Vibes Star (Crina)
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第1部 Album Make
1-1話 ヴァルゴ


 ハーメルンに投稿する小説は2作品目になります。今回はD4DJの世界が舞台のお話です。では新たな小説、Vibes Starスタートです。


 都内某所にある中高一貫である陽葉学園、そこは芸術に力を入れている学校で、特に力を入れているのがDJ活動だ。この学校を卒業した生徒はトラックメイク(作曲のこと)やDJのテクニックが高く、プロになった卒業生は多くいる。その学園の2年の教室でただ一人お昼休憩を使って自分のノートパソコンでトラックメイクしている蒼いグラデーションをした白髪ロングヘアが特徴の少女がいた。彼女の名前は真珠星スピカ(しんじゅぼしすぴか)、彼女は陽葉学園で隠れた人気を誇るトラックメイカーではあるのだが、この娘は陽葉学園以上に活動名義が有名なのだ。

「こんなところかな、一旦保存してOTTにかけてっと...またか」

OTTというプラグインを使用しようとしたらまさかのトラックメイクしていたDAWが落ちてしまった。大きなため息とついでに売店で買ってきていたおにぎりを一つ頬張って作ったところまでを確認するためにもう一度起動して一旦曲全体を聴くことにした。

「OTTを入れる前でこんな感じで良いかな、あとはかけてみて様子をみよう」

 放課後には陽葉学園にあるライブスペースで自分の作った曲をかけることにしていた。ライブスペースは満員になりかなり盛り上がってはいるのだが、全ての曲に共通して言えるのはボーカルが全ての曲にないことだ。傾向もハードルネッサンスやフレンチコアといったいわゆるハードコア系の曲が多いのだ。

「まだまだ盛り上がれるよね?最高の時間にしようよ!!」

その一言で会場は大きく盛り上がり、彼女のDJプレイは更に過激になっていった。

 

 ライブが終わり、スピカはそのまま家に帰るかと思ったらあるビルの中に入っていった。そこには男女合わせて12人がいて、そこのリーダーと思われる男性がスピカに声をかけた。

「ヴァルゴ、いきなり呼び出してごめんね、今日は告知をしないといけないから集めたんだ」

彼はトラックメイカー...というよりかはコンポーザーと呼べばいいだろうか、そのコンポーザーの集まりのリーダーをしている『アリエス』だ。スピカを含む13人はそんなコンポーザー集団で、『Stardust』という名前でサークル活動をしている。

「告知?何かやるのですか?」

「新しいアルバムでメンバーそれぞれから1曲作曲してもらうのはいつも通りなんだけど、ヴァルゴ、オリジナルの1stアルバムを作れないか?できればボーカル曲が一つでもあるとお客さんにとっては嬉しいと思うけどさ」

急なことで驚いてはいるが、一番気になるところはボーカル曲を作るということだ。スピカの曲は基本ボーカル曲が一つもないのだが、声ネタ程度(Are You Readyとかの声が曲の中にあること)なら取り入れて入るぐらいで、オンボーカル自体はスピカは作ったことがないのだ。

「いきなり凄いこと言いますね、締め切りはいつとかありますか?収録楽曲のこととか考えないといけないので」

「そうだね、夏コン(実際でいう夏コミ)に間に合うようにしてくれれば締め切りは問題ないよ」

「分かりました。今新しい曲を作っていたのでそれ次第で考えます」

告知でスピカ初アルバムを出すということで解散してからリーダーのアリエスと告知動画の撮影を行い、そのまま家に帰った。

 

「新曲で作るボーカル曲どうしようかな...」

 そう思いながらスピカは休憩中に作っていた作曲データをデスクトップPCに入れて続きを作っていた。ボーカル曲という物自体作ったことがないスピカにとって初めてのことだったので色々と考えていた。今スピカが作っていた曲もボーカル曲向けではないので、作っていた曲はコンピレーションアルバムとして提出することにした。そして頭を悩ませているのが唐突に決まったスピカにとって初めてのアルバムだ。これまでDJプレイでかけていた曲はそのコンピレーションアルバムに入っている曲だけではなく、活動名義で音楽ゲームに収録されている曲もかけているので、収録楽曲に対して相当悩んでいた。

「どうしようかな、12曲はせめては作らないといけないし、その中で1つはボーカル曲、3曲くらいは音ゲーに収録されている曲のロング化で良いのかもな」

そう悩みながらスピカは作っていた曲の残り作業をしていた...その中でBPM(簡単に言うと曲の速さ)を弄ったらDAWがまたフリーズし、更に頭を抱えることになった。そして報告文にはこう書いていた。

【またフリーズしやがって、今度はBPM210じゃなくて2倍のBPM420にしてやる】




DAWをよく落とす人、誰か心当たりありませんか?


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1-2話 リミコン

 D4DJは楽しいですね、ゲーム性は良いし、アニメも良し、毎週金曜にあるDJTIMEなんて毎週楽しみにしてるほどですからw
ということで今回も張り切っていきましょう


 朝のHRが始まる前にスピカは自分の机にうつ伏せになって寝ていた。というのも、昨晩にロング化する曲のリストを出し、1曲だけロング化することに成功していたのだ。作業終了時間も4時を回っていたこともあって眠気が酷く、眠ってしまっていたのだ。作業途中のノートパソコンには新曲のボーカル曲のメロディのみが出来上がっていた。

 眠っているスピカからヘッドホンを取り上げて、作成途中の曲を聴いた一人の少女がいた。

「相変わらず綺麗なメロディを作るよなヴァルゴは、曲はいいのに大体の譜面がボスクラスの楽曲になるんだよなぁ」

そう呟いた少女はそのままスピカを叩き起こし、自分の教室に帰って行った。何事かと目を覚ましたスピカだが、寝落ちしていたことに驚き、急いで作成途中のところまでを保存し、売店でブラックコーヒーを買って目を覚ますことにした。

 

 お昼休憩になり、スピカは珍しく中庭の屋上で食事をしていた。未だに完成には届かないボーカル曲を聴いてやり直そうかこれをアルバムの他の楽曲として作ろうか悩んでいた。そんな時に校内アナウンスが鳴った。

「は~い皆さん、今回もまたリミックスコンテスト、通称リミコンの開催をするよ。今回の課題曲はこの曲だ!」

その課題曲を聴いてスピカは閃いたかのように座っていたベンチから立った。

「そうか、リミコンだ!!この曲のリミックスを作れば今作っているボーカル曲の良いヒントが出るはず、こうしてはいられない、早速作ろう」

 スピカ自体リミコンには参加することはほぼないと言っても良いだろう。というのも作っている曲の傾向が違うというのもあるが、ハードコアとかのEDM系以外でDJプレイをしたことがないのだ。そういうこともあって傾向違いでリミコンには参加することはないのだ。だが完全に参加しないというわけでもなく、DJクノイチが中等部に入学する前の1年の頃は優勝を2回経験しているほどで、中学2年になった時には完全にハードコアとかに方向が変わってしまい、参加することはその後からではばったりと参加することが無くなったのだ。

 

 その日の夜に早速リミックスの作成に取り掛かった。自分が得意としている傾向でリミックスをかけ、それでも本家の良さを消さないように作り上げ、終わった時には3時になっていた。勿論1回はDAWを落としていたのはここだけの話である。

 出来た曲を提出する前にスピカはある人に聴かせるために、朝早く家を出て学校とは逆の方に向かっていった。そこにはスピカの着ているブレザーの制服とは別で白に紺色のスカートといったよくあるセーラー服を着た金髪の娘が歩いていた。

「デネボラ、この時間だから登校途中だと思ったよ」

「スピカ、どうした?学校逆の方でしょ?」

デネボラと呼ばれた彼女、獅子島デネ(ししじまでね)は急に現れたスピカに驚きを感じていた。

「久々に楽曲のリミックスをやってみたんだけど、上手くいってるか分からないから聴いてほしいんだ」

「リミックスって、何年もやってなかったし、今はStardustで楽曲作成しているでしょ?」

「分かってるけどさ...」

スピカは何故4年ぶりとなるリミックスをしたのかの理由を全て話した。ボーカル曲を始めて作ること、その過程で停止してしまってリミコンに久々に出ることすべて...。

 

「大体は分かった。じゃあその曲を聴かせてよ、分かってると思うけど、私の判定は辛いよ?」

「分かってるからデネボラに聴かせるんだから」

 そう言ってデネボラはスピカが作ったリミックスを聴き始めた。聴いた瞬間にデネボラは体がまるで石になったかのように固まった。というのも、スピカの作った楽曲に魅入ってしまい、曲を真剣に聴いてしまっていたからだ。

「!?、スピカ、リミックスを最後に作った時より何倍も出来が良くなってる。さっき言った通り判定は辛い、でもそれを超える曲が出来ているんだからリミコンだっけ?上位、いや、優勝行けると思うよ」

「良かった、デネボラは昔からこういう曲を聴いてたから提出前に出来栄えを確かめるにはちょうど良いの」

 それもそのはずで、デネの兄はStardustのメンバーであるレオなのだ。そのレオが作った曲を多く聴かされていたこともあってデネのトランス系に関する楽曲の判定は相当辛いのだ。そのデネの判定で高評価を得ることができたこの楽曲をリミコンに提出した。

 

 数日後の昼間、スピカは別の楽曲を全て作成し終わり、中庭で売店で買ったおにぎりを食べていた。その時に放送が鳴った。

「は~いリミコンの結果を発表するよ、今回は1位と2位が相当レベルが高いから3位から発表することにするよ」

そう言ってどんどん発表されていき、ついに1位と2位の発表が行われた。

「じゃあお楽しみの1位2位の発表だ、その差はなんと1ポイント差。優勝はDJクノイチだ!!」

ダメだったのかと倒れそうなときに2位と発表された。

「いや~まさかヴァルゴが数年ぶりにリミコンに出場して今人気があるDJクノイチにガチの接戦するとは恐れ入ったよ、気になる楽曲とかはサイトをチェックしてくれ」

 結果は2位となったが、これによってボーカル曲のヒントを得ることができたのか、スピカはすぐに教室に戻ってノートパソコンを起動させて楽曲を作り始めた。勿論作成途中にDAWが落ちたのでいつものように報告文に怪文書を書いた

【くそ、せっかくやる気になったというのに落ちやがって、私のやる気を返せ!!】




リミコンって年に何回開催されているのだろうか?


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1-3話 試合で勝って勝負に負けた

 PFC出すだけに1時間とか普通にかけちゃいますw
てことで今回はDJクノイチこと犬寄しのぶがメインの話になります。


 リミコンには当たり前に勝った。...けど、2位のヴァルゴの曲を聴いた時には私は負けてると思ってしまっていた。アタシにはない曲の作り方をしている...アタシのリミックスではできないやり方をやっている、どうやって作っているのか気になる。昨日のリミコンの結果からヴァルゴと接戦で勝てたから気になって聴いてみたら想像以上に出来が良すぎて驚いた。

「曲作り上手すぎでしょ、どんな感じで作っているのだろうか」

 そう思いながらアタシはメンバーとライブをするライブスタジオに向かっていた。その途中にライブのフライヤーに目が行ってしまった。そこにはヴァルゴのライブフライヤーがあった。気分転換にライブをするとかどんだけ大物なんだよ。そう思いながら向かっていた。

 

 ライブスタジオに着きライブ前に落ち着かせていた。けど今日は全然落ち着かなかった。その理由にはやはり昨日のリミコンが気がかりになっていた。

「大丈夫しのぶ?今日ソワソワしているみたいだけど」

「ごめん、昨日のリミコンがちょっとね」

今日はいつものアタシではないことを響子は分かっていた。リミコンは取れて当たり前、そう思っているわけだけど、今回だけは完全に負けたと思ってしまっている。

「珍しいよね、しのぶがこんな感じになっているなんてね」

「今のしのぶちゃんかなりラブリーだよ」

「うるさいなぁ、ほら、ライブ始まるよ」

 

 ライブが終わり、アタシは家に帰っていた。その間でもヴァルゴの作ったリミックスを聴いていた。アタシにないものが何なのか知りたいためにも...。家に着いて早速エナジードリンクを飲んでトラックメイクの作業を始めたが、ヴァルゴの曲がやはり気になっていた。気になっていたのでディグッターでヴァルゴを見つけ、曲作りをどうしているのか調べた。けど、大体は音ゲーの発言とトラックメイクのソフトの動作不能に対する報告文に書いてある怪文書ばかりだった。

「どんな回答なんだよ、これソフト作成者が見たらどう思うんだよ」

そう思いながら作曲の続きを作り始めた。

 

 翌日の昼にピキピキのメンバーと食事をせずにヴァルゴを探していた。どうしても直接会ってどんな感じで作っているのか知りたかった。けど昼時間では会うことができなかった。ヴァルゴが今日ライブすることを前日知っていたので、ライブスペースに足を運んだ。

 時間になりステージに上がったのは蒼いグラデーションをした白髪をした少女が現れた。けど他のVJ,ボーカル,パフォーマーが現れなかった。まさかの一人だけの登場でアタシは驚いた。まさか一人だけ、そんなライブはアタシは見たことがなかった。かけている曲も驚きばかりだった。ボーカル曲は全然かからないけど、リミコンで上げた曲はしっかりとやっていた。それでも驚きを隠せれないものばかりだった。とくにヴァルゴの見た目とは正反対のゴリゴリのハードコアが流れていたからだ。それだけではなく、見に来ていた人たちもインスト曲だけでも相当盛り上がっていたし、ここぞというタイミングに合わせて曲をかけていたところを見てプロレベルだなと思ってしまった。けど、ヴァルゴの存在を確実に見たので、翌日には話すようにしようと決心した。

 

 その翌日、また昼頃にヴァルゴを探した。ライブの時に制服姿だったから、リボンの色で何年なのかはすぐに分かった。紫色のリボンは2年生というのは分かっていたので、2年の教室を探っていた。クラスをチラ見しながら廊下を歩いていたらヴァルゴらしき人物が教室の机に座ってヘッドホンをしながらノートパソコンをいじっている姿を目にした。話しかけようにもこの状態だと無理だと察し、すぐに教室に戻った。

 放課後にヴァルゴが配信でDJプレイをすると発信していたのでそれを見ていた。よく見ると学校の練習スペースでやっているのが分かったので練習スペースに足を運んだ。その中で1つだけ使用している場所を見つけたので配信終了のタイミングで練習スペースのドアを開けた。そこには不思議そうに見ていたヴァルゴがいた。

「私に何か用ですか?」

ヴァルゴは急に入ってきたしのぶに声をかけた。

「ヴァルゴですよね?単刀直入だけど、アタシにトラックメイクを見せてほしいんだ」

「いいですけど、作成途中のは見せれませんよ」

そう言ってヴァルゴは承諾し、駅前にあるハンバーガーショップに足を運んだ。

 

「それで、トラックメイクを見せてほしいって言ってましたが、まず貴女は?」

「犬寄しのぶ、DJクノイチと言った方が話は早いかも」

「リミコンの...私はヴァルゴこと真珠星スピカ、Stardustという音楽レーベルのメンバーです」

その時アタシは驚いてしまった。トラックメイクの上手さはプロレベルと思っていたが、音楽ゲームへ多く楽曲提供をしており、尚且つトラックメイクのプロ集団のメンバーだということが信じれなかった。

「Stardustってあの?」

「ええ、最年少ながら他のメンバーに引けを取らない曲を作っています。それに、今も新曲を作らないといけない状態なんです」

ライブとDJプレイを気晴らしで行うなんて大物だなと思っていたけど、新曲に詰まってその気晴らしでやっていたことを知り、手助けできることがないか提案することにした。勿論、どんなトラックメイクをしているのか気になっていたからそれを見るために言った提案なのだが、

「助かります、ボーカル曲って初めて一から作るのでなかなか上手くいかないんですよね」

「ちょっと今できているところまででいいから聴かせて」

そう言ってスピカからヘッドホンを借りて作成途中の曲を聴かせてもらった。綺麗なメロディに力強いキック、途中まででもかなりレベルの高い曲になっているところを見てこれは本物だと確信してしまった。

「レベル高すぎ、こんな凄い人とやり合ってたなんて本当に試合で勝って勝負には負けた感じだな」

「そんなことはないですよ、でも、DJクノイチ直々にそう評価されるならこの路線で最後まで作ろうかしら」

そう言って作曲風景をしのぶに見せていた。しのぶもしのぶで作曲の仕方を見て自分ではやったことがないやり方を知り、自分の物へと技術を盗んでいた。

 そうこうして1時間後には残りの箇所が出来上がり、残すところはボーカルを入れるだけになっていた。

「ありがとう、これで曲の元は出来たわ。あとはボーカルを入れるだけになったわね、お礼に何かしたほうが良いかしら?」

「いいよ、作曲のやり方を見せてもらえただけでもアタシにとっては大きなお礼だよ」

「そう、私はもう帰るわ。DJクノイチ、更なる進化を期待しているよ」

「ああ、今度はアタシたちのライブを見に来てくれよ」

「時間が合えば」

そう言ってスピカは帰っていった。それに合わせてしのぶも帰宅し、早速スピカの技術を落とし込もうとパソコンの前で3時間作業をしていた。

「ヴァルゴか、隠れてファンが多い理由が分かった気がするよ」




 5回優勝って言ってたけど、何回かは優勝逃しているのかな?


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1-4話 ボーカル探し

 普通にD4DJ楽しい


 曲はある程度完成した。この前息抜きでライブ配信をした後に後輩が入ってきていきなりトラックメイクを見せてくれと言われたときは何なのかと思ったけど、あれが陽葉で有名なDJクノイチで、見せてほしいと言われて作り途中のを見せていいものかと思ったけど、しのぶちゃんがいなかったら曲は完成しなかったのかもしれない。ボーカル曲を何曲も作っているDJクノイチから教えてもらえなかったらできなかった曲...今はそう思っている。

 インストだけが作り終わったスピカは翌日の放課後にStardustの事務所に向かった。そのにはキャンサーがいた。スピカはキャンサーに作ったボーカル曲のインストを聴かせた。

「悪くないよ、というかヴァルゴの得意分野で殴った感じがするね、悪くないよ」

「ありがとうございます。これであとはボーカルだけなんですけど、候補が誰もいないんですよね」

キャンサーに今の問題であるボーカルとして歌う人がいないことを告げた。折角できた曲で、告知でボーカル曲を出すと言っているだけあって相当悩んでいた。陽葉の生徒で仲が良く歌い手として活動している人物がいないためにどうしようか考えていたのだが、そうそううまく現れることもなかった。

「俺の曲でボーカルはあるけど、男性ボーカルだし、ヴァルゴのこの曲は女性ボーカルが合うんだよね」

 それはスピカも分かっていた。よく他のメンバーが女性ボーカルで起用していることが多い【はち】の声と合わないために他を探っていた。

「ヴァルゴって音ゲー上手いし、よくやっている音ゲーでボーカルとして起用されている人にコンタクトを取ってみたら?」

キャンサーから助言を貰った瞬間にスピカは何か閃いたような感じで頭を上げた。

「私がよくやっている音ゲーで....あっ!?」

「それは思いついた感じだね、良いアルバムになっていることを祈ってるよ」

「ありがとうございます」

スピカは事務所から出た瞬間にボーカル候補の女性に電話をかけた。それならと駅前にあるカフェで待ち合わせようと言われ、すぐに駅前のカフェに向かった。

 

 カフェに着いたスピカはそのボーカル候補が来るまでゆっくりと待っていた。だがその時に入ってきた客にテンションが上がってしまっていた。

「え、え、えええええええ!!!葵依さんがここに!!!!」

現れた中世的な顔立ちをした女性は三宅葵依、後の燐舞曲のDJであり(時系列にすると燐舞曲のユニットストーリーの前)、ALTER-EGOの専属DJとして活動している陽葉卒の大先輩だった。スピカは葵依のファンであり憧れている存在だった。

「おや久しぶりだねスピカちゃん、最近の活動は見させてもらっているよ、1stアルバム出すんだってね」

「はい、今からその中のボーカル曲を歌う候補の方とそのことについて話す予定にしています」

「そうなんだ、曲作りとDJの成長を楽しみにしているよ」

嬉しすぎたスピカは葵依と話している時でもテンションが上がっていた。それもそのはず、葵依のトラックメイクのレベルの高さ、DJの上手さはトップレベルで、葵依が陽葉在学中に生でその姿を見て魅入っていたのだ。

 

 そわそわしながらスピカは10分待っていた。そこに銀髪の女性が現れた。

「ヴァルゴさんですよね、初めましてSenpanです」

「初めましてヴァルゴです。急に呼び出してごめんなさい」

「構いませんよ、本題のボーカルですが、まずは曲を聴かせてください。そこからやるかやらないか判断します」

彼女は【Senpan】という名義で歌い手として活動している存在で、スピカがやっている音ゲーでも他の人がボーカルとして起用をすることがあるほどの実力者だった。作成が終わっているボーカル曲のインストをSenpanに聴かせ、その曲次第で判断するということらしい

 曲を聴き終わったSenpanは率直な感想をスピカに言った。

「凄い幻想的な曲調、この曲ならやっても問題はなさそうですね。歌詞も私がやってもいいですか?これなら私も挑戦したいことができます」

評価はかなり高かった。歌詞も全てやるということで承諾し、二人は帰宅した。それから1週間後にsenpanからボイスメッセージが届いた。

 届いたボーカルを聴いた瞬間にスピカは驚いた。自分が作った曲に相当マッチした歌唱とインスト以上に壮大となった曲になっていたからだ。

「凄い、プロだ。このボーカルを今の曲に組み込んでみると...」

そうしてボーカルを組み込むと、スピカが思っていた以上に完成度が高く、表題曲として最高の出来になった。もう締め切りも近く、夏休み前日ということもあって最後の一仕事としてすべての楽曲を良い感じにトラックリストを並べてデータを保存した。

 

翌日からは夏休みということもあって昼から事務所に出向き、音源をCD化する最後の作業に取り掛かった。CD化の作業が終わり、スピカはSenpanと駅前のカフェに待ち合わせをしており、急いで向かった。カフェにはブラックコーヒーを飲んで待っていたSenpanがいた。

「ヴァルゴちゃん待っていたよ、早速私の買い物に付き合ってよ」

「分かりました。ボーカルをしてもらったお礼ですから」

そう言ってSenpanと買い物に向かった。そこで服とか色々と買うことになったが、スピカとしては久々に充実した一日を過ごして家に帰った。

 帰って夕飯を済ました後にスピカは縦画面にしているパソコンモニターの方でゲーセンにある音ゲーの家庭版をプレイし、その後に趣味で作っている曲の続きを作り始めた...のだが、毎回のようにDAW落ちを起こしたのでまたしても怪文書を書くことにした。

【またですか、新調したmidiで落ちるとかどういうこと?】




最近の近況としてはDESIREをデイリーでGFC出すことをしています。


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1-5話 夏コン開催

めちゃくちゃ曲増えるなぁ


 夏休みが始まり8月になった。8月には私達の新譜を出す夏コンが開催されることになっていた。そして翌日にその夏コンが待っていた。そんな中私はというと、ホームとしているゲームセンターでよくやっている音ゲーを仲の良い陽葉に通っている親友とプレイしていた。

「ヴァルゴの新曲の難易度は納得いった?」

「まあ作ったから分かるけど、高難易度は分かってたよ、それには納得はいってるよ...ほら、Perfect出たよ」

「上手いね、まあ私が全一だけどさ」

「そりゃ全国大会4冠なら当然じゃないの?」

親友は私もやっている音ゲーの全国大会で高2ながら4年連続優勝という相当の実力を持っている人だ。まあ明日の用意は出来ているので、気分転換という意味もあるし、なかなかできていなかった私の書き下ろしの楽曲をプレイしたかったというのもあった。

 

 翌日になり、私はStardustのメンバー数人とビッグサイトで新譜の販売の用意をしていた。コンピCDと私の1stアルバム、そして他のメンバーが作ったコンピなど色々と並べ、開始時間まで待っていた。

そして開催され、一般客が一気に会場に入ってきた。私のファンという人達からお土産を貰ったり、1stアルバムなど買ってくれて正直嬉しかったし、1stアルバムの視聴を聴いた人達からは良すぎてついつい買ってしまった人もいた。

「ヴァルゴのアルバムの売れ行き凄いな、もう3割売れてないか?」

「売れてますね、このままだと完売するんじゃないですか」

そう他のスタッフと話しながら気づいたらお昼は過ぎていた。

 

 私は昼飯を食べてまたブースに戻ってきた。その間にもCDは売れていて正直嬉しかった。そうしていたら見覚えのある女性がブースに現れた。紫の髪色をしたその女性は日高さおり、Merm4idでDJをやっており、中等部の時に楽器屋で偶然DJの話やトラックメイクの話で盛り上がったことがある大学2年である。

「ヴァルゴの新譜が気になったから来たよ」

「さおりさん、来てくれてありがとう。新譜ならこの1stアルバムとコンピアルバムがあるよ」

「へえ、視聴とかできる?」

「そこにあるヘッドセット着けてみてください、私の曲のデモを流してますから」

そうしてさおりは傍にあったヘッドセットを着け、スピカのデモを聴きはじめた。曲の出来の良さからトラックメイクの上手さに驚きを隠せなかった。

「ヴァルゴすごいなぁ、高校生とは思えない上手さと曲調をしている。本当にすごいなぁ」

「そういうさおりさんも悪くない曲作りをしていると思いますよ、アップテンポなポップ系の曲作りは私にはできないですから」

「あ、ありがとう、プロからそう言ってもらえると頑張った甲斐があったよ。また今度トラックメイクのアドバイスしてもらえる?」

「良いですよ」

「じゃあまた、あと1stアルバムとコンピアルバムそれぞれ1つずつ買うね」

 

 さおりさんが来てくれたことは意外だったけど、他にも私が知っているDJしている人や、陽葉のクラスメイトや先輩後輩も来てくれて買って行ったこともあって終了の時には両方とも完売していた。

「ヴァルゴ、今日来られなかった人のために委託とかするの?」

 リーダーのアリエスが声をかけて来たのだが、私はただ自分が作った曲を全ての人に聴いてほしいと思っているので、迷わずに委託することをアリエスに伝えた。曲は翌日にはStardustのオンラインショップや同人ショップに委託がされ、配信もスタートした。

「でも初めてということなのにスムーズに用意もできたようだし、曲のレベルも覚前にレベルアップしてる。最年少というのに俺達に引けを取らない曲作りをしているんだから若いってすごいよ」

ここだけの話、リーダーを務めているアリエスはStardustのメンバーの中でDTM歴はとても長く、40代という

「今回の試みは初めてということもあって相当悩みましたけど、周りの影響もあって進化することが出来たと思うんです」

「そっか、ヴァルゴの今後の活動が楽しみになってきたね」

そう言いながら退散する用意を済まし、私達は一旦Stardustの事務所に帰った。そしてメンバーの皆さんと私の親戚が経営しているクラブハウスに向かうことになった。




ええ、遅れた理由として2つあります。
 1つ目はこの前開催されていました燐舞曲の箱イベを走っていたということもありまして、全然書ける機会がありませんでした。それに伴い投稿が遅れたことは申し訳ございません。
 2つ目は1つ目にも関係するのですが、書き溜めて火曜か水曜に上げるようにはしていたのですが、その書き溜めが底をついてしまったので、また書き溜める必要があったので、そのようは理由で遅くなりました。
 イベントも終わりましたし、3月ということもあって書ける余裕もできているので、また書いていきますので、これからもVibes Starをよろしくお願いします。


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1-6話 打ち上げ

タグのやつは決して嘘じゃあないよ


 私の親戚が経営しているクラブハウスである『アステリズム』は私が住んでいる地区の中で賑わっている場所にある。そこに夏コンに参加していたメンバーと一緒に打ち上げとして集まっていた。

「さて、今回の夏コンでの直売が上手くいったということで乾杯!!」

 アリエスの乾杯の音頭と共に始まったStardustの打ち上げは長いこと続いていた。私は未成年ということもあってお酒は飲めない代わりに烏龍茶を飲みながら私のソロアルバムや今回出したコンピアルバムを中心に曲をDJとしてかけていた。アステリズムのDJ台はとても綺麗にされており、オーナーを務めている親戚の牛飼阿久斗(うしかいあくと)が昔DJとして活動していた機材をそのまま使える状態にしていたのだ。私が家とかで使っているDDJ-400と違って、同シリーズの最上位クラスであるDDJ-1000が置いてあり、とても使いやすかった。

「ヴァルゴ、どんどん曲かけちゃって~」

トラックメイクの師匠的存在であるキャンサーもお酒が入って上機嫌になっていた。私はそれに合わせてかガンガンと曲を流していき、メンバーも更に上機嫌になっていた。親戚の阿久戸から繋ぎ方とトラックメイクの良さをかわれ、アステリズムの専属DJとして選出しようと言われていたのだ。

「他のStardustのメンバーの乗らし方といい、上手いよスピカ、早く専属として雇いたいよ」

「阿久戸、私まだ高校生だし、陽葉にまだ通ってるのだから卒業しないと無理って言ってるでしょ」

「分かってるよ、となるとVJとかパフォーマーとかいるよね」

「そこは決まってからじゃないの?まあいつでも待ってるから」

 そんな話をしていたら他のメンバーであるレオがその話に乗っかってきた。というのも、レオこと獅子島レグ(ししじまれぐ)は私にトラックメイクのいろはを教えてくれた存在ではあるのだが、幼馴染であるデネボラの兄である。

「スピカ、アステリズムの専属DJになるのか?俺としてはそれは良いことだと思うよ。スピカのDJテクニックはお父さん譲りだし、ピッタリだと思うよ」

「ありがとうレオさん、でもまずは高校卒業しない限りは何も動けないし、その時に考えようと思ってます」

「そっか、遠慮しないでどんどんかけちゃいなよ」

 

 気づけば日付が変わろうとしている時間になっており、私も曲をかけ終わって一緒になって飲み物を飲みながら出されていた食べ物を食べていた。どれもとても美味しかった。そうしていたらアリエスは今回の夏コンに向けての事で話を広げていた。今回のコンピシリーズの最新作から同時に出すことにしていた他のアルバム、そしてスピカが作ったソロアルバムと話のきりがつかなかった。

「いや~今回のMVPはやっぱりヴァルゴでしょ、新たなことでソロアルバムを出して曲作りもかなり成長した。これは今後の活躍も期待できそうに思えたよ」

「ありがとうございます。相当悩みながら作ったおかげもありますが、アドバイスをくれた人がいなかったら今頃あのようなソロアルバムは作れなかったと思います」

「謙遜しなくていいって、でも、そのアドバイスしてくれた人には感謝しかないかもね、ボーカルを担当したSenpanさんもよく受けてくれたよ」

今回のアルバムを高評価つけたアリエスからそこまでの経緯を教えてほしいと言われたので、ここまでのことを全て話した。ヒントのために陽葉で開催されているリミックスコンテストに数年ぶりに参加して2位の順位で入賞したこと、それに伴ってDJクノイチとして活動しているしのぶからアドバイスを聞いたこと、ボーカル探しに悩んだこと全部。

「なるほどね、Peaky P-keyのDJクノイチから助言を貰えたことがあの曲の出来に大きく影響していたのか、良い傾向だと思うよ」

 

 そろそろお開きにするということで、私は歩いて自分の家に帰ることにした。アステリズムから歩いて30分の場所にあるし、裏道を使えば早く帰れるのを知っていたので、そのまま家に帰ろうとしていたのだが、時間からして危ないとして阿久戸が家まで送ってくれた。家に帰り、そのまま自分の部屋に入って風呂に入り、また音ゲーを30分やってから趣味で作っている曲を作成をある程度までやっていた。勿論のことながらDAWが落ちたので怪文書を書くことに...。

【今日は気分がいいので許すけど、次はやめてよね】




次の話で1部は終了になります。2部からは新しい話が始まります。タグのやつは次の章から回収します。


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1-7話 スピカの他愛のない休日

 一応これで1部は終わりです。


 夏コンが終わり、Stardustの活動もオフだったので久々に羽を伸ばそうと決めていた。丁度この日は友達のミサミサと会う約束にしていたということもあって朝からゲーセンに開凸(開店時間にゲーセンに行くこと)しに行っていた。私はホームとしているゲーセンでは店内3位の実力を持っていて(1位はあいつ)、まだPerfect取れていない物を粘着して潰しにかかっていた。

 この日は調子がかなり良かったので一気に5曲程終わらせていて、次の曲をやっていたのだが、その時に店内2位の実力を持つ男性に会うことができたので、一緒になってプレイをしていた。その店内2位の男性は1位の親友と同じように全国大会に出てはいるのだが、決勝になかなか上がれないことが多く、今年こそはと闘志を燃やしていたのだ。

「ヴァルゴさんの曲のここの階段どうしてます?」

「素直に指押しで取ってはいますけど、L.E.さんの取り方なら2ノーツずつの餡蜜(ずれた配置を同時押しで処理するという運指)で取るやり方とかどうですか?赤は出やすいですが、ミスは出ないかと思いますよ」

そうやって私達2人がスコア詰めをしていたら店内1位を取っている親友が現れ、高レベルな戦いをしていたこともあってギャラリーが集まり収拾が付かなくなっていた。

 

 昼になり私は2人と分かれてミサミサが待っている喫茶バイナルへと向かうことにした。到着した時にはもうミサミサは席について珈琲を飲みながらくるのを待っていた。

「遅かったね、またトラックメイクで躓いたとか?」

「そうじゃないよ、音ゲーしていたら収拾付かなくなっていただけだよ」

「ま~た【青薔薇】とやり合ってたわけ?」

「あいつとL.E.さんの3人だよ、それで最近気になったユニットとかあるの?」

ミサミサは放送部としてお昼時間のDJを担当したりしている存在で、近頃のユニットの動きとにはかなり敏感なのだ。そして今日もその気になっているユニットについて長くは話しているというわけである。

「そうだねぇ、最近となると新しく活動し始めた【Photon Maiden】は気になるかな。なんでも、芸能事務所が作り出したユニットらしくて、そのプロデューサーというのがかつてDJ活動をしていた姫神紗乃と来たもんだ。これは目が離せないよ」

「Photon Maidenか、ライブ映像とかあるの?」

「そういうと思って用意してきてるよ、これを見てみなって」

そういってミサミサが取り出したタブレットでライブ映像を見ることになった。曲もプロが作成しているというだけあってとても完成度が高く、振付も芸能事務所所属というだけあって相当レベルが高いものだったが、ちょくちょくミスをしている所を見るとまだ粗削りなんだろうと思ってしまった。

 

「成程ね、ミサミサが気になるという理由が分かる気がしたわ」

「でしょ、噂によると、活動がこちら側になるということで陽葉に転校してくると言われているんだよね」

「あくまで噂でしょ?実際にそうなるか分からないよ?」

「確かにね」

 Photon Maidenの活動というのはミサミサが気になるというだけじゃなく、さっきのライブ映像から私も興味を持ち始めていた。引き込まれる世界観に魅入ってしまっていた。でも、もし本当に陽葉学園にPhoton Maidenのメンバーが転校してくるのであれば、どんなことをしているのか、曲自体はどうしているのかとか色々と興味をこの時は持ち始めていた。その後のスピカの環境を大きく変えることになるとも知らずに...。

 

「今日は楽しかったよ、また今度ね」

「OK、今度スピカのアルバムの感想じっくり話すね~」

 そうしてミサミサと別れ、家に帰宅する前に楽器屋に足を運んだのだが、特に良いものが見つからずに帰宅した。青薔薇から新曲Perfect出たよと報告を受けたので、追いつくためにと夕飯まで音ゲーをしていた。勿論のことながら夕飯後は趣味で作っている曲の続きを作っていた。今回は意外にもDAWが落ちずにある程度のところまでで納得がいくものが出来て上機嫌になっていたのだった。




 はいという訳で、1部は終わりです。前回でも言いましたが、タグに関しては次の話から回収することになります。この1部は真珠星スピカというキャラはどんな存在なのかといういわば0章みたいな立ち位置にあると思ってくれれば幸いです。あと、話の基盤はアニメの時間軸+グルミクの時間軸と思ってくれれば早いと思います。


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おまけ
オリジナルキャラの紹介


第2部が終わったので、オリジナルキャラの細かな説明です。


真珠星スピカ 153cm 43kg A型

本作の主人公。陽葉学園2年にして有名なコンポーザー集団『Stardust』のメンバー、メンバーの中で最年少ながら天才的なトラックメイカーでありDJ。ハードルネッサンスやフレンチコアなど幻想的な楽曲を得意とし、基本的にインスト曲を多く作る。活動名義は音ゲーも合わせて『ヴァルゴ』で活動している。音ゲーでもホームのレベルでも3位に入る実力を持っており、その音ゲーにも自分の曲を提供している。幼少期の時にピアノを経験している。親戚が営むクラブハウスの『アステリズム』の次期専属DJに抜擢されており、陽葉学園卒業後には営むか検討中。蒼色のグラデーションが綺麗な白髪ロングヘアの髪が特徴で、瞳も蒼色をしている。可愛い見た目と作る曲のギャップが凄いために驚く人が多い。好きな食べ物はチーズケーキで、特に苦手な食べ物はない。

 

 

Stardustのメンバー

 

アリエス

Stardustのリーダー。DTM歴はStardustの中で長く、ハピコアを得意とする。突発的な提案もすることがあるが、実力を見て行っているということもあって、反対する人はいない。

 

キャンサー 183cm 70kg AB型

Stardustのメンバー。強めのキックを使用したガバやメタルを得意とする。Stardustの楽曲の中でかなり強めのハードコアを使用したハードシリーズやライブなどの主催を務めている。スピカの実力を駆ってStardustのメンバーに誘ったスピカの師匠的存在。

 

レオ 獅子島レグ

デネの兄。美しいメドレーが特徴な曲を多く作成し、DTMを初めてやろうとしたスピカにトラックメイクを教えた張本人。

 

 

 

その他のキャラ

獅子島デネ 160cm 47kg B型

共学のとある高校に通う高校2年生でいわゆるギャル。スピカとは昔からの幼馴染。もしスピカが専属DJになった時は運動神経の高さからパフォーマーとしてアステリズムのオーナーである牛飼阿久斗からスカウトをされている。兄にスピカと同じStardustのメンバーであるレオこと獅子島レグを持ち、DTMやEDMの曲に関しては評価は辛い。金髪のポニーテールと紫の瞳をしていて、左目の下にほくろがある。好きな食べ物はタピオカで、苦手な食べ物はゲテモノ。

 

犬養鷲莉愛 155cm 44kg O型

お嬢様学校である有栖川学院に通っている高校2年生。閉鎖的な有栖川の中で外の世界を良く知っている有栖川の情報通。2年前まではスピカとデネと同じ地域に住んでいたのだが、引っ越しをして別れていた。昔からスピカとデネからは『アルタイル』と呼ばれており、実はコンポーザーとしての活動もしているとか...。

 

青薔薇 青山葵 155cm 45kg B型

スピカの親友で同じ陽葉学園に通っている。音ゲーの実力はとても高く、スピカと同じゲーセンで店内1位...どころか世界でも1位とレベルが高い。初参加した時から4年連続優勝をしている絶対王女。

 

L.E

スピカと同じホームのゲーセンで音ゲーをプレイしている音ゲー仲間。普段は建築業をしているが、いざ音ゲーをプレイすると店内2位を誇る実力を持ち、打倒青薔薇を掲げて公式大会に向けて音ゲーをプレイしている。空手の有段者で、松山ダリアとは同じ道場に通っている。

 

牛飼阿久斗

クラブハウス『アステリズム』のオーナー。スピカとは親戚である。元々は天才的なDJで、スピカの両親がDJユニットとして活動している同じ時期にユニットを組んで活動していた。スピカの実力を見て次期専属DJにと選抜している。




話が進めばオリキャラ達の詳細を更新していきますよ。


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第2部 Tour Anthem
2-1話 召集


 今回から新たな話が始まりますし、遂にタグの人達も...
てことで第2部【Tour Anthem】始まります。


 残暑が残りつつある9月、夏休みが明けて学校生活が始まり数日が経っていた。そんなある日、昼休みにはミサミサが担当の時に風邪で寝込んでしまい、代わりとしてDJマッシュこと明石真秀がお昼のDJを担当したのだが、途中に転校してきた愛本りんくが乱入し放送事故を起こしてしまった。その頃スピカはというと、また教室の自分の机で作業しながら頭を抱えていた。というのも、数日前に遡る事にはなるのだが...。

 

 数日前、スピカはStardustのリーダーのアリエスに事務所に来るように呼ばれていた。スピカは何故呼ばれたのか分からないまま事務所に向かうことにした。そこにはアリエス以外に師匠のキャンサーがいた。

「キャンサーさん?そうしてここに?」

私は疑問だったのだが、それはキャンサーも同じだったみたく、それについてはアリエスのみが知っていることだった。

「集まったね、じゃあ早速だけど本題に入ろっか」

急なことで頭が追い付いていなかったのだが、次のアリエスの言葉に驚くことになった。

「二人には来年のTour Anthemを作って欲しんだ」

 

 急なことで驚きを隠せなかったのだが、まさかの師弟関係である私達がツアーアンセムを作ることになるとは思わなかった。私達Stardustは全国を巡るDJライブイベントを行っている。私も去年メンバーとして加わって全国を巡ったことがあり、その時にツアーの表題となる曲を1,2曲ほど作ってライブで流すということをしているのだ。そんな重要な役目を私と師匠であるキャンサーさんとやることになるとは思っていなかった。師匠のキャンサーさんは一昨年に作った経験があり、慣れてはいるのだろうが、私に限ってはアンセム自体作ったことがなく、更なることを言えば、キャンサーさんの得意とするガバではなくてフレンチコアやハードルネッサンスを作っている為に上手くできるのか相当頭を悩めていた。

「私達がですか?」

「そうだ。ヴァルゴは夏コンでソロアルバムを出し、更なるレベルアップをした。なら今ならできるのじゃないかと思ってお世話になっているキャンサーと一緒に作ってもらえれば良いものができるんじゃないかって思ってるんだ」

「そうですか...」

 納得ができる理由ではあった。私もあの夏コンでDJクノイチに出会ったことによってボーカル曲の作り方を教えてもらい、DTMに知識は更に深まったのだが、大きな役目を急に投げかけられたことに相当頭を悩ませてしまっていた。

「まだ時間はあるし、じっくりやろうよ。それに、やるかやらないかはヴァルゴ次第だしね」

その一言のおかげで私は冷静さを取り戻し、3日時間をくださいと言って帰宅をすることにした。

 

 家に帰ってもどうすればいいのかで頭がいっぱいになり、作業することすらままならない状態になっていた。翌日が丁度休日だったので幼馴染のデネボラに明日相談に乗ってもらうことにした。翌日のお昼時に二人でよく遊んだ公園のベンチでデネが来るのを待っていた。デネボラは私が到着して10分後に現れ、私にとコンビニで売っている私の好物であるチーズケーキを渡してきた。

「成程ねそれは悩むよ、私がもしスピカと同じ立場でも同じことになっていると思う。レグ兄は作った経験あるみたいなんだけど、どうなのかね」

 レオこと獅子島レグは過去に他のメンバーであるサジタリアスとツアーアンセムを作った経験があり、やり方を知ってはいるのだが、スピカは他のメンバーにそのことを伝えるのには少し抵抗があった。さすがに他のメンバーに助けを求めることは逃げなのではないかと思ってしまっていて、さらに八方塞がりな状態になっていた。けれどそんなスピカを救ってくれたのはやっぱり幼馴染のデネの一言だった。

「スピカはスピカでしょ?無理かそうじゃないかはやってみないと分からないんじゃない?昔やっていたリミックスを思い出してみてよ」

 その言葉に私はハッとされ、昔やっていたリミックスを思い出した。粗削りで上手くできなくて周りからそこまで評価されず、されても酷評ばかりついていた頃のこと。それを見返すためにとレオさんにやり方を教えてもらい、その時の曲で優勝をして周りを見返したこと...。

「ありがとう、デネボラのおかげでやるべきことを思い出せた気がする。相談に乗ってありがとうね」

「スピカ、無茶だけはするなよ」

その後に帰宅せずにゲームセンターに向かっていたが、その間にもアリエスさんにツアーアンセムはやりますと連絡を入れた。返信が帰ってきて、やってくれると信じていたとだけ書いてあった。

 

 そして今の時間に戻り、キャンサーと相談して序盤のメロディ作りに相当頭を抱えているという訳であった。勿論のことながらDAWは落ちた。

【お前、やるってなった時に邪魔してくるよね】




 ここからアニメと同じ時間軸となります。


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2-2話 誘い

最近13+以上増えすぎない?GFC出すのに時間かかっちゃうよ


 授業が終わり、ある程度メロディの元を作っておきたくて教室に残って作業をしていた。最初の3秒はある程度は出来たのだが、まだ納得はいかなかった。そんな中、私がいる2年の教室に1年であるDJクノイチこと犬寄しのぶが現れた。

「やっぱりいた。おーいヴァルゴさん」

急に呼ばれたスピカはしのぶの方に振り返った。1年のしのぶがそこにいたので、用件を聞くことにした。

「大分悩んでいるみたいだね、また何か作ってるの?」

「ええ、ライブツアーのツアーアンセムを作らないといけなくてね、相方の人にメロディを作ったら渡さないといけなくて相当悩んでるかな」

今悩んでいることを全てしのぶに教えた。夏の時にソロアルバムのボーカル曲でアドバイスをくれた相談相手だったために相談には乗ってくれると思って教えた。

「ああ、そういうことならアタシたちのライブに来なよ。アンセムのヒントにもなるし、何より息抜きになるし...それに、トラックメイクを見せてくれたんだからそのお礼もしたかったし」

 それはスピカもありだと思った。陽葉学園最強と言われているユニットのPeaky P-keyがどんなライブをしているのか、どういう曲をしているのか興味が湧いていた。ツアーアンセムの大半がボーカル曲、ボーカル曲の作り方というのがこの間のソロアルバムだけの経験しかなかったので、どうしても経験不足を補うしかなかった。

「そうですね、ピキピキのライブは正直興味があったので、行きましょう」

 

 ライブスペースに到着し、私は始まるのを待っていた。そこには転校してきたばかりのりんくと巻き込まれた真秀もいた。(アニメ第一話を参照)始まるまでのこのそわそわ感というのはここ最近、私は経験していなく、寧ろ逆の立場に立っているということもある。それに、9月の頭くらいに東北の方でツアーライブをしてきたということもあった。

「久々に見る側に立ったなぁ、ピキピキの人達はどんなライブを見せてくるのだろうか」

そう思った時、ライブスペースの照明が消え、ピキピキの人達のライブが始まった。最初に『電乱★カウントダウン』が始まり、そのライブをしている姿を見てトップに君臨している理由をすぐに見つけてしまった。圧倒的なカリスマ力と歌唱力、おまけにDJクノイチのDJテクニックが相まってかなりハイレベルなのが見て取れた。

「成程ね、これならトップにいるのも納得だね」

 ライブが進んでいき、それを見ていてヒントは掴めたと思う。それを上手く自分の得意分野に落とし込めるかが腕の見せどころでもあるし、貴重な体験をしたということもあってすぐにでも作りに戻りたくてうずうずしていた。

 

 ライブが終わり、私は急いで帰ろうとしていたのだが、校門前にしのぶちゃんが私を待っていたかのようにガムを噛みながら待っていた。

「しのぶちゃん、どうしたの?」

「感想を聞きたくてね、何かヒントを掴んだみたいな顔をしていたし」

分かる人には分かるんだねと思い、ピキピキのライブの感想を全て話した。ハイレベルなユニットであるということ、一つ一つの曲の出来の良さと曲のピーキーさ全て...。しのぶちゃんもピーキーであるということ自体は否定はしなかった。寧ろ軽く笑ってすらいた。

「流石はプロのトラックメイカーだよ、曲のピーキーさと作りの良さは全くもって正解。それで、ヒントが掴めたならアタシが誘ったことは正解ってことでしょ?」

「そうね、あとは私流にそのやり方というのを落とし込むだけよ」

「まあ頑張りな、次またライブするならまた遊びに行くからさ」

「ええ」

 

 そう言って私は自宅に帰宅し、早速DAWを起動して作業に取り掛かった。DAW落ちは意外にも今回はせずにメロディが完成し、それを師匠であるキャンサーに音声データとして送った。一息つくためにと縦型のモニター側に移動し、音ゲーを始めた。

「青薔薇、あの曲を初見で996乗っけるとか本当にバケモン。私苦手なんだよなぁ」

そうボヤキながらその曲を詰めにかかった。初見では995と及ばなかったが、その後にPerfect出したのだが、青薔薇に関してはとっくの前にPerfect出していた。

 

 明日から転校する陽葉学園、メンバーである3人と一緒に芸能活動しながらの学校生活になるという期待と新たな環境という不安の心境があった。

「とりあえず筋トレして気を紛らわすかな」




 次にあのキャラが出てきます。


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2-3話 転校生

 遂にあのキャラ達が出てきます。
ごとはなイベントやる気なかったのに頑張ってます。


 しのぶちゃん達ピキピキのライブを見て数日が経ち、リミコンでDJマッシュがコンテストに参加し、ミサミサ権限で楽曲を流した後日の頃の朝の時間、私はというと、キャンサーさんから私がメロディを作った所に更にエフェクトとかを入れた物が昨日返ってきたので、そこから更に修正をしていく形になっていた。勿論、私が気に入っていた所がキャンサーさんはいらないからといってカットされているところがいくつかあったので、合うように修正を入れていた。

「キャンサーさん、あそこは入れても崩れないって...」

 そうしていたら朝のHRが始まったので、途中で中断することにした。普段のHRから授業が始まると思っていたのだが、今日は違っていた。

「さて、今日は新しく転校生が来ているから紹介するね」

担任の先生がそう言って私は驚いたのだが、更に入ってきた転校生に驚いてしまった。そこに現れたのは、この前ミサミサが気になっていると言っていたPhoton Maidenのメンバーである新島衣舞紀が廊下から現れたのだ。

「新島衣舞紀です。これからよろしくお願いします」

「新島さんの席はどうしようかな、真珠星さんの前空いてるよね、そこでも大丈夫?」

 急だった。前の席には夏ごろまではいたクラスメイトの席なのだが、夏休み明けには学力がついていけないという理由で陽葉学院を退学して通信制に編入したので、前の席は空いていたのだ。

「構いませんよ」

たったその一言で私の前の席にフォトンのメンバーである新島衣舞紀が座ることになったのだ。

 

 勿論のことだが、休憩時間に新島さんの周りには凄い勢いでクラスメイトが集っていた。迷惑とは思わずに授業の用意も済まして作成途中の所の作業をしていた。それを見ていた新島さんから次の休憩時間に話をかけられた。

「えっと真珠星さん、さっきから休憩時間に何しているのですか?」

「え、ああトラックメイクです。大分煮詰まっちゃって...」

「なるほどね...折角ならその途中まででもこれまでに作った物でもいいから聴かせてもいいかしら?」

「ええ、この前作ったソロアルバムの表題を」

 そう言って私は夏ごろに作った初ボーカル曲を流した。新島さんはその曲の完成度に驚きを見せていた。私もあの表題曲にはかなり満足をしていた。リミコンからヒントを貰い、しのぶちゃんからアドバイスを貰って出来たこの曲は、私のDTMの知識やトラックメイクの新たな進化を遂げたと思っているので、相当満足している。

「これ、本当に真珠星さんが作ったの?凄い、プロレベル...」

「だって私、Stardustという音楽レーベルに所属しているプロのトラックメイカーですから」

そう新島さんに名刺を見せながら伝えると、新島さんは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして驚いた。

「真珠星さんがプロのトラックメイカーだなんて、驚きました」

「謙遜しなくて大丈夫、それに同い年なんだし、タメ口で構わないわ」

そう、これが新島衣舞紀との出会い、この出会いが全ての始まりだった。まさか付き合うことになるとはこの時のスピカには思いもよらなかったのだから...。

 

お昼時になると衣舞紀は中庭に移動をしていたので、メンバーと会うんだなと確信したので(衣舞紀から聞いていた)、気にも留めずにそのまま自分の机で作業しながらお母さんが作ってくれた弁当を食べていた。まだまだ納得がいっていなかったこともあって時間ギリギリまで作業を続けて何とか納得がいくものが出来た。丁度キャンサーさんが手が空いているというので、電話をしながら音声データを送り、感想を聞いた。

「うん、流石はヴァルゴだよ、これに関しては文句なしの出来栄えだから次は俺がメロディを作る番だね」

「良かった。それじゃあよろしくお願いしますね」

 そうしているうちに衣舞紀が戻ってきたので、パソコンを閉じて話をすることにした。転校して初日の感想を聞いて良い感想が返ってきたので、良かったと思えた。

「ねえスピカ、DJやってるのよね?良かったらライブとか見せてもらっても良い?」

唐突だったが、丁度作業が終わったこともあって気分転換に丁度良いかなと思い、ライブをすることを考えた。

「ええ、丁度作業もキリがいいところまで終わりましたし、息抜きにもなるからやりますね...あ、でも、今日はさすがに取れないから明日なら出来ますよ」

軽く二つ返事でライブをやることを決め、早速別のクラスにいる友人にライブポスターを早急に作ってもらうように伝え、告知も行った。

 

 翌日の放課後、丁度りんくと真秀とむにがライブをしようとしている時、私も同じように別のライブスペースでライブを行おうとしていた。告知していたこともあって、ファンの人達が続々とライブスペースに集まってきた。勿論のことながら、衣舞紀が声をかけていたこともあって、フォトンのメンバー4人も入ってきた。

 時間になり、珍しくStardustでツアーライブをしているときの服装でステージに上がり、一発目からソロアルバムの表題であるボーカル曲を流し始めた。一部のファンはCDを購入出来ていなかったこともあって困惑している所もあったが、私の一言でそんなファンも一気にボルテージが上がっていった。

「今日は見に来てくれてありがとう、ノンストップで一気に流すから遅れないようにね!!」

 ライブを見ていたフォトンのメンバーもそのテンションにもまれてしまい、乙和に関してははっちゃけていた。そんな中咲姫はというと、DJテクニックもそうだが、ライブ会場の盛り上がりを共感覚で見ており、そこには青白い綺麗な色が会場を覆い囲っていた。

「とても綺麗な色をしている。こんなのは初めて」

珍しい色に魅いてしまっている咲姫の隣で衣舞紀はというと、完全に魅入ってしまって身体が固まってしまっていた。昨日今日と見たスピカとは違う印象と雰囲気、そしてあの見た目とは思えない曲とのギャップに完全に虜になっていた。

 

 ライブが終わり、片付けを済まして帰宅している時、後ろから声をかけられた。その声の方に振り返るとそこには衣舞紀がいた。

「どうしたの?衣舞紀?」

 どうしてもライブの感想を直接伝えたくて付けてきたらしい。曲の出来の良さは昨日知っていたが、ライブでいつもとは違う見た目に相当驚いたこと、会場の盛り上げ方とか色々と話したい事を全て伝えた。

「成程ねありがとう、そう言ってもらえたら嬉しいよ」

「そうだ、明日フォトンのメンバーに会したいから昼時間に中庭に一緒に行かない?」

「いいよ、どんなメンバーがいるか気になるから行くね」




 次回はフォトンのメンバー4人が出てきます。


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2-4話 Photon Maiden

 イベント疲れた。


「そうだ、明日フォトンのメンバーに会したいから昼時間に中庭に一緒に行かない?」

「いいよ、どんなメンバーがいるか気になるから行くね」

 そう言って帰宅し、自分の家に着いて衣舞紀と別れた。私はそのまま着替えて夕飯と風呂を済まし、自分の部屋で私がよくやっている音ゲーの楽曲公募のための曲を作成していた。DAWも今回は落ちずに作業が出来ていたこともあって、ある程度作成が終わった。

「新島衣舞紀か、あいつのようなことにはならないことを祈りたいけどね」

そう思いながら作業を済ましてモニターを縦にして音ゲーを寝るまでプレイしていた。

 翌日の朝、衣舞紀は日課としているジョギングに出ていた。いつも走っているルートとは違って、今日はスピカの家がある方に走っていた。

「スピカはこの時間はまだ寝ているのか、何時に起きているんだろう」

 陽葉でできた新しい友人であり、プロのトラックメイカー。さらにはあのDJテクニックを目の当たりにしてしまっては気にしてしまうのは仕方ないのかもしれない。そう思いながらiPodの中にあるプロデューサーの曲の流しながらUターンして家に帰った。

 家に帰って朝食を済まし、支度を済ませて咲姫のための弁当と私の弁当を鞄に入れて家を出た。そこからすぐに学校へは向かわずにスピカの家に着いた時には丁度スピカが家から出てきた。

「衣舞紀、どうしたの?」

「折角なら一緒に登校したくてね、昼時間行くでしょ?」

「約束したからね、行くよ」

そう言いながら一緒に登校していた。その後ろを何者かにつけられているとも知らずに...。

 

 自分のクラスに着き、自分の机で新しいプラグインを探していた。今のままでも良いのではあるが、新しいものというのを試したくて1つだけ買おうとしていた。

「良いの無いな、どうしようかな」

「何探してるの?」

「トラックメイク用の新しいプラグイン、新しいものを試したいんだけど良いのがなくてね」

 そう言って話してたら朝のHRが始まり、いつもと変わらない普通の時間が流れてた。ただ変わらない時間...。だけどいつもと違うのは、スピカの目の前にいる新島衣舞紀という存在が現れた事。今のこの空間、時間がとてもスピカにとってかなり居心地が良かった。

 

 昼時間になったときに衣舞紀から中庭に一緒に行こうと誘われ、一緒に向かうことにした。中庭に着いた時には既に他のフォトンのメンバーが集まっていた。

「お待たせ、待たせたかしら」

「大丈夫です。今来たばかりですから」

「そっちの人は?」

「紹介するね、私のクラスメイトで陽葉学院で出来た友達の真珠星スピカだよ、昨日見たソロDJライブをやってた娘だよ」

そういって軽く衣舞紀が紹介をし、他のフォトンのメンバーである咲姫、乙和、ノアも自己紹介を済ました。スピカはそのノアから物凄い熱い視線を感じ取っていた。

「さっきから凄い視線を感じてるのですが...」

そう言ってたらノアが急に暴走し始めた。

「か、、、可愛い!!ええこんな可愛い存在がこの陽葉学院には他にもめちゃくちゃいるってこと?え?ここは天国なのでは?それにライブの時といつもの時のギャップに萌えてしまう!!スピカめっちゃ可愛い、咲姫ちゃんの次に可愛いよ!!」

急なことに驚きはしたが、衣舞紀から時より暴走すると聞いて失笑が出た。

 

「てことで改めて、真珠星スピカです。Stardustという音楽レーベルでヴァルゴという名前で活動しているプロのトラックメイカーです」

 ノアが落ち着いたので、そう言って名刺を見せながら自己紹介をすると、3人共驚いた顔をしていた。

「Stardustって、あの?」

乙和がそう聞き返すのも仕方がない、実際のところ、Photon Maidenの曲の一部にStardustのメンバー一人が関わっており、フォトンのメンバーも知ってはいたのだ。

 そうしていたら電話がかかってきたのでスピカは出ることにした。電話の相手は師匠であるキャンサーからで、メロディのサンプルを何種類か作成したらしいので、合うかどうか確認をしてほしいということだった。音声データが送られていたので、それら全て確認をして、作成途中の楽曲に合わせてみて合うものを探した。その中で1つだけ相当合致したフレーズがあり、仮としてエフェクトを付けてみたら納得がいったので、帰宅の時に伝えることにした。

「スピカのトラックメイクを見たけど凄いね、作業を軽く見させてもらったけど、1フレーズの味付けに10分くらいで作成してより良いものを作るなんてやっぱりプロだよ」

 そう言って衣舞紀達フォトンのメンバーが作業姿をみてカッコいいという雰囲気を感じていた。特に衣舞紀に関してはライブの時の姿、トラックメイクをしている姿の2つの姿といつもの姿を見てどんどんと心境が変わり始めていた。

 

 放課後、フォトンのメンバーは事務所でレッスンがあるということなので別れてスピカはStardustの事務所に向かうことにした。事務所に入った時にはキャンサーはおらず、代わりとしてアクエリアスが事務所にはいた。

「アクエリアスさん、キャンサーさん知らないですか?」

「キャンサーならレオの所に用事があるからって帰ったよ」

「あちゃぁ入れ違いかぁ、家に帰ってからキャンサーさんに会いに行くかぁ」

そう言いながらアクエリアスに挨拶をして事務所を出て家に帰宅し始めた。

 

 家に帰宅した時に家の前にキャンサーさんが帰ってくるのを待っていた。

「キャンサーさん、なんで私の家にいるのですか?」

「ああ、丁度レオとの用事が終わったからついでにと思ってヴァルゴの家の前で待っていたんだ」

「そういうことですか、昼にサンプル聴いて良いと思ったのが6番目のサンプルで、仮として組んでみたらしっくりきました」

「そっか、それならこの方面でメロディ作り始めるよ」

そう言ってキャンサーはデネボラの家に止めた自分の車に乗って帰宅していった。家に入り、夕飯までの間に公募の曲の仕上げをしていた...のだが、案の定DAWが落ちた。

【予期せぬ動作とか言ってるけど、一体何時になったら予期できるの?】




 来週はお休みさせて頂きます。さすがにイベントの疲れが取れていないんじゃ...。


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2-5話 新島衣舞紀

 休んだおかげでメンタルリセット!!


 翌日の昼にもまた衣舞紀によって中庭に連行されてフォトンのメンバーと一緒に昼食を食べていた。案の定私はパソコンで公募用の曲を作りながら売店で買ったおにぎりを頬張っていた。そんな中でも私は一向に手を止めず、話を聞いて私に飛んでくる質問だとかを流す感じで返して作業を続けていたのだが、ノアと乙和からのスキンシップとしてのボディタッチにも動じなかった。咲姫に関しては作業している姿をずっと見ているだけだった。

「んでスピカ、次の土日は空いてるの?」

「大丈夫、この2日はツアーライブもないし、オフだから遊びには行けるよ」

 フォトンのメンバーと親睦を深めるためにとレッスンがないらしい次の土日にフォトンのメンバー一人ずつと遊ぶ約束をしていたわけだった。順としては衣舞紀、乙和、ノア、咲姫の順になっていた。日程決めが終わったタイミングで昼時間が終わったので、衣舞紀と一緒にクラスに戻ることにした。

 

 土曜日、朝早くからいつも通りランニングをしている衣舞紀の横にはスピカがいた。というのも、朝のランニングに付き合ってくれと衣舞紀に言われたので、付き合ってはいるのだが、スピカの目は死んだ魚のように細めていた。スピカは朝が弱いため、ランニング中はふらふらとしていた。そして今はスピカの家のそばにある公園で休憩していた。

「ごめんね、朝が弱いなんて知らなくて」

「構わないよ、行ってなかったし」

お茶を飲みながら話を弾まさせていた。スピカが何故Stardustに入ったかとか、トラックメイクをするきっかけなど全て話した。それに合わせて衣舞紀も中学校の話をし始めた。熱量はうつって一緒に走ると思っていたこと、それは間違いで一人になっていたこと、そして今はフォトンのメンバー3人とスピカの4人が傍で一緒に走っていることを...。

「成程ね、だったら朝付き合ったんだし、これから一緒に付き合ってくれないかしら?私のもう一つの顔、見れるかもよ」

「それはどういうこと?」

「触ってみてよ」

 そう言ってスピカは自分の左腕を衣舞紀の前に出した。それを衣舞紀が触ると驚いた顔をした。

「程よい筋肉、見た目では分からなかったけど、DJだけでは付かないよ」

「その理由はこれからわかるよ、朝食食べるから、その後駅前で落ち合いましょう」

 

 そして午前9時30分を回った時に駅前で衣舞紀はスピカを待っていた。30分前にはもう着いていたために、プロデューサーの紗乃の曲を聴いて待っていた。その時近くでナンパをしている声が聞こえたので、何事かと思ったらスピカがガラの悪い二人組に絡まれていた。

「待ち合わせしているので他を当たってください」

「そう言うなよ、結構可愛いし俺好み」

「分かる、持ち帰りたいくらいだよ」

見るからにやばそうな雰囲気を出しているし、スピカが困っているから助けに行こうとしたら一人の男性に止められた。

「大丈夫、君はそこにいてくれ、ここは俺がやる」

 そう言った男性はナンパをしている二人組の一人を一瞬で弾き飛ばし、もう一人の男性も取り押さえていた。事態に気づいた交番の警察官が駆け寄り、事態を話してガラの悪い二人組の身柄を交番に連行して事なきを得た。

「ありがとうございます。L.Eさん」

「いいってことよ、ヴァルゴさんが困っていたんだから動くのは当然でしょ」

 ガラの悪い二人組を成敗したのはスピカの音ゲー仲間にして店内2位の実力を誇るL.Eさんだった。L.Eさんは空手の有段者ということもあって、この状態を鎮静するのは朝飯前なのだ。ちなみに空手の道場はダリアがいる道場なのはここだけの話。

 

 そんなことがあった中だが、10時にはゲームセンターに到着し、開凸に間に合った。

「ここってゲームセンターだよね、もう一つの顔ってゲーマー?」

「ただのゲーマーじゃないけどね、ほら行くよ」

中に入ってすぐに音ゲーコーナーに着いたと思ったら縦に長いモニターがある機種の前に立って軽くストレッチをしてプレイをし始めた。1曲目ということもあって程よい難易度帯(普通の人なら出来はしないレベル)を1曲プレイし、綺麗にPerfectを出していた。その時のスピカの腕の速さや動きに驚きを隠せなかった。

「今の動き何?理解できないくらい速かった」

「これが私のもう一つの顔の音ゲーマーだよ、かなり高い実力を持ったね」

 そう話しながら2曲目にスピカがその音ゲーに書き下ろした楽曲をプレイしていたら見覚えのある少女が現れた。

「やっぱり来たね【青薔薇】、いや、葵」

「まったく、ヴァルゴがいるのは分かってたけど、なんで新島さんがいるのよ、幸い他の人がいないから良いのだけどさ」

「あはは、スピカに付き合ってほしいと言われてね、青山さんこそ何故ここに?」

 青山葵(あおやまあおい)、同じ陽葉学園高等部2年にして別のクラスだがスピカの中等部時代からの親友で、同じ音ゲーをプレイしている【青薔薇】と言う名前で活動している娘だった。

「決まっているよ、音ゲー、今スピカがやっていたゲームを私もプレイしているのよ」

「だったら見せてもいいんじゃない?私達の本気の戦い」

「軽くウォーミングアップさせてくれない?本気でやるならそれくらいさせてほしいよ」

そう言って葵もプレイし始め、ウォーミングアップを済ましたらいきなり最高難易度に位置する曲を3曲一気に二人でプレイし始めた。その恐ろしく速い手の速さもそうだが、集中力も二人とも相当高すぎてその姿を見ていた衣舞紀や見ていたギャラリーを魅入らし、まるで公式大会のようなハイレベルの戦いを繰り広げていた。

 

 お昼時になった時に葵はそのままプレイするからと言って別れ、乙和が待っている喫茶バイナルに寄ることにした。

「で、午前中だけだったけどどうだったの衣舞紀?」

「充実はしたけど、スピカのもう一つの顔を知れたのは大きかったかな、動きとか凄かったし、アスリートレベルだった」

 三人で昼食を食べながらスピカと衣舞紀が午前中にあったことを乙和に全て話した。

「へえ、そんなことがね」

「まあ葵が乱入してきたらああなるよ、葵は店内どころか全国トップの実力者だし」

「葵って青山葵のこと?」

「そうよ、中等部時代からの友人なのよ」

 話題は葵の話に変わっていた。乙和がいるクラスに葵はおり、その葵とスピカが友人関係だったことに驚きを隠せていなかったようだ。

「これからは私と一緒に遊びに出るのよね?行きたいところがあるんだよ」

「付き合うわよ。今日と明日はフォトンのメンバーと遊ぶって、そんな約束でしょ」

「よ~し、昼食食べたことだしスピカ、行くよ!!」

「ええ」




 青薔薇の正体分かりましたね


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2-6話 花巻乙和

 最近だとGFCだけではなくてPFCも頑張ってます。


「これからは私と一緒に遊びに出るのよね?行きたいところがあるんだよ」

「付き合うわよ。今日と明日はフォトンのメンバーと遊ぶって、そんな約束でしょ」

「よ~し、昼食食べたことだしスピカ、行くよ!!」

「ええ」

 そう言って喫茶バイナルを出て、私と乙和はそのままショッピングビルの方に向かった。というのも、乙和がショッピングモールの方に行きたいというので、それに付き合うことにした。

 

 ショッピングビルに着いた二人はまずは服屋に向かった。そこには可愛い服が多く、スピカ自身が気になっている服やスカートがあった。

「ねえねえスピカ、私に似合う服ってあるかな?スピカのその私服結構可愛いし、そういう所分かっているんじゃないかなって思ってね」

折角同級生と遊ぶということもあって、可愛い服装をしていた。その服装を見た乙和はすぐに似合う服を聞いてみた...という感じだった。

「そうだね、乙和にはこれとこれが似合うかな」

そう言って見せた服とズボンを試しに試着室で試着し、スピカにその姿を見せた。

「どうかな、似合ってる?」

 その姿を見てめちゃくちゃ似合っていたし、元のルックスとかを考えると可愛くなっていたので、ついつい熱が入ってしまっていた。お金がないと言っていた乙和に対して、折角だから同じように服を買うからお金の件はスピカ持ちで購入することにした。まあ夏コンでのお金が入っていたということもあって、余裕はあったのだ。

 

 服を買って上機嫌な乙和と一緒にショッピングモールを回っていると乙和がお腹を空かしたというので、折角ならとショッピングモールにあるクレープ屋に寄り、一緒にクレープを食べた。勿論お金は服のお礼と言って乙和持ちで食べることになった。

「美味しい、やっぱり甘いのが一番だよね」

「そうね、私も甘党だしその気持ちは分かるわ」

甘党同士ということもあってか、スイーツの話が収まらなかった。クレープを食べながらショッピングビルを出て、家まで一緒に歩いていたが、その間でもスイーツの話が終わらなかったが、乙和の一言で話題は一気に変わった。

「どうしてスピカはDJなんかするようになったの?咲姫ちゃんのような理由だったり?」

「咲姫ちゃんがDJをするようになった理由は知らないけど、私の両親は昔DJユニットを組んでいたの」

 そう、スピカの両親は昔DJユニットを組んでおり、他にもボーカル&パフォーマーを含めた3人ユニットで、活動していたことがあり、父親はDJ、母親はVJを担当していた。そんなDJ家族で生まれたスピカは幼いころからDJに興味を持ち始めていたという訳であった。別にスピカは嫌いにはならず、寧ろ興味が湧いて独学でやり方を学んだという訳だ。

「なるほどね、教えてくれてありがとう、私ってね、アイドルが好きで色々とアイドルを見ていたんだよ」

 乙和は生粋のアイドル好きである。Photon Maidenのオーディションもアイドルっぽいからという理由でなったという訳だ。

 

 歩いて帰っていると、スピカのスマホに着信が来ていたので、出ることした。着信の相手はDJコントローラーを買った時にお世話になった楽器屋からだった。なんでも、明日の昼過ぎからDJ講座をするけど、ゲストとして呼びたいけど予定が空いているかの電話だった。生憎、咲姫との予定にはなっている時間だったので、最初は断ろうとも思った。けど、咲姫はDJをやっているというのを思い出し、DJのことについて教えるチャンスにもなるし、時間としては丁度良かった為にその件について承諾をした。

「その時間って咲姫ちゃんとの時間だよね、大丈夫なの?」

「問題ないよ、寧ろ咲姫ちゃんのことを考えると好都合だったのよ」

 

 家に帰ったスピカは早速自分の部屋に上がり、明日のDJ講座用のセトリと内容を作り始めた。その時間は優に夕飯までの2時間くらい掛かってはいたが、そのおかげで良いものが出来たので満足がいった中で夕飯を食べた。

 夕飯を済ましてお風呂に入り、そのまま縦型になっているモニターでいつものように音ゲーをしていた。指や腕の動きが今日はとても調子が良かったこともあってか、一気に未Perfectの曲を潰し、残すは最高難易度が数曲と、その手前を1曲残す形になっていた。満足がいったスピカはその勢いのまま楽曲公募の曲を作ってはいたのだが、案の定DAWが落ちた。

【ちょっと待って、こんなキックで落ちるのはないでしょ、どれだけ貧弱なのよ】

 そう言ったいつもの怪文書をディグッターに上げたときにTL欄を見ると衣舞紀と乙和のディグッターには楽しそうな投稿が何件も見れてスピカ自身もとても満足していた。通知欄に表示されているリプライを放置して...。

【ナンデズット私意外ノ女ト一緒ニ遊ンデイルノヨ】




あのリプライに送った人物って一体誰なんでしょうね


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2-7話 福島ノア

 もう少ししたらTour Anthem編は終わります。


 翌日の朝、朝が弱いスピカにしては珍しく朝から公募の曲の最後の仕上げを行っていた。DAWが落ちることが今回はなくて、何とかして曲を作り終え、これをスピカがやっている音ゲーの楽曲募集サイトに応募して、そのことをディグッターに載せた。丁度良い時間になっていたので、甘いものを求めてノアとの待ち合わせに行く前に偶然見かけた和菓子屋に入った。

「いらっしゃいませ...て、スピカ。どうしたの?待ち合わせまで時間まだあるでしょ?」

「うん、楽曲作成が終わって、甘いのが欲しかったからね」

 そう言いながら和菓子を一つ購入し、店内で購入した和菓子を食べていた。それがとてもおいしかったので、また来ようと思った。その姿をノアは見ていて、内心で暴走していた。そして一緒にノアが一緒に行きたいというカワイイものハンティングというものに一緒に向かっていた。昨日乙和から精神的なところはしっかりねとアドバイスを貰ってはいるのだが、どういうことは分かっていなかった。

 

 そしてノアが行きたいと言っていた最初の場所というのが、ぬいぐるみが置いてある場所だった。スピカ自身も可愛いぬいぐるみは何個か部屋に置いてあるので、新しいものを見る丁度良い機会だった。その時ノアの方を見ると、案の定暴走していたので、アハハ..と苦笑いが出た。折角だからと一つだけぬいぐるみを買って次の場所に向かった。

 次の場所もまた同じようにぬいぐるみとかある場所かと思ったらショッピングビルの中にあるゲームセンターだった。ノア曰く、「めっちゃ可愛いぬいぐるみが今あるんだけど、一人だと上手く取れなくて...だから手伝って」とのことらしい...。普段からゲームセンターに行くと音ゲーしかしないスピカだが、決してUFOキャッチャーとかしないわけではなくて、音ゲーをし始める前とかはゲームセンターに行くと必ずUFOキャッチャーをしていたのだ。ただ、ここ何年もやっていなくて上手くできるか不安にはなっていた。

「どういけそう?」

「おそらく次で行ける。後はこれをずらせば...」

 500円投下しての5回目、残り1回で終了のところで景品のぬいぐるみが入口手前の所まで持っていき、あとはずらすやり方で落ちるところまで来ていた。久々のUFOキャッチャーではあるのだが、やり方は忘れていなかった。アームの強さも程よく、次で行けるという確証がスピカにはあった。

「行くよ...」

その一言を言ってアームを動かし始めたスピカは景品の片側にアームが刺さるように動かした。アームがスピカが思っていたように刺さり、持ち上げたタイミングで景品が入口の方に動き、そのまま入口に落ちていった。

「凄い、これ欲しかったのよ、ありがとうスピカ」

「いいってことよ、昔よくやっていたからある程度は知っていたのよ」

「へえ、スピカってゲームセンターでしたいことってあるの?折角だしスピカがやりたいことも見たいなぁ」

 そう言っていたので、UFOキャッチャーのエリアを歩いていたらチラッとスピカがやっている音ゲーが置いてあるのを確認取れていたので、それをプレイしに向かった。

 

「スピカ、それって音ゲー?」

「そうよ、昨日衣舞紀には見せたんだけど、私って音ゲーマーという顔を持っていてね、トップランカーでもあるのよ」

 そう言って一発目から高難易度をプレイし始めたスピカだった。勿論いつものところとは違う筐体だったので、メンテ状態とかボタンの重さなどが違っていたが、まだできる方だったので一発目からPerfectを叩き出した。それが初だったからかスピカは物凄いテンションになり、相当喜んでいた。肝心のノアに至ってはそのやっている姿に驚いてはいたが、その終わった時の笑顔に大変満足していた。

「意外とスピカってこんな顔するんだね、めちゃくちゃ可愛い」

 

ノアのカワイイものレポート:4000

真珠星スピカ

 今日はスピカと一緒にカワイイものハンティングに向かった。意外にもスピカもカワイイものは好きだったみたいで、ぬいぐるみを見ていたスピカはとても可愛いかった。

 その後にUFOキャッチャーをスピカがやってくれて欲しかったぬいぐるみを取ってくれて嬉しかったが、UFOキャッチャーのやり方がとても上手すぎた。

 その後にスピカが音ゲーをプレイし始め、音ゲーでランカーということに驚愕したが、DJでライブしているときと同じようにその姿は可愛いというよりかカッコよかったし、そのギャップがめっちゃカワイイ。まじでこの娘の存在自体本当に可愛く思えたので、まだまだスピカの可愛いところが見たいからまた一緒に出かけたいと思えた。

 

 咲姫が待っている場所というのがスピカの家の前にしているので、ノアとのファミレスでの昼食を済まして家に向かった。咲姫には家の住所は伝えているので、間違えることはないと思っている。その後ろにはスピカを見ている存在がいた。

「はあ、こいつはいつまで私をつけてくるのかしらね...。いつかは決着をつけないといけないのかも」

 そう言って家に着き、スピカの家の前に咲姫が待っていた。




つけている存在は次の章にて正体がわかります。


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2-8話 出雲咲姫

 これでフォトンメンバーとの初絡みの話は終わりです。


 家に着くと、咲姫は家の前で待っていた。なんでも、3分前には待っていたらしく、悪いことした気分にはなったが、咲姫はそんなことは思っていなかった。

「それじゃあ行くか」

そう言って私は咲姫と一緒にある場所に向かった。

 歩いて30分ほどで目的の場所に着いた。その場所というのが、親戚が経営しているクラブハウスのアステリズムだった。どうしてこの場所かというと、咲姫はPhoton MaidenのDJをやっているということで、咲姫のDJテクニックがどれくらいなものか知りたかったし、同じDJをやっているという共通点からヒントを上げれるかもしれないと思ってこの場所に連れてきたのだ。

「阿久戸、いる~?」

今の時間だとクラブハウスはやっておらず、最悪オーナーの牛飼阿久戸は寝ている可能性もあった。けど、中から阿久戸が出てきたので、そこのところは問題はなかった。

 

 アステリズムに入り、ライブで使用するDJ台の方に足を運んだ。軽くは機材チェックを済まし、問題がなかったので咲姫にDJをやってみるように伝えた。

「分かりました。やってみます」

そう言って咲姫は一発目におとなしめの曲をかけ始め、綺麗に次の曲をかけ始めた。繋がりも良く、エフェクトのかけ方も悪くなかった。オーディションに受かってメンバーに入っただけあって基礎と応用はマスターしていた。

「成程ね...悪くないけど、勿体ないところもある」

 一通り流し終えた咲姫に率直な感想を話した。それを聞いて咲姫はとても喜んではいたが、改善できるところの話をし始めると咲姫の顔は真剣になった。

「例えば4曲目と5曲目の繋ぎのところ、咲姫ちゃんはフェードで繋げたと思うけど、あそこは私だったら5曲目の最初を4曲目のBPMに合わせて咲姫ちゃんが切り替えたタイミングと同じ時に入れ替えて徐々に元のBPMに戻しながらエフェクトを入れるね」

「なるほど」

「じゃあ実際にやってみるよ」

そう言ってスピカは4曲目最後から手前からかけ始め、言ったとおりに曲をつなげると、不自然なく曲が繋がった。それを見た咲姫は共感覚でスピカから広がる曲の色を見ていた。咲姫がやった時よりも強く、そして包まれるような感じで蒼く色が広がっていた。

「凄いです。蒼い色が広がっている」

「咲姫ちゃんは共感覚を持っていたね、どう?咲姫ちゃんがやったのと私がやったのどっちが良かった?」

「悔しいですけど、スピカさんの方が良かったです」

 スピカはその意見を聞いて、まだ発展途上なんだし練習を重ねていけば近いところまではできるよと優しく伝えた。

 

 それから2時間は経過しただろうか、ずっとスピカは咲姫のDJを指導していたが、その空間はとても良い雰囲気にはなっていた。が、スピカが時計を見ると「あっ!?」と声を出して焦り始めた。

「どうしたのですか?」

「これからDJ講座のゲスト講師に行かないといけないんだった。咲姫ちゃんも知識を付けるチャンスだし、一緒に行く?」

「そんなこともしているんですか、私も行きます」

そう言って咲姫は阿久戸にお礼をしてDJ講座を行うという楽器屋にスピカと向かうことになった。

 

 到着した時には既に何人もの人がいたが、時間には間にあってはいた。咲姫は同じように受けに来た人達の列に並び、始まるのを待っていた。スピカはというと、セトリを渡し、曲の準備を済まして教えることをまとめたレジュメを鞄から取り出した。

 時間になり、楽器屋の店長が登板し、挨拶をした。

「さて、今回のDJ講座のゲストは告知で知っている人は多いと思いますが、Stardustで実際にトラックメイクとDJをやっているコンポーザー、ヴァルゴです。どうぞ」

その言葉の後にスピカは登板し、レジュメをDJ台の傍に置いてDJをし始めた。皆が知っているような曲からスピカが作った曲などを6曲程流し、会場を盛り上げてからDJ講座を始めた。初心者もいれば経験者もいるということなので、分かりやすくDJで必要なことなどを教えた。

 

「じゃあ今持っている整理券の中から抽選で5人まで直接やってもらいながらアドバイスをしようかな」

 DJ講座は終盤になり、そう言って店長が用意してくれたくじ箱に手を入れて5枚ほどすくいだし、そこに書いてある番号を読み上げていった。

「最後は15番の人、いるかな?」

それを聞いて咲姫が持っている整理券を見ると15と書いてあったので、登板することになった。まさかさっきまで教えてもらっていたのにもかかわらずまた教えてもらえることに嬉しくなっていた。

 スピカは順番にDJプレイを見て、スピカが突っかかった所を指摘するという形をとっていて、終わった人たちは満足した顔で降板していった。そして咲姫の番がやってきた。

「咲姫ちゃんが最後なんだね、アステリズムの続きをやろっか」

マイク無しで咲姫の耳に語りかけ、咲姫は顔を真っ赤にさせたが、いざDJプレイをし始めるとそんなことはお構いなしにアステリズムで教えてもらったことをすぐに実践し始めた。完璧すぎるそのDJプレイにスピカだけではなく、受けに来ていた人達すら魅入らせる展開になっていた。

(やるわね、さっきまで教えていたことをもうマスターしている。飲み込み速度が早いのね)

 そう言ってスピカはそれでもミスを出したところを指摘し、DJ講座は終了した。終わった後にはファンの数人がスピカの前に集まり、サインをねだっていた。

「分かったわ、ペンあるかしら」

 

 楽器屋から出た二人は咲姫の住んでいるマンションの方に向かっていた。その間でも今回のDJ講座の話や、DJの話で盛り上がっていた。咲姫のマンションに着き、咲姫と別れたスピカはStardustの事務所に向かい、次のツアーライブの打ち合わせに出ることにした。

(出雲咲姫か、あの娘は絶対に成長する。そのためには誰かと対決して負けなければ分からないかもしれない...そう思えたわ)

そう思いながらツアーライブの打ち合わせを済まし、家に帰って今日のことを衣舞紀に電話で話した。




 次からはツアーアンセムの話に戻ります。


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2-9話 届いた音声データ

 この小説とフォトンの漫画とフォトンが陽葉に入ったタイミングがどうやら違うらしいですよ...そのまま話は進めますがw


 フォトンのメンバー一人一人と遊んだ日から数日が経ち、10月に入り、そこから数日が経過した。その頃りんくと真秀とむにの3人がフォトンの楽曲応募に参加するとした時にはスピカにも参加しないかと衣舞紀から誘いが来ていた。スピカ自身も悪くないことかもしれないからとキャンサーからのデータ待ちで開けていた所での誘いだったこともあって作曲に取り掛かっていた。

「フォトンらしくて自分らしくか...大変だな」

 そう呟きながらフォトンのメンバーと一緒に食堂で作曲作業をしていた。勿論のことだが、フォトン自体陽葉学院でも認知されていることもあってその異形な光景に目を向ける他の生徒達が多かった。そんな中でもスピカはお構いなしに作曲作業を続けており、大元のところを作り終えた。

「よし、こんなところだろう。あとはエフェクトとキックを入れて行くだけなんだけど...またか」

「どうしたのスピカ?」

「DAWが落ちた」

 お決まりのDAW落ち、スピカ自体はいつものことだからと言ってまた怪文書を書いてディグッターに送った。

【1stアルバム、新たに委託しましたので買ってくださいね】

 

 そんなことをしていたら一通の音声データがスピカの元に送られてきた。差出人はキャンサーとなっており、やっとツアーアンセムの続きが作れることに安堵の息を着いた。スピカがその音声データを聴いてみると、前半に繋いでキャンサーが作ったパートが置かれており、聴いてみると上手く繋がって置いてあり、そこからキャンサーお得意のガバのパートが続いていた。

「ガバは初めて触るけど、上手い具合に調整しないと」

「仕事モードに入っちゃたね」

その姿をフォトンのメンバー4人が見ており、特に咲姫はその作業をしているスピカの作業画面に興味を示していた。だが昼時間が終わり、急いで5人は自分の教室に帰ることになった。

 

 授業が終わり、フォトンのメンバーは放課後のライブに出るからと言って別れ、作業の為に帰宅しようとしたら丁度ミサミサがいたので、今の陽葉学院のユニットランキングの話や気になっているユニットの話をしていた。

「最近ねぇ、あ、一つ気になるユニットがあるよ。【DJ mash&りんくwith VJ only】というんだけどね、フライヤーのセンスもそうだし、ライブ自体も結構良いんだよね。一回ライブを見たけど、凄く盛り上がっていたよ」

「成程ねぇ、しっかしDJ mash&りんく with VJ onlyは長くないか?」

「まあ出来てすぐらしいから仕方ないのかもね、この娘達はもしかしたらサンセットステージに出られるかもしれない逸材だと思うから目が離せれないね」

 サンセットステージ、陽葉学院では学年末辺りにユニット実力を出し合う祭典として陽葉祭という文化祭の名目の中にサンセットステージというライブが行われる。陽葉祭自体文化祭ということもあって、来日してくる学園外の人達が集まってきたり、その模様をライブ中継したりとやたらと大きなイベントとして行われている。出場できるのは陽葉学院のユニットランキングで上位8ユニットまでが出場することができ、その中でトーナメント式で勝ち上がっていくという形をとっている。スピカ自身も中等部1年の頃は目指してはいたらしいのだが、いざこざがあってか出場する気はないようだ。

「ミサミサが気になっているということなら1回ライブを見た方がよさそうだね、次のライブはいつか分かる?」

「まだ公表されていないね、そういうことなら公表され次第、連絡入れとくから待っててね」

 そう言ってスピカはミサミサと別れて家に向かった。家に着いたらすぐにスピカはそのまま自分の部屋のPCの前に座り、ノートパソコンに入れている途中までの音声データをPCに送り、そのまま作業に取り掛かった。エフェクトだけとはいえ、作り慣れていないガバを如何にして良い感じにしようか模索しながらの作曲だったので、出来たところはたったの3秒だけのところで夕飯に呼ばれたので、急いで着替えて夕飯を済ますことにした。

 

 ライブが終わって事務所でレッスンをして帰宅した衣舞紀は、いつもの通り筋トレを行ってから風呂に入り、課題を済ましてからスピカのことが気になったので、電話をかけてみることにした。案の定スピカは作曲の作業中で、慣れないジャンルの曲でのエフェクト入れで手こずっていること、同時進行で作っているフォトンの楽曲応募曲の作業で大変なことになっているらしい。スピカ自身もこの状態には慣れているらしく、同時進行ながらもしっかりと両方の曲は出来て言っている状態らしい。

「あんまり無茶はしないようにね、手伝いたいけど作曲自体やったことがないから役に立たないでごめんね」

「気にしないでよ、これも仕事、プロの腕の見せ所だし、やることは済ませるよ」

「そう、作業の邪魔にならないように電話切るね」

「ええ、また明日」

 同時進行で完璧に済ますスピカの姿を考えると不器用な自分がもしスピカと同じ状況なら同じことは絶対にできないなと思えてしまい、改めてスピカの凄さに気づいて赤面してしまっていた。気づいたら22時に時計の針が示していたので、寝る用意を済ましてベッドに横になっていた。

「最近スピカのことを考え始めているような気がするな」

そう言いながら衣舞紀はゆっくりと就寝をし始めた。肝心のスピカはというと、作業をし続けて気づけば3時になっていたので、そのまま作業したところを保存して就寝を取ることになったので、翌日のスピカの目には多少のクマが出来ていたのはここだけの話である。




 スピカの過去はどこかで書くかもね


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2-10話 王者降臨

 あと3話くらいかな


 あれから1週間位が経ち、応募の当選発表が今日発表されることになっていた。結果が出るまでの放課後のこの時間は自分の教室の机でツアーアンセムの作業を行っていた。エフェクトの作業自体はすぐに終わるので、出来上がった所をキャンサーに送り、問題ないことを聞いてから最後の得意な物をぶつけあう所のフレーズを何個か作成している状態だった。作業をしていたらスマホに着信が届き、それを確認したらネビュラプロダクションからのメールが届いていた。中身を確認すると、募集結果は見事当選をしており、これが衣舞紀達が歌うのかと思い、赤面しながら少し嬉しい表情をしていた。正直落ちていただろうと思っていた物だったが、フォトンのメンバーと一緒に出かけたことを思い浮かべながら作った曲ということもあって、楽しく作れて、そしてスピカ自身の心境が変わっていっていることに気が付き始めていた。

 

「衣舞紀に連絡を入れておこう」

 そう思ってスマホを取り出してL〇NEに当選したことを送信したタイミングで教室の入口にDJクノイチこと犬寄しのぶがドアに縋って立っていた。なんでも、スピカに会わせたい人物がいるということらしく、作業自体もある程度キリが良かったので、一緒に会いたい人物に会うためにライブスペースの楽屋に向かった。

 到着した時にはしのぶ意外に3人程がライブを終わらせてゆっくりとしていた。彼女達は今陽葉学院でトップに君臨する大人気ユニットのPeaky P-keyで、ライブが終わってしのぶがスピカを楽屋に呼んだ形になっていたのだ。

「ライブ終わりだよね、お疲れ様」

「ありがとう、真珠星スピカだよね、しのぶから色々と聞いているよ」

そう言って声をかけてきたのはピキピキのボーカルを担当している山手響子だった。しのぶ曰く、ちょくちょくしのぶがスピカと一緒に話している姿を目撃していたということと、ユニットランキングに乗らずにかなりの人気を誇る裏の人気DJという面から気にはしていたらしいのだ。

 

「それで、呼んだのは分かるけど、何か聞きたいの?」

「ふふ、色々とあるけどさ、スピカの曲を聴かせてもらってもいいかな?分かるものがあると思うし」

 そう響子が言うので、仕方なくスピカが作った曲の中で気に入っている物を何曲か聴かせることにした。それを聴いた3人はそのレベルの高いインスト曲と1曲のボーカル曲を聴いてかなり驚いた表情をしていた。

「すごい、インスト曲なのにも関わらず脈動するこの感じ、かなりイケてる。インストだけでこれほどの曲が作れるのは凄いよ」

「本当ね、色々な人の曲を聴いたけど、スピカさんの曲は格別に何かを感じてしまう」

「スピカさんってどこかに所属してますよね?」

流石はお金持ちっていうか、勘がとても鋭かった。

「ええ、絵空の言う通り、私はStardustという音楽レーベルに所属しているトラックメイカーで同じようにヴァルゴという名義で活動してます」

 その発言で3人は驚いた顔をしていたが、しのぶはというと、また進化したなというような顔をしていた。

 

「折角ならプロのDJプレイがどんなものなのか気になるな」

 そう響子が言ったので、見せようにも下校時間だったので、仕方なく阿久戸に連絡を取り、営業開始前の30分だけ使えると言われたので、そのままスピカとピキピキのメンバー全員でアステリズムの方に向かった。到着した時にはいつでもできるようにスタンバイされていたので、流す曲をささっとリスト化し、曲をかけ始めた。盛り上がるタイミングというのをしっかりと抑えてエフェクトやスクラッチを回しての曲繋ぎや、リバースなのでさらに盛り上げていった。演奏が終わり、ピキピキのメンバー全員が唖然とした顔をしていた。

「凄い、プロのDJプレイってあまり見る機会がなかったけど、これは納得せざるを得ないかもな」

響子から賞賛とも言えるコメントを貰い、安堵の顔を出したスピカを由香が1枚写真をとった。そのDJプレイに刺激を受けたのか、ピキピキのメンバー全員の顔が引き締まった顔をしていたので、何か決心がついたと思い、次の言葉を残してアステリズムを去った。

「今後のピキピキの活躍、期待しているよ。昔、私が辿り着けなかった所までね...」

 

 家に帰ったスピカはそのまま部屋に上がったのだが、そこには衣舞紀と咲姫が待っていた。

「お邪魔してます。今回の応募の結果を聞いて、直接言いたいことがあるので上がらせてもらいました」

「はあ、まあいいや。当選したし、そのことらしいから今回は許すわよ」

 応募に当選し、そのことで直接おめでとうと言いたかったらしく、もう少しスピカのことを知りたいと思ってか部屋に上がってきた二人に文句は言えず、そのまま作業の続きをしている姿や音ゲーをしている所を見せて軽く駄弁ってから二人は帰った。ただその時間が悪くない時間だと思っている心境にスピカはまた会いたい...寂しくなり始めて心の中がモヤモヤし始めていた。

「気を紛らわせよ、作曲自体あと5%くらいだしな」

勿論、その姿を見ている影が一つだけあったのだが、そのことにスピカは知る由もなかった。




 次回くらいには曲は完成しているでしょう


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2-11話 曲完成間近

 PFCの数が100になりました。


 数日後、りんく達が正式にHappy Around!として活動を開始したタイミングでスピカはというと、曲のインスト自体が出来上がり、後の調整役をキャンサーに頼まれたので、初めてながらもしっかりと調整を行っていた。最後のフレーズの調整に時間がかかっていた。ボーカルが入るツアーアンセム、時間的にはそろそろ完成しておきたい所だったので、下校タイミングまでずっと教室で作業をしていた。

「キャンサーさんのキック強すぎ、調整するの大変なんだけど...」

 下校時間になり、丁度フォトンのライブが終わったらしく、今から事務所でレッスンを受けるところだと衣舞紀から聞いた。

「スピカはこれから何か用事でもあるの?」

「曲の調整が終わったから、私も事務所の方に向かう所だよ」

「そうですか、その合作曲というの聴いてみたいです」

「完成したら聴かせるから待っててね咲姫ちゃん」

そう言いながら事務所の方へと向かった。

 

 スピカがStardustの事務所に入った時にはリーダーのアリエスとキャンサー、サジタリアス、アクエリアスがいた。

「あれ?このメンバーで集まっているということはハードの話し合いですか?」

 ハード、Stardustのライブや楽曲で最もキックや曲調などが強めな曲のみで構成されたもので、スピカ自身もハードでもライブに出たり、コンピにも参加している。そのためにこのメンバーが集まって話しているから、その関係の話なのだろうと思っていた。

「ヴァルゴか、完成したのか?」

「ええ、今日キャンサーさんが事務所の方に行くというので、出来上がった曲を渡そうかなと思って」

「成程ね、ちょっと待ってね。丁度ハードの話が終わった所だからデータを貰うよ」

「お願いしますね」

 そう言ってスピカは曲データをキャンサーに渡し、調整の疲れとかあって折角だからと事務所でゆっくりと休むことにした。この2ヶ月半、初めてであり責任があるこのツアーアンセムを任され、大変ながらもこの期間とても大きな収穫があった。悩んでいた時にしのぶちゃんからヒントを貰ったこと、フォトンのメンバー4人に出会ったことでスピカの心境が変わった。

 

「ヴァルゴちゃん、本当にお疲れ様。これ缶コーヒー、ヴァルゴちゃんは微糖が良かったよね?」

「ええ、ありがとうございます」

 サジタリアスから缶コーヒーを貰い、ゆっくりと事務所の椅子に座って休んでいた。丁度その時にキャンサーが音声データの確認が終わったらしく、そのことで話をすることになった。

「ヴァルゴお疲れ、ラストのところとヴァルゴの調整が凄い良かったから本当にヴァルゴは頑張ったと思うよ」

「ありがとうございます。大変でしたけど、新しくできた友人のおかげで精神的に落ち着いて作業することが出来ました」

「新しい友人ね、精神的に落ち着かせる友人が見つかって良かったと思うよ。これからもその友人を大事にね」

 そのまま一緒に作成の裏話を話し始め、その話にアリエスとサジタリアスがその話に興味を示して聞いていた。その話はそのまま20時くらいまで続いていた。

 

 家に帰宅して、追い込みが終わって出来ていなかった音ゲーを思う存分プレイすることにした。アップデートも来た故に新しいパックも来ていたので、早速パックに収録されている曲全てプレイすることにした。勿論収録されている曲全てPerfect...とはいかずに、1曲だけ終わらなかった。

「くっそ、ACでも思うけどこいつだけはマジで許されないだろ...」

その曲はスピカがプレイしている音ゲーの中で超弩級クラスで難易度詐欺をかましている問題児で、スピカ自身も苦手としている曲で、トップである青薔薇こと葵は既にPerfectを叩きだしていたので、さすがに悔しいので出るまでずっとやっていた。

「あの野郎、絶対に次の公式大会で王座の座から引きずり落としてやるから覚えてろよな」

 寝る前に丁度キャンサーから連絡が来て、ボーカリストをキャンサーが見つけるという事で話自体は二つ返事でことが進み、後はキャンサーに任せることでスピカの作業は終わった。

 

 夢の中でスピカは一人の女性の前に立っていた。そこにいた女性はスピカに抱き着いたと思いきや傍にいた衣舞紀と咲姫、ノア、乙和、更には葵とミサミサに対して包丁で刺しにかかろうとしたタイミングで目が覚めた。

「ハァ...ハァ...ハァ...一体あの夢は何だったのかしら...でもあの女の子、凄い見覚えがある人だった.....いやまさかね....でもあり得るかもしれない....」

 

 

 

「だって、ここ何年も私のことを付けてきているんだもんね」




今回は少ないですがこれまで、あと2話で次の話に移ります。


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2-12話 Lyrical Lily

あと2話です。それと、今回はかなり長いです。


 10月末になり、スピカは近々開催される音ゲーの公式大会の予選が開催されるということがあって、スピカは青薔薇こと葵、店内2位の実力を持っているL.Eさんと一緒に予選に向けての追い込みを行っていた。そこには衣舞紀と咲姫もおり、その光景に圧巻されていた。3人共の選曲が最高難易度帯付近にある曲ばかりを選んでバチバチとやり合っていた。リザルトを見てもPerfectと1落ちばかり出しているために勝敗の決定打という所が見当たらない戦いばかりだったが、結果としてはスピカが負けとなった。

「まじで青薔薇上手すぎんだろ、これなら勝てると思ったのになぁ」

「ごめんねヴァルゴ、ヴァルゴが絶対この曲を選んでくることは分かっていたんだよ。だから練習した」

「こ の や ろ う」

 19時になった時には皆でゲーセンから離脱し、そのまま衣舞紀と咲姫と一緒に家に向かっていた。そのタイミングでスピカのスマホに着信が掛かってきた。その着信に気づいて電話相手を見ると凄く見覚えのある電話番号から掛かってきていた。

 

 遡ること3時間前、名門のお嬢様学校である有栖川学院の地下に4人の生徒が集まっていた。有栖川学院公認であるDJユニットであるLyrical Lilyのメンバーの春日春奈、桜田美夢、白鳥胡桃、竹下みいこだった。どうやら公式になってまだ日が浅いということもあって、まだ戸惑っている感じだった。

「リリリリの皆さん困っていますね、お手伝いしましょうか?」

「あら犬養さん、実は...」

 犬養鷲莉愛(いぬかいじゅりあ)、有栖川学院に通っている高校2年生で、閉鎖的な雰囲気を醸し出している有栖川の中では外の世界をかなり知っている情報通なので、今回リリリリが困っていることを知ったのでこうして手伝いに来たという訳だ。

「なるほどね、そういうことならDJについてかなり知識がある人に教えてもらうしかないですわね。確か私のお知り合いに一人、DJをやっている方を知ってますので、また明日ご連絡しますわ」

「分かりました。よろしくお願いします」

 その日の夜、鷲莉愛は家の電話である人に電話を掛けた。そう、掛けた相手はスピカなのだ。

「もしもし、お久しぶりだね」

「かれこれ2年ぶりか?珍しいね【アルタイル】から連絡を貰うなんてさ」

「まあいろいろとね、明日の夕方空いてる?Stardustに所属してなかなか時間ないでしょ?」

「ん?今なら空いてるから問題ないよ」

「そう空いている...て、え?大丈夫?忙しいんじゃないの?」

「丁度タスク全て終わった所だったから空いているんだよ」

「そっか、ならスピカ、助けてほしいから有栖川学園に来て欲しいの」

 

翌日のお昼時、スピカはいつもの通りになっているフォトンのメンバーと一緒に昼食を食べていた。いつものようにフォトンのメンバーと一緒に母親が作ってくれた弁当を食べながら話をしていた。スピカは今日に限ってはソワソワしていることはフォトンのメンバーには筒抜けだった。

「今日のスピカさんは何かソワソワしていますね、何かあるのですか?」

「いつものスピカじゃないよね、乙和にも教えて~」

「確かにいつもの感じじゃないよね?何かあるの?」

「珍しいね、スピカがこんな感じになるなんて(めっちゃ可愛い~)」

という感じに質問攻めにあうことになった。まあ仕方ないのかもしれない、まさかお嬢様学校である有栖川学園にコーチとして行くことになるとは思ってもいなかったし、何より、場違いすぎて困惑していた。

「実はさ、今日の放課後に有栖川学園にDJの指導に行かなくてはならなくてね、それで困惑しちゃって...」

「そういうこと...え?あの名門のお嬢様学校に!!!」

 勿論の事ながらフォトンのメンバーは驚いており、スピカもそのことに対しての経緯を話した。

 

 放課後、スピカは家に帰らずにそのまま有栖川学園に向かうことにはなるのだが、距離としては結構の距離があるので、どうしようかと悩んでいたら目の前にリムジンが止まった。その後ろの窓が空くと、そこには絵空が座っており、どうやら昼間の会話を聞いていたらしく、有栖川まで送ってくれるというので、お言葉に甘えて乗せてもらうことにした。勿論の事ながらその間にもDJ活動の話で話が弾み、気がついたら有栖川学院に着いていた。

「ではスピカさん、また今度~」

 有栖川に到着したスピカの印象はデカいと高貴さなという事しか思い浮かばなかった。

「真珠星スピカ様ですね、早速中へどうぞ」

そう門の前にいた管理人らしき人に案内され、着いた場所は有栖川の雰囲気とは思えない地下空間だった。そこにはリリリリの4人の他にアルタイルがスピカの到着を待っていた。

「久しぶりだねスピカ、本当に大丈夫だったの?」

「昨日言ったでしょ、今は予定が空いているって」

そんな会話を聞いていた4人は驚きの顔をしていた。まさか陽葉学園の生徒がくるとは思ってもみなかったのだから。

 

「はじめまして、Stardustという音楽レーベルで活動していますヴァルゴこと真珠星スピカです。今日はよろしくお願いします」

 自己紹介が終わった所で早速どんな感じで演奏をしているのか確認するために実際にやってもらった。意外にも出来が良く、悪くはない感じがあったのだが、強いて言えば、DJをやっている春奈があたふたしている感じがあった。

「どうですか?」

「全体の出来は良いとは思えたけど、3人の振付に多少のずれがあったのが気になったわね、そこを直すだけでもより良いものができると思うわ」

そう言って色々と気になったところ、個人の改善ポイントを教えた。

「そして最後に大きく気になったのはDJの春奈、DJ機種に対してまだまだなれている感じではなかったわね、直接教えてあげるわ」

 

 そうして色々と話していたら30分が経過しており、休憩を取ろうと美夢が言ったので、休憩を取ることにした。中庭の方でアフタヌーンティーが用意されており、そこで色々と話ながらゆっくりと休憩を取っていた。スピカが紅茶を飲んだら口が急にヒリヒリとして口に入っていた紅茶を思いっきり吐き出してしまった。

「大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫、何か私が飲んでいた紅茶に激辛ソースが入っていたの」

大体こんなことをするのはあの2人だと春奈は察し、二人を探し始めたが、スピカは探さなくても良いと伝えた。逆に仕返しをすぐに企て始めた。

「へ、へ、へ~、激辛ソース作戦大成功~。春奈ちゃんに教えている時間めちゃくちゃ暇だったし、何より驚く顔が見たかったんだ~」

「大成功なの~。いい感じに驚いていたから良かったの~」

 先に地下にいた胡桃とみいこはスピカに行ったドッキリに大満足な様子だった。まさかその後に酷い仕打ちを受けることになるとは思ってもいらずに...。

 

 休憩が終わり、春奈のDJコーチは30分ほど進んだ。その間にも3人には課題を指摘していたこともあって、どうしたら改善できるか考えさせていた。丁度コーチが終わって、どれだでできているかを確かめるために実際にライブをしているという大聖堂の方で本番を見据えてやるように手案を持ちかけた。勿論の事ながら4人とも賛成だったこともあって、そのまま大聖堂の方に向かった。スピカはアルタイルにドッキリの仕掛けを時間を稼いでいる間にシスターに了承を得て作業をしてもらうようにし、仕返しを企てていた。

「大丈夫ですか?胡桃さんは意外にも勘が良いのですよ?」

「問題ないよ、あいつの仕掛けは気づかれにくいものだから」

こそこそと話しているスピカは何か楽しそうな感じで、それが春奈にとっては心配だった。

 大聖堂に到着し、実際にライブをやる感じで位置を取り、演奏が始まった。演奏中はドッキリを作動させずに指摘したところをしっかりとクリア出来ているかしっかりとスピカは見ていた。最初の時の少しぐちゃぐちゃとした感じはなく、しっかりと課題はクリアできており、これならば問題はないとスピカは思った。ライブが終わり、総評を伝える...前にスピカはアルタイルからもらっていたボタンを押した。そしたら丁度胡桃とみいこがいる床が飛び上がり、綺麗に大聖堂の入口付近に隠して用意していた網に入り、二人とも相当困惑していた。

「あまり私をコケにしないようにね?」

スピカから放たれる圧に耐えきれず、二人は揃ってごめんなさいと謝罪の言葉を言って網から解放された。

 

 総評を伝え、最後に実際にスピカがどのようなライブをしているのか見てみたいと美夢が言うので、仕方なく自分のノートPCを取り出してDJの用意をしていた。折角ならと胡桃にVJの用意を頼み、準備を済まして早速DJプレイを行った。リリリリの4人が知らないようなインスト曲、フロアの盛り上げ方を見て完全に魅入ってしまっていた。勿論の事ながら、他の有栖川の生徒もシスターもその演奏を見て完全に魅入り、身体が自然と動いていた。

 DJプレイが終わり、その演奏に見ていた生徒とシスターから拍手喝采となり大満足をして有栖川の正門に向かっていた。

「今日はありがとうございました。また機会があればまた会いましょう」

「ええ、また会いましょう」

 そうしてスピカは帰宅し始めた。かなり距離がある道をゆっくりと歩いて帰っていた。そうしていたらスピカのスマホに着信の通知が来ていた。

「ん?キャンサーさんからだ。どうしたんだろう?」

「あ、ヴァルゴ、曲は完成したぞ。ツアーアンセムにはPVがあるのは知っているだろうし、空いている日教えてくれない?その日に撮影するから」

「分かりました。また確認して電話しますので、その時に」

 

「やっとツアーアンセムが終わるのか...意外と考え深いもんだったな」




次回でTour Anthem編は終わります。


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2-13話 PV撮影

 燐舞曲イベ疲れた


 リリリリにDJ指導をした日から数日、スピカはある場所にキャンサーとボーカルを担当した歌い手と来ていた。撮影を見学したいからとフォトンの4人も来ていた。暗くて誰もいない廃墟のような雰囲気を醸し出している場所で朝からPV撮影が行われていた。今はちょうど午前中の撮影が終わり、お昼休憩に入った所だった。

「お疲れヴァルゴ、初めてのPV撮影は大変だろう?昼飯取ってきたから食べな」

「ありがとうございますキャンサーさん、初めてのことで緊張はしていましたけど、良くはなっているとは思いますよ」

「だな、調整役を任せて良かったと思うよ。それに、またヴァルゴのトラックメイク更に上手くなってきているね」

 お昼休憩はキャンサーと今回のツアーアンセムのトラックメイクで話が弾み、気がつけばお昼休憩はとっくに終わってしまっていた。折角だから衣舞紀達にも撮影している時の雰囲気やツアーアンセムの感想を聞いてみたかったが、それは帰る時に取っておこうと思い午後からのPV撮影に気合いを入れなおした。

 

 撮影中のスピカはというと、物凄く真剣で、納得いかないところは何度も取り直してまで納得がいくテイクを撮っていた。その状況を見ていた衣舞紀達はスピカが普段しない顔をしていて、スピカが本当にプロのトラックメイカー集団のメンバーだと再確認していた。その時のことを咲姫は共感覚で見ていて、スピカがいつも出している心地の良い蒼い色をした雰囲気を出してはおらず、紫に近い色をしており、寧ろスピカの姿をずっと見ていた。

「今のカット見せてもらっても構いません?」

「了解です。どうぞ」

「..........よし、今のシーンはこのテイクでお願いします」

 

 キャンサーはというと、撮影慣れしているのか、緊張しているような顔はしておらず、撮影担当がOKとなればシーンは終わりという形でサクサクと終わっていた。二人で取るシーンではスピカに付き合う形で何度もシーンを取り直すことが多かったが、納得がいくまで撮りなおすスピカの姿に驚きの顔を何度かした。その時、キャンサーはスピカをStardustに迎い入れた時を思い出していた。スピカとキャンサーとの出会いはスピカがまだ中学3年生の時、当時無名でM4(実際ではM3)に別のレーベルのメンバーとして活動していたスピカを見つけ、当時のスピカの曲を聴いて衝撃が走った。無名では惜しいくらいの曲の出来上がりだったこともあってM4が終わった時にスピカに声をかけて夕食を誘った。その時の夕食の時にキャンサーはスピカにこう言っていたのだ。

「君の実力を腐らせるわけにはいかない。だからさ、俺達Stardustに君を引き入れたいんだ。ヴァルゴが良かったらこの電話番号に連絡入れてよ。リーダーのアリエスに相談するからさ」

 

 スピカもPV撮影の休憩中にキャンサーに誘われたことを思い出していた。あの誘い文句を言われ、レーベル移籍に相当悩んではいたが、それを後押ししてくれたのは間違いなく幼馴染であるデネボラ、そして当時まだ近くに住んでいたアルタイルの二人だった。デネボラに至っては兄にStardustで活動をしているレオことレグがいたこともあって悩んでいた当時のスピカを後押ししてくれたおかげで今こうしてStardustのメンバーとして活動をしているのだからデネボラとアルタイル、そして引き抜きを考えたキャンサーに頭が上がらなかった。

「...あの時キャンサーさんが誘ってくれなかったら今こうして活動していなかったのかもしれないわね」

 

「PV撮影はこれにて終わります。本日はお疲れさまでした!!」

 気づけば時計は午後8時を差しており、長いこと撮影していたなと思った。(大体はスピカのリテイクが多かったのが原因なのだがw)撮影が終わってフォトンのメンバーと一緒に話しながら帰ることにしたが、スピカは今日は家に帰らずに衣舞紀の家に泊まると伝えた。というのも、衣舞紀の実家が神社ということもあって、ツアーファイナルと来年にまた開催されるライブツアーの成功祈願の為にも泊まったほうが早いと思って言ったらしい。衣舞紀も衣舞紀の両親からも許可は取っていたので、そのまま転がる形になった。そのことに対して乙和とノアからは凄い勢いで羨ましがられたが、咲姫は何故か妬いているような雰囲気を醸し出していた。まあ翌日には咲姫の住むマンションに泊まることになるのはここだけの話。

 

 翌週にはツアーファイナルとしてお隣である神奈川県に向かっていた。そこにはまたしてもフォトンの面々がいたのだが、今回はスピカがツアーライブを体験してほしいという願望の元ツアーライブに誘ったのだ。移動中のスピカは今回のライブのセトリの確認をしていたのだが、その顔には緊張をしている感じは一切しなかった。

 ライブ会場に到着したタイミングでフォトンのメンバーにはゆっくりと時間まで時間を潰してもらうように伝え、その間に最終確認とリハーサル等のやることは全てやっていた。そして来場時間となり、どんどんとお客さんが集まってきていた。そして始まる前にいつもやっている参加者が集まっての円陣を行い、ツアーライブが始まった。

 スピカの出番は中盤に用意されており、丁度出番の前にDJをしていたライブラから盛り上げちゃいなと後押しされ、登壇することになった。

(よし、ここから30分は私の時間だ。私の曲でこの空間を染め上げてあげる!!)

「ヴァルゴです。お前ら、生き残る準備は出来ているか!!!」

「「おおーーーー!!!!」」




ということでTour Anthem編はこれにて終わります。そして次の3部からがこのVibes Starの本番の話になります。今までちょくちょく現れていた存在が遂に本格的に現れたりします。ということで次回、淡い恋心編をお楽しみに


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第3部 淡い恋心編
3-1話 予選


 さて、今回から第3部として淡い恋心編がスタートします。タグ詐欺ではないよ、この話から本格的に動きがあります。では淡い恋心編どうぞ


 11月中旬となり、東京某所の会場にスピカ、青薔薇、L.Eの3人に加え、衣舞紀と咲姫の2人の計5人が向かっていた。というのも、集まったこの日にはスピカと青薔薇、L.Eにとっては大事な日で、今日はこの3人がやっている音ゲーの公式大会の予選が開催される日なのだ。青薔薇はシードで予選には出ないのだが、解説役として出なければならないので、それに伴って向かっているという訳だ。

「それにしても、L.Eさんとは当たりたくないですね、得意譜面傾向同じですから」

「そうだね、予選の別れ方を見ないと分からないからね」

関東地方の本選出場枠は2つ用意されており、A,Bどちらになるか分からないのだ。

 会場の中に進み、遂に予選が始まろうとしていた。よく見るメンツの他に、見かけない人も色々といたが、相当な手練れ連中が多いのは確かなようで、咲姫の共感覚では赤い色が多く見えていた。

「予選Aブロックのメンバーはこんな形です!!」

Aブロックのメンバーを見るとそこにはL.Eの名前はあったが、スピカの名前はなかったのでブロックが分かれたことに対してスピカは少し安堵の息をついた。メンバーを見るとL.Eさんなら優勝できるだろうと思えるメンバーが集まっていたので、これなら3人でファイナル出場ということができると思えた。

「予選Bグループはこんな形になっています」

続いてBグループにヴァルゴの名前が書いており、スピカはその相手を確認した。相手には早速、青薔薇と公式大会でバチバチやり合っている強敵でスピカも知っている相手であるために最初からしんどい相手だなとスピカは苦笑いが出た。

 

 Aブロックの決勝が終わり、優勝したのはL.Eさんだった。まあわかりきっていたことだったので、そこまで驚きはしなかったのだが、スピカは逆に強敵と当たったことによるプレッシャーに押しつぶされていた。そこに衣舞紀と咲姫が駆け寄ってくれて、衣舞紀から緊張をほぐすストレッチを試しにやると落ち着いたので、そのままBグループの出場者として登壇した。相手は強敵、選曲次第では負けてしまうという中、スピカは最高難易度に位置する曲の中で最も得意としている曲を選曲し、相手からはスピカの苦手としている曲を選曲された。

 前半にスピカの得意としている曲でのプレイであり、衣舞紀と咲姫が見ている中で下手な負け方はしたくないという意思の中曲に集中した。難所や特殊演出で認識がしづらい所全て綺麗に通り、結果としては前半のスピカが選曲した曲のスコアは3落ちで終わることができ、相手は30落ちと何とかリードを取ることができた。だが後半はスピカの苦手としている曲ということもあって、辛い戦いであることは間違いないのである。

 そしてその後半、苦手としている配置の中で、ここは通す、捨てるを僅か1フレームというミリの中で判断し、最後まで自分が持つ力を全て使って戦った。結果としては1ミスの差でスピカはその曲を落としたが、トータルを見るとスピカが僅かながらその強敵に勝って終わった。序盤から大変な戦いにはなったものの、そこからはするすると決勝まで上がっていくことができた。

 

 遂に決勝、スピカの相手はまさかの今年初めて見る相手だったので、情報不足過ぎてどう選曲してれば良いのかなと思った。けど、このために最も苦手だったけど、プレイしているとできるようになったあの問題児を選曲した。それを見た会場の声からは驚きの声が響き渡り、運営サイドからも意外過ぎる選曲に驚きのコメントしか言われなかった。相手からも驚いた顔をしておりながら相手から超変速的ソフラン曲を投げられ、それに対しても会場からは驚きの声でいっぱいとなった。

 前半、スピカの選曲した問題児をが始まり、問題とされている配置を上から殴るという言葉が当てはまるように綺麗に通して結果として1落ちを出して圧倒的な差で前半が終わった。後半の選曲ではやはり超変速的なソフランに苦戦するものの、結果としては繋げれるところは全て繋いだこともあって優勝することができた。これでL.E、ヴァルゴ、青薔薇のホーム最強の3人が本選のファイナリストとして出場が決まった。

 

 終わって5人で喫茶バイナルに寄り、3人のファイナリスト選出が決まった事の打ち上げを行うことになった。その中で衣舞紀と咲姫からはあの会場で感じた雰囲気に完全に魅入ってしまっていたらしく、スピカの戦いに関しては釘付けになって見ていたらしい。

「でもさ、ヴァルゴの決勝楽曲はマジで驚いたよ、あれ相当苦手じゃないのか?」

「苦手だよ。でもさ、あれをできるようになれば絶対に勝てると思ってたからここ数日しっかりと練習してたんだよ」

 そうして予選の反省や2月に開催される本選に向けて高め合うことを話し合って打ち上げが終わった。帰宅中に衣舞紀と咲姫と3人で歩いて帰っている中で校内ランキングについて話が進んでいた。サンセットステージがある陽葉祭まであと2ヶ月、今のフォトンの順位は15位くらいにあり、残りを頑張れば行けるかもしれない状態にはなっていた。

「どうなることになるのかな」




 次回はフォトンとハピアラとの激突の話になります。


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3-2話 激突

 個人的なことですが、右人差し指を負傷して療養で小説が書けませんでした。今はこうして書けるようになりました。


 年が変わり1月、スピカは年末に行われた冬コンが終わり、やることが終わった状態で少し余裕があった。そんな中スピカはというと、ミサミサと明日に行われるハピアラとフォトンの直接対決の準備のために、一緒に昼食を食べながら話をしていた。ずっとフォトンの傍にいたからこそ分かること、どっちが勝つだろうかという予想をしていた。

「私は今の状況だとフォトンが勝つだろうと予想しているよ。曲の作りやライブパフォーマンスからしたらハピアラはしんどいかもしれないね...でも今のフォトンの雰囲気...特に咲姫の今の心境だとちょっと悪いかもね」

「なるほどね、参考になるよ。そういえばスピカの活動はどんな感じなの?」

「冬コンは終わったし、今は手が空いている状態かね。ここまでのStardustの活動で更に私の作曲スキルは断然上がったよ」

 そう話していると昼休みの時間が終わり、自分の教室に戻ることにした。そうしていたらミサミサから一言言われ、そのことでスピカの表情が強張った。

「ねえスピカ、陽葉祭はどうするの?」

「...あいつに会わない場所、今回は屋上にでもおるよ。本当は衣舞紀達と一緒に楽しみたいんだけどね」

 

 放課後、スピカはライブに出る為に楽屋で待機していた。だがスピカは浮かばない顔をしていた。

(ねえスピカ、陽葉祭はどうするの?)

「...いつかは決着をつけないといけないんだけど、どうするか...まあ今日のライブ頑張るか、今日のライブは今年の成果をふんだんに出すライブだからな」

 今日の放課後は陽葉祭までの校内ランキングが決まるスピカの最後のライブが行われる予定になっていた。セトリはこの一年作成した曲やリミックスを出しているのを基に色々とセトリを組んでいた。その中にはスピカがフォトンの楽曲募集で作った曲も流していた。そこには咲姫も見ていて、その時の雰囲気は水色の色をしていたらしい。

「今日は来てくれてありがとう、皆、ぶっ倒れる用意はできてますか~~~!!」

 ライブが終わり、そのまま少し予定があったのでStardustの事務所に向かっていた。その時に後ろから視線が感じていた故に咲姫だと分かっていたので、声をかけて事務所まで一緒に歩くことになった。勿論、話の内容は今日のライブのことや明日のライブのこと、今の状況でハピアラに勝てる勝算があるのかとかの話が主だった。今のままだとフォトンは勝てるとは読んではいるのだが、ライブが始まる前までにハピアラのこれまでの活動を見返していたら確実的にハピアラは新しいことに挑戦して挑んでくると思えてしまい、勝機が大分変わると思えてしまっている。勿論の事ながらフォトンも新曲である『暁』を出すわけであって、絶対不利という訳ではない。しかし、ずっと心残りにある一つの疑問が着いて回って完全な予想というのが出来ていない状況なのだ。

「ま、いつもの通りやれば大丈夫だとは思うよ。まあ少し咲姫の心境さえ直せばね」

 そうこうしていたらStardustの事務所に着いたので、咲姫と別れることにした。

 

「ま、いつもの通りやれば大丈夫だとは思うよ。まあ少し咲姫の心境さえ直せばね」

 その一言に咲姫はずっと考えていた。やはり分かる人には分かるのかもしれないと思えていた。明日はハピアラとの直接対決本番、DJとしてやるべきことをしなければと気合いを入れ、そのまま就寝しようとしていたらスピカからL〇NEのメッセージが届いた。

【寝る前に咲姫に伝えておくよ、どんな結果になっても自分を悔やまないで】

【今の実力を出して負けたならそこから次に繋がることが見つかるはずだよ】

 そのメッセージだけでも咲姫としては嬉しかった。陽葉学園に転校してずっと見てもらっていた人だからこそのアドバイスはとても温かい感じがした。そして同時に咲姫にとっては今まで以上にスピカに対しての一つの感情が大きくなりつつあった。

 

 翌日の放課後には遂にハピアラとフォトンの対決が始まろうとしていた。スピカは勿論見るためにライブスペースに足を運んでおり、始まる前にミサミサと軽く今回の行く末とここまでの校内ランキングの話をしていた。スピカ自体は裏の方で有名とされているが、実際の校内ランキングでは2位ではある...が、スピカはサンセットステージには参加する気は毛頭もないので、ミサミサに頼んでサンセットステージの枠を用意していた。その一つの枠をこの二つのユニットが戦ってライブをすることになったのだ。

 そして時間になりライブが始まった。先頭はフォトンから始まった。最初からいきなり新曲である暁を披露した。パフォーマンスのキレとメンバーとのシンクロ性はやはりフォトンの強みではあるのだ。しかし、咲姫の雰囲気は昨日とさほど変わっていなかった感じがしてはいた。

「惜しいかもしれないわね、ハピアラの演奏を見ないと分からないけど」

 フォトンのライブが終わり、次はハピアラの番となった。現れた4人を見てスピカは良い雰囲気だと感じていた。そしてライブが始まり、何をしてくるのかと思ったら、ハピアラのこれまでの曲にしては物凄い珍しいおとなしめな曲の始まりをしており、そのことに対してスピカは驚きを隠せなかった。更にはボーカルはりんくではなく、ショルダーシンセを持っている渡月麗がボーカルをしていたのだ。というのも、一応はこれまでのハピアラの曲も今回の対決のために聴いており、ボーカルをしているりんくがメインではないこととかなりおとなしい曲に対する範囲の広さにスピカは驚いていた。

「なるほどね、これはハピアラの勝ちだろうな。流石に相手が悪かっただろうな」

 

 ライブが終わり、ミサミサが仕切って投票が始まった。見てみるとやはりハピアラの色が多かった。そして結果はハピアラの勝ちで、ハピアラがサンセットステージ進出を決めた。ライブが終わってスピカはフォトンの楽屋に駆け寄った。意気消沈をしていたフォトンのメンバーを見てスピカはそっとメンバーの頭を軽く撫でた。

「お疲れ様、見ていたよ。結果としては負けてしまったけど、それで何か掴めたんじゃない?」

 その一言にフォトンのメンバーは何も言えなかったが、衣舞紀だけは違っていた。

「そうね、負けたのは事実ね。でも、これが始まりで、今まで分からなかったことが分かるなら...それはPhoton Maidenとしては良いことなのかもしれない」

「衣舞紀ならそう言うと思ったよ。プロデューサーの所に行きなよ。もう結果は知っているはずだから...」

 そうしてフォトンのメンバー4人はそのまま事務所の方に向かっていった。

「これで良い。この結果がこの先の4人を成長させるわ。私がそうであったようにね」

 そう言いながらスピカはミサミサと一緒に帰ることにした。影が一つだけ、その姿をずっと見ていたことは二人は知らなかったようだが...。




 お久しぶりです。仕事で指を負傷しまして、1ヶ月ほど休止をしていました。今は直って普通に生活できているので、そのことに関しては大丈夫ではあります。これからまたコツコツとこの話を完結まで書いていこうと思います。(完結まではまだまだ先ですがw)


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3-3話 ヒント

 なんとか続きかけた


 ハピアラとフォトンの対決が終わり、プロデューサーからの次なるヒントを貰ってどうすればいいか4人は悩んでいた。次なる進化...そのヒントは自分で見つけなければならないことは知ってはいたがどうすればよいのか分からなかった。そんな中の翌日、昼休みに咲姫は中庭のテラスでボーとしながらお昼の放送であるランチタイムグルーヴを聴いていた。というのも、ハピアラがその時に披露した【Brand New World】が流れていたこともあって聴いて共感覚で色を見ていた。途中からスピカと離れた衣舞紀が咲姫の元に近寄り、話をしていた。その時に次のリミコンの発表がなされ、次のリミックスは【銀河鉄道999】ということらしい。それを聴いた咲姫は急に立ち上がり、リミックスに初めて挑戦してみようと決意をした。

 

 その日の夜、初めて挑戦するリミックスの方向性を頭で浮かべていた。初めてやることもあって色々と考えていた。そして方向性が見つかり、作曲を開始した。順調に進んではいたが上手くいかないところも多くあったが、何とか曲自体は出来上がり、一通り出来た曲も聴いてみたりはした。そして提出をしようとしたが、どのような名義にしようか悩んでしまったたりしたけど、最終的にはDJ DORAGONという名義で曲を提出し、夜も深くなっていったので、就寝することにした。

 それから数日が経ったときにリミコンの結果が発表された。結果としては呼ばれることはなくてしょぼくれてはいた。翌日の昼休憩中に中庭を歩いていたら真秀が他のハピアラのメンバーと今回のリミコンの話をしていた。内容を聞いてみると咲姫が作って提出していたリミックスがとても良かったが惜しいところがあったという話が聞こえてきた。

(私が作った曲が惜しかった?何処が惜しいかったのか聞きたい)

その事で頭がいっぱいになり、翌日聞こうと咲姫は思った。

 その頃スピカはというと、次なる作曲に手を出していた。というのも、スピカがやっている音ゲーのコンテストが開催されており、それに向けた新たな曲を作っていた。勿論の事ながらDAW落ちが発生しての構文をディグッターに送っており、もうお決まりとなっていた。集中力が落ちていたので、リミコンでまたDJクノイチが最優秀を取っていたから聴いてみてそのレベルの高さに驚いてはいた。

「全く、DJクノイチはどんどんと成長して行ってるな。私も頑張るしかないよね...ん?」

 ミサミサ達が審査しているリミコンで、ミサミサが気になったという曲リストの中にスピカが気になる物を見つけた。その名義がDJ DORAGONという強い名義をしており、聴いてみるとかなり良い線をしているリミックスをしていた。

「でも、惜しいね、優秀に上がらないのは納得だけど伸びしろありすぎるねこの人...」

 

 翌日、スピカはミサミサと話をしながら登校をしていた。その話の内容はこの前のリミコンの話で、最優秀にDJクノイチが取っていたことと、気になっているというDJ DORAGONのことで話を盛り上がっていた。

「いやあ、DJ DORAGON惜しい所まで行ってはいるんだよね、ごちゃごちゃになっているところを直せばDJクノイチに並んではいたはずなんだよ」

「分かるよ、で、それを直したものなんて作ってたりするんでしょ?」

「バレた?w作ってみたから聴いてみてよ」

 そう言ってミサミサはスピカからミュージックプレイヤーを貸してもらいイヤホンをしてその直したリミックスを聴いてみた。そのリミックスはとても聴き心地が良く確かにDJクノイチに並ぶどころか超える物が出来ていた

「いやスピカのリミックス本当に上手すぎでしょ。気になっていたものをすぐに見つけて直して良いものにするなんてさ」

「まあね、意外とツアーアンセムを作ることがこのようなところまで影響するなんて思ってもいなかったけどね」

 そうこうしていたら陽葉学園の校門まで来ていた。そこには咲姫が真秀とりんくの後ろで尾行する感じで歩いているのを見てスピカは直ぐにDJ DORAGONが咲姫だと分かったので、どういう感じに動くか見ることにした。

 

 放課後、スピカはというと、教室の自分の机で作曲作業を進めていた。半分くらい出来上がっていたこともあって追い込んでいる状態だ。その頃咲姫はというと、変わらず真秀を追っていた。急に真秀が走ったので追いかけると角で待ち伏せをして追いかけていたことを聞こうとしていた。まあその理由はリミコンの話が聞こえて何処が惜しいところなのか聞こうとしていただけなのだが...。中庭に移動し、惜しいと思う場所についてアドバイスをしてもらうことになり、咲姫としてはタメにはなっていた。

 アドバイスが終わり、咲姫と真秀が別れ、真秀は中庭で少し休憩をしていた。そこに作業が終わって中庭でゆっくりと休んで帰ろうとしていたスピカが現れた。

「あれ?真秀じゃんお疲れ様」

「す、スピカさん!!どうしてここに?」

「作業が終わって休憩をしに来ただけだよ。真秀はどうしてここにいるの?ハピアラの他のメンバーは練習スペースに向かっていたけど」

「実は...」

 真秀はさっきまで咲姫にリミコンのリミックスで惜しいと思われるところについてのアドバイスをしていたことについて話した。その惜しいと思われる箇所とどう惜しかったこと全て。

「咲姫ちゃんのリミックスは私も聴いたわ。真秀が惜しいと思う場所については私も同意見だわ。直したほうが良い個所を直したリミックス聴いてみて。これなら最優秀になれるはずだから」

そうして真秀はスピカがリミックスを直した音源を聴いてみた。そのレベルの高さもそうだが、本当に直したリミックスがかなり良いものになっていたことに驚愕をしていた。

「凄すぎますよスピカさん。私が気になっていた所が直っているし、レベルが高すぎますよ」

「まあ気分転換でリミックスの手直しをしただけなんだけどね。それで、真秀としては咲姫ちゃんの評価はどんなものなの?」

「はい、正直凄いですよ。初めてというのにあそこまで良いものが出来上がるなんて思いもしませんでしたし...」

 真秀からも咲姫に対する評価はかなり高いものだった。伸びしろが高いそんな実在というのが聞いてみても分かるものだった。

「スピカさん、なんでサンセットステージの枠開けたんですか?スピカさんの実力なら出てもおかしくないはずですし」

 そう聞いてきたので驚きはした。実際スピカは昔、サンセットステージを目指してユニット活動はしていたが、メンバーとの亀裂が原因でユニットを解散し、ソロ活動をしつつ当時Stardustとは別の音楽レーベルに所属していた時の活動があったので、出たい気持ちはあった。けど出るとなるとある存在を懸念してしまって出たくても出れない状態が続いていたのだ。

「出たくないと言ったら嘘になるわね。ただ今は出たくても出れない事情があるのよ、それは分かって欲しいな」

 そうスピカは悲しい目をしながら言っていたので、真秀は申し訳ないことを言ってしまったと後悔をした。

「そう暗くならなくてもいいよ。今はStardustとしての活動があるし、その事情が来年までに解決したら出ると思うわ」

スピカはそう言いながら帰宅の用意をしていた。

 

 咲姫は自宅に帰ってゆっくりしていた。その時家のチャイムが鳴ったので、出てみるとそこにはスピカが立っていた。スピカが咲姫の家に入るとリミックスの話をしてきた。真秀と同じように惜しいところがあったこと、プロの作曲家としてのアドバイスをしてもらい、惜しい所を直した音源を用意したから聴いてほしいと言われ聴くことにした。

「凄い、私のリミックスがちゃんとしたらこんな形になるんだ」

そう思った咲姫は今のフォトンを変える新たな物を見つけたみたいで、早速リミックスを作ってみようと決意をした。

「ありがとうございますスピカさん、おかげで足りないものを見つけることができた気がします」

「それなら良かったよ、これからの活動を楽しみにしているよ」

 そう言ってスピカは帰ることにした。その時咲姫の中ではモヤモヤとした何かを自覚し始めていた。

(何だろうこの気持ち,,,スピカさんと離れたときのこのモヤモヤとした気持ちは...)




 というわけで、この章の本番まではまだ先にはなりますが、咲姫と衣舞紀の中でスピカに対する心境がかなり変わってきています。これからどうなることやら


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3-4話 警戒

 そろそろ彼女が動き始めます。


フォトンが暁のリミックスを披露した日から数日が経ち、ハピアラのりんくとむにとの間でギグシャクしている頃にスピカは曲が完成してそれを特設ページにて応募が完了し、衣舞紀と一緒に帰っていた。今日は両親が丁度、結婚記念日とかで沖縄に旅行に行っているらしく、家にはスピカしかいない状態らしいので、衣舞紀が泊まって行くとのことらしいので、まずは衣舞紀の家に行って着替えとかを用意することになった。衣舞紀と咲姫はよくスピカの家に遊びに行ったり泊まったりはしているので、慣れてはきたりしていた。

「明日の朝さ、一緒にランニングに付き合うよ。たまには体をしっかりと動かさなきゃ訛りそうだし」

「良いの?知っている通り私のはスピカにとってはハードでしょ?」

「たまには...ね?」

 そうこうしていたら衣舞紀の家に着いたので、荷物が用意できるまで神社の方でゆっくりと待っていた。スピカはその時ある人物のことを考えていた。その人物は中等部まで一緒にいて、高等部に上がった時にはデネボラのいる共学の学校に転校していた。中等部1年の頃はその人物と今はライブポスターを書いたりと手伝ってくれる唯と一緒にユニットを組んでいた。

「はぁ、あいつは絶対に陽葉祭に来るはず...もし来るとなればケリを付けなければならないのかもな」

 そう思いながら冬の風を浴びながら衣舞紀を待っていた。

 

 衣舞紀の用意が出来てスピカの家に二人は向かっていた。スピカの家に到着した時には玄関の前にデネボラとアルタイルが制服姿で待っていた。

「やっと帰ってきた」

「あれ?二人が合うのって久々じゃないの?」

「まあそうなんだけどね、それよりスピカ、デネから事情は聞いたわよ」

「話したのね、デネボラ」

「今年のあいつは私だけでは制御しきれないから、アルタイルに手伝ってもらうことにしたのよ」

 何のことかわからない衣舞紀をみたアルタイルが機転を利かしてスピカの家に入ってから説明はすると言ったので、そのまま4人はスピカの家に入っていった。時間も時間だったということもあって4人分の夕飯をスピカと衣舞紀がせっせと作っていた。その時の2二人の関係はとても良くて、ほっこりするような雰囲気をしていた。

 食事を済ました4人は、今回二人がスピカの家の前で待っていたことの本題に入ることとなった。

「衣舞紀ちゃん、単刀直入に言わしてもらうよ、陽葉祭はスピカと一緒に行動しないで。スピカと一緒にいると視線を感じることがあるでしょ?」

 急なことを言われて驚きはしたが、実際のところその視線というのは感じてはいた。

「えぇ、見られている感じがしていたわ。でもそれとこれと何か関係があるの?」

「それが大ありなことなんだ。その視線の正体はかつてスピカが中等部の時に一緒にユニット活動をしていたメンバーの一人なんだ。いざこざを考慮して今は私がいる共学の高校にいるけどさ」

真剣な顔でデネは衣舞紀に伝えた。その元ユニットのメンバーの特徴を教え、その娘が目の前に現れたら濁した感じで答えてほしいとも言われた。どうやらさっきまでの夕飯を作っている姿を見て、この関係を壊されたくないとデネとアルタイルは思っている。

「私は陽葉祭の時は屋上で様子を見ることにするわ。サンセットステージには何とかして合流できれば良いのだけれど...」

「それがベストだし、そのためにも私達二人も陽葉祭には一般参加として当日陽葉学院にはお邪魔するわ」

 そうして4人で当日の作戦会議は夜深くまで行っていた。

 

 アルタイルは家がここから距離があるということもあって折角の再開で話をしたいからとデネボラの家に泊まることとなった。そしてスピカの家ではスピカと衣舞紀の二人っきりとなった。さっきの話のこともあってか空気は重かった。けど、その空気をスピカの一言で変えた。

「少しDJプレイでもしよっか」

 スピカの部屋にあるDDJ-400を作業等で使っているデスクトップPCに繋ぎ、軽くセトリを作ってからUSBに曲を入れ、そのままDDJ-400にそのUSBを差し込んでDJプレイが始まった。曲は衣舞紀が昔から好きだというプロデューサーである姫神紗乃の曲を主にしたセトリとなっており、衣舞紀は驚いた顔をしていた。辛くなった時などによく聴いていたこともあってか、流してくれたおかげで重かった空気は良くなっていた。それだけだはなく、空気を察して行動していたこと、DJプレイや音ゲーをプレイしているスピカの普段とは違ったカッコよさによるギャップに衣舞紀はどんどんとスピカに対して好意を抱いていることが手に取るように分かる。あの話を聞いて衣舞紀はスピカを他の人に取られたくないと思い始めていた。

「本当にスピカは可愛い見た目のわりにカッコいいよね...そこが良いところで、好きなところなんだけどさ」

 衣舞紀はスピカに聞こえない声でそう呟いた。スピカの本心は一体どう思っているのか分からずに...。

 

 その姿をスピカの家の前で誰にも気づかれずにずっと見ていた存在がいた。その容子はデネボラが話していた特徴と完全に一致していた。

「ワタシノスピカハダレニモユズラナイワヨ、ソレガデネダロウトモネ」




 次回から陽葉祭始まります。


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3-5話 Leia

 遂に陽葉祭の話が始まります。この話がかなり深い話になります。


 衣舞紀が泊まった日から数日、遂に陽葉祭が始まった。陽葉祭は陽葉学園の文化祭で、かなり大きな文化祭ということで他校や地域の人からの認知度はかなり高いものである。そんな陽葉祭の大トリといえば夕方に開催されるサンセットステージという一年の締めくくりの一大イベントなのだ。朝、開催される前にスピカはフォトンのメンバーと話していた。

「それじゃあ陽葉祭楽しもうか、でもごめんね、私は一緒に行くことが出来なくて」

「気にしないでください、スピカさんの事情では仕方ないですよ」

 一緒に行くことができないことに謝罪をすることになったのだが、フォトンのメンバーからは問題ないと言われたので、スピカは安堵した。

「4人には伝えるよ、私はサンセットステージの準備をしているわ。その後に私は屋上で陽葉祭の様子を見ているわ。そこでなんだけど...」

 スピカはある人物のことを伝えた。見た目は黒髪のショートボブで、紅い瞳をしていて、おそらく着てくるであろう服装を伝えた。

「特に乙和、この人には気を付けて」

「え?なんで私なの?」

「一番話しそうだから」

「「納得がいった」」

全員がそう答えて乙和が「ええ~」と答えるという姿がみれた。

 

 陽葉祭が始まり、フォトンのメンバーは楽しく会場を回っていた。衣舞紀も今日は羽目を外していろいろと回って食べていた。十分に楽しめているらしく、用意が終わって屋上にいたスピカが双眼鏡で確認が取れた。...そして例の人物がデネボラとアルタイルと一緒に現れるのを確認した。

「来たわね、Leia...私達の過去から離れられない...か、もし今日決着がつくなら付けないとな」

そう言いながらスピカはLeiaと言っていた人物の動きを確認していた。

 

 陽葉祭が楽しみすぎて色々と回っていて、気づいたらサンセットステージまであと2時間まで迫っていた。衣舞紀は咲姫と一緒に回っていて、そろそろスピカに連絡を入れようと電話をしようと思っていた。

「新島衣舞紀と出雲咲姫だね」

その時、後ろから二人に声をかける人物が現れた。その人物はスピカが言っていた通りの黒髪のショートボブで、スピカが言っていた通りの服装をしていた。特に印象付いていたのは、ハイライトがない紅い瞳をしていたことが驚いた。

「ええ、貴女は誰ですか?」

「私は【Leia】と言います。以後お見知りおきを」

 Leia、スピカが一番警戒し、悩みの種になっているスピカが昔組んでいたという元ユニットのボーカルだ。だがその見た目を見て衣舞紀と咲姫は何か重い空気を感じていた。咲姫は共感覚でLeiaのことを見ていた、その色はおぞましく暗い黒をしていた。

 

「Leia、何故私と咲姫に?」

「ここまでずっと見ていました。転校してきてスピカと一緒に楽しそうに話しながら登下校していたことも、一緒にゲームセンターで音ゲーを教えてもらっていたことも全てね」

「「!?」」

「だから教えてほしいの、【スピカが...ヴァルゴが何処にいるか知りませんか?】」

 その一言が二人に重くのしかかってきた。だがスピカとの約束、Leiaにスピカの居場所を教えてはいけないということを守ることにした。

「スピカさんなら今はサンセットステージの最終準備をしていると思いますよ。別れ際にサンセットステージの用意をしていると言っていましたし。それに、もう少ししたらサンセットステージが始まりますし」

 そう咲姫が強くLeiaに答えた。

「そう、準備ですか、なら終わってから会うとしましょう。最後に一つ忠告しておきますよ」

【これ以上ヴァルゴの傍にいることを止めてください。ヴァルゴは私と一緒にいることが幸せなのだから】

 そう二人に伝えてLeiaはその場を去っていった。

 

「やはり接触してきたね...Leia、どれだけ私に迷惑をかけるのよ」

 その情景を勿論のことながらスピカは見ていた。恐らく衣舞紀と咲姫にLeiaが接触してくるであろうとは予想していたので、予定調和ではあった。途中で衣舞紀と咲姫が買ってきた出店の食べ物を食べながらそのまま時間になるまでずっとLeiaの動きをずっと見ていた。途中にチラッとLeiaが見てきたように思えたのだが、実際はどうなのかはスピカも知る由はなかった。

「屋上に誰かいたような気がした。まさかね?」

「Leia、やっと追いついた。勝手にウロウロしないでよね」

 逸れていたデネボラがLeiaにやっと追いついてからスピカに会わなさないように行動をし始めた。サンセットステージまであと2時間を切っていることもあって、Leiaが行きたい所を最後に聞くことにした。

「Leia、最後にどこに行きたい?」

「屋上かな、誰かいたような気がしたんだよ。白髪だったし、もしかしたらスピカかもしれないから」

 その一言でデネボラの背筋が凍る感じがした。スピカが隠れている場所を当てられたので、どうやってやり過ごそうか考えていた。

「屋上?私達一般参加は確か特定の場所以外の校内に入れないはずだよ」

「あ、そっか...ねえデネボラ、トイレに行きたいのだけれど」

「分かった、付いていくよ」




 これまでスピカをストーキングしていた存在が遂に登場です。ここから話は大きく展開していきます。


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3-6話 恐れていた事態

 Leiaがどう動くか楽しみですね


 衣舞紀と咲姫にLeiaが接触してくる2時間前、衣舞紀がスピカがいる屋上にやってきた。その手にはスピカのためにと買ってきてくれた屋台の食べ物がタッパーに入られていた。

「スピカ、なかなか動けないんでしょ?ほら、食べ物買ってきてあげたわ」

「ありがとう。衣舞紀、今日は楽しい?」

そうスピカは衣舞紀に問うと、衣舞紀は「楽しいよ、今日は折角だし羽目を外そうと思っているの」と答えた。

「そう...ずっと今までのような幸せが続けば良いのだけれどね」

 スピカは少し焦燥とした顔と声をしながら答えた。その時のスピカは少し震えていた。冬の寒さによる震えではなく、何かに怯えるような感じで震えていた。そのことは衣舞紀にもすぐに分かった。

(こんなスピカは初めて見る。ずっとストーキングしていた存在というのが、これほどにまでスピカを苦しめていたなんて、私がスピカにできることはないのだろうか...)

 そう思った衣舞紀はそっとスピカの後ろに座った。こうしていることがスピカの心を落ち着かせれるのならば、こうしたほうが良いもかもしれないという考えだった。そうしているとスピカの震えは落ち着いて、いつものようなスピカに戻っていた。

「ありがとう、衣舞紀。私のことはいいから楽しんできなよ」

「ええ、そうさせていただくわ。スピカ、無理だけはしないで」

その姿を咲姫が扉越しに見ていた。

 

 衣舞紀がスピカと別れて数分後、今度は咲姫がスピカの前にやってきた。食べ物はなかったが、屋台で取った仮面を着けてやってきたので、スピカも最初は驚いた。咲姫はスピカのいまの状況を共感覚で見ていたので、スピカが怯えているのは直ぐに分かった。

「スピカさん、大丈夫ですか?」

「大丈夫とはいわないかな、アイツがもう陽葉学園にいるんだから」

「...衣舞紀さんのようなことはできないですが、これを」

そう言って咲姫は音楽プレイヤーをスピカに渡した。その中にあった曲は、スピカが初めてアルバムで出したボーカル曲のカバーが入っていた。

「これ、咲姫ちゃん一人が作ったの?」

「ええ。暁のリミックスを作った後に私一人でアレンジとボーカルをしました。励みになればと思ったのですが」

 それに対してスピカは少しクスっと笑っていた。

「ありがとう咲姫ちゃん、あのリミックスを出した後というのに、かなり良い感じに出来上がっているよ。おかげで元気が出た気がする。もう大丈夫だよ」

元気になったスピカの笑顔を見て咲姫は安堵した顔をしてまたフォトンのメンバーのところに合流しに行った。

 

 そして現在、Leiaはというと、デネボラと一緒にトイレに来ていた。デネボラは用はないからさっさと済まして来てとトイレの前で待っていた。だが、違和感を覚えた。それはLeiaがトイレに入ってから3分以上もずっと出てこなかったからであった。

「まさか!?Leia、アイツ!!」

 そう言いながらデネボラがトイレに入ると、個室のカギは全て空いていた。そしてトイレの奥の窓が空いていた。1階トイレということもあって、容易に逃れることを忘れていたのだ。

「緊急事態かもしれない。急いでスピカに連絡を...」

 連絡をしようとしたデネボラを後ろから首に強い一撃が入り、デネボラは気絶してしまった。

「すまないね、私からスピカは奪わせない。スピカは私の物なんだから当然よね?...屋上にいるのね」

 デネボラのスマホを奪い、スピカがいる場所をすぐに特定したLeiaは急いで屋上の方へ走り出した。持ってきていた鞄の中には上履きが用意されており、それに履き替えた。

「マッテッテネワタシノスピカ、アナタハワタシノモノ、ダレニモワタシハシナイワ」

 その様子を一人の少女が隠れて見ていた。まずいことになっていると判断したその少女はスピカに一つの連絡を入れた。

【スピカ、屋上から離れて、アーが屋上に向かっている。このままでは危険よ】

 

 スピカは屋上で時間になるまでずっと待っていた。二人がいなくなった後にまた震えが始まっていた。そしてスピカのスマホに2件の通知が来ていた。一つはデネボラからで、今会いに向かうねと書いていた。それに対して安堵をしたもの束の間、もう一つの通知、ある少女からの通知だった。

【スピカ、屋上から離れて、アーが屋上に向かっている。このままでは危険よ】

この文章だけでスピカから動揺と恐怖がおぞめき合い、そしてスピカは動けなくなっていた。

「どうしようどうしようどうしよう....やばいやばいやばいやばいやばいやばい」

 そう言いながらスピカは頭を抱えてその場で俯いてしまっていた。Leiaが来る、そのことに対してスピカは何もできなかった。そして屋上の扉にLeiaが居座っていた。恐れていた事態が起こってしまったのだ。

「ヤット、ヤットデアエタワネスピカ、ズットコノヒヲマッテイタワ。ワタシトスピカハイッショノホウガヨイノヨ」

「れ、Leia...いや、彩芽」

 そしてスピカはスタンガンで気絶させられ、どこかへ連れ去られてしまった。

 

 少女は気絶から起き上がったデネボラとデネボラと一緒に連れてやってきたアルタイルと一緒に屋上へ向かっていた。Leiaがスピカと接触してしまうという恐れていた事態が起きてしまった。そして屋上に着いた頃にはスピカの姿はなく、そこにはスピカが食べていた串が入ったタッパーが転がっていた。更にはそのタッパーには一枚の付箋が貼っていた。

【スピカは誰にも渡さない】

 それを見た3人は二手に分かれて行動をすることにした。デネボラとアルタイルはフォトンのメンバーもとへ、少女は青薔薇こと、葵のもとへ急いで向かうことにした。

「アー、スーに何かあった時は元ユニットのメンバーとしても僕は絶対に許さないよ」




 Leiaは一体どこへ向かったのでしょうか


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