ダンジョンで魔人拳を打つのは間違いではない! (カタキモノ)
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第一話 魔人拳isロマン

どうも初めまして!カタキモノです!最初に言っときます、この作品は作者の妄想を文字起こししているので細かい設定はオールデリート(11マナ)で消し飛んでるのでご了承下さい。
それでは!


「ドリャァッ!!!!」

 

 

 

GAME SET!

 

 

 

「やっぱり魔人拳でフィニッシュはきついよなぁ。正直回避読みか崖上がりをスマッシュで狩る方が勝てるけども、、」

 

 ロマンじゃオンラインは勝ち抜けない、そう思ってゲーム機の電源を落とした。

俺の名前は甲斐剛(かい つよし)、18歳の高校3年生だ。趣味はゲームで腕はそれなりに磨いていて中でも一番やり込んでいる大乱闘ス○ッシュブ○ザーズでは大会の優勝経験も何度かある。持ちキャラはガノンドロフ、挙動が重い代わりに一撃の威力が高いキャラクターで中でも魔人拳と言う技はタメが長い代わりに当たれば必殺の威力を誇る俺が特に愛用している技である。

 だが、そのタメ時間の長さ故にあまり実戦で使われることのないロマン技と言われている。

 

「んー、ゲームやめても別にする事があるわけじゃ無いんだよなー。」

 

 通常の高校3年生ならば焦って勉強を始めているころだろうが俺は実家の定食屋を継ぐ事が決まっているため自由登校の今は特にすることも無く日々の時間をゲームに費やせていた。

 

「んー、久々にほっといたソシャゲでもしようかな。ん?」

 

持っていたコントローラーをテレビ台にしまいソファに寝転がりながらスマホを覗くとそこにはショートメールの通知が来ていおり。そこには「魔人拳を当てる方法」とだけ書かれていた。

 少し不審には思ったが暇だったこともあり「やばかったらブラウザバックすれば良い」くらいの気持ちでメールを開いた。すると

 

「んーと、魔人拳を当てたいなら自分の拳で魔人拳を打つべし!だと?」

 

 何だよただのチェーンメールかよ、と思いブラウザバックしようとした所画面に何かが表示された。俺はそれを「あー、充電20%切ったか」と思い()()()()()()()()()()()()

 てっきり充電が足りないものだと思っていたのでソファの近くの充電器を探しているとスマホの画面に通知が来ていた。しかし充電器を探していたため俺は気がつかなかったがそこには

 

ようこそ!ダンまちの世界へ!

 

と言う言葉が書かれていた。

 そして俺が充電器を見つけて戻って来た時、

スマホが光輝き辺りは真っ白な光に包まれた。

 

俺が立っていた場所には

 

充電器と「GO!」と表示されたスマホだけが残されていた。

 

 

______

 

 

__________

 

 

________________

 

 

______________________

 

 

 私の名前はリュー・リオン。「豊穣の女主人」で働いているウェイトレスの一人です。

 本日もお店の開店準備の為掃き掃除をしようと思っていたのですが…

 

「………」

 

「………」

 

 店の前で倒れている男性を発見してしまいました。

 大方昨晩酔ってそのままここで寝ていたのでしょう。迷惑なものです。ひとまずここにいられては掃除が出来ないので声をかけます、万が一相手が襲って来たとしても恐らく()()()()()()()()()()でしょうから。

 

「もしもし?」

 

「………」

 

 反応が無い、余程深く眠っているのでしょうか?試しにホウキで突いて見ましょう。

 

「………」ツンツン

 

「………」

 

「(これでも起きませんか。ならば多少手荒ですが箒で叩かせて頂きましょう。)」

 そう思いリューが箒を振り下ろすといままで無反応だった男がいきなり後転し箒は地面に当たりカツンと音を立てた。

 しかしリューは表情を崩す事なく男から半歩ほど距離をとり男に対して構えをとり警戒を露わにしていた。対して男はと言うと後転からスムーズに立ち上がったものの辺りを見回してばかりでリューに気付いている様子がない。リューは男の出立ちに不審感を抱いていた。2M(メドル)に届きそうな高い身長と見たこともない黒い鎧、どう見ても怪しい。

「(まさか、闇派閥(イヴィルス)の残党?)」

 リューに緊張が走る。

 しかしこのままでは埒があかないと思いリューは男に対して警戒を解くことなく話しかけ

「あのー、すみません。」

ようとした所で男に話しかけられた。

 

「何でしょうか?」

 

男から話しかけられた事で少し驚いたものの表情は無表情のまま返答する。すると男はとても神妙な表情で、

 

「ここは何処でしょうか?」

 

「……え?」

 

 

 

______________________________________________

これは魔人拳を当てようとしたら魔人の能力を得ていた男の数奇な運命を綴った物語である。

 

 




ちなみに主人公の服装はforのスマブラのガノンのイメージです。
あと作者はスマブラは全作プレイ済みでゼルダの伝説は
・トワイライトプリンセス
・スカイウォードソード
・風のタクト
・時のオカリナ
・ブレスオブザワイルド
・大地の汽笛
しかやっていないので細かい設定で後々矛盾するかも知れません。


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第二話 魔王 wiith 女神

とりあえずここまで書いて反応を見て良かったら投稿します!
それでは!


「(ヤベェなんだこれ意味が分からん。何かめちゃくちゃ情報的なものが流れ込んでくる感覚がある)」

 

(つよし)は困惑していた。何故か目が覚めると知らない場所におり服装も黒を基調とした鎧になっている事、さらに現在進行形で頭の中に自分の知らない世界の事が次から次へと流れ込んできている事で訳が分からなくなっていた。

 

「(何なんだ一体、レベル?ダンジョン?ステータス?さっきからRPGの単語ばっか頭浮かびやがる)」

 

 混乱しながらも少しずつ情報を整理していると正面に女性が立っている事に気がついた。しかし此方を警戒しているのか睨んだまま近づかずにこちらの様子を伺っている。

 

「(なんかめちゃくちゃ警戒されてんな、とりあえずここは目の前の人の警戒を解きつつ入ってきた情報を整理しよう。)」

何故か頭の中に入って来た情報は既に常識であったかのようにすんなりと頭の中に入って来ており、剛は冷静さを取り戻していた。

 

「あのー、すみません。」

「何でしょうか?」

「ここは何処でしょうか?」

「………え?」

「(まぁ流石に驚くよな、俺でもいきなりこんな事聞かれたらポカンとするし。)すみません、少々ここに辿り着くまでの記憶が曖昧でして。」

「そうでしたか。ここは西地区になります(酩酊して倒れていた?にしては受け答えがハッキリし過ぎている)」

 

 あれ?俺寝てる間になんかしたか?いやでも寝相は良い筈だよな?隣に漫画積んでおいても次の日の朝に崩れてたことなかったし。んーむ、警戒されてる以上はこれ以上話し掛けると余計に警戒されるだろうしとりあえず()()()()()()()()()()()()()()()

 ひとまず剛としてもこれ以上女性に警戒を高められてギルド職員を呼ばれたら困るので足早にこの場を立ち去ろうとする。

 

「それでは私はダンジョンに向かうので」

 

そうとだけ言って去るために数歩進むと先程の女性に呼び止められた。

 

「良ければお名前を教えて頂けますか?(気にし過ぎかもしれないが警戒するに越したことはない)」

 

 女性、リューからすれば1%でも闇派閥(イヴィルス)の可能性がある人物は注意しておくに越したことはない。と言う気持ちで言ったのだが剛は「あ、そう言えば名乗り忘れてた」と思い立ち止まった。

 

「名乗りもせずにすみません、私は甲斐剛といいます。剛が名前です。」

「いえ、こちらこそわざわざ呼び止めてしまいすみません。私はリュー・リオンと言います。こちらの店でウェイトレスをしています。」

「そうなんですか、もし時間があれば今夜にでも寄らせていただきます。」

「そうして頂けるとありがたいです。」

 

 自己紹介も終わり極めて社交辞令的な会話も終わったため剛はギルドへ向かって行った。

 

______

 

 

____________

 

 

__________________

 

 歩くことニ十分程でバベルの麓にあるギルド本部に辿り着いた。

 「(マジで頂上が見えねーくらいデカいな。)」

 初めてバベルを見た感動もそこそこにギルドの中へと入って行くと中には職員以外はほとんど人が居らず空いていたため、そのまま真っ直ぐにギルドのカウンターまで進むと明るいピンク色の髪をした小柄な女性がカウンター越しに話しかけてきた。

 

「ようこそギルド本部へ!見ない顔だね、新しく冒険者登録しに来た人かな?」

「はい、ですが未だ何処のファミリアにも入って居ないのでギルドに行けば何処か紹介してもらえると思ってきました。」

「ん、そこまで分かってるなら各ファミリアの地図と資料を渡すだけで大丈夫そうだね!じゃあ眷属になったらまた来てね!」

「了解です!」

 

 髪の色と同じくらい明るいテンションの人だったなぁと思いながらとりあえず渡されたファミリアの資料に目を通していく。

「(んー、やはり見てもわからんな。)とりあえず探索の出来る所に当たって行くか。」

とりあえずの方針を定めてギルドを後にした、、

 

 

 

 

 

      〜〜4時間後〜〜

 

 

 

 

 

 

 

「んー、とりあえず見て回ったもののって感じだな。」

剛はギルドに書いてあった探索系のギルドには行ってみたもののあまりピンと来るようなファミリアがなかったため結局何処にも決められないで居た。

「んー、出来れば俺一人しか眷属の居ないファミリアとかが良いんだけどなぁ。」

まぁそんな都合良くはないか、と思い鍛治系のファミリアを覗きに行こうとした時に手に持って居た資料の間に見落として居た小さな資料があることに気が付いた。

「何だこれ、地図に載ってねーじゃん。えーと、オラリオの中心部から西南西か…お!ここ探索系じゃん!よっしゃ行こ!えー名前はゲルダ・ファミリアね。」

 

 先程居た場所から少し離れて剛はオラリオの城壁の近くの住宅街まで来ていた。

「あーと、多分この家だよな。」

恐らく資料に書いてあった住所まで来たは良かったが、そこに立って居たのは畑が隣接している一階建ての民家だった。正直看板も何もないので合っているかどうか不安はあったもののとりあえずここまで来たのだからと扉を叩いた。

「すみません、ゲルダ・ファミリアに入団したくて来た者です。どなたかいらっしゃいますか?」

出来る限り丁寧な言葉遣いで呼んでみると奥からドタドタと音がしたと思ったら勢いよく扉が開かれた。

 

「私のファミリアに入団希望の方ですか!?」バンッ!

「えっ、あっ、ハイ!そうです!」

 

中から出て来たのは長い黄色の髪が特徴的な白いワンピースを来た女性だった。その髪はあまり手入れが行き届いて無いのか所々跳ねたりしている。そしてその女性のあまりの勢いに少し気圧されてしまったが何とかつまりながら答えると女性は嬉しそうな笑みを浮かべ

 

「なら良かった!初めまして私は女神ゲルダと申します。今日からあなたは私の初めての眷属です!」

「ん、今初めてって言いましtうぉっ!?」

「さぁ早速神々の恩恵(ファルナ)を刻みましょう!さぁ早く!」

「いやちょっと心の準備とか鎧脱ぐのとかもありますから一旦落ち着いて!」

 

 女神とは思えない力強さで強引に家の中に連れ込まれ事態の急変に混乱していた剛だったが先程ゲルダが言っていた事が真実であるならば自分にとってとても良いファミリアであるためゲルダに催促されるがままに鎧を脱ぎ上半身裸になった。

 

「これで良いでしょうか?」

「えぇ!それじゃあ早速刻んで行くわね!」

 

そう言って指に針を刺し神血を背中に垂らすと剛のステータスが浮かび上がってきた。

 

甲斐 剛

LEVEL 1

力 |0

耐久|0

器用|0

敏捷|0

魔力SS1000

 

〈スキル〉

○黙示録の魔王

・近衛シリーズの武器を製造可能

・1対ニ以上の際にステータスに補正

 (敵が強い程効果上昇)

○大乱闘の魔王

・武器使用時にステータス上昇

・敵を連続で倒すほど獲得経験値大幅上昇

 

〈魔法〉

○厄災の魔力

・詠唱不必要

・敵が恐れを抱く程威力上昇

 




後半駆け足になってしまいましたがとりあえず次話からはようやく!ようやく魔王としての戦闘が出てきます。主人公が一人が良かった理由は次回説明しますので!
何か気になる所や改善点などありましたらご連絡お待ちしてます!


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第三話 冒険者登録

暁釜さん、天神宮さん高評価ありがとうございます!
久しぶりの作品なので評価して頂けて嬉しいです!
それでは!


「凄い!凄い!凄い!スキルが二つに魔法が一つも発現してますよ!ねぇねぇ凄いですよ!」

 

 俺のステータスを見て興奮した様子で話しかけてくる神ゲルダ、正直顔が近い!今は神々の恩恵を刻むために玄関から入ってすぐの所で上半身裸で座って居るため、ゲルダが肩越しに話しかけると必然的に顔が近くなってしまっている。

 

「分かった!分かりましたから落ち着いてください。自己紹介すらまだなんですから!」

 

「確かに!私とした事が失念していました。えーと剛ですね!極東の出身なんですか?」

 

「あ、はい、えーと甲斐剛と言います!出身は極東の島国で、冒険者になるためにオラリオに来ました!よろしくお願いします!」

 

「はい!ようこそ私のファミリアへ!」

 

「っはい!」

 

 何か思っていたのとは違ったけどそれでもこれから俺のオラリオでの人生が始まると思うと胸が少し熱くなった気がした。

 とても簡単な自己紹介を済ませると剛はテーブルに案内されそこで自分のステータスを共通語に直した紙を覗くと剛は驚きを隠せなかった。

「(これめちゃくちゃガノンの影響受けてるじゃん、、、いや嬉しいけどもここまでモロにガノンだと流石に驚くわ。)」

と、ガノン感の強すぎるステータスを見ていると向かい側に座ったゲルダが先程とは違う真面目な顔で話しかけてきた。

 

「私はあまりスキルや魔法に詳しい訳ではないけれど恐らく剛のそのスキルと魔法はどちらも()()()である事は間違いないでしょう。」

 

「………」

 

「神々はそう言った珍しいモノに目が無い人(神)が多いからそのスキルと魔法の事については外ではあまり喋らない方がいいでしょうね。」

 

「………」(゚ω゚)

 

 急に真面目な顔でゲルダが話してきたので剛は呆気に取られてしまっていた。というのも、

あれ?俺よく考えたらこのファミリアの事とかゲルダ様の事とか何も知らなくない?そもそもノリで入団したけど何でこのファミリア俺以外誰もいないんだ?あれ??

 剛は今までは主神であるゲルダに流されて家の中まで入ってきてしまったがゲルダが冷静に話し始めたことで自分も冷静になって考えてみると大量の疑問疑問が浮かんできてしまいゲルダの話は頭に入ってきていなかった。

 

「(とりあえず目の前の主神様に質問すれば良いか!)主神様!」

 

「そのためダンジョン などでの探索は…はい!なんですか剛?」

 

「あー、とりあえずいくつか質問させてくれ。そこからじゃないと話が入って来ない。」

 

「はい!私に答えられる事でしたら!」

 

そこから剛はゲルダに対して今までの疑問を一つずつ解消していった。

 

 

     

 

       〜1時間後〜

 

 

 

____________________

 

「えーと、じゃあとりあえずここまでの話をまとめると、

・ゲルダ様は一年前に下界に降りてからずっとこの家に住んで農家をして生計を立てていた。

・ファミリアに人が居なかったのは募集の紙にしか住所が書いて無かったのとゲルダ様の熱意が凄くて逃げて行ったから。

・趣味は土いじりで髪がボサボサだったのは麦わら帽子のせい。

 って所ですか?」

 

「はい!」

 

「…(んー、聞けば聞くほど俺に都合の良いファミリアだな…)了解です!とりあえず疑問はなくなりました!」

 

「なら良かったです!私達はもうファミリアなのですから質問なら気兼ねなくして構いませんよ!」

 

 剛は()()()()()()()()()()()()()に少し疑念を抱くもののゲルダの朗らかな表情をみてすぐに疑念の事など忘れてしまった。

 

「それじゃあ俺はギルドに冒険者登録に行ってきますね。」

 

「はい、いってらっしゃい。」

 

 俺は冒険者登録をする為にギルドに向かった。ちなみに最後の主神様のいってらっしゃいにちょっとドキッとしたのは内緒だ。

 

 

 

 

〜ギルド〜

 朝のガラっとしていた時間とはうって変わってギルドは沢山の冒険者やギルド職員達で賑わっていた。そんな中でも195センチの身長を誇る剛は人目を引いていた。そんな中カウンターの方から剛を呼ぶ声がした。

 

「おーい!そこの黒い鎧つけた男の子ー!」

 

「おー!誰かと思えば今朝の職員さんか!」

 

「おっ!今朝よりもフランクな感じだね、さてはファミリアに入団できたのかな?」

 

「あれ?そうでしたっけ?おかげさまで無事ファミリアには入団出来ました!」

 

「(んー背は低いけどなんかすげー話しやすい雰囲気の人だから気付いたらタメ口になってたか。)」

 剛は自分よりも年上で余裕を持った女性に遊ばれて居るような感覚が新鮮で不思議と流暢に話してしまっていた。

 

「あー、いいよ無理して敬語使わなくて。私的にもそっちのキミの方が話しやすいから!入団出来たって事は冒険者登録だね!じゃあこの紙に名前とレベル、あとファミリア名を記入してね。」

 

「了解っす!えーと…」

 

「あ、忘れてた!私はミィシャ多分キミの担当になるからよろしくね!」

 

「はい!よろしくお願いします!、、、書けました!」

 

「オッケー!えーと、剛くんだね!これからよろしく!」

 

「はい!」

 

 ミィシャの明るい雰囲気もありすんなりと打ち解ける事が出来た剛は

その後軽いダンジョン の説明を受けて直ぐにダンジョンの中へと入っていった。

 




前の話で戦闘描写を書くと言ったな、あれは嘘だ。
すみません!色々書いてたら文字数が3000オーバーしそうだったので一度ここで区切らせて頂きます!次回こそはちゃんと戦わせますので!何卒!


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第四話 魔人拳

ゴッドマウンテンさん、紅頚黄鼓光慧航行さん、就職希望さん、サクライダーさん、高評価ありがとうございます!
いやー、昨日見たらいきなりバーに色がついていたのでびっくりしました!本当に評価して頂けて嬉しいです!他の方も是非とも高評価、感想の方頂けると嬉しいです!
それでは!


〜ダンジョン 一階層〜

 

 剛は興奮していた。なぜなら今まで画面越しに体感していたあのガノンドロフの力を今自分の身体で放つ事が出来るからである。

 

「とりあえずまずはどれくらい動けるかだよな。」

 

 そう呟くと剛はガノンの()()()である掌底突きを虚空に向けて放った。すると、

ブワァッ‼︎

空気の壁の様な風が吹いた

 

「…()()()()()()()()でこのくらい風なら魔人拳とか打ったらどんな破壊力になるんだよ。」

 

 あぁ畜生、我慢出来ねぇ!一回だけ壁に向かって打つか!

 元々剛は我慢が苦手なためこのガノンの魔力の全力が試したくて仕方がなかった。そのため、剛は魔人拳の実験台となるモンスターを探して()()()()()()()()()()()()

 

〜ダンジョン 三階層〜

 

「んー、階段を探して彷徨いてるのに全然モンスターがまぁたらねぇなぁ」

 

 剛はとりあえずモンスターを探して下の階へと降りてきていた。が、一階層、二階層共にモンスターと出会わなかった為、さらに下へと降りてきていた。

 

「ん?」

 

 なんか音が聞こえるな?んー、人の声には聞こえないっつーことは、、、

 

実験台(モンスター)か!」

 

 剛は音の聞こえる方に向かって走って行くとそこには3匹のゴブリンが居た。ゴブリン達が持っているダガーを構えると剛は走っている勢いそのままにゴブリンの群れに向かって行った。

 

「グギャアアァ!!」

 

 当然ゴブリン達も剛を殺す為に持っているダガーを持って迫ってきていた。しかし剛は笑みを浮かべながら

 

「初のモンスターの戦闘記念だ!景気づけに派手に行くか!」

 

 と言い放つと立ち止まり右足に先程よりも多くの魔力を集中させる。そしてゴブリンとの距離が2M程になった瞬間右足を一瞬下げてから前に滑らせるように前に突き出し叫んだ

 

烈鬼脚!

 

 すると右足に集中していた魔力が紫色のオーラとなって右足から放出され、その魔力の放出を推進力として凄まじい威力でゴブリン達の群れに突撃した。当然そんな威力の蹴りを食らったゴブリン達は一瞬で魔石を残して消滅した。

 その光景を見ていた剛は今まで平和な地球で暮らしていたため生き物を自分の手で殺した経験がないため、消滅したゴブリン達を見て少なからず思う所がありゴブリン達の方を見て合掌した。

 

「(死体は消滅するからあんまり罪悪感はないけど()()()()()()()()()()()()()()()があるんだよなぁ。)」

 

 悲しみとはまた少し違った感情が湧いてきたがひとまず魔石を回収して今後のためにも自分の限界を知る為に剛は先へ進んで行った。

 その後ダンジョンリザードやコボルト、フロッグシューターなどが出てきたものの、皆数秒も経たないうちに魔石に変わっていた。その度に剛は合掌をしてから魔石を回収していた。

 

 

〜ダンジョン 5階層〜

 

 

「シャアアアァ!」

 

「ッハァ‼︎」

 

 天井から降ってきたダンジョンリザードに対してショルダータックルで対応し弾き飛ばし魔石を回収したところで剛は辺りを見回した。

 んー、とりあえず歩き回って階段を見つけては降りてきてけど、ここどこだ?相変わらず出てくるモンスターは小物ばっかりで()()()()で倒れるから練習にならないんだよなー。まぁでも収穫が無かった訳でもないから良いか。

 剛の言う収穫と言うのは、剛はここまでの戦闘でおおよその魔力の使い方を学習していた。と言うのも剛の身体は常に魔力を纏っている訳ではなく()()()()()()()()()()で身体能力を強化しているため、耐久と力のステータスにはこの魔力の分が()()()()()()()()()為実際のステータスよりも高くなっている。そのため道中で確認してみるとガノンの空中二段蹴りやサマーソルトキックなどのアクロバティックな動きも鎧をつけたまま再現する事が出来た。

 

「(んー、身体能力的な問題も無かったからそろそろデカイモンスターと会いたいんだけどなー。)」

 

 常にワンパンで倒せるモンスターばかりを相手にしていると流石に飽きてきてしまい、いっそのこと魔人拳を真下に放ってフロア移動でもしようかと考えていた時、ガノンの歩いていた道の先から悲鳴の様な声が聞こえてきた。良く目を凝らして見ると小さな少年が()()()()()()に追われているのが見えた。

 

「ッ!」

 

 剛は声上げる事すらせずに走り出していた。少年の姿など眼中になく、剛はただミノタウロス目掛けて走る。剛の心はただ一つ、

「(魔人拳が打てそうな相手だ!)」

 剛はゲームでの経験をもとにおおよその魔人拳のタメにかかる時間を計算しミノタウロスから10M程の距離で立ち止まり、左手に今日一番の魔力を集中させ左手を頭の上、右手を腰の辺りまで下げる。

 

「(ゲーム内でも何度も見た、何度も打って見たいと思っていた。)」

 

ミノタウロスと少年が近づいてくる、その距離7M。

剛は左右の手を胸の前までゆっくりと持ってきて交差させる。

 

「オオオォ(この瞬間を何度も夢見ていた。)」

 

ミノタウロスと少年がさらに近づく、その距離3M。

剛は右手を腰だめに構え左手の拳が顔の横にくるように力を込める。左手に轟轟と魔力が迸る。

 

「オオオオオ!(喰らえ。)」

 

少年が剛の横を通り、ミノタウロスが剛を視認した瞬間。剛は左手を前に突き出した。

 

ァァアアアア!!

 

これこそが、ガノンドロフの最強にして至高の必殺技。

魔人拳

である。

 




やっと打てたぁぁぁぁ!!!!
いやー長かった。次回は少し別視点のお話から入ろうと思っております。
でも正直戦闘描写めちゃ難しいですね、、、。
主人公に魔人拳と叫ばせるかスマブラガノンと同じようにするかで何回も悩んだりしたのですが、やっぱり魔人拳はこっちの方が私は好きで雄叫びにしました。


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第五話 魔王

お気に入り150件オーバー!?ルーキー日間第11位!?
嬉しい限りです!応援して頂きありがとうございます!
マ田力さん、和歌山の農家さん、さか☆ゆうさん、焼き抹茶さん、WTNさん、高評価ありがとうございます!
そしてサブタイが適当過ぎて困ってます!
それでは!


ぬ 僕の名前はベル・クラネル、少し前にオラリオに来た駆け出しの冒険者です!僕は小さい頃から英雄になるのが夢で、少し恥ずかしいですがこのダンジョンには出会いを求めてやって来ました!ですが、その夢は今日諦めることになりそうです…

 

「ブモォォォォォォオ!」

 

「うわぁあぁあぁあ!?」

 

 3Mはあるかという巨体、丸太のような剛腕、頭に生えた立派なツノ、まさにモンスターと言うべきこれらの特徴を全て兼ね備えたモンスター「ミノタウロス」。本来はこんな浅い階層にいるはずのないモンスターに今僕ことベル・クラネルは襲われています!

 

「ブモァァァァ!」

 

「(ヤバい、ヤバいヤバいヤバい!エイナさんはちゃんと忠告してくれたのに!それを無視して5階層まで降りたせいだ!嫌だ嫌だ嫌だ!こんな所で死にたくない!)」

 

 僕が必死になって走っていると僕が走っている道の先に人影が見えてきました。よく見て見ると黒い鎧を着ている冒険者が一人でこちらに向かって走って来ている事に気づき僕は必死になって叫びました。

 

「逃げてください!ここは危険です!」

 

しかしその人は僕の声が聞こえていないのか10M程の所で立ち止まると武術の型のような動きを始めた。

 

「(でも正直僕も人を助けられる余裕は無い…、でも見捨てる訳に、は?)」

 

 その時ベルは不思議なモノを見た。正面に居る冒険者の左手から紫色の光が迸っているのだ。そしてベルは男との距離が1M以下になってようやく分かった。その冒険者は()()()()()()()()()()()事に。

 間一髪の所で気づいたベルは急いで目の前の冒険者の後方に避難しようとその冒険者とすれ違った瞬間、()()は放たれた。

 

ドンッ!

 

 凄まじい音が響き渡る。

 そして先程までベルを追いかけていたミノタウロスは何かに弾かれたかの様に後方へ吹き飛んでいった。

「(凄い…。)」

ベルはミノタウロスを吹き飛ばした冒険者を見ていた。

 

「(黒い鎧、大きなk、)」

 

 ベルが冒険者の姿を見ていたその時、ベルは突然()()()()()()()()()()()()()()()()に吹き飛ばされた。

 突然の事になす術も無く吹き飛ばされるベル、そしてベルは()()()バラバラになっているミノタウロスの血溜まりへと頭から墜落した。

 

 

__________________

 

 

 

「(堪らねぇー!この威力!この重低音!やっぱ最高だな魔人拳!)」

 

 剛は自分の放った魔人拳に深く感動し、余韻を感じていると剛の後方から先程の掌底とは比べものにならない程の()()が剛の後方から吹いてきた。剛でさえも踏ん張って居なければ倒れそうなくらいの風に改めて魔人拳の威力を実感していると、剛の横から何かがミノタウロスの方へ吹き飛ばされていくのに気がついた。

 

「ん?あ…。」

 

飛ばされていったのが少年だと言う事に気がつくと同時に自分の魔人拳の余波で吹き飛んだのだと理解した。

 

「(ここは一応謝っておいた方が良いかな?)」

 

そう思って少年の方に歩いていくとそこには奇妙な状況が出来上がっていた。バラバラになっているミノタウロス、恐らくそれをしたであろう剣を持った金髪の少女、そして先程吹き飛ばされたであろうミノタウロスの血で顔が血塗れになった少年。平たく言ってカオスだった。

 

「うわぁあぁあぁあぁあ!」

 

「?」

 

「!?」

 

 少年に歩み寄り先程の事を謝ろうとしたその時、少年は叫びながら全速力で何処かへ行ってしまった。あまりに急に走り出したので剛も少女も少年を止める事が出来なかった。そして辺りに流れる沈黙、気まずくなって少女の方を見ると少女と目があった。透き通るような金髪、魅入られてしまいそうな黄色の瞳、人形のような完成されたスタイル、どう見ても美人でしかなかった。そんな少女に見惚れていると少女の後ろにいつのまにか居た耳の生えた男が剛にに話しかけていた。

 

「おいてめぇいつまで見てんだ?あぁ?」

 

「(何だコイツめっちゃ成りヤンみたいだな、こう言う奴って面倒くさいから嫌いなんだよなぁ)そこの少女と目があっただけだ、他意はない。」

 

 面倒な事になりそうな予感がした剛はそのまま先程の少年に謝りに行こうと踵を返し早足でその場を後にした。その場に残された少女は去っていく剛の背中をじっと見つめていた。

 

「何だアイズ、あの男がどうかしたのか?」

 

「………」

 

「(あの人はどうやってミノタウロスを吹き飛ばしたんだろう?)」

その疑問を胸にしまったまま少女は狼人の問いには答えずに追いついた仲間の元へ戻る。

 

 

_____________

 

 

 

 先程の場所を去った剛は少年を追いかけるため一先ずギルドへ()()で戻っていた。

 

「やっぱり出来ると思ってたんだよな!()()()使()()()()()!」

 

 今の剛は脚に魔力を集中させる事で脚力を大幅に向上させてかなりのスピードで走っていた。そして少年が残して行ったであろう血痕を辿って僅か一分程でギルドにたどり着き、ギルドカウンターで職員と話して居る未だに血塗れの少年を発見した。

 

「あ!さっきの少年!」

 

「え?あぁ!さっきの冒険者さん!」

 

「え、ベルくん知り合い?見かけない冒険者のようだけど?」

 

 職員の女性はあまり話が理解出来ていないようだったが少年は剛の顔を覚えて居てくれたようで少し安心した。

 

「先程はすまんな、正直少年のことは全く気がつかなくてなぁ。」

 

「いえいえとんでもない!こちらこそ助けて頂きありがとうございました!」

 

 どうやら少年は先程の事を気にしては居なかったようでこちらに礼を言ってきた。

 

「そうか、気にして無いなら良かった!俺の名前は甲斐剛、君は?」

 

「僕はベル・クラネルと言います!はじめましてカイさん!」

 

「ちょ、ちょっと待って話が見えないんだけど!!」

 

これが俺とベルの、「英雄」と「魔王」の出会いだった。

 




結構強引になってしまいましたが私的にはベルくんがアイズと出会うシーンだけは原作通りにしたかったのでしました!
 あとアンケートの取り方が分からないのですが、主人公に武器持たせるか持たせないかで迷ってるので良ければ感想欄でお聞かせ下さい。
それでは!


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第六話 Rage of 魔王

皆さんたくさんの意見有難うございました!やっぱりガノンには剣が一番似合うということで武器は大剣にしたいと思います!
姉妹の兄で弟2さん、わけみたまさん、akinomineさん高評価ありがとうございます!
それでは!


 剛とベルはベルの担当職員であるエイナからの説教を食らった後、換金所で魔石を換金して貰っている間に二人でベルは顔を洗いながら互いのことについで話しあっていた。

 

「そうか、ベルくんはお爺さんが亡くなってこのオラリオに…」

 

「はい、でも今はヘスティア様と一緒に暮らしてますしエイナさんやミアハ様とも出会えたので寂しくはありません!」

 

「(何だこの子天使かな?)しかし英雄になるのはそう簡単にはいかないだろう?ベルくんにその覚悟はあるのか?」

 

「はい!それが僕の夢ですから!」

 

 剛はベルの話を聞いて自分がこのオラリオで何をしようと思っているのか考えた。

 

「(…んー、ただ強くなるっていうならこの能力のお陰で強くはなってるし…かと言ってベルくんのように英雄になってちやほやされたい訳でも無いしなー…あっ。)」

 

 自分の目標について考えているとふと頭の中に思いついた言葉があった。

 

「魔王」

 

「え?魔王?」

 

 剛は口に出ているとは思わず少し恥ずかしそうに聞き返してきたベルに応えた。

 

「いやぁベルくんの話を聞いていたら俺自身は何をしに、何に成りたくてここに来たのか考えてたらな。」

 

「それが魔王なんですか?」

 

「ベルくんは英雄譚を読んで英雄に憧れたんだろ?俺もそれと同じで俺の場合は英雄じゃなくて魔王に憧れを抱いていたんだ。」

 

「えーと?」

 

 イマイチ理解出来て無い様子のベルを見て剛は苦笑し、「まぁ普通は理解出来ないよな」と思い話題を変えることにした。

 

「まぁ今度会ったらまた説明するよ、それよりもう換金も終わった頃だろうしそろそろ受け取りに行こう。」

 

「あ」

 

 言われるまで気づいていなかったのか少し慌てた様子のベルくんを見て笑いながら換金所に受け取りにいった。ちなみに剛の今日の稼ぎはしれっと回収したミノタウロスの魔石を含めてちょうど1000ヴァリスだった。その後用事があるというベルくんと別れた剛は一人街をぶらついていた。

 

 

__________________

 

 

 日も暮れて街の人通りが大人一色になってきていたため剛はそろそろ本拠地(ホーム)に戻ろうと考えていた時、不意に午前中にあったウェイトレスとの約束を思い出した。

 

「(時間があれば寄るって言ったし一先ず行って見るか、誤解も多分解けてないし。)」

 

 そう考えて朝の記憶を頼りにしばらく歩いて行くと朝とは違い活気に満ち溢れて居る店内に朝のウェイトレスの姿を見つけた。そのまま店内へ入ると猫耳のウェイトレスが話しかけてきた。

 

「いらっしゃいませだニャ!お好きな席にどーぞお掛けくださいだニャ!」

 

「…」コクッ

 

 猫耳のウェイトレスに対し首肯だけだ返事を済ませ、席につこうと店内を見渡すと見覚えのある白髪頭を発見し声をかけた。

 

「よっ!ベルくん!」

 

「えっ!ツヨシさん!どうしてここに?」

 

「まぁ、ちょっとした事情があってな。隣良いかい?」

 

 剛の問いにベルが頷いたのを確認して右隣に座るとベルの隣に薄鈍色の髪をしたウェイトレスがベルに話しかけていた。

 

「ベルさん、お隣の方は一体?」

 

「シルさん、こちらは…」

 

「甲斐剛、今日冒険者になった者だ。ベルくんとは今日ダンジョンで知り合った。」

 

 自己紹介をベルにさせるわけにはいかないと話の途中で割って入りあえて端的に自己紹介を済ませた。

 流石に男女の会話を邪魔する訳にもいかないよなぁ、とりあえず飯でも頼んでベルくんの話が終わるまで黙っておくか。

 そう考え厨房にいる体格の良い女性に話しかけた。

 

「あー、すんません。注文良いですか?」

 

「ん?あぁ!構わないよ!」

 

「じゃあとりあえず女将さんのオススメで。」

 

「あいよ!しかしアンタ大きいねぇ、一体何食べたらそんな大きくなれるんだい?」

 

「真面目にやってきたからです。」

 

「そうなのかい??」

 

「(しまった、ついノリで適当な事を口走っちまった。女将さんも困惑してるし選択ミスったあぁあぁ!)」

 

あまりに適当な返答に自己嫌悪していると女将さんはふーんといった風に料理に戻っており一先ずお冷を飲んでボーッとしているといつの間にか右隣に今朝会ったウェイトレスの女性が立っていた。

 

「あ、今朝の。」

 

「…本当に来られるとは思って居ませんでした。」

 

「俺は人との約束は守る男ですから。」

 

「……そうですか。」

 

「……」

 

「……」

 

 とりあえず今朝よりは警戒を解いてくれたようだったがいかんせん話が弾まず気まずい空気になって居ると入り口の方から大きな声で

 

「ご予約のお客様のご来店ニャー!」

 

と言う声が聞こえた為、リューは「それでは。」とだけ言い残し仕事に戻って言った。そのタイミングで剛の前には大ぶりなナマズの素揚げのような料理が出された。

 

「お待たせ!今日のオススメだよ!」

 

 剛は入り口に背を向け料理と向き合い、「いただきます」と両手を合わせ食べ始めた。

 

____________

 

 剛が十分程食べ進めていると隣のベルくんの視線が先程来た団体客の方に向いていることに気づき、気になってそちらを見てみるとダンジョンで出会った金髪の少女がいた。もう一度ベルくんの方を見るとベルくんの頬が少し赤らんでいることに気づき剛はニヤニヤしながら話しかけた。

 

「なぁなぁベル?」

 

「?どうしたんですか、ツヨシさん?」

 

「キミ、さてはあの金髪の少女に惚れてるな?」ニヤァ

 

「!?!?!?」

 

図星だったのか慌てふためくベルを見て剛は笑う。

 

「かっかっか!さては当たりだなぁ?反応がわかりやすすぎだぜベルくん。」

 

「いやっ!あのっ、その!……!」

 

 慌てている様子のベルを見て剛が爆笑していると、少女の団体の一人である狼人の男が語りだした。

 

「そうだアイズ!お前のあの話を聞かせてやれよ!」

 

「あの話?」

 

「帰る途中で何匹か見逃した()()()()()()!」

 

狼人の声のボリュームが大きい為、こちらにまで聞こえてきていた。ミノタウロスと言う単語に覚えがあった為その話に意識を傾ける。

 

「最後の一匹お前が5階層始末しただろう!そんでほれ!あん時いたトマト野郎!」

 

 剛はその話に聞き覚えがあった。確か剛が今日ベルとミノタウロスに出会った階層もそのくらいだったと。狼人は話を続ける。

 

「17階層から逃げていったミノタウロスがいただろ?そしたら奇跡みてぇにどんどん上層にあがっていきやがってよぉ、それでよ いたんだよ。いかにも駆け出しって感じのヒョロくせぇ冒険者(ガキ)が!」

 

「そしたらそのガキ、俺がついた頃にはミノはアイズがバラした後でよぉ、あのくっせぇ牛の返り血を浴びて真っ赤なトマトみたいになってやがってよぉ!しまいにゃそのトマト野郎叫びながらどっか行っちまって……ぷくくっ!」

 

 周りを見ると狼人の話に周りいた他の冒険者も笑っていた。

 剛は完全に理解した、これは今日のベルの事を話しているのだと。そしてベルの方を見ると俯きながら僅かに震えていた。狼人はまだ話を続ける。

 

「ほんとざまぁねぇよな。ったく、泣き喚くくらいなら冒険者になんかなんじゃねぇっての。」

 

「いい加減その煩い口を閉じろベート。ミノタウロスを逃したのは我々の不手際だ。その少年に謝罪する事はあれ酒の肴にする権利などない。」

 

仲間の冒険者が止めようとするもまだ狼人は話を続ける。

 

「おーおー流石エルフ様、誇り高いこって。だがなぁ、ゴミをゴミといって何が悪い。」

 

 剛はベルの肩に手を添える。そして狼人は金髪の少女にも話を振る。

 

「アイズはどう思うよ?」

 

「…あの状況では仕方がなかったと思います。」

 

「何だよいい子ちゃんぶっちまって…。じゃあ質問を変えるぜ?あのガキと俺、ツガイにするならどっちを選ぶ?」

 

「…私はそんな事を言うベートさんだけはごめんです。」

 

「無様だな。」

 

「黙れババア!いいか、自分より弱くて、軟弱で、救えない、気持ちだけが空回りしてる雑魚にお前の隣に立つ資格はねぇ!他ならないお前がそれを認めねぇ!」

 

「…」

 

雑魚じゃあアイズヴァレンシュタインにはつりあわねぇ。」

 

ガシッ!

 

 急に立とうとしたベルを万力の様な力で押さえつける。

 

「……離してください。」

 

「断る。」

 

「ッ!!」

 

 ベルが抜け出そうとするものの剛の力の前では無意味だった。

 暴れようとするベルに剛は努めて落ち着いた調子で語りかける。

 

「ベル、強くなりたいか?」

 

「……はい。」

 

剛はゆっくりと話続ける。

 

「確かに今ここで走ってダンジョンに向かうのは簡単だ。しかしそれでは身体は強くなっても心は成長しない。なぜならお前は今我慢しようとしていないからだ。」

 

「……」

 

「男には我慢が必要な時がある。感情に任せて行動するだけで物事が全部上手く行くなんて事はありえない。」

 

「……」

 

ベルは何も言わず、ただ黙って話を聞いている。

 

「ベル耐えろ、今ここで()()()()()()()()()()()()()()。たしかに今はとても悔しいだろう、しかしアイツの言ってることは全てが間違いでは無い。事実お前は()()弱い。だから今ここから強くなれ!そしてあの狼人に一発入れられるくらいになるまでその悔しさを糧としろ。分かったな?」

 

「……はい」

 

 ベルは手から血が滲むほど手を強く握りゆっくりと外へと歩いていった。その姿を見た剛は安心した様子でその姿を見送った。その姿はこの成長を見守る親の様な姿であった。

 

 そしてベルを見送った後、剛はゆっくりと狼人に近づき

 

 首を思い切り掴んだ。

 

「!…ッカ!…!」

 

 そしてうめき声すら上げられぬ狼人を思い切り店の外までブン投げた

 

落とし前はキッチリつけさせてもらおうか?

 

「魔王」が動きだす……

 

 




投稿遅れてすみません!いやぁまさか下書きが全て消えると思いませんでした!
何だかんだで急いで書いたので粗めですが何卒ご容赦ください!
それでは!


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第八話 long for 夜

遅れてすみません!正直リアルが忙しかったです!
今回は最初から書きたくてしょうがないシーンだったので結構難産でした!
大三元さん、ハイブリッチさん、ザンライザさん、ドラン1515さん!高評価ありがとうございます!
それでは!



ズシャァァ!!!

 

 剛の力で思い切り投げられたベートは西地区の歩道を勢いよく滑って行った。その光景に誰もが驚いている中、剛は店の外に出てベートから3M程の所で立ち止まった。

 

「クソがぁ!テメェいきなり何しやがる!!」

 

「あぁ、そう言えば名乗ってなかったな。甲斐剛、冒険者だ。そして、()()()()鹿()()()()()()()()()()()()()。」

 

 剛は拳に力を込める。右手に魔力が集中し、手のひら全体が妖しく紫色に光る。

 

「とりあえず、俺が今からするのはただの()()()()()だ。ただ貴様が先程の言葉を取り消し謝罪すると言うのであれば話は別だが?」

 

「ハァ?何を言ってやがる。オレがテメェに謝る必要なんざねぇだろうが?しかも何で雑魚のテメェが上からものを言ってやがる。」

 

「謝罪は俺にではなくベルにするのだが。それも理解していない低脳にはこれ以上言葉は不要だな。」

 

「アァ!?」

 

 売り言葉に買い言葉。互いにこれ以上ない程剣呑な雰囲気になっており道ゆく通行人達も距離をとり、店の入り口ではベートの仲間は見知らぬ黒い鎧の冒険者を心配していた。

 

「ね、ねぇこれ不味いんじゃない?あの黒い鎧の人が大怪我とかしちゃったら、、、。」

 

「そうなる前に止めるしかあるまい。あの青年もベートもお互いに冷静ではない、その状況ではいくら止めても無駄だろう。アイズ、すまないが危険と判断したらその時は頼むぞ。」

 

「うん。(…あの人、ミノタウロスの時の人だ。)」

 

 ベートは剛を鋭い目つきで睨みつけ左手を顔の前、右手を顔の横に構える。対する剛は身体を半身に構え肩を引き右手は握らずに軽く開いている。ピリつく空気の中赤髪の中性的な女性が入り口から一歩前にでた。

 

「そんじゃあウチが審判や。二人共、地面に背中がついた時点で負け。気絶しても負け。それ以上の攻撃は禁止や、ええな?」

 

「あぁ。」

 

「構わん。」

 

「ほんじゃ、決闘(デュエル)開始ィ‼︎」

 

「ッシャア!!」

 

 何処かで聞き覚えのある開始の合図とともにベートは姿勢を低くし剛に突っ込んで来る、それに対し剛は何もせずにただ真っ直ぐ突っ込んでくるベートを睨みつけている。

 

「(一撃で沈めてやる!)ッオラァ!!」

 

 ベートは剛に肉薄するとその勢いを殺さずに右足を振り上げ、剛の顎を狙ったハイキックを放つ。

 

「甘いわっ!!」

 

 剛は数多くのゲームの経験からベートの出方を伺っていたがベートの狙いが顎を狙った一撃と読み身体を退け反らせることで回避した。そして魔力を集中させていた右手でベートの胸ぐらを掴み持ち上げる。

 

「喰らえ。」

 

「ッ!!!」

 

 剛は右手に集中させた魔力にさらに力を込める。行き場を失った魔力は次第に熱に変換されていき、そしてついに()()()()()()()()()

 対象を握り、集中させた自分の魔力を炎に変換させ爆発によって大ダメージを与える。この技の名は

 

 炎獄握

 

ボンッ‼︎

 

「ギャウン!!」

 

首元を掴まれたまま剛の手のひらが爆発した為、ベートの首の皮膚は焼け、皮膚の下の肉が露になっていた。しかしそこはlv5冒険者としてのいステータスの高さ故か、ベートは倒れそうになったもののその目は闘志を失っておらず、剛に対してもう一度攻撃を仕掛けようとしていた。

しかし、

 

「もう一丁!」

ドカッ‼︎

 

剛の無慈悲な前蹴りがベートの保っていた意識を完全に刈り取った。

 剛が行ったのはゲーム版で良く使われていたガノンお得意のコンボであり、強化された身体能力で思い切り腹部を蹴られたベートはほぼ地面と並行に吹っ飛び意識を失って倒れていた。ベートを自分の手で仕留めたことで剛の溜飲は先程と比べるとかなり下がっていた。

 

「おい審判、終わったぞ。」

 

「…!しょっ、勝負アリ!!」

 

 剛に言われ、思い出した様に終了の合図をする審判。

 大方の予想を覆しlv5のベートを下した無名の冒険者にギャラリーもベートの仲間も審判でさえも言葉を失って居た。そんな中剛は会計を済ませようと店の中に入ろうとすると金髪の少女と目が合う。

 

「……」

 

「?」

 

こちらを見つめてくる少女を不思議に思いながらも剛は会計を済ませようとカウンターに居たリューに話しかける。

 

「会計お願いします、ベルくんのも。」

 

「あっ、はい……5000ヴァリスになります。」

 

「じゃあ丁度で。」

 

「はい、あのカイさん。」

 

「何ですか?」

 

 試合が終わってからずっと視線を感じている為、とっとと外に出ようとして居た所リューに呼び止められた。

 

「私は、どうやら何か勘違いをしていたようです。その為貴方に不快な思いをさせてしまっていたと思いまして。」

 

「あー、まぁ初対面でしたから不審に思うでしょうから。気にしてないんで大丈夫っすよ!」

 

「そうでしたか。なら良かったです。」

 

「んじゃ!俺はこれで!」

 

「ご来店ありがとうございました。」

 

 突然のリューの謝罪に戸惑ったが「どうやら不器用なだけで悪い人じゃないと」思い笑いながら店の入り口の方に振り向いた、するとそこには金髪の少女がまたもこちらを見つめて居た。

 

「あの、、、、。」

 

「…何でしょう?」

 

「どうやったら強くなれますか?」

 

「…難しい質問だな。」

 

 適当に答えて店を後にしようとして居た剛は思わぬ質問に立ち止まり思考を巡らせる。が、考えている間も他の客からの視線が刺さる為、剛としてはすぐにでも店を出たかった。しかし少女は真剣な目でこちらを見つめているため無下にも出来ない。

 

「(不味い、どうすればこの場を乗り切れる。多分この子は適当なことを言えば質問してくるに違い無いし、、、あ。)」

 

立ち止まり悩むこと数秒、剛は一つの答えを見つけた。

 

「…何故強さを求める。」

 

「…え?」

 

「強さとは目的によって求める強さも違う。君はそんな中でどんな強さを求める?」

 

「……理由。」

 

「答えが出たならまた来るが良い。」

 

剛はとあるアニメで言っていた台詞を思い出し、それっぽく後回しにしてこの場を去ろうと考えた。そして少女はアニメのように悩み始めたため、剛は足早に店の外に向かう。が、しかし。

 

「待ってくれないか?」

 

「……はい、なんでしょうか?」

 

 この短い間に3回も止められた上に視線が痛いため流石にもう帰りたくなってきた剛だったが、声を聞く限り女性であった為無下に出来ないともう一度立ち止まった。

 

「先程は仲間がすまなかった。恐らく酩酊して居たのであろうが君の仲間にも大変な事をしてしまった。」

 

「…その言葉はあんたではなく外で伸びてるヤツが言うことだ。それにあんたはヤツを止めてただろ?別に俺は何もされてないから平気だ、もう行って良いか?」

 

剛は思った事をそのまま口に出し、帰ろうとする。

 

「待ってくれ!君と君の仲間の子を私達の本拠地(ホーム)に招待したい、そこで正式に謝罪をさせて頂きたい。」

 

「…あー、勘違いしてる様だけど別に俺とベルは友達ってだけで仲間じゃないし、そもそもファミリアも違うからベルがどこに居るか俺も知らん。」

 

「そうだったのか…」

 

「あと俺は行くの面倒だから謝罪は要らん、そんでもってあの子の名前はベル・クラネルだ。調べりゃ本拠地くらいわかるだろ、そんじゃ!」

 

「最後に一つだけ頼む!君の名前はなんだ?」

 

「……………甲斐剛だ。」

 

そう言い残すと、剛は足早にその場を去って行った。話しかけてきた女性と少女の視線を背中に感じながら。

 

____________

 

 

ゲルダの家

 

「…ヤベェ、遅くなること言ってなかった。」

 

 剛は本拠地(ホーム)の前で立ち尽くしていた。家の灯りはすでに消えており中からは物音が聞こえない。

 

「これは野宿も覚悟するしか無いよなぁ」

 

そう思って扉に手をかけると驚くことに鍵が空いていた。

なにやら不穏な空気を感じる剛だったが、「ここで迷っていても仕方がない」と意を決して中に踏み入った。

 

「た、ただいま帰りました〜。」

 

「………。」

 

 するとそこにはゲルダが()()()()()()()()()佇んでいた。

 

「(何がどうしてこうなった!?)」

 

 正直目の前にゲルダが立って居たことで剛は声も上げられないほどびっくりした。当のゲルダはゆっくりと剛に視線を合わせると幽鬼の様な雰囲気を纏って剛に近づいて来る。ビビる剛。そして腕を振れば当たる程の距離まで近づくとゲルダは口を開いた。

 

こんな時間までドウシテタノ?ワタシ凄ク寂シカッタンダカラネ?

 

ゴクリッ

 

 思わず息を呑む剛。そして、ゲルダは言う。

 

オハナシシマショウ?

 

剛の長い夜が始まる、、、

 

 




これ書いててもの凄い別人視点から書きたくてしょうがなくなったのですがしばらくはとりあえず主人公視点メインで行きます。
正直一話で複数人視点を入れると毎日投稿出来なくなりそうな文字数になってしまいまして。
これからも出来る限り投稿頻度を落とさないように頑張りますので応援よろしくお願いします!
それでは!


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第八話  魔人 go

皆様大変長らくご無沙汰いたしておりましま。私事ではございますが今まで新型コロナウィルス肺炎により倒れており執筆はおろかまともに動くことすらままなりませんでした。ですが長い療養によって少しづつ回復しており今では日常生活に問題ないレベルまで復活することが出来ました。
そのため、これから少しづつではありますが執筆を再開して行きたいと思っております。もし待って下さっている方が居られましたらまた応援して頂けると嬉しいです!
長くなりましたがこれからまた頑張っていきます!本編をどうぞ!


チュンチュンピーチチチ、、

 

「、、、ようやく朝か。」

 

さ、昨晩起こったことをありのまま話すぜ!俺は自分の本拠地(ホーム)に帰ったら包丁を持ったゲルダに出迎えられた、そう思った瞬間!俺は本拠地の床に正座をさせられてさらにズボンが包丁によって地面に縫い合わせられていた、、、。何を言ってるのか分からねぇと思うが俺にもよく分からねぇ、、、。ただ1つ言えることがあるとすればそこから喜怒哀楽の全ての感情を剥き出しにしたゲルダのオハナシが朝まで続いたことだけだ。

 

「むにゃむにゃ…」

 

今俺の太ももに顔を埋めて寝ているゲルダがまさかここまで感情の起伏が激しい女性だとは思わなかったぜ。だが今回は連絡も無しに遅れてしまった俺に非があるからな、今後はこんな事が無いようにしなきゃいけないな。

そんなことを考えながら剛はゲルダをベッドに寝かせると正座によって凝り固まった身体を解しながら本拠地を後にしてダンジョンへ向かった。

 

 

________________________________

 

 

 

「今日はどんなモンスターが出て来るかねぇ。」

 

黒い鎧を纏った剛は軽いストレッチによって解れた身体でギルドの扉を開くと時間にして10時過ぎ頃のためギルドの中にはそこそこの人数の冒険者がたむろしていた。

 

「えーとミィシャさんはーっと。」

 

「あ、昨日ベル君と一緒にいた子だよね?」

 

「ん?あぁ!昨日ベル君と話してた職員の人か!」

 

「確かミィシャが担当だよね?ちょっと待ってて彼女今後ろで書類の整理してるから。」

 

「分かりました、では少しここで待たせて頂きます。」

 

ミィシャさんを探しているとベルの担当らしい職員の人に話しかけられ、ミィシャさんが忙しいのを理解し、そのままカウンターでミィシャさんが来るのを待っていると一人の小柄な男性が近づいてきた。

 

「やぁ、昨日ぶりだね。」

 

「へ?、、、すみませんちょっと存じ上げないのですがどなたでしょうか?」

 

「まぁ昨日は直接話した訳ではないからね、覚えてないのも無理はないね。」

 

「あー、すみません覚えてないですね。」

 

突然見知らぬ男性から声をかけられたため剛は警戒しながら相手に素性を聞くと相手の男性は剛の事を知っているらしく剛が困惑していると相手の男性が

 

「僕の名前はフィン、昨日キミが倒したベートのファミリアの団長を務めている者だよ。」

 

「!」

 

「あーそんなに警戒しなくても大丈夫だよ。別にベートの件でキミに非はないし、むしろ止められなかった僕達こそ責められてしかるべきだからね。」

 

「昨日の事は別に気にして無いので大丈夫です。それよりも謝るなら俺よりもベル君に謝って欲しいです。」

 

「それは勿論、でもキミにも迷惑をかけてしまったからね。それにキミには()()()でも用事があるからね。」

 

「別の件?」

 

「そう、その件について詳しく話したいから悪いんだけどちょっと僕達の本拠地まで来て貰えないかな?」

 

そうフィンが剛に告げると剛は黙りこんでしまった。

 

「(正直この人から敵意みたいなものは感じられない、だからといって正直本拠地までノコノコついて行って良いのか?もしかしたら本拠地で数でボコボコにされるかもしれんしなぁ、、うーむ…。)」

 

剛がどうしようか悩んでいるとカウンターの奥から書類整理を終えたミィシャが現れた。

 

「あ!フィンさんに剛くんじゃん!どうしたの?何か凄い悩んでたみたいだけど?」

 

「あ、どうもですミィシャさん。」

 

「やぁミィシャ、今丁度この子に用事があって僕達の本拠地に来て貰えいか頼んでいる所なんだよ。」

 

「それで俺はこの人に着いていっていいものかどうか考えてまして、、」

 

「ふむふむ、なるほどー。」

 

凡その事情を理解したミィシャは少し考えるような素振りを見せた後、剛を指差して

 

「なら剛くん!担当命令でフィンさんの本拠地に着いて行きなさい!」

 

「、、、あ、はい!」

 

「そんなに心配しなくてもフィンさんに着いて行って怪我するような事はまず無いから大丈夫だよ!ですよねフィンさん?」

 

「そうだね、用件と言っても基本は話を聞きたいだけだから安心してくれて良いよ。」

 

「あー、そういうことならまぁ。ミィシャさんも言ってるんで行かせて頂きます。」

 

「なら決まりだね。早速向かおうか、えーと剛くん?でいいのかな?」

 

「はい、よろしくお願いしますフィンさん。」

 

こうして剛はフィン達ロキ・ファミリアの本拠地である「黄昏の館」へと向かうことになった。

 




少し短いですが次回にバトルを持っていきたかったので今回はここまでです!


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