最高の相棒 (シロップシロップ)
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天使のような少女

初めての投稿です!誤字脱字等あるかもしれませんが、温かい目で見てくれると嬉しいです!


突然だがあることについて真剣に考えてみて欲しい。

 

問い 人は平等であるかどうか。

 

私の答えは否だ。人々は平等では無いと思う。

 

お金持ちの家に生まれてきた子供は贅沢な暮らしが出来ると思う。しかし、お金がなく貧しい家に生まれてきた子供は貧しい暮らししかすることが出来ない。

 

社会でもそうだ。権力がある人や無い人、弱みがある人や無い人、運がある人や無い人など...、言葉にするだけでもたくさんあると思う。

 

 

そう、この世は不平等で出来ている。

 

 

 

なぜなら.....

 

そうでなければ、こんな事になるはずなんて無いのだから。

 

私は改めてある事をきっかけにそう思った。

 

 

 

設定

主人公 花里 優美 (はなざと ゆみ)

 

パフェが大好き 主人公はとてつもなく天才

 

可愛い物と可愛い女子が好き(決して変な意味ではない)

 

容姿 黒髪美少女

 

性格 明るくて前向き。とても優しいが怒ると凄く怖い

心を許している人にはたまに甘えて子供っぽくなる

 

趣味 料理・お菓子作り、読書

 

ある人物と幼馴染み(後から出てくるよ!)

その人とは呪われた腐れ縁だと主人公は思っている

 

Aクラスのある人物とも知り合い

 

主人公には、誰にも言ってない大きな秘密がある

 

高度育成高等学校学生データベース

氏名 花里 優美 (はなざと ゆみ)

 

クラス 1年Cクラス

 

部活 ーーーー

 

誕生日 10月20日

 

学力 A+

 

身体能力 B+

 

判断力 B+

 

協調性 A

 

面接官からののコメント

筆記試験で異例の全教科満点を取っていて、身体能力も非常に高く、面接試験も好印象を獲得している非常に優秀な生徒。本来なら文句無しのAクラスだが、ーーーーーを制御できる唯一の人物だと報告にあがっており、別除資料をふまえてCクラス配属とする。

 

◎◎◎

 

 

4月。私はこれから通うことになる高度育成高等学校の入学式に向かうためにバスに乗っていた。

 

学校まで後もう少しか~。

 

私は、空いていたバスの席に座りながらそんな事を思っていた。

 

これから始まる新しい高校生活が楽しみでしかたない私は、胸をワクワクさせて、ニコニコ笑顔で時間が過ぎるのを待っていた。

 

…って言っても、学校に着くまでにまだ時間あるんだよなぁ。なにしよ~。

 

そう思った時、ふと、膝の上に乗っている鞄に目を向けた。

 

そう言えば、この前買った新しい本まだ途中だったな~。

この本、面白くて続き早く読みたいなって思ってたんだよね。でも、学校に着いたら読もうと思ってたけど……折角だし学校に着くまでこの前買った本でも読もうかな。

 

私はバッグの中からある一冊の本を取り出た。

 

因みにこの本はミステリー小説。もともとミステリー小説が大好きな私にとって、本達は私の宝物だ。

 

壊れ物を触れるぐらいの優しい手つきで、愛おしそうに本を撫でる。

 

そして、しおりが挟んでいるページを開いて目を輝かせながら本の世界に入っていった。

 

そして、本の世界に入って幾らか経った頃、誰かに声をかけられた。

 

「あのー、お隣よろしいですか?」

 

「へ?」

 

突然の出来事に、思わず間抜けな返事をしながら声をかけられた方を向いた。

 

そしてその瞬間、私は時間が止まったかのような感覚に陥った。

 

さらさらとした綺麗な長い髪に、チラリと見える黒色のリボン。紫色の瞳に、桜色の唇。

 

きっと、男子なら誰であろうと思わず彼女き見惚れるだろう。いや、訂正かな。女子でも見惚れる。それぐらい、彼女はとても可愛らしい容姿をしていた。

 

(かわいい…この子、かわいすぎる…)

 

思わず、その容姿に見惚れていると彼女は綺麗なソプラノの声で「あの…?」と呟いた。

 

なんと、声までめちゃくちゃ綺麗…!

 

(かわいい…)

 

そう心の中で思っていると、声に出してしまったのか彼女は少し頬を赤く染めながら困惑していた。

 

っと、やば!

 

「すいません…。思わずつい…。あ、どうぞ!席座ってください!」

 

すると、彼女はふわりと微笑んだ。

 

「ありがとうございます」

 

かわいい…!!この子、天使かな?こんな可愛い人初めて見た…!!

 

すると、その少女は私の手元にある小説に視線を向けると、途端に目を輝かせた。

 

「あの、もしかしてその本…ミステリー小説、ですか…?」

 

彼女が話しかけてきた事に驚きつつも、肯定して頷いた。

 

もしかして彼女もミステリー小説好きなのかな?だとしたら嬉しい。

 

すると、彼女は満面の笑顔を浮かべてた。

 

「やはりそうでしたかっ。私も好きなんですミステリー小説!」

 

「ほんとですか!?」

 

ミステリー小説が好きな友達余りいなかったから好きな人と出会えて嬉しい!!

 

「はいっ。あ、あの、その制服、もしかして高度育成高等学校の新入生ですか?」

 

おお~、当たってる!あ、でもなんでわかったんだろ…って彼女も私と同じ制服着てるな。なるほど~、つい彼女に見惚れてて服装まで目がいかなかった…

 

「はい、そうです!同じ学校ですね~、嬉しいです。あ、私の名前は花里優美です。よろしくお願いします」

 

「私は椎名ひよりです。こちらこそよろしくお願いしますね、花里さん」

 

ああぁぁ、笑顔…可愛い…。そして名前も可愛い…。この子最高かよ。是非仲良くなりたいな。

 

「あのぉ、もしよかったらなんだけど、タメ語で話してもいいですか…?是非友達になりたくて…」

 

「はいっ、勿論いいですよ。」

 

「ほんと!?ありがとう!あ、あと、ひよりちゃんって呼んでも良い…?」

 

すると、彼女は優しく微笑んだ。

 

「勿論です。では私は優美さんとお呼びしますね」

 

ひよりちゃん…女神だ…やばい…

 

そーだ、まだ学校まで時間あるよね。折角だしひよりちゃんと語ろう!そう思いながら、私は本を鞄にしまった。

 

「ねぇねぇ、ひよりちゃんはミステリー小説好きなんだよね!どんな作品が1番好きなの?」

 

「はいっ、私はですねーーー」

 

それから私達はバスが学校に着くまで本の話で盛り上がった。

 

 




読んでくださりありがとうございます。


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呪いの声

見てくれると嬉しいです!


 

私は今、バスで出会って仲良くなったひよりちゃんと本の話で盛り上がっていた。

 

ひよりちゃんの話しは面白いな~。話してて楽しい。

 

キラキラと目を輝かせながら彼女は話を続ける。

 

「それでーーーなんですよ!」

 

「そうなんだ!それ面白いよね」

 

「優美さんはどの作品が好きですか?」

 

う~ん、沢山あるけど...でもやっぱりあれが好きかな。

 

「私はねー、ドロシー・L・セイヤーズ の『誰の死体?』とかは面白かったから好きだよ!」

 

そう言ったらひよりちゃんは先程よりももっと目を輝かせて私との距離を縮めた。

 

えーと、何か変なこと言ったかな?

 

距離が近くなったのでひよりちゃんのかわいい顔が先程よりも大きく見えた。そして、ふわりといい匂いが漂ってきた。

 

いい匂いだな…って今の変な意味で思ったんじゃないよ?ひよりちゃん女子力高くない?天使…て言うか、無意識なんだと思うけどさっきよりも目がキラキラしててホントに可愛い。この顔、写真撮りたい…

 

「本当ですか!私も好きなんです!ピーター卿シリーズの1作目で、1度読めばシリーズを読みたくなること必至ですよね!」

 

その言葉を聞いた瞬間、私も思わず前のめりになった。

 

え!ひよりちゃんも!? 嬉しい!!!!

 

「うん!そうだよね!読んでいくにつれてワクワクしてすごく面白いよねっ」

 

「そうですよね!」

 

するとその瞬間、バスが学校に着き止まった。

 

プシュー

 

「「あ、」」

 

私達は思わず顔を見合わせ、私は今日2回目の間抜けな声を出した。

 

「ふふっどうやら学校に着いたみたいですね」

 

「そうだね」

 

もっとひよりちゃんと話ししたかったな…

 

そう思いながらも私はひよりちゃんと一緒にバスから降りて学校を見上げた。

 

わぁ~。すごい!

 

「でっかい...!」

 

「立派ですね」

 

「うん。流石国が運営してるだけあるよね!」

 

莫大な資金がかかってそうだな…

 

「そうですね。それでは行きましょうか」

 

ひよりちゃんそう言われて私は頷き、校舎の中へ入っていった。

 

「それで先程の続きですがピーター卿シリーズは全部読みましたか?」

 

「うん。勿論!『忙しい蜜月旅行』も面白かったな~!」

 

「ですよねっ。あれは傑作でしたよ!すごく面白かったです!」

 

「だよねだよね!」

 

ひよりちゃんとピーター卿シリーズを一緒に語りながら歩いていると人集りができている所があり、そこに掲示板があった。

 

「あ、彼処にクラス分けの掲示板がありますね。見に行きましょう」

 

「そうだね」

 

私とひよりちゃんは人混みに混ざり、掲示板に向かって歩いた。

 

「えっと私は...」

 

そう言ってひよりちゃんは掲示板を見ていく。それに合わせて私も掲示板を見て、自分の名前を探していった。

どうか願わくはひよりちゃんと同じクラスでありますように…!!

 

「あ、私はCクラスでした。優美さんは?」

 

「えっと私は...あ、私もCクラスだったよ!同じクラスだね!」

 

嬉しいな~と思いながら喜びに浸っているとひよりちゃんは満面の笑みを浮かべながら私の手を取った。

 

「本当ですか!?嬉しいですっ」

 

ああぁぁ、待って、待って、ひよりちゃんすごく可愛いんだけど...やばい、今日は私の命日なのかな?

 

あまりのひよりちゃんの可愛いさに胸を抑えているとひよりちゃんが私の背中をさすってくれた。

 

「大丈夫ですか…?」

 

ありゃ、もしかしてひよりちゃんに心配かけちゃった…?やばいやばい。

 

「全然大丈夫だよ」

 

「ですが...」

 

「ホントに何でもないよ。心配してくれてありがとう」

 

ひよりちゃんが可愛すぎてて悶えてました、とは死んでも言えない…ものすごく罪悪感が残る…けど言ったら変態見たいに思われちゃうから…ごめんねひよりちゃん。

 

「わかりました。では、何か具合いが悪くなったら言ってくださいね?」

 

優しい…

 

「わかった。ありがとう。…それじゃあCクラスに行こ!」

 

そう言うと、私達は自分達のクラスであるCクラスの教室へ向かい、入っていった。

 

ガラガラ

 

「えっと席は...」

 

「優美さん、座席表ありましたよ」

 

「あ、ほんとだ!」

 

黒板に座席表が書かれてあった紙がとめられていた。

 

「席は...残念ながら離れてしまいましたね...」

 

残念そうな表情をしながらそう話す。

 

「でもほら、同じクラスだからいつでも話せるよ。だからまたたくさん話そ!」

 

元気づける為に明るく言うと、ひよりちゃんはさっきの残念会そうな表情から一転、目を輝かせた。

 

「はいっ。そうですね。ありがとうございます」

 

うん。ひよりちゃん凄くかわいい。目にキラキラが戻って良かった。

 

「じゃあ、またね」

 

と言い、ひよりちゃんに手を振るとひよりちゃんも手を振ってくれた。

 

そして、私は指定された自分の席に座った。

 

ふぅ、ひよりちゃんと仲良くなれて嬉しいな。それにひよりちゃん、本について語るとき凄く目を輝かせてて可愛いんだよね。癒されるな~。最近癒しが足りなかったから嬉しすぎる…

 

そう思っていると不意にこの教室に違和感を感じた。

 

…それにしても、なんかこの教室に入ったときからずっと見られてるような…?

いや、視られていると言った方がいいかな。めちゃくちゃ不快な気分になる。

 

私は不自然に思われないように注意しながら天井を見た。

 

うん。やっぱりこの教室、防犯カメラがたくさん設置してあるな。

 

…ここは牢獄か何かかな?明らかに可笑しいよね。

 

何でいっぱい設置してあるんだろう。虐め対策?いや…それは無いか…それにしては量が多すぎる。

 

…だめだ。情報が足りなさすぎてわからないな。

 

あーもう、頭あんまり使いたくないんだよなぁ…

 

まぁでも、今できることは何もないし…読書でもして先生を待とうかな。担任の先生ならなにか知ってるかもしれないし、後で聞こう。

 

そう思いながら私は本を鞄から取り出そうとしたその時

 

ゾクッ

 

急に寒気を感じた。

 

ん?待って。この寒気、見覚えがある、ような…?いやいやいや、まさかね。アイツがこの学校に居るわけ無いもんね。気のせいだよ気のせい。いや~、今日良いことありすぎて私どうかしちゃったのかな?

 

そう思うと同時に、教室のドアが開いた。

 

そして、身に覚えがある気配を感じた瞬間、私は咄嗟に頭を伏せた。

 

やばいやばい。なんで?え?なんで?

 

すると、足音がだんだん私の席に近づき、そしてピタリと私の目の前で止まった。

 

「よう、久しぶりだな優美」

 

ギクッ

 

思わず肩が震えたけどそこは責めないで欲しい。

 

え、待って待って、今アイツの声がしたよね…?

 

ううん、きっと幻聴だよ幻聴。いやー、私今日疲れてるのかなー?

 

「おい、聞いてんのか?」

 

ドンッと机を叩きながら言った。

 

えっ、いや、え?今すごく大きな音出たんだけどな、それに何か色んな視線が此方に向いてる気がするんだけど...?

 

私は恐る恐る頭を上げて声のする方へ視線を向けると、そこにはかつて私の幼馴染みだった人物…龍園翔がニヤニヤしながら私の方を見ていた。

 

え?

 

「よぉ優美、無視とは言い度胸だな?」

 

「え、えーーッ!?」

 

ガタンッ

 

思わず立ち上がってしまった。

 

ひよりちゃんが此方を心配そうに私を見てる。優しいなひよりちゃん!だけどごめん。今それどころじゃない。私の頭は今パニック状態だ。

 

「な、何で此処にいるの!?翔」

 

「いるも何も此処の学校に通うからいるんだが?」

 

「へ?いやいや、え?」

 

混乱しながら視線を周りに向けると、クラスにいる生徒の殆んどが此方を見ていた。

 

やば!目立っちゃった。どうしよ…でも翔には色々聞きたいことがあるんだよな…聞き出さないと。

 

「と、取りあえず来て!」

 

小声でそんなことを言った。

 

まだ時間あるよね。そう思いながら私は自分の心を落ち着かせ、翔の腕を引っ張って人がいない所に来た。

 

「ふぅっ、えっと何でこの学校にいるの!?別の学校に行くって言ってたよね!?」

 

壁に寄りかかりながら不適な笑みを浮かべてる彼に向かって私は問い詰めた。

 

「あぁ、予定が変わったんだ。よかったなぁ?此れからも同じ学校だぜ?」

 

いやいや、翔と別の学校がよかったんだけど!お願いだから予定変わらないでよ…

 

「私は全然よくないよ!?大体私、行く高校は翔に教えてないよね?」

 

そうだよ。まずそれが可笑しい。なんで知ってるの?

 

「あぁ、斉藤が教えてくれたぜ?」

 

ん?斉藤先生が?教えた…って、え!?

 

「え?何で斉藤先生教えてるの!?誰にも教えないでくださいって言ったのに!」

 

斉藤先生~~~!酷いよ…。いやでも斉藤先生は嘘をつくような人じゃないからな。…もしかして脅された?

 

翔を若干睨むと、翔はニヤニヤしながら話を続ける。

 

「ま、俺は優美と一緒のクラスで嬉しいぜ?この学校色々何かありそうだしなぁ?優美もそう思うだろ?」

 

その瞬間、ニヤニヤしてた顔が凶悪犯見たいにやばい顔になった。

 

「うん、そうかもねって、あのね?また何か問題行動起こさないでよ!?大変なんだからね!?いつもいつも!」

 

大変すぎてやばいんだよ!?私の身にもなってよ…。まぁ、私が好きでやってることなんだけど…でもあの時とか本当大変だったんだからね。私が居なかったら警察送りになってたよ!絶対!

 

「それは否定できないなぁ?」

 

…否定してよ!否定しよ?もう問題行動とか起こしちゃだめだからね!?

 

「本当にやめてよね!」

 

「 それで優美、話は変わるが何か変わったことや変わった物が教室とかにあったか?」

 

「え、何で?」

 

「さっき俺のことを無視したよなぁ?」

 

いつの間にか彼は私に近づいていて私の耳元で呟いた。

 

その声は何時ものより低くて私の体がゾワリと感覚が波立つ。その瞬間私は翔との距離を取り、ため息をついた。

 

…脅さないで欲しいんだけどな。でもこの場合、後が怖いんだよね。仕方ないか。え~と…

 

「…翔も気づいてるかもしれないけど教室に大量に防犯カメラが設置してあったよ。それと、ここにはないけど教室だけじゃなくて廊下とか外にも設置してあったかな。後は…クラスが1組2組とかじゃなくてA、B、C、Dクラスって言う風にアルファベットになってるのが気になる、かな …?」

 

「そうか...」

 

翔は顎に手を置き何か考え事をしだした。

 

はぁ、嫌な予感しかしないんだけど…

 

あ、そういえば時間大丈夫かな。

 

そう思い私は自分がしている腕時計を見ると時間がギリギリになっていた。

 

やば、急いで戻らないと…

 

「取りあえず、もうすぐ時間だから教室に帰るよー」

 

「お前が連れてきたんだがな?」

 

「ハイハイ、あ、て言うか翔の席って何処なの?私の隣にさっきいたけど、隣の席じゃない…よね?」

 

「クククッ、そのまさかだぜ。お前と席まで隣とは面白いことになりそうだ。」

 

まじか…もうやだ…席替えしたい…

 

そう思っていると、教室について私と翔はそれぞれの席に着いた。

 

すると、

 

ガラッ

 

ドアが開いて担任の先生と思われる人物が入ってきた。

 




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怪しい学校

読んでくれると嬉しいです!


翔との話を終えて席に着いたときメガネを掛けた真面目そうな人物が入ってきた。

 

Cクラスの担任の先生かな?

 

「皆さん、席に着いて下さい」

 

そう言うと席を立っていた生徒は次々と自分の席へと戻っていった。

 

「…全員揃っているようですね。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私はこのCクラスを担当することになりました、坂上数馬です。普段の授業では数学を担当しています」

 

坂上先生か。名前的に数学が得意そうな先生だから数学を担当してるのは少し納得いくかも。

 

真面目そうな先生だな。翔との相性は…どうなんだろ?問題行動が嫌いな性格をしてたら、坂上先生哀れだよ…

 

まぁ、翔が問題行動起こさないように私も頑張るけど…

 

「この学校には学年ごとのクラス替えは存在しません。卒業までの三年間、私が担任として皆さんと学ぶことになります。改めて、よろしくお願いします。」

 

んん?今聞き捨てならない事が聞こえた気がするんだけど…?…え、ちょっと待ってクラス替え…無いの…?嘘…だよね?翔と3年間同じクラスとか冗談じゃないんだけど!?

 

パニックになりながらバッと翔を見ると私の視線に気づいたのか此方を見ながらニヤニヤしていた。

 

「さて、今から一時間後に体育館にて入学式が行われますが、その前にこの学校における特殊なルールについて説明します。今から資料を配布するので、一部ずつ受け取って下さい」

 

私は前から回ってきた資料を貰った。

 

ふぅっ、1回落ち着こう。うん、『学年ごとのクラス替えは存在しない』ってことはもしかしたら個別で別のクラスに移動できるかも知れないもんね!

それにきっと席替えだってあるはず!まだ希望はあるよね!

 

 

気持ちを切り替えて、先程配られた資料を読んだ。

 

「今から、全員に学生証端末を配布します。この端末には校内全ての施設を利用したり、売店などで商品を購入するためのクレジットカードのようなものが内蔵されているのです。つまり、ポイントを現金のように使うという事になります。ちなみに、この学校内で買えないものはありません。学校にあるものなら、なんでも購入が可能です」

 

...ほぇ~、なんでも買うことができるのかー。

 

じゃあ、文字通りなんでも購入できるもかな?例えば…『人権』とか。

…まぁでもそれは流石に無いか~。ここは学校だし。……でも、もし出来るなら……ちょっとやばいことになっちゃうかも、ね。

 

「ポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっています。今君たちには全員平等に10万ポイントが支給されている筈です。このポイントには、1ポイントにつき1円の価値があります」

 

坂上先生がそう言った瞬間、教室中が騒ぎだした。

 

おお~。10万ポイントって…すごい金額だよね…。

流石政府が作った学校。怪しさ満々過ぎて逆に怖い…。

 

これきっと沢山ポイント使いすぎちゃったら痛い目にあいそう…。気をつけとこ。

 

皆が喜びの声を上げてる中、私はチラッと翔の方を見ると不適な笑みを浮かべていた。

 

うわぁ~、翔何か問題行動起こしそうだなー…。

 

「額の大きさに驚きましたか?ここは全て実力で生徒を測る学校です。学校側から、入学した君たちにはそれだけの価値がある、と判断されたという訳です。ちなみに卒業時に現金化はできないので、無理に貯めておいてもあまり意味はないので注意してください。ですが、カツアゲなどの行為だけは絶対にやめてください。この学校はいじめに対しては、敏感です」

 

…なるほど『実力で生徒を測る』ね。

 

なんとすごい言葉が出てきたよー。

 

これは…近い内に戦争でも起こりそうだな。

翔もいるし…はぁ、絶対いやな予感しかしない…とんでもない学校にきちゃった…。

 

…波乱な高校生活になりそう…。

 

「何か質問がある人は居ますか?」

 

私は素早く手を挙げた。

 

隣からも手を挙げている様子が見られた。

 

どうやら翔も挙げたっぽいね。そして手を上げたってことは…流石翔。気づいたのかな。…でも出来れば気づいてほしくなかった…何しでかすかわからないし。

 

「ふむ、2人ですか。では、龍園くんからどうぞ」

 

「 この学校は俺達に入学のご褒美として10万ポイントをくれたが、毎月の支給額は幾らなんだ?」

 

翔の言葉を聞いた瞬間、坂上先生は驚いて一瞬目を見開いた。

 

「...この学校は生徒の実力を測る。そういうことです。」

 

「ハッそうかよ」

 

…うん、翔さ質問をするのは良いと思うけど、敬語使おう?年上だよ?先生だよ?中学校でもそうだったけどさ、そろそろ直そう?いや、中学校もそうだったけど小学校の時もだったよね。

 

「では次、花里さんどうぞ」

 

って、私の番か。翔は満足そうに座って私を見てるし…。そんなニヤニヤして、新しい玩具を見つけた子供見たいな顔しないでよ…。

 

まぁ、いっか。取り敢えず翔はほっとこ。

私も質問しないと。…って言っても、言いたいこと1つ翔に言われちゃったんだよね~、じゃあ…別の事言お。

 

「あの、幾つか聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

 

「どうぞ」

 

よかった!

 

「ありがとうございます。じゃあまず先程...『学年ごとのクラス替えは存在しない』と言っていましたが、個別では他クラスへ行くことは可能なんですか?」

 

やっぱまずはこれを聞いとかないとね~。

うう、どうかな…?お願いだから先生、イエスと言ってください…!この質問の回答で私の高校生活がかかってるんだよ…!!坂上先生お願いします…

 

「…今のところ学年ごとのクラス替えは存在しないとしか言えませんね」

 

お?これは…もしかしたらあるかもしれないっていうことだよね!よっしゃ!まだ希望は捨てずにすむ!

 

「そうですか、ではクラスで席替えはありますか?」

 

席替はないと本当に死ぬ。精神的に。

あんな不良みたいな人とずっと隣とかそろそろ耐えられない。私はひよりちゃんと隣になりたい…!

 

「ええ、あることにはありますが、当分席はこのままの状態になると思います」

 

えぇ…最悪だ…。まじかぁ…悲しい…。

 

普通1、2ヶ月で席替えとかあるのに…。

 

当分このままなのかぁー。残念すぎる…。

 

「質問は以上ですか?」

 

「あ、後もうひとつだけ…この学校では中間・期末テストで赤点などを取ると退学になってしまったりはしますか?」

 

私がそう言うと教室中が騒ぎだし、先生も目を大きく見開いて驚いていた。あの隣に座っていた翔もそれは例外ではない。

 

まぁ、やっぱこう聞いたらそう言う反応するよね~。『実力で生徒を測る』って言うぐらいならこういうこともあるのかな?って思ったんだけど…。

 

どうかな?そうじゃないことを祈りたいんだけど…。

 

「…今のところは何とも言えないですね」

 

…う~ん。その反応は、どうやらアタリ…なのかな。

坂上先生、眉が少しぴくってなってたよ。

 

「そうですか、時間を取らせてしまいすいません。ありがとうございます」

 

私は笑顔でお辞儀をして席に座った。すると、先生は何故か翔みたいな不適な笑みを浮かべた。

 

うわぁ…。

 

「他に質問はありますか?」

 

そう言い、教室をぐるっと1周見る。

 

「無いみたいですね。それでは良い学生生活を送ってください」

 

そう言って先生は教室から立ち去った。

 

…はぁ、なんかすごい学校に来ちゃったなぁ~。

 

そう思って私は教室中を見渡した。

 

やっぱりこのクラス…個性的な生徒がいっぱいる。

 

おっきい外国人みたいな人に、元気の良さそうな人に、ガタイのいい人、顔がちょっと怖そうな人や頭が良さそうな人などなど。

 

…取りあえずみんなの事知りたいから自己紹介でもするか。

 

ふぅ

 

「ねぇみんな、ちょっといいかな?」





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個性豊かな者達

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「私たちは今日から三年間、同じクラスで過ごす事になるみたいだよね。だから今から自己紹介をして、仲良くまでとは言わないけど知り合いになれれば良いなと思んだ!人前で話す事が苦手な人は、名前を言うだけでも大丈夫だよ。入学式までまだ時間もあるみたいだし、どうかな?」

 

私は周りを見渡し、できるだけ人当たりの良い笑顔をするように心がけながらそう問いかけた。

 

「賛成します。最低限、お互いの名前は知っておくべきでしょう」

 

「だよね、私達名前知らないのはやばくない?」

 

「そうだな!」

 

おおー、よし。周りを見渡す限り殆んど皆が乗る気になってくれてる。よかったよかった。あんまり乗る気じゃない子も何人かいるみたいだけど…。そこはフォローしながらやってけばいっか。

 

「ありがとう!それじゃあ、言い出しっぺの私から。私の名前は、花里優美です。気軽に下の名前で呼んでくれると嬉しいな。趣味は、料理と読書をすること!皆と仲良くなって、沢山思い出を作れたらいいなと思ってます!これからよろしくね。」

 

ペコリとお辞儀すると、皆が拍手をしてくれた。

 

上手くいったかな…?よかった。もし最初に言い出した私が失敗したら大変だったもん。

 

若干安堵しながら私は隣にいる翔にアイコンタクトを取った。

 

「龍園 翔だ」

 

うぅん、名前だけ…。まあ翔らしいっちゃらしいか。

 

すると1人の女の子が思いついた様にびしっと手を挙げた。

 

「あ!質問なんだけど〜、優美さんと龍園くんは知り合いなんですか~?」

 

他の生徒も「確かにー」、「朝大丈夫だったー?」

 

若干にやにやしながら言ってくるあたりからかおうとしてるみたいで何だか恥ずかしくなってくる。

 

あちゃ~。それは誠実に忘れて見なかったことにしてほしかった…。ちょっと恥ずかしいなこれ。

 

願うことならタイムスリップして過去に戻りたいよおお。

よし、こういう時こそ挽回!ピンチはチャンス。頑張れ私。いけるいける。

 

「うぅん、まあ一応知り合いだよ。腐れ縁?みたいな感じかな。朝の事は…恥ずかしいので忘れてくれると嬉しい!てゆかほんと忘れて?んん゛、まぁでも、翔もこんな怖い顔してるけど、いい人?だから私共々仲良くしてくれると嬉しいなあ。よろしくね。」

 

よし、これでだいじょu

 

「優美、おまえ今怖い顔っていったな?」

 

うわぁ、そんなこと今言わないでよ!?

 

気にさわった?そんな睨まなくてもいーじゃん。

こういうのはあんま慣れてないんだからさぁほんと。

 

「色々頑張ってフォローしてるんだから黙っててよぉ!」

 

やけくそ気味にそう言うと、クラスの何人かがクスクスと笑った。

 

…めっちゃ恥ずかしい…。

 

きっと、いや絶対顔が真っ赤になってるすんごい熱い…。

 

も、もういいや次行こ次!

 

「そ、それじゃあ次の君お願いしてもいいかな?」

 

よし、他の人が自己紹介してる内にまずは自分の心落ち着かせよううん。

 

◎◎◎

 

「俺の名前は石崎 大地だ!俺は昔から喧嘩が強くてーー」

 

「あたしは真鍋 志保。ファッションセンスなら誰にもーー」

 

「私は金田 悟です。勉強が得意でーー」

 

恥ずかしい思いをしてから一転、この教室では自己紹介で盛り上がっていた。

 

なんか…みんないい人すぎる。ノリ良いし、めっちゃ親切に話してくれるし…。

 

そして、あまり自己紹介に乗る気がなかったであろう素振りをしていた青味がかったショートヘアの女の子も名前を教えてくれた。

 

「伊吹 澪」

 

なんだろうこの子…クールっぽくて可愛い…。

はい、ドンピシャ来ました。

私この子の雰囲気めっちゃ好きです。こういう感じの!

ひよりちゃんに劣らないぐらいほんとかわいい。

うわぁ、めっちゃ仲良くなりたいなぁ…。なれるかなぁ…。うんよし、絶対今度話しかけてみよう。あと名前可愛い。

かわいい子ってよく名前まで可愛いよね。なんだろう…そういう規則てもあるのかな。

 

そう思っていると、銀髪の髪をした少女が立ち上がった。

 

わあー!!ひよりちゃん…!!

 

「私は椎名ひよりといいます。趣味は読書をすることです。読書が好きな方は是非一緒にお話ししたいです。皆さん、よろしくお願いします」

 

笑顔でふわりと微笑む彼女。…うん、可愛い…!!なんだろう、癒しとはほんとこのことか。なんで動いて喋るだけでこんなに可愛いんだろ。今の微笑みは反則ですありがとうございます。

 

しかも今、一瞬笑顔でこっち見てくれたし…!!天使すぎる…。

 

ひよりちゃんが優雅に席に座ると、続いて最後の一人である外国人とハーフ?ぽい背が高い男子生徒が立ち上がってくれた。

 

「Hello. My name is Alberto Yamada. Nice to meet you.」

 

わあすごい英語で自己紹介…!!!こういう風に自己紹介するのってめっちゃ憧れる。すんごいかっこいい。英語ができるってやっぱいいよねそれだけでかっこよく見える。

 

よし、こういう時こそ私も英語で反応…!

 

「Nice to meet you too, Alberto!」

 

よし、英語でよろしくって言えた。ってあ、頷いてくれてる…!これはちゃんと伝わってるって解釈していい?うれしいやった。

 

すると、教室中にチャイムがなった。

 

あ、丁度入学式が始まる10分前だ。

でもみんな全員自己紹介できたし丁度いい時間帯だね。よかったよかった。

 

「みんな自己紹介してくれてありがとう!それじゃあ、そろそろ時間だから入学式の会場に向かおっか~」

 

皆で立ち上がって、私たちはぞろぞろと入学式の会場へと向かった。

 

…よし、不安なこととかまだいっぱいあるけど…。私が別のクラスに行くまでにちょっとでもこれから仲良くなれると良いな。がんばろ。

 

そう私は、自分の胸のなかで密かに思うのだった。

 



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幸せの時間

読んでくれると嬉しいです!

それでは、どうぞ~!


入学式も無事に終え、再び教室へ戻り軽くホームルームをして今日は解散になった。

 

「ねぇ優美ちゃん!これから私達と一緒にショッピングセンター行かない?」

 

「俺達とカラオケ行こうぜ~」

 

「ゲームしよ!」

 

ホームルームが終わった後、沢山の人達から一緒にショッピングをしよう、遊びに行こうなどと誘いを受けた。

 

皆優しい…嬉しいな~。

 

でも…、…。

 

とても申し訳無いが、今日は色々やりたいことがあるため、全て断ることにした。

 

「ごめんね、皆。今日は日用品を色々買ったりしたいから遊ぶのは明日でもいいかな?」

 

私がそう申し訳なさそうに言うと、皆納得してくれた。

 

「わかった!じゃあ、明日ショッピングしよ~!」

 

「じゃあ俺達は明後日だ!」

 

「うん、いいよ~。いっぱい皆で遊ぼうね。ありがとう。じゃあ、折角だし皆で連絡先交換しない?」

 

「いいよー!」

 

「しよしよ!」

 

「おっけ~」

 

私は皆の承諾を得て連絡先を交換した。

 

そして、皆に再び「ありがとう」とお礼を言い、私は自分の席へ行き帰る支度をした。

 

すると、隣に座っていた翔がこちらを見ながら話しかけてきた。

 

「優美、ちょっといいか?」

 

…用事があるから翔の話は聞けないんだよなぁ…謝っとこ。

 

「今から用事があるから無理なんだ。ごめんね」

 

すると、翔が眉の間を微かに曇らせた。

 

「ほぉー、それはなんだ?それとお前随分と人気者になったな」

 

…どうしてそんなに不機嫌そうにしてるんだろう?

 

よくわかんないけど、今日はごめん!

 

「そうかな?皆が優しいだけだよ。それに本当に今日は用事あるんだ。ごめんね」

 

…そう、何を隠そう、私はこれから天使の所にいくんだよ!!誰にも邪魔はさせないっ。

 

「天使だぁ?なんだそれ?」

 

「あれ?声に出てた?」

 

「あぁ、バッチリとな、それで?」

 

声に出ちゃってたか~、恥ずかしい…まぁいっか~。

 

「ひよりちゃんのところに行くの!」

 

私はひよりちゃんに会いに行ってこれから癒されにいくんだ~。楽しみだな~。

 

「ひより?あぁ、アイツか。」

 

そう言い、ひよりちゃんがいる方を見た。

 

どうやら今、帰る支度をしているようで、鞄の中にホームルームで貰った資料やペンケース、本などを入れていた。

 

「じゃあ、後で俺の部屋に来い」

 

そう翔が言うと何かを紙に書き出してその紙を私の机の上に置いた。

 

その紙を見てみると、そこには部屋番号と連絡先が書かれてある。

 

これ…翔の部屋番号と連絡先…?

 

「連絡先はしっかり登録しとけよ」

 

翔はそう言って、教室から出てってしまった。

 

なんか大事な用事でもあるのかな?まぁ、どんなことかは察しがつくけど…。

後でちゃんと翔の部屋に行かないとな。怒られちゃう。

 

そう思って私は素早く翔の連絡先を登録しておいた。

 

よしっ、じゃあかわいい天使のところに行こうっ!

 

私は鞄を持ってひよりちゃんの所に行った。

 

「ひよりちゃん!一緒に帰ろ~」

 

「え、優美さん!?」

 

私が話しかけると驚いて目を見開いていた。

 

あれ、急に現れたからびっくりしたのかな?今度からは気をつけよ。

 

「びっくりさせちゃってごめんね。一緒に帰らない?」

 

「いいですけど…どうして私を?他の方がいるのでは…?」

 

え?

 

「…他の人?」

 

「先程沢山の方々とお話ししてましたよね?その方々とてっきり帰るのかと…」

 

話は確かにしてたけど…折角だしひよりちゃんと帰りたいと思ってたんだよね。

 

「ひよりちゃんと本の話もっとしたかったから一緒に帰りたかったんだけど…だめだったかな?」

 

そう言うとひよりちゃんは慌てたように、そしてどこか嬉しそうな表情をした。

 

「いえ!そうではないです!一緒に帰りましょうっ」

 

やったー!ひよりちゃんと一緒に帰れる!嬉し~。

 

「ありがとう。あ、後、折角だし連絡先交換しよ!」

 

「いいですよ」

 

そして私はひよりちゃんと連絡先を交換した。

 

あ、そうだ。あと折角だし、…あれあるか確認しないと。

 

「ひよりちゃん、折角だし帰りに日用品買って帰ろうよ。後本屋さんにも!」

 

「いいですね!行きましょうっ」

 

そう言い、私達は教室から出ていった。

 

◎◎◎

 

そして、私達は学校を出てコンビニに向かった。

 

「あ、コンビニついたね~。入ろー」

 

「はい」

 

カランカラン

 

おお~、すごい…いっぱい色んな商品がある…。

 

コンビニの店内に入ると、そこにはコンビニとは思えないほどの数や種類が店内に置いてあった。

 

ちなみにコンビニの店内にも防犯カメラが沢山設置してある。

 

…万引き防止の為なのかな?それとも……

 

まぁ、コンビニに監視カメラがあるのは当然か。万引きとかされたら大変だからな~。

 

そう思いながら私は、あるものを探しながら店内を見た。

 

うーん、なんかなか見当たらないなー。

 

ってお~!すごい…

 

店内の売り物置き場に、沢山の種類のカップラーメンが置いてあったのを発見した。

 

カップラーメンってこんなに沢山の種類あったんだ…。

 

すごいな~っと思いながら再び店内をぐるっと回ろうとした時、ひよりちゃんがひょこっと現れた。

 

「優美さん」

 

「どうしたの?」

 

「あの、ちょっと見て欲しいのがありまして…」

 

そう言って、ひよりちゃんは私をコンビニの角に連れていった。もしやと思っていると、案の定そこには無料商品が幾つか置いてあった。

 

これは…

 

「どうして無料の商品があるのでしょうか」

 

やっぱり、あったんだ。予想通り。

 

…このこと一応ひよりちゃんにも言っといたほうが良いよね。ひよりちゃんならポイント使いすぎることはないと思うけど。

…あ、でも本いっぱい買っちゃってポイントなくなっちゃう可能性があるかも…?

 

よし、しっかりと伝えておこう。

 

「…ひよりちゃん」

 

「はい」

 

「たぶん、ポイントは最低限使わない方がいいと思う」

 

「どうして…ですか?」

 

「今ちょっと先生の言ってたこと思い出したんだけど、確か坂上先生『ポイントは毎月1日に自動的に振り込まれる』としかあの時説明してなかったよね」

 

「!?それではまさかこれは…」

 

ひよりちゃんが、はっとした顔で私を見た。

 

「うん。先生、毎月10万ポイント振り込まれるとはひと言も言ってなかったはず」

 

「なるほど…つまり、来月は何ポイント振り込まれるかがわからない…ということですね」

 

「うん。普通に考えてポイントがプラスになるわけ無いから、たぶん減っていくんだと思う」

 

その減っていく基準は大体予想はつくけど…。これはまたあとでにしておこう。

 

「なるほど…そうですね、わかりました。だけど少し残念です」

 

「?」

 

「それでしたら本があまり買えなくなってしまいます。10冊ぐらい買いたかったのですが…残念です…」

 

悲しそうに、しょんぼりとしている。

 

うん…私もそれぐらい本を買いたかったな。

ポイントをあまり使わないで沢山本を買える方法…。

 

「あ、じゃあさ、私も本買いたいから、一緒に5冊ずつポイントが振り込まれた日に買いに行こうよ。そして、その本を2人で貸し合いっこすれば、お互い10冊読めるよ」

 

「!?良いのですか!?」

 

ひよりちゃんは私の手を取り、優しく包んだ。

 

「もちろん!私も本沢山本を読みたかったから」

 

すると、ひよりちゃんはパアッと顔を明るくさせ、可愛らしい笑顔を見せた。

 

「ありがとうございますっ」

 

ん"ん"、か、かわいい…!!ひよりちゃん…かわいすぎるよ…。その笑顔は反則すぎる…。

 

「それじゃあ、コンビニでシャンプーとか日用品色々買っちゃお!」

 

「そうですねっ」

 

それから、私達はそれぞれコンビニで買い物をしてからお会計をし、コンビニを出た。

 

カランカラン

 

「それにしても、本当にお金として使えるんですね」

 

「そうだね~、後、コンビニとは思えないぐらい種類が豊富だったしすごいな~」

 

普通のコンビ二はあんなに種類無いよねぇ。流石国が運営する学校…。恐ろしすぎる。

 

「そうですね。では次、本屋さんに行きましょうっ」

 

目をキラキラさせテンションMAXになったひよりちゃん。…横で小さくガッツポーズしてるのかわいいな。

 

そう思いながら私は、ひよりちゃんと一緒に本屋さんに向かった。

 

◎◎◎

 

少し歩いてショッピングモールに入り、その中の本屋さんがあるという階に到着した。

 

え~と本屋さんは…

 

「あ、優美さん!本屋さん在りましたよっ」

 

ひよりちゃんが曲がり角でそう言いながら手を振っている。こういう仕草がかわいんだよな…。

 

私はひよりちゃんのそばに行くと、そこにはおっきな本屋さんがあった。

 

「あ、ほんとだ」

 

「早速中に入ってみましょうっ」

 

可愛らしい笑顔をしながら本屋さんへ入っていくひよりちゃんに続いて私は本屋さんへ入っていった。

 

「ええっと何があるかな?」

 

てゆうか、この本屋さん大きいな~。すごい…!色んながありそう。

 

ミステリー小説は…お~!いっぱいある!!

 

「優美さんっ。見てください!『Xの悲劇』とか『ABC殺人事件』とかありますよっ。クリスティの本がいっぱいあります!他にも『十角館の殺人』とかありますよ」

 

「えっ!?ほんと!?」

 

ひよりちゃんに見せられた本をじっくりみる。

 

「ほんとだ!すごいね~」

 

「はいっ」

 

めっちゃ本があってすごい…。なに買おうか悩むな~。

 

そう思いながらちらっと、隣にいるひよりちゃんを見ると、彼女は満面の笑みをしながら本を見ていた。

 

ねぇ、私、ひよりちゃんの周りに花が見えるんだけど…。ふわふわして、最初あった時はしっかりしてそうなイメージだったけど、今は子供っぽくなっててめっちゃかわいい…。

 

やっぱりひよりちゃん見てると癒される。

 

「それじゃあ、5冊買う本選ぶね」

 

「はいっ。私も選びます!」

 

それじゃあ、私も選ぼう。どれにしようかなー?

 

そう思いながら私はミステリーコーナを歩いて見てまわった。

 

久しぶりにこういうことするから楽しいな~。

 

あ、この本!『ビブリア古書堂の事件手帖』だ!この本も好きなんだよね~。それから…え!『アクロイド殺し 』なんてあるんだー。どうしよっかな。凄く迷う…。

 

…それにしても、やっぱりこうやって友達と過ごしてるの楽しいな。本好きの人と出会えて嬉しかったし。

 

翔だったら本とか興味絶対持ってくれないな~。

…翔も本の魅力知ってくれればいいのに。

 

そう思いながら私は、買う本を選んでいった。

 

◎◎◎

 

~1時間後~

 

「ひよりちゃん、決めた~?」

 

そう言いながら、私が決めた五冊の本を持ちながらひよりちゃんの所に歩いて行く。

 

「はいっ。とても迷いましたが決めました!」

 

「よし!じゃあレジに行こー!」

 

「そうですね!」

 

そして、私達は本屋さんで本を買い、これから住むことになる寮に向かった。

 

でも、流石に本5冊と日用品持ちながら歩くのは結構大変で、めちゃくちゃ重かった。

 

「重いです…っ」

 

ひよりちゃんが重たそうにしながら頑張って持っている。へろへろで、今にも倒れそうだ。そんな弱った姿もちょっとかわいい…って違う違う!私はなにを考えてるんだよ!?

 

「もう、寮に着いたよ!もう少し!頑張って!」

 

私も重い荷物を持ちながら、ひよりちゃんにエールを送った。

 

う、やっぱり配送して貰った方がよかったかな…?

レジで買ったときに配送もできますよっていわれたんだけど…届くのが翌日だったし、ポイントも勿体無いと思ってたから配送は断ったけど…

寮から本屋さん意外と遠かったんだよねー…

次回から配送にして貰おう…もうこんな思いはしたくない…

 

そう思いながら私達は寮にあるエレベーターのあるところで止まった。

 

「じゃあ、此処でお別れかな」

 

「そうですね」

 

あ、そうだ。

 

「ねぇねぇ、もしよかったら明日から一緒に登校しない?」

 

ひよりちゃんと、一緒に学校行ったら楽しいと思うんだよね~。そのかわいい顔も見れるし、癒されたい…。

それに、本の事とじっくり話したいしね。

 

「よろしいのですか?」

 

「もちろん!」

 

「ありがとうございますっ」

 

可愛らしい笑顔でひよりちゃんは答えてくれた。

 

「じゃあ、時刻は後でメールで話し合お!」

 

「はい」

 

「じゃあね。あ、後今日付き合ってくれてありがとう~。とっても楽しかったよ~」

 

「私もです。ありがとうございますっ」

 

「バイバイ」

 

「はい~」

 

そう言って、ひよりちゃんと別れた。

 

ふぅ、今の時刻は…16時30分か~。

 

自分の部屋に荷物を置いて…その後に翔の部屋に行かないとな~。

 

私は自分の部屋に向かうのだった。




どうでしたか?もしよければまた、参考にしたいので感想と評価をくれると嬉しいです!

読んでくれてありがとうございます。


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誰にも言えない秘密

読んでくれると嬉しいです!

それでは、どうぞ~


私は自分の寮の部屋の前に来ていた。

 

ここが私の部屋か。う、何か緊張するなー。

私は慎重にカードキーを刺して扉を開けた。

 

ガチャッ

 

「お邪魔しま~す」

 

お~!すごい!!

 

意外と部屋広いな~。

嬉しい、自分だけの部屋だ~。

 

やった~。

 

って、はしゃぐ前に…

 

え~と、買った本とか日用品とか部屋にしまわないとね~。

そう思いながら、私は買ったものを部屋に閉まっていった。

 

っと、よし。こんなもんかな。そろそろ翔の部屋に行かないと。

 

翔まってるかな~

 

なんて呑気に思いながら、翔に連絡へ入れて部屋を出ていこうとすると…

 

急に胸が焼けそうにキリキリと痛くなった。

 

「…ッ!?」

 

(…ぅえ、いっ…たい…ッ)

 

脳が焼けるようにしたくなり、次第にその痛みが身体中に広まっていく。

 

バタッ!

 

私は思わず床に倒れ込んだ。

 

(い゛…ぅ、はぁ、ッ……おち、ついて…ッお願い…ッ…ぃ…ッ…なん、で、よりによって、いま…なの…ッ?)

 

針を刺すような痛みが全身に襲いかかってきて、吐き気や息苦しさが増していった。汗も大量にかき、痛みに耐えきれなくて自然と目から涙がツーと垂れていく。

 

 

(ぅ、え、き…もち…わるい…)

 

ふ…ぅ、は、やく…くすり…くすり…を、のま、ないと…ッ

 

私は身体中痛い中、頑張って鞄に手を伸ばしくすりを探していった。

 

ガバッ、ガサガサガサガサ

 

(ど…こ…?ッ…はやく…ッ)

 

ガサガサガサガサ

 

(あ、あった…)

 

ジャリジャリジャリ

 

ゴクッ!

 

(う…ぇ)

 

ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!

 

(ぅあ…は…ぁ)

 

水がそばにないから唾液で頑張って飲んだ。

 

すると、なにかの音声が突然脳に流れる。

 

『いいかい?〇〇。これはーーーーーで~~~~なんだ。』

 

 

 

 

 

 

『これは〇〇にしか出来ないの。お願いしてもいい?』

 

 

 

 

 

 

 

 

『!?やったぞ、成功だ!』

 

はぁはぁはぁ、え、?

 

な、んで?ぱ、ぱ?ま、ま、?

 

どうして?助けてよ…ッ…

 

 

 

わたしは…わたし、は……

 

 

 

バッ!

 

(ッ……はぁ、っ、はぁ…っ…)

 

ぅ、痛み…収まったみたい…だね。よかった…。

 

だけど…はぁ、嫌なこと思い出しちゃったな…。

 

早く翔の所に行かないと…その前に、汗かいたからお風呂入ろう。

 

 

◎◎◎

 

 

ん~、さっぱりした~。お風呂ふわふわして気持ちよかったな~。まだちょっとさっきの感覚が残ってるけど…それは仕方ないよね。って、あ、時間やばい!

 

そろそろ行かないと。翔怒ってるかなぁ…。

うう、まぁ……でも、さっきのこと翔に気づかれないようにしないと。色々こっちにも事情があるからなぁ…。

 

洗面所にある鏡を覗き込む。そこに写っている自分は、まだ顔色が優れてない。

 

…これだったら気づかれちゃうな~。翔結構敏感だし。

 

私は無理やりぐいっと口角を上げ、鏡の前で笑顔を作った。

 

うん、さっきよりはましになったかな。ちょっと不細工だけど。まぁそれは仕方ないか。

…じゃあ行くか。ちょっと憂鬱だけど。

 

「行ってきまーす」

 

ガチャン

 

私は、気持ちを隠して、いつも通りに笑顔を作って、ドアをしめて翔の部屋に向かった。

 

◎◎◎

 

えーと、確か翔の部屋は…ここだよね。

私は紙に書かれている部屋に立ち止まり、インターホンを押した。

 

ピンポーン

 

私は来るかな~と思いながらひとりでぼんやりとしていた。

 

それにしても…。

 

前から思ってたけどこのピンポンって音、愛着がわくなぁ…。綺麗な音だし、響きが良いし…。ピンポンピンポンいっててなんかこのインターホンかわいい…。

 

…なんて、ね。はぁ、…私ちょっと気が動転してるのかな…?無意識に癒しを求めてたりする?いま私、自分の癒しがこのインターホンになってない?…ううっ、それはダメだよ…。私の癒しはひよりちゃんなんだから!

 

今日いっぱいお話しして癒してもらったばっかなのに…。うう…。

 

…で、でも…もう1回、押してみちゃだめかな…?

べ、べつに私は翔が来ないからもう1回押そうとしてるだけだし…っ、いい、よね?

 

私は恐る恐るインターホンに指をかけたその時。

 

ガチャン

 

「よぉ~、待ってたぜ。って、なにやってるんだ?」

 

「…ッ、う、ううん。何でもないよ~。お邪魔させてもらうね」

 

ガチャッ

 

あっぶない…うう、翔が来てた…。恥ずかしい…。いや、ここは翔の部屋だから当たり前だけど…!って、別になにも恥ずかしくないじゃん!私はただインターホンを押そうとしただけもん。

うん、別に恥ずかしい事はしてないよね。大丈夫大丈夫。

 

「随分と遅かったな」

 

うー、やっぱりそこ聞くかぁ…。

 

「あ、ごめん!汗かいちゃったからお風呂入ってたの!」

 

まぁ、一応嘘じゃないし…。大丈夫だよね…?翔には申し訳ないけど…。

 

「そうかよ。…まぁ、いいか」

 

「うんうん。そーだよー?女の子には女の子の事情があるんだから!」

 

「ふん。まぁいい。その辺どっか…ベットにでもいいから座ってろ」

 

「は~い」

 

ばれてない…みたいだね…。よかった。

 

そう思いながら私はベットの端にちょこんと座った。

 

おお~、このベット、ふかふかしてる…。ふかふかのふわふわだ…。自分の部屋のベッド、どんな感じか確認してないんだよね。

…ふっふっふっ、これは帰ったらベッドに直行だな。

ふわふわと戯れたい…。

 

「そんなにこのベッドが気に入ったか?」

 

急に声がしたと思って驚いたら、翔がマグカップを2つ持ってきた。

 

びっくりしたぁ…。なんだ翔か…このふわふわなベッドがしゃべったのかと思った…。

 

まぁ、そんなファンタジーの世界じゃないんだしあるわけないか。…でももしあったら名前つけたかったな。

 

「う…別に良いじゃん!このベッド、ふわふわしてるんだもん…」

 

「ほらよ」

 

「えっ!?」

 

翔がマグカップを渡してきて、そこにはココアが入っていた。

 

「いいの?ありがとー!!」

 

嬉しい…翔が入れてくれたココア好きなんだよね~。暖まるから…って、このマグカップ、いつも使ってたやつじゃない?

 

「このマグカップ、持ってきてたんだね」

 

「ああ。いいだろ?お前これ気に入ってたしな」

 

「うん。ありがと~。えへへ、お揃いだね~」

 

そう言いながら私は一口ココアを飲んだ。

 

美味しい…!心が暖まるな~。

 

翔の入れるココアはなぜかいつもとても美味しく感じるんだよね。もしかして翔ココアを美味しく入れられる天才?

 

そう思いながら私はココアをもう一口飲んだ。

 

「それで?今日はどうしたの?」

 

まぁ大体予想はつくけど…。

 

「お前も気づいてるだろ?」

 

うぇ…。

 

「…Sシステムのこと?」

 

すると、翔は口角を上げた。

 

「あぁ、そうだ。お前はどう考えてる?言ってみろよ」

 

え、えー、言ってみろって…随分と翔は私のこと買ってくれてるなぁ…。買い被りすぎじゃない?

 

まぁ…この学校のことはひよりちゃんと一緒に居た時に大体理解できたと思うけど…。

 

合ってるかわかんないしな…それにこれは言うべきなのかな?

言ったら翔、絶対何かやらかすし…いや、でも今後のクラスの為になるなら言った方がいいのかな…?

 

どうすればいいんだろ…。

 

うむむと私が考えてた時

 

翔がふと何かを出した。

 

その何かとは…私の大好きなパフェだった。

 

「これをあげるから教え」「教えます!!」

 

「そうか。じゃあほらよ」

 

そう言って翔は私にパフェをくれた。

 

パフェ…美味しそう…!いえい。やったー!嬉しい…。しかも私が好きな苺パフェ…!!翔…こんなものを隠していたとは…流石翔…っ。

 

「それじゃあ、教えて貰おうか?」

 

あ、忘れてた。

 

…まぁいっか!パフェ貰えたし!何とかなるでしょきっと!

 

「はぁ、わかったけど、今から話すことは全部私の憶測だからね?」

 

当たってるかわからないしね~。

 

「あぁ、わかってるぜ。聞かせてみろよ。お前の考えを」

 

翔はすっと、目を細くした。

 

「はぁ、えっとね~まず、毎月貰えるポイントが10万ポイントでは無い。そこは翔もわかってるよね?」

 

「あぁ。坂上がそう自分で言ってやがったからな。どうせ、なんかの基準でポイントが減っていく算段なんだろうよ」

 

うん。そしてここまではひよりちゃんに話したこと。

 

「そうそう。それで、そのポイントが減っていく基準になるのは…恐らく生活態度とか授業態度かな」

 

「あぁ。大量の防犯カメラと、坂上が『この学校は実力で生徒を測る』って言ってたからな」

 

流石だね~翔。

 

「ん。で、問題なのは個人で減点していくのかクラス全体で減点していくかのどっちかなんだけど…。たぶんクラス全体でだと思うんだよね。

 

理由は幾つかあるけど…個人だと差が激しくなるし、それに今日コンビニに行ったときにね、無料の商品があったんだ。欠陥品とかじゃなくてちゃんとしてるやつが。

だからたぶん、振り込まれるポイントが少なくなってポイントが足りなくなっちゃった時の為の救済措置だと思うんだよね。

 

流石に個人でならこんなことしなくても大丈夫だと思うし…わざわざそれをしてるってことは沢山の人数がそうなっている可能性が高い。だからかな」

 

「まぁそう考えた方が自然だな」

 

「うん。でね、後、この学校のクラスってさ、朝にも言ったけど、1組2組とかじゃなくてA、B、C、Dのアルファベットでしょ?」

 

「そうだったな」

 

「まぁ、クラスがアルファベットになってる事に意味はあるかわからないけど…もしそのアルファベットに何か意味があるなら1番上がAクラスで1番下がDクラスになることになる。問題はどうしてそんな風になっているのか。それがヒントになるのは坂上先生が言っていた『この学校は実力で生徒を測る』っていう言葉。」

 

「クククッ、なるほどなぁ?」

 

「ん。もしかしたらクラス分けも生徒の実力に応じて配属されてるかもしれない…かな」

 

「ほぉ」

 

「んで、後は、坂上先生に説明した時にも質問したけど私達がこれから行う中間・期末テストで赤点を取ると退学になる危険があるかな」

 

「ああ。お前確かそう言ってたよな。んで?そう考えた理由は?」

 

「あ~、それはただ単純に?この学校って噂で厳しい学校だって聞いたことがあったからと、生徒を実力で測るならこういうこともありえるのかな~って思って聞いてみたんだよ。…先生の反応的にそうっぽい事が判明したけど」

 

すると翔は顎に手を当てながらなにやら考え始める。

 

「で、補足で言うとポイントは先生の言うことが正しければ、何でも買えるんじゃないかな。物じゃないものとか。たとえば…テストの点数とか、何かの権利とか。そう言うのも買える可能性もあるから、ポイントはあんまり使わない方がいいと思うよ」

 

「クククッ、面白くなってきたじゃねぇか。つまり、今は授業態度を改めて授業をしっかり聞いた方がいいってことだな」

 

うーん、なんか、ものすっごく嫌な予感しかしないんだけどな…。

 

「お願いだから、クラスを暴力で支配するみたいなことはしないでよ?」

 

中学校の時みたいにしないでね?

 

あれ、本当に大変だったんだから!

 

「どうだろうなぁ?」

 

ねぇ、ほんとにやめてよ…?翔は私を殺す気なのかな?

 

「でも、今言ったことは全部憶測だし、もしそれが当たってたとしても、どうしてそんなことをするか目的がいまいちわからないから鵜呑みにしないほうがいいよ?」

 

「あぁ。ちゃんとその辺は1から調べるつもりだ」

 

うんうん。それがいいと思う。

 

「それで…今言ったことクラスの皆に話すの?」

 

話したらポイントはあまり減らなくてすむと思うけど…。

 

「それはまだしねぇ。どんなやつが使えてどんなやつが使えねぇのか見たいしな」

 

「こら、人をモノ扱いしちゃだめだよ」

 

「別に良いじゃねぇか。それぐらい。」

 

「良くないよ、まったく…」

 

人はモノじゃないんだけどなぁ…。

 

むぅ。

 

「なぁ、優美。ちょっと確認したいことがあるんだが」

 

「ん?なに?」

 

「たぶんお前の言ってることは当たってやがると思うぜ。だから言わせてもらう。…お前は、今回は俺の味方か?」

 

少し空気が重くなる中、私はわざと明るい声で言う。

 

「どーだろーねー?」

 

なるほどねぇ…。これが今回私をわざわざ呼んだ理由かぁ…。ちょっとおかしいと思ってたんだよね~。翔なら私にわざわざ聞かなくても私と同じ考えにたどり着くはずなのに。わざわざ今日呼んで直接聞く必要ないと思うし。

それに私、今日用事あるって言ったのに、終わったらこいって言ったんだよ?私、どれくらいに終わるとか言ってなかったもん。

用事あるなら明日でも良かったはずだし、だいたい今日は初日だよ?いろいろ部屋を片付けたり、学校の中見たり、色々大変な時期だと思うんだよね。

 

それに、今日にしても会うのが遅くなることは知ってたはずなんだから電話とかでもよかったはずだし。

わざわざ直接、初日に聞きたいことって言えば、私の敵か味方か確認するのも頷ける。

 

私は、真剣な顔をして私の瞳を覗き込む翔にニコリと笑った。

 

「安心してよ~翔。私は、今はまだ翔達の味方だよ?」

 

「…そうかよ。」

 

「うん。それにしても、翔がこんな質問するなんて珍しいね~。何時もはそう言うこと言わずに私に問答無用で頼んでくるじゃん?あ、ちょっとは成長してくれた?」

 

「うるせぇ…俺はただ、今聞かないとお前が逃げていきそうだったから聞いただけだ」

 

「えぇ?私は逃げないよ~、そう簡単には。それは翔が1番良く知ってるんじゃない?」

 

「ふん。そうだったな。…じゃあ聞き方を変えよう。お前は、俺をどう思ってる?」

 

!?

 

ええ~、それは…翔自身の人間性として?それとも……

 

(…まぁ、どんな意味であろうと、私の今の答えは決まってる)

 

ごめんね、翔。私は、今はまだ君のその質問に答えたくはない。

 

「…内緒…だよ?」

 

私は色々な気持ちを抑えながらそう言った。

 

 





読んでいただきありがとうございます。


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可笑しい

今回は何時もより短いです!
それではどうぞ~


「ひよりちゃんおはよー!」

 

「優美さん、おはようございます」

 

学校に行くために、私はひよりちゃんと登校していた。

 

「昨日買った本、すごく面白かったです!結構夜遅くまで起きちゃいました」

 

「どんな本だったの?」

 

「それがですね!ーーーーーでして!それで」

 

私達は、本の話などをしながら学校に向かった。

 

◎◎◎

 

ガラガラ

 

「それでですね、」

 

「席に着いてください。ホームルームを始めます」

 

やばっ、先生きちゃった。

 

「じゃあね、ひよりちゃん」

 

私はひよりちゃんにそう言って手を振ると、ひよりちゃんも手を振って可愛くコクンと頷いてくれた。

 

今日もひよりちゃんは可愛いなぁ…。

 

そう思いながら、私は急いで席に着き、隣をそっと見る。

 

…翔は、まだ来てない、か。

 

これまでの翔の話をしよう。

 

翔はこの1ヶ月、よく遅刻して学校に来るようになった。悪いときには学校に来ないこともしばしば。

 

翔に聞いたら、何でもSシステムについて色々調べていると言っていた。翔が遅れてくる時に先生は何か紙に書いていたからおそらく遅刻したことによってポイントが減ったんだろう。翔もその事を見てニヤニヤ笑ってたし。たぶん、自分がわざと遅刻したり、色々なんかして学校側の反応を見てるんだと思う。

 

でも、私は調べた方がいいかもとは言ったけど学校に遅刻してこいとは言わなかったんだけどな、と思いその事を翔に言うと、遅刻しないで学校に来る日が多くなった。

 

よかったな~、と思いつつも、クラス皆の授業態度が少し悪くなっていたので来月のポイントが心配になった。

 

そして、学校の授業で驚いたことは4月なのに水泳の授業があったことかな。

 

男女別で競争をして1位を獲得した生徒は5000ポイントを貰えるみたいだったけど。因みに女子は私が、男子は翔がポイントを獲得したよ。

 

ついでに、言うとひよりちゃんの水着姿がとっても可愛かったな。翔も私の水着姿誉めてくれたから嬉しかったけど。

 

そして、水泳の授業が終わり、何日か経った日、山田くんと石崎くんが怪我を負いながら登校してきた。

 

ただ軽い怪我なんてものじゃない。

 

外見だけで見ても、石崎くんは左腕を骨折していて、右腕にも包帯が巻かれており、さらに顔に湿布が貼ってあった。

山田くんも顔に湿布が貼られており、右腕や左足にも包帯がしっかりと巻かれていた。

 

私はその時、目を疑った。

 

思わずビックリして「は?」と言いそうになっちゃったけど…。

 

何で怪我をしているのか。まさか翔が暴力をしたのかと思い、2人に聞いてみると2人とも誤って階段から落ちてしまったと言っていた。

 

体が大きくて強そうな山田くんや、喧嘩が得意だと言っていた石崎くんが誤って階段から落ちるだろうか。私は疑問に思った。

 

翔に聞いてみても、知らないの一点張りだった。

 

う~ん、原因はよく分からないけど…でも2人とも階段から落ちたって言ってるんだしそうなのかな?と思い、取りあえず早く治ると良いなと私はそう思った。

 

そして、4月の終わりごろに、小テストがあった。

 

えっと、確か先生は『今回のテストは成績表には反映されることはありません。ただしカンニングは当然厳禁です。』って言ってたから、ポイントに反映されるってことだよね。ちなみに、テストが始まる前にチラッと翔の方を見たらニヤニヤしてた…。うん。何か悪巧み考えてそう。

 

まぁ、翔の事は置いといて、テストをしたんだけど、最後の3問以外はとても簡単だった。殆どが中学生で習った所を出題してあったからスラスラ解けたけど、最後の3問が高校生の範囲だった。

 

難しかった3問の問題の中で、最初と2番目はきちんと授業の話を聞いていて、それを応用とかして頑張ったらギリギリ解ける問題だったけど、最後の問題は解き方を知ってないと解けない用な問題になってたから、見たときはとても驚いたな。一瞬、目が可笑しくなったのかな?って思っちゃったけど。

 

でも一応、全ての問題は解くことができた。合ってるかは分からないけど…。合ってたらいいなぁ…私、意外とケアレスミスしちゃうから。

 

そんなこんなで時が経ち…

 

入学してから1ヶ月が過ぎ、5月1日になった。




どうでしたか?もしよければまた、参考にしたいので感想と評価をくれると嬉しいです!

読んでくださりありがとうございます!

次回、真実と宣言

本当の学校のルールが明らかに!また、龍園がついに動き出します!

お楽しみに!


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Cクラスの王様

7話の日常で、誤字がありました。指摘してくださった方々、本当にありがとうございます!


5月1日。ポイントが振り込まれるする日になった

 

え~と、振り込まれれた金額は...49000ポイントか

 

結構減っちゃったな

波乱な予感になりそう...。他のクラスはどうだったのかな...?でも、きっと今日坂上先生から何か説明あるよね。

 

今私が持っているポイントは、75000ポイント頑張って残したから、合わせると124000ポイントになる。

後...、今日なんか起きたときからイヤな予感がするんだよね。翔...何かしないよね?

 

翔が何か問題行動を起こさないことを祈りながら私はひよりちゃんと一緒に学校へと向かった

 

そして、暫く経つと5月最初の始業開始を告げるチャイムが鳴り、ポスターの筒を持った坂上先生がやって来た。

 

「みなさんおはようございます。これより朝のホームルームを始めます。...ただ、今日は何か質問があると思いますので、まずはそちらを聞いておきましょう」

 

手、誰か挙げるかな?そう思ったけど、誰も手を挙げなかったので少し意外に思った

 

あ、もしかして1度冷静になって初日の翔の質問を思い出したのかな?

 

冷静になるって良いことだよね

 

「おや?てっきりどうして10万ポイント振り込まれてないのか、という質問が来ると思ったんですが....ふむ。今年のCクラスは優秀な生徒が多いようですね」

 

そう言い、坂上先生は私達を見渡した

 

誉めて貰えて嬉しいな

 

「では改めてポイントについて説明する前にまずはこれを見てください」

 

坂上先生は手に持っていた筒から白い厚手の紙を取り出し、広げた。その紙を黒板に磁石で止めた。これは...、各クラスの成績表かな?

 

 

1年生 クラスポイント

 

 A:940cp

 

 B:650cp

 

 C:490cp

 

 D:0cp

 

綺麗に並んでるな~

 

Cクラスは3番目か

 

「まずはcp...クラスポイントというものを説明しましょう。この学校はリアルタイムで生徒の実力を測り、数値化します。要するにポイントはこのクラスの実力と思ってくれて構いません。」

 

ふむふむ

 

「各クラスにはあらかじめ1000cpが支給されています。そして君たちの普段の生活態度を評価して、この学校の生徒として相応しくない態度をとっている所を確認したら1000cpから減点するという減点方式の採点を行っていました。本日支給されたポイントは1000cp=10万pp(プライベートポイント)という定義から考えると、君達のcpは490、つまり49000ppが君達に支給されているということになります」

 

なるほどなるほど。そう言われると確かにそういう金額になるな~

 

そう思ったとき、隣に座っていた翔が手を挙げた

 

う、何かすごく翔がニヤニヤしてるよ...。先生が話した時からずっとだけど...

 

翔ってさ、何かするとき顔をニヤニヤさせるんだよね...

なんでそんな顔するんだろう。いたずらっ子の顔みたいだよ...?

 

「何でしょう。龍園君」

 

「質問だ、どうやってポイントは減ったのか詳細を教えてくれ」

 

おーい、翔ー?敬語!!忘れてるよ!!

 

坂上先生は翔が敬語を使っていないことには気にも止めず、翔の質問に答えていく

 

「それはできません。人事考課、つまり詳細な査定の内容は教えることはできないのです。社会も同じことで、企業に入ったとして詳しい人事の査定内容を教えるかは、その企業次第ですよね。しかし一部の生徒は納得しないだろうからヒントとして一部の生徒が当たり前の事を当たり前に出来ていなかったと言っておきましょう。」

 

確かに坂上先生の話に一理あるかな。そう簡単に詳細は教えてくれない...か。

 

「はっ!なるほどな。要するにそこのカメラで授業を真面目に受けていなかった生徒たちを記録してその回数でポイントが下がったってところか」

そう、翔は言いながら防犯カメラを指した

 

ん、そうだね...でも翔も一応遅刻とかしてきたよ?色々調べてたみたいだけどさ!

 

クラスの一部の生徒はその防犯カメラに気付いていなかったのか声には出していないが驚いていた。

 

「学校側は君達の生活を基本的に否定しないです。全て自己責任。仮に遅刻や授業のサボりを行っても特に何も言いません。しかしそれのツケは自分だけでなく、クラスに返ってきます。この結果が顕著でしょう?特に今年のDクラスは過去最低に酷く、0という過去最高の記録を出しています」

 

確かに...悲惨的だな... Dクラスはきっと今頃相当荒れちゃってるかな?

 

「もう気付いた生徒いると思いますが、この学校のクラス分けは特殊なものです。優秀な生徒から順にAクラスに分けられています。もちろんこの分け方も説明は出来ません。これに関しては了承してください。そして君達はCクラス、つまり学校側からは平均よりやや下の評価をされたクラスというわけです」

 

その瞬間殆どの生徒が怒り出した。まぁ、平均より下って言われたんだから当たり前かぁ...

 

「そう怒らないでください。今はCクラスですが、これからの結果次第ではBクラスにもAクラスにも上がれる可能性があります。cpはクラスのランクにも反映していて、もし君達のcpが651ポイント以上なら君達はBクラスに昇格して、今のBクラスはCクラスに降格します。そして君たちがこの学校は入った目的である進学率、就職率100%ですが、それは卒業する時にAクラスに在学している生徒のみです」

 

その瞬間、更に教室がざわめきだし不満に思う生徒が続出した。

 

希望する進学先や就職先に行くにはAクラスに上がらないとダメ...なのか

 

でも、それだと確実に多くの生徒は不幸になっちゃうよ...

 

この学校は本当に実力主義だな

 

前代未聞だよ

 

「以上でこの学校の仕組みについての説明は終わりますが、次にこれを見てもらいましょうか。」

 

そして坂上先生はもう一つ持っていた白い紙を広げ黒板に磁石で貼り付けた。

 

これは、前回の小テストの結果かな。

 

名前と点数が書かれていることから全員の結果がハッキリと見れるようになっており、1番高い生徒を左上に書きそこから順々と下がりながら全員の成績が表示されている。

 

ええっと私は....あ、100点だ。満点だったんだ...

 

自信は無かったから1問ぐらい間違えてると思ったんだけど...、嬉しいな。

 

えっと1位が私の100点で、2位がひよりちゃんの95点。3位が金田くんの90点だった。

 

ひよりちゃんもあの難しい問題解けたんだ。凄いな!

 

「今回のテストでは34点が赤点ラインです。今回は赤点を取った生徒はいませんでしたが石崎君、君の35点はギリギリです。次回以降は気を付けることですね、今後一科目でも赤点を取るようなことになればその生徒は即退学となります。」

 

予想どうり赤点を取ると退学になっちゃうんだ...

救済措置とかは無いのかな?あ、でも、もしかしたらポイントを支払えば出来るかもだよね。この学校に買えないものなんて無いみたいだから。...でも、もし買えるなら結構な金額になりそうだけど...

 

坂上先生の言葉に石崎君を始めとして点数が低かった生徒は顔を青ざめた。

 

...今度勉強を教えてあげようかな

 

「これは脅しでは決してありません。信じられないというのなら上級生にでも聞くといいですよ。質問がないなら今日のHRを終わりにします。出来ることなら1学期早々退学者が出ないように頑張って欲しいです。君達が赤点を取らずに済む方法はあると確信しています。では解散してください。」

 

そう言って坂上先生は教室を出て行った。

 

『確信している』ねぇ。赤点を回避できる方法があるのかな...?

 

そう思っていると、ひよりちゃんが私に近づいて来た

 

「優美さん、小テスト満点だなんて凄いですね。勉強、得意なんですか?」

 

!?ひよりちゃんに誉めて貰えるなんて嬉しいな~!

 

「んー、勉強は結構できるかな?でも、ひよりちゃんもすごいよ!ひよりちゃんも勉強得意なんだね」

 

「ありがとうございます。」

 

「そうだ!今日ポイント振り込まれたし放課後本屋さん後で行こ?」

 

「はいっ」

 

 

 

 

そう言って放課後になり、私達は教室を出ようとすると...突然、前の扉と後ろの扉が山田くんと石崎くんが塞いでしまったから出られなくなった

 

どうしたのかな?と思っていると

 

ゾクッ

 

と急に寒気がした

 

え?

 

その時、翔が壇上に上ってとんでもない事を言った

 

「全員いるな。俺のことを知っているヤツもいると思うが取りあえず自己紹介からいこうか。俺は龍園 翔。このクラスの『王』だ」

 

はい?と、思わず言ってしまいそうになった

 

ん?私、耳でも悪くなった?

 

そう思ってクラスをぐるっと1周見てみると、殆どの生徒は何を言ってるんだという顔をしていた。しかし、山田くんや石崎くんはそれが当然だという顔をしている。

 

もしかして...前もって聞かされてたのかな?

私は聞いてないんだけど...とも思ったけど。まぁ、それはいいとして翔、お願いだから問題行動起こさないでよ!?

 

「この学校の異質さは今日お前たちも身を持って味わっただろ?そして、今朝の坂上の発言から3週間後に行われる中間テストにおいても何か攻略法があるということが示唆された。お前たちはそのことに気付いたか?」

 

殆どの生徒が、攻略法何てあったのか...という顔をしていた

 

「気付いていなかっただろう?俺はその攻略法について検討がある。」

 

そう言いながら、翔は私を見た

 

え?

 

んん?何で私を見たんだろう。

 

私がそう思っている間にも翔はどんどん話を進める

 

「この時点で俺がこのクラスの中で優秀だというのは明確だ。だから、俺が王として君臨するのが相応しい...と言いたいところだが、反応から見て俺が王となるのに不満を持っている人間もいるようだ」

 

周りを見てみると不満そうにしている生徒が何人か居た

 

「俺を王と認めないやつもいるだろう。認めないやつは此処に残れ。このクラスの王を決めるぞ、そして王に興味ない奴は帰ってもいいが誰が王になろうと文句は言うなよ」

 

と、またまたとんでもない事を言ってきた。決めるってどうやって決めるんだろう?

 

...まさかとは思うけど、暴力とかで決めたりはしない...よね?

 

「だから、このクラスを支配するべき人間は誰か...決めようぜ」

 

そう、堂々と言った。そして、私の期待を裏切るように 

 

「勝負方法はなんでもいいぜ? 頭脳戦がお好みならやってやるし、腕っぷしで勝負したいならやってやるよ」

 

と、言った

 

ん?待って...今腕っぷしって言った?それってつまり暴力ってことだよね?

 

ん?え?はい?

 

「俺が王になることに文句がない奴は教室を出て行ってもらっても構わない。」

 

そう翔が言うと、ひよりちゃんが私に声をかけて来た

 

「私は出ていきますけど...優美さんはどうしますか?」

 

暴力をしでかすかも知れない翔を置いて出ていくのはやめた方が良いよね?うん。絶対大怪我する人続出しちゃうよ!?

 

でも、ひよりちゃんとの約束があるし...

 

そう思って翔を見ると、目が合い、『お前は残れよ』と目で言ってきた

 

はぁ、仕方ないなー

ひよりちゃんごめん!

 

「ごめん。ひよりちゃん、争い事には興味ないけど、野蛮なことになるかもしれないから残るね。翔をほっとくと何しでかすか分からないから...、本当にごめん!だからもしよかったら図書館で待っててくれないかな?」

 

「図書館ですか...?分かりました。お待ちしております。気をつけてくださいね」

 

彼女は、優しく微笑みながらそう言ってくれた

 

「本当にありがとう!」

 

私が目一杯感謝の気持ちを言うと、ひよりちゃんは教室から出て行き、それに続いて何人かの生徒達も教室から出て行った。そしてその結果、教室の中は出ようかどうか迷っている生徒と、不満な生徒のみとなった。

 

「クククッ、根性があるヤツが何人かいる見てぇだな」

 

翔がそう言うと重苦しい空気の中、ある少女が声を上げた

 

「私は納得できない」

 

あの子は...伊吹ちゃん?だよね

 

「ほぉ、伊吹か。お前もこれから勧誘するつもりだったんだが...丁度いい。それで、何で勝負するんだ?」

 

「勿論腕っぷしに決まってるでしょ」

 

へ?伊吹ちゃん?

 

「クククッ、そうかい。何時でも良いぜ?来いよ」

 

ちょ、翔!?女の子に手を上げちゃ駄目だよ!?男子もだけど!

 

 

「チッ」

 

伊吹ちゃんはそう言い、一気に距離をつめて素早く攻撃をした

 

武道経験者なのかな...?攻撃する速度が結構速い

 

「ほぉ、流石だな...だが、それだけだ」

 

翔は余裕の笑みを崩したりは一切しないで華麗に伊吹ちゃんの攻撃を避けた

 

その事に伊吹ちゃんは焦ったのか、右足を軸にして回り、右ストレートを放ったが、翔に止められてしまった。そして翔は伊吹ちゃんの脛を思いっきり蹴り、転ばせて素早く顔に手をグーにして殴ろうとした

 

!?ちょっ、やり過ぎだよッ!

 

そう思い、伊吹ちゃんが殴られる前に、私は翔に対して大声をあげた

 

「翔ッ!」

 

そう私が言うと、翔は凄い勢いで拳を放っていたが、伊吹ちゃんの顔にぶつかる寸前で拳を止めた

 

そして、近くにあった壁を思いっきり殴り、

 

ゴンッ!という大きな音が教室に響いた

 

その音を聞いた生徒達は震え上がったり、目を閉じたりしていた

 

「はぁ、今は伊吹を殴らなかったがまだ攻撃するってんだったら本気で今壁を殴ったみたいに殴るぜ?他のヤツも...な」

 

と、ものすごい威圧で場を支配し、この場に居た人々は誰も勝負をする気力が無くなったため、結局Cクラスの王?リーダーは翔に決まった

 

「というわけで、此れからは俺に従えよ?後そこにいる金田と伊吹と優美、それから俺の部下達は残れ。それ以外はボコボコにされたくなかったら今すぐ帰るんだな」

 

そう言うと、私と伊吹ちゃん、金田くん、それから山田くんと石崎くん以外の生徒が急いで走りながら帰っていった

 

ふぅ、さてと

 

私は翔に近づいて

 

「伊吹ちゃんにさっき殴ろうとしたよね?後、壁も殴ったよね?」

 

と、圧を掛けながら笑顔で翔に言った

 

「従わなかったのがわりぃんだ。」

 

その時、一瞬石崎くんが目を反らした。

え?まさか....

 

「ねぇ、まさか石崎くんと山田くんにも暴力振った?」

 

「あ?してねぇぞ?」

 

うん。非常に怪しい

 

「私は別に怒ってるんじゃないよ?ただ確認してるだけ。本当に暴力は振るってないの?絶対...に?」

 

と、威圧を交えて笑顔でそう言った

 

もし暴力を振るったのならそれはそれで許せないかな

 

すると、翔以外の人達は少しだけ体を震わせた

 

「...少しだけならやったかもな。」

 

と渋々答えた

 

へぇ~、そっかー。振るったんだ~、なるほどね~

 

「はぁ、じゃあ取りあえず山田くんと石崎くんと伊吹ちゃんと壁に謝ろうね?」

 

私は笑顔でそう言った

 

すると、石崎くんが少し焦ったような感じになった。

 

「ゆ、優美さん!俺達は別に大丈夫ですから!なぁ、アルベルト!伊吹!」

 

「yes」

 

「私は全然良くない」

 

「伊吹!?」

 

「謝ってほしい」

 

そうだよね。さっき危なかったもんね。謝るべきだよね。男子にならともかく女の子にまで暴力を振るおうとするなんて許せないな~。まぁ、男子もダメだけど。

 

「伊吹ちゃんと壁に謝ろう?」

 

「俺が悪いことをしたみたいに言うな」

 

翔は不満そうに呟いた

 

「こんな美人な子を蹴ったよね?」

 

すると、翔は若干の間が有りながらも渋々謝ってくれた

 

 

「...チッ、悪かったな」

 

「はぁ、私は別に翔がクラスのリーダーになるのは構わないよ?というか翔のやり方は賛成できないけどリーダーは翔が適任だと思う。このクラスで翔以上にすごい実力がある人はいるとは思えないし。賛成するよ。だけど、やり方をもうちょっと考えようね?」

 

私がそう言ったらこの場に居た私と翔以外の全員がなぜか目を見開いて驚いていた

 

??どうしたんだろう

 

「りゅ、龍園さんが謝った!?しかも優美さんに説教されてる...」

 

「花里氏、やりますね」

 

「?」

 

何の意味かが全然わからなかったけど、翔が「あぁ?」とすごい不機嫌そうな声で言うと、石崎くんが

 

「すいません...」

 

と謝った

 

「それより、龍園氏。何のご用件でしょうか。」

 

あ、そういえば私達翔に呼び出されたんだっけ

 

そう思っていると伊吹ちゃんも金田くんに続くような感じで言った

 

「何のよう?」

 

すると、翔が私と伊吹ちゃんと金田くんを見てながら

 

「あぁ、そうだったな。...単刀直入に聞くが、お前ら3人共俺の部下になれよ」

 

と不適な笑みを浮かべてそう言った

 




どうでしたか?

読んでくださり、ありがとうございます!

今回も、参考にしたいのでもしよければ感想と評価を付けてくれると嬉しいです!


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呪われた腐れ縁

いつも読んでくださりありがとうございます!


「単刀直入に聞くが、お前ら3人共俺の部下になれよ」

 

....部下?

 

2人を見てみると、何方とも驚いた用で伊吹ちゃんも

 

「はあ?」

 

と言っていた

 

「お前らは使える。幹部になれよ。あぁ、でも優美は部下じゃなく、あの時みたいに相棒になれよ」

 

...あの時...かぁ。あの時ねぇ。

 

「龍園氏、私は構いませんが。」

 

「んじゃ、金田は決まりだな。伊吹は?」

 

「断ったらどうなる?」

 

「その時はまぁ、俺に従うように色々と躾けるが?」

 

と、翔は顔をニヤニヤしながら言った

 

躾って...

 

「チッ、わかったよ。だが、私はそこの石崎達みたいにヘコヘコして従うつもりないから」

 

「へ、ヘコヘコ!?」

 

と石崎くんが思わずそう言った

 

ふふっ、伊吹ちゃん面白い

 

翔は伊吹ちゃんの言葉に納得した様子だった。

 

「ふっ、今はまだそれでいい。んで、優美は?」

 

私...かぁ

 

「...私、学年であんまり争いたくないよ?それにAクラスに上がれなくてもいいし...」

 

「ほぉ~?俺に不満でもあるのか?」

 

不満がある...か。まぁ不満はあるよ?

と言うか前から不満だらけなんだよね。

 

「あるよ。1つ言わせて貰ってもいいかな?」

 

「なんだ?」

 

ふぅ、この際心の中でずっと前から思ってたことを言おう

 

「思ったんだけどさ、私呪われてると思うんだよね。翔に!」

 

そう言うと、皆は驚いた

 

「は?」

 

「だってさ、幼稚園から小学校と中学校同じ学校でしかも毎回毎回同じクラスなんだよ?可笑しくない?

だけど、百歩譲ってそこは良いとしても、何で席が1度も離れないのかな?

いつも翔の席の後か前か、隣か斜めの席かの8択のどれかの席なんだよ!?だからいつもいつも席替えする時は神社に行って離れますようにってお願いしてるし、何なら1回校長先生に直談判してお願いした事だってあるのに1回も離れたことないんだよ?可笑しくない?」

 

「え、」

 

「それにさ、やっと高校で学校離れられると思ってたのに結局また同じ学校で同じクラスでしかも席が隣なんだよ?高校に行く前にもお払いだってして貰ったばっかりなのに!これはもう1周回って恐怖だよ恐怖!わかるかな?翔!」

 

すると翔は呆れた顔をした

 

「そんなもん、教師に言えよ教師に。学校が同じ所だったのは偶然だな偶然。俺とお前は相性がいいって事だろ」

 

私と翔って相性が良かったっけ?まぁ、そうならそれはそれで嬉しいけどさ、私が言ってるのはそうじゃないんだよね。

 

「それでもね?1回ぐらいは普通離れるよね?可笑しくない?ねぇみんなもそう思うよね?」

 

皆に投げ掛けると石崎くんと山田くんは

 

「あ、あぁそうだな...」

 

「That's right」

 

と言い、金田くんは

 

「それはきっと意図的にされたものでは?」

 

と言った

 

え?

 

「意図的に?」

 

そう言うと、石崎くんは何やら思い付いたようにしながら言った

 

「あ、もしかしたら龍園さんの事を唯一止めることが出来るから.. 何じゃないか?」

 

それに続いて金田くんも肯定の意見を言った

 

「それはあり得ますね。つい先程みたいに」

 

ん?どういうこと?

 

「え?」

 

すると

 

「ねぇ、龍園がいつもこうやって問題行動起こしてたらどうしてた?」

 

と、今度は伊吹ちゃんが聞いてきた

 

「ん?そりゃぁ、勿論止めてたけど?」

 

危険だからね。止めなかったらきっと病院送りになってる人がたくさん居たと思うよ?

 

でも中学の時は特に大変だったかな...あの人も居たし...

 

そう私は思っていると、皆は何故か納得したようにしながら言った

 

「きっとそのせいですね」

 

「だな」

 

「あんたも苦労してるのね」

 

「ん?」

 

え?どういう意味だろう。

 

「まぁ、それは置いといて、本当にAクラスには上がる気は無いのか?お前と俺が居れば確実にAに上がれると俺は確信してるんだがな」

 

翔が話題を変えるようにそんことを言ってきた

 

...買い被りすぎだよ、翔。私は、翔が思ってるより全然凄く何か無い。...でも皆がAクラスに上がりたいって言うなら協力するかも知れないけど...でも、まんまり争うのはなー

 

「...争い事は好きじゃない...」

 

「俺を助けるきはない...と?」

 

そんなことは言ってないよ?困っている人が居れば助けるよ?勿論。

 

「...別に其所までは言ってないからね?困っている人が居れば助けるよ?」

 

「んじゃ、俺は困ってるんだ。もし入ってくれるって言うんだったらパフェを好きなだけ奢ってやるよ。」

 

!?

 

「それほんと!?」

 

「あぁ、後は...そうだな、其所の伊吹とどっか遊びに行くってことで」

 

やったー!

 

「伊吹ちゃんと!?行きたい!」

 

「はぁ?何勝手に決めてんの!?」

 

伊吹ちゃんが反論するが、翔が追い討ちを掛けるように言った

 

「お前、伊吹と仲良くしたいって言ってたからな。それでいいだろう。どうだ?」

 

「わかった!パフェ今度食べに行こ!後、伊吹ちゃんと遊びに行きたい!!」

 

「じゃ、決まりってことで」

 

やった~!パフェ!食べれる...!嬉しいな~!

伊吹ちゃんとも仲良くなれるチャンスだよね!

嬉しいな!!!

 

そう思って喜んでいると他の皆は何故か驚いたり呆れたりしていた。

 

皆どうしたんだろう?あ、そうだ

 

「ねぇ思ったんだけどさ翔」

 

「なんだ?」

 

「ひよりちゃんは誘わないの?」

 

金田くん誘ってるならひよりちゃんも誘ってると思ったんだけどな...

 

「あぁ、それを今言おうと思ってたんだ。優美、ひよりに聞いといてくれ」

 

「何で?」

 

「俺が言うときっとすぐに逃げるだろ。アイツと仲良が良いお前が適任だ。」

 

なるほど、ね...

 

「...分かった。聞いてみるけど、本人の意思を優先してね?あんまり巻き込みたくないし...」

 

可愛いひよりちゃんをあんまり危ない目に合わせたくないからね

 

「あぁ、それでいい。」

 

よかった!

 

そう思ってると金田くんが翔に質問をした

 

「そういえば、龍園氏。中間テストはどうするんですか?何か攻略法があると言ってましたよね?」

 

あ、それ私も気になってた!

何で私の方を見たのかも気になるし...

 

「あぁ。あるぜ、だが確かめたいことがあるから今は言えねぇ。取りあえず、塵共に勉強でも教えてろ。其所の赤点ギリギリのヤツにもな」

 

そう翔が言うと、石崎くんは顔を青くした

...私も手伝おうかな

 

「分かりました。」

 

「後、連絡出来るように連絡先を交換して無いヤツは交換するぞ。」

 

そう言い、皆で連絡先を交換した

 

この翔の提案によって私は、クラスの中で連絡先を持ってなかったのは金田くんと伊吹ちゃんだけだったので連絡先を交換することができ、クラス全員分の連絡先をゲットすることが出来た。

 

嬉しいな~

 

「んじゃ、今日は解散で。後、優美は残れ」

 

すると、翔の言葉により他の皆は速やかに帰ってしまった。

 

どうしたんだろう?ひよりちゃんを待たせちゃってるから急がないといけないんだけど...

 

「どうしたの?」

 

「お前、中間テストの攻略法知ってるか?」

 

攻略法?

 

「ん~、少し検討してることはあるけど。確証が無いからまだ何とも言えない...かな。」

 

憶測だしね...

 

「んじゃ、中間テストの攻略法を探してこい。俺も探すからな」

 

え?

 

「翔はもう見つけたんじゃないの?」

 

「検討してるって言っただけだが?ある程度のことは検討が付いたが、お前と同じなんだよ」

 

そうなんだ...ってそれで話してるとき私を見てたの?

 

「ということで、分かったら連絡しろよ?」

 

はぁ、仕方無いなぁ...

 

「分かったよ...」

 

そう言うと、翔は不適な笑みを浮かべて立ち去ってしまった

 




どうでしたか?もしよろしければ、参考にしたいので感想と評価を付けてくださると嬉しいです!!!

明日から、学校が始まるので次回から投稿するのが遅くなってしまうかもしれません...。ごめんなさい。



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唯一の攻略法

遅くなってしまい申し訳ないです..。少し編集しました
明日、もう1話投稿できるように頑張ります!

それでは、本編にどうぞ~


はぁ、ひよりちゃん結構待たせてるよね...。後で謝らないとなぁ

そう思いながら、私は図書館に向かった

 

ここが図書館か...私、図書館に行くの初めてなんだよね。楽しみだなっ

 

「失礼しま~す」

 

ガラガラ

 

おぉ~!凄い...!

 

大図書館は広大な作りになっており、辺り一面本で埋め尽くされていた。

歩くたびに木の匂いが漂ってきて、本を早く読みたくなるような気になる。

 

ええっと...ひよりちゃんは...あ、居た!

ひよりちゃんは、椅子に座って静かに本を読んでいた

 

私は邪魔をしないようにひよりちゃんの隣の席に座って声を掛けた

 

「ひよりちゃん待たせてごめんね」

 

「優美さん、いえ全然大丈夫ですよ」

 

「ありがとう。それにしてもこの図書館凄いね!初めて来たけど、こんなに本があるとは思ってなかったからびっくりしたよ」

 

「私もです。沢山の本があり、そして種類も豊富なので嬉しいですっ」

 

「そうだね!私も本読もうかな。」

 

何れにしようかな~、一杯あるから迷っちゃうな...!

 

「本屋さんは今度にしましょう」

 

うん!

 

「そうだね、ありがとう!」

 

「いえいえ、それとクラスのリーダーは決まりましたか?」

 

あー、うん。そうだね。決まったよ

 

「うん。翔になったよ」

 

するとひよりちゃんは、納得がいった顔をした

 

「そうでしたか。まぁ、あの場では龍園くんがリーダーになるのが妥当でしょうね」

 

「それだね。...後ね、翔がひよりちゃんに部下になってほしいって言ってたんだけど...」

 

ひよりちゃん、どう言うかな...?

 

「そうなんですか...」

 

するとひよりちゃんは少し考えてから答えた

 

「お誘いは嬉しいのですが...、私は...争い事は嫌いです...Cクラスの生徒として最低限のことは協力するつもりですが、部下になるつもりはありません」

 

そっか、まぁ、あんまり危険な目にあわせたくないから良かったな。

 

「そっか、わかった。翔にそう伝えとくね、無理に聞いちゃってごめん」

 

「いえ、全然大丈夫ですよ」

 

そしてニコリとひよりちゃんは微笑んだ

 

「ありがとう」

 

其所でお話は終わり、私は本を借りてきてひよりちゃんと一緒に図書館で本を読み、そして寮に帰っていった

 

▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫

自分の寮の部屋にて―――

 

ひよりちゃんと一緒に本が読めて楽しかったな~

あ、そうだ。折角だし翔にメールしとくか

 

龍園 翔ーーー><ーーー花里 優美

 

 

花里 優美 | ひよりちゃんに部下になってくれるかどうか聞いたよ!

 

花里 優美 | 誘いは断られちゃったけど、Cクラスの生徒として最低限のことはしてくれるって言ってたよ!よかったね

 

すると、少したってから返信が来た

 

龍園 翔 |そうかよ、わかった。攻略法については何か収穫はあったか?

 

 

攻略法か~、えっと、今日は特に無いかな。この様子じゃ翔も無かったみたいだね

 

 

花里 優美| 特にはまだ無いかな。明日確かめてみたい事があるから確かめてみるね

 

龍園 翔 | わかった。後、明日クラスの塵共に改めて俺が王になったことを伝える

 

そうなんだ...

 

花里 優美 | 了解。だけど穏便に...ね?

 

そう打つと、既読は付くが返信は来なかった

 

大丈夫かな...?

まぁいっか。うん。きっと何とかなるよね

 

 

▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫

翌日

先生が来る前の朝

 

「改めてだが、このクラスの王になった龍園 翔だ。俺に従わなかったヤツは制裁するから覚悟しとけよ?」

 

翔、笑顔で言ってるよ...というか、皆怖がってるし...

 

周りを見ると、皆震えていたりなどをしていて怖がっている生徒が沢山いた

 

脅してるな。まぁ、皆いい人達だから脅さなくても大丈夫だと思うんだけどな

 

「それから、お前らに連絡することがあるかも知れねぇから全員後で連絡先を教えろ。後、勉強が苦手な奴らは放課後残って金田と優美に勉強を教えて貰え。以上だ」

 

翔がそう言うと、クラスの皆は慌てて翔の方へ集まり連絡先を交換していた

 

勉強か~、勉強教えないとな...特に石崎くんを

 

そう私は思った

 

▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫

お昼休み

 

「優美さん、一緒にお昼ごはん食べに行きませんか?」

 

ひよりちゃんが私に話しかけて来てくれた

 

「ごめん!今から行きたいところがあるんだ...」

 

本当にごめんね...

 

「行きたい所...ですか?」

 

「うん。あ、もしよかったらひよりちゃんも一緒に行かない?」

 

着いてきてくれたら、物凄く嬉しいな。ひよりちゃんがいると心強いし!

 

「構いませんが...何処にですか?」

 

ありがとう!嬉しいな~、...ふふっ、何処にかぁ、それはね...

 

「ふふふっ、それはね、中間テストの攻略法を探しに行くんだ!」

 

「攻略法...ですか?」

その時ひよりちゃんは不思議な顔をしていた

 

▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫

 

「ここは...生徒会議室ですよ?」

 

「うん、ちょっと生徒会長さんに用が合ってね」

 

コンコンコン

 

「どうぞ」

と、中から可愛らしい声がした

 

「失礼します」

そう言い、私はドアを開けた

 

ガチャ

 

すると其処には、メガネを掛けている生徒会長さんと可愛らしい女の人と、金髪の男の人が居た

 

女の人の方、何か凄く凄く可愛いな!

金髪の男の人は...誰だろう?

もしかして会議中の所に来ちゃったかな...?申し訳無い...

 

「お二人は...生徒会の立候補ですか?」

と、可愛らしい女の人が言った

 

「あ、いえ少し生徒会長さんにご用がありまして...」

 

そう私が言うとメガネを掛けている生徒会長さんが少し笑みを浮かべながら言った

 

「ほぅ、何だ?」

 

何か緊張するな...

 

「えっと、持っていたら何ですが、1年の中間テストの過去問をポイントで売ってください」

 

私は端末を持ちながらそう言った

 

「「「「!?」」」

 

すると、3人とも目を見開いて驚いていた。

 

そしてひよりちゃんはと言うと

「あ、優美さん、まさか...」と、何か思い付いたように呟いた

 

「どうして過去問が欲しいんだ?」

 

う~ん、何て答えようかな...あ、そうだ

 

「過去の問題を有益にすることに何か問題ありますか?」

 

これでどうかな?嘘はついてないし良いよね

 

「理由はそれだけか?本当の理由を教えてくれないと話は聞かない」

 

う、流石生徒会長さん...。鋭いな、じゃあ仕方ないか

 

「.,.この前私達1年生が受けた小テスト。最後の3問が異常に難しい問題でした。後で調べてみましたが高校1年生の範囲では無かったです。つまり、一年生の大半には解けるはずの無い問題です。学校側がそんな解けない問題をわざわざ出題するはずがありません。」

 

するとひよりちゃんが私の言葉に続いて説明してくれた

 

「つまり、あのテストには学力を計る以外で別の狙いがあるというわけですね。そしてそれは過去の問題のテストで今回と同じ問題が出題されていた可能性が高い...と言うことですね、優美さん」

 

「ん、そうだね。ひよりちゃん」

 

流石ひよりちゃん。

 

「と言うわけで、中間テストに使いたいので売って欲しいんです。...生徒会長さんなら、それぐらい持っていますよね?」

 

私がそう言うと、何故か金髪の男の人が大声で笑った

 

「...ハハハハっ!」

 

「「!?」」

 

「すいません、ハハっ、堀北先輩。面白い後輩たちですね」

 

彼はニヤリと笑いながら言った

え...

 

「そうだな。それで、中間テストの過去問なら持っている。後、折角だから小テストの過去問もつけよう。後で送るから端末の番号を教えてくれてくれ」

 

小テストも付けてくれるんだ。優しい人だな

 

「分かりました。ありがとうございます。えっと、ポイントは...」

 

「ポイントは支払わなくて良い」

 

「え、ですが...」

 

ポイント...要らないの?

 

「先輩のご厚意に甘えたらどうっすか?あ、俺は2年Aクラスの副会長の南雲 雅だ。よろしくな」

 

少し私が困惑していると金髪の彼がそう言ってくれた。

 

この人、副会長だったんだ...

 

生徒会室にいた時点で生徒会役員の誰かだとは思っていたけど副会長だったなんて驚きだな..

 

まぁ、言われてみたら確かに納得できそうだけど。

 

「...分かりました。ありがとうございます、先輩のご厚意に甘えさせて貰います」

 

すると、生徒会長さんが「あぁ」と言い、それに続いて言葉を発した

 

「それと、名前を教えてくれないか?」

 

あ、そう言えばまだ言ってなかったな。そう思い、私は名前を言った

 

「私は1年Cクラスの花里 優美です。以後お見知りおきください」

 

「同じく1年Cクラスの椎名 ひよりです。よろしくお願いします」

 

ひよりちゃんも自己紹介をすると、可愛らしい女の人のも自己紹介をしてくれた

 

「あ、私は3年Aクラスのの橘 茜です。書記をしています。よろしくお願いしますね」

 

お~、橘 茜先輩か!名前も可愛らしい名前だな!この先輩と仲良くなりたい...!

 

「生徒会長、3年Aクラスの堀北 学だ。よろしく頼む」

 

生徒会長さんも自己紹介をしてくれた

 

「わざわざ自己紹介をしてくださり、ありがとうございます」

 

そう言って、私は過去問を端末に送って貰う為に生徒会長さんと連絡先を交換した

 

「それにしても、過去問に気づいたとは流石が入試の筆記試験全教科満点者だな、花里。そこの椎名も小テストの難問を2問解いている」

 

その言葉に私たちは驚いた

 

え?

 

「...生徒会長さん、何でテストの点数を知っているんですか?」

 

と言うか入試のテスト、全部合ってたんだ...

絶対何個か間違ってると思ってたんだけどな...って、今はそうじゃないか、どうして人の点数を知っているんだろう?

 

「お前ら、特に花里は生徒会で結構有名だぞ。花里、お前は入試試験で全教科満点を叩きだし、小テストも満点を取っている。どうしてお前がCクラスにいるのか不思議でなら無いんだがな」

 

え、生徒会で有名なの...?

というか、私がCクラスにいる理由?そんなのこっちが知りたいよ!ひよりちゃんとかとは友達になれたから嬉しかったけどさ。たぶん、私の何処かが悪かったんじゃないのかな?

 

「そうでしょうか?学力だけが全てとは限りませんよ?運動はあまり得意では無いので」

 

「ほぅ、この前の水泳の授業ではすごいタイムを出したそうだな?クラスでも女子で一位だったとか」

 

何でそんなことも知ってるの?

 

「偶然ですよ?後、運動の他にもコミュニケーション力とかはあまり無いので」

 

「クラスから慕われてるみたいだが?」

 

それは、皆が優しいだけだよ。それに...

 

「....気のせいでしょう。それに、クラスから慕われる=コミュニケーション力が高い、と言う理屈は何処にも存在しないと思いますよ。クラスの皆が優しいだけです。それより、どうしてそんなことまで知ってるんですか?怖いですよ」

 

この学校、プライバシーの欠片も無いんだけど...。大丈夫なのかな?

 

「全然怖がっている風には見えないがな」

 

何か、生徒会長さん私の言うことを全部否定してない?そんなに私のことが嫌いなの?少し今日お話しただけなんだけどな...。それか、否定することが好きなのかな...?

 

「生徒会長さんは私のことをいちいち否定しますね。そんなに否定することが好きなんですか?」

 

「事実を言ったまでだ。」

 

事実かぁ

 

「...事実は本人しか分からないことですよ?」

 

そう言って、私は「失礼しました」と言い、帰ろうとすると、副会長さんに声をかけられた

 

「なぁ、もしよかったら、俺とも連絡先交換しないか?」

 

「あ、私も良ければしたいです」

 

と、茜先輩にも言われたので私は連絡先を交換した

 

これでまた、連絡先が増えたので嬉しく思った

 

因みに、ひよりちゃんは断ってたみたいだけど

 

「それでは、ありがとうございます。失礼しました」

 

「失礼しました」

 

バタッ

 

「ふぅ~、ひよりちゃん、付き合ってくれてありがとう!お陰で助かったよ」

 

結構緊張したから、ひよりちゃんが居てくれて嬉しかったな!心強かったしね

 

「いえいえ、気にしないでください。それより、本当に中間テストの問題が同じでしょうか?優美さんの推理はあっていると思いますがやはり少し心配です」

 

「生徒会の人達の反応を見るに、たぶん間違ってないと思うから大丈夫だと思うよ」

 

「そうですね」

 

▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫

 

花里、椎名が立ち去った後の生徒会議室にて―――

 

「いやー、それにしてもさっきの後輩達なかなか面白いっすね。特に花里は。過去問の話をされた時、思わず笑ってしまいましたよ」

 

副会長、南雲 雅が笑みを浮かべながら話していた

 

「そうだな。流石生徒会で話題になってる奴らだ」

 

生徒会長、堀北学はメガネをクイッと上げながら南雲の意見に賛成した。

 

「そうですね。昨日Sシステムのネタばらしが有ったばっかりなのにもう過去問に気づくなんて...流石生徒会長が気にかけていた生徒です」

 

そして、秘書の橘 茜はとても信じられないように驚き、そして感心していた。

 

「そうっすね。それに、堀北先輩の言葉に対して沢山反論してましたし、花里優美...、ふっ、面白くなりそうですね~」

 

獲物を刈るような目で、不適に笑みを溢しながらそう言う南雲。

 

そんな彼を見て、堀北学は忠告する

 

「南雲、後輩に手は出すなよ?」

 

「...どうっすかね~?あの子、結構可愛かったですし。多少興味が湧いてきました。...けどまぁ、今は手は出さないでおきますよ。今は、ね」

 

そう言って南雲は不適な笑みを浮かべた―――

 

▫▪▫▪▫▪▫▪

 

それから私達、花里優美と椎名ひよりはご飯を食べて、送られてくる中間テストを待っていた

 

ピロンッ

 

「あ、来たかも」

 

端末を操作してみると、過去問が表示してあった

 

「まずは、小テストからかな」

 

私は、この前返された小テストと、送られてきた小テストを見比べた

 

「どうですか?」

 

うん、すごい

 

「一言一句同じだよ。」

 

「ほんとですか!よかったです」

 

「うん。でも流石に中間テストが全部同じ問題っていう訳にはいかないと思うけどきっと勉強の役にたつと思う。」

 

よかったな~。これで翔の言われた任務は成功ってことで後で報告しておこうかな

 

「ですが、それを配るのはテストの3日前ぐらいが良いのではないでしょうか。」

 

「そうだね。今配ったら、この過去問だけをやれば良いみたいになって勉強をしなくなりそうだし」

 

「はい。優美さんは今日、テストに自信がない人達に勉強を教えるんですか?」

 

「うん。そのつもりだよ」

 

翔にも言われたし、それに元々する予定だったしね。

 

「では、私も勉強を教える側として参加しても良いでしょうか。」

 

「いいの!?」

 

ひよりちゃんが来てくれれば百人力だよ!

嬉しいな!

 

「はい、優美さんがいるのなら」

 

「ありがとうっ、是非お願いします!!」

 

「ふふっ、分かりました」

 

そして、私達は他愛ない話しをしながら教室へと戻った

▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪

教室にて―――

 

えっと、翔は...まだ教室には居ないみたいだね。...うーん、でも翔だけじゃなくて石崎くんや山田くん、伊吹ちゃん、それから金田くんも居なかった。...まぁ、翔と一緒に居るのかな?攻略法の報告は...今居ないしメールで伝えとこうかな

 

龍園 翔ーーー><ーーー花里 優美

 

花里 優美 |ねね、 翔!

 

龍園 翔 | 何だ?

 

 

おお、思ってたよりもすぐ返信が来た。丁度端末弄ってたのかな?

 

 

花里 優美 | ひよりちゃんと一緒に中間テストの攻略法を見つけたよ

 

龍園 翔 | クククっ、よくやった

 

 

翔が誉めてくれるなんて珍しいな。嬉しい!

 

 

花里 優美 | 過去問だったよ。後で送っとくね

 

龍園 翔 | わかった

 

花里 優美 | あ、後勉強会、教える側としてひよりちゃんも参加してくれるって言ってくれたから良いよね?

 

龍園 翔 | 好きにしろ

 

花里 優美 | ありがとう!

 

これでいいかな

後は...金田くんにもメールしとくか

 

金田 悟ーーー><ーーー花里 優美

 

花里 優美 | 金田くん、勉強会のことだけど勉強を教える側としてひよりちゃんも参加してくれるみたいだよ

 

花里 優美 | 3人で頑張ろうね

 

 

これで良いかな

 

すると、少し経ってから返信が来た

 

 

金田 悟 | 分かりました。よろしくお願いします

 

花里 優美 | うん!

 

よし!これでいいかな

 

▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫

 

そして、授業も終わりホームルームをして解散となった放課後の教室では、翔が朝言った言葉によって勉強会に集まった人達が沢山いた。

 

えーと、勉強会に集まった人達は...おお、沢山いるなぁ~

 

クラスの殆どの人達がこの場にいた。...まぁ、赤点とったら退学になっちゃうしね。

 

「結構な人数ですね」

 

「だよね」

 

「頑張りましょう」

 

え~と一番効率的なのは、グループに別れて勉強する方法かな...?

 

「え~とそれじゃあ、3グループに別れてやろうかな?」

 

「そうですね、優美さんの言う通りそれが良いでしょう。」

 

「それで行きましょう。花里氏」

 

そして、私達はグループに別れて勉強をスタートした

 

ちなみに、私のグループには石崎くんや、山田くん達がいる

 

それじゃあ、気合いを入れて頑張ろうかな!

 

「それじゃあ、始めよっか。最初は数学からで、この前の授業の復習の問題からやろう。分からない事があったら質問してね」

 

そう言うと、皆が次々と問題を解いていく中、石崎くんと小宮くんと近藤くんは分からないみたいで質問してきた

 

「なぁ、最初の問題から分からないんだが」

 

私は、紙に式を書きながら教えていく

 

「う~んと、これはね、これを...こうして、こうすると.,.こうなって、答えがこうなるんだよ。」

 

「ん~?さっぱり分からん。どうしてそんな式になるんだ?」

 

分からない..か...、小宮くんと近藤くんはどうかな...?

 

「2人は?」

 

「...式の建て方は少し分かったが、答えがどうしてそうなるかが分からない...」

 

「同じくだな」

 

これは大変だな...予想より少しヤバイかも...

 

「う~ん、この式の解き方は中学生でしっかりと勉強してたら解ける問題なんだよね...」

 

「じゃあ俺達中学生以下か?」

 

「やっぱり、俺達結構やばかったりする...?」

 

...此れから頑張ればきっと挽回できるはずだよね。大丈夫大丈夫。

 

「取りあえず頑張ろう!まだきっと今なら間に合うはずだから。...じゃあ、3人は取り敢えず此れを一緒にやっていこうか」

 

そう言い、私は前もって製作していた問題を3人に渡した

 

「これ、解き方分かる人いる?」

 

「う~ん...」

 

分からないか...

 

「これはね、公式があって...ーーーーー」

 

 

 

 

「ーーーーって言う風になるんだ...理解できた?」

 

「あぁ」

 

「たぶん」

 

「大体は...」

 

よかった。

 

「よしっ、じゃあ次のこの問題やってみて。解き方はこれと同じだから」

 

「わかった」

 

「あぁ」

 

「頑張ってみる」

 

彼らがそう言って問題に取りかかった時、別の女の子から質問があった

 

「あ、優美ちゃん!ちょっとこの問題分かんないんだけど...」

 

「今いくね。...ええっと、あ、これはね、これが、こうなって...」

 

こうして、私達は勉強会を始めたのだった

 




どうでしたか?もし良ければ、参考にしたいので感想と評価をつけてくださると嬉しいです!!

そして、遅れましたがお気に入り120以上付けてくださり本当にありがとうございます!!

これからも、頑張るのでよろしくお願いします!


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私はそんな人じゃない

最後まで読んでくださると嬉しいです!
それではどうぞ~


私は今、教室で皆に勉強を教えていた

 

「これを...こうして、それから...こう当てはめると.. 」

 

「あ、あるほど!こっちでいいんだ。」

 

「うん、そうだよ。この問題、少し今の所が引っかけになってるから気をつけようね」

 

「うん、わかった!」

 

質問してくれた子に勉強を教えたら、また別の生徒からも質問された

 

「お~い!これはどうするんだ?解き方がいまいち分からないんだが...」

 

え~と、何かな...?あー、この問題か...

 

「あー、これはね...少し式にするまで行程が厄介だけど、出来たら簡単に解ける問題になってるんだ。えっとね、まず此処が...ーーーだから、此処はーーなってそれから....ーーは使わないで、これはーーなって...こうやって式になるんだ」

 

「お~!なるほどな。すげぇ」

 

「それじゃあ、この続きからまた解いてみてね」

 

私がそう言うと、質問してくれた子は再び一生懸命勉強をし始めた

 

ふぅ、皆に勉強教えるって結構大変だな...でも皆一生懸命に取り組んでくれてるし、私も頑張ろう

 

「優美さーん、終わったぜ~」

 

そう言って勢いよく腕を降りながら言う石崎くん

 

元気が良いなー

 

「どうどう?3人共解けた?」

 

「おう、ほら」

 

そう言われ、3人のプリントを受け取り、答えがあっているか確認をした

 

「えーと...うん、3人共答え合ってるよ!凄いね!」

 

この問題の解き方は分かったみたいだね。よかった!

 

すると、3人も、合っていたのが嬉しかったみたいで其々喜んでいた

 

「じゃあ、次の問題も頑張ろう!次の問題の解き方はね...ーーーーー」

 

 

 

 

そうしながら、私は勉強を教えていき、休憩を挟みながら数学以外の勉強も教えていった

 

...う~ん、結構今ピンチなのは、石崎くん...かな。それと小宮くんと近藤くんも石崎くんほどでは無いけど少しヤバイんだよね...。後は、山田くんも...かな。

山田くんは理数系は結構出来てるし、英語も殆ど満点に近い点数を取ってるからその教科は問題無いんだけど、国語と社会の文系が非常にヤバイんだよね...

 

この学校、1教科でも赤点取っちゃうと退学になっちゃうから全ての教科に置いて良い点数を取らないといけないんだよね

 

でも、山田くんは言ったことはきちんとやってくれるし漢字とかも頑張って覚えようと努力してくれるから...このまま頑張っていけばたぶん、赤点は回避できると思う。

 

他の皆も、このまま勉強してれば赤点は回避できると思う。

 

...だから、問題なのは石崎くん達かな

 

 

取りあえず、暗記系科目は頑張って覚えれば良いんだけど、数学とか英語は中学校からの積み重ねで基礎がしっかり出来てないとその先も出来ないから...

 

そこは頑張って出来るようになって貰うしか無いか...。頑張ろう

 

でも、今日はもう沢山やったから終わりにしようかな。帰ったら石崎くん達の為に問題とかを作って今後の方針とかを決めないといけないし

 

「え~とそれじゃあ、今日は終わりにしよっか。皆、お疲れ様!!明日もまた頑張ろうね!」

 

すると、皆は勉強が終ったことに喜んだりしながら帰っていった

 

皆、お疲れ様。ゆっくり後は休んでね。

あ、そうだ。後、山田くんに言わないといけないことがあったんだよね

 

そう思い、私は山田くんに近づいた

 

「山田くん、さっきやったところ覚えられるように勉強しておいてね」

 

「OK」

 

山田くん、日本語もある程度理解してくれるし、勉強も真面目に取り組んでくれるからいい人だよね

 

そう思ってると、石崎くんが私のところに来た

 

「優美さん、俺...このままいったら赤点回避出来ますか...?」

 

どうしよう。本当の事を言うべきかな?でも、それだと落ち込んじゃいそうだしな...否、嘘つくのは良くないよね。それに、本当の事を言うことは本人の為になると思うし。

 

「う~ん...もう少し頑張った方がいいかな」

 

そう私が言うと、彼は予想通り落ち込んでしまった

 

「俺、今まで勉強とかどうでもいいって正直思ってたんですけど、この学校は退学したくないんですよ...なので、個別でも勉強を教えてほしいです...」

 

石崎くん...

 

私は、落ち込んでいる石崎くんの手を取って言った

 

「大丈夫だよ、私が勉強を教える限り絶対に退学にはさせないから!それに、個別でも教えようかなって今丁度思ってた所なんだ。一緒に頑張ろう!」

 

絶対に彼は退学にはさせたくないな。だって、勉強を教えてほしいって言ってくれたんだもん。石崎くんを退学にさせないように頑張ろう

 

そう思っていると石崎くんは驚きながらも、嬉しそうな表情した

 

「ありがとうございます」

 

あ、そうだ

 

「それとさ、前から気になってたんだけどどうして私に敬語使ってるの?」

 

どうしてなのかな?ってずっと疑問に思ってたんだよね。石崎くん、他の皆には敬語使わないで話してるみたいだし。あ、もしかして私、嫌われてる?

 

そう思いながら少ししょんぼりしていると、彼は意外な言葉を発した

 

「それは...龍園さんと幼馴染みで仲良さそうですし、それに優美さんは龍園さんと同じくらい凄い人だと思うので」

 

...凄い人...か

 

その言葉を聞いた瞬間、ズキンッ、と胸が苦しくなった。

 

そして、私は自分の弱さに唇を噛みながら、出来るだけ何時もの自分を演じて言葉を発した

 

「....私はそんなに凄い人じゃないよ?翔は凄い人だと思うけど...。まぁ、それは置いといて、もしよかったら敬語使わないで普通に話してくれると嬉しいな。後、名前も呼び捨てでいいよ!友達だし」

 

「わかり、あ、わかったぜ...」

 

嬉しいな、ありがとう

 

「ふふっ、ありがとう!それじゃあ、取りあえず明日のお昼休みも勉強しよっか!あ、後近藤くんと小宮くんにも言っといてくれないかな?2人ももう少し勉強した方がいいと思うから」

 

「あぁ、わかったぜ」

 

そして、ニカッと笑いながら言う石崎くん。

 

「後、今日やったところ、忘れないように復習しておいてね」

 

「あぁ、後、...優美..ありがとな。俺なんかの為に勉強を教えてくれて...」

 

!?

 

「...そういうお礼は、中間テストが終ってからにしてほしいな」

 

すると石崎くんは驚いた表情をしながら何処か納得したように笑いながら「そうだな」と言ってくれた

 

 

そうして話しは終わり、石崎くんは帰っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...『優美さんは龍園さんと同じくらい凄い人だと思うので』っか..,それは違うよ、石崎くん...

 

私は全然凄くなんか無い。何故なら...私は....わたしは...

 

ズキンッ!再び胸が締めつけられ、痛くなるのが感じた

 




いつも読んでくださる方々、本当にありがとうございます!もしよろしければ参考にしたいので感想と評価を付けてくださると嬉しいです!

次回からはまた、投稿するのが遅くなってしまうかもしれません...ごめんなさい。
待っていていただければ嬉しいです!

次回、主人公が綾小路達と接触します


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頑張って

遅くなってしまいごめんなさい!最後まで読んでくださると嬉しいです!

それではどうぞ~


それから私は、勉強会で皆に勉強を教えていった(石崎くん達は個別でも)あ、だけどこの前テスト範囲の変更があったのは少し驚いて焦ったかな。だけど、頑張って今教えている。石崎くん達も結構前よりは勉強が出来るようになったしね。まだまだ頑張らないといけないけど...。そして、テスト1週間前になった

 

お昼休み私はいつも通り石崎くん達に勉強を教えていた

 

「そうそう、ここはねー、こうして...こうするんだよ」

 

「おー、なるほどな...」

 

私は赤ペンで石崎くんのノートに文字を書いていくと、インクがもう無いみたいでかすれてしまった

 

あ、赤ペンのインク切れちゃった...。どうしよっかな、この前かったばかりだったから替えは持ってきてないんだよね。...でもそれだけ頑張って勉強してるってことだよね!嬉しいな~

 

「私、赤ペンのインク切れちゃったからコンビニで買ってくるね。その間に、3人はこのプリントをやっててね」

 

そして、あらかじめ私が作っておいたプリントを3人に渡した

 

「この問題、今まで私が教えた問題が入ってるから解けると思うよ。高得点目指して頑張ってね。それから1番点数が低かった人には宿題を沢山やって明日提出してもらいます!」

 

「げ、まじかよ...」

 

「負けないからな」

 

「優美って鬼だぜ...」

 

私は鬼ではないんだけどな~

まぁ、いっか!みんな気合充分になったところだし、始めますか!

 

「よしっ!じゃあ皆頑張ってね!よーい...スタート!」

 

その瞬間、3人供問題を解き始めた

皆勉強頑張ってね

 

それじゃー、私はコンビニ行こうかな

 

そう思い、私はコンビニへ行った。え~と、赤ペンは...折角だし沢山買おうかな。え~と、1人3本にしよう、だから...私の分も買うから合計12本...かな。あ、そうだ折角だしこのノート少し安いから買っていこう!

 

そう思い、私は人数分の赤ペンとノートを買い、図書館に再び入った。改めて図書館を見ると、勉強している人沢山いる。そして1年生から3年生の生徒がそれぞれ必死になって勉強しているのがわかる。...あ、彼処に居るのは...1年Dクラスの人達...かな?

 

黒髪の美少女さんと、金髪の美少女さんとかは見覚えがあった。Dクラスの生徒達は少し騒ぎながらも楽しく勉強をしているみたいだった。仲が良さそうだな~。仲が良いことは良いことだよね!

 

私達も勉強頑張ろ~、そう思って立ち去り皆の居る所へと向かおうとすると、声がした

 

「なぁ、お前らひょっとしてDクラスの生徒か?」

 

...あの男子は...同じクラスの山脇くんだよね?

 

「なんだお前ら。俺達がDクラスだから何だってんだよ。文句あんのか?」

赤髪の男子生徒が山脇くんに対して答えた

 

「いやいや、別に文句はねえよ。俺はCクラスの山脇だ。よろしくな。....ただなんつーか、この学校が実力でクラス分けしててくれてよかったぜ。お前らみたいな底辺と一緒に勉強させられたらたまんねーからなぁ」

 

「なんだと!」

 

そう怒っている赤髪の男子生徒。少し騒がしかった図書館だけど、周りの何事かと思い、静まり返った

 

「本当のことを言っただけで怒んなよ。もし校内で暴力行為なんて起こしたら、どれだけポイント査定に響くか。おっと、お前らは失くすポイントもないんだっけか。てことは、退学になるかもなぁ?」

 

山脇くん挑発してる...?

これ...少しヤバイよね。喧嘩になっちゃうかな...

 

「上等だ、かかって来いよ!」

 

すると黒髪美少女さんも山脇くんに対して言った

「彼の言う通りよ。ここで騒ぎを起こせば、どうなるか分からない。最悪退学させられることだって、あると思った方がいいわ。それから私たちのことを悪く言うのは構わないけれど、あなたもCクラスでしょう?正直自慢できるようなクラスではないわね」

 

うん、黒髪美少女さんの言う通りだね

 

「C~Aクラスなんて誤差みたいなもんだ。お前らDだけは別次元だけどなぁ」

 

山脇くん?

 

「随分と不便な物差しを使っているのね。私から見ればAクラス以外は団子状態よ」

 

えっと...

 

「クラスポイントがゼロの不良の分際で、生意気言うじゃねぇか。顔が可愛いからって何でも許されると思うなよ?」

 

·····

 

「脈絡のない話をありがとう。私は今まで自分の容姿を気に掛けたことはことはなかったけれど、あなたに褒められたことで不愉快に感じたわ」

 

「っ!」

 

「お、おい。よせって。俺たちから仕掛けたなんて広まったらやばいぞ」

 

 

...あの男子も確か...Cクラスの鈴木だったよね?鈴木くんが必死に山脇くんを止めようとしてくれてる。だけど、決して止める素振りは見せない山脇くん...。

 

「今度のテスト、赤点を取ったら退学って話は知ってるだろ?お前らから何人退学者が出るか楽しみだぜ」

 

「残念だけど、Dクラスからは退学者は出ないわ。それに、私たちの心配をする前に自分達のクラスを心配したらどうかしら。驕っていると足元をすくわれるわよ」

 

まぁ、確かに黒髪美少女さんの言う通り...だね。

私達も足元をすくわれる可能性だって十分にある。未来は何が起きるか誰にも分からないんだから。

 

「く、くくくっ。足元をすくわれる?冗談はよせよ」

 

え、山脇くん...。翔の真似してるの?もしかして...翔の性格山脇くんに映った?後で翔に抗議してこよう

 

「俺達は赤点を取らないために勉強してるんじゃねえ。より良い点数を取るために勉強してんだよ。お前らと一緒にするな。大体、お前ら、フランシス・ベーコンだとか言って喜んでるが、正気か?テスト範囲外のところを勉強して何になる?」

 

「え?」

 

少し刺のある言い方をしていた黒髪美少女さんとその周りのDクラスの人達は驚いていた。

...え?テスト範囲外をやってたの?言われたの...結構前だよ?テストまであと1週間しかないよ。もしかして、テスト範囲が変更になったこと聞いてないのかな...?Dクラスの担任の先生...確か茶柱先生だったよね。伝え忘れたのかな...?あるいは...いや、きっと違うよね。だってもしそうならーー

 

「もしかしてテスト範囲もろくに分かってないのか?これだから不良品はよぉ」

 

何か...よくわかんないけど山脇くんに凄くむかつく...

山脇くんってこんな人だったっけ...?優しい人だと思ってたんだけどな

 

「いい加減にしろよ、コラ」

 

「お、おいおい、暴力振るう気か?マイナス食らうぞ?いいのか?」

 

「減るポイントなんて持ってねーんだよ!」

 

はぁ

 

「ちょっと何してるのかな?山脇くんと鈴木くん...?」

 

私はそう笑顔で言いながら、彼らに近付いた

 

「ゆ、優美さん...」

山脇くんは少し驚いた用な焦ったようなそんな顔をしていた

 

「何してるの?」

 

「丁度よかった!ちょっと話しかけたらコイツが殴りかかって来たんですよ!」

 

彼は良い案を思い付いたような顔をした

 

「...へぇ、ちょっと話しかけたら殴りかかって来た...ねぇ?」

 

私は笑顔で山脇くんの目を見て彼の首筋に手を当て、顔面で相手の呼吸を感じて、瞳孔と脈拍、呼吸の変化を観察した

 

「煽ったの間違えなんじゃない...?山脇くん?」

 

「ヒッ」

 

無自覚なのか嘘をついているのか...きっと後者かな。瞳孔が開いて、脈拍が速くなっており、ほんの少しの呼吸の乱れがあった。...嘘をついている証拠、だね。

 

「嘘は...ついちゃだめだよ?本当にそうなのかな?別に私は怒ってるんじゃないんだよ...?確認してるだけ。ちょっと話しかけたじゃなくて、話しかけて煽ったの間違えなんじゃないかな...?」

 

私は笑顔でそう言った

 

「そ、そうかもしれません...」

 

そこ言葉を聞いて私は手を離して言った。

 

「はぁ、あのね?Dクラスの生徒だからって何で煽ったりするの?クラスは違くても同じ学年なんだから仲良くしようよ。山脇くんって人を見下して差別する人だったんだね。知らなかったよ」

 

私は少しだけ山脇くんに軽蔑の目を向けた

 

「そ、そんなことは...」

 

「それに、私達だってCクラス。私達も十分下のクラスだよ。私達だってDクラスに落ちる可能性だってある。テストで退学になってしまう可能性もある。未来は何が起きるか誰にも分からないから。今からやれば出来ることもある。成功することだってある。勝手に未来を決めないで。人の不幸を喜んだりしないでよ。人を馬鹿にしないでよ...。人を馬鹿にする人にならないで...山脇くん。」

 

私は悲しい顔をしてそう言った

 

「優美、さん」

 

「...もし反省してるならDクラスの皆に謝ろう?後、図書館にいる人達にも」

 

「す、すいませんでした!」

 

山脇くんは頭を下げてDクラスの生徒達と図書館にいる人達に謝った

 

鈴木くんもそれに続いて謝った

「すいませんでした」

 

私も

「私のクラスの人達が迷惑をおかけしました。すいません」

と言い、謝った

 

「だ、大丈夫だよっ!ね、皆」

 

「反省してるならいいわ」

 

...皆、優しいな

 

「ありがとう」

 

私はそう言い、隣にいる山脇くんに向けていった

 

「それじゃあ、もう人を馬鹿にしたりしないでね山脇くん。次こんなことしたら私、君のことを許せないかも知れないから」

 

「わかった...。すまない」

 

そう言って2人は図書館から出ていった。

 

反省しているみたいだったから大丈夫だよね。...あんまりやりたくなかったけど、少し頭にきて山脇くんに嘘発見の方法を使用しちゃったな...

 

後で謝っておこう。

 

「本当にごめんね。いつもは優しい人なんだけど...」

 

「いいわ、そんなことよりテストの範囲が違うとはどう言うことかしら」

 

「えーと、もしかしてテストの範囲が変更されたこと知らされてない...?」

 

「テスト範囲の変更何て合ったの?」「聞かされてない...よな?」「やばくね?」

 

やっぱり伝えられて無いみたいだね...。もし、先生から教えられていたとしてもこんな大事なこと忘れるはず無いし...

 

「担任の先生に聞いてみたらどうかな?」

 

「そのつもりよ、貴方達は此処にいて頂戴。」

 

そう言って黒髪美少女さんは図書館から出ていった。

 

「範囲ってどこなんだ?」

 

無表情の男子生徒が言ってノートとシャーペンを渡してきた。

 

「えっとね、此処から...此処まで...だよ」

 

私はノートに範囲の所を書いて教えた

 

「げッ、全然別のところじゃん!」

 

「やべーよな」

 

「此処全然やってねぇよ?」

 

「どうしよう...」

 

みんな其々困っていた様子だった。無表情のあの子以外は...。困っていると言うより...何だろう...。う~ん、何て表現すれば良いのかな...?でも、あんまり困ってなさそうだった。

 

まぁ、表情が全く分からないから表情はそうでなくても内心困ってるのかもしれないけど...

 

「あ、あのっ!」

 

金髪美少女さんが声をかけてきた

 

「?」

 

「教えてくれてありがとう。私はDクラスの櫛田桔梗。下の名前で呼んで欲しいな。よろしくね」

 

そう彼女は言って、無表情の男子にアイコンタクトをすると、彼も自己紹介をしてくれた。

 

「俺は綾小路清隆だ。よろしくな」

 

...名前...

 

「そんなことより、どうするんだよ!自己紹介なんてしてる場合じゃないぞ!綾小路!」

 

そう、別の男子が声を立てた

 

「今堀北が茶柱先生に確認をとっている。今出来ることは無いもない。喚いても何も始まらないぞ。それよりも、彼女は折角範囲の所を教えてくれたんだ。名前ぐらい名乗らないのは失礼じゃないか?」

 

「ぐ...そうだな...。俺は池 寛治。因みに彼女募集中だ。よろしくな」

 

「須藤健だ」

 

「山内春樹だ。よろしくう」

 

名前、皆教えてくれた...。嬉しいな~

 

「私はCクラスの花里 優美。此方こそよろしくね。名前教えてくれてありがとう」

 

「あ、因みにさっき居た女の子は堀北鈴音って言う子だよ」

 

「ありがとう。桔梗ちゃん」

 

「うん!あ、もしよかったら折角だし連絡先交換しない?」

 

「いいよ」

 

そうして、この場にいる全員で連絡先を交換した

 

これでまた連絡先が増えたことに嬉しく思った

 

「それで、これからどうするんだ?俺達やばくねぇか?」

 

「そう...だね」

 

どうしよう...過去問のことDクラスの皆に教えるべきかな...?でも、前に翔から誰にも俺が言うまで言うなって言われてるんだよね...。最近言われたことだけど...

どーしよう!?

 

悩んでいると堀北さんが戻ってきた

 

「どうだった?」

 

「範囲がやはり変わっていたわ...。伝えるのを忘れていたそうよ」

 

「そんな...」

 

「な、何か無いのか?伝え忘れていた何て学校側の責任だろッ?」

 

「何も無いみたいよ。後1週間頑張れ、だそうよ。今まで気づけなかったなんて...」

 

彼女は悔しがってスカートを手で握りしめていた

 

「どうする?堀北さん」

 

「...取りあえず、頑張るしかないわね。希望が無くなったわけでは無いわ。後1週間ある。前日で気づいたわけでわ無いもの。まだ時間はある。頑張りましょう」

 

「そうだな、後1週間もあるし!」

 

「なんとかなるっしょ!」

 

「俺、部活休んで放課後も勉強するぜ。」

 

「須藤くん...」

 

「此処まできて、諦めたくないしな」

 

「私も頑張るよっ!ね、綾小路くん!」

 

「そうだな、まだ希望はある。」

 

「そう言うわけだから私は新しい計画を立てるわ。行きましょう。」

 

そう彼らに言い、そして今度は私を見て言った

 

「教えてくれたこと感謝するわ。」

 

「うん。他クラスの私が言うのも変かもしれないけど頑張ってね」

 

「ええ」

 

そう言って彼女達は図書館を出ていった

 

...どうか頑張って、あの攻略法を見つけてね。

 

 

 

 

 

 

 

それにしても...綾小路くん...。何かあの子不思議な感じがするな。何でだろう。あの瞳、全てを見透かすような、感情が何もない用な感じの瞳....。

それに..."綾小路"って言う名前...何処かで...聞いたことがあるような...。

 

...気のせい、かな。珍しい名前だからかな...?

 

よく...分からない...

 

私はそう思った。

 




見てくださりありがとうございます。もし良ければ引き続き参考にしたいので評価と感想を書いてくださると嬉しいです!


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やっぱり君は優しい

投稿するの少し遅くなってしまいました...。
ごめんなさい


あ、やばっ、石崎くん達待たせてるかな?

 

急いで私は皆のいるところに戻っていった

 

「遅いぞー、優美!」

 

「何かあったのか?」

 

「うん。少し色々あってね。聞こえた?」

 

「そーいや、何か少し騒がしかったな。」

 

「それな」

 

「大丈夫だったのか?」

 

「うん。大したことじゃないから大丈夫だよ。それじゃあ、テスト回収するね。」

 

「あぁ」

 

「ええっとーーーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

それから、私はいつも通り勉強を皆に教えていった。因みに、テストは1位が小宮くんの86点、2位が近藤くんの84点、3位が石崎くんの80点だった。

 

皆8割は取れてるね。この調子で頑張ろう!

 

ーーーーー

 

そして、放課後いつもの用に勉強会をしようと思っていたら、翔に声をかけられた

 

「優美、勉強会終わったら後で俺の部屋に来い」

 

そう言って立ち去ってしまった。

 

どうしたんだろう?何かあったのかな?

 

そう思いつつも、皆に勉強を教えて行き何事もなく勉強会を終えた。

 

早く行かないと翔怒るからなぁ…

 

そして私はすぐ、翔の部屋へと向かい、インターホンを押した。

 

ピンポン!

 

…翔出てくるかな?

 

すると、すぐドアが開いた

 

ガチャ

 

「よぉ、入れよ」

 

私服姿の翔が不適な笑みを浮かべながら出てきた。

 

「お邪魔しま~す」

 

そう言いながら私は翔の部屋に入った。

 

翔の部屋に来るの2回目だな~

 

「適当に座っとけ」

 

「分かった」

 

私は適当に座ると、彼は何処かへ行った。

 

っと、それにしても、翔の部屋って意外と片付いてるんだよね…。

 

私は翔の部屋を見渡した。

 

翔ってこう言うところはしっかりしてるんだよなあ。

 

そう思っていると翔がココアを持って来た。

 

ココア、入れてくれたんだ...

 

「ほらよ」

 

「ありがとう」

 

嬉しいな。

 

そう思いながら私はココアを一口飲んだ。

 

...やっぱり翔が作ったココア美味しいな。心が暖まる

 

「それで、どうしたの?」

 

私は本題に入ろうと思い、翔に声をかけた。

 

「今日、昼休みに図書館で何かあったらしいじゃねぇか。石崎達から聞いたぞ。騒がしかったってな。何があったんだ?」

 

石崎くん達言っちゃったんだ...。そう言えば、言うなって言ってなかったなぁ。翔に言うと何しでかすか分からなかったからあまり言いたくなかったんだよね...

 

「あ~、えっとね大したことじゃないんだけど...」

 

そう言うと、翔はジロリと私を見た

 

はぁ、仕方ないな...

 

「少しDクラスの生徒と山脇くんとでトラブルがあってね...」

 

「ほぉ~?アイツが...か」

 

彼は不適な笑みをした

 

…そんな顔しないで欲しいんだけどな...

 

「でも、ちゃんとDクラスの生徒に謝ってくれたし山脇くんももうしないって言ってくれたから翔は何もしないでね」

 

「チッ、ならいいが」

 

何か翔不満そうだな...、何故だろう?あ、

 

「そうだ!何かさ、山脇くんの笑い方が翔に似てたんだよ!?翔の性格が映ったんじゃない?」

 

「そんなの知らねぇよ」

 

むぅ

 

「はぁ、昼のことはもういい。勉強会はどんな感じだ?」

 

勉強会か…

 

「あ~、うん。順調...かな。石崎くんとかはまだちょっとピンチだけど頑張ればたぶん大丈夫...だと思う。ひよりちゃんと金田くんも頑張ってくれてるし」

 

まだ石崎くん達に関しては少し不安だけど。きっと大丈夫だよね。

 

ひよりちゃんと金田くんは皆に勉強教えてくれてるから本当に感謝しかないよ。

 

中間テスト終わったらまたお礼を言っておこう。

 

「そうか。過去問はもう少ししてから配るからな。それまでちゃんと教えとけよ」

 

翔の言う通り過去問を配るのは確かにもう少ししてからの方がいいよね。頑張って勉強を教えようっ。

 

「うん。わかった。あ、そうだ。翔は中間テスト大丈夫なの?」

 

翔、ちゃんと勉強してるか不安だな...

 

「俺がテストなんかで退学になるわけねぇだろ」

 

まぁ、それはそうだけど...。翔なら何としてでも退学にはならなそうなイメージはあるけどやっぱり不安なんだよねぇ。翔とはクラス離れたいけど退学にはなって欲しくないからな...。

 

「それなら良いんだけど...。あ、そうだ。中間テスト終わったらどっか一緒に遊びに行こうよ。そう言えばこの学校に来てから翔とどっかに行ったこと無かったし。その時にちゃんとパフェもご馳走してね!」

 

まだパフェご馳走して貰って無いんだよね~。色々忙しくて行く時間無かったし

 

「あぁ、いいぜ。」

 

やった~!パフェ楽しみだな~、中間テスト一層頑張らないと!

後、今度伊吹ちゃんとも遊びに行こうかな。

まだ行ってなかったし。

 

「あ、そうだ。言い忘れてたが連絡先交換したヤツに位置情報がばれるようになってるから切っとけよ」

 

え?

 

「そんなもの入ってたの!?」

 

「あぁ」

 

ってそれやばくない!?てことは私交換した人全員に位置情報がばれてるってこと?この学校...生徒会長さんにあったときも思ったけど、プライバシーの欠片もないよ...

 

「分かった。切っとくよ」

 

私は端末を取り出して操作をした。

 

「で、後もうひとつあってな」

 

ん?なんだろう

 

「2000万pp貯めるとクラス替えが出来るらしいぜ」

 

...え?

 

「そうなの?」

 

「あぁ。坂上から聞いた。後、退学の免除を買う権利とかに関しても同じ金額の2000万ppだ。後クラスポイントも幾らか支払わなきゃいけねぇみたいだがな。」

 

と言うことは、2000万pp貯めたらAクラスにも上がれるってことか...。それに、退学した人を助けることも出来る...と。すごいな。ってあれ?

 

「でもさ、2000万pp何て普通は貯められなくない?」

 

「そうだな。普通は貯められねぇな」

 

翔はまた不適な笑みを浮かべた

 

普通はって翔なんかする気!?

 

「2000万pp貯めてひとりでAクラスに上がったりはしないよね?」

 

まぁ、そんな詐欺みたいな行為は翔はしないと思うけど...

 

「するわけねぇだろ。優美こそやるなよ?」

 

真面目な顔をして此方を見てくる

 

…しなくも無いでもないけどなあ。どうだろ。その場次第かな…?でも私、2000万pp貯められるか分からないし。…でもそんな顔を翔にされたら1人だけ上がる事は出来ないよ...。

 

「保留中です...」

 

「ほぉ?まぁだが今はそれでいい。しっかりと俺に着いてこいよ」

 

はぁ

 

「分かった...」

 

「後、お前...」

 

そう言いながら翔は私を引っ張って自身の胸の中へと私を抱き込んだ

 

「ふぇ?」

 

私の視界が彼が着ている服のドアップになった

 

え...?一瞬何がどうなっているのか分からなかった

 

「お前、あんまり寝てねぇんじゃねぇのか?笑顔でずっといるが顔色悪いぞ。勉強アイツらに教えろとは言ったがあまり無理すんなよ」

 

…翔気づいてたんだ...。...翔には敵わないなぁ

 

それにしても...心配...してくれてたんだ...

嬉しいな。

 

「ありがとう」

 

私は少し彼に体をあずけた。

 

翔の匂いがする...当たり前か。

でも、何か...居心地いいな。不思議な感じ...

前もそうだったな。私が疲れてる時とかは何時もこうしてくれる...

 

「翔...あったかいね」

 

「そうかよ」

 

「うん」

 

翔はやっぱり...優しいな。

 

そう思いながらこうして少し経つと急に眠気が襲ってきた。

 

あれ...?何か...眠くなってきた...

 

「ん...」

 

「眠てぇなら寝てもいいぞ。...1時間ぐらい経ったら起こしてやる」

 

1時間だけなら...寝ても...いいかな...?

 

「ありがとう...おや...すみ...」

 

私は眠気に逆らえずに寝てしまった。

 

その時私は

 

「まったく...仕方ねぇヤツだな」

 

と翔が言った言葉は聞こえなかった。

 

 

ーーーーーー

1時間後

 

「おい、おきろ...」

 

ん..?...誰かの...声?

 

「起きろ、おい、起きろ!」

 

私は目をゆっくりと開いた

 

「ん...か、ける...?」

 

「時間だ」

 

覚醒した瞬間、翔の顔がドアップに映った

 

へ?

 

バッ!

 

わ、私...

 

「ご、ごめん!寝ちゃた...」

 

あのまま寝ちゃったんだっけ...。でも、良く寝れたな。少しスッキリした気分…久々によく寝た。

 

「気にするな。時間は平気か?」

 

「時間?」

 

翔に言われて私は時計を見ると、夜の7時を回っていた

 

やばっ!

 

私は急いで荷物をまとめて玄関へと向かった

 

「ごめん!帰るね、それとありがとう!じゃあ、また明日。バイバイ」

 

「あぁ。」

 

ガチャッ

 

その時私は、翔の表情を見ずに急いで自分の部屋に帰った。

 

ヤバイよ、急いで帰ってプリントとか作らないと...。ご飯も食べないとな。

 

 

一方その頃……

 

(やばかったな…)

 

そう思いながらある少年は顔を伏せたのだった。




読んでくださりありがとうございます!
今まで通り、参考にしたいので感想と評価を付けてくださると嬉しいです!


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久しぶりだね

投稿遅くなってごめんなさい


中間テスト3日前

 

「おい、今いる奴ら全員聞け。」

 

少しクラスが騒がしかったが翔が壇上に立ち、声を発すると一気に教室中が静かになった。

 

お~、何か凄い。

 

「放課後話がある。クラスの奴ら全員残れ。今いないヤツにも伝えとけよ。だが、他のクラスのヤツにも言った場合殺す。残らないヤツも殺す。以上だ」

 

そう言って翔は廊下に行ってしまった。

 

もしかして、過去問渡すのかな?もう中間テストまで後3日しかないからたぶんそうだと思うけど。

 

そして、今いるクラスの生徒は登校してくるクラスメイトにすぐさま真剣な形相で何か話をしている光景を見た。

 

 

 

「優美さん。もしかして、今日の放課後過去問を配るんでしょうか」

 

ひよりちゃんがこっちに来て、コテンと首を傾げながら言った。

 

ひよりちゃんは今日も可愛いな!私の毎日の癒しだよ...!

 

「うん。たぶんそうだと思う。あ、そうだ。ひよりちゃん勉強会でいつも皆に勉強教えてくれてありがとう」

 

ひよりちゃんと金田くんのお陰でいつも助かってるんだよね~。

 

「いえいえ、お礼はいいですよ、したくてしていることなので」

 

ひよりちゃん優しいな!

 

「それに優美さんの方が大変なのではないでしょうか。石崎くん達がいますし。...お昼休みも勉強を教えているみたいですが、無理はしないでくださいね」

 

「ふふっ、ありがとうひよりちゃん。」

 

◎◎◎

 

 

そして、今日の授業が全て終わり、ホームルーム終了後誰一人として帰らない異常な光景を坂上先生が見ても、何も言わずに教室から立ち去った。

 

先生が教室から立ち去ったことを確認すると、翔が壇上に上がり口を開いた。

 

「ククク...全員揃ってるな。今から言うことは絶対に他クラスには言うなよ。もし漏れたら...それ相応のことをする。...容赦はしねぇ」

 

笑顔でそう脅しながら言ってくる翔。

周りを見ると皆真剣な顔をしながら聞いていた。

 

 

「此処に過去問がある。今回高1で行われる最初の中間テストはここから殆どの出るという情報を得た。...これを使って今回のテストに役立てろ」

 

その瞬間、教室中がざわめいた。

 

「本当ですか!?流石です!龍園さん!ありがとうございますっ!」

 

ガタッと音を鳴らして立ち上がり嬉しそうな顔をする石崎くんの姿があった。

 

勉強が苦手だから嬉しかったんだろうな。

他の皆も喜んでいた。

 

「あぁ。だから最低でも全教科答えを暗記してけよ。....これで赤点を取ったら許さねぇからな」

 

確かに赤点とって退学になったら大変な事になっちゃうもんね...。

 

「は、はいっ!」

 

石崎くんが元気よく返事をした。

 

「んじゃあ、優美とひよりと金田はこっちに来て過去問を配れ」

 

りょーかい

 

私が立ち、翔の元へ向かうとひよりちゃんと金田くんも翔の方へ来た。

 

それからは私達3人で過去問を皆に配って行った。

 

「全員行き渡ったな。...お前ら、俺に此れからも着いてこい。そうすれば今みたいにお前らを助けやるし、Aクラスにだって上がらせてやるよ。だから、裏切るような真似なんてするなよ?」

 

そう翔が言うと皆は頷いたりしていた。

 

今回の事で一応翔への信頼が高まった...かな。

これで下手にこのクラスを、翔を裏切ったりはしなくなるだろう。...守ってもらえなくなるかも知れないからね。それに、後々何が起こるか分からないし。

 

それから翔は満足したような顔をし、皆を解散させた。

 

 

それじゃあ、今日からはこの過去問を教材にして勉強会をしようかな。全部覚えて貰えるように。

 

 

▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪

 

「それじゃあ、今日も勉強会を始めよう!今日からは、翔に貰った過去問を覚えていこうね~」

 

「なぁ、覚えるつってもどうやって覚えるんだ?」

 

え~とね~

 

「取りあえず、今日はひたすら過去問を解くこと!間違えたところは解き直しまでしてね。そうすれば少しずつ出来るようになると思うから!」

 

すると皆は、頷いたり返事をしてくれた

それじゃあ...まずは...

 

「じゃあ、まず最初は数学からやろう!過去問皆出してね」

 

すると、皆机の上に数学の過去問を出したりした

 

「よし。...それじゃあ、皆頑張ってね!よーい... スタート!」

 

 

合図と共に、皆は数学から順番に全教科テストを解いていった。私は、皆が解いていったものを急いで丸付けをしたりしていった。

 

 

 

 

「なぁ、優美。」

 

顔色が少し悪い石崎くんが声をかけてきた。

 

「ん?どうしたの?」

 

何かあったかな?もしかして私、採点ミスしちゃった...?

そう思っていると、石崎くんは自身が解いた解答用紙を私に見せてきた。

 

「赤でいっぱいなんだが...」

 

見ると、石崎くんの解答用紙には沢山赤が入っていた。

 

「最初はこんなもんだよ。大丈夫。これから覚えていけばいいんだから!頑張ろう!」

 

「でもよ...不安になってくるぜ...」

 

「今出来ることはとにかくたくさんこの過去問を解くことだよ。まだ後3日もあるんだから。きっと大丈夫!今出来ることを頑張ろう!」

 

「そうだな。サンキュー、優美」

 

「うん!」

 

一応これで大丈夫だよね。

 

...後3日もあるか。...本来なら後3日しかないって言いたいところなんだけどね。でも、きっと大丈夫!頑張ろう!

 

◎◎◎

 

勉強会が終わり、私は寮に帰るついでにコンビニに寄ろうと道を歩いていた。いつもは皆と帰ってるんだけど今日はコンビニで食料を買いたかったので皆には先に帰って貰った。

お腹空いたな~と思いながら私はコンビニへ寄り、必要な物を買ってコンビニを出て寮に帰る為に右へ曲がった。すると、100m程先にベンチがあり、そこに少女達2人の姿があった

 

1人はベンチに座っている特徴的な美少女。そして、もう1人、ベンチの側で立っているロングヘアの美少女が居た

 

え、うそ...。

 

私はある人物がいることに思わず驚いてその場で立ち止まってしまった。

 

あの子...もしかして...。

 

すると、2人の美少女が私の方へ視線を向けた。

 

特徴的な美少女は一瞬目を見開いて驚いたがすぐ不適な笑みを浮かべると、立ち上がって私の方へと向かってきた。

 

コツン、コツンと音が響く。

 

「お久しぶりです優美さん。8年と326日ぶりですね。...まさかこんなところでお会いすることが出来るなんて、嬉しいですね」

 

そう言いながら私の方へコツン、コツンと杖をつきながら歩いていき私の前で立ち止まった。

 

やっぱり...銀髪で帽子を被っていて、杖を付きながら歩いている女の子...。8年前、彼女と会ったあの日の事がプレイバックする。

 

「有栖ちゃん...?」

 

「はい、そうです。お元気そうで何よりです優美さん。」

 

やっぱり有栖ちゃん...か。幼かったあの日から結構経つけど可愛らしさがまして可愛いな。

 

「久しぶりだね!有栖ちゃんも元気そうでよかったよ。」

 

「ふふっ、ありがとうございます。」

 

「ねぇ、ちょっとこの人誰?」

 

ロングヘアの美少女が近づいて来ていった。

 

「ふふっ、彼女は私の友達の花里 優美さんですよ真澄さん。」

 

「友達?...へぇ、あんたにそんな存在が居たなんてね」

 

「ふふふっ」

 

彼女は退屈の無い、楽しそうな表情をした。

ロングヘアの美少女..誰だろう?美人だなぁ~

 

そう思いながらロングヘアの美少女さんを見ていると有栖ちゃんが私の視線で気づいたのか教えてくれた。

 

「あぁ、そうでした。優美さん、彼女は神室 真澄さんです。優秀な方で私の『お友達』です。是非仲良くしてくださいね」

 

有栖ちゃんの友達なんだ!仲良くしたいな~

 

「そうなんだ、よろしくね!真澄ちゃんって呼んでもいい?」

 

「好きにして」

 

不機嫌そうに言う彼女。でも好きにしてってことは呼んで良いってことだよね!

 

「ありがとう!」

 

私は彼女に向かって笑顔を向けると、有栖ちゃんが不適な笑みを浮かべた。

 

「それにしても、優美さんもこの学校に来ていたんですね。今まで気づきませんでした。此処で会えたこと嬉しく思います」

 

私も全然気づかなかったよ~。色々忙しくて他クラスの偵察とかには行って無かったし。...もしかして翔なら他クラスの子について何か知ってるかな...?後で聞いておこう。

 

有栖ちゃんが私に会えて嬉しいって言ってくれて嬉しいな~!

 

「意外と気づかないものだよね~。私も気づかなかったし。私も有栖ちゃんと会えてよかったよ!」

 

「優美さんの事ですからこの学校に居るならてっきりAクラスかと思いました」

 

それは絶対に無いよ。私、エリートじゃないし。

 

「そんなこと無いよ。有栖ちゃんより劣っちゃうもん。あ、私はCクラスだよ」

 

有栖ちゃんは本当に凄いんだよね。正真正銘の『天才』だもん

 

「自分を謙遜しない方がいいですよ?優美さんは私が認めた人物なんですから。」

 

自分を謙遜してる訳じゃないだけどな...。事実だし。だって私はーーー

 

...でも、有栖ちゃんはが私を認めてくれたのなら取りあえずお礼は言っておこう。

 

「ありがとう...」

 

「はい。...ふふっ、優美さんとクラスが違うのは残念ですが嬉しい気持ちもありますね。クラスが違うということは貴方と戦うことが出来るということ。とても楽しみです。私、最近までずっと学校生活が退屈だったんです。ですが、楽しみになってきました。貴方という方がこの学校にいるなら、これからは退屈しないかもしれませんね。...是非、私を楽しませてください優美さん。」

 

楽しませる...かぁ

 

「う~ん、期待に答えられるように頑張るよ。...でも有栖ちゃんがAクラスならAクラスに上がるのは骨だなぁ。」

 

有栖ちゃんがいるなら、もっと頑張らないとAクラスには上がれないよ翔。

 

「ふふっ、頑張って来てくださいね。」

 

「うん。」

 

「そういえば、もうすぐ中間テストですが優美さんのクラスは大丈夫ですか?」

 

中間テストか...。過去問があるから一応順調...かな...?

 

「うん。まぁ、順調かな...?有栖ちゃんのクラスは?」

 

「ふふっ、私のクラスも順調です。」

 

そっか。皆に退学はして欲しくないからよかったな。でも、Dクラスの皆大丈夫かな...?心配になってきた

 

「ねぇ、アンタ達自分達のクラスのこと話してるけど普通自分達のことを話すんじゃないの?」

 

真澄ちゃんが不思議な顔をして言った

その事か...えっとね。

 

「「有栖ちゃんならテストで退学にはならないと思ったからだよ!/優美さんならテストで退学にはならないと思ったからですよ」」

 

あ、有栖ちゃんと言葉重なっちゃったな。

 

...有栖ちゃんが私を誉めてくれるのは嬉しいけど大袈裟に評価し過ぎだよ有栖ちゃん。

 

そう思っていると真澄ちゃんは驚いた様な複雑な顔をした

 

「そ、そう」

 

「...あ、そうだ。良かったら連絡先交換しない?」

 

仲良くなりたいから連絡先交換しないな~

 

「いいですよ。...真澄さんもしてくださいね」

 

「はぁ、分かってるから」

 

そして、2人と連絡先を交換した

2人ともありがとう!

 

「それでは優美さん、後3日、中間テスト頑張りましょうね」

 

「うんっ!じゃあまたね。バイバイ」

 

そして私は寮に帰る為に歩いていった

 

◎◎◎

 

「ねぇ、坂柳」

 

「なんですか?」

 

「あの子、花里優美だっけ。そんなに凄い人なの?」

 

「真澄さんは優美さんの事どう思いましたか?」

 

「...いい人っていうイメージぐらい。でも坂柳程凄い人だとは思わなかったけど」

 

「ふふふっ、彼女は凄い方ですよ。」

 

「へぇ、というか、あんな子と何処であったの?確か8年ぶりとかって言ってたけど」

 

「ふふっ、8年と326日ですよ。...彼女は自分をいつも謙遜していますが、相当凄い方です。あの日、彼女は私を楽しませてくれました。とても楽しかったです。...早く彼女とまた戦いたいですね。今度またチェスを誘ってみましょうか」

 

「何か坂柳、いつも以上にニヤニヤしてて気持ち悪い」

 

「ふふっ、そうですか?ですが、とてもこれからが楽しみです。まず最初の課題は3日後に予定されている中間テスト。...彼女が後3日の間でどうCクラスの方達を導くか。...あの攻略法、彼女は気づいているでしょうか。いえ、きっと気づいているでしょうね。気づかないわけがありません」

 

そう言って、子供のように無邪気に銀髪の少女は笑みを浮かべた




いつも感想や評価を付けてくださりありがとうございます!

どうだったでしょうか?今回は坂柳有栖が初登場しました!次回もお楽しみに。


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頑張って

遅くなってしまい、ごめんなさい。

中間テストの曜日ですが、月曜日に試験日とします。原作ではたぶん違かったと思いますが、ご了承ください...

それではどうぞ~


ある夢を見た。あの日銀髪の少女と出会った日の夢。

 

私のパパ...お父さんの紹介で出会った少女。

お父さんの提案で少女とチェスで勝負をした

 

結果はーーだった

少女は、すごく驚いてた。だけど、すぐ不適な笑みを浮かべてこう言った

 

ーーーーですね....と。

 

そして、お父さんもこう言ったんだ

ーーーーだな...と。

 

不適な笑みを浮かべて―――――

 

あの日の出来事やその時の私の感情はたぶん、4番目に忘れてはいけないことだと思う―――――

 

 

◎◎◎

 

ピピピッピピピッ

 

先程まで静かだった部屋に目覚まし時計が鳴り、自然と目が覚めてくる。

 

私は目覚ましを止め、ゆっくりと目を開けた。

 

すると、自然と涙が溢れてくる。

 

「はぁ、また...か。」

 

...何時も通りのことだ。朝起きると何時も涙が溢れてくる。悲しくも辛くもないのに涙が出てきてしまう。

 

きっと、あの時の記憶のせいだろう。思ってなくても本能が泣けと言っているのだ。

 

私は、涙を自身の指で拭い取ってベットから起き上がりテーブルの上に置いてある体温計を取って脇に挟み、体温を測定した。

 

今日は何度かな...?

 

しばらく経つと計り終わったみたいで音がした。

 

ピピッ

 

私は体温計を脇から外して結果を見る

 

え~と、36.3°か。()()()()()()()()()()()

 

私はある紙に自分の体温を記入していく

 

ふぅ~。

 

 

今日は土曜日、テスト2日前。

昨日ひよりちゃんと金田くんとチャットで話し合ってこれから2日間、午前中から勉強会を開いて勉強することになっている。昨日クラスの皆にも連絡をしておいた。

 

え~と、集合時間は確か9時30分で図書館集合だよね。

今は、6時...か。

 

ご飯を食べたり着替えたり、後自分の勉強もしないとな。

 

今日も気合いをいれて頑張ろう!

 

 

▫▪▫▪▫▪▫▪▫

 

8時30分。勉強をしていると端末に着信があった

 

え~と、あ、ひよりちゃんからだ!何だろう

 

花里 優美ーーーー><ーーーー椎名 ひより

 

椎名 ひより|優美さん。今部屋に居ますか?

 

花里 優美 |うん!部屋に居るよ~

 

椎名 ひより|もしよければ、少し早いですが一緒に図書館に行きませんか?

 

ひよりちゃんからのお誘いだ!嬉しいな~

 

花里 優美 |いいよ~!一緒に行こ!

 

椎名 ひより|ありがとうございます。それでは、ロビーでお待ちしておりますので準備が出来たら来てくださいね

 

ということは、ひよりちゃんもうロビーに居るってことだよね。すぐ行かないと!

 

花里 優美 |わかった!すぐ行くね~

 

よし!ひよりちゃん待たせるの悪いし急いで行こう!

 

私は勉強会で使う必要なものをバッグに入れて急いでロビーへ向かった

 

 

 

 

 

「ひよりちゃんお待たせ!」

 

「いえ、そんなに待っていませんので大丈夫ですよ」

 

ひよりちゃん優しいな

 

「それでは行きましょうか。」

 

「うん!」

 

それから、図書館に着くまで軽い世間話をしながら歩いていった

 

 

 

「お~、結構人いるね」

 

図書館に入ると、中には学年問わず沢山の生徒達が必死になって勉強している光景があった。いつも来ているときより人数多くなってるな。

 

「そうですね。テストまで後2日しかありませんから当然かもしれません」

 

そうだね。私達も頑張ろう

 

「え~と、皆は...流石にまだ来てないか~」

 

「そうですね。まだ9時ですし、仕方ないでしょう。」

 

「そうだね。あ、場所確保しないと。何処にしよう?」

 

「そうですね...彼処とかどうでしょう」

 

ひよりちゃんは奥にある机に向かって歩いていった

私もそれに続いていく

 

少し離れてはしまうけどまだ誰も座っていない机が3つあった

 

「そうだね。じゃあ、そこの机3つを使ってやろう」

 

「そうですね...あ、」

 

ひよりちゃんが何かに気づいたような顔をして、視線を外していていたので不思議に思いながらもひよりちゃんの視線を辿って行くと、図書館の入り口に金田くんがいた

 

たぶん、ついさっき来たんだろう

 

「あ、金田くんだ」

 

金田くんも早いな~

 

彼に手を振るとこっちに来てくれた

 

「やっほ~!金田くん。来るの早いね」

 

「こんにちは、金田くん」

 

「花里氏と椎名氏。...自分が教える立場なので早めに来ただけですので。...お2人のほうが早いのでは?」

 

「私達も金田くんと同じような感じです」

 

「そうだね。あ、いい忘れてたけど金田くんいつも勉強皆に教えてくれてありがとう!」

 

いつもありがとう!感謝しかないよ!

 

「いえ、命令なので。自分に出来ることはするまでです。」

 

命令でも、勉強教えてくれてるんだもん!いい人だよね

 

「そっか。でもありがとう。後2日間あるけど頑張ろうね!誰も赤点取らないように!」

 

「そうですね」

 

「はい、お互い頑張りましょう。」

 

「うんっ」

 

それから、私達は2日間朝から集まって勉強を教えていった。あ、ちゃんと昼食も間に取ったりもしたよ。

 

土曜日は皆、過去問は6割りぐらいは覚えられることができた。たまに皆、集中力が切れる時はあったけどその都度休憩したりして特にトラブルもなく勉強会をすることができた。石崎くん達も赤が少なくなってきて点数が上がった。この調子で全部覚えられればいいな!

 

日曜日は、沢山勉強して皆過去問は大体は覚えられることができた。殆ど問題は合ってる。たまに何問か少しミスるぐらいかな。

問題の石崎くん達も、ミスをする事は多少あるけど大体の問題は正解することができてるから赤点は回避できると思う。それに、途中分からないところとかがあると皆で教えあったりしていたので微笑ましく思った。何か...勉強会を通して前より団結力がアップしたような気がするな

 

 

「よしっ!皆お疲れ様!これで勉強会を終わります。皆今日まで勉強会に来てくれてありがとう。大変だったと思うけど今の皆なら赤点は回避できると思う!自信をもって明日がんばってね!」

 

今までちゃんと勉強会に皆来てくれてありがとう

 

「おう!」「優美ちゃん色々教えてくれてありがとう!」

「明日頑張るか!」

 

「皆お疲れ様。それじゃあ解散」

 

すると石崎くんがこっちに来た

 

「あー、疲れた...。こんなに勉強したの始めてだぜ」

 

「お疲れ様、石崎くん。」

 

石崎くんも結構頑張ってたもんね。

 

「おう。これで、大丈夫...だよな。テスト」

 

大丈夫だと思うよ。勉強会する前より確実に勉強出来るようになってるしね。後は自信があれば大丈夫だと思うな

 

「うん!赤点は回避できると思う。自信をもっともっていいと思うよ」

 

「おう。ありがとな。よしっ!明日頑張るぞ!」

 

「うん。お互い頑張ろうね」

 

「あぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

「優美さん、お疲れ様です。」

 

皆が帰っていった後、私も帰る支度をしているとひよりちゃんが声をかけてきた

 

「あ、ひよりちゃん!お疲れ様」

 

「はい。これでたぶんですが、皆大丈夫だと思います。優美さんはテスト大丈夫ですか?」

 

ひよりちゃん優しいな。それに可愛い!

 

「うん!私は大丈夫だよ~!ひよりちゃんも明日頑張ろうね!」

 

「はいっ。そうですね」

 

私は、明日行われるテストが上手くいけばいいなと思った。

 

 

 

試験当日

 

「ふむ。欠席者は無し、ちゃんと全員揃っているみたいですね」

 

朝、坂上先生が教室へやって来た

 

「この学校に来て始めての試験ですが、是非今持っている実力を存分に発揮できるよう頑張ってください。このクラスに退学者が出ないことを願っています。」

 

坂上先生がそう話していく。先生の有難い言葉を聞くと、緊張がほぐれてくるな。

 

「...そして、もし今回のテストと7月に行われる期末テスト。この2つで誰一人赤点を取らなかったらーーー」

 

 

「うおおおおおおおおおおおおお!」

 

!?

 

突如、1人の人間が出せるとは到底思えない大きな声が隣の教室から聞こえて来て、有難いことを言ってくださってる坂上先生の言葉をさえぎった

 

これにはクラス全員が驚き、坂上先生も何が起こったか分からない顔をしていた。

 

あの大声...たぶん方向的にDクラスだよね。気合い入れるために出したのかな...?

 

気合いを入れることって良いことだけどもう少しだけ声を落として欲しいな…

 

そう思っていると、再び先程の続きで先生がまた声を発した

 

「こほんっ。今回行われる中間テストと7月に行われる期末テスト。この2つで誰1人赤点を取らなかったらご褒美に、夏休みバカウンスに連れていきます。是非頑張ってください。私からは以上です」

 

バカウンス...か。楽しみだな。頑張ろう!

 

 

その後坂上先生の話が終わると、問題が配られた

 

「それでは、始めてください」

 

先生の合図と共に皆は問題を開いた。私もそれに合わせて問題を開き、一旦最初から最後まで問題を読んだ。

 

え~と...うん。殆ど過去問で出ている問題だね。顔を上げて皆を見ると、皆迷いなくペンを持ちながらテストを解いているみたいだった。

 

これなら大丈夫そうだ。私も頑張ろう。

 

私はテストの問題をミスがないように気を付けながら問題を解いていったのだった

 




どうでしたか?
いつも感想や評価ありがとうございます!嬉しいです!

もうすぐ一巻が終わる...と思います!
これからもよろしくお願いします!


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努力の結果

投稿おくれてしまってごめんなさい...
最後まで読んでくださると嬉しいです!
それでは、どうぞ~


「ではこれから中間テストの結果を発表します」

 

坂上先生はそう言い、黒板に大きな白い紙が貼り出される。そこにはクラス全員の名前と点数が書かれてあった

 

...皆凄い。高得点を叩き出している。石崎くんも70点前後の点数を取っていた。沢山勉強したからね。よかったな

 

「っしゃ!」

 

石崎くん本人も喜びを噛み締めながら席を立ち、叫んでいた。

 

他の皆も歓喜の声を上げていた。

 

「驚きました。満点の生徒が10人以上います。...沢山勉強をしたんですね。今回のテストの赤点者はいません」

 

よかった~

 

いっぱい勉強したもんね。ホントによかったよ!

 

因みに、私とひよりちゃんと金田くんは全教科満点だった。よかったな。

 

あ、後隣に座ってる翔も大体80点前後の点数を取っていた。

 

「皆さんお疲れ様です。次回も頑張ってください」

 

そう言い、先生は教室から立ち去った。

 

本当によかったな。あ、そういえば他のクラスはどうなったんだろう?

...AクラスとBクラスはたぶん大丈夫だと思うけど...Dクラスが心配だな。テスト範囲の変更の件で少し大変そうだったからな...少し連絡してみるか

 

え~と、桔梗ちゃんでいいかな

 

花里 優美ーーー><ーーー櫛田 桔梗

 

花里 優美|桔梗ちゃん!桔梗ちゃんのクラス、中間テストどうだった?

 

そう打つと1分後に既読がつくと電話が鳴った

 

桔梗ちゃんからだ。電話...?何かあったのかな?

 

「もしもし桔梗ちゃん?」

 

『っ優美ちゃん大変なの!』

 

!?

 

「ッどうしたの?」

 

『あのね、須藤くんが英語の点数が1点足りなくて赤点取っちゃったの!助けたいんだけどどうすればいいかな!?』

 

え、うそ!?...須藤くんって確か...山脇くんに煽られちゃった髪が赤い男子生徒だよね。助けたいよ。でも、助ける方法...か。あるにはあるけど...

 

言った方がいいかな...?あの事。言えば須藤くんが助かる可能性は見えてくるけど...でも、私がこの事を言うときっと、翔に怒られちゃうかもだよね。...でも...ごめんっ。やっぱり、ほおっておけないよ。ヒントだけあげよう

 

「桔梗ちゃん、ちょっと皆が聞こえるようにスピーカーにしてくれないかな?」

 

『えっ?スピーカーにするの?』

 

桔梗ちゃんが驚いた声をあげた。

 

まぁ、確かに驚くことも無理ないよね。

 

「出来る?皆に聞いてほしいことがあるんだ」

 

『うん、うん。わかった。ちょっと待ってね』

 

「ありがとう」

 

Dクラスの皆...誰か1人でも良いから気づいてね...

 

ふぅ、よし

 

「え~と、それでどうすれば須藤くんを助けられるか...だよね」

 

『う、うん。そうだよ。何か思いつくかなっ?』

 

「私、あんまり頭よくないから策とかは思い付かないけど点数が1点足りないならその点数、買えれば良いのにな~って思うな。」

 

「!?」

 

『えっ?優美ちゃん?それはどういう意味?』

 

ごめん。桔梗ちゃん

 

「ちょっと頭をひねれば問題解決できると思うよ。最初に学校の説明をされた時のこと思い出してみてね。でもまぁ、それには少しだけ犠牲が伴うかもだけど。ごめんね。私に言えるのはここまで。頑張ってね。それじゃあ、バイバイ」

 

『優美ちゃんっ?』

 

最後に桔梗ちゃんのそんな声がしたけど私は通話を終了した。

 

...気づいてくれるかな?ううん。きっと大丈夫だよね。須藤くんだけ赤点ってことは他の皆は大丈夫だったってこと。後テスト1週間しかないなかで学力が低い子に教えるのは結構大変だ。沢山勉強すれば赤点は回避できるかもって思うかもしれないけどそれでも何人かは赤点を取ってまう可能性が高い。現実的ではないんだ。

 

でも、赤点は1人。しかも1科目、1点足りなかっただけ。つまりDクラスの誰かが気づいたんだ。このテストの攻略法が過去問だってことに。

 

頭の切れる子がDクラスにいる可能性が高い。だから頑張ってどうか思いついてね。

 

 

 

 

――――――Dクラス――――――

綾小路視点

 

俺たちDクラスではたった今この前行われた中間テストの結果を発表されていた

 

そして、茶柱先生が黒板に貼った大きな白い紙にはクラス全員の名前と点数が書かれてある。

驚くことに殆どの生徒が高得点を獲得していた。

 

その事に誰もが歓喜の声をあげていた

しかしそれらの声から一転、茶柱先生が次発する言葉に地獄へと落とされることになる

 

「お前は赤点だ。須藤。」

 

そう言いながら茶柱先生は英語のテスト、須藤の名前の上に赤線を引いていく

 

須藤の英語の点数は39点、か。微妙なラインだな

 

須藤が赤点を取ったという事実に対してクラス中が驚いた

 

「は?ウソだろ?ふかしてんじゃねぇよ、なんで俺が赤なんだよ!」

 

納得が出来ないのか大声をあげて反論する。

 

「今回の中間テスト、その赤点のラインは40点未満だ。つまり1点足りなかったということだ。惜しかったな」

 

「よ、40!?聞いてねぇよ!納得できるかよ!」

 

「なら、お前にこの学校の判断基準を教えてやろう」

 

茶柱先生は黒板に簡単な数式を書いていく

そこに書かれたのは79.6÷2という数字

 

「赤点基準は、各クラス毎に設定されてある。そしてその求め方は平均割る2。その答え以上の点数を取ること」

 

なるほどな。そういう計算だったか

 

「俺が、退学...?」

 

「他の者はよくやった。問題なく合格だ。それでは次のことだが――」

 

何もなかったかのように次の話をしようとする茶柱先生。...冷淡な顔をしている

 

「あの茶柱先生!須藤くんの解答用紙を見せて貰えないでしょうか」

 

その時、真っ先に平田が声をあげた

 

茶柱先生が須藤の解答用紙を見せ、平田が確認するが採点ミスは無かった。

 

隣に座っている堀北も珍しく挙手をして、平均点のことを指摘するが何もミスはなかった。

 

さて、どうするべきか。

 

俺はそう思って解決方法を考えたがその前にある事が気になっていた。

 

櫛田が堀北が茶柱先生と話している時からずっと、端末を操作していることに。

 

おそらく、誰かとメールしているのだろう。櫛田がクラスメイトが退学になろうとしてるにも関わらず端末で関係ないことを今する可能性は低い

 

内容はおそらく、今の状態らして須藤を助ける方法を捜しているのだろう。

 

だが一体誰と?

 

そう思っていると櫛田は電話に切り替えた

 

その事を見ていた茶柱先生も流石に気になったのか声を声をかけた

 

「櫛田、クラスメイトが退学になっているにも関わらず何をしている?」

 

そして、その茶柱先生の言葉にクラスの皆が櫛田を見た

 

すると皆

 

「櫛田ちゃん、もしかして何か思いついたのか?」

「本当か!?」

 

と騒ぎだした

 

その時、櫛田が電話している相手にこう言ったのが聞こえた

 

「えっ?スピーカーにするの?」

 

「うん。うん。わかった。ちょっと待ってね」

 

そして、櫛田は端末を操作してスピーカーに切り替えた。すると声が聞こえてくる

 

『ありがとう』

 

「この声...」

 

すると、堀北が驚いた顔をした

 

正直言って俺も驚いた。この声は...この前テスト範囲が変更されていることを教えてくれたCクラスの生徒。そして、俺が初めて他クラスの生徒と連絡を交換した少女。花里優美...か。

 

『え~と、それでどうすれば須藤くんを助けられるか...だよね』

 

「う、うん。そうだよ。何か思いつくかなっ?」

 

やはり、須藤の退学をどうにか出来ないか相談していたみたいだった

 

『私、あんまり頭よくないから策とかは思い付かないけど点数が1点足りないならその点数、買えれば良いのにな~って思うな。』

 

「!?」

 

この言葉に、クラスの全員。そして、茶柱先生でさえも驚いていた

 

なるほどな。

 

「えっ?優美ちゃん?それはどういう意味?」

 

櫛田はどういう意味かいまいち分からない様子だ。

 

『ちょっと頭をひねれば問題解決できると思うよ。最初に学校の説明をされた時のこと思い出してみてね。でもまぁ、それには少しだけ犠牲が伴うかもだけど。ごめんね。私に言えるのはここまで。頑張ってね。それじゃあ、バイバイ』

 

「優美ちゃんっ?」

 

そして、通話が終了する

 

なるほど...な。花里はどうやら相当頭が切れるようだ。

 

彼女はプライベートポイントで須藤の英語の点数を1点買えばいい。と俺たちに遠回しに言ってるのだ。

 

..それにしても...他クラスにヒントとはいえ、救える方法を教えるなんて相当あの少女はお人好しだな。

 

...さて、この事を堀北は気づけるか、先程から堀北は何か考えているようだが...。気づくのは時間の問題だろうな

 

そう思っていると堀北が何か気づいたようだった

 

「まさか...」

 

そう一言いい、彼女はもう一度挙手をした

 

「あの、茶柱先生少しよろしいでしょうか」

 

「...なんだ?」

 

「須藤くんの英語の点数、1点売ってください」

 

堀北がそう言うと茶柱先生はニヤリと不適な笑みを浮かべた

 

「はははっ、点数を売ってほしい、か。どうしてそんなことが出来ると思った?」

 

「先程の声の主...花里さんの言葉に気づきました。茶柱先生は最初、この学校の説明をしたときに言っていましたよね。この学校内においてポイントで買えないものはない、と。それならテストの点数も買えるはずです。」

 

「なるほどな。」

 

「それで、売ってくれませんか?」

 

「ふっ、そうだな。なら今ここで30万pp払えるなら売ってやる」

 

「30万...」

 

堀北が今持っている金額では買えないだろうな。

その時、1人の少女が声を上げた

 

「私も払うよ!優美ちゃんのアドバイスを無駄にしたくないし、須藤くんを助けたいからっ」

 

櫛田がそう言うと、平田もそれに続いて声をあげた

 

「僕も払うよ。」

 

すると、他の皆も櫛田や平田が出すならと声をあげていた。...やはり人気者はすごいな。

 

「ははははっ、お前達は面白いな。いいだろう。1点売ってやる」

 

「いいんですか?」

 

堀北が少し驚きながら声を発した。

 

この様子を見ると...点数を買えることに対して少し半信半疑だったようだ。...点数を買うなんてこと前代未聞だからな。無理もないか

 

「約束だからな。...喜べ須藤。退学は取り消しだ。」

 

「ありがとな...」

 

須藤は茶柱先生からそんな事を聞き、若干戸惑っていたが感謝している様子だった

 

「ふっ、さっき櫛田が電話で相談した相手、Cクラスの花里優美にするんだな」

 

そうニヤリと不適な笑みを浮かべながら茶柱先生は教室から出ていった

 

...花里優美、か

 

少し花里の事を調べた方が良さそうだな

 

そう、静かに俺はそう思った。




1巻...終わりませんでした...
早めに1巻終われるように頑張ります。

感想や評価をつけてくださりありがとうございます!
これからも頑張りますのでよろしくお願いします!


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約束

投稿遅れました...

今回は少し長めです!
最後まで読んでくださると嬉しいです!
それではどうぞ~


ピッ

 

桔梗ちゃんからの電話を切ると

 

ゾクゾクゾクゾク

 

突然強烈な寒気に襲われた

 

え...?何かいつもの寒気と全然違くない?いつもの比じゃないよね...?何時もより何か恐ろしいほど寒気が走ったんだけど...?

 

そう思っていると翔が私の肩に手を置いた

 

「よぉ優美。ずいぶんとまぁ面白い話をしていたなぁ?」

 

そんな悪魔のような囁きを耳元で聞いた

 

げッ

 

私は声がした方へ恐る恐る顔を向けるとそこには満面の笑みを浮かべている翔がいた

 

ヤッバッ

 

私は体が一気に固まるのを感じた

 

「今さっき電話してた事について詳しく俺にも分かるように教えて欲しいもんだなぁ?優美」

 

私の頭が今警告している。どうにかしないと私が死ぬと。

非常アラートが鳴ってるよ!

 

やばいやばいよ!もしかして聞かれてた!?あ、そういえば翔って私の隣の席だっけ!?

 

待って、私アホじゃん馬鹿じゃん!隣にいる翔が聞き耳ぐらい立てるよね!?普通!やばいやばいやばい!誤魔化さないと!

 

「な、なんのことかな~?」

 

ゾクッ

 

ひぇ

 

「優美?」

 

「ナンノコトデショウ」

 

「お前相変わらず嘘つくの下手だな」

 

こ、こういう時は逃げるが勝ちだよね!うん!

 

「あー!私、これから用事があるんだった!ちょっと行ってく」「優美?」

 

私の肩に乗っている翔の手の力が強くなった

 

さっきから翔ずっと『優美?』ってしか言ってないけど何か更に笑顔が深まっててすごく怖い..

 

「ひぇ、ごめんなさい」

 

無理だよ無理!逃げたら最後私が殺される!

今ね、翔がすっっっっごく怖いんだよ!笑顔だけどそれが逆に怖いんだよ!悪魔みたいな顔してるんだよ!

 

「これはじっっっっっくりと話を聞かせてもらわないといけないなぁ?」

 

待って、1回落ち着け私。取りあえずどっから聞いてたか聞こう。情報収集をしないと、ね...ふぅ

 

「ど、どこから聞いてたの...?」

 

「あぁ安心しろ途中からだ。」

 

え、本当!?よかったー。途中からなら少し誤魔化せばいけるよね!

 

私がほっとしてると翔は面白いものを見たような顔をした

 

何故?

 

そう思ったがその答えは直ぐ分かった

 

「確か、『もしもし桔梗ちゃん?』って言ってるとこからだな」

 

え、は、バリバリ最初っからじゃん!!翔、騙したよね!思いっきり!さっき安堵した私がバカだったよ!

 

そう思っていると天使のような声が私の耳に入ってきた

 

「あの?優美さんと龍園くんどうされたんですか?」

 

はっ、この声は!

 

声をする方向に振り向くと不思議な顔をしているひよりちゃんがいた

 

ひよりちゃん!!!救世主!!

 

そばに慌ててる石崎くんと山田くんもいた

 

「お、おい。今は話しかけない方が...」

 

「?何かありましたか?」

 

「ひよりちゃんん!」

 

ひよりちゃん天使っ

 

「チッ何しに来た?今俺は優美と大事な話をしてんだがなぁ?」

 

翔が不機嫌そうにした

 

「優美さんと一緒に打ち上げをしようと思いまして。あ、もしよければ龍園くんもどうですか?」

 

「お、おい!」

 

「?どうされたんです?石崎くん」

 

「い、いや。なんともねぇけどよ」

 

「優美さんはどうですか?」

 

おっ!これはもしや翔から解放されるチャンスなのではっ!?ひよりちゃん女神...!

 

「行く!行くよっ。楽しそうだし!」

 

「龍園くんはどうですか?」

 

「チッ打ち上げなんざ興味ねぇよ。お前らだけでやってろ。それに優美は行くな。まだ俺との話しは終わってねぇだろ。...まさかこれで逃げようとしたんじゃねぇよな?優美」

 

少しこっちの方を翔は睨んできた

 

「も、もちろんだよ~。でも、打ち上げはやりたいな~」

 

打ち上げしたいっていう気持ちも勿論あるしね

 

「でしたら、優美さんは龍園くんとの話が終わったら私達と合流して打ち上げをする、というのはどうでしょうか?」

 

「...好きにしろ」

 

おー、やった!翔との話が終わったら打ち上げができるな~楽しみ!

 

「やった~!あ、そういえばなんだけど打ち上げって誰とやるの?」

 

疑問に思っていたことを口にする

 

「今のところ私と石﨑くんと近藤くんと小宮くん、山田くんとそれと金田くんと優美さんですかね」

 

お~!なるほど。良いと思うな。あ、でも打ち上げするなら誘いたい人が1人いるんだよね

 

「あのさ、お願いがあるんだけどもしよかったら打ち上げ伊吹ちゃんも入れない?」

 

さっきから伊吹ちゃんが私達の事をチラッと見てるんだよね。それに、今回の中間テスト伊吹ちゃんは平均で大体80点後半取ってる。結構勉強したのかな。だから伊吹ちゃんと一緒に打ち上げしたい!

 

それに、あんまり伊吹ちゃんと話してないからお話して仲良くなりたいしね

 

そう思っているとひよりちゃんもニッコリと微笑んだ

 

「そうですね。私も良いと思いますよ。実はなんですけど伊吹さん、珠に私のグループに勉強をしに来られてたんですよ」

 

えっ、そうなんだ。気づかなかったな

 

「あいつ、来てたのか。知らなかったぜ...」

 

石﨑くんも驚いたようにそう言った

 

「まぁ無理もないと思いますよ。丁度いつも皆さんが集中している時に来られてましたし、勉強会に来ていた事は伊吹さんが誰にも言うなと口止めされてましたから」

 

へぇそうなんだ。何か伊吹ちゃん可愛いな

 

そう思って私は伊吹ちゃんの方を見ると目が合い、慌てた様子で教室から出ていった

 

「では、伊吹さんも参加するか後で本人に聞いておきますね。石﨑くんと山田くんもそれで良いですか?」

 

すると、両者とも頷いた

 

やった!打ち上げする皆ともっと仲良くなれれば良いな~

 

そう思っていると石﨑くんが質問してきた

 

「なぁ打ち上げってどこでやるんだ?」

 

あ、確かにそうだよね

 

「そうですね...決めてませんでしたが...では、打ち上げをやろうと最初に言い出した石﨑くんの部屋はどうでしょうか?」

 

笑顔で言うひとりちゃん...可愛いな

 

「え?お、俺の部屋?い、いやそれはちょっと...!無理だ無理!」

 

打ち上げする場所を自分の部屋に指定されると、慌てたように拒否する石﨑くん

 

なんでそんなに慌ててるんだろう?ひよりちゃんもそう思ったのか石﨑くんに質問した

 

「どうしたんですか?何か不都合が?」

 

「そ、そりゃその、色々あるだろ。急に言われても...」

 

「お部屋が少し散らかってるくらいなら気にしませんよ?そう思いませんか?」

 

ひよりちゃんが私達に同意を求める

 

山田くんは大きな顔を縦にゆっくりと動かす

私もひよりちゃんの意見に賛成した

 

「そうだね~私は全然散らかってても構わないよ?必要なら片付け手伝うし」

 

翔の方をチラッと見ると何故かニヤニヤしていた

 

なんで翔ニヤニヤしてるんだろう?

 

「い、いや少しじゃなくてすげー散らかってるんだよ!もう足場の踏み場の無いくらいでさ!いやー残念だぜ」

 

「ご心配なく。優美さんの言う通り必要でしたらお掃除手伝いますよ?」

 

「そうそう。って言うかそれなら逆に尚更掃除した方が良いんじゃないかな?手伝うよ?1人より何人かでやった方が楽でいいし!ということで打ち上げと石﨑くんの部屋の掃除をするってことで良いんじゃない?」

 

我ながら名案だなと思い、そう言うと石﨑くんは物凄く焦っていた

 

「いやいやいや!ティッシュとかアレとか、女子に掃除なんてさせられねえし!」

 

「ティッシュ...ですか?アレとはなんでしょう?」

 

ね、ひとりちゃんのいう通りアレってなんだろう?私達に見せちゃいけないもの...?

う~ん...あ!もしかして!

 

「あ!石﨑くんまさか...アレってゴキブリの死体?」

 

それなら...まぁ分からなくはないかも!

 

「なるほど。そういうことでしたか」

 

ひよりちゃんも納得していた

 

そんな時、何故か翔が笑った

 

「ククククッそいつはたぶん違うと思うぜ?」

 

「え、そうなの?」

 

ゴキブリの死体だと思ったんだけどな...違かったか...

 

「あぁ。まぁたぶん優美とひよりは考えても分からねえと思うがな」

 

「え?」

 

私とひよりちゃんは考えても分からない...?何故?

と言うかなんで翔は分かったんだろ?

 

「と、とにかく俺の部屋はちょっと!そ、そうだアルベルトの部屋にしようぜ!」

 

山田くんの部屋?

 

「そうだ、アルベルトの部屋でいいじゃねえか!な?な!」

 

何かから逃げるように石﨑くんはそう再び言った

 

山田くんの方を見てみると彼は短く答えた

 

「OK」

 

「分かりました。それでは山田くんの部屋にしましょうか。では、優美さん、龍園くんとのお話しが終わったら山田くんの部屋に来てくださいね」

 

「分かった!」

 

打ち上げ楽しみだな~

 

その時私はそう思った

 

▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪

 

さてさて、突然ですが皆さん私は今何処にいると思いますか~?

 

正解は...

 

「それで?どういうことだ優美。どうしてあんな電話をしていた?」

 

防犯カメラに映らない死角の...どこだろ?とにかく人気がないところでした~

 

此処に何と翔に連行さちゃったんだよね...

 

そしてそしてまぁ此処までは良いんだけどさ、今の状態?体制?が問題なんだよね...

 

背中には壁があって前には翔がいる。そして真横には翔の手があるんですよー

 

これが世間でいう壁ドンなんだな~って実感したところです。はい。

いや、壁ドンされたのは初めてなんだよね~。まさかこんなところでされるなんて思ってなかったよ...

 

いや、正直言って翔の顔がすごく近い。

 

ごめん。そんなに翔怒ってた?顔私に近づけないといけないぐらい怒ってる?ヤバイよヤバイ。この状態怖いよ!

 

「おい、聞いてるのか?」

 

翔が怒ったような口調で聞いてきた

 

と、取りあえずこの状況を何とかしないと...

 

「あ、あのさ真横にある手をどけてもらえないでしょうか。後顔近いよ...?」

 

「お前が逃げるかも知れねぇだろ?早く質問に答えろ」

 

あ、やばい...

もう正直に翔の質問に言おう...これ以上怒らせたらヤバイし。というか私思ったんだけど別に堂々としてれば良くない?それに、嘘ついたにしても何故か翔に直ぐばれちゃうんだよね。何でだろ?

 

「...Dクラスにいる須藤くんが英語で赤点取ってこのままだと退学になっちゃいそうだったからです!」

 

「ほぉ?随分と威勢がいいな?まぁいいがつまりそれで敵に情報を渡したと?」

 

むぅ

 

「ヒントだけだから別に情報を渡してはないよ」

 

結構ギリギリだけど...

 

「それにしては随分と分かりやすいヒントだったな。」

 

それは...

 

「...そうかな?」

 

「あぁ。お前、わざと分かりやすいヒントにしたんだろ?」

 

え、え~...と

 

「...そ、そんなことはないよ?」

 

そう反論したが翔は納得してないようすだった。

 

「まぁそれ以前に、だ。ヒントだろうと無かろうと俺の許可無しに勝手なことすんじゃねぇよ」

 

翔の声のトーンが何時もより少し低くなった。

 

「でも、それだったら須藤くんが退学になっちゃったかもしれないんだよ?」

 

「お前、そんなにアイツと仲良かったか?違うだろ?」

 

...確かに仲は良いかは分かんないけど...でも私は、助けたいって思ったんだよ

 

「...一回話しただけだから友達とは呼べないかも知れないけどそれでも、彼は私の知っている人だよ。私の知り合いだよ。私は、私の知り合いには退学になってほしくない。この学校退学しちゃったらこれから先、生きるのが大変になっちゃうんだよ?そんなのダメだよ。私は、そういう争い事は出来るだけしたくない」

 

私は、他クラスの人だろうと出来るだけ退学にはなってほしくないんだよね。

仲が良くない良かった以前の話なんだよ。

 

「そんな甘い考えじゃこれから先何にもできねぇぜ?お前はお人好しすぎる」

 

「そんなことは...」

 

私は目をそらそうとしたら翔が私の顔をつかんで目をそらすことは出来なかった。

 

「お前は部下じゃねぇがクラスを裏切るような、俺を裏切るようなことはするなよ。それができないなら躾なきゃらねぇな」

 

「ごめん...」

 

まぁ、確かにその点で言えば私が悪いな...

う、仕方ない...。痛いのはあまり好きじゃないけど...

 

「殴っていいよ。私のこと」

 

私がそう言うと翔が少しだけ目を見開いた

 

そんな翔に対して私は少し微笑んだ

 

「確かに...翔に言わないで勝手なことをしちゃったのは事実だし...。ごめん」

 

「はっ、そうかよ。んじゃあ―――」

 

翔は高速で自身の拳を振り下ろそうとし、私は反射的に目をつぶった

 

ッ..

 

だけど、痛みが来ることはなかった

 

え...?

私は痛みが来ないことを不思議に思い、恐る恐る目を開けると私の顔に当たる寸前で翔の拳が止まっていた

 

なんで...

 

「はぁ、やめだやめ」

 

そう言って翔は拳を下ろした。

 

「本来なら、こんなことをした時点で躾なきゃならねぇところだが、お前は暴力で解決できねぇからな。というか、そんな顔をされたらまず殴れねぇしな。..まぁ今回は俺の言うことを3つ聞くなら特別に許してやる」

 

え...

 

「内容、は...?」

 

「1つ目。今回のようなことは2度とするな。もし何かあるなら自分で行動するよりも先に俺に言え。」

 

翔に言えば...か。それなら...まぁいい、かな

 

「...わかった」

 

「2つ目。近々あることをしようと思ってる。お前もそれに協力しろ。」

 

え?

 

「それってどんなこと?まさか何かしないよね?」

 

「さぁな。ただ、クラスの為にやることだ。わかったな?」

 

正直言って絶対に嫌な予感しかしないけど...

でも、翔がクラスの為にやるって言ってるんだからクラスの為になるんだよね...?それに、もし何かあったら私が止められればいいし...

 

「...うん、わかった。クラスの為になるならいいよ」

 

「3つ目。今度俺に付き合え」

 

「え?」

 

どっか行くってこと...?

 

「買いたいものがあるからな。...お前、ちょっと荷物持ちになれよ」

 

荷物持...言い方悪いけど...まぁいっかな。

 

「わかった」

 

「んじゃあ、そういうことで。しっかり守れよ」

 

「分かってるよ...って、翔は私が約束破れないの知ってるよね?」

 

「ふっ、まぁな。」

 

「あとさ、あの~そろそろ手をどかしてくれないかな?」

 

「...何故?」

 

何故!?え、何故って言われてるとは思わなかったな。というか、翔ってこの状態でなにも思わないの?

 

「顔が近いからだよ!手をどかさないにしても顔をもうちょっと離してくれないかな?話し終わったよね?お願い!!」

 

お願いだから解放してほしいよ...

 

「まだ終わってねえぜ?なに勝手に終わらせてるんだ?」

 

そう言い翔は距離を取るとは逆に顔を近づけてくる

 

そして、翔の息が顔にかかってくすぐったくなった

 

ふぇ、近いよ近い!!さっきより状況がやばくなってない...?

 

え、まだ翔怒ってる?心の底では怒りまくってるの?

 

どうしよう...

 

「わかったわかった。取りあえずお願いだから顔離して?ね?お願い!!」

 

めっちゃ近い。此処まで近くなったのは初めてだよ...

お願いだから取りあえず離れてください...くすぐったいよ...。後流石に恥ずかしい。いくらずっと一緒に居てきた翔でもこんなに近い距離で見られたら恥ずかしい。

 

お願いだから離れてよ!!

 

そして何とか私の気持ちが伝わったのか

 

「...今回はこれで許してやる」

 

そう言って翔は真横にある手をどかして距離を取ってくれた。その時、翔は顔を背けたから一瞬だけしか翔の顔は見えなかったけど少し顔が赤かったような気がした。たぶん気のせいだよね...?

 

ふぅ、取りあえずよかった。助かった...

 

そう思っていると翔はこっちに顔を向けて再び話し出した。

 

「...んで?話の続きだが電話の話のことだがなんでスピーカーにしてDクラスの奴ら全員に聞こえるようにしたんだ?電話した相手は確か雑魚クラスの善人ぶってるヤツだろ。」

 

桔梗ちゃんを善人ぶってるヤツとか何て言わないで欲しいんだけどな。

 

私は少し翔を睨んで答えた

 

「...それはさ、私はDクラスに切れ者がいると思ってるんだよね。だからその人に伝わるように、って思って」

 

「何故Dクラスに切れ者がいると思った?」

 

真剣な顔をして翔が聞いてくる。

 

「あー、翔はまだ知らないと思うけど須藤くんはね、英語の点数が一点足りなかっただけなんだよ。他の教科は勿論、他のクラスメイトは皆赤点を回避してる。可笑しいって思わない?」

 

翔は少し考えだした。

 

「...なるほどな。アイツらは範囲変更を聞いてなくてテスト1週間前にテストの範囲を知った。どれだけそこから徹底的に教え込もうとしてもDクラスの奴らなら赤点を回避するのは不可能に近いって訳か」

 

あれ?私、翔にDクラスはテストの範囲変更知らされてなかったこと言ったかな?

 

「うん。そうだけどさ、翔Dクラスが範囲の変更聞いてなかったの知ってたんだね」

 

流石だな。翔って何か他クラスの情報沢山持ってるよね。私の知らないところで悪いことしてないか不安だな

 

「まぁ、色々あってな。んで?続きは?」

 

「えっと翔の言う通りDクラスは、...こんな言い方したくなかったんだけど、不良品って言われてるクラス。当然そこには勉強がまったく出来ない人が何人かいるはずだよね。どれだけ出来ないかは分からないけど少なくとも石﨑くんと同レベルの生徒。もしくは石﨑くんより出来ない生徒はいるはず」

 

あの時、図書館で会ったDクラスの生徒は、堀北さんと桔梗ちゃんと須藤くんと山内くんと池くん、それから綾小路くん。

堀北さんと桔梗ちゃんは勉強を須藤くんと山内くんと池くん、それから綾小路くんに教えていた。つまり堀北さんと桔梗ちゃんは頭が良く勉強ができるって事。そして他の教えてもらってた生徒はあまり勉強が出来ないってこと。

 

須藤くんと同時に教えてもらってたってことはたぶん、教えてもらってた生徒は須藤くんと同じぐらいの学力だってことだよね。同じところやってたし。だから、少なくとも山内くんと池くんもあまり勉強が出来ない生徒だと思うんだよね。

 

でも、綾小路くんは...たぶん、バカじゃないと思う。最初に自己紹介してくれたのは桔梗ちゃんだけど自己紹介を池くん達にするように誘導したのは綾小路くんだったし、桔梗ちゃんとアイコンタクト取ってた時、何か桔梗ちゃんに信頼されてる感じがしたしね。それに、テストの範囲変更の事を私が話しても動揺してなかった。

 

あの時私は綾小路くんのこと無表情だから良く分かんないなって思ってたけど思い返して見ると...やっぱり彼動揺してなかったと思うんだよね。私、結構人が動揺してるかそうじゃないかとかは人一倍分かる方だと思うから。あ、これは翔とずっと居たせいかそうなったんだけど、ね。

まぁそれは置いといて勉強してた所が範囲外だったら流石に普通は動揺するはず。だけど綾小路くんは動揺しなかった。それは何故か。

 

...う~ん、分からない...でも可能性があるとすれば...動揺する意味がなかったから...?だよね。でも、だとしたら...

 

いや、綾小路くんのことは後でゆっくり考えよう

 

取りあえず、少なくともあまり勉強が出来ない生徒は須藤くん以外にもいるはずだよね

 

「私も石﨑くん達に教えるのに少し苦労したからね。...そんな生徒は普通は1週間で全教科の赤点は回避出来ない。あ、四六時中勉強しまくったらいけるかもしれないけど集中力がそこまであるとは思えないし、色々な問題があるからね。とにかく現実的じゃないんだよ。だけど、それが出来て須藤くんはあと1点点数が足りないだけ。つまり、誰かが気づいたんだよ。この中間テストの攻略方法をね」

 

「なるほどな。だが、気づいた所でアイツを助けるか分からないぜ?」

 

「うん。...だから分かりやすいヒントにしたんだよ。その攻略方法を気づいてなかった人でもあのヒントなら少し考えてみれば思い付くでしょ?」

 

「やっばり分かりやすいヒントにしたんだな」

 

翔はニヤニヤしながら言った

 

あ、やば、言っちゃった...

流れで言っちゃうクセ直さないとな...

 

「ま、まぁそれは置いといて、須藤くんは確かに少し暴力的なイメージはあるかもだけどガタイがいいし、スポーツが得意そうだよね。」

 

「あぁ。アイツ、バスケ部に入ってるぜ」

 

へぇ、バスケ部かぁ。凄いな

 

「彼はきっと成長すればクラスに貢献できる人。戦力になる生徒だと思う。そんな彼ならきっと、上のクラスを目指してる人なら彼を助けるかなって思って。」

 

「お前、その事分かってて助けたのか」

 

翔は呆れた顔をした

 

う...

 

「ま、まぁいいでしょ。何でも!と、取りあえずそういう感じだよ」

 

「そうかよ。でもまぁ、雑魚クラスだと思ってたDクラスに切れ者がいるとは...これは遊びがいがあるなぁ。楽しみが増えてきたぜ」

 

そう言って翔は不適な笑みを浮かべた

 

はぁ、翔...何かしそうで怖いんだけどな...

まぁ、何時もの事だけど...

 

風が吹いて私の髪が靡くのを感じた




どうだったでしょうか!

次回は綾小路清隆も出てくる予定...です!
たぶん次回で1巻終われると思います。



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打ち上げ

お久しぶりです。投稿、遅くなってしまいました...ごめんなさい

もしよければ、最後まで読んでくれると嬉しいです!
それでは、どうぞ~


 

よしっ、それじゃあ翔と話し終わったしひよりちゃん達と合流しようかな。

 

あ、でも山田くんの部屋ってどこだっけ?聞くの忘れてたな…。翔知ってるかな?

 

「翔、山田くんの部屋って何処かわかる?」

 

「あ?お前そんなことも知らなかったのか」

 

少し翔に呆れられた。

 

う、仕方ないじゃん。聞き忘れたんだから…。

 

そう思っていると翔は少し呆れながらも山田くんの部屋番号を教えてくれた。

 

「おっけ~、ありがとう!」

 

それじゃ、山田くんの部屋に行きますか。

 

◎◎◎

 

ここだよね。うん。間違いないはず!

 

ピンポーン。

 

インターホンを押すと音がなり、少し経つとドアが開いた。

 

ガチャ

 

「優美さん!お待ちしていました」

 

そう言ってドアを開けてくれたのは私の天使のひよりちゃん。

うん、翔と会ってからひよりちゃんを見ると一層天使に見えるな。可愛い。

 

そう思いながら私は遅れてしまったことに対して謝罪をした。

 

「お待たせ。ごめんね、少し遅くなっちゃった…」

 

「大丈夫ですよ。そんなに待ってませんから」

 

ひろりちゃん、言ってることイケメンだなぁ…

 

優しい…

 

そう言って部屋の中に進んでいくひとりちゃんに続いて私も部屋の中に入っていく。

 

「おおー!待ってたぜー!優美!」

 

皆のところに行くとまず真っ先に石﨑くんが元気の良い声で声をかけてきた。

 

「石崎くん、元気だね。待たせてごめんね」

 

「大丈夫だぜ!な!」

 

そう言って皆に同意を求めた。

すると、皆口々に石崎くんに同意した。

 

「ありがとう」

 

「よしっ、じゃあ皆揃ったところで乾杯しようぜ!」

 

そう言って石崎くんは私に缶ジュースを渡した。

 

「それじゃ、乾杯!!」

 

石崎くんが元気よく缶ジュースを手に取りながら叫び、他の皆も石崎くんに続いて乾杯した。

 

「いやー、それにしても皆全員赤点とらなくてよかったよな!!」

 

「そうだな」

 

「そうですね」

 

「Was good」

 

皆が笑顔に溢れながら頷いたりして肯定した。

 

確かに、皆赤点とらなくてよかったな~。

 

須藤くんは大丈夫だったかな、?

まぁ、でもきっと大丈夫だよね!後で桔梗ちゃんにでも聞いてみよう。

 

そう思っていると金田くんがメガネをかけ直しながら言った。

 

「攻略法を見つけてくれた龍園氏に感謝ですね」

 

「あぁ、流石龍園さんだ!あと、勉強会を開いてくれた優美と椎名と金田に感謝だぜ!!」

 

「そうだな」

 

「あれは結構助かった」

 

私は兎も角、翔とひよりちゃんと金田くんのお陰だよね~。

 

「私からも改めてお礼を言うよ。ひよりちゃんと金田くん、勉強会、いつも開いてくれてありがとね」

 

そう私が言うと、ひよりちゃんが私に向かって微笑んだ。

 

「いえいえ、大したこと無いですよ。それよりもまず、優美さんの方が大変だったと思いますし」

 

「そうですね。椎名氏の言う通り、花里氏のグループは石崎氏達が居ましたし」

 

「確かにこいつらに勉強を教えるのって、大変だったと思うし」

 

「うう、ま、まぁ、そうだな。助かったぜ優美」

 

ひよりちゃんに続いて、金田くん、伊吹ちゃん、そして石崎くんがそう言ってくれた。

 

「ありがとう。でも、期末もあるから次回も頑張らないとね」

 

期末テストを頑張れば後はバカンスに行けるからね!皆で行って楽しみたいな~。

 

「そうですね、今回は過去問という攻略法がありましたが次回からはそう言ったものは無いとは思いますし」

 

だよね~。今回は過去問があったけど毎回あったらテストにならないだろうし。

 

「まぁ、その時はその時で、だ!」

 

「あんたは、マイペースすぎ」

 

元気よく声をあげる石崎くんに、しれっと突っ込む伊吹ちゃん。

 

2人共仲良さそうだな~、羨ましい…。

 

そう思っている時、石崎くんが、そうだと言わんばかりに笑顔で言ってくる。

 

「なぁなぁ、やっぱり龍園さんと優美に着いていったらAクラスに上がれるのも夢じゃないかもな!」

 

「そうですね、可能性はあるかもしれません」

 

「yes」

 

おお~、翔の評価が上がってきてる。よかったね翔。

 

うーん、なんか、翔が褒められてるとこっちまで嬉しくなっちゃうな~。なんでだろ?

 

「だよなだよな!伊吹もそう思うだろ?」

 

「は、別に。私はAに上がる以前にアイツに命令されたくないし、こきも使われたくないんだよ」

 

石崎くんが伊吹ちゃんに同意を求めるが、伊吹ちゃんはくだらない、と言うようにそう言った。

 

そして、少ししょんぼりする石崎くん。

 

なんか石崎くん犬みたい。かわいい。

 

「大丈夫だよ、伊吹ちゃん。翔はああ見えて、結構優しいからさ。ほんとは仲間思いのところがあるんだよ!」

 

「私にはそうは見えないけど」

 

「いつかきっと分かると思うよ。それに、私は兎も角、私も翔に着いていったらAクラスに上がれるかもって言うのは同感かな。

翔、色んなヤバイことしちゃうかもしれないけど、翔なら絶対にAクラスに上がれると思うし」

 

Aクラスに上がることは…有栖ちゃんも居るからとっても大変だと思う。

 

正直に言って今のままでは、Aクラスに上がることは出来ないかもしれないけど、これから皆が成長すれば夢じゃない。だって、Cクラスには龍園翔という人がいるから。

 

「信頼をしているんですね」

 

ひよりちゃんは微笑みながらそう言った。

 

「あはは、まぁ、ずっと一緒にいるからね。私は暴力とか、そう言うのは好きじゃないけどでも、翔のことは信頼してるかな?」

 

「そうなんですか。ですが優美さん、優美さんも十分凄いですからね。だから、自分に自信を持ってくださいっ」

 

「ひよりちゃん…!ありがとー!!」

 

笑顔でひよりちゃんに抱きつくと、慌てながらも優しく受け入れてくれる。

 

優しいひよりちゃんの腕の中で私は、表面的にしか喜べない自分に腹が立った。

 

その言葉は、私じゃなくて――もっと凄い人に、()()()に使うべきだと。そう思ってしまう自分がいる。

 

私にはその言葉は到底釣り合わなくて、勿体無い言葉だから。

 

願わくはどうか、今この時間が楽しいと、幸せだなと心の底から思っていてほしい。

 

抱きついている時の私の今の表情はきっと、笑っているだろうか。微笑んでいるだろうか。大好きな友達に、仲間に囲まれて、幸せな顔をしているだろうか。

 

わからない。

 

今、自分がどんな顔をしているかわからない。

 

今私は、ひやりちゃんに抱きついて、俯いているから皆には私がどんな顔をしているかわからないはずだ。

 

偽りの笑顔をはずした今の私は、どんな顔をしているのかな。

 

―――いや。

 

違う。

 

本当はわかっている。

自分が今、どんな顔をしているか。

何を考え、何をしようとしているのかわかっている。

 

私は、ひよりちゃん達が大好きだ。

これからもずっと、仲良くしたいと思ってる。

 

でもそれは、本心からかはわからない。

 

私は、自分を信用してないから。もしかしたら私は、仲間でさえも、友達でさえも信用してないのかもしれない。

 

だからきっと、この事は私の本心ではないのかもしれない。

 

いつも、ひよりちゃんのことを『可愛い』と思うことを。皆の事を『大好き』だと思うことを。困っている人を『助けたい』と思うことを。翔の事を『信用している』と思うことを。

 

私は、過去のあの『過ち』の後から自分の本心がわからなくなった。

 

私は、自分の本心を知りたい。

 

これから、私は自分の本心を知れるかな。

 

その為にこの学校に私は来たんだ。

 

私は、自分を知るために来た。

 

無駄にはしたくない。

 

どうか、願おう。

 

―――今この瞬間、大好きな友達を抱き締めている私は、微笑んでいると。

 

友達を、仲間を大切にできる一人の若き女子学生だということを願おう。

 

優しくひよりちゃんを抱きしめ、俯きながら私はそう静かに願った。

 

◎◎◎

 

そしてその後しばらくして打ち上げは終わり、残りの片付けを皆でして各自自分の部屋に戻った。

 

私は、自分の部屋に戻りくつろいでいると、

 

ピロンッ

 

端末から通知が来た。

 

え~と、誰からだろ。…あ、桔梗ちゃんからだ。

 

櫛田 桔梗ーーー><ーーー花里 優美

 

櫛田 桔梗| 夜遅くにごめんね。優美ちゃん!須藤くんの件ありがとう。お陰で須藤くん退学せずにすんだよ!本当にありがとう。改めてお礼がしたいんだけどもしよかったら明日会えないかな??

 

 

あ、須藤くん退学せずにすんだんだ!よかったな。

えーと、明日か。特に予定無いし良いかな。

 

 

花里 優美|いいよ!集合場所何処にする?

 

 

するとすぐ既読になって返信が来た。

 

 

櫛田 桔梗|優美ちゃんが決めていいよ!

 

 

おお~、ありがたい。

え~と、じゃあどうしよっかな?う~ん…あ、そうだ。

 

 

花里 優美|それなら、ケヤキモールの最近で来たカフェでもいいかな?

 

 

まだ彼処行ったことなかったから行ってみたかったんだよね。

 

 

櫛田 桔梗|全然いいよっ。後、堀北さんと綾小路くんも明日来る予定なんだけどいいかな??

 

 

…綾小路くん、か。うん。まぁいいかな。

 

 

花里 優美|いいよ~!それじゃあ、明日よろしくね。

 

 

櫛田 桔梗|うん!よろしく!

 

 

一応堀北さんと綾小路くんにも明日よろしくねのメールしとこうかな。

 

そう思って私は綾小路くんと堀北さんにメールを送ったのだった―――

 




どうでしたか?最後まで読んでくださりありがとうございます!

近い内に、何話か投稿出来るように頑張ります!
次回もお楽しみに


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花里優美とは

お久しぶりです!投稿遅くなりました...
最後まで見てくださると嬉しいです!
それでは、どうぞ~


 

中間テストが終わった休日の土曜日の朝。私は桔梗ちゃん達との待ち合わせのケヤキモールのカフェに来ていた。

 

カフェは、結構思ったより広く構造されており解放感があった。そして、おしゃれな作りになっており、沢山のお客さん…主にほとんど女の子が座って楽しんでいた。

 

これは確かに女の子に人気ありそうなお店だな~。

男の子があんまり居ないことを見るに、男子は行きずらそうなお店だけど。

 

あ、そうだ。えーと肝心の桔梗ちゃん達は…まだ来てないかぁ…。

 

まぁ、まだ待ち合わせ時間より時間あるしね。

 

それじゃ、席を取って折角だし何か買って待ってよう。

 

そう思い、私は4人がけの席を確保して荷物を置き、メニューが有るところへ行き、覗き込んだ。

 

色々あるな~…って、あ!

 

ベリーミックスパフェがある!

美味しそう…!これにしよっかな~。

 

私はレジへと並んで注文をし、パフェを買って席に着き、食べながら皆を待っていた。

 

宝石みたいにキラキラしているパフェを1口食べると口いっぱいに丁度いい甘さが広がり、とても幸せな気持ちになる。

 

ん~、美味しいな~~。

 

そう思いながら私はパフェを半分くらいまで食べたその時、

 

「あ、優美ちゃん!もう来てたんだ、待たせてごめんね…」

 

可愛らしい声が聞こえ、振り向くとそこには桔梗ちゃんと綾小路くんと堀北さんが居た。

 

「ううん、全然大丈夫だよ!私が早く来ちゃっただけだから」

 

私がそう言うと桔梗ちゃんは私の隣の席に座り、堀北さんは私の前に、そして斜めに綾小路くんが座った。

 

「優美ちゃんパフェ食べてたんだね!えーと、もしかして種類はベリーミックスかな?」

 

凄い、当たってる、!

 

「うん、そうだよ」

 

「やっぱり!そのパフェ美味しいよね~、私も食べたことあるんだけどすっごく美味しかったな~」

 

「おお~、桔梗ちゃんも食べたことあるんだ~」

 

「うん、そうなの!あ、じゃあ私も折角だし優美ちゃんが食べてるパフェ、買ってこようかな。…綾小路くんと堀北さんも折角だし何か買おうよ!」

 

「あら、私は花里さんに用があってきたのであって何かを食べるために来たのでは無いのよ」

 

「まぁまぁ、そう言わずに!ね、綾小路くん」

 

「あぁ。折角来たんだし、何か食べてもいいんじゃないのか?」

 

「…わかったわ」

 

そう言った後、立ち上がった。

 

「いってらっしゃい」

 

すると、桔梗ちゃんが手を振り返しながら行ってきます、と言ってくれた。

 

う~ん、可愛いな~。

 

そう思いながら少しパフェを食べながら皆を待っていると、少しして3人がトレイを持ちながら帰ってきた。

 

桔梗ちゃんのトレイの上には私と同じ、ベリーミックスパフェが置いてある。

 

そして、堀北さんのトレイの上にはクッキーとコーヒー。

 

綾小路くんはチーズケーキとコーヒーをトレイの上に置いて持ってきた。

 

それぞれ先程座っていた席に座ると、各自買ったものを食べながら軽い雑談をした。

 

そして全員が食べ終わった頃、堀北さんが私に話しかける。

 

「花里さん」

 

その堀北さんの声のトーンが真剣そのもので、自然とこの場に緊張感が漂う。

 

そしてそのまま堀北さんは話し始める。

 

「まず、花里さん。須藤くんを助けるヒントを電話で教えてくれたわよね。…一応、お礼を言って置くわ。…ありがとう」

 

そう、若干照れながら少し俯いて堀北さんはお礼を言ってきた。

 

すると、その言葉に堀北さんと同じクラスの桔梗ちゃんと綾小路くんは何故か驚いていた。

 

堀北さん…可愛い。いつもキリってしてるけどこんな可愛い一面もあったのか…!やっぱこの学校、可愛い女の子多すぎない?

 

そう思いながら私は口を開いた。

 

「…いえいえ、お礼を言われるようなことはしてないから大丈夫だよ。私はヒントっぽいことを言っただけだしね」

 

「それでも、優美ちゃんのお陰で須藤くんが退学になったのは代わりないよ!あの後ね、優美ちゃんの電話のヒントに堀北さんが気づいて茶柱先生に交渉してくれたんだ。」

 

桔梗ちゃんが嬉しそうな顔をして説明する。

 

へぇ、なるほどね。じゃあ、私のヒントに気づいたのは堀北さんだったんだ。…凄いな~。

 

「優美ちゃんっ、私からも改めてお礼を言わせて貰うね。…須藤くんを助けてくれて本当にありがとう!

須藤くんは今日、大事な予定が有るみたいで来られなかったんだけど、でも凄く感謝してたよ!優美ちゃんにありがとうって伝えてくれって言われたんだ!」

 

「そうなんだ、わざわざありがとう。…お礼を言って貰えるなんて嬉しいな」

 

須藤くんが無事でよかった。

 

そう思っていると、綾小路くんは何かを見計らっていたみたいに私に質問をしてきた。

 

「…なぁ、花里。少し聞きたいことがあるんだがいいか?」

 

「…何かな?綾小路くん」

 

「どうしてそのヒントを、わざわざ俺達に教えてくれたんだ?…その行為は、お前のクラスの裏切る行為だと俺は思うんだが」

 

…裏切る行為、か。…それ、翔にも言われたな。

 

やっぱりこの話を聞くと皆そういう風に思っちゃうのか。

 

「そうね、私もそれは気になっていたわ…何故かしら?花里さん。私達Dクラスに貸しを作るためかしら?それとも、何か別も目的でもあるのかしらね?」

 

堀北さんもそう言い、先程よりこの場の空気がピリピリしている。

 

私は、相手の目を交互に見ながら本心を言った。

 

「…貸しを作る、とかそういう見返りを求めるつもりはないよ。ただ、私は困っている人がいたから助けた。助けたいって思ったから助けた。

他クラスであろうと、私は困っている人がいたら助けたい。ただそれだけだよ?」

 

「そう…」

 

「…優美ちゃんは優しいねっ、…尊敬しちゃうな~」

 

「…ありがとう」

 

すると、

 

ピロンッ

 

端末から音がした。えーと、メール?誰からだろ。…あ、翔からか。

 

「メール?」

 

桔梗ちゃんが不思議そうな顔でそう言った。

 

「うん、ちょっとごめんね」

 

私は桔梗ちゃん達に断わってメールの内容を見た。

 

龍園 翔ーーー><ーーー花里 優美

 

龍園 翔 |優美、今すぐ俺が指定する場所に来い。あの時の約束果たしてもらうぞ。

 

あの時の約束…あぁ。打ち上げ前に翔と約束したことか。

 

桔梗ちゃんちゃん達と今いるんだけどなぁ。行かないと駄目、か。約束破ることになっちゃうし。…怒られないように急いでいかないと。

 

「ごめん、急用が入っちゃったから行くね。ホントにごめん!」

 

私は精一杯申し訳ない気持ちを伝えながら謝罪をした。

 

「全然大丈夫だよ~。またお話ししよ!バイバイ!」

 

そう、桔梗ちゃんが手を振ると綾小路くんも振ってくれた。

 

「ありがとう。またね、バイバイ」

 

そう言うと私はトレイを片付けて急いで翔が指定した場所に向かった。

 

◎◎◎

 

綾小路side

 

「優美ちゃん行っちゃったなぁ。…何か急用ができたって言ってたけど大丈夫かな?何か急いでたみたいだし…」

 

心配した口調で言う櫛田。

 

確かにそうだな。たぶん、断われない誰かにメールで呼び出されたんだと思うが。

 

すると、堀北が席を立った。

 

「そうね。だけれどまぁ、私には関係のないことよ。…私はこれで失礼するわ」

 

そう言って歩きだそうとする彼女。だが俺は、堀北に聞きたいことがあった。

 

「ちょっと待て堀北、聞きたいことがある」

 

すると堀北は不機嫌そうな顔をしながら再び座り、こちらを見た。

 

「何?」

 

「…お前は、花里の話を聞いて彼女の事、どう思った?…櫛田も教えてほしい」

 

「何故そんなことを聞くのか理解しかねるわ。…だけどまぁ、1つ言うならあの人は相当お人好しってぐらいね。信用はできないけれど」

 

信用が出来ない、か。

 

「何故信用出来ないと思うんだ?十分彼女は信頼できると思うぞ」

 

「はぁ、貴方何もわかってないのね。ああいう人程何かしらの裏を持っているものなのよ。例えばそう、真っ黒に染まった、誰にも言えない秘密があったりね」

 

すると、櫛田がピクリと反応した。

 

まぁ、櫛田が反応するのは無理もないだろうな。

堀北の言っていることは彼女に当てはまっているんだから。

 

…だが堀北本人は櫛田の本性を知らないだろうから、ただ素で言っただけなんだろうけど。

 

「…へぇ、堀北さんは優美ちゃんのことそう思うんだ~、私はいい人だと思うよ?今日の話を聞いてより一層そう思ったし。優しくて可愛い子だと思うな~」

 

すると堀北はそう、と興味を無さそうにしながらトレイを持って片付けてからカフェを立ち去った。

 

そして、堀北が居なくなったことを確認すると、俺は再び口を開いた。

 

「なぁ櫛田。もう一度聞くが、お前はどう思うんだ?花里のこと」

 

「ええー、私はさっき言った通りだよ。私は、彼女が裏表あるとは思えないよ」

 

ニコリと笑顔でそんな事を言う櫛田。

 

「…それがお前の本音なのか?できれば本音で話して欲しいんだけどな」

 

「…はぁ、わかったよ。だけどその代わり、カフェラテ奢って」

 

表情は先程と変わらず愛くるしい笑顔だが、口調と声のトーンが何時もの櫛田と思えないぐらいに変貌していた。

 

俺はその様子を見て、勉強会の終わった後の屋上での出来事を思い出していた。

 

あの時、俺は初めて櫛田の裏の顔を見た。櫛田は、本当は心の底から優しい天使なような少女ではなく、ただ演技をして優しい少女を演じていただけだった。そして、その時櫛田は堀北が嫌いだと言うことも知った。

 

「その口調、俺にも隠さなくていいのか?ここには人が沢山いるし、お前の本性が誰かにバレるかもしれないぞ?」

 

「別に問題ないよ。ここのカフェ、沢山人が居て騒がしいから逆に会話が聞かれる心配はない。まぁ、表情は見られる可能性があるから変えられないけど。

…綾小路くんには既にバレてるしね。今更隠してもなにも変わらないでしょ?こっちの方が私は楽だし。それに、本音で話せって言ったのは綾小路くんじゃん」

 

そう、櫛田は表情は楽しそうに笑いながら声はどうでも言い様に低く重い声で言う。

 

...ある意味凄いな櫛田。表情と声を使い分けてる。確かにこれは遠目で見てる奴には何か楽しそうに櫛田と俺が話している、としか見えていないだろう。

…まぁ、話の内容が聞こえてるこっちはある意味ホラーだが。

 

「そうだな」

 

「まぁそんなことより、話す変わりにカフェラテ奢ってくれる?」

 

…情報を得るためだし背に腹は帰られない、か。

 

「わかった」

 

「話が早くて助かるよ。えーと、優美ちゃんのことでしょ?あの子は正真正銘、善でできた子だよ。信じられないくらいに優しい。そこは私が保証するよ。

 

私、結構色んな人と繋がってるけど彼女の悪い噂なんて1度も聞いたことない。それどころか、クラスでも慕われてる。彼女を嫌っている人なんて居ないんじゃないかな?男子からも結構人気があるみたいだし。

 

…だけどまぁ、私はあの子の事は嫌いじゃないけど少し苦手なタイプかな」

 

「そう、か」

 

まぁ確かに、櫛田にとっては本当に優しい性格の持ち主には思うところがあるだろう。

 

「けどなんで優美ちゃんのこと聞くの?…もしかして気になってる?彼女のこと」

 

「否、ただどういう奴なんだろうって思っただけだ」

 

「ふぅん、…あんたに忠告するのは癪だけど、あの子の事、少し気をつけた方が良いよ」

 

「…どうしてだ?」

 

「あの子、完璧過ぎるから。性格も、勉強も、運動も。上手く立ち回ってるしね。…普通は完璧なんてあり得ない。人間である限り。まぁ、あんなに完璧にできるとしたら…私のように演技するしかないけど。」

 

…確かにそうだな。人は誰しも完璧じゃない。完璧と見えているその人にも実は何かが必ずあったりするものだ。それに例外はない。…例え俺であってもな。

 

だが、それだと疑問が残る。

 

「櫛田は花里がお前みたいな奴だっていうのか?…さっきと真逆の返答だぞ」

 

「いや、そうは言ってないよ。私と同じ人種だったら直ぐに私が気づくだろうし。優美ちゃんは何かしらの秘密を抱えてるかもしれないってこと。それにあの子―――」

 

そう言うと、櫛田は言葉をつまらせた。

 

「それに?」

 

「…何でもない。…私が言えるのはここまでだから。もっと彼女について詳しく知りたいんなら優美ちゃんの幼なじみだとか言うCクラスの龍園翔にでも聞けば良いんじゃない?…あんまりおすすめしないけど」

 

「そう、か。…教えてくれてありがとな」

 

櫛田が最後なんて言おうとしたのかは気になるところだが…まぁ、今はいいだろう。収穫は得られたしな。

 

龍園翔についても調べとくか。

 

「それより早くカフェラテ奢ってくれる?」

 

「あぁ。わかった」

 

俺は櫛田との約束を守るために席を立ち上がりレジへと向かった。

 

 




最後まで読んでくださりありがとうございました!

※前の話を読み返してみて、前の話の文が違和感しかないのでこれから少し見やすいように修正していこうと思います。

次回もお楽しみに!


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