がっこうぐらし!ー絶望、そして希望ー (三坂)
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第一章 高校編
プロローグ


とあるマンションの一室‥

 

「ふぁぁ‥」

 

日差しが差し込み、それにより目が覚める

彼の名は日野裕也、ここ巡ヶ丘市に住んでおり巡ヶ丘警察署に勤務する警官だ、階級は巡査、主に交通に関する取締りを担当している。

 

「さてと‥」 

 

そう一言こぼして布団から起き上がり、昨日の残り物で朝食をとり着替える。

 

ピンポン〜

着替え終わると玄関で音がなる、荷物を整え

玄関に向かい、扉を開ける

 

「おはようございます〜日野さん♪」

 

「あぁ、佐倉さんでしたか」

 

日野に佐倉と呼ばれたピンクの長髪の女性は佐倉慈、

巡ヶ丘学院高校の国語の先生をしている

それと同時に彼の幼馴染でもある。

 

「今日はよろしくお願いいたしますね〜」

 

「えぇ、」

 

実は今日は彼が巡ヶ丘学院高校で安全教育を行う日、そのため、佐倉先生はわざわざご挨拶に来てくれたのだ。

 

「といってもあんまり詳しくはできないと思いますが(汗」

 

「フフ♪大丈夫ですよ♪日野さんならみんなもしっかり聞いてもらえます」

 

少し玄関で立ち話していると

 

「おっと、もう時間だ‥(時計を見て)

せっかくですし駐車場まで一緒に行きません?」

 

「そうしますか」

 

そう言って一旦室内に戻り、荷物を持って部屋を出て

鍵をしめる。

 

「お待たせしました」

 

「いえ、じゃあ行きましょう」

 

駐車場にいく途中、二人は何気ない雑談を交わしていた。

 

「そういえば、最近ここの近くにパン屋さんができたの知ってますか?」

 

「あぁ、あそこですね。佐倉さんは行ったのですか?」

 

「もちろん♪かなり美味しかったですよ」

 

「そうなのか‥、俺も行こうかな」

 

そうこうしていくうちに駐車場につく

 

「じゃあまた学校で」

 

「えぇ」

 

そう言うと彼女は愛車である赤のミニクーパーのところに行く。 日野も自分の車である白のフィットに行き、乗り込む。

車の中でエンジンをかけようとすると、目の前の道を何台もの警察や救急が通過していき、上空を見ると珍しくヘリも飛んでいる。 

 

ー何かあったのか‥?ー

 

少し胸騒ぎがしたが、特に気にすることもなく車を発進させて、駐車場をあとにする。

 

日野side

 

いつも通り署に出勤してみると、いつもより忙しく署員が動いていること以外特に問題はなかった。

 

「おっ日野か、おはよー」

 

そうこうしていると彼の同僚である涼宮春がよってくる。

 

「おぉ涼宮か、おはよー。なんか今日はあちこち賑やかだな?」

 

「そうだよ‥、なんか今日に限って通報が多くてな‥

忙しいったらありゃしない‥」

 

そう言いつつ彼はため息をこぼす。

 

「俺も手伝おうか?」

 

「いや、今は回せてるから大丈夫だ。それに今日お前は巡ヶ丘学院で安全教育だろ?」

 

「この状況なら中止になりそうだが‥」

 

そうこう話していると、署長がやってくる。

 

「中止にはならないよ、というのも君には安全教育ついでに学校の方も見てきてほしい」

 

「というと?」

 

「この状況だ、学校に変なやつが来たら大変だからな‥、そこも含めて行ってほしい」

 

「他にも行く人は‥いないですよね(汗」

 

「うむ‥、あいにく回せる奴がいなくてな‥

君一人で大変かもしれないが頼めるか?

もちろん私もできることはしよう」

 

「はい、大丈夫です」

 

「あっさり受けたな?(汗」

 

「このご時世だ‥仕方ないよ(汗」

 

「とりあえず、昼間では事務を手伝ってくれないか?

いろいろと忙しくて‥」

 

「わかりました」

 

「っとそれと昼には署全体の会議がある

遅れるなよ?」

 

「会議‥?わかりました」

 

そう言い残すと足早に持ち場に戻る署長

 

「なんの会議だろう‥」

 

「さぁな‥」

 

二人は首を傾げつつ事務室に向かうのであった‥

 

佐倉side

 

国語の授業で三年生の教室に訪れていた。

 

「由紀さん〜、今回のテストかなり危ないですよ」

 

「うぇぇ‥、ひどいよめぐねえ‥(´・ω・`)」

 

「めぐねえじゃなくて佐倉先生です」

 

そう言って机に突っ伏している彼女は丈槍由紀

頭に被ってる変わった帽子が特徴で、見た目でもクラスで少し浮いていて、なおかつ勉強面で佐倉が手をかけている生徒である。

 

「とりあえず午後からは安全教育があるのでそれが終わったら補習を受けてもらいますよ」

 

「はぁい‥(´・ω・`)」

 

佐倉(以後めぐねえと呼ぶ)の居残り宣言に再び机に突っ伏してぐでぇとなる由紀であった‥。

 

日野side

 

午前中の事務作業を終えて、署全体の会議に参加していた。

 

「忙しい中集まってもらってすまないな

みんなに集まってもらったのはほかでもない。

今日の件についてだ」

 

署長の言葉で会議室は張り詰めた空気になる

そのうちの一人の警官が質問する

 

「というと‥」

 

「あぁ‥、ここと同様のことが全国各地で起こってる

それだけじゃない、世界各国でもだ

既にアメリカや中国などの大国では暴動が発生している」

 

「‥‥」

 

「現在政府は緊急の会議を開いて対応を協議中だ

そのつなぎとして警視庁から各県警宛に緊急配備の発令せよとのことだ。

それを受け我が巡ヶ丘警察では各署員に銃の使用を許可、それと銃隊が使用するMP5の使用許可を出す」

 

「‥(ざわざわ)」

 

「しかし、警官全員に配れるほどはなかったはずだが‥」

 

銃隊の隊員が首を傾げるが

 

「それに関しては問題ない、先程地下倉庫を確認したが全員分あるそうだ。それを配布する」

 

「いいんだが悪いんだが‥(汗」

 

「話を戻そう、世界各国でこうなってるということは日本でも更に事態が悪くなる可能性がある

発砲の判断は君たち現場に託す。市民を守るためには躊躇わず撃っても構わない‥、いいな!」

 

「はっ!」

 

そうして、会議を終えると各警官は忙しく準備をすすめる。使用する銃のチェック、弾倉の配分などなど‥

事務作業員も含めて大忙しになっていた。

 

「日野」

 

「ん?」

 

準備を終え車両に積み込みをしていると涼宮がくる

 

「いよいよ大事になってきたな‥」

 

「あぁ‥」

 

「死ぬんじゃねぇぞ‥」

 

「わかってるよ‥、お前のほうこそ‥くたばるんじゃないぞ‥」

 

「当たり前だ、カワイイ子を嫁にするまで死ねるか‥w」

 

「こんなときでも相変わらずだな(汗」

 

そんなこんな話しているうちに積み込みが終わり

トランクを閉める

 

「じゃあ行ってくる」

 

「あぁ、帰ってきたらなんかうまいもん食いに行こうぜ」

 

「もちろん」

 

そうして車に乗り込んで

学校へと向かうのであった‥

 

 




ちなみに日野が仕事で乗っている車両は
170系クラウン
現在は絶滅危惧種になってる警察車両
巡ヶ丘市でも例外ではなく、かなり台数が少ない
ちなみにあの地獄の日からも彼の長い愛車となる


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第一話パンデミック

お待たせしました。第一話になります!
学校にいるときにパンデミックが発生してしまった日野
彼は一体どうするのか‥!


巡ヶ丘学院までのいく途中

やはり街は異変が起こっていた。

普段では事故がないようなところでも何件か事故が‥

その対応に警察も追われていた。

 

ーどうなってんだ‥?ー

 

一体どうしたのかと考えつつ、車を走らせる日野。幸い学校近辺は事故が発生してないようだ。

 

ーこの状況だと‥、学校は気づいてないのか‥?ー

 

ーいや‥それはないか‥、また政府からの発表はないから、そこまで気にしてないんだろう‥ー

 

そうこうしているうちに巡ヶ丘学院高等学校の建物が見てくる。裏口に車を停めて、出迎えに来た校長に挨拶をして講義をする教室に向かう。

講義の合間をぬって窓から外の確認をしたが、特に問題なく他のクラスが体育の授業を普段どおりグラウンドでおこなっていた。

 

ーどうやら考え過ぎだったのかもな‥ー

 

講義は特に問題なく終わり、学校には部活をする生徒や帰宅する生徒などいつもと変わらない学校があった。

校長と校長室でお話して、帰るときに慈とすれ違ったので軽く話して車に戻る。車に乗る際にも周囲を確認したが来たときと変わらなかった。

 

ーまあいいや、とりあえず一旦署に戻るかー

 

そう思いつつ車両に乗り込むと、丁度電話がなる。

 

「はいもしも‥「今どこにいる!?」えっ?学校だが‥「そうか!学校か!いいか!こっちには戻って来るな!こっち‥(ツーツー)」‥涼宮‥?」

 

電話の相手は涼宮のようだ、かなり焦っていた様子だが

いきなり切れたことにより日野は困惑していた。その後、何があったのか聞くため電話をかけ直そうとしたが‥

 

「「キャー!!!」」

 

「!?」

 

グラウンドからの悲鳴に驚き反射的に拳銃を取り出しつつ、車から飛び出る。

 

「どうし‥!」

 

裏口からグラウンドに飛び出て直後に言葉を失う日野‥

彼の目に映ったのは人が人を襲っているという普通ではありえない現象‥。

襲われ、倒れていた人がムクリと起き上がる。しかしその人からは生気が感じられず顔もかなり変色、目は白目になっていた。直後駆け寄って心配していた友人らしき人を襲い始める‥

 

「どうなって‥いや、とりあえず避難させないとまずい‥」

 

どうしたものかキョロキョロしたが明らかに外には奴らがかなりいる。丁度下校時刻、そして部活などでグラウンドに人がたくさんいたのが災いし、爆発的に広がったのだ。

 

「くそ‥、グラウンドにいた生徒はほぼ全滅‥

って何やってるんだ‥!このままじゃ俺も‥!」

 

一瞬放心状態になりかけた彼だがはっと我に帰り急いで車に戻りトランクから支給されたMP5と弾倉を取り出す。

 

「余分に入れてくれた署長に感謝だな‥」 

 

弾倉や少し持ってた食料をバックパックに入れ、状況整理をする。

 

「外は完全に無理か‥となると‥校舎内‥!」

 

弾かれたように校舎内に入る、中に入ると逃げ込んできた生徒の影響か人間だったものがわんさかいた‥

 

「余分にあっても無限じゃないからな‥大切に使わないと‥」

 

可能な限り奴らとの戦闘は避けて、どうしても避けれない場合はハンドガンなどで対応した。

 

「体に何発撃っても倒れないが‥、頭は一撃なのか‥

それと‥階段では動きが鈍いな‥」

 

射撃しつつ、奴らの弱点を模索する。なんとか3階まで上がると二人ほどこちらに走ってくる。

一人は見慣れてる。

 

「慈さん!」

 

「日野さん!?無事だったんですか‥!」

 

やはり見慣れた生存者だったのか安堵の表情を見せる。

切り替えさせるために質問をする。

 

「他に人は!」

 

「私達以外は‥いえ、確か屋上に一人いた‥」

 

「こっちもいるぞ!」

 

階段下から声がし、視線を向けるとツインテールの女子生徒と負傷したのか肩代わりされている男性が‥

 

「胡桃さん!」

 

「めぐねえ!下はもうダメだ‥」

 

「その子は負傷しているのか?」

 

「あぁ‥、逃げるときに‥。とりあえず手当てしないと‥」

 

「だがここだと危険だ‥、屋上に一旦避難しましょう

佐倉さん!その負傷している人の搬送を手伝ってあげてください!私が足止めしておきます!(MP5を取り出し)」

 

「わっわかりました!由紀さん!屋上にいる若狭さんと何か扉を塞げるものを用意してきて!」

 

「ふぇ?うっうん!」

 

由紀と言われた子は慈の指示に少し遅れながらも返事をして急いで階段を登る。それを横目で見つつ二階から上がってくる人ではなくなった‥、いやゾンビといったほうがいいのだろうかそれにMP5の銃口を向ける。

 

「くそったれが!」

 

そう吐きつつトリガーを引く

 

パパパパ!!

 

廊下に響きわたる銃声とともに鉛玉を頭に食らったゾンビは階段から転げ落ちつつ倒れる。次々と倒していくが後方からまだまだ上がってくる。

 

「ったく‥、キリがねぇ‥!」

 

「日野さん!退避できました!早く!」

 

「わかりました!すぐ行きます!」

 

階段上から慈の声に対して返答しつつマガジンを撃ちきったタイミングで急いで階段を上がり屋上に向かう。

屋上に上がると屋上入口の扉を閉めて鍵をかける

そこにロッカーを運んでくる若狭と由紀

 

「そこの扉の前において!」

 

「「はい!」」

 

日野が警戒している間にロッカーを扉の前におく。

直後、向こうからドンドン扉を叩く音とうめき声が

 

ヴヴヴヴヴァ!

 

「ひとまずは安泰か‥、佐倉さん!こちらは任せてその男性の手当を!」

 

「ですが‥救急キットが‥」

 

「これで!早く!」

 

そう言ってバッグから簡易救急キットを取り出して慈に渡す。

 

「ありがとうございます!」

 

そう言って男性のもとに行く、そこには既に胡桃が側にいた。

 

「めぐねえ!さっきから声かけてるけど反応が‥!」

 

「っ!とりあえずこの救急キットで‥「ヴゥ」」

 

慈が駆け寄ろうとすると突如唸り声を上げつつ顔を上げる。

 

「大丈夫か!?今手当す‥‥え‥?」

 

意識が戻ったことに喜んでいた胡桃だが目を合わせた途端顔が固まる。そこには今までの知ってる彼の面影はなく、顔が変色し変わり果てた姿の彼が‥

 

「ぁぁ‥‥」

 

「胡桃さん!逃げて!」

 

異変に気づいた若狭が声を上げる、しかし彼女はあまりにも衝撃を受けて動けずにいた‥

 

「何!?」

 

日野も気づいたがまだリロード中、しかも近くには胡桃がいるため発砲ができない。

 

ヴヴヴヴヴァァ!!

 

まるで獲物を見つけた猛獣のように、胡桃に襲いかかったのだった‥

 




日野の過去
中学を卒業後、職業訓練警察学校に入学して
四年ほど警察としての知識を教わり
卒業して現在の巡ヶ丘警察署に勤務している。
ちなみに地味に射撃のセンスがある


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第二話ひなん

第二話、いよいよここから動き出して行きます!
パンデミックにより街が崩壊してしまった世界
日野達は生きるために行動を開始します!


ゾンビ化した人(先輩)に襲われそうになった胡桃だが反射的に近くにあったスコップで反撃、何とか事なきを得た‥。しかし、先輩がこうなってしまったことがショックだったのかパニックになりかけ、ひたすらスコップで先輩だったものを、既に動かなくなってしまっているのに刺し続けていた‥。

だが、見てられなかったのか由紀が胡桃に抱きスリスリした事で少し呆れながらも正気を取り戻すのであった‥。

 

ーそして‥その夜‥ー

 

先輩の遺体の片付けと掃除を終え

みんな眠りについていた‥一人だけ覗いて‥

 

「‥‥」

 

日野も寝ていたのだが、やはり寝付けなく目が覚めたため、スマホや持ってきたトランシーバーを使って情報収集をしていた‥

 

スマホのニュース速報には

 

ー東京都内で大規模暴動、都知事は政府に治安維持のため自衛隊派遣を要請ー

 

ー政府、国家緊急事態宣言を発令、各自衛隊お呼び、在日米軍にも出動要請ー

 

ー同日、総理大臣が緊急記者会見

外出はせず、外にいる人は可能な限り密集は避け、安全な場所に避難をー

 

ー地方への感染増加を抑えるため国土交通大臣は同日各高速道路、お呼び県同士をを結ぶ国道などの封鎖を発表ー

 

ー警視庁は銃隊などに出動を命令、それと同時に各警察に発砲による暴動制圧を許可ー

 

ー韓国では暴動が悪化、軍が対応中ー

 

ーイギリスではロックダウンを発令ー

 

ーNATO軍は事態収集が困難なトルコなどに軍を派遣ー

 

ーWHO世界保健機関は、世界で発生している事案について、パンデミックと認定

現在揃っている情報を発信へー

 

ー既にアフリカなどでは連絡が取れない地域が増加ー

 

やはり、このような出来事はここだけではなく世界中で起こっているということだ。

情報を見つつ眉をひそめる。 

 

ーかなり不味いことになってきたな‥ー

 

画面を見つつ更に情報を漁っていると‥

 

「どうされましたか‥?」

 

後ろから声をかけられ振り向くとそこには若狭の姿が

 

「えっと‥君は確か‥」

 

「あっ自己紹介まだでしたね‥(汗

巡ヶ丘学院高校三年生の若狭悠里といいます。」

 

「悠里さんですか、私は日野といいます

年は二十歳ぐらいですかね、巡ヶ丘警察に勤務してました」

 

「よろしくお願いしますね‥♪日野さん」

 

簡単な挨拶を済ませ、本題に戻る。

 

「ところでそれは‥」

 

「情報収集さ、世界がどうなっているのか‥、生き残るための情報がないか、探ってるんだ。」

 

そういいつつ、スマホをいじっていると悠里が画面を横から覗く

 

「これから、どうなるんでしょうか‥」

 

彼女の目には不安を感じているのが見られた。

唐突にして発生したパンデミック‥、おそらく家族などを心配しているのだろう‥。

電話回線も既にパンク、繋がらない状態になっている。

というのも連絡関係の回線は既に使えないという‥

 

「正直俺もわからない‥、だが君達のことは俺が守ってやる‥、それが警察である宿命だ‥」

 

彼女の顔を見ずに、自身の決意を述べる日野

その様子を見て少し笑みを溢す悠里 

 

「フフ‥、とてもお優しいですね‥♪」

 

「そうか?(汗」

 

「はい‥♪」

 

ー翌日ー

 

あのパンデミック発生から一夜が開け、屋上では日野達が今後の行動について話す。

 

「とりあえず今後の動きについて説明します。

まず3階を制圧、そこを活動拠点にします

ここでは食料も乏しいですし‥」

 

「そうですね、確か生徒会室に非常用食料があります。数はそこまではないですが多少なら」

 

日野の提案に補足を付け足す慈、それにうなずく三人

 

「それで制圧に行く人だが‥」

 

「私も行くぞ」

 

声がした方に視線を向けるとシャベルを持ちつつ手を上げる胡桃が‥

 

「自己紹介がまだだったな、私は恵飛須沢胡桃。ここの生徒だ」

 

「行きたいなら来ても構わないが‥

大丈夫なのか‥?昨夜の件があるし‥」

 

日野の質問に少し顔を下げて考え込むがすぐに顔をあげる。

 

「確かに‥あんたの言う通り、完全には癒えてない‥

だがこのままいる訳にもいないんだ‥。めぐねえや‥みんなを守りたい‥」

 

決意の意を述べる胡桃の真剣な眼差しを見つつ、口を開く。

 

「わかった、じゃあ頼もうかな。何しろ俺は近接戦はそこまで得意じゃない。君みたいな子がいれば助かるよ。」

 

「へへっ♪任せな」

 

満面の笑みを見せる胡桃を見て心配していた慈が安堵の表情を見せる。

 

「あっあの‥!」

 

「ん?」

 

先程から慈と一緒にいたケモミミ帽子を被った少女が声をあげる。

 

「私も自己紹介してませんでしたね‥えっと、丈槍由紀といいます‥」

 

「じゃあ私も改めて、若狭悠里といいます」

 

「日野裕也だ、よろしくな」

 

 

こうして一通り全員の自己紹介が終わり、行動に移すことにした。まず入口のロッカーをみんなでどかせ、扉向こうの様子をドア越しに確認する。

 

「奴らの声はしない‥、よし胡桃準備はいいな?」

 

「あぁ‥!バッチリだ!」

 

日野の声掛けにスコップを持ちつつ勢いよく答える胡桃

それを確認しつつ、慈達に振り向き

 

「では少し行ってきます、その間その子達は任せました。」

 

「わかりました‥、お二人とも気をつけてね」

 

「任せな♪りーねぇ」

 

「もう、佐倉先生でしょ?」

 

そんな一幕がありながらも、扉を開けて異常がないことを確認して階段を降り始める。先頭にMP5を構えた日野が、後ろを胡桃が警戒しつつ下に降りていくのであった‥

 

 

 



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第三話せいあつ

いよいよ第三話
今回からもう一人の視点があります。 
それは誰なのか‥!
お楽しみを!


階段を降りつつ下を覗く日野、幸い奴らがいる様子はない。それを確認しつつゆっくり降り三階廊下を確認する。

 

ー三、四体ってところか‥ー

 

廊下にいるのは教師だったなにか、生徒の姿が確認できてないとすると。奴らはどうやら生前にそって行動してるらしい。

 

「少ない今がチャンスか‥、胡桃いくぞ」

 

「了解‥!」

 

ーーー

 

パパパ!

グシャ!

 

静かな廊下に響き渡す銃声となにかが潰れる音、最後の奴らを倒し終えてあたりを見渡す胡桃

 

「こんなものかな?」

 

「だな、少なかったから思った以上にスムーズに制圧できた」

 

銃を降ろしながら周囲を同じく見る日野

 

「とりあえず今のうちにバリケード作っておくか。

胡桃、みんなを呼んできて階段にバリケード作ってくれ。俺はこいつらを処理しておく」

 

「あいよ〜」

 

そう言って階段を登っていく胡桃を見つつ、日野は死体を処理することに‥。

 

ー不本意だが‥、このままにしておくよりかはいいか‥ー

 

とは言っても三階におく場所はないため仕方なく窓からあまり目につかないところに遺棄する。

一応感染のリスクの可能性が無きにしもあらずなのでビニール手袋で死体を退かし、飛び散った血をモップ等で掃除していると、呼びに行っていた胡桃がみんなを連れて戻ってくる。

 

「連れきたぜ〜」

 

「サンキュー、とりあえず佐倉さん。みんなと協力して机などでバリケードを作ってもらえませんか?」

 

「わかりました、日野さんはどうするんですか?」

 

「少し二階の様子を」

 

「気をつけてくださいね‥?」

 

「わかってるよ、胡桃〜。ちょっと二階行くからついてきてくれ」

 

「了解〜」

 

そう言って二人は二階に降りていくのであった‥

 

そして数時間後‥

 

結局あのあと、生徒だった奴らが登校してくるまでに購買部のある部屋を確保することに成功。経緯は二階に降りてきた二人だが、あまり奴らがおらず胡桃の提案で購買部までのルートを制圧することに。制圧後はもちろん入ってこれないようにしっかりと机やロッカーなどでバリケードを作成。その後に購買部に入って物品の確認をする。

 

「うひょ~、こりゃたくさんあるな♪」

 

部屋に入ってダンボールなどの確認をしながら胡桃が目を光らす。 

 

「購買部は何回か使ったことがあるが、まさかここまで揃ってるとはな〜」

 

「俺のところはこういうのはあったのは知ってたがあんまし使ったことがないからなぁ‥(汗」

 

「ひとまずは、食料の心配はなさそうだな〜」

 

「これでとりあえずは安泰か‥、よしダンボール持って上がるか」

 

「うん」

 

そう言ってダンボールを抱え一旦上に上がる。

 

「あっおかえりなさい〜ってそれはもしかして‥!」

 

「あぁ!見た感じいけそうだったから二人で購買部の方も制圧して来た。」 

 

「くるみちゃんお手柄!」

 

戻ってくるとみんな二人を出迎え、想像以上の戦利品に大喜びしていた。

 

「とりあえずまだま残ってるから運ぶの手伝ってくれないか?」

 

「えぇもちろん、悠里さん。この手帳使ってダンボールの中身チェックしてくれないかしら?」 

 

「わかりました。由紀ちゃん手伝ってくれる?」

 

「うん♪もちろん♪」

 

慈の指示を受けて、それぞれ行動に移す四人。ダンボールを運ぶのを手伝ったり物品の整理をしたりと、忙しく動いてるのであった‥。

 

ーそして‥夕方ー

 

「「いただきます〜♪」」

 

その後簡易キッチンなどがある生徒会室を拠点とし、今はみんなで夕食をとっているようだ。

テーブルにはインスタントラーメンなどやココアなどがありパンデミック直後からようやくまともな食にありつけた。ちなみにどうやって湯を沸かしたのかというと

この巡ヶ丘学院は災害などに備えてか貯水タンクや太陽光パネルなど。異様に設備が整っているのだ。

 

「くぅ〜!久々にカップ麺美味しいと思ったぜ♪」

 

「おいひい〜(ズルル」

 

「丈槍さん、喋りながら食べては駄目ですよ?」

 

「えぇ〜、めぐねえのケチ〜」

 

「これが若さの源か〜」

 

「日野さんも充分若いような‥(汗」

 

みんなリラックスし、食事を取りつつ雑談をしていた。

 

「それにしても、二人には感謝だねぇ〜

もし二人がいなかったら、ここまで進めなかったもん♪」

 

由紀がカップ麺をすすりつつ二人にお礼を述べる。

 

「いやいや〜、お礼なら日野さんに言ってくれ。彼のお陰でここまでスムーズに行けたんだ。私だけならあそこまで行けなかったよ‥」

 

「いや、胡桃もけっこう役にたったぞ?

やはり近距離が得意なやつがいるといろいろ助かるよ」

 

「そうか?///」

 

あまり褒められるのになれてないのか少し赤面になり俯ける。

 

「(コッホん)とっとにかく///

りーさん。物品の整理の方はどうだ?」

 

少し咳き込んで、悠里に質問を投げかけると手帳を開いてテーブルの真ん中におく。

 

「ひとまず、食料は上の菜園とここにあった非常用食料、日野さんがくれた食料、購買部のやつと職員室の食料を合わせれば2週間ぐらいって計算かしら

もう少し詰めれば2週間半は持つかな?」

 

「ひとまずは大丈夫だが‥、先のことを考えたら遠征にも行かないと行けないな‥。」

 

「そうですね‥、天候とかも考えると早め早めの行動がいいかしら‥。」

 

「それに奴らが入ってこれないように、ここの校舎を制圧してバリケードも作らないと‥、それに武器も調達する必要あるし‥」

 

「遠征に行くなら車とかもいるよねぇ‥」

 

「俺のクラウンは四人乗りだからなぁ‥。佐倉さんの車も合わせれば全員乗れるが‥」

 

「そうなると車も確保しないと行けないですね‥」

 

「くぁてやることがてんこ盛りだ‥」

 

話しているうちにやることがどんどん出てくるため

ため息が溢れるメンバー

 

「ひとまず今日は早めに寝ましょう、あっあとシャワー開いてるから暗なる前に早めに入ってね〜」

 

「了解〜、じゃあ浴びてくるか〜」

 

「女性陣が入ってから行くか、そこまでは片付けしとくよ。」

 

「すみません(汗)わざわざ」

 

「いいよ、どうせ手が空いて暇だし」

 

「じゃあお願いします〜」

 

そうして女性陣はシャワーを浴びに行くのを見送り

日野はシャワーがあくまでコップの皿洗いなどや、片付けをしているのであった‥。

 

ー同時刻‥巡ヶ丘市内のとある一軒家にてー

 

電気が途絶え辺り一帯が日が落ちるとともに暗くなってくる。光源があるとすれば、道路で事故を起こした車のランプ、放置された緊急車両の赤色灯、そして月の明かり。昼に比べて活発ではないとはいえ、人間ではない人が町中を徘徊している‥。

そんな住宅街の外側の一軒家に一台の車が止まっていた。だが車だけなら他の家にも在る放置車両だろう。

しかし止まっている車は日産新型セレナの警察車両

外観も少し汚れているものの、それでも人の手が行き届いているのがわかる。

そもそもなんの変哲もない一軒家にこんな車がある時点でお察しだろう‥。どうやらこの家の中に持ち主がいるようだ‥。

家の中、リビングに当たるところだろう。そこでは警察の制服を着た女性と、巡ヶ丘小学校の制服を着た少女が

丁度夕食をとっているのだろう。

電気が途切れているため、ここに来るまでに見つけたランタンと携帯のライトで照らしつつ外に光が漏れないようにシャッターとカーテンを閉めている。それに加えて日が落ちてきているため少し暗いのだが、外に声が出ないようにしながらも明るい会話が響く

 

「おいしい〜♪(もぐもぐ」

 

「カップ麺しかなかっからごめんね(汗」

 

「ううん(首を振り)、とってもおいしいよゆーおねぇさん♪」

 

「あぁ〜‥天使の笑顔‥」

 

楽しそうに話しているのは若狭瑠璃、そうあの若狭悠里の妹で巡ヶ丘小学校に通っていた。あのパンデミックが発生した日、担任の先生に抱えられて体育館に避難、途中で先生は奴らに噛まれるも振り切り、体育館入口までいく。絶対出ないようにと言われ、瑠璃を体育館に入れ、鍵をかけ、自身は奴らの気を引くために囮となってどこかに行ってしまったのだ‥。

その後体育館にあった飲料水とランドセルに先生が入れてくれたお菓子などで生きながらえていた‥。

そして瑠璃を助けた先生は別れたあと、奴らを振り切りつつ最後の希望にかけ110番をかけたのだ。本来ならこのタイミングは既に電話回線がパンクしており、繋がることはないが‥。偶然かいなか奇跡的に繋がり、彼は瑠璃のことを可能な限り話し助けてほしいという思いを無理を承知で回線が切れるまで頼んだ。

それを聞いたオペレーターが、1番近かった車両に救助を指令。そうそれが今一緒にいて瑠璃の笑顔に癒やされてる彼女、湯月雪。

巡ヶ丘警察学校の訓練生でパンミックにより人員増強で巡ヶ丘警察署に配属。当時は避難誘導をしている最中に司令部から救助指令が出たため現場に急行。

小学校は既に奴らがうようよいだが裏口から侵入、体育館前に滑り込み、扉を叩いて開けてもらい、助けに来たことを伝えつつ抱きかかえ車に載せ、間一髪で脱出できたのだ‥。

いくら警察とはいえ、警戒されるかな?と思っていた雪だが彼女は疑いもなくあっさりと信用してくれ、今ではお互いあだ名で呼ぶほど仲がいい。

 

「よし〜、そろそろ寝ようか〜」

 

「はぁい〜、ゆーねぇ一緒にねよ〜?」

 

「いいわよ〜」

 

そう言いつつ二階に上がり部屋の一室に布団を引きつつ持ってきたランタンの電気を消して二人仲良く布団に潜る。

 

「ねぇ‥ゆーねぇ?」

 

「ん?どうしたの?」

 

寝ようとしたときにふと瑠璃が話しかける。

 

「‥みんな‥どうなっちゃったのかな‥

これから‥どうなるんだろう‥」

 

「‥‥」

 

瑠璃の疑問に雪は答えることができなかった‥。突然終わりを告げた日常‥、その衝撃は小学生の彼女にはつらすぎる現実だ‥。

 

「実はね‥私‥お姉ちゃんがいるんだ‥。巡ヶ丘学院ってところに通ってるの‥。とっても頼れて優しいお姉ちゃんなんだ‥。」

 

瑠璃の話しを、聞くに連れて徐々に胸が締め付けられるような感じになる。無事ならそれでいい、しかしこの状況だ‥。会えるかもわからない、最も酷い場合最悪の形で再開することになるかもしれない‥。

 

「お姉ちゃん‥大丈夫かな‥(ポロポロ)」

 

「‥(ギュッ)」

 

話しながら涙を溢す瑠璃をしっかり抱きしめる‥。

 

「大丈夫‥、きっと無事だから‥それに‥私が守ってあげる‥。」

 

抱きしめつつ撫でながら答える雪、彼女も突然の日常の終わりに衝撃を受けていた‥。だが訓練生でも警官として彼女を守っていこうと決意を胸に刻むのであった‥。

 

「じゃあ‥おやすみ‥」

 

「うん‥」

 

泣きつかれたのか、ゆっくりと寝付く瑠璃。それを確認しつつ自身も眠くなりスースーと寝息を立てて寝始めるのであった‥。




ここで登場した新キャラ
湯月雪
年は日野と同じ20
彼とは違いまだ訓練生
何気に運動能力が頭おかしいくらい高い


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第四話ぶかつどう

第四話、ついに学園生活部が始動します!
本家とは少し違い、日野が加わった学園生活部
どんな活動が待っているのか!


由紀「実はね〜、部活動を作ろうと思うんだ〜」

 

日野、胡桃「「部活動??」」

 

ある日の朝、朝食を終えて雑談していると突然由紀が提案を出して、それに驚く日野と胡桃。しかし慈と悠里は知っていたのか特に驚いていない。二人が困惑していると慈が補足説明をする。

 

慈「こんな状況だから少しでも何か楽しめることがあったらいいかなって思って」

 

悠里「何か目的があったほうがやりがいがあるでしょ?」

 

胡桃「まあ確かに言われてみればそうだな

何もないよりかはあったほうがいいよな、私は賛成」

 

日野「俺もだな、なんか面白そうだし」

 

由紀「でしょでしょ♪」

 

慈と悠里の説明を聞き、納得の表情を浮かべる二人。それに嬉しそうにうんうん頷く由紀

 

日野「となると、部活動名とかいるんじゃねぇか?」

 

胡桃「あっ確かに」

 

由紀「フフ‥!そこはもう考えてるのだ!」

 

部活名をどうするのかという疑問が上がるが、そこは考えてましたと言わんばかりにドヤ顔になる

 

悠里「まあ正確には佐倉先生が考えたんだどね〜」

 

由紀「あぁ言わないで〜(汗)」

 

しかししれっと悠里が暴露して、由紀がそれに慌てふためく。

 

胡桃「んで何にしたんだ?」

 

慈「学園生活部とかいいんじゃないかと思って」

 

日野「学園生活部か‥、学園で生活してるからそれにかけた感じか?」

 

慈「そんなところね」

 

胡桃「悪くはないな」

 

悠里と由紀が戯れている間に話を進める三人、何とかじゃれ合いを終えた由紀が口を開く。

 

由紀「ね♪いいでしょ?」

 

胡桃「だな、じゃあ決まったら次は部員届けの紙を書くのか?」

 

慈「えぇ、そうよもう持ってきてるから今から書けるわ」

 

胡桃「顧問はめぐねえとして‥部長はどうするんだ?」

 

慈「そこは悠里さんに任せてあるわ」

 

胡桃「この中で一番適任だしな、異議はないぜ」

 

由紀「私も賛成〜」

 

部活についてあらかた決まって来た最中日野が手を上げる。

 

慈「ん?どうされました、日野さん」

 

日野「いや‥、俺の部活での立ち位置はどうなるんだろうって思って」

 

日野のふとした質問に四人が確かにという感じに顔を見合わせる。

 

日野「俺はここの卒業生じゃないからなOBは無理があるし‥、年齢で行くと大学生ぐらいになるから部員も厳しいかなって思って」

 

言われてみれば‥、という雰囲気に一瞬なるものの慈がその雰囲気を変える。 

 

慈「私は別にOBでもいいわよ〜」

 

胡桃「私もだな、細かいとこは置いといても大丈夫だろ」

 

悠里「いいんじゃないかしら〜」

 

由紀「うん〜♪」

 

日野「じゃあお言葉に甘えてOBで入部させてもらおうかな〜」

 

そうこうして、ここに学園生活部の設立と日野の参加も決定したのであった‥。

 

ーそしてお昼‥ー

 

今日は特に予定がなく、今後計画していた校内の制圧もあれから購買部だけから二階全般の制圧も済み、見回り以外は自由時間になっていた‥。

 

「‥暇だ‥」

 

使われてない教室が部屋になっている彼は特にすることがないため、銃の手入れや携帯などで情報収集をしていた。

 

「とは言っても‥情報系統はもう全滅か‥」

 

パンデミックから既に4日が過ぎ、今まで何とか入手できていた情報は完全に途絶えていた‥。恐らく情報を発信するメディアや機関がほとんど壊滅したのが要因だろう。今上がってるのはニ、三日前の情報ばかりで最新の情報は乗っていなかった‥。

 

「これじゃ、救助は期待できないな‥。というか向こうの精一杯だろうし‥」

 

やれやれとため息をつきつつ、画面を閉じて窓から外の様子を見る。グラウンドなどには相変わらず人間だったものがうろついていた。

空いた時間があればこうして奴らの動向を観察しているのだ。少しでも生きる知恵を増やすために‥。

 

「奴らの特徴としては‥階段に弱い、単純な音でも釣れる、頭と首を攻撃すれば活動が止まるということか‥。それと生前に沿って行動してるみたいだな」

 

基本的に奴らは生前に沿って動いており、登校時刻になれば学校に来て、下校時刻になれば帰宅するという生活リズムが残っていた。それは会社員も同様で出勤時刻になれば駅に集まり、帰宅時刻になれば帰っていくと同様の動きを持っていた。そのため夜になると活動が鈍くなり下手すれば朝までじっとしているやつもいる。

 

「生前に沿っているなら‥、学校が休みの日は少なるなる‥、となれば車を回収するなら休みの日だな‥。」 

 

そう思いつつ、時計を見るとそろそろ見回りの時間が来ていた。

 

「っとそろそろ交代か‥」

 

そうこぼして、MP5を手に取り見回りの交代に行くのであった‥。

 

ーー

 

それからいろいろしているうちに夕方になり、夕飯を食べるために一同は生徒会室に集まる。

ちなみに今日の夕飯は栄養バランスを考えお味噌汁など、屋上菜園で取れた野菜中心の献立となっていた。

 

日野「久々の味噌汁だ〜」

 

由紀「これでご飯があればいいんだけどねぇ〜

(モグモグ)」

 

胡桃「贅沢言うなよ〜、って言いたいけどそれは同感するよ」 

 

慈「ここには米がないから遠征に出たときに可能なら集めないとね‥」

 

悠里「ですね‥ここだと手に入らないものとかもありますし‥」

 

それぞれ口にしつつご飯を食べ終え片付けをする。それが終わると明日の日程について話すことにした。

 

日野「とりあえず明日、一階の制圧と移動用の車をもう一台確保するために慈の車を回収する。明日なら学校は休みという扱いになるはずだから奴らはそこまで少なくないだろう‥。その隙きを狙って一気に片付ける。」

 

日野の提案に頷く一同

 

胡桃「とは言ってもどうやって制圧するんだ?

いくら休みだと言っても奴らは何人かいるぞ」

 

日野「それについては問題ない。対策はある」

 

ふと出てきた胡桃の疑問にあっさりと答えつつ

近くにおいていた紙袋を漁り、とあるものを持ち出す。

 

胡桃「これは‥」

 

悠里「キッチンタイマー‥?」

 

持ち出されたものはキッチンタイマー、その名の通り音がなるタイマーで、家庭科室にあったのを回収したものだ。

 

日野「奴らが音につられやすいのは検証済みだ、石ころの音でも釣られるんだ。こいつを使えばあっさり誘導できるだろうな」

 

胡桃「それはわかってるんだが‥どうやって誘導するんだ?」

 

日野「それはみんなに協力してもらうよ。」

 

ーーーー

 

そして翌日‥2階には学園生活部のメンバーが揃っていた。

 

日野「何、難しいことはないさ。まず、こいつを紐にくくりつけて‥」

 

キッチンタイマーを紐にくくりつけるがあえて途中で外れるように細工する。

 

日野「よし、こうすれば遠くにこいつを飛ばせることができる。由紀、君にこいつを遠くに投げてもらおうかな」

 

由紀「了解!ちなみに投げるところはどこらへん?」

 

日野「えっと‥あのへんか、あんまり校門とかに近いと外に出にくくなるから」

 

由紀「フフン〜、任せてよ!」

 

日野「慈、車の鍵は」

 

慈「ここにあります(見せる)」

 

日野「わかりました。胡桃、一階の制圧は任せた

俺は外の車回収を手伝ってくる。」

 

胡桃「ほいよ、りーさん。一階制圧のとき背後とかの確認頼めるか?倒せなくてもいいからさ」

 

悠里「わかったわ」

 

日野「よし、俺の合図でそいつを思いっきり遠くに投げてくれ。」

 

由紀「オッケ!」

 

日野「慈は私の後ろにいてください。制圧が完了したら車に乗り込んで」

 

慈「了解です」

 

由紀「じゃあ行動開始!」

 

ーーーー

 

一同「お疲れ様〜!」

 

そして夕方の生徒会室は一段とにぎやかになっていた。

結果として由紀のぶん投げたタイマーはいい感じに少し離れた体育館近くの駐輪場屋根に落下。と同時にタイマーが作動して、それに一階、グラウンドにいた奴らがあっさりと釣られ移動したタイミングで、両者行動開始。

音に釣られなかった奴らは日野と胡桃によって物理的にご退場させられるのであった。その後無事車を回収することに成功して、車は日野が止めていた車がある職員用玄関前に移動。今はそこで静かに置かれている。

同時に一階の制圧もできて。ロッカーや机などを利用して頑丈なバリケードを作成することに成功した。 

 

机には外の自販機から持ってきた飲み物がたくさんあり

多少なりとも豪華になっていた。

 

胡桃「いやぁ、ナイス由紀だったよ。お陰で楽に制圧できた。」

 

由紀「えへへ〜、そうかなぁ//(少し照れる)」

 

悠里「由紀ちゃん大活躍ね♪」

 

日野「やっぱりみんなで共同作業をすればだいぶ捗るな」

 

慈「そうねぇ、これなら遠征にも行けるわ」

 

それぞれ楽しそうに夕飯や飲み物を飲む一同。やはり移動手段を確保したのが大きいのだろう。気持ち的にも余裕が生まれたようだ。

 

胡桃「そういえば、さっき日野自分の車から何を撮ってきてたんだ?」

 

飲み物を飲みつつ、あの制圧後日野が何かを取りに行ってたのを思い出して質問する。

 

日野「あぁ、これ、トランシーバーだよ。もう一個車にあったのを思い出したから取りに行ってたんだ」

 

そう言いつつポケットから取り出したのは既に彼が持ってるのと同じトランシーバー

 

日野「全員で遠征するなら慈さんの車には乗りきれないだろうからこれをお互い持っとけば別れて乗車しても会話できるだろ?」

 

胡桃「そうゆうことが〜」

 

日野「そゆこと」

 

そうこうしているうちに日が暮れ

それぞれ寝る準備をする。

 

日野「じゃあ明後日ぐらいから行動開始ってことでいいのか?慈」

 

慈「そうね、まだまだ食料は残ってるけど今後の天候がわからないから早めに行動したいわね」

 

胡桃「そうなると明日から早め早めの準備をしないとな」

 

由紀「郊外遠足〜」

 

悠里「なんか違うような気がするけど‥(汗」

 

日野「じゃおやすみなさい〜」

 

慈「おやすみなさい〜」

 

由紀・悠里・胡桃「「おやすみ(なさい〜)」」

 

そうしてそれぞれの部屋に戻っていくのであった‥。

 

 

 

 

 

 




なんかうちのめぐねえ凄く頼りになるんですが( 
気の所為ですよね(
慈「酷いですぅぅぅ!(涙目)」
前言撤回
凄くカワイイ


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第五話かいしゅう・きゅうじょ

今回は日野の視点ではなく雪の視点でお送りします。
そしてある人物との出会いも‥


日野たちが遠征に向けて準備している最中‥同じく雪達は‥

 

ーーー

 

「じゃあ出発〜」 

 

「おぉ〜♪」

 

雪と瑠璃の元気な声が車内に響き車はお世話になった一軒家に別れを告げて発進する。

 

「道案内お願いね〜」 

 

「はあい〜」

 

雪の指示に元気な声を返しつつ助手席で地図帳を見つめる瑠璃。車は奴らや事故車両で通れない道を避けつつ住宅街を走り抜けていた。地図には、目的地が示された巡ヶ丘学院の位置が。 

 

「っと‥ここも通れないか‥」

 

「けっこう遠回りしてきたねぇ‥」

 

「前に比べて通れない道が増えてきたかな‥、るーちゃん他の道お願いできる?」

 

「う〜ん、ちょっとまってて〜(探す)」

 

既にパンデミック発生から6日が経とうとしていた‥。

日が立つにつれて、事故車両や奴らの数は増えてきていた。そのため迂回する回数もかなり増加している。

 

「こっちはどうかな?」

 

「ほいほい、了解〜」

 

瑠璃に道を聞きつつバックして進路を変更、再び発進する。事故を起こして放置されている車を横目に見つつ走っていると、ある車に目をつけて近くに止める。

 

瑠璃「どうしたの〜?ゆーねぇ?」

 

いきなり車を止めたことに首を傾げつつ見上げる瑠璃

そんな瑠璃にちょっとまっててといい、車を降りて目をつけた車のところに行く。

 

「これは‥もしかたら当たりかも‥」

 

雪の視線の先には電柱にぶつかっている迷彩柄のトラックの姿が‥。旧73式大型トラック、陸上自衛隊で採用されているトラックだ。周囲を見ると横に突っ込まれた跡が‥、交差点が後ろにあることから移動中に交差点で他の車とぶつかり、その反動で電柱に衝突。乗っていた二人に噛まれた跡がないことから即死だったのだろう。

普通なら自衛隊車両が事故を起こすことはあり得ないのだがこの状況だ、こうなるのも無理はないのであろう。

乗っていた二人に静かに黙祷を捧げ、周囲を警戒しつつ後ろの荷台に上がる。

 

「ビンゴ‥(ニヤリ)」

 

この系統の自衛隊車両はだいたい人員輸送や物資輸送をしていることが多い、そして運転席にあった紙には物資関連のことが書かれていたためもしかしたらと思い荷台に上がり、予想通りと言わんばかりに笑みが溢れる。

 

「しかもいいのがたくさんあるじゃない」

 

彼女の視線の先にはパンデミックに対応している部隊への補給だろう医療物資、食料や飲料水、それに混ざり

銃火器等も揃っていた。

衝突の影響で多少崩れていたが許容範囲内だ。

 

「とりあえず、一旦戻ろうかな」

 

そう言って一旦車に戻り、車を73式の荷台後ろに横付けする。

 

「運ぶの手伝う〜?」

 

瑠璃が手伝おうかと聞いてくるが、小学生が持てる重さではないので大丈夫と言いつつ、医療物資や食料、飲料水を先には積み込みんで、それが完了次第銃火器を回収する。

 

「89式小銃‥、おっSFP9拳銃もあるそれに配備されて間もない20式小銃もあるのか〜、

こりゃ思った以上にいいのがあるねぇ」

 

解説書類があったのでそれで確認しつつ銃火器と弾薬を運び込む。かなりの量があったもののほぼ積み込むことに成功する。トランクを閉めて忘れ物がないか確認してから車に戻る。

 

「おかえりなさい〜、どうだった〜?」

 

「うん〜?けっこういいのがあったよ〜、しばらくは安泰かな〜」

 

そうして空になったトラックを後にして発進しようとすると突如瑠璃が声をあげる。

 

「ゆーねぇ!あれ!」

 

「ふぇ?」

 

瑠璃が指差した方向を見て顔が固まる。その視線の先には大量の奴らに追われて逃げている少女の姿が、制服からして恐らく巡ヶ丘学院の生徒だろう。

 

「どうする!?」

 

「もちろん!助ける!」

 

そう言ってアクセル全開で発進、多少空回りしながらも車は動き出し逃げている少女のもとへ向かう。

 

ーー

 

「ハァ‥ハァ‥」

 

その奴らに追われている少女は後ろを振り返りながら必死で逃げ回っていた。さっきから奴らが集まってきて数が増えてきており、きりがない状態に。

 

「何とか‥振り切らない‥キャッ!?(ズコ)」

 

さっきからずっと走っていており疲労困憊になっていたため、ちょっとした段差で躓き、足を挫く。

 

「いたた‥、早く‥早く逃げないと‥」

 

挫いた足を引きずりつつ逃げようとする、だが足を挫いたのをお構いなしに奴らは追いかけてくる。

 

「いや‥死にたくない‥いや‥助けて‥美紀‥」

 

死にたくないという思いを、ある友人の名を口にした直後‥。

 

パパパパ!!

 

突如どこからかの銃声音が響き、後ろから追いかけてきていた奴らが次々と頭に何かをくらい倒れていく。

 

「え‥?」

 

いきなりの出来事のため少し呆然としていたが銃声に負けない声が響く。 

 

「そこのお姉ちゃん!早くこっち!」

 

声がした方向に振り向くとそこには一台の警察車両が止まっており、後部座席のドアを開けて手招きする少女の姿が、そして運転席の窓からは警察官であろう制服を来た女性が奴らに向けて銃を射撃していた。

 

「早く!時間がないよ!」

 

助かる希望が見えたのか、一心不乱で車めがけて挫いた足を引きずりつつ向かう。だが先程よりも動きは早くなっていた。

 

「っ‥」

 

「ほら!(手を貸して)」

 

瑠璃に手を差し伸べられて何とか車に乗り込む少女、直後に後部スライドドアが締まり始める。しかしもうそこまで奴らが近づいてくる。

 

「乗った!?」

 

「うん!」

 

瑠璃の返答を聞きつつ、銃を助手席に急いで起きつつハンドルを握り、フルスロットルの発進をかます。

またしてもタイヤが空回りし、何とかぎりぎりのタイミングで離脱に成功。後ろには残された奴らの集団が悔し巻きまれのうめき声を上げていたのだ‥。 

 

それから数分後‥

 

あのあと、振り切ることに成功し、誰もいない駐車場に停車。車内では雪が助けた少女を手当していた。

 

「ちょっと痛いかもしれないけど我慢しててね?」

 

「はっはい‥」

 

少し慣れない手付きながら、挫いた足を手当をしている。そして後部スペースの物資の入った荷物を漁っていた瑠璃が医療物資が入った箱を出してくる。

 

「これでいいかな〜?」

 

「うん、ありがと」

 

そして瑠璃から箱を受け取り中身を開けていろいろ出し

挫いた足に薬を塗って包帯を少し巻いて固定する。

 

「よし、これでいいかな。あとは安静にしてれば大丈夫」

 

「あっあの、助けていただいてありがとうございます‥!」

 

治療がおわると少女は安静しつつも二人にお礼を述べる。

 

「いいのよ、人として当たり前のことをしたまでだからさ。私は湯月雪。元巡ヶ丘警察の訓練生

よろしくね♪」

 

「若狭瑠璃って言うの!るーちゃんって呼んで♪」

 

「えっと‥、巡ヶ丘学院高校二年生祠堂圭といいます。」

 

それぞれが自己紹介を終えると少し間が開いて圭が口を開く。

 

「‥実は、私には直樹美紀っていう親友がいるんです‥。その子と喧嘩別れみたいな感じで出てきちゃって‥あんなことに‥。だから美紀も助けてほしいんです‥!リバーシティ・トロンというデパートの5階事務室に今も一人でいると思います‥!」

 

圭の目には別れてしまった親友を心配しているのだというのが見て取れていた。話を最後まで聞いて雪が口を開く。

 

「なるほどね‥、それを聞いたら助けないとね‥!」

 

「ありがとうございます‥!本当に‥!」 

 

雪の返答に涙目になりつつ、何度も頭を下げる圭 

 

「でも無計画に行くのは流石にリスクがあるからとりあえず移動しながら知ってることだけでいいから話してくれない?」

 

「わかりました!」

 

こうして少し飲み物を飲んで休憩、リバーシティトロンに向けて出発する一行であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに今回雪が見つけた旧73式大型トラックは
前線基地に補給するために駐屯地からやってきたという設定です。パンデミック最中なのでこうゆう出来事になりそうと言うのを想像して書きました。
ちなみに銃火器解説はおいおいやっていきます(


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第六話リバーシティ・トロンヘ、そしてさいかい

学園生活部は食料確保などのため、リバーシティトロンへ向かうことに。それと同時刻、雪達も圭の親友を助けるために同じところに向かう。
だがその道中に予想外の出会いが‥


準備をしていると物事はあっという間に過ぎる。

そうして出発当日の朝‥、一同は生徒会室に集まっていた。

 

日野「じゃあ最終確認だ、出発は今日の夕方。奴らが少ないタイミングで出て一度どこか安全なところで一夜過ごす。」

 

地図を広げながら説明している日野を真剣に聞く四名

ちなみに目的地はリバーシティ・トロンという巡ヶ丘市内でかなり大きいショッピングモール、今後奴らが増えていくのを考えると早いうちに行ったほうがいいというみんなで考えが一致して決定した。その他にもここならいろいろな物資があるという理由もある。

 

日野「車は俺と慈の2台でいく、そのほうがいろいろ詰めるだろうからな。んで分かれるメンバーだが‥」

 

胡桃「私は日野の車でもいいぜ。男一人っていうのも寂しいだろ(ニヤ)」

 

日野「優しいのか優しくないのか(汗)」

 

由紀「私はめぐねえの車!」

 

慈「めぐねえじゃないでしょ(汗)」

 

悠里「私も先生の車で」

 

日野「よし、決まりだな。基本的に、車間での会話はトランシーバーでする。ある程度の不自由はないかな

んで途中で一夜明かすんだが、場所によっては見張りがいるかもな。そこはみんなで交代すれば問題ない。」

 

うんうんとみんな頷きながら聞く。

 

日野「そんで向こうについたら侵入方法だが‥」

 

慈「正面は難しいでしょうね‥」

 

胡桃「奴らがうようよしてるだろうな‥上までくれば大丈夫だが‥、他の侵入口を探したほうがよさそうだ」

 

日野「まあ向こうについてから情報収集するしかなさそうだな‥。」

 

慈「とりあえずはこんなところかしら、じゃあ夕方になったらまたここに集合して行くわよ」

 

日野「俺と胡桃は、先に車の近くに奴らがいたら処理するから先に行ってるよ。」

 

胡桃「了解」

 

慈「ふたりとも気をつけてくださいね?

こちらでの指示は私がしておきます」

 

こうして朝の話し合いは終わり各自夕方まで最終準備に

追われるのであった‥。 

 

ーそして夕方ー

 

準備を終え生徒会室に集合した由紀と悠里は慈の指示に従い階段を降りて裏口に向かう。既に日野と胡桃は一階に降りており、車近くの警戒をしていた。何体か来たものの二人によって強制退去させられたのであった(

 

日野「よぉし出発するぞ〜乗り込め」

 

日野指示でそれぞれ車に別れて乗り込む、ホントなら日野の車が先頭を行くのだが‥。

 

胡桃「ええっと‥、どっち向きだこれ?」

 

‥ご覧のように胡桃はドがつくほどの方向音痴。そのため地図に詳しい由紀が乗ってる慈のミニクーパーSが先頭に出発、その後に日野のクラウンがついていく形で発進、校門を出て荒廃した住宅街をゆっくり走行する。

 

由紀「えっと〜、次は右だね」

 

慈「了解、(トランシーバーをつけて)日野さん、次は右です」

 

日野「了解」

 

途中通れない道を避けたりしながら2台は走行する。

助手席に座っている胡桃は変わり果てた町並みを呆然と眺めていた。

 

胡桃「変わっちまったな‥何もかも‥」

 

日野「‥だな‥、何日か前は普通に生活していたのに‥。」

 

胡桃「‥、!ストップ!」 

 

突然大きな声をだし、それにびっくりさせながら車を止める日野。先頭を走っていた慈車は少し進んだ先で停車

バックで戻ってくる。

 

日野「どうし‥、あぁ‥」

 

いきなりどうしたのかと聞こうとし、ふと玄関の入口にある名札を見て納得する。そこには恵飛須沢という名前が‥。

 

日野「お前の家か‥」

 

胡桃「ちょっといいか‥?すぐ戻るから‥」

 

日野「安全面考えて俺もついていきたいところだが‥

そんな雰囲気じゃなさそうだな」

 

胡桃「悪い‥」

 

日野「気にすんな、そんなときもあるさ。だが何かあったらすぐ呼べよ?」

 

胡桃「うん‥」

 

そう言って彼女は愛用のシャベルを持って家に入っていく。

 

慈「恵飛須沢さんの家でしたか‥」

 

車から降りてきて近づいてきた慈が名札を見て、理由を察する。

 

日野「えぇ‥、」

 

日野はそう答え、静かに彼女の帰りを待っていた。

この状況下‥、自身の家を見て複雑な感情になるのも無理はない。数十分間した頃、ようやく戻ってくる。

 

胡桃「おまたせ、待たせて悪かったな‥」

 

日野「いやいいさ、そんなときもある」

 

胡桃「だよな‥。(家に振り返り)じゃ行ってきます‥!」

 

そうして再び車に乗り込み2台は再び動き出していくのであった‥。

 

ーそしてその日の夜ー

 

ある程度進んだところで、一度睡眠を取ることにした。

場所は、ある一軒家。ここは外部から破られたところはないためここで一泊することに。もちろん中に誰もいないか日野と胡桃が入念に確認、いないことを確かめてみんなを呼ぶ。

 

日野「よし、今日はひとまずここで一泊するぞ〜」

 

由紀「はあい、ところで夕飯はどうするの〜?」

 

悠里「それなら作りおきの、うどんがあるわ」

 

胡桃「まあ電気が来てない以上、仕方ないよなぁ」

 

慈「この日のためにカップん麺のうどんストックしといてよかった〜」

 

そして、一階のリビングで悠里が作った栄養満点のうどんをいただくのであった‥。

 

ーその頃‥ー

 

雪「うぅん‥、ここもだめかぁ‥」

 

瑠璃「なかなかつけないねぇ‥」

 

圭「私は徒歩でしたので‥そこまでかからなかったのですが‥。」

 

ずっと迂回を繰り返しながら走行していたため3人の顔には疲労が出てきていた。

 

雪「流石に休みましょうか‥、このまま運転は危ないし‥」

 

圭「わかりました‥」

 

雪「ごめんねぇ‥(汗)急いでるときに‥」

 

圭「あっいえ、大丈夫です(汗)」

 

瑠璃「るー疲れたぁ‥」

 

休息を取るためにどこか安全な家がないか探しながら住宅街を走っていると‥。

 

雪「‥!」

 

あるものを見つけて慌てて車を止める

 

瑠璃「ゆーねぇどうしたの?」

 

圭「どうされましたか‥?」

 

二人が心配そうに見つめているが彼女は返事をしない。

その視線にあるのはある家の前に止まっている赤色のミニクーパーと警察車両のクラウンが止まっている。

2台とも動かせそうなほど状態はいい、車をその2台の後ろに止めて降り、クラウンの対空表記を見て確認する。

 

雪「間違いない‥私の車両と同じ巡ヶ丘警察所属の車両だ‥」

 

 

胡桃「‥?」

 

由紀「ん?どうしたのくるみちゃん」

 

その頃室内では一同はトランプをして寝るまでの時間ゆったり遊んでいた。

 

胡桃「いや‥さっき外からなんか音がしたような‥」

 

慈「音‥?」

 

胡桃の発言に首を傾げる慈、悠里がカーテンを開けて外を確認、するとものすごい反応速度でこちらを振り向く

 

悠里「外に誰かいるわ!」

 

日野「何っ!?」

 

胡桃「やっぱり他にもいたのか生存者!」

 

悠里の言葉を聞くなり、念の為それぞれシャベルと拳銃を取り出して部屋を飛び出る二人

 

日野「俺たちが確認してきます!生存者とはいえまだ安全を確保したわけではありません」

 

胡桃「りーさん!一応そこから動き見といて!」

 

ーー

 

その頃雪たちは車があった家の前に来ていた。

 

圭「だっ大丈夫でしょうか‥?」

 

玄関の前に立ってる雪に圭が心配そうに背後から見つめていた。

 

雪「車見た感じ怪しい奴らではなさそうだし‥、フレンドリーな生存者であることを祈りましょ?」

 

心配そうな圭と瑠璃をたしなめつつ腰に拳銃を収め

ドア越しに中の様子を音で伺う。中ではこちらに気づいたのか一瞬ドタバタする音が、

 

雪「‥奴らの声はしない‥‥。あとは‥」

 

変な奴らではないことを祈りつつドアを静かにノック、声をかける。 

 

雪「すみません‥!元巡ヶ丘警察署訓練生湯月雪といいます。誰かいませんか‥?」

 

とりあえず自分の名前を言っておいたほうがいいと思い、名前を述べる。そして反応を静かに聞き取る。

 

少し間が空いてから男性の声と女性の声が微かに聞こえ

突如いきなりドアが開く。

 

日野「おい!今雪って言わなかったか!?」 

 

玄関が開くと血相を変えた男性が出てくる車からしても同じ警察官であるようだ。

 

雪「あっはい‥そういい‥、って日野!?」

 

雪も男性の顔を見て驚きの声をあげる。ちなみにこの男性が日野です。

 

日野「なんだ‥お前だったのか‥、びっくりしたぜ」

 

雪「なんだとは何よ、こっちは奴らにモテすぎて辛かったんだからね(汗)!」

 

二人が久々の再開に雑談をしていると黙っていた胡桃が口を開く。

 

胡桃「えっと‥、知り合いか?」

 

その声にはっと我に帰り振り返る。 

 

日野「あぁ、こいつは訓練生時代の同期だ」

 

雪「改めて湯月雪です。日野がお世話になってます(礼)」

 

胡桃「巡ヶ丘学院3年の恵飛須沢胡桃だ。よろしく頼む」

 

日野「お世話になってるって‥(汗)そうだ、他にも誰かいるのか?」

 

雪「えぇ、途中で拾った二人ほど‥「るーちゃん!?」ん?」

 

瑠璃と圭を紹介しようとしたとき声が響き何事か視線を向けると、そこには様子を見に来たであろうメンバーがおり、その中で一人悠里が目を開いている。

 

瑠璃「‥その声はりーねぇ?」

 

聞き覚えがあるのか、声を聞いた途端雪の背後から出てきた瑠璃が悠里の顔を見て同様に目を開く。そして互いに顔を確認すると弾かれたように駆け寄り抱き合う。

 

瑠璃「本当に‥りーねぇなんだよね?‥(ポロポロ)」

 

悠里「そうよ‥良かった‥本当にるーちゃんが無事で‥うぅ‥ひっぐ‥(ポロポロ)」

 

互いに生きてるかわからなかった‥、だがお互いが無事に再開できた。それはかなりの安心感が出てくる。

二人は抱き合いながら涙を溢すのであった‥。

 

雪「うぅ‥いいねぇ(涙)」

 

日野「お前が泣いてどうすんだ(汗)」

 

感動的な再開に立ち会えたことに雪までも涙目になり、突っ込みを入れる日野。それを見て由紀達も駆け寄る。

 

由紀「良かったね♪りーさん」

 

胡桃「これが奇跡の再開ってやつか」

 

慈「ですねぇ‥(涙目)」

 

みんなが感動的な再開に喜んでいる中、日野が気持ちを切り替えさせる。

 

日野「とりあえずここで立ち話も何だし、中に入ろうか」

 

由紀「はあい!」

 

胡桃「だな」

 

慈「はい(涙目)」

 

圭「わかりました!」

 

雪「そうねぇ(涙目)」

 

瑠璃「早く入ろ♪りーねぇ♪」

 

悠里「うん‥♪(涙をふき)」

 

こうしてを再開した両メンバーは家の中に入っていくのであった‥。

 

 

 

 

 

 

 

 




りーさんとるーちゃんの奇跡の再開‥いいですねぇ‥(涙)
そしてリバーシティトロンに残っている美紀を助けることはできるのか‥!


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第七話さいかい・たんさく

第六話
いよいよリバーシティ・トロンに乗り込みます。
圭は無事美紀再開できるのか!


そしてあのあと、それぞれの自己紹介やここまでの経緯を説明、今に至る。

 

日野「なるほどな、つまりその子の親友がまだ残ってるかもしれないから助けに行く途中だったのか」

 

雪「まあ、そんなとこかな」

 

胡桃「まあそんな話を聞いたら行かないわけがないよなぁ、どっちみち探索する予定だったし」

 

慈「私もです」

 

由紀「賛成!」

 

悠里「いいわよ」

 

瑠璃「るーも!」

 

圭「あっありがとうございます!」

 

みんなそれぞれ賛成の口を述べ、それに何度もお辞儀をする圭。

 

日野「そういえば、そっちはどれだけ物資あるんだ?」

 

ふと思い出したのか、雪に手持ちの物資はどれだけか尋ねる。しかし、彼女はニヤニヤしながら、

 

雪「それは明日のお楽しみ‥♪ね?」

 

瑠璃「そうなのだ〜♪」

 

圭「びっくりすると思いますよ♪」

 

そう言って、雪・圭・瑠璃が顔を合わせてニヤニヤしているのを首を傾げつつ見る日野達であった‥。

 

ーそして翌日‥ー

 

雪「よぉし、出発するぞ〜。」

 

由紀・瑠璃・圭「はあい〜」

 

雪の元気な掛け声に反応する三人、しかし日野が待ったをかける。

 

日野「その前にそっちの物資の確認したいんだが」

 

雪「っとそうだった、トランクにあるからみんなこっち来て〜。けっこういいもんあるから」

 

そう言ってみんなをトランクに誘導、集まったのを確認してトランクを開ける。

 

日野「おいおい、けっこうあるじゃねぇか(汗)

しかもちゃっかり銃火器もあるのか‥」

 

中身を確認した日野が驚きを顔に出す。いや日野だけではなく、圭・瑠璃・雪の三人以外全員が驚きのあまり固まっている。まあ、元訓練生がこんなもん持ってたらそりゃ驚くわな。

 

慈「雪さん‥、これ一体どこで‥?」

 

雪「るーちゃん助けたあとの何日してくらいかな?

事故ってた自衛隊車両から拝借、ドライバーは二人いたけど即死みたいだったよ」

 

慈の疑問にトランクにかなりある物資を見つめつつ答える。

 

日野「ただこれはかなりデカイ戦利品だな。

これで行動の幅が広がる」

 

胡桃「言われてみれば確かに‥」

 

そうこうして、簡単な物資確認をしてリバーシティトロンへ向けて再び出発することに。

車列は前に雪のセレナ、後ろに日野のクラウン、それに挟まれる形で慈のミニクーパーと並び、乗車メンバーが少し変わり、セレナには雪と圭・由紀、クーパーには

慈と悠里・瑠璃、クラウンは変わらず日野と胡桃。

出発準備を整え、お世話になった見知らぬ家にお別れをしつつ出発、目的地に向けて走り出すのであった。

 

雪「じゃあナビゲートお願いね?由紀ちゃん」

 

由紀「任せてよ♪」

 

瑠璃に変わり助手席には由紀が座り、雪の指示に元気な返事をしつつ地図を見つつ道案内をしていく。途中途中通れない道があるものの昨日よりかはいいペースで進んでお昼にはリバーシティトロンへ到着したのであった。

 

由紀「到着〜」 

 

車から降りて外の空気を吸う由紀、車は駐車場に停めて

入口の様子を見つつ準備をする。

 

日野「正面は無理そうだなぁ‥(サブマシンガンの弾薬を消費した雪に自身の弾薬を上げたため、20式小銃に持ち変える日野)」

 

雪「圭ちゃんの話によれば出るとき非常用入口には奴らいなかったって(サブマシンガンの弾をリロードする)」

 

日野「となればそこから最上階まで行って順に制圧するって感じか」

 

雪「そんな感じかな」

 

胡桃「日野、こっちは準備できたぞ〜」

 

日野「オッケー、今行く」

 

準備ができた胡桃に声をかけられ、二人は話を切り上げ向かう。

 

日野「じゃあ、これからデパート内に突入する

前を俺、真ん中を胡桃、そして最後尾は雪が担当みんなにはその中にいてもらう。んで侵入経路だが圭の話にもあったとおり非常用入口を使って最上階まで行く。

んで助けたあとはは物資回収組を二手に分ける。」

 

一通り説明を終えて各自の準備ができ次第、いよいよ室内に入ることに。非常用入口をゆっくりと開けつつ中の様子を伺う。

 

胡桃「どうだ?」

 

日野「見た感じいないようだな。とりあえず入るぞ」

 

非常用通路は明かりがついていることから恐らく別の電源設備で動いているようだ。ゆっくりと進みつつ上を目指す。

 

日野「後ろはどうだ?」

 

雪「異常なし、逆に気味悪いくらい静か」

 

日野の確認に後ろを見つつ答える。デパート入口にはあれだけ奴らがいたのに対しここはその真逆、静かすぎて逆になにかあるくらいといったほうがいいだろう。

 

日野「っと‥、ここで終わりか」

 

四階まで上がってきたとき目の前の非常用出入り口と書かれた扉を目にしてそう溢す。

 

日野「雪、胡桃、ちょっと来てくれ。恐らくここから先は奴らもいるはずだ。」

 

胡桃「制圧だな?了解」

 

雪「じゃあみんなはここで少し待ってて、何かあったら無線で呼んでくれる?」

 

慈「了解です、気をつけて」

 

こうして扉の左に日野、右に雪と胡桃がスタンバり扉の向こうの様子を伺う。

 

雪「正面は2体か‥」

 

胡桃「これ見えないところもいるよな?」

 

日野「いるだろうな‥、だがバリケードは見た感じ破られてない‥。だから上の奴らが降りてきてはないな‥」

 

一通り見終わった後日野は口を開く

 

日野「とりあえず前の二体は俺が行く

雪と胡桃は五階の制圧を、奴らが入り込んでなければ

圭の行った通りの人数がいるはずだ。」

 

雪「了解、任せて

胡桃さん、タイミング合わせていくわよ」

 

胡桃「胡桃でいいよ、わかった。タイミングは任せる」

 

そして少し間を開けて

 

日野「よし‥行くぞ!」

 

日野の掛け声ともに扉をゆっくり開ける。素早く左右の確認を済ませ、二人にGOサインを出すと弾かれたように出てきて五階に上がる。

 

日野「正面二体‥まあ影にもいるだろうな‥(20式小銃を狙いつける)」

 

パァンパァン

 

サプレッサーで音を小さくしたとはいえ、多少なりとも銃声がなり撃たれた奴らは二体とも倒れる。しかし銃声を聞きつけ柱の影から三体現れる。

 

日野「やれやれ‥、まあコイツラも制圧すれば問題ないか‥。」

 

ーーー雪、胡桃site

 

日野と別れた私と胡桃は五階に登るためのエスカレータを上がりダンボールなどが積み上げられたバリケードに張り付き五階の様子を伺う。

 

雪「見た感じ左側に四体‥右に三体、数が変わってなければ合計九体いるはず‥。(小声)」

 

胡桃「んでどっちがどっちを制圧する?(小声)」

 

雪「私は左側を制圧する、胡桃は右側をお願いできる?(小声)」

 

胡桃「わかった(小声)」

 

そして話がまとまり、再度確認して二人同時に飛び出す。

 

ヴヴヴ

 

バリケードを超える音に反応したのか左右にいた奴らが振り向きこちらに向かってくる。だが

 

雪「もう遅い」

 

やはり奴らは動きが鈍い、近づく前に素早く狙いを定め頭部めがけて鉛玉を撃ち込んだ。撃たれた奴らはニ、三歩不規則に揺れて倒れる。背後で一体ずつ倒れる音とシャベルがヒットする音がする。どうやら向こうも片付けたようだ。でも発砲音に釣られたのか残りの二体が姿を表した。だがこれはこれで探す手間が省けたからオッケーと思い、残りの二体も銃声とともに制圧する。

 

胡桃「制圧できたか?」

 

雪「えぇ、銃声につられて残りも出てきてくれたから探す手間が省けたわ」

 

シャベル片手に聞いてきた胡桃に奴らの死体を見つつ返す。一応確認してから救助対象を探しますか‥。

 

ーー美紀siteーー

 

圭「生きていればそれでいいの?」

 

ここを出ていく際に圭が放った言葉‥、それは何日たった今でも心に響いてる。残された私と犬の太郎丸、いや、太郎丸もどこかに行ってしまい残されたのは私一人だけになった‥。今は孤独な避難生活を過ごしてる、だが少しでも気を紛らわすために授業的なのをやったり

音楽を聞いたりしている。

それでも辛いのは変わらない、でも奴らにやられるよりかは遥かにマシ。そう思って過ごしてる。

 

美紀「‥圭‥」

 

ソファーに座りつつ圭の言葉を思い出す。それを思うと枕を抱きしめる強さが強くなっていく。

 

美紀「あれから助けも来ない‥、このまま奴らになったほうが‥」

 

終わりのない孤独の避難生活に嫌気を刺してきたとき‥。

 

パパパ

 

微かにだがどこかで発砲音が耳に発砲音が聞こえた‥

私は反射的にドアに近づき耳を当てて音を聞き取ろうとする。

 

「制圧できたか?」

 

「えぇ、銃声で釣られて残りも出てきてくれたから探す手間が省けたわ」

 

更には二人の話している声が聞こえてくる。

 

美紀「‥もしかして‥!」

 

微かな希望を逃すまいと慌てて準備をする。自身の持ち物などをバックに詰め込み多少の食料も入れる。そしてバックを背負い扉の前に積み上げていたバリケード用のダンボールを退かしてノブに手をかける。

 

美紀「いない‥よし!」

 

扉をゆっくり開けて誰もいないことを確認した私は声のする方へあしを向かわせるのであった。

 

ーー雪・胡桃site

 

 

胡桃「確か、事務室にいるって言ってたよな?」

 

雪「そうね、でもどこにあるのか‥とりあえずそこにパンフレットあるからそれ見ましょうか」 

 

そう言って動こうとしたとき‥

 

美紀「あっあの!待って!」

 

背後から突如として声をかけられ慌てて振り向くとそこには巡ヶ丘学院の制服を着た少女が

 

美紀「えっと‥」

 

胡桃「びっくり‥ってもしかして直樹美紀か?」

 

美紀「はっはい、というかどうして私のことを‥?」

 

どうして初対面なのに私のことを‥、と首を傾げていると雪が付け足す。

 

雪「あなたの友人に頼まれてここに来たのよ」

 

美紀「‥友人‥!それって圭のことですか!?」

 

友人と言われた瞬間美紀は反射的に雪に駆け出し両肩を掴む。

 

美紀「教えてください!圭は‥圭は生きてるんですか!?(ゆさゆさ)」

 

雪「おぉ落ち着いて(揺らされる)」

 

胡桃「おぉい(汗)揺らしすぎて目回ってるぞ(汗)」

 

美紀「はっ‥!すっすみませんつい‥(ショボン)」 

 

胡桃のフォローで何とか我に返った美紀だが今さっきの行いを思い出したのかしょげる。揺らされ過ぎて半分クラクラしつつも何とか体制を立て直し話を続ける。

 

雪「とりあえず噛まれてはないわね?」 

 

美紀「はい、部屋から出てませんでしたし」

 

胡桃「まあ、問題はなさそうだな。とりあえずみんなを呼んで‥「美紀!」」

 

胡桃がみんなを呼んでこようとしたとき圭が慌てながら上がってくる。恐らく美紀の声が聞こえたからであろう。そのまま美紀に勢いよく抱きつく。 

 

圭「良かった‥生きてて‥グス」

 

美紀「圭‥私も‥です‥(涙)」

 

圭「ごめん‥、あんなこと言って‥出て行っちゃって‥。辛かったよね‥?」

 

美紀「はい‥、でも‥もう大丈夫です‥。だって‥圭がいますから‥(ギュウ)」

 

圭「うぅ‥(涙があふれる)」

 

二人が感動の再開をしていると、遅れて慈、由紀、悠里、瑠璃、その後に日野も上がってくる。それぞれ二人の再開を喜んでいた。

 

日野「警察やってて良かったって思えた瞬間だな」

 

雪「まあそれは同感かな」

 

由紀「後輩の再開いいよねぇ〜」

 

瑠璃「良かったね♪けーねぇ」

 

悠里「ふふっ」

 

慈「うぅ(涙)」

 

胡桃「めぐねぇまた泣いてるよ(汗)」

 

ワン!

 

一同「「「んん?」」」

 

感動の再開の最中突如犬の鳴き声が聞こえ一同が視線を向けるとそこには一匹の犬が

 

圭・美紀「「太郎丸!」」

 

太郎丸「ワン!」

 

太郎丸というか名前が書かれた首輪をしている犬が圭と美紀に駆け寄‥何故か美紀をスルーして圭の方へ

 

美紀「あ‥」

 

圭「太郎丸無事だったかぁ〜(汗)(ヨシヨシ)」

 

太郎丸「わふぅ〜」

 

スルーされた美紀はフリーズして、圭はその様子を苦笑いで見つつ太郎丸を撫でる。

 

それから美紀達のいた事務室に一同集まり、自己紹介をすることに

 

美紀「直樹美紀といいます。圭と同じ二年生で巡ヶ丘学院所属です。よろしくお願いします」

 

由紀「今度は私からかな?

私は丈槍由紀♪巡ヶ丘学院三年生で学園生活部所属、よろしくね♪

けー君♪みー君♪」

 

美紀「みー君なんて‥///やめてください‥///」

 

圭「えへへ〜、なかなかいいじゃない〜。よろしくね由紀先輩♪」

 

胡桃「由紀と同じ巡ヶ丘学院三年生で学園生活部に入ってる恵飛須沢胡桃だ。シャベル使った戦闘なら任せな!」

 

悠里「学園生活部部長、若狭悠里といいます。それでこっちが妹の瑠璃です。」

 

瑠璃「るーちゃんっていうの♪よろしく!」 

 

慈「巡ヶ丘学院国語教師の佐倉慈といいます。現在は学園生活部の顧問を担当してるわ。ふたりともよろしくね♪」

 

日野「っと次は俺か、元巡ヶ丘警察の巡査をやってた日野裕也だ。現在は訳あって学園生活部に入ってる。」

 

雪「元巡ヶ丘警察訓練生湯月雪。よろしく♪」

 

圭「んでこの子が太郎丸、訳あって一緒にここで暮らしてたの」

 

太郎丸「わふぅ」

 

一通り自己紹介が終わると、美紀が口を開く

 

美紀「ところで学園生活部というのは‥」

 

慈「部活みたいなものかしら、提案は私と悠里さんでしたの。何か目的があったほうがいいって話になって」

 

圭「へぇ〜、面白そう♪」

 

賑やかな話し声が室内に響く

外を見ると既に夕方になってきていた。

 

慈「とりあえず今日は休んで、明日物資を探索しましょうか」

 

胡桃「了解、じゃあ見回りはあたしと雪、日野で交代でしとくよ」

 

日野「圭はあまり動けないからどうする?ここで待つか?」

 

圭「いえ、ずっとこのままでは行けないですから

この5階の探索をします」

 

雪「じゃあ見回りついでにチェックしとこうか」

 

胡桃「だな、それなら階ごとに分けるか?

そのほうが効率いいだろ」

 

日野「戦闘できるメンツが三人いるからそれもありだな。とりあえず明日詳しい行動を考えるか」

 

由紀「それよりお腹減ったぁ‥」

 

瑠璃「るーもぉ‥」

 

美紀「あっそれならそこに非常食がまだ残ってますからそれ食べてください」

 

胡桃「おっ助かるぜ」

 

悠里「じゃあみんなで食べながら何か話しましょう」

 

圭「いいですねぇ♪何話します?」

 

慈「趣味とかですかね?」

 

雪「おっいいねぇ」

 

日野「趣味かぁ」

 

由紀「みー君もほらほら♪(寄せる)」

 

美紀「せっ先輩‥//(顔真っ赤)」

 

瑠璃「るーも♪」

 

こうして今日の事務室は今までとは違う賑やかな雰囲気に包まれていたのだった。

 

 

 

 

 




美紀と圭、そして太郎丸ともに再会できました。
あぁ〜^^百合は尊‥(お玉ゴーン)

美紀「そんなんじゃないです‥//」


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第八話物資

前回の話の訂正
第七話になるはずが六のままでした。
すみません
それと今回からサブタイトルを漢字に変更します。


あのあと特に変わりもなく一夜を過ごした日野達は事務室で今後の動きを話し合う。

 

日野「朝のこの五階のチェックしてきたが特に問題ない。とりあえず目標としては三階、可能ならニ階も見ときたい。」

 

雪「とりあえず五階は圭さんとるーちゃんと慈さん、太郎丸で」

 

圭「はい!」

 

瑠璃「りょうかい〜」

 

慈「任せてください」

 

太郎丸「ワン!」

 

雪「んで四階は私と由紀さん、悠里さんで」

 

由紀「はあい!」

 

悠里「頑張ります!」

 

雪「んで、三階は日野と、胡桃、美紀さんで」 

 

日野「あいよ」

 

胡桃「いい土産持って帰ってくるぜ!」 

 

美紀「先輩方の足を引っ張らないようにがんばります!」

 

こうして会議が終了次第各メンバーは指定された階の探索に乗り出す。

 

五階組慈・圭・瑠璃

 

圭「ここに来たとき、他の生存者の方が探索された後ですが、まだなにか残ってると思います」

 

慈「そうですか‥」 

 

瑠璃「あっあれ!」

 

瑠璃が指差した方向には備品倉庫が

 

瑠璃「あそこならなにかあるんじゃない?」

 

圭「確かに‥!行ってみましょう!」

 

慈「一応気をつけて‥ね?」

 

四階組雪・由紀・悠里

 

パパパ

 

目の前を徘徊していた奴らを倒しつつ目についたお店に入っていた。

 

悠里「ここは本屋さんみたいですね‥(懐中電灯で照らしつつ」

 

雪「そうみたいね‥(シャッターを閉める)」

 

由紀「わぁ‥(目が光る)」

 

由紀「とりあえずまだここにもいるかもしれないから離れないように探索しましょう。行きたいところがあったら教えて?」

 

由紀「もっちろん!」

 

三階組日野・胡桃・美紀

 

日野「おぉ‥いっぱい食料あるじゃまいか」

 

厨房用や食料品店の食材を保管している倉庫では、日野達が食料をバックや途中で見つけたキャリーケースに詰め込んでいた。

 

胡桃「こりゃしばらく困らないだろうな(わせわせ)」

 

美紀「ここにはレトルト食品がありますね‥」

 

日野「おっでかした、これだけあれば下まで行かなくてもいいな」

 

胡桃「だな、っとそういえばエレベーターの近くに

ペンライトとか売ってるお店あったぞ?」

 

日野「誘導用に使えるな」

 

美紀「あっあとCDショップとか寄っていいですか?

圭が好きなやつがあったので」

 

胡桃「あぁ、大丈夫だぜ」

 

それから半日かけて物資を調達し昼過ぎになる頃には一同は駐車場に戻っていた。

 

圭「見てください♪五階にも食料ありました!それと太郎丸用の餌も」

 

瑠璃「るーが見つけたの♪」 

 

太郎丸「わん!」

 

慈「あと工具箱もありました。バリケードの補強に使えるかもしれません」

 

雪「こっちは娯楽用のやつ中心かな?」

 

由紀「漫画とか小説とかあっあとゲーム機とカセットももあったよ♪」

 

悠里「なかなか重かったですよ(汗)」

 

胡桃「こっちはほとんど食料だな、あとペンライトとかCDも見つけた」

 

日野「本当は二階も行きたかったがけっこういたから行くのはやめといた」

 

美紀「その代わりいろいろ三階から奴らの実験してましたよね(汗)」

 

それぞれ戦利品を見せながら3台の車に分けて積み込む。

 

美紀「それにしても‥こんなにたくさん既に物資が車にあったとは‥」

 

美紀は雪の車に積み込んである銃火器などの物資を見て驚きを隠せずにいた。

 

圭「驚いたでしょ〜、最初私もびっくりしちゃった」

 

美紀「びっくりって‥、圭の驚く姿は想像できませんよ(クス)」

 

圭「えぇ〜、酷い(ムスゥ)」 

 

太郎丸「ハハハッ」

 

二人の楽しそうな会話を他のメンバーは優しく微笑む

 

慈「じゃあそろそろ帰りましょうか」

 

一同「「は〜い!」」

 

圭「美紀、一緒に乗ろ♪」

 

美紀「もちろんです♪」

 

由紀「帰ったら早速読もう〜」

 

悠里「私も読もうかしら(クス)」

 

慈「今日暗いは夜ふかししてもいいですかね」

 

瑠璃「お腹減ったぁ」

 

雪「帰ったらお姉ちゃんが美味しいご飯作ってくれるって♪」

 

瑠璃「わあい♪」

 

日野「帰ったら、あの銃火器を整理しないと‥」

 

胡桃「それは明日でもいいんじゃないか?保管しとくだけしといて、みんなで楽しもうぜ」

 

荒廃した町並みを背に走る三台の車内では明るい会話が響き渡っていた。

 

圭「ねぇ美紀、」

 

美紀「ん?」

 

圭「生きているだけよりもこっちのほうが楽しいよね」

 

美紀「もちろん‥(クス)」

 

 

 




次回は日常回です
新たなメンバーが加わり、賑やかになってきた学園生活部。そんなメンバーは普段どう過ごしているのか
それをおみせします。


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第九話学園生活部の日常(マニュアル)

今回は日常回
学園生活部の日常をご覧ください。
(後半は少し暗くなるかも)


由紀「うぅん‥(ムニャムニャ)」

 

寝室の一つになっている資料室、既に朝になりほとんどが起きている時間帯だが一名だけ例外が‥。

 

ガラガラ!

 

美紀「先輩!朝ですよ!」

 

そんなお寝坊さんの由紀を見かねてかお玉を持ったまま、美紀が起こしに来る。

 

美紀「もう!早くしてくださいよ」

 

由紀「じゃあ‥持ってきで‥」

 

美紀「ピキュ」

 

ゴォォォォン!

 

ーー

 

由紀「いたた‥」

 

お玉で殴られてようやく起き、着替え終わった由紀は

美紀と一緒に生徒会室に向かっていた。

 

由紀「みー君お玉は殴るものじゃないよぉ‥」

 

美紀「起きてくれない先輩がいけないんですから‥」

 

由紀「うぅ‥ごみん‥はっ!」

 

美紀に謝った直後、何か食べ物の匂いを嗅いだのか目が光る。

 

由紀「この匂いは‥カレーだ!」

 

美紀「先輩‥」

 

由紀「早く行かなきゃ!」

 

美紀「ちょ!?」

 

カレーとわかると美紀の手を引いてさっきより早いスピードで向かうのであった‥。 

 

 

そして生徒会室(学園生活部)につき扉を開ける。

 

由紀「みんなおっはよー」

 

胡桃「あぁ、おはよー」

 

最初にシャベルを吹いていたくるみ(ここではあだ名呼び)が反応、

 

日野「ん?おぉ、おはよ」

 

そしてその向かい側で20小銃の整備をしていたひー君も気づく。

 

瑠璃「ゆきねぇおはよー」

 

その隣では圭に読み書きの勉強を教えてもらっているるーちゃんも反応、

 

圭「先輩♪おはようございます!」

 

もちろんけー君も由紀に挨拶を返す。

 

雪「おっ、ようやく来たねぇ。おはよー」

 

丁度コップを出していたゆーさんも視線を移す。

 

慈「丈屋さんおはよ」

 

キッチンで朝の朝食の用意をしていためぐねぇも反応する。

 

悠里「あら、ゆきちゃんおはよう」

 

同じくめぐねぇと料理をしていたりーさんも振り向く。

 

太郎丸「クゥン」

 

そしてパイプ椅子にリードを結ばれている太郎丸も反応する。

 

胡桃「相変わらずお寝坊さんだな」

 

由紀「いやぁ、それほどでも」

 

美紀「褒められてないですよ」

 

雪「だね」

 

由紀「ありゃ(汗)」

 

悠里「とりあえず二人もお皿運ぶの手伝ってあげて」

 

美紀「わかりました」

 

由紀「了解!」

 

ーー

 

一同「「「いただきます〜!」」」

 

テーブルを囲み、元気な声とともに一同は朝食を取る

 

由紀「んぅ〜、美味しい〜」

 

瑠璃「うん〜(モグモグ)」 

 

悠里「あら、ほっぺに付いてるわよ(吹く)」

 

瑠璃「んにゅ〜」

 

胡桃「最高だぜぇ(モグモグ)」

 

雪「うまい!(モグモグ)」

 

日野「久しぶりにカレー食ったわ(モグモグ)」

 

圭「美紀、これ美味しいね♪」

 

美紀「確かに‥♪(モグモグ)」

 

慈「遠征行ったかいがありましたね〜」

 

太郎丸「(モグモグ)」

 

 

一同「「「ごちそう様でした!!」」」

 

朝食を食べ終え、片付けを済ませると各自それぞれ行動を取る。

 

慈「じゃあ、丈屋さん、瑠璃さん、行きますよ」

 

瑠璃「はあい♪じゃあ行ってくるね〜」

 

胡桃「おう、いってらっしゃ~い。由紀はめぐねぇの授業で寝るなよ〜」

 

由紀「大丈夫だよ〜」

 

由紀と瑠璃は慈の授業を受けるために隣の教室に移動するのであった。

 

雪「こんなときでも勉強熱心ねぇ」

 

胡桃「私がゆうのもあれだが‥由紀はけっこうやばいからな(汗)」

 

雪「えぇ(汗)」

 

そうこうして、胡桃と日野が席を立つ

 

胡桃「じゃあ恵飛須沢胡桃、朝の見回りに行ってきます!」

 

日野「俺も行ってくるぜよ」

 

そうして、二人はそれぞれシャベルや銃を持って見回りに行く。

 

一同「「「いってらっしゃ~い」」」

 

ーーー

 

太郎丸「ワォン〜」

 

美紀「あぁ!太郎丸待ってよぉ!」

 

圭「くっ!けっこう早い‥!」

 

三階廊下を爆走する太郎丸、それを追いかける美紀と圭

何故かリードが外れこのような状況になっていた。

 

圭「2階に降りてる!」

 

美紀「待ってぇ!」

 

太郎丸は中央まで爆走、そのまま中央階段二階に降りていく。二階に降りて角を曲がるとそこには日野の姿が

 

圭「日野さん!太郎丸を止めてください!」

 

日野「んぉ?おっおう」

 

圭に言われてハッとなり太郎丸の前に立ち塞がる。  

 

日野「太郎丸〜、もう逃げられない‥ブベェ!?」

 

そのまま太郎丸をキャッチしようとしたがタイミングよく太郎丸がジャンプ、そのまま日野の顔面に当たる。

 

圭・美紀「「日野さん!?」」

 

太郎丸からのラムアタックを喰らった日野はピクピクしながら倒れてる。その張本人は何気なく逃げようとして‥

 

胡桃「よっと(捕まえる)」

 

日野の影に隠れていた胡桃にあっさり捕まるのであった。

 

太郎丸「クゥン‥」

 

胡桃「あんまりはしゃぐなよ〜」

 

太郎丸を撫でつつ視線を移すと、そこでは伸びかけてる日野を心配する圭と美紀の姿が、

 

圭「だっ大丈夫ですか‥(汗)」

 

美紀「すみません‥、太郎丸がやらかして‥」

 

日野「いやぁ‥太郎丸の猛アタックは凄かった‥」

 

心配する二人に大丈夫と言いつつ起き上がる。 

 

胡桃「本当に大丈夫か?」

 

日野「まあなんとかな」

 

ーーー

 

由紀「廊下は賑やかだねぇ」

 

瑠璃「そうなのだぁ」

 

賑やかな追いかけっこを聞きながら、由紀と瑠璃は慈の授業を受けていた。

 

慈「はい、ふたりともこの漢字わかる?」

 

黒板に書き出された時雨と村雨の漢字の意味を聞く

 

由紀「はいはい!めぐねぇ」

 

慈「もう、めぐねぇじゃなくて佐倉先生でしょ?

じゃあ書いてみて」

 

勢いよく手を上げた由紀は慈にチョークを渡され前に出て黒板に意味を書く。

 

由紀「これは楽勝だよ〜」

 

そう言って書き出された意味はときあめとはやあめ、

慈が素早く突っ込む。

 

慈「全問不正解よ(汗)」

 

由紀「えぇ!?」

 

瑠璃「違うのだ〜」

 

瑠璃にも突っ込まれ、しょげてしまう由紀であった。

 

ー屋上菜園ー

 

雪「悠里さん、これどこに置けばいい?」

 

悠里「じゃあそこにおいてもらえる?」

 

雪「了解〜」

 

屋上では雪が悠里の菜園の手伝いをしていた。

 

悠里「それにしても助かるわ。けっこうこれ重労働だから」

 

雪「確かに、訓練生時代を思い出すよ(汗)」

 

雑談を挟みつつ作業をすすめる二人、そしてその間休憩がてら手すりに寄りかかる。

 

悠里「‥サッカーで遊んでますね‥」

 

雪「だね‥」

 

屋上からグラウンドを見てみると奴らが風に吹かれたボールに釣られて動いていた。

 

悠里「‥あの日からもう2週間‥、これからどうなるのでしょうか‥」

 

雪「‥‥」

 

悠里の疑問に彼女は答えられなかった。いや誰もこれに答えられるわけがない。既にパンデミック発生から2週間、今だに救助は現れない。二人とも最悪の事態を考えざる負えなかった。

 

悠里「‥‥」

 

雪「‥‥」

 

ーーそして夕方‥

 

夕食を食べ終わり、各自自由に過ごしてる中慈は一人職員室に向かっていた。

 

慈「そういえば確か‥」

 

(パンデミックが起こる前‥)

 

慈「これ‥なんだろう‥」

 

私が先生になってまだ間もない頃、職員室の机の中に入ってたとある書類を見つける。

 

教頭「あぁ、それは非常時以外は開けてはだめだからね」

 

教頭に言われて改めて書類の表面を見る、そこには職員用緊急避難マニュアルと書かれ上側にはハンコで校外秘と押され、下には緊急を要する以外は開けてはならないと書かれていた。

 

慈「非常時ということは‥災害とかですかね?」

 

教頭「まあそんなところだ、だから非常時以外は開けては駄目だからな」

 

(そして時は戻り)

 

慈「って言ってた‥、今までは忘れてたけど、今は非常時‥」

 

そう思いつつ職員室に入り自分の机の棚に入ってたマニュアルを取り出しカバーのビニールを外して手に取る。

 

慈「外部との連絡がつかない以上‥見ないわけには‥(めくる)」

 

最初は希望を胸に開いたのだが、内容を見た瞬間顔が青ざめる。

 

慈「何‥これ」

 

マニュアルの内容としてパンデミック発生の際の職員の対応、そして地下シェルターの存在。もし噛まれた際の応急手当などなど、明らかに今回の騒動を見越してのマニュアル。しかもこの地下シェルターは少数しか入れない。つまり

 

慈「‥こんなの‥酷すぎる‥」

 

読むにつれて吐き気やめまいなども襲い立っていられなくなる、そのままよろよろしつつ座り込む。

 

胡桃「めぐねぇ〜ちょっとはな‥っ!?」

 

慈に用事があってきたのだろう、胡桃が入ってきた。そして明らかに普通じゃない雰囲気を出してるのを見て慌てて駆け寄る。

 

胡桃「めぐねぇ!どうしたのさ!めぐねぇ!」

 

胡桃が肩を揺さぶるが、反応はない。ふと机のを見るととある書類が開かれた状態で置いてあった。

 

胡桃「えっ‥‥」

 

更には偶然か内容まで目に入ってしまい胡桃は啞然となる。

 

胡桃「‥なんだよ‥これ‥なんで‥」

 

最初は驚きの声がしていた‥しかし徐々に憎しみと悲しみの声に変わっていく。 

 

胡桃「ふざけるなよ‥このために先輩はあぁなったのかよ!(バァン!)」

 

怒りのあまり机に拳を叩きつける。もちろん、慈に怒ってるわけではない、彼女の矛先はこのマニュアルだ。 そんな彼女をただ見つめる慈‥

 

ー私の‥せいだ‥、みんなの日常が終わったのも‥

こんなことになったのも‥全部‥ー

 

ー私のせいだー

 

 

 




さぁがっこうぐらしでなくてはならないもの
職員緊急避難マニュアルが登場しました。
パンデミックをあらかじめ予想された内容
学園生活部はどう動くのか!


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第十話職員用緊急避難マニュアル

がっこうぐらしと言ったら外せないもの職員用緊急避難マニュアル。原作では地下区域の存在や大学の存在など 物語のキーとなったものです。



あれから何分たったのだろう‥

立つこともままならない私は恵飛須沢さんに連れられ生徒会室へ向かう。中に入り、若狭さんにみんなを集めるように伝え、自身も呼びに行った。私はただ見ることしかできなかった‥。 

 

ーー

 

そして、瑠璃さんや太郎丸以外の全員が生徒会室に集まっていた。恐らくここの雰囲気で察したのだろう

一同気まずい雰囲気だ。

 

胡桃「急に呼び出してすまない、こればっかりはみんなに見てほしくて」

 

そう言って恵飛須沢さんは机の上に例のマニュアルをおき開く

最初は興味本位で覗いていたが内容を知った瞬間

一気に重い雰囲気になった。

それもそうだろう‥、恵飛須沢さんでも取り乱したもの

ただ‥、私には誰も怒りを向けなかった‥。

むしろ心配するような視線も感じる‥。

 

日野「‥」

 

そんな中日野さんはマニュアルを一枚一枚めくりじっくりと見ていた。

 

日野「‥間違いない‥最後のページに書かれてる連絡先、黒塗りしてあって確認できないが警察署のとこは間違いなくうちの巡ヶ丘警察署のことだ」

 

雪「そんな‥」

 

日野の言葉に湯月さんは動揺している、彼女は警察官でも訓練生、あまりにもつらすぎる現実だ。

 

日野「‥ったく‥、ややこしいことになりやがって‥」

 

日野さんもこのことは知らなかったのだろう、舌打ちをしているのがわかる。

 

美紀「日野さんもこれを知ったのは今日が初めてですか‥?」

 

日野「あぁ‥、避難マニュアルがあることは知っていた。だがここまで見たのは初めてだ‥」

 

日野「それよりも一番の疑問はランダルコーポレーションの名前がどうして連絡先に書かれてるのか‥というところだ」

 

彼がそう言ってランダルコーポレーションと書かれたところを指差す、それに釣られてみんなも視線を移す。

 

圭「確かランダルコーポレーションって製薬会社ですよね?」

 

悠里「かなりの大企業で、確か‥この巡ヶ丘の開発をサポートし続けたというのは聞きました。」

 

日野「そうだ、ここまで厳守に非常時以外は見るなと書かれているということはかなり重要な情報だ。

それで連絡先に警察や自衛隊が書かれているのはわかる、だがなんでそこに企業のランダルコーポレーションがあるのか‥」

 

由紀「‥つまり‥?」

 

慈「‥まさか‥」

 

ようやく現状を理解し始めたとき何か嫌な予感が脳裏に浮かぶ。それは簡単だ‥

今回のパンデミックにはランダルコーポレーションが関係しているということだ。

 

日野「もうなんとなくわかってるかもしれない‥

そう、今回の件の裏はコイツラが関わってる」 

 

バァン!

 

悔しさのあまりか再び机を拳で恵飛須沢さんが叩く。

 

胡桃「ふっざけんなよ!そのためにこんなこと!」

 

それは表に出してないがみんなが思っていることだろう。どうしてこうなったのかはわからないが日常を壊された怒りというのは計り知れない。

 

日野「とりあえず今夜地下シェルターに行ってみる

もしかしたら何かわかるかもしれない。」

 

雪「大丈夫なの?」 

 

日野「こうなった以上、確かめる必要がある‥」

 

日野さんの言葉にみんな注目する

 

日野「それに知らなかったとはいえ、こうなった以上俺が責任を果たさないといけない」

 

慈「それなら私も行きます」

 

私の発言にみんなが驚きの視線を向ける

 

由紀「めぐねぇ‥」

 

慈「こうなったのは教師の私にも責任はあります。だから、私も確かめたい」

 

由紀「‥めぐねぇがいくなら私も行く!」

 

慈「丈槍さん‥」

 

雪「なら、私も。警察官としての責務でしょ?」

 

悠里「私も行かせてもらいます‥!」

 

圭「ここまで来たのなら行かないという選択肢はない!よね?美紀」

 

美紀「はい‥!」

 

胡桃「本当は行きたくないが‥行かなきゃ後悔しそうな気がするんだ」

 

慈「みなさん‥」

 

日野「決まりだな、それじゃ今夜行くからみんな支度をしてくれ」

 

美紀「ところで地下まではどうやって行くんですか?」

 

ふと疑問を浮かべ日野さんに質問する直樹さん

 

日野「それは簡単だ、三階の職員休憩室から地下にいく階段がある。だからここを使えばいつでもいける」

 

胡桃「やれやれ‥、ありがたいんだがありがたくないんだか‥」

 

そうこうして、各自それぞれ準備に取り掛かる。

そんな中私は職員室ヘ戻りハサミを取り出す。  

 

慈「私がくよくよしてるのバカみたい‥

そうしたって何も変わらないのに‥

変わらなきゃ‥、みんなを守るために‥」

 

ーー

 

日が落ち、少し暗くなってきたとき一同は休憩室前に集まっていた。そこには寝起きの瑠璃の姿も

 

日野「よぉし、じゃあみんないるな?」

 

由紀「ひー君、めぐねぇがまだ来てない」

 

日野「おっとそうか、じゃあ少し待って‥」

 

慈「おまたせしました」

 

胡桃「あっめぐねぇ、大丈夫?って」

 

噂をすればなんとや、少し遅れて慈が到着。それに気づき一同は視線を向けるが直後驚きの反応が出てくる。

 

由紀「めぐねぇ‥?髪短くなってるよ?」

 

由紀の言うとおり以前の彼女の長髪ではなくショートの髪になっていた。

 

慈「あ、これ?前の髪方ちょっと子供っぽかったかなって思って‥それに‥」

 

一度間を開け

 

慈「やっぱり私にも責任はあると思ってる

けどそれでくよくよしてたらみんなを守れない

私は私立巡ヶ丘学院国語教師佐倉慈だから‥!」

 

胡桃「めぐねぇ‥」

 

日野「昔に比べてたくましくなったよな‥慈」

 

慈「このままじゃいけないと思って‥」

 

日野「そうだな、こんなとこで止まってたら進めないよな。あっあとその髪型似合ってるぜ」

 

慈「はぅ!?//」

途中まではかっこいいセリフ言ってたのに日野の言葉でいつもの慈に戻る

 

胡桃「やっぱめぐねぇはめぐねぇだな♪」

 

美紀「はい、普段どおりのめぐねぇが落ち着きます」

 

慈「ちょ!?ふたりとも!?」

 

そんな会話をしていると一同は自然と笑顔になっていく。そして

 

日野「よし、じゃあ突入するぞ、みんな準備はいいな?」

 

一同「「「はい!」」」

 

こうして休憩室の階段を利用し、地下区域ヘ降りていくのであった‥。

 




そういえば、ランダルコーポレーションってちょっと優しいアンブレラ社みたいですよね。
タイラントとかネメシスとかリッカーとか三角様出てこないし
まあゾンビ出してくる時点でアウトですが()


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第十一話地下区域、そして覚悟

訂正
丈槍由紀のところで今まで丈屋となってました。
ご指摘をくださった方ありがとうございます。
しっかりと直して行きます


胡桃「ここはまだキレイだな‥血一つもない」

 

日野「先生でもほとんど知らなかったんだ

無理もない」

 

そうそう言いつつ20小銃に取り付けた即席フラシュライトで照らしつつ降りていく。胡桃の言うとおり誰も使ってなかったのか、人が利用した形跡は一つもなかった。

 

雪「しっかしここは暗いわねぇ‥」

 

SFP9拳銃を構えつつ懐中電灯で照らしつつ雪がそう溢す。

 

慈「まさかこんなところがあったなんて‥」 

 

瑠璃「りーねぇなんかここ怖い‥」 

 

悠里「大丈夫、お姉ちゃんがいるから」

 

そうしてゆっくり降りていくこと数分後、とある空間に出てくる。

 

美紀「ここは‥」

 

あたりが周りを見渡す、壁には地下一階、そして二階の案内表示があり左には地下区域に繋がるシャッターが

右には校舎一階に上がる階段と扉が確認できた。

 

圭「一階にあったあの扉なんだろうって思ってたけど

ここに繋がってたのか」

 

今までわからなかったことがようやくわかり、納得の表情を見せる圭、その間にも日野は地下区域に入るためのシャッターに近づき、パネルにマニュアル通りのパスワードを打ち込む。

 

少しするとシャッターがゆっくりと開き、その奥には通路と少し奥には左右に扉があった。

 

雪「広い‥」

 

完全に開くと由紀がシャッター近くにあった照明スイッチをつける。するとさっきより明るくなりしっかり見えるようになった。

 

悠里「地下まで電気通ってるみたいですね‥」 

 

圭「というかシャッター開いてなかったから誰も入ってないってことだよね?」

 

美紀「‥そうみたいですね‥」

 

胡桃「とりあえず探索してみようぜ、何かあるかもしれないし」

 

胡桃の提案でそれぞれ分かれて探索することに。シャッターが開いてなかった。校舎一階に繋がる扉が空いてなかったことなら誰も来てないと判断、各自探索になった。 

 

由紀・慈

 

由紀「おぉ‥!」

 

由紀と慈の二人は入浴施設など、避難生活を送るために必要な施設がある区域を見ていた。

 

由紀「めぐねぇ見てみて!お風呂あるよ!お風呂」

 

慈「えぇ‥、かなり広いですね‥」

 

由紀「この広さならみんな入れる♪」

 

悠里・瑠璃

 

瑠璃「この冷蔵庫なんだろう‥」

 

とある一室にあった巨大な冷蔵庫を瑠璃は見つめており

悠里は冷蔵庫の中身をチェックしていた。

 

瑠璃「お姉ちゃんどう?」

 

悠里「お肉とかバターとか‥生物とかが多いわね‥

しかもこれだけあればしばらくは持ちそう‥」

 

家計簿とにらめっこしながらも中身に驚きを隠せずにいる悠里であった。

 

圭・美紀

 

美紀「これは‥(たくさんのダンボールの中身を見つつ)」

 

圭「美紀〜、こっちはお米とかあるよ〜」

 

美紀「こっちはカップ麺とかのインスタント系がたくさんあります」

 

美紀と圭は食料備蓄倉庫を漁っており、ここにお米やインスタント系、保存食などが入った食料がたくさん入ったダンボールが棚に置かれてあった。 

 

美紀「でもこれどうやって持って上がろう」

 

圭「確かに‥毎回階段上り下りは大変だよねぇ‥」

 

美紀「あっでも確かマニュアルにエレベーターがあるって書いてありました」 

 

圭「いやぁ‥、相変わらずこの学校すごくない(汗)」

 

雪・胡桃・日野

 

胡桃「二階は発電機と、貯水槽、生活に必要な設備中心だなまああとは少しの物資があるくらいか」 

 

特にめぼしいものはなく二階の探索を終えて一階の探索に戻っている三人

 

雪「まあ、長期間の避難生活を想定してる以上あれだけの規模になるでしょうね」

 

日野「しっかし二階もそこそこ広かったな‥」

 

胡桃「んで、どこ探索する?」

 

日野「といってもほとんどみんなが見てるだろう‥ん?」

 

日野の視線にとある扉が映り込む、他にはないロック式で頑丈にされてる扉。

 

日野「確か‥あのマニュアルにはもう一つパスワードあったよな‥」

 

そうボヤきつつ扉に近づき、パスワードを打ち込んでいく

雪と胡桃も気になるのか後ろで見ている。

 

ピピッ!

 

機械音がなり、ロックが解除されゆっくりと扉を開けて中にはいる日野。それに続くように胡桃と雪も入っていく。

 

胡桃「うへぇ‥いかにも厳重ですよっていわんばかりの内装」

 

日野「こりゃ相当なやつがあるに違いない」

 

雪「おっ、これはマニュアルにあった治療薬じゃない?」

 

そう言って雪の指差す先には棚に置かれている治療薬の姿が、

 

胡桃「こいつを打ち込めば噛まれても大丈夫なのか?」

 

日野「マニュアル通りならそうなるが‥」

 

いくらマニュアルにかかれているとはいえ、やはり怪しい薬には抵抗がある。

 

日野「とりあえずこのことはみんなに後で報告しておこう」

 

胡桃「そうだな」

 

雪「じゃあ戻‥(ポチ)へ?」

 

部屋を出ようとして振り向いたとき偶然にも壁に配置してあったボタンに当たる。直後壁だと思ってたシャッターが開き始める。

 

胡桃「ななっなんだコレ!?」

 

日野「まさか罠!?」

 

雪「いや‥これは‥」

 

突然の出来事に混乱する二人だが雪だけは開くシャッターを見ていた。開くとシャッターに隠された壁が姿を表し、何か立て掛けてあるのも見える。

 

雪「‥こんなものまであるとはね‥」

 

ーー

 

そして翌日

一度戻り夜を明かして再び地下に戻り食料などの運び込みをしていた。やはりエレベーターがあるだけでもかなりよく、運び込みが素早く行われていた。

 

そして運び込みが一段落したのち一同はとある教室に集まっていた。教室の扉には火器保管庫と書かれていた。

 

雪「まさか学校の地下にこんなもんがあるとはる‥」

 

机の上に置かれた銃を見つめつつため息をつく雪、他のメンバーも驚きを露にしている。

 

雪「こりゃ一枚やられたわ‥、まさか銃が地下に隠されてるとは‥ね?」

 

雪の視線の先には例の部屋で入手した小銃などなどの銃が並べられていた。

 

慈「ですねぇ‥」

 

胡桃「正直マニュアルよりも驚き凄かったかも‥」

 

由紀「学校の地下‥すごい‥(汗)」

 

それぞれ反応を示す、興味を示すものもいれば不安そうな表情を浮かべるものも。

ちなみに今まで入手した銃を載せると

 

雪が自衛隊車両から入手した銃

 

小銃(アサルトライフル)

20式5.56ミリ小銃

 

89式5.56ミリ小銃

 

 

拳銃

9ミリ拳銃SFP9

 

H&KUSP

 

そして今回の地下探索で発見した銃

 

アサルトライフル

M16 5.56✕45ミリ アサルトライフル

 

M4  5.56✕45ミリ カービン

 

HK416 5.56✕45ミリ アサルトライフル

 

短機関銃

MP7  4.6✕30ミリ

 

狙撃銃

 

バレットM107 7.62ミリ対物狙撃銃

 

拳銃

M17 9✕19ミリ拳銃

 

M9  9✕19ミリ拳銃

 

M11 9✕19ミリ拳銃

 

以下の通りになってます。

 

雪「しかもこれほとんどアメリカ陸軍で使用されてるやつじゃない‥、あの会社‥何者なのよ‥」

 

日野「まあ世界で有名な企業みたいだったからな、特にアメリカ政府とかのつながりが強かったらしい

そう考えると手に入れるのは楽なんだろうな」

 

美紀「そんなものなんですかね‥?」

 

圭「さぁ‥(汗)」

 

胡桃「でもどうすんだこれ?日野と雪だけじゃ使い切れないぞ?」

 

日野「そのへんは問題はない、策は考えてる」

 

雪「まさか‥(汗)」

 

日野の返答になんとなく予想がついた雪

 

日野「そうだ、君達にも銃のレクチャー受けてもらう」

 

一同「「えぇ!!???」」

 

日野のぶっ飛び発言にみんな驚きを露にする、

 

慈「ちょ!?民間人の私達が銃使って大丈夫なのですか!?」

 

圭「いきなりぶっ飛び発言来たねぇ‥」

 

美紀「その‥私達に扱えるのでしょうか?」

 

胡桃「うぅん、シャベルだけじゃだめか?」

 

由紀「うにゅー‥」

 

悠里「ええっと‥」

 

瑠璃「?」

 

雪「まあまあみんな落ち着いて‥何か理由あるんでしょ?日野」

 

日野「まあな」

 

雪がみんなを落ち着けさせつつ、理由を日野に確かめる。

 

日野「銃が地下にあるということはここもランダルの拠点の一部として整備されていたということだ。つまりもしかすればこの先奴らの軍と鉢合う可能性がある」

 

日野「特に手出しをしないのならいいが、裏を見られた生存者を生かすとは考えづらい」

 

慈「それはつまり‥」

 

日野「あぁ‥この先奴らと戦闘になる場面が出てくるかもな‥」

 

一同「「‥‥」」

 

日野「それに奴らとの戦闘がなくても他の生存者から攻撃を受ける可能性だってある、そして人間だったものとの戦闘も考えると俺と雪、胡桃だけだと戦力不足だ。」

 

胡桃「なんとなくわかったぜ、要は戦える戦力がほしいってことだろ?あたしはやるぜ、正直シャベルだけでもいいけど相手が人間だとそうはいかないだろうからな」

 

慈「‥わかりました‥私もやります!

可能なら戦いは避けたい‥でも、もしそうなったら‥

生徒を守るのは先生の役目です‥」

 

胡桃と慈が覚悟を決めて名乗り出る、するとそれにつられて他のメンバーも

 

悠里「やります‥!るーやみんなの力になりたい‥!」

 

由紀「私だってやる!

誰かの役に立ちたい!」

 

圭「美紀を守るならなんだってやるわ!」

 

美紀「圭を‥守りたい‥!」

 

雪「決まりね」

 

日野「だな」

 

こうして一同は再び覚悟を決め、更に友情が深まっていくのであった。

 

悠里「じゃあそろそろ朝食にしましょうか♪」

 

胡桃「だな!朝から動いたからお腹減ったぜ」

 

由紀「今日は何〜?」 

 

悠里「今日はカレーよ〜」

 

瑠璃「またカレーだ♪」

 

日野「説明しただけで腹減るのかよ‥(汗)」

 

圭「ほら、早く行こ♪美紀、太郎丸」

 

美紀「そうだね」

 

太郎丸「ワン!」

 

 

 




えっ?なんで学校の地下にこんなもんあるかって?
そりゃ生物兵器扱ってるヤベェ会社なんだから用意してるでしょ(
こうゆう系統の会社って自社で軍とか武器持ってるからねぇ
しっかしよく銃の規制が厳しい日本に持ち込めたな(


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第十二話お手紙ー私達はここにいますー

前回第十一話なのに十話と書いてました。
訂正します。
学園生活部が日常を過ごしている中
裏では物語が大きく動く出来事が起こります




こうして、日野と雪による由紀達の銃のレクチャーが始まり、さまざまなことを説明したり地下の空き地を利用し実際に射撃してみたりと可能な限り彼女達に合わせたメニューで練習を重ねた。

 

日野「まあ銃っていうのはトリガー引いて撃つだけじゃだめなんだよ。銃の世界にも安全装置があってそれを外さないと撃てないようにしてあるんだ。」

 

圭「確かに誤発砲したら怖いもんね」

 

日野「ためにし9ミリ拳銃でやってみようか」

 

難しい専門用語は抜きつつ、彼女達が覚えやすい方法で

教えているのだが‥

 

雪「要するに狙って撃てってことよ!」

 

美紀「省略しすぎです‥」

 

こんな一幕もありながらも、段々と上達していくのであった。

それと平行して、みんなにあった銃も選んでいくことに

銃にも性格がありそれにあった人が使わないと能力を発揮できない。それを考慮した結果‥

 

由紀 MP5 H&KUSP拳銃

 

胡桃 M4カービン 

 

悠里 M16アサルトライフル

 

慈 MP7 M17拳銃

 

美紀 バレットM107 M9拳銃

 

圭 HK416アサルトライフル M11拳銃

 

日野 20式小銃

 

雪 89式小銃 SFP9拳銃

 

となったのであった。

 

胡桃「中、遠距離最強の銃と近接最強シャベル様があれば楽勝だぜ!」

 

圭「狙撃銃で良かったの?」

 

美紀「動き回るのは苦手だから‥こっちのほうがいいかな」

 

悠里「銃の射撃音って悪くないわね〜」

 

慈「悠里さん‥(汗)」

 

由紀「軽いほうが扱いやすいねぇ」

 

ちなみに瑠璃にはまだ早いということで悠里の提案で保留ということになった。まあ本人は不満そうにしてたが‥

 

そしてそんなある日‥ 

 

由紀「ねぇねぇ、お手紙出さない?」

 

日野「お手紙?」

 

またもや突然の発言に視線が集まる。

 

由紀「そうそう♪」

 

悠里「でもどうやって出すの?」

 

由紀「出すんじゃなくて飛ばすんだよ♪」

 

胡桃「あぁ、確かにそれなら出せるな。ってきり由紀がついに壊れんかと思ったよ」

 

由紀「胡桃ちゃん酷い〜!」

 

美紀「確かリバーシティトロンから風船何個か持って帰ってきてましたね。それ使いましょう」

 

慈「空気なら物理実験室にヘリウムガスの入ったボンベがありましたからそれ使いましょう」

 

圭「おっいいねぇ〜」 

 

瑠璃「わぁい!」

 

胡桃「決まりだな!私は飛ばすための鳥捕まえてくるよ。確か屋上によくいるから」

 

慈「じゃあ私は職員室から手紙用の紙を取ってきますね。」

 

由紀「私はペンとってくる!」

 

日野「俺はヘリウムガス持ってくる」

 

圭「私は風船持ってくる!」

 

こうしてお手紙を書くために各自準備を進めるのであった。

 

由紀「みー君とけー君は何書くの?」

 

圭「私は将来の自分宛てかな?」

 

美紀「同じくです、先輩はどうするんですか?」

 

由紀「もちろん学園生活部のメンバーの絵を書くよ(見せる)」

 

圭「みんな可愛く書いてるねぇ。先輩らしいよ」

 

美紀「おぉ‥」

 

それぞれ自分なりの内容を手紙に書いていた。家族に書くものもいれば生存報告を書くものも、そして将来の自分宛ての手紙を書くなど、様々なことが書かれていた。

 

胡桃「みんな!鳥捕まえてきたぞ!」

 

由紀「さっすが胡桃ちゃん!」

 

日野「大戦果じゃないか」

 

慈「じゃあ恵飛須沢さんも手紙書きましょう」

 

胡桃「了解!」

 

手紙を書き終わると袋にみんなの手紙を入れて蓋をする

ヘリウムガスを風船に入れて膨らませ、鳩と風船に袋をくくりつける。

 

日野「ふぃぃ、一時鳩が教室内飛び回ったからどうなるかと思ったが‥。これでオッケーだな」

 

由紀「早速飛ばしに行こ♪」

 

雪「そうと決まれば屋上にレッツゴーね!」

 

 

一同わくわくしながら屋上に足を運ばせる。屋上に上がると一面雲のない晴天が広がって、飛ばすのに最適な気候条件が揃っていた。

 

由紀「天気がいいねぇ〜」

 

慈「こんな晴天なのも久しぶりな気がするわ」

 

圭「早速準備にかかろう!」

 

そして飛ばす準備が完了し、いつでも飛ばせるようになったので

 

由紀「よぉし!行ってこい!」

 

由紀の掛け声とともに鳩を離すと、放たれた鳩は風船と手紙を連れて飛びったて行くのであった。

 

瑠璃「元気でね〜!」

 

雪「これで助けが来てくれればいいんだけど‥」

 

美紀「そう願うしかないですね‥」

 

一同は飛んでいく鳩を静かに見つめていたのであった‥ 

 

 

ー巡ヶ丘学院高校学園生活部ー

ー私達はここにいますー

 

ー巡ヶ丘市陸上自衛隊駐屯地ー

 

パンデミックの被害を受け静まり返った駐屯地

既に人はいないはずだが‥

 

パパパ!!

 

どこから銃声が聞こえ、廊下を走る人影が

 

「こんなこと聞いてないぞ!」

 

銃を抱えつつ必死で逃げる人物、服装からして陸自の隊員だろうか、隣には同隊の仲間が 

 

「隊長!我々以外全滅です!」

 

「くっそ!上からの要請で現地調査に来たのはいいが‥こんなことになるとは‥!」

 

走りながら銃声でよってきた奴らを倒しながら屋上へ向かう

 

「司令!ヘリはまだか!」

 

「こちら司令、まもなくヘリが到着する!

敵の人数はわかるか!?」

 

「人数は不明!されどかなりの手慣れです!こっちは我々残してやられました!!」

 

なんとか屋上に登り扉の前に室外機を倒して塞ぐ

直後扉を叩く音と破壊しようと銃を乱射する音も

 

「隊長!これで時間稼ぎはできるかと!」

 

部下がそういった後、ローター音があたりに響き渡るとともにヘリが屋上の空きスペースにホバリングしようとする。

 

「これで脱出することが‥」

 

そう希望を抱いたのだが‥

 

ドォォォン!

 

突如ヘリが爆破、炎上しコントロールを失いそのまま墜落していく。

 

「‥は?」

 

突然の出来事に呆然と眺めることしかできなかった、さらに‥

 

ドォォン!

 

パシュパシュ

 

「ガ‥ハ‥」

 

突如爆発音とともに隣に立っていた部下が苦しそうな声を出した直後いきなり地面に倒れる。

 

「おっおい!おま‥!?」

 

倒れたことに気づき慌てて駆け寄った隊長だが一瞬で頭が真っ白になる。倒れた部下は床に血を流していたのだ‥。

 

「どういうこと‥だ(ガツ!)ぐぁ!?」

 

次から次へと起こる事態に状況整理をしようとしたが後頭部強烈な痛みを感じ、そのままよろよろと手すりに寄りかかる。

 

「貴‥様‥」

 

朦朧とする意識を何とか保ちつつ殴りつけてきた張本人である人物を睨み付ける。体型からして女性だろう

黒のショートでスレンダーな体型、

片手には部下を殺った際に使ったサプレッサー付きのM9が見える。服装は黒のスーツを着ており腕にはランダル社のマークの入った紋章をつけていた。

背後には扉を手榴弾で破壊したのであろう

跡形もなく吹き飛んでいる。

 

「全く‥ようやく追い詰めた‥」

 

「ランダル‥のやつか‥」

 

「そうね、上からの命令でここに来た貴方達を排除しに来たの」

 

「なん‥の‥ため‥だ‥」

 

「‥‥、どうせ始末するんだから教えてあげる。

ここの情報を見られたら、事故でウィルス漏洩したのがバレちゃうもの。それを防ぐために‥ね」

 

「はっ‥くそったれが‥」

 

「もういいでしょ、じゃ(銃口を頭に当てて)」

 

「雪‥すま‥(パシュ!)」

 

何かを言いかけたが、発砲とともに止まり力を入れていた手が力なく地面に落ちる。

 

「こちらコードヴネェア、目標の排除に成功

これより離脱する」

 

「了解、ヘリポートヘむかえ。向かえがまもなく来る」

 

「はい」

 

どこかと通信を終え、息絶えた隊長を見つめる。地面には殴られた際に落ちたのだろうか‥家族写真が落ちていた。右には彼女が殺した男性が、左にはその奥さんだろうか、そして挟まれる形で笑顔でピースしているショートで後ろに髪をくくってる赤髪の少女が‥

 

「‥‥」

 

しばらく写真を見つめたていたが、ヘリの音が聞こえたため足早に立ち去っていくのであった‥

 

 

 

 

 

 




今回登場した女性 
一体何者なのでしょうか‥
‥ランダルの狙いは‥?

そして何故彼は雪の名前を行ったのか‥

物語は大きく動き出します!


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第十三話復讐

前回出てきた謎の女性
そして何故彼が雪の名前を言ったのか少しずつわかっていきます。
そして暗めな場面が出てくるかも‥


ある日‥

 

荒廃した町並みを背に国道を走っている一台のセレナ

そのハンドルを握っているのは雪ではなく圭が握っていた。助手席では雪が運転の指導をしているようだ。

 

雪「もう少しアクセル緩めてもいいかな?」

 

圭「はっはい!」

 

緊張しながらも雪の指示に従いアクセルを緩める。ちなみに今セレナに乗っているのは雪と圭、美紀の三人

それ以外のメンバーは見当たらない。

今回はこの三人が物資探索に乗り出すことになっていて、それに兼ねて実践経験を積ませるためでもある。

 

美紀「それで、今回はどこを探索するんですか?」

 

後部座席に座っていた美紀が顔を覗かせる。

 

雪「そうねぇ‥とりあえずホー厶センターに行きたいねぇ。バリケードの強化したいし」

 

圭「確かに‥今のままでは不安ですもんね」

 

そんなこと言っているうちにホー厶センターに到着、車を入口に止めて、降りる。

 

圭「運転疲れたぁ‥(愛銃を取り出す)」

 

美紀「今回は狙撃銃はお預けですかね(肩に背負い、ハンドガンの弾をリロードする)」

 

雪「見た感じ、中に三体か‥。まあ死角カバーすればいけるかな。じゃあ二人とも行くよ」

 

圭・美紀「「了解です!」」

 

 

中に入ると案の定他にもいたが、三人にあっさり制圧されていった。

 

パパパ!

ドシャ(奴らが倒れる音)

 

雪「クリア‥かな?(89式を構えつつ)」

 

圭「‥みたいですね‥(アサルトライフルの弾をリロードしつつ)」

 

美紀「‥初の戦闘となると疲れますね‥(ハンドガンを降ろしつつ)」

 

雪「とりあえずバリケードに使えそうな材料を集めましょう」

 

中の奴らを殲滅し、一段落した後探索することに

圭は釘やセントリーガンなど補強用の工具売り場に

美紀は木材の板を車に運び込んでいた。

ちなみに雪は売り場奥のカーペット売り場に来ていた。

 

雪「これから寒くなりそうだし‥こうゆうのも必要かも」

 

そう言って目についたコタツを台車に載せようとする。

すると‥

 

ガタン!

 

雪「っ!?(構える)」

 

いきなり音が響いたため慌ててその音がした方にSFP9を取り出して向ける。そこには事務室と書かれた部屋が

 

雪「誰かいる‥?」

 

美紀と圭は入口付近で探索してるからまずありえない

そうなると‥

 

雪「‥」

 

ゆっくりと扉に近づきそっと耳を済ませる。だが特徴的な呻き声が聞こえないとなると奴らではなさそうだ。

意を決して中に入ると‥

 

雪「!?大丈夫ですか!?」

 

そこには腹部を負傷している迷彩服の男性が座り込んでいた。慌てて駆け寄りつつ無線機を出す。

 

雪「美紀!圭!事務室で負傷者見つけた!

車にある医療キット持ってきて!」

 

美紀「!わかりました!」 

 

圭「はい!」

 

美紀と圭に指示を出し自身は手持ちのハンカチを当てる

 

「うぅ‥あんたは‥」  

 

雪「あんまり喋らないで、キズが広がります」

 

「‥あぁ‥」

 

雪「服装からして自衛隊の方ですね?私は元巡ヶ丘警察署訓練生湯月雪です」

 

「訓練生‥湯月‥もしや‥」

 

雪「?」

 

「俺は陸上自衛隊レンジャー隊の朝霞菊だ‥

あんた‥湯月惣菜って人知ってるか‥?」

 

雪「えっあっはい‥うちの父さんが何か‥?」

 

朝霞「‥やっぱり娘さんか‥俺はな‥君のお父さんの部下なんだ‥」

 

雪「!?父さんは‥!?」

 

朝霞「‥‥すまない‥こっから先は覚悟をしてくれ‥

‥‥君の父さんは‥死んだ‥」

 

雪「‥え」

 

朝霞の発言に思考が停止した。父さんが‥死んだ‥?

 

朝霞「お父さんと‥部下の我々は上の指示‥で現地調査に来てたんだ‥駐屯地に‥この事件の原因を探るために‥」

 

朝霞「その駐屯地で‥何者かの‥襲撃を受けて他の仲間が次々とやられて‥‥逃げようとしたが‥ヘリもやられ‥それで‥俺も撃たれて‥でも‥お父さんは‥」

 

雪「‥‥そんな‥ぁぁ‥」

 

意識が揺らぐ、雪にとってお父さんは少し抜けてるけど優しいという印象がある。いつも彼女を応援してくれていた。そんな父が亡くなったとなれば‥

 

朝霞「すまない‥、守れなくて‥」

 

雪「‥‥」

 

朝霞の悔しそうな謝罪に何も返すことができずにいた雪

今の彼女にはそのような余裕がなかった‥ 

 

雪「とりあえず‥手当してから車に載せます

あるきは‥無理そうですね‥」

 

朝霞「あぁ‥そう‥っ!」

 

朝霞が顔を上げたとき何かを感じ取ったのか最後の力を振り絞り雪を横に押し出す。

 

雪「っ!?」

 

何が起きたのかわからずにいる彼女の目には、飛ばした彼が銃撃を受け‥力尽きていた。

 

雪「誰!」

 

慌てて我に返り体制を立て直して89式の銃口を銃弾の飛来方向に向ける。そこには‥

 

「まさか始末しそこねてたとは‥」

 

雪「あんた‥何‥(腕の腕章を見て)って聞かなくてもわかるか‥」

 

「そうね、あなたの予想で合ってるわよ」

 

雪「さっき‥始末しそこねたって言ってたけど‥

この人のいた部隊殺ったの‥」

 

「‥‥、そうよ‥」

 

雪「っ!(安全装置を解除)どうして‥!」

 

彼女の声には悲しみと怒り、両方が混じっているのが伝わってくる。家族を殺された‥それはかなりの衝撃だろう‥。

 

「簡単よ‥邪魔だったから‥」

 

雪「そう安安と!人の家族殺しといて!」

 

目に涙を浮かべながらトリガーを引く、直後発砲、放たれた鉛玉は磁石のように彼女に吸い寄せられ‥当たると思われていた。

 

雪「っ!?」

 

しかし彼女は弾丸が見えてるかのように素早く避けて遮蔽物に隠れる。そして自身もM9で応戦してくる。

雪も素早く机を遮蔽物にして隠れる。

 

雪「まるで見えてるみたいな動き‥」

 

マガジンをリロードし再び狙いをつける。しかしどこにも姿がない。

 

雪「‥いない‥!?」

 

慌てて探そうとしたとき

 

ゴン!

 

雪「っあ‥」

 

横からタックルをくらい銃を弾き飛ばしてしまう。そのまま雪にタックルした反動を利用、思っきり蹴り飛ばす

 

雪「ふぐっ‥!」

 

派手に飛ばされた雪はそのまま事務室から出て棚に叩きつけられる。

 

ガシャァァン!!

 

雪「ガハ‥!!」

 

叩きつけられた際の衝撃に顔をしかめる。何とか体制を立て直そうと起き上がるが‥

 

「っと!(ガスッ」

 

雪「‥‥ぁ‥」

 

止めと言わんばかりに腹部に強烈な痛みを入れられ、気を失ってしまう。

 

「まあいいわ、あなたにも聞かれてしまったから始末しよ」

 

そう言って銃口を向けようとしたとき‥

 

ガシャ!

 

「!?」

 

どこからか弾丸が飛んできて拳銃にピンポイントに命中

そのままの勢いで貫通して壁に弾が突き刺さる。

被弾した拳銃は粉々に砕け散る。

 

「対物か‥」

 

痺れる手を抑えつつ飛んできた方向を睨み付ける。

その先には売り物のコンクリブロックを台にして狙撃銃で狙いをつけた美紀の姿が

 

美紀「圭!」

 

圭「わかった!」

 

美紀の合図で、遮蔽物から飛び出てアサルトライフルを乱射する。邪魔がさらに入ったことに舌打ちした彼女だったが反撃する武器が壊れさたこともあり撤収していく。

 

圭「逃げられた‥!」

 

美紀「それより!雪さんの手当て!」

 

逃したことにしびれを切らす圭だったが美紀の指示で雪に駆け寄る。

 

圭「雪さん!」

 

美紀「しっかりしてください!」

 

ーーーー

 

 

 

 




家族を殺された憎しみ、そして悲しみ、怒り 
それは計り知れないものでしょう。
危機的状況を美紀と圭によって何とか事なきをえた雪
そして‥動き出す‥物語


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第十四話 悲しみ 決意

前回、雪の父を殺したランダルスパイと遭遇
戦闘になるも瀕死に追い込まれた雪
その場は何とか美紀と圭のコンビの活躍により事なきをえた‥


雪「‥ん‥」

 

カーテンの間から差し込む日差しによって目が覚めた雪

もぞもぞしながらゆっくり起き上がろうとする。

 

雪「いっ‥!」

 

まだ傷が癒えてないのか、少し辛そうにしつつも起き上がり、周りをゆっくりと見ると見慣れた寝室(資料室)が目に入る。周りの人はもう起きているのか布団はたとんであった。

視線を横に向けるとずっと看病してくれてたのだろう

椅子に座りながらうたた寝をする美紀の姿が

 

雪「‥‥確か‥あのとき‥‥ランダルの女に‥やられかけて‥それで‥」

 

少しボーっとする頭を何とか回転させつつ、昨日の出来事を思い出そうとする。しばらくすると扉が空いて由紀が入ってくる。

 

由紀「あっ!ゆーちゃん目を覚してる!」

 

そう言ってドタバタしつつみんなを呼びに行く。由紀の走る音で美紀も目を覚ます。

 

美紀「先輩‥静か‥」

 

いつものように由紀にツッコミを入れようとしかけたが‥起きがってる雪を見て呆然となる。

 

雪「あっ‥起こしちゃった‥?」

 

美紀「雪さん!(ギュッ)」

 

自然と溢れ出る涙を抑えられず雪に抱きつく。いきなり抱きつかれたことに一瞬戸惑ったが、やさしく撫でる。

 

美紀「良かった‥本当に‥良かった‥です‥ヒッグ‥エッグ」

 

雪「ごめんね‥心配かけちゃって‥」

 

美紀「本当です‥よ‥もう‥無茶‥はだめ‥です‥」

 

その後由紀の話を聞いて駆けつけてきた他のメンバーも入ってくる。

 

日野「雪!大丈夫か!?」

 

慈「良かった‥‥(ホッ」

 

悠里「雪さん!」

 

瑠璃「ゆーねぇ!(ムギュ」

 

胡桃「全く‥無茶しやがって‥」

 

圭「怪我は大丈夫ですか!?」

 

雪「みんな‥‥」

 

一同心配してたのだろう、普段見ないような安堵の表情を浮かべている。みんなと一言二言話して、ここまでの経緯を聞く。

 

圭「あのあと‥美紀があの人の拳銃破壊して

私が追撃かけたら退散していって‥

でも音で奴らがよってきたから急いで車に担ぎ混んで

ここまで帰ってきました。」

 

雪「なる‥ほど」

 

美紀「それより怪我の具合はどうですか?」

 

雪「まだ‥少し痛むかな‥でも少しすれば大丈夫」

 

胡桃「まあでもしばらくは安静してていいぞ

見張りとかは私と日野でも回せる」

 

日野「あぁ、しばらくは回復に専念しててくれ」

 

雪「ありがと‥」

 

慈「それと‥、雪さんと相対した人について何か‥」

 

一通り話を終えたあと慈が本題を切り出す。

それに少し考え込んで口を開く。

 

雪「腕の腕章からして‥ランダル関係のやつだけど‥

動きが尋常じゃない‥」

 

日野「あの運動神経が飛び抜けた雪を倒すほど‥

想像できねぇ‥」

 

胡桃「そうなのか?」

 

日野「あぁ、いっとくが雪は訓練学校では男どころか教官相手でもめっぽう強かったんだ‥それを簡単にいなすとは‥」

 

雪「うん‥、私を助けてくれた自衛隊員の隊を壊滅點せるほど‥やってみて納得したよ‥あたしじゃ叶わないって‥。圭と美紀に助けられなかったら‥今頃この世には‥父さんと同じ運命たどってたかも‥」

 

話していくうちに涙声になっていくのが肌で感じていた。まあ無理もない、家族の一人を殺され自身も生死の間をさまよったのだから‥ 

 

雪「ごめん‥しばらく‥一人にしてくれない‥?」

 

日野「‥わかった‥、でも一人で抱え込むなよ」

 

そう言ってそれぞれが一声かけて部屋から出ていく。そしてみんなが出ていったあと‥  

 

雪「っ!」

 

彼女はあふれる涙を抑えることができずに泣いた‥

今まで泣くことは多少なりとはあった‥しかし、ここまで泣いたのは初めてだった‥。

 

 

雪とわかれたあと、生徒会室に一同は集まっていた。しかし今回の件があるのか気まずい雰囲気が漂っていた。

 

胡桃「許せねぇ‥」

 

最初にその空気を破ったのは胡桃

 

胡桃「雪をあそこまでズタボロにしやがって‥絶対許せないよな‥」

 

美紀「私も同感です。それに‥、自社が起こしたミスを抹消するためにって理由も‥」

 

圭「今度こそ‥絶対に逃さない!」

 

悠里「一度教育し直す必要がありますね‥」 

 

瑠璃「うん!」

 

日野「亡くなった自衛隊員のためにも‥!」

 

慈「私も‥です!」

 

太郎丸「ワン!」

 

ここで決意した、雪を苦しめた、いや仲間を苦しめたやつは絶対に許さない。そう確信したのであった。

 

慈「とりあえず、お昼ごはんにしましょうか」

 

日野「今日はなんだ〜?」

 

悠里「スパゲティよ〜」

 

瑠璃「わあい♪」

 

由紀「じゃあ私がゆーちゃんに持っていく」

 

美紀「私が持っていきます先輩」

 

圭「まあまあ(汗)」

 

胡桃「相変わらず騒がしいな、まあそれが一番か」

 

太郎丸「わふぅ」

 

 

雪「グスッ‥」

 

あれから数分後、ようやく涙が収まりタオルで吹きつつ

あることを思う。

 

雪「父さん‥私‥決めた。みんなを守れるように強くなる。もう、弱い自分とはお別れするよ‥」

 

雪「だから‥安心して眠って‥」

 

彼女の心の決意‥、それは今までの自分とケリをつけるためのセリフであった。

 

ガラガラ

 

由紀「ゆーちゃん♪ご飯持ってきたよ」

 

美紀「スパゲティですけど‥食べれますか?」

 

雪「大丈夫♪スパゲティ好きだから♪」

 

ご飯を持ってきてくれたのだろう、扉が開いて由紀と美紀が入ってくる。そんな二人にいつもと変らない笑顔で返す。

 

由紀「本当〜?じゃあ仲間だ〜」

 

雪「そうね〜」

 

美紀「もう‥二人とも」 

 

楽しそうに話す由紀と湯月を見つつ、少しため息をつくもその顔は笑顔になっていた。かくして学園生活部ではいつもと変らない日常が戻っていたのであった。

 




何とか復活することができた雪
まだ完全回復まではいかないものの少しずつだが前進していくのであった‥。


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第十五話 コタツ 動き出すもう一つの影

今回はコタツ回です 
コタツっていいですよねぇ〜


徐々に寒くなってき始めた10月、紅葉の季節となり

学校周辺も彩りを見せていた。そんな中学園生活部では

 

由紀「ぁぁ〜‥」

 

瑠璃「暖かい〜」

 

圭「わかるぅ‥」 

 

雪「こうゆうのも‥悪くないのぉ‥」 

 

コタツに入りぬくぬくとしている由紀、瑠璃、圭、雪の四人の姿が。既に今から溶けるのかってぐらいグテェとなっている。

 

胡桃「まさかここまで評判いいとは‥(汗)」

 

美紀「なんとなくコタツ最初に入るメンバーは察してましたが‥雪さんまで‥(汗)」

 

雪「だって暖かいんだから〜‥」

 

日野「お前そんなキャラだっけ‥?」

 

悠里「あらあら〜」

 

そんなグテェとしている四人を座りつつ暖かいココアやコーヒーを飲みながら眺めている胡桃、日野、悠里、美紀。そんなほんわかな雰囲気の中、見回りに行っていた慈が戻ってきた。

 

慈「ただいま〜」

 

胡桃「おっめぐねぇおかえり」 

 

慈「バリケードの方異常はなかったですよ〜」

 

日野「見回りありがとうございます。」

 

悠里「ココアかコーヒー、どっちにします?」

 

慈「じゃあココアで」

 

悠里に頼みながら席に座り、多少リラックスしつつコタツの四人を見る。

 

慈「あら、賑やかなコタツねぇ」

 

美紀「そうですかね‥(汗)」

 

由紀「めぐねぇもおいでよ〜」

 

慈「今は大丈夫だから、またお邪魔するわ」

 

圭「ふぁい〜」

 

最近は太陽が出ている日が多いため、蓄電池にも電気がかなり溜まっているため前よりかは電気に困ることはなくなっていた。そのためこうやってコタツなども使えるようになったのであった。

 

日野「そういえば、雪。怪我の方はどうだ?」

 

雪「んぁ〜?まあけっこう良くなった

これからは見回りとかも行けるかも」

 

胡桃「戦力復活だな」

 

雪「休んだ分はバリバリ働くわよ〜」

 

そうこうしているうちにお昼になり、今日は屋上菜園で取れた野菜を使い鍋料理となっていた。

 

一同「「じゃあいただきます〜!!」」

 

部屋全体に元気な声が響き渡る

 

由紀「んふぅ〜、暖かくてホカホカ〜」

 

瑠璃「美味しい〜(モグモグ)」

 

圭・美紀「「ハム‥美味しい(おいひ〜)‥!」」

 

悠里「フフ、喜んでくれてよかったわ」

 

他愛もない雑談を交わしながらご飯を食していく。

 

慈「そういえば紅葉が終われば冬ですねぇ」 

 

ご飯を食べつつカレンダーを見てふと思い出す。

 

日野「そうなると雪の季節かぁ‥」

 

雪「私達の車、スタッドレスタイヤ履いてないんだよねぇ‥。履いたとしても今までみたいに遠くに行けないかも」

 

胡桃「言われてみりゃそうだな‥、となると今のうちに探索しとかないと行けないかも」

 

悠里「でも食料は地下倉庫のやつがあるから大丈夫として‥、やっぱりバリケードの修理用とかの材料とかもっとほしいわね‥」

 

雪「前のときは邪魔入ってあんまり集められなかったからなぁ‥」

 

美紀「それが今後の課題でしょうか」

 

日野「だな」

 

慈「じゃあひとまず今後の方針をここで決めちゃいましょう」

 

慈がそうゆうとご飯を食べつつ一同の視線が集まる。

視線が集まったことを確認しつつ口を開く。

 

慈「これからは雪の季節になっていくので、そうなると探索に出れない可能性もあります

なので動けるうちに手分けして集めましょう」

 

由紀「はあい〜!」

 

圭「了解です!」

 

瑠璃「るーも頑張る!」

 

雪「じゃご飯食べたら早速準備しないとね!」

 

ーー

太平洋神奈川沖

アメリカ海軍横須賀所属第七艦隊

 

パンデミック発生直後から太平洋に展開している第七艦隊は現在何とか機能している横須賀米基地を拠点として情報収集にあたっていた。そしてその中でも強襲揚陸艦であるワプス艦内にある作戦司令室では‥

 

「ンで、どうして俺たちを呼んだのですか?

司令」

 

司令用の席に座っている男性に疑問を投げかける少年

アメリカ軍ではかなり珍しいアジア系出身で黒髪のショート。背中には愛銃であろうウィンチェスターM1887ショットガンを背負っており、腰にはデザートイーグル10インチバレルがケースに入っている。

その彼の隣には同い年なのか、黒髪セミロングで紫の瞳で整った顔立ち、年相応の容姿をした少女が立っており

腕には救護班のマークが。

 

「実は少し前、巡ヶ丘市に現地調査に行っていた自衛隊のレンジャー部隊が消息不明になっているんだ。」

 

「不明?奴らにやられたのではなく?」

 

「いや、最後の無線では何者かの人物に襲撃を受けたという報告が入っている。そして救助に行ったヘリも途絶したことから間違いないだろう」

 

「それだけで俺が呼ばれるわけではなさそうですね」

 

「御名答、そのレンジャー隊は感染特定のために駐屯地に派遣されていた。それらの通信が途絶したとすれば‥」

 

「‥何者かが妨害しているってことかァ‥」

 

「さすがはアメリカ軍の精鋭、なかなか鋭いな

つまりだ。君達には消息をたったレンジャー隊の捜索、そしてなぜ襲撃を受けたのか‥調査をお願いしたい」

 

「別に俺は構いませんが‥大丈夫なんスッか?それ」

 

「もちろん、我々もやれるだけ努力する

これ以上、戦力を損耗しないように原因を探りたいんだ。そして‥なぜ妨害してきたのか」

 

しばらくの沈黙が続いたが、少年が口を開く

 

「わかりました‥俺がァやりましょう。他にする人がいるとは思えないですし」

 

「私も賛成です。マサルがいくなら私も行かないわけにはいきません」 

 

「大丈夫かァ?けっこうキツイかもしんねェぞ?」

 

「何いってんの、そんなん今まで嫌ってほど戦場で経験してきたじゃない。」

 

「んまァ言われてみりゃそうだな」

 

「協力に感謝するよ‥。黒田隊長、狭山衛生兵」

 




今回はイギーさんから許可をいただき、
彼のがっこうぐらし!二次創作から黒田君と狭山さんを登場させていただきました!
イギーさん、本当にありがとうございます!


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第十六話 恋

今回は日常回
そして恋もあります()


紅葉の季節になりつつあるある日、ある道を走行している見慣れた3台の車,その車内では楽しそうな会話が聞こえてくる。

 

由紀「楽しみだなぁ〜」

 

セレナの助手席で鼻歌を歌っている由紀、隣で運転している雪も少しだが嬉しそうだ。

 

美紀「まさか、こんな日が来るとは思ってもいませんでした」

 

後部座席からは美紀と圭が顔を覗かせる。

 

胡桃「私もだぜ、もうこうゆう機会ないとばかり思っていましたし」

 

圭「うんうん♪」

 

瑠璃「るーも楽しみ〜」

 

悠里「みんな楽しそうね」

 

慈「悠里さんも楽しそうですよ♪」

 

雪「そうゆう慈さんだって」

 

日野「お前もな、雪」

 

太郎丸「ワン!」

 

みんな別れて乗車しているも、無線機を通じで他愛もない雑談をしている。それもそのはず、今日は慈の提案で服とかを買いに行こうという話になったのだ。

 

慈「少しでも楽しく過ごせたらいいなっと思って企画したの、みんな喜んでくれてよかったわ」

 

由紀「ありがとう!めぐねぇ」

 

慈「もう、めぐねぇじゃなくて佐倉先生でしょ?」

 

胡桃「でもめぐねぇには本当に感謝だよ

お陰で楽しい一日になりそうだ」

 

そう言ってるうちに目的地の服屋に到着、ここの服屋には様々な服があることを慈が知っていてなおかつ学校から近いことを考えて決めたのであった。

 

由紀「着いたぁ!」

 

胡桃「ぱっと見いないようだけど確実に中にいるなぁ」

 

日野「まっ全員銃持ちなんだから塊で来られなければなんとかなるよ」

 

雪「とりま中の制圧をして、入口にバリケード作ってから選びますか」

 

圭「ですね」

 

準備を終えた一同は店内に足を踏み入れ、先に外から入ってこられないように即席バリケードを作り、その間に他のメンバーが室内を確認する。

 

雪「全然いないね‥」

 

胡桃「だな‥、服屋だから多少いると思ったんだが‥」

 

圭「でも弾の消費抑えられたから結果オーライかな?」

 

そうして見回りを終え、裏口なども塞いでから戻る

 

雪「ただいま〜特にはいなかったよ」

 

日野「おっそうか、それなら大丈夫そうだな」

 

丁度バリケードを作り終えたのか、声をかけるとすぐ振り向いてくれる。

 

日野「んじゃこっからは自由に服を選んでくれ

俺はあっちの男性用の方見てくるから」

 

雪「ほいほい、たぶんこっちのほうが時間かかるかも」

 

日野「ほいほい〜」

 

そうして女性組と日野は一旦別れそれぞれの服を選びに行くのであった。

 

ー女性組ー

 

由紀「おぉ〜、たくさんある〜」

 

雪「胡桃〜、これとかどうかな?」

 

胡桃「いいんじゃねぇか、似合ってるし」

 

瑠璃「りーねぇこれどうかな?」

 

悠里「うんうん♪いいわよ」

 

圭「美紀〜、これとかいいんじゃない〜?」

 

美紀「うぅん(汗)ちょっと派手かな?」

 

慈「ほむほむ‥」

 

やはり久しぶりのオシャレなのか、女子トークが弾んでいた。そんな中胡桃の視線に一つのコーナーが目に映る

 

胡桃「水着‥か‥」

 

そこは水着コーナーがあり多種多様な水着が揃っていた。そんな水着を見てると、他のメンツも来る。

 

慈「そういえば‥今年の夏はあんまり遊べなかったわねぇ‥」

 

雪「それどころじゃなかったから‥、これがなければ今年も海行こうと思ってたし」

 

圭「ですねぇ‥」

 

由紀「それならさ!みんなで改めて楽しもうよ!」

 

みんながしんみりしてると突然由紀が謎の提案をしてくる。

 

美紀「先輩‥今冬ですよ‥それに外は迂闊に歩けないですし‥」

 

由紀「違う違う、そうじゃなくてさ♪」

 

悠里「由紀ちゃんどうゆうこと?」

 

慈「あっ!」

 

由紀の言ってることがよくわからないため首をかしげる一同であったが、慈が何か思い出す。

 

慈「もしかして地下区域の大浴場のこと?」

 

由紀「そう!あそこならみんなで泳げるから」

 

胡桃「おっ、確かに。今日は冴えてるな由紀」

 

由紀「えへへ〜」

 

瑠璃「じゃあ決まりだね〜」

 

雪「じゃあそのこと日野に伝えてくるね」

 

話がまとまったことを確認し、雪は日野にこのことを伝えるために無線機を取り出す。

 

雪「日野〜、ちょっと話が」

 

日野「なんだ?」

 

雪「(経緯を説明中)‥ということでさ」

 

日野「あね、理解。つまり水着用意してくれってやつか

 

雪「そうそう」

 

日野「わかった、じゃあいいヤツ探してくるわ」

 

雪「ほい〜」

 

そう言って会話を終えて無線機をしまうと背後から視線を感じる。

 

圭「今まで思ってたんですけど‥、雪さんと日野さんってどんな関係なんですか?」

 

瑠璃「気になる〜」

 

雪「どんな関係って‥、別に友達みたいな関係だけど‥」

 

胡桃「本当か〜?」

 

雪「本当ですよ」

 

由紀「もしかしてひー君のこと好きなの〜?」

 

雪「っ!?////」

 

予想外の相手からのどストレートな質問を受け、一瞬で顔が真っ赤になる。

 

雪「ちっちが‥///別にあいつなんか‥//」

 

悠里「あらあら〜、顔が赤いわよ〜」

 

雪「悠里さん!?//」

 

美紀「確かに、顔、赤いですね」

 

雪「美紀さんも!?///」

慈「フフ」

 

雪「あぅぅ‥///」

みんなからのもうアタックをくらい頭がパンク、湯気が出そうなほど真っ赤になる。

 

雪「とっとにかく///そうゆうのはないから‥!///」

 

女性陣「「えぇ〜」」

 

雪「ほっほら!///早く選ぼ!//」

 

なんとかゴリ押しでその場を凌ぎ水着選びに入ることに成功、少し不満そうにしながらも女性陣も楽しく喋りながら選んでいた。

 

雪「‥//(そういえば‥あいつに水着姿が見せたことないね‥///)」

 

水着を選びつつ、日野のことを考えてるとさらに恥ずかしすなっていく。

 

雪「って‥何やってるんだろ‥私///」

 

慌てて首をふりつつ忘れようとするが何故か忘れられない。むしろ思う気持ちが強くなっていくのであった。 

 

雪「‥///(こんな気持ち‥///初めてかも‥//)」

 

ーーー

 

ショッピングを楽しんだ由紀達は服をまとめて、日野と合流。車に積み込む。

 

雪「‥‥」 

 

積み込みつつふと日野の方をチラ見する。日野は服の積み込みつつ雑談を交わしていた。

 

圭「意外と服少ないですね〜」 

 

日野「そこまでオシャレは意識しないからなぁ」

 

胡桃「まあそんな感じはしてたぜ〜」

 

今までは日野が他の女性と話していてもそこまで気にしなかったが何故はあの時から、気になっていた。  

 

雪「なんだろう‥この気持ち‥」

 

感じたことのない気持ちに胸に手を当てて考え込んでいるのであった。

 

 

 




あら〜^^
雪の恋が芽生えちゃいましたね()
これは楽しみです


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第十七話 つかの間の休息 告白。

今回は水着回じゃ()
乙女がはしゃぐ姿をご堪能下さい()


地下区域、大浴場にて‥

 

日野「‥えっと‥」

 

地下の大浴場にて、海パン水姿の日野が大浴場の浴槽に溜めているお湯の量や温度を確かめている。ちなみに浴場にはプールの雰囲気を味わうためか夏っぽい雰囲気が味わえそうなものが飾られている。

 

日野「こんくらいでいいかな‥?」

 

あらかた確認したあと入口に視線を映し

 

日野「そろそろいいぞ〜」

 

と声をかけると、少しして水着姿の由紀達が入ってくる。

 

由紀「よぉし!泳ぐぞ〜」

 

圭「ひゃっほー!最高だぜぇ!」

 

瑠璃「わあい!」

 

胡桃「へへ!」

 

太郎丸「ワン!」

 

悠里「あらあら、走ったら危ないわよ〜」

 

美紀「圭もはしゃぎすぎです‥」

 

慈「日野さん、お湯とかの調整ありがとうございます」

 

日野「いえいえ、これくらい大丈夫ですよ」

 

そうこうしているうちに由紀と圭、瑠璃と胡桃は大浴槽にダイブする。

 

由紀「プハーッ!気持ちいい」

 

圭「喰らえ先輩〜(お湯をかける)」

 

由紀「わわっ!やったな〜(かけ返す)」

 

瑠璃「るーも混ざる〜(ザブザブ)」

 

胡桃「私も賛成だぜぇ!(ザバァ!)」

 

先に入った四人は楽しそうに水かけをしあいながら遊んでいる。その様子を縁に腰かけて浸かりながら悠里と美紀、慈と日野

 

美紀「圭まではしゃいじゃって‥」

 

悠里「いいじゃない〜、楽しそうですし」

 

美紀「まあそれもそうですね‥」

 

日野「ここまではっちゃけたのも久しぶりだな」

 

慈「そうですねぇ(しみじみ)」

 

少し話をしたあと四人は後ろの脱衣場入口振り向く。

 

日野「んで、雪はいつまでそこでコソコソしてるんだ?」

 

 

雪「いや‥だって‥///その‥//」

脱衣場から顔だけを出し少し恥ずかしそうにしている雪が覗き込む。

 

雪「こんな水着‥///着たこと‥ないから‥///」

 

美紀「大丈夫ですよ、みんなで選んだんですから」

 

悠里「それにアピールチャンスじゃないかしら〜」

 

雪「っ〜!!!///」

 

日野「アピールってなんのことだ?」

 

みんなが言ってることがよくわからないため、首を傾げつつ疑問を口にする日野。その間にも慈が雪のところにゆき

 

慈「ほらほら、そんなところですと風邪ひきますよ〜(腕を引っ張る)」

 

雪「ちょ慈さん///」

 

引っ張られたことでようやく出てくる雪。日野の目には

ピンクと赤のビキニ水着が目に入った。

 

雪「どっどうかな‥///」

 

顔を赤くしつつ、すこし顔を下向きになっているものの

日野にどうか聞く

 

日野「おっおう、すげぇ似合ってるぞ

なんか別人を見てるみたいだしさらに美人になったねぇ」

 

雪「はぅ///(プシュー)」

 

日野のトドメと言わんばかりの言葉についに雪の脳の思考回路がパンクしてしまう。

 

日野「ん?」

 

美紀「日野さん鈍感過ぎです」

 

日野「なんでや」

 

日野と美紀がなんやかんや言い合ってると

 

由紀「みんなも泳ごうよ〜」

 

胡桃「楽しいぜ〜」

 

圭「美紀も早く早く〜」

 

瑠璃「お姉ちゃんも来て〜」

 

美紀「今行きます〜」

 

慈「今日ははしゃいじゃうわよ〜」

 

悠里「うふふ〜」

 

日野「ほら、雪も行くぞ(無意識に手を握る)」

 

雪「ふぇ?//うっうん//」

 

日野「ん?どうした?」

 

雪「なっ何でもないよ‥//(鈍感過ぎよ‥バカ‥//)」

 

こうして一同は今日一日はしゃぎまくっていたのだった。こうゆう日があまりない分みんないつも以上の笑顔になっていた。

 

由紀「それぇ!(ザバァ)」

 

日野「うおっと!やったなぁ(ザバァ)」

 

由紀「わぁ〜」

 

胡桃「りーさん隙あり!(水鉄砲)」

 

悠里「甘い!(交わす)」

 

瑠璃「喰らえ〜」

 

圭「よっと!(ザバァ)」

 

美紀「わわっ(避ける)」

 

雪「ほらほら!(ザバァ)」

 

慈「キャ〜」

 

太郎丸「ワン?」

 

 

 

 

日野「疲れたなぁ‥」

 

少し疲れたので縁に座って休憩中の日野、他のメンバーはまだ楽しそうに遊んでいる。

 

日野「楽しそうで何よりだ‥」

 

と、そんなことを思ってると 

 

雪「隣‥いいかな?」

 

声をかけられ、そちらに視線を移すと同じく休憩しに来たのか、雪の姿が

 

日野「いいぞ」

 

雪「あっありがとう‥//」

 

そう言って隣にちょこんと座る雪、ふと日野の顔を見つめる。

 

雪「‥‥(今までは隣に座っても特に気にならなかった‥//けど‥今はどうしょうもないくらい胸がドキドキする‥//)」

 

雪「‥大好き‥//(ボソ)」

 

ふと雪が零した独り言は周りの声にかき消されたのである‥。

 

ーランダル巡ヶ丘支社ー

 

パンデミックの被害の発生源で在るランダル支社

ここも荒廃しているが入口などにはバリケードなどが引かれ誰かがいるかのような雰囲気をかもしだしていた。

 

そんな中の一部屋、通信設備が入ってるところに一人の女性が

 

「なるほど、君が始末したレンジャー隊の家族らしき人と交戦したと、そうゆうことだな?雪菜君」

 

通信の相手から雪菜と言われた女性はランダルの精鋭スパイ浅野雪菜。例のワクチンにより運動能力が飛躍的に上昇、そしてレンジャー隊を壊滅させ、雪を追い詰めた張本人である。

 

雪菜「はい、見られたからには始末しようとしましたが、瀕死に追い込んだタイミングで邪魔が入って 拳銃を壊されたので撤退しました。」

 

「ふむ、なるほどな。状況はだいたい理解した。

ひとまずはしばらく情報収集に徹してくれ

例の部隊が来るまで」

 

雪菜「わかりました」

 

そして通信を終えて夜空を見上げる。

 

雪菜「今度こそ‥トドメをさしてあげる‥」

 

そういった彼女の口は不気味に微笑んでいたのであった。

 

ー視点は戻り、巡ヶ丘学院地下区域大浴場ー

 

まだ湯気が漂う中、雪はひとり静かに縁に座っていた。しばらくすると扉が開いて日野が顔を出す。

 

雪「ごめんね、忙しいときに来てもらって」 

 

日野「大丈夫だよ、胡桃達がやってくれてるから」

 

そう少し話してから雪は日野に向き直す。

 

日野「それで‥、話ってなんだ?」

 

雪「えっと‥ね//実は‥//」

 

少し顔を赤くしつつも決心した表情で顔をあげる。そして

 

雪「実はね‥//私日野ことが好きなの‥//」

 

日野「へ?」

 

想定外だったのか、拍子抜けたような表情になった。

 

雪「いつからはわからない‥//けどいつの間にか日野のことを意識し始めちゃって‥//どうしょうもないくらい胸のドキドキが止まらなくて‥//」

 

雪「だから‥さ//付き合ってくれないかな‥?//」

 

まさか自分が、しかも雪からそんなことを言われるとは思ってなかったため少しフリーズしていた日野だが、ハッと我に還る。

 

日野「ったく‥、そんなことを雪に言われたら断れねぇだろ‥//(ポリポリ)」

 

雪「じゃあ‥//」

 

日野「あぁ‥//こんな俺でいいなら‥よろしくな//」

 

雪「うん‥//」 

こうして二人は抱き合いながら熱いファーストキスを交わしたのであった‥。




いやぁ、ついにカップリング成立しましたかぁ
いいっすねぇ^^
ちなみに雪を瀕死に追い込んだスパイが登場しましたね

浅野雪菜
歳 20歳 
特徴 運動能力などが異様に高い
愛銃 M9サプレッサー付き
職業 ランダル社スパイ
かなりの手慣れ


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第十八話 接触

今回はある人たちとの接触です
誰かはなんとなくわかるかも


荒廃した町並みを背にして走る見慣れたセレナ

そのハンドルを握っているのは慈、本来なら今日は雪が運転する感じになっているのだが‥その本人はというと

 

胡桃「どこまで行ったんだ!?(グイグイ)」 

 

美紀「教えて下さい!(グイグイ)」

 

雪「えっえっと//その//」

 

絶賛胡桃と美紀に質問攻めにあっていた。というのもあの告白を偶然かいなか由紀に見られ、そこから全員に広がっていった模様。別の方の探索にいっている日野も恐らく悠里や由紀などから質問攻めにあってると思われる 

もちろん今回は留守番組の圭と瑠璃からもたっぷり聞かれた。

 

胡桃「きっキスとかやったのか!?」

 

雪「うにゅぅ‥//」

 

美紀「あっ雪さんがかわいい小動物みたいに」

 

慈「ふたりともそのへんにしてあげなさい(汗)」

 

あまりにも可愛そうだったのか慈がストップをかけたことでようやく止まる。地獄の聴取から解放された雪はまだ顔を赤くしつつも慈にお礼をいう。

 

雪「ありがとうございます‥///」

 

慈「いえいえ(汗)いろいろ大変でしたねぇ」

 

雪「はい‥///(汗)」

 

そうこうしているうちに目的地である家電量販店に到着する。パッと中を見てみると奴らが何体かいるがそこまで多くはない。

 

雪「じゃあ中の制圧ついでに探索しますか」

 

慈「そうですね、蓄電池とかもう少し欲しいですし」

 

胡桃「あと発電機もほしいよな

日野達が燃料探してくれてるし、ある程度冬に備えておきたいから」

 

美紀「寒い中電気使えないのは致命的ですからね(汗)」

 

雪「だねぇ、じゃ探索しようか〜」

 

そう言って四人は建物内に入っていくのであった。

 

ー同時刻、巡ヶ丘駐屯地ではー

 

黒田「そうゆうことかァ‥」

 

亡くなっている自衛隊員を見つつ、なぜ通信が途絶えたのか、納得する。

 

「黒田隊長、こちらもやはり何者かに銃撃を受けたあとが」

 

「こちらもです隊長」

 

小春「屋上のやつも」

 

他のところを見に行っていた狭山達も同様のことを彼に伝える。

 

黒田「上の予想があたったなァ、やっぱり誰かが阻止ィしてるんだこれ」

 

「しかし‥なぜこのようなことを?」

 

黒田「何か見られては不味いィもんがあるんだよォ」

 

一通り見て回ったあと、メンバーに振り向く

 

黒田「とりあえず一旦帰って報告するぞ

これは何かァありそうだ」

 

外のヘリポートでは一機のヘリが待機していた。運転席にはパイロットが一人、その近くには見張りの兵士がいる。

 

「しっかし‥静かすぎて不気味だな‥」

 

周囲をキョロキョロしつつそう溢す。奴らの声が全く聞こえず。聞こえるとすれば小鳥のさえずりぐらいだ。

 

「逆に気味悪いぜ‥全く‥。これじゃま‥「パァァァ!!」!?」

 

突如として駐屯地入口に放置されていた車の盗難アラームが作動、周辺に音が響き渡る。

 

「なっなんだ!?」

 

「くっそ!このタイミングで誤作動か!ちょっと止めてくる!」

 

もちろん見張りの兵士も気づいて急いで止めようと車に近づく。

 

「鍵はかかってるか!なら窓ガラス割ってボンネットあけ‥(ガシッ)ん?」

 

鍵が開いてないため、窓ガラスをわろうとすると誰かが彼の肩を掴む。

 

「誰‥(振り向く)‥‥ぁ」

 

振り向いた直後真っ青になる。それもそのはず、そこにいるのは奴ら、しかも一体だけではなくカナリの数

 

「うぁぁぁぁ!!!!!!!!??来るなぁァァァ!!」

 

頭がパニックになり掴んでいた奴らを蹴りて飛ばして銃を乱射する。しかし音でよってきた奴らが周りにいつの間にか‥

 

「嫌だァァァァ!!死にたくなぃィィ!!」

 

必死で倒すが徐々に迫られ完全に掴まり押し倒される。まるで獲物を見つけたかのような猛獣のように次々と噛みかかる。

 

「ァァァァァ!!!ァァァァァ!!」

 

最初は必死に抵抗していたが徐々に声が途絶え、最後には動いていた手が止まる。

 

「おい!大丈‥!?」

 

先程の叫び声を聞いたのか慌ててパイロットが駆けつけるが、群がっている奴らを見て顔が固まる。

 

「くっそ!この数はやばい!急いで知らせないと‥!」

 

目が合った直後慌ててその場を離れて無線機を取り出す

‥が、死角から飛び出てきた奴らに襲いかかられ、無線機が用水路に滑り落ちる。

 

「しまっ!」

 

無線機に気を取られていると、見張りの兵士を食べていた奴らがいつの間にかこちらに来ていた。

 

「ひっ!?」

 

先程の食事では足りないかのような雰囲気を出しつつ

再び襲いかかる。

 

「うぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ーーー

 

美紀「ん?」

 

積み込みが終わり撤収しようとしたとき、美紀がある音に反応する。

 

美紀「盗難アラームがなってますね‥」

 

胡桃「ん?確かに、言われてみれば‥」

 

慈「誤作動でしょうか‥」 

 

雪「いや‥これは‥」

 

直後上空に緊急を要する発煙弾があげられる。

 

雪「間違いない!誰かいるんだ!」

 

胡桃「生存者か!とりあえず行ってみよう!」

 

美紀「わかりました!」

 

慈「車出します!」

 

発煙弾を確認したあと、慌てて車に乗り込み、発煙弾が上げられている場所に向かう。 

 

ーー

 

「やめろぉぉぉぉ!!!!(グシャリ!)」

 

小春「あっ‥あぁ‥」

 

あの盗難アラームによりよってきた奴らが室内にまで押しかけてきていた。一同はなんとか反撃をするが一人また一人と喰われていく。

 

小春「うっ‥」

 

幾度の過酷な戦場とはまた違う地獄、しかも人が人を喰らうというむごい現状に意識が朦朧とする。それを狙ってか部屋から一人出てきて襲いかかる。

 

「危ない!」

 

隊員が気づき彼女を庇う、しかしかみどころが悪くそのまま倒れてしまう。それを無造作に捕食する奴ら。

 

小春「あっ‥あぁ‥」

 

理琉「小春!しっかりしろ!」

 

彼女の異変に気づいたのか、理琉が下がらせる。彼も部下を失ったショックはあるのだが、首をふって我を保つ。

 

小春「理琉‥」

 

理琉「安心しろ‥お前は俺が守る‥!」

 

体が震えている小春を見つつ愛銃のウィンチェスターM1887を構える。

 

理琉「さァ!死にたいやつからかかってきな!」

 

パァァァン!

 

そう理琉が放った直後、頭上を何が通過目の前にいたやつの頭が突然砕け散り、無造作に倒れ込む。しかもその後ろにいた何体もの奴らも同様に

 

小春「‥ふぇ?」

 

理琉「この音はァ‥狙撃銃か‥」

 

理琉達がいる建物の横の見張り台には先程、キレイなヘッドショットをかました美紀の姿が‥

 

美紀「正面あらかた排除しました!先輩!雪さん!」

 

胡桃「了解!」

 

雪「任せなさい!」

 

美紀が発砲した直後、理琉達がいる二階に89式を持った雪とシャベルを持った胡桃が二人の前に現れる。

 

理琉「!?」

 

小春「あなた達は?」

 

雪「話はあと!今はここから出ましょう!」

 

胡桃「雪!死角の掩護任せた!」

 

そう言って胡桃は奴らに突っ込んでいき、片っ端から奴らを倒していく。死角から奴らが襲おうとしたが、それは雪によって阻止されていったのであった。

 

小春「凄い‥」

 

理琉「あァ‥」

 

二人もその連携プレーには呆気を取られていた。警察の服を着ている雪の技量はなんとか説明がつく。

しかし、明らかに高校生の胡桃の動きには説明がつかない。とは言っても遅れをとるまいと理琉は背後から迫る奴らを処理していっていた。

 

雪「こっちです!」

 

奴らの大群を倒し足り避けつつ、裏口に四人は出る。直後目の前に一台の警察車両が滑り込む。

 

胡桃「あの車に乗って!」

 

理琉「おっおう、お前も早く!」

 

小春「うん!」

 

滑り込みで乗りのんだ直後、それを確認した美紀が運転席の慈に合図をかける。

 

美紀「車出して!」

 

慈「オッケー!」

 

美紀の合図で慈がアクセル一杯に加速、追いかけてきた奴らをおいてゆくかのように駐屯地から脱出することに成功したのであった‥。

 

ーー

 

一同「「ふぅ‥」」

 

なんとか一番を切り抜けたことで気が緩んだのか、同じタイミングで一息つく。

 

理琉「ありがとうなァ、危ないところ助けてくれて」

 

小春「ありがとうございます!(一礼)」

 

雪「いえいえ、困ってる人はほっとけませんから〜、

あっ私湯月雪って言います。元巡ヶ丘警察の訓練生で、学園生活部に入ってるの」

 

胡桃「恵飛須沢胡桃、巡ヶ丘学院高校で雪と同じ学園生活部に入ってる!よろしくな!」

 

美紀「同じく学園生活部で二年生の直樹美紀って言います!」

 

慈「巡ヶ丘学院の国語教師で学園生活部顧問の佐倉慈です。」

 

理琉「アメリカ陸軍特殊作戦群指揮官、黒田だ。」

 

小春「同じく特殊作戦群救護班の狭山といいます

ところで学園生活部っていうのは‥?」

 

慈「かんたんに言えば、目的を持つための部活かしら

何が目標があれば毎日を少しは明るく過ごせるって考えて」 

 

理琉「まあ、それはいい発想ですね

この状況下だと目標がないと精神持たないッスからねえ」

 

慈の説明に納得の表情を浮かべる二人、その間にも車は学校へ向かう。

 

小春「ところでそちらには何人ほどいるのですか?」

 

雪「私達覗いたら五人かな

紹介はついてからおいおいするよ。ついでにこの銃のことも、たぶん気になってるでしょうから」

 

理琉「おっ、察しが良くて助かるよ」

 

ーー

 

ときは戻り、雪達が駐屯地から脱出したとき

向かいの建物から観察する人影が

 

雪菜「ちっ‥、また邪魔が入った‥」

 

恐らく理琉達の排除に来たのだろう、しかし雪達が助け出し作戦が失敗したことに苛立ちを見せる。

 

雪菜「やっぱり排除しないといけないわね‥

邪魔で仕方ない‥」

 

そして彼女は車の行く先を見つつ予想する。

 

雪菜「ここからなら‥生活できる施設があるとすれば‥(何かを見つけ)‥あそこか‥」 

 

悪巧みを考えてる笑みを浮かべつつ見つめた先には巡ヶ丘学院の校舎があったのだった‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ついに雪菜が学園生活部の拠点を見つけてしまいました‥どうなっちゃうのでしょうか‥?


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第十九話 リターン戦

無事に救出され、
巡ヶ丘学院に合流した二人
そして雪菜とのリターン戦も


あのあと、学校に案内された小春と理琉は四人に案内されて生徒会室に向かう。丁度日野達も戻ってきていたため自己紹介、そして経緯を話す。 

 

日野「なるほどね‥、行方がわからなくなったレンジャー隊の捜索に来ていたら突然車の防犯ブザーがなって

奴らが押し寄せてきて、危うくやられそうになったと」

 

理琉「そんなところだ‥部下もほとんどやられ‥残ったのは俺とこの狭山だけってことだな」

 

圭「大変でしたね‥」

 

小春「そうねぇ‥、戦場よりも辛かったわ‥」

 

そう話しながら、ため息をはく小春。彼女の疲労具合からみても相当キツかったというのが見て取れる。

 

悠里「とりあえず何か飲む?」

 

理琉「あぁ、そうさせてもらうよ。俺はコー匕ーで」

 

小春「私は紅茶で〜」

 

悠里「了解、雪さん。地下からお菓子持ってきてくれないかしら?」 

 

雪「わかった、とってくるよ(席を立つ)」

 

そう言って一言話して、部屋をあとにする雪。見送ったあと由紀が声をあげる。

 

由紀「そういえば二人って年いくつなの?」

 

それを聞いた理琉と小春は顔を見合わせて笑みを浮かべる。

 

理琉「聞いて驚けよぉ」

 

小春「私達の年齢は‥」

 

ーー

地下一階食料倉庫

 

雪「おっ、あったあった」

 

その頃地下にいる雪は倉庫からお菓子の袋を探し、取り出そうとしていた。

 

雪「よっと‥、じゃあこれを‥(ガチャン)‥っ!」

 

お菓子を持って帰ろうとしたとき扉が開く音が聞こえ

顔をあげる。それもそのはず、地下には雪以外いないので扉が開く音など不自然

 

雪「‥‥(SFP9を太もものホルダーから取り出し)」

 

拳銃を構えつつ、ゆっくりと通路に顔を出す。そして誰もいないことを確認しつつ扉が開いている部屋にゆっくりと近づく。

 

雪「‥(チラッ)」

 

覗いた場所は、機械制御室、中には誰か立っている。しかもどこかで見たことあるうな雰囲気

 

雪「動かないで!」

 

何かをしようとしていたのが見えたので素早く飛び出し銃口を向ける。

 

雪菜「‥‥あら‥、その声は‥」

 

相手もこちらに気づいたのか、両手を上げつつこちらに振り向く。

 

雪「やっぱり‥、ここで何してたの?」

 

雪菜「‥秘密よ‥、まあ正直に話しても逃してはくれないでしょうけど‥」

 

雪「そりゃそうでしょう‥、でも抵抗しなかったら痛くはしないわよ」

 

雪菜「ふっ‥、それができればね‥(素早く煙幕展開)」

 

雪「っ!(見えない‥)」

 

煙幕で視界が取られ、慌てて周囲を警戒する雪。それでも一瞬の隙をついて一気に接近してくる。

 

雪菜「遅い‥!」

 

雪「やばっ!」

 

ー少しして‥生徒会室ー

 

日野「まさか二人が年下だったとは‥」

 

胡桃「私も驚いたぜ‥、同じ歳で軍にいるなんて‥」

 

美紀「私も信じられませんよ‥先輩方が軍にいるなんて‥」

 

慈「私も想像できませんでしだ‥」

 

由紀「すごいよ〜」

 

理琉「まあ、よく言われるよ」

 

小春「えへへ〜」

 

二人が18歳だということに驚きつつ、話し込んでいると悠里がふと気づく。

 

悠里「あら?そういえば、雪さん戻ってくるの遅いわね」

 

瑠璃「ホントだ〜」

 

圭「珍しいですね、雪先輩がなかなか戻ってこないの」

 

胡桃「じゃあ私が見てくるよ」

 

日野「そうゆうことなら俺も行くよ、どうせどれ持っていくか悩んでるだろうし」

 

そう言ってシャベルと20小銃を持って、生徒会室をあとにする二人。

 

日野「とりあえず迎えに行くか、たぶんどれにするか迷ってるんだろうし」

 

胡桃「だな。そうゆうのは彼氏がしっかり迎えに行かねぇと」

 

ーー

 

雪菜「ふん!(ドス!)」

 

雪「おらぁ!(ドス!)」

 

銃を弾き飛ばされたため、近接戦闘に持ち込む雪。元々武術は父から教わっていたため、雪菜の攻撃をいなしつつやり返す。

 

雪菜「‥(前より動きが鋭い‥)ゴッ!」

 

雪「‥隙あり!(パンチ)」

 

雪菜「っ!?(ドゴ)」

 

少し考えていた隙を疲れ雪に痛いストレートパンチを喰らわせられる雪菜。なんとかブロックしたものの、反動で部屋から出されてしまう。

 

雪菜「くそっ‥!」

 

雪「言ったでしょ?余計な感情なければここまでやれるもの」

 

再び構えの体制に入る雪、なんとか体制を立て直しつつ雪菜も迎撃体制になる。

 

雪菜「面白いじゃない‥、あなた」

 

 

ーー

 

胡桃「でさ〜、それで由紀がりーさんに見つかってお説教受けちゃってさぁ」

 

日野「そいつは由紀も災難だったな」

 

雑談をしつつ降りていると、地下一階入口にたどり着く。そのまま中に入ろうとすると‥

 

ガァァァン!

 

静寂さを貫く音が響き渡ってくる。それも普通じゃないほど

‥、

 

胡桃「っ!?日野!」

 

日野「あぁ!」

 

ただ事じゃないことを感じ取った二人は素早く戦闘体制に入り、音した場所に駆けつける。

 

日野「雪!」

 

雪「ふたりとも!?」

 

二人を見て驚きの声を上げる雪、そして彼女と相対している一人の女性も確認できる。

 

日野「動くな!そこのやつ!(20小銃を構える)」

 

雪菜「っち‥新手か、不服だが‥銃がない今相手にするのは得策じゃないな‥」 

 

胡桃「お前はなにもんだ!(シャベルを構えて)」

 

雪菜「ふん、答える必要はない(閃光弾展開)」

 

三人「!?(慌てて何かで閃光を防ぐ)」

 

辺り一帯が閃光弾の光に包まれていってしまう。それから数秒後‥ようやく視界が晴れる。

 

雪「‥みんな‥大丈夫?」

 

日野「なんとかなぁ‥」

 

胡桃「びっくりしたぜ‥」

 

未だ少しクラクラする頭を抑えつつ、周囲を見渡しあることに気づく。

 

日野「そういえば、あいつどこいった?」

 

胡桃「え?あっほんとだ!?いない!」

 

雪「逃げられた‥!(悔しそうに)」

 

その後、とりあえず怪我がないかを確認したあと目的のお菓子を持って生徒会室に戻り、みんなに経緯を話すのであった。そしてひとまずは、地下に行くときは単独行動をしないということになった。

 

ーー

 

雪「え!?二人とも18歳なの!?」

 

小春「やっぱそうなるよね‥(汗)」

 

当然二人が年下ということに雪も驚かないはずもなく

前のめりになって聞いてくる。

 

雪「そっそれで軍に入ってたの!?」

 

理琉「まあ、ちょっといろいろあって軍に入ることになったんだ。それからずっと、狭山とは入ってから知り合ったんだ。」 

 

小春「うんうん♪」

 

雪「凄い‥‥(呆気にとられる)」

 

理琉「というかここだけの話、雪のこと自己紹介されるまで中学生だと思ってたよ」   

 

雪「はい!?」

 

小春「私も、警察手帳とか見せてもらうまで同じこと思ってたわ。身長とかあまり高くないし」 

 

由紀「私も〜」

 

雪「グサ(ダメージ)」

 

悠里「奇遇ねぇ〜、私もなの〜」

 

瑠璃「るーも!」

 

雪「グサグサ(ダブルダメージ)」

 

圭「失礼ながら私も‥」

 

雪「グサッ(ダメージ)」

 

美紀「実は私も‥」

 

雪「グサッ(ダメージ)」

 

慈「私もぉ‥」

 

雪「グサッ(ダメージ)」

 

胡桃「まあ‥あたしもかな‥」

 

雪「グサッ(フルコンボだドン!!)」

 

みんなからの追い打ち攻撃で、完全に燃焼した雪はそのまま机に突っ伏す。それを静かに肩に手を置く日野であった。 

 

 

 

雪「うぅ‥酷い目にあった‥」

 

涙目になりつつ、悄げている雪。何気に自身のコンプレックスである身長などはわかっていたがここまで言われるとは思っていなかったようだ。

 

雪「身長が高くないのはわかっていたけど‥(チラッ)」

 

そうブツブツ言いながら悠里の豊富な胸部装甲をチラ見する。

 

雪「そこで高校生に負けるのはなぁ‥」

 

ため息を零しつつ、渋々紅茶を飲んでいる。今は雑談を済ませ、男性組と女性組に別れてシャワーを浴びに行っているところだ。そして女性組が終わったので男性組が今洗いに行っているところ。

 

雪「しっかし‥あいつ‥」

 

そうこしているとふと雪菜のことを思い出す。地下区域で何をしようとしていたのかは不明だが一体何を企んでいるのか‥。今回はたまたま彼女に見られ、そして日野と胡桃にも見られたため阻止できたものの‥。

 

雪「どうにかしないとねぇ‥」

 

そうこぼして窓から外を見る。既に夕方になっており太陽が傾きつつあるといった感じだ。  

 

雪「っと、そろそろ夕飯しなきゃ」

 

思い出したかのように立ち上がり、簡易キッチンへ足を運ぶのでであった。

 

雪「悠里さん、手伝います」

 

悠里「あら、助かるわ。じゃあそこの材料お願いできるかしら?」

 

雪「ほいほい〜」

 

いつもと変わらず、賑やかな日常が訪れる学園生活部

新たな仲間、そして希望。それを胸に今日も生きていく。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回の雪菜との戦闘は、雪の活躍や、日野、胡桃の加勢により事なきを得ました。
しかしなぜ雪菜はここに訪れたのでしょうか‥ 
謎が深まります‥


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第二十話 現実

今回は少し短めです


理琉と小春が合流してからは、バリケード構築が早いスピードで、更に強力なのが作れるようになった。

 

胡桃「黒田〜、そこの板持ってきて」

 

理琉「あいよ〜、えっとあそこの板か」 

 

由紀「はい♪(渡す)」

 

理琉「おっ、サンキュー」   

 

由紀「えへへ〜」

 

こうしている間にも各所のバリケードを徐々に強化していく。こうすれば見回りの負担も減るため、かなり楽になるということだ。

 

小春「黒田、これどこに置けばいい?」

 

理琉「じゃあそこに置いといてくれ」

 

小春「了解〜」

 

雪「日野〜、ちょっとここ手伝って」

 

日野「あいよ〜」 

 

前々から集めてきた材料を使用してちょっとのことじゃ崩れないように調節する。

 

 

慈「じゃあそろそろ休憩しましょうか」

 

胡桃「おっ、そうだな〜」

 

由紀「休憩〜、休める」

 

雪「疲れた〜、日野。癒やして」

 

日野「へいへい(汗)(ナデナデ)」 

 

雪「ん〜♪」

 

彼女に言われるまま撫でると、嬉しそうに肩によりかかる。

 

胡桃「もう、本当のカップルになったな〜」 

 

由紀「雪さん嬉しそう〜」

 

理琉「小動物見てぇだな」

 

慈「あらあら〜」

 

そうこうして、休憩を終えると再びバリケード構築にかかる。一日をほぼ使い各所のバリケードを強化することができ、また一階の教室の一部の窓も封鎖。前よりもさらに侵入されるところを減らす。

 

雪「疲れた〜」

 

圭「お疲れ様〜」

 

美紀「けっこうかかりましたねぇ」

 

瑠璃「おつかれ〜」 

 

小春「夕飯できてるわよ〜」

 

日野「腹減った〜‥」

 

胡桃「あぁ‥」

 

理琉「さっさと食べようぜ」

 

由紀「じゃあいっただきま~す(モグモグ)」

 

悠里「あら♪由紀ちゃん早いわね〜」

 

こうしていつもと変わらず、夕飯を囲んで食べる学園生活部。理琉と小春も任務に出てからまともな食事のため

美味しそうに食べる。

 

理琉「うむ、なかなか美味しいなぁ(モグモグ)」

 

小春「だねぇ(モグモグ)」

 

由紀・瑠璃「「おかわり〜」」

 

慈「もう食べたの(汗)」

 

悠里「ゆっくりかんで食べるのよ〜?」

 

日野「うめぇ」

 

胡桃「りーさんの料理は最高だぜ」

 

雪「ん〜♪(モグモグ)」

 

ーーー

 

そしてよる‥、みんなが寝静まった時間帯、屋上には二人の人影が、

 

日野「そうか‥、そっちも把握できてないのか」

 

理琉「あぁ‥、世界各国も同様の出来事が発生している、もちろん‥日本全国でも‥な」

 

やはり日野の思ったおとり、この出来事は世界各国でも発生。どの国もその対処で精一杯で助けを出す余裕がないということ。

 

理琉「俺達アメリカ軍は世界各国に展開してたから、それぞれの国にいた部隊はそこの救助を手伝うように指示が出されてたんだ。」

 

日野「だろうな‥、そういえば君が来る前にいた艦隊との連絡は‥」

 

理琉「難しいな‥ここだと外部との連絡ができん‥

たぶん無線の通信用の中継地点がやられてるんだろう‥」

 

理琉達が来た艦隊への通信に多少の希望は持ったが、現実は甘くないということを改めて実感させられた。

 

理琉「まあぁ‥ずっとは続くことはないと思うが‥

いつかは治療薬が出てくると思うがなぁ‥」

 

日野「今はそれにかけるしかないだろう‥

それまでなんとか頑張るしかないな‥」

 

ーーー

 

理琉とわかれ、何か飲もうと生徒会室に向かっていくと

扉が少し開いてランタンの光がこぼれていた。  

 

雪「あっ、日野」

 

中に入ると、ココアを飲みつつ休憩していた雪が出迎える。机には拳銃があることからこれから見回りに行くのだろう。

 

日野「見回りか?」

 

雪「うん、本当は少し寝てから行こうって思ったんだけど‥寝つけなくて‥」

 

そう言いつつ、ココアを入れて日野に渡す。彼はそれを受け取って隣りに座り飲む。

 

雪「日野こそ何してたの?」

 

日野「ん?俺は黒田と話ししてた」

 

雪「ふぅん(飲む)」

 

二人は飲みつつ、少々無言になる。静かな部屋にはコップを置く音が響いていた。

 

日野「この先どうなるのやら‥」

 

誰に言ったわけでもない、日野が零したセリフに雪が見上げる。

 

雪「大丈夫‥、この先何かあってもみんながいるから‥」

 

そう言ってる彼女は、ランタンの光に照らされいつもより輝いていた。

 

日野「だな‥、俺たちもしっかし頑張らないと」

 

 

 

 



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第二十一話 発見

日野「こっちでいいのか?」

 

圭「みたいですね、このまままっすぐ行けばいいみたいです」 

 

紅葉が落ちていく中、国道を走る日野のクラウン

そこには日野と圭、胡桃が乗車している。

 

胡桃「そういえば今回の目的ってなんだ?」

 

後部座席に座ってた胡桃が乗り出す。

 

日野「まあ蓄電池の回収だな、今の数だとまだ足りないからもう少し集めておきたいんだ」

 

圭「それに発電機の部品もいりますからねぇ」

 

胡桃「なるほどなぁ、確かにこれから外出できなくなることを考えたらそのほうがいいな」

 

そうこうしているうちに目的の建物に到着、車内から外の様子を確認する。

 

日野「ぱっと見て‥少々いるな‥」

 

圭「でもこの数ならうまいこと処理できそうですね」

 

胡桃「まずは周辺の制圧だな」

 

愛用の武器を持ちつつ、車外に出る三人。奴らはまだ気づいていないのかのそのそ歩いていた。

 

胡桃「じゃあさっさと制圧しますか!」

 

圭「はい!」

 

日野「だな」

 

 

パァン!

 

グシャァ!

 

胡桃「やれやれ、ようやく制圧できた‥」

 

日野「思った以上に数が多かったな」

 

圭「どっから湧いて来たんでしょうか‥」

 

愚痴をこぼしつつ、建物内に入り中の確認をする。

 

圭「中はいませんねこれ」

 

日野「あぁ、多分これ中にいたやつが出てきたやつだろうな」

 

胡桃「あぁ‥言える」

 

誰もいないことを確認すると三人は発電機の部品や燃料、蓄電池の回収を行う。

 

日野「なかなか重たいなこれ‥(持ち上げ)」

 

胡桃「だな‥(汗)」

 

圭「部品もけっこう重たいですぅ‥」

 

一つ一つ慎重に運びつつ、車に積み込んでいく。そんなさなか、圭がある部屋を見つける。

 

圭「ん?」

 

その部屋の扉には重要書類保管庫と書かれ、関係者以外立入禁止とあった。

 

圭「なんだろう‥これ」

 

首をかしげつつ見ていると、日野と胡桃もやってきて気づく。

 

日野「む?なんだこれ」

 

胡桃「すごい怪しいな‥」

 

しばらくその扉を見つめたあと、三人は入ってみることに、

 

日野「‥(ソロぉ‥)」

 

構えつつこっそり侵入、誰もいないことと罠がないことを入念に確認する。

 

圭「こっちは異常なし」

 

胡桃「こっちもだ」

 

日野「了解、しっかしこれは‥(キョロキョロ)」

 

二人の返事を聞きつつ、部屋を見渡すと多数の銃火器が並んでいた。すでに誰がとったあとだろうか、何個かないところがあるがまあ許容範囲だ。

 

圭「ここもランダルの支援された建物みたいです(落ちてた書類を見つつ)」

 

胡桃「というかこれ手に入れるためにどんだけ資金使ったんだろうな‥(汗)」

 

日野「まあ、かなり大きい会社だからなぁ‥」

 

とりあえず持って行けそうな武器と多めの弾薬を拝借することに、

 

日野「むっ、軽機関銃あるのか。ラッシュのときとか良さそうだな(運ぶ)」

 

圭「けっこう弾薬ありますねぇ、これならしばらくは安泰かも(ダンボールに詰める)」

 

胡桃「っと、予備パーツも持っていこう」

 

そしてそうこうしているうちに、積み込み作業が終わる。

 

日野「しっかしまさかの収穫があるとはな‥

まあ、結果オーライだからいいか‥」

 

圭「なんか最近学校が要塞になりつつあるんだけど〜‥(汗)」

 

胡桃「あぁ〜、それはわかる(汗)」

 

そんなことを話しつつ、学校に戻るのであった

 

 

 

 

 

 



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第二十二話盗賊

今回はすこしR 18手前まで行くかも


由紀「今日は寒いねぇ〜‥(コタツぬくぬく)」

 

小春「そうだねぇ‥(ぬくぬく)」

 

学園生活部ではあまりの寒さに耐えきれず、コタツでぬくぬくしている由紀と小春。

 

理琉「おいおいィ二人共ぉ、今から溶けますってレベルくらいだらけてるぜ?」

 

小春「だってぇ〜‥、温かいんだもん〜」

 

由紀「そうだよ〜‥」

 

日野「まあ電気使用量はまだまだ余裕あるし、こうゆう日もあっていいんじゃないか?」

 

慈「そうねぇ〜」

 

瑠璃「私も入る〜(ポス)」 

 

悠里「あらあら♪」

 

圭「皆さん楽しそうですね〜」

 

そんなこんな雑談をしていると理琉がふと思い出す。

 

理琉「そういやぁ、三人は外部に調達しにいったんだよな?」

 

慈「えぇ、もう少し蓄電池がほしいのと太陽光パネルも回収してもらおうかと思って‥‥」

 

 

ーその頃‥ー

 

荒廃した町中を雪の運転するセレナが放置車両などを避けつつ走っている。

 

胡桃「いいよなぁ‥あいつらコタツでぬくぬくできて〜」

 

美紀「そんな喋る暇あるならこれ手伝ってくださいよ先輩(地図を見つつ)」

 

胡桃「ったく〜、後輩は人使いが荒いなぁ〜」

 

美紀「む?先輩それはどうゆ「よし、やるかぁ」全く‥(ため息)」

 

雪「あはは‥(汗)」

 

そんなことを話してるうちに、前学校から見えた太陽光パネルのある敷地に到着する。

 

美紀「見た感じいなさそうですね」

 

胡桃「だな、ここなら視界もクリアだからしっかり見てれば大丈夫そうだな」

 

雪「というわけで〜、まずは配電設備を落としてから回収しますか」

 

二人「了解〜」

 

 

そんな三人をすこし離れた建物から見つめる六人の影が‥

 

「久々の生存者だな」 

 

「あぁ、しかも女か‥こりゃいいねぇ」

 

「でも銃持ってるぜ?」

 

「どうせモデルガンだよ、それにもしあれがそうでも

素人相手ならすぐに制圧できる。」

 

「だが念の為に分散したところを制圧するか、」

 

「あぁ、まずはあの赤髪のやつを抑えよう

残る二人は学生だ。すぐに抑えられるだろ」

 

雪「っとと‥(載せる)」

 

配電設備の停止をしたあと雪は二人が外した太陽光パネルを車に積み込んでいた。 

 

雪「さてと‥あと一枚かな?早く終わらせよ」

 

そんなことをぼやきながら二人のもとへ向かおうとしたとき、

 

「動くな」

 

「‥!?」

 

突如頭に銃口を突きつけられる、チラッと視線を向けるとそこには厳つそうな男が複数名確認できる。

 

「大声出すと頭吹き飛ぶぜ‥?(カチャリ)」

 

「‥‥(ちっ‥いつの間に‥)」

 

「おら、両手を上げろ。武器持ってるかもしれねぇし」

 

「はいはい‥(両手を上げる)」

 

「なんだ、意外と大人しいじゃねぇか」

 

「よし、こっちは俺たち3人にまかせてあっちを頼む」

 

「「了解!」」

 

そう言って残りの三人は胡桃達の方角へ向かう。

 

「‥‥(まずいこのままじゃ‥)」

 

流石の雪も多少焦りを感じてしまう。しかし武器は車の中においており相手の隙もなさそうで、抵抗する方法がない、

 

「さてと‥チェックするかなぁ(ニヤニヤ)」

 

「ちょ‥何その顔‥気味‥ひゃ!?///」

 

顔の不気味さに嫌気を感じた瞬間、無造作に胸を掴まれる。

 

「武器持ってるかも知んねぇからなぁ(モミモミ)」

 

「あぁ(隅々まで触る)」

 

「んっ‥///ん‥///」

 

胸などもさわられまくられ、声を漏らしつつ力が抜けそうになるのを堪える。

 

「ヘヘ、久々に女の体触ったぜ‥!」

 

「俺にも触らせろよな」

 

「俺にもな」

 

抵抗したい、だがいますれば間違いなく返り討ちにあう。そんなことを思いつつなんとか耐えつつ隙を見る。

 

「へぇ‥けっこう耐えるじゃねぇかじゃあ次は‥(パァンパァン!)何だ!?」

 

雪「今だ‥!///」

 

「しま‥(ズガ!」

 

突如として響き渡った発砲音に気を取られた隙に、きつい一撃を加える。他の二人が気づくまえに車の中の89式を取り出し構える。

 

「クソ!やられた‥!」 

 

「あんなもん、どうせエアガンだ!(警官から奪ったマグナムやMP5を構える)」

 

雪「‥これがエアガンだと思う?」

 

「へっ、一般人がそんな銃持ってるはずがないだろ」

 

雪「じゃあ、試してみようかしら‥(安全装置を解除)」

 

「どうせエアガンだ!そんな脅しに怯むな!かかれ!」 

 

「「おう!」」 

 

リーダー格の男の指示で二人が雪に襲いかかる。だが‥

 

雪「‥吹っ飛びなさい‥!(パパパン!)」

 

「「ガハッ‥!?」」

 

銃口から放たれた銃弾はまっすぐ二人の頭にヘッドショット、そのまま二人はマグナムを撃ち返す暇もなくその場に倒れる。

 

「‥は?」

 

あまりの出来事にさっきまで威勢が良かったリーダー格の男の表情が固まる。そして

 

「うァァァ!!!!」

 

絶叫を響かせつつ雪にむかってMP5を乱射する。しかしそれを何事もないように交わす雪

 

カチカチ

 

「クソ!クソ!弾切れかよ!あっ‥」

 

しかし乱射していればいずれ弾はなくなる。あっという間に弾倉がからになり弾がでなくなる。

それにより我に帰ったがすでに遅し、視線の先には銃口をこちらへ向けている雪の姿が‥

 

「ひっ‥」

 

「人の体触りまくっておまけに仲間をに危険な目に合わした報い‥受けますよね?(カチャ)」

 

「待っ待て!それは謝る‥!だか‥(パァン)ドサッ」

 

何かを言いかけたようだが、それは雪がトリガーを引いたことで止まってしまった‥。

 

「‥‥はぁ‥(銃を下ろす)「「雪(さん)!」」」

 

銃を下ろすタイミングで胡桃と美紀が戻ってくる。

 

「二人共‥無事だったんだ‥良かった。あれ?そっちに行った野郎達は?」

 

「あぁ、威嚇で銃発砲したらひびって逃げていったんだが、音でよってきた奴らに捕食されてた」

 

「案外チョロかったですね」

 

二人にパッと見た感じ怪我はなそうだ。

 

「それより雪さんは大丈夫なのですか?」

 

「あぁ〜‥、触られたけど、二人の威嚇射撃で怯んだ隙に、ご退場願った」

 

「あぁ〜‥」

 

雪の背後に倒れてる三人をみて、胡桃と美紀は察する。

その三人を見ずに雪が話を続ける。

 

「とりあえずあら手が来るかもしれないからずらかりましょう」 

 

「そうだな‥音で奴らが来てるだろうし」

 

「ですね」

 

そう言って、三人は車に乗り込み、その場をあとにするのであった‥。残された三人の盗賊の死体は音でよってきた奴らに捕食されるのであった‥。



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第二十三話 年明け

今回からしばらく日常回になります!
一時の癒やしをご堪能ください。


今年は珍しく年明けに雪が積もっている中、学園生活部はいつもとはすこし違う日常を過ごしていた。

 

由紀「それじゃ♪改めて!新年あけましておめでとうございます!」

 

一同「「おめでとうございます!!」」

 

生徒会室には一同の元気な声が響き渡り、食卓には地下で見つけたステーキなどの肉料理が並んでいた。

 

悠里「今日は奮発しちゃいました〜♪」 

 

慈「しっかり食べてね〜」

 

瑠璃「はあい〜」

 

雪「それじゃいただきます〜」

 

一同「「いただきます〜♪」」

 

合唱をし、それぞれ思い思いに肉を頬張る。

 

日野「うめえ〜、久々の肉料理だ!(モグモグ)」

 

理琉「向こうでいたときよりも豪華だぜェ(モグモグ)」

 

小春「ん〜♪ほっぺが溶けそう〜♪(モグモグ)」

 

雪「それ同感〜♪(モグモグ)」

 

胡桃「美味しい!口が留まらないぜ‥♪(モグモグ)」

 

由紀「食べやすい味〜♪(モグモグ)」

 

圭「美紀〜、これ美味しいね〜♪」

 

美紀「だね♪(モグモグ)」

 

瑠璃「美味しい♪(モグモグ)」

 

太郎丸「ワン!(モグモグ)」

 

悠里「我ながらいい味だわ〜(モグモグ)」

 

慈「はい〜♪(モグモグ)」

 

久々に肉を食べたためみんなの笑顔がより一層に

深まる。それから食べつつ今までのことを振り返る。

 

日野「しっかしこうやって年を越せるなんて

思わなかったぜ」

 

慈「確かに‥最初はそんな余裕なかったもの

ですからねぇ‥」

 

胡桃「それに、生き残れるかも怪しかったからなぁ‥」

 

由紀「でも!胡桃ちゃんとひー君が頑張ってくれたから生き残れたんだよ♪」

慈「最初の頃は二人が頑張ってましたものねぇ♪」

 

胡桃「ヘヘ♪なんか照れるなぁ〜」

 

日野「だなぁ♪」

 

悠里「それに雪さんにるーちゃんを救ってくれたこと 本当に感謝していますわ‥♪(頭を下げる)」

 

瑠璃「りーねぇに会わせてくれてありがとう♪」 

 

雪「いやぁ‥、警察官としての職務を全うしただけだよ(汗)」

 

美紀「いえ、誇っていいはずですよ、それに私の親友の圭も助けてくださり‥本当に感謝です‥

(頭を下げる)」

 

圭「私!もし雪さんたちに出会わなかったら‥、美紀と会えなかったかもしれません‥だから‥!

(頭を下げる)」

 

雪「いやはや‥こんなに言われると照れますな‥///」

 

理琉「っとなると俺たちは学園生活部のお前らにお礼をしないとな。あの危機的状況を救ってくれて感謝だ、

軍人が民間人に助けられるというのはすこし情けないが‥」

 

小春「でも♪あなた達のお蔭で今の私達がある。だからありがとね♪」

 

由紀「いいよー!これからもよろしくね!」

 

 

それから年明けの朝食を済ませると、探索に出た際に見つけたゲー厶機で一日満喫していた。

 

理琉「っとと‥ゲームなんていつぶりだろうな‥(ピコピコ)」

 

小春「そっち行ったよ!(ピコピコ)」

 

ちなみになんのゲームをやってるのかというとB○4というFPSゲーム、今はそのチー厶戦をしている。

 

由紀「隙あり!めぐねぇ!(ピコピコ)」

 

慈「はぅ!?しまった‥!(ピコピコ)」

 

胡桃「りーさん!いざ勝負!(ピコピコ)」

 

悠里「あら?好戦的じゃない♪るーちゃん掩護

お願いね?(ピコピコ)」

 

瑠璃「任せるのだ♪(ピコピコ)」

 

美紀「日野さん!そっち側のカバーよろしくです!

(ピコピコ)」

 

日野「うっし!任された!(ピコピコ)」

 

雪「ここは一点突破で行くよ!(ピコピコ)」

 

圭「はい!(ピコピコ)」

 

太郎丸「わふぅ?」

 

久々のゲームなのでみんな熱くなり、もはやガチンコ勝負になりつつあった。しかしそれでもみんなの顔は笑顔に包まれていた。

 

ー同時刻‥巡ヶ丘市内某所ー

 

そんな楽しそうな学園生活部とは裏腹に某所にある建物内では、おもくるしい雰囲気に包まれていた。

 

雪菜「来てくれて感謝するわ」

 

テーブルの前に立つ雪菜の周囲には重武装な服装を身に着けたランダル支社の軍が6人ほど確認できた。

 

雪菜「既に聞いてると思うけど、近いうちに巡ヶ丘学院を制圧、そこにいる生存者を始末するわ」

 

彼女の言葉に反対するものはおらず、一同は頷きながら作戦を聞いていた。

 

雪菜「理由はあそこの地下施設のワクチンを見られたこと。そしてあれだとマニュアルも見られてる。もし彼女達が保護されればうちらの失態が露見することになる。だからそうなる前に始末するのよ。」

 

雪菜「とりあえず二人はそれぞれヘリの操縦役

私と残りの四人で校内を制圧する。いいわね?」

 

「「はっ!」」

 

雪菜「作戦開始日は前日に伝える。それまでは各自準備を進めておいてね。」

 

そして解散の指示を出すと、集まっていた隊員が散らばっていく。それを確認しつつ外の景色に視線を移す。

 

ー待ってなさいよ‥、今度こそ終わりにしてあげるー

 

そんな彼女の顔は不気味な笑顔に包まれていたのであった‥。

 

 

 




無事に年をあけることができた学園生活部 
しかしその裏ではなにか巨大な影が動きつつあります。
一体どうなるのか‥


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第二十四話最後の平穏

今回は冬にちなんだ回
そして少し、日野と雪のイチャラブ場面もあります()


今日も何事もなく平和に過ごしている学園生活部、だが今日はちょっと違うようだ。

 

由紀「わぁぁ‥♪」

 

窓の外の景色を見て目を輝かせる由紀と太郎丸、それもそのはず。そとの景色に視線を向けるとあたり一面真っ白の銀世界に包まれていたのだ。そう、今日は巡ヶ丘市の歴史では初めてであろう大雪が降っていたのだ。

 

圭「けっこう積もってますねぇ‥(外を見つつ)」

 

日野「道理でくそ寒いと思ったよ‥」

 

慈「いつぶりでしょうか‥‥こんな雪」

 

胡桃「私は初めて見たぜ‥」

 

美紀「私も‥」

 

雪「東京も、ここまで積もらなかったしなぁ‥」

 

瑠璃「りーねぇ見てみて!雪雪♪」

 

悠里「ふふ‥♪そうねぇ♪」

 

理琉「俺モはじめテェ経験したゾ」

 

小春「私は何度か雪は見たことあるけど、ここまで降ったのは初めてかなぁ」

 

由紀以外のメンバーもそれぞれ思い思いに述べつつ、ストーブの暖房が聞いた生徒会室で外の景色を眺めていた。

 

由紀「こんな日がずっと続けばいいな‥」

 

ーーー

ーー

 

胡桃「おりゃ!(雪玉を投げる)」

 

日野「ふっ!そんな攻げ‥ブベラ!?

(キボウノハナー)」

 

美紀「日野さん隙ありすぎです」

 

圭「雪さん!行くよ!(投げる)」

 

雪「どんと来い!(投げ返す)」

 

理琉「オラオラ!必殺弾幕投げ!」

 

悠里「あら〜、そんな攻撃当たらないわよ〜(ひらりと避ける)」

 

瑠璃「それぇ!(投げる)」

 

小春「おっと〜♪やったねぇ〜♪(投げ返す)」

 

由紀「めぐねぇくらぇ〜♪(投げる)」

 

慈「はわわ!?(避ける)」

 

太郎丸「わん!」

 

屋上ではにぎやかな声とともに、一同が楽しく雪合戦を楽しんでいた。現在、校庭には奴らの姿はないが安全な屋上でのほうが、安心できるということで屋上ですることに。

 

由紀「おりゃ!」

 

雪「っとと!(避け)」

 

日野「仕返‥(ヒット)なんだよぉ‥けっこう当たるんじゃねぇか‥ヘヘ」

 

美紀「私の精度なめないで下さい」

 

圭「ナイス!美紀!」

 

悠里「胡桃さん!(勢いよく投げる)」

 

胡桃「甘い!(シャベルで防ぐ)」

 

慈「私だって!」

 

瑠璃「よぉし♪ゆーねぇ一緒に頑張ろう〜」

 

由紀「もちろん!めぐねぇ覚悟!」

 

理琉「俺の攻撃を避けれるかァ?(連撃)」

 

小春「私だって〜!(連撃)」

 

そんなこんなで今日一日にぎやかな声が響き渡って

いた。実際ここまではっちゃけたのはかなり久しぶり、

一同は思いっきり楽しんでいたのであった‥。

 

 

それから夕方‥地下浴場,女風呂にて

 

雪「ふぅ〜、今日は楽しかったねぇ〜」

 

しっかり楽しんだあと、冷えた体を暖めるために大浴場でゆったりしていた。

 

小春「ですねぇ〜♪ここまで楽しんだのも初めてかもしれないです〜」

 

圭「それは同感です〜‥(ぬくぬく)」

 

美紀「むしろ、こんなことの起こる前の日常だと、体験できなかったかもしれないですね‥」

 

悠里「そうねぇ〜」

 

今日の雪合戦についていろいろ話していると‥

 

胡桃「にしても‥めぐねぇって胸大きいよね?

(ニヤニヤ)」

 

慈「ちょ‥!?恵飛須沢さん!?」

 

圭「確かに〜、この中ではダントツですねぇ〜」

 

美紀「悠里先輩もなかなかですが‥やはり先生もかなりありますね〜」

 

由紀「それに胸ってお湯に浮くんだ〜」

 

慈「ちょっ!?丈槍さんまで!?」

 

雪「ちょっと羨ましい‥」

 

小春「奇遇ですねぇ〜私もですよ〜‥」

 

瑠璃「うんうん〜」

 

悠里「あらあら〜♪」

 

慈「うにゅぅぅ‥///(赤面)」

 

みんなからの総攻撃をくらい、赤面しつつ口のあたりまでお湯につかる慈。そんな女性陣の会話の最中

男性陣はというと

 

理琉「ったく、小春があそこまで楽しそうなのは久しぶりに見たよ」

 

日野と太郎丸で湯に浸かりつつ、理琉がそう溢す。

 

日野「そうゆう黒田も充分楽しんでたぞ」

 

理琉「まあな、楽しめるときに楽しまないとな‥!」

 

太郎丸「ワン!」

 

理琉「お前ェはどうなンだ?」

 

日野「俺も楽しかったぞ。いい思い出になりそうだ」

 

っとこちらでも、今日の雪合戦を思い返しつつ

雑談をしていたのである。

 

ーその日の夜ー

 

雪「ごめんねぇ(汗)こんな時間に呼び出して」

 

日野「別に大丈夫だぞ〜」

 

雪に呼び出されて日野は屋上に、やってきていた。そして二人はふと空を見上げると、そこには満点の星空が 

 

日野「ほほう、こりゃなかなかいいねぇ」

 

雪「でしょ♪明かりがない分、しっかり見えて

いいの♪」

 

そして少し間を開けて春香は日野にくっつく

 

日野「ん?どうしたんだ?」

 

雪「いやぁ‥///また‥キスしてほしいなって

思って‥///ダメ‥かな?///」

 

日野「照れるなぁ‥(汗)別にいいぞ」

 

雪「ありがとう‥///」

 

お互い向き合って抱き合い、目を閉じて唇を重ね合い、舌を絡めるのであった。

 

雪「んっ‥///んん///」

 

濃厚なキスをしているせいか雪からは色気のある声が少し漏れる。

 

雪「プハ‥///」

 

少しして唇を離すと、雪は既にとろけ顔になりかけていた。

 

日野「おいおい(汗)顔緩んでるぞ〜」

 

雪「だって‥///気持ちいいから‥///(もじもじ)」

 

日野「いつものオーラはどこに行ったのか‥(汗)」

 

あのあとなんとか落ち着きを取り戻した雪が再び口を開く。

 

雪「こんな平和な日が‥続けばいいね‥」

 

日野「続くさ‥きっと‥」

 

雪の言葉に夜空を見つつ、答える日野。しかし‥、そんな日もずっと続くわけではない‥。あることが原因で一気に崩壊するなど‥雪や日野、そして学園生活部は知る由もなかった‥。

そして‥、史上最大のピンチ‥、いや絶望が訪れるのであった‥。

 

 




いよいよ、最終場面の雰囲気が出てきました。
そして次回‥、この小説のタイトル
ー絶望、そして希望ー
の本当の意味が明らかになります。

人‥それが絶望の縁に立たされたとき‥それに、必死で抗おうとします‥成功するものもいれば‥失敗し、最悪命を落すかもしれません‥。
そんなとき‥あなたならどうします?


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第二十五話絶望へのカウントダウン

いよいよランダルとの決戦が幕を開けます!
学園生活部は居場所を守ることができるのか‥!


ー巡ヶ丘市上空ー

 

パンデミック発生から既に数ヶ月‥。ヘリや航空機などはほぼ飛ばなくなってしまい、空には小鳥の囀りが響き渡っていた‥。しかしその直後、それを遮るようにけたたましいローター音が響き渡り、上空を輸送ヘリ、攻撃ヘリや大型攻撃機が通過する。その機体の側面にはランダルを示すマークが‥

 

輸送ヘリ機内

 

雪菜「目標までどのくらい?」

 

「あと数分後に到着します」

 

輸送ヘリないで、席に座ってる雪菜が部下に到着時刻を確認している。そしてそれを聞くと素早く各隊に指示を出す。

 

雪菜「a斑は2階、b斑は3階の制圧、私は地下の制圧に行くわ。そして攻撃ヘリは援護射撃、ただし校舎は壊さないで,そしてAC130は上空旋回しつつ屋上をバルカン砲で制圧しなさい」

 

各隊に指示を出したあと、再び外へ視線を向けるのであった‥。

 

ー同時刻‥巡ヶ丘学院にてー

生徒会室

 

胡桃「だいぶ日が長くなったな〜」

 

外の満点の太陽を見つつそう口に出す胡桃、彼女の他には悠里や瑠璃、由紀の姿が

 

由紀「そうだねぇ‥」

 

瑠璃「そろそろ春かな?」

 

悠里「つぼみも出てきてるしそうかもね〜」

 

ー購買室ー

 

理琉「っと(ダンボールを運ぶ)」

 

日野「えっと‥これがここか‥(選別中)」

 

慈「これはどこにおけばいいかしら?」

 

小春「じゃあそこにお願いできる〜?」

 

慈「オッケー」

 

2階の購買室では理琉や小春、慈や日野が保存食の選別をしていた。食べ物の種類によって棚に振り分けていた。

 

ー地下1階機械室ー

 

地下1階の機械室では、雪と圭が発電機のチェックを行っていた。

 

圭「どうですか?発電機の調子」

 

雪「今のところは大丈夫ね、しばらくは交換は必要なさそう」

 

メモ帳片手に質問をする圭に発電機内部を見つつ、雪は答える。

 

ー屋上ー

 

その頃屋上では美紀が畑の守りをしていた。パンデミック以来、屋上菜園は交代で見ることになり、今日は美紀の担当になっていた。

 

美紀「ふぅ‥これくらいですかね‥」

 

耕し終わり一息つこうとすると‥

 

ブォォォン

 

美紀「ん?」

 

頭上からプロペラ音がすることに気づきふと空を見上げる。そこには飛行機か何かが周回していた。

 

美紀「まさか‥助け‥!っ!?」

 

一瞬希望を抱いたのだがすぐに現実に引き戻される。周回している飛行機の側面から連続するように閃光が光る。

 

美紀「まずい‥!」

 

反射的にバレットを持って屋上入口の壁へ滑り込む。直後、彼女がいた場所に多数の機関砲弾が着弾する。

 

ドドドド!!

 

その後機関砲弾は美紀のいたルートをおうかのように、着弾していくのであった。

 

ドドドドド!!

 

美紀「っ!!」

 

抗えぬ強敵にバレットを抱きしめつつただ遮蔽物で耐えるしかできなかったのであった‥。

 

ー同時刻生徒会室ー

 

同じく生徒会室でも異変を感じ取っていた。

 

由紀「なんか屋上が騒がしいね‥‥」

 

瑠璃「屋上誰かいたっけ?」

 

悠里「確か今日は美紀さんが屋上菜園当番だからいるはず‥。」

 

三人は屋上の異常な音に不安にかられつつあった。少しして胡桃がシャベルを、持ち出し

 

胡桃「ちょっと見てくる」

 

由紀「気をつけてね〜、クルミちゃん」

 

そう言って胡桃はシャベル片手に生徒会室のドアを開けた。しかし‥視線に映ったものを見て反射的に声を上げる。

 

胡桃「みんな伏せろぉぉ!!!!」

 

胡桃の目に映ったもの‥そう‥圧倒的な力で人間をいや、戦車でもねじ伏せることが可能な対戦ヘリコプター

。バルカン砲が回転、少しして20ミリ弾丸が放たれたのだ‥。

 

ー2階購買室ー

 

日野「何だ何だ!?」 

 

突如としての校舎の振動に驚きを隠せずにいる日野、そしてなにか気づいたのか理琉が舌打ちをする。

 

理琉「くっそ!この音は攻撃ヘリのバルカン砲だ!」

 

小春「えぇ!この音なら戦場でも嫌なほど聞いたことがあります!」

 

日野「ってことはランダルか!!クソ!この音は3階からしてる!」

 

慈「3階は恵飛須沢さんたちが‥!」

 

理琉「急ぐぞ!」

 

理琉がウィンチェスター片手に購買室を飛び出し、2階廊下へ出た直後‥、側面から発砲音が数発、弾丸が飛んでくる。

 

理琉「ちっ!」

 

普通の人間なら避けれないのだが、理琉は幾度の戦場を渡り歩いてきた猛者、反射的にスライドさせ遮蔽物へ滑り込む。

 

日野「黒田!大丈夫か!」

 

反対側の購買室のある通路から援護射撃をしつつ声をかける。 

 

理琉「あぁ!戦場の経験がなけりゃ今頃あの世さ!」

 

日野「くっそ!こいつらどこから湧いてきやがった‥!?」

 

日野の視線のさき、2階中央階段から銃撃をしてくる複数のいかにもバイ○の某企業の軍と同じガスマスクをつけた人間が‥

 

理琉「わからん!だがこいつらの狙いは恐らく俺たちだ!」

 

小春「つまり‥!私達の排除ってこと!?」 

 

慈「そん‥な!?」

 

理琉の推測に、同じく反撃している小春と慈が驚きを隠せずにいた。

 

ー生徒会室ー

 

バルカン砲の攻撃により生徒会室は無残な姿になっていた。机はボロボロに、部屋の壁には弾痕の跡がついていた。

 

胡桃「‥みんな‥大丈夫か‥?」

 

ヘリの狙いが変わったことを確認伏せていた体をゆっくり起こしつつ、由紀達に視線を向ける。

 

悠里「えぇ‥なんとか‥」

 

由紀「びっくりしたぁ‥‥」

 

瑠璃「耳がおかしくなるかと思った‥」

 

 

3人もゆっくりと、体を起こしつつ胡桃へと視線を向ける。そして胡桃、悠里、由紀、転がっていた愛銃を拾っていると‥

 

ババババ!!!

 

突如、2階‥つまり日野達がいる階から銃声が聞こえてくる。

 

悠里「銃声‥!?」

 

由紀「これってひー君たちがいる階からだ!」

 

胡桃「次から次へと‥!りーさん!ちょっとここ頼む!(飛び出す)」

 

悠里「胡桃さん!?」

 

悠里が慌てて静止するがすでに遅く、胡桃は廊下へと飛び出し二階へ向かおうとする。しかし‥飛び出した直後に弾丸が胡桃へとはなたれる。

 

胡桃「うぉ!?」

 

一瞬反応が遅れた胡桃だが、奇跡的に弾丸の間に滑り込むことができ、生徒会室へ逆戻りする。

 

胡桃「りーさん!由紀!射撃用意!敵だ!」

 

由紀「てっ敵!?」

 

悠里「どうゆうこと!?」

 

胡桃「わからねぇ!」

 

胡桃の言ってることがわからなかった二人だが、胡桃が反撃しているのを見ていると、只事じゃないことに気づき急いで射撃用意をするのであった。

 

ー地下1階ー

 

圭「今の音は‥」

 

当然地下にいた圭達も異変を感じ取っており、不思議そうに天井を見つめていた。

 

雪「‥なんか胸騒ぎするわ‥」

 

圭「‥私もです‥」

 

なにか嫌な予感を感じ取ったため、愛銃を持ちつつ、機械室から通路へ出ようとする。しかし‥

 

雪「危ない!」

 

圭「っ!?」

 

なにか気配を感じたのか、通路に出た瞬間圭を引っ張って咄嗟に扉が開いてる倉庫に滑り込む。直後、二人がいた場所を弾丸が通過する。

 

圭「どうしたんで‥」

 

雪菜「あら‥、あれを避けるなんてさすがね‥」

 

雪「その声‥、やっぱりあんたね‥」

 

聞こえてくる声を聞いて顔をしかめる雪、通過には軽機関銃を構えた雪菜の姿が

 

雪菜「こんにちは‥♪雪さん‥♪絶望を届けにいましましたわ‥♪」

 

軽機関銃を持ちつつ通過に仁王立ちしている雪菜は、悪笑みを浮かべ、まさにラスボス感を醸し出していた‥。

 

雪「この騒動‥あんたが命令したわね‥?」

 

雪菜「そうよ♪邪魔な奴らはすべて排除しないとね‥♪」

 

圭「待って!美紀は!みんなは!?」

 

雪菜「安心しなさい‥♪みんな仲良くあの世に行かせてあげるから‥♪」

 

圭「っ‥!?」

 

雪菜の恐ろしい発言に思わず顔を引きつってしまう圭、そんな圭を見つつ雪が口に出す。

 

雪「大丈夫‥、圭やみんなは私が守るから‥」

 

圭「雪さん‥‥」

 

そんな二人の会話を聞きつつ、さらに笑みを深くする。

 

雪菜「往生際が悪いわねぇ‥♪まあいいわ♪歯向かってるんだし‥苦痛を味あわせてあげる‥♪」

 

雪「それはこっちのセリフよ‥。今日こそ決着をつけましょう‥!」

 

こうして‥学園生活部の命運をかけた戦いが幕を開けたのであった。

 

 

 

 

 

 




抗えぬ強敵‥
まさに絶望という言葉がふさわしいでしょう‥
希望が絶望‥その先に待っているものとは‥


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第二十六話 薄れる希望

今回はさらに希望が薄れていきます。
一層に学園生活部がピンチになっていきます


ー地下1階ー

 

バババ!!!

 

地下通路に響き渡る複数の銃声、そして通過入口付近では雪菜が軽機関銃片で射撃していていた。もちろんこの狙いは圭と雪である。

 

雪「ちっ!これじゃあ埒があかない‥!!」

 

89式で応戦している雪だがやはり相手が軽機関銃相手なだけあって思うどおりに行かないのが現実であった。

 

圭「あれだけの連射でも正確に制御ができるなんて‥」

 

雪の反対側の遮蔽物に隠れるようにHK416で射撃しつつ雪菜の技量に、驚きを隠せずにいる圭。

 

雪「どうにかしてあいつの銃を壊さないと‥‥」

 

あの軽機関銃を破壊できればこちらのものだが、それは向こうもわかっているのか、壊されないような立ち回りをしていた。

 

雪「でも一人じゃ‥、圭!」

 

圭「はっはい!」

 

突如として呼ばれて一瞬反応が遅れるがすぐに返事をする。

 

雪「ちょっとアイツを倒すの手伝ってくんない?」

 

圭「‥もちろんです!アイツには一度逃げられてますから!一度返さないと気がすみません!」 

 

ー3階生徒会室前ー

 

3階では二人のランダル兵士相手に、胡桃を筆頭に由紀、悠里の3人が防衛していた。そして太郎丸と瑠璃は生徒会室の奥側で隠れてる。

 

バババ!!! 

 

 

胡桃「弾幕が厚い‥!!」

 

M4で射撃しつつ、相手の弾幕の厚さに痺れを切らしかけてる胡桃、それに同じくM16で射撃している悠里が付け加える。

 

悠里「相手はかなりの手慣れね‥‥!うまいこと牽制してきてる‥!」

 

由紀「クルミちゃんどうする‥!?」

 

悠里の横でMP5を使用しつつ由紀が胡桃に指示を問う。

 

胡桃「とりあえずここで応戦するしかない‥!!

なんとかみんなが戻ってくるまでなんとか耐えるぞ!」

 

二人「「うん!」」

 

ーそして二階購買室前ー

 

日野「クソたっれぇ!相手しづらいったらありゃしねぇ!」

 

20式で応戦しつつ、相手の手慣れた射撃に苛立ちを見せている日野

 

理琉「あぁ!コイツラやけに手慣れてやがる!元戦場で戦ってきた兵士出身か!?」

 

DE(デザートイーグル)で反撃しつつ理琉も相手の立ち回りに驚きを隠せずにいた。

 

慈「でも‥!この人たちをどうにかしないと‥生徒達が‥!」

 

MP7で射撃しつつ慈は自身の生徒たちの安否を気にしていた。

 

小春「ですがこれを突破となるとかなり厳しいです‥!ここは無事を祈るしか‥!」

 

護身用に基地から持ってきたグロック17で撃ちつつ

自分達も動けない状況を付け足す。

 

理琉「だがここで撃ち合ってもジリ貧になるだけだぞ!」

 

日野「‥!!」

 

四人はこの状況を打破するための方法を脳内で必死に思考を巡らせているのであった‥。

 

ー屋上ー

 

美紀「この‥っ!?」

 

なんとか隙を見つけて攻撃しようとした美紀だが、AC130の機銃掃射を受けて先程から攻撃できずにいた。

 

ーダメだ‥居場所はわかるのに狙いをつける前に攻撃される‥どうすれば‥ー

 

射撃精度がいい彼女でも所詮は素人、なので照準なしでの狙撃は、かなりの高難易度であった。

 

美紀「‥でも‥アイツを倒‥「美紀!!」圭‥?」  

 

どうにかして倒そうと考えてたとき、太ももにつけていた無線機から圭の声がする。

 

圭「良かった‥無事みたい‥」

 

美紀の声を聞くと安堵の表情を浮かべる圭、そんな彼女の無線越しには銃声が聞こえ緊迫した雰囲気に包まれているのがわかる。

 

美紀「こっちは‥なんとか‥そっちは?」

 

圭「こっちも同じよ‥‥、今はなんとか持ってる感じ‥‥」

 

美紀「やっぱりか‥そっちも気を‥っあ‥‥」

 

圭に、対して無事を祈る言葉を贈ろうとしたとき目に入ったものを見て固まる。彼女の、視線の先にはいつの間にか目の前でホバリングしている攻撃ヘリの姿が‥

 

圭「どうしたの!?美紀!ねぇ!」

 

無線越しでも異常を感じ取ったのか圭が必死で呼びかけるが、声が震え、返すのがやっとだった。

 

美紀「‥圭‥ごめ‥ん」

 

ドゴォォォん!

 

その言葉の直後、ヘリ搭載の対戦ミサイルが放たれ、

美紀がいた場所が爆炎に包まれる。それを確認するとヘリは離脱して行く。

 

「こちらコブラ,スナイパーの排除に成功」

 

「よくやった、これで屋上の設備の破壊ができる」

 

美紀がいた場所の宙には虚しく無線機が飛び回っていたのであった‥。

 

圭「美紀!返事して!美紀!」

 

無線機に必死で呼びかける圭だったが、応答はない‥あるのは砂嵐だけであった‥。

 

圭「そん‥な‥」

 

あまりのショックの大きさにへなへなとへたり込んでしまう。だが丁度雪が雪菜の軽機関銃を破壊することに成功したため、問題はないと思われた‥。だが‥

 

雪菜「‥(ニヤ)」

 

雪に撃たれているのにも関わらず、圭の隙に気づき

手榴弾を投擲する。

 

雪「っ!?圭!」

 

雪が気づいて声を上げるが‥ショックのせいか動けずに手榴弾を見つめるしかできなかった‥。

 

圭「ぁ‥」

 

手榴弾を見つめていた彼女の目に写ったのは、今までの過去の思い出であった‥

 

圭「‥美紀‥私‥ダメかも‥ごめんね‥」

 

そう彼女が美紀に対しての謝罪を口にした直後‥雪が庇うように圭を手榴弾から離す。

 

圭「っ!?雪さ‥!」

 

それではっと、我に帰るが直後手榴弾が爆発。その衝撃波で雪は壁に叩きつけられる。

 

雪「っあ?!」

 

圭「雪さん!」

 

アサルトライフルを拾い、雪菜に牽制射撃をしつつ駆け寄る。

 

圭「どうして‥!!」

 

圭の疑問に、なんとか意識を保ちつつ視線を向ける。彼女の服は爆発の影響でボロボロになっていた。

 

雪「そん‥なの‥、警察官として‥市民‥を守るんだから‥当たり‥前でしょ‥?」

 

圭「でも‥だからってここまで‥」

 

雪「それより‥あなたは‥早く‥逃げ‥な‥(ガク)」

 

なんとか意識を保っていた雪だが、力尽きて意識を失う。それをしばらく眺めていた圭だが‥近づく足音に反応する。

 

雪菜「あら‥案外楽だったわねぇ。それでどうする?

あなただけでも命は助けてあげるわよ?」

 

通路奥から聞こえてくる雪菜の声に‥怒りを覚えつつ

銃を握る。

 

圭「その言葉‥そっくりそのまま返してあげますよ!」

 

そう言い放ち、雪菜目掛けて突撃をかましていく圭であったのだった。それを見てさらに笑みを深くする。

 

雪菜「どうして人間って、抗えない力相手でも諦めが悪いのかしら?まあいいわ。あなたも苦しみに染めてあげる。」

 

ー生徒会室前ー

 

現状は先程と変わらないものの、相変わらず敵の攻勢が激しく、持ちこたえるのが精一杯な状況であった。

 

由紀「これじゃきりがないよ‥!!」

 

悠里「いずれこのままじゃ弾切れするわよ!」

 

由紀と、それに付け加えるように弾倉の確認をしている悠里が、発する。

 

胡桃「どうすれば‥っ!」

 

なにか打開策はないかと考えていた胡桃だが、相手が取り出した筒状の武器を見て再び声をあげる。

 

胡桃「RPG!!」

 

その言葉を聞いて再び由紀達はしゃがむことに成功したが、声を出した胡桃は反応が遅れ爆風に巻き込まれる。

 

胡桃「ぁぁ!?」

 

由紀「クルミちゃん!?」

 

吹き飛ばされて倒れ込んでる胡桃に急いで駆け寄る由紀

負傷具合を見つつ悠里が分析する。

 

悠里「爆風で、軽い火傷‥‥それに衝撃で身体が一時的麻痺起こしてる‥」

 

恐らく戦線復帰は難しいという判断で由紀と瑠璃に指示を出す。

 

悠里「あなた達は胡桃さんの手当を!そこに救急箱があるから!その間あいつらは私が相手をする!」

 

由紀「うっうん!わかった!」

 

瑠璃「りーねぇは!?」

 

悠里「‥私は‥大丈夫だから‥‥」

 

心配する瑠璃に、そう言って再び入口へ戻りランダル兵士を牽制する野であった‥。

 

ー屋上ー

 

あのミサイルが着弾した付近で、倒れ込んでる美紀の姿が‥近くには転がっでるバレットも

 

美紀「‥‥っ‥」

 

先程から意識を失いそうになりつつもなんとか振り絞り保っている状態。まあ無理もなかろう、ミサイル攻撃を受けて生きてるだけかなり幸運だ、

 

ー‥力‥が、‥入ら‥ない‥死んじゃう‥の‥かなー

 

一瞬そんなことを何度も思いつつも、何度も振り払う。

 

ーいや‥諦める‥もんか‥‥生き残ら‥きゃ‥ー

 

ー地下ー

 

圭「くっ!(受ける)」

 

先程までお互い激しく銃撃戦をしていたのだが弾切れのため名崩しに近接戦になりつつあった。

 

雪菜「甘い!」

 

圭「!?(慌てて避ける)」

 

しかしこの状況をどう見ても運動神経抜群で近接戦になれている雪菜が完全有利。今のところなんとか保っている圭だがいつ崩れてもおかしくない。

 

圭「ハァ‥ハァ‥」

 

だがやはり素人の圭が長時間戦えるはずもなく徐々にバテていく。それに伴い動きにブレが出てくる。

 

圭「この‥!(右ストレートパンチ)」

 

雪菜「ふっ!(華麗に受け流しつつ鋭い蹴り)」

 

圭「っ!?(なんとか腕で受けるものの蹴れられた反動で少し飛ばされる)」

 

雪菜「隙あり!」

 

圭「なっ!?」

 

しかし弾き飛ばされた隙を雪菜は見逃さず一気に距離を詰めてくる。

 

圭「あっ‥」

 

当然圭も気づいたが、疲労で反応が鈍り動きに対応できていない。圭が最後に見たのは、笑みを浮かべつつ近づいてくる雪菜の姿であった‥。




現状
屋上組
美紀';瀕死

生徒会室組
胡桃;ダウン
それ以外健在

購買室組
全員健在

地下組
雪;ダウン
圭;健在


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二十七話 生きる

今回は圭&美紀視点です。


地下区域

 

圭「っ‥‥」

 

あれからどれほど時間がたったのだろうか‥、雪菜の攻撃を喰らい意識朦朧としつつもなんとか、気を保つ。

 

雪菜「あら、しぶといわねぇ。大人しく寝てればいいのに」  

 

圭の意識に気づいたのか、じわじわと近づいてくる雪菜

 

圭「‥あ‥んた‥なんか‥に‥くたば‥」

 

雪菜「よっと(ガス)」

 

圭「ぁ‥‥」

 

何か言いかけたが雪菜がさらに一撃を入れたことで意識を失いかける。しかしなんとか踏ん張ることに成功する。

 

雪菜「ったく‥面倒くさいわねぇ‥。どうして勝てないってわかっているのにしぶといのかしら?」

 

雪菜にはどうしてそこまでしぶとく抵抗するのかわからかった。強大な力に勝てるはずもないのにと思い、

 

圭「そ‥んなの‥」

 

ヨロヨロとしつつもなんとか立ち上がり雪菜をにらみつつ

 

圭「‥大‥切‥な‥仲‥間が‥っ!」

 

どうにか力を振り絞り隠していた煙幕弾を放つ、直後当たりが真っ白に包まれる。

 

雪菜「煙幕‥!?」

 

突然の出来事にさすがの雪菜も想定外だったのが少し混乱しつつ周囲を見渡す。

少しして煙幕が晴れると先程までそこにいた圭の姿がいなくなっていた。

 

雪菜「一枚やられたわね‥逃げられた」

 

自分の失態に、少し舌打ちをしつつも切り替えて探すことにしたのであった。

 

 

屋上

 

美紀「‥圭‥」

 

あれから少ししてなんとか起き上がることに成功した美紀はヘリに気付かれないようにバレットを回収しつつ遮蔽物へ身を隠す。校内からは激しい銃撃戦音が響き渡ってくる。

 

美紀「‥とりあえず‥銃に異常なし‥あれだけの爆発で壊れてないのは奇跡‥だね‥」

 

バレットに異常がないかチェックして、少し安堵の表情を浮かべている。

 

美紀「‥とりあえず反撃手段はまだある‥あとは‥」

 

そう思いつつ上空を見上げる。

 

美紀「あの攻撃機と‥ヘリ‥この2つをどうにかしないと‥でも‥こっちが動けばどちらかからすぐに攻撃される‥‥」

 

どうにか対抗しようと策を巡らせるがなかなかいい案が思いついてこない。

 

美紀「‥それに‥少し‥怖い‥今度こそ死んじゃうんじゃないか‥それに‥圭と会えなくなるかもしれない‥」

 

先程のことや圭のことを思いつつ、彼女の頬に涙が流れている。しかしすぐに腕で吹きつつ決心の表情を浮かべる。

 

美紀「いや‥、やるんだ‥!みんなが‥頑張ってるのに‥!‥弱音なんて‥吐いてる暇じゃない‥!」

 

普通の人ならここで折れてもおかしくなかった。しかし美紀は折れなかった。そして再び彼女は策を練り始めるのであった。

 

ー再び地下へ視点を戻しー

 

圭「はぁ‥はぁ‥」

 

なんと煙幕で振り切ることに成功した圭は、地下区域の一室に隠れていた。

 

圭「ひとまずは‥ふり‥きれた‥」

 

壁に沿ってへたりつつ、少し表情が緩む。がすぐに切り替わりどうするか考える。 

 

圭「‥どうやって‥倒そう‥。普通にぶつかっても‥」

 

あらゆる方法を考えていた圭だが、相手が雪菜であるためどれも現実的な方法が思いつかない。

 

圭「頭脳も‥神経も、あっちが上‥どうしたら‥」

 

徐々に表情が暗くなっていくが、あるものを見てはっとなる。

 

圭「あれ‥は」

 

そして手を伸ばしてとったものは地下区域の地図であった。それをまじまじと見つめているとあるものに気づく。

 

圭「‥‥これしかない‥‥いや‥これに賭けよう‥」

 

 

そして、圭はその部屋にあるもので何かゴソゴソと作業をするのであった。

 

 




次回はいよいよ反撃の狼煙が挙げられます。
生きるため、学園生活部は一大反抗作戦を開始します!


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第二十八話 最後の賭け

いよいよ最終決戦です!
学園生活部一大反抗作戦が始まります!


地下区域

 

雪菜「ちっ‥、なかなか見つからないわね‥(キョロキョロ)」

 

煙幕でうまいこと逃げられたため、止む終えず探索している雪菜だがなかなか見つからない。1つ1つの部屋のチェックしているのだがどこにもいない。

 

雪菜「一階にいないとなると‥、二階か‥」

 

案内板を見つつ、まだ見ていない二階へと足を運ぶのであった‥。

 

圭「‥‥」

 

その様子を二階通路奥の柱から雪菜の様子を見つめている圭の姿が‥‥。

 

圭「まだ気づいてない‥‥、あとは‥」

 

そう思い、とある一室に視線を向ける。

 

圭「ここにうまいこと誘い込めば‥」

 

雪菜に気付かれないようにこっそり場所を変更して、逃げる際に雪から回収した、SFP9を取り出しマガジンを確認する。

 

圭「弾は3発‥‥、失敗したら終わり‥、いちかバチか賭けよう‥」

 

3階生徒会室前

 

悠里「っ!」 

 

由紀と瑠璃が胡桃の手当をしている間、悠里が必死で応戦を続けているがキリがない状態だ。

 

悠里「ゆきちゃん!るーちゃん!胡桃の様子は!」

 

射撃を続けながら、手当を続ける二人に胡桃の状況を問う。

 

由紀「駄目!ケガの具合は問題ないけど‥!意識が‥!」

 

悠里「このままじゃ‥‥!?」 

 

徐々に追い込まれていく状況に焦りの表情を見せる悠里

さらに追い打ちをかけるように再び攻撃ヘリの機銃掃射が三人を襲う。

 

悠里「伏せて!」 

 

反射的に声をあげる悠里、それに気づき慌てて伏せる二人、悠里も伏せてなんとか攻撃を回避する。

 

悠里「攻撃ヘリが‥二人とも!怪我は‥」

 

瑠璃「りーねぇ!前!」

 

二人の様子を見ようとした直後、瑠璃が声をあげる。それに気づいて慌てて前に視線を向けたが‥

そこに一気に接近してくるランダル兵士の姿が

 

悠里「しまっ‥!?」

 

悠里も気づき、慌てて銃口を向けようとする。しかし

ランダル兵士にM16を弾き飛ばされてタックルを喰らい壁に叩きつけられる。

 

悠里「いっ!?」

 

叩きつけられた衝撃で顔を顰める悠里、しかしそんなことお構いなしのように一人のランダル兵士が悠里の頭に銃口を突きつける。

 

悠里「いっ‥いやぁ‥‥」

 

抵抗しようにもガタイのいい兵士にできるはずもなくあっさりと動きを止められる。

 

悠里「あっ‥あぁ‥」

 

頬を涙が流れる。このまま死ぬのか‥、兵士がトリガーに指をかける。それを見て反射的に目を閉じる悠里‥

そしてトリガーを引こうとした直後‥

 

パァァン!

 

突如背後から銃声が鳴り響き、ランダル兵士が撃つのをやめて急いで銃口と向きを変えた。そして彼の目に映ったのは‥、後ろで銃撃を受け倒れている仲間

そして‥銃口をこちらに向けて突進してくる。由紀の姿が‥

 

由紀「りーさんに手を出すなぁぁぁ!!」

 

怒り任せに、MP5乱射しながら突撃を噛ましていく由紀、ランダル兵士も反撃しようとするが全く当たらない。そうしている間にも由紀のタックルを喰らい尻もちをつくランダル兵士。

 

由紀「ぁぁぁ!!」

 

止めと言わんばかりにランダル兵士の頭に銃口を突きつけてトリガーを引く。

直後ゼロ距離からMP5が火を吹き、マガジンの弾がなくなるまで撃ち続けていた。最初はうごめいていたランダル兵士だが‥徐々に力を失い、抜け殻のように腕が落ちる。

 

由紀「はぁ‥はぁ‥(ヨロ)」

 

勢い任せに撃ち続けていたため、ふらっと意識を失いそうになり倒れ込む。

 

胡桃「っと‥」

 

だがいつの間にか意識を取り戻していた胡桃が倒れそうになる由紀を支える。

 

胡桃「ったく‥無茶しやがって‥」

 

そう溢しつつ、悠里の方にも視線を向ける。

 

胡桃「りーさん、怪我はないか?」

 

いつの間にか復活を遂げ、変わらずに接してきてくれる胡桃を見る。

 

悠里「怪我は‥?」

 

胡桃「ただのかすり傷さ、二人が手当してくれたから全然平気だぜ!」

 

いつもと変わらず元気はつらつな姿を見せる胡桃、その様子を見て後ろにいた瑠璃と太郎丸も一安心の表情を見せる。

 

悠里「よか‥後ろ!」

 

安堵しかけた悠里だが、背後に現れたあるものをみて声を張り上げる。それに釣られて後ろを振り向いた胡桃の目に映ったのはホバリングをしている攻撃ヘリ

もちろん、バルカン砲はこちらに向いている。

 

胡桃「っ!」

 

急いでしゃがもうとするがすでにときに遅し、再び反射的に目を塞ぐ悠里、しかし

 

ゴォォォん!!

 

突如轟音とともに攻撃ヘリの制御が乱れ、機体制御を失いつつ墜落、校外の住宅街に落下爆発してしまう。

 

悠里「‥何が‥」

 

一体何が起こったのか、わからずに呆然と炎上しているヘリを眺めている一同。 

 

ー屋上ー

 

屋上では、そのヘリを墜落させた張本人、美紀がバレットの銃口を先程ヘリがいた場所へ向けていた。

対物ライフルの威力を生かしてヘリの後部ロータを破壊

制御を失わせていたのであった。

 

美紀「1つ‥」

 

そうこぼした直後、上空からAC130のバルカン砲の雨が降ってくる。しかしそれを難なく避ける美紀、それを追うように機銃掃射の雨も続いていく。

 

美紀「ライフルを舐めて高度を落とした貴方達の敗因です」

 

そう言い放ち咄嗟の狙い撃ちでトリガーを引く、銃口から放たれた7.62ミリ弾が綺麗な弾道を描き、攻撃中のAC130目掛け飛行。そして左翼エンジン2基を貫通

そのすぐあとに左翼エンジンが派手に爆発する。

 

「メーデー!メーデー!左翼エンジン2基被弾!」

 

「修整できません!」

 

普通なら、修整ができるのだが、旋回していたため、舵がゆうことをきかなくなっていたのであった。

 

「なんとかしろ!このままだと堕ちるぞ!」

 

「だめです!ゆうこと効きません!」

 

「なぜだ‥何故ガキごときに殺られなければいけないのだァァァ!!!」

 

そうリーダーらしき人間が叫んだあと、爆発の影響で左翼の翼が折れてさらに制御を失ったあと、河川敷に墜落

とてつもない爆発を引きおこしたのであった‥

残されたのは‥炎上している機体と、それに集まる奴らの姿であった‥。

 

ー二階ー

 

「おい!どうした!おい!」

 

3階部隊や攻撃ヘリ、立て続けに攻撃機からの通信が途絶えたことに焦りの表情を見せつつ無線に呼びかける

兵士、だがそんな隙をついて‥。

 

理琉「おらァ!!」

 

「フグぁ!?」

 

理琉の派手なタックルを喰らい吹き飛ばされる兵士、さらにゼロ距離でウィンチェスターの銃口を突きつけ

 

理琉「近距離ショットガンの味を楽しみなァ!」

 

ドォォン!

 

ゼロ距離から放たれた弾が外れるはずもなく、綺麗に命中、銃弾を受けた頭部は見られないほどグロくなり、返り血が飛び散る。

 

「クソ!撃て撃て!」

 

残された三人は遅れつつも射撃を開始するが、理琉は弾道の隙間を合間縫って遮蔽物へ滑り込む。

 

「追え!にがs‥‥(ダダダ)」

 

追撃の指示を出そうとしたランダル兵が突如として背後から銃撃を受けて倒れ込む‥

 

日野「やれやれ‥、ヘリが落とされた瞬間に腑抜けになったな‥」

 

倒れたランダル兵の後方には、銃口を向けている日野の姿が、

 

「ひっ!」

 

「クソ!逃げるぞ!」

 

残った二人は、恐れおののいたのか急いで逃げようと階段を降りようとする‥しかし

 

「「ぐぁ!?」」

 

誰かに蹴り飛ばされて倒れ込む、クラクラしている頭を抑えながら立ち上がろうとすると銃口を突きつけられる。

 

小春「いろいろ好き勝手しちゃって‥、遺言はある?」

 

慈「生徒に手を出しましたよね‥?その覚悟はある?」

 

「「ぁぁ‥」」

 

二人の、ランダル兵はこの世の終わりかのような顔を浮かべ‥直後二人の、発砲によって息を引き取るのであった。

 

ー地下室ー

 

圭「っと!(パンチを避ける)」

 

雪菜「この!」

 

地下では再び圭が仕掛けて、激しい乱闘状態になっていた。

 

雪菜「素直に、影で怯えていればいいのもを!(ブン!)」

 

圭「そうしたって、いつかバレるんですから!」

 

接近戦をしている間に流れるようにある部屋に誘導していく圭

 

雪菜「追い詰めたわね‥(ニヤリ)」

 

圭「‥へっ‥(ニヤリ)」

 

お互い笑みを浮かべつつしばらく見つめ合っている。

 

雪菜「最後の遺言ぐらい言わせてあげるけど‥?」

 

圭「じゃあ、おばはん(だっ!)」

 

雪菜「最後までお口が達者ね!(だっ!)」

 

弾かれたように二人は飛び出して再び接近戦が始まってしまう。しかし先程の圭とは嘘のように雪菜の攻撃をいなしていく圭、さらには一撃お見舞いする。

 

雪菜「っ!」

 

攻撃を受け、弾き飛ばされるがカウンターをお見舞いし圭も弾き飛ばす。

 

圭「いっ!?」

 

顔をしかめつつ飛ばされ部屋の外に弾き飛ばされ、壁に叩きつけられる。

 

圭「かかった‥!」

 

顔をしかめつつも太モモにしまっていたSFP9を取り出し

残りの3発を放つ。

 

雪菜「ふっ!」

 

しかし予測していたのかあっさり避けられてしまう。

 

雪菜「残念ね‥(ニヤリ)賭けが外れて‥」

 

ニヤリと微笑む雪菜だったが、次の瞬間圭の一言で崩れる

 

圭「いつからそれだと錯覚していましたか‥?」

 

雪菜「‥?それってどうゆう‥!?」

 

一瞬何を言っているのかわからなかった雪菜だったが

振り返った瞬間察する。そこには銃痕がついたとあるスイッチが‥

 

圭「‥最初から‥これが狙いですよ‥(ニヤリ)」

 

そう言い放った直後、隔壁が降りて雪菜を閉じ込めてしまう。

 

雪菜「フッ!こんなの、スイッチを押せ‥あっ‥」

 

そう言って、スイッチをおそうとしたが我に帰る。スイッチは先程圭が破壊してしまっている。

つまり閉めることは出来ても開けることはできないということだ‥。

 

雪菜「ぁ‥、」

 

さらに追い打ちをかけるように、圭があるボタンを押す

直後、壁の一部が開き、大量の水が流れ込んでくる。

 

雪菜「ハハッ‥そういえば‥ここ災害用貯水室だったわね‥。最後の最後でやらかすなんて‥‥完敗だわ‥」

 

そう言って自信のこめかみに銃口を当てる。直後部屋には水の音にまじり拳銃の音が響き渡ったのであった‥。

 

圭「終わっ‥(よろ)」

 

激闘を終えて、気が抜けたのか倒れ込みかけるが‥

 

雪「よっと(支える)」

 

雪が圭の体を支えて、倒れずに済む。

 

圭「雪‥さん‥」

 

雪「お疲れ様‥、ごめんね‥負担かけちゃって‥」

 

圭「いえ‥♪雪さんが無事で良かった‥です♪」

 

雪「‥ありがと‥ね♪」  

 

そして夕日に染まったボロボロの校舎は、何だか誇らしげに建っていたのであった。




激しい激闘の末‥手にした希望

なんとか誰一人も欠けることがなく‥傷を負ったものの‥学園生活部には明るい光が差し込んだのであった‥。


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第二十九話 その後

激闘を終えた学園生活部
その先見たものとは‥


あの激闘から数日達、ある程度雪達が回復来てきたのを確認してから校内の状況整理をすることになった。

 

胡桃「うへぇ‥、こりゃ酷い」

 

屋上でボロボロになった太陽光パネルを眺めつつ参ったという表情になる。それから菜園の様子を確認している悠里の方へ視線を向け

 

胡桃「りーさん、そっちはどうだ?」

 

悠里「だめねぇ‥、こっちも派手にやらてる。るーちゃん、そっちはどう?」

 

瑠璃「こっちもダメ〜‥、野菜の原型が留めてないよ‥」

 

悠里と瑠璃が見ている菜園も攻撃をうけ、畑や野菜にもかなりのダメージが入っていた。

 

胡桃「全く‥、勝てたとはいえ‥とんでもない置き土産貰ったなぁ‥‥」

 

頭をポリポリかきながら再びボロボロの太陽光パネルを見つめる胡桃であった。

 

 

3階生徒会室横の教室、いまは食料保管庫になっている

部屋では、慈と由紀がチェックをしていた。

 

由紀「これはこうで‥‥、めぐねぇそっちはどう?」

 

慈「こっちも大丈夫そう、生徒会室に攻撃が集中したお陰で嘘みたいにこの部屋は無傷‥」

 

整理しつつ、室内に視線を映す慈。隣のボロボロの生徒会室とは比べ物にならないくらい無傷なこの部屋、胡桃達にヘイトが向いていたのが災いしたのか、この部屋には流れ弾も確認されなかった。

 

慈「食料問題は大丈夫そうね‥あとは‥」

 

由紀「だねぇ‥」

 

二人は部屋から顔を出してボロボロの廊下を見つつため息をついていたのだった。

 

 

一階のある教室では雪や理琉、日野や小春がランダル兵の遺体を空き部屋に集め、確認をしていた。

 

理琉「最終的に校内に来たのは6人‥‥」

 

雪「それと、地下貯水槽室内で自決したやつ含めると7人か‥‥日野、墜落した奴らはどうだった?」

 

日野「近くまで行って確認したが、原型はほぼとどめてなかった。あれじゃ生き残ってるやつはいないな」

 

小春「まあ、派手に燃えてたからねぇ‥」

 

墜落したヘリと航空機の確認にいった日野と小春は、互いに首を振っていた。

 

日野「とりあえず、こいつらどうする?」

 

理琉「どこかのタイミングで火葬しねぇとな‥‥

奴らとして復活されても困るし‥」

 

小春「ですね‥、あっ貯水槽に放置している遺体はどうしますか?」

 

雪「あれは放置でいいでしょうね‥、スイッチは壊れてるから開けられないし、もし奴らで復活しても出れないから大丈夫でしょう」

 

 

外の教職員の駐車場では、美紀や圭が被害状況の確認を行っていた。

 

圭「それより美紀大丈夫なの?もう動いても」

 

美紀「うん‥♪大丈夫回復してきたし、リハビリも必要かなって思って‥、それより圭の方も大丈夫なの?」

 

圭「大丈夫‥っていったら嘘になるかな‥(汗)

まだ完璧じゃないけど‥、美紀と話せるってなったら大人しくしてられなくて‥♪」

 

美紀「圭‥」

 

圭「えへへ♪」 

 

圭の笑顔を見ていると自然と涙が出てきて、慌てて拭き取る美紀。そして彼女も笑顔になっていた。

 

 

圭「私達の車は無事か〜、あれだけの戦闘でよく無傷だったねぇ」

 

美紀「だね‥、一台くらい廃車覚悟してたんだけど‥」

 

表の駐車場の確認をしたあと、裏庭に止めていた車の確認をしにきた二人。戦闘の影響で多少汚れているが

3台とも走行には問題なさそうだ。  

つか

圭「でも、けっこう汚れてるねぇ〜」

 

美紀「確かに‥、というかそれ以前にパンデミック後からろくに外の清掃してなかったかも‥」

 

圭「そうだ♪せっかくだし、掃除しようよ。この際だし」

 

美紀「悪くはないですね‥♪じゃあ掃除道具とってきます♪」

 

圭「私は洗剤とってくるね〜♪」

 

 

そしてその日の夜、一同は攻撃をあまり受けていない職員室に集まり、被害状況の確認をしていた。

 

胡桃「まずはあたしからだな。屋上の設備は貯水槽以外壊滅。菜園も太陽光パネルも使い物にならない。」

 

慈「食料は問題はないです‥。しかし、太陽光がやられてるとなると‥ここも長くはいられないかと‥。現在は非常用発電機の電力でなんとか機能しています‥。」

 

日野「とりあえず見回りも異常なし。奴らが侵入してこなかったのは幸いだったな‥。」

 

理琉「各銃の予備マガジンもまだまだ余力はあるが‥やはりアサルトライフル系のマガジンの消耗が激しいなァ‥。どこかで余分に回収しないと‥。」

 

雪「やれやれ‥、とんでもない置き土産喰らったもんだよ‥‥」

 

小春「となれば‥新たな拠点を考えないとね‥」

 

小春の意見に一同は頷く。巡ヶ丘高校の設備が使えないとなると、ここに長くはいられない。となれば新たな拠点を探さないといけないが‥ 

 

美紀「あっ、それなら」

 

そんな中、さっきまで静かに聞いていた美紀が手をあげ

、ある書類を持ってくる。

 

圭「これって‥」

 

悠里「職員用緊急避難マニュアル‥」

 

美紀「はい、実はここにあることが書かれていたのを思い出して」

 

そう言いつつ、あるページを開いてみんなに見せる。そこには巡ヶ丘市内の地図が描かれており巡ヶ丘高校の位置にはバツ印が書いてある。そしてそれと同じようなバツ印が他にも2箇所あるのも確認できる。

 

日野「このバツ印‥‥まさか」

 

美紀「そうです。これは恐らくランダルがここ巡ヶ丘高校と同等の設備が置かれている建物の位置で間違いはないかと‥」

 

理琉「つまり、この2箇所にここと同様の設備があるかもしれないってことか‥」

 

慈「‥(地図を確認して)、となればこの2箇所のどちらかに向かうのがいいですね‥。ここだといずれジリ貧になりますし‥」

 

胡桃「だな‥、それにもしかしたら他に生き残りがいるかもしれないし」

 

由紀「私も賛成!」

 

こうして、特に反対意見は出てこず満場一致でこの2箇所のどちらかに向かうことになったのであった。

 

悠里「でも、行くならどっちにするの?」

 

ふと思った疑問を一同に聞く悠里

 

美紀「えっとですね‥距離的には‥

聖イシドロス大学のほうが近いですね」

 

地図とにらめっこして、聖イシドロス大学と書かれた場所を指差す美紀。

 

雪「じゃあ決まりね、大学ならここと同等の設備があるでしょうし、もしかしたら私達と同じ生存者が居るかも」

 

慈「私も賛成です。可能な限り近いほうが何かといいですし」

 

由紀「私も!」

 

胡桃「あとはそこの生存者が有効的な人間なことを祈るほかないな‥もうドンパチは勘弁だぜ(汗)」

 

理琉「マァそんときは制圧すればいいぜ(」

 

小春「また物騒なことを‥(汗)」

 

こうして一同は、拠点を写すために、身支度を整えるのであった。

 

 



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第三十話青春

今回最後のほうで少しR-18かするかも()


雪「‥‥」

 

移動するまでは地下区域と損傷の少ない二階で過ごすことにした学園生活部。そんな中雪は二階の購買部であるダンボール箱の中身にあったあるものを取り出しまじまじと見つめていた。

 

胡桃「お〜い〜雪〜。何やってんだ〜?」 

 

雪「ひょゎぁ!?//」

 

だが突如として胡桃が勢いよく扉を開けて入ってきて

盛大に驚く。

 

胡桃「うおっと(汗)そこまで驚かなくても‥」

 

雪「いきなり入ってくるから‥//(サッ)そっそれよりどうしてここに?」

 

見ていたものを背後に隠しつつ胡桃にここに来た理由を問う。

 

胡桃「何って、購買部探索行くって言ってなかなか戻ってこないから様子見に来たのさ」

 

雪「そっそうなんだ‥//」

 

胡桃「それより〜、なんか後ろに隠してるな〜?」

 

雪「あっいや‥(汗)特になにも‥//」

 

胡桃「本当か〜?(ニヤニヤ)」

 

だが隠しているのをみられたようで胡桃にめっちゃ詰め寄られる雪。詰め寄られ過ぎて壁際まで追い詰められる、

 

胡桃「さぁ〜、観念して見せてもらおうか〜(ニヤニヤ)」

 

雪「みっ見せません‥//」

 

どうにかこうにか見せてもらおうとする胡桃だが、雪に頑なに抵抗されてうまくいかない様子だ。

 

胡桃「うぅん、怪しいな〜(ニヤニヤ)よし!由紀ゆけ!」

 

由紀「了解!(ひょい)」

 

雪「なっ!?//」

 

胡桃の掛け声とともに、どこからか沸いてきてた由紀が

隠して持ってたものをあっさりゲットしてしまう。

 

胡桃「ナイスお手柄〜(ナデナデ)」

 

由紀「えへへぇ〜(撫でられる)」

 

雪「‥‥//」

 

由紀を撫でつつ、隠してた物を受け取り一緒に確認を始める胡桃。ちなみに雪は何故か恥ずかしさのあまりカオマッカになっていた。 

 

 

日野「なるほどねぇ」

 

そして地下の一室に戻ったあと、案の定みんなに公開処刑される羽目になってしまった雪。それを気にせずに一同は隠されてたものを見ていた。

 

日野「別に恥ずかしがるような服装でもなくね?制服って」

 

日野の言葉を聞くにはどうやら隠してたものは制服のようだ。カオマッカにしつつ口を開く雪。

 

雪「あっいや‥// その‥// 私の高校時代ってあんまりかわいい制服来たことなかったから‥// 」

 

小春「なるほど〜、確かに雪さんは訓練高校出身でしたからねぇ」

 

雪の理由に、頷くように喋る小春。ちなみに胡桃は先ほどからニヤニヤしっぱなしのようだ。

 

胡桃「せっかくだし、着てみようぜ」

 

雪「ふぇ‥// 」

 

圭「賛成〜」

 

理琉「マァいいんじゃねぇの?」  

 

慈「いいと思います‥♪」

 

美紀「ぐっとです」

 

日野「うむ」

 

悠里「ですねぇ♪」

 

瑠璃「わあい♪」

 

由紀「うん♪」

 

雪「みんなまでぇ‥// 」

 

そしてみんなに押される形で結局着せられることになってしまうのであった雪であった‥。

 

 

それから数分後‥

 

雪「どっ‥どうかな?」

 

着替え室からモジモジと恥ずかしそうにしつつ巡ヶ丘学院の制服を着た雪が姿を現す。

 

由紀「おぉ♪凄い似合ってるよ♪」

 

慈「本当の学生みたいですねぇ♪」

 

日野「訓練高時代の制服よりも似合ってんな〜」

 

雪「あっ‥ありがとう‥// 」

 

みんなに似合ってると言われ、特に日野から言われたため恥ずかしそうにしつつも笑顔になる雪。それを見て胡桃のニヤニヤ具合がさらに増す。

 

胡桃「前から思ってたけど、日野に褒められると顔が緩むな〜」

 

小春「あっ確かに言われてみれば〜」

 

理琉「胡桃のゆうとおりだな」

 

圭「まあ付き合ってるんだしねぇ〜」

 

雪・日野「「‥// 」」

 

図星なことを言われ、日野でさえも恥ずかしそうに視線を泳がせる始末。そしてしばらくみんなからの連携攻撃にさらされるのであった。

 

 

その日の‥夜屋上にて

 

雪「まさか写真まで撮られるなんて‥// 」

 

日野「お前のほうがいろいろ大変だったな‥(汗)」 

 

雪「ほんとよ‥// (ため息)」

 

なんとかんとか連携攻撃を切り抜けた二人は夕食を済ませたあと屋上に来ていた。明日ここを離れるために

最後に夜空でも見ようという日野の提案で訪れていた。ちなみに制服はそのまま着てる()

 

日野「でも、着てるってことはけっこう気に入ってるんじゃねぇか?」

 

雪「まあねぇ〜。訓練高時代の制服よりよっぽどいいわよ」

 

日野「まあ、訓練高の制服ってけっこう地味だったからなぁ‥」

 

そんなこんなで訓練高時代の制服に愚痴を言ってる最中ふと雪が夜空を見上げる‥。

 

雪「にしても‥パンデミック以来からもう半年か‥

昨日のような出来事だね‥」

 

日野「‥いろいろあったしな‥」

 

雪「‥‥この先‥どうなるんだろう‥この終わりの見えない戦い‥」

 

ポツリと雪にしては珍しく弱音をはいている。それを見た日野は頭を撫でる。

 

雪「ん‥」  

 

日野「心配すんな‥。物事っていうのはいつか終わるんだ‥。このパンデミックだって‥どうゆう形かわからねぇが終わるはずだよ‥。それに‥お前やみんなは俺が守る‥。」

 

雪「‥相変わらず優しいね‥♪日野って」

 

日野の決意を聞いて少し安心したのか表情が緩む雪。そして二人は向き合い‥唇を重ねる。

 

雪「ん‥// プハ‥// 久しぶりに‥甘えていいかな?」

 

日野「全く‥// こんな俺でいいのか?」

 

雪「あんたの変わりなんていないもん‥// 」

 

日野「やれやれ‥// 」

 

そして‥二人は夜の一室で激しい夜戦を営んで一つになったのであった。




いよいよ高校編終わりに近づいてきました!
学園生活部はいよいよ新天地に向けて動き出します!


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第三十一話明日へ

いよいよ最終回です!
みんなのそれぞれの思いを胸に学園生活部は新天地を目指すことになりました!


そして‥あれから夜が明け

いよいよ出発の日がやってきた‥。学園生活部のメンツは支度をして‥いや、何やらある教室に集まってなにか作業をしているようだ。

 

由紀「こんな感じかな?」

 

胡桃「もう少しこうしたら?」

 

日野「雪〜、これ運ぶの手伝ってくれないか?」

 

雪「はいはい〜♪(トコトコ)」

 

慈「何やら雪さんご機嫌いいですねぇ〜?」

 

悠里「昨日は普通だったのだけど〜、なにかあったのかしら〜?」

 

圭「えっとね〜、雪s‥むぐく(美紀口を塞がれる)」

 

美紀「雪さん〜、そっち終わったらこっちお願いします〜(汗)」

 

雪「ん〜?了解〜」

 

瑠璃「めぐねぇ〜、これここでいいかな?」

 

慈「そこでいいわよ〜。あっこっちもお願いできる?」

 

理琉「由紀〜、こんな感じか?」

 

由紀「どれどれ〜?うんこんな感じ♪ありがとう♪」

 

理琉「おっおう‥//」

小春「もしかして?由紀さんに恋した?」

 

理琉「うるせぇ‥//(そっぽを向く)」

 

攻撃の被害が少なかった教室の黒板で何やら書いているようだ。太郎丸も加わるという大作業になっていた。

教室の掃除や、装飾をしているようだ。

 

圭「‥にしてもあれから半年もたつのか‥」

 

ふと時の止まったカレンダーを見つつ圭がそう口に溢す。そう言われて隣で作業していた美紀も同じく視線を向ける。

 

美紀「確かに‥あっという間だね‥」

 

それから二人は今までの出来事を振り返っていた。

 

圭「あの日‥パンデミックが起こった日はリバーシティ・トロンに来てたよね。放課後使って‥」

 

美紀「だね‥、新しい本とかCD買いに。そしたら‥突然悲鳴が聞こえて‥それから‥」

 

圭「あのとき‥なにが起こってたか全然わからなかった‥。でも‥なにか良からぬことが起こってたのは察してた‥。」

 

美紀「なんとか‥5階に逃げて‥。そこでほかに逃げて来た人達と一緒に過ごして‥。最所はけっこう良かったよね‥」

 

圭「でも‥突然火災が起きて‥。私達以外が死んじゃって‥。それからだっけ‥私が美紀おいて出て行っちゃったの」

 

美紀「あのときは本当に心細かったよ‥。もう二度と会えないんじゃないかと思って‥‥」

 

圭「本当にごめんね‥?あのときは」

 

美紀「いえ‥、また会えたので良かったですよ‥♪もう気にしてません‥♪」

 

圭「ありがとう‥♪(涙目)それから‥学園生活部の人たちと出会って‥、狭山さんや黒田さんと出会って‥

賑やかになったよね‥♪」

 

美紀「はい‥♪でも‥その後も何度もけっこう危ないことが何回もありましたよね‥」

 

圭「だね‥。雪さんが死にかけたり‥、私達の居場所が襲われたり‥。あのときは本当に怖かった‥」

 

美紀「せっかく会えたのに‥今度こそ会えないかと思った‥。でも‥みんな無事で良かったよね‥」

 

圭「‥ほんとだよ‥。本当に‥良かった‥。」

 

美紀「‥もう‥離れません‥ずっと一緒ですよ‥♪」

 

圭「もっちろん♪さっ、早く作業の続きしよ?」 

 

美紀「はい♪」

 

 

雪「でも‥あっという間だね‥ほんと」

 

日野「確かになぁ‥、物事って本当に過ぎるの早いよな‥。特にパンデミック発生から‥」

 

雪「まさか、あの日からまた日野に会えるなんて思ってなかったよ」

 

日野「俺もだよ。あれ、下手すればすれ違ってたぜ。数奇の巡り合せってあるもんだなぁ‥」

 

雪「‥‥ねぇ日野」

 

日野「ん?」

 

雪「私、みんなをもっと護れるように頑張る‥!

今までだって、助けてもらってばかり‥。だから!」

 

日野「雪らしいったら雪らしいな‥♪だが無理はするんじゃねぇぞ。俺にとってお前は大切な存在なんだから、簡単にくたばるんじゃねぇぞ?」

 

雪「わかってる‥♪あんたを置いてなんかいかないよ♪」

 

由紀「そういえばさ、めぐねぇはこの騒動が収まったらどうするの?」

 

作業をしているときにふと丈槍さんにそう聞かれた。一瞬返答に迷ったが咄嗟に返す。

 

慈「そうですね‥、この騒動が終わっても教師は続けたいですね‥♪丈槍さんはどうしたいの?」

 

由紀「う〜んっとね‥」

 

私の質問に、普段あまり見ないような真剣な表情を浮かべつつ考えて

 

由紀「私は教師になりたいな♪めぐねぇみたいな先生を目指して♪」

 

そう言って丈槍さんは笑顔でこちらに顔を向けつつそう告げていた。その言葉を聞いた私は少し驚いた。

まさか私を目指しているなんて‥。でも、少し嬉しかった。

 

慈「そうなんだ‥♪じゃあ、教師目指してしっかり勉強しないとね♪」

 

由紀「うっ‥(汗)」

 

でも、やはり勉強となると彼女は項垂れるように頭を抱えているのであった‥。

 

 

瑠璃「りーねぇできたよ〜」

 

悠里「どれどれ〜?あら♪いい出来じゃない♪」

 

瑠璃「わあい♪」

 

胡桃「そんな綺麗にできるのがすごいぜ‥(汗)」

 

悠里達は飾りの装飾を作っているようだ。そんな中瑠璃がふと口に出す。

 

瑠璃「新天地‥大丈夫かな?怖い人は嫌だなぁ‥」 

 

そんな言葉を聞いてすぐに答える悠里

 

悠里「大丈夫、きっと優しいと思うわ。それにもしそうだとしてもみんなで守ってあげる‥♪」

 

胡桃「おうよ♪胡桃様に任せたまえ♪」

 

胡桃も瑠璃を安心させるように笑顔で答える。そんな二人見て、安心したのか瑠璃に笑みが現れる。

 

瑠璃「うん‥♪」

 

太郎丸「ワン!」

 

 

小春「ねぇ理琉?」

 

理琉「ん?なんだ?」

 

教室の机を後ろに下げる作業の最中、なにか思ったのか小春が口にする。

 

小春「最初、全滅しかけたときはすごく怖かった‥。けど、あの子達に出会えて‥良かったような気がしたよ」

 

理琉「奇遇だなァ、俺も同じことを思ってた」

 

小春「‥これからも‥一緒にいられるかな?」

 

理琉「あったりメェだ、あいつらを護るのが俺達の仕事だからよ。意地でもくたばらねぇぞ」

 

小春「うん‥♪」

 

 

由紀「出来た〜♪」  

 

作業を初めて数時間‥、由紀の声とともに教室の装飾が終わる。黒板にはそれぞれの思いを書き留めていた。

 

美紀「これからも一緒にいられますように」

 

圭「美紀は私が護る!」

 

瑠璃「お姉ちゃんの支えになりたい」

 

悠里「るーちゃんやみんなを護れるようになりたい」

 

雪「みんなとずっといられますように‥♪」

 

日野「これから先も警察官として職務を全うする」

 

由紀「心は一つ!!」

 

慈「皆さんの保護者として、教師として‥がんばります!」

 

胡桃「先輩‥見ててくれよな。みんなは絶対護るから!!」

 

理琉「軍人としておれの仕事は、学園生活部を守ること」

 

小春「みんなに出会えて良かった♪」

 

とそれぞれ書き留めていたのであった。  

 

慈「はいはい〜、みんな黒板の前に並んで〜」

 

三脚のカメラを立てて、慈がみんなに並ぶように促しつつ調整する。

 

理琉「日野〜、もう少し横だな〜」

 

日野「おっと、失礼」

 

圭「美紀〜、早く早く〜」  

 

美紀「そんなせかなさいで‥(汗)」

 

少しグダグダしつつも、なんとかカメラ内に収まるように並ぶことに成功する。それを確認しつつ慈がシャッターのタイマーをセットする。

 

由紀「めぐねぇ早く〜」

 

由紀が声をかけ、慈がそれに答えつつ慈が駆け足で列に加わる。

 

由紀「じゃあみんな行くよ〜、はい♪」

 

全員「「「チーズ♪」」」

 

太郎丸「ワン♪」

 

 

 

 

慈「あっという間‥でしたね」

 

日野「まあな‥」

 

あれから写真を撮ったあと、荷物をまとめて車を止めてる正面入り口前に一同は来ていた。見慣れた日野のクラウンと雪の新型セレナに挟まれる形で見慣れないハイエースの姿が‥

 

日野「というか良かったのか?ミニクーパー手放して、あれお前の愛車みたいなもんだろ?」

 

そう言いつつ日野が視線を向けた先にはきちんと駐車場に止めてある慈の愛車の姿が

 

慈「確かにそうです。ですが、やはりこっちのほうがいろいろと便利ですし」

 

胡桃「おおい!ふたりとも〜、そろそろ行くぞ〜」

 

日野「っと‥じゃあ行くか‥」

 

慈「えぇ」

 

 

そして積み込みを終えた3台はクラウンに日野、美紀、圭、ハイエースに慈、由紀、悠里、瑠璃、セレナに雪、胡桃、太郎丸、理琉、小春が別れて乗り込み、クラウンを先頭に出発、懐かしみのある学校との別れを惜しみつつを後にする。

 

美紀「‥なんだか、初めて学校が恋しいと思いました‥」

 

圭「奇遇だねぇ〜、私もだよ〜」

 

胡桃「まあ、長く過ごせばそうなるのも無理もないかもな」 

 

日野「うむ、そうだな」

 

由紀「私も〜、初めて学校が好きだと思ったよぉ」

 

慈「それを前から思ってほしかったです‥(汗)」

 

由紀「えへへ‥(汗)そうだ♪これってなんか卒業旅行みたいだよね」

 

美紀「唐突ですね‥(汗)」

 

圭「まあわからなくはないかもねぇ〜、由紀先輩は卒業旅行どこ行きたいの?」

 

由紀「アメリカ!!」

 

胡桃「海外かよ!?」

 

由紀「じゃあ胡桃ちゃんはどこ行きたいの〜?」

 

胡桃「え?えっとぉ‥京都‥かな?」

 

由紀「舞妓さんだねぇ」 

 

胡桃「なんでだよ!?」

 

雪「でも、気になるんでしょ?」

 

胡桃「えっまっまあ‥」

 

悠里「あら?もしかして図星かしら?」

 

胡桃「うぅ‥//」

 

由紀・瑠璃・圭「「「うふふ〜」」」

 

胡桃「お前らぁぁ〜!!」

 

由紀・瑠璃・圭「「「あはは〜♪」」」  

 

賑やかな三台の車内をよそにに太陽に照らされている街を走っていくのであった‥。




ご視聴いただき誠にありがとうございました!
初の小説完走、ここまでこれたのも皆様読者のお蔭です!本当に感謝しかありません!
高校編完走ということはもちろん原作同様大学編も、近々スタートさせようと思います!
他作の投稿もあるのですぐにとは行きませんが気長にお待ちいただければと思います。
それでは!


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第二章 大学編
【シーズン2】第三十二話 新天地へ


これは
大学編
ー守るべきものーのリメイク作品です。
前より楽しめるようにしてあります



「巡ヶ丘35より神奈川本部!!」 

「神奈川本部です。巡ヶ丘35、どうぞ」

「現在巡ヶ丘駅にて大規模な暴動が発生!!現場だけでは手に負えない!!至急応援を求む!!」

「巡ヶ丘84より本部!!ショッピングモールリバーシティートロンでも傷害事件が多発!!既に何名か負傷した!救急隊の派遣を!!」

「警察では手に負えない!!自衛隊の派遣を!!」

「現在ランダルコーポレーション及びアンブレラ社私設部隊が展開中です‥!」

「政府は先程、巡ヶ丘市に発令していた緊急事態宣言を全都道府県に拡大することを発表。それに伴い全国に拡大している暴動事件に総力を上げて対応‥ザ――――ッ」

 

 

雪「―――や、――うや、祐也ってば‥!」

日野「はっ‥!?」ガバ

 

雪に起こされ、飛び起きるように体を起こす。周囲を見るとそこはどうやらクラウンの車内のようだ。外に視線を向けると日が暗いことからどうやら見張りの最中に寝落ちしてしまったようだ。

 

日野「‥寝落ちしてたか‥」

雪「もう‥見張りの最中に自分だけ寝るのはズルいよ〜?」

日野「わりぃ‥(汗)」

雪「でも大丈夫?なんかうなされてたけど‥」

日野「うん〜‥、休めるときは休んでるんだけどなぁ‥」

雪「あんまし無理しないでね‥?大事なメンバーの一人なんだから‥」

日野「わかってるよ‥。」

 

 

翌朝‥

 

一同「「「いっただきま~す!!!(ワン!!)」」」

 

ハイエースの車内から元気な声が聞こえてくる。簡易テーブルを囲んでカセットコンロでできたインスタントカレー(太郎丸はドックフード)を一同は頬張っていた。

 

由紀「ん〜♪おいひい〜」モグモグ

小春「だね〜♪」モグモグ

瑠璃「美味しいのだ〜」モグモグ

圭「うんうん〜♪」

悠里「あらあら〜♪喜んでくれてなによりだわ〜」

慈「こうやってゆっくり食べるのも高校を出て以来ね〜」

雪「ですね‥♪」

理琉「たしかにィそれはそうだなァ」

胡桃「いくらこのハイエースが広いとはいえど十人以上集まるとあんまりのんびりできないもんな〜‥」

美紀「ハイエースの車内を改造してくれた日野さんには感謝ですね‥♪」

日野「なんか照れるな〜‥//」

太郎丸「ワン!」

 

楽しそうに雑談をしつつ食べているとあっという間にお皿の中は空っぽになってしまっていた。

 

一同「「「ごちそうさまでした〜!!(ワン!!)」」」

 

お皿を車内に増設した簡易キッチンで皿を洗い片付けつつ今後の予定について話し合っていた。

 

理琉「ンじゃ、今日はここの警察署まで行くぞ」

美紀「この警察署って確か‥」

日野「俺が務めてた巡ヶ丘警察署だ‥」

雪「どうして警察署に‥?」

理琉「可能な限り短い距離で寄り道をしようと思って考えたらこのルートになった。」

慈「‥ということは‥」

理琉「アァ‥あの緊急避難マニュアルに書かれているのならここに何か鍵を握るもんがあると思ってな‥」

胡桃「今回の騒動の最前線に立ってたもんな‥。有力なやつがあるってことか‥」

 

そして準備を整え各車に乗車したのを確認し、日野のクラウンを先頭に、慈が運転するハイエース、雪のセレナが続く形で一夜明かした駐車場を後にする。

 

圭「次はそこを左折ですね」

日野「ほいほい」

 

地図を見つつ圭が道案内をしてそれに従って日野はステアリングを左に切り、交差点を曲がる。

 

美紀「にしても大学までけっこうかかりますね‥」

 

後部座席でバレットの整備をしつつ、なかなかつかないことに思わず不満を零す美紀。

 

日野「まあ‥普通ならすぐに着くんだが‥」

 

同感と言わんばかりに日野が頷く。まあ無理もない、普通なら一時間もかからずに大学にいける距離が事故車や彼らによって通れない箇所が予想以上に多い。そのため迂回ルートを繰り返して進んでいるとかなり時間がかかってしまっていた。

 

圭「通れない箇所が多すぎるんだよねぇ‥」

美紀「本当に大学につけるのでしょうか‥」

 

大学の生存者がどんなのかと言う前に、この調子で大学につけるのかため息が溢れる3人であった。

 

 

ハイエース車内

 

由紀「‥よし!ここ!」

瑠璃「あっ‥!?」

太郎丸「ハッハッ‥♪」

悠里「ふふ‥♪楽しそうね♪」

 

後部のソファーでトランプをして遊んでいる由紀と瑠璃と太郎丸、そんな二人を嬉しそうに見ている悠里とハンドルを握る慈。

 

慈「確かそのトランプって高校から持ってきたのよね?」

由紀「うん〜♪そうだよ♪生徒会室を漁ってたら見つけたの〜」

悠里「他にも持ってきてるのよね〜?」

瑠璃「そうなのだ〜、これでしばらくは飽きないのだ♪」

 

どうしても車で移動しているときは遊べるものが限られてしまう。そのため少しでも暇つぶしできるものがあればとカードゲームなどを高校から持ち出せるだけ持ち出してきたのだ。

 

悠里「予想以上に遠回りしてきますからねぇ‥、あっまた迂回するみたいです」

由紀「もう迂回した回数忘れちゃったよ〜‥」

慈「やはり上手くは進めないですよね‥‥」

 

 

セレナ車内

 

胡桃「んで‥!昨日日野と見張りしたんだろ‥!?イチャイチャとかしたのか‥!?」

雪「見張り中にイチャイチャなんて‥‥//」

理琉「本当か〜?」

小春「そんなこといって〜、実は熱い夜を過ごしたり‥」

雪「あわわ‥//!!??」

 

こちらでは絶賛胡桃達の猛アタックを喰らって顔真っ赤にしつつステアリングを握る雪の姿があったのであったのである。

 

胡桃「んま、雪の弄りはこれくらいにしておいて」

雪「‥‥//」

胡桃「本当に変わっちまったな‥世の中」

小春「‥だね」

 

胡桃の向けた視線の先には窓ガラスが割れたり火事のあとだろうか‥半分焼けた家など、もはや終末かのような世界が広がっていた。

 

理琉「数ヶ月前はあまり前に過ごしてたんだよな‥」

雪「‥えぇ、あの日も‥学校いったり、仕事いったり‥。そんな何年も続いた日常っていうのはこんなにもあっさり崩れるものなんだっていうのを感じたよ‥」

 

そう言っている雪の表情はどこか寂しげな雰囲気を醸し出していた。

 

理琉「‥だがまだ希望がないわけじゃない‥、恐らくこの状況下でもオレたちと同じように生きている生存者がいるかもしれない」

小春「そう‥だね‥!!私達が頑張らないと!」

胡桃「あぁ!それに絶対ランダルの奴らの悪事を突き止めてやる!」

雪「‥父さんの仇は‥必ず取る!」

 

そんな決意や不安などを背に3台は荒廃した巡ヶ丘を走り抜けるのであった。




高校での激闘を終えて新天地を目指す学園生活部

そんな一同は少しでも情報を集めようと大学にいく途中で警察署に寄り道することになった。


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第三十三話 巡ヶ丘警察署

今回はいよいよ警察署に乗り込みます。
学園生活部は一体何を見るのか


それから迂回を繰り返しつつ走っていると、少し先に巡ヶ丘警察署の建物が見えてきた。建物周辺にはぱっと見彼らは確認できないが壊れたバリケードで塞がれ近辺には血痕、数名ほど息絶えた人の遺体が転がっていた。

 

美紀「これは‥思ってたより酷いですね‥‥」

圭「‥‥(思わず視線を逸らす)」

日野「こっちから入るのはダメそうだな‥。精神的に‥」

 

正面から入るのは不可能と判断して裏口から侵入をすることにした。裏口に回ってみるとそこにもバリケードは設置されてるが表と比べて遺体もなく今も一応機能しているようだ。

 

雪「以外とここは綺麗だね」

日野「まあここは関係者以外しか知らないような入口だからな‥。パニックになった人が集結するのなら表口だろ‥」

胡桃「わたしからしたらこっちのほうが楽だな‥(汗)表の遺体まみれは気がめいいりそうだ‥(汗)」

悠里「同感です‥、るーちゃんに見せれるものじゃないので‥‥」

理琉「マア、俺からすれば別に大丈夫だけどな」

小春「‥あんたの感覚は普通の人からすればおかしいから比較対象にもならないね(キッパリ)」

理琉「ワ〜ヒドイゾ」

 

そんなこんな話しつつそれぞれ愛銃を取り出す各員。

 

日野「んじゃ行きますか」

 

準備ができ次第バリケードを超えて中に侵入する一同。まず初めに日野が乗り越えて敷地内に彼らがいないことを確認、それを手合図で伝えると雪、悠里、瑠璃、胡桃、由紀、慈、圭、美紀、太郎丸、小春、理琉の順番に超えて中に入る。

 

慈「とりあえず日が落ちる前に中の確認と制圧をしますか‥」MP7片手に

胡桃「でも日が落ちるまであんまし時間ないぞ?」

理琉「仕方ねぇ‥、ここはグループに分かれて行くしかなさそうだな。日野、ここの警察署の構造はどうなってる?」

日野「地上は4階建てで屋上あり、地下は一階で地下駐車場と地下倉庫がある」

理琉「んじゃ俺と日野、胡桃は地下倉庫と駐車場、美紀と圭、そして雪と太郎丸は地上一階から二階、小春と慈、由紀と悠里、瑠璃は三階から四階を頼む」

日野「あいよ」

胡桃「任せな!」

雪「オッケー♪」

美紀「はい!」

圭「任せてよ!」

太郎丸「わふぅ!」

慈「教師‥いえ!大人としてがんばります!」

由紀「私も頑張る〜」

悠里「るーちゃん、しっかりついてきてね〜?」

瑠璃「はあい♪」

小春「よっしゃ!」

 

こうして各グループで別れて警察署の早期確認及び制圧に乗り出すために建物内に侵入する学園生活部であった。

 

地下

理琉と胡桃、日野組

 

パァン!!

 

胡桃「ふぅ‥こんなもんか?」

 

構えていたM4を降ろしつつ周囲を確認する胡桃。彼女の視線の先には何体か倒れている彼らの姿が‥

 

理琉「みたいだな‥。音で釣られたのはコイツらだけだし」

日野「だな」

 

20小銃を背中にかけつつ、懐中電灯で駐車場内を照らす。そこそこ大きいものの見渡しがよく、何台か警察車両が放置されていた。

 

日野「何台かは残っているが‥この感じだとほとんど出払ってるな‥」

理琉「まっ、誰もまさか生物災害だとは思わないよな。とりあえずここは制圧しおわったし次は地下倉庫いくか」

胡桃「了解」

 

地下駐車場を制圧したのを確認し、次の場所である地下倉庫に向かうことにした。

 

地上一階〜二階

 

圭「こんな感じですかね〜?」

雪「そうそう、そんな感じ。あっ美紀〜?そこの机をもう少し動かしてくれない?」

美紀「わかりました」

 

その頃雪達は彼らが侵入できないように一階の階段近辺をロッカーや机、イスなどでバリケードを作成。地下で制圧をしている3人が安全に上がってこられるように囲っていた。

 

雪「ふぅ‥こんな感じかな?」

圭「これで彼らが紛れ込むことはなくなりましたね」

美紀「んじゃ、作業も終わったし探査しましょうか」

 

特に建物内に彼らは数体しか確認されておらず、雪達にあっさり制圧され、その後に侵入を防ぐためにあのバリケードを作ったのであった。

 

美紀「‥っと言っても一階にはめぼしいものは特にありませんでしたね‥(汗)」

雪「まっ一階のほとんどは待合室とか受付のカウンターとかが中心だしねぇ‥」

圭「二階では、何かいい物が見つかるといいですが‥」

 

そんなこんな話しながら二階に上がる。最初に目についたのは機動捜査隊のデスクワーク室、ここは主に捜査官が犯人についての情報収集などを行うための部屋でたくさんのパソコンが置かれている。しかしパンデミックの影響であちこちに散乱していた。

 

雪「ここもかなり酷いわね‥‥」

美紀「この感じだとパソコンはもう使えなさそうです‥‥」

圭「ん〜‥あっ‥!」

 

部屋の中を探索しつつ物色していると圭がデスクトップの引き出しの中からあのマニュアルを見つける。

 

圭「美紀!雪さん!ここにもマニュアルが‥!!」

雪「やっぱりか‥!!」

美紀「ナイスです!圭」

 

圭の呼び声につられて雪と美紀、そして太郎丸もやってくる。

 

圭「ほら‥コレです‥!(見せる)」

雪「‥間違いない‥。高校のヤツとは内容がほぼ異なるけど同じ緊急マニュアルだ‥」

美紀「‥なんて書いてあるのですか‥?」

雪「ちょっと待ってて」ページを開く

 

表紙をめくり目次の1、2ページを飛ばして3ページに視線を移すとそこには万が一パンデミックが発生した際のことについて書かれていた。

 

【もし何らかのトラブル、または事故が発生しバイオハザード(生物災害)に発展した場合。その際警察官は初動対応として直ちに市外への出入り口を封鎖、他県への感染爆発を抑える行動を取ること。そして感染した人物は速やかに射殺、可能なら火葬、それが無理なら死体パックに入れて密閉区画へ閉じ込めておくこと。射殺する際は脳天を撃ち抜くことで速やかに制圧できる。もしそれが不可能な場合足を撃つことで移動スピードを低下することが可能。武器な警察署の地下倉庫に全隊員分あり、署長により支給される。その後の指示はランダルコーポレーション私設部隊に従うように。】

 

美紀「やはり‥、このような事態になることは予想していたのですね‥」

雪「恐らく有事に備えて巡ヶ丘市の公務員全員にこんなマニュアルを配ったんでしょうね‥」

圭「‥でも感染爆発を抑えることに失敗‥、事態が悪化したということですね‥」

雪「どんなときも‥有事の際っていうのはマニュアル通りに動けないものなのよ‥」

 

結局、バイオハザードに対応するためにあるマニュアルも所詮ただのマニュアル。その内容どおりに動くことができるとは限らない。そんな現実を肌で感じつつページをめくると銃火器のある倉庫、非常用発電施設、貯水タンク、他施設の地下区域についての情報が載っていた。

 

ーったく‥用意はいいようで‥‥って‥ん?ー

 

準備だけは一人前なんだよね‥ランダルコーポレーションは‥っという感じを漂わせつつ裏を見るとあるシンボルに目が止まる。

 

ーランダルコーポレーションの横に赤と白の傘マーク‥?もしかしてランダルのシンボルマーク‥?いや‥違う‥となると‥ー

 

彼女の視線の先にはランダルコーポレーションの名前の隣に書かれている赤と白の傘マークが映り込んだのであった。 

 

三階から四階‥由紀、慈、悠里、瑠璃、小春組

 

小春「おぉ‥」

 

ある部屋の中を見つつ小春が驚きの表情を浮かべる。

 

小春「すごいよ〜、ここ食料がたんまりあるよ〜。しかも非常用ばっかり〜」

慈「こっちもです〜。まるでこうなることを予言してたかのように‥」

由紀「こっちはカセットコンロ用のボンベがおいてある〜」

瑠璃「ここはなんかいっぱい書類が置いてあるのだ〜」

悠里「ここにあるうちの半分がこの事態のための書類‥か」

 

三階から四階には休憩室や仮眠室、食堂のほかにパンデミック時に備えた書類、そしてそれに負けないくらい捜査書類が棚にびっしり置かれていた。

 

悠里「‥(ペラペラ‥)でも‥この書類が作れたのは少し古いけど最近の1998年‥ランダルコーポレーションが設立されたのはこれよりも前‥その時から開発してたのなら‥」

小春「うぅん‥、なんかこの年なにかあったような‥」

 

小春は何やら1998年という言葉に引っかかっているのか首を捻りつつ考え込んでいたのであったが‥思い出せずにいるのであった‥。

 

そして‥その日の夜‥比較的無傷な休憩室にて‥

 

理琉「んじゃまずは俺達からだな‥、地下倉庫には報告通り銃火器が保管されていた。といっても日本の警察が使うタイプはほとんど持ち出されてるが‥マガジンの予備は何個かあった。」

日野「それとその銃火器とは隠すようにもう一つの部屋からも銃火器を見つけた。種類は高校の地下区域で見つけたタイプとほぼ同じだな」

胡桃「まっこれでしばらくは弾不足にはならないな」

雪「次は私達の番ですね。一階には特にめぼしいものはなし、二階のデスクワーク部屋の引き出しからは例のマニュアルを見つけたわ。内容はだいぶ違うけど似たようなものね」

 

そう言って雪がマニュアルをみんなに見えるように机の上におく。それを、一同は興味津々で見ていた。

 

胡桃「‥確かにこのマニュアルはパンデミック発生時の対応について書かれているな‥」

小春「四階の書類室からも似たようなものを見つけたけど‥。これやけに詳しく書いてない‥?」

慈「‥言われてみれば‥、いくらシュミレーションでわかるとはいえどんな感じにパンデミックが広がるかなんてわからないのに‥」

理琉「‥まさか」

 

慈の言葉に嫌な予感がしたのか急いでページをめくり裏表紙を確認。やはりという表情になる。

 

理琉「‥くそ!やっぱりか‥!どうりでランダルの、奴らの装備がいいと思った!」

由紀「どうゆうこと‥?」

 

由紀の疑問に理琉は一同に振り向いて補足説明をする。

 

理琉「確かランダルコーポレーションは巡ヶ丘市を拠点にする製薬会社っていうのは知ってるよな?」

悠里「えぇ、巡ヶ丘市の発展を全力でサポートした有名企業ですよね」

理琉「そうだ、日本‥いや世界から見ればかなり大きな企業で、特にアメリカ政府との繋がりが強いと言うことは聞いてるな」

雪「えぇ、銃火器が全てアメリカ陸軍で使用されているタイプっていうのが一番の証拠だしね」

理琉「‥だが考えてみろ。高校を襲撃してきたとき奴らは攻撃ヘリとか攻撃機を持ち出してきた。いくらアメリカ政府との繋がりが強いとは言えど攻撃機を入手できるほどの権力はないんだ」

圭「そうなのですか‥?」

理琉「あぁ、俺がアメリカにいたとき、ランダルコーポレーションへ銃火器の提供は聞いていたが攻撃機などの提供は一切聞いていない。」

美紀「それじゃ‥どうやって」

理琉「‥答えは簡単だ‥。ランダルコーポレーションの親会社でさらにアメリカとの繋がりが深く、アメリカに拠点を置き大規模な製薬会社‥」

小春「‥まさか‥」

 

理琉の言葉に小春も思い出したのか顔に焦りの表情が見えてくる。

 

理琉「そうだ、アイツだよ。アメリカにいたとき嫌というほど噂を耳にした、アンブレラコンポレーション。通称アンブレラ、この赤白の傘マークが特徴だ。」

日野「アンブレラ‥」

理琉「ランダルの親会社って聞けばもうわかるだろ‥?そう、コイツらも製薬会社と偽って裏では生物兵器の研究をしてるんだ。しかもランダルよりも更に厄介な奴らを‥な」

慈「‥‥」

 

衝撃的な事実に一同は驚きを隠せずにおり、しばらく無言が続くのであった。




あの製薬会社‥
アンブレラがここで出てきました。
バイオハザードシリーズではキーパーソンになり全般を通して物語の重要ポジションに居続けました。
ランダルよりも更に強力なウィルスの研究、開発をしており後に彼らはそんな化け物に苦しめられます。


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第三十四話 災害用放送局

ランダルコーポレーションのバックアップとして存在する大規模製薬会社アンブレラコーポレーション
通称アンブレラ社
その存在を知ることになった学園生活部であった。


それから‥翌日

 

雪「よっと‥」

圭「この書類も持っていくんですよね?」

雪「そうね〜、とりあえずクラウンのトランクに入れといてくれる?」

圭「わかりました〜。日野さん、トランク開けてください〜」

日野「あいよ、ちょっと待ってな」

理琉「由紀ィ大丈夫か?重そうだが‥」

由紀「大丈夫だよマーくん♪これくらいは持たないと‥!」

慈「食料はセレナとハイエースに分けて保管しますか、そのほうがたくさん詰めますし」

胡桃「にしても凄い量だな‥。りーさんこれどれくらい持つんだ?」

悠里「一週間半ってところね‥、これなら大学についても余分にあまるほどありそう。節制していた食料問題もなんとかなるわね‥」

瑠璃「わあい〜、一杯食べれるのだ〜」

太郎丸「ワン!」

小春「銃火器の弾はどうしよっか‥?」

美紀「各自持ちでいいんじゃないですかね‥?種類が違いますし‥、一緒に保管してたら混乱しそうです(汗)」

小春「だよね〜(汗)」

 

学園生活部一同は警察署から持ち出せる食料や弾薬、そしてランダルコーポレーションについての一部書類やマニュアルをせっせと3台に分けて積み込んでいた。

 

ーしかし‥ランダルの裏にアンブレラっていう企業がいたのか‥‥、そうなるとこの騒動もなにか裏があるな‥ー

 

ランダルコーポレーション関係の書類を見つつそんなことを思う日野。そして静かに書類をトランクにしまうのであった。

 

 

由紀「それじゃ出発〜♪」

瑠璃「お〜♪」

 

由紀と瑠璃の元気な声が車内に響き渡ると同時に3台は車列を乱さずに警察署を後にする。

 

胡桃「警察署に寄り道したのは正解だったな♪」

小春「だね〜、食料とかたくさん手に入ったし〜」

理琉「おまけにマニュアルや書類も見つかったんだ。これならアイツらの悪事にまた一歩近づけるな‥」

雪「それに弾も手に入ったし、彼らとの接触を避ければしばらくは困らなさそうね」

 

そんなこんな話しつつ、3台は荒廃した巡ヶ丘市内をゆっくりと走行していく。それから数時間後ハンドルを握る美紀がふとガソリンメーターを見て日野に声をかける。

 

美紀「日野さん、ガソリンの残量が2割ほどに‥」 

日野「もうそんなにか‥」

 

するとほかの2台からも無線が入る。

 

慈「ガソリンがあと少しで無くなります」

雪「こっちもそろそろ給油しないとやばいかも〜」

日野「みんなもか‥となると次のスタンドで休憩がてら補給すっか〜」

 

こうしてガソリンの補給のためにこの先のガソリンスタンドによることになった。

 

巡ヶ丘市内某所E○EOSガソリンスタンド

 

近くに電柱に衝突した警察車両の横を通りながらガソリンスタンドの敷地内に入る。ぱっと見、窓ガラスは割れているものの比較的キレイな部類だ。

 

雪「よっと‥」

慈「やっぱり手動だといろいろ苦労しますね‥」

 

到着してすぐに、3台にガソリンを給油する雪と慈。しかし電気が通ってないため手動でポンプを使い燃料をタンクから上げてホースをつたって補給している。

 

日野「ここにポンプがあってよかったよ‥。なかったらけっこうヤバかったかも」

胡桃「だよなぁ‥」

 

ポンプを見つけてきた日野と胡桃も二人の意見に同意する。まだポンプを見つけてきたからなんとかなったもののこれがなければかなりの労力になっていたことだろう。

 

 

ガソリンスタンド屋上

 

スタンド屋上ではバレットの脚を立てて美紀が周辺警戒をしており隣には双眼鏡片手の圭の姿も

 

圭「そっちはどう?」

美紀「遠くにチラホラ見える程度でそこまでこの辺はいませんね‥。圭の方はどう?」

圭「こっちは全然いないね〜。まあ少ないほうがこっちとしては楽だけど〜」

 

 

ガソスタ店内

 

理琉「うぅん‥やはりガソスタだからあんまり食料とかはなさそうだな‥」

小春「これが個人運営なら家とかと併設してるから期待ができたんだけどなぁ‥」

 

店内ではウィンチェスターM1887を持っている理琉とグロッグ17を腰に下げている小春の二人が店内を物色していた。 

 

理琉「まっ飲み物はけっこう手に入ったし、ついでに予備のタイヤとか車の備品も入手できた。もしパンクしても安心だな」

小春「だね〜‥それが救いだよ〜」

 

そんなこんな話しながら台車にタイヤなどを積み込んでいくのであった。

 

 

ハイエース車内

 

由紀「暇だね〜」

瑠璃「そうなのだ〜」(ゴロゴロ)

悠里「だめよ〜?ちゃんと見張りはしないと」

由紀・瑠璃「「はあい〜」」

 

ハイエース車内では見張りをしている(なお由紀と瑠璃は半分おさぼりしかけ悠里から注意を受けている模様)の3人がいた。しかしあまりにも暇過ぎたのか由紀が席を立つ。

 

由紀「りーさん〜‥ラジオつけていいかな〜‥」

悠里「それくらいならいいわよ〜?確かその棚に入ってたと思うけど‥」

由紀「わかった〜」

 

そう言って由紀は指さされた棚の方へ向かい、少し漁ってからお目当てのラジオを見つけて戻ってくる。

 

由紀「あった〜」

悠里「でもラジオつけても今は雑音しか聞こえないけどいいの?」

由紀「もしかしたらなにか流れてるかもしれないじゃん〜」

 

悠里の言う通り、パンデミック発生から一週間も経たずにほとんどの報道機関は壊滅しており情報の入手ルートも限られていた。それはラジオも例外ではなく、普段なら地味に役に立つ物だが、今はただ雑音しか流さない置物と化していた。

 

悠里「うぅん‥それはそうだけど‥」

由紀「えっと〜‥」カチャカチャ

 

スイッチを入れ、周波数を弄っている由紀。しかし悠里の予想通り雑音しか流れていない。だが彼女は諦めずに回し続ける。

 

悠里「そろそろ切ったら‥?電池も勿体な「ザ――ッ〜ちらはワンワンワン放送局だよ〜。崩壊した終末世界で生きてるみんな〜聞こえてるかな〜?」!?」

 

由紀の粘りが功を奏したのか、突如としてラジオから女性の声が聞こえてくる。

 

瑠璃「これって私達と同じ生存者かな〜?」

由紀「うん♪見てみてりーさん♪私やったよ〜」

悠里「そっそうね♪ってこうしてられない‥!」

 

このことを急いでみんなに伝えなければと思い急いで無線に飛びつく悠里。

 

悠里「こちらハイエースにいる若狭です!みなさんに至急報告したいことがあるのですぐに戻ってきてください!!」

 

―――――――

―――――

 

 

「今日も終末世界を生きている人たちにむけてラジオ放送をしていくよ〜。それじゃオープニング曲言ってみよ〜(海色流れ中))」

 

理琉「間違いねぇ‥!オレたちと同じ生存者がいるんだ‥!」 

日野「だな‥!それにAMとなれば発信しているのは日本‥!!」

雪「それにこれだけはっきり聞こえてるのならこの近くに必ずいるよ‥!!」

胡桃「でかした由紀!!!」

由紀「えへへ〜♪」

美紀「先輩ナイスです‥♪」

圭「久しぶりに朗報が聞けたよ〜」

慈「そうと決まれば早速行動をしないと‥!」

悠里「でもどうやって発信源を特定するの‥?」

小春「あっそれなら」ガサガサ

 

悠里の疑問に答えるように小春がカバンから警察署にあったマニュアルと地図を取り出して開く。

 

小春「これを見比べれば見つかるんじゃないかな?」

悠里「なるほど‥これなら‥!」

理琉「おまけにこの状況下でも流せる周波数といえば災害用放送しか‥!だが普通のラジオ局が流せる状況とは思えない‥。となると非常時に備えて、尚かつ巡ヶ丘市内にランダルコーポレーションの支援で作られた災害用放送局と言えば‥!」

 

そう言って理琉が指さした先にはスタンド近くにあり、ランダルコーポレーション関連施設のマークが入った災害用放送局が‥

 

日野「そうか‥!ランダルコーポレーションが建造支援した建物のほとんどには地下区域がある‥!それにそこなら長期的な食料と設備‥!武器もあるから籠城もできる‥!」

雪「つまり、生存者がいる可能性が高いってことか‥!」

由紀「これは行く価値あるんじゃない♪」

胡桃「あぁ!由紀に同意見だ!行こう!」

圭「そこに人がいるなら行かなきゃ‥!」

 

こうして全員行くという意見で一致して、準備を整えたあとそれぞれ車に乗り込んで災害用放送局のある場所へと向かうことにした。

 

圭「この辺は家がポツポツある程度ですね‥」

美紀「元々災害用放送局は自然災害に備えて高台とかにある傾向がありますからね‥。どうしてもこんな辺鄙なところにあるんですよ。」

日野「まっ放置車両が少ないから運転するこっちとしてはだいぶ楽だけどな」

 

そんなこんな話しているうちに災害用放送局のある場所へと到着する。建物自体は頑丈なコンクリート塀に囲まれており明らかにバイオハザードに備えて作られていることがわかる。そして車を災害用放送局の駐車場に停めて学園生活部の面々は降りる。

 

美紀「かなり頑丈そうな建物ですね‥」

雪「そうねぇ‥まるで要塞みたい‥」

理琉「アリ一匹入れねぇぞっていうオーラを感じさせられるぜ‥」

由紀「それより早く行こうよ♪どんな人がいるのか楽しみ〜」

慈「丈槍さん落ち着いて‥(汗)」

 

はしゃいでいる由紀を窘めつつ、一様警戒のためにそれぞれ銃を背中にかけて建物の入口の扉の前に歩いていく。

 

胡桃「でもどんな人がいるんだろな?」

雪「確かにね〜。声からして女性なんだろうけど、どんな性格なんだろうねぇ〜。前はなんの仕事をしていたのかな?」

美紀「それは同感です。それに今日までどうやってこの騒動を生き延びたかも」

 

どんな人なのかと思いをはせつつ建物の入口に到着、扉をノックしようとすると車の音で気づいていたのかその前に開く。

 

?「もしかしてあのラジオを聞いて来た感じ〜?」

雪「えっえぇ‥(汗)そうですが‥あなたは‥?」

 

扉が開いて出てきたのは金髪ロングの女性、しまっているとはいえ銃を持っている学園生活部のメンバーに気にきすることなく接してくる彼女に思わず困惑してしまう。

 

?「おっと、自己紹介してなかったわね♪私は犬吠埼風。ここのワンワンワン放送局のラジオDJをしてるわ♪よろしく♪」

 

犬吠埼と言われた少女は笑顔満点の表情で出迎えたのであった。




原作ではワンワンワン放送局のラジオDJは由紀達がくる直前に感染してしまうものの今作では生存。
そして名前がなかったことから結城友奈は勇者であるから犬吠埼風をお借りして登場させました。
キャラ紹介は次回やります。


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第三十五話 ワンワンワン放送局

風に出迎えられて放送局内に足を踏み入れた学園生活部

相変わらずの室内の施設の充実さに驚きを隠せずにいた。


ガチャ

 

風「さっ、ここが私の仕事部屋って言ったほうがいいのかな?」  

 

一同が案内された部屋には棚に置かれたたくさんの音楽のレコードやCD、その奥には放送機器が置かれた机が置かれてた。

 

美紀「たくさんありますね‥」

圭「こんなに‥」

風「といってもここは私が過ごしてる生活空間の一角だけどね。後で案内するわ。」

日野「うへぇ‥まだあるのか‥(汗)」

 

まだ部屋があるのかという、外の建物の大きさから想像できなかったため日野は驚きの表情を口にする。

 

風「んじゃ、改めて自己紹介するね♪私は犬吠埼風、前はラジオ放送番組の司会を務めてたの、そんでこの騒動あとはここでワンワンワン放送局っていうのを毎日決まった時間にやってるわ♪」

由紀「私は丈槍由紀♪学園生活部っていうのをやってるの♪よろしく♪」

胡桃「元巡ヶ丘学院三年生で陸上部の恵飛須沢胡桃だ。今は学園生活部っていうのに所属してる‥♪」

悠里「同じく巡ヶ丘学院三年生でもと園芸部をやっていた若狭悠里といいます♪それでこっちが妹の‥」

瑠璃「若狭瑠璃っていうのだ〜。気軽にるーちゃんと呼んでほしいのだ〜」

美紀「巡ヶ丘学院二年生直樹美紀といいます‥♪」

圭「美紀と同じく二年生の祠堂圭です〜♪んでこっちが太郎丸っていうの♪」

太郎丸「ワン‥!」

慈「巡ヶ丘学院国語教師の佐倉慈といいます。今は分け合って学園生活部の顧問をしていますね」

日野「巡ヶ丘警察署巡査の日野祐也だ。よろしく」

雪「神奈川警察訓練学校訓練生の湯月雪っていうの♪風さんよろしくね♪」

理琉「アメリカ合衆国陸軍特殊作戦群隊長をやってた黒田理琉だ。いまはここ学園生活部にお世話になってる。」

小春「マサルと同じ特殊作戦群で衛生兵やってました♪狭山小春です♪治療なら任せなさい♪」

風「みんな元気ね〜♪」

 

そうして簡単な自己紹介を済ませたあと災害用放送局内の探索に乗り出す一同であった。

 

シャワー&お風呂区画

 

由紀「おぉ‥♪」キラキラ

胡桃「こりゃすげぇ‥高校と同じくらいの施設だ‥‥」

風「あら?高校にもこんな設備あったの?」

悠里「まあそうですね」

風「でもそれならどうして旅をしてるか気になるわね?」

雪「‥それは‥いろいろあって(汗)」

風「ふぅん〜‥まっみんな事情抱えてるわよね‥。それ以上は深堀りしないから安心して♪」

雪「助かります‥(汗)」

圭「にしても外の建物からは想像できないくらい広いね〜。おまけにキレイだし」

風「毎日じゃないけど、定期的に掃除してるからね〜」

小春「だからこんなにキレイなんだね〜」

 

 

食料保管庫

 

胡桃「うぉ‥!?凄い量のロッカーの棚‥」

風「これで半年分ぐらいはあるかな?私もここに始めて来たときけっこう驚いたわ‥」

慈「高校までとは行きませんが‥かなりありますね‥」

風「そういえば、みんな(瑠璃を除く)銃持ってるけど‥それもしかしてその地下区域で見つけたやつ?」

美紀「え‥!?どうして知ってるんですか‥?」

 

まさかの銃の在処を知ってることに驚きの表情を浮かべる美紀。そんな彼女の反応をみてやっぱりていう顔になる。

 

風「やっぱり〜、そっちにもあったんだ〜。」

日野「そっちにも‥ってまさか(汗)」

 

食料保管庫の奥‥例の部屋にて‥

 

理琉「オイオイ‥マジかよ‥」

 

理琉が頭をかきつつ驚きの顔をあらわにする。いや彼だけではない。ほかのメンバーも驚きの表情を浮かべていた。

 

理琉「ランダルが支援した建物だからある程度は予想していたが‥ココにもあるのかよ‥」

 

彼の視線の先には高校の地下区域とほぼ同じタイプの壁に立てかけられた銃火器の姿や弾薬などの姿が目に映った。

 

雪「風さんはどうやってこれの存在を‥?」

風「ここの食料保管庫のパスワードのしたの方にもう一つ書かれてたのに気づいて、そんでこの災害用放送局の建物内をくまなく探したらここの部屋の解除パネルを見つけたの」

由紀「ここにもこんなのがあったんだ‥」

胡桃「相変わらず準備だけはいい奴らだぜ‥‥」

小春「ちなみに使ったことはあるんですか‥?」

風「アイツらに対しては使ったことはないわ。ただこの部屋の隣にある射撃場で練習はしてるから使えないことはないわよ」

 

そういって風はたくさんある銃の中のM4カービン(アメリカ陸軍仕様)を手に取る。

 

風「あっそうだ、せっかくだしここにある弾あげるよ。丁度宝の持ち腐れ状態だったし」

美紀「いいんですか‥?」

風「いいわよ♪こんなの♪使われないよりも使ってくれたほうが私としては嬉しい限りよ♪あっそれと、部品も持っていっていいわ。このご時世だし戦闘中に壊れたら大変でしょ?」

雪「ありがとうございます‥!!(礼)」

圭「これはありがたい‥!!」

 

こうして風の配慮で、一同は弾薬や部品を補給することに成功してさらに行動範囲が広くなることになったのである。

 

 

 

それから地下にある非常用発電機や貯水槽、そして屋上にある太陽光パネルなど、この放送局の内部について案内を受けたあと放送室に集まって長旅の休憩がてら夕飯を食べることにした。

 

由紀「ん〜♪美味しい〜♪」モグモグ

瑠璃「なのだ〜♪」モグモグ

由紀「こんなにゆっくり食べるのはいつぶりだろうね〜」

圭「最近はほとんど車の中で過ごしてましたし、ここまで落ち着けるのは久しぶりですよ〜」

胡桃「まっ、確かにそれは同意見だな♪」

慈「ふぅ〜‥♪落ち着く〜」

雪「それに久しぶりにシャワー浴びれそうだし♪」

小春「うん〜♪」

美紀「本も落ち着いて読めそうです‥♪」

理琉「しっかし驚いたゼ‥。まさかここにも生存者がいたなんてナァ‥」

日野「まっ、そのほうが行動範囲は広がるからこっちとしてはありがたいがな」

風「喜んでくれて何よりだよ〜」

 

久しぶりに訪れた安息の時間、メンバーの表情はどこか落ち着いて和らいでいるかのように見えていた。そんな学園生活部の面々を風は笑みを浮かべて眺めていたのであった。

 

風「そんじゃお風呂も湧いてるから好きに入ってていいよ〜?」

由紀「お風呂‥!!」キラ-ン

圭「あっ由紀先輩の目が変わった」

悠里「そうなるのも無理はないわよね‥♪私も入りたいし♪」

慈「それじゃ夕飯食べたら入りましょうか〜」

美紀「賛成〜」

胡桃「あっ、お前ら女子の入浴覗くんじゃねぇぞ?」

日野・理琉「「誰が覗くか!?」」

 

とこんな茶番を繰り広げたあと、先に男子組の理琉と日野が入り、その後に女子組が入ることになった。

 

 

 

理琉「ふぅ‥サッパリしたぜ‥」

 

ふかふかのタオルで頭を拭きながら通路を歩く理琉、ちなみに日野は先に寝室になっている部屋に戻っている。

 

理琉「そういやァ、強襲揚陸艦にいたときはこんなにゆっくりは浸かれなかったなぁ‥。ちょっと贅沢もんだ、でもこんな終末世界で生きてんだ。罰は当たらねぇよナ‥」

 

そんなことをボヤキながら自身も寝室に戻ろうとしたときあるところに視線が止まる。

 

理琉「アレは‥」

 

理琉の視線の先には書斎室と書かれた扉が、どうやら風の私生活スペースのようだ。しかも少し開いているらしい。

 

理琉「‥‥」チラッ

 

彼自身流石に風の部屋に入るのは多少抵抗があったが、やはり室内になにがあるのかという興味にそそられてゆっくりと足を運ぶ。

 

理琉「‥いろいろあるなァ‥」

 

中に入るとそこにはパソコンやコピー機などが置かれている机や何かの書類が挟まれているファイルなどが棚に何個かあるのが目に映る。

 

理琉「趣味の部屋‥ってわけジャなさそうだな‥」

 

普通の部屋ではないことを感じ取りながら一枚のファイルを手にとって中身を開いて見る。

 

 

ーラクーン事件及びシーナ島事件についての報告書ー

 

 

理琉「なン‥だよ‥コレ‥」

 

そこに書かれた2つの事件の文字が理琉の目に映る。そしてその横にはあの傘マークのエンブレムが‥

 

理琉「‥なんで‥あの事件の書類がこんなところに‥」

 

 

彼が軍にいたときに何度か聞いたことのある話、いや恐らく世界中で知らない人はいないだろう。

1998年にアメリカ中西部の都市ラクーンシティ、そして太平洋諸島の1つシーナ島で起こった事件、いや正確にはアンブレラ社が引き起こしたバイオハザード(生物災害)、市民のほとんどが犠牲になり、どちらも他地域への感染爆発を抑えるために核ミサイルや研究所の自爆装置によって消滅。いまも立ち入りが制限されている。

 

理琉「‥‥」ペラペラ

 

書類をめくるたびに様々な事実が次々に判明する。元々製薬会社として企業したアンブレラ社、しかしその裏では世界で禁止されている生物兵器の研究、開発を続けていたという事実。そしてそれよりも簡易的、なおかつ量産のしやすいTウィルスを作るためにできたのがランダルコーポレーション、いわばアンブレラ社の子会社てきな立ち位置だ。

 

理琉「‥ん?」

 

読みいってると、ファイルから一つの紙がひらひらと地面に落ちる。それに気づいて手にとって見るとそこには衝撃的なことが‥

 

ー私は知ってはいけないことを知ってしまった‥。あのとき起こったラクーン事件・シーナ島事件、その全てにアンブレラ社が関与しているということを‥そして巡ヶ丘市から世界中に拡大した今回の大規模パンデミック‥

発端はランダルコーポレーション、しかし‥その背後には彼らが関わっているということを知った‥。だが‥知ったところで私にはなにもできない‥。証拠を掴もうにもアイツらの悪事を掴むにも一人では不可能だ‥。このまま罪悪感を覚えつつ過ごさなければならないのか‥

 

犬吠埼風

パンデミック発生から数ヶ月後の日記ー

 

理琉「‥‥」

 

理琉は驚きに包まれていた。あんなにフレンドリーで明るい性格の風がまさか今回のパンデミックをここまで調べているということ。葛藤と戦っていることも‥。だが一つだけ残された疑問が一つ。

 

理琉「‥なんで‥アイツがこのことを‥?」

 

そう、風は元々ラジオ番組をやっていた。なのになぜこのことを調べているのか‥。確かに有名な事件であるのは確かだが、普通の人ならそこまで調べようとはしない。なら彼女はどうしてここまでアンブレラ社のことを探るのか‥

 

理琉「‥‥まさか‥」

 

謎に包まれたパズルのピースが少しずつ埋まってくる。ファイルをしまいあの紙を持って寝室に戻るのであった。

 

寝室

 

 

雪「ふう〜♪気持ちよかったよ〜」

小春「だね〜、最高だった〜」

由紀「ポカポカ〜」

圭「なかなか良かったわね〜」

瑠璃「なのだ〜」

風「お気に召してくれて良かったわ♪」

 

風呂から上がってきた女子組が楽しそうに雑談をしつつ部屋に戻ってくる。すでに部屋では日野がみんなの布団を敷いていた。

 

日野「おっ、ようやく戻ってきたか」

美紀「只今戻りました〜。ってあれ?マサルさんは‥?」

日野「ありゃ?そういえばまだ戻ってないのか?」

小春「一緒にいたんじゃないの?」

日野「いや〜、先に上がったからよくわからねぇぜ‥」

 

そうこうしていると部屋の扉が開いて理琉が戻ってくる。

 

小春「あっマサル〜、おかえり〜」

理琉「おっおう‥。ただいま」

悠里「だいぶ遅かったですね‥?」

理琉「まあ‥、ところで‥風」

風「はい?どうしたの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理琉「風ってもしかして‥あのラクーンシティに住んでいたんじゃないのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風「‥‥え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

その理琉の一言に先程まで明るかった風の表情が大きく変わるのであった。




登場人物紹介
犬吠埼風

年齢
25歳

好きなこと
音楽を聞くこと

愛銃
M4カービン(アメリカ陸軍仕様)

パンデミック前は巡ヶ丘市にあるラジオ局で司会をしていたがパンデミック発生後はここ、ランダルコーポレーションが建設した災害用放送局でワンワンワン放送局として決まった時間に放送している。性格は明るくてフレンドリー、誰にでも仲良く接することができる。
しかし‥彼女にはとある秘密が‥


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第三十六話 風の秘密

いよいよ風の秘密が明らかになります。
なぜ彼女は理琉の言葉に反応したのか‥


風「‥え?」

 

 

理琉口からからまさかの言葉か出てきたことに思わず表情が固まる風。いや、彼女だけではない。ここにいる一同も同じようになっていた。

 

 

胡桃「どうゆうことだよ!理琉!!説明してくれ!」 

雪「そうよ‥!いきなりそんなこと言うから驚いたじゃない‥!」

 

 

しかし、我に帰った雪と胡桃が理琉に説明をするように求める。すると彼はテーブルの上にある新聞をおく。

 

 

理琉「コイツが風の部屋に置いてあった」

美紀「これって‥‥」

 

 

その新聞の内容に視線を向けると、そこには大々的にアメリカ中西部の都市ラクーンシティで発生した悲惨的な事故。一夜にして10万人近い市民がなくなるという記事が表面全体に乗っていた。

 

 

慈「この記事は見たことがあります‥。確か一夜にしてたくさんの人が原因不明の事故で亡くなった悲惨な事故ですよね‥」

理琉「表向き‥はな」

圭「それってどうゆう‥‥っ!?」

 

 

なにか言いかけた圭だが理琉が言ってることが何となくわかったのか目を大きく見開く。

 

 

理琉「圭が何となくわかったみたいだが、その通りだ。このラクーンシティで発生した悲惨な事故。コイツはアンブレラ社が引き起こしたバイオハザード(生物災害)なんだよ‥!」

日野「生物‥災害!?」

理琉「原因はいまいちわかってないが‥地下研究所から何ならかの理由でウィルスが地上漏れて感染が爆発的に広がった‥って見つけた書類には書いてあった。」

小春「まさか‥すでにパンデミックが起こってたなんて‥」

悠里「そんな‥‥」

瑠璃「りーねぇ‥」袖を掴む

理琉「元々普通のラジオ局に勤めてた人間がなんでこんなもんを調べる必要があるのかと思ってな‥。まさかと思って聞いてみたらこの感じだとドンピシャだな‥」

風「その情報はもしかして‥」

理琉「あぁ‥、悪気はなかったんだが‥偶然覗き見してしまってな‥。興味本位で調べてみたら見つけたんだ‥」

由紀「そうだったんだ‥」

風「流石はアメリカの特殊作戦群隊長‥、勘が鋭くて思わず鳥肌が立っちゃうよ‥」

美紀「‥ということはまさか‥」

風「えぇ‥彼のゆう通りよ‥。私は元々ラクーンシティに住んでいたことがるの‥。‥と言ってもあのラクーン事件が起こる前にここに移住してたんだけど‥」

雪「‥この事件を知ったきっかけは‥?」

風「最初は私も他の人と同じようにラクーン事件悲惨な事故だと思ってたわ‥。でも‥そんなある日‥一人の人物が訪ねてきたの‥」

 

 

 

ー遡ること数年前前‥ラジオ局内の客室にてー

 

 

風「こちらにどうぞ♪」(客室に案内する)

?「お忙しい中すまない、俺はレオン・S・ケネディ。君が犬吠埼風だな?」

風「えぇ♪そうです♪それで‥私になんのご用何でしょうか‥」

レオン「君はラクーンシティを知っているか?」

風「ふぇ?ラクーンシティは私が育ったアメリカの都市ですよね?確か今は1998年に起こった事故で立ち入りが制限されているという話を聞きますが‥」

レオン「そのラクーンシティで君にどうしても伝えたいことがあるんだ‥」

風「伝えたい‥こと‥」

 

 

レオンの言葉に思わず疑問の表情を浮かべる風。少しすると彼の口から飛んでとないことが‥

 

 

レオン「‥実はラクーンシティは悲惨な事故なんかじゃない‥。アンブレラ社が引き起こした生物災害なんだ‥」

風「‥え‥、確か‥アンブレラ社って‥ラクーンシティの発展に貢献した製薬会社ですよね‥」

レオン「あぁ‥表向きはな‥、その裏では世界で禁止されている生物兵器の開発を行っていたんだ‥。あのラクーンシティも例外ではなく‥地下研究所で開発が行われた‥」

風「‥‥」

 

 

風は最初本当なのか疑っていた。しかしレオンのこれでもかという真剣な眼差しを見てこれは嘘じゃないというのは一瞬でわかった。

 

 

レオン「俺はその生物災害を肌で体験した‥‥そして命からがら戦術ミサイルが着弾する前にラクーンシティから脱出できた‥。いや‥俺だけじゃない‥同じように生き残った僅かな人も生き延びることができた‥。それから‥生き残ったメンツ‥そしてアンブレラ社の裏の顔を知っている人達で打倒アンブレラを掲げて世界各地に飛んで回っている。」

風「でも‥どうして私なんかに‥」

レオン「君はラクーンシティ出身の人間だ‥。たとえあの生物災害にあってなくても‥俺は君を必要とする。協力してくれないか‥?」

風「‥‥わかりました‥故郷が消えた理由がそうとなれば黙っていられません‥。やりましょう‥!」

レオン「本当に助かるよ‥なんてお礼をしたらいいか‥」

 

 

 

 

ーそして時は戻り‥ー

 

 

風「‥ということです」

小春「そうだったんだ‥」

風「えぇ‥その人がラクーンシティの真実を教えてくれなければ今の私はいないと思います‥」

雪「それから‥アンブレラ社について調べ始めたのね?」

風「そうですね‥。あれから私は休みの日などを利用してアンブレラ社について様々な情報を探り始めました。そこからアンブレラ社は裏では様々な生物兵器を製造‥開発しているということ‥。その子会社‥ランダルコーポレーションの本社ビルがここにあるということを知りました‥。そして巡ヶ丘市はランダルコーポレーションの支援を受けて発展したということも‥」

胡桃「まるでラクーンシティとアンブレラの関係にそっくりだな‥」

風「えぇ‥‥でも突き止めたところで確定的な証拠がない‥。それにこの巡ヶ丘市はランダルコーポレーションにほとんど癒着しています‥。それを言ったところで誰も信用してくれないでしょう‥」

慈「‥‥‥」

 

 

それから少しの間無言の状態が続いたがそれを由紀が打ち破る。

 

 

由紀「ふーさんの言ってること‥信用する!!」

風「ふぇ‥!?ふーさん‥!?」

 

 

あだ名で呼ばれたことがない風、更に会って間もない由紀からそんなふうに呼ばれたことに思わず目を見開く。 

 

 

胡桃「あ〜気にしないでくれ‥(汗)コイツは知り合った奴はだいたいあだ名で呼ぶから」

小春「ここにいるメンバーはほとんど制覇してるもんね〜」

風「そっそうなんだ‥(汗)」

胡桃「だが、犬吠埼さんの言ってることは私も信用するぜ」

圭「私も!!」

慈「‥正確には信用せざる負えないんだけどね‥(汗)」

風「‥どうゆうことですか‥?」

 

 

美紀「‥実は高校を拠点にしてたときアイツらに始末されかけたんです‥」

風「アイツら‥ってことは‥ランダルコーポレーションに!?」

理琉「そうだ、いやそれだけじゃない。俺の部隊を壊滅されるようにしたのもランダルの奴らだ‥」

雪「‥わたしも‥自衛隊の父をソイツに殺されたし‥私自身も何度も殺られそうになった‥」

風「‥‥」

 

 

 

悠里「でも‥みんなで協力してなんとか撃退することに成功したんだけど‥校舎のライフラインが戦闘で使い物にならなくなっちゃったんです‥」

小春「‥だから新たな新天地探してこうやって旅してるってところかな?」

胡桃「聖イシドロス大学ってとこだっけ?緊急避難マニュアルに印つけられたから今そこを目指してる感じだ」 

風「‥大変な思いされたんですね‥」

 

 

理琉「確かに大変だったな‥でも‥こうしてみんなといれることをオレは嬉しく思ってる。」

慈「えぇ‥!!それに‥たどり着けなかった人達のために‥!そんなことで負けるつもりはないですから‥!」

雪「父さんの仇を取る‥!んでアイツらに一発でかいのブチかましてやるわ‥!」

風「‥みんな‥」

 

 

話を聞かなくともわかる。彼らは様々な苦労を経験しているのだと‥、しかしそんな辛さを感じさせないような真剣な眼差しを見て人間というのは成長するんだなっというのを感じさせられる風であった。するとそんな中由紀が風の元へやってくる。

 

 

由紀「そうだ‥ふーさん!」 

風「ん?」

由紀「せっかくだし私達とこない?」

風「ふぇ‥?」

由紀「だってここに一人でいるよりもずっと楽しいし‥なにかあれば助け合うことだってできるんだよ♪ね?みんな?」

 

 

そういって視線を向けた由紀の先には、彼女の意見に頷くように頭を動かす学園生活部が‥

 

 

胡桃「相変わらず由紀はこうゆうときいいことを言うじゃねぇか‥♪」

美紀「由紀先輩の言うとおりです‥♪一人はできないことみんなといればできるようになります‥♪」

圭「だね‥!」

雪「それに、風さんがいればこれから先の奴らの情報収集で役に立ちそうですし‥♪」

日野「多いほうがなにかといいからな〜」

瑠璃「うん〜」

太郎丸「ワン!」

悠里「無理にとは言いませんが‥ぜひ‥!」

慈「私からもお願いします‥!」

小春「私も!」

理琉「今からだってやり直しは聞く、アイツらの悪事を暴いてその先に来れなかった人達のために頑張ろうゼ‥!」

 

 

みんなからの温もりのある言葉をかけられて思わず泣きそうになってしまう風。しかしなんとかこらえて笑みを浮かべ

 

 

風「えぇ‥♪そうさせてもらうわ‥♪‥これからよろしくね‥♪」

 

 

 

 

こうして‥学園生活部に新たに犬吠埼風が加わり、一層に賑やかに包まれるのであった。




一同の説得のもと新たに犬吠埼風が加わり

賑わいを見せ始めてた学園生活部


しかしランダルコーポレーションそして巡ヶ丘市の関係を知ることになってしまった‥。これから先どうなるのか‥


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第三十七話 聖イシドロス大学

風が仲間に加わり、一層賑やかになった学園生活部

目的地の聖イシドロス大学にむけて出発します!


風が学園生活部に加わることが決まった翌日、出発のため一同は荷物をまとめる作業に追われていた。具体的には地下貯蔵庫から食料や飲料水、そしてノートパソコンや書類など必要な物資を持っていくことにした。しかし、誰かがここを見つけたときに使えるようにするために少しばかりか食料や飲料水は残して行くことになった。それと由紀の提案で掃除もすることに‥

 

 

雪「こんなもんかな?」

風「ありがとう‥♪みんなのお陰で予定よりも早く済んだよ♪」

小春「けっこう大掛かりな作業だったからねぇ‥‥(グテぇ)」

 

 

かなり大きな作業だったため、丸一日かかることを覚悟していたが人数が多い分、作業スピードが早くなったためお昼頃にあらかた終わったのだ。

 

 

圭「やっぱ人数多いと役割分担できるからいいよね〜」

胡桃「おっ、美紀に圭じゃないか。見張りお疲れさん、どうだった?」

美紀「皆さんが作業中の間は特に異常は見られませんでした。少し離れたところにチラホラ程度はいましたが‥、それも近づいて来るわけでもありませんでしたし」

 

 

災害用放送局建物の屋上から周囲の監視をしていた美紀と圭がそれぞれバレットとアサルトライフルを背中に背負ってハシゴをつたい降りてくる。

 

 

慈「そういえば二人を見て思ったんですけど‥‥(汗)数ヶ月前は生徒がこんな大きな銃を持つなんて考えられませんでしたよ‥(汗)」

日野「‥いやぁ(汗)それを言うなら佐倉さんも銃を持つなんて俺想造できなかったすよ‥」

理琉「マッ変な奴らとゾンビから身を守るための致し方ないことだ。それにこのご時世なんだから、タイミングさえ弁えればすき放題射撃できるんだぜ?ストレス発散にはもってこい‥だ!」ニヤ

胡桃「ワ〜グンジンナノニブッソウナコトイッテル〜」

由紀「マーくん凄い‥!!」

理琉「へへっ‥!由紀にそう言われると余計嬉しく感じるよ‥♪」

小春「ロr‥いや同年代だからセーフなのか」

理琉「オイ今ロリコンって言いかけたよな()」頭グリグリ

小春「あだだだだ(((」

 

 

小春と理琉の漫才コンビみたいなやつが炸裂して、それをみたみんなから笑顔が溢れる。そんなこんなしてるうちに出発するための準備が整ったためそれぞれ車に乗り込む。

 

 

由紀「ふーさん一緒に乗ろ♪」

風「いいわよ‥♪」

 

 

ちなみに風は由紀のお誘いで慈のキャンピングカーに乗ることになった。補足だがこのキャンピングカーは災害用放送局の地下駐車場に置かれていたヤツで動かせそうだったため、頂いていくことに。全員の乗車が完了するとクラウンを先頭にキャンピングカー、そしてセレナが続いて災害用放送局を後にする。

 

 

美紀「にしても‥他の生存者に出会えて良かったですね‥♪」後ろのキャンピングカーを見つつ 

圭「ホントだね〜。久しぶり何じゃない?善良な生存者って」

日野「だな‥(汗)高校にいたときに出会ったといえば理琉と小春以外はランダルコーポレーションの特殊部隊だけだし‥」

美紀「もうあれだけでお腹いっぱいですよ‥。今後出会わないことを祈るしかないですね‥」

 

 

悪夢の高校での戦闘を振り返って思わずため息をついてしまう美紀。そんなこんな3台は再び市街地に入り、聖イシドロス大学を目指して走行することに。

 

 

胡桃「今回は迂回が少ないな〜」

理琉「たしかにナ、まっそのほうがこっちとしてはありがたいケド」

 

 

胡桃が今日は予定通り進んでいることに驚きの表情を見せてそれに賛同するかのように理琉が愛銃を整備しつつ答える。確かに胡桃の言うとおり今日はほとんど迂回をすることがなく実に快適なドライブができていた。もちろん彼らや放置車両がないというわけではないが、合ったとしても路肩に放置されてたり一体や二体ほどしか確認できず、それも避けて走れる程度しかいなかった。

 

 

小春「最近迂回ばっかりだからね〜。こんなに順調でもバチは当たらないでしょ〜」

雪「これなら大学についても食料とか燃料も余裕がありそうだね〜」

 

 

実に快晴に包まれた太陽の光に照らされつつ並木通りを3台は綺麗に並んで走行していた。

 

 

由紀「おぉ〜!今日はいい天気だね〜!」

瑠璃「眩しいのだ〜」

 

 

キャンピングカーの天井についているガラスから見える青空満点の空を見つつ目を輝かせている由紀と瑠璃。

 

 

風「なんどか屋上から天気は見てたけど‥ここまでしっかり見たのは久しぶりね〜」高校の水を飲みつつ←

悠里「確か風さんはほとんどあそこの災害用放送局で過ごしてたんですよね?」

風「だね〜。ほとんどあの中でできたからわざわざ危険な外に出る必要がなかったからね〜」

慈「あそこはほんとなんでも揃ってましたからね。移動するのがもったいないほどですよ(汗)」

太郎丸「ワフゥ」

 

 

そうこうしているうちに河川を挟むようにある住宅地を結ぶ陸橋に差し掛かる。その手前でクラウンが停車して後続の2台もそれに沿うように停車する。

 

 

日野「あ〜‥これ行けるかな‥?」

 

 

運転席のスライドガラスを開けて顔を覗かせる日野、それに釣られるように美紀と圭も顔を出す。

 

 

圭「あ〜‥どうだろう」

美紀「微妙ですね‥」

 

 

3人の視線の先には放棄された車と陸橋を封鎖しようとしたのか散乱したバリケードの柵と白黒で赤灯が目立つ警察車両、そして大型バスタイプの輸送車両が目に止まった。

 

 

日野「通れないことはないんだが‥微妙だな‥確認してくるか‥」ガチャ

 

 

そういって日野はトランシーバーを取り出して後ろの2台に通信を繋ぐ。

 

 

日野「少しこの先の様子を確認してくる。その間周囲警戒は任せたぞ」

雪「了解〜」

慈「気をつけてくださいね?」

理琉「アイわかった」

 

 

一通り返事が帰ってきたことを確認してから後部座席の空いているスペースにたてかけていた20小銃を取り出す。

 

 

美紀「あっ私も行きます」

圭「美紀が行くなら私も〜」

日野「それは構わねぇんだが‥美紀の場合だとあの中でライフル使いにくくないか?」

美紀「その心配は無用です。ハンドガンの方を使うので」スチャ

 

 

そういって美紀はハンドガンを車内から取り出してマガジンの中を確認してからリロードする。その様子を見つつ日野は20小銃、圭もHK416の作動状態の簡単な点検をしてから装備する。

 

 

日野「んじゃま行きますか」

圭「うん!」

美紀「了解‥!」

 

 

こうして3人は周囲警戒を怠らないように死角などに目を光らせながら陸橋へと足を運ぶのであった。

 

 

 

胡桃「ん〜‥(キョロキョロ)」

 

 

キャンピングカーの上に登り周囲の警戒をしている胡桃、すると近づいてくる一体に気づいて下に手合図を行う。

 

 

雪「ん、了解」

 

 

雪が反応して指示された位置へ向かう。するとそこにはヨロヨロしつつこちらに歩いてくる彼らの姿が‥、災害用放送局で見つけたサプレッサーを装備したSFP9をふともものホルダーから取り出して狙いをつける。直後、発砲。放たれた砲弾は迷いもなく彼らの頭部にヒット、壊れたおもちゃのように不気味なダンスを踊ったあとその場に倒れ込む。

 

 

雪「クリア‥っと」

 

 

確殺したことを確認してから胡桃にオッケーとの合図を送る。すると胡桃からも了解もいう合図が帰ってきて、再び元の位置へ帰る雪であった。

 

 

陸橋組‥  

 

 

圭「うへぇ‥‥想像してたけど‥‥やっぱ酷いねこりゃ‥」

 

 

陸橋の惨状を見て思わず視線をそらしてしまう圭。そうなるのも無理はないだろう、あちこちというわけではないか何人かの彼らになりそびれた遺体が無造作に壁や車に寄りかかっていた。

 

 

美紀「見た感じ‥‥封鎖しようとは試みたんですね‥」 

日野「でも、パニックに陥った市民が一気に押しかけてくれば‥‥警察官や自衛隊、あと私設部隊だけで抑えるのは無理だろうな‥それにその中に彼らが混じっていたとすれば‥」

圭「大規模パンデミック‥になったんですね‥」

 

 

そんなことを思いつつ、最後の職務を全うして力尽きた警官や兵士、そして民間人の遺体に黙祷を捧げつつ車が渡れるか調べるために奥地へと進む。

 

 

圭「ついでに武器とか手に入ったらいいんですけどね‥‥」

日野「どうだろうな‥‥これだけの激戦なら弾残ってるやつないんじゃないか?」

 

 

圭がそう口に溢すが日野はそれを否定する。彼の言うとおり銃は見つかったのだがほとんど弾切れや損傷しているものばっかりで使えそうな奴は見つかることがなかった。

 

 

美紀「日野さんの言ってた通りですね‥、やっぱあの状況下では温存ということはなかったみたいです‥」

圭「まあ‥温存しろって言う方が難しいよね‥」

日野「でも、この感じだと橋は通れそうだな。とりあえずみんなのところに戻って報告すっか」

 

 

だが橋自体は通れそうなほどの幅は残っていたため、3人は待機しているメンバーの元へ戻るのであった。    

 

 

 

理琉「ン‥?」

 

 

周囲の警戒をしていた理琉だが、こちらに戻ってくる日野達に気づいてみんなに声をかける。

 

 

理琉「3人とも帰ってきたぜ〜!」

 

 

その呼びかけに気づいた一同のもとに3人はやってくる。

 

 

日野「ただいま〜」

慈「おかえりなさい♪3人とも♪」

小春「どうだった〜?」

美紀「放置車両とかはありましたが通れるだけの道幅はありそうです」

雪「オッケー、それならこのまま進めそうね」

由紀「順調なドライブだ〜」

瑠璃「なのだ〜」

 

 

そして全員乗車したのち再び車列は動き出して放置車両の間をゆっくりと通過していきながら陸橋を渡り始める。

 

 

雪「とりあえずここが通れて良かったね〜」

理琉「アァ‥もう迂回はゴメンだぜ‥」 

胡桃「同意〜‥」

小春「そろそろ大学に着きたいよねぇ‥‥」

 

 

そんな会話をしているうちに陸橋を渡り終えることに成功し再び市街地へと入っていくのであった。陸橋を渡った先の街もやはりパンデミックの影響を受けておりあちこちに放置車両や破損した建物、時折路地に彼らの姿が確認できた。

 

 

風「ここまでガラガラなものなんだねぇ‥」

慈「まあ‥彼らになったとしても生存本能はあるみたいですから‥。今は職場か駅に集中してるんじゃないですかね?」

悠里「少ないほうがこっちとしてはありがたい‥けど‥」

由紀「なんか不器用だよねぇ‥」

瑠璃「うん〜‥」

太郎丸「わぅ‥」

 

 

それから陸橋を渡って走ること数時間‥日が傾いて来たのと同時に少し遠くに背の高い建物が見えてくる。

 

 

日野「おっ‥!どうやらあれが目的地みたいだな」

圭「ほんとだ〜。やっぱ大学は大きいよね〜」

美紀「あれが‥聖イシドロス大学‥」

 

 

その建物に気づいた一同の視線の先には、目的地である聖イシドロス大学の建物が見えてきたのであった。

 

 

 

 

 

その日の夜‥大学近くのスーパー駐車場

キャンピングカー車内にて

 

 

日野「‥さてと‥ひとまずは大学につけたんだが‥こっからが問題だな」

 

 

カーテンで光を遮断し、ランタンに照らされた車内で会議をしていた。 

 

 

雪「まっ、大学の設備が高校と同じなら必ず生存者はいるでしょうね」

慈「それは別に問題ないのですが‥一番はその人達が友好的なのかってところですね‥」

胡桃「‥風さんみたいにみんなみんな良心的じゃないからな‥ましてやこの状況‥、下手すりゃ警戒心MAXのやつと出会いかねない‥」

美紀「交渉とかで済むならいいですが‥万が一こちらに危害を加えたら‥」

理琉「‥武力衝突もありえないことはないな‥」

小春「実際にあってみないことには‥何も言えないよねぇ‥‥」

 

 

相手が誰かもわからない‥しかも有効的とも限らないためどうやって接触しようかと一同は考え込んでいた。

  

 

由紀「とりあえず、誰かいないか確認してから考えてみたら?」

悠里「だとしても‥下手には近づけないですし‥」

由紀「だから〜♪近づかなくても見れる場所ならあるよ〜」

圭「ん?そんな場所あったかな‥?」

 

 

由紀の言ってることに疑問を浮かべる圭、すると由紀はキャンピングカーの棚から地図を取り出してある場所を指差す。

 

 

由紀「ここなら行けるんじゃない?」

瑠璃「ん〜?」

 

 

その指さした先には巡ヶ丘立体駐車場の文字が‥

 

 

理琉「なるほど‥確かにィここなら大学の建物内まで見れなくても敷地内を移動してるやつを観察することができる。」

慈「私はその案に賛成です‥♪それなら両者ともに危害を与えることなく見ることができて、今後の行動がやりやすいですしね♪」

胡桃「決まりだな‥♪そうと決まれば明日早速行動開始するか」

風「見に行く人はどうするの?」

小春「ここは定番の美紀と圭、んでドライバー担当の雪でいいんじゃない?車はあんまり車高の高くないクラウンが妥当かな?」

雪「了解〜」

美紀「わかりました‥!!」

圭「いい情報持って帰れるように頑張るよ〜」

 

 

こうして明日の予定が決まったことで早めに行動できるようにするため、早めの就寝につくことに。ソファーや運転席や助手席を倒し、毛布を引いて眠りにつくことに。

 

 

由紀「おやすみぃ‥‥」スヤァ

 

 

少し長旅で疲れていたのかあっという間に夢の中に入ってしまう一同。車内では静かな寝息が聞こえていたのであった。

 

 

 

そして翌日

 

 

日野「ん‥」

 

 

みんなより少し早めに目が覚めた日野、ゆっくりと起き上がろうとして、隣りに視線を向けると少しの間動き止まる。

 

 

日野「‥なんでお前がここにいるんだ‥?」

雪「ん〜‥‥」スヤァ

 

 

なぜか雪がいつの間にか隣りにいることに疑問を浮かべる日野。だが気にしてても仕方ないで起こさないように布団からはいでて外の空気を吸う。

 

 

日野「ふぃ〜‥やっぱ外の空気はいいねぇ」

 

 

そんなこんなしていると、続々とみんなが起きてきて朝ごはんを食べたあといよいよ行動に移すのであった。

 

 

 

巡ヶ丘立体駐車場‥最上階にて

 

 

美紀「ん〜‥」

 

 

クラウンのボンネットにバイポットを展開してスコープ越しで敷地内を観察する美紀、その隣には双眼鏡を除く圭と雪の姿が‥

 

 

圭「‥中には彼らがいなさそうですね‥」

雪「それ以前にバリケードは壊されてなさそうだから誰かいるかもね」

美紀「‥まあ‥この感じだといるのは確実ですね‥」

 

 

そう言った美紀の視線の先には、何体か始末したあと放置された彼らの遺体が‥

 

 

美紀「せめて処理くらいすればいいのに‥‥」

雪「変に触れないってことがあるのかも‥、それかその余裕がないのか」

圭「ん〜‥あっ‥誰か出てきた‥!」

 

 

圭が指さした先に視線を向けるとそこには男女五人組だろうか‥いかにも血の気が多そうな(二人ほど除く)、年齢からして大学生と思われる人達が武器片手に建物から出てきた。

 

 

雪「本当だ、この感じだと見張りっぽいわね」

圭「だねぇ‥でも友好的には思えないよ‥」

美紀「どっちかというと‥血気盛んに見える‥」

雪「とりあえず、このことは帰って報告しましょ?どっちにしろあの人たちとなんとか接触しないとこの先私達が困るんだから」

美紀「‥ですね。最悪戦闘経験にとけたメンバーで行けばなんとかなるかもしれませんし‥」

圭「可能なら武力衝突は避けたいもんだよねぇ‥」

 

 

こうしてしばらく相手の様子を観察していた美紀と圭、そして雪は相手の動向がある程度確認できたためクラウンに乗り込んで気づかれないようにその場を立ち去るのであった。

 

 

?「ほほう〜、まさか私達以外にも生存者がいたなんて‥可能ならあの子達と接触したいよねぇ‥」

 

 

だがその様子を屋上から双眼鏡で見ている眼鏡の少女の姿が‥‥しかし下でみた人達とはどこか雰囲気が全く違う。何者なのか‥?




聖イシドロス大学に到着した学園生活部

彼らはどうやって大学内の生存者とコンタクトを取るのか‥

そして、屋上からみていた人物の正体とは‥!


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第三十八話 接触

いよいよ大学校内の人間と接触に動きます。

一体どんな人がいるのか‥!!


そして!穏健派に新キャラが加わります!お楽しみに!


Be kind, for everyone you meet is fighting a harder battle.

親切にしなさい。あなたが会う人はみんな、厳しい闘いをしているのだから。

 

Plato

プラトン

 

 

 

キャンピングカー車内 

 

 

 

雪「っとそんな感じかな‥」

日野「なるほど‥」

 

 

あれから戻ってきた雪達の報告を聞いて首を捻る日野、やはり物事はうまく行かないというのを改めて知らされてることになった。

 

 

胡桃「‥やっぱ状況が状況だからそうだよな‥。簡単にはいきそうにない‥」

風「それでも‥あとには引けないし‥。いくしかないよ‥」

慈「‥そうなんですが‥生徒を危険に晒すわけには行かないですし‥」

理琉「メンドクセぇから一気に制圧するっていうのはどうだ?」

小春「これだから戦闘狂は‥(呆れ)」 

由紀「ダメだよマーくん!こうゆうのは平和的に行かないと‥!」

理琉「アッハイ」ショボン

美紀「ですが、まだ相手が敵対するのかどうか決まったわけではないですし‥。やはり接触するのが妥当かと‥」

胡桃「だよなぁ‥‥。現実的にそれかしかないし‥」

悠里「それでも‥るーちゃんやみんなを危険な目に合わせるわけには行かないですし‥」

 

 

どうすればいいのか‥一同が首を捻りつつ考え込んでいると‥由紀がある方向に視線を向ける。

 

 

由紀「あれ?るーちゃんと太郎丸どうしたの?」

 

 

由紀の言葉につられて一同が視線を向けると瑠璃と太郎丸が車載されているラジオの前でなにかしていた。

 

 

瑠璃「太郎丸がラジオ指さしてたから弄ってるのだ〜」

 

 

そう言いつつ、周波数を回してナニやら調べている瑠璃。気になった一同も瑠璃と太郎丸の元へやってくる。  

 

 

圭「太郎丸が‥なにか感じたのかな?」

悠里「どうなんでしょう‥でも太郎丸がラジオに興味を示すことはないですし‥」

小春「気の所為なんじゃない‥「ねぇ!クラウンに乗ってた子たち!聞こえる?」!?」

 

 

みんなが不思議そうに見つつ話し合っていると、突然雑音しか聞こえなかったラジオから声が聞こえてくる。それに驚くように反応した小春、すると理琉が飛び出すようにラジオの前にゆき耳を済ませる。    

 

 

 

?「入口の奴らで悩んでるなら裏門に来て!待ってるから!」

美紀「‥これって‥!きっと大学内からですよ!」

日野「あぁ!間違いない!」

慈「‥と言っても‥罠の可能性も‥」

理琉「だが俺たちには他に道はない‥。いくしかないだろ‥!!」

雪「私も賛成ね、確かに罠だったらヤバいけど。行けるなら行ってみるべきよ‥♪」 

由紀「みんな行ってみようよ!直感だけどラジオ越しの人は優しいから!」

胡桃「由紀の直感ってこうゆうときはホント‥冴えるよな(汗)」

理琉「ヨシ!そうと決まれば行くか!」

 

 

こうして話が纏まった一同はそれぞれ車に乗車して、ラジオの主が待ってる裏門にむけて移動を開始するのであった。

 

 

圭「どんな人なんだろうね〜」

美紀「好戦的じゃないのを祈るばかりです‥」

日野「でも声を聞く感じだとそこまで悪くはなさそうだぞ」

美紀「と言っても‥会うまでは警戒したほうがいいかと‥」

 

 

美紀の提案に乗じて相手に見えないように銃を持ちつつ、3台は道を進んでゆき裏門のある道の交差点を曲がる。

 

 

日野「っと‥どうやらお迎えしてくれてるみたいだぜ」

 

 

そういった日野の視線には開いた状態の門の隣にこちらが来るのを待っている3人ほどの少女の姿が‥

 

 

慈「あれですね‥」

風「みた感じ敵対心はなさそうね。むしろフレンドリーって感じが(汗)」

悠里「でもとりあえず‥話してみるまでは気が抜けませんね‥」

由紀「そうかな〜?」

 

 

それぞれの車内で相手がどんな人間が盛り上がっている中3台は門を潜って大学の敷地内へと入る。それを確認すると3人の女性は門を閉める。

 

 

?「やあやあ〜、ここ以外の生存者がいたなんてね〜」

 

 

車を降りると眼鏡をかけた小柄な女性が手をフラフラと振りつつ近づいてくる。

 

 

日野「えっと‥あんたは?」

?「トーコ〜、相手が戸惑ってるよ〜?ちゃんと自己紹介しないと」

 

 

いきなりやってきてフレンドリーに話しかけてくる相手に戸惑いを隠せずいる一同、それを見かねてポニーテールの女性が眼鏡の子に突っ込みを入れる。

 

 

?「そうだった‥(汗)ごめんごめん。私は出口桐子。気軽にトーコって呼んで〜」

?「光里昌っていうの、アキって呼んでくれて構わないよ。んで、こっちにいる大人しい性格の子が喜来比嘉子。ヒカって呼んであげて」

?「よろしく‥‥」

 

 

相手の自己紹介が終わったあと、ここまで来たら名乗らないと失礼ということで学園生活部のメンバーも自己紹介を済ませる。

 

 

トーコ「ほへぇ〜‥驚いたよ‥まさか現役軍人と警察官がいるなんて‥」

小春「っと言っても今はそこら辺の一般人と変わりないけどね‥」

トーコ「いやいや〜、それでも戦闘経験豊富な人がこんなにいるんだからいいと思うよ〜?んで君達は学園生活部っていうのに所属してるの?」

由紀「うん!そうだよ♪」

慈「この状況下ですし‥なにか目的があったほうがいいかなって思って‥。私と悠里さんで考えたんです。」

アキ「うちらと似たようなもんだけどそっちのほうが目的は充実してそうだね〜」

日野「まっ目的がないとこんな状況下、やってられねぇからなぁ‥。それで‥あんたらはここの学生か?雰囲気的に」

トーコ「そうだよ〜。元は私達ここの生徒だったんだけど‥あの日の出来事を堺に大学を拠点に活動してるんだ」

雪「それなら一つ聞きたいんだけど‥、正門の近くをうろついてた奴らはあなた達の仲間?」

トーコ「あ〜‥」

 

 

ふと疑問に思った雪が入口にいた人たちのことについて尋ねる。するとさっきまでのほほんとしていたトーコの表情が変わる。どう返答したらいいのか迷っている感じのようだ。それを見かねたアキが代弁するかのように口を開く。

 

 

アキ「まあ‥元は同じ大学の人間なんだけど‥正確には仲間ではないかな‥」

胡桃「仲間じゃない?そりゃどうゆうことだよ」

トーコ「私達穏健派とアイツら武闘派はあんまり仲がよくないんだよね〜‥」

 

 

アキの助け舟に便乗する形で迷っていたトーコが再び話し始める。

 

 

慈「武闘派と穏健派‥?」

アキ「まあ簡単に言えば、戦闘ができるメンツがたくさんいるのが武闘派。んで私達みたいな非戦闘員の集まりが穏健派かな」

美紀「なるほど‥」

日野「聞くからに武闘派はあんまりいい感じじゃなさそうだな‥」

トーコ「ご名答〜‥、ここを守ってもらってるのにこんなことを言うのはなんだけど‥武闘派のほとんどの奴らは血の気が多くてね‥。でも最初の頃はそうでもしないと生きていけない‥。生存者だってどんどん減るし‥食料だって足りなかったから‥。アイツらが指揮し始めたんだ‥」

アキ「でもアイツらは使えない奴らはとことん切り捨てていく。‥たとえ、同じ武闘派の奴ら‥でもな」

雪「思ってた以上に酷い奴らね‥。こんな状況じゃなければとっ捕まえて牢屋にぶち込みたい気分だわ‥。」

風「‥やれやれ‥。大学生でそれってやばいわよ‥」

 

 

トーコとアキの話を聞くなりやれやれと頭を抱える風と雪。そんな二人を見つつ理琉が口を開く。

 

 

理琉「ったく‥相当なクソ野郎だな‥」

ヒカ「‥同感‥」

小春「‥でも、助けてもらってるからそんなことも口に出して言えないし‥。何より戦いになれば勝ち目がないから行動できない‥難しいよね‥」

美紀「流石名前が武闘ってだけありますね‥」

トーコ「ん〜‥そうなんだよねぇ‥。あっ!ここで立ち話もなんだし中に入りなよ〜。案内するから」

日野「いいのか‥?仮に部外者だし何より武闘派って奴らに見られたら‥」

トーコ「大丈夫大丈夫〜、別に仲が悪いからって対立してる訳じゃないから〜。そのへんはうまいこと付き合ってるよ〜」

圭「はっはぁ‥」

由紀「やったぁ~♪それじゃお邪魔しまするね〜」

 

 

こうして一同は大学の建物内(穏健派の縄張り)に入っていくのであった。しかしその様子を武闘派の縄張りの建物の窓から伺う人物の姿があったのであった‥。

 

 

?「ちっ‥アイツら‥変な虫入れやがって‥」

 

 

 

大学敷地内廊下にて

 

 

トーコ「‥なるほどね〜、君達は元々高校にいて訳あってここを目指して来たんだね。んでそこの風って人は旅の途中で合流したと」

日野「そうなるな」

アキ「けっこう大変だったでしょ〜?高校からここまでの道のり」

慈「まあ‥けっこう応えましたね(汗)」

トーコ「あ〜‥だよねぇ(汗)ところでさ、一つ聞きたいことがあるんだけど‥」

 

 

そう言ってトーコが向けた視線の先には由紀達が持っていたり背中にかけている銃の姿が‥

 

 

トーコ「明らかに一般人が持てないようなやつあるね‥(汗)それはどこで手に入れたの?」

慈「それはこれを見てもらったほうが良いかと」

 

 

そう言って慈がカバンから例の緊急避難マニュアルを取り出してトーコ達に渡す。

 

 

トーコ「なるほどねぇ‥だからこんないい武器を手に入れられたのか‥」

雪「そんなところね‥」

アキ「まさかここ以外にも地下区域があったなんて‥驚いたよ‥」

理琉「あァ、だがそこがとある理由で使えなくなったからそのマニュアルに書いてあったこの大学目指してやってきたんだ。」

トーコ「とある理由‥?」

理琉「‥ランダルの奴らが‥高校を襲撃してきたんだ」

アキ「なっ!?」

ヒカ「‥!!」

 

 

まさかの理琉の口から出てきた発言に思わず目を見開いて驚いた表情を浮かべるアキとヒカ、だがトーコは冷静に話を聞く。

 

 

トーコ「それはどうゆうこと?」

理琉「まっ‥何らからの理由でアイツらの裏を偶然見ちまってな‥。その情報を漏らさないようにするためだろうな‥。ランダルの配下にいる軍を送り込んで俺たち全員を始末しようとした」

胡桃「おまけに‥あいつらヘリとか導入してきて本格的に潰しにかかってきたからな‥」

トーコ「なるほどねぇ‥にしてもあんた達、よく生き残れたもんだよ」

雪「けっこうギリギリでしたけどね‥。最終的には何とか跳ね返せましたが‥」

日野「だが俺たちの始末に失敗した、さらに送り込んだ自社の軍が壊滅したとなれば‥俺たちは完全に要注意人物としてマークされただろうな‥、お前たちも気をつけたほうがいい‥」

アキ「わざわざ気を使ってくれてサンキュ‥、頭にはしっかり入れておくわ」

 

 

そんな話で少し重い雰囲気になりつつあったが一つの音がそれを打ち破る。

 

 

「グ〜!」

 

 

突如として響き渡るお腹の減る音、それに少し驚いて音がした方に視線を向ける一同。そこにはお腹を抑え苦笑いしている由紀の姿が‥

 

 

美紀「由紀先輩‥まさか(汗)」

由紀「重要なお話の最中だから‥静かにしてたんだけど‥つい出ちゃって‥」

胡桃「まあ、そういえば今日の朝は簡単にしか食べてないよな‥」

小春「確かに‥(汗)」

瑠璃「お腹減ったよ〜‥」

太郎丸「わふ〜‥」

 

 

由紀につられる形で、今日はあまり食べてないなということに気づく学園生活部。それをみたトーコがある提案を持ち出す。

 

 

トーコ「みんなお腹減ってるならせっかくだし食べながら雑談しない?」

悠里「いいのですか‥?そちらの貴重な食料なのに‥」

アキ「いいのいいの〜、せっかくの久しぶりの来訪者ななんだし♪」

トーコ「それに大変な思いしてここまで来てるんだからなにかしてあげないと失礼だしね〜」

圭「わざわざすみません‥(汗)」

トーコ「謝ることはないよ〜、っといっても作るのは私達じゃないけどね‥(汗)」

風「ん?それはどうゆうこと?」

 

 

トーコの引っかかるような発言を聞いてどうゆうことなのか質問する風。

 

 

トーコ「実はね〜、外部から来た人で君達が最初じゃないんだよ〜」

小春「ということは‥」

アキ「そう、君達より前にここにやってきた子がいてね〜。私達と一緒に過ごしてるのよ〜、年齢からして巡ヶ丘高校の生徒の子たちと同じくらいかな?学校は違うみたいだけど」

トーコ「そんで穏健派の中では唯一戦闘ができるタイプの子でね〜。おまけに料理とかもできるしなんでもできるからけっこう重宝してるんだ〜」

胡桃「まっ非戦闘員の穏健派からすればかなり強力な助っ人だろうな」

由紀「どんな子なんだろうね〜、楽しみだよ〜」

日野「ん〜‥話を聞く限り雪の上位互換かな?」

雪「ちょっとなによその言い方〜(ムスゥ)」

理琉「俺たちと同で高校生‥そんで戦闘が得意と‥‥

こりゃどんな子か楽しみだな‥」ニヤ

小春「安心しなさい、あんたみたいに戦闘狂ではないから」キッパリ

 

 

いろいろと話しながら歩いていると料理研究同好会と札がかけられたとあるサークル部屋にたどり着く。

 

 

トーコ「基本的にはここでご飯とか食べる感じかな、私達が使ってる部屋はプライベート用みたいな感じだし」

美紀「それはわかったんですが‥(汗)この料理研究同好会の隣にかけてある札はなんですか‥(汗)」

 

 

そう言って美紀が指さした先には料理研究同好会の札の隣に研究同好会と貼られていた。

 

 

アキ「あ〜、これはね〜。前は違うやつ貼ってたんだけど‥自堕落同好会って言うんだけど」

理琉「だいたい察したぜ‥(汗)」

トーコ「でも例の子が来てからは、少しでも変わらなきゃって。だから少しでも私達ができることを探してたらこれにたどり着いたたんだ〜」

雪「人間って一人がきっかけで変わるもんなんだね〜」

慈「その子が相当凄いか優秀ってことでしょうか‥」

 

 

一体どんな子なのか、想像を膨らませる学園生活部。その間トーコは入口の扉をノックして一声かける。

 

 

トーコ「さっき言ってた子達を連れてきたよ〜」

?「はあい〜♪今行きますね〜」

 

 

中から声が聞こえた少しあと、何やらガサガサ音が聴こえてた直後駆け足とともに扉が開き茶髪ショートで片側ツインテールの子が現れる。

 

 

?「あっ♪もしかして、その人達がトーコさんの言ってたやつですか〜」

トーコ「そうそう〜、あっせっかくだし自己紹介してあげなよ〜」

?「はっ‥!そうだった!」

 

見た目からして同い年か年下だろうか、しかしそれを感じさせない活発で明るい雰囲気に押される学園生活部。トーコが自己紹介を促すと思い出したかのように一同の前に立ち

 

 

?「はじめまして♪最強女子高生で元中華飯店万々歳の看板娘、由比鶴乃だよ♪よろしくね♪」

悠里「えっえぇ‥、お世話になります」

 

 

由紀並、いやそれ以上あるかような元気ぶりに戸惑いを隠せないものの、鶴乃が差し出した右手を学園生活部代表としてゆっくりと握り返す悠里であった。




新キャラ
由比鶴乃
登場アニメ:魔法少女まどかマギカ外伝 
性別:女性
身長:162cm
年齢:17歳(高校二年生)
体重:秘密
出身:神浜市
出身校:神浜市立大付属学校
趣味:中華料理を作ること
肩書:最強女子高生(中華飯店万々歳看板娘)
性格:明るくて活発、深く考えるのは苦手だが頭は比較的良く、学年トップの成績を取るほど勉強は得意。
使用武器:Beretta(ベレッタ)M9A1&90two
     鉄扇(扇子タイプの近接武器)
紹介プロフィール:出身は神浜市、だいたい親が引き継いでいる中華飯店万々歳の看板娘。買い出しにきていた巡ヶ丘で偶然パンデミックに遭遇、しばらくの間は放浪していたが聖イシドロス大学の穏健派のメンバーと出会ってからはここでお世話になっている。元々運動神経が良いこともあり、戦闘スキルは理琉にも引けを取らない。
ここに来るまでに見つけた2丁拳銃と扇子タイプの鉄扇の近接武器を愛用しゾンビや対人戦闘でも実力を発揮する。そして戦闘をする際はオレンジや白、黄色の模様が入った戦闘服を着用(お腹周りが出ているので危ないとみんなはいうが本人曰く「こっちのほうが動きやすい」とのこと)腰の後ろ側にリボンを付け、雰囲気的には中華料理店を漂わせている。
しかし頭は非常に賢く、学年成績は常にトップ。そのため、後に由紀達の勉強も教えることになる。更には料理も得意で主に中華料理を作っている。


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第三十九話 武闘派

穏健派と出会うことのできた学園生活部

いよいよ武闘派の内部事情について知ることになります



鶴乃「はいはい〜おまたせ〜」  

 

 

あれから自己紹介を終えて、中に案内された学園生活部。その後一旦キッチンに戻った鶴乃がチャーハンを入れた皿を両手に持ちつつやってくる。

 

 

雪「こんなにたくさん‥」

鶴乃「ちゃんとご飯は食べないといざというときは動けないからね〜」ゴト

 

 

一人でみんなの分をせっせと運ぶ鶴乃。悠里や慈が手伝おうか声をかけたが「旅でお疲れだろうからゆっくりやすんで」と言われたためお言葉に甘えている。

 

 

小春「にしてもあの子手際がいいよね〜」

トーコ「だろ〜?彼女にはほんと助けられっぱなしだよ〜(汗)」

慈「見た感じ動きがいいところを見ると‥頭の回転は早そうですね」

アキ「さっすが教師をやってるだけあるね〜。実はあの子、性格では想像できないけどけっこう頭いいみたいだよ〜?なんせ学年の成績は常にトップだったらしいし」

圭「え‥!?そうなの!?」

日野「全然想像できなかったぜ‥‥」

美紀「由紀先輩とは真逆のタイプですね‥」

由紀「う〜‥酷いよみーくん‥」

 

 

そうこうしているうちに鶴乃が学園生活部全員分のチャーハンを出し終わり(太郎丸はドックフード)、お茶も用意してコップに注ぎ置く。

 

 

鶴乃「ささっ♪冷めないうちに食べて食べて♪」

トーコ「鶴乃ちゃんの作る中華料理はけっこう美味しいから食べたらビックリするよ〜?」

由紀「それじゃ!いただきます〜!」

「「「いただきます〜!!」」」

 

 

由紀の合掌に釣られるように一同は手を合わせてチャーハンを口に運んでいく。

 

 

日野「〜(モグモグ)おっ?こりゃなかなかいいな♪」

雪「ん〜♪おいひい〜」

胡桃「チャーハンは何度か食べたことあるけどここまで美味しいと思ったのは初めてだよ〜」

慈「うんうん♪なかなか良さげです♪」

悠里「あら‥♪なかなかいい味付けね♪」

瑠璃「つーねぇ美味しい〜♪」

美紀「うん♪この味は流石ですね♪」

圭「さっすが中華飯店の看板娘♪」

理琉「フム♪なかなかの味だぜ」 

小春「最高〜♪」

風「あ〜♪頬が蕩け落ちそうだわ〜」

由紀「ツルノちゃんが作ったチャーハン美味しい♪」

鶴乃「そう言ってもらえると凄く嬉しいよ〜♪」

 

 

みんなからの好印象な返答にイスの背もたれに寄りかかりつつ浮いた足をパタパタと動かしつつ嬉しそうに学園生活部を見つめる鶴乃。

 

 

トーコ「言ったでしょ〜♪鶴乃ちゃんの作る中華料理は一級品だって♪」 

ヒカ「美味しい‥よ」

アキ「何気に中華料理ってバリエーションあるから飽きないのよね〜。それに鶴乃ちゃんがたまにオリジナルメニュー考えてくれるし♪」

鶴乃「えへへ〜」

 

 

大学組からも褒められたことで思わず笑顔を大きくする鶴乃。だがすぐに切り替えて雑談に入る。

 

 

鶴乃「そういえば、そこの5人は私と同じ学生さんなんだね〜」

由紀「うん!そうだよ♪」

胡桃「でも、びっくりしたよ〜。まさか鶴乃ちゃんが私達の後輩に当たるなんてな〜」

美紀「私もですよ‥まさか同年代とは思いもしませんでしたし‥」

鶴乃「私もだよ〜♪でも、同じ年代の子がいてくれてすごく嬉しい〜♪」

トーコ「そうだ♪せっかくだし鶴乃ちゃんに勉強教えてもらったら?多分みんな勉強できる余裕なかっただろうし」

慈「それはいい案ですね♪ここの雰囲気になれてきたらやってみましょうか」

由紀「べっ勉強‥‥」

胡桃「くっ‥‥やはり逃げれないというのか‥勉強からは‥」

圭「‥‥」ソロリ

美紀「圭‥どこにいこうとしてた?」ボソ

圭「‥!?」ギクリ

鶴乃「大丈夫大丈夫♪単純にわかりやすく教えてあげるから〜♪安心して♪」

日野「おっおう‥」

雪「流石最強女子高生‥」

 

 

なんかんや楽しそうな雑談をしているうちにチャーハンを食べ終わり、片付けに入る一同。

 

 

胡桃「そういえばさ、鶴乃って放浪してたときにここの大学生存者と出会ったんだよね?」

鶴乃「そうだよ〜?」

胡桃「ということは、武闘派って言う奴らとあったことあるのか?」 

鶴乃「うん〜。チラッとね、トーコさんに連れられて2つの縄張りの間にある会議室に来たときに全員ではないけどあったよ〜」

胡桃「‥どんな、感じだった?」

鶴乃「ん〜‥なんて現したらいいんだろ‥。イマイチよくわからないな‥」

胡桃「やっぱそうだよな‥、サンキュ♪教えてくれて」

鶴乃「あんまし役に立てそうな情報なくてごめんね〜‥(汗)」

胡桃「気にするな♪それだけでも充分さ♪」

 

 

片付けも人数がいるためあっという間に終わり、学園生活部はトーコ達に個室寝室に案内される。

 

 

由紀「わ〜♪」キラキラ

 

 

目の前に広がる、たくさんの個室部屋を見て目を光らせつつキョロキョロする由紀。

 

 

美紀「先輩‥はしゃぎ過ぎです‥(汗)」

圭「でもこうゆうもいいよね〜、パンデミック後は部屋のスペースがあまりなかったからこうゆうこともできなかったし♪」

悠里「新鮮ですね〜♪」

瑠璃「わあい♪」

日野「ったく、個室なんていつぶりなんだろうな‥」

雪「だね〜」

胡桃「っと〜どうせお前らは一緒に寝るんだろ?」

日野・雪「「‥‥//」」

慈「これなら周りに気を使わなくても良さそうです♪」

風「こりゃいいわね〜」

小春「んで〜?あんたはどうするの〜由紀ちゃんと一緒に寝るの〜?」

理琉「ウルセェ‥//」ボソ

 

 

そんなこんなしているうちに部屋の内訳が決まりそれぞれと扉には由紀お手製の名札が貼られることに。

 

 

由紀「よし♪こんなもんかな?」

トーコ「オッケーオッケー♪いいセンスしてるじゃん♪なかなかいいよ♪」

由紀「いや〜照れますな〜」テレテレ

慈「いいんですか‥?こんなにたくさん部屋を贅沢に使って‥」

アキ「別にいいよ♪むしろ部屋があまり過ぎて困ってたから丁度いいって思ってね♪」

日野「本当に助かるぜ〜」

 

 

その後長旅で疲れてるだろうから今日は休んでというトーコの提案に甘えさせてもらい学園生活部はそれぞれの個室に入っていく。

 

 

由紀「そじゃ♪おやすみなさい〜」

「「「おやすみ〜(なのだ〜)(ワン)!!」」」

 

 

 

深夜12時前‥

 

 

日野「ふぁぁ‥‥」

 

 

眠たそうにしつつトイレから出てくる日野、それから早く布団に潜って寝たいために自室に少し速歩きしているとこちらに歩いてくる人物に気づく。

 

 

日野「ん?あれは‥」

 

 

月明かりしか入ってこない中よくよく相手を確認して声をかけに行く。もちろん、相手も日野に気づいてやってくる。

 

 

トーコ「ありゃ?日野さんじゃないか〜」

日野「トーコさんでしたか‥、それよりどうしてこの時間に起きているんですか?もしかしてトイレとか‥」

トーコ「あ〜いや(汗)そうゆうのじゃないんだよねぇ‥。」

日野「ん?」

トーコ「実はさっき武闘派の連中とあってきたのさ」

日野「ぶっ武闘派の連中と!?」

 

 

トーコの口からまさかの言葉が出てきたことに思わず声を上げかけすぐに音量を下げる。

 

 

日野「おいおい‥大丈夫なのかよ‥それ‥、武闘派とは仲良くねぇんだろ?」

トーコ「まあそうなんだけどね〜、でもだからって仲間割れするほどじゃないさ。会うときはあうし必要な情報交換だってするんだから」

日野「なっなるほどな‥、それで今日呼ばれた内容は‥」

トーコ「君達のことでさ〜、やっぱ入れたときに見られてたらしくてそのことについて聞かれたさ」

日野「まっ‥バレずに行くと自体が難しいから仕方ないよな‥。どんな感じに話したんだ?」

トーコ「えっとね〜」

 

 

 

遡ること三十分前

両縄張りの間にある会議室にて‥

 

 

トーコ「んで、わざわざこんな時間に呼び出してどうしたのさ」

 

 

これから眠ろうとしてたときに呼び出されたため少し不満そうな表情を見せつつ向かい側にいる人物に視線を飛ばす。その中で真ん中に座っているのが武闘派のリーダー頭護貴人(とうごた たかひと)、金髪で釘バットを持っているのが特徴的だ。そしてその右側にいるのが神持朱夏(かみじ あやか)、長髪で少々目つきがキツイ女性だ。貴人の左側に立っているのが右原篠生(みぎはら しのう)、こちらはサイドテールでおとなしめの女性だ。

 

貴人「そんなもの、お前はわかってるんじゃないか?そっちに警察を含めた人数と一匹の犬が来たそうじゃないか」

朱夏「前の件もそうだけど、あんまり勝手に人を入れ込まないでよね。それに見つけたもんは平等にするって言ってたじゃない」

トーコ「それとこれとは話が違うでしょ‥、それにあの子達は渡せないよ。武闘派の君達のことを少しばかりか警戒してるから」

貴人「ふん、またお前が変なことを吹き込んだのか?」

トーコ「吹き込んでなんかないよ、とりあえず伝えることは他にはないかな。またなに情報が入ったら報告するよ」

貴人「あぁ、そうしてくれ。」

トーコ「っとこんなもんかな、それじゃボクはこの辺で」

 

 

そう言い残して席を立つトーコ、するとそれにすぐさま篠生が反応して扉を開けてる。

 

 

トーコ「サンキュ、ありがとねシノウ」ボソ

篠生「えぇ‥」

 

 

小声で軽く話したあと、会議室をあとにするトーコであった。

 

 

貴人「へっ‥」

 

 

だがその様子を少しばかりか気に入らなさそうな雰囲気で見つめている貴人であった。

 

 

そして‥時は戻り

 

 

日野「なるほどねぇ‥そんなことがあったのか‥。やっぱ武闘派は評判悪そうだね〜」

トーコ「一部信頼してる子はいるんだけど‥ほとんどと奴らは気に入らなくてねぇ‥」ため息

日野「‥あんたも苦労しているな‥(汗)」

トーコ「そりゃそうさ‥、でも仲間割れしてる状況じゃないしなんとかうまくやってるところさ」

 

 

トーコの表情を見るからに、いかに武闘派の連中に手を焼いているのがすぐにわかる。だが彼女の言うとおり仲間割れしている場合ではないためなんとかうまいことやるしかない。

 

 

日野「まっそうだよな‥、でも警戒はしといたほうがいいぜ?ソイツら‥多分ろくなこと考えないだろうし」

トーコ「そうだね‥、君達の件もあるし可能な限りアイツらをマークしておくよ」

日野「んじゃま、お休みだな」

トーコ「あぁ‥♪また明日」

 

 

そう言って分かれた二人はそれぞれの自室へと足を運んでいくのであった。そんな中でも日野は頭の中でトーコの言ってたことを考えているようだ。

 

 

ーこりゃ‥一度みんなに言っておかないとな‥ー




武闘派の動きに注意を向けることにした穏健派と学園生活部。そんな中でいよいよ新たな場所での生活がはじまります!


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第四十話 図書館の主

武闘派の動きに警戒しつつ
いよいよ大学での生活がスタートします!


Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.

人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見ればコメディだ。

 

Charles Chaplin

チャールズ・チャップリン

 

 

 

 

そして翌日‥‥

 

 

日野「っと」机を運び中 

胡桃「日野〜、その机は鶴乃のところにお願いできるか?」 

日野「あいよ〜、鶴乃〜これどこに置けばいい?」

鶴乃「この辺にお願いできるかな?」

日野「あいよ〜」

雪「しっかし荒れた部屋を掃除するのは大変ね‥」

アキ「まあなにせ‥ここはパンデミック当時たくさんの人がいたからな‥、そのせいでけっこう荒れて私達じゃ手をつけられなかったから助かったよ」 

悠里「まあ、彼らやなれなかった人たちの遺体がないだけ幸いだわ‥」

美紀「はい‥(汗)」  

圭「遺体を見るのに慣れてきたとはいえ‥あれはキツイからねぇ‥」

 

 

そんなことを話しつつ、一同は荒れた教室の清掃や整理、可能なら窓ガラスなどの交換を行っていた。

 

 

理琉「よっと‥」

小春「ゆっくりつけてね〜!窓ガラスってけっこうデリケートだから!」

理琉「わ〜かってるよ」取り付ける

由紀「備品室にあった残りの窓ガラス持ってきたよ〜」

風「いやぁ‥あの備品室けっこうあるもんだね」

トーコ「私も初めて入ったからびっくりしたよ。大学の備品室は意外と充実してるんだね」

瑠璃「それにいろいろあったのだ〜♪」

ヒカ「工作に‥役立てそう‥」

 

 

数人や一人なら一日は軽くかかる状態だった教室が十人以上もいればわずか半日でパンデミック前の綺麗な状態に戻ったのであった。

 

 

由紀「ふぅ♪終わった♪」

美紀「だいぶ綺麗になりましたね‥♪」

雪「掃除する前の状態がまるで嘘みたいだよ〜」 

 

 

教室が綺麗になったところで、昨夜の提案どおり遅れている分を取り戻すために授業をすることに。大学組や日野、雪、理琉、小春やラジオdjの風八人も高校生組に混じって一緒にしようという慈の提案で巻き込まれた。

 

 

日野「やべぇ‥ここの文章題計算覚えてないや‥。だいぶやってないだけでもかなりキツイ‥(汗)」

雪「んも〜‥、ここはこうしてこう整理して計算するんだよ〜?」

理琉「ナァ小春‥なんでオレまで受けてんだ?」

小春「それを私に聞かないでよ‥」

風「そりゃあなた達は軍に入ってるけど年齢でいったら学生なんだから勉強はちゃんとしないと。それに頭が、賢くないと戦場では生き残れないんじゃない?」

理琉「ソレとこれとは違うんだが‥‥」

瑠璃「ダメだよ〜りりにぃ。ちゃんと勉強はしないと〜?」

風「そうそう♪るーちゃんもそう言ってるんだから年上のあなたたちも頑張らないと」

理琉「‥オノレ‥()小学生をうまいこと利用しおって‥」

小春「えぇ‥(汗)」

圭「美紀〜、ここの計算問題どうだったけ?」

美紀「そこはここをかけてそれから約分すれば‥」

由紀「うぅ‥学校は好きだけど勉強はキライ‥」

慈「駄目ですよ?ちゃんと勉強はしておかないと将来困ることになりますし、この騒動が終わった先のことも考えて行動しないと」

由紀「うぇ〜‥めぐねぇのケチ〜」

慈「めぐねぇじゃなくて佐倉先生です‥!」フンス

胡桃「なあ鶴乃〜、ここはどうすればいいんだ?」

鶴乃「そこはね〜この文章題から公式の計算式2当てハマる数字を見つけて計算すれば出てくるよ〜」

トーコ「くっ‥まさかボクまで巻き込まれるなんて‥」

アキ「勉強しようって最初に提案したヤツが何いってんだ(汗)」

ヒカ「‥抜けがけは‥よくない‥」

トーコ「不覚‥」ガク

悠里「トーコさん計算途中での喋りは間違えますよ?」

トーコ「あっ‥!?しまった‥!」アワアワ

アキ「やれやれ‥‥」

太郎丸「〜?」首を傾げる

 

 

とりあえず基礎的なことを覚えるために計算や漢字、はたまた文章題や地理、そして英語など幅広い範囲を一同は互いに教えあっていた。

 

 

由紀「あっ!そうだ!」

 

 

そんな最中、なにか思い出したのか唐突に由紀が声を上げる。

 

 

胡桃「なんだよ由紀‥、まさか勉強の抜けがけ思いついたんじゃないだろうな‥?」

由紀「違うよ‥!そうじゃなくて、ツルノちゃん♪」

鶴乃「はいはい〜?どうしたの?」

由紀「穏健派の中では唯一戦闘できるんだよね?」

鶴乃「そうだよ〜?基本的には穏健派の縄張り内の見回りは私がやってるかな」

由紀「それならさ♪その時に使う武器見せてくれない!?私気になってたんだ!」

美紀「それをこのタイミングで言いますか由紀先輩‥」

理琉「まあ確かに由紀の言うとおりだな、丸腰で彼らと戦ってるワケがないしなんの武器使ってるかはオレも気になるな」

慈「理琉君まで‥‥(汗)」

トーコ「まあまあいいじゃないの〜、時間も丁度いいし休憩がてら見せて上げたら〜?」

アキ「おや?まさかトーコまで抜けがけしようと企んでるのかい?」ニヤリ

トーコ「ソッソンナコトハナイヨ~」

アキ「っとそんなことは置いといて‥、せっかくだし見せてあげなよ♪」

鶴乃「ん〜、わかりましたー♪それじゃちょっと待っててくださいね〜」

 

 

そう言って鶴乃一旦席を立ち、教室をあとにするのであった。

 

 

由紀「楽しみだな〜♪」

トーコ「ふふ〜、多分見てたらびっくりするよ〜?」

日野「なんだよその言い回し‥、そんなに珍しい武器使ってるのか?」

雪「珍しい武器‥‥レールガン?」

理琉「イヤ流石にそれはないだろ。オレは刀だと思うぜ。なんか運動神経良さそうだし」

小春「私はリボルバーかな〜、某泥棒早撃ちマンみたいにものすごい勢いで撃つのかも」

トーコ「ん〜、全然違うな〜」

胡桃「なんだよその言い方‥勿体ぶらないで教えてくれてもいいのに‥」

アキ「まあそんなこと言ったらあとの楽しみがなくなるだろ?答えはあとのお楽しみだ♪」

 

 

それから待つこと数分後、扉が開いて鶴乃が帰ってくる。

 

 

鶴乃「お待たせ〜、ちょっと調整してたら遅くなっちゃった〜」 

一同「「「!!!???」」」

 

 

帰ってきた鶴乃を見た学園生活部のメンツは開いた口が塞がらない状態になっていた。既に知っていた穏健派組は思った通りというニヤニヤした表情(普段は大人しい嘉子でさえも笑いを堪えている)をしていた。

 

 

鶴乃「ありゃ?どうしたの?みんな固まっちゃって」

 

 

何が起きたのか理解できてない鶴乃はフリーズしている学園生活部を見つつ首を傾げる。日野達がフリーズしている原因は彼女の服装だ。原作のマギレコで鶴乃が魔法少女に変身する際に着用する中華料理店の雰囲気に包まれたオレンジや白の入り、お腹周りの出た服を着ていることがどうやら衝撃的らしい。だがそれに気づいてない鶴乃はあらぬ勘違いをする。

 

 

鶴乃「あ〜!もしかしてこの武器の編成が珍しいから驚いてるんだね〜。こっちがBerettaM9A1と90twoっていうハンドガン。この2つを2丁拳銃みたいな感じに使ってるんだ〜。そんでこっちが近接用の鉄扇、見た目は扇子みたいだけど防弾性能もバッチしで先が尖ってるから殺傷能力もある便利n‥」

雪「ストォォォォップ!!!」

 

 

愛武器を紹介して脱線仕掛けていた鶴乃を雪がなんとか止める。

 

 

雪「あっいや‥確かにその組み合わせも驚いたんだけど‥。その前にその服装何!?」

鶴乃「これ〜?これはアイツらとか変な奴らと戦闘する際に着るやつだよ〜。いわゆる勝負服かな〜」

胡桃「というか!?それどこで手に入れた!?」

鶴乃「んっとね〜‥どこかのお店のロッカーで見つけたんだ〜」

慈「そっその服で彼らと戦うんですか!?」 

鶴乃「そうだよ〜?こっちのほうが動きやすいし自分の思ったとおりの動きができるからね〜」

美紀「それ危なくないですか!?お腹周りとか出てますし‥!?」

鶴乃「そうかな〜、大丈夫だよ♪だって私最強女子高生だし♪」

理琉「セツメイニナッテマセンヨオジョウサン‥」

 

 

まさかの事実に頭の思考が追いついてない学園生活部、なんとか笑いを堪えた桐子が混乱している場を落ち着かせる。

 

 

トーコ「思ったとおりだったね〜。まあ私達も最初はけっこうびっくりしたよ〜」

風「‥よく止めなかったわね‥(汗)」

アキ「いや、最初に見たときは心配だなって思ったよ?でも実際に見てみたらけっこういい動きをしてるからしばらくすれば気にならなくなったわね〜」

ヒカ「うん‥」

小春「そんなもんなの‥(汗)」

トーコ「まっこんな服装で心配になるのも無理はないよ。でも彼女の能力本物だよ♪ボク達穏健派は見てるからそれは保証するよ」

圭「ソッソウナンダ‥」

 

 

これは本当に大丈夫なのかという不安はありつつも、ひとまず落ち着いてから授業を再開することに。その際、大学の雰囲気を味わうためにレポートをやってみないなという桐子の提案を受け実際にやってみることに。

 

 

由紀「ん〜‥」カキカキ

胡桃「由紀はなにを書いてるんだ?」

由紀「学校について書いてみてることにしたよ‥。ややこしい文章とかのレポートは難しくて‥」

雪「うぅ‥レポートなんて初めて書くよ‥」

慈「雪さんと日野君は訓練学校出身ですからねぇ‥」

日野「あぁ、だから今日初めてレポート用紙見たときマジかよ‥ってなったよ」

理琉「‥‥」カキカキ

小春「理琉は何書いてるの?」

理琉「近接戦闘について‥だな‥」

小春「やっぱり(汗)」

 

 

それからしばらく一同は黙々とレポートを書いていたのだがふと美紀が席を立つ。

 

 

悠里「どうしたの?直樹さん」

美紀「いえ‥ちょっとレポートの内容の本を探しに行こうかと‥」

アキ「あっそれならこの別館の隣に図書館あるからそこ行けば目的の本があるはずだよ」

美紀「ありがとうございます‥♪」ペコリ

圭「あっそれなら私も行くよ〜」

トーコ「鶴乃ちゃん〜、図書館への案内と一応敷地内とはいえど念を押して二人についていってくれない?」

鶴乃「はいはい〜♪わかったよ〜。んじゃ二人共ついてきて〜」

 

 

鶴乃に連れられて美紀や圭は大学敷地にある図書館へと向かうため部屋をあとにするのであった。

 

 

アキ「っとそういえばあのことは言わなくて良かったの?」

風「あのこと?」

トーコ「あ〜‥リセさんのことだよね。特に言わなくて大丈夫でしょ」 

胡桃「リセ‥さん?」

 

 

桐子の口から出てきた人物の名前に首を傾げる胡桃。それを見た桐子が説明する。

 

 

トーコ「鶴乃ちゃんたちが行った図書館にいる子のなまえだよ。ご飯以外はずっと図書館にいるからボク達は図書館の主って言ってるよ」

雪「それ言わなくて大丈夫なんですか‥?ほら、びっくりするかもしれないし‥」 

アキ「そのへんは鶴乃ちゃんがいるから平気だと思うよ。あの子はリセさんのこと知ってるし」

小春「はっはぁ‥」

 

 

図書館

 

 

美紀「‥んで(汗)やっぱり着てくるんだね‥(汗)」

鶴乃「そりゃなんかあったらいけないからね〜。いざというときのためだよ♪」

圭「うぅん‥やっぱ慣れないなぁ‥」

 

 

相変わらず鶴乃の勝負服に戸惑いを隠せずにいる美紀と圭、服や武器について話していると図書館に到着する。

 

 

鶴乃「っと着いた着いた♪ここだよ」

 

 

二人にここが図書館だというのを教えつつ、入口の扉を開けて中に入る。

 

 

圭「おぉ‥!めっちゃ広い‥!」

美紀「確かに‥これなら飽きることはないですね‥」

鶴乃「リセ先輩〜!いますか〜?」

 

 

美紀と圭が図書館内部の広さに驚いていると鶴乃が建物ないに響き渡るほどの声でとある人物の名前を呼ぶ。

 

 

美紀「‥リセ先輩とは‥?」

鶴乃「あっそうか〜、二人は初めて聞く名前だったね。この図書館にいつもいるリセ先輩っていう人がいるの。ご飯以外はずっとここだから先輩方は図書館の主って呼んでるよ〜」

圭「へぇ〜‥」

鶴乃「あっ♪来た来た♪」

 

 

そんなことを話していると本棚の向こう側から出てくるようにピンクの髪の女性、リセがやってくる。

 

 

リセ「おやおや〜、鶴乃ちゃんじゃないか〜。っとそっちは見慣れない顔だね〜、新入りさん?」

鶴乃「そう♪最近この大学にやってきた子達だよ♪他にもいるんだけどひとまずこの二人の紹介するね♪」

 

 

そう言ってリセに自己紹介するような形で美紀と圭のことを説明する鶴乃。

 

 

リセ「ふむふむ‥そっちの白髪のほうが美紀君‥、んでそっちの活発そうな茶髪の子が圭君か」

美紀「はっはい‥!そうです‥!」

圭「さっき鶴乃ちゃんに聞いてたんですけど、どうしてこの図書館にずっといるんですか?」

 

 

説明が終わったあと、疑問に思っていた圭がある質問をリセに投げかける。

 

 

リセ「そりゃ、本にはいろんな出会いが詰まってるからね♪本を読めばたくさんの知識が得られるし、為になるようなことも書かれている」

美紀「確かに‥、本はどんな人でも惹かれてしまう魔法たいなものですからね‥!」

リセ「おや、まさか共感してくれる人がいてくれるなんて‥♪これからよろしくね♪」

美紀「はい♪」

 

 

お互いに本が好きということで息ぴったしで握手を行う二人。するとリセがあることを思い出す。

 

 

リセ「っといけないいけない‥、ついつい脱線してた‥。そういえば君達はどんな本を探しに来たんだ?」

圭「えっとですね‥。私はこれかな?」

美紀「私はこのタイプの本を‥」

 

 

美紀と圭はそれぞれほしい本の種類をメモ帳に書いておりそれをリセに見せる。彼女はうんうんとうなずきながら確認して。

 

 

リセ「それじゃこっちに着いてきて〜」

 

 

そう言って3人を連れて図書館の奥側に案内するリセ、目的の場所につく間。広い室内の棚にびっしり置かれている本をキョロキョロしながら眺めている。

 

 

美紀「高校とは比べ物にならないくらい充実してますね‥」

圭「ホントだね〜、やっぱ専用の建物を持ってるだけはあるよ〜」

鶴乃「でもこれ読むのにどれくらいかかるんだろうね〜。気になりますよ〜」

 

 

彼女の後ろをついていきつつ、本の多さにびっくりしている3人。そうこうしているうちに目的の本棚前に着いたのか、リセの足が止まる。

 

 

リセ「ここに二人がほしい本があると思うよ♪」

美紀「ありがとうございます‥!!」

圭「わざわざすみません‥(汗)」

リセ「いいよいいよ〜、同じ本好きがいてくれたから嬉しくてつい‥♪それじゃ私はこのへんでね〜。好きな本見つけたら帰るとき一声だけでもいいからかけてね〜

鶴乃「はあい〜♪わざわざありがとうございました〜」 

 

 

そう言ってリセは一旦3人と分かれて再び定位置へ戻るのであった。見送ったあとの美紀達は本棚から目的にあった内容の本を探し出していった。

 

 

 

太平洋‥

原子力空母

サイパン

士官室   

 

 

?「なに‥?巡ヶ丘に送り込んだランダルコーポレーションの精鋭部隊との連絡が途絶えただと?」

?「はっ、巡ヶ丘高校の生存者の排除を目的に送り込んだ部隊が数ヶ月前から連絡が途絶えているとのことです。」

 

 

上官席に座っている黒いサングラスをかけた男、その前ではあの傘マークのバッチをつけた職員が報告をしていた。  

 

 

?「その部隊は確かランダルの中でも一番の精鋭部隊だっただろ‥。なぜ民間人に負けているのだ?」

?「それは私にも説明はつかないことです‥。あの部隊の実力はかなり有名でしたから‥油断するはずがないのですよ‥」

?「‥‥まあいい。だがそれよりもその部隊は巡ヶ丘高校の生存者にこちらの裏を見られたということだな?」

?「いえ‥感づかれたのはランダル内部の情報みたいですね‥(資料確認)ですがこちらもバレるのは時間の問題かと‥」

?「うむ‥それはかなり不味いな‥」

 

 

下手すれば自社の内部情報まで露見してしまうというはずなのになぜか冷静なサングラスの男。それから少しして部下らしき人間に指示を出す。

 

 

?「とりあえず近いうちにランダルコーポレーション巡ヶ丘支社とアンブレラ巡ヶ丘支部に向かうように部隊につたえてくれ」

?「はっ!わかりました!!」

?「それとそれには私も直々に行くよ」

?「‥?わかりました。でもどうして‥」

?「少し気になることがあってな‥」

?「なるほど‥では‥失礼します‥!(ガチャ)」

 

 

そう言って部下は扉の前で一礼したあと、部屋をあとにするのであった。  

 

 

?「‥‥」

 

部下が退出したあと、それを確認したサングラスの男は席を立ち船窓の前に移動する。

 

 

?「‥‥おそらく‥彼らは我々の支部に乗り込んで来るだろう‥確実に‥」

 

 

独り言を言っている男の片手には、巡ヶ丘高校に偵察に行った際で見つけた学園生活部のみんなが映っている一枚の記念写真。それからその下の書類には行方がわからなくなっているアメリカ軍特殊作戦群の資料があるのであった‥。




鶴乃の意外な勝負服

そしてリセとの出会い

その裏で動き出す不穏な影

学園生活部は知る由もなかっただろう‥
再び‥魔の手が忍びよっていることを‥
悪夢は‥まだ‥終わらないことを‥


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第四十一話 アンブレラ

バイオハザードシリーズ全般を通して、物語の重要位置に君臨し続けたアンブレラ。こんかいはそのお話についてです


 

 

 

由紀「そういえばさ、アンブレラってどんな企業なの?」  

 

 

大学での生活に慣れてきたある日、ふと由紀がそんなことを口に出す。    

 

 

胡桃「そりゃ、製薬会社を装って裏で生物兵器の研究開

発してる組織だろ?」

 

由紀「そうじゃなくてさ‥!どうゆう経緯でできたのか気になるな〜って思って‥」

 

日野「まあたしかにな〜‥アンブレラっていうのは聞いたことあるが詳しいとこまではよくわかんねぇな‥」

 

風「それならさ、いい機会だしアンブレラについておさらいしてみる?資料ならたくさんあるし」

 

トーコ「ふっふっ‥そうくればボクの出番だね♪」

 

 

どこから湧いてきたのか突如桐子が姿を現してホワイトボードを用意する。

 

 

 

トーコ「っというわけで〜、みんな揃ったことだし‥!今日は世界的製薬企業のアンブレラについて話し合おうと思うよ〜」

 

風「資料ならここにたんまりあるからこれ見てくれてもいいわよ〜」

 

アキ「唐突だな‥(汗)」

 

トーコ「まあまあいいのいいの〜。んで何かないかな〜?」

 

慈「ええっと‥世界的に有名な製薬企業として1966年に設立された会社ですね‥。それから製薬業界ではトップの成績を誇り、世界中に支部があるみたいのようです。あっここ日本にも何社かありますね」

 

胡桃「でもその裏では国際条約で禁止されている生物兵器の開発、研究をしてるっていう悪徳企業なんだよな‥。その子会社的なのがランダルコーポレーションっていうのは知ってるぜ」

 

理琉「まあなんでわざわざこんなことをしてまでするのかっていうのは想像つくぜ。コソコソやってちゃ研究なんでできるわけがない。だから敢えて製薬企業として有名になることで人の目はそっちに行く。それを利用して堂々と隠れながら研究、開発ができるって寸法さ‥」

 

悠里「それで量産化ウィルスの研究を担当しているのはランダルコーポレーションみたいですね‥。なんでも‥T-ウィルスって呼ばれてるらしいです‥」

 

雪「んでその会社を最初に立ち上げたのは名門貴族のオズウェル・E・スペンサーっていうひとみたいね。なにやら始祖花からRNAウィルス、「始祖ウィルス」を研究で見つけて、それを生物兵器に転用するとから始めたみたい」

 

圭「自分達で最初から作ったわけじゃないんだね」

 

小春「でも、それが見つかってからアンブレラの陰謀ははじまったってことね‥」

 

日野「そりゃ、世界トップの企業なんだ。今まで培ってきた技術を生物兵器の研究、開発に利用するなんて朝飯前のはずだぜ」

 

アキ「だよねぇ‥‥それだけの技術があるんだから‥」

 

美紀「というか‥生物兵器を製造してどうするんでしょうか‥?」

 

風「一番考えられるパターンとしては闇マーケットでの販売かしら?」

 

慈「闇マーケット‥」

 

風「そっ、闇マーケットで売ってお金にしようってことよ。それに買った相手も好きなことに生物兵器を使うことができる‥。たとえ‥悪用しようが‥」 

 

由紀「‥思ってた以上ヤバい組織なんだね‥‥」

 

理琉「ヤバイというか‥‥アンブレラの一部職員や上官が頭おかしいだけだからな‥‥(汗)」

 

トーコ「んで‥生まれたのがアイツらってこと?」

 

 

そう言って桐子の指差した先には大学の敷地外をうろつく彼らの姿が‥‥

 

 

日野「アイツらの厄介なことは音に敏感ってことなんだよな‥数体程度ならさばけるが、あれが何百体来られたらやられる自信しかないぜ‥」

 

雪「おまけに一度噛まれたらお終い‥‥あとは彼らの仲間入りするか自決の二択しか方法はない‥」

 

胡桃「ったく‥面倒なやつ開発してくれたもんだよ‥‥アンブレラは‥」

 

鶴乃「でもそれが何かの拍子で漏洩して‥それをアンブレラ社は隠蔽しようと‥」

 

美紀「下っ端のランダルに指示して私達を始末しようとした‥」

 

小春「戦闘ヘリまで導入してたからね‥アイツらの本気度が垣間見えたよ‥。まっギリギリとはいえなんとか撃退できたけどね」

 

理琉「‥だが撃退できたからって安心はできねェ‥。ランダルの精鋭兵を潰したとアンブレラの奴らが知れば俺たちは要注意人物になってるのは確実だろうな‥。となれば‥どこかでアンブレラと一戦を交えるだろう‥‥最悪の事態を考えると‥」

 

慈「‥やっぱりそうなりますよね‥‥。前はなんとか撃退できましたけど‥、今度は本当に危ういかもしれません‥。教師として‥学園生活部の顧問して‥皆さんを失いたくありません‥」

 

 

慈の重たい雰囲気に思わず暗くなってしまう一同。いや‥そうなるのも無理はない。ランダルでさえ手こずったのにさらにその上のアンブレラとなれば高校での戦い以上の激戦になりかねない。‥最悪誰が帰らぬ人になってしまう可能性が‥‥、そんな空気が一瞬漂わせていたがある人物が切り裂く。

 

 

鶴乃「大丈夫だよ‥!!きっとみんなで力を合わせればなんとかなる!!」

 

 

鶴乃の口から出た言葉に思わず視線を上げて彼女に視線を向ける。

 

 

鶴乃「あんまり難しいことはわかんないけど‥、それでも‥!みんながいるんだもん!みんがいればどんな相手だって勝てるよ‥!きっと!」

 

トーコ「鶴乃ちゃん‥」

 

鶴乃「実は私好きな言葉があるの、やってみなけりゃわからない!出たとこ勝負でもいいじゃない!」

 

瑠璃「‥怖くないの‥?つーねぇ?」

 

鶴乃「怖くない‥って言えば嘘になるかな‥(汗)確かに私も怖い‥。せっかくあえたみんなと離れ離れになるのは嫌だし‥」

 

胡桃「‥だったら尚更‥」

 

鶴乃「でも!それを言い訳になんて私はしない!私は最強女子高生!!由比鶴乃!私は強いからか―――っ!!」

 

 

ものすごく明るくて表裏のない彼女、一見怖いものなど無いように見える。しかし蓋を開けてみれば鶴乃も恐怖と戦っている一人。だがそれを感じさせない明るさを振る舞っていた。

 

 

理琉「‥へっ‥、そうだよな‥。確かにそうだ」

 

 

鶴乃の言葉に釣られるように理琉も席を立ち、

 

 

理琉「こんくらいでくたばってちゃ、この先やってられないぜ!!俺たちは学園生活部!!みんなといりゃどんな困難だって負けはしないぜ!!」

 

日野「だな‥!一人ではできないこともみんなで強力しあえれば誰にも負けねぇよな‥!」

 

雪「たとえそれがランダルだろうがアンブレラだろうが‥罠だろうが‥そのまま轢き潰すだけよ!」

 

美紀「私だって簡単にやられる筋合いはありません!!学園生活部の維持を見せてあげます!」

 

風「えぇ!」

 

圭「もちろん!」

 

瑠璃「りーねぇは私が守る‥!!」

 

悠里「ふふ‥♪頼もしくなっちゃって‥♪」

 

胡桃「シャベルと私がいれば最強だぜ‥♪」

 

小春「よっしゃ!!燃えてきた!!」

 

トーコ「やれやれ‥、ボク達は本当あの子に助けられっぱなしだね‥」 

 

ヒカ「‥私達も‥頑張らないと‥」

 

アキ「ヒカの言うとおりだ、年下があんなに頑張ってるのに年下がなにもしないでどうする‥!」

 

 

 

 

由紀「よぉし!学園生活部!!ファイト――――っ!!」

 

 

 

 

 

一同「「「おぉ――――っ!」」」

 

 

由紀の掛け声とともに部屋には一同の元気な掛け声が響き渡るのであった‥。   

 

 

 

そんな賑やかな穏健派とは別に武闘派のテリトリーでは‥‥

 

 

?「戻ったぜ」ガチャ

 

 

武闘派のメンバーがよく集まる部屋にニット帽を被ったボウガンを持っていふ高上聯弥、そしてバールを持ち帽子を被った城下隆茂が戻ってくる。

 

 

タカヒト「戻ったか‥どうだった?」

 

レンヤ「バリケードも異常なし、それに侵入もなかったよ‥‥」

 

タカヒト「そうか‥とりあえず身体チェックするからそこで立ってろ。」

 

タカシゲ「やれやれ‥相変わらず念入りだな‥。感染したらこんなとここないっての‥」 

 

アヤカ「あら?最悪私がトドメを刺していいのよ?」ニヤ 

 

タカシゲ「イヤ‥ケッコウデス」

 

 

そんなことを話しながら貴人の身体チェックを受ける高上と城下、それを篠生がチェックシートに記録する。  

 

 

タカヒト「よし‥異常はなさそうだな‥。」

 

タカシゲ「あったりまえだ‥。俺らだってそんなヘマしねぇんだから‥」

 

シノウ「お疲れ様‥レン君」ボソ

 

レンヤ「あっありがとう‥」ボソ

 

タカヒト「そういえば、穏健派の奴らは最近どうしてる?」

 

 

雑談の最中、ふと穏健派のメンツが気になったのか貴人が篠生に聞く。

 

 

シノウ「どうと言っても‥とくに変わったことはないですね‥。いつもと変わらないように感じます‥」

 

タカヒト「そうか‥」

 

アヤカ「でも定期的にする夜の見張りを担当する人が毎回変わってるわね。前はあの変わった服の子が毎回してたのに」

 

タカシゲ「そりゃ、人が増えたんだからそうだろうよ。する人を毎回分けてたほうが負担が減るしな」

 

タカヒト「とりあえず‥穏健派の動きには逐一把握しておけ‥それで何かあればすぐに報告しろ」 

 

シノウ「‥はい」

 

アヤカ「わかったわ」

 

 

タカヒト「それとこれは穏健派の奴らとは関係ない話なんだが‥」

 

レンヤ「関係ない話‥?」

 

タカヒト「あぁ、どうもここ最近この辺をうろつく怪し

い人影がチラホラ見るんだ‥」

 

タカシゲ「どうせ彼らじゃないのか?」

 

タカヒト「彼らならこんな報告はしねぇよ‥。明らかに人の動きをしてた‥。そんで大学の敷地内をチラチラ見てた‥」

 

シノウ「それは怪しいわね‥‥」

 

タカヒト「あぁ‥だから穏健派と平行してその怪しい奴もチェックしておけ。それで侵入してきたのなら速やかに拘束しろ‥。抵抗するな‥殺ってしまっても構わん」

 

アヤカ「りょ〜かい‥♪(ニヤリ)そうなったらどういたぶってあげましょうか〜」

 

 

こうして話し合いが終わり各自解散、それぞれの部屋へと戻っていくのであった。

 

 

シノウ「ねぇ?レン君」

 

レンヤ「ん‥?どうしたの?」

 

 

篠生の部屋に来たときにふと彼女に声をかけられて足を止める聯弥。

 

 

シノウ「実はね‥?新たな生命育んだんだよ‥♪」

 

レンヤ「新たな生命‥ってことは‥妊娠したのか‥!?」

 

シノウ「うん‥♪レン君との新たな生命‥♪」

 

レンヤ「‥おめでたい‥ことだな‥♪」

 

シノウ「レン君がお父さんになる日が来るなんて思わなかったよ‥♪」

 

レンヤ「ボクもさ‥♪」

 

 

夕日に照らされてた二人はどこか輝いて見えるのであった。新たなる生命を育み、一層に愛が深まっていくのであった‥。

 




レンヤとシノウが結ばれましたな〜


そして鶴乃の根強いキャラに助けられた学園生活部。
いよいよ本格的に動き出します!


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第四十二話 悪夢再び

覚悟を決めた学園生活部

いよいよ打倒アンブレラを掲げて動き出します!


翌日‥‥

 

 

 

由紀「‥というわけで〜昨日はアンブレラについて議論したわけですが〜」

 

 

トーコ「やっぱりこれだけだと確証を掴むのは厳しいよね〜ってことで‥」

 

 

理琉「敵の拠点に乗り込むことにした‥!!」

 

 

日野「唐突だな‥(汗)」

 

 

鶴乃「いいねいいね〜♪」パチパチ

 

 

瑠璃「わあい〜」

 

 

 

唐突過ぎる提案に一同は少し苦笑いをしてしまっている(瑠璃と鶴乃は拍手を3人に送っている)。それを差し置いて理琉が切り替えて真面目に説明し始める。

 

 

 

理琉「んあそれは表向きで実際は隠蔽できないような確証を得る必要がある。なにせ相手はあの世界的製薬企業のアンブレラ、裏で生物兵器の研究、開発をするほどの奴らなら情報の隠蔽や操作は容易いはずだ」

 

 

雪「なるほどね、要は相手が隠せないような情報を得るってことか。」

 

 

理琉「それと可能なら治療薬に繋がるヒントも手に入れればいいんなとは思っているゼ」

 

 

風「確かに理屈は通ってるわね、やる価値はありそうよ。」

 

 

慈「‥でもどこに乗り込むんですか‥?やっぱりそうゆう系となるとランダルの支社に乗り込むとか‥」

 

 

トーコ「いや‥!確かにそこで情報を得るのも確実だけど‥もっといい情報を得れるところがある‥!」

 

 

美紀「ランダルコーポレーション以上‥あっ!もしかしてアンブレラに乗り込んですか‥!?」

 

 

理琉「あぁ、アイツらは世界各国に支部を作っている。もちろんこの日本にもその支部が一部都道府県にある。その中の一つがここ、巡ヶ丘市にもあるみたいだぜ。略して巡ヶ丘支部‥!」

 

 

由紀「規模はそこまで大きくはないみたいだけど‥それでもビルタイプの支部だし何よりアンブレラとランダルの中継地点として使われてるみたい‥♪」

 

 

悠里「由紀ちゃんが珍しく勤勉ね‥♪でもその努力を勉強に活かせば良かったのに‥♪」

 

 

由紀「フグぉ!?(10ダメージ)」

 

 

雪「確かに中継地点ならお互いの機密情報を交換しているはず。となれば何かしらのデータが残ってるはずよね♪」  

 

 

胡桃「ここを出る日はどうする?」  

  

 

日野「準備とかとあるし三日後でいいんじゃないか?」

 

 

トーコ「そうしよっか、出発三日後でいくよ」

 

 

アキ「んじゃそうと決まれば行くメンバー決めないとな。ここも守らないといけないから人選は慎重に決めないと‥」

 

 

 

昌の発言に真剣に頷く一同、全員でいくとここの守りが疎かになってしまい逆に人数が多いといざというとき困るし、少なすぎるとフォローがしにくい。それを踏まえた上で人選が得意そうな理琉と日野、風に一任することになった。

 

 

 

日野「やれやれ‥、まさか俺まで選ばれるとはな‥」

 

 

風「いいじゃない〜、別に私と理琉君がいるんだから、何かあれば何でも聞いて」

 

 

理琉「それより‥メンバー訳どうするよ‥?」

 

 

日野「どうするもなにも‥大学の護りもしないといけないから慎重に分けねぇと‥」

 

 

 

やはりこうゆうのは慎重になりやすいものだ。何度か話し合ったり変えたりしているうちに夜遅くまでかかってしまった。だが最終的には決めることができたようだ。 

 

 

 

 

 

遠征組:日野祐也 湯月雪 黒田理琉 丈槍由紀 恵飛須沢胡桃 直樹美紀 祠堂圭 由比鶴乃 太郎丸 狭山小春

 

 

待機組:佐倉慈 若狭悠里 若狭瑠璃 犬吠埼風 出口桐子 光里晶 喜来比嘉子

 

 

 

 

日野「ざっとこんなもんか」

 

 

理琉「いい感じにわかれたんじゃねぇか?」

 

 

風「本当は私も行ったほうがいいんだろうけど‥(汗)こっちにも戦力いるから今回はパスさせてもらうわ」

 

 

日野「大丈夫だよ。このメンバーならやれるさ。」

 

 

理琉「だな‥!こっちは大丈夫だからそっちは任せたぜ!お前と小春が要だからな‥!」

 

 

風「えぇ♪」

 

 

 

 

こうしてメンバーの打ち分けが決まったことで、三人は解散して寝室に戻るのであった‥。

 

 

 

が‥日野は自分の寝室に戻らず雪の部屋の前に立っていた。

 

 

 

日野「雪?入るぞ〜」ガチャ

 

 

 

軽くノックして扉を開けて中に入る。するとベットに座りながら眠たそうに枕をかかえて待っていた雪の姿が、

 

 

 

雪「ん〜‥遅いよぉ‥祐也〜‥」

 

 

日野「なんだ‥起きてたのか‥。遅くなるかもだから先に寝てていいって言ったのに‥(汗)」

 

 

雪「だってぇ‥久しぶりにふたりきり慣れると思ってたらつい‥」ウトウト

 

 

日野「だからって‥けっこう眠そうだぞ‥(汗)とりあえずそろそろ寝るか‥♪」

 

 

雪「うん‥♪」

 

 

 

それからパジャマに着替えた日野は少し狭めのシングルベットに雪と一緒に寝転ぶ。

 

 

 

日野「んじゃ‥おやすみ‥♪雪」(軽くキス)

 

 

雪「おやすみ‥//♪」

 

 

 

こうして二人は仲凄まじく毛布を被ってくっついて眠りにつくのであった‥‥。

 

 

 

早朝‥‥

 

 

 

?「なぁ、なんで大学に来たんだよ‥。俺たちこんな雑用任務任されるようなやつじゃないぜ‥、教えてくれよハンク‥いや‥死神さんよ」

 

 

 

大学近郊の草むらに見を潜めている複数の全身黒色の防弾服を来て顔にはガスマスクをつけた兵士の姿が‥その胸のバッチにはアンブレラの傘マークが‥

 

 

 

ハンク「どうもあの大学の地下区域に機密書類があるそうだ。今回の作戦に必要だから取ってきてくれと」

 

 

?「なんでそんなもん大学の地下区域に隠す必要があるんだよ‥それなら‥アンブレラの巡ヶ丘支部か、傘下のランダルコーポレーションでも‥」

 

 

ハンク「そんなだれでも予想できそうな場所に隠せるほど甘い書類じゃないんだ‥。その内容がどうであれ俺たちは任務を遂行するだけ‥。作戦に集中しろ、レバン」

 

 

レバン「はいはい‥」

 

 

 

彼らはバッチにもある通りアンブレラ社の特殊部隊、主にアンブレラ社の重要人物護衛や自社の発生した事故などの調査を行うために編成された部隊。通称U.S.S.、そのアルファチーム二代目だ。

 

 

 

ハンク「‥そろそろ作戦開始時刻だ‥。各員用意はいいか?」

 

 

 

MP5A5を片手で持ちつつ時計で時刻を確認して部隊員へ視線向ける。

 

 

 

ハンク「もう一度作戦を説明する、我々の目的はこの大学地下区域にある機密文書を回収することだ。その道中でもし生存者に遭遇したら、拘束‥また抵抗するなら射殺しても構わんそうだ‥。そして文書を回収したらヘリの回収地点フォックスに向かう。いいな?」

 

 

 

ハンクの作戦説明に部隊6人は同時に頷いて銃の安全装置を解除する。

 

 

 

ハンク「では‥行くぞ‥」

 

 

 

大学敷地内

 

 

 

レンヤ「はぁ‥眠たいのに見張りか‥、でもちゃんとやらないとタカヒトに怒られるし‥‥」

 

 

 

ボウガンを持ちつつ眠たそうに目を擦りながら廊下を歩く聯弥、どうやら朝の見回り中らしい。

 

 

 

レンヤ「でも眠たいし‥さっさと済ませて二度寝しよ‥‥」

 

 

 

そうボヤきつつ歩いていた聯弥だったが‥そんな呑気な思いは一瞬で崩れる。

 

 

 

レバン「動くな‥!」

 

 

レンヤ「っ!?」

 

 

 

いきなり声が聞こえたことに驚いて後ろに視線を向けツッつつボウガンを構えるレジ。するとそこにはガスマスクをつけ、銃を持った集団が‥

 

 

 

レンヤ「なっなんだお前ら‥!仲間よb‥ガッ‥」

 

 

 

反射的にタカヒト達を呼ぼうとしたレンヤだったが背後から忍び寄っていたハンクに気づかず捕まってしまう。最初は抵抗していたレンヤだったが‥ナイフで一突きされたことですぐに抜け殻のように手がだらんとなってしまう。そのしたの床には‥‥彼の血がぽたぽたと落ちていたのだ‥。

 

 

 

ハンク「1名ダウン確認、クリア」

 

 

レバン「さっきこいつ仲間いるっていってったよな‥」

 

 

ハンク「あぁ、だが無駄な戦闘は避けろ。ここで銃撃戦になればお腹を空かせた化け物達がやってくるぞ、脱出ルートは確保しないといけない‥。もし使うならサプレッサーをつけたMPで対応しろ」

 

 

レバン「わかってるよ‥死神さん‥」

 

 

 

そして用済みになったレンヤの遺体をその場に放り投げて地下区域へと向かうアルファチームであった。

 

 




新たな登場人物
レバン・クリリャ
U.S.Sアルファチームサブリーダー
年齢:30歳
出身:アメリカ

アンブレラの対特殊部隊
U.S.Sに所属する隊員の一人、元々はフォックスチーム(架空)に所属していたが再編の際にハンク指揮下のアルファチームに組み込まれる。彼との相性は意外にも良く、休憩などなどよく話しているのが確認されてる。特殊部隊に所属するため銃の扱いは一流。その実力は理琉には及ばないものの正規軍並の持ち主だ。


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第四十三話 企み

大学に乗り込んできたアンブレラ、

一体‥かれらはなんの目的で‥‥


聯弥がU.S.Sに始末されたと同時刻‥‥

武闘派会議室きて

 

 

 

タカヒト「‥遅いな‥アイツ」

 

 

 

時計に目を移し、なかなか戻ってこない聯弥を不思議そうに首を傾げる。

 

 

 

アヤカ「どうせ、ヒビって進んでないんじゃないの?」

 

 

タカシゲ「いや‥いくらアイツが気が弱いからってそこまではないだろ‥」

 

 

 

そんなこんな話していると篠生が席を立つ。

 

 

 

シノウ「‥ちょっと私‥見に行ってきますね‥心配なので‥」

 

 

タカヒト「それなら全員でいこう、もし高上の身になにかあったらいけないからな」

 

 

 

釘バットを用意して席を立つ貴人、残りの二人もそれぞれ武器を持ち武闘派メンバーは仲間を迎えに行くのであった。‥それが‥悪夢になるとも知らずに‥

 

 

 

 

 

パパパパ

 

 

 

鶴乃「ん‥?」

 

 

 

まだ早朝というだけあり、一同がまだ眠りについている中、僅かな音に反応した鶴乃が目を覚ます。

 

 

 

鶴乃「‥今の音‥銃声‥?」

 

 

 

音からして武闘派のテリトリーの建物からのようだ。なにか胸騒ぎがしたのか勢いよく飛び起きて着替え始める。

 

 

 

ガチャ‥

 

 

 

鶴乃「‥‥(チラ」

 

 

 

いつもの勝負服、そして2丁拳銃と鉄扇を太もものホルダーや腰につけつつそっと扉を開けて廊下の様子を確認する。すると何部屋かの扉が同時に開き

 

 

 

日野「なんだ‥お前らも起きてたのか‥?」小声

 

 

理琉「それはこっちのセリフだよ‥、ということは‥お前らも感じたんだな‥?異変」

 

 

胡桃「当たり前だ‥、なんか胸騒ぎがするんだよな‥」

 

 

鶴乃「みんなもそうなんだ‥」

 

 

 

どうやら、異変を感じ取ったのは鶴乃だけではなく日野や理琉、そして胡桃も同じようなことを感じ取ったらしい。四人は寝ている他のメンバーを起こさないようにそっと部屋を出て移動する。

 

 

 

理琉「うっすらだが聞こえたんだ‥銃声がな‥」

 

 

日野「俺もだ‥‥、しかもその音は武闘派のテリトリーのほうから聞こえたし‥」

 

 

胡桃「そもそもアイツらは銃を持っていない。なのにどうして銃声が鳴るのか‥」

 

 

理琉「考えられるだとしたら二つ、アイツらが何ならかの方法で銃を手に入れたか‥第三者が侵入して武闘派とやりあってるか‥」

 

 

鶴乃「第三者‥‥それなら‥!早く助けないと!」

 

 

 

弾かれたように飛び出した鶴乃が二階の窓から勢いよく飛び出す。

 

 

 

日野「あっちょ!?」

 

 

 

まさか二階から飛び出すなんて思いもしなかった三人、慌てて日野が止めようとしたが時すでに遅し。そのまま下へと落下していく。

 

 

 

鶴乃「ほっ!よっ!」

 

 

 

普通の人なら怪我をしていてもおかしくない。しかし鶴乃は落下地点の近くにある街灯の柱を掴んである程度速度を落としてから地面に着地する。

 

 

 

胡桃「ったく‥意外と無理するタイプなんだな‥(汗)ヒヤヒヤさせやがって‥」

 

 

 

中庭に降りてそのまま武闘派の建物の方に走っていく鶴乃を見て思わず苦手をしてしまう胡桃。そして改めて彼女の実力に驚くのであった。

 

 

 

理琉「あの子一人にはさせられねぇ‥!俺たちも行くぞ!!」

 

 

日野「もちろんさ!」

 

 

胡桃「おう!」

 

 

 

理琉の掛け声にシャベル、そして背中にM4カービンを背負った胡桃と20小銃を持った日野が答える。それを確認した自身もウィンチェスターM1887のリロードを行い、別ルートで鶴乃を追うのであった。

 

 

 

大学敷地内

ホールにて

 

 

 

タカヒト「くそ!何なんだよ!コイツら!!」

 

 

タカシゲ「逃げるぞ!!アイツら‥銃もっ‥」パパパパ

バタリ

 

 

アヤカ「なっ!このやろ!!」

 

 

 

タカシゲが撃たれことで逆上したアヤカがバール片手にレバンへ襲いかかる。

 

 

 

レバン「ふん!甘い!!」ガッ!

 

 

アヤカ「がっ‥!?」

 

 

レバン「そんな動きで俺をよく倒せると思ったな!」グサ

 

 

アヤカ「ぁ‥」バタリ

 

 

 

しかしいくら戦闘経験のあるアヤカでも、所詮は一般人

エリートクラスのレバン達に勝てるはずもなくあっさりと返り討ちされ、ナイフでトドメを刺される。

 

 

 

シノウ「そ‥んな‥」

 

 

タカヒト「‥こんなとこで死んでたまるか!」

 

 

 

あまりの惨状にいくら冷静な篠生でも答えたのか足が震えて動くことができない。それを置いていくような感じで貴人が逃げ出そうとする。

 

 

「逃がすかよ‥!」

 

 

 

だがそれさえも逃がすはずがなく、レバンの隣にいた隊員が発砲。何十発の銃弾を喰らった貴人は篠生の目の前に倒れる。

 

 

 

「ダウン確認‥残り一人」

 

 

レバン「大人しくしてりゃ拘束だけで済ませてやるぜ‥‥?」

 

 

シノウ「ひっ‥‥」

 

 

 

明らかに普通の人間のオーラではない異様な空気に思わず後ずさりしてしまう。手にはアイスピックを持ってるがどうやっても勝ち目がない。

 

 

 

「ったく‥手こずらせてくれましたね‥」

 

 

レバン「まあいい、結果的にうまくはいった‥あとはハンクが地下から戻ってくるのを待つだけ‥」

 

 

「んじゃ‥その前にこの小娘をさっさと拘束するか‥」

 

 

 

そう言って最後尾にいた隊員が拘束用のロープを持ってゆっくりと歩み寄ってくる。だが恐怖が最大達したため思わず篠生はアイスピックを投げつける。

 

 

 

「がっ!?」腕に刺さる

 

 

「このガキ!!」ガス!

 

 

 

まさかまだ抵抗してくるのかとは思わなかった隊員たちだがすぐに篠生の動きを止める。

 

 

 

シノウ「はっ‥離して!!」

 

 

レバン「ふん!何いってんだ‥!せっかく生き延びさせてあげようとしたのになぁ‥、残念だよ」スチャ

 

 

 

そういっておでこに銃口を突きつける。それを見た篠生はここで殺されると思い反射的に目を瞑る。すると‥そこには今までの記憶が走馬灯のように広がっていた。

 

 

 

シノウ「‥‥(ごめん‥レン君‥私も‥そっち行っちゃうかも‥)」

 

 

 

彼女の目からは涙が頬を伝って地面へと落ちていく。そんな篠生を見つつレバンの指がトリガーにかけようとしたとき‥

 

 

 

パァン!!!

 

 

 

レバン「ぐぉ!?」

 

 

 

突如背後から一発の銃弾が飛来、それは迷いもなくレバンの右腕に命中し彼は思わず声をあげ武器を地面に落とし撃たれた箇所を抑える。

 

 

 

鶴乃「らしくないね‥!弱い者いじめなんて‥!」

 

 

「誰だ!!」

 

 

銃弾が飛んできた方向へ別隊員が銃口を向けると、そこにはBeretta二丁拳銃を構えた鶴乃の姿が‥

 

 

シノウ「あなたは‥確か‥」

 

 

レバン「ふん!新手か‥まあいい!やれ!」

 

 

篠生は見覚えがあるのか、少し表情が明るくなる。しかしそんなとこはお構いなしか撃たれたことを恨んで部下に射撃合図を下すレバン。

 

 

ドドドドドド!!!

 

 

その号令に合わせて各員一斉に射撃開始、何百発の鉛玉が鶴乃目掛けて飛んでいく。だが彼女はそうなることをわかっていたため素早く遮蔽物へ体を滑り込ませる。

 

 

レバン「そんな二丁拳銃で俺たちと殺りa‥「ベギィィ!!ドドド!!」!?」

 

 

高みしかけていたレバンだったが突然背後からとてつもない音が聞こえて慌てて振り向く。

 

 

理琉「ヨォ‥まさかあんたから来てくれるとは思わなかったゼ‥?アンブレラの皆さん」

 

 

その視線の先にはさっきまで射撃していた隊員達が血を流して倒れており、その後ろにはシャベルを構えた胡桃と銃を構えた理琉・日野の姿が

 

 

レバン「くそ‥!いつの間に‥」

 

 

胡桃「それはこっちのセリフだ‥。勝手に人の家に上がり込んどいて」

 

 

日野「これが普通の世界なら不法侵入だぞ‥あんた」

 

 

レバン「コイツら‥」

 

 

鶴乃「もらった!!」

 

 

レバン「なっ!?」ガス

 

 

理琉達に視線が向いている隙に鶴乃が一気に距離を詰めてくる。それに気づいたレバンはすぐさま銃口を突きつけようとしたが反応が全く追いつかず懐に潜り込まれ扇で一撃入れられた直後壁に叩きつけられる。

 

 

レバン「がっ‥‥貴様‥」睨む

 

 

鶴乃「さぁいろいろと話してもらうよ!!なんでここに潜り込んだのか!そしてあなた達の目的も‥!」

 

 

理琉「もちろん‥アンタに拒否権はねぇゼ?とことんまで吐いてもr‥(パパパパ!!)!みんなかくれろ!!」 

 

 

たっぷり吐かせてもらおうとした理琉だったが突然聞こえてきた銃声に咄嗟の判断で隠れるように指示を出す。一瞬驚いていた三人だがすぐに体を動かして遮蔽物へ隠れる。

 

 

ハンク「レバン‥!こっちだ‥!早く来い」

 

 

レバン「すまねぇ‥!恩にきるぜ!」

 

 

射撃音のする方向には地下区域の探索を終えたハンクがおり牽制射撃でレバンのピンチを助けつつ誘導していた。

 

 

ハンク「何があったかは知らん‥。だがその話は後だ‥、さっさと引くぞ」

 

 

レバン「わかってる‥!」

 

 

そう言って撃たれた右腕を押さえつつ、閃光手榴弾を投げて二人は素早く退散する。直後五人の足元で爆発、激しく閃光に包まれる。

 

 

理琉「クソ!アイツら閃光手榴弾持ってやがった!!」

 

 

日野「タイミングわりぃときに来やがって!」

 

 

鶴乃「何も見えない〜!というか‥眩しいよ〜!?」

 

 

胡桃「あぁもう!せっかく追い詰めたのに‥!」

 

 

シノウ「見えない‥」

 

 

反射的に目を腕などで被せて閃光を見ないようにしつつ耐えること数秒後、視界が晴れるとそのにはやはり二人の姿はいなかったのである‥。

 

 

理琉「‥流石は精鋭兵‥ウマいこと交わしがったな‥」

 

 

胡桃「だな‥(ガシャガシャ!)ってヤバ!」

 

 

突然響いてくる音に気づいて慌てて外へ視線を向けた胡桃の表情に焦りが見える。どうしたものかと理琉達も外へ視線を向けて自体を把握する。

 

 

日野「銃声につられて奴らがきやがった‥!」

 

 

敷地外の道路には先程の戦闘につられてやってきた彼ら達が塀を叩くようにたくさん群がっていた。門もしっかりバリケードはされているがさっきから揺さぶる音が聞こえてくる。

 

 

鶴乃「あわわ!?ヤバイ!ヤバイよこれ!」

 

 

雪「祐也!!みんな!」

 

 

小春「すっごい銃声聞こえたけどどうしたの!?」

 

 

先程の戦闘で起きてきたのか、雪達が武器を持って慌ててやってくる。

 

 

胡桃「アンブレラの奴らが大学に乗り込んでいた!!」

 

 

トーコ「さっ早速かよ‥」

 

 

日野「そのせいで武闘派はこの子以外だ‥‥」

 

 

アキ「‥!シノウ!!」

 

 

篠生に気づいたのか昌が慌てて駆け寄って思いっきり抱きつく。

 

 

シノウ「アキ‥‥(ギュ)」

 

 

アキ「‥酷い怪我‥もしかしてアイツらにやられたの‥?」

 

 

シノウ「うん‥武闘派のみんなは‥私以外やられちゃった‥レン君も‥」 

 

 

アキ「そう‥か‥(ギュ)」

 

 

怖かったのだろうか‥篠生の頰には涙が流れており、昌はそれを静かに抱きしめていたのであった‥。

 

 

日野「あ〜‥感動の再開中で悪いが‥」

 

 

理琉「スマねぇが今はあとにしてくれ‥」

 

 

日野と理琉に言われて、一同は外へ視線を向けるとそこには今も塀に群がる彼らがいて一瞬感動になりかけた空気はすぐに引き締まる。

 

 

由紀「あわわ‥一杯いるよ‥」

 

 

悠里「どっどうするの‥!?」

 

 

ヒカ「けっこう‥ヤバい‥‥」

 

 

胡桃「とりあえず何があったか後で詳しく話す!今はコイツらの対処だ‥!」

 

 

風「オッケー!」

 

 

圭「わかった!」

 

 

美紀「狙撃なら任せて下さい!」   

 

 

慈「私もやります!」

 

 

トーコ「んで具体的には何するの!」

 

 

理琉「ひとまずは門の警戒を突破されないように強度を上げるぞ!変に射撃すればそれこそ音で寄ってくる!可能な限り近接武器で仕留めるかサプレッサー付の銃に限定だ!しばらくしてればアイツらは興味をなくす!」

 

 

雪「持久戦ね!やってやろうじゃない!」

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

レバン「イテテ‥」

 

 

ハンク「派手にやられたな‥お前らしくないぞ」

 

 

撃たれた箇所を応急的な手当をしているハンク。傷口が痛むのかレバンは少し顔を顰める。

 

 

ハンク「あと三分で回収ヘリか到着する。細かい手当てはあっちに戻ってからだな」

 

 

レバン「すまねぇ‥あれは完全に油断してた俺のミスだ‥。まさか民間人が銃を‥」

 

 

ハンク「いや‥それは違うな‥」

 

 

レバンの言葉をハンクはすぐさまに否定、それを聞いて彼は不思議そうな表情になる。

 

 

レバン「どういう意味だよそれ‥」

 

 

ハンク「お前は気付かなかったのか?アイツらの服装‥。変な服と学生服を聞いていた二人は銃を持っていて運動神経はいいが民間人なのは確実だろう‥。それでもう一人は服装からして巡ヶ丘警察の生き残りだろう‥。だが問題なのは残りの一人だ。」 

 

 

レバン「残りの一人‥‥なるほどな‥お前の言いたいことはわかったぜ。」

 

 

ハンクの言ってる意味がようやく理解できたのか彼は笑みを浮かべる。

 

 

レバン「それより、例の書類は回収できたのか?」

  

 

ハンク「あぁ‥コレだ」

 

 

そう言って機密文書と、書かれた書類をケースから取り出して表を見せる。

 

 

レバン「‥ふむ‥なんかいかにもヤバそうなオーラ全開だな‥‥。っと‥これに付いてるのはUSBメモリか‥」

 

 

ハンク「あぁ、恐らくかなり大切な情報が入っているだろうな‥。わざわざ金庫に保管していた」

 

 

レバン「というか‥わざわざ大学に隠すとか‥上は何を考えているんだ‥?」

 

 

ハンク「それは俺にもわからん‥、俺たちは与えられた任務を遂行するだけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日野「‥なるほどな‥。わざわざ大学まで来たのはこの為だったか‥」

 

 

あれから彼らが侵入しないようにバリケードの強化をして警戒していたが、それが落ち着いてきたためシノウの手当てをしているアキと小春、リセを残して一同は地下区域へやってきていた。そしてそう口に溢した日野の視線の先には開いた状態の隠し扉の姿が‥‥

 

 

雪「中身は空っぽ、なんか金庫とか鍵のついた棚があるけど開けっ放しでなにもないからこれから何か回収したのかも‥!」

 

 

美紀「本当に何も残ってないですね‥‥」

 

 

圭「これが属にいうすっからかんって奴だね」

 

 

室内からは探索をしていた雪達の声が聞こえてくる。それを聞いて理琉は視線を後ろに向けて桐子に話しかける。

 

 

理琉「この部屋があったことは知らなかったのか?」

 

 

トーコ「だね‥、地下区域はヒカが見つけてくれたから知ってたけど‥まさかこんな隠し部屋があるなんて知らなかったよ‥」

 

 

慈「まあ‥、あからさまに隠してありましたしね‥。知ってる人じゃないと気づかないかも‥」

 

 

慈の言うとおりこの部屋があった場所は明らかに念密に隠されるように作られておりあらかじめ把握していなければ誰も気づかないようにしてあったのだ。

 

 

由紀「うぅん‥一体なにを保管してたのかな‥」

 

 

胡桃「まっ‥わざわざ精鋭兵?送り込んできたんだし相当の機密書類だろう‥」

 

 

悠里「今のところはそれが有力かしら‥‥」 

 

 

瑠璃「う〜‥‥」(話においつけてない)

 

 

日野「ピッ!)日野だ、そっちの様子はどうだ?」

 

 

日野が無線機の電源を入れて現在穏健派テリトリーの建物、ある部屋で手当している小春達につなげる。

 

 

小春「ひとまずは応急治療は終わったよ〜。多少怪我とかしてるけど問題ないレベル。今はゆっくり寝てるよ〜」

 

 

スースーと寝息を立てて寝ている篠生の隣では昌が両手で彼女の右手を握って看病しており、その横ではリセが本を読みつつ容態を見ていた。

 

 

日野「そっか‥ひとまずは大丈夫そうだな‥‥」

 

 

小春「んで、何かわかった?地下区域調べて」

 

 

日野「アイツらが、ここに乗り込んできた目的は地下区域にある隠し部屋から何らかの情報を入手するためだ。どんな内容が書かれてたかはわからねぇが恐らくかなり重要な書類だろうな‥」

 

 

鶴乃「それで‥これからどうするの?」

 

 

小春との通信の途中に鶴乃が今後の動きについて尋ねてくる。普通なら予定通り進むはずだがアンブレラの襲撃のせいでそうもいかなくなってしまったのだ。

 

 

風「アイツらが乗り込んできた以上‥予定を変更せざる負えないんだけど‥‥」

 

 

雪「それだと‥逆に時間がかかって余計にチャンスを失いかねないわ‥」

 

 

雪の言うとおり、ここで予定を伸ばせば今後の動きで確実にこちらが不利になるのは事実。チャンスを逃さないための判断が必要になる。

 

 

理琉「予定は変更なし、このまま行く」

 

 

日野「だな‥下手に伸ばせばそれこそ返って危険になる‥‥。無理は承知で動くしかないな‥‥」

 

 

胡桃「やっぱりそうなるよな‥。それなら、早いうちに準備しておかないと」

 

 

鶴乃「よっしゃ~!!最強女子高生の出番だ〜!頑張るぞ〜!」

 

 

こうして一同は明日の出発に向けて大忙しで準備を始めるのであった。そんな中理琉はアンブレラ特殊部隊の遺体から回収した物品を眺めていた。

 

 

ーまさか‥こんなガチムチ連中を連れてくるとはな‥‥だが‥なぜここに機密情報を隠したんだ‥?ここよりも本部のほうが安全に見えるが‥‥‥‥ー

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー何を企んでやがる‥アンブレラー  




武闘派はシノウを残して全滅、予想よりも早く仕掛けてきたアンブレラに驚きを隠せない学園生活部。


一体隠し部屋から何を盗んだのか気になってはいたがとりあえず準備をするために一同はうごくのであった。


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第四十四話 出発

アンブレラの襲撃を受けたものの、そうなると急いだほうがいいということで学園生活部や穏健派は出発に向けた準備を急ピッチで進めることに


アンブレラの襲撃からまもなく一同は明日の出発に向けて準備をすることになった。そのため慌ただしい日になりそうだ。

 

 

圭「とりあえずこの食料はどこに入れておけばいいかな?」

 

 

悠里「ダンボールに入れておいてくれないかしら?」

 

 

圭「はあい〜」

 

 

ヒカ「‥私も‥やる‥」

 

 

アキ「みんなごめんねぇ‥シノウの様子見ないといけないから‥」

 

 

由紀「大丈夫!大丈夫!私達にドンと任せといて!!」

 

 

瑠璃「なのだ〜!」

 

 

太郎丸「ワン!!」

 

 

慈「さっ‥!こっちは早めに終わらせましょうか!」

 

 

遠征分の食料を用意している由紀達は長持ちしやすいインスタント麺などの食料や水やお茶などのペッドボトルの飲料水をダンボールなどに詰め込んでいた。これほど食べ切れるのかというほどの量があるが、遠征となれば何日、いや何週間覚悟しないといけない分これだけでと足りないほどだ。

 

 

由紀「そういえば、胡桃ちゃんたちは?」

 

 

慈「ん〜、確か地下区域に取りに行きたいものがあるって言ってたような‥。それと雪さんと小春さんは駐車場のほうに‥」

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

雪・小春組

 

 

小春「んで、なんで私達はここに来たのさ〜‥」

 

 

少し不服そうにしつつ雪のあとをついていく小春、そんな彼女をなだめながら足を運ぶ。

 

 

雪「実は鶴乃ちゃんから車の鍵貰ってね(見せる)」

 

 

小春「あ〜‥なんか言ってたね〜‥。ここまで来るのに乗ってきた奴って言ってたねぇ‥。でもわざわざ見に行く必要ある?」

 

 

雪「ん〜、必要ないなら取りにはいかないんだけど‥。前と違って乗る人が減るから鶴乃のやつでいいかなって。その分あのセレナはここに残しておいて万が一のときに使ってくれればいいし」

 

 

小春「なるほど‥よくよく考えたらここに残すやつもいるのか‥‥、というか‥鶴乃ちゃんまだ免許ないよね(汗)どうやって運転したんだろ‥」

 

 

雪「まっまあ(汗)別にいいんじゃないかな()咎める人いないし((」

 

 

小春「‥警察官のあんたがそれをいったらおしまいでしょうが‥(汗)治安を守る人とは思えない発言だわ‥(汗)」

 

 

雪「ソンナコトナイヨー」

 

 

そんなことを話していると敷地内の駐車場に到着、放棄された車が何台かある中で見慣れた白黒でレーダータイプ赤灯がついて、状態のいい車が止まっている。

 

 

雪「おっ、このパト都会じゃレアな180系クラウンロイアルサルーンじゃない。しかもレーダーパト仕様も来たわ〜。」

 

 

小春「‥やけに詳しいわね‥‥(汗)」

 

 

先程と違ってテンションアゲアゲの雪に若干引いている小春。まあ無理もない、ここまではしゃいでいる彼女を見たことがないのだから。

 

 

雪「そりゃ‥クラウンファンですから‥!」ドヤ

 

 

小春「ドヤ顔しなくていいから‥エンジンかかるか試しなさいよ‥‥」

 

 

雪「っとそうだった(汗)脱線しちゃいましたな‥」

 

 

脱線しかけた雪だったが小春の突っ込みで我に帰って急いでカギを開けて18クラウンのエンジンを始動させる。しばらくかけていないから動くかどうかわからないと鶴乃は言っていたがいざかけてみると案外素直にかかったのであった。

 

 

小春「おっエンジンは無事にかかったみたいね」

 

 

雪「ガソリンの余裕もありそうだし、これなら行けそうね。とりあえず、車あっちに持っていくから乗っていきなよ♪」

 

 

小春「んじゃそうさせてもらおうかな〜。にしても警察車両に乗るなんて初めてだよ‥。」

 

 

雪「まあ小春ちゃんたちは軍にいたもんねぇ(汗)」

 

 

そんなことを話しながらエンジンがかかった18クラウンをゆっくりと発進させて定位置へ移動させるのであった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

地下区域

 

 

理琉「ナァ‥教えてくれないか?どうして俺らをここに呼んだのか」

 

 

地上では準備に追われている中、理琉・日野・風・鶴乃・胡桃・美紀はトーコに連れられて地下区域へとやってきていた。

 

 

トーコ「実は君たちに見せたいものがあってさ、あの件もあるしここで使わないと行けないかなって思って」

 

 

理琉の質問に答えつつ、先導するように地下区域の廊下を歩く桐子。

 

 

鶴乃「そんなところがあったんだ〜」

 

 

トーコ「あ〜(汗)鶴乃ちゃんには言ってなかったね‥」

 

 

美紀「‥でも‥、わざわざこのタイミングで見せるほど重要なんですか?」

 

 

トーコ「当たり前さ、今後同じようなこと‥最悪高校のときより激しくなるのは必須だろうね‥。あったからってそう変わるとは思えないけど‥ないよりかはマシさ」

 

 

そんなことを話しつつ歩いていると地下区域一階の奥、食料庫の隣の壁に手を当てる桐子‥すると押した壁の部分が音とともに押され、中からパネルか出てくる。

 

 

日野「オイオイ‥かなりしっかりした隠し部屋だな‥」

 

 

胡桃「高校よりしっかりしてるぜ‥」

 

 

風「相変わらず準備がいいことで‥‥」

 

 

高校よりも入念に施された隠し部屋に繋がるパネルが出てきたことで驚きに包まれる三人。桐子は慣れているのか、ポケットからコードが書かれたメモ用紙を取り出して撃ち込んでいく。

 

 

理琉「‥‥」

 

 

トーコ「きっとこの先役にやってくれると思うよ。生き残るためにも‥、ボクにはこれくらいしかできないし‥」

 

 

そう言った直後、ある壁の一区画が一段後ろに下がって横にスライドする。完全に開いてから暗闇に包まれていた部屋に明かりが灯り内部が見えてくる。

 

 

日野「‥コイツは‥」

 

 

トーコ「そうさ、ここはランダルコーポレーションの支援して建設された建物、高校と災害用放送局にあるならここにもあると思ってね」

 

 

部屋一面に広がる光景を見て一同は驚愕する。彼らの視線に映り込んだのは明らかに軍隊が所有するような銃火器がたくさん置かれていた。

 

 

風「‥ここだけ気合入りすぎじゃない‥?」

 

 

高校や災害用放送局に比べて気合いの入り方の違いに思わずやれやれという表情になる。武器の種類としては

こんな感じだ。

 

 

FIM-92 スティンガー(地対空ミサイル)

 

ジャベリン(対戦車ミサイル)

歩兵携行式多目的ミサイル

 

 

機関銃

M249 SAW(5.56×45mm)分隊支援火器

 

M60(7.62×51mm NATO)汎用機関銃

 

擲弾

Mk19(40mm×53)自動擲弾発射機

 

その他にもM4カービンなど、アメリカ陸軍で使用されている銃火器が揃っているようだ。

 

 

日野「軍隊‥レベルまではいかないがなかなか豪勢な武器だな‥‥」

 

 

胡桃「‥だがこれなら万が一のときに役に立てるかもしれないぞ‥」

 

 

鶴乃「だね‥!これならアイツらなんかに負けないもん!」

 

 

理琉「‥‥あぁ‥」

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

それから武器を何往復かして地下から持って上がり、他のメンバーに見せておくことに。

 

 

慈「こっこれが地下にあったんですか‥!?」

 

 

圭「‥‥」(開いた口が塞がらない)

 

 

由紀「なんか‥すごい‥(語彙力)」  

 

 

小春「‥相変わらずどうやっこんなの持ち込んだのよ‥‥」

 

 

雪「本当‥用意だけはいいんだから‥‥」

 

 

瑠璃「すごいのだ〜」

 

 

ヒカ「トーコ‥よく見つけたね‥」

 

 

トーコ「いやぁ‥まさかとは思ってなんとなく探してたら見つけちゃって‥」

 

 

アキ「それでも見つけられるのは凄いよ‥‥」

 

 

シノウ「‥本当だね‥」

 

 

リセ「こうゆうとき、トーコは本当に頭が活性化するよね〜」

 

 

トーコ「むっそれはどうゆうことだよ‥」

 

 

大学組の雑談で一同が笑いに包まれて和やかになる。それから3台に分けるように重火器を積み込む作業を本格化していく。

 

 

雪「‥でもいいの?重火器全こっちにくれて‥一つくらい持ってたほうが‥」

 

 

トーコ「いいよいいいよ(汗)どうせ持ってても宝の持ち腐れになるだけだし。ある程度使い慣れてるメンツが多い方に割いたほうが効率はいいしね」

 

 

一様大学が狙われないという保証はないため重火器を一つくらい持っていたほうがいいんじゃないかという雪の提案を首を左右に振って断る桐子。むしろ使ってくれという雰囲気を見せている。

 

 

雪「まあ‥それならお言葉に甘えさせてもらうよ♪」

 

 

トーコ「あぁ♪」

 

 

由紀「二人共〜!積み込み終わったから戻るよ〜!!」

 

 

話が終わると同時に由紀から声をかけられたため二人は足早に戻っていくのであった。

 

 

 

ーその日の夜‥食堂にてー

 

 

トーコ「せっかくだし遠征に加わる新メンバー紹介するよ〜」

 

 

由紀「新メンバー‥?」

 

 

一同が食堂で夕食を食べていると、突然桐子からこんな提案を受けて由紀が首を傾げる。

 

 

トーコ「そそっ、元理学棟の生徒で今は彼らについて研究しているんだ。ちょっとぶっきらぼうだけど‥きっと役にたってくれるよ」

 

 

理琉「彼らの研究をしているのか‥こりゃ興味深そうだぜ‥‥」

 

 

風「どんな人なの?」

 

 

トーコ「まあまあ‥急かさない急かさない‥(汗)とりあえず入ってきていいよ」

 

 

そう言って桐子が視線を扉に向けて声をかけると、奥から白色長髪の少しぶっきらぼうそうな女性が白衣を着て出てくる。

 

 

?「ったく‥、別に明日でもいいじゃないか‥」

 

 

トーコ「まあまあ〜、この先共にするんだから挨拶はちゃんとしないと〜」

 

 

少し面倒くさそうに桐子と話してから学園生活部へと視線を映して話し始める。

 

 

?「君たちが学園生活部だな‥?話は桐子から聞いている」

 

 

雪「あなたがアイツらの研究をしているって人?」

 

 

?「あぁ、その考えで会ってる。私は青襲椎子、元聖イシドロス大学の理学部の生徒だった‥。だが今はその理学棟で彼らの研究をしている。」

 

 

日野「ほう‥研究ねぇ‥」

 

 

椎子「そうだ、それで話を聞く限り君たちはいろいろと苦労しているようだね」

 

 

小春「まあね〜‥なんせランダルの奴らとやりあうし‥。お前にアンブレラ共がここにご来店してくるわ‥散々よ‥」

 

 

風「でも、裏を知っちゃったらあとは引けないから手がかり探しつつここに来たって訳」

 

 

椎子「なるほど‥‥」

 

 

胡桃「んでもそれだけじゃ進展しないからアイツらの本拠地に乗り込むわけさ」

 

 

椎子「‥‥それは面白そうだ‥、もしかしたら治療薬が見つかるかもしれないな‥。決めた、私も連れて行ってくれないか?これでも彼らの研究はかなりしてきた‥。きっと役に立てるはずだ」

 

 

鶴乃「もっちろん!天才がたくさんいれば問題はすぐに解決できるよ〜♪」

 

 

理琉「ンじゃ‥改めて‥明日はよろしく頼むな‥!」

 

 

椎子「こちらこそだ‥お互い全力を尽くそう‥‥」

 

 

理琉と椎子がそれぞれ手を握り返して笑みを浮かべつつ挨拶をするのであった。

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

翌日‥‥

 

 

 

由紀「よっしゃ♪張り切っていくぞ〜!」

 

 

美紀「先輩元気過ぎです‥‥なんで早朝なのにそんなテンション高いんですか‥」

 

 

めっちゃテンションアゲアゲの由紀を呆れつつ眠たそうに目を擦る美紀。ちなみに現在時刻は午前5時、周囲が明るいといえどまだ普段なら寝ている時間だ。いやなんで普段はゆっくり寝てるのにこんな日に限って早起きなんですか由紀さん()

 

 

由紀「だっていよいよだよ‥!!遠征‥!!楽しみでしょうがないよ‥!!」

 

 

圭「由紀先輩‥元気ですねぇ‥(汗)」

 

 

椎子「‥あの子は普段からあんな感じなのか‥?(汗)」

 

 

慈「どうなんですかね‥(汗)」

 

 

その元気さはあの椎子でさえも苦笑いになる始末であった。彼女の質問にどう答えたらいいのか‥慈は首をかしげるしかできずにいた。だがそんな二人を置いていくかのように鶴乃や瑠璃が反応する。

 

 

鶴乃「おっしゃぁ!頑張るぞー!!」

 

 

瑠璃「みんな頑張るのだ〜!」

 

 

悠里「るーちゃんまで‥(汗)」

 

 

そんなこんなしているうちに遠征組の出発用意ができて次々と車に乗り込んでいく。

 

 

ちなみに乗車メンバーはこんな感じ

 

 

17クラウン:日野祐也 直樹美紀 祠堂圭

 

 

キャンピングカー:黒田理琉 丈槍由紀 青襲椎子 狭山小春 太郎丸

 

18クラウン:湯月雪 由比鶴乃 恵飛須沢胡桃

 

 

慈「みんな、気をつけてね〜!」

 

 

胡桃「めぐねぇやみんなもな!私達がいない間はここは任せたぞ!!」   

 

 

雪「風さん‥!あとはお願いします!」

 

 

風「えぇ!任せなさい!!ここはしっかりまもっておくわ!!」

 

 

トーコ「椎子さん!あとのことはよろしくね!」

 

 

椎子「わかってる‥この子たちと一緒に手かがりを掴んでくるさ‥」

 

 

悠里「あとはお願いね‥!!」

 

 

美紀「はい!必ずいい情報を掴んできます!」

 

 

圭「おっしゃ!燃えてきた!!」

 

 

小春「そんじゃ♪」

 

 

由紀「だね♪挨拶はしっかりしないと♪みんなで合わせていくよ〜せぇの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「いってきます!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

挨拶が終わり全員が乗車したのを確認したあと、日野の17クラウンを先頭に続いて理琉のキャンピングカー、雪の18クラウンが出発、開いている門を通り抜けて目的地であるアンブレラ巡ヶ丘支部へと向かうのであった。

 

 

ーみんな‥あとはお願いしますね‥!いい情報を持ち帰ってくれることを‥そして‥‥ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慈「無事に帰っきてください‥‥!必ず‥!」

 

 

 

 

  

 

 

 

晴天に包まれた青空を見上げつつ慈は真剣な表情でそう口に出すのであった‥‥。




それぞれの思いを胸に‥‥
いよいよ学園生活部はアンブレラの拠点に向けて出発しました。 


はたして彼は真相に‥そして人類の希望にたどり着けるのか‥‥


いや‥‥恐らく今までにない厳しい戦いが待っているということを知る由もないだろう‥




次回より新章スタートです!


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第三章 遠征編
第四十五話 本拠地へ


今回は長めになります


大学を出発していよいよアンブレラの本拠地

巡ヶ丘支部に向かうことになった学園生活部

どんな物語が待っているのか‥!
(最後らへんでR-18手前までいくかも)


静まり返った巡ヶ丘市‥‥

しかしその静寂差を打ち破るかのように激しい雨が地面に叩きつける。出発時と比べて薄暗い雲が空を覆っている。彼らも雨に濡れるのは嫌いなのかほとんどの個体が雨宿りを求めコンビニやスーパーなど、バリケードがない・または壊されている建物に見を寄せているようだ。そのため道路には放置車両がある以外は比較的通りやすくなっていた。

 

 

ザバァァァン!! 

 

 

道に点々とある水溜り、それを切り裂いて水しぶきを上げるように神奈川県警の表記がされた白黒の17クラウンがヘッドライトで道を照らしつつ通過する。そのあとから続くようにキャンピングカー、そしてレーダーを搭載した18クラウンの警察車両が水しぶきを上げつつ通過していく。 

 

 

美紀「雨の日がここまでありがたいと思ったのは初めてですよ‥‥」

 

 

圭「同感〜、だってアイツらがほとんどいないからスイスイ進めるもんね〜」

 

 

由紀「うんうん〜、前なら濡れるし風邪引くからあんまり好きじゃなかったけど‥‥」

 

 

小春「今回ばかりは人間の習性と雨に助けられたわね〜」

 

 

胡桃「あぁ、そのお陰で無駄にガソリン消費しなくて良くなるしな〜」

 

 

鶴乃「でも建物で休めないっていうのが少しこまるかな〜‥。たぶん今頃そのへんの建物はアイツらで埋まってるだろうし‥」

 

 

車窓から降りしきる雨を眺めつつ由紀達は無線機を使って何気ない雑談を交わしているようだ。そんな中でも椎子は静かにテーブルでパソコンをカタカタと言わせながらなにやら作業していた。

 

 

理琉「そういえば、理学棟にいたときなに調べてたんだァ?」

 

 

キャンピングカーのステアリングを握りつつ、理琉が彼女に対して今まで何をしていたのか質問する。

 

 

椎子「そうだな‥あそこにいたときは彼らの行動パターン、私達人間と違うところ‥それから‥治療方法とかだな‥。実際に外から彼らを捕まえてきて調べていた‥」

 

 

理琉「けっこう本格化ナンダなァ‥‥」

 

 

雪「ということは普段はめったに外でなかったんだ」

 

 

椎子「そうだな‥というよりも‥外に出たのは半年ぶりだよ‥‥。ずっと籠もって研究していたからな‥」

 

 

日野「よくそんなに籠もれたな‥(汗)」

 

 

そんなに外に出なかったから精神がおかしくなってもおかしくないはずなのに平然とした声が無線機から聞こえてくることに思わず苦笑いをしてしまう日野。

 

 

椎子「ただ何もせずにいるよりかはマシだ‥‥。頼りになる研究機関や政府機関が無事かどうかも怪しい‥‥。なら動けるやつが動くべきだ‥」

 

 

椎子の発言に思わず頷く理琉と小春、軍にいた彼らは世界各国の状況は嫌というほど入ってきていた。すでに南アフリカは壊滅、中東も壊滅的状況に陥っておりさらには中国やロシア、アメリカなどの大国でさえも自国で精一杯という状況だ。こんな状況で治療薬が作れるとは到底思えない。

 

未だに止みそうにない降りしきる雨、そんな雨をかいくぐるように3台は比較的通りやすい県道に入ることに。だが県道のほうが放置車両が多いのではないかという声もあるだろう。しかし県道ということは歩道が広いところが多い、歩道なら道に比べ放置車両が格段に少なく彼らがほぼいない状況では安定して通れる。だから一同は県道を選択したのだ。

 

 

鶴乃「にしても‥本当放置車両がたくさんあるよね‥」

 

 

胡桃「まっパンデミックが起こって市外に避難しようとした人でごった返したんだろうな‥‥」

 

 

助手席と後部座席からまるで渋滞しているかのように放置された車両を車窓から見つつそう口に溢す鶴乃と胡桃。

 

 

理琉「マッ、県道なら歩道も広いしなにせアイツらのことを気にせずに走れるっていうのがせめてもの報いだな」

 

 

理琉の言葉に一同は静かに頷く、雨じゃなければ恐らく何度も遠回りしていただろう。ここまで雨に感謝することはこの先ないだろう。

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

日野「‥今日はここで休憩するか‥」

 

 

あれからしばらく走ること数時間、日が落ちてきて丁度雨が止んできたタイミングでコンビニが見えてきたため今日はここで休むことにするため、3台は駐車場へと入っていき車を止める。パッと見た感じ店内には2、3体ほど彼らの姿が確認できるがそこまで多くはなさそうだ。

 

 

日野「とりあえず、俺と胡桃、理琉と由紀は店内の確認と制圧。残りのメンバーは周辺警戒と外の空気でも吸っててくれ、だが敷地内でも二人ペアを組んでくれよ」

 

 

雪「了解〜」

 

 

由紀「はあい〜」

 

 

無線で指示を全員に出した日野は、20小銃を持って理琉や胡桃と合流して店内へと入っていく。

 

 

圭「ん〜‥!!やっぱ外の空気はいいよねぇ〜」背伸び

 

 

雪「それはわかるよ〜。やっぱ定期的に外でないと人間ダメだねぇ‥」同じく背伸び

 

 

美紀「ですね‥(背伸び)あっ‥」

 

 

圭と雪に釣られるように美紀も背伸びを仕掛けていたとき彼女の目に駐車しているE○EOSのタンクローリーが止まっているのが映り込む。

 

 

美紀「雪さん、あのタンクローリー見た感じ無傷じゃないですかね?」

 

 

雪「ふぇ?ん〜‥(マジマジと見る)確かに見た感じ損傷もしてなさそうだし、というかもしかしたらまだガソリン残ってるかもねぇ。よし!そうと決まれば‥!美紀さん、鶴乃さん。ちょっと給油用のミニタンク持ってついてきてくれない?」

 

 

美紀「わかりました‥!」

 

 

鶴乃「もっちろん♪任せて♪」

 

 

雪「あとの子はこの辺の見張りお願いしてもらえる?」

 

 

太郎丸「ワン!」

 

 

圭「任せて♪」

 

 

小春「了解〜♪」

 

 

駐車場の見張りは小春達に任せて、雪達は車のトランクなどからミニタンクを持ち出してタンクローリーへと近づいていく。

 

 

雪「ん〜‥っと」

 

 

タンクローリーの近くへいくと、周囲に彼らがいないかや漏れがないかを周囲を回って確認する雪。特に問題ないと確認すると二人にオッケーサインを送る。

 

 

雪「特に問題ないみたい。あとはこの中のガソリンが使えるかどうかだけど‥‥」

 

 

美紀「それなら問題なさそうですよ」

 

 

そう言って美紀が蛇口の栓をを撚ると中からきれいな色をしたガソリンが蛇口からミニタンクへと入っていく。

 

 

鶴乃「おぉ〜♪めっちゃ当たりじゃん♪」

 

 

雪「ここまで状態いいなんて‥‥何ヶ月もこんなところに放置されてたなら中のガソリンがおかしくなってもいいはずなのに‥‥」

 

 

ちゃんとした場所で保管されていない以上、中のガソリンがだめになっていることは覚悟していたが以外にもきれいな状態を保っていることに驚きを隠せない雪。

 

 

鶴乃「まあまあ♪それでも使えるだけありがたいよ♪これなら途中で補給する必要もないしね〜」

 

 

美紀「それもそうですね、使えるものは使っていきましょうか‥♪」

 

 

保管場所が悪いはずなのになんで状態がいいのか、そんなことを一瞬考えた雪だったが二人が気にしてないのを見てるとまあいいかという考えになり、順番で交代しつつミニタンクへガソリンを入れて車に補給するのであった。

 

 

ー店内ー

 

 

パパパパン!!

ドサッ!!

 

 

理琉「ふぅ‥こんなもんだろ‥」

 

 

ウィンチェスターM1887の銃口を降ろしつつ確認する理琉。ほかも制圧できたのか彼らの倒れる音が聞こえてくる。

 

 

日野「こんなもんか?」

 

 

胡桃「だろうな‥‥しっかし以外にいたもんだな‥‥」

 

 

構えていたM4カービンを降ろしつつ周囲をキョロキョロして日野の言葉に頷く胡桃。外から見れば三体ほどしかいなかったはずだがいざ入ってみると十体もいたため少し制圧に時間がかかった。

 

 

理琉「にしてもこうやって対処由紀のお陰だな‥♪アイツらの静かな接近音にも気づいて教えてくれたんだから」ナデナデ

 

 

由紀「えへへ〜♪」

 

 

理琉に頭を撫でられて思わず表情が緩む由紀。彼女の耳の良さのお陰でこれだけ数がいることに気づけたので少しかかったがそれでも早く制圧できたいうところだ。

 

 

胡桃「なぁ‥お前‥もしかして由紀のこと好きなのか?」

 

 

理琉「ハァ!!??//」

 

 

由紀「ふぇぇぇ///」

 

 

そんな二人を見ていた胡桃からのトンデモ発言に撫でていた手が止まり、理琉と由紀の表情が急激に赤くなっていく。

 

 

理琉「バッバカ!!//ベッ別に俺は由紀のことは好きじゃねぇ‥!!//たっただ確かに性格は良くて可愛いなって思ってるだけで‥//」

 

 

由紀「そっそうだよ//私も特別意識してるわけじゃないし‥!!//ただ‥その‥//確かにマー君くん優しくて頼りになるなって思ってるけど‥//」

 

 

必死に弁明しようとしている二人だがすぐにまたお顔真っ赤になり俯いてしまう。

 

 

日野「あ〜落ち着け二人共‥頭から湯気出そうになってるぞ‥(汗)」

 

 

収集がつかなくなった二人をなんとか日野が宥めひとまずは落ち着いてきた。まさかここまでなるとは思っていなかった胡桃は申し訳無さそうな表情になる。

 

 

胡桃「‥なんかごめんな‥(汗)」

 

 

理琉「あっイヤ‥//大丈夫だ‥//とりあえずこの中探索しようぜ‥//」

 

 

由紀「うん‥//」

 

 

ひとまずは解決し、店内組は分かれてコンビニ内の食料や飲料水などを探すために探索することに。

 

 

ーまあ‥//マーくんなら別に付き合ってもいいけど‥って何考えてるんだろ私//ー

 

 

ー由紀がお嫁さんかァ‥//きっと毎日楽しいだろうな‥//ー

 

 

しかし頭から離れることはできなかったのか二人は少し頬を赤らめながら互いのことを意識する始末であった。あの二人は大丈夫なのか‥そんなことを思いつつ胡桃は裏の食料庫を漁る。

 

 

胡桃「おっ‥ラッキー♪」

 

 

この状況下のため、長期保存の効く食料はあらかた他の生存者が持っていったりするため時間が経つほどほとんど残ってない場合があるが彼らがいたぶんここに来なかったのだろうかそこにはインスタント系や飲料水がそれぞれ5箱ぐらい積み重なっていた。

 

 

胡桃「案外残ってるもんなんだな‥、こうやって探すのも悪くはない‥」

 

 

そんなことをボヤキながら理琉達がいる表へと一旦戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

その日の夜

 

 

「「いっただきま~す!!」」

 

 

「ワン!!」

 

 

コンビニの駐車場に止まっている3台の車、そのうちの一台のキャンピングカーの車内には外にもれない程度の明るい声が響いていた。

 

 

由紀「ん〜♪おいひい〜」

 

 

胡桃「たまには麺類じゃなくて味噌汁系っていうのも悪くはねぇな♪」モグモグ

 

 

小春「だね〜。でもやっぱインスタント系以外も食べたいもんだよぉ‥‥。贅沢は言えないけど‥(汗)」モグモグ

 

 

日野「まあその気持ちはわからないこともないがな〜。たまには他のも食べたいもんだ」モグモグ

 

 

雪「みんな一緒なんだね〜。まあ私は食べれればそれでいいけど〜」

 

 

鶴乃「中華系のインスタントラーメン食べたいけど‥こうゆうときは食べづらいんだよねぇ‥(汗)」

 

 

圭「まあ‥ただでさえ飲料水の管理が厳しいからね‥(汗)ストックはたくさんあるけど‥」

 

 

美紀「これだけいればすぐになくなっちゃいますからね‥」

 

 

椎子「それにこの先どうなるかもわからない‥‥。そう考えると食料の管理もその都度改めないといけないな‥」

 

 

理琉「そうなるよなァ‥‥まあ仕方ないことだが‥‥。まっ気にしてても仕方ない今はゆっくりすることにしよう」

 

 

一瞬深く考えていた理琉だったが今気にしてても仕方ないためとりあえずゆっくり休むことにした。

 

 

 

日野「よっと‥(ガチャガチャ)」

 

 

雪「ん?日野なにやってるの〜?」

 

 

夕飯を食べ終わりまだ寝るまで時間があるためそれぞれゆっくりとしている中、日野がなにやら作業していることに気づいて雪が声をかける。

 

 

日野「ん?あぁ、残りのマガジンとか予備パーツのチェックだな。災害用放送局と大学で入手したぶんがあるとはいえ‥この先のことを考えて見ておこうかと‥」

 

 

雪「ふぅん‥」

 

 

日野の返答に答えつつ自身も89式小銃のマガジンが入っているマガジン用箱の中身をチェックし始める。しかしその際に偶然か否か、彼に雪が寄りかかるのであった。

 

 

日野「オッオイ‥一応みんないるんだからあんまり‥」

 

 

雪「別にいいじゃない‥♪別に隠すようなことでもないし‥♪」

 

 

日野「だっだかなぁ‥(汗)」

 

 

前と違い躊躇いなく甘えていることに少し困った表情になる日野。ちなみに他のメンツはパソコンをつついている椎子以外は気づかれいようにしつつ暖かい視線を向けていた。

 

 

雪「それに‥もしかしたらこの先こうやる余裕もなくなるかもしれないから‥ダメ‥かな?」

 

 

日野「クッ‥(そんな表情されたら断れねぇじゃないか‥)わかったよ‥//好きにしろ‥//」

 

 

雪「えへへ‥♪ありがと‥//」ポス

 

 

日野の許可を得たことを確認すると今度は彼の膝に頭を載せて膝枕をしてもらうことに。

 

 

日野「やれやれ‥早速きやがったな‥(汗)」

 

 

少し困った表情をしつつも少し嬉しそうにしつつ彼女の頭を静かに撫でる日野であったのだ。ちなみに撫でられている雪は気持ちよさそうな顔になっていた。

 

 

ー付き合うって‥あんな感じなんだ‥//ー

 

 

そんな二人をこっそりと視線を向けて静かに見つめている由紀。しかしすぐに顔を振って意識を紛らわすため先程まで読んでいた本を読み始めるのであった。

 

 

 

 

 

そして翌日、朝ごはんを食べた一同は準備を整えてコンビニをあとにし出発する。昨日とは違いまだ多少曇りが残っているものの青空がチラホラ見えてきていた。

 

 

日野「ん〜‥やっぱり天気が良くなってきたらアイツらも活発になり始めたな‥」

 

 

ステアリングを握りつつ時々すれ違う彼らを横目で見つつそんなことを口に溢す日野。それに賛同するかのように美紀も付け足す。

 

 

美紀「昨日は順調過ぎましたからね‥。今日は迂回することも覚悟しないといけないかも‥」

 

 

圭「迂回は大学に来るときにたくさんしたからお腹いっぱいだよ〜‥‥」

 

 

聖イシドロス大学に来る際にもこれでもかもいうほど遠回りしてきたことを振り返って思わずため息を溢す圭。しかしそれを励ますかのように日野が右側を指差す。

 

 

日野「んにゃ、今回は問題ないかもな」

 

 

美紀「えっそれってどうゆう‥あ‥!」

 

 

日野の発言に首を傾げつつ視線を向けた美紀の目が大きく開く、彼女につられて同じように視線を向けた圭もどうやら気づいたようだ。

 

 

圭「あれが‥‥アンブレラ社?」

 

 

日野「あぁ、今回の騒動を起こしたランダルコーポレーションの親会社‥って言ったほうがいいのかな?」

 

 

三人の視線の先にはあの特徴的な傘マークのシンボルがついてたの建物よりも一回り高いビルが見えてくる‥。そう‥あれこそが学園生活部の最終目的地‥アンブレラ巡ヶ丘支部だ‥。

 

 

小春「‥いよいよ来たんだね‥‥」

 

 

理琉「あァ‥そうだ‥。今回の騒動を起こしたランダルのクソッタレの裏の黒幕‥ってところか‥」

 

 

由紀「‥‥どうなるんだろう‥これから‥‥」

 

 

椎子「‥それは‥わからないな‥‥私にも‥‥」

 

 

キャンピングカー組からもアンブレラのビルは確認できており、少し複雑な心境で建物を眺めていた。それは18クラウンに乗ってる雪達も例外ではない。

 

 

鶴乃「あれが‥巡ヶ丘‥いや‥世界を恐怖のどん底に陥れたランダルの親会社‥アンブレラ‥なんだね」

 

 

胡桃「だな‥‥待ってろよアンブレラのクソ野郎‥絶対突破口を見つけてやるから‥な‥」

 

 

雪「‥‥私も‥‥父さんの無念は必ず晴らす‥」

 

 

各車それぞれ思うところを胸に車列はアンブレラビルに向けて走っていくのであった。

 

 

それから走ること数十分、アンブレラコーポレーションと英語表記と日本表記、さらにはあの傘マークが描かれた正面入口に到着する。

 

 

日野「さてと‥着いたのはいいが‥どこから侵入するか‥‥」

 

 

雪「見た感じアイツらはいないっぽいけど‥流石に空っぽの敵地といえど正面から行くのはあんまりいい感じしないわね‥‥」

 

 

美紀「ですね‥何があるかわからないですし‥‥」

 

 

無線機でどこから侵入するか話し合う一同、いくら誰もいないとはいえどここはアンブレラの拠点。流石に堂々と前から行くわけには行かないという意見がやはり強い、すると由紀がある場所を指差す。 

 

 

由紀「それならあそこからならどうかな?」

 

 

理琉「ン?」

 

 

由紀に指さされその方向に視線を向ける理琉、するとそこには裏口と思われるビル一階に併設された駐車場への出入口が‥

 

 

理琉「ナイス由紀‥!こっちかなら行けそうだぜ」

 

 

鶴乃「んじゃそっちから侵入だね♪」

 

 

こうして由紀が提案した裏口扱いの駐車場出入り口から敷地内に入っていく3台。そのまま建物内の駐車場に入って車を止める。

 

 

日野「‥‥どうやらいないみたいだな‥」

 

 

理琉「あぁ‥だが気味悪いくらいキレイじゃないか‥?今までの建物に比べたら‥」

 

 

雪「えぇ‥‥多少物が散乱している程度でここまで状態いいとか想像できないわ‥」

 

 

確かに日野達の言うとおり、今までの建物に比べると物がある程度散乱多少血痕がある程度であとは比較的状態がいいことを物語っていた。

 

 

圭「逆に不気味だよぉ‥‥」 

 

 

太郎丸「ワフゥ‥‥」

 

 

あまりの綺麗さに逆に不安になってくる圭と太郎丸、そんな二人を他所に椎子はスタスタと歩いていき施設と駐車場を結ぶオートロック式のタッチパネルのカバーを外し、ケーブル差し込み口にケーブルを刺してパソコンと繋ぎなにやら打ち込んでいる。

 

 

小春「ん?何してるんですか?」

 

 

気になったのか小春が椎子の元へ駆け寄って声をかける。もちろん他のメンバーも気づいてやってくる。

 

 

椎子「ちょっとこのタッチパネルにハッキングを‥な。理琉君、君は確か軍にいたんだよな?」

 

 

理琉「あッアァ‥そうだが‥それが?」

 

 

椎子「どうやらコイツは軍で使用されているシステムらしい。そうなると君ならできるかと思ってな‥」

 

 

理琉「わかった、やってみるぜ」

 

 

椎子の頼みを受けて理琉がパソコンの元へやって来て彼女と交代してカタカタと作業していく。  

 

 

小春「理琉〜、できそう?」

 

 

理琉「ン〜‥ちょっと待っててな‥(カタカタ)「ピピ!!システム キドウ カクニン ランダルコーポレーション 及び アンブレラ AIシステム ボーモン 起動シタヨ」っと‥ビンゴだな」

 

 

少しいじっていると突然機械音声が鳴り響き、やはりという表情になる理琉。その隣ではそのAIを携帯に移植するために椎子が作業していた。ボーモンと言われたAIシステムが起動した直後、扉がゆっくりとスライドして開く。

 

 

胡桃「開いたみたいだな‥いよいよか‥」

 

 

敵本拠地の内部にいよいよ入るということに少し緊張している様子が伺える胡桃。ひとまず誰もいないことを確認するために理琉・日野・雪が先行して中に入る。その先の階段を上がり二階へゆき、扉をくぐり抜けるとそこは二階の通路が広がっていた。

 

 

理琉「ったく‥相変わらずキレイ過ぎて不気味だぜ‥‥‥」

 

 

日野「全くだ‥」 

 

 

外がこれだけの惨状なのにこの建物内は多少散乱している程度でキレイな状態というのに思わず眉を細める理琉と日野。その後ろでは無線機で待機組へ雪が連絡を入れる。

 

 

雪「とりあえずクリア、上がってきていいよ」

 

 

 

――――――――――

 

 

小春「相変わらず変な感じね‥‥」

 

 

鶴乃「うん‥‥」

 

 

多少の血痕があるとはいえここの職員の遺体がほとんどないことに思わず表情を顰める小春と鶴乃。その間に理琉や日野が二階の探索を軽く行い、何か見つけたのか戻ってくる。

 

 

日野「この先に仮眠室があった。中も状態は良さそうだし使えそうだぜ」

 

 

胡桃「んじゃ‥とりあえずはそこを拠点にするか?」

 

 

理琉「それがいいだろうなァ‥、あっあとなんか知らねぇが非常用発電システムがあった‥。準備は万端みたいだったようだな‥」

 

 

美紀「でも、そのお蔭で拠点として使えるんですし‥‥モ○イルバッテリーの充電もできそうです‥♪」

 

 

圭「非常発電機があるってことは‥おっ!湯船もあるじゃん!ヒャッハー!久しぶりに洗えるぅぅ!」

 

 

胡桃「おいおい‥(汗)圭のテンションがあほみたいに変わったぞ‥(汗)」

 

 

非常発電機があると聞いてまさかと思い案内板を見る圭、するとやはり彼女の予想通りか湯船がありあまりの嬉しさに思いっ切りはしゃぐ。その様子を見て若干胡桃が引いている。

 

 

鶴乃「まっでも、大学出てから本当お風呂入れてないからね‥そろそろ入りたいと思ってたし♪」

 

 

小春「いい機会だしあとで入ろうよ〜」

 

 

由紀「わあい〜♪」

 

 

やはり乙女という以上、お風呂は切ってもきれない関係なのだろう(いや、そうなると男もそうなのかもしれない)。そのためひとまず今日は長旅の疲れを癒やすためにひとまず休憩することに。

 

 

椎子「とりあえず、私はオフィスに向かう。」

 

 

日野「あぁ、わかった。というか、一人で大丈夫なのか?」

 

 

椎子「うむ、一人で作業したほうが集中するからな。っと一ついい忘れてた。時間ができたときもオフィスルームに足を運んでくれ」

 

 

そう言い残し、ノートパソコンを抱えて一人コツコツとオフィスルームに向かうのであった。

 

 

湯船にて

 

 

日野「あ〜‥生き返るわ〜‥」

 

 

あれから訳あって最後に入ることになった日野。しかしその分少し広めの浴槽を独り占めできるいうことで彼は特に気にしてないようだ。

 

 

日野「やはり、お風呂は最高の一言に限りますな〜」

 

 

そんなことを言っていると扉が開く音が聞こえてそちらへと視線を向ける。直後ゆったりしていた表情が驚きに包まれる。

 

 

雪「えっと‥//来ちゃった‥//」

 

 

そこにはバスタオルを巻いて入ってくる雪の姿が‥少し恥ずかしそうにしつつ湯船に浸かり隣へとやってくる。

 

 

日野「ババカ‥//みんなと入ったんじゃないのかよ‥//」

 

 

雪「さっ最初はそうしようと思ったよ‥//けど‥みんなが祐也と入れっていうから‥//」

 

 

日野「あ〜‥//」

 

 

雪の言葉を聞いてだいたい察した、こりゃ出たらいろいろと弄られるな‥、と彼は内心思ったのだ。いやこれはきっと雪も思っていることだろう。こればっかりは仕方ないと切り替えて話題を振ろうと考える。すると先に雪が切り出してきた。

 

 

雪「あっあのさ‥//」

 

 

日野「ん?どうし‥ムグ!?//」

 

 

声をかけられて振り向いた直後、突然雪が唇を重ねてくる。一瞬驚いた彼だがそんなことは知らないとばかりに静かに舌を絡め取る。 

 

 

雪「ん‥//んふぅ//」

 

 

時々甘い声を漏らしながら積極的に攻めてきている雪、最初は戸惑っていた日野だが雰囲気に乗ってきたのか両手を彼女の背中にまわしてお返しと言わんばかりに濃厚なキスをする。

 

 

雪「ぷは‥//」

 

 

数秒ほど唇を重ねて、それが終わったあとの雪は完全に顔が蕩けており巻いていたタオルもはだけていた。

 

 

雪「久しぶりに‥//したく‥//なっちゃって‥//」

 

 

日野「ったく‥//しゃねぇな‥//ちょっとだけだぞ‥//やることあるから//」

 

 

雪「‥ありがと// 」

 

 

それから少々の間、二人は少しばかりか暑い夜を過ごすのであった。本当雪は積極的になりましたな(意味深)。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

学園生活部がボーモンを起動させて建物内に侵入した直後、強襲揚陸艦コメットのアンブレラパンデミック管制室にて。

 

 

「‥!!少佐!これを‥」

 

 

モニターを見ていた管制官があることに気づき、ここのトップであり、黒髪ショートの女性指揮官である綾文春井(あやなみ はるい)にこえをかける。

 

 

春井「ん?どうしたの?」駆け寄る

 

 

「アンブレラ社の巡ヶ丘支部でAIシステムが起動したのを確認。内部に誰か侵入しているようです。」

 

 

春井「侵入‥‥ってことはきっとウェスカーが言ってた奴らで間違いないね‥。カメラ出せる?」

 

 

「少しお待ちを」カタカタ

 

 

少しすると画面が切り替わりアンブレラ巡ヶ丘支部二階廊下の映像が出てくる。それを見るとウェスカーの予想通り学園生活部のメンツがカメラに映っていたのだ。

 

 

春井「やっぱりね‥‥って‥ん?」

 

 

予想通りだなっと思っているとふとある人物に目が行く。

 

 

ーこの赤髪の子‥どこかで‥ー

 

 

彼女の目に映ったのは日野や理琉と話している雪の姿が‥。一瞬首を捻って考えていたがすぐに笑みを浮べ

 

 

ーまさか‥こんなところで再開するなんて‥ー

 

 

そしてしばらく雪の姿を見ていたがすぐに管制官に指示を出す。

 

 

春井「ウェスカーと巡ヶ丘支部に乗り込む予定の部隊に連絡。侵入は少し待ってと伝えて、それと並行して大学から入手した例のデータを使うわ」

 

 

「わかりました‥!(カタカタ)MA-121及びT-103計画始動。目標は巡ヶ丘支部に侵入した生存者の排除の指示を出します‥!」

 

 

春井の指示を受けて管制官が素早く画面を操作して、HUNTER(ハンター)とTYRANT(タイラント)書かれたデータを起動させ表示させる。

 

 

ーランダルコーポレーションの特殊部隊、そしてU.S.S部隊を返り討ちにしていい気になってるのでしょうけど‥私達アンブレラの実力はこんなもんじゃないわよ‥♪せいぜい‥がっかりさせないように楽しませることね‥ー

 

 

建物内を探索している学園生活部や椎子達をカメラで観察しつつ、口元の笑みを浮かべている春井であった‥。

 

 

 

 

 

 

 




いよいよアンブレラに乗り込んだ学園生活部

しかしそれも察知されており彼らによって手厚い歓迎を受けることになります。


登場人物
綾文 春井(あやふみ はるい)
モデルキャラ乃木若葉は勇者である。から郡千景
年齢20歳
身長165cm
体重「乙女のヒ・ミ・ツ♪」 
出身神奈川県
性格意外と乙女心があり、美人。
アンブレラのパンデミック管制室の指揮官で少佐、まだ20歳という若さでありながら社内ではかなりの優秀な人材として注目を集めている。それゆえ戦闘スキルも高くたとえ相手が精鋭兵であっても勝てるほどの実力がある。つまりそれは理琉や雪のレベルを上回ることを意味するようなものだ。そして‥どうやら雪とは顔見知りのようだ‥‥


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第四十六話 真相

アンブレラ巡ヶ丘支部に乗り込んだ学園生活部

そんな中椎子はオフィスであることを知るのであった‥。


椎子「‥‥(カタカタ)」  

 

 

学園生活部のメンバーがお風呂や長旅の疲れを癒やしている中、椎子は一人オフィスルームに籠もってパソコンのデータベースを調べていた。    

 

 

椎子「ボーモン、アンブレラの研究データを出せるか?」  

 

 

「スコシ マッテテ (ピピ) カクニン シタヨ。ヒョウジ スルネ」

 

 

AIシステム特有の機械音声がオフィス内に響きた渡ると同時に画面に様々な研究データが表示されいく。それを、確認すると次は別の画面にランダルコーポレーションと交信した情報が載ったデータを表示させて一つ一つ見ていく。

 

 

椎子「‥‥やはり‥か‥」

 

 

その2つの画面を交互に見つつ真剣な表情で内容を確認していた椎子だったが、ある情報を見て少し大きめのため息を吐く。それから近くに置いてあった無線機に手を伸ばすのであった。

 

 

それから数分ほど達、椎子に呼ばれた日野達がオフィスへと続々とやってくる。

 

 

日野「なんかわかったのか?」

 

 

椎子「あぁ、あらかたな。とりあえずこの画面を見てくれ」カタカタ

 

 

日野の質問に頷きながら再びパソコンを操作してあるリモコンのスイッチを押す。すると天井に取り付けられていたプロジェクターが起動して壁についている投映用の壁を照らす。

 

 

理琉「コイツはァ‥」

 

 

画面にいろいろと表示されているデータを見て驚愕の表情を浮かべる理琉。いや彼だけじゃない、椎子以外のメンバー全員も驚愕の表情を浮かべていたのだ。  

 

 

雪「これだけあるのが‥全部研究データなの‥?」

 

 

椎子「正確にはその一部だな‥他にもあるが全部見るとなるとキリがない‥」 

 

 

鶴乃「‥これがその一部なんて‥‥そうなるとめちゃくちゃあるじゃん‥!!」

 

 

胡桃「というか‥他にも呼んだ理由はあるんだろ‥?」

 

 

椎子「的確な質問だな‥君たちに見せたいのは山程あるが‥ひとまずはこれを‥」カチ

 

 

他にも読んだ理由があるんじゃないかと思い、発言した胡桃の考えは見事的中。それに頷きながらあるデータを開く。

 

 

美紀「‥‥なん‥ですか‥これ‥」

 

 

その書類内容は量の関係でまだ冒頭しか見せていないのだがその文書をみた美紀の表情が曇り始める。

 

 

圭「今回のパンデミックは人類再興計画の一環にすぎない‥‥‥」

 

 

小春「‥巡ヶ丘市のパンデミックが成功すればこのパンデミックは世界に拡大していくだろう‥さすれば‥我々の思っている新しい世界へと近づける‥そのためにランダルコーポレーションにはあえて杜撰な管理体制をさせたのだ‥って‥これはどうゆう‥‥」

 

 

椎子「‥一応言う前に警告しておくぞ‥‥恐らくここから先話すのは胸くそが悪いことばっかりだ‥。聞きたくなければ部屋を出てもらっても構わん‥‥」

 

 

由紀「‥いや‥出ないよ‥真相を探るためにここまで来たんだもん‥‥!」 

 

 

一瞬なんて返そうか迷った一同だが、由紀が覚悟を決めた表情で椎子に視線を向けてその彼女の言葉に頷くように一同も頭を縦に振る。

 

 

椎子「本当にいいんだな‥?それじゃ‥話すぞ‥‥」 

 

 

彼女自身も話すことを決意したようで、一間会話の感覚を開けて話し始める。

 

 

椎子「まず‥人類再興計画から話していくか‥‥」

 

 

日野「再興ってことは‥人類をイチから作り変えるってことか?」

 

 

椎子「まあ‥それに近いだろうな‥。正確にはアンブレラの創業者スペンサーが最初にその計画を進めたんだ」

 

 

小春「アンブレラの創業者が‥?」

 

 

椎子「そうだ、正確には「ウェスカー計画」と呼ばれてスペンサーが思う新世界を作り上げる際にその世界の住人としてふさわしい優れた人物を育てあげるというものだな。ちなみにウェスカーというのはその計画を主導した研究員の名前からつけられたやつだな。」

 

 

美紀「やっぱりそうゆう研究とかって主導者の名前がつけられることが多いですよね」

 

 

椎子「まっ歴史でも様々な分野でその研究者の名前が使われることがあるからな‥。んで名前の通りその計画で集められた子供達には全員ウェスカーっていう名前がつけられたんだ」

 

 

胡桃「みんな同じ名前って違和感あるよな〜‥」

 

 

椎子「そのウェスカーと名付けられた子達は世界各国に解き放って秘密裏に監視、頃合いを見てウィルスを投与して新人類にふさわしい人間進化させようとしたんだ‥」

 

 

雪「やっぱウィルス絡んでくるよねぇ‥‥。でも‥その研究と今回の騒動になんの関係が‥?」

 

 

ウェスカー計画の話を聞いていてここまで今回の騒動となんの関係もないように見えたため気になった雪が疑問をぶつける。

 

 

椎子「まあ待て‥早まらんでもちゃんと話すから‥。だがその計画は頓挫、実験に参加した多数の子供達のほとんどがウィルスにより死亡してしまいスペンサーの企みは失敗してしまったんだ‥」

 

 

理琉「マァ‥そうだろうな‥いくら優秀とはいえど確率がない以上‥それが現実だろう‥」

 

 

椎子「だがそれよりもさらに厄介な問題があってな‥その「ウェスカー計画」を引き継ぐ者が現れたんだ‥」 

 

 

圭「引き継ぐ者‥‥?」

 

 

鶴乃「それってどうゆう‥‥」

 

 

椎子の言っている意味がいまいちピンとこない圭と鶴乃、そんな二人を見て再びパソコンに体を向けてページをスクロールしたにあった資料を表示する。  

 

 

椎子「スペンサーの計画が頓挫して数年後‥アンブレラ内部でその計画を進めるという人物が現れたんだ。それが一体誰なのか‥というのはここに乗ってないからわからないがこの資料によればどうやらな‥そいつは新たなる「再興計画」という計画をスタートさせたんだ」

 

 

由紀「再興計画‥ってそのまんまの意味だよね?」

 

 

椎子「あぁ、そんなところだな‥。だがこの再興計画の内容が問題でな‥‥」

 

 

雪「内容‥‥?」

 

 

椎子「あぁ、この計画ではアンブレラを中心とした世界を作るために一度世界をウィルスを使ってリセットするというものだ‥。自分たちにとって都合良い世界を造るため‥にな‥」

 

 

美紀「ちょっ!ちょっとまってください‥!!世界をリセットするって‥そんな理由のためにあえてランダルコーポレーションに杜撰な管理体制をさせたのですか‥!?」

 

 

椎子「‥そう‥だ‥」

 

 

美紀「私達の街の人や‥世界各国の人々‥その人たちの大切な日常を奪って切り裂くのも‥‥そんな計画を進めるための必要な犠牲だってこと‥!!?」

 

 

椎子「‥‥(頷く)」

 

 

美紀「そ‥んな‥」ガク

 

 

椎子が自分の答えに頷いたことで体の力が一気に抜けて床にへたり込んでしまう美紀。ほかのメンバーもまだ飲み込めていない状態になっていた。

 

 

雪「なんでなの‥よ!」バァン!!

 

 

悔しさのあまりか、静寂を打ち破るかのように雪が思いっ切り壁に拳を叩きつける。

 

 

雪「そんな理由のために‥‥父さんは‥犠牲になったていうの‥‥ッ!!私達が必死に死ぬ気で生きてきたことも‥ッ」

 

 

彼女の頬からは涙が溢れてくる。そんな雪を静かに頭を撫でつつ日野が口を開く。

 

 

日野「つまりまだアイツらの計画は始まったばかりってことか‥‥?」

 

 

椎子「そうなるだろうな‥‥そして‥この先もかなり厳しい局面になるだろう‥」

 

 

理琉「‥クソッタレが‥」

 

 

小春「わかってはいたけど‥いざ知るとなると‥キツイもんがあるね‥‥」

 

 

まさかのアンブレラの真実、それもまだ計画は始まったばかりという事実に一同はかなり参りかけていた。まあ、無理もない‥。アンブレラの裏をつかもうとやってきたのはいいもののまさかのとんでもない計画がわかったのだ。こんな状況で冷静に頷けということのほうが難しい。

 

 

椎子「それとだが‥ここの建物の地下研究施設にウィルスのサンプルがあるらしい。もしかしたらなにか見つかるかもしれないな」

 

 

由紀「行くの‥?」

 

 

椎子「うむ‥ここで止まるわけにはいかないからな‥何らかの手かがりを掴んでおく‥。あわよくば‥ワクチンがあればいいんだが‥‥(ピピ)ん?」

 

 

ぼやいていた椎子だったが、突然ボーモンが反応したことに気付いて自身の携帯に視線を向ける。

 

 

「アンブレラ ワクチン カイハツ シテタ ミタイダヨ。 ケド トチュウデ トンザ シタミタイ。土着菌 巡ヶ丘 アンブレラ ノ ニンゲン ハ コレガ ヒント ッテ ニランデタ ミタイ」

 

 

圭「巡ヶ丘‥土着菌?なにそれ‥」

 

 

胡桃「巡ヶ丘はここだとして‥土着菌‥?なんだってんだ‥?」

 

 

鶴乃「えっと‥土着菌の意味は‥‥確か土中に生息する細菌‥‥でも‥それが一体なんの関係が‥‥」

 

 

何か引っかかるようなボーモンの言い方に一同は首を傾げて考えている。しかしなかなか思いつかないのか少し時間が経つ。

 

 

椎子「やはり調べる必要があるな‥‥今夜‥地下研究施設に行ってみよう‥」

 

 

理琉「それならァ‥オレが行くぜ‥」

 

 

そう言って理琉が右手を上げて行くことを促す。彼を見て頷きつつ一同に視線を向ける。 

 

 

椎子「他にも来てほしいんだが‥さすがに全員は場所的に厳しい。可能な限り絞りたいが‥」

 

 

日野「んじゃ、俺も行こうかな」

 

 

胡桃「アタシも行くぜ、戦闘面なら問題ないし」

 

 

雪「‥ふぅ‥祐也が行くなら私も‥」

 

 

由紀「私も行く!」

 

 

理琉「オオイ‥大丈夫かァ?由紀ィ、地下研究施設には何があるかわかンねェぞ?オレ的には行かせたくない‥」

 

 

由紀「私だってマー君やみんなの役に立ちたい‥!これからも‥!」 

 

 

美紀「‥先輩が輝いてます‥」

 

理琉「‥わかった(汗)そこまで言われちゃァ止められないなァ‥、じゃああとは何かあったときのためにここで待機しててくれ。そんときは無線で呼ぶから」

 

 

美紀「わかりました!」

 

 

圭「了解‥!」

 

 

鶴乃「もっちろん‥!」

 

 

小春「ここは私に任せなさい♪」

 

 

椎子「決まりだな‥‥。それじゃ夕食を軽く食べたらいよいよ出発するぞ、電気は通ってるみたいだからエレベーターは使えるはずだ」

 

 

理琉「やれやれ‥‥便利なのかいいのか‥(汗)」

 

 

胡桃「いいんじゃね?ありがたく使わせてもらおうぜ‥♪」

  

 

雪「っと‥それなら夕飯の支度しないとね‥♪」

 

 

日野「そういえば‥大丈夫なのか?雪‥さっきだいぶ乱してたが‥‥」

 

 

雪「うん‥♪祐也が落ち着かせてくれたから‥ありがとう‥♪」

 

 

日野「‥そこまで大したことはしてないが‥//」

 

 

そんなこんなありながらも、一同は探索をするためにいろいろと準備を進めるのであった。

 

 

 

 

 

ーそして夕方‥二階エレベーター乗り場にて‥ー

 

 

椎子「それじゃ準備はいいな?」

 

 

理琉「あァ、問題ないぜ。いつでもいける」

 

 

理琉達に問題がないことを確認してからエレベーターの下に降りるボタンを押す椎子、すると一階に止まっているエレベーターが二階に上がってきて扉が開く。

 

 

圭「みんな〜!気をつけてね〜」

 

 

胡桃「おう!いい情報持ち帰ってくるから楽しみにしてな!あと私達がいない間ここは任せたぜ!」

 

 

美紀「はい‥!」

 

 

それぞれ別れの挨拶をしてから、地下探索組はエレベーターに乗って地下研究施設に向かうのであった。

 

 

 

 

 

――――――――――――

エレベーター内

 

 

日野「そういやぁ‥ここの地下は何階あるんだ?」

 

 

ふと気になったのか突然日野が椎子に質問を投げかけ、それを聞いた胡桃が階のボタンを見て確認する。

 

 

胡桃「えっと‥これだと地下二階まであるのか‥意外と少ないんだな‥」

 

 

椎子「その分地下奥深くにあるってことのようだな‥。もしもウィルス漏洩事故が起きても外に漏れないように‥」

 

 

雪「だいぶしっかりしてるわね‥どこぞの子会社製薬企業とは違って‥‥」

 

 

由紀「だねぇ‥‥あっそろそろ着くんじゃない?」

 

 

由紀が気づくと同時にエレベーターの降りるスピードが徐々に遅くなってゆき最終的に「B1」と書かれたボタンのところでランプが点灯して止まり、扉が開く。

 

 

胡桃「ここが地下研究所か‥‥いかにも秘密基地って感じの内装だな‥‥」

 

 

理琉「きィつけろ‥ここはアイツらのアジトだ‥どんなことが起こるかわからん‥‥」

 

 

日野「あぁ、油断して罠にやられるのはゴメンだぜ‥‥」

 

 

椎子「とりあえず地下施設の構造は上で地図を見つけたから迷うことはない‥‥」

 

 

雪「それなら時間はくわなさそうね‥んで‥ワクチンのサンプルってどこにあるの?」

 

 

椎子「上で調べたら二階の研究室にあるとのことだ‥」

 

 

由紀「んじゃさっさと行こう〜‥なんか不気味だし‥」

 

 

理琉「由紀の言うとおりだなァ‥さっさと目的のモン回収するか‥‥由紀と雪はここで奴らが来ないか見ててくれ」

 

 

雪「オッケー‥!」

 

 

由紀「マー君やみんな気をつけてね‥?」

 

 

胡桃「わかってるさ♪」

 

 

雪達を入口に残し、理琉達は目的のサンプルがある二階研究室へと警戒しつつ向かうのであった。

しかし‥それを監視する一台の監視カメラの姿が‥‥

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

「いました、ターゲットの一部が地下の研究施設に入ったのを監視カメラが確認、どうやらエレベーター監視組と探索組にわかれているようです。」

 

 

支部内の監視カメラで学園生活部を監視していた管制官が地下施設に入ったことを素早く春井に報告する。それは丁度無線機を繋いでいたアルバート・ウェスカーにも伝わる。  

 

 

ウェスカー「どうやら動き出したようだな‥‥。だがこれはいいチャンスだ‥大学から持ち帰ったデータを試すときが来たな‥。‥邪魔はさせんぞ‥今度こそ‥私は神になるのだ‥。奴らを確実に始末しろ」

 

 

春井「‥わかりました。別れた人数はわかる?」

 

 

「エレベーター前に二人ほど、白衣を着た女性を含む五人は進行方向からして例の研究室かと」

 

 

春井「まずはアイツらの逃げ口を塞ぐ。T-103型タイラントの優先目標をエレベーター前の制圧に設定。続いてMA-121型ハンターは二階の制圧に設定して。出入り口さえを制圧すればあとはハンターがやられてもタイラントが始末してくれるわ」

 

 

「了解‥!」

 

 

春井の指示を受けた管制官が例のデータリンクを画面に展開テキパキと打ち込んでいく。するとカメラが切り替わりとある2つの部屋を映し出す。一つは円柱状の水槽に入れられている筋肉がむき出しの化け物の姿が‥それも一体ではなく4体も‥。そして‥もう一つの部屋には‥先程とは違い厳重に保管されている円柱状のタンク

、しかしその厳重なセキュリティも管制官により解除されている。タンクの表面には‥T-103型TYRANTと白の大文字で表記されていたのだ‥。

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

由紀「‥ん?」

 

 

理琉達と別れて少ししたぐらい、雪と一緒に見張りをしていた由紀がふと右側の通路に視線を移す。

 

 

雪「ん?どうしたの?」

 

 

由紀の異変に気づいた雪も同じようにその方角を見るが特に何もいない。

   

 

雪「何もいないけど‥‥なんかいた?」

 

 

由紀「いや‥なんというか‥なにかのロックが外れる音がしたような気がして‥」

 

 

雪「あれじゃない‥?祐也達が研究室のロック解除した音が反響してここまで聞こえたとか‥。ほら、こうゆう場所ってそうなりやすいし」 

 

 

由紀「ん〜‥‥いや‥気のせいじゃない‥!なんか歩いてる音が聞こえるよ‥!それに‥こっち来てる‥!」

 

 

雪「え?」

 

 

突然反響しない程度に声をあげる由紀、そう言われて静かに音がすると思われる方向に再び神経を集中させる。

 

 

雪「‥‥‥」

 

 

しかしこれと言って聞こえてくるものは特にない。気のせいではないかと思っていた雪だがどうも彼女の表情が嘘をついているようには見えない。そのため89式の銃口を向けてようとした直後‥

 

 

雪「‥‥っ‥!」

 

 

何か嫌な予感がしたのか銃口を素早く音がすると思われる方向に向ける。

 

 

雪「由紀ちゃん‥‥銃構えてて‥たぶん何か来る‥」

 

 

彼女の言葉に頷いて由紀も素早くMP5の銃口を向ける。それから‥数分ほど経った頃‥角からなにか巨大な物体が現れる。

 

 

雪「なに‥あれ‥」   

 

 

由紀「‥‥」 

 

 

それは雪達でさえも驚愕するような出来事だ。明らかに彼らや人間とは比べ物にならない大きさ、そして全身を黒のコートや靴、ズボンを見をまとって頭には帽子をつけている。そしてその白色の顔をゆっくりとこちらに向ける。

 

 

ー見つかった‥ー

 

 

雪達を確認すると同時にゆっくりと進行方向をかえてこっちにゆっくりと歩み寄ってくる。 

 

 

ーなんなのかはわからないけど‥‥人間じゃないのは確か‥なら‥ー

 

 

雪「なんなのかはわからないけど‥由紀ちゃん!射撃用意!さっさと制圧するよ‥!」

 

 

由紀「うっうん!」

 

 

まだ少し動揺を隠せてない由紀だが雪の指示を受けて我に戻りトリガーに指をかける。

 

 

雪「テェ!!」

 

 

ダダダダダダダ!!! 

 

 

号令とともにほぼ同時で89式とMP5の銃口から放たれそれに続くように何十発の銃弾が謎の化け物の体へと吸い込まれていく。しかし‥‥

 

 

由紀「きっ効かない‥!?」

 

 

あれだけの銃弾を浴びても何事もなかったかのようにこちらにゆっくりと歩み寄ってくる化け物。このままではまずいと思った雪は反射的に指示を出す。

 

 

雪「このままじゃジリ貧になるだけ‥一回離れて立て直しましょう‥!!」

 

 

由紀「わっわかった‥!」

 

 

雪の指示に頷き、射撃を一時中断し急いでその場を立ち去る二人。もちろん化け物も逃がすはずがなくゆっくりとあとを追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうおわかりだろう‥‥

バイオハザードシリーズで主人公達を苦しめたアンブレラの生物兵器の最高傑作

通称ーTYRANTー

またしてこの世界でも苦しめる存在になっていくのであった。

 




まさかの発覚したアンブレラによる「再興計画」

そのために起こるべくして発生したアンブレラによる今回のパンデミックの事実に学園生活部は未だ飲み込むことができずにいた。


そして‥地下区画に現れたアンブレラの生物兵器の一つ‥タイラント‥。雪達はどう立ち向かうのか‥


そしてハンターと呼ばれる怪物の危機が研究室に向かう理琉達に徐々に迫るのであった。


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第四十七話 追跡者

いよいよタイラント

そしてハンターとの戦いの幕があげられます!

バイオハザードの歴代主人公達を苦しめてきた生物兵器

学園生活部はどう切り抜けるのか!


雪達がタイラントと遭遇した同時刻‥‥‥   

 

 

日野「ここが二階か‥ひとまずは問題なくこれたな‥」

 

 

胡桃「だな‥ここだと休めないから緊張しっぱなしだぜ‥」

 

 

階段を降りて周囲を確認しつつ、二階へと足を踏み入れる理琉達。構造としては一階ほぼ変わらないためにしっかり見ていないと迷いそうになるぐらいだ。

 

 

日野「んで‥研究室ってどのへんだ?」

 

 

椎子「地図によればこの先ですぐのところだな」

 

 

日野の質問に歩みつつ地図を確認して答える椎子、それから少し歩いたところで理琉の足が止まり、右手をあげる。

 

 

日野「‥どうした‥?」

 

 

理琉「なんか物音がするぜェ‥‥警戒しろォ‥」   

 

 

なにやらこの先の十字路の左側の部屋から何らかの異変を感じ取ったのか銃口を向ける。それにつられて日野や胡桃も同じように構えて少し待機、そしてゆっくりと角へと近づいていく。

 

 

「がぁぁぁぁ!!」

 

 

理琉「‥!!止まれェ!!来るぞ‥!!」

 

 

突然研究所内に響き渡る奇妙な叫び声、理琉が注意を促すために叫んだ直後角から筋肉むき出しで人間と爬虫類の間のような見た目のハンターが飛び出してくる。

 

 

日野「なんだよコイツは‥!!」

 

 

理琉「オレが知るかァ!そんなことボヤく暇あるならさっさと制圧するぞ‥!!」

 

 

日野「わかってるよ!胡桃!椎子さんは任せたぞ!」

 

 

胡桃「あいよ!椎子さん!絶対離れないように!!」

 

 

椎子「あっあぁ!」

 

 

理琉と日野が引き付けている間に間を縫うように胡桃は椎子を引き連れて研究室へと向かう。ハンターもそれを確認したがひとまずは理琉達の相手をすることにして勢いよく飛び掛かる。

 

 

理琉「これでも喰らいやがれクッソタレが!!」

 

 

そう理琉が言い放った直後、彼のウィンチェスターM1887と日野の20小銃から弾丸が射出。迷いもなくハンターの腹部へと飛んでいく。

 

 

「!!!!??」

 

 

ハンターも気づいてはいたが飛びかかったことで対応できずもろに弾丸を喰らい弾き飛ばされる。すこし離れたところで倒れ込むがなんとか起き上がろうとする。だがその前に理琉がデザートイーグルをハンターの頭部へ突きつける。

 

 

理琉「せっかくならよぉ‥コイツの弾を味わってみるか‥?うますぎてすぐ逝くぞォ!!」パァァン!!

 

 

 

 

 

 

胡桃「そろそろだ‥!」

 

 

椎子「‥!見つけたぞ‥あれだな‥!」

 

 

 

理琉と日野がハンターと戦闘している間、胡桃と椎子は研究室まで全力で走っており目の前には目的の部屋が見えてきていた。

 

 

椎子「理琉君達が抑えている間に回収しなければ‥!!」

 

 

胡桃「もちろんd「がぁぁぁぁ!!」危ない‥!!」

 

 

先を急ごうとした直後突然隣の扉が蹴り飛ばされ、先程と同じ声とともにハンターが飛び出して椎子に襲いかかろうとする。

 

 

椎子「何‥!!!?もう一体いるのか‥!?」

 

 

椎子もこれは想定外の事態だったのか完全に不意をつかれる形になってしまっていた。このまま襲われそうになった直後‥‥

 

 

胡桃「させるかよ!!」

 

 

体が反射的に動いた胡桃は素早くシャベルを取り出して

椎子とハンターの間に立ちふさがる。そしてハンターの攻撃をシャベルで防ぎなんとか踏ん張る。

 

 

胡桃「椎子さんは今のうちに研究室に‥!!」

 

 

椎子「すまない‥!恩にきる‥!」

 

 

自分を助けてくれた胡桃に感謝しつつ自身は目的の研究室に滑り込むのであった。

 

 

「ガルルルル‥」

 

 

獲物を取り逃がし、さらには邪魔されたことで怒ったハンターは次の標的を胡桃に定めていた。

 

 

 

胡桃「へっ‥相当なお怒りモードだな‥」

 

 

これはしばらく逃してくれなさそうだと直感した胡桃、彼女もまた狙いをハンターに絞り、シャベルを構える。

 

 

胡桃「悪いが化け物相手でもアタシは引かないぜ‥?走るのは得意なもんでな‥!」

 

 

しばらく睨み合っていた二人だが、直後ほぼ同時に両者地面を足で蹴り弾かれたように飛び出すのであった。

 

 

 

椎子「よし‥!中には誰もいないな‥!」

 

 

研究室に滑り込んだ椎子は素早く中に誰もいないことを確認してからワクチンを保管するためのケースを棚から取り出し、ゴム手袋をしてから冷凍保管庫を開けてワクチンのサンプルが入ったガラス筒を手に取る。

 

 

椎子「コイツが‥人類を救うかもしれない希望か‥‥。なんとしてでも守り抜かなければ‥」

 

 

そんなことをつぶやきながら、素早くワクチンサンプルをケースにしまい込んで他にもなにかないか調べるのであった‥。

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

二階オフィス区画にて

 

 

小春「‥これは‥不味いかも‥」

 

 

待機中暇なためなにか他に情報がないかオフィスのデスクで調べ物をしていた小春が偶然にととあるものを発見する。

 

 

ーT-103型TYRANT及びMA-121型HUNTERの管理体制についてー

 

この二種類はアンブレラ社で開発されたGウィルスを使用した生物兵器で強力な個体でもある。よって管理体制は厳重に行うべし。尚この二種類の保管場所は地下研究所にて厳重に保管されている。使用コードはアンブレラ本部及び聖イシドロス大学地下区域にある解除コードを使うこと。

 

 

ボーモン「アンブレラ ハ セイブツ ヘイキ ノ カイハツ ニ チカラ ヲ イレテイル ミタイ ダヨ。ソノ ナカ デ カンセイタイ ノ タイラント ハンター コノ ニシュルイ ガ ココ アンブレラ シブ ニ ホカン サレテイル ヨ 」

 

 

小春「‥こうしちゃ‥いられない!早くしないと理琉達が!」

 

 

ボーモンの会話を聞いた直後、コピーした書類を持って弾かれたようにオフィスを飛びだして待機組がいる仮眠室へ向かい、勢いよく扉を開ける。

 

 

小春「みんな大変だよ‥!!」バァン!

 

 

美紀「どっどうしたんですか‥!?いきなり駆け込んできて‥」

 

 

小春「それはとりあえずこれを‥!!」

 

 

いきなり飛び込んできたことに驚いている一同、美紀がどうしたのかと聞いてくるが話すより見せたほうが早いと小春は判断してコピーした先程の書類を見せる。

 

 

鶴乃「これは‥‥!」

 

 

圭「何‥これ‥!タイラント‥ハンター‥生物兵器‥!?」

 

 

小春「この生物兵器が地下区画に保管されているみたいなの‥!!前までは管理をする人がいたからいいけど今はいない‥つまり‥」

 

 

美紀「‥いつ化け物達が解き放たれてもおかしくない‥!!」

 

 

鶴乃「‥こうしちゃいられない!早く知らせないと!!」バッ

 

 

圭「あっちょ!?鶴乃ちゃん!」

 

 

美紀と小春の言葉を聞いていてもたってもいられなくなった鶴乃は弾かれたように休憩室を飛び出していく。それを慌てて追うように圭や小春も飛び出していき、美紀とそれに続こうとするとボーモンが反応する。

 

 

ボーモン「アンブレラ ノ セイブツヘイキ アイテ スルナラ トナリノ ヘヤノ ジュウデン キキ ニ ホカン シテル スパークショット ヲ ツカッテ。キット ヤクニ タツヨ」

 

 

美紀「っ!これか!」

 

 

ボ―モンに言われて急いで扉を勢いよく開けて中に滑り込む。すると丁度開けた先に充電スポットがあり、そこにはスパークショットと書かれた武器が置かれていた。

 

 

ボーモン「ソノ スパークショット ハ ドンナ セイブツ ニモ キク キョウリョクナ デンリュウ ヲ 二ードルカートリッジ カラ デンキョク ヲ シャシュツ シテ デンリュウ ヲ ナガシテ クレルヨ。 アテタ セイブツ ハ シビレ ヲ オコシテ シバラク ウゴケナク ナルヨ。ケド ツカイスギタラ ワイヤーガ キレヤスク サイハッシャ マデ ジカン ヲ ヨウスルヨ」

 

 

美紀「説明ありがとうボーモン!‥これなら!」

 

 

ボーモン「ブウン ヲ イノルヨ」

 

 

説明をしてくれたボーモンに感謝を述べながらスパークショットも持ちつつバレットを背中にかけて仮眠室を飛び出して後を追う。

 

 

 

 

 

鶴乃「見えた‥!エレベーター!」

 

 

その頃美紀よりも先に言っている鶴乃達はあと少しのところでエレベーターに着こうとしていた‥しかし‥

 

 

バリィィィン!!!

 

 

圭「なっ‥!?」

 

 

突然エレベーター前の窓ガラスが本来なら地下にいるはずのハンターが割れて勢いよく飛び込んでくる。それを見た三人は反射的にBerettaやHK416、グロック17を構える。

 

 

小春「コイツが‥例の化け物‥」

 

 

圭「タイミングが良すぎますね‥‥。それだけ‥この化け物が賢いってことでしょうか‥?」

 

 

鶴乃「でも‥ここで手こずってたら‥「みんな!」美紀ちゃん!?」

 

 

どうしようかあぐねていたところに美紀がスパークショットを持ちつつ駆け寄ってくる。

 

 

美紀「クソ‥やはり簡単には行かせてくれなさそうですね‥」

 

 

圭「うん‥、ってところでその武器は何?」

 

 

ふと圭が美紀の抱えているスパークショットに気付いて尋ねてくる。

 

 

美紀「あっこれ?これはさっきボーモンが役に立つから持っていってって言われて持ってきたの。強力な電流が流れて相手の動きを抑えるかわりに乱用はできないけど‥‥」

 

 

小春「なるほど‥んじゃ!美紀!ここは私達に任せて先行きなよ!」

 

 

美紀「え‥!?でも‥怪物の切り札‥」

 

 

鶴乃「恐らく地下にはコイツよりも強いヤツがいるはずだよ!!だから!こんなのに使うより温存してたほうがいいって♪」

 

 

圭「私のことは大丈夫だから‥美紀!お願い‥!」

 

 

美紀「‥‥わかりました‥!!ここは任せます!」

 

 

そう言って三人に任せる形で美紀はハンターの隣をすきを見て通過、エレベーターへと向かう。もちろんハンターも追おうとしたが‥

 

 

ダダダダダ!!!

 

 

「!!!!?」

 

 

美紀のもとにはいかせまいと鶴乃達が一斉に射撃開始、何十発の弾がハンターの背後に吸い込まれる。それで追うのは無理と判断したのか諦めて標的を鶴乃達に向ける。

 

 

小春「まさか‥久しぶりの戦闘がこんな化け物とはね‥!!なんかワクワクしてきたよ‥!」

 

 

圭「奇遇ですね‥!私もです!意地でも倒してやりましょう‥!!」

 

 

鶴乃「おっしゃー!!協力プレイだ!一斉に攻撃すれば倒せるよきっと!」

 

 

狙い通りと言わんばかりの表情を浮かべた三人は、再び射撃を開始。ハンターとの激しい戦闘の火蓋を切るのであった。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

美紀「はぁ‥はぁ‥ついた‥!」

 

 

激しい銃撃戦を聞きながら息を切らしつつエレベーターの前に到着する。

 

 

美紀「地味に重いね‥この武器‥。いや‥バレットも持ってるからか‥」

 

 

そんなことをぼやいていたいるとエレベーターが到着して扉が開き中に入る。それからエレベーターが閉まると一旦スパークショットを床において無線機を取り出す。

 

 

美紀「地下だから‥繋がればいいけど‥‥」 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

ダダダダダ!!

 

 

雪「あ〜もう!何なのよこいつ!!」

 

 

由紀「‥ダメ‥!全然効かないよ‥!!」

 

 

あれから距離を取っては射撃を繰り返しているが全くと言っていいほど効果があるようには見えない。一応頭に射撃をすれば多少怯むもののそれでも倒すまでには到底及ばずにいた。  

 

 

雪「いったいどうやったら弾丸防げる肉体を作れるのよ‥!!‥いや!違う‥たぶんこれ防弾チョッキ来てるわね‥!」

 

 

少し射撃をし続けたあとようやく攻撃が効かない原因を突き止める。そう、このタイラントは全身に黒いコートを身に纏っているがそのコートは耐爆防爆防弾使用という、このタイラント特有のアーマを着ているのだ。元々はタイラントの体の制御をするために着させているものだがそれを防弾などにすることによってさらに防御力をアップされているのだ。

 

 

由紀「でも‥!それがわかったとしても‥どうやって倒すんですか‥!?」

 

 

雪「‥っ‥!(ピピピ!!)!」

 

 

どうすればいいのか、必死で知恵を巡らせているとポケットに入れていた無線機が鳴り響く。それに気付いて無線機を取り出して通信に出る。

 

 

美紀「良かった‥!繋がったみたいですね‥!」

 

 

雪「美紀ちゃん!?それに背後の音からして‥もしかしてエレベーターにいるの?」

 

 

美紀「はい‥!地上で小春さんが生物兵器がこの地下施設にいることを知って‥!それで伝えようかと‥!」

 

 

雪「‥あいにくだけど‥、すでに会敵しちゃってるのよね‥」

 

 

そう言って視線を向けた先には交信中の雪にかわり射撃している由紀の姿が‥しかしその攻撃も怯むことなくタイラントは迫りくる。

 

 

美紀「‥間に合いませんでしたか‥‥」

 

 

雪「今来てるんでしょ?ついたらすぐに引き返して‥。コイツの相手は埒が‥」

 

 

美紀「いえ‥、今地上でも変な化け物相手に鶴乃ちゃんたちが戦ってるので‥ここで引き返すわけには‥。」

 

 

由紀「上でも‥‥」

 

 

美紀「でも大丈夫です‥!ボーモン君から秘密兵器を貰ってきたので‥!」

 

 

あちこちで化け物が出現していることを聞いて少し暗い雰囲気になっていた由紀。しかしそれを励ますかのように美紀が声をあげる。

 

 

雪「秘密兵器‥?」

 

 

美紀「はい!スパークショットという電極を放って電流を相手に流し込むというスタンガンみたいなやつですかね‥?アンブレラが対生物兵器の一つとして作り出した武器みたいです。これを使えれば相手の動きを止められると思います‥!」

 

 

雪「なるほど‥!それなら‥行けそうね!そのスタンガンと‥美紀ちゃんのバレットを合わせれば倒せるかも‥!んじゃ!早速反撃と行きましょうか!」

 

 

由紀「うん!」

 

 

美紀「わかりました!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「おらぁ!!(ゴギィィン!!バァァァン!)」

 

 

「!!??」バタッ

 

 

ハンターと激しい接近戦を繰り広げていた胡桃、しかし隙を掴んだ胡桃が素早く背後に回り込んで首元にシャベルをひとつき、からのM4で頭部に至近距離の弾丸を喰らわせてようやく倒すことに成功する。

 

 

胡桃「はぁ‥はぁ‥‥」

 

 

しかし胡桃自身も損耗が激しく、シャベルを地面に立ててようやく立てる状態にまで息が上がっていた。

 

 

胡桃「くっそ‥‥はぁ‥はぁ‥あれだけ‥体力には‥自身が‥あると‥思った‥けど‥キツい‥モンが‥あるな‥」ヨロ

 

 

一瞬倒れそうになるもなんとか体制を保って壁によりかかる胡桃。しかしそんな彼女に追い打ちをかけるかのようにもう一体のハンターが姿を表す。

 

 

胡桃「ったく‥勘弁‥してくれ‥」ハァハァ

 

 

ただでさえ満身創痍なのにもう一体が現れたことに参った表情をしつつシャベルを構えて身構える。しかし激しく動く体力はすでに残っていない‥。

 

 

ーどうにかして‥やり過ごさないと‥ワンちゃんかけるか‥?ー

 

 

しかしそんなのをお構いなしのハンター、は襲いかかる体制に構え直後飛び出そうとした‥が‥

 

 

ババババ!!

ドォォォン!!

 

 

背後から銃声が響くとともにハンターの頭部に何十発もの弾丸が放たれ生々しい音が鳴り頭部を失ったハンターはそのまま倒れ込んでしまう。

 

 

理琉「ったく、大丈夫か?胡桃」

 

 

胡桃「ったく‥遅いぜ‥。二人共‥‥危うくこっちがミンチになりかけるところだったよ‥」

 

 

日野「わりぃ(汗)こっちも手間取っててな‥」

 

 

弾丸が飛んできた方向に視線を向けると、あっちのハンターも片付けたのか理琉と日野がやってくる。そして研究室にいた椎子も目的のものを見つけたのか出てくる。

 

 

椎子「かなりの激戦だったようだな‥」

 

 

胡桃「あぁ‥‥お陰でヘトヘトだよ‥。んで‥目的のもんは手に入れられたのか‥?」

 

 

へたり込んでいたため、日野に手を貸してもらいつつ立ち上がり椎子にワクチンのことを聞く。

 

 

椎子「あぁ‥、みんなのお陰でこの通りサンプルは手に入れた‥」

 

 

理琉「コイツがそうなのか‥、とりあえずさっさと戻ろうぜェ。みんなをまたせちゃ悪いし」  

 

 

日野「それもそうだな」 

 

 

こうしてワクチンのサンプルを手に入れた理琉達はエレベーターで待たせている雪達と合流すべくエレベーター乗り場へ戻るのであった。

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

雪「さぁ!化け物!あんたのご所望の獲物はここよ!!」

 

 

89式で射撃しつつタイラントを誘導する雪、ちなみに由紀は美紀と合流するためにエレベーター乗り場へと向かっていたのだ。 

 

 

「ウガァァァ!!!」

 

 

突然怒号を発したと思えばタイラントは右腕を大きく振り上げて、雪目掛けて振り落とす。

 

 

雪「甘い‥!!」 

 

 

しかし何事もなかったかのように雪は左に避けてその振り落としをかわす。そして振り落としによって隙が出来たタイミングで頭目掛けてSFP9ハンドガンでワンマガジン叩き込む。

 

 

「‥!!!」

 

 

いくら倒れないとはいえ、先程から頭に撃ち込まれたことにより流石のタイラントも苛立ちを見せる。しかし雪はそんな状況を逆手に取り逆に意識をこちらに向けさせるように誘導する。 

 

 

美紀「雪さん!!」ブン

 

 

エレベーターホールの近くまできた瞬間美紀の声がした直後、何かを投げる音が聞こえてくる。それと同時にタイラントが再び拳を振るう。

 

 

ガァァァン!!

 

 

しかしそれもなんの苦もなく避けた雪はその反動を利用して美紀がこちらに投げてきたスパークショットをキャッチ、拳を振るったことで動きが止まったタイラントの頭部に照準を合わせる。

 

 

雪「あんたの弱点は一撃の隙が大きいことよ‥!!」

 

 

そう言い放った直後、トリガーを引いて一射目のデンキョクを頭部目掛け放つ。タイラントの頭部に命中した直後物凄い電流が流れ出す。

 

 

「‥‥!!!」

 

 

今まで攻撃が通じなかったタイラントでも電流には勝てなかったのか頭部をビリビリさせつつ動きが止まる。そしてトドメと言わんばかりに二射目も発射、2つの電極から流れ込んでくる電流で完全に動かなくなる。

 

 

バチチィ!

 

 

雪「くっ!不可がかかりすぎたか‥!」

 

 

だがタイラント相手に電極を流し込んだことでスパークショットが完全にイカれてしまう。だが電流は流れており感電しないように持っていた手から離す。

 

 

美紀「避けてください!!」

 

 

美紀の退避合図ともに横にズレる雪、直後バレットで狙いをつけていた美紀がトリガーを引いて発砲、7.62mmの弾丸が空中で螺旋状を描きながら迷いもなくタイラントの頭部へと飛んでいく。速射でも当てられる技術を持つ彼女からすれば止まっている目標に当てるなど造作でもないこと。弾丸は外れることもなくタイラントのこめかみに命中、そのまま貫通する。

 

 

バタァァァン!!

 

 

頭部を撃たれたことで抜け殻のようにタイラントは前のめりで勢いよく倒れて動きが止まる。

 

 

由紀「やった!!」

 

 

それを見て安堵したのか由紀の表情が明るくなり安心した表情になっていた。

 

 

雪「ナイス♪美紀ちゃん!」 

 

 

美紀「えへへ‥♪」

 

 

 

それからタイラントの動作停止を完全に確認してから一同は理琉達と上で戦闘している小春達との合流をするためにエレベーターホールへと戻るのであった。

 

 

 

 

 

しかし‥タイラントは完全に動作を止めていないことなど彼女達は知る由もなかった‥。もう一つの秘密を隠していることも‥‥




なんとか地下組はタイラントやハンターの撃退に成功


そしてワクチンのサンプルも無事に入手して地上で戦闘している小春達と合流を目指すのであった‥。


しかし‥まだ悪夢はおわっていないことを彼女たちはまだ知らない‥。 


そして‥アンブレラの実力はまだまだあると‥


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第四十八話 ワクチン

なんとかタイラント

ハンターを撃退した学園生活部

そしてワクチンを手に入れて一度地上に戻ることに


理琉「なるほどなァ‥‥そっちにも現れたか‥‥」

 

 

雪「えぇ‥びっくりしたわよ‥‥まさかあんかデカブツが出てくるなんて‥‥」

 

 

あれから戻ってきた理琉達と無事合流して、地上に戻るためにエレベーターに乗り込んでいた。     

 

 

由紀「ん〜‥やっぱタイミング良すぎるよね‥‥。なんというか‥私達の動きを監視してたみたいに‥」

 

 

胡桃「あ〜‥アタシも同じこと思ってた‥。だって地下施設に侵入してから突然現れたんだぜ?」

 

 

いつ来るなどわからないはずなのにまるでタイミングがわかりきっているかのようにタイラントやハンターは襲いかかってきた。そのことに疑問を浮かべる由紀や胡桃。いやここにいる全員もおかしいと思っていた。

 

 

日野「まさか‥監視されてたとか‥?」

 

 

理琉「ありえるナァ‥‥これだけタイミングがぴったりだとその可能性があるかもな‥。それにここはアンブレラの施設だ‥。遠隔操作ぐらい容易いもんだろうよォ‥‥」

 

 

椎子「そうなるとアイツらを倒されたことも察知してるだろうな‥‥すぐにとはいかないだろうが‥ここにいずれ来るはずだ‥。」

 

 

美紀「ですね‥とりあえず‥上で戦っている圭達と合流しましょうか‥!」

 

 

何か嫌な予感がしていたがひとまずは上でハンターと戦闘している圭達と合流することにした。

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

鶴乃「はぁ‥はぁ‥」へたり込む

 

 

圭「ようやく‥倒せたね‥‥」ハァ‥ハァ

 

 

小春「もう‥動けない‥」グデェ

 

 

エレベーター前はかなりの激戦だったことを物語っておりあちこちの壁に弾丸が当たった跡、そして窓ガラスも何個か割れて物が多少散乱していた。あれから激しい激闘を繰り広げていたハンターと圭達であったが小春と圭がうまいこと誘導、うまいこと引き付けることに成功したのを確認してから鶴乃が背後から勢いよく襲いかかり扇上の近接武器で頭部を思いっ切り斬りつける。それによりわずかに開いた穴からダブルBerettaをゼロ距離でマガジン全弾打ち込んだことでようやく倒せたのだ。

 

 

鶴乃「これは‥流石の私も‥答えたよ‥‥」ハァ‥ハァ‥

 

 

美紀「無事‥なのかな(汗)」

 

 

戻ってきたのはいいが、そこには倒されたハンターの亡骸とその隣でヘトヘトになっている三人を見て喜んでいいものかと迷いを見せていた。

 

 

圭「あっ‥みんな‥おかえりなさい‥」グデェ

 

 

雪「えっと‥大‥丈夫‥?」

 

 

小春「大丈夫じゃないよ〜‥‥化け物は倒して怪我もないけど〜‥‥体力はもうないぃ‥‥」グデェ

 

 

椎子「おっお疲れだな‥‥っと君たちのお陰でワクチンのサンプルは無事に手に入った‥。とりあえずここで立ち話もなんだ‥今日は休んでくれ‥詳しいことは明日話す。」

 

 

胡桃「賛成〜‥休みたいよ‥‥」

 

 

何名か別の意味でダウンしているのと当たりがもう暗くなっていたため今日はこの辺にして明日に備えて休むことに。

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

春井「ちょ!タイラントとハンターが倒されたって本当!?」

 

 

仮眠室で休んでいた春井だったがオペレーターからの報告を受けて急いで指揮所に飛び込んでくる。

 

 

「はい!間違いないかと‥!!地下は戦闘の影響でカメラが壊れて確認できませんが‥!!地上のハンターが倒されて彼らが戻ってきたことを確認すると‥‥恐らく‥」

 

 

春井「あぁもう!!何がアンブレラの最強生物兵器よ‥!!ちゃっかりやられちゃって!」

 

 

一部警察官や軍人が混じっているとはいえ、あっさりと両生物兵器がやられたことで少しジタバタしてからすぐにウェスカーに繋ぐ。

 

 

春井「ウェスカー!!ハンターとタイラントがやられたわよ!どうなってんの!」

 

 

ウェスカー「‥‥何?」

 

 

いつも冷静なウェスカーがハンターとタイラントがやられたと聞いてわずかに驚きの声を返してくる。それから少し考えていたのか間が空いて再び口が開く。

 

 

ウェスカー「‥わかった。今夜はもう飛行はできないから明日アンブレラの部隊を巡ヶ丘にヘリなどで送り込む。それには君にも来てもらいたい。」

 

 

春井「生物兵器がやられたってことは‥部隊だけじゃ無理ってことね‥。了解、とりあえず支度はしておくわ」

 

 

ウェスカー「頼む‥ここで我々は止まるわけにはいかない‥‥必ず成功されるのだ。」

 

 

春井「えぇ‥‥」

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

?「‥‥‥」

 

 

艦内の個室きて‥そこには黒のスーツを着ている黒髪ショートの女性が二人の会話をこっそり特殊な盗聴器で盗み聞きしていた。

 

 

?「‥案外スパイって職業はいいもんね‥」

 

 

そんなことをボヤいていると会話が終わったのか無線が切れる音がする。それを確認したあとその会話データをある場所に送信する。

 

 

?「頼んだわよ?合衆国のエージェントさん‥♪」

 

 

様々な連絡先がある中でその送信した先の名前には‥レオンと書かれていたのだった。

 

 

 

――――――――――――――

 

 

ボーモン「ピピピ、アンブレラト シレイカントノ ムセンヲ ボウジュ シタヨ」

 

 

理琉「やはり気づかれてたかァ‥‥」

 

 

圭「それで‥なんの会話しているかわかる?」

 

 

仮眠室に戻った直後、ボーモンがアンブレラの無線を傍受したため突然反応。やはりかという表情に理琉がなり、留守番していた太郎丸を撫でていた圭が内容を聞いてくる。

 

 

ボーモン「チョット マッテテネ 」

 

 

それに答えるようにしばらく無言になったボーモンが傍受した無線を画面に表示、音声データを流す。

 

 

ー司令鑑より神奈川前線基地へ、巡ヶ丘支部に乗り込むのは明日の0800。部隊の目的は生物兵器の確認及び潜んでいるであろう生存者の制圧―――――ー

 

 

雪「‥やっぱりバレてたわね‥はぁ‥(ため息)」

 

 

由紀「大変なことになってきたね‥‥」

 

 

美紀「となれば‥明日にもアイツらはここにやってくるってことか‥‥」

 

 

椎子「だろうな‥‥早急にここを離れたほうが良さそうだ‥」

 

 

理琉「ンじゃ明日に備えて今日はもう寝ようゼ。明日は早くなりそうだし‥」

 

 

日野「それもそうだな‥みんな疲れてるだろうし」

 

 

鶴乃「ふぁぁ‥‥‥」

 

 

明日の行動を見越して一同は早めの就寝をすることにしてその日の一夜を明かすのであった‥。

 

 

 

同時刻太平洋沖

 

アメリカ太平洋艦隊 

原子力空母エセックス

通路用甲板にて

 

 

?「あっ、いたいた。レオン!!」

 

 

手すりによりかかり月に照らされた海を眺めていたレオン。そこに書類片手にアンブレラを調査して、以前にはレオンとともにあの悪夢のラクーン事件から脱出したクレア・レッドフィールドが書類片手にやってくる。

 

 

クレア「やっぱりあなたが思っていたとおりよ」

 

 

そう言ってある書類を渡す。レオンが手にとって確認するとそこにはアンブレラのこれからの行動や巡ヶ丘でタイラントやハンターを倒した生存者の報告が乗っていた。

 

 

レオン「やっぱりエイダの言ってた通りか‥‥」

 

 

クレア「でもアイツのこと信用していいの?」

 

 

ふと疑問に思ったことをレオンにぶつけるクレア。彼女の言っていることはわからくもない。いくら情報を送ってくれるとはいえ相手は何重のスパイをやっているエイダ・ウォン、その分反動が帰ってこないか心配していたのだ。

 

 

レオン「大丈夫だ‥アイツはなんだかんだいいながら協力はしてくれる‥。それに今はアンブレラにいないらしいからな」

 

 

クレア「‥それならいいけど‥‥これを入手してどうするの?」

 

 

レオン「アンブレラにトドメを刺すための鍵にする‥。今巡ヶ丘という街ではアンブレラ相手に戦っている生存者達がいる‥。それなのに俺たちがいかないでどうする?彼らは世界を救おうとしている‥なら‥!俺たちは彼らを救う‥そして‥長いアンブレラとの戦いに決着をつける‥!」

 

 

そう言っているレオンの表情はいつになく真剣な眼差しになっていた。今までも何度も決着をつけることができなかったアンブレラに終止符を打つという決意が現れていた。

 

 

クレア「‥レオンならそう言うと思ったわよ‥♪わかった‥。私も手伝うわ」

 

 

レオン「‥感謝するぜ‥。だが俺たちだけじゃ足りない‥‥。クレア‥、明日からは忙しくなるぜ?」

 

 

クレア「あら?それくらいなら容易いわよ。アンブレラの陰謀を暴けるならなんだってするわ」

 

 

こうして‥巡ヶ丘とはまた別にアンブレラとの戦いを決意するものが現れるのであった‥。




ワクチンを手に入れてアンブレラの生物兵器も倒した学園生活部。


しかしそれによりいよいよアンブレラが本格的に動き出してしまう‥。果たして‥彼らの運命は‥


そして別の場所ではレオン、そしてクレアが行動を起こします。


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第四十九話 幕開け

アンブレラの無線を傍受した学園生活部は

巡ヶ丘支部から脱出することにした。


そして翌日‥‥

 

 

由紀「んにゅ‥‥」(目が覚める)

 

 

朝の日差しがカーテンの隙間から差し込んで来たことで目を覚ます由紀。すこしもぞもぞしつつ布団から起き上がる。

 

 

由紀「もう‥朝‥か‥」

 

 

 

 

 

理琉「みんな急いで支度してここを出るぞ‥持っていけるもんは車に積み込んでおけ」

 

 

それから一同はいち早くここを出るために支度を進めここに置いてある食料や弾薬を持ち出せるだけ持ち出し車に積込んでいく。

 

 

胡桃「積み込み終わったぜ」

 

 

日野「んじゃさっさとここを出るか‥‥」

 

 

雪「えぇ‥‥」

 

 

準備を完了したのを確認して忘れ物がないか確認してから3台に別れて車に乗り込んで出発、アンブレラ巡ヶ丘支部を後にする。

 

 

それから数時間後‥

 

 

 

美紀「そういえば‥この次の目的地の宛はあるんですか‥?」

 

 

日野「どうだろうな‥‥とりあえずはアンブレラの奴らにバレないところがあればいいんだが‥‥」

 

 

鶴乃「ここまでになるとは思わなかったからね‥‥」

 

 

とりあえず脱出できたのはいいもののこの先どうするのか学園生活部は頭を抱えていた。ワクチンを手に入れたとしても所詮はサンプル‥完全な完成形ではないため治療薬としてはまだ使えない。それに生物兵器を倒したことでアンブレラからは完全にマークされて全力で潰しにかかる勢いだ‥。つまり何が言いたいのかというと詰みかけているのだ。

 

 

小春「そうなるとあんまり長く放浪できないね‥‥アイツらの追跡もあると大学にも戻りにくいし‥‥」

 

 

圭「んも〜!!どうすればいいのさ‥!!」

   

 

なにかいい案がないか考えていたが全く案が出てこない。出てきたとしても失敗することは確実だということはわかりきっていた。 

 

 

由紀「ん‥?待って!車停めて!」

 

 

そんな中異変を感じ取ったのか由紀が突然声を張り上げて、それにステアリングを握っていた雪・日野・理琉は驚いたが速やかに車を止める。

 

 

バババババババ!!!

 

 

椎子「どうらや‥お出ましのようだな‥‥」

 

 

そう言って窓から上空に睨みを効かせる椎子、その直後に大きなローター音とともにアンブレラのマークをつけた数機のヘリが通過していく。

 

 

美紀「早速お出ましですか‥‥飛んでいく先からすると‥‥」

 

 

雪「えぇ‥確実にさっきまで私達がいた巡ヶ丘支部でしょうね‥‥。昨日の無線を傍受して良かったわね‥」

 

 

昨夜のボーモンが傍受した無線がなければ完全にアンブレラと鉢合わせになり戦闘になっていたのは確か。この先のことを考えると弾を温存できたのはかなりデカい。

 

 

小春「うわ‥‥アパッチとかコブラもいるじゃん‥‥。やっぱり確実にやりに来てる‥」

 

 

理琉「イヤ‥それだけじゃねぇ‥」

 

 

高校での戦闘の際に嫌というほど見た戦闘ヘリ、それがここでも出会ったことに思わず嫌な表情になる小春。しかし理琉がそれを否定してそのヘリの後続を確認する。

後続からやってきたのは輸送ヘリ、しかしその下にフックで吊り下げているのは明らかに装甲戦闘車。しかも1両ではなく何台も‥‥

 

 

雪「‥‥‥これ‥私達たどり着けるのかな‥‥」

 

 

鶴乃「‥‥‥」

 

 

通過していく輸送ヘリを眺めつつ雪の表情が曇りポツリとそんなことを口に出す。そんな彼女にどう返したらいいのか一同はわからずにいた。‥いや‥答える余裕もないであろう‥。

 

 

由紀「大丈夫‥なんとか‥なるよ‥きっと‥」

 

 

理琉「由紀ィ‥‥」

 

 

しかし由紀はそんか葛藤を引き離すように首を振ってなんとか我を保つ。理琉は由紀の頭のを撫でることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

それからしばらくしてヘリの列が通り過ぎていたのを確認してから再び3台は走り出していく。

 

 

日野「ひとまずここで休憩するか‥‥」

 

 

美紀「そうですね‥‥」

 

 

圭「疲れたぁ‥‥ヘリのせいでなかなか休めなかったですからね‥」

 

 

長距離ドライブで疲れたことと、宛がない移動が長引くことは流石に不味いということで一度整理することを目的で目に止まったコンビニの駐車場に車を止める。

 

 

理琉「ったく‥‥気が抜けないっていうのはなかなかキツイな‥‥」

 

 

由紀「うん‥‥」

 

 

胡桃「大学に来るまでの道のりよりキツイぜ‥‥」

 

 

終わりの見えない逃避行のためか一同の疲労困憊の具合が表情で見て取れる。しかしとりあえずは落ち着けそうなため警戒しつつすこしリラックスする。

 

 

日野「ひとまずこの中探索すっか‥食料はまだストックあるけど‥この先のことを考えると絶対足りないよな‥」

 

 

雪「えぇ‥そうね‥‥。それじゃ私と日野、鶴乃ちゃんで中見てくるから外お願いできるかしら?」

 

 

胡桃「おう!任せときな♪」   

 

 

小春「何かあればすぐに呼ぶね」

 

 

鶴乃「ほいほい〜♪んじゃ!いってきます!」

 

 

外の見張りは理琉達に任せて日野以下三人はコンビニ内の探索を行うために銃を持って建物内に入って行くのであった。

 

 

 

 

キャンピングカー車内にて 

 

 

椎子「‥‥」

 

 

その頃椎子は一人車内のテーブルにパソコンをおいて作業をしていた。その隣にはケースに入ったワクチンのサンプルの姿が‥

 

 

ボーモン「土着菌 巡ヶ丘 コレガ アンブレラノ ツカンデイタ ジョウホウ ダヨ」

 

 

椎子「巡ヶ丘‥土着菌‥‥やはりどこで聞いたことが‥‥」

 

 

どうやらボーモンの言っていることがほかのメンバーよりも引っかかっているようで持ち帰ったアンブレラのデータを隅から隅まで調べていた。

 

 

椎子「1968年の男土市で起きた突然の人口半減‥これもランダルが最初に起こしたパンデミックという報告がまさかアンブレラにあるとはな‥しかし‥なぜ‥このパンデミックは感染が広がらなかったのか?」

 

 

1968年、巡ヶ丘市のぜんしんである男土市で発生した正体不明の人口半減事件‥。この書類にはこの事件はランダルコーポレーションで起きたウィルス漏洩事故が原因と書かれていた。しかしなぜか感染は市外に広がることがなく市内も壊滅的な被害は免れたのか‥それはアンブレラやランダルコーポレーションでさえもわからずにいたのだ。

 

 

椎子「だが‥このワクチンができれば治療も可能‥。だがアンブレラはあと少しのところで躓いたってことか‥‥。」

 

 

本来ならアンブレラはワクチンは開発していなかったのだが過去に起きたラクーン事件や各研究所で起きたウィルス漏洩事故を受けてその対処方法として開発していたのだ。しかしいくらアンブレラでもワクチンを作ったことがなかったため研究が頓挫、さらにそこに追い打ちをかけるように今回騒動を受けて研究が完全にストップしていた。

 

 

椎子「‥まさか‥な」

 

 

ポツリとそんなことをいいながらワクチンのデータととある情報を解析するのであった。 

 

 

コンビニ内にて‥‥

 

 

日野「この声‥いるな?」

 

 

雪「えぇ‥いるわね‥これ」

 

 

鶴乃「はい‥」

 

 

店内に入ろうとした直後中から聞こえてくる複数のうめき声を確認した直後、三人は素早く銃を構える。

 

 

鶴乃「見たところ‥6体ほどですかね‥?」

 

 

日野「俺は奥の二体をやるから‥雪は真ん中‥鶴乃は手前をお願いできるか?」

 

 

雪「オッケー‥!」

 

 

手分けして倒すために事前に話し合って三人は一旦分かれてゾンビを倒すことに。

 

 

鶴乃sidebar

 

 

日野さんや雪さんと分かれた私は、手前を彷徨いていたゾンビ?っていうのかな?そんな奴らにゆっくりと近づくいていく。ただBerettaの弾はアンブレラの生物兵器との戦闘でかなり消費してしまった‥、一応巡ヶ丘支部でかなり補充できたけどこの先のことを考えたらあんまり使いたくない。

 

 

鶴乃「なら‥!とりゃぁ!」ブン!!

 

 

一旦拳銃をしまって腰から扇を2つ取り出す。それからコイツらが気づいていないうちに素早く隠密に接近、背後から勢いよく首元を切りつける。

 

 

「ぁ"ぁ"ぁ"!!!」

 

 

急所を攻撃されたことでかなり大きなうめき声を上げてたあと、不気味なダンスを踊りつつその場に倒れ込んでしまう。それでちゃんとトドメを刺したか確認する。

 

 

鶴乃「大丈夫そう‥」

 

 

バババババババ!!

ドサッ!!

 

 

ほかの二人も制圧し終わったのだろう、背後から銃声とゾンビが倒れる音が聞こえてくる。とりあえず一旦合流するために日野さん達のところに戻ることに。

 

 

 

 

 

日野「おっ‥ここ意外と食料残ってるじゃないか」

 

 

商品棚を見つつ笑みを浮かべる日野、彼の視線の先には何個かおいてあるインスタント系などかかなり残っていた。

 

 

日野「まあ何個か減ってるから一応他に生存者は来てたみたいだが‥多すぎて持って切れなかったってとこか‥」   

 

 

とりあえずキャンピングカーから持ってきた空のダンボールにインスタント系の食べ物を詰め込んでいく。

 

 

雪「こっちにも長期保存の効くお菓子あるよ〜」

 

 

お菓子コーナーの方を探索していた雪の方も残ってたのか声が聞こえてくる。そして飲料水の方の探索をしていた鶴乃の方も‥

 

 

鶴乃「こっちの飲み物けっこう残ってたよ〜」 

 

 

バックヤードから声が聞こえるとともに台車に飲料水の箱を載せた鶴乃が出てくる。

 

 

日野「どうやら、ここは当たりみたいだな‥探索したがいがあったぜ‥‥」

 

 

雪「そうねぇ‥この先こうゆうことは確実に減っていくでしょうし‥‥回収できるだけしておくほうがいいでしょう」

 

 

鶴乃「みんな喜ぶよきっと〜これだけあれば♪」

 

 

日野「それじゃそろそろ戻るかね〜。みんな待ってるだろうし」

 

 

食料や飲料水の入った箱を台車に乗せて一同の元へ戻るのであった。

 

 

 

―――――――――――――

 

 

日野「ただいま〜」

 

 

理琉「おッお帰りだぜェどうやら目当てのモンは見つけた見てェだな?」

 

 

雪「まあね〜。何体かいたけど特に障害にならなかったわ〜」

 

 

由紀「これならしばらくは大丈夫そうだね♪」

 

 

美紀「久しぶりにいい報告が聞けました‥(汗)最近暗めのことしかなかったので‥」

 

 

圭「あ〜‥(汗)」

 

 

そんなこんな話ながら車に食料や飲料水などを運び込んで台車は邪魔にならない隅っこに片付ける。それが終わると一同は車に乗り込んで3台は再び出発する。

 

 

理琉「っととそういやァ日野達に今後について話してなかっなァ?」

 

 

するとふと思い出したのか理琉が突然声をあげる。それを聞いて日野達も思いだす。

 

 

日野「そういやぁそうだったな‥?んで決まったのか?」

 

 

理琉「仮見てェなもんだがな。ひとまずは身を隠せる場所に最適な地下駐車場がある巡ヶ丘地下駐車場に向かうことにした。」

 

 

美紀「地下駐車場なら比較的目立ちませんし‥‥あそこなら落ち着いて話し合えると思います。」

 

 

雪「まっ現実的に考えるならそうよねぇ‥‥」

 

 

小春「だよねぇ‥‥相手は軍隊のようなもんだし‥いや正確には軍隊だけど‥‥」

 

 

攻撃ヘリや装甲車を持っているとなれば地上の施設では危険にさらされる可能性がぐんと高くなる。そのため比較的目立たないような地下施設に退避する必要があったのだ。

 

 

胡桃「とりあえずは当面それが目標だろうな‥変に大学戻ってめぐねえ達を巻き込むわけにはいかないし‥」 

 

 

圭「‥うん」

 

 

そうして3台は青空満天の下荒廃した巡ヶ丘市内を警戒しつつ走っていた。その車内では外の様子を見るものや銃のチェックをするものや本を読んだり喉が乾いてお茶を飲んだりとそれぞれ自由に過ごしていた。

 

 

理琉「ン‥?」

 

 

小春に運転を変わってもらいウィンチェスターやデザートイーグルの整備をしていた理琉だったがなにか気づいたのか顔をあげる。

 

 

由紀「どうしたの?マー君」

 

 

理琉の異変に気づいたのか読んでいた本をテーブルに置いて由紀が彼の元へやってくる。

 

 

理琉「イヤ‥‥‥ローター音が聞こえたような気がしてなァ‥」

 

 

小春「え?ローター音?」

 

 

彼の言葉に首を傾げつつチラッと上空を確認する小春、しかし見ている範囲ではヘリなどは確認できない。

 

 

小春「どこにもいないよ?」

 

 

理琉「そうかァ‥‥?」

 

 

由紀「あっもしかして遠くを飛んでるヘリの音が聞こえたとか?」

 

 

小春「そうじゃない?というかきっと理琉疲れてるのよきっと、最近休めてないみたいだし。このタイミングで休んだら?」

 

 

理琉「マァ‥そうかもなァ‥‥ンじゃそうさせてもら‥‥小春!!左に避けろォ!!」 

 

 

小春「え!?」

 

 

突然大きな声を理琉が出したことで驚きの表情を浮かべる小春。しかし腕は反射的に動いてハンドルを左に切る。

 

 

ドゴォォォォォォン!!!

 

 

キャンピングカーが左へ避けた直後、先程までいた場所にどこからか飛んできた対戦車ミサイルが着弾、激しい土煙をあげる。

 

 

由紀「キャァァァ!!!」

 

 

ミサイルが着弾した衝撃でキャンピングカーが激しく揺れた衝撃で思わず悲鳴をあげる由紀。

 

 

胡桃「なっ‥!?」

 

 

鶴乃「‥!?」

 

 

突然キャンピングカーが進路を変更したと思えば頭上からいきなり現れたミサイルが地面に着弾、激しい土煙が上がったことに驚きを隠せない胡桃や鶴乃。それは雪も同じだったが反射的にハンドルを右に切ってなんとかギリギリで避けることに成功する。

 

 

日野「なんだなんだ!?何が起こって‥」

 

 

美紀「ふたりとも!!あれを!」

 

 

圭「あれって‥!?」

 

 

突然後ろで爆発が起こり何があったのか状況が飲み込めない日野と圭、しかし美紀は上空を指さしたことでそれは判明する。

 

 

日野「‥くそったれ!」

 

 

思わず大声を吐き捨てつつアクセルを更に踏み込む日野。日野が向けた視線の先にはキャンピングカーの影から姿を表した機体下に備えた30ミリチェーンガン・そして左右の翼下に吊り下げた対戦車ミサイルのヘルファイアが特徴的なアパッチ戦闘ヘリ。側面には嫌というほど目に入るアンブレラのマーク。

 

 

圭「‥こんな早く見つかるなんて‥!!」

 

 

小春「こっこれどうすんのよ!!?」

 

 

雪「とりあえず逃げるわよ!!こっちには対抗手段が‥‥いや!ある!」

 

 

ミサイルを外したことで次は30ミリチェーンガンで射撃をしてくるアパッチの攻撃をなんとか左右にステアリングを切って回避していた雪があることを思い出す。

 

 

雪「日野!!確かあんたの車に地対空ミサイルのスティンガー積んであったわよね!」

 

 

日野「‥!!そうか!美紀!確か後部座席の開いてる方にスティンガー積んであったはずだ!!」

 

 

美紀「!これか!」

 

 

圭「はい!!」

 

 

日野に言われて後部座席に視線を向けるとそこにはスティンガーが立てかけられているのが確認できる。後部座席にいた圭からスティンガーを受け取ったあと助手席の窓を開ける。

 

 

美紀「‥でも相手は軍隊並の実力を持ってる‥となれば‥この攻撃も避けられるかも‥なら!」

 

 

しかしスティンガーの弾は装填されている一発のみ、それを外せば反撃の手段がなくなる。それならと思ったのか美紀はおいてあった無線を取り、

 

 

美紀「理琉さん!!少し手伝ってほしいことが‥!」 

 

 

繋げた相手は理琉、彼に経緯を説明すると彼も笑みを浮べて頷く。

 

 

理琉「なるほどなァ‥!もちろんだゼ!やってやろうじゃねぇか!」

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

「こちらアパッチ02!目標確認!!現在追跡中!」

 

 

「了解!相手の銃の射程に入らないようにしながら確実に始末しなさい!!」

 

 

同時刻、3台を発見したアパッチは速やかに本部に報告。春井の指示を受けながら射撃を続ける、そして隙を見ては対戦車ミサイルを打ち込んで確実にやろうとする。

 

 

「へっ!ちょこまかと避けても無駄だぜ!地上車両がヘリから逃げるなど不可能に近い!たとえ地下道に立て籠もっても部隊を送り込めばいい‥!それに‥」

 

 

そう言って視線を向けた先の画面に表示されているGPS反応が‥‥

 

 

「アイツらもバカだよな‥!支部のケースには社外への持ち出しを阻止するためにGPSがついてるんだよ、つまりコソコソしててもバレるってことさ!」

 

 

副操縦士も笑みを浮かべつつ全力で逃げている3台に視線を向ける。今のところは避けれているがこんな状況が続くとは思えない、いずれかはトドメをさせるとパイロットの二人は思っていた。

 

 

「っと!早速キャンピングカーの動きに隙が出てきたぜ!」

 

 

「それなら!最初の獲物はキャンピングカーだな!あのデカブツはいい目標だぜ!」

 

 

操縦盤のタッチパネルを弄り、画面に写ったキャンピングカーへと狙いを定める副操縦士。ロックオンが完全に完了すると発射ボタンを押そうとする‥。

 

 

ガギィィィん!!!

 

 

「なに!?」

 

 

ロックオン画面に写っているキャンピングカーから閃光が発したと思えばヘリになにか当たる音が響くと同時に非常アラームが鳴り響く。

 

 

「どうした!?何があった!!」

 

 

「くそ!ヘリの動きがコントロールできねぇ!?コイツは後部ロータやられやがった!」

 

 

操縦士が必死に操縦桿を握っているがヘリはゆうことを聞かずに動きがおかしくなりコントロールを失う。 

 

 

 

 

 

理琉「へッ!!ザマァ見やがれってんだ!こっちに対抗手段がないと思ってたか!」

 

 

閃光した場所にはキャンピングカーの天井についている屋根窓から天井に登りデザートイーグルでアパッチの後部ロータを破壊することに成功した理琉の姿が

 

 

理琉「美紀ィ!!今だ!!」

 

 

美紀「わかってます!」

 

 

ヘリがコントロールを失ったことを確認し、3台は車を止める。そのうちの17クラウンの助手席窓からスティンガーの照準器で狙いを定める美紀の姿が

 

 

美紀「‥発射!!」カチ

 

 

そう叫んでトリガーを引く、それと同時にスティンガーにこめられていた地対空ミサイルが轟音とともに射出対戦ヘリに向けて勢いよく飛んでいく。

 

 

「ミサイルが‥!!ミサイルがこっちに!」

 

 

「だめだ!コントロールを失った以上避けることができません!!」

 

 

「もはや‥ここまでか‥!」

 

 

最後にパイロットがそう言い放った直後、美紀が放った地対空ミサイルが着弾、対戦ヘリは激しい爆風に包まれ周囲にはヘリの部品が燃えながら散乱。残骸が建物に墜落していくのであった‥。

 

 

 

日野「ふぅ‥‥」

 

 

あれからなんとか逃げ切ることに成功した一同は今夜を凌ぐために比較的状態のいい公民館で休むことに。

 

 

理琉「とりあえずはァここで休むかァ‥‥」

 

 

雪「なんか今日はやけに疲れたわ‥‥」

 

 

小春「同意ぃ‥‥」

 

 

やはり戦闘となれば疲労のたまり具合は尋常では無い。それぞれの表情には疲れの表情がちらほらと見えているし終わりの見えない戦いの最中というのもあるだろう。

 

 

圭「んじゃ入口しっかり施錠して寝ましょうか‥‥」

 

 

由紀「おやすみ〜‥‥」   

 

 

とりあえず明日に備えて寝ることにした一同、毛布を引いて横になるとあっという間に深い眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

一人を除いては‥‥

 

 

椎子「‥‥」

 

 

公民館のとある部屋で一人ワクチンが入っていたケースを眺めている椎子。その中に赤く点滅する信号の姿が‥‥

 

 

椎子「道理で動きがいいと思った‥‥」

 

 

そうボヤキつつ視線を横に向けるとそこにはスヤスヤと寝ている一同の姿が‥‥    

 

 

椎子「‥このGPSがあるのはまずいな‥‥。かと言って‥壊せばバレてしまう‥‥。それなら‥‥」

 

 

ふとそんなことをいいながらメモ用紙を取り出してなにやら書き留めている。そしてボーモンを起動してあるデータを吹き込ませ、それが終わるとワクチンを別のケースに入れて保管。GPSかついているケースを持って外に向かう。

 

 

椎子「‥‥いずれ‥こうするしか方法がないときは覚悟していた‥‥。(チラッ)この子たちは‥人類の希望だ‥守らなければ‥‥」

 

 

そう言って公民館を出ようとしたが‥が‥

 

 

由紀「椎子‥さん?」

 

 

背後から声をかけられて慌てて視線を向けた先には玄関に佇む由紀の姿が‥‥

 

 

椎子「‥君は確か‥‥」

 

 

由紀「まさか‥一人でかけ抜け‥?」

 

 

椎子「いや‥そうじゃないが‥‥」

 

 

由紀「‥じゃあどこに行く気だったの‥?」

 

 

椎子「‥‥」

 

 

なんとかいい言い訳がないか探していた椎子だったが結局いい案が浮かばず観念してそのことを話す。

 

 

椎子「‥‥ということだ‥」

 

 

由紀「‥‥でも‥一人で抜けがけはめっ‥!だよ?」

 

 

意外と話せばわかってくれるかと思っていたがしかし由紀はそこをどこうとしなかった。

 

 

椎子「‥君もわかっているだろう‥‥。このままでは誰かが犠牲になりかねない‥‥だったら‥」

 

 

由紀「だからって自分だけが犠牲になろうなんて思っちゃダメだからね?」

 

 

椎子「‥‥しかし‥‥」

 

 

由紀「しかしもこけしもないよ‥!学園生活部はみんなが揃ってこそ学園生活部なんだよ‥!だから一人でも抜けちゃ駄目だし何かあったらすぐに相談だよ?」

 

 

椎子「‥‥本当君は強いな‥‥」

 

 

一瞬ゴリ押しで行こうかと思ったが由紀の説得に折れて諦めることに。

 

 

由紀「んじゃ♪みんなを起こして伝えないと‥!」

 

 

そう言って由紀はくるっと回ってみんなのいる寝室へと向かおうとする。それに続いて椎子も進もうとした‥が‥‥

 

 

椎子「っ!!危ない!!」ガバッ

 

 

背後から突如として殺気を感じた椎子がかばうように由紀に覆いかぶさる‥。その直後‥‥ 

 

 

ダダダダダ!!!

 

 

突然外から銃声が聞こえたと思ったすぐあと、何発のも弾丸が二人に襲いかかる。

 

 

由紀「椎子さん!ねぇ!なにやってるの!?」

 

 

守られながら必死で声をかける由紀。しかし椎子は耐えるので精一杯で一言も答えない、しばらく撃たれ続けたが銃声が止まる。

 

 

由紀「椎子さん‥!!」

 

 

攻撃が止んだことを確認してから再び呼びかける由紀、しかし椎子はなにも答えることがなくその場に倒れ込む。

 

 

由紀「え‥‥」

 

 

しかも倒れた椎子の周囲の床には血の海が広がっているのを見て由紀の表情がこわばる。

 

 

春井「あら?一人生き残っていたのね?」

 

 

突然声が聞こえてきて恐る恐る視線を向ける由紀、彼女の目に映ったのは複数の特殊部隊‥そして春井やレバン、ウェスカーの姿があったのだ。




アンブレラの戦闘ヘリの攻撃を受けがらもなんとか撃退

しかし‥GPSによって居場所を突き止めたアンブレラの奇襲によって椎子が負傷してしまう‥。

果たして‥彼女達の運命は‥!?


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第五十話 絶望・希望

(今回はかなり長めになります)

春井達の奇襲により椎子が負傷してしまう‥‥
果たして‥どうなるのか‥


由紀「え‥‥」

 

 

しかも倒れた椎子の周囲の床には血の海が広がっているのを見て由紀の表情がこわばる。

 

 

 

 

 

 

春井「あら?一人生き残っていたのね?」

 

 

 

 

 

 

 

突然声が聞こえてきて恐る恐る視線を向ける由紀、彼女の目に映ったのは複数の特殊部隊‥そして春井やレバン、ウェスカーの姿が‥

 

 

 

レバン「やれやれ‥お前らはアホだよなぁ‥‥発信機さえにも気づかないとはな」

 

 

春井「それよりあんた、隊長のハンクはどうしたの?」

 

 

レバン「あぁ、死神さん?なんか用事があるって欧州に向かったぜ」

 

 

ウェスカー「まあいい、とりあえずはコイツらを制圧するぞ‥今までかなり邪魔されてきたからな‥私はすでにお怒りモードだよ」

 

 

そう言って彼の愛銃であるBeretta92F(サムライエッジ)の銃口を由紀に向ける。春井やレバンも同じようにグロッグ18やMP5で狙いをつける。

 

 

由紀「‥‥」

 

 

このタイミングで逃げ出そうとしていた彼女だが足が震えて思うように動けない。それを知ってか知らずか一同はゆっくりとトリガーに指をかける。

 

 

ウェスカー「安心しろ‥お前の仲間もすぐに逝かせてやる‥‥」

 

 

ウェスカーがそう言い放ち、トリガーを引こうとしたその直後‥‥

 

 

バババババババ!!!

 

 

突然入口隣の窓から閃光が走ったと思えば何十発の弾丸がウェスカー目掛けて飛んでくる。

 

 

ウェスカー「しま‥(ドドドドド」

 

 

ウェスカーも気付いて慌てて退避しようとしたが一番射撃位置に近いところにいたためモロに喰らいその場に倒れ込んでしまう。

 

 

レバン「ウェスカ‥」ダダダダダ

 

 

レバンが気付いて駆け寄ろうとしたが彼もまた射撃の餌食になり何十発の弾を喰らってその場に銃を暴発させながら倒れる。もちろんほかの隊員も銃撃を喰らい次々とやられていく。

 

 

春井「あぁもう!」

 

 

次々やられていく仲間を見て流石に不味いと思ったのか弾丸の嵐の中慌てて春井は離脱していく。

 

 

由紀「ふぇ‥?」   

 

 

一体何が起こったのか理解できていなかった由紀だが銃声が響いた方向に視線を向けるとそこには先程射撃した方向に銃口を向けたM60汎用機関銃が自動射撃できるように仕掛けをされた状態で置かれていた。

 

 

胡桃「由紀!!大丈夫か!!」

 

 

すると背後から声がしたためそちらに視線を向けると銃声で起きていたのか胡桃達が急いで駆け寄ってくる。

 

 

由紀「私は大丈夫だけど‥!!椎子さんが‥!!」

 

 

そう言われて視線を移すと、由紀の膝元に血を流して倒れている椎子の姿が‥‥

 

 

理琉「クソったれ!!アイツらどこまでオレらを‥!!小春!!すぐに手当てだァ!!」

 

 

小春「わかった!!」

 

 

理琉の指示に頷いて小春が巡ヶ丘に来る際に持ってきていた緊急医療キットを持って椎子の元へ駆け寄り治療を開始する。

 

 

小春「‥待ってて!すぐに助けるから‥!!」

 

 

胡桃「アタシも手伝うぜ!」

 

 

圭「私も!!」

 

 

雪「日野!鶴乃ちゃん!美紀ちゃん!私達は奴らがいないか周辺警戒するわよ!!」

 

 

日野「了解!!」

 

 

鶴乃「うん‥!!」

 

 

美紀「わかりました‥!」

 

 

椎子をなんとか救おうとするため各自行動を起こし、動き始める。

 

 

椎子「‥‥ぐ‥は‥‥」

 

 

小春「あんまり喋らないように‥‥傷口が広くなるので‥‥」

 

 

椎子「由‥‥紀‥‥く‥ん‥‥」

 

 

由紀「ふぇ‥?」

 

 

痛む傷で顔をしかめつつ、由紀に手をのばす椎子。それに気づいた彼女は手を取る。

 

 

由紀「‥大丈夫‥‥絶対‥‥助けるから‥‥」

 

 

椎子「い‥‥や‥‥それ‥よ‥り‥‥こ‥れ‥を‥」

 

 

そう言って由紀の手に渡したのは自身のスマホ、何故スマホを渡されたのか疑問に思う彼女に最後の力を振り絞りあることを伝える。

 

 

椎子「そ‥の‥‥スマ‥‥ホ‥‥に‥‥い‥きの‥‥こ‥‥る‥‥す‥べ‥‥が‥‥巡‥‥ヶ‥‥丘‥‥災‥‥害‥貯‥水‥‥‥‥」

 

 

由紀「椎子さん‥‥?椎子さん!!!」

 

 

必死に呼びかけているがどんどん意識が遠のいていく。小春達の賢明な治療も虚しく由紀の目に写ったのは‥‥目を閉じて微動たりとも動かなくなった椎子の姿であった‥‥。

 

 

由紀「う‥そ‥‥」

 

 

あまりにも衝撃的なことのため由紀の表情が止まり頬から涙が溢れる。

 

 

胡桃「‥‥おいおい‥‥嘘だろ‥‥」

 

 

圭「小春さん!!椎子さんは‥!?」

 

 

小春「‥‥(首を振る)」

 

 

圭の必死な思いの質問に一瞬まよったが腕に手を当てて首を横に振る。

 

 

小春「‥‥午後8時05分‥‥‥ご愁傷‥‥さまです

‥‥‥」

 

 

由紀「‥‥‥嘘‥‥いやぁ‥‥ぁぁ‥‥」

 

 

小春の言葉を聞いた途端、由紀の目から涙が溢れるほどたくさん出てくる。それを抑えようとしても全く抑えられない。

 

 

理琉「‥‥クソッタレが!!」バァン!!

 

 

市民を守れなかった悔しさか‥理琉はその怒りを思いっ切り壁に殴りつけてぶつける。 

 

 

理琉「何が‥‥何が特殊作戦群隊長だァ‥!!市民一人も守れねぇのに‥‥!!」

 

 

小春「‥‥理琉‥‥」    

 

 

鶴乃「嘘‥だよね‥嫌だよ‥‥こんなの‥‥って‥」

 

 

雪「‥‥発信機があることに‥‥気づいていれば‥‥あるいは‥‥」

 

 

日野「‥‥現実‥‥ってのは‥残酷‥‥だな‥‥」

 

 

胡桃「‥‥‥なんで‥‥なんで‥ぅぅ‥‥」

 

 

圭「そん‥な‥‥嫌だ‥‥こんなの‥‥いやぁ‥‥‥椎子さん‥‥が‥‥いなく‥なったら‥‥私達‥‥」

 

 

美紀「圭‥‥‥」

 

 

太郎丸「わふぅ‥‥」

 

 

他のメンバーも状況が飲み込めずにいるようだ。まあ無理もない。突然訪れた仲間の死に誰も理解できるわけがないし、受け入れることも不可能。

 

 

小春「とりあえず‥‥どうする‥‥?」

 

 

理琉「火葬するしかない‥よなァ‥‥」

 

 

胡桃「そう‥‥だな‥‥」

 

 

遺体を放置する手もあるがそれだと彼ら化する可用性があるため近くにあった薪を集めて椎子の遺体周辺においてガソリンを薪にかけたあと火をつける。

 

 

由紀「‥‥ありがとう‥守ってくれて‥‥そして‥‥おやすみなさい‥‥」

 

 

燃えている椎子の遺体を見つつしゃがんで手を合わせる由紀、他の学園生活部のメンバーもそれぞれ手を合わせて合掌する。

 

 

日野「それじゃ‥そろそろいこう‥アイツの声が複数してる‥‥」

 

 

雪「了解‥‥」

 

 

合掌を終えたタイミングで彼らの声が少し離れたところからしてくる。どうやら先程の戦闘で釣られてきたようだ。そのため囲まれる前に一同は素早く支度をして車に乗り込んでその場をあとにするのであった。

 

 

 

残されたのは‥未だに燃え続ける椎子の遺体と音につられてやってきた彼らの集団であったのだ。もちろん、ゾンビは倒されたアンブレラの兵士達の遺体を見つけるや否や取り囲んで無造作に貪る。‥だが‥その中にウェスカーの遺体だけはなぜかなかった‥‥

 

 

 

 

 

春井「あんだけ撃たれてよく生き返れたわね‥‥」

 

 

あのあと確かに撃たれて死んだウェスカーだがウィルスの影響で蘇生し理琉達が立ち去ったのを確認してからその場をあとに、公民館から離れてたところに止めてあるハンヴィーの元へ戻るとそこには春井の姿が‥‥

  

 

ウェスカー「そうゆう君も‥‥わかっていたんじゃないのか?帰らずにここで待っててくれたということは‥」

 

 

春井「そりゃ‥あんたは簡単には死なないことは理解してたからね‥」

 

 

それから一言二言話してから二人は本題の話に入る。

 

 

春井「にしても‥‥まさかあんなやられ方をされるとはねぇ‥‥。レバンを含めた四人のアンブレラ隊員は死亡、今頃ゾンビ共の餌になってるでしょうね‥」

 

 

ウェスカー「それに対してこちらは一人やっただけか‥‥惨敗までとはいかないが‥‥さすがに見過ごせないな‥‥。お前にGPSのこともバレた」

 

 

春井「んで‥これからどうするのさ‥?」

 

 

春井の質問に対して腕を組んで少し考えていたウェスカーだがすぐに指示を出す。

 

 

ウェスカー「内容に変更はなしだ、今度こそ彼らの息の根を完全に止める‥‥。部隊を総動員して捜索させろ。そして完封までに叩き込め」

 

 

春井「了解〜‥」

 

 

ウェスカーの指示を受けて無線機を取り出し、本部との交信を行う春井。そんな彼女を見つつ夜空へとウェスカーは視線を向ける。

 

 

ーさぁ‥‥今度こそ終わりにしようではないか‥‥そして‥私が世界の神になるのだ‥ー

 

 

 

 

―――――――――――――――――

翌日

 

 

 

由紀「ん‥‥」

 

 

キャンピングカーの窓からカーテンの隙間差し込む光で目を覚ます由紀、むくりと起き上がるり周囲を見るとまだ他のメンバーは寝ているようだった。しかし‥いつも椎子が寝ていたスペースは開いた状態で机の上にはよく彼女が使っていたノートパソコンや書類、ペンなどが綺麗に置かれており、どこか心の穴がぽっかり開いたような感じに包まれていた。

 

 

由紀「椎子さん‥‥」

  

 

ポツリとそんなことを口にしつつ、ポケットから取り出したのは椎子から預かったスマートフォン。それを大事そうに撫でてから再びポケットにしまい込む。

 

 

由紀「‥‥私達‥どうなっちゃうんだろ‥‥」 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

日差しが照る中、3台は荒廃した市内をゆっくりと走行していた。しかし明るい外とは裏腹に車内は暗い雰囲気に包まれていたのだ‥。

 

 

胡桃「‥‥はぁ‥‥」

 

 

外の景色を見ながら思わずため息をついてしまう胡桃、それが気になったのか鶴乃が後部座席から声をかける。

 

 

鶴乃「胡桃ちゃん‥大丈夫?」

 

 

胡桃「‥‥大丈夫‥なのかな‥‥なんて現せばいいのか‥‥」

 

 

雪「私も似たような感じだわ‥‥」

 

 

胡桃の意見に賛同するかのように雪も会話に加わってくる。それもそうだろう‥、初めて仲間を失ったのだから‥。自分達でもどんな風なのかわからず仕舞いでいた。

 

 

 

 

小春「‥‥衛生兵なのに‥‥助けられないなんて‥‥」

 

 

理琉「‥あンまし自分を責めるな‥‥小春はァよくやってくれたさ‥‥」

 

 

小春「‥‥」

 

 

衛生兵でありながら救えなかったことを引きずっているのかポツリとそんなことを口に出す小春。それを理琉がフォローする。

 

 

小春「‥‥でも‥‥一番辛いのは由紀ちゃんだよね‥‥」

 

 

理琉「だろうなァ‥‥目の前で仲間を失ったんだから‥なァ‥‥」 

 

 

そう言って理琉がバックミラーに視線を移すとベットに寝そべってボヘーッとしている由紀の姿が‥

 

 

小春「しばらくそっとしておこう‥」

 

 

理琉「もちろんだ‥‥」

 

 

 

 

由紀「‥‥」ポチポチ

 

 

そんなボヘーとしているように見えてた由紀は、なにやら椎子から預かったスマホを真剣につついていた。

 

 

 

ーそ‥の‥‥スマ‥‥ホ‥‥に‥‥い‥きの‥‥こ‥‥る‥‥す‥べ‥‥が‥‥巡‥‥ヶ‥‥丘‥‥災‥‥害‥貯‥水‥‥‥‥ー

 

 

 

由紀「これにヒントがあるって言ってたけど‥‥巡ヶ丘‥災害用貯水‥?これがワクチンと一体なんの関係が‥」

 

 

椎子の言っていたことが引っかかっていたのか由紀はいつもにないような真剣な表情でスマホやこっそりパソコンを取って調べていた。

 

 

 

 

日野「‥‥と‥どうやらアソコが目的地のようだな‥」

 

 

あれから数時間ほど走っていると目的地である地下駐車場が日野の視界に入ってくる。  

 

 

美紀「‥‥でも‥入れそうにありませんね‥‥この感じ」

 

 

しかし美紀は地下駐車場の入口の状況を見て眉を細める。入口には大量の放置車両や事故車両がバリケードのように塞がっており、そこ奥にはちらほらだがかなりの数のゾンビが彷徨いていた。

 

 

圭「これじゃ入れそうにないね‥‥」

 

 

美紀「‥あっでも‥‥あっちなら‥」

 

 

そう言って美紀が指さした先には巡ヶ丘ホテルが佇んでいたのだった。

 

 

日野「おっナイスだぜなかなか状態も良さそうだし車を隠せる屋根付き駐車場もある。ここなら良さそうだ」

 

 

そういって日野は各車に巡ヶ丘ホテルに変更することを無線で伝える。3台はゆっくりと動き出して地下駐車場を後に、それからホテルの敷地内へ入る。

 

 

雪「へぇ〜、ここまで状態いい建物あるもんなんだね」

 

 

外観が少し汚れていることや一階の窓ガラスにヒビが入っている以外はかなり状態がいいことに見上げつつ雪が驚きの声をあげる。

 

 

胡桃「どうもこの建物は完成直前でパンデミックに巻き込まれたみたいだな‥」

 

 

入口に貼られているオープンの日にちが書かれたチラシを見つつ胡桃が補足の説明を行う。チラシにはパンデミックが発生した日の一週間後に開店と表記されていた。

 

 

小春「ただ高校に比べると非常用発電施設とか太陽光パネルがないのが痛いけど‥、今はそんな贅沢言えないよね‥‥」

 

 

理琉「だなァ‥‥とりあえず中に入ろうぜ。外だとゾンビ共がやってくるからなァ」

 

 

鶴乃「賛成〜‥‥」

 

 

車の中から武器や食料を持ち出してホテル内部へと入っていく一同。建物内にはゾンビの姿はなく比較的きれいな状態を保っているようだ。とりあえず安全な二階に上がってひとまずそこを拠点にすることに。

 

 

日野「‥やっぱり長距離運転は疲れるな‥‥」

 

 

雪「そうねぇ‥‥それにやっぱ追われているのも効いてるかも‥‥」

 

 

理琉「常に周囲警戒だからなァ‥‥」

 

 

とりあえず安全なところに来たとはいえど、例の件があるためひとまず交代制で夜を明かすことに。少し広めの宴会場になる予定だった大部屋で寝ることにした。

 

 

 

その日の夜‥‥二階廊下の窓にて‥‥

 

 

胡桃「‥‥‥」

 

 

シャベルとM4カービンを壁に立てかけて二階廊下の窓から外の様子を監視している胡桃。だがやはり表情が重そうだ。

 

 

ー確かに‥原作に比べたら生存者は多いし‥‥なにより銃が使える‥‥。けど‥相手はランダルだけじゃなくてアンブレラの奴らまで‥‥おまけに‥あの化け物‥‥ー

 

 

 

胡桃「‥‥こうゆうとき‥‥風さんならどうしたんだろうな‥‥」

 

 

元アンブレラの本拠地の一つとされていたラクーンシティに住んでいて、アンブレラのことについて調べていた風ならどうしたのだろうか‥そんなことを口に溢す。

 

 

胡桃「本当に‥‥あたしらは‥‥たどり着けるの‥‥かな‥‥」

 

 

終わりの見えないパンデミック、さらにはアンブレラという厄介な敵がついたことで希望はどんどん薄れて、絶望が強くなることに嫌気がさしてきていた。

 

 

胡桃「‥‥‥」

 

 

ふと視線を向けると、そこには寝静まっている一同の姿が‥‥すると一角だけ明るいところが目に止まる。

 

 

胡桃「やれやれ‥‥相変わらずだな‥(汗)」

 

 

その正体は由紀、どうやら椎子のスマホでなにやら作業していたようだが寝落ちしてしまったようだ。

 

 

胡桃「‥‥本当‥コイツは成長したよな‥‥」 

 

 

パンデミック直後と比べると見る影もないほど成長している由紀の姿に笑みを浮かべる胡桃。それから電源を落とそうとしてスマホを手に取ると表情が固まる。 

 

 

胡桃「‥‥な‥?コイツは‥!?」

 

 

椎子のスマホに保存されていたデータ、そして由紀がボーモンとまとめた資料を見て彼女は驚愕する。そこに書かれていたのは‥‥

 

 

ー1968年の巡ヶ丘‥‥当時でいう男士市の人口が半減した事件。ー

 

 

ー抗体ー

 

 

ー朽那川ー

 

 

ー那酒沼ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー"簡易"災害用浄水施設ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「そうか‥そうゆうことだったんだ‥‥!!道理で異常がない訳だ‥!」

 

 

この5つの文字を見て謎に包まれていたパズルのピースがようやく埋まる。こうしてはいられないと言うことで胡桃は慌てて一同を起こすことに。

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

小春「ん〜‥どうしたのさ‥‥胡桃ちゃん‥‥」目を擦り

 

 

鶴乃「丁度気持ちよく寝てたのにぃ‥‥」

 

 

圭「うに〜‥‥」

 

 

由紀「眠い‥‥」

 

 

眠たそうに目を擦りつつポケ〜っといている四人、そんな彼女達の不満を理琉がたしなめつつ胡桃に確かめる。

 

 

理琉「まァ落ち着けッて‥、んで胡桃ィ?わざわざ起こしたってことは何かあるんだろォ?」

 

 

胡桃「あったり前だぜ‥!っとその前に‥‥由紀!お手柄だ!」

 

 

由紀「ふぇ!?」

 

 

まさかの胡桃からの発言で眠たそうにしていた由紀の眠気が一気に吹っ飛ぶ。

 

 

美紀「くっ胡桃先輩‥!?いきなりどうしたんですか!

?」

 

 

日野「まさか眠気でおかしくなったか?」

 

 

雪「あんまし無理はダメだよ?」

 

 

胡桃「‥酷い言われようだな‥‥(汗)まあ聞けって♪」

 

 

混乱している一同をまとめたあと、先程の表情が嘘かのように真剣な表情に変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「未完成のワクチンができるかもしれない‥!」

 

 

 

一同「「‥‥!!?」」

 

 

先程まで眠たそうにしていた子も胡桃から発せられた衝撃的な発言に一気に眠気が吹っ飛ぶ。

 

 

雪「どうゆうこと‥!?ワクチンができるって‥」

 

 

胡桃「そのままの意味だよ‥♪このワクチンが完成‥いやパンデミックを終わらせる方法を見つけたのさ」

 

 

圭「パンデミックを終わらせる方法‥‥」

 

 

彼女の言葉を効いて一同の雰囲気がどんどん明るくなっていく。理琉が詳しく説明するように促す。   

 

 

理琉「詳しく教えてくれねェか?」

 

 

胡桃「あぁ♪任せな♪」

 

 

彼の言葉に頷いて、スマホの画面を見せつつ補足説明を行う胡桃。

 

 

胡桃「まず、このパンデミックの原因はウィルスっていうのはわかるよな?」

 

 

美紀「はい、そのウィルスをランダルがばらまいたせいで巡ヶ丘だけではなく、世界各国に広がったんですよね」

 

 

小春「んで確かそのウィルスの感染ルートは主に2つ、噛まれたことによる血液感染、それと空気感染の2つがあるらしいね」

 

 

 

胡桃「そうだ、この資料にも同じようなことが書かれている。それを踏まえてみんなにあることを聞きたい」

 

 

 

由紀「ある‥こと‥?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「‥‥‥それじゃなんで私達は誰一人"感染"しなかったんだ?」

 

 

雪「あっ‥‥」

 

 

胡桃が発したある疑問、それを聞いて一同も同じような感じになる。このウィルスは空気感染でも発症するはずだ、その影響で世界各国に感染は広がったのだがなぜか学園生活部や穏健派、そして風や鶴乃・理琉や小春を含めたメンバーは誰一人感染していない。

 

 

理琉「確かに‥!そう言われて見ればァそうだ!なんでオレらは感染しなかったんだ‥!?」

 

 

日野「確かに‥‥例え巡ヶ丘に住んでる市民が抗体を持っているならここまで感染は広がらない‥なのにここの市民のほとんどが感染、彼ら化してる‥。でも俺は特に問題ない。」

 

 

圭「偶然抗体を持ってたとかは‥‥」

 

 

理琉「いやそれはありえねェ、例え巡ヶ丘組が抗体を持っていたとしても‥俺や小春、そして鶴乃は市外の人間だ。それならとっくのとうに感染していてもおかしくない。なのに今も問題ないんだ」

 

 

鶴乃「一体なんで‥‥」   

 

 

 

胡桃「‥‥その答えは簡単さ‥、私達は高校にいたとき必然的に感染しないものを口にしていたから‥。言っとくが食料は違うぜ?必ずといっていいほど口にするもの‥‥」

 

 

由紀「‥‥!!水!水だよ!!」

 

 

美紀「そうか‥!!由紀先輩の言うとおり高校にいたときも私達はかなりの割合で水を口にしてた‥!それに確か高校から持ってきた水を風さんや穏健派、そして鶴乃さんにも‥!」

 

 

圭「確か私達が飲んでいた水は災害用貯水タンクのやつだったよね‥!つまりその水にウィルスを浄化する成分が‥!!」

 

 

胡桃「正確にはその貯水槽の元の那酒沼ってところにあるようその成分があるらしいな」

 

 

雪「‥‥ストップ!!ちょっといい?」

 

 

しかしあることに引っかかっていたのか雪が待ったをかけて胡桃に質問する。

 

 

 

雪「那酒沼にその成分があってそこから災害用貯水槽に水が流れていて‥それを飲んでたから感染を防げたってことはわかるんだけど‥‥確か那酒沼って朽那川の水源ですよね‥?その理論でいくともっと大勢の人が助かったんじゃ‥‥」

 

 

理琉「大丈夫だ、それも問題ないぜェ」 

 

 

彼女の疑問に対して胡桃にかわり理琉が椎子の遺品から持ってきたパソコンの画面を見せつつ説明する。

 

 

理琉「確かに雪ィの言うとおり、その考えは間違っていない。那酒沼の水は朽那川に流れている、それはつまり朽那川にはその成分が含まれてるってことさ。」

 

 

雪「それなら尚更‥‥」

 

 

理琉「それにこのパンデミックは過去一度ここで起こっているんだ」

 

 

鶴乃「起こっている‥?それはつまり‥‥」

 

 

理琉「この巡ヶ丘の前身、男土市で1968年に発生した原因不明の人口半減事件。これは知ってるな?」

 

 

日野「その話は聞いたことがある、当時爆発事故かって記事に書かれていたらしいな。‥というかその事件はもしかして‥」

 

 

理琉「そうだァ、コイツはランダルコーポレーションが引き起こした最初のウィルス漏洩事故。すなわちパンデミックだ」

 

 

美紀「この街ですでに起こってたなんて‥‥、でもなんでその時は市外に感染は広がらなかったんでしょうか‥?」

 

 

由紀「確かに‥‥今と比べて医療とかは発達してないはずなのに‥‥」  

 

 

あと少しのところまで来たのはいいものの、なかなか頭に思い浮かばない一同。それを見た胡桃は助け舟を出す。

 

 

胡桃「あんまし考えすぎると答えは出ないぞ?ヒントは水道設備、そしてあの災害用貯水槽は"簡易"だ‥!」

 

 

鶴乃「‥‥!そうか!」

 

 

胡桃のヒントで謎に包まれた壁が崩れたのか鶴乃が勢いよく顔をあげる。

 

 

鶴乃「つまり答えはこれだ‥!!いまの水道設備は昔に比べて性能が上がってる!!だから余計な分は取り除かれるはずなんだけど‥‥高校にあったって言ってた災害用貯水槽は簡易型!本来浄化されるはずだった成分がそのまま、残ってるんだよ♪」

 

 

圭「さっすが鶴乃ちゃん!」

 

 

日野「だがこれで突破口は開けた!サンキュ胡桃!お前が気づいてくれたお陰だ!」

 

 

胡桃「お礼なら由紀に言ってくれ‥♪コイツが資料をまとめてくれてそれをボーモンが整理してくれたから気づけたことさ」

 

 

ボーモン「ミンナ ノタメニ ヤクニタチタイ」

 

 

由紀「えへへ〜♪」

 

 

理琉「流石由紀だなァ♪」ナデナデ

 

 

由紀「ん〜♪」

 

 

理琉に撫でられて嬉しそうな表情になる由紀、そんな二人を微笑ましく見つつ一同は話を纏めることに

 

 

日野「‥目的地は絞られたな。高校か‥直接那酒沼に向かうか‥‥」

 

 

美紀「いえ、ここからなら高校が近いです。」

 

 

小春「なら決まりね。行き先は高校にしましょう!」

 

 

胡桃「だか問題はアンブレラの奴らだ、まだこの辺にはいないが町中をウロウロしてるはずだぜ、ソイツらをどう対処するか‥」

 

 

鶴乃「固まっていると逆に危険だよね‥?発信機がついてたとはいえ昨日の件もあるし‥」 

 

 

圭「‥ということは‥逆に分散したほうがいいのかな?」

 

 

理琉「どうだろうなァ‥‥そうなると互いの援護が‥‥」

 

 

日野「‥‥いや‥ここはイチばちか分散で賭けよう‥‥迷ってるうちそれそこチャンスがなくなる‥‥」

 

 

胡桃「だな‥‥他に方法はないし‥‥アタシは賛成だぜ」

 

 

美紀「そうですね‥‥、日野さんの言うとおり迷っていればいるほど不利になります‥」

 

 

理琉「わかった‥ンじゃそれでいこう。今日は遅いし詳しい話とかは明日やろうぜ」

 

 

由紀「だねぇ‥‥なんか眠たくなってきたよぉ‥‥」ウトウト

 

 

胡桃「ふぁぁ‥‥おやすみなさい‥‥」

 

 

こうして明日の準備に向けて一同は再び眠りにつくことに。布団に潜ると同時にあっという間に寝息を立てて深い眠りにつく。‥‥一人だけ例外を除いて‥‥

 

 

雪「‥‥‥」

 

 

なにやら不安そうな表情を浮かべつつ毛布にくるまる雪、それから少しして隣に寝ている日野の方に顔を向ける。

 

 

雪「‥‥こうやって‥‥寝てられるのも‥明日でしばらくお預けになるの‥かな‥」

 

 

そう思うと恋しくなってきたのか、モゾモゾと動いて日野の布団に潜り込む。

 

 

雪「‥‥」ス-ス-

 

 

彼の隣に来たことで落ち着いたのかそのまま寝息を立てて彼女眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

太平洋‥日本近海

 

上陸用舟艇群

その中の一隻にて

 

 

レオン「‥‥あぁ‥そう‥そうだ‥わかった‥頼む」ピッ

 

 

クレア「どこに電話してたの?」

 

 

どうやらどこかと連絡していたようでレオン電話を切るとクレアがやってくる。

 

 

レオン「合衆国政府にだ‥。やはりエイダの言うとおりアンブレラは巡ヶ丘に兵力を集めつつあるようだな‥」

 

 

クレア「結局‥パンデミックが起こっても‥最終的に戦うのは人間どうしなのね‥‥」

 

 

どんなにパンデミックが広がっても結局最後に戦うのは人間という事実にやれやれという表情になるクレア。そんな彼女を見つつスマホをしまう。

 

 

クレア「でもアンブレラを倒したところでワクチンがないし‥それこそ感染を終わらせらられない以上‥どうなるかはわからないけど‥」

 

 

レオン「それでも‥だ‥。俺たちはアンブレラにトドメを刺さなくてはいけない‥。彼らと戦っている生存者のために‥な‥?」

 

 

そんな彼の表情は月の光に照らされているせいかどことなく覚悟を決めた顔をしていたのだった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして‥‥この物語が終わりに近づいていると言うことに一同は気づかずにいたのだ‥





ーさぁ‥‥今度こそ終わりにしようではないか‥‥そして‥私が新世界の神になるのだ‥ー
ー久しぶり‥ね?雪ー
ーハルちゃん‥‥なんで‥ー
ーやるしかねぇ‥‥決めたんだァ‥‥ぜってェ由紀やみんなは俺が守るってなァ‥‥!ー
ー死ねない‥‥いや絶対死んでたまるものか‥雪と約束したんだ‥‥生きて帰るって‥ー
ーお前らの企みなんて認めない‥!アタシとシャベルが直々に教育しなおしてやるよ!ー
ー圭と居ればどこにだって行ける‥これからも‥この先も‥ー
ー私は絶対美紀をおいていかないよ‥♪だって‥大切な友達だもん♪ー
ー私だってやってやる‥!だてに戦場出身じゃないもの!ー
ー椎子さんの思いは私が‥‥引き継ぐ‥!ー
ー生物兵器だろうがなんだろうが‥!私‥いや!私達はとめられないよ!ー
ーワン!!ー


次回
最終章 明日へ

学園生活部は最後の戦いの火蓋を落とします!


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最終章 明日へ
第五十一話 賭け


いよいよアンブレラに対して最後の大賭けに乗り出した学園生活部。


果たしてどうなるのか!


それから翌日‥‥

 

 

理琉「とりあえず高校に戻るにしてもどうするか‥そンでそのあとの行動について‥だな‥」

 

 

起床して朝ごはんを食べた一同はこの先の行動を入念に計画していた。

 

 

日野「そうだな‥。外にはアンブレラの野郎がウロウロしてるし‥なにより彼らもいるときた‥‥」

 

 

雪「仮にワクチンができたとしても交渉する方法がないと行けないし‥‥」

 

 

理琉「それについては問題ないゼ。ボーモンを使えば奴らの司令基地や軍に繋がるはずだ‥だがそれには中継地点がいるんだよな‥‥」

 

 

美紀「その中継地点っていうのはどうすればいいんですか?」

 

 

理琉「普通の電波塔ではダメだからな‥使うだとすれば‥‥ここか‥‥」

 

 

そういって机の上に広げた巡ヶ丘市内の地図のある場所を指差す理琉。その先には陸上自衛隊巡ヶ丘駐屯地と書かれていた。

 

 

雪「そうか‥!陸自基地なら高出力の通信器あるからそれを使えれば安定した通信ができる‥!」

 

 

小春「なかなかいい案じゃない?っとそうなると陸自基地に向かって手動で動かさないといけないのか‥」

 

 

理琉「システム自体はボーモンを使えば問題ないぜェ。幸いボーモンの入っているスマホはオレのと由紀が持ってる椎子のスマホにはいってるからそれを差し込めばあとは自動的にしてくれるから問題ないはずだ。だが問題は‥」

 

 

由紀「誰が行くか‥ってことだよね?」

 

 

そう基地でシステムを起動させることは問題はない。だがそれよりも問題なのは誰が陸自の基地に向かうか‥高校とはすこし離れた位置のためなにかあった際は援護ができないということだ。すると雪が手を上げて名乗る。

 

 

雪「‥それなら‥私が行くわ」

 

 

圭「え‥大丈夫なんですか‥?それは‥」

 

 

雪「大丈夫よ♪こうゆうのは戦闘に向いてる子が行ったほうがいいって‥」

 

 

美紀「そうゆう問題ではなくて‥‥!」

 

 

雪「‥‥?」

 

 

最初は何を言われているのかいまいちわかっていなかった雪だが美紀に指さされた先に視線を向けるとそこにはなんとも言えない複雑な表情をした日野の姿が‥

 

 

美紀「‥こうゆうことを言うのはなんですが‥‥目的が通信施設とバレれば激しい戦闘になるはずなんです‥‥。もしかしたら‥帰れなくなるかもしれないんですよ‥?‥そうですよね‥?日野さん‥」

 

 

日野「‥‥気持ちの代弁サンキュな‥。今更なんだって思うかも知んねぇが‥‥本当の気持ちをいえば一緒に行動したいが‥‥」

 

 

雪「祐也‥‥」

 

 

今までに見たことがないような複雑な表情を見せる日野。そんな彼を見て昔の自分とは違うんだと思わされた雪は静かに、歩み寄って抱き寄せる。

 

 

雪「‥大丈夫‥安心して‥‥絶対死なないから‥‥祐也をおいて先に行かないから‥‥約束する‥」

 

 

日野「雪‥‥」

 

 

雪「だから‥祐也も約束して‥?絶対生き残ること‥」

 

 

日野「あったり前だ‥‥俺もお前をおいていかねぇよ‥」

 

 

雪「約束‥だからね‥?」

 

 

日野「もちろんだ。約束する‥!」

 

 

そんな二人を見て染み染みとしてくる学園生活部、だがそれに負けまいと胡桃や鶴乃が手をあげる。

 

 

胡桃「決めた‥!アタシも行くぜ!」

 

 

鶴乃「私も!」

 

 

雪「えっ‥!?でっでも‥今まで以上に危険かもしれないよ‥?」

 

 

胡桃「今更何言ってるんだ‥♪私達は様々な苦難を乗り越えて来たじゃないか!これからだってやっていける!」

 

 

鶴乃「そうそう♪それに一人より三人いたほうが行動範囲広がるでしょ?」

 

 

雪「まあ‥そうだけど‥(汗)」

 

 

理琉「本当に大丈夫かァ?別に俺が行っても‥‥」

 

 

胡桃「駄目だ‥!お前は由紀を守らないといけないからな‥!大切な仲間なんだろ?もし由紀になんかあったら容赦しないからな‥!」

 

 

鶴乃「そうそう♪大切なお嫁なんだから♪」

 

 

由紀「‥‥//」

 

 

理琉「おっオウ‥//それも‥//そうだな‥//」

 

 

止めようとした理琉だが逆に鶴乃と胡桃のダブル攻撃を受けて由紀と一緒にお顔真っ赤状態になっていた。とりあえず切り替えさせるために一度咳払いをしてから話を続ける。

 

 

理琉「とりあえず話を戻すぜェ‥、その通信設備を起動させることができれば無線機は遠方まで使える。」

 

 

胡桃「電源とかは?」

 

 

理琉「非常用発電施設があるはずだからそれを使えはばいいゼ」

 

 

鶴乃「オッケー!」

 

 

理琉「それと同時にオレらは高校に戻って交渉材料の用意だ。いくらアンブレラといえど中身は人間、終わりのないパンデミックに疲弊しているのは向こうも同じはずだ。そこにワクチンをちらつかせれば内部崩壊は確実、そうじゃなくても各国の軍が動き出すはずだ」

  

 

小春「こっちも意外と責任重大だね‥‥」ドキドキ

 

 

理琉「その交渉役は由紀に任せたい」

 

 

由紀「ふぇ?私?」

 

 

圭「‥でも‥交渉役なら理琉さんとか小春さんが適任なんじゃ‥‥」

 

 

圭が疑問に思ったことを質問する。確かに彼女の言うとおりこのメンバーの中で一番そうゆうのに詳しいとなれば軍にいた理琉や小春が適任のはず。それなのになぜあえて由紀を選択したのか不思議に思っていた。   

 

 

理琉「もちろン、選んだ理由は何個かある。だが一番はやはりこうゆうのは由紀が向いてると思うんだ」

 

 

美紀「‥というと?」

 

 

理琉「由紀は隠すのが不得意だからなァ‥だから本音を聞きやすいから信憑性があるんだ。」

 

 

胡桃「確かに‥♪由紀は隠し事下手だもんな〜」

 

 

由紀「うぅ‥褒められてるのか褒められてないのか‥」ショボン

 

 

なんとも言えない感想に思わずしょげてしまう由紀、そんな彼女を宥めるように理琉は彼女の頭を撫でる。 

 

 

理琉「だがァ、裏を返せばそれだけ信用されてるッてことだ。安心していいぜ」

 

 

由紀「マー君‥‥うん!私頑張るよ!」

 

 

鶴乃「その息だよ!由紀先輩!」

 

 

雪「大変だと思うけど頑張って‥!」

 

 

日野「頼んだぜ‥!人類の希望さん!」

 

 

みんなからのエールを貰って、更には理琉からも応援されたことでやることを誓った由紀。

 

 

美紀「それなら‥私達は由紀先輩を守らないと行けないですね‥!」 

 

 

圭「オッシャァ!!燃えてきたぁぁ‥!」

 

 

胡桃「あぁ!なんとしてでもこの戦いに勝つぞ!!」

 

 

理琉「決まりだな、んじゃ最終確認をするぞ?雪・胡桃・鶴乃の三人は陸自基地の通信設備の起動。その間に俺たちは高校に戻って治療薬の準備だ。由紀と小春が用意して交渉している間に俺たちはアンブレラの奴らを足止めするぞ」

 

 

雪「任せて!」

 

 

胡桃「了解‥!」

 

 

鶴乃「頑張るぞ〜!!」

 

 

日野「こりゃ忙しくなるぜ‥」

 

 

美紀「わかりきってたことじゃないですか‥♪」

 

 

圭「やってやろうじゃない!」

 

 

由紀「‥やろう‥!」

 

 

太郎丸「ワン!!」

 

 

小春「理琉!やるよ!私達特殊作戦群‥いや!学園生活部の実力を!!」

 

 

理琉「ったり前だ!!誰だろうと止められねぇぜ!!」

 

 

そして作戦会議が終わり次第駐車場に集まり、出発前の最終確認を行っていた。主に言えば弾の配分や例の重火器、それから車の燃料の補充などをしていた。

 

 

日野「こんなもの‥かな?」

 

 

雪「そうね‥、予想外のことがなければいいけど‥‥」

 

 

日野「まっそれは実際に起こってみないとわからないな‥‥」 

 

 

積み込み作業をしている学園生活部のメンバーを見つつふとそんなことを話す二人。すると雪が日野手をそっと両手で握る。

 

 

雪「それじゃ‥ちょっとの間お別れ‥だね」

 

 

日野「あぁ‥‥必ず帰ってこいよ?もしお前がいなくなったら呪うからなぁ」

 

 

雪「プッ‥なによそれ‥♪本来逆じゃないの‥♪」

 

 

激しい戦闘がこの先待っているようには見えないそど雪はリラックスしており日野も表情が緩む。 

 

 

日野「んじゃ‥改めて‥だな」

 

 

雪「うん‥♪」

 

 

二人は向き合ってピシッと背筋を伸ばしてほぼ同じタイミングで乱れない敬礼を送り合う。

 

 

日野「武運を祈る‥!」

 

 

雪「あんたも‥ね!」

 

 

その様子を二人のそれぞれ後ろで見ていたメンバーも釣られるようにお互いの武運を祈る形でしばらく敬礼しあうのであった。

 

 

 

―――――――――――――

 

 

そして出発準備ができた3台は周囲に奴らがいないことを確認してからホテルの駐車場を出発。途中まで同じルートを走っていたがある交差点で雪達を載せた車は右折、理琉達はそのまま直進していくのであった。   

 

 

胡桃「今日はなんか静かだな‥‥?」

 

 

上空を見上げつつ、珍しくヘリの音が聞こえないことに不思議そうに空を見つめる胡桃。

 

 

雪「‥そういえばそうね‥‥なんか不気味だわ‥‥」

 

 

雪も同じことを思っていたのか上空をチラッと確認する。昨日まではヘリの音が聞こえたのに今日は異常なまでに聞こえないのだ。

 

 

鶴乃「もしかして‥あれかな?飛ばしすぎてメンテしてるとか‥‥ってそれはないか‥‥」

 

 

一瞬仮説を立てた鶴乃だがすぐに首を振って否定する。そこまでアンブレラがバカじゃないというのは彼女自身もわかっているようだ。

 

 

雪「‥祐也たちも気づいているでしょうね‥。とりあえず向こうも無事でいてほしいけど‥‥」

 

 

なんとか無事でいてほしいと願いつつ彼女達は目的地の陸自基地へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥」

 

 

しかし‥陸自基地方面に走っている18クラウンを上空から監視する一機の無人機が‥‥

 

 

春井「いたわね‥」

 

 

気づかれないように急行しているヘリの機内では無人機から寄せられた中継映像を春井とウェスカーが確認していた。画面には市街地を走行する白黒のパトカーが‥‥

 

 

ウェスカー「‥一台だけか‥‥どうやら分散したようだな‥‥。だが‥一体どこに向かってるんだ?」

 

 

春井「‥‥(地図を確認)この位置関係だと‥‥おそらく陸自基地に向かってますね‥‥」

 

 

ウェスカー「‥‥待て‥たしかその基地は通信設備が豊富だったよな‥」

 

 

春井「はい‥?そうですが‥って‥まさか‥!」

 

 

ウェスカーの発言で彼女達の目的がわかったのか春井の表情が驚きに変わる。二人が考えた最悪のシナリオは通信設備を復旧させてアンブレラの悪事を国連軍にバラすというものだ。

 

 

ウェスカー「こうしてはいられない‥‥とりあえず残り2台の発見と排除は他の部隊に任せて我々は彼らを止めに行くぞ」

 

 

春井「もちろんよ‥それに‥アイツもいるんだし‥ね?」

 

 

そう言ってGPSが表情されているマップにはクラウンやヘリとは違った反応がゆっくりと動いていた。

 

 

春井「ヤツの目標を彼女達の排除で設定するわ」

 

 

ウェスカー「あぁ、それで頼む」

 

 

彼の指示を受けて春井はタッチパネルを開いてとある画面を開いて操作をしていた。そんな彼女を見つつウェスカーは再び外へ視線を移す。

 

 

ウェスカー「何を企んでいるのかは知らないが‥‥そうはさせないぞ‥‥私の新世界を邪魔するものは誰であろうと排除する‥」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

美紀「‥‥(双眼鏡で上空を確認中)‥‥とりあえず今のところはいませんね‥‥」

 

 

日野「そうか、サンキュな」

 

 

圭「ここまでいないとなんか違和感あるねぇ‥‥」

 

 

理琉「なンか策略でもあるんだろォ‥奴らが大人しくしてるハズがねェ‥」 

 

 

小春「やっぱりそうだよねぇ‥‥絶対どこかで必ず来るよ」

 

 

由紀「‥気が抜けないね‥」

 

 

太郎丸「ワフゥ‥‥」

 

 

やはりこちらもこの状況がおかしいと感じ取っており、人数がいるぶんを活用して周辺警戒を密にしつつ高校へと向かっていた。

 

 

ブロロロロ

 

 

由紀「‥この音‥‥」

 

 

明らかに自分たちの車の音ではないものが近づいてきたことを察知して急いで後ろに視線を向ける由紀。するとそこには黒色のシボレータホが数台ほどこちらに曲がってくる。エンブレムにはあのアンブレラのマークが‥‥

 

 

由紀「マー君!!みんな!アイツら早速来たよ!」

 

 

小春「もう!?」

 

 

理琉「やっぱりかァ!!相変わらず動きはいいもんで!!」

 

 

日野「理琉!お前が先行しろ!俺が後ろに行く!」

 

 

そう理琉に伝えるとステアリングを右にきって進路をずらしてから白煙が出るほどのフルブレーキでキャンピングカーを先行させる。それを確認するとステアリングを左に切ってキャンピングカーの背後につく。

 

 

美紀「射撃の用意はできてます!!」

 

 

圭「私もだよ!!」

 

 

助手席や後部座席では射撃の用意ができたのか美紀と圭がそれぞれバレットやHK416を構えつつ日野に促す。

 

 

日野「おそらくけっこう揺れるが大丈夫か‥?って聞かなくても大丈夫だよな!」

 

 

美紀「走行中でも当てる自信はありますから♪」

 

 

圭「私達のコンビを見せつけて上げましょう♪」

 

 

日野「よし!その息だ!頼んだぜ!!」

 

 

そうこうしているうちに向こうの窓が空いてアンブレラの兵士が身を乗り出しつつこちらに銃口を向けて射撃してくる。

 

 

圭「早速来ましたか!!」

 

 

こちらも負けじまいと窓からすこし身を乗り出して美紀はバレットで、圭はアサルトライフルで射撃を開始する。

 

 

美紀「フゥ‥‥」カチ

 

 

ドォォォォン!!

 

 

互い避けながらの射撃になるため照準がぶれまくりなかなか弾が当たらないはずだが、そんな中で美紀が放った一発の弾が迷いもなく先頭を走っていたタホのエンジンに命中、直後エンジンルームから黒煙を拭き上げつつバランスを失いスピン、そのまま後続の一台を巻き込んでクラッシュする。

 

 

圭「ナイス美紀!!」

 

 

美紀「今のはタイミングが良かったですね‥‥でも次からは難しいかも‥‥」

 

 

日野「いや‥むしろそれでいいぜ。おそらく相手は今の射撃でこっちを警戒してより不規則な動きになる。その分射撃の精度も落ちるだろうよ」

 

 

そんなことを話しつつ、2台は高校に向けて疾走。アンブレラの車両もそれを追うように追いかけていくのであった。

 

 

 

雪「ついた‥!!ここだ!」

 

 

道中特に問題なく陸自基地の巡ヶ丘駐屯地に到着した雪達、車を中に滑り込ませて停めて降りる。

 

 

胡桃「やっぱりいるか‥!」

 

 

やはり自衛隊の基地となるとゾンビもそれなりにおりそのほとんどがここの隊員のようだ。迷彩服をきた彼らがうようよいた。

 

 

鶴乃「でも!この程度なら突破はできる!三人で息を合わせれば!!」

 

 

雪「えぇ!そうね!」

 

 

それぞれ二丁拳銃Beretta、89式、M4の銃口をゾンビの集団に向けて一斉に射撃開始。的確に頭部を撃ち抜いて倒してゆきヘルメットを被っているゾンビには守られていない部分を撃ち抜いて倒していく。

 

 

雪「よし!これなら‥!」

 

 

特に乱れることがなく進むことができているためこれなら行けると確信した雪。しかしそんな思いも次の瞬間に潰れてしまう。

 

 

ガァァァァン!!!

 

 

雪「‥‥!?」

 

 

突然目の前にいたゾンビが左右に吹き飛び壁に叩きつけられる。なにが起こったのか理解が追いついてない三人、しかしなにが原因かはすぐに判明した。

 

 

鶴乃「なに‥あれ‥?」

 

 

ゾンビの集団を吹き飛ばしたところにはすこし濃い目の白色の肌で胸元に筋肉が目立っている明らかに人間ではないサイズの怪物‥長い手の先には大きめの指が‥

 

 

胡桃「なんだよこいつ‥‥!!まさか‥こいつも生物兵器なのか‥!?」

 

 

雪「‥‥まさか‥コイツってアンブレラ支部の地下施設で遭遇したタイラント‥!?」

 

 

どこかで見たようなと思い記憶を辿るとそれは一発でわかった。そう、地下施設で遭遇したタイラントだ。それにバイオハザードを知っている読者の皆様ならすでにおわかりだろう。このタイラントは通常版の強化版であるスーパータイラント、アンブレラ支部戦でダメージを受けすぎたために覚醒したのだ。

 

 

胡桃「待っ待てよ!?タイラントっていうのは黒いコートとか帽子つけてただろ!それに見た目が全然違うぞ‥!」

 

 

雪「私だって信じられないわよ‥!でも雰囲気的におそらく私達と遭遇した同じタイラント‥!でも確か美紀がトドメを刺したはず‥」

 

 

胡桃「こんな忙しいときに現れやがって‥‥!こっちは急いでるってi‥‥「よっと!」鶴乃!?」

 

 

悪いタイミングで現れたことに思わず焦りを見せてしまう胡桃。だが雪&胡桃とスーパータイラントの間に割って入るように鶴乃が立ちふさがる。

 

 

鶴乃「ここは私に任せて先にいって!」

 

 

胡桃「バッバカお前!?何言ってるんだ‥!こんな得体のしれない化け物に一人は無謀すぎる‥!せめて三人‥‥「わかってるよ!」!?」

 

 

必死に説得しようとした胡桃を一言で遮る鶴乃。それから満面の笑みを見せて二人に顔を向ける。

 

 

鶴乃「確かに無謀かもしれない‥けど!ここで誰ががやらなきゃ世界は救えない‥いや!みんなの努力が報われないんだよ‥!!」

 

 

雪「鶴乃ちゃん‥‥」

 

 

鶴乃「それに前にも言ったけど♪私は最強女子高生由比鶴乃!誰であろうと負けないもん‥!」

 

 

そう言って二丁拳銃を再び構えてタイラントに向けて射撃を開始。攻撃してくることから標的を三人から鶴乃に変更、視線を向ける。

 

 

鶴乃「ここは私に任せて先に行って!!そんであとは任せたよ!!」

 

 

雪「ありがとう‥!感謝するわ!!」

 

 

胡桃「すまねぇ‥!!あとは頼む!あと死ぬんじゃねぇぞ!!」

 

 

鶴乃「もっちろん!!」

 

 

二人がその場から立ち去ったことを確認しているとタイラントの大振り攻撃が頭上から降り注ぐ。

 

 

鶴乃「ほっ!!」

 

 

しかしその攻撃を難なく横に移動して避ける鶴乃。避けた反動を利用して体制を立て直す。

 

 

鶴乃「生物兵器だろうがなんだろうが‥!私‥いや!私達はとめられないよ!」

 

 

そう言い放ち、勢いよくタイラントに向けて突撃していく。それに答えるようにタイラントも鶴乃に向かい突っ込んでいくのであった‥‥。

 

 

 

 

 

雪「案内地図によればここを上がれば‥‥!!」

 

 

建物内に入った雪と胡桃は急ぎ足で廊下を疾走、通信司令部がある二階の階段へとたどり着く。

 

 

胡桃「んじゃアタシは隣接してる発電機器がある建物に行ってくる!!」

 

 

雪「お願い!!」

 

 

そしてここで二手に別れ雪は二階の通信司令部へ、胡桃は隣接している非常用発電施設へと向かうのであった。

 

 

 

ー隣接している発電施設建物にてー

 

 

胡桃「あった‥!!これだ!!」

 

 

部屋に滑り込んで中に誰もいないことを確認してから操作パネルの元へ駆け寄り近くにおいてあったマニュアルを見つつ操作する。

 

 

胡桃「えっと‥‥これがここで‥あとはこうすれば‥できた!」

 

 

案外すぐに電源設備は始動して発電機が動き始める。それを確認してから無線機を取り出して部屋を出つつ雪に繋ぐ。

 

 

胡桃「電源は繋がったぜ!!あとはそっちで操作するだけだ!」

 

 

雪「わかったわ!こっちはあと少しで着く!」

 

 

胡桃「そっちは頼んだぜ!!こっちは鶴乃の援護を‥‥ッ!」

 

 

話しながら角を曲がった直後背後から右手を掴まれる。反射的に振り払い素早くM4を向けようとしたが‥

 

 

胡桃「がっ‥‥!?」

 

 

強烈な蹴りを入れられアサルトライフルは中を待って遠くに飛ばされてしまう。なんとか体制を立て直しつつ胡桃は背中に背負っていたシャベルを取り出して構える。

 

 

ウェスカー「ここまで来たことは褒めてやろう。流石だな‥。だが‥それもここまでだ」

 

 

胡桃「へっ‥!まさかボスみてぇなやつと会うとはな!どうする?今からでも遅くはないぜ?素直に降参してくれたら痛くはしないぞ」 

 

 

ウェスカー「ふん‥その程度で私がビビるとでも思ったか?散々計画を邪魔してくれたもんだ‥。ここで蹴りをつけてあげよう。」

 

 

胡桃「へっ!偉そうによく喋るやつだぜ‥!!」

 

 

ウェスカー「さぁ‥‥今度こそ終わりにしようではないか‥‥そして‥私が新世界の神になるのだ‥」

 

 

そういうと自身にGウィルスを打ち込む。するといきなり右手が変異して触手が出てくる。

 

 

胡桃「お前らの企みなんて認めない‥!アタシとシャベルが直々に教育しなおしてやるよ!」

 

 

しかし変異したウェスカーを見ても一歩も引かない胡桃。しばらく睨み合ったあと二人は弾かれたように飛び出すのであった。

 

 

 

 

雪「‥!!ここだ!」

 

 

通信司令部へとたどり着いた雪は扉を開けて中に入る。そして理琉から借りたスマホとあるパソコンをUSBケーブルで繋いでボーモンを起動させる。   

 

 

ボーモン「ピピ キドウ シタヨ アクセス カイシ スルネ」

 

 

雪「よし‥これなら‥!!」

 

 

差し込んでおけばあとはボーモンがやってくれると言うことでここの操作は彼に任せて雪も鶴乃の援護のために向かおうとする。

 

 

雪「銃声はまだしてるから大丈夫‥な「っと行かせないわよ」!?」

 

 

突然どこからか声がしたかと思えば廊下の窓から勢いよく春井が入ってきて立ちふさがる。

 

 

春井「久しぶり‥ね?雪」

 

 

雪「え‥その声‥‥もしかしてハルちゃん?」

 

 

聞き覚えのある声を聞いて視線をゆっくりと春井の顔に向ける雪。どうやら知り合いのようだ

 

 

雪「どうして‥ここ‥に‥って‥」

 

 

なぜ彼女がここにいるのかわからなかった。それもそのはず、春井は雪の同期で一緒に警察官を目指していた。それに人一倍正義感が強かった彼女なぜここにいるのか‥しかしそれも腕についているアンブレラの紋章を見て理解する。

 

 

雪「ハルちゃん‥‥なんで‥」

 

 

春井「‥‥」

 

 

雪の疑問に対してすこし考えてから彼女は口に出していく。

 

 

春井「‥ごめん‥‥私は‥やらなきゃいけないことがあるの‥‥」

 

 

雪「やらないと‥いけない‥こと?」

 

 

今の春井の表情は前の彼女とは違い何か決心した表情になっていたのだった‥。




二手に別れたあと無事目的地に到着した雪達三人。


しかしそれを発見し待ち伏せしていたタイラントやウェスカーが立ちふさがってしまう。

胡桃や鶴乃が応戦している間に起動させることに成功した雪‥‥しかしその彼女の前にかつての同期‥春井が姿を現す。


なぜ‥警察官に憧れていた彼女はアンブレラに入ったのか‥?


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第五十ニ話 過去

今回は春井の過去についてのお話です


‥なぜ彼女がアンブレラに入ったのか‥‥


雪「その‥やらなきゃいけないこと‥ってなに‥?」

 

 

春井「‥‥アイツ‥ウェスカーの計画を成功させること‥よ‥‥」

  

 

雪「どうして‥‥!?」

 

 

なぜ春井がアンブレラの計画に関わっているのか理解ができずにいた。それもそうだろう‥‥訓練生時代一番親しかった彼女のことはよく知ってる。真面目で‥冷静‥なにより正義感が強い子だったのだから‥。なのに今は諸悪の根源とされているアンブレラにいるのか‥それがわからなかった。

 

 

春井「‥‥この腐った世界を作り直す‥‥ためにね‥‥」

 

 

雪「‥作り直す‥‥?」

 

 

春井「たぶんこのことを雪に話すのは初めてかも‥ね‥。」

 

 

そう告げるとすこし間を開けて彼女の口からとんでもない言葉が発せられる。

 

 

春井「‥‥実はパンデミックが起こる一年前‥‥私は家族を失ったのよ‥‥」

 

 

雪「え‥‥?」

 

 

春井「‥‥いえ‥正確には殺された‥って言ったほうがいいかしら‥‥」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、雪の頭の中は真っ白に包まれてしまう。最初は信じられなかったが彼女の拳が震えているところを見るとどうやら本当のことらしい‥‥。

 

 

雪「殺された‥って‥‥‥」 

 

 

春井「そう‥‥正確には同じ警察官に殺されたようなもんだけど‥‥」

 

 

雪「ちょ‥!?それってどうゆうこと‥!?」

 

 

話が進むごとに状況整理が追いつかなくなる。警察官に殺されたようなもん?それはつまり何らかの形で仲間から裏切られたってことになる。

 

 

春井「‥‥その感じだと整理がついてないわね‥‥。大丈夫‥私も最初はそうだったから‥とりあえず‥おって説明するわ‥‥」

 

 

 

 

ー今から一年前‥‥春井宅にてー

 

 

 

春井「ただいま〜‥‥」ガチャ

 

 

このとき千景は19歳で雪と同じ巡ヶ丘警察学校に通っていた。今日は久しぶりに実家帰省できる時間ができたため家に帰ってきていた。

 

 

輝津「だから‥!なぜその理由で捜査中止しなければならないのですか‥!!私は納得がいきません!!」

 

 

何やらリビングの方から揉め声が聞こえてくる。どうやら誰かと電話しているようだ。

 

 

春井「‥‥(チラッ)」

 

 

気づかれないようにソロリとリビングに視線を向けるとそこには彼女の父げ巡ヶ丘警察で捜査一課に所属している綾文輝津(警部補)がソファーに座ってなにやら誰かと電話中のようだ。

 

 

春井「父さん‥どうしたんだろ‥?」ボソッ

 

 

霧野「あら‥?帰ってたのね?」ボソッ

 

 

春井「あっ、母さん‥ただいま‥」ボソッ

 

 

そんな輝津の様子を見ていると彼女の母で、彼と同じ警察官である綾文霧野(巡査部長)が春井の肩に手を置きつつやってくる。

 

 

春井「‥‥あれはどうしたの‥‥?」ボソッ

 

 

霧野「なにやら‥上の人と揉めててねぇ‥‥」ボソッ

 

 

春井「ふぅん‥‥」ボソッ

 

 

霧野から経緯を聞いて特に気にせずにふむふむと頷く春井。というのもこうゆうことは珍しくなく正義感が強い彼女の父はよくああやって上層部とよく揉めているのだ。

 

 

輝津「全く‥(ピッ)‥っと‥春井帰ってたか‥!おかえり、すまんな‥帰省そうそう見苦しいところ見せちゃってな‥‥」

 

 

春井「大丈夫‥♪いつものことだし、父さんらしいなって‥、それよりまた上の人と揉めたの?」

 

 

輝津「まあな‥‥ちょっとゴタゴタがあってそれで揉めてたんだ‥‥。」

 

 

霧野「ゴタゴタねぇ‥‥、それよりご飯できてるわよ」

 

 

輝津「おっ‥もうそんな時間か‥‥すこしヒートアップしすぎたな‥‥。せっかくだし春井も一緒に食べるか‥!久しぶりにいろいろ聞けそうだし」

 

 

春井「うん‥♪」

 

 

なんの内容か内心気になっていた春井だったが夕飯を食べつついろいろ話しているとそんなこともいつの間にか忘れてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

春井「んでね‥♪雪ちゃんって子が凄いんだよ〜。男性教官を一発で制圧しちゃうんだから‥♪」

 

 

霧野「あらあら‥♪凄いじゃない‥♪私の若い頃より運動神経良さそうねぇ」

 

 

輝津「こりゃ女の子だからって気を抜いたら痛い目見るだろうな〜」

 

 

ご飯を食べた跡もリビングで楽しそうに雑談している三人。久しぶりの会話というのもありいつも以上に賑わいを見せており普段はクールな千景も笑みを浮かべていた。

 

 

霧野「っともうこんな時間ね〜?明日は早いしそろそろ寝ましょうか〜」

 

 

春井「ん?明日どこか行くの?」

 

 

輝津「あぁ、久しぶりにみんな揃ったからな〜。どこか出かけようと思ってるんだ」 

 

 

春井「本当‥!?やった♪」 

 

 

輝津と霧野の提案を聞いて満面の笑みを浮かべている春井。そんな娘をみて二人も微笑ましい雰囲気に包まれる。

 

 

霧野「それじゃお風呂湧いてるから入ってきなさい〜?」

 

 

春井「うん♪」

 

 

よほど楽しみなのか脱衣場に行くときも鼻歌を歌いながら軽い足取りで着替えをもって脱衣場に向かうのであった。

 

 

輝津「ったく‥♪アイツは本当わかりやすいな‥‥(汗)」

 

 

霧野「いいことじゃない‥♪元気っていう証拠なんだから♪」

 

 

輝津「まあ‥そうだな‥♪」

 

 

そして春井がお風呂に入ったのを確認したのを確認してから二人の表情は先程とはうって変わって真剣になる。

 

 

霧野「‥それよりさっきの電話って‥‥」 

 

 

輝津「あぁ‥‥いまうちの捜査一課ではとある殺人事件の捜査をしているんだが‥‥それにランダルが関わっているとわかった途端署長から捜査の打ち切りを言われてな‥」

 

 

霧野「‥それはたぶんそのランダルと警察が絡んでる案件だからからもね‥」 

 

 

輝津「ったく‥お前は相変わらず察しがいいぜ‥‥(汗)俺もそう思ったがそんな理由で打ち切りなどできないってさっき抗議の電話入れてたんだ‥‥。まっ結果的に折り合わず‥だがな‥‥」

 

 

霧野「それで‥‥これからどうするのよ?」

 

 

輝津「‥‥独自で捜査は続けるさ‥‥上が当てにならないならメディアで公表するんだ‥。そうすりゃ上も動かざる負えない」

 

 

霧野「‥‥でも大丈夫なの‥?相手はランダルコーポレーションなんでしょ‥‥?」

 

 

輝津「大丈夫だ‥そのランダルは現在内部抗争でそれどころじゃない。外部に介入する余力はないさ」

 

 

霧野「それなら‥いいけど‥‥」

 

 

何やら引っかかっていたのか疑問に思う霧野のだったが輝津が大丈夫というのでひとまず信用することに。実際そのランダルコーポレーションは内部抗争のまっ最中なのは彼女も知っていたため大丈夫だろうと内心は思っていた。

 

 

‥‥だがそれこそが落とし穴だというのは二人は知る由もないだろう‥‥想定外のところから裏切られるとは‥‥。

 

 

 

 

春井「‥‥zzz」

 

 

久しぶりの帰省で疲れたのか、ぐっすりと布団に包まっている春井。その様子を扉を少し開けて二人は見ていた。

 

 

霧野「ぐっすり寝てるわね‥♪」

 

 

輝津「そうだな‥久しぶりのわが家で落ち着いたんだろう‥♪」

 

 

ぐっすり寝ているのを確認してから、自分達もそろそろ寝るため扉を締めて部屋をあとにする。

 

 

輝津「んじゃ俺たちもそろそろ寝るかな‥」ファア

 

 

霧野「えぇ♪おやすみなさい♪」

 

 

 

 

霧野と一言二言話して別れた輝津は眠たそうにしつつ寝室へと向かっていた。

 

 

輝津「さてと‥‥さっさと寝‥‥(ゴソ)ん‥‥?」

 

 

自室の扉に手をかけた瞬間、誰もいないはずの室内から物音が少しする。一瞬不思議に思ったが何かものが落ちたのだろうと思い扉を開けて中に入る。

 

 

輝津「っと‥これが落ちてたのか‥‥」

 

 

床に転がっていたゴルフボールを広い定位置に戻す。どうやら音の主はこれだったようだ。

 

 

輝津「今度から落ちないように‥‥ムグ!?」

 

 

突然背後かは何者かに口を塞がれる。必死で抵抗しているがいい感じで拘束されてまったために動くことができない。

 

 

輝津「なにm‥‥(グザッ!!)‥‥」ドサッ!

 

 

それでもなんとか相手の顔を見ようとした彼だったが心臓を一突きされたことで力なく手がぶら下がり床に無造作に倒れてしまう。

 

 

ウェスカー「‥‥悪く思うなよ‥‥こうするしかなかったんだ‥‥」

 

 

輝津を刺した黒ずくめの男(ウェスカー)はそう口にこぼしたあと無線機を取り出してもうひとりのほうへ報告する。

 

 

ウェスカー「こっちは片付いた、そっちはどうだ?」

 

 

雪菜「問題ない、こっちも始末したよ」

 

 

霧野の寝室、そこで答えつつあるところに視線を向けるもう一人の女性(雪菜)。そこには血を流して床に倒れ込んでいる霧野の姿が‥‥

 

 

ウェスカー「それじゃとっとと立ち去ろう‥」

 

 

雪菜「えぇ、確かこの二人には娘さんがいたわね。その子が帰ってくる前に行こう」

 

 

本当なら春井は家にいるのだが、それを知らないのか二人は速やかにその場を立ち去るのであった。

 

 

 

 

春井sidebar

 

 

明日が楽しみだ‥久しぶりに父さんと母さんの三人でお出かけができる。楽しみにし過ぎてねれないんじゃないかと思ってたけど、布団に入ってみると案外あっさりと深い眠りについた。

 

 

 

 

 

ピピピピピ!!!

 

 

「ん‥‥」

 

 

激しく鳴り響く目ざまし時計とカーテンの隙間から差し込んでくる日差しで目が覚めた。目を擦りながらゆっくりと起き上がり布団を出る。

 

 

「そういえば‥静かだね‥‥」

 

 

時計を見るとすでに七時を指していた。この時間ならすでに父さん達は起きて活動しているはず‥なのに珍しく今日は静かだ。

 

 

「全く‥‥珍しくお寝坊さんだね‥‥」フゥ

 

 

まあそんな日もあるかと思い、せっかくだし起こしにいこうか‥。そんなことを思いながらまずは母さんの部屋に向かうことにした私。‥‥まさかあんなことになるとはこのとき思いもしなかった‥‥。

 

 

「母さん〜?そろそろ朝だ‥よ?」

 

 

母さんの部屋に来て声をかけようとしたが、扉が少し開いていることに気づく。

 

 

「もう起きてるのかな‥‥?」

 

 

普段は寝るとき扉をしっかり締めている‥けど少し開いているということはもしかして起きてるのかも‥‥

 

 

「母さん〜起きてるの〜?そろそろ起きな‥母さん!?」

 

 

扉を開けて中に足を踏み入れた私の視界にありえない光景が目に飛び込んだ‥。そこには血を流してうつ伏せで倒れている母さんの姿が‥‥

 

 

「母さん!?どうしたのさ!ねぇ!」

 

 

頭が真っ白になりかけながらも私は急いで母さんの元へ駆け寄って揺さぶる。けど反応は全くない‥‥

 

 

「なんで‥‥寝る前は普通だったのに‥‥はっ!父さんは!!」

 

 

昨日は普通に過ごしていたはず、一体寝ている間になにがあったのか‥‥もしなにがあったとしたら父さんも巻き込まれてるんじゃ‥。そんな胸騒ぎがしたため急いで父さんの部屋にいく。

 

 

「父さん!!大丈b‥‥」

 

 

勢いよく扉を開けて駆け込んだ私だがそんな勢いも一瞬で崩れ去る。そこには母さんと同じように血を流して床に倒れている父さんが‥‥

 

 

「う‥そ‥‥」

 

 

僅か一夜にして家族を失ってしまう。そんなショックは今でも忘れられなかった。そのあとすぐに救急車を呼んだが‥殺されてからかなり時間が経ったためその場で死亡扱いとなった。それを聞いたときは足から勢いよく崩れ落ちて泣くこともできなかった‥‥。警察によれば何者かが二人の部屋に忍び込んで待ち伏せ、入ってきたところを抑えて殺害したというものだ。兇器はとがった刃物、犯人はすぐに捕まるだろうと思ってた‥‥‥

 

 

 

けど‥現実はそんなに甘くなかった‥‥あれから一週間たっても犯人が見つかったという報告は来なかったのだ‥。

 

 

 

 

 

 

 

 

春井「‥‥はぁ‥」

 

 

訓練が終わり休憩時間の最中‥なかなか事件に動きが見られないことにため息を零す春井。かなり計画的な犯行のため警察も足取りを掴めないようだ。

 

 

雪「どうしたのさ〜珍しくため息なんかついて」

 

 

隣の席で休憩していた雪が気になったのか顔を覗きつつ質問してくる。‥どうやらあの件はまだ話していないようだ。

 

 

春井「あっいや‥‥ちょっと今日の訓練はハードだったねって思って‥」

 

 

雪「あ〜‥確かにそうかも(汗)なんせ男性用のメニューだったからねぇ‥‥祐也なんか燃え尽きてたし‥(汗)」

 

 

春井「‥男なんだからもうちょいどうにかしなさいよ‥‥(汗)っと言っても私達がおかしいだけか‥」

 

 

普通に考えたら女性警官が男性警官と同じようなにメニューできる時点で常人ではないと改めて自覚する。

 

 

雪「でも、頑張らないと‥!立派な警察官になるために♪」

 

 

春井「えぇ‥♪そうね♪」

 

 

こうやって雪の活発で元気な笑顔にいつも春井は励まされていた。むしろ彼女が支えになっていると言っても過言ではない。

 

 

春井「あら?そろそろ訓練始まる時間ね」時計を見つつ

 

 

雪「ふぇ?あっ‥本当だ!んじゃ戻りましょうか‥!」

 

 

時計を確認すると丁度時間のため二人は戻っていくのであった‥‥。

 

 

春井「ふぅ‥‥疲れたわ‥‥」トコトコ

 

 

一日が終わり日が落ちた頃、お風呂から上がった春井は眠たそうに寝室へと向かっていたのであった。

 

 

春井「早く寝ないと‥‥「そこのあなた?」誰‥!?」

 

 

早く寝ようと足早に向かっていたが、突然背後から声をかけられて慌てて視線を向ける春井。するとそこには黒のショートでスレンダーな体型の女性‥‥

 

 

春井「あんたは一体誰‥‥?内部の人間じゃないわね‥‥警備員呼ぶわよ」

 

 

「あらあら‥物騒ねぇ‥。私は浅野雪菜っていうの、ランダルの職員と思って貰えればいいわ」

 

 

春井「‥なんでわざわざランダルの人が私に一体何のよう‥‥?」

 

 

少し身構えつつ、なぜここに現れたのか身構える春井。

しかしそんな余裕も次の一言で一瞬で崩れ去る。

 

 

雪菜「そうねぇ‥‥しいていうなら綾文春井さんのご両親殺害事件についていい情報を持ってきたのよォ」

 

 

春井「‥‥!!?」

 

 

雪菜「ふふ‥♪やっぱり雰囲気が変わったみたいねぇ。」

 

 

春井「‥‥詳しく教えてくれないかしら‥‥?」

 

 

雪菜「えぇ♪いいわよぉ♪っと言ってもこの資料見たほうがいいかしらねぇ」

 

 

そういって一枚の資料を彼女に渡す雪菜。それを受け取り春井は真剣に目を通す。

 

 

春井「‥‥なに‥‥これ‥‥」

 

 

読むに連れて表情がだんだんと曇っていく。そこには警察の裏を知ってしまった二人を嫌って上層部が殺し屋に偽装した警察官を送ったという資料。

 

 

雪菜「それがあなたの知りたかった事件の真相ってどこかしら」

 

 

付け足すように雪菜が説明を付け足す。もちろんこれはでっちあげの資料。実際はランダルコーポレーションを探ろうとしていた二人を消すためにランダルのスパイ雪菜とアンブレラから派遣されたウェスカーによって消されたのだ。

 

 

春井「‥‥ありえない‥‥こんなこと‥‥」ワナワナ

 

 

怒りが収まらないようで資料を持っているが震えている。そんな彼女に近寄って耳元で囁く。

 

 

雪菜「憎いでしょ〜?それで提案なんだけど‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

「私達と世界を作り直さない?」

 

 

 

 

 

 

春井「世界を‥‥作り直す‥‥?」

 

 

雪菜「そう‥、今私達ランダルコーポレーションとアンブレラ社は人類再興計画っていうのを進めているの。理不尽なことがない‥‥完全な平等世界‥‥♪」

 

 

しかし普通に考えて見ればこのようなことを言ってる奴はだいたいろくな計画ではないのはわかる。しかしそれをわかっている雪菜はこちらに引き込むためにあえて彼女の両親を殺して誘導させているのだ。

 

 

春井「‥‥その話‥詳しく教えてくれないかしら‥‥」

 

 

案の定、雪菜の策略通り春井はその話に乗ってくる。それを見て計画通りと言わんばかりに彼女は笑みを浮かべる。

 

 

 

 

雪菜「‥‥いいわよ‥」ニヤリ

 

 

 

 

 

――――――――――――――――

そして‥時は戻り‥‥

 

 

雪「‥‥そんなことが‥‥」

 

 

春井の話を聞いて衝撃を隠せない雪、それとそうだろう。自分の知らないところでそんな出来事があったのだから‥‥。

 

 

春井「雪に相談しようとも考えたけど‥‥心配かけたくなかったから‥‥」

 

 

雪「‥‥それで‥‥その復讐と引き換えでアンブレラに入ったの?」

 

 

春井「‥‥(頷く)正確には‥パンデミックが発生してからだけど‥」

 

 

雪「‥‥‥」

 

 

なんて返していいのかわからずしばらく無言になってしまう雪、するとそれを見かねてか春井が口を開く。

 

 

春井「‥‥だからあなた達にお願いがあるの‥‥今すぐこれから手を引いてほしい‥‥」

 

 

雪「春井‥ちゃん‥‥」

 

 

春井「引いてくれるなら‥‥高校に向かわせた部隊やここにいる奴らも引かせる‥‥だか「それは無理」雪‥‥」

 

 

しかし春井の提案に首を降って否定する雪‥

 

 

雪「もう‥‥引くのは無理なの‥‥そこまで来ちゃったから‥‥‥‥。それにそうじゃなくても‥引かない‥」

 

 

春井「そっ‥‥か‥‥」

 

 

真剣な眼差しでこちらを見てくる雪を見て本当昔から変わってないなと気づかれない程度の笑みを浮かべる。

 

 

雪「それに‥新しく目標ができた‥‥ハルちゃんを必ず連れて帰る‥!!絶対‥‥!」

 

 

春井「雪ちゃんは‥本当に変わってないよね‥‥。いいよ‥受けてあげる‥簡単にはやられないわよ?」

 

 

雪「私も‥だよ!」

 

 

そうしてお互い持っていた拳銃を投げ捨てて拳を構えてしばらく睨み合う。

 

 

春井「そういえば‥訓練生時代はどっちが強いか決着つかなかったわよね‥‥せっかくだし‥ここで決めちゃう?」

 

 

雪「いい案ね‥!やりましょうか‥‥!」

 

 

そう言いあったあと二人は弾かれたように飛び出していくのであった‥‥。




両親を失うという悲しい過去を持った春井


しかしその殺害がアンブレラやランダルコーポレーションの策略だとは知る由もなかった。そしてうまいこと雪菜に言いくるめられた春井はアンブレラに所属することに‥‥。


そんな彼女を連れ戻そうと雪は決心、彼女との対決をすることになる。果たして‥‥無事連れ戻せるのか‥


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第五十三話 激戦

いよいよ幕を開けたアンブレラとの一戦

学園生活部は明日を勝ち取るために戦い抜こうとします!


‥‥一階廊下にてにて‥‥ 

 

 

胡桃「とりゃぁ!!」

 

 

ウェスカー「ふん!!」(受ける)

 

 

シャベルのぶつかる音が廊下全体に響き渡る。狭い室内を利用して一気に触手で畳み掛けるウェスカー、しかしその僅かな隙間を見つけて滑り込み接近した胡桃が勢いよくシャベルを振りかざす。だがそれも右腕で防がせれ弾き飛ばされる。

 

 

ズザァァァ!!

 

 

胡桃「うぉっと‥!?」

 

 

それより勢いよく飛ばされるものの、弾き飛ばされた反動を利用して着地する。

 

 

胡桃「へっ‥‥!なかなかやるじゃねぇか‥‥口だけじゃなさそうだな‥!」

 

 

ウェスカー「ふん‥‥その余裕も今のうちさ‥どれだけやりあえてもすでにバテているのはわかってるんだ‥‥」

 

 

胡桃「悪いがアタシは簡単にはくたばらないぜ‥!!」

 

 

ウェスカーの言葉に対して表面は強気の姿勢を見せる胡桃。しかし現実はそう甘くなかった‥‥。

 

 

ー確かに‥‥アイツの言うとおりだ‥‥こっちはけっこうバテてきてる‥‥なのに向こうはほとんどバテていない‥‥くそ‥長引くとこっちが不利だな‥ー

 

 

シャベルを構えつつ息切れをなんとか抑えて体制を立て直す。そして外にチラりと視線を向けるとそこにはタイラントと鶴乃が激しい接近戦を繰り広げていた。

 

 

ーいや‥‥ここでやられてたまるもんか‥!こうなることは予想済みだ‥!ーダッ!

 

 

こんなところでバテてどうすると自分自身を奮い立たせ再びシャベルの先をウェスカーに向けて勢いよく突っ込んでいく。

 

 

ウェスカー「諦めの悪い奴だな‥‥まあいい‥教育するのには絶好の機会だ‥‥」

 

 

 

 

ー外‥駐車場にて‥ー

 

 

ーガァァァァァァ!!!ー

 

 

鶴乃「甘い甘い!!」

 

 

大きな両手を振りかざして勢いよく突っ込んでくるタイラント。しかしその攻撃を交わしつつ鶴乃はその下をスライドさせつつ通り過ぎる。 

 

 

鶴乃「貰ったぁ!!」

 

 

ダダダダ!!!

 

 

ー!!!??ー

 

 

更には振りかざした際にできた隙を見逃さず二丁拳銃で狙いを定めて後頭部に弾丸を連続で打ち込む。流石のタイラントもこれは答えたのか思わず悲鳴を上げて一瞬ひざまずく。

 

 

鶴乃「これでも倒れないか‥‥」

 

 

先程から何回も頭に向けて射撃や扇で打撃を加えているのだがなかなか倒れる気配がしないことに眉を潜めつつ空のマガジンを外してリロードする。

 

 

鶴乃「でもこれで聞いてるってことはいずれかは倒せるかも‥‥、時間はかかるけどやるしかない‥!」

 

 

ー!!!!!!ー

 

 

立ち上がったタイラントが雄叫びを上げて鶴乃へ視線を向けその直後再び勢いよく突っ込んでくる。

 

 

鶴乃「早速来た!!」

 

 

大きく両手を振りかざして先程とはまた違うタイミングで攻撃をしてくる。腕がくるタイミングを予測しつつそれも避け、今度は膝に扇で一撃加える。

 

 

ーグゥゥゥゥ!!ー

 

 

その攻撃で一瞬怯んだものの、また何事もなかったかのようにゆっくりとこちらに視線を向ける。というか先程から攻撃を避けられて、更にはチマチマと攻撃をしてくることに苛立っているのかかなりカンカンのようだ。

 

 

鶴乃「ありゃ‥‥完全に怒らしたかも‥‥(汗)参ったなぁ‥‥これじゃしばらくダウンしてくれないかも‥‥」

 

 

やれやれという表情になりつつ、扇を両手に持ちタイラントと再び向き合う。

 

 

鶴乃「いいよ!この由比鶴乃が飽きるまで相手してあげる!!」

 

 

ーガァァァァァ!!!ー

 

 

両者とも勢いよく地面を蹴り上げて、急速接近していくのであったのだった。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

理琉「クソッタレ!!相変わらずしつこい奴らだぜ!!」

 

 

小春「本当だよ‥!!しつこい男は嫌われるよ!!」

 

 

ステアリングを握りつつ、しつこいほどついてくるアンブレラの車両に思わず悪態をつく理琉。今は日野達が抑えてくれてるとはいえそれでも怪しいラインだ。

 

 

理琉「改めて本気で来てることを肌で感じる瞬間だぜ‥!!」

 

 

由紀「マーくん!!学校見えたよ!!」

 

 

由紀が声を上げると同時に理琉と小春はバックミラーから前へ視線を向ける。すると少し先に‥出発したときと変わらないボロボロな校舎が見えてきたのだ。

 

 

小春「とりあえずなんとか着け‥っ!」

 

 

一瞬安堵した小春だったがすぐに引き締まる。視線の先には校舎の裏山上空でホバリングするヘリと降下していく部隊が‥‥

 

 

理琉「先回りされてたかァ‥‥!」

 

 

由紀「どっどうするの‥!?」

 

 

理琉「行くしかねェ!ここまで来たら!」

 

 

引き返せない以上このまま行くしかないと決め込んだ理琉はアクセルを更に強く踏み込む。これでもかというほどエンジンの咆哮が甲高くなりキャンピングカーが加速する。

 

 

日野「どうやらあっちは覚悟決めた見てぇだな‥!」

 

 

美紀「私達も行きましょう!!」

 

 

圭「だね!そんでついで派手に暴れちゃおうか!!」

 

 

日野達も覚悟を決めてキャンピングカーの加速に負けないほどクラウンをフル加速させて追走させる。

 

 

理琉「やっぱり音でよって来るか!!」

 

 

ヘリや銃撃戦の音でつられてきたのか校門前にはかなりのゾンビがウロウロしていた。だが他に入れそうな入口はない上に時間がないとなれば‥

 

 

理琉「ツッコむぞ!!みんな捕まってなァ!!」

 

 

小春「オッケー!!」

 

 

由紀「わかった!!」

 

 

太郎丸「ワン!!」

 

 

メンバー全員の確認が取れたのを確認した理琉は校門にたむろっているゾンビの集団を睨みつける。その右足はアクセルペダルから離れることはなくむしろ踏む力が強くなっていた。

 

 

理琉「オラァァァァ!!!」

 

 

叫び声とともにキャンピングカーは校門のゾンビの大群に派手に突っ込んでいく。ぶつかったゾンビは次々とグロテスクな音を出しつつ引かれていき、息絶える。だが突破は無事に成功して突っ切る。後続に続いたクラウンも理琉のキャンピングカーが開けた突破口に滑り込んで無事通過する。

 

 

ギャァァァ

 

 

突破すると同時に2台はほぼ同時にフルブレーキングを行いあえてスピンさせ、コーンなどを吹き飛ばしつつ車体を滑らせながら正面玄関ギリギリのラインで停車、それからすぐに発進して裏口に移動する。追ってきたアンブレラの車両は入口のゾンビのせいで攻めあぐねているようだ。

 

 

太郎丸「ぅぅ‥‥」

 

 

小春「あ〜‥びっくりしたぁ‥‥」

 

 

由紀「だよねぇ‥‥ぶつかるかと思ったよ‥‥」

 

 

理琉「へへッ‥‥我ながら恐ろしいと思ったゼ‥‥」

 

 

日野「ふぅ‥‥とりあえずは最初の難関クリアだな‥」

 

 

美紀「けっこうやばかったですよ‥‥タイラントのときよりも心臓に悪かったかも‥‥」

 

 

圭「ハンター‥?ってやつのときとはまた違った疲れた‥‥」

 

 

とりあえずアンブレラが入口で手こずっている間に車から武器を取り出し、校内へと入っていく。

 

 

日野「やっぱりいるか‥!!」

 

 

高校にいたときはバリケードをしっかり作っていたのだがランダルとの戦闘で壊れた影響かゾンビが入り込んでおり中を彷徨いていた。

 

 

理琉「いや!コイツらだけならまだいい!」 

 

 

しかし理琉はもう一つの存在に眉を潜める。こちらに気づいたゾンビはゆっくりとこちらに向きを変えてやってくる‥。だがどこからか飛んできた銃弾の嵐を受けて血などを飛び散らせつつ倒れていく。ゾンビが倒れると同時に背後に明らかに人間ではない腕をして黒色の服を着てガスマスクをし、銃器を持った謎の集団が‥‥

 

 

圭「なに‥あれ‥?人‥?」

 

 

小春「いや‥あれは人じゃない‥‥骨格が全く別物‥‥もしかしてアイツも生物兵器‥?」

 

 

全く見たことがない姿をしているため一同は呆気に取られていた。だが謎の生物はそんなことをお構いなしにこちらを見つけると銃口を向けて射撃してくる。 

 

 

ダダダダダ!!!  

 

 

理琉「避けろォ!!」

 

 

理琉の叫び声で反射的に階段へと飛び込んでいく一同、直後先程までいた場所を弾丸の嵐が飛び交っていく。

 

 

美紀「‥見た目でわかりましたが‥‥やはり敵でしたか‥!」

 

 

日野「理琉!!ここは俺らに任せて小春と由紀を連れて屋上にいけ!!」

 

 

理琉「ワリィ!恩にきる!」

 

 

小春「三人とも気をつけてね!!」

 

 

由紀「みーくん!けーくん!ひーくん!またあとで絶対会おうね!!」

 

 

美紀「先輩方も気をつけて!」

 

 

圭「ここは任せなさい!!」

 

 

ダダダダダダ!!!

 

 

そう言いつつ日野や美紀、圭は愛銃を取り出し銃口を謎の生物兵器に向けて射撃を開始する。勢いよく詰めてきていた相手はいきなりの射撃に対応できず先頭にいた一体がもろに銃撃を喰らい、止めと言わんばかりに美紀のバレットから放たれた弾丸が頭を貫通。そのまま倒れ込む。

 

 

ダダダダダダ!!

 

 

しかし残りの4体はその一体が攻撃を引き受けた隙を利用して牽制射撃しつつ教室へ退避していく。

 

 

圭「さっすが美紀!うちのエーススナイパーだね!」

 

 

美紀「いえ‥♪今のはみんなが足を止めてくれたからですよ‥♪しかし‥‥」

 

 

圭のべた褒めに思わず笑みを溢しかけた美紀だがすぐに真剣な表情に切り替わり隠れつつ射撃してくる相手を建物影から睨みつける。

 

 

美紀「あれは‥一体何者なのでしょうか‥‥人ではないですからアンブレラの生物兵器なのでしょうけど‥‥」

 

 

日野「あれはUT-ユニット呼ばれる人型の生物兵器みたいだな‥‥。別名掃除屋って呼ばれてるらしくてアンブレラで抹殺対象になった人物を排除したり関連施設の爆破を任務にしてるらいしな‥」

 

 

美紀と圭が首を傾げていると日野がアンブレラ会社から持ってした資料を取り出して相手の情報を補足説明する。

 

 

美紀「つまり私達は抹殺対象ってことですよね‥!」

 

 

圭「‥というか!それよりすでに抹殺対象になってるけどね!」

 

 

 

 

ー3階ー

 

 

由紀「この中央階段を登れば‥‥!!」

 

 

日野達がひきつけてくれたお陰で3階に上がることに成功した由紀達。下では激しい激戦を繰り広げているがここは嘘みたいに静かであった。

 

 

理琉「とりあえずここは俺が見張っておく!由紀と小春は上に上がっててくれ!」

 

 

小春「わかった‥!!」

 

 

由紀「マ―くん気をつけてね!!無茶はしちゃ駄目だよ!!」

 

 

理琉「‥安心しなァ!簡単にこの俺はくたばらねェ!!それにオマエこそも気をつけろよ!無理なんかするんじゃねぇぞ?」

 

 

由紀「もっちろん!」

 

 

理琉と別れた由紀と小春は階段を登って屋上へと向かうのであった。それを確認した理琉は誰も見ていない奥の階段を見ようとした‥その直後

 

 

ダダダダダダ!!!

 

 

理琉「早速きやがったかァ!!」

 

 

予想通りと言わんばかりに奥から銃弾の嵐が飛んできて理琉は反射的に遮蔽物へ隠れ、飛んできた方向に視線を向ける。奥の階段から除くようにアンブレラの特殊部隊がパット見四人ほどだろうか‥こちらに射撃をしてくる。

 

 

理琉「やれやれ‥!こうなりゃしっかりと歓迎しないとなぁ!」

 

 

そういってウィンチェスターとデザートイーグルをそれぞれ片手に持って遮蔽物から覗くように銃口を向ける。

 

 

理琉「わリィがここを取りたければ俺を倒していきな!!」

 

 

そう叫ぶと射撃をしつつ弾幕の嵐の中勢いよく理琉は吶喊していくのであった。 

 

 

 

ー屋上にてー

 

 

ガチャン!!

 

 

小春「こっちは異常なし!!」

 

 

由紀「こっちも問題ないよ!!」

 

 

扉を勢いよく蹴り開けてお互い死角を警戒しつつ屋上へと踏み入る。そして誰もいないことを確認してから銃をおろしてワクチンのサンプルが入ったケースを運び込む。

 

 

小春「えっと‥簡易災害用貯水槽は‥‥」

 

 

由紀「はーちゃん!こっち!」

 

 

由紀の案内を受けて貯水槽のある場所へと急いで足を運び駆け寄る。それから貯水槽に水が入っていること確認してワクチンのサンプルとアンブレラから持ってきた研究キットを取り出す。

 

 

由紀「ボ―モン!!通信設備起動まであとどれくらいかかる!?」

 

 

ボーモン「アト ゴフン カカルヨ」

 

 

小春「んじゃ!今のうちにさっさと準備しちゃいますか!!」

 

 

通信設備の用意ができる間にワクチンを作るために二人は早速作業に取り掛かるのであった。




今のところはなんとか順調な学園生活部


‥しかし現実は甘くないというのをのちに知らされることになります‥


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第五十四話 親友

あちこちでアンブレラと学園生活部による戦闘が激化する中‥‥雪達のいる自衛隊基地も例外ではなくさらに激化するのであった。


春井「っと!」どす!

 

 

雪「甘い甘い!!」ガッ!

 

 

春井「っ!?」ドン!

 

 

タイミングを見て春井がストレート攻撃をお見舞いする。しかしそれを予測していた雪は受け流してカウンター攻撃をしてその反動で少し飛ばされる。

 

 

春井「‥‥相変わらず‥やるわね‥‥(ハァハァ)」

 

 

雪「そうゆう‥ハルちゃん‥だって‥(ハァハァ)」

 

 

休みなしのぶっつけ勝負のためお互いの疲労はかなり蓄積して息切れを起こしてしまうほどであった。

 

 

春井「‥こんな‥全開勝負なんて‥いつぶりかしら‥‥(ハァハァ)」

 

 

雪「訓練生時代‥以来じゃ‥ないかな‥(ハァハァ)」

 

 

春井「だよね‥‥(ハァハァ)アンブレラに‥いたとき‥でも‥ここまでの‥勝負はなかった‥よ‥」

 

 

雪「意外‥だね‥?てっきり化け物クラスの人がゴロゴロ‥いるのかと‥思ったよ‥‥(ハァハァ)」 

 

 

春井「それは‥一部の人間や‥生物兵器くらい‥よ‥‥。ほとんどの‥人間は‥普通よ‥(ハァハァ)」

 

 

雪「へぇ〜‥‥(ハァハァ)」

 

 

息切れをなんとか抑えつつ会話をしている二人。やはり超人対超人となればなかなか決着がつかないというのも事実。そんな中ふと何かを思い出したのか雪があることを質問する。

 

 

雪「そういえば‥‥一つ‥聞いていいかな‥(ハァハァ)」

 

 

春井「なに‥‥?(ハァハァ)」

 

 

雪「なんで‥アンブレラとランダルコーポレーションは‥‥ハルちゃんを選んだの‥‥?(ハァハァ)」

 

 

春井「‥‥え‥‥‥?」

 

 

――――――――――――――――――

 

 

胡桃「っぁぁ!!??」ガシャァァァン!!

 

 

ウェスカー「‥‥そろそろ‥だな‥‥」カチ

 

 

ウェスカーの一撃を受けて胡桃は派手に突き飛ばされ重ねておいてあったパイプ椅子の束に叩きつけられ、ぶつかった衝撃で崩れてきたパイプ椅子に埋もれる。それを見つつ彼は腕時計を見てつぶやく。

 

 

ウェスカー「君との遊びもそろそろ終わりにしよう‥‥私はやることがあるのでな‥」クル

 

 

胡桃「くそ‥まて‥よ‥!っ‥‥!?」

 

 

痛む体をなんとか奮い立たせつつなんとか立ち上がる胡桃。しかしウェスカーが向かおうとしている方角を見て驚愕する。

 

 

胡桃「まさか‥‥!!くそ!雪のところには行かせるかよ!!」

 

 

雪のいる二階へ向かおうとしていることがわかるやいなや近くに転がっていたシャベルを手にとって先程とは比べ物にならないくらいの瞬発力を見せてウェスカーの背後に襲いかかる。

 

 

ウェスカー「さっきよりかは‥‥速くなったな‥‥だが‥‥」ゴッ!

 

 

胡桃「ガッ‥‥ハ‥!?」

 

 

しかしそれでもウェスカーに一撃を入れることはできずに再び触手によりデカい一発を叩き込まれる。その衝撃に胡桃は思わず顔を顰めるが、そんなことをおかまないなしに今度は足で彼女を建物外へ蹴り飛ばす。

 

 

胡桃「っ‥‥‥!?って‥‥ヤバ‥‥ぁ‥‥!?」

 

 

さらに狙ってか否か蹴り飛ばされた先にはタイラントが居座っていたのだ。胡桃も気づいて慌てて避けようとしたが飛ばされた状態で避けれるはずがなく。タイラントの一撃をくらい再び吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。

 

 

鶴乃「‥‥っ!?胡桃ちゃん!!」

 

 

体制を立て直していたタイミングで起こった出来事に驚きを隠せない鶴乃。とりあえずひとまずタイラントに牽制射撃をしつつ胡桃に駆け寄る。

 

 

鶴乃「大丈夫‥‥!?胡桃ちゃん!」

 

 

胡桃「ぁ‥‥っ‥‥」

 

 

ウェスカーとタイラントのダブル攻撃、更に壁に叩きつけられた衝撃で命には別状はないが(いや、むしろあの攻撃をよく耐えられたな)彼女の意識は朦朧としていた。

 

 

鶴乃「とりあえず‥‥ここで安静にしてて‥!あんまり動くと怪我ひどくなるかも‥だから‥!」

 

 

胡桃「つ‥るの‥‥うし‥‥」

 

 

鶴乃「後ろ‥‥?ってまさか!?(振り向く)」

 

 

朦朧としている意識をなんとか保ちつつ、何かを訴える胡桃。そう言われて一瞬不思議に思い首を傾げたが何か気配を感じて慌てて振り返る鶴乃。

 

 

ガシッ!!

 

 

鶴乃「しま‥‥っ‥‥ぁ‥」

 

 

しかし相手の方が一足早かったようだ。胡桃に意識が言っている間に体制を立て直したタイラントは鶴乃に忍び寄りこちらに気づいたタイミングとほぼ同時に右腕で捕まえる。

 

 

胡鶴乃「はな‥して‥‥」 

 

 

ー‥‥‥‥‥‥‥ー

 

 

なんとか抜け出そうと腕の中でモゾモゾする鶴乃。しかし相手は圧倒的な力をあり合わせるタイラント、抜け出せるはずがない。抵抗している彼女をタイラントはじっと見つめる。それから勢いをつけて突然投げ飛ばしたのだ。

 

 

鶴乃「な‥‥ぁぁ!?」ガシャァァァン!!

 

 

投げ飛ばされた鶴乃は敷地内の倉庫の外壁に叩きつけられ地面にずり落ちる。 

 

 

鶴乃「い‥‥たぁ‥‥」

 

 

ぶつけられた衝撃で顔をしかめつつなんとか立ち上がろうとする。しかしそれに追い打ちをかけるかのようにタイラントが再び急速接近してくる。

 

 

鶴乃「あ‥‥‥」

 

 

彼女の視界に映ったのはこちらに迷いもなく近寄ってくるタイラントの姿‥‥そして一瞬だが今までの思い出‥走馬灯のようなものであったのだ‥。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

雪「なんで‥アンブレラとランダルコーポレーションは‥‥ハルちゃんを選んだの‥‥?(ハァハァ)」

 

 

春井「‥‥え‥‥‥?」

 

 

まさかの雪からの質問に春井の表情が固まる。

 

 

雪「‥だって‥何らかの理由がないと目をつけないし‥‥それに‥選んだってことは何か理由があるはずだよ?」 

 

 

春井「‥‥言われてみれば‥‥ってきり復讐を誓ってる人をターゲットしてるのかと思ったけど‥‥それだと説明が‥‥じゃあ‥‥‥まさか‥」

 

 

どうやら彼女自身今まで気にしてなかった(といくうか親を殺された影響でそれを考える余裕がなかったのだろう)が雪に言われておかしいという考えになる。

 

 

雪「‥‥‥‥っ!?ハル!後ろ!」

 

 

何か嫌な予感がした瞬間なにか気配を感じて慌てて春井に警告する。

 

 

春井「え‥?(振り向こうとしたとき)フグ‥ァ‥‥!?」

 

 

雪に言われて振り向こうとしたとき背後から一撃を入れられて壁に叩きつけられる。その後ろには‥‥ウェスカーの姿が‥‥

 

 

ウェスカー「やはり‥‥バレてたか‥‥タイミング的にはグットだな」

 

 

雪「ハル!!」

 

 

慌てて彼女の元へ駆け寄っていく雪。足を負傷したようだが、なんとか支えてもらいつつ起き上がり春井はウェスカーを睨む。

 

 

春井「‥足‥が‥‥それより‥‥あなた‥‥まさか‥‥」

 

 

ウェスカー「そうだ、知られたからには話さないといけないだろう‥‥。それに‥君はもう用済みだ‥‥」

 

 

春井「それって‥どうゆ‥‥」

 

 

ウェスカー「そもそも‥我々が君を選んだ理由は超人的な身体能力を持っていること。私の計画に利用できると思ったからだ‥‥それに‥‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

「君の家族を殺したのは警察ではく‥私だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春井「ぇ‥‥」   

 

 

ウェスカー自身から発せられた信じられない言葉、それを聞いた途端頭の中が真っ白になってしまい、そのあとに体が震えだす。

 

 

春井「じゃあ‥‥私が‥‥復讐のためだってしてたことは‥‥ただの人殺しだったっていうの‥‥‥‥くっ‥‥!!」

 

 

溢れ出る罪悪感、そして止まらない涙を必死で抑えようと手で抑える。それもそうだろう‥‥今までやってきたことがただの虐殺に近いものだ‥まだ二十歳の彼女に耐えれるはずがない。

 

 

ウェスカー「ふん‥所詮この世界は弱肉強食‥‥利用されるだけ利用して要らなくなった者は切り捨てられる‥‥そうゆu‥「最っ低‥!!」」

 

 

淡々と語っているウェスカーだったがそれを遮るような声が響き渡る。改めて視線を向けると駆け寄っていた雪が涙目になりながらこちらを睨んでいた。

 

 

雪「‥そんな自分勝手な理由でハルちゃんを利用したわけ!!?こんなことをするために家族殺して‥!!」

 

 

ウェスカー「世界というものはそうy‥‥」

 

 

雪「いい加減なこと言わないで!!!」

 

 

弁明しようとしたウェスカーの発言を再び遮りつつ近くにあった89式を手にとって立ち上げる。

 

 

雪「あんたにどんな理由があろうが‥‥人を‥‥私の大切な親友を‥!!」

 

 

そう叫びつつウェスカーに銃口を向けてトリガーに指をかける。

 

 

春井「雪‥‥‥どうして‥‥」

 

 

そんな雪をみてなぜ自分を守ろうとしてくれるのか理解できなかった。いくら騙されていたとはいえこの計画やパンデミックに関わった人間、それなのに守ろうとしてくれる彼女にそう投げかける。

 

 

雪「‥そっちで何があったのかはわからない‥けど‥‥ハルは私の大切な親友だから‥‥!」

 

 

パンデミックでいろいろと苦労してきているはずなのだがそれでも変わらない彼女の姿を見ていて少し笑みを浮かべる。

 

 

春井「‥本当‥そうゆうところは変わってないわね‥‥」

 

 

雪「祐也にもよく言われたよ(汗)とりあえず‥ハルは休んでててあとは私がやるから‥!」

 

 

春井「でっでも‥‥!」

 

 

雪「大丈夫‥‥!私‥負けないから‥!」

 

 

なんとか止めようとする春井の手を優しく振り払いウェスカーと対峙する雪。直後トリガーを引いて発砲ウェスカーに向けて弾丸が放たれる。

 

 

ウェスカー「‥‥っ!」

 

 

ほとんどの弾は触手で防ぐことに成功したが数発の弾を喰らい膝をつく。その間に雪は誘導するかのように射撃しつつ立ち去る。

 

 

ウェスカー「なるほど‥自分から追い込まれに行くのか‥‥面白い。」

 

 

先に春井を始末しようと考えていたウェスカーだが、好戦的な雪を見て血が騒いだのか足をやられて動けない彼女を放置して後を追う。

 

 

春井「‥‥あれは‥不味い‥‥」 

 

 

しかし春井の顔には焦りと不安の表情が浮かび上がっていた。彼とよく行動していた彼女だからこそわかる、ウェスカーの身体能力は尋常ではない。元々運動神経がいいのにそれにプラスするようにウィルスを打ち込んでいる。そうなれば彼女だけで勝てるとは到底思えない。

 

 

ーどうすれば‥‥一体どうすれば‥ー

 

 

追いかけようにも先程いったように足を負傷しているため動くことができない。なにかないか周囲を見渡して必死に探す。

 

 

ーなにかあれば‥‥って‥‥これはー

 

 

ふと膝元に視線を送るとそこにはトランシーバーが一つ転がっていた。自分のではないとなるとおそらく雪のトランシーバーだろう、そろりと拾い上げると丁度のタイミングで反応する。

 

 

日野『こっちはけっこうギリギリだ!そっちはどうなんだ!?雪!』

 

 

春井「この声‥‥もしかして祐也!?」

 

 

訓練生時代の際に何度も聞いた聞き慣れ、そして雪とよく一緒にいた男性の声。それに該当するのは一人しかいない、そう‥日野だ。

 

 

日野「って‥春井!?久しぶりだな‥‥生きていたのか‥‥」

 

 

春井「えぇ‥けど!再開話はあとで!今は伝えないといけないことが‥!!」

 

 

久しぶりの再開になつかしみかけていた春井だがすぐに我に戻って状況を速やかに説明する。 

 

 

日野「なに‥‥!?それは本当か!」

 

 

春井「本当‥‥!私を庇うために‥‥‥‥」

 

 

 

 

日野sidebar

 

 

久しぶりに声を聞くことができた春井から衝撃的な事実を耳にする。まあ‥雪の性格を考えれば負傷者の近くで戦闘するのは危ないと判断したのだろう‥‥。だが今回は相手が悪すぎる。

 

 

ーどうする‥どうするんだ‥俺‥‥考えろ‥‥ー

 

 

遮蔽物で身を隠しつつどうにか打開策がないか頭をフル回転させて考える。‥‥幸いここから基地まではさほど遠くないからいけないこともない‥‥だがそれよりも問題なのが学校周辺に集まっているアンブレラの兵士とゾンビという壁の突破というのが待っている‥。

 

 

ーアイツらを突破しない限り‥基地にはつけない‥ほれに‥あの中に行けば間違いなく‥‥蜂の巣にされる‥‥それに‥ここを守らないと‥‥どうすれば‥‥ー

 

 

美紀「日野さん‥!」

 

 

一体どうすればいいのか‥‥そんな雰囲気が伝わっていたのか美紀に声をかけられて視線を彼女に向ける。

 

 

美紀「ここは私達に任せて‥日野さんは雪さんのところに‥‥!」

 

 

日野「だっだが‥‥」

 

 

圭「この量なら捌けるから大丈夫‥!それにトーコ先輩から貰ったコイツもありますし♪」

 

 

そう言って圭が取り出したのは大学の地下施設で桐子から渡されたM249 SAW(分隊支援火器)とMk19自動擲弾発射機が‥。おそらく俺が抜けた分はこれで穴を埋めるつもりだろう。

 

 

美紀「それに‥‥!日野さんにとって雪さんは大切な存在何でしょ‥?なら尚更‥!!」

 

 

立てかけてあった対戦車ミサイルのジャベリンを取り出して門に狙いをつける美紀。

 

 

美紀「突破口は私が作ります!!日野さんはその間に!」

 

 

日野「あぁ!わかった!恩にきるぜ!!」

 

 

二人に感謝(おそらくこの先ずっとしきれないだろう)をして20小銃片手に裏口に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

美紀「‥‥さてと‥ここからか本番ってやつですかね‥?」

 

 

飛び出した日野を見送りつつちらりと校門に視線を向ける美紀。そこには彼らと戦闘しつつ門を制圧しているアンブレラの隊員の姿が‥‥

 

 

美紀「‥‥‥」

 

 

いくら覚悟を決めたとはいえ、彼女はまだ高校生‥やはりしきれないものなのか、一瞬彼女との今までの思い出が走馬灯のように現れてジャベリンを持っている手が震える。するとそれをみた圭がそっと手を添える。

 

 

美紀「‥‥圭‥‥」

 

 

圭「大丈夫‥♪私は絶対美紀をおいていかないよ‥♪だって‥大切な友達だもん♪」

 

 

先程まで震えていた手であったがいつの間にか震えは収まっており静かに握り返す。

 

 

美紀「そう‥‥ですね‥!圭と居ればどこにだって行ける‥これからも‥この先も‥!」

 

 

いつもどおりの彼女に戻ったあと再びジャベリンの狙いをつけ直しつつ圭に話しかける。

 

 

美紀「私が突破口を開いているうちに圭は廊下の敵を抑えてもらえない‥!?」

 

 

圭「もっちろん任せなさい!」

 

 

美紀のお願いにドヤ顔で答える圭、そして自動擲弾発射器を持ち出して廊下からやってくる掃除屋に狙いをつける。

 

 

圭「こっから先は通さないよ!!」

 

 

そう叫ぶと自動擲弾発射器のトリガーを引いて発砲、放たれた擲弾は宙を舞いながら飛んでゆき掃除屋の回り込で相次いで炸裂する。

 

 

美紀「‥‥」スチャ

 

 

それを確認しつつ、ジャベリンの照準越しに正門の兵士達に狙いをつける美紀。その直後に響き渡るエンジン音とともに日野が乗ったクラウンが裏口から飛び出してくる。もちろんそれに気づいたくださいアンブレラよ兵士は慌ててそちらに狙いをつける。

 

 

美紀「固まっていたのが仇となりしたね‥」

 

 

彼女がそう呟くと発射トリガーを思いっ切り引く。そのすぐ後に発射炎ともに対戦車ミサイルが放たれて正門に集まっていたアンブレラに向けて飛んでいく。

 

 

「What's that?(なんだあれは?)」

 

 

「It ’s a missile! A missile has arrived!!(ミサイルだ!ミサイルが来てるぞ!!)」

 

 

「Evacuation! Evacuation!(退避!!退避!!)」

 

 

最初はなにが飛んできているのかわからなかったアンブレラの隊員だがミサイルだとわかった途端に慌てて退避するために散らばろうとする。

 

 

「残念ですが‥‥もう‥遅いです」

 

 

しかし気づいたタイミングがおそかったため、退避降る前にミサイルが着弾。戦車さえも吹き飛ばすことのできるミサイルのため威力は凄まじく激しい爆風に包まれる。さらには近くには軽装甲車などが止まっており、弾薬などを積んだトラックがいたことから次々と誘爆、収まるところが更に悪化して正門当たりが火に包まれる。

 

 

ーこれなら‥!!ー

 

 

美紀が作ってくれた突破口を無駄にしないために火が弱いところに車を突っ込ませて正門を突破することに成功する。

 

 

ー‥だがこの先どうなるか‥もしかしたら‥‥死なない‥いや‥死ねない‥‥!絶対死んでたまるものか‥雪と約束したんだ‥‥生きて帰るって‥!‥それに‥‥ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーぜってぇ雪は俺が助ける!!ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




タイラントの圧倒的な力により胡桃‥そして鶴乃が危機的状況に‥‥‥


そしてウェスカーに裏切られた春井はかなりの衝撃を受けてしまう。そんな彼女を守るために雪はタイマン勝負にもつれ込んでしまう‥‥。



果たして‥雪の運命は‥‥そして‥日野は彼女を救うことができるのか‥‥ 
物語はいよいよ大詰めに差し掛かります!


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最終話:前編 仲間

いよいよ架橋に差し掛かってきました‥‥

学園生活部対アンブレラ‥‥


彼女達はどう戦うのか‥‥


鶴乃「‥‥‥っ‥‥」

 

 

あれからどれくらい時間が経っただろうか‥‥横たわりながら朦朧とした意識をなんと保たせる。

 

 

ー‥‥‥‥‥ー

 

 

胡桃「こい‥‥つ‥‥はな‥ぐぁ‥‥!?」ガシャァァァン!!

 

 

よろよろしつつなんとか抵抗しようとしていた胡桃だったがタイラントはそんなことお構いなしにわしづかみして投げ飛ばす。飛ばされた胡桃は無慈悲にも木箱の束に叩きつけられて力なく倒れ込む。

 

 

ーかて‥ない‥‥どう‥‥やっても‥‥ー

 

 

どんなに運動神経が良くても相手は歴代のバイオ主人公キャラを幾度も苦しめてきたタイラント。胡桃と鶴乃だけで倒せる相手ではないのだ。

 

 

ー‥‥ダメ‥なの‥かな‥‥ここまで‥‥来た‥‥のに‥‥ー

 

 

どんなにやっても全く勝てないタイラントを見つめつつ、悔しそうに歯を食いしばる。しかしタイラントが意識がある鶴乃に気づいてゆっくりと歩み寄ってくる。

 

 

ーいや‥‥いやぁ‥‥だ‥‥よ‥‥こんな‥‥ところ‥で‥‥ー(涙が頬を流れる。)

 

 

逃げようとしても動くことができない‥‥おまけに抵抗する力はもう残ってないという絶望的な状況、悔しさの次にこみ上げてきたのは涙‥‥、今までに経験したことがないような恐怖が湧いてくる。

 

 

ー‥‥みんなと‥‥出会えた‥のに‥‥‥それに‥‥ここまで‥来たのに‥‥嫌だ‥‥死にたく‥‥ない‥よ‥ー

 

 

そんな鶴乃の恐怖をあざ笑うかのようにゆっくりと近づいてくるタイラント。目の前まで来るとじっと見つめてからトドメを刺すために右拳をつきあげる。

 

 

ーごめん‥‥私‥‥ここ‥まで‥‥かも‥ー

 

 

殺られる‥反射的に本能がそう伝わり静かに目を閉じる鶴乃。そのまま‥仕留められてしまう‥‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュルルルルル!!!

 

 

突如として響き渡るキャタピラが地面を叩きつける音、それに気づいたタイラントはしかけていた攻撃をやめてゆっくりとその音のする方角へ視線を向ける。鶴乃もゆっくりと体を起こしつつ同じように目線を向けるとそこにはコンクリートの外壁が

 

 

ーこの‥音‥‥は‥‥?ー

 

 

一体この音は何なのか‥‥それがわからない鶴乃は朦朧としている意識の中で可能な限り神経を集中させる。だが‥どうやら音の主は近づいているようだ。

 

 

ギュルルルルル!!!!!

 

 

何かはわからない‥だがこちらに来ていることを悟ったタイラントは素早く戦闘態勢に移行しつつ身構える。そのすぐ直後‥‥

 

 

ドォォォォン!!!

 

 

ガシャァァァン!!!!

 

 

とてつもない音、それも先程のキャタピラ音が聞こえなくなるほどの轟音が鳴り響くとともに外壁の一部が勢いよく粉々に砕け散り周囲に散った土煙の中から陸上自衛隊所属の10式戦車が勢いよく飛び出してくる。

 

 

「オォォォォォ!!!!」

 

 

操縦席ようハッチから顔を出した声を張り上げつつ男はその足を止めずにタイラントに向けて突っ込んでいく。狙いがこちらだということを悟ったタイラントは素早く身構えの姿勢に入る。

 

 

ゴォォォォォン!!!

 

 

両者とも引かない姿勢の状態で激しく激突、しかし勢いをつけていた10式の方がこの状態では有利なのは確か。身構えていたタイラントをお構いなしのように押していき、その影響でタイラントの足元のコンクリートがえぐれていく。

 

 

鶴乃「‥‥これ‥は‥?」 

 

 

いきなりの出来事で一体何が起こっているのか理解ができていない鶴乃の前をタイラントを押していく10式。だがおせていたのも最初だけ‥やはりタイラントの力は化け物じみており少し押していった先で完全に膠着してしまう。

 

 

「コイツと張り合う気か‥!!?」

 

 

操縦手ハッチの男は戦車と張り合おうとするタイラントに驚きを隠せないようだ。しかしかなり重量のあるはずの戦車をタイラントはジリジリと持ち上げていく。

 

 

「くっ!」

 

 

「あら、カルロス。だらしないわね」

 

 

どうやら戦車を動かしているのはカルロスという男性らしい。どこからか彼を呼ぶ声が聞こえるとともに戦車の背後から一人の女性が全力で駆け寄ってきて砲塔上部からハッチを使い乗り込む。

 

 

「仕方ねぇだろ‥ジル!咄嗟の判断なんだから‥!それより早くこいつを戦車砲で吹き飛ばしてくれ‥!!」

 

 

 

「わかってるわよ」

 

 

そうカルロスに告げたジルは砲塔を旋回させて砲身をタイラントの顔面に向けて狙いを定める。

 

 

ドォォォォン!!!

 

 

直後、発砲炎とともに放たれた砲弾はそのままタイラントの顔面‥‥が避けたことで側面を通過して策を飛び越えて民家に命中する。

 

 

「あら?しぶといのね?ラクーンで遭遇した追跡者並みにやるわ‥‥!でも‥次は逃さないわよ?」

 

 

そう呟くと砲塔を旋回させてタイラントに狙いをつけようとしたが左右に顔を振ることで照準に入らないように避けているせいでなかなか撃つことができない。そのうちに戦車はジリジリと浮いて言っていく‥‥。

 

 

「コイツ‥諦め悪いわね‥!」

 

 

「ジル!!早くしろ!こっちはもう持たねぇぞ!!」

 

 

流石にやばいと思ってき始めたのか最初は余裕の表情かましていたジルだが少し焦りが見え始めてくる。

 

 

ーガァァァァァ‥‥(ダダダタ!!)!!??〜ッ!!!ー

 

 

しかしどこからか銃声が鳴り響くとともに数発の弾丸が飛んできてそのうちの2発がタイラントの目に直撃する。それにより完全に目潰しされたことにより動きが止まってしまう。

 

 

鶴乃「はぁ‥‥はぁ‥‥」

 

 

銃弾が飛んできた先には横たわっていた体をなんとか起こしてBeretta92fで狙いをつけていた鶴乃の姿が‥‥

 

 

カルロス「今だ!!」

 

 

ジル「えぇ!!」

 

 

その隙を見逃さなかったカルロスが号令をかけ、それに合わせるように砲身をタイラントの顔面に向けるジル。

 

 

ジル「吹っ飛びなさい‥!」

 

 

ドォォォォン!!

 

 

勢いよくトリガーを引くジル、直後120ミリ滑空砲弾が轟音とともに放たれタイラントに向けて飛んでいく。いくら強靭な肉体を持っているタイラントでも流石に顔面至近距離、尚且戦車砲に耐えられるはずがなくもろに砲撃を顔面に受ける。

 

 

ガァァァァン!!!

 

 

砲撃を受けたタイラントは首無し状態になり、先程まで入れていた力が嘘かのように手がぶら下がる。力が無くなったことでフルパワーで押していた10式は急に止まれずにそのままタイラントの亡骸を押し倒して引いてゆき壁に激突してからようやく止まる。

 

 

鶴乃「‥‥私‥生きてる‥のかな‥?」

 

 

胡桃「‥‥‥っ‥‥!」

 

 

鶴乃「胡桃‥‥ちゃん‥‥!」

 

 

まだ頭の整理ができていないためかあ然としている鶴乃だったが胡桃の意識が戻ったことに気づいて慌てて駆け寄ろうとする。

 

 

鶴乃「いまい‥‥」フラ

 

 

クレア「よっと‥」

 

 

しかし急に立ち上がったためかバランスを崩してしまい

倒れそうになってしまうがクレアがその直前になんとか支えることに成功する。

 

 

クレア「あんまり無理しちゃ駄目よ?なんせタイラントとやりあってたんだから‥‥」

 

 

ジル「クレア?どう?二人の容態は」

 

 

クレア「けっこうやられてるみたいだけど命に別状はないわ。あとは施設でちゃんと治療受ければ大丈夫そう」

 

 

カルロス「すでにヘリはこっちで手配してある」

 

 

胡桃「あ‥んた‥たち‥は‥?」

 

 

ジルとカルロスがクレアの元へやってきて二人の容態を確認している。そんな三人を見て不思議に思った胡桃はそう尋ねる。

 

 

ジル「あら自己紹介してなかったわ。私はジル・バレンタイン、あなたたち運が良かったわね。」

 

 

クレア「クレア・レッドフィールドよ。よろしくね。」

 

 

カルロス「カルロス・オリヴェイラ、元アンブレラのU.B.C.S.っていう傭兵に所属していたが今はアメリカ軍の特殊部隊に入っている。」

 

 

鶴乃「由比‥‥鶴乃‥‥です‥先程は‥ありがとう‥ございました‥‥」

 

 

胡桃「いてて‥‥あっ私は恵飛須沢胡桃だ‥‥危ないところを助けてくれて感謝してるぜ‥‥って‥そうだ!」

 

 

お互い自己紹介を終えた直後に胡桃が何か思い出したのか慌て始める。

 

 

胡桃「それより雪っていう人を助けてほしいんだ!!アイツのもとにアンブレラのウェスカーってやつが‥っ‥!?」

 

 

慌てて一気に喋りすぎたせいか傷が傷んで思わず悶絶してしまう胡桃。そんな彼女を落ち着かせつつクレアが安心させる。

 

 

クレア「それについては大丈夫‥‥、必ず助けてあげられる私達の仲間が向かったから‥‥♪」

 

 

鶴乃「仲‥間‥?」

 

 

ジル「えぇ、そうよ‥♪あの二人ならあのクソ野郎の鼻っ柱をへし折ってくれるでしょうね」

 

 

カルロス「まあ‥あの二人は化け物だからな‥‥」

 

 

それぞれ口にしつつ大丈夫だという三人、いや‥バイオに出てくる主人公的立ち位置のあなた達全員化け物でしょうよ(特にレオンとかレオンとかゴリスとかゴリスとか)。そんな三人を見て不思議そうに見つめる胡桃と鶴乃であったのだ。

 

 

 

ー高校にて‥‥ー

 

 

美紀「っ!!」

 

 

あれから激しい攻防線を続けている美紀と圭、しかし長期戦となるとやはり向こうが有利か‥ジリジリと押されていく。

 

 

圭「ヤバイ‥アサルトライフルのマガジンが2つしかないよ‥‥!!」

 

 

床においてあるマガジンを確認して悲鳴をあげる圭。美紀のバレットもあとマガジン一つしかないというかなりまずい状態になっていた。

 

 

美紀「この‥ままじゃここを突破される‥!!っ!」

 

 

何か打開策はないかそんなことを考えていると廊下の奥から何か閃光が光こちらへと飛んでくるのが見える。

 

 

美紀「圭!!伏せて!!ロケットランチャー!!」

 

 

圭「え‥!!?」

 

 

ロケットランチャーだと気づいた美紀は圭に促して慌てて左右に避けるように遮蔽物へ退避しようとする。その直後ロケランの弾が手前で着弾、激しい爆風に包まれる。

 

 

美紀「ぐ‥‥!?」ドォン!

 

 

圭「ぁぁ‥‥!?」

 

 

爆風によって吹き飛ばされた二人は壁に激しく叩きつけらて倒れ込んでしまう。それを確認した掃除屋やアンブレラの部隊が武器片手にじわじわと近寄ってきていた。

 

 

ー動け‥‥ない‥‥ー

 

 

すぐに起き上がろうとしても爆発の衝撃波で体が麻痺しており二人は立ち上がることができずにいた。

 

 

ー圭‥‥ここ‥まで‥かな‥?ー

 

 

ーだね‥‥見たかった‥な‥‥のぞん‥だ‥未来‥ー

 

 

ここから反撃は無理と察した二人は諦めた表情になり目線を向き合う。そんな二人をみつつ銃口を向けて発砲しようとした直後‥‥‥

 

 

慈「悪いですが‥!生徒に手出しはさせませんよ!!」

 

 

突然どこからか聞き慣れた声が聞こえたと思ったら突然目の前に立っていた掃除屋やアンブレラの兵士が背後から銃撃を受けて次々と倒れる。

 

 

圭「え‥‥?」

 

 

一体何が起こったのか理解ができていない圭と美紀、倒れた掃除屋の背後にはMP7とM16アサルトライフルを構えた慈と悠里、そして瑠璃の姿が‥

 

 

美紀「めっめぐねえ!?」

 

 

圭「それに悠里先輩と瑠璃ちゃんも‥!!?」

 

 

悠里「ごめんなさい‥!!ふたりとも!少し遅くなっちゃったわ!!」

 

 

瑠璃「ふたりとも大丈夫!?(テテ)」

 

 

なぜここに慈達がいるのか状況整理ができずにいる美紀と圭に勢いよく駆け寄ってきた瑠璃が抱きつく。

 

 

圭「はわわ‥♪」ギュ

 

 

美紀「はい‥♪飛ばされただけですから‥それより‥めぐねえ達はどうしてここに?」

 

 

慈「それは‥‥」

 

 

トーコ「ふっふん!それは私が説明しよう!」

 

 

慈が解説しようとしかけたタイミングで声が聞こえ、一同がそちらに視線を向けるとそこにはトーコとヒカ‥そしてアキ達の姿が

 

 

圭「トーコ先輩にヒカ先輩‥それにみんな!?」

 

 

ヒカ「久し‥ぶり‥」

 

 

アキ「やっほ♪」 

 

 

リセ「またせたな‥♪」 

 

 

シノウ「‥♪」

 

 

トーコ「そりゃ‥後輩達に任せてばっかりじゃいられなかったしね‥!私達は私達で何かできないか考えていたんだ」

 

 

慈「それで改めて地下室を探索することになったんですけど‥‥そしたら‥」

 

 

今から数週間前

大学地下区域にて‥

 

 

トーコ「‥というわけで流石に黙って待ってるわけにはいかないし改めて何かないか探索しに来たわけだけど‥」 

 

 

あれから大学で大人しく待っていた待機組であったがどうやら待ちきれなくなったらしい(主にトーコが)。一同はまだ探索してないところがないか再び地下施設にやってきた。 

 

 

アキ「そうはいうものの‥ホントにあるもんなの?」

 

 

風「トーコの話によれば地下二階の方はまだ見ていないらしいから丁度いいんじゃない?」

 

 

瑠璃「おぉ〜‥」興味深そうに

 

 

悠里「あら?るーちゃん怖くないの?」

 

 

瑠璃「うん!慣れた♪」

 

 

そんなこんな話していると地下二階到着、ちなみに瑠璃以外はほとんどが武装しておりトーコに関してはどこからか持ってきたのかAK-47(ライト付き)を持っている始末だ。

 

 

リセ「それじゃ、ペアを組んで手分けして探索しよう。僕はシノウと」

 

 

シノウ「わかった‥‥♪」

 

 

トーコ「んじゃアタシはヒカとアキ連れて行くよ」

 

 

ヒカ「‥うん‥」

 

 

アキ「了解〜」

 

 

風「んじゃ私は佐倉さんと同行するわ」

 

 

慈「よろしくお願いいたします‥!!」

 

 

瑠璃「るーはりーねぇといく♪」

 

 

悠里「えぇ♪」

 

 

二階もかなりの広さを有しているため手分けして捜索することにした。一言二言話して別れた風・慈ペアは二階奥の用品室へ向かうことに。

 

 

風「そういえば、このペアで行動するの初めてよね?」

 

 

慈「ですね〜、何か新鮮な感じがしますよ〜」

 

 

学園生活部、そして穏健派の中では最年長の風と慈。そんな二人が一緒になって行動するのは珍しく、二人は普段と違う雰囲気を感じていた。

 

 

風「っとこの部屋かな?」

 

 

歩くこと数分後、目的の部屋である用品室前に到着した。ここには非常用発電機などの予備部品や修理工具などが置かれていると書かれていた。

 

 

ガチャ‥‥

 

 

風「こっちはクリア‥!」

 

 

慈「こっちもです‥!ってん‥?」

 

 

中に誰もいないか確認するため左右に展開して死角を補いつつ銃のサーチライトで照らしている。すると慈があることに気づいて眉を顰める。

 

 

慈「風さん‥あれ‥」指差し

 

 

風「ん?」

 

 

慈に言われて視線を向けた先、そこには地下区域地図に書かれていない扉の姿が‥‥。

 

 

風「あの扉‥地図にはなかった奴ね‥‥。」

 

 

慈「どうしますか‥‥?」

 

 

風「確かめる必要があるわね‥‥。でも‥地図には乗ってない部屋となると‥警戒はしましょう‥。」

 

 

地図に乗ってない部屋となると何があるかわからないため最大限警戒しつつ扉に近づきノブを回す。

 

 

ガチャ‥

 

 

風「鍵は‥‥かかってないのか‥」

 

 

どうやら鍵はかかってないようで、ノブを回すとあっさりと扉が開く。開けた先、机の上に多数の通信機器が置かれているのが確認できる。

 

 

慈「一杯通信機器がありますね‥‥」

 

 

風「おそらくここは通信目的として作られた部屋でしょうね‥でも‥なんで地図n‥‥(ビビビ!!)っ‥!?」

 

 

何故この部屋は書かれてなかったのか‥それを考えていると突然無線機の電源がつき、そこから誰かの声が聞こえてくる。

 

 

レオン『こちら合衆国エージェントのレオンだ。誰かいるなら応答してくれ‥!』

 

 

風「レオンさん‥!?」

 

 

数年前に何度か聞いて聞きなれてた声、レオンだとわかったわ途端に風は慌てて無線機に飛びつく。

 

 

風「お久しぶりです‥!レオンさん!風です!」

 

 

レオン「‥‥!その声は風か!?久しぶりだな‥!」

 

 

風「えぇ!お久しぶりです‥!」

 

 

―――――――――――――――――

 

 

それから慈が他の場所を探索していたメンバーを呼び寄せて話の続きをしていた。

 

 

トーコ「‥つまり〜、アンブレラとランダルが建てた施設で地下区域があるなら誰かいると思ったんだね」

 

 

レオン『あぁ、それで合ってる。それとアンブレラの資料で大学に潜入した際生存者に反撃を受けたという資料を見つけたからな。まさかと思って当たったらビンゴだよ』

 

 

どうやらアンブレラの資料でここに生存者がいることを踏んだレオンはここに無線を繋いだところ、ビンゴだったようだ。

 

 

風「んで、どうしてここに連絡を入れてきたの?」

 

 

レオン「まあ本来なら生存者がいないかの確認だったのだが‥‥君たちとなれば内容は変わるな‥‥」

 

 

風が本題を聞くとレオンの声が真剣になってある言葉を発する。

 

 

レオン「‥‥君たちの仲間が‥‥今アンブレラ共に見つかって追われてるらしい‥」

 

 

慈「っ!?生徒たちもですか!?」

 

 

悠里「めぐねえ‥!落ちついてください!!」

 

 

衝撃的な発言を聞いて少し取り乱してしまう慈だったが悠里に声をかけられて我に戻る。そんな二人を横目でみつつ風は会話を続ける。

 

 

風「‥詳しく聞かせて貰えないかしら?」

 

 

レオン「あぁ、任せてくれ。ただしここからは重要な話ばかりだ‥しっかり聞いてくれよ?」

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

レオン「‥と言う訳だ。」

 

 

エイダから仕入れた情報、そしてクレアが調べた調査結果の資料をもとにレオンは今の遠征組の様子を事細かに伝える。

 

 

シノウ「予想以上にまずいことになってるね‥‥」

 

 

アキ「だね‥‥」

 

 

レオン「俺たちも動き始めてはいるがなんせ人が足りない‥‥君たちにも協力してほしいんだ‥‥」

 

 

悠里「ですが‥相手はアンブレラなんですよね‥?」

 

 

レオン「あぁ‥‥おそらく君たちが経験したことがない激しい戦いが待っているだろう‥。命の保証はできない‥‥」

 

 

瑠璃「‥‥‥みんな‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慈「わかりました‥‥!!私は行きます!!」 

 

 

リセ「な‥!?」

 

 

少しばかりか無言が続いたがそれを慈が切り裂いて決意の表情を浮かべる。

 

 

慈「生徒や‥みんながピンチなら‥教師の私が行かないで誰が行くんですか‥‥!それが‥学園生活部顧問佐倉慈の役目です‥!!」

 

 

トーコ「へへっ‥慈さんがそうゆうなら私も行こう‥‥!後輩ばかりに任せてられないからね!」

 

 

風「なら!私の出番かな!」

 

 

悠里「‥私も‥行きます!」

 

 

瑠璃「るーも!」

 

 

ヒカ「‥いく‥‥」

 

 

アキ「アタシも!」

 

 

シノウ「あのとき助けられたお返しがしたい‥!」

 

 

リセ「僕も行こう‥後輩たちがピンチなら‥行くべきさ」

 

 

慈の言葉に釣られるように次々と行くことを決める待機組。

 

 

レオン「ふっ‥‥どうやら心配なさそうだな‥。よし‥!彼女達はどうやら巡ヶ丘高校と陸自基地の二手に別れて向かっている‥俺たちが陸自基地を担当するから君たちは巡ヶ丘高校に向かってくれないか?」

 

 

風「‥えぇ!こっちは任せなさい!それと‥そっちもヘマするんじゃないわよ‥!」

 

 

レオン「当たり前だ‥!ここで奴らの息の根を完全に止める!!」

 

 

 




レオンの情報提供によって遠征組がピンチになっていることをしった待機組。


それによって意を決し助けることに‥‥


再び‥‥学園生活部が集結します!


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最終話:後編 学園生活部

いよいよ‥物語は架橋に差し掛かります‥!

学園生活部は‥果たしてその先にたどり着けるのか‥‥


ーそして‥‥‥時は戻りー

 

 

 

アキ「‥と言うわけさ‥!びっくりしたでしょ?」

 

 

美紀「はい‥‥、まさか皆さんがここに来るとは思いませんでした‥‥」

 

 

慈「本当は伝えたかったけど‥‥時間と連絡手段がなくてね‥‥(汗)」

 

 

そして少しばかりか雑談をしたあと、あることに気づいたトーコが二人に問いかける。

 

 

トーコ「ありゃ?そういえば‥椎子さんがいないけど‥」キョロキョロ

 

 

圭「えっと‥‥椎子さんは‥‥(経緯を話す)」

 

 

椎子がいないことに気づいてキョロキョロしていたトーコに少し暗い雰囲気で説明する圭。それを聞いて一同は理解した表情になっていた。

 

 

アキ「そっか‥‥由紀ちゃんって子を守ろうとして‥‥」

 

 

美紀「はい‥‥」

 

 

慈「‥‥」ギュ

 

 

圭「うっ‥ひっぐ‥‥えっぐ‥‥」

 

 

特に何も言わずに静かに生徒を抱きしめる慈。その暖かさや今までの辛さでトドメをさしたのか圭の目からは溢れるほどの涙が流れ出す。

 

 

ヒカ「‥‥」

 

 

シノウ「辛かった‥‥ですよね‥‥」

 

 

リセ「‥‥‥」

 

 

悠里「ふたりとも‥‥」

 

 

瑠璃「けーねぇちゃん‥‥」

 

 

美紀「‥‥そういえば‥‥風さんはどこにいるのですか‥‥?」 

 

 

なんとか涙を抑えつつ、ふと周囲をみて風がいないことに気づいた美紀が慈達に尋ねる。

 

 

悠里「風さんなら今上の様子を見に行ってるわ‥♪一応安全確認しようかなって」

 

 

美紀「なるほど‥って呑気にしてる場合じゃない‥‥!!まだアンブレラの奴らが‥‥」

 

 

意識がそれ掛けていたが慌てて思い出したかのように転がっていたバレットを取りに行く美紀。 

 

 

美紀「皆さん!少し手伝ってください!おそらく新手が‥‥」

 

 

トーコ「あぁ、その心配はないよ♪」

 

 

圭「え‥?一体どうゆう意味‥‥」

 

 

トーコの言っている意味がいまいち理解できていない二人。直後エンジン音とともにアンブレラの増援が続々とやって‥‥来た直後に車ごと爆発して吹き飛ぶ。

 

 

美紀・圭「「え‥‥?」」

 

 

いきなりの出来事過ぎて何が起こっているのか全く理解ができていない二人。すると上空から激しいローター音やジェット音が響き渡る。

 

 

バババババ!!!!!

ゴォォォォォ!!!

 

 

校門近くで燃え上がるアンブレラの車両上空を日の丸と迷彩をつけた陸上自衛隊の対戦車ヘリ、そして航空自衛隊の戦闘機が通過していく。いや‥それだけじゃない見れる限りでは自衛隊以外の機体も確認できる。

 

 

美紀「これは‥‥?」

 

 

由紀「みーくん!!けーちゃん!!」

 

 

通過していく航空機やヘリを眺めているとその轟音に負けない声が上から響いてくる。それを聞いた二人は慌てるように外に飛び出して慈達も続くように外に出て上を見上げる。

 

 

美紀「由紀先輩‥!!」

 

 

由紀「ふたりとも!!私やった‥いや!!みんなでやりきったよ!!あのアンブレラに勝ったんだよ!!あっあとワクチンも完成した!!これがたくさん作られればみんなを助けられる!この悪夢を終わらせられるんだよ!」

 

 

屋上から身を乗り出すように無線機片手に美紀達に喜びの表情を爆発させる由紀。そんな無邪気な笑顔を見ているとトーコ達もじんわりとしてきた。

 

 

慈「‥丈槍さん‥‥成長しましたね‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遡ること数十分前‥‥

屋上にて‥‥

 

 

 

由紀「これをこうして‥‥こうすれば‥‥」

 

 

小春「由紀ちゃん!これをお願い!」

 

 

由紀「うん!!」

 

 

激しい銃撃音が響く中貯水塔の裏に隠れるようにして小春と由紀が黙々と作業を続けていた。

 

 

ーあと少しで‥あとちょっとで‥!!叶わなかった椎子さんの思いは私が‥‥引き継ぐ‥!ー 

 

 

小春「よし‥!!できた‥!あとはこれを使って交渉すれば‥‥!」

 

 

由紀「それなら任せて‥!」

 

 

そう言うと由紀はポケットから無線機を取り出してスマホと繋ぐ。

 

 

由紀「ボーモン!!アンブレラに繋いで!!」

 

 

ボーモン「ツウシン アンテイ アンブレラ パンデミックシレイシツニ ツナグネ?」

 

 

由紀が携帯向かって話しかけるとボーモンがすかさず反応、ネットワークシステムを確認して異常なしという表示を出し、アクセスを開始する。

 

 

小春「雪さん達‥成功したんだ‥!「ワンワン!!」(目の前に紐が落ちてくる)!?」

 

 

喜びに包まれたのもつかの間‥‥太郎丸の吠声とともに、ヘリからロープを伝い勢いよく空いて四人のアンブレラ兵士が入ってくる。

 

 

「ようやく見つけたぜ‥‥」

 

 

「さてと‥‥大人しくそのワクチンを渡してくれれば手荒な真似はしないぜ‥?」

 

 

由紀「‥そんな‥」

 

 

小春「‥‥‥っ‥!」

 

 

相手は戦闘なれしている兵士四人で全員男、対するこちらはある程度の戦闘経験しかない女性二人‥。明らかに部が悪いことは確か‥

 

 

小春「‥いや‥って言ったら?」

 

 

「ふん‥言わなくてもわかるんじゃないか?」スチャ

 

 

そう言うと手に持っていた隊長らしき人間の手合図で全員がM4カービンを構えて銃口をこちらに向ける。

 

 

由紀「‥いや‥何と言われようと絶対渡さないもん!これはみんなが命をかけてくれたもの‥!安安と渡せない!」スチャ!

 

 

小春「由紀ちゃんの言うとおりよ!!私だってやってやる‥!だてに戦場出身じゃないもの!」スチャ!

 

 

太郎丸「ガルルル‥!!」

 

 

一歩も引かない姿勢を見せつつ二人はグロッグ19とMP5を構えて安全装置を解除する。それを見た隊長は一つため息を吐いてトリガーに指をかける。

 

 

「残念だ‥せっかく命だけは助けてやろうと思ったのに‥‥まあいい‥消えな‥!」

 

 

構えつつ後ろに控えている部下に射撃合図を下そうとした‥‥瞬間‥‥ 

 

 

ダダダダダダ!!

 

 

「がっ‥!?」バタ

 

 

「ふぐぉ‥!?」バタ

 

 

「ぐふぉ‥!」バタ

 

 

突然背後から響いてくる銃声とともに部下達が次々と倒れていく。それに気づいた隊長は慌てて視線を向けるが‥‥

 

 

「なっ!?荒手‥‥「オラァぁ!!」グハ!?」

 

 

視線を向けるとほぼ同時にいつの間にかいた理琉から激しいタックルをくらい地面に倒れ込む。

 

 

理琉「ヨォ‥‥?久しぶりだなァ‥‥」

 

 

「くっ黒田隊長‥!?行方不明になってたんじゃ‥‥」

 

 

理琉「そんなもんはどうでもいい‥‥それよりもォ‥なにしてたんだ‥ァ?」

 

 

どうやら顔見知りのようだ。アンブレラの兵士は驚きを隠せない様子だったが次の瞬間表情を青ざめる。

 

 

「そっそれは‥‥」

 

 

理琉「マア‥‥‥安安とうちの仲間に手を出してくれたもんだぜェ‥‥それ相応の償いは‥できてるよナァ?」

 

 

「まっ待ってくれ!!それは謝る!だかr‥‥(パァン!!)」ガク

 

 

理琉「クソッタレが‥‥アンブレラに寝返った報いだ‥‥」

 

 

何かを言いかけた兵士だったが、それを彼は最後まで聞かずにデザートイーグルでヘッドショットをお見舞いした。撃たれたアンブレラの兵士はそのままうなだれるように力が抜ける。

 

 

由紀「マーくん!」ギュ!!

 

 

理琉「ッと‥♪」ギュ

 

 

落ち着いたタイミングで由紀が全力疾走して理琉に勢いよく抱きつく。彼は特に嫌がる様子を見せずデザートイーグルをしまいつつ抱き返す。

 

 

理琉「わリィな‥怖い思いさせちまって‥‥」

 

 

由紀「ううん♪マーくんが来てくれたからいいもん♪」ギュ

 

 

理琉「ははッ‥♪」ナデナデ

 

 

嬉しそうに抱きつつスリスリしてくる由紀を撫でつつ小春に視線を向ける理琉。

 

 

理琉「ワクチンの方はどうだ?」

 

 

小春「バッチシよ!」

 

 

理琉の問いに小春は笑顔で答えつつ完成したワクチンの入った瓶を見えるように持ち出す。

 

 

理琉「よっし!あとは‥これで交渉すれば‥‥「ババババババ!!」くそ!このタイミングで!」

 

 

しかし再び邪魔が入るようにヘリのロータ音が響き渡るとともに先程兵士をおろしたヘリだろうか‥搭載している機関銃の銃口をこちらへと向けてくる。

 

 

「Damn it! It ’s my friend ’s death!(くそったれ!仲間の仇だ!)」ガチャ!

 

 

銃手がそう吐き捨てつつ、機関銃のトリガーを引こうとした‥‥が‥‥。

 

 

ドゴォォォ!!!

 

 

突然どこからから飛んできたミサイルが命中、ヘリは激しく爆散して残骸が校庭に燃えながら落ちていく。

 

 

風「ふぅ‥‥ギリギリセーフ‥」

 

 

ミサイルが飛んできた方向に視線を送ると、そこにはロケットランチャーをおろしつつ燃えるヘリを見つめる風の姿が‥ 

 

 

由紀「ふーさん!」

 

 

理琉「ったく‥ヒーローは遅れてやってくるってか‥‥?」

 

 

小春「‥た‥助かった‥‥」ホッ

 

 

風「ごめんごめん‥(汗)ちょっとアンブレラの兵士からランチャーパクってたら遅くなっちゃった‥(汗)」

 

 

弾切れのランチャーを投げ捨ててM4カービン片手にこちらにやってくる風。すると無線機からボーモンがアクセスしたアンブレラのパンデミック司令室オペレーターの声が翻訳された状態で聞こえてくる。

 

 

「こちらからUmbrellaパンデミック司令室!!第5小隊!!応答してください!!」

 

 

おそらく先程落とされたヘリの部隊のことだろう。由紀達を軽く目を合わせつつ風が無線機を手に取る。

 

 

風「あ〜、アイツならロケラン喰らって落ちていったわよ?‥アンブレラさん?」

 

 

「‥!?あっあなたは‥!?」

 

 

風「随分と派手にやってくれたじゃない‥?‥どう解釈するのかしら‥?」

 

 

「‥‥っ!?」

 

 

笑顔だがどこかヤバメのオーラ全開の風に思わず息を呑み飲んでしまうオペレーター。

 

 

風「とりあえず‥‥遺言書いといたほうがいいわよ‥」

 

 

 

 

 

ー陸上自衛隊巡ヶ丘駐屯地‥倉庫ににてー

 

 

 

ガァァァァァンンン!!!

 

 

雪「ぁぁぁ!!??」

 

 

ウェスカーに投げ飛ばされ、倉庫内に響き渡る悲鳴を上げつつとある箱の山に叩きつけられる雪。

 

 

雪「はぁ‥はぁ‥‥」ヨロ

 

 

ウェスカー「ふん‥‥相手にもならない割にはしぶといな‥‥」

 

 

あれから何度も攻撃を受けてかなり参っているようだがヨロヨロとしつつ立ち上がる雪。そんな彼女をみて少し面倒くさそうにしつつウェスカーは彼女が落とした89式小銃を手に取る。

 

 

ウェスカー「これならどうだ‥!」ズドドドド!!

 

 

雪「くそ‥!!」

 

 

突然こちらに向けて射撃してくるウェスカーをみて慌てて避ける雪。いくらダメージが蓄積してるとはいえこれくらいはできないことはない。

 

 

雪「これくらいでやれると思われてるとは‥‥随分舐められたものね‥‥」ハァ‥ハァ

 

 

ウェスカー「‥‥いつから"当てると錯覚していた?"」

 

 

雪「それってどうゆ‥‥「ドゴォォォォォン!!!」っぁ‥‥!?」吹き飛ばされる。

 

 

しかしそれはウェスカーのフェイントで彼が狙っていたのは背後の爆発物。銃撃により派手に爆発してその衝撃でおいてあった後ろの壁が吹き飛ぶ。ウェスカーは素早く隠れたため問題はないが雪は派手に吹き飛ばされて地面に叩きつけられる。

 

 

雪「ぁ‥‥く‥‥‥(ガク)」

 

 

何とか意識を保っていたがやはり先程から蓄積したダメージが効いたのか意識を失ってしまう。

 

 

ウェスカー「ふっ‥‥呆気ないな‥‥‥俺を苦しめていたものの実力がこんなものとは‥‥」

 

 

一人ブツブツ喋りながら触手を操りつつゆっくりと近づいてトドメを刺そうとする。いまのウェスカーから見れば動かない彼女などただのカカシも同然だ。

 

 

ウェスカー「‥恨むなら、私ではなくこんな無謀な戦いを選んだ自分を選ぶんだな‥」

 

 

近くまで近寄ったあと触手を調整して鋭利の刃物のように尖らせる。そしてふりをつけてトドメを刺そうとした‥‥その瞬間‥‥

 

 

パァァァァ!!!

 

 

けたたましいクラクションとともに先程爆発で開いた壁の穴から黒煙を突っ切るように白黒の17クラウンが突っ込んでくる。

 

 

ウェスカー「っ‥‥!?」ドォォォォン!

 

 

流石のウェスカーも想定外だったのか避ける暇もなくそのままクラウンの体当たりを受けて弾き飛ばされる。しかし変異したウェスカーを飛ばした影響かクラウンもバンパーやボンネットが凹んでしまう。

 

 

雪「‥‥っ‥‥、あ‥」

 

 

クラクションや衝突音で意識が戻ったのか、朦朧としつつゆっくりと体を起こす雪。すると彼女の目の前に見慣れたクラウンが停車していたのだ。

 

 

日野「よぉ‥‥?あんたがアンブレラのボスか‥」

 

 

聞き慣れた声とともに日野が20小銃を持ちつつ車から降りてくる。しかし完全に怒りモードに入ってしまっているせいかいつもとはオーラが違う。

 

 

日野「‥‥良くもやってくれたよなぁ‥‥?雪をここまでしといて‥‥‥」

 

 

ウェスカー「ふっ‥‥この攻撃で飛ばされるとは‥‥油断していたな‥‥。だがお前だけで勝てる訳がないだろ?」

 

 

日野「‥‥いつから俺だけだと錯覚していた?」

 

 

ウェスカー「どうゆうこと‥(バァァァン)なっ!?」

 

 

日野の言葉の意味に疑問を持ったがそれはすぐにわかった。轟音とともに横の壁が崩れ濃い緑色をしたハンヴィーが突入、またしても弾き飛ばされる。

 

 

ウェスカー「‥‥くっ‥‥!」

 

 

だが先程の体当たりとは違いハンヴィーは止まることがなく反対側の壁まで押してゆき、ドライバーが脱出したのとほぼ同時にそのまま衝突。壁と車にウェスカーを挟み込むように止まる。

 

 

クリス「よぉ?元気にしてたか?ようやく見つけたよクソッタレが」

 

 

ハンヴィーから飛び降りたクリスがゆっくりと起き上がりながら一緒に投げ下ろしたM4カービン(擲弾筒付き)を手に取る。

 

 

ウェスカー「お前は‥‥あのときの‥!」

 

 

レオン「おっと、俺も忘れちゃ困るぜ?」

 

 

さらに追加でレオンの乗ったバイクがクリスが開けた穴から侵入して挟まれてるウェスカーと正対するように止める。

 

 

ウェスカー「ふん‥‥応援か‥‥だがこの程度で私は倒れないぞ?」ギギギ!!

 

 

挟まっている状態でも車をどかそうと触手を操るウェスカー。普通なら動けないはずなのだが、さすがはウィルスを投与した状態‥‥、かなり重量のあるハンヴィーがジリジリと持ち上がる。

 

 

レオン「おっとまさかこの程度で終わったと思っているんじゃないだろうな?」ピッ!

 

 

しかしこの程度で終わらないと言わんばかりにレオンがとあるスイッチを押す。 

 

 

ドゴォォォぉぉぉん!!!!

 

 

スイッチを押してほぼ同時にハンヴィーに積まれていた大量の爆弾が起爆。激しい爆風と轟音とともに爆破してウェスカーは炎に包まれる。

 

 

ウェスカー「‥‥これが‥‥狙いか‥‥!?!!」

 

 

流石に変異してしているとはいえ、このままいれば焼け死ぬことは確か。というかそれ以前に爆破によってかなりダメージを受けており、慌てて触手を再生しつつ脱出を試みる。

 

 

クリス「‥仲間の仇だクソッタレ‥‥地獄に落ちな‥!」カチ!

 

 

日野「くたばりやがれ‥!!」カチ!

 

 

ほぼ息ぴったりのタイミングでトリガーを引く二人、直後20小銃・M4から擲弾筒が放たれて迷いもなく炎に包まれたウェスカーに飛んでいく。

 

 

クリス「トドメだ!ぶちかませ!レベッカ!!」

 

 

その直後クリスがどこかに無線で声を上げると二人の背後の穴の前にオスプレイがゆっくりと降りてくる。地面にギリギリでホバリングすると旋回して後ろを向ける。

 

 

レベッカ「‥‥任せて!」

 

 

後ろのスロープが開いた状態の機内からはレールガンで狙いをつけたレベッカの姿が‥。射程に収めると迷いもなく発砲、電磁波を纏いながら放たれた弾丸は炎に包まれたウェスカーに正確に突っ込んでいく。

 

 

ウェスカー「この‥この程度で‥‥‥俺が終わると思うなァァァァァ!!!!」

 

 

最後の苦し紛れの叫び声‥‥しかしそんな声も一瞬でかき消されてしまいその直後にレールガンの弾丸が貫通、擲弾筒も周囲で爆発、ハンヴィーに残っていた燃料や爆薬に引火して更に誘爆が激しくなりウェスカーは完全に炎に包まれるのであった‥‥。

 

 

レオン「終わったな‥‥」

 

 

クリス「あぁ‥‥」 

 

 

レベッカ「‥‥まさか‥こんな終わり方になるとはね‥‥」

 

 

日野「‥‥‥」

 

 

三人はしばらく燃え盛るハンヴィーを静かに見つめていたが、日野はあることを思い出して振り返り駆け出す。

もちろん‥思い出したことは雪のことだ。

 

 

日野「‥‥おい!!雪!?大丈夫か!」

 

 

雪「祐‥‥也‥‥?」

 

 

ぼやけて顔がいまいちわからないが聞き慣れた声のためすぐに日野だとわかる。すると彼女の目から涙が頬を流れる。

 

 

雪「私‥‥いき‥てる‥よね‥‥?夢‥じゃない‥よね‥‥?」ポロポロ

 

 

日野「安心しろ‥‥夢じゃない‥‥ちゃんとここにいるぜ」ギュ

 

 

雪「‥‥っ‥!!」 

 

 

静かに抱きつかれたこと‥そして温もりを感じたことでトドメをさされて一気に涙が溢れ出す。 

 

 

雪「ごめん‥ごめん‥!!心配‥かけて‥‥!」

 

 

日野「ホントだぜ‥‥心配かけやがって‥‥でも‥‥無事で良かった‥‥‥」

 

 

春井「‥‥雪‥‥良かった‥‥」

 

 

クレアに肩を貸してもらいなんとか合流した春井も感動的な再開を見ていて思わず涙が出てしまう。いや‥‥彼女だけではなく胡桃や鶴乃も目元がじんわりとしていた。

 

 

胡桃「‥‥たぶん‥アタシは人生で一番感動したかもしれないな‥‥」

 

 

鶴乃「‥‥私も‥‥♪」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

強襲揚陸艦コメット

アンブレラパンデミック司令室

 

 

 

風『とりあえず‥‥遺言書いといたほうがいいわよ‥』

 

 

「っ‥‥!?」 

 

 

今までにないような気迫に包まれた風の声‥‥無線越しなのに思わず鳥肌が立ってしまうオペレーター。いや‥彼女だけではない‥‥ここにいる全員も同じ状況だ‥

 

 

「‥くそ‥‥!作戦は失敗ということが‥‥!なら!」ダッ

 

 

負けを悟った副司令官はとあるパソコンに飛びつく。そしてある画面を開いて慌てながら操作する。

 

 

「どうせやられるなら‥‥!核ミサイルでふっとばしてやる!!」

 

 

おそらく最後のあらがいだろう‥‥核ミサイルの発射コードを打ち込む副官‥‥。しかし発射モードに入りかけた途端にエラーが表示されてキャンセルされる。

 

 

「なっ‥‥なぜだ!?なぜ‥!「諦めなさい、発射システムのコードはすでにダウンさせてるわよ」っ‥‥!その声は!!」

 

 

聞き覚えのある声を耳にして慌てて後ろに視線を向ける副官‥‥。視線の先にはエイダがコードの入っているUSB片手に立っていた。

 

 

「もう諦めたら?あなた達の計画は頓挫してるのよ?」

 

 

「貴様‥‥!アンブレラを裏切るのか!!」

 

 

「あら?私の本職忘れたのかしら?スパイなら当然でしょ?」

 

 

「おのれ‥‥よく「そこまでだ」」

 

 

更に追い打ちをかけるかのように、それぞれの出入り口の扉が勢いよく開いてアメリカ海兵隊の服を着た兵士がぞろぞろと突入してくる。いや‥アメリカだけではない‥イギリスや日本‥はたまたロシアなど残存していた各国軍の姿が確認できた。その中から各国をまとめる国連軍の指揮官がゆっくりも入ってくる。

 

 

「まさかこのパンデミックが君たちの仕業だったとはな?うまいこと我々も騙されていたな‥‥」

 

 

「ふっふん!証拠もないのにデタラメなこと‥‥」

 

 

「証拠なら‥‥あるぞ?」

 

 

まだしらばっくれる副官に対してトドメを指すように正面のスクリーンを指差す指揮官。それにつられて視線を移した副官はギョッと目を開く。

 

 

ボーモン「アンブレラ データ ヒョウジ スルネ」

 

 

由紀『ナイス!!ボーモン君!!』

 

 

風『まだこれでもシラばっくれるのかしら?』

 

 

ボーモンの機械的な声に続くように由紀と風の声が続いていく。さらに追い打ちをかけるべく理琉や小春も続く。

 

 

小春「ワクチンはすで完成してるよ‥‥!あんたたちの企みなんて実行なんてさせない!!」

 

 

理琉「‥覚悟しておけよ‥‥?お前ら‥‥そっちにいったら‥‥生きては返さねぇからなァ‥‥」

 

 

「クソ‥‥」 

 

 

悔し紛れの一言を発する‥‥しかし‥そんな声も周りの音でかき消されてしまうのであった‥‥。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美紀「‥‥終わったん‥ですね‥‥‥」

 

 

圭「うん‥‥‥長い戦いだったね‥‥?」

 

 

瑠璃「これから‥どうなるのかな?」

 

 

悠里「‥それは‥‥わからないわ‥‥」

 

 

校庭次々と着陸をしてくる国連軍のヘリコプターを眺めつつ一同は静かに夕日に包まれた空を見つめていたのであった‥‥‥‥。   

 

 

 

 

由紀「マーくん‥‥やったんだよね‥?」

 

 

理琉「あぁ‥‥ようやく終わったんだ‥‥このクソッタレな悪夢が‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ババババ

 

 

クレア「ねぇ?レオン」

 

 

レオン「ん?なんだ?」

 

 

レベッカを載せていたオスプレイやカルロスが呼んヘリコプターが着陸している様子を眺めていたレオンにクレアが話しかける。

 

 

クレア「私、こうゆう仕事してて一番良かったって思えたわ‥♪」

 

 

そう言って向けた視線の先‥‥日野と雪が手を取り合いながら笑みを浮かべていた。

 

 

 

レオン「‥‥奇遇だな‥‥俺もだよ‥‥」

 

 

クリス「なんだお前ら、それで感動してるなんて涙が脆いな」

 

 

クレア「そういう兄さんだって実は感動しているんでしょ?ちょっとジーンって来てるし」

 

 

クリス「うっうっせぇな‥‥別に感動なんか‥‥」

 

 

兄と妹‥‥いかにも微笑ましいじゃれ合いを眺めていたジルの隣に無線で更新を終えたカルロスがやってくる。

 

 

カルロス「なんだろうな‥‥なんだがあの二人を見ていると不思議な感情が湧いてくるよ‥‥」

 

 

ジル「でしょうね〜‥♪カルロスはそうゆうの経験したことないし‥って私もか‥‥」

 

 

カルロス「よく人のこと言えるぜ‥」

 

 

そんなことを話していた二人だが、雪と日野に視線を映すとそんな話もどうでもよくなってしまっていた。

 

 

胡桃「‥‥日野‥‥良かったな‥‥♪」 

 

 

春井「‥ハッピーエンド‥ってやつかな?」

 

 

鶴乃「じゃない‥♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪「‥‥改めて‥‥ただいま‥‥♪」

 

 

 

日野「‥‥おかえり‥だな♪」




激闘の末に手に入れた勝利‥‥


一年という短きようで長いパンデミックとの戦いは‥‥幕を閉じたのだ‥‥。





果たして‥‥彼女達の願った未来にはたどり着けたのだろうか‥‥?


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その後

パンデミック発生から6年という長い月日が経った‥‥そんなある日の巡ヶ丘市内を他の車と混じるように走る一台の高速バスが‥‥。

 

 

美紀「ふぁぁ‥‥」

 

 

座席で長旅の疲れを取るために眠っていた直樹美紀(23歳)は窓から差し込む光に照らされて目が覚める。

 

 

美紀「もう巡ヶ丘ですか‥‥久しぶりに帰ってきましたね‥‥」

 

 

眠たそうに目を擦りつつ外の景色に視線を移す美紀。あの生物災害からすでに6年も経ってるが未だに完全復興とはいかず、あちこちで建物の工事風景が目に止まる。

 

 

美紀「やはり爪痕はすぐに消えないですよね‥‥っと‥そろそろ到着するかも‥」

 

 

町中の景色に見とれていた彼女だが、巡ヶ丘バスターミナルという道路標識の案内板が目に入ると慌てて座席についている折りたたみ式の机に広げていた書類をしまい込んで降りる支度をするのであった。    

 

 

ー巡ヶ丘バスターミナルー

 

 

「巡ヶ丘バスターミナルをご利用いただきありがとうございます。まもなく10:00発の大阪行高速バスが発車いたします。ご利用のお客様は8番乗り場に―――――」

 

 

美紀「ここのバスターミナル改装したんですね‥‥前よりも綺麗になってるしお店もあるからいいかも‥」

 

 

バスから降りて、パンデミック前とは大幅に変わったバスターミナルを見渡して変わったなとふと美紀は思う。まだまだ周辺施設は復旧作業中のところはあるがそれでも利用者は前と同じほどに戻ってきていた。

 

 

美紀「えっと‥‥巡ヶ丘出版社行のバスバス‥‥「美紀ちゃん〜こっちこっち♪」あっ‥!その声は‥!」

 

 

目的のバスを探していると後ろから聞き慣れた声が聴こえてくる。その声が聞こえた方向に視線を向けると31歳になった犬吠埼風が手を振りつつやってくる。

 

 

美紀「やっぱり風さん‥!お久しぶりです!」

 

 

風「うんうん♪久しぶりだねぇ〜、元気そうでなりより‥♪」

 

 

久しぶりの再開に嬉しそうに美紀が駆け足で風の元へと駆け寄っていく。それから少し話しているうちにふと思い出したのかとある質問を投げかける。

 

 

美紀「そういえば‥‥どうして風さんはここに?確か報道局で待ちあわせしてたはずじゃ‥‥」

 

 

風「そうだったんだけどね〜、偶然この近くに用事があって来てたからそのついでにってね♪」 

 

 

そういって指さした先にはハザードを炊いて路駐スペースに停車している白色のハイブリッドカムリ(エアロ仕様)が。

 

 

美紀「もしかしてあの車‥買ったんですか?」

 

 

風「そそ♪支援金の一部でね〜。せっかくなら自分の車欲しいと思ったし、それならいいやつ買おうってね♪っとここで立ち話もなんだし乗せていくわ〜」

 

 

美紀「それじゃお言葉に甘えさせて貰いますね♪」

 

 

そうこうして二人はカムリの元へ向かい、荷物をトランクに積み込んで風が運転席へ、美紀は助手席へ乗り込む。

 

 

風「シートベルトつけた?」

 

 

美紀「はい‥!オッケーです‥!」

 

 

風「んじゃ、出発するよ〜」

 

 

美紀に確認を取りつつ自身もシートベルトを閉めてステアリングを握る。そして後ろの確認をしてから車を発進させる。

 

 

美紀「なんか乗り心地がいいですねぇ」

 

 

風「でしょ〜♪一番いいグレード買ったからね〜」

 

 

何気ない雑談を交わしつつもカムリは巡ヶ丘市内をゆっくりと走り抜けていく。時々見慣れた建物や新しい建物など着実に復興しているということは肌で感じられていた。

 

 

風「そういえば、美紀ちゃんは支援金何に使ったの?」

 

 

美紀「そうですね‥‥とりあえず免許を取りに行くときの分しか使ってませんね‥‥あれだけ多いと何に使っていいのか‥(汗)」

 

 

風「あ〜(汗)それはわかるかも、私もカムリ以外まだあんまり使ってないし‥‥」

 

 

あのパンデミックが落ち着いた頃‥‥世界を救った学園生活部や大学組は総理大臣賞などを受賞。さらに多額の支援金を支給されたのだ‥。本人たちは当たり前のことだからいらないといったが‥‥

 

 

「君たちは我々の英雄だ‥ならそれ相応のことはしないと失礼だ。」 

 

 

と総理大臣直々にお願いをされたため断ることができず最終的に由紀達が折れて受け取ることに。ちなみに受け取った金額は5千万円‥‥

いや‥‥高すぎぃ‥(汗)

 

 

 

風「圭ちゃんは元気にしてるの?」 

 

 

美紀「はい♪今は太郎丸と一緒に北海道の視察に行っています。」 

 

 

風「ほほ〜、北海道か〜けっこう遠くに言ったわねぇ」

 

 

美紀「本当は私が行きたかったのですが‥‥「美紀はあちこち言ってるんだから休みついでに原稿出しにいったら♪」‥って言われちゃって‥‥(汗)」

 

 

風「圭ちゃんらしいね〜」

 

 

話しながら町中を走ること数十分後‥‥目の前に新築ホヤホヤで巡ヶ丘出版社と書かれた建物の敷地内に車は入っていく。

 

 

風「さあ、着いたわよ〜。あっ荷物持っていくわ♪」

 

 

美紀「すみません‥(汗)わざわざ‥‥」 

 

 

風「いいのいいの♪長旅で疲れてるでしょうし♪」

 

 

車から降りたあと、風に荷物を持ってもらいながら美紀はそのあとに続いて建物内に入っていく。玄関を通り抜けるときれいな内装が目立つ正面ホールが出迎えてくれた。

 

 

美紀「おぉ〜‥‥♪」

 

 

かなり手を入れたのだろう‥‥しっかりとしつつ見惚れるような内装に美紀は足を止めて目をキラキラさせつつ見ている。その間に風は美紀の出版社への立ち入り許可書を受付で貰ってきて持ってくる。

 

 

風「どうよ〜最近改築が全部の改築が終わったの♪

 

 

美紀「なかなかいいじゃないですか♪吹き抜け窓とかデザインがお洒落ですし♪」

 

 

風「でしょ〜、んじゃとりあえず部屋に案内するからついてきて〜。詳しい話はそこでしましょ?」

 

 

美紀「了解です♪」

 

 

それから美紀は3階にある風の仕事場に向かうために後ろをついていく。途中すれ違っている人が風とすれ違うたびに挨拶をしてきておりそれに彼女は笑顔で答えている。

 

 

美紀「あの‥、少し前に電話したとき聞き忘れてたんですけど‥‥風さんはここで働いてるんですよね?」

 

 

風「ん〜、そうよ〜。いい忘れてたけどここの出版長として働いてるの〜」

 

 

美紀「しゅ出版長ですか‥!?ラジオDJからだいぶ出世しましたね‥‥(汗)」

 

 

風「いや〜よく言われるよ〜♪」テレテレ

 

 

どうやら風はラジオDJからこの巡ヶ丘出版社の出版長になったらしい。驚きを隠せない美紀に対して嬉しそうにテレテレしている風。そんなこんな話していると彼女のデスクワーク部屋に到着する。

 

 

風「っとと〜ついたよ♪ここがアタシの仕事部屋♪」

ガチャ

 

 

扉を開けて入るとデスクワークとその机の上に置いてあるパソコンや機器。左端には企画書類だろうか、たくさんの書類がファイルに入れられて立て掛けられて保管されている。

 

 

美紀「お邪魔します‥‥!」

 

 

風「とりあえず適当に部屋見てていいわよ〜お茶入れてくるから〜。」 

 

 

そういって風は隣の部屋、休憩室からお茶を入れてくるためあとにする。それを見送ったあと美紀は部屋内をキョロキョロしつつ散策している。

 

 

美紀「へぇ〜‥いろんな企画書とかありますね‥‥。あっこんな書類もあるんだ‥‥これ全部見れてるなんて流石風さんですね‥‥」

 

 

パンデミック前にはアンブレラやランダルコーポレーションなどの裏事情について様々な書類を集めていた風。そうなればこれほどの企画書を把握するなど容易いことだろう。

 

 

風「おまたせ〜」

 

 

部屋を見て回っているとオボンにお茶の入ったコップやお菓子を持って風が戻ってくる。それを確認すると美紀はソファーに腰掛けて、風もオボンをおいて座る。

 

 

美紀「それでは、これの確認をお願いしますね?」

 

 

風「はいはい〜、確認するね〜」

 

 

カバンから取り出した書類を風に渡し、それを確認した彼女は捲りながら確認している。

 

 

風「おっ、沖縄も言ってたんだ」

 

 

美紀「はい、やはり諸島とかはパンデミックの影響をあまり受けていないところがほとんどでした。」

 

 

風「ん〜やっぱりそうかぁ‥‥となればこの辺は復旧作業は早く終わってそうだね」

 

 

美紀「私が見たときはほとんどのライフラインは本土より使えていそうでした。」

 

 

風「ふむぅ‥‥、本土だと復旧範囲は広いし‥おまけに人手が足らないからね‥‥。パンデミック収束から5年も経つのに今だ完全復活できてないっていう‥‥それだけ‥爪痕が大きかったんだろうけど‥」

 

 

美紀「そう‥‥ですね‥‥」

 

 

アメリカ中西部ラクーンシティで悲劇的なパンデミック、ラクーン事件‥さらには再興計画を行うために起こした今回の巡ヶ丘を始めとした全世界を巻き込んだバイオハザード事件‥あの悪夢の出来事から既に5年も経つが今だに世界各地は復旧作業や残りのゾンビの処理などに追われている始末であった。

 

 

美紀「そういえば、レオンさんとかは元気にしてるんですか?」

 

 

そんな中、ふと美紀が風がアンブレラについて調べるきっかけを作ってくれたレオンのことが気になったのかその質問を投げかける。

 

 

風「もちろん元気してるよ〜。定期的に連絡取ってるからね。確か今もアメリカ合衆国政府のエージェントを続けてるそうよ。パンデミック前よりも忙しくなったってなげていていわよ♪」

 

 

どうやらレオンはパンデミック後もエージェントを続けているらしく、今はアメリカ内部の状況把握のため全土を飛び回っているらしい。するとレオンの話で思い出したのか、なにやら思い出す。

 

 

風「おっと、レオンのことで思いだした。確かみんなから手紙が着てるんだったわ」

 

 

そう言うと席を立ってデスクワークの元へ行き引き出しを開ける。すると中から何枚かの手紙が出てきてそれを片手に戻ってくる。

 

 

美紀「その手紙って‥」

 

 

風「そうそう♪学園生活部とかからの手紙だね〜。美紀ちゃんのところにも来てたでしょ?」

 

 

美紀「そういえば‥‥確かに来てましたね‥!‥っと言っても最近忙しくて見れてませんが‥‥(汗)」

 

 

風「それなら一緒に見ましょ〜。時間は余ってるんだし♪」

 

 

美紀「はい♪」

 

 

風「それじゃ‥記念すべき一人目の手紙は〜(ペラペラ)おっあなたの先輩の由紀ちゃんじゃない〜」

 

 

美紀「先輩‥なんですかね(汗)」

 

 

風「でも、嫌じゃないでしょ?」

 

 

美紀「‥はい♪由紀先輩は私の最高の先輩ですから♪」

 

 

 

丈槍由紀(24歳)

 

 

風「どうやら由紀ちゃんは巡ヶ丘学校で教師として働くみたいだね〜。生徒達の面倒は大変だけど楽しいって書いてあるよ〜」

 

 

美紀「先輩が先生ですか‥‥なんかめぐねえみたいな感じになりそうですね‥♪でもそれでこそ由紀先輩らしいですし、みんなから信頼されそうです♪」

 

 

手紙の内容を見て笑みを浮かべ合う二人、パンデミック収束後、由紀は慈と約束したとおり教師としての道を進むことになったようだ。学校自体もまだ復旧ができていないため青空教室の状態が続きそうだが‥‥

 

 

風「流石美紀ちゃんに信頼されている先輩ね♪っと次は理琉君か」

 

 

 

黒田理琉(24歳)

 

 

風「へぇ〜今はアメリカ陸軍の特殊作戦群を辞めて横須賀の在日米軍基地で働いてるそうよ〜」

 

 

美紀「まあ、やめた理由はだいたいわかりますがね(汗)」

 

 

風「そりゃ可愛い由紀ちゃんって子の恋人がいるんだからあたり前よね〜♪」

 

 

理琉はパンデミック収束直後は特殊作戦群にしばらく残っていたがその後辞めて今は横須賀の在日米軍基地に転属しそこで今は仕事をしている。もちろん、由紀との関係も良好で時間が合えば毎日会うラブラブぶりだ。それを示すように手紙には二人のツーショット写真が何枚か入っていた。

 

 

 

 

そんな写真をみつつスクロールしていると下の方になにか書いてあるに気づく。

 

 

風「ん?これは‥」

 

 

美紀「どうしました?」

 

 

美紀も気づいたのか、少し前のめりになって理琉の手紙を覗き込む。

 

 

風「どれどれ‥‥本日8月2日‥‥丈槍由紀と黒田理琉は‥‥入籍しました‥!!?」

 

 

美紀「つっつまり‥!けっ‥結婚ですか‥!?由紀先輩が‥!!」

 

 

風「思った以上に関係進んでいたわね‥‥(汗)ってほ〜、プロポーズは理琉から仕掛けたのか〜。意外と彼も大胆ね〜」

 

 

美紀「でも大丈夫だと思います♪二人なら」

 

 

風「奇遇ね♪私もよ♪」

 

 

恵飛須沢胡桃(24歳)

 

 

風「おっ〜、あの棒有名大学の医学部で医師免許取って卒業したらしいよ〜」

 

 

美紀「えぇ!?あそこって日本一難関って言われてるところですよ‥(汗)確か胡桃先輩勉強苦手だったような‥‥」

 

 

風「きっと相当努力したんでしょうね〜。それで卒業したあとは現場で経験積んで国連で新たに新設された医療救命団として世界各地の医療現場に赴くそうよ」

 

 

美紀「でも以外でしたね?胡桃先輩が医師を目指すなんて」   

 

 

風「そうかしら〜?人生っていうのはなんかのきっかけで大きく変わるもんだから意外と有り得る話よ〜」

 

 

美紀「確かに‥‥なら♪わたしたちも応援しないとですね♪」

 

 

風「あたぼうよ♪」

 

 

若狭悠理(24歳)&若狭瑠璃(14歳)

 

 

風「悠里さんは復興庁の対策リーダーに就任したみたいねぇ。それでなんか気の合わない先輩がいるみたいでよく揉めてるみたい」

 

 

美紀「でもなんでしょうか‥‥悠里さんなら大丈夫な気がしますね‥‥(汗)」

 

 

風「ま〜あゆう子はなんか不思議な圧力でねじ伏せる場合が多いからねぇ。きっと今頃その先輩は苦労してるでしょう(汗)」

 

 

美紀「あはは‥‥(汗)っと次は瑠璃ちゃんですね。あっもう中学2年生なんですか‥」

 

 

風「今は由紀ちゃんのサポート役として巡ヶ丘学校に通ってるらしいわ。あの頃の可愛い容姿が嘘みたいに成長したね〜♪」

 

 

美紀「確かに♪なんか将来の由紀先輩になりそうな気がしますよ〜」

 

 

風「奇遇だね〜。私もそう思ってたわよ♪」

 

 

佐倉慈(31歳)

 

 

美紀「めぐねえは教師をやめて‥‥って文部科学大臣に就任したんですか!?」

 

 

風「ありゃ〜、この中で一番の出世道じゃないかしら」

 

 

美紀「呑気に関心してる場合じゃないですよ‥‥(汗)まさかこの6年で一番変わったのがめぐねえなんて‥‥」

 

 

風「でもあの性格ならやっていけそうだけどね〜。むしろ日本を良くしてくれそうだけど♪」

 

 

美紀「有り得そうな話‥ですね‥♪」

 

 

風「実際そうでしょうよ〜」

 

 

狭山小春(25歳) 

 

 

美紀「小春さんはアメリカに戻って、新設された特殊作戦群の医療班として再び活動するそうです。」

 

 

風「んじゃ戦友だった理琉君とは離れ離れだねぇ…。少し寂しくなるんじゃない?」

 

 

美紀「いえ、そんな感じはないみたいです。定期的に連絡とっているみたいですから♪」

 

 

風「離れていても仲間‥か‥いいねぇ♪」

 

 

 

由比鶴乃(23歳)

 

 

風「鶴乃ちゃんは神浜市に戻って親が経営していた万々歳を引き継いで経営しているみたい」

 

 

美紀「‥あれだけ頑張っていたんですから‥家族と無事再開できれば良かったのですが‥‥」

 

 

パンデミックが落ち着いたあと、鶴乃は神浜市に戻り家族を探していたのだが結局見つからずじまいだった。しかし彼女はめげずに残っていた万々歳を引き継ぐことを決意したのだ。

 

 

風「今度万々歳に行ってみましょうか、みんなで」

 

 

美紀「はい‥♪きっと驚くと思いますよ♪」

 

 

綾波春井(25歳)

 

 

風「春井ちゃんは今過去の贖罪を償うために、元アンブレラ職員で構成された民間軍事アンブレラにいるみたい。そこで自分の罪を少しでも償えるように頑張ってるみたい。」

 

 

美紀「雪さんの言うとおり、責任感が強いですね‥(汗)」

 

 

風「まあねぇ〜、っとそういえば‥」

 

 

美紀と話していて思い出したのか、カバンに入っていたもう一つの手紙を取り出す風。

 

 

風「その雪ちゃんと祐也君からの手紙も来てるのよね〜

 

 

美紀「確か結婚したんでしたよね?」

 

 

風「そうよ〜。確か今は―――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー巡ヶ丘市内の墓地にてー

 

 

 

ここは元々広場だった場所であったが今はパンデミックで亡くなった人たちが眠る墓地として生まれ変わっていた。今日は平日のためか訪れる人の姿はなく静まり返っていた。

 

 

しかし、一台も止まっていない駐車場に白色の17クラウンが入ってくる。墓地入口近くに止まるとエンジンを切って中からどこか見覚えがある赤髪の女性が出てくる。

 

 

「ママ〜、これ持っていっていい?」

 

 

すると後ろのドアが開いてお供物の飲み物やお花だろうか、赤髪の少女が降りてくる。

 

 

「お〜気が利くね〜♪ありがと♪」ナデナデ

 

 

「えへへ〜♪」

 

 

褒められているプラス、頭をナデナデされていることでさらに表情が緩んでくる少女。すると数分エンジン音が駐車場の入口から聴こえてくる。

 

 

「お?きたきた」

 

 

そうつぶやきつつ視線を向けると、神奈川県警と書かれた昇降機付きの白黒210系クラウンロイヤルサルーンが入っきて少し手前で止まる。中からは二人の警察官が出てきて、その中の運転手の男性が助手席の警官に一言二言話してこちらにやってくる。

 

 

「祐也〜!遅いよ〜」

 

 

赤髪の女性、日野雪(旧名湯月)(25歳)は待ちくたびれたような表情で日野祐也(25歳)に声をかける。

 

 

日野「仕方ねぇだろ‥‥(汗)ちょっと事案対応してたんだから‥」

 

 

雪「んもー、それなら仕方ないけど」

 

 

「あっパパだ〜」ポス

 

 

日野に気づいて満面の笑みを浮かべつつ二人の子供である日野千花(4歳)が勢いよく駆け寄って抱きつく。

 

 

千花「えへへ〜、久しぶりぃ♪」スリスリ

 

 

日野「久しぶりだなぁ〜、いい子にしてたか〜?」

 

 

千花「うん♪ちゃんとママの言うこと聞いてたよ♪」ニコ

 

 

雪「お父さんに久しぶりに会えるからって楽しみにしてたんもんね〜♪」

 

 

どうやら久しぶりの再開のようで、家族団らんの雰囲気を見せる。それから少しして3人は墓地の敷地内へと入っていく。

 

 

雪「というか、勤務中に寄り道していいの?」

 

 

日野「そんな心配しなくてもちゃんと上には許可貰ってるよ。こんな大事な日に来ないでどうするんだっていうしな」

 

 

雪「なんかそれも祐也らしいよ‥♪」

 

 

千花「ママ〜、パパ〜。あれじゃない〜?」

 

 

そんなことを話していると、なにかに気づいたのか千花があるお墓に視線を向ける。その先には‥墓石に湯月惣菜と書かれたお墓が‥‥

 

 

雪「今年も来たよ‥♪父さん」

 

 

そう言いつつ、お墓の前にしゃがみ込み、千花からお花やお供物を受け取ってからお墓の前に置いたり、お花は水の入った花瓶に入れる。その間に千花と日野はお墓の掃除をしていた。

 

 

日野「にしても‥びっくりしたよな。アンブレラとの最終決戦だった巡ヶ丘駐屯地にお前の父さんがいたなんて‥な‥」

 

 

雪「うん‥‥」

 

 

あの激戦のあと、巡ヶ丘駐屯地で合流した学園生活部であったが理琉と小春が思い出したかのようにここで自衛隊のレンジャー隊が雪菜にやられたことを伝える。それを聞いた雪が血相を変えて、基地内を探し回ったところ屋上で項垂れている父を発見したのだ。半年近く放置されていたため遺体の状態は酷く判別はできなかったが近くに落ちていた写真で分かったのである。その後、彼の功績を称える意味で政府からは国民栄誉賞、自衛隊からは特別栄誉賞が授与された。

 

 

Endingsongs

一番の宝物

 

 

 

千花「これがママのお父さんのお墓なの〜?」

 

 

日野「あぁ♪そうだぞぉ?ママのお父さんはすごくカッコよくて強かったんだぞ〜」

 

 

雪「もう‥♪大げさよ‥♪」

 

 

少し話したあと、三人は静かに手を合わせて合唱する。墓地自体静寂なためセミの鳴き声や電車や車の走る音が少し離れたところから聴こえてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪「‥‥」

 

 

墓参りを終えてその場をあとにする三人、しかし雪だけはふと振り返り惣菜の墓を見つめる。

 

 

ー父さん‥‥本当に‥‥私達はたどり着けたのかな‥?ー

 

 

 

ーいや‥聞かなくてもわかるよね‥‥‥。まだまだたどり着けたわけじゃない‥これからが正念場‥でしょ♪ー

 

 

 

ー流石俺の娘だ‥‥♪本当成長したなー

 

 

 

既に父さんはこの世にいない‥。しかしそれでもなぜか声が聞こえたような気がした。

 

 

日野「なにしてるんだ〜?はやく行くぞ〜」

 

 

千花「ママ〜!はやくはやく〜!」

 

 

するとこちらを呼ぶような声が聞こえそちらに視線を向けると日野と千花がこちらに声をかけているのが見えた。

 

 

ー行きな、お前の大切な家族が待ってるぞ?ー

 

 

 

 

 

 

雪「うん‥♪だね♪じゃあ―――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       ー行ってきます♪ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がっこうぐらし!

ー絶望、そして希望ー

 

END




ご愛読ありがとうございました!!
 
皆様読者のお陰で
がっこうぐらし!
ー絶望、そして希望ー

は最終回を迎えることができました!!
本当にありがとう御座います!!

今年の二月ごろにプロローグを投稿し始めて約7ヶ月ほど、途中迷走しかけましたがこうして最終回を迎えることができて嬉しく思います!


自分にとってこの小説はがっこうぐらし!について詳しく知るきっかけになった作品だと思っています。

そしてキャラ提供をさせていただいたイギー様!
ここまでお付き合い頂いた読者の皆様!
改めてお礼を申し上げます。



本当にありがとう御座います!!



またどこかでお会いいたしましょう!!








それでは!!

また!!


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主要キャラクター紹介

ここでは登場した主要キャラ達の紹介をしようと思います。そのため一部キャラなどは割愛させていただいていますが、要望があれば追加していきます。


日野祐也(20歳~26歳)

誕生日:4月6日

血液型:O型

身長:168cm

体重:54kg

モデル:伊丹燿司(GATE)

性格:おとなしめの性格、特に目立った特技はないが警察官としての正義と誇りは誰にも負けない自信がある。意外にも恋には鈍感()

使用武器:MP5高性能機関けん銃、20式小銃

 

声優:諏訪部順一

 

本編の彼:K県警巡ヶ丘警察で巡査(パンデミック後は巡査部長に昇進)。高校時代は訓練校で警察になるための訓練に励み配属されたばかりの新米警官。慈とは幼なじみであり同じマンションにすんでいる関係かよく話す仲。特に尖った特技はないが運転テクニックや射撃センスはかなり高く、どちらも教官に高い評価を受けるほどの実力だ。パンデミック後は最初慈達と行動、その後雪達や理琉達と合流する形で学園生活部は賑わいを見せていた。最終的にはウェスカーをクリスらと協力して倒し、この悪夢を終わらせた。雪とはちょっとした関係か付き合うことになってしまい、意外なほどにラブラブなようだ。パンデミック後は各国政府から勲章や賞状が彼を含めたメンバーに授与された。そして雪と結婚して現在恵まれた新婚生活を送っている。

 

 

湯月雪(20歳~26歳)

結婚後は日野に名字を変更

誕生日:1月11日

血液型:A型

身長:154cm

体重:??

モデル:高嶋友奈(乃木若葉は勇者である)

性格:活発で明るい性格、何事も前向きに取り組もうとしている。ちょっとしたことから日野のことを意識し始めてるらしい。身長が低いことからよく未成年と間違えられる()

武器:89式小銃、SFP9拳銃、MP5高性能機関けん銃

 

声優:照井春佳

 

本編の彼女:K県警警察訓練学校の元訓練生で日野とは同期に近い、パンデミック後は人員増強のために巡査として巡ヶ丘警察署に配属。その際に小学校に取り残された悠里の妹、瑠璃と彼らの大群に終われていた圭を助けている。運動神経はかなり抜群であり、ランダルのスパイである雪菜との戦闘では彼女に劣らない格闘を見せた。ちょっとした出来事から日野を意識し始めて、最終的に付き合うことに。パンデミック終息後は彼と結婚、子供を授かって幸せな新婚生活を送っている。結婚後も頻度は減ったものの警察官として勤務している。

 

 

丈槍由紀(18歳~24歳)

誕生日:4月5日

血液型:A型

身長:154~155cm

体重:??

性格:活発でみんなのムードメーカー、一見賢そうには見えないがピンチな時は覚醒してみんなを助けている。

理琉に絶賛恋心が芽生え中

武器:MP5、H&KUSP拳銃

 

声優:水瀬いのり

 

本編の彼女:巡ヶ丘学院高校3年生。天真爛漫な少女で、学園生活部のムードメーカー。ゾンビ騒動以前からケモノ耳のような尖りのある帽子を被っており、翼の飾りが付いたリュックを愛用している。原作では多重人格(解離性同一性障害)の症状に近い状態になってしまったが本作ではなっていない模様。そこため最初から戦闘要員として加わっている。意外にも咄嗟の行動力は高く幾度ものピンチを切り抜けた。パンデミック終息後は慈との約束通り教師としての道を歩んでいる。理琉とは絶賛付き合い中で近いうちに結婚式をあげる予定だとか…。

 

 

恵飛須沢胡桃(18歳~24歳)

誕生日:8月7日

血液型:O型

身長:158~160cm(比較予想)

体重:??

性格:男子にも負けない体力の持ち主、シャベルを大切にしておりいつも一緒にいる。意外と乙女心あり

武器:M4カービン、シャベル

 

声優:小澤亜李

 

本編の彼女:由紀と同じ巡ヶ丘学院高校3年生で元気系な少女。パンデミックの際に思いを寄せていた先輩を殺めてしまいいまも悔やんでいる。雪と合流する前やまだ武器が豊富でなかったとき、日野と一緒に校内を制圧する貴重な戦力として活躍した。原作では地下区域にいた彼ら化した慈に噛まれ、感染したが本作では噛まれていないようだ。パンデミック前には陸上部に入っていたこともあり戦闘となればお手の物、アンブレラの支社に潜入した際はリッカーと激しい戦闘を繰り広げてこれを制圧するという離れ業を披露している。終息後は意外にも医師を目指すようになり、某有名大学の医学部で医師免許を取得。その後は国連で新たに新設された医療救命団として世界各地の医療現場を駆け回って活躍している。

 

 

若狭悠里(18歳~24歳)

誕生日:10月11日

血液型:AB型

身長:160~162cm(予想)

体重:??

性格:おっとりした性格で大人びている。基本家事ならなんでもできる万能女子高生、だが見た目とは裏腹に怒るととても怖い()。本作では瑠璃と早い段階で合流したことで豆腐メンタルではないようだ。

武器:M16アサルトライフル

 

声優:市道真央

 

本編の彼女:学園生活部の部長を務めており家事などを中心に担当している。原作同様、メンタルは強くないが日野という警察官や慈がいたことからそこまで深刻ではないようだ。その後、瑠璃と合流してからは落ち着きが現れている。自分の妹を助けてくれた雪には感謝しきれないほど感謝している。元々運動は得意ではないが瑠璃を守るために名乗り出て銃を手に取ることを決意、高校で起きたランダルとの戦闘では一時戦闘不能になった胡桃に変わって率先して戦った。終息後は復興庁の対策リーダーとして活躍、巡ヶ丘市などの復興指示に全力を出している。その際、意見が合わない先輩がいるらしいがほとんど彼女の圧力に折れて負けているらしい(先輩の威厳とは)。

 

 

直樹美紀(17歳~23歳)

誕生日:12月10日

血液型:O型

身長:154~155cm(およそ由紀と同じ)

体重:??

性格:クール系女子、成績も優秀で基本は敬語を使うことをが多い。圭とは対照的だが仲はいいようだ。

武器:barettoM107(バレットM107)対物狙撃銃、M9拳銃、スティンガー、ジャベリン

 

声優:高橋李依

 

本編の彼女:巡ヶ丘学院高校2年生で由紀達の後輩にあたる存在。ショッピングモールの生き残りの一人で、5階にある事務室で明かりの見えない救助を待っていたが、出ていった圭を助けた際、彼女のことを知った日野達によって救助された。由紀が多重人格の症状になっていないことから早い段階で打ち解けられている。合流したの時は頭脳派少女であったが、地下区域で見つけた対物狙撃銃を手にしたことでなぜか覚醒、ピンポイントで拳銃を破壊したりゾンビの大群を一撃全員ヘッドショットで制圧、更には対戦ヘリコプターや攻撃機を撃ち落とす離れ業を炸裂(二章以降はタイラントを一時戦闘不能に追い込み、アンブレラの追跡の際は不安定な中、エンジンを撃ち抜くという次元やゴルゴ13もビックリな命中精度を叩き出している)、そのすべてが試写なしという狙撃精度の高さが伺える。終息後は全国の復興状況を調査するために巡ヶ丘出版社の調査員として各地を駆け回っている。

 

 

佐倉慈(25~31歳)

誕生日:3月10日

血液型:A型

身長:165~166cm

体重:??

性格:少々頼りないように見えるがみんなからは信頼されている国語教師。しかしいざとなれば行動力は計り知れない。

武器:MP7、M17拳銃

 

声優:茅野愛衣

 

本編の彼女:原作では彼らから生徒を守るために囮となったが本作ではその描写はなく、最初から学園生活部の顧問兼保護者として過ごしていた。風が合流するまでは唯一の年上として時にはみんなを引っ張っていた。時おり天然を発揮してアワアワするが、高校で起きたランダルとの戦闘の際にはエリート兵士を小春ともに制圧している。更には生徒の危機をいち早く察知して美紀と圭のピンチに風達とともに駆けつけて掃除屋と言われるバイオ兵器を蹴散らしている。終息後は、教師から身を引き新たに組織された堀川内閣最年少の女性文部科学大臣として就任、日本の教育改善を目指して奮闘中だ。

 

 

祠堂圭(17~23歳)

誕生日:5月6日

血液型:B型

身長:154~155cm

体重:??

性格:美紀とは正反対の活発な少女、しかし彼女との相性はかなりよく一緒にいることが多い。

武器:HK416アサルトライフル、M11拳銃

 

声優:木村珠莉

 

本編の彼女:原作同様モールから単独で脱出、生存者を探しているうちに彼らの大群に終われて足を挫きつつ逃げているところを間一髪で雪と瑠璃に助けられた。そのため雪には他のメンバーにはない特別な感情を抱いている。美紀の活躍に埋もれがちだが射撃センスはかなり高く、雪のピンチの際は美紀と協力してそれを阻止した。 そして意外にも格闘戦闘は得意なのか地下区域での雪菜との戦闘の時はほぼ互角な闘いを見せた。巡ヶ丘支社でのリッカーとの遭遇でも、美紀を地下に行かせるために小春や鶴乃とともに激しい激戦を繰り広げてこれを撃破している。終息後は太郎丸とともに各地の復興状況を調べるために調査員として各地を飛び回っている。

 

 

黒田理琉(18~24歳)

誕生日:8月10日

血液型:B型

身長:170cm

体重:62kg

性格:未成年ながら兵士として活動している関係かなんでも万能なタイプ。しかし乙女心にはうぶい()

使用武器:ウィンチェスターM1887、デザートイーグル

 

モデル:オリジナル

 

声優:宮野真守

 

本編での設定:アメリカ陸軍特殊作戦群指揮官で大佐。一匹狼シリーズではスパイ襲撃事件によって大切な人や家族を殺されて、軍を退役した。か、本作ではその事件が起きなかったことからバリバリの現役だ。陸上自衛隊所属のレンジャー部隊の捜索のために巡ヶ丘市を訪れたが、雪菜の策略によって壊滅寸前まで追い詰められた。しかし、偶然近くにいた雪達によって事なきを得たのであった。一匹狼編よりも軍にいる年数が長いため実力はかなり高く、ランダル兵士やリッカー相手を蹴散らせるほどの実力の持ち主。由紀に心引かれており恋心を持っているようだ。終息後は在日米軍に転属して、軍に残りつつ彼女と付き合いを深めているようだ。

 

狭山小春(18歳~24歳)

誕生日:9月18日

血液型:A型

身長:158㎝

体重:???

モデル:保登心愛(ごちうさ)

キャラデザ:イギー

性格:見た目通りの明るさ、意外とアクティブ

武器:グロック19

 

声優:佐倉綾音

 

本編の彼女:一匹狼、リメイクシリーズ編では理琉にひそかに恋心を抱いていたがスパイの襲撃によって帰らぬ人になってしまった。しかし本作ではスパイの襲撃がなかったことから特殊作戦群の衛生兵として、理琉のよきパートナーとして活躍している。元気ハツラツな性格なことから由紀や圭、瑠璃などとよく息が会っている。射撃の腕は高くはないが人並みにはあり、車の運転もそれなりにできる。青龍を救えなかったことを気に病んでおり、終息後は更に衛生兵としての技量を高めるために新たに編成された特殊作戦群の医療班として現役で活躍している。女性兵士のなかでピカイチの美人なためか絶大な人気を有しているそうだ。

 

 

浅野雪菜(20歳)(享年)

誕生日:8月6日

血液型:B型

身長:164cm

体重:??

モデル:オリジナル(黒髪ショート)

性格:冷静で冷淡、目的のためなら手段は厭わない

武器:M9サプレッサー付拳銃

 

声優:早見沙織

 

本編の彼女:ランダルコーポレーションに所属する若きエーススパイ。本社が起こした事故の証拠を隠蔽するために巡ヶ丘市に派遣された。その際現地調査にきた雪の父親を含む陸上自衛隊の精鋭であるレンジャー部隊を壊滅させて、理琉達特殊作戦群を追い詰めた張本人だ。身体能力もかなり高く、雪との初遭遇の際は彼女を凌駕する動きを見せた。巡ヶ丘高校襲撃を立案した一人で、的確な作戦で学園生活部をあと一歩まで追い詰めたが…、予想以上に彼女達が粘ったことで頓挫、さらには圭の策略によって災害用貯水室に閉じ込められた。最後は迫り来る水を見ながら拳銃によって自分自身でケリをつけた。

 

 

若狭瑠璃(10歳~16歳)

誕生日:7月25日(独自設定)

血液型:AB型

身長:130cm位?

体重:??

性格:明るくてみんなのマスコット的存在、基本みんなをあだ名で呼ぶことが多い。

 

声優:市道真央

 

本編の彼女:原作では交通事故によって死亡したが、本作ではそれが発生しかなったためご生存。その後学校にいるときにパンデミックに遭遇、先生の奮闘のお陰でギリギリで雪に救助、以後は雪に懐いている。みんなの精神的支えになっており癒しともなっているそうだ。終息後は中学生でありながらも由紀のサポートのために助手的存在として活躍している。

 

 

犬吠埼風(25歳~31歳)

誕生日:5月1日

血液型:A型

身長:166cm(独自)

体重:???

性格:明朗快活でサバサバした姉御肌・キャリアウーマン的な性格

使用武器:M4カービンライフル、RPGー7

登場アニメ:結城友奈は勇者である

 

声優:内山夕実

 

本編の彼女:本作ではワンワンワン放送局のラジオDJとして登場。原作では由紀達が来る前にウィルスに感染したことで死亡したが、本作ではその描写はない。元々ラクーンシティに住んでいたこともありアンブレラ社やランダルなどの製薬会社の裏を調べており、日野達に様々な情報を渡した。射撃の腕もかなりよく、アンブレラのヘリをロケットランチャーで撃ち落としている。慈と同じでメンバーの中で数少ない年上だったこともあり、裏で率先して動いていた。終息後はアンブレラで得た調査技術を生かし巡ヶ丘出版社の出版長として活動している。

 

 

綾文春井(20歳~26歳)

モデルキャラ(郡千景)乃木若葉は勇者である

年齢:20歳

誕生日:2月3日

血液型:A型

身長:165cm

体重:??

性格:意外と乙女心があり、美人。

使用武器:グロック18拳銃

 

声優:鈴木愛奈

 

本編の彼女:アンブレラのパンデミック管制室の指揮官で少佐、まだ20歳という若さでありながら社内ではかなりの優秀な人材として注目を集めている。それゆえ戦闘スキルも高くたとえ相手が精鋭兵であっても勝てるほどの実力がある。つまりそれは理琉や雪のレベルを上回ることを意味するようなものだ。訓練生時代の雪達の同期であり、一時雪と対峙するがウェスカーによって騙されたことに気づいてからは学園生活部に加勢した。終息後は贖罪のために組織された新生アンブレラ民間軍事会社に入りそこで活動している。

 

由比鶴乃(17歳~23歳)

登場アニメ:魔法少女まどかマギカ外伝 

身長:162cm

体重:秘密

性格:明るくて活発、深く考えるのは苦手だが頭は比較的良く、学年トップの成績を取るほど勉強は得意。

使用武器:Beretta(ベレッタ)M9A1&90two、鉄扇(扇子タイプの近接武器)

 

本編の彼女:出身は神浜市、だいたい親が引き継いでいる中華飯店万々歳の看板娘。買い出しにきていた巡ヶ丘で偶然パンデミックに遭遇、しばらくの間は放浪していたが聖イシドロス大学の穏健派のメンバーと出会ってからはここでお世話になっている。元々運動神経が良いこともあり、戦闘スキルは理琉にも引けを取らない。それを示すかのようにU.S.Sやハンター、タイラントとの戦闘では引けを取らない動きを見せた。終息後は万々歳を引き継いで経営している。



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