【参考記録】戦姫絶唱シンフォギア Hopeful Gear ひびみくの娘√ (御簾)
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300年前
キャラ生成〜イザークパパとの出会い


生存報告も兼ねて本当に初投稿です。適合者としての係数低いので間違いなどあったら指摘して頂けると幸いです。
ただの実況みたいになってるのはオニィサンユルシテ…語録とかあんま詳しくないからね、しょうがないね。


 完全ランダムキャラ生成のシンフォギアRTA、はーじまーるよー。

 

 はい。という訳で今回はこの『戦姫絶唱シンフォギア Hopeful Gear』。通称チャートフル(全て)キラーをプレイしていこうと思います。

 なぜこんな通称なのかと言いますとォ…

 

 キャラメイクからランダムなんですねぇ〜。

 

 はい。完全ランダムでございます。ええ。

 は?と思ったそこの適合者の貴方。それが正しい反応です。

 このチャートフルキラーですけれども、シンフォギアシリーズの中でもリセット不可避の迷作と言われているんですね。私も完走したのは45回目のフィーネの娘√ぐらいです。理由は前述した、『完全ランダムキャラ生成』です。

 キャラの性別、名前、家族関係に…生まれる時代まで完全ランダムとなっております。時には原作キャラがプレイヤーキャラと化します。まぁその場合は素直にプレイするも良し、グレビッキーにするも良し、片翼の装者ルートにするも良しで楽しいのは楽しいんですけど…

 この作品はモブキャラにもなります。

 

 モ ブ キ ャ ラ に も な り ま す。(x敗)(xは810以上の自然数)

 

 モブに厳しいと言われ続けて幾星霜、道を歩けばノイズと出会い炭となって消えていく。そんなシンフォギア世界でモブキャラになる…その危険性がお分かりか(憤怒)

 私も何度か…いや何度もプレイしているんですが半分以上はモブキャラでした。開始1時間持てばラッキー、酷い時には成長する間もなく殺されました。(14敗)

 ふざけるな!ふざけるな!バカヤロォォォォォォォォォ!!

 

 …ごほん。えー、つきましてはこの動画は…ウッアタマガ回目のプレイとなっておりますねぇ!

 ちなみに完走したフィーネの娘√はアーカイブに残してあるので是非(ステマ)wikiの同士達は運良くネームドキャラに当たっているようですが…私は…ハハッ(全敗)

 フィーネの娘が1番マシでしたね。開始は生前…?のフィーネさんの時代。何をもってクリアとするのかはその時のキャラ次第になりますが、彼女のクローンの中から自我が芽生えた個体であるフィーネの娘√は【フィーネの恋を成就させる】だったはずです。シェム・ハ…?知らない子ですね(鼻ホジ)

 とりあえずこのメニュー画面からゲームスタートをポチッと。もうこの次の段階で数え切れないほどの犠牲者が出ているので身体の震えが止まりません。コワイナ-トヅマリストコ。

 さて…今回はどんなキャラなんでしょうか。来いよオリキャラ!乱数なんか捨ててかかって来い!

 

<…さん!

 

 ん?

 

<…おかあさん!待って!

 

 お、流暢に話してますから赤ちゃんじゃなさそうですね。襲われているようですが最悪5歳ぐらいなら全力疾走すればなんとかなります。どこからともなくやって来るOTONAが助けてくれますからね。いつかのキャラはOTONAの目の前でノイズに処されましたが(3敗)

 

<おかあさん!私だけなの!?どうして!?

 

 おっ、かなり成熟してますね。小学生ぐらいかな?

 このゲーム、やはりシンフォギアというべきか…肉親コロコロシーンとかが多いんですね。自分が囮になったはずが逃がした兄弟は炭になっていた、とかもザラですし。(29敗)

 にじゅう…何回目だったかのトライではSAKIMORIの妹になりましたが外道ジジイに利用されて死にました。敗因は確か…あ、洗脳されたSAKIMORIに斬り殺されたんですね。(SAKIMORIの心が)マズイですよ!

 

【少女を抱えて走る青年。その顔色はお世辞にも良いとは言えなかった。】

 

 ん?この青年どこかで…?

 

<しんじ!しんじ!下ろして!

 

 な ん で N I N J A が 瀕 死 な ん で す か ?

 あの緒川さんが瀕死エフェクト撒き散らしてますね。(リセ案件並に)マズイですよ!

 

<いえ…響さんと未来さんのお願いですから…背く訳には…いきません…

 

 …状況整理ですね。

 まず自キャラは幼児、または小学生低学年と予想します。

 次に人間関係ですが、今のNINJAの発言的にビッキーと393と何らかの繋がりがあると考えられます。

 現在地は不明…ではないですね。通り過ぎる風景的にあのハイパー潜水艦内部でしょうか。となると時期はGより後…おっ、今エルフナちゃんの研究室が見えてきましたよ。ということは少なくともGXには突入していますね。

 

<緒川さん!響歌さんは僕に任せてください!貴方は治療を…

<いえ、僕はこのまま戻ります。戦える人間は…1人でも多い方が…ッ!

 

 うん?話しぶりからするとかなり苦戦してませんか?装者たち大丈夫?粉塵揉む?いらない?あっそう…

 それはそうと自キャラの名前は響歌ちゃん…「きょうか」ちゃんでしょうか。うーん、一体何者なんだ…

 

【今更になって響歌は鳴り響くアラートに気付いた。】

 

 おや、BGMが再生され始めましたね。…ん?

 

<まさか、このアラートは…

<司令…ッ!

 

 

 ……………………………は?

 いや、ちょっと待ってくださいね。イベントは垂れ流しますがこのアラートについて調べてきます。もし予想が当たっていれば…

 

 

 

 

 

ふざけるな!ふざけるな!バカヤロォォォォォォォォォ!

 

 

 

 

 

 思わず走者もKRTGになりますよ!なんですかこのアラート!

司令が負けた時専用(・・・・・・・・・)アラートとか聞いた事ありませんよ!いえ存在は知ってましたけど!

 …はい、本部内部に鳴り響くこのアラート、wikiでも数例しか確認されていない『敗北確定BGM』という奴らしいですね。あの歩く憲法違反、風鳴弦十郎司令が戦闘不能、または死亡した際に発令される物だそうです。

 ……………ッッッッス-…

 とんでもねぇ状況ですが画面の方は…

 

<エルフナインちゃん!

<響さん!無事だったんですね!

 

 おや、握り拳がアームドギアの立花響さんじゃないですか。ん?なんだか髪の毛伸びてませんか?XVでもそんなに長くないですよね?

 

<他の皆さんは…

<…………ごめん、私一人が精一杯で…

 

 うーん分かりませんね。本部襲撃、最高戦力は脱落、装者も響さんのみ、時期は不明…と。オマケに自キャラはまだ子供…

 とにかく進めてみましょう。もう参考記録でもいいや(諦め)

 

【響歌を抱えたエルフナインとボロボロの響は鳴り響くアラートの中走り出した。既に無線は途切れて久しい。信じたくはないが…仲間たちは負けたのだろう。】

 

 ますます分かりません。原作でこんな展開になる可能性なんてありましたかね…?

 

【3人がたどり着いたのは角笛のような聖遺物の眼前。ギャラルホルンと呼ばれるそれを前に、大人2人は顔を見合わせた。】

 

 大人…?エルフナちゃんはともかく響さんが大人…?しかもギャラルホルンまで…まさかこれXVより後ですか?え?何年後?嘘ぉ…?

 どうやら本編終了後の時空みたいですね。これは…257回目のトライを思い出しますね。確かあの時はモブ職員として戦い抜いたはずです。ただその後休暇中に錬金術師の残党に…おのれアダムゥ!(NRTK並感)

 

<エルフナインちゃん…

<いえ…響歌ちゃんに渡せる聖遺物は…もう…

 

 それにしても響歌ちゃんは黙ったままですね…

 

<ねぇ、おかあさんは?

<…っ、未来は…

 

 393がお母さん…?どういうことだってばよ?

 ということはお父さんはまさか…いやまさかね。その√もありましたけど…あれ?まさかまさかの…?

 

<…響さん、そのガングニールなら…

<うん、分かってるよ。

【響はギアを解除し、赤いペンダントを響歌に握らせた。ほんのりと残った熱が、今はどこか寒々しく感じる。】

 

 ダディバナサン!ナズェギアヲヌグンディス!!

 ギャラルホルンで世界を渡るには聖遺物が必要…でしたっけ。ギア纏ってない響歌ちゃんで大丈夫なんでしょうか。ここでスキップ不可のイベントシーンが入るようですね。(タイムは)必要な犠牲でした…(陳宮並感)

 

<これなら…片道ならなんとかなりそうです!

<良かった…

 

 

 

 

 

 

 かすかに見えた光明、それを逃さぬべくエルフナインはギャラルホルンの起動を始める。無理矢理にでも起動し、彼女だけは…響歌だけは守らねばならない。それは嘗てシェム・ハから伝えられた言葉。

 己の血の滲む制服を見て響歌は泣きそうな顔をする。だが堪えた。強い子だな、と響は思う。

「響歌。」

 自分の娘はビクリ、と肩を跳ねさせた。

 唐突な襲撃に仲間は倒れ、今や残るは2人のみ。母を喪い、親しい者を失った彼女の悲しみはどれほどか。まだ5歳だと言うのに、この現実はあまりにも重い。

「お父さんも、お母さんも。貴方のことを大事に思ってる。」

「うん…」

 聡い子だ。泣き喚くよりも、こちらの話を聞いている。

「司令だって、緒川さんだって。翼さんも、クリスちゃんも。マリアさんに、調ちゃん、切歌ちゃん。エルフナインちゃんも…S.O.N.G.の皆が、あなたの事を想ってるから。」

 エルフナインは汗を流しながらギャラルホルンを起動しようとしている。()がやってくるのも時間の問題だ。響は腹を括る。

「だから、生きることを諦めないで。私はそうやって、奏さんから託された。」

「くっ、これでなんとか…行きました!ギャラルホルン起動!座標ランダムですがいけますよ!」

 エルフナインからの朗報。響は顔を綻ばせた。

「ほんとは誰か着いていくべきなんだろうけど…」

「ううん。1人でも大丈夫だよ。」

 …本当に、強い子だ。視界が滲む。エルフナインと共に抱きつくと、娘は困惑したように身を捩らせた。

「…ッ!響さん!」

 

 

 

 

 

 

 はい、感動のイベントシーンですね。(ボタン連打で)見てませんけど。

 さてさて…話の途中だがエネミーだ!

 

【迫るのは濃密な死の気配。エルフナインが起動させたギャラルホルンに娘を放り投げ、響は両手を構えた。】

 

 あー、やっぱりそうでしたか。つまりこれはビッキーと393の娘√だったんですね。多分この後は転送失敗からのGAME OVERでしょう。以前何回か聖遺物無しでの転送も試しましたがダメだったので、かなり可能性としては高いです。

 

<おかあさん!絶対…戻ってくるからね!

【その声に響は肩を震わせた。娘からの大事な声援だ。負ける理由など無くなってしまった。】

<信じてるよ…ごめんね、守れなくて。

<ううん。今度は私が、守るから!

 

 はえー強い子だぁ(他人事)もうチャートさんはチャ/ートさんになってますから今更ですね。記録取っておきましょう。記録。

 

【私の目の前を閃光が埋めつくした。この先…どうなってしまうんだろうか。】

 

 君は永遠に次元の狭間を彷徨うのさ…

 はい、これにて参考記録、[響と未来の娘√]はお終いです。うーん走者としてはなかなか面白展開ばかりで楽しめそうな予感がしたんですけど…この先は絶望がゴールだからね、しょうがないね。(アクセル並感)

 さて、それではクレジットを…?

 

 

 

な ん で 続 い て る の ?

 

 

 

 

 

 

 上下左右前後、時間の感覚すら怪しくなるこの空間で私はもがき続けていた。きっとこのまま永遠にここに居続けるのかもしれない。だけど、私は約束したのだ。

(約束…したんだ。絶対守るって。どんな手を使ってもいい、私は、おかあさん達を…皆を守るって!)

【[死が彼女を分かつとも]を獲得しました。】

 不思議と力が湧いてくる。握りしめたおかあさんのペンダント…シンフォギアという物らしい、が熱を帯びる。それは独りでに浮かび上がり、暖かい虹色の光を放って私を包み込んだ。

 まるでお母さんのような姿だろう。オレンジと白の…シンフォギアに身を包んだ私は光の中を翼をはためかせ(・・・・・・・)飛翔する。

「お願い…導いて!ガングニールッ!」

 

 

 

 

 

 

 はえーすっごい。気合いだけでガングニールを起動しましたよこの子。

 これ時々発生するイベントですね。発生条件は恐らく[一定以下の年齢である][肉親が装者である][肉親が眼前で死亡、または行方不明になる]でしょう。wikiでも十数例確認されたイベントです。うーんでも翼なんてあったかな…ママエアロ。

 

【一際強い光が見えてきた。恐らくこの空間の終わりだろう。そう響歌は予想し、翔ける速度を上げた。】

 

 そういえばさっき何か獲得してませんでしたかね?何だったんだろ…ログ確認する時間は…無さそうですね(諦め)もっとゆっくり飛んで、どうぞ。

 

【光の渦に飛び込む。私は…これからどうなるのだろう。】

 

 あーもう(チャートが)めちゃくちゃだよ。どうにでもなれ(槍投げ)

 

【目を開くと、目の前には異様な光景が広がっていた。】

 

 お?お?ツヴァイウイングのライブですかね?これは奏さん救済√かな!勝ったな風呂入ってくる(離席)

 

【人が…燃やされようとしている!】

 

 

 

 

 

 

「おい…あれって…」

「なんだよ!今はこいつを燃やすことだけ…は?」

 村の異端者を燃やそうとしていた男たち、それを眺めていた女たち、そして離れたところからそれを見ていた少女さえも。その姿に畏敬の念を示す。

 その姿はまるで神の御使い。純白の翼を生やした天使が、そこにいた。

「天使…?」

 磔にされた男性はゆっくりと顔を上げた。まるで己のみを見るかのようなその姿は少女だった。

「はは…迎えにしては、随分と可憐なお嬢さんだ…」

『何を…しているの?』

「「「「「「ッ!!!???」」」」」」

 脳内に響く、少し舌足らずな…それでいて芯の通った声。まるで自分たちがしている事が悪事であるような…そんな感覚が湧き上がってくる程には、彼女の存在は影響を与えていた。

「こ、これは…」

「こ、この者が悪いのです!」

「そうだ!その怪しい術で皆を殺したんだろう!」

 そうだそうだ、お前のせいだ…怨嗟の声が投げかけられるが、その対象である男は諦めたように笑うだけだった。

「違う…!パパはそんなんじゃない…ッあ!」

「黙れ異端者の娘め!」

 手近な男が少女を殴る。その時、沈黙していた天使が再び口を開く。

『ねぇ。もう1回だけ聞くよ。何をしているの(・・・・・・・)?』

 感じるのは威圧。

 激しい怒りの感情が荒れ狂っていた。誰も彼もが黙る中、少女だけは天使に向かって声を投げ掛けた。

「流行り病があって…パパはそれから皆を助けるために!」

 

 

 

旋風、閃光。

 

 

 

 男が感じたのは、力強さと温もり。

『もう…大丈夫。』

 目を見開くと、天に浮かんでいた天使が、己を抱えていた。

 

 

 

 

 

 

 よし、怪物くんドリンク摂取完了です。これであと10年は戦えますね。

 さて画面は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでキャロル親子助けてるの響歌さぁぁぁぁぁん!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたかね。
作者多忙につきまだまだ執筆時間取れませんけど許して…何でもしますから!(何でもするとは言ってない)
感想とか評価とかアンケート答えてくれたら嬉しいな…壁|ω・`)


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ディーンハイムさんち〜アダムさんエンカウント

アンケートの結果こうなりました。
反省はしている。後悔はしていない。
ブルーアーカイブ始めたので初投稿です。


 …ええ、分かってます。分かってるんですよ。多分こんな状況になってるの私ぐらいでしょうとも。ええ。過去に叩き込まれる事例とかあんの?聖遺物怖すぎない?大丈夫?

 しかもよく見たら響歌ちゃん限定解除してません?適合係数どうなってるんだこの子は(呆れ)ま、まぁビッキーの娘だし、多少はね?(震え声)

 

 えーと、とりあえずキャロルパパを助けたみたいですね響歌ちゃん。その調子でキャロルちゃんも助けてしまおう!GXなんて無かったんや!

 

【私は両手に抱える男性を下ろし、にっこりと笑った。】

 

 ヴッ…(昇天)これはまさしく天使ですね。専用1枚絵、しかもL2Dどころか3DCGですよ…え?なんで?こんなん初めてよ?あー、とりあえずwikiに追加情報を…ヨシ!(現場猫)

 

【遠巻きに見詰めている人達の前、私は迂闊な発言はできない。】

 

 この子賢くなぁい?装者の娘は天才かなにかなんですかねぇ…?あ、でも生まれてからS.O.N.G.に在籍してたなら有り得ますね。司令、NINJAにオペレーター組も相当なエリートだったはずですから。多少の精神年齢の振れ幅は…許容範囲です。

 

<君は…

<とにかくこの場から離れましょう。ね?

 

 またエンジェルスマイルです。クリスちゃんのデレより破壊力ありますねクォレハ…おっと誰か来たようだ

 移動し始めましたね。XDモードのまま歩くってシュールですよね。しかも並んでるのが親子っていう…ん?村人がなんか言ってますけど無視だ無視!突撃!隣のキャロルちゃん!ってな訳で突撃ィィィィィ!(デッデッデデデデ!カーン!)

 

 

 

 

 

 

【2人はキャロルちゃん、イザークさんというらしい。可愛い名前だね、というとキャロルちゃんは顔を赤くしていた。】

 

 ンンンンンン!いけません!いけませんぞキャロル殿!そのような表情を見せられては!拙僧は…拙僧は昂ってしまいまする!

 はい、というわけでやってきましたキャロルちゃんち!落ち着くね…この雰囲気。

 この後の展開もクソもありゃしませんので私の予想になりますが、この場合はまずシンフォギアについて根掘り葉掘り聞かれることになるかもですねぇ。この時代には有り得ないほどの技術ですから…

 

【これからどうするかを尋ねられた。私は…】

 

2人と共に…

 →行く

  行かない

 

 あれ?思ってたんと違う!?…ふむ、ここは迷いどころさんですよね。参考記録とはいえRTA。ここでキャロル親子と一緒に行動したところでうまあじは少なめ…?いや待てよ、ここで錬金術も習得しておくことで後々のタイム短縮にも…(走者思案中…)

 

【私は少し迷って、2人について行っていいかと尋ねた。】

<大丈夫だよ!ね!パパ!

<ああ。命の恩人だし、娘に歳の近い友達が出来るのは良い事だからね。

【[始まりの錬金術師]を獲得しました】

 

 ファッ!?気づいたら勝手に話が進んでやがる!い、今起こったことをありのままに話すぜ(ポルポル並感)

 仕方ありませんね。良くて参考記録、最悪再走ですからこのまま突っ走りましょう。タイトル変えとくか…仕方ないね。チャートフルキラーだもの。(諦め)

 

 さて、ここからは錬金術を学びつつキャロル親子と親睦を深めるほのぼのパートなんですが…まぁ倍速!倍速だ!メイド・イン・ヘブンッ!!キング・クリムゾンッ!おらっ!スキップするんだよあくしろよ!

 

 

 

 

 

 

【あれから、2年が経過した。シンフォギアの存在は奇跡だということにしてある。2人の中で、私は天使が下界にやってきた姿だと思われているようだ。】

 

 よーしいい感じに時間経過しましたね。倍速している時のログは…はい。説明それでええんか…(驚愕)まぁキャロルちゃんはともかくイザークパッパは賢い人ですから詮索はしない…というスタンスなのかもしれませんね。

 

 どうやら3人は結局村を出て、世界を回ることにしたようです。うーん…本格的にGXの存在が怪しくなってきましたよ…あそこが消えるとイグナイトとか戦闘技術とか装者のメンタル強度上昇とかが無くなるんでAXZ以降がキツイんですけど…

 ん?どうして等倍になるんですか?

 もしかして、向こうに見えるのはサンジェルマンさん(幼少期)じゃないですか?

 サンジェルマンさんですが奴隷の娘ということで幼少期はかーなーり強い!迫害を受けていますね。

 

【目の前に少女が転がってきた。貧相な身なり、痩せ細った身体…奴隷だろうか。】

 

 うん。間違いありませんね。将来有望な錬金術師の卵、サンジェルマンさん(x歳)です。しかしこんな遭遇ありましたっけねぇ…もう原作もクソもありませんけど(呆れ)

 ▼響歌ちゃん と キャロルちゃん の みつめる!

 いやいやいやいや、ちょっと何してますの2人とも。ただでさえょぅι゙ょ2人連れて流浪の旅錬金術師してるのにこれ以上仲間増やすと食料とか色々…

 

<仕方ない、か。

【イザークさんはそう言うと女の子を抱き上げた。】

 

 オァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

 待って!これ以上どんな関係を作んの!パヴァリアが!ボスが!イザークさんになっちゃう!ダメ!待って!止まれ!

 

<貴方は…誰?

<そうだなぁ…錬金術師、かな。

【[少女]が仲間になりました。】

 

ふざけるな!ふざけるな!バカヤロォォォォォォォォォ!

 何回これ言ったら済むの!?もうチャートとか記録とか知らねぇわ!こうなったらとことんまでやり尽くしてやんよ!(ヤケクソ)

 来いよストーリー!チャートなんか捨ててかかってこい!

 

 

 

 

 

 

 私にとって、その人は本当の父親のようで。

 私にとって、その子は本当の妹みたいで。

 そして、あの子は…本当の。

 

 そう。本当の。姉のように。思っていた。

 

 

 

 

 

 

 …倍速だよ。笑え…笑えよ(地獄兄弟並感)

 現在、サンジェルマンさんを拾ってからさらに数年が経過しました。キャロルパパ若い…若くない?娘たちがズンドコ成長してるのにほとんど老化進んでない…まさか、ゴルゴムの仕業か!(BLACK)

 

【サンジェルマンちゃん…を家族に迎え、もう何年経っただろうか。キャロルちゃんも、サンジェルマンちゃんも、私もイザークさんも。普通に成長して、老いていくと思ったんだけど…】

<どうしてイザークさんは見た目が変わらないんですか…

<それはね…錬金術だよ。

 

 はえーすっごい錬金術って便利だなぁ…あれ?思い出は?燃料大丈夫なんでしょうか?

 このゲーム、中世とはいえ一応は警察機構とか存在しますからね?人殺してないよね?

 さて、また響歌ちゃんたちが細々と何かしてる間に…

 

 今回の最終目標についてお話ししましょう。

 勿論死なないことが前提になりますが、クリア条件を確認してきました。確認してきたんですが…

 

【クリア条件:???との決別・???に打ち勝つ】

 

 となっておりまして。もうこれわかんねぇな(絶望)

 当然こんなチャートwikiにも存在する訳ないので私が世界最速になるわけなんですが、それでもクリア条件不明というのは…んにゃぴ、よく分かんないですね。

 とりあえず画面の方は…おや、2人増えてる?

 

<これからよろしくね。プレラーティさん、カリオストロさん。

<よろしくなワケダ。

<よろしくねーん!

 

 もう、何も、怖くない。怖くはない。(ELS)

 気付けばそこは理想郷、女まみれ(約1名男性)のグループの中にまた2人追加入りまーす!(ヤケクソ)なんで!?その2人元々男性だよね!?この時点で女性っておかしくなァい!?

 はい!これでパヴァリア錬金術師3人組はコンプリートです!やったねたえちゃん!アダムはどこかなぁ!(クソデカボイス)

 

【2人を加えて、大所帯になってきた私たちは拠点を作ることにした。皆が何事もなく暮らせるような…そんな場所を。】

 

 家族想いのええ子やで…ちなみに皆さんお忘れかと思いますがこの子両親なら何から何まで、全部失ってますからね?

 しばらく響歌ちゃんたちのぱーふぇくとシャトー建設が続くので…スキル確認しときましょう。えーとスキル一覧はっと…

 

・シンフォギア:ガングニール[封印]

 父親である立花響から託されたシンフォギア。幼少期に1度だけ纏ったきりで、それ以降展開はできなくなってしまった。

・死が彼女を分かつとも

 [???]

・錬金術師:始まりの錬金術師

 錬金術師としては最高峰の技量を持つ。代償として彼女の思い出は■■される。

 

 おや、不明スキルが1つですか。まぁそのうち分かるでしょう(ガバンス)。始まりの錬金術師…このスキル自体は(比較的)珍しくありません。wikiにも数例確認されていますからね。錬金術に関する補正が最大限に保証されるスンバラシィスキルなんですが…気になるのは後半ですね。本来なら焼却される、になるはずなのですが…封印でもされてるんでしょうかね。こんなものでは代償にならんぞ!私は帰る!(wiki参照)

 

【拠点の案は完成した。チフォージュ・シャトーと言う。これで皆が安心して過ごせそうだ。夜毎に野盗に怯える心配もない、安心した暮らしが…】

 

 チャートフルキラーよ、私は帰ってきた!

 はいはいはいはい、wikiには情報無かったので失踪していいですか?ダメ?そっかー…とまぁそんな訳で画面の方は…おやおやおや、相変わらずシャトーの建設中ですか。響歌は可愛いですね(吐き気を催す邪悪)

 えーシャトーですが、建設、完成することで当然ながら移動式拠点として利用する事が出来ます。し・か・もぉ…錬金術を使う際のバックアップ体制も兼ね備えているので錬金術使いたい放題!ここが理想郷か…

 まぁそんな上手い話があるはずもなくですね。

 

【私の視界に不快なものが紛れ込んできた。恐らくパヴァリアとかいう錬金術師の集団、その一部だろう。】

 

 建設中に何度か野良錬金術師共が喧嘩売ってくるんですよね…それにしても響歌ちゃんジェノサイド思考寄りになってません?身内以外に厳しいと[黒化]スキル覚えちゃうんです…ご想像通り某運命ゲーのアレです。響歌ちゃんの場合どうなるか分かりませんが1度拝見したのはSAKIMORIが黒化した状態ですね。アレは…酷かった…(遠い目)

 とは言ってもですよ。パヴァリア3人組にキャロルちゃん、イザークさんもいますから。響歌ちゃんだけが戦うなんて状況ではないでしょうしへーきへーき(露骨なフラグ建築)

 

【他のみんなはシャトー建設のための素材集めに奔走している…土台だけでも出来てきたのに、邪魔をされる訳にはいかない。私の…家族を、奪わせるものか。】

<何か用かな?パヴァリアの錬金術師さんたち?

 

 …………………………ッッッッッッス-…

 ようやく初戦闘ですね(ヤケクソ)!響歌ちゃんの戦闘スタイルが分からない以上最初は様子見せざるを…

 

<貴様に話す舌など持たぬと言ったはずだ、小娘。

<ふーん、そっか…

【小娘と呼ばれて、少し頭にきてしまった。手加減は…無しだ。】

【スキル[黒化の兆し]が発動しました】

 

 ファッ!?マズイですよ!

 黒化の兆しって…このままだとこの子真っ黒になっちまう!

 黒化するとパワー、攻撃力、防御力がとんでもなく上がる代わりに操作不能の暴れ馬と化します。敵味方関係なく暴れ回るので収拾つかなくなるんですが!?

 

【よし、蹂躙してやろう。】

 

 ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!

 

 

 

 

 

 

 私は錬金術師だ。

 

「なん…!うぎゃあ!」

 

 ああそうだ。パヴァリア光明結社のエリートだ。アダム局長からの勅命で、不審な動きをするという野良錬金術師の動向を監視していた。

 

「おのれ小娘…ゴハァ!」

 

 だが…そこに居たのは以前も邪魔をしてきた…戦いとは無縁そうな小娘だった。

 

「おのれ!俺は無敵の…無敵なのにィィィィィ…!」

 

 どうやら己の居城を作ろうとしていたらしく、局長に報告したところ抹殺命令が下された。…局長のあの顔は、忘れられない。

 

(あってはならないのさ。野良風情が、完璧な居城を作るなんて。)

 

「うわ…ああ…あああ!」

「んな…!イオクの仇ィ!」

 

 だがどうだ?蓋を開けてみれば小娘1人にねじ伏せられている。

 我々とは圧倒的に違う、天才的なまでの才能。疲弊することの無い無尽蔵の体力。

 

 勝てない。

 

 その事実を確認するまで、そう時間は掛からなかった。

 

「くっ…」

 

 撤退。そう伝えようとした時だ。

 ジリリリリリリン!

 聞こえた(・・・・)。聞こえてしまった。

 

「はっ、はっ…」

 

 喉がひりつく。冷や汗が止まらない。

 ジリリリリリリン!

 なおも黒電話は鳴り響く。既に部下は居ない。少女はこちらをただ睨んでいる。私1人など、簡単に消せるだろうに。

 

「はっ、はい。」

 

 恐る恐る受話器を取る。

 そして、私は。

 

 

 

 

 

 

 …いや、響歌ちゃん強い…強くない?

 ファウストローブ無しで四大元素フルバーストとかバケモンですか貴方。しかも反動とかほとんどありませんよ?ステータスにほとんど変化なし、少し被弾しましたがこの程度はコラテラルです。コラテラル。(戒め)

 さて、相手のリーダー格、大〇明夫のような声の錬金術師が黒電話で誰かと話してますね。一体どのアダムなんだ…(すっとぼけ)

 

【残り1人。始末しようと動き出した途端だった。】

<目立ちすぎたんだよ。君はね。

 

 キャアアアアアアアアアアアアア!?アダムだあああああああああ!?




倍速なのは許してね。そうじゃないとモチベ持たないからね。しょうがないね。
RTAが難しいことに気付いたので失踪します。


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設定集

まぁ、ほんへとは違う世界だからこのくらいは違っててもいいよね。
睡眠不足なので設定的な何かを初投稿します。


立花響歌(5)

 シェム・ハとの激闘を終えた立花響と小日向未来の子。深いことは考えてはいけない。考えるな。百合の波動を感じろ。

 響譲りの身体能力と、未来から受け継いだ冷静さを持つ。顔は響似、髪色は未来似。

 両親は相変わらずの仲良しっぷりで、戸籍上の父親は響、母親は未来だが、2人ともおかあさん。393が母親…!?響は娘にいい所を見せようとしては大体失敗している。未来は皆のお母さん。時々響への視線が厳しくなるが、殆ど原因は響。

 両親共に装者であり、その訓練の関係上S.O.N.G.に顔を出すことが多い。大人組や装者たちとの関わりから、精神的な成熟は同年代に比べてかなり早まっている。響の訓練を見ることも多く、その経験が行かされる時が来るかもしれない

 5歳の頃、S.O.N.G.に謎の襲撃事件が起こる。装者、関係者含めほぼ全滅という大惨事となるが、全滅する寸前、エルフナインと響によってギャラルホルンによって別世界へ無理やり送り込まれる。

 ギャラルホルンで世界を渡る途中、強い意志の力(愛とも言う)で響から託されたガングニールを起動。本人と走者は気付いていないが、エクスドライブ状態である。

 別世界の約300年前、しかも欧州にゲートが出現。キャロル親子の処刑の瞬間に立ち会うことになり、挙句イザークを救出するという快挙(?)を成し遂げる。この際の光景は、後に「魔女狩りを戒める天使」として語り継がれ、欧州での魔女狩り運動を衰退させていく。

 イザークの養子となり、2人と共に村を出て以降は流浪の錬金術師として旅をする。道中でサンジェルマン、プレラーティ、カリオストロを拾う。

 錬金術師としての技能はキャロルに僅かに及ばないものの、十分すぎる能力を持つ。

 

保有スキル

 

【シンフォギア:ガングニール】

 使用不可能。適合率は1桁台。

【死が彼女を分かつとも】

 内容不明。

【始まりの錬金術師】

 キャロルと共にイザークから錬金術を学んでいる。

 錬金術の威力に高い上方補正がかかる。代償として記憶が■■される。

【黒化の兆し】

 家族を守るためならは、私は――

 戦闘時、攻撃力、防御力が上昇。キャラが操作不能になる。

 

 

キャロル・マールス・ディーンハイム

 パパが生きてる。

 響歌は姉みたいで好き。ちなみにしっかり身体は成長している。響歌に錬金術の腕前が負けそうで内心ヒヤヒヤしている。どこかから聖遺物の欠片をぶんどって来たらしいが…?

 

イザーク・マールス・ディーンハイム

 ま さ か の 生 存。

 行く宛てのなさそうな響歌の事情を察して養子とした。

 キャロルと響歌のために錬金術頑張る。気付いたら老化しなくなっていたけど娘が可愛いからいいかな、とか考えている。そろそろキャロルと響歌に錬金術の腕前が負けそうで内心ヒヤヒヤしている。

 

サンジェルマン

 キャロルと響歌の無言の訴えに負けたイザークが保護した。その時のゴタゴタ?こまけぇこたぁいいんだよ!!

 家族想いの優しい子。キャロルも好きだけど響歌も好き。錬金術師としての腕前はまだまだだけど、パパぐらいにはなりそう。(キャロル談)

 

プレラーティ・カリオストロ

 この世界では初めから女の子。詐欺師じゃなくてむしろ詐欺の被害者。サンジェルマンが拾ってきたからサンジェルマンの事が好き好き大好き。

 キャロルと響歌からは凄まじいまでの実力差を感じたため、サンジェルマンと共に錬金術をイザークから学ぶ。

 

アダム

 認めないよ!人間風情が、完璧だなんて!

 過去色々あったから「完璧」が死ぬほど嫌い。GXのキャロルが奇跡嫌いだったのと似た感じ。

 

 

この世界での錬金術の推移

 イザークパパ以外も研究してたけどイザークパパが第一人者。

 彼が行方不明(旅人)になってからようやく実用化。パヴァリアの錬金術師たち(笑)の誕生である。アダム?なんか出来たらしい。

 イザーク一行は総じてバケモンです。特にキャロルと響歌はこの時代じゃアダムしか対抗できない設定です。

 

錬金術の攻撃力順

アダム≧黒化響歌ちゃん>イザーク≧キャロル≧響歌>3人組>>>越えられない壁>>>普通の錬金術師




アダムは敵!倒すべき敵!
GX無くなった上にAXZも若干ヌルゲーになったってマ?
駆け足気味じゃないと失踪しそうなので失踪します。


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vsアダム〜???

感想で指摘されたけど響歌ちゃんはエルフナインが色々やったから生まれたんやで。深いこと考えてなかったとも言う。
土下座しながら初投稿です。


 アダムさんがやってきましたね。

 どうなってんだよ畜生!ほんへでもあんだけ強かったアダムですよ!?黄金錬成の威力考えると装者6人でも怪しいってのに?シンフォギアすら使えないのに?今出るの!?

 こんな序盤でアダムが出てきて続いた試しがありませんからね!(3敗)

 

<目障りなんだよ。君も、君の保護者も、それに同行者も。

【目の前に現れた男性は白をベースとした貴族服を纏っていた。】

<…それは、イザークさんや、キャロル達のこと?

<どうでもいいのさ、そんな事は。焼き尽くすだけだよ。僕は。

 

 あーダメですアダムさん!響歌ちゃんを煽らないで!画面の右端に何かゲージ出たから!黒々してるから明らかにやべーやつだ!これ[黒化]までのカウントダウンですね!このままじゃ響歌ちゃんが周りの被害考えずに暴れ回っちゃう!

 えーと、落ち着いて…落ち着いて…深呼吸…そのまま息を止めて…ヴォェッ!?よし。落ち着きました。とにかく選択肢があればそこで黒化ゲージを抑えたいところです。

 

【BATTLE START!!】

 

 え?

 

 

 

 

 

 

「どうして私たちを狙うのか、教えて貰っても?」

 自分の胸に黒々としたナニカが溜まっていくのを感じながら私は努めて冷静に尋ねる。錬金術師の最後の一人は既に逃げてしまった。獲物を逃がしてしまったと考えるのは良くないのだろうか。

「許せないのさ、君たちが創らんとするものがね。」

「…つまり?」

「君たちを消す。完膚なきまでにね。」

 その言葉を聞き、私は予備動作なしで飛び出した。風で自分の体を押し出す物で、今までの錬金術師ならこれで意表を突くことが出来たんだけど…背中に走る感覚は、命の危機。身体を無理やり押しとどめ、私はソレを見上げる。

「無駄だよ。」

 とんでもない熱量。

 見れば近付く相手は手を掲げ、その手の上に火の玉を錬成していた。その余波で相手の服は一瞬にして燃え上がり、その裸体が明らかになる。

「この…変態がッ!」

 この炎はマズイ。今までの戦いで培った感覚が激しく警鐘を鳴らす。それでも家族を失う訳にはいかないと、私は朧気な記憶でもはっきり覚えている言葉をリフレインさせる。

『ごめんね、守れなくて――』

「勝てないのさ!君は!僕はいずれ神の力を手に入れるのだから!」

 相手はその太陽と見間違うばかりの炎玉を私に向かって投げる。

 錬金術で対抗出来るだろうか。私は――

 

 

 

 

 

 

 ッッッッッッッ!!!

 これは死ぬ!やっぱり黄金錬成とか巫山戯てんですかド畜生!こんな物とやり合ってて生きてるとか化け物ですかね装者は!

 

【私は…】

 1. 水の錬金術で…!

 2. おかあさんのギアで…!

 3. もう、勝てる訳が…

 

 あああああん!!こんな所で挫けるんですか小娘ぇぇ!!!他の!他の選択肢!はよ!なんか無いんですか!

 

 4. その時、不思議な事が起こった!

 

 ンンンンンンンンンンンンンン!!!

 4ッッッッッッッッ!4ですよォ!(ボタン爆速連打)

 よし。倍速倍速。イベントなぞフヨウラ!

 

 

 

 

 

 

「ごめんね…みんな…」

 目を閉じる。激しく燃え上がる炎が近付いてくる。

『全く。眠っていたのに無理やり叩き起される気持ちが分かるか?』

 あつい。

『目を開けろ。馬鹿者。』

 こえが、きこえる。きゃろる、ちゃん?

『まぁ、キャロル・マールス・ディーンハイムかと問われたらYESと答えるしかないのだがな。』

 ごめんね…シャトーを守れなかったよ…

『いや待て。…だから起きろと言っている!』

 ん…?

 目を開けると、私に近付いていた炎玉は静止していた。

『これは…』

『お前の精神世界、と言うべきか。それとも思い出の中、と言うべきか。ともかく、手短に進めよう。』

 ただ聞こえるだけ。姿も、なにも見えないのに。そのキャロルちゃんの声は確固たる意志を持っていた。

『アレに巻き込まれれば死は必定。故に、私は貴様に解決法を差し出しに来た。生き残る為…そして、家族を。パパを守るために。』

 どうして?

『残滓なれど私はキャロルだ。イザーク・マールス・ディーンハイムの娘だぞ?父親の家を、私の、私たちの家を守るためなら命なぞ惜しくはない。』

 …優しいね、キャロルちゃん。

『フン。…ともかくだ。奴のアレは核融合。そのエネルギーは計り知れん物だ。』

 核融合?

『貴様にはまだ早い。今は黙って聞いていろ。さて。解決法だが、至ってシンプルだ。』

 じろり、とこちらを見るような気配がした。いや、気配も無い。言うならば私の感覚だ。言葉だけでも彼女がどう動いているかを想像してしまった。少し目つきの悪い、今よりも幼い、出会ったばかりの頃のようなキャロルちゃんが動く姿を。

『あのエネルギーを貴様が全て抑え込めばいい。ゆっくりと放出していけばいずれ尽きるだろうからな。』

 …なんか、脳筋?

『ええい黙れ!それが1番手っ取り早いのだ!』

 顔を真っ赤にしてそう。

 そんな無駄なことを考えていると、キャロルちゃんの口調が呆れたように変化した。

『そういう所は立花響そっくりだな…やれやれ。』

 で、どうすればいいの?

『…おい、貴様。』

 私が犠牲になるだけでしょ?しかも犠牲でも何でもなくて、ただエネルギーを管理するだけ。もしかしたら錬金術に転用出来るかもしれないし。

『楽観的になるな!あれだけのエネルギーだぞ!?一体何年かかるか分からんというのに!』

 大丈夫だよ、キャロルちゃん。私は――

 

 

 

 

 

 

 ん?なんか画面が変わりましたね?

 

【Quick Time Event!Ready?】

 

 ファッ!?このゲームはバイオ〇ザードか何かだった…?(迷推理)

 と、とにかくコントローラーをですね…ヨシ!(現場猫)このゲームのQTE、かなり難易度が高いことで有名なんですよね。(49敗)

 かかってこいやぁ!

 

 

 

 

 

 

『今だ!勝機を逃すな!掴み取れッ!』

 近付く炎玉に向けて両手を上げる。それが私の両手に触れる瞬間展開するのは…

「なんだい、それは…」

 

「シンフォ……ギアァァァァァァァァ!!!!」

 

 右手に掲げるのは赤いペンダント。眩く光り輝くそれは、1つの形に変化する。

 握るのは長槍。思いを燃やして展開するそれは、穂先を開く。

 開いた穂先は炎玉を易々と受け止め――

 

 

 

 

 

 

 や っ た ぜ 。

 どうやら今回は比較的簡単なQTEだったようですね。ノイズを素手で殴るよりかはマシです(59敗)

 さて。ここで今回のイベントの解説です。

 wikiに一つだけ実例が存在しましたのでそれをベースに解説していきましょう。ガングニールのアームドギアは槍である事は皆さんご存知のはずです。拳?あれはビッキーだから出来たことですよ…

 と、ともかくです。槍の先っぽをパカッと開いてキャッチ!簡単でしょう!?(心拍数急上昇)にしてもこれで何するつもりなんだか…もうこれわかんねぇな(今更)

 右端のゲージが貯まらないよう、表示されるボタンを押すだけです。どうです簡単でしょう?…あ、スティック回転は聞いてないですねマッテッテバ!

 

【私はその手に握る槍で炎玉を受け止めた。】[HPが継続的に減少します]

<受け止めた…?僕の黄金錬成を!?

【熱い。今にも溶けてなくなりそうな意識を繋ぎ止めながら、私はキャロルちゃんの声を聞いた。】

<響歌…!頑張れ!

【なんかやる気が湧いてきた。】[HPが回復しました]

 

 ヨシ!(現場猫)QTE完了!達成率99%!やりました。スティック回転の初回だけミスしましたがそれ以外はなんとかなりましたね。

 にしてもチョッッッロ。大丈夫ですかねこの子。まさかキャロル√に…?一旦水でも飲んで落ち着k…

 

【このままエネルギーを抑え込めば、私の勝ち。抑え込めなければ、私の負けだ。】

【Quick Time Event!Ready?】

 

 は?

 

 

 

 

 

 

「うっぐ…あああああああああ!」

 今までに聞いたことの無い、響歌の叫びが私たちに聞こえてきた。

 慌ててシャトーに戻った私たちが見たのは、全裸の男と、

「響歌!」

 見たことの無い槍を構え、巨大な炎玉を受け止める響歌の姿だった。

「パパ!」

「あの炎は…水では消せないぞ…ッ!」

「だったらどうするの!」

「このままだと丸焼きになっちゃうわよ!」

「打つ手は無い…というワケダ…」

「お前は…イザーク・マールス・ディーンハイム…?そうか、君がこれを…だったら分が悪いね、5人が相手は。」

 そう言うと男はその場から消え去った。残されたのは呆然とする私たちと…

「抑え、込めない…!」

 眼前で炎玉が炸裂する、響歌だけ。

 

 

 

 

 

 

 ( ^o^)<うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!

 やらかしました!完全に!QTEが連続するのは想定外でしたね…完全に出遅れてしまいました。

 いや、違うんです。水が飲みたかったんです。無駄に綺麗な炎のエフェクト見てるとこっちまで熱くなるんですよ(責任転嫁)

 

【炸裂した炎玉。そのエネルギーは全方位に放射されるが、背後のシャトーだけは守ってみせる。手持ちの槍を回転させ、せめてもの抵抗を試みる。周囲の地面は完全にガラス化し、私の腕も燃えていく。】

 

 あー、HPゲージがどんどん減っていく…たった一度のミスがこんな事に…うーん、悔しいなぁ!この√ならワンチャンあるかもと思ったんですが。現実はそこまで甘くなかったと…そういうわけです。いやー本当に悔しい。主人公のスペック自体は悪くないんですよ!ほんへでも十分通用するレベルには高いはずなので、今回のプレミで失ってしまうのは本当に辛い。

 しかし覆水盆に返らず、とも言いますからね。切り替えて次のデータでも作るとしましょうか…残念ですねぇ…では今回はここまで。また次回の動画でお会いしましょう。サラダバー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…!………………!」

 

「な……!…き……………!…………うか…!」

 

「…………。……………?」

 

「…………ッ!………………よ!」

 

「………ダ!……………な…」

 

 何も聞こえない。何も見えない。ただ私の周りには、暗闇だけが広がっている。何も感じない、完全なる虚無。私が戦っている時に感じた高揚感すらも、ここでは意味を成さないように感じる。

 ああ、誰かの声が聞こえる。誰だろう。私に…

 

 

 

 私とは、誰だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

【Continue?Yes/No】

        ↑  




最終回になったらしいので失踪します。
アンケートよろしくナス!


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本編開始前
???〜ギア起動まで


評価貰ったのとお気に入り増えたので夜中に初投稿です。
アンケートありがとナス!

2021/02/09 一部修正


 …はい、という訳で今回もやっていきましょう『戦姫絶唱シンフォギア Hopeful Gear』。前回はなかなかの強キャラを手に入れたんですけどね…アダムゥ!にこんがりとフライされたのでそのままゲームを閉じました。えーと、たぶんメインメニューなので今回は…

 

 

 

 

 

【Continue?Yes/No】

 

 

 

 

 えっ?うせやろ?画面真っ暗でこれだけ表示されてるとか怖い…怖くない?

 このゲームコンテ機能なんてあったんですね…あっおい待てい(江戸っ子)そんな機能ないじゃないですか。wikiでも確認されてませんね。どうなってんだこりゃ…

 うーん記録は…あ、取ってますね、仕方ありません。ここはYesに花京院の魂を賭けましょう。前々から言ってましたけどもうヤケクソです。

 

【Continue?Yes/No】

 

 イクゾー!(デッデッデデデ!カーン!)

 

 

 

 

 

 

 私はキャロル。キャロル・マールス・ディーンハイム。

 

 私はイザーク。イザーク・マールス・ディーンハイム。

 

 私はサンジェルマン。

 

 あーしはカリオストロ。

 

 私はプレラーティ。

 

『そして、彼女は。響歌。なんでもない、ただの響歌。私たちの、かけがえの無い家族。』

 

 私にとっては姉のようで。

 

 私にとってはもう1人の娘のようで。

 

 私にとっては姉であり、恩人で。

 

 あーし/私にとっては目指すべき目標だった。

 

 

 

 

 

 

 あっ、ふ〜ん(察し)

 …すっっっっっごい怖いけど好感度の確認してもいいですか?

[キャロル・マールス・ディーンハイム:姉]

[イザーク・マールス・ディーンハイム:娘]

[サンジェルマン:恩人/姉]

[カリオストロ:目標/恩人/家族]

[プレラーティ:目標/恩人/家族]

 あー、うん、全員が響歌ちゃんのことを家族だと思ってたんですね。良い子たちじゃないか!まったく!誰だろうな!響歌ちゃんを殺したのは!(ブーメラン)

 現状、真っ暗な画面から声だけが聞こえる状況ですね。メニューは開けますけどステータス欄は見られないですし、もうこれわかんねぇな(諦め)

 

<きっと、迎えに来るから。

[ステータス異常:埋没]

 

 ん?土葬されてませんか?

 

[300年が経過します]

 

うっ…うっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

 

 

 

 

 特異災害対策機動部二課、通称『特機部二』。

 彼らの仕事は多岐に渡る。特異災害『ノイズ』への対処とその後始末、またそれらと戦う為の力を開発しているのも、二課の特徴である。

「インドに?」

「ええ。なんでも聖遺物の破片と一緒に人が埋まってたらしいわ。」

 そう言って白衣の女性はモニターに1枚の写真を映した。

「これは…」

 そこに写し出されていたのは。

 

 

 

 

 

 

 なんで二課に場面転換したのかと思ったらそういう事ですか。300年経ったっていうのはあながち嘘ではないらしいですね。

 はい、という訳で本当に300年が経過しました!対戦ありがとうございました!お疲れ様!みんなのおかげだ!ありがとう!

 

<慎次、発掘状況は?

<既に回収済みです。現地では祟り神として認知されていたとかで、すんなり所有権も渡されましたよ。

 

 この時点では響歌ちゃんはまだ『聖遺物』か何かだと思われてますね。えーとステータスはっと。

 

【シンフォギア:ガングニール】

 使用不可能。適合率は1桁台。

【死が彼女を分かつとも】

 内容不明。

【始まりの錬金術師】

 キャロルと共にイザークから錬金術を学んでいる。

 錬金術の威力に高い上方補正がかかる。代償として記憶が■■される。

【黒化の兆し】

 家族を守るためならは、私は――

 戦闘時、攻撃力、防御力が上昇。キャラが操作不能になる。

【記憶喪失:全】

 自分の記憶を思い出せない。一部スキル使用不可。

【融合症例:■■■■■】

 後天的に■■■■■の欠片を埋め込まれている。

 

 ファッ!?融合症例!?何が始まるんです?大惨事大戦だ。

 案の定スキルはほぼ使い物になりませんね。記憶喪失:全とかもう手遅れじゃないですかやだー!やっぱり錬金術使って思い出燃やしてたんだろ!いい加減にしろ!

 

<土葬されていたにしては遺体が綺麗すぎやしないか?まるで…

<ええ。まるで昨日埋められたみたいよ。

 

 そうですね。なんか身体が妙に保存状態良いんですよ。まぁ遺体と呼ぶのも何だって話なんですけどね。

 はいはい倍速!倍速できる所は倍速!時間は有効に使うものなんですよ!

 

<ふむ、彼女が…

<生体反応…有り!?うっそ、彼女生きてるわよ!?

 

 やっぱり生きてましたか。大方錬金術か何かでしょう。ここからは響歌ちゃんに視点が変わりますね。

 おー、相変わらず真っ暗ですね。見てる方が辛くなって涙が出、出ますよ…っと、これは一筋の光!意識覚醒イベントですね。ここで素直に起きてくれると良いんですが…ん?赤と青の光に包まれましたね。

 えーと、確かこれは意識覚醒後ステータスに何らかの補正が掛かるものですね。ほんへでもSAKIMORIがイマジナリー奏さんと話してましたがあれは最高レベルの補正値が掛かります。まぁ素直に起きなければ良いことあるよ、的なやつですね。やった!これで勝つる!

 

<う…ん…

<な、起きた!?

<了子くん!

<やってるわよ!…身体的には異常なし!?そんな…!

 

 頑張れ!君は長女なんだ!やれるはずだ!諦めるなよォ!(SYU-ZO)

 

【私は眠っていたらしい。知らない天井だ。】

 

 よし!ステータスは…[意識:覚醒]!よし!おっすおはようございま〜す。私記憶無いみたいなんで、保護してもろてええです?

 

<な…

<司令。

 

 んー?NINJAが立ってますね?不思議と涙が出、出ますよ…

 身体は覚えてるってやつですかねぇ。記憶喪失なのにな!

 

<慎次…

<緒川クン…

<僕は何もしてませんからね!?

 

 あっあっあっ違うんですなんか見てたら懐かしい感じがするんです!信じてください!何でもしますから!(何でもするとは以下略)

 

<どうする?

<それは貴方が決めることでしょ?司令?

<…よし、分かった。俺が引き取ろう。

 

 えっ、良いんですか?あーまた泣いちゃったよ…

 

<司令…

<弦十郎クン…

<俺は何もしていないだろう!?

 

 またかよ(呆れ)嬉しくて泣いちゃっただけだよね?響歌ちゃんは強い子だからすぐに泣かないもんね!

 

<戸籍はなんとかなるとして後は君の名前だな…どうするか…ううむ…

 

 あっそうだ(唐突)こんな物、持ってるんですけど何だか分かります?

 

<これは…

<まさか、シンフォギア!?

<どうして貴方が持ってるのかは別として…これ、ガングニールじゃない!?

<ガングニール、だとぉ!?

 

 はい、司令のガングニール、だとぉ!?頂きました。これギア全種類分のボイスを集めると称号が貰えます。[俺の称号、だとぉ!?]ですね。ちなみに獲得時もボイスがあります。いらない。

 んで、ここからはメディカルチェックとか面倒な手続きがあったので…

 

 み な さ ま の た め に ぃ(ねっとり)

 

 この状況から分岐できるエンディングをお教えします。

 チャートも何もあったもんじゃねぇ!と思ったそこの貴方。甘い!この状況からでも入れるエンディングがあるんです!

 私の数多いプレイが導き出したのは、

 

[フィーネの実験台ルート]

[OTONA化ルート]

[二課装者ルート]

 

 この3つですね。上から順番に、

 

・フィーネに攫われて実験台に。

・ギアを使わず、風鳴弦十郎司令の養子兼部下となる。

・かなつばより先輩の装者として戦う。

 

 となっております。まぁ誰でも想像出来るだろ!という話ですけど、融合症例になっちゃってるので現状1番安全なのはOTONAに師事する事です。融合症例とは言えギアさえ使わなければ逸般人の枠に収まりますからね。

 装者として戦う、ですが時間制限が厳しいんだよなぁ!これが!

 原作ビッキーはフロンティア事変までであんな有様でしたからね。彼女より長いこと戦うなんて文字通りの命懸け。軽く二、三回転生出来るぐらいには命の危険に晒されます。

 フィーネの実験台?なった瞬間GAME OVERじゃないですかね(鼻ホジ)こんなん勝てるわけないだろ!もうマヂ無理…不貞寝しよ…

 

 と、そんな説明してたらいつの間にか司令のご自宅にお邪魔してますね。記憶喪失だからか物珍しげに見回してるの可愛い(犯罪者)

 ゲフンゲフンここからは修行パートに入ります。無論倍速です。撮れ高も何もあったもんじゃねぇんですよ。(本編)あくしろよ…

 

【私は[風鳴 紫羽]という名前を付けられた。年齢は分からないから18歳になるそうだ。】

 

 あー、自分の名前すら分からんのでしたね。しゃーね、これから君は紫羽ちゃんだ!なんて読むの?

 

<紫羽(しう)くん。改めてよろしく頼む。俺は風鳴弦十郎。戸籍上は君の父親になる。

 

 おっすお願いしま〜す。自分何も分からなくて不安なんでとりあえず何かしててもいいっすか?落ち着かないからね、しょうがないね。

 

<む…だが…

 

 頼むよ頼むよ〜(土下座)

 

<,分かった!分かったから土下座はやめるんだ!

【私は居場所を見つけられたようだ。しばらく色んな検査の為に一緒にお父さんと行動することになるらしい。】

 

 えー…特に何もないので、倍速です!

 

 

 

 

 

 

 はい、倍速終わり。というかイベントです。奏さんと対面ですね。え?SAKIMORI?知らない間に仲良くなってたよ…この子は一体何者なんだ。

 

<あんたは?

 

 お、奏さんじゃないっすか〜。一応二課の先輩になる風鳴紫羽だゾ、よろしくナス!

 

<そっか。

 

 えー連れないなぁ…

 はい、この時期の奏さんはノイズ絶許ウーマンとなっております。話し掛けても好感度は殆ど上がりません。時間の無駄なのでひたすら訓練!訓練!家事!訓練!ただしギアは完成してないから司令とのタイマンだ!私のガングニール?返してもらったよ!

 

<いい拳だ!だがまだまだッ!

 

 うーんなかなか勝てませんね。ある程度認められると訓練の内容も変化するのですが…ビッキーの娘だからといって格闘戦が得意なわけでは無かったのか…(諦め)

 じゃけん気分転換に司令のお家を綺麗にしましょうね〜。オラッ!お前も来るんだよ!そこのSAKIMORI!

 

<え、わ、私も?

 

 奏さんとの好感度が上がりにくい分、翼さんとの好感度を上げつつスキルも育てられる…一石二鳥だ。感動的だな。

 

【スキル[家事:オカン]を獲得しました】

 

 だ が 無 意 味 だ 。(RTA的に)

 家事スキルを覚えてもなぁ…って所ありますね。更にスキル育てると執事やらになって最終的には聖母となります。最早洗脳できるレベル。ただし装者とそこそこ仲が良く、尚且つ自分が戦闘能力皆無なキャラの場合は重宝します。メンタルケアも大事だからね。

 

【おや、豆腐が無い。これでは晩御飯の味噌汁が…】

 

 うーん倍速に出来ない…何故でしょうか。

 

 

 

 

 

 

「きゃあああ!」

 悲鳴がした方を振り向くと、そこにはカラフルな異形が佇んでいた。

 特異災害『ノイズ』…だっただろうか。物を透過し、人間を炭へと変貌させる超常のナニカ。手にした袋を落として私はシェルターへと走り出した。しかし…

「おかあさん…?どこ…?」

 …………………ッ、!

 その瞬間、何かが弾けた。

『――――――――― vi-māna、tron』

 

 

 

 

 

 

 豆腐買いに行った先で初戦闘になります。対戦よろしくお願いします。…ッッッッッッッッス-…

 

 やってやるよぉ!どっからでも掛かってこいやぁ!

 

 

 

 




オラオラオラァ!ギルガメッシュじゃねぇぞ!金ピカを期待したやつは帰るんだな!あっすみません石投げないで!やめて!待って!止まれ!ウワァァァァァ!!
平日なので失踪します。


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本編
初戦闘〜ライブ会場まで


調子に乗ったので初投稿です。
UAもお気に入りも増えててウレシイ…ウレシイ…


 融合症例が1人で戦うシンフォギアRTAはーじまーるよー。

 はい、というわけで遂に戦闘ですね。ほんへではノイズも歩けば人に当たると言わんばかりの出現頻度ですが今回は違います。チンケなノイズが数体だけ。勝ったな風呂入ってくる(慢心)

 

【私は拳を構える。司令との訓練が役に立つ日が来るとは思っていたけれど、いささか早すぎやしないだろうか。】

 

 全くだ。もっと言ってやれ!

 響歌ちゃん改め紫羽ちゃんは拳がメインの戦い方みたいですね。ギアの形状は…ビッキーのガングニールと393の神獣鏡を足して2で割った感じかな?ガントレット無いけど、ホンマに素手で戦うん?大丈夫?

 

【BATTLE START!!】

 

 まずは小手調べです。紫羽ちゃんのスペック把握も兼ねた軽いジャブだ!オラッ!美少女の拳だ!有難く受け取るんだな!

 

【残敵数:4→3】

 

 えぇ…まぁ所詮統率されてない野良なんてこんなもんでしょう。紫羽ちゃんはちゃんと歌って…ますね。胸の歌を信じて戦うのだ!俺たちの戦いはこれからだゾ!

 技なんて当然存在しませんのでひたすら殴ります。弱攻撃!弱攻撃!タメ攻撃!無駄無駄無駄無駄ァ!!ステップ回避からのカウンター!司令に比べれば弱すぎて欠伸が出、出ますよ…

 まだ戦い始めということで反応速度はAXZビッキーよりも遥かに遅いんですけど、まぁそこは私の技術でカバーですね。ノイズの挙動を先読みして、ここ!アッパーカットじゃ!…クリティカル!?XDの司令みたいな一撃が入りましたね…この調子で残りも炭にしてしまいましょう。所詮はチュートリアルのエネミーです。紫羽ちゃんの低攻撃力でもボコスカ殴れるので安心ですね。

 ラスト一体!ビッキー直伝!正拳突きコマンド!あいてはしぬ!イヤーッ!

 

【BATTLE FINISH!!】

 

 紫羽ちゃんの華々しいデビュー戦、終了!!解散ッ!!予想通り操作感はビッキーと同じ感じですね。若干我流が混ぜこんであるのは仕方がないとはいえ、やはり親子。ビッキーは2人目の師匠だった…?

 この後は二課の頼れる大人たち(OTONAに非ず)に任せて帰りましょう。んじゃ、私定時なんで…

 あっお父さん(暫定)!紫羽ちゃん頑張ったから褒めて褒めて!

 

<う、うむ…だが…少しこの後、時間を貰えるか?

 

 まぁそうなりますよね。融合症例な自分の義理の娘がギア纏って戦ってるんですから精密検査とか事情聴取とかありますよね。知ってた。

 

【私は勝手知ったる二課の本部までやって来た。そこには少し暗い顔の翼と、こちらに愛憎入り交じった視線を向ける奏さんがいた。】

 

 当然ながらこの2人もギア装者となる予定ですが、了子さんのギア開発が上手くいってないのでまだ先の予定になります。翼さんはこれから紫羽ちゃんが巻き込まれる戦いを憂いて、奏さんはノイズをブチ転がせる紫羽ちゃんが妬ましいけど私の代わりに倒してくれたしいっか…みたいな微妙な顔です。好感度によって差が出ますが、この反応だと翼さんとはなかなか良い雰囲気に、奏さんとは…まぁ想定の範囲内ですよ(目逸らし)

 さて、紫羽ちゃんがメディカルチェックやら事情聴取受けてるので倍速します。どうせ融合症例って分かって尚且つ戦うって言うだけですからね。余裕です。何も問題は…無いです!(震え声)強いて言うなら奏さんからの当たりでしょうかね。そこだけ。そこだけが怖い。

 それじゃ倍速イキマスヨーイクイク。(デッデッデデデデ!カーン!)

 

 

 

 

 

 

 あたしは、ノイズに家族を殺されてる。

 横にいる風鳴翼は、戦う使命があるとか言いやがる。

 じゃあ、あいつは?何のために戦うんだよ。

「なんだよ…あの強さ。」

 数体のノイズと遭遇した、風鳴の旦那の義理の娘。拾われただけなのに。それなのにずっと旦那の家で家政婦みたいなことして、暇さえあれば旦那と訓練して。

 変なやつだ、と思った。記憶もないくせに。ヘラヘラ笑ってさ。

「あれが、初めて戦う姿なんですか…?」

「あ、ああ。俺との訓練はこなしているとはいえ、実戦は今回が初めて…のはずだ。」

「記憶喪失なので今回が初めてとは限りませんが…」

 モニターの中に映るのは、紫の鎧に身を包む女だった。拳を振るい、一体ずつ確実にノイズを倒していく。文字通り地に足を着け、右手を突き出す。正拳突きのはずなのに、それを受けたノイズは跡形もなく吹き飛んだ。

 羨ましい。

(私に、その力があれば…ッ!)

 

 

 

 

 

 

 メディカルチェック、ヨシ!それじゃあ…せーせきはっぴょー!(太鼓ドンドコ)…まぁ予想してた通り、聖遺物の欠片が埋まってますよね。しかも右腕に。これもしかしてガングニールだったりしません?300年前にガングニール振り回してましたし、ワンチャン…?

 

<貴方の身体に埋まってるのは、『ヴィマーナ』。

<サンスクリットの叙事詩では空飛ぶ宮殿だったり戦車だったりと描写が安定していないが、古代核戦争を引き起こした原因とも言われている。

 

 そうですか…ヴィマーナ…ですか…金ピカだったりしませんよね。だってギアの色は紫でしたしね。紫?神獣鏡の間違いじゃないの?

 なんかアームドギアがどうのとか難しい話をしてるのでステータス確認しましょう。今回の戦闘で追加された項目はっと…

 

【シンフォギア:ヴィマーナ[新米装者]】

 ヴェーダに登場する空飛ぶ戦車。ギアのカラーリングは紫。

 しかしアームドギアは発現せず、拳で戦う。紫羽の戦闘技術と相まって至近距離では無双の力を振るう。

 

 情報が!少ない!

 まるでビッキーですね。ヴィマーナですし飛行機とかになっても良いのよ…?ホラホラホラホラ。あくしろよ…(新米装者にアームドギアを要求するドクズ)

 さて、しばらくはノイズ対処と訓練が続くので倍速します。

 

 

 

 

 

 

 …はい、原作2年半前になりました。

 奏さん、翼さんも装者としてしっかり戦ってますね。倍速してたので好感度確認入りまーす。

 

[天羽奏:親友/先輩]

[風鳴翼:姉/先輩]

 

 何があったん?

 

 

 

 

 

 

 シーさんが装者になってから、かなり遅れて私と翼も装者となった。

 翼は天羽々斬の。私はガングニールの、正規装者として。ただし私の適合係数はお世辞にも高くない。LiNKER使ってどうにかこうにかやってる状況だけど、それでも戦えてるんだ。

 

 起動する時はそれはもう…辛かったさ。文字通り血を吐いてまででも、無理矢理でも起動させて。だけどガングニールが起動した時、私はなんかこう…『違う』って思ったんだよな。

 シーさんが戦ってるのを、昔の私は司令室からずっと眺めてるだけだった。だんだん数が増えてくるノイズを一人ぼっちで殴ってる紫羽(・・)さんを。帰ってくる度に傷が増えてくあんたの姿を見て聞いちまった私はどうかしてたんだと思うよ。

『どうしてそんなになるまで戦えるのか』

 あの時からずっと考えてた疑問に、あんたは。

『私の居場所を、家族を守るためだよ。』

 そう返されたら…私の戦う理由が分からなくなっちまった。家族をノイズに殺されて、その憎しみで戦おうとしてる私が…醜く思えたんだ。

 

『戦う理由は人それぞれ。私には私の、翼には翼の。そして、奏には奏の戦う理由があるはず。私は奏の戦う理由は正当だと思うよ。』

『でもね、生きることを諦めたら許さない(・・・・・・・・・・・・・・)。私みたいにボロボロにならないように、なるべく無傷で帰ってくること。それだけ守ってくれたら良いよ。』

 

 その時気付いた。紫羽の事をつっけんどんに扱ってた私にも、あんたはずっと笑いかけてくれてた。家族を失って、他人から向けられる感情全てに牙を剥いていた私にも。そんな返答を聞いた私は、心の中の蟠りが溶けていく感覚がしたよ。

 

 なぁ、紫羽。私はさ。

 

 初めて見たあんたの姿がさ、羨ましかったんだぜ?どれだけ打ちのめされても立ち上がって、背中に庇う人を守れるあんたが、眩く見えたんだ。

 

///

 

 姉様。

 私は、上手く戦えているでしょうか。

 そんな疑問に対して、貴方はただ笑っていました。『そんな事を気にするくらいなら、女子力を高めなさい』って言いながら。どうしてそんな事を言えるのでしょうか。

 

 姉様は、記憶喪失です。拾われた時こそ感情の起伏がほとんどありませんでしたが、18歳だと『想定』されて、叔父様に引き取られてからはだんだんと皆に笑いかけていて。素っ気なかった奏にも、引っ込み思案だった私にも。…姉様は、私にとって本当の家族のようでした。大人びた表情で、でも猫舌で。友里さんから渡されるあったかいものに、いつも涙目になっていて。そんな姉様を見たかった。戦いで傷付く姿でもなくて、優しい…暖かい姉様を。

 

 時限式の奏、未熟者の私。戦闘技術も経験も足りない私たちをカバーし、限界だと感じたら撤退させ、残りは全て自分が片付ける。そんな戦いを続けていると、私たちが撤退した後、重傷を負って帰ってきた事もありました。

 

『姉様!どうして…!』

『つば…さ。かなで…は、?』

 

 限界だった奏の護衛で私が帰投し、そして帰ってきた姉様は身体中傷だらけで…生きた心地がしませんでした。叔父様が迅速な対応をしてくれていなければ、死んでいたとまで言われた傷でも自分の事よりも奏の事を心配していましたね。

 

『私は大丈夫だから!それよりシーさんが!』

『姉様!大丈夫ですか!姉様ぁ!』

『2人とも落ち着け!了子くん!』

 

 あの日の傷は、まだ残っていると聞きます。その時の姉様は融合症例だけど治らない傷もあるんだねー、なんて笑って…ッ!

 つい怒ってしまった私は悪くないと思います。どうして自分の身体を労わらないのかと。もっと大切にして欲しいと。涙ながらに訴えても、貴方は強情でした。

 

『そう言われると耳が痛いんだけどね…でも、これが私の仕事だからさ。』

『仕事…?私も、奏も…戦力不足だと言うんですかッ!』

『違うよ。』

 

 どこか遠い目で、しっかり意志を込めた瞳で、貴方は。朧気な記憶を探っていくように…

 

『妹と友達のことを守るのはおねえちゃんの役目だからだよ。』

 

 姉様。私は、貴方に守られてばかりでした。

 へいき、へっちゃらだと自分を奮い立たせ、拳を固く握って『家族のために』戦う貴方に。

 いつか貴方の隣で、背中を任せられるようになるまで、待っていてください。必ず奏と追い付いて、大きくなったね、と笑って貰えるように。少し硬くて、しっかりしたその手で頭を撫でられる…その日まで。

 

 

 

 

 

 

 よし、倍速終了。ついにライブの日になりましたね。紫羽ちゃんはNINJAと2人でツヴァイウィングのマネージャーやってます。え?アイドルにならないのか?これRTA(今更)だから選択肢的に、倍速しやすいマネージャーが適任だったんですよ。

 はーいライブ開始だゾ。2人ともがんばえ〜!…え、なんですか了子=サン。ノイズ?どこ?離れたとこ?

 これは紫羽ちゃんを別のところに誘導してますね間違いない(名探偵)。了子/フィーネさん的には戦闘能力が1番高い紫羽ちゃんは離れた場所で戦わせたいという魂胆でしょうね。ほんへでは奏さんが絶唱しちゃうから、もしかすると奏さんの絶唱すら計画の内だったかもしれません。

 

【BATTLE START!!】

 

 それじゃ、軽く今回も捻り潰しましょう。稲妻を握り潰すように!打つべしッ!オラオラオラァ!紫羽ちゃんに勝てるわけないだろ!この子は2人のライブが見たかったんだぞ!いい加減にしろ!(八つ当たり)

 

<紫羽さん!聞こえますか!

 

 おっすNINJAさん元気っすか。今終わったけど何か用事ですか?

 

<会場に…イズが…!…うさんは…!

 

 という訳でこの時が来ました。ライブ会場の惨劇の始まりです。ここで奏さんは死亡、ビッキーは融合症例となりますね。今から向かおうにも移動手段のヘリはありませんし車の免許は持ってません。

 奏さんには悪いけどここで死んでもらいましょう(人間の屑)

 

【奏…翼…みんな…ッ!】

【アームドギア[ヴィマーナ]を獲得しました。】

 

 ファッ!?この土壇場でアームドギア!?えーと…あ、2人からの信頼度が一定以上だとアームドギアを獲得出来るようですが…まさかこのタイミングで?えぇ…(困惑)どんなもんか見せて♡(豹変)

 

【アームドギア[ヴィマーナ]:Lv.1】

 Lv.1:アームドギアをサーフボード状に展開し飛行する。空中静止、攻撃は不可能。

 

 なんだこのアームドギア(驚愕)

 レベル毎に新機能が拡張されていく感じですかね?レベル1の段階で移動手段としては完璧と言っていいですよ。XDのif翼さんもビックリの性能ですね。タグにチート聖遺物を追加しますか?

 とにかく会場までひとっ飛びだ!イクゾー!(デッデッデデデデ!カーン!)

 

 

 

 

 

 

「奏!」

「分かってるけど…さっ!人手が足りない!シーさんがいたらなぁ!」

「姉様は別件のノイズで居ないのよ!」

「だからこうやってボヤいてるのさ!」

 

 人手が足りない。奏がそう評するのも当然だ。この大量のノイズは、2人を押しつぶす為に出現したのだから。

 民間人は既に避難しているものの、会場にはノイズが溢れている。万が一会場外に出てしまえば未曾有の大災害になるのは必至。それ故に2人はその手に握る剣を、槍を、力の限り振るい続ける。

 

「ぐっ…時限式じゃここまでかよ…ああっ!」

「奏!?そこを…どけっ!」

 

 しかし薄氷の上の拮抗が崩れるのは一瞬。

 LiNKERの無い奏が長時間戦い続けるのは不可能に近く、今回のライブにおいて奏はそれを使っていない。即ち。

 

「しまった…!」

 

 槍が砕け、その破片が背後の少女に突き刺さる。その対処に奏の意識は割かれ、翼は数多のノイズに囲まれ分断される。状況は最悪1歩手前だったが、それでも奏は諦めない。

 砕けた槍を握りしめ、敵を見据えて立ち上がる。自分が憧れる、あの人のように。背中に誰かを庇って戦える、眩いまでの輝きのように。

 

「…御免。お前に辛い運命背負わせちまうかもしれねぇ。」

 

「でも、生きるのを諦めないでくれよ。」

 

「後は頼むわ、弦十郎の旦那。」

 

「いけない、奏…!」

 

『…そう、か。承知した。』

 

『だが必ず帰ってこい。紫羽との約束だろう?』

 

「……………ははっ、そうだな!」

 

「けど…悪い、紫羽。約束破るわ。」

 

 そして、彼女は歌を紡ぐ。それは、彼女の命を燃やし――眩い輝きを放つ。『絶唱』と名付けられたその歌は、絶大な威力と引き換えに彼女の命を奪う――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「約束破りには、お仕置きが必要よね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…は、マジかよ。」

 

 空から降ってきたのは、紅蓮に身を包む装者。着地の衝撃と共に炎を撒き散らし、ついでと言わんばかりにノイズを消し飛ばした。

 ゆっくりと立ち上がる彼女の姿は、赤から紫へ、そして――青へ。

 

「私は言ったはずよ。生きるのを諦めないで、と。」

 

 傷付いた奏と、その背後の少女の元へ。道すがら疲弊した翼を担ぎあげ、ひとっ飛びでやって来る。奏に放り投げるようにして翼を託し、彼女は――後に『二課最強装者』と呼ばれる風鳴紫羽は、拳を構えた。

 

「さて、家族を散々痛めつけてくれたんだもの。」

 

 少し、本気を出しましょう?

 

 

 

 

 

 

 間に合っちまいましたね紫羽さん。

 なにやらギアのカラーリングが変化したみたいですが、そんな物は後だ!後!今はノイズを殲滅だ!残らずな!

 

【BATTLE START!!(100/100)】

 

 掃討戦ですかぁ。ようやく手に入れたアームドギアは飛行用ですし、相変わらずビッキー譲りの格闘術でゴリ押しですかね。敗北条件は[天羽奏・風鳴翼・少女にノイズが触れる]ですので悪しからず。

 技ヨシ!体力ヨシ!気力ヨシ!(現場猫)の三拍子揃った紫羽さんはえげつないんだということを…教えてやろう(暗黒微笑)

 

 はい、画面では戦闘シーン垂れ流しですがやってるのはいつもの戦闘と変わりません。当然ですが初回に比べて技のバリエーションが大幅に増えてますので蹂躙がD4Cとなっておりますね。はいそこ1列に並んでくださいねー(愉悦顔)

 

【我流・閃光】

 

 よーしよしよし、いい感じです。こちらただの正拳突きでもなんでもなく、ある程度の射程を持つ…まぁ拳ビームです。纏めて狩れるから愛用しますね。え?ビームが紫?神獣鏡じゃないかな(震え声)

 閃光!閃光!閃光!いやー楽しい!殴る度にビーム出るので見た目的にもヨシ!ですが少し手間になってきましたので…

 

【我流・流星】

 

 こちら、ただのラ〇ダーキックとなります。衝撃波で複数体巻き込めるのもGoodな技ですが、飛び上がる時の隙が使い所さんを難しくしてますね。まぁ相手は戦闘力たったの5な雑魚ノイズですから…(慢心)

 ノックバックでまた飛び上がりましたね。お、3人に近づくのやめてもらっていいですか。自分新技いいっすかぁ〜?

 

【我流・凶星(まがつぼし)

 

 こちらも飛び上がるまでは一緒ですが…はい、手にガントレットが出現しましたね。ご想像の通り打撃技です。ただしサンドバッグは…地面、お前だ!はいパーンチ!衝撃波で浮き上がったところを回し蹴りでフィニッシュ!回し蹴り自体は技でもなんでもありませんけど、この技も使い勝手が良い部類に入ります。

 というかビッキーさんの技が無いのが悪い(責任転嫁)だってチマチマ削るの面倒…面倒じゃない?でもビッキー要素も欲しい…そんな貴方、そこの大型ノイズに向けてこんな技を使ってみよう!

 

【我流・混沌】

 

 ウッキィィィィィィィィ!!!覚醒技吐いてから落ちろぉぉぉぉぉ!!と言わんばかりの某ゲームのような挙動をしながら単体の敵を殴り蹴り続ける技です。HPがじわじわ削られるのがマイナスポイントですが、この子の技が多対一だけでないというのはグッドポイントです。これでvsフィーネさんも楽になります。

 ちなみに技の名前はビッキーと未来さんの合わせですね。なんとなく技の内容もそんな感じなので分からんでもない。

 

【残敵数(100/100)】

 

 あれだけ技を使ったのに倒せてないじゃないか!いい加減にしろ!なそこの貴方。この子のギアの特徴をお教えしましょう。

 

ノイズが炭化しません。

 

 倒せない、という訳では無いのですがね。画面内の殆どのノイズが、透き通ったガラスになっているのをご覧いただけますでしょうか。はい。このギアの特徴は、『ノイズをガラス化させる』なんですね。

 シンフォギアとしてどうなの、と思いますがこれがなかなか強い。何せガラス化したノイズは行動不能状態になる上に通常の物理攻撃で破壊可能になるんですね。

 となると一課の人達の攻撃も有効打になる訳でして、お陰様で一課からの人気はうなぎ登り。みんなハッピーな職場になりました。お前も一課にならないか?(AKZ並感)

 

【BATTLE FINISH!!(0/100)】

 

 よし、倒しきることが出来ましたね。紫羽ちゃんのHPは…

 

[3/270]

 

 あっっっっっっっぶね。ご覧の通り瀕死ですが、それがこのギアのもう1つの特徴です。技を使う度にHPがゴリゴリ持っていかれるんですね。もう1つ残ってますけどそれは割愛しましょう。誰が使うか。あんな自爆技。【我流・超新星】というんですが、自分を中心にした球体状の範囲半径5メートルを結晶化させるんですよね。効果見た時に絶対使わんと誓いましたね。(フラグ建築完了)

 

【WARNING!!NEW ENEMY!!】

 

 ……………………ッッッッッッッッス-…

 G編で出てきた分裂増殖型のお出ましですか。あの時は装者3人の絶唱でぶっ倒してましたけど、どうしましょうかね…とりあえず様子見の閃光!

 まぁ分かってましたけど分裂されますよね。しかも分裂した方はガラス化してませんし。なんだコイツ(呆れ)こわれるなぁ…

 

【[我流・超新星]を使用しますか?Yes/No】

 

 …え、そんな感じなんですか?これ今度こそ再走案件では?

 

 うーん奏さんと翼さんは…ダメみたいですね(諦め)疲弊が酷くて立ち上がれてません。ここで使わずに負けるか、使って賭けるか…

 

 どうしましょうかねぇ…

 

 




やってしまったけど後悔はしてません。反省はしてます。
テンポ早めなのはモチベ維持のためだよ。オニィサンユルシテ
アンケート調査するので失踪します。日付変更まで募集するゾ(鬼畜)


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ライブ会場〜G編終了まで

みんなアンケートありがとね。
ちなみにGAME OVERになってもifストーリー書くからね。
アンケートの結果分かってたので初投稿です。(じゃあアンケすんな)


 …仕方ありません、ここは使うしかなさそうです。すまない紫羽ちゃん…僕はね、正義の味方に…なりたいんだ…(ケリィ並感)

 

【我流・超新星】

 

 ンンンンンンンン!!画面が眩しくて見えません。ラピ〇タ王のように目潰しを食らうところでした(1敗)

 さて、この技は自爆技なので…当然のようにHPも0になります。これはどんな技でもそうですが、HP0になった途端ゲームオーバーになります(4敗)さっき閃光使っちゃったので残りライフは…1ッ!

 (データが)落ちたな(確信)。

 

 

 

 

 

 

【我流・超新星】

 

「まさか…ダメだ紫羽!やめろぉッ!」

「姉様!まさかアレを…!」

『待て!早まるな紫羽!』

 

「…別に死ぬ訳じゃないよ。大丈夫だってば…」

 

 そう言い残し、風鳴紫羽は閃光に飲み込まれた。

 皆が目を開けた時、ステージの真ん中に鎮座する水晶柱のようなガラスの中には、脱出しようと足掻いた体勢のノイズと、ギアを纏ったまま、穏やかな表情で目を閉じた彼女の姿があった。

 

「…紫羽。」

『…ノイズの反応はあの場所にしかない。ここを常にモニタリングする必要はありそうだが、一旦は状況終了と言えるだろう。』

「姉様…ッ!」

 

 その日の特異災害対策機動部二課の報告書にはこう書かれている。

【人的被害:未帰還者1[風鳴紫羽]】

 誰も彼女の帰還を疑っていないことの証左だった。

 

 彼女が目覚めるまで、あと――

 

///

 

〇月▲日

 私は、無力だ。

 LiNKER頼りなのは分かっていた。ライブだからと持ってきていなかったのが仇になった形だ。結果として私は時間切れとなり、そして紫羽を失った。LiNKER無しで無理やり戦闘したせいで身体はボロボロになってしまったけど、紫羽なら許してくれると思う。

 ごめん紫羽。私のせいだよな。…いや、こんな事書いてたら紫羽に怒られるな。『ネガティブになるぐらいならそのエネルギーも前に向けろ!』って、ちょっと怒った様子でさ。

 でも私は忘れない。自分の弱さを。お前を失ったのは私のせいだから、だからさ、紫羽。またあの笑顔を見せてくれ。眩しくて、どこか優しい陽だまりみたいな。そんな笑顔をさ。

 

●月□日

 姉様を失って、いえ。姉様が眠ってからもう2年です。ノイズ出現の報を受けて急行した私と奏を待ち受けていたのは、貴方によく似た少女がギアを纏っていたという現実でした。

 検査の結果、貴方と同じ融合症例。しかも胸の中に埋まっているそうです。もしやと思い尋ねると、あの日、あの場所で奏のガングニールの欠片が胸に突き刺さった、貴方が守った少女でした。

 立花響というその少女は、貴方よりも活発で、真っ直ぐな少女でした。過去にライブの生還者として手酷いイジメを受けていたそうです。

 貴方なら、彼女になんて声を掛けるのでしょうね。紫羽姉様。

 

▲月×日

 今日は未来と流れ星を見られたんだ!すっごく綺麗だったよ!

 ノイズが出たらしいんだけど、翼さんと奏さんが私は来なくていいって。司令も休めって言うからお言葉に甘えさせてもらったんだ。

 やっぱり未来は、私の陽だまりだなぁ。

 

×月〇日

 私は、風鳴紫羽という少女についてはよく知らない。

 立花響とは違い聖遺物そのものとの融合症例でありながらギアを纏い、伝承とは異なる力を振るう彼女の力は未だ未知数であった。

 実験台になる予定だった融合症例第1号は未だ目覚めない。惜しいものを失ってしまったものだ。これからは立花響をベースに研究を進めよう。

 …今日はクリスもデュランダル相手によくやってくれた。ケーキを差し出すと最初は首を捻っていたが、食べてからは笑顔だった。

 

☆月▲日

 紫羽はまだ目覚めない。

 毎日奏と翼を家に招き、4人で摂った夕食が今では3人になった。

 なぁ紫羽。奏は最年長として、ますます成長してきているぞ。もうお前にだって追いつけるかもしれない。翼はなんと料理を覚えたんだ。『姉様に食べさせてあげたい』と言ってな。

 だから、早く目覚めてくれよ。俺だって人間なんだ。寂しさだって感じるさ。

 

□月〇日

 響さんに紫羽さんの戦闘記録を見せることになりました。何故か翼さんと奏さんも一緒に。よく3人で行動している姿が見受けられますし、仲がいいのでしょう。

 紫羽さんの戦い方は響さんに通じるところがあります。司令に師事しているからでしょうか。響さんの飲み込みの早さはまるで紫羽さんのようでした。いっそ似すぎている程に。

 余談ですが紫羽さんの戦い方を見た響さんは訓練でビームを出そうと頑張っていました。結局出せないままだったのですが…

 

▲月●日

 今日は災難だった。

 行動制限が解除されたと思ったらあのバカ…あたしの部屋に突撃してきやがった!あたしの部屋は溜まり場じゃねーっての!何回言っても帰りやがらねぇし、もう諦めることにした。

 そういや二課にはもう1人装者がいるらしい。その話を先輩2人に聞こうとしたけどおっさんに止められた。響ならなんか知ってるかもな。

 P.S.

 緒川さんに無理言って見せてもらった記録映像に映っていたのは、あのバカそっくりの姿だった。戦い方もそっくりなのに、立ち振る舞いはアイツとは正反対…落ち着いた女性そのもの。

 今は会えないらしいから、いつか会ってみたい。

 

 

 

 

 

 

 はい、という訳でまさかの主人公が自爆技を使うというエンディングでしたね。スタッフロールが流れ始めたので本当に終わりみたいです。奇跡を信じてみたかったんですけど上手くいかないんですよねぇ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2 Years Later…】

 

 は?

 いやいやいやちょっと待って。そんなニー〇オートマタみたいなスタッフロール逆再生とか止めて貰えます?あっ、困りますお客様!あー!困ります!待って!止まれ!ウワァァ!!

 

 

 

 

 

 

 う   た

         が

               き こえ  た

 

『セット!ハーモニクスッ!』

 

 止まっていた時間が、動き出す。

 溶け落ちるのは水晶柱。果たして解き放たれたノイズは空中に身を躍らせ、そして炭化して消えた。その攻撃の主は…

「あれ?翼さん、このノイズさっきまで居ましたか?」

「ん?何を言っているの立花。今私たちが倒した…あれ?」

「んだよ、疲れたんだからさっさと帰るぞバカ。」

「いや、待ってくれ。こいつは…まさか!?」

 2年前の惨劇、その場所で繰り広げられた激闘の余波は止まった時間を動かし始めた。それを知るのは彼女たちだけ。下手人たちはとうに去り、残された彼女たちはそこで――

 

「ああ、お早う。翼、奏。ところでその2人は?」

 

 伝説と、出会う。

 

 

 

 

 

 

 ヨシ!紫羽ちゃん復活です!2年後という事はビッキーが覚醒する時期かと思いきやガッツリ無印終わった後ですね。G編突入してますやん。300年寝て、また起きたと思ったら2年寝るとか…大丈夫?睡眠不足なのかな?

 しっかり歩いてますし文字通り眠ってたみたいですね。ガラスの中に閉じ込められるとか…普通の人なら精神崩壊ものですけどウチの紫羽ちゃんは余裕です。(素振り)ステータスはっと…

 

【ステータス異常[衰弱:強]】

 

 あらら、これはメディカルチェックものですね。こうなると全体的なステータスが低下している状況ですからリハビリの時間も考慮しなければなりません。画面では紫羽ちゃんが皆に抱きしめられていますが倍速です(無慈悲)。リハビリ終了まで倍速倍速ぅ!

 

 

 

 

 

 

「…………………………えっと。ただいま?」

「「「「おかえりなさい!」」」」

 あの後、ガラスの中から出てきた新しい装者の風鳴紫羽さんのお迎えパーティーが開かれた。昔見せてもらった記録映像の通り、落ち着いた雰囲気の人だなぁ…

「紫羽!」

「姉様!」

「おっと…2人とも、寂しかったかな。ごめんね。」

 あの翼さんが…姉様…?えっと、翼さんから見て師匠は叔父さんで、紫羽さんはその娘だから…?

「いとこだ、バカ。」

「く、クリスちゃん…なんで分かったの!?」

「お前の考えてることなんか分かるっつーの。」

「響はすぐ顔に出るもんね…」

 酷いっ!?未来までそんな事言うの!?あっ、クリスちゃんどこに…

「あの人に挨拶するんだよ。…ってお前、もう聞いてねぇし。」

 私は紫羽さんとは離れた場所で飲み物片手にご飯を食べる!食べる!食べるッ!あ〜、運動したあとのご飯は最高だよぉ〜!

「はじめまして。君は…立花響さん?かな?」

「あっ、はいッ!ガングニールの装者の、立花響ですッ!」

「良かった。で、そこの子は小日向未来さんであってる?」

「はい。響の保護者の小日向未来です。」

 すると気付けば紫羽さんが私の目の前に立っていた!はぁ…足長い…背も高くてスタイル良いなぁ…

 私の視線に気付いたのか、苦笑しながら紫羽さんは頭を撫でてくれた。…えっ!?頭撫でられてる!

「あわわわわわ…」

「私がいない間に頑張ってくれたんだよね?えらいえらい。」

 なんだか、悪い気はしないなぁ…あったかくて、未来みたいな…

「おーい!紫羽!」

「分かった分かった。…それじゃ、またね。」

 横を見ると未来は頭に手を乗せていた。…もしかして、未来も?

「なんだか、おっきな手だったね。」

「うん。未来みたいで安心したよ。」

 あの人が、『二課最強』だなんて思えないなぁ…

 

 

 

 

 

 

 さて、倍速しているリハビリ画面ですが、その間にも、たやマさん達F.I.S.のワールドワイドテロが進んでいます。リハビリ終了まで残り僅かなのですが、これ大丈夫ですかね。奏さんが居るとはいえネフィリム戦はかなり厳しいはずですけど…まぁエクスドライブするしええかね(慢心)

 ちなみにリハビリの内容は至って普通です。

 おや、メニューが変わりましたね。どうして司令がいるんです?リハビリに戦闘訓練も追加?マジですか。なにがあったか教えてもろてええです?

 

<ああ、響くんが敵に腕を食われてしまってな。お前を戦線復帰させるかもしれないんだ。彼女も融合症例だが、その進行度はお前とは段違いに早い。無理をさせない為にも、な。それにお前の聖遺物は…

 

 はい。紫羽ちゃんの右腕の聖遺物は身体をほとんど侵食してません。このゲームでの融合症例の侵食具合は『アームドギアを用いた戦闘を行う』事で進行していきます。ビッキーは腕のガントレットにエネルギーを集中させることで侵食が進みますし、アームドギア使いすぎは良くない。(5敗)

 神獣鏡を使った浄化より先にこの聖遺物を取り出してペンダントに加工したいところです。そこで、リハビリの休憩時間に了子さんの研究室に行きましょう。運が良ければ予備のペンダントが用意されています。(16敗)今回は…?

 

【シンフォギアペンダント[空]を手に入れた。】

 

 ヨシ!(現場猫)

 後は摘出手術するだけです。それでは手術中〜術後のリハビリまで倍速しながら今後について話しましょう。

 この後は運が良ければフロンティア浮上の辺りで戦線復帰できるかもしれません。その場合、切歌ちゃんと調ちゃんを連れて潜水艦からひとっ飛びしてネフィリムフルボッコです。

 間に合わなければ…素直に待機しましょう。無理してはいけない(戒め)無理して戦ってもその後に響きますからね。GX編とか。

 

 …そういえばキャロルちゃんたち何してるんでしょうか。世界の分解と再構築?でもそんな描写ありませんでしたからねぇ…もうこれわかんねぇな(諦め)

 ん?倍速終了しましたね。何かイベントでしょうか。この画面は…ネフィリムですね。もうそんな所でしたか…まぁ聖遺物摘出したしペンダントも作ってたから遅れるのも当然ですかね。

 

【奏たちが危ない…!】

 

 しゅ、出撃するんですか紫羽さん!?まだ右腕治ってないでしょ!いい加減にしろ!(建前)やめて!(本音)タイムロスしたくないの!ただでさえ初見プレイなのに!…そうだ、ステータス見れば良いじゃない(現実逃避)

 

【ステータス異常[負傷(右腕):微弱]】

 

 うーん…微妙ですけど戦えないほどじゃないですね。これなら戦ってる途中でもなり得ますから無視してもいいんですけど…司令どうなん?

 

<…生きて帰ってこい。全員でなッ!

【バフ[父の激励]発動】

 

 お、おう。任せとき。[父の激励]はステータスがほんのちょっぴり上昇します。あと気力がちょっとだけ増強されます。ちょっとだけ。

 聖詠唱えて、アームドギア展開して、イキマスヨーイクイク!

 

 

 

 

 

 

「この熱量…まさか、爆発させるのかッ!?」

 最早手に負えない領域まで達したネフィリムが相手でも、あたしには諦める気なんかなかった。ソロモンの杖を起動させたのはあたしなんだ…!だから、あたしが…

「え?叔父様?…まさか、姉様が!?」

 先輩が空を仰いだ。そこには───

 

「でやあああああああああああ!!」

 

 紅蓮を纏う右足を突き出した、紫羽さんが居た。

 

 着弾、轟音。

 

「一体…何が…!」

「はっははは…やっぱ規格外だよな。紫羽は。」

「ええ。さすが姉様です。」

 先輩2人は当然のように頷いているが、他のみんなはそんな反応してない。ただただ唖然としていた。

 皆が視線を向ける先、ネフィリムがその身体を青い炎で燃やしていた。聞いた事がある。あの聖遺物は、炎を纏う事もあるのだと。

 真紅に染まった鎧を光らせ、右手のガントレットを振りかぶった紫羽さんはその手を振り抜いた。あのバカはただ見ているだけだったけど、それでもその目は真剣に、あの人の一挙手一投足を見逃すまいと凝視していた。

 振り抜いた拳から光を放ち、あたし達が苦戦したネフィリムと対等に渡り合っている。そう、あたしたちのようにエクスドライブもしていないと言うのに、対等に。

「ボサっとしない!見てる暇があるなら手伝って頂戴!」

「…お、おう!」

 一つだけ分かったことがある。

 この人、怒らせたらダメなやつだ、と。普段と掛け離れた、荒々しくも時に穏やかな戦い方。先輩が敵わねぇわけだ、と納得した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 はい!閃光!流星!凶星!もいっちょ凶星!混沌は使いませんが、流星が刺さる刺さる。飛び上がる時の隙は二課組だけでなくF.I.S.組もカバーしてくれますし、勝ったな。

 

<明日をおおおおおお!

 

 あ、宝物庫が開きましたね。この声、マリアさんとはちょっと違うような…?気のせいかな。ここからはイベントなので倍速します。ビッキーの一撃が見たい人は自分でこのゲーム、買おう!(見られるとは言ってない)

 さて、ネフィリムも大爆発してG編が終了しましたね。リザルト画面が表示されてます。えーと被弾はほぼ無し。強い(確信)だってこの子素早さ異常なぐらい高いんですもん。ネフィリム程度の攻撃は当たらんのですよ!ん?

 

な ん で セ レ ナ が い る の ?

 

 やっぱりそうですよね!?さっきの声マリアさんじゃなくてセレナでしたよね!じゃあマリアさんは?どこにいるの?

 

<マリア!マム!

<良かった…セレナも、みんなも、無事なのね。

<ええ。安心しました…

 

 ファッ!?マムが五体満足で歩いとる!?どうなってんだよ!?

 あれ、もしかしなくてもギア足りなくないです?現にマリアさんのガングニールはビッキーが使ってますし。え?返しちゃった?あっ、ふ〜ん…あっそうだ(唐突)ここにガングニールのギアがあるんすよねぇ〜?

 

<な、紫羽!それは…

 

 いやでも戦える人多い方がええやん?そっちの方が万が一の時対応しやすいかもしれんやろ?どうです司令!私のガングニール(私のに非ず)、あげてもええやで!ビッキーにな!

 

<これは…

【立花響が[ガングニール(■■)]の装者になりました。】

<……紫羽さん、このガングニール、大切にします!

 

 おう、よろしくな(王者の風格)

 それでは今回はここまでです。テンポ早いですね。まぁ大半眠ってたのとリハビリだったせいですが。では、また次回お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉さん、みんな…」

 ネフィリムに向けた絶唱。もう私に立ち上がる気力は残されていなかった。天井が崩れ落ちて、私を押し潰し───

 

 

 

「アレが、ネフィリムか。醜悪だな。」

 

 

 

 私を殺すことは、無かった。

 

「貴方は…?」

「私か?私は…そうだな。」

 

 

 

 ───奇跡を探す者、と名乗っておこう。

 

 

 

 




テンポ早いやろ。
これXVの後にも続くからこのぐらいじゃないとしんどいんやで。作者がな。
メンタル壊れたので失踪します。


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G編終了〜???

今回から独自展開になります。
投稿時間ずれたので初投稿です。

ちなみにこのシナリオ、元々は小説で書こうとしてたんすよ。エタりそうだったからRTAになったっていう背景があります。(どうでもいい)


 何もしてないのにセレナ生存ルートなシンフォギアRTA、始まります。

 前回はサラッとG編終了しましたが、一体どうなってるんだ(呆れ)セレナちゃんの生存のためにはネフィリム(白)に絶唱叩き込んだセレナちゃんを救出する必要があります。そこで助けられないならG編は原作通りになりますね(48敗)

 ん〜、考えられるのは施設が思ったより頑丈だったとか、ネフィリムに向けた絶唱の威力がそこまで高くなくても良かったから負荷が少なかったとかそんな感じですかねぇ。

 

【本部に帰ると、見覚えのある女性がこちらに近付いてきた。】

 

 ん?ちょっっっっっっと待ってくださいね?

 あのソフトクリームみたいな茶髪と眼鏡、どこかで見た事ありませんか?私はあります。具体的には無印のボス的な意味で。

 

<紫羽ちゃん、おっかえりなさ〜い!

 

 おま…えぇ…なんでフィーネがフィ/ーネじゃないの…?(困惑)

 理由?紫羽ちゃんは寝てたから無印知らないし、私が知ってるわけないじゃないですか!(ヤケクソ)何?ビッキーの力なの?

 ごほん、後で戦闘記録を読ませていただくとしてです。ここからGX編に突入するはずなんですが…イザークさん生きてたしキャロルちゃん大所帯だしアダムゥ!は錬金術師嫌いっぽかったしもうこれわかんねぇな(今更)

 今は錬金術師の襲撃に備えて訓練しましょう。

 経験値貯めるには司令との訓練が最高効率なんですが、彼も忙しいのでね…装者たちとの模擬戦だったり、合同訓練だったりでチマチマ経験値を稼ぎましょう。

 

 この訓練なのですが、自分が訓練する側でなくても差し入れにお菓子なり何なりを持っていくとお得です。元から好感度は高い方ですが、ここで装者の気力回復も兼ねた好感度上昇ムーヴをカマしておきましょう。

 隠しステータスの[気力]、ぶっちゃけるとモチベーションですね。高ければ高いほど皆のステータス値に補正が掛かります。これがなかなか馬鹿にできないシステムなので、余裕のある走者は積極的に上げていきましょう(歴戦王)

 

 ほら、しんどいだけの訓練は辛いやろ?紫羽ちゃん特製のおやつ(アップルパイ)やで!家事スキル上げたメリットが活きてきましたね。訓練の効率が段違いに上がりました。主にビッキーの。

 ここからしばらくは訓練垂れ流しなので倍速します。GX編どうなんのかな…ママエアロ。

 

 

 

 

 

 

「みんなお疲れ様。」

 市街地での戦闘を想定した訓練を終え、汗を流した私たちを食堂で待っていたのはエプロンを着た紫羽さんだった。紫かかった黒い髪を一つにまとめ、三角巾を被ったその姿は妙に様になっていた。

 フロンティアではとんでもない強さを発揮して、あのネフィリムを一方的に殴っていた人と同一人物だとはとても信じられないよね。

「あ、紫羽じゃんか。何してんのさ?」

「ふんふん…むむっ、甘い匂いがしますよ!翼さん!」

「お前なぁ…犬かなんかかよ…」

「ああ、姉様の格好から予想はしていたよ。」

 バレてたか、と舌を出して紫羽さんはカウンターに背を向けた。

「響さんの言う通り、甘い匂いデス!お菓子デスかね!」

「まだそう決まった訳じゃないよ、切歌ちゃん…」

「むぅ、ここでカロリーを摂取してしまえば…」

 目を輝かせる切ちゃん、それを窘めるセレナ。カロリーに頭を悩ませるマリアは放っておいて、紫羽さんが何を作ったのかは気になる。

「前はクッキーだったからね、今回は…」

「「「「「「「「ごくり…」」」」」」」」

「アップルパイだよ〜」

「アップルパイ…だと…!?」

 絶望するマリア。食欲と自制心がせめぎ合ってるみたいだけど、私たちはそんな事を気にしない。紫羽さんが取り出した大きめのパイに群がっていく。

「はいはいはい!私1番大きいのがいいです!」

「んな!私も大きいのがいいデスよ!」

「おいこら!そこはみんな平等の大きさだろうがッ!」

「あ、私は普通の大きさで…」

「か、奏…どうしよう…」

「いーじゃん食べちまえば。あ!紫羽!あたし2切れな!」

「わ、私はセレナと同じく普通の大きさで…」

「…………………………うろたえるな、マリア…このあと運動すればいいのよ…訓練量を倍にすれば…ッ!」

 結局みんな食べることになった。あはは〜と笑いながらパイを切っていく紫羽さんだったけど、最後の最後に爆弾を落としていった。

「このあと、私も訓練に参加するからね。」

((((((((あ、死んだ))))))))

 この後ボロボロになった装者たちと無傷の紫羽がシミュレータールームから出てきたとか、出てこなかったとか。ちなみに晩ご飯は紫羽特製のハンバーグだった。美味しかったです。(月読調、談)

 

 

 

 

 

 

 さて、倍速しながら確認しましたけどスキルは未だ新規解放されておりません。アームドギアにも進展なしですが、まぁ仕方ありませんね。いくら最古参装者とは言え2年も寝てりゃ後輩たちに普通に抜かされる…はずです(目逸らし)が、未だステータスは紫羽ちゃんがトップです。

 

 うーんこの時期にアルカノイズが出てこないのでGXは無いのかな…即AXZだけは回避したいですね。装者たちのレベルが圧倒的に足りませんし。と言ってもAXZだってサンジェルマンさんを筆頭にした3人組が居ませんし実質アダムのボッチプレイになる可能性が高いんですな。

 つまり装者たちはいきなりZENRAの太陽を叩きつけられる可能性が高くてですね、なおかつ相手の抜剣(意味深)に対抗する抜剣が存在しない訳ですよ。無理ゲーじゃね?

 

 あーあ、野生のエルフナインちゃんとかおらんかなー!(クソデカボイス)…ん?どうして通常再生になるんですか?

 

【司令からの緊急招集だ。】

<うむ、みんな集まったなッ!

<時間通りで感心、感心!

 

 アッハイ。結局了子さんが生きてる理由分かってねぇや…まぁいいです。集まったのは奏さんに翼さん、紫羽ちゃんですね。二課の初期みたいなメンツだよ(呆れ)それで、一体何が始まるんです?第三次大戦だ(難聴)

 

<ああ、集まってもらったのは他でもない。

<…それは、私が呼んだからだ。

 

 ん?なんか見覚えのある女性が出てきましたね。もしかしてファウストローブ使ってませんか?武装解除して?しろ(豹変)…ねぇ、嘘だと言ってよ…

 

<あんたは?

<私はキャロル・マールス・ディーンハイム。『奇跡を探す者』だ。

 

アイェェェェェェェェェ!?ナンデ!?キャロル=サン!?キャロルサンナンデ!?

 

<うん?紫羽は知らなかったか。こちらのキャロルさんは俺たちS.O.N.G.の外部顧問なんだ。キャロルさん、娘の紫羽だ。

【よろしくお願いします。私はぺこりと頭を下げた。】

<………………………………あぁ、よろしく、頼む。きょ…紫羽。

 

 ほーん…紫羽ちゃんの正体、バレてますね。明らかに視線が泳いでますし。

 さて。ここで明かされた衝撃の事実、外部顧問キャロルちゃん!ですがこれもしかしてセレナのこと助けたのもキャロルちゃんだったりしません?だとするともうほんへの知識は当てにできませんね。ついにチャ/ートどころか本/編になりましたか…はーつっかえ、やめたらこのゲーム(手のひらクルー)

 それにしても随分育ってますね。GXでの大人キャロルちゃんはこんな感じでしたけど、順当に成長(?)したようで何よりですよ。あれ?キャロルちゃん1人なのかな?イザークパッパとかサンジェルマンちゃんは?

 

<本題に入ろう。

 

 作戦会議ですか。何にせよ倍速→タスク確認で何とかなるでしょう。(慢心)

 

<今回は君たちに、頼みがあって来た。…私の父を、殺して欲しい。

 

 ……………………………………えっ?

 

 

 

 

 

 

「父親を殺すって…どういうことだよ?」

「落ち着け。それも含めてこれから話す。」

 奏とキャロルさんが話す光景。なにより、父親(イ■ー●)さんを殺す。それが信じられなかった。…私は、今、何を考えた?知っている?あの女性を?その父親を?

 …いや、有り得ない。私は司令の養子だ。あのような人と知り合った記憶はない。…はずだ。うん。そうに違いない。首を振り、その可能性を頭から追い出した。明晰な思考を保つには冷静さが欠かせないからだ。

「私も、父も、家族は皆自分のクローンを作成し、それに魂を焼き付けることで生きてきた…簡単にいえば、そこの巫女とは異なるアプローチで長い期間を生きてきたと考えて欲しい。」

 その言葉に了子さんが眉をひそめた。了子さんが巫女?…想像すると寒気がした。これ以上はやめておこう。彼女からの視線が痛い。

「それは…一体なんのために?」

「待てと言っている。…こほん、私たちがそうまでして生き続けている理由はたった一つ。家族を探す為だ。」

「家族を…」

 思わず私は口を開いていた。そんな私に悲しげな視線を向け、キャロルさんは話し続ける。

「彼女は、かつて…約300年前に錬金術師の結社の長と戦い、そして私たちの家を守って瀕死の重症を負ったのだ。当時の私たちに彼女を救う術は無くてな。冷凍保存のように、身体をそのまま保存してしまえば良いと考えた。未来の自分たちが治癒することができるようになっていると信じてな。」

 結局、彼女を埋めるしかなかった訳だが。と彼女は吐き捨てた。知らず知らずのうちにその拳は固く握られていた。

「大切な、人だったのね。」

 私の言葉に彼女は俯いていた顔をこちらに向けた。釣り目を少し和らげた、困ったような笑顔で。

「ああ。紛れもなく彼女は大切な人で、そして。父の恩人でもあった。」

 そこからはその『誰か』との馴れ初め(?)を聞いたが、その事件を境にキャロルさん意外の家族がおかしくなっていったという。

「父は錬金術に没頭し、他の3人も父の背を追うように錬金術師としての道を歩み始めた。私は元々錬金術は極めてしまっていたし、そんな彼らをサポートしているような日々が続いていたんだが…」

『やはり、このシステムでは不十分だ。ロスが多すぎる。』

「父と弟子たちは、いつしか外道に落ちていった。意識不明、半死半生となった()をいつか助けるため、長きに渡る研究を進められるような転生システムを作り出すはずが、いつしか永きを生きることが目的となり、その研究に没頭していったんだ。」

「その研究内容が酷いから…ってか?」

「ああ。もう、彼らは私の知っている家族では無くなってしまってな…組織を抜け、こうして日本までやってきたという訳さ。」

「その研究内容は…教えていただけますか?」

「やめておけ。聞かない方がいい。」

 司令…お父さんが、やんわりと翼を制止した。

「ま、俺個人としては動けないからな。そこで、外部顧問からの依頼という扱いで装者としての練度が高い3人を呼び出すことにしたのだ。」

「身勝手な願いだと言うのは百も承知だ。だが頼む。…どうか、彼らの妄執を断ち切って欲しい。それが、『姉さん』を傷つけた私の贖罪なのだから。」

「肉親を、そう簡単に殺せだなんて言うんじゃねえよ。」

「奏…」

 …どうしてだろうか、奏の怒りよりも、悲しそうな翼の表情よりも、私には。

「…あなたは、それでいいの?キャロル。」

 知らず知らずのうちに口をついたその言葉は、自分が思っているよりずっと複雑な声色だった。まるで、初対面のはずのキャロルさんへの優しさと、そして凶行に走っているという彼女の家族への憐れみが入り交じった…辛そうな。

 どうして、私はこんなにも辛く感じるのだろう。疑問を抱く心とは裏腹に、私の身体は俯いたキャロルさんを抱き締めていた。まるで、奏や翼にしてあげるように…優しく、包み込むように。

「…あ。」

 ぎゅう、としがみついてきた彼女の身体は小刻みに震えていた。不安と悲しさとやるせなさと…色んなものがぐちゃぐちゃになった表情で、私を見ている。だから、安心させるように頭を撫でる。奏にはほとんどしないけど、昔、翼にせがまれてやってあげた事がある。

「うっ…あぁぁ…」

 司令たちは部屋から出ていた。気遣ってくれたんだろうか。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!」

 幼い翼のように泣きわめく、キャロルさんを。

 

 

 

 

 

 

 イイハナシダナー(ボタン連打)

 取り敢えず方向性は決まりましたね。蟲爺と化したパッパをぶん殴って正気に戻すだけの簡単なお仕事です。そうと決まれば特訓だ!アームドギア使えるように頑張りましょう。レベル2までそこまで遠いはずがありませんので。

 キャロルちゃんも交えた訓練の光景を垂れ流しつつ今回はここまで。それでは、ご視聴ありがとうございました。




ちょっっっっっっっっっっとだけ強引だけどオニイサン許して亭許して。
展開がプロットから外れていくので失踪します。

あ、感想ありがとうございました。鋭い突っ込みとかでも良いからくれると嬉しいゾ。
ちなみに作者は深いこと考えてないし、そういう突っ込みされると内心舌を巻きながらその人に土下座してるから、もしそんな作者が見たいっていう愉悦部員は感想とか評価してくれるといいぞ!


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変章・収束する家族
先行き不明なGX編導入〜紫羽ちゃんが…?


タイトルから不穏なので初投稿です。
機能の夜に書けなかったの!許してね。許せ(豹変)
あ、感想ありがとナス!いいぞ、ああいうのでもいいんだぞ。


 タイトルのご覧の通りなシンフォギアRTAはーじまーるよー。

 えー、時系列的にはGXなのでここをGXとするッ!という訳でGX編に突入しました(異論は認めない)。前回はイザークパッパが某マキリさんになったから物理で矯正してくれという話でしたね。ん?○してくれ?そんなものを聞いた覚えはないぞ?(難聴)

 

 前回の続きなので装者たちは訓練してますね。キャロルちゃんも交えてですが。予想が正しければアルカノイズは出ません。あれ作ったのキャロルちゃんだからね。きれいなキャロルちゃんは人間を分解なんてしないもん!…あれ、ということはエルフナインちゃん出ない?

 うーん癒し枠のエルフナインちゃんが居ないのは厳しいですね。技術的にはキャロルちゃんいるし了子さんいますし…あっ。

 

 そうでした。了子さんが生きてる理由を探しに行かねば。そうと決まれば訓練は中抜けしましょう。行先は司令室です。記録室に保存してある資料より、記録映像を藤尭さんか友里さんに見せてもらった方が手っ取り早いですし、誤差の範囲ですが経験値を得られます。

 

<ん?紫羽ちゃん?どうしたの?

 

 おっすお邪魔しまーす。訓練してて思い出したんですけど、私が寝てる時の戦いってどんなんだったの?教えて♡

 

<あら、それは私も気になるわね。

 

 ほら、マリアさんも言ってるし…マリアさん!?なんでここに?訓練してたはずじゃ…まさか、分身したのか…緒川さん以外のやつと…(錯乱)

 

<違うわよ!通りかかっただけ!

<良いんじゃないか?記録を見直すことで新しい発見が出来るかもしれん。よし、そうと決まれば装者に招集だ!過去の戦闘記録の鑑賞会だッ!

 

 ヒェッ…司令、居たんですか…

 まさかここまで大事になるとは思いませんでしたが、まぁ良いでしょう。肝心なところ以外は倍速していく所存ですしおすし。皆が集まるまで暇ですから、紅茶とクッキー用意しときましょう。もちろん備蓄してた手作りのやつです。(好感度稼ぎも忘れない走者の鑑)

 ヨシ!(現場猫)それじゃ、(タイムロスの)地獄を楽しみなぁ…

 

 

 

 

 

 

 私が見たのは、私が眠っている間の戦闘記録。途中からは響ちゃんも加えた3人が戦っていた。彼女も私と同じく融合症例だったらしく、胸の中に奏のガングニールの破片が突き刺さっていたそうだ。それもフロンティア事変の最中に神獣鏡というギアによって除去されたから問題ないって。生死に関わる問題だったとか…私もそうなってたかもね。

「で、この時にクリスちゃんが…」

『ぶっとべアーマーパージだッ!』

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「「「「男共は見るなッ!!」」」」

 …あー、なるほど。

「クリスちゃん、なかなか豪胆だよね。」

「言わないでくれよ…あん時はまだこう…ツンツンしてたからさ…」

「今じゃ紫羽の料理に骨抜きにされてるもんなぁ〜?」

「んな…違うっての!いや違くないけど違う!」

「どっちなのよ。」

 マリアの鋭いツッコミが炸裂。ワイワイ騒ぐ装者女子’sだったが、切り替わった映像によって鎮静化することになった。

『…今宵の月を穿つッ!』

「あれ、誰なの?」

「了子さんというか…了子さんじゃないっていうか…」

「?響、それってどういうこと?了子さんは了子さんでしょう?」

「まあ、あながち間違ってはいない。」

 私が首を傾げると、後ろから聞き覚えのある…だけどどこか違う了子さんの声がした。見れば髪を解き、眼鏡を外した了子さんが立っていた。

「早着替えですか?」

「違う。私は先史文明の巫女、フィーネ。表向きには死んだことになっているがな。」

「……………えー?」

「信じておらんな?画面にしっかりと映っておるだろうに…」

「了子さんは了子さんでしょう?」

 そう言うと、フィーネと名乗った彼女は目を見開いた。奏と翼、クリスも同じような反応をしている。何か変なこと言ったかな。

「紫羽、それ響も言ってたぞ?」

「姉様が言うとまた違った説得力がありますね。」

「なんか二人共…似てるっつーか似てないっつーかさ…」

「まぁ、こう言いながら殴りかかってはこないだろうな。」

 うんうん、と頷く3人。…と被害者?1人。

「ひ、酷い!?未来ぅ…」

「よしよし、でも事実だからね。」

「み゛く゛し゛ゃ゛ん゛!?」

「なんつー声出してんだ現役女子高生!」

 クリスに叩かれる響、それを見て笑う装者たち。2年前、私が間に合って居なければこんな事にはならなかっただろう。

「…良かった。」

 私は、また(・・)家族を守れたのかな。

 

 

 

 

 

 

 倍速しながら私も紅茶飲んでました。紫羽ちゃんのクッキー美味そうですね。そりゃ家事スキルがいつの間にかメイドスキルになってる訳です。派生してもはや別物と化していますが、こちらもしっかり家事スキルから取得可能ですので、是非取ってみてください。未来さんが弟子になったりします。(特にメリットはないです)

 

 はい、というわけでフィーネさんが生きてるのはビッキーさんの(物理で)説得が上手いこといったからです。お前も家族だ(パンチング)!で何とかなるあたり、やはり原作主人公でしょうか。ほんへでもそのぐらい上手く行けば良かったのに…何が違うんでしょうね。フィーネさんの考えに何か変化でもあったのでしょうか。

 …今気付いたんですけどクリスちゃんとフィーネさんの距離近くないです?気のせいじゃないですよね?なんで?(火の玉ストレート)

 

<え、それは…

<私の義理の娘だよ。

 

 ファッ!?何がどうなってんですかね…不明なユニットが接続されてたんでしょうか。

 

<…ぷっくくく、紫羽?すごい顔してるぜ?

 

 そりゃそうですよ。敵対してた、しかも手酷く痛めつけられてた相手と義理とはいえ血縁関係になるとか…ちょっと分からないですね。…どうして私は倍速してないんでしょうか。あ、倍速できねーや(諦め)

 

<それは…

<…あたしの過去は知ってるよな。親もいなかったあたしを、道具としてでも引き取ってくれたのはフィーネなんだ。

<それに、途中から情が移ってしまってな。私としたことが…

 

 そんなこと言ってるけど、身体は正直だな!笑ってるぞ!よもやよもやd(殴

 はい、そんなわけで情の移ったフィーネさんはボッコボコにされた状態でビッキーのファミリーパンチ、略してファミパンを食らった上でさらにクリスちゃんの涙目&上目遣いのコンボに撃沈したそうです。イイハナシダナー。

 

 さて、微弱ながら経験値を得たところですが呑気にしてる余裕はなさそうです。

 画面に表示されてるのはノイズ襲来のアラート。…ノイズぅ?あ、どうやらアルカノイズ出現のようですね。司令室キャロルさん(大人ver)と司令も揃ってますし、かなり緊急性の高いものですな。あ、藤堯さんチース。どうしたん?…ふむふむ、キャロルさんの開発した?ノイズ。なんだやっぱりアルカノイズじゃないか。触れられなきゃ大丈夫(慢心)だからビームブッパする紫羽ちゃんとは相性良さげですね。それじゃあ出撃しましょう。

 えー、移動中に今回のミッションの説明がなされるそうですね。同行するのは翼さんとクリスちゃん。過剰戦力だと思いますが三人一組で戦うシステム上こうなる定めだったのだ…許せアルカノイズ。

 

【今回のミッションは、出現した[アルカノイズ:3体]の撃破だ。キャロルくんによれば炭化能力は持たないものの、触れたものを分解する分解能力を持っているらしい。戦ってみないと分からんが、危険だと判断した場合は即帰還しろ。いいな?】

 

 ふむ、気合入ってますね。後からキャロルさんも来るみたいですし、安心して戦えるってものです。とはいえ紫羽ちゃんのステータスは相変わらず二課トップクラスですし、最近はビッキーも追いついてきそうですから大丈夫でしょう。

 おや、BGMが流れはじめたのでそろそろ戦闘です。それじゃ、紫羽ちゃんは単独行動できるから先に行きますか。ギア起動して、ほらいくどー。

 

【BATTLE START!!】

 

 アルカノイズ後輩は先輩のノイズくんよりもA4用紙一枚分ほど耐久性が高いだけで、今の装者たちなら余裕で倒せます。ほい、ギアを変形させて飛行しましょう。モーション自体はanother翼さんに似た感じです。サーフボードに乗ってるような機動ですが、こちらは完全に移動用です。ま、サーフィンですね。止まると解除されちゃうのでそこだけ気をつければS.O.N.G.の装者の中でぶっちぎりトップです。

 ちなみに飛行できる、という点では未来さんの神獣鏡も似たような性能ですが、移動速度がダンチなので走者的にはこっちのほうが好き。

 では接敵です。まずは挨拶代わりの閃光を…?

 

な ん で 効 か な い の ?

 

 以前も言いましたが紫羽ちゃんのギア、『ヴィマーナ』はノイズに対する攻撃性能が高いほうではありません。主な戦い方はビーム叩き込んで動きを止めてから叩き壊すという敵にすれば非常にいやらしい性能となっています。

 しかし今回はビームが効いてませんね。どういうことでしょうか。教えて藤えも〜ん!

 

<…解析結果出ました!紫羽さんのビームですが、直撃する前に分解されています!

<聞いたな!解剖器官に触れないなら有効打になるはずだ!

 

 よし任せろ…ってちょっと待ってください。当たってもそこまでガラス化してなくないですか?おっかしいな…

 

<待たせてしまったか。済まない姉様。

<っしゃ、行くぞ!

 

 翼さん、クリスちゃんも合流しましたし、一人一体…というのもキツイですか。クリスちゃんを守りつつ攻撃するのがベターでしょう。

 ホラホラホラ、鉛玉と飛ぶ斬撃の味はどうだよ美味いかオルルァン!?

 

<駄目だ、効いてない!

 

 ええ…(呆れ)耐久オバケですかこいつら。おかしいな。カルマノイズがアルカノイズの皮かぶってるって言われても信じちゃいそうです。しばらく攻撃してみましょうか。

 

 

 

少女戦闘中…

 

 

 

 駄目だ!一体は倒せましたしもう一体も瀕死ですが…3人とも疲弊が激しいですし…うーん…司令、撤退…しません?

 

<やむを得ん、か…

 

 よし、翼さんもクリスちゃんも撤退しましたし、あとは紫羽ちゃんだけ!撤退しましょう!そうしましょう!

 

【スキル[背水の陣]を獲得しました。】

【ここでこいつらを逃してしまえば、関係のない人たちが殺されるかもしれない。】

<紫羽ちゃん!撤退よ!早く!

 

 ね!逃げようね紫羽ちゃん!だめだ…(覚悟)キマってやがる…(絶望)はぁ…仕方ありませんね。はい、こちらの背水の陣の効果は撤退命令が出ており、味方が撤退済みかつ単独戦闘時に発揮されます。

 攻撃力と移動速度が上昇しますが代償として防御力が大幅に低下してしまいます。このデバフがなかなか痛くてですね。状況によるんですが30%〜70%の幅で低下します。70%がどれほどえげつないかと言いますと、軽くノイズがのしかかってきただけで重傷を負うんです。戦闘不能です。慈悲はありません。

 ただしバフの上昇率も大きく、最大で2倍まで跳ね上がります。今の紫羽ちゃんのステータスだとほんへでのアダムゥ!をぶん殴るだけでHPの3割は持っていけます。さて今回は…

 

【もう後には退けない。先輩として、姉として…装者として!この街を守ってみせるッ!】

 

 あ、これは…

 

【攻撃力[30%UP!] 防御力[70%DOWN!]】

 

 あー、あー…結構しんどいです。正直言ってMURIかもです。交代要員は…おお、ZABABAコンビとビッキー。いよいよ本気出してきましたか。なるはやでお願いしたいんですけど…

 

<あと15分!それまで持ちこたえてくれ!

 

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!!!死ぬ!紫羽ちゃん死ぬぅ!!!受け流しとかパリィしてるのにHPがゴリゴリ削れてます!痛い痛い!

 

 

 

 

 

 

 痛い。

 

『紫羽!聞こえるか!増援より先に奏が飛び出してる!あと少しだけ、持ちこたえるんだ!』

 

 途切れ途切れの意識を繋ぎ止め、私は両手を振るう。もう閃光は使えない。ただ純粋に、私の技術で戦い続ける。…いけない、一瞬だけ意識が飛んでいた。授業中に眠気と戦っている時みたいだ。

 

 ふわふわ、浮かんでは沈んでいく。視界が真っ白になった時は、きっと意識が無いのだろう。

 

 ああ、だめだ。もう、膝が──

 

「た、助けて──!」

 

 起きろ!私!

 

 クリアになった意識で、鉛のように重い足を動かして、私は地面を跳ねていく。重くてのろまな身体でも、しっかりと私の思い通りには動いてくれる。遠心力の乗った爪先は、逃げ遅れた女の子に遅いかかろうとしたアルカノイズを捉えて崩壊させた。真っ赤な結晶が飛び散る中で、私は自分の顔を少女に向けた。

 

「もう、大丈夫、だからね。」

 

 うまく笑えているだろうか。確認する暇もなく私は跳ね飛ばされた。叩きつけられたコンクリートにクレーターを作る程に、その攻撃は重かった。

 

「…っつう…」

 

 立ち上がると、ギアは解除されていた。限界だ。

 

「紫羽!」

 

 ガングニールを纏った赤毛の女性。奏。

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 彼女が槍を振るうより早く、

 

 

 

私の

 

 

 

みぎうでは

 

 

 

あかく、くずれて

 

 

 

「…っ、あああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

 同時に右肩が熱くなる。傾く視界に入ったのは、赤い結晶になっていく、私の右腕と。

 

「ごめん、紫羽…」

 

 今にも泣きそうな、奏の顔。

 

 




テンポが早いのはモチベ維持の為…そうだ、そうに違いない…
ちなみにキャロルちゃんは増援のヘリに乗ってたんだゾ。
紫羽ちゃんが瀕死なので失踪します。


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視点変換:β

今回はRTAじゃないよ。
眠気に負けそうなので初投稿です。


「姉様ッッッッッッ!!!!!」

 翼が司令室を飛び出していく。マリアくん、セレナくんも同様…装者は全員行ってしまったか。

「全く、あれほど落ち着けと言っているだろうに…」

「…司令。俺たちは大丈夫です。」

「私達はここにいますから。」

 藤堯と友里がこちらを見ず、モニターを見ながら話しかけてくる。…だがな、明らかにミスタイプが増えているぞ藤堯。友里も、乱暴にキーボードを叩くんじゃない。

「…弦十郎くん。」

「む、どうした了子くん。」

「行ってあげなさい。あなたの、娘なんでしょう?」

 …すまないな。

「司令!」

 振り返ると、藤堯がこちらを向いて何かを投げた。受け取ったのは、何かの鍵か?

「俺の車です。壊さないでくださいよ。」

 そう言い残してどかっ、と乱暴に椅子に戻る。

「ああ。壊さんよ。」

 これ以上は、壊すつもりも壊されるつもりもない。

 

 

 

「…馬鹿ね。自分の手ぐらい拭っていきなさいな。シャツの色、移ってるわよ。…フン、手間のかかる奴だ。」

 

 

 

///

 

 

 

《side キャロル》

「紫羽さん!」

「先輩!」

「そんな…ひどいデスよ、こんなの…」

響歌…お前たちはあいつの援護だッ!さっさと行けッ!私は紫羽の応急処置に入るッ!」

 呆然とする調、切歌、響。私は血が溢れ続ける彼女の肩を凍らせて、失血を防ぐ。今から水の錬金術の応用で地面に飛び散った血液を集め、体内に戻して循環させる。患部には血液を回せない上に、体温の安定もさせなければならない…神経を使う作業だ。邪魔が入っては敵わん。

「は、はい!」

「お任せ…デス!」

「…キャロルさん、お願いします。」

 3人はそのまま奏の援護に去り、私は青白い紫羽(響歌)の顔を見下ろしていた。私が、あんなものを生み出してしまったから…ッ!

 そこで、はたと気がついた。アルカノイズは本来あんな強さは持っていない。わたしが作ったのだから断言できる。紫羽に関してもノイズを相手に無双できる二課最強の装者と言っても過言ではない。だが、その紫羽すら圧倒する3体の異常なまでの強さ…まさか、あいつら(・・・・)が…?

「血迷ったか…サンジェルマン…」

 

 

 

《side 奏》

「紫羽。」

 

 どうしてだろう。

 

「紫羽。」

 

 なぜ、彼女でなければならなかったのだろう。

 

「紫羽。」

 

 わたしが、弱いからか?

 

「何故だ…!」

 

 LiNKERを使わないレベルまで適合係数が上がってきた、と。目覚めた彼女に笑いながら報告すれば、にっこりと笑って『頑張ったね』って褒めてくれて。あったかいその右手で(・・・)頭を撫でてくれた。リハビリの一環だといって昔みたいに料理も作ってくれた。復帰してすぐに、ネフィリムを相手に対等に戦ってみせた。訓練でも旦那には及ばなくても圧倒的な力でわたしたちを寄せ付けなかった。一番強くて、わたしにとって一番優しかったのは、紫羽だった。

 今回だって、いつもどおり倒して終わり。紫羽がいるから大丈夫だ。そう思っていたし、キャロルから聞いてたスペックを考えると実際そうなるはずだった。でも、違った。

 

「クソが…!なんでだ…!なんでお前らは、わたしから家族を奪っていく!」

 

 手にした槍を振り回し、投げつけ、殴りかかる。それを繰り返したが、響や後輩たちの声に気を取られた一瞬。気付けば、相手は霞のように消え去っていた。行き場のない怒りが、わたしの中に渦巻き続ける。

 

「なんでだよ…」

「奏さん…」

 

 いつしか雨が降っていた。冷える身体とは裏腹に、わたしの中…身体の中心は熱く燃えていた。真っ白だった頭は段々と冷えて、ただただ激しい…激しい、憎悪が渦巻き続ける。それに強引に蓋をして、わたしは立ち上がる。

 

「なあ、立花。」

「奏さん、泣いて…」

「…帰ったらさ、紫羽のお見舞い、してやろうな。ああ見えてあいつ、ちょっとだけ抜けてるから。」

 

 それ(憎悪)を見せるのは、まだ先だからな。

 

 

 

///

 

 

 

「どうだ、了子くん。」

『…聞きたいの?』

「ああ。娘の事なんだ。聞く義務が、俺にはある。」

『そう。あのね──』

 

 

 

 現場に到着し、キャロルくんを乗せてとんぼ返り。本部で了子くんに治療を任せ、そして今に至る。帰還してきた装者たちの反応は様々だった。

 いつもの活発さは鳴りを潜め、ぼんやりと座っている響くんと、寄り添うように座りながらも俯いた未来くん。

 調くんと切歌くんは二人で何かを祈っている。…案ずるな。了子くんの医療技術は本物だ。

 マリアくん、セレナくんは二人でナスターシャ教授を迎えに行っている。若干マリアくんの様子はおかしかったが…

 翼は部屋に籠もってしまった。クリスくんが様子を見に行く、と言ってそれっきり。

 そして、だ。

 

「…奏。」

「…旦那。わたしさ、強くなれたって、思ってたんだよ。あいつの背中を追いかけて。LiNKER無しでもギアを纏えるようになったのに…ッ!」

 紫羽の親友でありながら、密かに姉と慕う奏。行き場のない怒りを壁に叩きつけると、その場所は凹んでしまっていた。

 家族をノイズに殺されて、自暴自棄になっていた彼女を掬い上げたのも、また紫羽だった。あいつの前だけで見せていた笑顔も、段々と皆に向けるようになった。すれ違っていた翼と和解し、アイドル活動をするようになったのも彼女の後押しがあったからだ。

 

「…いつの間にか、お前は俺達にとっての精神的支柱になっていたんだな。紫羽。」

「司令。」

「ああ、行ってくる。全員揃ったな?」

 未だ精神的ダメージが抜けない装者を連れ、俺達は紫羽の眠る治療室にやってきた。中では了子くんとキャロルくんが治療を終え、一休みしている頃だろう。

「…了子くん、俺だ。装者たちもいる。」

『良いのだな。』

 振り向けば、雰囲気は違えど皆覚悟を決めた顔をしていた。

「入るぞ。」

 中に入ると、そこにいたのは──

 

 

 

///

 

 

 

☆月□日

 紫羽は、意識不明の重傷だった。あのとき、片腕を落としたわたしの判断は間違っていなかったけど、それでも(この先は破り捨てられている)

 

☆月●日

 わたしは、しょーじきシウさんのことをよく知らないデス。ネフィリムをボッコボコにしたから、めちゃくちゃ強いんだろーなー、なんて考えてただけデス。実際めちゃ強デス。勝てる未来が見えないデス。でも、オフの日は週末なら司令のお家でみんなにご飯を作ってくれるのデス!マリアに内緒で調とわたしにおやつもくれるんデスよ!それと…(中略)あったかい、マムみたいな人ですから。だから、神サマ、どうかお願いです。紫羽さんを、助けて。

 

☆月△日

 彼女が…紫羽が眠ってから、もう一月。アルカノイズが出てきてギアが使えなくなったけど、強さ自体は紫羽の戦っていたものに比べれば雲泥の差。そんな中、ギアの修復と同時にキャロルの施した改造はイグナイトと呼ばれ、私達の強化にも繋がっている。けれど、発動できたのは未だ響だけ。彼女も時々制御できなくなっているみたい。…駄目ね。紫羽が保護者仲間に思えて、大切だったみたい。私も、みんなも。調子が戻らないわ。

 

○月■日

 姉様。わたしは、無力なのですね。あなたの隣に並んでみせると、そう決意したはずなのに。わたしはあなたに守られて、こうして生き恥を晒し続けています。ええ、貴方が居れば似合わないと笑うのは承知の上です。けれど、弱い私との決別ですから、どうか許してください。矢張り私はどこまでも防人で有るべきだったのです。だから、私は(この先は濡れてしまっていて読めない)

 

○月☆日

 切ちゃんが落ち込んで帰ってきた。今日も紫羽さんは目覚めなかったらしい。最近は響さんと未来さん、マリアにセレナが中心になって明るく振る舞おうと頑張っているみたい。でも、ごめんなさい。私はそんな気分にはなれない。だって、紫羽さんがいないのに、明るくなれるわけないもの。のほほんと明るく、柔らかに笑う紫羽さんは、今までの大人とはちょっと違っていて。それでいて暖かったから。…ねえ、紫羽さん。早く戻ってきて。今のS.O.N.G.はどこか寒いの。

 

○月▼日

 マリア姉さんのネコミミが日に日に垂れていくのが分かります。大人の人たちはいつも通りに振る舞っているから、私たち装者の落ち込み具合が目に見えるようです。今日はアルカノイズの他に、敵の幹部らしき人物が出てきました。彼女たちを見た瞬間、みんな血相を変えて飛び出してしまって。痛み分けで帰還したのですが…紫羽さん、あなたはこんなにも、大切に思われているのです。早く目覚めて、私に料理を教えて下さいね。未来さんと紫羽さんと過ごすなんでも無いあの時間が、今は遠い昔のように思えるんです。

 

■月×日

 最近、先輩の様子が変だ。妙な口調で過ごしてるし。それを指摘しても、『過去の自分との決別なのだ。(キリッ)』みてーに返してくる。あ、あと奏さん以外を名前じゃなくて名字で呼ぶようになったかな。…マリアとセレナは別にしてな?なんだか変なんだよ。うん。紫羽さんがいなくなっちまってからさ。どうしてだろうな。教えてくれよ。紫羽さん。

 

■月○日

 先生。最近、響がご飯を2杯しか食べなくなりました。あの響が!ご飯を!2杯なんです!先生の腕には及ばなくても、私やセレナちゃん、調ちゃんが食事を作ってるんだけど…やっぱり先生には及びません。

 きっと先生も分かっていたと思います。あのご飯は、先生が作って、先生と一緒に食べて、初めてあの味になるんだって。だから先生。ご飯を、一緒に食べましょう。今度は私の料理で先生を唸らせてみせますから。

 

■月☆日

 今日は未来と私で、先輩のお見舞いに行ってきたんだ。帰ろうとしたらちょうど師匠と会ってさ。もう大変だったよ〜!ギアを使って本気でかかってこい、だなんて!いつも冷静な師匠にしては珍しく若干息が上がってたんだ。理由を聞いたら、なんとびっくり。司令も寂しくて調子が出ないんだって!先輩ってすごいんだなあ…未来みたいに暖かくみんなを照らしてて、それでいて真っ直ぐに自分の意思を貫き通せるんだから。良し!もうひとっ走りして、先輩に追いつけるように頑張るぞー!

 

 

///

 

 

「…それは、本当か?」

「ええ。残念だけど…」

「慎次、装者たちこの話は気取られるなよ。」

「はい、分かりました。…司令、良いのですか?」

「ああ…仕方あるまい。もう彼女は…」

「…それじゃ、書類は先に作っておきますね。」

 友里が持つ端末に映るのは、とある文書だった。

『風鳴紫羽の配置転換について』

「ああ。彼女なら、任せられるだろう?」

 

 

 

 

 

「副司令をな。」

 

 

 

 

 

///

 

 

 

暗い海のような場所を、ただ落ちていく。

 

私は、どうなって───

 

ああ、そうだ。腕を───

 

そう。そうして、貴方は此処へ来た。

 

あなた、は?

 

私は貴方。貴方は私。

 

ずっと、不思議だった。どうしてわたしの記憶が無いのか。どうして、キャロルちゃんを見た時に身体が勝手に動くのか。

 

あなたは、確かに私ね。響歌。

 

まぁ、扱いとしては無意識とか深層意識に存在する記憶とかなんだろうけどね。

 

 

───────。

 

 

あ、呼ばれてるよ。

 

ええ、そうね。

 

──────う。

 

うん。貴方と出会えたし、私の役目は終わりだね。

 

何言ってるの。

 

──────か。

 

貴方を待ってる人も、いるのよ。

 

…ほんっと、キャロルは…

 

愛されてるのよ。ほら。

 

…しょーがないな。過去のおかあさんたちも見られるし、一石二鳥かな?

 

いいから。ブツブツ呟かないで頂戴。行くわよ。

 

 

 

 

 

 

「ん…」

 その日は、唐突に訪れた。花瓶の水を変えようとした未来はフリーズし、響は部屋の外まで届かんばかりの大声を上げた。

 

「紫羽先輩ッ!」

「おか、あさん?」

「違いますよ!立花響ですッ!先輩の、紫羽さんの後輩ですよ!」

 

 瞬間、部屋の外からけたたましい足音が響いてきた。

 

「紫羽ッ!起きたのか!!」

「お目覚めですか姉様ッ!!」

「起きたか紫羽さんッ!」

「「紫羽さん、おはよう(デス)!」」

「良かった…良かったよう…」

「紫羽!目覚めたのね!」

 

「あはは…みんな、げんき…だね?」

 

 顔を引き攣らせながら右手(・・)を上げようとするも、それが叶わぬことに紫羽は気付いた。そのまや左手を上げ、最も近くにいた奏の頭に乗せる。

「な…」

 寝たきりでも、左右が変わっていても、やはりその手は暖かい。改めて感じた彼女の体温が、奏の心を癒していく。頭から落ちていく手が、その頬を拭った。

「奏の、お陰で…私は、生きてるんだから。泣かない、の。」

「…私が、もっと早ければ…むぐ。」

 奏の口は強引に塞がれた。点滴だらけの左手を伸ばし、紫羽は自らに初めて笑みを向けた少女に向けて、笑みを浮かべる。

「ううん。みんな無事なら、それでいいの。ね?奏。」

「………………ッ!」

 その言葉を皮切りに、装者たちは紫羽に飛びつこうとして…漂う冷気に背筋を伸ばした。その大元は、とある少女だった。

「紫羽さんは…まだ怪我人なんですよ?」

『はい。』

 紫羽が目覚めたと聞いた大人たちは、少し『遅れて』到着したらしい。彼らが到着するまでの間、紫羽は楽しげだったそうな。

 

 

 

///

 

 

 

「本当に、良いのか?」

 装者たちが帰ったあと、1人残った弦十郎が差し出したのは異動を示す辞令だった。予め内容は伝えてあるため、もはや形式だけのようなものだ。しかし、紫羽はその辞令を受け取った。弱々しげな笑みはどこへやら、しっかりと意志の篭った瞳で弦十郎を見据えている。

「ええ。私は十分戦いましたよ。後は、彼女たちに任せます。」

 それに、これじゃ私の技術は生かせませんし、と右手を示す紫羽。肩の根元から切断された傷跡は痛々しく、退院後に了子による再生治療が行われる予定だ。本人は辞退したが、後輩たち全員からのお願いであれば断ることは出来なかった。

「そうか。…良い娘を持ったよ。」

 そう言って弦十郎は顔を背けた。

 欠けた月が照らす病室の中。彼女の頬には銀の筋が1つ、走っていたから。それを見るのは、欠けた月だけで十分だ。

「ええ。娘想いの、良いお義父さんですよ。貴方は。」

「俺はまだまだ未熟だと痛感したがな。」

「それでも皆のことを第一に考えて、頑張っているでしょう?」

「その結果がこれさ。」

「これは仕方の無いことです。」

「しかし指揮官である俺の責任だ。」

「独断で残った私の責任ですよ。」

「いや、作戦を実行したのは俺だ。」

「実働班の隊長は私でした。」

「平行線か。」

「いえ、これは私の意地です。」

「なら、これも俺の意地だな。」

「…私、実年齢300歳超えてますからね?」

「精神年齢は俺より低いだろう。」

「そうですか。」

「そうさ。」

 顔を元に戻し、弦十郎は娘を見据えた。

「…ここには俺以外誰もいない。教えてくれないか。」

「矢張り、気付いてたのね。」

「気付かないとでも?」

「いいえ。貴方の勘の良さは一級品ですもの。」

「それは光栄だな。」

「ええ。それに何度も助けられてましたからね。」

 そうですね、と彼女は前置きした。弦十郎は姿勢を正す。

「私/わたしは…」

 それを聞くのもまた、欠けた月だけだった。

 

 

 




勢い大事。世の中ノリと勢いでなんとかなります。
何とかならないものもあると気付いたので失踪します。

あ、評価とか感想とかくれると作者は喜んで次の話を書くよ。
最近お気に入りがジワジワ増えてて嬉しいなぁ…モチベをここに、我は常世全ての、善となるもの(うろ覚え)


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等速祭!〜走者のメンタルはボドボドダ!!〜

お気に入り登録してた小説の作者様から感想もらったのでテンションMAXで初投稿です。
あ、アンケートしてるから投票オナシャス


 …………………………はい、それではやっていきましょう、戦姫絶唱シンフォギア Hopeful Gear。前回の続きからですね…

 前回はアルカイノズくんが化け物みたいな強さを発揮したところまででした。はい。異論は認めない(現実逃避)。あー、まぁウダウダ言ってても仕方ありませんし、現状を皆様に御説明しましょう。

 

 紫羽ちゃんですがステータスとして[右腕:欠損]が付与されました。まぁ奏ちゃんのお陰でゲームオーバーにはならなかったのですが、かなり長い間の入院生活があったようです。全体的なステータスが低下してきています。今は全盛期の…7割という所でしょうか。私のレベリング時間かえして(懇願)

 さらに、S.O.N.G.の副司令という立場に縛られてしまいました。まぁ片手ない装者が何を出来るねんという話ですね。退職じゃないだけマシと考えておきましょう(7敗)。ただ、料理による好感度稼ぎや訓練による経験値稼ぎが出来なくなってしまったのは厳しいです。装者は定期的に訓練してないとステータス下がるので。

 副司令になるとごく稀に弦十郎さんが戦場に出ていくようになります。いくら強くても彼はシンフォギア使えませんから、本当にごく稀ですけどね。ただし彼が出撃した場合の勝率は100%です。強い(確信)

 

 という訳で紫羽ちゃんはこれから後方勤務がメインになります。後方からだとオペレーターとして装者たちの援護ができます。まぁゲームの種類がアクションゲームからTDFに変わるようなものですね。意地でもノイズと戦わせようという製作者の熱いパトスを感じます(残酷な天使)。

 あっそうだ(唐突)装者たちの好感度確認しましょうか。前回は腕吹っ飛んだ後暫く放心状態で倍速連打してましてね。私は悪くない(厚顔無恥)。見せてみろよ好感度ホラホラホラホラ…

 

天羽奏[親友/姉:依存]

風鳴翼[姉/被庇護者:防人]

立花響[先輩:尊敬]

小日向未来[先輩:尊敬]

暁切歌[先輩/母:親愛]

月読調[先輩/母:親愛]

セレナ・カデンツァヴナ・イヴ[親友:信頼]

マリア・カデンツァヴナ・イヴ[友人/保護者:憧憬]

 

 ヨシ!(現場猫)皆さんなかなか高いご様子で…ん?どうしたのツヴァイウィングのお2人?依存と…防人!?どういうこと!?助けてwikiえもーん!(他力本願寺)

 …えー、奏さんの依存、これはすぐお分かりかと思います。なんでやろ(困惑)そんな依存されるようなムーヴしましたっけ?ママエアロ。問題は翼さんが翼さんじゃなくてSAKIMORIになってしまった事ですよ。今まで普通の女の子だったのに急に?そんなことあるぅ…?あります(絶望)

 他のみんなは割と普通ですね。ZABABAコンビだけ少し変ですけどまぁ…許容範囲内ですよ。マリアさんのは何…?憧れてんの?えぇ…(困惑)

 

 画面では紫羽さんの副司令就任を祝ってますね。祝え!過去と未来を旅する時駆ける少女、その名も風鳴紫羽!新たなる副司令の誕生である!(うろ覚えウォズ)お前も祝うんだよあくしろよ!

 えーと、これからどうしましょうか。アルカノイズの襲撃は何度か発生してますけど装者たちが強くなってて怖い(直球)。AXZ編まで余裕じゃないですか?これ。

 暇だし…そうですね、皆が帰った後にシミュレーションルームでこっそり訓練しときましょう。ん?藤尭ニキオッスオッス。司令はビデオ返しに行ってるから私も似たような事しても良いよね?許して?許せ(豹変)

 

<あ、ああ…良いけど…

 

 OK貰えましたよ!勝ったな(確信)。

 それじゃシミュレーションルームにイクゾー!(デッデッデデデデ!カーン!)

 

 

///

 

 

 という訳でやってきました。シミュレーションルームです。まずギアを纏って…ん?なんか前と形が変わってませんか?えーとステータスは…

 

【アームドギア[ヴィマーナ]:Lv.2】

 Lv.1:アームドギアをサーフボード状に展開し飛行する。空中静止、攻撃は不可能。

 Lv.2:腰部スラスターを中心にアームドギアを再構成し、飛行能力と射撃能力を得る。空中静止は不可能。

 

 ファッ!?どうなってんだこりゃ…(性能がますます)こわれるなぁ…

 説明見ただけじゃ分からないのでギアを変形させてみましょう。おっ、良いじゃん⤴︎⤴︎真っ赤な装甲と合わせて某機動戦士のフルドレスみたいです。大きさの比率はこちらの方が大きめなんですけどね。

 

 あっそうだ(唐突)皆さん、知ってましたか?紫羽ちゃんのギアですが、アームドギアを展開してる時は赤に、格闘戦の時は青になるらしいっすよ。紫色はどこへ行ってしまった…まぁ待機中の色ですよね。まぁた機動戦士の某種死みたいなカラー変更しやがって…

 

 よし、それじゃ軽く流していきましょう。新しいギアの調子も試したいし…あ、おっす了子=サン。アームドギアが進化したやで。

 

<アームドギアが進化ぁ!?ちょっと、データ取るから待ってちょうだいね!良い!?良いわよね!?

 

 テンションMAXです。彼女の知識欲は半端じゃありません。馬力が違いますよ。…ほらいくどー。

 

 

 

///

 

 

 

 …よし、こんなもんですかね。いやーなかなか面白い進化をしましたよこれ。XDクリスちゃん以下ですが連携次第で化けますよ間違いない(確信)。

 あ、了子さんお疲れ様っす、じゃあ自分はここで…え?どうしたんですか司令。そんないい笑顔をして。なに?絶対安静?知らんわ!ちょこちょこ仕事の間に抜け出してビデオ返してるよりはマシだろ!いい加減にしろ!

 おっ、やんのかやんのか〜?かかってこい。ギアなんかいらねぇや…てめぇなんか怖かねぇ!ヤローオブクラッシャァァァァ!!!(倍速連打)

 

 まぁ、負けるんですけどね。

 (ステータス3割減少は)いやーキツいっす。思ってるより反応速度が遅いですよね。こう…重いんですよ。動きが。まぁこれから訓練していけば大丈夫でしょう(慢心)。

 おや?なんですかキャロルちゃん。話がある?向こうで?2人きりで?倍速は…出来ないからこれキーイベントでしょうか。

 

<紫羽…いや、今は響歌と言った方が良いか?

 

 ファッ!?紫羽ちゃん記憶戻ってんの!?え?そんな描写ありましたっけ!?えー…後でログ見返してきます。あったかなぁそんなん…

 どうやら記憶戻ったよね?私頑張ったから褒めて?みたいなイベントですね。ギャルゲパートもあるHopeful Gear。みんなも買おう!(ステマ)

 

<やっぱり、私にとって貴方は立花響歌だよ。

 

 あ゛っ(昇天)大人キャロルちゃんを撫でる響歌ちゃんと満面の笑み(涙付き)のキャロルちゃんはあかん…ベストマッチ!で破壊力がヤベーイ!(ハザードオン!)

 えっと、これでキャロルちゃんとのフラグは回収でしょうかね?まぁこの記憶が戻ったという話をどう切り出していくのかが今後の鍵になりそうです。

 

///

 

 さて、キャロルちゃんからも解放されてようやく眠れます。部屋に帰ってベッドにダイブ…あれ?暗転しませんねおかしいなぁ…

 

<…遅かったな。

 

 アイエエエエエエエエエエエエ!?カナデサン!?カナデサンナンデ!?

 た、確かに奏さんからの好感度は依存でした。でもここまでとは考えてませんでしたね。まさかベッドの中で待機してるとは…誰にも見せられ、ないもの(PSYCHO-PASS)が頭の中に渦巻いてしまいました。ダメですね。このゲームは全年齢対象の健全なゲームですから、そういうウ=ス異本的な展開はそっちでやって頂いてもよろしいでしょうか…

 

<今日も、良いかな?

 

 ゑ?なんで?紫羽ちゃんも頷かないで!やめて!(運営に)BANされる!あ゛ー!!!!あ゛ー!!!!困ります!お客様困りますぁー!!

 

カット!カットです!!

 

 …ふう、危なかった。あと1フレーム遅れていればアカウント凍結の大惨事が待っていましたからね。スキップできる場面で良かった良かった。そうでなければタイムさんがGlorious Breakされるところでしたよ。

 で、そんなこんなで訓練してた訳なんですよ。途中から司令とかキャロルちゃんとか参戦してきて大乱闘になりましたけどね。対空性能は紫羽ちゃんが1番なんだよォ!落ちろカトンボ!(シロッコ並感)

 

<お疲れ様。ほれ、タオルと水。…なんだよ、別に普通だろ?

 

 奏ちゃんの距離がやたら近くなってたりしますけどキニシナーイキニシナーイ。貴方たちは何も見てない、聞いてない。おーけー?(威圧)…よし。間に挟まる者は皆すべからく我流・混沌の餌食になって頂きますからね(ニッコリ)ここにいるのは紳士たちだと信じてますから。

 まぁこうなってしまっては手遅れなんですが、好感度が[依存]まで到達すると下手すりゃ後ろからアゾられます(31敗)。ただし奏さんの好感度には親友、姉も存在しますのでだいぶマイルドになっております。これが393の[依存]単体になると手をつけられませんがね(512敗)それのせいで何回失敗したか…

 

<あ!先輩!今日の訓練もお疲れ様でした!

 

 おっすお疲れ様ですビッキーさん。もう紫羽ちゃんより強くなったんと違う?片手ない分不利なんですよね紫羽ちゃん…

 

<あ、いえそんな事は…

<紫羽さん、お菓子の作り方、教えてください。

 

 おっ調ちゃん。未来さんとセレナちゃんも一緒に?お菓子?作るの?ほーん(無関心)ママエアロ。訓練終わったけど疲れてへんの?おぉーん(感嘆)ほな作ろか。倍速でな!(ゲス顔)

 

<ありがとうございました。

<あの…姉上。少し良いだろうか。

 

 今度はSAKIMORIと化した翼さんですか。

 

<その、姉上に食べて欲しくてな?ち、昼食を作ってみたのだが…

 

 ファッ!?私の知ってるSAKIMORIはこんなんと違う!?そういえば部屋も綺麗になってましたね。ほんへでは失われた女子力がこちらでは発揮されているとでも言うのか…!?

 とりあえず頂きましょう。ご馳走様でした(倍速定期)。ステータスにほんのちょっぴり上昇値がありますね。これは…女子力、だと!?装者おさんどん組には及びませんが、それでも十分な腕前ですよクォレハ…

 

<そ、そうか!長いこと練習してきたからな!当然だろう!

 

 うーんこれはSAKIMORIでもなんでもないですね。平仮名で[さきもり]とかにしときます?ポンコツSAKIMORIだな間違いない(愉悦顔)

 

 さて、健康体になっているとはいえ紫羽ちゃんは片腕。司令室で弦十郎さんの隣に座っていますが、お飾りみたいなものですね。たまにギアペンダントにコードぶっ刺して仕事の手伝いしてますけど。え?なに?今度は報告書作成?(事務仕事の経験値は)うまくない…まずい…

 

 お、またノイズじゃーん。(手のひらドリル)

 ブリーフィングの開始ですね。それじゃ、自分帰る(倍速する)んで…

 

///

 

 はい、どうやら例のアルカノイズ…紫羽ちゃんの腕を分解してくれたにっくきアイツです。奴のお出ましだそうで、皆さん気合い入ってますね。イグナイトモジュールも使いこなしてるみたいですし過剰戦力じゃなーい?(慢心に次ぐ慢心)

 

<あのアルカイノズは、父の弟子3人が直接手を加えたものだろう。

 

 記憶が戻ってる紫羽/響歌ちゃんには酷な話ですが、精神年齢は紫羽ちゃんの方が上ですからね。ある程度落ち着いて受け止められています。サンジェルマンさん達がねぇ…どうなってんだか(呆れ)

 今回の出撃は全員だそうです。どうやら前回の反省から、下手に装者を残すより全員でフルボッコにした方が早いという結論に至ったようですね。え?本部の防衛?紫羽ちゃんとかNINJAとか司令とかフィーネとかいるからへーきへーき。

 あ、ちょっと紫羽ちゃんにデバフ掛かりましたね。えーと、[喪失へのカウントダウン]…アルェ?これどっかで聞いたことあるような…効果の程は、【ステータスに下方補正】…あー、まぁ怖いってことですかね?自分が腕吹っ飛ばされた相手ですし。なんなら紫羽ちゃん→奏さんへの好感度も高い訳ですから…心配なのですか、可愛いですね。(│)

 

<紫羽、行ってくるな。

【ぎゅっと抱き締められて、耳元で囁かれる。抱き締め返したくても、私には右手がない。左手だけの不格好なハグになってしまった。】

<…やっぱあったかいな。紫羽はさ。

 

 うーん感じる…感じるぞ…ですが私もS.O.N.G.の職員さんもみな紳士ですからね。ただ見ない振り、聞かない振りです。自然に振る舞うのが真の紳士である…!(歴戦の風格)

 

<…よし!大船に乗ったつもりで待ってろよ!

【[喪失へのカウントダウン]が[闇を祓う撃槍]へ進化しました】

 

 ウェッ!?なんだこのスキル!?…えーとなになに…【天羽奏と共闘時、自分と天羽奏のステータスを大幅に上昇させる】ですって。あら^〜これが波動の力ですか(違う)。しかしこれはなかなか強いのでは?

 いやでもこれ一時的なスキルですよね。この戦闘だけなんですよね。勿体無いな…よし。やはり戦闘か…私も同行しよう(花京院)。

 

<んな!?紫羽が来る必要はないだろ!

<そうよ。貴方はただ後ろで構えていてくれたらそれで…

<行かせてあげなさい、マリア。

 

 ま、マム!何気に初登場(メメタァ)ですけどいい事言いますね!

 

<彼女の目は、心は、折れていませんし…それに彼女は副司令ですよ?司令以外に止めることは出来ませんから。

<…紫羽、今度は、大怪我するなよ。

 

 当たり前ですよ。任せてください司令。今度は走者も慢心の装衣脱ぎ捨てて行きますからね!ノーコンティニューでクリアしてやりますよ!(ホウジョウエムゥ!)

 それではキリがいいので今回はここまで。

 次回はアレかな、戦闘からかな?

 

 

 

 

 

 

「なぁ、紫羽?」

「どうしたの?」

「あたしさ、紫羽のこと…」

「ダメ。そういうのは帰ってから言いなさいな。」

「…そっか、そうだよな。」

 

 

 




うーん、これはなかなk(Glorious Break
タグ追加しますね!!!!

紫羽ちゃんが百合の沼に嵌ってしまったので失踪します。


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vsイザークパパ!進化した紫羽ちゃんの姿を見よ!

感想、評価くれ(直球)
あ、赤バーになったゾ。だから感謝も込めて本日二度目の初投稿です。

最後まで読まなくてもいいよ。
読まなくていいからね?ね?(念押し)


 あ、どうも皆様。最近いかがお過ごしでしょうか。私は寒暖差が激しくて毎日がエブリデイです(錯乱済)。今回もやっていきましょう。

 

【BATTLE START!!】

 

 バステかかってる紫羽ちゃんは現場に到着次第ギアを展開して離れた場所から見ておきましょうね。これ以上怪我すると装者たちからの好感度と合わさってどうなるか分からないからね!お兄さんとのお約束だ!

 さて。確か今回は例のアルカノイズ先輩でしたか。そのへんを闊歩する野生のアルカノイズに比べると防御力、攻撃力共に化け物レベルの特異個体ですね。紫羽ちゃんの右腕を持っていった張本人なので(装者たちの視線が)まずいですね。

 

 では戦闘開始…といっても紫羽ちゃんは後ろで見てるだけです。何故か?奏さんのステータスが爆上がりしてるからですね。強い(確信)。もうこの人に全部任せたらいいんじゃない?(呆れ)

 そんな紫羽ちゃんですが直接戦闘は禁止されてます。という訳で護衛にZABABAコンビを侍らせてますね。3人で待機しつつ、紫羽ちゃんが戦場を把握して指示を出しつつ必要ならば援護に入る形です。うん?3人組?確かこのゲームのシステムは3人で1パーティ。…まさかね(露骨なフラグ建築)。

 

 今回はアクション要素はありませ…あれ?視点変更?

 

 あ、奏さんが操作キャラになりましたね。えぇ…(呆れ)

 走者は一応他のキャラも履修済(映像)です。もちろん奏さんもしっかり履修しておりますから、ご安心を(世界一不安な走者)。

 今回の奏さんはなかなか強いので安心してください。ステータスはバフ込でほんへの奏さんの大体2倍でしょうか。強い(確信)。なおかつこの人は槍を使った中距離戦が得意です。解剖器官だかなんだか知りませんが、当たらなければどうということはないのですよ。

 

 こちらの攻撃ほとんど効いてませんけどね。

 …仕方ありません、イグナイト起動して、はい槍投げ。槍投げ。もいっちょ槍投げ。他の装者もしっかり起動してますね。え?いつ呪いを克服したのか?紫羽ちゃんが寝てる間じゃないですかね(知らんけど)。

 ちなみにお察しの方もいるかもしれませんが好感度が上がることでギアの適合係数は跳ね上がっていきます。今回では奏さんがいい例ですね。[依存]とか親友とかのお陰でLiNKER無しでガングニール使ってますから。え?誰への依存か?貴様、紳士ではないな?(殺伐)

 

<これで…終わりだクソ野郎ッ!!

 

 口が悪いッ!(直球)やめなさいよ紫羽ちゃんが心配して見てるでしょーが。だから落ち着いてね?落ち着け(豹変)。

 奏さんがちょっと(´・ω・`)みたいな顔になりましたが、自業自得だ。(表情は)感動的だな。だが(紫羽ちゃんには)無意味だ。

 

 よし、これでミッションかんりょ…おかしいな、どうしてBGMが変化したんです?しかもこのBGM確かAXZ編ラスボスのやつですよね?登場したら負け確定とか言われてるアダムゥ!の。(67敗)

 えー…アダムか…やだなぁめんどくさい。またQTEとかやだよもう…あの時はコンテありましたけど今回もあるとは限りませんからねぇ…安牌目指して頑張りましょう(走者の鑑)。

 

<キャロル…私は君をそんな風に育てた覚えは無いのだがね…

<…パパ。いや、イザーク。

 

 な ん で ?

 イザークパパですよね?私の目が節穴でなければ画面中央に現れたのはイザークさんですね。服装も何もかも当時(300年前)のままですし、あれは確かに本人です。だって5本ある(・・・・)HPゲージの名前が[イザーク]になってますもん。

 

 倍速しながら会話を聞いてますが、どうやらイザークさんの記憶はほぼ擦り切れてるみたいですよ。ハイハイタイヘンダナー。(スキップ連打)

 あ、タスク更新入りました。なになに…

 

【イザークと戦闘し、勝利する】

 

 あら^〜これは残念。ビッキーの説得もあったみたいですけどお構い無しですね。本人はアルカノイズばら蒔いてます。おや、鳥瞰図になりましたね。

 ここからはリアルタイムTDFになります。戦闘速度を変更しながら装者たちを行ったり来たり、撤退させたりと色々指示していきましょう。戦場速度は割と自由度高めで、0.1倍速から10倍速まで様々ですね(wiki調べ)。私はもちろん2倍速です。記録が息してませんけど、少しでも早くしましょう。

 

 あ、マリアさんがそろそろ危険状態ですね。ZABABAコンビを向かわせましょう。帰ってきたマリアさんは紫羽ちゃんが直々に手当てします。[スキル:メイド]が役に立ちましたね。片腕でも器用に応急処置してます。

 そろそろ戦況が変わってもおかしくないんですが…面制圧が得意なクリスちゃんの疲弊が激しいですね。一旦下がってもらって、空いた穴には手の空いてるセレナちゃんを宛てがいます。

 

 ジリ貧ですね。紫羽ちゃんが突撃してイザークさん殴った方が早くない?だめ?あっそう(無関心)。ほらいくどー。

 あ、キャロルちゃんのお出ましです。MAP攻撃の錬金術でアルカノイズ一掃しましたね。余裕の音(70億の絶唱)だ。馬力が違いますよ。さらっとそれを防ぐイザークさんもバケモンですが。

 

<これで、私のことも忘れてしまったか。

<誰だ?私の邪魔をするのか?不老不死を…神の力を目指す私の。

 

 あれ?アダムゥは?

 

<ああ、彼か。彼は私が殺したよ。

 

 ゑ?アダムやで?あのAXZラスボスの、一撃一撃が範囲攻撃のアダムやで?嘘だと言ってよ!

 

<まさか、奴が…

<サンジェルマン達も手伝ってくれてね。案外弱かったかな。

 

 え、待って?GXに続いてAXZ完全に消えましたよねこれ?オートスコアラーも出てきてませんし…どうなってんだこれ(呆れ)

 おや、イザークさんが取り出したのファラさんのやつでは?

 

<その剣は!

<ソードブレイカー、剣殺しだったかな?コレも案外弱かったよ。

<…貴様ァァァァァァァァァ!!!!

 

 キャロルちゃんブチ切れですね。

 はい、登場しないと思ったら退場済。オートスコアラーはイザークさんと戦った結果負けてしまったようです。残念だなぁ…走者としてはミカちゃんとか純粋で可愛いと思ったんですけど…現実は無慈悲でした。

 

<もう、容赦はせんぞ。

 

 キャロルちゃん怒り狂ってますね。

 ほら落ち着けキャロルちゃん。装者もいるし大丈夫やぞ。

 

 とは言ってもセレナちゃん除くLiNKER必須のF.I.S.の3人は疲弊が激しいのです。戦えないほどではありませんが戦闘後の体内洗浄やらなんやらで今は戦ってもらうより休んでもらった方が(今後を考えると)うまあじです。

 キャロルちゃんが突撃していくのに合わせて装者も飛び出しましたね。紫羽ちゃん?彼女はここでマリアさんたちを守るのだ…

 

【代わってくれないかな。】

【仕方ないなぁ…】

 

 ん?

 

 

 

 

 

 

「くっそ…まだアルカノイズばら蒔いてやがる…!」

「だったらあたしが…!」

「雪音!1人では危険だ!」

 装者たちの集中力が切れ、連携にズレが生じ始めた。

「響ちゃん、セレナちゃんはそのまま遊撃を継続。クリスの援護は翼がしてあげて。奏ッ!突出しすぎだッ!」

 指示が追いつかない。司令さんには連絡して、LiNKERを使う子達はここで撤退してもらう流れになっている。あと少し、あと少し…

「ぐっ…」

 キャロルが吹き飛んできた。きっとイザークさんの攻撃。未だに信じられないけど、私の知っているイザークさんとはもう別人だ。だって私が知っているあの人は、あんな風にキャロルちゃんを見たりしない。まるで路傍の石を見るかのようなあんな視線で…ッ!

「キャロル!起きて!キャロル!」

「ねえ、さんか…」

 外傷は無いけど彼女はもう限界みたい。薄ら目を開けるとそのまま気を失ってしまった。彼女をマリアに託し、私は立ち上がる。

「ちょ、ちょっと!何しようとしてるの!」

「マリア、その子をよろしく。」

「何をするつもりデスか…まさか、やめて!紫羽さん!」

「切ちゃん?なにを…紫羽さん?」

「─────── vi-māna、tron」

 もう戦うことは無いと思っていたけど、しょうがないよね。

『何をしている紫羽…!』

「ごめんね。」

 インカムを握り潰して投げ捨てる。このギアはアームドギアを使うか否かで色が変わるらしい。『紫羽ちゃん』から聞いた通り、今は紫色になってる。

「私は…こっちかなっ!」

 勢いよく走り出す。腕が片方ないせいでバランスが取りにくい。なにか重りになるものを。そう考えた途端、右腕のあった場所に(・・・・・・・・・)アームドギアの光が収束していく。現れたのは鋼鉄のマントのようなもの。うん。重さも十分。

「それじゃ、飛ぼう!ヴィマーナ!」

 そのままイザークさんへ走り続け、私はアームドギアを再構成。腰を中心に展開されていくギアは、まるでドレスのようだった。並んだスラスターを輝かせ、私は彼の真横を通り抜ける。

「それは…」

 

「『役者はいなくなった、once more?』」

 

「飛んでるッ!?エクスドライブでもねーのに!?」

「紫羽のやつ、張り切ってんじゃねえか。」

「あれが先輩のギア…」

「姉上…また、戦うのですか。」

 

「さあ今、優劣無く生まれ落ちた、願いに価値はあるか?」

 

 深紅に装いを改めたギアを携え、私は真っ青な空を翔ける。下から飛んでくる攻撃をひらひらと躱しながら、私は詠う。

 

「目覚めろBright Burning Shout!」

 

 お返しだ。展開されたギアから飛び出したミサイルとビームが降り注ぎ、土煙が立ち込める。でも効果が無いのは分かってる。私のギアの攻撃はノイズをガラス化させるだけ。対人攻撃には向いてないのも知っている。

 

「果てなき空を睨め!」

 

 土煙を裂いて飛来する水と風の刃の間をすり抜け、私は旋回する。晴れた土煙の中からは、イザークさんが忌々しげにこちらを眺めている。

 

「破滅も厭わない復讐と、守りたくて溢れ出す怒り!」

 

 速度を上げよう。埒が明かないから。一気に彼から距離を取り、そしてまた戻っていく。

 

「さぁ今、後悔無き、その最期を迎えに行こうか!」

 

 腰のスラスターを展開したまま、右手のマントを変形させる。形作るのは、見慣れた撃槍。無骨な義手と共にそれを構え、私は一直線にイザークさんへ向かう。その先に纏うのは、紅蓮を通り越し、完全燃焼を示す蒼炎。

 

「突き進めBright Burning Shout!」

 

 その時、私は奏/キャロルを感じた。

 

「どんな未来が待っていたとしたって!」

 

 振り返らないけれど、引いていく彼女は己の槍を振り上げているだろう。/振り返らないけど、気を失っていても、私の声は届いているはず。

 

「信念の灯はきっと───光るッ!」

 

 そして、私は───────

 

 

 

 

 

 

 ご覧いただけましたでしょうか、紫羽ちゃんと響歌ちゃんのヴィマーナですがついに飛行能力と共に攻撃能力もゲットしました。ただし小回りが効かないやら負担が凄まじいやら問題も多いですが、そのデメリットなければXDモードの立つ瀬がありませんからね。

 さて。槍はしっかり貫通したかな?(ド外道)ここで倒しておかないと強化されて舞い戻ってきそうなんですよね…あんただけは、落とす!(一角獣)

 

<ご、ふ。

 

 お、致命傷ですね。このまま引き抜いて即死させてもいいんですが私は優しいからな、遺言ぐらいは聞いてやろう。…もちろん槍ぶっ刺さってるところはモザイクどころか画面外です。イザークさんと紫羽ちゃんが向き合ってるとこだけしか映ってませんね。まぁ私がそう設定したんですけどね。(しっかり反省を活かす走者の鑑)

 

<は、はは。私を、倒すか。

 

<だが、『オリジナル』は未だシャトーの中だ…

 

<残念、だった…な…シンフォ…ギア───

 

 ゑ?これクローンか何かだったんですか?え?マジで?ちょっと聞いてないですよキャロルちゃ〜ん?どうなってんのさ!(怪我人に詰め寄る走者の図)と聞いてもキャロルちゃんは疲弊が激しくて寝ちゃってます。(寝顔が最高すぎて)軽く死ねますねクォレハ…

 

【BATTLE FINISH!!】

 

 リザルト画面では…おお、案の定キル数トップはクリスちゃんです。奏さんも頑張って2位に付けてます。やっぱり制圧戦はイチイバルの独壇場ですかね。

 という事で今回はここまで。またね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本部に帰還した、その日の夜。いつものように私の部屋に来ていた奏だったが、今日は一段とソワソワしていた。何度か私に声をかけようとしてはそのまま顔を赤くして俯いている。小声で「よし、」なんて気合を入れて顔を上げてもまた私の顔を見て俯いてしまう。

 そのまま、私は待ち続けた。彼女の心に覚悟が決まるまで、ずっと。

 1時間ぐらい経っただろうか、ようやく奏は顔を上げた。

「紫羽。」

「どうしたの?」

「…ほ、ほら、戦闘前に言いかけてた事だよ。」

「あー、なんか言いかけてたわね。どうしたの?」

 何が言いたいのか、分かっていても敢えて言わない。それは彼女の決心を鈍らせてしまう。だから、ただ私は待つ。

 

「えっとな…その…さ。私は紫羽に救われたんだ。」

 

「家族を失った私に、紫羽は笑いかけてくれて、寄り添ってくれた。」

 

「どんなに辛く当たっても、紫羽は黙って受け止めてくれた。」

 

「ありがとな。」

 

「…あー!もう!まどろっこしいな!」

 

 ガシガシと頭を掻き乱して彼女は───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな事言うのはなんだけどさ、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、私は、風鳴紫羽のことが…す、好きです…

 

 

 

「…付き合って、くれませんか。」

 

 

 あ、ダメかも。

「そういうの、さ。」

「ふぇ?」

 もう我慢の限界だよ。奏。

 ベッドに座る彼女を掴んで押し倒し、両手を頭の上で押さえつける。右手が無いと、こういう時は不便だね。顔を真っ赤に染めて、私を見てる。暴れないの。力では私の方が強いんだから。

「私以外に言っちゃダメだよ?」

「なにを…むぐっ!?」

 パクパクと動く彼女の口を強引に塞いた後、銀のアーチを舐めとって私は耳元で囁いた。潤んだ彼女の瞳の中にいる私は、肉食獣みたいな眼光で獰猛に笑っている。

「覚悟しなさいな。」

「ひゃい…」

 

 

 




貴様、見ているなッ!
つまり貴様は紳士ではないということ…さあ、お前の罪を…数えろ。
という訳でやってしまいました反省も後悔はしてない。
楽曲コードとか間違ってたら教えてね。
ちなみにヴィマーナのギア、イメージはX1のフルクロスが右肩に付いてる感じで。腰?フルドレスをちょっと大きくした感じね。スラスターとか付いてるしGルシファーのが近いかもしれんけど。

そろそろ毎日投稿できるか怪しいので失踪します。


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始まる決戦!〜復活の右腕を添えて〜(大嘘)

あれ?なんかこの小説伸びてない?気のせい?
毎日投稿頑張るために初投稿です。


 では今回もやっていきましょうHopeful Gear。前回はイザークパッパを倒しきったけど実はクローンでしたオチがありました。え?その後に何かあった?何も無かった、いいね?(威圧)

 今は本部に帰還してすぐ、普段ならお疲れ様とか言い合って医務室へ行く(らしい)んですが、紫羽ちゃんにはお説教が待っています。倍速しますけどね。

 

 

 

 

 

 

 画面内では絶賛会議中なんですが話が進まん(憤怒) あ、そうだ(唐突)タスク更新されてましてね。その内容なんですが…まぁ控えめに言って面倒なんですよ。

 

【チフォージュ・シャトーを発見する】

 

 いや、次元超えて存在するシャトーをどう見つけろと?なんだこれ、たまげたなぁ…(呆れ)どうすれば見つけられるんでしょ。知らんかいキャロルちゃん。

 

<簡単だ。このジェムで直接乗り込めばそれで済む。

 

 あ、出ました超便利道具テレポートジェム。座標指定するだけであら不思議瞬間移動ができる代物です。ただし錬金術師は逃げる時に良く使う(定期)。逃げるな!戦え!卑怯者!

 ということは紫羽ちゃんも当然乗り込んでも良いですよね。ね。(念押し)だめ?そんなー…今回は紫羽ちゃんの過去にも繋がる大事な話だと思うんですけどね。残念です。装者たちが行く羽目になりました。個人的にはサンジェルマンさんとかがどうしてるのか気になる木ィ〜。

 

 ところで紫羽ちゃん片腕なくなったじゃないですか(唐突)。それがね、キャロルちゃんの愛情たっぷり錬金術と了子さんとマムの技術で再生治療できるかもしれないんですよ。バステ回避フラグ立ちましたね。

 という訳で装者たちはシャトーにカチコミしますが、紫羽ちゃんは右腕再生の為のサブクエストをこなしていきたいと思います。まぁそこまで難しくはないのですがね。えーとなになに…

 

【サブクエスト[灯る光明]】

[クエスト目標]:風鳴紫羽の右腕の再生

[クエスト内容]:関連資材の収集

[必要アイテム]

・風鳴紫羽の遺伝子情報(0/1)

・再生治療設備(40/40)

・風鳴紫羽を愛する者(1/1)

・右腕の形状をした物体(0/1)

 

 ほーん…やるやん(王者の風格)。再生治療設備に関してはまぁ…S.O.N.G.だからなぁとしか言えませんよね。恐らく予算を捩じ込んだとかでしょう(知らんけど)。忘れかけてますがXV編は消えてないので護国のONI、風鳴訃堂じいじは健在です。よく装者1人にそんな金掛けられますね。

 愛する者…愛する者…?確かこの場合好感度が[愛情]とかでもなんでもなく、文字通り[愛]じゃないとダメなんですよね。じゃないとどうなる?知らんのか。クエストが達成できなくなる(3敗)。過去にも何度かありましたね愛する者関連のクエスト。当時は4回目にして初めて[愛情]と[愛]の違いを知りましたよ。

 

 簡単に言うと[愛情]は家族愛、[愛]はパートナーとしての愛でしょうか。ほんへでウェル博士が熱弁していた「愛」の定義は[愛情]まで達していればOKです。ただし今回のような「愛する者」の場合は好感度が[愛]でなければなりません。

 うーん、装者の中では奏さんが一番好感度高いんですが…[依存]ですからね…どうにもMURIな気がしますよ。わりい、俺死んだ(ゴム人間)

 

天羽奏[好感度:愛/奉仕]

 

 うせやろ?まさかとは思いましたけどホントに愛になってるよ。いつぞにカットしたシーンあたりからおかしいと思ってたんだよなぁ…しかも[奉仕]まで付いてる…簡単に言えばこれ、私の全てを委ねます的なアレです。多分呼べばすぐに来ます。現状のコマンドに

 

【コマンド】

 シミュレーションルームに行く(訓練/監督)

 食堂に行く(おやつ/料理)

 司令室に行く(ランダム)

▶奏(???)

 

 一つだけおかしいのありますよね。なんで?場所に行くとかじゃなくて名前?固有名詞だけ?しかも内容が「???」ってなんですかコレ。え、どうしましょう。もうそろそろみんなシャトーにカチコミするんでしょ?うーん…

 

【コマンド】

 シミュレーションルームに行く(訓練/監督)

 食堂に行く(おやつ/料理)

 司令室に行く(ランダム)

▶奏(???)←推奨

 

 な ん か で た 。

 初めて見ましたよ。いやこのシナリオ自体初めてなのですが。えぇ…(困惑)なんだこれは、たまげたなぁ…。推奨って、推奨って…(走者困惑中)

 …まぁ推奨されてますからねぇ。好感度補正が上がるかもしれないと考えたらこのぐらいのタイムロスは…コラテラルですよコラテラル。今時間を使って戦闘時間を短くしてしまえば結果的にはプラスですし。どうせ戦闘は倍速出来ないので、こういう所で積極的に倍速していきましょう。それじゃ、奏、行きマース!!!

 

<あ、紫羽。ちょっと…いいかな?

 

 え?あっ(察し)…ッッッッスー…アーアーキーコーエーナーイー(棒)

 画面はどんどん進みますけど、これは皆様にはお見せできません。ほらそろそろ奏さんの部屋に着いて制服脱ぎ捨ててそのままベッドの上に奏さん押し倒してアーーーーー!!!(走者逃亡)

 

 

 

〜カットしてお送りします〜

 

 

 

 

 

 

「あれ?あそこにいるのせんぱ…副司令と奏さんじゃない?」

「ほんとデス!何してるんデスかねぇ…」

「(じー…)」

「あ、3人とも丁度良かった。これから装者を集めて訓練するから、シミュレーションルームに来てね。」

「え、でも翼さん、奏さんが…」

「(…そういうことか。)奏は『副司令』に呼び出されているの。これから2人で重要な話し合いをするそうよ。重要な、ね。ひょっとすると訓練の相手をして欲しい、かもしれないわ。」

「「「ヒェッ…」」」

(姉様…もう少し自重してください…)

 

 

 

///

 

 

 

「ん…ぷ、あ。ふぅ。このぐらいにしておきましょうか…奏?」

「あ…」

「(そういう顔されると我慢出来ないのよね)…ちょっと荒めにヤるから覚悟なさい?」

「ふぇ、あ、ちょまってあ゛───────!?」

 

 

 

///

 

 

 

「なぁ。」

「ん?」

「その、さ。右腕…」

「ああ、了子さんの再生治療のお陰で見た目は少しマシになってるでしょう?貴方がが受けろって言うから。了子さんがイジるにイジれない、微妙な反応してたわ。」

「そりゃ、そうだよ。私のせいなんだから、」

「良いって言ってるじゃない。むしろああしてなかったら私という存在そのものが無くなってたかもしれないの。だから、私が生きてるのは貴方のお陰なのよ。奏。」

「…本当に?」

「本当よ。そうじゃなきゃ貴方のこと抱きしめてないわ。」

「そっ、か。」

「あら、どうしたの泣いちゃって。」

「────────ぁ、や。これは…」

「────しょうがない奏。今日は私の部屋で一緒に寝ましょうか。」

「あ、でも…」

「1日ぐらいサボっても大丈夫。私は副司令なのよ?お父さんだって言ってたもの。『名誉職みたいなものだ』って。ご飯だって作ってあげるから、ね?」

「ぅん。わかった。やさしいね、しう…」

「寝ちゃった?あらら。」

 

 

 

「おやすみ。私の恩人で、私の愛する奏。」

 

「知ってるのよ。貴方が私の事、姉みたいだって言ってるの。嬉しかったわ。翼も呼んでくれるけど、奏に呼ばれるのはまた違う良さがあるの。」

 

「そう、貴方は今までずっと頑張ってきたのだから、少しお休みなさいな。全部終わったら、ちゃんと家族になりましょうね。」

 

 

 

 

 

 

 終わった?終わったよね?ヨシ!(現場猫)

 いやーまさかそうなるとは…しかもしれっと朝チュンですよ。ほら見てくださいよ司令とか了子さんとかの生温い視線。怒るに怒れない微妙な顔してます。むしろここまで来るといっそ突き抜けて貰いたいですね。

 では、もう1つのクエストアイテム探しに行きましょうか。何ですか「右腕の形状をした物体」って。義手か?義手なんか?右腕の形ならなんでもええんやな?

 

<なるべく精密なものなら良いのだけど。

<そんなに都合が良い物なんてありませんからね。

 

 でもこれ、生身に近くなればなるほどクオリティが高くなるか、制作時間が短くなるんですよね。うーんどうしましょ。アテもなく探すっていうのもなんだかなぁ…(タイムが)美味しくないので…

 あっそうだ(唐突)シャトーにオートスコアラーさんの予備躯体ありましたよね?そこからパクってくるのとかどうでしょう?これなら割と精密な筈ですからね!(無知)

 

 と言ってもそれを思いつくのは走者だからですね。紫羽ちゃんにそんな発想はありませんから、ここは黙って探しに行くしかありません。

 という訳でやってきました、ソノヘンノ=街です(倍速の鬼)。リディアンが見えるので皆様大好きいつもの街ですが。さて、なにか良いものないかなー!オートスコアラーならなお良しなのです。

 

<あら…あんたは、マスターの記憶に居たガキンチョかしら…?随分生意気な、顔してるのね…

 

 ん?路地裏に迷い込んだらぶっ倒れてるガリィちゃんと遭遇しましたよ?見た感じ負傷も酷いですし、ここは黙ってキャロルちゃんに連絡入れましょう。あ、もしもし二課ですか?なんか青いドレスの変な女の子に絡まれたんですけど…あ、キャロルちゃん来るん?勝ったな(確信)

 

<ガリィッ!

<あーらマスター…ご無事でしたか…残念、ですよ。

 

 うーん、これは機能停止しかかってますね。大怪我してますし、イザークさんにやられたかな?かな?(無自覚な煽り)

 

<ます、たー。伝言、です。『姉さん、私たちは待っている。貴方ならきっと、あの人を止められるはずだ。』

<…サンジェルマンか。

<いやー、私も、焼きが回りましたかねぇ…ガリィちゃんに、お任せとか…言ってたのが、恥ずかしいですわ…

<もういい。今から手当してやるから…

<マスター、我ら終末の四騎士、お役に立てませんでした…

<いや、そんな事はない…ないんだッ…!

<ごめんな、さ───────

 

 あっ(察し)。キャロルちゃんが俯いてますね。紫羽ちゃんに慰めるのは任せて、私は倍速ボタンを連打します。紳士はおにゃのこの涙は見ないんです。だから連打します。ひたすら連打します。

 

<────という訳で、これよりシャトーに乗り込むぞ。

 

 やらかしました。何が「という訳」なんですか!そもそも紫羽ちゃんは何処にいるんです!三人称視点で会議眺めるの寂しいんですから!べ、別に紫羽ちゃん中心の視点が安心するとかじゃ、な、ないんだからね!(誰得ツンデレ)

 うーん、ステータス表示は[状態異常:睡眠]ですか。了子さんとマム、キャロルちゃんのステータスが[疲労:軽]になってますし何かあったのかな?まさか、もう右腕の治療終わっちゃった?私、得しました?

 

【私はゆっくりと目を開けた。右腕は十分に動く。】

 

 や っ た ぜ 。

 結果論ですがタイムを短縮できました。手術中はランダムで装者のうち誰かが操作キャラになるので倍速してもあまりうまあじが…ないッ!という訳なのでここで目覚められたのはなかなか美味しいですね。ステータス、右腕はっと…

 

【四騎士の右腕】

 父に抗う主人の為散った四騎士の一人。その右腕。水系統の錬金術を扱う場合、大幅な補正値が追加される。

 

 ガリィちゃんは、必要な犠牲でした…(外道軍師)

 はい、オートスコアラーの右腕をベースに紫羽ちゃんの遺伝子を合わせて右腕作っちまおうぜ計画完了です。クエストクリア報酬はこの右腕と、そして減少していた3割分のステータス値です。

 ちなみに今までの紫羽ちゃんは右腕欠損というバステを背負った状態でしたが、走者の涙ぐましい(自画自賛)努力でステータス値は以前と同等まで戻しました。つまりです。

 

【何故だろうか、右腕があるだけで強くなった気がしてしまう。】

 

 実際強くなってます。ステータス値1.4倍ですからね?そろそろOTONAと言っても過言ではないのでしょうか。年齢的にもキャロルちゃんと同い歳ぐらいですから、実質最年長です。対戦ありがとうございました。

 ステータス確認が終わったところで、現状確認しましょうね。これで訳の分からん怪獣大決戦になってたら笑いますからね。頑張れ紫羽ちゃん!司令室はすぐそこだぞ!

 

<これは!

<響ッ!頼むッ!そのアマルガム(・・・・・)ならばッ!

 

 あ、やべえ紫羽ちゃん寝坊してる。最終決戦、イザークパパvs装者&キャロルちゃん&3人組!次回!デュエルスタンバイ!

 え?なんで3人組?あの子たち敵だったんじゃないの?教えてお父さん!あ、了子さんでもマムでもいいから。教えて♡教えろ(豹変)

 

<紫羽ちゃん!?もう目が覚めたの!?

<櫻井女史。彼女は幾度となく死線を越えたのでしょう?ならばこの程度、簡単に乗り越えてくる…そう言っていたではないですか。

<あ、ああ。本当に大丈夫なんだな?

 

 大丈夫だから!早く!場合によっては装者全滅とか有り得ますから!サンジェルマンちゃんたちが裏切ってアゾるかもしれないでしょ!?

 

〜司令説明中〜

 

 なるほど。

・パヴァリアは過激派のアダム派と穏健派イザークパパ派に分裂していた

・アダムがイザークパパに負けたから穏健派が優勢になった

・そしたら頭のネジが吹っ飛んだイザークパパが過激派に鞍替えしてパヴァリア大混乱

・キャロルちゃんは作り上げたオートスコアラーの援護で脱走、その途中にセレナちゃんを救出

・残った3人組はイザークパパの手下になりながら反逆する手段として鬼強いアルカノイズを作成するも強奪されて監禁

・装者来たからみんなで大反抗会←イマココ

 

 いや、重要な事サラッと流すのやめて貰えます?しかもアダムさん負けるとか…ざぁこ♡ざぁこ♡(積年の怨みを晴らす走者のクズ)

 まぁイザークパパは更生不能でしょうね。紫羽ちゃんみたく思い出せるなら別ですが彼の場合は摩耗、消費してる状態ですから…無理かもです。彼は(タイムの)犠牲になったのだ。加入イベントは少しでも少ない方が良いんだよね(ド外道)

 

<戻ってきてよ!パパ!

<師匠!

 

 あ、今回の主役はビッキーではなくキャロルちゃんとサンジェルマンさんでしたか。2人のファミパンがいい感じに刺さりましたね。勝ったな(確信)。これで夜しか眠れない事態も避けられましt…

 

<何事だッ!

 

 おお、潜水艦がえげつねーレベルで揺れてます。これもしかして襲撃されてませんか?…やっぱり、アルカノイズパイセンじゃないですか。こうはしてられん!私は戦う!イクゾー!(デッデッデデデデ!カーン!)

 

 

 

///

 

 

 

〜以下、走者の反応をダイジェストでお送りします〜

 

「今回は紫羽ちゃんで勝負してやんよ!」

 

「あ゛あ゛〜閃光気持ちええ^〜!」

 

「オラッ!も一発混沌!」

 

「痛てぇ!食らっとけ閃光!」

 

「ふははは!まるでノイズがゴミのようだ!」

 

「うーん、蹴り技使いたいけど潜水艦が沈む…」

 

「ファッ!?レイア妹ちゃん!?あ ほ く さ。」

 

「もうあいつ一人でいいやん(白目)」

 

 

 

///

 

 

 

 はい、襲撃イベント終了です。レイア妹ちゃん、なんか可愛くなってません?あ、手振って帰ってった。またMAP攻撃よろしくな!めちゃんこ楽やったわ!皆さんも是非使ってみましょうレイア妹ちゃん。クリスちゃんもビックリの殲滅性能がありますよ。

 

<ただいま…かな?

<イザークさんだったか。事情は聞いているが、規則でね。取り調べはさせてもらうぞ。

<ああ。私は、取り返しのつかないことをしてしまった。

 

 おやおやおやおやおやおやおや??????????(宇宙猫)

 何がどうなってイザークさん復活したん?え?サンジェルマンさんのキ/ス?え?マジです?そのCPあるんですか?まぁ…有り得なくも、ない…のかな…?

 大団円で終わったので今回はここまで。おそらく次回からは護国のONIが登場します。XV編ですね。それでは、また次回!

 

 

 

 

 

 

「おはようございます。イザークさん。」

「君は、風鳴紫羽ちゃん、だったかな。初めまして、キャロルと仲良くしてくれてありがとう。」

「ありゃ、忘れちゃったの?」

 

 

 

「あの時の天使サマのこと。」

 

 

 

「───────まさか、君は。」

「おかえり、お父さん。随分遠回りしてきたんだね?」

「──ああ。ただいま。私の『天使サマ』?」

 

 

 




感想ウレシイ…ウレシイ…評価ウレシイ…ウレシイ…
もっと、もっとだ!(強欲)
感想評価、よろしくお願いします。奏さんカワイイヤッターでも良いよ!

明日からまた通常業務なので失踪します。


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やってきたXV編〜ガバプレイを添えて〜

今回はちょっと調子悪いから流し読みしてください。許しは請いません。この次が本番だから許して。許せ。(厚顔無恥&矛盾)
次回に向けて活力貯めるので初投稿です。


 ついにXV編に入ったシンフォギアRTAはーじまーるよー。

 前回はGXとAXZの両方が一瞬で解決するとかいう訳のわからん展開になりましたが、タイム短縮できたのでヨシ!(現場猫)今後はオッス我シェム・ハさんの対策だけ(・・・・)していればそれで十分です。バラルの呪詛を解除されている人間、詳しく言うとビッキーと未来さんですね。あの二人が訃堂さんに攫われなければその段階でシェム・ハさんの復活は不可能になります。

 よってこれからの敵は訃堂じじ…じいじですね。導入編としてさっき南極で棺フルボッコにしたところですけど。錬金術師一行と装者全員はオーバーキルでしたね。いやー爽快爽快。

 

 ま、実質ラスボスの彼自身、なかなかバケモンみたいなスペックしてますが空飛びながらミサイル叩き込んだら勝てるでしょう(慢心)。最悪司令と紫羽ちゃんの二人がかりなら勝てます。勝てます(断言)。

 そんなわけで倍速しながら訓練の光景を垂れ流すのですが…いや、相手に錬金術師一行いるの辛くない?紫羽ちゃんが空中戦しようにも三人組とキャロルちゃんの合わせ技で気流乱されてフラフラですよ。さすがトップクラス。アダムを倒しただけはありますね。や、やるやん(震え声)

 あっそうだ(唐突)紫羽ちゃんのスキルなんですが、ついにぶっ壊れました。

 

【シンフォギア:ガングニール】

【死が彼女を分かつとも】

【始まりの錬金術師】

【シンフォギア:ヴィマーナ[歴戦]】

→アームドギア[ヴィマーナ]:Lv.2

 Lv.1:アームドギアをサーフボード状に展開し飛行する。空中静止、攻撃は不可能。

 Lv.2:腰部スラスターを中心にアームドギアを再構成し、飛行能力と射撃能力を得る。空中静止は不可能。

【背水の陣】

【四騎士の右腕】

【二重の魂】

【両翼の守護者】

【撃槍の宿り木】

【絶刀の宿り木】

【永遠に翳らぬ陽だまり】

【消えぬ炎を撃ちだして】

【温かい居場所】

【並び立つために】

【■■■■■■:解放】

 

 ほらね(呆れ)

 装者のサポートをこなしつつ自分のステータスまで強化できるとかもうこれわかんねえな(職務放棄)また不明スキルが増えたんですが、今度はなんですか。解放…何らかのスキルでしょうか。

 

<あ゛〜疲れたぁ〜…

 

 おや、この声は奏さん。ということは訓練終わったんですかね(早抜けして倍速する走者の鑑)。紫羽ちゃんがみんなにお菓子を出して楽しくティータイムしているところですが、今回のXV編の準備をしましょう。

 

 まずは風鳴外道…もとい訃堂じじ…ゲフンゲフンじいじの手下となって動くノーブルレッドの三人ですよね。ミラアルクさんの能力がなかなか面倒なので洗脳対策だけはしっかりしておきましょう。なんでもキレイに洗脳する能力みたいな訳のわからん能力です。じゃけん対策しましょうね〜。

 といってもスキルで精神汚染…早い話が洗脳の対策はできていますので、よっぽどのことがなければ大丈夫でしょう(しらんけど)。最良なのは出てこないことですね。無益な争いはやめましょう(建前)タイム短縮できるので(本音)。

 

 しかし現在、世界で散発的に発生する野良錬金術師のアルカノイズバラマキ攻撃に対して装者がひっきりなし(週一から月一)に対応している状態です。紫羽ちゃんは学校に行ってたみたいですが、S.O.N.G.に所属したのでもう安心、稼ぎどころも見つけられてなおかつ事情が特殊ですので何時の間にか学校やめてました。

 

<アルカノイズ出現!これは…

<紫羽、頼めるか。

【了解、と頷いて私はギアを纏う。】

 

 そんなわけで真っ昼間の出動には紫羽ちゃんやらキャロルちゃんやらセレナちゃんが対応しています。ツヴァイウィングの二人とマリアさんは最近忙しいしイザークさんたちは潜水艦から出られないからね、しょうがないね。

 

【これで最後かな?】

 

 今回の出現は響歌ちゃんの番でしたね(歴戦の戦闘スキップ)。いやーヴィマーナ強すぎて辛いわ〜。やだ、私の敵弱すぎ…?(圧倒的慢心)

 

 あ、新しいスキルの影響か、特定条件で紫羽ちゃんと響歌ちゃんが交代するようになりました(前前前世)。バトル前に最初に戦う方を選択できるのはまだいいんですが、紫羽ちゃんの操作感に慣れちゃうと響歌ちゃんの方が使いづらいんですよね。

 

 ヴィマーナ(赤)の操作性はXDモードのクリスちゃんみたいな感じです。簡単に言うとエースコン○ット。すごく…難しいです。加えて響歌ちゃんはガッツリ錬金術も使います。いや、それは良いんです。ノイズ以外にほとんど殺傷能力のないこのギアの特性をカバーできるので。ただ新システム[残弾]がなかなかキツイ。

 

【生き残りのアルカノイズに炎弾を叩き込む。同時に右手のホルダーから使い切った電池が排出される。これで手持ちは無くなってしまった。】

 

 どうやら錬金術のエネルギー源を電池に変えたようなんですが、ヴィマーナ纏ってる時はギアのフォニックゲインで錬金術使ってるそうです。まぁその補助として電池を使うそうなんです。でも使い切っちゃうともう戦わないんですよね。そこは殴れよと思うかもしれませんが、響歌ちゃんは錬金術しか使ってませんから。オニイサンユルシテ(懇願)

 

 燃費は炎弾100発当たりボタン電池一つ、まあ経費としてはすこぶる安いものなんですが、どうしても携行量に限界が出てくるんです。ちなみにゼロになると強制的に紫羽ちゃんにキャラ交代します。戦闘中だろうが容赦はありません。

 

【痛い…残弾数無いしあとはよろしく…】

【んな、ちょ!?】

【主導権変更[立花響歌]→[風鳴紫羽]】

 

 こんな感じですね。あとはパパっと殴って、終わり!

 ちなみに紫羽ちゃんの状態で電池持ってると響歌ちゃんがサポートして水の錬金術を使ってくれます。その場合はビームの代わりに高圧水流やら冷凍ビームやらを使えるようになります。右腕限定で。

 

<くっ、急に戦闘スタイルが変わったであります!?

 

 あれ、今戦ってるのエルザちゃんでは?どこかで見たことあるようなキャラだと思いましたよ。ま、当たりませんけどね(余裕の表情)。ほーら応戦しますからね覚悟しなさいよホラホラホラホラ…(ファミパン)

 おや戦闘終了ですか。案外大したことなかったな(慢心)…ん?

 

<おねえさん、助けて…

 

 あ、この声はミラアルクちゃんですね。洗脳しようとしてるんでしょうがそうはいきません。今の紫羽ちゃんには絶対的な耐性があるのだよ。そう、仲間という圧倒的なまでの後ろ盾がな!

 

<…あれ?効かないんだぜ?

 

 やっぱりなぁ!そう簡単に洗脳されるかよぉ(絶対的信頼感)!ここで装者の誰かが致命傷を負っていたら動揺するかもしれません。

 し、か、し…今回の装者はほんへよりもかなり強化されているので…まあ、死にスキルですよねその魔眼(笑)。さーてさっさと捕獲して…ん?

 

<紫羽ちゃん聞こえる!?今、翼ちゃんと奏ちゃんが襲撃を受けたわ!今度の敵はアルカノイズじゃない!あなたの目の前に居る、その少女たちよ!

【2人が?敵に視線を合わせながらも私は2人の安否を尋ねる。】

<それ、は…2人とも、意識不明で…

 

 は?

 ちょ、待って。今ミラアルクさんと目と目を合わせてコンニチハしてる最中なんですが!?あー!あー!だめです!画面がグラグラしてきた!あー!右上になんか出た!やめて!ごめんなさい許してください何でもしますからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

【ステータス異常[洗脳:深度]】

 

 ヒュッ(絶命)

 

 

 

 

 

 

「…やった、でありますか?」

「最強だなんて言われてるらしいけど、ウチらにかかればこんなもんなんだぜ!」

 ミラアルクの不浄なる視線を打ち込まれた紫羽はピタリと動きを止めた。その直前に襲撃が成功したという連絡があったため、恐らく原因は風鳴翼と天羽奏の負傷だろうと彼女は考えた。

 雇い主(・・・)からの情報で、風鳴紫羽が風鳴翼と天羽奏に特別深い愛情を注いでいるのは聞いていたが、まさかここまでとは。ミラアルクは満面の笑みで雇い主に連絡を入れた。

「…了解したんだぜ。」

 返ってきたのは、風鳴紫羽を連れ帰ってこいという司令。確かに自分たちは怪物だが、ここまでこき使われると精神的にキツい。棒立ちのターゲットに命令を下してさっさと帰ろうと踵を返す。

 が、ターゲットは動かない。否。動こうとはしているもののその動きは鈍い。手に握った何かを投げ捨て、そのままこちらを睨んでいる。

「なにを…」

『刻印、掌握。』

「─────ぁ。」

 響いた声。遂に風鳴紫羽は完全に動きを止めた。

 虚ろなその瞳から、一筋の涙を流しながら。

「よし!とっとズラかるぜ!」

「はい!であります!」

 二人はテレポートジェムを地面に叩きつける。視界が変わるその一瞬、憤怒に染まった顔でこちらに向かう、金髪の女性が目に入った。

 

 

///

 

 

 

「─────以上が、今回の事件の顛末になります。」

『失態だな、弦十郎。装者二人を負傷させ、あまつさえ娘を奪われるか。』

「申し開きはありません。全て俺の失態です。」

『…まあ良い。その敵、今度は逃がすなよ。』

 一方的に言い放ち、『護国の鬼』風鳴訃堂は通信を切断した。残されたのは、無念に震える弦十郎と職員たち。

「キャロルくん。どうした。」

「…お前に、お前たちに。伝えねばならんことがある。」

 キャロル発案の緊急会議は、残った装者全員を集めて行われることとなった。その内容とは──

 

 

 

 

 

 

 はい、というわけでまさかまさかのキャロルちゃんが重要参考人になりました。内容は実にシンプル。『紫羽を襲った二人とツヴァイウィングを襲撃したのは同一グループの犯行である』ということですね。ほーん(鼻ホジ)知ってたけど。

 ん?どしたんキャロルちゃん。追加の情報?訃堂じじいがそいつらと繋がってる?かもしれない?な、ナンダッテ-(棒)。にしても一体どうやって知ったんでしょうかね。何?テレポートジェムの座標を解析した?はえーハイスペックだなあ(呆れ)。

 というわけで今からぁ…カチコミだそうです。座標はまさかの風鳴邸(知ってた)。俺は攻撃を行う!駄目だ!駄目だ!駄目だ!(日本兵)

 

<なんだ!

<風鳴訃堂殿からの命令だ。これよりS.O.N.G.は我々の指揮下に入ってもらう。

<なんだと…!?

 

 はい、潜水艦占領イベントです。ここだけは回避しようがありません。あれ、みんな拘束されてる?一体どうなってるんだ!こんなの、聞いてないぞ(絶命)!

 

<…私たちのギア、取られちゃったね。

<なんなんだアイツら…いきなり出てきてエラソーに…!

 

 ほんへでもここまで厳重な拘束はされてませんでしたよね。ギアペンダント没収して装者を纏めて軟禁するとか正気ですか。今アルカノイズ出てきたらどうすんn…

 

<これは…まさか、アルカノイズ!?

<落ち着け。あのお方に連絡すれば良い。

 

 出 て き た 。ありゃりゃ、これはまずいですね。この占領イベント自体は訃堂さんの策略です。ほんへでもしっかり存在します。

 しかしアルカノイズはパヴァリアの残党だったりどっかのテロリストがブッパしたりしますからね。これだけはランダム生成なんですよ。つまり現状動ける装者がいないという…

 

<な、あれ紫羽ちゃんじゃないの!?

 

 え?嘘やろ?モニタに映ってるの?しかも使ってるの神獣鏡のファウストローブじゃないです?あれあれ?ヴィマーナどこいったの?まさか、あの子のことは遊びだったのね!(大嘘)

 

<あれは…ファウストローブじゃないか…ッ!

 

 倍速しながらお話しますが、現在紫羽ちゃんは翼さんの代わりに操られてます。訃堂じじいの目的が分かりませんが、未来さんを攫ってシェム・ハさん復活させるのは既定路線です。なので操作キャラになったビッキーを駆使して未来さんを守りましょう。陽だまりセコムの本領発揮です。オラオラかかってこいやオオン?(全力の煽り)

 

 画面ではサラッとアルカノイズを殲滅した紫羽ちゃんですがそのまま消えてしまいました。テレポートジェム便利だなぁ(呆れ)。

 

 あっそうだ(唐突)今回はエルフナインちゃんいないじゃないですか。あの子キャロルちゃんのクローンの規格落ち、要は上手くいかなかった個体なんです。

 で す が、今回のキャロルちゃんの錬金術は世界一ィィ!よってエルフナインちゃんは生まれない!L.E.D.照明終了ッ!…といっても寂しいですね。あの子の元気さは走者にとっての陽だまりでしたから(HEN-TAI)。

 

 そんなわけでエルフナインちゃんがいませんので発想力という点では今回のS.O.N.G.はほんへに比べて劣っていると言えるでしょう。悲しいけどこれ、現実なのよね(無慈悲)

 …ん、どうしたんキャロルちゃんキャロルちゃんにくっついてってアルルルルルェ?????(宇宙猫)どうしてキャロルちゃんが二人居るんですか?まさか、あなたも分身を…

 

<エルフナイン。頼んでいた物は?

<これですよね?でもこれは…

 

 あ、エルフナインちゃんですか。ほーん…は?なんで?いや嬉しいんですけどね。でも生まれた経緯みたいなの無い?無い。そっかー…後でマテリアル見返してきます(真顔)

 みんなも認識してるみたいですから、もしかすると私がキャロルちゃんだと錯覚してただけで実際は二人いたのかもしれませんね。だって倍速が基本だもの。しょうがないね。

 声が違う?いや、一緒なんですって。(cvが)見たけりゃ見せてやるよ…ほらな、二人とも一緒の水○いのり様だろうが!あれ?なんか変わってる?嘘やん…

 

 まあそんなことは置いといて。今は画面に集中です。現在S.O.N.G.は機能停止したも同然。ここからどう巻き返すかがミソなんですが、珍しく司令が動きませんね。何かあったのかな?教えて師匠!

 

<ああ、迂闊に動くと紫羽が…な。キャロルくんの情報が正しければ今頃…

<人質、ってことですか。

<そういうことだ。だから俺は動けない。恐らく、これも策略の内だろう。

<じゃあ、翼さんと奏さんも…!

<そちらは心配ない。緒川とナスターシャ教授に任せてある。都内の病院に収容できたのは幸いだったよ。

 

 …いい加減視点変更とかしません?飽きた(直球)。

 おやそう言ってると変更ですか有り難いですね。そろそろ視聴者の皆さんも飽きてきたでしょうし。

 

<これで、神の力が手に入るのですか。

 

 おやおや、人体実験ですか(黎明卿)

 そういえば神獣鏡のファウストローブは確かシェム・ハさんを抑え込むための拘束具でしたね。なんで紫羽ちゃんが使ってるのかは別にして(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)、とにかくここで何が起こるかを確認しておきましょう。倍速で(定期)。

 

<さあ、目覚めよ神よ。そしてその力を、儂に──

 

 は?

 

 

 

 

 

 

次回予告ッ!

 

 

 

「──ふむ、これは。」

 

 

 

 目覚めるシェム・ハ。

 

 

 

「バラルの呪詛が解けたのは未来と私だけなんじゃッ!」

 

 

 

 依代にされたのは小日向未来でも、立花響でもなく。

 

 

 

「そうか、この依代()解呪されていたとは。」

 

 

 

 今、最強(最凶)が、目を覚ます。

 

 

 

「我に相応しき玉座である。──では語ろうか。()よ。」

 

 

 

 その時、有り得べからざる奇跡が起こる───!

 

 

 

「よう、辛気臭い顔してんじゃないか?」

「ここで私たちが、貴方を止めます。」

 

 

 

 撃槍が、絶刀が。

 

 

 

「「たかだか神風情が、その人に手を出すなッ!」」

 

 

 

 眩い輝きを以て、神を祓う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『征け、我が認めし子よ。』

 

『お前の旅は、ここから始まる。』

 

『その為に、お前は飛んだのだ。』

 

『手を取り合い、本来訪れぬ結末を導き、そしてお前は。』

 

『今度こそ、家族を救え(・・・・・)。』

 

 

 




あの…ごめんなさい。本当に今回は駄文です。批判とか批判とかなんでも受け付けますから次回を待って欲しいんです許してください番外編書くとか何でもしますから!
才能の無さに絶望したので失踪します。


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世紀の大発見!シェム・ハはNINJAだった...?(最終回)

明日あたりから忙しくなるので初投稿します。


 プレイヤーキャラがラスボスになるシンフォギアRTAはーじまーるよー。前回は原作XV編の途中、シェム・ハさんの復活まででしたね。

 

<突如、モニターが眩い光に包まれる。

 

 前回は紫羽ちゃん視点で終了しましたが、今回はまたまたS.O.N.G.視点でお送りします。相変わらず拘束はされてますが、黒服の方々もビックリしてますね。まぁ、そうなるな(呆れ)

 彼らの雇い主というか上司の訃堂さんが高笑いしながら空中要塞に乗って出てきたら…そら、そう(驚愕)なるよ。装者もスルッと脱走しますわ。…脱走してるぅ!?

 

<すまないが緊急時でな。S.O.N.G.はあの空中要塞の対応をさせてもらう。よろしいな?

 

 ヒェッ…OTONAの睨みつける!黒服は威圧されている!

 と、言う訳でこれから装者も集めて対策会するみたいですが、何故か紫羽ちゃんのステータスが確認できるようになってますので見てみましょう。

 

【風鳴紫羽:状態異常[依代(シェム・ハ)]】

 

 あら^〜(絶望)見事にシェム・ハの依代ですね。393じゃない...だと...?(混乱)まさか、前回確認したスキルって…

 

【バラルの呪詛:解放】

 

 マジですか。これはよろしくないですね。実によろしくない。どのタイミングで解呪されてるのか分かりませんが、獅子身中の虫とはこの事ですか(博学をひけらかすスタイル)

 これ時々確認されてるんですが、XV編に突入すると一般人だろうがなんだろうが容赦なくシェム・ハさんの依代になります(18敗)ただしその場合、あの人は依代に力を左右されるらしく未来さんが依代の場合に比べてさらに弱体化します。よって倒しやすいのです。が、紫羽ちゃんのステータスとスキルを考えると下手すりゃ装者全員負けますよ?

 

<今は目の前の事に集中よ、弦十郎クン?

<…あれは本当に紫羽なのか、か。

 

 そうだよ(便乗)って違う!本物の紫羽ちゃんだから!本物!

 S.O.N.G.組が会議してる間に、訃堂さんが高笑いしながらビーム撃ちましたね。あらら大変だぁ(他人事)街が一つ吹き飛んだんですかねこれ。海の向こうでとんでもない爆炎が見えますけど。

 

<司令!あの空中要塞から砲撃です!

<なんだと?被害は!

<…隣国の街一つ吹っ飛んでますよ…!

 

 うひゃあえげつねえ。これが本気を出したヴィマーナですか。

 はい。お察しの通りですがあの空中要塞は紫羽ちゃんの持ってたギア、ヴィマーナですね。神の乗り物だとか言われてましたけど本当に神様が乗るとは思わんやん?これも全部乾巧ってやつの以下略。(責任転嫁)

 まぁそんな攻撃しちゃったので各国からは抗議の電話やら即時対応の命令やらいっぱい来てますね。対応するオペレーターさん大変だなぁ(他人事)

 

『儂は神の力を以てこの国を…』

 

 あーあー、始まったよ訃堂さんの演説(容赦のないミュート)。

 要約すると『僕こんなパワー持ってるし神様従えてるからみんな従えよ、じゃないとさっきの攻撃ぶち込むぞ』ですね。これが未来のジャイアニズムですよ。さっさと倒すしかねぇなこれ(確信)

 現在S.O.N.G.の装者は二人欠員が出てますので、実質六人でしょうか。ビッキーとクリスちゃん。ZABABAコンビにイヴ姉妹…あれ、これ詰んでね?(絶望)

 

<私達は今回も拘束されたままなのかい?

<…今は少しでも戦力が必要です。洗脳されていた(・・・・・・・)人物の経過観察も終了するでしょう。

<───感謝する。

 

 やったねたえちゃん!味方が増えるよ!錬金術師五人ですか。これでようやく勝ちの目が見えてきました。個人的にはかなつばの二人にも復帰してほしいんですが、彼女たち意識不明なので今はサポートキャラや味方として選択できません。では走者は何をすべきかと言いますと、装者たちの各種ステ確認…はもうした(BISK)し、休息…とかしてる暇ないし。

 結局このままカチこむのが一番かもしれませんね。現に錬金術師の五人組はソワソワしてます。今から会わせてやるからなぁ…(暗黒微笑)

 

<よし、では出撃だッ!

 

 命令も出たことですしイキマスヨーイクイク!(デッデッデデデデ!カーン!)

 

【今回のミッションは、[風鳴紫羽の奪還]よ。彼女は風鳴訃堂によって何らかの洗脳処置をされていると考えられます。そこで、最初に風鳴訃堂と接触し情報を聞き出してください。その後の対応は司令が判断します。それでは、ミッション開始です。オペレーターは私、友里あおいが担当します。みんな、紫羽ちゃんのこと、よろしくね。】

 

 

 

 

 

 

『…フン、護国の力を手に入れた儂に逆らうか。』

『私達は神の力で、人間に戻るのよッ!』

「無駄である、な。」

 この依代を見つけられて幸運だった。身体能力は申し分なく、脳機能も求めるレベルには遥かに及ばずとも十分に高い水準を誇っている。シェム・ハは自分の展開した(・・・・・・・)宮殿の頂上で、ただ一人座していた。

 たかだかシンフォギア装者程度に負けるはずも無いが、少しでもエネルギーを節約したい。そこで彼女は己を復活させ、あまつさえ利用しようとしたルル・アメルの一つを脳改造(・・・)し、無意識領域下で反逆できぬよう設定した。この程度で消耗する己ではないが、いちいち羽虫を払うのは煩わしい。

「無駄、無駄である。」

 彼女は思い返す。この器を手に入れた時のことを。

 

 

 

///

 

 

 

『あなたは、誰?』

『見た感じ友好的ではなさそうだけど?』

 なぜか懐かしき感覚とともに出会ったのは、2つの魂。元来一つの器に一つしか存在せぬはずの魂が、なぜだか2つ存在していた。面白い。そう感じた。故に我は問うた。

「なぜ貴様たちが存在する?2つの魂よ。」

『さあ…』

『いつもそういうの考えてるの?大変じゃない?』

 返ってきたのは、余りに、余りに不遜な返答。それ故、己は呵呵と笑った。

「否、否である。貴様らから懐かしき、我の感覚(・・・・)がするのでつい、な。」

『えー…?』

『あ、もしかしてあれじゃない?ほら。貴方が聞いたっていう声。』

 ほう、と己は口角を上げる。たかが小娘二人、そう思っていたが存外に楽しめる。

『うーん、覚えてないかな。あの時はガングニール使うのに必死で…』

「良い。我が直々に見てやる。」

 珍しく興が乗った。面白い。実に面白い。クク、と笑いながら紫の魂の記憶を覗く。

「そうか───」

 

 

 

///

 

 

 

「この依代も、解呪されていたとは。」

 己が知るのは、眼前にて倒れ付す死に体の羽虫から聞いた者。ああ、三匹は力尽きたか?残念だ。まだ利用価値があったものを。

「バラルの呪詛、か。」

「どうして…バラルの呪詛が解けたのは未来と私だけなんじゃッ!」

「否。否である。故に余はこの依代を手に入れた。」

 立花響、小日向未来。魔を祓う光は呪詛すらも解呪するか。面白い。面白い。

「もはやコレも不要か。」

 己の体を覆う忌々しい拘束を、焼き尽くす(・・・・・)。小さな装飾具となったそれを投げ捨て、己は玉座から立ち上がる。

「仕方あるまい、相手をしてやろう。今の我は少し機嫌が良いのでな。」

 簡単には倒れぬぞ。

「おかあさんたち?」

 

 

 

 

 

 

【GRAND BATTLE!!READY?】

 

 はい、というわけでボス戦、【シェム・ハ[紫羽憑依]】になります。行動パターンは不明ですが、紫羽ちゃんの技を使ってくるでしょう。神の力で展開したヴィマーナの中でヴィマーナのギアを使う…もうこれわかんねえな(呆れ)

 ちなみに現在の使用キャラはビッキーです。神殺しですし、紫羽ちゃんに一番近い性能してますし。ちなみにビッキーとマリアさんは攻撃力にバフが掛かります。神殺しですからね。シェム・ハさんも神様ですから、しっかりダメージが入ります。

 

《それ、受けてみよ。》

 

 このモーションは潜り込んでからの我流・閃光ですか。まずはサイドステップからカウンターの一撃を…

 

《無駄である。》

 

 ファッ!?カウンターのカウンター!?ならここからでも入れる保険があるんですか!?マリアさんにキャラチェンジだ!

 はい、これが今回の限定仕様、[総力戦]です。キャラを入れ替えて次々に戦えます。しかもキャラを選んでいる場合はスローになりますから、初心者にも優しい仕様となっております。

 

<これで、どうかしら!

《無駄である。全て我の掌上也。》

 

 またカウンター!?ビッキーさん殴ってから復帰まで早くない!?あっ違う!これ錬金術だぁ!?

 はい、どうやら依代にされた紫羽ちゃんだけでなく、もう一人の人格である響歌ちゃんのスキルも使えるようですね。あれ?やばくね?

 

《手が足りぬ。》

【シェム・ハ[ヴィマーナ]が出現しました。】

 

 うっそ増えるんですか!?これ一体どういう事!?装者二人につき1体生み出すとかどんなチート使ってるんですかね!こんなんチーターやない!(KBOU)

 しかし今回のNPCキャラはしっかり動きます。錬金術師たちも容赦なく攻撃してますね。ある意味彼らのほうが人生経験豊富ですから慣れているんでしょう。

 

<ちょっと動き速すぎない!?

<く、これでは当たらんワケダな!

<姉さん…!

<響歌がここまで強いとは…

<パパ!みんな!

 

 というか錬金術師五人に3人割り振るのは違うでしょう。明らかに戦力過多ですやん。あーこれはよろしくない。負け筋が…見えるッ!(ニュータイプ)

 

《やはり勝てぬ。貴様らは弱すぎる。拳を、武器を、振るえぬか。》

<先輩は先輩なんですッ!やっぱり、こんな…!

 

 あちゃー、ビッキーの精神汚染が始まりましたね。このままじゃ戦闘続行不可能と見なされて戦線離脱しちゃいます。ここは落ち着いて視点を入れ替えてマリアさんに。しっかり戦えてますからまだまだ余裕はありそうですね。

 

<しっかりなさい立花響!腑抜けていると死ぬわよッ!

<でも、相手は先輩で…

 

 はいはいソウデスネー(ガン無視)。マリアさんの挙動、奏さんとは違ってマントも使うんでかなり別物なんですよね。奏さんに慣れてしまうとミス連発すること間違いなしです。まあ私はミスりませんけど(慢心)

 それにしても分身体ってどういう原理なんでしょ。しっかり実体を持ってるんですよね。質量を持った残像という可能性も微レ存…?

 

<きゃあ!?

<切ちゃん!…このっ!

 

 ZABABAコンビが劣勢です。ここはマリアさんで応援に行きたいところですがそんな余裕はなさそうです。こっちもこっちで限界ですし。具体的にはマリアさんの戦闘可能時間的な意味で。

 うーん、これ負けイベントですかねえ…?

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、強いよね…ッ!」

 段々と無表情になっていったシェム・ハだが、ついに分身体を消した。一人で十分だとでも言うのだろうか。周りを見ると、誰もが疲労困憊で限界を迎えている。今戦っているのは、私とセレナちゃん、そしてクリスちゃん。LiNKERを使わない私達でもこれなんだから、マリアさんたちはもう戦えないだろうな。

「どうして、先輩が依代になったんですか…どうしてッ!」

「バラルの呪詛が存在せぬから、それ以上に何がある?」

『馬鹿な、紫羽は神獣鏡の光を浴びていないはずだ…!』

 謎が謎を呼ぶ。分からない。

「ふ、はは。そうか。此奴の過去を知らぬか。」

「響歌の、過去…まさか、あの時の?」

「あの時って…パパが処刑されるはずだった日?」

「教えてやろう、愚かなヒトよ。」

 

 

 

 

 

「此奴はな、この世界の人間ではない。」

 

 

 

 

 

///

 

 

 

 

 

「────い。」

 んだよ、私はまだ眠くて…

「起きなさいッ!」

「んあ?紫羽?」

「おはよう、奏。早速だけど、状況分かってる?」

「え、それって…」

「今ね、私の身体が乗っ取られててさ…」

 

「姉様?」

「ありゃ、起きちゃった。」

「一体何事ですか?それに、あなたは…」

「いや、それがね、私の身体が乗っ取られて…」

 

 

 

 

 

///

 

 

 

 

 

「それは、どういう事?」

「貴様らに語る筋合いは無き故に、我は口を閉ざそう。」

「んだよ、つれねー奴だ…」

 

 シェム・ハの勝利は確定したも同然。装者は斃れ、錬金術師もまた力尽きた。

 

「やっぱり、わたしなんかじゃ、このギアは…」

「…くそったれ。」

 響はただ絶望し、

 クリスは静かに歯を食いしばる。

 

「お前を、わたしは許さない。」

「私はどうなってもいい、調だけは…!」

 調はシェム・ハを鋭く睨みつけ、

 切歌は調を守らんとただ足掻く。

 

「ごめんなさい。姉さん。」

「いいえ、まだよ、立ちなさいマリア…!」

 セレナは皆を守らんと剣を構え、

 マリアは動かぬ身体をただ恨む。

 

「ああ、そういうことだったのか。」

「姉さん…」

 イザークは静かに微笑んで、

 サンジェルマンは呆然とただ眺める。

 

「ふ、ここまでなワケダ。」

「あーあ、残念ね。」

 プレラーティは座り込み、

 カリオストロは彼女に背中を預ける。

 

 誰も、立ち上がることは出来ない。限界などとうに超えた。分身とはいえ、風鳴紫羽のカタチをする敵と戦うのは、もう嫌だった。風鳴紫羽と戦っている、その現実だけが降りかかり、そしていつしか重りとなる。まるで、彼女の存在そのものが『呪い』であるかのように。

 

 そんな彼らに右手(・・)を向け、彼女は冷たく言い放つ。

 

「死ね、我が願い(・・)の邪魔である。」

 

 

 

 右手に水が渦巻いた。

 

 

 

「やめろ、」

 

 

 

 その水流は螺旋を描き、勢いを増していく。

 

 

 

「その腕で…」

 

 

 

 構えた腕は、何の因果であろうか。その由来は、正史ならば敵となる定めの人形であった。

 

 

 

それ()を使うな──!」

 

 

 

立ち上がらぬ…やはり、力不足か。

 

 

 

 そして───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その身体...」

「返してもらおうかぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 両翼は、再び舞い降りた。

 

 

 

 

 

 

 や っ た ぜ 。

 イベントシーン挟んだのでもう負けかな、ゲームオーバーかな、と思いましたね。ところがどっこい、ツヴァイウィング復活じゃないですか!やった!勝ったぞ紫羽ちゃん…この戦い、我々の勝利だ!(TKOM)

 これからは特殊戦闘パートになります。え?なぜって?

 

<いい加減、返してくれないかな。

<よくも私の後輩たちを、甚振ってくれたわね。

 

 紫羽ちゃんと響歌ちゃんもいるからですね。

 

 

 

 ゑ?

 

 

 

 

 

 

『奏!翼!』

 つい先程まで、都内の病院にいたはずの二人がどうして──

「や、みんな大丈夫かしら?」

 いや、それよりも、だ。

「お父さん…」

「君は、響歌、なのか?」

 

なんで二人なの(・・・・・・・)?』

 

「ほら言われてるわよ響歌。」

「分かってるよ紫羽。えーっとね、シェム・ハが生み出した分身をちょちょっと拝借して…」

「馬鹿な。我の分身を逆支配した、だと?何故、そのようなことが…」

 困惑するシェム・ハ。

 その問いには、同じ声が応える(・・・・・・・)

「簡単よ。我の作りし物が、我に支配できぬとでも思うたか?」

「んな、シェム・ハ!?」

 現れるのは、二人のシェム・ハ。だが紫羽と響歌の側に立つシェム・ハの姿は、

「み、く…?」

『違う!そこに居るのは私じゃない!』

 S.O.N.G.仮設本部で待機しているはずの、小日向未来の姿そのものであった。

 

 

 

 

 

 

 さて、戦闘開始です。まさかまさかのWシェム・ハさんですが、こちらの仮称未来・ハさんは味方キャラクターとして登場しているようですね。声は未来さんじゃないけど。

 という訳で味方キャラは未来・ハさん、紫羽ちゃん、響歌ちゃん、かなつばの二人、となっております。しかし紫羽ちゃん響歌ちゃん、未来・ハさんは分身体[劣化]なのでほとんど戦闘能力はありません。よって実質的な戦闘要員はツヴァイウィングのお二人になります。あれ?そこまで状況良くなってなくない?

 

<たかだか2人増えて何になる。

<されど2人だッ!

<おうさ!行くぞ翼!

 

 さて、確認したところシェム・ハさん(本体)は現在スキルの一部を封印されております。今使えるスキルはギアと錬金術のみ。つまりですね、勝ち筋が見えてきました。

 未来・ハさんが時々援護で神獣鏡のビーム飛ばしてくれますからね…って神獣鏡!?あ、さっき捨ててたやつね。あっ、ふーん…やるやん(震え声)それじゃ、これからボコすから覚悟しとけよ^〜?

 

 

 

///

 

 

 

 はい、戦闘開始から数分が経過しました。そろそろ倒れてもらってもいいですかね(懇願)いい加減指が疲れたんですよ。やられて?やられろ(豹変)

 

《この、力は…そうか、お前たちが…》

<いい加減に…

<やられろってなぁ!

 

 ほいさクリティカル!会心の一発!ノーコンティニューでクリアしてやんよオルルァン!!

 

《そう、か。我は、この力に───────》

 

【GRAND BATTLE FINISH!!】

 

 キュイイイイッキェェェエッ!!!(発狂)やった!勝った!勝ちましたよ皆さん!一時はどうなるかと思いましたが、なんとかなりましたね!ではこれにてエンディングです!

 プレイした感想としましては、もっと倍速できたかな、といったところ。タイム短縮のタイミングが一切不明、完全初見プレイは伊達じゃないのですけどね。訓練は操作を覚える点では必要でしたし、ガバチャートですが完成しました。よって次回からはよりタイムを短縮してプレイ出来るかと思います。

 あ、そうなんですよ。このゲームクリアしたシナリオだけは追体験できるので、もしやるならこちらのシナリオですかね。フィーネの娘√はあまりにも見どころさんが無くて…(目逸らし)

 それでは、記録タイムを見てみましょう。

 

《ここにあなたの読了時間を入力》

 

 では、また次回お会いしましょう。

 こんなガバプレイに高評価やらコメントやら叩き込んでくださった紳士たちには溢れんばかりの感謝を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「み、く…ごめん、ね…」

「いい、よ。私こそ。」

 

 

 

「いよぉし!間に合ったぁ!!」

 

 

 

「お前…は。」

 

 

 

《■■■■■■■■■■■───────?》

 

 

 

「今度こそ、救ってみせる。」

 

 

 

「おかあさん!みんな!」

 

 

 

「ただいま!」




よう、終わりかと思ったか?

すまんな、もうちっとだけ続くんじゃ。


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人物ファイル:風鳴紫羽/スキル一覧/補足説明

今回は毛色が違うぞ。
文字数はちょっと多いけど、設定集みたいなもんだから許してね。
投稿ペース落とすので初投稿です。


風鳴紫羽(26)

 2036年、インド、モヘンジョ=ダロ遺跡での聖遺物発掘現場にて、土葬に近い形で発見される。周囲にはガラス化した形跡があり、周辺住民からは疫病神の伝承として神格化された存在と状況が酷似しており、引き取り手も居ないことから二課で保護。1年後に覚醒し、メディカルチェックの結果、記憶喪失であることが判明。さらに右腕に聖遺物の破片が存在することが明らかになる。

 

 最も謎だったのは彼女がシンフォギア『ガングニール』を所持していた事である。当時、櫻井了子博士によるシンフォギア開発は難航しており何故彼女がギアペンダントを持っていたかは後述。

 

 その後風鳴弦十郎司令によって養子に迎えられ、『風鳴紫羽』としての戸籍を与えられる。保護当初は感情表現に乏しかったが、時間の経過と共に感情の起伏が復活した模様。

 天羽奏、風鳴翼とは異なり、非戦闘員であったがノイズの出現に呼応してギアを装着、特異災害対策機動部二課で最初の装者となる。使用ギアは腕の聖遺物、『ヴィマーナ』。

 

 2043年に行われたツヴァイウィングのライブでは単身ノイズを殲滅するも、自分の技の反動で封印状態となる。

 以後2年3ヶ月の間封印が続けられ、F.I.S.との戦闘において発動されたS2CAの余波で覚醒。フォニックゲインが影響しているとも考えているが、詳細は不明。

 フロンティア事変にはほとんど関与していないが、ドクター・ウェルキンゲトリクスがネフィリムを暴走させた際に戦線復帰。

 その後の錬金術師たちによる蜂起において、アルカノイズの分解能力で右腕を喪失。一時戦線離脱する。その後正式にS.O.N.G.副司令となりその任を果たす。しかし現場に出動し、洗脳されていた(・・・・・・・)イザーク・マールス・ディーンハイムのクローンとやむを得ず交戦し、これを撃破。

 その後の決戦には参加していないが、右腕をオートスコアラー由来の義手として復活させ、非常時の戦闘要員としても登録される。

 この際、本来の人格と異なる言動が散見されたが、その理由は後述。

 風鳴訃堂による仮設本部占領時には出撃していたものの、その後行方不明となる。再度出現した際にはアヌンナキの一柱、『シェム・ハ』の依代となっていた。風鳴翼、天羽奏の奮戦により肉体を取り戻す。この際同一の外見をした風鳴紫羽が二人、シェム・ハの作り出した分身を逆ハッキングして現れる。

 しかし、その後のデータは残されていない。彼女は一体どこへ行ってしまったのだろうか。現在S.O.N.G.の総力を挙げて捜索中である。

 

《以下権限レベル[副司令]以上の立ち会いの下でのみ、閲覧を許可する。》

 [風鳴紫羽]というのは新たに作られた人格のようで、本来の体の持ち主は[立花響歌]。平行世界における立花響、小日向未来の娘であると判明。不安定な言動、最終決戦時に現れた二人の[風鳴紫羽/立花響歌]はこれが原因と考えられる。さらに脳内ネットワークにはシェム・ハの分体を保持している模様。

 どのように世界を渡ったのかは不明。恐らく聖遺物[ギャラルホルン]が原因だと想定され、現在調査中。現在立花響が使用するガングニールは彼女が所持していた物である。どのようにして取得したかは明らかにされていない。本人は固く口を閉ざしている。

 

 

 

SG-x01 vi-māna「ヴィマーナ」

 出自は不明。発見当初は風鳴紫羽の右腕に突き刺さっていたが、後にギアペンダントに加工される。その特性として、攻撃したノイズをガラス化させる。ガラス化したノイズは行動不能になり、尚且つ通常の物理攻撃で破壊可能。ただしノイズを炭化させることは出来ないため、主に一課との合同任務などで活躍する。

 アームドギアのカラーリングで交戦距離が変化する。

 青ならば至近距離での戦闘を。

 赤ならばアームドギアを用いた高速戦闘を。

 決して遠近両用の汎用型ギアではないが、紫羽の近接戦闘能力が高いためギアが適した変化を為したとも考えられる。

 

使用技【青】

 我流・閃光

  紫の光を纏わせながら振るう正拳突き。数メートルの射程を持つため、複数体を纏めて攻撃が可能。

 

 我流・流星

  腰部スラスターを展開して紫の光を纏って行うキック。半径数メートルの衝撃波が発生するが、そちらにもガラス化能力がある。

 

 我流・混沌

  肩、腰、足のスラスターをフル稼働させて高速移動しながら敵一体に連撃を叩き込む。

 

 我流・凶星(まがつぼし)

  腰と足のスラスターを前回にして飛び上がり、拳を地面に叩きつける。流星と同じく衝撃波が発生する。

 

 

 

使用技【赤】

 Burning Divid

  両腕にアームドギアを展開して攻撃する。射撃をメインとする赤色のギアの特性上、速射性や威力を自在に変更出来る事が判明。

 

 Burning Meteor

  右手にアームドギアを構えて突撃する。この際、表出するギアは天羽奏のガングニールを模した形状となっている。

 

 Burning Shout

  アームドギアを巨大化させ飛行する。形状は様々だが、腰部を中心に展開した場合は同時にミサイルなどによる攻撃も可能。

 

 Full Bullet Burning

  背部にも追加でアームドギアを展開。高速飛行を行いながら進路上の敵を一掃する。

 

 Fly us to the air

  アームドギアを巨大化させ、合体。戦闘機のような形状にして移動する。ミサイル、バルカンを使用でき、装者を乗せることも可能。

 

スキル一覧

【シンフォギア:ガングニール】

 使用不可能。適合率は1桁台。現在は立花響が所有。

【死が彼女を分かつとも】

 母から受け継いだ、何度打ちのめされても立ち上がる、不撓不屈の意志。もう一人の母から受け継いだ、柔らかな陽光のように溢れる、全身全霊の慈愛。蟾ア縺ョ逕溘∪繧後◆荳也阜縺九i陬???r蜻シ縺ウ蜃コ縺励?∝?縺ォ謌ヲ縺?」???◆縺。縺ョ繧ケ繝??繧ソ繧ケ繧貞?榊刈縺輔○繧九?

【始まりの錬金術師】

 キャロルと共にイザークから錬金術を学んでいる。

 錬金術の威力に高い上方補正がかかる。代償として記憶が封印されていたが、現在は思い出ではなく「電気を消費するならこれでいいよね」という響歌の方針のもと、電池を消費して発動する。

 [風鳴紫羽]は使用不可能。

【シンフォギア:ヴィマーナ[歴戦]】

 ヴェーダに登場する空飛ぶ戦車。

 ギアのカラーリングは戦闘スタイルによって変化し、近接戦闘戦時は青が、アームドギアを使用した機動戦時は赤がベースカラーになる。青は水の、赤は火の錬金術との相性が良いらしく、響歌は直接攻撃手段を持たないこのギアのエネルギーを媒体に火の錬金術を行使する。

 [立花響歌]は赤をベースにした機動戦、[風鳴紫羽]は青をベースにした近接戦を主とする。

 [風鳴紫羽]は正規装者であるためアームドギアを用いた戦闘も可能だが、[立花響歌]は近接戦闘は不可能である。

→アームドギア[ヴィマーナ]:Lv.2

 Lv.1:アームドギアをサーフボード状に展開し飛行する。空中静止、攻撃は不可能。

 Lv.2:腰部スラスターを中心にアームドギアを再構成し、飛行能力と射撃能力を得る。空中静止は不可能。

【背水の陣】

 もう家族も、誰も失わず、傷つけさせぬ。その覚悟。

 撤退命令が発令されている、かつ味方は戦線離脱しており単独戦闘時に発動。

 防御力が低下し、攻撃力、移動速度が上昇する。

【四騎士の右腕】

 父に抗う主人の為散った四騎士の一人。その右腕。水系統の錬金術を扱う場合、大幅な補正値が追加される。

【二重の魂】

 封印された[立花響歌]と新たに生まれた[風鳴紫羽]の二人が一人の身体の中に存在している。

 基本は紫羽が身体を動かしているが、錬金術を使用する際は響歌が表出する。

 各種スキルを最適化して使用することが可能。最適化されたスキルは大幅に性能が上昇する。

【両翼の守護者】

 彼女は誰もが目指す壁にして、誰もを守る翼となる。高く羽ばたく両翼すら、彼女の前では庇護する対象なのである。故に彼女は、誰よりも高く駆けるのだ。

 [風鳴翼]・[天羽奏]のいずれかと共闘する場合、対象の防御力を上昇させる。

 また、装者たちの精神汚染耐性を上昇させる。

【撃槍の宿り木】

 両翼は飛び続けていては疲れてしまう。寄る辺の無い片翼なら尚更に。それ故私は守護るのだ。宿り木持たぬ、片翼を。

 [天羽奏]と共闘時、全ステータスが相互に上昇する。

【絶刀の宿り木】

 いつか見たあの夢で、私は彼女に抱かれていた。家族を失う悲しみは、私も既に知っている。

 [風鳴翼]と共闘時、対象の攻撃力を上昇させる。

【永遠に翳らぬ陽だまり】

 温かい。ただ、温かい。靄のかかった記憶でも、それだけは覚えている。

 [立花響]・[小日向未来]と共闘時、対象と自身に[不屈]を付与する。

【消えぬ炎を撃ちだして】

 無い無い尽くしのあたしでも、あなたに教えられる物がある。

 [雪音クリス]と共闘時、自身の攻撃力をアップさせる。(シンフォギアのみ)

【温かい居場所】

 私達に親はない。だけど、あなただけは、母と呼んでもいいかもしれない。

 [暁切歌]・[月詠調]と共闘時、対象の防御力を上昇させ、戦闘可能時間を延長する。

【並び立つために】

 いつか、あなたに追いついてみせる。遠い遠い、その背中を、私達は追い続ける。

 [マリア・カデンツァヴナ・イヴ]・

 [セレナ・カデンツァヴナ・イヴ]と共闘時、対象の移動速度、攻撃速度を上昇させる。

【バラルの呪詛:解放】

 シェム・ハの依代となる資格を持つ。また、シェム・ハの分体を保持している。

 

 

 

 

 

///////////////

 

 

 

ガバポイント&補足説明(こっちが本編)

 紫羽ちゃん覚醒の時期と翼・奏の装者になる時期をふわっと決めていたため、まさかの紫羽ちゃんの実年齢(公式記録)は無印開始時には24歳になってしまいました(土下座)。かなつばの2人は無印開始の4年前から戦闘していた、という認識でお願いします。

 まぁ原作改変とかあるし大丈夫でしょう(慢心)。小説版に書き直す時はそのへんの設定も練り直したい所存。

 

 主人公の響歌ちゃん/紫羽ちゃんについて。

 タイトル通りひびみくの娘です。感想で指摘して頂きましたが、生まれた経緯は特に考えてません。シェム・ハとか錬金術とか今より進歩してるだろう科学技術とかが何とかしたってことで一つ。

 見た目は完全に二人の娘って感じ。ビッキー要素は顔と身体能力、393要素は髪色。ビッキーの性格をマイルドにしたのが響歌ちゃん。未来さんを大人にして余裕を持たせた感じの性格なのが紫羽ちゃんです。

 バラルの呪詛が解呪されてた理由。二人の娘だから解呪されてても良いよねみたいなフワッとしたノリで決めました。本当はちゃんと未来さんが乗っ取られる予定だったのに…

 

 響歌ちゃん途中まで存在忘れられてましたが、実は目覚めてからは記憶の共有してるので紫羽ちゃんのあんな事やこんな事を知ってしまってます。2人が入れ替わるようになってからは紫羽ちゃんと対比して口調が柔らかめになるように気を使ってましたね。比較的好感度が高いのは昔から一緒だった錬金術師たちです。

 紫羽ちゃんは響歌ちゃんに比べて大人な、包容力ある女の人として描きたかったです。作者が悪ノリして筆が荒ぶった結果、気づいたら奏さんといいふいんき(なぜか変換できない)になってました。おいアンケートで奏さん可愛いに入れた人、ちょっと並んでもらおう(千ノ落涙

 好感度が高いのは勿論かなつばです。奏に関しては完全に嫁みたいになってます。S.O.N.G.の皆も大体察してたり。翼は可愛い妹分。

 

 作中でも言ってましたが、この2人何故か装者や錬金術師たちからの好感度高いのですよね。まぁ肉体年齢は24歳ですから。描写外では一緒にお料理したりお悩み相談してあげてたりお出かけの引率してあげてたりしてる設定です。

 片腕なくなってからの紫羽ちゃんは普段着のスーツも合わせて完全にやべー人です。響歌ちゃんになると可愛い系の服装になりますが。イラスト描いてくれてもええんよ(乞食)

 

 次にヴィマーナの飛行能力ですが、走って助走してからじゃないと飛行できないという弱点があります。つまり赤い時の1番使い易い技は、橘s…もといBurning Divideになりますね。ただバカスカ撃ちまくるだけですし。

 近接戦の青ですが、本当は紫のはずでした。気付いたら青になってたけど、ガリィちゃんの右腕が水の錬金術を使えるから見た目的にも良いよね、とか思ってたり。

 つーか色変わるって完全にインパルs(LAST∞METEOR

 

 作中でサクサク退場してる方々とかについて。

 アダムに関しては描写するか未定。ただしするとしてもイザークパパとサンジェルマンたちの4人に一方的にボコられるだけですし、誰得?って感じ。たぶんカット。

 ノーブルレッドの3人は生きてますよ。しっかり司令に保護されて、人間に戻る手段を探してます。おや、シェム・ハさんのようすが…?

 訃堂さん?彼は死んだ。(無慈悲)

 

 出てませんが八紘パパは健在です。不器用に接してた娘に姉が出来てて嬉しいやら、頼ってくれなくて悲しいやら。

 同じくほぼ出てませんがマムことナスターシャ教授。キャロルちゃんのおかげで病気治ってますし、怪我してませんからピンピンしてます。

 ウェル博士は原作通りですが、シャトー崩壊してないのでしっかり生きてます。でもミカちゃんが遊びに来なくなったので寂しがってます。彼が真実を知る日は来るのでしょうか。多分すぐそこ。

 途中から影が薄くなってた了子さん、緒川さん。なんだかんだでやらかしてる装者たちの後始末やら治療やらでてんやわんや。紫羽ちゃんが右腕を無くした時には内心クッソ焦ってました。

 その他にもいると思いますが、だいたいみんな生きてます。

 

 ではな。また会おう諸君。

 今度はちゃんとお話出すからね。待っててね。あ、ツッコミとかあったら是非どうぞ。しどろもどろでも返したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《以下蛇足。注意!紫羽ちゃんの原案が含まれます。トップへ戻ることを推奨します!》

 

 

 

 

 

覚悟はいいな?ならば、行け。

 

 

 

 

 

風鳴 響歌→立花 響歌(18)

 本編開始時では未登場。ライブの惨劇でヴィマーナ(アームドギアのみ)をノイズに特攻させ、周囲一帯をガラス化させた。その際に自分も巻き込まれ、ライブ会場の地下で水晶柱に取り込まれているかのような状態になる。

 過去編では18歳。奏や翼よりも先輩の装者。家族はおらず、弦十郎が拾ってきた孤児。それでも日々明るく振る舞い、頼りになる先輩らしく、悩める二人の背中を押していく。

 本編二年前のライブには未参加。ノイズ襲来の知らせを受けて初めてアームドギアを展開、覚束ない操作ながらも窮地の二人を救うため、己の身を犠牲にした。

 G編にてライブ会場の地下から復活。S2CAのエネルギーで無理やりヴィマーナを起動し、分裂増殖型を打倒する。

 その後はバイタルチェックなどで長期戦線離脱。復帰はフロンティア起動後。大量のノイズとドッグファイトを繰り広げる。ネフィリム・ノヴァ戦ではXDモードの装者たちに追随し、単身宝物庫の閉鎖ギリギリまでネフィリムを抑え込みながら無傷という離れ業を見せる。

 GXでは皆がイグナイトの副作用で弱体化する中、ただ一人イグナイト無しでオートスコアラーと渡り合う。無理が祟りギアが解除。片腕を分解されるもとっさの判断でギアを再展開、肩から先を焼き切った(傷口はガラス化)。キャロル戦では片腕のハンディキャップをものともしない獅子奮迅の活躍を見せる。

 AXZではS.O.N.Gの副司令として控える。絶対安静の境遇に歯噛みしながらも装者たちの帰る場所を守り続けた。

 XVにおいて未来を救うべく奮闘するキャロルの前に登場。己の身を呈して彼女を守り抜いた。片腕は無いものの、その強さは健在で、腰部スラスターを中心にアームドギアを生成、キャロルを抱えたままシェム・ハと戦闘を行い、見事装者たちにバトンを繋いだ。お陰でキャロルは消えなかった。

 

 正体は平行世界の立花響と小日向未来の娘。時間軸がずれている為、こちらの両親よりもかなり大人びている。突然の世界移動に困惑していたところ弦十郎に拾われる。

 グレビッキーとはまた異なる世界出身であり、長い黒髪に、性格も落ち着いたものであるなど。身体能力は響から、性格は未来から受け継いだもの。

 両親は既に他界。互いにノイズとの戦いの末に命を落としたらしく、その後は風鳴弦十郎の元で生活していた。高校卒業と共にこの世界(原作5年前)へ。

 シンフォギアの事は両親から知らされておらず、翼と奏がシンフォギアを纏った時は静かに動揺していた。後に響と未来の養子となる。

 世界移動の原因は不明。ギャラルホルンが原因かと考えられたものの、櫻井了子の死によって真相は闇の中となった。

 

 

 ここから作者の妄想がエクスドライブした結果生まれたのが今作の紫羽ちゃんになります。二重人格とかの要素はありませんでしたが、戦闘時は口調が荒くなる、二課最強など引き継いだ面もあります。

 ただ過去自体は全くの別物です。現在の紫羽ちゃんと比べてもかなり落ち着いた雰囲気の大人の女性になる予定でした。戦闘時は別として。

 また、了子さんが死んでいるとあるように、ほとんど原作通りです。生存したのは奏さんとキャロルちゃんだけ。セレナちゃんは救えませんし、マムも同様。

 

 

 お目汚し失礼しました。これが変遷し、カタチになったものが今作になりますね。




読んでくれてありがとね。
まだ続くんじゃよ。
じっくり書きあげるので失踪します。


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新章 天翔・ヴィマーナ
データ引き継ぎ〜風鳴紫羽、再履修!〜


ここから始まるのは、新たな物語。
家族を救うため、不死鳥の如く蘇る彼女は、遂に世界を飛び越える。

先駆者ニキに触発されたので初投稿です。
みんなもシンフォギアの小説、書こう!いつも感想くれる適合者ニキの小説面白い…あれくらい目指そ…
あ、奏さんかわいいに投票してる人おる?おる?(槍構え
気付いたらお気に入りが爆増してました。みんなありがとう…ありがとう…


 お久しぶりです。なんとHopeful Gearの新バージョンがリリースされましたので再度投稿する運びとなりました。内容はゲームモードの追加ですね。新たに追加されたのは

 

【Symphonic Versus Mode】

 

 こちらになります。純粋なアクションゲームとしてプレイできるモードですね。Versusと銘打っていますがオープンワールドRPGみたいなものだと考えてください。恐らくテンポを重視するとひたすらバトルばかりになりますからこんな名称になったんでしょう知らんけど。

 特徴として、キャラ生成はランダム生成に加え、自分が使っていたデータを引き継ぐ事もできます。またバトル以外の殆どをスキップできますので、よりテンポの早いプレイが可能になります。倍速よりもはっやーい!

 

 走者的には以前のオリジナルストーリーモードをプレイしてから、そのデータを使ってプレイすることをおすすめします(ストーリーも読むプレイヤーの鑑なので)ね。

 まあ折角なので原作キャラでプレイするのもアリなんですが、今回は紫羽ちゃんのデータを引き継いでプレイしますよ。原作キャラより強いですし、俺TUEEEEEEプレイできるので(外道)

 それではデータ作成の第一段階、開始時期を選んでいきましょう。選べるのは…

 

 

【開始時期を選んでください】

先史文明

 1200年前

 300年前

 12年前

 2年前

 物語開始

 

 となっておりますねぇ〜。

 こちら、上から順番に

 

[現役フィーネさんの時代]

[サンジェルマンちゃんの時代]

[キャロルちゃんの時代]

[翼さんの時代]

[ライブ会場の惨劇]

[ビッキー覚醒]

 

 です。ご想像している方もいらっしゃるとは思いますが、当然ながら現代に近づくほど難易度は下がっていきます。アヌンナキに気に入らないからって処されるのは嫌でしょう?だから私は物語開始を選ばせてもらいますね。いいや(ガバプレイは)限界だッ!(物語開始を)押すねッ!今だッ!

 

 先史文明

 1200年前

 300年前

 12年前

 2年前

 ▶物語開始

 物語終了後

 

 な ん か で た 。これは今まで確認されてませ…(超高速wiki検索)ん。なんでしょう、このデータは初見プレイ縛りになる運命なんでしょうかね。

 せっかくですし物語終了後を選んでみましょう。カラーリングとか演出の感じを見るにこのチャンスを逃せば次はないかもしれませんし。

 

 先史文明

 1200年前

 300年前

 12年前

 2年前

 物語開始

 ▶物語終了後

 

 ヨシ!(指差し確認)次はデータ選択ですね。ここデータ引き継ぎを選択することで自分の育てたキャラを使用することができます。

 

【Data select】

 New Game

 クレス(フィーネの娘ルート)

立花響歌/風鳴紫羽(装者の娘ルート:立花響・小日向未来)

 

【Welcome Back!Change your future!】

 

 ヨシ!(現場猫)それじゃ、イキマスヨ−イクイク(デッデッデデデデ!カーン!) …なんかやたらいい声してんなこのボイス。ひとっ走り付き合いましょうか?

 

///

 

[目を開ける。一面に広がるのは焼け野原。困惑する意識とは裏腹に私の身体は自然とどこかへ走り出す。]

 

 おや、また訳のわからない始まり方ですか。建物やらの残骸らしきものはありますけどなんですかね。ま、謎解き要素とか一切ないんで。スキップスキップ。現在は移動しかできないみたいですし、紫羽ちゃんの身体能力でさっさと目標地点に向かいましょう。

 

[突如、眼前に炎が立ち上った。あまりの熱量に、少し火傷してしまった。]

【HP[497→495]】

 

 おっと、トラップでしたか。時々マップに存在しているようです。走者も試走で何度か引っかかりました。(4敗)でもこんなトラップあったかな…?

 

[大きくなる炎柱中からは一対の瞳が覗いている。逃げろ。身体が警鐘を鳴らす。]

【コマンドを選択してください】

前進

後退

 

 え、これは…迷わず後退でしょう。死んでしまっては元も子もないですし。

 

【コマンドを選択してください】

前進

後退

[私はゆっくりと距離を取っていく。]

【■■■■[■■■]の攻撃】

[避けきれない。そのまま、私は────]

 

 あっ。

 

///

 

[ピピピ、と騒がしいアラームの音で目が覚めた。どうやら夢だったらしい。]

【新スキル:[予知夢]を獲得しました。】

 [予知夢]:極低確率で未来のイベントを夢として先行体験できる。

[目覚めは最悪だ。今日は非番だし、このまま二度寝しようかな。]

起床

 二度寝

 奏

 

 なんだよ…夢オチだなんてサイテー!(憤怒)新スキルも入手できたので許す(手のひら返し)…はえー、面白いスキルですね。今のチュートリアルらしきものは予知夢スキルの賜物ということでしょうか?それにしては風景はディストピアじみてましたが。

 一体何が始まるんです?大惨事世界大戦だ(大嘘)。まぁそんなこと発生するはずがありませんので、おとなしく起床しましょうね。

 …また奏コマンドあるよこの人朝からおっぱじめるつもりですかいい加減にしろ!(建前)いいぞもっとやれ(本音)

 

[起床を拒む身体を無理やり叩き起こし、私は洗面所に足を運んだ。]

洗顔

 シャワー

 奏

 

 …もう突っ込まないからな。ここは黙って洗顔…とはいきません。あえて奏さんを呼んでみましょう。もしもし奏さーん!

 

 洗顔

 シャワー

 

[寝ぼけ眼で奏の名前を呼ぶ。]

<ん?ああ、おはよ紫羽。シャワー使ってんぞ。

 

 これシャワー選んでたら奏さんとのドキドキシャワータイムでしたね。残念だったな紳士諸君。望んでいたような展開になると思うなよ!この動画は今回も健全目指して頑張りますからね!

 さて奏さんとの遭遇を終え、やってまいりましたはリビングルーム。…あれ?なんか広々してない?えーと現在位置現在位置…

 

【[風鳴別邸]/[2046/8/27]/[6:37]】

 

 おや、完全にストーリー終了後の時空ですね。しっかり時間軸設定もされていますし、これ本当に無料アプデでいいんですか?十分追加DLCとして配信されてても文句ありませんよ。

 で、現在位置は風鳴別邸…ですか。別邸にしては西洋式の普通のお宅に見えますがね。本邸?奴はヴィマーナ復活の為の犠牲となったのだ…卑怯とは言うまいな(弦一郎)

 

[シャワーから上がってきた奏はソファでぼんやりしている。私はどうしようか。]

料理(朝食)

 少し休む

 奏

[ぼーっとしている奏も捨てがたいが、今は皆のご飯を作ろう。]

 

 うーん、今回はこういうところもしっかり履修していきたいですし、ここは少し休ませてもらいま…せん。ここはしっかり朝ごはん食べましょうね。米食えよ!

 

[今日の朝食は軽めにしよう。まずは味噌汁から。]

 

 ここはオート&倍速です。さすがにここまでやってられませんが、料理パートもしっかり追加されました。紫羽ちゃんの手料理が高画質でお送りされておりますね。早送りで。

 

[全て作り終えて一息。まだ1時間程しか経っていない。みんなは夏休みらしいが、だからといって遅くまで寝ていい理由にはならない。]

 装者たちを起こす

少し休む

 奏

[でも、少し余裕がある。休憩してもいいかな。]

 

 うーん…ここは少し休みましょうか。朝から料理するのも大変からね。しょうがないね。という訳でコーヒー持って奏さんの横へGO!

 

<お、サンキュ。

[奏にコーヒーを差し出して、隣に座る。奏は無言で距離を詰めて私の肩に頭を乗せた。]

 

 ん゛ん゛っ゛(絶命)グラフィックがイベントCG並の美しさだとこういうシーンは青少年の教育に良くないですね(建前)けしからん、もっとやれ(本音)

 さて、2人は流れてるニュースを見てますが、三人称視点ですから視点移動は出来ます。今のうちに家の雰囲気でも確認しておきましょう。ん、あれは…

 

【思い出の腕輪】

 あの日別れたシェム・ハとの思い出だ。あの日のことは今でも鮮明に思い出せる。

 使う

使わない

[いや、彼女も今は休眠しているはずだ。起こすのはやめておこう。]

 

 シェム・ハさんの腕輪が、まるで祀られているかのように飾られている…しかも使えるみたいですし、これまたシェム・ハさんが出現するんですか?なんだこれ、たまげたなぁ…

 と、そろそろ装者が起きてくるようですね。奏さんが立ち上がってキッチンに移動しました。紫羽ちゃんもサクサク準備してますね。ここはオートらしいので視点は自由移動になってます。

 えーとリビングの外には…あ、やっぱりセレナさんが1番です。というかビッキーと切歌ちゃん以外は起きてますか。だってあの2人寝坊ばっかりじゃない…って、なんでみんな同居してるの?

 

[5人分のおはようを聞き、それに返したところで2階からバタバタと音が聞こえてきた。さては寝坊したな?]

 

 まぁそれは後回しです。どうせマリアさんは歌手活動が忙しいんでしょうから今は不在みたいですね。おーおーみんなおるなぁ(謎の関西弁)

 

<おはようございます(デス)!

 

 寝坊助2人も合流しましたね。ここからは装者一同の団欒の時間です。

 

[さて、この後はどうしようか…]

 家事

 自主練

本部へ出勤(←推奨)

[よし、今日は本部へ行こう。さっき友里さんと藤尭さんがヤケ酒して二日酔いになったとか言っていたな。手伝ってあげるとしよう。]

 

 あら優しい。素直に推奨に従うのもアリですね。前回は推奨に従った結果奏さんと結ばれましたし、この推奨が悪い展開を導くとは思えません。現に紫羽ちゃんはササッと食べ終わってスーツに着替えてますし。

 ちなみに皆にカーソルを合わせるとステータスの他にこの日の予定が見られるようです。えーと手近にいたビッキーは…

 

【立花響:[課題消化]】

 

 コンナカンジデスネ(棒読み)朝から若干テンションが低いのはそういう事でしたか。まぁ原作でもこんな感じだったし、しゃーない。9月から新学期が始まるならそろそろ課題を終わらせてるんではないでしょうか。つーか卒業してますよね?なんの課題?

 

<うへぇ…了子さんの課題が終わんないよぉ…

<溜め込んでた響が悪いの。

<ほーだほーだ。おまえがわふい…

<ゆき…クリス。口の周りが大惨事だぞ。

<ぶぷぷ、お口の周りが真っ白デスよ!

<切ちゃん、切ちゃんもだよ。

<デデデデース!?

[今日も賑やかだ。やれやれ、と肩を竦めながら私は鞄を持とうとして…奏が持っているのに気が付いた。いつもの勝気そうな笑みではなく、柔らかい微笑だ。]

<いってらっしゃい、アナタ?

 鞄を受け取る

 照れる

キスする(←推奨)

[唇を啄む。口を離して行ってきます。いつものパターンだ。]

<ぶっは!?

 

 あっまいなぁ。後ろからクリスちゃんがお茶を吹き出す音聞こえましたよ。なお翼さんは動揺しておりません。さすがSAKIMORI、そこに痺れる憧れるゥ!

 いや、これ製作者の心ねじ曲がってますよね。絶対百合スキーですよ。間違いない。感謝の正拳突き1万回を叩き込んでやる。出てこい。

 では、これから紫羽ちゃんのバイクツーリングの始まりです。法定速度を守りながら全力で飛ばして行きましょう。

 ちなみに時々豆腐屋の名前が入った車やら、見たことない形の真っ赤なスポーツカーやらが紫羽ちゃんを追い越していきます。きっと峠を越えた人なんでしょうし、超常現象と戦う警察の人なんでしょう。ちなみにレアバージョンでは赤と金のパワードスーツが飛んでいきます。

 

[私はバイクに乗って本部へ向かう。一昨日は突然エルフナインの実験台として薬を飲まされたが、今日はなんの仕事があるのやら。]

 

それあかんやつや。

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

『あ、悪い紫羽。シャンプー切れてるわ。取ってくんね?』

「ふわぁぁ…はいはい、これでしょ。」

 目覚めてすぐ、顔を洗おうと洗面所まで行くと、奏がシャワーを浴びていた。まだ寝起きの頭を回転させながら私は奏の要求する物を差し出した。

「さんきゅ!」

「はいはい、どういたしまし…むぐ。」

「いつものお返し!」

 にひひ、と笑いながらシャワーを浴びに戻る奏。今日は朝から絶好調らしい。悪夢を見て目覚めが最悪だった私とは大違いだ。やはり昨夜一緒に寝なかったのが良くなかったのかもしれない。まぁ一緒に寝たら寝たで徹夜になっちゃうからな…そう考えて私は手早く洗顔を済ませる。

「ふわ…コーヒー、飲も…」

 仕方ないのでキッチンへ。未だ覚めきらぬ眠気を振り払うために、黒い残業のお供を流し込む。無論ミルクも砂糖も入れない。そうでなくては眠気覚ましの意味が──

 

「あちっ!」

 

 目覚める為に必要なのは、苦味でもカフェインでもなく熱さだと。その日新たに私は学んだ。

 

///

 

 

「あ゛〜…」

 朝風呂から出てきた奏。先程からずっと、何やら煮えきらぬ表情でソファに腰掛けて天井を見つめている。誘っているのか。

「あっ。」

 考え事をしていると料理は失敗する。若干焦げてしまった出汁巻き卵を眺めて、私はさらに学んだ。

「あ゛〜…」

(何考えてるのかしら。襲って欲しいの?)

 据え膳食わぬは何とやらと言うし。男だとか女だとかは知らん。私に勝てたら考えてやろう。まぁ勝てるのは司令か緒川さんぐらいじゃないかしら?藤尭さんは電子的な戦闘をするとガチで勝ち目が見えないからパス。

「よし。」

 海外遠征中のマリアを除いた装者+未来ちゃん。自分合わせて9人分の朝食の完成だ。大食らいの響と(比較的大食らいの)切歌には別口で用意してあるから、これで大丈夫だろう。

 

 ポニーテールに結んだ髪を解き、エプロンを脱いで奏の隣へ。その手にコーヒー(奏スペシャル。ミルクと砂糖の分量が大事だとか)を持ち、私はソファに腰掛けた。奏に差し出すと、受け取った奏は無言でこちらに寄ってきた。そのまま肩に頭を任せる。

「珍しいわね。どうしたの?」

「いや、なんかさ。いつも一緒に居られんのが嬉しくて。」

「ん゛ん゛っ゛」

 思わず変な声を出してしまった。なんだこの可愛い生物は。私の嫁だ。異論は認めない。そうでしょ、シェム・ハさん?

『さてな。』

 ほんの一瞬、飾ってある腕輪が光った気がした。気のせいでしょう。彼女は今休眠してるし、腕輪を着けないと起きないんだから。まぁ着けても私にしか反応しないけれど。

「…ほんと、平和になったよな。」

「本来なら、あなたも、みんなも。戦う必要は無かったのよ。」

 しみじみと呟く奏の頭に手を添える。髪を梳いてやると、くすぐったそうに身体を捩らせた。こんな少女が家族を殺されて、そして戦う歌女になってしまうだなんて。もっと、私が頑張っていれば──

「いや、そりゃ違うよ。紫羽がいてくれたから今の私があるんだ。」

「───貴方には敵わないわね。」

 見透かされていたか。苦笑しながら立ち上がる。テレビではマリアのインタビューが流れていたが、それよりも私にはやらなければならない事がある。

 

 だんだん大きくなってくる騒ぎ声。朝だから静かにしろとあれほど言っているのに…いや、違うな。2階が騒がしいだけだ。

「姉様、奏。おはよう。」

「2人ともおはようございます。早いですね。」

「先生、今日の朝ごはん…は、作ってましたか…」

「…早起きも、また修行。」

「いや、昨日遅くまでバカと騒いでたろ。」

「その話、後で詳しく聞かせて頂戴。」

「「ヒィッ!?」」

 また響と切歌ね。そろそろ晩御飯抜きにしましょうか。いい加減目に余るのよね…夜にゲームするのは構わないけど騒ぐなってあれほど言ってるのに。

「今はどうでも良いわ。はい、さっさと準備なさい。」

 はーい、と揃った返事。今日の当番はセレナとクリスね。私はさっさと自分の分を用意して着席。一足先に食べ始める。今日は二日酔いの藤尭さんと友里さんの代役が入ってるのよ…

「「ぉぉぉぉぉおはようございます(デス)!」」

「おはよう、2人共。昨日は楽しかったかしら?」

「「ピィッ!?」」

 今日も賑やかな食卓だ。そう思いながら私は席を立つ。ただし課題の終わっていない響だけは晩御飯のおかず一品抜きね。未来ちゃんにアイコンタクトした。調ちゃんが視線を逸らしたわね。切歌ちゃんもよ。

「(切ちゃんだけは…)じー。」

「ダメよ。」

「がくっ。」

 肩を落として落ち込む調ちゃん。違うわよ切歌ちゃん。あなたの事よ。というかあなたのおかずが無くなった瞬間よ。

「あ!先輩!今日はどこに行くんですか!」

「本部よ。オペレーター2人組がヤケ酒したとかで連絡が来たわ。遅くなると思うから、晩ご飯はよろしくね。」

 またまたはーい、と揃った返事。今日も仲が良さそうで何よりです。

 

「…あれ、カバンは。」

「あ、これだろ?」

 奏が差し出したのは私のカバン。リュックにもなるから便利なものだ。これは錬金術の応用で内容量が拡張されている特注品。プレラーティさんとカリオストロさんには頭が上がらないわ。

「有難う。」

「おう。─いってらっしゃい、アナタ?」

 だから誘っているのか。

 振り切れそうになる理性の針を無理やり留め、私はそれを受け取った。勿論お返しは…

「───────ぷは。行ってきます。」

「ぶっは!?」

 あら、余裕が無いわねクリス。大事なのは心に余裕を持つことよ。そうすれば自然と友達が出来るわ。

「────ふっ。」

「なんだ、あの勝ち誇った表情…怒るに怒れねぇ…」

「それじゃね。奏。」

「ん。」

 ひらひらと手を振る奏と、思い思いに送り出してくれるみんな。そんな暖かい声に背中を押されながら家を出た私は、これまた特注品の紫に染まったバイクに跨った。ギアの技術を使ってるとかで、運転手によって色が変わるんですって。

「よし、今日も頑張りましょう。」

 青に変わったバイクに乗って私は本部へ向かう。

「あ、豆腐屋さん。今日も大変ね。」

 いつもお豆腐は美味しく頂いてます。彼のドライブテクニックが極まる日は来るのだろうか。ぶっちゃけ豆腐屋にしてはオーバースペックすぎる気もするけれど。

「あら、こんな所で優雅にドライブ?」

「違うよ!パトロールだよ!」

『Be carefulだぞ!Ms.風鳴!』

 分かってるわよ。というかこのバイクで事故しろって方が難しいわ。あとその呼び方だと翼も該当するわよ。

「まったく。」

 こんな日々を守るのも、私の仕事だ。

『ふぁ…おはよ〜。』

「寝坊助さんね。」

 もう1人の自分と共に、私は今日も駆け巡るのだろう。一昨日はエルフナインのせいで猫に追いかけられて大変だったわ。

「『司令、本日もよろしくお願いいたします!』」

「ああ!あの2人の代わりに頼むぞ!」

 でも、事務仕事だけは勘弁して欲しいかな。

 

 




投稿ペースは不明。古事記にもそう書いてある。

豆腐屋さん
 お得意様。よく紫羽ちゃんがバイクで併走してくるけど、車に乗ってくれることを期待してる。けど紫羽ちゃんはバイク派だから…あっ(察し)

警察官と喋るベルト
 仕事仲間。ノイズ対策で仕事が一緒になることが多い。最近紫羽ちゃんの事をベルトがMs呼びするけど翼と被っている。警察官は彼女の本気を知ってるからキレられないかヒヤヒヤ。

空飛ぶパワードスーツ
 社長。F.I.S.に資金提供してたけど、色々悪事が明るみになってからは社長直々に出撃してF.I.S.の解体に尽力した。最近シンフォギアシステムの複製を試みたが、さすがに同僚全員が止めたらしい。

友情出演です。今後は出ないです。
次回が書けないかもしれないので失踪します。


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過去と未来の合わせ出汁〜ギャラルホルン風味〜

感想ありがとう!評価ありがとう!紫羽ちゃんと奏さんの恋を応援するみんなのおかげで、このSSは続いているぞ!ありがとう…それしか言う言葉が見つからない…ッ!
そろそろクライマックスなので初投稿です。


 それでは今回もやっていきましょう、SVモード。前回は紫羽ちゃんが盗んだ(盗んでない)バイクで走り出してS.O.N.G.の本部へ出勤した所からですね。オペレーター2人が二日酔いとか大丈夫なん?

 

[藤尭さんと友里さんの調子はどうなのか尋ねてみた。]

<あいつらか…まぁ、なかなか治らなくてな…

[父さんにしては珍しく歯切れが悪い。二日酔いなんてエルフナインちゃんとか了子さんが治せるんじゃ…]

<ああ、まぁ、そう…だな。うむ。よし!今日の業務だが──

[話を逸らされた。残念だけど詮索はしないでおこう。私は…]

 ▶事務仕事へ

 マムの孤児院へ

 パトロールへ

 研究の手伝いへ

[仕方ないから、事務仕事をしておこう。あまり得意じゃないんだけど…]

 

 はい、紫羽ちゃんには事務仕事してもらいます。完璧超人の紫羽ちゃんが事務仕事なんてした日にはすぐ終わること間違いなしです!(無責任) ここにもミニゲームがあったり、物語に関わるキーワードが含まれていたりしますが、スキップします。さすがにこんな所までカバーできません。もし見てみたいなら、みんなも買おう!Hopeful Gear!(唐突なステマ)

 さて、時間経過を待っているとマージでキリがないので紫羽ちゃんのステータスでも確認しておきましょう。

 

ステータス
風鳴紫羽  Lv.8
所持金: 3718

HP: 497/497

攻撃力(物理): 342

攻撃力(錬金): 278

防御力(物理): 295

防御力(錬金): 317

移動速度: 速

攻撃速度: 速

運:    並

精神状態: 疲労[軽度]

 

 …えっ(爆速二度見)

 このゲームのステータスってこんなんでしたっけ。えーっと…あ、バージョンアップして変わったんですね。ということはスキルの効果も変化したのかな。(走者確認中…)なるほど。wikiによると四段目の項目にバフをかけるスキルは各種ステータスを一段階上昇させるようですね。遅→並→速とか三段階で変化していくはずなんですけど。あれ?紫羽ちゃんまだ上がるの?ええ…(困惑)

 

 気になる方もいらっしゃるかと思いますが、現段階の装者の中で一番攻撃力が高いのはビッキーさん、防御力最強は…誰なんでしょう。恐らくLinkerを使わない人たちなのですがだいたい皆一緒くらいなので…まあ、奏さんですかね。誤差ですが。え?アイギスギア?今後のアップデートを待って、どうぞ。

 ちなみに比較対象ですが、物理だとビッキーが攻撃力290ちょい、奏さんが防御力250ちょい。錬金術だとキャロルちゃんが攻撃力280超え、サンジェルマンさんが防御力250ちょいでしょうか。紫羽ちゃん強すぎん?

 OTONAたちは…生身で紫羽ちゃんに近い数字叩き出してるので正真正銘のバケモンです。というかシステム的に勝てない仕様になってるみたいで、wikiの同士が攻撃力全振りのキャラを作ってましたが、あえなく弦十郎さんに負けてました。なお防御力だけは叶わないみたいですね。シンフォギアってすごい(KONAMI感)ただし移動速度だけはNINJAがトップです。現状の紫羽ちゃんが並んでいる状態ですが、これギア使っててこれですよ。NINJAは生身です。生身ですからね(二回目)

 

 さて紫羽ちゃんのステータスに驚愕したところで、時は回って夕方です。やっぱりS.O.N.G.は組織の立ち位置が微妙な場所にありますから、回ってくる仕事やらも多いみたいですね。途中から紫羽ちゃんの機嫌が悪くなっていってましたよ。AAみたいなフキダシ表示で感情表現されるのかわいい…かわいくない?

 

[ようやく終わった。一部の書類は国連に回すべき内容だったから、この仕事量はS.O.N.G.への嫌がらせとも取れそうだ。]

【[S.O.N.G.本部]/[2046/8/27]/[18:58]】

 

 やっぱキレてんじゃん(呆れ)だってステータスが精神状態:憤怒になってますもん。夕方までずっと書類とにらめっこしてたらね…そりゃそう(疲労)なるよ。

 移動可能になりましたね。紫羽ちゃん視点に戻りましたから、次の目的地、司令室に向かいましょう。なんかイベントが発生するみたいですよ。赤い旗のマークは重要フラグメントですし積極的に回収していきましょうね。

 

[食堂だ。いつも私と未来ちゃん、調ちゃんやセレナが料理を作っている。]

 今は誰もいないみたいだ。

コーヒーを淹れて持っていってあげようかな。

 奏

[コーヒーを差し入れよう。友里さんほどじゃないけど、淹れる腕前に自信はある。]

 

 いい加減にしろ(憤怒)ここは素直にコーヒーでしょうが!なんで奏さんが出てくるんです!

 はい、画面には本部の食堂でコーヒーを淹れる紫羽ちゃんの姿が映っております。あーあー、さっきまで不機嫌だったのが一気に[上機嫌]になりましたよ。フキダシもニッコリ笑顔。ちなみに顔をズームするととんでもグラフィックの紫羽ちゃんの笑顔が見られます。

 

<上機嫌だな、紫羽?

[なにやら騒がしくなってきたと思ったらもうそろそろ夕飯時らしい。キャロルちゃんを先頭に、みんなが入ってくる。]

 書類仕事は疲れちゃったから息抜きしてるのよ。

 コーヒーでもどうかしら?

 (お菓子の備蓄は…)

 

[響歌に代わる]

[私は結んだ髪を下ろした。響歌に代わる合図だ。]

 

 紫羽ちゃん視点ばっかりだと変化に欠けますからね。ここは隠し選択肢(隠されてるとは言ってない)の人格交代を使ってみましょう。合図はポニテを解くことです。するとステータスの名前欄が風鳴紫羽から立花響歌に変化します。それだけです。身体は変わりませんから、ステータスにも変化なしです。

 

<おや、姉さんか。コーヒーを頂いても?二人分で。

<響歌ちゃーん!あーし紅茶ねー!

<私はミルクを所望するワケダ。

[はいはい、と答えて私は手早く作業を済ませてしまう。]

<ありがとう。はい、あなたの分。

<助かるよ。

<あら美味し!これ午後○ィーじゃないでしょ!?

<ミルクは嘘をつかん、というワケダが。美味い。

[褒められて嬉しいのは分かるけど、いま司令室はもぬけの殻よ。暇なあなたが行きなさい。オペレーターのマネごとぐらいはできるでしょう?]

[そんなわけで、私達が司令室に行くことになってしまった。ちぇっ。]

 

 そりゃS.O.N.G.ですから。経費でいいもん買い漁ってるんですよ(紫羽ちゃんが)さて、イベントフラグは未だに司令室にありますから、ここは手早く移動してしまいましょう。

 

[司令室だ。いつも入るときはワクワクする。]

 そういえばみんな食堂にいたような…

失礼しまーす!

[大きく挨拶。これは対人関係では基本らしい。緒川さんが言ってたから間違ってないはず!]

 

 ささっと入りまs…イベントムービー、だと!?

 

 

 

─────────────────

 

 

 

「失礼しまーす!…ってあれ、誰もいない。」

『当然よ。みんな食堂に行ってたじゃない。』

「ノイズとか出たらどうするの?」

『そうなってもいいように私たちが来たんでしょう。』

「えーめんどくさい…そうだ!」

『あ、こらやめなさ…』

 

 響歌は制服の中から()()()()()()()()()()()()()()。右腕に装着すると、腕輪が光を放ってヒト型を形作っていく。光が収まったそこには、ポニーテールで髪を纏めた自分が立っている。

 これは去年の戦いでシェム・ハの使った分身体を応用したものだ。【フォニックゲインを蓄積して放つ】という()()()()()()()()()()()()ヴィマーナの特性を応用し、余剰のフォニックゲインを蓄積して分身体を形成する。現在展開できるのは、今まで溜め込んできた数年分のフォニックゲインと、時々響歌が行くカラオケのおかげだ。

 

『『というわけで、分身できるようになりました。』』

『『『『『なんじゃそりゃ!?』』』』』

 

 事情を知った皆からはものすごい驚かれたな…と響歌は遠い目をする。あの後自分と紫羽を巻き込んで数日間実験が続けられた。エルフナインと了子を一緒にしてはいけない。響歌は学んだ。

 

(司令からは緊急時以外使うなって言われてるけど、大丈夫だよね!)

「…不思議ね。自分が目の前に立ってるなんて。」

 

 まあ眼鏡掛けるからいいんだけど、と紫羽は響歌のポケットを弄って眼鏡を取り出した。キャリアウーマンじみている、というよりマフィアの女組長、と言ったほうがしっくりくる紫羽の雰囲気を和らげるためのアイテムだ。おかげで街を歩くとき、露骨に道を譲られずに済んでいる。ちなみに自分がマフィアかなにかだと思われていると知った日、紫羽は若干幼児退行していた。

 

「いいじゃんいいじゃーん!ほら、双子ッ!」

「実際同一人物よ…あ、あなた覚悟しときなさいよ。私は悪くないから。」

 

 くっつこうとする響歌を引き離し、紫羽はオペレーター席へ。手慣れた様子で端末を起動させる。響歌はその場に置いてけぼりだ。

 つれないやつめ。驚かしてやろうかと一歩足を踏み出したところで…

 

『大丈夫か響歌(くん)(姉さん)!!!!』

 

「うひゃあああああああああああああ!?」

 

 突如司令室の扉が吹き飛び、錬金術師組(キャロル除く)と司令が飛び込んできた。緊急時以外使うなって言われてたけど大丈夫!…と言っていた数分前が恨めしい。誰だそんな無責任なことを言い放ったのは。私だ。

 

「どこに敵が…!」

「まさか、またシェム・ハの仕業なの!?」

「休憩時間を狙うとは、卑怯なワケダ!私のミルクが…!」

「三人とも落ち着くんだ。司令が装者の子たちに連絡したらしいから、私たちは時間稼ぎに努めよう。」

「くっ、戦う相手がまた娘とはな…!」

 

 あーだこーだ、こうでもないああでもない。緊急事態を示すアラートは、最高レベルのものが発されている。話を聞く限り、続々と装者たちも集まってきているようだ。扉の外には高さの違う金髪(キャロルとフィーネ)が見え隠れしているし、S.O.N.G.がどれだけシェム・ハという存在を警戒しているかが分かるだろう。

 

(どどどどっどどどどどどどっどどおどどっどおおおおおおおおおしよう!?)

『さあ。あなたのしでかしたことなんだし、自分で片付けなさいな。』

 

 とっさに物陰に隠れてしまった私は悪くない。そうだ、きっとこれは悪い夢なんだ。そう信じこもうとした響歌だったが─

 

「オッス、我シェム・ハ。」

「「「「「ッッッッッ!!!!!」」」」」

 

 地獄の錬金術特訓(お説教フルコース)が確定した瞬間であった。

 

 

 

──────────────

 

 

 

 はい。という訳でシェム・ハさんが復活しました(白目)そんなポンポン復活出来るものなんですかね、シェム・ハの腕輪って。

 

[もう1人分身を生み出して、そちらが響歌を形作る。だからやめておけと言ったのに…これから彼女はお説教と錬金術の座学徹夜フルコースだ。私は…]

響歌を庇う

 シェム・ハと話す

[自業自得だ。弁護の余地はない。]

 

 ついに紫羽ちゃんからも見捨てられましたね響歌ちゃん。まぁシェム・ハの腕輪起動させるとか普通に考えてもしませんよ。大厄災の引き金を引くようなもんです。下手すりゃ無印XVの再来です。

 

 響歌を庇う

シェム・ハと話す

[なぜ今になって復活したのか、私はシェム・ハに尋ねた。]

<今まで眠っておったからだと言っておろうが。

 

 若干ジト目の未来さんビジュのシェム・ハさんですか。これはこれで画が良いですし、新しい扉を開いてしまうプレイヤーが沢山で、出ますよ…

 さて、ジト目のシェム・ハさんと紫羽ちゃんも含めた7人で響歌ちゃん(正座)を囲んでるわけですが、見た目が完全にアレですね。通報されそう。

 

<ま、後でも良かったのだがな。別に今からでもよかろ。

[そう言ってシェム・ハは腕を上げた。何が始まるんだろうか。ろくな事にはならなさそうだ。止めよう。]

止める

<ではな。これより()()()()()()()()()()

<待て、それはどういう…

[父さんが止めようとしたが、既に手遅れ。その光は一筋のラインとなって、司令室の外へ飛び出した。同時に響歌が私の中に戻ってくる。]

[あれ!?なんで戻ってるの!?]

【行け、漂流者よ。()()()()()。立花響歌。】

 

 おっ、これはルートガイドですね。今からまた移動するようです。肉体の操作権が紫羽ちゃんではなく響歌ちゃんに移行したようですから、響歌ちゃん関連のイベントなんでしょうね。

 皆さんが静止しておりますが、おそらくアレです。ゾーンに入ってるってやつです。周りの人から見ると響歌ちゃんがとんでもないスピードで動いているように見えてますね。

 

【状態異常:疾走する少女】

 移動速度が[天翔]に上昇する。

【Time Limit/02:10】

 

 ファッ!?なんだこの状態異常!?しかも制限時間付き!?とりあえずステータスを一瞬だけ開いて…はい!確認しました行きましょう!

 走りながら説明しますが、説明文通りこの状態異常は移動速度の上昇です!ですが[天翔]なんて聞いたことありませんし、恐らくイベント限定の一時的なものかと考えられうぉぁぁ!!!???

 

[シェム・ハちゃんの光を追いかけて私は走っていく。すると急に通路の影から緒川さんが出てきた!]

 

 あっぶな!スライディングが間に合って良かった!NINJA恐るべし!

 はい、では続きですが、この状態異常は今回のイベント、ひたすら走るだけのこのイベント専用でしょう!こんな速度だとゲームシステム壊れるどころか走者も振り回されますし!無理じゃ!

 

[光に従って走ってきた。目の前の部屋の中からは緑の光が漏れ出ている。どこかで見たことあるんだよね。私は…]

考えるより動く!入ってみる!(←推奨)

 落ち着こう。やっぱりここでやめておこうかな。

 

 奴ら(に捕まるまで)秒読みに入ってます!間に合いません!強行します!もう知らねぇ!お前俺は信じるぞお前!

 

考えるより動く!入ってみる!(←推奨)

 落ち着こう。やっぱりここでやめておこうかな。

[いや、ここで止まれば、私は何か大事なものを見逃しちゃう!扉を開けて飛び込んだ!]

<やめなさい!そこはギャラル…

 

 目的地はどうやらギャラルホルンが安置されてる部屋だったようですね。ギャラルホルン?マジで?この時期に研究されてたんすね…

 

[緑の光に包まれて、私は───────]

 

 ぬわぁぁぁぁぁぁ!目がぁぁぁぁぁぁ!

 

 

 

──────────────

 

 

 

「うわぁ!?何ここ!?」

『さっきの部屋とは違うみたいね。一面緑色だけど、大丈夫?一応ギアを展開しておきなさい。」

「はーい…って、紫羽ちゃん!?」

「ん?どうしたの…え?()()()()()()()?」

 響歌が部屋に飛び込むと、視界が緑の光に包まれた。目を開くと、そこは一面が緑の光を放つ、通路のような場所だった。響歌に助言しギアを展開させた紫羽だったが、己の身体が存在することに驚愕する。否、自分の身体が存在するのではない。

「なんでわたしが分身なの!?」

「さぁ。シェム・ハの仕業じゃないかしら?」

 そんなー、と肩を落とす響歌。紫羽の言う通り、その身体はフォニックゲインで構成された仮初の物だ。緑に輝く空間に、自分の意思とは裏腹に入れ替わる身体。謎だらけだが2人は歩き出す。

「ねぇ、若干縮んだ?」

「え?…確かに。ちょっと若くなってるかも。」

 気心知れた、古い友人のように。

 

 

 




オッス、我シェム・ハ。
 今はS.O.N.G.の中で装者に囲まれて拘束されておるぞ。フォニックゲインで構成された身体なら、フォニックゲインを供給すれば消えないじゃないとかいう立花響の頭の悪い発想のせいでこんな状況だ。
 実際消えておらんし、そんな事せんでもよかろうに。なんなら立花響か小日向未来に避難できるしな。
 え?台本読め?我、神ぞ?ねぇ神ぞ?不敬であるぞ?

ごほん。


シェム・ハの指し示す光に従い、立花響歌はひた走る。
飛び込む螺旋は、果たして何処へ繋がるのか。
渦巻く運命は収束し、少女の物語は終わりへと向かう。

「おかえり、響歌。」

では、次回。「立花響歌」
主らの感想に感謝だ。


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立花響歌

ランキングに入っていた夢を見たので初投稿です。
夢です。リアル夢です。


「では、語ろうか。…我、一応神なんだが?不敬認定してやろうか?神に対して圧迫面接して無理やり語らせるとか不敬ぞ?そこの小日向未来乗っ取ってやろうか?ンン?」

「分かった、分かったから!後で何でもしてやるから!な!?」

 よし、言ったな雪音クリス。ハーゲン○ッツぞ。

「仕方あるまい。…で、どこから話す?300年前か?それとも、」

 

()()()()()()?」

 

「…それより前、私とキャロルと出会う前の話をして欲しい。」

「よかろう。では、あやつの正体から語ろうか。」

 皆が静まり返る。ふむ、こうして神の声を聞かせるのも万年振りか。さてどうする?答えはこう。少しタメる。簡単に威厳を出す方法である。覚えておくが良い人間よ。

「──彼奴はな、小日向未来と立花響の娘よ。」

「私と、」

「響の…?」

 うむ、うむ。いい驚き方である。シェム・ハポイントをやろう。貯まるとどうなるか、だと?我の依代になる権利をやろう。嬉しいであろ?

「ただし、平行世界の、という前書きは付くがな。貴様らも知っておるはずだ。完全聖遺物『ギャラルホルン』。彼の聖遺物は、世界を渡る事が出来るのよ。おそらく、移動先は同一時間軸のみであるが。」

「まさか、アレにそんな機能があるなんて…」

「あの、それと響歌さんにどんな関係が?多数発生している同一時間軸の世界を移動できると仮定すると、矛盾が発生します。」

「立花響歌さんが『この世界』…世界Aとしましょう。こちらにやってきたのは約300年前である、という事ですね?」

 ふむ、科学者組は鋭いな。

「然り。しかし、送り出された世界…貴様らで例えると世界Bであるか。世界Bでのギャラルホルンの起動は完全なイレギュラー。そこな娘が1人で起動したものの、本来なら人為的に世界を渡るなど不可能なのだよ。故に、響歌は時間すら越えた。」

「なぜ、不完全だったのだ?」

 …ふむ、本題に入るか。

「風鳴翼よ。貴様に聞く覚悟はあるか?」

 否、貴様だけではない。

「風鳴翼、立花響、雪音クリス、月読調、暁切歌、マリア・カデンツァヴナ・イヴ。」

「…何の話デス?」

()()B()()()()()()()簿()()。」

 名を呼ばれぬ者は、薄々気が付いていたのやも知れぬな。

「分かるか。世界Bでは、その2人は既に息絶えておる。そこの老婆…すまぬ、ナスターシャも。そして、そこな錬金術師共もな。エルフナインとやらに疑似人格としてキャロル・マールス・ディーンハイムは宿っていたが、それもまた我との戦いで消滅した。」

 分かるか。

 

「この世界は、()()()()()()()()()()の世界である。」

 

「救えぬ命もあったであろう。」

 

 しかしな。

 

「今貴様らが生きているのは、全て300年前が発端よ。」

 視線がイザーク・マールス・ディーンハイムに収束する。ここからは、貴様が語ればよかろ。我は休む。

「ああ、確かにそうかもしれないね。」

 では、ここからは私の番だ。

「300年前、私は『天使』に出会ったんだ。」

 

 

 

///

 

 

 

「にわかには信じられん、が…」

「全て事実よ。私と、カリオストロ、プレラーティ。それに何より、キャロル姉さんが証人になるわ。」

「ということは、彼女は世界Bのガングニールのギアを装着し、なおかつエクスドライブにまで至ったと?有り得ん話だ。装者1人でフォニックゲインを高め、限定解除まで持っていくなど…それこそ()()()()()()()()()()…まさか。」

 金髪の女性、フィーネ女史は気付いたようだ。それにエルフナイン、司令と緒川さんも。ああ、と頷いて私は自論を述べる。S.O.N.G.にやってきて、シンフォギアについて調べている時考えた、ある意味残酷とも言える真実を。

「彼女は単独でその領域に到達したはずだ。」

 

「弱冠5歳の少女が単独でフォニックゲインを生み出し、エクスドライブ状態にまで持っていくのは不可能。対価が必要になる。」

 

「そう、対価だ。そして、()()()()()()()()()()()()()。」

「まさか…まさか!?」

 落ち着いてくれ。奏さん。

「そう。彼女が差し出したのは、『家族を守りたい』という強い思い以外のほぼ全て…()()()()()()()()を、限定解除の鍵としたんだ。それ以外に考えられない。」

「それは、生まれてからの全て…感じるもの全てが新鮮だった、一番大事な時期の一つじゃないですか。そんなの…あんまりですよ、響歌ちゃん…」

「その時の彼女はどこか浮世離れしていてね。私たちと過ごすうちに『家族を守りたい』という願いから、新しく記憶を紡いでいったはずだ。」

「…私は、奴隷の生まれでね。道に放り出されたのを響歌の訴えで保護されたんだ。カリオストロとプレラーティは私が保護したが、それでも姉さんは受け入れてくれたよ。」

「今思えば、あれも家族を守りたいって言う意識のウチだったわけね…なんで、あーしたちよりも辛い思いしてるのに…」

「…道理で、私たちにも優しかったワケダ。」

 3人は目頭を押さえている。ああ、そうだ。彼女はその頃から、家族に無償の愛を注いでいた。キャロルにも、私にも。

「そして、パヴァリア光明結社の局長。アダムに襲撃され─」

「姉さんは再び、ギアを使った。その時の形はハッキリ覚えている。」

 今度は私が話す番だ。パパから受け取ったバトンを、私が繋ぐ。

「そう、()()()()。天羽奏。お前の構える、撃槍だ。」

「わたし、の?」

「ああ。そしてアダムの攻撃を防ぐため、姉さんはその身を挺したんだ。背後には私たちの拠点が建設途中でね。退くに退けなかったのだろうさ。ちょうど、今のインド…モヘンジョダロ遺跡のあたりだ。」

 歯を噛み締める。あの時、私だけでも残っていれば─!暗鬱な考えを振り払い、私は話を進める。

「そして姉さんは、全身に、くまなく、致命傷を負ったんだ。私たちの技術じゃ治療が出来なくて、水の錬金術を応用したコールドスリープもどきで時間を稼ぐしか無かった。だけど…」

「ん、我か。」

 長々と話すのも手間故な、簡潔に述べよう。

「そのままでは細胞が壊死するは必定。故に我は、新たな肉体を複製した。『立花響歌』というニンゲンを、長い時間をかけてゆっくりとな。当時の我は今ほど力を持っておらなんだ、複製には3()0()0()()()()()()()()()()()。そしてお前たちが魂と呼ぶものをそちらへ移した。理論上は、それで奴は生き延びられる筈であったしな。」

 

「しかし魂の抜けた、古き身体は既に限界であった。故に我は残った力で最低限の治療を施し、その肉体を保存()()()()()()。」

 

「しようとした?それは一体…」

()()()()()()というやつだ。世界Aに入り込んだ世界Bの異物。『立花響歌』の肉体を、世界は世界Bへと飛ばしたのだ。新たに生まれた肉体と、弱りきり休眠していた魂は放置して、な。」

 皆が絶句する。ふむ、長かったか。

「簡単に言おうか?」

 

「今の奴の身体は我直々に作り出した、本物と変わらぬ複製品。そこに『立花響歌』という魂と、『家族を守りたい』という『願い』から生まれた新たな無銘の魂が宿ったのよ。肉体を複製する際に聖遺物の欠片が紛れ込んだのは想定外であったが。」

 

「じ、じゃあ私たちの知ってる紫羽さんは…何者なんですか!作られた、本来なら存在しない異物だって言うんですか!」

「調ッ!落ち着くデスよ!」

「良い。だがな調よ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ちょうど去年だったか、こちらの我が貴様らと戦った時だ。奴め、宿った肉体の記憶を盗み見おった。」

「その時、貴方が目覚めたのね。」

「ああその通りだ。黒き撃槍よ。その時の奴らの魂はな、眩く輝いていた。まるで我を打ち倒した、向こう側の、そこの2人のように。」

 立花響、小日向未来。お前たちは、どこまでもそうであるか。新たな可能性を見せてくれる。面白い。面白いぞ。

「故に、我は奴も…風鳴紫羽も、1人の人間だと規定する。これはアヌンナキが1柱、シェム・ハとしての規定である。」

 話がズレたな。どこから話そうか。

「奴の生い立ちはこれで十分であろ。…おい立花響。貴様のギアペンダントと黒き撃槍のものを比べてみよ。面白い結果が出るやもしれんぞ?」

「はーい、ちょっと借りるわね?」

 見えるわ見えるわ。奴らが困惑する姿がな。

「これ…合致率100%?まさか、同一のギアなの!?」

『『なんだと(なんですって)?』』

「言ったであろ、アガートラームの装者は死んでおる、と。マリア・カデンツァヴナ・イヴがそれを纏うならば、撃槍は誰が使う?小日向未来か?それとも…」

「それが、私だったんですね。」

「うむ。…そして、ここからが本題よ。」

 

「なぜ『あちら』の立花響が、己の娘に、己が戦う術を預けることになったのか。」

 

「なぜ立花響歌は世界を渡ることとなったのか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは、【怪物】の襲来である。」

 

「怪物?なんだそりゃ?」

「言葉通りの意味よ。装者全員でも、そこな司令やモヤシ男でも、誰も敵わなかった文字通りの【怪物】。奴の狙いは、」

 

「立花響歌。()()()()()()()()()()()()()であった。」

「…あの、何を言ってるか分からないんですけど…」

 そうであろうと思ったわ。

「つまり、だ。」

 

「【怪物】の正体は、修正力によって戻された立花響歌の『肉体』よ。魂無き、崩壊しかかったその骸に世界の悪意、怨念が収束した結果生まれた【厄災】そのもの。それが【怪物】である。」

 

「無論、その肉体に焼き付いた経験や脳領域に保存された映像記録は健在であった。なおかつ、電気信号としての『思い出』は存在していた。故に奴は、『己の家族を守るため強くなる』という立花響歌の願いを反転させた。」

 

「『己の家族を()()()()強くなる』…即ち、装者とその関係者だけの絶対的殺戮マシーン。それこそ【怪物】を【怪物】たらしめる所以である。しかしその肉体は腐っても立花響歌。見た目もそのままであった故、装者たちもそこな男共も躊躇いおった。」

 

「しかし、【怪物】にとってそれこそ真の狙い。殴れば立花響歌の声で呻き、切られれば立花響歌の声で泣く。そして装者が攻撃を躊躇う状態を作り出した。否、作り出すように『怪物は狙っていた』。生まれた隙を逃さず、悪意そのものを浴びせられた装者は戦闘不能になってな。」

 

「唯一逃げ延びたのが、立花響とエルフナインであった。」

 

 分かるか、そこの2人よ。

 

「2人は命を懸け、愛しき彼女を逃したのだ。それが全ての始まりとしても、な。」

「でも、それなら!そのループが始まるなら、どこかで起点となる出来事があったはずです!それは何なんですか!」

()()()()()()()()()()()。ともすると錬金術師の襲撃やもしれぬ。何らかの形でギアを持った響歌が実験に巻き込まれ、300年前に飛ばされたのやもしれぬ。そればかりは分からぬのよ。」

 神にも見通せぬものはある。エンキめがバラルの呪詛を作り出したが故に、我の知覚範囲もほぼ無くなったと言っていいほど削られた。致し方なし、よ。

「ああ、奴が我の依代になれた理由は分かっておるな?」

「響と私が、バラルの呪詛を解呪されていたから…ですね?」

 うむ。鋭いな小日向未来。

「奴はバラルの呪詛が解呪された人間より生まれた。故にその子に、バラルの呪詛が存在する道理は無い。」

「つまり、響歌くんは今、世界の修正力によって元の世界に戻っている、という考え方で良いのだな?」

 その質問に、我は少し間を置いた。弦十郎とやらよ。

「否、否。」

「んだよさっきからわからねーばっかりで!」

 いい加減にしておけ、小娘。貴様らは、我が少し睨むだけで竦み上がるような、矮小なる存在であることを忘れるなよ。

「ギャラルホルンとは、我とは異なる神話体系の聖遺物であるが故に。せめてあの胡散臭い全能神でもおれば話は別であるが、我は執刀医であって研究者ではない。かの聖遺物が誰を、どこに送るかは読み切れぬ。」

 ふむ、絶望した顔を見るのもまた一興であるが、それではこの話をした意味が無くなってしまうか。…仕方あるまいな。

「だが、この世界には()()1()()世界Bの物が存在する。」

 我は腕を上げ指し示す。そうだ。貴様である。

「立花響。その撃槍は、いずこの物であるか。」

「このガングニールは、紫羽さんから…響歌ちゃんから託されたものです!つまり、別の世界の私のガングニールですッ!」

 そう、そうだ。貴様の足りぬ頭脳でも分かるように説明した我を讃えよ。供物はハー○ンダッツで良いぞ。あれは美味い。

「それを基にギャラルホルンを起動すればよかろう。さすれば道が拓かれる。…はずである。我の推測にしかならぬが。」

 その言葉に皆がざわめき立つ。どうやらこれからすぐに行動するらしい。まったく、愛されておるな響歌よ。

 皆が去りゆく中、我は独りごちた。

 

 

 

 

 

「越えろ、立花響歌。己の過去を、解き放て。」

 

 

 

 さすれば、()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 




風鳴紫羽よ。最近響歌が実年齢(5歳)らしく落ち着きが無くなってきたわ。どうすれば良いのかしら…

次回予告。



「ここは、どこなの?」



「起きたか。早速だが、君の名前を教えてくれるかな?」



「あれ、紫羽は?」



「生きなさい立花響歌。私の運命は、ここまでよ。貴方も私の大事な家族。装者だけじゃなく、貴方も守ってみせる。それが私の『存在意義』だから。これからの人生は、貴方の為に使いなさいな。」
「さあ、プロミネンスのように輝きなさい!」



「これが、私の、絶唱よ─────!」



次回、「出会いと別れ」

評価、感想よろしくね。またお会いしましょ?


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レッツアクション!〜パルクールを添えて〜

え?マジでランキング載ってる?
え???????(宇宙猫)

ありがとうございます!こんなSSですが、読んでいただけるだけで本当に嬉しいのです!
嬉しさも込めて長めの初投稿です!
今回は特殊タグガンガン使ってるから、苦手な人は注意してね。


 はい、それでは今回もやっていきましょう。前回は紫羽ちゃんと響歌ちゃんに分身(分裂にあらず)して、ワープゲートに入ったところからでしたね。それでは、コンティニューを押してゲームスタート!

 

[長い空間にも終わりが見えてきた。出口だろうか。真っ白に光を放っていて、向こう側が見えない。]

 

 おや、出口ですか。ゆっくり歩くのも疲れましたし、そろそろ走ってもええやろ(慢心)よし、それじゃちょっくらランニングと洒落こみましょう。走れ紫羽よ〜、風のように〜、ワープゲート〜、ぱどるぱどる〜!(丹○桜)

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()響歌と手を繋ぎ、私達は走り出す。そして、私は──]

【新エリア到達─???の???─】

<ここは、どこなの?

 

 おや、行き先はしっかり平行世界でしたか。エリア名不明ですけど、これ完全にいつもの街です。うまいこと路地裏に出てくれましたし、人の目につかなかったのでヨシ!(現場猫)まあ本人たちは分かってないみたいですけど。

 さて色々確認しましょう。みんな大好き場所確認です!

 

【[???]/[??/??/??]/[12時頃?]】

 

 あちゃー、現在位置も日付も不明ですか。非常によろしくないですね。こうなると全てが判明するまで移動速度が一段階低下します。現実は非情である。見ず知らずの土地で時間も分からないのにフラフラ歩くとか自殺行為ですからね(実体験)。

 えー、フラグメントもありませんし、これからどうしましょうか。響歌ちゃんは縮んじゃったし、シングルマザーか何かに見えますよこれ。とりあえず響歌ちゃんにカーソルを合わせて、腕輪の中に戻ってもらいましょう。動きづらいからね、しょうがないね。

 

【立花響歌[存在固定:中]】

[なかなか戻ってくれない。どうしたんだろうか。]

<あれ?戻れない?おっかしーなー…ふんぬ!

[響歌が力むと、彼女は粒子になって消えていった。]

 

 さて、とりあえず動きましょう。と言っても行く宛も無し、所持金は3000円ちょいですよ。しかも着てる服はS.O.N.G.の制服ですし、見つかったら本部までご同行していただいてもよろしいでしょうか(NINJAスマイル)不可避です。ですのでここは一先ず…そうだ、フィーネの屋敷行こう。吹っ飛んでましたけど雨風ぐらいは防げるでしょう。えーと、マップ開いて…よし、目的地ピン刺せましたね。では移動しま…

 

〜走者移動中〜

 

 した。紫羽ちゃんの世界でも吹っ飛んでます、フィーネの屋敷です。侵入可能領域になってますので、ここは容赦なく(不法)侵入しましょう。オッスお邪魔しまーす。

 

[ここはフィーネ…了子さんの屋敷だろうか。私の記憶より傷みが激しい。]

 一階を探索する

二階に行けるかな…?

 

 うーん、仮にここに誰か来たとしても二階なら見つかりにくいはずです。しばらくはここを拠点に動いていきましょう。それでは探索していきましょう。

 

[私は少し迷って二階に行ってみることにした。]

『ここからどーするのー?』

[退屈そうだ。しかしここがどこであるか分からない以上、私達は慎重に動く必要があるだろう。そう説明すると彼女は大きく返事をしてきた。脳内にキンキン響く高い声だ。思わず顔を顰めてしまったのは仕方ないと思う。]

 

 あら元気ですね響歌ちゃん。さーて探索探索…おっ、いい部屋あんじゃん。少し埃が溜まってますが、屋敷の端だったからか損傷もほとんどありませんし。えっと、RPG定番のアイテム探しは…何の成果も!得られませんでした!!

 

[これからどうしよう。]

 しばらくここで過ごす(ランダムに時間経過)

 ベッドで休む(一日経過)

街に出る(街に移動します)

 

 よし、ここはやっぱり街で情報収集ですよ。お昼時ですし、装者にも出会わないでしょう。それじゃ、移動!…このロード画面、よく見たらカ・ディンギルの模様ですね。はえー手が込んでるな…

 

<すまない、少し良いだろうか。

[街に着いてから歩いていると…しまった。父さんに見つかった。私は…]

 無言で逃げる

 人違いじゃないかしら?

なにかしら父さん。

 

 第一村人発見!って弦十郎さんじゃないか。なんだよ、びっくりさせやがって。おっすお父さんなんでここにおるん?

 

[私は白々しいと思いつつも返事をしてみた。]

<父さん…!?待て、俺にはまだ娘はいないんだが…

[はて、どういうことだろうか。]

 

 ああ^〜これは間違いありません、意見の食い違いが発生してますね。この世界の弦十郎さんは当然ながら娘どころか嫁もいません。さらに紫羽ちゃんはこの場所が自分の世界だと思いこんでしまっているので、目の前の弦十郎さんのことを父親だと思ってます。このまま食い違わせておくのもいいんですが、面白みに欠けますね…どないしよ。せや、響歌ちゃん呼ぼう!(ゲス顔)

 

[響歌を呼び出す]

 

[私が口を開こうとした瞬間、突然腕輪が光って響歌が飛び出した。今度はしっかり大人の姿…でもない、18歳あたりの容姿だ。なぜ今出てきたのかを聞いてみた。頭が痛い。]

<だって暇で暇で仕方なかったんだもん…って、げぇ!司令じゃん!

<…すまない、事情が変わった。俺と一緒に来てもらおうか。その腕輪は、我々にとってあまり良い思い出は無くてね。

[父さんが拳を構えた。小さく口が動いているから、本部に連絡したんだろうか。何かがおかしい。よく考えると父さんがこんな短時間でここにやってこられるとは思えない。]

 

 あれ?なんか先行きが良くないのでは?また俺なんかやっちゃいました?

 

【Mission![父?から逃げる]】

 

 やっぱり逃走イベントですか!仕方ありません!響歌ちゃんは仕舞っちゃおうね!ほい!それじゃまずは…壁を蹴って逃げます!目指すはビルの上!紫羽ちゃんの本気を見よ!おらっ!ついでに影縫いしておきましょう!あ、紫羽ちゃんのオッパプルゥンプルゥンですが紳士は見ていないはずです。私はアングル的に見えちゃうんですよぉ!しょうがないダルルォ!?

 

<影縫い…だと!?

[雲行きが怪しい。わたしは壁を蹴って逃げ出した。いつもの修行に比べれば軽いもの。]

 

 それじゃ、これからビルを飛び回る鬼ごっこの時間ですね。場合によっちゃギアを展開して本気で逃げる必要があるかもです。だって司令ですし。フラグメントに従ってパルクールしていきましょう。

 真っ昼間からビルの合間を飛び回る、親愛なる隣人もビックリの挙動です。紫羽ちゃんの身体能力は準OTONAにと言っても過言ではありませんから、小道一本分なら軽く飛び越えちゃいますね。ほーら幅跳び新記録だ!

 おっと次のビルまで少し距離がありますね。ここは少しチャージして…

 

<追い付いたz…錬金術、だと!?

 

 はい、ガリィちゃんの右腕から氷を射出して足場にします!もちろんそのまま射出しても落ちていくだけですが、紫羽ちゃんにはそれで十分です。足場となる氷は赤く表示されていますので、そこを踏むようにして移動します。こちらも初心者に優しいスローモーションとなっておりますので、落ち着いて移動していきましょう。

 挙動がいよいよ人外じみてきましたが、これでもまだOTONAには勝てません。恐ろしやOTONA。でも意外ですね、チャージしてる最中に捕まるかと思ったんですけど意外に捕まりませんでした。なんでやろ。

 では渡りきったところで、敵の表示が変化しました。次の鬼は…やべえNINJAだ。この人素の移動速度がギア使った全力の紫羽ちゃんと互角ですからね。生身の紫羽ちゃんでは勝ち目が無いです(無慈悲)ので、ここは少しズルしましょう。ペンダントよし!ヴィマーナ起動じゃ!

 

[緒川さんが相手では分が悪すぎる。仕方ないが、ギアを使って逃げよう。響歌はまだ分かっていないみたいで、脳内がやかましい。()()()()()()()()()()()()。ここは彼らに接近しないほうがよさそうだ。]

<────vi-māna tron

<シンフォギア!?司令!至急装者を寄越してください!

 

 はっは!追いつけまいNINJAよ!ヴィマーナの機動性は装者一ですからね!空を飛べるギアなんて存在しませんしクリスちゃんに撃墜もされないでしょう(慢心)逃げるんだよォォォォォォ!…振り切った?振り切ったよね?ね?

 

[郊外の展望台に降りた私はギアを解除する。危なかった。途中でバランスを崩すなんて私らしくもないミスだった。響歌とシェム・ハを呼び出して、一時作戦会議としよう。]

<なにがどうなってるの!?司令は追いかけてくる!ギアは使う!おまけに遊覧飛行ときたわ!いったいどういうことか説明してちょうだい!

<却下である。

<もういやあ!

[にぎやかな二人だ。ベンチに座って口を開こうとしたところで、複数の気配を感じた。私は…]

 気づかないふりをする

 話しかけてみる

立ち上がってギアを展開する

 

 ここは警戒してギアを起動しておきましょう。可能性としては装者であるのが一番高いんですが、はぐれ錬金術師だったりしますし警戒しておいて損はありません。

 

[私は立ち上がってギアを展開した。背後の二人のコントは佳境に入ったようだ。]

<お前は最後に殺すと…ん。敵?

<はてな。紫羽が警戒するのだ。お主も警戒しておけよ。

<合点承知!

[シェム・ハはともかく響歌が立ち上がり、錬金術をする構えになる。電池は…さっき使ってしまったけれどまあ大丈夫だろう。]

 

 さて、二課最強戦力の二人組に勝てるかな?いいや無理だッ!負けるねッ!今だッ!

 

<…やはり、シンフォギアか。

[物陰から出てきたのは、()()()()()()()()()()()()()()7()()。未来ちゃんもファウストローブでお出迎えとは、いかにシェム・ハが警戒されているかが分かる。]

<いや、昔はヤンチャだったのでな。

<昔、ねえ…今もの間違いじゃないの?

<面白いやつだな、気に入った。お前は最後に…

[二人の頭を叩こうとして、空振る。]

『へへーん!もう戻ったもーん!』

『オッス、我シェム・ハ。今貴様の頭の中におるぞ。』

 

 いや、この二人俗世に染まり過ぎじゃないですかね。このネタ通じる人、あんまりいないでしょ?十万ドルPON☆とくれる人に私も出会いたいものです。

 

<…素直に従っては、くれないか。

【BATTLE START!!】

 

 よーし、かかってこーい!この世界の装者がどんなレベルかは知りませんが、紫羽ちゃんの敵では無いと知り給え!

 

〜走者戦闘中〜

 

[…知らない、いや知っている天井だ。]

 

 負けました。いや、スペック自体は全然余裕だったんですよ。でもね、急に紫羽ちゃんにデバフがですね…

 

【状態異常:[存在劣化]】

 

 これですね。名前からして明らかにヤバいんですが詳細は開示されてませんから、今は謎のままで置いておきましょう。さて、そろそろイベンツかな?

 

<起きたか。

 

 はい、もう予想できてたかと思いますがこちら風鳴弦十郎司令です。これからは会話イベントになります。

 

<早速だが、君の名前を教えてくれるかな?

[私は自分の名前を告げた。]

<風鳴紫羽…すまない、俺の親族にそんな人間はいない。君が嘘を言っているようには見えないんだが…

 

 当然でしょう、だって別世界の人間なんだもん。弦十郎さんには分からないでしょうねえ!

 

<そうか、ギャラルホルンの反応が見られたというのはそういうことか。

[聞き慣れない単語に首を傾げた。聖遺物の名前だろうが、聞いたことがない。]

 

 そろそろ気づいてクレメンス…(懇願)というか響歌ちゃんもシェム・ハさんも静かじゃないですか?どうする?入れ替えとく?

 

[響歌と代わる]

 

【本当に、交代しますか?】

 

 え?なんですかこの表示。明らかにストーリー進みますやん。こんなんやらいでか!

 

[響歌と代わる]

 

 それでは、チェンジです!

 

[いつものように、響歌と入れ替わる。その瞬間、何かの記憶が流れ込んできた。]

「──彼奴はな、小日向未来と立花響の娘よ。」「立花響歌さんが『この世界』…世界Aとしましょう。こちらにやってきたのは約300年前である、という事ですね?」「故に、響歌は時間すら越えた。」「この世界は、()()()()()()()()()()の世界である。」「300年前、私は『天使』に出会ったんだ。」「彼女が差し出したのは、『家族を守りたい』という強い思い以外のほぼ全て…()()()()()()()()。」「そして姉さんは、全身に、くまなく、致命傷を負ったんだ。」「故に我は、新たな肉体を複製した。」「今の奴の身体は我直々に作り出した、本物と変わらぬ複製品。そこに『立花響歌』という魂と、『家族を守りたい』という『願い』から生まれた新たな無銘の魂が宿ったのよ。」「なぜ立花響歌は世界を渡ることとなったのか。」「それは、【怪物】の襲来である。」「奴の狙いは、立花響歌。()()()()()()()()()()()()()であった。」「魂無き、崩壊しかかったその骸に世界の悪意、怨念が収束した結果生まれた【厄災】そのもの。それが【怪物】である。」「即ち、装者とその関係者だけの絶対的殺戮マシーン。」「唯一逃げ延びたのが、立花響とエルフナインであった。」「2人は命を懸け、愛しき彼女を逃したのだ。」

 

 

 

「さすれば、()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

 

お願い…導いて!ガングニールッ!

 

 

 

[そういう、ことなのね。]

【シェム・ハの腕輪からフォニックゲインが溢れ出し、ヒトガタとなる。】

[上体を起こした姿だった紫羽の身体がベッドに倒れ込む。響歌は目覚めない。]

<──生きなさい立花響歌。私の運命は、ここまでよ。貴方も私の大事な家族。装者だけじゃなく、貴方も守ってみせる。それが私の『存在意義』だから。これからの人生は、貴方の為に使いなさいな。

<君は、一体。

<あとはこの子が説明してくれるわ。それじゃあね。()()()()()()()()()()()。あなたと出会えて光栄だったと、伝えておいて頂戴。

 

[立花響歌]から[風鳴紫羽(分身体)]が離脱しました。

 

立花響歌が【シンフォギア:ヴィマーナ[歴戦]】を喪失しました

立花響歌が【背水の陣】を喪失しました

立花響歌が【二重の魂】を喪失しました

立花響歌が【両翼の守護者】を喪失しました

立花響歌が【撃槍の宿り木】を喪失しました

立花響歌が【絶刀の宿り木】を喪失しました

立花響歌が【永遠に翳らぬ陽だまり】を喪失しました

立花響歌が【消えぬ炎を撃ちだして】を喪失しました

立花響歌が【温かい居場所】を喪失しました

立花響歌が【並び立つために】を喪失しました

風鳴紫羽が【バラルの呪詛:解放】を喪失しました

 

 祝!スキル消滅!なんだこの状況!?(驚愕)紫羽ちゃんが身体から抜けた上に分身になって、しかもヴィマーナを持っていくとか…もうこれわかんねえな(諦め)

 

【残り時間[20:47:55]】

 

 あれ、しかも分身に時間制限付き。

 えーっと、イベントムービーの中では紫羽ちゃんがどこかに向かって歩いていますが、ここで話しておかないと手遅れになりそうなので手早く話しましょう。

 まず先程のムービー中に流れた超高速回想シーン、あそこの影響で紫羽ちゃんの中で何かが変化したようです。急なイベントはそのせいですね。おそらく響歌ちゃんの記憶関連でしょう。現に響歌ちゃんは原因不明の昏睡状態になっていることが判明しましたし。すこしログ遡ってきますね。超高速回想シーンを確認してきます。

 

<…『故に、我は奴も…風鳴紫羽も、1人の人間だと規定する。これはアヌンナキが1柱、シェム・ハとしての規定である。』か。嬉しいこと言ってくれるよ。神様も捨てたもんじゃないのかな。

 

 それにしてもどこに向かってるんでしょうね紫羽ちゃん。目的地は…()()()()()()()じゃないですか。あそこ何かと決戦の舞台として使われてますし、何らかのイベントが追加で発生するかと想定されます。

 

【操作権をプレイヤーに移譲します。】

 

 おや、イベント用の高画質アニメーションのままですけど操作権が渡されましたね。これ、もしかしなくても決戦イベントでは?一直線に歩く以外できませんし。

 

[この光景は、どこかで見た気がする。どこだろうか。]

[すると突如、眼前に炎が立ち上った。あまりの熱量に、少し火傷してしまった。フォニックゲインで構成された姿でも、傷を負うことはあるらしい。]

【HP[497→495]】

 

 あ、予知夢スキルやん。

 そうでした。ゲーム内時間での今朝、紫羽ちゃんがそんなスキル獲得してましたね!ということはこのあと攻撃されるので…

 

【タchi■キxよ憂■[怨■Tあi]の攻撃】

[避けきれない。そのまま、私は────いや、これなら、当たらないッ!]

【HP[495→493]】

[実体をもたないはずの身体が焼け付くように痛い。これが、あなたの身体なの?──響歌。]

 

《真名判明》

 

【立花響歌[怨念体]】

 

 怖っ。

 そしてさらっと明かされる衝撃の真実!あの敵、なんと響歌ちゃんの身体みたいですよ。ログ確認の結果ですが。ということは紫羽ちゃんvs響歌ちゃん(身体)のドリームマッチです。HPゲージは何本あるのかなぁ?

 

HP391700/391700

 

 

                                                 

 

                                                             

 

                                                             

 

                                                             

 

あ ほ く さ 。

 なんじゃこのクソゲー!?あからさまに倒させる気ないな(確信)もうだめだぁ…おしまいだぁ…見た目は完全に響歌ちゃん…ってわけでもなさそうですね。髪色が赤に染まってますし。…赤?

 

[向かい合うだけで、敵わないと分かってしまう。挑むのはやめろと、身体が悲鳴を上げる。]

【戦いますか?】

はい

 

 ウッソだろお前(白目)なんでここまでやらせといて退却っていう選択肢がないんだよ!なんだこのクソゲー!いい加減にしろ!…ッッッッッッッッッッッッス-…

 ふざけるな!ふざけるな!バカヤロォォォォォォォ!!!!!!

 

【本当に、戦いますか?】

はい

 

 あ、ここで電源落とせば戻れる?

 あっ(察し)、ふーん…(無関心)

 

 でも、ここで折れたら走者じゃないんですよね(歴戦の風格)

 

 っしゃあかかってこいやぁ!

 

【FATAL BATTLE!!!】

 

 

──────────────

 

 

 

《■■■■■■■■■■■■───────!》

「ぜ、は…」

 

 意識が遠のく。

 

「ごっ…は!」

 

 地面に叩きつけられる。

 

「っつ…マジで、何なのよあんた…」

 

 震える身体に鞭を打つ。

 

《■■■■■■■───────》

「信じられないぐらいタフよね…ッ!」

 

 ギアを使って戦うことは、フォニックゲインで構成された身体の寿命を加速度的に縮めていく。私の身体ではない以上、歌うことでフォニックゲインを生み出すこともできない。要は使い切り電池だ。

 響歌の身体。初めて見た時には普通の女の子みたいだったのに。戦い続けるにつれて怪物と化していく。既に人間の姿は留めておらず、最早化け物と言っても差し障りない程に姿を変えてしまった。

 

「ここで───────ッ!また!」

 

 ()()()()()()()()()()()()私の魂はマトモに機能しなくなってきている。複製された肉体と、それを不法占拠する、本来存在しない筈の魂。親和性がある訳がない。

 

《■■■■■?》

「ッチ、舐めやがって…!」

 

 身体にノイズが走る。まるで電波の悪いテレビのように、姿がブレる。私がここで死ぬなど、信じたくない。ここで消える訳にはいかないのだ。奏が、皆が。待っている。だけど、奏よりも。誰よりも近くにいてくれたのは、響歌だった。だから──ッ!

 

「あんたを消さなきゃ、()()()()()()()()()ッ!」

 

 【家族を守る】

 それがわたし(風鳴紫羽)を形作るモノ。わたしを生み出す元となった、かのじょ(立花響歌)の最初で最後のネガイ。それは同時に、彼女という存在への呪いとなった。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()。私が存在し続ける時、本当の…小日向未来と立花響の娘である『立花響歌』は戻ってこない。立花響歌を取り戻すための方法は、ただ1つ。

 『風鳴紫羽』という紛い物の魂を以て、シンフォギアの限定解除のための鍵となった立花響歌の記憶を取り戻す。一度作られた鍵は、もう消えることは無い。誰かが代わりにならなければならないのだ。

 

 都合よく、ここに異物が存在する。

 

 私の魂。それを使えば、響歌を救うことが出来るだろう。ただし、私の存在は無くなってしまう。私は封印され、目覚めることは出来ないだろうけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ああ、だけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう一度だけ、奏に会いたかったな。」

 

 使うしかない。アレ(絶唱)を使えば、フォニックゲインの残りを全て使い切ってしまう。それだけでは足りない。私の魂まで削られ強制的に肉体に戻されるだろう。ただし、二度と目覚めることはなく、響歌の記憶の代わりとして『鍵』となるけれど。

 

「悪いわね、奏。」

 

 だけど、身体を奪われっぱなしというのは悔しいだろう?

 

「私がどうなってもいい。」

 

 これもまた、家族(響歌)を守るための戦いだ。

 

「でもね、アンタのその身体だけは!返してもらうわよ!」

 

 奏でよう。いのちを燃やす歌を。

 

 

 

「──さぁ、ヴィマーナ!プロミネンスのように輝きなさい!」

 

 

 

「これが私の、絶唱だ───────!」

 

 

 

 ニンマリと、立花響歌の肉体(怪物)は嗤う。己のエネルギーが、また増えると。これで、より強くなれると。これで、家族を殺せると。

 

 

 

「…そうさせるか、ば───────か!」

 

 

 

 しかし、風鳴紫羽は笑みを浮かべる。

 

 

 

「アンタは、ここに、ボッチで、眠りなさい!」

 

 

 

【我流・超新星】

 

 

 

 

 

「ここで、終わりだ──!」

 

 

 

 

 

ありがとう、さようなら。

 

 

 

 

 

 

【FATAL BATTLE ENDED…】

 

 

 

 

「──────────────姉様?」

「──────────────先輩?」

「──────────────師匠?」

「──────────────先生?」

「──────────────デス?」

「──────────────紫羽さん?」

「──────────────紫羽?」

 

 

 

「どこ行っちまったんだよ、紫羽。なぁ。」

 

 

 

 

 

「ん…」

「目が覚めたか!」

()()()?」

 

 

 

「紫羽は…どこなの!」

 

 

 

 




次回予告。(推奨BGM 『Windia』←サビ前からとかどうでしょう?)

「これは、一体なんの反応なんですか。」

 それは聖遺物でも、ノイズでもない。ただ熱量(呪い)を放つ。

「どこなの…紫羽…寂しいよ…」

 風鳴紫羽と名乗る少女を保護したS.O.N.G.の面々は、うわ言のように己の名を呟く少女と対面する。

「教えて?貴方の、本当の名前。」
「私の、名前は──」

 一方、ギャラルホルンにて世界を渡る奏。

「あれが、リディアンなのか…?」

 そこで彼女は、あってはならないものを見る。

「有り得ない。まさか、このペンダントは…!」

 風鳴紫羽は、見つからない。

「じゃあ、あんたは紫羽を見殺しにしたってのか!」

 平行世界の弦十郎と奏の間に、決して埋まらぬ亀裂が走る。

「じゃあ、紫羽は──」

「わたしのなか、ガングニールのための鍵として、眠っている。」

 今突きつけられる、絶望のしるし。

「あの人、食べられなかったの。」

「だって、絶望も何もしてなかったもん。」

 対峙するは、この世界の装者達。
 憎悪の権化に、抗え。

───────紫羽はさ、私たちの家族なんだ。


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おや?奏さんの様子が…?〜ヴィマーナ風味〜

に、にににににに、日刊13位!?(2021/02/21/01:50)
ありがとうございます!ありがとうございます!すごい!大躍進です!こんなSSなのに…ガバガバRTAなのに…読んでくれてるのね…みんな、ありがとね…!

バク宙しながら初投稿です。

追記 サブタイ変更忘れてましたごめんなさい許してくださいなんでm(略


 はい、では前回は紫羽ちゃんが自爆したところで終わりましたね。とても残念な出来事でしたが、あれも恐らくイベントの内です。避けることは出来なかった(無慈悲)

 現在、視点はS.O.N.G.に戻りました。前回の最後の最後で目覚めた響歌ちゃんですね。これからのプレイヤーキャラは響歌ちゃんになります。ステータスは変化していないはずなんですが、残念なことにデバフがかかっています。

 

【半身喪失】

 

 こちらですね。状況から判断するに、紫羽ちゃんが消えたことによる精神的ダメージってところでしょうか。前回、なにやら奏×紫羽だけじゃなくて紫羽×響歌というCPも発生してませんでしたか?気のせい?あっそう(無関心)

 今は目覚めた響歌ちゃんがこちらの弦十郎さん…ああもう面倒ですね、根幹世界の弦十郎さんに詰め寄っているところです。見た目26歳のキャリアウーマンで中身実質5歳のょぅι゙ょに詰め寄られる気分を聞いてみたいですね。

 

<ねぇ答えて!紫羽は!?

<そ、それは君ではないのか?

[違う!紫羽は私じゃない!私の使う身体のことじゃないのに!]

 

 まぁ、そうなるな。

 身体は紫羽ちゃんが使ってたやつですから…もともと響歌ちゃんのものだったものですが。さっき名乗る時も風鳴紫羽だっつってましたし、弦十郎さんからすれば訳が分からんでしょう。分かれ。(豹変)

 

<そういえば、さっき誰かがその腕輪から出ていったが…

[それだ!それに違いない!私はベッドから立ち上がり、そのまま病室の外に出る。司令が止めてくるけど、私は気にせず進む。]

<ま、待つんだ!まだ身体の調子が戻ってないだろう!

<司令!緊急事態です!

[こちらの世界の緒川さんだ。酷く慌てている。]

 

 NINJAニキおっすおっす。あ、体調戻ったんで大丈夫ですよ…え?緊急事態?誰かが戦ってる?紫羽ちゃん視点は前回で終了したはずですから、遂に響歌ちゃんオルタとこの世界の装者がエンカウントしたんでしょうか。そうなっても何もできないけどな!

 はい、一度暗転して司令室に場面転換しましたね。一体何が始まるんです?(ガチ)

 

[そこに映るのは、酷く現実味の無い光景だった。]

<あれは、先程の…

<仮称【風鳴紫羽】、依然交戦中ですが…これは、一体なんの反応なんですか。交戦中の目標のデータが、まるで分かりません…!

<…おっさん、そいつは?

 

 …うわあ、うわあ…やべえよやべえよ…(混乱)

 今画面に映ってるのって前回の激闘では?別の三人称視点で見るとこんなにえげつない蹂躙されてたんですな。…あ、壁に叩きつけられましたね。痛そう(小並感)

 いや、それもそうなんですが。今司令室にいるの、司令とオペレーター組、緒川さん(本体と仮定する)に…

 

<む、彼女は…

[司令がこっちを見てきた。わたしは…]

 自分が誰なのか尋ねる

分からないと伝える

 名乗る

 

 ここは素直に伝えておきましょう。なぜって?その方がサクサク進むじゃろ?

 

[わたしは首を振って、分からないと言った。]

<記憶喪失…というものか。

<なんか大人なのに子供みたいデスね。

<…それも、記憶喪失の弊害かも。

<なんでしょう、寂しそうね。いいえ、悲しそう?

 

 はい、まさかの装者’sですね。しかもこの世界はXV編の後みたいなんですよ。なぜか?それはね。

 

<…未来?ううん違う。未来は今…

<響?どうしたの?

<どーしたのー?

 

 ダディバナサン!ナズェミテルンディス!

 まさかのたちばなきょうかちゃんごさいが居るからですね。この空間に同じ人間がいるのに、本人も気付いてないとかたまげたなあ…(呆れ)とまあそんな感じで、今は緊急招集されたS.O.N.G.の皆さんと立花響歌さん26歳(26歳とは言ってない)で、紫羽ちゃんの戦闘シーンを見返してますね。

 

<…!ば─────────か!

 

 はい、紫羽ちゃんが絶唱して消えたところで映像が途切れましたね。緒川さんのBUNSINが吹っ飛んだみたいです。ええ…なんで本体は無傷で生きてんの?NINJA怖い…トヅマリストコ。

 今後の対応策について話し合うようですね。と言っても響歌ちゃんは映像が途切れた後気絶しちゃって倒れましたが。衛生兵!衛生兵!駄目だ!駄目だ!駄目だ!

 

【根幹世界 side out…】

 

 視点変更ですか。あっそうだ(唐突)このときメニューを開いておくと切り替わったキャラが少し早めに分かります。今回は響歌ちゃんから…

 

【天羽奏side】

 

 奏さん視点に変わったんですね。百合百合カップルの片割れですからねえ…これはなかなか荒れている予感がしますよ。奏さんオルタになる日も近い…?

 

[紫羽がいなくなって一週間。ようやくこの日が来た。]

<それじゃ、準備はいいかしら?

 

 おや、もうギャラルホルン起動してますね。ということは誰かが世界を渡るわけでして…まあ十中八九奏さんでしょう。間違いない。花京院の魂どころかポルナレフの魂だって賭けてやりますよ。それにしても見送りは了子さんとエルフナインちゃんだけなん?他の人たちは何してるんでしょうか。仕事かな?(社畜の鑑)

 

【精神状態:高揚[重]】

 

 ほらね?奏さんの精神状態がこうなってるならもう間違いありません。これからのメインキャラは奏さんです。ガングニールの広域殲滅技をブッパしながら若干防御力寄りの高ステータスで敵をなぎ倒す…いわば重戦車みたいなスタンスですね。とはいえ現状紫羽ちゃんは消息不明(大嘘)なのでスキルの恩恵は受けられません。

 

【たった一人の家族】

 家族を失った私の、最後の家族。もう失わない。失わせない。

 [風鳴紫羽]と共闘する場合、自身の防御力と移動速度を上昇させる。

 

 もう使えないスキルです。悲しいことにこのスキルは紫羽ちゃんが居ないとどうにもなりませんからね。もう死にスキルですよ。現実を知ったときの奏さんの反応が楽しみだなぁ…(暗黒微笑)

 それじゃ、ギア展開して…天羽奏、行きまーす!

 

[緑の光に包まれて、私は世界を渡る。今使っているのは響のギアだ。こいつで、紫羽のところに…!]

 

 おっ、出現箇所は前回同様路地裏ですか。まずはギアを解除して…ってあれ、ここ前回の路地裏でもなんでも無いですよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()。フラグメントもリディアンの近くに立ってるみたいですし、これもしかしなくてもイベントですよね?戦闘じゃないよね?もうアレとやり合いたくないんですけど?あんな小学生が設定したようなHPの敵と戦うとか無理ゲーじゃないですかいい加減にしろ!

 はい、移動してみましたがやっぱりここリディアン付近ですね。しっかしこんなところにフラグメントなんて立てて何が起きるんだか…おや、あの光はアイテムの証!きっと大切なものに違いない!

 

【シンフォギアペンダント[ヴィマーナ]を取得しました。】

 

 あっ(察し)これ、奏さんのメンタル逝くのでは?えーと精神状態を確認しましょう。SAN値チェックともいいますね。いざ!オープン!

 

【精神状態:混乱[重]】

[有り得ない。まさか、このペンダントは…!どうして?それに、ここは…]

<あれが、リディアンなのか…?

 

 お、演出入りましたね。奏さんがどんどん小さくなっていく…って、これあれじゃん。超新星のガラスじゃん。中に取り込まれてるのは響歌ちゃんオルタですよ。小さくしか確認できませんが、間違いありません。

 

[巨大な水晶柱がリディアンに屹立している。あれは、見間違えるものか。]

<紫羽…お前は…

 

 あーあー、雨まで振っちゃってまあ…弱り目に祟り目ですね。…おや。

 

<奏?どうしたんだ?

[こっちの世界の翼が首を傾げて立っていた。]

紫羽について尋ねる

 世間話をする

 煽る

 

 翼さんのご登場です。さーてどうしましょうか…煽るってなんや。気になりますがここは紫羽ちゃんについて聞きましょう。と言っても情報はなさそうですが…

 

[私は紫羽について尋ねてみた。]

<風鳴紫羽…ああ、その人なら今S.O.N.G.で保護しているぞ。しかし、どうして奏がその名を?装者は一人だけなのではないのか?

 

 おやおやおやおや、この奏さんは片翼の装者の世界線から来てませんよ。一体いつから奏さんが一人しかやって来ないと錯覚していた?

 はい、若干イライラしてきた奏さんを連れて翼さんが車で走り出しましたね。この世界での翼さんは時間が経過しているのもあって色々成長して…ません。絶刀は絶壁です。この真理は誰にも変えられない。現実は無慈悲である。でも車の免許は取ったらしいですよ。現に乗ってますし。それじゃ、二人が喋ってますけどカットして場面を動かしましょう。

 

【天羽奏 side out】

 

 はい。ところ変わってこちら紫羽ちゃん(響歌ちゃん)のいる病室ですね。えーとステータスステータス…

 

【精神状態:錯乱[凶]】

 

 あら^〜これはこれは。随分おもし…大変なことになってますね。まあどのくらい大変かというと暴れ回るわ話は聞かないわで地獄です。この場合だと響歌ちゃんが紫羽ちゃんのステータスで暴れるわけですね。地獄じゃないかたまげたなぁ…

 

[気を失っていたらしい。覚えているのは、壮絶な顔で笑う紫羽の顔だけ。映像は途切れたけれど、時間的にはあの直後に私が目覚めたらしい。]

<どこなの、紫羽…寂しいよ…

 

 肉体年齢26歳の女性が泣いてます。まあ中身は18歳だか5歳だかの女の子だし、しょうがないね。

 さてと。今出来る事はほとんどありませんし、どうしましょうか。バステの錯乱[凶]のおかげで会話もままなりませんから…うーん詰んだかな。奏さんも暫くは来ませんし…

 あっ(唐突な思い付き)スキップすればええやん。そのためのSVモード。そのためのスキップ。おらいくどー。(スキップ連打)

 

【病室の扉を開き、奏が飛び込んできた。】

<紫羽!大丈夫か!

<ちょ、ちょっと奏…?

【[視点変更]が可能になりました。】

 

 はい(歴戦の風格)、ここで視点変更が可能になります。という訳で奏さんに視点変更して、コマンドを選択して行きましょう。

 

【[天羽奏]に視点変更しました】

[ベッドの上には、虚ろな表情の紫羽がいた。]

ベッドに駆け寄る

 

 選択肢一つだけじゃないか、たまげたなぁ…これ大丈夫かな。本格的に奏さんのメンタルバッキバキに折れたりしませんよね?ね?

 

[震える声を自覚しながら、私は紫羽に問いかけた。]

<…あなたは、奏さん?どうしてここに…

<なぁ、紫羽は…

[その時、扉が開いてこっちの旦那が入ってきた。]

 

 おや弦十郎さん。何しに来たんですか?お見舞いと奏さんの歓迎?いや違うんですよこの奏さんはあなた達の知ってる奏さんじゃなくてですね…(奏さん説明中…)

 

<ううむ、ということは装者が全員生存している世界の奏だったという訳か…すまない、こちらの思い込みで辛い思いをさせたな。

[良いんだ。紫羽の居場所さえ分かればそれでいいんだから。そういう旨を伝えると、旦那は苦しそうに顔を顰めた。]

<それが、な。

 

 今告げられる衝撃の真実!紫羽ちゃんは1人で戦っていたのでした!ちなみにその時装者たちはアルカノイズだったりライブで居なかったりと都合が合わなかったらしいゾ。まぁ、奏さんもキレますよね。

 

<…という、訳だ。

<…じゃあ、あんたは紫羽を見殺しにしたってのか!

[分かっている。誰も対応しなかったんじゃない、紫羽が1人で行ったから、誰も対応できなかったんだ。]

 

 あーあー、奏さんのメンタルにダメージが…

 

【精神状態:激情[怒]】

 

 あるぇー?思ってたのと違うぞー?予想ではメンタル折れて再起不能になる、だったんですけどね…案外依存から脱却できてたって事でしょうか。まぁ依存というよりアレはただの夫婦でしたし。

 

[私は怒りに任せて部屋を飛び出した。]

【[立花響歌]に視点変更しました。】

 

 あら、奏さんが離脱しちゃいました。これからはまたショボンヌ響歌ちゃんがメインになるようですね。おや、だれかきたようだ(フラグ)

 

<お邪魔します。

<しまーす!

 

[誰かが、やってきた。誰だろう。]

<こんにちは。小日向未来です。…って、そっちにもいるよね。

<…未来さん。

 

 ▼ やせい の みく が あらわれた !

 

 次は未来さんですか。歓迎するよ、盛大にな(錯乱中)オマケにかざなりきょうかちゃんごさいも着いてきましたね。響歌ちゃんにも若干面影は残ってますけど、やっぱりよく見ないと分からないぐらいですよ。だってメインが紫羽ちゃんだったもんですから、眉間のシワとかそういうのが…ね?

 

<あ、響歌は響のところに行っててね。

<はーい!

<…うん。あなたと、話したくて来たの。

[なんだろう。わからない。]

<教えて?貴方の、本当の名前。風鳴紫羽、ってあの人の名前なんでしょう?

[未来さんが言った言葉に背筋が凍る。私は…]

話さない

 話す

 

 ンンンンンさすが未来さんですね。直感EXかな?ここは素直に話す場面なんでしょうが…素直に話すとでも思ったか(逆張りオニイサン)

 

<ごめんなさい。私の、名前は──まだ教えられません。もう少しだけ、『風鳴紫羽』でいさせてください。いつか必ず、教えますから。

[小さく首を振って私は否定する。ごめんなさいおかあさん。紫羽が生きた証を、もう1人のわたしを、奏さんよりも近くにいたわたしを、わたしのことを覚えていてくれたという証を、まだ忘れたくない。]

<─────そっか、じゃあ、その時は教えてね。

 

 これが、母の力ですか(浄化)

 いや、これ確実に響歌ちゃんのこと分かってるやつじゃないですか。私にはわかる、これは愛ですよォ!(何故かここで愛)…というか、そろそろ良いですかね。いきますよー、せーの!

 スキップします!

 

 …おや、いきなりイベントですか。ここは飛ばす訳にはいきませんよね。素直に再生しましょう。ほらみんな喜べよ。奏さんだぞ。

 

【[天羽奏]に視点変更しました】

[部屋を飛び出してから。私はしばらく彷徨って、また紫羽の部屋にやってきた。いや、ここに居るのは紫羽じゃない。響歌だ。]

<…奏さん。

<なぁ、紫羽はさ、消えたのか?

 

 ンンン、核心を突く鋭い質問ですね。消えている、とは明言できません。響歌ちゃんの記憶の代わりとして封印されてるだけですよ。ほら消えてない。消えてないからね。

 

<…ううん。ちゃんと、私の中で()()()()()

<じゃあ、紫羽は──

[響歌は、そこで言葉を区切る。迷って、胸のあたりを抑えた。苦しそうに、悲しそうに、彼女は言った。]

 

 

 

 

 

<彼女は─『風鳴紫羽』は、わたしのなかで。ガングニールのための鍵として、眠っている。

 

 

 

 

<…そっ、か。

[予想はしていた。分かっていた。あのカミサマが嘘をつくはずがないって、分かっていた。分かってたんだ。けど。けれど!]

 

<あぁ…もう、会えないんだな。

<うん。そのガングニールは、一時的にでも私の物だった。世界を渡るその時に、私は『鍵』を作ってしまった。一度付けられた『鍵』の『型』は、もう消えないから。そのギアが存在する限り、そのギアを誰かが望む限り、その鍵は消えない。

<だから、私が抜けた『型』を埋めるために代わりが必要だった。紫羽は、『私』という家族を守るために封印されることを選んだの。

 

 

 

///

 

 

 

「───────そっ、かぁ…」

 改めて聞くと、かなり『来る』。覚悟はしていた。理解もしていた。けれど、やはり辛い。気付けば奏は、床に崩れ落ちていた。

「私が…『立花響歌』が、再び生まれることを願って、彼女は…風鳴紫羽は消えた。胸の中に残ってる、この熱さ。それはきっと──」

「ああ、分かってるさ。」

 それ以上は、言わなくていい。

「じゃあさ、このギア──」

 奏が響歌にガングニールを差し出した、その瞬間だ。

 

 

 

///

 

 

 

【突如として、警報が鳴り響く。同時に本部が激震する。】

 

 

 

 はい。やってきました。もう皆さんも予想出来てましたよね。覚えていらっしゃいますか。このシリーズの第一話を。まだ視聴数(閲覧数)も少なくて、私が1人で話していたあの頃です。いや、今も1人で喋ってますけど。

 

 

 

<…っ、響歌はここにいろ!私が見てくる!

 

 

 

 あの時、S.O.N.G.はどうなっていましたか?思い出してください。そう、そうなんですよ。

 

 

 

【立花響歌、襲来】

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

///

 

 

 

「…クソったれ。紫羽はこいつとやり合ってたのかよ。信じられねぇや。」

 対峙するだけで足が震え、冷や汗が止まらなくなる。本能が警鐘を鳴らし、心臓が止まりそうになる。ガングニールは響歌に託した。ヴィマーナのギアは持っているが、己に使えるはずがない。

《あmmmmmmmmmmおウ、Kaaaaaaaaaa????》

「せめて日本語話せってぇの!」

 自分より先に出撃していたはずの装者たちの姿は見えない。()()()()()()立花響も、その首を掴まれて持ち上げられている。己は、ただ見ているだけ。当たり前だ。こちらの世界の装者たちは、自分よりも歳上なのだから。

「クソ。」

 何度目かも分からない悪態をつく。目の前のヒトガタは響を放り投げ、奏に向かってくる。悠々とした、己が支配者であると言わんばかりの歩き方。否、この場においてだけならば、彼女が支配者だった。

 奏は、動けない。修羅場を潜った数が、戦い続けた時間が、あまりにも違う。まだ少女を抜けたばかり。紫羽を失い不安定な己が戦えるとは思えない。足から力が抜け、へたり込む。

 

 

 

「み、く…ごめん、ね…」

「いい、よ。私こそ。」

「「響歌…」」

 

 

 

「………」

 

 家族を守る?

 

「……─」

 

 自分が死んだ後、彼女たちはずっと戦ってきた。絶望に膝を屈することもなく、ただ前を向き、一直線に。己の撃槍を継いだ少女も、陽だまりとなって待ち続けた少女も、仲間たちも、立ち上がろうともがき続ける。そこには支え合う仲間がいて、信念がある。

 でも、紫羽は違った。響歌の願いから生まれたその魂は、どれだけ打ちのめされても、誰も立ち上がらなくても、たった1人でも立ち上がった。

 

「……が─」

 

 彼女たちは、仲間たちは、響歌を送るために戦った。『家族を守るために』。全ては、ここから始まったのだと。奏は気付く。ここに、紫羽の始まりがあった。

 

「…うが─」

 

 その願いは、確かに受け継がれた。そうして、私が、皆が受け取った。だから今度は、私の番だ。

 

「紫羽が─」

 

 

 

「紫羽が!守ろうとした物を!お前が壊すんじゃねぇ!」

 

 

 

 対するヒトガタは、不満げに頭を揺らす。

 

「あの人、食べられなかったの。」

 

「だって、絶望も何もしてなかったもん。」

 

「わたしをひとりにしたの。」

 

「だから、今度はね。」

 

「ちゃんと食べる(殺す)の。」

 

 紡ぐ言葉は、それそのものが呪いとなって。立花響歌の身体を奪った悪意は、その在り方が為に悪を為す。『家族を殺す』、その為に。

 

 

 

「───────今、なんつった?」

 

「紫羽を、なんだって?」

 

「かな、でさ──」

「喋んな響。動けるなら下がってろ。」

 

 

 

 なぁ、おい。

 

 

 

「紫羽を、殺すだぁ?」

 

 甘い。余りにも、甘い。

 

「ああ、きっとあの人が絶望すれば、きっと美味しい!どんな味かしら!きっと今まで食べたことの無い─」

 

 

 

「黙れッ!」

 

 

 

 あまりの気迫に、ヒトガタが動きを止める。

 

 

 

『お前が、私の紫羽(家族)を殺すなら─』

 

 

 

 立花響歌は、病室のモニタからただ眺める。

 

 

 

「お前が、あいつの覚悟を侮辱するなら─」

 

 

 

 握る両手は、()()()()()()()()

 

 

 

「私は────────!」

 

 

 

 両拳を突き合わせ、己は叫ぶ。暗闇から己を救いあげ、皆を導いたあの人のように。胸に浮かぶウタを、声高々に詠う。

 

 

 

「起きろよ!」

 

 

 

「ヴィマーナァァァァァァ!」

 

 

 

『Croitzal ronzell─』

 

『vi-māna tron─!』

 

 

 

 纏うは、天翔の玉座。紫を基調にした鎧はそのままに、右手が赤く、左手が青く染まっていく。その形は、まるで──

 

 

 

「ガング、ニール…?」

 

 

 

「───いや。」

 

 

 

 二課最強の鎧を受け継ぎ、その願いを受け継ぐ少女は、再び槍を携え立ち上がる。右に構える槍と、左に携えるガントレット。腰のスラスターは、光を放つ瞬間を待ち続ける。

 

 

 

「ヴィマーナ。私の恩人で、そして───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私の恋人の、空を翔るための力だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オラ、かかってこいよ盗人が。」

 

 

 

 その身体、返してもらう。

 

 

 

「それが、きっと紫羽の願いだ。」

 

 

 

「行くぞ。しっかり着いてこいよ、ヴィマーナ。」

 

 

 

 

───────私に追いつくなんて百年早いわよ?

 

 

 

───────仕方ないから、リードしてあげる。

 

 

 

───────ほら、一緒に翔びましょう(Shall we dance)

 

 

 

「は、上等だ!存分に振り回してやるよ!紫羽!」

 

 

 

 最後の、最後の。戦いが始まる。

 

 

 




次回予告(推奨BGM 『grilletto』)
「どうして?どうして、私が勝てないの?」

「教えてやるよ─愛だッ!」

「私たちは、見てるだけなの?」

「奏!」
「奏さん!」

「もう迷わない。今度こそ、救ってみせる。」

「いよぉし!間に合ったぁ!」

「おかあさん!みんな!ただいま!」

《あなたは!なんなの!わたしを…わたしの…身体なのに!》

「わたしは!立花響歌だぁぁぁぁぁ!!」


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決戦エディション奏さん、爆誕!〜響歌ちゃんの悪意詰め〜(最終回)

ハロー、聞こえてるかしら?

 んんっ…あー、翼。ご飯、美味しかったわ。ありがとう。また作ってくれると嬉しいな。女子力は大事なのよ。磨きなさいね?
 クリス。しっかり者の貴方なら、みんなのリーダーになれるはずよ。食事のマナーも、これから覚えていきなさい。
 響。なるべく未来とクリスに迷惑かけないようにね?貴方の活発さ、それは、貴方にしかない最高の美点よ。失わないようにね。
 未来。貴方は陽だまりなんだから、みんなが帰ってくる場所を守ってあげなさい。おかえり、って。みんなに、そう言ってあげて。
 調。ごめんなさい。貴方に教えると言った料理、まだいっぱいあったのに。レシピならあるから、それで勘弁してね。また食べさせて?
 切歌。響と同じで、調に迷惑かけないのよ?貴方は笑って、みんなを和やかにしてあげてね。きっと、励みになるわよ。
 マリア。今後はみんなのこと、貴方に任せてしまうわ。私の代わりに、みんなをよろしく。しっかり者の、おかあさん?
 セレナ。マリアのこと、ちゃんと支えてあげてよ?彼女、すぐ1人で抱え込むんだから。クリスと2人で、みんなの手綱握ってて頂戴。



 奏。貴方と出会ったのは、運命だと思ってるわ。ありがとう。私に、寄り添ってくれて。私の、家族になってくれて。私を、パートナーと認めてくれて。貴方となら、きっと楽しい時間を送れたのかもしれないわ。でも、御免なさい。生きて帰る、って約束。私が破っちゃうわ。だから、貴方が家族を守っていって。私のヴィマーナ、貴方にも適性があるみたいだから。だから…この力を、貴方に託すわ。
 みんなを、よろしくね。私の愛しい奏。


〜風鳴紫羽の記録映像より抜粋〜


 や っ た ぜ 。

 頂きました。好感度補正による他人のギア装着イベントです。wikiでも数例確認されてましたし、私のデータでもあるかなと思ってました。実際、それありきで動いてた部分もありましたからね。

 ちなみにスペック自体はガングニール(ビッキー&奏さん)とヴィマーナの合いの子になってます。右手は奏さんのガングニールの槍ですし、左手のガントレットはまんまビッキーのやつです。さしずめ【ヴィマーナ・奏エディション】でしょうか。えーと、技のバリエーションは…

 

【vi-māna】【Gungnir】
【我流・閃光】【I×STARDUST∞FOTON】
【我流・凶星】【LAST∞METEOR】

 

 なんだこれ、呆れたなぁ…まぁ合いの子ですよね。ガングニールとヴィマーナの技ですよ。足して二で割ってる感じなのでヴィマーナの技は少なめですが、こんだけありゃ十分ですよ。…あれ、あんな技だったかな。ママエアロ。

 

 ちなみに現在は表示されておりませんが、ヴィマーナ起動時にカットインが入りましてね、バフが付与されました。【天翔・ガングニール】だったかな?どうやら決戦エディションの奏さん限定で発揮されるスキルのようです。ちなみに効果は、【攻撃力・防御力を乗算し、移動速度を[天翔]に引き上げる】でした。強すぎる。

 現在の奏さんの攻撃力、防御力はそれぞれ…274、256ですから…攻撃力が7万5千超え、防御力は6万5千超え。なんだこれ。

 

 と言っても相手も素直に倒れるようなスペックじゃないんですよね。なんか前回よりも禍々しくなってますから、防御力的な何かが上がってるんでしょう。ほら、某騎士王だってオルタになったら防御力爆上がりしてましたし。

 とはいえ圧倒的な攻撃力と防御力を手に入れたことに変わりはありませんし、本気の奏さんを見せてあげましょう。私のプレイ時間と奏さんのスペックが合わさった時最強に見える…!

 

 

 

 

 

 

「…奏さん、その姿は。」

「へへ、良いだろ。私と紫羽の晴れ姿って奴だ。」

 心が昂る。燃え盛る怒りが昇華され、何物にも負けぬ力となる。胸の内に響き続ける詠は、アップテンポで跳ね回る。今の奏は、負ける気がしなかった。愛しい人に包まれるような安心感と共に、奏は右手を突き出した。

「おら、掛かってきな。」

《アァァァァァァァ!!》

 挑発に乗った。怪物は、その異常なまでの身体能力を以て、翼も見切れぬ──瞬間移動と見間違わんばかりの高速移動を実現する。

「奏──」

「遅せぇよ。このくらい、あの時の紫羽には及ばないさ。」

 背後から襲いかかろうとした異形は、奏が右手に持つ槍で吹き飛ばされた。装者が束になっても勝てなかった相手を、軽く捻り潰す。別世界の奏の姿に、翼は誰かの姿を重ねて見た。

「あなた、は。」

 ()の髪を靡かせ、()のように奏に寄り添うその姿は翼を振り向き、口の前に人差し指を立てる。まるで、見ていなさいと。ダンスの邪魔はダメよと。子供に教えるように、彼女はニッコリと笑った。

「──そういう、ことなのね。奏。」

 

 

 

《い゛ぃ゛ぃ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!》

「──っは、遅いなぁ!遅いんだよ!」

 槍を振るう。眼前に迫り来る、四足歩行の悪意の塊。それに向け、己が最も使い慣れた技、その1つを投げ放つ。響とも、マリアとも異なる撃槍。広域殲滅に特化した奏のガングニールの特性は、イレギュラーな展開を受容したヴィマーナでも変わらない。

 

【LAST∞METEOR】

 

《い゛ぃ゛ぃ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!》

「それしか言わねぇのかお前は!」

 竜巻を生み出し、そこに()()()()()()。紅蓮の竜巻は怪物を飲み込み、その身体を容赦なく焼き尽くす。一時的に、怪物の動きが止まる。響たちは未だ危険な場所にいる。奏は1歩も下がれない。だが、下がる気もない。悪意を祓い、その身体を取り戻さぬ限り。己の愛する彼女の願いは果たされない。

 故に、彼女は下がらない。身体を引きずり撤退する装者たちを確認し、油断なく槍を構える。その槍は、段階的にその色を変化させていく。燃え盛るような真紅から、何かを照らすかのような橙色へ。

《ヴ、ぅ、ア゛ぁ!!》

 奏が見据える真紅の渦から、炎の塊が飛び出した。否、燃えてなどいない。焼いたのは身体を覆う悪意のみ。それもまたすぐに補充され、五分へと戻される。これでは埒が明かない。奏はそう判断し、もう1つの選択肢を取る。

 

【I×STARDUST∞FOTON】

 

 右手の槍を、ぶん投げた。怪物へと飛来するその槍は、()()()()()()()()()()()()()()。怪物が周りを見れば、キラキラとした粒子が舞っていた。大気中の水蒸気、それらを全て凍らせ、一つ一つを槍とする。奏も予知せぬ、新たな技の誕生であった。

 己は、投げ放った槍を眺める。橙色に変化し、完全に見慣れた姿となったその槍は、一際大きく氷を纏って飛翔する。

《ギ、ォオオ!!!》

 叫んだ怪物は、その槍が最も危険だと判断する。この槍だけは、己を貫く事ができると。果たしてその判断は間違っておらず、しかしその槍を回避することは出来なかった。

「逃がすかっつーの。」

 呟く奏は、右手を握りしめた。

 

 

 

 瞬間、怪物が銀に包まれる。

 

 

 

 怪物の周囲に浮遊した、小さな氷の結晶体。それらが瞬時に成長し、互いに食いあって肥大化する。槍の投擲と同時に行われたそれは、結果として紫羽の技と同じ展望をもたらした。クリアな結晶体が生成され、中に怪物が閉じ込められる。

 すぐさま氷の檻は破られるが、その数瞬だけが目的だった。投擲、必中。神殺し、そして必中の()()()()()()()()その槍は、この瞬間に於いてだけは──紛れもない、撃槍であった。

 

《ギャアアアアアア!》

 

 放たれた撃槍は、その右腕を叩き落とす。怪物が暴れ狂い、その余波だけで瓦礫が量産された。しかし、それも一瞬。槍を無くした奏を見、好機と察するは獣。口元を歪め、一直線に突進し────

 

【我流・閃光】

 

「ばぁか。」

 奏の拳に、ひれ伏した。そのまま振り下ろされた足から逃げるように、怪物は奏から距離を取る。彼女が突き出す右手は、螺旋を描く水を纏っていた。響歌の姿になった怪物が、奏に問いかける。

 

『どうして?どうして私が勝てないの?』

 

「教えてやるよ──そいつは、愛だッ!

 

『愛…そんなもの…ウ゛ゥァァ、ア゛ァ゛ァ゛!》

 

 対話は不能。そう判断した奏の左手のガントレットが変形し、肘まで覆う篭手となっていく。紅蓮から紺青へ。右手も直ぐに、蒼く染まった。

「愛だよ。紛れもなくな。私が、どれだけ紫羽のことを見てきたと思ってんだ。」

 ゆっくり、歩く。今の奏を支配するのは激情ではない。ただ静かに、波風立たぬ水面の如くが冷静さ。それは、力を流し、返すため。力を生み出し、放つため。

「訓練じゃ、みんなあいつに追いつこうと必死でなぁ。結局誰も勝てなかったんだけどさ、でも残念だけど──」

 ヒュン、と音が鳴る。装者が瞬きする間に、奏は怪物の間合いに踏み込んでいた。

 

 1歩、踏み込み。

 

「私が、一番あいつ(紫羽)に近かったんだぜ。」

 

 右手を突き出す。同時に引き絞った左手の篭手が、肘から青紫の光を吹き出した。【エネルギーの蓄積と放出】、その特性を以て蓄積されたエネルギーが、今放たれる。

 

「一発、食らっとけ────!」

 

【撃震・流星】

 

 空気が、地面が、空が、全てが震えた。奏の左手は怪物の胸元に突き刺さり、その衝撃を逃すことなく叩き込んだ。崩壊するのは悪意の鎧。右手を失い、鎧を剥がされた響歌の肉体は、力尽きて倒れ込む。

「───────うし。」

 両手を突き合わせ、奏は拳を掲げた。

 

 

 

 

 

 

 強ぉぉぉぉぉい!説明不要ッ!!

 余りにも一方的!余りにも無敵!強すぎる奏さん!これが愛の力です!…ごほん。えー決戦エディションの奏さんですが、デメリットが…なんとありません。どうなってんだと思ったそこのあなた。安心してください。私にも分かりません。

 でもねー、こういう強化フォーム的なのって確実にデメリットあるんですよねー。(ハザードオン!)暴走しないかな、大丈夫?ヤベーイ!なったりしない?あっ(ステ欄確認)そう…(安心)

 

<響、大丈夫?

<うん…なんとかね…()()()()()()()し、もう安心かな。」

<響歌…

 

 はい、こちらの世界は、響歌ちゃんがギャラルホルンに突っ込まれて別世界にシューッ!超!エキサイティン!された後の時間軸となっております。響歌ちゃん視点だとギャラルホルン通過途中でしたね。黄金の精神と共にイザークパッパを助けることになります。記憶は封印されるけど。

 つまりあの後、アラート鳴ってましたけど奏さんの介入でこうなったわけですね。はえー面白いシナリオだなぁ。きっと3日で考えたシナリオに違いありませんね。こんなありきたりなシナリオ。ランダム生成に何言ってんだって話しですけど。

 

 にしても全然バトル終わらない…HPゲージはゼロになってますから、イベントでも挟まれるのかな?そういえばあのHPゲージって悪意の鎧だったんですね。素の耐久値はやっぱり人間だから低く設定されてるんでしょう知らんけど。

 うーん進まない。こちらでは7人の装者さんたちと応急処置した司令、瀕死だったNINJAにエルフナインちゃんが集合しましたね。会話イベントかな?実際なんか話してますし。

 

<私たちは、見てるだけなの?

 

 そうだよ(便乗)調は賢いですね。(黎明卿)

 この世界の装者さんたちが少し強くなってるとは言え、奏さんの攻撃力と比べれば月とすっぽん、フリー〇とク〇リンです。言い過ぎですね。ん?響歌ちゃんオルタの様子が…?

 

『私は、悪意で出来ている。世界がある限り悪意は消えず、悪意がある限り私は消えない。私は、死なない。家族を殺すまで、私は止まらない。』

<奏!

<奏さん!

 

 おやおやおや、まだ起きますか。響歌は可愛いですね。…どうやら響歌ちゃんは無限ガッツ付きらしいです。しかも腕くっつくとか…めんどくs…厄介な相手だなぁ!(大声)

 

<へぇ、だったらどうすりゃあいいのかな。

『無駄。あなたは私に攻撃できない。だってこの身体は、立花響歌のものだから。』

<ふぅん。

 

 ザ・無関心!会話よ止まれぇい!(DI〇)奏さん余裕すぎませんか?大丈夫?攻撃力的に5回殴って終わりでしたけど体力とか気力とか大丈夫なん?

 まぁステータス標示に何も変化はないので安心出来るとは思いますけど、それでもねぇ…隠しスキルとか出されて急にダメージ受けたりしますし。

 

 でもこれ、またHPゲージ回復していってません?時間経過でバトル終了するタイプのやつですかこれ。もしくは負けイベント。うん?負けイベント?大量のHPゲージ?肉体は味方のやつ?うっ…素材…(錯乱)

 というのはさておいて、現状はこの耐久戦をこなしていくより他はありません。何故か。それは奏さんが答えを出してくれますよ。

 

<あのな。この世界にいる装者はさ。

<そいつらと、()()()()()()()()()()

 

 はい。その通りです。

 奏さんは、この世界に来た時はガングニール使ってましたよね。今は響歌ちゃんが持ってますから、どこかのタイミングで響歌ちゃんがやって来ると予想できます。

 

『まだ、いる?有り得ない。』

<いいや、きっと来るさ。

 

 おっ、そうだな(他人事)これからはひたすらボコっていくだけですし、作業ゲーですね。響歌ちゃん(の肉体)を痛めつけるのは非常に残念で心苦しいのですが、まぁ削れてるのはオーラだからヨシ!(現場猫)

 

走者戦闘中(カットします)

 

<そろそろキッついな…!

『私は消えない。無駄。無駄。無駄。』

<いや、まだだッ!あいつから託された願いは!私が!絶対に!途切れさせないッ!

 

 さて、いい加減にして欲しいんですが無限ガッツが面倒臭いんですわぁ…響歌ちゃんまだですか?イベントムービーまだ?まだ。はよして。

 

【視点変更します】

 

 あれ?ここで?

 

 

 

 

 

 

『あいつから託された願いは!私が!絶対に!途切れさせないッ!』

 

 モニタに映る景色、奏は1人で戦い続けている。

 瞬きした時、響歌は真っ白な世界に1人立っていた。そうして、目の前に光が集まってヒトガタを成す。誰だ、とは思わない。誰よりも近くにいた、私の半身なのだから。

 

「どうして、あれを倒さないんですか。」

 

───────いいえ違うわ。あなたじゃないと、倒せないのよ。

 

「どうして、ですか。」

 

───────分かっているんでしょうに。随分弱気になったのね。昔の無鉄砲さはどこに行ってしまったの?

 

「いえ、あれが私の身体だなんて…信じられなくて。怖いんです。」

 

───────違うわね。あなたは私を喪うことを恐れている。

 

「…………ッ」

 

───────はぁ…あのね?私は元々存在しなかったのよ?今更『消える』だなんて考えないで頂戴。『元に戻る』とか『在るべき形に収まる』とか、そういう表現をすべきなのよ。

 

「でも、私が眠っている間は、紫羽さんが…」

 

───────ああもう。紫羽『さん』だなんて。そういう他人行儀はやめて。どんな形であれ、私は誰よりもあなたの身近にいるから。家族に敬語つかわれるようなもんよ?鳥肌が立つわ。…それに、私は消えるんじゃないの。何度も言ってるでしょうに。

 

「そっ、か。………なら。ねぇ、紫羽。」

 

───────何かしら?

 

「わたし、楽しかった。紫羽と出会って、紫羽と過ごして、みんなと過ごす日々が。5歳までの記憶じゃない、あなたと一緒に過ごした記憶は、わたしの宝物。」

 

───────そう。それなら、良かったわ。

 

「ありがとう。」

 

───────はいはい、どういたしまして。…それで、あなたはどうするの?

 

「もう迷わない。今度こそ、救ってみせる。」

 

───────なら、早く行きなさい。

 

「うん。──行ってくるね。おかあさん。」

 

 響歌は、ヒトガタの隣を過ぎ、走り出す。決して振り返ることなく、ただ前を向いて真っ直ぐに。その先で、扉が開いて、彼女はそこに飛び込んだ。

 残されたヒトガタは次第に輪郭を霞ませ、光となって消えていく。これが正真正銘、最後だ。不死鳥のように目覚めることも無い、完全な眠り。

 

 

 

───────ばかね、ほんとに…っ!

 

 

 

───────さようなら、わたし(響歌)

 

 

 

───────さよう、なら。みんな。

 

 

 

───────さよ…な……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かな…で…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

///

 

 

 

「あ゛ー!終わんないなぁ!タフすぎんだろ!」

『無駄よ。もう終わり。あなたは強かったけれど、私を倒すまでは至らない。』

 立花響歌は、ニタリと嗤う。

『終わりよ。天羽奏。』

 天羽奏も、また不敵に笑う。

「いいや、始まりだよ。」

 

 

 

「いよぉし!間に合ったぁ!」

 

 

 

 

 

 

 ……………はい、という訳で。これにて立花響歌ちゃん、完全復活となります。

 

【[風鳴紫羽]が消滅しました】

 

 同時にシナリオ通り、紫羽ちゃんが消滅…正確には封印されます。これによってヴィマーナ(青)を使用する際の能力補正を受けられなくなりました。スキルは既に消滅してましたし、これからは完全に響歌ちゃんの能力一筋で戦うことになりますね。

 

<おかあさん!みんな!ただいま!

<まさ、か…

<風鳴紫羽、さん、じゃない?

 

 当たり前だろ!こちとら300歳超の立花響歌さんだぞ!最年長なんだから敬えよオォン!?実の娘に気が付くと年齢に周回差を付けられる親…うーん複雑ですね。

 という訳で未だに不明でしたあのスキルの詳細が明らかになります。

 

【死が彼女を分かつとも】

 母から受け継いだ、何度打ちのめされても立ち上がる、不撓不屈の意志。もう一人の母から受け継いだ、柔らかな陽光のように溢れる、全身全霊の慈愛。[本来の世界の装者と共闘する場合、自身と味方のステータスをアップする。かつ、[立花響(父)]と[小日向未来(母)]のステータスを超アップする。

 

 はい。まさかまさか、1つ前のバージョンの伏線回収をアプデ後で行うとかいう変態じみた(褒め言葉)演出をしてくれましたHopeful Gear。これにて立花響歌ちゃんの能力が判明しましたが、ステータス値自体は変化ありませんね。

 それでは、イベントも終了しましたからバトルフェイズ前、準備フェイズに入ります。ここでは特に何も選ぶ必要はありません。味方キャラも自動的に決定されます。では、行きましょう。まずは定番のイベントからですね。

 

<…響歌、なんだよね?

<うん。ただいま。おとうさん。

[私は薄い服1枚しか着ていないのに、皆に抱きつかれた。く、苦しい。]

<おかえり…響歌!おかえり…ッ!

 

 おーおー熱い抱擁ですね。未来さんもビッキーも大喜びです。え、奏さん?奏さんは1人で何かを察して、空見てますよ。丁度晴れてきてますし。ええ。

 でもまぁ響歌ちゃんオルタは空気読めない怪物、略してKYKなので容赦なく襲ってきます。まぁ効きませんけどね(ガングニール展開)

 はい、それでは通常形態すっ飛ばしてエクスドライブになりましたガングニール(響歌ちゃんver.)です。一瞬だけ紫羽ちゃんが響歌ちゃんの後ろから現れる演出がエモい…実にエモい…

 

<おい、何やってんだ。お前の相手は、私だろうが。

[私も立ち上がる。おとうさんに、私はキスして前を向く。]

<奏さん。私も。

 

【[立花響歌](ガングニール)がパーティに加入しました】

 

 というわけでこれがラストバトルですかね?

 奏さんの性能は先程確認した通りです。が、響歌ちゃんのエクスドライブverはNPCとしての参戦なので、やっぱり奏さんで戦うしかなさそうです。

 

【[立花響歌]のスキルが発動しました。】

【過去との決別】

 立花響歌[怨念体]に対する特攻効果を得る。

【打倒・立花響歌】

 立花響歌[怨念体]に立ち向かう者に対して能力補正を付与する。

 

 どっかで見たようなスキルですね…ママエアロ。そんじゃ、奏さんの本気見せましょう。さっきから見せてましたけど(エビオ構文)

 

『うっぐ…あぁ…!痛い、痛い!』

 

 効いてますね。奏さんで鎧削って、その合間に響歌ちゃんがぶん殴る感じです。ということは響歌ちゃんの戦闘スタイルも同じくステゴロですか。紫羽ちゃん譲りの鉄拳、刺さってますねぇ…いたそう(小並感)

 

『あ、ああ…私が、消える…』

 

 

 

【YOU WIN…】

 

 

 

【クリア条件を達成しました。】

 

 

 

 はい。あっさりですがこれにてバトル終了です。そしてクリア条件、【風鳴紫羽との決別・悪意に打ち勝つ】の達成で、ゲームクリアとなります。この後はムービー垂れ流しですので、ここで謝辞を。

 皆様、バージョンを渡るご視聴(閲覧)ありがとうございました。第1回の投稿時はこんなガバチャート誰が見るんや!ワイは帰るで!みたいな人ばっかりかと思っていましたよ。気付けばこんなに伸びちまってよ…俺は嬉しいよ…

 それでは、またどこかでお会いしましょう。サラダバー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《あなたは!なんなの!わたしを…わたしの…身体なのに!》

 奏が振るう拳で、鎧が砕ける。修復する瞬間に、前後を入れ替わった響歌が拳を捩じ込む。怨念の集合体である怪物に、その一撃は酷く重く響く。

 人間が感じた、全ての負の感情が、一撃ごとに消えていく。かき集める間も無く、再び鎧が砕かれる。己が消えていく。『家族を殺す』ことを至上の命題とする怪物にとって、その感覚は死へのカウントダウンだ。

「お前の身体じゃねぇ…」

 なぜ?私が行っているのは()()()()()()()()

「その身体は!こいつ(立花響歌)の物で!」

 眼前の女は、何故鎧を砕ける?私の鎧は、何者にも砕けぬ程に積もった、世界の悪意だと言うのに?

あいつ(風鳴紫羽)が取り戻すと叫んだ!」

 まただ。また鎧が砕ける。

「あいつの!最後の望みなんだ!」

 粒子となって消えゆく、女の鎧。最後に一撃、背中から吹き出した()()()()()()()()()()()()()()

「繋いでやる…行け!響歌ぁ!」

 バキリ、と。致命的な一撃が、鎧の全てを砕いていく。纏うオーラが消滅し、怪物は立花響歌の身体を守るように下がっていく。ボロボロのローブを纏い、真紅の瞳で響歌を睨みつける。

「嫌だ!消えるものか!私はまだ、家族全てを!」

 肉体に残された微かな意思が歪み、捻れた結果生まれた悲しき獣。

「お前は!何なんだァ!!」

 

 その最期は。

 

「わたしは!立花響歌だぁぁぁぁぁ!!」

 

 虹に輝く少女の、右拳だった。

 家族を守る、その眩いまでの意思は、家族を殺す、その捻くれた悪意と対峙する。そうしてぶつかり合った2人は光に飲み込まれ、そして──

 

 

 

///

 

 

 

「…終わった、のか。」

 号泣しながら皆の手当をしていたエルフナインは、最後の怪我人である響の手当を終え、弦十郎の声に振り向いた。戦闘不能になるまで追い込まれた彼も、今は少し落ち着いたらしい。

 彼が、みんなが見つめる先。倒れていた2人分の身体。その小さい方が起き上がって歩いてきていた。先程までの身体とは違い、少女然としたその身体は、先程までの激闘を感じさせぬほどに綺麗だった。

 布切れ同然のローブの上から毛布を被り、父親似の顔を綻ばせながら彼女は皆の前に立つ。

「…本当に、響歌くんなのか。」

 震える声を絞り出し、孫のようだ、とは言えない年齢となってしまった、2人の装者の娘に弦十郎は問いかける。

「はい。立花響歌、300年と少し。時間と世界を超えて、ただいま戻りました!」

 にっこりと笑う姿は、大人に近い年齢のはずなのにどこか…5歳の少女じみていた。

 きっと、苦しいことも、辛いこともあっただろう。それでも彼女は、それらをもう一人の自分に任せ、共に乗り越え、最後には己の力で家族を救った。その事実に、弦十郎は涙する。

 彼女が送った、自分たちよりもずっと厳しい人生を、そして、とてもとても長い回り道の果てに、こうして帰ってきてくれたことを考えると、彼はただ立っては居られなかった。

「きょ、響歌…?」

「…やっぱり、そうだったのね。」

「あ!おとうさん!おかあさん!」

 

 

 

ただいま。帰ってきたよ。

 

 

 

 わ、という大歓声。彼女は人波に飲み込まれた。

 

 

 

///

 

 

 

「───────あぁ、良かったな。響歌。お前の身体、取り戻せたじゃんか。」

 

 その喧騒から離れたところで、奏は物言わぬ肉体を眺める。まるで眠っているかのように見えるその身体は、神が作りし模造品。真の身体を取り戻した立花響歌の、スペアボディだ。

 右腕を失い、数多くの傷に塗れたその身体は、抱えあげると案外軽かった。魂の重さなるものがあるらしい。そう奏は聞いたことがある。もしそれが本当なら、この身体の軽さは()()()()()()なんだろう。

 もしかすると、そんな期待を持っていた。響歌の物でも、紫羽の物でもない…全く無垢な身体なら、紫羽はまた戻ってきてくれると。そんな、淡い期待を。

 

 少し前から紫羽は、己の体が上手く動かないと奏に零していた。恐らくそれは、肉体と魂の不一致などでは無かったのだろう。

 響歌が目覚めたことで、ガングニールの『鍵』は生贄を欲していた。強靭な意思から生まれた紫羽ならば、その『鍵』たりえると。己の知覚できぬ世界の『何か』はそう判断し、紫羽を取り込もうとしていたのだ。だがその事実を、奏は知らない。知る由もない。

 

「これでまた、一人ぼっちかぁ…」

 

 首から下げたペンダントが、ちゃり、と音を立てた。それはまるで、奏に何かを訴えかけるかのようで。

 

───────私はいつでも、ここにいるわよ。

 

 ヴィマーナが消え去る直前、奏の耳元で聞こえたそんな声。きっと彼女は、奏のすぐ近くにいる。ペンダントに宿る仄かな熱は、そう訴えているように思った。

 

「私の家族、守れなかったな。」

 

 奏は手近な瓦礫のひとつに腰掛けて、空を見上げた。憎たらしいほど蒼いその空は、手を伸ばせば掴めそうに感じる。響歌は、紫羽は。このギアを使って空を翔けていた時、何を思っていたのだろう。奏には、それを慮ることしか出来ないけれど。それでも。

 ()()()()()()()()()。そう断ずることは出来る。だってそれは、紫羽のことを最も近くで見てきた己が言うのだから。

 

 

 

───────預けるわよ、その力。

 

 

 

「紫羽?」

 

 

 

 突然、奏に強い風が吹き付けた。それはただ叩きつけられるのではなく、後ろから、暖かく押していくような──そんな風だ。

 

 

 

「あれは──」

 

 

 

 ああ、きっとあれは幻影だ。未練がましいなぁ、だなんて思ってしまうけれど。

 

 

 

「任せろよ!お前の羽は!」

 

 

 

 見上げた場所、遥か彼方。そこに己は。

 

 

 

「私が受け継いでやっからな!」

 

 

 

 蒼穹の空に負けないような、

 深い紫の羽を背負って翔ける、

 

 

 

「紫羽!」

 

 

 

 己の想い人を見た。




これにて完結です。
閲覧ありがとうございました。言いたいことは走者が言ってくれたので私は特に言いません。あ、でもね。

確かにゲームは終わるよ。

でも、ストーリーが終わるだなんて、いつ言った?


次章、[奏で羽ばたく、あの空に]近日公開予定。


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奏で羽ばたき、あの空に

どうも。ナスターシャです。出番はありませんが、私は私でS.O.N.G.直轄の孤児院の院長をしています。最近は元気な子達が増えて、嬉しい限りです。
それでは、今回は短篇が3つとなっております。どうぞ。


【追想・風鳴紫羽】

「おう、来たぜ。」

 世界的アーティスト、ツヴァイウィングの片翼。燃えるような赤毛の長髪を揺らしながら、天羽奏はS.O.N.G.仮設本部(もはや本部のような扱いであるが)へとやって来た。顔馴染みの職員に片手を上げて挨拶の代わりとしながら、彼女は迷いなく足を進める。

 一般職員の通過できるエリアから、上級職員のエリアへ。人の気配が一気に減り、すれ違う人々の顔つきも変化していく。S.O.N.G.の制服ではなく黒服が目立つようになってきたエリアでも、奏はそのまま通り過ぎていった。

 上級職員のエリアから、さらにその先。装者と一部関係者のみが立ち入りを許可される、完全な機密空間。情報を漏洩させればS.O.N.G.の誇るNINJAによって抹殺されかねないそんな場所も、奏は気にもかけずに歩いていく。

「やぁ、了子さん。」

「今日()?」

「ああ。」

 普段の了子なら、熱いわねぇ、と茶化すだろう。だがこの場においてだけは、彼女はいつもよりも研究者然とした態度で奏に応対する。

「分かったわ。面会時間は最長で10分ってところよ。それ以上は認められない。」

 さんきゅ、と手を挙げて返事の代わりとする。コンソールから顔を上げていた了子は、既に顔を戻して解析に戻っていた。今日も徹夜明けなのだろうか。そんな不躾なことを考え、幾重にも及ぶ除菌処置を終えた奏は、厳重に閉ざされた扉の前に立つ。まるで核兵器を保管しているかのような徹底ぶり。仮設本部の中でも、最も重要とされるこの場所に──

 

「紫羽。世界に羽ばたくツヴァイウィングの天羽奏サマが、今日も来てやったぜ。」

 

 風鳴紫羽、その身体だけが()()()()()()()

 

 平行世界へと決戦の場所を移した、立花響歌の一連の運命。その戦いの中で、ガングニールの限定解除の為、二度と目覚めぬ『鍵』となった風鳴紫羽。彼女が用いていた身体は、立花響歌が本来の肉体を取り戻すに従ってこちらの世界に預けられた。

 肉体はあれど、その魂、記憶は全て封じられ、もう戻ってこないと分かっていても。天羽奏はその肉体を持ち帰った。未練がましいとは、自覚している。それでも、その身体を()()()()()()に置き去りにすることを、奏が、何より響歌が許さなかった。

 今頃向こう側は政府の追求を躱すのに必死だろう。表向きには、一連の騒動の原因は『風鳴紫羽』という人間が、S.O.N.G.の仮設本部を襲撃したことになっているからだ。下手人は死んだと報告したものの、シンフォギア装者と生身で渡り合った原因を調査したい、解剖したいだのなんだのと難癖をつけられていた。外交のカードともなる貴重な『検体』が失われたことに政府はお怒りなのだ。

 

『姉様…』

『紫羽さん─』

『先輩が、未来と…』

『響の、子供?』

『もう会えないんデスか?』

『師匠…』

『紫羽。あなたは…』

『そうなん、ですか。』

 

 奏が帰還した日、装者たちの反応は様々だった。泣き出すもの、真実を知って驚愕するもの、ただ悼むもの。誰もが葬儀ムードに包まれる中、奏は一人、笑っていた。

 

 

 

 

 

 

「ははは…」

「──奏さん。なにがおかしいんです。」

 真実を伝え、皆の反応を確認すると。奏は唐突に笑い始めた。あまりに不釣り合いなその態度に、見かねたクリスが奏を睨む。涙を浮かべる彼女を見ると、流石に奏にも罪悪感が湧いてきた。

「悪い。…あいつの言ったとおりだなあ、って。」

 そう言って取り出すのは、小さな携帯端末。あちらの世界で発見された、『S.O.N.G.職員としての風鳴紫羽』の所持品だ。ロックが掛かっていたため誰も中身を確認できなかったのだが、試しに奏が解除を試みるとすんなり開いた。パスワードが二人にとって大切(意味深)な日付だったことに彼女は赤面していたが。

「これは…紫羽のものか。」

「ああ。あっちの緒川さんが見つけてくれたんだ。」

 言いながら端末を起動させ、慣れた手付きで何らかの動画ファイルを再生した。音声が流れ始める前に、慌てて奏はモニタに接続する。既に彼女は再生済みだ。内容も理解しているから、特に気負うこともなく再生を始めた。

 

 

 

///

 

 

 

『あー。ハロー、聞こえてるかしら?聞こえてるわよね。うん。そうじゃないと一人で端末に話しかけてる痛い子ですもの。…大丈夫よね?

 

 今、私は()()()()()()()。最初は分からなかったけど、さっき確信したわ。私の知っている装者よりも成長していて、私のことも、ヴィマーナのことも知らないみたいだったから。しかも奏とセレナがいないって言うんだから疑いようがないわね。ま、そのあたりの説明はシェム・ハがしてくれてるでしょうし、割愛よ。というか私の言わんとすることのほとんどは説明されてたわよね?

 

 さて、このメッセージを残す理由なんだけど、それは私が帰れないから。この世界で起こっていて、そして私の世界で起こっている事件はきっとこれが始まり。今はシェム・ハとの繋がりもないから分からないけど、そのあたりの説明もされてるでしょう。してないなら今すぐしなさい駄女神。こっちで響歌と二人でポンコツになってる余裕はあるでしょうが。

 ごほん。で、どうして私が帰れないか、という話なんだけど。それは簡単。私が消えるからよ。これから戦う相手は、きっと全力の私でも倒せない。精々拮抗する程度。でも、私は()()()()()()()()()()。このまま放置してしまえばこちらの皆が死にかねない。それに、響歌のことも救えない。だからこそ、こうして私が行く必要があるの。

 

 義務感、ではないわ。これは私の存在理由。いわば呪い。私という『ニンゲン』を構成する根幹に、『家族を守る』という願いがある。核になったものがそれなんだから、私はいてもたってもいられないってわけ。もちろん今だけじゃない。これまでの戦い全てにおいて、私は家族を守りたいという一心で駆け抜けてきた。私が、私の意思で戦って、傷ついた。だから皆が気に病むことじゃない。全部私に押し付けてしまいなさい。例えば、響と切歌が未だに寝坊だらけなこととか、ね。

 

 湿っぽいのはやめましょうか。ご飯が美味しくなくなる。ま、こんなものをご飯時に見るなんて奇行はしてないはずだから。…してないわよね?ね?

 

 父さん。私を拾ってくれて、有難う。貴方という師匠がいてくれたから、私が出来上がったの。本当に、感謝しているわ。みんなにも、よろしく伝えておいて頂戴。きっと私のこと、知ってる人はいっぱいいるはずだから。そんな人たちにも、感謝をしてたって。お願いね。

 

 んんっ…あー、翼。ご飯、美味しかったわ。ありがとう。また作ってくれると嬉しいな。女子力は大事なのよ。磨きなさいね?防人とか…その、正直、似合わないわよ。昔みたいな、ちょっと気弱でニコニコ笑ってるぐらいがちょうどいいわ。ほーら、スマーイル。(口角を引っ張っている)

 

 クリス。しっかり者の貴方なら、みんなのリーダーになれるはずよ。食事のマナーも、これから覚えていきなさい。いい?()()()()()()()()()()()は、そういうのは気にしないから。むしろ教えてもらうぐらいの勢いで行っちゃいなさい。ライバルは手強いと思うけど。(ニヤニヤ笑っている)

 

 響。なるべく未来とクリスに迷惑かけないようにね?貴方の活発さ、それは、貴方にしかない最高の美点よ。失わないようにね。きっとあなたの思いが、私を目覚めさせてくれたのかもしれないわ。ずぅっと言えなかったし、最後もこうしてでしか言えないけど…有難う。(頭を下げている)

 

 未来。貴方は陽だまりなんだから、みんなが帰ってくる場所を守ってあげなさい。おかえり、って。みんなに、そう言ってあげて。どうしても強くなりたい、って思うなら話は別だけど、あんまりオススメしないわ。そうじゃないと、困ったときに助けてくれるヒーローが悲しむわよ。(意味有りげな流し目)

 

 調。ごめんなさい。貴方に教えると言った料理、まだいっぱいあったのに。レシピならあるから、それで勘弁してね。また食べさせて?その時はきっと、今よりももっともっと上手くなってるはずだから。だからみんなのご飯当番筆頭はお任せするわ。私ができないのは、残念だけれど。(悲しげに微笑む)

 

 切歌。響と同じで、調に迷惑かけないのよ?貴方は笑って、みんなを和やかにしてあげてね。きっと、励みになるわよ。デスデスばっかり言ってると…そのう…あれよ。可愛く見えるし、聞こえるかもしれないけど…あなたの想い人さんはそんなことしなくても振り向いてくれるわよ。ですよね?(凄みのある笑顔)

 

 マリア。今後はみんなのこと、貴方に任せてしまうわ。私の代わりに、みんなをよろしく。しっかり者の、おかあさん?酒癖が悪いのはわかるけど、それで翼やクリスや…響にまで迷惑かけてちゃ意味ないわよ。みんなの保護者仲間だ、なんて思ってるならまずは自分の行動からよ。いいわね。(厳しめだが口角は上がっている)

 

 セレナ。マリアのこと、ちゃんと支えてあげてよ?彼女、すぐ1人で抱え込むんだから。クリスと2人で、みんなの手綱握ってて頂戴。きっとあなたも暴走する側になるんでしょうけど、普段は信頼してるから。…普段はね。ストレス溜め込まないようにしなさい。発散する方法、教えましょうか?(妖艶に笑っている)

 

 

 

 …あー、うー…どうしよう。言いたいことはいっつも言ってるしなあ…でもなあ…よし!

 

 

 

 あの…その、奏。貴方と出会ったのは、運命だと思ってるわ。ありがとう。私に、寄り添ってくれて。私の、家族になってくれて。私を、パートナーと認めてくれて。貴方となら、きっと楽しい時間を送れたのかもしれないわ。でも、御免なさい。生きて帰る、って約束。私が破っちゃうわ。だから、貴方が家族を守っていって。私のヴィマーナ、貴方にも適性があるみたいだから。だから…この力を、貴方に託すわ。

 みんなを、よろしくね。私の愛しい奏。貴方なら、この羽を背負って飛べるはず。装者の中では一番私に近かったんだから、大丈夫よ!自信を持ちなさい!家族を失うとか、そういうのは考えないの。みんな、貴方のことが大好きなんだから。ずっと泣いてばっかりの奏は、見たくないわよ?ね、だから、いつもみたいに。元気な笑顔、見せて頂戴ね。(満面の笑み)

 

 

 

 あー、やっぱり湿っぽくなっちゃった。だから嫌なのよこういうビデオメッセージ。空気が悪くなるのよ!というか私の気分も悪くなっちゃったわ!あーもう嫌ねえ!絶対、みんな泣いてるでしょう!

 

 次に会うときは…そうねえ。奏と翼、それに響ぐらいは私に勝てるようになっておきなさい。でないとまだ秘密にしてるレシピ、教えてあげないんだから。

 

 それじゃ。みんな。()()()。もう会えないかもしれないけれど、それでもこう言いましょう。次に会えることを願っておけば、『奇跡』だって起きるかもしれないわよ。』

 

 

 

///

 

 

 

「分かった。任せておいてくれ、紫羽。『娘』の願いは、聞いてやるとも。」

「…ずるいよ。姉さん。そんなこと言われたら、私、私──!」

「かー、くっそ…最後の最後までお見通しかぁ…凄いなあ、紫羽さん。」

「いえ、先輩。私が助けられたんですよ…私は、ずっと、助けられてばっかりで…!」

「…はい。分かりました。先生。──っぐ、うう…」

「うん。任せて師匠。私は、世界一美味しい料理人になる。なって、みせる。」

「デデデデス!?…なんでお見通しなんですか。紫羽さん。分からないって、思ってたのに。」

「ええ。任せておきなさい。これからは…頑張るから、がんばるからぁ…!」

「分かってましたか…さすが紫羽さん。人を見る目が、違い、ますよ…!」

 

 皆が皆、それぞれに向けた言葉に涙する。一部厳しいことも言われていたが、それでも同じ屋根の下で暮らした仲で、かけがえのない仲間で、そして、家族だったから。

 

「…なあ紫羽?お前さ、これ二回目だろ。」

 

 奏もまた、その一人。何故か?それは。

 

「なんで、メッセージが増えてんだよ──!そりゃズルだぜ…なぁ…!」

 

 その日、S.O.N.G.仮設本部から明かりが消えることは無かった。

 

 

 

 

 

 

「…今日はさ、翼が珍しく料理を失敗したんだ。あいつにしては珍しいよな。」

 返る声は無い。分かっている。分かってはいるけれど、奏は紫羽に話しかけ続ける。

「でさ!セレナが酒飲んじまったのな!」

─────そうね。それは、楽しそうだわ。

「ん?………ああ。そうだろ!」

『あら。この反応…まさか、ね。』

 

 その日は、少しだけ長く話せた、気がした奏だった。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

【キョウカニウム不足】

「…キャロル。待ちなさい。」

「断る。」

「姉さん、待って。」

「嫌だ。」

「ちょーっとだけ、落ち着いてほしいかな?」

「いやだ!」

「…話が通じんワケダが…?」

「いや!」

「ちょ、ちょっとキャロル…」

「やー!!!」

 奏が紫羽のお見舞いに行っている頃。本部の研究室ではこんな攻防が繰り広げられていた。五人がかりで一人の女性を押し込めている姿は完全に通報案件なのだが、しかし抑えている側が額に汗を浮かべている状況で、抑えられている側が成人女性のはずなのに幼児退行して暴れている、というなかなかシュールな光景を見た者はそそくさと通り過ぎるだろう。

「いやだ!わたしは響歌に会いに行くんだ!ええい離せ!離してパパ!ぐぬぬぬぬ…!」

「ご、五人分の重さをなんともしていない!?」

「こら!姉さん!ファウストローブを使うんじゃない!」

 業を煮やしたキャロルは、切り札(ファウストローブ)を展開してまで突き進む。五人分の重さをものともせず、彼女は無理やり歩いていく。目指すはギャラルホルン。世界を渡る聖遺物を以てして、彼女は()()世界へ行こうと躍起になっている。キョウカニウム(命名:キャロル)の摂取不足と主張し、彼女は頑なにその意思を曲げようとしない。

「ぬぬぬ…うおおおおおおお!」

 決して女性が出していい声ではない唸り声を出し、彼女はついに拘束を解いた。

 さて、ここでこれからなにが起こるかを考えてみよう。五人の重りを抱えたまま歩くために、キャロルは風の錬金術で自分の身体能力に上向きのブーストを掛けていた。その重りが突然なくなると、どうなるか。

「む!?」

 当然、抑え込まれた上向きの力が一気に解き放たれるわけだ。五人分、合わせて約260キログラムの重さを持ち上げるための力。簡単に言えば上向き260キログラムの力が開放された結果…

「ふぎゃあ!」

 勢いよくロケットのように打ち上げられたキャロルは天井に頭を打ち付け、その意識を一瞬にして刈り取られた。潰れた蛙のような声と姿勢になった彼女は、そのまま床に叩きつけられる…ことはなく、滑り込んだカリオストロ、プレラーティ、エルフナインによって受け止められた。

「あっぶなあ!?」

「自業自得なワケダが!危ないな!」

「キャロルぅぅぅぅぅぅ!何してるの!」

 全員がほっとして座り込んだ瞬間、見開かれたキャロルの瞳が輝き、再び風を纏って飛び去っていく。置いていかれた五人は、ぽかんとしながらただ見ていた。

「ふはははははは!騙されたな!今行くぞ響歌ぁぁ!」

 

 

///

 

 

 

「…と、言うわけで遊びに来たぞ響歌。」

「いや、その理屈はおかしい。」

 え?と首を傾げる目の前のポンコツ錬金術師(キャロル)を見ながら、十八歳相当にしっかり成長した響歌は頭を抑えた。この幼馴染、確かに賢いのだ。以前対面した別のキャロルと同じように、錬金術にも秀でている。

 しかし、自分の知っているキャロル・マールス・ディーンハイムとは目の前の彼女だ。しっかり大人の色気を醸し出しているにも関わらず、どこか抜けている。そこが可愛いところで、惹かれているところなのだが…まだ恋愛の経験が少ない響歌は、それを自覚していない。こいつらは百合CPにしかならんのか。

「…まあいいけどさぁ…」

「うん。うん。いいだろう響歌?」

「でも抱きつく必要はないかな!?」

 自分よりも背が高いわけでもないはずなのに、なぜキャロルはあすなろ抱きをしているのだろうか。不思議に思った響歌が首だけを後ろに向けると、

「あ!こら錬金術を使うな!」

「なに、バレただと!仕方あるまい!また後でな響歌!私は少し調べものをしてくる!」

「まぁてぇ〜〜〜〜〜〜!!!」

 風の錬金術を全力で使用した、キャロルと響歌の全力の鬼ごっこ。施設から飛び出し、停泊している港の上空までをフィールドとした広範囲に渡るそれは。

「…で、このザマか。」

「「…すみませんでした」」

 結局その後、周囲に大きくはないが小さくもない被害をもたらした。偶然やってきた別世界の(小さい方の)キャロルの説教で幕を下ろしたのはご愛嬌ということだろうか。

 

 

 

///

 

 

 

「…ほら。あったかいもの、どうぞ…」

「…有難う。」

 キャロル(子供)に説教されるキャロル(大人)と響歌というとんでもない状況から開放されたかと思えば響歌は両親によるお話(訓練&説教)、キャロルは弦十郎による説教を食らっていた。

 ようやく解放され、死んだ目になりながら2人はベンチに腰を下ろしている。響歌の手渡したコーヒー(砂糖多め)を手に、キャロルは深く息を吐いた。

「つ、疲れた。」

「さすが司令だな。こちらでも貫禄は変わらんか…」

 いや、当然でしょ、とキャロルを叩く響歌。

「それで、なんの調べ物?」

 そういえば、と響歌はキャロルの言葉を思い出す。確かに調べ物があると言っていた。

「ああ、()()()()()()。」

 その言葉に、2人の間の弛緩した空気が張り詰める。目に光を灯したキャロルは、俯く響歌に目をやり、そのまま話し始めた。

「ここ最近、奏はずっと紫羽に話しかけていてな。つい先日、ほんの僅か、一瞬だけ。奴の肉体が反応した。」

 響歌の顔が、勢いよく掲げられた。

「まさか、紫羽は…」

()()()()()。それは、お前が一番よく分かっているだろう。胸の中に、感じるはずだ。」

 手にしたコーヒーは冷めきって、もはや熱さを感じさせなかった。それを全て飲み下し、キャロルはベンチに背中を預け、天井を眺めた。胸に手を当て、響歌はただ黙り込んでいる。

「風鳴紫羽が目覚めることは、()()()()()()()()。あいつは、お前の中に存在している。鍵となって、な。」

 しかし、そうキャロルは前置きした。

()()()。立花響歌が、己の親から受け継いだシンフォギア。『SG-r03´Gungnir』…そのギアを消滅させるならば、紫羽が蘇る可能性は、ゼロではない。」

 語られる番号が示すのは、この世界においてマリアが纏い、響に受け継がれ、そして響歌に託されたガングニール。2つの世界を行き来し、自在な限定解除を可能とするそのギアだ。

 すらりとしたキャロルの指が、まるで拳銃のように引き絞られた。人差し指─銃口が指し示すのは、響歌の胸元のペンダント。ばん、という軽い声を上げたキャロルは、ただその指を掲げる。

「そのペンダントに掛けられた、301,655,722ものロック機能。恐らくそのロックは、恒常的に解除されている。そして、解除されたまま固定されてしまった。故に、誰かが閉じなければならない。」

「じゃあ、やっぱりこのギアを壊すしかないのね。」

「ああ。もう1つの解決法も、あるにはある。成功率はゼロに近いが、な。」

 その方法とは──

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

【風鳴紫羽という、ネガイ】

「…ダイレクトフィードバックシステムって、なにそれ。」

「お前に分かりやすいよう、簡単に言えば、人の心に直接アクセスするためのシステムだ。正確には脳領域なのだが。」

「つまり、脳みその中に入れるってこと?」

 まるで、数年前に交わした会話のように。その会話は、娘とその幼馴染の間で再び繰り返された。響と未来は、その顔を見合わせて笑う。

「これでお前の脳領域にアクセスする。そこで何か見つけられたなら、それでよし。何も無ければ、ギアを破壊するしか方法は無くなる。それでも、お前は()()んだな?危険な橋だと分かっていてもか?」

「うん。紫羽には、お世話になったもん。今度はちゃんと、お礼をしなきゃ。」

 集まった皆に向け、響歌はしっかりと言い放つ。

「だから!みんな助けてくださぁい!」

「ここまで来るといっそ清々しいよな、響歌。」

「なんだとぅ!?キャロルがそうしろって言ったのに!」

 わぁわぁと叫び合う2人。

「うむ。どうやら響歌には、紫羽くんへの返しきれない恩があるらしいからな!恩返しとあらば、俺達も手伝うとしよう!」

「…と言っても、手伝うのはオレとそちらのオレ、そしてエルフナインなんだが。強いて言うならダイブする時、誰が行くか。そこだけだ。」

 

「おいおい、紫羽の事なら、私だろ?」

 

「あ、あなたは…!」

 驚愕する響!

「どうしてここに!?」

 そのボケにしっかり乗る翼。

「いや、偶然でしょ。奏さん。」

「「「「「乗れよ!」」」」」

「えぇ!?なんでぇ!?」

 素直に突っ込んだ響歌だったが、そこは空気を読めなかったらしい。全員からの息のあったツッコミを受け、部屋の隅で三角座りで拗ねてしまった。

「いいもん…私はどうせ空気読めないもん…」

「ほ、ほら!私もそんな感じだったから!大丈夫!」

 見かねた響がフォローに入る。が。

「おとうさんにだけは言われたくない…(ボソッ)」

「はぐぁ!?」

 結果として、隅っこ組が2人に増えた。

「…で、だ。私が行けば良いんじゃないかな。この中で一番紫羽に近いのは、響歌以外だったら私しかいないだろ?」

「そうか。ならば貴様だ天羽奏。」

「決まったな?よしならば始めよう。起きろ響歌!善は急げだ!さっさと寝ろ!やるぞ私!エルフナイン!」

「は、はい!お任せ下さい!キャロル…さん!」

「おい待て何故そちらのオレにさんを付けた」

「だって身長が高いですし。」

「ぐっはぁ!」

「わ、私!大丈夫か!」

 思わぬ伏兵(エルフナイン)によって別世界のキャロルがダメージを受けることもあったが、概ね準備は滞りなく進み。そしてついに、ダイブの瞬間がやってきた。

「それじゃ、行ってくるわ。」

「ああ。頼むぞ奏。」

 おう、と返せたかどうか。それは奏には分からなかった。

 

 

 

///

 

 

 

「ここが、響歌の脳領域。」

 奏が目を開けると、そこは映画館だった。

「こりゃあ…子供の頃の記憶か。」

 繰り返し再生されているのは、5歳までの記憶。その中の響歌の姿は見えない。これは響歌の主観。あくまで記憶だからだ。しかし、その記憶も緑の空間に放り込まれた後、その途中で擦り切れている。そこからは、またどこからかの巻き直し。繰り返される飛び飛びの映像を確認し、奏は座席から立ち上がった。

「んじゃ、このどっかに紫羽が…って、おろ?」

 ()()()()()()()()()()。劇場にあるはずの出口の位置、非常口の光が灯るそこには、厳重な鎖で縛られた扉があった。

「なんだこりゃあ…」

 奏は鎖を何度か引っ張る。その時、数多い座席の1番奥。その中央で、誰かが動いた…気配がした。奏はすぐさま振り返り、拳を構える。

「誰だッ!」

 

「あれ?奏。どうしたのよ。」

 

「紫…羽?」

 そこにいたのは。

「なんてカッコ、してんだよ…ッ!」

 ()()()()()()()()()()()()()()座席に腰を下ろし、鎖に雁字搦めに囚われた。風鳴紫羽だった。先程の気配は、奏が鎖を揺すったからのようだ。見れば、一つ一つが奏の握り拳ほどの扉の鎖は、全て紫羽の元へ集まっている。その途中で、()()()()()()()()()()()()

「ああこれ?大丈夫よ。痛くはないわ。精々違和感を感じる程度だから、安心なさい。」

 動けないのは嫌だけれど、と息を吐いた。仄かに脈打つ、橙色の光を放つ鎖。それに両掌、そして腹部を貫かれてもなお平然としているから、本当に痛みは感じていないようだ。それでも奏には、その姿を見たままでいるのは不可能だった。

「待ってろ、今助けて──」

「駄目よ。」

 は?と動きを止めた。何故だ。

「これがギアのロック。私は『鍵』なのよ。」

 そうだ。

「私の前は響歌が。その前には人形があったらしいけど、もう使えないわね。」

 残念だわ、と嘆く紫羽の足元には朽ち果てた人形が一つ。

「了子さんの作ったロックは、元々これがその役目を果たしてたの。フォニックゲインの力で限定解除される時、それは例えるならこの座席が満タンになるようなもの。人形はただ座っているだけのはずだった。」

「それが、響歌の記憶を代償にすることで変わったってのか?」

 そうよ。と紫羽は頷く。同時に鎖がじゃり、と重々しい音を立てる。

「人形から立花響歌に役目は代わり、扉を開く役目はフォニックゲインから私たちに変わった。こうやって…ね!」

 立ち上がると、紫羽は握りこんでいた両掌を少しずつ緩めていく。同時に扉が外側へと開く。あまりの光景に、奏は暫し言葉を忘れた。

「…も、もういいから!な!」

「あらそう?ならいいわ。」

 気が抜けたように座席に座り込む紫羽。同時に、紫羽が少し力む。すると扉が重々しい音を立てて閉じられた。本当に重かったのだろう。少し空気が揺れた。

「で、何の用かしら?」

 本題に入れと、紫羽は奏を促した。

「私を助けに来たのでしょうけど…私の代わりになる物は用意したの?それとも貴方が代わりになる?まぁ許さないけどね。」

 どうするの?と目で問いかける紫羽。鋭い眼光に、奏は身体を竦ませた。唾を飲み込み、冷や汗を垂らし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()彼女は1歩踏み出した。

「それは…」

 

 

 

 

 

 

「頼むぞ、奏。」

 奏が去った後。風鳴紫羽の身体の保管庫の前で、了子/フィーネは呟いた。さすがに三徹を過ぎたところで強制的に眠らされてしまった。無理やり身体をたたき起こし、自分はここに立っている。

「私の持たせた()()ならば、きっと。」

 出発する直前。奏の持つヴィマーナに()()を組み込めたのは僥倖だった。少しでも遅れていればアウトだった。予定を話せ予定を。社会人の基本を忘れたのか全く。

「ええ。奏ちゃんならきっと、大丈夫よ。」

 

 

 

 

 

 

「…ぅん。はっ!なんか凄い夢を見た気がする!」

「おはよう響歌。奏さんならもう帰ったよ。」

 目が覚めた時、そこは病室だった─そんなくだらない言葉を呟き、響歌は俯いた。また奏に挨拶しそびれたと。

「ま、まぁまぁ。今度は()()()()来てくれるらしいから。」

「────みんな?」

 オウムのように聞き返した自分は悪くないはずだ。

 

 

 

///

 

 

 

「…心拍数上昇、脳波出現!?」

 がちゃん、と音を立ててマグカップが割れる。手に持つコーヒーを投げ出して、了子はコンソールの前に飛び付いた。そこに示されていたのは、本来ありえぬ数字だった。

「まさか、こんなことが…」

 

 

 

///

 

 

 

『あー、シンフォギア装者の諸君、大至急で司令室に来ること。いいな。繰り返す。大至急で司令室に来ること。』

「おや、なんデスかね。」

「行ってみよう。」

「あっこら!汗ぐらい拭きなさい!」

「マリア姉さん!姉さんもだよ!」

 ある者は訓練からそのまま突撃し。

「はい!分かりました!」

「どした?」

「本部からの緊急招集よ。未来、あなたも。」

「は、はい。」

 ある者はデートから直行し。

 

「全員来たな!」

 そこにいたのは、奏一人だけ。本来集まっているべき弦十郎すら、今回の招集には間に合わなかったようだ。口々に疑問を述べる装者たち+α。そんな彼らに向け、彼女は満面の笑みで叫んだ。

「了子さん!」

「はいはーい!ぽちっ、とな!」

 白衣の女性が取り出したのは、()()()()なボタン。真っ赤なそれを力強く押し、彼女はそれを掲げた。

「これ、特に意味は無いのよね!」

 全員が膝から崩れ落ちた。

 

 

 

///

 

 

 

「で、結局あたしたちはなんで集められたんだ?」

「うーん分かった!ご飯ですね!」

「響、ちょっと早いよ。」

「あ、あとでお菓子あげますね。」

「やったあ!」

「(じー…)」

「調。戻ってきなさい調。」

「暁。腹が減っているなら作ってやるぞ?」

「ごはん、ごはん!ごはんデスね!?」

「仕方ないわね、ちょっと待ってなさい。」

「はーいデス!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「ん?」」」」」」」」

 

 

 

 

 

「え?なに?いらないの?じゃあ奏。あーん。」

「あーん…うん!うめぇ!」

 良かったわぁと微笑む姿は、1つに結んだ紫の髪を揺らしていた。お菓子を摘む奏の頬をつつきながら、彼女はお代わりの紅茶を用意する。

「…え?」

「ちょ、は?」

 混乱するクリスと翼。絶句する装者とOTONAたち。彼らに向けその長身を立ち上がらせた彼女は、見慣れた姿で挨拶した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「風鳴紫羽、ただいま帰還しました。」

 

 

 

「みんな、ただいま。」

 

 

 

 一拍の後、わぁ、と上がるのは大歓声。もみくちゃにされながら、彼女は己のパートナーの顔を引き寄せる。

「お?どした?…ん。」

「ぷちゅ、はぁ…ご馳走様。」

 初っ端から全員に砂糖を叩きつけた彼女は、腕を捲ってニヤリと笑う。

「さて、晩御飯。いるかしら?」

 その日、仮設本部は夜通し大騒ぎしたとか。

 

 




はろー、風鳴紫羽よ。私と奏のCPが好きなそこの貴方。良かったわね。私が帰ってきたわよ。ちなみに私が帰ってこられたのは、奏のヴィマーナに組み込まれた新しい『鍵』のおかげよ。
 さっさと作ればいいのに、了子さんったら。解析のために徹夜続けて、その結果余計に時間かかるっていう訳の分からないムーヴをカマしてたそうよ。寝ろ。

 それじゃ、またね。次回も短編の予定よ。


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いつか、どこかの日常で。
バレンタイン特別回。〜風鳴翼は伝えたい〜


遅れてますよね。
わかってるんですけど。どうしても書きたかった…
あ、札の人物は梅子さんじゃないの。細かいのはキニシナーイキニシナーイ


 バレンタインデー。

 一部界隈では製菓企業の陰謀だのと囁かれているが、世間の人々にとってはお菓子を贈りあって騒ぐ日だ。貰えた者は天国へ、貰えなかった者は地獄へ。得た者と得られなかった者の間で繰り広げられる厳しい戦いは、時として実力行使にも発展する。

「おのれ!おのれ!おのれ!」

「フ、(貰いたいと言う為の)決意も(貰えなかった時の為の)覚悟も足りなかったな。そこが貴様の敗因だ─!」

「貴様ァァァァァ!」

 貰えた者(勝者)は、ドヤ顔で貰えなかった者(敗北者)を煽り倒す。非常に残酷なのだが、敗北者はどう叫ぼうと唯の負け犬の遠吠えにしかならない。そこが、勝者のドヤ顔を加速させる。ただしその喧嘩は、駅前での乱闘騒ぎ(ステゴロ)まで発展するのだが。

 ちょうどその時、どこかで見たことあるような長身の女性が通りかかる。所属する組織の制服は、見る者が見れば震え上がるだろう。主に、事件の通報を受けて急行する警察官とか。

「はーい!ちょっと良いかしら?そこのお二人さん?それ以上暴れると警察呼ぶことになるんだけどって…聞いてないわね。」

「貴様如きに本気を出さねばならんとはなぁ!」

「別に、倒してしまっても構わんのだろう?」

「「やっぱり気に入ら──」」

「ちょっと寝てなさい。」

「「ごぶは!?」」

 炸裂したのは控えめな手刀。良い感じに鳩尾に直撃したその一撃は、瞬時に二人の暴漢の意識を刈り取った。傍らの女子高生に預けた荷物を受け取ろうとして、彼女は見覚えのある車がやってくるのに気が付いた。

「ごめんなさい二人とも。ちょっと警察官とお話してくるから、待っててくれるかしら?」

「「はーい(デス!)」」

 ツインテールとくせっ毛を跳ねさせた二人は、『これでクレープでも食べてきなさい』と言って渡された()()()()を握りしめて近くの屋台へ突撃する。

 食べ盛りな二人を見送り、何度か聞いたクラクションに振り向いた紫羽。見れば、まだ歳若い警察官が車から降りるところだった。その上司だろうか、真面目そうな男性もパトカーから飛び出してくる。

「遅かったわね。遅すぎて、」

 言いながら紫羽は二人の男を掴んで突き出した。白目を剥いて気絶する二人の姿に、野次馬どころか上司の警察官も一歩引いた。青年の方だけは慣れた様子で苦笑しているが。

「お話(物理)しちゃったわ。」

 

 

 

///

 

 

 

「ただいま。」

「「ただいま(デス!)」」

「おー、おかえりー。」

 少し遅れて帰宅した三人(調と切歌がクレープを大人買いしており、その消費&カロリー消費の為のランニングが原因)は、汗ばんだ身体をスッキリさせようと順番にシャワーを浴びに消えていった。

「それじゃ、貴方たちが行ってきなさい。私は晩御飯の用意でもして待ってるから。」

「ん。分かった。」

「それじゃ行くデスよ!」

 脱衣場へ消えていく二人を見送る。

「元気ねぇ…」

「おいおい、その言葉を言うにはちょっと早くないか?」

「事実でしょう。」

 二人に比べ、全くと言っていいほど汗をかいていない紫羽は、奏の隣に腰を下ろした。ススス、と寄ってくる奏を見て、猫のようだと考えてしまう。こうして髪を梳いてやると擽ったそうに身をよじるから、もはや猫と言っても過言ではない。私の嫁は猫だった。

「匂わない?」

「いい匂いだよ。」

 馬鹿め、そんな事を言うから()()なるのだ。

「それじゃ、サクッと作っちゃおうかしら。」

「ふ、ふぁい…」

 エネルギーを補充した(奏にディープをお見舞いした)紫羽は今日の夕食作成に集中することにした。メニューは既に考えてあるし、あとは作るだけ。

「さてと、まずは豆腐を…あれ?」

 この日に限って、豆腐が切れていた。

 

 

 

 

 

 

「…行った?」

「あー、行ったよ。行った行った。」

 紫羽が買い物に出かけた直後、翼がこっそりキッチンへ忍び込んできた。今日は何の日、子日ではない。バレンタインデーである。しかし翼は昨日まで本業(アイドル)で忙しかったのもあり、チョコを用意できていないのだ。風鳴翼、一生の不覚…ッ!そう悔しげに唇を噛んだ自らの片翼に、奏は救いの手を差し伸べる。

『板チョコとか、材料ならあったかもな。』

 それだ。翼は閃いた。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。まるでどこかの第六天魔王(cv釘宮〇恵)のような発想にて、彼女はチョコレートの手作りを決めた。

 ちなみに、完全な余談であるが。翼の得意料理は和食である。そう。和食なのだ。さて、ここでチョコレートの起源を考えてみよう。やつは、一体どこからやってきたのだろうか。

「ぐ、ぬぬぬ…私ならば、姉様が買い物している間に作れるはずなのに…何故だ!」

「いや、その予想ができるレベルってのも凄いけどな?和食限定だけど。」

 案の定、翼はチョコレート作成に手間取っていた。手早く済ませてしまおうとタカをくくっていた彼女の予想は、一瞬にして外れてしまう。さらにさらに。

「警報…ノイズ!?」

 アルカノイズ出現の報が入る。連絡を受けた奏が窓を開き、ギアを展開する。チョコに汚れた手を洗い、翼も慌てて駆け出す。

「わ、わたしも…!」

「翼ッ!」

 撃槍を纏った奏は、飛び上がりざまに一言、言い残した。

()()()!」

 ダン、とタイルで舗装された場所から跳躍し、奏は現場へ移動して行った。最近の彼女は紫羽からパルクールを習得しようと訓練しているため、素直に走るよりもこうした方が早い。

「!…分かった。任せてくれ!」

 奏は跳びさったが、今回の風鳴翼の戦場はそちらではない。彼女は腕を捲ってキッチンへ。ギアの代わりにエプロンを装備し、チョコという名のノイズへ相対する。

「風鳴の本気、とくと見よ!」

 

 

 

 

 

 

「…ただいまぁ…」

「うぁー…もうしばらくアルカノイズ見たくねぇ…」

 疲労困憊。そんな4文字が似合いそうな紫羽と奏が帰宅する。既に時刻は夕飯時をとっくに回っている。まさか、夕方捕まえた男二人が錬金術師だったとは。警察官を人質に取られてしまっては迂闊に攻撃できず、紫羽と奏は神経をすり減らしていた。だがそんな時。

『ベルトさんッ!』

 喋るベルトで、ある青年警察官が特撮ヒーローのような格好になるとは思わなかったのか錬金術師が混乱した。その隙に二人が錬金術師を拘束しようとした瞬間─

『おのれ!食らえ!チョコレート・オブ・バビロン!』

 突如溢れ出したチョコレートの液体によって二人は身動きを取れなくされてしまい、結果として長い時間を掛けてしまった。チョコレートを粗末にした錬金術師には、紫羽の鉄拳が叩き込まれたとか。

 そんな中帰宅した二人。家の中に仄かに漂うチョコの香りに、紫羽は首を傾げる。はて、己はチョコを渡していただろうかと。奏がひっそりとシャワー室へ消えたのに気付くことなく、紫羽はリビングの扉を開く。

「お、おかえり姉様!遅かったな!今日の夕飯は調が作ってくれたぞ!」

「あら…ありがとね…調…よーしよし…」

「せ、先輩が珍しく疲れきってる!?」

「師匠のよしよし…いただき。」

 無理もない。今までにないタイプの錬金術師だったのだから。チョコを被って汚れているシンフォギア装者を見て大喜びしていたような変態なのだ。精神的に疲れ切ってしまうのも当然と言えた。

「紫羽…遅いし、私もう寝るわ…おら、行くぞガキどもー…むにゃ…」

「え、ちょ!待ってくれ奏さん!」

「デス!?」

 奏は学生組を引っ張って扉の向こうへ消えた。2階へ上がる足音が幾つか響き、リビングには大人組が残された。

「紫羽、貴方チョコの匂いが凄いわよ。本場のカカオでも使ったの?」

「あー…今回の騒動の原因よ。明日報告書にまとめてあげるから、ちょっとだけ待ってて頂戴。」

 はいはい、と苦笑。ネコミミのような髪をピコピコと動かしてマリアは手にしたコーヒーを飲み干す。若干熱かったのか、舌を出していた。

「それじゃ、明日は休みだから早めに寝るわ。色々やりたいこともあるからね。おやすみ、二人とも。」

「ああ。おやすみ、マリア。」

「おやすみ…ちゃんと寝なさいよ…」

 ふにゃふにゃとした動きで手を振る紫羽。本当に疲れているのだな、と翼は少し申し訳なくなる。

「で、では。また明日…」

 そう言って自分も2階へ上がろうとするが、その手を紫羽に掴まれた。振り返ると、うつらうつらしながらもこちらを見る姉の姿。

「なんか、あるんでしょ。翼…」

 そのままソファまで引っ張られ、無理やり座らせられた。何故か、紫羽の膝の上に。首筋に顔を埋められ、そのくすぐったさに笑みが浮かぶ。

「いや、でも…疲れてるし…」

「ぁい、よーぶよ…」

 かなり限界だ。手短に済ませようと、翼は立ち上がってキッチンから小さな箱を持ってくる。今からこれを姉に渡すのだ。別にやましい事は何も無い。無いのだ。少し息を整え、ソファに向かう。

「これ、今日はバレンタインだから…」

 そう言いながら翼は箱を差し出して──

「すぅ…」

「…お疲れ様。姉さん。いつもありがとう。」

 その周りをコソコソと動く影がいくつか。眠る紫羽に毛布を掛ける者もいるが、そのほとんどはローテーブルの周りを動き回っている。そして()()()を終えると、翼と共に暗くなったリビングを出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

「…ん。しまった…あのまま寝ちゃった。」

 翼には悪いことをしてしまったな、と寝ぼけ眼を擦りながら立ち上がる。すると己の視界に入ったのは、机の上に置かれた。

「──あいつらめ。」

『いつもお疲れ様、ありがとう!』

 無言で時間を確認する。5時。今日は休日だから、皆が起きてくるまで最短で4時間。

「余裕ね。」

 ()()()()()()()()()、片割れの紫羽は庭から外へ去っていく。残された紫羽は、キッチンへ。エプロンに加え、三角巾とマスクも装備。

「さぁ、やるわよ──!」

 

 

 

///

 

 

 

「おはようございま…」

「あ?んだよ響。そこで止まる…な…」

「な…」

「なん…」

「なん…」

『なんじゃこりゃ!』

「おはよう皆。もう少しだから、座って待ってて頂戴。」

「紫羽さん、こちらは?」

「ああ緒川さん、良いんですよ。私がやりますから。」

「父さん!?庭で震脚使わないで!?」

「あぁもう!いいから座ってて!」

「す、すまん…」

「「「あら、おはよう。」」」

 起床した装者達が見たのは、何故か朝から家にいる弦十郎、緒川、そして4()()()()()()()紫羽だった。

「いや、それよりも!」

 珍しく目を見開いた調。普段に比べて冷静さを失っているのは明らかだった。それは、未来とセレナ、翼も同様。

「それは、なんですか…」

「場合によっては、私は容赦しないデスよ…」

 響と切歌は、爛々とした目付きで()()を睨む。

「あ、あはは…さすが姉さんだ。」

「いや、これはやりすぎよ。」

「朝からやってんのか?よくやるぜ…」

 比較的冷静な大人組。奏はあまり動じずに席に着く。

「あ、奏さん。おはようございます。」

「紫羽!まだか!」

「待って姉さん。落ち着いて。」

「……(わくわく)」

「お前が無言で目を輝かせるとは、よっぽどなワケダな。」

 何故か錬金術師組は、広めの庭で待機中。人数が多すぎて流石の風鳴別邸でも収容しきれなかったらしい。というか何故こんなに集まっているのか。それは。

「はい、完成よ。」

 急遽錬金術で用意された、庭の机の上に鎮座する…巨大なチョコレートケーキが原因であった。

「いや、最初は小さいのを作るつもりだったのよ。でもね、みんなにチョコ貰えて嬉しくなっちゃって…だんだん大きく…」

(やっべえ、私の恋人超可愛い。)

 赤面して顔を覆う紫羽に、静かに鼻血を垂らす奏。もう待ちきれないのか、響と切歌は今にもケーキに飛び付きそうだ。それを抑えながら、皆は思い思いの場所に腰を落ち着ける。室内のソファと椅子、机を庭に寄せて…

「それじゃ、」

 いただきます。

 

 

 

 

 

///

 

 

 

 

 

 その日の夜。

「紫羽ぅ…やっぱ4人はやりすぎだったんだってば…」

「筋肉痛だなんて、不覚…!」

「ほら、マッサージしてやっからさ。」

ひゃん!?

「…なんだ、今の。」

ちょ、やめ…かにゃで、そこは…

「…………………やべ、無理。」

ふにゃ、あぁぁぁぁ〜…




チョコケーキの反応
響「す、すごく苦いって訳じゃなくて、でも甘いんです!うま!うまぁぁぁ!」
未来「凄い、これは…もはやプロの領域…!」
翼「…もぐもぐ。もっと精進しなければ…」
クリス「あのバカ、がっつきすぎだっての…お、美味いな。」
切歌「デス…これは…ここが、理想郷デスか…」
調「このクオリティ…朝の数時間で作ることが出来るの…?」
マリア「美味しいのだけど…カロリーが…!」
セレナ「マムにも持って行って…あ、良いんですか!」
弦十郎「なかなか…ううむ。コーヒーが進む…」
慎次「このクオリティ…分身しながらとは。なかなか。」
イザーク「さすが紫羽さんだな。響歌にも持って帰ってあげよう。」
キャロル「もっきゅもっきゅ」
サンジェ「姉さん!?口の周りが!」
カリオ「〜〜〜んまい!」
プレ「ミルクが進むワケダ…んぐんぐ。」

奏「あー…」
紫羽「ん。…美味しい?」
奏「当たり前だろ?」


この後めっちゃアルカノイズ出たしめっちゃ運動した。
紫羽「晩ご飯は…刺身よ。」
全員『!?』
殲滅速度が倍になった。


そんなお話です。


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飴と鞭…?

切「今回は私と調が主人公デス!最後まで読んで欲しいデスよ!」

調「ちなみにこのあと、紫羽さんに装者からのリクエストが殺到したみたい。」

紫「私のポケットマネーなんだけどね。」

きりしら「「えっ」」



 国連直轄の超常災害対策機動タスクフォース、『S.O.N.G.』。そこは、日々発生する錬金術師のテロに始まり、災害対応など幅広い分野で活躍するエリートたちの集まりなのである。

 今日も今日とて、アルカノイズの出現アラートが鳴り響く。次世代型潜水艦を仮設本部(一部からはこのまま本部にしてしまえとの声も上がっている)とし、世界を飛び回っている。次の目的地は…

 

「…アルカノイズ出現です!」

「日本か…現場に近いのは…切歌くん、調くんだな?」

 

 S.O.N.G.のシンフォギア装者たちの多くの居住地、日本だ。基本的にはS.O.N.G.のエージェントであるマリア・カデンツァヴナ・イヴと、副司令でありながらも装者としては破格の実力を持つ風鳴紫羽。その2人が対応しているが、稀に日本にもアルカノイズが出現する。

 そんな時は日本の装者が対応するのだが、現在ツヴァイウィングの2人はワールドツアー中だ。セレナ、響は正規適合者であるものの切歌と調はLiNKERを使わねば戦えない。効果が切れてしまえばギアも解除される時限式。故に。

 

「私も行くわ。」

「ああ、任せた。」

 

 LiNKERを使わねば戦えない装者がアルカノイズに対応する場合、必ず1人の正規適合者が補助に入る。今回は、風鳴紫羽(二課最強装者)だ。

 

「よおし、本部浮上!甲板までの通路を開けぇ!」

「了解、カタパルトハッチオープン!」

 

 今までの仮設本部には存在しなかった新装備。艦中央部甲板を貫くように存在するのは、飛行機でも飛ばすかのようなカタパルト。

 その根元、ゆっくりと開く扉の向こう側に、風鳴紫羽は立っている。聖詠を唱えて紫の鎧を身に纏うその姿。幾度となく絶望を振り払った翼が目を覚ます。

 

『進路クリア、紫羽ちゃん!』

『行け!』

「では、風鳴紫羽、行きますよ!」

 

 インカムへ叫ぶと彼女は甲板に残った水を蹴散らしながら走り出す。陸上選手顔負けのフォームでさらりと世界新記録を更新しながら、彼女はその装いを変化させる。

 紫から赤へ。炎を纏いながら、彼女の鎧はアームドギアを展開させていく。それは真紅に染まった鋼鉄の翼。スピードを確保した彼女は、アームドギアを切り離して結合し、その上に飛び乗る。

 

「現場までは数分。余裕ね。」

「デデデデス!?紫羽さん!?」

「さすが師匠、仕事が早い。」

 

 日本近海に居たとは言いきれない仮設本部から飛び出した紫羽は、音速の壁を易々と突破して突っ走った。巷では見られると恋愛が成就すると噂の紅の軌跡を空に残しながら。

 ものの数分で現場に到着した彼女は、その勢いでアームドギアを格納。次の瞬間にはギアを蒼く変化させる。近接戦闘戦特化の蒼いギアは、今までに持っていた運動エネルギーと紫羽の身体の捻りから生み出されたエネルギーを合わせてアルカノイズに叩き込んだ。それは、なんの変哲もない。ただの右ストレート。

 

 轟音。

 

 ただしそのパワーは、OTONA筆頭の風鳴弦十郎をして『勝てるか怪しい』と言わしめるもの。彼女が本気を出せばさらに錬金術を使えるのだからタチが悪い。

 結果放たれた拳の一撃は、直線上に居たアルカノイズ()()を綺麗に赤い結晶へと変化させた。建物には一切危害を加えない、完璧な一撃だ。

 

「お残しは許されないわよ、2人とも。」

「「…あっ」」

 

 その威力にフリーズしていた、切歌と調。その2人に近付きながら彼女はにっこりと笑う。その右手でアルカノイズの残りを消し飛ばしながら。

 気付けばアルカノイズは全滅し、街の被害は切歌と調の攻撃の余波だけという状況であった。改めて副司令の規格外さを感じた2人はギアを解除して紫羽を待つ。

 

「まだ状況終了してないわよ。」

「え、まだデスか。」

「うかつ。」

 

 慌ててギアを展開する2人だったが、それを見て紫羽は笑っていた。騙されたと気が付くまで、時間は必要なかった。ぷんすこと腰に手を当てる切歌と、ぷっくりと頬を膨らませる調。

 

「はい、状況終了。」

「騙されたんデスね?」

「嘘は、よくない。」

「はいはいごめんなさいね。貴方たちの緊張感を適度に維持しておかないとダメなのよ。貴方たちすぐ油断するでしょう?」

 

 鋭い指摘にうぐ、と言葉が詰まる2人。確かに戦闘時はお互いのギアの特性、2人の親密さから連携においてはS.O.N.G.でも随一の技量を誇る。ただし油断してからが弱い。不意打ちに対応できない訳では無いが、やはりその練度は他の装者に一歩劣る。

 故にその差を埋めるための訓練もしたいところだが、生憎彼女たちは学生だ。まとまった時間が取れる訳でもなく、そのままずるずると引き伸ばされてしまっていた。

 

「ほら、あなた達はさっさと戻りなさい。学校でしょ。」

 

 しっしっ、と追い払うように手を振る。事後処理は基本的に紫羽が行うことが多い。それは彼女たちの時間が無いからだけではなく、大人でなければ対応できないこともあるからだ。

 いつもならばここで2人はてこてこと歩き去っていくか、慎次の車で学校まで戻るのだが。今日の彼女たちは少し違った。具体的には身につけている服とか。

 

「ううん。明日から連休。」

「遊びほーだいデース!」

「ほう。それはいい事を聞いたわ。」

 

 そう、世間一般的に連休と呼ばれる休みであった。珍しく4日も休みがあったため課題は出ているものの、(溜め込まなければ)そこまで多い量ではない。故に彼女たちはしっかり勉強、しっかり遊びの予定を立てていたのだが…

 連休だと知った紫羽は、その目をぎらりと光らせた。獲物を見つけた肉食獣の如く。口元は弓なりに釣り上がり、さながら悪魔であった(切歌主観)。あ、口を滑らせたな。そう後悔した調だったが覆水盆に返らず。

 

「緒川。」

「了解しました。2人とも失礼します。」

「「影縫い!?」」

 

 いつの間にかS.O.N.G.制服のジャケットを肩に羽織り、シャツを捲って両手を組んだ紫羽は右手の指を鳴らす。するとどこからともなく現れた慎次が2人を影縫いで縛り付け、そのまま連行していく。

 

「わぁ!何事デスか!?」

「…誘拐。」

「違うわよ。今回は貴方たちの訓練。」

「「訓練?」」

 

 ちなみに、であるが。

 2人の訓練に関しては完全に秘密となっており、発案:風鳴紫羽、協力:風鳴弦十郎、緒川慎次というトップ3人組しか知らない。内容は全て紫羽が決定しているため、本当の意味での協力者などいないのだ。

 指示されるがままに2人を車に放り込んだ慎次(消えてしまったので分身だったようだ)に軽く会釈して、紫羽は運転席に乗り込んだ。どうやら自分で運転してどこかに連れていくらしい。

 

 これからどこへ連れていかれるのか不安でならない2人は、無言で抱き合いながら小さく震えている。まるで捕食される寸前の兎だ。切歌に至っては涙すら浮かべている。

 弦十郎の特訓は十分にキツい。キツいけれど成長は自分でも分かるのだ。その過程はどうであれ。ただし、紫羽の訓練は今までに経験した者がいない未知の領域。何をされるか分からない以上、2人が警戒するのも当然であった。

 

「し、調ぇ…」

「だ、大丈夫。師匠は…そんな酷いことしない。たぶん。」

「怖いよぉ…」

「………………………(ぷるぷる)」

 

 もはやキャラを保てているかも怪しい2人。ミラーでそれを確認した紫羽は、どれだけ自分が恐れられているかを実感して少し悲しくなった。別に泣いてはいないのだ。父に比べて荒っぽく見られがちなのは自覚しているところなのだから。

 

「…………………くすん」

 

 それでも、やっぱり悲しいものは悲しかった。

 

 

 

〜装者移動中〜

 

 

 

「…というわけで、やってきたわよ。」

「ここ、どこですか…」

「……………(小刻みに震えている)」

 

 完全にキャラが崩壊した2人はただ震えている。現在3人がいるのは風鳴家が所有している無人島。瀬戸内海のどこかに存在するであろうそこには、コテージが一つ存在するだけ。もはやリゾートであった。実際に紫羽の格好は水着の上に短パンとアロハシャツ。どこの観光客だと突っ込む気力すら、2人にはなかった。

 

「というわけで2人には連休中ここで暮らしてもらいます。それだけよ。」

「それだけなんデス?」

「意外に簡単ですね。」

「と、思うじゃない。」

 

 そう言って紫羽は2人を先導してコテージへと入っていく。木造の二階建て、シンプルながら居住機能も備えたそこのリビングで、紫羽と彼女たちは向かい合った。仁王立ちする紫羽と、対照的にキョロキョロと部屋を見回す2人。いつの間にか用意されたサングラスを光らせながら、紫羽は2人に言い放つ。

 

「ここで食料品をご覧ください。」

「「!?」」

 

 慌てて2人はキッチンへ向かう。備え付けの冷蔵庫には、中身が溢れんばかりの野菜、肉。嫌な予感がしてきた2人はゆっくりと振り返る。紫羽はソファに腰掛けて、どこから取り出したのか、ゆったりとグラスを傾けていた。サングラスを額に上げ、彼女は不敵に笑う。

 

「勿論料理は自分たちで作ってもらうわ。素材はどれも最高ランクの代物。貴方達からすれば縁遠いような品物ばかりよ。」

「そ、それだけじゃないんデスよね?」

「師匠のことだから、コレじゃ終わらない…」

「察しがいいわね。」

 

 一拍。

 

「私と一日模擬戦よ。朝から晩まで。」

「ひゃああああああああ!!!!」

「やっぱり、そうだったんじゃない…!」

 

 2人は文字通り滝のような汗を流しながら紫羽に詰め寄る。当の本人は素知らぬ顔でサンドウィッチを頬張っている。どこから出したのだろうかが不思議だが、2人にとっては今はそんな事を気にしている場合ではないのだ。

 ()()()()()()なのだ。朝から晩まで、四日間。しかも宿題まで取り出し始めた。響と奏、翼という3人でも真顔で訓練室から出てくる彼女と?そんなものは勝負とは言わない。ただの一方的な蹂躙だ。学生の本分である宿題を差し出しながら、彼女はにっこりと笑った。

 

「さて、頑張りましょうね?2人とも。」

「「はい…」」

 

 

 

///

 

 

 

〜以下、ダイジェストでお送りします〜

 

一日目

 

「あ゛ー!」

「振り切りが甘い!白刃取りしたい放題よ!」

「がは…!」

「数で圧倒しようとするな!一つ一つを必殺と心得なさい!」

「ちなみに1回でも私に攻撃を当てられたら私がご飯作ってあげるから。」

「「やります」」

 

二日目

 

「うげぇ!?」

「両手で使うなら筋力不足!筋トレメニュー増やすわよ!」

「ここだ…!」

「はい残念。大振りの攻撃は避けられてからが本番。」

 

三日目

 

「ここ…デス!」

「いい感じね。まだまだ遠いけれど。」

「貰った!」

「おっと。今のは危なかったわね。」

 

四日目

 

「覚悟するデスよ紫羽さん!」

「今度は、負けない。」

「かかって来なさい。最終日だけどね。」

 

『すまない紫羽!話の途中だがアルカノイズだ!』

 

「「「………………」」」

 

 

 

///

 

 

 

「聞いての通りよ。2人とも。準備はいい?」

「はいデス!」

「でも、ここから現場までどうやって?」

「それはね、私が連れて行くの。」

 

 紫羽はギアを展開。爆炎を纏ってギアの色を真紅へと変化させる。そのギアは、飛行・射撃能力に秀でたもの。S.O.N.G.随一の機動性を誇る天の玉座が目を覚ます。

 2人を抱えた紫羽はそのまま走り出す。女子高校生2人を抱えてもなお、ほんの少ししか落ちないそのスピード。一向に疲弊しない異常なまでのタフネス。その秘訣は『愛』だそうだ。それを聞いたマリアは頭を抱えていたが。

 

「さぁ、しっかり掴まってなさいよ…!」

「「うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

 

 かくして2人は、ヴィマーナのアームドギアによる高速移動の最初の犠牲者となった。しっかり任務を終えた2人曰く、

 

『紫羽さんの訓練ならやってもいいデスけど…』

『ヴィマーナの移動だけは…勘弁して欲しい。』

 

 

 

 

 

 

 後日。

 

「紫羽さーん?」

「師匠、どこだろう。」

 

 前触れもなく呼び出された切歌と調。今いるのは、だだっ広いS.O.N.G.の仮設本部の中。とにかく用がある、との事なので急いでやって来た2人だったが、場所の指定もされておらず途方に暮れるばかりだった。あっちへウロウロ、こっちへウロウロ。行き先知れぬ彷徨い人は、その視線の先に頼れる先輩(雪音クリス)を発見する。

 

「先輩!」

「ん?おお、どうしたザババコンビ。今日は非番じゃねーのかよ?」

「それが、師匠に呼び出されたんです。」

「紫羽さんにぃ?…あ、さっき食堂に居たぞ?」

 

 時間を確認。そろそろお昼だ。確かに、彼女ならば食堂で料理をしていてもおかしくない。顔を見合わせた2人はクリスを置いて駆け出した。

 

「ありがとーデスよ!」

「あ、切ちゃん…それじゃ、また。」

「あー、おう。気をつけろよなー。」

 

 案の定、切歌が朔也と正面衝突していた。呆れながら、顔を真っ赤にした切歌を引きずって調は走る。ごめんなさい、と会釈した時に見た朔也の顔は、少し赤くなっていた。

 

///

 

「…あれ、お昼なのに回転率がいいデスね。」

「うん。ほら、未来さんとセレナもいるから。」

 

 いつもならば腹を空かせた大食らい(立花響)が占領しているカウンターは、今日に限っては人が流れていた。どうやら珍しく未来とセレナが厨房に手伝いとして入っているようだ。だからこんなにスムーズなのかと納得し、2人はのんびりと列に並ぶ。

 

「切ちゃん、今日は?」

「うーん…この激辛麻婆ど…」

「あ、2人には特別メニューがあるんだって。」

 

 はいこれ、と未来から手渡されたのは見たことのない札。上から青、紫、赤のグラデーションが美しいその札には、『特別メニュー』の文字。不思議なこともあるものだ、と首を傾げる切歌と調は促されるまま着席した。しばらくすると、スタッフ用の出入り口からワゴンを押す紫羽が現れた。

 

「あれ?紫羽さん?」

「それって?」

「ああ、2人とも私との強化合宿、たくさん頑張ったからね。()()()特別メニューよ。」

 

 そう言って紫羽はワゴンから皿を移していく。どれも見慣れたはずの料理ばかり。コンソメスープに、付け合わせのサラダとメインはステーキ。黄金色のフランスパンは香ばしい匂いを放っている。テキパキと配膳を終えた紫羽は、にっこりと笑った。

 

「お疲れ様。存分に召し上がれ。」

「「いただきます(デス)」」

 

 その後しばらくして、食堂には2人の声が響き渡ったとな。

 

 

 

 

 

 

「あ゛〜…つっかれた…」

「おかえり、奏。ワールドツアーも大変ね。」

「いや、ほんとにな…え゛っ゛な゛に゛そ゛れ゛っ゛

「あ、嫌だった?」

「嫌じゃないけど、ちょ…なんで?」

「奏が喜ぶかなあって。()()()()()()、見たい?」

「…………うん。

「あ、先にご飯作ったから食べるわよ?」

「うん………」

「露骨にテンション下がるのやめなさいよ。」

 

 このあとめちゃくちゃ食べた(意味深)

 

 




装者たちの反応

響「なんか、私だけ、遠慮、なくないですk…あべし!」

翼「馬鹿な!千ノ落涙を全て躱し…ぐはあ!?」

奏「貰ったぜ紫羽…あひぃ!?なんで私だけ!?」

ク「ちょ、あたしのギアは近接戦とかできなあああああ!」

未「あの、私はお手柔らかに…ひゃあ!」

マ「頂くわ!特別メニューは私の…あふん!?」

セ「姉さんのようには…きゃあ!」


でもこのあとちゃんとお昼ご飯として作ってくれる紫羽であった。


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