ゾイドワイルドetc.0.5 (D,J)
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0.「プロローグ」
※※注意※※
私はゾイドワイルドシリーズは好きですが、全てを知り尽くしている訳ではありません。
ので、一部設定に矛盾、独自解釈が含まれますが、そこは本編とはパラレルワールドと切り離して見てください。
新地球歴。
かつて惑星Ziに旅立った移民船団が、星の寿命と共に惑星を脱出し、自らの母星たる地球へと帰還した事で、この時代は始まった。
再び地球に降り立った人類は、かつて惑星Ziに存在したという「ある生物」が、自分達よりも先に地球に到達していた事を知る。
本来それは、惑星Ziに生息していたハズの、金属生命体。
時空の歪みにより、人類より一足先に地球に来訪した存在。
Zoic androids.(ゾイック・アンドロイド)
縮めて、「ZOIDS(ゾイド)」。
ロボットのような金属の肉体とオイルの血液、恐竜等の絶滅生物を含んだ動物の本能・特徴を併せ持つ、生命を持ったロボットとでも言うべき最強の生命体。
自ら戦う意思を持った彼等は、この新地球歴の地球において、生態系の頂点に君臨していた。
いつからそうなったかは、当時の資料のほとんどが失われた事で明らかになっていない。
が、ゾイドと人間はまるで最初からそうであったように、近い位置にいた。
かつて惑星Ziでもそうであったように、人類と共にあったのだ。
ある時は、牛や馬のような労働力として。
ある時は、最高のパートナーとして。
ある時は………現行の全ての兵器を上回る、戦闘機械獣として。
現在の地球を二分している勢力である「帝国」と「共和国」。
かつて惑星Ziにおいても敵対関係にあった彼等は、地球に逃げ延びた後も、戦いをやめる事はなかった。
彼等は、自らの覇権と正義の為に、ゾイドを戦闘兵器として改造・運用している。
最強の生物であるゾイドは、同時に最強の兵器でもあったのだ。
やがて戦争は激化の一途を辿り、野生個体の捕獲では飽きたらず、化石化して眠っているゾイドの復元が進められた。
そして、戦闘の余波は兵隊崩れの盗賊を産み、それから身を守る為に民間もゾイドを求め始め、さらにそれにより改造パーツやゾイドの改造を生業とする者も現れ始めた。
今や、人間の生活はゾイドを中心として回っているのだ。
………新地球歴。
その、いつの事で、どの場所かは定かではないが、ある所に相棒ゾイドと共に流浪の旅を続ける一人の男が居た。
過去に背を向け、蓋をして。
気の向くままに、賞金稼ぎで日銭を稼ぎ。
目的は特に無かった。
全能の力を持った古代秘宝も探していないし、地球再生の為の装置を起動しようともしていない。
ある意味では、いい加減な男である。
それは、そんないい加減な男と、その彼が出会ったゾイドと、それと共にある人々の物語である。
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1.「流浪の騎士竜」
A.ゾイドを化石から復元する際に使用される「ZED」による物。帝国で使用された物の初期型に見られる現象であり、より安定した新型では見られなくなった。が、民間に流出した物も含めて今でも使用されている物は多く、今でも赤い目=帝国ゾイドのイメージが根強く残っている。
………ガキィンッ!
その一撃は、相手のゾイドを吹き飛ばした。
その、どちらもが「ラプトール」と呼ばれる、恐竜ヴェロキラプトルの特徴を持ったゾイド。
性能は、両者共々大差はないハズである。
しかし、その場にいる全ての人々からしても、一方のラプトールの繰り出した一撃は、相手のラプトールのそれよりも鋭く、また明確な「殺意」があった。
「がふぁっ!?」
吹き飛ばされたラプトールのコックピットから、一人の男が投げ出される。
男は中年でありながらも、筋骨隆々とした巌のような身体をしている。
鍛えられた、強い男といった印象だ。
「………勝負ありですね、父上」
さて、吹き飛ばした方のラプトールのコックピットから顔を出したのは………若い青年だった。
薄暗い、室内にあるゾイド用の闘技場の中で、青年の髪は僅かな光を反射して、銀に光って見える。
だが、青年は銀髪という訳ではない。
これは白髪だ。
「ふ、ふざけるなッ!誰が貴様のような出来損ないのドラ息子なんぞに………!」
敗北を認めたくなかったのか、男は自身をラプトールのコックピットから見下ろす青年に対して、罵声を浴びせた。
が、男は嫌でも敗北を認めなければならない事になる。
………グルルルッ
闘技場の暗がりから、唸り声が聞こえてくる。
ズシン、と足音を立てて現れたのは、巨大な影。
大きさは、ラプトールの倍ほどある。
装甲は銀色で、まるで騎士を思わせる。
各部にラプトールと共通する部分が多いが、よく見ていけば別種である事が解る。
「………リッターは、俺を認めてくれたようですが?」
「ぐう………ッ!」
男は苦渋の表情を浮かべ、項垂れる。
そして青年は、自らの髪と同じ銀の装甲を持ったゾイドを連れてその場を去ろうとした。
「………おや?」
外へ繋がる扉の前に、少女が立っているのが見えた。
出迎え、とは考えられなかった。
「自分が乗るハズだったゾイドが奪われて悔しいのか?」
皮肉るような青年の一言にさえ、彼女は答えない。
ただ、悲しそうな顔を浮かべながらうつ向いているだけだ。
「………わかった」
なら、何も言うまい。
青年は銀色のゾイドに飛び乗る。
瞬間、コックピットが形成され、青年を包み込んだ。
「行くぞリッターッ!」
ギャオオオオッッ!!
青年に答えるように銀色のゾイドは咆哮すると、そのまま走り去ってゆく。
周りから「反逆者を捕らえろ!」「リッターが奪われた!」という声が響いたが、少女はもはや、何も聞いてはいなかった………。
………………
「………ん?」
目が覚めた。
ゾイドのコックピットの中は、お世辞にも寝心地が良いとは言えない。
しかし、夜の寒さから身を守る為には致し方がない。
「今、何時だ?」
計器を弄ると、時間が表示される。
今の時刻は、朝の6時。
見れば、地平線の向こうから太陽がひょっこり顔を出しているのが見えた。
「………まあ、そろそろ行くかな」
目的地の町まで、距離は近い。
それに、日中の内に到着できそうな距離だ。
「起きろリッター、出発だぞ」
グルルルッ
「相棒」を起こすと、青年は目的の町へ向けて進ませる。
ディノニクスの特徴を持った「相棒」の足なら、予定通りの到着も出来そうだ。
………………
そこは、広野の真ん中にある町。
名を「セーブゲキ」と言い、立地の都合上交通は不便だが、それでも栄えている華やかな町である。
………もっとも、平和とは程遠いが。
「オラァッ!もっと酒持ってこんかァ!!」
今日もまた、昼間から酒場で暴れている、ガラの悪そうな一団が。
残念ながら、警察は来ない。
何故なら、この町を支配しているのはこいつらだからだ。
「お客様、当店のお酒はもうありま………」
「あァ~ン?うっせぇんだよ!」
バキィッ!
顔に刺青のある男が、酒場の店長を殴り飛ばす。
倒れた店長を見下ろし、刺青の男は部下の輩達と共にガハハと笑う。
「町のキングであるフランク様に逆らおうなんざ、一億年早ぇんだよ!」
「「ウッス!パネッス!フランクのアニキィ!!」」
男の名は「フランク」。
この町を支配下に置くギャング集団「フランクファミリー」のボス。
今日も手下を従えて、酒場でばか騒ぎを起こしている。
「いたた………」
「父さん!大丈夫?!」
「あ、ああ、大した怪我じゃないよ………」
店長に駆け寄るのは、彼の一人娘である「アップル」。
そして若く美しい娘の登場に、テンプレートな悪役であるフランクが何の反応も示さない訳がなく。
「ぐへへっ、よォ~アップルぅ!俺様のオンナになる決心はついたかァ~?」
「だっ、誰がアナタになんかっ!」
「遠慮すんなよォ~!」
馴れ馴れしく、アップルを抱き寄せるフランク。
当然ながらアップルは嫌がるが、そんな事を聞き入れるフランクではない。
「金も女も思いのまま!強いヤツが全てを支配するッ!これが自然の摂理ってヤツだ!!どうだァ?ワイルドだろォ~?!」
「「「ウッス!パネッス!フランクのアニキィ!!」」」
逆らう者がいない町で、フランクはまさしく皇帝。
自分が右と言えば左でも右になる。
そんな状況に、笑いが収まらなかった。
今日もまた、自分勝手好き勝手に楽しむのだ。
と、舎弟達の「フランクのアニキィ!!」の声援を受けつつ、アップルを抱き寄せて楽しんでいた、その時。
「すんませェ~ん」
ハイな気分になっていたフランク達に水を差すように、気の抜けた声が飛んで来た。
「あァン?!」
「いやだからぁ、注文聞いて欲しいんですけど」
何者だと振り向くフランク。
そこには、いつの間に入店したのか、酒場のカウンターに座る一人の男の姿。
フランクと比較すると流石に小さいが、背丈はほぼ平均的な青年のそれ。
マゼンタのロングコートに、ゴーグルの巻かれたこれまたマゼンタの帽子。
合間から見える髪は銀色………と思いきや、よく見れば白い。
肌も不健康な色白であり、ちらちら見える赤い瞳と相まって、アルビノなのか?とも思わせる。
「なんだテメェ!この俺様がフランクファミリーのボス、フランク様と知っての態度かあァン?!」
「「「ウッス!パネッス!フランクのアニキィ!!」」」
フランク。
その名前が出た途端、帽子の男の目がピクリと動いた。
「フランクねぇ………丁度いいや」
先程まで知らぬぷりだった男は、ゆっくりと立ち上がり、フランク達の方に顔を向ける。
「えっと………まあ、まずは自己紹介といこうや」
クイッ、と帽子の鍔を指で上げる。
人の良さそうな顔をしていたが、同時に取って食いそうな攻撃的な一面も垣間見える。
そんな顔だ。
ちなみに、そこそこ美形である。
「俺はガレット………まあ、賞金稼ぎ、って言ったら分かりやすいか?」
「な………ッ!」
フランクにも、悪党としての自覚はある。
帝国と共和国から見れば、フランクも犯罪者の一人であり、賞金がかけられている。
その「ガレット」を名乗った賞金稼ぎが、フランクに何を求めているかは、明白である。
「つーわけで、俺の晩飯の為に捕まってくれると嬉しいんだが、いいか?」
「ナメてんじゃねぇぞ!!!」
ガレットの、あからさまに煽る態度についにフランクがキレた。
アップルを放り出すと、その場にあった椅子を掴み、ガレットに向けて投げつけた!
「うわっ!?」
ガシャーン!と、椅子はガレットの真後ろにあった机を破壊する。
そして。
「来なァ!!ナックルコング!!」
パチンッ、と、フランクが指を鳴らした。
すると。
ずどぉぉっ!!
酒場の壁を破壊して現れたのは、ゴリラの特徴を持つゾイド「ナックルコング」。
かなりのパワーを持つゾイドであり、フランクがこの町で偉そうな態度を取れる理由の一つ。
「ああっ!お店がァ………!」
店を破壊され、落胆する店長。
それを見たガレットは、その場から走り去った。
店に被害を出さない為だ。
「テメェ!逃げんじゃねぇ!!」
対するフランクはそれが「逃げ」だと解釈し、ナックルコングのコックピットに乗り込むと、ガレットを追った。
「捕まえろ!なんとしてもブッ殺せ!!」
「「「ウッス!パネッス!フランクのアニキィ!!」」」
怒り心頭のフランクとナックルコング、そして舎弟達がガレットを追う。
人間とゾイドが追いかけっこをした場合、どちらが勝つかは明白。
ガレットは徐々に、ナックルコングに追い詰められてゆく。
「………この辺りなら、いいだろう」
が、ガレットの目的は逃げる事ではない。
一つは、酒場に被害を出さないように離れる事。
もう一つは………「相棒」を呼んでも被害が最小限に収まる大通りに出る事。
「ナックルコングだ!」
「ひぃぃ!!」
ガレットを追って大通りに現れたナックルコング。
その姿を前に、町の人々は恐怖し、逃げ惑う。
当然だ、この町においてナックルコング………と言うより、ゾイド自体がフランクファミリーの力の象徴でもあるのだから。
そして、人通りが少なくなったのを確認し、ガレットは相棒を呼んだ。
「来い!リッターッ!」
ピィィィ………
ガレットが鳴らしたのは、銀色のホイッスル。
剣のような形状をしているが、犬笛に似た、ゾイドを呼ぶ際に使われる物。
ギャオオオオッ!!
ゴガガガガッ?!
突如、ナックルコングの前に現れた影に、ナックルコングは恐れおののく。
「ソニックバード………いや、ギルラプターか?」
ガレットの前に立つゾイドは、ディノニクスの特徴を持った「ギルラプター」によく似ていた。
が、通常のギルラプター………帝国や共和国で運用されているグレーの機体と違い、ダークブルーとシルバーの装甲に身を包み、一部に「ソニックバード」と呼ばれる近縁種の特徴を持っている。
さらに本来「ウイングショーテル」と呼ばれる刃があるべき場所には、代わりに本体を挟むように巨大な剣のような物が生えている。
言うなれば、翼の代わりに手足の生えたソニックバードと言った所か。
帝国で開発が進んでいるらしい、尖った形状の新型キャップが各部に付いているが、ZOバイザーはついていない。
………が、深紅に染まった目が、そのゾイドが帝国の生まれである事を物語っている。
「ギルリッターだ、イカスだろ?」
ガレットは得意気に笑いながら、その「ギルリッター」と呼んだゾイドの首に飛び乗った。
即座にコックピットが形成され、ガレットを包む。
さあ、戦いの準備は整った。
「始めようぜ、ゴリラさんよ」
「ハンッ!カッコつけだけは一人前だな!!」
フランクからして、ギルリッターは未知のゾイドだ。
近いタイプであるギルラプターとは何度か戦ったが、見た所ギルリッターは、系譜こそ近いが別種のゾイドのようだ。
だが、フランクには勝算があった。
今までも、「これ」で勝ってきたのだから、今回も勝てると考えていた。
「へへへ………テメェもブチ
フランクが懐から取り出した、黒いナイフのような物体。
フランクはそれを、ナックルコングのコックピットに備え付けられた鍵穴状のパーツに向け、一気に差し込んだ。
「強制解放ッ!行くぞオラァァァ!!!」
ゴガァアアァアア!!!!
その時だった。
ナックルコングは苦しむように吠えた後、肩のパワーショルダーが展開。
両腕と一体化する。
「ブラスト状態?!だが………!」
ガレットは、これが何なのかは知っている。
「ブラスト状態」と呼ばれる、ゾイドに搭載された特殊な武器の発動。
ナックルコングのそれは、パワーショルダーによって肥大化した拳でドラミングを行い、大胸板に発生した熱エネルギーを込めて繰り出す「胸熱拳」。
が、ガレットが怪訝な顔を浮かべた理由は別にある。
本来ブラスト状態は「耐Bスーツ」と呼ばれる特殊スーツを着て発動する物だが、フランクは見た所耐Bスーツは着ていない。
なら、あれは一体何なのか。
ゴガアアアアアアッッッ!!!
ドラミングが始まった。
ナックルコングが胸に拳を叩きつける度に、それが熱を帯びた衝撃波となり、辺りに広がる。
「うわああっ!」
「きゃああ!」
当然、それはガレットとギルリッターだけでなく、周囲の無関係な一般人にも襲いかかった。
広がる衝撃波によって、建物のガラスは割れ、車等の小さな乗り物は破損する。
「おい、周りを見ろ!お前の町だろ?!どうなってもいいのかッ!」
ギルリッターを踏ん張らせながら、ガレットはフランクに問う。
彼の中に、僅かでも善性がある事に賭けて。
だが、帰って来た答えは。
「知るかァ!!俺様の町ならどうしようと勝手なんだよ!!」
「「「ウッス!パネッス!フランクのアニキィ!!」」」
元々、ガレットも期待していなかった。
そもそも、フランクの第一印象からして、ろくでもない奴だという事は解っていたから。
「オラァァァッ!!胸熱拳ンンンッッ!!」
赤熱化した拳を振り上げ、ナックルコングが迫る。
胸熱拳。
その拳は、ガノンタスの装甲をも貫通する破壊の一撃。
………だが、それは一流のライダーが乗っている場合に限られる。
ゾイドを単なる目下の相手への威圧や暴力の為の道具としてしか見ていなかったフランクが、そうであるハズもなく。
「………飛ぶぞ!ギルリッター!」
ギャオッ!!
胸熱拳が振り下ろされた瞬間、ギルリッターはその脚をバネのように飛ばし、飛翔。
ズドォ!と音を立て、胸熱拳は地面に食い込み、ナックルコングの動きを止める。
「な、なんだッ!?抜けねぇ!!」
食い込んだ腕を引き抜こうとするナックルコングだが、上手くいかない。
その背には、上空に舞い上がったギルリッターの姿。
「これで決めるッ!!」
ギャオッ!!
動けないナックルコング目掛けて、自由落下してくるギルリッター。
その脚の鉤爪が。
ギルリッターの属するユタラプトル種や、近縁種であるギルラプターの属するディノニクス種の代表的な武器である、脚力と切れ味から繰り出される鉤爪の一撃が、ナックルコングの背中に突き刺さった!
ど、す、う、っ、!
叩き込まれた一撃は、ナックルコングの背中にある放熱フィンに深々と突き刺さり、機能を破壊した。
これは、胸熱拳の際に発生する余熱を放出し、ナックルコングの中枢を熱から守る為の物だ。
これが破壊されたという事は、ナックルコングは余熱を放出できず、内部に熱が貯まってゆく事になる。
ゴ………ガガァ………ッ!
運良く、ナックルコングは兵器ゾイドでは無かった。
ライダーの指示よりも、自身の生命を守る本能が勝ち、強制的にブラスト状態が解除される。
しかしナックルコングの受けた負荷は凄まじく、目から光は消え、崩れ落ちるかのようにその場に倒れた。
いわゆる、強制停止というヤツだ。
「ちいっ!このポンコツめ!!」
「あ、コラッ!」
フランクは悪態をつくと、ナックルコングを捨てて逃げ出してしまった。
追いかけようとするガレットだったが、ギルリッターが鉤爪を引き抜いた時には、既にフランクの姿は無かった。
「ちっ!逃がしたか………」
やはり悪党だけあって、逃げ足の速さだけは一級品。
宿泊代を賞金首で稼ぐハズが、当てが外れる事になった。
だが。
「や………やった………!」
「フランクの奴を………倒してくれた………!」
セーブゲキの人々は、ナックルコングを仕留めたギルリッターを前に、希望の笑みを取り戻していた。
ナックルコングは、いわばフランクの力、この町を支配する暴力の象徴でもある。
フランクは逃げてしまったものの、ナックルコングが倒されたというだけでも、セーブゲキの人々からすれば大快挙である。
「やったああああ!!」
「勝った!勝ったぞおおおお!!」
やがて喚声が広がり、ギルリッターとガレットを称える声へと変わっていった。
結果的には賞金首=フランクを取り逃がしたワケだが、こう周りから称賛されれば、ガレットも。
「………まあ、悪くはない、カナ?」
と、笑顔を溢すのであった。
・ガレット
気の向くままに各地を放浪し、賞金稼ぎをして日銭を稼ぐゾイドハンター。
ニヒルを気取った飄々とした性格だが、ライダーとしての腕は一流。
帝国出身らしい。
名称:ギルリッター
別名:銀の騎士竜
分類:ユタラプトル種
全長:8.4m
体重:36.5t
最大スピード:245km/h
スピード:7
アタック:9
IQ:8
スタミナ:8
ディフェンス:6
ワイルドブラスト:8
<概要>
ガレットの操る中型ゾイド。
ギルラプター系ゾイドに近い特性を持つが、パワーと防御力では勝るものの、スピードと瞬発力に関してはギルラプターに劣る。
が、こちらも近接戦闘を得意としており、パワーを活かした豪快な戦い方を好む傾向にある。
本能解放技は、背中のA-Zバスターブレードを展開し敵を叩き斬る「轟龍斬(ごうりゅうざん)」。
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3.「旅立ち」
A.「ゾイドワイルドエトセトラれいてんご」と読んでください
喚声に包まれるセーブゲキの町。
人々の称賛を浴びるガレットだったが、ギルリッターのコックピットから降りようと身を乗り出した瞬間、ある事に気付いた。
「皆聞いてくれ!」
そして、自分とギルリッターを取り囲む人々に向け、呼び掛ける。
「ナックルコングの様子がおかしい!明らかに生命力が下がっているように見える!」
ナックルコングだ。
放熱フィンを破壊されたというのもあるが、ガレットの目から見れば、異常に生命力が低下しているようにも見えた。
まるで、ブラスト状態以上の「何か」を負荷としてかけられたかのように。
「この中にゾイドに詳しい人がいたら手を貸してくれ!見ただけの予想だが………このままじゃナックルコングは死ぬ!」
ガレットも、ゾイドを愛する人間の一人。
故に、ナックルコングを死なせまいと考えての行動であった。
「えっ………」
「どうする………?」
しかし、いくらセーブゲキの町を救ったガレットの呼び掛けでも、これに素直に答える者はいなかった。
ナックルコングは、フランクの暴力と支配の象徴として、人々に認知されていたからだ。
そのフランクから見捨てられ、いくらライダーとゾイドは別だとしても、素直にナックルコングを助けようとする者は居なかった。
「でも、あのナックルコングだぜ?」
「治したとしても、また暴れるかも………」
予想はしていたが、やっぱりか。
と、ガレットが諦めかけた、その時。
「………わっ、私でよければ!」
怪訝にざわめく人々の中で、ある少女の声が名乗りをあげた。
私は、ナックルコングを助ける事に賛同すると。
色々な意味での注目の眼差しを浴びながら、ガレットの元に歩いてくる一人の少女。
14歳ほどだろうか。
背は小さく、黒髪の三つ編みにメガネ、オーバーオールと、田舎的というか、垢抜けない田舎娘といった印象を与える。
「………君は?」
ガレットの問いに対し、少女は緊張気味になりつつも、凛とした声で答えた。
「わ、私ミルクって言います!ゾイド整備工場をやって………やってました!設備と道具なら、ありますっ!」
………………
敗走したフランクは、舎弟共々自分達のアジトである町外れの廃屋に逃げ込んでいた。
荒野のど真ん中にポツンとあるという、今までこんな分かりやすいアジトに乗り込んでくる者がいなかったのは、ひとえにフランクの与える恐怖による物が大きい。
だが、それも今日までだろう。
何故ならフランクは、大衆の眼前で流れ者のゾイドハンターに大敗を喫するという醜態を晒してしまったからだ。
「クソが!クソがクソがクソが!あの忌々しい賞金稼ぎめ!!」
「「「ウッス!パネッス!フランクのアニキィ!!」」」
「それはイヤミがごるぁぁ!!」
アジトに逃げ帰ったフランクは、荒れに荒れていた。
その胸中にあるのは、にっくき賞金稼ぎ=ガレットと、その相棒たるギルリッターへの怒り。
自分に大恥をかかせた相手に、フランクはどうしても復讐したかった。
保有戦力の中では最強であるナックルコングは手元からは失われた。
が、フランクにはまだ「力」が残されていた。
裏のルートで手に入れた「力」が。
「俺様をナメた事………後悔させてやるぜ!賞金稼ぎぃぃいい!!」
ギチギチ………
ふしゅるる………
廃屋の中で、フランクファミリーの誇るゾイド軍団が、出撃の時を待ちわびていた………。
………………
やがて、セーブゲキの町に夜が来た。
人々が寝静まり、明日の復興に向けて力を蓄えている間も、その「元」ゾイド整備工場には、明かりが点っていた。
「悪いね、色々手伝ってもらっただけじゃくて、宿や飯まで貰っちゃって」
「い、いえ、私もゾイドは好きですから………」
そこでは、仰向けになったナックルコングを前に、ガレットとミルクが修理と整備を行っていた。
ナックルコングが類人猿に近い姿である事も相まって、まるで人間の手術のようにも見える。
「(………それにしても)」
そんな整備の傍ら、ガレットはミルクに注目していた。
若いながらも、プロのような腕前。
おそらく、相当の場数を踏んでいる物だろう。
そして。
「(………ミルク、か)」
大きかった。
お風呂上がりで、オーバーオールを脱いだシャツからでも解るぐらい、彼女の胸は年齢と比較するとかなり大きかった。
化粧さえ整えれば、グラビアのトップは飾れそうだ。
それでいて「ミルク」なんて名前なのだから、それも意味深というか「名は体を表す」ということわざが頭に浮かんでしまう。
「………ど、どうかしました?」
「いや、何も」
とはいえ、ミルクは未成年。
いくら魅力的なバストを持っていたとしても、手を出せばガレットは犯罪者。
それに年齢的にもストライクゾーンからも外れているので、これ以上は注目しない。
それに、今はナックルコングを助ける事が最優先だ。
「………よし!取れた!」
日没から、ゆうに4時間。
ようやく、ナックルコングの大手術は終わりを告げ、ナックルコングを苦しめていた「腫瘍」は取り除かれた。
これも、ミルクの持つ設備あっての事である。
………もっとも、このゾイド整備工場自体、経営難でつい最近閉めてしまったのだが。
ゾイドの需要が高騰している時代ではあるが、町にゾイドを持つ者がフランクファミリーぐらいしか居なくなってしまったのでは、しょうがない。
後は、ナックルコングの自然治癒と、生きようとする意思に任せるしかない。
「に、しても………何だこれ」
問題は、ナックルコングから取り除かれた「腫瘍」である。
それは、ナックルコングのコックピットに後付けされた機械から始まり、植物の根のようにナックルコングのゾイドコア周りに延びていた。
金属である事は解るが、こんな物は見た事がない。
「ヤツが耐Bスーツ無しでブラスト状態を発動したのは、恐らくこいつによる物だろうな………」
「一体、誰がこんな物を………」
帝国にも共和国にも、こんな物を開発したという情報も噂もない。
そもそも、耐Bスーツが必要不可欠である現行の「マシンブラスト」や「エヴォブラスト」でさえ、人類の科学を結集してやっとたどり着いた物なのだ。
それを、耐Bスーツも無しに、発動後に走って逃げられるだけの体力を残させるブラスト状態など、あり得ない。
………「ある都市伝説」という例外があるが、ゾイドと絆など微塵もないフランクにそれが出来るとも思えない。
この「腫瘍」は一体何なのか、二人が頭を抱えていると。
………ドウッ!
突如、爆発音と共に小さな揺れが走る。
音の方向を見れば、町に火が上がっているのが見える。
「あれは………!?」
ガレットの脳裏に、最悪のパターンが浮かぶ。
いや、あのフランクなら、それぐらい仕掛けてくるとも予想できた。
………………
セーブゲキの町は、ふらりと訪れたガレットのお陰で、フランクの暴力と支配から解放………されてはいなかった。
「うわああ!」
「助けてくれぇ!」
夜の静寂を破り、襲来するのはヴェロキラプトル種の小型ゾイド「ラプトール」と、
クワガタムシ種の空飛ぶゾイド「クワーガ」。
三体のラプトールが、備え付けられた機関砲で町を破壊し、上空のクワーガが空から町を切り裂く。
フランクのゾイドは、ナックルコングだけではない。
まだ、これだけの戦力を隠し持っていたのだ。
「ひゃははは!壊せ!潰せ!奴等に俺様という恐怖を思い出させてやれェッ!!」
「「「ウッス!パネッス!フランクのアニキィ!!」」」
空を飛ぶクワーガから地上の舎弟達を鼓舞しながら、フランクは破壊活動を続ける。
小型とはいえ、ゾイドは十分に驚異。
反撃手段を持たないセーブゲキの町の人々は、逃げるしかできなかった。
「ヒャハハ!死ねェェ!!」
キシャアアア!!
「うわああ!」
ラプトールが、その鉤爪で人々を切り殺そうとした。
その時。
「あぎゃあっ?!」
ギエエッ!?
突如横から飛来した弾丸が、ラプトールを撃破する。
その先には。
ギャオオオオッ!!
「あれは………!」
「ギルリッターだ!ギルリッターが来てくれたぞ!!」
咆哮を挙げて、燃え上がる町を救いに現れたのは、ガレットと、背中に備え付けられたA-Zレーザーショットガンを撃ちながら駆けるギルリッター。
町を破壊するフランクファミリーのゾイド軍団を前に、敢然と立ちはだかる。
「ちっ!ここまでやるかフツー………!」
町の惨状に、ガレットは思わず毒づいた。
人々が寝静まった隙に行われたこの破壊は、奇襲と言ってもよく、逃げ遅れた人々が阿鼻叫喚の地獄を見せている。
………ガレットから見えない所で、きっと死者も出ているだろう。
「出てきやがったな銀ピカぁ!ブチブチにブチ
だが、フランクからすれば待ちに待った復讐の相手である、ガレットとギルリッターを誘い出す為の陽動に過ぎない。
そして、獲物は陽動に乗ってバカ正直にやってきた。
「今だお前らァ!ブッ
「「「ウッス!パネッス!フランクのアニキィ!!」」」
キシャアアア!!
舎弟達の乗る三体のラプトールが、ギルリッターに襲いかかった。
後方の二機が機関砲を撃ち、前方の一機が鉤爪による近接戦闘を仕掛ける。
集団戦闘の、基本フォーメーションである。
「遅いッ!!」
「あべしっ?!」
しかし、ガレットからすれば何度も見て、経験してきた物。
先頭のラプトールを踏み台にして、一気に後方のラプトール二機への距離を縮める。
「ひいっ!来たァ!!」
ギエエッ!?
ライダーもゾイドも、いきなりの事にビビってしまっている。
いつもなら、このまま仕留める事が出来ただろう。
いつもなら。
「ウォラァッ!!」
「ぎっ?!」
突如、ギルリッターの横から走る衝撃。
ラプトールを仕留め損ない、無様に転がるギルリッターの真上を、吹き飛ばした張本人であるフランクのクワーガが悠々と飛んでいる。
「敵は空にも居るって事忘れてねーかァ?銀ピカぁ!」
「「「ウッス!パネッス!フランクのアニキィ!!」」」
クワーガの妨害により、戦いの流れが変わった。
倒れたギルリッターを取り囲み、ラプトール達が集中砲火を浴びせる。
「ヒャハハ!」
「イキリやがって!死ねやナイト気取り!」
キシャアアア!!
三方向から浴びせられる弾丸の雨あられに、ギルリッターは思わず膝をついた。
ギルリッターの装甲は厚い。
けれども、こうして攻撃に晒され続ければ、じり貧である。
「………こりゃ、厳しいかもな」
ギュルルル………ッ
いつも飄々としているガレットが、珍しく表情を歪めた。
………………
上がる戦火を、ミルクは遠目から見ていた。
フランクの卑劣な罠に追い詰められる、ギルリッターも。
「このままじゃ………ッ!」
気がつけば、ミルクは走り出していた。
ミルクとガレットは、たかが数時間の、ナックルコングの手術に関わっただけの関係だ。
けれども、共にゾイドを愛し、助けようとした相手を、ミルクは放ってはおけなかった。
助けなければ。
その気持ちだけがミルクを突き動かし、彼女をある場所へと導いた。
そこは、ミルクの整備工場のガレージ。
表向きは、周りの住人を怖がらせない為に、空っぽという事になっている。
だが、そこに「それ」はあった。
冬眠状態で保存してあるそれを、ミルクは目覚めさせる。
「パパ………この子の力、私に貸して!」
それは、元共和国のゾイドライダーである父親が愛用していた、かつての相棒。
眠り続けるハズだった、鉄壁の守り手。
その名は………。
………………
ギュルルル………ッ!
ギルリッターが、身を低くした。
数十分続いた機関砲による攻撃で、体力を消耗したのだ。
そして、狡猾なフランクはその隙を見逃さない。
「今だ!ブチ
クワーガの大顎が開き、ギルリッターに迫る。
トドメを刺すつもりだ。
「ヤバ………ッ!」
油断した。
ガレットが目を見開く。
再び叩き込まれようとするクワーガの一撃に、身構えた。
………が、その一撃がギルリッターに浴びせられる事は、無かった。
「ひゃは………ぐえぇっ?!」
ギイイッ?!
ズドォ!
調子に乗ったフランクが、クワーガごと予想外の方向から飛んできた一撃に吹き飛ばされた。
翼を破壊されたクワーガは、そのままフラフラと落下する。
「ふ、フランクのアニキィ!?」
リーダーを失い、狼狽える舎弟達。
「今の一撃は………?」
突然の援護射撃に、驚くガレット。
彼等の視線の先には、こちらに向けてガシャガシャと迫る、一機の小型ゾイドの姿。
「あれは………ヤドシェルか?!」
そこに現れたのは、背部にコンテナを背負った、ヤドカリがごときゾイド「ヤドシェル」。
コンテナ部にA-Zバルカン砲を装備した、武装カスタムタイプだ。
だが、問題は誰が乗っているか。
が、ガレットの脳裏に浮かんだその問題は、直ぐに解決した。
ヤドシェルから、通信が繋がったのだ。
『無事ですかガレットさん!私です、ミルクです!』
「ミルクちゃん?!どうして………」
通信に映ったのは、ヤドシェルのコックピットに座るミルクの姿。
意外な援軍の登場に、ガレットは目を見開く。
「あなたがやられる姿を黙って見てるなんて出来ない!私だってやれるんです!見てて下さい!」
キシィィィッ!!
初めての戦場に、ミルクは怯えていた。
けれども、彼女の判断は的確だった。
バルカン砲の砲身を上げ、ラプトール達に向けて狙いを定め、トリガーを引く。
ズドン!と弾丸が吐き出され、それは取り残された舎弟達とラプトールに襲いかかった。
「うわわっ!あのヤドカリィ!」
「ヒイイイ!!」
降り注ぐ砲撃は、所謂飽和射撃だった為に、ほとんど当たらない。
が、ラプトール達の動きを止め、攻撃を止めさせるには十分に役に立った。
「………ナイスアシストだ、ミルクちゃん」
ギャオッ!!
「俺達も行くぞ!ギルリッター!」
そしてターンは、再びギルリッターに回ってきた。
全身のバーニアを噴射してラプトールに接近し、一撃。
「ぎゃっ!」
ギエッ!
まずは一体、鉤爪で仕留めた。
「一機やられた?!」
「クソッ!撃て!撃て!」
残る二機のラプトールによる機関砲射撃が放たれるが、もうギルリッターを止める事は出来ない。
放たれた機関砲は次々と避けられ、突っ込んできたギルリッターは、ラプトールに噛みついた。
「ぎえっ?!」
「だりゃあっ!」
そしてそのまま、もう一体のラプトールに向けて投げつけた!
ガシャンッ!とラプトールとラプトールがぶつかり、そのまま二体揃って近くにあった半壊した建物にぶつかる。
二体のラプトールの目から光が消える。
停止したのだ。
「………よし!」
ギャオオオオッ!!
再び、ガレットとギルリッターは勝利を得た。
ギルリッターが勝利を喜ぶように、天高くその咆哮を響かせていた。
………………
こうして、セーブゲキの町を襲った危機は収まった。
町を襲ったフランクファミリーの舎弟三人は逮捕されたが、肝心のフランクはまたも姿を眩ませていた。
町外れにあるアジトも、既にもぬけの殻だったという。
「本当に、行ってしまわれるのですか?」
「すまんね、でも大丈夫、あれだけ叩きのめされたフランクはもう町には戻って来れないよ」
一連の事件が終わった後、ガレットはセーブゲキの町を出る事にした。
セーブゲキの町長は呼び止めたが、ガレットは、もうここに自分が居る必要はないと確信が持てていた。
あれだけ「恥」をかかされたフランクが戻ってくるとは思えないし、自分が居なくともこの町は復興できるだろう。
そして、セーブゲキの町を出るのは、ガレット一人ではない。
「ミルクの事、頼みますよ」
「ああ、任せてくれ」
ガレットの後ろから、ひょこっと顔を出しているミルクもだ。
整備工場を再び経営する為に、ガレットについていって資金を稼ぐ事にしたのだ。
それに、ガレットからしても、ゾイドの整備や改造に明るい人物が居てくれた方が何かと心強い。
ゴルル………
「町の平和を守ってくれよ、コング」
助けたナックルコングはというと、町の保安部隊で面倒を見る事になった。
最初は皆警戒していたが、元来大人しいゾイドである事が知れて、慕われるようになったからだ。
もし、再びフランクのような輩が現れた時には、保安部隊と共に町を守る強力な味方になってくれるだろう。
「それでは、またいずれ!」
ギャオオオオッ!!
ガレットを乗せたギルリッターと、ミルクを乗せたヤドシェルが、朝焼けの中へと駆けてゆく。
まだ見ぬ世界を求め、彼等は旅立った。
………この時、ガレットもミルクも知らなかった。
これが、とある大事件へと繋がる事に。
・ミルク
元共和国軍人を父に持つ、セーブゲキ生まれの少女。
ゾイドの整備工場を経営していた事もあり、改造・整備の技術に明るい。
年齢の割に胸が大きい。
名称:ヤドシェル
分類:ヤドカリ種
全長:3.9m
体重:10.0t
最大スピード:93km/h
スピード:4
アタック:4
IQ:4
スタミナ:7
ディフェンス:4
ワイルドブラスト:0
<概要>
主に共和国軍で運用されているヤドカリ型ゾイド。
背部のコンテナに様々な物を収納し、運搬する。
キャタルガよりも安価で手に入る為、民間でも使われている。
武装する事もあるか基本は作業用の為、本能解放技は持たない。
また、骨格の一部がスコーピアと酷似しており、一部学者にはスコーピアの亜種とする考えもある。
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