪「お、お邪魔します」

 

鈴「だ、弾、それに蘭に数……そして簪まで!?」

 

俺がついでに呼んだ弾達も入って来た

 

一夏「んじゃあ、簪と蘭はみんな知ってるだろうし、弾達を知らない奴の為に自己紹介…かな」

 

弾「あー、この中で自己紹介したことないのは一の彼女さんくらいだな……一から色々聞いて入ると思うが、五反田弾だ……後知ってるとは思うが妹の蘭だ」

 

蘭「あははは、改めてよろしくです」

 

数馬「俺は御手洗数馬……まあ他の奴からは数って呼ばれているから、できればそう呼んでくれ」

 

軽く自己紹介をする面々…

 

鈴「簪って弾達とも友達だったんだ」

 

簪「う、うん……中学3年生の時に私のIS関連で一夏と友達になって、そこから数達とも交流を持つようになって」

 

蘭「今にして思うと一夏さんって、結構有名人達と縁があるなあって思っちゃいますよ」

 

弾「確かに、後の中国代表候補生、飛電インテリジェンスの社長とZAIA日本支部の社長、日本代表候補生」

 

数馬「ISの生みの親、篠ノ之博士と知り合いでその妹さんと幼なじみ、そしてIS学園一年の代表候補生一同」

 

アクア「確かに…日頃考えてなかったけど……普通に暮らしてたら縁のない人達とこうして普通に会って話をしてるわね」

 

まあ、確かにそうかもな…

 

シャルロット「所で鈴と弾君ってお付き合いしてるんだよね?」

 

鈴「う///うん///まあね///」

 

ラウラ「ここへ来る前に兄さんが写真を送ってきたぞ」

 

鈴「一夏!?あの写真ラウラに送ったの!?」

 

弾「おい待て!あの写真ってなんだ?」

 

一夏「ああ、別に大した事ないな、ただのお前らのキスシーンを写しただけだ」

 

弾「消せ!そんな写真!!」

 

鈴「無駄よ弾。一夏のことだからバックアップを取ってるはずだから」

 

一夏「よく分かってるな、あの写真は俺の撮った写真の中でもお気に入りの一つに加えてるから簡単に消せないようにしてんだよ」

 

弾「ああクソ!お前中学の頃からそういうとこあるよなあ!」

 

セシリア「……容易に想像できますわね……中学校時代の一夏さんのこと」

 

数馬「まあいいじゃねえか弾。一のことだから悪用するような事はしないだろうよ」

 

めぐみん「所で皆さん、今日なんの目的で集まったのか忘れてませんか?」

 

ダクネス「そうだ、今日はみんなして片付けるべき物を片付けるのだろう?」

 

そう、今日集まったのは他でもない

夏休みの宿題や仕事の書類を片付ける為だ

 

別にそれだったらそれぞれが自分の部屋でやっても良かったのだがせっかくの夏休み、気分転換やモチベーションアップの為に少しやり方を変えようか考えてたらカズマに言われて俺の家で集まって勉強会(会社組(カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス)は書類)をする事にした

 

この中で唯一の中学生の蘭も宿題を片付ける事と、本人がIS学園を受験しようか考えてるらしいので、現役学生の俺達と相談する意味で誘った

 

IS学園の宿題は多いが、成績上位者達はそんなに苦もなく終わらせられる物ばかりだ

 

会社組は仕事に支障を出さない為に速めに終わらせたみたいだ

まあ……アクアの場合はカズマが付きっきりで教えて終わらせたらしいが…

 

そこからはそれぞれの学校での話やら好きな物の話をしながら宿題を進めて行った

 

分からないものがあっても海外組以外が教えあって問題を解いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カズマ「ほらよ、沢山出来たから…ジャンジャン食えよ」

 

ラウラ「美味いぞ!このフリッター!」

 

箒「ラウラ、それは串カツと言うものだ」

 

鈴「色んなものを揚げて衣を纏わせたものよ。今ラウラが食べてるのは牛肉を揚げた奴よ」

 

勉強会を進めてしばらく経ち、ラウラの腹がなったのを聞きそろそろ昼飯の時間になった事に気づき……俺は前もって一夏に買っておくよう言った昼飯の材料を使い、串カツを作った

 

なぜ串カツなのかというと

 

ただ食べたかっただけです。はい

 

まあどうせだからセシリア達に食べた事のない日本の料理を食べさせたかったってのもあるけどな

 

シャルロット「ん、この玉葱…揚げたら味が甘くなっててびっくり!」

 

セシリア「ええ!それにこのウズラの卵を揚げたもの、とても美味しいですわ!」

 

とうやら海外勢からの評価は高いようだな

 

簪「レンコン入りはいつ食べてもおいしい」  

 

箒「む、これはキス入りか」

 

鈴「あ、これカニ入りでしょ!」

 

蟹入りを食べた鈴が俺に聞いてきた

 

カズマ「ああ…一夏の奴…マジで色んなの買ってきたみたいだな」

 

アクア「う〜ん、サクサクの衣に海老のプリプリした食感がベストマッチしちゃってる!!」

 

めぐみん「あ、銀杏入りですか」

 

ダクネス「こっちは豚肉だ」

 

弾「なんか悪いな、こんなにご馳走になっちまって」

 

蘭「そうねお兄、私達も何か持って来たほうが良かったわ」

 

数「あいつがそんなの気にする奴に見えるか?」

 

一夏「ああ、今日のこれは俺主催のちょっとした親睦会みたいなものだ、遠慮するな」

 

と、茄子入りを口にしながら一夏は弾達に言う

 

セシリア「あ、ここへ来る前に美味しいと話題のデザート専門店のケーキを沢山買ってきましたので、食後のデザートに是非お召し上がりになって下さい」

 

一夏「ああ、さっきめぐみんが冷蔵庫に入れたアレか。アレ『リップ・トリック』のケーキだろ。何度も食ってるから俺もオススメするぞ……たしかシェフが国際大会で受賞経験のある菓子職人だったはずだ」

 

鈴「流石は甘党…詳しいわね」

 

そう、一夏は大食漢であると同時に甘党でもある

 

学園でもスイーツ特集の雑誌を読んでいて女子生徒とスイーツの話で盛り上がってたのを見たことがある

 

後新作のスイーツが発売されると買いに行く位甘いのが好きだ

 

……女子とスイーツの話で盛り上がる男子高校生って珍しく感じるのは俺だけではないはずだ

 

そして串カツを食い終え、デザートも食べ終えた俺達は再びそれぞれの作業に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時刻が夕方の4時を過ぎた頃、そろそろ勉強会を終えようとした所、この家のもう一人の住人が帰ってきた

 

千冬「なんだ、賑やかだと思ったらこんな大勢で来ていたのか」

 

織斑千冬、そのひとである

 

一夏以外の全員「「「「「お邪魔してます」」」」」

 

一夏「これはこれは、たまにしか家に帰ってこない非行姉が帰ってきたか」

 

千冬「非行言うな、わかってて言っているだろ」

 

織斑さんは一夏をひと睨みしながら言ったが一夏はそれに全く臆することなくため息ついた

 

セシリア「お、織斑先生がいますわ」

 

鈴「いや一夏と千冬さんは家族だから居てもおかしくないでしょ」

 

千冬「お前達、私は仕事で帰ってこないが後は好きにしろ。ただし、女子は泊まるんじゃないぞ」

 

そう言いまた家から出て行った

 

一夏「ふう、やっと居なくなったか。たく、あんな周りを威圧するような態度取るから今だに彼氏居ない歴=年齢なんだよ」

 

セシリア/シャルロット/蘭/簪「「「「「ゴフッ!」」」」」←彼氏居ない歴=年齢の方々

 

箒「思わぬ所へ誤射したぞ一夏!」←一応彼氏居る人

 

鈴「あたしも数日前まで向こう側だったわね」←先日彼氏が出来た人

 

ラウラ「そんなにダメージがあるものなのか?」←よくわからないからダメージがない人

 

アクア「人それぞれよ」←彼氏が居ないのを特に気にしてない人

 

めぐみん「まあ告白とかされたことないですけど」←少し気にしてる人

 

ダクネス「あまり考えたことはないな」←そんなに気にしてない人

 

カズマ「そうだ…ちょっと早いがもう夕食にしようか」

 

俺はそういうと持ってきたクーラーボックスを出した

 

数馬「え?もうか?」

 

弾「何作るつもりか?」

 

カズマ「ふっふふふ…今日の日の為に、バーベキューの食材を沢山買ってきたぞ!!」

 

クーラーボックスを開けると、中から大量の肉と野菜が出てきた

 

ラウラ「バーベキューか、なら私に任せろ!!軍にいた頃私の部隊の者達と何度もやったぞ!」

 

そう言うとラウラは軍用ナイフを取り出してやる気を見せてきた

 

一夏「あ、だがジュース類がないな…」

 

簪「そ、それなら私が買ってくるから、カズマ達は準備を始めておいて」

 

数馬「待て、一人で大勢のジュース運ぶのは大変だろ…俺も行くよ簪」

 

簪「あ///うん///ありがとう///数」

 

その後、俺達はジュースを片手に焼き上がった肉や野菜を美味しく食べ、この日をエンジョイした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《???視点》

 

???「うーん!久しぶりの日本はいいね!」

 

???「気を抜くな、我々がここへ帰ってきた目的を忘れるな」

 

???「分かってるって………まずは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛電に行って(イカヅチ)と合流しようか(ホロビ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

鈴「ちょっと一夏!アレってどういうことよ!!」

 

一夏「なんのことだ?」

 

鈴「とぼけないで!!簪の数に対するあの態度!アレって恋する乙女の態度よ!!最近のあたしよ」

 

一夏「気づいたか……確かに簪は数の事が好きで、数も数で簪が好きだがそれは?」

 

鈴「いや一夏!あたしと弾の時は無理矢理でもふたりっきりしようとしたりしたのに、あのふたりに対しては特に何もしないのはどうしてよ!」

 

一夏「ははは、当然だろ?押してやらなきゃ動かないお前らヘタレ共と違ってあのふたりは自分から進んで行動してんだ。今でも休みの日はお互い誘って遊びに行ってるくらいだ。あのふたりは何も手伝わなくても勝手にくっついてくれるさ」

 

鈴「うっっ…」←正論過ぎて言い返せない



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第31話 新学期のはじまり

最近リリースされたアプリ、グランサガにハマってます。

それと3週間前ですがオーズの10周年記念Vシネクスの制作発表を受けて舞い上がりました。


《カズマ視点》

 

鈴「でやあああああ!!」

 

夏休み明けの二学期初の実戦訓練は2組との合同で始まった

 

クラス代表同士ということで始まったバトルは最初は鈴の善戦だったが

 

ゼロワン「ふん!」

 

徐々に動きに慣れてきた俺が圧倒し始めた

 

ファイヤー!

 

俺は衝撃砲を放ってくる鈴を避けながらスカーレット色のプログライズキーを取り出して

 

オーソライズ!

 

ドライバーにかざすとゼアから炎を纏ったトラのライダーモデルが送られ、それが鈴に襲いかかる

 

鈴「ぐぅ!」

 

ライダーモデルに押されて鈴が仰け反っだ

 

プログライズ!

 

 

俺はプログライズキーを挿し込んだ

 

 

Gigant flare!フレイミングタイガー!

 

"Explosive power of 100 bombs."

 

するとライダーモデルが俺に纏い、ゼロワンの亜種フォーム、フレイミングタイガーになった

 

鈴「ゲッ!?変わった!」

 

ゼロワン「さーて、ここからは俺のターンだ」

 

そう言い俺は両手から炎を射出しながらISに乗る鈴に飛びかかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方反対側では

 

箒「うあぁぁぁぁ…」

 

セシリア「うぅぅぅぅ…」

 

シャルロット「い、痛いよおぉぉぉ…」

 

一組生徒たち「「「あああぁぁぁぁ…」」」

 

一夏「どうした?まだまだ俺のターン(いじめ)は終わってねえぞ?」

 

一夏による蹂躪が行われていた

 

ちなみにラウラとアクアは他の生徒達に指導にまわっていた為事なきを得た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《一夏視点》

 

一夏「ああ楽しかった♪」

 

実戦訓練が終わり、俺は上機嫌のまま男子専用のロッカールームで着替えをしていた

 

よく他の奴らからドSとかサディストとか人の悲鳴と苦痛が好物の悪魔とか言われるが最近じゃそれも受け入れている現状だ

 

さーて、速く教室に戻らなきゃ遅刻するな

 

そう思い俺はロッカールームから出ようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「ッ!」

 

その瞬間背後から誰かの気配を感じ俺は後ろに蹴りを入れた

 

が、気配の主は俺の不意の蹴りを避けるとロッカールームにあるベンチに飛び乗った

 

???「びっくりした~、急に蹴りなんか飛ばしちゃって、私が一般生徒だったら大怪我してたよ?」

 

その気配の主は余裕のある、イタズラっぽい笑みを浮かべた二年生(制服に付けたリボンの色で学年がわかる)だった

そしてどこからか出した扇子を口元に持っていく

 

一夏「アホ抜かせ、ただの一般生徒が気配隠して俺の背後にまわれるかよ」

 

そう、この女はまるで暗殺者のように気配を隠して俺に接近してきた

 

いくら学園内で気が緩んでいたとはいえ俺が直前まで気付けなかった時点で目の前の女が只者ではないことがわかる

 

いやまあ、この女が何者なのかは知っているが

 

一夏「それで……更識(さらしき)家の現当主様が俺に一体何のようだ?」

 

???「!」

 

俺の言葉を聞き目の前の女が驚いたような表情へと変わった

 

 

更識家

それは、裏工作を実行する暗部に対する対暗部用暗部の一族であり、古くから日本の影に潜んでいる

現在更識家の当主は17代目であり、当主となった者は代々楯無(たてなし)の名を襲名される

 

 

楯無「驚いた…そこまで知っていたのね、流石はA.I.M.S.現バルカン隊隊長、織斑一夏君」

 

一夏「俺の事知ってんのか……まあ、知ってて当然か。更識家の者としていや、IS学園生徒会の会長としてな?」

 

楯無「ふーん、私忙しくてまだ生徒達に自己紹介して無いけど」

 

一夏「生憎この学園に入学する際に学園内の注意すべき者達の情報は頭に叩き込んでんだよ……無論アンタ含めてな会長さん」

 

楯無「フフッ…君とはもっと話がしたいけど、そろそろ教室に戻らないと織斑先生に怒られるよ?」

 

壁の時計を見るとまもなく授業が始まりそうだ

 

一夏「いっけね、このままじゃ遅刻するな」

 

そう言い俺はロッカールームの窓を開けるとそのまま上までよじ登ろうとした

 

楯無「いや待って!?君登って教室に入ろうとしてない?仮にも生徒会長の私を目の前に」

 

一夏「なんだ?この事をウチの担任に報告するのか?別に良いがその場合俺の着替えシーンを覗いたことをバラすが?」

 

楯無「うっ…」

 

一夏「お互い何も見なかった……それでいいな?」

 

そう言い俺は壁をよじ登りだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「で、何か言うことは?」

 

俺はさっきまで撃ったショットライザーを向けながら睨むように言った

 

教室に戻った俺は何事もなく席に座り授業を終え、放課後のホームルームで、今月ある学園祭にクラスごとの出し物を話し合っていた

 

本来ならクラス代表であるカズマが意見をまとめなきゃいけないのだが、午後の授業中突然会社に行かなきゃ行けない用事ができ、アクアと一緒に早退した為代表代理の俺が代わりに意見をまとめているのだが

 

箒/セシリア/シャルロット/ラウラ/本音以外の一組女子「「「す、すみませんでしたー!!」」」

 

まとめた意見が『織斑一夏とホストクラブ』に『佐藤和真とツイスター』に『織斑一夏とポッキーゲーム』に『織斑一夏と佐藤和真との王様ゲーム』挙げ句に『カズマ×一夏のBL本販売』と言った内容だ

 

最後の言った奴にはショットライザーの威嚇射撃をした

 

一夏「お前ら、一応彼女持ちの俺に向かってなんて内容出してんだ。お前らのせいで見ろ箒の奴、今言った意見が通って出し物を俺としている妄想にふけってるからな」

 

箒「はっ!?」

 

俺に言われさっきまでだらしない表情を浮かべていた箒が我に返った

 

どうしようか俺が考えていると、携帯から会社にいるカズマからメールが届いた

 

実はこの話し合いが始まる前、俺は経営者であるカズマに話し合いの内容を簡単にまとめたメールと何かアイディアがないのか送った

 

届いたメールの内容を読むと

 

一夏「メイド喫茶か……確かに飲食店は経費の回収が行えるし、招待券で外部から誘うこともできるから休憩場としての需要もある…それにアクアの客寄せも使える……イケるなこれ」

 

社長の意見が使えそうだと思った俺はクラスの全員に社長の意見を話した

 

するとまわりもその意見に賛成しだし、この意見が通った

 

「なら織斑君と佐藤君は執事担当だね」

 

箒「い、一夏の執事姿だと///」

 

セシリア「ですが、執事が2名なのは少なくありませんか?せめて執事は3人ほど必要だと思いますわ」

 

箒がまた妄想するなかセシリアが執事の少なさに対しての意見を言った

 

一夏「え?何言ってんだセシリア。ちゃんと3人いるじゃねえか」

 

セシリア「あ…」←何かを察した

 

本音「3人?他に誰がいるのおりむー?」

 

一夏「やだなー本音、忘れたか?ウチのクラスには俺とカズマ…そして幻の3人目の男子生徒、シャルルがいるじゃないか」

 

シャルロット「!?」

 

その後話は進んでいき、俺達のクラスはメイド喫茶をする事となった

 

ちなみに終始シャルが何か言っていたが俺達は全員無視した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楯無「やあ!また会ったね」

 

一夏「まーたアンタか」

 

楯無「そう嫌そうな顔しないで」

 

職員室に行き、千冬姉にクラス会議の報告をして職員室から出るとまたさっきの覗き魔がいた

 

一夏「さっきも言ったが、俺に何かようか?」

 

楯無「ちょっと君と話がしたくて会いに来ちゃったの」

 

一夏「俺と話って…簪の事か?」

 

楯無「!」

 

余裕そうな表情を浮かべていた楯無の顔が一瞬崩れたように見えたが俺は楯無を見る目は変わってない

 

楯無「簪ちゃんの話は……今はいい…それより話したいことは」

 

ちょうど楯無が言葉を続けようとしたところで前方から粉塵を上げる勢いの女子が走り込み木刀を片手に遅いかかってきた

 

「覚悟ぉぉぉぉぉぉ!!」

 

俺は迷わず側にいた楯無の背後に周り込み、楯無を盾にした

 

それに対し楯無は持っていた扇子で木刀を受け流し左手の手刀を叩き込み女子生徒を沈めた

 

楯無「迷いのない踏み込み……良いわね」

 

すると今度はそばの窓ガラスが割れそこから次々と矢が飛んできた

 

そしたら俺はまたそばにいた楯無の後ろにまわり盾にした

 

楯無「借りるよ」

 

倒れている女子生徒から木刀を拝借するとそれを蹴り上げて浮かし、窓ガラスの向こう側にいる矢を放った者に向かって投擲した

 

向こう側から何かが当たった音がしたので命中したんだろうな

 

そして今度は近くの掃除用具ロッカーの内側からボクシンググローブを付けた女子生徒が現れ襲いかかってきた

 

一夏「はあ…」

 

俺はため息を吐くと楯無に襲いかかった女子生徒の前に立つと

 

一夏「フン!」

 

首に手刀して沈めた

 

楯無「あら、彼女私を狙っていたんだけど」

 

一夏「あまりにも長ったらしいから終わらせたくてね……それと」

 

俺は素早くショットライザーを取り出すと近くの教室と窓の向こう側の校舎と近くのロッカーに向かって撃った

 

一夏「今俺と会長が話をしてるんだ、邪魔をするな……それ以上何かするようなら、相手になるぞ

 

そう言いまわりに殺気を放つと隠れていた物陰やロッカーから楯無を襲おうとしていた生徒達出てきて離れていった

 

楯無「凄い殺気ね、それに隠れていた彼女達までわかるなんてね」

 

一夏「生憎A.I.M.S.に入隊する前から散々鍛えていたし入隊後も血反吐が出るほど鍛えてきた。あんな気配丸出しの連中なんざよく分かる。あんたの時は学園内って事もあって気を抜いてたから直前まで気付けなかった。今後学園内でも警戒することにする」

 

楯無「フフッ…それにしても、女の子を盾にするなんてそれでも君は男かな?」

 

一夏「まあ…そう思うのが普通だよな…アンタが本当にただの女(・・・・)だったらな……それに俺まで巻き込まれたのはアンタのせいだろ、生徒会長さんよ?」

 

 

この学園での生徒会の会長という肩書にはある事実を証明している

 

それは

 

一夏「全ての生徒の長たる存在は最強であれ……つまり最強であるアンタは四六時中まわりから狙われている……アンタを倒した者が」

 

楯無「次の生徒会長になれる…そういうことよ……中々賢いね君は」

 

そう言うと歩き出し

 

楯無「着いてきて、話の続きは生徒会室でするから来なさい。お茶くらい出すわよ」

 

一夏「はあ〜」

 

俺はため息をつきながらも着いていく

 

この女

 

あのウサギ女とは違う意味で苦手だな

 

そう思う俺であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

コン コン コン コン

 

俺とアクアは飛電インテリジェンスの下にある地下の廊下を歩いている

 

ここに来れるのは飛電インテリジェンスでもごく限られた者だけだ

 

しばらく歩くと目的地の部屋の前に着いた

 

扉のそばにはヒューマギアが立っていた

 

???「カズマ社長、アクア様。お待ちしていました」

 

カズマ「悪い、遅くなったイズ」

 

アクア「それとイズ、私のことはアクアって呼んでって言ったはずよ」

 

イズ「申し訳ございません。アクア」

 

彼女の名はイズ

 

秘書型ヒューマギアであり、俺のもう一人の秘書だ

 

人間側の秘書がアクアならヒューマギア側の秘書はイズ

 

爺ちゃんが生きていて社長をしていた頃には爺ちゃんの秘書をしていて、俺とアクアが幼かった頃からの付き合いがある

 

カズマ「所であいつら(・・・・)はここに?」

 

イズ「はい、彼らは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滅亡迅雷.net(めつぼうじんらいねっと)のおふたりはもう着いております」

 

そう言い部屋の扉を開けた

 

扉の先には頭にターバンを付け、腰に日本刀を携えている男ともう一人、俺とアクアを見た瞬間笑顔になったローブを着た男が座っていた

 

ローブを着た男「カズマ!アクア!久しぶり!」

 

ターバンを付けた男「一年ぶりだな、カズマ、アクア」

 

カズマ「ああ、久しぶりだな…(ホロビ)(ジン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

生徒会室に招待された俺は生徒会室のソファーに座って出されたケーキを食べ、お茶を飲む

 

ん、これは良い茶葉を使ってるな

 

???「お味はいかがですか?」

 

一夏「美味しいですよ。それに有名ケーキ店Melissaのケーキ、やっぱり良い味してますね」

 

???「わかりますか?」

 

一夏「はい…それと本音、ケーキのフィルムについたクリーム舐めるな」

 

???「本音!」

 

生徒会室では、同じクラスメートであり生徒会書紀の布仏本音を姉であり三年生であり、生徒会会計の布仏(のほとけ)(うつほ)がグーで頭を叩いた

 

布仏家は代々更識家につかえているらしい

 

虚さんと会うのはこれが初めてだが同じく今日初めて会った会長と違い親しく接した

 

楯無「ちょっとー、私と虚ちゃんと接する態度が違う気がするけどー」

 

一夏「ああ、それは単純な理由だ……俺はアンタみたいな人は苦手だしうっさん臭いからな」

 

楯無「うー……色々言いたいことがあるけど、そう言えばまだ自己紹介してなかったね。生徒会会長、更識(さらしき)楯無(たてなし)よ」

 

一夏「それは本名ではないだろ?……まあいいか、一応俺も………一年一組、A.I.M.S.バルカン隊隊長、織斑一夏だ」

 

楯無「うん、改めてよろしくね」

 

そういい、楯無は扇子を開くと扇子には『ようこそ』と文字が入っている

 

なにそれ

 

楯無「それでね、本題なんだけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会に入ってくれない、一夏君?」

 

一夏「うむ、超断る」

 

 



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第32話 紫蠍と紅紫隼の帰還/集う白銀の絶滅狼と朱の絶滅鳥

また投稿が遅くなって申し訳ございませんでした!!


《一夏視点》

 

楯無「そ、即答ね」

 

一夏「当然だ、てかなんで俺を誘う。男性生徒が目的ならカズマでもいいはずだろ」

 

楯無「うーん、本当は佐藤和真君も誘いたかったんだけど見ての通り会社で忙しいからね」

 

一夏「俺だってA.I.M.S.の仕事で忙しいんだよ!で?どうせ他に何かわけがあるんだろ?」

 

俺が睨めつけながらいうと観念したかのように話しだした

 

楯無「最初から説明するとね、佐藤君はともかく君が部活動に入らないことで色々苦情が寄せられていてね」

 

一夏「それで……俺を生徒会に入れるのはそういう苦情の声を沈静させる為と男性初のIS操縦士の肩書のある俺を入れることで生徒会が今より大きな力を得る為なんだな?」

 

俺の問いに楯無は扇子を開く

扇子には『御名答』と文字が載っていた

 

それどうなってんだ?

 

楯無「まあ生徒会としては君をどこかに入部させないとまずいことになっちゃうのよね」

 

一夏「知るかそっちの都合なんざ、こっちはいい迷惑だ」

 

俺はそういうと席を立ち生徒会室から出ていこうとした

 

楯無「あ、待って、話はまだ終わってな」

 

一夏「アンタは終わって無くとも俺は終わった。お茶とケーキご馳走さま」

 

そう言い生徒会室から出ていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏の去った生徒会室では

 

本音「うーん、やっぱりこうなると思った」

 

虚「本音から話は聞いてましたが、最初から最後まで自我が強い人でしたね」

 

楯無「そうね、話に聞いていた通りの男ね彼は……ただ、ますます欲しくなってきたわ彼の事」

 

虚「どうしますか?本人はあんなに嫌がってますよ…?」

 

楯無「大丈夫。彼の性格を利用すれば、ウチに入ってくれるわ」

 

本音「うーん、そううまくいくかなぁー?」

 

楯無「ええ、心配しなくても彼は必ずここへ来るわ」

 

扇子には『確実』と文字が載っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本音「心配なのはおりむーじゃなくて、おりむーに何かしようとしてるかいちょ〜のほうなんだけどね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

アクア「迅も滅も久しぶりね!海外どうだったかしら?」

 

迅「うん!いっぱい色んな物見てきたしいっぱい友達ができたよ!」

 

滅「それ以上に……悪意が多かった」

 

カズマ「ああ、亡や雷から話は聞いている…またやったらしいなお前ら」

 

飛電インテリジェンスの地下の一室では、俺とアクアは滅亡迅雷.netの滅と迅と対面している

 

滅亡迅雷.net

それはかつて、人類を滅ぼそうとしたある悪の人工衛星が生み出した、人類を滅亡させる者達の組織だったもの

 

が、現在では滅亡迅雷.netはこの世の悪意と戦う組織であり、彼らは世界中のあらゆる研究所や軍…組織を潰してきたテロ組織と世間ではそう認識されている

しかし、実際は世間で公にできないほどの事件を解決したり、非人道的な実験やISを使った人体実験を行っている軍や研究所の破壊

世界を支配しようとする組織を潰す

そして紛争地域で起きている紛争を死傷者0で止めるなど彼らの正義を執行している

 

彼らに救われ、彼らを英雄と称える国や彼らのせいで国の利益を失い、国力が弱くなり彼らを恨み指名手配する国のまで存在している

 

ただ素顔は隠している為素性は明らかになっていない

 

滅亡迅雷.netの構成員は

司令塔である滅

滅の息子である迅

 

それと

 

???「なんだもう集まってたのかよ、速えな」

 

???「私達が遅かっただけですよ、(イカヅチ)

 

雷「仕方ねえだろ(ナキ)、こっちは仕事で忙しい中抜けて来たんだからな」

 

ドアが開いたので目を向けると言い合いをする男性のヒューマギアと、中性的な見た目のヒューマギアが部屋に入って来た

 

アクア「ふたりともお疲れ様」

 

カズマ「今から始めようとしてたとこだ」

 

A.I.M.S.で刃さんの補佐をしている亡

 

そして、宇宙飛行士型ヒューマギアであり、飛電インテリジェンスでは一夏達に厳しい訓練をさせている雷電(ライデン)こと雷

 

これが滅亡迅雷.netの全構成員だ

 

世間でテロ組織と言われているこいつらと俺達が関わっていることを知っているのは極少数のみだ

 

カズマ「それで…海外で活躍してたお前らが帰ってきたって事は…」

 

俺は滅と迅に向けて言うと、ふたりは無言で頷き

 

滅「そうだ、近々奴ら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亡国企業(ファントム・タスク)に動きがある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《箒視点》

 

翌日

私達全校生徒は体育館に集められ、全校集会が行われた

 

内容はもちろん今月中にある学園祭についてである

 

「それでは、生徒会長から説明をさせていただきます」

 

そう告げたのは生徒会役員の一人だろう

その声でざわつきがさーっと引き潮のように消えていく

 

楯無「やあみんな、おはよう」

 

壇上で2年のリボンをした女子が挨拶をする

 

楯無「さてさて、今年は色々と立て込んでいてちゃんとした挨拶がまだだったね。私の名前は更識楯無。君たち生徒の長よ。以後、よろしく」

 

にっこりと微笑みを浮かべて言う生徒会長は、異性同棲を問わず魅了するらしく、列のあちこちから熱っぽいため息が漏れた

 

ふと一夏の方を見ると一夏も他の生徒のようになっている………のではなくなぜか会長を睨む様な目つきになっていた

それに更識?簪も同じ姓だったが姉妹なのか?

 

楯無「では、今月の一大イベント学園祭だけど、今回に特別ルールを導入するわ。その内容というのは」

 

閉じた扇子を慣れた手付きで取りだし、横へスライドさせる

それに応じるように空間投影ディスプレイが浮かび上がった

 

楯無「名付けて、『学部対抗織斑一夏争奪戦』!」

 

ぱんっ!と小気味のいい音を立てて、扇子が開く。それに合わせて、ディスプレイには一夏の写真がデカデカと映し出された

 

箒「へ?」

 

大勢の生徒たち「「「えええええええ〜!?」」」

 

割れんばかりの叫び声にホールが冗談ではなく揺れた

 

楯無「静かに。学園祭では毎年各部活動ごとの催し物を出し、それに対して投票を行って、上位組は部費に特別助成金が出る仕組みでした。しかし、それではつまらないと思い─」

 

びしっ、と扇子で一夏を指す生徒会長

 

楯無「織斑一夏を、1位の部活動に強制入部させましょう!」

 

再度雄叫びが上がる

 

「素晴らしい!素晴らしいわ会長!!」

 

「こうなったら、やるわ!……やぁぁぁってやるわ!!」

 

まわりのテンションが上昇していく

 

「キャアアアアアア!!」

 

と、突然歓喜の声に紛れて悲鳴が聞こえたので悲鳴の方を見ると悲鳴を上げた生徒のそばにいる生徒……一夏から凄まじい殺気が流れていた

 

それに驚いて他の生徒達も一夏から距離を取った

 

以前ラウラが鈴とセシリアを痛めつけた時にカズマが放った殺気に負けず劣らずのものだった

 

って!よく見たらショットライザーを取り出そうとしてないか!?

 

シャルロット「おおお落ち着いて一夏!!」

 

セシリア「そそそそうですわよ!!一旦冷静になって!」

 

ラウラ「びっくりしたぞ…敵が来たかと思ってついISを展開するところだった」

 

カズマ「何がしたいのかあの会長は」

 

アクア「危うく集会の場が殺人の場に変わるところだったわ…」

 

たった一人の人間が発した殺気で会場が騒ぎになった……大丈夫なのか…?

 

そんな不安をいだきながら、一夏の争奪戦は始まったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

カズマ「全く、面倒なことになったな…」

 

あの混乱の全校集会があったその日の放課後、俺とアクアは畳道場に来ていた

 

俺の目線の先には、白胴着に紺袴を着て、竹刀を持った一夏と更識会長が向かい合っていた

 

俺がふたりを見ていると道場の扉が開き

 

シャルロット「も、もう始まってる?」

 

鈴「あ、まだみたいね」

 

セシリア「間に合ったようですわね」

 

シャルと鈴、セシリアにラウラ、箒が道場に入って来た

 

ラウラ「まさか、兄さんがあの生徒会長と戦うことになるとは…」

 

そう…今から一夏と会長が戦うことになる

 

なぜこうなったのか、アレは集会後のことだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【過去回想】

《一夏視点》

 

一夏「やってくれたな……俺が生徒会に入らなかった嫌がらせのつもりか?」

 

集会後、俺の所にこのクソ会長が会いに来た

思わずショットライザーを出そうしたが我慢した

 

楯無「フフッ、この学園での生徒会長ってね、普通の学校の生徒会長以上に権限を有しているの。だからこういう事もできるわけ」

 

そう言うと扇子を開き、扇子には『絶対的』と文字がふられていた

 

一夏「で…俺の所にわざわざ出向いたって事は、俺に何かを言うためか?それか…俺に何かやらす気か?」

 

楯無「フフッ、察しがいいわね……あんな事を私が言って、君は当然納得いかないでしょう?」

 

一夏「当たり前だ…ってか、当然と言っている時点で確信してんだろ」

 

俺は睨みつけながら言った

 

会話しながらも俺は目の前にいるこの害悪女をどう始末しようかシュミレーションしていた

 

楯無「それでね、お互いが納得行く方法があるんだけどね……君、戦いは好きでしょ?」

 

一夏「あ?」←既に青筋が立っている

 

楯無「君がよく学園内で戦いをしているのをよく耳にしてるからね、私と戦いをしよう?……私が勝ったらこのまま続行するけど、君が勝ったらあの話は無かったことにするわ……悪くないでしょ?」

 

この女は……

 

一夏「はぁ……分かった……その話乗ろう…」

 

こうして俺はこの女と戦うこととなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【回想終了】

 

さて、あのふたりは一体どんな戦いを見せてくれるのか…ってか万が一夏が部活入ったらA.I.M.S.の仕事に支障をきたすんだが…

 

カズマ「どうなるかな…」

 

楯無「さて、ルールの内容だけど、私を床に倒せたら君の勝ち、逆に君が続行不能になったら私の勝ちね、それでいいかな?」

 

一夏「ああ…」

 

カズマ「更識会長、そんなルールでいいんですか?言っちゃあなんですが、一夏に有利なルールなんですが?」

 

あなたにはひたすら不利なのでは?と言おうとしたらそこに言葉をかぶらせられた

 

楯無「大丈夫よ、どうせ勝つのは私だから」

 

バキッ

 

何かが折れる音がしたので音の方を向くと

 

一夏「悪い、つい折ってしまった」

 

そうちっとも申し訳無いと思ってない一夏が俺達に言った

 

音の発信源は一夏が持っていた竹刀が折れた音だった

いや、アレ片手の握力だけで折ったのかよ…

 

それにあいつそろそろ限界だな

青筋どころかわかりやすいくらい苛立ってるな

 

セシリア「い、一夏さんの表情がこれまで見たことないほど怒りがこもってますわ」

 

アクア「まあ…そりゃあそうなるわね…」

 

箒「そ、それはどういうことだ?」

 

鈴「一夏って、自分が認めた相手以外に勝手に決められる事が大嫌いなのよ……あの会長は一夏の苛立ちを募らせて募らせてもう限界まで来てるのよ」

 

カズマ「ああ……それに、あの会長は一夏の事を何も分かってない。そして何より……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウチの部下を舐め過ぎだな」

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

俺はもう限界まで来ている

 

この初めて会った時から気に食わない女に対して、苛立ちを感じる

 

ずっとこの女をブチのめすと我慢してきたのだが、

 

だがもういいんだよなあ…?堪えなくて

 

もう我慢しなくていいんだよなぁ?この戦いを

 

楯無「じゃ、いつでもどうぞ」

 

余裕そうな態度でいる楯無

 

だが、苛立ちで忘れちゃいけないが、この女の纏う雰囲気はこの学園の女子生徒の中でも別格だ

 

そりゃあ当然か、この女は更識家の当主にして………なのだから

 

一夏「なあ更識会長……戦う前に3つ言うことがある」

 

楯無「何かしら?」

 

一夏「1つ、自分の策に俺が乗っかって嬉しいか?」

 

楯無「あら、なんの事かしら?」

 

一夏「とぼけるな……昨日のあの会話で俺の性格を見抜いたアンタは、俺がこの戦いに乗っかる事を見越してあんな企画を考えたな?この戦いに乗っかった俺を打ち負かして、2度と俺がアンタに逆らわなくする為にな…」

 

俺がそう言うと楯無は扇子を取り出して扇子を開いた

 

扇子には『御名答』と文字がふられていた

 

余計腹が立ってきた

 

一夏「2つ、俺が好きなのはこういう賭け事の戦いじゃねえ……俺が好きなのは、何も考えず、相手と力と力、技術と技術のぶつかり合いをする勝負だ」

 

勘違いされることが多いが、俺は戦闘狂ではなく、自分が認めた相手とぶつかり合うことが好きなだけだ

 

一夏「そして3つ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は姉という生き物が好きじゃねえ

 

楯無「!」

 

そう言った瞬間、俺は下半身に力を込め楯無に飛び掛かり、力を込めた蹴りを入れた

 

楯無はそれを持っていた竹刀でガードしたが俺の蹴りの力には敵わず竹刀は折れ、道場の壁まで吹っ飛んだ

 

 



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第33話 織斑一夏の逆襲

先日公開された仮面ライダービヨンドジェネレーションズ主題歌PVを視聴してますます公開が楽しみです。


《楯無視点》

 

楯無「はあ…はあ…はあ…」

 

読み違えた!

 

私は焦りを感じながら一夏君と対峙している

 

一夏「どうした?最初の余裕な表情が崩れてきてるなあ…?」

 

私は息を切らしているに対して目の前の彼は息を切らすどころか私とは正反対に余裕な表情を浮かべている

 

完全に私の誤算だった…

 

前もって彼のA.I.M.S.での戦闘データや学園内の戦闘シーンを何度も目にして来たけど、まさか私の想定以上だったなんて

 

体力面は私より数段以上

 

力じゃ敵わないから技術で相手をしようとしたのに引っ掛からない

 

どうしょう、彼…私よりもずっと強い

 

私の想定じゃ多少苦戦はしても勝てない事はないはずだったのに…

 

一夏「今、『苦戦しても勝てない事はない』って思っただろ?だとしたら、随分と下に見られてたな俺は」

 

楯無「!?」

 

思考が読まれている!?

 

一夏「俺がなぜ、アンタの竹刀を壊したかわかるか?……俺の最も得意な素手の戦いにもつれ込むつもりで壊したんだよ」

 

楯無「!」

 

まさか…最初の蹴りは私が竹刀で防ぐ事を見越して……

 

そして自分の最も得意分野で私を追い詰める為に…

 

楯無「くっ!」

 

私は走り込み、一夏君の腕と胴着を掴み

 

楯無「はあ!」

 

一夏君を畳に投げ落とそうとした

 

一夏「甘い!」

 

のだが、まさかの畳に落とそうとした所を踏みとどまり逆に私を投げた

 

けど、どうにか空中で体制を整えて踏みとどまった私だったのだが、間髪入れずに一夏君が近づき今度は私の胴着と腕を掴んだ

 

すると、

 

胴着が思いっきり開かれ、ブラジャーに包まれた私の胸が出た

 

楯無「きゃん!」

 

けどこれはチャンス!

これで動揺する一夏君に空きが出来て反撃が

 

一夏「会長、反撃しなくていいのか?」

 

楯無「!?」

 

が、一夏君はちっとも動揺してない…いやそれどころかどこか萎えているような表情になっている

 

そして私をそのまま地面に投げつけた

 

しまった!

 

私は一夏君の表情に気を取られていなすことができず、そのまま畳に倒れた

 

う、嘘でしょ…

 

 

《カズマ視点》

 

カズマ「勝負あったな」

 

俺はこの1対1の戦いを見届けて、そう呟いた

 

箒「な、何なんだあの人は…一夏を相手に、アレだけやり合うなんて…」

 

セシリア「あの、箒さん…もしかして知らないのですか?」

 

箒「し、知らないとは?」

 

カズマ「まあ、強いのは当然だ。なんてったってあの人はこの学園の生徒会長であり、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現ロシア国家代表なのだからな」

 

箒「はあ!?こ、国家代表だと!?」

 

そう、会長こと更識楯無は若くしてロシアの国家代表にまで登り詰めたこの学園唯一の国家代表

 

日本人なのにロシア国家代表なのは実家の更識家の持つ特権、自由国籍権とやらの影響らしい

 

カズマ「この学園の長である生徒会長は最強であれ!なんて言われているくらいだ。当然あらゆる分野においても相当の実力者だ……ぶっちゃけるが、今この学園でISを使った生徒の中じゃ間違いなく一番強いのはあの人だ……だから、もしも最初からISを使った勝負だったなら一夏は良くて引き分け、最悪負けてるな」

 

箒「そ、そんなに強いのか…」

 

シャルロット「で、でもあの人、素手の勝負で一夏に圧倒的な力の差を見せつけられたよ?」

 

カズマ「うーん、武器を使わない素手の戦いは一夏の最も得意な分野なのはそうだが、そもそもあのふたりでは戦闘スタイルが違いすぎる」

 

ラウラ「ど、どういう意味だ?」

 

カズマ「知っての通り、一夏は技術ではなく力と体力で相手を倒す、かと言って技術面は決して低いわけではないがあいつはパワー型だ……一方で会長は一夏と違い、技術で相手を倒すテクニック型だ。同じタイプ同士が戦えば、その能力が優っている方が勝つ……そして、違うタイプ同士での戦いは、駆け引きと頭脳戦になることが多い……おそらく会長はこの勝負をする前から、一夏を調べ上げていただろうな。ISではなく生身の肉弾戦にしたのは、あえて一夏の最も得意分野で戦って勝つことで、自分は一夏よりも上だとわからせるつもりでいただろう……が、ここであの会長はある致命的なミスを2つ犯した…」

 

アクア「致命的って…?」

 

カズマ「1つは一夏を散々苛立たせてヘイトを稼いだことだ。一夏を怒らせるような言動をしたのは冷静さを無くさせて自分に有利な状況を作る為だな。が、生憎アイツは戦うときは冷静だ。予想外の状況に陥っても、すぐに冷静さを取り戻す平常心を持っている。そして2つ目は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイツはテクニック型の相手をしょっちゅうしていることだ」

 

アクア/箒/セシリア/シャルロット/ラウラ「「「「「あ!」」」」」

 

2つ目を言った瞬間アクア達はすぐに理解し全員が同じ方を向く

 

鈴「え!?なに!?」

 

アクア達が向いた先にいる一夏とやり合っているテクニック型事鈴は驚いた様子を浮かべていた

 

カズマ「一夏が常にやり合っている相手がどんな戦い方をする奴なのか、それを眼中に入れなかった結果がこれだ。鈴と数え切れないほどやり合っている事もあって、アイツはテクニック型相手でも善戦できる……そして一見、会長と鈴は似たタイプだが大きな違いがある」

 

セシリア「そ、それは?」

 

カズマ「あの会長はあらゆる分野に精通しているが、言ってみれば複数の事にバランスよく集中していると言える。対して鈴は素手を使った戦いの為の技術、その一点に集中している。会長に他の分野では劣っていても、素手の戦いなら鈴は、あの会長よりも強い」

 

ステータスで表せばこんな感じだ

 

代表候補生平均

 

銃術45

徒手35

剣術40

 

   銃術70

 

楯無 徒手65                

 

   剣術75

 

 

   銃術55

 

鈴  徒手94

 

   剣術50

 

こんな感じで鈴は徒手に特化している

 

 

 

ちなみに一夏の場合は

 

 

   銃術75

 

一夏 徒手105

 

   剣術85 

 

って所だな

 

いやー、こうして見ると一夏…鍛えすぎたかな…

実は純粋な素手の戦いは一夏の方が強いのだが、それでも鈴が互角にやり合える理由は単純に毎日やり合っているせいでお互いの手の内がよく分かってしまうからだ

 

アクア「と、とにかく、この勝負は一夏の勝ちってあら?」

 

一夏達の勝負を見届けていた俺達だったが、突然一夏が会長を立たせると

 

セシリア「え?」

 

再び掴んで畳に投げ倒した

 

シャルロット「え?ど、どうして?もう勝負は着いたのに?」

 

鈴「……もしかして…」

 

《楯無視点》

 

え?

 

突然一夏君が畳に倒れている私を起き上がらせて立たせてきた

 

もう勝負も着いたのになぜ

 

そう思った瞬間だった

 

楯無「!?」

 

突然一夏君が私を掴みかかるとまた畳に投げ飛ばした

 

楯無「え?ええ?」

 

一夏「何勝手に終わった気になってんだ?」

 

そう私に睨みつけながら言った

 

一夏「アンタ言ったよな?地面に背をつけたらアンタの負けだって……」

 

楯無「そ、そうだけど、だからこの勝負は私の」

 

一夏「だがアンタは背ではなく(・・・・)胸から(・・・)地面につけたから、まだ終わってないだろ?」

 

楯無「え?」

 

一夏「まだこの勝負は終わってないし…俺の体力はまだまだ有り余っているし」

 

楯無「!ま……まさか!」

 

その瞬間、私は一夏君がこれからやろうとしている事に気づいて青ざめた

 

そして一夏君は笑顔を浮かべると私に顔を近づけて

 

一夏「さあ続けようか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンタが泣いて許しをこうまでな

 

……この瞬間、私は確信した

 

目の前の彼は年下の男の子ではなく…人の皮を被った悪魔なのだと

 

 

 

《カズマ視点》

 

鈴「一夏……散々苛立たせた仕返しをするつもりね」

 

アクア/箒/セシリア/シャルロット/ラウラ「「「「「ええ……」」」」」

 

カズマ「忘れてた……そういえばアイツ……やられたことに対してかなり根に持つ奴だったことを」

 

ラウラ「も、もう勝負は着いたのにこれからずっと投げ続けたりするのか…」

 

鈴「しかも地面に背を着けようとすればすかさず捕まえて続行させるつもりよ」

 

箒「も…もうやめてやれ…」

 

カズマ「あー…これ長くなると思うから、お前ら帰っていいぞ…」

 

シャルロット「そ、そう?なら僕はここらでお暇させて貰うね…いこ、ラウラ」

 

ラウラ「う、うむ……兄さんを散々苛立たせたあの会長には当然の報いとは思うが……正直兄さんのああいう所は見ていて色々思う所がある自分もいる…」

 

セシリア「いえ、それが普通だと思いますわ…」

 

箒「で、では私もこれで」

 

鈴「いやアンタは残りなさい、彼女でしょうが。見届ける義務があるでしょ」

 

箒「ええ……これを見届けるのか…」

 

そう言いうなだれる箒

 

……正直同情する

 

そう思いながら俺とアクアと箒と鈴の四人は最後まで見届けた

 

一夏の会長いじめは1時間以上にも及び、やがて会長は涙目になって降参宣言してきたのだが

 

一夏「んー、嫌だ♪まだまだやりたいからもっと続けよう♪」

 

更にそこから1時間続いた

 

もう、俺もアクアも箒も鈴も会長を気の毒に思いつつ、全員心の中で『一夏だけは敵にまわしたくない』と思ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

楯無『…そういうわけで、昨日の企画に対してとある方面から大きな苦情が出たから、『各部対抗織斑一夏争奪戦』を大きく変更します…』

 

放送を聞いた生徒達「「「はあー!?」」」

 

翌日、昼食時間に学食を食べに食堂に来た俺達は、昼食を食べていると放送が流れ、それに多くの生徒が驚いた

 

一夏「♪」

 

が、それを無視しながら俺は本日の昼食『俺特製お茶漬け』を作っていた

 

中には卵やら納豆やら鮭やら緑茶やらとにかく色々と混ぜた物だ

 

箒/ラウラ「「ウェッ…」」

 

セシリア「うっ…食欲が…」

 

シャルロット「ち、ちょっと一夏、そのグロテスクな食べ物をこっちで作らないでよ!」

 

アクア「あ、やば…吐きそう」

 

カズマ「おい!ここで吐くなよアクア!」

 

めぐみん「うっ…私も吐きそうです…」

 

ダクネス「まて!吐くなら袋で吐け!」

 

本音「わあ〜!かんせーい、いっただきま~す!」

 

吐き気が伝染している中、食堂に向かう途中で会った本音も交えて一緒に昼食を食べる

 

ちなみに本音が食べているのは『本音特製お茶漬け』だ

 

俺が作ったお茶漬けの原型だ

 

お茶漬けの中身のグロテスクさは俺のと同等だな

 

鈴「よ…よく食べれるわね…そんなもの」

 

本音「えー?だって美味しいのにー?」

 

一夏「お前だって俺の作った茶漬け食って美味いって言っただろ?」

 

鈴「言ったけど!言ったけど中身のビジュアル的に食欲が失せるから好きじゃないのよ!」

 

気持ちはわからなくもないが、何度も見ている俺はもう何も感じなくなっている

 

人間慣れてしまえば無敵だな

 

カズマ「それはそうと一夏、お前本当に良かったのか?」

 

一夏「何がだ?」

 

楯無『あ、けど心配はしないで、大きく変更したものでは、個人個人にチャンスが大幅に上がるから』

      ↑

カズマ「……アレ、お前のアイディアだろ?」

 

一夏「……俺なりの最大の譲歩だ……」

 

楯無を散々いじめ終えた後、俺は楯無から生徒会のやろうとしていた出し物を詳しく聞いた

 

それを聞き終えた俺は楯無にある提案をした

 

楯無はそれに驚きつつも、俺の提案に乗ってくれた

 

一夏「さーて向こうはあの会長がやってくれるとして……こっちはこっちでクラスの出し物作りに集中するか…」

 

お茶漬けを食い終えた俺は片付けると教室に戻り、出し物作りの続きをするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《おまけ》

 

箒「一夏が思っていた以上に率先して動いているな」

 

カズマ「アイツ、やるべきことは早めに終わらせようとするタイプだしな。課題とか仕事の提出する報告書も渡した翌日に提出するほどだな。提出期限はまだまだ先だっていうのに…」

 

箒「だ、だからか……時々夜遅くにA.I.M.S.の仕事用の大量の書類と格闘してたのは……」

 

カズマ「アレ本当は提出2週間後とかその辺なのにアイツ翌日に提出してくるから速すぎるんだよ……多分アイツのおかげでウチのクラス、他より速く完成するだろうな……普通に有能すぎるな」

 

 




速く投稿できて良かったです!!


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第34話 学園祭開催!!


公開当日に観てきました。

やっぱり親子を組ませた仮面ライダーの映画は大体面白くて感動しますね。

映画観てきて気分が乗ったので早めに投稿しました。

仮面ライダーセンチュリーがシンプルでカッコよかった


 

《一夏視点》

 

シャルロット「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ、お嬢様」

 

いよいよやってきた学園祭当日

 

今お客さんを迎え入れたのはシャルロット…ではなく執事服を来たシャルルだった

 

最初色々不満そうな態度だったシャルだが、気持ちを切り替え、シャルルを演じている

 

「嘘!一組ではあの織斑君の接客が受けられるの!?」

 

「しかも執事の燕尾服!」

 

「しかも写真を取ってくれるんだって!ツーショットよ、ツーショット!これは行かない手はないわね!!」

 

ウチのクラスの出し物『ご奉仕喫茶』は物凄い人気だ

 

クラスの外には行列が出来ており、廊下の長蛇を整理しているスタッフ達は大変そうだった

 

待ち時間のクレームにも対応しているのだが

 

アクア「それでは、待ち時間を潰す為の私の芸を披露します!!」

 

メイド服を来たアクアがステッキを取り出すと目の前で何回か振り回した瞬間、ステッキが消えた

 

それにはクレームを言っていた客も驚き大勢が歓声を上げていた

続いてトランプを5枚取り出してビリビリに破いて手に集めて両手でちぎれたカードを包み、両手で上と下に挟んで開くと、なんとちぎれたカードが一つになり、ジョーカーのカードになっていた

 

……すごいがアイツのあの芸は一体どうなってんだか……しかもアイツの芸はかなりの数があるらしく、それを待ち時間の客に見せて楽しませるつもりらしい

 

が、あまりの芸の出来に客達がおひねりを投げてきた

 

アクア「ああ!おひねりは受付していません!!その分は喫茶店でお使い下さい!!」

 

……アイツあの道で食って行けるな

 

鈴「相変わらずアクアの芸は凄いわね」

 

一夏「そうだな…ってかお前ここに来てもいいのか鈴?」

 

アクアの芸を眺めていた俺の隣には、チャイナドレスを来た鈴が並んできた

 

鈴「休憩よ………分かっていたけど…アンタのクラスは人が集まるわね…」

 

一夏「世界で唯一の男性操縦士の肩書が効いてんだろうよ……それはそうとお前、チャイナドレスやっぱ似合ってんな………」

 

鈴「ありがと、本当は頭はいつも通りにしようと思ってたのにアンタがシニョン持ってきて付けてくれたからか…ウチのクラスでは高評価よ…」

 

一夏「そうか…中華喫茶の売れ行きは?」

 

鈴「思ってたより良かったわ……ま、男子生徒が3人もいるクラスには及ばないけど…」

 

一夏「一人は男装だがな」

 

鈴「それもアンタの半強制でね」

 

この会話で俺達は微笑した

 

一夏「お前が売れ行きを伸ばしたいって言うなら方法があるぞ」

 

鈴「……嫌な予感がするけど一応聞くわ」

 

一夏「このネコ耳と尻尾を付けて語尾にニャンを付けて接客すれば」

 

鈴「やっぱりね!?」

 

一夏「どうした?鈴にゃんにならねえのか?」

 

鈴「あたしの黒歴史を出すんじゃないわよ!!(第9話参照)」

 

一夏「良いじゃん別に、結構似合ってたのに?」

 

鈴「ものすごく恥ずかしいのよ!!おまけにあたしのあの姿を他のみんなに見られてからはなんか『鈴にゃん』って呼ばれるようになったり男子生徒達の態度が大きく変わるし、終いにはなんか男子達から告白されちゃうようにもなっちゃったじゃない」

 

一夏「モテるようになって良い事じゃないか」

 

鈴「良くないわよ!!あたしは弾一人に惚れられたかったのよ!!」

 

そう言うと鈴が俺の服を掴みグワングワンと揺らす

 

一夏「そうかそうか…所で鈴……お前大声でそれ言っているが、聞かれて大丈夫なのか?」

 

鈴「大丈夫じゃないけどアンタがあたしの恋愛事情を滑らしたおかげでクラス中に知れ渡ったからもう開き直ったわよ!!」

 

一夏「いやそうじゃなくて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その件の惚れられたい男本人が後ろに居るのに?」

 

鈴「………え?」

 

そう言うと鈴はゆっくりと顔を後ろに向けるとそこには……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「あ、あー…その…聞くつもりはなかったんだ……スマン」

 

惚れられたい男こと弾が少し頬を赤くして気まずそうな態度を取る

 

この学園、本来は一般人が入る事は禁止なのだが、学園祭のみ、外部の人を入れることができる

ただし、入るにはIS学園の生徒一人一人に一枚のみ配布される招待券を持つ者のみだ

 

俺は弾に招待券を渡した……鈴には無断で

こいつ、自分のチャイナドレス姿を見せるのが恥ずかしいって理由で招待券を渡さなかったみたいだが、そうは問屋がおろさない

 

鈴「あ………///ああ///」

 

頬をどころか顔全体が真っ赤に染まった鈴の肩に俺は手を置くと

 

一夏「それでは鈴音お嬢様……ごゆっくりどうぞ…」

 

俺は執事を演じた態度を取り、この場を去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴「死にたい…」

 

弾「な、なあ鈴…その…」

 

鈴「笑いなさい……もういっそのこと笑いなさい…」

 

弾「いや笑わねえよ………俺のこと、そんなに想ってくれてたのか……それがわかってとても嬉しくてさ……ありがとうな」

 

鈴「!う///うん///」

 

一夏が去った後この場では…この男女カップルの好感度が上がったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「一夏、お前一体どこに行っ……その顔、何かした後の顔だな」

 

一夏「お、よくわかったな。箒も段々俺の事分かってきてるな」

 

箒「お前の事をわかるようになる度、私自身もまともではなくなってくる気がするよ」

 

一夏「誰が異常者だ」

 

クラスに戻ると教室は満員になっていて座る席もない

 

教室に入るとメイド服姿の箒が出迎えてきた

更にメイド服を着たラウラも来た

 

ラウラ「む、兄さん。戻ってきたのか」

 

一夏「おおラウラか。正直軍服姿のイメージが強かったが、似合ってんな」

 

ラウラ「そ、そうか?シャルロットが着付けをしてくれてな、なぜかシャルロットが私のメイド服姿を目を輝かせて見てたが…」

 

一夏「……ああ…まあ、気持ちはわかる」

 

シャルの奴…夏休みの時にラウラと服の買い物をした時にラウラにいろんな服を着せ替えしてたらしく、その時のラウラの姿が可愛かったようで、それ以来ラウラに様々な服を着せて遊ぶようになった

 

俺も一回シャルとラウラの部屋に行った時にシャルとラウラがネコの着ぐるみパジャマを着ていてじゃれ合っててつい『百合』を感じていた

 

着ぐるみがもう一つ余っていたから鈴を呼び出して着ぐるみを着せて3人ともネコ着ぐるみパジャマ姿になった時は我を忘れてカメラのシャッターを連写してしまった

 

写真のタイトルは『3匹の猫娘』だな

ちなみに着ぐるみを着た鈴一人の写真を弾に渡すと鼻血出して興奮していた

……自分の撮りたいと思った物を見ると我を忘れて写真を撮る持病……マジでどうにかしないとな……

 

箒「……」

 

箒が何か不満そうに見ている

 

一夏「どうした?ラウラの格好を褒めたけど自分は褒めてもらえてない事に不満に思っているのか?」

 

箒「そ、そこまで分かっててはっきり言うな!!」

 

一夏「いや俺もお前も学園祭当日までの練習の時に見せ合って似合ってるって言ったじゃん……後お前はどちらかと言うと洋より和の方が似合ってる」

 

箒「な///」

 

一夏「いっそお前だけメイド服姿じゃなくて旅館の仲居が着るような和服にしたほうが良かったかな」

 

ラウラ「それだとメイド喫茶ではなくなるではないか」

 

一夏「んー、メイドも仲居も客におもてなしをする意味じゃ一緒だから問題はないと思うが」

 

そう話し込んでいると

 

シャルル「あ、僕に無理矢理男装させた人が帰ってきた」

 

一夏「お前露骨に根に持ち過ぎだろ、自分も割とノリノリだった癖に」

 

さっきまで接客していたシャルルが俺達の所に来た

 

シャルル「本当に大変だったよ…客が多いのは良いけど全く終わらないから…」

 

ラウラ「仕方がないだろう。男装姿のお前は同性からかなりモテるのだからな」

 

シャルル「うっ…同性からモテてもねぇ…」

 

一夏「お前みたいに美少年にも美少女にもなれる奴を中性美人って言うんだよ」

 

シャルル「び、美少女って言ってくれるのは嬉しいけど中性美人って聞いたことないけど」

 

一夏「ああ、今思いついたからな」

 

俺の言葉に呆れ顔になるシャルル

 

箒「それはそうと…」

 

箒が教室のとある方に顔を向ける

 

箒「あそこ……すごい行列だな…」

 

一夏「……確かに」

 

俺達が見ている方では、教室に入った大量のお客達がカズマと対面して話をしている

 

一応執事服を着ているのだが、やっていることは執事ではない

 

女性客「私は………将来親の病院を継がなきゃいけないんです……ですが……」

 

カズマ「そうですか……あなたには…夢はありますか?」

 

女性客「夢…ですか?」

 

カズマ「はい……夢……つまりはあなたのやりたい事……成し遂げたい事はありますか?」

 

女性客「わ、私は……将来漫画家になりたいです……ですが…親は私に期待の意識を向けていて……」

 

カズマ「あなたは…自分の将来の夢を親に話しましたか?」

 

女性客「え?い、いいえ…」

 

カズマ「まずは親に、自分の意思を伝えて下さい……そして、その上で自分の将来の夢について語ってください」

 

女性客「で、でも!親は私の夢に反対」

 

カズマ「反対するかどうかは俺にもわかりません……ですが、とにかく自分の意思を親に伝えてみて下さい。反対されるかどうかはともかく、このままじゃ何も変わりませんよ?」

 

女性客「!」

 

カズマ「意外とあなたの夢を応援するかもしれませんよ?そして、例え反対されたとしても…自分の思いを貫いて下さい。あなたの人生は他の誰でもない、あなただけの物なんですよ……」

 

女性客「!………そう…ですか……そうですよね!!私の人生は私の物!どうするのか、どうなりたいのか決めるのは私自身!……そんな簡単な事にも私は気付けなかったんだ……佐藤さん…ありがとうございます!!おかげでスッキリしました!!あなたに悩みを相談して正解でした!」

 

カズマ「いえ、あなたのお役に立てたのでしたら光栄です」

 

女性客「あ、あの…これは少ないですけど、悩みを聞いてくれたお礼です」

 

そう言うと女性客はお金の入った茶封筒を渡そうとしてきた

 

だが

 

カズマ「いえ、お金はいりません……それは、あなたの将来の夢の為に使って下さい」

 

女性客「で、ですが、それではあなたにお礼が」

 

カズマ「お礼なら貰っていますよ……あなたの今の表情は……悩みを打ち明ける前とは比べ物にならない……とても良い笑顔ですよ……今のあなたのその笑顔が、俺への良いお礼ですよ」

 

女性客「あ///」

 

カズマ「頑張ってください。応援してますよ」ニコッ

 

女性客「は///はい!!本当にありがとうございました///」

 

そう言うとこの女性客は店から出て行った

 

シャルル「す、凄いね今の」

 

一夏「……こう言っちゃあなんだが…俺はカズマよりは顔が良い」

 

箒「突然何を言う!?」

 

一夏「ここに来る客の大分が、俺とシャルルでカズマはおまけ………本人も言ってた『顔面偏差値はお前がずっと上』だってな……だがな、カズマは聞き上手だ……そして社長として大勢の人を見てきたこともあって、人を見る目は相当な物だ……その客その客の悩みを聞き…客が最も言ってほしい事を瞬時に察して答える……客はカズマの言葉に納得し……心が満たされる…………その結果が見ろ、大勢の客がカズマに悩み相談をして来る。一人の悩みを解決させれば他の人も集まる……見ろよ……最初は俺やシャルル目的で集まった客が、カズマに集中してやがるぞ」

 

箒「す、すごい男だ」

 

全くだ……こういう大勢を引き付ける能力は……敵わねえよな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルル「あれ?でもこれメイド喫茶ではなくない!?」

 

一夏「俺が気づいてて言わなかった事を……」

 

ラウラ「まあ…いいのではないか?」

 

箒「接客するという意味では……これも間違いではない……のか?」

 

セシリア「え?あの…わたくしの出番ここだけ!?」



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第35話 演劇の狂人

ぎ、ぎりぎり間に合った

これが今年最後の投稿になります。

そういえばこの小説が連載して今日で一年経ちましたね。まさか一年前に連載したこの小説が今日まで続けられているなんて驚きです。

また来年もよろしくおねがいします。


《楯無視点》

 

楯無「はあー…」

 

IS学園舞台裏

 

私はため息を吐きながらこれからの事を考えていた

 

楯無「まさか…私が動かされることになるなんてねぇ…」

 

一夏君に負けて以降、私は一夏の提案で物事を進めざるを得なくなった

 

カズマ『むかーしむかし。あるところに、シンデレラと呼ばれる少女がいました』

 

今IS学園の舞台では観客参加型演劇が行われている

 

元々ウチの生徒会がやるはずだったそれを、一夏君に乗っ取られちゃったわ

 

今ナレーター役をしているカズマ君は一夏君の意思で導入して、彼もそれに応じてくれたみたい

 

カズマ『いや、それはもはや名前ではない。数多の舞踏会を潜り抜け、群がる敵兵をなぎ倒し、灰燼を纏うことさえいとわぬ地上最強の兵士達。彼女らを呼ぶに相応しい称号……それこそが灰被り姫(シンデレラ)!』

 

そうそう、ここまでは良いのよここまでは

 

カズマ『今宵もまた、血に飢えたシンデレラ達の夜が始まる。次期国王となる王子の王冠を得た少女……シンデレラが妃となり、全てのシンデレラ達の頂点に君臨するのだ!』

 

そのナレーションが終わると舞台の観客席に座っていた1〜3学年までの生徒達が舞台に立つ王子の服装をした一夏君に襲い掛かった

 

……ここから色々とおかしくなっちゃったのよ

元々はこの劇の参加条件は『生徒会に投票すること』だったけど、それを一夏君が『学園祭で1000円以上使った生徒』に変えちゃった事で今年の学園祭の収益がすごい事になってたわ

 

元々の参加条件に関しては、ウチが1位になって一夏君を生徒会にさせる為の策略だったのに一夏君に負けて大幅に書き換えられちゃったし…

 

それと観客席に座っていた生徒達が一夏君の王冠を奪うことに積極的なのは、私が一夏君に負けた翌日の放送で流した『生徒会の出し物でやる織斑一夏君からあるモノを手に入れた生徒は、彼と同室にさせます』って放送したためである

 

ちなみにこれも一夏君の考えだった

 

一位の部活動である集団の優勝賞品から、個人の優勝賞品へと変えた

これにより生徒同士の潰し合いが当初よりも苛烈になった

 

けどそれでも中には他には目もくれずに一夏君から王冠を奪おうとする生徒達が大勢いた

 

20名以上が一斉に一夏君に襲い掛かった

 

これにはさすがの一夏君も苦戦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「どうした?それで全力なのか?かかってくるがいい!」

 

なんてするわけなく、向かってきた大勢の生徒達を叩き潰した

 

一応手加減しているのか、気絶にとどめてはいるけど……舞台上が気絶した生徒で一杯になっちゃっているわ

 

よく見ると一夏君のクラスメイト達は参加してないわね

同じクラスだから、無理だって分かっちゃってるのね

 

カズマ『この国の王子…織斑一夏王子はとんでもない戦闘狂であり、暴君だった』

 

一夏「ふはははははは!!この程度で我から王冠を奪えれると思っていたのか?我の妃になれるのは強い女だ!さあ!富が欲しいか?名声が欲しいか?権力が欲しいか?ならばこの我に挑み、奪ってみせるがいい!!」

 

なんか魔王みたいなこと言っちゃってる!?

 

カズマ『えー、王子が何故か魔王みたいな事を言ってますが、ただの厨二病です。思春期を迎えた男は皆が通る道です。はい』

 

なんかカズマ君のナレーションが棒読みになっちゃってない!?

 

鈴「はあ!」

 

と、突然舞台上にシンデレラドレスを着た一夏君の親友、凰鈴音ちゃんが一夏君に蹴りを入れたけど、それを一夏君が片腕で防いだ

 

カズマ『なんと!一夏王子に蹴りを入れて来たのは!隣の国の姫君であり許嫁、そして一夏王子の幼馴染、凰鈴音姫ではありませんか!?』

 

さっきとはテンションが違うカズマ君に違和感を感じつつも、ふたりの乱闘は続く

 

一夏「鈴!貴様まで挑みに来るとはな」

 

鈴「いいえ、あた…私が奪いに来たのは王冠じゃない……貴方の命です!」

 

そう言うとドレスの下をひきちぎり短くするとさっきよりも速く鋭い蹴りを飛ばしてきた

 

……今気づいたけど…あの娘普通に強いわね…いえ…もしかしたら私よりも……

 

一夏「なぜだ!許嫁である貴様が我の命を狙うとは…」

 

鈴「仕方ないのです……私は…幸せになりたいです!!」

 

カズマ『彼女と一夏王子は許嫁です……ですがそれは、双方の親が勝手に決めた戦略結婚なのです……それに幼い頃から苦しんでいた彼女だったが…遂に限界を迎えたのでした……一夏王子を殺し、親が決めた戦略結婚を潰す為に……』

 

一夏「……そうか…お前がそこまで苦しんでいたとは気づかなかった…」

 

そう言うと構えを解いた一夏王子

 

一夏「許してくれ……お前の気持ちに気づかなかったこの我を…」

 

いや何あれ!?私が考えたシンデレラが全く違うものに変わって来てるじゃないの!

 

一夏「しかし…これまで親に従順だったお前がそこまで意思をあらわにするとは……」

 

カズマ『と、ここで一夏王子…何かに気づいた様子』

 

一夏「お前、好きな男が出来たのか」

 

鈴「ふぇ///なななな何言っちゃんてんの!?///」

 

カズマ『図星をつかれた鈴音姫、普段の口調が乱れるほどの動揺を見せました』

 

ねえ?これシンデレラなのよね?

 

一夏「その者は誰だ?どこの国の貴族か?それとも王族か?」

 

鈴「わ///私が好きになった男は///こ///この国の平民です///」

 

一夏「そうか……その者は」

 

一夏王子は会場席に座っている観客達の方を向くと

 

一夏「あの男か?」

 

観客達の中にいるバンダナを付けた男に指を指した

そしてそこへスポットライトが当たる

 

弾「え?なっ!?」

 

それに彼は驚きを隠せていなかった

 

ん?今ここでやってるものすべて演技…なのよね?

 

鈴「ええ…そのとおりです……王族でありながら…私は…平民に恋しました……この世界では、身分の差の恋は禁じられていることは知っています。それでも…愛してしまったのです…」

 

カズマ『……王族と平民の身分差のある禁じられた恋……それを暴露してしまった鈴音姫』

 

鈴「覚悟は出来ております……どうか貴方の手で、私を殺めて下さい……貴方を殺そうとした報いは受けます」

 

カズマ『そう言うと鈴音姫は片膝を曲げ、首を差し出します』

 

一夏「……そうか…」

 

カズマ『そう言いますと一夏王子は鈴音姫に近づき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女を抱え』

 

一夏「ふん!」

 

カズマ『なんと彼女が愛した平民の男へ投げ飛ばした』

 

弾「わ!?」

 

それをバンダナ君が受け止めた

 

一夏「……行け…」

 

鈴「え?」

 

一夏「その者と共に行け……貴様の親には、我から伝えておこう……」

 

鈴「そ…そんな!わ、私は貴方を殺そうとしたのですよ!?なぜ…」

 

一夏「なぜって…そんなもの、決まっているではないか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幼馴染の幸せを願わない奴がどこにいる」

 

鈴「!」

 

カズマ『そう…一夏王子……彼は戦闘狂で暴君……だが、誰よりも許嫁の…幼馴染の幸せを願う、優しい暴君だった』

 

いや暴君なのに優しいってどういうこと?

 

一夏「貴様はこの先、王族という身分を捨てて生きていく……これから過酷な運命が貴様を襲うであろう……その者と、駆け落ちする覚悟は……あるのか?」

 

カズマ『一夏王子は鈴音姫に問う。それに最初は困惑した鈴音姫でしたが』

 

鈴「ええ…覚悟はできています!彼と生きて行く!その為なら、どんな過酷な運命でも、蹴り潰します!!」

 

カズマ『覚悟を込めた表情を見せたのだった』

 

一夏「……フッ」

 

カズマ『一夏王子は微笑すると背を向け』

 

一夏「ならば生きて見せろ、そしていつの日か見せてみろ。自分は幸せだということを……幸せになれ」

 

カズマ『そう言うと一夏王子は姿を消した。そして、愛する者に抱かれながら、鈴音姫……いえ、鈴と名を名乗るようになった彼女は、愛する者とこれからの事を思い描きながら、駆け落ちをするのだった』

 

弾「あ///ああ…///このまま出て行くのか///」

 

鈴「///うん…///」

 

カズマ君のナレーションが終わるとバンダナ君が鈴ちゃんをお姫様抱っこで持ち上げて、会場から出て行った

 

それに周りの女子生徒達が羨ましそうな表情やため息を浮かべていた

 

カズマ『そして、残された王子はというと』

 

いつの間にか場面は変わっていて、一夏君とドレスを着た篠ノ之箒ちゃんが対峙していた

 

カズマ『小国の姫君、篠ノ之箒姫と戦い打ち負かしていた』

 

一夏「フム…貴様、見込みあるな……王冠を奪うほどの実力はないが……将来性を感じた」

 

カズマ『そう言うと、一夏王子は王冠に手をかけ』

 

一夏「ぐっ!?」

 

王冠を取ろうとしたら電流が流れた

 

あれは散々乗っ取られたりやりたい方題されたことへの私の反抗よ

 

自分で取らないようにするための防止でもあるわ

さすがの彼もあの電流にはどうすることもできな

 

カズマ『王冠を取ると、箒姫に渡した』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はああああああああー!?

 

嘘でしょ!?

あの電流流れる王冠を外したの!?

 

なんてこと…これならもっと強めに設定すればよかったわ

 

箒「ど、どういうつもりだ貴様!」

 

一夏「見込みがあると言ったはずだ。貴様を妃にしてやる。最近許嫁に逃げられてな、多少強引にいかせてもらおう」

 

カズマ『こうして、許嫁と別れ、新たな女性と出会った暴君一夏王子は、箒姫の戦いの成長を身近で感じながら、充実した日々を過ごしていくのだった』

 

そう言うと弾幕が降り、物語が終わるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楯無「なんなの……これ…」

 

 

ちなみに、後で聞いたら…この舞台上のセリフや振る舞いは全て即興だったみたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「ん、疲れた〜」

 

演劇が終わり、更衣室で着替えを終えた俺は学園内を彷徨く

 

即興にしてはよくやれたほうだと内心満足しながら歩いていていると

 

???「あ、あの、織斑一夏さんですよね?」

 

ふと声をかけられ、振り返ると、スーツを着た女性が立っていた

 

???「失礼しました。私、こういうものです」

 

名刺を渡してきたので見てみるとそこには

(IS装備開発企業【みつるぎ】渉外担当・巻紙礼子(まきがみれいこ))と書いていた

 

巻紙「ぜひ、我社の装備を使っていただけないかなと思いまして」

 

世界初の男性操縦士である俺が装備を使ってもらうというのは、かなりの広告効果があるらしい

 

しょっちゅうこういう話が耳に入ってくるな

 

一夏「そうですか……とりあえず自分の所属先に確認してみますので待っててくれませんか?」

 

そう言い俺は携帯を取り出して少し離れた所でウチの上司に確認の連絡を入れた

 

一夏「とりあえず話を聞いてからにするらしいので、ちょっとついて来て下さい」

 

そう言い、俺は巻紙を更衣室まで連れて行き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の腹に不意の蹴りを食らわせた



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第36話 亡国企業

はい。あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。

いやもう新年から9日経ってますがお許しを




《一夏視点》

 

巻紙「ガッ!…かは…」

 

一夏「アンタさー、この俺を欺けると本気で思ってたのか?」  

 

更衣室では、俺が巻紙を不意の蹴りを腹に叩き込み、ロッカールームに叩きつけた

 

一夏「このIS学園はな?普段学園の関係者や許可した者以外が入ってくることを拒んでるんだよ…情報漏洩やら学園内のISが強奪されるのを防いだり生徒の身を護るって意味でセキュリティーが硬いわけだ?そんなこの学園が、この学園祭みたいなイベントでのみ、外部の人間を入れてくるわけ。当然、生徒ひとりひとりに配布された招待券…あれさ、誰に渡すのとか誰が来るのとか細かいチェックもしている……アンタみたいな招待券貰ってない不法侵入者防止の為にな……『みつるぎ』から使者が来るなんて聞いてないから、アンタが一発で不法侵入してんのがわかった……いや、アンタそもそも『みつるぎ』の人間じゃねえな」

 

そう巻紙を見ながら話した

 

一夏「歩き方……アンタの歩き方……あれは営業マンとかがする歩き方じゃないな。あれは戦いに身を置く奴の歩き方だ。それもかなりやってるな……無防備を晒しつつ、いつでも反撃できる……そんな歩き方だった……それに、俺が背中を見せた時、何度も殺気を出したのが決め手だったな……お前、何者だ?」

 

俺は睨みながら、それでいていつでもやれるように警戒している

 

巻紙「……くふふ、……ハハハハハハハハ!!」

 

俺に蹴られて地面に倒れていた巻紙が突然笑い出すとスーツが裂かれ、背中からえいりな爪が飛び出してきた

 

ISかあれは

 

巻紙「驚いた…本当に驚いた…まさか、てめえみたいなガキに気づかれちまうなんてな……侮り過ぎたな」

 

さっきまでとは違う口調で巻紙が俺に歪んだ笑みを浮かべた

 

そして奴は完全IS展開状態になると、装甲脚の銃口から実弾射撃をしてきた

 

一夏「チッ」

 

俺は白式を左手に部分展開をし、雪片で実弾を斬り、右手でショットライザーを撃った

 

ISに単独で侵入…そしてあからさまに俺を狙っていた

 

……この女

 

一夏「お前、亡国企業(ファントムタスク)だな?」

 

亡国企業

それは、世界の裏で暗躍する秘密結社であり、俺達仮面ライダーとA.I.M.S.の宿敵である

奴らは第二次世界大戦中に生まれ、50年以上前から活動しているらしく、世界中のあらゆる最新技術や最新の武器、兵器を奪うために多くの国や企業を襲撃しており、数年前にはZAIAエンタープライズジャパンにも襲撃をしてきた

そして、俺達仮面ライダーにA.I.M.S.がこれまで倒してきたマギアは皆、こいつら亡国企業がマギア化させてきた

 

 

オータム「そうだ!私こそが亡国企業が一人、オータム様だ!」

 

過去では奴らが他国のISを奪ったなどの報告を受けており、この女…オータムがこの学園に侵入した目的は学園のISいや…

 

一夏「目的は…俺のISか」

 

そう言いながらも俺は目を離さない

 

オータム「まあな、お前のIS…白式を奪いに来たんだよ…この、『アラクネ』でな!!」

 

アラクネ……ギリシャ神話では女神アテナの怒りを受けて蜘蛛に変えられた女の名前だったか…

 

アラクネの名の通り、奴はまるで蜘蛛のように壁や天井に張り付いて攻撃をしてくる

 

一夏「この狭い空間でなおかつ、接近戦で俺に勝てるとでも?」

 

そう言いながら俺が放つショットライザーの弾丸がヒットし、天井に張り付いていたオータムが地面に落下した

 

オータム「そうそう、ついでに教えといてやるよ。第二回モンド・グロッソでお前を拉致したのはウチの組織だ!感動のご対面だなぁ、ハハハハハハ!」

 

……そうか…お前らが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「だからなんだ?」

 

オータム「なに!?」

 

おそらく向こうは俺を怒らせる為に言ったんだろうが、俺が冷静なのを見て驚いていた

 

一夏「別に…お前らが俺を誘拐した事に…俺はそんなに怒りを感じちゃいねえよ……いや、お前らが俺を誘拐してくれたおかげで、俺はあの人(・・・)と出会えて、変わる事ができた…弱かった頃の自分と決別ができた………その事に対しては礼を言ってやりたいくらいだな………だから、お礼として…ここで仕留めてやるよ!」

 

そう言いながら俺はオータムに向かって走り出し

 

バレット!

 

オーソライズ!

 

ショットライザーにキーを差し込み

 

一夏「変身!」

 

ショットライズ!

 

シューティングウルフ!

 

走りながらバルカンに変身した

 

バレット!

 

オータム「それが仮面ライダーバルカンか!ぶっ潰してやるよ!」

 

アラクネからの実弾射撃をかわしながら差し込んでいるキーを押し

 

更に俺を切り裂こうと伸ばしてきたアラクネの装甲脚をかわし

 

オータム「くらえ!」

 

更に糸のような物を飛ばしてきたが

 

バルカン「甘い!」

 

スライディングの応用で滑り込み

 

無防備になっていた下からアラクネのボディに向かって

 

オータム「なっ!?」

 

バルカン「チェックメイトだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青いエネルギー弾を発射し

 

 

シューティングブラスト

 

オータム「ぐああああああああ!!」

 

ショットライザーから放たれた青いオオカミ型のエネルギー弾にオータム(アラクネ)は噛みつかれながら天井を貫いて吹き飛んで行った

 

バルカン「あ、やべ…あれ、逃しちまったか……」

 

そう思いながら変身を解いた

 

楯無「一夏くーん!」

 

俺を呼ぶ声がして振り返ると今更になって楯無が来た

 

楯無「学園に侵入者が来たって通報を受けてここに来たんだけど」

 

一夏「いや遅えなアンタ!」

 

楯無「助けに来たのに罵倒された!?」

 

一夏「アンタが来る前にとっくに終わった!アンタ生徒会長の癖に学園を守るのが遅すぎなんだよ!!」

 

この学園での生徒会長は最強の称号であると同時に学園を守護する者の称号でもある為、つまりこの会長は職務全うができていなかった

 

楯無「それで侵入者は…」

 

一夏「俺が吹っ飛ばしてしまって、多分逃げられたな」

 

楯無「ちょっと!何やってるの!?侵入者を逃がすなんて!」

 

一夏「うるさい!職務全うしなかったアンタだけには言われたくねえ!」

 

そう言い合いになってると

 

一夏「!避けろ!」

 

俺は楯無を蹴り飛ばした

 

楯無「キャッ!」

 

その瞬間楯無が立っていた場所には銃弾が飛んで来た

 

一夏「…こんな時にお前らか」

 

俺は銃弾が飛んできた先を睨んだ

 

そこにはメカメカしい見た目したロボット共…トリロバイトマギアが複数人立っていた

 

トリロバイトマギアは、本来マギア化したヒューマギアが他のヒューマギアをハッキングして強制的に暴走プログラムをインストールさせて変貌した姿であり、いわば戦闘員のような存在だ

 

戦闘員とはいえ、元々は力仕事などの作業環境に適応するためのバランサーやリミッター類が破壊され、凄まじいパワーを発揮して辺りを破壊し尽くす上、 生半可な攻撃では一時的に動きを止めるだけで、直ぐに再起動してしまう頑丈さを持ち 、武器としてナイフや銃を生成して使用することも出来るので、戦える手段がない一般人では太刀打ちできない

 

千冬『学園内の専用機持ち達に告ぐ!学園内にマギア出現!直ちに学園内のマギア殲滅をして欲しい!繰り返す!学園内にマギア出現!直ちに学園内のマギア殲滅をして欲しい!』

 

千冬姉の放送が流れた

 

一夏「チッ、面倒な置き土産残しやがったな!おい駄目会長!仕事しなかった分、しっかり働けよ」

 

楯無「誰が駄目会長よ!でも確かに仕事しなかった分…ここらで名誉挽回と行くわよ!!来なさい!霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)!」

 

そう言うと楯無の周りを透明の液状のフィールドが形成され、まるで水のドレスのようだった

そして左右にクリスタルのようなパーツが浮いていた

 

アクア・クリスタルと呼ばれるそこから水のヴェールが展開され、大きなマントのように楯無を包みこんだ

 

手にはランス状の武器を握りトリロバイトマギア達に向け

 

楯無「あなた達はこのIS学園生徒会長、更識楯無がお相手するわよ!」

 

そう言うと楯無はトリロバイトマギア達に飛びかかっていった

 

一夏「……お手並み拝見と行きますか…」

 

俺はそう呟きながらも、ショットライザーでトリロバイトマギア達を撃っていった

 

一夏「そういえばさっき連絡したが、あの人はもう来てんのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《シャルロット視点》

 

セシリア「多いですわね…どうにか来場者達は体育館に避難させましたが、こんなに多くてはきりがありませんわ」

 

ラウラ「アレがトリロバイトマギアか…日本に来る前に軍から言われてたが実物を見るのはこれが初めてだな」

 

シャルロット「そう言えば臨海学校の時に旅館に出てたんだよね」

 

織斑先生の放送を聞いた、僕達専用機持ちはそれぞれの場所で戦っていた

 

校舎内のマギアは僕とラウラとセシリアが、校舎の外は箒と鈴と簪、それとカズマが相手をしてる

 

ラウラ「こいつらひとりひとりは大した事は無いが、数が厄介だな」

 

シャルロット「体育館に近づけないようさせつつ、逃げ遅れた来場者を見つけないとね」

 

ラウラがワイヤーブレードで抑えた所を僕やセシリアが斬って撃って倒していた

 

これならどうにか

 

ゼツメライズ!

 

そう思った次の瞬間、突然何かが僕の頬を掠めてそばにいたセシリアとラウラに当たった

 

セシリア「きゃあ!」

 

ラウラ「ぐぁ!」

 

シャルロット「え…?」

 

驚いて何かが飛んできた方を見るとそこには、明らかに他のマギアとは違う

 

別の存在が立っていた

 

そしてそいつの手にはブーメランのような形をした剣を握っていた

 

さっき頬を掠めたのはあれだったんだ

 

セシリア「ど、どうしますか…?あれは他のものとは別物ですわよ」

 

ラウラ「おそらくアレがマギアだな…」

 

???「そのとおりだ…しかも…あれはクエネオタイプか」

 

すると突然僕達の後方から見覚えのある弾丸が飛んできて、マギアに当たって倒れた

 

クエネオマギア「がぁッ!!」

 

驚いた僕達は後ろを見るとそこにはスーツを来た女性が立っていた……って、あの人って

 

セシリア「や、刃さん!?」

 

シャルロット「ど、どうしてあなたがここへ」

 

そう、あの人は夏休みの沖縄旅行の時に僕達に同行してきた一夏の上司でA.I.M.S.の総指揮官、刃唯阿さんだ!

 

刃「なぜとは、おかしな事を聞く………まあ、確かに最近は前線に出る事は少ないが、私もA.I.M.S.だ…当然戦うさ」

 

そう言うと刃さんは腰に

 

ショットライザー!

 

一夏と同じショットライザーを付けた

 

ラウラ「あれは…」

 

刃「人工知能特別法違反を確認!対象を破壊する」

 

そして懐からプログライズキーを取り出して手のひらの上で回して

 

ダッシュ!

 

ショットライザーに装填

 

オーソライズ!

 

Kamen Rider...Kamen Rider... 』

 

刃「変身!」

 

ショットライズ!

 

一夏と違ってベルトに付けたままショットライザーの引き金を引いた

 

するとショットライザーから出た弾丸が刃さんの周りを回って刃さんの身体に装着していった

 

そして刃さんの身体はオレンジカラーの仮面ライダーになった

 

ラッシングチーター!

 

"Try to outrun this demon to get left in the dust."

 

ラウラ「へ、変身した…」

 

その瞬間僕達の間を仮面ライダーに変身した刃さんがすごい速さで駆け抜けて、起き上がろうとしたマギアを踏みつけた

 

そしてショットライザーを取り外してマギアに向け

 

バルキリー「お前の相手はこの私…仮面ライダーバルキリーだ!」

 

そう言い引き金を引いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《箒視点》

 

ゼロワン「はあ!」

 

ライジングカバンストラッシュ!

 

エカルマギア「があああああああ!!」

 

鈴「はあ!」

 

簪「そっち行ったよ!」

 

箒「逃さん!」

 

一方、私達は外にいるマギア達を殲滅していた

 

今一夏がマギアを倒していて、私達はトリロバイトマギアを相手にしていた

 

そして離れたところでカズマがマギアを倒した

 

しかし、数が多い

 

どこから出てきたんだこいつら

 

鈴「まだまだ出てきそうね」

 

箒「ああ、油断するな!」

 

簪「!アレは!」

 

簪が突然驚いた声を出し、簪が見ている方へ目を向けた

 

そこには

 

箒「!逃げ遅れた生徒が!」

 

生徒が数名トリロバイトマギアに囲まれてて、今にも襲われかけていた

 

箒「まずい!」

 

私と鈴が急いで生徒達を襲おうとしたトリロバイトマギアを倒そうと向かったが、この距離では間に合わない

 

箒「やめろー!!」

 

私達が来る前にトリロバイトマギア達が持つナイフが生徒達に当たる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カバンシュート!

 

その時突如空から紫色の矢が降り注ぎ、トリロバイトマギア達に当たり破壊した

 

よく見ると生徒達がいる場所には1本も落ちていなかった

 

驚く私達だったがそれよりも生徒達を避難させねばと思い動いた、簪に体育館まで避難させるように言った

 

鈴「箒!アレ…」

 

と、鈴が校舎の屋上に指を指した

 

私は指を指した方を向くとそこには

 

紫色をした何かが立っており、手には弓矢の様な物を持っていて、腰にはベルトのような物が巻かれていた

 

そして私達が見ていることに気づいたのか、その何かは姿を消した

 

箒「ベルト……まさか、仮面ライダーなのか?…」

 

そうつぶやくが、誰も答えなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴「紫色……アレってまさか」



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第37話 再会の時


3週間以上も投稿が遅れて申し訳ございませんでした!!

大学の後期が終わる為に試験やら課題やらでバタバタしてて遅くなりました!


《???視点》

 

???「もう少しだ、もう少しでスコールの所に着く、それまで耐えてくれ」

 

オータム「はぁ…はぁ…」

 

IS学園に潜入し、白式奪還を果たそうとしたオータムを、私は回収した

 

オータムはかなりの傷を負っていた

 

まさかオータムが返り討ちに合うなど想像していなかった…

 

一瞬頭に血がのぼりIS学園に行こうとしたがオータムに止められた

 

オータム「アレが仮面ライダーの力か……至近距離での攻撃を一回受けただけでこのざまになるなんてな…」

 

仮面ライダー……私はまだ戦った事がないのだが、オータムがこれほどやられたのなら、いずれ私も戦わなければならない

そして必ず…オータムを傷つけたこの報いを受けさせてやる

 

オータム「……そんな顔をするなエム……私は大丈夫だ」

 

エム「……すまない…私がもっと速く来ていれば…」

 

オータム「私が油断して怪我しただけだ…お前のせいじゃ無い……っと、私達が遅いからお迎えが来たな」

 

オータムに言われて私は気がついた

 

いつの間にか上空からISを纏った女性……スコールが降りてきた

 

スコールは私とオータムを見て

 

スコール「おかえりなさいオータム、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マドカ(・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

一夏「フーンフーンフーン♪」

 

箒「……なあ」

 

一夏「どうした箒?」

 

箒「その……大丈夫なのか?」

 

IS学園の学園祭で起こった襲撃事件の後始末を終え、どうにか死傷者を出すことなく学園祭は終わりを迎えたその日の夜

 

ベッドの上で横になる箒が俺に声をかけてきた

 

ちなみに俺はアップルパイを作ってオーブンで焼き上がるのを待っていた

 

一夏「何がだ?」

 

箒「その…お前は劇で私に王冠を渡したが……元々同居人の私に渡したとなると、更識会長や他の生徒からなにか言われないか?」

 

一夏「問題ねえ、『俺から王冠を手に入れた生徒が俺と同じ部屋になれる』、別に俺が自分から王冠を外して誰かに渡すのはルール違反じゃない……それをルール違反にしなかったあの会長は大方、電流付きの王冠を俺が外せるわけないって思ったからだろうな……まあ俺あれ以上の電流受けたことがあるから大したことなかったがな」

 

箒「……まえまえから思ってたが、お前本当に人間か?まさか本当は人工的に作られた生物だったりしないよな?」

 

一夏「だから人を人外みたいに言うな!誰が人造人間だ!」

 

箒「す、すまない………その、一夏があそこまで抵抗するとは思わなくてだな」

 

一夏「あの会長の思い通りになるのはすげえ嫌だったからな……後こんなおもしろい奴と別れるのは嫌だし」

 

箒「///!?」

 

一夏「……一応言っておくが、お前の事は今でも異性として好き………ではないが、お前は俺のお気に入りなんだよ……」

 

箒「………結構複雑だな……私は果たしてお前に異性として好きになってもらえる日が来るのだろうか…」

 

一夏「それはお前次第だな……っと、もう出来たか」

 

会話をしながら俺はオーブンを開けてアップルパイを取り出した

 

箒「その…一応聞かせて欲しい……も、もしだ、更識会長と私……どちらかと結婚ができる…なんて事になったら……お前はどっちを」

 

一夏「箒一択だな」

 

箒「///」

 

一夏「そりゃあそうだろ……付き合い長いし、家事もよくできるし真面目であの会長と違って俺を必要以上に苛つかせないし、後いじってからかうのが楽しいし」

 

箒「……最後のやつが割合を占めてないよな?」

 

一夏「さあ?……対してあの会長は俺をしょっちゅう苛つかせるだけじゃなくしつこいし、後姉って生き物だしな……あの会長とだけは絶対ない…仮に道端に落ちていても家に持ち帰らないな、交番に届けるレベルだ…いやそもそも無視するレベルだな」

 

箒「いやお前辛辣すぎないか!?……それとなぜそこまで姉を嫌う……千冬さんのせいか?」

 

一夏「まあな、あけど虚さんみたいな良識のある姉は別だな…ああ虚さんってのは本音の姉で生徒会の会計のことだ……ん、やっぱシナモンたっぷりのアップルパイは美味いな……箒、お前も食べてみろよ」

 

そう言い俺は箒にアップルパイを一切れ渡した

 

箒「ん!美味い!こんなのも作れるのか!!」

 

一夏「甘いの好きだからこうやってたまに作るからな」

 

そうして他愛もない会話を箒と続けた時だった

 

箒「そういえば、一夏達が戦っていた所とは別で私達も戦っていたんだが、その時に紫色のナニカが居たんだが……」

 

え……?

 

一夏「!………そいつってベルトをつけてたか?」

 

箒「え、あ、ああ…確かにつけていたな…それと弓の形をした武器から矢型のエネルギー弾を放っていたな…おかげで逃げ遅れた他の生徒達を逃がすことができた…もしかしてだが…アレは仮面ライダーなのか?」

 

まさか……あの人が……

 

一夏「……」

 

箒「一夏……?」

 

一夏「……まあ…いいかな…お前に話しても…」

 

箒「え?…」

 

一夏「今から話す事は…お前の口から言わないって誓ってくれるか?」

 

箒「!」

 

俺の言葉に箒は驚いたがやがて

 

箒「……なんの事かはわからないが…分かった…」

 

一夏「ん…まずはそうだな…あれは俺が中学生の頃だ…」

 

その日、俺は箒に過去の出来事を話した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「んー…今日はいつもどおり飛電インテリジェンスで兄貴の訓練を受けようと思ってきたんだが…どうしたんだよ社長…」

 

カズマ「悪い悪い…どうしても呼ばなきゃいけない用事があってだな」

 

翌朝

一波乱あった学園祭後の土曜日に、俺と箒達専用機持ちがいつもの様に飛電インテリジェンスで兄貴指導の訓練を受けに来た

 

セシリア「あ、あの…その用事とは、わたくし達も来てよろしいのでしょうか?」

 

カズマ「んー…一夏だけのつもりだったが…ま、いいよな…それじゃあ、俺について来い!」

 

少し考える素振りをしたカズマがそう言うので、俺達はとりあえずついていく事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてしばらくして歩くと、飛電インテリジェンスの地下にあるトレーニングルームに到着した

 

地下には既に先客が居た

 

雷電「よお、やっと来たか」

 

セシリア「あ、雷電さん、こんにちはです」

 

箒達「「「「こんにちは!!」」」」

 

一夏「兄貴、用事って、アンタからの呼び出しじゃないよな?」

 

先に居た先客、宇宙飛行士型ヒューマギアの『宇宙野郎雷電』だ

 

ヒューマギアとしては旧世代型であり、かつてカズマの爺さんであり先代社長が生きていた頃から飛電インテリジェンスで働いていた古参のヒューマギアだ

 

現在は若い社員の教育や仕事を始めたばかりのヒューマギアの指導係も請け負っている

 

ヒューマギアでありながらまるで人間のようにはっきりと堂々としており、新人達への面倒見の良さに加え、頼れる姿勢から周りから裏で『兄貴』と呼ばれている

 

まあ俺は堂々と言うけどな

 

ちなみに俺がA.I.M.S.入隊前に散々鍛えてくれたのが兄貴で、とにかく厳しすぎて何度か死にかけた事もあった

 

そして今でもトラウマになってはいるが、最近は徐々に気にしなくなってきた

 

雷電「いや、ちげえな……用事って言うのは」

 

と、兄貴が何かを言おうとしたその時

 

突如奥の方から何かが飛んできた

 

一夏「ッ!」

 

とっさに俺は右手を部分展開にして雪片をだし飛んできたのを斬った

 

斬った物は小さく爆発した

 

シャルロット「え?」

 

ラウラ「なっ!?」

 

鈴「なに!?」

 

続いてまた飛んできたそれは紫色の矢形のエネルギー弾だった

 

一夏「!」

 

俺はそれを避けながら懐からショットライザーを取り出して矢の飛んできた方へ何発か撃つ

 

すると奥からそれを撃ち落としたり斬る音が流れた

 

そして何かが俺達の方に近づいて来て俺を斬りかかった

 

俺はそれを雪片で防ぐ

 

俺を斬ろうとしていたものはアタッシュウェポンシリーズの弓型の武器、アタッシュアローだった

 

こんな物を使うのは、俺は一人しか知らない

 

一夏「……再会早々、辻斬りみたく襲ってくるなんて、びっくりしましたよ…」

 

???「…お前がどれほど腕を上げたのか確かめたくなってな……が、どうやら実力は以前以上のようだな……」

 

俺に斬りかかってきたナニカ……ターバンを頭につけた男はそう言うと武器を下ろした

 

いや、この人を俺はよく知っている

 

シャルロット「え…?なに…今の…」

 

箒「!……(あの人は…もしかして…)」

 

鈴「……(そっか…この人が…)」

 

???「久しぶりだな………一夏」

 

一夏「はい、お久しぶりです…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ホロビ)さん!」

 

そう…この人こそが、かつて俺の命を救ってくれた恩人であり、俺が心の底から尊敬し、師匠でありそして、世界中を飛び回り活動する滅亡迅雷.netの司令塔…(ホロビ)

 

またの名を、『仮面ライダー(ホロビ)

 

 





本当に遅くなって申し訳ございませんでした!!


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第38話 滅という男

今日で私が小説投稿を開始して3年目になります。

まあ特に何もないんですがね

そしてかなり短いです。


《カズマ視点》

 

セシリア「ええ!?あ、あなたが…あの悪名高い…滅亡迅雷.netの…それも司令塔ですの!?」

 

ラウラ「なっ!?」

 

シャルロット「そ、それも…一夏の恩人!?」

 

飛電インテリジェンスの地下トレーニングルームにて、再会を果たした滅と一夏

 

一夏は滅の事を紹介したが、それにセシリア達は驚いていた

 

そりゃあそうか…仮にも世間での滅達滅亡迅雷.netは世界中で活動するテロリスト集団と認識が一般的だからな

 

一夏「まあ待てって、この人達は世間で認識されるような悪人達ではねえよ。実際、この場にいる奴の祖国を助けたことだってあったしな」

 

カズマ「ああ、例えばセシリア…」

 

セシリア「な、なんですの?」

 

カズマ「お前の故郷、イギリスの実験機体IS『サイレント・ゼフィルス』は以前亡国企業に強奪されたことがあったが、それは滅達滅亡迅雷.netが奪いイギリスに返した」

 

セシリア「え…?」

 

カズマ「他だとドイツ軍と敵対していた犯罪組織を捕縛してドイツ軍に送ったこともあったな」  

 

ラウラ「!?」

 

一夏「まあそんな感じで、表に出ずに各国で起きた事件を解決してるわけだ…まあ、今の様子じゃセシリアもラウラも知らなかったようだが、大方ドイツ軍が犯罪組織を捕えたって事にして事実を捻じ曲げていて、そもそもイギリスのISは盗まれた事実を明らかにしてないみたいだな」

 

カズマ「どれも決して世間に公表できる内容ではないからな」

 

シャルロット「ね、ねえ一夏…そもそもどうして一夏はその…滅さんに対して目上の人の様に扱うの…?」

 

シャルがおずおずとした様子で一夏に聞いてきた

 

一夏「そりゃあそうだろ…この人は俺の恩人で尊敬する人だからな」

 

シャルロット「え?」

 

一夏「んー、良いか話しても」

 

そこからは、一夏が滅と出会った時の話をした

 

ちなみに滅は迅と普段は海外で活動しているが、時々日本に戻り、一夏に顔を合わせに来る

 

今だから言うが、一夏がモンド・グロッソ第二回大会で誘拐されたあの時

 

たまたまA.I.M.S.随一のハッキング技術を持つ亡が日本国内全てをハッキング盗聴し、日本に潜む犯罪組織の炙り出しを測っていたが、日本政府に亡国企業が流した要求を盗聴し、それを偶然ドイツにある亡国企業の支部を滅ぼしに来ていた滅に伝達し、それを受けた滅が一夏を捕らえた亡国企業連中のアジトを突き止め始末をした

 

……実はまだA.I.M.S.設立仕立ての頃、とにかく若くて優秀な人材を俺は探していた

そしたらちょうど同じ中学に、明らかに並の中学生を凌駕する身体能力を持ち、しかもあの初代ブリュンヒルデの弟である一夏を見つけ、当時一度スカウトしてみたが蹴られた。しかしその後のモンド・グロッソで起きた誘拐事件で滅に救われた後、決心し俺のスカウトを改めて受けた

 

後から聞いてみたが、あの頃の一夏は、特に強くなる理由もなく、夢を語るだけで何もしない自身を内心で嫌い、どこかで区切りを付けたかったみたいだった

そこで滅に命を救われ、滅に言われて変わる決意を決めたらしい

 

それと一夏だけでなく、一夏と互角以上にやり合える鈴の事もスカウトしたかったのだが、そもそもA.I.M.S.の入隊基準は15歳からだが、設立したてで所属するメンバーは皆大人だけであり、実際に年少で入隊させた場合の事を考えて無かったため、一夏を使って試験的に色々(訓練)させてから鈴の事もスカウトしようとしてたが、その前に鈴が中国に帰るし代表候補生になるしでおじゃんになっちまった

 

まあ一夏で色々試験的にやった結果

現在ではA.I.M.S.の入隊基準は15歳からだが、入隊後すぐに仕事が使える人材になるためにその前から飛電インテリジェンスにいる雷電指導の訓練を受けられる事ができるようになっている。その訓練期間は仮入隊扱いになる。

 

ちなみに一夏がA.I.M.S.に仮入隊したのは13歳過ぎてからであり、そこから15歳になり正式に入隊するまでの間、雷電からの厳しい訓練を受けていた

 

セシリア「そう…ですか…そのような」

 

ラウラ「まさか、兄さんが拐われた事件の裏に、そんなことが…」

 

シャルロット「それで…」

 

一夏が話を終えるとセシリア達は驚く様子を見せた

 

箒「あ、あの…」

 

そこへ滅に箒が話しかけた

 

そんな箒の後ろから鈴も顔を出していた

 

滅「お前は篠ノ之箒…篠ノ之束の妹だな…?それとお前は中国代表候補生の凰鈴音だな?」

 

箒「あ、はい…私のことは出来れば名前で呼んでくれると助かります…」

 

鈴「あたしの事も、鈴でお願いします……あの、貴方のことは昔、一夏から話を聞いていたので知っています」

 

箒「!そうだったか…私は昨日一夏に教えられたぞ」

 

どうやら一夏は前もってふたりに話していたようだった

 

一応あまり他人に話してもいい内容ではないが、まあ俺もこいつらの事は信用しているように、アイツも信頼してるようだしいいか

 

箒「その…もし貴方に会えたら、言いたいことがありました」

 

鈴「あたしも、会えたら伝えたかったことが」

 

滅「なんだ?」

 

箒「はい…一夏を…私の幼馴染みを」

 

鈴「あたしの好敵手(親友)を」

 

箒/鈴「「助けてくれて、ありがとうございます!」」

 

そう言いながらふたりは頭を下げた

 

滅「!」

 

それに滅は少し驚いた様子だった

 

まあ…そうか…滅も含めて滅亡迅雷.netは皆見返りを求めて活動しているわけじゃなく、良くも悪くとも自分達の正義の為に動いている連中だ

 

誰かに礼を言われることもなく、誰かに感謝されることもなく……そんな自分に頭を下げてお礼を言われて少し戸惑っているな

というか、ほぼ言われたことがなかっただろうな

 

滅「……久しぶりに…人間に礼を言われたな…」

 

箒「??」

 

滅「箒、鈴…俺は俺の正義を実行したまでだ…お前達に礼を言われる程のことをしていない」

 

箒「いえ…貴方のおかげで一夏は今生きています!そのお礼は必ず伝えたいと思っていました!」

 

鈴「どんな理由であれ、助けた事に変わりありません」

 

滅に言われてもふたりは下げた頭をあげない

 

滅「………お前達は、一夏から聞いた通りの人間だな」

 

箒/鈴「「え?」」

 

滅「以前一夏は言っていた。自分にはからかいがいのある真面目な幼馴染みと友達思いの好敵手(親友)がいるとな…」

 

滅から言われ、ふたりは一夏の方を向くと

 

一夏「ん?間違っちゃいねえだろ?」

 

それに対して一夏はなんて事ないとでも言いたげに振る舞った

 

それに鈴は少し、箒は頬が真っ赤に染まった

 

滅「一夏」

 

一夏「はい、滅さん?」

 

滅「亡から聞いたが、お前は専用機持ちと仮面ライダーになったようだな…」

 

一夏「はい」

 

滅「………今日は話をするだけのつもりだったが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試してやろう、今のお前の実力を」

 

そう滅に眼光を向けられた一夏はそれに僅かな反応を見せたあと

 

一夏「…上等だ…なら俺も確かめてやる…俺がアンタ相手にどの程度通じるのか」

 

好戦的な目に変え、滅に対峙した

 

カズマ「なら、これは移動だな…ついてこいお前ら」

 

 



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第39話 仮面ライダー滅対仮面ライダーバルカン

《箒視点》

 

カズマ「よし…着いたな」

 

カズマに言われて私達は地下トレーニングルームの奥の奥、更に奥へと進むとA.I.M.S.のロゴマークが刻まれたバイクや特殊車両が置いてあった

 

私を含めた全員を特殊車両に乗せると、雷電さんが運転をしてくれた

 

しばらく地下トレーニングルームの先の先へと車を走らせて進むと、どこかの地上へと通じる坂があり、それを超え地上へ上がると、あたり一面人気のない場所に出てきた

 

ボロボロの建物やもう誰も使われてない民家が立ち並んでいた

 

箒「ここは?」

 

私はこの場所に疑問を覚え、一夏に聞いた

 

一夏「ここは飛電が所有している訓練、模擬実戦用の私有地だな。よくここでA.I.M.S.の隊員達との戦闘訓練で使っている」

 

カズマ「元々ここはヒューマギア運用実験都市だったが、今は廃墟で使われてないから、どうせならって事で管理してる飛電インテリジェンスが訓練用として使わせてるんだよ。ああ、だが一般開放してるわけじゃないから、関係者以外は立入禁止になってるがな」

 

ヒューマギア運用実験都市?

 

私はどこかで聞いたことがあるワードを思い出そうとしたが思い出せなかった

 

一夏「さて、ここでなら存分にやれるな」

 

そう言うと一夏がショットライザーを取り出した

 

滅「手加減は無用だ……全力でかかってこい」

 

対する滅さんはカズマが使っているベルトとは違うベルトを取り出して腰に取り付けた

 

フォースライザー

 

一夏は自分のプログライズキーを取り出して

 

バレット!

 

オーソライズ!

 

ショットライザーにキーを差し込み

 

一夏「変身!」

 

ショットライズ!

 

シューティングウルフ!

 

バルカンに変身した

 

一夏の変身を見届けた滅さんは右手に紫色のプログライズキーを取り出し、手の向きを水平にして右の方へと伸ばし、キーを持つ手の向きを正面へと向け

 

ポイズン!

 

滅「変身」

 

そう言いキーをベルトの差し込み口に入れる

 

セシリア「きゃあ!」

 

シャルロット「わ!?」

 

すると警告音の様な待機音が流れるとともにベルトから巨大な機械のサソリ(おそらくライダーモデル)が飛び出すとまるで私達に威嚇するような態度を見せ、滅さんがベルトに付いているアンカーの様な物を引っ張ると

 

フォースライズ!

 

スティングスコーピオン!

 

差し込んでいたキーが強制展開をし、サソリが滅さんの胸を刺し、そのまま尾を軸にして背後から覆い被さり、やがて滅さんの立っていた場所には紫色の仮面ライダーが立っていた

 

Break down

 

 

カズマと一夏と雷電除いた全員「「「「「!!」」」」」

 

その姿を見た時、凄まじい威圧を感じた

 

鈴「なに…今の感じは…」

 

ラウラ「…まるで、歴戦の猛者の様な風格だな…」

 

カズマ「ん、間違ってないな。滅が変身するあの仮面ライダー滅はこれまで多くの戦場で戦い抜いて来たからな。その実力は滅亡迅雷.net全メンバー中最強だ」

 

滅「……来い」

 

バルカン「はあ!」

 

ついに始まる…一夏対滅亡迅雷.net、滅さん

 

あの一夏が尊敬し敬愛する程の者……いったいどうなるのだろうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《カズマ視点》

 

カズマ「あいつ…また強くなってるな」

 

シャルロット「え?」

 

カズマ「一夏も強くなってるが、強くなってるのは滅も一緒だな」

 

滅と一夏が戦い始めてしばらく経つが、一夏が押されているな…いや、滅相手にあそこまで戦えているのは大したものだが…

 

滅は一夏の攻撃をかわして速攻でカウンターをするが、一夏は踏みとどまりながら立ち向かう

 

カズマ「さて、お前ら…あのふたりの戦いを見て気づいたことはないか?」

 

俺は箒達に声をかけた

 

鈴「……無駄がないわね…滅さんの動きに……洗練してるわ」

 

ラウラ「ああ…攻撃に防御に一切の無駄も空きもなく、更に兄さんの攻撃を最小限の動きでいなしている」

 

セシリア「ええ……それに…あの一夏さんがあんなにも押されるなんて…」

 

箒「だがなぜだ?……なぜパワー重視のパンチングコングで戦わない…」

 

カズマ「一夏の奴考えてるな……滅相手にパワーによるゴリ押しは意味がないからな」

 

箒「え?」

 

カズマ「多くの戦場で戦ってきた滅は豊富な戦闘経験に多くの戦術を持つ完全なテクニック型だ……そして奴の最大の強みは相手の動きをよく観察、学習をして反撃する……それにより相手の動きをラーニングして自分よりも格上のスペックや実力を持つ相手にも勝利してきた…パワー重視で素早さが死んでいるパンチングコングでは格好の的でしかない……それならパワーは劣っても俊敏性に優れているシューティングウルフの方がいいな……ちなみに俺は滅とやり合ってほとんど勝ったことがないからな」

 

シャルロット「ええ!?カ、カズマがほとんど勝てなかったって…」

 

カズマ「まあ最後に戦ったのは学園に入学する前だったし…今なら負けねえよ」

 

っとは言ったものの、今でもまともにやり合っても分が悪いがな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

バルカン「はあ…はあ…」

 

クソッ…ここまで差があんのかよ

俺も強くなったと思ってたんだがなあ

 

滅「……パンチングコングで戦わないのは賢明だが、その分受ける攻撃からの防御力が低下している事に……気づいているか…」

 

バルカン「……はい…」

 

そうなんだよなあ…滅さん相手に力のゴリ押しが通用しねえし、それなら身軽に立ち回れるシューティングウルフにしたんだが、それでも滅さん相手じゃ気休め程度でしかないな

 

滅「…まさか、これで終わりとは言わないだろうな?」

 

滅さんがそう言うとアタッシュアローを取り出して攻撃をしてきた

 

バルカン「!」

 

俺は避けながら右手を部分展開させて雪片を出した

 

……仮面ライダーに変身中にISの部分展開なんて無茶振りだとは思うがやってみたらなんか出来たわ

 

まあ流石に仮面ライダーとISを同時に使うのはできなかったな、その場合は一旦変身解除してから白式を展開させる必要がある

 

その間どうしても間に空きが出来て戦闘中じゃやれないな

 

滅「ムッ!」

 

滅さんがアタッシュアローを上に放つと一本の矢型のエネルギー弾から大量に分裂した

 

バルカン「うぉっ!」

 

俺は走りながら雪片でさばきながら避け、更に片手でショットライザーを撃った

 

が、それすら滅さんはアタッシュアローを持つ腕だけで防ぎ、必要以上に動かなかった

 

滅「防ぎながら攻撃とはな……ならば、これはどう凌ぐか…?」

 

すると滅さんは一つのプログライズキーを取り出して

 

ストロング!

 

バルカン「やべ!」

 

俺は滅さんが何をやろうとしてるのか瞬時に察して、白式から拡張領域内に入れておいたアタッシュショットガンを取り出した

 

本来、ワンオフ・アビリティーに容量を喰われていて後付武装を付けられなかったが、つい先日刃さん達A.I.M.S.の技術者達がやっとアタッシュショットガン一本程度ではあるが容量を増やすことに成功した(ちなみにこの作業のためだけに何日も不眠不休だったらしい)

 

パワー!

 

そしてパンチングコングプログライズキーを差し込み

 

"Progrise key confirmed. Ready to utilize."

 

コングズアビリティ!

 

それに対し滅さんもプログライズキーをアタッシュアローに差し込み

 

ヘラクレスビートルズアビリティ!

 

バルカン「はあ!」

 

滅「フ!」

 

パンチングカバンショット!

 

アメイジングカバンシュート!

 

それぞれの武器から必殺技が放たれた

 

俺のからはゴリラの腕型のエネルギー弾に対して滅さんのアタッシュアローからはヘラクレスオオカブトの角を模したエネルギー弾が放たれ、互いの必殺技が衝突し、大きな爆発が起きた

 

カズマ「うぉ!」

 

セシリア「きゃあ!!」

 

鈴「があ!土煙!土煙があ!!」

 

箒「目があー!!目があー!!」

 

……なんか外野の方に被害が出てる気がするが向こうを気にしている暇はないな…

 

……やっぱ駄目か

 

土煙が晴れると滅さんがフォースライザーに手を当てながらこちらへ歩いて来る

 

これは…

 

滅「……」

 

バルカン「……」

 

俺も無言でショットライザーを腰のバックルに入れ、

 

バレット!

 

キーを押す

 

すると待機音が流れ出し、俺は走りながらジャンプし

 

バルカン「うおおおおおおー!!」

 

ショットライザーの引き金を引いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして空中でライダーキックの体勢を取り、左足に青い狼のエネルギーが纏って、それが大きく口を開けながら滅さんへキックをした

 

それに対して滅さんはフォースライザーのレバーを一度引き、中のプログライズキーが閉じ、またレバーを引くと展開した

 

スティングディストピア!

 

すると滅さんの左腕の蠍の毒針を思わせる伸縮刺突ユニット『アシッドアナライズ』の支管が右足に集まり

 

滅「はあ!」

 

助走もつけずにその場でキックをした

 

      

     滅 殲   

      

 

そして俺達の必殺キックが衝突し

 

シューティングブラストフィーバー

 

 

    スティング

   ディストピア

 

バルカン「ぐあああああ!!」

 

滅「があああああ!!」

 

さっき以上の爆発が起こった

 

箒「!一夏ー!!」





いやー、アンケートの結果を見て予想外過ぎて驚いてますよ。自分的にはサプライズ・フューチャーや超MOVIE大戦ジェネシスにトゥルー・エンディングが結構多いのかと思ったらまさかの将軍と21のコアメダルとBe the oneの方が多いという結果に

まあ令和 ザ・ファースト・ジェネレーションが特に多いのは予想できていましたが、ビヨンド・ジェネレーションズが少ないのがちょっとショックでした。


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第40話 滅亡迅雷.net

 

《カズマ視点》

 

箒「ど…どうなったんだ…これは…」

 

鈴「お互いの必殺キックがぶつかり合って爆発したけど…」

 

カズマ「……おそらく終わってないだろうな……だが…!」

 

これ以上は止めたほうがいいな…そう言おうとしたその時だった

 

突然爆発で出来た土煙がまるでなにかに斬られたかのように煙が振り払われるとその場には滅と白式を纏った一夏がそれぞれの武器で衝突していた

 

カズマ「……やっぱ止めたほうがいいか」

 

そう思いながらゼロワンドライバーととあるプログライズキーを取り出し…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《滅視点》

 

一夏とキックのぶつかりあいで流石に無事では済まなかったが、変身解除するほどのダメージは受けなかった

 

おそらく一夏も変身解除はしてないだろうな

 

そう思った次の瞬間、俺の長年の戦いでの経験からか、瞬時に身体の向きを変えアタッシュアローで防ぐ

 

するとアタッシュアローを持つ俺の腕に重い衝撃が降りてきた

 

これにより周りの土煙が振り払われ、視界の先にはアタッシュアローに斬りかかる一夏がいた

 

しかもいつの間にか変身解除をしISを纏っていた

 

一夏「ッ……流石は滅さんだ…今の土煙で視界が遮られていたってのに背後からの俺の不意打ちに対応するなんて…」

 

滅「……なるほど…あの衝突後に変身解除をしISに切り替えたか…ISの機動力で一瞬で背後にまわりこむ…悪くない手だな……油断していたら俺がやられていた」

 

やがて俺と一夏は距離を取り

 

一夏「それでこそ滅さんだ……おかげで俺も本気でやれるな」

 

滅「手加減はするつもりはなかったが…お前が相手ならそうも行かなそうだな」

 

俺はアタッシュアローを構えながら言う

 

……あの日

亡国企業に誘拐されるほど弱く、殺されかけて居た力なき少年……俺が助けた少年が今、こうして俺の目の前に立ち、あの時とは比べようもない強さと気丈さ…そして夢へと向かう強い姿勢を見せている

 

織斑一夏

 

滅「……よくぞここまで来たな」

 

俺はそう呟くとアタッシュアローを持ちながら一夏に斬りかかり

 

一夏「勝負だ、滅さん!」

 

対する一夏も加速し斬りかかった

 

滅「はあああああ!!」

 

一夏「うおおおおお!!」

 

俺と一夏が衝突

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しようとした次の瞬間

 

突如氷の壁が生成され、俺達の攻撃を止められた

 

一夏「うお!」

 

滅「なっ!?」

 

Attention freeze!フリージングベアー!

 

Fierce breath as cold as arctic winds.

 

ゼロワン「……そこまでだお前ら」

 

気付けばいつの間にかゼロワンに変身していたカズマが、氷を操るフリージングベアープログライズキーで変身したフリージングベアーになって止められた

 

一夏「なんだよ社長ー…せっかく気分が乗ってきてこれからだってなってたのによー…」

 

滅「ああ……俺らしくはなかったが…………楽しんでいたのだが…」

 

ゼロワン「それは悪かったな…だが、もう十分だろ……これ以上させたら、両者共にただでは済まなくなりそうだからな…ほら、もうやめたやめた」

 

カズマに止められ、一夏がため息をつきながらISを解除し、俺も仕方なく変身解除をした

 

カズマ「さてと、滅は一夏がどれほど強くなったかよく伝わっただろうな…そして一夏…今のお前と滅との実力差もよく感じただろうな…」

 

滅「ああ…確かに強くなっていたな……まだ未熟な所はあるが、少なくとも俺が本気を出さなければならないほどの能力を秘めている…」

 

一夏「………正直、滅さんの背後にまわって斬りかかろうとした時…勝ちのビジョンが見えなかったな……止められると感じた…」

 

カズマ「ん…まあ互いに思うことはあるだろうが、それは各々胸の中で今後の自分への課題として考えてな……まあ滅は少し焦ったほうが良いかもな……そう遠くないうちに、一夏に黒星付けられるかもしれないしな」

 

そう言いながら変身解除をするカズマに

 

滅「……フッ……むしろ望むところだ。どれだけ強くなろうと、俺は更にラーニングして強くなろう」

 

俺は笑みを浮かべながら言った

 

???「やっと終わったか……」

 

そう声がする方を向くとそこには

 

滅「刃唯阿…」

 

仮面ライダーバルキリーの変身者であり、A.I.M.S.全体を動かす総指揮官兼A.I.M.S.特殊技術研究所の最高責任者、刃唯阿

そして刃唯阿の補佐兼A.I.M.S.特殊技術研究所技術顧問を請け負っている我が同胞

 

《一夏視点》

 

一夏「(ナキ)さん」

 

ウチの上司2名が来た事に少し驚きを感じているが、とりあえず会釈する

 

更に兄貴と法規達も集まってきた

 

シャルロット「ね、ねえ一夏……あの人は…」

 

刃さんのそばにいる亡さんに誰なのかシャルが聞いてきた

 

よく見ると他の奴らも気になっている様子だ

 

そういえば何気にこいつらと亡さんが会うのはこれが初めてだな

 

一夏「紹介する…この人は亡さん…刃さんの補佐をしながらA.I.M.S.で技術顧問もやっている」

 

亡「亡です。どうぞお見知りおきを」

 

シャルロット「え?……ヒューマギアだよね?」

 

ヒューマギアである亡さんの役職に驚くシャルに刃さんは

 

刃「人間であれ、ヒューマギアであれ、心の自由は尊重されなくてはならない。亡は亡の意思でA.I.M.S.にいて、亡がA.I.M.S.で作るものが多くの人の命を救っている……誰かを救うことに、人間も機械もない」

 

そう言い、それを聞き気まずくなったシャルは

 

シャルロット「ご、ごめんなさい…無神経な事を言ってしまって…」

 

それに対し

 

亡「いえ、私は気にしていませんので、どうぞお気になさらず…」

 

亡さんがそう淡々と言った

 

鈴「それにしても強かったわね…滅さん、まるで機械みたいに正確な動きをするし、動きに無駄もなくて圧巻だったわ!」

 

ラウラ「ああ……確かに無駄がなく完璧と言ってよかったな」

 

滅「長く戦って培った戦闘のラーニングをしたまでだ」

 

箒「……そのラーニングって言い方…まるで機械みたいな言い方ですね」

 

と、軽く冗談のつもりで言ったであろう箒

 

滅「……人間ではないからな」

 

箒「へ?」

 

そんな箒をよそに滅さんは頭につけているターバンを外した

 

箒を含めた専用気持ち全員「「「「「!?」」」」」

 

箒を含めた専用機持ち全員が驚いた…なぜなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滅さんのつけていたターバンの下には

 

セシリア「あ…あなたは…ヒ、ヒューマギアだったんですか!?」

 

ヒューマギアが持つヒューマギアモジュール

 

を無理やり引き剥がしたような跡があり、そこから機械が露出していた

 

シャルロット「そ、それがなんでこんな活動を…」

 

カズマ「……あんま長くなるから手短に言うと、人間みたいに悩んで考え…その上での結論で動いたヒューマギアなんだよ滅…を含めた滅亡迅雷.netのメンバーはな」

 

箒を含めた専用気持ち全員「!?」

 

鈴「え…待って!今なんて…」

 

滅「………この場には、俺を含めた3人の滅亡迅雷.net構成員がいる」

 

そんな滅さんの言葉に亡さんと兄貴が前に出て

 

亡「改めて自己紹介します…滅亡迅雷.net、(ナキ)です」

 

雷電「同じく滅亡迅雷.net、(イカヅチ)だ」

 

シャルロット「ええ!?き、今日何度目かの驚きだよ!」

 

カズマ「…シャル、滅亡迅雷.netって字で書くとどう書くか?」

 

シャルロット「え…ええ…」

 

カズマに言われて困惑しながらもどう書くのか悩むシャルに

 

ラウラ「ん、たしかこう書くはずだ…」

 

横からラウラが木の棒を持ち地面に書いた

 

        『滅亡迅雷.net』

 

カズマ「そうだ…つまり滅亡迅雷.netのメンバーは字で書いてのごとくだ…『(めつ)』が(ホロビ)で『(ぼう)』が(ナキ)、んで『(らい)』が『(イカヅチ)』だ…」

 

ラウラ「ん?いやまて…それではこの(じん)とは?」

 

カズマ「迅は(ジン)…今この場にいないもう一人のメンバーだな……そういや迅の奴はどこへ…?」

 

滅「あいつなら後で合流すると言って置いてきたが…おそらくそろそろ」

 

???「ごめーん!!遅くなった!」

 

そう話しているとそばの建物の影からフードを被った男が飛び出してきた

 

雷「おせーぞ迅」

 

亡「遅刻ですよ」

 

迅「だからごめんって、アジトの花に水やりしてたら遅くなってさ…あ、一夏久しぶり!」

 

一夏「迅…久しぶりだが、相変わらず時間にルーズだな」

 

カズマ「全くだな、滅が一緒じゃなきゃいつも一番来るのが遅いからな」

 

迅「いや本当にごめんって…」

 

一夏「お前ら、こいつが滅亡迅雷.net最後のメンバーの迅だ」

 

迅「改めて(ジン)だよ。君達がカズマと一夏の友達?これからもあのふたりとは良い友達でいてね!」

 

箒含めた専用機持ち達「「「「は…はあ…」」」」

 

最後に来た迅のテンションに少し啞然とする箒達

 

ちなみにこんなテンションをする迅だが一応滅亡迅雷.netのメンバーの中では滅さん、亡さん、兄貴より少し後に誕生(・・)したからなのか精神年齢が俺達に近く、逆に他3人はほぼ同時期に誕生(・・・・・・・・)したからなのか精神年齢が大人だ

 

そのせいで迅に対しては同世代みたいに接してしまう

まあ迅自体はそんなことを気にしてないみたいだが

 

ラウラ「ち、ちなみに兄さん、その…迅は」

 

一夏「同じくヒューマギアだな…」

 

カズマ「んー…まあ、これで滅亡迅雷.netのメンバーが全員揃った事だし、そろそろ本日の議題に入るか」

 

セシリア「あ、あの…今更ですが、わたくし達知ってはいけないことを知ってしまったのでは……」

 

ラウラ「た、たしかにな…」

 

鈴「仮にも世間ではテロリスト集団って認識されている滅亡迅雷.netのメンバーの素顔を見てしまったしね…」

 

一夏「そうだな…たしかに世間に知られてはいけないことをお前らは知ってしまったな。これはもう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死んでもらうしかないなあ?

 

シャルロット「ええー!?」

 

ラウラ「!?」

 

箒「じ、自分達から勝手に話したのにか!?」

 

セシリア「そ、そんなのあんまりですわー!!」

 

俺の言葉にオロオロしだす箒達をよそに

 

鈴「えい」

 

一夏「痛ッ」

 

鈴が俺の頭を叩いてきた

 

鈴「あんまり箒達で遊ぶんじゃないわよ」

 

一夏「チェッ…お前には通用しないか」

 

鈴「当然でしょ?……まあ消すつもりは無くとも他言無用を願うでしょ?」

 

一夏「ああ……そういうことだから、お前らこのことは他言無用で頼むぞ………」

 

シャルロット「い、一応聞くけど、もし…言ったりしたら…」

 

一夏「ははははははは………聞きたい?

 

シャルロット「け、結構です…はい…」

 

カズマ「……そろそろ始めるぞ…ええっとまずは」

 

こうして、カズマから今後の俺達の取るべき行動について会議を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

学園長「先日の襲撃事件、ちょうど学園祭の開催中で来場者が多く訪れてましたが、生徒も来場者のどちらも怪我がなく幸いでした」

 

週開けの月曜日

 

早朝の全校集会に集められた俺達は、この学園の学園長の話を聞いていた

 

ちなみに今話している学園長は仮の学園長で、本物は別でいる

 

学園長「先日の襲撃事件、並びに過去のIS学園で起きた様々なハプニングを受け、このような事態に対抗、或いは未然に防げるよう、本日より対人工知能、IS特務機関

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A.I.M.S.をIS学園に配備させます!」

 

その発言に会場の生徒達は驚きを隠せずにいる

 

そんな周りの生徒達などお構いなく、学園長のいる舞台上には武装したA.I.M.S.の隊員と我が上司

 

刃「本日よりこの学園の警備を行うA.I.M.S.総指揮官、刃唯阿だ」

 

刃さんが立っている



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第41話 ロシア国家代表対仮面ライダーバルキリー


《最近の小説執筆モチベーション不足の原因》

小説のネタ不足

地元で復活のコアメダルやらない

出番のない面々たち←???『出番をー!!』

カズアクが足りん←一番の理由


 

《カズマ視点》

 

バルキリー「はあ!」

 

楯無「くっ!」

 

IS学園のアリーナでは、ISを纏った更識会長とバルキリーに変身した刃さんが戦っている

 

刃さんは速さを活かした地上戦に対して、更識会長は自身のIS霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)の能力で水を操る攻撃やランス状の武器で対抗する

 

なぜA.I.M.S.のトップと生徒会長兼更識家当主が戦っているのかというと、それは朝の学年集会後に遡る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《早朝カズマ視点》

 

楯無「納得いかないわ!!なぜ生徒会長の私に断りなく勝手なことをしているの!」

 

朝の集会後、俺と一夏の元に更識会長が来てそういった

 

一夏「なぜだ?俺達A.I.M.S.はこの学園の学園長に話を通して決めた……アンタより立場が上の人間に通したのだからいいだろうが…」

 

楯無「私はこの学園の会長よ!この学園の守護は私に一任されているの!」

 

会長が普段と違い感情を表にだして言っているが

 

一夏「今までまともに守護しきれなかったのにか?」

 

楯無「なっ!?」

 

それに対し一夏が一言言うと楯無が戸惑いを見せた

 

カズマ「まあ確かに…これまで学園の守護ができてなかったな…」

 

楯無「カ、カズマ君まで!?」

 

一夏「……3回…この数字がなにかわかるか?」

 

楯無「え…?」

 

一夏「俺が入学して今日までIS学園で起きた襲撃やら事件が起きた回数だ…臨海学校の奴を入れたら4回だがあれは学園外で起きたことだからノーカウントだ……だが、この3回とも皆解決してきたのは俺か社長だ……一応3回目はやっとアンタも動いたが襲撃者始末したあとだったがな……ここまでの事があって俺は思った…この学園のセキュリティーと警備は些か甘くないかとな…だから今回のA.I.M.S.によるIS学園の警備とセキュリティー強化を学園長に話を通したわけだ…」

 

楯無「だとしても!ここの守護を任されている私にも話を通すのが筋じゃないの!」

 

一夏「だって話を通したらアンタ反対するだろ?」

 

楯無「!」

 

一夏「この話を通すということはだな……この学園の守護はアンタには荷が重い……つまり……アンタではこの学園は守りきれないと言う意味でもある……アンタにもこの学園の生徒達の上に立つ者としてのプライドと意地があるだろうよ……だがな、俺は…いや俺達A.I.M.S.はアンタのそのプライドと意地を尊重するわけにはいかないんだよ…」

 

楯無「ギッ…!」

 

それに会長は一夏を睨みつける

 

ああ…一夏の言うとおりだな

 

これから先こういうことが増えていく…今の所生徒達に被害はないにしろ、それがいつまで続くかどうか…

 

楯無「……とくできない…」

 

一夏「ん?」

 

楯無「納得できないわ!それじゃあ私には役者不足って言っている様に聞こえるじゃない!!」

 

一夏「言ってるみたいじゃねえ、そう言ってんだよ……実際、アンタはこの学園を一人で守れるほど強くねえしな」

 

楯無「!」

 

そう厳しく言う一夏

 

その目はとにかく厳格で意思を曲げる気はないと伝わるくらいだった

 

楯無「だったら…」

 

カズマ「!」

 

楯無「だったら証明してあげるわ!!私の強さを!この学園の生徒たちの上に立つ私の意地を!」

 

そう言うと持っていた扇子を一夏に向け

 

楯無「私と勝負しなさい!私が勝ったら、今後A.I.M.S.は私に学園の守護全てを私に一任させること!そっちが勝ったら、今後私は黙ってA.I.M.S.に従うわ!」

 

一夏「アンタ……意味分かってて言ってんのか?」

 

楯無「ええ、よく分かっているわ。負けた方は勝った方に従う。シンプルでしょ?」

 

そう言いながら扇子を開く

 

扇子には『シンプル・オブ・ザ・ベスト』と書かれていた

 

楯無「当然、受けるわよね?」

 

一夏「……はぁ…」

 

それに対し一夏がため息をついた

 

楯無「どうしたの?まさか受けないなんて言わないわよね?」

 

一夏「アンタさあ、なにか勘違いしてないか?」

 

楯無「勘違い?」

 

一夏がなんのことを言っているのか俺は分かっている

 

一夏「俺にA.I.M.S.全部を動かす権限はない。確かにA.I.M.S.をIS学園に派遣して警備やセキュリティー強化をするべきだと意見をしたのは俺だ……が、所詮俺はA.I.M.S.の殲滅、制圧担当の隊長に過ぎねえ。最終的な決定権はA.I.M.S.の総指揮官、刃さんが持っている。例えアンタが俺に勝ったところでA.I.M.S.を動かすことはできねえな……俺が何言いたいか分かるか?」

 

楯無「……つまり、A.I.M.S.全体を動かすには、あなたたちの総指揮官に……」

 

一夏「戦いたいなら戦えばいいぞ。今は前線に出ることが少なくなっているが、あの人だって仮面ライダー……アンタとだって戦えるな」

 

まあ確かにあの人は昔と比べたら前線に出ることが減ってはいるが、果たして現ロシアの国家代表に勝てるか

 

???「全く、私に了承もなしに勝手に決めるな…」

 

と、突然声がしたので声の方を見るとスーツ姿の刃さんが立っていた

 

一夏「刃さん」

 

楯無「勝手に話を進めたことは謝ります。ですが、私にも譲れないものがあります。…ですので、私と勝負していただきます」

 

一夏「と、言っているが、どうします総指揮官?」

 

一夏がそう言い刃さんに目を向けると、刃さんはため息を吐き

 

刃「……私が勝てば、何も文句はないのだな?」

 

楯無「はい!」

 

刃「……いいだろう。場所はどこでだ?」

 

楯無「それならアリーナでやりましょう。勝負することを見越して、会長権限で貸し切りにしておきました」

 

一夏「また職権乱用かよ」

 

一夏が呆れた様子で言うのを尻目に

 

楯無「私は自分のISで、あなたはなんでも使っていいですよ?」

 

刃「ほう、随分と自信満々だな。二言はないな?」

 

楯無「ええ、ISなしの勝負では一夏君に負けましたが、ISを使った勝負なら負ける気がしませんよ!」

 

刃「……言ったな?」

 

そう言うと刃さんはショットライザーを取り出した

 

その表情は久しぶりに見る戦う時の心構えを持った時の刃さんの顔だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

刃さんとあの駄目会長が戦い始めてしばらく経つが、戦況はなんとも言えない

お互い自身の利点を生かした戦いをしていてあまり状況が変わらない

このふたりの戦いをカズマと俺含めたいつもの専用機持ちメンバーと一緒に眺めている

 

カズマ「流石は国家代表に選ばれるだけあって、ISの技術、戦闘スタイル、代表候補生とは桁違いだな」

 

一夏「たしかに、並の代表候補生複数名ならひとりで相手出来るな。普段のあれのせいで勘違いしがちだが、一応この学園の生徒達の中じゃ最強の一角に位置する存在だ」

 

シャルロット「その最強の一角をフルボッコにした最強を超えた最恐が何言ってるの」

 

箒「おいシャルロット、『強』の字が違くないか?……あながち間違えてないが」

 

一夏「おいこら」

 

セシリア「その、一夏さん的に……刃さんと更識会長。どちらが勝つと思いますか?」

 

一夏「……どうだろ…あの人今じゃ事務作業やら本業の方に力入れてるから戦闘面じゃ若干不利だとは思ってるが」

 

ラウラ「本業…?」

 

一夏「今でこそA.I.M.S.全部を動かす総指揮官だが、あの人は元々技術者なんだよ。俺の使ってるショットライザーも、あの人が使ってるショットライザーも、皆刃さんが作った物だ」

 

鈴「え?それじゃあ元々戦いとは縁のない人に総指揮官やらせてるってこと?」

 

カズマ「いや、そういうわけじゃない。元々刃さんは技術者をしながら一夏よりも前のバルカン隊の隊長とコンビでA.I.M.S.で活動していたんだよ。まああの人にはあの頃からA.I.M.S.の武装指揮権を渡してたが……」

 

と、ここでカズマの顔色が少し悪くなったことに俺は気づいた

 

……そうか…そりゃあそうだよな

 

本当なら、今バルカンやってるのは俺ではなかったのにな…

 

ラウラ「カズマ?」

 

カズマ「ん?ああ悪い、なんでもない……っと

 

そうこうしてるうちに、戦況が変わり始めてるな」

 

箒「!な、なんだあれは…」

 

箒が狼狽えたので、刃さん達の戦いに目を向けるとそこでは、大量の霧が発生し、それが刃さんを囲う

 

一夏「!あれが来るぞ!」

 

そして楯無が指を鳴らすと

 

霧が大爆発を起こし、刃さんを覆い尽くす

 

鈴「何!?今のは…」

 

一夏「あれがあの駄目会長のISの能力……水を自在に操りそれで攻撃する……正確にはナノマシンを使って水を操ってるっていうのが正解か……水を霧状にして攻撃対象物へ散布し、ナノマシンを発熱させることで水を瞬時に気化させて、水蒸気爆発を起こす。拡散範囲は限られているが、非常に有用性が高い」

 

シャルロット「く、詳しくない一夏!?」

 

一夏「……先日の襲撃事件の時、見せてもらったよ……トリロバイトマギアが次々爆発されていったな」

 

先日の襲撃事件の時に見たあの会長の実力……並びにISの性能……攻守に優れたものだと感じた

水の膜やら水蒸気爆発やら、とにかく今までにないISだった

 

もし初見であの会長と戦ってたら能力差で敗北もありえたな

 

セシリア「そ…それより、刃さん…今の爆発をまともに受けてしまいましたわ!!」

 

シャルロット「もしかして…今ので…」

 

ラウラ「……!皆!あれを!」

 

ラウラが爆発した先を見て俺達に声をかけたので見ると、なんと…ボロボロのまま立っているバルキリーの姿が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《刃視点》

 

バルキリー「はあ…はあ…はあ…」

 

楯無「い、今のを受けてまだ立ちますか……」

 

あの爆発をまともに受けた私だったが、息を吐きながらも地面に膝を置くのを耐えて立ち続けた

 

全く、最近戦闘サボり過ぎたツケがまわって来たな

 

自分よりも一回り下の小娘に見下される程に弱くなってしまったか

 

楯無「もうこれ以上立たないでください。正直……ここまで戦えたことには驚きましたが、勝負はもう決まりました。降参してください……弱った人に鞭打つような真似は好きじゃないので…」

 

バルキリー「………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フフフッ……」

 

楯無「?」

 

バルキリー「おかしな事を言う……お前達更識家は対暗部用暗部の一族と呼ばれて居ながら、弱った相手に鞭打ちをするのが嫌いときた……捕らえた犯罪者から情報を引き釣り出す為に拷問までして置いて今更何を言う」

 

楯無「!何を言っていますか!!もう結果は見えているので、これ以上の戦いはやめて棄権するように言っているのがわからな(刃)『図に乗るな小娘』!…」

 

バルキリー「私は……A.I.M.S.の総指揮官である前に……仮面ライダーだ!………お前に譲れないものがあるように、私にだって……A.I.M.S.として……、譲れないものがある!!………人工知能……ISが間違った使われ方をして、それによって起きる犯罪から人々を守り抜く……それが私達、A.I.M.S.の在り方だ!!そして、テクノロジーが、人に寄り添える世界にするために戦う!!それが、仮面ライダーバルキリーだ!!」

 

そう言い私はショットライザーに装填されているプログライズキーに手を起き

 

ダッシュ!

 

更識楯無に向かって行った

 

楯無「自暴自棄になりましたか!!」

 

それを見て更識楯無はISで攻撃するがそれらすべてをかわす

 

ラッシングチーターの特性により、俊敏さ、瞬発力で翻弄しながらショットライザーの引き金を引く

 

楯無「なっ!?」

 

すると拘束効果のあるエネルギー弾によりISを纏った更識楯無を拘束させ、更にそこへ一ヶ所に連射する 

 

もがく更識楯無だったが、振りほどけず、そこにエネルギー弾を叩きこまれていき遂には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楯無「こ、こんなことが!!」

 

バルキリー「お前の敗因は…ただ一つ」

 

 

ラッシングブラスト

 

楯無「があああああああああ!!」

 

拘束効果のあるエネルギー弾が大きく爆発し、更識楯無を飲み込んだ

 

そして爆発跡には……ボロボロになって倒れている楯無の姿があった

 

バルキリー「私を甘く見すぎたことだ」



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第42話 更識姉妹

《楯無視点》

 

また……負けちゃった…

 

カズマ「これは…いい意味で予想外だったな…」

 

刃「……その言い方じゃ、飛電社長は私が負けると考えていたのか?」

 

一夏「いや…無理ないんじゃねえのか?……刃さんずっと前線出てなかったしな」

 

カズマ「いくら本職が技術者だからと言って、今まで前線に出ないでいた人が急に戦うのはどうかと思いますよ」

 

刃「いや私を戦わせたのは一夏だろう!そういう文句はこいつに言え」

 

箒「……思ったんだが……それなら一夏を刃さんの代理って事で戦わせたら良かったんじゃ」

 

カズマ/一夏「「ああー……」」

 

……なんかそんな事を一夏君達が話しているけど、今の私と彼、IS有りならどうなってたか

 

カズマ「ちなみに一夏、お前なら会長との戦い、どうするつもりだったか?」

 

一夏「フリージングベアープログライズキーで氷漬けにしてから止めだな。水を操るってことは周囲には常に水が存在しているから氷漬けにするに限るな」

 

楯無「!?」

 

カズマ「いや…そのキー持ってんの俺なんだが……」

 

一夏「アンタから借りようと思ってな……それが駄目だったら刃さんから『ライトニングホーネットプログライズキー』を借りて電撃攻撃しようとな。水タイプには電気タイプが効果的だからな」

 

楯無「!?」

 

あれ?

もしかして私…彼と戦ってたらもっとひどい目にあってたりする…?

 

一夏「それはそうと……で?……これで満足か?」

 

地面に倒れ伏している私に一夏君が近づいてきた

 

一夏「アンタの要望通り、勝負して刃さんはアンタに勝った……わかってるな?」

 

楯無「……ええ……約束通り……貴方達A.I.M.S.に従うわ……」

 

そう言い私は起き上がった

 

一夏「……さっき……俺はアンタに言ったよな?……アンタはこの学園をひとりで守れるほど強くねえ……ってな………アレの意味……わかってるか?」

 

楯無「……え?」

 

一夏「ぶっちゃけるが…アンタは強い……俺や刃さんに負けて説得力がないが、確かに強い……だがな、そんなアンタでも一人でこの学園を守り抜くには限界がある……そういう意味で言ったんだよ」

 

楯無「!」

 

それを言われ私は驚いた

 

あの発言は、私を下に見た発言でも無ければ、役者不足と思っている発言ではなかった……

 

私一人の限界値を理解した上での発言だった

 

一夏「俺や刃さん……それと社長はアンタよりも強い……だが、それでも一人でこの学園を守れるかって言われたら、答えはNOだ……いいか、どんなに強いやつだってな、一人でやれること…やれる範囲には限界がある……だからこそ…他の誰かと、それこそ大勢と一緒にやることで、自分一人じゃできないことを成し遂げるんだよ……アンタは……自分の実力を過信してんのか…はたまた分かってて一人でやろうとしてんのか知らないけどな……一人でやりきれないことを背負い過ぎなんだよ……アンタは本当の意味で他人を頼りきれていない……」

 

楯無「ッ!……」

 

一夏「なぜアンタが誰も頼りにしないのかはあえて聞かないでおこう………そのことに興味はないからな…」

 

そう言うと一夏君は背を向けてアリーナから去っていった

 

それに続くように、他の皆も去っていった

 

……本当の意味でどれも頼りにしない……か…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楯無「一人のほうが……そのほうが……誰も傷つかないし…誰も死なないじゃないの……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「独りよがりにも程があるよ……お姉ちゃん…」

 

楯無「!」

 

突然私の背後から声がして…いや、声の主に驚くが、顔を向ける

 

その声の主は

 

楯無「……簪…ちゃん…」

 

私の妹…更識簪がいた

というか見られてたのね…

 

簪ちゃんは私の隣に座る

 

簪「……随分派手に負けちゃったね」

 

楯無「い…痛いとこつくね…」

 

思えばこうして簪ちゃんと話をするのは久しぶりかもしれない…

 

簪「……私は……ずっとお姉ちゃんが羨ましかった……誰よりも強くて…誰よりも賢くて……周りから崇められて、必要とされている……そんな姿にあこがれていた…」

 

そうぽつんと言い出した簪ちゃんを横目に、私は過去の自分と簪ちゃんを思い返していた

 

幼い頃

簪ちゃんはいつも私の後ろに付いてくる人見知りの子だった…

 

家系が家系だったから、外よりも家に居ることも多くて、いつも簪ちゃんと遊んでいた

簪ちゃんは本当に笑顔の素敵な、私の可愛い可愛い妹で、私の大切な家族だった…

 

でも更識家は代々対暗部用暗部の一族として、この家に生まれた者には、暗部に必要な技術と勉学を受けさせられていた

 

それはもちろん私や簪ちゃんも例外じゃなかった

 

特に私は周りから期待されていた

更識家始まって以来の天才と崇められた

 

簪「家の皆に認められたい…お姉ちゃんみたいに…その一心で頑張ってきた」

 

だけど反対に簪ちゃんの方はそうじゃなかった

 

才能が無いわけじゃなかったけど、私に劣っていた

私が多いに期待されていたことと、簪ちゃんが私よりも劣っていた事が災いし、影で私の劣化品だとか、出来損ないとかとにかく悪口を言われていた

 

それでも簪ちゃんは諦めずに努力し続けていた

 

でもどれだけ努力しても私との差縮まらなかった

それどころか、差は広がる一方だった

 

けど、私はそんな簪ちゃんを見てるのが辛かった

それに、更識家の当主になることが何を意味しているのか、私はよく分かっていた

 

対暗部用暗部の一族として今日まで続く更識家は、あまり表沙汰にできないような問題の処理も担っている

 

要は汚れ仕事専門の家

 

『血の更識家』…なんて呼ばれることもある

 

そんな家の当主になるということは、他の誰よりも手を汚し、更には死に近づく事を意味している

 

この家に生まれて来たからには、当然危険に関わる覚悟は出来ている

 

だけど、簪ちゃんには関わって欲しくなかった

 

この家に生まれ、この家の当主になった以上…普通に暮らすことなんて出来ない…

 

けどせめて簪ちゃんだけは、普通の人と同じ人生を歩んで欲しい

 

簪「お姉ちゃんに言われたあの言葉……あれに強いショックを受けたこともあった…」

 

血と危険とはなんの縁もない…普通の人生を

 

そう思い、つい簪ちゃんを遠ざける事を言ってしまった

 

過去の楯無『あなたは何もしなくていいの……私が全部してあげるから……だからあなたは…無能なままでいなさい』

 

それから、簪ちゃんとは距離を置くようになってしまった

 

最初はこれで良かった……そう思っていたのに…後から私の方が辛くなったわ……大好きな妹と距離を置くことになるなんて…いえ…私を目指していたあの子の方がもっと辛いはずなのに…

簪ちゃんは暗くなった…

それは私のせいだって思ったけど…声をかけられなかった…

 

簪「大きく絶望して……もう誰とも距離を置いていたそんな時に…私は…彼と出会ったの…」

 

そんな罪悪感を胸にして月日が流れたある時……簪ちゃんに変化が訪れた

 

これまでの簪ちゃんは暗い内気な子という雰囲気を出してたのに、それまでとはうって変わって明るくなった

 

周りが何を言っても気にしなくなった

この急な変化に私は驚いたが…何も聞けなかった

 

そして簪ちゃんがこの学園に来て初めて知った事実

 

簪「彼……一夏と出会って…私は変わった……」

 

そう…簪ちゃんは学園に入学する前に…既に一夏君と知り合っていた事を…

 

簪「私の専用機は……一夏がISを使える事で……私のIS開発を凍結させられていたの……その時の私は……とにかく彼に苛立ちしか感じなかった………ちょうど、倉持技研で彼と出会った時に…苛立ちのせいで彼に恨みつらみをたくさん吐いた……私の暴言を聞いた彼は、私にこういったの」

 

過去の一夏『正直気の毒とは思っている……だが俺は謝らない』

 

楯無「!?」

 

え…彼そんなこと言ったの!?簪ちゃんを怒らせるだけなんじゃ!?

 

簪「最初それを聞いた時……驚いて頭から怒りが消えちゃって…その後に一夏は自分のせいってより、最初にやっていた仕事を放り出して他の事をし始めようとした倉持技研と一夏のデータ取りの為に専用機開発を優先するよう依頼した日本政府に問題があるって言って、この時初めて私の専用機開発を凍結されたことに気づいたみたいで、その後すぐにカズマと一緒に日本政府と倉持技研に抗議して、私の専用機を優先的に作らせることになったの……」

 

……そんなことが…それにしても彼、ううん、彼らは日本政府に対してかなり強く口出ししたことに驚いたわ

 

簪「私の専用機が完成して、彼に謝った……そして、彼に聞いた……『偉大な姉を持つ貴方は、どう思い……どう過ごしてきたの』…そしたらこう言われた」

 

過去の一夏『偉大な姉?ただ他の奴より強いだけのアレがか?』

 

楯無「はい!?」

 

え?彼お姉さんの事をそんなふうに言ったの!?

 

簪「驚いた私をよそにこうも言ってたわ」

 

一夏『アレは昔から周りの奴より強くて、知り合った相手がたまたまISの生みの親で、その生みの親がISを広めてそれ経由で勝ち続けて周りから名声を得たんだよ……もしISが誕生しなかったら、スポーツをやってなかったら、他の奴より強い一般人だっただろうな…言っておくが、世間で織斑千冬は完璧だとか言われてるが、確かに勉強は問題なく出来ていたし、運動も出来る。一見すれば完璧なように見えるが、家事は絶望的にできねえし料理は下手だしおまけに、いらねえ威圧かけるせいで周りの男女問わず近づくのを恐れさせちまうから、あの年で彼女いない歴=年齢だからな?』

 

過去の簪『ウッ…』←彼氏いない歴=年齢

 

簪「一夏が話した、完璧だと思っていた初代ブリュンヒルデ……織斑先生の真実を言われてとても驚いた…」

 

私も驚いたわ

 

確かに流石になんでも完璧とは思わなかったけど、まさか弟にそんなふうに思われてたなんてね…

 

簪「そして話してくれた、偉大な姉によって自分がどんな目にあったのか……周りのクラスメイトは一夏が良い成績を取ろうが大きな成果を出そうが、一部を除いて『初代ブリュンヒルデの弟なのだから当然』『姉の名を落とすような真似をするな』とか、とにかく酷いことを言われていたみたいなの……」

 

楯無「……そう…」

 

私にあんなに酷い目に合わせたり、先輩を敬う態度を見せない彼だけど…………簪ちゃんも似たような陰口を言われたことがあって、あまり良い気分しないわね…

 

簪「最初はそれを聞いて……自分と同じように心を傷つけたのか…って思っていた……だけど…それを言ったら一夏が」

 

過去の一夏『いや全く?……だって俺にそれ言う奴ら皆俺に勝ったこともない奴らなのに?……というか俺に言わせれば、自分ではなく他人と他人を比べたりするのは、自分では勝てない、自分はアイツ以下って心の中で認めてるから、せめてその勝てないって思った奴よりも上と思ってる相手と比べて自分の劣等感を誤魔化してるんだろうなって考えている』

 

簪「……そんな風に考えていたの…彼は……お互い偉大な姉を持ってる点は一緒でも、彼と私では心構えが全く違っていた…………彼は私と同類…なんて思った自分が恥ずかしくなったわ………勝手に腐ってて、自分に絶望していた心の弱い私なんかと……」

 

簪ちゃん……

 

簪「その時…彼の方から私自身の事を話してくれないか…そう言われた………人見知りの私が…なぜか彼には話す気になったのかは…今でもわからない……けど、全部話した……自分が家では落ちこぼれ扱いだって事や、姉からは否定された事を…」

 

楯無「ッ!」

 

簪「皆から認められたい…期待されたい一心で頑張っても否定された……こんな風に傷つくくらいなら、誰とも関わりたくない……一人でいい……そう心の中に秘めていた事を全部話した……そしたら一夏は、ただ一言を私に言ったの…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去の一夏『だが…一人は寂しいぞ?』

 

簪「そう言われたとき…何も言い返せなかった……確かに……周りと距離を取って……誰とも話さなくなって……自分の悪口や失望を耳にしなくなってとても楽になった……でも………心のどこかで…寂しいって…感じてたの……」

 

楯無「簪ちゃん……」

 

簪「何も言えずにいた私に一夏が聞いた」

 

過去の一夏『お前は心から何を望んでいる?何が欲しいと思っている?』

 

簪「そして私は」

 

過去の簪『私は欲しかった………誰かと関わりたい…誰かに必要とされて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胸張って生きていく自信が欲しい!』

 

人に認められたい

簪ちゃんのそれは……自分の事を見てほしい……私が当たり前のように得ていたそれを欲していた

 

簪「そう私が答えたら、一夏が私の肩に手を置いてこう言ったの……」

 

過去の一夏『なら頑張れ……我武者羅にな……周りがなんと言おうと、自分に限界を感じても止まらずに進み続けろ……そうやって進み続けていく事で、力も、自信もその後からついてくんだよ……ここは、そういう世界なんだよ……だがまずは自分から人と関わるところからだな……』

 

簪「そんな彼の言葉を聞き終えて……私は決心したの……今の自分を変える………自分が好きと思えるように、自分がなりたい理想の自分になるために……」

 

楯無「……そう……彼が簪ちゃんに大きな影響を与えたのね……」

 

だから簪ちゃんが変わったのね……

 

簪「それから一夏に…初めて自分から友達になろうって言って友達になって……距離を置いていた本音とも仲直りして……カズマや一夏の友達とも仲良くなった……一人で居たときよりもずっと温かくて……居心地が良かった………そして改めて感じたの………一人は寂しい………お姉ちゃんは誰が誰にも頼らないのは……他の人が傷つかないようになんでしょ?………でも……誰にも頼らないのは寂しいでしょ?」

 

楯無「!」

 

簪「一人で背負うのは、強さでもなんでもない……ただ孤独に近づこうとしているだけ…………せっかく周りから必要とされる存在になったのに、わざわざ一人になろうとするのなんて、余り頭が良いとは思えないよ…………一人になろうとしないで…」

 

そう簪ちゃんはそう言い……アリーナから出ていった

 

更識家当主

 

IS学園生徒会会長

 

簪ちゃんのお姉ちゃん

 

楯無「……私……背負いすぎたのかしら…」

 

 




はい、楯無(襲名)と簪の姉妹回でしたが、正直本編をもう少し進めたかったです。

後一夏が五条悟と禪院真希、簪が乙骨裕太みたいになりましたがそれは先月呪術廻戦0を見に行った影響ですね。


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小ネタ集① 俺達のマスコット/俺達とゲーム


はい、先日ついに私の大好きなゲーム【キングダムハーツ】が20周年を迎えました。

このゲームとはかなり縁が深く、自分のゲーム人生において、スーパーマリオに並ぶ人生のバイブルにもなっています。

というわけで、今回は息抜きの意味で本編ストーリーから少し外れた番外編と言いますか、物語本編で語られなかった日常編になりますので、どうぞお楽しみ下さい。

ちなみに時系列は夏休み開始から終了後に当たります。

それとちょいちょいメタ発言も入ることがあります。


 

 

【俺達のマスコット】

 

セシリア「この間実家に電話をした時にわたくしも料理をするようになったことを専属メイドのチェルシーに伝えたら『え?お嬢様が料理を!?』って言われてつい怒っちゃいまして…」

 

鈴「あははは、そりゃあそうなるわね」

 

一夏「いままで料理をしたことのない名門貴族の英国淑女である主が料理したなんて事実、そのチェルシーもさぞ衝撃的だったんだろうな」

 

シャルロット「ははは、それちょっと見てみたかったかも」

 

夏休みが終わる少し前、今日は訓練のないオフの日だった為、俺含めた専用機組(箒、鈴、セシリア、シャルロット、ラウラ)は俺と箒の部屋で菓子を食いながら適当に駄弁って寛いでいた

 

たまにはこうした休日を過ごすのも悪くないな

 

ちなみに会社組は全員お仕事らしい(南無…)

 

鈴「でも自分の家に専属メイドがいるあたり、改めてセシリアはお嬢様なのねえ…」

 

セシリア「まあ専属メイドと言いましても、わたくしとは幼少期からの幼なじみでもありますが…」

 

一夏「ラウラ、ホイ」

 

俺はラウラに向かってチョコボールを投げた

 

ラウラ「あん」モキュモキュ

 

それをラウラが口を開けて食べた

 

セシリア「小さい頃から、まるで姉のようにいつもわたくしを気にかけてくれていて」

 

鈴「はいラウラ」

 

ラウラ「ん、ありがとう」

 

話しているセシリアをよそに、鈴がラウラに胡麻団子を一つ投げて、それをラウラが口でキャッチして食べた

 

セシリア「そんなチェルシーは憧れであり、目標ですわ」

 

シャルロット「ラウラ、はい」

 

ラウラ「ありがとう」

 

話しているセシリアをよそに、更にシャルが袋から食べていたマシュマロを取り出してラウラに投げた

 

それをラウラがジャンプして食べた

 

一夏「そういうことは、本人の前で言えないのか?」

 

セシリア「い、言えるはずありませんわ!恥ずかしいですし…一夏さんだって織斑先生……お姉さんの事を本人の目の前で褒めたりできますか?」

 

一夏「いや、俺はそもそもあの姉の事を他人の前でも褒めないな」

 

箒「ほ、本当に仲が悪いな……ラウラ」

 

話している俺をよそに、この間の沖縄旅行の時に買った焼き菓子、ちんすこう(作者の好物)を食べていた箒がラウラに投げ渡し

 

ラウラ「ありがとう箒」

 

ラウラはそれをモキュモキュと食べ始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリア「いえちょっと待って下さい!!貴方方ラウラさんを餌付けしようとしていませんか!?」

 

一夏「いやだって…食べてるラウラの姿可愛くないか?なんかこう、小動物みたいでさあ…なあ鈴、箒、シャル?」

 

ラウラがクラスで馴染むようになって、何かとラウラにお菓子をあげたりして餌付けしようとする輩が増えた

 

まあ餌付け目的もいるが、他にはお菓子を食べているラウラの姿にときめいてその姿を拝むためにお菓子をあげる輩もいる

 

……正直気持ちは分かる

俺もその一人だし、箒も鈴もラウラと同室のシャルも同じだ

 

セシリア「ラウラさんにコスプレさせていたシャルロットさんはともかく、箒さん!貴方までそっちサイドにいるのですか!?ぶっちゃけわたくしの中では箒さんとシャルロットさんはわたくしと同じ真面目枠だと思っていましたが貴方までですの!?」

 

一夏「おい待て、それだと俺と鈴とラウラは何枠だ」

 

セシリアの物言いに俺は抗議したがそれをスルーするセシリア

 

箒「い、いや…最初は自分でも妙な気分だったのだが、あげていく内に……ハマってしまって」

 

鈴「食べてる姿が餌を食べるリスみたいだったからついね」

 

シャルロット「どっちかといえばウサギかな?」

 

ラウラ「黒うさぎ隊だけにか?」←隊長

 

一夏/鈴「「ははははははは!!」」

 

セシリア「ちょっと!なにか染まってきてませんか!?わ、わたくしは貴方方みたいにはなりませんわよ!!」

 

しかし、この3日後 オルコット城/嬢陥落

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【俺達のゲーム】

 

一夏「じゃあお前ら、キーボードは持ったな?」

 

箒「も、持ったが…私はゲームをあまりやったことないから…」

 

セシリア「わ、わたくしもですわ」

 

シャルロット「実は僕も…」

 

ラウラ「私はゲームをするのは初めてだぞ」

 

鈴「じゃあこの場でゲームをやったのはあたしと一夏だけね」

 

一夏「まあ心配するな、初心者のフォローは俺がやるからさ」

 

夏休みのまった中

 

俺はいつもの専用機組のメンバー達にオンラインゲームの誘いをかけた

 

【ドラゴニックナイト・ハンターワールド】

 

それは、人気ゲームシリーズのオープンワールドオンラインゲームで、本来はゲーム機種でしか遊べなかったのだが、人気過ぎて遂にパソコン版でも販売されるようになった

 

ゲームジャンルはサバイバルアドベンチャーであり、モンスターを倒して経験値を稼いでレベル上げをしつつ素材集めをしたりして武器や防具、更には自分の家を建築出来るっていう人気タイトルだ

 

一夏「俺のサーバーに入れば、あとは簡単にゲームを始められるからな。あとお前らのゲームアカウント名は俺が作っといたから」

 

それからしばらくして、俺達は最初の地にリスポーンされた

 

一夏「よし、ここからスタートだな」

 

箒「いや待て一夏!!」

 

一夏「なんだ箒?」

 

箒「私のアカウント名『一途系サムライ娘』ってなんだ!?」

 

一夏「元ネタは俺を何年も一途に想っていたから」

 

鈴「箒はまだ良いわよ……あたしなんて『ヘタレチャイナ娘』よ!!」

 

一夏「告白を渋り続けたヘタレだったからな」

 

一途系サムライ娘「ぐっ!」←自分も告白渋ってたヘタレ

 

セシリア「わたくしなんて『英国淑女(笑)』ですのよ!!」

 

一夏「正直お前に関しては喋り方以外淑女じゃなくなってきてるからな………」

 

英国淑女(笑)「うっ…!」←それは少し自覚してる

 

ラウラ「ふむ…私は『ブラックラビットガール』か」

 

一夏「それの元ネタは某人気カードゲームに登場する魔法少女だな」

 

シャルロット「え?何僕の名前『男装系女子』!?」

 

一夏「学園に来た頃から男のふりしてたからな。ちなみに俺のアカウント名は『ホワイトウルフ』だ」

 

一途系サムライ娘「ず、ずるいぞ一夏!!」

 

英国淑女(笑)「じ、自分だけいい名前にするなんて!」

 

ホワイトウルフ「はははははは、サーバー主特権だ」

 

ブラックラビットガール「それで……このホワイトウルフとは?」

 

ホワイトウルフ「元ネタは白式のカラーとバルカンの基本フォームの『シューティングウルフ』から付けた」

 

ヘタレチャイナ娘「もういいから、とにかく始めていこう!」

 

鈴の言葉に、他のメンバー達も動き出した

 

ホワイトウルフ「このゲームのジャンルはサバイバルアドベンチャーだ……だから、装備品やらは現地にあるもので作れる。まずはそばにある木を切ってくれ、これは素手でもやれる」

 

一途系サムライ娘「な、なあ、この緑のゲージはなんだ?」

 

ホワイトウルフ「それは体力ゲージだ。初期ステータスじゃHPは10しかないが、レベル上げやら装備品を装備することでステータスが上がるから、早めのレベル上げをするに限るな。あと下のオレンジのゲージは空腹ゲージだ。このゲームジャンルのサバイバルの通り、食料調達もしなきゃいけない。空腹ゲージが空になったら体力が減少して最後はゲームオーバーになる」

 

英国淑女(笑)「あ、木を切っていたらリンゴが落ちてきましたわ!」

 

ホワイトウルフ「お、食料は木を切ったり生き物殺したり、街で行商人から仕入れたりできるが、序盤は動物を殺して食料調達すればいい」

 

ブラックラビットガール「ならそれは私がやろう」

 

ホワイトウルフ「待て、このゲームはレベルとステータスと装備アイテムで生存率が決まる。初期レベルだと動物仕留めるのも大変だ。少し待てよ」

 

俺はそう言うと集めた木で作業台を作成して

 

ホワイトウルフ「ほら、木の剣だ。これで楽に仕留められる」

 

そう言い、俺はゲームの中のラウラに渡した

 

男装系女子「ねえ、ゲームの中少し暗くなってきてない?」

 

ホワイトウルフ「ああ、このゲーム昼夜の切り替わりがあってな、昼間はモンスターの数少ないが、夜になるとそこらじゅうから湧いて出てくるんだよ。後昼間出てくるモンスターの大体はこっちが何もしなければ攻撃してこないが、夜出てくるモンスターは攻撃してくるんだよ」

 

男装系女子「ええ!!それじゃあどうするの!?」

 

ホワイトウルフ「落ち着け、その場合は羊を殺した時にドロップするウールでベッドを作って寝たら朝になってるからそれで回避出来る」

 

一途系サムライ娘「ち、ちなみにウールはいくつ必要だ?」

 

ホワイトウルフ「一人に付き3つだが……全員合わせると18個だな……これ間に合わないな…夜になると動物もほとんど出てこなくなるからきついな」

 

一途系サムライ娘「まずくないか!?私達まだレベル低くて装備品も充実しておらんのだぞ」

 

ヘタレチャイナ娘「まあ落ち着いて箒、その場合は地下を掘ってやり過ごすのよ」

 

英国淑女(笑)「地下を…?」

 

ヘタレチャイナ娘「地下を掘れば大抵の敵は近づけないわよ。あとは資源採掘にもなるから地面を掘るのよ」

 

鈴がそう言うと作成したツルハシで地面を掘った

 

それにセシリア達も続き、しばらくすると食料調達してきたラウラが戻ってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてしばらくして装備品を整えた俺達は早速周辺のモンスター達を狩った

 

最初の地のモンスターはどれも弱いが、念には念を入れて装備を整えた

 

周辺のゴブリンやコボルトと言った雑魚モンスターを仕留めることで、徐々にレベルが上がる一行

 

英国淑女(笑)「それなりに上がってきましたわね」←レベル5

 

ヘタレチャイナ娘「まあ初期エリアのモンスターじゃこんなものよね」←レベル6

 

ブラックラビットガール「なるほど、これは面白いな」レベル10

 

男装系女子「いちばんラウラがモンスター倒してるね」レベル6

 

一途系サムライ娘「……それにしても……お前レベル低くないか?」レベル7

 

ホワイトウルフ「仕方ねえだろ、俺はお前達初心者組のサポートにまわってるから経験値そんなに貰えないんだよ」←レベル3

 

ホワイトウルフ「……それはそうと、次のエリアに行けばもっとレベルが上のモンスター達が居るんだが……実は今俺達がいるこの最初のエリアには、裏モンスターが居るんだよな」

 

ブラックラビットガール「裏モンスター?」

 

ホワイトウルフ「低確率でスポーンされるんだけどよ、そのモンスターの名前は『ベヒモス』……推奨レベルは25って言う最初のエリアに存在するにしてもおかしいレベルのやつなんだが…今から探して仕留めないか?」

 

一途系サムライ娘「いやそれだと一夏が一番きつくないか!?」

 

ホワイトウルフ「問題ねえよ。攻撃パターンは覚えているからなんとか戦える……ってこれは…」

 

そうこう話していると俺のパソコンの画面にフレンド通知が出てきた…その通知主は

 

ホワイトウルフ「……喜べお前ら、簪が参戦するってよ……あいつもこのゲームやってるから楽に勝てそうだ!」

 

その後簪を俺のサーバーに招待して、一緒にベヒモス狩りをした

 

ただ簪のレペルがまさかの45だったことに驚いた一同だったが、この日は皆して楽しむことが出来たから良しとするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簪「……所で…何?そのアカウント名は…?」

 

箒/鈴/セシリア/シャルロット「「「「それは聞かないでくださいお願いします!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ゲームタイトルの元ネタは仮面ライダーセイバーのドラゴニックナイトと仮面ライダーエグゼイドのドラゴナイト・ハンターZとモンスターハンターワールドの3つです。ゲーム構成としては、マインクラフトに近いものですね。


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仮面ライダーオーズ復活のコアメダルを見てきた感想

……はい…遂に見に行けました。

地元じゃ公開されないから諦めてましたが、つい先日に公開されました!!

全部見た感想をここに書き込みます。

また、ネタバレを含みますので仮面ライダーオーズ復活のコアメダルを未視聴の方はブラウザバック推奨します。

それでも見たい方、或いはもう見てきた方は、どうぞご視聴下さい。


大トロ「はい…皆さんこんにちは、作者の大トロです。今回は『仮面ライダーオーズ10th復活のコアメダル』を見た感想を語りたいと思います。それでは、今回のゲスト達を紹介します」

 

カズマ「どうも、好きな仮面ライダーは仮面ライダーゼロワン、佐藤和真です」

 

一夏「どうも、好きな仮面ライダーは仮面ライダー滅と仮面ライダーデモンズ、織斑一夏だ」

 

大トロ「というわけで今回はダブル主人公のおふた方に来ていただきました。これから3人で仮面ライダーオーズ復活のコアメダルについて感想を語りますが、その前に、ふたりに聞きたい。ふたりにとって仮面ライダーオーズの魅力とは?」

 

カズマ「そりゃあもちろん映司とアンクの相棒関係だな。仮面ライダーオーズ本編のラストも、その後のふたりが出た映画もふたりの関係性がものすごくエモかった。やっぱ怪人が相棒の仮面ライダーはどれも最高だったな」

 

一夏「言えてるな、ちなみに俺は欲望だな。仮面ライダーオーズ自体のテーマが欲望だからか、グリードや人間達の欲望を作中でうまく描かれていて、正直欲望の力やその偉大さを深く感じた。だから、アンクの本当の欲望を知った時や本来満たされることのないグリードの欲望が、唯一アンクだけは満たされた事に、なんとも言えない気分になったな……」

 

大トロ「そうか……それじゃあここから先は、ネタバレ100%の感想を語りますから、未視聴の方はブラウザバック推奨します。それでも見たい方、或いはもう見てきた方は、どうぞ付いてきてください!!振り返りながらの感想をどうぞ、よろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

【『始まり』と『アンク復活』と『ゴーダ』】

 

大トロ「物語は謎の空間内を漂っていたアンクの意思を宿した割れたタカのコアメダルがくっつき、アンクが復活を果たした所から始まったな。その時に『アンク…蘇るんだ』っていう映司の声がしたんだが…正直この時点で嫌な予感したんだよなあ…」

 

カズマ「それってあの予告編のラストの変色した髪の映司を見たからか?」

 

一夏「確か作者は、あの予告編見て映司がグリードに憑依されるって考察してたんだったな?」

 

大トロ「まあな、蘇ったアンクがちょうど近くでグリードと共に800年前の王が変身するオーズがレジスタンスと戦闘していて、かつて自分が憑依していた人間、泉信吾がグリードがふっ飛ばした大型車に押し潰されそうになってアンクがギリギリで憑依して助けたんだよな。そしたらすぐ映司と再会したけど、俺この時の映司を映画館で見たときに言いようのない違和感を感じたな……喋り方はいつもの映司だったんだが…雰囲気がな………そしたら的中しちまったよ……映司を乗っ取っているグリード……ゴーダが正体をあらわして、…しかもその憑依している映司本人は、映画開始前に800年前のオーズとの戦いで少女を庇って瀕死っていう事実を明かしたんだよな……」

 

一夏「しかもそのゴーダってのが、仮面ライダーオーズの世界で、ほぼメダル関連の問題を発生させた首謀者の鴻上会長がかつての映司の欲望のデータから作った人造グリードだったな……あの会長マジで色々やらかすな」

 

大トロ「確かコアメダルを一か所にまとめていたせいでグリードが復活するし、保存してたアンクの体からコアメダルを抜いたことでアンク(ロスト)誕生させるわ。他には『 MOVIE大戦CORE』で織田信長のクローンを作ったり、『 将軍の21のコアメダル』では失ったコアメダル掘り起こそうとしてコアメダルの錬金術師ガラを目覚めさせたり、挙げ句『 MOVIE大戦MEGA MAX』では未来でミハルにポセイドンドライバーとコアメダルを渡して仮面ライダーポセイドンを誕生させて、現代に来襲することになったり…もうほぼこいつ黒幕だろ」

 

一夏「まあ一応擁護するとゴーダ誕生させてなかったら800年前のオーズに人類負けてたから今回は割とナイスだと思う」

 

カズマ「それは俺もそう思うが……それよりもその前のウヴァ戦のアレは酷かったな…」

 

一夏「ああ……予告編見てたからウヴァがどんなふうにやられるのか分かってたが、まさかの自分のコアメダルのコンボに集団リンチされてやられてるの…正直不憫に思ったな……」

 

カズマ「しかもその後のウヴァが800年前のオーズに吸収されて……それ見てカザリ笑ってたのに…まさかのメズール、ガメルの3人諸共吸収されてのフェードアウト………これならまだウヴァの方がマシだったかもしれないな…」

 

一夏「それと800年前のオーズ…あのローブってグレートアイザーのだよな?……それとグリード吸収した時の肩のやつって、タマシーコンボのやつだよな?…」

 

カズマ「……oh…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『800年前のオーズ』と『久々のプトティラ』と『仮面ライダーゴーダ誕生』】

 

 

カズマ「アンク作中内でゴーダのこと物凄く毛嫌ってたな」

 

一夏「そりゃあ映司の身体を乗っ取っていてしかも映司の声と態度で振る舞うからアンク達からは評判悪いだろ」

 

カズマ「しかもゴーダからアンクって呼ばれても『気安く呼ぶな!』って怒ってたな」

 

大トロ「本人は否定するだろうが、アンクにとって映司は自身の相棒とも言える間柄だったからその映司の姿で映司を真似られるのが我慢ならなかったんだろうな。しかも映司の身体から離れればすぐに死ぬって言われてて人質扱いした上でアンクと共闘を申し込んでいたから余計たちが悪い」

 

カズマ「それでも800年前のオーズを倒すには、映司の身体を乗っ取っているゴーダが変身するオーズで無きゃいけないからやむを得ずってところだったな」

 

一夏「だが作中で何度も映司の生きていた頃に吐いていたセリフを言うもんだから余計神経逆撫でられていたなアンクは」

 

カズマ「結局800年前のオーズは、プトティラコンボになったゴーダが倒したけどよ……結局なんで紫のメダルが800年前のオーズの体内に存在してたのかが謎すぎた……アンクを吸収した800年前のオーズだったが、アンクの意思は溶けて無かったから内部から紫のメダルをゴーダに渡してアンクも内部から身体を取り押さえてたから倒せたが…それでも正直800年前のオーズそんなに強く感じなかったな」

 

大トロ「それな、正直テレビ本編のグリード達の完全体の方が強く感じたな俺。まああと付け足すとすれば、紫のメダル自体800年前に完成こそされてても実際に使われたのは映司の代が初めてだったからその力がどの程度なのか分からなかったりしてな……」

 

一夏「でもってちゃっかりアンクも800年前のオーズから自分のコアメダル奪い返してたから完全体の姿で出てきたのは嬉しかったな」

 

大トロ「言えてる……他のグリードの完全体とは姿が違うのが特別感があっていいね」

 

カズマ「しっかしせっかく800年前の王を倒したってのに今度はゴーダが力に魅入られて、800年前の王を倒したときに出た大量のコアメダルとセルメダルを取り込んで更に自分のゴーダメダルの『ムカデ』『ハチ』『アリ』を使って仮面ライダーゴーダに変身をしたな……俺予告編で見た時『アレは800年前のオーズが生み出したグリードが変身した姿』って思ってたが、実際は800年前のオーズ(王)の子孫の鴻上会長が作ったグリードだったから似たようなものって思ったな……」

 

一夏「ゴーダって作中では映司の欲望を叶えるって言って本編の映司見たく力を求める欲望を強く出していたが、映司が力を求めたのは『どれだけ離れていても絶対に届く手』の手段ってことだったのに対してゴーダは力そのものをただ求めていただけだったから全然映司の欲望とは違っていた……後めっちゃ映司を振る舞う姿が腹立ったな…」

 

カズマ「ああ、映司本人の記憶を読んでいたからといって、映司の真似事するのが死ぬほど腹立つ」

 

大トロ「俺が始めて見た仮面ライダーはオーズだったこともあって映司は歴代ライダー主人公の中でも一番好きだからこの映司にわかみたいなゴーダが今作一番腹立った……そもそも映司が力を求めた理由である『どれだけ離れていても絶対に届く手』ってのはかつて紛争地域で村で一番仲良くなった少女を目の前で助けられなかった事が原因だったから、序盤の映司(ゴーダ)に王から庇った少女のその後を比奈から聞かれたときに、死んだ事を言ってその後に『そういう運命だから仕方なかった』ってあっさり言ったから実際に見に行っていた俺はこの映司は映司じゃないって確信したな。映司が絶対言わないセリフをあっさり吐いたから……それに対してアンクもすぐに違和感を覚えていたあたり、アンクも映司が言いそうにないセリフだと映司のことを理解してたのが印象的だった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『復活の理由』と『最後の戦い』と『タジャドルコンボエタニティ』】

 

カズマ「その後アンクをフルボッコにしたゴーダはアンクも取り込もうとしていたけど、そのゴーダからアンクを守るために意識を表出させた映司がゴーダを妨害したんだが、直後に邪魔だと言って映司を切り離した為にゴーダから解放されたが瀕死なのは変わりなかった。映司がアンクを守るために『逃げろ』って呼びかけに対してアンクが『そんなこと、できるわけ無いだろ!』って返されたて、本編のアンクじゃ絶対言わないセリフだったな………てか何気に映司本人が本作にまともに意識あったのがまさかの終盤って……」

 

一夏「そしたら今度はアンクが映司の肉体に憑依して、残り少ない命を繋ぎ止めて、そこへバースに変身した伊達と後藤が変身したバースXがゴーダを抑えてくれてたのがナイスだった……が、せっかくの初登場だったバースX…あまり戦闘で活躍出来てなかったな……まあ腐っても相手は大量のコアメダルを取り込んだグリードが変身した仮面ライダーだから無理ないかもしれないが…」

 

大トロ「……そのふたりのバースがゴーダの相手をしている間に、アンクと映司の意識内の会話のシーン……もしかしたら今作一の見どころかも知れなかった………意識内で映司になぜ死んだのか…自分の命を犠牲にしてまで他人を助けることなのかって感情的になって言っていたし……意識内で流れた王の攻撃を受けた直後、瀕死の映司が割れたアンクの意思を宿したタカメダルを手に『アンク…蘇るんだ』…ってセリフを吐いて握ったらメダルはくっついて、そのまま映司は………結局の所アンクが復活できたのはなぜなのかはよく分からなかったが、これは『死ぬ間際の強い想い/欲望説』『己の命と引き換え説』か或いはその他だと考えたが、俺は『己の命と引き換え説』だと映画を見ながら思った……アンクも自分が生き返ったのは映司の命と願いによるものだと感じたのか…戸惑いながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

涙を流したんだ………あのアンクが……」

 

カズマ「この時点で作者、泣きそうになったんだってな」

 

一夏「わからなくないな。あの傍若無人のアンクが…映司の行動に感情的に…それでいて涙を流したんだ……そもそもグリードって泣かないものだと思っていたが……やっぱアンクにとって映司はかけがえのない存在だったんだって…再認識したな……グリードはメダルの塊でしかない…ってアンク本人は言っていたが………まるで人間そのものだった…」

 

大トロ「映司の願い……アンクを復活させる……その願いが…最後の最後で叶っていた……そのことに満足そうだったが……アンクに最期の戦いを、一緒に戦って欲しい……そう頼み……アンクはその願いを聞き入れ、更に、自身の『タカメダル』『クジャクメダル』『コンドルメダル』が『タカエタニティメダル』『クジャクエタニティメダル』『コンドルエタニティメダル』に変化して、映司の肉体に憑依したまま変身した………しかもこの時のスキャン音声が映司とアンクの声が重なるって言う本編最終回のタジャドルコンボを彷彿とさせる物だった……そして3枚のコアメダルで変身した仮面ライダーオーズは、タジャドルコンボエタニティって言うタジャドルコンボの進化の先に到達したかの様な姿になっていた」

 

大トロ「今だから言うが、最初の予告編の時に出てきたこのタジャドルコンボエタニティ、俺はこのコンボは映司に憑依したアンクが変身した姿…或いは映司とアンクの思いによってタジャドルを進化させた姿って予想してたが……ほぼ合ってたっていう………冗談に聞こえるかもしれないが……これはガチだ……俺も予想が当たってたから映画館で震えた」

 

カズマ「このタジャドルコンボエタニティ、従来のタジャドルコンボにアンクの完全体が合わさった様な外見だったが、すげえカッコ良かった」

 

一夏「しかもゴーダに攻撃したら幻影の映司が出てきてゴーダに追撃してたのは完全に最終回タジャドルの時に出た幻影アンクそのものだった」

 

大トロ「最後の必殺技の時も映司の幻影が出てきて一緒にトドメを刺すシーンは感慨深かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『お前を選んだのは俺にとって得だった』と『やっと届いた手』と『火野映司の最後』】

 

大トロ「戦いは終わり…ゴーダを倒すために残りの命を燃やし尽くした映司……何気に今作一度も映司単体の変身なかったなあ…唯一映司単体の変身したオーズは回想シーンだけだったし……その映司にアンクは最終回の時にも言った『お前を選んだのは…俺にとって得だった』は胸に響いたな…更に比奈とアンク、そして映司の手が重なり…最終回の三人が手を繋ぐシーンを思い出した……そこへ映司が庇った少女を連れた里中が来て…自分が助けた少女が生きていたことを知って『やっと届いたんだ……俺の手が……』……そう言い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その直後…力尽きた……それが、映司の最後の言葉だった……もう動かない映司に…アンクは震える手で目を閉じさせた…このふたりが涙を流すシーン……マジで泣きそうだった……俺普段泣かないからこういうときに涙を流すことが出来ない自分を呪ったよ」

 

カズマ「……映司」

 

一夏「……映司…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【まとめ】

 

大トロ「はい…以上で仮面ライダーオーズ10th復活のコアメダルを振り返りながらの感想を終わります」

 

カズマ「正直映司がラストに死ぬのは予想外だったな」

 

一夏「確かに主人公ライダーが死ぬ作品はいくつかあったが、あれは最後に復活するのばっかだったが本編後のVシネマで主人公ライダーが死んだのは初だった……あのドクター真木の『終わって初めて、人として完成する』が最悪の形になってしまったな…」

 

カズマ「思えば仮面ライダーオーズの世界って人間側の主要キャラクターで今まで誰も死ななかったな……まさかその第一号が映司になるなんて…」

 

大トロ「……俺は信じない…」

 

一夏「……煉獄の訃報の知らせを聞いた伊黒みたいになる気持ちはわかるがこれが現実だ…………

 

映司は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大トロ「言うな!!何も言うな!!

 

カズマ/一夏「「!」」

 

大トロ「はぁ…はぁ……ほっぺたなら…千切れるほどつねった…はぁ…夢なら覚めるはずだ!……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

゛夢゛じ゛ゃ゛…゛ね゛え゛ん゛だ゛ろ゛…?(ジワッ…)」涙を流す

 

カズマ「大トロ……」

 

一夏「お前…」

 

 

大トロ「゛うぅ゛゛うぅぅぅ゛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

゛映゛司゛は゛……゛死゛ん゛だ゛ん゛だ゛ろ゛!?

 

一夏「………」

 

大トロ「゛う゛ッ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛

 

カズマ「……ああ…死んだよ…」

 

大トロ「゛う゛ッ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!゛エ゛イ゛ジ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛!!

 

カズマ「……そういうことで……作者である大トロのメンタルが壊れた所で……ここまでにしようか…」

 

一夏「しばらく引きずるだろうな……大学も始まるし、映司死亡……たび重なるショックで投稿停止かな……もし立ち直ったらまた投稿するだろうから……どうぞ気長に待っててくれる事をお願いする」

 

カズマ「それでは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ/一夏「「ご視聴ありがとうございました!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「……なんか酒が飲みたい気分だ…千冬姉の所から盗るか…」

 

カズマ「お前もお前でショック受けてんじゃん……気持ちは分かる……なんてったって俺達は大トロの分身だしな…気持ち共有されるからな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大トロ「認めるか……こんな結末!!




こちらでも仮面ライダーオーズの事を語っていましたので、興味のある方はどうぞご覧下さい

https://syosetu.org/novel/183150/78.html

それにしてもまさかこの話から一年後にマジでいつかの明日が来るなんて…


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仮面ライダー×ISサーガ 仮面ライダーバルカン 誕生の狼

ちょっと気分転換なのと、いつまで経っても登場しないあの男の予告的なやつを投稿しようと思い、投稿しました。

ちなみにこのタイトルの『仮面ライダー×IS』は、今の小説タイトルにする前に考えていたものですが、少しありきたりだと思ったので今のタイトルにしました。

まあこの『仮面ライダー×IS(呼び方は仮面ライダーアイエス)』はTVや映画風のタイトルに使いたいと思ったので、今後外伝やらVシネマ風の話や章を投稿するときはタイトルに入れたいと思います。

ということで、あの男のことがわかるストーリーを、予告風に飛ばし飛ばしで見せていこうと思います。また、これは未だ本編では語られてない部分もあるためネタバレになりますので、ご了承ください。


皆さんは彼を知っているでしょうか…

 

かつて激闘の末散った元・ヒーロー……

 

不破「あとは……頼んだぞ…一夏…」

 

一夏「不破さああああああん!!」

 

A.I.M.S.バルカン隊初代隊長

初代仮面ライダーバルカン 不破諌(ふわいさむ)

 

 

 

 

『入院シーン』

 

Dr.オミゴト「貴方の身体はボロボロです……一年以上の絶対安静をしてください」

 

 

心も体も傷ついた彼の元を訪れたのは

 

 

刃「…お前はなぜ正義を志した」

 

不破「俺の……ルーツは……」

 

 

語られる過去

 

 

『警察官の時のシーン』

 

不破「上の言うルールを守ってばかりいたら、救える命も救えねえ!!俺は……俺のルールで命を救う!!」

 

 

一人で突っ走り

 

 

署長「き、貴様!!上司の命令に背くとは!覚悟は出来てるだろうな!!」

 

不破「ああ」

 

 

群れから外された一匹狼へ

 

 

『公園で佇んでいるシーン』

 

カズマ「不破諌さん…ですよね?」

 

不破「誰だお前は…」

 

カズマ「俺は佐藤和真……飛電インテリジェンス新社長です」

 

 

一匹狼 運命と出会う

 

 

『飛電インテリジェンスでの会話シーン』

 

カズマ「我々が作る対人工知能・IS特務機関『A.I.M.S.』……そこで貴方の正義……貫いて見てください」

 

不破「(こいつ!なんて男だ……)」

 

 

そして出会う 

 

 

刃「ほう…こいつが警察を追い出された問題児か……いや、今は野良犬か…」

 

不破「ああ?誰だお前は?」

 

 

後の相方と

 

 

『マギアとの戦闘シーン』

 

 

ショットライザー

 

刃「よせ!!今のお前が扱える代物じゃない!!」

 

不破「俺がやると言ったらやる!俺がルールだ!!」

 

過去カズマ『俺は貴方の正義を…信じていますよ』

 

不破「あの人は…俺の正義を否定しなかった…俺を信じてくれた!!いままで、俺はあんなまっすぐ見てくれる目を見たことがねえ!!だから、俺はあの人の…社長の信頼に答える!!そして!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人々を傷つける奴らを!一人残らずぶっ潰す!それが、俺のルールだああああああああ!!」(キーをこじ開けた)

 

刃「なに!?」

 

バレット!

 

 

オーソライズ

 

 

Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...

 

不破「変身!」

 

 

青き狼が戦場を駆ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『一夏との出会うシーン』

 

不破「お前が社長の言っていた仮入隊の新人か…」

 

一夏「アンタは…」

 

不破「俺は不破諌、ここの隊長を務めてる」

 

狼は出会う

      後の後継者と

 

 

『決断のシーン』

 

カズマ「亡国企業が刃さんを攫ったのは、アークを復元させるために、俺達のプログライズキーを要求させるための作戦だったんだ…」

 

イズ「社長…どうしますか……衛星アークを復元させる危険と引き換えに刃さんを…それとも、このまま……」

 

カズマ「決まっている……例え奴らがアークを復元させる恐れがあろうと、人間とヒューマギアが笑える世界を作る夢を持っている俺が、ただ一人の人間を見捨てるなんてもってのほかだ!」

 

 

 

 

『アークの復元シーン』

 

亡国企業工作員「遂にだ!!遂に、アークの知能が復元された!!」

 

 

 

 

『亡からキーを奪い、変身するシーン』

 

アサルトバレット!

 

亡「それは!私達滅亡迅雷.net用のキーです!人間のアナタが使えば…」

 

不破「社長は、危険なリスクを背負ってでも刃を救うことを諦めなかった!だったら俺だって背負ってやる!今この場でこいつらを救えるのは俺だけだ!俺は俺の正義を信じて今日まで生きてきた!!奴らを……人間を脅かすお前らをぶっ潰す、それが俺の、全てだあああああ!!」(キーをこじ開けた)

 

オーバーライズ

 

 

Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...

 

 

不破「変身!」

 

 

一匹狼の命を決した戦い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ボロボロとなった不破に駆け寄る一夏のシーン』

 

不破「お前に………託すぞ……これを使って…お前の夢を…叶えろ……皆を守ってくれ…後は…頼んだぞ、一夏…」

 

 

散る狼

   託された意志

 

 

 

 

 

『空になった病室シーン』

 

Dr.オミゴト「な!患者が!!いなくなりました!!」

 

カズマ「大丈夫だ……あの人はなら……必ず戻ってくるさ」

 

 

『雷電に頭を下げる一夏のシーン』

 

一夏「兄貴、俺を…もっと鍛えてほしい…!今の俺じゃ……あれを使いこなせるほど強くない!!……俺は…必ずあれを使いこなせるだけ…いや、不破さんの意志に答えられるくらい強くならなきゃいけないんだ」

 

 

紡がれる思い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーバルカン

初代変身者不破諌の真実

 

なぜ一夏が仮面ライダーに変身したのか

 

今明かされる

仮面ライダーバルカン誕生の物語

そして ヒーロー再生の物語

 

『仮面ライダー×ISサーガ 

仮面ライダーバルカン 誕生の狼』

 

 

【群れを外された一匹狼はやがて新たな群れと出会う】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刃「もうすぐか……もうすぐこれが完成する……」

 

刃が何かを作製しており、その横のPCにはプログライズキーと、仮面ライダーバルカンの新たな姿が映し出されていた

 

 

 

 

カズマ「そろそろ…あの人は……戻ってくるかな…」

 

飛電インテリジェンス屋上で外を眺めるカズマが呟く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不破「さてと…もうそろそろ戻るか……A.I.M.S.へ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《キャラクターズファイル》

 

不破諌(ふわいさむ)

元A.I.M.S.バルカン隊初代隊長であり、初代仮面ライダーバルカン 

幼少期から強い正義感を抱いており、将来は人々を守る仕事に付きたいと警察管になったが、配属された先の上司である署長は厄介事や責任を問われる事を嫌う人だったため、勝手な判断で動く不破を邪険に扱っていた。が、実際は現場の状況では不破の判断が正しい事が多かったが、それでも不破に待機するよう命じた。だがそのせいで目の前の命が危機にさらされていることに我慢できず命令を無視して動き、命を救ったが、度重なる命令無視に警察庁から苦言され、その責任を不破に押し付ける形でクビにされた。

自分の正義を信じて動いた結果だったので悔いはなかったものの、それに理解してくれない上司や周りに嫌気をさしていた。そんなとき、仮面ライダーゼロワンとなり飛電インテリジェンスの新社長に就任したばかりのカズマと出会い、これから設立する予定であるA.I.M.S.に入隊するようスカウトをした。不破の正義を否定せず、思うようにやるよう言われ、不破はこの自分より年下のカズマをこれまでの出会った上司とは違うと感じ、カズマに着いていき、ついていった先で後の相方である刃と出会った。その後A.I.M.S.で隊長を務めながら刃の作ったエイムズショットライザーを使い仮面ライダーバルカンに変身した。後のバルカン後継者である一夏とも出会い、雷電と共に一夏を鍛えたりもした。が、ある時亡国企業との戦いで刃を連れ去られ、衛星アークの知能復元のためのプログライズキーを要求された際に、その要求に応じるためにカズマが自身のキーと不破の持つウルフとコングのキーを持っていったが、結果なんとか刃を助け出せたがアークの知能を復元され、変身出来ない状態で危機に陥っていたふたりを助け出すために、亡の持っていた『アサルトウルフプログライズキー』を使い仮面ライダーバルカンアサルトウルフに変身し応戦、ふたりを助け出せたが本来滅亡迅雷.netしか使えないキーを使った弊害により、身体を死にかけるほどボロボロになり、一夏にショットライザーとプログライズキーを託し、力尽きた………というわけではなく何とか生還出来たものの『一年以上の絶対安静』を言い渡されたが、本人はそれに従わず、身体を休めながら日本各地を転々と旅しながら、今よりも強くなる旅に出ていった。




はい、如何でしたでしょうか

この予告編だかストーリー解説だかわからないものなんですが、これが不破諌の本編に登場しない理由がわかる物語です。

それと飛ばし飛ばしでしたが正直話数を何話も作成すると本編の更新が進まないので止む終えなくこうすることにしました。また、未だに本編で語られてない物語の本筋に関わるワードがありますが、それは後々投稿する予定のやつで分かってきます。少しネタバレ要素も混じってますが、仮面ライダーゼロワンを見てた人以外には特に分かりづらいものになっていると思います。

ちょっと冒頭が仮面ライダーデモンズの門田ヒロミのスピンオフドラマの予告編みたいになりましたがこれはわざとです。


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第43話 穏やかな休日/空からマンモス

《一夏視点》

 

山田「それでは、これで本日の授業を終わります。皆さん、また明日も元気で来てください!」

 

楯無とのいざこざから数日後

今日の授業を終えた俺のクラスの生徒達は、のーとや教科書をしまい、教室から出ていく

 

一夏「ッ!」

 

と、俺も教室から出ようと席を立った時、右腕に激痛が走り思わず抑えた

 

山田「い、一夏君!」

 

そんな俺を見かけたのか、麻耶(まや)先生が心配そうに声をかけてきた

 

ちなみに二学期過ぎて少し経つ頃には、山田先生の事は下の名前で呼ぶようになった

 

それにクラスの女子達がなんか言ってきたので

 

一夏「いや山やんとかまーやんとか山ピーって呼んでるお前らよりかはマシだろ」

 

って言ったら何も言わなくなった

それと何名かも俺と同じ呼び方するようになった

 

ちなみに麻耶先生の方は千冬姉と混ざっちゃうからって理由で下の名前で呼ぶようになった

 

一夏「ッ…大丈夫ですよ、麻耶先生。昨日の少し怪我して痛みが走りましたが、なんてことないですよ」

 

山田「で、でも怪我しているなら保健室に」

 

一夏「一応医者には見せてきましたが、大した怪我はしてないらしいですよ。ただ少しの間痛みが残るようで…」

 

山田「そ、そうですか?それなら今日はもう休んだ方が」

 

一夏「申し訳ないですが、まだA.I.M.S.の書類作成がまだですので」

 

そう断りを入れようとしたその時

 

刃「いや休んでおけ一夏」

 

廊下から刃さんが来て俺に言ってきた

 

この学園がA.I.M.S.の警護にあたるようになってからは、刃さんもよくここへ来るようになった

 

刃「お前はただでさえ休むことがそんなに多くないというのに、更に身体を追い込もうとするな、いいから今日は休め。提出する報告書は2週間後に出せばいいからな」

 

一夏「……はあ…わかりましたよ…」

 

俺はそう言い仕方なく、寮に戻ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「ッ…!…さっきよりも痛みが強くなってきたな」

 

部屋に戻った俺は腕に氷を押し付けながら呟いた

 

さっき部屋に戻る前に部活中の箒とあって聞かれたが大したことないと言ったが、箒がそれを聞かずに部活を抜け出してついさっき痛み止めを貰いに保健室に行った

 

一夏「……なっさけねえな…」

 

俺は、昨日の事を思い出しながら、そう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【昨日の回想】

 

 

昨日のことだった

 

休日にいつものメンバー(箒、鈴、セシリア、シャル、ラウラ、簪)と弾と数と一緒にレゾナンスに遊びに行った(カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスは仕事)

 

レゾナンスでは女性陣達が服を買っている横で俺達男性陣も服を適当に見繕っていた

 

そこで俺は文字が書かれたTシャツを見つけて次々と着ていった

 

例を上げると『肉か野菜かと言われたらザリガニ』や『鬼滅の刃対呪術廻戦』に『ドーナツ大将』など、意味の分からんのがいくつもあったが、俺はこういうのは割と好きだったため何着か買っていった

 

それ見たラウラと簪と鈴を除いた全員が驚愕していたな

 

簪も簪で『トマトは野菜じゃない!!』と主張の激しい文字Tを買っていった

 

後ラウラがシャルによって着せかい人形状態になってたのは笑ったな

 

色々着せられて最後はクマの着ぐるみを着せられたときは、その場の全員が胸を抑えていた

 

アレは確かに破壊力が凄かった

 

その後はゲームセンターでセシリアとラウラがシューティングゲームをやって最高記録叩き出したり、シャルが音ゲーで最高記録を出して、鈴が太鼓の達人をパーフェクトクリアしたりしていたな

 

というか鈴はともかく他はゲームそんなにやったこと無かったんじゃ…って思っていたが本人たちいわく、日頃の訓練のおかげで簡単だったらしい

 

後簪がクレーンゲームでアニメキャラクターのフィギュアを何体もゲットして顔がホクホクしてたな

 

箒はあまりゲームをやったことがなかったから、簡単なメダルゲームを一緒にやった

 

弾と数は今はもう珍しいレトゲーをやっていた

 

それが済んだ後はファミレスを大勢で訪れ昼ご飯を食べた

 

他が標準程度の量を食っている中、俺と鈴とラウラは普通の人の倍食った

 

セシリアからは

 

セシリア「前から思っていたのですが、貴方方はそんなに食べて太らないのですか?」

 

それに対して俺達は

 

ラウラ「昔から良く食べているが、太ったこともない」

 

一夏「そもそもずっとハードな訓練受けたりしてるから、カロリーすぐ消費するし」

 

鈴「あたしはそもそも太らないから」

 

それにセシリアやシャルが悔しそうに

 

セシリア「くっ…羨ましいですわ貴方方が」

 

シャルロット「何も気にせず食べられるなんて本当に…」

 

一夏「太ること気にして食事しても味気ねえだろうに…食べた分動けば太るなんてことないだろ……食事は何も気にせず楽しく食すのが一番うまいんだよ……これ、俺の哲学」

 

箒「そ、そうは言うが、それでもどうしても気にしてしまう」

 

一夏「いや、お前はもっと食えよ。普段から運動してるからまず太らんだろ」

 

鈴「そうよ箒。大体アンタは日頃から運動の量と食べる量が噛み合って無いわよ。もっと食べなさいよ」

 

簪「でも本当に体重に影響のない鈴の体質は本当に羨ましい」

 

鈴「フッフフン♪そうでしょそうでしょ♪」

 

一夏「まあどれだけ食っても太らないって事はどれだけ食っても身体が成長しないって事でもあるからな?」

 

鈴「ゴフッ!」←胸に矢が刺さる

 

弾「……そういえば鈴って出会った頃から対して変わってないな」

 

数「ああ、イチは見た目の変化があるのに鈴は変化がないな……中学で成長期止んだか?」

 

鈴「ま、まだあたしの成長期終わってないから!」

 

一夏「そう言った鈴であったが、彼女の成長期はとうの昔に終わっていたとは、このときの彼女が知る由もなかったのだった」

 

鈴「やめて!その不吉なナレーションをしないで!ちょっと将来が怖くなるから、希望が持てなくなるから!」

 

一夏「冗談冗談…あ、すみませーん。フルーツパフェ大盛りを3人前で!」

 

箒「いやまだ食うのか!?」

 

シャルロット「そしてまた甘いのをたくさん」

 

数「中学の時といい、お前は筋金入りの甘党だな」

 

弾「ああ、中学の時の調理実習の時に、他が普通のケーキを作っている中、イチの班だけウェデングケーキ並のデカイやつ作っていたな。しかも一番美味かったし、家庭科の先生プライドが粉々になってたし…」

 

シャルロット「や、やりたい放題だったんだ…」

 

セシリア「まあ…この人の性格上…普通の学生時代を歩んではいませんでしょうね…」

 

箒「言えているな」

 

一夏「言いたい放題言いやがってお前ら…」

 

俺は箒達を睨みながら3杯目のフルーツパフェを食べ終え

 

一夏「すみませーん!チョコレートパフェ大盛り4人前で!」

 

シャルロット「まだ食べるの!?」

 

セシリア「うっ…見てるだけで胸焼けが…」

 

そして食べ終えた俺達は今度はカラオケボックスに言って歌いまくった

 

女性陣達は皆良い声で歌っていて、簪のアニソンメドレー縛りで更に盛り上がった

 

意外にも箒は中学時代の友人たちとカラオケに行くこともあって歌い慣れていた

 

そんなこんなで楽しい時間は過ぎ、時刻が午後6時を過ぎ、そろそろ解散することにし、弾と数以外はIS学園に戻る為、レゾナンスでそのまま別れた

 

その帰り道だった

 

鈴「う〜ん!やっぱり休みの日はこうでなくちゃ!!」

 

両腕を伸ばしながら満足そうにしている鈴

 

ラウラ「ドイツにいた頃は、友人と遊ぶなどしたことが無かったから、少し新鮮だったな」

 

簪「私はお目当てのフィギュアをゲットできて満足♪」

 

一夏「そうか?お前は数といられて満足そうだったがな」

 

簪「!///」

 

鈴「ははは、それ言えてるわ。数と居るときの簪って、いつもより楽しそうね」

 

一夏「おいおい鈴、それを言うなら彼氏と一緒のお前も人の事言えねえんじゃねえのか?」

 

鈴「ブッ///!?」

 

シャルロット「なんだったら彼女と一緒に要られて一夏も楽しそうなんじゃ」

 

一夏「それは違うな」

 

箒「!?」  

 

一夏「まだ箒の事はそういうふうに見てないから鈴達のとは違うな」

 

箒「うっ…」

 

一夏「……まあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一緒にいて楽しいのか楽しくないかでいえば楽しいが俺は」

 

箒「は!///」

 

セシリア「……少し甘くなってきましたわ…」

 

ラウラ「缶コーヒーでも飲むか?」

 

正直まだ俺の中では箒に対してまだ異性として好き…ではないな、友達って意味では好きだな

というかお気に入りだ

 

だが最近は俺にアタックする事が増え、この間はチョコの入った俺好みの大福を作ってくれた

 

なんつうか…少し従順過ぎる気がするな…正直少し箒にあれだけ言ったことに対して少し罪悪感を感じてくる

 

そう思っていると

 

「きゃあー!!」

 

「うわあああああー!!」

 

突然悲鳴と共に逃げ惑う人々

 

それに気づいた俺達は、その逃げた人々が来た方へ走った

そこで俺は驚いた

そこにはなんと

 

巨大な人型機械が行進しており、更に足元にはマギア達がいて、人々を襲っていた

 

 

だが、俺がマギアではなく巨大人型機械に対して強く驚いていた

 

なぜならそれは

 

一夏「なんでギーガーがここに!?」

 

ギーガー、それはA.I.M.S.が所有している大型ロボットタイプの自律駆動型ヒューマギア統率兵器であり、暴走したヒューマギアに接続し、ローカルネットワークに通して強制的に制御する役目を持っている

だがアレはまだ開発段階に入っていたはずだぞ!

 

しかもあの様子じゃ、ハッキングでも受けたようだな

 

一夏「チッ、折角の休日に事件なんて起こしやがって!」

 

俺はショットライザーを取り出して、周りのトリロバイトマギア達に撃った

 

一夏「お前ら!逃げ遅れた人を避難させてくれ!マギアとギーガーは俺が抑えておく!!」

 

鈴「わかったわ!」

 

俺がそう言うと、鈴達はISを纏ってマギア達の銃弾攻撃を防ぎつつ、逃げ遅れた人々を逃していった

 

俺も変身しようとしたが、それを周りのトリロバイトマギア達とギーガーが邪魔をする

 

俺は止む終えなく、右腕を部分展開し雪片を出して次々と斬って撃つを繰り返しながら、トリロバイトマギア達を減らしていくが、ギーガーが俺に向かって拳をぶつけようとしたので、俺は雪片を持つ右腕でガードしながら後方にバックステップをし防ごうとするが、その拳の攻撃の勢いが強く、俺は大きく吹き飛ばされた

 

建物の壁に激突しようとしたが、足を部分展開させてどうにか壁を蹴って着地した

 

一夏「…ッ…!」

 

が、右腕はギーガーの攻撃で痛みが走り、つい抑えてしまった

 

一夏「…面倒だな…」

 

俺は追い込まれながら、どうにかこの状況を回避しようと頭の中で考えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼロワン「うおおおおおおー!!」

 

Giant Waking!ブレイキングマンモス! Larger than life to crush like a machine.

 

が、次の瞬間

空から巨大なロボット…ブレイキングマンモスを纏ったゼロワンに変身した社長がまるで隕石の様な落下をしつつ、そのままギーガーへ落下速度を合わせた超重量級キックを叩き込み、破壊した

 

一夏「……ええ…」

 

それに困惑する俺を後目に、その後社長は周りのマギア共を殲滅していった

 

それからすぐに聞いた話だと、A.I.M.S.開発研究所をマギア達が襲撃し、奴らの持つゼツメライザーによって、亡国企業.netに接続され、そのまま研究所で暴れまわり、その後街になだれ込んだようだった

 

暴走したヒューマギアを強制的に統率させるさせるギーガー……それがハッキングされるとこうも面倒になるなんてな…

 

これは開発するのも考えたほうがいいと刃さん言っていたな

 

 

 

『回想終了』

 

一夏「…とはいえ…あのとき攻撃を受けてしまった俺はまだ未熟だな………もっと強くならねえとな」

 

俺はそう言うと片腕で腕立て伏せを始めた

 

それから少し経ち、箒が戻ってくると無理矢理止めされられた



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第44話 隼降臨/バルキリー飛ぶ

先月公開されたキングダムハーツ20周年トレイラーを見て興奮が病みません大トロです。

あの悲劇(仮面ライダーオーズ)を見たあとで気分が沈んでいた自分を、まるで立ち直らせようとでもいうかのタイミングでキングダムハーツⅣ制作発表があって立ち直りました!!

そんなこんなで、どうぞご覧下さい


《一夏視点》

 

バルカン「はあ!」

 

ラウラ「ぐあ!!」

 

シャルロット「きゃあ!」

 

セシリア「きゃあ!!」

 

鈴「シャル!ラウラ!一夏相手に接近戦は帰って不利よ!セシリアはティアーズの遠距離攻撃でつめて!」

 

箒「接近戦は私と鈴に任せろ!」

 

怪我が治ってしばらくして、俺は以前滅さんと戦った飛電インテリジェンスの私有地に来て、箒達と実戦に近い訓練をしている

 

俺はバルカン、白式と切り替えながら箒達5人を相手に一人で戦っている

 

最初の頃と比べたら、皆強くはなっていると感じている

 

セシリア「ひ、一人で5人を相手にするなんて…今考えても中々頭がおかしく感じますわ!」

 

ラウラ「それでも一人で互角以上に渡り合っている…」

 

鈴「素手オンリーならあたし一人でも互角だけど、仮面ライダーにISに武器を存分に使われたら、流石に分が悪いわ」

 

シャルロット「でもどうして急にこんな訓練するようになったんだろ…」

 

箒「……多分…あのときの休日が原因だな…」

 

バルカン「お前ら、余計な事を口に挟むな!まだ続けるぞ!」

 

俺はそう言いながらパンチングコングプログライズキーを取り出して

 

アタッシュショットガンに差し込み、

 

"Progrise key confirmed. Ready to utilize."

 

コングズアビリティ!

 

それを箒達へ向けると

 

鈴「やば!」

 

ラウラ「お前たち避けろ!!」

 

真っ先に鈴とラウラが慌てだし、避けようとした

それに続く形で箒達も動きだし

 

バルカン「遅い!!」

 

パンチングカバンショット!

 

アタッシュショットガンからゴリラの拳のエネルギー弾を放った

 

それは鈴達に命中こそしなかったものの、後方のボロボロになった建物に命中し、建物が倒れてきて

 

ラウラ/箒「「うああああああああ!!」」

 

鈴/セシリア/シャルロット「「きゃあああああああ!!」」

 

それの衝撃と土煙に箒達は巻き込まれた

 

バルカン「どうしたどうした!!どんどん行くぞ!!」

 

そしてまたアタッシュショットガンを向け、再度発射した

 

パンチングカバンショット!

 

シャルロット「え、また!?」

 

そのままゴリラパンチのエネルギー弾を連続して放ち、箒達は命からがら避けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その数分後

 

 

 

一夏「全く…もうダウンか…実戦じゃこんな生ぬるくねえってのによ…」

 

シャルロット「いや実戦よりもきついんだけど!?」

 

ラウラ「正直何回か死ぬかと思ったぞ兄さん」

 

鈴「しかも当たらないこと前提で、周りの建物に当たるようにしてその衝撃で建物倒したりしてあたしたちを巻き込もうとするのがタチが悪いわ…」

 

セシリア「それにあの強力なエネルギー弾を何発も撃っているのにあなたはたいした負担がないなんて、頑丈過ぎませんか!?」

 

箒「ああ…たしかアタッシュショットガンって一発一発の反動が大きい上にキーを差し込んでの威力の反動は尋常じゃないはずだろ…」

 

一夏「まあ確かに負担は最初の頃はあったが…そこはアレだ……鍛えてますから」

 

シャルロット「……一夏の事だから最初から大したことなかったって思ってたよ」

 

セシリア「確かに…一夏さんの事だから任務中アタッシュショットガン片手に相手を殲滅させるときも過激派が裸足で逃げ出すほどのイカレ具合で突っ込んでそのまま滅ぼしていたり…」

 

鈴「ああ…なんか想像できるわ……一夏って慎重にやるより特攻してそうなイメージね」

 

ラウラ「兄さんには悪いが…私もそっちのイメージが…」

 

箒「日頃の行動が人外すぎて……普通の人基準で見れないな」

 

一夏「てめえら……言いたい放題言いやがって…後箒、俺を人外って言ったお前は訓練の量を倍にするから覚悟しろよ」

 

箒「ヒッ…!」

 

訓練を続けていた俺達だったが、箒達がダウンしたので少し休憩をすることにした

 

カズマ「お、やってるな」

 

そこへビジネススーツを着たカズマと刃さん

そして

 

迅「やたら爆音が大きかったから何かなあって思ってたら君たちか」

 

迅も出てきた

 

セシリア「じ、迅さん…あなたも来たのですか…」

 

迅「一応ここの近くに僕たち滅亡迅雷.netのアジトがあるからさ……それはそうと、随分と面白そうな事をしていたね君たち」

 

セシリア「あなたはどこを見てそう言ってますの!?」

 

シャルロット「戦闘訓練と言う名のただの一夏の蹂躙だったよ…」

 

箒「地獄絵図も良いところだったのだが…」

 

鈴「あたしとしてはこれくらいあったほうがやりがいがあるけど逃げてばかりになるからつまんないわよ…やっぱタイマンでやる方があたしは…」

 

ラウラ「強くはなれるだろうがその代わり、なにか色々大事なものを失いそうになる心配が…」

 

カズマ「軍人としてドイツ軍にいたラウラでさえそこまで言うって……お前やり過ぎてないよな?」

 

一夏「一応潰れないギリギリのラインでやってるが」

 

箒「現在進行系で私達倒れているのだが!?」

 

一夏「……俺の言う『ギリギリのライン』の定義は死なないレベルだな」

 

その場の一同「「「「「「「「こいつ鬼だ…」」」」」」」」

 

全員が俺を見てそう言うが…俺はその鬼…って呼ばれるくらいの厳しい訓練を受けて今の自分を作ったんだが…

 

一夏「はあ…わあったよ…もう少しレベル下げてやるから…もう文句言うなよ」

 

俺がそう言うと、鈴とラウラを除いた専用機持ち達が安堵の表情を浮かべた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「次からは意識を失わないギリギリのラインでやることにするぞ」

 

その場の一同「「「「「「「「やっぱり鬼だ!!」」」」」」」」

 

また文句をいう

一応手加減はしてるっていうのに我儘な奴らだな

 

カズマ「ん〜……なら久しぶりに、俺とやるか一夏?」

 

そう思っていると、突然カズマがゼロワンドライバーを腰に付けて言い出した

 

迅「あ、それなら僕も混ざってもいいかな?」

 

そこへ迅もフォースライザーを取り出して腰に付けて言った

 

カズマ「あ、どうせなら刃さんも混ざりますか?」

 

カズマのそれに刃さんは

 

刃「…まあ、確かにあの戦いでだいぶ腕が鈍っているとは感じていたな……いいだろう…」

 

そう言うとショットライザーを取り出して腰につけた

 

カズマ「なら2対2でやらない?俺と迅対一夏と刃さんにわかれてさ。んで、異論は?」

 

一夏「俺はいいぞ」

 

刃「異論はない」

 

迅「僕も!それじゃあ、始めようか!」

 

迅の返事を皮切りに、それぞれキーを取り出して

 

ジャンプ!

 

オーソライズ!

 

バレット!

 

オーソライズ!

 

ダッシュ!

 

オーソライズ!

 

Kamen Rider...Kamen Rider... 』

Kamen Rider...Kamen Rider... 』

 

カズマ/一夏/刃「「「変身!!」」」

 

プログライズ!

 

ショットライズ!

 

ショットライズ!

 

ライジングホッパー!

 

シューティングウルフ!

 

ラッシングチーター!

 

それぞれ変身した

 

そしてそれを見届けた迅もプログライズキーを取り出して空中に投げ、それをキャッチして

 

ウィング!

 

フォースライザーに差し込んだ

 

すると滅さんのときのように、ベルトからハヤブサのライダーモデルが飛び出して、それが迅の頭上を飛び回り、

 

迅「変身!」

 

フォースライズ!

 

フライングファルコン!

 

アンカーを引いてキーを強制展開させるとハヤブサが迅を包み込みやがて、その場にマゼンタ色のライダーが立っていた

 

Break down

 

仮面ライダー迅 フライングファルコン降臨

 

鈴「あれが…迅の仮面ライダーとしての姿…」

 

セシリア「あ…あれって…」

 

ラウラ「一夏が持っていたフライングファルコンと同じやつか!?」

 

ゼロワン「ああ、フライングファルコンのキーは2つあるんでな……んじゃあ始めますか!!」

 

その言葉を皮切りに俺達はそれぞれ武器を片手に向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《箒視点》

 

シャルロット「仮面ライダー四人の対決って…こうも派手なものになるんだね…」

 

ラウラ「ああ…IS同士の対決とは違う臨場感を感じるぞ…」

 

仮面ライダー達が戦い始めて、私達はそれを少し離れたところで見ていた

 

これまで私達が見てきた戦いは、主にIS同士、或いはマギアとの戦いばかりで仮面ライダー同士の戦いを見るのはこれで二度目

 

ISというパワードスーツ同士…機械対機械に近いもののを目にして来たが、あれは機動力の激しく、地上戦よりも空中戦が多いものだったのだが、仮面ライダー同士の戦いとなると、地上戦メインの戦いとなる

 

よって、今現在は彼らの地上戦劇が繰り広げられている

 

迅「はあ!」

 

迅は両腕を広げると、背中の翼から羽状のエネルギー弾が放たれ、それが刃さんと一夏を襲った

 

それを一夏はアタッシュショットガンをアタッシュケース状態に戻し盾にして防ぎ、刃さんは走って避けながらショットライザーで攻撃仕返した

 

迅「おっと、やっぱりそう簡単にはいかないよね」

 

ゼロワン「まあ、当然だな…なら!」

 

そう言うとカズマが一夏に向かって飛び掛かり、殴り合いになった

 

バルカン「距離を詰めてきたか、社長!!」

 

そこからは一夏とカズマの殴り合いが勃発した

 

肉弾戦最強の一夏相手に、カズマは一歩も引かずに渡り合っている

 

セシリア「す…凄いですわ…カズマさんも一夏さんも…」

 

鈴「……たまに忘れるけど、カズマも常に最前線で戦っていたのよね…」

 

ラウラ「おい、刃さんに動きが…」

 

一夏達が戦っている横では、翼を広げ空を飛びながら刃に攻撃をする迅

 

すると刃さんはショットライザーからキーを抜くと、別のプログライズキーを取り出して手のひらで回転させ

 

 

サンダー!

 

オーソライズ!

 

ショットライズ!

 

ショットライザーの引き金を引いた

するとショットライザーから放たれた弾丸は刃さんの周りをまわるとアーマーが展開され、刃さん…バルキリーの姿が変わった

 

黄色い、見たことのないバルキリーの姿へと変わっていた

 

ライトニングホーネット!

 

Piercing needle with incredible force

 

シャルロット「変わった!」

 

バルキリー「くらえ!!」

 

そう言うとバルキリーの蜂の巣模様から小型ハチのミサイルが大量に飛び出して迅を襲う

 

迅「うわ!!」

 

それをくらい迅は空中でバランスを崩しふらつく

 

一夏「逃さない!!」

 

するといつの間にか白式に切り替えた一夏が空を飛び、迅に追撃した

更に空中から雪片に纏わせたエネルギー波をゼロワンに向けて放ち、それを避けたゼロワンが

 

ゼロワン「そっちが空中戦を希望するなら、お望み通りに」

 

そう言うとゼロワンもキーを抜くと

 

迅と同じマゼンタ色のキー取り出して

 

ウィング!

 

オーソライズ!

 

オーソライズさせ、ハヤブサのライダーモデルを呼び出してキーを差し込み

 

プログライズ!

 

ライダーモデルを纏い

 

Fly to the sky!フライングファルコン!

 

"Spread your wings and prepare for a force."

 

マゼンタ色のゼロワンになった

 

迅「おお!!僕と一緒だ!!」

 

ゼロワン「ファルコンが2人、粋な計らいだろ?」

 

そしてゼロワンも空を飛び一夏とバルキリーに攻撃してきた

 

それまで地上戦をしていたはずの4人が、今度は空中戦に移行した

 

が、同じハヤブサでも、迅と比べるとゼロワンの方が速かった

 

そのため、仮面ライダー以上の機動力を持つISを使う一夏がゼロワンを

 

迅をバルキリーが相手取っていた

 

一夏「チッ、何が機動力はISに劣っているだ!それでも俺と戦えてるじゃん!」

 

ゼロワン「確かに機動力は劣っているとは言ったが、実戦じゃその足りない部分は経験で補えるんだよ!!」

 

バルキリー「まずいな…空中は奴のテリトリー……わたしでは分が悪い」

 

迅「ハハハ、空中戦で負けちゃったら、僕の長所が無くなるじゃん」

 

バルキリー「くっ、だったら…一夏!!このまま決めるぞ!」

 

サンダー!

 

そう言うとバルキリーがキーを押し待機音が流れ出し、右足にハチのハリ状のエネルギーが出現し、そのまま飛び蹴りの姿勢になり

 

一夏「そうするか!!」

 

一夏も一夏で雪片にエネルギーを集中させ、バルキリーと共にゼロワンと迅にぶつかりに行った

 

ゼロワン「迅!!」

 

迅「わかっているよ!」

 

それに対し、ゼロワンはキーを押し込み、

 

フライングインパクト!

 

迅はフォースライザーのアンカーを2回開閉させ

 

フライングユートピア!

 

それぞれが錐揉み回転しながら飛び立ち、ピンク色の翼を撒き散らしながら飛び蹴りを放った

 

 

      

     隼 迅   

      

 

 

ゼロワン/迅/一夏/バルキリー「「「「はああああああああああ!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして空中で四人の一撃が衝突し

 

フライング 

イ   ユ

ン   ┃

パ   ト

ク   ピ

ト   ア

 

 

 

 

 

 

ライトニングブラストフィーバー

 

大爆発を起こした

 

やがて全員墜落し変身解除、IS装着解除をした

 

皆ボロボロだったが大したことはないものの、全員まだまだ上を目指すつもりでいた

 

私達はそんな彼らを見て、自分達ももっと強くなろうと、向上心を刺激したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして私一人だけ倍の訓練を受けさせられるのだった

 

 

 



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第45話 暗殺者騒動

 

《???の会議視点》

 

???「近頃、我々の計画に支障を来たしている」

 

???「それもこれも奴ら仮面ライダー、A.I.M.S.、滅亡迅雷.net……そしてIS学園の専用機持ち共のせいだ!」

 

???「我々の計画の邪魔をする奴らを、早急に始末をせねば」

 

???「ですがどうしますか?こちらの送ったエージェントもマギアも、どれも奴らに潰されてきました…生半可で始末できるほど、彼らは甘くはないですよ…」

 

???「……」

 

???「ならば…今テスト段階のアレを使うか」

 

???「アレを……使うのか?」

 

???「確かにアレは強力だ……だが、まだ実戦投入は早いのではないか?」

 

???「止む終えんのでな………開発部門に伝達し、早急にアレを奴らの元へ送れ!!」

 

???「承知しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

2日後

 

《一夏視点》

 

一夏「よし、ここはもう終わったか…」

 

隊員「隊長!お疲れさまです!!」

 

一夏「被害状況は…」

 

隊員「怪我人はいますが、死者は居ません」

 

一夏「そうか…怪我人の手当てに当たっていてくれ。俺は本部に戻って報告書作成をしてくる」

 

隊員「わかりました!道中お気をつけてください!!」

 

一夏「ああ」

 

平日の昼下り

俺は街にマギアが出没したと通報が入り、授業を抜けて現場に先に来ていたA.I.M.S.隊員達とマギアの殲滅と逃げ遅れた住民の避難をさせていた

 

マギアはどうにか倒し、報告書作成の為にA.I.M.S.本部へバイクに乗り向かった(バイク免許は国から特例で支給されたもので、15の自分でも使える。これは社長も同じくだ)

 

ちなみに俺が乗るバイクはA.I.M.S.開発部門が俺専用で作ってくれたオリジナルカスタムバイク

名は『ホワイトウルフ』

由来は白式のカラーとバルカンのウルフから取っている

少し安直な気がするが、俺は気に入っている

 

一夏「……」

 

A.I.M.S.本部へ向かう道中

 

俺は考えていた

最近はマギアの出没と亡国企業の襲撃も増えてきている

戦いはますます困難を極めるだろうな

 

こっちの戦力増強を測らなければならないな…

 

それに…俺自身もパワーアップしなきゃいけない

今の俺自身の戦力は白式…ショットライザーとプログライズキー2本…足りない……もっと強く、もっと強いキーを得なければ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「!」

 

次の瞬間、銃弾が俺の周囲から襲いかかってきた

 

驚いた俺だったが、どうにか速度をあげて避け、街の外まで逃げ出した

 

 

 

そして

街の外でバイクからおり、俺を襲撃してきた連中……いや、トリロバイトマギア共が俺を囲んでいた

 

いや…普段のトリロバイトマギアとはどこか姿が違っていた

体のラインも赤くなっており、普段のトリロバイトマギアにはない、統制された動きをしている

 

だが俺はそれよりも

 

一夏「てめぇ…誰だ!」

 

マギア達の中心にいるヘルメットを被ったバイクに乗っていた男に声をかけた

 

それにヘルメットの男は無言でヘルメットを外した

 

一夏「…!…お前!」

 

俺は驚いていた

てっきりそのヘルメットの男は亡国企業のエージェントだとおもっていたのだが…そいつは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒューマギアだった

 

一夏「一応聞いておいてやる…何者だ…お前」

 

ヒューマギア「ふむ…俺は亡国企業が作った暗殺型ヒューマギア、人呼んで…『暗殺ちゃん』だ」

 

一夏「……はあ…?」

 

連中が暗殺型ヒューマギアを開発していたことにも驚いたが、見た目とは全く似合わないネームをしていたことのほうが驚いてしまった

 

暗殺ちゃん「そして周りのこいつらはヒナ……俺のために動く手足だ」

 

一夏「……その暗殺ちゃんが、俺に何のようだ……いや、暗殺型ヒューマギアって名乗っていた時点で察してはいるが」

 

俺はそう言いながらショットライザーをいつでも取り出せるようにしていた

 

暗殺ちゃん「ああ…我々暗殺型ヒューマギアは、亡国企業に仇なすお前達……特に、仮面ライダー共の暗殺任務の為に送られた」

 

一夏「……そうかよ!」

 

そう言いながら俺はショットライザーで暗殺ちゃんを発砲した

 

が、

 

暗殺ちゃん「フッ」

 

次の瞬間、暗殺ちゃんは手から小さい金属球を指で弾いて相殺させた

 

一夏「……なるほど……そう簡単には…やらせないってことか」

 

暗殺ちゃん「もちろんだ……それに今頃……俺の兄弟達も始めているところだろうな」

 

一夏「なに!」

 

暗殺ちゃん「日本に送られてきた暗殺型ヒューマギアは俺一人だけではない……他は兄弟達に任せるとして………まずはお前からだ…織斑一夏」

 

そう言うと暗殺ちゃんは、一つのゼツメライズキーを取り出し

 

ドードー!

 

腰のゼツメライザーに装着させ

 

暗殺ちゃん「あんさ…つ」

 

押し込むと

 

ゼツメライズ!

 

その音声と共に暗殺ちゃんと名乗ったヒューマギアの姿は一変した

 

そしてそこに立っていたのは、二本のサーベル状の武器を持った赤い鳥のような姿をしたマギアだった

 

暗殺型ヒューマギアは、ドードーマギアへと変わったのだった

 

一夏「チッ!他も気になるんでな、速攻で終わらせてやるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【同時刻】

 

《滅視点》

 

滅「まさか、ここまで来るとはな…」

 

迅「しかも、同じヒューマギアに命を狙われるなんて…」

 

アジトの外で、迅が育てている花に水やりを迅としているときだった

 

突如として現れた暗殺型ヒューマギア、『暗殺ちゃん』と名乗る亡国企業からの刺客が、マギア達を引き連れて俺達に襲い掛かってきた

 

そして俺達の前で奴は、ドードーマギアへと変貌させ、俺達を仕留めようとしてきた

 

ドードーマギア「お前達を暗殺する」

 

迅「この!やれるもんなら」

 

ウィング!

 

滅「やってみせろ!」

 

ポイズン!

 

俺達はそう言い、フォースライザーにキーを装着させ

 

滅/迅「「変身!!」」

 

フォースライズ!

 

フォースライズ!

 

 

フライングファルコン!

 

スティングスコーピオン!

 

Break down

 

Break down

 

それぞれ変身し立ち向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【同時刻】

 

《箒視点》

 

暗殺ちゃん「刃唯阿…暗殺」

 

 

ドードー!

 

ゼツメライズ!

 

授業が終わり、アリーナで鈴達と訓練をしていたときだった

 

突如銃声音と共に銃を持ったヒューマギアがマギアを引き連れてアリーナに現れた

 

その場にいた刃さんを見つけると暗殺型ヒューマギアと名乗ったそいつはマギアに変貌して襲い掛かってきた

 

刃さんはすぐにバルキリーに変身して迎え撃とうとしている

 

今この場には簪を含めた一年専用機持ちがいて、マギアから他の生徒たちを守りながら、刃さんに加勢しようとしていたが、刃さんが自分一人で倒すと聞かず、それどころか他の隊員達と共に逃げ遅れた生徒たちの避難誘導をするようにと頼まれた

 

私達はそれを了承しながら、生徒たちに近づいてきたマギア達を潰していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【同時刻】

 

《カズマ視点》

 

イズ「飛電社長!!一夏さん達がマギアからの襲撃を受けています!!」

 

会社の仕事のため、俺とアクアは学園を抜けて会社の社長室で書類作成をしていたときだった

 

イズが社長室に入ると俺に慌てた様子で俺にそう告げたのだった

 

カズマ「ああ、今他から伝達されてきた。俺たちも行くぞ」

 

そう言い、俺はイズを通り過ぎようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、俺はイズを蹴り飛ばした

 

イズ「な…なにをするのですか…」

 

カズマ「お前……俺を騙せると思ってんのか……暗殺者?」

 

俺はイズ?を睨みながら言った

そして腰に付けたゼロワンドライバーを見せた

 

カズマ「このゼロワンドライバーはな、装着すると衛星ゼア、そしてイズと繋がることができる。つまり、イズの居場所も把握できる。目の前のお前とは別に、イズは違うところにいる事も把握してる。それとお前はイズを演じたつもり見ていだが、なってないな…イズの真似が………俳優ヒューマギアにも劣る演技力だな」

 

イズは俺が今まで出会ったヒューマギアの中でも最も長い付き合いのヒューマギアだ。違いを見分けるのは容易い

 

カズマ「そしてなにより

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イズは俺をカズマ社長って呼ぶんだよ」

 

イズ?「……バレたか」

 

そいつがそう言うと顔に手を触れ、イズとは違う顔に……更に見た目と服装が一瞬で変化した

 

カズマ「……高い擬態能力を持っているみたいだな…」

 

暗殺ちゃん「やはりもう少しラーニングをしてから来るべきだったか」

 

カズマ「お喋りはすんだか?お前を排除する」

 

俺はそう言いキー取り出し

 

向こうもゼツメライズキーを取り出してそれぞれ変身した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【同時刻】

 

《雷視点》

 

雷「チッ……手薄になっているところを狙ってきたか」

 

俺は飛電インテリジェンスの地下駐車場に来ていた

 

俺の前には、変わった姿をしたトリロバイトマギアとそのマギアを引き連れたドードーマギアがいた

 

ドードーマギア「そのとおりだ。他の兄弟達が攻めている間に、俺は飛電インテリジェンスを…もう一人がA.I.M.S.を潰す。それが俺とアイツの任務だ」

 

雷「(滅達の通信で逸早く気づいてここへ来たが……上は社長が戦っている……今戦えるのは)」

 

ドードーマギア「後はお前を倒して…目的を果たそう」

 

 

 

【同時刻】

 

《亡視点》

 

亡「やはり、手薄になっているところを狙ってきましたか」

 

私はA.I.M.S.本部地下駐車場に来ていた

 

私の前には、変わった姿をしたトリロバイトマギアとそのマギアを引き連れたドードーマギアがいた

 

ドードーマギア「ああ、他の兄弟達が攻めている間に、俺はA.I.M.S.を、もう一人の兄弟が飛電を潰す。それが俺とアイツの任務だ」

 

亡「…なるほど…今回はこれまでにない同時多発の襲撃…随分と用意周到に計画されていますね…他の方々から送られた通信でそれは伝わりました」

 

ドードーマギア「だが…今このA.I.M.S.は手薄…お前を潰して、俺たちは目的を果たそう」

 

【同時刻】

 

雷「そうかよ…………だが…」

亡「……そうですか………ですが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷/亡「「俺を舐めてんじゃねえ!雷を落としてやる!/私を甘く見すぎていますね!!」」





はい。今回とうとう登場しました暗殺型ヒューマギアの暗殺ちゃん!!

テレビ本編とは設定が異なっており、亡国企業に作られた暗殺型ヒューマギアの6兄弟となっています。性格はドードーマギア改に近い性格となっております


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第46話 仮面の戦士達の覚悟/進化するバッタ


遅くなってすみませんでした


 

《一夏視点》

 

バルカン「は!よっ!」

 

ドードーマギア、それと奴がヒナと呼んだトリロバイトマギア達が連携して攻撃をしてくる

 

一体一体がまるで軍隊の様に統制された動きをする

そして親玉であるドードーマギアに攻撃が当たりそうになれば、盾になって防いだりとこれまでのマギアにはなかった動きだ

奴らめ、面倒なのを生みやがったな

 

それにこのドードーマギアもだ

 

これまでのマギアと比べても強いな

完全な戦闘特化型だな

 

しかも気のせいか…こいつの動きが少しずつ変わってきているな

 

まさか…

 

ドードーマギア①「……少しずつ…気づいてきてないか?」

 

バルカン「ああ゛?」

 

ドードーマギア①「我々暗殺型ヒューマギアは、これまでのマギアにはない、高い戦闘ラーニング能力を持っている」

 

【同時刻】

 

《刃視点》

 

バルキリー「なんだと!?」

 

ドードーマギア②「お前達と戦えば戦うほど…我々はより強く、より完全な存在へと進化する」

 

【同時刻】

 

《滅&迅視点》

 

ドードーマギア③「しかも我々は倒されれば他の兄弟へ、これまで得た戦闘ラーニングのデータが送られ、更に強くなる」

 

迅「はあ!?それって、倒したら他の皆への負担が大きくなるってこと!?」

 

滅「……亡国企業め…厄介なマギアを作ってくれたな」

 

【同時刻】

 

《カズマ視点》

 

ドードーマギア④「さあ……これでも俺を倒せるか?他を危険に晒す事になるが、それでも倒せるぐぁ!?」

 

ドードーマギアが最後まで言う前に、俺は持っていたアタッシュカリバーで斬った

 

ゼロワン「……俺達は皆、このベルトを手にしたときから、覚悟は出来ている」

 

《滅&迅視点》

迅「そんな脅し文句が僕達に通用するとでも思ってるの?」

滅「例え、お前達を倒すことで、一夏達への脅威が増すことになろうとも…」

 

《一夏視点》

バルカン「逆に他が倒して俺に脅威があろうとも」

 

《刃視点》

バルキリー「私達は皆、命がけで戦ってるんだ!!」

 

 

【同時刻】

 

ゼロワン「俺達を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼロワン/バルカン/バルキリー/滅/迅「「「「「仮面ライダーを舐めるな!!」」」」」

 

《一夏&刃視点》

バルカン「はあああああ!!」

 

バレット!

 

俺は周りのマギア共、そしてドードーマギアへ銃口を向け

 

ダッシュ!

 

バルキリー「はあああああ!!」

 

私は周りのマギア共とドードーマギアへ銃口を向け

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルカン/バルキリー「「決める!!」」

 

シューティングブラスト

 

ラッシングブラスト

 

ドードーマギア①&②「「暗殺ー!!」」

 

それぞれの必殺技を受けて爆散したドードーマギア

 

バルカン「ふう〜、いっちょ上がり」

 

バルキリー「疲れたな……帰りに寿司でも食べるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【同時刻】

 

《滅&迅視点》

 

迅「こんな奴らに!!」

 

滅「俺達の進むべき道を、立ち止ませない!!」

 

迅が翼から放つ羽型エネルギー弾を周りのトリロバイトマギアに撃ち抜き

 

滅「亡き者となれ!!」

 

アンカーを2度開閉し

 

スティングディストピア!

 

周りのトリロバイトマギアとドードーマギアにそれぞれ一発ずつアシッドアナライズを纏わせた蹴りをくらわせた

 

 

 スティング

   ディストピア

 

ドードーマギア③「あんさつー!!」

 

滅の必殺技を受けてドードーマギア諸共爆散した

 

迅「ふう〜、手間取った」

 

滅「ああ…他は無事か」

 

迅「大丈夫でしょ…まあ念の為連絡入れるかな」

 

滅「ここから一番近いのはカズマだな」

 

迅「あ、カズマ?そっち今大丈夫?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《カズマ視点》

 

ゼロワン「大丈夫なわけあるか!!」

 

ビル街を走り抜けている俺に突然迅から通信が来てつい怒鳴った

 

先程俺は突如動きを止め、体が変化し始めたドードーマギアにトドメの『ライジングインパクト』を叩き込んだら、ガードされた上弾き飛ばされた

 

ドードーマギアの姿はこれまで見たドードーマギアと違って体格が大きくなり、身体は武装状態になっており、体から大量の追尾弾を放ってきた

 

俺はそれを避けるかアタッシュカリバーで防ぐかで被弾を避けた

 

ゼロワン「お前ら先に倒しやがったな!!確かに覚悟はしていたが、いくらなんでも全て押し付けられるのは面倒すぎる!!」

 

迅や他の連中に文句を垂れていると背後からまた追尾弾が飛んできた

 

ゼロワン「しつけえ!!」

 

俺はアタッシュカリバーから放つエネルギーの刃を放ち追尾弾を破壊しょうとした

 

ゼロワン「!」

 

が、その追尾弾はエネルギー波を避け、俺の方へ飛んできた

 

俺はそれを横へジャンプして避けたが、その着地地点へ更に追尾弾が撃ち込まれた

 

ゼロワン「うわ!」

 

俺はたまらずアタッシュカリバーをアタッシュケースに戻して盾にして防いだが爆風までは防ぎきれず、のけ反った

 

ゼロワン「お前」

 

俺は変異したドードーマギアを睨んだ

いや、奴の装甲には『改』の字が描かれていた

 

さしずめドードーマギア改ってか

 

ゼロワン「俺がお前の攻撃を避け、着地地点に降りるのを見越して先回って攻撃したか……やられたお前の仲間の戦闘ラーニングデータで予測したな」

 

ドードーマギア改「そのとおりだ……5人いた俺の兄弟達は皆倒され、残ったのは俺一人……だが、俺の兄弟達は自身のラーニングデータを俺に託し、それがお前を暗殺することができる力となった…諦めろ…もはや貴様に俺を倒すことは不可能だ」

 

実際、この短時間でこいつの戦闘能力は飛躍的に伸びている

 

攻撃だけでなく、防御力、予測能力も向上し、俺の動きを読んでいる

 

今までのマギアにはない存在だ

 

そして時間経過とともに、奴はラーニングにより更に強くなる

その強さの成長に限界などない

それが奴の自信か

 

ゼロワン「ふう〜、さて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘のデータ収集はここら辺でいいか」

 

ドードーマギア改「……なに?」

 

俺がそう言うと奴は驚いた様子を見せた

 

ドードーマギア改「戦闘のデータ収集だと?まさか貴様、俺との戦闘データを集めるためにわざと追い込まれたとでも言うのか?ハッタリだ!!お前が今まで見せた実力がお前の限界だ!」

 

ゼロワン「ハハハ、確かに戦闘データを集めるのも目的だな。お前みたいに前例のないマギアはどうしてもデータが欲しくて集めようとしたが、お前は2つほど大きな勘違いをしている」

 

ドードーマギア改「勘違いだと?」

 

ゼロワン「一つは俺の限界はここではない……まだまだ成長を遂げるんだよ俺は…こう見えて伸びしろは高いほうだからな……それともう一つは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつから俺が本気を出していると錯覚した?(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

その瞬間俺は持っているアタッシュカリバーからエネルギー波を飛ばしてドードーマギア改をふっ飛ばした

 

ドードーマギア改「があ!!」

 

ゼロワン「それならお望み通り、本気で相手になってやるよ」

 

俺はそう言うとあるプログライズキーを取り出した

形状こそ他のプログライズキーとは違うが、これが今の俺の出せるとっておきだ

 

シャイニングジャンプ!

 

オーソライズ!

 

そう言うと俺はキーを天へ掲げた

 

するとゼアから送られた光がキーに照射され、円形のゲートが出現。それをまるでカギを開く動作をすると輝く大きなバッタのライダモデル「シャイニングホッパー」がオンブバッタのようにライジングホッパーのライダモデルを背に乗せて現れ、それをデータネットで捕らえ

 

プログライズ!

 

それが俺に纒ってゆく

 

The rider kick increases the power by adding to brightness! シャイニングホッパー!

 

When I shine,darkness fades.

その姿はライジングホッパーと似ており、ライジングホッパーを更に強化した様な見た目となっている

 

仮面ライダーゼロワン シャイニングホッパー

 

ゼロワン「行くぞ」

 

俺はそう言いドードーマギア改に立ち向かう

 

ドードーマギア改「どんな姿になろうと、俺には勝てない!!」

 

ドードーマギア改はそう言い、持っているサーベル状の武器『ヴァルクサーベル』で攻撃したが

 

ゼロワン「無駄だ」

 

俺はそれを最小限の動きで避け、胴体にパンチを叩き込み、後方へふっ飛ばす

 

ドードーマギア改「ごあ!?」

 

まさかの攻撃にドードーマギア改はたじろぐが

 

ドードーマギア改「舐めるな!!」

 

ドードーマギア改は体から追尾弾を複数個出すと持っているヴァルクサーベルで追尾弾を後押しした

 

ゼロワン「無駄だといったはずだ」

 

俺はそれを見ながら静かに歩いた

 

飛んでくる追尾弾をまるで人混みを避けるがごとく、体を少しずらすという最小限の動きだけで避けた

 

ドードーマギア改「なに!?どあ!!」

 

俺はドードーマギア改に一発叩き込み、ふっ飛ばしたら、更に一瞬で後方へ移動し、吹っ飛んでくる位置に向かってキックをし、ドードーマギア改に大きくダメージを与えた

 

ドードーマギア改「な、なぜだ…俺の計算を…ラーニングを超えているだと!?」

 

ゼロワン「仮面ライダーゼロワン、シャイニングホッパーの能力は高速演算処理能力だ。敵をラーニングする事で行動を予測して対処パターンを算出、約0.01秒で最適解を導き出す事が出来る。その予測パターン数、約25000通りだ」

 

ドードーマギア改「!?」

 

ゼロワン「覚えておけ、ラーニングして強くなるのはお前だけじゃねえ…俺達だってラーニングして強くなるんだよ。まあ最も、覚えておくも何も…ここでお前は倒されるんだがなあ!!」

 

シャイニングインパクト!

 

そう言うと俺はキーを押し込み、高速移動からのキックを叩き込み、空中へと飛ばした

 

ドードーマギア改「があああああああー!!」

 

ゼロワン「こいつはサービスだ。受け取れ!!」

 

更にキーを取り出しゼロワンドライバーにかざし

 

ビットライズ バイトライズ キロライズ メガライズ

 

スキャンさせ

 

シャイニングメガインパクト!

 

更に強化させた

 

そしてドードーマギア改が吹き飛ばされた上空へ高速移動すると周囲から連続攻撃を叩き込み最後に

 

ゼロワン「はああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胴体を貫くライダーキックをくらわせた

 

 

 

      メ

     グ ガ

    ン   イ

   ニ     ン

  イ       パ

 ャ         ク

シ           ト

 

 

ドードーマギア改「暗殺ー!!」

 

こうしてドードーマギア改…いや、最後の暗殺ちゃんは俺に破られたのだった

 

ゼロワン「ふう…手間取ったな……グッ!」

 

次の瞬間、俺の身体に痛みが走り、そのまま変身解除をするのだった

 

カズマ「うぅ…バックファイヤー…しんどいなあ…」

 

シャイニングホッパーの唯一のデメリット

それは、潜在能力を強制的に引き出す能力も備わっており、必要に応じて敵を上回る戦力を発揮出来るが、戦闘後は強烈な負荷に見舞われてしまう反動がある

 

ようは力の前借りのようなものだ

 

これのせいで、あまりシャイニングホッパーの変身は控えてたんだが…

 

カズマ「これからの戦いを考えたら…そうもいってられないか」

 

俺はそう考えながら、シャイニングホッパープログライズキーを見るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【亡&雷視点】

 

雷「こちら雷だ。そっちはどうだ亡?」

 

亡「やはり攻めてきましたね。そちらはどうですか?」

 

雷「俺の方も来やがってたな……やっぱ警戒して正解だったな」

 

亡「ええ…警備が手薄になれば、狙ってくると踏んで張り込んでいたかいがありましたね……それで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷の所は…」

 

雷「……今お前と通信出来ているのが答えだ……それはそうと…お前の方は」

 

亡「それは…先程の雷と同じ答えですね」

 

そう通話する雷と亡の足元にはそれぞれ、黒焦げとなったマギアの残骸(・・・・・・・・・・)ナニカに切り刻まれたマギアの残骸(・・・・・・・・・・・・・)が転がっていたのだった



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小ネタ集② 篠ノ之箒の初バイト


はい。また息抜きの番外編です。今回は箒が主役の回です。最近あまり一夏×箒展開があまりなかったので、本編から外れた平和な一夏と箒の絡みをどうぞご覧下さい。そして今回で一夏の過去がある程度語られます。


 

 

鈴「ええ!!箒ってお小遣い、国から支給されるの!?」

 

午後の授業を終え、アリーナで一夏と鈴の3人で訓練をし、少し休憩をしていたときに鈴がポツンとそれぞれのお小遣い事情を言い出したのがきっかけだった

 

一夏は言わずもがなA.I.M.S.所属で高い給料を貰っており、鈴は中国の代表候補生をしており、国から給料を支払われ金銭面は対して困ってなかった

 

が、一方で私はというと

 

箒「あ、ああ…一応国からの擁護プログラムを受けている身でな…」

 

一夏「そうか…ちなみに…いくらくらいだ?」

 

箒「そ…それが…」

 

私はまわりに他の生徒が居ないことを確認すると、小さな声でふたりに教えた

 

鈴「……え?マジ?少な…」

 

一夏「ああ、高校生が貰う平均的な小遣いよりも少ねえ」

 

箒「わ、私は自分が貰う小遣いは対して考えたことはないが、……そんなに少ないのか…?」

 

一夏「少なくとも花の女子高生が一ヶ月で使う金額としては少ないな……もしかしてだが、金欠になったことが、何回かあったんじゃないか?」

 

箒「う…」

 

そう、実は中学以降から小遣いが足りなく感じた

 

それまでは国から支給された小遣いで生活していたが、あまり無駄遣いできるほど小遣いを貰えなかった

 

鈴「でもそれなら日本政府にもっと渡すように要求すればいいんじゃないの?篠ノ之博士の身内の頼みなら了承すると思うけど」

 

箒「……確かに…頼めば了承するとは思うが……私達家族の意思など関係なしにバラバラに引き裂いた日本政府に頼むのは…」

 

一夏「……まあ…それは嫌だな…」

 

家族と離れ離れに……それに…一夏とも別れさせられ、私個人として、日本政府が嫌いだ

 

そんな日本政府に頼むくらいなら金欠でも構わないと思っていた

 

鈴「……どうする箒?……あたしお金貸そうか?」

 

箒「い、いやいい……他人とのお金の貸し借りは問題になるって昔母が言っていたから…」

 

鈴「……んー…あたしは別に返すのはいつでもいいけど……ならバイトでもする?それなら誰かからお金を借りるわけじゃないし、日本政府に頼むわけでもないから…」

 

箒「バイトか……確かにそれがいいと思うが、……一応部活をしているし、こうやって放課後の訓練もあるから……」

 

鈴「それによくよく考えたら、ウチの学園の生徒って基本的に休日以外の学園外に出るの禁止してるしね…」

 

箒「う………結局どうすることもできないか……」

 

一夏「…………あ…ならさ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日の祝日に俺の家でバイトしないか?」

 

箒「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「よーし、ここは片付いたか……箒、そっちに置いてあるダンボールは机の下に置いておいてくれ」

 

箒「ああ、分かった」

 

翌日、私は一夏の家に行き、一夏の手伝いをしている

 

【昨日の過去回想】

 

鈴「一夏の家でバイトって?」

 

一夏「ああ、この学園の寮に住むようになってから、あまり家に帰ってなくて、そろそろ掃除したほうがいいかなぁって、思っていたところだったしな。ついでに色々やっておきたいこともあったんだが、一人でやるには時間が必要以上にかかるんでな……そこで、お前には俺の手伝いをしてほしい。バイト代はその報酬だ」

 

箒「い、いや…それは一夏が頼めば無償でやるぞ私は……」

 

一夏「やることが多いから明日一日のお前の休みを潰すことになるから、そのお前の時間を使うことにもなるから、バイト代を出すんだよ」

 

箒「し…しかし…」

 

鈴「箒、ここは一夏の提案に甘えなさいな」

 

箒「鈴」

 

鈴「お金はあるに越した方がいいわよ…あったらあったで欲しい物が買えるし……一夏とのデートで使えるお金も増えるわよ」

 

箒「!」

 

鈴「それに……一夏の家で手伝いをするってことは、一日中一夏と一緒に居られるってことじゃないの。なんだったら、普段見られない一夏のアレコレを知ることが出来るじゃないの」

 

箒「!そ、そうだな……よし…一夏!やはりその提案を受けるぞ!!」

 

一夏「いやお前ら…よく本人の前でその話ができたな……まあいい…明日、俺の家に行くからな?頼むぞ箒」

 

箒「ああ!任せてくれ!!」

 

【回想終了】

 

一夏「ふう…最近本増えたな…また新しい本棚買う必要があるな」

 

箒「それにしても…一夏はよく本を読んでいるな。寮でもよく読んでいたが…」

 

一夏「読書好きだからな」

 

箒「普段の言動や態度からはとてもイメージできないな。お前を知らない人が見たら読書好きとは思えないだろうな」

 

一夏「本は好きだ。一冊一冊、書き手が違っていて、表現や言葉遣い……そして物語の違いが星の数ほど存在している……読んでいるだけで、まるで自分がその本の世界に入ったような気分を味わう……本には無限の可能性があるんだよ」

 

箒「小説家が言いそうな事を言っているな一夏…」

 

そう言いながら私は棚に本を詰めていくと、

 

箒「ん?これは…」

 

棚から何かがはみ出ていたので引き抜くとそれは

 

箒「…これは…アルバム?」

 

気になった私はアルバムのページをめくった

 

そこには幼少期の一夏と千冬さんが写っていたものばかりだった

 

中には私も一緒に撮ってある写真もあった

 

あ…これは確か、剣道の大会で私と一夏優勝して、道場で他の門下生達と撮ったときのやつだ

 

懐かしい写真ばかりを目にし、思わず私の頬が緩む

 

私はその後、アルバムのページ全てをめくり、写真に目を通したが、ここである疑問が浮かんだ

 

箒「(そういえば、一夏と千冬さんの両親の写真が一枚もない)」

 

一夏と千冬さんの両親は、ふたりが幼い頃蒸発したと、聞かされていた

 

流石に家族全員が写った写真くらいあるとは思っていたが…

 

一夏「おやおや、手を止めて勝手に人様のアルバムを見るか」

 

箒「う!」

 

と、そんなわたしをいつの間にか一夏が近づき、アルバムを奪った

 

箒「す、すまない…つい目が行ってしまって…」

 

一夏「……まあいいけどな…ちょうど休憩に入ろうかと思っていたからな……アルバムに興味があるなら、そこの棚の下にまだあるぞ。中学生時代から卒業までのやつが」

 

箒「そ…そうか…」

 

そうして私は一夏が教えた棚のアルバムを見た

 

そこには中学時代の一夏や鈴、弾と数が主に写っていた

 

四人で遊んでいる姿や、そこへカズマにアクア、めぐみんとダクネスも追加された

 

そういえば中学の一年の終わりにカズマと出会ったと言っていたな…

 

そう思い、次のページをめくると

 

箒「うわ…」

 

そこには、一夏の飛電インテリジェンスでの訓練の様子が撮られた写真がたくさん貼られていた

 

だが…

 

箒「お前…この頃からこんな訓練受けていたのか…」

 

そこに写っていた写真は、一言で言えば地獄絵図とも言える訓練の様子ばかりが撮られていた

 

しかもこの訓練を受けていた当時はまだ13〜15歳だった為、今現在と比べても追い込み具合が半端じゃなかった

 

箒「……よく生きていたな一夏」

 

一夏「言うな…それは俺も思った。兄貴指導の訓練はヤバすぎるんだよ。何回か三途の川を渡る羽目になったくらいだからな」

 

箒「実際に逝きかけていた!?」

 

私は一夏のあのとんでもない生命力や戦闘能力の元になっているのって、中学時代の訓練から生まれたものだと思わず感じた

 

箒「あ…」

 

ここで、私は一夏にある事を聞こうと考えたが、やはり言うべきではないのでは…と考え、言葉を止めた

 

一夏「……何か聞きたいことがあるみたいだな……ある程度のことは答えるぞ…それがコメントしづらいものじゃなければな」

 

箒「あ…いや、その……一夏と千冬さんの両親のことなんだが……写真には一枚も写っていないから…そのことを聞こうと思ったのだが…やはり無粋だったな。すまない…やはりなんでもな」

 

一夏「写真がないのは単純に撮っていないだけだ…」

 

私が話をやめようと思ったが、そんな私のことを気にせず、一夏が話しだした

 

一夏「それか本当はあったのかも知れないがなくしたのか…或いは持ち去っていったのか……考えたら切りがない……それと、俺に親は蒸発したって教えたのは誰だと思うか?」

 

箒「それは…千冬さん…ではないのか?」

 

一夏「ああ……幼い頃の俺にそう教えて中学に上がるまで、育てたんだよあの姉は」

 

箒「え?…中学までって…」

 

一夏「勘違いするなよ、別に育児放棄したわけじゃない。単に俺の独り立ちが早かっただけだ。いつまでも千冬姉の世話になるのは俺も嫌だったんでな、中学に上がったあとは、できる限り千冬姉の援助なしで生きてきた」

 

箒「……(あまりこの話題について聞かないほうがいいな)そうだったのか…」

 

一夏「だが今ならわかる……俺に親は蒸発したって言っていたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれは千冬姉の嘘だな(・・・・・・・)

 

箒「……え?いや待て!」

 

今…なんて…?

 

千冬さんの……嘘?

 

箒「ど…どういう…ことだ…」

 

一夏「言葉通りの意味だ。俺には親は蒸発したなんて言ったが、千冬姉は嘘をついている……」

 

箒「なぜ…それがわかる?」

 

一夏「分かるさ…曲がりなりにも俺はあの姉のことを他の誰よりも近くで見てきた……嘘つくときの感じもよくわかる」

 

箒「……」

 

一夏「本当はさ……調べようと思えば調べられるんだよな、俺の親に俺の出生も……けどあえて調べないことにしてんだよな俺」

 

箒「……なぜ………なぜ調べないんだ…もしかしたら、一夏の過去に関する重大な何かがあるかもしれないというのに…」

 

そうだ、知りたいはずだ

自分に関わることならなおさら

 

一夏「……俺は待ってるんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬姉が自分の口から話すのをよ」

 

箒「!」

 

一夏「千冬姉は頑なに話さないが、……あの姉が俺に話さないのは、悪意あってのことじゃない……あれは、多分何かを恐れているんだよ」

 

箒「恐れている…?あの千冬さんが…」

 

一夏「そう思うだろ?俺もそう思っている……まあ、普段人外って言われてはいるが、感情面だけはちゃんと人間だよ」

 

箒「感情面…だけ…」

 

それはそれで酷いと思う

 

一夏「だから、俺は話すまで待つことにする……真実はそれまで触れないことにするさ」

 

箒「一夏…」

 

あれだけ千冬さんの悪口言ったり険悪ムードを出しても、ちゃんと信頼して信用はしているのだな…

 

一夏「まあ真実話したあとは嘘ついた罰で顔面を一発殴るけどな」

 

箒「根に持ってた!?」

 

一夏「それによ……俺は親の居なかった事を別に不幸に思ったことはねえ」

 

箒「……」

 

一夏「一応家族は千冬姉いたし、お前に鈴達、それに社長や滅さん達と出会い、過ごし、こうして今一緒に居られる。自分が尊敬する人や気に入った人達と生きていけるって、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……これって幸福なことなんじゃないか?少なくとも俺は幸せだと感じている」

 

そう言う一夏の表情は、少しいたずらっぽい笑顔を浮かべていた

 

箒「!///」

 

ああ、まただ…こいつはこうしてまた私の心をときめかせる

 

一夏「さて…話し込んじゃったな……それじゃあ作業の続きするか」

 

箒「!あ、ああ!」

 

そう返事をし、私も再び作業を始めるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日一日

 

一夏と一緒に居て分かったことがある

 

こいつがどれだけ姉である千冬さんの悪口を言おうが、どれだけ喧嘩腰で接していたとしても

 

千冬さんの事は信頼し信用の置ける、『家族』として思っている

 

それと自身の境遇を決して不幸とは思っておらず、多くの人と出会い、過ごしてきた日々を大切に、それでいて楽しく過ごしている

 

それは私も例外ではなく…

 

こいつにとっては、それらが今の自身を形作る

大切な欠片(ピース)なのである

 

きっとこの男はこの先も

多くの人と触れ合い、自身をまた大きく形作る欠片が揃うだろう

 

 

 

だが…いつの日か必ず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はお前の特別なピースになってみせる!!

 

 

そう私は、その思いを胸にしまい

これからも一夏のそばに居ることを、改めて誓ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにバイト代が万札5枚だったことで、一夏に慌てて返そうとするのはまた別の話だった



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第47話 雷鳴轟く絶滅鳥/進化する狼


今月からまた更新頻度が低下すると思います。
申し訳ございません。


 

《めぐみん視点》

 

めぐみん「そうですか……奴らはそこまで迫ってきましたか」

 

亡「はい。これまでは本拠地へ襲撃をすることはありましたが、戦力を分散させて手薄になったところを狙われたのは、今回が初めてです」

 

刃「ああ……一夏も言っていたが、早急に戦力の増強をするべきだ」

 

ダクネス「だが……A.I.M.S.の隊員を増やすだけでは、この先の亡国企業との戦いを乗り切るのは難しいと思う…」

 

ZAIAエンタープライスジャパンの社長室

 

ここに集められているのは社長である私と秘書兼テストパイロットのダクネス、A.I.M.S.総指揮官兼A.I.M.S.特殊技術研究所の最高責任者の刃さんにその刃さんの補佐役兼特殊技術研究所の技術顧問の亡

 

ダクネス「めぐみん、今天津さんと作っているアレの開発の方は?」

 

めぐみん「一応完成の目処は立っています。最近は私も開発の方にまわってますので…それはそうと亡のあれはどうなのですか?」

 

亡「まもなく完成します。それと実は今回の事を受けて滅と一夏のふたりから提案が…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《カズマ視点》

 

鈴「最近、よくここへ来てる気がするわ…」

 

一夏「ここは他よりも広くて部外者に見られないから密会とかに向いてんだよ」

 

箒「だが…今回も密会ではなく、戦うのだな?」

 

一夏「そうだ」

 

翌日

俺達はまたこの場所へ来た

 

最近よく来る様になったが、それだけここは実戦訓練に向いている場所であるため重宝される

 

集められたのは一夏を含むいつもの専用機メンバーと俺、刃さんそして

 

滅「全員集まったか」

 

亡「これで始められますね」

 

迅「これからの戦いを考えたら」

 

雷「戦力強化の為の実戦訓練をより厳しくする必要があるな」

 

滅亡迅雷.netの全メンバーが集合していた

 

先日の襲撃事件を期に、俺達はより実戦を勝ち取るためのさらなる訓練と実力アップの為の実戦に近い戦いをすることにした

 

対戦相手は俺、専用機グループ対亡を除いた滅亡迅雷.netに刃さんの7対4だ

 

セシリア「あ、あの、亡さんは戦わないのですか?」

 

亡「いえ、私は戦闘よりも開発、情報収集がメインですので、今回は参加しません」

 

シャルロット「あれ?雷電さんも今回戦うんですね?」

 

一夏「そういえば何気に兄貴が戦うなんて久しぶりに見るな」

 

雷電「俺も裏で鍛えてるんでな。お前らに遅れを取らねえし、むしろ容赦なくやるつもりだ。覚悟しておけ」

 

そう言うと滅亡迅雷.netメンバーは全員フォースライザーを付けそして

 

ドードー!

 

箒「!それは!!」

 

鈴「別のやつなの!?」

 

雷「変身」

 

そう言うと雷はキーを持つ手をまるで稲妻を描く様に左右に揺らし、ドードーゼツメライズキーをフォースライザーに差し込み、キーを展開させた

 

フォースライズ!

 

すると雷のまわりに赤い稲妻のエフェクトが走り出し、雷の身体にそれが纏わりつき、やがてそこには赤いと黒の装甲を纏った仮面ライダーが立っていた

 

Break down

 

仮面ライダー雷

 

3人目の滅亡迅雷.netの仮面ライダーが舞い降りた

 

カズマ「さてと、お前らも…用意はできてるか?」

 

そう言いながら俺はキーを取り出した

 

周りを見ると箒達もISを装着しており、一夏と刃さん、そして滅と迅もキーを取り出しており、いつでも変身ができるようにしていた

 

カズマ「なら、始めるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ/一夏/刃/滅/迅「「「「「変身!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《一夏》

 

さて、滅さんと一緒に提案し、こうして戦っている俺だが

 

一夏「おいおい、手加減なしかよ」

 

兄貴め、この人初めから本気で相手してんな

 

開始10分後には俺を除いた専用機持ちは全滅しており、俺は途中から白式に変更して戦った

 

雷「どうした?これでおしまいってわけじゃねえだろ?」

 

兄貴はドードーマギアが使っていた二本の剣、ヴァルクサーベルから赤い電撃を飛ばしてきて、それを箒達が受け、一気にエネルギーを消耗した

 

防御無視攻撃のあれは食らったらただじゃすまねえ

 

俺は兄貴の攻撃を避けながら、横で戦っているカズマを見た

 

カズマ相手に滅さんと迅、刃さんの3対1だ

 

これには流石の社長も分が悪いな

 

一応次々とフォームチェンジはしているものの、押され気味だ

 

特に滅さん

あの人はもはや難攻不落

他は崩れるのにあの人だけカズマの行動の先を行っている

 

雷「よそ見とは随分と余裕だな!」

 

兄貴が大声で言ってきて俺はそっちへ目を向けると

 

ゼツメツディストピア!

 

ヴァルクサーベルに赤い電撃を纏わせて俺に飛ばしてきた

 

一夏「うわ!!」

 

俺は瞬時に雪片でガードしたが、電撃が機体にまで流れ込み、ダメージを抑えきれなかった

 

俺は次々と放つ電撃のエネルギー波を避けたが、ヒューマギア特有の学習能力で、徐々に追い詰められる

 

これが人間と人工知能との違いだ

 

これでさっき箒達を同士討ちに巻き込み、まとめて必殺技で仕留めた

 

おまけに兄貴はこう見えて力も強く、ISの機体での剣を使った武器も片手で抑え込んじまう

 

パンチングコングでなら力で上回れるが、それでもおそらく通用しねえな

 

一夏「……」

 

雷「よっと、……滅とお前が提案したこの実戦訓練。はっきりいうが、お前らまだまだだな。俺程度にここまでやられるようじゃ、この先生きていけねえぞ!!今のままでは、お前ら社長や一夏達の足手まといになるぞ!!」

 

箒達「「「「「!!」」」」」

 

雷「お前もだ一夏!!お前は曲がりなりにもこいつらのまとめ役だ。リーダーのやられてる姿を、仲間が見たら統率が乱れる!!自分の弱さを他人に見せるな!!」

 

一夏「ッ!」

 

痛い所突くな

 

上に立つやつは下の奴に弱いところを見せてはならない

 

千冬姉も言っていた言葉だ

 

あの女は性格や振る舞いのせいで学生時代からまとめ役の様な立場になることが多い

 

IS学園でもそうだ

 

特に初代ブリュンヒルデと呼ばれている立場上

生徒や同僚の教員たちにも弱さを見せない

 

常に気丈に常に弱みを見せない

それが俺の姉だ

 

あの姉のそういうところだけは見習える

 

一夏「……言いたいことはそれだけか…兄貴!」

 

そう言った瞬間、俺は兄貴に向かってイグニッションブーストをした

 

雷「血迷ったか!!」

 

兄貴がまた電撃を飛ばしてきたが、俺は兄貴に向かう途中でISを解除し、地面に滑り込み避け

 

雷「!」

 

兄貴の胴体にアタッシュショットガンをぶつけ、放った

 

それに兄貴は吹き飛び、のけ反った

 

雷「……攻撃が当たりそうになる直前でISを解いてマトを減らして避けるとは……一歩間違えれば生身で受けることになるっていうのに…随分とイカれた真似をしやがる」

 

一夏「ハッ!何言っている。アンタら相手するのにイカれてなきゃ太刀打ちできねえつうの……それと…俺はまだまだ本気じゃねえよ」

 

俺は不敵な笑みをうかべながらショットライザーを出す……それと

 

一夏「……」

 

空いた片手には、とあるプログライズキーが握られていた

 

このキーはこれまで一度も使ったことのない、今日最初に亡さんから渡された物だ

 

だが…俺はこのキーを使ったフォームを見たことがある

 

『アサルトウルフプログライズキー』

 

これがこのキーの名だ

 

このキーは滅さん達が誕生した時に彼らのベルト

『滅亡迅雷フォースライザー』と一緒に作製された滅亡迅雷.net用のプログライズキー

 

その秘めた力は大きく、現状のキーの中ではカズマのシャイニングホッパープログライズキーをも上回る性能を持っている

 

だが…このキーは滅亡迅雷.netのメンバーしか使えない……あの人がこれを使えたのは……いや、それはいい

 

かつて一度これを使っただけであの人は……不破さんは再起不能になってもおかしくないほど負傷した

 

一夏「……ふー……」

 

このキーは、亡さんが時間をかけて、人間でも仕様が出来るよう改良し、更にプログライズキーには、『アサルトグリップ』という強化ユニットがついており、更に強い戦闘力を得られる

 

俺はキーを握りながらこころの中で呟く

 

一夏「(行きますよ……不破さん……見守って下さい)」

 

???「(俺まだくたばってねえんだが!?)」

 

どこかでツッコまれたような気をしつつ、俺はアサルトグリップのスイッチを押す

 

アサルトバレット!

 

そして無理やりこじ開けようとキーに力を込めた

 

この開け方は不破さん直伝だ

 

本来の開け方とは大きく違うが、あの人から受け継いだ物だ

 

一夏「うおおおおおお!!!」

 

そしてキーが展開し、ショットライザーに差し込む

 

オーバーライズ

 

 

Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...Kamen Rider...

 

 

一夏「……変身!」

 

ショットライズ!

 

引き金を引くと、普段飛んでくるはずの弾丸は出てこずに、代わりに狼のライダーモデルが飛び出し、それが俺に向かってきた

俺はそれを拳で殴り、アーマーを展開させ、それを身に纏う

 

レディーゴー!アサルトウルフ!

 

"No chance of surviving.

 

その姿はこれまでのバルカンにはなかった、厚い装甲に、胸に赤い水晶体のようなものが埋め込まれていた

 

仮面ライダーバルカン アサルトウルフ

 

一夏「アンタには悪いが…こいつの試運転に付き合ってもらうぜ、兄貴?」





はい。ここで補足しますが、今作品でのアサルトウルフプログライズキーの誕生経緯は原作とは違っており、最初期にアークが作製したということになっております。不破がアサルトウルフになれたのは原作通り、脳に亡のチップが埋め込まれていたからでしたが、なぜチップが埋め込まれたのかについては、今後わかります。


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第48話 バルカンは止まらない/超進化するバッタ

 

《一夏視点》

 

バルカン「くらえ兄貴!!全方集中砲火だ!!」

 

アサルトウルフになった俺は腕から短機関銃、胸からはマルチロックレーザー、肩や膝からはマイクロミサイル、そして手に持っているショットライザーから弾丸が放たれる

 

雷「うお!!全身武器かよ!!」

 

これには流石の兄貴も防ぎきれずに逃げの一手だ

 

バルカン「まだまだ!!」

 

更に兄貴に突撃し、打撃をくらわせた

 

パワーアップしたことで、素の攻撃力も上がっており、兄貴も苦戦し始めている

 

雷「力を上げたからと言って、俺に勝てると思うな!!」

 

そう言うと兄貴から赤い電撃から発生し、俺に浴びせてきた

 

バルカン「うぐっ!!」

 

電撃が俺の身体に流れて来る

 

しかも本気でやってるな

電撃の威力が尋常じゃねえ

マジでダウンしそうだ

 

だが…

 

バルカン「なめる…な!!」

 

俺は兄貴の両腕を掴むと身体中から銃火器の雨を発射した

 

今、互いに電撃と銃撃を受けている

が、どちらも一歩も引かない

 

シャルロット「す…すごい…」

 

ラウラ「どちらも全く引くつもりないようだ…」

 

セシリア「あれ…どちらもまずいのではないですか?」

 

箒「どちらも…あの様子では…引かないだろうな…」

 

鈴「……まあ…どっちも死なないだろうけど……片方機械だし、もう片方は人外だし…」

 

バルカン「俺を人外って呼ぶなー!!」

 

鈴「あんな状態でも聞こえるのね……地獄耳」

 

バルカン「うるせえよ!!真っ先にやられた癖に!!」

 

鈴「アンタこそパワーアップしたのにやられまくってる癖に!!」

 

雷「おいてめぇら!俺を挟んで喧嘩すんじゃねえ!!」

 

バルカン「あ、忘れてた」

 

雷「てめぇ忘れてんじゃねえ!!」

 

兄貴は俺に頭突きをして、掴んでいた俺の腕を放させた

 

雷「もうてめぇとの戯れはここまでだ!終わらせてやろう!!」

 

兄貴はフォースライザーのアンカーを二度開閉させた

 

 

ゼツメツユートピア!

 

すると両腕に雷撃が集中していく

 

あの様子…おそらく過去最高の威力だな

くらえばこのアサルトウルフの状態でも危険すぎる

 

雷「終わりだ!!」

 

      

     雷 剛   

      

 

兄貴はそう言うとまるで世紀末覇者の必殺奥義が如く両腕から凄まじい威力の赤い電撃を放った

 

くらえばゲームオーバーだ

 

だが

 

バルカン「くらうかよ!!」

 

俺は思いっきり上空にジャンプして避けた

 

雷「なに!?」

 

アサルトチャージ!

 

空中でアサルトウルフプログライズキーを操作して、右足にオオカミの頭部をエネルギーで形成させ、錐揉み回転からのキックだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルカン「これで、終いだあー!!」

 

そして俺のキックは兄貴の胴体に命中させた

 

マグネティックストーム

          

          

          

          

          フィーバー

 

雷「がああああああー!!」

 

兄貴は俺のキックを受けて吹き飛び、爆発し変身解除した

 

バルカン「はあ…はあ…」

 

俺もキー抜いて変身解除した

 

初めて使うキーでここまで戦えたのは奇跡だ

 

いや…俺はこのキーを使った戦闘を一度見たことがあるからここまで使いこなせた

 

これが本当の本当に初めてなら、おそらく使いこなす前に負けていたな

 

雷「て、てめぇ…俺を破壊する気でやりやがったな」

 

一夏「破壊なんてしようとは思ってねえよ。ただ…手を抜くのはアンタは許さねえだろうし、ましてや…アンタ相手に手加減なんてできねえよ…」

 

雷「……ハッ!言うじゃねえか」

 

箒「一夏!!雷電さん!!」

 

ボロボロになった俺と兄貴の元へ箒達が集まってきた

 

一夏「ようお前ら…で、どうだったか?俺の新フォームはよ?」

 

ラウラ「とても強かったぞ!!完全に戦闘向けの全身武装だった事に驚いた!」

 

鈴「それにしても…どっちも無茶したわね……下手したらどっちも死んでたかもしれないわよ…?」

 

一夏「冗談言うなよ鈴。あの程度の集中砲火でやられる俺と兄貴じゃねえよ」

 

雷「ああ、滅亡迅雷.net舐めんなよ!」

 

鈴「……やっぱ人外ね……それはそうと、カズマたちの方は」

 

一夏「確かに、向こうの様子も気になるな……もしかしたら、意外とやられそうになってたりしてな…」

 

カズマが…と、言おうとしたその瞬間だった

 

俺の横を何かが飛び出していき、廃墟の壁に激突した

 

俺達はそれに驚いて飛んでいったものを見た

 

その正体はなんと…

 

一夏「……マジかよ…アンタがやられてんのかよ…滅さん」

 

滅亡迅雷.net最強の男 滅さんだった

 

ゼロワン「うおおおおお!!」

 

更にゼロワンが天高く飛び上がりながらブレイキングマンモスにフォームチェンジして

 

ブレイキングインパクト!

 

ブレイキングマンモス

 

他の形態のようにゼロワンが「ライダモデル」を纏った姿ではなく、通信衛星ゼアに搭載された巨大装備を操縦する形態。 本来は大規模災害を想定した大型救助システムとして設計されたものらしいが、戦闘能力はシャイニングホッパーを除いたキーの中では最も高く、その大きさから繰り出される攻撃力はシャイニングホッパーをも上回る

 

あの巨体からの攻撃は防ぎきれねえな流石に

 

ゼロワン「トドメだー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大キックが滅さんに襲いかかる

 

インパクト

 

 

滅「ぐうううううっっっっ!!」

 

それを滅さんがアタッシュアローでガードして耐えようとするが、

 

遂には抑えきれず、吹き飛ばされた

 

ゼロワン「……」

 

箒「お、終わったか?」

 

セシリア「さ、さあ…流石にアレを受けて立ってられないですわ…」

 

シャルロット「い、一応一夏と必殺技の撃ち合いでも変身解除しなかったくらい頑丈だけど…」

 

ラウラ「だが流石に……!?」

 

ゼロワン「なっ!?」

 

そう箒達が口々に言っていたが、ラウラとカズマが驚きの様子を見せ、俺達もそこへ目を向けると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「おいおい…マジか…」

 

そこには、無傷で立っている滅さんの姿があった

 

鈴「今のも防いだの?……冗談じゃないわよ…!」

 

箒「なっ!?なぜだ!アレを受けてノーダメージだと!?」

 

シャルロット「なんで!?」

 

ブレイキングマンモスの必殺技を受けて、ダメージが無いのは本気で驚いた

 

なぜだ、最初アレを防ぎきれなかったのにどうやって…

 

雷「……そういうことか…」

 

鈴「え?」

 

だが、横にいる兄貴は大して驚いた様子を見せず、それどころかノーダメージの理由に気がついた様子だった

 

雷「お前ら、滅の後ろが見えねえか?」

 

そう言われて、滅さんの後ろを見る俺達

 

そこには

 

一夏「!……そうか…そういうことか!!」

 

シャルロット「ど、どういうこと一夏?」

 

一夏「防いだのは滅さんじゃねえ!!防いだのは…その後ろのライダーモデルだ!!」

 

サソリのライダーモデルが滅さんの後ろで身構えてた

 

雷「フォースライザーは使用しているキーのモデルを召喚使役が出来る。だからアイツは」

 

一夏「攻撃を受ける直前に召喚して、防壁にして耐えたんだ」

 

完全に俺の予想を上回る結果だ

 

あの必殺技をノーダメージで防いだのは想定外だった

 

ゼロワン「今のも防ぐのかよ……お前やっぱ只者じゃねえな……」

 

滅「フッ……こちらは常に戦いに身を投じている……戦闘は学習している……俺は…昨日の……1分1秒前の俺よりも強いぞ」

 

ゼロワン「言うなあー………だったら、これはどうかな?」

 

社長はそう言うとシャイニングホッパープログライズキーを取りだし

 

シャイニングジャンプ!

 

オーソライズ!

 

そして普段のライダーモデルよりもデカいバッタのライダーモデルを呼び出した

 

箒「何だあれは!?」

 

鈴「デカ!?」

 

プログライズ!

 

シャイニングホッパー!

 

When I shine,darkness fades.

 

シャルロット「何…あのゼロワンは…」

 

ラウラ「今まで見たこともない姿になったぞ」

 

セシリア「いつもカズマさんが使っているライジングホッパーの正当進化みたいな見た目をしてますわ!」

 

一夏「そういえばお前らはあれ見るの初めてだったな…それとセシリア……ライジングホッパーの正当進化は正解だ……あれはシャイニングホッパー……社長が変身するゼロワンの現段階での最強フォームだ……」

 

ゼロワン「行くぞ滅ー!!」

 

次の瞬間、滅さんに向かってゼロワンが向かったかと思うと、一瞬で滅さんに接近し蹴りを入れた

 

滅「ぐっ!」

 

ゼロワン「はあ!!」

 

そこへ更に拳の連撃を浴びせていった

 

それに滅さんは反撃することができず、やられまくっている

 

ラウラ「す…凄い……速さだ」

 

シャルロット「あの滅さんが一方的に……」

 

箒「それになんだ……滅さんが攻撃しようとした瞬間に先に攻撃して行動を防いでいるぞ」

 

セシリア「ま…まるで行動を先読みしているかのようですわ… 

 

鈴「……!一夏!!もしかしてアレって!」

 

一夏「お、どうやら気づいたみたいだな鈴…それとセシリアも正解に近い回答をしたな……シャイニングホッパーの能力は高速演算処理能力だ。ラーニングする事で行動を予測して対処パターンを算出して、約0.01秒で最適解を導き出す事が出来る。その予測パターン数、約25000通りだ」

 

箒達「「「「「2万!?」」」」」

 

やっぱ驚くわな……俺も最初それ知ったときチートじゃんって思ったな

 

箒「そ、それでは行動を先読みされるのでは…戦った相手は為す術なく…倒されるのではないか!?」

 

シャルロット「もうそれ誰も勝てないよ!!」

 

そう箒達はシャイニングホッパーの強さに対して内心を口走った

 

一夏「……そうでもないな…」

 

箒「え?」

 

一夏「なあ鈴……あのふたりの戦いを見て…気づくことないか?」

 

俺は鈴に滅さんとカズマの戦いを見た感想を聞いた

 

鈴「ええっと……滅さん…攻撃出来てないけど…大きなダメージを負わないようにしている?」

 

一夏「そのとおりだ……滅さん…シャイニングホッパーの攻撃を受けつつ、特に大きなダメージを追わない箇所以外を防御してダメージを最小限に抑えている…… 」

 

雷「ああ…しかもそれだけじゃねえな……」

 

兄貴は目を細めると目からなにかのデータ表や計算式が投影された

 

雷「アイツ、少しずつ…社長の動きについて行き始めているな」

 

セシリア「え?」

 

一夏「ああ……ラーニングによって強くなる……それが人工知能だ……そして戦闘のラーニングにおいて」

 

ゼロワン「があー!!」

 

俺が話していると、ゼロワンの攻撃を受け止めた滅さんがアタッシュアローで攻撃し、アタッシュアローの矢で吹き飛ばした

 

一夏「滅さんを上回る存在を俺は知らないな」

 

《カズマ視点》

 

ゼロワン「はあ…はあ…はあ…」

 

おいおい…もうラーニングしたのかよ…

 

いくら滅の戦闘に関わるラーニングが他の滅亡迅雷.netよりも高いからって…ついさっきまで圧倒していたシャイニングホッパーにすぐ追いつくのかよ

 

滅「言ったはずだ……1分1秒前の俺よりも強いぞとな」

 

滅亡迅雷.net司令塔 滅

 

ゼロワン「……フフッ…やっぱアンタと戦ってると常々思うな……ヒューマギアはやっぱ凄えってな……」

 

本当に凄えよ…人工知能は……その高い学習能力で人間に迫りつつある力を持っている

 

だが…それに目をつけた亡国企業は、人工知能で世界征服を企んでやがる

 

そんな使い方すれば、世間の人々からは人工知能は危険だとバッシングを受ける

 

今でもヒューマギアは…人工知能は人類を脅かす存在だと唱えている人もいる

 

そんなことはない……ヒューマギアは何も悪くない……ヒューマギアは学習するだけだ……そこに善意も悪意もない

 

悪いのはヒューマギアに悪意をラーニングさせて人類を滅ぼすべき存在へと認識させる亡国企業のような悪意ある存在だ

 

このままいけば…何れ奴らに人類を脅かされる……爺ちゃんが作った……そして……俺の命を救った……人工知能によって

 

そんな未来は

 

ゼロワン「俺が止める…!……人間もヒューマギアも笑顔になれる未来を……俺が守る!!」

 

俺はそう言うとシャイニングホッパーのキー抜き

 

懐から…ある物を出す

 

一夏「!…アレは!」

 

俺は懐から出したもの……アサルトグリップを取り出すと、シャイニングホッパーに装着させた

 

カズマ「行くぞ…滅!」

 

ハイパージャンプ!

 

アサルトグリップのスイッチを押し込み、

 

オーバーライズ!

 

認証させた

 

するとゼアからバッタのライダーモデルが送られ、俺の頭上に浮かんだ

 

カズマ「変身!」

 

プログライズ!

 

それが俺の身体に上から覆い被さった

 

Warning,warning. This is not a test! ハイブリッドライズ!シャイニングアサルトホッパー!

 

"No chance of surviving this shot."

 

その姿は…シャイニングホッパーにアサルトウルフのパーツが組み込まれたかのような姿になった

 

だがその姿は正しく

 

セシリア「シャイニングホッパーが…更に進化を…」

 

ゼロワン「進化?違うな……」

 

一夏「ああ…正しくアレは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼロワン/一夏「「超進化だ」」



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第49話 バッタ対サソリ 


そろそろ平行世界編作ってもいいですかね

本編完結後かあるいは本編とはifの平行世界編を


 

《戦い開始の前》

 

亡「カズマ」

 

カズマ「ん?」

 

亡「これを…」

 

亡がそう言い渡してきたのは、アサルトウルフにも搭載していたアサルトグリップだった

 

カズマ「これを……なぜ俺に?」

 

亡「これの本来の機能としては、アーク(・・・)に接続し、ライダモデルを強化するという危険なものでした。ですので…これは滅亡迅雷.netにしか使えない理由でしたが…」

 

カズマ「!不破さんが使えた理由って、確か…」

 

亡「彼には私の………が脳に埋め込まれていたので、認証させることができました。ですが…本来は私達滅亡迅雷.netが使うこと前提での使用をしたので、彼の身体は…」

 

カズマ「……そう…だったな…」

 

亡「ですので…私は時間をかけて、このアサルトグリップを、人間でも安全に使用できるように開発しました。これなら一夏やあなたでも安全に使えます」

 

カズマ「ああ…だが、なぜ俺にこれを?」

 

亡「貴方の持つ、シャイニングホッパープログライズキーは、他のキーとは形状が異なっていますよね?」

 

カズマ「確かにな」

 

亡「それを見て思いました。『この形状の部分は…拡張スロットを差し込める』のではないかと」

 

カズマ「!」

 

亡「そのキーは…ゼアによって作製されたものですよね……それはつまり」

 

カズマ「…ゼアは……こうなることを予測していたってことか」

 

《現在 一夏視点》

 

 

ゼロワン「はあ!」

 

滅「は!」

 

シャイニングホッパーから更に超進化したシャイニングアサルトホッパーに変身したゼロワンは、シャイニングホッパーをも更に上回る速度と攻撃をした

 

セシリア「更に…強くなりましたわ…」

 

鈴「は…ははは…マジ…?」

 

あんなフォームを見たのはこれが初めてだが、今のところ、シャイニングホッパーを上回る攻撃と速度しか違いが見えない

 

ゼロワン「ついでにこの新人も試すか!」

 

そう言うとカズマは斧のような形状をした新しい武器を取り出した

 

一夏「アレは…?」

 

刃「今朝できた武器、『オーソライズバスター』だ」

 

箒「刃さん!?」

 

そこへ変身解除した刃さんと迅が出てきた

 

シャルロット「じ、迅も!?ふ、ふたりともいつの間に…」

 

ラウラ「変身が解除されているということは…カズマに負けたということなのか?」

 

迅「あー…負けたっていうか…」

 

刃「……禁じ手を使われたな」

 

鈴「禁じ手?」

 

迅「うん…強制変身解除って…知ってる?」

 

ラウラ「き、強制変身解除?」

 

箒「そ、それはそのままの意味……変身が強制的に解除されることではないのか…?大きなダメージを負ったりとか…」

 

迅「まあ…そうなんだけどね…」

 

セシリア「……!あ…あの…もしかして…おふたりは…」

 

迅「僕ベルトを盗られた」

 

刃「私はプログライズキーを抜かれた」

 

一夏「……oh……強制変身解除ってそっちのか…」

 

シャルロット「そ…それってズル何じゃ…」

 

迅「そういったらカズマが『相手がそうやって強制変身解除させて来ないとも限らない』って言い返されて何も言えなくなったよ」

 

刃「ああ……それも視野に入れてなかったのは私達の敗因だ……その証拠に、滅に同じことをしようとしたら返り討ちにあったぞ社長は……」

 

迅「滅は視野に入れていたってことだね」

 

箒「は、ははは…」

 

一夏「しっかし…それにしても…滅さんもカズマも、どっちも一歩も引かねえな…」

 

オーソライズバスターを片手に滅さんとぶつかり合うが、滅の攻撃を避けもせずに受けきり、滅さんに着実にダメージを与えて、滅さんも攻撃を受けながらもダメージを与えていく

 

ゼロワン「こいつでもくらえ!」

 

そう言うとオーソライズバスターの形を大型銃形態に変形させた

 

ガンライズ!

 

鈴「アレ銃にもなるんだ…」

 

それで滅さんの胴体に着弾させ、滅さんを吹き飛ばした

 

滅「ならば!」

 

ストロング!

 

すると滅さんはアメイジングヘラクレスプログライズキーを取り出してアタッシュアローに差し込んだ

 

ヘラクレスビートルズアビリティ!

 

ゼロワン「負けるかよ!!」

 

対してカズマはオーソライズバスターをドライバーに近づけ

 

ゼロワンオーソライズ!

 

スキャンさせた

 

シャルロット「オーソライズって名前が入っていたのはこれのためだったんだ…」

 

そして互いに武器の射出口を向け合い

 

滅「は!」

 

アメイジングカバンシュート!

 

ゼロワン「くらえ!」

 

ゼロワンダスト!

 

滅さんからはヘラクレスオオカブトの角を模したエネルギー弾が放たれ、ゼロワンからは黄色いバッタ型のエネルギー弾を発射した。

 

互いの必殺技が衝突し大きな爆発が起き、続いて土煙が舞う

 

セシリア「ゴホッ!ゴホッ!」

 

シャルロット「うぇ…口の中に土煙が…」

 

あの土煙の中、一体どうなっているんだ…?

 

ゼロワン「……ぐっ!」

 

一夏「!」

 

すると突然、土煙の中でゼロワンのうめき声がした

 

そして土煙が晴れ

 

箒/鈴/セシリア/シャルロット/ラウラ「「「「「!!」」」」」

 

刃「なっ!?」

 

雷「マジかよ…」

 

目に映った光景は、滅さんの左腕のサソリの尻尾の装備、アシッドアナライズが伸びて、ゼロワンの胸を指している光景だった

 

鈴「嘘…!」

 

シャルロット「え?…アレ、貫いてるの?」

 

箒「大丈夫なのかあれは!?」

 

刃「い、一応装甲でガードしてるから身体は貫いて無いだろうな……が、それでもダメージはでかいな」

 

一夏「嘘だろおい……滅さん相手じゃ、初登場補正が通用しねえのかよ」

 

シャルロット「え?」

 

仮面ライダー滅のアシッドアナライズは、頭部のスコーピオンヘッドが分析した対象に有効な毒を作り出し、生物のみならずヒューマギアにも有効なウイルスデータなどの猛毒を作り出し、対象を内部から破壊する。

特に打ち込んだ物質を分子レベルで分解する毒、生物の動きを封じる神経系毒の生成が得意で先端の針で貫いた相手に注入する。しかも針の貫通力は戦車の走行を一突きで貫く威力がある

 

パワーアップしたゼロワンの装甲を突くか…

 

ゼロワン「……突いたな?」

 

が、ゼロワンはそのアシッドアナライズを右手で掴んだ

 

ゼロワン「俺に毒針を指したことを、後悔させてやるよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャインシステム、起動!!」

 

その言葉と共にゼロワンの胸の水晶が光りだすと胸からクリスタル状の青いエネルギー波動弾が出現し、それらがまるで意思があるかのように動き、滅さんにレーザー攻撃や衝突攻撃など、オールレンジ攻撃をする

 

滅さんはアタッシュアローで防ごうとするが、複数存在するそのクリスタルを完全に防ぎ切ることができず、攻撃を喰らい続ける

 

しかもゼロワンがアシッドアナライズを掴んでいるせいで逃げることも出来ない

 

そこでゼロワンに攻撃して手を離させようとするが、クリスタル達が密集してシールドが展開し、攻撃を防いだ

 

滅「何!?」

 

セシリア「ま、まるでアレは、わたくしのティアーズのビットのようですわ!」

 

一夏「だがお前のやつより精密な動きが出来ているな…」

 

セシリア「うっ……一応わたくしの国の候補生の中では、わたくしが最もブルー・ティアーズの適正が高いのですが…」

 

一夏「今後の課題だな。お前はアレよりも動かせるようにならないとな……そういうことで、訓練量増やすか」

 

セシリア「!?」

 

箒/鈴/シャルロット/ラウラ「「「「ご愁傷様です」」」」

 

ゼロワン「はあ!」

 

散々滅さんに攻撃したゼロワンは、手を離し胴体に蹴りを一発叩き込んでふっ飛ばした

 

滅「ぐぁ…!」

 

ゼロワン「ラーニングでここまで喰らいついたのは大したものだが、流石に今日初めて使う強化フォームが負けるかよ。初登場補正舐めんなよ」

 

シャルロット「だから初登場補正ってなに!?」

 

ゼロワン「こいつで決める」

 

ゼロワンは滅さんに歩きながらアサルトグリップのスイッチを押し、キーを押し込んだ

 

アサルトチャージ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして天高く飛び上がるとそこからライダーキックを放つ

 

対して滅さんも必殺技を放つ

 

スティングディストピア!

 

最後には互いの必殺技が衝突し

 

シャイニングストーム    

   インパクト

 

スティング

  ディストピア                          

       

ゼロワン「はああああああ!!」

 

滅「なに!?ぐああああああ!!」

 

ゼロワンの必殺キックがうち勝ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《カズマ視点》

 

カズマ「いやー、これ凄えよ亡。まさかシャイニングホッパーがパワーアップするだけじゃなくて、力の前借りの反動を大きく抑えて長時間戦えるようになるなんてさ。ありがとよ」

 

一夏「ああ、本当にな。まさか兄貴にも勝てちまうとはな。ありがとうございます、亡さん」

 

亡「いえ、私は私のやるべきことをしたまでですので…」

 

雷「それにしてもよお、まさかお前が負けるなんてな、滅」

 

迅「滅が負ける姿なんて、久しぶりに見たよ」

 

滅「急激なパワーアップにラーニングが追いつけなかったのが敗因だな」

 

刃「だがそれでもある程度喰らいついたのは流石だったぞ」

 

滅達との戦いが終わり、俺達は地面に座って休んでいた

 

シャルロット「……ねえ…カズマ」

 

カズマ「ん?どうかしたか。シャル?」

 

シャルロット「前から聞きたかったんだけど、そもそも…どうしてカズマ達は亡国企業と戦うことになったの?……それにどうして仮面ライダーになったの?」

 

ラウラ「それは私も聞きたかったぞ……私達が日本に来る前からお前達は闘っていたが…どれほど前から戦っているのだ?」

 

一夏「……そうだな…あまり話したことなかったな……」

 

カズマ「……まあ、いつかは話そうと思っていたことだし……話すかな」

 

俺はそう言いながら、空を見上げた

 

カズマ「……全ては今から約10年前に起きた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白騎士事件の裏で起きた、ある事件から始まった」

 

 




ここからは本編の続きです。

https://syosetu.org/novel/246352/63.html


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ifルート① 世界を超えた先へ


一夏「おいクソ作者」

大トロ「なんだ外道主人公?」

一夏「アンケート投票では『本編を先に終わらせろ』が一番多かったはずなのに、なぜこれを作った?」

大トロ「ああ、それはとても単純な理由だ。俺としては平行世界編を執筆したかったから平行世界編を見たい人達と一緒だ。プラス好きにしていいって投票した人達と合わせたら『本編を先に終わらせろ』の人より上だからこっちの執筆をしたわけ」

一夏「へえ〜、つまりアレか。お前の気持ちと一緒の人とお前に任せる人の投票を合わせて実質的に『本編を先に終わらせろ』の投票を超えさせたわけか」

大トロ「ああそうだ」

一夏「へえ〜、





















不正じゃねえかテメェ!!」

大トロ「やかましい!俺がルールだ!この小説内では俺が法で俺が神なんだよ!!」

一夏「テメェぶっ殺してやる!!」

大トロ「おお上等だ!やってみやがれこの腐れ外道!」

カズマ「あー……そういうことで始まった平行世界編ですが、本編を重点的に進めていきますので、こちらの投稿はたまにしかやりません。そして本編を先に終わらせる方に投票した方に謝罪します。申し訳ございません。本編を終わらせてから平行世界編にすると、後約2年は掛かりますので、もう今から平行世界編の投稿をすることにしました。一応世界観としては本編で迎える予定のエンディング後の世界とは別の世界線の終了後となっています。一部本編に繋がるネタバレも含まれていますが、『これは本編とは違うから関係ねえや』くらいの気持ちで見ていただければ幸いです。それではどうぞifルートの世界線をお楽しみ下さい!……さてと」

一夏「くたばりやがれ!クソ創造神が!」

大トロ「お前こそくたばれ!法に逆らう反逆者が!!」

カズマ「テメェらいつまでもくだらん争いをすんじゃねえよ!!」←アタッシュケースを顔面に叩きつけた

大トロ/一夏「「ゴファ!!」」


 

《一夏視点》

 

一夏「で?俺達を呼んだそれなりの理由はなんだ?こっちは一応忙しい身なんだが?」

 

アークの一件後、どうにかクソ兎に対してのわだかまりはある程度無くなった、仕事帰りのある日、俺と箒はクソうさ…束姉に呼ばれ束姉のアジトを訪れた

 

束「もー久しぶりに会う義姉にそんなツンケンな態度するなんて相変わらずいっ君は気難しがり屋だねー」

 

一夏「これはアンタと千冬姉に対してだけだ。それと俺はまだアンタの義弟になってねえよ」

 

箒「い、一夏、一応久しぶりに会ったのだからそんなに機嫌を悪くしないでくれ。姉さんもお願いだから一夏を怒らせないで下さい」

 

一夏「わかってる箒。んで?要件は?」

 

はっきり言って俺はまだこの兎を許した訳ではないが、箒の手前、少しは抑えることにした

 

束「フッフフ、実は束さんがねー、凄いもの完成させちゃったから、是非ふたりにも見せてあげたくて呼んじゃった♪」

 

一夏「…一応念の為聞くが、このあいだの全自動服着替え機みたいなモノじゃないだろうな?」

 

束「まっさかー、あんな失敗作とはワケが違うよー♪」

 

そう言うと束姉は俺達をアジトの奥まで案内した

 

そこには大きな機械と複雑そうに絡み合ったコードと大量の資料が壁中に張り巡らされていた

 

箒「姉さん、これが姉さんが私達に見せたいものですか?」

 

束「そう!そのとおり!アレは束さんが作った力作!その名も『平行世界移動装置』!」

 

箒「え?」

 

一夏「マジ?」

 

それに俺と箒は少し驚いた様子を見せた

 

束「あれ?意外とリアクションが薄いねふたりとも」

 

一夏「いや…驚いているはいるが…アンタなら作れてもおかしくないからな…」

 

箒「正直……姉さんなら平行世界移動装置どころか、『新世界創造装置』とか作りそうだと思うな…」

 

束「あ、そのアイディア貰っちゃうね箒ちゃん!」

 

一夏「箒!お前余計な事言うな!このバカ兎はマジで作るぞ!本当に作って、新世界の神になって、その世界で生きる人々を煽動させて、最後には人々を争わせてそれを高みの見物するぞ!」

 

箒「いや長い!そして一瞬でそこまで考えるのはなぜだ!……それよりも姉さん……なぜこのような装置が生まれたのですか?」

 

束「いやー、束さんも予期せずに作っちゃってねえ、『全自動卵かけご飯機』を作る過程で出来た偶然の産物だったからー」

 

一夏「いや今なんつった!?全自動卵かけご飯機!?何考えたらそこに行き着くんだ!?!?なんで悪事働いていたときよりも凄いのさらっと作ってんだ!」

 

束「まあそれはさておき、これから平行世界移動装置のテストをしようと思ってね。ふたりも束さんと一緒にテストの様子を見てもらおうって思ってね」

 

一夏「……はぁ…まあ、アンタがろくなことしないか気になるし…見てやるか…」

 

俺はそう言うと箒と一緒に装置の側から少し離れた位置へ移動した

 

束姉は装置の側のモニターに近づくと、キーボードを操作して、プログラムを起動させた

 

箒「あの…姉さん。念の為確認ですが、大丈夫ですよね?事故とか起こさないですよね?」

 

束「もー箒ちゃんは心配性だなあー。私は天才の束さんだよ?事故なんて起こさな」

 

最後まで言葉を続けようとした束姉だったが、突然警報音と共に装置が作動し始めた

 

一夏「え?はあ!?」

 

箒「ね、姉さん!?」

 

束「あ、ごめん。機械誤作動しちゃった」

 

その言葉を最後に機械からワームホールが出現し、それによって近くにいた箒が吸い込まれた

 

箒「ぐぅぅぅっ!!」

 

束「箒ちゃん!」

 

一夏「どけ!」

 

束「ぐふぇ!」

 

俺は吸い込まれていく箒に近づこうとした束姉の顔面を蹴り飛ばしてその勢いで箒に手を伸ばした

 

そして俺達はワームホールに飲み込まれたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

一夏「痛っ……ここは…IS学園か?」

 

気がつくと俺はIS学園の校庭に倒れていた

 

さっきまでのは全部俺が見ていた夢

なんてことはなく、これは現実だと頭で理解している

 

つまりここは平行世界で、俺は平行世界移動装置でマジで世界を超えてきたのか…?

 

それにしても…

 

一夏「あんのクソ兎、何が天才だ!天災の間違いだろ!!やっぱアジトに行くんじゃなかった!」

 

俺は今この場にはいない諸悪の根源に苛立ちを募らせていた

 

そこへ

 

一夏「!…あのISは」

 

空から見覚えのあるISが何機も俺の方へ飛んてきて、やがて中から見覚えのある人物達が現れた

 

平行簪「え?」

 

平行セシリア「なっ!?」

 

平行ラウラ「ど、どうなっているのだ!?」

 

平行シャルロット「ぼ、僕、夢でも見てるのかな…」

 

平行鈴「い、一夏が…」

 

平行箒「ふたり…だと!?」

 

その見覚えのある人物達は、俺の…元の世界にいる友達達であり、仕事仲間(・・・・)達だった

 

最も、ここのこいつらとは初対面なんだがな

 

そして

 

平行一夏「お、お前は…誰なんだ…」

 

俺の目の前にいるこのイケメンはこの世界の俺のようだが……見た感じ…

 

一夏「(貧弱そうだな)」

 

そう思ったが口には出さなかった

 

周りの連中も俺の世界にいるあいつらと似てはいるんだが、なんか違うな

 

……確かめるか

 

平行一夏「なあ!お前は一体誰なんだ?なんで俺と同じ顔をしている!?」

 

一夏「……世の中には、自分と同じ顔をしたやつが3人いるって言われてるから、それ何じゃないか?」

 

平行一夏「ああそう、言われてみれば確かに………ってなるかよ!!」

 

平行箒「おい!ふざけてないで答えろ!貴様は何者なんだ!」

 

一夏「(ん〜、ここの箒は高圧的だな。それにここの俺はあんま賢くなさそうだな)」

 

まあふざけんのもこのくらいにして

 

一夏「……そのまえに、箒。お前に質問がある」

 

平行箒「なっ!?なぜ私の名を貴様が知っている!?」

 

一夏「質問には答えてやる。だが、その前に俺の質問に答えてくれ。『飛電インテリジェンス』『A.I.M.S.』『ZAIAエンタープライズ』『仮面ライダー』『ヒューマギア』『ショットライザー』『滅亡迅雷.net』……このワードに聞き覚えは?」

 

平行一夏「な、なんだそれは?」

 

平行箒「知らない!聞き覚えなんてない!ふざけているのか!?」

 

俺の問いに箒はおろか、周りの連中も知らない様子だった

 

一夏「……なるほど……大体分かった…この世界のことは」

 

俺の言ったワードに聞き覚えがないということは、この世界は俺のいた世界と違って、AIテクノロジーが栄えてなく、それでいてアークも生まれていない

 

そして仮面ライダーも存在しない

 

そういう世界か

 

平行鈴「ねえ!アンタ結局誰!?」

 

一夏「…………話してもいいがその前に、千冬姉、それと刀奈さんも呼んでほしい。このIS学園の、そうだな…第二校舎の二階倉庫室。あそこなら誰も使ってないし誰も近づかねえから話ができる。……ここの世界も一緒とは限らねえが…」

 

平行一夏「は?なんでお前が千冬姉や刀奈さんのことを…それに学園校舎にも詳しいんだ…?」

 

一夏「だから!それ含めて全部話してやるから!さっさと倉庫室に集めろって言ってんだよ!さっさと動け!」

 

平行一夏「ええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《箒視点》

 

箒「……やはり、平行世界に来てしまったのだな。私は

 

気がつくと私は、路地裏で気を失っていた

 

路地から出て、しばらく歩くと一夏の家の前まで来たのだが

 

そこにあった一夏の家は私の知っている一夏の家ではなかった

 

私の世界にある一夏の家はもっと敷地面積が広く、家の隣には白い建造物が存在し家と繋がっていたのだが、この家にはそれが無かった

 

箒「……一夏は…姉さんは…無事だろうか……」

 

この世界に…私一人だけが取り残されているのではと思い……思わず手に力が入った

 

少し不安に思う気持ちもある…このまま元の世界に戻れないのではと…

 

そう思っていると

 

???「や、やめてください!!」

 

???「なあいいだろ?俺達と付き合えよ!」

 

どこからか聞き覚えのある女の声が聞こえた

 

私はそこへ走ってみるとそこには

 

一夏の親友である五反田弾の妹である、蘭が男共に絡まれていた

 

おそらく彼女は平行世界の蘭なのだろう

 

平行蘭「い、嫌です!わ、私には、好きな人が居ますので!!」

 

不良1「そんなこと知るかよ!お前は俺達と来るんだよ!」

 

まずい

あの不良共は蘭をどこかに連れて行くつもりなのだろう

 

これは、止めなくては

 

箒「おい!そこのお前達!!彼女から手を離せ!」

 

私は不良共の前に立ちはだかった

 

不良1「アッ?なんだお前は?」

 

不良2「お、よく見たらお前、でかいおっぱいしているなあ?」

 

不良3「それに中々の美人ちゃんじゃねえかよ。お前も俺達と一緒に来いよ」

 

箒「……一応もう一度だけ言っておこう…彼女を…離せ…」

 

不良1「うるせえな!お前も、俺達と一緒に行くんだよ!!」

 

そう言いながら不良の一人が私に手を伸ばして来たので

 

箒「……私に掴みかかるとは……覚悟しろよ…」

 

その次の瞬間、私は不良の腕を掴むと足を引っ掛けて態勢をよろめかせたところを腹に一撃をくらわせた

 

不良2「な!?て、てめぇ!」

 

不良3「舐めてんじゃねえぞこのアマ!!」

 

残りのふたりも襲ってきたが

 

箒「……遅い」

 

私は掴みかかったふたりの腕を避けながら

 

箒「フン!」

 

それぞれの顎に拳を叩き込み、更に顔面、腹に一撃叩き込んだ

 

そして全員地に伏せた

 

箒「ふぅ…終わったな…さて……大丈夫か?」

 

私は不良に力強く掴まれた腕をさすっていた蘭に声を掛けた

 

平行蘭「は、はい…篠ノ之さん…」

 

篠ノ之さん…私の世界の蘭からは箒さんって、呼ばれているが…

 

箒「腕を強く掴まれていたが、痛くはないか?」

 

平行蘭「は、はい!それよりも、助けていただいて、ありがとうございます!!」

 

蘭は幸い大した怪我は無かったようだが…それにしても…私の世界の蘭も確か小学生の頃似たようなことがあったと言っていたが……これがこの世界に飛ばされていたのが私ではなく、鈴だったら今頃この不良共は再起不能にされていただろうな

鈴は蘭の事を妹の様に可愛がっているから…

 

平行蘭「そ、それにしても、とても強いですね…あっという間に倒してしまうなんて…」

 

箒「……まあ…鍛えているからな…」

 

平行蘭「あ、あの…これから、ウチに来ませんか?」

 

箒「ん?」

 

平行蘭「その…助けていただいたお礼に…ウチで料理をごちそうします!!」

 

箒「いや…私は…」

 

平行蘭「お願いです!助けていただいたのに、お返しも何もしないのは私が嫌ですので!」

 

箒「……」

 

参ったな……できればこの世界の事を調べたかったのだが…

 

そう思いながらも、私は蘭の誘いを断れなかったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《一夏視点》

 

平行千冬「それで…貴様は何者だ?なぜ織斑とそっくりで私のことを知っていたのだ?」

 

平行刀奈「織斑先生だけじゃなくて、お姉さんの事も知っている理由も教えて貰うわね?」

 

しばらく経ち、倉庫室には、この世界の専用機メンバー達とこの世界の千冬姉と刀奈さんが集まった

 

一夏「……そうだな……まず初めに言っておくが、俺はそこにいる織斑一夏の偽物でも無ければクローンでも双子でもドッペルゲンガーでもない……俺の名は織斑一夏……まあ最も、この世界とは違う。平行世界から来た織斑一夏だがな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平行世界の住人達「「「「「「「はああああああああ!!??」」」」」」」



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ifルート② 自己紹介と心配


気分が乗ったのでもう一話投稿しちゃいました!

日頃からこんなスピード投稿ができていれば…

そしてこの平行世界編は原作世界へ来たという設定でやっております。


 

《一夏視点》

 

平行千冬「お、お前が平行世界から来た一夏だと!?貴様!そんな嘘が通用するとでも思っているのか!!」

 

一夏「やれやれ…平行世界とはいえ、実の弟が分かんねえのかよ………少しは察しろよな千冬姉」

 

平行千冬「お前が一夏だと言う前提で私を千冬姉と呼ぶな!」

 

平行一夏「大体!お前が本当に平行世界から来た俺だって言う証拠はあるのか!!」

 

一夏「証拠ねぇ……証拠つうか…俺がここへ来た理由もとい、平行世界移動装置を作った人の名前を言ったら、納得するだろうな」

 

平行千冬「ほう?私達が納得する人物だと?言ってみろ。何を言ったところで私は納得などせ」

 

一夏「製作者の名は篠ノ之束だ」

 

平行千冬「……は?」

 

一夏「だから篠ノ之束って言ったんだよ。なんだ?耳が遠いのか?」

 

平行箒「ち、ちょっと待て!今、姉さんの名前を言ったのか!?」

 

一夏「ああ…と言ってもこの世界の、ではなく俺の世界の方のだけどな……」

 

平行一夏「つ、つまりお前がここにいる理由は」

 

一夏「ああ…これも全てクソ兎のせいだ」

 

平行一夏「ク、クソ兎?」

 

ああやばい

思い出したら腹が立ってきた

 

一夏「あのクソ兎!人がまた問題を起こさないか見張ろうと思ってアジトに来てやったって言うのに早速問題起こしやがって!しかもなにが『天才の束さんだよ?事故なんて起こさない』だ!ばっちり事故起こしてんじゃねえか!!」

 

平行鈴「す、凄い苛立ってるわね…」

 

平行セシリア「え、ええ…見た目は一夏さんそっくりですのに、喋り方と雰囲気が全然違ってますわ…」

 

一夏「苛立つに決まってんだろ!俺のいた世界でもあのクソ兎散々面倒なことばっかして、やっととっちめてこれでもう終わったと思ったらまた!しかも俺と箒を巻き込みやがった!あのクソ兎ぜってぇ許さん」

 

平行一夏「!お、おい!今箒って言ったか!?」

 

一夏「ああ…この世界に来たのは俺だけじゃねえ。箒も多分、この世界のどこかに流されているはずだ……ただ…俺の場合は偶然IS学園の方に流されたが…アイツの方はどこかに……もしかしたら他の国かもしれない…それかアイツは別の世界に流れ着いたかも知れない……どちらにせよ。今優先すべきは箒を探し出すことだ……と、それはそうと。どうだ?これで俺が別世界から来た織斑一夏であると信じる気になったか?なんだったら血液検査でもするか?」

 

平行一夏「え?」

 

一夏「もし俺が本当に織斑一夏なら、そこにいるこの世界の俺とDNAは一致する筈だ……どうする?」

 

平行千冬「……はあ……取り敢えずは……お前を信じよう……だが…妙な真似をしてみろ……その時は貴様を排除してやろう」

 

一夏「ははは…どの世界の千冬姉も怖い顔するなあ……まあ一応言っておくが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺を簡単にやれると思うなよ千冬姉?

 

平行世界の住人達「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」

 

軽い殺気をこの世界の千冬姉達に当てたら、全員の表情が変わった

 

この程度のでビビっちまうのか?

俺の世界のあいつらなら、この程度の殺気じゃビクつきやしねえっていうのに

 

一夏「さてと……早速で悪いがこの学園のコンピューターを貸してくれ」

 

平行簪「え?」

 

一夏「この世界に、もし箒がいるなら、なにか痕跡を残している筈。今から調べ上げる」

 

平行一夏「え?ちょっと待て!今からか!?それで見つかるのか!?お前はさっき箒はこの世界にいないかも知れないって言ってたじゃねえか!大体いたとしてもこの世界のどこにいるのかわからないのにコンピューターで調べられるのかよ!」

 

一夏「お前さてはコンピューターにあまり触れてないな?俺のいた世界、インターネット一つで欲しい情報はあらかた見つかる。この世界は、AIテクノロジーは俺の世界ほど発展してはいないみたいだが、ISが存在しているってことは、ネットワークは恐らく俺の世界と同じくらい発展している筈だ」

 

平行刀奈「コンピューターなら、第1校舎のコンピューター室で使えるわ!」

 

一夏「悪い!借りるぞ!!」

 

俺はそう言うと倉庫室の窓を開けて外へ飛び出した

 

平行シャルロット「ええ!?」

 

平行簪「ここ二階だけど…」

 

平行鈴「!嘘!!」

 

平行一夏「ど、どうした鈴?」

 

平行鈴「あ、あの違う世界の一夏……窓から飛び出した後、校舎の壁を登って蹴り上がって行ったわ。しかも、すごい速さで………なにあの身体能力……こっちの一夏とは比べ物にならないわ」

 

平行一夏「グフッ!」

 

平行セシリア「と、とにかく…あの人を追い掛けましょう……」

 

平行ラウラ「そ…そうだな…あの嫁と同じ顔した男の事も気になる……まだ、敵でないとも限らないからな……そうでしょう…教官」

 

平行千冬「織斑先生だ……(あの男…本当に一夏なのか?……私の知っている一夏とは……雰囲気も態度も違う……それにあの殺気……一体なにをすればあれだけの殺気を放てるのだ……もとの世界では…何をしていた……お前は…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《元の世界の鈴視点》

 

鈴「じゃあふたりは今別の世界に飛ばされたわけ?」

 

クロエ「はい…束様の話しによりますと…一夏様と箒様は、機械の誤作動により生じたワームホールに吸い込まれて、そのまま行方不明に…」

 

アクア「うぇ……災難だったわね…あのふたりは…」

 

一夏と箒が消息を絶った翌日

 

あたし含めた専用機メンバー(鈴、セシリア、シャルロット、ラウラ、簪、刀奈)とカズマ達会社組(カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス)…そして千冬さんは篠ノ之博士に呼ばれ、アジトを訪れた

 

到着して開口一番に篠ノ之博士はあたし達に土下座してきたので詳しい話を聞くと

 

鈴「それにしても…平行世界移動装置ねぇ……アンタの親はまた……とんでもないものを作ったわね…」

 

クロエ「束様曰く…全自動卵かけご飯機を作ろうとした過程で出来た偶然の産物と言っていました」

 

セシリア「なんで関連性のない物からこのような機械が誕生したのか逆に聞きたいですわ!!」

 

そんなあたし達に、篠ノ之博士の義娘であり、ラウラの実の姉であるクロエが話し相手になってくれている

 

シャルロット「そ、それはそうと……ラウラ」

 

ラウラ「……ああ……」

 

そうシャルとラウラがアジトの端っこを見たのであたしもそこへ目を向けた

そこでは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ/千冬「「で、なにか言うことはあるか?」」

 

束「ご、ごめんなさーーい!!!」

 

篠ノ之博士がカズマと千冬さんによるお説教タイムを味わされていた

 

ふたりともすごい剣幕で篠ノ之博士を威圧していて、博士が物凄く怯えているわ

 

そしてよく見ると千冬さんの背後からは鎧と槍を持った女騎士が(恐らくブリュンヒルデ)カズマの背後にはなぜか白と黒の龍2頭の幻覚が控えていて、それぞれが博士を睨みつけている

 

やがてラウラとシャルはその光景に目を背けたのであたしも背けることにした

 

めぐみん「一夏……はともかく箒が心配ですね」

 

ダクネス「ああ、箒がとても心配だ」

 

ラウラ「箒……今頃どの世界にいるのだ……無事だといいのだが…」

 

鈴「そうね…出来ればこの世界よりも平和な世界に流れ着いて欲しいわね…」

 

セシリア「いやちょっと待ってくださいまし!なんで皆さん一夏さんの心配をなさらないのですか!?」

 

シャルロット「そ、そうだよ。一夏だって違う世界に流れ着いたんだから一夏の心配だってするべきだよ」

 

鈴「逆に聞くけど、一夏と箒…ふたりはどっちのほうが心配なの?」

 

セシリア「そ…それは…」

 

シャルロット「……どちらかといえば……箒…だね…」

 

めぐみん「それではセシリア、あなたはどうですか?」

 

セシリア「……箒さんですね…」

 

鈴「でしょー?」

 

簪「ちょっと機械見てきたんだけど…」

 

そこへ、平行世界移動装置を見てきた簪と刀奈さんが来た

 

簪「かなり複雑な構造になっていて装置のプログラミングの数が尋常じゃないくらい多かった…機械には強い私だけど……アレは完全に手に負えない…」

 

刀奈「ところで、鈴ちゃん達は何を話していたの?」

 

と聞かれたので、あたしはさっきまで話していた内容を言うと

 

刀奈「うんうん…確かに箒ちゃんが無事か心配ね」

 

簪「まさかの全員から心配されない一夏………私も箒のことが心配だけど」

 

全員満場一致で箒の心配が優先されている

 

鈴「まあ一夏ならどこの世界でも大丈夫でしょ」

 

ラウラ「確かに、兄さんなら例え核戦争真っ只中の世界だろうと、文明崩壊後の世界でも放射線まみれの世界でも生きているだろうな」

 

めぐみん「なんでしたら行き着いた先の世界でのし上がっててっぺんに立ってそうですね」

 

刀奈「一夏君どんだけみんなから人外扱いされてるのよ………まあ…彼なら本当にやりそうだけど…」

 

クロエ「……全員から人外扱いされた上に、心配されないとは……可愛そうです…一夏様…」

 

ダクネス「いや、それは違うぞクロエ」

 

クロエ「え?」

 

アクア「人外扱いはともかく、私達はみんな一夏の強さも生きようとする力もみんなよく分かってるから心配してないの。みんな一夏ならどんな所でも生きていけるって言う確信があるの。だから一夏よりも箒の方を心配するわけ」

 

クロエ「……それは…信頼…しているということですか?」

 

ラウラ「ああ…だがクロエ姉さん……箒も無事でいると信じている。アイツは強い女だ……あの地獄の訓練を生き抜き、これまで共に修羅場をくぐり抜けてきたあいつだ……きっと大丈夫」

 

クロエ「……そう……貴方達は…強い信頼関係を結んでいるのですね…」

 

そう言うクロエの表情は…どこか嬉しそうで、優しい表情を浮かべたのだった

 

鈴「あ〜あ、でも平行世界移動ねえ……あたしも行ってみたかった…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

《平行世界に来た一夏視点》

 

一夏「チッ、全然見つからねえな…」

 

俺はコンピューターのキーボードを打ちながら世界中の情報サイトやTwitterを見ていた

 

かれこれ30分は情報収集を続けるが、箒の情報が見当たらない

途中テロリスト組織のサーバーに侵入することが何度もあったが、それは無視して調べ続けた

 

周りでは千冬姉を除いた面々がいた

 

平行シャルロット「も、もう30分は調べてるのに全く指のスピードが止まらないね…」

 

平行簪「すごい速さのタイピング!わ、私よりもずっと速い!」

 

平行鈴「そ、それにハッキングもするなんて…な、何したらこんな技術身に付けるのよ…」

 

一夏「……そういえばお前ら、どうしてあのとき俺のいる方へIS飛ばしてきたんだ?」

 

平行一夏「あ、それか?それはだな、ちょうど屋上でみんなと弁当食べていたときに突然校庭側の空から亀裂みたいなのが走ったかと思ったら光と一緒に消えたから何かなあって思ったから言ってみたらお前が居て」

 

一夏「!」バダ!

 

その場の全員「「「「「「「!?」」」」」」」

 

俺はこの世界の俺の言葉を全部聞き終える前に机に拳を叩きつけた

 

一夏「お前…」

 

平行一夏「え?俺?」

 

一夏「そういう大事なことは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっと早く言えや!!

 

俺は苛立ちの形相をこの世界の俺に向けた

 

それにこの世界の俺はおろか、他の奴らまでビクッとなった

 

一夏「なんでそれもっと速く言わねえんだよ!!もっと速く言っていれば、時間を無駄にせずに済んだのによ!」

 

平行一夏「ええ!?」

 

一夏「お前らもだ!見てたならお前らだって言えただろうが!!」

 

平行世界の住人達「「「「「「「ええ!?」」」」」」」

 

一夏「もし箒がこの世界にいるなら、俺がこの世界に来たときの様な現象がこの世界のどこかで起きているはずだ!」

 

平行一夏「あそっか、言われてみれば…」

 

一夏「お前含めて全員考え足らずが!」

 

平行世界の住人達「「「「「「「なんで私(あたし)達まで!?」」」」」」」

 

そしてしばらく調べていると

 

一夏「……あった」

 

平行一夏「え?あったのか!?」

 

一夏「ああ…それも…かなり身近な場所で、同じ様な現象を見たって書き込みがあった」

 

平行一夏「そ、それで、そこは一体どこ(一夏)『俺の家』……え?」

 

一夏「言い方が悪かったな……元の世界で俺の家がある街だ……もしお前の家も同じ街にあるなら…恐らくお前の家の近くだな」

 

平行一夏「な、なら早速探しに行くぞ」

 

一夏「いや待て」

 

平行一夏「なんだよ!箒がそこにいるかも知れないならすぐに探すべきだろ!」

 

一夏「だからお前は考えたらずなんだよ…本当にお前俺か?……あそこには、お前のダチだって住んでるだろうが……まず確認の電話をして、見かけたかどうかを聞くんだ。あいつはあのクソ兎の妹で、IS操縦者だから顔だってわれているはずだ……もしいたらすぐに知れ渡る……だから電話しろ」

 

平行一夏「そ、そうか!なら弾の所に電話だ!」

 

そう言うとこの世界の俺は携帯を取り出してを電話し始めた

 

平行一夏「あ、もしもし弾?俺だ!」

 

平行弾「お、一夏。お前から電話なんざ珍しいなあおい」

 

この世界の弾は一夏って呼ぶのか……俺の世界じゃイチって呼ぶんだがなあ…

 

平行一夏「なあ、そっちで箒見かけなかったか?」

 

平行弾「は?篠ノ之さん?篠ノ之さんなら今うちでメシ食ってるぞ。いやー、実は篠ノ之さんが蘭の事助けてくれてな、そのお礼にごちそうをと」

 

一夏「箒!」

 

俺はこの世界から携帯をひったくた

 

平行弾「一夏?」

 

一夏「悪い弾。そこにいる箒に変わってくれないか?」

 

こうして俺と箒は電話越しではあるが、約1時間ぶりの再会を果たしたのだった



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ifルート③ 再会

 

《一夏視点》

 

箒「一夏!!」

 

電話越しでの再会をして約一時間後、箒がIS学園に到着して、出迎える為に正門の前で待っていた俺を見つけると駆け足で来た

 

一夏「箒!」

 

近づいてきた箒の顔を見ると一瞬泣きそうな顔になっていたがすぐに嬉しそうな顔になった

 

一夏「おいおい、泣きそうな顔から一転して笑顔って、そんなに寂しかったか箒?」

 

箒「うっうるさい///!……少し不安になっていただけだ」

 

そう箒は言ったが、最後の方は本音混じりで言いながら少し頬を赤くしていた

 

一夏「……フッ…寂しかったことは否定しないんだな?正直でよろしい」

 

そう言いながら俺は箒の頭を撫でた

 

箒「な///や、やめろ一夏///!!」

 

一夏「ん〜?やめて欲しいならもっと意思を見せないとなあ?けどお前、撫でられること事態は嫌ではないんだろ?周りの連中に見られながらされるのが恥ずかしいだけだろ?」

 

箒「わ、わかってるなら尚更やめろ///!!」

 

一夏「んーやだ♪こっちはあのクソ兎のせいでストレス溜まってたから発散させてもらうぞ」

 

箒「うっ////」

 

そうして俺は周りの目を気にせず箒の事を撫で回したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「ふう…待たせたなお前ら」

 

平行鈴「いやちょっと待って///!!何今の!?なんで箒の事凄く撫で回してたのよ///!!」

 

箒を撫で回して数分経ち、やっと箒を解放した俺に鈴が声を荒げて言ってきた

 

よく見ると俺の周りにいるこの世界の女性陣と俺、それと俺が箒に連れてくるように言った弾と蘭も顔を赤くしてた

 

俺が撫で回している間にこの世界の俺がふたりに事情を話してはいたが、かなり半信半疑だった

 

一夏「ああなんてことない。ただのストレス発散だ」

 

平行セシリア「ストレス発散///!?」

 

 

平行箒「お///お前がお前の世界の私を撫で回したことについて色々言いたいのだが…」

 

そうこの世界の箒は俺の横でうずくまって顔を赤くしている別世界の自分(俺の世界の箒)に目を向けた

 

平行箒「ど///どうするのだ///別世界の私は…」

 

一夏「ああ、無視していいよ」

 

平行一夏「無視!?」

 

一夏「ちょっとあのクソ兎のせいでストレス溜まってたから箒撫で回して『ホウキニュウム』補給してただけだ」

 

平行シャルロット「ホウキニュウム!?」

 

一夏「ホウキニュウム、篠ノ之箒を撫でまわしたりいじったりからかったりすることで分泌される成分で、イライラやストレスを発散してくれるシロモノだ」

 

平行ラウラ「存在しないだろそんな成分!?」

 

一夏「ああ、俺が作った架空のものだから。ただストレス発散するし気分が良くなるのは本当だ。元の世界じゃしょっちゅう箒のこといじってからかったりしてるし」

 

平行世界の住人たち「「「「「「「!?///」」」」」」」

 

一夏「まあそんなことは置いておくとしてだ」

 

平行世界の住人たち「「「「「「「置いておくな!!」」」」」」」

 

一夏「よう、この世界の弾と蘭。改めて、俺は違う世界の織斑一夏だ。まあ、お前達の知っている織斑一夏とは、似て非なる存在だ。んで横でうずくまっている純情娘は俺の世界の篠ノ之箒。純情だからこうやってすぐ恥ずかしがってうずくまるが、気にするな」

 

平行弾「いや気にするわ!!なんでお前はそう平然としてやがる!?」

 

箒「……こういうやつなんだ一夏は……数え切れないくらい私含めた何名をいじったりからかったりして遊んでいる……主にやられるのは私なのだが…」

 

一夏「お、もう回復したか箒。立ち直り速くなったなあ」

 

箒「///!!」←誰のせいだと思っているという表情

 

一夏「いや仕方ないだろう。お前が一番いじったりからかったりするときの反応が面白いからさあ」

 

平行箒「通じた!?今表情見ただけで通じたのか!?」

 

そうこっちの箒が騒いでいると

 

平行千冬「全く……なにやら騒がしいと思ったら……お前か篠ノ之」

 

そこへこの世界の千冬が来た

 

平行千冬「……なぜ五反田兄妹がここにいることについてはさておき……お前がこことは違う世界の篠ノ之か…」

 

箒「あ、はい…篠ノ之箒です。こことは違う世界のですが……」

 

平行弾「ところで、違う世界の一夏…なんで俺達まで呼んだんだ?」

 

平行蘭「確かに…違う世界の一夏さんや篠ノ之さんがいることには驚きましたが…」

 

一夏「ああ、お前ら箒と関わってしまったし…後々面倒な事になるかも知れないから、どうせならもう教えたほうがいいって考えてな。それとどうせだ。俺達の世界とこの世界の違いと俺達とお前達の違いを確かめ合おうと思ってな」

 

それから俺達は先程の倉庫室に移動して、話し合った

 

 

 

 

平行一夏「ええ!?お前達って17歳なのか!?」

 

一夏「ああ、もう2年生になってるぞ、俺も箒も。ついでにいうと仕事もしている」

 

平行千冬「なに!?」

 

平行鈴「なに仕事って!?もしかしてIS関連で日本政府に所属しているの!?」

 

一夏「いや、政府には所属してない。そもそも日本政府は信用できねえからな」

 

平行シャルロット「え?なんで…?」

 

平行千冬「!」

 

一夏「……」

 

なるほど……千冬姉の反応にまわりの反応

恐らくあのモンド・グロッソの時の事がこの世界でも起きていて、アークが存在してないから滅さんも存在してないから……俺は別の手段で助けられたな…

日本政府が、自国のために俺を見殺しにしたこと…千冬姉やこの世界の俺は秘密にしていると見える

 

一夏「……んー、いやなんでも……まあそれよりもなんの仕事してるかだったな……申し遅れました…自分、こういう者です」

 

そう言いながら俺は懐から隊員手帳を取り出して見せた

 

平行一夏「え…A.I.M.S.……IS隊隊長……織斑一夏!?」

 

平行箒「なっ!?A.I.M.S.とは確か、この世界に来たばかりのときの一夏が言っていたワードだったが…A.I.M.S.とはなんだ?」

 

一夏「俺達の世界はこの世界と違って人工知能……AIテクノロジーが発展している世界でだな。それを使った犯罪…更にはISをも使う犯罪も多く存在していてな、そういうのを専門に対処する対IS人工知能犯罪特務機関だ。IS隊って言うのは、主にIS犯罪の対処に当たる部隊だ」

 

平行鈴「って!…隊長って書いてあるけど……アンタいつ隊長になったのよ!!」

 

一夏「16歳の時だな」

 

平行シャルロット「じ、16歳で部隊の隊長に就任してるって……」

 

一夏「ちなみに俺がA.I.M.S.に正式に入隊したのは15歳の時だな」

 

平行世界の住人たち「「「「「「じ!?」」」」」」

 

一夏「あーでも13歳の時には仮入隊してたな…」

 

平行一夏「か、仮とはいえ13歳で特務機関に所属って…どんな人生送ってんだお前は…」

 

一夏「んー?そんなの大したことないな……ちなみにそこにいる箒も……ついでに言うと俺の世界にいる簪を除いた同期の専用機持ちは全員所属しているぞ」

 

平行世界の専用機持ち達「「「「「「「はあ!?」」」」」」」

 

アークが存在しないなら、俺の世界のあいつらの様なことにはならないはずだが…

 

平行箒「お、お前も働いているのか?」

 

箒「そうだ……私は16歳からだがな…」

 

平行鈴「ねえねえ、そっちの世界のあたし達ってどんななの?」

 

好奇心からか、鈴が平行世界の自分達の事を聞いてきた

 

一夏「んー、そうだな…まあ初めに言っておくが、お前らと俺の世界のあいつらはかなり性格違うからな?そもそも平行世界の事をよく知らないやつの為に言っておくが、平行世界って言うのは簡単に言えば、可能性の世界だ……今いる世界とは違うことや違う人物、あるいは同一人物だが違う部分のある世界……具体的に言えば、『あのクソ兎がISを作らなかった世界線』や『俺以外に男性IS操縦者がいる世界線』に『千冬姉に恋人がいる世界線』に『鈴の胸がDカップ以上になっている世界線』など、本来ならありえないことが存在している世界線をまとめて平行世界というわけだ」

 

平行鈴「いや待ちなさい!!何よ最後のやつは!!しかもありえないことって何よ!!誰の胸がちっさいって言ってんのよ!!」

 

一夏「そこまでは言ってない。だが鈴、はっきり言うが俺の世界の鈴とお前は外見以外別人だからな?それと俺の世界の鈴は中学時代から毎日牛乳飲んだりバストアップ運動しているが正直言って中学時代から見た目の変化これっぽっちもないからな……つまり鈴は中学時代から身体の成長が」

 

平行鈴「ああー!!聞きたくない!聞きたくない!!そんな悪夢みたいなこと聞きたくない!!」

 

俺の言葉に、この世界の鈴が耳を塞いで喚く

 

平行千冬「待て!私に恋人がいる世界線がありえないことだと!?貴様!勝手なこと言うな!」

 

一夏「え?じゃあいるの?」

 

平行千冬「うっ…」

 

一夏「いないんだな…?まあそりゃあそうだな……さっきの態度や言動である程度察したが、アンタは俺の世界の千冬姉と性格は大体一緒だ……俺の世界の千冬姉もアンタみたいにいらない威圧ばっかするせいで男がちっともよってこない……正直千冬姉に恋人ができることは…税金が正しく使われるのと同じくらい難しい事だと思ってる」

 

平行一夏「おい!お前!千冬姉のこと侮辱してるのか!!同じ俺の癖に千冬姉を敬ってねえのか!」

 

一夏「……こっちの世界の俺……俺とお前が同じ織斑一夏だからと言って、全部一緒だと思うな。今さっきの言動でお前がこの世界の千冬姉の事を信頼して信用して尊敬していることは分かった。確かに俺はお前と同じように、俺の世界の千冬姉のことは信頼してるし信用もしている」

 

平行千冬「フッ…」

 

一夏「だが尊敬はしていない!!

 

平行一夏/千冬「「!?」」



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ifルート④ それぞれの相違点①

 

《一夏&箒視点》

 

一夏「この学園には…うちの社長はいないみたいだな……まあ飛電インテリジェンスがないってだけで、もしかしたら社長じゃないあいつがいるかもしれないが…」

 

平行鈴「え?社長?」

 

一夏「…そういえば言わなかったな……俺はある男にA.I.M.S.にスカウトされてから入ったんだ……そいつの名は飛電…いや、佐藤和真って言うんだが、俺達の同級生であり、飛電インテリジェンスっていうAIテクノロジー企業の社長をしている男だ」

 

平行シャルロット「ええ!?ど、同級生…ってことは…同い年で企業の社長をしてるの!?」

 

平行一夏「ち、ちょっと待てよ!?そいつってお前と一緒で男性IS操縦者なのか!?」

 

一夏「いや?あいつはバリバリの非男性IS操縦者だ…」

 

平行鈴「な、なんでそんなやつがIS学園にいるのよ…」

 

一夏「んー、俺達A.I.M.S.はIS犯罪の対処に当たるって言ったよな?それはISを悪用する組織とも戦うことを意味してる。例えば亡国企業…、あいつらはまさしく俺達A.I.M.S.の倒さなければならない敵だ。しかも最新技術も奪おうとする…そいつらに対抗するために飛電インテリジェンスと、ZAIAエンタープライズっていう企業が共同で設立したのがA.I.M.S.だ。飛電インテリジェンスが誇るAIテクノロジーは連中も喉から手が出るほど欲しがってるし何より、悪用しようとするから、それを阻止する為に戦うわけだ。亡国企業はISを奪うことを最優先にしてるから、IS学園に襲撃する可能性が特に高い…だから奴らを迎え撃つ為にカズマは学園に入学した」

 

平行箒「し、しかし…ISも使えない奴に、亡国企業の工作員達と戦えるわけが…」

 

箒「いや、カズマは強いぞ……生身でも強い男だが、何より………」

 

一夏「んー箒。そこは後で話そう…とまあ、うちの社長はとにかく強いぞ……それこそ国家代表が相手にならない位にな」

 

平行千冬「!」

 

平行刀奈「!は、ははははは…大げさね…ISも使えない相手に…お姉さんが遅れをとるわけが…」

 

一夏「……それとあいつは、社長って立場に就いているっていうのに…安全な場所から指示なんてせず、俺達と同じ最前列で戦って…周りの部下を守ろうとするくらい……部下思いの社長だ……弱年13歳で社長になってからあいつは…常に自分の安全よりも、部下や他人の安全を最優先にするくらいの自己犠牲の塊だ……俺達は、その社長に命を救われたことだってある……」

 

平行簪「……凄い人なんだ…その人は…」

 

箒「ああ……同年代で大企業の社長をしていることにも驚くがなにより……どれほどボロボロになろうと、どれほど命の危機に瀕したとしても…決して砕くことのない強い精神を持った男だ……それ故あいつは周りの部下や社員…多くの人に慕われるほど人望が厚い男だ…」

 

事実だ

俺でさえ、あいつには敬意と尊敬の念を抱いている

 

平行セシリア「そ、その…お話を戻しますが……そちらの世界のわたくし達はどのような感じなのですか?」

 

一夏「ん…じゃあ一人一人話していくな。まずセシリアだが、俺と初めて会った日に突っかかってきたな。正直、あのときセシリアのことをよくこんなんで代表候補生になれたなって思った」

 

平行セシリア「なっ!?」

 

一夏「んー?その反応だとそっちでも突っかかって喧嘩に発展したな?」

 

平行一夏「ま、待てよ!お前なんでセシリアにそんなきついこと言う!」

 

一夏「はあ?お前なんで俺がこんなこと言うかわからないか?俺の世界のセシリアと同じ様な事したってことは、大方こいつも日本や日本人を馬鹿にして侮辱するような発言してたな……なあセシリア…一つ聞くが、ISを作った製作者の人種は?モンド・グロッソで優勝した初代ブリュンヒルデはどこの誰で何人だ?」

 

平行セシリア「!」

 

一夏「……その反応を見るに…今頃になって気づいたか…しかもお前は……候補生とはいえイギリス国家に所属している立場だよな?……そんなお前が他国を侮辱するような発言…これが日本やイギリス政府の耳に入ったら………お前……どうなると思うか?」

 

平行セシリア「へ…?」 

 

一夏「日本は自国を侮辱したお前の事をイギリス政府に訴えるだろうな……わかる?……これは国際問題にも発展しかねないことだ?するとイギリス政府は日本に謝罪し、この問題を起こした張本人であるお前を国へ出頭させ、その地位と専用機の資格剥奪だってあり得るわけだ…」

 

平行セシリア「!あ…ああっ…」

 

一夏「やっと理解してきたようだな?……大方頭に血が上って自分が言っていることが、一歩間違えたら国際問題になりかねないことになるって気づかなかったみたいだな……まあ俺の世界のセシリアは最後にクラス全員に謝罪したから、水にながしてやったが……お前は謝ったか?」

 

平行セシリア「!」

 

一夏「……はぁ…謝ってないか……俺の世界のセシリアとお前との違いは……自分の非を素直に謝れるところだな……ほんと、お前よく今もこの学園にいられたな……」

 

平行セシリア「なっ!?」

 

一夏「ちなみに俺の世界のセシリアのときは……あいつがはいた暴言を手持ちのボイスレコーダーで録音してたんだが…もしあいつが自分の非を詫びなかったら、そのボイスレコーダーを、イギリス政府に送ってたな…そうなったら最悪、代表候補生の資格剥奪に専用機没収になってただろうな……」

 

平行の住人たち「「「「「「「「!!」」」」」」」」

 

平行一夏「お…お前、そんな告げ口みたいなことしようとしてたのかよ!!そんな男らしくないことを!」

 

一夏「できるよ?というかそもそも男らしいってなんだ?相手が明らかにこちらを侮辱して来たことに対して、何もせず、ただ受けることが男らしいって言うのか?間違っていることを間違っているって言えないことの方が男らしくないんじゃねえのか?」

 

平行一夏「!」

 

箒「その後は普通に私達とよくいるようになった……それと…私の次に一夏からいじられている……」

 

一夏「今では最初の頃の英国淑女キャラのメッキが剥がれたな」

 

平行セシリア「ぐっ!」

 

一夏「まあでも…あいつはかなりの努力家だな……自分の弱点を克服しようとする為に、自分を追い込もうとする姿勢や……ダチの為なら国の命令を無視してでも助けようとするところには、俺も尊敬している」

 

平行セシリア「!…そ、そうなのですね」

 

俺の言葉にセシリアは少し笑みを浮かべていた…違う世界とはいえ、自分が評価されていることに嬉しさを感じたようだ

 

一夏「あとはそうだな……時にセシリア…お前って料理する時に重要なことは?」

 

平行セシリア「写真と同じ様な見た目にすることではないでしょうか?」

 

一夏「……はぁ……お前もか……セシリア…ちょっとこっち来てくれないか?」

 

平行セシリア「え?な、なんですの!?なぜそんな怖い顔でわたくしに近づいてくるのですの!?」

 

一夏「箒、俺はここのセシリアとちょっとオハナシしてくるから…変わりに話ししておいてくれ…」

 

箒「あ、ああ…わかった」

 

そう言うと一夏はこの世界のセシリアを連れて連行どこかへ行った

 

平行一夏「な、なあ…セシリア連れて、どこへ行ったんだ?」

 

箒「……恐らく体育館裏にでも連れて行ってるだろうな……」

 

平行シャルロット「ええ///!?」

 

平行簪「た、体育館裏って///…も、もしかして///」

 

箒「一応言っておくが…おまえ達が想像しているようなことはしていないな……説教だろうな…」

 

平行鈴「せ、説教…?」

 

箒「単刀直入にいうが……ここのセシリア……メシマズ料理を作っているな?」

 

平行世界の住人達「「「「「「………」」」」」」

 

箒「作っているのだな…?……はぁ…私の世界のセシリアも作っていてな…その時は一夏とカズマのふたりに連行されて…ちょっとオハナシを受けていた……戻ってきた時には青ざめていて……それ以来、料理には人一倍気をつけてやるようになって…今ではちゃんとうまい料理が作れるようになっている」

 

平行ラウラ「なっ!?あ、あのセシリアが…料理ができるだ…と!?」

 

平行箒「あの…見た目は完璧で、味は絶望的な料理を作るセシリアが!?」

 

平行一夏「しょっちゅう食べさせられては死にかけさせられたあのセシリアの料理が…まとも…だと!?」

 

箒「……私が言い出しておいて何だが…言いたい放題だな………まあ…セシリアの料理の話は置いておいて……一夏がいなくなったから……あいつの事を話そうか……おまえ達から見て…あいつはどうだ?こちらの世界の一夏とは…随分と違うのではないか?」

 

平行シャルロット「う、うん…なんというか…箒の世界の一夏って……かなり我が強くて…考え方とか…とにかく違うところが多いし…もしかして……こっちの一夏よりも…強かったりする?」

 

箒「強いどころではない……あいつは人外だ…もはや人間の範疇を軽く超えているレベルで超人だ……私はおろか…あいつに勝てる人間は…ほぼ存在しない…」

 

平行ラウラ「なっ!?そ、そんなに強いのか!?」

 

箒「ついでに言うと…あいつが学園に入学してから公式でも非公式でも、ISを使った勝負や試合で、一度たりとも敗北したことがない……」

 

平行刀奈「え?……い、一応聞くけど…そっちの世界の私と一夏君は…戦ったことは…」

 

箒「ありますね…そしてそれに一夏は勝ちました……ついでに言いますと…一年生の時のことでした……刀奈さんも本気で戦ってましたし…刀奈さんも強かったです……ただ…一夏がそれをも超える人外だったので…」

 

平行一夏「し…信じられないな…そっちの俺がそんなに強かったなんて…」

 

箒「あいつはとにかく規格外でした…男でありながらISを使えるのは……あいつの規格外過ぎることの一端に過ぎなかった……あいつの実力云々は…この先実際に見たほうが早いので、この話は切ります。一夏はよく人をいじったりからかったりするのが好きな男ですね……私なんて……幼少期に出会った時から今日までずっといじられてからかわれてます……本人曰く…私はいじったりからかったりしたときの反応が美味しいからやめられないみたいです…」

 

平行一夏「そ、それっていじめじゃねえのか!?箒が嫌がってるのにやるのは…」

 

箒「い、いやアレはいじめてはない……言っておくが 一夏は確かに人をいじったりからかったりするのが好きな性格だが、弱い者いじめや陰湿ないじめは絶対に許さない性格だ……私は幼少期の頃……女子なのに剣道やっているという理由でいじめられていた時期があった……だがあいつは…私がいじめられているのを見ると、普段私をいじったりからかったりする態度とは一転して…相手を言葉だけで撃退し、私を庇った……それにあいつは…私の事をよく見てくれていた……私が剣道にどれだけ努力していて、真剣に取り組んでいることも……それまでの私はあいつのことを、人にしつこく絡んでくるうっとうしいやつだと思っていたが……それから…私達は友達になった…」

 

平行一夏「す、すげぇ…俺と同じように箒助けたのか……しかも俺と違って、暴力じゃなくて言葉だけで…」

 

箒「普段子供っぽいあいつだが…実は同年代の中では精神年齢が高い部分があったな…普段の行いのせいで子供っぽいが……あいつの事を簡単に言うなら、誰も制御できない男だ……幼少期の頃から自分の思惑や考えを優先し、なおかつ誰に対しても物怖じしない性格だ……千冬さん相手でさえ……あいつは引こうとすらしなかったくらいだ…」

 

平行一夏「はあ!?そっちの俺千冬姉に逆らうなんて自殺行為を働いたのか!?……絶対やられただろうな…」

 

箒「そう思うか?……ところが…一夏と千冬さんはとにかく公私で姉弟ゲンカをやるくらい険悪な仲だ……私達の中で唯一千冬さんを恐れなかったのは、一夏だけだ……」

 

平行千冬「ほう……そっちの私達は姉弟ゲンカをするのか……思えば私と一夏は…姉弟ゲンカらしいことをしたことがなかったな……」

 

平行一夏「お、俺は千冬姉には育ててもらった恩がある……だから…間違っても千冬姉に逆らうなんてできねえ……あいつ…同じ俺なら千冬姉に育ててもらった癖に…なんでそんな恩を仇で返すような真似するんだあいつは!」

 

箒「……これはあいつの前では言えないが……あいつが千冬さんに反発するのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬さんがいつまで経っても、自分の幸せの為に生きようとしないからだ」

 

平行一夏「え?」

 

箒「一夏は前に言っていた……『俺を育て上げるために、千冬姉は…自分のことよりも俺を優先させるような生き方をしている……しかも…そのせいか、俺以外の他の相手にも、自分よりも他人を優先させる…自分が我慢すればいい……そんな生き方をしている……』……だからあいつは…千冬さんにわざと反抗的な態度を取るようになった……俺の事はいいから……俺は俺一人で生きていけるから……だから、もっと自分に正直に、わがままに……自分らしく、自分の幸せだけを生きてほしい……そう思ってあんなふうに反抗的でいる……ただ、やっと…千冬さんが自分の幸せを考え始めて、自分の為に生きようとするようになった…それから……ふたりが衝突することはほとんどなくなった……」

 

平行一夏「……そう…だったんだな…」

 

平行千冬「……私の幸せ…か…」

 

箒「普段は千冬さんに反抗的で…千冬さんに暴言はいて…しまいには拳の殴り合いをするくらい…険悪なふたりですが……本当は誰よりも……自身の姉の幸せを願っている……口では素直に言えない……不器用な男ですよ……一夏は」

 

平行一夏「……」

 

平行千冬「……」

 

箒「あ、この事は一夏には絶対言わないでください…聞かれたら私が危ういので…」

 

一夏「へえ〜?誰に聞かれたら危ういって?」

 

箒「それは一夏の耳にはい…た…ら…」

 

その瞬間…私の背後から、冷気と殺気の2つを感じ……身体が固まる…

 

平行世界の住人達「「「「「「!?」」」」」」

 

後ろを振り返るとそこには青筋を浮かべる一夏と、青ざめているセシリアが立っていた

 

セシリアに関して言えば、一夏とのオハナシと今発している一夏の殺気のせいで怯えている

 

一夏「よお、待たせたな…どうやら俺の話してたみたいだが…セシリアが興味あったなら…後で話してやってくれ……それはそうと箒…?」

 

平行箒/箒「「!!」」

 

一夏「ああ違う違う、そっちの箒じゃない…俺の世界の方に言ってるんだ………お前……話したら俺の怒りを買うとわかっていながら話しているだけに飽き足らず……俺が背後にいるのも気づかないくらい隙だらけだったこと含めて……どうなんだ?」

 

箒「ビクッ!」

 

一夏「……まあ…今はいいか…箒へのお仕置きは後でするとしてだ……セシリア…皆に言うことは?」

 

平行セシリア「ひ、ひゃい!!み、皆様!!こ、これまでメシマズり、料理を皆様に、て、提供して、も、申し訳ご、ございませんでした!!」

 

怯えながらもセシリアが平行の一夏達に謝罪した

 

そんなセシリアの様子に周りは戸惑っていて、そっちの世界の鈴が何があったのか聞いたら

 

セシリア「なにも…ありませんでしたわ…」

 

と答え、それ以上のことを言おうとしなかった

 

 

 

 

 

 



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ifルート⑤ それぞれの相違②


大学の試験と課題でこれから投稿ペース落ちるかも知れませんので、どうかご了承ください


 

《一夏&箒視点》

 

一夏「…次はそうだな…鈴の話をしようか…」

 

平行鈴「え?」

 

箒「鈴と一夏は…私が小学生の頃に転校してから…ふたりは知り合ったらしいのだが………所で…鈴と一夏…お前たちは…どのようにして今の関係になったのだ?」

 

平行鈴「ええ///!?ええっと…」

 

平行一夏「それはだな」

照れている鈴をよそに、この世界の一夏が話しだした

 

なんでも転校した当時、中国人で日本語も満足に話せなくていじめられていた所を一夏に助けられて以来…一緒にいるようになったようだ

 

この世界の一夏が話しているそれを鈴は照れながら頬を赤らめている

 

その様子を他の女性陣(この世界の千冬を除く)は面白くなさそうに見ていた

 

……ふむ…これはもしかすると…

 

箒「……そうか…そこから違うな…私の世界の鈴は転校してすぐに確かにいじめにあっていたが……全員一人で叩きのめしたそうだ」

 

平行鈴「え?」

 

箒「私の世界の鈴は…とんでもない格闘の天才で、幼少期からその才能の片鱗を見せていたようだった」

 

一夏「あいつをいじめていた連中を、たった一人でフルボッコにしたんだぜ?その時の鈴を見たとき、心の中が震えたな……一人で多を圧倒するその姿に…感極まったな……んで気づいたら、俺と鈴は殴り合いをしていた」

 

平行鈴「はあ!?」

 

平行刀奈「ええ!?」

 

平行セシリア「なっ!?」

 

平行一夏「はあ!?」

 

箒「……まあ…そう反応するのが普通だな……だが、このふたりは全く普通ではなかった……一夏も鈴も…超がつくくらいの、戦闘馬鹿だった……鈴は幼少期から格闘の天才だったゆえに…周りの男どもでは全く相手にもならないほど強かった……それゆえ暇を持て余していた……」 

 

一夏「んで俺の方は当時…篠ノ之箒っていう、剣道で競い合った相手が居たんだが……転校してから……競う相手がいなくて退屈だった……そこへ鈴っていう逸材と出会った……俺達は出会ったその日に殴り合って、その日に親友になった」

 

平行一夏「いや殴り合って親友になるって、それどこの青春マンガか!?」

 

箒「それでふたりは毎日のように殴り合うようになったようだ…本人たちは楽しいらしいが…学園に転校し再会した現在でも日課と化してるぞ……なんだったら最初のうちは周りも殴り合うふたりを見て驚いていたのだが……現在ではもはや学園内で繰り広げられる日常になっていて、なんだったら殴り合うふたりを見てどちらが勝つか賭けしてる生徒だっているくらいだ」

 

一夏「ちなみに俺達の勝負に賭け事してた生徒は後で直接会いに行った上で没収してきました」

 

平行鈴「へ…へえ〜…」

 

箒「性格的に一番一夏と近い性格しているな……たまに一夏みたいにトチ狂った発想や考えをする時があるが、基本的には常識人だ」

 

平行一夏「へえ〜、そっちでは箒と鈴は仲がいいんだ……こっちのふたりはよく喧嘩するけどなあ…」

 

平行箒「!そ、それはお前のせいだろ!!」

 

平行鈴「そうよ!あたしたちが喧嘩する原因を作ってるのはアンタよ!!」

 

平行一夏「ええ!?」

 

箒「……私は逆に、鈴と喧嘩したことがないのだが……鈴とはお互いに一夏にいじられたりからかわれたりされた者同士で通じ合う部分があってな…」

 

平行千冬「話を聞く限り、お前は性格が悪いな」

 

一夏「ハッ!アンタに俺の何が分かる。人をいじったりからかったりしてその反応を楽しむのが俺の趣味なんだよ!」

 

平行シャルロット「ひ、酷い趣味…」

 

一夏「なんとでも言え。俺はやめる気はないがな………少し話が長くなったな……次は一気に加速して、シャルとラウラだ」

 

平行シャルロット「ええ!?」

 

平行ラウラ「む、次は私達か」

 

一夏「シャルとラウラは一緒に転校してきて、シャルは男装してラウラは俺に逆恨みしていてな、シャルの方の問題はISを作る会社で起きているIS犯罪だった為、ちょっとA.I.M.S.にいるハッキングの達人に会社のサーバーに潜入させて情報抜き取ってから解決して、ラウラの方はタッグ戦で暴走したのを助けた後に話をして和解した。シャルの性格は基本は真面目な優等生って感じだけど、よくラウラに着せかえやらコスプレをさせてるな」

 

平行シャルロット「ええ///!?ぼ、僕そんなことしてるの!?」

 

一夏「ちなみに俺はよく一緒にコスプレしてるふたりを写真撮影している。中々クオリティが高いから撮ってる側からしたらとても美味しい写真が撮影出来て感謝してる」

 

箒「しかもその撮影会に私を巻き込んで私に色んな格好させたんだぞ、一夏もシャルロットも」

 

平行(一夏/箒/シャルロット)「ええ!?」

 

一夏「アレは楽しかったなー♪」

 

箒「私は恥ずかしかった…」

 

一夏「んでラウラの方は敵対してたが、アレは千冬姉を尊敬し敬愛していたことでの暴走だったから。元々アイツは純粋だから染まりやすかったからさ。それに環境が環境だったから、善悪の区別もつかない……精神的にガキだったからな」

 

平行ラウラ「なっ!?」

 

一夏「ただ改心したあとはアイツに懐かれたな……兄さんって呼ばれるくらいに」

 

平行世界の住人達「「「「「「はあ!?」」」」」」

 

箒「ラウラが改心して、シャルロットがちゃんと本来の自分に戻ったあとには、よくみんなで一緒にいたな……あとラウラが私達のマスコットと化してたが…」

 

平行ラウラ「そ、そっちの私はどうなっている!?そちらの世界のよ、嫁の事を兄さんと呼んでいるだと!?」

 

一夏「……なあ、この世界の俺を嫁って呼んでるの…もしかして、お前に日本知識教えたのって、クラリッサか?」

 

平行ラウラ「む、よく知っているな。私の部下のクラリッサは日本が大好きで私に日本の知識や常識を教えてもらったぞ!」

 

一夏「あー、ラウラ…今後はクラリッサが教えた日本知識や常識の相違は確認しろ……それと嫁って言うのは女性に対して言うワードで、男の事は婿って言うんだ覚えろよ?てか、誰もラウラの間違えてる日本知識に触れなかったのか?」

 

平行世界の住人達「「「「「「……」」」」」」

 

一夏「……はあ…まあいい…そして続いては更識姉妹と五反田兄妹なんだが…」

 

平行世界の更識姉妹と五反田兄妹「「「「ゴクッ!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「喋るの疲れたしもう夕方だから今日はここまでだな」

 

平行世界の住人達「「「「「「なん(ですって!!)じゃそりゃあー!!」」」」」」

 

平行刀奈「こ、ここまで話を引っ張っておいて、お預け!?」

 

一夏「話疲れたんだもん仕方ないじゃん…話さないとは言ってないからさ。それより千冬姉、俺を学園長の元へ連れて行ってくれないか?」

 

平行千冬「む、一体何が目的だ?」

 

一夏「いやな、元の世界に戻るまでの間…学園で過ごそうと思って…そのために学園長と交渉するために着いてきて欲しくてさ。俺や箒の事情説明のためにも、アンタには証人になって欲しくてさ」

 

平行千冬「いやお前達ここにいるつもりか!?」

 

一夏「ああ、俺達は元の世界に戻るまでの寝蔵として使いたくてな」

 

平行千冬「貴様ここをホテルかなんかと勘違いしてないか!?」

 

一夏「まあいいじゃん、交渉は俺がやるし、駄目だってら駄目で諦めるからさ。……な?」

 

平行千冬「……はぁ……付いていくのと説明するだけだからな私は……五反田兄妹はもうそろそろ家へ帰れ…」

 

一夏「ん、充分だ……ああ、そういうことで…平行世界の説明はここまでだ…続きはまた明日移行な?じゃあな弾と蘭。何日かしたらそっちに足運ぶからその時に平行世界のお前らのこと話すから待っててくれ。それじゃあ行くか千冬姉」

 

平行千冬「あ、待て一夏!」

 

俺が学園長室へ向けて走り出すと、この世界の千冬が走って付いてくるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平行鈴「…箒…なんていうか……アンタの世界の一夏って…」

 

平行箒「かなりのマイペースだな…」

 

平行シャルロット「それも周りを引っ掻き回すタイプの…」

 

箒「うっ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「んー!!やっとベッドで休めるなー!!」

 

箒「正直野宿する覚悟してたぞ…」

 

一夏「俺の交渉術舐めんなよ?まあその代わりこの学園で働くことになっちまったがな…」

 

箒「まあ…野宿するよりかはマシだ……それに一応報酬は貰えるのだから、文句などないさ」

 

学園長に事情を説明し、俺達がこの学園で過ごせるよう交渉し、無事成立した俺と箒は、学園の空き部屋となっている場所で寝泊まりすることが出来るようになった

 

ただ、その代わり

俺と箒に、この学園の警護をするように頼まれた

報酬はしっかり払ってもらえるし、それ以外は余程なことがない限り、自由にしてもいいと許可を貰った

 

一夏「……さて…俺達はこの世界で一体、何日…いや何ヶ月過ごすことになるんだろうな……」

 

箒「……何年……もしかしたら…帰れないかもしれないな………一夏……その時はどうしようか……」

 

一夏「んー……そうだな……とりあえずこの世界でも生きていけるように生活の基盤は整えて………お前と暮らせる家買って……死ぬ前に何かしらの偉業を遂げたり……まああとは……家庭築いて充実な人生を送ることかな」

 

箒「か///!?」

 

一夏「けどなー…元の世界に未練あるし……出来る限り足掻くつもりだ……それが駄目だったときは…この世界で一緒に骨埋めるか…」

 

箒「い///一夏…///」

 

一夏「ま、お互い頑張ろうな…箒」

 

俺はそう言うと箒に身体を寄せ、近づく

 

箒「い、いち///」

 

それに箒は顔を赤くしてアタフタしてるがやがて意を決したのか、目を瞑った

 

……こいつ、俺がキスすると思ってるのか、俺に身を任せている

 

身を任せたのは賢明だが……俺がするのはキスではない

 

一夏「所で箒……俺…お前に言ったよな……?……後でお仕置きするって…」

 

箒「!」

 

一夏「さて……人が話したがらない事を言った罪と、人を人外って言った罪……そのお仕置きをするから…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

覚悟しなよ?

 

その日、夜の学園内で女性の叫び声らしき物が響き、これが後に『IS学園七不思議の一つ 死霊に引き釣りこまれた生徒の叫び』と呼ばれるようになったのだった

 

 

 



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アクア誕生日特別編2022年


はい!今年もやってきましたアクア誕生祭!!

作者がラノベの女性キャラの中で一番好きですので毎年必ずどこかの執筆してる作品で掲載しています!!  時系列は夏休みが終わる直前です!


 

《カズマ視点》

 

会社組&一年専用機持ち達&弾蘭数「「「「「「「「「アクア(さん)誕生日おめでとうー!!」」」」」」」」」

 

夏休みの終わりが近づいている今日

俺達は一夏の家にお邪魔している

 

今日はアクアの誕生日

そのため会場代わりに一夏の家を借りることにした

 

アクア「みんな!今日はありがとう!!一夏も誕生日会の会場にお家を貸してくれてありがとうね!」

 

一夏「良いってことよ。俺もお前の事を祝ってやりたかったしな……さあ、今日はお前の誕生日の為に、俺や箒達もたくさん料理作ったから、存分に食って楽しめよ!!」

 

アクア「うん!」

 

家のテーブルには、たくさんの料理が並べられていて、どれも美味そうなものばかりだ

 

アクア「うわ〜!どれも美味しそう!!しかも私の好きなものばかりね!!」

 

蘭「アクアさん!この抹茶味のカップケーキ、凄く美味しいですので食べてみてください!!」

 

そう言うと蘭はカップケーキを乗せたトレーを持ってきた

 

アクア「ありがとうね蘭。……ん?このカップケーキ、簪が作ったやつ?」

 

簪「あ、うん…前に作って持ってきた奴に材料を加えたやつだけど……美味しくない?」

 

アクア「ううん、前のやつも美味しかったけど、こっちのほうが私好きよ!」

 

簪は抹茶系のお菓子やスイーツ作りが得意で、たまに抹茶味のカップケーキやクッキーを持ってきてくれる

 

セシリア「あ、アクアさん…その、わたくしもシチューを作ったので、よければ食べていただいてくれませんか?」

 

今度はセシリアがシチューを入れた皿を持ってきてくれたが、少し不安げだ

 

また前みたいに失敗してないか不安になっているようだ

 

アクア「ん!これ美味しい!!肉は柔らかいし、野菜の優しい味がうまく絡んでてすごく美味しいわセシリア!!」

 

セシリア「!そ、そうですか…うまくできてたのですね…」

 

と、セシリアはホッとした様子を浮かべていた

 

……ここだけの話、実は時々一夏から料理を教えて貰ってるようだが、失敗するとまた連れて行かれるのかと想像してビクビクしてるらしい

 

そばで見ていた箒も思わずセシリアに同情の念を浮かべていた

 

一夏は一夏でセシリアが考えている事はお見通しだったが失敗してもそのつもりはなかったようだが、黙っといた方が覚えが早いからという理由であえて何も言わなかったという

 

……シンプルにど畜生だなアイツ

 

そう思っていると俺の脳内で一夏が『そんなに褒めないでくれよ』と言ってきたのでついイラッと来てたまたま近くにいた一夏に缶ジュースを投げつけた

 

一夏「うぉっと!!急に何すんだよカズマ!まるでアンタの脳内の俺が何か苛つくこと言って俺に当たるみたいなことすんなよ!」

 

カズマ「いやほぼ合ってたんだが!?」

 

こいつの時々発揮する人の脳内を読む能力はマジで何なんだ

 

弾「てかお前そんなこと考えてたのかよ」

 

数「イチの読心術っていうか、勘の良さは中学時代から健在だったよな」

 

鈴「分かるわ。正直一夏が実は相手の考えてることを見通す力があるって言っても納得してしまいそうね……アンタ実は前世さとり妖怪か何かじゃないの?」  

 

一夏「なわけあるか!俺の前世は人間だ」

 

弾「いや…どっちかといえばゴキブリだろお前の前世」

 

鈴「あ、しぶといところとかが一緒だしね」

 

一夏「今死ねって言ったか?」

 

鈴「言ってないわよ!!」

 

数「……ゴキブリって実は追い込まれるとIQが300以上になるって知ってたか?」

 

一夏/弾/鈴「「「マジ?」」」

 

なんか俺そっちのけで一夏達中学時代のグループが話し込んでんな…

 

シャルロット「あ、ラウラ…そんなにあわてて食べると詰まるよ」

 

ラウラ「む、このハンバーグは美味いな!!…我が故郷ドイツに負けず劣らずの味だ」  

 

カズマ「お、それ俺の力作だ…アイツ昔からハンバーグが好物なんだが、特に俺の作った奴を好んで食べてたから、料理の中で俺が一番腕上げて一番得意なやつだ…あ、食いすぎるなよ?アイツの分残せよなラウラ…」

 

シャルロット「……うん!これ本当に美味しい!!肉汁ジューシーで中の玉ねぎとの相性バツグン!!……ってラウラ、口にソース付いてるよ」

 

こっちの独仏コンビも料理を楽しんでいる様子だ

あの事件以降ラウラも精神的に成長してはいるものの、まだ子供っぽい所があるな

今だってシャルにナプキンで口を拭かれているし、まるで妹の世話をする姉だな

まあシャルがラウラに対して姉属性を見せたりするのはそういう幼さを時々出すラウラの妹属性に反応されてなのかもな

 

シャルはシャルで嫌そうじゃないし、元々面倒見のいい奴なんだろうな

 

めぐみん「フフッ、こうしてアクアの誕生日を祝うのも、これで4回目ですねダクネス」

 

ダクネス「そうだな……まさか中学1年から、ここまで続くとは思わなかったな……」

 

カズマ「確かに……俺もお前たちとここまでの付き合いになるとは、あの頃の俺は想像できなかったな」

 

箒「な、なあ…ずっと前から気になっていたのだが…なぜお前達とアクアは一緒にいるようになったのだ?カズマとアクアは家族だからわかるのだが…」

 

近くで話をしていためぐみんとダクネスに俺も混ざって話をしていると、そこへ箒も入ってきた

 

めぐみん「う〜ん……話してもいいのですが、結構長いですよ?」

 

ダクネス「それに…こういうのはもう少ししてから話すべきだと思うが…」

 

カズマ「俺は話してもいいが、少なくとも誕生日の日にする話かなあ…」

 

箒「そ…そうか…なら…その話はまたいつかに…」

 

カズマ「ん、そうすることにしようか…それより箒…バースデーケーキを用意したいから手伝ってくれないか?」

 

箒「あ、分かった。それにしても…あのバースデーケーキ……凄く大きくないか?バースデーケーキどころか、もはやウェデングケーキだと思うくらい大きいのだが…」

 

カズマ「しかもこれ作ったのが専門の人ではなく一夏って言う……アイツマジでそっちの道で食っていける技術あるだろ」

 

そう俺達は言いながら台所にあるケーキを取りに行くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△

 

「……可愛そうに……」

 

「ええ……まだ子供なのに……親を目の前で…」

 

「……私達に…あの子に…何か出来ることは…」

 

「ねえ…ママ…パパ……お願いがあるの…」

 

「うん?なあに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ……一緒に行こう……私のお家に来て……今日から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私とあなたは家族よ……これからは……ずっと一緒よ…カズマ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「!……夢…」

 

気づけば……私は一夏の家の居間で眠っていた

 

一夏の家で誕生日会を楽しんで、みんなからプレゼントを貰って…とっても楽しく過ごしていたけど…時間が来たから今日は寮に帰ろうとしたら…一夏がこのまま今日はみんなでお泊り会するか?って言われてみんなテンション爆上がりでそのままの勢いでお泊り会を楽しんでいた

 

途中千冬さんが来て外泊は駄目だって言ってたけど、カズマがビールたっぷりのケースを二箱渡したら千冬さんが『……今回だけだ……それと…深夜徘徊はするなよ』って言いながら2階に上がって行った……ビールケースを持って

 

カズマ…完全にそのつもりだったみたいね

 

よく見ると周りのみんなはそれぞれ床やソファー、テーブルの下に毛布に包まって寝てるわ

 

セシリアとシャルとラウラがテーブルの下に布団敷いて寝てるし、鈴と蘭と簪はテレビの前で眠ってるし…弾と数と一夏はソファーで眠ってて、箒とめぐみんとダクネスはそれぞれ違う態勢で寝てるわ……って、めぐみんの寝相が悪いから必然的に近くの箒とダクネスも寝相が悪くなるのね…

 

……そういえばカズマは…

 

そう思ってまわりを見てみると

 

カズマ「……」

 

私のすぐ近くで横になっているわ……毛布もかけずに

 

それによく見ると、普段つけているジャージを脱いでる……

 

アクア「あ…」

 

そこで私は…自分の下半身に覆いかぶさっている物が、カズマのジャージだと気づいた

 

アクア「……」

 

多分……眠ってる私に気を利かせて毛布代わりに被せてくれたのね……

 

アクア「……フフッ…」

 

私……カズマのこのジャージに含まれてる…カズマの匂い…昔から好きなのよね……カズマもそれを知ってなのか…時々私にジャージを被せてくるの……カズマのジャージに付いてる匂いは……男の独特の……それでいて心が落ち着く…そんな匂いがするの…

 

一度それをカズマに言ったら、『お前匂いフェチじゃね?』って返されたことがあったわ………そうかも…しれないわね

 

アクア「……もうそろそろ……あれから…10年経つのね……あなたと私が家族になって……」

 

私は、眠ってるカズマの顔に手を置くと、優しく撫でた

 

あの日……大切な人を亡くして……心が壊れかけていたあなたを見て思った………

あなたを……カズマのことは…私が守る

 

それが…私の運命

そう…私は思った

 

そして、あれから月日は流れて……多くの出来事や多くの人と巡り会って…私とカズマは……今こうして一緒に、生きているわ

 

この先…何があろうと……

 

私が

 

アクア「カズマの事……守るからね……それと……誕生日プレゼント……ありがとうね」

 

そう言い私は眠ってるカズマの顔に近づきそして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュッ

 

 

 

 

 

カズマの頬に口づけした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「………お前を守るのは……俺の役目じゃねえか………勝手に取るなよ……」

 

アクアが寝静まり…俺は、身体を起こした

 

アクアが起きたとき……実はまだ眠ってなかった俺は…なんとなく寝たふりをしていた

 

そしたら…アクアの言葉を聞く羽目になった

 

俺は眠ってるアクアの顔を見た

 

アクアの寝顔は…静かで優しく……そして…何か楽しい夢でも見ているのか……とても楽しそうな寝顔を浮かべていた

 

カズマ「………」

 

あの日…俺の大切な人達を亡くして……もう何もかもどうでも良くなっていた俺に手を差し伸べ…俺を…家族に迎え入れてくれたこいつを…今でも大切に思っている

俺に…大切な思い出を……家族を……心を与えてくれた……アクアのことを

 

もう…二度と……大切な人を亡くさない……

 

亡くさせない

 

そのためにも

 

カズマ「俺は…もっともっと強くなる……会社や学園のみんなも、俺に連なる全ての人を……そして、お前のことも守るために……だから…見ていてくれよ……アクア」

 

俺はそう言いながらアクアに近づきそして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュッ

 

 

 

 

アクアの頬に口づけし、眠りについた

 

そして…窓から漏れる月の光が…アクアの近くに置いてある……カズマからのプレゼントである…カランコエの花が刻まれたペンダントに反射し光った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カランコエの花言葉

 

「幸福を告げる」

 

「たくさんの小さな思い出」

 

「あなたを守る」

 

 

 

 

 



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第50話 デイブレイク

 

実戦訓練が終わり、刃さんと滅達と別れたあと、俺は箒達を飛電インテリジェンスの社長室に連れてきた

 

カズマ「さてと……確認の為に聞くが、お前らは白騎士事件のことはどの程度知ってるのか?」

 

シャルロット「え、ええっと……今から約10年前に日本周辺各国から大量のミサイルが放たれて日本壊滅の危機に……突然白銀のISを纏った女性が全てのミサイルを破壊した事件だったよね?」

 

ラウラ「それが後に白騎士事件と呼ばれるようになり、ISが世界に浸透するきっかけにもなった、いわば世界が一変した事件とも言えるな」

 

カズマ「まあ…概ね間違っていない……ただ…あの事件の裏側には……世間には伝わってない、もう一つ、ある事件が同時に起こっていたんだ」

 

鈴「え?」

 

カズマ「……今から約10年前……白騎士事件の裏で起きた事件から全てが始まった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今から約10年前

今と違ってISが世の中に浸透しておらず、ヒューマギアも全国に出回ってなかった

そもそも当時のヒューマギアは今と違ってヒューマギアのデータリンク、検索補助や地上設備の無線制御を管理する通信衛星が存在しておらず、ヒューマギアを全国展開することも出来なかった

 

そのため当時、ヒューマギアを全国展開させるために通信衛星の作製、運用を目的に政府と飛電インテリジェンスを含む複数の企業が集まった

 

通信衛星開発と同時にヒューマギアと人間が共に生活するための実験都市の開発も進めていた

 

通信衛星は主に飛電インテリジェンスとザイアが共同プロジェクトの元、ついに『通信衛星アーク』を完成させることに成功し、後は宇宙に打ち上げすれば、ヒューマギアのネットワークが構築され、全国展開は達成するはずだった

 

しかし…白騎士事件が起きたあの日

 

突如としてアークは人類に対する敵意を抱き、当時存在していたヒューマギアを暴走させ、人類に牙を向けるのだった

ただ幸いなことに、当時はまだ全国展開ではなく、社内と工場にのみヒューマギアが居たことと、今ほどヒューマギアが量産されては居なかったため、負傷者は出たものの死者が出ることはなかった

 

しかしアークは人間の制御から外れ、そのまま打ち上げし、更には日本周辺各国の軍をハッキングし、日本にミサイルを発射させた

 

だが宇宙へと飛び立つ途中に、アークに仕込んでいた自爆システムが発動したことで、アークは宇宙へと到達する前に地上へ落下したのだった

 

もしもアークが宇宙へ到達していれば、アークは全てのヒューマギアを統括し人類を滅亡させるべく、人と機械の全面戦争へと発展していただろうな

 

まるで某サイボーグ対人間の映画みたいなことが現実になっていたかもしれない

そして、そのアークによってハッキングされ、日本へ発射したミサイルは白騎士によって破壊されたのだった

 

カズマ「それが、白騎士事件の裏で起きたもう一つの事件……一方間違えていれば人類と機械の争いにもなっていたかもしれない……そして、この事件によりISの……新たな時代の幕が開いた……この事件を、俺達は新時代の夜明け(デイブレイク)と呼んでいる……」

 

セシリア「デイ……ブレイク…」

 

鈴「まさか…あの事件の裏にそんなことがあったなんて……」

 

ラウラ「だが!そんなことがあったとは、私は知らないぞ!!それだけのことがあったなら、事件として報道されていたはずだぞ!!」

 

一夏「……当時、ヒューマギア運用の為のプロジェクトには、政府も関わっていたってさっきも言ってたよな?だが、ISという近代兵器をも凌駕するものを知ったことで、政府はヒューマギアのプロジェクトを放棄し、IS事業に携わるようになった……更にこれからはISの時代が到来するということで、ISが不利となる余計な事実を隠蔽するためにアークを作った飛電インテリジェンス…そしてザイア対し、政府はアークが起こした問題を公表しない代わりに今回の責任問題について追求はしないと申し出た……ザイアはもちろん……飛電インテリジェンスは、この条件をやむなく飲むことにした」

 

箒「な、なぜだ!?なぜそのような条件を飲んだ!?」

 

カズマ「……もし、あのミサイルが日本に降り注いだ原因を作ったのが飛電インテリジェンスが作った通信衛星という事実が露見すれば……世間は飛電を責め立てるだろうな……それだけじゃねえ…アーク開発に一切関わってない社員や従業員……その家族も例外なく責められ、最終的には会社は倒産するだろうな……そうなったら、会社にいるたくさんの社員が路頭に迷うことになる……俺の爺ちゃんは…『社員がいてこその会社』が口癖なくらい、社員を大切にしていた人だった……だから…飲まざるを得なかったんだ……」

 

セシリア「カズマさん……」

 

カズマ「それに…あのプロジェクトは、飛電インテリジェンスの社運を掛けた一大プロジェクトでもあった……プロジェクトは結果的に失敗に終わり、あのままいっていたら倒産だってあり得た……だが…爺ちゃんはとにかく頑張った……頑張って会社を立て直し、そして…今から四年前に通信衛星アークの後継機…『通信衛星ゼア』を完成させ、打ち上げた……しかも、今度は政府や他の企業の協力無しでだ……晩年の爺ちゃんは、ヒューマギアが全国展開の為に尽力していた……無事衛星は打ち上がり、ヒューマギアが全国展開し、人々の生活を支えられる世になり…爺ちゃんは……満足そうに逝ったよ」

 

箒「……」

 

カズマ「だが…これで話は終わりではない……生前…爺ちゃんは当時のZAIAエンタープライズジャパンの社長とは親交を持っていて…彼には当時……アーク開発の際に出来た…ゼツメライズキーを渡していた……」

 

セシリア「なっ!?なぜそのような事を……」

 

カズマ「実は……アークが地上へ落下したあと…そのアークが…何者かによって回収され……今も見つかってないんだよ……その時に爺ちゃんは思った……『いずれ人工知能を悪用する者達が現れ、人類とヒューマギアに害を生そうとするだろう』って…それに対抗するために、当時のザイア社長に渡したゼツメライズキーで対抗して欲しいと思い、渡した……その一方で、爺ちゃんはプログライズキーと、ゼロワンドライバーを作った…そして…それが的中した……爺ちゃんが亡くなる一年前……ZAIAエンタープライズジャパンが謎の襲撃を受け、当時保管されていたゼツメライズキーを全て奪われた……そして、爺ちゃんが亡くなったあと……ヒューマギアが次々と暴走し、人々を襲う事件が発生した……そして調べていくうちに、ヒューマギアを暴走させたのは、亡国企業の手によってという事実が判明……つまり、ザイアを襲い、衛星アークを回収したのは、亡国企業だったわけだ」

 

鈴「そう…なんだ…」

 

カズマ「俺は……そんな爺ちゃんの意志を継いで戦ってるんだよ……ヒューマギアがこれ以上…あんな奴らに悪用されないためにも…な……さて……まだまだ話したいところだが……もうそろそろ遅いし……今日のところはこの辺で終わりにしようか……」

 

一夏を除いた専用機持ち達「「「「「!」」」」」

 

話をしていたら、いつの間にか日が暮れ、もう夜になっている

 

カズマ「ついでだ、どこかで夕飯食ってこようぜ…俺が奢るからよ」

 

一夏「お、マジか、ラッキー♪」

 

セシリア「え、い、いいですわ…自分達の分は自分達で払いますので…」

 

鈴「セシリア、カズマが奢るって言ってるんだからお言葉に甘えなさいな」

 

箒「し、しかし…それでも奢ってもらうのは」

 

カズマ「お前らさー、俺を誰だと思ってるのか?俺一応大企業の社長だぞ?お前ら全員高級レストランに連れて行って腹いっぱい食わせられるほど金はあるんだからな?」

 

一夏「そうそう…社長がこう言ってるんだし、財布を食いつぶすつもりで腹いっぱい食べようぜ!」

 

カズマ「それで、お前らどこ行きたいか?」

 

ラウラ「私は焼肉が食べたいぞ!」

 

シャルロット「ぼ、僕は久しぶりにフランス料理が食べたいかな…」

 

鈴「んー、あたしはお寿司が食べたいわ」

 

セシリア「わ、わたくしは……その…スイーツがある場所に」

 

箒「わ、私は和食が食べられる所がいい…」

 

一夏「俺はとにかく腹いっぱい食えるところがいいな…あ、でもデザート大量に食えるところもいいな」

 

カズマ「んー、ならバイキングがいいな…会社から直ぐの場所に高級バイキング店があったな…そこへ行こうか!」

 

この日、俺たちは腹いっぱいになるまで食べ、明日への英気を養ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに会計時、車が買える位の料金が表示されたのだった(主に一夏のせいで)



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第51話 現るゴールデンソルジャー

 

ZAIAエンタープライスジャパンのとある一室で、両目に隈ができた全身白一色の格好をした男が、ドライバーを両手に持ち天を仰いだ

 

???「ついに…ついに完成した!!私が求めていた

ドライバーが!……長かった…このドライバーを完成させるためにデータ収集から開発に何度も何度も調整とテスト運用し、とうとう完成させた!!はははははははははー!!」

 

めぐみん「うわ…五徹の反動で普段見せないキャラ崩壊してますよ…」

 

???「はあ…はあ…さて…後は実戦で使えるかどうか、直接確かめ」

 

めぐみん「いや流石に疲労困憊状態で実戦投入しようとしないでください!!このドライバーが本当に実践で使えるかは、他の人に確認させますから……」

 

男と同じく疲れた様子のめぐみんは、携帯を取り出してどこかへ連絡した

 

めぐみん「もしもし、はい私です…今手は空いてますか?実は今朝、とうとうドライバーが完成したんですが…肝心の製作者が五徹でもう疲労困憊なので……申し訳ありませんが…代わりに実戦で使えるかどうか、確認しては貰えませんでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《カズマ視点》

 

一夏「ガツガツガツガツー!!」

 

シャルロット「す、すごい!!カツ丼を5杯も食べてるのにまだペースダウンしてない!!」

 

アクア「これ本当に30分以内にカツ丼10杯行けるんじゃないの!?」

 

午前中の演習授業を終え、食堂で昼食を取っていた俺達だったが、一夏のやつが30分でカツ丼10杯食べられるかのチャレンジを始めた

 

周りは最初、不可能かと思ったが、わずか10分でカツ丼を5杯食ったが勢いは止まらず更に食っている姿に、皆驚きながらも食い入るように見ている

っておいそこ、一夏があと何分で食べ切る方に賭けるな

 

セシリア「凄い事になっていますね、カズマさん」

 

カズマ「できればもう少し静かに食事したいところなんだけどな」

 

ラウラ「それにしても、兄さんの胃袋はどうなっているんだ…」

 

鈴「明らかに中学生の時より食べれるようになってるわね……中学生の頃一夏達とラーメン屋に行ったことがあったんだけどね、そこで超大盛りラーメンを三十分以内に食べきれば料金無料に賞金が出るっていう『チャレンジラーメン』企画がやってたからあたしと一夏食べたんだけど、あたしは食べきったけど一夏は食べきったあとも続けざまにチャレンジラーメンをまたやって勝ってまたやっての繰り返ししてたわ。最終的に店側が勘弁してって頭下げてきたのは笑えたわ」

 

簪「……たまに一夏の過去を聞くのが怖くなってくるよ」

 

鈴「こんなの序の口よ……一番ぶっ飛んだのなんて、ヤクザと喧嘩したことぐらいよ」

 

セシリア「え?」

 

確かに、一夏はぶっ飛んでるな…

思えばあいつは出会う前から頭のネジぶっ飛んでたな

 

そう思いながらも、俺は食事をする手を止めなかった

 

箒「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《箒視点》

 

箒「はあ…」

 

午後の授業が終わり、部活の為剣道室へ向かう道中

私は思わずため息を漏らす

 

午前中の演習の時間

 

いつものように、私は赤椿に乗ってセシリア達に戦いを挑んだのだが…結果は惨敗……いや、専用機を手に入れてからもずっと負けが続いている

それは私自身の実力不足だとか思い、これまで以上に鍛えたが、それでもみんなとの差は開く一方だ

 

一度このことをカズマに話すとカズマは

 

カズマ「……なんていうか……これは実力云々だとか、才能云々っていうよりも、お前自身に問題があるな」

 

箒「え?」

 

カズマ「これ以上は言うつもりはない……これはお前自身でどうにかするしかないとしか言えない……多分、一夏も同じことを言うな」

 

と、カズマはそれだけしか言わなかった

 

そして今日の演習時

私がラウラと戦っているときに一夏が

 

一夏「やめだやめだ!」

 

そう言い私とラウラの演習を止めさせ私に

 

一夏「今のお前は、何百回やっても一緒だ。今のお前に足りないものを、頭冷やしてよく考えろ!」

 

箒「!」

 

それから私は、昼食の時間も午後の授業でも考えていた

今の私に足りないものを…

だが、どれだけ考えても、その答えは見つからない

 

周りは…鈴達専用機持ちは段々と強くなっていっている

鈴達だけじゃない、カズマや一夏もだ

それに引き換え、私はなんだ…第四世代型のISを得ていながら、確実に足を引っ張っている

どれだけ鍛えても、どれだけ周りと戦っても……強くなっている実感が湧かない

いや、そもそも私は……強くなってなんかいないのか…?

 

 

はぁ…

 

箒「何をやっているのだ…私は…」

 

私は自分への葛藤と苛立ちを胸に、更衣室の扉を開いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「!」

 

が、次の瞬間

私の視界に謎の人物がうつり、反射的に紅椿を展開し武器を構えた

 

そして改めて見るとその相手は、見た目は金と黒、アーマー部分は銀色で、よく見ると腰にはドライバーとキーが二本も差し込まれていた

 

箒「貴様…仮面ライダーか?何者だ!」

 

私は空裂からエネルギー波を放ちながら詰め寄ったが、この仮面ライダーは、それを避けると私の懐に入り込もうとした

 

箒「ッ!」

 

それを防ぐために雨月でガードしようとしたが、この仮面ライダーは私に攻撃をするどころか、そのまま私を通り抜け窓の方まで行き、最後に私の方を向くとそのまま外へ逃げていった

 

箒「…なんだったんだ…あれは?」

 

思えばあのライダーは最初からこちらに攻撃をする素振りはなかった

 

だが、至近距離の私の攻撃をあっさりと避け、素早く私の前から立ち去った

 

アレはいったい……亡国企業のエージェントなのか?

いや、それよりもまずは一夏に話すべきだな

 

私はそう判断すると、一夏を探しに引き返した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《???視点》

 

???「……」

 

私は校舎裏にたどり着き、そこでキーを抜き変身解除した

 

そこへ私の携帯が着信音を鳴らしたので携帯を取り出し

 

???「私だ…」

 

???「よう、さっきは俺のわがまま聞いてくれてありがとな」

 

???「それはいいが…あれで良かったのか?あんな不審人物みたいに現れた挙げ句、何もせず立ち去って」

 

???「ちょっとした余興と箒を試す為にな…それにお前も割と成果はあったんじゃないか?……あいつがどう対応したか、詳しく話してくれないか?」

 

???「そうだな……箒は瞬時にISを展開して常に私から目を離さずそれでいて……見事なまでの迷いのない至近距離での攻撃をしてきたが、私はそれを容易く避けられた……箒の実力とこのドライバーの性能をよく知ることができた…それに変身してわかったが、ある程度の攻撃なら物ともしない防御力も備わっている……戦闘をしたわけでもないのにこれだけドライバーの有用性を確かめることができたのだから……これなら実戦でも使えることが確かめられた」

 

???「そうか……ところで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その仮面ライダーは、なんて名前だダクネス(・・・・)?」

 

ダクネス「サウザー…『仮面ライダーサウザー』だ一夏」

 

一夏「仮面ライダーサウザー…ねぇ…さて、箒がそろそろ来そうだから切るわ。あいつには適当に誤魔化しておくよ……まあ、どうせ明日には知ることになるだろうけどな」

 

そう言うと一夏は携帯を切ったのだった

 

《一夏視点》

 

一夏「……」

 

箒のやつ……突然現れた相手に対し瞬時にISを展開、更に攻撃に迷いもなくした

 

ダクネスが仮面ライダーに変身していたことで簡単に避けられたが、これがそこらの相手なら初手の攻撃が決め手になっていただろうな

はっきり言って、箒は才能がないわけではない

むしろ今のあいつの実力自体はそこらの代表候補生と比べても遜色がない

まあ本人はその自覚がないんだろうけどな

正直俺は、あいつが短期間でここまで実力を付けたことに驚いているだが

ただあいつが普段相手にしているのは、そのそこらの代表候補生より強くなった代表候補生達(鈴、セシリア、シャルロット、ラウラ、簪)、更に俺が相手だから自分が強くなったことに気づいていない

 

まあ

 

一夏「それ以前にあいつは………本気を出していない(・・・・・・・・・)からな」



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第52話 仮面ライダーサウザー

《カズマ視点》

 

カズマ「お、来たか」

 

俺は授業を終え、飛電インテリジェンス所有の廃墟に来てある人達を待っていた

 

しばらくすると、件のメンバーの一人が来た

 

ダクネス「遅くなっていてすまない。完成したドライバーの最終調整に手間取ってしまいまして来るのが遅くなった」

 

カズマ「ん、それは今日のメールで分かっていたから気にするな…てかドライバーが完成したのは知ってはいたが、学校休むほどなんだな…これダクネスだけ学校行って授業受けていればよかったんじゃないか?」

 

ダクネス「どうしてもドライバーの最終調整のための装着者を私がやらなきゃいけなくて私も休むことになってしまったからな…」

 

カズマ「そうか、それとめぐみんと(がい)さんはどうしたんだ?あのふたりも来るはずなんだが」

 

ダクネス「ふたりは少し遅れるらしいから私だけ先に来た」

 

カズマ「だからか」

 

ダクネス「それから、ふたりからは『もしカズマか一夏が先に来ていたなら、ついでに実戦データを収集する』よう言われたが……カズマ?」

 

そう言うとダクネスは金色のドライバーを取り出して

 

ダクネス「せっかくだから、このドライバーの初実戦相手になってくれないかカズマ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《一夏視点》

 

翌日

いつものように午前午後の授業を終わらせ、いつものメンバー達と一緒に最近はよく来るようになった飛電インテリジェンスの所有地の廃墟に訪れた

 

鈴「最近、あたし達ここへ来るようになったけど、ここまで割と距離あるから正直面倒すぎるのよね」

 

一夏「仕方ねえだろう。ここは他よりも広くて部外者に見られないから密会とかに向いてんだよ…ってなんか前にも似たようなこと話してなかったか?…」

 

シャルロット「なんか繰り返してない!?」

 

ラウラ「だが兄さん、なぜ私達は今日…ここへ来ることになったのだ?また実力を上げるための実戦に近い訓練をするのか?」

 

一夏「んにゃ、今日は少し違うな。今日は」

 

そう俺がラウラ達に話していると突然

 

一夏を除く専用機持ち達「「「「「!?」」」」」

 

背後の廃墟の方で爆発音と何か強い力が衝突するような音が響いた

 

箒「なんだ…今の音は」

 

一夏「……あの様子じゃ、もう始まっているか。お前ら、行くぞ」

 

俺は全員にそう呼びかけ、音の発信源の元へ行った

 

すると

 

ゼロワン「はあ、はあ…」

 

そこではゼロワンに変身していたカズマと

 

サウザー「……」

 

金色の仮面ライダー、サウザーがゼロワンと対峙していた

 

よく見るとゼロワンの方は苦戦気味だが、それでもなんとか決定打は撃たれてはいなかった

 

あれが、めぐみん達ZAIAが生み出した最新の仮面ライダー 『サウザー』か

 

箒「!あいつ昨日のライダー!?」

 

ゼロワン「やるな…だったらこれならどうだ!」

 

ライジングインパクト!

 

ゼロワンがキーを押し込み、必殺のキックを放つが

 

サウザー「……」

 

サウザーがその蹴りをギリギリで避け

 

更にドライバーに差し込んであるキーを押し込み

 

サウザンドディストラクション!

 

右足にエネルギーが集中し、ゼロワンに蹴りを撃ち込んだ

 

     THOUSAND

     DESTRUCTION

 

ゼロワン「ヤバい!」

 

それをアタッシュカリバーでガードしたが、サウザーの蹴りの威力により完全には防ぎきれず、後方へ吹き飛んだ

 

 

     THOUSAND

          ©ZAIAエンタープライス

     DESTRUCTION

 

ゼロワン「ぐああああああー!!」

 

かなりのダメージは受けたものの、それでも変身解除しなかった

 

サウザー「……上手く武器で威力を軽減させたか…流石はカズマだ」

 

一夏を除く専用機持ち達「「「「「!」」」」」

 

サウザーから聞こえたその声に箒達が驚きの声を上げた

 

箒「!その、声は…お前はまさか!?」

 

サウザーはドライバーのキーを抜き、変身を解除した

 

周りは驚いていたが、特に箒が強く驚いていた

 

そりゃあそうか……自分が出会った仮面ライダーの正体が

 

自身の友人だったのだから

 

シャルロット「嘘……」

 

鈴「マジ…!?」

 

ラウラ「お前だったのか…」

 

セシリア「あ、あなただったのですか……ラ…ララティーナさん…」

 

そう、サウザーの変身者の正体は…ダクネスだった

 

……なんか久しぶりにダクネスの本名聞いた気がしたが、それはともかく俺はダクネスが仮面ライダーに変身していたことはおろか、ダクネスがテストパイロットとして実戦調整やドライバーの性能確認の為に何度も裏で動いてくれていたことは知っていた

 

ラウラ「なぜ…お前が仮面ライダーに…」

 

ダクネス「……私はZAIAエンタープライスジャパンのテストパイロットだ。ISだけではなく、ドライバーの安全有無や性能確認、実戦調整も当然する。それとこれは…私のためのドライバーではない」

 

シャルロット「え?」

 

???「それは、私のためのドライバーだ」

 

そこへ、めぐみんと日傘を片手に白スーツを着た見た目20代の男性が姿を見せた

 

カズマ「……随分遅かったな…」

めぐみんの方を向きながら変身を解くカズマ

 

めぐみん「すみません、本当はもっと早く来れたのですが…」

 

???「彼女が機械道具の後片付けをせずに出ていこうとしたので、私が止めて一緒に片付けしていたから遅れてきたんだ…」

 

一夏「めぐみん……お前まだ出したり使った道具の後片付けし忘れていたのか?」

 

めぐみん「ち、違いますよ!ただ最終調整を施したドライバーの性能を間近で見たかったので後片付けするのを後にしただけです!」

 

???「君ドライバー開発の度に片付けや後始末をせずにいるのだが?」

 

めぐみん「うっ…」

 

一夏「はあ…まあいいけどさ…それより」

 

俺はめぐみん達に目を向けている箒立ちの方を向く

 

???「ああ!申し遅れました。はじめまして。わたくし、ZAIAエンタープライスジャパン副社長兼サウザー課課長『天津(あまつ)(がい)』と申します」

 

そう言うと天津さんは箒達に自身の名刺を手渡した

 

そう、この人はZAIA日本支社の副社長でありサウザー課と呼ばれる特殊な部署の課長をしている

 

ついでに言うとめぐみんよりも前のZAIAエンタープライスジャパンの社長でもあった男で、彼自身も経営者と技術者の側面を持っており、めぐみんがZAIAの社長になる前、刃さんと共にテクノロジー技術と経営のイロハを叩き込んだらしい

つまり現在の立場上社長であるめぐみんの部下ではあるものの、めぐみんにとっては刃さんにも並ぶ師弟の関係にある

 

あとこの人こんな若そうな見た目してるけど実は今年で45歳なんだよな

本人曰く『己を若いと思い続けることが若さの秘訣さ』って言っていたが、この人実は裏で鍛えたり若作りに勤しんでいて、しかも外で歩くときはほぼ日傘を指していて紫外線による老化を気にしているのがよく分かる

 

天津「彼女が使っていたこのサウザンドライバーは私と彼女、めぐみん君と共に作り上げた最高傑作だ。ダクネス君」

 

天津さんがそう言うとダクネスはドライバーを天津さんへ投げ渡し、それを腰に付けた

 

サウザンドライバー!

 

天津「このドライバーはゼツメライズキーも」

 

右手に金色のゼツメライズキーを取り出すと、ドライバーの左の差込口に挿入し

 

ゼツメツ!Evolution!

 

するとドライバーから変身待機音が流れ

 

天津「プログライズキーも両方使える」

 

更に取り出した金色のプログライズキーのスイッチを押すと

 

ブレイクホーン!

 

プログライズキーが開閉した

 

天津「その強さはゼロワンドライバーの1000%」

 

箒「なっ!?」

 

天津「変身」

 

そしてドライバーの右の差込口にプログライズキーを差し込んだ

 

パーフェクトライズ!

 

するとドライバーからはコーカサスオオカブトとアルシノイテリウムのライダーモデルとロストモデルが飛び出し、天津さんの周りを動き回り、最後にはアーマーが展開し、2つのモデルと融合装着した

 

When the five horns cross, the golden soldier THOUSER is born.

 

Presented by ZAIA

 

俺たちの前に、黄金の仮面ライダーが立っていた

 

シャルロット「変身…した」

 

サウザー「仮面ライダーサウザー……私の強さは桁外れだ」

 

セシリア「仮面ライダー…サウザー…?」

 

一夏「さて、これが本日のメインイベント。『最新の仮面ライダーサウザーの初実戦』……ああ、ダクネスがカズマと戦ったから初ではないか……まあいい、この新たな仮面ライダーに、俺たち専用機持ちが戦い…勝てるかどうか実戦しようってのが本題だ。本当は俺一人で相手になるつもりだったんだが、どうせならお前ら全員巻き込んでの大乱闘をしようって考えてお前達を巻き込んだ。天津さんは仮面ライダーサウザーの性能を直で味わい、俺達は相手が亡国企業だと思ってマジで戦う……なあに、これまでは本気でやって傷つけてしまう恐れがあって本気でやれなかった奴も居るだろうが、この最新の仮面ライダーは間違いなく強い。舐めてかかったら、やられるのは俺達だろうな……それで天津さん…もうそろそろいいですか?」

 

サウザー「ふふふ、ああ…いつでも遠慮なく掛かってきた前諸君」

 

一夏「そういうわけだ…行くぞお前ら『白式』!」

 

鈴「最新の仮面ライダーと戦えるなんて、心が踊るわね『甲龍』!」

 

シャルロット「本当なんで僕達ってこういうことばかりするんだろうね『ラファール・リヴァイヴ』!」

 

セシリア「諦めたほうがいいですわよ。もうわたくしは一夏さんに巻き込まれることに慣れましたわ。『ブルー・ティアーズ!』」

 

ラウラ「私は戦えるのならむしろ歓迎するぞ『シュヴァルツェア・レーゲン』!」

 

箒「……『紅椿』」

 

そして俺達は全員ISを纏い、天津さん事仮面ライダーサウザーに立ち向かったのだった



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第53話 ZAIAの仮面ライダー


大学が始まりますので今回はかなり短めです。


 

《一夏視点》

 

セシリア「ティアーズ!!」

 

セシリアのビットがサウザーに襲いかかるが、それをサウザーはなんなくよけ、更に鈴と箒の攻撃も避け、極めつけはシャルのブレードやラウラのワイヤーブレードを両腕で受け止め、力を込めて押し返しそれぞれに一撃を加えた

 

シャルロット「あぐっ!」

 

ラウラ「ぐあああ!!」

 

サウザー「どうしましたか?これでは私には勝てませんよ」

 

一夏「こっちだ!」

 

そこへ雪片を構えた俺が突っ込み、剣を振ったがかわされた

 

サウザー「防御無視の零落白夜…流石にそれは私の装甲でも防ぎきれませんね」

 

鈴「はああああああー!!」

 

よそ見をしているサウザーへ鈴が龍咆による空気団を放ち、サウザーはそれをガードしようと腕を前にしたが、流石に衝撃には耐えきれず、後方へ吹き飛んだ

 

鈴「一斉攻撃よ!!このまま畳み掛けるわよ!!」

 

鈴がそう言うとセシリアシャルラウラ箒と共に遠距離攻撃の雨を降らせた

 

俺も仮面ライダーバルカンに変身しショットライザーで攻撃する

 

バレット!

 

バルカン「これで決める!!」

 

バレットシューティングブラスト

 

トドメの一撃を攻撃を放った

 

そして爆発音と共に土煙が舞う

 

ラウラ「やったか!」

 

めぐみん「いえ、まだです」

 

ジャックライズ!

 

その時

土煙から青色のエネルギー弾が放たれ、それが近くにいたセシリアに纏わりつき、やがて青色の狼型のエネルギー弾に変わり手足に噛みつき拘束した

 

セシリア「ぐぅっ!」

 

シャルロット「セ、セシリア!!」

 

箒「なっ!あ、アレは一夏の…バルカンが放つ必殺技のエネルギー弾…」

 

そして土煙が晴れるとそこには、槍型の武器を持ったサウザーが立っており、槍型武器のした出っ張りを引っ張ると

 

ジャックライズ!

 

またさっきと同じ音声が流れだし、

 

サウザー「ウルフのテクノロジーは頂きました」

 

そして出っ張りが引っ込み

 

JACKING BREAK

 

槍型武器の先端が青く輝いたかと思うと、サウザーが槍型武器を大きく振りかぶると巨大な青色の狼型のエネルギー弾が飛び出してセシリアに噛みつき爆発した

 

セシリア「きゃあああああー!!」

 

今のでISのエネルギー全てを消耗しブルー・ティアーズが待機状態に戻った

 

サウザー「まずは一人」

 

カズマ「お前らー!!それ『サウザンドジャッカー』って言って相手のテクノロジーや能力を盗んでコピーする武器らしいぞ」

 

セシリアを除く専用機持ち「「「「「はあ!?」」」」」

 

なんだその反則装備は

それじゃあまさかあのとき撃った俺の攻撃をコピーしたっていうのかよ

 

ラウラ「セシリアの仇ー!!」

 

一夏「馬鹿!突っ込むな!!」

 

そこへラウラが馬鹿正直にサウザーに突っ込みに行くと今度は何かを取り出した

が、よく見るとそれは刃さんの『ラッシングチータープログライズキー』だった

 

ダッシュ!

 

取り出したそれをサウザンドジャッカーにある差込口に入れ、

 

"Progrise key confirmed. Ready to utilize."

 

そしてラウラの目の前から一瞬で姿を消したかと思うと

 

ラウラの周辺をサウザンドジャッカーで斬る動作をすると、ラウラを囲むようにオレンジ色の斬撃が大量に出現しそれが一斉に飛んできた

 

ラウラ「がああああああー!!」

 

HACKING BREAK©ZAIAエンタープライス

     

すると今度はラウラの機体が待機状態になりラウラは投げ出された

 

シャルロット「ラウラ!!」

 

サウザー「よそ見をしている余裕があるかな?」

 

サウザンドディストラクション!

 

シャルロット「うわあああああー!!」

 

更にそのままの勢いでシャルに接近すると拳に金色のエネルギーを集中させたパンチをくらわせ、シャルまで戦闘不能になった

 

箒「なっ…なんてことだ…」

 

カズマ「僅かな時間で専用機持ちを半分倒したか…」

 

残ったのは俺と箒と鈴

 

不味いな…ライダーのスペックは俺のバルカンよりも上、更に生半可な攻撃は避けるし大したダメージにもならない

俺の雪片なら通るだろうがエネルギー残量を考えたらきつい

しかもあのサウザンドジャッカーは盗んでコピーするっていうチート装備だし

 

キッツ



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小ネタ集③ 織斑一夏の一日


はい、今回もやってまいりました。小ネタ集
今回はこの小説のダブル主人公の一柱、織斑一夏の一日を箒視点で流します。どうぞご覧下さい


 

【午前5時半】

 

一夏と私の朝は早い

 

普段は大体一夏の方が先に起き、私を起こすことが多い

 

朝目が覚めると顔を洗い

ジャージに着替えると、IS学園の外にある運動場に出る

この学園の運動場はとにかく広く、一周で1キロもする

 

毎朝起きるとこれのジョギングを10週(10キロ)ほどする

普段走っているとあとからセシリアやシャルロット、ラウラまでもがランニングに合流してくる

 

鈴も参加することはあるが、大体は不参加だ

本人いわく、朝は弱いらしく。7時まで眠っているようだ

ただ今日は無事起きれたようで、ジョギングに参加している

 

普段は話しながら10週するのだが、時々

 

一夏「おい!俺の前を走ろうとするな!!」

 

千冬「お前の方こそ私の前を走ろうとするな!!それよりお前は少しペース落とすべきではないか?無理すると朝の授業に支障をきたすぞ」

 

一夏「はっ!こっちのセリフだ。アンタこそ、全盛期過ぎた身体で無理して足腰立たなくなっても知らないからな!」

 

千冬「私を年寄り呼ばわりするとは良い度胸だな!お前達ガキ共に負けるどころかむしろ遥かに上回っている事を思い知らせてやる!」

 

一夏「上等だ!こうなったらどっちが先に音を上げるか根比べと行こうぜー!!」

 

そう言うと一夏と千冬さんはものすごい速さで走り抜けて行ったのだった

 

セシリア「……朝から元気ですわね…あのおふた方…」

 

シャルロット「織斑先生に挑発にする一夏もだけど…それに乗る織斑先生も織斑先生だよね…」

 

ラウラ「いや、それよりあのふたり……かなり早くないか?」

 

シャルロット「……そういえば前に、競い合ってる一夏と織斑先生の速さを測ったら、時速55キロって出たんだけど、機械の故障とかじゃないよね?」

 

鈴「……もはや人間が出せる速度ではないし、機械の故障を疑うけど、今走ってるあのふたりを見て、機械の故障だと思える?」

 

そう言われたので私達は一夏と千冬さんの方を見た

 

ふたりは凄まじい速度で走り、すでに私達を2週追い抜いていった

しかもあのペースで走っててまだスピードダウンしないと来た

 

シャルロット「……アレみたら機械の故障じゃなくて、本当にそれだけ速いって納得してしまうよ…」

 

箒「……もはや人間ではないな…あのふたりは…」

 

その後私達は10週走り抜いたがあのふたりは10週過ぎたあとも走り続けているのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前7時20分】

 

結局あのあとも一夏と千冬さんは走り続けていたのだが、朝食を取らなければならないため、やむなく切り上げたようだった

食堂に着くと、一夏や私達も朝食にありつく

 

しかもかなりの量を口にしている

軽く数人分の朝食を結構なペースで食している

……あれだけ走っておいて、対して息切れせずに朝食を食べているこいつは本当に人間ではないかもしれない

 

ちなみに少し離れた席では千冬さんも朝食を食べてはいるが一夏ほど大量には食べていなかった

量も普通より少し多め程度だ

 

そこへカズマ達も朝食を持って合流してきた

 

アクア「ほんと、毎日たくさん食べれるわね」

 

めぐみん「私もよく食べる方ですが、流石に朝からそれだけ食べるのはきつすぎます」

 

カズマ「一夏を普通のやつの枠組みに考えないほうがいいぞ……普通に異常だからこいつ」

 

ダクネス「まったくだ。…よくあれだけ食べて太らないな」

 

鈴「でも逆に聞くけど、毎日あれだけハードに動いている人が太ると思う?」

 

セシリア「い、言えてますわね…」

 

一夏「お前ら…言いたい放題言いやがって」

 

本音「あ、おりむーおはよー。今日もいっぱい食べてるねー。今日お茶漬け食べるー?」

 

一夏「お、いいな。シメはお茶漬けにするか」

 

ラウラ「なっ!?またあのグロテスクな見た目のアレを作るのか!?」

 

アクア「あ、ヤバい…一瞬頭に浮かんだだけで」

 

シャルロット「ちょっとアクア!?想像しただけで吐きそうにならないで!?」

 

箒「作るな一夏!!食べたいならせめて他の誰も居ないところで食べてこい!!」

 

私を含めた何名かは一夏特製(ごちゃまぜ)お茶漬けの見た目に耐性が無いため場に出てくるとどうしても一波乱になるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前10時20分】

 

授業中は皆真面目に受けており、先生から問題を聞かれても私達(会社組、専用機持ち組)は間違えずに答えることができる

 

まあ私の場合は勉強をしっかりと教えてくれる男が居るおかげなのが大きいが

 

しかし授業中に授業と関係ないことをしたり居眠りをすると

 

パーン!←出席簿アタック

 

……今みたいに千冬さんの出席簿アタックが飛んでくる

 

しかし、基本的には厳しい千冬さんなのだが

 

カズマ「……」ウトッウトッ

 

千冬「……おい、佐藤」

 

カズマ「あ!すみません織斑先生。つい眠くなって」

 

千冬「……また夜遅くまで仕事をしていたのか?」

 

カズマ「はい…最近また会社の事業拡大のために仕事量が増えてまして、どうしても時間が足りなくて…一日24時間じゃ全然仕事が終わらないですよ。一日は72時間くらいじゃなきゃとてもやり切れません」

 

千冬「そうか…だが授業中に眠るのは感心しないな…もう少しだけ頑張れ。後10分でこの授業は終わる。そしたら休み時間に仮眠を取れ。それとお前はまだ成長期だろう。夜遅くまで起きておくのは身体に毒だ。今日は早く眠ることだな」

 

カズマ「はい…」

 

……カズマみたいな事情があっての居眠りをする相手には優しく対応してくれる

 

余談だが以前軽く居眠りした一夏に出席簿アタックしたことがあったがその時には一夏はキャッチして逆に投げ返して軽く乱闘になったことがあった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後12時20分】

 

昼食は食堂か屋上で弁当を食べるかのどちらかだ

 

今日は食堂で食べることになり

皆昼食をテーブルに持って来て食べ始める

 

この時間は基本的に昼食を食べながら駄弁ったりする私達にとっては心の安らぎの時間だ

 

……そして相変わらず横にいるこの男はまた大量の昼食を食べる

 

鈴「あ、このチャーハン素材変えたわね。使っている油を別のものに変えて味変させてるわ」

 

箒「よくそんなことが分かるな」

 

一夏「流石は中華料理屋の娘だ」

 

カズマ「一口食べただけで箒の作った唐揚げの素材を言い当てたお前が言ってもなあ…」

 

シャルロット「ってカズマとめぐみん、ご飯食べながら片手で仕事?」

 

私達と一緒に食べているカズマ達会社組のそれぞれのトップのふたりは昼食を片手にもう片方の手で資料を読んだりパソコンを打ち込んだりしてとても気を休めていなかった

 

カズマ「やることは多いからな…休んでいる時間はねえよ。ただ、最低でも今やってる分を夜までに終わらせて今日はさっさと寝るとするよ」

 

シャルロット「さっきの授業のやつが身に沁みているね…」

 

一夏「社長は少し休むべきだろう。俺みたいに夜はさっさと寝る生活にしなきゃ、まじで身体壊すぞ」

 

箒「……」

 

身体壊すどうこう言っているが……逆にあれだけ激しく動いているお前はなぜ壊れないかが不思議でならない

 

そう思ったが敢えて言わないことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後2時】

 

体育の授業のため体育着に着替え外に出る

 

今日の体育の授業は『サッカー』だ

 

この学園は女子生徒が9割以上居るため、男子ふたり(一夏とカズマ)はそれぞれ別々のチームでやるのだが、そうなると必然的に一夏のいるチームが無双するのが目に見えており、しかも一夏のドリブルやディフェンスは生半可な者が止めようとしたり突破しようとすると逆に怪我人が出かねないため一夏にはハンデとしてシュート禁止+素早く動けないようにするための重りを付けてのプレイをすることに……だが、一夏はそんな重りをものともせずに全然早く動くのだった

……あの重りは確か両腕両足合わせて40キロは合ったはずなのになぜ周りよりも早く動けるんだ

 

そこでそんな一夏に対抗するために相手チームには千冬さんが参戦して試合をする事になった

無論千冬さんも一夏と同様のハンデを付けて試合をするのだったが…千冬さんも千冬さんもで一夏同様規格外な身体能力で動くためにハンデにならず、しまいには一夏VS千冬さんの姉弟対決になり周りはついて行けず、もはや全員見ていることしかできなかったのだった

 

…………あのふたり絶対人間じゃない…そう思ったのは私だけではないはずだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後4時】

 

本日の学業全てが終了し、一夏はいつものようにアリーナで特訓し、それに付き合うがほぼ私がフルボッコにあってばかりだ

 

これを夜ご飯の時間まで続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後8時】

 

夜ご飯は基本的に毎日交代交代で作っている

昨日は私で今日は一夏の番だ

 

一夏は私の作る料理をいつも美味しい美味しいと食べてくれるから作り甲斐がある

 

そして一夏の作る料理もとにかく美味しく、今まで不味かったことやハズレな料理を作ったことはなかった

 

本日は一夏特製カレーライスと野菜スープ

そしてデザートに街の有名ケーキ屋で買ったシュークリーム

 

一夏の晩ごはんにはいつもデザートを付けてくれるので私は密かに一夏が晩ごはんを作る日を楽しみにしている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後10時】

 

晩ごはんを食べ終えたあとは夜の10時になるまで自由に過ごし、10時にはベットに入り就寝する

 

一夏は眠るのが早く、私はいつもの一夏が寝たあとに眠っていることばかりだ

 

さて、明日も早いし…私も眠るか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おやすみ     一夏





とりあえず今後の方針として、小説投稿は週一(この小説以外のも含めて)投稿を心がけ、時間があれば2回投稿もやっていくことにします。


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第54話 信じる心

 

《カズマ視点》

 

カズマ「想像以上の出来だったな…サウザンドドライバー」

 

めぐみん「フフッ、そうでしょう。なんていったって、あれを完成させるために…これまで多くの戦闘データ、更にはプログライズキーやゼツメライズキーのデータ、更に試行錯誤してドライバーを垓さんと完成させました。とはいえ、かなり時間をかけました。主にデータ収集にですけど」

 

カズマ「俺もそれの手伝いしたよな」

 

めぐみん「アレには本当に感謝してますよ。本来、他社の社長である貴方が見返り無しで私達に協力してきたのは信じられないことですよ」

 

カズマ「見返りならあるさ。一緒に戦ってくれるって言う見返りがな」

 

ダクネス「カズマ、勘違いをしない為に言っておくが私達はたとえお前がデータ集めに協力せずともお前に協力は惜しまないつもりでいる」

 

カズマ「フッ、まだあのときのこと気にしているのか?」

 

ダクネス「私にとっては一生の恩だ。助けが欲しいときは、私もめぐみんもお前の助けになるって決めたからな」

 

カズマ「……持つべきものは頼りになる友だな」

 

めぐみん「そう言って頂くと、とても嬉しいです。話は戻しますが正直、サウザーはもう少し苦戦するとは思っておりましたが、これではサウザーが勝ちますね…現時点でサウザーに唯一勝てそうな一夏があれだけ疲弊しているようではなおさら」

 

カズマ「……いや…それはまだわからないぞ……それに、この戦いの勝利の鍵を握っているのは一夏だけじゃない……」

 

めぐみん「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《箒視点》

 

箒「はあ…はあ…」

 

鈴「はあ…はあ…」

 

一夏「チッ……無駄に硬いな…それにこっちの攻撃も避けやがる…まるで社長のシャイニングホッパーみたいにな……」

 

サウザー「フフッ、よく気づきましたね。この仮面ライダーサウザーは演算処理装置『サウザンドシグナル』によって敵をラーニングし数万通りもの行動予測をすることが可能だ…その予測能力は、ゼロワンのシャイニングホッパーをも上回っている」

 

鈴「げぇ、あの超反則能力の上位互換を兼ね備えてるなんて、敵からしたらこれ以上ないくらいやりづらいわね」

 

一夏「全くだ。予測能力があれば格上相手にも勝ててしまうシロモノだ。今まともにダメージを通せるのは俺のワンオフアビリティーだな…だがあれじゃあ攻撃を当てるのも一苦労。おまけにエネルギーもかなり消費している。仮面ライダーに変身しようものならテクノロジー奪われそうだしやりづれえ…」

 

箒「……」

 

今現在、私達は追い込まれている

天津さんの変身する仮面ライダーサウザー

その力は私達全員の総力でも太刀打ちできずにいる

 

このままでは私達が負ける

 

箒「い、一夏…」

 

一夏「どうした箒」

 

箒「あ、いや…その」

 

 

一つ

この不利な状況を覆すことができる方法がある

 

だがアレはまだ未発動

どれだけ練習をやっても発動することのできなかった私のワンオフアビリティー…絢爛舞踏(けんらんぶとう)は一夏のIS、白式の持つありとあらゆるものエネルギーを消滅させる完全防御無視のワンオフアビリティー、零落白夜と対をなすもので、その効果はエネルギーを増幅させるというものだ。このアビリティーを任意に発動することができればエネルギー消耗の激しい白式の零落白夜をほぼ無制限に発動することができる

 

エネルギーを消滅させる白式に対して増幅させる紅椿

おそらく姉さんはこの2つをコンビ運用させる前提で制作をしたんだと考えられる

 

発動さえできればこの状況を覆すことができるのに……いや、無い物ねだりをしても仕方がないか……

 

でも発動したい…間違いなく私はふたりの足手まといになっている

 

これ以上足を引っ張りたくない

最悪私が囮になってでも

 

一夏「鈴」

 

鈴「なあに」

 

一夏「悪いが、少しの間一人で天津さん抑えていてくれないか?」

 

箒「!」

 

鈴「わかったわ」

 

一夏「……即答だな。自分から言っておいてなんだがいいのか?相手は俺たちがまとめてかかっても相手にできるくらい強いって言うのに」

 

鈴「正直、現状アレに勝てるビジョンが浮かばないけど、なにかあるんでしょ?勝つための方法」

 

一夏「まあな…ただそれは、箒次第だがな」

 

箒「え…」

 

鈴「なら、あたしはふたりを信じて抑えとくわ…ああでも、別にあたしが倒してもいいでしょ?」

 

一夏「!……フッ、ああ…倒せるならな」

 

鈴「うん!じゃあこっちは任せて!!」

 

そう言うと鈴はサウザーに飛びかかりながら攻撃し始めたのだった

 

箒「……」

 

そして私と一夏のふたりだけになってしまった

 

一夏「箒ってさあ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして本気出さないのか?」

 

箒「…え?」

 

え?

 

それはどういう

 

一夏「この際だから言うが箒、お前の実力はそこらの代表候補候補生はおろかセシリア達と遜色ないからな?」

 

箒「なっ!?」

 

私が…セシリア達と……いや、そんなはずは

 

もしそうだとしてもなぜ

 

一夏「けどお前はいつも本気を出しちゃいない……いや、俺の記憶の中では最後に本気を出したのは学年別トーナメントの時だったな……臨海学校の時は初めて使う専用機の性能に振り回されるのをどうにか抑えていたって感じだった……だがその後は明らかに本気を出してない戦いが目立っていた。俺を含めた戦いをある程度こなしてきた実力者にはそいつが本気を出しているかいないかを見抜く力がある……なあ箒、お前さ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつ本気の出し方忘れちまったのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴「はあ…はあ…」

 

サウザー「フム……多勢で戦うときよりも動きが良くなっていますね……凰君……君はひょっとして、多勢で戦うことよりも一人で戦ったほうが力を発揮するタイプではないですか?」

 

鈴「……さぁ…」

 

サウザー「ですが、いくらなんでも私をたった一人で相手にするのは些か無謀だと思いますが…そこのところはどう考えていますか?」

 

鈴「……さぁね…ただ一つだけ言えることは……あたしは後のことを気にせず、前だけを見て戦えばいいのよ…!」

 

サウザー「ほう…それで君が敗れることになっていても?」

 

鈴「これでもあたしは一夏とは付き合いが長くてね…なんとなく、アイツならどうにかしてくれるって思っている……それと、今はまだ迷っている箒だってやってくれるって信じているわ…なんて言ったってあの人外外道を好きになった女で、あたしの友達だから!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「お前は自覚していないかも知れないが、戦うときに全力を出していない…それだけでなく、タイマンじゃない限りお前自身は前に出て戦わず、サポートや補助に回っている。これが俺や鈴、ラウラならもっと前に出てガンガン攻めているぞ。まあセシリアとシャルはどちらかといえばサポートメインなところがあるが、アイツらはアイツらで全力でやっているからそれはいい、何だったらチャンスさえあれば全然前に出ているしな。けどお前は違う…常に守る戦いに徹して攻めないでいる。さっきだってそうだ。俺や鈴、ラウラは攻めて、シャルとセシリアはサポートしながら前に出ているのにお前は一番後ろからのサポートにのみ徹している……」

 

箒「……」

 

一夏「別にサポートにまわることが駄目なんて言ってんじゃねえよ。それも立派な戦術……攻めるだけが戦い方じゃないからな………けどサポートや補助ばかりで攻めないのはお前本来の戦い方じゃねえだろ」

 

箒「!」

 

一夏「なあ箒……この際だからはっきり言うぞ………お前は何を恐れているんだ?」

 

箒「!わ…私は…」

 

一夏「失敗を恐れているのか?それとも足を引っ張ることを恐れているのか?……そりゃあ恐れるのは当然だ。俺だって戦うときにヘマしないか、失敗しないか警戒する。でもな…俺はいつだって自分自身を信じている。絶対上手く行くってな。お前は実力に申し分ない。あとは精神的な問題だ。箒、よく覚えておきな。自分の心を救えるのは自分だけだ。俺みたいな他者に出来ることは手助けしてやることだけだ……」

 

一夏はそう言うとショットライザーを取り出し

 

一夏「…お前に今一番足りないものは…お前の心にある……それを見つけろ……そして自覚してみろ…………俺はお前を信じているぞ……変身!」

 

仮面ライダーバルカンに変身し、天津さんの元へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「……」

 

私は…いつもそうだ

自分に自信がなかった

 

どれだけ鍛えても、どれだけ己を追い込んでも

いつだって自分を信じきれていなかった

 

一夏と勝負するときや、鈴達と勝負するときも心の何処かで『どうせ勝てない。私程度では勝つことができない』

 

極めつけは一緒に戦うことになったときもそうだ

 

他よりも劣っている自分がいることが場違い

足を引っ張ってしまうかもしれない

私のせいで負けてしまったらどうしよう

 

一度そう思ってしまうと前へ行くことに恐れを抱いてしまう

 

一夏は私に言った

 

私自身の実力はセシリア達と遜色がないと

あと足りないものは私の心にある

 

でも…私は強くなんか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺はお前を信じているぞ』

 

箒「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《一夏視点》

 

バルカン「ふぃー…まさかアサルトウルフでも勝てねえのかよ」

 

サウザー「いやはや、凰君といい君といい、一人で戦った方がむしろ強くなっていないかな君たちは」

 

俺がサウザー、いや天津さんと鈴の元へ行くとすでに鈴は倒されており、俺は出し惜しみなんてしている場合ではないと考えアサルトウルフにフォームチェンジして戦ったが、それでもサウザーは強く、ダメージこそ与えられたもののやはり決定打にはならなかった

 

サウザー「さて、どうするかな?私としてはもう充分過ぎるほど実戦データは得られ、更には改善点も見受けられた。ここらで終わりにしても」

 

バルカン「天津さんよ……アンタ忘れてないか?俺はかなりの負けず嫌いだってことをなあ……それと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ勝負は終わっちゃいねえ!」

 

サウザー「!」

 

その次の瞬間、横からレーザーが放たれそれをサウザーがサウザンドジャッカーで防いだ

 

バルカン「……」

 

レーザーが飛んできた方を見ると、そこには

 

箒「……」

 

ISを解除し、部分展開のみをした箒が空裂と雨月の両方を握っていた

 

サウザー「ISを使わずに生身で相手をするつもりですか?そのつもりならこちらも容赦はしない!!」

 

そう言うとサウザーはサウザンドジャッカーを振りエネルギー刃を飛ばした

 

箒「!」

 

それを箒は走りながら空裂を振りエネルギー刃を飛ばして相殺させた

 

サウザー「!」

 

そしてサウザーの近くまで来ると持っている2つの武器で斬り掛かった

 

それをなんなく防ぐサウザーだったが箒はドライバーを蹴飛ばしサウザーを仰け反らせた、更に蹴った反動を利用して空中回転しながら二本の武器で斬った

 

サウザー「ぐあ!……まさか生身の貴方にやられるとは」

 

天津さんも流石に生身の相手に攻撃を当てられたことに驚きつつも、警戒を解かない

 

バルカン「……やっと気がついたみたいだな……お前に足りないもの」

 

箒「……ああ…やっとわかった……私が本当にたりなかったものを…」

 

そう言うと箒はISを再び装着した

 

すると

 

箒「!一夏!今なら使えるぞ!」

 

箒のIS、紅椿が紅く光りだしたかと思うと手の方に紅い光が集まった

 

バルカン「そうか!なら」

 

俺は変身解除をし再び白式へ

 

箒「これが…絢爛舞踏……受け取れ!一夏!!」

 

そして箒の手から離れた紅い光が白式に当たると

 

一夏「……エネルギーが回復してやがる……ついにやったな箒!」

 

箒「ああ!……すまない一夏!!今まで迷惑を掛けて!掛けた分の迷惑は戦いで返す!」

 

一夏「お、言ったな?なら俺も遠慮なくお前を前に出すがいいよな?」

 

箒「ああ!問題ない!!なぜなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は誰よりも強い!

 

一夏「!」

 

その時の箒の顔を見たとき…俺の頭にある思い出が蘇った

 

幼い頃 剣道の大会があったとき、箒がラストを締める大将戦

前回の剣道の大会で箒を負かした相手と対戦することになり、緊張し全力が出せないでいた

そんな箒を見かねた俺は箒にこう言った

 

過去一夏『箒、大丈夫だ…箒なら勝てる。でも実力で勝てても心で負けてしまったら試合に勝てないぞ。だからお前に絶対勝てるおまじないを教えるぞ』

 

過去箒『お、おまじない?』

 

過去一夏『【私は誰よりも強い】だ。これを心の中で思っていれば勝てるよ。しっかりしろ…お前の強さは俺も千冬姉も保証する……行け!』

 

そして箒は試合に勝ち、俺達は優勝した

 

過去一夏『やったな箒!な、言ったとおりだろう?なぜなら』

 

過去箒『【私は誰よりも強い!】』

 

過去一夏/現在一夏『!……フッ』

 

あのときのことを思い出し、つい微笑ってしまった

 

一夏「行くぞ、箒!」

 

箒「ああ!一緒に!」

 

俺と箒はそれぞれが武器を持ち、サウザーに立ち向かった

 

一夏/箒「「はああああああー!!」」

 

箒は自分自身の力に過信することはない

それは新しい力(専用機)を得たときも、厳しい訓練をやり遂げたとしてもだ

だからこそ箒は強くなっても力に溺れることはない

俺はそう思った

 

それが箒の長所であり、短所でもある

 

この自分を過信しないというものはいい意味で言うと謙虚、悪く言い換えれば己を信じないことでもある

 

箒は自身がどれだけ鍛えても、専用機を得ても自分は強くなってない

 

そう強く思うことで無意識のうちに自身の力をセーブしてしまっていた

実際箒は普段から全力の半分行くか行かないか程度しか発揮出来ていない

 

つまり箒は自分に自己暗示を掛けることで、本気を出せないでいた

 

だが

 

一夏「今だ箒!」

 

箒「はあああああ!!」

 

今やっと箒は、自分に足りないものを理解した

 

その結果今の箒は、今までよりも強くなった

 

そして

 

《カズマ視点》

 

カズマ「勝負あったな」

 

めぐみん「まさか…こんなことが…」

 

ダクネス「だが…今目の前光景が現実だ……だが…私もこうなるとは思っていなかった…」

 

カズマ「なっ?言ったろ…この戦いの鍵を握るのは一夏だけじゃないって……そして箒に足りなかったもの……それはシンプルかつ単純…だがだからこそ誰もが持ち合わせているもの……自分を信じる心

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自信だ

 

 

そう俺は目の前の光景

 

箒の攻撃をサウザンドジャッカーで防ぐサウザーだったが、後ろに回り込まれ、零落白夜を発動させた雪片を向けた一夏

 

これにより、勝負は決したのだった



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ifルート➅ 平行世界の学園

 

まだ朝日が登り始める少し前

一夏と箒の部屋に近づく複数の影が

 

平行箒「ここか?」

 

平行ラウラ「うむ、昨日この部屋に入っていくあいつらを見た。ここがあのふたりの部屋だろうな」

 

平行鈴「ふたりがあの部屋に入ったってことはふたりともここで生活するってことだから……」

 

平行シャルロット「そ、それってつまり、」

 

並行セシリア「違う世界の一夏さんと箒さんは」

 

平行世界一同「「「「「(一緒に寝ている!?)」」」」」

 

平行世界の箒達は、違う世界から来た一夏と箒のことが気になり部屋に入ろうとしている

 

平行セシリア「ち、違う世界とはいえ、一夏さんと同じお部屋で一緒に眠るなんて……」

 

平行箒「ふ、ふん///まあ良いではないか。平行世界とはいえ、一夏が私と一緒になるのは必然だ。なぜならアイツは私と結ばれる運命にあるのだから!」

 

平行鈴「はっ!未だに一夏に告白するのを渋るヘタレのアンタがなにを言っちゃってるのよ!」

 

平行セシリア「それは鈴さんにも言えることではありませんこと?」

 

平行シャルロット「は、はははは…何だったらここにいるみんなそうだと思うよ…」

 

平行ラウラ「告白も何も、嫁は私のものだろう」

 

そこから全員言い合いになった

やれ一夏は自分のだ

やれ結ばれるのは自分だと、互いの気持ちがぶつかりあった

 

平行シャルロット「そ、それより…中に入らない?廊下で言い合いしている姿なんて誰かに見られたら、それこそ織斑先生に通報されるかもしれないから」

 

平行ラウラ「うっ…たしかにそうだな…」

 

平行鈴「ねえ!まだ開かないの?いつもアンタが一夏の部屋に侵入するみたいにさっさとキーピックで開けなさい!」

 

平行ラウラ「うるさい!もう少しで開けるから待て」

 

そうしてしばらくすると

 

平行ラウラ「……よし、開いたぞ」

 

そのラウラの言葉を聞き、箒達が次々と部屋に入っていく

 

平行鈴「中は……そんなにものが置いてないわね」

 

平行セシリア「元々ここは空き部屋だったようですので、きっとその名残なのでしょう。少しホコリっぽいですし」

 

平行箒「そ、それよりも…あのふたりは…」

 

平行シャルロット「え?あれ?…ふたりの姿がない!?」

 

部屋に入ったものの、ふたりの姿はどこにもなく、周りを見て回る5人だったが、結局違う世界の一夏と箒の姿はどこにもなかったのだった

 

平行ラウラ「な、なぜだ…なぜこの部屋にいない」

 

平行鈴「ア、アンタ!本当にこの部屋だったのよね!?もしかして部屋間違えたなんてオチじゃないでしょうね!?」

 

平行ラウラ「た、たしかに私はこの部屋に入っていくふたりを見たのだぞ!そのふたりがここにいないのは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「ほう〜?人様が毎朝の日課(走り込み10キロ)の為に留守にしている間に不法侵入とは…良い度胸だな」

 

平行世界の娘たち「「「「「!?」」」」」

 

その声に驚き箒達が振り返るとそこには、顔に汗を流している一夏と箒のふたりが立っていた

 

箒「お、お前達…なぜ私達の部屋に無断で入ってきている…」

 

一夏「んー、まあそんなの本人たちから聞けば住む話だな。あ、箒先にシャワー浴びてて良いぞ。俺はちょっとこいつらとかるーくオハナシするだけだから、ほんの4、50分ほどオハナシするだけだから」

 

箒「あ…ああ……その、一応お手柔らかにな…」

 

一夏「それはこいつら次第だな」

 

そう一夏が言うと箒はシャワールームへ逃げるように行った

 

一夏「さてとお前ら……鍵を無理矢理開けたことや、不法侵入したこと……詳しく聞こうじゃねえか……ああ念の為言っておくが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺に嘘が通じると思わねえことだな?

 

平行世界の娘たち「「「「「!!」」」」」

 

このあと、一夏は平行世界の箒達を跪かせて説教をしたのだった

 

その時の一夏は優しく笑顔を浮かべていたが、箒達には一夏の背後に白い獣(白虎)の姿が見え、怯えながら説教を聞くのだった

 

そして全員が『私達の知っている一夏じゃない!』と心の中でそう思ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《一夏視点》

 

一夏「─────でだ、ここまで長ったらしく話したがこれ全部を覚える必要はない。実際に覚えるべき点は、今話した部分の四分の一にも満たねぇ。あとこの問題と類似した物があるがその場合はこの方程式を使えばいい。まあこの方程式自体、さっき話した方程式と差して違いは大きくない。要はアルファベットでいう大文字と小文字程度の違いだ。ああちなみにこの部分は」

 

平行千冬「……おい平行世界の織斑…その…もう…結構だ」

 

一夏「あそう?じゃあここらで俺の授業は終わりにする。あ、さっきの授業で分からないところがあったら遠慮なく聞いてくれ」

 

平行世界のIS学園に来た翌日

 

俺と箒はこの学園の警備の為学園中を見回っていた

 

今こうして普通に学園にいるのだが、この学園に来た翌日

平行世界の学園長の計らいで朝の学園集会で俺と箒のことを全生徒に話すことになった

 

正直平行世界の存在だとか、違う世界の織斑一夏と篠ノ之箒の存在を話すのは俺としては話すべきか悩んだのだが、この学園にいる以上早めに話しておくほうがいいと考え、俺と箒は全生徒の前で自己紹介と軽く俺達の生い立ちを話した

そして最後に俺がここに来ることになった理由を納得させるために全員の前で『これも全部篠ノ之束ってやつの仕業だ』ってあのバカ兎のせいにした(まあほぼ、いや100%あいつのせいだが)

そしたらその場にいた全生徒全職員の殆どが納得した

でもあの言い方だと俺の世界の篠ノ之束ではなくこの世界の篠ノ之束の仕業だと思われそうだとあとになって気づいたが……まあ別に良いや、この世界にしろ違う世界にしろ、篠ノ之束が人様に迷惑をかけないわけがないからどっちのせいにしても(暴論)

 

んでついさっきのは

俺がたまたまこの世界の俺や箒、セシリアとシャルにラウラがいる教室で千冬姉の授業を受けていたのを教室の後ろで見ていたら、授業に答えられなかった生徒に向かって出席簿を投げて来ていたので俺がそれを受け止め、そのまま千冬姉に『問題答えられなかった程度で体罰なんざするな』って怒り、更には『アンタの授業は教科書の内容をそのまま話しているようでつまらないし他の生徒がついていけていない』と言い、それに頭にきたのかこの世界の千冬姉が『ならお前が授業をしてみせろ!』と言ってきたので俺が黒板の前に立ちそこから授業の解説と方程式の説明に例題を出して分かりやすく優しく教えた

 

すると周りの生徒は俺の授業を分かりやすいと言い、しまいには本来この授業で習わない次の授業のものまで解説したのだが周りがそれについて行けていたので俺もそのまま解説を続けようとしたが千冬姉に止められた

おそらく千冬姉自身。俺がここまで授業を簡潔に分かりやすく解説してくるとは思ってなかったのか

教師としてのプライドがズタズタになったのか、さっきまでの強気な姿勢が崩れていた

うーん…正直俺の世界の千冬姉はこっちの千冬姉より授業を分かりやすく教えていただけでなく、授業中に眠っていたり授業を聞いていないとかではない限り叩いてくることはなかったので、恐らく教師としては俺の世界の千冬姉が優っている

 

そんで昼食時間になると俺と箒の周りには多くの生徒が集まってくる

 

平行本音「うわー、違う世界のおりむーって、こっちのおりむーと似てるけどちがうねー」

 

平行箒「違うなんてものじゃないぞ」

 

平行ラウラ「ああ、もはやお前は誰だって聞いてしまうレベルだ」

 

一夏「そういうお前は、俺の世界と変わらず、のほほんとしているな本音」

 

平行本音「え?」

 

平行シャルロット「え?」

 

一夏「ん?なにか変なこと言ったか俺?」

 

平行本音「ううん、こっちのおりむーは私の事『のほほんさん』って呼ぶからー」

 

箒「のほほん?」

 

一夏「……あ、布仏本音だからのほほんってことか。中々上手いあだ名考えたなこっちの俺。俺は普通に名前で呼んでいるが……帰ったら向こうの本音のことそう呼ぼっかなあ…」

 

平行本音「ねえねえー、他のみんなとこっちのみんなって他に違いとかあったー?」

 

一夏「んー、そうだな…専用機持ち達は性格の違いとかが目立っていたが…他の奴は大した違いはなかったな……静寐とか清香とか麻耶先生とかもあまり俺の世界と違いがなかったぞ」

 

平行本音「うわー、みんなのこと下の名前で呼ぶんだ〜」

 

平行鈴「って、山田先生のことも名前で呼ぶのね」

 

一夏「まあーな、ちなみに俺以外の奴らも下の名前で呼んでいるぞ…」

 

平行一夏「それにしても、お前すごいなさっきの授業解説。すげぇ分かりやすかったしあの千冬姉がタジタジになったのなんて初めて見たぞ」

 

一夏「別に大したことねえよ。俺にとっちゃー前に習った所を普通に話しただけに過ぎねえから……それ以前に俺はA.I.M.S.だぞ?当然ISの知識は頭の中に詰め込んでるからな?」

 

平行シャルロット「へえ〜…あ、じゃあそっちの一夏って普通に勉強できていたりするの?」

 

一夏「んー…一応な」

 

箒「一応どころではないぞ。本人曰く小中すべての学業常にトップだったらしいぞ…」

 

一夏「もっというと、IS学園に入学してから勉強に困ったことなかったな……学年の成績は3位より下にはなったことないし……ちなみに言うと、こっちの箒も学年の成績を15位より下になったことはないからな」

 

平行一夏/平行箒「「はあ!?」」

 

一夏「ん?その反応……もしかしてだがそっちのお前らって……」

 

平行一夏/平行箒「「……」」

 

一夏「……はぁ…お前ら………もう少し勉強しろ」

 

箒「………(逆だったかもしれない)」←一夏が勉強を教えてくれなかったら今の成績はおろか学年でも下位になっていたかも知れない





突然ですが最近ネタ切れとモチベーションがキツくなっていますので少しの間リフレッシュするためとネタを考えるために投稿ストップしたいと思います。


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ifルート⑦ 違う世界の姉


一ヶ月投稿が遅れて申し訳ございました!!

今も大学の課題提出とモチベーションを持ち直すのに尽力しております。

今回はいつもよりも短めです。


 

平行千冬「む?」

 

その日、今日の仕事を終えた千冬は自身が使っている寮の部屋に帰ってきたのだが

 

平行千冬「……鍵が開いている?」

 

ドアノブに触れると鍵が掛かっておらず、簡単に入ることができた

 

平行千冬「……なぜ鍵が……誰かが侵入したのか……いや、この学園でそんな命知らずな事をするバカはいないだろうな……」

 

そう思いながらも千冬は部屋に入ると違和感を感じた

 

平行千冬「……部屋が臭くない?…それになんだこの匂いは」

 

やがて千冬は電気をつけるために壁のスイッチを押した

 

すると

 

平行千冬「なっ!?」

 

電気をつけ部屋を明るくすると、部屋は綺麗に片づいており、更にはテーブルには料理が置いてあり、よく見るとテーブルに置いてある料理の一つである味噌汁からは湯気が立っており、少し前にできた料理であることがわかる

 

平行千冬「な、なぜ部屋がこんなにも綺麗に……それになぜ料理が用意されている!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「そんなの俺がやったからに決まってるだろ?」

 

平行千冬「!」

 

突然後ろから声がしたので驚いて振り返ると、違う世界の自身の弟である織斑一夏が立っていた

 

一夏「まったく…いくらなんでも油断しすぎだろ…声かけるまで気づかなかったとはな…もし俺がアンタを狙う殺し屋かなんかだったらとっくに背後からブスッと行ってたからな?」

 

そう言われて腹が立った千冬だったが確かに自分が油断し過ぎていた事を自覚した

 

ここには腕利きの教員や高いセキュリティーが備わっていたが、外部からの侵入は過去にも何度かあったため、学園内でも警戒しなければならなかったのだから

 

いやそれよりも

 

平行千冬「なぜお前が私の部屋にいるのだ!どうやって入った!!」

 

一夏「いやどうやっても何も、鍵掛かってなかったし…」

 

平行千冬「は!?」

 

一夏「俺の所の千冬姉の部屋は汚かったからどうせアンタの部屋も汚いと思ってたからついでに片付けでもしてやろうと思って部屋の前に来たら鍵開いてたからそのまま入って片付けをしたんだが………流石は千冬姉……世界が違えど家事能力と私生活力0の女なのは変わり無しだ」

 

平行千冬「ギッ!貴様!」

 

一夏「おっと、怒るか。だが俺は間違ったことは言っちゃいねえよ。部屋に散らかっている大量のビール缶にツマミの残骸、更には下着類に散らばった資料……とても24歳が使っている部屋とは思えないな……」

 

平行千冬「だ、黙れ!ガキが大人の私生活に口出しするな!」

 

一夏「大人!?今大人って言ったか?24にもなって部屋の整理整頓もできてねえ、今どきの小学生の部屋よりも汚い部屋にしておいて大人だって?しかも家事能力がそこらの少年少女よりも低いくせにか?どうせアンタも俺の世界の千冬姉同様、家事類をこの世界の弟に頼りすぎた結果なんだろ?…」

 

平行千冬「ウッ…」

 

一夏「部屋が汚え、家事できねえ、更には酒癖も悪い……アンタみたいなのを何ていうかわかるか?……『ま』るで『駄』目な『オ』トナ……略はして『マダオ』だな」

 

平行千冬「ゴフッ!」

 

違う世界とはいえ、弟にここまでキツく言われた事に心にダメージを負った24歳

 

一夏「はぁ…別によお…家事とか完璧にやれだとかそんな難しいこと言うつもりはないが、せめて最低限の事はできるようになれよなあ…でなきゃマジでアンタ行き遅れになるぞ?」

 

平行千冬「ぐっ…!」

 

一夏「……まあいいや…どうせ普段からまともな飯食ってないだろうなって思ったからついでに飯作ってやったから…さっさと座んな…」

 

そう一夏が言い2つの茶碗に米を入れテーブルに置いた

 

それに千冬はなにか言いたげだったが結局一夏の言うことに従い、座りだし食べ始めた

 

平行千冬「……美味いな……貴様も仕事をしていてもここまで家事ができるのか」

 

一夏「仕事が忙しいからと言って家事をおろそかにしていい理由なんざないからな」

 

そう淡々と言いながら二杯目を入れる

 

平行千冬「……そういえば聞きそびれていたが……お前の世界の私は一体……」

 

と、平行世界の千冬は一夏に聞いてきた

 

一夏「……そうだなあ…まあある程度の事は箒が言っていた通りだな……いつも自分のことよりも他人を優先する…そんな姉だったな………俺がガキの頃からそうだった……ただ、俺はそれがずっと嫌で嫌で仕方がなかった……自分の幸せを一切考えないその姿勢がな…」

 

平行千冬「……」

 

一夏「……俺の世界の千冬姉はな、昔…ある罪を犯して以来…自分は決して幸せになってはいけない……他の人のような人並みの幸せを得てはならない……そう思いながら生きていた」

 

平行千冬「……」

 

一夏「ずっとだ…ずっと千冬姉は、自分が犯した罪の意識に苛まれていた……けどな、それを救ったのが他でもない…うちの社長だったわけ」

 

平行千冬「なっ!?」

 

一夏「フッ…驚いたみたいだな?そう……何年も何年も苦しんでいた千冬姉の心を救ったのは……自身の生徒だった……それからだ……千冬姉が、自分の幸せを考えて生きていくようになったのはな」

 

平行千冬「……そう…だったのか…」

 

一夏「まあそれもあってか、うちの社長…千冬姉がこの世で数少ない、頭の上がらない存在なんだよな」

 

平行千冬「そうか……そっちの私は恵まれている様だな……」

 

一夏「……まあな……だが…俺の出生を黙っていたことについては、根に持っているがな」

 

平行千冬「!」

 

一夏「お、その様子じゃそっちではまだ話してないみたいだな……俺の……もとい俺たち織斑の出生の秘密を…」

 

平行千冬「お前は…」

 

一夏「ああ、知ってるよ……でも言うほど驚かなかったな……薄々だったが、俺自身普通とはかけ離れている自覚あったし……まあでも別に俺の境遇が不幸だったなんてこれっぽっちも思ってねえし……これでも並の人間より結構幸福な人生送れているしさ……そんな俺を育ててくれた千冬姉には、こう見えて感謝はしているぞ」

 

平行千冬「一夏…」

 

一夏「まあでも俺の出生を黙っていたり嘘付いた事には結構根に持っていたから一発ぶん殴ってやったけどな」

 

平行千冬「!?」

 

一夏「意識飛ばすつもりで殴ったのに気絶しなかったのは流石は千冬姉だと思ったな」

 

平行千冬「……お前……本当に殴るのだな…」

 

一夏「というか日常的にも教師と生徒の垣根を超えた殴り合いするからな俺」

 

平行千冬「……本当にお前は私の知る一夏ではないな」

 

そう思いつつも、心のなかでは

違う世界の己が幸福な人生を歩んで居ること……そして違う世界の弟が何事にも縛られず、自由に生きている事に安堵を感じたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平行千冬「所で……それで何杯目だ?」

 

一夏「もう6杯目だな」

 

平行千冬「食べ過ぎではないか!?」

 

一夏「この程度軽い軽い……俺おかず無しで米を20杯食べ切れるからな?」

 

平行千冬「……胃袋が尋常じゃないな……よく太らないな…」

 

 



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第55話 覚醒した紅き翼


大学の課題ラッシュやら他にもやらないといけないことが増えたので普段以上に不定期更新になると思います。




 

サウザー「ふぅ…参りましたね……まさか、サウザーを使っている私が背後を盗られるなんて……」

 

一夏「フッ…正直俺も今アンタの背中に刃を向けられたのが奇跡のように感じる……いや、奇跡なんてものじゃねえな……覚醒した箒と俺のコンビが、アンタの予測を上回っただけだ……」

 

そう一夏は言うとサウザーに変身していた天津は微笑した様な笑いを浮かべ、持っていた武器を落とし

 

サウザー「……降参します……私の負けだ…」

 

両腕を上げてそう宣言するのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《箒視点》

 

鈴「箒ー!!」

 

変身解除した天津さんとISを解除した一夏と私に鈴達が駆け寄ってきた

 

鈴「凄いわ!やったじゃない箒!!」

 

セシリア「ええ、これまでとは見違える動きでしたわ!!」

 

ラウラ「今回の戦いのMVPは箒だな!」

 

シャルロット「正直今の箒と戦ったら勝てるかどうか分からないよ!!」

 

そう鈴達は口々に私を褒めてきた

 

……

 

箒「…もしかしてだが……みんなも気づいていたのか……私に足りないものを…」

 

鈴達「「「「!!」」」」

 

私がそう言うと皆が驚いた様子を浮かべた

 

箒「……そうか…気づいていたのだな……」

 

シャルロット「!…ごめんね……本当は僕達も気づいていたし、教えてあげたかった……でもね」

 

一夏「『答えを教えてあげることだけが友達じゃない……』そう俺が言ってこいつらにストップ掛けたんだ……まあ、お前は全く気付かなかったから少しヒントをあげたけどな」

 

箒「…そう…か……いや、確かにそのとおりだな……」

 

鈴「でもさ、最後は箒……アンタ自身が自分に足りないものを自覚したじゃないの!……そしてこの戦いは……間違いなく、アンタのお陰で勝てたわ!アンタの力で勝ち取った勝利よ!!そうでしょ一夏?」

 

一夏「……フッ……ああ、そうだな……あの時のお前は、何もかも吹っ切れたってツラしてたな……軽くなったんじゃねえか…ここが」

 

一夏が自分の胸に指差して言う

 

箒「ああ……今はとても軽く感じる……今まで抱いていた重荷が取れた気分だ」

 

私は自分の胸に手を当てて言った

 

一夏「今日ありがとうございます。天津さん…お陰でこっちは新しい戦闘経験を積む以上の成果を得られました」

 

天津「ふふっ、いやいやお礼を言いたいのはこちらのほうですよ。お陰でこのサウザーの改善点を見つけられましたしね。それにしても篠ノ之さん」

 

箒「な、なんですか?」

 

天津「あなた、いい人達に恵まれてますね」

 

箒「!は、はい!!」

 

天津「こういう人達との付き合いは大切にしなさい……彼らはきっと、いつだってあなたの力になりますよ」

 

箒「!!はい!今日はありがとうございました!」

 

 

 

こうしてこの日

私達は改めて今の自身の強さを、そして私は自身の足りなかったもの自覚するのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天津「おや、ところでカズマ君達は」

 

シャルロット「あ、カズマとアクアはこれから会社の株主総会に出席するって言って帰って行って、めぐみんとダクネスは今回の戦闘データを元にさらなる改良の為にって会社に戻りました」

 

天津「……やれやれ…置いて行きぼりとは……一応私は副社長なのですがね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリア「それではわたくしは買い物をした後に帰りますので」

 

シャルロット「じゃあ僕とラウラもちょっと行きたいところがあるから」

 

ラウラ「またな兄さん、箒」

 

演習場の帰り道

 

唐突にセシリア達が別行動をし始め、私と一夏…それと鈴が残った

 

鈴「ん〜、せっかく学園外に出たんだし、あたし弾に会いに行ってくるわ…また後でね」

 

が、鈴はそう言うと手をヒラヒラとこっちに振り去っていった

 

一夏「……はぁ…全く……変に気を利かせやがってアイツラは」

 

箒「え?」

 

一夏「箒、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見事だった」

 

箒「///!?」

 

次の瞬間

一夏が私の頭に手を置き撫でてきた

 

箒「なっ///!?なにを!?///」

 

一夏「いやな、今日のお前が見せたあの戦いは、今までの戦いの失態を全部拭ってしまうほど見事だった……ついな………今だから言うが、俺はお前のことは誰よりも期待してるんだぜ?」

 

箒「え?」

 

一夏「覚えてるよな?…ガキの頃のお前は周りからよくいじめられていたな……」

 

箒「……ああ…」

 

一夏「あの頃の俺は……千冬姉以外の人間を心の底から認めるってことがなかったんだ……周りから何を言われようが、お前は一つのことを極めようといつも真っ直ぐだった……そんな箒のことを、心から認めちまったんだよ…………そしてIS学園に来て、俺に立ち向かったあの試合……ただでさえ認めていたお前に対して、今度は強い期待の意識を向けるようになった」

 

箒「一夏…」

 

一夏「だからかな……お前が自分に自信を無くし、燻っている姿を見てるのが我慢ならなかった……本当はお前凄いのに……もったいないって思った……箒、お前はいずれ俺や千冬姉にも迫るほどの実力を付けるかもしれない」

 

箒「!わ、私が!?」

 

一夏「ああ……これはお世辞とかじゃなく…本気で思ってる……それだけ俺はお前の事を期待してるし、信じている」

 

箒「……」

 

一夏「あ、でもさ、別に無理して強くなることなんてないからな?俺に期待されたからとかって理由で強くなられてもお前の意思無視してるみたいで嫌だし『一夏』…ん?」

 

箒「『一緒に居るやつ誰これ巻き込む事なんてしょっちゅうしてる……俺と付き合うっていうのは、そういうことだ』お前が前に私に言った言葉だ…正直…あのときの私は心の何処かでお前の隣に立つことに自信がなかった……だが、今は違う……だから改めて言おう、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は一夏が好きだ!お前がどこに行こうとも、お前の隣に立ちたい!この先もずっとだ!だからこそ!!私は、お前の隣に立つために、お前に勝てるくらい!!強くなって見せる!!

 

一夏「…!」

 

箒「はあ…はあ……あ///いや///今のはつい気持ちが昂ぶったというか///ここで言わなきゃいつ言うのかとつい口が滑ったというか///」

 

な、なにを言っているのだ私は///

い、いくら自分の覚悟を伝えるためとはいえここまで言うべきだったか!?///

 

こんなのはただただ小っ恥ずかしいだけではないか///

 

ああ///顔が熱いぞ///

 

こんなのいじりたがりの一夏からしたら絶好の獲物じゃないか///

 

そう心の中でいつ来るか分からない一夏からのいじりに身構えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「ははは!……お前ってやつはほんと……いっつも俺を驚かせるな!ははは!」

 

だが、一夏は私をいじってこなかった

 

いや、それどころか私に笑顔を向けて笑っていた

 

箒「!///」ドキッ

 

ああ…まただ……

この男がたまに見せる心からの笑顔は

いつも私の胸をときめかせる

 

一夏「はぁ……じゃあ、期待してるよ……お前がいつか…俺に勝つ事をな」

 

箒「!…ああ!!」

 

一夏「んじゃあ、これからどこか行かないか?あ、それか俺になにかしてほしいことはあるか?」

 

箒「え?」

 

一夏「ご褒美だよご褒美……今日見せたお前の活躍に対してな……なんでもいいぞ…俺にできることならなんでもやるよ。ああでもR18な事とかは駄目な、おれそこらへんはしっかりしてるから」

 

箒「なっ///!?き///急にそんなことを言われても///」

 

一夏「ん〜、なら歩きながら考えな…なんでもいいからな?」

 

箒「う///う〜///」

 

一夏にそう言われ

私は、恥ずかしさに耐えながら

これから一夏にして貰う事を考えるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ〜

 

まさか

 

お前にそこまで言われちまうなんてなあ

 

普段は恥ずかしがり屋の照れ屋の癖にさあ

 

ちょっと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

惚れちまいそうだったよ 箒



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第56話 新たなる兆し


はい……しばらくはこんな感じの投稿ペースになります…
今年最後の投稿になります。来年はもう少し投稿頻度を上げていきたいです。


《一夏視点》

 

セシリア「はあ!」

 

箒「フッ!ホッ!」

 

鈴「もう三連戦目なのにフィジカルが落ちてないわね」

 

一夏「勢いに乗ってるんだろ」

 

サウザーと戦ったその翌日

 

学園のアリーナでは専用機持ち達の勝ち抜き戦形式の対決が行われており、現在箒が2連続で勝って3戦目

 

ラウラ「まさか…あの箒に負けるとはな…」

 

シャルロット「ラウラって今まで箒に負けたこと無かったもんね……まあ僕の方も箒相手に負けたこと殆どなかったのに連戦で負けちゃったけどね」

 

そう…

俺達の中でISを使った戦闘では俺に次ぐ実力だったラウラ……攻守に優れたバランス型のISを使うシャル

このふたりは先程箒と戦い敗れた

 

色々吹っ切れた箒はこれまで押さえつけていた自身の本来の実力を改めて披露した

 

その実力は俺に次ぐIS操縦者のラウラや安定した実力を持つシャルとの連戦で勝っても勢いが止まらなかった

 

今戦っているセシリアは俺達の中でも最も遠距離戦に強く、ティアーズによる手数を武器に戦う一対一に強いISを使っているが

 

セシリア「ぐっ…はぁ……はぁ…」

 

箒「はぁ…はぁ…私の……勝ち……だな…」

 

と、気が付くとエネルギーを使い切りISを解除し地にふしているセシリアに武器を抜ける箒の姿が見える

 

流石に連戦で箒も息を切らしているが、表情からしてまだまだやれそうだ

 

一夏「次、鈴だな」

 

鈴「はいはいっと、目に見えて強くなっている……いや、本来の力を存分に振る舞っているのが分かるわね……さてと……どうあたしに喰らいついてくるのかしらね箒?」

 

そう言うと今度は鈴がISを装着し飛び出した

 

一夏「おつかれさん……んで、どうだった?実際に今のアイツと戦った感想は」

 

セシリア「は、はい……かなり強くなってましたわ……いえ、強くなったというより……あれが箒さん本来の力と言ったところですわ…」

 

一夏「んー、元々箒のポテンシャルは一般の人より上なんだが、例の性格のせいで今まで積み重ねた力を発揮できないでいたからな……もったいなかったなあ…」

 

ラウラ「言えているな……使っているISが第四世代型というのも関係はしているだろうが……それを扱う箒自身の実力が大きく反映している……ほんの数ヶ月前までISをほとんど扱ったことのない素人だったとは思えない実力だ」

 

シャルロット「それもこれも一夏の厳しい指導と箒の努力の成果だね」

 

一夏「いや、確かに俺の指導もあっただろうが……指導を受けた上で技術を物にするかはアイツ次第だからな…………本当に凄いのはアイツの方だよ……俺の指導を受けて自信こそ持たなくとも弱音は1度たりとも吐いたことはなかったな……意外と負けん気強かったからな昔から」

 

セシリア「そうでしたの…」

 

シャルロット「フフッ、それにしても…一夏嬉しそうだね」

 

一夏「そう見えるか?」

 

シャルロット「うん!だって今の一夏…とても良い笑み浮かべてるから…いつも箒をいじってからかう時や、ドS指導やってるときの邪悪な笑みとは全く違うからね……普段からこんな笑顔なら僕達も警戒しなくて済むのに」

 

ラウラ「確かに…兄さんが笑みを浮かべるときは大体ろくなこと無いからな」

 

一夏「おい、俺の笑みってそんなに警戒されるほどか?」

 

セシリア/シャルロット/ラウラ「「「………」」」

 

一夏「…解せぬ」

 

そんなつもりはねえんだけどな……今度笑顔の練習でもしようかねえ…

 

けど良い笑みねぇ…

 

まあ…確かにそうだな

 

小さい頃…俺とあいつは互角の勝負ができていた

それがあの頃の俺はとても楽しかった

同世代で自分と近しい力を持つ奴とやりあう事が

 

けど月日が経ち、いつの間にかあいつは俺より弱くなった

いや、弱くなったんじゃねえな…むしろ強くはなっていたな……俺がそれ以上に強くなりすぎただけだった

 

正直…もう箒とは二度とあんな楽しくやりあえないのかと内心がっかりしていた

 

けどあの学年別トーナメントでのあいつとの勝負…圧倒的なまでの力の差を見せたって言うのに、あいつは諦めず立ち向かい、そして一瞬とはいえ俺が一撃を入れられかけた

 

あのときは少し冷汗をかいたな

 

それと同時にあの頃の俺と箒に戻った気分だったな

 

それから俺は箒に対してある種の期待の意識を向けるようになった

 

いつかまた、あの頃のような勝負をもう一度したい

そう思うようになり…気づけば俺は箒と付き合うようになった

 

箒の成長を身近で感じながら…俺は箒と共にいるようになった

そして箒の成長を楽しみつつ、箒と過ごす日々に充実感を感じるようになった

 

……アハッ♪

やっべ…

 

あんな事箒に言っておいて…箒の気持ちに近づき始めてるな俺

 

俺ってそこまで単純じゃねえはずなんだけどなあ…

 

シャルロット「あ、箒が鈴に負けちゃった」

 

ラウラ「流石のあいつも四人抜きは厳しかったか」

 

セシリア「ですが善戦はしてましたわ…」

 

箒「はあ…はあ…流石に…四人抜きは…きついな」

 

鈴「よ…よく言うわ……あたしのことを喰らう勢いで攻めて来て……こっちもかなりヒヤヒヤしたわよ……」

 

惚れた女はいない

 

箒「あ、一夏…その、どうだったか?……私の戦い方は…」

 

一夏「そうだな……少々荒削りな所はあるが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今後が楽しみだな」

 

だが、これから惚れるかもしれない女ならいる

 

 



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