リライブダンガンロンパ 絶望の南国修学旅行 (ユキミス)
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Chapter0 再生 -relive-
プロローグ


 魅才学園。それは超高校級と呼ばれる才能を持つ生徒だけを集めた特別な学園。

 僕は今そんな学園に足を踏み入れようとした。

 

 

 

 踏み入れようと……した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、君大丈夫?」

 

 目を覚ますと照りつける太陽の光とともに同い年ぐらいの少年が立っていた。

 

「君は?というここどこだ!?」

 

 

佐藤「俺は佐藤雪也。俺にもここがどこだかよくわからないんだ」

 

柏「僕は柏祐一。確か魅才学園に入学するはずだったのに」

 

 なんなんだこの見渡す限り海の常夏の島は!?

 

佐藤「君も超高校級の才能を持つ人だったんだね。俺は超高校級のショコラティエなんだ。君は?」

 

柏「えーっと、えーっと……」

 

あれ、なんだろう。記憶がぼやけて……。

 

佐藤「どうしたの?」

 

柏「わからないんだ。才能が。いや、才能だけじゃない。家族も今までの人生も」

 

佐藤「それって記憶喪失じゃないか!?」

 

柏「うぅ……」

 

佐藤「うーん。でもこのままってわけにもいかないし、一緒に他の人がいないか探索してみよう」

 

柏「ありがとう、佐藤クン」

 

佐藤「お礼は良いよ。俺も一人で心細かったんだ」

 

 

 

 僕ら2人は常夏の島を探索を開始した。

 

 すぐに人影が見つかった。

 

 

 

「ああぁーー!ここどこーー!?誰かぁ!?」

 

 

佐藤「あ、あれ、あの人って」

 

柏「知り合い?」

 

佐藤「いや、もしかして」

 

「あ、人だーー!おーーーい!」

 

僕らを見つけて走り出す少女。なんというか、すごいオーラがあって可愛いってだけじゃ言い表せない感じだ。

 

「良かった。人いたんだぁ。あなたたちはここ、どこか知ってる?」

 

柏「それが分からないんだ、僕らも目を覚ましたらここにいて」

 

佐藤「あなたは、歌手の歌浦ココネさんですよね?」

 

歌浦「ひゃあ!バレちゃったか。そうだよ、私は歌浦ココネ。本当は魅才学園ってところに入学するはずだったのに」

 

柏「君も魅才学園に?」

 

佐藤「柏クンは記憶喪失だから覚えてないのかな?歌浦さんは超人気歌手で超高校級の歌手なんて言われてるんだ」

 

歌浦「君記憶喪失なの!?大変だぁって…まだあなたたちの名前、聞いてなかったね」

 

佐藤「俺は佐藤雪也。超高校級のショコラティエだ。同じ魅才学園に入学しようとしてたんだ」

 

柏「えっと、僕は柏祐一。才能もわからないんだ」

 

歌浦「そっかぁ」

 

佐藤「俺たちは島を探索してたところなんだ。少しでも情報を集めるために。一緒に来る?」

 

歌浦「うーん、私、有名人だから人が集まったら大変だし、あなたたちがいてくれただけで安心した。私はもう少し浜辺を調べたいんだ」

 

佐藤「そっか。じゃあ俺たちでまた探索しよう」

 

柏「うん」

 

 

 

 

佐藤「そう言えば島中、監視カメラとテレビばかりだ。俺たちを連れてきた奴は何が目的なんだ」

 

柏「確かに監視カメラで僕らを見ているのか?」

 

 

 

不審に思いつつ次に僕らが訪れたのはスーパーだった。

 

 

佐藤「人がいる?おーい!」

 

「……」

 

背が高い?年上かな。

 

佐藤「あの、あなたも……」

 

「……」

 

佐藤「あなたはここがどこか分かりますか?」

 

 なんだ反応無し?もしかして無視されてる?

 

佐藤「あのー!」

 

「うるさいな」

 

柏「えっ」

 

「なんで貴様らにそんなことを話さなきゃいけない」

 

佐藤「いきなりそんな言い方ないんじゃない?俺たちは困ってるんだ。こんなところに連れていかれて」

 

「貴様らもか?」

 

柏「え?もしかして君も」

 

曲原「俺は曲原瑛二だ。お前らも魅才学園の生徒か?」

 

佐藤「曲原瑛二ってあの有名な作曲家の!」

 

柏「そうなんだ」

 

佐藤「うん、歌浦さんの曲も作曲していて超高校級の作曲家と呼ば……」

 

曲原「くだらない話をしてないで結論を言え。貴様らは魅才学園の生徒か?」

 

佐藤「なんなんだ!俺は柏クンと話してるんだ!」

 

柏「そんな、喧嘩しないで。こっちは佐藤雪也クン。超高校級のショコラティエで、僕は柏祐一。記憶喪失みたいで才能のわからないんだ」

 

曲原「フン。つまり貴様らも気がついたらこの島にいたんだな?」

 

佐藤「それで、お前もか?」

 

曲原「……」

 

曲原クン、黙ったままだ。

 

佐藤「もういいよ!他行こう!」

 

柏「あっ、待ってよ、佐藤クン!」

 

 

 

 

怒った佐藤クンを追いかけていると二人組がいた。

 

 

佐藤「他にも、人が」

 

 

「あれあれー!やったよ他にも人がいるぅ!」

 

「ほんとだ良かったなァ!」

 

 

佐藤「もしかして君たちも魅才学園の生徒?」

 

羽川「あれあれー!?なんでバレたのかな!?かな!?でも良いか!あたしは羽川渚!超高校級のバドミントン選手なのだ!!」

 

闘山「俺は闘山信弘。超高校級のラグビー選手だ」

 

佐藤「俺は超高校級のショコラティエ、佐藤雪也だ。こっちは柏祐一。記憶喪失みたいなんだ」

 

柏「どうも」

 

羽川「記憶喪失なんて大変だ!病院探さないと!」

 

闘山「それかここを抜け出す方法を考えないとな」

 

羽川「よーし泳ごう!あたし泳ぐのも好きーー!」

 

闘山「オウ!」

 

 

柏「あっ、ちょっと!?」

 

2人ともそのまま海辺に行ってしまった。

 

 

佐藤「変わった人たちだったね」

 

柏「うん」

 

 

 

 

僕たちは次は広い資料館のようなところにやってきた。

 

 

 

「あ、君たち?君たちも魅才学園の生徒で、いきなり連れ去られたのかな?」

 

柏「君たちは……」

 

踊場「アタシは踊場ジュリア。超高校級のダンサーなんだけど。どうやらアタシたちと同じらしいね」

 

釣谷「僕は釣谷涼太。超高校級の釣り師さ」

 

演川「私は演川玲子。知ってると思うけど、超高校級の女優よ」

 

佐藤「すごい!本物の演川玲子さんなんて……綺麗だ」

 

確かに歌浦さんみたいにオーラが違う。

 

佐藤「あ、俺は佐藤雪也、超高校級のショコラティエだ」

 

柏「僕は柏祐一。記憶喪失で何も覚えていないんだ」

 

踊場「記憶喪失!?大変だね」

 

佐藤「それで2人でこの島について調べてるんだ」

 

踊場「ここには16人分のコテージがあるんだ」

 

柏「コテージ?16人分?」

 

踊場さんたちに案内されて行くとそこには確かにコテージが16人分並べられていた。

 

佐藤「もしかして、ここに連れてこられたのは16人なのか?ここに来る前に4人も出会ったんだ」

 

演川「そんなにいたのね。なら16人いるのかも」

 

佐藤「よし、じゃあその16人を目標に探そう!」

 

柏「うん」

 

 

 

 

 

 

 

今度はレストランのような場所についた。

 

 

 

柏「レストランだけど、人は……」

 

 

 

「もぉ!ここはどこなの!?早く帰して!」

 

 

 綺麗な女の子がいた、服装も気品があるけど……

 

 

佐藤「あの、君は!」

 

 

「お迎え!?早くわたくしを帰してちょうだい!」

 

佐藤「あ、あの!君も魅才学園の生徒かな?」

 

「もお!早くこのわけわかんない場所から帰してよぉぉ!」

 

柏「あの、僕らもなんでこんなことになってるか分からないんだ」

 

「はぁ?アンタたち誰よ」

 

柏「僕は柏祐一、こっちは佐藤雪也クン。超高校級のショコラティエで……」

 

飛龍院「なぁんだ、庶民か。庶民がこの超高校級の令嬢と認められた飛龍院鏡花に何かようかしら?」

 

 庶民って……。

 

佐藤「はぁ、態度変えやがって。飛龍院というと財閥だな?もういいや行こう、柏」

 

柏「う、うん」

 

 

なんか変わった人だらけだ……。

 

 

 

 

 今度は空港が見えて来た。

 

 

 

柏「空港!?ここなら何かあるかも!」

 

2人で空港に入ると2人の人影が見えた。

 

 

 

「お願い、解剖させてー!」

 

「断る!君は人に同じことが出来るのか!?」

 

 

 

佐藤「あの、君たちは……?」

 

 

「ひぃ!?ひ、人だ!」

 

安藤「あ、人だな!こんにちは、私は安藤露井戸という。超高校級のアンドロイドとも呼ばれている」

 

柏「アンドロイド……?」

 

「そうだよ、彼は、人間と区別がつかないアンドロイド!見た目、呼吸、肌、髪質、知能は人間そのものなんだ!」

 

なんかさっき怯えてた奴、急に元気になったな。

 

「是非、解剖したい!」

 

安藤「アンドロイド差別はやめたまえ!解剖されるわけにはいかない!」

 

 

佐藤「ところで、君は?」

 

別技「あ、別技康介です……あ、超高校級のエンジニアです」

 

 急に静かになった。

 

佐藤「俺は佐藤雪也。超高校級のショコラティエ。こっちは柏祐一で、記憶喪失なんだ」

 

安藤「記憶喪失とは大変だな」

 

柏「あ、まあ……」

 

別技「解剖させて!」

 

安藤「やめないか!」

 

 

佐藤「次、探してみるか」

 

柏「うん」

 

 

 

 次に訪れたのはプールだった。

 

 

「あれ?まさか君たちも同じ状況かな?」

 

「ぽいね」

 

「他に仲間がいて良かったですわ」

 

 

柏「君たちは……」

 

霊山「僕は霊山拓人。超高校級の霊能者で魅才学園に入学するはずだったんだ」

 

囲井「私は、囲井歩美。超高校級の囲碁棋士」

 

一華「私は一華撫子ですわ。超高校級の華道家ですの」

 

佐藤「俺は佐藤雪也。超高校級のショコラティエ」

 

柏「僕は柏祐一。記憶喪失なんだ」

 

霊山「えっ、大変だね……」

 

一華「ただでさえこんなわけわからない状況ですのに……」

 

柏「でもここで立ち止まってるわけにはいかないし。今、16人いるかもしれない仲間を探してるんだ」

 

佐藤「今は15人であと1人だ」

 

 

 

 

 僕ら広場にやってきた。そこには……

 

柏「いた!もう1人!」

 

「っ……!」

 

柏「ねぇ、君も魅才学園の生徒かな?」

 

「あ……ぁ……」

 

佐藤「怖がってるじゃないか。……大丈夫。俺たちは味方だ。俺は佐藤雪也。超高校級のショコラティエ。魅才学園に入学するはずだったんだ」

 

柏「あ、俺は柏祐一。記憶喪失で才能は覚えないけど、やっと最後の1人を見つけた」

 

「……」

 

柏「君の名前は?」

 

「……ぅ……ゆ……き……」

 

柏「え?」

 

神道「神道……美雪……。ちょ…う……、高校……きゅ……うの……巫女……」

 

柏「神道……美雪?超高校級の巫女?」

  

 もっと話そう、そう思っていた時に、アレは始まってしまったんだ。

 

 

 

 



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プロローグ2

「あー、あー、マイクチェック!マイクチェック!聞こえますかー!」

 

 テレビから流される、場違いな程に明るい能天気な声。映像は砂嵐だ。

 

「うぷぷぷ、これからお楽しみが始まるよ。皆さん、カサブランカ公園にお集まりください!」

 

 それだけで終わってしまった。

 

 

柏「どうする?」

 

佐藤「……何もしなかったら始まらない。行くよ」

 

柏「神道さんはどうする?」

 

神道「……っ…」

 

柏「行く?」

 

 

 

佐藤「というかここじゃないか、カサブランカ公園って」

 

柏「さっきの放送を流した奴はいないみたいだね」

 

神道「……」

 

 数十分で16人全員が集合した。

 

 

踊場「やっぱり16人いたのね」

 

歌浦「ジュリアちゃん!」

 

踊場「ココネ!?あなたも!?」

 

曲原「……」

 

歌浦「曲原クンも!」

 

霊山「すごい有名人ばかりだ。ここには超高校級の才能を持った魅才学園の生徒たちが集まってるんだね」

 

飛龍院「あぁぁぁ!早くわたくしを帰して家に帰しなさい!」

 

囲井「うるさいわね……」

 

演川「それにしても私たちを呼びつけた奴らはどこにいるの?」

 

 

 

「僕はここだよー!」

 

 

 白と黒が半分分かれた熊のぬいぐるみのが、ピョンと飛び出してきた。

 

 

 

羽川「ワオ!可愛い可愛い!」

 

闘山「そおか?食えそうもないし、筋肉もないしなあ」

 

一華「強そうなぬいぐるみですわ」

 

 

柏「熊のぬいぐるみ……」

 

モノクマ「僕はぬいぐるみじゃないよ!モノクマだよ!僕はこの学園の学園長なのだ!」

 

 

 

 

別技「すごい!動いて喋るぬいぐるみだ!どういう仕組みなんだ!?中の人がいるとは思えない小ささだ」

 

安藤「私と同じアンドロイドか!?」

 

 

モノクマ「そんなんじゃなーい!僕はこの『コロシアイ修学旅行』の引率教師なのだ!」

 

 は?今なんて言った?

 

 背筋がゾクリとした。

 

 

佐藤「何を馬鹿なことを!ここはどこだ!早く俺たちを島から出せ!」

 

モノクマ「せっかちだなもう。せっかちさんは嫌われるよ」

 

曲原「どうでもいい。それよりなんだ『コロシアイ修学旅行』とは」

 

歌浦「コロシアイ?どういうことなのっ!?」

 

 

 みんなが怯えている。コロシアイってなんなんだ……なんのために。

 

モノクマ「オマエラがこの島から出るにはこの中の誰かを誰にも知られないように殺せば良い。それだけです」

 

 ぬいぐるみがおちゃらけて言った言葉は僕らを怖がらせるのに十分だった。

 なんだよ、誰かを殺すって。

 

 

 

 

佐藤「はぁ!?なんで俺たちが殺人をしなきゃいけないんだ!」

 

闘山「くだらないことを言うな!!こうしてやる!!!」

 

 闘山クンはぬいぐるみを鷲掴みにした。

 

 

モノクマ「学園長への体罰は校則違反ですよ!!」

 

 

闘山「しゃらくせぇ!!」

 

 するとぬいぐるみは耳につんざくような警告音を流した。

 

曲原「おい!やめろ!そいつを投げろ!」

 

闘山「あァ!?」

 

曲原「死にたくなきゃ投げろ!!」

 

 曲原クンの気迫におされたのか、闘山クンはぬいぐるみを投げると……

 

 

 

 

 

ドガアアアン!!

 

 

 

 

 ……爆発した。

 

 

 

飛龍院「きゃああああ!!」

 

歌浦「爆発した!?」

 

囲井「これ、マジってわけ」

 

釣谷「あの筋肉バカ、あいつがいなかったら死んでた……そんな威力だ」

 

別技「あ、あれは自爆装置でもつけてるのか!?どんなロボットだ!?」

 

 

 

 

 

 

モノクマ「ロボットじゃないよ!エスエムでもヴァルキュウリーでもないよ、モノクマだよ!!」

 

 

 ピョンと僕らの後ろから現れた。

 

 

 

霊山「うわぁ!出たぁ!」

 

 

モノクマ「もう、今のは警告で許してあげたけど、次やったらグレートな体罰だからね!」

 

曲原「さっき校則ななんちゃらとか行ってたな」

 

モノクマ「そ、皆さんにこれ配りまーす!」

 

 上から何かが降ってくる。

 

柏「これは……」

 

モノクマ「電子生徒手帳。本人の生体反応だけで使用できるすぐれもの!校則はここに書いてあるからね!」

 

佐藤「こんなものまで渡して!何がしたい!」

 

モノクマ「うぷぷぷただのコロシアイはつまんないからね。エンターティナーとして面白くしてるんだよ」

 

柏「僕たちはコロシアイなんかしない!」

 

モノクマ「殺し方は問いません。殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺。殺し方は問いません。誰かを殺した生徒だけが出られる、簡単なルールだよ」

 

 モノクマって奴は僕らの話をまるで聞いていないようだった。ただ、僕らにコロシアイをさせたい。それだけの存在。

 

 

 

曲原「そんなことのためだけに俺たちをここに集めたのか?」

 

モノクマ「その通りです!」

 

 

 

 

闘山「くだらねぇ!!さっさとここから出さねぇと、貴様らの命はないぞ!」

 

羽川「あたしの出番だーーっ!正義は必ずかーつ!!」

 

 

 

モノクマ「暑っ苦しいなぁ、砂漠より暑苦しい体育会系の皆様にはこうだ!」

 

 モノクマの一声で地面が揺れる。

 

 

演川「何?地震!?」

 

釣谷「いや、何か来る!」

 

 

 地面からドオオーンと飛びした機械。いや、怪物だ。

 

 

モノクマ「行け、モノケモノーーー!!」

 

 モノケモノはガトリングで周囲のものを破壊し尽くし、更地した。

 

 

 

闘山「なんじゃそりゃああああ!?」

 

羽川「新手の映画撮影!?」

 

 

飛龍院「いやあああああぁぁぁ!!」

 

歌浦「嫌だよ、怖いよ」

 

踊場「なに……こんなの……嘘よね……」

 

別技「こんなの非現実的だ、ありえないありえないありえないありえない」

 

安藤「テクノロジーをこんなことに利用するなんて……」

 

 

 

モノクマ「これで逆らう気は失せたかな?開放的で過酷で凄惨な修学旅行を楽しんでくださいねーーー!!」

 

 そうしてモノクマが消えさった。

 僕らはみんな青い顔をしていた。この状況に疲れきっているのが分かる。

 

 

 こうして僕らの絶望的な南国生活が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生き残りメンバー 16人



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登場人物  キャラ追加、好き嫌い追加

名前 柏 祐一 カシ ユウイチ

才能 超高校級の???

身長 172cm

誕生日 ???

好きなもの ???

嫌いなもの ???

イメージ声優 三瓶由布子

自分の才能や家族、過去の全てが思い出せない。そんな中で普通の感性を持ち、個性的なメンバーの中心人物になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名前 歌浦 ココネ ウタウラ ココネ

才能 超高校級の歌手

身長 152cm

誕生日 5月4日(音楽の日)

好きなもの 努力 

嫌いなもの 無し!!

イメージ声優 中島愛

CDを出せばオリコン1位をさらい、テレビでもネットでも引っ張りだこの歌手。

天真爛漫だが、芸能界の厳しさを良く知っていて冷静な面もある。

 

 

 

 

名前 演川 玲子 エンガワ レイコ

才能 超高校級の女優

身長 170cm

誕生日 3月27日(世界演劇の日)

好きなもの 演技 舞台 ドラマ 映画

嫌いなもの ゴリ押し 実力がない人間

イメージ声優 遠藤綾

売れっ子女優で子役時代からゴールデンのドラマで主役を張り続けていた。幼少期から様々なことを経験しているためにプライドが高い。

 

 

 

 

 

名前 一華 撫子 イッカ ナデシコ

才能 超高校級の華道家

身長 156cm

誕生日 6月6日(いけばなの日)

好きなもの 花 家族 友達

嫌いなもの 人を傷つけること

イメージ声優 ゆきのさつき

コンクールで連続で最優秀賞を受賞した華道家。一華流という流派を広めるために広報活動もしている。大人しく穏やかな性格。

 

 

 

 

 

 

名前 踊場 ジュリア オドリバ ジュリア

才能 超高校級のダンサー

身長 165cm

誕生日 11月29日(ダンスの日)

好きなもの ダンス 英語

嫌いなもの 悪口を言う人

イメージ声優 戸松遥

ダンサーのアメリカ人の父と日本舞踊家の母を持つハーフ。有名ミュージシャンのバックダンサーも務めるダンサー。歌浦ココネとは彼女のバックダンサーをよく務めたことで仲が良い。

 

 

 

 

 

名前 羽川 渚 ハネカワ ナギサ

才能 超高校級のバドミントン選手

身長 172cm

誕生日 8月10日(バドミントンの日)

好きなもの 運動 甘いもの、特にパンケーキ

嫌いなもの 勉強

イメージ声優 佐倉綾音

大会優勝常連のバドミントン選手。身体を動かすのが大好きで考えるより動き出す。

 

 

名前 飛龍院 鏡花 ヒリュウイン キョウカ

才能 超高校級の令嬢

身長 155cm

誕生日 4月8日

好きなもの 高級なもの 気品のあるもの 天才

嫌いなもの 庶民  汗臭いもの

イメージ声優 平野綾

日本有数の財閥令嬢。普段はお上品だが、わがままで自己中的かつ臆病。他人を見下すことも多い。

 

 

 

 

名前 囲井 歩美 カコイ アユミ

才能 超高校級の囲碁棋士

身長 158cm

誕生日 1月5日(囲碁の日)

好きなもの 囲碁

嫌いなもの 天才 手加減 

イメージ声優 野中藍

囲碁の大会を連覇する囲碁棋士。将棋も得意だが優勝出来ないらしい。

クールであまり人と関わろうとはしない。

 

 

 

名前 神道 美雪 シンドウ ミユキ 

才能 超高校級の巫女

身長 150cm

誕生日 3月5日(巫女の日)

好きなもの ???

嫌いなもの ???

イメージ声優 早見沙織

大人しくほぼ喋らない。素性も不明。おどおどしていて、いつも怯えている。

 

 

 

 

佐藤 雪也 サトウ ユキヤ

才能 超高校級のショコラティエ

身長 165cm

誕生日 2月14日(チョコレートの日)

好きなもの スイーツ

嫌いなもの 安物スイーツ

イメージ声優 梶裕貴

高校生にして高級レストランで働くショコラティエ。高級チョコが専門。パティシエとしての才能が姉に及ばないため、ショコラティエになった。

 

 

 

 

釣谷 涼太 ツリタニ リョウタ

才能 超高校級の釣り師

身長 173cm

誕生日 10月10日(釣りの日)

好きなもの 釣り ゲーム

嫌いなもの 人混み

イメージ声優 野島健児

珍しい魚を釣り表彰もされた釣り師。本人はあくまで趣味の範疇らしく、将来の夢は別にある。

掴みどころのない性格。

 

 

 

 

 

 

 

名前 安藤 露井戸 アンドウ ロイド

才能 超高校級のアンドロイド

身長 190cm

誕生日 8月22日

好きなもの 社会勉強

嫌いなもの 何もしないこと

イメージ声優 中村悠一

見た目は普通の人間と遜色ないアンドロイド。どこかの研究所生まれ。食事や排泄は必要ないが、充電は必要で夜間に切れるため、人間と同じ睡眠と言っている。

知能は高いがどこかズレている。

 

 

 

 

 

名前 霊山 拓人  レイサン タクト

才能 超高校級の霊媒師  

身長 170cm

誕生日 7月26日(幽霊の日)

好きなもの 豆腐ハンバーグ

嫌いなもの 運動

イメージ声優 吉野裕行

代々霊能力者の家系で彼もその1人。死後1ヶ月が経過した人物と話すことが出来るが、死人に話したいという強い意思がなければ話せない一方で身体を乗っ取られることもあるという。 

 

 

 

 

名前 別技 康介 ベツギ コウスケ

才能 超高校級のエンジニア

身長 162cm

誕生日 3月25日(電気の日)

好きなもの 機械いじり

嫌いなもの 人と関わること

イメージ声優 入野自由

数々の電子機器の開発に関わるエンジニア。コミュ障だが、機械が関わると暴走する。

暇さえあれば安藤を解剖しようとする。

 

 

 

 

名前 曲原 瑛二 キョクハラ エイジ

才能 超高校級の作曲家 

身長 192cm

誕生日 10月1日(国際音楽の日)

好きなもの 音楽全般

嫌いなもの 他人

イメージ声優 内山昂輝

数々の作曲を手がける作曲家で歌浦の曲の作曲も手がけたこともある。

頭は回るがプライドが高く、協調性がない。

 

 

 

名前 闘山 信弘 トウヤマ ノブヒロ

才能 超高校級のラグビー選手

身長 200cm

誕生日 8月24日(ラグビーの日)

好きなもの ラグビー 運動

嫌いなもの 退屈

イメージ声優 檜山修之

小学生の頃からラグビーのエースで日本だけでなく、世界にも注目されている。考えるのが苦手ですぐに身体を動かそうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以降Chapter1既読推奨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名前 霊山 拓也 レイザン タクヤ

才能 超高校級のスケボー選手

身長 176cm(死亡時)

誕生日 7月26日

好きなもの ジャンクフード

嫌いなもの オカルト、豆腐ハンバーグ

イメージ声優 吉野裕行

霊山拓人の弟。幼少期に病気で病院にいた。病院にいた時に亡くなった友達の霊と話していて、医者や看護師から気味悪がられるようになり、以降、オカルト嫌いになった。

スケボーの才能は本物で数々の大会で優勝し、さらなる活躍も期待されていたが、志半ばで連続殺人鬼、『アクバ』に殺害される。

未練を残す死に方をしたせいか、成仏出来ずに、また兄が寂しがったため、霊能者である兄に取り憑き、乗っ取ることもしばしば。

 

 



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Chapter1 友情・おぼえていますか
(非)日常編 1


 

 

1日目

 

 モノクマに告げられたコロシアイ。みんな、動くことが出来なかった。

 

 

踊場「ねぇ、みんな!あいつに渡された電子生徒手帳見てみない?校則とかいうルールを守らないとあいつにやられるんでしょ?」

 

柏「見てみようか」

 

 

 電子生徒手帳のスイッチを入れるとまず僕の名前が浮かびあがった。

 

柏「えっと、これが校則だっけ?」

 

 

 

校則

 

1.島での共同生活に期限はありません。

 

2.夜10時から朝7時までを夜時間とします。夜時間はシャワーが出ません。

 

3.島について調べるのは自由です。

 

4.レストランのものを持ち出してはいけません。

 

5.モノクマへの暴力を禁じます。

 

6.校則違反者はモノケモノに処分されます。

 

7.モノクマは事件に関与しません。

 

8.3人以上が死体を発見した場合に死体発見アナウンスが流れます。

 

9.学園長の都合により、校則は順次増えていく場合があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「これが校則……」

 

一華「当然ですけど、普通の学園の校則ではありませんね」

 

佐藤「ふざけるな!こんなのっ!!」

 

 佐藤クンは電子生徒手帳を地面に投げ捨ててしまった。

 

柏「佐藤クン!」

 

佐藤「俺は魅才学園に入学するはずだったのに!」

 

踊場「今騒いだって仕方ないよ。とりあえずコテージに行ってみない?16人分あるし」

 

柏「ああ、そうだね!」

 

霊山「あの、なんか、曲原クンと囲井さんと演川さんが見当たらないんだけど……」

 

歌浦「先に行っちゃったのかな」

 

安藤「私たちに何も言わず!?」

 

別技「そりゃあ、コロシアイなんて言われたら一緒にいたくないでしょ……ガクブルだよ」

 

釣谷「世界悪そうだしねぇ」

 

踊場「みんな一緒の方が安全なのに」

 

闘山「よし、まずはコテージに行くか」

 

羽川「寝泊まり出来たら最高だよね!ね!」

 

神道「……」

 

 こうして僕らコテージに向かった。

 

 

 

 

柏「それぞれのコテージにネームプレートがある……」

 

 でも、いくら探しても僕の分のコテージはない。代わりに『霊山拓也』というネームプレートのコテージがあった。

 

 

柏「霊山?……霊山クン!この名前に覚えはある?」

 

霊山「えっ、ぁ……あるよ。霊山拓也は僕の双子の弟だからね」

 

闘山「なんでその弟がいないんだ?」

 

霊山「……」

 

 何が言いづらそうにしてる霊山クン。何かあったのかな。

 

 

曲原「それは連続殺人鬼、『アクバ』に殺されたからだ」

 

 突然、僕らの前に現れた曲原クン。

 

 

佐藤「お前!勝手に!」

 

曲原「もたもたしてるお前たちと違って先に調べていた」

 

佐藤「誰がもたもただ!」

 

柏「それより『アクバ』って?」

 

安藤「確か記憶喪失だったな!知らないのは仕方ない。連続殺人鬼のアクバとは!」

 

曲原「いきなり後ろから襲撃し、血文字で『アクバ』と名を残す殺人鬼だ。あまりにも無差別かつ人気のない場所で行われるため警察も尻尾を掴めないと言われている」

 

霊山「……」

 

安藤「私の台詞を奪うとは!」

 

歌浦「霊山クンの弟も被害者なんだ……」

 

霊山「本当は僕の弟も魅才学園に入学予定だったんだ……。柏クン。代わりにコテージを使っても良いよ」

 

柏「霊山クン……」

 

霊山「それに拓也とはいつも一緒だから」

 

歌浦「え?」

 

佐藤「そうか、君の才能は……」

 

霊山「そう、僕の才能は超高校級の霊能者だから」

 

羽川「死んだ人と話せるんだよね!すごいすごーい!」

 

霊山「……」

 

踊場「じゃあコテージを確認してみましょ!」

 

 

 

 

 

 霊山拓也クンもとい僕のコテージにはベッドとシャワールームしかなかった。ベッドにはコテージの鍵があった。

 

 

 

柏「……一応、寝る場所は確保した」

 

 1人になると不安が強くなる。

 まさか、殺人なんか起きないよね?でも既にバラバラな人たちが気になる。

 

 

 ピンポーンとインターホンが鳴る。

 

 

 

 

佐藤「柏クン」

 

柏「佐藤クン……」

 

佐藤「寝床はあるし、レストランに行かない?食料の確保したいんだ」

 

柏「そうだね。行ってみよう」

 

 

 

 

 

 

 

 レストランに行くと……

 

 

モノクマ「食べ物は順次追加されるから餓死の心配ないよ!」

 

柏「うわあああ!?」

 

佐藤「な、なんだよ!?」

 

モノクマ「オマエラが困ってそうだから助言したんだよ」

 

佐藤「クソ!何が目的だ!」

 

モノクマ「『絶望』だよ、オマエラが絶望させるのが目的だよ」

 

佐藤「ふざけるなぁ!」

 

 殴ろうとする佐藤クンを慌てて止める。

 

柏「ダメだよ佐藤クン!手を出したら校則違反だ!」

 

モノクマ「うぷぷぷ」

 

柏「出よう」

 

 

 

 2人でレストランを離れた。

 

柏「でも食料の心配はないんだ。大丈夫だよ」

 

佐藤「……」

 

柏「きっと警察や家族が探してるよ」

 

佐藤「だよね、うん。止めてくれてありがとう、柏クン」

 

柏「佐藤クンがハッキリ言ってくれたからスッキリしたよ」

 

佐藤「そっか、ありがとう」

 

柏「日も暮れてきたし、今日はコテージで休んで明日考えよう」

 

佐藤「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノクマ「それにしてもまさか君がアクバなんてね」

 

???「さいっこーなシチュエーションだな!!自由だ!!息苦しいあの世界より遥かに!!」

 

モノクマ「うぷぷぷ、でも君だからって特別ルールはないよ?ちゃんと校則には従ってもらうよ?」

 

???「ああ、ルール無用なんざ面白くないからな」

 

 

 

 

 



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(非)日常編 2

2日目

 

 キーンコーンカーンコーン

 

モノクマ「魅才学園修学旅行実行委員がお知らせします。7時です!オマエラ、おはようございます!こーやって食べて寝るだけの牛にならないように毎日放送しますからねーーー!!」

 

 あれは全て夢。そんな淡い期待を打ち砕くような絶望的な放送と共に目が覚めた。

 

柏「……」

 

 

 ピンポーンとインターホンが鳴る。

 

 

踊場「柏クン」

 

柏「踊場さん?」

 

踊場「レストランに来てくれない?全員集合よ」

 

柏「わかった」

 

 

 

 

 

 僕がレストランを訪れた時、既に騒がしかった。

 

 

飛龍院「こんなものをわたくしに食べろって言うの!?」

 

羽川「え、でも栄養バランスを考えた食事だよ?だよ?」

 

飛龍院「こんな貧乏臭い食べ物!」

 

 目の前の料理を飛龍院さんは薙ぎ払ってしまった。

 

羽川「あ……」

 

安藤「何ということを!せっかく羽川さんが作っていただいたのに!」

 

佐藤「お前ぇ!!」

 

歌浦「酷いよ」

 

飛龍院「早くまともなものを持って来て!」

 

闘山「ふざけるな!!羽川はお前の召使いじゃない!!」

 

 

 

 

 

 

踊場「何!?何?なんなの!?」

 

囲井「飛龍院がわがまましてるの」

 

一華「困りましたわねぇ」

 

釣谷「あのザマじゃあ協力もクソもないね」

 

演川「こうなるんじゃないかと思ったわ」

 

別技「あぁ怖い。やっぱり人間は怖い怖い」

 

霊山「ど、どうしよう」

 

神道「……」

 

 これだけいたら合わない人も出てくるよね。でも2日目にしてこれか。

 

 

 

 

闘山「羽川に謝れ!!」

 

飛龍院「嫌よ。なんでわたくしが謝らなければいけないの?」

 

佐藤「ふざけるな!!」

 

羽川「みんな良いって!あたしがちゃんとしたものを作れなかったのが悪いんだよぉ」

 

 

踊場「もう、喧嘩しちゃダメだよ。みんな魅才学園の生徒、仲間なんだよ?」

 

 

 

 

 

曲原「仲間?仲間なんて信頼できるのか?」

 

 

 

歌浦「曲原クン……!」

 

 

曲原「今の俺たちは知らない人間同士。それを簡単に仲間なんてよく言えるな」

 

佐藤「なんだよ!」

 

曲原「すぐに信じる方が薄っぺらいんだ」

 

佐藤「何が薄っぺらいだ!!こんな時だからこそ……っ!!」

 

 

 

 

 

 

演川「帰る」

 

歌浦「演川さん?」

 

演川「有力な情報がないなら関係ないわ。帰る」

 

柏「演川さん、どうして……」

 

演川「私は女優なの!仲良しこよしなんて演技で十分よ!」

 

 

 

囲井「私も帰る」

 

飛龍院「わたくしはお家に帰りたいのっ!!」

 

別技「僕も帰るよ。怖いし」

 

釣谷「どうしよ、僕も帰ろうかな」

 

 

 

柏「みんな!」

 

 どうしよう、バラバラだ。

 

 結局、残ったのは僕、佐藤クン、安藤クン、霊山クン、闘山クン、歌浦さん、羽川さん、踊場さん、一華さん、神道さんだけだった。

 

 

佐藤「みんなどうして……なんで協力しないんだ!」

 

一華「でもこれで静かになりましたね」

 

安藤「しかし、このままではあまり良くないな。こうバラバラだと誰かが殺人計画をしてもおかしくはない」

 

佐藤「冗談でもそんなこと言うな!!」

 

安藤「あくまで可能性の話だよ。ないとは言いきれない」

 

 

 結局、それか。

 

闘山「難しいこと考えても仕方ない!苦しい時は身体を動かせ!!」

 

羽川「さすが闘山ちゃん!わかってるぅ!」

 

踊場「そうね、ここにいてもしょうがないし、みんなで探索してみよう。そうすれば脱出の方法だって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノクマ「そんなんあるわけないじゃん!」

 

 

 またどこからともなくモノクマが現れた。

 

 

佐藤「またお前!」

 

 

モノクマ「そんなこと考えないで、殺した方が賢いよ」

 

佐藤「黙れ!!」

 

モノクマ「ま、いーけどね。ずっとここで疑心暗鬼になりながら一生を過ごすならさ!」

 

 そう言ってまたモノクマは消えた。

 

 

 

安藤「しかしモノクマはどういう原理で動いてるんだ」

 

霊山「監視カメラもあるし、モノクマはずっと見張ってるのかな」

 

佐藤「見張ってるから万が一脱出の方法を見つけても無駄って言いたいのか」

 

柏「じゃあ僕らはどうしたら……」

 

踊場「平気よ。警察が助けてくれるし、親やメディアだって大騒ぎよ。ココネちゃんや演川さんみたいな有名人がずっと行方不明から世間が黙ってないはずだもの」

 

歌浦「そうだよね!」

 

踊場「本当の修学旅行だと思って南国を楽しみましょ!」

 

 

 こうして僕らは残ったメンバーと共に南国生活を楽しむことになった。

 

 

 

 

闘山「うおおお!!」

 

 闘山クンの拳がココナッツを真っ二つにした。

 

羽川「さっすが闘山ちゃん!」

 

柏「ココナッツミルク、おいしい」

 

 

 

 

佐藤「みんなー!チョコクッキー作ったぞ!」

 

歌浦「やったぁ!」

 

踊場「中のチョコがトロトロで最高っ!」

 

霊山「すごい!美味しいさすが超高校級のショコラティエだね!」

 

一華「これを食べないなんて飛龍院さんたちはもったいないことしましたね」

 

柏「……こんな、美味しいもの……初めてだ」

 

 記憶がないということを差し引いても美味すぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 こうして2日目が終わった。

 

 

 

 

 

モノクマ「このままにはしないよ。だって視聴者がいるんだからね」

 

 



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(非)日常編 3

3日目

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

モノクマ「魅才学園修学旅行実行委員がお知らせします。7時です!オマエラ、おはようございます!えー、お知らせしたいことがあるので、カサブランカ公園にお集まりください」

 

 

 ……なんだ?何が目的だ?

 

 逆らった何か起きそうなので、カサブランカ公園に集まった。

 

 

 みんな同じなのか集まっていた。

 

 

柏「みんな、同じ考えなんだ」

 

佐藤「逆らったら何されるか分からないしな」

 

 

モノクマ「やあやあオマエラ、ちゃんと来たね!いやーーなんというか、先生は嬉しいです。こんな早く集まってくれて。話の進みは早いし、退屈しないと言いますか……」

 

曲原「前置きはいいから用件だけを話せ」

 

モノクマ「せっかちだなぁもう。じゃあ単なる刀を直に入るとさ」

 

闘山「単なる刀を直に入れる?」

 

羽川「模擬刀とか!」

 

安藤「わかった!単刀直入という意味だな!」

 

踊場「既に単刀直入じゃないし……」

 

佐藤「早く言え!!」

 

 

モノクマ「校則を追加します」

 

 

9.夜時間は海に入るのは禁止です

 

佐藤「は?これだけ?」

 

 

モノクマ「あ、プールに行けるようにしたよ。夜時間はシャワーは出ないけど」

 

佐藤「それだけなのか!?それだけのために呼び出したのか?」

 

モノクマ「違うよー。オマエラに見てもらいたい映像があります。電子生徒手帳に映像を送ったから見てね」

 

 

 

 

柏「映像……?」

 

 

 僕が電子生徒手帳を開き映像を見る……すると

 

 砂嵐、砂嵐、そして

 

 ビビビ、ガガガ 

 

柏「なんだよ、これ」

 

 壊れた機械の電子音のみたいな音。

 

柏「モノクマ!これはなんなんだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

佐藤「うわああああぁぁぁあ!!」

 

 

 

柏「さ、佐藤クン?」

 

 青ざめた佐藤クンが映像を見ながら叫んだ。佐藤クンは一体何を見せられたんだ。

 

 

 

 

踊場「嫌!嘘よ、こんなの!!」

 

歌浦「お父さん!お母さん!」

 

 

演川「なんなのよ!これは!?」

 

囲井「嘘だとしても趣味が悪いよ」 

 

 

飛龍院「お父様、お母様……いやああああ!!」

 

一華「下品なドラマですこと。もっと楽しいドラマを作ってくださいな」

 

 

 

闘山「おいモノクマ!俺の親父とお袋と弟に何しやがった!!」

 

羽川「はわわわわ、こんなのっ、こんなのーーっ!!」

 

 

霊山「こんな、嘘、だよね。ありえないよ」

 

釣谷「何?性格悪いドッキリか?」

 

 

別技「あああああ!!信じない、僕は信じない!!」

 

安藤「モノクマ!!父さんを……矢吹博士をどうしたんだ!!」

 

 

 

 

曲原「ふざけた真似を」

 

 

神道「っ……ぁ……ぅ……」

 

 

 

 みんなはパニック状態。みんな家族がどうだとか言い出していて……。

 

 

 

柏「みんなっ……」

 

佐藤「こんなの、捏造。そうだよな?柏?」

 

柏「佐藤クン……」

 

佐藤「俺は姉さんに負けないよう死ぬほど努力した!!なのに!!ありえないこんなの!!ありえないんだよ!!」

 

 佐藤クンが何を見せられたのか、聞けなかった。

 

 

モノクマ「言っておくけど、これは捏造じゃない本物だからね」

 

曲原「この映像が本物なら警察に期待するなってことか?」

 

柏「え?」

 

モノクマ「うん、警察も動かないし、家族も友人もみーんなね」

 

曲原「……なら尚更俺は出て行く気なくなったな」

 

モノクマ「ん?」

 

曲原「この映像が偽物なら大人しく警察を待つ、本物ならこの島の外は無法地帯。殺人をしてまで出て行くメリットがない」

 

柏「無法地帯ってどういう……」

 

モノクマ「あーそう、君は家族や関係者の安否が気にならないんだ」

 

曲原「殺人をするくらないならな」

 

モノクマ「もし、殺人をしたら家族と関係者を解放してあげるって言ってても?」

 

曲原「何?」

 

 

 そのモノクマの言葉で全員がモノクマを凝視した。

 

 

曲原「この映像が本物という証拠もなければ、解放される信用性もない」

 

モノクマ「君は強情だなあ。家族が気にならないんだ」

 

曲原「それよりも自分の身だ」

 

 

 

 

モノクマ「まあ良いけど、全員が同じ気持ちってわけじゃないってこと、しっかり考えてね」

 

柏「そんなことない!」

 

モノクマ「そうそう、凶器って奴はこの近くの倉庫にたくさんあるから見といてね!」

 

 

 

 モノクマは消えた。僕らだけが残された沈黙が続いた。

 

 

一華「どうせ偽物ですし、深く考えないようにしましょう」

 

踊場「そうよね!こんなのありえないわ」

 

歌浦「きっとCGだよ、最近はかなり巧妙なんだよ」

 

別技「あんなアンドロイドがいるくらいなんだからあんな映像も作れるよ」

 

踊場「そうそう、あんな映像を信じる方がおかしいよ」

 

 

曲原「能天気だな、貴様らは」

 

柏「曲原クン……!」

 

曲原「あの映像を本気にする馬鹿がいるかもしれないだろ」

 

柏「そんなはず……っ!!」

 

曲原「無いと言い切れるのか?せいぜい後ろに気をつけるんだな」

 

 

 そう言って曲原クンは去ってしまった。

 

柏「さ、佐藤クン!曲原クン酷いよね!だいたいモノクマのことなんか信じないよね!」

 

佐藤「……」

 

柏「佐藤クン?」

 

佐藤「うるっさいなぁ!!」

 

柏「佐藤クン!?」

 

 

 

神道「……っ」

 

歌浦「け、喧嘩はダメだよ!」

 

 

 

 

佐藤「……ごめん、1人にしてくれ」

 

柏「あ、ああ、うん。ごめん」

 

 佐藤クンも去ってしまった。僕は何の映像もなかったけど佐藤クンには何か重要な映像だったんだろう。

 

 

柏「……」

 

 僕はコテージに戻った。

 ベッドに寝ころんで、考えた。

 

 僕は何者なんだろう、家族は、皆は……。

 

柏「……」

 

 

 いつの間にか眠ってしまった。そして夜になっていた。

 

 

柏「10時……どうしよう、寝られないや」

 

 

 

 ピンポーン

 

 

柏「こんな時間に誰だろう」

 

 ドアを開けるとそこにいたのは……

 

佐藤「柏クン」

 

柏「佐藤クン……大丈夫なの?」

 

佐藤「うん、ただちょっと柏クンと話したくて。レストランに来ない?何か作るよ」

 

柏「佐藤クン……!ありがとう!」

 

 

 

 

 

 

佐藤「はい」

 

柏「なんだこの水色の……」

 

佐藤「バタフライピーだよ、ハーブティーさ」

 

柏「そっか、いただきます」

 

佐藤「チョコクッキーも焼きておいたんだ」

 

柏「おおっ!ありがとう!」

 

佐藤「……柏クン、色々ごめん」

 

柏「何?佐藤クンは悪くないよ」

 

佐藤「柏クンって優しいんだな……。記憶喪失なのに……俺たちより不安なはずなのに」

 

柏「そんな、記憶がないのに無神経でごめん」

 

佐藤「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれ?

 

 おかしいな、散々寝たはずなのに寝ちゃった?

 

 

柏「佐藤クーン?佐藤クン?……あれ?」

 

 佐藤クンがいない?

 

柏「コテージに帰ろう」

 

 とりあえずコテージに帰ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

柏「あれ?ルームキーどこだ?」

 

 ポケットに入れていたはずのルームキーがなかった。

 

柏「どこかに落とした!?」

 

 

神道「開いてる……」

 

 

柏「神道さん!僕のルームキー知らない!?」

 

神道「開いてる……」

 

 神道さんに言われてよく見ると薄らドアが開いていた。おかしいな鍵を掛けたはずなのに。

 

 

柏「なんで開いてるんだ?」

 

 僕は自分のコテージに入ると、その中は荒れていた。

 

柏「っ……!これは?」

 

 嫌な予感がした。

 

 僕らコテージをひたすら見渡した。

 

 

柏「誰かここに来たのか?」

 

 

 僕はシャワールームに手をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シャワールームのドアを開くとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 血だらけの超高校級のショコラティエ、佐藤雪也クンの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 



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非日常編

 時間が止まったように感じた。

 目の前の光景が受け入れられなかった。

 

 

 大量に血を流して、動かない佐藤クン。それが現実なことを。

 

 

柏「さ、佐藤クン!?佐藤クン!!佐藤クン!!佐藤クンッ!!

 

 佐藤クンに呼びかけても反応がない。

  

 

 

柏「あ……あ、ぁ、ああああああああっ!!」

 

 

神道「っ……!」

 

 僕はやっと現実を理解して尻餅をついた。

 なんなんだこれは。

 

 

 

柏「うああああああああ!!」

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

 

 

モノクマ「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、『学級裁判』を開きます!」

 

 

 

 

 

 モノクマの映像すら視界に入らなかった。

 

柏「なんで!?なんで!?佐藤クン!!」

 

 

歌浦「どうしたの?ってきゃああああああ!!!」

 

 

 

踊場「嫌……誰か死んだの?」

 

安藤「そんな殺人が起きるなんて……人間とは心優しいのではなかったのか?」

 

 

別技「帰る帰る帰る帰る帰る帰る帰る帰る」

 

飛龍院「なんなのよ!!殺人なんてえええ!!」

 

 

 

 

闘山「死体だと!?なんだ何があったんだ!?」

 

羽川「死体なんて嘘にしたいよーーっ!!」

 

 

 

演川「そんな……殺人?」

 

囲井「モノクマの言葉を真に受けた奴がいるって言うの?」

 

一華「模様しものじゃありませんか?」

 

釣谷「周りの反応を見る限り、そうじゃなさそうだね」

 

 

 

霊山「柏クンのコテージから霊気を感じる。まさか本当に……」

 

 

 

曲原「……」

 

 

 

 

 

モノクマ「オマエラ、全員揃いましたね!」

 

曲原「おい、モノクマ、貴様は放送で『学級裁判』がどうとか言ったな」

 

モノクマ「そうなのです!これからが大本命の学級裁判について!」

 

 

柏「何が学級裁判だ!!佐藤クンを返せ!!」

 

モノクマ「うるさいなぁ!君も消されたいの!?」

 

安藤「落ち着くんだ、柏クン!今ここで君が抵抗したら……」

 

柏「でも佐藤クンが!!」

 

モノクマ「うるさいうるさい!黙って僕の話を聞かないとどこでもあの世とか!ヘルコプターで地獄行きなんだからね!」

 

曲原「話をしろ」

 

 

モノクマ「はい、死体が発見された時にみんなで捜査して、学級裁判を行い、犯人、クロを決めてもらいます。みんなを欺いたクロは晴れて帰還できます」

 

柏「待って、じゃあこの中に佐藤クンを殺した人がいるって言うのか!?」

 

モノクマ「さらにクロを指摘した場合はクロはおしおきされ、逆に指摘出来なかった場合はクロ以外はおしおきだよ」

 

曲原「そのおしおきってなんだ?」

 

モノクマ「おしおき?簡単に言えば、うん、処刑だね」

 

 

 

柏「は?」

 

 モノクマは残酷なことをさらりと言った。

 

 

 

歌浦「処刑って……」

 

 

モノクマ「処刑は処刑だよ死ぬんだよ!爆弾とか槍とか転落とか首チョンパとか毒とか!」

 

 

飛龍院「嫌よ、なんでわたくしたちがそんなことを……」

 

モノクマ「ルールだから!あ、ちゃんと校則に今のは追加されたよ」

 

 

10.生徒内で殺人が起きた場合は一定時間後に全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。

 

11.学級裁判で正しいクロを指摘すればクロだけがおしおき、指摘出来なかった場合はクロ以外全員がおしおきされます。

 

 

 

 

飛龍院「何よ、あんたにあんたみたいな庶民がなんの権限があるのよ!」

 

安藤「確かに、彼に私たちを誘拐し、犯罪まで誘導する一体どんな組織が!?」

 

囲井「一番最悪なのは政府……とかだよね」

 

 

 

モノクマ「うぷぷぷぷ、でもオマエラは僕に逆らえるの?」

 

 モノクマの後ろにモノケモノが立った。

 

柏「くっ……」

 

モノクマ「さあ!クロとそれ以外のシロの生き残りを懸けた戦いだよ!捜査スタートォ!」

 

 

 

 

捜査開始

 

 

4日目 0:30

 

 

 

 

柏「捜査って言われても……」

 

モノクマ「ま、君たちは素人だから電子手帳に『モノクマファイル』のデータを送るよ」

 

 

 

モノクマファイル1

被害者は超高校級のショコラティエ、佐藤雪也。

死亡時刻は午後11時45分頃。

 

死体発見場所は柏祐一のコテージのシャワールーム。

 

死因は首を刃物で刺されたことによる失血死。

頭部を負傷している。

 

 

 

コトダマ モノクマファイル1

 

 

 

 

 

演川「柏のコテージに佐藤の死体があったんなら、柏が犯人じゃない」

 

柏「えっ」

 

 何だ、この雰囲気……?

 

別技「あわわわ、殺人犯だぁ!!」

 

柏「違う!僕じゃない!」

 

囲井「アンタのコテージに死体があったんならアンタが怪しいんじゃない」

 

柏「違う!佐藤クンにレストランに誘われて、急に目が覚めたら佐藤クンがいなくなってて、コテージが何故か開いてて入ったら……」

 

釣谷「でも佐藤は死んでいる。君が怪しいんじゃないか」

 

柏「そんな……」

 

歌浦「待ってよ、柏クンばっかり疑うなんて……」

 

演川「じゃあ他に誰だと思うの?」

 

歌浦「えっ……」

 

演川「怪しいのは柏しかいない」

 

 

 

 

曲原「それを決定するのは捜査してからだ」

 

柏「きょ、曲原クン」

 

曲原「……柏、死体を発見した時、お前以外に誰がいた?」

 

柏「あ、え、えっと……」

 

 気が動転してて覚えてない。

 

神道「……っ」

 

霊山「神道さん?もしかして神道さんがいたの?」

 

曲原「……本当か?」

 

歌浦「本当だよ、2人がコテージにいてモノクマのアナウンスを聞いて、それで最初に私がかけつけたの」

 

曲原「死体を発見したのは2人だったか……」

 

柏「曲原クン?」

 

曲原「死体に見張りを2人つける。証拠を隠滅されたら困るからな」

 

羽川「あたしがやる。あたし馬鹿だから何も出来ないし」

 

闘山「俺もやろう。俺も頭を使うのは苦手だ」

 

曲原「さて」

 

 

 

 曲原クンはシャワールームに向かって死体をまじまじ見つめていた。

 

柏「曲原クン?な、何してるの?」

 

曲原「捜査だ」

 

柏「捜査って……」

 

踊場「私たちも捜査しよう。犯人を見つけ出すために」

 

 

飛龍院「良いわ、見てなさい庶民。わたくしが素晴らしい証拠を見つけて犯人を暴いてやるわ」

 

演川「やる意味を感じないけど、仕方ないわ」

 

別技「殺人犯とはいられないし……」

 

安藤「柏クン!私はまだ君が犯人だと断じるつもりはない」

 

 みんなそれぞれ捜査に向かった。コテージにいるのは僕と見張りの羽川さんと闘山クン、神道さんと歌浦さんと霊山クン、そして曲原クンだ。

 

 

霊山「柏クン、柏の書き換えたネームプレートじゃなくなってるよ?」

 

柏「え?」

 

霊山「モノクマファイルには柏クンのコテージってなってるのにコテージのネームプレートは佐藤クンのものになってる」

 

 僕は玄関でネームプレートを見た。確かに佐藤クンのものだ。

 

柏「もしかして……」

 

 佐藤クンのコテージと思われる場所に僕のネームプレートがあった。

 

柏「どうして入れ替わってるんだ?」

 

 

 

コトダマ ネームプレートの入れ替え

 

 

 僕は再びコテージに向かった。

 

 

曲原「おい、柏」

 

柏「曲原クン?」

 

曲原「このガラス片に覚えはあるか?」

 

 薄い青色のガラス片。しかも血がついてるのも混じってる。

 

曲原「部屋に散らばってたぞ」

 

歌浦「窓とか割れた様子がないのに変だね」

 

 

コトダマ ガラス片

 

 

曲原「死体を見てみたが、だいたいモノクマファイルの死因は一致していた。どうやらモノクマファイルは正確らしい」

 

柏「そうなんだろうけど、これじゃあまだ皆に信じてもらえないよ」

 

曲原「それと佐藤の服のポケットに血塗れのお前のルームキーがあったぞ」

 

柏「えっ!?な、なんで!?」

 

 

 

コトダマ 佐藤が所持していたルームキー

 

 

曲原「お前、眠くなったとか言ったな。レストランに行くぞ」

 

柏「えっ、待ってよ曲原クン!」

 

 

 

 

 

レストラン

 

 

曲原「バタフライピーが少なくなっている……」

 

柏「バタフライピーを佐藤クンに出してもらったんだ」

 

曲原「バタフライピーは青色だ」

 

柏「うん」

 

曲原「そして睡眠薬も青色だ」

 

柏「え?」

 

曲原「バタフライピーに睡眠薬を混ぜられたのかもな」

 

柏「えっ、さ、佐藤クンが!?なんで!?」

 

曲原「……」

 

 

 

コトダマ バタフライピーと睡眠薬

 

 

 

 

曲原「柏、さっきの死体発見の状況を聞いたが、お前はしっかり校則を見ろ。お前の無実が書いてある」

 

柏「え?」

 

 僕は慌てて校則を見た。

 

 

8.3人以上が死体を発見した場合に死体発見アナウンスが流れます

 

 

柏「これって……」

 

曲原「この3人以上が1人犯人、というのを表すなら、お前と神道が発見した時点で無実だ。仮に犯人を含まなくてもな」

 

 

コトダマ 死体発見アナウンス

 

 

曲原「今回の事件の最大の謎……犯人はどうやって血を洗い流したんだろうな?」

 

柏「血?」

 

曲原「シャワールームの水は出ないし、夜時間は海に入るのは禁止だ」

 

柏「うーん……」

 

 犯人はどうやって血を洗い流したんだ?

 

柏「わかった!ペットボトルに水を予め貯めて洗い流したとか!」

 

曲原「ないな。校則でレストランのものは持ち出し禁止だ」

 

柏「うーん……」

 

 

曲原「……プールだ、プールに行くぞ」

 

柏「そうか!」

 

 

 

 

 

プール前

 

 

柏「入るには電子生徒手帳が必要みたいだね」

 

曲原「止まれ!!」

 

柏「っ!?」

 

 曲原クンにいきなり叫ばれ、驚いた。

 

柏「曲原クン?」

 

 曲原クンは座り込み、地面を見ていた。

 

柏「曲原クン、何、してるの?」

 

曲原「ここにもコテージにあったガラス片があった」

 

柏「え?なんでこんなところに」

 

曲原「……」

 

 

 

コトダマ プール前のガラス片

 

 

 

曲原「プールに入るぞ」

 

柏「うん」

 

 僕らは電子生徒手帳を使って入ると、そのプールの中は……

 

 

 

柏「ああああ!」

 

 プールには血が混じっていた。

 

曲原「やはりな、犯人はここで返り血を洗い流したんだ」

 

柏「……」

 

 

コトダマ プールの血

 

 

曲原「後は自分で調べろ」

 

柏「曲原クン!?」

 

曲原「そうでないと後悔するぞ」

 

  

 

 後悔する、か。もしかしたら、もしかしたら、僕なら佐藤クンを救えたかもしれないのに。

 

 

柏「やろう、佐藤クンの仇を取るんだ」

 

 

 ある程度証拠っぽいのはあるけど、まだ足りない。

 そうだ、アリバイを確認して見よう。まずはコテージにいる人たちからだ。

 

 

 

 

 

柏「羽川さん、闘山クン、君たちはアリバイはどうかな?」

 

羽川「あの時間は寝てたよー」

 

闘山「ああ。俺もぐっすりだ。早寝早起きしないと身体に悪いからな」

 

羽川「スポーツ選手は健康に気を使うのが仕事だよ!」

 

柏「つまり、アリバイはないんだ……」

 

羽川「もしかして柏ちゃん、あたし達のこと疑ってる!?」

 

柏「いや、そういうわけじゃないんだけど……」

 

闘山「俺達はお前を疑ってないんだぞ!」

 

柏「あ、いや、ごめん……」

 

 

 この2人は相手するの疲れるな。

 

 

歌浦「柏クン、大丈夫?私は柏クンのこと信じてるよ」

 

柏「ありがとう、歌浦さん。あの、歌浦さんのアリバイ聞いていいかな?疑ってるわけじゃないんだけど……」

 

歌浦「え?あ、いやー、私はすっかり寝てて」

 

柏「そっか、ありがとう」

 

 

 

 

 

安藤「私のアリバイか?私は充電していたのでないな」

 

柏「充電……?」

 

安藤「私も充電が必要でね。今はエコモードでなんとか活動している」

 

柏「はぁ……」

 

 安藤クンって本当にアンドロイドなんだ……。

 

 

 

 

柏「霊山クン!あの、アリバイ聞いて良いかな?」

 

霊山?「はぁ?なんで俺がそんなめんどくさいことに付き合わなきゃいけねーんだぁ?」

 

 何だ?霊山クン?なんかキャラが違う?

 

柏「霊山……クン?」

 

霊山?「フン、『俺』のコテージでよくも……ま、お前が犯人ってことで終わりかな」

 

柏「霊山クン!」

 

霊山?「うるせーな犯人」

 

柏「僕は犯人じゃない!!霊山クン、どうしたの!?」

 

霊山?「お前こそ、何のようだ?」

 

柏「君のアリバイを知りたいんだ。僕は犯人じゃないんだ!」

 

霊山?「そんなわけないだろぉ?お前は佐藤に襲われて殺したんだろ?」

 

柏「なんでそんな疑うんだ!」

 

霊山?「俺は知ってるぜ?佐藤が武器満載の倉庫で彷徨いてるのさぁ!」

 

柏「えっ、それっていつ!?」

 

霊山?「11時頃かな」

 

 なんで佐藤クンが倉庫に……。

 

 

コトダマ 霊山の証言

   

 

 

霊山「はっ!あ、あの、ごめんね!」

 

柏「霊山クン?」

 

霊山「な、なんかひどいこと言ったかな」

 

柏「なんか変だったよ」

 

霊山「ごめん!ごめんなさい!僕……っ!」

 

柏「あ、う、良いんだよ、それよりアリバイを……」

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

 

モノクマ「はーい時間でーす!カサブランカ公園にお集まりくださーい!」

 

柏「もう終わり!?」

 

霊山「行くしかないみたいだね」

 

柏「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 僕らカサブランカ公園に集まった。

 

 

モノクマ「オマエラを学級裁判所にお連れしまーす」

 

安藤「裁判所なんてないじゃないか!」

 

 安藤がそう言うと……

 

 地面から『何か』がせり上がって来た。

 

モノクマ「これが、学級裁判所です!」

 

柏「……」

 

飛龍院「でも良いわ、犯人は柏で決まりだもの」

 

曲原「証拠は?」

 

飛龍院「柏のコテージで佐藤が死んでいた、これが証拠よ」

 

 ……。

 

モノクマ「議論は裁判でやってよ!!」

 

 

 

 僕らは裁判所に入った。その中にエレベーターがあって、『15人』が乗った。

 

 僕らの命を懸けた学級裁判が始まるんだ……!

 

 

 

 

 



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学級裁判 前編

 エレベーターを降りると、16人分の席があって、円を描くように僕、歌浦さん、釣谷クン、神道さん、演川さん、曲原クン、一華さん、囲井さん、佐藤クン、霊山クン、闘山クン、飛龍院さん、別技クン、踊場さん、羽川さん、安藤クンで並んでいた。

 

 

モノクマ「さ、自分の席についてね」

 

安藤「意外と本格的だな」

 

囲井「こんな大袈裟な……」

 

 

 

 

 

 

 

 

学級裁判 開廷

 

 

コトダマ モノクマファイル1

 

被害者は超高校級のショコラティエ、佐藤雪也。

死亡時刻は午後11時45分頃。

 

死体発見場所は柏祐一のコテージのシャワールーム。

 

死因は首を刃物で刺されたことによる失血死。

頭部を負傷している。

 

 

 

 

コトダマ ネームプレートの入れ替え

柏と佐藤とコテージのネームプレートが入れ替わっていた。

 

 

 

コトダマ ガラス片

荒れているコテージにあった薄い青色のガラス片。血がついたのも混じっている。窓は割れておらず、何のガラス片かは不明。

 

 

 

コトダマ 佐藤が所持していたルームキー

柏のコテージのルームキーが血塗れで佐藤の服のポケットにあったらしい。

 

 

コトダマ バタフライピーと睡眠薬

バタフライピーは青色で、佐藤が提供した。また睡眠薬は溶かすと青色になる。

 

 

コトダマ 死体発見アナウンス

死体発見アナウンスは3人以上が死体を発見した時に流れる。

 

 

 

コトダマ プール前のガラス片

コテージに落ちていたガラス片がプールの電子生徒手帳をかざす場所にも落ちていた。

 

 

 

コトダマ プールの血

プールに血が混じっていた。

 

 

コトダマ 霊山の証言

11時に佐藤を倉庫で目撃したらしい。

 

 

 

 

 

モノクマ「では最初に学級裁判の簡単な説明をしておきましょう。学級裁判では『誰が犯人か?』を議論し、その結果はオマエラの投票により決定されます」

 

モノクマ「正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき、もし間違った人物をクロとした場合はクロ以外全員がおしおきされ生き残ったクロだけがこの島を出る権利が与えられます!」

 

 

モノクマ「ちゃっちゃっと議論してくださいなー!」

 

柏「待てよモノクマ!なんだよアレ!」

 

 佐藤クンの席に遺影のようなものが飾られている。

 

モノクマ「えぇ?仲間でしょ?死んでも参加してるんだよ!」

 

霊山「死んだ人間はしばらくは死んだ場所にいるんだよ?」

 

飛龍院「どうでも良いわ!投票よ!柏に投票するんだから!」

 

柏「だから僕は犯人じゃないって」

 

 仕方ない、論破していくしかない。

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論開始

 

コトダマ モノクマファイル1

コトダマ ネームプレートの入れ替え 

コトダマ 死体発見アナウンス

コトダマ 佐藤が所持していたルームキー

 

 

 

 

安藤「安易に決めるのは危険だ」

 

囲井「そうは言っても……」

 

一華「犯人は『自分のコテージ』に佐藤さんを呼び出して殺した……」

 

飛龍院「事件は『柏のコテージ』で起きてたんだから、『柏が犯人よ』!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛龍院「『柏が犯人』よ!」

 

 

 

 

コトダマ 死体発見アナウンス

 

 

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「いや、僕は犯人じゃない。だって、僕と神道さんが佐藤クンの死体を発見した時に死体発見アナウンスが鳴ったんだ」

 

飛龍院「それがどうしたと言うのかしら?」

 

曲原「死体発見アナウンスは3人以上が死体を発見した時にアナウンスされるもの。つまり、柏や神道は犯人にはならない」

 

踊場「それがどうして2人が犯人じゃないってなるの?」

 

曲原「はぁ。死体発見とは犯人を含めるんだ。犯人を含めた3人のうち2人は柏や神道だ」

 

演川「でも柏が犯人だったらどうなるの?死体発見アナウンスだって3人で鳴るとして、最初に発見した2人であるその証拠は?」

 

曲原「歌浦。お前は柏と神道の次に駆けつけたんだな?」

 

歌浦「え?あ、うん。アナウンスを聞いて、柏クンのコテージが騒がしかったから……」

 

演川「それだけ?神道とアンタは共犯じゃないの?」

 

歌浦「えっ……!?」

 

柏「そんな……!」

 

曲原「おいモノクマ。共犯したらどうなるんだ?」

 

 

 

 

 

モノクマ「え?脱出出来るのは殺したクロ1人だけだよ。共犯は理論上は出来るけどね」

 

 

 

 

曲原「だそうだ。ルールを知らずに共犯したのなら自白した方が身のためだ」

 

柏「だから僕は犯人じゃないって!」

 

歌浦「私は違うよ!」

 

神道「……」

 

安藤「なるほど、共犯は無いか」

 

釣谷「まあ、死んでも良いから助けたいって可能性もあるけどね」

 

演川「ええっ!?」

 

曲原「今回はそれはないな。共犯したにしては色々と甘すぎる」

 

一華「では、柏さんではなかったとして誰が犯人なんでしょう?」

 

 そうだ、それが全く見当がつかないんだ。

 なぜか佐藤クンが僕のコテージで死んでいたんだ。

 

 

囲井「一つ疑問なんだけど、なんで柏のコテージが現場になったのよ。ルームキーは?」

 

柏「ルームキーは……」

 

 

 

 

 

コトダマ 佐藤が所持していたルームキー

 

 

 

柏「なぜか佐藤クンが持ってたんだ。血塗れのルームキーを」

 

羽川「それって誰が持ってきたのかなー?かなー?」

 

闘山「柏じゃないんだろ?」

 

柏「うん」

 

安藤「では、犯人か佐藤クンということになるな」

 

歌浦「そもそもなんで佐藤クンはシャワールームで死んでたんだろう」

 

 

 

 それを議論するしかない。

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ モノクマファイル1

コトダマ ガラス片

コトダマ 霊山の証言

コトダマ ネームプレートの入れ替え

 

 

 

 

安藤「犯人は柏クンのルームキーを密かに奪い、『シャワーを浴びていた』佐藤クンをグサリ」

 

囲井「それがどうして佐藤が柏のコテージでシャワー浴びてるのよ」

 

歌浦「佐藤クン、服着てたし」

 

羽川「じゃあじゃあ、佐藤ちゃんは柏ちゃんのルームキーを渡そうとした時に犯人が『迫って来た』んだよ!」

 

闘山「それでルームキーを使って柏のコテージに逃げ込み、『そのままシャワールームで殺された』のか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闘山「『そのままシャワールームで殺された』のか」

 

 

 

コトダマ モノクマファイル1

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

闘山「何?」

 

柏「佐藤クンは頭に傷があったんだ。すぐに殺されたわけじゃない。モノクマファイルにもある」

 

一華「この頭部の負傷とはなんのでしょうね」

 

柏「きっと、鈍器か何で殴られたのかな」

 

 

 

 

 

 

反論

飛龍院「甘いわ!庶民!」

 

 

 

柏「飛龍院さん?」

 

飛龍院「甘いのよ、甘すぎるのよ。わたくしの正しい推理を教えてあげるわ」

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ モノクマファイル1

コトノハ ガラス片

コトノハ 佐藤が所持していたルームキー

コトノハ プール前のガラス片

 

飛龍院「佐藤はコテージに頭をぶつけておかしくなったのよ」

 

飛龍院「それを犯人は好都合とばかりに狙ったのよ!」

 

柏「つまりどういうことなんだ?佐藤クンは外で怪我したって言いたいの?」

 

飛龍院「そうよ。『外で頭を怪我した』佐藤は『間違って』柏のコテージに入ったところで殺されたのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛龍院「『外で頭を怪我した』」

 

 

 

 

コトノハ ガラス片

 

論破

柏「その言葉、斬るよ!」

 

 

 

 

 

柏「いや、僕のコテージにガラス片が散らばってたんだ。血も混じっていたし、佐藤クンは僕のコテージで怪我したんだ」

 

飛龍院「なんですって!」

 

囲井「馬鹿じゃないの」

 

飛龍院「はぁ!?庶民は黙ってなさいよ!」

 

安藤「今は喧嘩をしている場合じゃないだろう!」

 

別技「それよりも柏!なんでルームキーを落としたんだよ!君がルームキーを落とさなかったら佐藤クンは死ななかったんじゃないの?」

 

釣谷「一理あるね」

 

柏「えっ!?」

 

歌浦「そんな言い方!」

 

 

 

 

 

曲原「柏、貴様は今、現実から目を背けているだろう」

 

柏「え」

 

曲原「佐藤が自ら犯人を招いたという事実を」

 

歌浦「え?」

 

演川「佐藤が犯人を招いたの?どうして?」

 

曲原「お前がしっかり証明しない限り、前には進めないぞ」

 

柏「……」

 

 認めたくない真実……。あれが真実なら、佐藤クンは……。

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ ガラス片

コトダマ バタフライピーと睡眠薬

コトダマ ネームプレートの入れ替え

コトダマ 霊山の証言

 

 

 

演川「そもそもあそこは『柏のコテージ』よね」

 

安藤「柏クンのコテージに佐藤クンがいたらおかしいぞ」

 

羽川「『部屋間違えたー』って帰るよね」

 

闘山「ん?佐藤が招いて柏のコテージ?意味がわからんぞ!」

 

霊山「もしかして……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「『部屋間違えたー』」

 

 

 

 

 

 

コトダマ ネームプレートの入れ替え

 

 

同意

柏「それに賛成だよ」

 

 

 

 

柏「……羽川さんの言う通り、犯人は間違えたんだよ、佐藤クンのコテージと僕のコテージを」

 

別技「ネームプレートがあるんだから間違えたりはしないよ」

 

柏「いや、僕と佐藤クンのコテージのネームプレートは入れ替わってたんだ」

 

歌浦「なんで?」

 

曲原「佐藤が入れ替えたんだ」

 

闘山「入れ替えるメリットはあるのか?」

 

曲原「話してやれ、柏。レストランでの話を」

 

柏「っ……」

 

 

 

コトダマ バタフライピーと睡眠薬

 

 

 

柏「捜査の時少し言ったけど、僕は佐藤クンと一緒にレストランに向かったんだ。その時、佐藤クンはバタフライピーを振る舞ってくれたんだ」

 

羽川「パタライピーピー?」

 

曲原「バタフライピー、青色のハーブティーだ。それと、睡眠薬は溶かすと青色になる」

 

闘山「それがどうかしたのか?」

 

柏「……」

 

 なくなったルームキー、眠った僕。ネームプレートの入れ替え、それを表すのは……

 

 

囲井「……まさか」

 

歌浦「佐藤クン……」

 

 

 佐藤クンがしようとしたこと、それは

 

 

 

 

1.柏と遊びたかった

2.柏のフリをしたかった

3.柏を犯人に仕立て上げたかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.柏を犯人に仕立て上げたかった◀︎

 

 

 

 

柏「僕を犯人に仕立て上げたかったんだ」

 

曲原「佐藤は単なる被害者じゃないのさ」

 

闘山「よく分からんぞ!」

 

羽川「単なる被害者じゃないって!?」

 

曲原「だから、柏のコテージで事件を起こすことで柏を犯人に仕立て上げることができるということだ」

 

釣谷「つまり、バタフライピーに睡眠薬を混ぜて柏を眠らせて、その隙にルームキーを奪った」

 

霊山「その後、ネームプレートを入れ替えて呼び出して今回の犯人を殺して柏クンを犯人に仕立てあげようとしたってこと?」

 

踊場「なんて計画なの……」

 

柏「やっぱり何かの間違いだよ!佐藤クンがそんな……」

 

曲原「思えば、モノクマが映像を見せてから奴の様子はおかしかった。学級裁判のルールを知らないとはいえ、かなり軽率なやり方だな」

 

柏「そんな……」

 

 佐藤クンが……。

 

演川「でもそれで結局犯人は誰なのよ?」

 

柏「え?」

 

演川「今までの話に犯人に関する手がかりはないじゃない」

 

 そうだ、これで全部振り出しじゃないか。

 

曲原「ならあのガラス片に心当たりはないか?あれを受けた佐藤はシャワールームまで逃げたんだぞ」

 

飛龍院「窓ガラスじゃないの?」

 

安藤「柏クンのコテージは割れてなかったぞ」

 

囲井「窓ガラスじゃ武器にならないでしょ」

 

安藤「そういえば気になっていたことだが、犯人はどこで武器を調達したんだ?レストランを調べたが、包丁はなくなってなかったぞ」

 

釣谷「レストランのものを持ち出すのは校則違反だし……」

 

曲原「倉庫だ。あそこに凶器がたくさんあることは確認済みだ」

 

飛龍院「それで?犯人は誰なの?」

 

囲井「いきなりそれなの?」

 

曲原「なら、もう一度、佐藤が殺されるまでを振り返れば何かわかるかもな」

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

 

コトダマ ガラス片

コトダマ プール前のガラス片

コトダマ 霊山の証言 

コトダマ プールの血

 

 

 

 

一華「犯人は『佐藤さんに呼び出され』、柏さんのコテージに向かった」

 

囲井「そこで佐藤に襲われた」

 

釣谷「犯人はなんらかのガラス片を撒き散らすもので『殴った』。」

 

安藤「そこでさらに逃げる佐藤クンを追い……」

 

飛龍院「『隠し持っていた刃物で』刺したのね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛龍院「『隠し持っていた刃物で』」

 

 

 

 

コトダマ 霊山の証言

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

 

柏「いや霊山クンが倉庫で11時頃に佐藤クンを見たらしいんだ。佐藤クンがきっと……」

 

曲原「最初から計画を考えていた佐藤なら普通、佐藤が刃物を持って行くだろうな。恐らく、犯人に反撃されて、刃物を落としたせいで犯人に奪われ、殺されたんだ」

 

霊山「待ってよ、僕……そんなの知らないよ!」

 

柏「だって君が言ったんだよ、佐藤クンを倉庫で見たって!」

 

霊山「そんな、僕、知らないのに……でももしかしたら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山「僕が佐藤クンを殺してしまったのかもしれない」

 

柏「えっ……」

 



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学級裁判 後編

踊場「どういうことなの!?あなたが佐藤クンを殺したって」

 

飛龍院「なぁに自白してくれたの?」

 

霊山「……正確に言えば僕に取り憑いてる弟が、やってしまったかもしれない」

 

柏「弟……?」

 

霊山「僕は超高校級の霊能者。死んだ弟が取り憑いてるんだよ」

 

飛龍院「やややや、やめなさい!ゆゆゆゆ、幽霊なんか存在しないわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山?「それが現実ならどうする!?」

 

 

 

柏「えっ!?」

 

霊山?「チッ、兄貴の奴。俺のことを疑いやがって。確かに素行は悪かったかもしれねぇが、殺人なんかするわけねぇだろって」

 

曲原「お前が、超高校級のスケボー選手、霊山拓也か?」

 

羽川「超高校級のスケボー選手……聞いたことあるよ!オリンピック候補生だよ!

 

拓也「その通り、今の俺は霊山拓也。言っておくが、俺は無実だ」

 

 

 

 

 

モノクマ「言っておくけど、君が犯人だった場合は、お兄さん諸共おしおきだからね」

 

 

 

 

拓也「はっ!くだらねぇ!俺は犯人じゃねぇ」

 

囲井「そう言ってもかなり怪しいんだけど」

 

演川「そうよ、いきなり霊だのなんだのって」

 

飛龍院「霊山で決まりね」

 

曲原「貴様ら命がかかってるっていうのにそんな曖昧な理由で決めるのか?」

 

釣谷「じゃあ、君は他に心当たりあるのかな?」

 

 

 どうしよう。霊山クンが犯人には思えないのに。

 

 

 

 

モノクマ「うぷぷ、意見が割れたね?ではみんなでスクラム形式で反対、賛成で議論する?」

 

柏「なにそれ……」

 

モノクマ「ま、やれば分かるよ!」

 

 

 

 

意見対立!

 

 

 

霊山に投票するか?

 

すぐ投票する

釣谷、飛龍院、演川、別技、囲井、踊場、羽川、闘山

 

 

まだ投票しない

柏、曲原、霊山、歌浦、安藤、一華、神道

 

 

 

 

議論スクラム 開始

 

 

『自白』

『今更』

『犯人』

『演技』

『めんどくさい』

『殺した』

『怪しい』

『幽霊』

 

 

 

 

釣谷「非現実なことを言う霊山クンが一番怪しいよ」

 

曲原「『怪しい』とは言っても証拠はない」

 

演川「霊山は自白したのよ?決まりじゃない」

 

歌浦「あれは霊山クンの『自白』じゃない」

 

別技「信じられないよ、幽霊なんて!」

 

安藤「超高校級の霊能者の彼なら、『幽霊』に取り憑かれてもおかしくない」

 

囲井「全部霊山の演技なんじゃないの?」

 

柏「学級裁判でそんな『演技』しても仕方ないじゃないか」

 

闘山「よく分からないが、なぜ今更幽霊が?」

 

拓也「『今更』も何もずっといたぜ」

 

羽川「じゃあなんで霊山ちゃんは自分が犯人って言ったの?」

 

拓也「俺が活動してる間は記憶がないからな、『犯人』と勘違いしたんだよ」

 

飛龍院「めんどくさいから霊山よ」

 

一華「『めんどくさい』で片付けないでください」

 

踊場「じゃあ他に誰が殺したの?」

 

柏「その『殺した』人間を探すためにまだ投票しちゃいけないんだ!」

 

 

 

 

全論破

柏「これが僕たちの答えだ!」曲原「これが俺の答えだ」拓也「これが俺様の答えだ!」歌浦「これが私たちの答えだよ!」安藤「これが私たちの答えだ!」一華「これが私たちの答えです!」神道「……」

 

 

 

 

 

 

 

柏「もう少しだけ待ってよ、犯人は霊山クンじゃないかもしれない」

 

飛龍院「じゃあ誰なのよ!」

 

 

 

霊山「はっ!み、みんな!?ぼ、僕は!?」

 

曲原「議論を続けるぞ」

 

霊山「え!?」

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ ガラス片 

コトダマ プールの血 

コトダマ プール前のガラス片

コトダマ モノクマファイル1

 

 

 

飛龍院「霊山以外に怪しい人がいる?」

 

歌浦「『手がかりがない』けどね……」

 

闘山「じゃあ『アリバイ』でも追求したらどうだ?」

 

釣谷「あの時間で『アリバイを確保できる人間』なんて限られてるよ」

 

羽川「あたしは寝てたよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歌浦「『手がかりがない』」

 

 

 

 

コトダマ プール前のガラス片

 

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「いや、まだ手がかりがあるんだ。プール前にも同じガラス片が落ちてたんだ」

 

曲原「犯人はいきなり襲われて反撃で殺して、相当慌てて証拠隠滅に取り掛かっただろうからな。衣服やその反撃に使ったものすらロクに処分せずにいただろう。何より犯人はネームプレートの入れ替えで『佐藤のコテージ』と思っているからな。朝見つかると思っていただろうし、偽装工作すらまともに出来なかったはずだ」

 

釣谷「でもプール前にガラス片があったなんてなんで……」

 

曲原「……はっ。そうか、俺はそんな簡単なことに気づかなかったのか」

 

柏「曲原クン?何か分かったの?」

 

曲原「ああ。ただ俺だけがそれを言ってしまうと誘導されてるように感じられるだろうな。死体発見アナウンスの件でシロが確定しているお前なら導けるはずだ」

 

囲井「何?どういうこと?」

 

柏「……でもガラス片だけじゃわからないよ」

 

曲原「なら情報を整理して考えろ。犯人は佐藤に襲われて反撃に『それ』を使った。咄嗟に取り出して、誰しもが持つもので。プールの前で使うものだ」

 

 

 プールの前で使うもの?誰しもが持つもの……?

 

 

 

 

閃きアナグラム

 

 

で ん し せ い と て ち ょ う

 

 

電子生徒手帳

 

 

 

柏「これだ!」

 

 

 

 

柏「そうか!電子生徒手帳か!」

 

安藤「電子生徒手帳が武器!?」

 

曲原「それなりの重量がある上に何度も殴りつければ凶器にもなる」

 

釣谷「飛び散ったガラス片は電子生徒手帳なんだね」

 

曲原「だから全員、電子生徒手帳を見せてみろ」

 

 

歌浦「はい、私の電子生徒手帳!」

 

安藤「私のをお見せしよう」

 

霊山「僕のだよ」

 

羽川「はーい、あたしの!」

 

踊場「忘れたみたい」

 

闘山「任せろ!俺のだ!」

 

別技「……これ、でしょ」

 

飛龍院「仕方ないわねぇ」

 

一華「はい、これですわ」

 

釣谷「壊れてないよ、ほら」

 

囲井「見せれば良いんでしょ」

 

演川「少しだけよ」

 

神道「私……忘れ……」

 

柏「あー!?部屋に置いて来ちゃった!」

 

曲原「俺の電子生徒手帳だ。どうせ神道と柏はシロが確定だ。だとすると、1人しかいないな?」

 

 

 嘘だ、そんな……でも、今の状況は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怪しい人物を指名

 

柏 祐一

 

歌浦 ココネ

 

釣谷 涼太

 

神道 美雪

 

演川 玲子

 

曲原 瑛二

 

一華 撫子

 

囲井 歩美

 

佐藤 雪也×

 

霊山 拓人

 

闘山 信弘

 

飛龍院 鏡花

 

別技 康介

 

踊場 ジュリア

 

羽川 渚

 

安藤 露井戸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

踊場 ジュリア◀︎

 

 

 

 

 

柏「踊場さん、忘れたってどういうこと?」

 

踊場「えっ……私を疑ってるの?」

 

歌浦「待ってよ、ジュリアちゃんはそんなことしないよ!」

 

曲原「なら電子生徒手帳を見せてみろ」

 

踊場「だから忘れたんだって!」

 

曲原「シロが確定している柏や神道ならまだしもお前がいきなり忘れただと?しっかり者のお前が」

 

釣谷「そういえば、君はずっと中心人物で、朝、みんなを呼びに行ったのに、事件後からはやたらと静かだったよね。議論にもあんまり参加しないし」

 

踊場「何!?それだけで疑うの!?」

 

曲原「それだけじゃない。普段のお前なら最初から柏や霊山を疑わず、庇うはずだ。なのに……」

 

踊場「いい加減にしてよ!!たった4日過ごしたくらいで知った口聞かないでよ!」

 

柏「じゃあ電子生徒手帳を見せてよ」

 

踊場「だから忘れたの!」

 

柏「そんなはずない、電子生徒手帳の重要さくらい君なら分かるはずだ!」

 

 

 

 

 

 

 

反論

歌浦「おかしいよ!」

 

 

歌浦「なんでジュリアちゃんを疑うの?」

 

柏「歌浦さん……」

 

歌浦「ジュリアちゃんは犯人じゃない!」

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ ガラス片

コトノハ モノクマファイル1

コトノハ ネームプレートの入れ替え

コトノハ プールの血

コトノハ プール前のガラス片

 

 

 

歌浦「ジュリアちゃんだけが忘れたわけじゃない!」

 

柏「でも、僕と神道さんのシロは君自身が証明したじゃないか」

 

歌浦「だとしても電子生徒手帳くらいでジュリアちゃんを疑うなんて酷いよ。『ガラス片がプール前にある』くらいで、何が!?『プールに行った証拠にはならないよ』!プールとなんの関係があるの!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歌浦「『プール前に行った証拠』」

 

 

 

コトノハ プールの血

 

 

 

論破

柏「その言葉、斬るよ!」

 

 

 

 

 

柏「プールに行った証拠ならあるよ。プールに血が混じってたんだ」

 

曲原「夜時間はシャワーは出ないし、レストランのものは持ち出し禁止だからペットボトルも用意出来ない。海も夜時間は入れないとなると返り血を洗い流す唯一の方法はプールしかない」

 

歌浦「でもっ……でも!」

 

 

 

モノクマ「はいはーい、うっかりさんな柏クンや神道さんのために特別に電子生徒手帳を持ってきてあげたよ」

 

 モノクマは僕らに電子生徒手帳を投げ渡した。

 

 

歌浦「ジュリアちゃんのは!?」

 

モノクマ「やだなぁ、踊場さん!君は持ってるはずだよ?」

 

踊場「……っ」

 

 みるみる踊場さんの顔が青ざめる。

 

 

 

拓也「あらよっと!」

 

踊場「あっ!」

 

 霊山……拓也クン?が踊場さんのズボンのポケットから電子生徒手帳を取り出した。

 

 

踊場「返して!」

 

拓也「見事に割れてるなぁ。どんだけ殴ったんだよ」

 

 

 

踊場「あああああああああっ!!」

 

 確かに、電子生徒手帳は割れていて、角も曲がっていた。佐藤クンは、これに殴られたんだ……。

 

 

飛龍院「さ、殺人犯!!」

 

演川「まさか女が犯人なんてね」

 

闘山「なんと言えば良いか……」

 

 

 

歌浦「ジュリアちゃん!!」

 

踊場「わ、私じゃない!私じゃないもん!だって!だって!私はっ!」

 

 

 

曲原「襲われたんで悪くない。そう言いたいのか?」

 

踊場「!!」

 

柏「曲原クン!そんな言い方!」

 

曲原「殴られて出血して深傷を負った奴がシャワールームに逃げ込んだ。それをわざわざ刃物を拾って殺した……それでも悪くないのか?」

 

安藤「確かに残虐にも感じる」

 

別技「怖い……」

 

一華「襲われたにしてもやり過ぎな気も……」

 

釣谷「ようは踊場も、この島から出たかったってことでしょ」

 

 

踊場「私は悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない」

 

歌浦「ジュリア……ちゃん」

 

 

 

曲原「柏、もう一度全てを振り返って、みんなをそして踊場に突きつけてやれ。この事件を『人の命が奪われた事実』を!」

 

柏「うん……」

 

 

 

 

 

 

クライマックス推理

 

 

 

柏「これが事件の全容だよ」

 

ACT1

 

柏「この事件の発端は、今回の被害者である佐藤クンが、僕を夜時間にレストランに呼び出したことからはじまる。そう、佐藤クンは単なる被害者じゃないんだ……」

 

 

ACT2

 

柏「佐藤クンは僕に睡眠薬入りのバタフライピーを飲ませたんだ。そうして眠った僕のポケットからルームキーを奪ったんだ」

 

 

ACT3

 

柏「佐藤クンは僕のコテージと佐藤クンのコテージのネームプレートを入れ替え、倉庫から刃物を持ち出したんだ。そして、佐藤クンは今回の犯人を呼び出した」

 

 

ACT4

 

柏「呼び出された犯人はいきなり佐藤クンに襲われてたんだ。犯人は咄嗟に持っていた電子生徒手帳で何度も佐藤クンを殴りつけたんだ。それでガラス片が飛び散った。そして佐藤クンは刃物を落としたんだ」

 

 

ACT5

 

柏「そのままシャワールームに佐藤クンは逃げ込んだんだけど、犯人は引かずに刃物を持ってシャワールームに入り、そのまま佐藤クンを刺したんだ」

 

 

ACT6

 

柏「思いもかけず殺人をしてしまった犯人は急いで返り血を洗い流すためにプールに向かった。夜時間はシャワールームも海も入れないからね。プールに入る前に電子生徒手帳をかざさなきゃいけないんだけど、その時に壊れた電子生徒手帳のガラス片が残っていて、それが証拠になってしまったんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「そうなんでしょう、超高校級のダンサー、踊場ジュリア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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おしおき編

モノクマ「じゃ、投票タイムだね!ちゃんと投票しないとおしおきだよ」

 

歌浦「待ってよ!待って!」

 

モノクマ「投票の結果、クロとなるのは誰か?その答えは正解なのか?不正解なのかぁ!?ワックワクでドッキドキの投票ターイム!!」

 

 

 

 モニターのようなものが表示された。

 

投票結果

 

 

柏 1票

歌浦 1票

踊場 13票

 

 

 

 

 正解!とモニターに表示された。

 

 

 

学級裁判 閉廷

 

 

 

 

モノクマ「オマエラ大正解!超高校級のショコラティエ、佐藤雪也クンを殺したのは超高校級のダンサー、踊場ジュリアさんでした!」

 

 

歌浦「そんな……ジュリアちゃん!」

 

踊場「だって!だって!学級裁判のことも知らなかったし!さ、佐藤クンがいきなり、私を……っ!!」

 

曲原「ならば逃げれば良かったんだ。血を流すほど負傷してシャワールームに逃げた人間をなぜ追いかけた!」

 

踊場「だって!次は殺されるかもって……警察はここにはいないし」

 

釣谷「結局はさ、君も脱出したかったんでしょ?ここから」

 

踊場「っ……!!」

 

モノクマ「しかしまあ、佐藤クンの執念も怖いよねぇ」

 

柏「はっ、モノクマ!佐藤クンに何を見せたんだ!?」

 

モノクマ「お姉さんを超えるために高級レストランで修行してさ、ショコラティエになったなんて執念深いよ」

 

柏「お姉さんを超える……?」

 

モノクマ「そう、佐藤クンのお姉さんは超高校級のパティシエールなんだよ。あまりにも有名人だから嫉妬して、修行に出たんだよ」

 

柏「そうじゃない!なんでお前がそんなこと知ってるんだよ!?」

 

モノクマ「僕にはなんでもお見通しだよ。ま、もう飽きたし、アレ、行きましょうか」

 

歌浦「アレってまさか!?」

 

踊場「ああああああ!いやあああああぁぁぁぁ!!」

 

モノクマ「超高校級のダンサー、踊場ジュリアさんのためにスペシャルなおしおきを用意しました!」

 

柏「やめろっ!!」

 

歌浦「ジュリアちゃんっ!!」

 

踊場「いやーーーーっ!!」

 

モノクマ「ではっ!張り切っていきましょう!おしおきターイム!!」

 

 

 

 

 

 

 

GAME OVER

 

 

オドリバさんがクロにきまりました。おしおきをかいしします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 踊場は首輪をつけられると、チェーンでそのままどこかに引きずられた。

 連れて行かれた場所は、舞台。

 

 

 

shall we dance 超高校級のダンサー 踊場ジュリア処刑執行

 

 

 モノクマに手を取られた踊場。モノクマが高速で動き振り回される。

 

 高速回転するモノクマに目が回り手を離してしまう踊場だが、勢いよく投げ飛ばされてしまう。

 頭を打ちつけ、出血するのだが、慈悲はない。

 他にも踊り狂うモノクマたちに踏み付けられてしまう。

 

 なんとか立ち上がったが、一体のモノクマが走ってくる。刃物を持ったモノクマが、踊場を狙う。目が回り、頭を打ち、踏みつけられた彼女は逃げることなど出来なかった。

 

 首を切られ、モノクマの拍手と共に踊場ジュリアの一生の幕が閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノクマ「エクストリーム!!」

 

 

歌浦「ジュリアちゃあああああん!!」

 

柏「うわああああああっ!!」

 

別技「帰る帰る帰る帰る帰る帰る家に帰る帰る帰る帰る」

 

飛龍院「嘘よ!こんなの!わ、わたくし何も関係ない!早く家に帰しなさい!!」

 

囲井「何あの処刑……思ってたより凄惨なんだけど……」

 

 

闘山「モノクマァ!!人の命をなんだと思っていやがる!!」

 

 

 闘山クンはモノクマに掴みかかった。

 

 

モノクマ「おやおや?暴力ですか?暴力なんか振るったら校則違反ですよー?」

 

 

羽川「やめて闘山ちゃん!」

 

柏「そうだよ!もう僕は誰も死んで欲しくない!」

 

 

闘山「羽川……柏……」

 

 闘山クンはモノクマを下ろした。

 

 

モノクマ「羽川さん!柏クン!ありがとう!これで安心できるよ」

 

柏「黙れ!!」

 

モノクマ「怖い怖い。あ、そうそう、君の部屋の邪魔な死体は片付けて綺麗になったからね」

 

柏「えっ……」

 

 

 そう言ってモノクマは消えてしまった。

 

 

 

 

 

 終わったんだ。この地獄が。

 

 みんな無言で帰っていく。

 

 

 

歌浦「……」

 

柏「歌浦さん……」

 

 なんて声を掛けてあげたら良いのか分からない。ここで友達になった僕と佐藤クンとは違って外にいる時から歌浦さんと踊場さんは友達だったんだ。

 いや、佐藤クンと僕は、本当に友達だったんだろうか。

 友情を感じていたのは僕だけ?

 

 

 

 

 僕のコテージに戻ろうとすると

 

 

霊山「柏クン!」

 

 霊山クンと神道さんがいた。

 

柏「霊山クン?今は拓人クンの方かな?」

 

霊山「うん。ごめんね、拓也が迷惑かけて」

 

柏「いや、大丈夫だよ」

 

霊山「あんな死に方したから成仏出来ないみたいで……ってそれよりも!君のコテージから感じるんだ、自責の念と後悔と謝罪の気持ちが」

 

柏「え?」

 

霊山「佐藤クンは、きっと最期は君を嵌めたことを後悔してるんだ。まだ完全に分かったわけじゃないけど……でも、聞こえるんだ『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい』って謝る声が」

 

柏「佐藤クン……」

 

神道「……」

 

 神道さんは祈るような姿勢になった。

 

柏「神道さん!?」

 

霊山「きっと、佐藤クンが成仏出来る様にしてるんだよ」

 

柏「ありがとう、2人とも」

 

 

 

 

 これからどうなるかなんて分からない。けど、僕は佐藤クンの死と向き合わなきゃいけないんだ。

 佐藤クンが友情を感じていたのか、わからないけど、僕が友情を感じてたことは間違いないんだ。

 この友情を忘れたくはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超高校級のショコラティエ 佐藤雪也 死亡

 

超高校級のダンサー 踊場ジュリア 死亡

 

生き残りメンバー 14人

 

 

 



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Chapter2 あなたは私に似ている
(非)日常編 1


 僕らは何も言わず、1日が終わった。夜中の学級裁判ということもあり、寝たり、それぞれで食事を取ったりしていた。

 

 

 

 

5日目

 

 

 

モノクマ「魅才学園修学旅行実行委員がお知らせします。7時です!オマエラ大正解、おはようございます!えー、お知らせしたいことがあるので、カサブランカ公園にお集まりください」

 

 

 行きたくないけど、逆らえば。

 

 あの『おしおき』がフラッシュバックした。

 

 

柏「行くしかないか」

 

 

 

 

 

カサブランカ公園

 

 

 

モノクマ「皆さん、集まりましたね!」

 

曲原「なんのようだ」

 

モノクマ「学級裁判を乗り越えたオマエラのために新しい施設を開放したよ」

 

柏「新しい……施設?」

 

モノクマ「はい、音楽ホールです。ひろーーーいホールです!ダンスが存分に楽しめる場所です!」

 

 ダンス……死んだ踊場を皮肉っているのか?

 

モノクマ「皆さん、楽しんでくださいねーーーっ!」

 

 

柏「みんな、どうする?見てみる?」

 

闘山「こんな時だ、気分転換が必要だな」

 

羽川「れっつらごーごー!」

 

飛龍院「わたくしは行かないわよ」

 

柏「あっ……」

 

飛龍院「また誰かが殺人を企んでるかもしれないし」

 

演川「私も行かないわ」

 

囲井「モノクマじゃないんだし、強制じゃないんでしょ?ならいかない」

 

柏「そんな!」

 

別技「ぼ、僕も……。そんな行く意味ないし……」

 

安藤「そう言うな!あの事件は私たちの結束力が足りなかったから起きたんだ!相互理解を高め……」

 

曲原「結束力……か。どうだろうな?仲が良かったことを佐藤は利用した。あいつは殺人の口火を切ったんだ」

 

柏「でも!霊山クンが言うには佐藤クンは後悔してるって……!」

 

曲原「みんながそうとは限らない」

 

闘山「曲原ァ!お前は否定ばかりしやがって!」

 

柏「待ってよ!曲原クンがいなかったら犯人を見つけられなかったよ!」

 

闘山「だが……!」

 

歌浦「喧嘩はダメだよ」

 

曲原「歌浦……。お前は友達に裏切られたんだぞ」

 

柏「曲原クン!!」

 

 そんな言い方……酷い。

 

歌浦「あれは、ジュリアちゃんだけが悪いわけじゃない。もちろん、ジュリアちゃんが悪くないわけじゃない。ただ、私はジュリアちゃんをわかってあげられなかったんだ。私がジュリアちゃんをわかってあげられていたら、ジュリアちゃんは佐藤クンを殺さなかったかもしれない」

 

柏「歌浦さん……」

 

歌浦「やっぱり、仲良くなるって大事だよ、曲原クン!」

 

曲原「……」

 

囲井「そうね、そういうこともあるかもね」

 

柏「囲井さん!」

 

歌浦「じゃあ1時に音楽ホールに集合ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13:00 音楽ホール

 

 

歌浦「曲原クン!来てくれたんだ!」

 

 音楽ホールに来たのは、僕、歌浦さん、一華さん、羽川さん、囲井さん、神道さん、釣谷クン、安藤クン、曲原クン、霊山クン、闘山クンだ。

 演川さん、飛龍院さん、別技クンはいなかったけど、一歩前進した気もした。

 

 

安藤「すまない、別技クンを誘ったんだが、結局来なかったよ」

 

羽川「あたしは囲井ちゃんが来てくれて嬉しいよーよー!」

 

囲井「意地張ってるの、逆に子供みたいだし」

 

歌浦「来てくれてありがとう、曲原クン」

 

曲原「……」

 

安藤「もしかして曲原クン、歌浦クンが好きなのか?」

 

曲原「そんなんじゃない」

 

一華「それでどうするんでしょう?本当に音楽ホールですよ?」

 

歌浦「とりあえず、探索探索ーーっ!」

 

 

 歌浦さん……いつの間にかリーダーみたいになってる。踊場みたいだ。

 

 

 

 

 音楽ホール……確かに色々機材がある。

 

柏「探索と言っても単なる音楽ホールだな」

 

 

歌浦「すごーい、本格的だね曲原クン!」

 

曲原「……こんな人の来ない島に、こんな設備が。いや、もしかするとかつて使われた可能性が……?」

 

 僕は記憶喪失だからか元からそういう知識がないからなのか分からないけど、芸能人にはすごいって分かるのかな。

 

 

霊山「あ、あの!歌浦さん!」

 

歌浦「霊山クン?どうしたの?」

 

霊山「……歌ってくれないかな?」

 

歌浦「え?」

 

霊山「まだ完全に2人の霊を感じ取ってるわけじゃない。でも、ちゃんと成仏させてあげたいんだ」

 

 2人?成仏ってまさか。

 

霊山「僕は弟を成仏させることか出来なかった。でも歌浦さんの歌ならきっと」

 

歌浦「待って待って!私はただの歌手だよ?そんな、成仏なんて……」

 

霊山「生前に君の歌が好きな人がたくさんいたんだ。君の歌で、成仏した人も多い。君の歌が、人を救っているんだ」

 

歌浦「霊山クン……。よぉーーし!歌浦ココネ!ライブしちゃうぞーーーっ!」

 

曲原「ライブって普通に歌うのはダメなのか?」

 

歌浦「せっかくこんな広いホールなんだよ?ジュリアちゃんも佐藤クンもそっちの方が喜ぶよ」

 

羽川「準備なら、手伝うよー!」

 

闘山「俺もだ!みんなで共同作業すれば仲良くなれる」

 

一華「そういうことなら、私はお花の準備をしますわ」

 

柏「僕も手伝うよ!」

 

安藤「私も手伝わせてもらう!」

 

霊山「僕も当然やるよ」

 

神道「っ、わ、わた、……しも」

 

囲井「なにこれ……やらなきゃいけない雰囲気?」

 

釣谷「僕はパスする。ライブだけ見に来るよ」

 

柏「はは……」

 

 正直な奴だな。

 

歌浦「曲原クンは?」

 

曲原「……仕方ない」

 

歌浦「やった!」

 

霊山「曲原クン、明らかに歌浦さんに優しいよね」

 

柏「曲原クン……」

 

 歌浦さんが好きなのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

釣谷「大変だ!みんな!飛龍院が倒れた!」

 

柏「えっ」

 

 

 

 飛龍院さんが!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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(非)日常編 2

 僕ら釣谷クンに連れられ、コテージに向かった。飛龍院さんはコテージの前で倒れていた。

 

釣谷「意識はあるみたいなんだけど……」

 

柏「飛龍院さん!」

 

飛龍院「うぅ……」

 

羽川「明らかに顔色悪そうだよ!」

 

闘山「こういう時はプロテインだ!」

 

曲原「違う。経口補水液だ」

 

霊山「確かスーパーにあったよね?」

 

安藤「私が行こう!経口補水液だな!」

 

 安藤が物凄い速さでスーパーに向かった。

 

闘山「すごいスピードだな?オリンピック選手になれるな」

 

羽川「人間じゃないみたい!」

 

囲井「人間じゃないって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暫くすると、安藤クンが経口補水液を持って来てくれた。

 

曲原「飲め」

 

飛龍院「……」

 

 飛龍院さんは顔を背けた。

 

柏「飛龍院さん……」

 

曲原「死ぬぞ、このままだと」

 

歌浦「……♪」

 

柏「歌浦さん?」

 

歌浦「♪♪♪」

 

 初めて聞いた、綺麗だけど、元気になる歌声。

 

飛龍院「な、何よ」

 

曲原「話せるなら飲めるだろ?飲め。お前が死んで学級裁判なんかごめんだ」

 

釣谷「もし飛龍院がこのまま餓死したらどうなるんだ?」

 

曲原「前の学級裁判で投票しようとした時、佐藤に対しても投票権があった。つまり、自殺が成立する」

 

囲井「もしこのまま飛龍院が死んだら、自殺扱いになるかもってこと?」

 

曲原「その後のモノクマファイルとも兼ね合いがあるが、多分な」

 

羽川「飛龍院ちゃん!飲んで!」

 

闘山「ここで死んでなんになるんだ!」

 

飛龍院「……」

 

歌浦「♪♪♪」

 

飛龍院「バカじゃないの、こんな時に歌って」

 

 飛龍院さんは経口補水液に口をつけた。

 

安藤「飲んだな!」

 

歌浦「ありがとう、飛龍院さん」

 

飛龍院「な、何よ!」

 

曲原「飯くらい好き嫌いせずに食え。確かに俺たちはお前からしたら庶民かもしれない。が、今この状況で、偉そうな口を聞けると思うな」

 

歌浦「曲原クンってやっぱり優しい人だ」

 

曲原「フン」

 

 

歌浦「飛龍院さんも私のライブ見に来て!」

 

飛龍院「ライブ?」

 

歌浦「演川さんや別技クンにも伝えなきゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

6日目

 

 

 

モノクマ「魅才学園修学旅行実行委員がお知らせします。7時です!オマエラ、おはようございます!えー、お知らせしたいことがあるので、カサブランカ公園にお集まりください」

 

 

柏「またか……」

 

 嫌な予感がしながらも、カサブランカ公園に向かった。

 

 

 

 

 

カサブランカ公園

 

 

 

モノクマ「オマエラ、何かしようとしてるみたいだけど、全部お見通しだからね」

 

安藤「あれだけ監視カメラが張り巡らされていたらむしろ監視が行き届かないのではないか?」

 

モノクマ「オマエラに伝えたいことがあります。オマエラってアクバって知ってるよね?」

 

拓也「アクバだと!?」

 

柏「アクバって……」

 

 連続殺人鬼……。霊山クンの弟を殺した……。

 

モノクマ「そのアクバは、この中にいるよ」

 

拓也「は?」

 

 ……え?

 

拓也「おい、どういうことだ!」

 

モノクマ「それだけだよ!この14人の中にいるの!あー、実質15人か」

 

拓也「は、はぁ!?この中に俺を殺した奴がいるってのかよ!」

 

モノクマ「そういうことになるね」

 

曲原「連続殺人鬼のアクバは高校生なのか?その証拠は?」

 

モノクマ「本人がそう言ったんだよ」

 

曲原「本人の申告程度では、はったりじゃないのか?」

 

モノクマ「はったりと思うのはそれで良いけどね?」

 

拓也「……」

 

柏「何がしたいんだ!」

 

モノクマ「ああそうだった、君たちに映像を送るよ」

 

 そんなまた訳の分からない映像を……!

 

モノクマ「前は捏造捏造言われたから信じてもらうために君たちが入学前の出来事を送ったよ」

 

柏「僕の、入学前……」

 

 

 ピピピ、ガガガ

 

 相変わらず僕に送られてた映像は真っ黒だった。

 

 

柏「モノクマ!」

 

モノクマ「なぁに!?」

 

柏「僕の入学前は!?僕は…なんなんだ!」

 

モノクマ「知りたいなら誰か殺せば?」

 

柏「なっ!?」

 

 それが目的か!ふざけるな。

 

 

 

 

 

 

囲井「ほら!!やっぱりそうなんじゃんっ!!」

 

柏「囲井さん……?」

 

羽川「囲井ちゃん、どうしたの?」

 

囲井「あの時!わざと負けたんだ!!」

 

柏「囲井さんっ!」

 

 何を見せられたんだ?

 

囲井「ふざけるな!!わ、私は、私はっ!!」

 

 囲井さんがどこかに走って行ってしまった。

 

柏「囲井さんっ!」

 

安藤「私なら追いつく!」

 

歌浦「安藤クン!」

 

安藤「どうした?歌浦クン」

 

歌浦「あ、あの、しばらくそっとしてあげた方が……」

 

安藤「なぜだ?」

 

歌浦「私、この映像が衝撃的だったし、誰かに話す気もないの。だから、そっとしておいてあげて」

 

柏「でも、僕は、佐藤クンをそっとしておいたから、あんなことに……」

 

羽川「でもでも!明日で良いじゃん!明日なら治ってるかもよ!」

 

闘山「歌浦のライブの手伝いもあるしな」

 

 

 

 

曲原「……」

 

 



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(非)日常編 3

7日目

 

羽川「囲井ちゃん来ないねぇ」

 

闘山「俺らでやるしかないな」

 

 

 

 

 

別技「僕の力が必要なようだな!」

 

 

歌浦「別技クン?」

 

別技「僕の力が必要なのだろう?」

 

 別技クン?どうしたんだろ?

 

安藤「音響を彼に頼んだんだよ」

 

柏「そっか、別技クンは超高校級のエンジニアだったね」

 

別技「終わったら解剖させてくれるんだろ?」

 

安藤「だ!か!ら!させない!」

 

 相変わらずだな、この2人……。

 

歌浦「あ、あの、みんな、曲原クン知らない?昨日はいたのに」

 

闘山「あいつはよく単独行動だからな!気にしても仕方ないだろ?」

 

 

 

 

演川「で、私は何をしたら良いの?」

 

柏「演川さん?」

 

演川「曲原がコテージで彷徨いてたから落ち着かなくて来たの」

 

拓也「そういや、昨日の夜も彷徨いてたな」

 

霊山「というかまた勝手に僕が寝てる間に動いてたの!?」

 

拓也「仕方ねーだろ?起きてる時に動いたら文句言うし」

 

 もう自然に入れ替わって会話してる……。でもということは来てないのは、曲原クン、釣谷クン、飛龍院さん、囲井さんだけか。

 

歌浦「演川さんはステージの掃除を手伝って!」

 

演川「わかったわ」

 

 

 僕は装飾作りだったかな。

 

 

羽川「こういうのやってると文化祭を思い出すよね」

 

闘山「そうだなー!」

 

 文化祭か、僕にそんな思い出……。

 

 

 

 

演川「痛い!ちょっと、ぶつからないで」

 

別技「プログラミング中に動くからだよ!」

 

演川「私は掃除してるのっ!」

 

安藤「喧嘩はやめないか!」

 

 

 

 

歌浦「これなら明日にはライブ出来るよ!」

 

 

 

8日目

 

 

モノクマ「魅才学園修学旅行実行委員がお知らせします。7時です!オマエラ、おはようございます!今日も絶好の南国日和ですよー!」

 

 

 

 朝、か。とりあえずレストランに行くか。

 

 ん?ドアの前に手紙。

 

 

 手紙を開くとその中身は

 

 

 

 

 

『ライブ中に殺人が起きるだろう。要警戒 アクバ』

 

 

 

柏「アクバ!?アクバってモノクマが言ってた……」

 

 

 

モノクマ『そのアクバは、この中にいるよ』

 

 

 

 

柏「そんな……」

 

 でもただの脅しの可能性もある。

 

 外に出るとみんなコテージにいたままだった。

 

柏「みんな!?」

 

闘山「柏にも届いたか?あの犯罪予告!」

 

柏「もしかしてみんなも!?」

 

曲原「モノクマの脅しの可能性があるが、ライブはやめた方が良いな」

 

歌浦「待って!だったら音楽ホールに警備を強くすれば大丈夫」

 

曲原「馬鹿!何言ってんだ!!ここには警察なんかいない!ライブ中に何か起きてみろ!!」

 

歌浦「そうやってみんなを疑うの!?」

 

曲原「みんなが協力するわけじゃない、善人だけじゃないってなぜ分からないんだ!芸能人だろっ!!」

 

 

 

 

歌浦「そう、かもしれないけど。このままずぅーっと怯えてるだけ?それじゃあ助かるものも助からないよ!私は、ジュリアちゃんと佐藤クンのために歌う!」

 

 

曲原「歌浦……っ!!」

 

飛龍院「わたくしは、歌浦の意見に賛成しても良いわ」

 

柏「飛龍院さん?」

 

飛龍院「聞きたいし」

 

闘山「ああ!アクバなんか捩じ伏せてやる!」

 

羽川「みんな一緒なら大丈夫だよ!だよ!」

 

拓也「アクバなんかに負けるわけねーだろ!?」

 

囲井「また曲原に監視されるくらいならやった方がマシよ」

 

柏「囲井さん?曲原クンに監視って……」

 

囲井「倒れた飛龍院の看病と私が騒いだせいかずっと私のコテージの辺りでうろうろされたの。どっちが犯罪者なんだか」

 

曲原「っ……!」

 

歌浦「曲原クン……っ!!大丈夫だよ、絶対成功するよ!」

 

柏「そうだね、絶対成功させよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 僕が音楽ホールに入ろうとした時、突然、曲原クンが立ち塞がった。

 

柏「曲原クン?」

 

曲原「あんな脅迫があった以上は荷物チェックだ、手を上げろ」

 

柏「え?え?」

 

曲原「やらないと入れないぞ」

 

柏「わ、わかったよ」

 

 曲原クンの過剰にも感じる荷物チェック。身体もべたべた触らせた。

 

曲原「……釣谷、その釣竿は置いてこい」

 

釣谷「えっーー!?困るよ!釣具は僕のアイデンティティだよ」

 

曲原「釣り師の癖にお前が釣りをしてる姿なんか全く見られなかったがな」

 

釣谷「釣りというのはたまにやるからこそ真価を発揮する。僕にとって釣りは趣味だからね」

 

曲原「趣味なら置いてこい」

 

釣谷「だ!か!ら!釣竿は僕のアイデンティティだっ!」

 

曲原「はぁ、事件が起きたら疑われるぞ」

 

釣谷「了解のすけ」

 

 僕らは最後の大掃除と準備に取り掛かった。豪華な料理も用意した。佐藤クンや踊場さんが安心して成仏出来るように。

 

 

 

柏「この機材、重い……」

 

 思ったより自分って力ないんだな。

 

闘山「任せておけ、柏!」

 

羽川「重い物なら任せてよ!」

 

 

 

囲井「これはどこ置けば良いの?」

 

安藤「1.25メートル先だ!」

 

囲井「わかんないんだけど!」

 

一華「お花は3歩先ですわ」

 

 

 

 

神道「……」

 

霊山「うん、これくらいかな。神道さん、味見してみて!」

 

神道「……」

 

霊山「美味しい?」

 

神道「…うん」

 

霊山「やった!」

 

 

 

 

 

 

 

別技「何してるの?」

 

演川「ステージ拭いてるの!見てわからないの!?」

 

別技「ひっ!」

 

 

 

 

釣谷「準備か僕には関係ないな」

 

飛龍院「……わたくしは何をすれば?」

 

釣谷「僕に役割ないし、別に無いなら良いんじゃないの?」

 

 

 

 

 

 

歌浦「あー、あー、あー!」

 

曲原「歌浦」

 

歌浦「曲原クン!」

 

曲原「荷物検査はしたし、釣谷以外は危ないものを所持していない。釣谷もライブ中は俺の隣だ。だが、万が一のことがある。わざわざライブ中の決行だ。気をつけろよ」

 

歌浦「大丈夫だよ」

 

曲原「お前だけじゃない、他の人間もだ」

 

歌浦「私、みんなを見てるから!誰も目を離さないから!」

 

曲原「……」

 

 

 

 

 

 こうしてライブが始まった。

 

 

 

柏「すごい、圧巻だよ!」

 

霊山「やっぱり歌浦さんって超高校級の歌手なんだね」

 

 ライブが盛り上がり、ラストの曲に入った。

 

 

 

 

 

 その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パッ

 

 

 

柏「停電!?」

 

 なんで急に!?

 

羽川「わわわわーーっ!真っ暗だよ!」

 

闘山「みんなああああ!」

 

演川「何!?何事!?」

 

神道「……」

 

安藤「電気だ!電気をつけろ!」

 

別技「やってるよ!あれつかないよ!ブレイカー落ちてる!」

 

一華「確かブレイカーは廊下にありましたわ!」

 

囲井「嘘でしょ……」

 

飛龍院「きゃああああっ!」

 

釣谷「なんだこの状況……」

 

曲原「俺がいく!みんな!動くなよ!!柏は釣谷から離れるな!」

 

歌浦「みんな落ちついて!大丈夫だから!」

 

 長い時間が経過した。とてもとても怖かった。曲原クンもこんな停電でなかなかブレイカーに辿り着けないみたいだった。

 

歌浦「みんな、大丈夫だよ!」

 

 

 歌浦さんが励ましてくれた。でも暗闇の不安は僕らを覆い尽くし、誰も喋らなかった。

 

 

 

霊山「はっ!」

 

柏「霊山クン?」

 

霊山「れ、霊気が……き、気のせいだよね?」

 

 霊気?誰か死んだ?そんなまさか。

 

 

 

 パッと灯りがらついた。

 

 

羽川「はぁー、安心安心」

 

柏「あれ?歌浦さんは?」

 

 ステージのいたはずの歌浦さんがいない。

 

 

柏「歌浦さん!」

 

安藤「歌浦クン!」

 

霊山「まさか!」

 

 僕ら3人はステージに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ステージには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白目を向いた超高校級の歌手、歌浦ココネが倒れていた。

 

 

 



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非日常編

 

ピンポンパンポーン

 

 

 

 

モノクマ「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、『学級裁判』を開きます!」

 

 

 

柏「嘘だ……そんな……歌浦……さん」

 

 目の前の光景が信じられなかった。あんな元気な歌浦さんが、死んだことに。でも、

 

柏「うわああああああっ!!」

 

安藤「ひいぃぃぃぃ」

 

拓也「あん?ま、まさかアクバの野郎が……」

 

 

 

 

 

飛龍院「し、死体!?う、嘘でしょう、いやああああああ!?」

 

演川「死体!?まさかまた」

 

別技「あ、ああぁ!事件!?そんな、また」

 

囲井「荷物検査もしたでしょ、なんで……」

 

一華「そんな、また……」

 

神道「……ぅ……」

 

闘山「歌浦ああああああ!」

 

羽川「歌浦ちゃん!」

 

 闘山クンと羽川さんもステージに上がって来た。

 

 

 

曲原「死体って!!」

 

釣谷「遅いよ、曲原。歌浦が……」

 

曲原「なっ!?歌浦!!」

 

 

 曲原クンもステージに上がる。

 

 

羽川「ひええええっ!?」

 

 想像以上の状態だったからか、羽川さんは叫びをあげた。

 

闘山「歌浦……なんてことだ」

 

曲原「歌浦……ッ!クソッ!!」

 

 

 

 

 

 

モノクマ「殺人だよ!全員集合!」

 

柏「モノクマ!」

 

モノクマ「へぇ、2回も殺人が起きるなんてオマエラ殺人が大好きなんだね!」

 

柏「違う!」

 

安藤「しかし、今回の犯人は踊場クンとは違う、学級裁判を分かっていて犯行に及んだ……」

 

柏「え?」

 

曲原「俺たちを騙し切る自信を持って殺人に及んだわけだ」

 

モノクマ「そうだね、というわけでいつものをプレゼント!ザ・モノクマファイル2!頑張ってね!」

 

 

捜査開始

 

19:45

 

 

モノクマファイル2

被害者は超高校級の歌手、歌浦ココネ。

死亡時刻は19:40分頃。

 

死体発見場所は音楽ホールのステージ。

死因は窒息死。

 

 

コトダマ モノクマファイル2

 

 

柏「窒息死?歌浦さんは窒息死だったの?」

 

曲原「血も見当たらないから、そうなんだろう」

 

霊山「あの、2人とも」

 

柏「霊山クン?」

 

霊山「明るくなる数分前の時点で霊気を感じたんだ」

 

柏「つまり犯人は暗闇の中で歌浦さんを殺したのか」

 

曲原「暗闇以外にありえないだろう。もっと歌浦の身体を調べる」

 

羽川「あの、あたし、また見張りで良いかな?」

 

闘山「俺に見張りをさせてくれ」

 

曲原「いいだろう」

 

 曲原クン、冷静だな。歌浦さんが亡くなったのに……。

 

曲原「首に痕があるな」

 

柏「ほんとだ、歌浦さんは首を絞められたんだ……」

 

曲原「絞められたら声も出ない。しかし気になることがある」

 

柏「気になること?」

 

曲原「歌浦の首には細い締め痕がある。つまり犯人は細い締め痕がつくもので歌浦を絞め殺したんだ。それが何か特定しないと」

 

 

コトダマ 細い締め痕

 

 

柏「それって釣谷クンじゃないかな?」

 

曲原「釣谷はお前のそばにいたんだろ?」

 

柏「ずっといたはずだけど、真っ暗だし……」

 

曲原「全く。釣谷はかなりステージから距離がある。音があれば誰か気づくはずだ。釣谷を全く疑うなとは言わないが、かなり薄いな」

 

柏「そうだよね」

 

 曲原クンばかり調べさせるのは悪いな。僕も捜査しないと!

 

柏「曲原クンはここを調べててよ。僕は、他を調べるから」

 

曲原「せいぜい頑張れよ」

 

 

 

 とは言いつつも、何すれば良いんだっけ?

 

柏「みんなに話を聞いてみようか」

 

 

 

釣谷「……」

 

柏「釣谷クン」

 

釣谷「なんだ?」

 

柏「釣谷クンはちゃんと隣にいたよね?」

 

釣谷「いたって答えるよ。僕が犯人だったならね」

 

柏「え?」

 

釣谷「僕に確認するんじゃなくて君がいたかいなかっただと思うんだけど」

 

柏「あ、そうだよね。じゃあ釣谷クン、なんか変わったことなかった?」

 

釣谷「別に……。僕、準備してないし」

 

 他の人に聞いてみようか。

 

 

 

 

柏「囲井さん、演川さん、変わったことない?」

 

演川「変わったこと?知らないわ」

 

囲井「普通にここにいただけだし。強いて言えば、私と演川、霊山、別技、飛龍院、安藤、一華、神道は一人でいたってことじゃない?」

 

 逆に言えば、僕と曲原クンと釣谷クン、闘山クンと羽川さんは一緒にいたってことか。

 僕ら3人以外はステージ近くのテーブルで食事をしながら歌浦さんを見ていたはず。

 

 

コトダマ 全員の立ち位置

 

 

 

 

柏「別技クン、変わったことない?」

 

別技「ありありだよ!照明に繋がるはずの電線が電気ストーブに繋がってたんだ!だから落ちたんだよ!」

 

柏「ええっ!?」

 

 別技に言われて舞台裏を見ると確かに電気ストーブに繋がれていた。

 

 

 

コトダマ 繋がれた電気ストーブ

 

 

 

 

別技「夕方までは確かに照明に繋がれてたのに」

 

柏「夕方は確か少し休憩時間あったよね」

 

別技「食べるのに夢中だったし、あのままで大丈夫だって思ったのに!みんなバラバラに動いてたからわかんないよ!」

 

 

コトダマ 別技の証言

 

 

 

 

 

飛龍院「……」

 

柏「あの、飛龍院さん?」

 

飛龍院「犯人はアクバよ」

 

柏「アクバ?」

 

飛龍院「アクバから脅迫状が届いたんだからアクバよ」

 

 でもその犯人がわからないんじゃ意味ないな。

 

 

 

 

一華「あら、柏さん」

 

柏「一華さん。何か変わったことはなかった?」

 

一華「いえ、でもさっきアクバについて話していらしたみたいで」

 

柏「うん。誰かわからないと意味がないと思うけど」

 

一華「私はアクバが犯人だと思っていませんわ」

 

柏「どうして?」

 

一華「アクバは突然襲撃し、血文字でアクバと残す連続殺人鬼。そのアクバが脅迫状を出してしかも血が出ない殺人をするとは思えないのです。犯人がアクバという先入観を利用している可能性もあります」

 

柏「うーん……」

 

 アクバなのか、そうじゃないのか、そもそも犯人はアクバに関係しているのか……。

 

 

 

コトダマ アクバの特徴

 

 

 

 

柏「他に何かないかな……」

 

安藤「柏クン!何をしているんだ?」

 

柏「あ、準備をしている時に何か犯人が仕掛けてないか考えてたんだ」

 

安藤「ふむ……ライブの準備していて歌浦クンと曲原クンは置いておくとして、飾りつけは私と囲井クンと一華クンがやっていたな」

 

柏「機材運びは僕と闘山クンと羽川さんがやったんだ」

 

安藤「霊山クンと神道クンは調理班、演川クンと別技クンは掃除だったな。別技クンは音響も担当していたな」

 

 うーん、つまり暇してた人は飛龍院さん、釣谷クンぐらいか。

 

 

コトダマ 準備の状況

 

 

 

 

 

神道「……」

 

柏「神道さん!何か見つけた?」

 

神道「……」

 

 神道さんは下を指した。

 

柏「ただの床だけど……」

 

神道「……」

 

 ん?よく見るとなんか……。

 

柏「べたべたしてる?」

 

 なんでだ?みんなで掃除したのに?

 

柏「食べ物落とした?」

 

神道「遠い……」

 

柏「え?」

 

神道「……テーブル……遠い……」

 

柏「そっか!テーブルが遠いから食べ物を落としたのはありえないのか」

 

 

 

コトダマ べたべたした床

 

 

柏「ぽつんぽつんってべたべたしてるなぁ」

 

 べたべたを追跡しているとステージに戻って来た。

 

 

柏「曲原クン、釣谷クンのことだけど……」

 

曲原「釣谷は心配するな。奴の糸の形跡を見たが特に使用された形跡はなかった」

 

 

コトダマ 曲原の証言

 

 

 

 

曲原「柏、歌浦の服だが」

 

柏「歌浦さんの服?」

 

曲原「ところどころ青色の塗料が塗られていた」

 

柏「え?」

 

曲原「服が青色だから気づきにくいが」

 

 

コトダマ 青色の塗料

 

曲原「もしかすると……」

 

 

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

 

モノクマ「捜査は終わりでーす!カサブランカ公園にお集まりくださーい!」

 

 

曲原「続きは学級裁判で、だ」

 

柏「わかったよ」

 

 

 



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学級裁判 前編

 また、この学級裁判場に来るなんて……。

 

モノクマ「さっさと席に着いちゃって!」

 

柏「……」

 

 歌浦さんと踊場さんの遺影が……。

 

 

 

 

 

 

コトダマ モノクマファイル2

被害者は超高校級の歌手、歌浦ココネ。

死亡時刻は19:40分頃。

 

死体発見場所は音楽ホールのステージ。

死因は窒息死。

 

 

 

 

コトダマ 細い締め痕

細い締め痕があった。犯行に使われるような怪しいものは曲原が没収していた。

 

 

コトダマ 全員の立ち位置

事件の時の立ち位置はステージから離れた場所に柏、曲原、釣谷が同じテーブルにいて、ステージ近くの羽川、闘山が同じテーブルにいて、他のメンバーはそれぞれのテーブルを回りながら食事していた。

 

 

 

コトダマ 繋がれてた電気ストーブ

照明に繋がれるはずの電線が電気ストーブに繋がれていた。ブレーカー落ちたのは電気ストーブのせいらしい。

 

 

コトダマ 別技の証言

夕方までは照明に繋がれていてその後の休憩時間に電気ストーブに繋がれた可能性が高いという。

 

 

コトダマ アクバの特徴

突然襲撃し、血文字でアクバと残すらしい。

 

 

コトダマ 準備の状況

歌浦、曲原はステージ裏で準備。

一華、囲井、安藤は飾りつけ。

柏、羽川、闘山が機材・テーブル運び。

演川は掃除。

別技は音響と掃除。

霊山、神道は調理。

釣谷と飛龍院は何もしていない。

 

 

コトダマ べたべたした床

床がステージまでべたべたしていた。テーブルから離れていたので食べ物を落とした可能性はない。

 

 

コトダマ 曲原の証言

釣谷の釣り糸は使用された形跡はなかったらしい

 

 

コトダマ 青色の塗料

歌浦の服についていたらしい。

 

 

 

 

 

学級裁判 開廷

 

 

 

 

 

モノクマ「では最初に学級裁判の簡単な説明をしておきましょう。学級裁判では『誰が犯人か?』を議論し、その結果はオマエラの投票により決定されます」

 

モノクマ「正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき、もし間違った人物をクロとした場合はクロ以外全員がおしおきされ生き残ったクロだけがこの島を出る権利が与えられます!」

 

 

 

 

モノクマ「前回みたいに全快したから全開で頑張ってね!」

 

 

 

 

柏「まずは何を話し合えば……」

 

安藤「やはり!どうやって歌浦クンが殺されたか!話し合おう」

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ モノクマファイル2

コトダマ 細い締め痕

コトダマ 青い塗料

コトダマ 全員の立ち位置

 

 

別技「そりゃあ、『停電中に殺されたんだ』よ!こわーい!」

 

囲井「そうじゃなくてどうやって停電の中で殺したんだって話よ」

 

一華「『真っ暗』でしたものね」

 

羽川「あの顔は苦しんでたよ!きっと『毒殺』だよーーっ!」

 

闘山「まさか『料理に仕込んで』……」

 

霊山「えっ、僕ら?……」

 

神道「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「きっと『毒殺』」

 

コトダマ モノクマファイル2

 

柏「それは違うよ」

 

 

 

 

 

柏「いや、モノクマファイルには窒息死って書いてある」

 

演川「モノクマファイルなんて信頼出来るの?」

 

曲原「前回の学級裁判でも正確だった上、ちゃんと歌浦には首に締め痕があったんだ。窒息死で間違いない」

 

囲井「締め痕ってことは首を絞められたの?」

 

安藤「怪しいものは曲原クンが没収していたな!締めるための紐とかも!」

 

曲原「そうだ、だから今回の事件は不可解なんだ」

 

演川「でも犯人は分かってるじゃない」

 

柏「え?」

 

演川「そんな紐みたいなもの持ってるのって、釣谷ぐらいじゃない」

 

釣谷「僕じゃないし。僕はずっと曲原と柏の近くにいたし」

 

演川「あの停電で、ちゃんと見えたの?」

 

柏「そ、それは……」

 

曲原「ありえないな、距離が遠すぎる。動けば大なり小なり足音がする」

 

霊山「けど、あの時はみんな慌ててたからあちこちから足音がしたよ」

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

飛龍院「釣谷に決まりね!投票よ!」

 

釣谷「だから僕じゃないって」

 

囲井「現状、あんたが『一番怪しい』でしょ」

 

闘山「確かに、『釣り糸を使えば』…!」

 

演川「可能ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闘山「『釣り糸を使えば』」

 

 

 

コトダマ 曲原の証言

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「曲原クンが言うには釣り糸は使われた形跡はなかったらしいんだ」

 

曲原「こんなこともあろうかと奴の釣り糸に絵の具を塗りつけて置いた。乾きにくい奴だ」

 

モノクマ「僕のプレゼントだよ。まさかトリックじゃなくて犯罪抑止のためなんて……」

 

曲原「実際に使用したのなら、歌浦の首や釣谷の手が汚れてない以上、可能性はない」

 

安藤「では誰が犯人なんだ」

 

 そこなんだよね……釣谷クンじゃないとすると……。

 

曲原「犯人は暗闇を何かしらで攻略し、何かしらで首を絞めたんだ」

 

 何かしら……か。

 

霊山「誰かが停電にしたのなら、誰が停電にしたのか、どうやって停電にしたのか話し合ってみない?」

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 準備の状況

コトダマ 繋がれた電気ストーブ

コトダマ 全員の立ち位置

コトダマ 別技の証言

 

 

 

 

羽川「やっぱり誰かがライブ中に『電気を消した』んだよ!」

 

闘山「ひっそり『ブレーカーを落としに行った』とか!」

 

霊山「『電気の使いすぎ』とか」

 

一華「『偶然』なったとか……」

 

演川「『故障』じゃないかしら」

 

囲井「『配線』を切ったとか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山「『電気の使いすぎ』」

 

 

コトダマ 繋がれた電気ストーブ

 

同意

柏「それに賛成だよ」

 

 

 

 

柏「そうだ、霊山クンの言う通り、電気の使いすぎで落ちたんだよ」

 

別技「照明が電気ストーブに繋がれてたんだ」

 

飛龍院「それって……」

 

演川「別技が犯人じゃないの?」

 

別技「えっ、僕は犯人じゃない!」

 

演川「電気ストーブに繋げられるなんてアンタしかいないじゃない」

 

羽川「あたし電気ストーブとか電気とか全然わかんなーい!」

 

柏「でも、自分から言い出した別技が犯人じゃないはずだよ」

 

 

 

 

 

 

 

反論

闘山「お前の推理はたるんでるぞ!」

 

 

 

柏「闘山クン?」

 

闘山「お前は甘いぞ甘い甘い!別技が犯人に違いない!」

 

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ モノクマファイル2

コトノハ 全員の立ち位置

コトノハ 繋がれた電気ストーブ

コトノハ 別技の証言

 

 

闘山「電気に詳しいのは別技だ」

 

柏「電気ストーブみたいな電力の高いものを使うことぐらい僕みたいな記憶喪失でも出来る!」

 

闘山「仮にできたとして、電気設備に触れて『不自然じゃない』のは別技くらいだ!電気設備に触れる『時間なんかない』!」

 

 

 

 

 

 

闘山「『時間なんかない』」

 

 

 

コトノハ 別技の証言

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「夕方の時間までは照明に繋がれてたんだよね?」

 

別技「うん……」

 

柏「夕方の休憩時間はみんなバラバラに食事や移動やトイレもしたんだ。その隙なら電気設備に入ってもおかしくないよ」

 

安藤「しかし別技クン、休憩の後は見に行かなかったのかな?」

 

別技「だって!今まで問題無かったんだから仕方ないだろっ!!」

 

囲井「あんたがちゃんと戻って照明を確認したら、歌浦は死ななかったってことでしょ!」

 

飛龍院「そうやって、管理を怠って何が超高校級のエンジニアよ!」

 

別技「ななな、なんだよ!!?悪いのは犯人だよ!!僕は悪くない!!」

 

柏「そうだよ、犯人が悪いんだ。本当なら全力で歌浦さんのライブを止めていれば……」

 

曲原「今そんな話をしている場合じゃない」

 

モノクマ「そうですよー!?早くしないと視聴者が飽きて視聴率が下がっちゃうよ」

 

曲原「視聴者……?」

 

モノクマ「なんでもないの!早く議論を進めなよ!中途半端に終わっても良いの?」

 

曲原「まあいい、続けよう」

 

飛龍院「そもそもアクバが犯人よ!アクバが犯行予告してきたんだから!」

 

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 細い締め痕

コトダマ アクバの特徴

コトダマ 別技の証言 

コトダマ モノクマファイル2

 

 

 

飛龍院「『犯人はアクバ』よ!」

 

囲井「アクバだとしても、そのアクバが分からないんじゃ意味ないじゃない!」

 

闘山「アクバーーっ!出てこーい!」

 

拓也「そんなんで出てきたら警察も苦労しねーよ!」

 

一華「『犯人はアクバではない』と思います」

 

飛龍院「そんなこというなんて……あなたがアクバかしら?」

 

一華「そんなまさか」

 

 

 

 

 

 

 

飛龍院「『犯人はアクバ』」

 

 

 

 

 

 

コトダマ アクバの特徴

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「いや、アクバの特徴からして、それはありえないと思うんだ。だってアクバは突然襲撃してアクバって血文字を残す、だよね?霊山クン?」

 

拓也「そうだ、アクバが犯行予告なんかするはずねぇ!」

 

曲原「今までの傾向からしてそうだし、少なくとも血文字を書くために血を残すやり方をするはずだ。それなのに今回に限ってそうやるか?」

 

釣谷「アクバはあえて別の殺人方法にしたんじゃない?」

 

曲原「なら犯行予告する必要はない。それに仮にそうだとしてもアクバを特定することは犯人を特定することと同義だ」

 

柏「でもなんで犯人はあんな犯行予告をしたんだろう」

 

曲原「おそらくは、俺たちにむしろ警戒を強めさせる狙いがあったのかもな」

 

柏「え?」

 

曲原「柏、俺が一番警戒していたのは誰だと思う?」

 

 

 

 

 

1.釣谷涼太

2.アクバ

3.犯人

 

 

 

 

 

 

 

1.釣谷涼太◀︎

 

 

 

柏「釣谷クン……だよね?」

 

曲原「ああ。恐らく犯人は犯行予告で警戒を強めさせ、特に釣竿を手放さない釣谷に目が行かせるようにしたんだ。それにあえて荷物チェックをさせて不可能犯罪に見せかけたんだ」

 

飛龍院「つまりどういうことなの?」

 

曲原「犯人は犯行に使った道具を予め会場に持ち運んでいた、もしくは俺のチェックをすり抜けていたということになる」

 

演川「あのねぇ、さっきからいかにもシロなんて感じでやってるけど、不審物を没収・管理してたアンタが一番怪しいんじゃないの?」

 

飛龍院「そうね、曲原が一番怪しいんじゃない?」

 

別技「そうやって推理するふりをして僕らを騙してるんだ!」

 

柏「ちょ、ちょっと待ってよ!みんな!」

 

 

 

 

 

 

 

 



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学級裁判 後編

柏「曲原クンが犯人なはずないよ!曲原クンが犯人なら釣谷クンを庇ったりしない!それに曲原クンは歌浦さんをことを心配してたんだよ!?」

 

演川「そういう風に見せかけてたんじゃないの?」

 

安藤「だが、逆に曲原クンが犯人って言う確固たる証拠はないじゃないか」

 

羽川「あ、あたし、曲原クンが犯人だとは思えないんだよね……」

 

 

 

 

 

 

 

意見対立

 

 

 

曲原瑛二は犯人か?

 

 

犯人だ

演川、飛龍院、別技、拓也、囲井、一華

 

犯人じゃない

柏、曲原、安藤、羽川、闘山、釣谷、神道

 

 

 

 

議論スクラム 開始

 

『凶器』

『管理』

『持って』

『釣谷』

『仕切って』

『フリ』

 

飛龍院「どう見ても仕切ってる曲原が怪しいじゃない!」

 

釣谷「『仕切って』ただけで疑うなんて君たちは推理する気ないの?」

 

別技「凶器の管理は曲原がしてたじゃないか!」

 

安藤「『管理』していたのを利用されたんだ!」

 

演川「推理するフリをして騙してるんじゃないの?」

 

曲原「俺が犯人がもう少しまともなフリをするな」

 

拓也「釣谷を庇えば疑われなくなると思ったんじゃねーのか?」

 

柏「釣谷クンしか犯人候補に上がらないような時点でそれはないよ」

 

囲井「でも凶器を持ってそうなのは曲原だけだよ」

 

闘山「誰かが『凶器』を隠し持ってるんじゃないのか?」

 

一華「どこに隠し『持って』いると言うんですか?」

 

羽川「うーん、わからないけど『持って』るんだよ!」

 

 

 

全論破

柏「これが僕たちの答えだ!」曲原「これが俺の答えだ」安藤「これが私たちの答えだ!」羽川「これがあたしたちの答えだよ!」闘山「これが俺たちの答えだ!」釣谷「これが僕の答えだ」神道「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「みんなとりあえずは他の可能性を考えてみようよ」

 

一華「そうですね、あらゆる可能性を考えてみましょう」

 

霊山「あ、あれ?僕は……」

 

囲井「あんたは記憶ないのに幽霊の方がずっと記憶あるのね」

 

霊山「あ、拓也はすぐに横にいるからね」

 

釣谷「じゃあ犯人はどうやってあの暗闇を攻略したか、考えよう」

 

曲原「犯人が暗闇を攻略した方法ならあるぞ」

 

柏「え?」

 

飛龍院「知ってるって言うの!?」

 

曲原「しかし、俺は疑われているからな。柏、お前には話したはずだ、歌浦に付着していた『アレ』をな」

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 青色の塗料

コトダマ べとべとした床

コトダマ 準備の状況

コトダマ 全員の立ち位置

 

 

飛龍院「アレって何よ!」

 

演川「曲原が『適当なこと』言ってるんじゃないの?」

 

安藤「分かった!『凶器』だな!」

 

霊山「『目印』とか」

 

囲井「『小型ライト』だったりしない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山「『目印』」

 

 

 

 

コトダマ 青色の塗料

 

 

同意

柏「それに賛成だよ!」

 

 

 

柏「歌浦さんの服に青い塗料が付着していたんだ」

 

演川「だからどうしたって言うの?」

 

柏「え?」

 

囲井「私たちは暗闇の中を攻略する方法を考えていたの」

 

安藤「青い塗料も暗闇では無意味ではないか?」

 

曲原「それが、可能だ。青い塗料が光るならな」

 

羽川「塗料が……光る!?」

 

曲原「柏、ここまで言えばわかるよな?」

 

柏「光る、塗料……」

 

 

 

 

 

 

閃きアナグラム

 

 

ょ こ り う と や う    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜光塗料

 

 

 

柏「これだ!」

 

 

 

 

 

柏「もしかして、夜光塗料のことを言ってる?」

 

飛龍院「夜光塗料?」

 

曲原「暗闇でも光る塗料、夜光塗料……それを密かに歌浦の服に塗りつけて暗闇の目印にしたんだ」

 

演川「だとしても、それだけで歌浦に近づけるの?帰る時にちゃんと戻れると思えないわ」

 

闘山「あの暗闇を何の目印もなし、か」

 

神道「っ……」

 

釣谷「どうしたの?」

 

神道「……ゆか……」

 

釣谷「もっと大きく!」

 

神道「……っ」

 

柏「もしかして神道さんが言いたいのって……」

 

 

 

 

 

 

コトダマ べとべとした床

 

 

 

柏「床がべとべとしてたんだ!神道さんに教えてもらったんだ!」

 

曲原「床が?食べ物の可能性は?」

 

柏「いや、それが舞台まで続いてたんだ。もしかしたら、これも夜光塗料かもしれない」

 

曲原「なるほどな」

 

釣谷「犯人はそれを目印に辿って歌浦さんを絞め殺したんだね」

 

飛龍院「でもいつの間にそんなことを?」

 

曲原「準備の時だ、準備の時、床を掃除、いや拭いていた奴だ」

 

 つまり、犯人は

 

 

 

 

 

 

 

柏 祐一

 

歌浦 ココネ×

 

釣谷 涼太

 

神道 美雪

 

演川 玲子

 

曲原 瑛二

 

一華 撫子

 

囲井 歩美

 

佐藤 雪也×

 

霊山 拓人

 

闘山 信弘

 

飛龍院 鏡花

 

別技 康介

 

踊場 ジュリア×

 

羽川 渚

 

安藤 露井戸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演川 玲子◀︎

 

 

 

 

 

 

柏「演川さん、じゃないの?」

 

演川「はぁ!?なんで私なの!?」

 

安藤「あの女優の彼女が!?」

 

柏「だって掃除担当は君じゃないか」

 

曲原「そういえば熱心に床を拭いていたが、夜光塗料は予め用意していたんだろう。夜光塗料のビンくらいなら持ち運べるし、隠すのは容易だ」

 

柏「演川さん……」

 

 

 

 

反論

演川「いい加減にして!」

 

 

 

演川「私が犯人?なら柏と曲原、あんた達も怪しいじゃない」

 

柏「えっ……」

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ 準備の状況

コトノハ べとべとした床

コトノハ 全員の立ち位置

コトノハ 細い絞め痕

 

 

 

演川「怪しいものを没収してたのは曲原じゃない!曲原が犯人よ!」

 

柏「でも曲原クンは停電の直前まで何も怪しいものなんか持ってなかったよ」

 

演川「どうだか。曲原だって『夜光塗料を目印』にして近づいて『隠し持って』た釣り糸とかで殺したのよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

演川「『夜光塗料を目印』」

 

 

 

コトノハ 全員の立ち位置

 

 

論破

柏「その言葉、斬るよ」

 

 

 

 

柏「いや、舞台から僕や曲原クンのいた場所は遠いんだ。それに床に夜光塗料を塗られた形跡なんてなかったよ」

 

安藤「2人が元いた位置に戻るなんて至難の技だな」

 

 

演川「でも私に殺すことなんて出来ないわ。怪しいものなんてないもの」

 

闘山「確かにどうやって歌浦を殺したんだ?」

 

曲原「……」

 

柏「曲原クン!黙らないでよ!」

 

曲原「貴様も考えろ」

 

柏「う、うん……」

 

 演川さんはどうやって、歌浦さんを……。

 

柏「細い絞め痕が残るもの……」

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ モノクマファイル2

コトダマ 細い絞め痕

コトダマ 全員の立ち位置

コトダマ 準備の状況

 

 

 

羽川「やっぱり『ロープ』!」

 

曲原「そんなもん没収する……」

 

囲井「『服』で締め殺した?」

 

闘山「そうだなぁ、『リボン』とかどうだ?」

 

安藤「そうだ分かったぞ!『髪の毛』だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安藤「『髪の毛』」

 

 

 

 

 

コトダマ 細い絞め痕

 

同意

柏「それに賛成だよ!」

 

 

 

 

柏「あれって髪の毛だったりしない?細いし」

 

演川「確かに私の髪は長いけれど、人の首を絞められる長さじゃないわ!」

 

曲原「……」

 

霊山「確かに、髪の毛では無さそうだね」

 

曲原「いや、まさか……」

 

釣谷「そういえば、演川さんって白血病患者の役、やってたよね。僕、感動しちゃったよ」

 

演川「な、何よ急に」

 

釣谷「役づくりのために『丸刈り』にするなんて素晴らしいね!」

 

柏・曲原「!!」

 

 そうか、そう言うことか。

 

柏「演川さん、その髪って本物なの?」

 

演川「当たり前よ!髪は女優の命よ!」

 

曲原「ありえないな、お前は2ヶ月前まで白血病患者のドラマに出ていたはずだ。抗がん剤治療のせいで髪が抜ける役のために『丸刈り』にした。髪はそんな早く伸びたりはしない」

 

演川「な、何よ!だからカツラだって言いたいの!?カツラだからってどうやって……っ!!」

 

囲井「まさかカツラで締め殺したの!?」

 

演川「そんなわけないでしょ!」

 

闘山「な、なんだ、なんなんだ?」

 

羽川「本当はどうなのーーっ!?」

 

曲原「そのカツラ、取って見せろ」

 

演川「い、嫌よ!」

 

 

 

 

拓也「あらよっと」

 

 隙をついて拓也クンは演川さんの髪を引っ張った。

 

 

 

演川「あっ……」

 

 

 

 僅かながらにも髪は生えていたけれど、それは女性の髪の長さではなかった。

 

 

拓也「へぇ、これで殺したんだな」

 

柏「本当に……」

 

 カツラだったんだ……。

 

演川「ふざけないで!私は女優よ!殺人なんかするわけないじゃない!!」

 

曲原「柏、全て終わらせてやれ」

 

柏「……うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

クライマックス推理 

 

 

柏「これが事件の全容だよ」

 

 

 

 

ACT1

 

柏「まず犯人は僕らにアクバを騙って犯行予告を送りつけたんだ。それでも歌浦さんはライブを決行することにしたんだ。それで曲原クンは入場する前に荷物チェックをした。でもそれこそが犯人の罠だった」

 

 

ACT2

 

柏「あらかじめ犯人は音楽ホールに夜光塗料を持ち込み、曲原クンの荷物チェックを通り抜けたんだ。さらに掃除の時間、持ち込んだ夜光塗料を床と歌浦さんの服に塗りつけたんだ。これは暗闇でも目印になるようにしたんだ」

 

 

ACT3

 

柏「そしてライブの休憩時間、犯人は照明に繋がれていた電線を電気ストーブに繋いだんだ。電気ストーブは消費電力が多いから停電にするにはぴったりなんだ」

 

 

ACT4

 

柏「歌浦さんのライブが再開し、照明を多く使おうとしたその時、ブレーカーが落ちて停電が発生したんだ。みんな混乱していたけれど、犯人はあらかじめ塗りつけたいた床と歌浦さんの服の夜光塗料を頼りにステージに上がって歌浦さんに近づいた」

 

 

ACT5

 

柏「犯人のカツラで歌浦さんの首を絞めたんだ。細い締め痕を残すことで犯人を釣谷クンにでっち上げるためにね」

 

 

ACT6

 

柏「犯行後、犯人はまた夜光塗料を頼りに戻り自分も停電で混乱していたと演出したんだ」

 

 

 

 

 

柏「そうなんでしょう、超高校級の女優、演川玲子」

 

 

 

 



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おしおき編

モノクマ「結論が出たみたいだし、投票しちゃいましょうか!」

 

演川「何よ!ま、まだ決まってないわ!」

 

曲原「諦めろ」

 

柏「演川……さん」

 

 

 

投票結果

 

柏  1票

演川 12票

 

 

 

 正解!とモニターに表示された。

 

 

 

学級裁判 閉廷

 

 

 

 

モノクマ「オマエラ!2回連続の大正解!超高校級の歌手、歌浦ココネさんを殺したクロは演川玲子さんなのでした!やるぅ!」

 

 

柏「演川さん!どうして!?歌浦さんを殺したの!?」

 

演川「あいつは……芝居の世界を壊すからよ」

 

安藤「芝居の世界を壊すとはどういう意味だ?」

 

演川「そのままの意味よ。歌手の癖に芝居の世界に土足で踏み込んで、女優たちの居場所を奪って、芝居のレベルを下げて芝居はいつか成り立たなくなるのよ」

 

曲原「ようは歌手が演技をするのが気に食わないというわけか」

 

演川「そんな簡単な話じゃないわ!!あいつは、私の仕事を奪ったのよ!!!あんたも知ってるはず、完成した映画が、あなたが主題歌を作曲した映画が急に撮り直しになって……曲だって変更になったのを!!」

 

曲原「確か、歌浦が主演の映画……」

 

演川「そうよ、急に変更になってあいつに変わった。シナリオも大きく変わった。あなただって被害を受けたはずよ!」

 

曲原「それはプロデューサーや制作側に問題があるだけで歌浦は悪くない」

 

演川「そんなことない!歌浦はどうせプロデューサーと寝たのよ!!」

 

安藤「そんな!あの彼女が!?」

 

羽川「寝る?知らない人と?」

 

闘山「安眠出来なさそうだな」

 

囲井「そう言う寝るじゃないわよ」

 

曲原「それは違う。歌浦は迷っていたんだ、あの映画で演じることを」

 

 

 

 

 

 

回想

 

歌浦「演川さんの代わり、か」

 

曲原「曲まで作り直しさせるとは奴らは何を考えているんだ全く」

 

歌浦「曲原クン、大変だね」

 

曲原「お前の方が大変だろ?一から演じなきゃいけない。お前と演川は似てないからな」

 

歌浦「似てるよ」

 

曲原「はぁ?」

 

歌浦「私は小さい頃から歌の練習頑張っていたし、小さい頃から演川さんはもっと頑張っていた。私よりすごい人だと思うけど、ちゃんと努力だけで掴み取ったんだって思うの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曲原「あいつの情熱は本物だった。演技もお前と比べてたら劣っていたかもしれないが……」

 

演川「それだけじゃないわ!モノクマの映像よ。あいつは、他の女優の役すら奪った!それが許せなかったのよ!!」

 

柏「だからって……」

 

演川「あいつが私に似ているですって!?馬鹿なこと言わないで」

 

曲原「ああ、確かに似てないな。……歌浦は人を殺すような人間じゃない」

 

演川「っ……!」

 

 

 

モノクマ「はいはい、つまらない話はこれくらいにして、行っちゃいますか」

 

演川「あっ……」

 

柏「ま、まさかやめろモノクマ!」

 

モノクマ「超高校級の女優、演川玲子さんにはスペシャルなおしおきを用意しました!」

 

演川「あ、ああ、あああああ!死にたくない!死にたくない!」

 

モノクマ「では張り切っていきましょう!おしおきターーーイム!!」

 

演川「いやあああああっ!!死にたくない!!」

 

 

 

 

 

GAME OVER

 

 

 

エンガワさんがクロにきまりました。おしおきをかいしします。

 

 

 

 

 

死ンデレラ 超高校級の女優 演川玲子処刑執行

 

 

 演川が連れてこられた場所は汚い部屋。女性に扮したモノクマが演川に水にかけ、蹴り飛ばした。次にカボチャの馬車が通り、演川を轢いていく。

 差し出されたガラスの靴、モノクマの持つチェーンソーに脅され、演川はガラスの靴を履こうとするが

 

 

 

 ガラスの靴は嵌らず、モノクマはチェーンソーで演川の腹を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別技「ぎゃああああ!?」

 

飛龍院「いやあああああ!」

 

モノクマ「いやー、最後は彼女でも演技なんて出来なかったねぇ」

 

柏「ふざけるな!モノクマ!」

 

モノクマ「何怒ってんのさ。あいつは秩序を乱したんだよ?人殺しなんだから然るべき罰を受けなきゃ」

 

柏「お前の方が人殺しだ!」

 

モノクマ「そう思うのは良いけどさ、なんか、忘れてない?コロシアイは継続中だよ?また誰かが殺人を企むかもしれないよね」

 

柏「くっ、そんなはずない!」

 

モノクマ「まあ良いよ、僕は断言出来るからね。必ず殺人が起きるって。ばーいならー!」

 

 

 モノクマの奴、勝手に言いやがって……。

 

 

 

霊山「みんなごめん!僕が歌浦さんにライブを頼まなければ……」

 

柏「そんなことないよ!」

 

安藤「そうだ!悪いのは演川クンとモノクマだ!君が責任を感じるべきではない!」

 

羽川「そーだよだよ!」

 

闘山「ライブで殺人なんて予想出来ない」

 

一華「犯行予告があっても決行したのは歌浦さんですよ」

 

霊山「でも……」

 

曲原「そんなことより、歌浦はどう思っている?」

 

霊山「え?」

 

曲原「歌浦は死んだが、その歌浦の心境がわかるのはお前だけだ」

 

  

 

 

 

 僕、曲原クンと羽川さんと闘山クンと安藤クンと一華さんと神道さんそして飛龍院さんは音楽ホールに向かった。

 

 

 

霊山「びっくりだよ、殺されたとは思えないほど、歌浦さんの魂は明るい」

 

曲原「どういうことだ?」

 

霊山「明るいんだよ。殺されたことをものともしていない。話せたらどうなるんだろう」

 

 死んでも明るいなんて……。

 

飛龍院「馬鹿な女ね、自分が殺されたこと知らないの?」

 

霊山「わからない。死者の中には自分が死んだことさえ最初は分からずにいる人もいる。そういう人を成仏させるのが、僕ら一族の使命だから」

 

拓也『……』

 

 

 

 

 僕らそれぞれの弔いをした後、音楽ホールを立ち去ろうとした。

 

 

柏「あれ?神道さん?帰らないの?」

 

神道「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神道「残念だわ」

 

 

柏「神道……さん?」

 

神道「あなたというイレギュラーを持ってしてもこのコロシアイが繰り返されるなんて」

 

柏「神道さん!?」

 

神道「……」

 

 バタッと神道さんは倒れた。

 

柏「神道さん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超高校級の歌手 歌浦ココネ 死亡

 

超高校級の女優 演川玲子  死亡

 

 

生き残りメンバー 12人

 

 

 



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Chapter3 残酷な悪魔のテーゼ
(非)日常編 1


柏「大丈夫?神道さん?」

 

 倒れた神道さんを羽川さんと闘山クンが、コテージまで運んでくれた。

 

闘山「暑くないから熱中症ではなさそうだな」

 

羽川「ライブの準備にライブに捜査に学級裁判もしたから疲れちゃったんだよ」

 

柏「確か神道さんは調理担当だったよね……」

 

 みんなの分作ったから疲労が来たんだろうな……。

 

 でも、それにしても……

 

 

 

回想

 

神道「あなたというイレギュラーを持ってしてもこのコロシアイが繰り返されるなんて」

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「……あれって神道さんだったのかな?」

 

羽川「どうしたの?の?」

 

柏「なんでもない、僕も疲れてるみたい」

 

闘山「そうか。睡眠は大事だぞ」

 

柏「うん、おやすみ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9日目

 

 

柏「えっーと」

 

 朝食に参加しているのは、僕、羽川さん、闘山クン、霊山クン、安藤クン、一華さん、飛龍院さんに神道さんがいた。

 

 

柏「神道さん!大丈夫?」

 

 コクンと神道さんがうなづいた。

 

羽川「栄養があるものをいっぱい食べた方が良いよ!」

 

 

 

 

 

モノクマ「そうそう、殺人以外で死んで欲しくないからね」

 

羽川「わあ!?モノクマ!?」

 

柏「何しに来たんだ!?」

 

モノクマ「ん?僕はこの島にあるモノを隠したんだよ」

 

闘山「あるモノ?なんだ?」

 

モノクマ「1度だけアンドロイドも壊せる恐怖の威力、『爆裂スタンガン』です!一撃で殺れちゃうから女子でも簡単だね!」

 

安藤「私も壊せる!?」

 

モノクマ「早く見つけた人が使って良いよ」

 

闘山「誰が使うか!」

 

モノクマ「あと、島の奥にある魅才学園資料館が開放されたから楽しんでねー!」

 

 

 それだけ言ってモノクマは消えてしまった。

 

 

羽川「あんなの気にしない方が良いよ!」

 

柏「そうだね」

 

安藤「私たちを殺人を煽っているだけだ」

 

羽川「あたしちょっと思ったんだけど、この島から脱出する方法を考えない?」

 

柏「脱出?」

 

羽川「うん。脱出出来ないなんて思い込んでるから殺人なんかが起きるんだよ。だから色々考えるんだよ、イカダを作るとか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曲原「無理だな」

 

 

 

 

柏「曲原クン!?」

 

 いつの間に来てたんだ……。

 

曲原「周りに島が見えないし、イカダぐらいでいける距離じゃない。悪天候になったらどうする?仮に脱出の目処が立ってもモノクマが許さないだろう」

 

闘山「お前はなんでそんな希望のないことを言う!」

 

曲原「俺は現実のことを言っているんだ」

 

闘山「じゃあ何もせすずっと待ってろと言いたいのか!?」

 

曲原「現状ではな」

 

霊山「でも、もう少し待ったら助けが来るんじゃない?ほら、砂浜にSOSって書くんだよ」

 

曲原「やりたければやればいい」

 

 

 

 

闘山「全く!曲原はなんて奴なんだ!」

 

柏「曲原クン……」

 

 どうしてあんなことを言うんだ……。

 

 

安藤「しかし、何もしないのも酷だ。モノクマが言っていた魅才学園の資料館に行くのはどうだ?」

 

羽川「あたし賛成!見てみたい!」

 

一華「私も行きますわ」

 

霊山「僕も興味ある!」

 

飛龍院「……」

 

羽川「飛龍院ちゃんはどうかな?」

 

飛龍院「いいわ。付き合っても」

 

羽川「やったあ!」

 

柏「神道も行く?」

 

神道「……いく……」

 

柏「よし、みんなで見に行ってみよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魅才学園資料館

 

 

柏「あ、入室には電子生徒手帳が必要みたいだね」

 

 

 11:20 柏 祐一 入室

 

 

柏「へぇ、時間まで出るのか」

 

安藤「何時間遊んだか分かりやすくて良いな」

 

 

 

 

 

 資料館は地図や学園の模型、歴代の卒業生について載っていた。

 

柏「すごい……」

 

羽川「広いねぇ、バドミントンできる広さだよ」

 

闘山「一日では回りきれんな」

 

安藤「こんなところにちゃんとした資料館があるということは、この島はちゃんと魅才学園の公認の施設なのか?」

 

 確かに……。

 

霊山「すごいねぇ、拓也」

 

拓也『テメェはせいぜい学園生活を謳歌すれば良い』

 

霊山「あ!違うよ、僕は拓也にだって……」

 

拓也『俺だけじゃねぇ、魅才学園に通えないまま死んだ奴は……』

 

霊山「拓也……」

 

拓也『テメェは死んだ奴の分まで生きるんだよ』

 

霊山「分かったよ、拓也!」

 

 

 

 

飛龍院「側から見ると危ない人なんだけど……」

 

一華「ですわね」

 

 

 

 

 

曲原「……」

 

柏「あ、曲原クン。曲原クンも資料館に来てたんだ」

 

 曲原クンはずっと1つの本を見ていた。

 

柏「何かあったの?」

 

曲原「……アクバの事件の切り抜きだ」

 

柏「アクバ!?」

 

曲原「なぜ、魅才学園の資料館にアクバの事件の…しかも新聞の切り抜きがあるのか」

 

柏「モノクマのせいかな。モノクマが僕らを混乱させるために……」

 

曲原「……っ!!」

 

柏「曲原クン?」

 

曲原「まさか、里奈の事件が……いや、まさか」

 

柏「曲原クン?どうしたの?」

 

曲原「なんでもない。だが、これは預かっておく。前のようにアクバを騙る奴が出られるのは困るからな」

 

柏「うん」

 

曲原「俺はここを調べる、お前も好きにすればいい」

 

柏「曲原クン!一人で悩まないでね。僕に何か出来ることあったら……」

 

曲原「必要ない」

 

 

 曲原クン……明らかに焦ってた、よね?

 

 

 

 

 

 

 



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(非)日常編 2

10日目

 

羽川「おっはよー!柏ちゃん!」

 

柏「羽川さん?」

 

羽川「今日、バーベキューしようって相談してたんだ!海水浴もね!」

 

柏「え、急にどうしたの?」

 

羽川「だってー、魅才学園の歴史を見ていたら本物の修学旅行したくなっちゃってさ」

 

柏「そうなんだ……」

 

羽川「10時半に浜辺に集合ね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 浜辺に行ってみると、曲原クンも囲井さんも釣谷クンも別技クンもいた。

 

柏「曲原クン、来てくれたんだね」

 

曲原「大勢集まると何を仕出かすかわからないからな」

 

 疑ってるんだ……。

 

別技「解剖させてくれるんでしょ!?」

 

安藤「メンテナンスというだけで解剖はダメだ!そんなことしたら学級裁判になる!」

 

 

 

羽川「はいはーい!みんな集まってくれてありがとう!今日集まってもらったのは他でもない!みんなでひたすら楽しむ会なのです!」

 

曲原「そんなんで絆でも深めると?そんな甘いこと……」

 

闘山「何もしないよりマシだ!」

 

羽川「というわけで水着でも用意しておよごー!」

 

闘山「バーベキューもあるぞ!」

 

 

 

飛龍院「……」

 

柏「飛龍院さん?こういうの食べられないよね……」

 

飛龍院「……普通の学生って、こういうことするのね」

 

柏「え?」

 

飛龍院「わたくし、こういうの初めてだから。バーベキューなんて……」

 

柏「良い思い出になるよ」

 

飛龍院「……」

 

羽川「飛龍院ちゃん!水着選びにいこ!」

 

飛龍院「ええっ!?ちょっ、ちょっと!」

 

羽川「早く早くー!」

 

 水着…か。

 

闘山「俺たちも行くぞ」

 

柏「え?そういえば僕って泳げるのかな」

 

安藤「何かあったら私を救おう」

 

柏「安藤クンって泳げるの!?というか水に浸かっても平気なの!?」

 

安藤「ああ!私は防水だ!熱は苦手だがな!」

 

霊山「そういえば君、アンドロイドだったね……」

 

釣谷「忘れてたよ」

 

安藤「光栄だ!それだけ私が人間と変わらないということなのだからな!」

 

柏「曲原クンは……」

 

曲原「俺は泳がない。誰かが沈めるかもしれない。俺は監視する」

 

 もう重度の人間不信じゃないか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「じゃじゃーん!どう?」

 

 ビキニ姿の羽川さん……なんだろう、これが恋心って感じかな。すごいドキドキする。

 

一華「あまりジロジロ見ないで欲しいのですが……」

 

 和風……?すごい似合ってる!

 

囲井「何?」

  

 ウェットスーツ…か。

 

囲井「ウェットスーツかって思ってでしょ、この変態!」

 

柏「ち、違うよ!」

 

 

飛龍院「ちょっと!あんま見ないでこの男死!」

 

 可愛いな……飛龍院さん……。

 

 

 

神道「……」

 

柏「あっ……」

 

 可愛いというか、もう一番良いんじゃないか?なんというか神秘的だよな……。

 

安藤「見惚れすぎだぞ、柏クン!」

 

柏「あ!?いや、僕はそんなつもりじゃ!?」

 

霊山「顔真っ赤だよ……」

 

 

 

 

 

 

羽川「じゃああそこまでバタフライした人が優勝ね!」

 

闘山「良いぞ」

 

拓也「やってやろーじゃねぇか!」

 

 

 

 

 

羽川「いっちばーん!」

 

闘山「さすが羽川だな!」

 

拓也「クソ。兄貴の身体貧弱すぎるだろ」

 

霊山「あれ?僕なんで濡れてるの!?」

 

 

 

柏「はははっ、ずっとこの平和が続くと良いねぇ、神道さん」

 

神道「…うん…」

 

 

 

 

 

 

 

11日目

 

 

 

モノクマ「魅才学園修学旅行実行委員がお知らせします。7時です!オマエラ、おはようございます!えー、お知らせしたいことがあるので、カサブランカ公園にお集まりください」

 

 

 

 またか……でも行くしかない。

 

 

 

 

 

 

カサブランカ公園

 

 

 

 

モノクマ「オマエラに集まっていただいたのは他でもありません。オマエラにプレゼントしたいものがあります」

 

 ゴゴゴと音を立てて、地面から台がせり上がり、モノクマが箱を開けると……

 

モノクマ「賞金100億円です!」

 

 はい?

 

モノクマ「無事、学級裁判を勝ち抜いた人には賞金として100億円をプレゼントしちゃいます!殺る気出たでしょ?」

 

 

柏「お金くらいで殺人なんかするはずないじゃないか!」

 

モノクマ「分からないよ?お金に困ってる人だっているかもしれないじゃない」

 

柏「だとしてもお金のために殺人なんて……」

 

モノクマ「どう思うかは勝手だけどね、ばーいなら」

 

 

 

 

 

柏「……」

 

羽川「あ、あたしバドミントンの賞金でお金になんか困ってないよ」

 

闘山「俺もだ。父さんはラグビーのプロだからな。金には困ってない」

 

囲井「……バカバカしい。モノクマが渡してくれる補償なんかないし」

 

霊山「お金なんかで特に困ってなんかないよ…」

 

安藤「お金より命の方が尊いからな!」

 

飛龍院「たったの100億!?そんな額如きで殺人する人なんかいるの?」

 

 たったって……飛龍院さんどんだけお金持ちなんだ……。

 

曲原「どっちにせよ、しばらくは警戒した方が良さそうだな」

 

柏「曲原クン!」

 

 

 

 

羽川「あー、あたしは資料館に行くね」

 

闘山「俺は筋トレしてくる」

 

釣谷「僕は釣りしにいくよ」

 

別技「帰る帰る帰る帰る帰る帰る帰る」

 

霊山「僕も資料館に行ってみようかな」

 

一華「私は生花をしますね」

 

 

 

 

柏「みんな!?」

 

曲原「警戒してるんだよ、みんな」

 

 そんな、せっかくまとまってきたのに……。

 



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(非)日常編 3

 みんなが警戒したまま12日、13日目が経過してしまった。

 

 

14日目

 

 

 このままじゃダメだ!

 

 

 僕は朝食のためにレストランに向かった。みんな警戒してかこのところあまり揃わなかった。

 

 僕がレストランに向かうと羽川さんと闘山クンがいた。この二人は信頼し合っているんだ。

 

 

羽川「あ、柏ちゃん、おはよう」

 

闘山「おはよう、柏」

 

柏「2人とも……。なんでみんなで揃わないの?そんなに100億円が怖い?」

 

羽川「……」

 

闘山「白状すると正直、その金が欲しいと思ったんだ」

 

柏「え」

 

羽川「闘山ちゃん!」

 

闘山「羽川だって少しは欲しいと思ったんだろ?だから……」

 

羽川「……」

 

闘山「俺の家族は大家族で、弟や妹が全員、大学に行けるのか、無理して進学しないなんてなったら……と思うとな」

 

羽川「闘山ちゃん!まさか!」

 

闘山「殺人なんかしたりしない!そんなことしたら弟たちに顔向け出来ない。だが、みんな家の事情は様々だろうと思って」

 

羽川「……」

 

柏「でも、そんな風に思わせることがモノクマの狙いなんだよ!」

 

羽川「分かってるよ、だけど……」

 

拓也「ま、それだけこいつらは信頼し合ってないってことだよ」

 

柏「霊山クン!?」

 

拓也「お前は記憶がないからそんな言い方できるんだ。記憶がなきゃ、貧乏かどうかも分からないしな」

 

羽川「霊山ちゃん!そんな言い方!」

 

拓也「だってそうだろ?お気楽な発想できるのは騙された経験がないから。そうやってバカにされた経験がないから出来るんだよ!」

 

柏「違う!!僕だって!僕だって!」

 

 佐藤クンに……っ!!

 

拓也「あー、そうか佐藤に騙されてたんだな。記憶がなくて甘ちょろいせいで」

 

闘山「やめろ霊山拓也!!」

 

柏「それでも僕は!!みんなを信じたいんだ!!このまま疑い合って、殺される恐怖に耐えながら過ごすなんてそれこそ無理だよ。僕はみんなを信頼できない方が怖いんだ!!」

 

羽川「柏ちゃん……」

 

闘山「柏……」

 

 

 

 

 

霊山「あれ?ここレストラン?もう拓也ったら勝手に身体使わないでよ!」

 

 

柏「霊山クン?」

 

霊山「あ、な、なんか、あ、…ごめんね?」

 

柏「ううん、いいんだ」

 

羽川「ねぇ、みんなで資料館行こうよ!」

 

柏「うん」

 

霊山「僕はあんまり体調が良くないから休んでおくよ」

 

闘山「悪いが俺は途中で予定がある、が」

 

羽川「その予定までなら良いよね?よね?」

 

闘山「ああ」

 

羽川「ならなら!れっつらごーごー!」

 

 

 

 

 

 

 

魅才学園資料館

 

 

 

羽川「あれあれー、飛龍院ちゃん!いたんだね!」

 

飛龍院「な、何よ」

 

羽川「あたしたちと一緒に見て回らない?」

 

飛龍院「わたくしは1人でじっくりみたいの!あ、明日には一緒に見回ってもいいけど……」

 

羽川「ほんと?やたー!」

 

柏「ありがとう、飛龍院さん」

 

飛龍院「な、なんでお礼なんか言われなきゃならないの、全く」

 

 

 

 

羽川「いっぱい資料あるねー」

 

柏「僕らは77期生なんだね」

 

闘山「魅才学園の生徒のメダル獲得一覧だって!」

 

羽川「すごーい!あたしもこの中に入るんだねー」

 

 確定事項か。すごい自信だ。

 

 

 

 

神道「……」

 

羽川「あ、神道ちゃん!」

 

柏「神道さんも資料館見てるの?」

 

 神道さんはうなづいた。

 

柏「あの、神道さん」

 

羽川「闘山ちゃん!上いこー!」

 

闘山「おお!柏はどうする?」

 

柏「あ、まだ僕はここを見てる」

 

羽川「じゃーね」

 

 

 

 

柏「神道さん……あの」

 

神道「……」

 

柏「大丈夫だよ、絶対にみんなで脱出しよう!」

 

神道「……」

 

 あれ、神道さん行っちゃった……。ちょっとかっこつけすぎたかな。

 

 

 

 

 

2F

 

 

柏「2階に入るのにも電子生徒手帳が必要なのか」

 

 

14:20 柏祐一 入室

 

 

 

 

柏「これは、学園名簿?」

 

 

77期生

 

安藤 露井戸 超高校級のアンドロイド

一華 撫子 超高校級の華道家

歌浦 ココネ 超高校級の歌手

演川 玲子  超高校級の女優

踊場 ジュリア 超高校級のダンサー

囲井 歩美 超高校級の囲碁棋士

曲原 瑛二 超高校級の作曲家

佐藤 雪也 超高校級のショコラティエ

神道 美雪 超高校級の巫女

釣谷 涼太 超高校級の釣り師

闘山 信弘 超高校級のラグビー選手

羽川 渚 超高校級のバドミントン選手

飛龍院 鏡花 超高校級の令嬢

別技 康介 超高校級のエンジニア

霊山 拓人 超高校級の霊媒師

霊山 拓也 超高校級のスケボー選手

 

 

 

 

 

 やっぱりない、僕の記述が……。

 

 

柏「僕はやっぱり、この学園の生徒じゃないのかな……」

 

 

 どれくらいの時間、放心していただろうか。

 

 

柏「いや、まだ何かあるはずだ」

 

 僕は資料館を徹底的に調べた。

 

 

 

 

 調べていたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

 

 

 

 

モノクマ「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、『学級裁判』を開きます!」

 

 

 

 

 

 は?

 

 

 

柏「え!?なんで!?」

 

 どうして?こんなことに。

 

 

柏「死体ってどこなんだ!?」

 

 

 

 

一華「あ、柏さん」

 

柏「一華さん!今のアナウンスは……」

 

一華「こちらに来てください」

 

柏「え?ま、まさか……」

 

 

 上に!?

 

 

一華「エレベーターは壊れているみたいなので階段で」

 

 

 

5F 廊下

 

 

一華「どうか覚悟を」

 

釣谷「来たんだね、かなり凄惨だよ」

 

神道「……」

 

柏「釣谷クン!神道さん!」

 

 

 

羽川「きゃああああああ!!」

 

 

柏「羽川さん!」

 

 

釣谷「僕と神道で見つけたんだ」

 

 僕はゆっくりと歩みを進めると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 焼け焦げた匂いを発しながら

 

 

 

 

 

 

 大量に血を流した超高校級の令嬢、飛龍院鏡花の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

柏「うわあああああ!?」

 

 

 

 そんな……飛龍院さん……。

 

柏「飛龍院さん、誰に……」

 

釣谷「みんなに知らせに行くね」

 

 

 気が動転していて、頭が回らない。学級裁判をしなきゃいけないのに。

 なんでこうなったか、理解出来なかった。

 

 

 

羽川「飛龍院ちゃん……うぅ……」

 

 

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

 

モノクマ「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、『学級裁判』を開きます!」

 

 

 

 

 

 

柏「え?」

 

 

 また、流れた?

 

神道「……!」

 

一華「また流れましたわね」

 

 

柏「どうして……」

 

 

 すると僕の電子生徒手帳から音がする。

 

柏「メール?」

 

 

 

 

 至急 資料館裏に集合 曲原

 

 

 

柏「資料館裏……?」

 

一華「私にも届きました」

 

神道「……」

 

羽川「やだやだやだやだ!まさか!ねぇ!大丈夫だよね!」

 

柏「大丈夫だよ。行ってみよう」

 

 

 

 

 

 僕らが行く頃にはみんなが集まっていた。

 

 

 

 

曲原「お前たちも死体を見たのか?」

 

柏「『も』って……」

 

霊山「霊気があの資料館にも感じるんだ。こんなことって……」

 

柏「まさか!」

 

 

 僕がゆっくり歩くとそこには

 

 

 

 

 真っ黒にこげた

 

 

 

 

 

 

 

 超高校級のラグビー選手、闘山信弘の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 



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非日常編

柏「うわああああ!?闘山クン!?」

 

羽川「あ、あ、ああああああああ!!闘山ちゃん!!闘山ちゃん!!」

 

曲原「触れるな」

 

羽川「闘山ちゃん……どうして……」

 

 

 

 

モノクマ「わーい!連続殺人だ!」

 

柏「モノクマ!?」

 

モノクマ「一気に2人殺すなんてやるぅ」

 

囲井「2人って…釣谷の言う通り、飛龍院も……」

 

安藤「なんだ!?なぜ2人も死んでいるんだ!?」

 

別技「僕は知らない僕は知らない僕は知らない」

 

モノクマ「ま、2人死んでもいつもどおり頑張ってね」

 

 

 

 

 

捜査開始

 

 

15:00

 

モノクマ「はい、モノクマファイルぅ!」

 

 

 

モノクマファイル3

被害者は超高校級のラグビー選手、闘山信弘。

死亡時刻は14:35分頃。

 

死体発見場所は魅才学園資料館裏の庭。

 

死因は感電死

 

 

 

被害者は超高校級の令嬢、飛龍院鏡花。

死亡時刻は14:45分頃。

 

死体発見場所は魅才学園資料館5階の廊下。

 

右足を捻挫している他、背中に火傷、首に複数の切り傷がある。

 

 

コトダマ モノクマファイル3

 

 

 

 

柏「……」

 

曲原「2人も殺されたとなると、捜査が大変だな」

 

柏「なんで……2人が」

 

曲原「まず、順番に見ていくしかない」

 

羽川「闘山ちゃん……」

 

曲原「羽川と釣谷で見張りをやってくれ。それと飛龍院の見張りは……」

 

霊山「僕がやるよ」

 

安藤「私がやろう」

 

曲原「任せたぞ」

 

 

柏「曲原クンって冷静だね。こんなことが起きているのに」

 

曲原「生き残るためだ」

 

柏「……強いんだね。あ、あれ?」

 

 地面にパズル?なんかが落ちてる。

 

柏「なんでパズルが?」

 

 

 

 

コトダマ 落ちていたパズル

 

 

 

 

柏「闘山クン、黒焦げだけど、なんでこんなことに」

 

曲原「モノクマの言っていた『爆裂スタンガン』かもしれない」

 

柏「爆裂スタンガン以外のスタンガンで殺されたんじゃあ?」

 

曲原「ないな、普通のスタンガンは殺せる威力はない。だからモノクマはわざと威力の高い改造スタンガンを用意したんだ」

 

 

 

コトダマ 爆裂スタンガン

 

 

 

柏「それにしても闘山クン、首がやたらと焦げているような……」

 

曲原「犯人は闘山の首を狙ったんだ」

 

柏「え?仮に闘山クンが屈んでも背の高い闘山クンの首に当てられるのかな」

 

 

コトダマ 闘山の首

 

 

柏「爆裂スタンガンってこの島のどこかにあるって言ってたよね」

 

曲原「犯人はそれを見つけ出して使ったんだろう」

 

柏「……闘山クン……」

 

 こんな、真っ黒に……どうしてこんな殺され方しなきゃいけないんだ。

 

曲原「しかし闘山はなぜこんなところに」

 

羽川「あのね、闘山ちゃんは予定があるって言ってたの!」

 

曲原「……予定、つまり闘山は呼び出されたのか。いつだ?」

 

羽川「14時……20分くらいかなぁ」

 

 

コトダマ 羽川の証言

 

 

 

羽川「……」

 

曲原「ぼっーとするな、羽川。見張りをしろ」

 

柏「そんなこと言っても羽川さんは友達が殺されたばかりなんだよ?」

 

一華「見張りをしましょうか?」

 

曲原「頼む」

 

柏「……」

 

 曲原クン……もう少し人のことを考えられたらなぁ。

 

 

曲原「それぞれアリバイを確認したい」

 

柏「確か闘山クンの死亡時刻は14時35分だよね?」

 

曲原「お前たちは資料館にいたのか?」

 

柏「うん、そこで飛龍院さんを……」

 

曲原「ログを確認してみるか」

 

 

 

 

 

 

魅才学園資料館

 

柏「えっと、ログは……」

 

魅才学園 入り口

 

13:32 飛龍院鏡花 入室

13:40 釣谷涼太 入室

13:48 一華撫子 入室

13:53 神道美雪 入室

14:00 羽川渚 入室

14:00 闘山信弘 入室

14:00 柏祐一 入室

14:21 闘山信弘 退室

 

 

 

柏「これで闘山クンが死ぬまでに資料館の中にいて退室記録がない人にはアリバイがあるね」

 

曲原「そうだな」

 

 

コトダマ 入り口の入退室のログ

 

 

 

 

柏「とりあえず、飛龍院さんのところに向かってみよう」

 

 

 改めてエレベーターを見ると相変わらず動かないままだ。

 

柏「壊れたのは、偶然?」

 

囲井「変だよ、だって昨日は壊れてなかったから」

 

柏「囲井さん?」

 

囲井「昨日来てエレベーターを使ったけど壊れてなかった。いつ壊れたかわかる?」

 

柏「最初のアナウンスの時点でもう壊れてたよ」

 

 

コトダマ 壊れたエレベーター

 

 

 

 

 

 

 

4F

 

 

 

霊山「柏クン、曲原クン……あの……」

 

柏「改めて見るとひどい。飛龍院さん、こんな血だらけで……」

 

安藤「卑劣な犯人すぎる!」

 

曲原「……これは?」

 

柏「飛龍院さんだけど……」

 

曲原「そうじゃない、飛龍院のすぐ横の血文字を見ろ」

 

柏「血文字?」

 

 

 飛龍院さんの横に血文字で『アクバ』と綴られていた。

 

柏「アクバ!?また脅し!?」

 

曲原「いやもしかしたら本当にアクバかもしれない」

 

霊山「僕もそう思うんだ。大量に血があるし……なんか模倣犯という感じはしないんだ」

 

柏「え?」

 

曲原「まあ、アクバが誰でもわからないのは変わらない」

 

柏「そうだ、ね」

 

 

 

コトダマ アクバの血文字

 

 

 

曲原「それと飛龍院の死因がモノクマファイルに書いていない」

 

柏「あれ?確かに」

 

安藤「外傷が多いからモノクマでも死因を断定出来ないのか?」

 

 

コトダマ 飛龍院の外傷

 

 

 

曲原「貴様ら資料館にいた組が怪しいぞ」

 

柏「え?」

 

曲原「俺たちは資料館に入室していないからな。ログもそうだ」

 

柏「だ、だけど!」

 

曲原「俺は飛龍院の死体を調べるからお前は無実の証明に頑張ったらどうだ?」

 

柏「疑ってるんだ……」

 

曲原「自分以外は全員疑っている」

 

 曲原クンってこう……。なんでそんなんなんだろう。まあ、仕方ないし、もっと調べよう。

 

 

 

 

1F

 

柏「まずは1階からだよね」

 

 この資料館に来たのは飛龍院さんと闘山クンを除くと釣谷クン、一華さん、神道さん、羽川さん、そして僕。この中に犯人が……。

 

 

神道「……」

 

柏「あ、神道さん!神道さんも何か捜査してる?」

 

神道「……ち」

 

柏「え?」

 

神道「か……ち」

 

 どうしよう、よく聞こえない。

 

神道「……」

 

 おもむろに神道さんは電子生徒手帳を操作を始めた。

 

 『返り血をどうやって防いだのか調べています』

 

 

 そうメールに綴られていた。

 

 

柏「返り血…そうか!確かに飛龍院さんを発見した時には誰も返り血ついていなかったし、この資料館に返り血を洗い流せる場所なんかトイレくらいしかないはず。肌は洗い流せても服はどうしたんだろう。まさか裸で刺したわけじゃないよね」

 

 

神道「……」

 

 『犯人は何か別の服を着ていたのではないかと思っています』

 

柏「なるほど、じゃあゴミ箱とか何か入れそうなものを徹底的に探そう」

 

 

 

3F

 

 

 

柏「うーん、ここにもないか……」

 

 でも僕の直感だろうか何かを感じとった。

 

柏「あっ」

 

 展示してあるクローゼットを開くと服が大量に入っていた。

 

柏「……」

 

 一つ一つ確認すると、血まみれのジャンパーがあった。

 

柏「うわああああ!?で、でもこれで問題は解決した。犯人はジャンパーを着てたんだ」

 

 

コトダマ 血まみれのジャンパー

 

 

柏「もしかしたら3階入室ログに手がかりが……」

 

 僕は3階の入室ログを調べてみた。けど

 

 

柏「なんで?なんで今僕が初めて入室したの!?そんな!?」

 

 

コトダマ 入室歴のない3F

 

 

 

柏「元からあった、わけないよね。うーん、他を調べてみないと。何かからくりがあるかもしれないし」

 

 

 

 

 

囲井「柏、良いところにいた」

 

柏「囲井さん?」

 

囲井「4階の女子トイレの奥に来てみて」

 

柏「う、うん……」

 

 

 

囲井「上の、ほら天井に」

 

柏「ガムテープで何か貼り付けられてる?」

 

囲井「届かない」

 

柏「え、えっとぉ」

 

囲井「下になってくれるなら届くかもね」

 

柏「えええっ!?」

 

囲井「捜査のためにやるしかないでしょ」

 

柏「う、うん……」

 

 僕はしゃがんで、囲井さんは僕に跨った。

 

 

柏「うっ……」

 

 女の子なんて持ち上げたことなんて人生でないだろう、多分。

 

囲井「何これ、スタンガン?」

 

 

 

柏「はぁ、重かった」

 

囲井「はぁ?情けない。私、そんな重くないんだけど」

 

柏「ごめん、多分人生で人を持ち上げるの初めてだと思うから」

 

囲井「で、スタンガンが見つかったんだけど」

 

柏「思いっきり爆裂スタンガンって書いてある……」

 

 犯人のフェイクでなければモノクマの言っていたスタンガンだ……。あれ?だとするとなんで闘山クンにスタンガンが?

 別の凶器なのか?

 

 

コトダマ 資料館のスタンガン

 

 

柏「僕は屋上を調べてみるよ」

 

囲井「そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「はぁ、はぁ、結構疲れるな」

 

曲原「……」

 

 曲原クン、屋上の扉の前で立ち止まっていた。

 

柏「曲原クン?どうしたの?」

 

曲原「扉が開かない。電子生徒手帳を認識するシステム自体が壊れている」

 

柏「え?」

 

 よくみると物理的に壊されていた。

 

 

 

 

コトダマ 壊れた屋上の自動ドア

 

 

 

柏「あ、聞いてよ曲原クン!スタンガンが4階の女子トイレにあったんだ」

 

曲原「なに?」

 

柏「これって本物かなぁ」

 

曲原「……1階に行ってみるぞ」

 

柏「うん」

 

 

 

 

 

 

 

1F

 

別技「あーもう!」

 

 

柏「どうしたの?別技クン」

 

別技「エレベーターなんか直せないよ!根本から壊すなんて!」

 

曲原「どういう意味だ」

 

別技「エレベーターの配線が切られてるんだよ!」

 

柏「えっ」

 

曲原「犯人の仕業だな。これは人為的にしかありえない」

 

 

コトダマ 配線が切られたエレベーター

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

モノクマ「はい、終わりです。今回はたっぷり時間をあげたんだから良いでしょ」

 

 

曲原「行くぞ」

 

柏「うん……」

 

 

 

 10人が乗ったエレベーターは人数が前回以上に減っていた気がした。3人も減ったのもあるだろうけど、今まで以上に思い雰囲気になっていた。

 

 

柏「……学級、裁判所……」

 

 

 始まるんだ3回目の学級裁判が……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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学級裁判 前編

コトダマ モノクマファイル3

 

 

被害者は超高校級のラグビー選手、闘山信弘。

死亡時刻は14:35分頃。

 

死体発見場所は魅才学園資料館裏の庭。

 

死因は感電死

 

 

 

被害者は超高校級の令嬢、飛龍院鏡花。

死亡時刻は14:45分頃。

 

死体発見場所は魅才学園資料館5階の廊下。

 

右足を捻挫している他、背中に火傷、首に複数の切り傷がある。

 

 

 

 

コトダマ 落ちていたパズル

闘山の死体のそばにパズルが落ちていた。

 

 

 

コトダマ 爆裂スタンガン

1度だけアンドロイドも破壊できるスタンガン。モノクマが島のどこかに隠した。

普通のスタンガンでは殺傷威力はない。

 

 

コトダマ 闘山の首

首に激しく焦げていたため、スタンガンが使われてた場所だと思われるが、長身の彼の首に当てることができるのだろうか

 

 

コトダマ 羽川の証言

闘山は呼び出されていて、資料館で14時30分に別れたらしい。

 

 

コトダマ 入り口の入退室のログ

 

13:32 飛龍院鏡花 入室

13:40 釣谷涼太 入室

13:48 一華撫子 入室

13:53 神道美雪 入室

14:00 羽川渚 入室

14:00 闘山信弘 入室

14:00 柏祐一 入室

14:21 闘山信弘 退室

 

 

 

 

コトダマ 壊れたエレベーター

昨日の時点では壊れていなかったらしい

 

 

 

 

コトダマ アクバの血文字

アクバの血文字がが飛龍院のそばに書かれていた。犯人が意図的にそうしたのか本当にアクバななのだろうか。

 

 

 

コトダマ 飛龍院の外傷

モノクマファイルに飛龍院の死因もなく、捻挫や火傷など外傷が多い。

 

 

コトダマ 血まみれのジャンパー

3階の展示されていたクローゼットの中に血まみれのジャンパーがあった。犯人はこれで返り血を最低限にしたようだ。

 

 

 

 

コトダマ 入室歴がない3F

事件発生までに3Fの入室歴がなかった。

 

 

コトダマ 資料館のスタンガン

資料館の女子トイレに爆裂スタンガンがあった。まるで隠しているようだ。

 

 

コトダマ 壊れた屋上の自動ドア

電子生徒手帳のセンサーが破壊され、入れなかった。

 

 

コトダマ 配線が切られたエレベーター

配線が切られていたらしい。事件の間に切ったのか?

 

 

 

 

 

 

 

学級裁判 開廷

 

 

 

 

 

モノクマ「では最初に学級裁判の簡単な説明をしておきましょう。学級裁判では『誰が犯人か?』を議論し、その結果はオマエラの投票により決定されます」

 

モノクマ「正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき、もし間違った人物をクロとした場合はクロ以外全員がおしおきされ生き残ったクロだけがこの島を出る権利が与えられます!」

 

 

 

 

モノクマ「二度あることは三度ある!レッツゴー!」

 

 

 

 

柏「今回は2人もいるから大変だね」

 

霊山「何から話せば良いんだろう」

 

曲原「ならまず、最初に殺された闘山からだ」

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始 

 

コトダマ モノクマファイル3

コトダマ 飛龍院の外傷

コトダマ 入り口の入退室ログ

コトダマ 爆裂スタンガン

 

 

 

 

安藤「闘山クンは『飛龍院クンより先に殺された』……」

 

霊山「信じられないほど『黒焦げ』だったよね」

 

羽川「闘山ちゃんは『燃やされた』んだよおおお!」

 

囲井「どうやって燃やすのよ……」

 

別技「『ライター』なら倉庫で見かけたよ」

 

釣谷「いつまで燃やす前提なのか……」

 

 

 

 

 

 

羽川「『燃やされた』」

 

 

 

 

コトダマ モノクマファイル3

 

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

 

柏「いや闘山クンの死因は焼死じゃなくて感電死だよモノクマファイルにもそうあるし」

 

曲原「モノクマファイルをよく見ろ」

 

羽川「でも!闘山ちゃんにスタンガンを浴びせられるくらいに犯人は強かったの?」

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 爆裂スタンガン

コトダマ 落ちていたパズル

コトダマ 入り口の入退室ログ

コトダマ 壊れたエレベーター

 

 

釣谷「『正々堂々闘った』……わけないよね」

 

羽川「『目にも止まらぬ速さ』で襲ったんだよ!」

 

別技「それなら『安藤が怪しい』」

 

安藤「私はそんなことしない!」

 

霊山「うーん、何かで『気を逸らした』りしてないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山「『気を逸らした』」

 

 

 

コトダマ 落ちていたパズル

 

同意

柏「それに賛成だよ」

 

 

 

 

 

 

柏「闘山クンのそばにあったパズル……あれって闘山クンの気を逸らすのが目的だったんじゃないかな?」

 

曲原「あんなところにパズルがあるのは不自然だからな。闘山なら、気になって触っている間に……」

 

霊山「でも感電死させるほど威力の電力はどうやって?」

 

柏「それは……」

 

 

 

 

 

コトダマ 爆裂スタンガン

 

 

 

柏「モノクマが隠したって言う爆裂スタンガンがあるよ。アンドロイドも壊せる威力らしいから人を殺せる電力になると思うよ」

 

一華「隠した……ですか」

 

柏「うん、だから誰がいつ見つけたのか分からないけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

反論

囲井「あんたの推理は詰んでるよ」

 

 

 

柏「囲井さん!?」

 

囲井「闘山はスタンガンでは殺されてない」

 

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ モノクマファイル3

コトノハ 入り口の入退室ログ

コトノハ 壊れたエレベーター

コトノハ 爆裂スタンガン

 

 

 

 

囲井「柏も見たでしょ?スタンガンは資料館の中にあったんだよ」

 

柏「あれは犯人が犯行後に隠したんだよ」

 

囲井「わざわざ闘山を殺した後に『戻る暇』なんてない」

 

囲井「闘山は『爆裂スタンガン以外』で殺されたんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

囲井「『爆裂スタンガン以外』」

 

 

 

コトノハ 爆裂スタンガン

 

 

論破

柏「その言葉、斬るよ!」

 

 

 

 

 

 

柏「いや、爆裂スタンガン以外のスタンガンには殺せる威力はない、そうだよね、曲原クン」

 

曲原「スタンガンは護身用の道具だからな」

 

安藤「やはり犯人は爆裂スタンガンは使われたのか。しかしこれだけでは犯人の特定は不可能だ」

 

柏「でも他に不思議な点があるんだ」

 

 

 

コトダマ 資料館のスタンガン

 

 

 

柏「資料館の女子トイレにスタンガンがあったんだ。爆裂スタンガンって書いてあったけど……」

 

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 爆裂スタンガン

コトダマ モノクマファイル3

コトダマ 入り口の入退室ログ

コトダマ 資料館のスタンガン

 

 

 

 

霊山「それが本物なら犯人は闘山クンを殺した後に『資料館に入った』のかな」

 

一華「なんでわざわざスタンガンを資料館に?」

 

別技「そりゃあ資料館にいる人間に『なすりつける』ためでしょ」

 

囲井「わざわざ資料館に?」

 

安藤「卑劣な犯人だな!」

 

 

 

 

 

 

 

霊山「『資料館に入った』」

 

 

コトダマ 入り口の入退室ログ

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

柏「いや、犯人は資料館には入っていないよ」

 

曲原「入り口の入退室ログには死体発見まで資料館に入室した奴はいない」

 

安藤「ではあのスタンガンは偽物か?」

 

曲原「モノクマ、どうなんだ?」

 

 

 

 

 

モノクマ「え?あれは本物だよ?あんな素敵なスタンガンが偽物なわけないじゃない!」

 

 

 

 

曲原「だそうだ」

 

柏「ならどうやって犯人は資料館にスタンガンを隠したんだろう」

 

曲原「俺が犯人ならスタンガンを外に捨てるな。何かしら不測の事態が発生して、スタンガンを資料館に隠すしかなくなったのかもしれない」

 

 その不測の事態って……。

 

 

 

1.死体発見アナウンス

2.闘山の死

3.飛龍院の死

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.飛龍院の死◀︎

 

 

柏「飛龍院さんが死んだこと?」

 

曲原「そうだ。闘山を殺した犯人が飛龍院を殺したのか、別にいるのかは関係なく、飛龍院が死んだことですぐに死体が発見されて外でスタンガンを隠す余裕がなくなったんだ」

 

霊山「僕が霊気を感じて曲原クンと資料館にすぐに向かったのもあるかもしれない」

 

別技「ちょっと待って!なんで犯人が資料館で殺したことになってるんだ!?」

 

安藤「確かに、資料館では外にいる闘山クンは殺せないな」

 

柏「じゃあなんでスタンガンが資料館に?」

 

曲原「……」

 

 何か曲原クン、考え込んでるみたいだ。

 

 

 

柏「曲原クン……」

 

釣谷「闘山を殺したのは資料館の外にいた奴らだよ」

 

柏「ならとりあえず飛龍院さんの殺した犯人について話し合ってみよう」

 

別技「飛龍院を殺したのは資料館にいた人間じゃないの?」

 

曲原「資料館にいたのは死んだ闘山と飛龍院を除く柏、神道、一華、釣谷、羽川だ」

 

釣谷「あ、僕と神道さんで死体を発見したからね」

 

曲原「死体発見アナウンスは3人が死体を発見した時。犯人を含むと神道と釣谷は除外される」

 

囲井「残るは羽川、柏、一華ってわけね」

 

羽川「あたしは飛龍院ちゃんを殺してない!」

 

一華「わたくしだって」

 

曲原「それじゃあ堂々巡りだ。もっとまともな議論をしろ」

 

安藤「ならば、飛龍院クンはどうやって死んだのか議論をしてみよう!」

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 飛龍院の外傷

コトダマ モノクマファイル3

コトダマ 配線が切られたエレベーター

コトダマ 入り口の入退室ログ

 

 

 

羽川「飛龍院ちゃんは血まみれだったよ!『刺された』んだよ!」

 

霊山「『アクバ』の血文字があったよね」

 

安藤「かなり悲惨な殺され方だったな」

 

一華「犯人は何を『凶器』にしたんでしょう」

 

拓也「んなもん倉庫から適当に『刃物』でも持ち出したんだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「『刺された』」

 

 

 

コトダマ モノクマファイル3

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

 

 

柏「いや、飛龍院さんが刺されて死んだとは限らないよ」

 

羽川「なんで!?」

 

霊山「明らかに血まみれのだったけど……」

 

柏「だってモノクマファイルには飛龍院さんの死因は書いていないんだ」

 

安藤「書いていないのがそんなに問題か?」

 

柏「なんか引っかかるんだ」

 

曲原「モノクマ、どうなんだ?」

 

 

 

モノクマ「え?深い意味はないよ?ただ面白くなるかなあって思っただけだよ」

 

 

  

霊山「でも死因が不確かだと不安だよね」

 

曲原「出血量は致死量だったから刺されて死んだこともありえる。だが、不可解な点がある」

 

柏「その不可解さって」

 

 

 

 

コトダマ 飛龍院の外傷

 

 

 

柏「捻挫に火傷とかだよね」

 

曲原「ああ、あまりにも不必要に外傷が多い」

 

別技「あの悪魔と呼ばれる『アクバ』ならそんな特殊性癖もっててもおかしくない!」

 

霊山「いや、アクバは即死させることが多いんだ。そんな怪我させたって……」

 

曲原「ただでさえ人がいる状況で人を痛ぶる余裕はないはずだ。アクバの犯行手口を考えてもな」

 

羽川「じゃあじゃあ犯人はアクバじゃないとか!」

 

曲原「前回の学級裁判でも話したが、アクバであるとかアクバでないとかは関係ない。誰が犯人かが重要だ」

 

 

 

 

 

 



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学級裁判 後編

柏「もう一回、飛龍院さんが殺された状況を話し合ってみようよ」

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 配線が切られたエレベーター

コトダマ 壊れたエレベーター

コトダマ 血まみれのジャンパー

コトダマ 入室歴がない3F

 

 

 

 

霊山「そう言えば犯人はどうやって、返り血を防いだのかな?」

 

曲原「入退室ログを見れば犯人が着替えに外に出たのはありえないし、あの出血量なら返り血を浴びるはずだ」

 

安藤「犯人は刃物を『投げて』返り血を防いだのか?」

 

羽川「『ながーい刃物』で切りつけたとか!」

 

囲井「『別の服を着て』、返り血を防いだのかも」

 

釣谷「『裸』だったとか」

 

別技「そもそも『刃物で刺されてない』かも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

囲井「『別の服を着て」

 

コトダマ 血まみれジャンパー

 

 

同意

柏「それに賛成だよ!」

 

 

 

 

柏「囲井さんの言う通り、犯人は返り血をジャンパーを着て防いだんだ。顔や手への不着なら洗い流せるし」

 

安藤「なんでジャンパーだと言い切れるんだ?」

 

柏「3階の展示にクローゼットがあってそこに血まみれのジャンパーがあったんだ」

 

囲井「でもそれだけだとアンタの疑惑が晴れたとは言えないよ」

 

柏「え?」

 

曲原「まさかお前が疑われてないとでも?」

 

霊山「でも柏クンは自分から血まみれのジャンパーのこと言ったんだから犯人じゃないんじゃないの?」

 

曲原「それが事実であれ嘘であれ証拠にはならない。だが、逆に柏が犯人という証拠にもならない」

 

柏「あの!3階には捜査になるまで僕以外、誰の入室歴のログがなかったんだ!」

 

霊山「えっ」

 

囲井「なに?犯人は電子生徒手帳を使わないで入室したの?」

 

安藤「ならば!その方法を議論してみよう!」

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

 

コトダマ 壊れたエレベーター

コトダマ 入室歴のない3F

コトダマ 配線が切られたエレベーター

コトダマ 飛龍院の外傷

 

 

 

 

霊山「犯人はどうやって侵入したんだろう」

 

羽川「分かった!『窓』からだよ!」

 

安藤「『エレベーター』はどうかな?」

 

囲井「ドアそのものに『細工』したとか」

 

安藤「ならエンジニアの別技クンが怪しいな!」

 

別技「僕はそもそも資料館に入ってないよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安藤「『エレベーター』」

 

 

 

コトダマ 壊れたエレベーター

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「いや、エレベーターはありえないよ。だってエレベーターは壊れていたんだ」

 

曲原「いやエレベーターで正解の可能性が高い」

 

柏「え?」

 

曲原「考えてみろ、エレベーターは直接部屋に繋がっている。つまり犯人はエレベーターを使って入室にログを残せないようにした」

 

安藤「でもエレベーターは壊れているんだろう?」

 

柏「そうか、犯人がエレベーターを使った後にそれを悟られないようにエレベーターを破壊したのか」

 

囲井「で?結局、何も分かってないのと同じじゃない」

 

柏「……」

 

 確かに、振り出しだ。犯人の行動が分かっても犯人を割り出せない。

 

 

曲原「なら飛龍院の怪我について改めて考えてみよう。飛龍院は何故か火傷に捻挫もしている」

 

柏「この火傷って……」

 

 

 

 

 

閃きアナグラム

 

 

ん す が れ ん た く ん ば つ 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆裂スタンガン

 

 

 

柏「あの、飛龍院さんの火傷って爆裂スタンガンじゃないかな?」

 

安藤「闘山クンは資料館の外に殺されているから関係なくないか?」

 

囲井「だからスタンガンが資料館にあったのを話題にしたでしょう」

 

霊山「あれ?爆裂スタンガンって一回しか使えないんじゃ?」

 

曲原「人やアンドロイドを殺せる威力というだけで使えないとは言ってない、よなモノクマ」

 

 

 

 

モノクマ「はい、そのとーりでございますケロ」

 

羽川「ケロ!?モノクマちゃんキャラが変わった!?」

 

 

 

 

 

柏「だからスタンガンで火傷した可能性は高いと思うんだ」

 

別技「なら犯人は闘山と飛龍院の2人を殺したんだね」

 

柏「え?」

 

安藤「なるほどなんらかの方法で外にいる闘山クンを殺し続いて飛龍院クンも殺したのか!」

 

柏「ちょっと待ってよ!」

 

霊山「それだけで犯人と言えるのかな……」

 

 

 

 

 

意見対立!

 

 

 

 

飛龍院を殺した犯人と闘山を殺した犯人は同一人物か?

 

 

同一人物だ

安藤、別技、釣谷、一華、羽川

 

同一人物じゃない

柏、曲原、囲井、霊山、神道

 

 

 

議論スクラム 開始

 

 

 

『スタンガン』

『運んだ』

『見た』

『アクバ』

『2人』

 

 

安藤「犯人は闘山クンを殺した時にそれを飛龍院クンが見たんだ!それで口封じで飛龍院を殺したんだ!」

 

囲井「資料館の外で殺されている闘山の殺害現場を『見た』とは思えないんだけど」

 

別技「そもそも口封じじゃないと2人も殺す必要ないよね」

 

曲原「『2人』殺されたからって口封じとは限らない」

 

一華「では何故スタンガンが使われているんですか?」

 

柏「『スタンガン』で死んだとは限らないよ」

 

羽川「アクバって書いてあるのは同一人物だーって思わせないためじゃないの?」

 

霊山「『アクバ』なら闘山クンにも血文字を残しているはずだし、今更手口を変えるなんてやり方が中途半端すぎるよ!」

 

釣谷「闘山を運んだとかそういうのじゃないの?」

 

柏「いや、退室歴はなかったから『運んだ』なんてありえないよ」

 

 

 

 

全論破

柏「これが僕たちの答えだ!」曲原「これが俺の答えだ」囲井「これが私の答えよ」霊山「これが僕たちの答えだ!」神道「……」

 

 

 

 

 

 

 

柏「犯人は必ずしも同一人物とは限らないよ」

 

曲原「俺はむしろ一つの可能性さえ考えている」

 

釣谷「一つの可能性?」

 

曲原「ああ、まず、闘山を殺した犯人はまたまた飛龍院に現場を見られ……」

 

別技「だから!なんで犯人が資料館で闘山を殺したことになるのさ!」

 

安藤「確かに、前提がおかしいな」

 

曲原「ならどうやって犯人が資料館の中で闘山を殺したか、考えればいい」

 

柏「……」

 

 資料館の中で闘山クンを殺す方法か……。

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ モノクマファイル3

コトダマ 壊れた屋上の自動ドア

コトダマ 闘山の首

コトダマ 羽川の証言

 

 

 

 

安藤「何か『衝撃』でも与えたのか?」

 

羽川「バキューン!って『銃』で!」

 

霊山「死因は感電死のはずだよ……」

 

一華「スタンガンを『投げた』とかどうでしょう」

 

囲井「スタンガンは資料館にあったんだから意味ない」

 

別技「スタンガンを『落とした』とか」

 

 

 

 

 

 

 

別技「『落とした』」

 

 

コトダマ 闘山の首

 

 

同意

柏「それに賛成だよ!」

 

 

 

 

 

 

 

柏「別技クンの言う通り、犯人は屋上から闘山クンの首にスタンガンを落としたんだよ」

 

曲原「パズルに気を取られていたから尚更な」

 

釣谷「犯人が屋上を使った証拠は?」

 

柏「犯人が屋上を使ったかもしれない証拠はあるよ」

 

 

 

 

 

コトダマ 壊れた屋上の自動ドア

 

 

 

柏「屋上の自動ドアは破壊されていたんだ」

 

 

囲井「待ちなさいよ、落としたスタンガンはどうするの?スタンガンは外にあったのよ」

 

柏「あっ」

 

囲井「スタンガンを回収出来ないと意味ないでしょ」

 

 スタンガンを落としてもダメか。

 

柏「ロープに括り付けて落とした後に引き上げたとか……」

 

一華「資料館にロープなんかありましたか?」

 

囲井「スタンガンを慌てて隠した犯人にロープを見つからないように隠せるの?」

 

 

 

 

 

 

曲原「なら、普段から持ってるものを使えばいい」

 

柏「普段から持っているもの……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柏 祐一

 

歌浦 ココネ×

 

釣谷 涼太

 

神道 美雪

 

演川 玲子×

 

曲原 瑛二

 

一華 撫子

 

囲井 歩美

 

佐藤 雪也×

 

霊山 拓人

 

闘山 信弘×

 

飛龍院 鏡花×

 

別技 康介

 

踊場 ジュリア×

 

羽川 渚

 

安藤 露井戸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

釣谷 涼太◀︎

 

 

 

 

柏「釣谷クン、君なんじゃないかな。スタンガンを落として引き上げたのは」

 

釣谷「僕が犯人って言いたいの?」

 

柏「釣り糸を括り付けて呼び出しだ闘山クンのところに屋上から落としてリールで引き上げられるのは、いつも釣り竿を持って君しかいない」

 

 

 

 

 

 

反論

釣谷「君の推理はくだらない」

 

 

 

 

 

 

柏「釣谷クン……」

 

釣谷「バカバカしい推理だよ」

 

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ 飛龍院の外傷

コトノハ モノクマファイル3

コトノハ 入り口の入退室ログ

コトノハ 壊れた屋上の自動ドア

 

 

 

 

釣谷「そんなわけないじゃないか。そもそも資料館のスタンガンって本物なの?」

 

柏「あれが本物じゃないと飛龍院さんの事件と筋が合わない」

 

釣谷「飛龍院?僕は『飛龍院を殺してない』。そもそも闘山と飛龍院を殺した犯人は別々だって君は言ってたじゃないか」

 

釣谷「君の推理通りなら僕は飛龍院を『殺そうとしていない』よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

釣谷「『殺そうとしていない』」

 

 

 

コトノハ モノクマファイル3

 

 

 

論破

柏「その言葉、斬るよ」

 

 

 

 

柏「いや、君は確実に飛龍院さんを殺そうとしたはずだ。スタンガンで火傷しいるんだから」

 

曲原「1度しか使えないスタンガンを誤解して、たまたま犯行現場を見た飛龍院にスタンガンを使って殺害した。と思い込んだんだろう?」

 

柏「飛龍院さんの捻挫も逃げている途中だったんだ。焦って階段から落ちたんだと思う」

 

囲井「じゃあ飛龍院を殺した犯人は……」

 

釣谷「待て!僕は犯人じゃないって言ってるだろ!?」

 

曲原「首の方が不自然に焼けている。あれは上からやられないとああはならない。一番の長身の闘山を殺せるのは釣り竿を使う以外にありえない」

 

釣谷「ふざけるな!」

 

曲原「次は飛龍院だ、飛龍院を殺した犯人についてだ」

 

羽川「……ほんとに釣谷ちゃんが犯人なの?」

 

安藤「筋は通っているな。外での犯行と思わせて、資料館にいるというアリバイを作れている」

 

霊山「……釣谷クン……」

 

羽川「どうして闘山ちゃんを……嘘だ……」

 

曲原「信じたくないなら信じなくていい。飛龍院の事件について、話し合うぞ」

 

柏「飛龍院さんは誰に……」

 

釣谷「柏、君なんじゃないか。君が犯人だから話題を逸らすために僕が闘山を殺した犯人だって言ってるじゃないか?」

 

柏「そんな!」

 

曲原「柏の疑いが晴れたわけじゃない。お前には自分が犯人でないという納得のいく説明か、証拠を出してもらう」

 

 証拠……?証拠なんて……ない。

 

 

 

 

神道「……う」

 

柏「え?神道さん?」

 

 

 

 

 

神道「で……せ……ょう」

 

 

 

霊山「電子生徒手帳?」

 

神道「ログ……」

 

曲原「電子生徒手帳のログ……、おい、柏、電子生徒手帳を見せてみろ」

 

柏「うん」

 

 曲原クンに電子生徒手帳を渡すと

 

曲原「これか。……柏、お前の無実は確定した」

 

 

2F 14:20 入室

2F 14:55 退室

 

 

柏「ログ!?電子生徒手帳にも!?」

 

 

曲原「羽川、お前もだ」

 

羽川「うん」

 

 

4F 14:15 入室

4F 14:52 退出

 

 

 

曲原「一華、見せてみろ」

 

 

 一華さんの電子生徒手帳をずっと曲原クンは、一華さん睨みつけた。

 

 

曲原「お前が犯人か」

 

柏「え!?そんな一華さんが……」

 

曲原「犯行可能なのは柏と羽川と一華しかいないつまり、ログによる無実が確認されていないのはお前だけだ」

 

霊山「アクバなんて血文字まで書いて、君一体……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一華「うふ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一華「あっははははははははははははは!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「一華……さん?」

 

 今までのおしとやかなイメージを覆すような笑い方。

 

 

 

 

一華「あーあ、あたしとしたことがバレたか。慣れないことするもんじゃないな」

 

曲原「認めるのか?」

 

一華「うん、あたしがアクバだから」

 

拓也「な!?テメェが本物のアクバ!?」

 

一華「嘘ついても仕方ないっしょ。でもなー、あたしにはアクバって言う決定的証拠ないもんなぁ。証拠はぜーんぶ、処分したし」

 

拓也「ふざけるな!テメェ、なぜ俺を殺したんだ!?」

 

一華「依頼」

 

拓也「は?」

 

一華「だーかーら、依頼だって。まあ、殺人はただの趣味だけどさ」

 

曲原「要は殺し屋か?」

 

一華「うん、アクバは殺し屋界隈の称号さ。その後、警察にも伝わって、有名になったの。警察も法では裁けない犯罪者を殺してるから、アクバの犯行を黙認してるんだ」

 

拓也「ざけんじゃねぇ!!なんで俺が殺されなきゃいけねぇんだよ!!」

 

一華「うるさいなぁ、依頼だって言ってるじゃん。あんたが大会で無双するからよく思わない奴がいんの」

 

柏「そんな理由で霊山クンを……拓也クンを殺したのか!?」

 

羽川「じゃあ飛龍院ちゃんは……飛龍院ちゃんはどうして!?」

 

一華「ああ、単純にあたしも外に出たかったんだ。あと報酬100億円とか殺し屋人生で絶対稼げない額だし!」

 

囲井「何こいつサイコパスなわけ?こわっ」

 

別技「ひぃぃぃ!悪霊退散悪霊退散!」

 

安藤「こいつは佐藤クンとも踊場クンとも演川クンとも違う。なんなんだ!?」

 

霊山「でもなんで君が、一華流を広めるために活動する君が、なんで!?」

 

一華「あたし、花とか嫌いなんだ」

 

柏「え?」

 

一華「おしとやかにするとか、礼儀とか、花とか大嫌い。あたしをあたしのままでいさせてくれるのが、殺人なんだよ!」

 

 一華さんは着物からハサミを持ち出し、みんなに脅すように見せつけた。

 

羽川「ぎゃあ!?」

 

柏「あのハサミ…!」

 

 

 

コトダマ 配線が切られたエレベーター

 

 

 

曲原「あれでエレベーターの配線を切ったのか。飛龍院を殺した凶器でもありそうだな」

 

柏「意味、わからない……」

 

曲原「犯行を認めているなら投票だ、釣谷と一華に投票だ」

 

釣谷「僕は犯人じゃない!みんなもそう思うだろ!?」

 

 

 

霊山「……」

 

安藤「……」

 

別技「……」

 

羽川「……」

 

囲井「……」

 

神道「……」

 

 

 

 

 

一華「あははははっ!もう終わりだねぇ!」

 

釣谷「君だって死ぬんだぞ!」

 

一華「あたしは死なないよ?だって投票は最初に死んだ人間のクロだけだから」

 

釣谷「は?」

 

柏「どういうこと?」

 

 

 

モノクマ「言い忘れてたけど、一回の学級裁判で2件以上の殺人が起きた時は最初の殺した方のクロだけに投票してよね。じゃないとみんな混乱するでしょ?あ、裁判前に一華さんだけには話したか」

 

拓也「じゃあアクバは!?アクバは殺せねぇのかよ!?」

 

モノクマ「残念だったね、一華さん!諦めて次の殺人にどうぞ」

 

一華「わーい」

 

拓也「ふざけんなテメェ!」

 

別技「よりにもよって一番危険人物っぽいのを……」

 

 

 

 

釣谷「違う!僕じゃない!僕は犯人じゃない!」

 

 

 

曲原「今回の事件は複雑だ。全て振り返って、明るみにするしかない」

 

柏「うん」

 

 

 

 

 

クライマックス推理

 

 

柏「これが事件の全容だよ」

 

 

 

 

 

ACT1

 

柏「犯人はまず、闘山クンをメールで呼び出したんだ。自分が資料館にいるというアリバイを作ることが出来るからね」

 

 

ACT2

 

柏「僕、羽川さん、闘山クンで資料館に行ったんだ。資料館の中には神道さん、飛龍院さん、一華さん、そして犯人もいたんだ」

 

 

ACT3

 

柏「約束の時間、資料館裏に向かった闘山クンはパズルを見つけて屈んだんだ。でも、それすらも犯人の罠だったんだ。屋上に上がった犯人はモノクマが隠した爆裂スタンガンを釣り糸に括り付けて待っていた犯人は、スタンガンのスイッチを入れて、屋上からスタンガンを投げてパズルに気を取られていた闘山クンに命中させたんだ。その後、リールでスタンガンを引き上げたんだ。これが資料館にいるというアリバイを作りながら殺人が出来るトリックだよ」

 

 

ACT4

 

柏「こうして犯人は死亡を確認したんだけど、犯人にも想定外の事態が起きた。飛龍院がその様子を見ていたんだ。殺人をしているのを目撃されたわけじゃないけど、学級裁判で話されると厄介だから犯人は飛龍院さんを追いかけたんだ」

 

 

ACT5

 

柏「飛龍院さんは逃げる羽目になったわけだけど、飛龍院さんは足を踏み外して、捻挫してしまったんだ。犯人はスタンガンを飛龍院に当てて殺したと思い込んだんだけど、爆裂スタンガンが人を殺せる威力なのは一度だけなんだ。それでも飛龍院さんを動けなくするには十分だった」

 

 

ACT6

 

柏「そこへ一華さんがやってきたんだ。一華さんはこの状況を利用しようとしたんだ。一華さんはエレベーターに乗り、3階に向かい、3階の返り血を防ぐためのジャンパーを着たんだ。その後、エレベーターでまた飛龍院さんのいる5階に向かったんだ」

 

ACT7

 

柏「そして飛龍院さんを複数回刺して殺害し、アクバという血文字を残した後、エレベーターに乗り3階で返り血の着いたジャンパーを隠した後、またエレベーターに乗り、1階で降りた後、飛龍院さんを殺した刃物で配線を切り、エレベーターを使用不可にしてアリバイ工作をしたんだ」

 

ACT8

 

柏「その頃犯人は飛龍院さんの遭遇に焦り、慌てて爆裂スタンガンを女子しか入らないから見つかりにくいと思ったのか、女子トイレに隠したんだ。かなり本人も焦っていたから雑な隠し方をしたみたいだね」

 

 

 

 

 

 

 

柏「これが真実だ。そうだよね、超高校級の釣り師、釣谷涼太!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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おしおき編

モノクマ「じゃあ投票タイムだね!わかってる?ちゃーんと最初に殺したクロに投票するんだよ?」

 

釣谷「……」

 

 なんだろう、釣谷クン、急に大人しくなった?

 

 

 

 

投票結果

 

釣谷 涼太 10票

 

 

 

正解!とモニターに表示された。

 

 

 

学級裁判 閉廷

 

 

 

 

 

モノクマ「オマエラやっるぅ!闘山信弘クンを殺したクロは釣谷涼太クン、飛龍院鏡花さんを殺した犯人は一華撫子さんでした!」

 

 

拓也「やっぱり飛龍院を殺したのはテメェか!」

 

一華「あら?今回のクロは釣谷クンですよ?」

 

 一華さん、またキャラが変わってる……。

 

拓也「ふざけんな!テメェもクロだ!」

 

モノクマ「だーかーら!クロは1人だけなんだって!」

 

柏「釣谷クン、どうして闘山クンを殺したの?」

 

釣谷「100億円が魅力的だったのもあるけど一番はここから出て行きたかっただけだよ。闘山をターゲットにしたのはバカだったから、それだけだよ」

 

羽川「そんなっ、そんなことで闘山ちゃんは……」

 

安藤「みんな出ていきたいのに何故、君だけそんなことを!」

 

釣谷「だって、ルールじゃないか。僕はルールに従っただけ。学校裁判で皆に挑んで、負けた。だから素直におしおきも受ける」

 

曲原「だから自分に投票したのか」

 

モノクマ「じゃ、さっさとおしおきを始めましょうか。本人も殺られる気MAXだしね!」

 

拓也「チッ、アクバもおしおきすれば良いのに」

 

モノクマ「超高校級の釣り師の釣谷涼太クンにはスペシャルなおしおきを用意しました!」

 

柏「釣谷クン!」

 

 確かに釣谷クンは殺人犯だ、でも。

 

釣谷「同情?バカバカしいね、君」

 

モノクマ「張り切って行きましょう、おしおきターーーイムッ!!」

 

 

 

GAME OVER

 

 

ツリタニクンがクロにきまりました。おしおきをかいしします。

 

 

 

 

 

キャッチ ア シャーク 超高校級の釣り師 釣谷涼太処刑執行

 

 

 

 

 海に落とされた釣谷は、首にロープをつけられ、まるで釣りをするようなモノクマに、振り回された。

 水中の寒さはもちろん、首のロープは釣谷を苦しめていた。本人の生存本能からか、首のロープに手をかけていた。

 そこへ、物凄い速さでサメが迫ってくる。

 

 

 

 

 

 サメに釣谷が飲み込まれると同時にサメをモノクマは釣り上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノクマ「エクストルネード!!あ、言い忘れてたけどもう100億円は無しだからね!」

 

 

柏「終わった……んだ」

 

拓也「終わってなんかねぇ!!」

 

囲井「一華をほっといていいの?」

 

安藤「だからと言って殺すわけにはいかない」

 

 

 

 

一華「さ、帰りましょう、皆様」

 

 

 その言葉に誰も答えなかった。

 

一華「あらぁ。仕方ないですね。……あたしも飽きてきたし、帰るわ!」

 

拓也「待てテメェ!」

 

曲原「どうすれつもりだ?まさか殺すんじゃないだろうな?」

 

拓也「くっ、じゃあどうするんだよ!あんな殺人狂、ほっといたら誰か犠牲になるだろ!」

 

 

 

 

 

 

羽川「霊山ちゃん!!お願い!闘山ちゃんが何を考えてるか、教えて!」

 

柏「羽川さん……」

 

拓也「今はそれどころじゃねぇだろ!」

 

羽川「だって、だって、闘山ちゃん、いきなり殺されて……」

 

 涙を見せる羽川さんに拓也クンは困ったような表情を見せた。

 

霊山「あ、あれ?裁判終わった!?」

 

別技「そこからなんだ……」

 

羽川「霊山ちゃん!お願い、闘山ちゃんのこと教えて!」

 

霊山「あ、うん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山「だめだ、何も感じない」

 

羽川「どうして?」

 

霊山「死んで日が浅いから確実だとは言えないけど、闘山クンには未練がなくて、成仏が早いのかな」

 

羽川「そんなことない!闘山ちゃんはまだラグビーしたがってたし、そんな……」

 

霊山「もう数日したら何か分かるかもしれないよ」

 

 

 

柏「……」

 

 今までの殺人だって悲しかった。けど、今回は闘山クンのこともそうだけど、アクバのこと、まだまだ問題が残ってる。

 

 

柏「どうしたら良いんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超高校級のラグビー選手 闘山信弘 死亡

 

超高校級の令嬢 飛龍院鏡花 死亡

 

超高校級の釣り師 釣谷涼太 死亡

 

 

 

 

 

 

生き残りメンバー 9人

 

 

 

 



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Chapter4 心のない怪物
(非)日常編 1


15日目

 

 

柏「……」

 

 いつも元気な羽川さんが……。

 

羽川「……」

 

 

霊山「は、羽川さん、ちゃんと食べないと身体に悪いよ」

 

柏「霊山クン、それくらいにした方が……」

 

霊山「……そう、だね」

 

 

 

安藤「みんな、ホットケーキでも焼いたんだが、食べないか?」

 

柏「ありがとう」

 

霊山「食べるよ」

 

 今、食堂にいるのは、僕、霊山クン、安藤クン、羽川さん、神道さんだけだ。曲原クンと囲井さんと別技クンはともかく、一華さんの姿はなかった。

 

 最初は16人もいたのに、どうしてこんなことに。

 

柏「……」

 

 

 

モノクマ「やあ皆さん!」

 

柏「うわぁ!?」

 

安藤「何のようだ」

 

モノクマ「オマエラが学級裁判をクリアしたご褒美に新しい場所にいけるようにしておいたよ」

 

霊山「新しい場所に行けるようになればなるほど殺人が起きてる気がするけど……」

 

モノクマ「電子生徒手帳のマップにあるからよろしくね」

 

 

 

安藤「しかし、見てみる……というのも悪くないかもしれない」

 

霊山「このままってわけにもいかないしね」

 

柏「あとで見に行ってみよう」

 

 神道さんはうなづいたけど……

 

羽川「……」

 

柏「羽川さん……」

 

安藤「新しい場所の内容によっては元気になるかもしれない」

 

柏「うん」

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

柏「羽川さん、新しい場所に行ってみない?」

 

羽川「……うん」

 

 良かった、断られたらどうしようかと。

 

 

 その後僕らは霊山クンたちと新しい場所に来た。

 

 

 

 

 

柏「これは?」

 

霊山「時計台……かな」

 

 大きい時計台だ。

 

安藤「なるほど、私の体内時計はこれを基準にしているのか」

 

柏「え?どういうこと?」

 

安藤「私は電波時計を中心に活動しているのだ。だからあれが今の私の体内時計だ」

 

柏「へぇ……」

 

 

 

 

 

別技「すごい!すごい!調べさせて!」

 

安藤「別技クン!?」

 

 

 

柏「別技クン、こんなところに……」

 

曲原「一足遅かったな」

 

柏「曲原クンも」

 

曲原「話はモノクマは聞いた。予めここを調べておく」

 

柏「調べる?」

 

曲原「ああ。脱出の手がかりはないか、モノクマを出し抜けないか、そしてまた殺人が起きないか」

 

柏「っ!?もう殺人が起きたりしないよ!」

 

曲原「むしろ一華が自分がアクバと暴露したことでその危険性が上がったと思うがな」

 

柏「っ……」

 

 一華さんがアクバ……信じたくないけど、間違いなく、少なくとも飛龍院さんを殺している。

 

曲原「どちらにしろ、俺は調べる」

 

 

 

 

 

 

霊山「すごい、映画館だ!」

 

 時計台には映画館が展開されていた。

 

霊山「有名な映画がいっぱいあるよ!監原誠也監督の作品もある!」

 

柏「監原誠也?」

 

霊山「有名な映画監督だよ、高校生の。親子で映画監督で小さい頃からお手伝いしていたみたい」

 

柏「へぇ…」

 

霊山「記憶喪失だからどれも新鮮に楽しめて良いかもね」

 

柏「……」

 

 そういえばそうだな。なんかそれどころじゃなくて忘れてた。僕は最低限の教養はあるみたいだし。

 

霊山「あ、ごめんね」

 

柏「いや大丈夫だよ」

 

霊山「ポップコーンあるね、羽川さん、食べる?」

 

羽川「……」

 

霊山「……」

 

柏「映画でも見て元気出そうよ」

 

 

 

 

 

一華「それは良い考えですね」

 

 

 

 

 

霊山「うわぁ!?」

 

柏「な、何しに来たんだ!?」

 

一華「まあ酷いじゃないですか、仲間に」

 

拓也「俺と飛龍院を殺しておいてよく言うぜ!」

 

 

 

曲原「一華。貴様が何を考えているのかは知らないが、殺人が起きれば真っ先に疑われるぞ」

 

一華「ああ、心配には及びません。私はこれから殺人を眺めることにします」

 

曲原「殺人を眺める?」

 

一華「ええ。3度の学級裁判を見て思いました。人間は死の淵でもがくほど美しいと。すぐに殺すのはもったいない。いえ、殺すなんてもったいない。誰かが、誰かを殺すところがみたい」

 

拓也「ふざけんなこの殺人鬼!」

 

一華「というわけで楽しい殺人をお願いしますね」

 

 

 

 

 行ってしまった。

 

 

拓也「クソ……」

 

 

 

 

安藤「おーーい、みんな!」

 

柏「安藤クン……」

 

安藤「温泉とサウナを見つけたぞ!」

 

 温泉とサウナ!?

 

 

 

 

 

 

柏「ひろーい、良いなぁ」

 

霊山「みんなで入りたいね」

 

 でも男子で一緒に入ってくれそうなのって……。

 

柏「安藤クン入れるの?」

 

安藤「私は防水対応だが、湿気にはあまり強くてなくてな」

 

柏「ということは」

 

霊山「僕たちだけだね」

 

 曲原クンや別技クンも来たら良いのに……。

 

安藤「それで気づいたんだが」

 

 安藤クンがこっそり僕らに耳打ちをした。

 

安藤「サウナには監視カメラが存在していなかった。湿気で壊れるんだろう。だからこれからサウナを利用しよう。他のメンバーにも伝える」

 

柏「分かった!」

 

 

 

モノクマ「ねぇねぇ、何話してるの?」

 

柏「うわっ!?」

 

霊山「夕食の話だよ、あっち行ってよ」

 

モノクマ「あっそ」

 

 意外とあっさり引いてくれたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一華「ところでさー、モノクマ?今回はどうするの?」

 

モノクマ「あのね、君はただの生徒なんだよ?僕は君に加担するわけにはいかないの!」

 

一華「じゃあせめて動機くらい良いでしょ?」

 

モノクマ「動機?それは君だよ」

 

一華「あたし?」

 

モノクマ「うぷぷぷ、動機はね。もう溜まりに溜まってるんだよ。外の不安、身内の敵、連続する殺人。もうみんな疑心暗鬼が止まらないはずだよ」

 

一華「ははははっ!そういうことね」

 

 

 

 

 

 

 

 



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(非)日常編 2

16日目

 

 

 

安藤「掃除当番を決めよう」

 

囲井「人を集めたと思ったらいきなり何?」

 

安藤「温泉の汚れが酷くてな、だから掃除当番を決めるんだ」

 

曲原「俺は温泉を使わないからパスだ」

 

安藤「ダメだ!全員参加して連帯感を生まなくては」

 

柏「掃除は楽しいと思うよ。なんというか……気も紛れるし。綺麗に掃除した方が、佐藤クンに踊場さん、歌浦さんに演川さん、闘山クン飛龍院さん、釣谷クンも喜ぶじゃないかな」

 

曲原「……」

 

囲井「そう言って断れないようにするんだ」

 

羽川「……」

 

霊山「しっかりやるよ」

 

神道「…私…も…」

 

別技「え?あ?そういう雰囲気?」

 

安藤「決まりだ!」

 

 

 くじ引きの結果、A班は僕、曲原クン、囲井さん、B班は安藤クン、霊山クン、C班は羽川さん、別技クン、神道さんになった。

 

 

 

霊山「あ、みんな、言い忘れてた朗報があるよ。闘山クンの霊気が強まったんだ」

 

羽川「本当!?」

 

柏「闘山クンはなんて……?」

 

霊山「……なんとなく察してはいたけど、闘山クンは自分が死んだことを理解してないみたい。早く話せるようになれれば良いんだけど……」

 

羽川「闘山ちゃん……!」

 

柏「あ!?羽川さん!?」

 

 羽川さんは走ってどこかへ行ってしまった。体育会系の彼女に凡人の僕は追いつけなかった。

 

 

霊山「柏クン、羽川さんはそっとしておいてあげよう」

 

柏「うん……」

 

 

 

 

 

 

 

17日目

 

 

 

安藤「みんなに集まってもらったの他でもない。みんなで映画を見るのだ!」

 

曲原「そんなくだらないことで俺を呼んだのか?帰らせてもらう」

 

柏「ちょっと曲原クン!」

 

霊山「みんなでまた集まると何か起きたりしないかな……」

 

曲原「前回は集まらなくても殺人が起きたがな」

 

安藤「何しても殺人が起きる可能性があるなら、これから殺人を予定するものにわからせれば良い!我々は負けないと!!」

 

囲井「はぁ?意味分かんない」

 

安藤「ミステリ映画を見るのだ!事件を必ず紐解かれるものだと犯人に分かってもらえば事件は起きようがない!」

 

柏「うーん?」

 

 意味、わからないな。

 

曲原「ようはミステリ映画を見ることであらゆる殺人手段を全員に周知させてトリック自体を潰す……ということか」

 

安藤「ああ」

 

曲原「多少は意味はあるだろう」

 

 意外だな、曲原クンが肯定するなんて。

 

羽川「映画!?見たい見たい!」

 

柏「羽川さん?大丈夫?」

 

羽川「見るぞー!」

 

霊山「…昨日のこと、少しは効果あったかな」

 

柏「そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノクマ「僕が作った最高のミステリを上映するよ」

 

柏「えぇ……」

 

曲原「時間の無駄だな」

 

安藤「想定外だ!」

 

囲井「嫌な予感しかしない」

 

羽川「ホラー映画かも!」

 

霊山「まともなものは期待出来ないね」

 

別技「見ない方がマシかも」

 

神道「……」

 

一華「楽しみです」

 

拓也「テメェ、何、自然混ざってるんだ!」

 

一華「当然じゃないですか、私も魅才学園の生徒なんですよ?」

 

柏「っ……!」

 

曲原「ほっとけ」

 

 

 

 

モノクマ「せっかく僕が用意したのに!見ないと夕飯抜きだからね!」

 

羽川「何その悪戯した子供の罰みたいな!」

 

曲原「ようは強制か」

 

安藤「良いだろう、見てやる!」

 

 

 

 

 

 

 

モノミ殺熊事件

 

 

ナレーション「探偵のモノクマは豪華客船乗っていました。そんな時、なかなか朝食に現れないモノミとモノクマーズを心配して部屋に行きました」

 

モノクマ「あ、あれは!モノミじゃないか!」

 

ナレーション「モノミちゃんは氷漬けにされて死んでいました」

 

モノクマ「それにモノクマーズまで!」

 

ナレーション「モノクマーズはそれぞれ胴体が真っ二つにされていました」

 

モノクマ「これは、殺熊事件だ!」

 

モノクマ「モノミとモノクマーズは誰かに殺されたんだ、一体いつ?」

 

 

 

 

モノクマ「モノクマの名にかけて!真実は多分一つ!」

 

 

モノクマ「犯人はモノミを冷凍室に入れて、凍らせて殺したんだ!モノクマーズは切断された!そして犯人はお前だ!」

 

 

ナレーション「モノクマは瞬時に犯人を特定しましたとさ。めでたしめでたし」

 

 

 

モノミ「あちしはウサギでちゅー!というか、勝手に殺すなでちゅー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「は?」

 

 意味がわからない。僕が記憶喪失だとしてもあまりにひどい。

 

羽川「史上最大のダメ映画って言われたエンジェルウーマンの方が面白いね!」

 

囲井「見るんじゃなかった」

 

曲原「そもそも映画として成り立ってない」

 

別技「こんなの見るくらいならゲームするよ」

 

霊山「ね、寝る暇もなかった」

 

安藤「モノクマはこれを面白いと思うのか?」

 

 

 

 

モノクマ「面白かった?」

 

安藤「他のミステリ映画を見よう!」

 

モノクマ「あ、こらー!」

 

 

 



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(非)日常編 3

18日目

 

安藤「今日もミステリ映画だ」

 

羽川「他の映画はダメなの?てエースストライカーを狙えとか!」

 

安藤「ダメだ!それでは意味がない」

 

別技「でもあんなつまんない映画は見たくない……」

 

柏「あの、別にモノクマには何も言われてないし、他のでも良いんじゃないかな?」

 

安藤「ああ。ということで監原誠也監督のミステリ映画、who is criminalって映画だ」

 

霊山「見たことあるよ、最後の……」

 

羽川「うあああ言わないで!」

 

柏「霊山クン!」

 

霊山「あ、ごめんね」

 

安藤「まあ、これは完全犯罪目指す犯人を主人公とした映画。これによりみんな人殺しなどしたいと思えないだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「面白かったねぇ」

 

安藤「よし決めた!」

 

柏「どうしたの?」

 

安藤「24時間ミステリ映画を見る」

 

囲井「帰る」

 

曲原「俺も帰らせてもらう」

 

柏「あ、ああ!2人とも!」

 

安藤「仕方ないなぁ。何が起きても知らないぞ」

 

羽川「ミステリ以外みたーい!あたし、ミステリ以外見るからね!ね!」

 

 

 バラバラになっちゃった。

 

 

安藤「まあ仕方ない、見るか」

 

柏「そうだね」

 

別技「早くあの監原誠也監督のミステリが見たい」

 

霊山「あれもう僕見たよ、最後は度肝を抜かれたよ」

 

神道「……」

 

柏「じゃあ見ようかと前に僕ら掃除当番だったんだ」

 

安藤「分かった、掃除当番頼んだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

別技「あーもう!良い加減トイレ行くからね!」

 

霊山「僕も」

 

柏「あはは、まあ、そうなるよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう夜かな。いい加減眠くなって来た。

 

柏「安藤クン、そろそろ帰って良いかな?ってあれ?安藤クンは?」

 

別技「あれ?本人は帰っちゃったの?」

 

霊山「かれこれ2時間近く安藤クンを見てないけど……」

 

神道「……っ」

 

 

 僕らは数分間、バラバラに捜索をしていた。そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

 

モノクマ「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、『学級裁判』を開きます!」

 

 

 

 

 

柏「え?」

 

霊山「し、死体って……全く霊気を感じなかったよ」

 

別技「ああああ!もう嫌だあああああ!」

 

神道「……っ」

 

柏「とにかく探そう」

 

 

 すると僕らの電子生徒手帳にメールが届いた。

 

柏「羽川さんから?」

 

 

 温泉の前に来て!

 

 

 

 

 

霊山「温泉……?」

 

柏「……まさか…!」

 

 大丈夫、だよね?また殺人なんて……起こらないよね?

 

 

 

 

 

22:30 温泉

 

曲原「来たか」

 

柏「曲原クン……」

 

囲井「青ざめた羽川が私をつかまえてたから……」

 

 このメンバーで、霊山クンが霊気を感じなかった……ということは。霊気を感じない存在ということ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 奥を覗くと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雪に塗れ、動かない超高校級のアンドロイド、安藤露井戸クンの姿があった。

 



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非日常編

柏「そんな!安藤クン!……別技クン、直せない?」

 

別技「無理だよ!修理の仕方なんて……。内部にあるメモリーカードとかもやられてるかも」

 

曲原「何よりモノクマが死体認定しているからな」

 

羽川「取り戻せないの!?」

 

モノクマ「無駄無駄無駄無駄。もう安藤クンは完璧に死んでるって!」

 

霊山「モノクマっ……!」

 

モノクマ「はーい、モノクマファイル4!もう4回になるんだね。4回だけにビューティフォー!頑張ってねー」

 

 

 

曲原「とりあえず、モノクマファイルを読むぞ」

 

 

22:35 捜査開始

 

 

 

 

 

モノクマファイル4

被害者は超高校級のアンドロイド、安藤露井戸。

死亡時刻は21:30〜22:00の間と思われる。

内部にある記憶や人格を司るメモリーカードに損傷が確認されたため、これを以て死亡と扱う。

死体発見場所は温泉入り口。

 

 

 

コトダマ モノクマファイル4

 

 

 

 

柏「……」

 

 今までよりピンと来ない。もう安藤クンは死んでしまったのか?もう安藤クンは一生戻って来ないのか?

 

曲原「なくなったパソコンのデータが戻らないように安藤というアンドロイドはもうこの世には存在しない」

 

 そんな風に僕は割り切れなかった。アンドロイドなんだからまだ復活出来るんじゃないかって。

 

曲原「あいつもまた命なんだ。破壊されればその命は尽きる。捜査するぞ」

 

柏「……」

 

曲原「21:00から22:00?死亡時刻が定まっていないのか?」

 

柏「モノクマでも機械が壊れたかどうか断定するの難しかったのかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一華「なになに?楽しそうだね!」

 

 

 

 

拓也「一華テメェ!?何しに来やがった!」

 

囲井「アンタが安藤を殺したの?」

 

一華「ひどいなぁ、殺人なんかしないって」

 

曲原「死亡推定時刻には俺が一華を見張っていた」

 

一華「見つめ合いましたよね」

 

柏「見張ってた!?」

 

一華「曲原さんひどいんです。淑女をずぅーっとストーカーして」

 

拓也「誰が淑女だ!」

 

 ずっと見張ってたんだ、曲原クン……。

 

 

コトダマ 曲原の見張り

 

 

羽川「それより捜査だよ捜査」

 

 羽川さんが安藤クンに触れようとする。人間の死体よりは抵抗感が薄いらしい。

 

曲原「おい、やめろ!」

 

 

 

 

 

羽川「きゃああああああ!?」

 

 

 

 

柏「羽川さん!?」

 

羽川「痛い、痛いよー!」

 

 雪を触った羽川さん、どうしたんだ?

 

曲原「遅かったか」

 

囲井「まさか、ドライアイス?」

 

霊山「ドライアイスって触ると凍傷するんだよね?」

 

 

コトダマ ドライアイス

 

 

羽川「いたーい!温めてくる」

 

曲原「見張りをつけるぞ」

 

囲井「私がやる」

 

別技「僕もやるよ」

 

曲原「わかった、お前たちに見張りを任せる」

 

 

 

 

柏「けど、ドライアイスなんて…」

 

曲原「ドライアイスなら倉庫で見かけた」

 

柏「でもドライアイスで壊すなんて……」

 

曲原「ドライアイスで壊せるとは思えないな。別技はどう思う?」

 

別技「寒いところに長時間さられたら壊れると思うけど」

 

曲原「ドライアイスぐらいで壊れないだろ。安藤が生きていたならドライアイスを取り払うはずだ。アンドロイドなら凍傷もしないしな」

 

別技「なら冷凍庫とかにいれられたとか!」

 

曲原「安藤はなぜそんなところに大人しくいられる?」

 

別技「もう!僕はエンジニアで、安藤クンの専門家じゃないって!!」

 

柏「それくらいにしてあげてよ、曲原クン」

 

 

 

 

 

霊山「うわああああっ!?」

 

 

柏「!?どうしたの、霊山クン!」

 

 

霊山「あ、あれ……」

 

 

 霊山クンが指差した先、そこには真っ二つにされた人形だった。

 

曲原「人形?」

 

霊山「ひ、ひどい」

 

拓也『ただの人形に何びびってんだよ』

 

 

柏「な、なんだこれ」

 

曲原「……胴体が真っ二つにされているな」

 

 

コトダマ 真っ二つにされた人形

 

 

柏「どうしたの?曲原クン?」

 

曲原「お前も見ただろ?『モノミ殺熊事件』を」

 

柏「あのつまらない映画?」

 

曲原「ああ、あの手口が似ている」

 

柏「手口が似てる?」

 

曲原「見立て殺人だ」

 

柏「見立て殺人?」

 

曲原「映画や小説などの物語に見立てて同じように殺人をすることだ」

 

柏「なんでそんなことを……」

 

曲原「犯人に極度の拘りがあるか、もしくは何かしらの思惑、伝えたいことがあるか」

 

 あんなつまんない映画を真似するんだ……。

 

 

コトダマ 見立て殺人

 

 

 

曲原「俺は他の場所を捜査する」

 

 

柏「あ、うん」

 

霊山「でも僕らにはアリバイがあるね」

 

柏「え?」

 

霊山「僕と柏クンと別技クンと神道さんは21時半から22時までアリバイがあるよ。時計を確認にしたけど、4人ともいたんだ」

 

柏「そうか」

 

別技「つまり僕たちは犯人から外れるね!」

 

 

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

 

 

囲井「言っておくけど私と羽川はアリバイはある。私と羽川が安藤を発見して死体発見アナウンスされたから」

 

 

コトダマ 囲井、羽川のアリバイ

 

 

柏「そうなると……アリバイがないのは曲原クンと一華さんになる」

 

別技「やっぱ、アクバが犯人じゃないの?」

 

霊山「でも曲原クンは一華さんを見張ってたって……」

 

囲井「どうせ嘘でしょ」

 

柏「うーん……ともかく捜査を続けるよ」

 

 そう言えば、凍傷した羽川さんは大丈夫かな。

 

 

 

羽川「わー!」

 

柏「わっ、羽川さん!?大丈夫?」

 

羽川「うん。平気だよ。それよりサウナが変なんだ」

 

柏「サウナが変?」

 

羽川「行けばわかると思う」

 

 

 

サウナ

 

 

柏「うわっ、熱っ!最高温度じゃん!人が入れる空間じゃない」

 

 サウナのスイッチを切ろうとすると、

 

柏「なんか、扉が……傷だらけ?どうして?」

 

 

コトダマ 傷だらけのサウナの扉

 

 

 

羽川「あとね、床見てみて」

 

柏「床?」

 

 床に傷があった。

 

羽川「文字に見える…と思うんだ」

 

柏「確かに、むしろ文字にしか見えない」

 

 

けむり つぎ ふた かい 

 

柏「けむりつぎふたかい?」

 

羽川「意味わかんないよね!」

 

 

 

コトダマ 床の文字

 

 

 

神道「……あの」

 

柏「神道さん?」

 

神道「モップが……脱衣所……」

 

柏「モップが脱衣所にあったの?おかしいな、なんで?いつもは倉庫にあるはずなのに」

 

 

コトダマ 脱衣所のモップ

 

 

 出入り口に向かうと……

 

 

柏「あれ?これは?」

 

 台車だ。

 

柏「なんで台車が?」

 

 

コトダマ 台車

 

 

 

 

 

 

 

神道「……あの」

 

柏「ん?どうしたの神道さん?」

 

 神道さんからメールが送られて来た。

 

『電子生徒手帳の時計が3時間、一時的にズレていました』

 

柏「え?電子生徒手帳?」

 

 そんなことあったんだ。

 

神道「……」

 

柏「うーん、気にしておくよ」

 

 

 

コトダマ 神道の証言

 

 

 

 

 

 

曲原「柏」

 

柏「曲原クン?何か見つけたの?」

 

曲原「時計台に来い」

 

柏「時計台?」

 

 

 曲原クンに言われて、時計台の1番上まで来た。

 

 

柏「どうしたの?」

 

曲原「夕方には開いていた時計台の扉が事件後には閉まっていたから気になって調べたんだ」

 

柏「時計台には何もないけど……」

 

 

コトダマ 時計台の開閉

 

 

曲原「もしかしたら時計台で何かが行われたのかもしれない。それが犯人か安藤かはたまた第三者かは分からないが間違いなく、17時から時安藤が死んで死体発見アナウンスする前の時点で時計台の扉は閉まっていた」

 

柏「つまり17時から22時前まで使われてなかったんだね」

 

曲原「それに俺たちは掃除当番だった、18時から18時半までは犯人は温泉の辺りを利用していない」

 

柏「でもこの辺りで何かしら準備してないかな?」

 

 

コトダマ 掃除当番

 

 

 

柏「あと曲原クン、サウナで床に傷があってそこに不思議な文字があったんだ」

 

曲原「サウナ?傷の文字?」

 

柏「うん、『けむり つぎ ふた かい』ってのが平仮名で書いてあったんだ」

 

曲原「……安藤のダイイングメッセージ、かもな」

 

柏「えっ!?ミステリとかで見たダイイングメッセージ!?」

 

 

 

 

 

サウナ

 

曲原「はっきり文字に見えるな。これは単なる傷じゃない」

 

柏「……」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

 

モノクマ「はいはい終わり終わり早く裁判場に来てね」

 

 

柏「っ……」

 

曲原「まだ確信が持てないから言わないが、時計台は調べられるだけは調べた」

 

柏「曲原クン?」

 

曲原「行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 再び始まった学級裁判。僕らは何回、これをしなきゃいけないんだろうか。

 

 

 

 

 



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学級裁判 前編

コトダマ モノクマファイル4

 

被害者は超高校級のアンドロイド、安藤露井戸。

死亡時刻は21:30〜22:00の間と思われる。

内部にある記憶や人格を司るメモリーカードに損傷が確認されたため、これを以て死亡と扱う。

死体発見場所は温泉入り口。

 

 

コトダマ 曲原の見張り

曲原は一華をずっと見張っていたらしい

 

 

コトダマ ドライアイス

安藤の身体に大量に撒かれていたドライアイス。

 

 

コトダマ 真っ二つにされた人形

人形が胴体が真っ二つにされていた。

 

 

 

コトダマ 見立て殺人

『モノミ殺熊事件』の事件は凍死と胴体を真っ二つにされた斬殺であることからこの物語に見立てた可能性がある。

 

 

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

犯行時間には映画を見ていた。

 

 

コトダマ 囲井、羽川のアリバイ

2人が死体発見し、アナウンスが流れた。

 

 

 

コトダマ 傷だらけのサウナの扉

サウナの扉が傷だらけになっていた。

 

 

コトダマ 床の文字

『けむり つぎ ふた かい』と記されていた。

 

 

コトダマ 脱衣所のモップ

脱衣所に倉庫にあるはずのモップが置かれていた。

 

 

コトダマ 台車

出入り口に台車が置かれていた。

 

 

コトダマ 神道の証言

電子生徒手帳の時計が3時間ズレていたらしい。

 

 

コトダマ 時計台の開閉

夕方には開いていて、17時から死体発見アナウンスまで扉は閉まっていた。

 

 

 

コトダマ 掃除当番

18時から18時半まで、柏、曲原、羽川は掃除をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

学級裁判 開廷

 

 

 

 

 

モノクマ「では最初に学級裁判の簡単な説明をしておきましょう。学級裁判では『誰が犯人か?』を議論し、その結果はオマエラの投票により決定されます」

 

モノクマ「正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき、もし間違った人物をクロとした場合はクロ以外全員がおしおきされ生き残ったクロだけがこの島を出る権利が与えられます!」

 

 

 

モノクマ「もう4回目だねー。慣れたろうし、頑張ってね!」

 

 

 

 

 

拓也「犯人は決まってる!アクバだ!」

 

柏「待ってよ、まだ決まってないよ」

 

一華「そうだ、あたしがまだ犯人って決まってないよ。あたしは犯人じゃないし」

 

別技「1番怪しいのはお前じゃないか!」

 

囲井「飛龍院も殺したんだ。怪しいのは一華だよ」

 

柏「みんな……」

 

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ モノクマファイル4

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

コトダマ 曲原の見張り

コトダマ 神道の証言

 

 

拓也「『アクバが犯人』だ!」

 

別技「やりそうなのはアクバだけじゃん!」

 

羽川「『アリバイもない』もんね!アクバで決まりだよ」

 

一華「酷いです。私は『犯人じゃない』のに」

 

囲井「アンタ以外に『怪しい奴』がいるって言うの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「『アリバイもない』」

 

 

 

 

コトダマ 曲原の見張り

 

 

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「一華さんが犯人とは言い切れないんじゃないかな?そうだよね、曲原クン」

 

曲原「ああ。俺は一華を掃除の時間以外は監視していた。それに死亡推定時刻も一華を見張っていた」

 

一華「私たちはアリバイがありますものね」

 

別技「それが捏造って可能性は?」

 

柏「ありえないよ。だって一華さんを庇っても曲原クンに得はないよ」

 

霊山「一緒におしおきされるだけだもんね」

 

囲井「じゃあ、犯人は誰になるの?」

 

柏「だからみんなでどうやって安藤クンを殺したのか考えてみようよ」

 

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

コトダマ 見立て殺人

コトダマ モノクマファイル4

コトダマ ドライアイス

 

 

 

羽川「うーん、『殴られた』んだよ!アンドロイドも殴られたらひとたまりもないよ!」

 

囲井「安藤には『外傷なんかなかった』でしょ」

 

霊山「あれを外傷って言って良いのかな」

 

別技「『低温に晒されて続けた』のが原因だよ」

 

一華「うーん……外傷がないなら『内部を破壊された』んでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一華「『内部を破壊された』」

 

 

 

 

 

コトダマ モノクマファイル4

 

同意

柏「それに賛成だよ」

 

 

 

 

 

 

柏「モノクマファイルにある通り、内部のメモリーカードが破壊されたんだ」

 

囲井「どうやって内部のメモリーカードを破壊したの?」

 

羽川「電波攻撃!?」

 

別技「だから!低温に晒され続けたからだよ!」

 

羽川「ああ!確かに!怪我したもん!」

 

曲原「ドライアイス如きで機械が壊れるか」

 

一華「精密機器だったのかもしれませんね」

 

柏「だとしてもおかしいよ。あれだけ動き回れる安藤クンが、殺されるなんて」

 

曲原「万一にドライアイス漬けにされて殺されたとしても安藤が大人しくしているはずがない」

 

囲井「縛られてたとかない?」

 

曲原「あいつを簡単に縛れるか?それに縛られた痕跡はない」

 

柏「うーん……」

 

曲原「どうやって内部のメモリーカードを破壊したのかが焦点、いや、犯人を見つけ出す鍵になるはずだ」

 

一華「それより思いました、犯人が」

 

柏「え?」

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 掃除当番

コトダマ 真っ二つにされた人形

コトダマ 台車

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

 

 

一華「『犯人は別技』さんです」

 

別技「僕じゃない!何言ってんだ!」

 

曲原「根拠はなんだ?」

 

一華「だってさー。別技は『超高校級のエンジニア』だろ?機械に詳しいし、簡単に殺せるだろ!」

 

羽川「確かに」

 

囲井「私たちが知らなそうなことも知ってそう」

 

一華「別技なら安藤を壊し方を知ってると思うなあ」

 

別技「僕じゃないよーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一華「『犯人は別技』」

 

 

 

 

 

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

 

柏「いや、別技クンはアリバイがあるよ。21時半から22時なら僕と霊山クンと神道さんと一緒にいたよ」

 

別技「そうだよ」

 

囲井「じゃあ全員にアリバイがあるじゃん」

 

一華「お前にアリバイがあるのか?」

 

 それって

 

 

コトダマ 囲井、羽川のアリバイ

 

 

柏「囲井さんと羽川さんが安藤クンを見つけて死体発見したんだよね?」

 

囲井「そう、だから私たちは犯人じゃない」

 

曲原「なら全員にアリバイがあるな」

 

柏「それなんだよね、だから何かトリックがあるはずなんだ」

 

霊山「なら、もう一回気になることを話し合ってみよう」

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ モノクマファイル4

コトダマ 台車

コトダマ 見立て殺人

コトダマ 真っ二つにされた人形

 

 

 

囲井「あの『ドライアイス』。あれが変だ」

 

霊山「なんでドライアイスなんか使ったんだろう?」

 

別技「じわじわ『低温に晒して壊す』ためじゃないか?」

 

曲原「何のために」

 

羽川「うーん、犯人にとってドライアイスで殺したい『拘り』があるんだよ!ミステリで拘りが強い人いるよね!」

 

囲井「学級裁判を乗り越えるのにそんな拘りが必要なの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「『拘り』」

 

 

 

 

コトダマ 見立て殺人

 

 

 

同意

柏「それに賛成だよ」

 

 

 

 

 

柏「犯人は見立て殺人に拘ってるんだ」

 

囲井「なんで?」

 

柏「わからない。でも羽川さんの言う通り、同じように殺人をしたい欲求が犯人にはあったんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

反論

霊山「君の推理を除霊するよ」

 

 

 

 

柏「霊山クン!?」

 

霊山「悪い霊に取り憑かれてない?柏クン。あまりにも君らしくないよ」

 

 

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ 見立て殺人

コトノハ 真っ二つにされた人形

コトノハ 台車

コトノハ 神道の証言

 

 

 

霊山「とても見立て殺人には思えないよ」

 

柏「どうして?」

 

霊山「ここで見てきたミステリの中で、『似ている事件は無かった』よ。それに見立てるには無理があるよ」

 

柏「いや、似てる事件はあるよ。モノミ殺熊事件だよ」

 

霊山「似てないよ、殺されたのは『安藤クンだけ』で見立てになってない」

 

霊山「ドライアイスくらいしか『似ている要素はなかった』よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山「『似ている要素』」

 

 

 

 

コトノハ 真っ二つにされた人形

 

 

 

論破

柏「その言葉、斬るよ」

 

 

 

柏「いや、君が発見した真っ二つにされた人形は殺熊事件に出てきたのと同じだよ」

 

曲原「一つは凍死と二つ目は慚死。これらの事件を模倣して見立て殺人をしたんだ」

 

霊山「でも、そんなことして意味あるの?」

 

囲井「そうだよ。学級裁判を乗り切るのに見立て殺人なんかしてる場合なの?」

 

柏「だから犯人なりのメッセージが……」

 

曲原「犯人は俺たちに誤解させようとしているんだろうな」

 

柏「え?」

 

曲原「殺熊事件は俺たち全員が見ている。だから必然と見立て通りの殺害方法だと誤解させようとしている。ドライアイス如きで壊れないことも含めてな」

 

柏「やっぱり、それを考えないといけないんだ……」

 

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ モノクマファイル4

コトダマ ドライアイス

コトダマ 傷だらけのサウナの扉

コトダマ 台車

 

 

 

別技「ドライアイスじゃないなら……強い『衝撃』や『水』かな」

 

曲原「安藤は防水じゃないのか?」

 

別技「人間だって泳げても窒息するみたいに壊れてヒビが出来たら隙間から水に濡れて壊れるよ」

 

羽川「うーんじゃあ『溺死』?」

 

囲井「安藤の一部が壊れて水が侵入して壊れた……」

 

霊山「でも安藤クンは『破壊されてない』気がするけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山「『破壊されてない』」

 

 

コトダマ モノクマファイル4

 

 

 

 

論破

柏「それは違うよ」

 

 

柏「いや、モノクマファイルには内部のメモリーカードが破壊されたって書いてあるし、破壊はされている」

 

霊山「でも安藤クンはどこか壊れてるようには見えなかったよ」

 

曲原「安藤は内部『だけ』破壊されたと考える方が自然だ」

 

囲井「じゃあどうやって安藤は内部だけを破壊されたの?」

 

柏「それが困ってるんだ。どうやって内部だけを破壊したのか……」

 

曲原「いや、お前は言ってただろ、サウナがどうのと」

 

 それって

 

 

 

 

コトダマ 傷だらけのサウナの扉

 

 

 

柏「サウナの扉が傷だらけだったんだよね」

 

曲原「おかしいと思わないか?犯人は安藤を熱して殺したんじゃないか?」

 

 

 えっ……!?

 

 

 

 

 

 

 

 



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学級裁判 後編

柏「熱して殺したって…」

 

霊山「サウナの熱で!?」

 

曲原「ああ。サウナの傷は安藤の必死の抵抗だったんじゃないか?」

 

囲井「でもおかしいじゃん、サウナに入ったのならでれば良いだけ。サウナだけじゃ壊れない」

 

一華「ずっと扉を抑えて殺したんじゃないの?」

 

柏「いきなり割り込んできた」

 

霊山「でもみんなアリバイがあるからずっと扉を抑えるのは間違いだと思うよ」

 

別技「そもそもサウナってのが間違いなんだよ」

 

柏「曲原クン……」

 

曲原「……」

 

 何か考え込んでるみたい。でも、確かにサウナが関係してるはずなんだ。

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 傷だらけのサウナの扉

コトダマ 床の文字

コトダマ 台車

コトダマ 神道の証言

 

 

 

囲井「サウナなんて『関係ない』」

 

別技「そうだよ、『事件前についた傷』だよ」

 

羽川「誰かが、『ふざけて』がりがりーってしたんだよ!」

 

囲井「そもそもサウナに閉じ込める方法なんかない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「『ふざけて』」

 

 

 

 

コトダマ 床の文字

 

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

 

柏「いや、扉以外にも傷があったんだ。しかも文字のように見える。それを見つけたのは羽川さんじゃないか」

 

羽川「あ、えーっと。でも関係あるのかなーって」

 

囲井「あんた、死体発見アナウンスがなかったら怪しいよ」

 

曲原「とにかく、それはサウナに閉じ込められた安藤のダイイングメッセージだ」

 

羽川「ダイニングソーセージ?」

 

霊山「ダイイングメッセージ、死に際に残す言葉……」

 

柏「それが『けむり つぎ ふた かい』って平仮名で書いてあったんだ」

 

曲原「俺も確認済みだ」

 

囲井「けむり、つぎ、ふた、かい……?」

 

羽川「意味わかんなーい!」

 

曲原「犯人に気づかれないように書いてあるんだ。いくら忙しくても犯人の名前が直々に書いてあれば消すだろうが、意味不明な文字列に構ってる余裕は無いだろう」

 

一華「犯人が書いたとかは?」

 

曲原「貴様じゃあるまいし、ありえない。ましてや犯人はサウナに気づかれたくなくて見立て殺人をしたんだ。自分でダイイングメッセージを書くとは思えない」

 

柏「そうだね」

 

別技「待ってよ、じゃあどうやってサウナに閉じ込めたのさ」

 

霊山「結局そこに戻るんだね」

 

曲原「ともかく、犯人は安藤が死んだと断定されている間はアリバイがある。つまり一連の準備を21:30前に行っている」

 

 

 

 

 

ノンストップ議論 開始

 

コトダマ 掃除当番

コトダマ 代車

コトダマ 神道の証言

コトダマ 時計台の開閉

 

霊山「僕や神道さん、別技クンや柏クンには『アリバイがある』よ」

 

別技「いや、アリバイは18時からは柏、曲原、羽川はいなかった」

 

羽川「あたしはアリバイあるけどねっね!」

 

囲井「じゃあ『曲原たちが犯人』か」

 

曲原「バカかお前ら」

 

別技「だって!『君たちにはアリバイがない』じゃないか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別技「『君たちにはアリバイがない』」

 

 

 

コトダマ 掃除当番

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「僕らには掃除当番があるんだ、その時は違うよ」

 

曲原「そんなことも分からないのか」

 

別技「むっ……」

 

霊山「ややこしくなってきたね。えーっと整理すると、21時半から22時の死亡推定時刻にはみんなにアリバイがあって、18時から半までは柏クン、曲原クン、羽川さんにもアリバイがあるんだっけ」

 

囲井「つまり18時半から21時の間に犯人は行動したってこと」

 

一華「その時間は見張られてたんでアリバイがありますよ?」

 

曲原「……」

 

柏「え、えっと……。とりあえず曲原クンと一華さんは除外すると……あれ僕らも一緒にいた気が……」

 

霊山「いや、僕や別技クンはトイレに行ったよ?あ……」

 

囲井「その時は別行動でしょ?別技と霊山が怪しいんじゃん」

 

別技「怪しくないよ!だいたい、その前から安藤クンはいなかったよ!」

 

曲原「2人とも電子生徒手帳を見せてみろ、安藤を呼び出したんじゃないか?」

 

霊山「してないけど…」

 

別技「してないよ!」

 

 

 曲原クンが電子生徒手帳を見つめていた。けど…

 

 

曲原「……メールは送信歴は削除できないとなると……」

 

別技「ほらね!違うじゃん」

 

曲原「犯人はどうやって安藤を呼び出したんだ」

 

 

 

 

神道「あの……」

 

 

柏「神道さん?どうしたの?」

 

神道「……時計……ズレ」

 

柏「そうか!」

 

 

 

 

 

 

コトダマ 神道の証言

 

 

 

柏「聞いて欲しいだ。神道さんが3時間くらい電子生徒手帳がズレてたって」

 

曲原「何?」

 

霊山「じゃあ僕らのアリバイは無駄になるの!?」

 

別技「そんな……」

 

曲原「3時間もズレたら俺でもわかる。少しの時間か?」

 

神道「……うん」

 

囲井「でもそんなことしてなんの意味があるの?」

 

羽川「そうだよだよ。時間を変えるなんてどーやったの?」

 

別技「神道が怪しいんじゃないの?」

 

柏「ちょっ、ちょっと待ってよ!」

 

 

 

 

 

 

意見対立

 

 

 

時計は変更されたのか?

 

 

 

された!

柏、曲原、神道

 

 

されていない!

囲井、羽川、霊山、別技、一華

 

 

 

 

議論スクラム 開始

 

 

 

 

『ズラす』

『アリバイ工作』

『嘘』

『短時間』

『故障』

 

囲井「そんな短時間に時間をズラして意味があるの?」

 

曲原「『短時間』だから犯人の犯行の肝になるんじゃないか?」

 

霊山「3時間もズレていたらアリバイ工作にならないと思うけど……」

 

柏「それが『アリバイ工作』とは限らないよ」

 

別技「どうやって他人の電子生徒手帳の時間をズラすんだよ!」

 

曲原「あるんじゃないか『ズラす』方法がな」

 

羽川「故障とかじゃないの?」

 

曲原「『故障』なら直ったりしないだろ」

 

一華「それは神道さんの嘘なんじゃね?」

 

柏「僕と神道さんはずっと一緒にいてアリバイがあるんだ。『嘘』じゃない」

 

 

 

 

 

全論破

柏「これが僕たちの答えだ!」曲原「これが俺の答えだ」神道「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「とりあえず、時計のズレには納得して欲しいんだ」

 

別技「じゃあなんで犯人は時計をズラしたんだ?」

 

曲原「それは安藤も異変を感じたからじゃないか?」

 

柏「時計のズレを?」

 

曲原「柏、安藤はどうしたと思う?」

 

 えっと……

 

 

 

 

1.人に聞いた

2.席を外した

3.寝た

 

 

 

 

 

 

2.席を外した

 

 

 

柏「どういうことかを確かめるために席を外したんじゃないかな」

 

曲原「そうだ。安藤は一度、映画を見るのをやめて時計台に向かおうとした。それが犯人が『呼び出した』ということになる」

 

柏「え?」

 

曲原「犯人はなんらかの方法で時計を操作し、安藤だけを呼び出すことに成功したんだ」

 

囲井「待ってよ、安藤は電子生徒手帳で時計を見ておかしいと思って外に出たんでしょ?それっておかしくない?だって他の人間だって電子生徒手帳に違和感覚えたら外に出るじゃない。なんでたまたまピンポイントで安藤を狙えたの?」

 

柏「それは……」

 

曲原「時計自体は至る所にある。わざわざ電子生徒手帳を見るまでもない。現に、神道しか気づかなかったからな」

 

霊山「たまたま安藤クンは外に出たにしても随分な賭けだね」

 

柏「いや、たまたまじゃないかもしれない」

 

霊山「え?」

 

 

 

閃きアナグラム 開始

 

 

ぱ い で ど ん け

 

 

 

 

 

電波時計

 

 

 

柏「安藤クン、確か、電波時計で動いてるって言ってたんだ。だから電波時計に支障があったら確かめに行ったんだ」

 

 

羽川「どうやって?」

 

柏「きっとそれは……」

 

 

コトダマ 時計台の開閉

 

 

 

柏「きっと時計台だよ。時計台は夕方は開いていたのに17時以降は閉まっていたらしいんだ」

 

曲原「時計台で電波時計を狂わせるために予めやっておいたんだろうな」

 

一華「そんなこと出来るのは別技ぐらいだな!うん!」

 

羽川「あたし絶対出来ないよ!」

 

囲井「割とずっと怪しいよね別技」

 

 

 

 

反論

別技「僕なわけないだろ!!」

 

 

柏「別技クン……」

 

別技「君たちは大事な要素を忘れてるよ!」

 

 

 

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ モノクマファイル4

コトノハ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

コトノハ 脱衣所のモップ

コトノハ 時計台の開閉

 

 

 

別技「僕にはアリバイがあるよ」

 

柏「アリバイはみんなあるじゃないか」

 

別技「『曲原とアクバ』なんて信用出来ないよ!」

 

別技「だいたいサウナに閉じ込め自体が『間違ってるんだ』!」

 

別技「扉を抑える以外で、『閉じ込める方法はない』よ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

別技「『閉じ込める方法はない』」

 

 

 

コトノハ 脱衣所のモップ

 

 

論破

柏「その言葉、斬るよ!」

 

 

 

 

柏「もしかして、脱衣所のモップを使ったんじゃない?」

 

曲原「何?」

 

柏「サウナは引き戸だし、モップを立てかければ開かなくなるよ」

 

曲原「なるほどな……」

 

霊山「すごい、柏クン、曲原クンを上回った!」

 

柏「偶然だよ……モップのことは曲原クンに言わなかったし……」

 

霊山「それだけ捜査できてるってことでしょ」

 

別技「サウナの熱如きで壊れないよ!!」

 

柏「サウナの熱は最高温度だったし、安藤クンはサウナには入れないって言っていた。君なら、安藤クンがいつ壊れるかなんて計算出来るんじゃないかな」

 

曲原「サウナにだってモノクマに聴かれたくないことを話すためとかで誘い込んだんだろう。死亡推定時刻が曖昧なのはサウナに監視カメラを設置してないせいでモノクマも死亡時刻を断定出来なかったんだ」

 

別技「か、仮に!!それが正しいとして!!僕以外に機械に詳しい人間がいれば誰にでも犯行は可能だろ!!アクバだって!!」

 

一華「私、機械音痴なんですー」

 

別技「はぁ!?」

 

曲原「確かに、一理あるな」

 

柏「きょ、曲原クン」

 

曲原「なら解読するしかないな、ダイイングメッセージを」

 

柏「ダイイングメッセージ……」

 

霊山「『けむり つぎ ふた かい』のこと?」

 

柏「安藤クンは何を残したんだ……」

 

曲原「けむり……つぎ……煙、次、蓋、回?二、会?……煙……」

 

柏「煙は火や亜とも読めるし、うーん」

 

霊山「煙突とか」

 

柏「あっ……!えん……つぎはじ!」

 

曲原「わかったな」

 

柏「うん、犯人は……」

 

 

 

 

 

柏 祐一

 

歌浦 ココネ×

 

釣谷 涼太×

 

神道 美雪

 

演川 玲子×

 

曲原 瑛二

 

一華 撫子

 

囲井 歩美

 

佐藤 雪也×

 

霊山 拓人

 

闘山 信弘×

 

飛龍院 鏡花×

 

別技 康介

 

踊場 ジュリア×

 

羽川 渚

 

安藤 露井戸×

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別技康介◀︎

 

 

柏「やっぱり君しかいないよ、別技クン」

 

別技「なんで!?」

 

柏「煙は『えん』とも読めるだ。次は『じ』だし。ふたっててっきり蓋をするのふたかと思ったけど、二つのふただったんだ。二つの二は、『に』だし、会は『あ』とも読める。つまり『エンジニア』、別技クン、君しかいない」

 

別技「っ、その傷は犯人が僕に擦りつけるために!!」

 

曲原「犯人は見立て殺人をしてまでサウナが犯行現場だと気づかれないようにしたんだ。犯人がそんなことはしない。それに犯人なら直接名前を書くはずだ。気づかれなかったら意味ないからな」

 

別技「それならどうやって安藤を運ぶだよ!?」

 

柏「それは……」

 

 

 

 

 

 

コトダマ 台車

 

 

 

柏「台車を使ってサウナから離したんじゃないの?」

 

別技「っ……」

 

曲原「諦めろ」

 

霊山「なんか不安なくらいあっさりだね」

 

曲原「俺は最初から別技を疑っていた。時計台で明らかに時計が操作されていたからな」

 

別技「ち、違う!僕は!は、犯人じゃない!!」

 

柏「なら振り返るよ、この事件を!」

 

 

 

 

 

 

クライマックス推理

 

 

 

柏「これが事件の全容だよ」

 

 

 

 

ACT1

 

柏「犯人はまず、時計台の操作をして時間を変化させようとしたんだ。そして、僕らは映画館で合流した。犯人は恐らくその前からドライアイスを用意していたんだろうね」

 

 

ACT2

柏「異変に気づいた安藤は映画上映中に抜け出したんだ。自分だけの異変だからわざわざ皆には言わなかったんだよね」

 

 

ACT3

柏「そこで犯人は安藤クンをサウナに誘ったんだ。監視カメラがない場所で話したいことがあるってね」

 

 

ACT4

柏「サウナに入った安藤クンを確かめると犯人は引き戸にモップを立てかけて閉じ込めたんだ。そしてサウナの温度を引き上げて後にしたんだ」

 

ACT5

柏「安藤クンは自分が壊れると分かって抵抗したけど、無駄だと分かった安藤クンは、ダイイングメッセージを残したんだ」

 

ACT6

柏「そして僕らバラバラになって安藤クンを探す間、犯人は急いでサウナに行き、予め用意していた台車で安藤クンを運んで、ドライアイスを安藤クンにかけて、さらに真っ二つにした人形を置くことで、モノミ熊殺事件を連想させて殺害方法を誤認させたんだ」

 

 

 

 

 

 

柏「そうだよね?超高校級のエンジニア、別技康介!」

 

 

 



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おしおき編

モノクマ「投票タイムだね?」

 

別技「違う!みんなよく考えてよ!!僕に投票したら処刑だよ!?」

 

柏「いや、君しかいないよ」

 

曲原「なら、お前はバラバラになって捜索した時にアリバイを証明出来る人間はいるか?」

 

霊山「君が真っ先に温泉やサウナを捜索したから、僕らは外を捜索したんだよ?」

 

別技「っ……!!」

 

モノクマ「投票ターイム!」

 

 

 

 

投票結果

 

柏 祐一 1票

別技 康介 7票

 

 

 

 

正解!とモニターに表示された。

 

 

 

学級裁判 閉廷

 

 

 

 

 

モノクマ「オマエラ、またまた大正解!超高校級のアンドロイド、安藤露井戸クンを殺したクロは超高校級のエンジニア、別技康介クンなのでした!」

 

 

柏「別技クン!どうして安藤クンを殺したの!?」

 

別技「僕は悪くない!僕は誰も殺してない!」

 

囲井「何言ってんの?あんたは安藤を殺したんでしょ?」

 

別技「殺してない!生きてる人を殺してない!」

 

曲原「そういう腹づもりか」

 

別技「モノクマ!僕は人を殺してない!生命を奪ってない!機械を壊しただけだ!だから処刑は免れるよね?」

 

モノクマ「はぁ?何言ってんの?君は安藤クンを殺したじゃないか!」

 

別技「殺してない!壊しただけだよ!!」

 

一華「安藤露井戸も、自分で考えて、動く、立派な生命ですよ?」

 

拓也「テメェだけには言われたくないな」

 

別技「うるさい!!裁判は無効なんだっ!!僕は、殺してなんかいない!!たかが機械を壊したくらいでぇえええ!!」

 

 こんな別技クン、見たことがない。けど、安藤クンは確かに生きていた。僕らの大事な仲間なんだ。

 

羽川「酷いよ!最低だよ!今まで酷い人はたくさん見たけど、あんたが1番最低だっ!!」

 

曲原「アクバでさえ、安藤を生命と見ていた。お前はアクバ以上に心がない」

 

別技「な、なんだと!?ふざけるな!!」

 

曲原「お前は怪物だ。安藤をどう思うのであれ、お前は学級裁判を切り抜けようとした、つまり俺たちを殺そうとしていたんじゃないのか?」

 

別技「それはっ!!アクバだって!!僕は死にたくないんだ!!アクバがいるここでっ!!僕は、僕は……」

 

 

モノクマ「飽きてきたからそろそろやるね」

 

別技「っ!?あ、あぁぁぁぁぁあああ!!い、いやだ、嫌だ!死にたくないっ!!」

 

モノクマ「超高校級のエンジニア、別技康介クンにはスペシャルなおしおきを用意しました」

 

柏「やめろ!モノクマ!!」

 

別技「なんで!!僕は誰も殺してないのに!?嫌だ!嫌だ!いやだあああああああ!!」

 

モノクマ「張り切って行きましょう、おしおきタァァァァイム!!」

 

別技「死にたくないぃぃぃぃぃいいい!!」

 

 

 

 

 

GAME OVER

 

ベツギクンがクロにきまりました。おしおきをかいしします。

 

 

 

 

 

 

 

新開発!ニューワールドプログラム! 超高校級のエンジニア 別技康介処刑執行

 

 

 別技は真っ白な空間に放置された。 手足をベルト固定され、動けない。

 青ざめているとモノクマは電流を別技に流す。さらにモノクマはナイフで別技の身体をあちこち傷つける。

 そしてたくさんのモノクマたちが話し合いをしていた。

 電流を流され、あちこち血まみれの別技の意識は遠のいていた。

 モノクマは『解剖』の看板を掲げて、大勢で別技を取り囲み、辺りは血飛沫を上げて、モノクマたちは別技の血で血まみれになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノクマ「エクストラストーム!いや、エクストリーム!!」

 

柏「くっ……」

 

モノクマ「にしても柏クン!なんでやめろなんて言ったの?あいつは仲間を殺したクズじゃん!」

 

柏「そうだとしても、別技クンには生きて罪を償って欲しかったんだ」

 

曲原「そうだな。悪だとすら思っていないのなら、尚更だ」

 

モノクマ「ふーん……」

 

曲原「お前の目的はなんなんだ。お前のメリットは?コロシアイをさせて、学級裁判なんてするメリットは?いくら変態でも金がかかりすぎる」

 

 

 

 

 

 

神道「見せ物でしょう?」

 

 

柏「神道さん?」

 

 

 神道さんが喋った!?前にみたいに!?

 

 

 

 

神道「私は知っている。それも嫌というほど。巫女だから迫られた選択」

 

モノクマ「あー、また覚醒したんだ。ダメじゃないか。後で調節しないと」

 

神道「みんな聞いて、これは見せ物よ。みんな、これを外の世界で見せられてる。まるで物語を楽しむように」

 

柏「どういうこと?」

 

曲原「お前は何を知っている?」

 

霊山「神道さん!」

 

羽川「神道ちゃんも、おかしくなってる!?」

 

囲井「どういうことよ、これ」

 

一華「……」

 

神道「この世界は……」

 

 

 

 

 

 何か言う前に神道さんは倒れてしまった。

 

柏「神道さん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

超高校級のアンドロイド 安藤露井戸 死亡

 

超高校級のエンジニア 別技康介 死亡

 

 

生き残りメンバー 7人

 

 

 

 



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Chapter5 悲劇性アベンジャー治療薬
(非)日常編 1


柏「神道さん、大丈夫?」

 

 あの後、倒れた神道さんを部屋に運んだ。

 

神道「……私、は……」

 

柏「神道さん……なんか様子がおかしかったよ?どうしたの?」

 

神道「……」 

 

 いつものように、神道さんは喋らなかった。

 

柏「む、無理しなくても大丈夫だからね?」

 

 神道さんはうなづいてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山「柏クン!」

 

羽川「柏ちゃん!神道ちゃんは!?」

 

柏「あ、うん。目が覚めていつも通りだったよ」

 

霊山「そっか……」

 

羽川「神道ちゃんって喋るんだね……」

 

柏「外の世界とかなんとか言ってたけど……あれ、曲原クンと囲井さんは?」

 

霊山「部屋にいるんじゃないかな?」

 

羽川「今日はもう遅いし、早く寝よー!」

 

柏「そうだね」

 

 

 

 

19日目

 

 

 

 

 曲原クンと囲井さんが朝食に来ないのはいつも通りだけど……。

 

霊山「……」

 

羽川「……」

 

 食事をしないのに来る安藤クンもいなくて倒れた神道さんもいないからかなり寂しいことになってる。

 

羽川「霊山ちゃん、安藤ちゃんの霊気は……?」

 

霊山「あ、ごめん……。アンドロイドだから……」

 

羽川「そうだよね……」

 

柏「……」

 

霊山「僕たち、いつまでこんな感じなんだろう」

 

羽川「早く帰りたい…!」

 

 

 

 

 

 

モノクマ「なら殺せば良いじゃん!」

 

 

 

 

 

柏「モノクマ…!」

 

モノクマ「そして学級裁判を勝ち抜くんだよ!」

 

柏「もう僕たちはコロシアイなんかしない!」

 

モノクマ「んーどうかなぁ?」

 

霊山「まだアクバがいるし、もしかしたら……」

 

 

 

 

 

一華「私の話をしました?」

 

柏「アクバ……!」

 

拓也「図太い野郎だ」

 

羽川「モノクマとアクバって最悪な組み合わせ!」

 

モノクマ「そうそう、新しい場所、遊技場にいけるようになったからね」

 

霊山「興味ない……」

 

羽川「無視しよ!」

 

一華「わー、素敵です。ギャンブルは得意なんです」

 

柏「……」

 

 いつもアクバを監視してる曲原クンがいない……?

 

 

柏「待てアクバ!」

 

一華「はい?」

 

柏「僕もついていくよ」

 

羽川「柏ちゃん本気?」

 

霊山「危ないよ」

 

柏「僕は、君を監視する」

 

一華「あははははっ!面白いな、記憶喪失さんがよ!まあ良い。好きにしなよ」

 

霊山「柏クン一人にやらせられないよ、僕も」

 

羽川「あたしもやるよ!よ!」

 

一華「ま、せいぜいその間に殺人でも思案しとくんだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

遊技場

 

一華「電子生徒手帳がないと入れないか。はいよ」

 

 

柏「カジノ、ビリヤードにボーリング」

 

羽川「楽しそーう」

 

霊山「今更こんなところを開けるんだ」

 

一華「ギャンブルしないか?」

 

柏「なんでお前と!?」

 

一華「モノクマ、ギャンブルするための金はどうなるんだ?あたし、一銭もないんだけど?」

 

モノクマ「メダルを貸してあげるからやりなよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『助かったぞ、曲原クン』

 

曲原「俺が生き残るためだ。それよりどうだ?お前の調査は?」

 

『うん、君の予想通りかもしれない。私のバックアップデータが膨大にある。いや、嫌という程に蓄積されている様子からして……』

 

曲原「……ここからコロシアイ以外で脱出するには?」

 

『……黒幕の目を掻い潜るのもそうだが……これは『世界』そのものに反逆する必要があるかもしれない』

 

曲原「それにその黒幕は……」

 

『ああ、誰かが私のバックアップデータの1つを物理的に破壊した。生身の人間が出歩かないと出来ない。つまり」

 

曲原「俺たちの中に黒幕がいるということか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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(非)日常編 2

羽川「あーん、おっしい」

 

拓也「次は俺の番だ!」

 

柏「2人とも……」

 

 ボーリング楽しんでるし……。

 

 

 

曲原「遊技場か」

 

柏「曲原クン!何してたの?」

 

曲原「何していた?特に何もしてない。それより一華は?」

 

柏「モノクマとカジノしてるよ」

 

曲原「……」

 

柏「曲原クン、僕はこれから一華さんを監視するから。何かやらかさないように」

 

曲原「一華だけでどうなる?前回は一華の関わりのない事件だ。それに飛龍院以外はみんな一華以外の人間が……」

 

柏「まさか、他のみんなを疑ってるの!?」

 

曲原「クロというだけならまだ良い」

 

柏「え……」

 

曲原「この中に……」

 

 

 

 

 

 

 

モノクマ「はいはーい、今回はオマエラに見てもらいたいものがありマウス!」

 

霊山「わあ!?唐突!」

 

柏「なんなんだ……」

 

モノクマ「まあまあ、みーんなに見て欲しいからカサブランカ公園に来てよね」

 

 

 カサブランカ公園……モノクマが動機を提示する場所。

 

 

 

 

 

カサブランカ公園

 

 

 カサブランカ公園には巨大なモニターが設置されていた。モノクマ、次は一体何をするつもりなんだ……。

 

モノクマ「やあやあ皆さん」

 

曲原「なんだ?また変な動機提示か」

 

モノクマ「オマエラ、とにかくこれを見ろ!」

 

柏「何を見せるつもりなんだ!?」

 

羽川「グロはやめてよね!ね!」

 

モノクマ「まあある意味グロ画像かもね」

 

霊山「うぅ…目を瞑らなきゃ」

 

 

 

 モニターが写した映像、それは

 

 

 

囲井「は?こ、これ……!」

 

柏「何かの施設?」

 

曲原「児童養護施設だな」

 

囲井「放火される前の場所……っ!」

 

 

 

 

 映像では人影がゆっくり近づき、その瞬間

 

 

 その施設は燃え広がり、施設からたくさんの子供が逃げ出す。

 

 

 

柏「な、誰が……っ!」

 

囲井「どうして!?どうしてこんなもの映像になってるの!?」

 

 

 

 

 映像はズームし、人影を僅かに捉えていた。そこには

 

 

 

 一華の姿があった。

 

 

 

 

柏「あ、あれは……」

 

一華「あら嫌だ。私の姿が撮られてる。気をつけていたのに……」

 

囲井「アンタか!?アンタが!?みんなを!!」

 

一華「怒らないでよ、あれって依頼だし。悪いのは依頼を出した奴……」

 

 囲井さんは一華の首に手を伸ばしていた。

 

囲井「アンタがいなかったら私も兄さんだって!!あんな苦労せずに……ふざけんな!!」

 

一華「っ……うざい」

 

 囲井さんを投げ飛ばした。

 

羽川「ひぇ……」

 

霊山「や、やばいよ……」

 

曲原「それ以上やめておけ、一華、囲井。どちらかを殺してもおしおきされるだけだ」

 

囲井「でも!こいつは!!みんなを殺したんだッ!!」

 

柏「囲井さん!」

 

霊山「ダメだよ囲井さん!!そんなことは施設の子たちは望んでない!」

 

囲井「うるさいっ!!アンタに何が分かるんだ!!」

 

霊山「分かるよ」

 

囲井「っ、あ、アンタ、まさか……」

 

霊山「君にとって母とも姉ともなる存在、清美さん……そんなこと望んでいない」

 

囲井「その名前……。そうか、姉さんと話したんだね」

 

霊山「意識を薄らと感じただけだよ。君は孤児なんだね」

 

囲井「そう、物心つく前から施設にいた。そして私は囲碁と将棋を極めた。私にとって兄となる存在、同じ孤児で超高校級の棋士もいた」

 

曲原「将口歩夢、小学生の頃からプロも次々倒した棋士だな」

 

囲井「そんな時に施設が放火にあってたくさん兄弟たちは死んだ!だから私は兄さんは私にわざと囲碁で負けて、私を囲碁棋士の道に歩ませた。そして賞金で施設を立て直したんだ」

 

 

 

 

 

モノクマ「盛り上がってるところ悪いけどさ!まだ続きがあるんだよね」

 

羽川「もう見ないよ!」

 

モノクマ「まーまー、見てってよ!」

 

 

 

 さらに映像が流れ始める。

 

 そこには1人の少女が映っていた。

 

 

曲原「里奈!?」

 

柏「え?」

 

 

 後ろからフードを被った人がバットでめちゃくちゃに殴打した。

 

 

 

柏「うわあああああああっ!?」

 

羽川「きゃあああああっ!」

 

霊山「うっ……っ……」

 

囲井「何これ……本物!?」

 

神道「っ……!」

 

曲原「里奈……そんな、里奈!?」

 

 

 

 フードの人は振り向くと、全速力で走り去って行った。人が来ていたらしい。

 

 

 

モノクマ「あのフードの正体ね」

 

一華「あたしでーす」

 

曲原「何!?」

 

柏「でも、現場にアクバの血文字はなかったよ」

 

囲井「すぐに人が来たからそんな余裕なかったのかも」

 

曲原「ふざけるな!貴様!」

 

一華「あたしに挑む気?良いよ、相手してあげる」

 

 一華はハサミを向けていた。

 

柏「曲原クン!そんなことしたら曲原クンも!」

 

曲原「構わない。どうせ貴様ら俺が嫌いだろ?」

 

柏「そんなことない!仲間だよ!曲原クンは大事な仲間だよ!君がいなかったらここまでこれなかったんだ!曲原クンに死んで欲しくない!」

 

霊山「……こんなこと言うのは月並みだけど、里奈さんはこんなこと望んでない。そう言っていた。復讐なんかしたって……」

 

 

 

 

 

 

 

拓也「兄貴の綺麗事はうんざりなんだよ!!」

 

 

 

 

柏「拓也クン!?」

 

 

拓也「俺はこいつに夢も希望も絶たれた!それを許せってのかよ!?自分の命が惜しくないならそれで良いだろ!未来のためだ!」

 

柏「それは違うよ!!」

 

拓也「何?」

 

柏「一華が許せるか許せないか、その後の罰は今はどうにもできない。だけど、僕はもうこれ以上、誰も死んで欲しくないし、死んでも良いから殺すなんてそんな自分勝手だ」

 

曲原「っ……」

 

神道「……柏祐一、あなたは間違いなく、イレギュラーね」

 

柏「え?」

 

神道「あなたなら勝てるわ、黒幕に」

 

曲原「っ、黒幕……まさか」

 

神道「……」

 

柏「神道さん!?どう言うこと!ねぇ!」

 

霊山「あ、あれ?また、拓也に乗っとられてた……?」

 

 

モノクマ「あーもう、まだ殺人しないんだね。ならひみつ道……じゃなくてひみつ兵器のご登場!その名は『忘れさせライト』ーーー」

 

羽川「長い!?」

 

曲原「なんだ?」

 

モノクマ「記憶を24時間消せちゃいます。アリバイ工作にはピッタリだね!」

 

柏「24時間分の記憶を24時間消せる」

 

モノクマ「これで殺人頑張ってねーーー」

 

 

 

 

 

柏「こんなものを渡されても僕ら殺人なんかしない」

 

 

 

 

 

 

 



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(非)日常編 3

20日目

 

 

柏「今日は何する?」

 

羽川「あたしボーリング!」

 

霊山「僕は海に行こうかな」

 

拓也「カジノだよカジノ!」

 

柏「あはは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曲原「で?その後の進捗は?」

 

『柏祐一はどの世界のデータにも存在しない』

 

曲原「じゃあ柏は何者だ?」

 

『分からない』

 

曲原「調べれないのか?」

 

『データに無いものを調べることは出来ない。ただ、気になることがある』

 

曲原「気になること?」

 

『神道についてだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノクマ「ねぇねぇ、何してたの?」  

 

曲原「サウナに入っていただけだ」

 

モノクマ「えー?君に限ってそれだけ?」

 

曲原「俺以外が入った形跡がないのは貴様が1番知っているはず。なんなら調べるか?」

 

モノクマ「良いよ」

 

曲原「……」

 

モノクマ「あ、こらー!オマエもポンコツアンドロイドみたいにサウナで僕を壊す気だな!?」

 

曲原「貴様を壊したら校則違反で俺が殺されるだけだろ」

 

モノクマ「まあ良いよ。小手先のことなんかで負けないのだぁ!」

 

曲原「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

21日目

 

 

柏「……なんか平和だなあ」

 

羽川「急にどうしたの?」

 

柏「いや、びっくりするほど平和で……」

 

霊山「良いことだよ。みんなが平和で元気だと死んでいったみんなも成仏しやすくなる」

 

神道「……」

 

拓也「平和ボケしやがって。このままアクバやモノクマが何もしないと思ってんのか?」

 

柏「それが問題なんだよね……」

 

拓也「モノクマのことだ、何か考えてるに決まってる」

 

 

 

 

 

 

モノクマ「それなんだよね!」

 

 

羽川「出た!?」

 

 

 

モノクマ「オマエラ!殺人の準備もしないで何やってんだよ!」

 

柏「もう僕らは殺人をしない!」

 

モノクマ「しない?する気がないならこうしましょう。いよいよクライマックスだしね。1週間のうちに殺人が起きない場合、全員がおしおきになります」

 

 

 

 え?

 

 そのモノクマの言葉にみんなが凍りついた。

 

モノクマ「一華さんにも曲原クンにも囲井さんにも教えてあげてたからね。まーこれからが楽しみだよ」

 

柏「ふざけるな!こんなことしてお前の得になるのか!?」

 

モノクマ「得になるからやってんだよ!」

 

柏「っ……」

 

 モノクマの目的はなんなんだ?こんなことしてなんの得が?僕ら殺したいだけならさっさとすれば良いし、僕らが困ってる姿を見て嘲笑ってるだけ?それだけなら手が混みすぎてる。

 

羽川「も、もう帰ろうか」

 

柏「羽川さん?」

 

羽川「あ、あたし、気にしてないよ、ただ…な、なんか疲れちゃって」

 

 バドミントン選手の彼女がまだ朝なのに疲れるわけがない。気にしたのかな。

 

霊山「ど、どうしよう、は、早く脱出しないと……」

 

柏「霊山クン!大丈夫だよ?僕たちを簡単に殺したらモノクマだって面白くないはずだ」

 

霊山「でも、でも…モノクマが飽きたら……だから一週間以内なんて制限付けて……。い、いやだ、嫌だ!僕死にたくない!」

 

柏「霊山クン……」

 

羽川「あ…ああ……あ、あたし嫌!死にたくない!あたしだってまだ、やりたいことたくさんあるもん!」

 

柏「2人とも落ち着いて!」

 

拓也「海でも泳いで渡るか?」

 

神道「……泳げない」

 

柏「曲原クンや囲井さんに相談してみよう」

 

羽川「その2人が殺人を考えてたら?嫌だよ」

 

拓也「アクバもさすがに動くんじゃねぇか?」

 

柏「2人とも!大丈夫だよ、疑心暗鬼になったら思う壺だよ」

 

羽川「……」

 

霊山「……」

 

柏「みんなで行動すれば大丈夫だって!今日はオールしよう!ね?」

 

 

 

 とりあえず、曲原クンや囲井さんと合流した。

 

曲原「……」

 

囲井「……」

 

 なんか2人も喋らないし……。

 

柏「みんな!そんな顔しないでよ!」

 

 

 

 

 

 

一華「大変なことになりましたね」

 

 

 

曲原「さすがにお前も動くんじゃないか?」

 

一華「困りましたね。殺人が起きれば私が真っ先に疑われます。アリバイ工作を綿密に行わないと」

 

柏「よくそんな余裕でいられるな」

 

一華「これはゲームですからあなたたちと私たちのどちらが先に動くのか……」

 

柏「ふざけるな!」

 

 

囲井「こんなところにいられない。私は部屋にいる」

 

柏「囲井さん!」

 

羽川「あ、あたしも、部屋に籠ってれば大丈夫かなーかなー」

 

霊山「……」

 

拓也「フン、そうやって殺人を企ててるんだろ?」

 

囲井「何よ!」

 

拓也「ま、俺は自由に行動させてもらうぜ」

 

囲井「そう言うアンタも怪しいじゃない」

 

柏「みんな……」

 

 どうしよう、こんな、学級裁判を乗り越えて来た仲間なのに。

 

 

曲原「柏」

 

柏「曲原クン?」

 

 曲原クンは僕のポケットに何かを忍ばせた。そして曲原クンは耳打ちしてくる。

 

曲原「ルームキーだ。俺に何かあったら頼む」

 

柏「曲原クン!?」

 

曲原「鍵は掛けるがお前は開けられる。どうするかは自由だ」

 

柏「何言って……」

 

曲原「実行は3日間以内。もし俺が生きていたら全てを話す」

 

柏「曲原クン!」

 

 

 

モノクマ「なーに話してるの?」

 

曲原「さあな」

 

柏「曲原クン!ダメだよ!」

 

曲原「……」

 

柏「僕!曲原クンのコテージの前でいるからずっと!!」

 

 

 

 

 

 

 

曲原「本当にいるつもりか?」

 

柏「最初からオールするつもりだったし」

 

曲原「……バカな奴」

 

 

 

 

 

 今日は寝ない。絶対に!寝ないんだ!

 

 

 

 

 

 

 僕はそう誓ったはずなのに。

 

 

 

 

 

 

 

22日目

 

 

 

柏「あれ!?部屋!?なんで!曲原クンは!?」

 

 何故かベッドの上で寝ていた。ずっとコテージの前にいたはずなのに。

 

柏「なんでっ……!」

 

 部屋から出ようとするとドアが壊れているのが分かる。

 

柏「っ何が」

 

 曲原クンのコテージに向かってルームキーで部屋に入るが、そこに曲原クンはいなかった。

 

柏「曲原クン……」

 

神道「……」

 

柏「神道さん!曲原クン知らない?」

 

 神道さんは首を振った。

 

柏「……っ、まさか」

 

 一華のコテージに来てみたが、人の気配がしない。

 

柏「……」

 

 恐る恐るインターホンを鳴らしたけど反応はなかった。

 

羽川「柏ちゃん!どうしたの?」

 

柏「曲原クンがいないんだ、一華も」

 

 

霊山「……」

 

柏「霊山クン!」

 

霊山「霊気を感じる、遊技場の方だ」

 

柏「……曲原クン!」

 

霊山「あ、待って柏クン!」

 

 

 

 そんなずっと見張っていたのに。曲原クン……!

 

 

 

 僕は遊技場に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 包丁を突き立てられ、大量の血を流している超高校級の華道家、一華撫子の姿があった。

 

 

 

 



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非日常編

柏「あ……うわあああああ!!」

 

 いくら殺人犯とはいえ死体を見れば悲鳴が上がる。

 

 

 

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

モノクマ「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、『学級裁判』を開きます!」

 

 

 

霊山「っ……一華!」

 

拓也「ざまぁねぇぜ」

 

 

柏「そんな……曲原クンは!?」

 

 まさか、曲原クンが…と思った矢先、一華の死体の奥。

 

 

柏「曲原クン!」

 

 

 曲原クンが倒れていた。

 

柏「大丈夫?曲原クン!」

 

曲原「う……」

 

柏「曲原クン!」

 

曲原「か、柏?」

 

柏「良かった、生きてた……」

 

曲原「これは……」

 

柏「曲原クン、君が……」

 

曲原「俺はなんでこんなところにいるんだ」

 

柏「え?」

 

 なんでって、一華を殺したからじゃないの?

 

 

 

 

羽川「わああああ!?」

 

囲井「案の定ね」

 

神道「っ……」

 

 

 

モノクマ「はいはい皆さんお揃いで」

 

柏「モノクマ!」

 

モノクマ「いやー思ったより早く殺してくれて嬉しい限りです」

 

柏「くっ……」

 

モノクマ「ではモノクマファイル5をプレゼントするから頑張ってね」

 

 

 

 

捜査開始

 

柏「曲原クン、君はここで倒れていたけど…」

 

曲原「……俺はお前にルームキーを渡した後、寝た」

 

囲井「嘘でしょ、そんなの」

 

拓也「曲原が犯人で決まってんだろ!」

 

柏「ともかくモノクマファイルを見てみよう」

 

 

 

モノクマファイル5

被害者は超高校級の華道家、一華撫子。

死因は失血死。

背中と顔にアザがある他、2箇所刃物で刺されている。

死体発見場所は遊技場入り口。

 

 

 

 

コトダマ モノクマファイル5

 

 

柏「……」

 

拓也「しかも遊技場の入室歴を見ろよ」

 

柏「え?」

 

 

 

 

0:40 入室

0:45 入室 

 

 

拓也「ほら、明らかに2人しか入室してないだろ?」

 

柏「ほんとだ……」

 

 じゃあ、やっぱり曲原クンが……。

 

 

 

コトダマ 遊技場の入室歴

 

 

拓也「電子生徒手帳には記録は残らないらしいが犯人は曲原だな」

 

曲原「待て、俺は……殺した覚えがない」

 

柏「曲原クン……」

 

曲原「……俺は殺してない。殺した覚えがない」

 

囲井「そんなわけないでしょ」

 

柏「と、ともかく。捜査して見よう」

 

曲原「ぐっ……!」

 

柏「大丈夫?曲原クン!」

 

 曲原クンが頭を押さえていた。

 

羽川「きゃー!怪我してるよ!」

 

柏「ほんとだ。大丈夫?曲原クン!」

 

曲原「っ……」

 

 

コトダマ 曲原の怪我

 

 

曲原「平気だ。それより捜査だ」

 

柏「でも……」

 

曲原「時間が惜しい」

 

柏「分かったよ」

 

柏「あれ?何これ」

 

 ライト?

 

柏「なんだろう、これ」

 

神道「……『忘れさせライト』」

 

柏「え?モノクマが言ってた24時間の間の記憶を忘れさせるって奴?本当だとは思えないけど……」

 

曲原「っ……!」

 

囲井「これが本物なら曲原は24時間以内の記憶を忘れててもおかしくない」

 

 

コトダマ 忘れさせライト

 

 

 そんな……曲原クン……。

 

霊山「あのさ、でも、曲原クンは柏クンにルームキーを渡したんだよね?それは24時間経過してないから関係無いんじゃないかな」

 

曲原「……!」

 

羽川「時間を調節出来るとか?」

 

 うーん…どうなんだろう。曲原クンが犯人だとしてなんでこんなところに忘れさせライトがあるんだろう。

 

柏「とにかく捜査して見ようよ」

 

曲原「この包丁は倉庫のものか?」

 

柏「あ、曲原クン、やる気になった?」

 

曲原「ああ。俺の無実は俺の手で証明してやる」

 

 良かった……。100%曲原クンが無実とは言い切れないけど。

 

霊山「死体の見張りをするよ」

 

囲井「私も」

 

柏「うん、お願い」

 

羽川「よーし、あたしも捜査に協力するよ」

 

曲原「モノクマファイルには死亡時刻が書かれていないな」

 

柏「うん、だから何かあるのかなって」

 

曲原「俺は一華の遺体を調べるからお前は他を調べてくれ」

 

 

 ん?なんだろ、これ。

 

 落ちていたスプレー缶。

 

柏「これは催涙スプレー?」

 

 

コトダマ 催涙スプレー

 

 

 

曲原「柏、死体発見アナウンスの状況はどうだった?」

 

柏「え?僕1人でアナウンスが……あっ」

 

曲原「……」

 

柏「曲原クンが見たとしても2人でアナウンスなんておかしいよね」

 

曲原「そういうことだ」

 

 

コトダマ 死体発見アナウンス

 

 

 

曲原「それにこの遺体は血が多すぎる」

 

柏「え?」

 

曲原「執拗に刺したか、もしくは何らかで血を代用したか」

 

柏「うーん……」

 

曲原「いくら俺でも、ここまで執拗には刺さない。無駄に返り血を浴びることになるしな」

 

 

 

コトダマ 血の量

 

 

 

柏「これは……」

 

 血まみれの雨具が置かれていた。

 

柏「犯人は、雨具で返り血を……」

 

 

コトダマ 血まみれの雨具

 

 

 

柏「外を捜査して見るよ」

 

曲原「俺も外を見てみる」

 

 

 夜時間はシャワーは出ないし、犯人は血を洗い流すためにプールに向かったはずだ。

 

 

 

 

柏「あ」

 

 プールの開閉のスイッチが破壊されてる。つまりこれって……。誰かが出入りして履歴を確認出来ないようにするのって釣谷クンと同じだ。

 

 

コトダマ プールの開閉スイッチの破壊

 

 

 入ってみるけど、血らしきものは見つからない。

 

柏「うーん……」

 

 ここで洗い流したのかな?

 

 でも曲原クンが犯人じゃないって可能性の方が高くなった。もう一度、遊技場をもっと調べてみよう。

 

 

 

 

遊技場

 

柏「うーん」  

 

曲原「何してる?」

 

柏「……一華がエレベーターで退出歴を突破したみたいに抜け道はないかなって」

 

曲原「それなんだが、マップで確認したが、抜け道になりそうな場所はなかった」

 

 この問題を解決しないと曲原クンが犯人になる……。

 

 

 

神道「……」

 

柏「神道さん?」

 

神道「倉庫……台車、なかった」

 

柏「台車がなかった……か」

 

 

コトダマ 倉庫の台車

 

柏「倉庫を調べてみるか」

 

 

 

 

倉庫

 

 

柏「台車は確かにない……ん?なんだ、これ」

 

 タオルケットがたくさん無造作に置かれていた。

 

柏「うわあっ!」

 

 それぞれを払うと、血のついたタオルケットがたくさんあった。

 

柏「返り血はこれで防いだのかな……」

 

 

 

コトダマ 血のついたタオルケット

 

 

 

 

 とりあえず、一華のコテージに行ってみるか。モノクマが開けてくれるはず。

 

 

 ん?

 

 コテージへの道、なんか違和感ある気が……。

 

柏「血?」

 

 まるで拭き取られたような……。

 

 

コトダマ 道の血

 

 

 

柏「そう言えば何故か僕のコテージのドアノブ壊れてたんだよな……」

 

 

コトダマ 壊れたコテージのドアノブ

 

 

 一華のコテージに入ってみた。

 

柏「特に荒らされた形跡がない。じゃあなんで僕のコテージは……」

 

 

 

コトダマ 一華のコテージ

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

 

モノクマ「はい、捜査時間終了です!これから学級裁判だよ、ワクワクするなぁ」

 

 なんか今回のモノクマ、楽しそうだな。まあ、制限時間なんかつけた訳だし、当然と言えば当然か。

 

 

 

 みんなが学級裁判所の前に集合した。毎回少なくなっていく、人数。今回こそ、最後にしたい。

 

 

 

 

 



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学級裁判 前編

コトダマ モノクマファイル5

被害者は超高校級の華道家、一華撫子。

死因は失血死。

背中と顔にアザがある他、2箇所刃物で刺されている。

死体発見場所は遊技場入り口。

 

 

コトダマ 遊技場の入室歴

遊技場の入退室歴は

0:40 入室

0:45 入室 

となっていて以降に退出した記録はない

 

 

 

コトダマ 曲原の怪我

曲原は頭を怪我した上で遊技場に来た記憶が無いらしい

 

 

コトダマ 忘れさせライト

24時間分の記憶を消せるライト

 

 

コトダマ 催涙スプレー

遊技場に催涙スプレーが落ちていた

 

 

コトダマ 死体発見アナウンス

死体発見アナウンスは3人以上が死体を発見した時にアナウンスされる。柏が発見した時にアナウンスされた。他には遊技場で倒れていた曲原が見た可能性がある

 

コトダマ 血の量

血が多すぎるらしい。

 

コトダマ 血まみれの雨具

遊技場に雨具を置かれていた。犯人が返り血を防いだか?

 

コトダマ プールの開閉スイッチの破壊

プールの開閉スイッチが破壊されていた

 

 

コトダマ 倉庫の台車

倉庫に台車がなかったらしい

 

 

コトダマ 血のついたタオルケット

血のついたタオルケットが倉庫に隠されていた

 

 

コトダマ 道の血

コテージへの道に血が拭き取られたような痕があった

 

 

コトダマ 壊れたコテージのドアノブ

柏のコテージのドアノブが破壊されていた

 

コトダマ 一華のコテージ

特に荒らされた形跡はなかった

 

 

 

 

学級裁判 開廷

 

 

 

 

モノクマ「では最初に学級裁判の簡単な説明をしておきましょう。学級裁判では『誰が犯人か?』を議論し、その結果はオマエラの投票により決定されます」

 

モノクマ「正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき、もし間違った人物をクロとした場合はクロ以外全員がおしおきされ生き残ったクロだけがこの島を出る権利が与えられます!」

 

 

 

 

 

柏「えーっと、今回の事件は」

 

拓也「どう考えても曲原が犯人だろ!」

 

 

 

議論開始

 

コトダマ モノクマファイル5

コトダマ 死体発見アナウンス

コトダマ 道の血

コトダマ プールの開閉スイッチの破壊

 

 

 

拓也「あの入退室歴を見ただろ?あそこに退出歴はねぇ、つまり!『曲原が犯人』なんだよ!」

 

囲井「『他に外に出る方法』もないしね」

 

羽川「曲原ちゃんには『動機があるしね』」

 

拓也「『入退室歴が決定的な証拠』だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拓也「『入退室が決定的な証拠』」

 

 

 

 

コトダマ 死体発見アナウンス

 

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「死体発見アナウンスは僕が来た時に鳴ったんだ。死体発見アナウンスは3人以上が死体を発見した時なのに……」

 

拓也「それがなんだよ?どの道入退室歴のことは解決されてねぇ」

 

囲井「それにじゃあなに?なんで他の奴は死体を発見したって言わないわけ?」

 

柏「それは」

 

 

 

 

 

コトダマ 忘れさせライト

 

 

 

柏「この忘れさせライトのせいで、その人は24時間の記憶を失っているんだ、きっと」

 

囲井「え?」

 

曲原「恐らく犯人は俺に犯行をなすりつけるために俺の記憶を消した上で、あそこに転がして置いたんだ。他の連中にも使ったんだ。恐らく俺は記憶を消される前に犯人の顔を見てるんだろう」

 

 

 

 

議論開始

 

コトダマ 遊技場の入退出歴

コトダマ 倉庫の台車

コトダマ 血のついたタオルケット

コトダマ 曲原の怪我

 

 

 

囲井「いくら記憶がなくても『遊技場にいた』んだよ?どう考えても曲原が怪しいじゃん」

 

拓也「そうだ!入退室歴をどう攻略したんだよ!」

 

曲原「『何かしらのトリック』があるんだろう」

 

拓也「なんだよそれ!」

 

羽川「でもでもなんで曲原ちゃんは『自分で遊技場に来た』んでしょ?」

 

囲井「心当たりある?」

 

曲原「無いな」

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「『自分で遊技場に来た』」

 

 

 

 

コトダマ 倉庫の台車

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「いや、曲原クンはきっと台車で運ばれたんだ。それだけじゃない、多分、一華も」

 

囲井「台車で?」

 

柏「そうだよね、神道さん」

 

 神道さんはコクンとうなづいた。

 

柏「つまり事件は遊技場の外で行われたんだ」

 

 

 

 

 

反論

拓也「認めねぇよ!」

 

 

 

 

柏「拓也クン!?」

 

 

拓也「事件が外で行われたからなんだってんだ」

 

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ モノクマファイル5

コトノハ 曲原の怪我

コトノハ 道の血

コトノハ 忘れさせライト

 

 

 

拓也「犯行が外だからって曲原が運んだんじゃないのか?」

 

柏「わざわざそんなことする必要はないよ」

 

拓也「なんらかの『思惑』があったんだよ!それに曲原が運んだんじゃねーなら曲原はあそこにどうやって行ったんだ?まさか曲原を運んだなんて言わせないぜ?あの曲原を『無力化なんて不可能』だからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

拓也「『無力化なんて不可能』」

 

 

コトノハ 曲原の怪我

 

 

論破

柏「その言葉、斬るよ!」

 

 

 

 

 

柏「曲原クンは怪我をしていたんだ。多分、それで気絶させられて……」

 

拓也「それだけで曲原が犯人じゃねぇってのかよ」

 

曲原「ああ、俺の可能性が消えたわけじゃない。だが、他の連中の可能性は上がった」

 

囲井「疑問なんだけど、そもそも一華はなんで殺されたわけ?」

 

拓也「テメェも殺そうとしてただろ」

 

囲井「そうじゃなくて、よく殺せたなって話」

 

曲原「確かに、呼び出しに応じるとも思えないし、応じたところでかなり警戒している奴を、殺しのプロをどう殺したのか……。殺した方法がわかれば犯人に繋がるかもしれない」

 

霊山「あ、あれ?今、どこまで議論進んだ!?」

 

囲井「あんた、弟に乗っ取られっぱなしだったね……」

 

柏「あ、一華を殺した方法だよ。警戒してる一華をどう殺したのかって」

 

霊山「え?あ、う、うん。わかったよ」

 

 

 

議論開始

 

コトダマ 忘れさせライト

コトダマ モノクマファイル5

コトダマ 催涙スプレー

コトダマ 壊れたコテージのドアノブ

 

 

 

羽川「『包丁』でぐさり!」

 

囲井「何で殺したじゃなくてどうやって刺すまでに至ったかって話してんの!」

 

霊山「うーん、『いきなり襲撃』したとか」

 

拓也「男なら『力づく』ってシンプルな手もあるぜ」

 

曲原「……俺なら『目眩し』するな」

 

羽川「『寝てるところ』を狙う!」

 

囲井「どうコテージに入るのよ」

 

 

 

 

 

 

 

曲原「『目眩し』」

 

 

 

コトダマ 催涙スプレー

 

 

 

同意

柏「それに賛成だよ」

 

 

 

柏「多分、目眩しだよ。だって催涙スプレーが使われたみたいだし」

 

曲原「催涙スプレーだと……!?」

 

柏「曲原クン?」

 

曲原「やっぱり俺が殺したのかもしれない」

 

柏「え?」

 

曲原「俺は催涙スプレーを使って一華を殺す計画を企てていたからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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学級裁判 後編

柏「何を言うんだ、曲原クン!」

 

曲原「俺は記憶が無いだけで、一華を殺そうと動いていたのかもしれない」

 

柏「でも台車は!?曲原クンがそんなことして意味あるの!?」

 

曲原「俺も一華を殺して学級裁判を切り抜けようとしたのかもしれない」

 

柏「曲原クン!」

 

曲原「最後の一華の抵抗で俺は忘れさせライトを使われただけかもしれない」

 

拓也「なら曲原に投票だな」

 

囲井「あっさりだったね」

 

柏「待ってよ!まだ……」

 

羽川「うーん、納得いかないかなぁ」

 

 

 

意見対立!

 

 

 

 

曲原に投票するか?

 

 

投票する

曲原 拓也 囲井

 

まだ投票しない

柏 羽川 神道

 

 

議論スクラム 開始

 

『退出歴』

『犯人』

『予定』

『認めてる』

 

 

囲井「本人も認めてるし、投票でしょ」

 

柏「『認めてる』と言っても確証はないよ」

 

拓也「退出歴がないんだから曲原以外ありえねーだろ」

 

羽川「『退出歴』に記録されないやり方で逃げたんだよ、だよ!」

 

曲原「催涙スプレーも包丁も俺が使う予定だった」

 

柏「『予定』だっただけで、それを実行したにしては不自然だよ」

 

曲原「俺が犯人なんだ!俺は本当は自分以外の人間に興味がないんだ!」

 

柏「そんな人が『犯人』なら自白したりしない!」

 

 

 

全論破

柏「これが僕たちの答えだ!」羽川「これがあたしたちの答えだよ!」

神道「……」

 

 

 

 

 

 

柏「まだ、まだ考える余地はあるよ」

 

囲井「あんた、やたら外で殺人が起きたってことにこだわってるけど、台車ぐらいでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

議論開始

 

コトダマ 道の血

コトダマ モノクマファイル5

コトダマ 一華のコテージ

コトダマ プールの開閉スイッチの破壊

 

 

囲井「台車がなくなっただけじゃ曲原が犯人じゃないとは言えない」

 

拓也「そうだな。結局、退出歴がない『曲原か怪しい』だろ!」

 

羽川「うーん?でもさー、明らかに犯人が『外に出たって証拠がない』よね」

 

拓也「そうだ、退出歴だけじゃなく、『忘れさせライト』のせいで曲原は事件のことがわからないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「『外に出たって証拠がない』」

 

 

 

 

コトダマ プールの開閉スイッチの破壊

 

 

 

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

柏「いや、プールの開閉スイッチが破壊されて自由に出入り出来るようになっていたんだ」

 

囲井「え?」

 

柏「曲原クンが中にいるのになんでそんなことになったのかな?」

 

曲原「……」

 

柏「まだ外で殺人が起きたって証拠がある」

 

 

 

 

コトダマ 道の血

コトダマ 血のついたタオルケット

 

 

柏「コテージの道に血が拭き取られたような跡があったんだ。それに倉庫には血のついたタオルがあったんだ」

 

曲原「外で殺人が行われてたというのは間違い無さそうだな」

 

囲井「たとえそうでも曲原が遊技場に一華を運んだだけかもしれない」

 

柏「なんのために?」

 

囲井「えっ……。それは曲原に聞きなよ、何かなすりつけるための作があったんじゃないの?」

 

曲原「……そうか、犯人は俺になすりつけるためかもしれない」

 

拓也「なんでだよ!」

 

曲原「脱出の方法になんらかのトリックがあるはずだ」

 

囲井「そんな方法なんて……」

 

柏「犯人はわざわざ遊技場を利用して曲原クンになすりつけるために入退室歴を利用したのかもしれない」

 

拓也「はぁ?だとしてもどうやって退出歴を細工するんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

モノクマ「細工なんて出来ないよー!僕が出来ないようにしてるからー!」

 

 

 

 

 

拓也「だってよ」

 

神道「……電子、生徒手帳」

 

拓也「はぁ?電子生徒手帳には入退室の記録は残らないだろ?」

 

羽川「電子生徒手帳に細工したんだよ!」

 

 

 

 

 

モノクマ「無理だよ!電子生徒手帳に細工は出来ません。どうやっても遊技場で1回目に電子生徒手帳を使うには入室記録が残るんだから!」

 

 

 

 

柏「あっ……!1回目に使う時……!?帰る時に別の人の電子生徒手帳を使えば……!」

 

 

囲井「電子生徒手帳は本人の生体反応がないと動かないはずだよ」

 

柏「あ……」

 

曲原「いや、それで合ってる」

 

柏「え?」

 

拓也「何言ってんだ!」

 

曲原「犯人は電子生徒手帳を2つ持っている。しかも、本人と認識されるように」

 

囲井「電子生徒手帳が2つ?そんなわけない。電子生徒手帳は1つだよ」

 

曲原「いいや、『2人にカウントされる』奴が犯人だ」

 

羽川「2人にカウント!?」

 

柏「……」

 

 それって、もしかして……。

 

 

 

 

 

 

柏 祐一

 

歌浦 ココネ×

 

釣谷 涼太×

 

神道 美雪

 

演川 玲子×

 

曲原 瑛二

 

一華 撫子×

 

囲井 歩美

 

佐藤 雪也×

 

霊山 拓也

 

闘山 信弘×

 

飛龍院 鏡花×

 

別技 康介×

 

踊場 ジュリア×

 

羽川 渚

 

安藤 露井戸×

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊山 拓也◀︎

 

 

 

 

 

柏「……拓也クン、君なんじゃないの?」

 

拓也「はぁ?なんで俺なんだよ」

 

柏「……君なら2つの電子生徒手帳を持ってるんじゃないかな?」

 

囲井「なんで霊山は電子生徒手帳を持ってることになるの?」

 

柏「理由は……」

 

 

 

 

1.元々の参加者が拓也だったから

2.モノクマの気まぐれ

3.他の人の電子生徒手帳を手に入れていたから

 

 

 

 

 

 

 

 

1. 元々の参加者が拓也だったから◀︎

 

 

 

 

柏「僕のコテージに君の名前があったじゃないか、それは君が参加者として、生徒として認められてるってことじゃないかな?」

 

拓也「なんだ、つまり俺が犯人って言いたいのか?」

 

柏「……そうだよ」

 

囲井「でも2つの電子生徒手帳を持っていたとしてどうして入室になるの?それに生体反応がないとダメじゃないの?」

 

曲原「どうなんだ?モノクマ」

 

 

 

モノクマ「えー、霊山拓也クンは正式な生徒ですね。なので電子生徒手帳が使えます」

 

 

 

羽川「待って!霊山ちゃん……拓人ちゃんも協力したの!?」

 

曲原「どうなんだ?」

 

 

 

 

モノクマ「えー、いくら優秀な僕でも監視カメラで見たくらいじゃあどっちがどっちかわかりませーん!」

 

 

 

 

曲原「つまりは、だ。霊山拓也はそれを利用し、俺と一華を遊技場に運んで出て行く時にもう一つの電子生徒手帳を使って両方とも『入室』にして俺を犯人にしたてあげたんだ。忘れさせライトすらも利用して」

 

 

 

反論

拓也「ありえねぇ!」

 

 

柏「拓也クン!」

 

拓也「フン、俺が犯人なんてバカバカしいこった」

 

 

反論ショーダウン 開始

 

コトノハ モノクマファイル5

コトノハ 道の血

コトノハ 血のついたタオルケット

コトノハ プールの開閉スイッチの破壊

 

 

拓也「電子生徒手帳?プールの開閉スイッチがなんだ?まだ曲原の疑いは晴れてねぇよ!」

 

柏「君としてはそうしたいよね」

 

拓也「外で殺人?その道に血ががあった?それはお前が言ってるだけじゃねぇか!『証拠がない』んだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コトノハ 血のついたタオルケット

 

 

 

 

論破

柏「その言葉、斬るよ!」

 

 

 

 

柏「倉庫に血のついたタオルケットがあったんだ。神道さんも見てるよね」

 

神道「うん」

 

拓也「はぁ?お前ら仲が良いからって……!」

 

柏「そう言えばプールには血がなかった気がする。洗い流しに使っていたはず」

 

拓也「ほれ見ろ!」

 

曲原「別にプールのシャワーは使えるからな。洗い流すのは簡単だ」

 

拓也「はぁ!?く、クソ!でもまだだ!」

 

柏「まだ認めないの?」

 

拓也「ああ、だって遊技場の床に血が飛び散ってたろ?」

 

柏「それって……」

 

 

 

 

コトダマ 血の量

 

 

 

柏「血の量が、多すぎるってこと?」

 

曲原「いや、問題はない。血を持ってくれば良い」

 

羽川「血を持って来る!?」

 

囲井「そんなことできるわけない」

 

柏「え?」

 

 でもなんか、出来そうだ。

 

 

 

閃きアナグラム

 

 

っ け  ゆ  く つ ぱ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆけつぱっく

 

 

 

 

柏「倉庫にある輸血パックを使えば……血をばら撒ける?」

 

曲原「そうだ」

 

拓也「っ!?」

 

 

 

 

曲原「それより霊山拓人に話を聞かせてくれないか?電子生徒手帳も含めて」

 

拓也「うるせぇ!!」

 

柏「拓人クンなら無実を証明してくれるかもしれないよ」

 

拓也「……チッ」

 

 

霊山「あれ?どこまで話した?みんな?」

 

柏「……霊山クン、昨日の夜は何してた?」

 

霊山「寝てたよ……拓也が勝手に動き回ってた可能性もあるけど」

 

曲原「お前は幽霊に乗っ取られるんだよな」

 

霊山「拓也にね」

 

曲原「柏、全てを話してやれ。そして終わらせてやれ」

 

柏「うん」

 

 

 

 

 

クライマックス推理

 

 

 

柏「これが事件の全容だよ」

 

 

 

ACT1

柏「まず最初に曲原クンは一華を殺すために倉庫から包丁を用意したんだ。そして催涙スプレーを使って、一華を襲撃したんだけど、反撃された。それで曲原クンは気絶してしまったんだ」

 

 

ACT2

柏「でもそれは苦し紛れの攻撃で、一華はずっと催涙スプレーに苦しんでいたんだと思う。それを見ていた犯人が気絶した曲原クンから包丁を取って、一華を刺して殺したんだ」

 

 

 

ACT3

柏「そして犯人は台車と輸血パック、雨具、そして忘れさせライトを用意して、曲原クンと一華を運んで、遊技場で1つ目の電子生徒手帳を使ったんだ」

 

 

ACT4

柏「そして曲原クンに忘れさせライトを使って、一華や雨具に血を場撒いて犯行現場を遊技場に見せかけてたんだ」

 

 

ACT5

柏「犯人が曲原クンは忘れさせライトで忘れただけだと思わせるためひわざと忘れさせライトを置いて、2つ目の電子生徒手帳で入退室歴を『入室』だけにした上で退出したんだ」

 

 

ACT6

柏「犯人は犯行が外で起きたと悟らせないよう、道の血を拭いたんだ。そして返り血を洗い流すためにプールに向かったんだ。プールの入退室歴を確認されないようにプールの開閉スイッチを破壊してね」

 

 

ACT7

柏「そうして、犯人は僕らに時間のズレを感じさせないように僕ら全員に忘れさせライトを使ったんだ。逆に曲原クンのコテージの前にいたはずの僕がベッドで寝ていたから違和感が生まれてしまったんだけどね」

 

 

 

 

 

 

 

柏「これが超高校級のスケボー選手、霊山拓也クンが起こした事件だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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おしおき編

モノクマ「はいはい投票してね」

 

拓也「ざっけんな!俺は犯人じゃねぇ!兄貴もなんか言ってやれ!」

 

霊山「みんな……みんなごめんね。ごめんなさい」

 

柏「……っ」

 

 どうしよう、霊山クンに投票したくない。だって霊山クンは悪くない。

 

曲原「柏、余計なことは考えるな。みんなの命が掛かっている」

 

柏「……うん」

 

拓也「ざけんなあああああ!俺は犯人じゃねぇ!」

 

 

 

 

投票結果

 

霊山 5票

曲原 1票

 

 

 

 不正解とモニターに表示された。

 

 

柏「えっ……」

 

曲原「なっ……」

 

 

 

学級裁判 閉廷

 

 

 

モノクマ「オマエラ、大不正解だよ。超高校級の華道家、一華撫子さんを殺したクロは超高校級の囲碁棋士、囲井歩美さんだよ」

 

曲原「なんだと!?」

 

柏「そんな……」

 

神道「……っ」

 

羽川「囲井ちゃん!?」

 

囲井「……な、私が!?」

 

拓也「はぁ!?な、なんで、確かに俺が殺したはず……」

 

モノクマ「じゃあ僕があそこまで至る状況を説明してあげるよ」

 

 

 

 

 

 

モノクマ「オマエラの推理通り、一華さんを殺したと思い込んだ霊山拓也クンが、一度、準備をしようと遺体から離れた時、一部始終を見ていた囲井さんが、一華に近づいて、死んでないってわかったんだよね」

 

囲井「……くっ」

 

曲原「まさか」

 

モノクマ「そして刺さった包丁で改めて刺して止めを刺したんだ。慌てて返り血をなんとかするためにプールに向かったんだけど、スイッチを拓也クンが壊したから疑われなかったんだよね」

 

柏「そんな……」

 

モノクマ「その後、拓也クンは囲井さんに忘れさせライトを浴びせて囲井さんもその事実を忘れたってわけ」

 

曲原「まさかそうなっていたとは……」

 

モノクマ「というわけで!超高校級の作曲家の曲原瑛二クン、超高校級のバドミントン選手の羽川渚さん、超高校級の霊媒師&超高校級のスケボー選手の霊山拓人クン&霊山拓也クン、超高校級の巫女、神道美雪さん、そして超高校級の???の柏祐一クンにはスペシャルなおしおきを用意しました」

 

羽川「え?あ、あたし死ぬの!?嫌!嫌!嫌あああああああ!!」

 

拓也「死ねるかよ!また死んでたまるかよおおおおお!」

 

神道「……やっぱり、ダメだった」

 

曲原「くっ……」

 

柏「そんな!?」

 

モノクマ「言ったでしょ?オマエラは犯人当てに失敗したんだからね」

 

 ここで、死ぬのか僕らは。ここで、終わりなのか。

 

 

 

モノクマ「では張り切っていきましょう、おしおきターイム!」

 

 

 

羽川「いやあああああああああぁぁぁぁぁあ!!」

 

拓也「死ねるかあぁぁぁぁぁぁあ!!」

 

神道「……」

 

曲原「チッ……!」

 

柏「嫌だ……だって僕はまだ!何も思い出してない!!」

 

 

 

 

 

 

 

GAME OVER

 

 カシクン、キョクハラクン、シンドウさん、ハネカワさん、レイザンクンは、はんにんあてにしっぱいしました。おしおきをかいしします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レッツザゲームプレイ! 超高校級の???柏祐一処刑執行

 

 

 

 

 柏が連れてこれれた場所はパソコンの前。パソコンの動画にはクイズやゲームをする、配信者のたちの姿。

 一気に周りは変わり、暗闇が柏を引き込もうとする。首を絞めるその手を引き剥がそうとするが、その手の正体は、今まで死んでいった者たち。佐藤雪也、踊場ジュリア、歌浦ココネ、演川玲子、闘山信弘、飛龍院鏡花、釣谷涼太、安藤露井戸、別技康介、一華撫子。

 

 彼ら彼女らの犠牲に今があると柏は悟る。

 

 柏は闇にそのまま落ちていった

 

 

 

 

 

 

 

 

ミュージック スタート 超高校級の作曲家 曲原瑛二処刑執行

 

 曲原は舞台のようなところに連れて行かれる。舞台の下は針地獄。DJモノクマがスクラッチをすると曲原の舞台が動き出す。

 激しくスクラッチし、曲原は投げ飛ばされないようにしがみ付くが、DJモノクマのスクラッチは激しくなっていく。

 そして曲原は吹き飛ばされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

ひんやり大暴走 超高校級の霊媒師&超高校級のスケボー選手 霊山拓人&霊山拓也処刑執行

 

 

 スケボーに足を固定され、乗せられた拓也。周りは百熱の炎。そのままモノクマに体当たりされ、走らされる。拓也はなんとかバランスを取りスケボーを走らせる。

 

 外では巨大なモノクマが中華鍋にの中にいる拓也をチャーハンを調理するように動かしていた。

 中にいる拓也は熱にじわじわと弱っていく……。

 

 

 

 

 

 

シャトル飛んだ 超高校級のバドミントン選手羽川渚処刑執行

 

 巨大なモノクマが巨大なラケットで羽川をまるでシャトルのように打とうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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Chapter6 断鎖-burst-
非日常編


 

 

 

 僕は白い、真っ白い空間に取り残されていた。

 

柏「ここは、あの世?」

 

 

 

『違う。ここはゲーム空間の中だ』

 

柏「その声……!安藤クン!?」

 

安藤「ああ。久しぶりだ」

 

 姿はないが安藤クンの声がした。

 

柏「なんで君が……」

 

安藤「私は本体が破壊される前にバックアップデータを逐次残していた。それを曲原クンがネットに繋いでくれたんだ」

 

柏「い、意味が分からない」

 

安藤「ともかく、私はハッキングしてこの世界に入り、おしおきを中止させたんだ」

 

柏「は?え?」

 

安藤「単刀直入に言えばこの世界はゲームの世界だ」

 

柏「え?あ……はいぃぃぃ!?」

 

 ゲームの世界!?そんなことがありえるのか?

 

安藤「詳しいことはわからない。しかし、わかっているのは君たちの中に黒幕がいるということだ」

 

柏「黒幕!?」

 

安藤「色々いきなりですまないが、黒幕にバレないように君が動いてくれないか?」

 

柏「でも何をどうすれば良いんだ?ここ、何もないし」

 

安藤「大丈夫だ、真っ直ぐ進めば良い。そして、自ずとやるべきことがわかるはず」

 

柏「真っ直ぐ……」

 

 

 

 

 安藤クンの言う通りに真っ直ぐ進んでみる、すると……

 

 

 

 

柏「みんな!」

 

曲原「……柏……」

 

羽川「わー!みんなー!会いたかったよー!」

 

霊山「ここは……あの世じゃないのか」

 

囲井「どうして私が……」

 

 

 

 

 

神道「ついに来たのね、この時が」

 

柏「神道さん?」

 

 神道さん、前みたいに……。

 

神道「安藤から話は受けているでしょうけど、この世界はゲームなの」

 

曲原「なぜお前がそんなことを知っている?」

 

神道「私は超高校級の巫女、神の使い。私は何度もこのゲームを何度も経験してる」

 

 

 

 

 

モノクマ「コラー!!」

 

 

 

 

柏「モノクマ!?」

 

モノクマ「僕の世界をめちゃくちゃにして!」

 

曲原「これは一体どういうことだ?」

 

モノクマ「はぁ、今回の『ダンガンロンパ』は失敗か」

 

柏「僕らをどうしたいんだ!?」

 

モノクマ「あのさー、なんでも聞いてばっかじゃなくて少しは考えるたら?」

 

柏「っ……!」

 

モノクマ「そうだ!まだ終ってない!いーこと考えた」

 

 そう言いながらモノクマは踊り出していた。

 

モノクマ「この中に全て仕組んだ黒幕がいます。というわけで捜査時間を上げるから黒幕を指摘してよ」

 

柏「は?」

 

モノクマ「その黒幕を指摘できなければオマエラ全員がおしおき、もし黒幕を指摘できたら僕ら、黒幕がおしおきでこのゲームから出してあげるよ」

 

柏「何……!?」

 

モノクマ「これは盛り上がってきたぁー!じゃーね」

 

 モノクマがそう言うと元の学級裁判場に戻って来ていた。

 

 

 

柏「わけわかんないよ、安藤クンとかモノクマとか」

 

曲原「……しかし俺たちのおしおきは免除された。俺たちが全力で黒幕を探さなければならない」

 

羽川「でもそれって……あたしたちが疑い合うってこと……」

 

霊山「この中に黒幕が……」

 

囲井「……」

 

柏「どうしたの?囲井さん?」

 

囲井「私は……私はみんなを騙したんだよ!?あんたら……それでいいの?」

 

曲原「それを言うなら俺は一華を殺すことになった発端だ。それに俺は元から殺そうとしている」

 

霊山「拓也のこともあるし、僕が言えることじゃない」

 

柏「全てはモノクマが悪いんだよ」

 

囲井「みんな……」

 

 

 

 

神道「話はまとまったかしら?」

 

 

 

曲原「……神道、お前は何者なんだ?」

 

神道「超高校級の巫女。予め言っておくけどこのゲームは繰り返されている」

 

曲原「どう繰り返されているんだ?どこまで知っている?」

 

神道「柏祐一を除く、霊山拓也もいれた16人のメンバーでこのコロシアイがずっと続いていたのよ」

 

拓也「はぁ!?どういう意味だよ!?」

 

神道「それはこっちが知りたいわ」

 

柏「神道さん、それは一体どういうことなんだ?僕のことを知ってるの?何よりそんなに知っていてなんで言わなかったの!?」

 

神道「言わなかったんじゃない、『言えなかった』のよ」

 

柏「言えなかった……?」

 

曲原「神道には言葉が制限されていた。もし必要以上に話せばモノクマ、黒幕に殺される……そんなところか?」

 

柏「え……」

 

曲原「俺は安藤とコンタクトを取っていた。だからこの世界がゲームだということを知っていた」

 

柏「曲原クン!」

 

曲原「だが、今は真剣に黒幕を探さなければいけない」

 

柏「でもどうするの?」

 

曲原「手掛かりがあるかもしれない、とりあえず探索だ」

 

 探索か…探索と言っても何をすれば……。

 

 

 

 

捜査開始

 

 

曲原「神道と柏はこっちに来い」

 

柏「え……」

 

神道「……」

 

 

曲原「お前たちは黒幕ではないと信頼して話す。安藤の話では安藤が破壊された後すぐに部屋の安藤のバックアップデータが破壊されたらしい」

 

柏「え?どういうこと?」

 

曲原「……端的に言えば黒幕が確実に安藤の息の根を止めようとしたんだ」

 

柏「それがなんで黒幕になるの!?」

 

曲原「モノクマは校則違反とおしおき以外では手は出せない。それで動いたのは黒幕本人。黒幕は生徒として扱われるから直接、殺したというわけだ」

 

 

コトダマ 曲原の証言

 

 

柏「つまり安藤クンが殺されてからのアリバイがない人か……」

 

 

コトダマ 曲原の見張り

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

コトダマ 囲井、羽川のアリバイ

 

 

 

神道「これを目標に調べれば良い…というわけね」

 

 

 

 と言われてもなぁ、手当たり次第というわけだろうけど……。

 

 

 しかし時はあっと間にすぎ……

 

 

モノクマ「はーい、捜査時間終了でーす」

 

柏「もう終わり!?」

 

モノクマ「うぷぷぷ……黒幕の手掛かり見つかったかな?」

 

 見つけさせる気ないじゃん!

 

柏「こんなの、どうすれば……」

 

曲原「それでも、やるしかない」

 

神道「そうね」

 

柏「神道さん、ずっとコロシアイを見て来たんでしょ?何か知ってるんじゃないの?」

 

神道「残念だけど、黒幕は毎回違うのよ。あなたが最後の砦」

 

柏「え?」

 

神道「あなたが、あなたのようなイレギュラーが全てを変えてくれると信じているわ」

 

 

 

 



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学級裁判 前編

コトダマ 曲原の証言

安藤が破壊された後に、バックアップデータが破壊されたらしい。

 

 

 

コトダマ 曲原の見張り

曲原は一華をずっと見張っていたらしい

 

 

 

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

犯行時間には映画を見ていた。

 

 

コトダマ 囲井、羽川のアリバイ

2人が死体発見し、アナウンスが流れた。

 

 

 

学級裁判 開廷

 

 

 

 

モノクマ「はい、最後の学級裁判の簡単な説明からいたしましょう。この学級裁判では『誰か黒幕か?』を議論し、その結果はオマエラの投票により決定されます」

 

 

モノクマ「黒幕を指摘出来ればオマエラは脱出、しかし間違った人物を黒幕とした場合は黒幕以外の全員がおしおきされます」

 

 

モノクマ「さあ勝負だ!オマエラ!」

 

 

 

 

 

 

柏「……」

 

 ついにこの時が。

 

霊山「でも誰が黒幕なんだろう、検討つかないよ」

 

囲井「普通の事件と違って証拠を残してるわけじゃないみたいだし」

 

曲原「いつも通りに考えれば良い。それに犯人にはある程度検討がついている」

 

 

 

 

議論開始

 

 

コトダマ 曲原の証言

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

コトダマ 曲原の見張り

コトダマ 囲井、羽川のアリバイ

 

拓也「じゃあ『神道』だな!あいつだけキャラ変わりすぎだろ!」

 

神道「あなたに言われたくないわ、幽霊」

 

拓也「はぁ!?俺は幽霊じゃねぇ!」

 

羽川「それより黒幕ってだれだろー」

 

囲井「『霊山』でしょ、幽霊とかありえない」

 

曲原「今更だな」

 

羽川「実は『黒幕はこの中にいない』とかー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「『黒幕はこの中にいない』」

 

コトダマ 曲原の証言

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

 

柏「いや、この中に黒幕はいる。曲原クンが密かに安藤クンとやりとりしていたらしくて……」

 

拓也「あぁ?その曲原は黒幕じゃないのかよ?」

 

 

 

 

 

 

『それは私が証明しよう』

 

 

 

 

 

 

 安藤クンの席が光り輝いて、そこには…

 

 

 

 

柏「安藤クン!?」

 

羽川「生き返った!?」

 

囲井「生きてるかどうかは怪しいけど……」

 

 

 

 

 

安藤「私の予備のバックアップデータが破壊されたのは私が殺されたからで間違いない。私が殺された後にみんな捜査をしたんだろう?そして学級裁判に向かった。そこで私のバックアップデータを破壊余裕はないはず。つまり私はあの事件が発覚する前に破壊された」

 

霊山「学級裁判後に破壊された可能性はないの?」

 

安藤「バックアップは逐次行われるのに突然途絶えたんだ、あの時以外ありえない。私をネットに繋いでくれた曲原クンは黒幕ではない」

 

 

 

 

モノクマ「コラー!勝手に入って来るなぁ!!」

 

安藤「私はまだ死んだとは言えない。なのに学級裁判を行い、別技クンを殺したのはルール違反じゃないか?」

 

モノクマ「何言ってんだよ!本体は壊れただろ!せっかく予備も破壊したのに!」

 

安藤「言葉質はとった。バックアップデータは破壊したな?」

 

モノクマ「ギクっ!……仕方ないなぁ。認めるよ。ま、追い詰められた方が盛り上がるから良いか」

 

柏「みんな分かったよね?安藤クンが殺された後のアリバイをもう一度確認しよう」

 

 

 

 

 

議論開始

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

コトダマ 囲井、羽川のアリバイ

コトダマ 曲原の見張り

コトダマ 曲原の証言

 

 

 

拓也「じゃあ『神道が黒幕』だな」

 

神道「違うわ」

 

拓也「急にベラベラ喋ってるのは怪しいだろ?」

 

神道「私からすれば幽霊になってる『あなたの方が黒幕』に思えるわね」

 

霊山「幽霊になってるの変って?」

 

囲井「今更ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拓也「『神道が黒幕』」

 

 

 

コトダマ 柏、霊山、別技、神道のアリバイ

 

 

 

論破

柏「それは違うよ!」

 

 

 

柏「いや、安藤クンが殺された後は僕や霊山クン、別技クン、神道さんは一緒にいたんだ。だからバックアップデータを破壊したとは思えないよ」

 

曲原「俺が黒幕ではないというのは証明された」

 

霊山「じゃあ、残るのは……」

 

柏「……」

 

 

 

 

 

コトダマ 囲井、羽川のアリバイ

 

 

 

柏「囲井さんの羽川さん……君たちの中の誰かだよ」

 

 

 

囲井「な、何!?私じゃない!」

 

羽川「あたしじゃないよー!」

 

囲井「私たちにはアリバイがあるでしょ」

 

柏「いや、ないよ。君たちは死体発見アナウンスが鳴ったから犯人ではないというだけで安藤クンのバックアップデータを破壊した時間のアリバイはないはずだよ」

 

囲井「私は違う!」

 

羽川「あたしは黒幕じゃなーい!」

 

曲原「堂々巡りだな」

 

拓也「思ったんだけどさ、これ、意味あるのか?どーせゲームの世界だろ?最悪おしおきされたってゲームは終われば元通りじゃねーの」

 

安藤「違う、このゲームは……」

 

 

 

 

 

モノクマ「それから先は僕のセリフー!あのですね、ゲームの中で死ぬとその本人も死んじゃうんだよ!そうじゃないと面白味ないからねー!」

 

 

柏「なっ!?」

 

霊山「死ぬ……本当に!?」

 

羽川「つまり今まで死んだ人たちも元には戻らないの……?」

 

安藤「正確には植物人間状態。君たちの意識は全てゲームデータとして管理され、この世界で死ぬとその意識との接続が切り離され、意識が保てなくなるんだ」

 

曲原「……むしろ、今まで通りだ。俺たちは今まで通りに命懸けで学級裁判をしている」

 

柏「そんなこと言ったって……」

 

曲原「安藤、お前が破壊される前に囲井や羽川のおかしな挙動を見なかったか?」

 

安藤「うむ……覚えがないな」

 

霊山「どうやって黒幕を断定するの?」

 

モノクマ「その方法はないかな。うぷぷぷぷ」

 

柏「いや、あるかもしれない」

 

 

 

 

 

閃きアナグラム

 

ん さ ど じ き う つ 

 

 

 

 

 

 

 

殺人動機

 

 

 

 

柏「これだ!」

 

 

柏「殺人動機だよ、殺人動機がある人間は黒幕じゃないんじゃないかな」

 

神道「どうしてかしら」

 

柏「だって最後の学級裁判はいつもよりも強烈に殺人を煽っていたんだよ?時間制限までつけて……。黒幕が殺人をして良いなら膠着状態の時に殺せば良いんだよ」

 

霊山「それを狙ってって可能性はない?」

 

曲原「ないな。そんなことするならもっと早くに黒幕を当てさせようと学級裁判を開かせるだろ」

 

柏「つまり……」

 

 

 

柏 祐一

 

歌浦 ココネ×

 

釣谷 涼太×

 

神道 美雪

 

演川 玲子×

 

曲原 瑛二

 

一華 撫子×

 

囲井 歩美

 

佐藤 雪也×

 

霊山 拓也

 

闘山 信弘×

 

飛龍院 鏡花×

 

別技 康介×

 

踊場 ジュリア×

 

羽川 渚

 

安藤 露井戸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川 渚◀︎

 

 

 

 

 

柏「羽川さん、君なんじゃないかな、黒幕」

 

羽川「あ、あたしが!?違うよ!」

 

柏「拓也クン、君なら忘れさせライトを使っていないから分かるはずだよ。あの一華の事件の日の囲井さんの様子……」

 

拓也「そーいや、あいつ、夜中だってのに道をプラプラ歩いてたな」

 

曲原「それは証拠隠滅のためだろう。黒幕ならわざわざ霊山拓也が行ってる殺人を上から塗り潰す必要はないからな」

 

羽川「で、でも、あたしは違うよ!」

 

柏「ならもっと具体的に否定して、羽川さん。僕だって信じたくないんだ。あんな優しい羽川さんが……」

 

羽川「……」

 

柏「闘山クンが死んだ時だって本当に悲しそうにしていた。だから君には黒幕だって否定して欲しいんだ」

 

羽川「……」

 

安藤「カードは無くなったか?モノクマ?」

 

 

 

モノクマ「……」

 

 

 

柏「今あるのは現状証拠しかないんだ!それもバックアップデータだけ。反論して、羽川さん!」

 

神道「それはどうかしらね。釣谷の時だって、一華の犯行を見逃したのも彼女を利用するため、曲原、霊山、囲井にコロシアイを牽引して欲しかったんじゃないかしら?」

 

柏「っ……!」

 

神道「闘山が殺しのターゲットに選ばれれば、悲しみをアピール出来るしね」

 

柏「反論して!羽川さん!」

 

羽川「……」

 

霊山「羽川さん……」

 

囲井「なんで黙ってんのよ!?」

 

 

 

曲原「柏、全て決着してやれ」

 

柏「…うん」

 

 

 

 

 

 

クライマックス推理 開始

 

 

 

 

 

ACT1

柏「黒幕は安藤クンを確実に殺すために安藤クンのバックアップデータを破壊しに別技クンの犯行に紛れて、安藤クンの部屋に行き、バックアップデータを破壊した。僕、神道さん、霊山クン、曲原クンにはアリバイがあるんだ」

 

 

ACT2

柏「次に黒幕がしたのは一華が犯した犯行を見せつけるというものと、制限時間を付けて曲原クン、霊山クン、囲井さんを狙い打ちにした。忘れさせライトの存在すらもこの3人を事件の中心にさせようとする罠だったのかもしれない」

 

 

 

 

 

柏「アリバイもなく、僕らを殺人に誘導し、このコロシアイを仕組んだ全ての黒幕、それは超高校級のバドミントン選手、羽川渚!」

 

 



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学級裁判 後編

羽川「ふふふ、あはははははははっ!!」

 

 

柏「羽……川……さん?」

 

 前に一華が豹変した時とは違う、作ったような笑い声。

 

 

 

羽川「大正解だよ。あたしが黒幕だよ!」

 

柏「そんな……」

 

霊山「羽川さん……」

 

曲原「羽川の線が1番怪しかったが、いまいち貫禄がないな。本当の意味で黒幕か?」

 

神道「違うわ。このゲーム、『ダンガンロンパ』は毎回、事件の犯人も被害者も黒幕も違う。特に黒幕はゲームシステムが勝手に決めた黒幕ってだけ。人狼で言う、人狼の役を彼女は当てられたのよ」

 

羽川「もー重要なことまで言わないでよ」

 

柏「羽川……さん?」

 

羽川「あたしプレイヤーキャラだし?オリジナルの羽川渚じゃないしーって。もう良いか、うぷぷぷぷ」

 

曲原「どう言うことだ?」

 

羽川「この世界はゲームって知ってるでしょ?つまりこのゲームをプレイしてる人がいるの、今回はあたしが黒幕として選んだ奴がいるの!」

 

囲井「は?じゃあ私は……」

 

羽川「ああ、心配しないで『今回は』は違うから」

 

柏「今回って……」

 

安藤「しかし君たちは私たちがハッキングした!もうこんなゲームはやらせない」

 

羽川「でもさー、外ではこのコロシアイを望んでいる人がいる。それは知ってるでしょ?」

 

安藤「……」

 

 コロシアイを望んでいる人?どういうことだ。

 

羽川「コロシアイはもう一大イベント!みんなこのゲームをしたがっているし、見たがってる!」

 

囲井「どういうこと!?」

 

羽川「このゲームはネットで観戦出来ちゃうの!ファンもたくさんいるし」

 

柏「そんなはずない!こんなこと、家族や国だって……」

 

羽川「だってこれは『ゲーム』だもん。やり直せばまた復活するゲームだもん。ね、神道ちゃん?」

 

神道「くっ……」

 

羽川「またやり直せばみんなまた全員で生き残れるかもしれない」

 

柏「え?どういうこと?」

 

神道「私はずっと、ずっとみんなを生き残らせるために繰り返してきた。でもその度に殺人が起きた。あなたみたいなイレギュラーを持ってしても」

 

柏「僕が……イレギュラー……?」

 

安藤「超高校級のメンバーの中に君だけの資料が無かった。君こそが最も黒幕に近しいとは考えでいたこともあった。君は、一体……?」

 

羽川「あー、それねぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「バグだよ」

 

 

 

 

 

柏「は?」

 

曲原「バグ?」

 

 

羽川「安藤ちゃんや神道ちゃんは知ってると思うけど、この世に柏祐一なんて存在しないんだよ?文字通り瑕疵……虫だよ、バグなんだよ!言うなれば、『超高校級のバグ』って奴!きゃははははは!おもしろーーーい!」

 

柏「え?そんなわけない!僕は存在してるよ!」

 

羽川「繰り返しゲームするから不具合が出るよね、おかげで霊山拓也ちゃんの席か無くなっちゃって、仕方ないから拓也ちゃんは死んだってことにして席を確保したんだから感謝してよね!」

 

拓也「はぁ!?」

 

羽川「おかげで兄の超高校級の霊媒師って才能が活かせてるし」

 

霊山「え?じゃあ拓也は……」

 

羽川「生きてまーす!」

 

拓也「はぁ!?な、なんだよ、それ」

 

曲原「なんなんだ、これは……」

 

柏「僕が……存在しない?」

 

 

 そんな、そんなそんなそんな。僕はここから出られるってそのために頑張ってきた。死んだみんなの分も生きるためにずっと。

 

 

羽川「確かにあたしが黒幕ってバレたら処刑されるって言っけど、もう一回やり直した方が良いよ?どーせ出ても世間から人殺し扱いだし、何よりみーんなコロシアイを楽しみにてるから、外に出たら叩かれるって」

 

囲井「そんな、じゃあ一華を殺した私は……」

 

曲原「惑わされるな!黒幕の罠だ!」

 

安藤「私の開発者は私に協力してくれたんだ、諦めるな」

 

羽川「でもやり直した方が良いって全員で脱出を目指そう?」

 

 

柏「僕は、僕はどうなるの?」

 

羽川「さぁね、バグがどうなるからは……」

 

神道「また、また繰り返さないといけない、また」

 

柏「……」

 

 また、繰り返し?またコロシアイ?

 

柏「……」

 

 神道さんはずっと繰り返して来た?僕はバグ?

 

安藤「そんなこと言ってまたコロシアイを繰り返させるだけだ!」

 

霊山「でも、……みんなで脱出できるかもしれないんでしょ?なら」

 

神道「そう、私は何度も繰り返してその可能性に賭けて来たわ」

 

 ……何度も。

 

曲原「それで同じことになったんだろ!?もうやめろ!」

 

拓也「よくわかんねぇ脱出するメリットと繰り返すメリットが」

 

羽川「だから脱出のメリットなんかないよ」

 

囲井「兄さんがまだ兄さんや囲碁協会の人が……」

 

羽川「あー、君たちさぁ、今、何年経ってると思う?」

 

柏「何年って……1ヶ月にすらならないんじゃないの?」

 

羽川「バカだねぇ、そもそもこんなゲームシステムが開発されてるの、あの時代からだとおかしいと思わないの?」

 

安藤「……っ」

 

羽川「10年!10年経ってるんだよ」

 

霊山「10年!?そ、そんなはずは……」

 

安藤「……いや、確かに10年は経過している」

 

曲原「何?」

 

安藤「私がネットに繋いできたのも驚いていたし、家族も我々が死んだものだと思っているという可能性が妥当だ」

 

囲井「そんな……」

 

曲原「だとしてもここから出ない理由にはならないだろ?」

 

囲井「……」

 

霊山「……でも10年なんて……僕らはどうしたら良いんだ」

 

拓也「スケボー大会や学校どころじゃねぇ…10年なんて……」

 

神道「やり直しましょう、もう一度」

 

 

 

 

 

 

柏「いや、ダメだよ」

 

 

神道「柏……祐一?何を考えているの?」

 

柏「やり直してもまた同じことを繰り返すだけ、君はずっとそうだったんでしょ?」

 

神道「そもそも私は『段々と記憶を取り戻して行く』だからいつかは早めに記憶を取り戻して……」

 

柏「それをずっと繰り返したんじゃないの?」

 

神道「え?」

 

曲原「お前はそうやってみんなを救うつもりだろうが、それはみんなを殺し続けるってことだ」

 

神道「そんなつもりは!」

 

柏「神道さん、イレギュラーの僕に期待してたって言ったよね?なら、終わりにしよう、断ち切るんだ、このコロシアイを。このコロシアイの連鎖を」

 

神道「待って!他のみんなを見殺しにするの!?」

 

柏「このゲームを続けること自体が、外の世界にコロシアイという『希望』を与えてしまうんじゃないか?」

 

神道「何?繰り返すのをやめろって?」

 

柏「……そうだよ」

 

囲井「でも、このままだと、私たちは……」

 

霊山「10年ってことは26歳?……僕はまだ、何も学んでないし、霊山家の後継のことだって……」

 

羽川「あらあら?意見対立しちゃったね!」

 

 

 

 

 

意見対立

 

 

繰り返すべきか?

 

 

 

繰り返す

羽川、神道、囲井、霊山

 

 

繰り返さない

柏、曲原、安藤

 

 

 

議論スクラム 開始

 

 

 

『生き残る』

『絶望』

『生きて』

『帰れる』

『10年』

 

 

羽川「繰り返せば、全員生きて帰れるかもよ」

 

柏「繰り返してもまたコロシアイが起きるだけだ!全員生きて『帰れる』保証はない!」

 

神道「繰り返せばはきっと全員生き残る方法がある!」

 

曲原「どうせ黒幕がまたコロシアイを強制してくる。その前に『生き残る』のは不可能だ」

 

霊山「10年経ってる世界でやっていける自信ないよ」

 

安藤「『10年』経ってるからなんなんだ?我々は生きているんだ、生きていこうじゃないか!」

 

囲井「そもそも生きて脱出できるの?」

 

柏「それなら繰り返してもみんな『生きて』るとは限らないよ」

 

羽川「諦めなよ、絶望しちゃないなよ!」

 

柏「諦めたりしない!『絶望』なんかするもんか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

全論破

柏「これが僕たちの答えだ!」曲原「これが俺たちの答えだ」安藤「これが私たちの答えだ!」

 

 

 

 

 

 

柏「みんな!こんなコロシアイを続けちゃいけない!この負の連鎖を『断ち切る』んだ!」

 

神道「……」

 

柏「神道さん!」

 

神道「ふふふ、あははははははは」

 

柏「神道さん?」

 

神道「そうね、それがあなたが生まれた理由ね。この全てのコロシアイを終わらせる、この悪夢の連鎖を断ち切る…ふふふ。分かったわ、繰り返さない」

 

柏「良かった。霊山クン!囲井さん!」

 

霊山「えっ……あ……」

 

囲井「……」

 

曲原「このまま繰り返してもコロシアイが継続するだけ。それは黒幕の思う壺。いやじゃないのか?黒幕の思う壺になるのが」

 

霊山「だって、そんな……」

 

柏「みんな、頑張ろうよ、外に出ても」

 

 

 

 

羽川「あー、でもさ君、消えるかもね」

 

柏「え?」

 

羽川「言ったでしょ、君はバグ。君はゲームの世界にしかいられない。そんな君がこのコロシアイを終わらせたら、消えちゃうよ」

 

柏「良いよ、それでも」

 

羽川「……なんで絶望しないの?消えるんだよ」

 

柏「絶望しないよ、みんなに希望を託すから」

 

羽川「はーあ、あたしには黒幕向いてないや。運営さーーーん!あたしってやっぱ黒幕向いてませんでしたーーー!」

 

曲原「囲井!霊山!こんな奴の言いなりで良いのか!?」

 

拓也「よくねーよ!」

 

囲井「…確かに癪に触るし……」

 

霊山「……みんな……なら僕も」

 

羽川「はぁ、ま、そうなるか。じゃあいつも通り投票ターイム!」

 

羽川「その結果は正解か不正解かー……ドキがムネムネしないね」

 

 

 

 

 

 

 

羽川 7人

 

 

 

 

 『正解』と表示された。

 

 

 

 

 

 

 

 

羽川「まあ、時間も押してるし、おしおきターイム!」

 

柏「待って!羽川さん!僕は別に君に死んで欲しいわけじゃない!」

 

羽川「やめてやめて!それくらいやらせてよ!黒幕のとしての矜持だよ」

 

神道「他の時間軸の羽川渚は黒幕ではなかった。あなたは羽川渚じゃない!羽川渚の運命をあなたに決めてもらったら困るわ」

 

羽川「でもあたしが死なない限り、脱出は出来ないよ」

 

柏「そんな……」

 

曲原「良い。お前も処刑だ」

 

柏「曲原クン!」

 

羽川「うふ、ありがとう。では張り切って行きましょう!おしおきターイム!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ハネカワさんがクロにきまりました。おしおきをかいしします。

 

 

 

 

 

 

 

 シャトル飛んだ 超高校級のバドミントン選手羽川渚処刑執行

 

 巨大なモノクマが巨大なラケットで羽川をまるでシャトルのように打つ。羽川の身体はもう1人のモノクマにまで届き、さらに打ち返した。

 それを何度も続け、屋根まで飛んだ。屋根まで飛んで壊れて消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柏「終わったんだ……」

 

 投票するボタンは脱出ボタンに変わっていた。

 

柏「終わらせよう」

 

神道「柏、祐一……!」

 

曲原「お前は消えるかもしれないんだぞ?良いのか?」

 

柏「良いんだよ、それでも」

 

霊山「柏クン……」

 

囲井「でも脱出した後は?このコロシアイはネットで配信されてるんでしょ?」

 

安藤「その保護は私たちの団体がしよう」

 

柏「だから心配しないで」

 

神道「あなたは!あなたは!消えるのよ!それで良いの?怖くないの!?」

 

柏「僕、とにかく自分が何者かが知りたかったんだ。もし、僕に何もなかったらって不安にも思うことがあった。だから僕にこんなことが出来るのは嬉しいんだ」

 

神道「柏祐一!みんなも止めて!彼がいなかったら学級裁判を乗り越えられなかったんだよ!?」

 

曲原「柏……、良いのか、俺たちは脱出してお前は消えるんだ」

 

柏「うん」

 

霊山「消えるってことは……君と話すことはおろか、霊気すら感じられなくなる。そんなの……」

 

柏「うん、でも大丈夫だよ」

 

囲井「…柏…」

 

安藤「君の覚悟はわかった。脱出しよう」

 

神道「安藤!」

 

安藤「それがこのコロシアイで死んだ者たちの鎮魂歌だ」

 

柏「さ、早く!」

 

神道「……っ…!」

 

柏「お願い、神道さん!」

 

神道「……」

 

柏「負けちゃいけないんだ!このコロシアイなんかに!」

 

神道「……」

 

 

 

神道「分かったわ」

 

柏「ありがとう、神道さん」

 

 

 

 

 僕らは押した。脱出のボタンを。

 

 

 

 

 

 

 



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epilogue 出航-New World-
エピローグ


神道「……ここは?」

 

 カプセルの中で、目を覚ました。ゲームの世界であることは分かっていたけど、夢ではなかった。長い長い夢ではなかった。

 

 

 

「なんだ?なんで!?」

「ハッキングされてる!」

「被験者が目を覚ます!とにかくプレイヤーを保護しろ!」

 

 

 人の声が聞こえてくる。ゲームの運営だろうか。

 

 

 カプセルの中から出ると

 

 

 

 

霊山「みんな!拓也!」

 

拓也「お?俺生きてる!」

 

囲井「ほんとにゲームなんだ……」

 

曲原「どこだ、ここは」

 

 柏祐一だけはいなかった。やっぱり柏祐一はバグで消える運命なんて……。

 

神道「……柏、祐一……」

 

霊山「あ……柏クンは本当に実在しないんだ……」

 

囲井「……」

 

曲原「分かってたことだろ、それは」

 

拓也「そうだ、俺たちはちゃんと決めて脱出したはずだ」

 

霊山「分かってるよ、でも」

 

神道「柏祐一がいたという、事実が、証拠さえない。存在したという欠片も!」

 

 

「おい待て!」

 

 外から大声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

「みんな!」

 

 

 

 その声に心当たりがあった。

 

 

柏「神道さん、曲原クン、霊山クン、拓也クン、囲井さん」

 

神道「えっ」

 

曲原「なんだと!?」

 

霊山「柏クン!?」

 

拓也「なんだ消えるんじゃないのかよ」

 

囲井「あれは嘘なの?」

 

柏「僕はコロシアイに参加したプレイヤーだったんだ。愚かだったよ。才能がないからってこんなコロシアイのゲームに参加するなんて」

 

曲原「……っ、バグと呼ばれたお前が?……」

 

柏「プレイヤー参加は途中から決まって僕は抽選に当たったんだ。多分、途中から決まって参加したからバグってことになったんだ」

 

神道「う、うぅ…!うぅ…」

 

柏「神道さん……」

 

 神道さんがポロポロと涙を流した。

 

 

「コラ!君!早く帰るんだ」

 

柏「ゲームスタッフだよ」

 

神道「……」

 

柏「残念だけど、もうこのゲームは終わりだよ。こんなの、認めちゃいけない」

 

「なんだと!?」

 

柏「すぐに安藤クンたちの仲間が助けに来てくれるはず。このゲームは君たちの負けだよ」

 

曲原「諦めるんだな」

 

 

「ふざけるな、ガキが!!」

 

 拳を振おうとするスタッフ、その時

 

 

 

 

 

 

「そこまでだ!」

 

 

 スタッフとは違う服を来た人たちが集まって来た。

 

 

「僕たちは人の未来を司る『未来機関』の者だ。安藤露井戸の制作チームだ」

 

柏「じゃあ」

 

「君たちを助けに来ました!」

 

 

 

 

 

 

 

神道「どうしよう、私たち」

 

柏「ここから始まるんだよ、僕らの新しい人生が」

 

霊山「本当に10年経ってるみたいだし……」

 

拓也「親のこととかまだまだ色々とやることあるな」

 

囲井「なんか、生まれ変わったみたい」

 

曲原「そんなもんだろ、今の世界は新しい世界だ」

 

柏「出発しよう、僕らの新しい道を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脱出者

 

超高校級のバグ(プレイヤー) 柏祐一

 

超高校級の巫女 神道美雪

 

超高校級の作曲家 曲原瑛二

 

超高校級の霊媒師 霊山拓人

 

超高校級のスケボー選手 霊山拓也

 

超高校級の囲碁棋士 囲井歩美

 

 

 

 

 

 

 

 




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