淡雪のような (病弱ニートくん)
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君との出会い

初投稿です、語彙力ありませんがよろしくお願いいたします


例年より寒い年だった

まだ年が明けてすぐの話

君と僕が出会う、少し前からのお話

 

寒すぎて起きるつもりがなくても目が覚める

枕元に置いてあるスマホを見る、デジタル時計は6:30を表していた

まだ起きるつもりは無いが、2度寝するにも寝付けそうになかったので早めに起きることにした

愛猫の白猫、ウタイがゴロゴロと喉を鳴らしながら擦り寄ってくる、いつも起きた時に擦り寄ってきてくれる可愛げのある猫だ、いつもより早い時間なのにも関わらず申し訳ない

 

「おはよう、ウタイ」

 

そう声をかけてベッドから降りる、寒すぎる、早くリビングに向かおう

 

「おはよう蒼、早いのね、ちょうど朝ご飯できたよ」

 

お母さんが声をかけてくれる

 

「おはよう、寒すぎて起きちゃったよ」

 

そう挨拶を返して食卓に付く、いつも健康的な朝食を作ってくれるお母さんには感謝しかない

 

朝食を食べ終え、いつもより少し早めに起きたのでコーヒーを飲む時間もある、たまには早起きも悪くないな

 

「そう言えばリサちゃん、友希那ちゃんとバンド始めたらしいわよ、あなたもそういう趣味とか見つけたら?音楽好きなんだし、今バンド流行ってるみたいよ?」

 

リサは1件隣、友希那は2件隣に住んでる、幼なじみみたいなものだ

 

「んー、そうだね、検討しとくよ」

 

そう返してコーヒーを啜る、昨今バンドブーム、特にガールズバンドが流行ってるらしく、Webニュースなどでも目にすることが多い

バンドも聴くから興味はなくもないが、自分はどちらかというと表舞台に立つのは苦手だから、やらないだろうな…

 

「さて、そろそろ着替えるか」

「行ってらっしゃい、今日は通学??」

「うん、提出物もあるからね」

 

俺が通っている高校、インターナショナルスクールは通学とオンラインを好きに選べる、その新しさと珍しさから勉強を頑張って入った、まあ勉強くらいしか趣味がなかったので苦ではなかったし、このスタイルは自分に合っていてとても楽しい

 

「気をつけてね」

「ありがとう、行ってきます」

 

そう言って外に出ると冷たい風に吹かれた、暦は1月、例年より寒い年だった

 

「おーい!蒼ー!」

家を出てすぐ声をかけられた

「おはようリサ」

「おっはよー!今日通学なの?珍しいねぇー」

 

この子がさっき話してたリサ、今井リサ。一見ギャルっぽいがすごく面倒見がよく料理が上手い

 

「ちょっと提出物あってね」

「おはよう蒼、リサ」

「おはよー友希那!」

 

この子が友希那、湊友希那、めちゃくちゃ歌が上手くて中学時代から近所では有名だった、お父さんも一流の元バンドマンだ

 

「せっかくだからさ、途中まで一緒に行こうよ!」

「そうね、蒼がよかったら」

「じゃあ、ぜひお邪魔させてもらおうかな」

 

高校が離れ離れになったけど、今でもたまにこうやって交流する

 

「お母さんから聞いたよ、2人ともバンドやってるんだって?」

「あっ、そうなんだよー!Roseliaっていうバンドなんだけど、もしよかったら蒼も見に来てよ!私頑張っちゃうからさ!」

 

なんて照れくさそうに笑うリサ、ロゼリア…いい名前だなぁ

 

「そうね、蒼の感想も聞きたいし、今日ライブがあるからぜひ来るといいわ。」

 

しれっと答える友希那、よほど自信があるのか、少し興味がでてきた

 

「わかった、学校が終わり次第行くよ」

「おっ、天才白雪蒼くんの感想が聞けるのは貴重だな〜」

「天才なんかじゃないよ、努力のたまもの!」

「言ってくれるねー笑あ、私たちあっちだから、絶対来てよねー!」

「あいよー」

 

学校は午前で終わった、ライブ開始は17:00だったな、まだかなり時間はあるけど、ライブハウスが行ったことない最寄りだったから早めに行こう

ライブハウスCIRCLE、サークル…

「あった、ここか」

時間は16:00、あと1時間くらいか、まあそのくらいなら中に入ってても大丈夫だろ

 

「すいません、17:00のライブチケットください」

「はーい、あっ、君ー白雪くん?」

「は、はい、そうですけど…」

 

なんでこの人俺の名前知ってるんだ…?

 

「ちょっとついてきて!」

 

その人に言われるがままに着いていく

 

「いやー驚かせてごめんね!私ここ、CIRCLEのオーナー月島まりな!リサちゃんに名前聞いてて、来たら関係者席通してーって言われてたんだー」

「そうだったんですね」

「はい、じゃあここ!もうそろそろ開演だから、楽しんでね!」

 

言われるがままに2階席に通された、いいライブ会場だな、距離近いから音も迫力も凄そうだ…

ぞろぞろと観客が1回のスタンディングに入ってくる、女性多いなぁ…ガールズバンドで女性が多いのは珍しい気がする

 

ライトが暗転してメンバーがやってくると歓声が上がる、すごい人気だな…

 

「Roseliaです、早速1曲目行くわよ…BLACK SHOUT」

 

友希那らしいしれっとした挨拶から早速曲が始まる、力強い演奏とともに

 

「っ…」

 

思わず息を飲んだ、力強い演奏が、友希那の綺麗な歌声が聞こえなくなるくらいの力強い、そして美しく綺麗な、消えてしまいそうな白い肌と、触れたら壊れてしまいそうな華奢な指で楽器を引く君は

 

淡雪のようだった

 

例年より寒い年だった

まだ年が明けてすぐの話

君と僕が出会ったお話




感想お待ちしてます(豆腐メンタルなので優しめで…)


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あの…

たくさんの方に見ていただけて感謝です
毎日更新をめざして、見てくださる方が継続して見ていただけるような作品を仕上げたいと思います
これからもよろしくお願いします


あれからどのくらい経っただろう

気づいたらライブは終わっていて、呆然と機材を片付けるスタッフを見ていた

 

「おーい、白雪くん」

 

と、まりなさんに声をかけられるまでは立つことすら出来なかった

 

「すいません、出なきゃ行けないのに」

「いやいやー、大丈夫だよ!Roselia凄かったでしょ、プロからも声がかかるくらいの実力派なんだよ」

 

そうなのか、全然聴けなかった、また今度来よう…

 

「あと、リサちゃんが控え室通してって言ってたから連れてってあげるね!」

「あ、ありがとうございます」

 

ー控え室ー

 

「失礼しまーす、白雪くんつれてきたよ!」

 

「おー!どうだった〜蒼!凄かったでしょー」

「ああ、めちゃくちゃかっこよかったよ」

 

ほとんど聞けてなかったけどな、申し訳ない…

 

「蒼、早速だけど感想を聞かせてくれるかしら」

「その前に!改めて自己紹介しようよ!蒼の事ほかのメンバーは知らないからさ!」

「そ、そうだな…白雪蒼(しらゆきあおい)といいます、リサと友希那とは小学校からの幼なじみみたいなもんです」

 

「私は聖堕天使…あこ姫!!」

「はーい、この子は宇田川あこちゃんね」

 

もーリサ姉!なんて明るく話してるこの子は宇田川あこちゃん、中学3年生らしい、すごい実力者だな…

 

「私は氷川紗夜と言います、よろしくお願いします」

 

友希那よりも礼儀正しく(友希那は礼儀正しいと言うよりはクールなだけかもしれんが)しれっと答えたこの人は氷川紗夜さん、めちゃくちゃストイックにギターと向き合うらしい

 

そして

 

「し、白金燐子です、よろしくお願いします…」

 

彼女は消えそうな声でそう言った、この子だ、この子がピアノを弾く姿、可憐で繊細な音、表情が今でも脳裏に焼き付いている

 

綺麗だと、思った

 

「よ、よろしくお願いします…」

 

その後も少しRoseliaの5人と会話をした、高校のこと、今までの5人の出会い、そして俺たち3人の出会いを軽く話したが、白金さんばかり目がいってしまう、なんでだろう、どこかで会ったこと…は、ないと思う、でも何か気になる

 

「あの…何かついてますか…?」

 

と、白金さんは問いかけてきた、顔を真っ赤にして、目を逸らしながら

 

「ご、ごめんなさい、なんでもないです…」

 

あまり見すぎないようにしよう…会話をしっかり意識しよう…

 

「もうこんな時間かー、そろそろ行こっか!」

 

そうリサが声をかけた、時計を見ると21:00を回っていた

 

「じゃあ私たちはこっちだから、またね!」

「今日は早めに休んで、また明日練習よ」

 

氷川さん、あこちゃん、白金さんは同じ方向らしく

 

「送っていきますよ?女性だけだと不安だろうし、中学生もいるし」

「いえ、私が責任をもって送っていきますので」

 

と、氷川さんに口早に言われ別れた、俺なんかしたかな…すっげえ冷たい言い方だったんだけど…

 

「おーい、アタシたちは女性に見えないのかいっ」

「すまんすまん、初対面だから心配でな」

「いつもこの位の時間になってしまうから慣れてるはずよ、むしろ、初対面でついて行こうとしたのは少しまずいんじゃないかしら」

 

あ、だから氷川さん、あんな言い方したの、俺めっちゃ空気読めないやつだったの…?け、警戒されてたの…??

 

「…すいません」

 

そういう他なかった

 

その日を境に俺はRoseliaがライブをやる日はほとんど見に行くようになった

そして見る度にRoseliaを、なにより、白金さんの弾くピアノが好きになった

行くたびに交流を深めたが、白金さんの人見知りは治らなかった

 

「あのー…何か??」

「あの、そんなに、見ないでください…恥ずかしいので…」

「あの、その…///」

 

どうやら彼女はあのが口癖らしい

そんなところも可愛いなと思った

 

いつも通りRoseliaのライブを見に行ったある日

 

「白雪くん、もしよかったらここでバイトしない?男手必要な時とかあるし、Roseliaとかほかのバンドのライブも見れるよ?」

 

まりなさんに声をかけられた、バイト…その手があったか、バイトは人生経験にもなるしいつかどこかでしようとしていた、人生経験が出来てRoseliaを見れて白金さんの演奏を聴ける…一石二鳥以上だ

二つ返事で俺は答えた

 

「ぜひ…ここでバイトさせてください!!」




ちょっと走りすぎたかもです…とりあえずメインヒロインは白金燐子さんで行こうと思います(完璧に私情です)(僕の1推しです)
評価などしていただけたらめちゃくちゃ嬉しいです、よろしくお願いします…


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それはないだろ

フルコン詰めてて腕が痛いです…(下手くそです)
たくさんの方が観覧してくださったようで、ありがとうございます、暖かい感想やお気に入りもすごくモチベ向上に繋がります
評価もしていただけると幸いです、これからも読み続けたくなるような作品を目指して頑張ります、それでは3話です


下心丸出しで入った気持ちをぶち壊すように、バイトは激務だった

業務内容はかなりあるが、主に任されたのは機材の搬入搬出、照明の2つだがお客様が多い日はドリンクも任された、機材は男の俺からしても重く、よく女性だけでやってこれたと思う

ちなみに初めてのバイトなので相場はよく分からないが、最低賃金よりも少し多く、高校生にしては貰えてる方だと思う、趣味も特にないし、チケットを買わずともRoseliaのライブを見れるので使う予定もないが…

 

「いやー、白雪くんが入ってくれて助かったよ、ほかのスタッフもすごく感謝してるみたいだし、いい働きっぷりだねー!」

「いやいや、全然ですよ、お役に立ててるならよかったです」

「にしてもすぐバイト出てくれたよね、なんか欲しいものとかあるの?」

「いや、特に趣味もないんでないですよ、人生経験ですかね」

「人生経験って高校生なのに、さすがインターナショナルスクール在学生だねー」

「どんな印象もってるんてすか笑笑」

 

ライブ中以外は他愛のない話をしながら仕事をできるから本当に楽しい、スタッフもみんな優しいし

 

「それと、Roseliaを見れるってのもあるのかな?」

「まあ、それもありますね」

「すごい熱だねぇ、Roseliaに好きな人でもいたりして笑」

「え…いや、それはないでしょう…」

「…え、図星!?」

「いやいや、それはない!!それはない…」

 

そもそも恋を生まれてこの方したことがない気がする、どういう感情が恋なのかよく分からない、今まで勉強しかしてこなかったからな…

 

「でも白雪くん…顔」

「お疲れ様でーす!!」

 

まりなさんが何かを言いかけた時、リサ達がスタジオに入ってきた

 

「おーお疲れ、今機材セット終わるからリハもうちょい待ってな、まりなさんさっき何言おうとしたんすか?」

「ん、ん!?なんでもないよー!!さ!早めにセッティングしちゃおうか!」

 

なんだろう、すごく気になる…

 

「あ、あの、白雪さん…」

「あ、白金さん、お疲れ様です…」

「お、お疲れ様です、その…いつもありがとうございます…」

 

なんて礼儀正しい子なんだろう…いつもこうやって声をかけてくれる

 

「いえいえ!お仕事なので…」

「…最近燐子と仲良いよねー蒼」

「い、いや!普通だろ…」

「…」

「リサ、どうかした?」

「いやー、なんでもないよ友希那」

 

そういったリサはじっと蒼を見つめていた、不安そうに、何かを考えるように

 

この日は早めに上がっていいと言われ、久しぶりにリサと友希那と3人でかえっていた

今日のライブの感想、新しい歌の話、学校でのことなど、話してなかったことが沢山あったのですぐ家についた

 

「じゃあリサ、蒼、またね」

「おう、じゃあな」

 

友希那と別れたあと、リサに呼び止められた

 

「少し話したいんだけど、いい??」

「ん?おう、どした?」

「最近蒼、前より生き生きしてるっていうか、楽しそうだなぁって」

「ああ、楽しいよ、バイトも激務だけどみんな優しいし、Roseliaの曲が、ライブが好きなんだ」

「そうなんだ、嬉しいなぁ…燐子と話してる時も楽しそうだよね」

「そうか?別にお前らと話す時と変わらないだろ」

「んー、そうなんだけど、なんか違うって言うか…わかった!蒼、燐子に恋してたりして!笑」

 

っっっ

 

「え、もしかして…ほんとに?」

「いや、それはないだろ…」

「でも蒼」

「いや!それはない。もう風邪ひくから帰るぞ!またな!!」

 

そう言うと足早に家に入った

 

「…嘘だよ、だって蒼」

 

「顔、()()()()()()()()()()()()じゃん。」

 

リサは蒼の家を不安そうに眺めながら、そう呟いた

 

ーーーーー

 

風呂に入っても、ご飯を食べても、落ち着かない

大好きな勉強をしていても、頭には燐子さんの顔と、まりなさんとリサに言われたことがグルグルしてる

 

「Roseliaに好きな人でもいたりして笑」

「蒼、燐子に恋してたりして!笑」

 

いや

「ないだろ…それは…」

 

でも俺は

恋を知らない

燐子さんの事は嫌いじゃない、むしろ好きだ、初めてRoseliaのライブを見た日から、あの淡雪のような、消えてしまいそうな表情とピアノの音を聞いてから

自己紹介をして、ライブがある度に話をして、挨拶をして

このなんとも言えない感情が

「恋、なのか…?」

 

にゃあとウタイが膝に乗ってきてハッとする、そんなわけないよな、考えすぎだ

 

「ウタイ…お前は恋したことあるか?」

 

何を言ってるんだお前はという顔でこちらを見てくる、そりゃわかんないよな笑

 

アホくさ…寝よ

 

ーーー

 

「あの、白雪さん…」

「し、白金さん!?どうしてここに…」

「白雪さんのこと、初めて会った時から…」

「え、え!?」

 

そういうのと同時に白金さんは抱きついてきた

 

「い、いや、白金さんいつからそんな大胆に…てか…ぐるじ…」

 

「はっ!!!」

 

息が出来ずに目を開けると、首にはウタイが乗っかっていた

 

「お前…紛らわしいことすんなよ…」

 

すんとした顔でウタイは飛び降りリビングに行ってしまった、なんなんだあいつ…

 

スマホを見ると8:30を指していた、休みとはいえ寝すぎた…

バイトも休みだし、久々に出かけようかな…

 

朝食を食べ家を出る、10:30、さてどこに行こうかな…

久々に書店にでも行こう、本を読むのは好きだ、集中力が増すし、理解力を深めることも出来る

 

好きな作家のまだ買っていない小説を買い、書店を出ようとすると、綺麗な黒髪の人とすれ違った

今のって…

 

「白金さん…?」

 

そう呼びかけると彼女は振り返った、とても驚いたような顔をして

 

「し、白雪さん…」

「ぐ、偶然ですね、今日は練習休みですか?」

「は、はい…白雪さんも、バイトお休みですか?」

「はい、久々に出かけようと思って」

「そ、そうなんですね…」

 

か、会話が続かない…というか…

朝の夢思い出してすっげえ意識しちゃうんだけど…!!

 

「なんか足止めしちゃってすいませんでした、それでは…」

 

行こう、そう思い足早に店を出ようとすると

 

「あ、あの!!」

 

白金さんが呼び止めた、振り返ると、顔を熱があるかのように赤らめて、こう言った

 

「も、もしよかったら…お茶でも、しませんか…??」

 




今日はすごく展開をはやめた気がします、違和感はないでしょうか…
読みやすさを意識して文の感覚を開けるようはしていますが、読みにくい等ありましたらご意見いただけると嬉しいです

燐子ちゃんの思い切った声掛けに、蒼はどう応じるのでしょう、そしてリサはなぜ不安そうに蒼を見つめていたのか…
評価、感想等いただけると嬉しいです


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恋ってこと

バンドリ周回してたら遅くなってしまいました…すいません…(ハッピーのかけら超絶難民)
新たに2名の方から感想いただきました、ありがとうございます…そして星10の評価も1ついただきました、モチベ向上に繋がります…
それでは第4話、どうぞ!!


俺の名前は白雪蒼(しらゆきあおい)インターナショナルスクールに通う高校2年生、普段は学校に通いながら(といっても在宅授業の方が多めだが)ライブハウスcircleでバイトをしている

今僕は

 

訳あって恋をしているかもしれない相手と喫茶店に来ている

(どうしてこうなった…)

 

ーーー

 

「お、お茶ですか!?」

「は、はい…あの…都合が悪かったら大丈夫です…けど…」

「いや、めちゃくちゃ暇なので!!ぜひ!!!」

 

ってな訳で喫茶店に来た訳だが…

白金さん全然喋んねえ…!!

こ、ここは男として俺がリードするしか無いのか…よし

 

「「あの!!」」

「あ、いや!!どうぞ!!」

「いえ!あの…どうぞ…」

 

すんげえ上手くいかないんだけど…相性悪いの俺ら…

 

「いや、なんか話した方がいいかなって思っただけなので、どうぞ…」

「すいません…気を使わせてしまって…」

「いや!!そんな事ないです!!」

「私、ほんと、人見知りで…こんな私が、Roseliaにいていいのかなって…みなさんの足を引っ張ってないかって、すごく心配なんです…」

「白雪さんから見て…私の演奏はどう見えてますか…?Roseliaは、どんな音楽を奏でてますか??」

 

この子は、心の声を出さない

それでも心の中で、こんな事を考えていたのか

不安で押しつぶされそうだったのを、誰にも相談できずに

俺を頼ってくれた

なら俺に出来ることは、俺がすべきことは…

 

「…俺からみたRoseliaは…白金さんの演奏は…」

「すごく、すごく力強くて、綺麗で、かっこいいです、あこちゃんの元気なドラムも、氷川さんの綺麗なギターも、友希那の力強い歌声も、リサの包み込むようなベースも!!でもそれは白金さん、あなたがいるからなんです、貴方が力強い、綺麗で、包み込むようで元気なピアノを弾くから!RoseliaがRoseliaになるんです!!」

「貴方は、Roseliaはすごいです、だから自信を持ってください…」

 

息を切らしながら夢中に語った、ふと白金さんが驚いたような顔をしているのを見て我に返った

 

「あ、すいません…めちゃくちゃ喋ってしまって…」

「…いいえ、大丈夫です…」

「あの、ほんとにすいま…」

「ふふっ」

「白金さん…?」

「白雪さんって、面白いんですね…ありがとうございます、元気、出ました」

 

そう笑顔で白金さんは言った

それを見て俺は

 

心の端から端までが、熱くなるのを感じた

 

「今日はありがとうございました…お茶代までごちそうになってしまって…」

「いえ、こちらこそ、楽しかったです」

「白雪さん…明日ってバイト、入ってますか?」

「ええ、どうしました?」

「明日、個人練習、しようと思って…スタジオ予約してたんです」

「あ、そうだったんですか!お待ちしてますね」

「はい、よろしくお願いします…」

 

微笑んでくれた白金さんをみて、自然と俺も微笑み、その日は別れた

 

ーーー

 

次の日、俺は少し早めにバイトに向かった

 

(めちゃくちゃ早起きしてしまった…)

 

「おはようございまーす」

「おはよー白雪くん!めちゃくちゃ早いね!!」

「はい、白金さんがスタジオ予約してるって聞いて、何時からか確認も兼ねて早く来ちゃいました」

「そうだったんだね!白金さんは…朝イチで入ってるね!」

「わかりました!自分そこ機材セットしときますよ」

「ありがとねー、助かるよ!」

 

白金さんの予約したスタジオへ行き、機材をセットする

機材セットも慣れてきて、すぐできるようになった

 

「し、白雪さん…おはようございます」

「おお!?びっくりした!!!」

 

急に白金さんが喋りかけてきてつい声が大きくなってしまった、いつ来たんだ…

 

「あ、あの…すいません、びっくりさせて…」

「いや、俺も大声出してすいません…機材セットしたんで、いつでも練習していいですよ」

「あ、あの…もしよかったら、演奏きいて、感想くれませんか…?」

「俺、素人ですよ…?」

「それでもいいんです!白雪さんの感想が、聞きたいです…」

 

そう照れながら言う白金さん

勇気を出して言ってくれたんだろうな

俺も期待に応えないと

 

「俺で良かったらぜひ」

 

練習は2時間ほどだったが、一瞬のような時間だった

 

「ありがとうございました…」

「いえいえ、白金さんの演奏聞けて嬉しかったです」

「恥ずかしいです…感想、すごく勉強になりました…」

「お役に立てたならよかったです!」

 

それからお見送りをし、業務をこなし、閉店作業をまりなさんと話しながらしていた

 

「一日中手伝ってもらってごめんね!!埋め合わせでどっかおやすみにするから…」

「いえいえ、暇だったのでいいですよ」

「ありがとうね…なんかあったらいつでも相談してね」

「じゃあ、ひとついいですか??」

「ん?どうしたの?」

「白金さんが昨日、相談してくれたんです、自分はRoseliaにいていいのか、足を引っ張ってないかって」

「それ聞いて俺、すごく悔しくなっちゃって、そんな風におもってたんだって」

「俺がそんなこと思わせないくらい、白金さんの役に立ちたいって思って、裏方でバックアップしたいって、支えたいって思って」

「すごいRoseliaの演奏を、白金さんの演奏を好きだってこと語った後に、笑顔でありがとうございますって言われて、それみて俺…」

 

「心がすごい熱くなって、なんとも言えない気持ちになって…」

「白雪くん…」

「これ、なんなんすかね笑」

「それが()()()()()だよ」

「好きな人の役に立ちたい、好きな人を支えてあげたい、そう思うこと、それが恋」

「白雪くんも、相談してくるってことはとっくに気づいてたじゃない?」

 

 

うん

その通りなんだよな

今でも目をつぶれば、白金さんの笑顔、恥ずかしがった顔、演奏してる時の顔しか浮かばない

自分の気持ちにどこか嘘ついてたんだな

なんでだろ、そんな嘘ついたって気持ちは変わらないのに

()()()()()()()()()()()

 

「これが、恋ってこと…」




同じ人が喋るのが何個か続いたりしたんですけど、違和感ないですかね…

感想等や評価、お気に入りもドシドシしていただけると嬉しいです!よろしくお願いいたします…


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心の音色

外出出来ないと暇ですね…
感想をたくさんいただきました、ありがとうございます
また、お気に入りもたくさんしていただいて、本当に感謝です
今日は夜にも更新するかも知れませんので、お時間ある時にお読みいただけると嬉しいです
それでは5話です、どうぞ!


小さい頃から自分に自信がなかった

人と協力してやることが苦手だった、足を引っ張ってないかって不安になるから

ピアノは1人で出来るから続けられた、趣味のオンラインゲームも、顔を合わせなくても文を打つだけで人と会話できるから好きだった

そんな自分を変えたかった

オンラインゲームを通じて仲良くなったあこちゃんが、Roseliaというバンドに入ったらしく、練習の動画をくれた

それに合わせて演奏してみたら、1人で弾いてる時よりも楽しかった、もっともっと演奏したいって思えた

 

それから私はRoseliaに入った

練習はとても大変だけど、楽しいって気持ちは変わらなかった

なにより1歩踏み出せたことがうれしかった、少しだけ変われたような気がして

 

でも…心の中には不安が残った

私は、私の演奏はRoseliaの足を引っ張っていないか

今井さんもあこちゃんも褒めてくれるし、氷川さんも友希那さんも厳しいけれど認めてくれる

それでも自分の中で納得いかない部分があった

 

その事を、休日に本屋さんで偶然会った白雪さんに相談した

第三者目線でいつも練習を見てくれてた白雪さんなら、本当のことを言ってくれるような気がして

彼は、私の音楽を大好きだと言ってくれた

すごく必死な顔で、すごく真剣に

その瞬間、少しだけ自信が持てて、心も軽くなった

 

ピアノの鍵盤のように、心が弾んで…心の音色っていうか…ドキドキと音を奏でてる、そんな気がした

 

その事をあこちゃんとチャットで話したら

 

「り、りんりん!それは恋だよ…!!!」

「こ、恋…??」

「間違いないよ!心がぐぅーんって締め付けられるような感じがして、ドキーンババーンとなったら恋だよ!!」

「う、うん…??」

 

そもそも白雪さんが初めて、ちゃんと話をした男の人かもしれない

最初はすごく恥ずかしかった、白雪さんと自己紹介をし合った時、すごく見られたから、変だと思われたかなと不安になったりした

白雪さんがcircleでバイトを始めてから、話す機会が多くなって、だんだんと慣れていった

今でもまだ上手く話せないけど、男の人だったら白雪さんが1番話しやすい

この心の音色が…恋なのかな…

 

 

 

でもきっと、彼の心にはこの音色は流れてない

私よりいい、もっと別の人が、彼の心に音色を響かせているだろう

私は知ってる

今井さんが白雪さんの話をする時、すごく嬉しそうにしていて、白雪さんもまた今井さんの話をする時楽しそうにしている

友希那さんはあまり音楽以外の話はしないけど、3人は小学生からの幼なじみなんだから、きっと白雪さんの事、好きだよね…

私みたいな付き合いが短い人間、入る幕はない…

 

それでも

彼がRoseliaの、私の音色を好きと言ってくれたから

私は彼の気持ちに応えたい

それが私に出来る、彼への精一杯のお礼だから




燐子ちゃんの心情をメインに書いたのでどうしても心の声が多くなってしまいました…
区切りがいいので短いですが5話はここまで…
感想、お気に入り、評価ぜひよろしくお願いいたします…


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まさかのご指名

某DJゲームがめちゃくちゃ下手になってて萎えました(同じ系列だし話題出していいよね)
今日2回目の更新です、皆さまお暇な時に読んでください…主はいつでも暇なので小説書くしかないんです…()
1回目の更新の後たくさんのお気に入り、感想ありがとうございました、これからもドシドシお待ちしてます(評価もしていただけると嬉しいです(小声))
それでは第6話!どうぞ!


寒かった時期も終わり、春になった

学業もとくに問題なく進級した、circleでのバイトも慣れてきて、一通りの作業は任されるようになった

バンドの知り合いも増えた、Roseliaのライバルであろう同期らへんのガールズバンドで言うと、Poppin’Party略してポピパとか、Afterglow(アフターグロウ)ハローハッピーワールド!あとはパスパレ?というアイドルバンドも居るらしい(まだ見た事ないけど)みんな演奏が上手くて個性的で、同じ高校生とは思えないくらいすごい人たちだ

 

 

白金さんとの発展はというと…

この気持ちが恋だってのはわかったけど、どうしていいか分からず…白金さんは通ってる高校の生徒会長になっちゃったらしいし、忙しくて恋愛どころじゃねえだろうな…

 

「はぁ…」

「難しい顔してるねー、恋の悩みかなぁ?笑」

「わかってるくせに言わないでくださいよ…」

 

そんな俺はまりなさんと閉店作業に追われていた

「てか、今Roseliaスタジオで練習してんですから、帰ってから話してくださいよ」

「いやーごめんね笑…告白しないの?」

「生徒会やらバンドやらで忙しそうなのにできないっすよ…」

「だよね…」

「はぁー初恋は叶わねえって言うしなー」

「諦めないの笑Roseliaのメンバーに相談したら??」

「うーん、相談か…」

 

正直そのことは何度も考えた

でも友希那に相談したら…

「何を言ってるの。最高の音楽に恋愛なんて必要ないわ。」

 

って絶対言うよなぁ…

氷川さんなら1番大人な意見…

「そ、そんな事にうつつを抜かしてないで練習です!!!」

 

ダメだ、このふたりはダメだ…

あこちゃんは??白金さんと1番仲良さそうだし…

「ええ!?蒼さん、りんりんのこと好きなのー!?」

 

絶対大声で言ってバレて詰む…

となるとやっぱ

「リサくらいしか相談出来るやついねえよなぁ…」

「り、リサちゃんはやめといた方がいいかも!!」

 

まりなさんがめちゃくちゃ焦りながら言ってきた

「な、なんでですか??」

「ん、んー、女の勘???」

「なんですかそれ…じゃあやっぱあこちゃんかなぁ…」

「おーい蒼ー」

 

なんてことを話しているとリサが呼んできた

 

「おー、練習終わりか?」

「いや、ちょっと相談があるんだけどさ、まりなさん、蒼かりてもいいですか??」

「んー、大丈夫だよー!」

 

リサに連れられて俺はRoseliaのいるスタジオにやってきた

 

「話ってなんだ??」

「来たわね、単刀直入に言うわ、蒼、Roseliaのマネージャーになってほしいの」

 

そう友希那に言われたが、イマイチピンと来ない

 

「マネージャー??なんで俺が?俺素人だぞ?」

「あなたはもうかなりRoseliaのライブを見てる、練習も見てる、ここでバイトすることである程度他のバンドの実力もわかってる、だからこそ分かることがある、Roseliaの成長に繋がるキーになると思っているわ。」

 

続けざまにあこちゃんがいう

 

「あこも蒼さんがマネージャーになるの大歓迎だし、りんりんが推薦したんだよ!ね!りんりん!!」

「う、うん…白雪さん、すごく真剣に練習見てくれるから…白雪さんならって…」

 

白金さんが俺を…??

 

「白金さんが自分の意見を言うのはあまり無いのでびっくりしました、相当の自信と信頼があるんだなと思ったので、私はそれに賛成しました」

「氷川さん…」

「蒼、Roseliaのマネージャーになってくれるかしら」

 

うれしかった、Roseliaに、なにより白金さんに頼られてるのが

それに応えるのが男だ…!

 

「ぜひ、やらせて下さい」

 

こうして、俺はRoseliaのマネージャーになった

 

ーーー

 

帰り道、いつもの3人で帰る

 

「にしても本当に俺でいいのか?」

「5人総意の意見よ、あなたじゃないと勤まらない」

「そうか、頑張るよ…」

「リサ、どうかしたの?さっきから大人しいけれど」

「う、ううん!なんでもないよ!」

「…」

 

ーー

「んじゃ、またな」

「うん、また今度ね!あ、蒼!後でRoseliaのグループ招待しとくよ!」

「サンキュー!」

「蒼、ちょっといいかしら」

「ん?どした?」

「ここじゃなんだから、近くの公園にでも行きましょ」

 

ー公園ー

「懐かしいなここ、よくここで友希那とリサ歌ってたな」

「昔の話よ…」

「そんなふたりがバンドやって、俺がマネージャーって、すごいよな」

「そうね、改めて…マネージャーになってくれてありがとう」

「そんな話しに来たのかよ笑」

「いえ…マネージャーとして1番して欲しいことは、それぞれのメンバー同士の協調性を高めて欲しいからなの」

「他のバンドをみて思った、メンバー同士の馴れ合いなんて必要ないと思ってた…でも、その絆は時に、練習で培った技術をも上回る」

「蒼なら、貴方なら私たち5人を繋げてくれると思ったの、だからお願いした」

 

正直驚いた

友希那がそんなこと言うなんて思わなかった…

 

ーーー

 

「キラキラドキドキ??」

「はい!!私たち先輩のバンドを見て、キラキラドキドキしたい!!ってなってバンド始めたんです!!」

「面白いね笑笑」

「このメンバーでバンドやれて!幸せです!!ねー有咲!!」

「ちょま!!!香澄抱きつくな〜!!」

 

ーー

あの子たちと触れ合って変わったんだな…

「何を笑っているのかしら」

「いや…お前からの願い、マネージャーとして受け取ったよ」

「…ありがとう…それと貴方、燐子の事はどう思ってるのかしら」

「はぁ??な、なんで急に」

「なんとなくよ」

「当てずっぽうかよ…仮に好きだったとしたら、どうする…?」

「…その感情でまた、音楽に深みが出るのならいいと思うわよ、技術が低下しないなら好きにすればいいと思うわ」

「お前、丸くなったな…」

「そんな事ないわ、そこまで厳しくないわよ…さ、そろそろ帰りましょう」

「おう、そうだな…」

 

この日、まさかのマネージャーにご指名を受けた俺は、また1歩白金さんに近づけたのかな…

いや、近づいたと思う…この日から俺の恋は、この物語は急激に加速したのだから…




今日で大体のあらすじは考えて計算したら、35〜40話くらいにまとめようかなとなったんですけどどうですかね…いやもっと伸びるかも((
長いよりやっぱ短い方が読みやすいですかね?まあ面白かったら長くても冷めないですよね頑張ります(震え
そのへんも含めご意見や感想お待ちしております(土下座)


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学生は恋に青春に学業に忙しい

今日は頭が回らなくてある程度のあらすじを書いたのに書き終わったのが日付をまたいでしまった(今書き終わりました)
色んな方からの感想や評価をたくさん頂けて本当に嬉しいです!赤いバーが伸びてきました…(号泣)
引き続きの感想、評価いただけると嬉しいです
それでは第7話、どうぞ!


4月

高校三年生になった俺はインターナショナルスクール本校に通学することが多くなった

新学期である、提出物が多いためこの時期は普段在宅授業を受けてる生徒も来なければならない(まあ俺はちょくちょく在校にしてるけど)

 

インターナショナルスクール

ここ数年で新しく出来た通信通学兼用の学校だ

海外から引っ越してきた学生や学年1位のような頭の良い学生が通っている

飛び級したりしてるようなやべえ奴も居るらしい

俺はそこまで頭がいいわけではないが、在宅授業や通学をその日によって選べるという日本初の試みに惹かれ猛勉強した

 

「さ…帰ろ…」

 

提出物は出したので学校を帰ろうとする

クラス(と言ってもほとんど来ないので1学年1クラスで好きなとこ座るだけ)から出ようとすると、机に忘れ物があるのを見つけた

 

「ったく誰だよ忘れてったの…なんだこれ、ヘッドホン…と、ノート…?」

 

それ以外の物は見当たらない、何しに来てんだ…

 

「名前とか無いとわかんねえけどノート見るのもなぁ…まあ、致し方ないよな…これって…」

 

そこには音符がなぞられていた、物凄くたくさんの

素人から見てもすごいものだとわかる

その時だった

 

Hey!(ちょっと!)私の物に何触ってるの!」

 

振り返ると小さい少女がいた

 

「…お嬢ちゃんここ一応高校だよ??」

「知ってるわよ!私はここのstudent(学生)よ」

「お嬢ちゃんどう見ても中学生…」

「失礼ね!飛び級したのよ…あなた達とは違ってExcellent(すごい)のよ、わかる?」

 

なんっつー上からなガキだこいつ…

 

「とりあえずこれ返すよ、ったく大切なものなら忘れんなよ…」

「わ、忘れてないわ!teacher(先生)に提出物を出しに行っただけよ!」

 

そう言うとバッと取って

 

「…ノートの中身見てないわよね」

「プライバシーの侵害するように見えるか…?」

 

見たんだけどね

 

「見えるわ、見たなら正直に言う事ね、私のmom(ママ)に言えばあなたなんて」

「見ましたすいません許してください」

「…ついてきて」

 

そう言うと学校のカフェテリアに連れていかれた

普段からあんまり生徒は来ないので落ち着いて話が出来る

ほんとにここの生徒なんだな

 

「…あれを見てどう思った?」

「どうって…音楽やらねえけどすげえってのは分かったよ。」

 

そういうのと一瞬嬉しそうな顔を見せたが、直ぐにまたぶっきらぼうな顔に戻った

 

「センスがあるのね、私は最強(さいっきょー)の音楽を、このガールズバンド時代の頂点をとるために活動してるのよ」

「そうなのか、すごいなちいせえのに…メンバーはいるのか?」

「小さくない!!…まだ1人しか居ない、それでも私は絶対に、最強の音楽を作り上げる、誰にも負けない!」

「そうか、お前なら絶対できるよ」

「…笑わないのね」

「なんで??」

「みんな、こうやって言うと笑って無理だって言ってきたわ…」

「笑わねーよ、本気でめざしてるのはノートみたらわかるから…自分のやりたいことに本気で取り組んでんだろ?そんなんを笑うなんてことしねーよ」

「っ…///thanks(ありがとう)…」

「じゃあ俺行くわ、頑張れよー」

「ちょ、待ちなさい…!!…名前くらい、教えなさいよ…///」

 

そう言うと少女は携帯を取り出した

 

「至急調べて欲しい人がいるわ、大至急よ!」

 

 

 

この出会いが後にRoseliaを、俺と白金さんを…ガールズバンド界をも巻き込んだ()()()になるとは

この時はまだ思ってもなかった

 

ーーー

 

「あのクソガキのせいで遅れちまうじゃねえかよ…!!」

 

今日は学校が終わり次第、circleでの単独ライブ反省会と題した親睦会を行う予定だった

 

ーー

「「「「「反省会という名の親睦会??」」」」」

「そう!俺らライブ終わりに反省会はするけど、ほんとに話だけして終わるだろ?だからたまにはファミレスでも行って信頼関係を深める!ってのはどうよ!」

「あこ大賛成!!楽しそう!!」

「あ、あこちゃんが言うなら、私も…」

「アタシも賛成かなー、確かにお互いのこと分からない部分も多いからねー」

「私は反対です、そんなことをする暇があったら練習を」

「私は…いいと思うわ」

「湊さん!?」

「たまにはいいじゃない、たまには休みも必要よ。ライブ終わりならなおさらね」

「湊さんがそういうなら…」

 

ーー

 

言い出しっぺの俺が遅れるなんてあってはならないだろ…!!

ダッシュしたおかげでなんとか待ち合わせのファミレスについた

 

「ごめんごめん、ちょっと野暮用で…」

「大丈夫だよー、それじゃ、入ろっか!」

リサがそういうとみんなでファミレスに入る

 

それぞれが注文をし、他愛もない話をする

「今度りんりんと一緒にやってるオンラインゲームみんなでやりませんか!?」

「アタシゲームそんな得意じゃないんだよなぁ…気になるけど」

「蒼はどうかしら?あなた趣味とかないし、やってみたら?」

「そうだな、たしかに気になるかも…」

「それじゃあ蒼さんのチャットにURLおくっとくね!」

「ありがとうあこちゃん」

「りんりん!蒼さんにやり方とか教えてあげなよ!」

「わ、私…?」

 

(りんりん!ここで一気に蒼さんとの距離をつめるんだよ!!)

(わ、わかった…///)

 

「蒼、せっかくだから教えて貰ったらどうかしら」

「ゆ、友希那!?」

 

(ここで仲良くなるチャンスじゃない)

 

こ、こいつ…!恋愛なんて必要ないわ。みたいなキャラだと思いきや!!作詞とかのために恋愛勉強してんのかな…

 

「そ、そうですね、白金さんよかったらお願いします…」

「わ、私でよければ…///」

 

(ふふふ、あこ姫との契約で恋愛を成就させる…なんたる素晴らしき響きかな…)

(蒼…私の代わりに協調性を高めるための行動をしてくれた分のお礼はするわ…)

 

「…今井さん?」

「ん、ん!?紗夜どうしたの?」

「いえ、顔色が悪いですが大丈夫ですか?」

「う、うん!大丈夫だよー」

「そうですか、無理はしないでくださいね」

「うん、ありがとうー!…」

 

その後しっかりライブの反省、改善点をみつけその日は解散した

かなり親睦を深められた気がする、氷川さんがポテト好きなのは意外だったな…(顔真っ赤にして否定してたけど)

 

後でこっそり友希那がありがとうと言ってきた

やれやれ、学生は学業に青春に、忙しいぜ…

 

 

家に戻り風呂から上がると、チャットにメッセージが届いていた

 

「なになに…初めまして、白金燐子です…Roseliaのグループから追加しました

早速なんですけど明日良かったらネットカフェでオンラインゲームしませんか…明日!?」

 

恋にも忙しくなりそうです




結構物語が発展していきます。構成してる時点で結構たのしかったので、それを上手く表現できるように頑張ります
謎の少女の正体は一体誰なんでしょうね(すっとぼけ)リサちゃんも大丈夫かな…


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これってデート?〜恋する男子の葛藤〜

最近日付を超えるか超えないかくらいの更新が多くなってしまい申し訳ないです
それでも感想くださったり評価してくださった方本当にありがとうございます、読んでくださってる方にも当たり前ですが感謝です…
まだまだ評価や感想いただけると嬉しいです()
それでは第8話です、どうぞ!


4:30

まだ外も暗いのがカーテン越しにもわかる

…眠れなかった

 

「あ、明日ですね!大丈夫ですよ!」

「はい…では…circle最寄りの駅前のネットカフェがあるビル前に、10:00に待ち合わせはどうですか?」

「大丈夫です!それでは明日!」

「はい、よろしくお願いします(*´▽`*)」

 

…可愛い絵文字使うんだな…でへへ…

じゃない!!!

これってあれだよな、デートだよな…

デートと言っても…いいんだよな!!!

どうしよう、とりあえず服を選ぼう

髪型のセットなんてしたことねえぞ

あああ!!どうしよう時間がねえ!!!(朝4:30)

とりあえずシャワー浴びるか…?(朝4時30分)

いや待て…初デートなんだから何かプレゼントくらい持っていかなきゃならないだろう、買いに行こう!!!(朝の4:30である)

白猫のウタイが目をまん丸にしながら慌てふためく蒼を見る朝であった

 

 

ーー

9:30に来てしまった…

結局無難な服装、髪型も普通で来てしまった

…勉強しとこう、おしゃれも…

 

「し、白雪さん?」

 

振り返ると白金さんが驚いた顔して立っていた

 

「し、白金さん!早いですね!」

「白雪さんこそ…まだ30分前なのに…」

「いや、楽しみすぎて早起きしちゃって…ははっ…」

「わ、私も楽しみで…早く来ちゃいました///」

 

笑顔が可愛い健気すぎるこんな俺とのデートを楽しみにしててくれるなんて…!!

って…白金さんはデートとは思ってないかもしれないのにな…

 

「と、とりあえず早いですけど入りますか?」

「そ、そうですね…」

 

何気にネットカフェは初めて来た

カップルシートとやらを選ぶ

カップルに過剰反応してしまったがそれは白金さんも同じだったようで、顔を真っ赤にしていた

気まずい…

俺なんかと名前だけとは言えカップルなんて…なんか申し訳ない…

 

指定された部屋に入った俺たちはPCを起動しオンラインゲームのログイン画面を開いた

Neo Fantasy Online(ネオファンタジーオンライン) 通称NFO

ゲームをやらない俺でも聞いたことがあるくらい今話題のオンラインゲームだ

いわゆる王道RPGで、自分好みのキャラクターを作り、様々な職種となってダンジョンを進めて行く、分かりやすいものとなっている

 

「一応昨日あこちゃんにURL貰ったので、自宅のPCでアバターは作っておきました」

「そうなんですね…!それでは早速操作方法から教えていきますね、初めてなのでマンツーマンで教えますが、慣れてきたらお互いキャラを操作しながらやって行きましょう、まずは歩き方なんですけど、設定から3種類選べて…」

 

そこからというもの本当に彼女は白金さんなのかと言うくらい、人が変わったかのように喋り続けた

正直中学受験で馬鹿みたいに早口な塾講師の授業を受けてなかったらついていけなかっただろう、ありがとう塾の先生、ありがとうインターナショナルスクール…

 

とりあえず一通りの戦い方をノンストップで教わった瞬間、白金さんは我に返ったのか顔を真っ赤にした

 

「す、すいません…私ゲームの事になるとこうなっちゃって…」

「大丈夫ですよ、ほんとに好きなんですね、楽しそうでよかった」

 

これが白金さんの本来の姿なのかもな

好きな物には真っ直ぐで、楽しそうに話してくれる

そんな一面を知って俺は、改めて好きだと思った

もっと見せて欲しい、俺だけしか知らない白金さんを、もっと

 

そう思った時、白金さんと目が合った

 

「あ、あの…どうかしました…か?///」

「いや、あの、可愛いなって…」

「かっ///」

「いや、その、ごめんなさい!でも、ほんとにそう思い…ました」

 

くっそ恥ずかしい…

ん?てかなんか白金さんすごい近づいてきてない…?

てか、ここ、個室だし

今俺白金さんと2人きりなのか…

 

「白雪さん…」

「し、白金さん…」

 

ガタン!!

と音がなり我に返った

お互いにバッと離れる

誰かがドアに当たったらしい

 

な、何してんだ俺…

めちゃくちゃ顔が熱くなるのを感じる

 

「そ、そろそろ出ましょうか…」

「そ、そうですね…」

 

白金さんも気まずかったんだろう…同じタイミングで同じことを考えていたようだ

俺たちは顔を真っ赤にしながらネットカフェを出た

 

「今日はありがとうございました…」

「こちらこそ、教えて下さりありがとうございました!」

「私ばっかり喋っちゃってすいません…では、また今度…」

 

そう言って反対方向のホームへ向かう白金さん

まだ…離れたくない

せめてまた今度…こうやって2人で…

 

「あの!!!白金さん!!」

「!?は、はい!」

「また、こうやって遊んでくれますか!?」

「…はい!もちろん!!」

恥ずかしそうに笑いながら、今までにないくらい大きな声で

白金さんはそう言ってくれた

 

ーーー

 

家に帰ってからも顔が熱い

キスしてしまうんじゃないかってくらい、顔が近づいた時の白金さんの表情が頭の中を埋め尽くす

可愛かったな…

好きだな…

 

白金さんも、同じ気持ちならいいな…




読んでてくっそ恥ずかしくなったらすいません(書いてて恥ずかしかったですが心を蒼にしました(?))
燐子ちゃんはどんなきもちだったんでしょうかね…書いてる身ですが気になって仕方ないです(??)
感想や評価いただけると嬉しいです…!


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これってデート…?〜恋する女子はすれ違い〜

あれ?2つ同じの上がってる?
実はすこーしだけ違います、いわゆる燐子sideってやつですね
りんりんはどう思ってたのか、少しでも早く知りたいと思ってる読者の方がいると願って本日は2本立て…
第9話、どうぞ!


4:30

…眠れなかった

 

「あ、明日ですね!大丈夫ですよ!」

「はい…では…circle最寄りの駅前のネットカフェがあるビル前に、10:00に待ち合わせはどうですか?」

「大丈夫です!それでは明日!」

「はい、よろしくお願いします(*´▽`*)」

 

何度もそのチャットを見返してしまう

そしてその後にあこちゃんとのチャットを見返す

 

「りんりん、これは勝負だよ」

「し、勝負…?」

「男と女の初お出かけ…うーん…初降臨…?そ、それはまさに初デート…!!」

「で、デート…なのかな…」

「頑張ろうりんりん!勇気をだして!!」

 

で、デートなのかな…

とりあえず、洋服を選んで、お化粧も…してみようかな…

 

 

ーー

9:30に来ちゃった…

結局無難な服装…お化粧もよくわからなくて、ナチュラルメイク?にしてみた…

…おしゃれ、勉強しとかなきゃ

 

そんなふうに思っていると、時計を見ている見覚えのある後ろ姿を見つけた

 

「し、白雪さん?」

 

そう声をかけると驚いた表情で、見覚えのある人が振り返った

 

「し、白金さん!早いですね!」

「白雪さんこそ…まだ30分前なのに…」

「いや、楽しみすぎて早起きしちゃって…ははっ…」

「わ、私も楽しみで…早く来ちゃいました///」

 

楽しみって言ってくれた…

すごく嬉しかった、私と同じふうに思ってくれてたんだ…

でも、白雪さんはデートとは思ってないだろうな…

 

「と、とりあえず早いですけど入りますか?」

「そ、そうですね…」

 

ネットカフェはよくあこちゃんと来るけど

カップルシートは初めて選んだ…

カップルに過剰反応しちゃったけど、白雪さんも同じだったみたいで顔を真っ赤にしている…

気まずい…

私なんかと名前だけとは言えカップルなんて…なんか申し訳ない…

 

指定された部屋に入った私たちはPCを起動しNFOのログイン画面を開いた

 

「一応昨日あこちゃんにURL貰ったので、自宅のPCでアバターは作っておきました」

「そうなんですね…!それでは早速操作方法から教えていきますね、初めてなのでマンツーマンで教えますが、慣れてきたらお互いキャラを操作しながらやって行きましょう、まずは歩き方なんですけど、設定から3種類選べて…」

 

ハッと我に返る

白雪さんは驚いた顔でこっちをみていた

喋りすぎちゃった…恥ずかしい…///

 

「す、すいません…私ゲームの事になるとこうなっちゃって…」

 

やってしまった、そんなふうに思いながら恐る恐る言うと

 

「大丈夫ですよ、ほんとに好きなんですね、楽しそうでよかった」

 

白雪さんが笑顔でそう言ってくれた

優しい

やっぱり私、白雪さんのことが好き…

 

そう思った時、白雪さんと目が合った

 

「あ、あの…どうかしました…か?///」

「いや、あの、可愛いなって…」

「かっ///」

「いや、その、ごめんなさい!でも、ほんとにそう思い…ました」

 

可愛いなんて…

ずるいよ

期待しちゃう

今考えたら、私たち2人きり…///

あこちゃんとのチャットを思い出す

 

「勇気をだして!!」

 

が、頑張らないと///

 

少し、白雪さんの近くに顔を向けると、白雪さんも顔を近づけてきた

 

「白雪さん…」

「し、白金さん…」

 

ガタン!!

と音がなり我に返った

お互いにバッと離れる

誰かがドアに当たったらしい

 

わ、私…いきなり何を…///

顔が熱くなるのを感じる

 

 

「そ、そろそろ出ましょうか…」

「そ、そうですね…」

 

白雪さんも気まずかったんだとおもう…同じタイミングで同じことを考えていた

私たちは顔を真っ赤にしながらネットカフェを出た

 

「今日はありがとうございました…」

「こちらこそ、教えて下さりありがとうございました!」

「私ばっかり喋っちゃってすいません…では、また今度…」

 

そう言って反対方向のホームへ向かう

まだ…離れたくないな

せめてまた今度…こうやって2人で…

そう思っていた時だった

 

 

「あの!!!白金さん!!」

「!?は、はい!」

「また、こうやって遊んでくれますか!?」

「…はい!もちろん!!」

 

嬉しかった

また同じこと、考えててくれたんだって

この気持ち、届いて欲しい

そう思いながら、精一杯の大声と微笑みで、返事をした

 

ーーー

 

今でも顔が熱い

キスしてしまうんじゃないかってくらい、顔が近づいた時の白雪さんの表情が頭の中を埋め尽くす

かっこよかったな…

 

白金さんも、同じ気持ちならいいな…

 

そう思っていた時だった

 

「燐子?」

 

振り返ると今井さんが立っていた

 

「今井さん…」

「お出かけ帰り??」

「は、はい…」

「そうなんだー!アタシもコンビニのバイト帰り!…少し話さない?」

 

今井さんに近くの公園に連れてこられた

 

「あの、話って…」

「単刀直入に聞くね…燐子は蒼の事、どう思ってる?」

「ど、どうって…」

 

なんでそんなこと聞くんだろう

やっぱり今井さん、白雪さんの事好きなのかな…

 

「私は「アタシはね」

 

同じタイミングで今井さんが話し始めた

 

「アタシは好きだよ、蒼の事、異性として…中学の時からずっと好きだった。でもあいつ、勉強忙しそうでさ…恋愛なんてする暇ない!って感じで、だから高校受かって、1年経ったら落ち着くだろうし、そしたら告白しよう!って思っててさ…結局バンドが忙しくてまだ出来てないんだけど、近々告白するつもり」

 

そう嬉しそうに語る今井さん

心が苦しかった

私なんかがでしゃばるんじゃなかった

きっと、白雪さんも今井さんと同じ気持ち

私と同じ気持ちなんかじゃなかったんだ

諦めよう

白雪さんの心の音色は、私なんかじゃ鳴らせないんだ

 

「…そう、なんですね」

「私は…今井さんを応援しますね」

「ちょっと予定があるので、そろそろ失礼しますね!」

「…うん、引き止めちゃってごめんね!またね!」

 

笑顔で今井さんと別れた

今井さんが見えなくなった瞬間、抑えてた感情が込み上げてきた

涙が止まらなかった

こんな時でも白雪さんの顔が忘れられない、頭から離れない

こんなにも好きになってたなんて…

忘れなきゃ行けないのに忘れられない…

 

白雪さんは今、何を考えているのかな

少しでも私のことを考えていてくれたらいいな

 

そんなことを考えながら、ゆっくりと家に向かって歩き始めた




りんりんが健気すぎるよう…。゚( ゚இωஇ゚)゚。
皆様、どうお考えでしょうか…何してんだコノヤロウって辛辣な感想が飛んでこないことを願います…←
ワクワクする気持ちを持ってて欲しいのであまり多くは言えませんが、どんな物語でも僕はハッピーエンドが好きです…()
それでは次回にご期待ください(評価、感想お待ちしてます)


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夏の合宿=恋愛成就の法則




「あこちゃん」

「はい…」

「わかってるね」

「もちろんです…」

 

寒かった季節も懐かしく感じる

季節は夏真っ盛り。例年より寒かった年は例年より暑い年になった

なんか毎年毎年、過去最高の暑さー寒さーって言ってる要な気がするけどね…

 

そんな前置きは置いといて

おれはあこちゃんとファミレスに来ていた

お前白金さんはどうしたってなるかもしれないが落ち着いてくれ、その白金さんの事である

 

初デート(?)をしてから4ヶ月

あれ以降白金さんとデート(?)をしていない

というより避けられてる気がする

話しかけても以前よりぎこちなく、そそくさと会話を終わらせてしまう

さすがに俺も空気の読めないやつでは無いので、しつこく話しかけたりはしないが

正直不安で仕方ない、何かしただろうか…嫌われただろうか…

耐えられなくなった俺は白金さんと1番仲が良いであろうあこちゃんにチャットで相談し、作戦会議と題して今ここにいるわけだ

 

「俺嫌われたかな…」

「そ、そんなことないですよ…大丈夫ですって…」

 

みなさん初めまして、聖堕天使あこ姫の心の声です

今私は困っています

4ヶ月前

ーーー

 

「りんりーん、どうだった?初デート!」

「…あこちゃん…」

 

通話で今日の話を聞こうとしたんだけど、りんりん泣き出しちゃって

 

「り、りんりん!!どうしたの!?」

「私…私…」

 

りんりんからリサ姉との会話の内容を聞いて

正直いってつらかった

りんりんを応援しようと思ってたけど、身近な人が蒼さんを好きでいた、りんりんよりもっともっと前から

りんりんはあこよりもっと辛かったと思う、そして自分より人のことを優先するりんりんは、きっと…

 

思った通りりんりんは、私はもう諦める、奪うみたいなことできないって言い出して

蒼さんはリサ姉のこと好きって言ってないんでしょって聞いても、でも絶対好き、私なんかよりなんでもできる今井さんの方がって、ずっとそればっかりで

4ヶ月もたってしまった

 

でも、リサ姉が蒼さんのこと好きだから諦めようとしてるんですなんて、蒼さん本人には絶対に言えない

誰も悪くない問題だと思う

好きになるのは人の自由だって思うから

だからこそすれ違いがもどかしい、あこには難しいよ…どうしたらいいんだろう…

 

「そうだ!!!」

「あこちゃん…!!なにかいい案が!!!」

「蒼さん、Roseliaのみんなをここに呼ぼう!!」

「え、急にどうし」

「いいからいいから!!」

 

Roseliaのメンバーに連絡して来て貰えることになった

待ってる間に作戦を話す

 

「な、夏の合宿=恋愛成就の法則…??」

「そう!!Roseliaで合宿という名のバカンスをして、距離を詰めて夜の砂浜で告白!これはめちゃくちゃフラグなんだよ!!確定演出なんだよ!!!」

 

やっぱりあこは、りんりんの恋を応援したい…

だって両想いなのに、離れちゃうなんてもったいないよ…!!

 

ーーー

 

あこちゃんに言われた作戦は正直いまいちピンと来なかった…

そ、そんなもんなのか…でも、たしかに距離は深まるかもしれない…!

 

ーー

 

「で、どーしたの急にみんな集めてさー」

 

全員が揃ったところでリサが話す

あこちゃんがさっき言ったことを恋愛部分を隠して話す

 

「合宿いいね!楽しそうじゃん!!」

「わ、私はあこちゃんがやりたいなら…」

「確かに練習はいいですけど、海に行く必要は無いのでは?遊びが中心になるでしょう」

 

それぞれがそれぞれらしい反応をする

こうなることは見えてたし、あとは友希那次第だけど…

 

「いいんじゃないかしら」

「…湊さん、最近少し遊びすぎじゃ」

「紗夜、あなただって最近のバンドとしての成長、気づいてるんじゃないかしら」

「…それは」

「これくらいがいいのよ、もちろん練習はしっかりするわ。そこは忘れないように」

 

はーい!!と元気よく返事をするあこちゃんとリサ

それからは合宿の日程などを詳しく話し、気づけば夕方になっていた

 

「ある程度日程は決まりましたし、そろそろ帰りますか」

「そうね、明日は練習だから遅れないように」

「はーい…あ、蒼!一緒に帰

「白金さん、ちょっといいですか…?」

「あ、あの…ごめんなさい、失礼します…」

「っ…白金さん!」

「あ!!待ってよりんりん蒼さん!!」

「…白金さんと白雪さんは最近喧嘩してるんですか?」

「…わかんない、どうなんだろうね、帰ろっか」

「ええ、それでは失礼します」

「…リサ、ちょっといいかしら。」

「…うん」

 

ーーー

 

「白金さん!」

 

しつこくしないように

そんなことわかってる

でも、あまりにも避けられるのがつらくて、追いかけて、手を掴んでしまった

 

「っ…離してください…」

「離しません…なんでそんなに避けるんですか?俺なにかしましたか?」

「してません…私が悪いんです」

「悪いって何がです…」

 

白金さんは

泣いていた

 

「っ…ごめんなさい…しばらく…ほっといて下さい!」

 

手を振り払い白金さんは走っていく

 

「あっ、りんりん!」

 

気づいたら追いついていたあこちゃんがそう声をかける

 

「ごめんあこちゃん…俺クソだな」

「…ううん、蒼さんは悪くないよ…少し落ち着こう?」

「うん、ごめん…」

「今急いでもなんもいい事ないよ、りんりんの言ってた通り、今は距離を置いて…きっと大丈夫だから!」

「そうだよな…俺、決めたよ」

 

ーーー

ー公園ー

 

「…気づいてるんでしょ」

「なにが?」

「アタシがさ、蒼のこと好きだって」

「…最近、妙になんとも言えない顔をすることが多くなった」

「それは燐子と蒼が出会ってから、そう思ったわ」

「そして毎回2人をみてる時に、その表情をしていることに気づいて、確信した」

「…全部アタシのせいなんだ、燐子と蒼がああなったのも」

「アタシが燐子に、蒼のことが好きで告白するつもりって言ったから、避けてるんだと思う…燐子が蒼のこと好きだって知ってたから言った、蒼も燐子のことが好きだろうから、付き合うのは時間の問題だって思って、怖かった」

 

「友希那にすら言えないくらいひどい感情を持ってるの、でも諦められないの、好きなの!!蒼の事誰にも渡したくない!!!」

「…人を好きになることは悪くないわ」

「正々堂々としているのなら、それでいいんじゃないかしら、告白するなと言う権利は、燐子には無いわ、逆にあなたも、燐子に告白するなという権利はない…もし告白して振られても、しっかり受け入れる、その覚悟があるのなら私は止めないわ」

「…ありがとう、正々堂々…そうだよね…合宿ね、ラッキーだって思った、アタシの最初で最後のチャンスはここしかないって」

 

ーーー

 

夏の合宿は3日間を予定していた

高校最後の夏休み

短いようで長い、めまいがするような濃密な出来事の連続だった

この話を物語として語るくらいだから…題名は…

 

「俺は」

「私は」

「「合宿最終日の夜に」」

「白金さんに」

「蒼に」

「「告白する」」

 

合宿=恋愛成就の法則編とでも呼ぼうかな…




ということで物語の舞台は夏の合宿へ移ります!少し長くなる予定ですので、皆様もこの季節外れの夏の合宿を楽しんでいただければ幸いです
たくさんの感想、お気に入り、評価ありがとうございます!引き続きの感想、お気に入り、評価ドシドシ募集中ですので、よろしくお願いいたします!!


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日本の夏・Roseliaの夏

明日からRoselia箱イベが始まりますね…これは徹夜案件…
バナーのあこちゃんも可愛いけど個人的にはリサ姉が…可愛すぎて…(2推しです)
それでは11話、どうぞ!


「夏だ!海だ!!コテージだあああ!!!」

あこちゃんは元気にはしゃぐ

高一元気だなぁ…

一方俺らはというと…

「「「あっっっっつい…」」」

リサ、氷川さん、おれは声を合わせて言う

白金さんと友希那に関しては溶けかけている

8月の初旬、夏休みに入った俺たちは海辺のコテージを借りて3日間の合宿に来ていた

「あこちゃん…とりあえずコテージに荷物置こう…あっつい…」

「そうだね…その後からでも遊べるからさ…あっつい…」

「2人とも暑い暑い言い過ぎです…それにまずは練習からですよ…暑い…」

「燐子…早くコテージに入りましょう…」

「そう…ですね…」

 

暑すぎて気が狂いそうになったのでとりあえずコテージに入ることにした

 

とりあえず1日目はバンド練習、夜は宿題

2日目、3日目は午前のみバンド練習、午後は遊ぶことにした

 

ぶっちゃけ俺暇なんだよな…宿題もないし…

とりあえず夜ご飯の食材を買いに行くことにした

 

「ただいまー、暑いからアイス買ってきたぞ…ど、どうした」

 

コテージに帰るとぶっ倒れた4人、友希那は机に突っ伏していた

「おかえり蒼…」

「あこもう叩けないよ…」

「私も…もう限界です…」

「さすがにノンストップで引き続けるには限度がありますね…」

「…いい歌詞が思い浮かばないわ…」

「…とりあえずアイス食おう…」

 

「練習は大事だけどちゃんと休み休みやろうな…」

「「「「「はい…」」」」」

 

その後は言った通り休み休み練習をして、気づけば夕方になっていた

 

「そろそろご飯作りますかー、外で料理できるようになってたから、やっぱ外といえば肉とカレーっしょ!」

「はーい!あこ手伝いますー!いこ!りんりん!」

「う、うん…」

「蒼ー、アタシも手伝うよ」

「それでは皆さんで分担して行うのはどうでしょうか」

「じゃあリサチームと俺チームで別れてやろう」

「…うん、その方が効率いいもんね…」

「じゃあ白金さんは…」

「私、今井さんとやりますね…」

「あっ…」

「待ってよりんりん!…蒼さん任せて、あこがどうにかしとくから」

「わかった…じゃあ具材切っといてくれ、友希那と氷川さんは俺と一緒に米炊きと肉焼きましょう、火起こしとくので米とぎお願いします!」

「はい、わかりました」

「任せておいて」

 

…料理ができない友希那とはいえ米とぎなら出来るだろ…

 

「湊さん!お米がこぼれています!!水は慎重に捨ててください!」

「ええと…こうかしら…」

だ、大丈夫だろうか…

 

「水はどのくらい入れるのでしょうか…」

「ふ、普段の炊飯器と同じように入れればいいんじゃないかしら…」

「少し多くないですか?」

「?いえ、このくらいのはずよ」

「あーちょっと待って!!火起こせたから!見に行くから待って!!」

 

ーーー

「あっち騒がしいねー笑」

「そ、そうですね…」

「リサ姉ー、これはどうすればいい?」

「あ、じゃがいもの皮むきは危ないからアタシがやるね、燐子とあこは玉ねぎをこういう風に切って」

 

蒼チームと違い手際良く具材を切っていくアタシたち

やり方を見せて教えてるからってのもあるけど、2人ともセンスいいな

まあ、蒼は火起こししてたからね…仕方ない(友希那もいるし)

 

「カレーは引き続きアタシたちが作っておくから、お米炊けるまで一休みしてていいよー!」

「ありがとうー、そうさせてもらうよ」

 

友希那と氷川さんと椅子に座りながら話す、なんかこの3人珍しいな…

「作詞の方はどう?」

「少しずつ出来ては来てるわ」

「まだライブまで時間はありますから、ゆっくりで大丈夫ですよ」

「ええ、でも、早く作っておくのに越したことはないわ」

「2人は意識が高いな」

「紗夜のおかげで私たちはまとまっているわ、本当に感謝してる」

「どうしたんですか急に…まだ初日ですよ…」

「ふふ、そうね…」

 

この2人は相棒のようなものなんだろうな

初めてのメンバーが氷川さんだって言ってたし、友希那がバンドに誘うのも頷ける

 

「カレーできたよー!」

「ありがとう!じゃあ肉焼くから、みんな食器とか並べといてくれー」

 

苦労して作ったカレーと肉は、夏の外で食べるという風情も相まってとても美味しかった

 

「白金さん、お茶、どうぞ」

「あ、ありがとう…ございます…」

「白金さん、美味しいですか…?」

「は、はい…」

「蒼。蒼もちゃんと食べなよ」

「あ、ああ」

「り、りんりん!美味しいね!!」

「う、うん…」

「皆さん何か暗くないですか…?」

「そんなことないよ!!あ、あこ花火やりたいなー!」

「そう言うと思って買ってきたよ!!」

「さすが蒼さん!ナイスー!」

 

怒涛のバンド練習にヒヤヒヤの料理

1日目は忙しく終わっていこうとしていた

 

それぞれが心の奥底ではどう思っているのか

俺たちはまだ、知るよしもなかった

今日の忙しかった出来事は序章にしかすぎない

そんなことを神様が言うように、さらに起こる出来事の火蓋を切るかのように

 

俺たちは花火に火をつけた

 

 

 

夏の合宿1日目、終了




続きが気になるとたくさんの感想頂きました、本当にありがとうございます
お気に入りも評価も日に日に伸びていて、モチベがあがりまくりです
これからもたくさんの感想や評価、お気に入りお待ちしております…


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ringing〜RINKO STORY〜

なんか納得いかなああああい!!!
ってなったのでもう1話書きます()多分読んでてワクワク感なかったですよね()
もう1話と言っても番外編のようなものです、すごく短いです…
燐子の心の声を見ていきましょう
それでは12話、どうぞ


 

初めて白雪さんと会った時は、真面目そうな人だと、それだけだった

なんかやけに見られるなとは思ってたけど…

その時は恋心なんてなくて、それよりもRoseliaにいていいのか、私はみんなの足を引っ張ってないか、それだけが不安だった

 

白雪さんは毎回のようにライブを見に来てくれて、その度に感想をたくさん言っていて

 

「白金さんはもう少し…自信を持った方がいいと思います!!」

 

みんなすごいとか、大丈夫とか言ってくれるけど、この人は悪い所も言ってくれる人だって思って

 

たまたま休みの日に書店で会って、不安で押しつぶされそうだった私は白雪さんに相談した

 

その時必死に私の演奏の素晴らしさと、Roseliaの音楽を語ってくれて

心が音を奏でるように…心の音色が鳴ったようにときめいて

それは恋だとあこちゃんに言われてから、私は白雪さんに恋をしていることに気づいた

 

 

 

でも

 

 

 

 

白雪さんとはここ数ヶ月、上手く話せていない

いや、話さないようにしている

 

 

今井さんが彼に告白するタイミングを見計らってることを知ってから

私は白雪さんとの関わり方がわからなくなった

バンドメンバーとそのマネージャー、それで居ればいいことはわかってるけど

変に意識して避けてるんだと思われても仕方ないような態度をとってしまう

 

あこちゃんには、誰に恋をしようが人の自由だって言われる

そうだけど、私は何も出来ない

自分に自信が無い、料理も上手くない、編み物もできない、ファッションセンスも、気遣いもできない

今井さんが持ってるもの私は何も持ってないの

白雪さんだって、今井さんみたいな人が好みに決まってる

私は白雪さんと出会って半年とちょっと、でも白雪さんと今井さんは小学生の頃から、家も隣同士で…

 

考えれば考えるほど深い闇のような負の感情が湧いてくる

明るくいなければならない、せっかくの合宿なんだから

 

「あ、蒼〜そのお肉食べないの?いただきー!!」

「おい!!それ取っといてたんだよ!!!」

「もう食べちゃいました〜」

「はええよ!!ちゃんと噛んで食えよ!!」

「あ、ありがとう…」

「スキありいいいいい」

「あー!!それアタシのお肉!!!」

 

ほら、2人はあんなに仲良さそうにして、それを見てる友希那さんも、氷川さんも、あこちゃんも楽しそうで

私も笑顔でいなくちゃ

 

 

私だって好きなのに

ああやって積極的になりたい

 

好きだっていう気持ちが留められない、収まるどころか増している

私だって胸を張って、白雪さんのことを好きだと言いたい

今井さんにはこの気持ちだけは負けてない、そう言えるくらい好き

私の悩みを、不安を解決してくれた彼のことで今私は悩み、不安になっている

 

私の感じていた心の高鳴り、心の音色は

いつの日か悲鳴のように変わり、泣き叫んでいた

白金さん、白金さんと声をかけてくる彼を何かにつけては避けて、その度に彼は辛そうな表情を見せる

 

彼の辛そうな表情を見るたびに心が苦しくなる

ごめんなさい…でも私は、この気持ちを忘れなきゃいけないの

私がこの気持ちを忘れるまでは、ごめんなさい

もう後には引き返せないから

その時にはきっとあなたは、今井さんに心の音色を響かせてもらっているから

 

「りんりん、大丈夫…??」

「あこちゃん…大丈夫だよ、ありがとう」

「…無理、しないでね…」

「ううん、大丈夫だから」

 

だからその時まで…

 

私はこの心のつらい高鳴りに耐える道を進みます




ということでいかがでしたでしょうか…
ワクワク感なかったとか言っといて、ここでもあんまワクワクしなかったらすいません…
ちなみにタイトルのringing、音ゲーにて最難関レベルのひとつ、そして燐子がメインの曲のタイトルから取っています、意味は鳴り響くとか…この場合高鳴りがふさわしいですかね
ところでリサはどう思ってるんでしょうね…(フラグ)
それではまた明日(日付変わってるので今日の夜)お楽しみに!!


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陽だまりの感情〜LISA STORY〜

いつもよりかなり早い時間なんですけど更新させてください…
感想ありがとうございます、お気に入りが1つ減ってしまったので気を引き締めて頑張ろうと思います
それではどうぞ!


合宿初日

眠れない、蒼の事ばかりを考えてしまう

同室になった友希那と紗夜は寝息を立ててぐっすり眠っている

 

アタシは合宿中、蒼に告白をする

そう決めたものの、緊張が止まらない

ふと昔の懐かしいことを思い出してしまった

 

アタシが蒼に恋をしたのは中学生の頃だった

小学生の頃に蒼が隣に引っ越してきて、幼なじみだったけどそれまではただの友達、同い年の姉弟みたいな感覚だった

なのに、急に声変わりして、アタシより小さかった背も伸びて頼もしくなった蒼に、気づいたら惹かれていた

 

アタシはすごい人気な先輩に告白をされ、それを断った

そしたらそれを良く思わなかった先輩を好きだった人達にいじめみたいなのされちゃって

アタシ家に帰って泣いちゃって、カーテン閉めてなかったから、それを蒼に見られたらしくて

ものすごい勢いで家のチャイム押されて、大丈夫か!?って

アタシあいつの前で泣くの初めてだったから、すごいビックリしたみたいで

何があったかを話したら泣き止むまで頭を撫でてくれた

 

「なんかあったら俺が助けに行くから。ちゃんと言ってくれ」

「うん、ありがとう…」

 

その時のあいつの笑顔が今でも頭から離れない

あいつの笑顔を見る度に、陽だまりのように心がポカポカした

 

恋はしたことあったから、すぐに自分の気持ちに気づくことが出来た

 

でもあいつは勉強が忙しそうで、アタシは邪魔なんて出来なくて

高校受かって、慣れて…1年くらいしたら恋愛する余裕もできるかなって思った

それから前ほどではないけど、たまに通学したりして、恋心は増していった

Roseliaに入ったから告白するタイミング見失ってて、それでも諦められなくて

そんな時、蒼が今までにないくらい生き生きしだした

燐子と出会ってからだと気づくのに時間はかからなかった

 

嫌な予感は初めて燐子と蒼が会った時からしてた

ずっと蒼を見てたから、蒼が燐子のことをずっと見てたことくらい気づいてた

 

「燐子に恋してたりして」

「いや、それはないだろ…」

 

 

嘘つき

蒼、分かるんだよ…アタシずっと、ずっっと見てたから

小学生の頃から嘘をつくのが下手くそなのは変わらなかった蒼

 

 

今までおしゃれとかしてなかったのに、本屋で見かけた時はファッション雑誌読んでたり、ショッピングモールでは服を見てたりして…

あ、ストーカーしてた訳じゃないよ、ほんとにたまたま見かけただけ

 

この前だって

 

「あ、蒼カーテン開けっ放しでPCやってるじゃん」

「チャットしてあげよ…カーテン開いてるから丸見えだぞ〜、変なもん見てないだろうなー?笑」

 

その後すぐにこっちを見て、見てねえよ!と口パクで言ってカーテンを閉めて、チャットが来た

 

「見てねえよ!白金さんとNFOやってただけ!報告ありがと!」

 

ああ、ファミレスで言ってたの、ほんとに始めたんだ。

今までゲームなんて興味なかったのに、すごい楽しそうだったじゃん

 

なんで

 

…燐子と出会ってどんどん変わっていく蒼をみて不安になった、嫌だった

なんで燐子なの?アタシずっと前から好きだったのに。燐子に見せるその姿をアタシだけに見せて欲しい、アタシの為におしゃれして、アタシと会う度に生き生きして…アタシのオススメしたものを楽しそうにやって欲しい

 

 

蒼は黒髪の方が好き?控えめな性格の子が好きなの?アタシもピアノ始めれば好きになってくれる?胸が大きい方が蒼は好きなの?アタシが早く告白してたら蒼はアタシを好きになって、付き合ってくれた?

 

陽だまりのような心が、気持ちが熱く歪んでいくのを感じた 何がなんでも蒼を手に入れたい、その思いは止まることはなかった

燐子と蒼は相変わらずぎこちない

なんか、本当に申し訳ない

これでもしアタシが告白して失敗して、蒼が燐子に告白して失敗したら取り返しのつかないことになる

Roseliaの絆が、壊れるかもしれない

今更だが少し怖かった

それでもアタシは、もう引けないんだ

 

 

 

 

アタシは()()()()()()()()()()()

最終日の夜がいいんだろうけど、何か嫌な予感がするから…

もし振られても、引きづらない

だってせっかくの楽しい思い出、これ以上壊したくないもん




本日は1本の投稿の予定になります…
明日、とうとう物語が大きく動きます
それまでどうか楽しみにしてていただけますと幸いです
いいなと思っていただけましたら、また病み病みリサ姉可愛いなと思っていただけましたら評価、感想、お気に入りよろしくお願いします…


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アタシだけを

最近体調が優れず早めに寝て、夜中に起きて、朝方二度寝の生活を繰り返しています…なので早い時間の更新になることをお許しください…
バンドリのイベントも走れていないのでちょっとしんどいです…名前の通り病弱で情けなすぎる…()
皆さまが楽しんでいただけるような作品を毎日届けられるようになるべく頑張ります、感想や評価、お気に入りが本当に癒しです、いつもありがとうございます
それでは第14話です、どうぞ


合宿2日目の朝

2部屋しかなかった為リビングのソファで寝た俺

目が覚めたがまだ誰もおりてきていなかったので、昨日のカレーを温めコーヒーを入れる

夏だが朝は過ごしやすく、海も近いので風も心地よい

今日もいい天気だなぁ

…最終日の夜、俺は白金さんに告白をする

そう考え直せば考え直すほど、緊張が身体を伝う

コーヒーを啜り、ふぅと息を吐く

今日も練習があるし、午後は海で遊ぶだろうから

今から緊張してたって何も変わらないぞ、と自分に言い聞かせる

 

「おはよー、早いねー」

「おはようリサ、他のみんなは?」

「まだ寝てる、コーヒー、アタシも飲んでいい?」

「ああ、入れるよ」

 

ありがとー、といつも通りリサが返事をする

 

「はい、どうぞ」

「ありがと、んー、目が覚めるね」

「コーヒー飲めたっけ」

「だいぶ前から飲めるようになりましたー」

「ごめんごめん笑」

「…なんか久しぶりだね、2人でこうやって話すの」

「そうだなぁ、いつも友希那と3人で通学したりするもんな」

「…蒼、覚えてる?中学の時アタシが先輩にいじめられてた時の話」

「ああ、もちろん覚えてるよ」

「あの時さ、すごいビックリしてくれたよね」

「そりゃ、初めて泣いてるとこ見たらビックリするだろ…」

「…今もああやって泣いたら心配してくれる?あの時みたいに、助けてくれる?」

「何当たり前なこと言ってんだ…もちろん助けるよ、俺はお前の味方だ」

「そっか、ありがと」

「なんか悩みでもあるなら聞くぞ?」

「悩み…か、あのね蒼、アタシ、ずっと前から」

 

ーー

 

目が覚めると隣にはあこちゃんがまだぐっすり眠っていた

そろそろ、白雪さん起きてるかな…

まだ眠っているかもしれないとそっとリビングに向かうと、話し声が聞こえた

 

白雪さん…と、今井さん…??

なに、話してるんだろう…

聞き耳をたてるのも失礼かと思ったけど、気になるからそっと聞いてみることにした

 

「…今でもああやって…くれる?…」

「…当たり前…俺はお前の…」

 

…よく聞こえないな…

 

「白金さん?」

「ひゃっ!」

「ごめんなさい、驚かせるつもりはなかったのだけど…何をしているの?」

 

後ろを振り返ると氷川さんが立っていた

 

「あの…白雪さんと今井さんが話していたので…今は行かない方がいいかなって…」

「なるほど、そうだったのですね」

 

ーーー

 

リサが何かを言おうとした時、悲鳴が聞こえた

 

「白金さん?氷川さん?どうしたんですか?」

「私が声をかけたら驚いてしまったようで」

「そうだったんですね、コーヒー入れますけどよかったらどうですか?」

「ええ、いただきます」

「あ、私も…」

「了解です!…ごめんリサ、何言おうとしたんだ?」

「あ、んーん!なんでもないよ!」

 

なんとも言えない表情が気になったが、俺はコーヒーを入れる作業をした

 

その後友希那とあこも起きてきて、朝食を済ませたあとすぐにバンド練習が始まった

楽器隊が音を合わせ、俺が感想を伝える、友希那は歌詞を書きつつ、行き詰まったら歌を歌うを休み休み繰り返した

時間はすぐ過ぎて、お昼になっていた

「お昼済ませたら海でも行くかー」

「やったー!!海だ!!!」

とあこちゃんがはしゃぐ、ずっと楽しみにしてたもんな

 

とりあえず女性陣は水着に着替えるらしいので俺は一足先に海の家でご飯を買っておくことにした

俺は短パンにTシャツというラフな格好だった

 

人数分の昼食を買い待っていると水着姿のRoseliaが勢揃いした

うーん、ファンにしばかれそうなシチュエーション…というか白金さん…oh…ダイナマイト…

 

「蒼さん見すぎだよー…」

「いくらアタシたちが魅力的だからってそんな食い入るように見ないでよ笑」

「す、すいません…」

「…」

「氷川さんポテトあげるからそんな目で見ないで」

「ポテトで釣らないでください!!///」

 

昼食を爆食で食べた俺たちは早速海へ向かう

 

「みんなちゃんと準備運動しようなー」

「「「「「はーい」」」」」

 

「海めっちゃつめたーい!!」

「あこちゃん…まってー…」

「紗夜ー!早く入ろ!」

「今井さん!引っ張らないで!」

「…入んねえのか?」

「焼けたくないもの」

「日焼け止め塗ったんだろ?」

「それでも嫌よ…」

「…入ったら歌詞思い浮かぶかも知れねえだろ!おるぁ!!」

 

友希那をビーチパラソルの下から引っ張り出し強引に海になげいれる

ゆらりと友希那が俺の方へ向かってくる

「…蒼、あなたも来なさい!!」

「うおお!!!」

 

とんでもない力で引っ張られ海に入れられる…友希那こんな圧強かったっけ…

 

「りんりーん!蒼さーん!ビーチバレーしよ!!」

「じゃあアタシと友希那と紗夜がチームね!」

「よし!!!」

 

「友希那!!」

「え、ええと…」

「けばぶ!!!」

「あ、蒼さん大丈夫!?」

 

友希那…あの野郎顔面にアタック入れやがった…

 

 

あっという間に日が暮れていき、夕焼けを砂浜から見ていた

 

「もう2日目も終わりかー…」

「早いねー、明日遊んで、明後日の朝には帰るんだよね…」

「そうですね…」

「帰ったらまた練習よ」

「そうですね、学校も始まりますし…」

「あっという間だったけど楽しかったねー」

「そうだね…あ、あの岩場、すごい人集まってるね!!」

「あそこ、なんか悩みが解決する岩場らしいぞ」

「今から行くには少し遠すぎるし、夜になると危ないですかね…」

「そうね、明日行ってみましょうか」

「じゃあそろそろ帰るかー…」

「「「「はーい」」」」

「…白金さん?どうかしました?」

「い、いえ!なんでもないです…」

 

ーーー

 

夜ご飯のカレーを食べ(作りすぎたから…朝も夜もカレーでゴメンな…)

お風呂を済ませたらもうすっかり夜だった

遊んで疲れたのか、みんなすぐに部屋に入っていった

 

俺もそろそろ寝るかな…

 

ーー

 

たくさん遊んだからかみんな疲れたみたいで、すぐに部屋に入っていった

友希那も紗夜もすぐ寝ちゃったし…

蒼、まだ起きてるかな…そんなことを思いながらそっとリビングに降りていく

 

「…蒼?起きてる…?」

「そろそろ寝ようとしてた、どした?」

「…ちょっと寝れなくてさ…散歩行かない?」

 

リサに連れられ砂浜を歩くことになった

「今日楽しかったね」

「そうだな…いい思い出が出来たな」

「あのさ蒼、朝、悩みあったら聞いてくれるって言ったじゃん」

「おう、なんかあんのか?」

「…アタシね…ずっと、中学生の頃からずっと蒼のこと好きだった」

「…え?」

 

何を言われたのかもよく分からないまま

気がつくとリサは俺に抱きついていた

 

ーー

 

……

寝られ、ないな

あこちゃんはすっかり寝ちゃってるみたいだし…

…白雪さん…朝、今井さんと何話してたんだろ…

それを聞くだけなら…いいよね…

私はそっとリビングに向かった

 

あれ

白雪さん、いない…?

玄関に行くと、白雪さんと今井さんの靴だけがなかった

…どこに行ったんだろう

私は玄関をあけ、外に出た

 

空はすごく澄んでいて、星空がよく見えた

しばらく砂浜を歩くと2つの人影が見えた

 

「アタシね…ずっと、中学生の頃から蒼のことすきだった」

 

そう言った女の人が、男の人に抱きついたのを見かけた

白雪さんとリサさんだと気づいたのは、その後すぐだった

 

ーーー

 

リサが俺の事を好き

今まで考えもしなかった事実はそう簡単には理解できなかった

ジャリっと、砂浜を踏む音が聞こえ我に返った

音のした方向を見ると

 

白金さんが立っていた

 

 

 

「白金さん…」

「…っ!!ごめん…なさい!!」

 

そう言うと白金さん走ってどこかへ行ってしまった

 

「白金さん!!!」

 

リサの腕を体から剥がし、白金さんを追う

 

「行かないで!!!」

 

後ろからすぐにリサに抱きしめられる

 

「今だけでいいから、アタシだけを見ててよ…」

 

 

そう言われた俺は、少しずつ小さくなっていく白雪さんの背中を、ただ見つめながら立ち尽くすしかできなかった

 




いつもより長くなってしまいました…
とうとうリサが行動に出ました、そしてそれを最悪のタイミングで見かけた燐子
これからどうなるのでしょうか…お楽しみに…!


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あなたが好きです

第15話!増刊号!!
物語の1つの区切りの目撃者になってください、夏の合宿編、クライマックスに差し掛かります
それではどうぞ!!


コテージを出た時は0:00を回っていたのをはっきりと覚えている

今は0:30頃だろうか

ああ、白金さん、そんなに走れるんですねあなた

こんな時間に遠くに行ったら、危ないですよ

リサ…離してくれ…

そんなに力強く後ろから抱きつかれたら、アバラ折れちゃうよ…

…最低だな俺は

こんなにもきつく抱きしめるほど自分に好意を抱いてくれてる人を背に、別の女性の事を考えている

はっきりさせなきゃ、リサへの答えを。

それが俺にできる精一杯の事だから

 

「…リサ」

「言わないで」

「…」

 

わかってるよ、蒼が言おうとしてること

中学生の頃、アタシが勉強でわからないところをいつまでも解けなくて、悔しくていじけた時

どうしても大人気ですぐ売り切れるパンケーキが食べたかった時

アタシが無茶を言った時いつもそうやって、リサって、苦笑いしながら優しく慰めてくれた蒼

昔から変わらない、アタシだけが知っている蒼

…ごめんね

蒼とって、アタシは今無茶なお願いをしちゃってるよね

最後くらい、いい女で蒼を応援してあげなきゃ

それがアタシがしてあげられた唯一の事なんだから

 

「…わかってたよ」

「ごめん」

「悔しいなぁ…そんなに好きなんだ」

「…今俺、すごく楽しいんだ、やっと勉強以外の趣味とか、大切なものを見つけたんだ」

「もー、そこまで言われたら心にくるじゃん」

「ごめん…」

「もういいよ、謝らないでよ…燐子のとこ、行ってあげて」

「振り返っちゃダメだよ?絶対ダメだから、前だけ見て走っていって!」

「…ありがとう」

 

腕を離して、ポンっと背中を押してあげる

速いなぁ、もうあんなに遠くに行っちゃったよ

体育祭のリレーの時より速いじゃん…

誰かのためじゃないと走らなかった蒼が、今は自分のために走ってる、あんなにも速く

ああ…悔しいなぁ…

 

「振られたら諦める…って、決めたのになぁ…時間かかりそう…ダメだ、笑顔でいるって決めたのに…」

「泣いてもいいんじゃないですか」

「紗夜!?」

「まったく…白雪さんも今井さんも私には相談しないなんて、すこしひどくないですか…私は恋愛なんてものには厳しいと思っていたんでしょうが…」

「あはは…ごめんごめん…気づいてたんだ」

「なんとなく察しますよ…」

「…泣きたい時は泣いて、そしてまた笑えばいいんです」

「…うぅ…紗夜ー」

「はいはい」

だらしなく泣きつくアタシを、紗夜はいつまでも撫でて慰めてくれた

 

ーーー

「はあああ、どこに行ったんだ…」

白金さんの走っていった方向にかなり走ってきたが、どこにも人影は見当たらない

てか久々に走ったからすげえ疲れる…あと砂浜に足を取られて走りづらい…

考えろ、どこだ…この辺この時間やってるのコンビニくらいしかないけど…

 

今見えるのはどこまでも続いてく砂浜と閉店した海の家と悩みの岩場くらいか…あ

 

「あそこなんかすごい人いる!!」

「あれは悩みが解決するって言われてる岩場らしいぞ」

「…」

「白金さん…?」

 

「悩みの岩場か…!!」

 

ーー

 

なんで私走って逃げたんだろう

わかってたつもりだった、今井さんは告白をすると言っていたし、白雪さんもきっと今井さんの事が好き

それでもやっぱり、好きな人が抱きしめられた所を見たら、なんとも言えない気持ちになって

気づいたらここに来ていた、悩みの岩場って看板が立ってたから、夕方に話していたところだとわかった

普通、対岸に何かが見えるとか、なにかに見える岩とか、悩みに関する何かがあると思ったけど何も無い

…なにが、悩みの岩場だ

 

「そんなの名乗るなら…私の悩みを解決してよ…」

「白金さん…!!」

 

背後から声が聞こえた

とても驚いたが、私は振り返らない。絶対に

 

ーー

 

「ここが悩みの岩場か…」

ご丁寧に看板がたっていたのですぐに分かった

ここにいなかったらもうどこにいるかはわからない

…いや、絶対にここにいる

辺りを見渡すが人影はない

白金さん…どこだ…

くそ…悩み解決してくれんだろ…なら

白金さんに合わせやがれ!!!

そう思った時、奥の方に脇道のようなものがあるのを見つけた

何かに導かれるように歩くと

ずっと探していた後ろ姿をみつけた

 

ーー

 

「白金さ」

「何しに…来たんですか」

「危ないから帰りましょう…」

「ほっといて下さい…私はもう少しここにいます」

「ほっとけないですよ…あなたは俺にとって」

「今井さんに言われてきたんですか」

「は?」

「今井さんと抱き合ってましたもんね。」

「あれは違うんです」

「何が違うんですか…もういいから帰ってください」

「っ…なんでそんな言い方するんですか…白金さん!!」

 

肩を掴みこっちを向かせると

白金さんは泣いていた

 

「…私だって…私だって白雪さんのこと好きなんです!!悩みを相談した時、真剣に話してくれて、いつだって気にかけてくれて…心が音を奏でるようにときめいて…でも今井さんが白雪さんの事好きだって知ってから、この気持ちは忘れなきゃいけないんだって…だから今まであまり話さないようにして…だからもういいんです、帰ってください」

 

「なんで忘れるんですか」

 

気づいたら俺は、白金さんを抱きしめていた

 

「…っ離してください」

「いいえ離しません…だいたい俺がいつリサと付き合ってるって言いました!?俺の話ちゃんと聞いてくださいよ!!!」

「俺だって白金さんが好きです…大好きなんです!!初めてRoseliaのライブ行った時から、あなたのピアノを弾いてる姿を見てから、あなた目当てでcircleでバイトして、あなたが好きだからめちゃくちゃNFOのクエスト周回して、気づいたらあなたと話すのが生きがいになってたんです!!引きましたか!?気持ち悪いですか!?それでもいいです!!俺はもう気持ちを抑えるのはやめます、だから白金さんもちゃんと気持ちぶつけてくださいよ!!!」

 

「…白金さん、いや、()()()()

()()()()()()()()

 

「…私、今井さんと違って料理できないです」

「一緒に作りましょう」

「あこちゃんと違って積極的じゃないです」

「俺が引っ張っていきますから」

「友希那さんと違って、人を惹きつける特技もない」

「変な男よってこないからラッキーです」

「氷川さんと違って、頼りがいもないです」

「全然いいんですよ」

「白金さん、あなたに何もなかったとしても。俺はそんなあなたが大好きなんです」

「だから、人と比べないで自分の気持ちを、しっかり話してください、それだけでじゅうぶんですから」

「白金さん、俺と付き合ってください」

「…私も…()()()()が…()()()()()()()()

「よろしく、お願いします」

 

お互いに顔面ぐしゃぐしゃになるほど泣いて、微笑みあって、また抱きしめ合って

ようやく想いを伝えられた俺たちを、たくさんの星と月明かりが照らしていた




次回、夏の合宿=恋愛成就の法則編最終回になります!
たくさんの感想や評価、お気に入り本当に嬉しかったです
これからもよろしくお願いいたします
(めちゃくちゃ終わりそうな雰囲気出てますがまだまだ終わりません←)
(まだしばらくお付き合いいただければ幸いです←)


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夏の終わりと終わりの始まり

今回で夏の合宿編が最終回になります!物語が終わるとは言っていない!!()


日付が変わって夏の合宿最終日

ほんとは最終日の夜に告白するつもりが、なんだかんだで最終日に入ってすぐになってしまったけど…ある意味最終日の夜だよな…

 

俺と白金さん…燐子さんは、お互いに隠していた気持ちを…伝えたかった気持ちを全てぶつけ合い

恋人同士になった

夏の暑さのせいではない、別の熱さで顔が赤くなるのを感じる

心臓の音が聞こえそうなくらい高鳴っている

 

「白雪くん…すごいドキドキしてる…」

「めっちゃ恥ずかしいんですけど…」

「でも、私も…すごいドキドキしてます…」

「…帰りましょうか」

「そう…ですね」

「燐子さん、手繋いでもいいですか?」

「聞かなくてもいいです…引っ張ってってくれるんですよね?」

「…はい」

 

1人で全速力で走ってきた道のりをゆっくり2人で歩く

「今気づいたんすけど、星すげえ綺麗ですね」

「ほんとですね…」

「…」

「…」

 

コテージに着くまで会話は続かなかったけど

心は繋がってる、そんな気がした

 

コテージに戻ると外には他のメンバーが待っていた

 

「みんなどうしたんだ?」

「どうしたんだじゃないでしょう!!まったく遅すぎます…」

「ごめんなさい氷川さん…」

「まあ、無事だったんだから良かったじゃない」

「りんりーん!!蒼さん!!おめでとう!!!」

「あこちゃん…ありがとう…」

「…燐子」

「…今井さん…」

「蒼、ちょっといいかしら」

「…ああ」

 

友希那に声をかけられる

流石にそこまで空気の読めないやつじゃない、俺もすぐにリサと燐子から離れる

 

「…あの、私」

「…おめでとう燐子、あいつのこと、よろしくね」

「っ…はい…任されました」

 

ーー

「友希那、ありがとうな」

「別に私は何もしてないわ…でも、そうね…相談料としてウタイちゃんと1日戯れる権利をもらおうかしら」

「どこまでも猫好きだな…」

「みなさん早めにコテージに入りましょう、夜も遅いですので」

「「「「「はーい」」」」」

 

「私今日リサ姉と一緒に寝るー!!」

「はいはーい、じゃ、部屋行こっか」

「あー!!でもベッド1つ空いてるの、もったいないなぁ!!蒼さんソファで寝るのしんどそうだなー!!!」

「なんつう不自然な言い方だ…」

「じゃあ私も部屋に戻るわ、蒼せっかくだからベッドで寝たらどうかしら」

「え」

「白雪さん…高校生らしい距離を保つように。高校生としての自覚と責任をしっかり持った行動をしてください。とだけ言っておきます。おやすみなさい」

「えええ…」

 

「…」

「…」

「…一緒の部屋で…寝ませんか…///」

「…俺でよければ…」

 

ーー

 

「…」

「……」

 

寝られねえ

みんな変に気遣いすぎじゃない?めっちゃ気まずいんだけど…

 

「白雪くん…」

「は、はい…」

「そっちのベッド…行ってもいいですか?」

「は、はひ」

 

背中越しに燐子さんの気配を感じる

さっきハグしたけど…改めて緊張する…

 

後ろから優しく、燐子さんに抱きしめられる

すごく心地良い気分になる

 

「好きです、白雪くん」

「…多分俺の方が好きです」

「…負けてないです、絶対」

「俺の方が好きです…」

 

ゆっくりと燐子さんの方をむく

一瞬目を逸らすが、すぐにじっとこちらを見つめてくれる燐子さん

どちらからともなく、顔を近づけ合う…

 

ーーー

「すーごいぐっすり寝てるね」

「まあアタシたちも昼過ぎまで寝ちゃってたけどね…」

「寝たのは朝方だから仕方ないですよ…今日の予定は無しですね」

「そうね…まあ、最後くらいゆっくりしましょう」

「そうだねー…てか、誰も一緒のベッドで寝たらなんて言ってないのにねー」

「白雪さん…高校生らしい距離を保つようにとあれほど言ったのに…」

「ん…!?みんななんでここに…!!」

「ん…白雪くん…?…!?」

 

その後燐子さんは飛び起き顔を真っ赤にしながらリビングに降りていった

俺はと言うと氷川さんにめちゃくちゃ説教された…

 

結局昨夜はなんもなかった

いや、なんか期待してたみたいになるかもしれないけどなんもなかった…

…キスはしたけど…

 

結局午後まで寝ていた俺たちはコテージでゆっくり過ごし、次の日の朝、電車に乗って地元へと向かった

 

「昨日あんだけ寝てたのに、みんなぐっすりだな」

「そうですね…きっと、疲れたんですね」

「…燐子さん、楽しかった?」

「…はい、すごく、楽しかったです」

「…今度は2人で、どっか行こう」

「…はい、約束です」

「…白雪くん」

「ん?」

「何があっても私は、白雪くんのそばにいます」

「じゃあ俺は、何があっても燐子さんを守ります」

「NFOのラスボスからでも…?」

「なんですかそれ笑…NFOのラスボスからでも、守ります」

「ふふ笑大好きです、白雪くん」

「俺も燐子さんが大好きです」

 

幸せを感じながら、電車は進んでいく

これから色んなことがあるんだろうな

それでもこの電車のように、止まってもまた2人で並んで行けたらいいな

 

 

 

 

 

 

 

ーとあるマンションー

 

「ようやく見つけました…!ご主人様ー!!」

 

広い廊下を派手髪の少女は駆けていく

 

「見つけました!circleというライブスタジオでバイトしてるみたいです!!」

 

「遅いわよ!!but(でも)thanks(ありがとう)、ようやく見つけたわ…白雪蒼」

 

ご主人様と呼ばれた少女は不敵に笑う

 

この時はまだ思ってもなかった

長いと思っていた夏の合宿が、序章に過ぎなかったことを

幸せを掴み取った俺たちに、真のラスボスが近づいていることを

 

 

夏の合宿=恋愛成就の法則編 ~完~

 




フラグの立て方がベタベタすぎる件()
俺たちの戦いはこれからだ感ハンパないっすね、語彙力高めよう…
物語は最終章に進みます、少し長くなりますがお付き合いいただければ幸いです…


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おうちデート……??

久々のほのぼの回???でございます
蒼くんにはしばらく苦しんでもらうので←
今のうちに幸せを噛み締めてもらおうかと思います()
まったりとお楽しみくださいませ!!
(…燐子も苦しむことになるんよな、ごめんよ)


長いようで短い夏休みも終わり、学校が始まった

まあ初日に提出物出したから、俺はしばらく在学でいいんだけど

燐子さんと付き合って1週間くらい

あれからはチャットで話すくらいで、直接は会ってない

まあNFOで一緒に遊んだりはするけど

燐子さんは生徒会長(学校なんてとこだったかな…)

夏休みが明けたら生徒会の仕事で忙しい

バンド練習も学校が始まった週は身体を学校に慣らすのに休みだから

必然的に会わない生活になる

 

「学校、終わりました」

「お疲れ様です、ゆっくり休んでくださいね」

「白雪くんに会いたいです('・_・`)」

「俺も会いたいです…」

 

燐子さんはだいぶ心を開いてくれたと思う、自分の気持ちを素直に伝えてくれるようになった(チャットだから気持ち的に楽なだけかもしれないが)

 

ふとした事が付き合ってるんだなという実感に変わる

この一週間おれは毎日ニヤニヤしていると思う

その証拠にウタイが目を見開いてとんでもないものを見ているかのごとくこちらを見つめている

なんだようと心でつぶやきながらウタイを見ると、気配を感じたのかふいとそっぽを向く

 

「生徒会の仕事は今日でとりあえずひと仕事終えれたので…もし良かったら、今度の土曜日遊びませんか…?」

 

ウタイに構っていたらチャットが来ていたので、慌てて返事を打つ

 

「そうですね!どこか行きたいとこありますか…?」

「じゃあ…白雪くんの家に行きたいです…」

「う、うちですか…?」

「ダメですかね…」

 

ダメではないけど…

…部屋掃除しよう…

 

土曜日

約束した最寄り駅に燐子さんはいた

 

「燐子さーん」

 

と声をかけると、小動物のように駆け寄ってくる

「こんにちは…」

「はい…じゃあ、行きますか…」

 

うーん、やっぱりチャットよりはぎこちない…まだまだこれからかな…

 

「やっぱり外は苦手ですか?」

「それもあるんですけど…白雪くんの家、気になったので…」

「なんもないですよ…笑」

 

そんなことを話していると家の前に着いた

「あ、ここです」

「…なんか少し緊張します…」

「俺もですよ…笑どうぞ」

「おじゃまします…」

「あ、どうもはじめましてー蒼の母です…」

「あ、あの…はじめまして…白雪くんとお付き合いをさせて頂いております、白金燐子です…」

「ご丁寧にどうもー、蒼、ちょっと」

 

「めちゃくちゃ可愛い子じゃないの!!なんであんたなんかが付き合えたの…」

「知らねえよ!てかめっちゃ俺に失礼だな!!小声のつもりだろうが聞こえてるよ!!」

 

白金さんは苦笑いしながらこっちを見ている

 

「へ、部屋行きましょうか」

「ゴムはつけなさ」

「あーあーあー!!!さーいきましょー!!」

 

「うちの母が大変失礼致しました」

「い、いえ…優しそうなお母さんで…」

 

部屋に入るなりジャンピング土下座を見舞った

ウタイがふにゃあとベッドから見下ろしている

 

「あ、燐子さん猫とか大丈夫ですか?」

「はい…友希那さんがよく猫と戯れているのを見ているので…」

 

あいつ猫好き隠さなくなったのか

まあ別に悪い趣味じゃないし隠す理由が分からんかったけど

 

「…可愛いですね」

「ウタイって言うんで、良かったら可愛がってあげてください」

「ウタイちゃん…」

 

自然と顔が緩む燐子さん

ウタイも気に入ったのか大人しく撫でられている

 

 

「白雪くん?」

「…すいません、可愛がってって言っといたくせにめっちゃ羨ましくなった…」

「ヤキモチですか?」

 

よしよし、と頭を撫でられる

恥ずかしいけど幸せな気持ちになる

「燐子さん…」

 

軽く唇を重ね合う、その後抱きしめると、きゅっと優しく抱きしめ返される

そっと頭を撫で返すと、ぎゅっと抱きしめる力が強くなる

 

ーーー

 

「ふー、やっぱお昼から入るお風呂は格別だねー」

今日は珍しくバンド練習がないから、アタシは久々にお昼からお風呂に入っていた

髪を乾かし着替えて部屋に向かう、とくに理由はないけど、なんかお昼からお風呂入るの好きなんだよねー

ふと蒼の部屋の方を見ると、ちょうどベッドに座っているのか、蒼が誰かと抱き合っているのが見えた

あの黒髪は多分燐子だな…ていうか、付き合って早々見せつけてくれるなー…アタシ、まだ気持ち切り替えられてないんだけど…

そんなことを思っていたら、何回もキスしてるのを見てこっちが恥ずかしくなった

うわ…燐子ってあんな大胆だったっけ…燐子も変わったんだな…ていうか、せめてカーテンくらい閉めてっ…と

アタシはなんとも言えないこの思いを、蒼へのチャットにぶつけた

友希那の家遊びに行こっと…

 

抱きしめあった後、2、3度キスをして、燐子さんを見ると恥ずかしそうに微笑んでいた

それを見て好きという気持ちが高まった

もう一度…と、お互いに顔を近づけ合った時、スマホの通知音がなった

 

「まだお昼なんですけどー、せめてカーテン閉めてからそういうことしてよね」

 

「誰からですか…?」

「あ、見ない方が」

 

その後燐子さんが顔を真っ赤にして放心状態になったのは言うまでもない

 

ーー

「友希那ー…ってあれ、誰も反応ないな…」

友希那にチャット送ったけど、返事はない

おかしいな、作詞してたとしても、いつもならチャイムくらいには出るはず

出かけてるのかな…

 

 

 

「失礼、湊友希那さん?」

「あなたは…?」

「RAISE A SUILEN プロデューサー」

 

「チュチュと申します」

 

 

ライブスタジオの外

物語はひっそりと、急激に加速する

1曲の歌かのように

 




動き出すヤベー奴()


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敗北

最近めちゃくちゃお気に入り増えてきて感謝です、ひと山終わったのがきっかけかな…
これからも楽しんでいただけるように頑張ります、引き続き感想や評価いただけると嬉しいです


暦の上では秋に差し掛かるがまだ暑さが続く夕方

それでも空の色は秋を感じさせる夕焼け

ライブハウス「circle」の道沿いで灰髪(はいはつ)の少女は声をかけられた

 

RAISE A SUILEN(レイズ ア スイレン)??」

「そう、最強の音楽を奏でる最強のバンド…Roseliaの湊友希那、あなたたちよりも技術もなにもかも上のバンドよ」

「そのプロデューサーがなんの用かしら」

「単刀直入に言うわ…Roseliaのプロデュースをしてあげるわ、私と一緒なら最強の音楽を奏でられる、あなたと私ならね」

「単刀直入にお断りするわ、私たちは私たちの音楽でトップを目指す、プロデューサーなんて必要ないわ、話はもういいかしら?」

「ちょ、Wait(待って)!!待ちなさいよ!!」

 

スタスタと歩いていく湊友希那を呆然と見つめる猫のヘッドホンを付けた少女はつぶやいた

 

「信じられない…私の誘いを断るなんて…絶対に許さない…」

 

あの猫のヘッドホンはどこに売ってるのかしら

そんなことを思われてるとはつゆ知らず、湊友希那はその事ばかりを頭に思い浮かべていたのだった

 

 

ーー

キスをしていた所を見られて恥ずかしがってから燐子さんはそそくさと帰ってしまった

いや、いいんだけどさそういうの目当てじゃないし…でも期待するじゃん少しは。健全な男ならするじゃん、こっからあんなことやこんなことするのかなって、期待して当たり前じゃん

はぁぁぁとため息をつくと、ウタイが太ももに乗ってくる

 

「ウタイー…男としてガツガツ行ったほうがよかったのかなぁ…」

「知るかそんなこと」

 

と、今にも聞こえてきそうな顔でこちらを見る、なんかモヤっとしたので頭を人差し指と中指で撫でると心地よさそうに目を瞑る

くそう…次こそ頑張ろ…

 

ーーー

次の日は久々のバンド練習だった

燐子さんら意識してしまったのかすごく恥ずかしそうにしていたが、リサはもう気にしていなさそうだった

でもバンド練習はしっかり集中できていたみたいでよかった

 

「久々にファミレスでも行かない?」

「いいですねー!!蒼さんもりんりんも行こうよ!」

「うん…そうだね…」

「氷川さん、ポテト食べに行きましょ」

「ポテ…ま、まあ反省会も兼ねて行きましょうか」

 

Hello(こんにちは)!Roseliaのみなさん」

「んー?誰あの子、誰か知り合い?」

「ん、あれ、あいつ」

「またあなた?もう話は終わってるはずよ」

「湊さん、彼女となにか?」

「ええ、少しね、でももう終わったことよ」

「終わってないわよ!!湊友希那、私の誘いを断るなん…て」

「ああ、お前やっぱりあの時の」

「っ…!!!」

 

あの時のクソガキ

と思い声をかけた瞬間

思い切り胸に飛び込んできた

 

「「「「「え」」」」」

「まあ!チュチュ様大胆ですこと!あ、申し遅れました私チュチュ様のお世話係兼RAISE A SUILENキーボード担当のパレオ…って私空気読めないタイミングで自己紹介しました??」

 

「あなた急に何をしているのですか!!」

「そ、そうだよ!!今すぐ離れて!!!」

Shut Up!!(黙って!!)私の白雪蒼に抱きついて何が悪いの!?」

「…私の?」

「離れろクソガキ!!!」

 

強引に引き剥がす

 

「いつお前のになった!!」

「あの時ノートを見てからよ!!!」

「は、はぁ!?そんだけでなんでお前のものにならなきゃダメなんだよ!!!」

「大体俺はな!!!燐子さんと付き合ってんだよ!!!」

 

なんでちょっと話しただけのやつに抱きつかれなきゃならんのだ

しかも燐子さんの前で

俺は必死に、叫ぶように思いのたけをぶちまけた

 

「…燐子って誰…」

「わ、私です…」

「ふっ…白雪蒼、あなたこんなShy Girl(シャイガール)と付き合っているの?今すぐ別れて私のものになりなさい」

「…お前今なんつった」

 

普段全くイライラしないがさすがに癪に障った

 

「お前は燐子さんの…変わろうとしてる彼女の何を知ってるんだ」

「っ…な、なによ…あなたが悪いんじゃない!!あの日…」

 

夢を笑うようなことなんてしないよ

そうやって笑いかけてくれたのはあなたじゃない…

 

「それ以上うちのメンバーとマネージャーを貶すようなことを言うのはやめてもらえるかしら」

 

黙っていた友希那がそれだけを静かに放つ

 

「…マネージャー…?」

「白雪蒼はRoseliaのマネージャーよ」

「…なによそれ、聞いてないわよ…私の誘いを断ったRoseliaで私の白雪蒼がマネージャーをしていて、そこのメンバーと付き合ってる??」

「…Roselia、勝負しなさい…1ヶ月後、このライブハウスで対バンよ…もし私たちRAISE A SUILENが勝ったら、白雪蒼を寄越しなさい!」

「ち、ちょっと、蒼を物みたいに言わないでよ」

「そうです、失礼すぎます」

「そうだそうだ!!!」

 

「いや、いいんじゃないか?」

「白雪くん…?」

「Roseliaは負けない、だろ?もしRoseliaが勝ったら、俺のことは諦めろ」

「ええ、いいわよ、楽しみにしているわ」

 

そう言い放ちチュチュとその横の女の子は去っていった

 

急遽決まったことにも関わらず、Roseliaのみんなはめちゃくちゃ練習してくれた

1ヶ月はすぐ過ぎて、前日になった

予定通り対バンは組まれ、フライヤーも配るようになっていた

しかし問題は

あいつメンバー1人しかいないって言ってなかったか?フライヤーにもXって書いてるし、サポートメンバー借りるってことか?よほど自信があるんだな…

 

夜、燐子さんとチャットで話す

「私…白雪くんの事渡したくないです」

「大丈夫、Roseliaは絶対負けないし、もし負けたとしても絶対取り返してくれるでしょ?」

「…はい、私たち、絶対負けないです…」

「大好きです、燐子さん」

「私も白雪くんが大好きです」

 

Roseliaは負けない

絶対的な自信があった

 

次の日

circleはたくさんの人が来ていた

対バン勝負は200人限定ライブ、両方のライブを見てスマホで投票するというシステムだ

先攻はRoselia、後攻はRAISE A SUILEN 通称RAS

Roseliaはたくさんの実績があるためファンも多い、見に来たお客さんもRoselia目当てだろう

いつも以上の素晴らしい出来だった

後攻のRAS

イントロが流れた瞬間、一瞬で自信が不安に変わった

 

何だこの音楽

今までに聞いた事のないような力強さ

これは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くわよ、白雪蒼」

「…」

「白雪くん…」

「燐子さん…」

「私、私…」

「私の白雪蒼に…蒼に話しかけないで。行くわよ」

「最後くらい挨拶させろよ」

「…少しだけよ」

 

「あこちゃん、ごめんな…応援してくれたのにありがとう」

「蒼さん…最後なんて言わないでよ…」

「リサ、好きでいてくれてありがとう、こんな結果でごめん」

「謝んないでよ…」

「氷川さん、気にしすぎないでください」

「…私たちのせいです」

「友希那…あの事、任せた」

「…任されたわ」

「燐子さん…俺のことは待たないでください」

「え…」

「短い間だったけどありがとう」

「…行くぞチュチュ」

 

120-80

 

Roseliaは、負けた。




はい、負けました()
少しアニメの展開と合わせつつ、オリジナリティを出していこうかと思っております、一応最終章です
これからどうなって行くのか、もう少しだけお付き合い下さい


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後悔

今日も頑張っていきましょー(とくにまえがきはないです)


油断した

俺が大好きなバンドが、何ヶ月も見てきたバンドが負けるわけない

そう思っていた

いや冷静に考えたら、燐子さんをバカにされたことで頭に血が回ってなかった

 

その結果

俺の隣には今燐子さんはいない

大切な人も、大切な仲間もいない、それどころか敗北というものを味わせてしまった

俺の身勝手な決断が

後悔しても遅い

それでも後悔しかなかった

ごめんみんな

本当に…ごめん…

 

目を覚ますと見覚えのない天井だった

スマホを見ると日付はライブの次の日だった

チャットを開く

Roseliaのグループと、メンバーのアカウントだけが消えていた

抜かりねえやつだ、チュチュとかいうやつ…

 

コンコン、と部屋のドアをノックする音が鳴り、部屋にチュチュのお世話係のパレオがやってきた

 

「お目覚めですか???反応がなかったので失礼させていただきました」

「…」

「無視はちょっと傷ついちゃいますね…」

「…俺は何をしたらいい」

「チュチュ様の近くにいてあげてください、それだけです」

「…」

 

ああクソ

俺は年下に興味無いんだけどな…

まあ、仕方ねえわな。勝手な行動で迷惑かけた罰だ

開き直ってやる

…燐子さんごめんなさい

こんなクソみたいなやつは忘れてください

気の迷いだったんです、あなたの好きは

そう思って生きてください

 

パレオに案内され、俺はチュチュのいる部屋へと足を運んだ

 

ーーー

 

アタシたちが負けて

蒼が居なくなってから、1日たった

アタシたちは誰からというわけでもなくファミレスに集まっていた

 

「蒼さん、チャットから消えてた…」

「きっと俺のせいだって思ってるよね…」

「…私たちが負けたのが悪い、私たちの力不足よ」

「…それでも彼は、きっと自分を責めるでしょうね」

「燐子があんなこと言われたら、そりゃ目の前も見えなくなるよ…あいつ前に1回キレたことあるんだけど、その時もヤバかったから…」

「優しすぎるが故に、大切な人を傷つけられたら目の前が見えなくなる、恋人を傷つけられたら、なおさらなはずよ」

「…私、何言われてもいいのに…白雪くんがそばに居てくれたら、それでよかったのに…」

「りんりん…」

 

「取り返しましょう…白雪くんの事」

「ええ、負けっぱなしじゃいられないもの」

「でも、どうやって?RAISE A SUILENって、どこで普段ライブ活動してるんだろう」

「そうですね…まったく情報がないバンドでしたから…それにバンドメンバーは…」

「全員有名なサポートの人だったよね…」

「私、ライブハウスにいって聞き込みします…」

「りんりん、あこも手伝う!」

 

ーーー

 

Hello!(おはよう!)SNOW(スノウ)、いい天気ね」

「SNOWって誰だ」

「あなたの事よ、白雪蒼の雪、SNOW、今日からあなたはRAISE A SUILENマネージャーのSNOWよ」

「随分捻りのないあだ名だな…」

「…いい加減諦めなさい、あの勝負を受けたのはあなた、負けたのはRoselia、いまさら後悔したって遅いのよ」

「んなことわかってんだよ…」

「あなたにはこれからここに住んでもらうわ、あなたのmomにも了承は得てる」

「正気かよ」

「こうでもしないとあなたは私のものにならないでしょ?」

「ベランダから飛び降りてでも帰ってやるよ」

「ここタワーマンションの最上階よ」

「…」

「SNOW、あなたが悪いのよ?あなたが根拠の無い自信とよく考えずに挑発に乗ったから、こんな結果になった、それなのに逃げる?男として最低よ」

「見損なったか、じゃあ嫌いになったろ」

「…パレオ、彼を部屋に縛っときなさい」

 

「おいちょっと待て、パレオちゃん正気かよ」

「チュチュ様の命令は絶対ですからー」

「くそ…監禁だろこんなん!!!」

「…ごめんなさい」

「っ…!?」

()()()はこんなことしたくない…でも()()()は、チュチュ様に救われたから…だから、恩返ししなきゃなんです」

 

そう言ってパレオは俺の頬を撫でる

 

「ごめんなさい、()()()

 

…なんだそれ

くそが…

 

目を覚ますと夕方だった

目の前にはチュチュがいた

「よぉ、そんな顔みて面白いか」

「ええ、とっても素敵だわSNOW」

 

唇と親指で撫でるチュチュ

 

「やめろ。」

「やめないわ、私のSNOW」

「やめてくれ」

「やめないわ、今日から私と同じベッドで眠るの、朝起きてから寝るまで、ずーっと一緒よ」

「やめてくれよ…許してくれ…」

 

「誰も助けになんて来ないわよ。蒼…dinner(夕食)を持ってくるわ」

 

1日目で気が狂いそうだ

そりゃ、助けになんて来ないよな

自分勝手な行動で、Roseliaを負けに追い込んだんだ

ごめん、ほんとごめん…

友希那、リサ、氷川さん、あこちゃん

燐子さん…

 

「よお」

「死にそうな顔してんな、お前」

「誰だお前…」

「ますき…んーそうだな…」

 

「マスキング、お前の救世主様だ」




読んでて訳わかんなくなったらすいません()
けどきっと蒼くんも訳わかんない状況だと思います()


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等価交換

「あなた、中学生の頃の反省全くしてないのね」

「ん?」

「リサをいじめていた先輩たちの所に1人で突っ込んでいって、話し合いじゃ収まらず殴り合いの喧嘩して…大事になったじゃない」

「あー…」

「…負けたらどうするつもりなの」

「Roseliaは負けない、だろ。負けた時の話を負ける前からするなよ」

「…私たちは、まだ頂点に立ったつもりはないわ」

「謙虚だなぁ…俺は信じてるよ、お前らを…もし負けたとしても勝手に突っ込んでった俺のせいだ…Roseliaの看板に泥を塗ったら、ごめん」

「負けは私たちの力不足のせいよ。勝手に勝負を受けたのはあなたのせいだけど。」

「燐子さんのことああ言われたら腹立つって…反省してる…なあ友希那、もし、もし負けるような事があったら…燐子さん、頼むわ」

「…ええ、頼まれたわ…」

「まあ、負けることなんてねえけどな!!」

 

 

ーーー

「マス…キング…」

 

ああ、思い出したこいつ、RASのドラムのやつだ

 

「救世主ってどういう事だ…」

「そのまんまだよ、お前を助けてやる」

「ここから出してくれるのか?」

「いや、悪いがそこまで万能な救世主ではない…お前の可愛い彼女さん、今どうしてるか知りたいだろ」

「燐子さんが何してるのか知ってるのか?」

「知ってる、教えて欲しいか?」

「ああ」

「タダじゃ教えねえ。等価交換だ…チュチュを救ってやってほしい」

「意味がわかんねえんだが」

「そろそろチュチュが夜飯もって戻ってくるから手短に話すぞ、いいか、お前はとりあえずチュチュの言うことをできるだけ聞け、本当に嫌なことはやんわり嫌がれば無理にはしないはずだ…キスとかな」

「ある程度言うことを聞けばこのマンションの一室を自由に歩き回れるようにお願いしろ、あいつは多分お前の言うことはなんでも聞く…そうなった時に詳しく教える、後でな」

「お、おい」

「自分のせいで迷惑かけたこと、みんなに直接謝りたいだろ?言うことを聞け、信用しろ」

 

そう言い残すとマスキングは部屋を出ていった

…俺がまいた種とはいえ意味がわかんなくて頭がおかしくなりそうだ…救うってなんだよ

 

まあいい、燐子さんの情報が手に入るなら、何だってする…

 

「SNOW、夕食を持ってきたわ」

「ああ、ありがとうチュチュ」

 

手を縛られていたのでチュチュに夕食を食べさせられた

ていうかなんだこの夕食は、ジャーキーじゃねえか

 

「ああ、SNOW、やっと私の言うことを聞いてくれるようになったのね…」

「チュチュ、次はもうちょっとちゃんとしたものを食べたいな…」

「…私が頑張って用意したのに…パレオの力を借りずに用意したのに…それを嫌がるの?」

「い、いやじゃないよ、でも、これだけじゃ体壊しちまうよ…な?一緒に居たいんだよ、わかってくれ」

「…わかったわ、次からパレオに用意させる」

 

こいつはチョロい

頭がいいのかもしれんが精神年齢は子供だ(案の定)

これならなんとかやって行けるかもしれない

 

「なあチュチュ、これ、解いてくれよ…手が痛くてつらい」

「ダメよ。まだ逃げる可能性があるかもしれないから悪いけどそのままで」

 

くそ…

 

「さあ、一緒に寝ましょうSNOW」

「…」

 

あー、合宿で燐子さんと寝た時を思い出そう

気をまぎらわせろ

 

こんな生活を3日続けた

 

「なあチュチュ、そろそろ信用してさ、自由に歩かせてくれよ」

「…わかったわ」

 

とうとうチュチュから家の中だけは自由に歩き回れる許可を得た

 

「本当か!!ありがとうチュチュ」

「私はこれからパレオと買い出しに行く、他のバンドメンバーに見張るようお願いしてるから、逃げようなんて思わないでね」

 

そう言って縄を解きリビングへ連れていかれる

 

「彼女はドラム担当のMASKING(マスキング)

「よろしくな」

 

とニヤリと笑うマスキング、あの日部屋に入ったことは気づかれてないみたいだな

 

「彼女はボーカル&ベースのLAYER(レイヤ)

「よろしくね」

 

とだけつぶやくレイヤ…すげえジロジロ見られるんだが

 

「彼女はギターのLOCK(ロック)バンドメンバーの中では1番の新入りよ」

「よ、よろしくお願いします…」

 

とロックは不安そうに頭を下げる、イントネーションがちょっと違和感ある感じだが、どこ出身なんだろう

 

「いい、SNOWが逃げ出さないように、ちゃんと見張っておいて、行くわよパレオ」

「かしこまりましたー」

 

そう言ってマンションを出るチュチュとパレオ

久々に緊張が緩む

レイヤとロックからはチュチュのようなヤバそうな雰囲気は感じない

 

「ようやく出てこれたなSNOWくん」

 

嫌味のようにニヤニヤしながらマスキングは頭をわしゃわしゃと撫でてくる

 

「やめろ…説明してもらおうか、救うってなんだよ、どういうことだ、あと燐子さんはなにしてる」

 

「まあ落ち着けよ…チュチュの過去から話さなきゃならない」

そう言ってマスキングはたんたんと語り始めた

 

「この家、あいつのお母さんが借りてる家なんだ、でもあいつのお母さんはいない

世界的に有名な演奏家でな、あいつも小さい頃に演奏家になるように言われ育てられた…あいつはなかなか才能が開花しなかった、練習しても練習しても、結果がついてこなかった…審査員からも親からも認められず、あいつはずっと孤独だったんだ」

 

「そんな時あいつは演奏家以外の方法…プロデューサーとして音楽を成功させることを思いついた、それでも認めてくれる人はいなかった、そんな時唯一夢を応援してくれたのがパレオと」

 

「俺だったって訳か…」

 

「そういう事だ。パレオはチュチュに魅了されたがお前は颯爽と去っていった、あいつは許せなかった。自分だけを見て欲しいという感情に襲われた…そして作詞作曲にもっと力を入れ、プロのサポートメンバーとして活躍していた私とレイヤに声をかけた、動画サイトで有名になっていたロックにもな」

 

「それでもあいつはまだ足りなかった、認めてくれる人や、自分の理想とする音楽を奏でるメンバーを手に入れても、愛されたいという感情が消えることは無かった」

 

「あいつは寂しいやつなんだ。本当はあんなメンヘラじみたやべえ事するような奴じゃないのは私たち全員わかってる、その呪縛から救ってあげられるのは蒼、お前しかいないんだ」

 

「ごめんね、蒼くん…私たちに協力して欲しい」

 

とレイヤは申し訳なさそうにつぶやく

 

「チュチュさんも、本当はこんな方法で白雪さんの事自分のものにしたいなんて思ってないと思います…きっと、誰かに止めて欲しいんだと…」

 

ロックは今にも泣きそうな表情でそう言った

 

「ぜんっぜんわかんねえ、どうすればいいか」

「でも、ここに来ちまったのも俺が原因だ…できる限りの事は…してみる」

「蒼くん…」

「協力はするから燐子さんの事を教えろ…等価交換だろ?」

「ああ、今私たちの事を探してる…多分お前のこと奪い返す気なんだろ」

「悪いけど次来たとしても手は抜けねえ、私達も本気で音楽やってるから…でももし負けたら潔く返すようにチュチュを説得する…お前も部屋に縛られてるよりマシだろ?」

「ああ、わかった…協力するよ」

「クソガキ改心同盟だ」




蒼くんはめったに怒りませんが怒った時は目の前が見れなくなるタイプで、その度に自己嫌悪する人です、悪気はないんです…わかりにくかったらすいません…
みんなでチュチュちゃん助けようの会


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それぞれのために

前書きから失礼します
最近お話が少し理解しづらいというような感想を頂いておりまして、物語を見つめ直すということ、また体調不良も続いているためそれを改善するために2日間ほどお休みを頂こうかなと思っております、楽しみにしてくださってる方がいらっしゃいましたら申し訳ありません、少々お待ちください
それではどうぞ!


白雪くんが私たちの元を離れてから4日

私たちは、必死にRAISE A SUILENのライブ活動先を探していた

普段練習、ライブをしているcircleにもお願いをして、他のライブスタジオに連絡を入れてもらってるけど…依然として手がかりは掴めなかった

 

「りんりん…そろそろ一休みしよう…」

「あこちゃんは…帰って大丈夫…私、まだ探してみる…」

 

手がかりなんてない

それでも立ち止まる訳には行かない

白雪くんは…私を守ってくれたんだ…

絶対に取り戻してみせる

やっと付き合えたのに、離れるなんて許さない

こんなのでお別れなんて絶対許さない

 

 

「とりあえず、友希那さんたちにも連絡して情報あったか聞いてみるね」

 

4日間、りんりんはほとんど寝ずに探してる

終電近くまでライブスタジオ、楽器店、CDショップ、音楽に関係あるところ歩き回って、家に帰ってからはエゴサーチで調べてるみたい

 

…あこも、もっと頑張らなきゃいけない

蒼さんがりんりんをバカにされたことにムカついてあんな挑戦受けちゃって、こうなったのはわかってる

それに負けたのはあこたちの力不足、紗夜さんと友希那さんの言う通り

でもね、それだけじゃないんだ

りんりんだけじゃないんだよ、蒼さんを取り返したいって気持ちは

 

ーーー

「あこちゃん、お疲れ様!はいお水」

「わー!ありがとうございます!!」

 

〜〜

 

「蒼さーん、ここわかんない〜」

「ここはこの公式を使えばいいんだよ、てことは?」

「わかった!これだ!!」

「そう!!これ覚えとけば余裕そうじゃん!」

 

ーー

 

いつだってお兄ちゃんみたいに面倒見てくれた

気にかけてくれた

笑いかけてくれた

そんな蒼さんを取り返したいのはあこも同じだよ

またあこに優しくしてもらいたい

だからあこも、まだ休まない。

 

 

「あこから連絡が来たわ」

「どうだって??」

「情報はないみたいね…」

「そうですか…あの実力、練習をしてない訳がないのですが…」

「…もう少し探そう!」

「あ、待ってください今井さん」

 

止まれないよ、ごめん紗夜

悔しいんだ、アタシ。Roseliaが負けたことが蒼をあんな簡単に奪っていったことが

蒼がこの勝負受けたからとか、そんなの関係ない

アタシがやっと、自分の気持ちにピリオドを打って、前を向こうとした瞬間に、あんな強引な方法で奪っていったのが許せない。

…でも、燐子が1番許せないよね

 

ーー

 

「最近燐子とはどうなのー?」

「お互いベランダに出てまで聞くことか?それ」

「教えてよー笑…で、シたの?」

「してねえよ!!なんつーこと聞くんだ…やっぱ男として思い切っていったほうがいいかな…」

「うーん、そりゃあねぇ…」

「そっか、頑張ってみるわ」

「うん、頑張れ」

 

ーー

ああ

あの時の生き生きした顔をまた見せてよ

あんな悲しそうな顔で、やらかした、申し訳ないって顔でお別れなんて許さない

見つけだしてめちゃくちゃ練習して、必ず取り返してやるから、待っててね、蒼

 

「今井さん!」

 

みんな焦ってる、私が落ち着いて冷静にさせないと

そう思ってる私も焦ってる、今までこんなこと無かったのに

 

ーーー

「氷川さん!ポテト食べに行きましょ!」

「行きません」

「冷た…まあ、そう言わずに付き合ってくださいよ…」

 

〜〜

「氷川さん無理してます?」

「は?」

「いや、いつも練習練習って…ほんとは氷川さん、誰よりも他人の事を考えていて優しい…だからこそ、なんていうか…焦ってる?っていうのかな…」

 

お姉ちゃん!私もギター始めたんだー!!

ここ難しいなー…お姉ちゃん弾ける?

 

「っ…」

「まあでも、俺の前では無理しないでください!マネージャーなんで、話聞きますよ、いつでも」

 

そうです

白雪くん、私誰よりも焦ってるんです、誰よりも無理してるんです

そんな私が壊れなかったのも、あなたが話しかけてくれて、みんなとの輪に上手く引き込んでくれたから

…だから私はあなたを取り戻す、二度と負けない

あなたと出会ったせいで変わってしまった私の心

かならず責任は取らせますから

 

「とりあえず駅で落ち合うことにしたわ、あこと燐子もこっちに向かってるらしいから」

 

 

この4日間、私たちはRAISE A SUILENの足取りを追っている

誰も蒼のせいにはしなかったし、思ってもなかった

あの実力はいつか必ず私たちの前に現れ、そして結果も今回と同じ結果になっていたと思う

それが少し早くなっただけ

蒼を取り返すという目的の中、それぞれがそれぞれのために、RAISE A SUILENを探している

今までにないくらい、団結して

私は知っている

この団結がどれだけ音楽を進化させ、人々の心を奪うか

次は負けない、必ず見つけだして…蒼を取り返す

 

 

「白雪くん」

「蒼さん」

「蒼」

「白雪くん」

「蒼」

 

「あら」

「元最強バンドの負け犬がこんな所で何をしているの?」

「…ようやく見つけたわ、まさかそっちから出てきてくれるなんてね」

「RAISE A SUILEN」

 




あこちゃん、紗夜さん、友希那が蒼の事をどう思ってるかは読者の方それぞれの考え方ということで…()
それではまた月曜日お会いしましょう


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BanG Dream!

お久しぶりでございます、だいぶリフレッシュ出来ました!!あと10話程で終わる予定ですので、走り抜けたいと思います
相変わらず意味がわからないかもしれませんが、最後まで楽しんでいただければ嬉しいです


帰ろうとした所に現れたRAISE A SUILENのチュチュ、パレオ

買い物に来ていたのか、パレオは大量にエコバッグを持っていた

 

shopping(買い物)…には見えないけど、何をしていたのかしら」

「あなた達をさがしていたの」

「私たちになんの用?」

「蒼を返してもらうわ」

why(なぜ)?勝負に負けた人達が何を言ってるのかしら?」

「もう一度、対バンをしてほしい」

「白雪蒼と違って私はしっかりメリットデメリットを考えるの。メリットがないわ。第一勝った相手には興味無いの、失礼するわ」

「…BanG Dream。武道館で行われるガールズバンドの頂点を決める祭典よ」

「それがなんだって言うの?」

「武道館で優勝したらあなた達の音楽は日本、いや世界に一気に知れ渡る。その大会で勝負しましょう」

「…確かに、メリットはあるわね」

「まさか、負けるのが怖い…なんてことないわよね?」

「っ…当然よ。受けて立つわ」

 

友希那の作戦通りだ

ーーー

「BanG Dream???」

「circleに行った時にまりなさんがフライヤー貼ってたんです!これ、出ませんか??」

「でもアタシたちは蒼を取り返すのが…」

「いや…これはつかえるかもしれません…」

「はい…この大会にRAISE A SUILENを出場させて、私たちが優勝すれば…」

「最短ルートで蒼を取り返せる、私たちは更に、()()()()()()()()()に立つことが出来る…」

「でも…RAISE A SUILENが出てくるかな…」

「私たちで出させればいいのよ…作戦があるわ」

 

ーー

 

友希那は本当に頭がキレる

プライドの高いチュチュなら絶対に乗ってくると思ってのこの作戦…成功した…

まってて蒼、アタシたちが必ず助け出すから…

 

 

 

 

ーチュチュのマンションー

 

「「「BanG Dream???」」」

「ええ、ブドウカンで行われるガールズバンドの頂点を決める祭典よ」

 

うわー…チュチュ様、友希那さんに言われたことそのまんま言いました…

 

「ブドウカンに出て優勝したら、私たちの音楽は一気に日本中…いや、世界に知れ渡るわ!!」

 

絶対ブドウカンってどこかあんまりわかってないですわ…

 

「それ、ポピパさんたちも出ますかね…」

「さあ??SNOW、あなたの古巣のRoseliaは出るそうよ」

「!!ほんとか!?」

「ええ、私たちに勝ったら返せって言われたけど…私たちに勝てるわけないのにね!!」

「…」

「さあ、dinner(夕食)にするわよ…」

「じゃあ今日は私が作る」

「好きにすれば、私はスタジオに行くからもってきて…SNOW、来なさい」

「行かねー」

「…来なさい!」

「お前、あんま調子にのんな」

 

はわわわ…蒼さん、か、壁ドンを…

 

「っ…もういいわ」

「あ!待ってくださいチュチュ様!!」

 

「おい蒼!!」

「このままじゃチュチュ、治んないよ…」

「荒治療だ荒治療」

「ひええ…」

「え、ロックびびった?ごめん…」

 

ーーー

 

「ムカつくわ白雪蒼…なんで私の言うことを聞かないの!?あいつは私のものなのに…」

「落ち着いてください…」

「…うるさいわね、わかってるわよ…」

「…」

 

ーーー

「え、なんかすげえ美味そうな匂いすんだけど」

「ますきさんは料理が上手なんですよ」

「ほら、いいから食えよ」

 

なんてまんざらでもなく恥ずかしそうにつぶやきながら料理を並べるますき…チャーハンだ!久々に食べるな…

 

「よかったな、仲間が取り返そうとしてくれて」

「でも悪いけど、私達もバンドとして、絶対負けられないから」

「分かってるよ…Roseliaは二度と負けねえ、それまでに俺はチュチュを変える、それでいいだろ?」

「それまでは私たちが快適な生活をバックアップすっから、よろしく頼むぜ…RASの救世主」

 

そう言ったますきの作ったチャーハンは、過去一美味いチャーハンだった




RoseliaはBanG Dreamで蒼奪還、蒼はそれまでにチュチュの異常な性格と協調性の皆無を改善させる、マスキングレイヤロックは蒼に快適な生活とRoseliaの情報を与える、チュチュは蒼を自分のものにしたい、パレオはそれを支えたい…って感じです今()
ここからどうなって行くのでしょうか!!わかりません!!!()


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RAS〜Break&Break〜

嫁…じゃなくて推しの声優さんがイン〇タライブやってくれたおかげで体力がしばらく尽きそうにないです、ぐへへへ
UAってやつが1万超えてました、UAがよくわかんないけど多分すごいこと、いつもありがとうございます



RAS生活から2週間

ここで普段俺がこのマンションで何をしているのか、日常をお届けしようと思う

とは言っても日記なんて付けてチュチュに見られよう物ならまたCrazyGirl(メンヘラ)になりかねないので脳内でナレーションを付ける、うむ、誰にも聞かれていないし見られてもいない。さしずめ孤〇のグルメ、プロフェッ〇ョナル〜仕事の〇儀〜ってところか

平日は俺とチュチュ以外は普通の学校があるのでそれが終わり次第このマンションに集まって各自練習をしている、チュチュと俺は日中は勉強、仕方ねえから教えてやってる

 

今日は休日だから朝から晩までこのマンションに勢揃いしている、ますきとレイヤはサポートの仕事があれば途中で抜けたり途中から来たりしてる

とまあ事前情報はこんな感じかな

 

「蒼、口を開けろ」

「断る!!!」

「お前にシてほしいんだよ…なあ、頼むよ…」

「お前、その言い方誤解生むからやめろ…」

「なあ、いいだろ…そろそろ…な?」

「や、やめろ…おま…」

 

 

 

「いい加減試食しろ!!!」

「甘いもの苦手だっつってんだろ!!!!」

 

休日は毎回ますきにケーキの試食を頼まれる、ちなみに俺は甘いものが苦手だ、本当に、苦手だ。

 

「いーいーかーらー…食え!!!」

「んぐ!?」

 

毎回こいつは口を塞いでいても無理やり押し込んでくる

 

「あ、甘…ぐえええ」

「ちっ…チョコもダメかよ…次抹茶にするわ…」

 

ちなみにこんなリアクションだがパレオとロック曰くめちゃくちゃ美味いらしいです、まあ料理の時点でなんとなく美味いのはわかる

 

「あ、蒼さん…はい、お水…」

「ありがとうロック…」

 

とりあえず2週間生活して分かったことはロックが優しすぎる、いやみんな優しいんだけどこの子別格

ロックはPoppin’Partyが好きらしく、よく勉強を教えながらポピパの話をしている

 

「ポピパさんたち、そんな感じなんですね…あ、ここってこの答えであってます?」

「そーそー、いっつも有咲ちゃんが大変そうだよ…うん、正解」

 

そういえばこの子、あこちゃんと同じクラスらしいんだけど、ギクシャクはしてないみたい

蒼さんの話ばっかり聞かれますよーって、なんか安心した、この子は音楽がしたくて居るだけなのに、俺のせいで関係が崩れてたら…と考えてしまっていたから

 

ますきもレイヤも、音楽がしたくてここに居る

だからこそ絶対にチュチュをどうにかしなきゃなんねえ…ここまで自由に動けてるのもあいつらがチュチュを制止してくれてるからだ

 

チュチュとは毎日一緒の部屋で寝ている

絶対に触れない、というのを条件に

何も無いとはいえ燐子さんには絶対怒られると思うけど(ますきが今度燐子さんに事情を説明してくれるらしい、いつもはふざけたやつだけど契約は守るだろうから大丈夫だと思う)

 

「最近ますきと仲良くしすぎ…ますきが好きなの?」

「ロックとも楽しそうにしてるわよね」

「なんで私もあの二人みたいに接してくれないの!?」

 

と、毎日根掘り葉掘り聞かれる、その度に俺は俺の心は燐子さんだけだよ、という

するとキレられる

いや、治す気はあるよちゃんと、でもますきの言う通りチュチュに合わせてたら、多分ずっと変わらない…これを続けて諦めさせるしかないと思う

あとは毎日、仲間のことを思いやるように言っている

 

「またパレオに強く当たっただろ。あいつがどれだけお前のことを思ってくれてるかわかってるか?」

「わかってるわよ…」

「優しくしなさい。お兄ちゃんからのお願いだ」

「あなたは彼氏でしょ!!!」

 

効果があるとは思えない、それでも俺なりに続けてみる

チュチュと1番過ごす時間が長いのは俺だからな…

 

「…最近あなた達、ずいぶん仲がいいわよね」

「だったらなんだよ…別に取ろうとなんてしてねえぜ」

「私のSNOWだってこと、わかってる?」

「SNOWはRASのマネージャーだろ??私たちともコミュニケーションとって当たり前だろ」

「随分突っかかってくるわねMASKING…」

「おい、喧嘩すんなよ」

「SNOWもSNOWよ…なんなのよこいつらとばっか仲良くして!!あなたは私のモノよ。あんたたちも私がいないと音楽出来ないのよ!」

「今すぐその考えをやめろ。」

「…なんなのよ…」

「あっ…チュチュ様!」

 

ーー

 

「すまんみんな」

「いや、仕方ねえよ…そんな簡単に治るとも思っちゃいねえ」

「もう少しゆっくりでも大丈夫だよ…私達もできる限りの事はするから」

「いや、それじゃダメだ…BanG Dreamまで間に合わねえ…それに頭が狂いそうなんだよ、お前たちと話しててだいぶ気は紛れるが自分でもなんでここに居るのか、どうしたらいいのかがわかんなくなって頭ごちゃごちゃしてくる」

「蒼さん…冷静になってください…」

「驚くほど冷静だよロック、冷静に今どうしたらいいのかわかんねえ」

 

 

ーーー

なんでなんでなんでなんでなんで

Roseliaから引き剥がしたら今度はほかのメンバー?私は?あなたが私の夢を応援してくれたんじゃない…だから私は…

 

「チュチュ様…」

「…なんでいつもあんたなのよ…」

「チュチュ様!今度はどこに…」

「散歩よ!!」

 

「…だよな」

「…しか…うん…」

 

リビングから話し声がする

シーンとすることも無く、普通に話をするのね。

 

「にしても…チュチュのやつ私たちにも敵意向けてくるとか…さらに頭おかしくなってないか?あいつ」

「俺の接し方が悪いのか…やっぱある程度あいつのお願いも叶えてやるしかねえのかな…」

 

なによ

なによそれ

 

「押してダメなら…って言うしね…蒼には悪いけど、ありかもしれない」

「チュチュさん、最近さらに怖いですもんね…ストレス溜まってるのかも…」

「怖いで収まらねえよ…あれはもうメンヘラだよ」

 

ああ

私、頭おかしいんだ

 

「ち、チュチュ様…パレオはそんなこと思ってません…パレオは…」

「んただけ…」

「え?」

「あんただけいたって意味ないのよ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「え」

 

 

ーーーー

 

「パレオ来ないね」

「あいつ、いっつも一番乗りなのにな」

「チャットも、ずっと反応無いです…」

「おいチュチュ、なんか連絡ねえのか」

「…知らないわ」

「…お前なんかあったろ」

「なんでよ」

「わかんだよ」

「ふっ、なに、今度はパレオ?私以外のみんなの事は詳しいのね…そういえばあんたとパレオ、2人でよく衣装の話してたもんね、その時深い関係になったんでしょ?どこまでしたの?あの女の事だから誘惑して」

「お前らとどんだけ一緒にいると思ってんだよ!!!!!」

「っ…」

「蒼さん…」

「もっと仲間大切にしろって言ったよな?特にパレオは!!!ほんとにお前のこと思ってるって言ったよな!?」

「謝れよ!!!!パレオに謝れ!!!!!こいつらにも!!!!!」

「そんな性格でな!!よく好かれたいとか思ったよな!?正気かよ!!どこまで世間知らずなんだお前!!!ふざけんな!!!!」

「蒼落ち着け…」

「どこだ、パレオどこにいるんだよ!!!!!」

「…家にいると思う」

「どこだよ」

「鴨川…って言ってました…」

 

大きな声を出してビビったのか震えながらロックがつぶやいた

 

「お前…そんな遠いとこから来てくれてた子になんてこと言ったんだよ…」

「蒼行くぞ」

「ああ…お前絶対来いよ。それまでに俺とますきで探しとく…レイヤ、ロック、そのバカ連れてきてくれ」

「わかった…行くよチュチュ」

「行かないわ」

「…いい加減にしれや!!!!」

「ロック…」

「どれだけパレオさんがチュチュさんのこと考えてたか…1番わかっとるやろ!?」

「っ…」

「行きますよ!!!!!」

 

ーーー

 

「乗れ蒼!!!しっかり掴まっとけよ!!!」

「うおおおおお!!!スピード出しすぎだバカ!!!…てかお前鴨川ってどこか分かんのか?」

「知るか!!!走ってれば着くだろ!!!」

「バカヤロウ逆だ逆!!!逆方向だ!!!」

「こっちか!!!」

「うおおおお!!!安全運転交通ルール守れ!!!!」

「うるせえ!!早くパレオ見つけなきゃだろうが!!!」

 

 

どこにいるんだパレオ…!!




急展開ですなぁ…
そろそろ次回作(書くか未定だけど)のめっちゃ大雑把なストーリーを考えようかなと思うんですけど、皆さんどんな作品が好きなんですかね…?ちょっと大人な感じ(意味深)とめちゃくちゃヤンでデレるの、どっちがお好き??()


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本心を出して

スマホが壊れて更新できていませんでした()
タイミングがタイミングだからお気に入り減っちゃってるかと思いきや増えてて感謝です…
とりあえずやばいかな?と思ったところ消したので、パレオ救出からオリジナリティ全開で参ります!前回の話を覚えてる人は記憶から消してください←


「全然いねえなー」

「まあ、そもそも家がどこかも分からず出てくるのが無謀だった…」

「とりあえず学生に聞き込みすれば見つかんじゃね」

「そんな簡単に見つかるかな…」

 

「もしかして鳰原さんかな?」

「そうだよ!普段めちゃくちゃ真面目だけど、可愛いー」

 

簡単に見つかった…

 

「この子の家ってわかったりしない…?友達なんだけど…」

「えーっと…」

 

 

鳰原

表札にしっかりと刻まれた家に来たが、明かりはついていなかった

 

「留守…か?」

「しゃーねえ、待つしかねえか…なんか飯買いに行くか」

「そうだな…」

 

「お前いちごミルクなんて飲むの?甘いもの食えないのに?ぷぷぷ笑」

「バカにすんな…好きなもんは好きなんだよ…あっ…すいません、どうぞ」

「いえ、どう…ぞ…」

「「「あ」」」

「「パレオ!?」」

「っ…!!違います!!」

 

そう言うと黒髪の少女は一目散にコンビニを出た

 

「追いかけるぞ!!」

「おい商品は!!」

「すいませんこれください!お釣りいらないんで!!」

 

2000円をレジに置き(弁当とお菓子と飲み物で1760円、計算はちゃんとしてた)急いで店を出る

 

「パ、パレオちゃん…待って…」

 

速い、速すぎる…追いつけない…

 

「パレオー!!!」

 

でかしたますき!!バイクならさすがに…追いつけてない!!?

 

 

ーーー

 

「…じゃがこり、食う…??」

「…いただきます…」

 

海沿いに逃げてきたパレオ(?)をなんとか灯台の方へ追い込み、逃げ場を無くして話の場を設けることが出来た

 

「…鳰原令王那っていうのな」

「ごめんね、同級生の子に写真見せて、名前と家聞いたんだ…」

「…何か言ってましたか」

「可愛いって」

「そうですか…パレオは私と違って可愛いですからね」

「令王那ちゃんもかわいいよ」

「…パレオはもう居ません、もう、帰ってください」

「お前…RAS辞める気か?」

「…私が居なくても大丈夫みたいですから」

「そんなことないよ…あいつがなんか言ったんでしょ?」

「…チュチュ様は、蒼さんがいれば良いみたいですので」

「…俺は嫌だ、パレオが辞めるなら俺も脱走する」

「おい蒼??」

「君がパレオだろうが令王那だろうがどっちでもいい、君がいなきゃ…レイヤ、ますき、ロック、パレオ、君たちが居なきゃ俺はあそこにはいたくないし、チュチュの事も変えられない」

「…どうしてそこまで言うんですか」

「…レイヤからチャットだ、チュチュとロックと一緒にこっちに向かってるらしい、私場所教えに行くから待っててくれ!」

「わかった…どうしてそこまで言うかって?君があの時、俺を縛って部屋から出られないようにした時…辛そうだったから」

 

「今だって辛いんでしょ?辛いことは全部俺が聞いてやるから、怖がらなくていいから、パレオにしか価値がないってみんなが言ったとしても、俺は鳰原令王那にも価値があるって思わせてみせる、絶対に」

「っ…」

「まあ、チュチュが本心でそんなこと思ってるとは思わないけどな、今こっちに向かってるのが証拠だ」

「蒼さん…」

「泣くな泣くな」

「パレオー!!!」

「チュチュ様…」

「ほら、いっておいで」

「っ…チュチュ様ー!!」

「ごめん…言いすぎた…」

「私こそ…ごめんなさい…」

「一件落着かねぇ…ありがとなレイヤ、ロック」

「そうみたいだね」

「とんでもないです!」

「SNOW…あなたにも…ごめんなさい」

「お?おう、わかりゃいいんだよ」

 

「なぁレイヤ、やけにあのクソガキゃ素直になったな…何したんだ?」

「ロックが怒ったからかな…」

「え、ロックって怒るとくっそ怖いの…」

「うーん…本人のメンツを守るためにも、内緒…」

「なんだそれ…くそ気になるな」

「さ!帰りましょ!!」

 

 

ーーー

ー電車の中ー

「こんな遠くから通ってたのね…」

「…はい」

「…いつもありがとう…」

「…はい!」

「…SNOWのことについて、話があるの、後でMASKINGにも言うつもりなんだけど」

 

 

ーー

ーバイク組ー

「はーらへったなー」

「それなー…弁当小さかったもんな…」

「…ラーメンでも行かね?いい店あるんだ」

「マジで??行く行くー、てか鴨川ってすげえ星見えるのな」

「マジ?うおおお!!すげえ!!!!」

「お前は前を見ろ!!!あぶねえ!!!!」

 

ーーー

 

「SNOWのこと?」

「…SNOWにも申し訳ないことをしたわ、無理やり私のものにしようとして…だから…」

 

「SNOWを、Roseliaの元に返そうかと思う」

 




すげえざっと終わらせてしまった()
スマホ壊れた時とかお休みの時とか連絡したいし、Twitter作ろうかな…音ゲーとかの交流もしたいし…迷う…


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前哨戦

別ゲーの名前出すのは大丈夫よね…??
某DJゲームで単発3連続で星4出ました、2枚被りだったんですけど多分僕明日にはタヒn


「蒼をRoseliaに返すー???」

「…yes、無理やり連れてきてしまったしね…」

「…確かにな」

「…寂しいけど、しかたないよね」

「元々私たちのマネージャーではないですからね…」

「…蒼さんにも話して、改めて謝りましょう…」

 

 

「いやー…まだここにいようかな」

「「「「「え?」」」」」

「いや、めっちゃ帰りたいよ?燐子さんに会いたいし、抱きしめたいしキスしたいし一緒に寝たいし」

「こ、ここぞとばかりに惚気けてきたわね…」

「でもあいつらは俺が帰ったところで負けた借りは必ず返すと思うし、1ファンとして、あいつらの成長した音楽を聞いてみたいっていうか…」

「もし、お前らがほんとに申し訳ないと思ってるなら、責任もってあいつらが取り返しに来るまでお世話してくれ」

「…し、仕方ないわね…」

「チュチュ様めっちゃ嬉しそうですね…」

「ますき、このことはRoseliaには内緒で頼むな、さすがにブチ切れられそう」

「おう、任しとけ…じゃあ様子見、行ってくるわ」

 

 

ーーー

 

BanG Dream予選まで残り1週間

アタシたちは毎日練習に打ち込んでいた

 

「うん、だいぶいい感じ」

「そうですね、音の力強さが増しているような気がします」

「集中力も続いているし」

「これなら勝てる…!!!」

「油断はできません…湊さん、本戦用の曲の方はどうですか?」

「ええ、いい感じよ…」

「おーっす、やってるな」

「…ますきさん」

「燐子さーん、蒼は元気だから安心しな」

 

RASのドラム、ますきさん

この人は蒼を奪われてから定期的に蒼の様子を伝えに来てくれる、何が目的なんだろう

 

「変なこと…してないですよね…」

「してないしてない!!」

「ますきさん、今日は視察も兼ねてるんですか?」

「あー、まあな…まあ、お前らなら余裕で本戦に勝ち上がってくるだろ」

 

 

思ったけど…もうチュチュ返す気だし、ぶっちゃけここに来る意味もねえんだよな…

まあ、BanG Dream楽しめばいいか…

 

「まあ、楽しませてくれよ、本番も私たちが優勝する」

「望むところよ」

 

 

まあ、目的はともかく

ますきさんがいい刺激をくれるから、アタシたちも頑張れる

 

「さあ、もう1回通しするわよ!」

「「「「はい!」」」」

 

待っててね、蒼!!

 

 

ーーー

 

「そっか、あいつら…」

「めちゃくちゃ練習してたよ…確実に実力は上がってる…こりゃあやべーかもなチュチュ」

「ふっ…SNOWは返してあげなくもないけど、優勝するのは私たち、RAISE A SUILENよ」

「そうだね、音楽だけは絶対に負けられない」

「私達も練習しましょう!!」

 

なんかめっちゃいいなぁ、青春してるな

こいつらも、仲良くなってくれてよかった…

俺も俺なりにこいつらバックアップしますか…

 

予選まで1週間、俺は食事を作ったりアドバイスしたりと、バックアップを続けた

そして前日

 

「改めて説明しますと予選は1週間、指定されたライブハウスで行われる対バン形式です。お客様にどのバンドが1番良かったかを投票してもらって、ポイントの合計ポイントがバンドのポイントになります、ライブの回数は特に指定は無く、またライブハウスによってキャパも違うので、やればやるほど、大きい会場になればなるほどポイントは稼げますがデメリットもあります、もちろん曲にレパートリーもなくやり過ぎれば飽きられますし、大きい会場は票数も割れる可能性がありますので、そこは作戦次第って感じですね…」

 

「1番大きい会場で、1日1回、土日は2回を目安に活動するわ」

「曲も1曲は固定、他の2曲はこの5曲の中から割り振ります。締め切り後1週間で結果発表、2週間後に本番という形になりますので、1ヶ月後、つまりクリスマスの日が本番です!」

「なるほどな…すげえでかい大会だな」

「なんてったって、ブドウカンよ!!私たちが頂点に立って、最強のバンドだってことを証明するわよ!」

 

さすがだな…チュチュがみんなのことを考えるようになってから、さらにすごいバンドになってる、分析してしっかり作戦を練る…とんでもないプロデューサーだ

みんな、大丈夫かな…

 

 

ーーー

 

「恐らくRAISE A SUILENは1番大きな会場を本拠地にするはずよ」

「そこで活動するとなると、1位通過は危ないかもね…たしか本戦へは2バンドが行くんだっけ??」

「そうですね、ですが…だからといって妥協はしません、私たちが目指すのは1位通過優勝のみ」

「友希那さん、私たちはどうしますか??」

「…私たちは2つのライブハウスを拠点にするわ、回数は1日1回ずつ、中くらいと少数のキャパのライブハウスをね」

「放課後から2回ライブ、しかも別のライブハウスでやるのは大変ですが、合計するとRASが本拠地にするであろうライブハウスのキャパを200ほど超えます、全ての票数が入るとは思えませんので、ある程度の計算をしましたが、この2つなら飽きることなく票数を貰えるかと」

「曲はどうするの??」

「1曲は固定にして認知を貰う、ほかの2曲は5曲からランダムで割り振りでどうでしょうか…」

「りんりんナイスアイディア!!!」

「そうね、その作戦にしましょう」

「今日はこの辺りで終わりにしましょう、明日から予選なんだから、みんなしっかり休むように」

白雪くん

私、私たち頑張るから…もう少し待っててね

必ず勝って、取り戻してみせるから…!!




オリジナリティ全開はすげえ難しいな…元々アニメを元に作ってたからなぁ…
2作目の案も丸潰れになっちゃったから、これは次回作検討だな…
今作だけでも楽しんでってください(震え


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最高の音楽

時間が無いは言い訳です(持論)
更新遅れて申し訳ありません…
これからも多分更新遅れると思いますが、必ず完結まで書きますのでよろしくお願いいたします…


いよいよ始まったBanG Dream予選

優勝決定戦に進むために、私たちはライブハウスにて演奏を披露し続ける

 

参加バンドは300を超え、まさにガールズバンド最強を決める大会になった

 

「ふー、さすがに学校終わり2公演は疲れるねー」

「ライブハウスも2箇所ですからね、かなりきついスケジュールになります」

「それでも、やりがいはあるわね」

「そうですね…」

「みてみて!!Roseliaの票数!!90票だって!」

「キャパの小さい会場だから…大体9割はとってるね!!」

「この調子で行けば優勝間違いなしだよ!!」

「油断はできません、まだ始まったばかりですよ」

「そうね、気を引き締めていくわよ」

 

 

 

ーーー

 

「明日で最後だね、予選」

「そうですね…」

「今のところの順位は1位、恐らくどこのバンドもラストまで出るはずです」

「まだ油断はできないってことですね…」

「私たちらしく行きましょう、今できるのはそれだけよ」

 

そう、不安になってる暇なんてない

白雪くんを取り戻すために、絶対に優勝決定戦に進む

 

 

「終わったねー!!」

「あとは来週の発表を待つのみですね」

「明日土曜日だし、どこか出かけませんか!?」

「そうね…」

「水族館でも行っちゃおうかー」

「いいですね!!」

「では予定は後で立てるとして、今日は早く帰って休みましょう」

 

 

急遽鴨川の水族館に行くことになった

正直1人だと落ち着かなかっただろうから、凄く嬉しい

 

 

 

ーー

「鴨川ついたー!」

「とりあえず水族館向かおうか」

 

「りんりん!!早く入ろ!」

「待ってあこちゃん…」

「…燐子さん?」

「…え??」

「白雪くん…」

 

「蒼さん!?」

「あら、あなた達も来てたの?」

 

そこには白雪くんと、RAISE A SUILENがいた

 

「ええ…あなた、雰囲気が変わったかしら?」

「そんな事ないわよ」

「…燐子さん!!」

 

白雪くんに抱きしめられる、ずっと会いたかった人に

力強く抱きしめ返す

 

「ち、ちょっと2人とも!気持ちはわかるけどここ入口だから…」

「そうだな…チュチュ」

「…はぁ、1時間だけよ」

「じゃあ燐子、後でね」

「え??は、はい…」

「俺達も行こう燐子さん」

 

急に私たちを残してRASは左、Roseliaは右側に行ってしまった

これって、デートだよね…

 

私たちは大水槽の前の椅子に座った

 

「…お久しぶりです」

「…はい、本当に」

「…すいません、俺のせいで」

「…許しません」

「っ…燐子さん」

 

困ったようにこっちを見た白雪くんに、そっとキスをした

驚いた顔をしてこちらを見る白雪くん

 

「…必ず、取り返しますから…そしたら、もう二度と離さないでくださいね…()()()

「っ…はい、燐子さん!」

 

そう言って今度は蒼くんから、キスをしてくれた

周りなんか気にならなかった、この瞬間を1秒も無駄にしたくない…

 

「SNOW、行くわよ!!」

「わかったよ…それじゃあ燐子さん、また…」

「はい…また…」

 

楽しかった時間はあっという間に終わった

 

「りんりん、楽しめた?」

「うん、とっても…」

「幸せそうな顔だね、燐子」

「はい…」

「良かったわね、白金さん」

「ありがとうございます…」

「これで1週間、不安にならずに待てるわね」

「…そうですね、絶対に、優勝決定戦に進みましょう」

 

大丈夫、絶対に大丈夫

蒼くん、今度はゆっくり水族館見に来よう

他にも色んなことしたいから、もう少し待っててね。




この話を入れてあと5話、30話が最終回になるように書いてます、ただでさえ薄い肉を限界まで伸ばしてる感じなので物足りなさがあるかもしれません…申し訳ない…


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最強の音楽

RAS側の予選です、予選と言ってもほとんどRoseliaと変わらない書き方です、ほんと内容薄くて申し訳ない…。゚( ゚இωஇ゚)゚。


BanG Dream予選開始から6日

本日最終日となったわけだが、今のところ予選は2位、1位はRoselia

 

「なかなかやるわね…」

「1番大きいキャパの会場でやっているのに遭遇しないあたり、中規模のライブハウス2つ、もしくは中、小1つずつでライブしている可能性が高いですね」

「まー今日で1位になればいいだけの話だろ??よゆーだ」

「油断大敵ですよますきさん…」

「ロックの言う通りだね、気を引き締めて行こう」

 

 

 

ーー

「終わりましたー!!」

「みんなお疲れ様、いい演奏だったわ」

「会場の盛り上がりも最高だったな!!」

「うん、これなら行ける!」

「あとは結果を待つだけですね…」

「明日お休みですし、どこか行きませんか??」

「どこ行く??」

「鴨川!全然観光できなかったですし、私が案内しますよ!!」

「チュチュ、いいんじゃねえか?」

「…そうね、みんな頑張ったし、息抜きも必要ね」

「やったー!!」

「とりあえず今日は早めに帰って休もうぜー」

 

 

ーー

「到着ですー!」

「まずは水族館に行きましょう!!」

 

「前来た時は観光どころじゃ無かったからなぁ」

「せっかくだから、楽しもうね」

 

「ん?あれって…」

 

 

 

そこには見覚えのある黒髪の女性がいた

愛してる人のことだ、すぐにわかった

 

「燐子さん…?」

「白雪くん」

 

驚いたようにそうつぶやく燐子さん

 

「燐子さん!!」

 

思わず抱きしめる、燐子さんも抱きしめ返してくれる

幸せすぎる…

 

「ち、ちょっと!気持ちはわかるけどここ入口だから!!」

 

リサが声を荒らげる、周り気にならなすぎて忘れてた…

 

「そうだな…チュチュ」

 

少しだけ、と気持ちを込めてチュチュをみると、察してくれたようだ

 

「…はぁ、1時間だけよ」

 

そう言ってみんなを引き連れていってくれた、Roseliaのみんなも気を使ってくれたようだ

 

「俺達も行こう、燐子さん」

 

大水槽の前に座った

久しぶりの再会、ぎこちない空気が流れる

 

「…久しぶりですね」

「はい、本当に…」

「…すいません、俺のせいで」

「…許しません」

 

不安になった、燐子さんが怒るのは初めてだ…

そう思っていた時、燐子さんにキスをされた

 

「…必ず取り返しますから、もう二度と離さないでくださいね…蒼くん」

 

初めて名前で呼ばれた

恥ずかしそうに、微笑んだ燐子さんが愛しくてたまらなかった

 

「はい、燐子さん」

そう言ってキスをし返す

 

「SNOW!行くわよ!!」

 

あっという間に1時間経ってしまった、ほんとに1時間ジャストだった

 

「わかったよ…じゃあ燐子さん、また」

「はい、また…」

 

そう言ってRoseliaの元へと帰る燐子さん

 

「…今からでも戻っていいのよ?」

 

なんとも言えない顔でこっちを見ながらチュチュは言った

 

「…いや、いいよ、元々BanG Dreamで勝った方のところに行くって約束だからな」

「そう…」

 

その後少し水族館を見て回って、ご飯を食べたりした

 

RASとの観光も楽しかったけど

やっぱり燐子さんといたいって気持ちが増した

 

すいません、本当に俺のせいで

必ず取り返してくれるって信じてます、戻ったら二度と離さない

だから、もう少しの辛抱だ

 



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奏でるものとして

今週中には終わらせてみせる(震え


優勝決定戦進出バンド発表前日

明日、絶対に負けられない戦いへ進めるかが決まる

 

頭の中では、進出は当たり前、優勝のことだけを考えて自主練をしなければとは思っている

それでもやっぱり不安になる、練習に身が入らない

そう思っていた時、スマホの通知が来た

Roseliaのグループ、あこちゃんからだった

 

「なんか不安で練習に身が入らないですー…(><)!」

 

返そうと思ったら今井さんが返事をした

 

「わかるー、アタシもとりあえず湯船に浸かってリラックスしてる(^^;」

 

すると氷川さんが

 

「全く2人とも…進出は当たり前、今は優勝決定戦に向けて、新曲の練習をしっかりやってください」

 

「って言う割には普段はすぐ返さないのに今日はすぐ返事したねー( ̄▽ ̄)」

 

「…私は不安になんてなっていません!!!」

 

みんな気持ちは同じなんだ…やり取りを見て何だかほっとした

 

「気持ちはわかるけど、今は練習をしましょう。大丈夫、私たちなら必ず優勝できるわ」

 

友希那さんが返事をする

 

「そうですね、絶対優勝しましょう」

 

そうLINEをして、私は鍵盤に視線を向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

優勝決定戦進出バンド発表前日

 

まあ、私たちならよゆーで進出、メンバーに優勝決定戦で披露する新曲を聞かせた

 

「OK?これで私たちは、改めて最強の音楽を奏でる最強のバンドになる!」

「めちゃくちゃかっこいいじゃん!!気に入ったぜ」

「うん…これなら優勝できそうだね」

「さすがチュチュ様です!!!」

「練習…頑張らんと…」

 

それぞれがそれぞれの反応をする

BanG Dreamが終わる()()のマネージャー…いや、居候にも、意見を聞く

 

「SNOWはどう思った?」

「…正直、すげえと思う…これがさらに練習されて、RASの音楽になるって考えると楽しみで仕方がない…でも、優勝するのはRoseliaだな」

「貴重な意見ありがとう」

 

愛する蒼(あなた)がどれだけRoseliaを応援しようが、白金燐子(愛する人)を想っていようが

私たちは最強の音楽を人々に届ける、優勝だけは絶対に譲らない

 

それが、奏でるものとしての責任だから。

 

 

 

 

 

 

ー優勝決定戦進出バンド発表当日ー

 

私たちはファミレスで発表を待っていた

「ねーねー、まだですか???」

 

あこちゃんがジュースを飲みながら答える

 

「落ち着いて?あと10分だよ」

 

今井さんがそう答えるが、スマホを持つ手は震えていた

 

「大丈夫よ、今までだっていくつもの大会で優勝してきたじゃない」

 

友希那さんはコーヒー(砂糖をたくさんいれた)を飲みながら冷静に答える

確かにそれはあるけど、やっぱり蒼くんを取り返す大事な大会となると不安は大きい

 

「あ!!出た!!!」

 

今井さんがそう言って、私たちはスマホを覗き込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー優勝決定戦進出バンド発表前日ー

 

「あと5分です」

「重要なのは進出出来るかじゃない、順位よ」

「進出は確定だもんな」

「とはいえ、ちょっとドキドキするね」

「進出したら憧れの武道館…」

「SNOW、今の気持ちは?」

「吐きそうなくらい緊張してる」

「なんでお前が緊張してんだよ笑」

「うるせーな!するもんはするんだよ!」

 

「あ!!順位出ました!!!」

 

 

 

 

 

 

1.Roselia

 

「やった!!1位だよ!!!」

「ちょっとまって??」

 

 

1.RAISE A SUILEN

 

「やりました!!1位です!!…けど」

「これって…」

 

 

 

1.Roselia

1.RAISE A SUILEN

2.Poppin’Party

 

 

同点だ

見事に同点だった

ちょっと待て、進出って上位2グループだっけ??それならRoseliaとRASが進出、1位と2位ならRoselia、RAS、Poppin’Party、3グループが進出…

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「これってどうなるの???」」」」」」」」」」」

 




どうなるんでしょう()


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rauch & craziness

まだ完結させていないのに次回作を思いついた男()


数時間後、大会実行委員会より追加で、Poppin’Partyの本戦出場も認められた

 

まあ、上位2グループとはいえ同点1位が出るとは思わなかったから、落選したバンドからの異議は無いだろう

 

「やったー!!ポピパさんと同じ大会に出れるなんて…夢みたいや…」

 

ポピパヲタのロックは泣いて喜んだ

憧れてた人達と武道館で対バンなんて、そりゃ泣くほど嬉しいよな、良かったなロック…

 

 

 

 

1週間、みんなはスタジオに篭もりきった

 

本番で聞いて欲しいからと言われ、俺はスタジオはおろか、リビング、自室以外に行っては行けないという若干の軟禁状態に陥った(自室にトイレがあった事には感謝しかない)

 

リビングに戻ってくるのは食事の時のみ

 

「だ、大丈夫か…??」

「…わりぃ、今は話しかけないでくれ…ください…」

「あのますきが敬語だと…ろ、ロックちゃ」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

「いや、こっちがごめんなさい…れ、レイヤ、喉はだいじょ」

「ぅん…大丈夫…ぎにじなぃで」

「ほ、本番大丈夫…????」

 

本番が心配になるくらい疲れ切っていて…パレオに関しては今まで見た事のないような顔でこっちを見てきた(恐らく話しかけたら〇すと目で訴えている)ので声をかけられないくらいの状態だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直焦っていた

Poppin’Partyのみなさんも本戦出場する事になったから

私たちは知っている、Poppin’Partyさんの底力を

どんな状況でも逆転出来るような絆の力を

音楽だけを追い続けていた友希那さんすら変えてしまった不思議な力を、彼女たちは持っている

1番怖いのはRASじゃなく、彼女たちなのかもしれない

みんな、考えていることは同じだった

毎日circleに集まって、まりなさんにお願いをして営業時間ギリギリまでスタジオを貸してもらった

 

「疲れた…」

「なんも喋りたくない…」

「もう少し…頑張りましょう…」

「私たちに休んでる暇なんてないわ…」

 

それでも私たちは負けない

私たちはこの中で一番成長していると言える自信があるから

 

「もう1回…合わせましょう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

BanG Dream当日

 

ー武道館ー

 

「でっけえ…」

「ほんとに私たち、ここでライブを…」

「まあ、私たちRAISE A SUILENが最強だと証明するに相応しい舞台ね…ブドウカン」

「イントネーションがおかしいんだよ…」

 

俺たちはリハ前、機材をセットしている様子を客席から見つめていた

 

「あー!!蒼さんだ!!」

 

後ろを振り向くとポピパの面々がいた

 

「あれ???君ー、あんた達なんてぶっ潰してやるー!みたいなこと言ってた子だよね??」

「…お前何言ってんだ…」

「うるっさいわね!!ほんとのことよ!!!今日覚悟しておきなさい!!!」

 

頬を髪の色以上に真っ赤に染め上げたチュチュが声を張り上げる…そんな時期もあったなぁこいつ…

 

「あれ??蒼さんRoseliaさんと一緒じゃないんですね???」

「あー、まー色々ありまして」

「今日だけうちのマネージャーなのよ」

「???ふーん、あ!!友希那さんだー!」

「あら、お揃いのようね」

「ようやく来たわね…練習はしっかりしてきたのかしら?」

「当然よ…私たちが優勝するわ」

「前回と同じ結果にしてあげるわ」

「何だかよくわかんないけど、私たちだってここに来たからには絶対優勝します!」

 

おお、なんかすげえ、最終決戦感…!!!!

 

主人公感やばいポピパ

そのライバルっぽいRoselia

真のラスボス感満載のRAS

 

これはもう、最終決戦といっても、いいんじゃないでしょうか…

 

 

 

 

俺は今日までRASのマネージャーということで、RASの控え室にきていた

 

 

「緊張は?大丈夫か?」

「全くしてないわ、私たちはもっと大きなステージでライブする、今から緊張してたら笑いものよ」

「私は少し…」

「ロック!!!シャキッとしなさい!!!」

「まー楽しもうぜ!!」

「うん、私たちの音楽を」

「いつも通り!です!」

「お、始まりそうだな…じゃあ、俺は関係者席に行くから」

「あ、待ってください!円陣しませんか??」

「え?俺も???」

「はい、蒼さんもまだRASのメンバーですから!」

「はいはい」

「…私はするなんて言ってないわよ」

「「「「「………」」」」」

「…わかったわよ!!!早くしなさい!!!」

 

「こういう時ってなんて言うんだ?」

「チュチュ様がリーダーですから、どうぞ!」

「え、ちょ、what!?え、えぇ…頑張るぞー!!」

「「「「「「お、おおー!!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1番最初はPoppin’Partyだ

楽しげな曲調で、会場の温度を上げていく

本人たちも楽しそうにライブをしている、緊張しているだろうが、今このときを本気で楽しんでいる

いいバンドだな…

 

 

さて、次だ

 

 

Roseliaが出てくる

ポピパが上げてくれた熱を冷ますような曲調

だが、決して雰囲気を変えない、冷ましすぎない絶妙なバランスで演奏している

ふと、あの日を思い出した

リサに誘われ初めて行ったRoseliaのライブ、そこでみた淡雪のような、燐子さんの表情、演奏

俺はやっぱりRoseliaが好きだ

 

 

そしてRAISE A SUILEN

こいつら、特にチュチュには本当に振り回された

だが、今思えば楽しかったのかもしれない

Roseliaのみんなにはこんなこと思ってたら怒られそうだけど

人として、マネージャーとして成長できた気がするのはこいつらのお陰だ

いつも聴いていた曲だが、力強さと精度が圧倒的に違う

そしてなにより、楽しそうに演奏をしている

こいつらなら間違いなく、世界に飛び出していくようなバンドになれる、そんな気がする演奏だった

 

 

 

 

 

 

 

 

「これより結果発表を行います」

 

実行委員会代表としてまりなさんがステージに立ち、そう言った

 

「グランプリは…」




お待たせしました、次回、最終回になります
明日更新します(絶対に)
下手くそな文面ではありますが、最後までお楽しみにしていただければ幸いです


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淡雪のような

「グランプリは…Roseliaです!」

 

紙吹雪が大きな音を立てて放たれる

あこちゃんと燐子さんが喜んで、リサが微笑み、友希那と氷川さんが当然と言った顔をする

いつも通りだが、前とは違う

頂点に狂い咲いたRoseliaは、新たな実力と自信、オーラが溢れていた

 

「ベストパフォーマンス賞は」

 

会場がどよめいた、てっきりグランプリだけだと思っていた…

 

「Poppin’Partyです!」

 

やったー!!と有咲ちゃんに抱きつく香澄ちゃん(どんな声量してんだ)

嫌がりつつも満更でもなさそうな有咲ちゃん

それをみて苦笑いする沙綾ちゃんと、泣きそうになっているりみちゃん、その光景を嬉しそうに見つめるたえちゃん

 

 

初めてcircleに来た時のことを思い出す…

あの時からは想像もできないくらいすごい演奏だった、ベストパフォーマンスに選ばれるのも納得できる

彼女たちはもっともっと、成長していく

そう考えたらRoseliaを脅かすのはやっぱり彼女たちなんじゃないかと不安になったのと同時に

 

すごく楽しみになってきた…!

 

 

 

 

 

「ベストバンド賞は…RAISE A SUILEN!」

 

RASにも賞は与えられるだろうとは思ったけど、ベストバンド…

 

正直1番、ベストバンドを貰うには程遠いバンドだった、前と同じRASだったら。

 

彼女たちは変わった、特にチュチュが変わってからは、絆がさらに深まった

 

レイヤとますきがハイタッチしてロックは号泣、パレオがチュチュに抱きつく、嫌がりながらも満更でもなさそうな顔をするチュチュ

 

前までのチュチュだったら、きっと不満そうな顔をしていただろう

それが今あんなにも穏やかに、嬉しそうにしている

悔しそうな表情をしていたのはグランプリが発表された一瞬だけだった

 

間違いなく、ベストバンドはRAISE A SUILENだった

 

 

興奮冷めやらぬ中、初代BanG Dreamグランプリ…優勝は、Roseliaに決まり、幕を閉じた…

 

 

 

 

 

 

 

「皆が優勝みたいなものだったわ。改めて、蒼をかけて勝負しましょう」

 

終了後、控え室に現れたRoselia、友希那はそう呟いた

 

「…グランプリはグランプリよ…私たちはベストバンド、それ以上でもそれ以下でもないわ」

「今回は…負けを認めるわ」

「…あなた、本当に変わったわね」

what(ええ?)?よく分からないわ??」

「って事で、早く行きなさいSNOW…いや…白雪蒼」

 

 

 

「ますき、お前のおかげでケーキが少し食えるようになった…ありがとな」

「いつでも作ってやんよ」

 

「レイヤ、俺の好きな歌を弾き語りしてくれてありがとうな、すげえ感動した」

「たまには私たちのライブ、聞きに来てね」

 

「ロック、たまに温泉行くよ」

「いつでもお待ちしてます…!!」

 

「パレオ、無理だけはするなよ…しんどくなったらいつでもcircleに来てくれ」

「ありがとうございます!心強いです!」

 

「チュチュ…お前のせいでさんっざんな目にあった!!!でも!!!悪くはなかった!!!」

「…あなたの事諦めるとは言ってないわ…必ず振り向かせてみせる!!覚えておきなさい!白金燐子!あなたもよ!!」

 

 

「わかったよ!!!…じゃあ、今までありがとな、お前ら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本っ当にすいませんでした!!!!」

 

会場を出て俺たちは駅まで歩いていた…みんなの3歩後ろを歩いて

 

「別に怒ってないよ、ねー友希那ー」

「そうね…またキレて勝手な行動をしただけだもの、怒る理由がないわ」

「めちゃくちゃ怒る理由ですよねそれ…ねえ…」

「まったく…あなたはもう少し大人な考えを持つ方だと思ってました」

「なんも言えませんほんと、ごめんなさいしか言えません。」

「1番に謝る人がいるんじゃないかなーって、あこはおもうよー」

「…」

 

圧が…背中からの圧が友希那の内側というか中の人というかよりすごい…

 

「あ、あの時…燐子さん…ほんとすいませ」

「許しません」

「燐子さぁん!?」

 

後ろを振り返り駆け寄り、抱きつかれ、そしてキスをされた

 

「…もう二度と離さないって約束してくれるなら…許します」

「…もう二度と離しません…離さない、燐子」

「…大好きだよ、蒼」

 

「イチャイチャするのもいいけどー、先駅行っちゃうよー」

 

「あー!待てよ!行こう燐子!」

「うん…!」

 

12月25日

去年は過去最高の寒さって言われてたけど今年はそうでも無い気がする

最近あったかいってだけで、年を越したら寒くなるかもしれない

もしくは、暖め合える大切な存在が出来たからか

それが分かるのは、まだ先になりそうだ

 

4人を早足で追いかける俺と燐子の足元には、淡雪が積もっていた




終わってしまいました
個人的には100%書きたかったものがかけたかと聞かれたら全くです、まあガイドラインとか、色々理由はあるんですけど
後半(前半もだけど特に)グダグダして、自分でも何を書きたいかよくわかんなくなってました

それにも関わらず暖かい感想をくださった皆様、いいねをくださった皆様、しおりをつけてまで読んでくださった皆様、なにより読んでくださった全ての方へ心からの感謝を申し上げます、ありがとうございました

100いいねをこえるほどの作品になるとは思ってなかったので、本当に嬉しいです

一応2つほど新たな作品を思いついてはいます(完全オリジナルなので今度はグダラらない、はず…)

最近忙しいので毎日投稿は厳しいかもしれませんが、書ければ3月からのスタートにするつもりですので、またご縁がありましたら読んでいただければ幸いです(どっちの作品を書くかはまだ決めてませんので、今月中にしっかり決めて大体のあらすじを考えておきます)

長くはなりましたが、以上で淡雪のような、完結とさせていただきます
本当にご愛読、ありがとうございました

病弱ニートくん


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