大日本帝国から日本国へ (纏天都)
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第一話 纏弌華着任する

皆さん初めまして。初投稿ですのでいろいろ至らぬ点もあると思いますがご了承下さい。
ご意見などが有れば感想までお寄せください。


1939年ドイツがボーランドに侵攻したことによって第二次世界大戦が始まった。その半年程前日本軍ではある特殊部隊が本格的な活動を始めようとしていた。

 

 

1939年大日本帝国 横須賀

「失礼します。纏弌華です」扉を叩き入ってきたのは齡17歳くらいの少年。しかし、同年代の子供達と違って細身ながらもがっしりと鍛え上げられた肉体と虚ろのような目が異質さを感じさせる。

「ようこそ横須賀鎮守府へ。まぁ、座ってくれ」そう言うと男はソファーに座り目の前の少年にも着席を促した。そのあと少し世間話をした。

「今回君を呼んだのは、着任場所が決まったからだ。と言っても元からそこしかないのだがね」男は目の前の少年に書類の入った封筒を手渡した。

「本日付で君は帝国軍少尉としてそこに配属される。まぁ、君の姉上もそこにいることだし直ぐに馴染めるだろうさ」

「ご配慮有難うございます」

「癖の有る奴が多いが頑張ってくれ。もうそろそろ迎えが来る、そとに出た方がいい」

「了解しました。皇国のため精進して参ります」

「いい返事だ。駐車場まで送ろう」

 

~玄界島~

帝機軍――大日本帝国特別機動軍は遡ること十二年前一人の軍人とその賛同者達によって結成された。軍の中でもその正体を知るものは少なく殆どが闇に包まれている。

「ようこそ我ら帝機軍の本拠地へ。私はここの副司令官を勤めている河上嘉章という、以後よろしく頼む。司令は今本土の方に用事が有って今は居ない」

「出迎え有難うございます。纏弌華、階級は少尉です」

「纏……?お前、アイツの親類か?」

「はい、弟ということになります」

「成る程、これで奴がおとなしくなってくれれば良いんだがね。……まぁ良い。では施設を案内しよう」それからしばらくの間施設を回った。中々に大きく暫くは道に迷いそうな感じだった。

「……さて、此処が最後の場所となるが。」弌華がつれてこられたのは〈食堂〉と木の板に墨で書かれた部屋だった。

「では、扉を開けよう。」扉が開けられた瞬間クラッカーのけたたましい音が弌華を出迎えた。

「「着任おめでとう!!」」総勢100名による盛大な歓迎会が開かれた。弌華は様々な人から歓迎の声を貰った。そして机上に乗った豪勢な食事とその場の楽しげな雰囲気相まって楽しい一時を過ごした。

「そういえば姉上を見なかったんですけど、どこにいるか分かりますか」

「あぁ、案内がまだだったな」河上は弌華をつれて一旦外に出て山奥まで登った。

「ここの地下に彼女はいる」そこは鋼鉄製の厚さ60センチほどの扉が等間隔に三枚並べられていて、さらに厳重に何重にも鍵やら鎖やらが掛かっていて、普通の状況ではなかった。

「開けるぞ」少し錆び付いた金属音と共に分厚い壁は開いた。中を覗くと暗闇でよく見えなかったがどこまでも続く螺旋階段のようになっていて、空気も重く暗く、さながら地獄の入り口がこの世にあったらそんな感じだろうというものだった。

「入るぞ……」鈍い金属音をたてながら二人はなかに入っていった。

「此処だ。俺は外で待っている。」そして弌華を中に入れて厚い鉄扉を閉めた。そして二個目の扉を開けた瞬間鉄格子に何か激しくぶつかる音がした。

「ハァ……ハァ……ガァッ……」中には弌華に似た少女らしき人がいた。

「姉上、私です。顔分かりますか?」弌華は格子の鍵を開け、中にはいる。

「!?イ……チ……カ……?」

「はい」すると中にいた少女は弌華に向かって猛スピードで飛び付いてきた。

「久しぶりです……というかはじめまして」

「……?」

「私は姉上に直接会うのはこれが始めてですよ」

「ソウ……ダッケ?」弌華は姉の言葉に頷く。

姉の名は纏狂璃。理由あってこのようなことになっている。

「落ち着きましたか?今日は一緒にいてあげますから」弌華は初めて会った自分の姉に微笑みを返しながら共に過ごした。

 

 

 

 

 



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第二話 空挺降下作戦

1939年4月

冬の雪がまだ残る頃霧が立ち込める山奥に小さな軍事施設があった。[中国軍新兵器開発局]の庁舎だ。小規模であるのと木々が立ち込める山奥に存在していたので日本軍から無視されてきた。普段なら警備員が数人憂鬱そうに突っ立って、幾人もの技術者があわただしく走り回っているが、今日はそれがない。異変の始まりは遡ること3時間前、午前3時に起こった。

『今回の任務は敵軍技術の奪取と我が軍初、高度7000mからの空挺降下の実践データ収集にある。我が諜報局によると、この施設には米軍が中国軍に提供した様々な技術があるという。君たちには空挺降下による奇襲によって速やかに当該施設を制圧してもらいたい。詳細な基地図面などは―――』

「以上が嘉章副司令からの通信だ。これが敵施設の図面だ、頭の中に叩き込んでおけ。第1中小隊の隊長は俺、吉田忠一郎が務める。第2中隊は纏弌華少尉が隊長を務めることになる。以上、作戦開始まで各員所定の位置にて待機。」

降下部隊を解散させると忠一郎は弌華だけを残した。

「お前は我が大日本帝国の敷島計画の数少ない成功体だ、だから無理をするな。あとお前の姉の手綱をしっかり握るように」

「了解しました」

「では行っていいぞ」

「はっ」

弌華を見送る忠一郎の気は重かった。二週間前に突然、司令の沖田楓伽から呼び出され空挺降下の練習をするよう言われたのだ。何10回か練習はしたが、不安は拭えなかった。

 

 

敵の索敵網の穴を突くため夜中、霧の濃い時間帯で高度7000mからの奇襲作戦は敵も予測できるものではなく、第一こんな辺境の地に攻撃が来るわけがないと慢心をしていたというのもあっただろう。敷地内の侵入は全くの反撃もなく成功した。

『こちら第1中隊隊長吉田だ、第2中隊応答願う』

『こちら第2中隊、纏です。無事降下完了これより担当区域の制圧に向かいます』

『了解。これより作戦開始する。以後私のコールサインはα1、纏少尉はβ1とする』

~施設内~

暗闇に包まれた廊下に一人警備員が懐中電灯片手に巡回をしていた。男の足取りは重く、眠たそうな顔でだらしなく腰に下げていた拳銃を手に遊ばさせている。

「……全く、何もこないというのに何故巡回しなきゃ駄目なんだ?今だって聞こえるのは俺の足音ぐらいなもんだしなぁ」

独り言を言いながら眠気覚ましに煙草をと思った男は窓を開けた。

「ん?」

その男が最後に発した言葉らしい音は暗闇から出てきた手によって遮られ、何か硬い物が折れる音によって次に紡ぎ出される筈の言葉は幾ら待っても出てくることは無かった。

『こちらβ1、侵入成功しました。α1応答願います』

『こちらα1、我々も侵入に成功した。作戦を続行せよ』

精鋭部隊と一部の存在を知るものに言われるだけあって全施設の制圧は約30分で終了した。

「これが米軍の新型機か。」

「どうやら戦車の類いですね。」

忠一郎と弌華は作戦完了の報告を部下に任せ、一足先に工廠に来ていた。

「我々の戦車は他国に比べ優位であるとは言えないからこれはいい手土産になるな」

「そうですね。あと少しで輸送部隊が到着するそうです。それまでに他に無いか探してみましょう」

「そうだな、東棟は任せた」

「了解」

 

 

作戦成功の一報を受けた帝機軍はすぐに輸送機を発進させ降下部隊の収容を急いだ。今制圧した基地に一式輸送機が三機着陸している。一式は帝国陸軍の九七式輸送機に帝機軍独自の改良を加えた仕様となっている。

「作戦お疲れ様」

帝機軍司令の沖田楓伽は今回指揮を取った二人を労う言葉を掛けていた。

「有難うございます」

「それで、実践データは取れたのかよ?」忠一郎は見るからに不満そうな顔を楓伽に向けた。

「うん。酸素マスクもちゃんと機能してたし、いいデータが取れたよ。そっちは何か収穫有ったの?」

楓伽は弌華に問いかけた。

「はい。まずは稼働中の電探とその資料、後はエンジンの設計図と現物を手に入れました。それと新型戦車が一台あります」

「大収穫だね。それじゃあ、後は他の部隊に任せてさっさと撤退しようか」

「了解しました」帝機軍の初めての本格的な軍事行動は成功に終わった。その後ここで得た情報は日本軍の戦力強化に大いに役立つことになる。

 

 

 




皆さんこんにちは。横浜に動くガンダムが出来たそうですね。コロナが収束したら行ってみたいと思いますが、展示期間中に収束してくれるとありがたいなと思っています。


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第三話 ノモンハン事件①

清王朝が1734年に定めたハルハ東端部(外蒙古)とフルンボイル平原南部の新バルガ(内蒙古)との境界は、モンゴルの独立宣言(1913年)以後も、モンゴルと中華民国の間で踏襲されてきた。しかし、1932年に成立した満洲国は、フルンボイルの南方境界について従来の境界から10 から20 kmほど南方に位置するハルハ川を境界と新たに主張

し、以後この地を国境係争地とした。1939年5月、フルンボイル平原のノモンハン周辺でモンゴル軍と満州国軍の国境警備隊の交戦をきっかけに、日本軍とソ連軍がそれぞれ兵力を派遣し、大規模な戦闘に発展することになる。

 

 

 

遡ること11日前1939年5月1日帝機軍司令沖田楓伽はとある人にに呼びだされていた。

「失礼します、沖田です」

楓伽はドアを2回叩き許可を得てから部屋に入った。

「よく来てくれた。座ってくれ」

「失礼します」楓伽は男の対面に腰を下ろした。

「東久邇宮殿下、お話というのは?」

目の前の男は東久邇宮稔彦王、今は陸軍大将。後に内閣総理大臣となる。稔彦王は頷いたあと話し始めた。

「今、満州国とモンゴルでは国境について小競り合いが続いているのは知っているな?」

「もちろんであります。しかし、此のまま激化していくとソ連の介入が有り得るかもしれません」

その言葉に稔彦王は頷く。

「その通りだ。恐らく君の予想通りに我々はソ連と戦わなくてはいけなくなるだろう。そこで君達の力を借りたい」

「我々の力――ですか?」

稔彦王は先程よりも強く頷いた。

「君達帝機軍は頑迷な帝国陸海軍と違って先見の明がある。君の前の司令官がそうだったからな。それに、君達の実力は私が一番よく知っている」

「殿下は前の司令官をご存じなのですか?」

「あぁ、彼からは硬く口止めされてるので言えんがな」

楓伽の前の司令官は突如として姿を消し、後任に当時海軍所属だった楓伽を推薦している。今も楓伽は表向きは海軍大佐として軍務に就いている。

「分かりました。この力が帝国の更なる発展に役立つならば是非使わせていただきます」

「ありがとう」

楓伽は稔彦王から差し出された手を強く握り返した。

 

同じ頃、玄界島帝機軍本部

帝機軍には独自の兵器開発をする部署があった。ここでは帝機軍独自の兵器を開発するのみならず、陸海軍へ技術提供を行ったり、陸海軍から譲渡された兵器を帝機軍の技術力で強化、発展させて軍全体の戦力強化をすることが目的としてある。ここでは今、帝機軍副司令兼兵器開発局局長の河上嘉章と吉田忠一郎で前の作戦で接収した兵器類の実地テストを行っていた。

「どうだい?乗ってみた感想は。元陸軍の戦車乗りとして忌憚なき意見を聞かせてくれ」

「どの点もよく纏まっていると思いますよ。これを流用すれば九七式の対戦車能力の低さを補えると思います」

「なるほど。早速部下に取り掛からせよう」

嘉章はテストの終わりを告げ、一足先に工厰の方へ急ぎ足で向かっていった。

 

 

帝機軍本部の会議室には稔彦王との会談から帰って来た楓伽と嘉章と忠一郎と弌華の4人が居る。現在、ここでは満州国出兵に対する作戦が練られていた。

「――以上から我が軍は近い内にソ連と戦うことになるでしょう。そこで君達から意見を聞きたい」

一番始めに切り出したのは嘉章だった。

「現在開発局では、先日鹵獲した敵戦車の技術を九七式にフィードバックしています。これにより、九七式に欠けていた対戦車能力を補完できるものと考えています。一週間以内に十五台出来る予定です。これを使えば――」

嘉章は書き上げてきたばっかりの図面を黒板に張り出していった。自信満々に改修点を話す嘉章を差し置いて次は弌華が提案した。

「私からは空挺降下作戦を提案します。敵の後方基地奇襲なら敵を撹乱させる効果があると思います。開発局の製造した戦車は陸軍に預けてそのまま使ってもらいましょう」

弌華の提案に忠一郎は異を唱えた。

「陸軍に預けることは良いとして、降下作戦をすると言ったが退路の確保が出来てない以上此方の損害が大きくなるのでは?最悪全滅もあり得る」

「吉田大尉、我々姉弟が造り出された理由をお忘れですか?降下作戦は私と姉上の二人で行います。私たちが最も力を発揮できる環境は単独で、そして乱戦になった時です」

「そうか……お前ら2人なら何とかいけるか……」

「なんなら基地の1つや2つ壊滅してみせますよ」

一通り話が纏まったのを見計らって楓伽が口を開いた。

「では弌華の案を元に細部を作り上げるとしましょう」

彼らの会議が終わるにはもう少し、時間がかかりそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆さんこんにちは。 スーパーファントムのプラモデルが売ってたのでつい買っちゃいました。カッコいいので仕方ないですね。


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第四話 ノモンハン事件② 日蒙戦争へ

1939年5月13日

前からモンゴルと満州との間で小競り合いが続いていたが現在、ノモンハン周辺地域は日本とソ連の激戦地となっていた。

「植田司令、第23軍から昨12日朝来、モンゴル、ソ連連合軍がノモンハン西方地区にてハルハ河を渡河し不法越境して満州軍と交戦中との報告が有りました。防衛司令官から『師団の一部と在ハイラル満州軍全軍では戦力差がいかんともし難く、至急増援を要請する』との軍機電報が届いています」

「そういえば、本国から送られて来た新型戦車があったな。それを全て送ってやれ。実戦で使えるか試してみようじゃないか。それと出せるだけの戦力を一緒にな」

「了解しました。しかし、それだけの戦力を割いて良いのですか?」

「前線が要求しているのだ。送らぬ訳にはいくまい。それに足りなければ本国に要請すれば良いだけの事。何も困りはせん」

「了解しました。至急輸送準備を始めます」報告に来た士官は急ぎ伝えるため司令室を後にした。

 

 

 

帝機軍では斉斉哈爾(チチハル)に集まり、降下作戦の用意をしていた。作戦は、最初に弌華と狂璃の二人をタムサクホラグの軍事基地に投下、同基地を殲滅したあと、アールシャンからタムサクホラグに進軍していた帝機軍機甲部隊と合流、その後バローンオルトまで進軍して、後は関東軍に引き継いでもらう手筈だ。

「姉上、準備は良いですか?」

弌華は眠たげな姉に問いかける。

「ん……。大丈夫」

フラフラとしながら滑走路に停まっている一式輸送機に向かう姿はとても大丈夫と言うな人の姿ではなかった。

「しっかりしてください。重要な任務なんですよ」

「ん……。しっかりしてる」

とは言いつつもやる気のない行動は変わらなかった。

 

 

一式輸送機は現地時間午後10時30分に到着した。

「お二方、もうすぐ降下ポイントに到着します。用意しておいてください」

「分かりました。姉上、聞いていましたか?用意してください」

「ん。……分かった」二人は席を立ち特殊な改装を施された機体後部に向かった。

今回二人は高度10000メートルからの降下となるがあらゆる超過酷な環境を想定して二人は造られているため、酸素マスクなどの生命維持に必要な装備は必要ない。代わりに基地壊滅のための重武装を装備している。

『予定ポイント到着。降下作戦開始。御武運を』

機内に取り付けられた拡声器から声が流れると同時に2人は輸送機から降下した。

2人が降り立ったのは疎らに木が生える場所だった。本来なら基地直上に降りる予定だったが思ったより風にあおられてしまい少しずれてしまった。仕方なく2人は正面突破を図るべく行動を開始した。

「前方に見張りが……2人ですか。それになかなか厚そうな鉄扉ですね……」

「なら全員倒せばいい……。扉は壊せばいい……。」

弌華は茂みから出て突撃しようとする姉の髪を引っ張り後ろに下げさせる。

「幾ら姉上でもあの厚さは無理ですよ。迫撃砲の用意をしましょう」

今回使う迫撃砲は厚さ40cmの鉄板を難なく貫通する徹甲榴弾を使用する。帝機軍で最近実用化された新型砲弾なので威力の程はわからない。

「用意できました。耳塞いでください」

火が着いた迫撃砲は真っ直ぐに飛び、目の前の徹扉を爆砕して付近にいた見張りはどこかへ消えていた。

二人は遮るものが失くなったことを確認して基地内に突撃した。

 

 

 

 

蒙ソ連合軍

「なに?後方基地に襲撃だと?」

「はい。10分ほど前から連絡が途絶えています。恐らくは別動隊が動いていたかと」

連絡に来た士官は自分で言っている内容に自分で読み上げておきながら疑問を感じせざるを得なかった

「奴らの戦力はスパイによって把握してるんだ。例え増援が来たとしても別動隊に回す余力があるとは思えん。機械の故障ではないのか?」

敵の戦力を常に把握している彼らにとって機械の故障を疑わせるほどには信じられないことだった。

「先程確認しましたが故障ではありません。未だ敵の防衛戦を破ることが出来てい無いときに挟み撃ちにされるのは戦術上よくありません。ここは一度後退した方が良いのではありませんか?」

男は暫し考えた後全軍に撤退命令を出した。

「全軍に一時撤退を伝えろ。地雷の敷設も忘れずにさせておけ」

 

 

関東軍は最初防衛を強いられていたものの増援が来てからは徐々に攻勢へと持ち込んでいた。

「ん?敵の圧力が急に弱くなったな」

「大方我が軍の気迫に恐れおののいたのでしょう」

「そうだといいんだがな……。なんにせよ好機だ敵陣を今のうちに突破しよう。前線に通達、罠に注意を払いつつ進軍せよ」

「了解しました」

第一次ノモンハン会戦は日本側の勝利で幕を閉じた。

 



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第五話 日蒙戦争開戦

1939年6月

先月、ソ連の後ろ楯を得たモンゴルは大日本帝国に対し宣戦を布告した。これにより後に日蒙戦争と呼ばれる戦闘が始まった。

 

 

チチハルに戻ってきた帝機軍は新たな作戦のため行動を開始していた。

「今回の目標はシベリア鉄道だよ!さぁ皆張り切っていこう!!」

帝機軍司令の沖田楓伽は何故か酷く興奮した状態で会議に出席していた。今回の会議には現帝機軍主力メンバーが集まっていた。

沖田楓伽(おきた ふうか)現帝国海軍大佐兼帝機軍司令

河上嘉章 (かわかみ よしあき)帝機軍中佐(副司令)

吉田忠一郎 (よしだ ちゅういちろう)元帝国陸軍大尉

伊織癒乃 (いおり ゆの)元死刑囚。現帝機軍大尉

纏狂璃(まとい くるり)帝機軍中尉

纏弌華(まとい いちか)帝機軍少尉

 

 

「それで何でそんな機嫌が良いんですか?」

嘉章がため息混じりに聞くと「久し振りに戦場に出れるから」と年頃の少女からは出てこないような答えが返ってきた。

「では、今回の攻撃目標はさっきも言った通りシベリア鉄道だよ」

そう言うと楓伽は黒板に地図を貼った。そこには赤丸で三ヶ所印が付けてあってどうやらそこを爆撃するらしい。

「初めに部隊を3つに分けて、1つ目はイルクーツク。2つ目はチェレンホウォ。3つ目はトゥルンだよ」

そこは山脈を通っているので破壊されたら修復するのに暫く時間がかかってしまう場所だった。ソ連からの支援物資が届かなければたちまちに物資不足に陥るモンゴル軍に取ってはこの戦争の動脈他ならなかった。

「ねぇ楓ちゃん。どうせだったら来た鉄道から物資奪えばいいんじゃない?」

口を開いたのは優しそうなお姉さんという感じの雰囲気を纏う伊織癒乃だった。

「でも癒乃姉ぇ、私達は敵に知られちゃダメなんだよ?」

帝機軍は敵はもちろん、味方にすら知られてはならないため癒乃の言ったことは行動方針上認めがたいことだった。

「そんなの簡単よ。全員殺しちゃえばいいのよ」

「死人に口なしってね」と薄ら笑いを浮かべながら付け足す。

「確かに癒乃姉ぇの実力なら簡単だろうけど……」

「では、私達姉弟が大尉の援護にまわります。それなら万が一討ち洩らしがあっても大丈夫でしょう」

姉の狂璃は会議前から寝ていたので代わりに弌華が発言した。

「それなら安心だね。じゃあ吉田君は物資輸送部隊の指揮を執ってもらえるかい?」

「応よ。任せてくれ」

「じゃあもう一度作戦を立て直しましょう」嘉章が壇上に立って新たな作戦が練られることになった。

 

 

帝国本土???

「我々の戦いがやっと始まったか……。これで世界が変わってくれると良いが……」

「安心召されよ、必ずや彼らが成し遂げてくれる」

「そうだな。そのために15年の月日を掛けて我が祖国を変えたのだから……」

その言葉にその場にいた全員が力強く頷いた。

「我らが祖国――大日本帝国に栄光あれ」

男たちは持っていた盃を一斉に呷った。

 

 

1939年6月27日

モンゴル上空に何機かの航空機の編隊があった。もちろん帝機軍の航空部隊である。飛んでいるのは九九式戦闘機と九九式爆撃機だ。九九式戦闘機はキ28を原型としている。キ27とのとの競合に敗れたキ28だったが楓伽がフォルムを気に入ったので川崎からもらい受け、帝機軍技術局によって改修・量産化された経緯を持つ。後に搭載されている液冷エンジンは飛燕。そしてその後継機の燕龍に搭載されたエンジンの原型となる。九九式爆撃機は帝機軍独自に開発された機体で後に富岳へと基礎設計が開発に生かされることになる。

陸上部隊は前日にチチハルを出発して、敵の目を掻い潜るため険しい山脈を移動していた。

「ん……。寝れない……」

「我慢してください姉上。もう少しで着きますから」

不整地を走っているため車体が安定せずグラグラ揺れるため、眠りにつけない狂璃は少し不機嫌だった。……不機嫌な理由は他にもあるが。

「あぁ~リーちゃんは暖かくて柔らかくていい匂いがするから癒されるわぁ~」

不機嫌になった原因の一つが癒乃に抱かれていることだった。普通に抱けば良いものの匂いをかんだり、服の中に手を入れて胸や腹など触るセクハラ?行為を働いていた。

「大尉、あまりやり過ぎると……あ、自業自得ですね」

キレた狂璃が癒乃の左顎に見事なアッパーをお見舞いしていた。その衝撃で後ろに倒れた癒乃はガンと音をたてて頭をぶつけ、痛みのあまりに呻いていた。

「ほら言わんこっちゃない。大丈夫ですか?骨、折れてませんか?」

癒乃は弌華の問いに大丈夫と答えつつ目に涙を浮かべている。

「ねぇリーちゃん、私の妹にならない?」

「ヤだ。フウカがいい」

その言葉に癒乃はフラれたと言って気を落とすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




皆さんこんにちは。突然ですが液冷エンジンを搭載した戦闘機って格好いいですよね。彗星とか飛燕とか研三とか……。彗星は爆撃機、研三は研究機ですけど。
空冷は五式戦、四式戦、零戦かな。
皆さんはどの戦闘機(航空機)が好きですか?良ければ感想で教えてもらえると嬉しいです。今の戦闘機とかでもいいですよ。


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