戦姫絶唱シンフォギア〜雷を纏いし装者〜 (saint shine)
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特別編
正月特別版


あけましておめでとうございます。
今年も頑張って投稿していくのでよろしくお願いします


「いや〜、今年も後少しで終わりだね」

 

「そうデスね」

 

今年も残り数時間、俺の部屋にはいつものメンバーが来て居た

 

「皆さん、年越し蕎麦が出来ました」

 

「エルフナインも未来も悪いな、手伝わせちまって」

 

「ううん、部屋にお邪魔させて貰って居るんだもん。このくらいわね」

 

「その言葉をあの人達にも言って欲しいであります」

 

エルザはこたつに入るルナ達を見てそう言う

 

「こたつ出したの失敗だったかもな」

 

「まあまあ」

 

俺がこたつを出したのは数週間前、そしてこたつを出してからルナがこたつから出るのを極端に嫌がり挙げ句の果てに昨日はこたつで寝ていた(因みに昨日はセレナと葉月そしてキャロルもこたつの中で寝て居た)

 

「お前らいい加減にしないとこたつ仕舞うぞ」

 

「る…それは困る」

 

「俺はルナ程動いてない訳じゃないだろ、買い出しにも積極的に行っている」

 

「お前がそれでもルナがあまりにも動かないとエルザの奴が仕舞うと思うぞ」

 

エルザは普段からキャロルの働きは見ているからキャロルがこたつに入っている事に特に何も言わない、だがルナは何もせずにずっとこたつに入ったままの事があからさまに増えてきている

 

「でもルナちゃんの気持ちわかるよ、こたつって一度入ると出るのが辛くなっちゃうよね」

 

「そうデスよね、私もついついこたつに入りながらお菓子とか食べちゃうデス」

 

ルナ達同様にこたつに入っる切歌とみかんを食べる響がそう言う

 

「立花響、そのみかんは俺のだぞ」

 

「嘘⁉︎ごっごめんねキャロルちゃん!明日新しいの買うから許して‼︎」

 

「ふん!」

 

キャロルはそう言ってそっぽ向く

 

「響さんまたキャロルに嫌われちゃったデスね」

 

「とほほ」

 

「キャロルお姉ちゃんみかん頂戴」

 

「ああ、ほら」

 

そう言ってキャロルは最後の一個のみかんを2つに分けて葉月に渡す

 

「ありがとう!」

 

「寒いだろ、俺の隣に入れ」

 

「うん!」

 

葉月はそう言うとキャロルの隣に入る

 

「本当にキャロルと葉月さんは仲が良いですね」

 

「ああ、あれがあのキャロル・マールス・ディーンハイムだなんて誰も思わないだろうな」

 

今のキャロルには以前の様に世界をバラバラにしようとする気はないだろうな

 

「ん…ふぁ〜」

 

翌日俺が起きると床やソファー、こたつの中で全員が寝て居た

 

「ん…どうしたの湊君?」

 

「悪い、起こしちまったか?」

 

俺が外に出ようとするとセレナが起きた

 

「ううん、私も目が覚めただけだよ」

 

「そうか、なあセレナちょっと外に出て見ないか?」

 

「うん」

 

そう言って俺とセレナは外に出る

 

「まだ少し寒いね」

 

「そうかもな」

 

俺とセレナは少し歩いた先の公園のベンチで2人で座りながら話す

 

「色々あったね」

 

「ああ、本当にな」

 

去年は一昨年程の事は無かったがそれでも俺にとってもセレナにとっても充実した1年だっただろう

 

「出て来た」

 

「ああ」

 

俺とセレナがベンチに座って居ると日が出て来た

 

「綺麗」

 

俺とセレナは2人で座りながら初日の出を見る

 

「あけましておめでとう湊君」

 

「ああ、あけましておめでとうセレナそんじゃ帰るか、そろそろ誰か起きてるだろうしな」

 

「うん」

 

俺とセレナはそう言って家に戻った




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戦姫絶唱シンフォギア編
プロローグ


時々嫌な夢を見る事がある

 

『離しやがれ‼︎彼奴には何もしねえって約束だったろ‼︎』

 

『お姉ちゃん‼︎お姉ちゃん‼︎』

 

少年を助けようとする姉を2人の大人が捕らえる

 

『くそ!かは…』ドサッ

 

『たく、手間かけさせやがって。おい、さっさと連れてけ』

 

『分かってる』

 

姉は腹部を殴られて気絶させられ少年は無理矢理連れて行かれた

 

「またか…」

 

目が覚めた少年は辺りを見渡す。そこはさっきまで居た場所とは違い飛行機の中だった

 

(何時見ても胸糞悪い夢だ)

 

そう思い閉め切って居たカーテンを開く

 

「あれからもう10年か…」

 

少年の見ていた夢は10年前に実際にあった事、そしてまたそれが原因で一時期大人を全く信用して居なかった。今でも信用して居る大人は少ないが居ないよりかはマシだと本人は思っている

 

『この飛行機は、ただいまからおよそ20分で羽田空港に着陸する予定でございます』

 

少年はアナウンスが流れるとシートベルトを着けた

 

「此処が日本か、ん?このタイミングでかけて来るって事は」

 

空港を辺りを見渡して居ると腕に着いてる端末がなる

 

「よおユノア」

 

『湊君かい?もうそろそろ日本に着く頃だと思ってね。もう着いたのかい?』

 

〈ユノア・リ・アヴァロン〉湊の信じる数少ない大人のうちの1人だ

 

「ああ『酷いご主人黙って行くなんて』はぁ、昨日も言ったが2、3ヶ月したら戻るそのくらい我慢しろ」

 

ユノアを押しのけて画面に映る白髪の少女に向けて俺はそう言う

 

『む〜!』

 

「膨れても無駄だ。そろそろユノアに代わってくれ」

 

『るる』

 

白髪の少女は不服そうにしながらも画面には再びユノアが映る

 

『それじゃあ君の住む借りアパートを住所と地図を送ろう』

 

「ああ、頼む」

 

暫くすると端末に地図と住所が送られて来た

 

「ありがとなユノアまた何かあったら連絡する」

 

『バイバイご主人、毎日連絡する』

 

「ああ、分かった」

 

俺はそう言って通信を切り借りアパートに向かう

 

「えっと…地図だとこっちか」

 

「遅刻だ〜‼︎」

 

出発して数分曲がり角で誰かとぶつかる

 

「痛た…あ!ごめんなさい‼︎何処か怪我してませんか‼︎」

 

「嫌、こっちこそ悪いなよそ見してて」

 

「良かった〜」

 

そう言って俺とぶつかった少女はほっと胸を撫で下ろす

 

「そっちこそ怪我はないのか?」

 

「うん!平気へっちゃら!それじゃあ!」

 

そう言ってその少女は走って行く。あの格好で遅刻とか言ってから恐らく学生だろ

 

「さてと、どうすっかな」

 

あれから約1時間後借りアパートの大家さんに挨拶を済ませた後部屋に入りそう呟た俺は端末を見る

 

「もう昼か、先ずは何処かで腹ごしらえして探索するか」

 

そう言って俺は部屋の鍵を閉めて借りアパートを出た

 

〜主人公のプロフィール〜

 

名前:雪音湊

 

年:15歳

 

好きなもの:小動物 カレー 家事全般

 

嫌いなもの:特定の大人以外全員

 

シンフォギア:サンダルフォン

 

武器:サンダルフォン…大剣




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1話

「何だよこんな時間に…」

 

借りアパートに戻り睡眠を取って居ると端末が鳴り出す

 

「ん…ノイズか…仕方ない出るか」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺は聖詠を行いノイズの発生地点に向かう

 

「彼処か」

 

そこにはノイズにミサイルや銃を乱射する軍人達が居た

 

「くっ!やはり通常兵器では無理なのか!「はあ!」何だ!」

 

「邪魔ださっさと引け‼︎」

 

「分かった、撤退だ!」

 

男がそう言うと軍人達が次々とその場を後にする

 

「よっと…これで残ってるのはお前だけだな」

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

雑魚を粗方片づけ大型ノイズに大剣を向けた時上空から聖詠が聞こえる

 

「貴様何者だ!」

 

その少女は何を血迷ったか俺に刃を向ける

 

「何を血迷ったか知らないがノイズと戦わないなら邪魔だ失せろ」

 

「大丈夫です叔父様後は私が」

 

そう言ってその少女は大型ノイズを斬りつけた

 

「待て!何処へ行くつもりだ!」

 

「見て分かるだろ帰るんだよ」

 

「その力を何の為に使う!返答次第では此処で斬る」

 

少女はそう言って再び刃を向ける

 

「上等だ、やってみろよ」

 

「いざ、押して参る」

 

少女は俺に向かって突進して来る

 

「ふっ」

 

「くっ!はあ!」

 

俺がバックステップで避けると少女は追撃を試みて連続で斬りつけて来た

 

「ならば!」

 

《千ノ落涙》

 

「だったら!」

 

《雷鳴》

 

空間から具現化させ上空から落下させられる無数の青いエネルギー剣を俺は無数の雷を纏った剣を具現化させてぶつける

 

「まずまずだな」

 

《雷斬》

 

俺は雷を纏った大剣で少女を斬りつける

 

「くっ!」

 

少女はそれを受け流そうとするが威力が強すぎて押されて居る

 

「判断を誤ったな」

 

《雷鳥》

 

「何⁉︎ぐあ!」

 

少女は急な事に反応出来ず吹き飛ばされる

 

『翼‼︎返事をしろ翼‼︎』

 

微かに声が聞こえる恐らくこの少女が言っていた叔父様だろう

 

「今回は此処までにしてやるだが次に俺の邪魔をする様なら容赦なく斬る」

 

俺は向こうに居る叔父様とやらに聞こえるくらいの声でそう言ってその場を後にした

 

〜翼side〜

 

「ん…此処は…」

 

私が目を覚ますとそこはニ課の医務室だった

 

「目が覚めたか翼」

 

「叔父様…私は一体…」

 

私は叔父様から事の顛末を聞いた

 

「そうですか」

 

「今回は向こうが引いてくれたから良かったものの今後は今回の様な事が無い様にしてくれよ」

 

「はい」

 

叔父様の言葉に私はそう返す

 

「司令解析完了しました」

 

「直ぐに行く」

 

「私も行きます叔父様」

 

「ああ、元よりそのつもりだ」

 

私はそう言った叔父様と共に医務室を出た

 

〜翼side out〜




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2話

「こんなもんだな」

 

翌日の朝、俺は部屋の中で制服に着替えて居た

 

「たくユノアの奴」

 

俺が制服に着替え無ければならなくなったのは2つ、1つはユノアの奴がお節介を焼き俺をリディアン音楽院と言う学校に入学させた事。フランスではまともに学校に通う事が出来ない俺を心配し日本に滞在する少しの間だけでも年相応の生活をさせて上げたいと言う思いからユノアが善意でした事だろう。そしてもう1つ、それは今日が俺のリディアン音楽院への登校初日だからだ。この事自体は昨日ユノアから連絡があったから時間には余裕を持てて居る

 

「まあぐちぐち言ってても仕方ないし出るか」

 

そう言って俺はアパートを出てリディアン音楽院に向かった

 

(たく面倒だな…)

 

「ちょっと…」

 

(第一俺は学校に通いたい何て思った事が無いのによ)

 

「待ちなさいそこの男子生徒‼︎」

 

突然後ろから大声で呼ばれた上に肩を掴まれる

 

「何だよ」

 

「貴方学校を間違えてないかしら?入学式は一昨日だったけど貴方の顔は初めて見るわ」

 

そりゃそうだ今日が登校初日なんだからな

 

「残念ながら俺は此処の生徒だ。生徒手帳も持ってる」

 

俺はそう言ってその女子生徒に生徒手帳を見せる

 

「本当にこの学院の生徒だのね。疑ってごめんなさい、私はこのリディアン音楽院の生徒会長の水野琴音です」

 

「雪音湊だ、それじゃあな」

 

そう言ってその場を後にしようとするとまたしても肩を掴まれる

 

「待って、貴方1人ではまた疑われるかも知れないから職員室まで一緒に行くわ。私と一緒なら誰も不思議に思わないでしょうし、それにさっきの罪滅ぼしみたいなものね」

 

「確かに面倒事はごめんだからな、頼む」

 

「ええ、それと年上に対する言葉遣いをもう少し改めたら如何かしら?社会に出てから苦労するわよ」

 

「考えとく」

 

俺がそう言うと水野は何も言わずに職員室まで案内してくれた

 

「此処が職員室よ、すみません」

 

「はい、どうかしたの水野さん?」

 

「用事があるのは私じゃなくてこの子です。失礼します」

 

水野はそう言って来た道を戻って行く

 

「えっと貴方が雪音湊君かしらね?」

 

「はい」

 

「そうだったの、私は貴方のクラス担任の小倉愛香です。一先ずホームルームが始まるまで保健室に居て貰えるかしら?」

 

「わかりました」

 

幸いにも保健室の場所は水野に教わったばかりだから覚えて居る

 

「それじゃあまた後で迎えに行くから」

 

「はい」

 

俺はそう言って保健室に向かった

 

〜響side〜

 

「ふぅ〜何とか間に合ったよ」

 

「もう響は昨日も言ったけどもう少し早く起きようね」

 

遅刻ギリギリで着いた私に未来がそう言う

 

「おはようビッキー」

 

「おはよう、そう言えば今日は何かあるの?クラスの皆んなが凄くそわそわしてるけど」

 

「留学生だよ留学生‼︎しかも男子‼︎」

 

私の問いかけに創世はそう答える

 

「へー、外国から来るんだしかも男子、上手く仲良くなれるかな」

 

「皆さんホームルームを始めます」

 

創世と未来と私の3人で話して居ると小倉先生が来た

 

「最後にもう知ってる人も居るかも知れませんが今日からこのリディアン音楽院にフランスからの留学生が来ます。そしてその留学生がこのクラスで皆さんと勉強する事になりました!それじゃあ入って」

 

小倉先生がそう言うと1人の男子生徒が入って来る

 

「あれって昨日の…」

 

「どうかしたの響?」

 

「うん…昨日学校に来る途中でぶつかった人なんだ」

 

まさかあの人が留学生だったなんて

 

「雪音湊だ、よろしく」

 

その男子生徒は自分の名前だけ言って軽く頭を下げる

 

「それじゃあ空いてる席に座って」

 

「はい」

 

そう言って雪音君は私の隣に座る

 

「えっと…よろしくね雪音君」

 

「ああ」

 

雪音君は視線だけ向けてそう言いまた前を向く

 

「ホームルームは以上です。皆さん雪音君への質問等は休み時間に済ませて下さいね」

 

そう言って小倉先生は教室を出て行った

 

〜響side out〜




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3話

「ねえ!雪音君‼︎」

 

「何だようるせえな」

 

昼休みになり食堂で何か食べる為に外に行こうとする俺を立花が引き止める

 

「もう響ってば、ごめんね雪音君」

 

「別に…もう行って良いか?」

 

「待って!私と未来これから食堂でお昼食べるんだけど雪音君も一緒に食べよう」

 

立花の言う未来は恐らくさっき謝って来た奴の事だろう

 

「別に良いぞ」

 

「本当‼︎ありがとう‼︎」

 

立花はそう言って俺の手を掴み上下に振る

 

「話すのは初めてだね、私は小日向未来宜しく雪音君」

 

「ああ、宜しく小日向」

 

「それじゃあ出発‼︎」

 

そう言った立花に続いて俺と小日向も食堂に向かう

 

「自衛隊特異災害機動部による避難誘導は完了しており被害は最小限に抑えられただって」

 

小日向が言って居るのは昨日の夜に俺が倒しに行ったノイズの事だろう

 

「此処からそう離れて居ないね」

 

「うん」

 

「その内此処らにもノイズが出るかもな」

 

「そんな物騒…な…」

 

立花はある一点を見て固まり周りの生徒は小声で話し始めた。俺は特別興味がないので食事を続ける

 

「あ…あの…」

 

急に立花が立ち上がりその誰かに何かを言おうとしているが緊張しているのか上手く言葉が出て無い。仕方ない

 

「立花、飯の途中で立ち上がるな行儀が悪いぞ」

 

「ご…ごめん」

 

立花はそう言って椅子に座る

 

「そこの貴方」

 

「あ?何だよ」

 

俺がそう言って声のする方を見るとそこには昨日の少女が居た

 

「何の用だ」

 

「放課後少し話せるかしら?」

 

「悪いが断らせてもらう」

 

「そう、邪魔をしたわね」

 

そう言ってその少女は何処かに向かう

 

「ねえねえ‼︎雪音君!翼さんと知り合いなの⁉︎」

 

「翼さん?誰だよそいつ」

 

「知らないの雪音君?風鳴翼さん有名なアーティストだよ?」

 

風鳴翼…やっぱり知らない

 

「悪いやっぱり知らない」

 

「嘘⁉︎それじゃあ何で翼さんは…うーん、謎だ」

 

立花はそう言って腕を組む

 

「そうだ立花」

 

「何?」

 

俺がそう言って指で自分の頬に触れると立花自身も俺と同じ所に指を持って行くと自分の頬に米粒がついている事を知る

 

「これまさか翼さんにも…」

 

「見られてるだろうな」

 

俺はそう言って味噌汁を飲む

 

「あ〜、もうダメだ翼さんに完璧可笑しな子だと思われた」

 

「間違って無いんだから良いんじゃ無い」

 

「俺もそう思う」

 

時は過ぎて放課後俺は立花達と話して居た

 

「それもう少しかかりそう?」

 

「うん…ん?あそっか、今日は翼さんのCD発売だったね」

 

「でも今時CD何て買う必要あるのか?携帯でダウンロードでもすれば良いだろ」

 

「わかってないなぁ湊君は、初回特典の充実度が違うんだよCDは〜」

 

食堂で一緒に昼を食べてから立花は俺の事を名前で呼ぶ様になった

 

「そんなもんか?」

 

「そうだよ〜」

 

「だとしたら早く行かないと売り切れちゃうんじゃ無い?」

 

「え…わ〜!本当だ急げ〜‼︎」

 

立花はそう言って走って教室を出て行く

 

「んじゃ俺も「待って」何だよ小日向」

 

「もしかしてだけど響を狙ってたりしてない?」

 

そう言った小日向からはこれまでに無い程殺気を感じる

 

「別に俺は彼奴をどうこうしようだなんて思ってねえよ」

 

「そっか…ごめんね変な事聞いちゃって、またね雪音君」

 

「ああ」

 

俺はそう言って教室を出た




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4話

すみません順番間違えました


「よっと、この辺りのは大体倒せたな」

 

学校からの帰りにノイズが3箇所に出現し1箇所目のノイズを倒して居る

 

「きゃー‼︎」

 

「ちっ!まだ居たのか」

 

声の方を見るとノイズが見覚えのある人物に近寄って居た

 

「ふっ!大丈夫か!」

 

「はい…えっ…雪音君?」

 

その人物は俺の思った通り小日向未来だった

 

「お前ノイズが居るのに何やってんだこんな所で」

 

「そうだ、雪音君‼︎響の事見てない⁉︎」

 

小日向が慌てた様子で俺の両肩を掴みそう言う

 

「立花をか?嫌、この辺りで見かけた人間はお前だけだ。立花がどうかしたのか」

 

「そろそろ帰って来ても良いのに帰って来なくて」

 

「そうか、これを見ろ小日向」

 

俺はそう言って小日向に腕の端末を見せる

 

「これは」

 

「ノイズの現在地だ。立花がCDを買いに行きそうな場所はあるか」

 

俺がそう聞くと小日向は震える手で指を指す

 

「分かった、ノイズの発生時間的に考えてシェルターに居ればどうにかなってるだろうが」

 

「ちょっと待って」

 

小日向はそう言って自分の携帯で立花の携帯の位置を確認する

 

「そんな…」

 

俺が隣から小日向の携帯を覗くと立花の場所は絶えず移動していてとてもシェルターに居る様には見えなかった

 

「如何やらトラブルがあったみたいだな「待って」どうした小日向」

 

俺が立花のある場所に向かおうとすると小日向に止められる

 

「私も連れて行って」

 

「お前が居ても邪魔なだけだ」

 

「わかってる…それでも…それでも私は響を助けたい!」

 

真っ直ぐな目で俺を見てそう言う小日向の姿は以前世話になった彼奴と重なって見えた

 

(こう言う目の奴に弱いな俺って)

 

そう思い俺はため息を吐く

 

「振り落とされても知らねえからな」

 

「わかってる」

 

《雷鳥》

 

俺が持っていた大剣を上空に投げるとその大剣は雷を纏った鳥となり降下して来る

 

「最後の確認だ、この先後戻りは出来ないぞ」

 

「うん」

 

雷鳥に乗ってそう言う俺の問いかけに小日向はそう答えて俺の手を取る

 

「距離と方角は」

 

「方角は南西、まだ移動してるけど大体2kmくらい」

 

「南西だな分かった」

 

俺は小日向に言われた通り南西に飛ぶ

 

「何あの光…」

 

「あれは…」

 

俺が端末を確認するとノイズの反応の中に別の反応が感知されて居た

 

「やっぱそうか、小日向しっかり捕まってろ!」

 

俺はそう言って雷鳥を加速させる

 

「うえ⁉︎何で⁉︎私どうなっちゃってるの⁉︎「「立花(響)‼︎」」未来⁉︎それに湊君まで⁉︎」

 

俺と小日向の姿を見た困惑して居る

 

「あの…湊君これって」

 

「説明は後だ、小日向お前はそこの子を連れて建物の中に隠れてろ」

 

「うん、行こう」

 

俺がそう言うと小日向は立花の隣に居た女の子を連れて建物の中に入って行く

 

「ぶっつけ本番だがやるぞ立花」

 

「ちょ、ちょ〜と待ってまだ状況が飲み込めないから」

 

「要するに、お前はお前の守りたい物を守れば良いんだ」

 

俺がそう言うと立花は小日向と女の子が入った建物を見る

 

「胸の歌のままに戦え、無理に攻撃は当てなくて良い無理そうなら逃げて時間を稼げ俺が斬り刻む」

 

「うん」

 

立花はそう言って頷き建物を飛び降りると数匹が立花を追いかけて行く

 

「悪いが一気に片付けさせて貰うぞ」

 

《雷鳴》

 

俺は無数の雷を纏った剣を具現化させノイズの向けて飛ばす

 

「立花は…あのバカ」

 

俺が立花を探して居ると複数のノイズに向かって行く風鳴翼に見惚れる立花に向かって行く大型ノイズが居た

 

「伏せろ立花‼︎」

 

《雷光一閃》

 

俺は持って居た大剣を巨大化させた後、翼のブースターを噴射させて突っ込み大型ノイズを両断する

 

「危なかった」

 

「たく、余所見なんてしてんじゃねえよ。何はともあれお疲れさん」

 

俺はそう言って立花の肩を軽く叩く

 

「うん…は!未来は‼︎」

 

「大丈夫だあの建物の中でさっきの子と一緒だ」

 

「良かった…それじゃあ私呼んでくるよ!」

 

立花はそう言って小日向と女の子を呼びに建物の中に入って行った




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5話

「はい、湊君」

 

少し離れた所に居るとギアを解除した立花が飲み物を持って来た

 

「ありがとな」

 

「ううん、私の方こそありがとう助けてくれて」

 

「どう致しまして、それよりお前帰らなくて良いのか」

 

俺がそう言うと立花は携帯で時間を確認する

 

「それじゃあ私達はそろそろ「待ちなさい」え?翼さん?」

 

「貴方もそして貴方達もこのまま返す訳にはいきません」

 

風鳴は俺と立花達を見てそう言う

 

「何でですか⁉︎」

 

「特異災害対策機動部ニ課まで同行して頂きます」

 

風鳴がそう言うと1人の男性が立花に手錠を付ける

 

「響に何をするつもりですか!」

 

「少しの間拘束するだけです。勿論貴方達に危害を加える様な事は致しませんので」

 

そう言って男性は小日向には手錠などは付けずに立花と一緒に車へ誘導して行った

 

「断ると言ったら?」

 

「その時は…力尽くでも同行して貰うわ」

 

風鳴はそう言って俺に近付いてくる

 

「来なさい」

 

「わかったよ面倒だが行きゃ良いんだろ」

 

俺がそう言うと風鳴は頷き立花達とは別に風鳴と同じ車に乗せられる

 

「何のつもりだ」

 

「昨日はすまなかった…」

 

俺がそう聞くと風鳴は頭を下げてそう言う

 

「どう言う風の吹き回しだ」

 

「貴方の事調べさせて貰ったわ、雪音湊フランス所属のシンフォギア装者」

 

成る程、今日食堂で言ってた放課後話せるか聞いたのはそう言う事か

 

「風鳴、此処って」

 

「ああリディアン音楽院だ」

 

どっかで見たことある道だと思ったらリディアンに向かって居たのか

 

「湊君、翼さんと一緒だったんだ」

 

「ああ「話してないで行くわよ」わかってる」

 

俺はそう言って立花達と一緒に風鳴と男性に着いて行く

 

「響此処って確か」

 

「うん、先生達が居る中央党の筈だよね?」

 

立花と小日向が小声で話す中風鳴達は何も言わずにエレベーターに入る

 

「危ないから捕まって「響此処に捕まろ」…」

 

男性はそう言って響の手を掴もうとすると未来が先に響の手を取り棒を掴ませる。何故かその際未来は響の手を取ろうとした男性の事を若干睨んで居た

 

「貴方も」

 

「ああ」

 

俺は男性に言われるまま棒を掴む

 

「えっと…あはは「愛想は無用よこれから向かう所に微笑みなど必要ないから」う…」

 

沈黙に耐えられず愛想を浮かべる響に対して風鳴がそう言った事で場は再び静かになる

 

「ようこそ!特異災害機動部ニ課へ‼︎」

 

(言ってた事と違うぞ風鳴、お前言ったよな微笑みなど必要ないって此処に居る人達本当に良い顔で笑ってるんだが。しかも熱烈歓迎!立花響様、雪音湊様って書かれてるぞ)

 

そう思い風鳴の方を向くと風鳴は額に手を当て男性は苦笑いをして居た

 

「ほらほらそこの貴方も!入って入って!」

 

呼ばれた方を見ると手錠をされた立花とその隣に立つ小日向の間に俺を手招きしてる女性が居た

 

「遠慮する」

 

「もう、連れないわね。それじゃあお近づきの印に私達だけで撮りましょう」

 

「嫌ですよ!手錠をしたままの写真だなんてきっと悲しい思い出として残っちゃいます」

 

立花は強引に抜け出しその女性にそう言う

 

「それにどうして初めて会う筈の皆さんが私の名前を知ってるんですか⁉︎」

 

その疑問は最もだが

 

「特異災害対策機動部隊、何て名前何だ素性の調査くらいお手の物だろう」

 

「彼の言う通り調査などお手の物なのさ」

 

男性はそう言うがさっきまで立花達に絡んでた女性が立花の鞄を持って居たので中の生徒手帳を見た事は直ぐにわかった

 

「はぁ、緒川さんお願いします」

 

「はい」

 

風鳴がそう言うと緒川と呼ばれた男性は立花の手錠を取った




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6話

「では改めて自己紹介だ俺は風鳴弦十郎此処の責任者をして居る」

 

「そして私は出来る女と評判の櫻井了子宜しくね」

 

そう言って男性と立花に絡んで居た女性が自己紹介を行う

 

「あ…此方こそよろしくお願いします」

 

「君達を此処に呼んだのは他でもない協力を要請したい事があるのだ」

 

「協力?もしかしてあの力の事ですか?」

 

立花の問いかけに風鳴弦十郎と名乗った男性は頷く

 

「教えて下さい、あれは一体何なんですか?」

 

「貴方の質問に答える為にも2つばかりお願いがあるの。その内の1つは今日の事を誰にも内緒、そしてもう1つは取り敢えず脱いで貰いましょうか」

 

「え…だから、何で〜⁉︎」

 

暫くの間その場を立花の絶句が支配した

 

「それで湊君、君に関してだが」

 

「ああ当然、彼奴に話を通すのが筋だろうな」

 

此奴も俺の事を調べたから誰にその話をするべきか分かってるんだろう

 

「今から繋ぐ」

 

「ああ、緒川2人を送ってやってくれ」

 

「はい」

 

風鳴弦十郎の言葉に頷いた緒川は立花と小日向を連れてニ課を出て行った

 

「よお、ユノア」

 

『やあ湊君、君から連絡して来るとは珍しいね』

 

「ああ、ちょっと面倒な事になってな」

 

『それは後ろの方々も関係して居るのかい?』

 

ユノアの言葉に俺は頷く

 

「初めまして日本特異災害機動部隊ニ課の司令官を務めて居る風鳴弦十郎と言います」

 

『これはご丁寧に、フランス特異災害特殊部隊総司令官のユノア・リ・アヴァロンです。それで湊君が何か?』

 

ユノアは風鳴弦十郎に会釈をしてからそう聞く

 

『成る程、そう言う事でしたか。湊君はどうしたいと思って居るんだい?僕としては協力しても問題ないと思って居るよ』

 

「俺か?条件によっちゃ協力しても良いと思ってる」

 

「聞いておこう、その条件とは何だ湊君」

 

風鳴弦十郎はそう言って俺を見る

 

「雪音クリスこの女性を探して欲しい」

 

『やっぱりそれなんだね、それだけ愛されてるんだ君のお姉さんは幸せ者だね』

 

「うるせえよ」

 

俺は条件を聞いて笑みをこぼしそう言うユノアから目を逸らす

 

「つまり君の条件と言うのは雪音クリス君、君の姉の捜索と言う事で良いのか?」

 

「ああ」

 

俺は風鳴弦十郎の言葉を頷き肯定する

 

「良いだろう、君の姉の捜索に我々ニ課の情報部を数名当てよう」

 

「ああ、交渉成立だ」

 

俺と風鳴弦十郎はそう言って握手を交わす

 

『それじゃあ失礼するよ湊君、風鳴司令』

 

ユノアはそう言って通信を切った

 

「さて、湊君雪音クリス君の容姿と特徴を教えてくれ」

 

「髪は染めてなければ白髪だ。歳は16だ身長は劇的に伸びたりして無ければ俺とそう変わらないと思う」

 

「分かった、その線で調べよう今日はもう遅い泊まって行くと良い。案内しよう」

 

「ああ、そんじゃ宜しく頼むぜ風鳴司令」

 

俺はそう言って風鳴司令に着いて行った




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7話

「立花それと小日向も彼奴らから伝達だ」

 

翌日の放課後、俺は立花と小日向に今朝風鳴司令から言われて居た伝達を伝える

 

「伝達?もしかして昨日の事で?」

 

「ああ、重要参考人としてもう一度本部に来て欲しいらしい」

 

「でもどうして未来まで」

 

立花の意見は最もだ

 

「さあな、それは彼奴らに聞いてくれ「おーいビッキー‼︎ヒナー‼︎」呼ばれてんぞ」

 

「うん、行こう未来」

 

立花は3人組の女子に呼ばれて行くと何故か俺も立花に呼ばれる

 

「何だよ立花」

 

「湊君に創世達の事紹介しておこうと思って」

 

創世って言うのは恐らくだが此処に居る立花と小日向以外の3人内の誰かだろう

 

「私は安藤創世、宜しくミナ」

 

「ああ、宜しくな安藤、所で疑問に思ったんだがそのミナって俺の事か?」

 

「そうだけど?」

 

安藤はさも当然だと言わんばかりにそう言う

 

「寺島詩織です宜しくお願いします雪音さん」

 

「ああ宜しくな寺島」

 

「最後は私だね板場弓美宜しく雪音君」

 

「ああ、宜しくな板場。そう言えば立花お前結局何で呼ばれたんだ?」

 

立花の話によると安藤達にこれからフラワーと言う店に行かないかと聞かれて居たらしい

 

「成る程な、悪いな立花と小日向は俺に校内の案内をして貰う約束をしてるんだ」

 

「そうなんだ、それじゃあまた今度誘うね」

 

安藤達はそう言って教室を出た

 

「んじゃ俺達も行くぞ」

 

俺がそう言うと立花達は俺の後ろを着いて来た

 

「それじゃあ先日のメディカルチェックの結果‼︎初体験の負荷は多少残ってるものの体に異常はほぼ見られませんでした」

 

「ほぼですか」

 

「そうね、貴方が聞きたいのはこんな事じゃ無いわよね」

 

「教えて下さいあの力の事を」

 

立花がそう言うと櫻井了子と風鳴司令はシンフォギアについて立花と小日向に話した

 

「さあ話は以上よ、質問があればじゃんじゃん言って頂戴」

 

「それじゃあ良いですか?」

 

「はい響ちゃんどうぞ」

 

「あの…全然分かりません」

 

初めて聞く身になれば分からないのも無理はないか

 

「でも湊君が言いたかった事は何となく分かった。胸の歌のままに戦え、あれって胸の歌を信じて戦えば良いって事だよね?」

 

「簡単に言うとそう言う事だな」

 

「それと伝承って言うのもいまいちピント来てないんですけど」

 

「立花、北欧神話って聞いたことあるか?」

 

俺は最もメジャーな伝承の例を挙げる

 

「えっと…あはは」

 

「私は聞いた事あるけど…」

 

立花はこの感じからして知らないんだろうが小日向は知って居たか

 

「でも私はその聖遺物と言うのを持ってませんよ?なのに何故」

 

「立花お前はこれに見覚えはないか?」

 

俺は予め櫻井了子から受け取って居た立花のメディカルチェックを行った写真を見せる

 

「この小さな破片、これが何かお前なら分かるだろ?」

 

「これって確か2年前のライブの時の怪我だけど」

 

2年前のライブと言う言葉に風鳴と小日向が反応する

 

「心臓付近に複雑に組み込んで居る為手術でも摘出不可能な無数の破片、調査の結果この破片がかつて奏ちゃんが身に纏って居た第3号聖遺物ガングニールの砕けた破片である事が判明しました…奏ちゃんの置き土産ね」

 

櫻井了子の言葉を聞いた途端、風鳴はふらつきながらも部屋を出て行った

 

「それじゃあ…私のせいで響が…」

 

「小日向?」

 

「あ…ううん、何でもないよ雪音君」

 

小日向はそう言うがその表情は明らかに無理をして居た

 

「立花それと小日向、今此処で聞いた話は他言無用だ良いな?」

 

「何で?」

 

「君がシンフォギアの力を持って居ると何者かに知られた場合、家族や友人や未来君、周りの人間に危害が及びかねない。最悪の場合命を落とす事もある」

 

シンフォギアの力は強大だ故にそれを悪用しようとする人間も少なくはない

 

「お前が家族や友人を大事にしたいと思うのならその力の事は誰にも言うな、勿論お前もだ小日向」

 

「うん、分かった」

 

「私も分かったよ雪音君」

 

俺の言葉に2人はそう返す

 

「立花響君、君の宿したシンフォギアの力を対ノイズ戦の為に役立てて貰えないだろうか?」

 

「私の力で誰かを助けられるんですよね?だったら私やります」

 

「ありがとう響君、そして未来君、君に関してだが」

 

立花は風鳴司令達に協力すると決めた次は小日向だ

 

「私に何が出来るか分かりませんが私も協力します」

 

「ありがとう未来君」

 

小日向も協力するのか

 

「だったら小日向此奴を持っておけ」

 

「これって雪音君が着けて居た」

 

「その中にはこの区画にある全てのシェルターの位置が登録されて居る。避難し遅れた人を安全にかつ最短ルートでシェルターに誘導する事もれっきとした戦いだ小日向」

 

「雪音君、ありがとう」

 

小日向はそう言って通信機を受け取る

 

「湊君の言う通りだ。これから宜しく頼む響君、未来君」

 

「「はい」」

 

こうして装者として立花響が協力者として小日向未来がニ課に加入した




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8話

「翼さん!私戦います!慣れない身ではありますが頑張ります!一緒に戦えればと思います!」

 

立花はそう言って手を差し出すが風鳴はその手を掴もうとしない

 

「あの…一緒に戦えればと…」

 

立花が続きを言おうとした所で警報が鳴る

 

「何処に行く雪音!」

 

「ノイズの出現位置に決まってんだろ!」

 

俺はそう言って風鳴達を置いてノイズの出現位置に向かおうとする

 

「私も同行しよう」

 

「分かった、立花お前は此処で待ってろ!」

 

俺は響にそう言って風鳴とノイズの出現位置に向かった

 

「ノイズの出現位置は」

 

「リディアンから距離200m内のこの6箇所だ!」

 

俺は通信機の地図をホログラム化させ風鳴に見せる

 

「雪音は距離も少し離れて居るがそこの2箇所を頼む固まってる場所は私が向かう」

 

「分かった」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

「頼んだぞ雪音」

 

「ああ、そっちもな」

 

《雷鳥》

 

俺と風鳴はリディアンを出て聖詠を行いシンフォギアを纏い互いに別々のノイズの出現位置に向かった

 

〜未来side〜

 

「すみません!」

 

ノイズが出現して少しすると響が焦って中に入って来た

 

「響君か、翼と湊君はどうした」

 

「それが私を置いて2人でノイズを倒しに向かっちゃって」

 

「何だと⁉︎しかしどうしてノイズの出現位置が」

 

弦十郎さんの言葉を聞いて昨日雪音君が見せてくれた通信機に表示されて居た地図を思い出した

 

「やっぱりこれだ」

 

「未来君それは?」

 

「昨日雪音君が響を探すのに協力してくれた時にこの通信機を使って居たんでもしかしたらと思って」

 

私が地図を表示させると6箇所に赤い印が表示されて居た

 

「ノイズの出現位置と一致して居るわね」

 

「それじゃあこの赤い印の場所にノイズが!」

 

響はそう言って走り出す

 

「待つんだ響君‼︎君はまだ「私の力が誰かの助けになるんですよね!シンフォギアの力でないとノイズと戦う事が出来ないんですよね!だから私行きます!」…」

 

響は弦十郎さんの制止を聞かずに飛び出して行った

 

「危険を承知で誰かの為になんてあの子良い子ですね」

 

「果たしてそうなのだろうか?翼や湊君の様に幼い頃から戦士としての鍛錬を積んできた訳ではない。ついこの間まで日常の中に身を置いて居た少女が誰かの助けになると言うだけで命をかけた戦いに赴けると言うのはそれは歪な事では無いだろうか」

 

「つまりあの子もまた私達と同じこっち側と言う事ね」

 

「響…「未来君、響君に何か起こった場合、出来れば彼女の事情を知っている君が彼女を支えてやって欲しい」分かりました。響に何かあった時は私が響を支えになります」

 

私は弦十郎さんの言葉にそう返す

 

「翼ちゃん湊君ノイズと交戦を開始しました!響ちゃんは翼ちゃんの元に向かった様です」

 

「よりによって翼の方に向かったか」

 

響が向かったのは雪音君では無く翼さんの援護に向かって居た

 

「湊君ノイズとの交戦を終え次の場所に向かいます」

 

「聞こえるか湊君‼︎」

 

『なんだよ風鳴司令』

 

弦十郎さんの問いかけに雪音君はそう返す

 

「そこのノイズとの交戦を終え次第翼と響君の2人の所に向かってくれ、今の翼では響君に何をするかわからない」

 

『分かった』

 

雪音君がそう言うと弦十郎さんは通信を響と翼さん達の方に集中させた

 

『そうね、戦いましょうか私達』

 

『え…』

 

「何を言っているんだ翼‼︎返事をしろ‼︎」

 

弦十郎さんの問いかけに翼さんは何も答えない

 

「翼ちゃん此方からの通信を遮断しています!」

 

「湊君は!」

 

「ノイズとの交戦終了!現在2人の元に向かって居ます!」

 

雪音君は少し前にノイズを倒して翼さんと響の所に向かってるけどもう少しかかりそうだ

 

「仕方ない俺が出る!」

 

弦十郎さんはそう言って走って翼さんと響の所に向かって行った

 

〜未来side out〜




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9話

〜響side〜

 

「そう言う意味じゃありません私は翼さんと力を合わせて「分かっているわそんな事」だったらどうして」

 

「私が貴方と戦いたいからよ」

 

私の言葉に翼さんはそう返す

 

「私は貴方を受け入れられない力を合わせ貴方と共に戦う事など風鳴翼は許せる筈はない。貴方もアームドギアを纏いなさい」

 

「アームドギア?」

 

私は聞きなれない単語に疑問符を浮かべる

 

「それは常在戦場の意思の体現、貴方が何者をも貫き通す無双の一振りガングニールのシンフォギアを纏うのであれば胸の覚悟を構えてご覧なさい!」

 

「覚悟ってそんな…私アームドギアなんてわかりません、分かってないのに構えろなんてそれこそ全然わかりません」

 

「覚悟を持たずにのこのこと遊び半分で戦さ場に立つ貴方が奏の…奏の何を受け継いでいると言うの‼︎」

 

《天ノ逆鱗》

 

私は足が震え迫って来る翼さんと巨大な刃が目の前に来た所で思わず目を閉じるが痛みは来ない

 

「何とか間に合ったな」

 

そこには巨大な刃を翼さんごと弾く湊君の姿があった

 

〜響side out〜

 

「そこをどけ雪音‼︎」

 

「それは聞けねえ話だな風鳴」

 

再度刀を構えた風鳴に俺はそう返す

 

「どかぬと言うのなら押し倒すまでだ‼︎」

 

《炎鳥極翔斬》

 

風鳴は両手に携えた直剣のアームドギアから火炎を放出し自身を青い火の鳥と化して俺に突貫してくる

 

「やれるもんなら、やってみやがれ‼︎」

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺は風鳴同様に両手に携えた大剣のアームドギアから雷を放出し自身を雷を纏う鳥と化させ風鳴に突進する

 

「「はあああ‼︎」」

 

「もう辞めましょうよ翼さん‼︎湊君も‼︎」

 

立花の叫びも虚しく俺と風鳴の技がぶつかり合い互いに技の爆風に吹き飛ばされる

 

「湊君!大丈夫!」

 

「大丈夫か翼!」

 

そう言って立花が俺の元に風鳴司令が風鳴の元に行く

 

「大丈夫だ立花」

 

「良かった、翼さんは大丈夫ですか」

 

立花はそう言って風鳴の元に向かう

 

「泣いてなんか居ません!涙なんて流して居ません。風鳴翼はその身を剣と鍛えた戦士ですだから…」

 

風鳴司令はそれ以上何も言わなくなった風鳴を支える

 

「翼さん私全然ダメダメなのは分かっています。だからこれから一生懸命頑張って奏さんの代わりに「立花お前少し黙ってろそれ以上何も言うな」でも私だって「良いからもう黙ってろよ‼︎」湊…君」

 

立花は初めて聞く俺の大声に怯えて後ずさる

 

「風鳴司令、風鳴を連れて先に戻っててくれ」

 

「分かった」

 

俺がそう言うと風鳴司令は風鳴を連れて先に本部に戻って行った

 

「立花お前何を言おうとしてたんだ」

 

「それは奏さんの代わりになって見せますって「立花、風鳴翼にとって天羽奏の代わりなんて居ると思うのか?」それは…」

 

「聞き方を変えよう、お前には小日向未来の代わりは存在するのか?」

 

俺は立花の目を見てそう聞く

 

「未来の代わり?そんなの「いるわけないか?」うん、小日向未来はたった1人だもん」

 

「そうだな、それが分かっていたのならどうして風鳴にそんな事を言おうと思えるんだ‼︎気安く誰かの代わりになるだなんてほざくな‼︎代わりなんて存在しないんだよ‼︎それが大切な人だったとしたら尚の事だ‼︎」

 

俺は立花の胸ぐらを掴み言いたい事を全て言葉にする

 

「もう少し自分の言葉に責任を持って、馬鹿野郎」

 

俺はそう言って本部では無くアパートに向けて足を運んだ

 

『私が君のお姉さんの代わりになっても良いかな?』

 

「クソが…彼奴と似たような事言いやがって」

 

そう言った俺の中にはかつて俺の隣に居た1人の女性との思い出が浮かび上がって来て居た




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10話

8年前…フランス、今思うと俺と彼奴の出会いは最悪だった

 

「ねえ、そこの君」

 

「何だ」

 

そいつは突然俺の前に現れた

 

「どうしたの皆んなと遊ばないの?」

 

「別にお前には関係ないだろ」

 

「む〜、そんな言い方無いと思うんだけどな〜」

 

そう言って頬を膨らますそいつは年上の筈なんだが自分よりも幾つも年下に見えた

 

「何見てるの?」

 

「俺が何を見てようが俺の勝手だろ」

 

「へ〜、そっか〜、隙あり‼︎」

 

そいつはそう言って俺の持って居たロケットを奪う

 

「さ〜て何が入ってるのかな?」

 

「触んな!返せよ!」

 

「ふふん、返して欲しくば力ずくで取り返してみたまえ」

 

そう言ってロケットを開ける

 

「これって…「そら!」わわっ!」

 

俺はそいつの肩によじ登りロケットを取り返し飛び降りるとそいつは尻餅をついて転ける

 

「痛た、もうびっくりするじゃない‼︎」

 

「元々はお前が俺のロケットを取ったのが原因だろ」

 

「何を〜‼︎」

 

俺が走るとそいつも俺を追いかけて来た

 

「此処まで来れば「大丈夫だと思った?残念でした」何の用だよ」

 

「まあまあそう警戒しない、ねえそのロケットの中の写真の子って君だよね?」

 

「だったら何だよ」

 

「もう1人の女の子が誰かわからないんだよね。もしかして君の彼女さんだったり?」

 

そいつは笑いながら俺に聞いて来る

 

「違う、俺の姉さんだ」

 

「そっか、君のお姉さんと何かあったの?事情があったなら聞くよ?」

 

その当時の俺はそいつに今まであった事を全て話した

 

「そっか、ねえ1つ提案しても良いかな?」

 

「何だよ提案って」

 

「私が君のお姉さんの代わりになっても良いかな?」

 

それが俺とリュー・クリスティアの出会いだった

 

「夢か…随分と懐かしい夢を見たもんだな」

 

もしかすると昨日の立花の件があったから彼奴の夢を見たのかもな

 

「外に出たのは良いが何すっかな」

 

これ以上は寝れず外に出たがまだ8時過ぎ土曜だから学院も休みこうなると本当にする事がないな

 

「いっその事本部にでも行くか「雪音君?」小日向か立花はどうした」

 

「響はこの間のレポートがまだ終わって無いから今日もやってるよ」

 

立花の奴まだ終わって無いのか

 

「そうか、じゃあな「待って」何だよ」

 

「雪音君、少し話さない?」

 

「話す?何をだよ」

 

「響の事」

 

小日向は真剣な表情でそう答える

 

「立花の事かまあ別に良いぞ」

 

「ありがとうそこで話そう」

 

小日向が指を指す方にはファミレスがあった

 

「んで、立花の事って何を話すつもりだ。大方彼奴が昨日話してた2年前のライブってのが関係してんだろうけどな」

 

「うん、その事と関係あるんだ」

 

小日向が話したのは立花がライブに行く事になったきっかけだった

 

「成る程な、立花をあのライブに誘ったのはお前だったのか。そんでもってそこにノイズの襲撃に加え立花が大怪我をしたと」

 

「うん、響が何とも無いって言うから安心してたけどまさかあんな事になるなんて」

 

立花の様な適合方法は極稀だ今までその方法で適合した奴を立花以外に俺は知らない

 

「ねえ雪音君、響のあれって本当に取り除けないの?」

 

「ああ心臓付近に複雑に組み込み過ぎて居る上に数が多い現代の医療技術では確実に無理だ」

 

「やっぱりそうだよね「だが不可能な訳じゃ無い」そうなの?」

 

確かにあれを取り除くのは無理だ。だがそれは手術で摘出するならばだ

 

「此奴を手に入れる事が出来れば話は別だ」

 

俺は小日向に1つのシンフォギアを見せる

 

「これは?」

 

「シンフォギア神獣鏡だ。このシンフォギアの放つ光には聖遺物由来の力を無力化させる事が出来る」

 

「つまりそれを使えば響の中の聖遺物の破片も…」

 

「ああ、除去出来る可能性は十分に考えられる」

 

「それじゃあ!「それは無理だ」え?」

 

小日向はこれを手に入れればと思ったんだろうがその考えは甘い

 

「此奴は米国のFISが管理して居る。今はまだ迂闊には手を出せない状況だ」

 

「そっか、ありがとう雪音君。でも響が助かるかもしれないって分かっただけでも嬉しいよ」

 

「そうかよ」

 

「うん、あれ?響からだ、どうしたの響『未来‼︎レポートが終わらないよ‼︎手伝って!』もう仕方ないな〜響は、今から帰るから待ってて」

 

そう言って小日向は立花からの電話を切る

 

「それじゃあ雪音君また学校でね」

 

「ああ、そうだ小日向今日の17時30分からのニ課でのミーティングには遅刻しないよう立花に言って置いてくれ」

 

「分かった、響に伝えとくね」

 

そう言って小日向は帰って行った




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11話

『雪音今から本部に来てくれ、昨日の決着を付けたい』

 

俺が小日向と別れて直ぐに風鳴からそう連絡を入った

 

「来たぞ風鳴」

 

俺は風鳴の待って居た鍛錬場に入りそう言う

 

「済まない雪音、今回は立花の事は関係ないわ。私は1人の防人として剣として貴方と決着をつけたいの。私は貴方を倒す気で行くわだから貴方も私を倒す気できなさい」

 

「分かった、俺も今出せる全力でお前を倒しに行く」

 

風鳴は言った俺を倒す気で来ると、なら俺もそれに応える義務がある

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

俺と風鳴は互いに聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「行くぞ雪音‼︎」

 

「来いよ風鳴翼!」

 

《蒼ノ一閃》

 

《雷斬》

 

風鳴の放った巨大な青いエネルギー刃を砕き風鳴に突進する

 

「はあ!」

 

《風輪火斬》

 

風鳴は2本のアームドギアの柄を繋ぎ合わせて双刃刀へと変形させ、炎を纏わせながら振り回し突進し俺の攻撃とぶつける

 

「やるな風鳴」

 

「雪音も流石だ」

 

俺と風鳴は互いに距離を取りそう言う

 

『2人共、後数分でミーティングだ』

 

「はい叔父様、これで決めるぞ雪音」

 

「ああ」

 

《炎鳥極翔斬》

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺と風鳴は昨日の夜と同じ技を放つ

 

「くっ!」

 

「ふっ!はあ‼︎」

 

《雷光一閃》

 

技の威力は互角、風鳴は受け身を取って威力を殺し俺は鍛錬場の壁を蹴り風鳴に追撃を与える

 

「くっ…ぐあ!」

 

風鳴は刀で受け流そうとするも威力を殺し切る事が出来ず刀が砕け壁に打ち付けられた

 

「はぁはぁ…勝負あったな」

 

「はぁはぁ…ああ、私の負けだ」

 

壁に靠れる風鳴は負けはしたが何処か清々しい顔をして居る

 

「立てるか翼」

 

「⁉︎ああ、湊」

 

俺が名前を呼び手を差し出すと翼は驚いた顔をしたが直ぐにその手を取りそう言う

 

「見させてもらったぞ2人共、良い勝負だった」

 

「ありがとうございます叔父様」

 

「ミーティングをするのは良いが立花はどうしたんだ?」

 

既にミーティングの時間にはなって居るが立花が来て居ない

 

「響君なら今此方に向かって居ると連絡があった」

 

「彼奴こんな時まで遅刻かよ」

 

まあ彼奴らしくはあるな

 

「すみません遅れました‼︎」

 

少しすると息を切らせた立花が入って来た

 

「立花お前もっと余裕を持って行動しろよ。それに小日向の奴からも聞いてるだろ今日の17時30からニ課でミーティングだって」

 

「たはは、それがレポートの途中で寝落ちしちゃって。未来が起こしてくれなかったらもっと遅くなってたと思うよ」

 

本当に小日向の奴も大変だな

 

「それじゃあミーティングを始めよう」

 

風鳴司令の言葉でミーティングが始まった




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12話

「どう思う?」

 

「えっと…一杯ですね」

 

立花はモニターに映るノイズの発生地点の印を見てそう言う

 

「ははは、全くその通りだ。これは此処1ヶ月のノイズの発生地点だ。ノイズについて響君が知って居る事は?」

 

「テレビのニュースや学校で教えて貰った程度ですが、先ず無感情で機械的に人間だけを襲う事、そして襲われた人間が炭化してしまう事、時と場所を選ばずに突然現れて周囲に被害を齎す特異災害として認定されて居る事」

 

「意外と詳しいな「丁度一昨日出されたレポートの題材がノイズだったからな」成る程な」

 

俺がそう言うと風鳴司令は響がある程度詳しい事を理解する

 

「そうね、ノイズの発生が国連で議題に上がったのは13年前だけど観測そのものはもっと昔からあったわ、それこそ世界中に太古の昔から」

 

「世界の各地に神話や伝承に登場する数々の偉業はノイズ由来のものが多いだろうな」

 

「それとこっちはフランスでのノイズの発生地点だ無理言ってユノアに送って貰った」

 

次にモニターにはフランスのノイズの発生地点が映し出される

 

「さっきのに比べると少ないですね」

 

「そうね、本来ノイズの発生率は決して高くないの普通であればフランスの発生率が平均ね、だから最初に響ちゃんに見て貰ったのは誰の目から見ても明らかに異常事態、だとするとそこに何らかの作為が働いていると考えるべきでしょうね」

 

「作為って事は誰かの手による物だと言うんですか?」

 

「中心点は此処私立リディアン音楽院高等科、我々の真上です。サクリストDデュランダルを狙って何らかの意思がこの地に向けられている証左となります」

 

デュランダルあれが此処にあったのか

 

「あの…デュランダルって一体」

 

唯一デュランダルに関する知識のない立花が風鳴司令にそう聞く

 

「此処よりもさらに下層アビスと呼ばれる最深部に保管され日本政府の管理下にて我々が研究して居るほぼ完全状態の聖遺物それがデュランダルよ」

 

「翼さんの天羽々斬や湊君のサンダルフォン、響ちゃんの胸のガングニールは装者が歌ってシンフォギアとして再構築させないとその力を発揮できないけれど完全状態の聖遺物は一度起動した後は100%の力を常時発揮し更には装者以外の人間も使用出来るであろうと研究の結果が出て居るんだ」

 

「それがわたくしの提唱した櫻井理論、だけど完全聖遺物の起動には相応のフォニックゲインが必要なのよね」

 

櫻井了子にそう言われた立花は頭を抱える

 

「まあ詰まる所、完全聖遺物の起動にはそれ相応のエネルギーが必要なんだよ」

 

「成る程、何となくだけど分かったよ」

 

本当にわかってんのか此奴

 

「あれから2年、今の翼の歌であれば或いは」

 

「そもそも起動実験に必要な日本政府からの許可って降りるんですか?」

 

「いやそれ以前の話だよ、安保を盾にアメリカが再三のデュランダルの要求をして来て居るそうじゃないか」

 

なら今回の件はアメリカの仕業の可能性も考えられるが時期が時期だ。1ヶ月前それは俺や立花達がリディアンに入学したのと大体同じくらいだ。だとすると、確実にデュランダルを狙ってて事は言えないかもな

 

「仕方ない奥の手のつもりだったんだが俺の持ってる物も話しておく」

 

「君の奥の手か?」

 

「ああ、完全聖遺物インドラの槍の事を」

 

俺の発言にその事をあまり理解していない立花以外が驚く

 

「あの…皆さんどうしてそんなに驚いてるんですか?完全聖遺物を起動させるにはそれ相応のエネルギーが必要なんですよね?だったら湊君が偶々その完全聖遺物が使えるだけのエネルギーを持って居たってだけなんじゃ」

 

「その必要するエネルギーが常人のそれでは無いからだ。2年前、翼は1度デュランダルを起動させようとしたがそれは失敗に終わって居る」

 

「そもそも、完全聖遺物の国外への持ち出しは厳禁だった筈ですが」

 

そう基本的には完全聖遺物の国外への持ち出しは厳禁だ

 

「なんせインドラの槍が発見されたって事はフランスの上層部の中でも本当に限られた数人だからな。見つけたのも俺だし、それにユノアには研究をさせるかさせないかは俺の好きにしろっ言われて居る」

 

「つまり相手が君の完全聖遺物インドラの槍を狙って来て居るとすれば」

 

「ああ、十中八九フランスの上層部の中で俺がインドラの槍を持つ事を良しとしない奴が雇った何者かだろうな」

 

そうなって来ると外交問題云々も絡んでくるから俺がそいつを片付ける必要が出て来る

 

「だが相手の狙いがデュランダルでない可能性が消えたわけじゃない。何より調査部からの報告によると此処数ヶ月の間に数万回に及ぶ軍のコンピューターへのハッキングを試みた痕跡が認められて居るそうだ。流石にアクセスの出所は不明、それらを短絡的に米国政府の仕業とは断定できないが、もちろん痕跡はたどらせて居る本来こう言うのこそ俺達の本領だからな」

 

「風鳴司令」

 

「あっそうか、そろそろか」

 

「今晩はこれからアルバムの打ち合わせが入って居ます」

 

翼にそう言う緒川を立花は困惑して見る

 

「表の顔ではアーティスト風鳴翼のマネージャーをやってます」

 

そう言って緒川は俺と立花に名刺を渡して翼と一緒に出て行く

 

「私達を取り囲む脅威はノイズばかりでは無いですね。何処かの誰かが此処か湊君を狙って居るなんて考えたくありません」

 

「だとしてもインドラの槍を狙って来て居たとしたら俺1人で対処する他無いがな」

 

「どうしてですか?」

 

立花はその事に疑問を覚えたのか風鳴司令に聞く

 

「万が一我々や翼そして響君が原因でインドラの槍が消失してしまった場合には外交問題に発展しかねないんだ。だから湊君には1人でインドラの槍を守って貰わなければならない。何より湊君自身インドラの槍を他国に持ち出す時点でその件での協力が難しい事を理解した上で持ち出したのだろうしな」

 

「そう言う訳だ」

 

「そっか、そう言われると余計に心配だな〜」

 

「大丈夫よ、何てったって此処はテレビや雑誌で有名な天才考古学者櫻井了子が設計した人類守護の砦よ?先端にして異端なテクノロジーが悪い奴らなんて寄せ付けないだから」

 

「宜しくお願いします」

 

立花はそう言って櫻井了子に頭を下げた




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13話

「雪音君、響の事見てない?」

 

翌日の放課後、リディアンを出ようとすると小日向にそう聞かれる

 

「立花だったらノイズが出たから多分そこじゃないか?」

 

「そっか、それで響居なかったんだ」

 

小日向はそう言うと寂しそうな表情を浮かべる

 

「ほら行くぞ小日向」

 

「行くって何処に?」

 

「何処ってお前と立花が住んでる場所だよ」

 

俺がそう言うと小日向は後ろを着いて来た

 

「雪音君は行かなくて良いの?」

 

「俺はお前を送ってから来て欲しいって立花から頼まれたんだ」

 

「そっか響が、ありがとう雪音君もう大丈夫だよ。響にはあまり遅くならない様に言って置いて」

 

そう言って小日向は中に入って行く

 

「立花か?小日向は送ったぞ」

 

『ありがとう湊君』

 

「気にするな、それと小日向から伝言だ。あまり遅くなるなだとさ」

 

『うん、わかったよ』

 

俺は立花にそう伝えて立花の居る場所に向かおうとすると風鳴司令から通信が入る

 

「何だよ風鳴司令」

 

『湊君そこには翼が向かう君はもう1箇所に向かってくれ、響君では対処しきれない』

 

「分かった」

 

俺はそう言って立花とは別の場所に向かった

 

「あれは確かに立花じゃ対処しきれないかもな、あれは…」

 

風鳴司令に指示された場所に向かうと立花の向かった場所以上のノイズに加えノイズを増やす少女の姿が見えた

 

「丁度良い此処で始末する」

 

《雷鳴》

 

俺は無数の雷を纏った剣を具現化させ上空からノイズに向けて飛ばす

 

「ちっ!何処に居やがる‼︎」

 

「此処だ‼︎」

 

《雷斬》

 

その少女はギリギリの所で後ろに飛んで避ける

 

「ネフシュタンの鎧か」

 

森がの中が暗いのと顔の上半分がバイザーで隠れて居るがこのネフシュタンの鎧を使って居る奴に俺は見覚えがある

 

「…相手が悪いか…」

 

「待ちやがれ‼︎」

 

少女は小声で何かを言った後走って森の中を抜けて行く

 

『湊君!深追いはするな‼︎湊君‼︎』

 

風鳴司令からの通信が聞こえるが俺はそれよりも異様に少女の正体を知りたくなった

 

「そらよ‼︎」

 

「しまっ!」

 

少女は両肩部の無数のトゲを伸長させ鞭の様に巻き付け投げ飛ばす

 

「「湊(湊君)‼︎」」

 

「ああ、大丈夫だそれよりも来るぞ」

 

ネフシュタンの鎧を纏った少女が森から出て来ると同時に月の光が少女の姿を映す。

 

「ネフシュタンの鎧」

 

「へー、て事はそこの奴とは違ってあんたはこの鎧の失順を知ってんだ」

 

「2年前、私の不始末で奪われた物を忘れるものか、何より私の不手際で奪われた命を忘れるものか!」

 

翼が何か言って居る様だが今の俺にはその言葉は入って来ない

 

「湊君?どうしたの?」

 

「姉さん…」

 

知りたくなかった。ネフシュタンの鎧を纏って居たのは俺の姉さん雪音クリスだった

 

「何をして居る湊来るぞ‼︎」

 

風鳴の声で我に帰り伸長させた無数のトゲを避ける

 

「奏を失った事件の原因と奏の残したガングニールのシンフォギア、時を得て再び揃って現れると言う巡り合わせ…だがこの残酷は私にとって心地良い‼︎」

 

「辞めて下さい翼さん‼︎相手は人です‼︎同じ人間です‼︎」

 

「「戦さ場で何をバカな事を‼︎」」

 

立花の言葉に翼と姉さんの言葉が重なる。そして俺自身も思い出す此処が戦場である事を

 

「寧ろ貴方と気が合いそうね」

 

「だったら仲良く戯れ合うかい!」

 

そう言って伸長させた無数のトゲを防ぐ

 

「もう大丈夫だ翼」

 

「そうか、立花の援護に向かってくれ」

 

「ああ、分かった」

 

《雷斬》

 

俺はそう言って立花を追うノイズを両断する

 

「大丈夫か立花」

 

「うん、ありがとう湊君。そうだ翼さん!「彼奴なら大丈夫だ今は目の前の敵に集中しろ立花!」うん」

 

立花は姉さんの出現させたノイズに向かい合う

 

「避けろ立花‼︎」

 

「え?きゃっ!」

 

少し戦える様になって油断した立花を狙いノイズが粘液を飛ばし立花を拘束する

 

「立花!「私は大丈夫だから翼さんの所に!」んな訳に行くかよ」

 

《雷鳴》

 

俺は立花を拘束するノイズを倒す

 

「大丈夫か立花」

 

「うん、でもこのまま暫く動けそうに無いから湊君は翼さんの所に行って」

 

「分かった、この歌…まさか‼︎」

 

少し離れた所から聞こえる歌、それは最悪命さえも奪う歌だった

 

「絶唱…」

 

「くっ!」

 

姉さんはノイズを出現させるが翼はノイズを避け姉さんの目の前で止まる

 

《雷鳥》

 

「早く乗れ立花!このままじゃ巻き込まれるぞ‼︎」

 

「でも翼さんが!「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ!」翼さん!翼さ〜ん‼︎」

 

俺は立花を無理矢理掴みその場を離れる

 

「終わったか」

 

俺は姉さんが心配になりながらもそう呟くと何処かに飛んで行く姉さんが居た

 

「「翼(さ〜ん)‼︎」」

 

俺と立花は立って居る翼を見つける

 

「大丈夫か翼」

 

「私とて人類守護の務めを果たす防人だ。こんな所で折れる剣ではない」

 

そう言った翼は吐血に加え眼からの出血もあった

 

「捕まれ翼」

 

「ああ…済まない…湊…」

 

翼はそう言うと意識を失った

 

「立花救急車を呼べ‼︎」

 

「う…うん」

 

そう言って携帯を取り出す立花だが手元が震えて上手く操作出来ていない

 

「翼‼︎」

 

「風鳴司令、立花の代わりに救急車を呼んでくれ」

 

「分かった」

 

数分後、風鳴司令が呼んだ救急車で翼は病院に搬送された。




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14話

「姉さん‼︎」

 

俺は暗い空間の中で姉さんの後ろ姿を見てそこに向けて走る

 

「よお、元気そうだな湊」

 

そう言った姉さんは昔俺に向けてくれた優しい顔でそう言う

 

「ああ、姉さんも元気そうで良かった」

 

俺がそう言ったのと同じタイミングで腹部に激痛が走る

 

「姉さん…何を…」

 

次に姉さんを見るとそこにはネフシュタンの鎧を纏った姉さんが居た

 

「あたしとお前は敵同士だ。馴れ合いは不要だぜ」

 

「辞めてくれ…姉さん…」

 

「じゃあな」

 

そう言って不敵な笑みを浮かべた姉さんはネフシュタンの鎧の伸長させた無数のトゲで俺の喉を切り落とす

 

「はぁはぁ…夢か…」

 

望まない形で姉さんと再開した翌日、そこには姉さんは居らず俺1人だった

 

「何度目だよ…」

 

立花は翼の元に向かったが俺は即座にアパートまで帰ったのだが、帰ってからずっと何度も何度も同じ様な夢で起きる

 

「学校行かなきゃな」

 

俺は壁に掛けてある制服を着てリディアンに向かう

 

「おはよう雪音君」

 

「おはよう小日向」

 

俺がリディアンに向かって居ると後ろから小日向が来た

 

「立花の奴どうしたんだ?」

 

「それが朝から居なくて、事情は今日の夜話すって置き手紙はあったんだけど」

 

彼奴小日向にも黙って何処行ってんだよ

 

「ちょっと待ってろ知ってそうな奴に連絡してみるから」

 

俺はそう言って風鳴司令に繋げる

 

『どうかしたか湊君?』

 

「単刀直入に聞くぞ風鳴司令、立花と一緒に居るのか?」

 

『ああ、響君なら俺と一緒に居る』

 

成る程、立花は風鳴司令と一緒か

 

「小日向、立花は風鳴司令と一緒だとさ」

 

「へ〜、そうなんだ」

 

そう言った小日向からはどす黒いオーラが出て居た

 

「お前ロリコンだったのか」

 

『断じて違うぞ湊君、特訓だ今朝早くに響君が自ら俺に志願して来たんだ』

 

「ほう、特訓かしかも2・人・だ・け・で」

 

俺が2人だけと言う単語を強調して言うと小日向のオーラはこれまでの倍に跳ね上がった

 

『湊君、これ以上誤解を招く言い方は辞めて貰いたいんだが』

 

「雪音君、私にも話させて」

 

俺は有無を言わせない表情でそう言う小日向に代わった。なんか断ったら俺まで共犯扱いされそうだし

 

「弦十郎さん、響に無理矢理におかしな事させて無いですよね?」

 

『ああ、それだけは保証しよう』

 

風鳴司令の言葉を聞いた小日向は少しの間黙り込む

 

「わかりました。弦十郎さんを信じます」

 

『ありがとう未来君、それとさっきの事に関してだが此処に居るのは俺と響君2人だけじゃない』

 

「わかりました、今日の響は風邪を引いたから休むって伝えておきます」

 

『ああ、頼む未来君』

 

小日向はそう言って風鳴司令との通信を切った

 

「良かったのか小日向」

 

「うん、ほら行こう雪音君」

 

小日向はそう言って先にリディアンの中に入って行った




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15話

「行こう雪音君」

 

「おい引っ張るなよ小日向」

 

放課後、俺は小日向に引っ張れ立花の居る風鳴司令の家に向かって居た

 

「おーい、立花‼︎」

 

「響‼︎」

 

俺と小日向が風鳴司令の家の扉を叩くと中から人が出て来るとその人は俺と小日向がリディアンの制服を着てると知ると事情を知って居るのか直ぐに中に入れてくれた

 

「何処に居るんだろ響」

 

「さあな、何か向こうから声が聞こえないか?」

 

「行ってみよう」

 

俺達は声のする方に向かう

 

『痛たたた!しっ師匠もう少し優しくしてくださいよ』

 

部屋の中から立花の声が聞こえる

 

「入るぞお前ら」

 

「弦十郎さん!響におかしな事はしない…って」

 

「ぐぬぬぬ!あれ未来?」

 

部屋に入ると風鳴司令が立花を後ろから押してストレッチをして居た

 

「はい響」

 

「ありがとう未来、それにしても初日からハード過ぎですよ師匠」

 

立花が部屋の中で疲れはてて寝転びながらそう言う

 

「何のまだまだ特訓は始まったばかりだぞ」

 

「そうそう響、明日は創立記念日だから学校はお休みだよ」

 

「なら明日も朝から晩までみっちりと特訓だな」

 

「とほほ、もう女子高生の休日の朝じゃ無いよ」

 

お前が自分から風鳴司令に志願したんだろ

 

「今日は泊まるの?」

 

「うん、明日も朝から特訓だからね」

 

「そっか」

 

小日向は寂しそうな表情でそう言う

 

「響君の事が心配なんだったら未来君も泊まって行ったらどうだ?部屋も余って居る事だしな」

 

「良いんですか?」

 

「ああ、その方が響君も安心出来るだろ」

 

「ありがとうございます師匠!」

 

立花がそう言って風鳴司令に頭を下げる

 

「湊君もお泊まりしようよ」

 

「断る」

 

「え〜、良いじゃん」

 

「響あんまり無理強いは良く無いよ」

 

そう言って小日向が立花を落ち着かせる

 

「ならこうするのは如何だろうか、これから模擬戦をして勝った方が決める。これなら俺も響君がどれだけ成長しているのか知れるからな」

 

絶対後半が主な目的だ

 

「まあ立花が勝つとは思えないがそれで気が済むならやってやらんでも無い」

 

「やります師匠‼︎」

 

「決まりだな、早速始めよう」

 

そう言った風鳴司令に俺と立花と小日向が着いて行く

 

「それでは模擬戦開始‼︎」

 

「行くよ湊君!とりゃー‼︎」

 

立花はそう言って突進して来る

 

「そ〜れ」

 

「え?うわああ!」バシャン

 

俺は立花の腕を掴み池の中に投げ入れる

 

「びしょびしょだ…くしゅん!」

 

「ほら響ずっとそこに居たら本当に風邪ひくよ」

 

小日向はそう言って立花を池から引き上げタオルを渡す

 

「うん、ありがとう未来。それにしても如何やったらあんな簡単に投げられるの?」

 

「そのあたりは風鳴司令に聞いてくれ「待って!」何だよ立花」

 

そう言った立花は小日向から渡されたタオルで髪を拭きもう一度構える

 

「まだやんのか?結果は同じだと思うぞ」

 

「でも何回勝負とか決めてないから」

 

そう来たか、これって夜遅くなるまで終わらないパターンだな

 

「分かったよ俺も泊まる」

 

「やった‼︎皆んなでお泊まりだよ未来‼︎」

 

立花の奴本当に最後まで話聞かない奴だな

 

「風鳴司令、明日の立花の特訓は俺がやる」

 

「君がか?」

 

「ああ、立花!明日は俺の実戦を踏まえた特訓に変更だ」

 

「うん!今日の晩御飯は何かな〜」 

 

「その前にお風呂、服もびしょびしょだから着替えないと弦十郎さんお風呂借ります」

 

「ああ、分かった」

 

小日向はそう言って立花を連れて浴室に向かって行った




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16話

「昨日よりかはマシだったな」

 

翌日俺は相変わらず姉さんの夢を見て2、3回起きたが昨日に比べればかなりマシだった

 

「早いな湊君」

 

「起きてたのか風鳴司令」

 

俺が朝食の支度に向かうと風鳴司令と遭遇する

 

「おい!起きろ立花‼︎朝だぞ!」

 

「う〜ん、まだ眠いよ」

 

立花はそう言って更に深く布団を被る

 

「たく「おはよう雪音君」起きたか小日向」

 

俺が開けた襖から差し込む光で起きた小日向がそう言う

 

「ほら響、今日は雪音君の特訓を受けるんでしょ」

 

「ん〜、未来〜後5分」

 

小日向の言葉に立花はそう返す。ヤバい腹立って来た

 

「良い加減に起きろ立花‼︎」

 

俺はそう言って立花の頭の上に拳を落とす

 

「うう…まだ痛い、これ絶対たんこぶ出来てるよ」

 

「自業自得だよ、せっかく雪音君が起こしに来てくれたのに響ってば全然起きないんだもん」

 

あの後強制的に立花を叩き起こし俺達は朝食を準備して居る部屋に向かって居る

 

「やっと起きて来たか響君」

 

「おはようございます師匠!」

 

「俺は先に外出とくからさっさと食って始めんぞ」

 

「は〜い」

 

そう言って立花はサンドイッチを頬張った

 

「宜しくお願いします」

 

暫くして立花が体操服で外に出て来る

 

「じゃあ早速始めんぞ」

 

俺はそう言って立花に向かって行く

 

「とりゃ!」

 

立花の拳を俺は下に避けて蹴りを入れる

 

「大丈夫か響君!」

 

「痛た、大丈夫です師匠。湊君次お願い」

 

「良いからさっさと来い」

 

俺がそう言うと立花は俺に向かって来た

 

「はぁはぁ…」

 

「随分とスパルタだな湊君」

 

特訓開始2時間、立花は息を切らせて地面に仰向けになって居る

 

「これから立花が向かう場所は戦場だ、そう簡単にくたばられたら特訓をつけた意味がないからな」

 

「全然…攻撃が…当たらないよ」

 

「お前の攻撃が単調過ぎんだよ。もうちょい相手の隙を突いて来い」

 

立花は速さもパワーもそれなりにあるが動きが見え見えで全て交わせてしまう

 

「だが響君、湊君との実戦を通して今後の課題も見えて来てるんじゃないか?」

 

「はい、湊君お願い!」

 

「分かったから来い」

 

俺がそう言うと立花は再度俺に向かって来た

 

「うう〜、結局一撃も入れられなかった」

 

「乗り越えて来た場数が違うからな」

 

結局立花は一撃も俺に入れる事なく昼になり小日向の用意したおにぎりを食べている

 

「仕方ない午後は鬼ごっこでもするか」

 

「急に優しくなったな」

 

「何だかその優しさが怖いんだけど」

 

俺の言葉に響が少し怯える

 

「言っとくが午前よりよっぽど厳しいぞ」

 

まあ俺は鬼ごっことしか言ってないからわかる訳ないか

 

「始めんぞ立花」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はそう言ってシンフォギアを纏う

 

「え〜と、何でシンフォギアを纏う必要がそれに何でこの間の翼さんみたいに私に剣を向けるの」

 

「行くぞ立花」

 

「もしかして…」

 

《雷鳴》

 

「やっぱり‼︎」

 

立花はそう言って俺の攻撃を避ける

 

「危なかった…」

 

「その調子で夕方まで逃げ切れよ」

 

《雷精》

 

次に俺は大剣の先から無数の雷を立花に向けて飛ばす

 

「もうこれ鬼ごっこじゃないよ‼︎」

 

「鬼ごっこだぞ、まあお前がたっちしない限り永久的に俺が鬼だが」

 

そこからの立花は危ない所も有ったが何とか夕方まで逃げ切ったが立花に軽いトラウマを植え付けてしまった




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17話

「うへ〜、もうだめ」

 

「大丈夫響?」

 

「大丈夫じゃないかも」

 

俺との特訓を終えた立花が寝転びながらそう言う

 

「まさか湊君の特訓が師匠のよりきつかった何て」

 

「頼んだぞ明日のチャンピオン」

 

「あの…昨日自分でやると決めた癖にもうし訳ないんですけど何もうら若き女子高生に頼まなくても、ノイズと戦える武器って無いんですか?外国とか」

 

立花の疑問に思う事は最もだが

 

「公式ではないな、日本だってシンフォギアは最重要機密事項として完全非公開だ」

 

「フランスも同様だ、それに海外に知られて居ないってだけでフランスに住んでいるのは人間だけじゃないしな」

 

「え⁉︎人間以外が居るの⁉︎」

 

「ああ、俺の仲間の内2人がそうだ」

 

詳細は伏せながら俺は立花にそう言う

 

「そう言えば去年フランスで発表された新たなノイズへの対抗手段があったな」

 

「ああ、此奴だろ」

 

俺はそう言って風鳴司令に1つの機械を見せる

 

「ああ、それだ」

 

「師匠、なんなんですかあれ?」

 

「ノイズには位相差障壁と言うものがあってだな、これが人間の行使する武器や兵器の威力を殺したり微妙たる物にしているんだ」

 

「それでノイズに一般兵器が通用しないんですね」

 

立花は納得した声でそう言う

 

「去年フランスで発表された新たなノイズへの対抗手段と言うのがこの位相差障壁をプログラムによって変換させた武器だ。そんな物を何故君が」

 

「別に持ち出しが不可な訳じゃ無いからな、それに此奴を俺から奪って調べた所で登録してあるパソコンや機械以外から調べると自動的に爆発する仕組みになってるからな」

 

「成る程、解析が出来るのは実質フランスのみと言う事か」

 

「そう言う事だ」

 

俺はそう言ってそれを腕の端末に仕舞う

 

「それは?」

 

「俺の作ったホログラム通信機だ、小日向も同じのを持ってるだろ?」

 

「うん、でも何かを収納したりは出来なかったと思うよ?」

 

そう言や物を収納する機能は俺と仲間のにしかなかったな

 

「基本的には携帯と同じだ。登録したホログラム通信機同士で通信を繋げる事が出来るんだ。俺や仲間のにはそれに物を収納出来る機能を追加してるだけだ」

 

俺がそう言うと風鳴司令は顎に手を当てて考える

 

「そうか、緊急時に備え翼と響君の物も用意して貰いたいが構わないだろうか?」

 

「立花のは今日の謝罪料として無償で渡してやっても良いが、翼の分はしっかりと払って貰うぜ風鳴司令」

 

「手厳しいな、相場でいくらだ」

 

「そうだな…少なくとも4、5万はするな」

 

「良いだろう」

 

「毎度あり風鳴司令」

 

そう言って俺は風鳴司令から受け取った現金を引き換えに風鳴の分のホログラム通信機を風鳴司令に渡す

 

「師匠見せてもらっても良いですか?」

 

「ああ、大丈夫だとも」

 

そう言って風鳴司令は通信機を起動させる

 

「おお!凄い!なんだか最先端技術って感じがしますね‼︎」

 

立花はそう言って目を輝かせる

 

「ねえ雪音君、この中に写真とか保存出来るかな?」

 

「パソコンとかから送れば普通に保存出来るぞ」

 

「ありがとう雪音君、帰ったらやってみるよ」

 

そうこうしてるうちに時間が過ぎもう一泊した




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18話

立花の特訓が開始され数日が経った

 

「この匂い血か?」

 

少し歩いた先にトラックと黒いリムジンが止まっており数人が血を流し倒れて居た

 

「面白え事やってんじゃねえか、俺も混ぜやがれ‼︎」

 

そう言って俺は端末から木刀を取り出して銃を乱射する奴らの元に突っ込んで行く

 

「たく、準備運動にもなりゃしねえぜ。おーい、誰か居るか?」

 

俺はそう言って車の窓を叩く

 

「君は一体」

 

「ただの学生だ、でお前の名前は」

 

「広木威椎だ、日本の防衛大臣をして居る」

 

此奴、日本の防衛大臣だったか

 

「で、米国の特殊部隊が何の用だ?目的は広木防衛大臣の抹殺って所だろうが」

 

「……」

 

「あくまで答える気は無いって事か、さっさと失せろ」

 

俺がそう言うと男は頷き走って行った

 

「まさか日本の防衛大臣を狙うなんてな。あんた良く無事で居たな」

 

「ああ」

 

広木防衛大臣がそう言って頷くとサイレンの音が聞こえる

 

「警察か面倒だ」

 

「待つんだ君‼︎」

 

「待てと言われて待つ馬鹿が居るかよ」

 

俺はそう言ってその場を後にした

 

「それでそろそろ出て来たらどうだ?尾行がバレバレだ」

 

俺がそう言うと物陰から複数の男性が出て来た

 

「待て…」

 

俺に銃を向ける男性達を1人の男性が止める

 

「これはこれはお久しぶりです湊氏」

 

「FIS所属のお前が居るって事は米国が関係してるって俺の予想は当たってた訳だ」

 

「はい、我々の目的は先程貴方の仰った通り広木防衛大臣の抹殺です。ですが貴方が日本に居るとは予想外でした」

 

そいつは額に手を当ててそう言う

 

「狙いはサクリストDデュランダルか」

 

「お話が早くて助かります」

 

「あまり面倒事を起こしてくれるな、俺が日本に居る間はデュランダルは日本政府に預けてろ。その間はきっちり俺がデュランダルを破損しない様にしてやろう。その後お前らがどう動くかは自由だ」

 

俺がそう言うと今度は顎に手を当てる

 

「ちなみに滞在期間は?」

 

「10月半ば過ぎ位までを考えてる」

 

「成る程、わかりました。その間はデュランダルを狙った行動は控えましょう。貴方を敵に回すのは些か利口ではありませんからね」

 

男はそう言ってその場を去って行く

 

「今度は風鳴司令かよ、何だよ」

 

『湊君直ちにニ課本部まで来て欲しい』

 

嫌な予感しかしねぇ

 

「断ると言ったら?」

 

『その時は』

 

「その時は僕が連れて行きます」

 

《影縫い》

 

俺の後ろには緒川が立っており翼が姉さんを拘束した技で身動きが止められる

 

「分かったよ、何で呼ばれたかも大体予想付いてるしな」

 

「では行きましょうか」

 

俺は緒川に数ヶ月前に立花につけて居た手錠をつけられ本部に連れて行かれた

 

「やっぱお前か広木防衛大臣」

 

『警察のサイレンが聞こえた途端に逃げて行くものだから君が犯人ではないかと疑われて居たよ』

 

当たり前だ、あの場に血の付いた木刀を持って居たら犯人にしかねられないからな

 

「それで広木防衛大臣を襲ったのは」

 

「米国の特殊部隊だ、緒川と会う少し前まで尾行されてたしな」

 

「尾行って大丈夫だったの?」

 

立花が心配してそう聞く

 

「大丈夫だったから今此処に居るんだ。狙いはデュランダルだそうだ」

 

「やはり此処数ヶ月の間に数万回に及ぶ軍のコンピューターへのハッキングの痕跡は米国だったか」

 

「ああ、広木防衛大臣あんたは俺に貸しがあるその貸しを今返して貰う」

 

俺はモニター越しに広木防衛大臣にそう言う

 

「湊君もうちょっと言い方を選んだほうが良いんじゃないかな?」

 

「すみません広木防衛大臣、こう言った性格の者でして」

 

『構わないさ、さて貸し借りの件だな言ってみてくれ』

 

広木防衛大臣は何食わぬ顔でそう言う

 

「サクリストDデュランダルの所有権譲渡の偽情報を米国に流してくれ」

 

『所有権を譲渡するのではなく偽の情報を米国に流すのかい?』

 

「ああ、俺を尾行して来た奴らには日本政府に預けろって言ってあるからな。所有権が譲渡されたとなると米国側は多少なりとも動かざる得なくなり必ず尻尾を出すタイミングが出て来るだろうからそこを一気に叩く」

 

『成る程、こちらから打って出るのか勝算は?』

 

「五分五分と言った所だな、向こうが行動を起こしてくれなければそれまでだ」

 

そうこの作戦は米国側が行動を起こす事を前提としている。もし向こうが行動を起こして来なければ作戦自体が台無しになる

 

『良いだろう、しかしそれで万が一此方の作戦が米国にバレる様な事が有ればどうするんだい?』

 

「その為に此処でやってるんだ。此処でやって米国にバレてみろ内通者が居る事が確定する」

 

『これは居るかもしれない内通者を炙り出す作戦でもある訳か、分かった。今回の件を含めて明日にでも外務省に掛け合ってみよう。結果はニ課を通して後日知らせよう』

 

広木防衛大臣はそう言って通信を切った

 

「は〜、緊張した〜」

 

「だがこれで米国が動けば勝算が出て来る。動かなければ内通者が居る事が確定する」

 

「ああ、しかもデュランダル狙いで俺を狙ってみろ?フランスとの外交問題に繋がる」

 

「成る程ね、そんな狙いもあった何てあなた何者?とても普通の男子高校生の頭脳じゃない様だけど」

 

櫻井了子はそう言って俺に探る様な視線を向ける

 

「まあ普通では無いだろうな、なんせこの歳でホログラム通信機何て最先端技術を行く代物を作ってしまうんだからな」

 

「本当に凄いんですよ!未来に借りたんですけど今居る場所から1番近いシェルターに安全に向かうための案内までしてくれるんですから!」

 

「おまけにノイズの発生地点まで表示されるんだ。これが有れば避難誘導もこれまで以上により安全に素早く対応できるだろう」

 

風鳴司令と立花は俺の通信機がかなり気に入ったらしい

 

「今回の偽情報で確実に米国を釣る為にもニ課全員にも協力して欲しい」

 

「俺達にもか?」

 

「広木防衛大臣からの許可が降り次第デュランダルを渡して欲しい。勿論本部に帰還し次第デュランダルはアビスに戻す頼む」

 

俺はそう言って風鳴司令達に頭を下げる

 

「まさか君に頭を下げてまで頼まれるとはな、良いだろう俺達へのこの貸しは高く付くぞ」

 

「ああ、それは言われるまでもなく理解してる」

 

俺と風鳴司令はそう言って握手を交わした




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19話

「湊君‼︎」

 

「げっ、立花」

 

翌日ショッピングモールに向かって居た俺は立花に遭遇した

 

「もう響は、ごめんね雪音君」

 

「いや、別に良い…それじゃあ「ちょっと待った‼︎」どうしたんだよ立花」

 

「せっかく会ったんだよ!雪音君も一緒に行こうよ!」

 

一緒に行こうって何処に行くんだよ

 

「私達ショッピングモールに行くんだけど雪音君も一緒に行かない?」

 

目的地は一緒か

 

「分かった」

 

「やった!それじゃあ行こう未来!湊君!」

 

立花はそう言ってショッピングモールに向けて走って行く。彼奴と居ると時々保護者気分にさせられる

 

「元気な奴だな」

 

「私達も行こっか」

 

「ああ」

 

俺と小日向は立花の後ろを歩いてショッピングモールに向かう

 

「雪音君はショッピングモールに何しに来たの?」

 

「特に考えずに出たからな。ショッピングモールならゲームセンターがあるから時間も潰せるし。それに夕飯の買い物もあるからな」

 

「湊君って自分でご飯作ってるんだ」

 

ショッピングモールに入り小日向と話して居ると立花が俺と小日向の所に来た

 

「一人暮らしだからな、自炊はある程度できる」

 

「一人暮らしか〜、ちょっと憧れるよ」

 

「大変だよ、家事も全部1人でしないといけないんだから。それに響が一人暮らし何てしたらほぼ毎日寝坊するでしょ」

 

「たはは、未来の言う通りだよ」

 

立花はそう言って苦笑いを浮かべる

 

「でも雪音君、一人暮らしって結構寂しいって聞くけどやっぱり寂しいの?」

 

「人によるんじゃないか?フランスに居た頃と比べると静かだとは思うが特に寂しいとかは感じた事は無いな」

 

「そうなんだ、寂しかったら呼んでね賑やかしに行くから」

 

「借りアパートだから静かに頼むな」

 

立花にそう言って隣を見ると目的地のゲームセンターがあった

 

「んじゃ、俺の目的地は此処だから」

 

「ゲームセンターか、久しぶりに行かない未来?」

 

「うん、それじゃあ行こっか響」

 

そう言って立花と小日向もゲームセンターの中に入る

 

「よし「あの〜湊君」何だよ立花?」

 

俺が景品のぬいぐるみを取り出して居ると後ろから立花が話し掛けて来た

 

「大変言い難いんですけどちょっと付き合って貰っても良いかな?」

 

「別に良いが」

 

俺はそう言って立花に着いて行く

 

「響どうしたの急に?雪音君まで連れて来て」

 

「実はこれが欲しくてつい」

 

分かった、此奴俺に取って貰おうとしてるんだ

 

「これを取れば良いんだろ」

 

「本当に良いの雪音君?」

 

「大丈夫だ」

 

そう言って俺はお金を入れる

 

「ほれ、これで良いんだろ」

 

「本当にありがとう湊君!大事にするよ!」

 

立花はそう言って熊のぬいぐるみを抱きしめる

 

「本当に良かったの私まで」

 

「1つも2つも変わらないからな」

 

俺は立花の熊のついでに小日向の熊も取った

 

「そろそろ買い出しに行くか」

 

「私達もそろそろ帰ろっか、もう門限の時間も近い…これはもう間に合わないかな」

 

小日向が携帯で時間を見てそう言う

 

「嘘⁉︎どうしよう未来‼︎」

 

「そうだね、一応門限を過ぎるって連絡はするけど」

 

「何騒いでんだよお前ら」

 

俺は立花と小日向から事情を聞く

 

「成る程な、寮には門限何てあるのか」

 

「そうなんだ!しかも次連絡無しに門限破ったら明日寮のトイレ掃除をさせられるって言われてるんだ‼︎」

 

色々と大変なんだな寮生活も

 

「なら小日向が連絡すれば良いだろ」

 

「一応連絡はしたけど今からじゃ夕飯には間に合わないって」

 

「お願い湊君‼︎今日だけで良いから湊君の家で食べさせて‼︎」

 

立花は俺の両肩を掴んでそう言う

 

「はぁ、今日だけだからな」

 

「ありがとう湊君‼︎」

 

立花はそう言って両手で俺の手を掴み上下に振る

 

「ごめんね雪音君、今度ちゃんとお礼するから」

 

小日向は俺に申し訳なさそうにそう言った

 

余談だが立花は自分で連絡する様にと言われた事を忘れており、小日向が連絡をしてくれたにも関わらず寮のトイレ掃除をさせられたそうだ




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20話

『湊君、広木防衛大臣から通達があった外務省に掛け合った結果了任されたそうだ詳細は今日の17時からニ課の本部ミーティングで話す。遅れない様響君にも言って置いてくれ』

 

「了解」

 

数日後、学校に向かおうと家を出ると風鳴司令からそう連絡があった

 

「おはよう湊」

 

「未来か響の奴はどうしたんだ?」

 

俺は学校の途中に会った未来にそう聞く。数日前、響と未来は俺の借りてるアパートで夕飯を食べてから互いに名前で呼び合う様になった

 

「響ならまだ寝てたよ。響に何か用事?」

 

「ニ課の事で話があってな今日の17時からニ課の本部でミーティングがあるからそれに遅れない様にって朝風鳴司令から連絡があったんだ」

 

「そうなんだ「待ってよ未来〜」起きない響が悪いんでしょ」

 

後ろから追って来た響に対して未来はそう言う

 

「それより響、今日の17時からニ課でミーティングがあるらしいよ」

 

「ニ課でミーティング?そうなんだ何だろ?」

 

「まあ此処でする話でもないから取り敢えず行くぞ」

 

俺がそう言って歩き出すと響と未来も後ろを着いて来た

 

「それではミーティングを始める。今朝広木防衛大臣から先日の話を外務省に掛け合った結果了任だと話が来た。そこで我々は湊君と偽の取引をする為にデュランダルを一度移送する事が決定した」

 

「移送するって何処にですか?此処以上の防衛システムのある場所なんて」

 

「永田町最深部の特別電産室、通称記憶の遺跡そこならばと言う事だ。そして取引は明後日と言う話を外務省が米国側に情報を流して居るそうだ。そしてより米国側に確証を持たせる為に本部の外で渡した方が米国にも信憑性が増すだろうとの事だ」

 

確かに本部で秘密裏に渡すよりも何処か別の場所に移してから取引をした方が信憑性は上がる

 

「デュランダルの予定移送日時は明朝○五○○詳細はこのメモリーチップに記載されています。何か質問は?」

 

「俺はどうするべきなんだ?ニ課とそこまで行くべきなのか?それとも約束の明後日にそこに向かった方が良いのか?」

 

「貴方は本当に日本政府がデュランダルを譲渡するのかどうかの確認と言う名目でニ課と同行よ」

 

俺はニ課と同行するのか

 

「他に質問がある者は居ないな、では各員準備に取り掛かってくれ」

 

風鳴司令がそう言うと全員立ち上がり明日の準備を始めた

 

「あそこがアビスですか?」

 

「そうよ東京スカイツリー3本分、地下1800mにあるのよ。予定時間まで休んでなさい貴方達の仕事はそれからよ」

 

「「はい(了解)」」

 

俺と響はそう言ってニ課本部を後にした

 

「お疲れ響」

 

「待っててくれたんだ!ありがとう未来‼︎」

 

俺と響が昇降口に向かうと未来が待って居た

 

「そうだ未来、私明日は明朝の○五○○?から居ないんだ」

 

「○五○○?なにそれ?」

 

「○五○○は自衛隊での時間の事だ。明朝の○五○○つまり明日の朝5時までにニ課本部に着いておけって事だ」

 

「つまり私は明日の朝5時には起きて居ないといけないって事?」

 

響の言葉に俺はうなずく

 

「どう起きれそう響?」

 

「う〜ん、多分無理かな?」

 

「寮に戻ったらすぐに風呂に入って寝ろそれすればお前でも起きれるだろ」

 

「そんな晩御飯は⁉︎」

 

響は焦りながらそう言う

 

「晩御飯の代わりにお夜食作ってあげるから今日は早く寝る事」

 

「は〜い、何作ってくれるの未来!」

 

「響は何か食べたいものある?」

 

「えっとね」

 

「まあお前は寝坊とかさえしなかったら上出来だ。じゃあ俺はこっちだから」

 

「「うん、またね湊(君)」」

 

俺は響と未来の2人と別れアパートに帰宅した




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21話

「おい未来、響の奴何してる?」

 

『ごめん湊、響ってばまだ寝てるのさっきから何度も起こしてるんだけど』

 

時刻は4時30分俺は念の為と思い響と未来の住む寮近くで未来に連絡を取ったが案の定響の奴はまだ寝て居た

 

「彼奴昨日あれほど早く寝ろって言ったのに」

 

『少し前まで起きてたんだけど、ほら響起きなよ』

 

『ん?ふぁ〜、おはよう未来、今日はやけに早いね』

 

通信機から響の声が聞こえるどうやら起きたらしい

 

『響、今日は大切な用事があるんじゃなかった?』

 

『大事な用事?ん〜、そう言われてみればばあったようななかった様な』

 

響の奴デュランダルを移送するって事忘れてやがるな

 

「響、俺だ」

 

『湊君?どうしたのこんな朝早くに?』

 

「今日の朝5時から何があったのか忘れてないか?」

 

『今日の朝5時…朝5時⁉︎うわぁ!完全に寝坊だ〜』

 

響はようやく今日の事を思い出したらしく通信機越しに物凄い物音が聞こえる

 

「悪いな未来、響を起こしてもらって」

 

『ううん、大丈夫だよ湊『行って来ます‼︎』行ってらっしゃい気をつけてね。今響が昇降口に向かったから』

 

「了解」

 

俺はそう言って通信を切る

 

「うわ〜急げ〜」

 

「おい響、何処まで行くつもりだ」

 

俺は響の後ろからそう声を掛ける

 

「湊君⁉︎どうして⁉︎」

 

「お前が起きるか心配だからこうして迎えに来てやったんだよ。結果は俺の思った通りだったけどな」

 

「たはは、面目ない所で湊君はどうやって本部のある学院まで行くの?」

 

「俺は此奴に乗って行くつもりだ」

 

俺は一台のバイクを通信機から取り出す

 

「バイクって…そっかバイクって16歳からだから一応取れないわけじゃ無いんだ」

 

「そう言う事だ、ほら行くぞ」

 

そう言って俺は響にヘルメットを1つ渡す

 

「飛ばすけど振り落とされる事だけはなしだからな」

 

「出来れば安全運転でお願いしたいかな?」

 

「無茶言うな、お前の寝坊のせいで時間も押してんだ。お前の意見は無視する」

 

「そんな⁉︎」

 

「これ以上喋ると舌噛むからな」

 

俺は後ろから何か言う響を無視して全速力で学院までバイクを走らせた

 

「おっお待たせしました師匠…」

 

「来たか響君、ん?なんだ寝起きか」

 

「はい、その上湊君にバイクで此処まで連れて来て貰ったんですけどそれがもう法定速度の本当にギリギリで」

 

「寝坊したお前が悪いんだからこんくらいの事で根を上げるな、それにまだ1番大事な要件は始まって無いんだぞ」

 

俺は響にそう言って本部の椅子に座る

 

「師匠…私が一緒に永田町に向かうのって湊君じゃないですよね?」

 

「ああ一緒だ。君と湊君は了子君と永田町に向かって貰う」

 

風鳴司令がそう言うと響は安心した表情を浮かべる

 

「作戦開始まで残り10分その間は本部で過ごして居てくれ」

 

「はい」

 

響はそう言うと俺の隣に座り鞄からブラシを取り出して髪を整えて始める

 

「たく貸せ、髪くらいちゃんとして来いよ」

 

「ありがとう湊君」

 

俺は響からブラシを借りて髪を整える

 

「湊君随分と上手いね」

 

「向こうにもお前みたいな奴が居るからな」

 

俺は毎日の様にそいつにさせられて居たからもう慣れた

 

「あら、2人してお楽しみかしら?」

 

「りょっ了子さん⁉︎いつからそこに⁉︎」

 

「ついさっきよ、ほら響ちゃんも湊君も準備して5分後に作戦開始よ」

 

「「はい(了解)」」

 

俺と響はそう言って櫻井了子に着いて行った




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22話

「広木防衛大臣の殺害を目論んだ者を捜査する名目で検問を配備、記憶の遺跡まで一気に駆け抜ける」

 

「名付けて天下の往来独り占め作戦」

 

(そんな作戦名で本当に良いのか?)

 

俺は疑問に思ったがそれを声に出さずに頷く

 

「ほら2人共、乗って乗って」

 

「お邪魔します了子さん」

 

「頼むぞ櫻井了子」

 

そう言って響は助手席に俺は後部座席に座る

 

「それでは作戦開始」

 

風鳴司令の言葉で作戦が開始され俺と響が乗った車を囲う様にして4台の車が並走する

 

「此処までは何も音沙汰無しか」

 

「そうね、でもそれが逆に怖くはあるわね」

 

「了子さん前‼︎」

 

急に道路の右端が崩れ響がそう言うと櫻井了子は車を左端に移動させ一台の車が落下して爆発する

 

「2人共しっかり捕まっててね。私のドラテクは凶暴よ、弦十郎君やっぱりこれって」

 

『ああ、まだ確認できて居ないがノイズだろう』

 

風鳴司令がそう言うので俺は通信機を起動させノイズの発生地を確認する

 

「この展開想定して居たより早いかも?」

 

「風鳴司令ノイズの居場所が分かった下水道に居やがる」

 

『ああ、此方でも確認した』

 

やっと確認したか

 

「悪いなやっぱあんたのドラテクって言うの信用出来ねえや」

 

「あら、途中下車はお断りよ」

 

「そいつは残念だな」

 

俺はそう言って後部座席の扉を開けて飛び降りる

 

『湊君!車がそちらに飛ばされたぞ!』

 

「たく、見れば分かるっての」

 

俺は後ろに飛んで車を避けバイクを走らせる

 

「大丈夫湊君!」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「湊君先行して頂戴、多分そろそろ下水道からノイズのお出ましよ」

 

俺は櫻井了子の言葉に頷き響と櫻井了子の車の前を先行する

 

「来たか」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

「悪いが、お前達の相手は俺だ‼︎」

 

《雷精翔騎》

 

俺はバイクに乗った状態で聖詠を行いシンフォギアを纏った後雷を纏ったバイクで突進してノイズを殲滅する

 

「湊君避けて!」

 

「まだ居たか」

 

俺は響と櫻井了子の乗った車を避けながらも一帯のノイズを粗方片付ける

 

「大丈夫か!」

 

「何とか了子さんこれ重いです」

 

「だったらいっそ此処に置いて私達は逃げましょう」

 

「そんなの駄目です」

 

「そりゃそうよね」

 

「くっちゃべってる暇は無いぞ」

 

俺はバイクを通信機の中に収納して大剣を構える

 

「湊君ちよ〜と時間を稼いで頂戴」

 

「分かった」

 

《雷精》

 

俺はそう言って上空に向けて雷を放ち防御に使う

 

「行ったぞ櫻井了子」

 

「ええ、勿論よ」

 

そう言って櫻井了子が手を前にかざすとエネルギーのバリアが展開される

 

「了子さん?」

 

「しょうが無いわね、貴方のやりたい事をやりたい様にやりなさい」

 

「私歌います」

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

響はそう言ってシンフォギアを纏う

 

「いけるな響」

 

「うん、やろう湊君!」

 

俺と響はそう言ってノイズに向かって行く

 

「だいぶ物になったみたいだな」

 

「こんなの湊君の攻撃に比べれば〜‼︎」

 

そう言って響はノイズを殴る

 

「今日こそは物にしてやる‼︎」

 

「させっかよ‼︎」

 

俺は響に蹴りを入れようとして居たネフシュタンの鎧を纏う姉さんを止める

 

「たく、この間と言いあたしの邪魔をしやがって」

 

「何のつもりだよ姉さん」

 

「あたしの上からの命令だからな、ん?あれがデュランダルか」

 

「行かせるか」

 

《影縫い》

 

俺は緒川と風鳴の技を真似して大剣を投げ何とか成功させる

 

「響‼︎今のうちにデュランダルを確保しろ!俺のは完全じゃないから直ぐに破られる」

 

「分かった!」

 

俺がそう言うと響はデュランダル目掛けて走り手に取る

 

「良くやった響、どうしたんだよ」

 

俺の声に一切反応しない響に疑問を覚え響に近づく

 

「グウウウ」

 

響が天に掲げるデュランダルの欠けて居た部分が修復されてデュランダルは完全に元の姿を取り戻す

 

「まさか響の奴」

 

「そんな力を見せびらかすな‼︎」

 

「辞めろ姉さん‼︎」

 

姉さんが持っていた杖でノイズを出現させると響は姉さんと俺の居る方に向けてデュランダルを振るう

 

「やっぱりデュランダルの力に取り込まれてやがる。仕方ない無茶な使い方をするが許してくれよ」

 

俺はそう言って通信機からインドラの槍を取り出す

 

「くっ‼︎」

 

「湊…お前…」

 

俺は姉さんの前に出てインドラの槍でデュランダルを受け止める

 

「何してやがる姉さん…そこに居られると邪魔だから逃げるならさっさと行ってくれ‼︎」

 

俺がそう言うと姉さんは何処かに飛んで行く

 

「く…はあ‼︎」

 

俺が押し返すとデュランダルは響の手から離れ起動を停止する

 

「はぁ…はぁ…」

 

「ん…湊君…」

 

「たく…本当に…お前は…」

 

俺は何かを言い切る前に限界が来て意識を失った

 

〜響side〜

 

「湊君…湊君しっかりして湊君‼︎」

 

私は倒れた湊君に何度も呼びかけるが湊君は返事をしない

 

「そんな…私湊君を…「大丈夫よ響ちゃん」了子さん」

 

了子さんはそう言って湊君の脈を測る

 

「うん、完全聖遺物同士がぶつかりあったのだから押し返した湊君にはそれなりに負荷が掛かったんでしょうね。でも大丈夫今は気を失っているだけよ」

 

了子さんの言葉を聞いて私は安心する

 

「でもこのままじゃ危険な状況に陥るかも知れないし弦十郎君を呼ぶから響ちゃんは湊君をそこまで連れて行ってあげて頂戴」

 

「わかりました」

 

私はそう言って湊君を背負い師匠の所に向かった

 

〜響side out〜




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23話

〜響side〜

 

「ごめん未来、今日は帰れそうに無いよ」

 

『そっか、寮母さんに連絡はしたの?』

 

「うん、今日は友達の家に泊まるって言ってあるよ」

 

『分かった、それじゃあね響』

 

「うん、おやすみ未来」

 

私はそう言って未来との電話を切る。私はデュランダルを持ってからの記憶は曖昧だけど了子さんの話だと湊君が私や了子さんを助けてくれたそうだ

 

「まだ居たのか響君」

 

「師匠…私少しは戦える様になった。そう思ってたんですけど全然ダメダメでした。暴走するデュランダルの力、怖いのは制御出来ない事じゃありません。何の躊躇いも無く湊君とあの子に向かって振り抜いた事、私が何時迄も弱いばっかりに…もし湊君が止めてくれなかったら私…あの力で湊君もあの子も…」

 

今の私の中から出て来るのは後悔と自分の弱さの事ばかりだ

 

「確かに今の響君では1人の戦士として翼にもそして湊君にも及ばないだろう。だがな、数日前まで君はノイズとも真面に戦えて居なかったが今日の戦闘ではどうだ?多少なりともノイズに対処して見せた。これは君が成長して居る確かな証だ。君はこの数日で大きく成長出来ているそれは君の特訓をつけた俺が保証してやろう」

 

「ありがとうございます師匠」

 

「何気にするな、子供の悩みを聞くのも立派な大人の務めだからな」

 

師匠はそう言って私と湊君の居る医務室を出た

 

〜響side out〜

 

〜クリスside〜

 

あたしは泉の橋の上に佇んで居た

 

(完全聖遺物の起動には相応のフォニックゲインが必要だとフィーネは言って居た。あたしがソロモンの杖に半年もかかずらった事を彼奴はあっという間に成し遂げた。何よりも)

 

『何してやがる姉さん…そこに居られると邪魔だから逃げるならさっさと行ってくれ‼︎』

 

彼奴は…湊はあろう事か私を守る様にして立ち完全聖遺物インドラの槍でデュランダルを受け止めてそう言った

 

(彼奴はまだあたしの事を姉だって思ってくれてるってのにあたしは何をやってんだよ。彼奴と戦って胸の中のモヤモヤを膨らまして、元の昔みたいな関係に戻れないって事くらい最初から分かりきってた事だったのに)

 

「くそ…あたしは今度は本当の意味で独りぼっちになる訳だ」

 

あたしがそう言うと後ろから気配を感じる

 

「分かってる、自分に課せられた事くらいは。こんな物に頼らなくともあんたの言う事くらいやってやらぁ、あの2人よりもあたしの方が優秀だって事を見せてやる。あたし以外に力を持つ奴は全部あたしがぶちのめしてくれる!そいつがあたしの目的だからな」

 

あたしが彼奴の姉としてやってやれる事はたった1つ、彼奴をフィーネに利用させないようにしてやる事それだけだ

 

〜クリスside out〜




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24話

「ん…此処は…何で此奴が俺の足元で寝てんだよ…おい起きろ響」

 

俺が起きると知らない天井が広がって居て足元には響が寝て居た

 

「目が覚めたか湊君」

 

「風鳴司令、って事は此処はニ課本部か」

 

「ああ、響君が随分と心配して居たぞ。君にもしもの事があったらどうしようと」

 

「たく此奴は本当に…でも、ありがとな響」

 

そう言って俺は響の頭を撫でる

 

「さて君の容体だが特に目立った外傷はないが、もしもの事があってからでは遅い。しばらくの間はニ課の医療施設で安静にして居てくれ。病室は翼と同室になるが先に言っておこうか覚悟して置いた方が良いぞ湊君」

 

「何の覚悟だよ」

 

「病室に着けば分かる事だ」

 

これが昨日風鳴司令に言われた事、そして俺は現在風鳴司令に言われた覚悟して置いた方が良いと言われた原因の病室を目の当たりにして居る

 

「これはまた酷いもんだな」

 

「済まない湊…私は…その…片付けが苦手なの」

 

俺の目の前には服やズボン、包帯やその他もろもろのゴミ挙げ句の果てに下着と言った様々な物が散乱して居た

 

「これ掃除したのいつだよ」

 

「一昨日緒川さんが掃除をしてくれたばかりなんだがこの有様でな」

 

「一昨日掃除をしてこの有様って苦手の域を超えてるぞ翼」

 

本当にどうやったら2日で此処まで出来るんだよ。まあ、彼奴と同じだと思えば楽だな

 

「一先ず片付けるぞ翼、緒川にこのゴミ袋を渡された理由も分かったしな。先ずはゴミを纏めるぞ」

 

「ああ」

 

俺と翼は一先ずこの部屋を2人で使えるくらいにまで片付ける事にした

 

「これでゴミは片付いたな、後は衣類とかを片付けて終わりだな」

 

「そうね、何をして居るの?」

 

「翼さん!大丈夫なんですか⁉︎本当に無事何ですか⁉︎」

 

「無事じゃねえから入院してんだよ」

 

翼の隣から俺はそう言う

 

「湊君も本当にもう大丈夫なの?」

 

「ああ、昨日も言ったが外傷は一切ないし至って健康だ。念の為に一応検査入院してるだけだ」

 

だが響が来てくれたのは好都合だ

 

「貴方達に何があったの?広木防衛大臣の殺害を湊が阻止したとは緒川さんから聞いているのだけど」

 

「後の事任せたぞ響、俺は飲み物でも買って来る」

 

俺はそう言って自販機に飲み物を買いに行った

 

〜響side〜

 

「はい、終わりましたよ翼さん」

 

私はそう言って翼さんの最後の服を棚に入れる

 

「済まないわね、いつもは緒川さんがやってくれてるんだけど」

 

へ〜、いつもは緒川さんにってえ〜⁉︎

 

「男の人にですか⁉︎ってさっきも湊君が少しやってましたし」

 

「たっ確かに考えてみれば色々問題もあるだろうけどそれでも散らかしっぱなしにして居るのも良くないからつい、今はこんな状態だけど報告書は読ませてもらって居るわ。私が抜けた穴を貴方がよく埋めてくれて居ると言う事もね」

 

「そんな事ないです!いつもニ課の皆んなに助けられっぱなしです!それに私がもっと強かったら湊君が倒れる事も無かった訳ですし」

 

「聞かせて貴方の戦う理由を、ノイズとの戦いは遊びではないそれは今日まで死戦を超えて来た貴方なら分かるはず」

 

翼さんは真剣な表情で私にそう聞いて来る

 

「よく分かりません、私人助けが趣味みたいなものだからそれで」

 

「それで?それだけで?」

 

「だって勉強とかスポーツは誰かと競い合って結果を出すしかないけど人助けって誰かと競い合わなくて良いじゃないですか。私には特技とか人に誇れるものはないからせめて自分に出来る事でみんなの役に立てれば良いかなって、でもきっかけはやっぱりあの事件かも知れません。私を救うために奏さんが命を燃やした2年前のライブ、奏さんだけじゃありませんあの日たくさんの人がそこで亡くなりました。でも私は生き残って今日も笑ってご飯食べたりして居ます。だからせめて誰かの役に立ちたいんです。明日もまた笑ったりご飯食べたりしたいから、だから私は人助けがしたいんです」

 

私は笑って翼さんにそう言う

 

「貴方らしいポジティブな理由ね、だけどその想いは前向きな自殺衝動なのかも知れない。誰かの為に自分を犠牲にする事で古傷の痛みから攫われたいと言う自己断罪の表れなのかも」

 

「そうなんでしょうか、あのそれで昨日の事何ですが」

 

「昨日?貴方達が話して居る事があったのは昨日なの?」

 

「はい、あれ?でも報告書は読んでるって」

 

「昨日の分はまだ貰ってないのよ。教えて貰える?昨日何があったのか」

 

「はい、実は昨日」

 

私は昨日のあった事を翼さんに話した

 

「そう、湊とネフシュタンの鎧を纏った彼女に」

 

「はい、デュランダルに触れて暗闇に飲み込まれかけました。気がついたら湊君とあの子に向けてデュランダルを振るっていたんです。その場は湊君がインドラの槍でデュランダルを弾いた時に私の手から離れて起動を停止したらしいんですけどもし湊君がインドラの槍を使えなかったらと思うと今でも震えが止まらなくなるんです。私がアームドギアを使えて居ればあんな事にもならなかったかも知れないのに」

 

「力の使い方を知ると言うのはすなわち戦士になると言う事、それだけ人としての生き方から遠ざかるものなのよ。貴方にその覚悟はあるのかしら?」

 

そう言えば初めてガングニールを纏った時に湊君が言ってた私は私の守りたい物を守れば良いって、でもそれは私がそう思う様になったきっかけに過ぎない

 

「守りたいものがあるんです。それは何でもないただの日常、そんな日常を大切にしたいと強く思って居るんです。だけど思うばかりで空回りして」

 

「戦いの中貴方が思って居るものは?」

 

「ノイズに襲われて居る人がいるなら1秒でも早く救い出したいです。最速で最短で真っ直ぐに一直線に駆けつけたい。そしてもしも相手がノイズでは無く誰かならどうしても戦わなくちゃいけないのかって胸の疑問を私の思いを届けたいと考えて居ます」

 

「今貴方の胸にあるものをできるだけ強くはっきりと思い浮かべなさい。それが貴方の戦う力、立花響のアームドギアに他ならないわ」

 

翼さんは力強く私にそう言った

 

〜響side out〜

 

「入るタイミングが見つからない」

 

響と翼は何やら大事な話をして居るらしく中に入るタイミングを完全に失った俺は2人の飲み物だけ置いて病院を出る

 

「未来?どうしたんだ?」

 

「湊…うん、ちょっとあって…ねえ湊少し付き合って貰っても良いかな?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

俺はそう言って未来の目的地まで隣を歩いた




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25話

「フラワーって確かこの前安藤達に誘われた店だよな?」

 

「うん、こんにちは」

 

未来はそう言って中に入って行く

 

「いらっしゃい、おや?今日はいつも人の3倍は食べるあの子じゃなくて彼氏さんとかい?」

 

「違います、今日は私と友達の湊の2人です」

 

未来はそう言って席に座る

 

「じゃぁ今日はおばちゃんがあの子の分まで食べるとしようかね」

 

「食べなくて良いから焼いてください」

 

「焼く?って事は此処って何か食べる所なのか?」

 

「おや知らないで入って来たのかい?此処はお好み焼き屋だよ」

 

俺の言葉を聞いた店のおばちゃんがそう言う

 

「お好み焼き?」

 

「海外じゃあまり食べられないかもね、この子フランスからの留学生なんです」

 

「そうかい、それじゃあお好み焼きを食べるのは初めてかい?」

 

「名前だけなら聞いた事はあるが実際に食べた事はないな」

 

おばちゃんの質問に俺はそう返す

 

「だったら美味しいお好み焼きを食べて貰わないとね」

 

「お腹空いてるんです。今日はおばちゃんのお好み焼きを食べたくて朝から何も食べてないから」

 

それは流石に嘘だろ未来?

 

「お腹空いたまま考え込むとね嫌な答えばかり浮かんでくるもんだよ」

 

「ありがとうおばちゃん」

 

「何かあったらまたいつでもおばちゃんの所においで」

 

そう言っておばちゃんは丸い食べ物を皿に乗せてテーブルの上に置く

 

「これがお好み焼き…」

 

「そうだよ、未来ちゃんも熱いうちに食べな」

 

「はい、いただきます」

 

「いただきます」

 

未来が割り箸を持ってお好み焼きを食べるのを見て俺も同じように食べる

 

「美味しいなこれ!」

 

「でしょ、おばちゃんのお好み焼きは凄く美味しいんだ」

 

「それもあるけど誰かが作った物何てあんま食べないから、すげー暖かかった」

 

「フランスにはご両親が居るんじゃないのかい?」

 

「俺の両親はもう10年も前に戦争に巻き込まれて亡くなってるんだ、孤児院では俺が最年長だから誰かの作った物とか食べる機会はあんま無かったな。強いて言えば誕生日に皆んなが俺の代わりに色々やってくれる時くらいだったし」

 

おばちゃんの質問に俺はそう返す

 

「そうかい、そうとは知らず済まなかったね」

 

「知らなかったんだから気にしないでくれ。なあ、良かったら俺にお好み焼きの作り方教えてくれないか?孤児院に居る奴らにも喰わせてやりたいんだ」

 

「構わないよ、未来ちゃんも一緒にどうだいおばちゃん直伝のお好み焼きだよ」

 

おばちゃんはそう言って未来も誘う

 

「お願いします」

 

「それじゃあ、日曜日の朝空けておくから未来ちゃんもあの子が来れそうなら連れて来ると良いよ」

 

「はい、ご馳走様でした」

 

「ご馳走様」

 

「それじゃあね」

 

俺と未来は会計をした後そう言ってフラワーを出た

 

「良い人だったな」

 

「うん、それに湊の事も少し知れたしね」

 

「しっかし、こう見ると俺の食べた事のない食べ物って結構あるんだな」

 

たこ焼きにたい焼き本当に知らない食べ物ばっかだ

 

「さっきお好み焼き食べたばかりなのにまだ入るの湊?」

 

「そうだな…今日の所は辞めとく」

 

「あ、響‼︎」

 

「未来…は!来ちゃだめだ!戻って未来‼︎」

 

響が何かに気づきそう言う

 

「チッ!間に合え!」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はサンダルフォンを纏いネフシュタンの鎧の伸長されたトゲを弾く

 

「しまった彼奴の他にも居たのか」

 

「何のつもりだ姉さん」

 

俺がそう聞くが姉さんは何も答えない

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

そこにガングニールを纏った響が間に入る

 

「湊君は早く未来を安全な所に」

 

「分かった、あまり無茶な事はするなよ」

 

俺がそう言うと響は頷き森の中に入って行くと姉さんもそれを追って森に入って行った

 

「大丈夫か未来」

 

「うん、響は!」

 

「響はお前をニ課に連れて行ったら即座に俺が応援に行くだからさっさとニ課に行くぞ」

 

「分かった」

 

《雷鳥》

 

俺と未来は雷鳥に乗ってニ課を目指した




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26話

~Killter Ichaival tron~

 

俺が未来を緒川に引き渡し響と姉さんの所に戻るとシンフォギアの聖詠が聞こえた

 

「あたしに…あたしに歌を歌わせたな!教えてやるあたしは歌が大っ嫌いだ!」

 

「歌が嫌い?「響‼︎避けろ」湊君‼︎辞めてよクリスちゃんは湊君のお姉さんなんでしょ⁉︎戦わないで先ずは話し合って「「テメェはすっこんでろ‼︎」」クリスちゃん?湊君まで」

 

「部外者はすっこんでろ」

 

「ああ、こっからは」

 

「「俺(あたし)と姉さん(湊)の姉弟喧嘩だ‼︎」」

 

俺と姉さんは口を揃えて響にそう言う

 

《BILLION MAIDEN》

 

姉さんはアームドギアとして携行型の2連装ガトリングガンを形成し両手に構えた2丁4門による一斉掃射を大剣で防ぎながら姉さんに突っ込む

 

「だったら此奴だ‼︎」

 

「甘いんだよ」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

《雷精》

 

俺は姉さんの発射させた小型ミサイルを雷を放出して粉砕する

 

「湊君‼︎クリスちゃん‼︎避けて‼︎」

 

響にそう言われて俺と姉さんが上を見るとノイズが上空から降下して来て居た

 

「邪魔すんじゃねえよ‼︎」

 

《雷精》

 

俺は上空に向けて雷を放ちノイズを倒す

 

「命じた事もロクに出来ないなんて、貴方は何処まで私を失望させるのかしら」

 

「フィーネ」

 

フィーネ?終わりの名を持つ者

 

「此奴と湊が居なくたって戦争の火種くらいあたし1人で消してやるそうすればあんたの言うように人は呪いから解放されてバラバラになった世界は元に戻るんだろ!」

 

「はぁ、貴方にもう用はないわ」

 

「何だよそれ!フィーネ‼︎」

 

「分からない子ねこう言う事よ」

 

フィーネと呼ばれた人間は姉さんが使って居た杖を姉さんに向けてそう言ってその場を後にする

 

「まさか姉さん‼︎」

 

「は!」

 

姉さんが気づいた時にはノイズは姉さんの目の前にまで来て居た

 

「くっ!」

 

「湊君‼︎」

 

「…湊…お前…」

 

俺は何とか対処をするがその内の1匹がサンダルフォンの肩部分を貫通する

 

「お前馬鹿かよ…」

 

「馬鹿はどっちだよ…姉さん」

 

俺がそう言うと姉さんは悔しそうな表情を浮かべ俺を抱えてその場を去る

 

「此処まで来てくれれば大丈夫だ…」

 

「そうか」

 

そう言って姉さんは俺をベンチに降ろす

 

「結局何なんだろうなお前のその力」

 

「さあな、考えても仕方ねぇよ分かんねえもんは分かんねえんだからな」

 

「その…助かった、じゃあな「待ってくれ姉さん」何だよまだやりたいねえのか?」

 

俺が呼び止めると姉さんは振り返ってそう言う

 

「違えよ、これからどうするんだ。姉さんはこれまでフィーネ彼奴の所に居たんだろ。でも彼奴は姉さんを捨てたなら彼奴の所に戻る理由は無いんじゃないか?」

 

「これまで通りだ、居場所のないあたしは頭なく彷徨うだけだ「だったら!」あ?」

 

「だったら俺が姉さんの居場所になる‼︎」

 

気がつけば俺はそう言って居た

 

「お前何言って」

 

「俺思うんだ。今この場を逃したら姉さんもう2度と俺の前に現れないつもりだろ」

 

図星だったのか姉さんは罰が悪い顔をする

 

「俺もう嫌なんだよ…家族が居なくなるのは…大事な人が居なくなるのは…もう懲り懲り何だよ‼︎」

 

「でもあたしはお前の敵で…」

 

「敵か味方かなんてどうだって良い‼︎俺はまた姉さんと一緒に居られれば‼︎日本に来た目的も姉さんを探すだめだ‼︎」

 

「あたしを探す為…」

 

俺は姉さんの言葉に頷く

 

「2年前姉さんが囚われてた武装組織が衰退した結果全員が国連軍に救出されて各国に帰国したって聞いて急いで帰国したんだ。でも俺が帰国した時には既に姉さんは消息不明になってた。それからずっと探してた。カナダ、イギリス、色んな国に行ったけど見つからなくて次に日本に来たんだ」

 

「それであたしを見つけたって訳か」

 

「ああ、見つけた時は本当に嬉しかった。でも敵だって分かって辛かった…本当は刃を向ける事も躊躇った…でも戦場に事情を持ち込む訳にいかないって自分に言い聞かせて、姉さんを傷つけたくないって気持ちを殺して戦ってた」

 

気づけば俺は今まで心の奥底に隠して居た事を涙を流しながら話して居た

 

「湊…」

 

「姉さんが歌が嫌いならそれでも良い!その分俺が歌を歌って世界の平和を掴んで見せる‼︎だから…だからもう俺を1人にしないでくれ…1人は辛いし寂しいよ…」

 

「分かった、約束するもう絶対に2度とお前を独りぼっちになんてしない。だから約束してくれお前もあたしを独りぼっちにしないでくれ」

 

姉さんはそう言って俺を抱きしめる

 

「分かった、俺ももう絶対に2度と姉さんを独りぼっちになんてしない約束する」

 

「さて帰ろうぜあたし達の家に」

 

「ああ」

 

俺はそう言って姉さんの手を取って借りアパートに帰った

 

〜クリスside〜

 

「風呂上がったぞ」

 

あたしがそう言って風呂を出ると湊は既に寝て居た

 

「たく、こう言う所は全然違ってねえんだな」

 

「姉さん…」

 

「何だ湊」

 

「生きててくれてありがとうお姉ちゃん…」

 

きっと此奴は昔のあたしと合ってるんだろう。でもだからこそ聞けた此奴の本音、此奴の本質は今でも変わってねえんだ。優しくて弱虫でそんな自分を隠そうと努力してそれが空回りして無愛想な奴に見られてる

 

「あたしの方こそ生きててくれてありがとな湊」

 

そう言ってあたしは湊の隣に布団を敷いて眠りに着いた

 

〜クリスside out〜




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27話

「此処は「湊」誰なんだこのチビ…いや待てよ」

 

この容姿何処かで見覚えがあるぞ

 

「もしかして…姉さん?」

 

「そう、私は湊の心の中の雪音クリス」

 

俺の心の中の姉さんは10年前のまま成長してないのかよ。

 

「んで、何の用だ」

 

「ありがとう私を見つけてくれて、家族だって言ってくれて、受け入れてくれて」

 

「当たり前だろ、どれだけ変わろうと例え敵だったとしても雪音クリスは俺の姉さんだそこはずっと何時迄も変わらねえよ」

 

「そうだね、きっと私もそう思ってる。だからこれから迷惑をかけると思うけど私から離れないであげてね」

 

「分かってる、これまで一緒に居てくれてありがとうお姉ちゃん」

 

「うん、バイバイ湊」

 

そう言って10年前の姉さんは霧の中に消えて行った

 

「ん…そうか…もうこっちでも朝も1人じゃないんだな」

 

俺の隣には姉さんが寝て居て1人じゃないと実感させられると妙に嬉しくなった

 

「うわ〜、響と風鳴司令から鬼の様に電話が来てる。まあ分からなくもないが」

 

そう言って俺は取り敢えず風鳴司令に連絡を取る

 

「俺だ風鳴司令」

 

『湊君か、全く心配させやがって』

 

「悪かったよ、姉さんとイチイバルだが悪い俺が倒れてる間に逃げられた」

 

俺は風鳴司令に嘘の報告をする

 

『そうか、何にせよ君が無事で何よりだ。響君も心配して居たから無事だと伝えてやってくれ』

 

「了解」

 

俺はそう言って通信を切る

 

「まあ響には後で大丈夫だろう、先ずは腹ごしらえからだな」

 

俺がそう言って立ち上がるとチャイムが鳴る

 

「誰だよこんな朝っぱらから」

 

俺がそう言って扉を開けるとそこには響と未来が居た

 

「良かった未来の言った通り無事だったんだね湊君」

 

「だから言ったでしょ、それにしても顔色悪いけど大丈夫?」

 

「大丈夫だ」

 

不味い、風鳴司令に嘘の報告をして居る以上2人に姉さんが居る事がバレる訳にはいかない。特に隠し事が苦手そうな響は絶対に口を滑らせる

 

「それで何の用だ」

 

「湊君肩怪我しちゃったから何か手伝おうかなって思って来たんだ」

 

「大丈夫だから「湊、私達に何か隠してない?」何でそう思うんだ未来」

 

「何だろう…女の勘かな」

 

そう言や彼奴らも偶にそんな事言うな。しかもそう言う時に限って大体当たってるんだよ。何なんだろうな本当に

 

「何だよ朝っぱらからうるせえな、こっちとらまだ寝むいんだ…ぞ」

 

「普通このタイミングで出て来るか姉さん」

 

「クリスちゃん?どうして湊君の家に」

 

まあこうなるよな

 

「ねえ湊、説明してくれるんだよね」

 

「分かったよ、風鳴司令には伏せてるから絶対に話すなよ特に響お前な」

 

「え?師匠に言ってないの?」

 

「言ってない、だから喋んなよ」

 

「う〜ん…分かった」

 

俺の言葉に響は頷いてそう言うが此奴本当にわかってんのか?

 

「立って話す訳にもいかねえし中に入れよ」

 

「「お邪魔します」」

 

「何で此奴と」

 

姉さんは愚痴を溢しながら布団を仕舞う

 

「あ〜ん、ん〜美味しい」

 

「ごめんね湊私達の分まで用意してもらっちゃって」

 

「別に気にするな、つか姉さんは何時迄そうしてるつもりだよ」

 

俺と響と未来の3人は机で食べているんだが姉さんだけはお盆を持って隅っこで食べて居る

 

「あたしは馴れ合うつもりは無いからな」

 

「そう言わないで一緒に食べようよクリスちゃん!」

 

「こっち来んなバカ!」

 

響は姉さんの言葉を無視してお盆を持って姉さんの隣に向かって行く

 

「それで湊、明日の事覚えてる?」

 

「ああ、覚えてるぞ。そもそも俺が言い出した事だからな」

 

「そっか、創世達も一緒だけど良いかな?」

 

「別に良いんじゃ無いか、それを決めるのは俺じゃなくてあのおばちゃんだからな」

 

「分かった創世達にも伝えておくね」

 

未来はそう言うと安藤達にメールを送る

 

「仲良くしようよクリスちゃん!」

 

「だ〜!煩い飯くらいあたしの好きに食わせやがれ!」

 

まだやってたのかお前ら




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28話

「そろそろ行こうぜ姉さん」

 

「ああ、行くか」

 

「何処か行くの?」

 

俺と姉さんがアパートを出ようとすると響にそう聞かれる

 

「姉さんの服を見に行くんだよ。姉さん今着てるこれ1着しか持ってないらしいからな」

 

「そう言うこった、つう訳でお前らもとっとと出ろ」

 

「服か、私達も買いに行こっか響」

 

「うん!夏も直ぐだし新しい水着も欲しいしね」

 

こうして急遽響と未来が一緒に行く事になった。まあ俺としては良かったんだがな

 

「んじゃ選んでる間金下ろして来るから姉さんの事頼んだぞ」

 

「任せてよ!行こうクリスちゃん!」

 

「引っ張んなバカ」

 

「また後でね湊」

 

そう言って響と未来は姉さんを下着売り場に俺はお金を下ろしに行く

 

〜クリスside〜

 

「たくあのバカ色々押し付けてきやがって」

 

あたしは試着室で服を脱ぎながらバカに渡された下着を着ける

 

「こんなの見せられっかよ」

 

あたしは身体中に着いた黶を見てそう呟く

 

「クリスちゃん開けて大丈夫?」

 

「まだだ」

 

「急かさないの、クリスゆっくりで良いからね」

 

そう言ってもう1人の奴があのバカを連れて行ってくれたんだろう、その証拠に彼奴の声が遠くなった

 

「クリスちゃんもう大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

あたしがそう言うとバカはカーテンを開ける

 

「あれ?クリスちゃん下着は?」

 

「もう着け終わったから会計するんだよ」

 

「そっか、はいクリス」

 

そう言ってあたしにお金を渡すのは何故かこのバカの友人

 

「湊の奴はどうしたんだよ」

 

「湊ならもう外に居るよ。これは湊から」

 

「そうか」

 

あたしはそう言ってお金を受け取った

 

〜クリスside out〜

 

「後は服だけだな」

 

「ああ、にしてもお前よくあたしの分まで出せるな」

 

姉さんはそう言ってパスタを食べる

 

「そう言うなら少しは遠慮ってもんをしたらどうだ姉さん」

 

「お前が好きに頼んで良い何て言うからあたしはそれに従ったまでだ」

 

だからって店の料理の中で一番高い物の他に数品その上にドリンクバーまで頼む奴があるかよ

 

「それと姉さんだからって無償でやる訳ねぇだろ。当面の間は料理以外の家事全般は任せたぞ」

 

「それが目的かよ、まあそれで寝所まであるんだからやるけどよ」

 

「仲良いね湊君とクリスちゃんって」

 

響が突然そんな事を言い出す

 

「姉弟ってこんなもんだろ」

 

「流石に一緒に住むくらい仲の良い姉弟は中々居ないんじゃ無いかな?」

 

言われてみればそうか

 

「俺は別に気にしないな、フランスでも女子とシェアハウス状態だし」

 

「お前そんな状況で暮らしてきたのかよ」

 

「まあな、実際俺がイレギュラーなだけで装者は俺以外全員女子だったからな」

 

そのイレギュラーの元になったのが何なのかは今は話す必要は無いだろう

 

「それじゃあまた明日ね湊君」

 

「ああ」

 

あの後姉さんの服を見て回り響と未来の2人と別れる

 

「明日何かあんのかよ」

 

「フラワーって所でお好み焼きの焼き方を教えて貰うんだよ。姉さんも来るか?」

 

「あたしは遠慮しとく。明日もあのバカに振り回されるのはごめんだ」

 

「そうか、んじゃ昼も言ったが洗い物頼むぞ」

 

「分かったよ」

 

姉さんはそう言って洗い物を開始した




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29話

「おはようミナ」

 

俺がフラワーに着くと既に安藤達が居た

 

「安藤お前らもう来てたのか。響達はどうした」

 

「それが立花さんが寝坊してしまったようで」

 

彼奴こんな時まで寝坊かよ。未来の奴も大変だな

 

「あ、噂をしてたらビッキー達来た」

 

「ごめん皆んな、あれ?湊君クリスちゃんは?」

 

「姉さんは2日連続でお前に振り回されたく無いから来ないそうだ」

 

実際俺がアパートを出る時姉さんまだ寝てたし

 

「ビッキー、クリスちゃんって誰の事なの?」

 

「そう言えば3人は知らなかったね、クリスちゃんは湊君のお姉さんだよ。今は湊君のアパートで2人暮らししてるんだ」

 

「姉弟で2人暮らし、それってアニメみたいじゃん!」

 

「不便などは無いんですか?」

 

寺島の問いかけに俺は少し考える

 

「特に無いな、逆に2人になった分家事を分担できるようになって助かってるくらいだからな」

 

「そっか、1人暮らしだと家事を全部1人でしないといけないから大変だもんね」

 

「皆んな揃ったし入ろう。こんにちは」

 

そう言って未来はフラワーの中に入って行く

 

「いらっしゃい、材料の準備は出来てるから早速始めようか」

 

「はい、最初は私からやるから湊は響達と座って待ってて」

 

「分かった」

 

俺はそう言って響達の座る席に向かう

 

「私ね今日は未来が美味しいお好み焼きを作ってくれるって聞いたから朝から何も食べずに来たんだ」

 

「それってただ単にビッキーが起きるの遅くて朝ご飯食べ損ねただけじゃ無いの?」

 

「だな、つうか早起きの習慣とか今のうちに着けておいた方が身の為だぞ、寝坊とかそう言う癖って中々抜けないからな」

 

「う〜ん、分かっては居るんだけど何て言うのかな布団の誘惑に抗うのはどうしても難しくて」

 

それダメ人間がよく言う事だぞ

 

「お待たせ」

 

「美味しそう、これ未来が作ったの!」

 

「うん、冷めない内に食べて」

 

未来にそう言われた俺達は未来の作ったお好み焼きを食べる

 

「美味しいよ未来」

 

「もう響は、そんなに急いで食べなくても誰も取ったりしないから落ち着いて食べて」

 

「それじゃあ次は湊君だね」

 

「ああ、元々は俺が頼んだ事だからな」

 

俺はそう言っておばちゃんに着いて行きキッチンに向かった

 

〜未来side〜

 

「ヒナさっき言ってた元々は雪音君が頼んでたって本当?」

 

「うん、何でもフランスに居る孤児院の皆んなにも食べさせてあげたいんだって」

 

私がそう言うと創世と弓美は意外そうな表情を浮かべる

 

「実は結構優しいよね湊君、詩織はどうしてなの?」

 

「私は初めて会った時から雪音さんが悪い方では無いと思って居ましたから」

 

「確かにミナって面倒見が良いのかも、この前デパートで迷子の男の子と女の子のお父さんとお母さんを一緒に探してあげてたの見たし」

 

湊そんな事までしてたんだ

 

「そう言えばゲームセンターで雪音君に似た人を何度か見かけた気が」

 

「多分それ湊君だよ。クレーンゲームすごく得意だったもんね未来」

 

「そうだね、お菓子の他にぬいぐるみとか結構取ってたし孤児院の子達へのお土産かな?」

 

そう考えると湊って結構優しい気がして来る

 

「お前ら出来たぞ」

 

そう言って湊がお好み焼きを持って来た

 

〜未来side out〜

 

「ミナはどうする?私達はこれからショッピングモールに行くけど」

 

フラワーを出ると安藤からそう聞かれる

 

「姉さんのお好み焼きもあるし俺は帰る」

 

「そうですか、ではまた学校で」

 

「またね湊君」

 

「ああ」

 

そう言って俺はアパートに響達はショッピングモールに向かった




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30話

「俺の借りてるアパートに何の用だ風鳴司令」

 

「湊君、雪音クリス。彼女が此処に居るんだろ」

 

「テメェどっからその事嗅ぎつけやがった」

 

俺は警戒心を隠さずに風鳴司令にそう聞く

 

「元公安の御用牙でね、慣れたものさ。勿論彼女に危害を加えない事は約束しよう」

 

「少しでも可笑しな動きを見せてみろその場で殺す」

 

「ああ、それで良い」

 

俺はそう言って風鳴司令を姉さんの居る俺の部屋に案内する

 

「帰ったぞ姉さん」

 

「そうか、んでそっちの奴はどちら様だ」

 

「俺は風鳴弦十郎、湊君が協力してくれて居るニ課の司令をして居る。今回此処に来たのは他でも無い君の保護だ」

 

風鳴司令の言葉を聞いて姉さんは身構える

 

「バイオリン奏者雪音雅律とその妻声楽家のソネット・M・ユキネが難民救済のNGO活動中に戦果に巻き込まれて死亡したのが10年前残った娘の雪音クリス、そして息子の雪音湊も行方不明となって居た。その後国連軍のバルベルデ介入によって事態は急転する。現地の組織に囚われて居た娘の雪音クリスは発見され保護、日本に移送される事になった」

 

「ふん、良く調べているじゃねえか。そう言う詮索反吐が出る。行くぞ湊」

 

姉さんはそう言って俺の手を取り外に出ようとする

 

「まあ待て、当時の俺達は適合者を探す為に音楽界のサラブレッドに注目して居てね。天涯孤独となった少女の身元引き受け先として手を挙げたのさ」

 

「やっぱりこっちでも女衒かよ」

 

「所が帰国直後に消息不明、俺たちも慌てたよ。ニ課からも相当数の捜査員が駆り出されたがこの件に関わった者の多くは死亡、あるいは行方不明と言った最悪な結末で幕を引く事になった」

 

「何がしたいってんだよおっさん」

 

「俺がやりたいのは君を救い出す事だ。引き受けた仕事をこなすのが大人の務めだからな」

 

ああそうか、結局は此奴も彼奴らと同じか

 

「大人の務めと来たか…余計な事以外はいつも何もしてくれない大人が偉そうに‼︎」

 

「俺も姉さんに同意だ、大人は結局の所殆どの奴が子供を道具としか見てねえんだ」

 

「待てそれは「何も間違ってなんて居ねえだろうが‼︎」湊君…」

 

「テメェら大人はそうやって結局は装者だの何だの言って俺達の事をノイズと戦う道具だとしか思ってねえんだからよ!」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

《雷鳥》

 

そう言って俺と姉さんは換気の為に開けて居た窓から飛び降りシンフォギアを纏った俺は姉さんと雷鳥に乗りアパートを離れた

 

〜弦十郎side〜

 

「ユノア氏、急な通信による対応まとこにありがとうございます」

 

俺は本部に戻るなりユノア氏に通信を試みた

 

『構わないよ、それで今回はどの様な用件で?』

 

「湊君についてです」

 

俺は湊君とあった事をユノア氏に話した

 

『そうですか、湊君がそんな事を』

 

「はい、ユノア氏彼に雪音湊に何があったんですか?」

 

『それを話すには先ずは10年前のバイオリン奏者雪音雅律とその妻声楽家のソネット・M・ユキネ2人の死後の事について話さなければならないね』

 

ユノア氏は2人の死後に何があったのか話してくれた

 

「つまり彼は」

 

『ああ、2人の死後直後に1つの組織に囚われて居た湊君と雪音クリスだが数日後に湊君は雪音クリス彼女と別の武装組織に移されたんだ。そこで行われて居たのはシンフォギアの軍事兵器化実験だった』

 

俺はその言葉に耳を疑った

 

「シンフォギアの軍事兵器化実験ですか」

 

『ああ、僕も最初彼にその話を聞いた時は俄かに信じられなかった。だが彼や共に生き延びて居た少女達が行方を絡ませて居た適合者の少女達だと判明した事でそれが事実であると確証せざるを得ない状況下に置かれた』

 

「その少女達は」

 

『元気にして居るよ、最も彼らが行って居たのはシンフォギアの軍事兵器化実験だけじゃ無い様だがね』

 

「と言いますと?」

 

俺がそう聞くとユノア氏は重い口をゆっくりと開きこう言った

 

『生物兵器の開発だよ』

 

「⁉︎それは事実ですか」

 

『ああ、僕らフランスに保護された少女達の中にも数名居たからね』

 

シンフォギアの軍事兵器化に加え生物兵器の開発と来たか。成る程これなら彼が彼処まで俺の言葉を否定するのも納得がいく

 

「ありがとうございますユノア氏」

 

『構わないよ、それと彼の姉の雪音クリスが見つかったんだ。もう彼は君達に協力する気は無いだろうね』

 

「無論そうかも知れません。ですがその件については我々に考えがあります」

 

『そうか、くれぐれも湊君に無理な戦いは強いてあげないでくださいね』

 

ユノア氏はそう言って通信を切った

 

「それにしても驚きましたね、シンフォギアの軍事兵器化ですか」

 

「それに加えて生物兵器の開発、彼からしてみれば俺達大人そのものが敵なんだろうな」

 

「そうですね、翼さんや響ちゃんの2人と違い我々とは少し距離を取ってる感じもありましたからね」

 

ユノア氏から聞いた話は俺達の想像を絶するものだった

 

「叔父様」

 

「翼、聞いて居たのか」

 

「はい、盗み聞きをしてしまいすみません」

 

翼はそう言って俺に頭を下げる

 

「気にするな翼、それに湊君はデュランダルの件の返済の為に明日にでも俺達の元に来るだろう。最終決定はその時だ」

 

湊君、大人ってのは君が思って居る様な奴ばかりじゃ無いぞ

 

〜弦十郎side out〜




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31話

「翼さん!」

 

「立花、湊も一緒かそちらは確か協力者」

 

「小日向未来です。宜しくお願いします」

 

翌日、俺は響達に昨日の事を悟られない様にする為普通に学校に向かい放課後ニ課本部に向かった

 

「立花はこう言う性格故色々面倒をかけるだろうが支えてやってほしい」

 

「いえ、響は残念な子ですのでご迷惑をお掛けしますが宜しくお願いします」

 

「え⁉︎何どう言う事?」

 

「響さんを介してお2人が意気投合して居ると言う事ですよ」

 

「む〜、はぐらかされてる気がする」

 

「まっ日頃の行いだな」

 

俺がそう言うと響は俺を見て不機嫌な表情をする

 

「そう言えば師匠は」

 

「ああ、私達も探して居るのだが」

 

風鳴司令は居ないのか

 

「あら良いわねガールズトーク」

 

「何処から突っ込むべきか迷いますが取り敢えず僕を無視しないで下さい」

 

「つか此処に居るのガールズだけじゃねえし」

 

「細かい事は気にしない気にしない」

 

いや、細かくは無いと思うんだが

 

「了子さんもそう言うの興味あるんですか!」

 

「もちの論、私の恋バナ百物語聞いたら夜眠れなくなるわよ」

 

なんだろ、色々と間違ってる気がするのは俺だけか?

 

「そうね、遠い昔の話になるわねこう見えて呆れちゃうくらい一途なんだから」

 

「「おー‼︎」」

 

「意外でした櫻井女史は恋と言うより研究一筋であるとばかり」

 

響と未来は櫻井了子の話に興味深々だ

 

「命短し恋せよ乙女と言うじゃ無い、それに女の子の恋するパワーって凄いんだから」

 

「女の子ですか」

 

「女の子…ねぇ…ふっ」

 

そう言う俺と緒川の顔目掛けて櫻井了子は拳を振るう

 

「あっぶねぇ」

 

「あら残念、私が聖遺物の研究を始めたのもそもそも…まっまあ私も忙しいから此処で油を打ってられないわ」

 

そこまで言うと突然櫻井了子は話を切り上げた

 

「自分から割り込んで来た癖に、うわ!」

 

「緒川お前少しは学習しろよ」

 

「兎にも角にもできる女の条件はどれだけ良い恋をして居るかに尽きる訳なのよ。ガールズ達もいつか何処かでいい恋なさいね。んじゃ、ばはは〜い」

 

そう言って櫻井了子は何処かに向かって行った

 

「大丈夫ですか緒川さん」

 

「はい」

 

翼にそう聞かれた緒川は立ち上がりまたメガネをかける

 

「どうした緒川」

 

「司令戻られたんですね」

 

「ああ、今さっきな」

 

そこに風鳴司令が来た丁度良い

 

「風鳴司令話がある」

 

「やはりか、君が話したい事と言うのはニ課から抜けると言う事か」

 

「ああ、話が早くて助かる」

 

俺の言葉を聞いて響と未来は驚く

 

「ちょっと待って下さい師匠!湊君が抜けるってどう言う事ですか⁉︎」

 

「元々湊君は雪音クリスつまり彼の姉を探すと言う条件で協力してくれて居たんだ。だが彼女はもう我々と敵対もしていない。それに彼女は湊君と住んで居る。つまり彼が俺達に協力する理由が無くなったという事だ」

 

「だからってそんな急に…」

 

響は納得がいかないと言った表情で俺を見る

 

「抜けるちゃ抜けるだが今すぐじゃない。フィーネ彼奴を討つまではお前達と協力関係を結ぶつもりでは居る」

 

「そうか、昨日は急に押しかけて済まなかった」

 

「別に「待って湊君!」何だよ響」

 

帰ろうとすると突然響に呼び止められる

 

「翼さんお仕事って以前みたいに過密スケジュールじゃないんですよね‼︎」

 

「ええ、今はまだ慣らし運転のつもりよ」

 

「なら翼さん!湊君!今週のお休みデートしましょう」

 

「「デート(だ)?」」

 

此奴は何を言ってるんだ

 

「良いんじゃないか翼、良い気分転換になるだろう」

 

「湊も大丈夫かな?」

 

此奴が言い出したんだ断っても無意味なんだろうな

 

「分かったよ」

 

「ありがとう湊君!それじゃあクリスちゃんにも話して置いて」

 

「はぁ〜、分かった分かった」

 

俺はそう言って借りアパートに帰った

 

「はあ⁉︎あのバカとデートだ‼︎」

 

「ああ、そうらしい」

 

「あたしは行かねえからな」

 

まあ姉さんならそう言うとは思ってた

 

「仕方ねえな、上手い口実作っとくからその分家事をしっかりして置いてくれよ。特にこの前みたいに洗濯機を泡まみれにするのだけは勘弁してくれよ」

 

「分かってるよ」

 

そう言いながら2度目の洗濯物を干す姉さんを見て俺は少し心配になった




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32話

「んじゃ俺は行くからな」

 

「ふぁ〜、ああ」

 

数日後、響に言われたデート?当日に俺がそう言って扉を開けると寝起きの姉さんが布団に入ったままそう言った

 

「悪いな翼」

 

「私も今来た所よ、私服の貴方と会う事があまり無かったから少し斬新ね」

 

「それはお互い様だ」

 

互いにあまり話す方ではないのでそこで会話が途切れる

 

「遅いわねあの子達は何をやって居るのよ」

 

「まあ何で遅れてるのか大体予想はつくが、ようやく来たか」

 

大方響の奴が寝坊でもしてるんだろう

 

「すみません翼さん!湊君もごめん」

 

「申し訳ありませんお察しの事だと思いますが響のいつもの寝坊が原因でして」

 

「時間が勿体無いわ、急ぎましょう」

 

翼はそう言って歩き出す

 

「すっごい楽しみにしてた人みたいだ」

 

「誰かが遅刻した分を取り返したいだけだ‼︎」

 

「今のはお前が悪いな」

 

そもそも寝坊で遅刻した原因の言う言葉じゃねえし

 

「凄く似合ってます翼さん!」

 

「そうかしら?湊は何も買わないの?」

 

「買う必要も無いからな、服はフランスで使ってたのを全部持って来てるからな」

 

「まあまあ、そう言わずに!」

 

そう言って響は適当な服を渡し俺を試着室に押し込む

 

「はぁ、何で俺まで」

 

俺はため息を吐きながらも響に渡された服を来て帽子を被る

 

「終わったぞ」

 

「それじゃあ開けるね」

 

そう言って響は試着室のカーテンを開ける

 

「えっと…本当に湊?」

 

「この試着室に俺以外は入ってないぞ未来」

 

「いやぁ、人って服装1つで此処まで変わる物なんだね。あ痛‼︎」

 

「たく、失礼な奴だなお前は」

 

俺は響に手刀を入れてそう言う

 

「なら湊君ならどんなの選ぶのさ」

 

「俺か?俺なら…」

 

俺は通信機を操作して服を選ぶ

 

「こうだな」

 

俺は選んだ服を通信機からそのまま着た状態で取り出す

 

「確かに響の選んだ服より湊らしいね」

 

「そうね、立花の選んだ物も悪い訳では無いけれど今の服装の方が湊らしさはあるわね」

 

「凄い!そんな事まで出来るんだ‼︎」

 

響お前は自分から聞いて置いて俺の選んだ服よりも通信機の性能の方に目がいくんだな

 

「翼さんご所望のぬいぐるみはこの立花響が必ずや手に入れてみせます!」

 

結局響の選んだのは戻し次にゲームセンターに移動した

 

「期待はして居るがたかが遊戯に少し注ぎ込みすぎでは無いか?湊が取った方が早いのではないか?」

 

「それは最終手段です」

 

辞めろ、ゲームセンターで変な奇声あげる奴と知り合いだと思われない為に少し離れた所のをやってるんだから俺に話しかけに来るな

 

「く〜!このクレーンゲーム壊れてる‼︎」

 

「はぁ、仕方ない湊を呼んでくる」

 

「お願いします翼さん」

 

景品を取り終えた所でそんな会話が聞こえて来たので俺は逃げる様に場所を移動する

 

「そこに居たのか湊」

 

「何だ翼」

 

「立花がこれ以上迷惑をかけてしまう前に此処から出たい。済まないが頼まれてくれないか?」

 

「分かった」

 

俺はそう言って翼に着いて行き響に変わり翼の目当てのぬいぐるみを取る

 

「本当に上手いな湊」

 

「そうか?ほら行くぞ響」

 

「そうだね、そろそろお昼だし」ぐ〜

 

絶妙なタイミングで響のお腹が鳴る

 

「そろそろお昼にしよっか」

 

「そうね、立花も待ちきれない様だし」

 

「そうだな」

 

そう言って昼を食べに店に向かう中響はずっと下を向いて居た




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33話

「大丈夫かよ翼」

 

「大丈夫だ湊、2人はどうしてそんなに元気なんだ」

 

あの後色々と周り最後に公園に向かう為の階段を登って居る

 

「翼さんがへばり過ぎなんですよ」

 

「今日は慣れない事ばかりだったから」

 

「防人であるこの身は常に戦さ場にあったからな、だから本当に今日は知らない世界ばかりを見て来た気分だ」

 

「そんな事ありません」

 

響はそう言って翼の手を取り街を一望する

 

「彼処が待ち合わせした公園です。みんなで一緒に遊んだのも遊んでない所も全部翼さんの知って居る世界です。昨日に翼さんが戦ってくれたから今日に皆んなが暮らせて居た世界です。だから知らない何て言わないで下さい」

 

響が翼に言った言葉に俺は聞き覚えがあった

 

『見て湊!此処に見える全部が昨日私と湊が2人で戦って守った街だよ。そして街を守ったのと同時にたくさんの人を救えた』

 

『俺がこの街に住む人達を守ったのか?』

 

『そうだよ!湊が戦ったから皆んなが笑ったり時には泣いたりしてる。湊が戦ったから今日この街の人達は安心して暮らして居る。全部が全部私達が戦って守った物だよ。それに私好きなんだ此処から見る景色、此処から見れば私の守った物の大きさがわかるでしょ?だから次も頑張ろうって思うんだ』

 

『お人好しも大概にしろよ』

 

『は〜い』

 

本当に響の奴は何処まで彼奴に似てるんだか

 

「そうか、これが奏の見て来た世界なんだな」

 

「はい、湊君どうかしたの?」

 

俺が響を見て彼奴を思い出して居ると響にそう聞かれる

 

「何でもない」

 

「そう?なんだか寂しそうにしてる気がしたんだけど」

 

「そんな訳ないだろ、ほらさっさと帰るぞ」

 

「待ってくれないか?」

 

俺がそう言って帰ろうとすると翼が引き止める

 

「翼さんもしかしてこれ…復帰ステージのライブチケットですか!」

 

「ええ、アーティストフェスが10日後に開催されるのだがそこに急遽ねじ込んで貰ったんだ。倒れて中止になってしまったライブの変わりと言う訳だな」

 

「成る程、どうかしたの響?」

 

響が裏に書いてあるステージの場所を見て驚く

 

「翼さん此処って」

 

「立花にとっても辛い思い出のある会場だな」

 

「どう言う事だ未来?」

 

いまいち話についていけない俺は未来にどう言う事か聞く

 

「この会場2年前に響が怪我をした場所なんだ」

 

つまりそこは響にとってはガングニールの破片が心臓に複雑に入り組むきっかけとなった場所か、そして翼にとっては大事なパートナーである天羽奏が命を散らした場所でもある訳か

 

「ありがとうございます翼さん。いくら辛くても過去は絶対に乗り越えていけます。そうですよね翼さん!」

 

「そうありたいと私も思って居る」

 

過去を乗り越えるのは難し事だ。それが辛ければ辛いほどに、それでも難しくても決して乗り越えられない過去はないそれは俺自身が身をもって知って居る

 

「過去を乗り越えられるかどうかはそいつの努力次第だがな」

 

「そうだな、だがそれでも私は乗り越えられる過去であれば乗り越えたいと思って居る」

 

「きっと大丈夫ですよ翼さんなら」

 

「立花…ありがとう」

 

翼は響にそう言って帰って行った

 

「私達も帰ろっか」

 

「うん、バイバイ湊君!」

 

「また明日学校でね」

 

「ああ」

 

響と未来がそう言って帰るので俺もアパートに向かった




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34話

数日後、翼の話していたアーティストフェス当日になった

 

「何やってんだ彼奴」

 

「せっかくチケット貰ったのに開演に遅れそう「響何やってんだ?」湊君‼︎丁度良い所に‼︎乗せてって‼︎」

 

「悪いが先客が居るんだ」

 

そう言って俺の後ろに乗る姉さんがヘルメットを取る

 

「そんな!このままじゃ遅れちゃう!はい、響です。湊君とクリスちゃんも一緒です」

 

「湊」

 

「ああ、ノイズだ」

 

俺は端末でノイズの位置を確認する

 

「姉さんは此処から北西のノイズを頼む、俺は南西に向かう」

 

「分かった」

 

〜Killter Ichaival tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

聖詠を行ったのち姉さんは北西に俺は南西に居るノイズの対処に向かった

 

「師匠現場には私1人でお願いします。今日の翼さんには自分の戦いに臨んで欲しいんです。あの会場で最後まで歌いきって欲しいんです。お願いします。はい‼︎」

 

響はそう言って電話を切るとノイズの発生源に向かって行く

 

「俺も合流出来るようなら直ぐに向かう、無理はするな」

 

「うん、湊君も」

 

「ああ、わかってる」

 

俺はそう言ってノイズの発生源に向かう

 

「此処か」

 

「助けて…」

 

近くから小声でそう声が聞こえる

 

「そこか!」

 

ノイズが1箇所に集まって居たのでそこに向かうと案の定女の子が1人蹲って居た

 

「怖かっただろ、もう大丈夫だ」

 

「お兄さん誰?」

 

「通りすがりのお人好しだ。もうちょい隠れてろ」

 

女の子は俺の言葉に頷きまたその場に小さくなる

 

「さて、悪いが俺も急いでんだ早急に終わらせて貰うぜ!」

 

《雷鳴》

 

俺は無数の雷を纏った剣を具現化させてノイズに飛ばす

 

「此奴で終わりだ」

 

《雷光一閃》

 

俺は持って居た大剣を巨大化させた後、翼のブースターを噴射させて突っ込み残った大型ノイズを両断する

 

「もう大丈夫だノイズはもう居ない」

 

「ありがとうお兄さん‼︎」

 

そう言って女の子は俺に飛びつく

 

「にしてもお前何でこんな所に1人で居たんだよ」

 

「今日はママのお誕生日だから」

 

女の子はまださっきの恐怖が残って居るんだろう震えながらそう言う

 

「まだノイズを全部倒したって訳じゃないからシェルターに移動するぞ、その後はシェルターにいる奴らの指示に従って動け」

 

俺はそう言って女の子をバイクに乗せ近くのシェルターに避難させる

 

「ちっ!まだ居やがったか」

 

シェルターに向かって居ると後ろから複数のノイズが追いかけて来る

 

「お兄さん…」

 

「大丈夫だ、時期にシェルターに着く。悪いかも知んねえがもうちょい辛抱してくれ」

 

俺はそう言って更にバイクを加速させる

 

「此処がシェルターだ、人は居ないが此処ならノイズが入って来る心配もない。んじゃ俺は行くぞ…離せよ」

 

「お兄さん…此処に居て」

 

女の子は涙目で訴える様に俺にそう言う

 

「直ぐに戻るから待ってろ」

 

「うん…待ってる…」

 

「ああ」

 

俺は女の子の頭を撫でてシェルターの外に居るノイズに向かい合う

 

「たく、俺もまだまだ甘いな。ガキ1人の為に此処まですんだからよ。待たせたなノイズ共邪魔な奴が消えたんだ。こっからは遠慮なく行かせて貰うぜ‼︎」

 

《雷精》

 

俺は大剣の先に貯めた雷を一気に放出して辺りのノイズを片付ける

 

「お兄さん!」

 

「言っただろ直ぐ戻るって」

 

俺はそう言って走って来た女の子を撫でる

 

「よっぽど怖かったんだな」

 

数分経つと女の子は俺の膝を枕にして眠り始めた

 

『湊お前何処に居やがる』

 

「シェルターの中だ、子供が逃げ遅れててな」

 

『そうか彼奴の所にはあたしが向かうお前はそこでじっとしてろ』

 

姉さんはそう言って通信を切った

 

「終わったか、ほら起きろ」

 

「お兄さん?」

 

「ああ、ノイズはもう居ないお前の家まで送ってやるから家の場所教えろ」

 

俺はそう言って女の子をバイク乗せて家まで送った




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35話

「着いたぜ湊」

 

「此処がフィーネの奴のアジトか」

 

翌日俺は学校を休み姉さんとフィーネのアジトに来ていた

 

「何がどうなってやがんだ」

 

「此奴ら」

 

中に入るとそこには血を流し倒れて居たのは広木防衛大臣の抹殺を試みた米国政府の連中だった

 

「知ってるのか」

 

「ああ、日本の防衛大臣を襲った米国政府の連中だ。にしてもどうしてこんな所に」

 

「こんな所で何をして居るんだ」

 

後ろの扉が開かれる音と同時に聞き覚えのある声が聞こえる

 

「風鳴司令、先に言っておくが俺達が来た時にはもうこの状態だったぞ」

 

「ああ、誰もお前達がやっただなんて思っちゃいない。全ては君や俺達のそばに居た彼女の仕業だ」

 

この口ぶりからするに風鳴司令は犯人に心当たりがあるって事か

 

「風鳴司令」

 

「どうした、これは」

 

そこには文字の書かれた紙が置かれて居た

 

「待て迂闊に触んな!」

 

俺の制止が遅く1人の男が紙に触れた途端に爆発が起きる

 

「たく、面倒かけやがって」

 

「大丈夫か湊君」

 

「ああ、何とかな」

 

俺は風鳴司令にそう言う

 

「何でギアを纏える湊じゃなくてお前があたしを守ってんだよ!」

 

「俺が君を守るのはギアのあるましじゃなくてお前よか少しばかり大人だからだ」

 

「大人…あたしは大人が嫌いだ!死んだパパとママも大嫌いだ!とんだ夢想家で臆病者!あたしは彼奴らとは違う戦地で難民救済?歌で世界を救う?良い大人が夢なんて見てんじゃねえよ!本当に戦争を無くしたいなら戦う意思と力を持つ奴らを片っ端からぶっ潰して行けば良い!それが1番合理的で現実的だ‼︎」

 

合理的で現実的ね…

 

「悪いが姉さん俺はそうは思わない。それだとまた新しい火種を生むだけだ」

 

「何でだよ!戦う意思と力を持つ奴が居なくなれば戦争何て‼︎「そのやり方で仮に戦争が無くなったとしよう。だが待って居るのは武力じゃなく権力による支配だ。逆に聞くぞ、姉さんはそのやり方で戦いをなくせたか?」それは…」

 

俺の言葉に姉さんは言葉を詰まらせる

 

「湊君の言う通りだ。それに君は言ったな良い大人は夢は見ないと、そうじゃない大人だからこそ夢を見るんだ。大人になったら背も伸びるし力も強くなる、財布の中の小遣いだってちっとは増える。子供の頃は見るだけだった夢も大人になったら叶えるチャンスが大きくなる。夢を見る意味が大きくなる」

 

「父さんと母さんは夢を見る為に戦場に行ったんじゃない、歌で世界を平和にするって夢を叶える為に望んでこの世の地獄に足を踏み込んだんだ。そしてそんな事をした理由はたった1つ俺と姉さんに見せたかったんだよ夢は叶うって言う現実を、結果は見るに耐えなかったがな。さっき言ったよな姉さんは父さんと母さんの事が大嫌いだって、でもきっと父さんと母さんは俺も姉さんの事も本当に大切にしてくれてたと思う。でもなきゃこんなのを大切に保管してたりしねえよ」

 

俺はボロボロになったロケットを取り出す

 

「これって」

 

「昔に俺と姉さんが小遣いを2人で出し合って母さんに買ったロケットだ。中に俺と姉さんの写ってる写真が入ってる」

 

俺がそう言うと姉さんはロケットを開け俺と姉さんの写ってる写真を見る

 

「それが父さんと母さんが俺達の事を本当に大切にしてくれてたって証拠じゃないか?」

 

「パパ…ママ…」

 

姉さんは涙を流しながらロケットを握り締める

 

「姉さんの考えは確かに褒められた考えじゃないかもしれない。でもきっとまだ間に合う、だから頑張ろう姉さん、俺と姉さんの2人で父さんと母さんの叶えられなかった夢を、歌で平和を掴んで見せよう」

 

「ああ…ああ…」

 

姉さんは俺を抱きしめてそう言った

 

「やっぱりあたしは…」

 

「一緒には来られないか」

 

風鳴司令の言葉に姉さんは頷く

 

「お前はお前が思って居るほど独りぼっちじゃない、なんせお前を探すと言う条件だけで俺達に協力する奴が居るんだ。お前が独りの道を行くとしてもそれをよしとしない奴が居るしその道は遠からず俺達の道と交わる」

 

風鳴司令は一瞬俺を見てそう言う

 

「今まで戦って来た者同士が一緒になれると言うのか?世慣れた大人がそんな綺麗事を言えるのかよ」

 

「俺と姉さんそれから響と姉さんが良い例だろ」

 

「そうかもな… 待ってくれカ・ディンギル、フィーネが言ってたんだカ・ディンギルってそれが何なのかはあたしには分からないけどそいつはもう完成して居るみたいな事を」

 

カ・ディンギルか

 

「ありがとう、湊君も同行してくれ」

 

「了解、姉さん此奴を持って置いてくれ」

 

俺は姉さんに通信機を渡す

 

「これは…」

 

「俺の作ったホログラム通信機だ。それ1つで金額内なら公共交通機関に自販機で飲み物を買ったり服や日用品を買ったりも出来る。俺もずっと日本に居る訳じゃない長期休暇の最初の数週間と10月の半ば過ぎには一旦フランスに帰る必要がある。完全に日本に住めるのは来年の3月の初めくらいになるだろうな」

 

「そうか、分かった。あたしは先にアパートに帰ってるな」

 

俺は姉さんの言葉に頷き風鳴司令達とニ課本部のあるリディアン音楽院に向かった




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36話

「収穫があった、訳あって湊君とは現場で鉢合わせた。ん?了子君は?」

 

「まだ出勤してません朝から連絡不通でして」

 

風鳴司令の問いかけに友里がそう答える

 

『了子さんならきっと大丈夫です。何が来たって私を守ってくれた時の様にドカーンとやってくれます!』

 

『いや、戦闘訓練もロクに受講していない櫻井女史にその様な事は』

 

『ふぇ?師匠と了子さんって人間離れした特技とか持ってるんじゃないんですか?』

 

まあ言っても良いか

 

「響あれは確かに櫻井了子が使ってたのは特別な力には変わらないだろうが何処か俺の知ってる力に似てた」

 

『そうなの?』

 

だがあの技術を櫻井了子が使えるとすれば戦闘訓練を受けていないのはどう考えても可笑しい

 

『やっと繋がった、ごめんね寝坊しちゃったんだけど通信機の調子が良くなくて』

 

櫻井了子の声を聞くと風鳴司令の表情が険しくなった

 

「無事か了子君、そっちに何か問題は?」

 

『寝坊してゴミを出せなかったけど「なら丁度良いじゃねえか」貴方が私に聞きたいことね何かしら?』

 

「カ・ディンギルこの言葉の意味を知ってるか?俺もかなり詳しいつもりではあったんだが古代シュメールで高みの存在と言う意味を持つ言葉だと言う事は知ってるがそれだと微妙でなお前の意見を聞きたい」

 

『そうね、貴方の言う通りよ付け加えるとすれば転じて天を仰ぐ程の塔を意味して居るわね』

 

天を仰ぐ程の塔か

 

「分かった」

 

「話を戻そう、何者かがそんな塔を建造していたとして何故俺達は見過ごして来たんだ?」

 

『確かにそう言われちゃうと…』

 

「だが、ようやく掴んだ敵の尻尾。このまま情報を集めれば勝利も同然相手の隙にこちらの全力を叩き込むんだ。最終決戦仕掛けるからには仕損じるな」

 

『『了解(です)』』

 

『ちょっと野暮用を済ませてから私も急いでそっちに向かうわ』

 

響と翼と櫻井了子はそう言って通信を切る

 

「瑣末な事でも構わん、カ・ディンギルについての情報をかき集めろ「悪いが風鳴司令そうもしていられないみたいだ」その様だな、響君と翼を向かわせる君は此処に居てくれ」

 

「分かった『湊!』ナイスタイミングだ姉さん」

 

『飛行ノイズ共への最短ルートを案内してくれ』

 

「分かった、ちょっと待て…姉さん東京スカイタワーに向かって来れ」

 

『東京スカイタワーだあ?』

 

姉さんの言葉に俺は頷く

 

「全てのノイズの進行経路の先にあるのが東京スカイタワーだ」

 

『成る程な、そこに先回りしようって魂胆か分かった』

 

姉さんはそう言って通信を切った

 

「湊君今の話は本当か」

 

「ああ、これを見て来れ」

 

俺はそう言ってノイズの予想進行経路を表示する

 

「このまま進めばノイズは全て東京スカイタワーに到着する」

 

「司令!カ・ディンギルが塔を意味するのであればスカイタワーはまさにその物じゃないでしょうか!」

 

「スカイタワーには俺達ニ課が活動時に使用して居る映像や交信と言った電波情報を統括制御する役割も備わって居る。2人共東京スカイタワーに急行だ」

 

風鳴司令は響と翼に対してそう言う

 

「それが罠だとしてもか?」

 

「ああ、響君の元にヘリを回せ」

 

風鳴司令がそう言うと数名がヘリを出発させに向かう

 

「‼︎風鳴司令どうやらもう1箇所あるみたいだ恐らく本命は」

 

「ああ、湊君向かって来れ」

 

「ああ」

 

ノイズが向かったのは東京スカイタワーだけでなくリディアンにも向かって来て居た




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37話

「未来‼︎」

 

「湊!響達は⁉︎」

 

「全員東京スカイタワーに向かってるノイズを倒しに行ってる。此処に居るのは俺だけだ」

 

未来の問いかけに俺はそう返す

 

「ヒナ!ミナ!」

 

「どうなってる訳?学校が襲われるなんてアニメじゃないんだからさ」

 

「皆んなも早く避難を私は他に人が居ないか見て来る」

 

未来はそう言って反対がに走って行く

 

「君達!急いでシェルターに向かって下さい!「そこのお前後ろに後退しろ!」分かった」

 

自衛隊の団員が後退するとそこにノイズが降りて来る

 

「どうするのミナ」

 

「そこのお前!フランスから対ノイズ用に各国に支給された武器は持ってるか!」

 

「確かに持って居る奴は居るが俺は持って居ない」

 

こんな所でシンフォギアを使う訳にもいかないからな

 

「仕方ない、悪く思うなよ風鳴司令」

 

そう呟いて俺は通信機からインドラの槍を取り出す

 

「何が起こったんでしょうか」

 

「わからないけど一先ず助かったって事で良いのかな?」

 

「ああ、この付近の校舎内にはノイズは居ない」

 

俺がそう言うと安藤達は安堵してその場に座り込む

 

「助かった、君は一体」

 

「ニ課の人間だ。これだけ言えばお前なら理解出来るだろう」

 

「‼︎そうだったか、俺は他の生存者の確認に向かう君はその子達をシェルターに」

 

「待て、丸腰で行っても死ぬだけだ此奴を持ってけ」

 

「助かる」

 

自衛隊の団員はそう言って未来と同じ方角に向かって行く

 

「さて、お前らだが」

 

「うん、シェルターだよね。2人共立てる」

 

「先程ので腰が抜けてしまって」

 

「私もあんなアニメみたいな事がいざ目の前で起きたら腰が抜けちゃった」

 

まあ初見で腰を抜かしてない安藤が凄いだけなんだけどな

 

「シェルターまで少し距離あるよね」

 

「ああ、安藤1人じゃ往復になるからその間にどっちかがノイズに襲われたら終わりだな」

 

待てよ、此処からだと

 

「シェルターよりも安全な場所が近くにある」

 

「シェルターよりも安全な場所?」

 

「ああ、多分だが未来もそこに来るだろう」

 

俺の言葉を聞いて安藤が考える

 

「分かったミナを信じるよ」

 

「そうか、安藤は寺島を背負え板場はまあちょっと辛抱してくれ」

 

そう言って俺は板場の頭に手を置く

 

「よっと、行くぞ」

 

「う…うん」

 

俺が1匹の猫を掴んでそう言うと安藤はぎこちない返事をして俺の後ろを着いて来た

 

「此処だ」

 

「此処?何も無いよ?」

 

俺は目的に到着すると掴んでいた猫を下ろす

 

「ミナって何者なの?」

 

「何者ね…返答に困る質問だな。ん?ああ悪い忘れてた」

 

俺がそう言って猫に触るとその猫は板場になった

 

「大丈夫ですか板場さん」

 

「うん…でもちょっと今は頭の処理が追いついて無いから待って」

 

まあ自分が突然猫に変えられたらそうなるな

 

「あの…先程から彼方から足音が聞こえて居るのですが」

 

「足音?来たか?」

 

俺が通信機で未来の通信機の位置を確認すると直ぐ側にまで移動して来て居た

 

「未来か俺だ」

 

『湊!何処に居るの⁉︎』

 

「今お前達の目的地に居る。安藤達も一緒だ」

 

『皆んなも無事なの⁉︎』

 

「ああ、全員無事だ」

 

俺がそう言うと未来は安堵の表情を浮かべる

 

『俺だ湊君』

 

「風鳴司令かたく油断なんてするなよな」

 

俺は腹部から血を流す風鳴司令を見てそう言う

 

『耳の痛い話だが君の言う通りだな。時期にそちらに到着する。俺達が到着し次第君は響君達の応援に向かって来れ』

 

「分かった」

 

俺はそう言って通信を切った




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38話

風鳴司令達が到着し俺は外に出る

 

「俺達もやろうぜサンダルフォン」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はサンダルフォンを纏い姉さん達の所に向かう

 

「くらいやがれ!」

 

《雷鳥天翔斬》

 

「ちっ!」

 

フィーネは俺の投げたネフシュタンの鎧の鞭を地面に打ち付け高く飛んでかわす

 

「たく、遅れて登場たぁヒーロー気取りか湊」

 

「湊君!良かった無事だったんだ」

 

「ああ、未来達も俺の知る限り全員無事だ」

 

俺はそう言って大剣を構える

 

「らあ‼︎」

 

「ふっ」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

フィーネは姉さんが発射させた小型ミサイルを鞭を伸長させて壊す

 

「そいつは囮だ!」

 

《雷精》

 

俺は大剣の刃から雷を分散させて放出する

 

「行け、お前ら」

 

俺がそう言うと響と翼は頷きフィーネに向かって行く

 

「お前も行って彼奴の注意をあたしから晒せてくれ」

 

「分かった」

 

姉さんにそう言われた俺は翼の攻撃を防ぐフィーネに向かって行く

 

「はあ!」

 

《雷斬》

 

雷を纏った大剣をフィーネは翼の攻撃を防ぐ鞭の反対側の鞭で俺の大剣を巻き付け防ぐ

 

「その程度か、フランス最強の装者が聞いて呆れる」

 

「はああ‼︎」

 

フィーネがそう言うと俺の反対側に待機して居た響が殴るがフィーネは空いてる腕で響の打撃を防ぐ

 

「翼、響離脱しろ」

 

俺がそう言うと響と翼は離脱する

 

「これでも喰らいやがれ!」

 

《雷鳥》

 

俺が無理矢理押し込んだ大剣は雷を纏った鳥になる

 

「くっ!」

 

フィーネはとっさの判断で鞭を大剣をから離すと雷を纏った鳥はカ・ディンギルに向かって行く

 

「させるか‼︎」

 

フィーネはカ・ディンギルに向かって行く大剣を鞭で切り裂き破壊する

 

「今だ姉さん‼︎」

 

「本命はこっちだ‼︎」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

姉さんは2基の大型ミサイルの内の1つをフィーネに向けて射つ

 

「ロックオンアクティブスナイプ、デストロイ‼︎」

 

「させるか〜‼︎」

 

フィーネは姉さんがカ・ディンギルに向けて射った大型ミサイルを鞭で切り裂き破壊するがさっきまで自分を追いかけて居たミサイルが無い事に気づく

 

「もう一発は…は!」

 

さっきまでフィーネを追いかけて居たミサイルには姉さんが乗っており上空に向かって行く

 

「クリスちゃん!」

 

「なんのつもりだ‼︎」

 

「だが足掻いた所で所詮は玩具カ・ディンギルの発射を止める事など」

 

フィーネがそう言った時に姉さんが別の歌を歌う

 

「まさか姉さん…くっ!離せ翼‼︎」

 

「辞めろ湊‼︎雪音は絶唱を歌って居るんだお前が行って何になる!」

 

俺を羽交い締めにする翼にそう言われるが俺は抵抗を続ける

 

『聞こえるか湊』

 

「姉さん!何のつもりだよ‼︎」

 

『あたしはずっとパパとママの事がそして湊お前の事が大好きだったんだ。でも今あたしがお前の姉ちゃんとしてやってやれる事はこのくらいなんだよ。だからあたしの代わりにお前がパパとママの夢を引き継いでくれ、パパとママそしてあたしの代わりに歌で平和を掴んでくれ…」

 

「何言ってんだよ‼︎ついさっき約束したばかりじゃねえか‼︎2人で…俺と姉さんで歌で平和を掴んでみせようって‼︎」

 

俺の声にもう姉さんは何も返さない

 

「し損ねた!僅かに晒されたのか⁉︎」

 

「くそが…クソッタレが‼︎」

 

(この世界は何度俺から大切なものを奪うんだ…何度大切な人を奪うんだ…俺は何度失えば気が済むんだ…自分の無力さが憎い…弱い自分が情け無い…) 

 

俺はそう思いながらその場で地面に膝を着いて泣く事しか出来なかった




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39話

「自分を殺して月への直撃を阻止したか、はっ無駄な事を、見た夢も叶えられないとはとんだグズだな」

 

「笑ったか…命を燃やして大切な物を守り抜く事をお前は無駄とせせら笑ったか!」

 

「違う!姉さんは俺に託したんだ自分の夢を!だからこそ…この手でお前を殺す!」

 

俺はそう言ってフィーネに斬り掛かる

 

「フランス最強の装者と言えど所詮はグズの弟か」

 

「姉さんはグズなんかじゃ無い!誇り高い立派な1人の戦士だ!人の身である事を捨てた俺やお前とは違う‼︎」

 

「ガアア‼︎」

 

突然聞こえる雄叫びに俺は後ろを振り返る

 

「響お前どうしたんだよおい!」

 

「融合したガングニールのかけらが暴走して居るんだ。制御出来ない力にやがて意識は塗り固められて行く」

 

「まさかお前立花を使って実験を!」

 

此奴もか…此奴も彼奴らと同じなのか

 

「実験を行ったのは立花だけでは無い見てみたとは思わないか?ガングニールに翻弄されて人としての機能を損なわれて行くさまを」

 

「離脱しろ湊‼︎」

 

翼にそう言われた俺がフィーネから離れると響がフィーネに向かって行く

 

「お前はそのつもりで立花を!奏を!」

 

「たく、胸糞悪いぜ結局何処に行ってもテメェみたいな奴が居るってのか」

 

吹き飛ばされた響はまるで獣の様な体制で受け身を取る

 

「もはや人に在らず、今や人の形をした破壊衝動」

 

《ASGARD》

 

肩部の鞭状突起を伸ばして陣を組みバリアを展開し響の攻撃を防ごうとするが破られる

 

「もうよせ立花‼︎これ以上は聖遺物との融合を促進させるばかりだ‼︎」

 

翼がそう言うと響は俺と翼の方に向かって来る

 

「チッ!やるしかねえか、翼お前は彼奴を頼む響は俺が何とかする」

 

「分かった、頼んだぞ!」

 

翼はそう言ってフィーネに向かって行く

 

「来いよ響、俺が稽古をつけてやる」

 

「ガアア‼︎」

 

俺は突っ込んで来る響の打撃を受け流す

 

「そんなもんか」

 

「ガアア‼︎」

 

「まだまだ俺に勝つには時間が必要みたいだな響」

 

俺はそう言って響にみぞに大剣の持ち手をぶつける

 

「グ…ガアア‼︎」

 

「大人しく寝てろ」

 

《雷斬》

 

俺は響に雷を纏った剣で斬り掛かる

 

「先に謝っとくぞ響…悪い」

 

「ガアア…」

 

俺がそう言って一閃すると響はその場に倒れる

 

「今のうちにカ・ディンギルに」

 

「させると思ったか」

 

後ろからの声を聞いた俺は後退する

 

「済まない湊」

 

「何を今更、お前1人でどうこう出来るならとっくに終わってるだろ」

 

俺はそう言ってフィーネに大剣を向ける

 

「この音、まさか!」

 

「そう驚くな、カ・ディンギルが如何に最強最大の兵器だとしてもただの一撃で終わってしまっては兵器としては欠陥品、必要がある限り何発でも撃ち放てる。その為にエネルギー炉心には不滅の刃デュランダルを取り付けてあるそれは尽きる事のない無限の心臓なのだ」

 

「それはお前を倒せば変わる。フィーネお前を倒せばカ・ディンギルを動かそうとする輩は居なくなる」

 

俺はそう言ってフィーネに大剣を向けた時に響が立ち上がる

 

「立花、私と湊はカ・ディンギルを止める…だから」

 

立ち上がり俺と翼に向かって来る響を前に翼は剣を地面に突き立て響の攻撃を受ける

 

「これは束ねて繋がる力の筈だろ」

 

《影縫い》

 

そう言った翼は足部から短剣を取り出し影に投げ響を動きを封じる

 

「奏から継いだ力をそんな風に使わないでくれ」

 

「何よりお前らしくねえよ、お前は誰かの為に頑張れる奴だ。なのに誰かを傷つける為に力を振るうなんて本当にお前らしくない」

 

俺と翼はそう言って響の隣を歩いて行く

 

「待たせたな」

 

「何処までも剣と行くか」

 

「今日に折れて死んでも明日に人として歌う為に」

 

「この剣が折れたとしても希望が絶えないと信じて」

 

「「俺(風鳴翼)が歌うのは戦さ場ばかりでないと知れ」」

 

俺と翼はそう言ってフィーネに向かって行く

 

「はあ!」

 

《蒼ノ一閃》

 

翼の上空からの攻撃に気を取られて居る内に俺が地上から攻撃する

 

「はあ!」

 

「ぐっ!」

 

《雷光一閃》

 

俺の攻撃で吹き飛ばされたフィーネはカ・ディンギルにぶつかる

 

「やるぞ湊」

 

「ああ」

 

《天雷ノ逆鳥》

 

俺と翼は上空に飛び翼の天ノ逆鱗と俺の雷鳥を融合させ1つの技にする

 

「チッ!」

 

《ASGARD》

 

フィーネは響の時と比にならない程のバリアを展開する

 

「真打をくれてやるぞ湊‼︎」

 

「ああ、やってやろうぜ翼‼︎」

 

《炎鳥極翔斬》

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺と翼は倒れる剣から飛び互いに技を使う

 

「初めから狙いはカ・ディンギルか!」

 

フィーネが鞭を伸ばし俺と翼を追いかける

 

「くっ!」

 

「湊‼︎」

 

追いつく寸前に俺が割って入った事を知った翼が止まる

 

「構うな、飛べ翼‼︎」

 

俺は翼に向けて大剣を投げてそう言う

 

「ああ、お前の為にも必ず成し遂げてみせる!」

 

俺の大剣を受け取った翼はそう言ってさらに上空に飛ぶ

 

(今の俺に出来る事を)

 

「させるか〜‼︎何⁉︎」

 

フィーネが再び翼に向けた鞭は翼を追う事はなく地面に突き刺さる

 

「何が起こって居るんだ、これも貴様の仕業か‼︎」

 

フィーネはそう言って俺を鞭で拘束して森に向けて投げる

 

(今から行くからな姉さん…)

 

俺は翼によって破壊されるカ・ディンギルを見ながらそう思った




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40話

「痛つ…まだ生きてんだな俺」

 

フィーネに投げ飛ばされた俺はネフシュタンの鎧の鞭で刺された腹部が痛む物の生きては居た

 

「生きてんなら行くしかないよな」

 

俺はそう言って腹部を押さえながらリディアンに向けて移動する

 

「姉さん…」

 

暫く歩くとそこには姉さんが倒れて居た

 

「ようやく会えたのにな…また一緒に居られたのにな…本当にこの世界は理不尽で溢れてる」

 

俺は姉さんの隣に座りそう言う

 

「傷も治ったし俺は行くよ姉さん、翼と姉さん2人が繋いだ未来の為に」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はそう言って聖詠を行いリディアンに向けて走った

 

〜未来side〜

 

「司令外部より通信が来ています」

 

「繋げ『よお風鳴司令』湊君!生きて居たか!」

 

『ああ、何とかな』

 

湊の声を聞いて私は少し安心する

 

『風鳴司令1つ頼まれてくれ、響に歌を届けてやってくれ』

 

「歌を?」

 

湊の言葉に弦十郎さんはそう聞き返す

 

『ああ、歌を聴いて全員が無事だって知れば響はきっと立ち上がる筈だ』

 

「学校の施設がまだ生きていればリンクして此処から声を届ける事ができるかも知れません」

 

『時間は俺が何とか稼ぐ頼んだぞ』

 

湊はそう言って通信を切った

 

「この向こうに切り替えレバーが?」

 

「此方から動力を送る事で学校施設の再稼働ができるかも知れません」

 

「でも緒川さんだとこの隙間には」

 

私達は緒川さんの案内で切り替えレバーのある部屋の扉の前に来たけど扉の隙間が小さくて緒川さんじゃ通れない

 

「私が行くよ」

 

「弓美?」

 

「大人じゃ無理でも私ならそこから入って行ける。アニメだったらさこう言う時体のちっこいキャラの役回りだしね、それで響を助けられるなら!」

 

「でもそれはアニメの話じゃない」

 

「アニメをまに受けて何が悪い!此処でやらなきゃ私アニメ以下だよ非実在青少年にもなれやしない!この先響の友達だって胸を張って答えられないじゃない!」

 

弓美は大声でそう言う

 

「ナイス決断です。私もお手伝いしますわ」

 

「だね、ビッキーとミナが頑張って居るのにその友達が頑張らない理由はないよね」

 

「皆んな、うん」

 

私達は扉の隙間から部屋の中に入る

 

「もうちょっと!わ⁉︎」

 

弓美が私達を踏み台にしてジャンプをしてレバーを上にあげる

 

「痛た…」

 

「大丈夫ですか皆さん!」

 

「はい」

 

私達は緒川さんにそう言って扉の隙間から部屋を出る

 

「たった今司令から連絡がありました。校庭のスピーカーが使えるそうです」

 

「それじゃあ!響達に私達の歌を!」

 

「はい、急ぎましょう」

 

私達は緒川さんと一緒に弦十郎さんの所に戻った

 

〜未来side out〜

 

「まだ生きていようとはしぶとい男だ」

 

「悪かったな」

 

俺を見たフィーネはそう言う

 

「もうずっと遠い昔あのお方に仕える巫女であった私はいつしかあのお方を創造主を愛するようになって居た。だがこの胸の内を伝える事はできなかった。その前に私から人類から言葉が奪われた。バラルの呪詛によって唯一創造主と語り合える統一言語が奪われたのだ。私は数千年に渡りたった1人バラルの呪詛を解き放つ為争ってきた。いつの日か統一言語にて胸の内の思いを届ける為に!」

 

「胸の内の思いを届けるね…だが俺が思うにお前のやり方は間違ってるだろうな」

 

「是非を問うだと‼︎乙女の恋心も知らぬ貴様が‼︎」

 

フィーネはそう言って俺に向けて鞭を伸ばす

 

「ふっ!」

 

「チッ!」

 

インドラの槍を使って鞭を弾く俺にフィーネは苛立ちを見せる

 

「はあ!」

 

「無駄だ!何度来ようと変わらん‼︎」

 

《ASGARD》

 

フィーネはそう言って肩部の鞭状突起を伸ばして陣を組みバリアを展開する

 

「くっ‼︎」

 

「はあ‼︎」

 

フィーネが伸ばした鞭を俺は後ろに飛んでかわす

 

「シンフォギアシステムの最大の問題は絶唱使用時のバックファイヤ、融合体である立花響が絶唱を放った場合何処まで負荷を抑えられるのか研究者として興味深い所ではあるが、もはやお前で実験をしてみようとも思わぬ。この身も同じ融合体だからな、神霊長は私1人が居れば良い私に並ぶ者そして歯向かう者は全て絶やしてくれる」

 

(さっさとしてくれ風鳴司令、未来)

 

俺が心の中でそう思って居るとスピーカーの音が聞こえる

 

「耳障りな!何が聞こえている!」

 

「これ確かこの学校の校歌だったか?」

 

俺は響を抱えフィーネから距離を取ると1つのスピーカーから音が出て居た為その場に響を下ろす

 

「何処から聞こえて来るこの不快な歌…歌だと⁉︎まさか貴様これを狙っての時間稼ぎか‼︎」

 

「御名刹だフィーネ、ほらいつまで寝てるつもりだ寝坊助」

 

「聞こえる皆んなの声が…良かった私を支えてくれる皆んなはいつだって側に…皆んなが歌ってるんだだからまだ歌える、頑張れる、戦える‼︎」

 

そう言って響は立ち上がる

 

「まだ戦えるだと⁉︎何を支えに立ち上がる⁉︎何を握って力と変える⁉︎なりわたる不快な歌の仕業か?そうだお前達が纏っている物はなんだ?心は確かに折り砕いた筈なのに何を纏って居る?それは私が作った物か?お前達の纏って居るそれは一体なんだ⁉︎何なのだ⁉︎」

 

「行こう湊君」

 

「ああ」

 

俺は響に言われるがまま天に伸びる光と共に上空に向かって飛ぶ。

 

「シィィンフォギァァアアァッ!!」

 

俺と響の光以外にも2つの光が見えるがその出所は分かり切って居る。俺と響と同じく背中に翅を生やした姉さんと翼だ。

 

さあ本当の最終決戦はこれからだ




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41話

「皆んなの歌声がくれたギアが私に負けない力を与えてくれる。クリスちゃんや翼さんそれに湊君にもう一度立ち上がる力を与えてくれる。歌は戦う力だけじゃない命なんだ」

 

「高レベルのフォニックゲイン、此奴は2年前の意趣返し?」

 

『んな事はどうでも良いんだよ‼︎』

 

「念話までも、限定解除されたギアを纏ってすっかりその気か‼︎」

 

フィーネはそう言って姉さんの使って居た杖でノイズを出現させる

 

『いい加減芸が乏しいんだよ!』

 

『世界に尽ぬノイズの災禍は全てお前の仕業なのか‼︎』

 

翼が念話でフィーネにそう聞く

 

『御託は良いノイズが出たなら片付けるまでだ‼︎』

 

《雷帝》

 

俺がインドラの槍を空に翳すと無数の雷がノイズに向けて落ちる

 

『ノイズとはバラルの呪詛にて相互理解を失った人類が同じ人類のみを殺戮する為に作り上げた自立兵器』

 

フィーネは自分にも向けて落ちた雷を避けてそう言う

 

『人が人を殺す為に⁉︎』

 

『バビロニアの宝物庫は扉が開け放たれたままでな、そこからまろびいずる10年1度の偶然を私は必然を変え、純粋に力と使役しているだけの事』

 

『また訳分かんねえ事を!』

 

「堕ちろ‼︎」

 

フィーネはそう言って杖を上空に向けて使い街全体向けて放つ

 

「あちこちから」

 

「はっ!面白え程居やがる」

 

「おっしゃ!どいつもこいつも纏めてぶちのめしてくれる‼︎行くぞ湊‼︎」

 

「ああ、彼奴に目にもの見せてやろうぜ姉さん!」

 

俺と姉さんはそう言ってノイズに向かって行く

 

「吹っ飛べ‼︎」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

姉さんはいつものミサイルとは違い飛行ユニットから多数のホーミングレーザーを一斉射撃する

 

「こっちも負けてられねえぞ!」

 

《天地雷鳴》

 

俺はインドラの槍の力で無数の雷を球体状に精製し広範囲のノイズに向けて落とす

 

「へっ!やるじゃねえか」

 

「このくらい朝飯前に決まってんだろ。まだまだ行くぞ‼︎」

 

そう言って俺は降下し今度はインドラの槍でノイズを切り裂く

 

「相手が悪かったなノイズ共」

 

《神槍羅刹》

 

俺がインドラの槍を地面に突き刺すと地面から無数の槍が飛び出して来てノイズを両断して行く

 

「背中は任せるぜ姉さん」

 

「おうよ‼︎おら‼︎」

 

姉さんは俺の後ろから迫って来るノイズをレーザーを発射してノイズを殲滅し前と左右から迫って来るノイズは地面から飛び出て来る槍が両断する

 

「この辺りは粗方片付いたな」

 

「そうだな、彼奴らの所に行くか」

 

「ああ」

 

そして俺は翼の所に姉さんは響の所に向かった

 

「翼‼︎」

 

「湊そっちのノイズは終わったのか」

 

「ああ粗方片付いた、やっぱ完全聖遺物なだけあって威力がシンフォギアのアームドギアと違って段違いだ。下がれ翼このまま仕留める」

 

《天地雷鳴》

 

俺はさっきと同じ要領でインドラの槍の力で無数の雷を球体状に精製し広範囲のノイズに向けて落とす

 

「お前1人に戦わせるような事はしない」

 

《蒼ノ一閃》

 

翼は飛行型ノイズに向けて青いエネルギーの斬撃を飛ばす

 

「翼さん‼︎湊君‼︎」

 

「「響(立花)‼︎」」

 

俺と翼がノイズを倒すと響と姉さんが来る

 

「どんだけ出ようが今更ノイズ」

 

「‼︎待て」

 

翼の目線の先にはソロモンの杖を自身の体に突き刺すフィーネの姿があった




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42話

「ノイズに取り込まれて」

 

「そうじゃねえ、彼奴がノイズを取り込んでんだ」

 

ソロモンの杖を刺したフィーネに向かって行くノイズを見て姉さんがそう言う

 

「来れデュランダル‼︎」

 

「まさかデュランダルを取り込むつもりか⁉︎」

 

翼がそう言うと地面から赤き竜が姿を表し街に向けてエネルギー砲撃を放つ

 

「街が‼︎」

 

「逆さ鱗に触れたのだ、相応の覚悟は出来ておろうな」

 

フィーネはそう言ってデュランダルを振るうと赤き竜がエネルギー砲撃を放つ

 

「この〜‼︎」

 

姉さんが飛行ユニットから多数のホーミングレーザーを一斉射撃すると赤き竜はフィーネの居る場所を塞ぎ背中からから多数のホーミングレーザーを一斉射撃する

 

「姉さん‼︎テメェ‼︎」

 

「はあ‼︎」

 

《天地雷鳴》

 

《蒼ノ一閃》

 

俺と翼が同時にダメージを与えるがその傷は直ぐに修復される

 

「だったら‼︎」

 

響が直接打撃で穴を開けるがそれも直ぐに修復される

 

「ネフシュタンの鎧の無限の再生力か厄介だな」

 

『いくら限定解除されたギアであっても所詮は聖遺物のかけらから作られた玩具、完全聖遺物に対抗できるなどと思おてくれるな』

 

フィーネのその言葉である事に気づく

 

『聞いたか』

 

「チャンネルをオフにしろ」

 

「もう一度行くぞ」

 

「ああ、此方にはインドラの槍を持つ湊が居る」

 

フィーネの言った事が事実だとすれば

 

「ああ、だからこそ俺が近づけば攻撃が俺に集中する。そこが狙い目だ」

 

「分かっている、艶払いは私と雪音に任せろ」

 

翼がそう言うと俺は頷きインドラの槍を持って赤き竜に突っ込む

 

『無駄な事を』

 

案の定フィーネは俺に攻撃を集中させる

 

「手加減なしだぜ」

 

「分かっている」

 

翼と姉さんはそう言って俺を守る様にして赤き竜に向かって行く

 

「はあ!」

 

《蒼ノ一閃滅破》

 

翼は限定解除で強力になった青いエネルギー斬撃で赤き竜に穴を開ける

 

「貰った‼︎」

 

《神槍羅刹》

 

俺は地面にインドラの槍を突き立て修復しようとする赤き竜の穴を地面から飛び出す槍で修復されて無くなって行く穴を固定する

 

「行け姉さん‼︎」

 

「おう!」

 

姉さんはそう言って穴を通って赤き竜の中に入りホーミングレーザーを発射する

 

「チッ!」

 

フィーネが扉を開くとそこには翼と俺が居た

 

「はあ!」

 

「此奴も持ってけ‼︎」

 

《天地雷鳴》

 

《蒼ノ一閃》

 

フィーネは俺と翼の攻撃を防ぐ為に障壁を展開するがその爆風でデュランダルがフィーネの手元から離れる

 

「立花‼︎そいつが切り札だ‼︎勝機を零すな掴み取れ‼︎」

 

「はい‼︎」

 

「ちょせえ‼︎」

 

ギリギリ届きそうに無かったデュランダルを姉さんがハンドガンを連発して響の元に辿り着かせ響はデュランダルを握った

 

「グッ‼︎」

 

「落ち着け響」

 

「湊君…!」

 

また破壊衝動に飲み込まれそうになった響にそう言って俺が同じくデュランダルを握ると黒く染まった響の顔を覗かせる

 

「正念場だ!踏ん張り所だろうが!」

 

「強く自分を意識して下さい!」

 

「昨日までの自分を!」

 

「これからなりたい自分を!」

 

「貴方の人助けを!」

 

「あんたのお節介を!」

 

「今日は私達が!」

 

「皆んな」

 

響は風鳴司令達を見てそう言う

 

「くっするな立花、お前の構えた胸の覚悟を私に見せてくれ」

 

「お前を信じお前に全部賭けたんだ。お前が自分を信じなくてどうすんだよ」

 

「かしましい!黙らせてやる‼︎」

 

フィーネはそう言って俺達に向けて赤き竜の触手を向ける

 

「邪魔なんだよ‼︎」

 

「何だと⁉︎」

 

「くっ‼︎破壊衝動に負けんな立花響‼︎お前のその手に握る力はお前だけの物じゃない筈だ‼︎自分の心を強く持て‼︎」

 

俺はフィーネと同じ障壁を展開しながらそう言う

 

「響‼︎」

 

「そうだ、今の私は私だけの力じゃない。そうだ、この衝動に塗りつぶされてなるものか‼︎」

 

響がそう言うと黒く染まったギアは元の色を取り戻し響の翅がより大きく輝く

 

「その力何を束ねた‼︎」

 

「響き合う皆んなの歌声がくれたシンフォギアでぇぇぇぇえ‼︎」

 

《Synchrogazer》

 

響がデュランダルを振り下ろし赤き竜を両断する

 

「完全聖遺物同士の対消滅…どうしたネフシュタン‼︎再生だ‼︎この身砕けてなるものか‼︎」

 

爆発が起きる最中、俺はフィーネの救出に向かった




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43話

連続投稿


「湊君‼︎了子さんは⁉︎」

 

「ああ、ばっちり無事だ」

 

俺はフィーネを担ぎながらそう言う

 

「良かった無事だったんですね了子さん」

 

「お前何を馬鹿な事を…」

 

俺達に近寄って来る響にフィーネはそう言う

 

「皆んなに言われます、親友からも変わった子だって」

 

「まあ敵を助ける何てバカな事考えるのは世界中探しても此奴ぐらいだろうな」

 

「あはは」

 

俺がそう言うと響は苦笑いを浮かべる

 

「もう終わりにしましょう了子さん」

 

「私はフィーネだ」

 

「でも了子さんは了子さんですから」

 

響は笑ってそう言う

 

「きっと私達分かり合えます」

 

「ノイズを作り出したのは先史文明期の人間、統一言語を失った我々は手を繋ぐよりも相手を殺す事を求めた。そんな人間が分かり合えるものか。だから私はこの道しか選べなかったのだ」

 

フィーネは力強くそう言う

 

「人が言葉よりも強く繋がれる事、わからない私達じゃありません」

 

「私の勝ちだ‼︎「まだ勝ち誇るには早いんじゃないか?」何?ぐっ‼︎があぁぁあ‼︎」

 

俺がフィーネに触れるとフィーネは苦しみ始める

 

「くっ!でやー‼︎」

 

フィーネは苦しみに抗いながらネフシュタンの鎧の鞭を引っ張った

 

「はぁ…はぁ…貴様何を⁉︎それはネフシュタンの鎧⁉︎なぜ貴様がそれを‼︎」

 

「悪いがお前にそれを教える義理はない」

 

俺はそう言ってネフシュタンの鎧を通信機の中に仕舞う

 

「まあ良い、月のかけらは落ちて来ているのだからな」

 

フィーネがそう言うと全員が月を見ると少しずつ近づいて居る月のかけらがあった

 

「私の悲願を邪魔する禍根は此処で纏めて叩いて砕く‼︎この身は此処で果てようと魂までは絶えやしないのだからな!聖遺物の発するアウフヴァッヘン波形がある限り私は何度だって世界に甦る‼︎何処かの場所いつかの時代今度こそ世界を束ねる為に‼︎私は永遠の刹那に存在し続ける巫女フィーネなのだ‼︎」

 

フィーネがそう言うと響は軽くフィーネを殴る

 

「うん、そうですよね。何処かの場所、いつかの時代、蘇るたび何度でも私の代わりに皆んなに伝えて下さい。世界を1つにするのに力なんて必要ないって事、言葉を超えて私達は1つになれるって事、私達は未来にきっと手を繋げられると言う事、私には出来ないから了子さんにしか出来ないから」

 

「お前まさか…」

 

「了子さんに未来を託すためにも私が今を守って見せますね」

 

響がそう言うとフィーネの雰囲気が変わる

 

「本当にもう放って置けない子なんだから、胸の歌を信じなさい」

 

そう言うとフィーネは塵になりかける

 

「ちょっと待てよ、その…お前にこう言うのも何だが…お前と姉さんが一緒に居たお陰で俺は姉さんにまた会えた。お前と一緒じゃ無かったらもっと後になってたか、もしかするともう死んじまってたかも知んない、だからその事だけはお前に礼を言いたい。ありがとな」

 

俺がそう言うとフィーネは完全に塵になった

 

「機動計算でました。直撃は避けられません」

 

「あんな物が此処に落ちたら…「その心配は必要ない」どう言う事…」

 

俺はそう言って全員の前に出る

 

「まさかネフシュタンの鎧を使うのか?」

 

「当たり前だ、まさかこんな直ぐに使う事になるとは思っても見なかったけどな」

 

俺はそう言って通信機からネフシュタンの鎧を取り出して纏う

 

「湊君…」

 

「大丈夫だ、よっと」

 

俺はそう言ってネフシュタンの鎧の鞭を月のかけらに巻きつける

 

「想像してた以上に重いな」

 

「手伝うか?」

 

「これで貸し借りの件は無しにすんだ遠慮させて貰う」

 

風鳴司令の言葉に俺はそう返す

 

「はぁ…仕方ない壊すか」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

俺が背部に形成した固定式射出器の左右に1基づつ連装し発射した2基の大型ミサイルは月のかけら目掛けて飛んで行き破壊した

 

「終わったな、あ…やべ」

 

つい勢いで使ったが後ろを振り返ると一般人と響と未来以外のニ課全員と姉さんが驚いて居た

 

「んじゃ俺は疲れたから帰「まあ待て、湊君」だよな」

 

俺が逃げる為に帰ろうとすると風鳴司令に止められる

 

「えっと…取り敢えず助かったって事で良いんですよね師匠?」

 

「だろうな、確認急げ!」

 

「司令!月のかけらの破壊を確認しました‼︎」

 

友里が衛星の映像から月のかけらを破壊した事を確認する

 

「ありがとう湊君‼︎」

 

「ありがとう湊」

 

「俺はただデュランダルの件の借りを返しただけなんだけどな」

 

「何を言って居る。君はニ課の者だけじゃない此処に居る全員の命を救ったんだ。お釣りが来てもおかしくないだろう」

 

風鳴司令は笑ってそう言う

 

「分かった、でも本当に疲れてるから明日にしてくれ夜通し戦ったから本当に眠いんだよ」

 

「言われてみれば私も眠いかも、ふぁ〜」ぐ〜

 

響はそう言って大きなあくびをすると同時に大きなお腹の音が鳴る

 

「もう響てば、それじゃあ帰ろっか」

 

「うん!今日のご飯は何かな〜♪」

 

「待て響君、明日の朝10時場所はカ・ディンギルの前だ」

 

「わかりました師匠!」

 

「私達も帰ろっか」

 

「そうですね、では雪音さんさようなら」

 

響と未来に続き安藤達も帰って行った

 

「あたし達も帰るか」

 

「そうだな、俺達の住んでるアパートだけは俺が全力で死守したし大丈夫だろ。他の所はどうか知らねえがな」

 

正直言って俺の住む場所が無事なら俺はそれで良いからな

 

「湊君達も今日はゆっくり休むと良い。因みに湊君、君も明日の朝10時カ・ディンギルの前に集合だ。クリス君も立ち合いたければ一緒に来ると良い」

 

「分かった」

 

「はいよ」

 

俺はそう言って姉さんとアパートに帰った




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44話

翌日、俺と姉さんは風鳴司令に指定された時間の10分前の9時50分にカ・ディンギルの前に到着した

 

「彼奴こんな時まで遅刻かよ」

 

「いや、来たみたいだぞ」

 

姉さんの見て居る方を見るとそこには走って来て居る響と未来が居た

 

「はぁ…はぁ…何とか間に合った」

 

「ごめん湊、クリス響が中々起きてくれなくて」

 

そんな事だろうとは思ってたが

 

「全員揃ったな、それじゃあ全員乗ってくれ」

 

少しすると風鳴司令が車で来てそう言う

 

「ふぇ⁉︎此処で話すんじゃないんですか⁉︎」

 

「ああ、新しく出来た仮設本部にて話す」

 

「つべこべ言ったって仕方ないだろ」

 

姉さんはそう言って風鳴司令ののって来た車に乗る

 

「ほら響、お馬鹿な事やってないで乗って」

 

「とほほ、さっき着いたばかりなのに」

 

響はそう言って車に乗る

 

「あの弦十郎さん湊は?」

 

「湊君なら後ろに居るだろ」

 

未来が風鳴司令の言葉を聞いて後ろを向くとそこには俺が居る

 

「湊ってバイク乗れたんだ」

 

「まあな」

 

「湊君のバイクで良い思い出ないなぁ私」

 

確かに響の前でバイクに乗ったのってデュランダルを輸送する日だから良い思い出はないだろう

 

「それじゃあ出発するぞ、湊君バックミラーで確認しておくがくれぐれも逃げないようにしてくれよ」

 

「善処する」

 

「はは!それで良い」

 

風鳴司令はそう言って車を走らせた

 

「師匠此処って海ですよね?時期的にまだ早いんじゃ」

 

「時期に分かる」

 

風鳴司令の言葉通りに待って居ると水面から何かが浮かんで来る

 

「成る程、潜水艦か」

 

「ああ、日本政府から支給された物だ。これが俺達の仮設本部だ」

 

「凄いです師匠‼︎私本物の潜水艦初めて見ました‼︎」

 

潜水艦を見た響は子供の様に目を輝かせて居る

 

「さあ乗り込むぞ」

 

「はい‼︎師匠‼︎」

 

響はそう言って風鳴司令と潜水艦の中に入って行く

 

「俺達も行くか」

 

「「ああ(うん)」」

 

少し遅れて置いて行かれた俺達も潜水艦の中に入った

 

「どうしたんだよ未来」

 

「うん、ちょっと圧倒されて」

 

「まあ潜水艦何てあんまり目にする事も無いだろうしな」

 

俺も潜水艦に乗った事何て今まで無いが

 

「来たか湊、雪音と小日向も一緒か」

 

「ああ」

 

「宜しくお願いします翼さん」

 

「さて全員揃った所で本題に入ろう。湊君昨日のあれは一体どう言う事だ?」

 

あれって言うのは俺がイチイバルの技を使った事だろう

 

「ユノアから大体の事聞いてんだろ」

 

「知って居たか、だがユノア氏からは君が居た武装組織が何をして居たかしか聞いて居ないんだ」

 

それだけで大体の事は分かるってのにあえて言わせんだな

 

「何処まで聞いた」

 

「君の居た武装組織がシンフォギアの軍事兵器化実験を行なって居た事、そして生物兵器の開発を行なって居た事、俺とユノア氏との会話を聞いて居た者が知ってるのはそこまでだ」

 

成る程な、ある程度教えておいて後は俺に任せるって事か

 

「たく、そこまで分かってて話せって言うのは性格が悪いんじゃねえか?」

 

「ああ、俺もそう思う。だが俺達が君を知るのに避けては通れない事だと俺は考えている」

 

風鳴司令は真剣な表情でそう言う

 

「分かった、この先は姉さんも知らねえからな。先に言っとくがお前達が想像してる以上に胸糞悪い話だ。辞退するなら今のうちだぞ」

 

「ああ、それも覚悟の上だ」

 

「私も知りたい知って湊君ともっと仲良くなりたい」

 

「お前がどんな事を話そうとあたしはそれを受け入れる。それが姉ちゃんってもんだ」

 

「私も響と同じだよ湊、友達だもん相手の事を知りたいと思っちゃうのは当たり前だよ」

 

(はぁ…本当に誰1人として引かないんだな)

 

俺はそう思いため息を吐く

 

「今から10年前、武装組織に姉さんと引き離された俺はイギリスの武装組織に連れて行かれた。そこではさっき風鳴司令も言ってたがシンフォギアの軍事兵器化実験そして生物兵器の開発を行なって居た。シンフォギアの軍事兵器化実験の方は良いだろうお前達が知りたいのは生物兵器の開発実験の方だろ」

 

「ああ」

 

「風鳴司令達は大体の予想がついてるだろうが、俺はそこで生物兵器の開発実験を受けた」

 

俺の言葉に響と未来は言葉を失う

 

「そんな…生物兵器だなんて…」

 

「悪いが続けさせて貰うぞ、俺は2度に渡り生物兵器の開発実験を受けた。1度目はまあ可愛い方だな、自分及び他人の姿を自由に変えられる力だ」

 

俺はそう言って自分を風鳴司令に変える

 

「成る程な、だが大体の予想がついて来た」

 

「ああ、お前の思ってる通りだ風鳴司令。これは便利だが兵器として欠陥品だ。だから2度目が行われた。その時に出来たんだ本当の生物兵器が」

 

元の姿に戻った俺の言葉にその場に居る全員が息を呑む

 

「全ての聖遺物に適合、その力を自由に操る事が出来る力だ」

 

「全ての聖遺物に適合って…そんなの出来るんですか師匠⁉︎」

 

「理論上は不可能に近いだろう、だが俺達はそれを実際に目の当たりにして居る。そしてあの時翼を追いかけようとしたネフシュタンの鎧の鞭が了子君の思惑と違い地面に突き刺さったのは君がネフシュタンの鎧に干渉した為だろ」

 

「ああ、正解だ風鳴司令」

 

俺はそう言って風鳴司令の言葉を肯定する

 

「その武装組織はどうなったんだ?」

 

「ああ、彼奴らも盲点だったみたいでな。俺がわざとサンダルフォンを暴走させて実験施設ごと破壊した。その後、揃いも揃ってフランス政府に保護されて連中も全員拘束されて務所に行った。これで話は終わりだ」

 

俺がそう言うと姉さんが俺の所に来た

 

「何であたしに何も言わなかったんだよ」

 

「家族だからこそ言えなかった。急に弟が生物兵器になった何て言われても混乱するだけだからな、それに拒絶されるって事への恐怖心って言うのもあったんだ」

 

「さっきも言っただろ、あたしはお前の姉ちゃんだってお前を拒絶なんてしねえよ。独りぼっちの辛さはあたしも知ってるからな」

 

姉さんはそう言って俺を抱きしめる

 

「ねえねえ湊君!それって私の見た目も変えれるって事だよね!やって見て!」

 

「そう簡単にやって良い事じゃねえんだけどな」

 

俺はそう言って響を犬に変える

 

「可愛い、おいで響」

 

未来がそう言うと犬になった響は未来の所に向かう

 

「だが子供は楽しいんじゃないのか?」

 

「まあ楽しそうにはしてんな、デメリットがあるとすれば俺が触れない限り元に戻らないって所くらいだからな」

 

「だろうな、なああたしもやって見てくれよ」

 

姉さんにそう言われ俺は姉さんをうさぎに変えた

 

「ほう、本当に凄いな」

 

「何だ翼もやってみるか?」

 

「良いのか?」

 

「ああ」

 

俺はそう言って翼を鳥に変える

 

「響楽しそう」

 

場所は変わり公園でうさぎになった姉さんを追い回す犬になった響を見て未来がそう言う

 

「ならお前もやるか」

 

「ううん、ほら響今日はもう帰ろう。湊今日はこのままでも大丈夫かな?」

 

「ああ、大丈夫だぞ」

 

俺がそう言うと未来は犬になった響を連れて公園を後にした

 

「ぜぇぜぇ、元気すぎんだろ彼奴」

 

物陰で元に戻した姉さんがそう言う

 

「お疲れ姉さん、翼はどうだった」

 

「不思議な気分だった、まさか私が鳥になって大空を飛ぶ日が来るとはな」

 

まあ普通じゃまず経験出来ないだろうからな

 

「今度はお前が何かになれよ湊」

 

「俺か?まあ別に良いが」

 

そう言って俺は猫の姿になる

 

「可愛い…」

 

(男に可愛いはどうなんだ)

 

俺の心とは裏腹に翼は俺を抱き上げる

 

「中々悪くないな」

 

「あたしにも変われよ、確かに悪くわねえな」

 

「…このまま持ち帰っては駄目だろうか?」

 

「はあ⁉︎駄目に決まってんだろ」

 

姉さんがそう言うと翼は目に見えて落ち込む

 

「んじゃそろそろあたしらも帰るか」

 

「そうだなまたな翼」

 

「ああ」

 

俺と姉さんはそう言って翼と別れた

 

後日響から聞いたのだがあの後未来に思う存分可愛がって貰い充実した1日を過ごしたらしい




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45話

数日後、リディアンの終業式が終わった

 

「湊君!今日カラオケ行くけど湊君も来る?」

 

「悪い俺明日から1週間くらいフランスに帰るんだよ」

 

「フランスに?何か用事でもあるの?」

 

響にそう言った俺に未来がそう聞いてくる

 

「長期休暇の初めの1週間は向こうに戻るって言ってんだ。飛行機の予約とかしないといけないから無理だ」

 

「フランスか…ねえねえ‼︎私達も行っても良い?」

 

「は?まさかお前も来るつもりなのかフランスに?」

 

「うん‼︎私一度で良いから海外に行って見たいんだ」

 

響は想像を膨らましてそう言う

 

「でも響英語喋れないじゃん、逸れたらお終いだよ?」

 

「一様日本語が通じる奴も居るが本当に小数だろうな」

 

経費はユノアに言えば出してくれるだろうが英語が話せないのは不便だろうな

 

「クリスちゃんも行くの?」

 

「一様誘ってはみるつもりだ。姉さんのパスポートも明日には出来るだろうしな」

 

出来れば来て欲しいがこればかりは姉さんが決める事だからな

 

「ヒナ〜、ビッキ〜行くよ〜」

 

「ごめんやっぱり今日のカラオケ行けなくなっちゃった」

 

「何かあったのですか?」

 

「うん!湊君がフランスに帰るから連れてって貰うんだ」

 

「まだ行くって決まった訳じゃないだろ、まあ俺は一旦フランスに帰るけど」

 

本当に此奴は勝手に話を進めやがって

 

「もう響は、まだ行くって決まった訳じゃないでしょ。そもそも一緒に行って良いって湊が言ってないのに」

 

「ミナ一旦フランスに帰るんだ」

 

「ああ、向こうには長期休暇には一旦帰るって言ってるからな。あ、悪い電話だ」

 

安藤達と話して居ると通信機に連絡が掛かって来る

 

「何だよ」

 

『ご主人‼︎明日フランスに来るって本当⁉︎』

 

「まだ明日って決まった訳じゃないが近いうちに一旦フランスには戻る予定だ」

 

通信機に連絡して来たのは俺の仲間だった。恐らくユノア辺りから聞いたんだろう

 

「それに日本を出るのは明日か明後日だからフランスに来るのは3日後くらいだぞ?」

 

『でもご主人ちゃんと帰って来るんだよね‼︎』

 

「帰らない事はないから安心して待ってろ」

 

『るる、待ってる』

 

そう言って俺は通信を切った

 

「凄いフランスってそんなのあるんだ」

 

「まあな、んで結局どうすんだお前ら2人は」

 

「私は勿論行く‼︎」

 

「はぁ、本当に響はしょうがないなぁ私も行くよ湊」

 

流石響の保護者、響が行くなら当然未来も来るか

 

「後は姉さんだけだな」

 

「それじゃあカラオケはまた今度にしよっか」

 

「そうですね、でしたらこれからフラワーでお昼など如何でしょうか?」

 

「フラワーなら2人も雪音君も来れるよね?」

 

「どうする未来?」

 

「良いんじゃない、用意は今日の夜に終わらせれば良いんだしさ」

 

響と未来は行くのか

 

「姉さんはどっかで食べるみたいだし俺も行くか」

 

「決まり!それじゃあ行こう」

 

そう言って教室を出た響の後に続いて俺達も教室を出た




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46話

「皆んな‼︎早く〜‼︎」

 

「響フランスに行く前も言ったけど逸れたら帰れないよ」

 

数日後、フランスに着いた途端に走って行く響を未来が追いかけて行く

 

「小日向も大変だな」

 

「だな、しっかしてっきりあたしと湊の2人だけで行くと思ってたのに彼奴らまで来るなんてな」

 

「まあ良いだろ、経費は全部ユノア持ちなんだからな」

 

フランスに来たのは元々行く予定だった俺と姉さん、そして響と未来、最後に翼だが風鳴司令に気分転換をさせてやって欲しいと響が頼まれそれなら一緒にフランスに行こうと言う事になり急遽翼の同行が決まった

 

「待って居たであります湊」

 

「お前かエルザ」

 

空港を出ると俺は正面から声をかけられる

 

「湊この子湊の友達?」

 

「ああ、俺の仲間のエルザだ」

 

「エルザ・ベートであります」

 

エルザはそう言って響達に頭を下げる

 

「ルナとセレナの奴はどうした?」

 

ルナとはこの間俺に連絡をして来た奴だ

 

「ルナはユノアに呼ばれて、セレナは葉月ちゃんの勉強を見ているので非番であるわたくしが来ましひゃ!突然何をするでありますか‼︎ガルル‼︎」

 

エルザは突然尻尾を触られた事に怒り俺の後ろで響を警戒する

 

「ごめんやっぱり気になっちゃって、ねえ湊君エルザちゃんに付いてる耳と尻尾ってもしかして本物?」

 

「ああ、本物だ前に話しただろフランスには人間以外の種族も居るって」

 

「あれ本当だったの⁉︎」

 

嘘だと思ってたのかよ

 

「響が突然ごめんね、私は小日向未来宜しくねエルザちゃん」

 

「ガンス、宜しくであります小日向さん」

 

エルザはそう言って警戒を少し緩め未来にそう言う

 

「私は立花響!宜しくエルザちゃん‼︎」

 

「貴方の事は苦手ではありますが宜しくであります立花さん」

 

「あはは…いきなり苦手宣言されちゃった」

 

「悪いのは響なんだし仕方ないんじゃない」

 

まあ初対面の奴にいきなり尻尾触られたんだからな

 

「私は風鳴翼だ、宜しく頼む」

 

「あたしは雪音クリスだ」

 

「雪音?もしかして湊のお姉さんでありますか?」

 

俺と同じ苗字だった為エルザはそう聞く

 

「そうだ」

 

「そうでありますか、宜しくお願いするであります風鳴さんクリスさん」

 

「あれ?私の時と随分と違う気がする」

 

それはお前が悪いんだし諦めろ響

 

「一先ず荷物を俺達の家に持って行く必要があるな」

 

「ガンス、皆さんの荷物はわたくしが預かるであります」

 

「ありがとうエルザちゃん「貴方とはあまり仲良くするつもりはないであります」何で⁉︎」

 

エルザはそう言って響を避け未来と姉さんの荷物を受け取る

 

「…湊、彼女立花の対応が塩対応過ぎないか?」

 

「…彼奴が悪いちゃ悪いんだけどな、本来獣人にとって耳と尻尾を触らせるのは信頼と忠誠の証なんだ。だから初対面の響に触られたのがよっぽど嫌だったんだろうな」

 

「…成る程な、立花に悪気はないんだろうがそう言う事なら仕方がないな」

 

響にとっては無自覚でした事なんだろうが獣人にとってはかなり大事な事みたいだからな

 

「何やってんだ湊、さっさと行くぞ」

 

「俺達も行くか翼」

 

「ああ、そうだな」

 

そう言って俺と翼は姉さん達を追いかけた




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47話

「此処がわたくし達の家であります。そして貴方達がフランスに滞在中の宿泊する場所でもあります」

 

「どうしたお前ら」

 

俺とエルザが中に入ろうとすると響達は呆然と立ち尽くす

 

「小日向…これは我々がおかしいのだろうか?」

 

「いえ、多分私達が普通の反応だと思います」

 

「家つうか普通に豪邸じゃねえか」

 

「もしかして湊君って私達が思ってる以上に凄い人なのかな?」

 

俺は響達を放置して中に入る事にする

 

「「ただいま(であります)」」

 

俺とエルザがそう言って中に入ると奥から足音が聞こえて来た

 

「パパ‼︎エルザお姉ちゃん‼︎お帰り‼︎」

 

「元気そうだな葉月」

 

足音の正体は俺目掛けて走って来た葉月だった

 

「お帰り湊君」

 

「ああ、葉月の面倒見てくれてありがとなセレナ」

 

葉月に少し遅れてセレナが来た

 

「初めましてセレナ・カデンツァヴナ・イヴです」

 

「風鳴翼だ、数日の間だが宜しく頼む」

 

そう言ってセレナと正気に戻った翼は挨拶を交わす

 

「にしても、此処がフランスのお前の家か。日本に居た時が借りアパートだったから普通だと思ってたんだけどな」

 

「普通じゃないのか?」

 

「此処を普通って言ってるのは湊君だけだと思うよ」

 

俺の言葉にセレナがそう言う

 

「それでずっと湊君の膝の上に座ってるのっては」

 

「ああ悪い、葉月自己紹介しろ」

 

「うん!雪音葉月宜しくお姉ちゃん‼︎」

 

葉月は俺の膝の上に座りながらそう言う

 

「嘘⁉︎クリスちゃん妹も居たの⁉︎」

 

「居ねえよ、湊正直に答えさせろそいつは何なんだ」

 

「うう…嘘じゃないもん…葉月は…葉月だもん」

 

「わっ悪かっただから泣くなよ」

 

葉月を泣かせた事でエルザに睨まれ直ぐにフォローする姉さん

 

「葉月ちゃん休憩はそろそろお勉強に戻ろっか」

 

「うん!」

 

葉月はセレナにそう言われると2人で勉強を再開しに行った

 

「それで結局彼女は何なんだ?雪音の口ぶりから察するに本当にお前の妹ではないのだろ」

 

「ああ、葉月は完全聖遺物ネフィリムが2つに分裂した際に生まれた言わば自律型の完全聖遺物だ」

 

「完全聖遺物が分裂⁉︎そんな事があり得るのか⁉︎」

 

「わたくし達も実際に現場に鉢合わせなければ信じなかったであります。ですが葉月はわたくし達の前で2つに分裂したので間違いないであります」

 

エルザの言う通り葉月は6年前、FISで行われたネフィリムの起動実験後、再び暴走仕掛けたネフィリムを完全に鎮める為に呼ばれた俺が触れた事で分裂したネフィリムの姿だ

 

「そのままFISに居させたらイギリスにいた頃の俺みたいに実験道具として使われるのは目に見えて居た。だから俺が引き取ったんだ」

 

「そうだったのか、でもよ何でお前の事パパって呼ぶんだ?」

 

姉さんの疑問は最もだ

 

「雛鳥は初めて自分が見た生き物を親だと思う事があるって聞くだろ、それと同じ原理だ」

 

「つまり初めて見たのが湊君だから葉月ちゃんは湊君をお父さんだと思ってるって事?」

 

「凄いな響、理解できたか」

 

「えへへ」

 

俺がそう言うと響はどこに照れる要素があるのかは不明だが照れている

 

「そうだ未来‼︎せっかく来たんだし観光に行こうよ‼︎」

 

「う〜ん、私は良いけど私と響2人だけだと道に迷った時不安だし」

 

「ならばわたくしが同行するであります」

 

未来の言葉を聞いてエルザがそう言って立ち上がる

 

「良いのエルザちゃん⁉︎」

 

「ガンス」

 

未来の質問にエルザはそう言って頷く

 

「パパ…一緒に…お昼寝…」

 

「ごめんね湊君、葉月ちゃんが今日は湊君と一緒が良いって言って聞かないんだ」

 

「良いよ今日くらい、行くか葉月」

 

俺はセレナにそう言って葉月の手を引く

 

「パパ…抱っこ…」

 

「はぁ、今日だけ特別だぞ」

 

俺はそう言って葉月を抱っこして葉月の部屋に向かった




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48話

「彼奴寝たのか湊」

 

俺が葉月を寝かしつけリビングに戻るとそこには姉さんとセレナ2人だけになって居た

 

「姉さんそれにセレナ2人だけか?彼奴らはどうした?」

 

「あのバカ達なら観光に行ったぜ」

 

「それでね、今昔の湊君の話聞いてたんだ」

 

昔の俺ね…まあ俺昔の事とかあんま話さないからな

 

「でも昔の湊君も今の湊君も不器用なだけで本当は優しい所は変わらないんだね」

 

「俺が優しいか」

 

「うん、6年前私が初めて此処に来た日も湊君は何も言わずに一緒に居てくれた。だから私は寂しくなかったんだよ。今だってそうクリスさんを探すついでにかも知れないけどマリア姉さん達の事も探してくれてる。私も探しに行きたいけど葉月ちゃんの事が心配だから。だから湊君には本当に感謝してるよ」

 

そう言ってセレナは微笑む

 

「何か調子狂うな…」

 

「何だ照れてんのか湊」

 

「照れてねえよ‼︎たく、俺向こうでお菓子作って来る」

 

俺はそう言ってキッチンに向かう

 

〜クリスside〜

 

「ふふ、湊君てば本当に不器用なんだから」

 

「ああ、そうだな」

 

本当変わんねえな彼奴は

 

「なあ、湊って最初の印象どうだった?」

 

「どうかしたの?」

 

「彼奴さあんな性格だから初めて会った奴とかだと色々勘違いされがちなんだよ」

 

あたしがそう言うとセレナは考える

 

「う〜ん、私は最初少し怖そうな人って印象が強かったかな?」

 

「やっぱりそう思っちまうか?」

 

「うん、でも今は違うよ?湊君が本当は優しい子だって私知ってるから」

 

「そうか」

 

良かった、彼奴は彼奴で自分の居場所が見つかってんだな

 

「誰?」

 

「ん?」

 

あたしが声をする方を見るとそこにはエルザって奴と同じくらいの背丈の奴が居た

 

「ルナちゃんお帰り」

 

「るる♪ただいまそう言えばセレナご主人は何処に居るの?」

 

「湊君ならキッチンでお菓子作ってるよ「ご主人‼︎」ルナちゃん相変わらずだね」

 

セレナはそう言って苦笑いを浮かべる

 

「今のって…」

 

「クリスさんは知らないよね、あの子はルナちゃん湊君の従者でエルザちゃんと同じくらい湊君と付き合いの長い子だよ」

 

「彼奴も耳と尻尾があったけどあれも本物なのか?」

 

「うん、ルナちゃんもエルザちゃんと同じ獣人だよ」

 

やっぱそうなのか

 

「そう言やご主人ってどう言う事だ?」

 

「獣人はね一生に1度この人に仕えたいって思った人の事をご主人って呼ぶらしいよ」

 

つう事は彼奴は湊に仕えたいって思ってるって事か

 

「実際の所エルザちゃんもそう何だけどルナちゃんとエルザちゃんがじゃんけんで決めたんだって」

 

「じゃんけんってそんな風に決めても良いのかよ」

 

「どうなんだろう?湊君もその辺りの事あまりよく知らないらしいし」

 

彼奴変な所で手を抜くからな

 

「ルナちゃん帰って来たんだ」

 

「るる、ご主人が2人に紅茶を持って行って欲しいって言われたから持って来た」

 

そう言ってルナって呼ばれた奴は2つのティーカップをあたしとセレナの前に置く

 

「ありがとうルナちゃん」

 

「サンキューな、どうしたんだよ」

 

あたしは顔をじっと見て来るからそう聞く

 

「貴方の匂いご主人に似てるどうして?」

 

「はあ?匂いだ?」

 

「ルナちゃんこの人は湊君のお姉さんだよ」

 

セレナがそう言うとそいつは目を見開きあたしから距離を少し取った

 

「るる、ご主人のお姉さん自己紹介が遅れてごめんなさいルナ・ガルフェルド宜しくお願いします」

 

そいつはさっきとは打って変わり丁寧な言葉遣いをしてお辞儀をする

 

「別に気にしてねえよ、普段通りの接し方で構わねえよ」

 

「ご主人と言いお姉さんと言い不思議な人、分かった私の事はルナで大丈夫」

 

「ああ、分かったよルナ」

 

「るる♪宜しくクリスさん」

 

あたしはそう言ってルナの手を取った

 

〜クリスside out〜

 

〜ルナのプロフィール〜

 

名前:ルナ・ガルフェルド

 

年:14歳

 

好きなもの:魚、湊

 

嫌いなもの:ニンニク、玉ねぎ




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49話

「ん…此奴また来やがったか」

 

翌日の朝俺が起きると右隣には昨日わがままに付き合い一緒に寝た葉月が居るのは分かりきって居るだが左隣のルナは昨日寝る時は一緒に居なかった筈だ。大方寝ぼけてこっちに来たんだろ

 

「ん…パパ」

 

「悪い葉月起こしちまったか?」

 

俺がそう聞くと葉月は首を左右に振る

 

「そうか、お腹空いてるだろ朝ご飯にするか」

 

「うん!パパ葉月目玉焼きとご飯が食べたい‼︎」

 

「なら朝は目玉焼きにするか」

 

「うん!」

 

俺と葉月はそんな会話をしながらリビングに向かう

 

「ほら出来たぞ」

 

「いただきます‼︎」

 

「いただきます」

 

俺と葉月はそう言って朝飯を食べる

 

「おはよう湊君、葉月ちゃん相変わらず早いね」

 

「おはようであります湊、葉月ちゃん」

 

俺と葉月が朝ご飯を食べて居るとセレナとエルザが朝飯を持ってリビングに来た

 

「起きたか」

 

「うん」

 

「湊またルナが居なくなって居たでありますが湊の所でありますか?」

 

エルザとルナは部屋が一緒だから居なければすぐにわかるだろう

 

「ああ、夜また寝ぼけて俺の部屋に入って来たみたいだ」

 

「そうでありますか」

 

エルザはそう言われてと不機嫌そうな表情を浮かべて俺の隣に座る

 

「本当にルナは仕方ないでありますね」

 

「そう言うならそんなに引っ付くな」

 

「わたくしも偶にはこうしたい時もあるであります

 

「はぁ、仕方ない奴だな」

 

そう言って俺はエルザの頭を撫でる

 

「エルザちゃん今ルナちゃんが起きて来たらどうするの?」

 

「その時はその時であります、私も偶には湊に甘えたいであります」

 

「エルザお姉ちゃん尻尾触っても良い?」

 

「あまり強く引っ張るのは嫌でありますよ」

 

普段ならガチで拒否するのにこう言う時は許すんだよなエルザの奴

 

「おはようございますセレナさん」

 

「おはようセレナ、所であそこの3人は何をして居るんだ?」

 

起きて来た翼が俺達を見てそう言う

 

「エルザちゃんも偶には湊に甘えたいんだって」

 

「そうなのか?言われてみれば彼女はまだ湊の1つ下だったな」

 

「確かにそう考えるとまだ甘えちゃいたくなる気持ちもわかりますね、でも意外でした昨日響に触られてあそこまで嫌がってた尻尾を誰かに触らせるなんて」

 

エルザは俺と葉月、セレナとルナには心を許してるからな、強く引っ張ったりしない限り怒る事はないな

 

「未来今のエルザなら少しは大丈夫だと思うぞ」

 

「そうかな?それじゃあ少しだけ」

 

未来は昨日の響の嫌われぐわいから恐る恐るではあるがエルザの頭を撫でる

 

「本当だ」

 

「頭を撫でられるくらいじゃわたくしも怒らないでありますよ、尻尾を触られるのは小日向さんでも流石に嫌でありますけど」

 

「ううん、大丈夫だよエルザちゃんありがとう」

 

未来はそう言ってエルザの頭を撫でるのを止める

 

「その…私も良いだろうか?」

 

「良いでありますよ、立花さん以外であれば」

 

エルザがそう言ったので翼もエルザの頭を撫でる

 

「エルザちゃんそろそろルナちゃんが起きて来るんじゃないかな?」

 

「そうでありますね、ありがとうであります湊」

 

エルザはそう言って俺の隣から立ち上がり朝食を温めに行った




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50話

「ユノア居るか?」

 

「やあ、湊君どうしたんだい?彼女達は?」

 

数時間後、俺は響達とフランスの特異災害機動部本部に来ていた

 

「日本の特異災害機動部ニ課に所属している風鳴翼です」

 

「えっと…立花響です」

 

「雪音クリスだ」

 

響達が各自自分の名前を言う

 

「挨拶くらいはさせといた方が良いと思ってな」

 

「成る程ね、僕はフランスの特異災害機動部総司令官のユノア・リ・アヴァロン宜しく頼む。風鳴って事は君は風鳴司令の親族と言う事で良いのかな?」

 

「はい、風鳴弦十郎は私の叔父です」

 

「そうか、そして君が湊君のお姉さんか」

 

「ああ」

 

ユノアの問いかけに姉さんは無愛想に応える

 

「君は湊君に似ているね、風鳴翼君少し頼みたい事があるんだが構わないかい?」

 

「はい、しかし私に頼みたい事とは一体」

 

「日本に帰ってからで構わないこれを風鳴司令に渡して欲しい」

 

そう言ってユノアは翼に1枚の紙を渡す

 

「わかりました。湊日本に着くまで預かって居て貰えないか?」

 

「はあ?何で俺が」

 

「こう言った書物は折り畳んで待てなくてな、しかし私は整理が苦手だ。そこで湊お前に持って居て欲しいんだ」

 

病院の惨状を見たからお前が整理が苦手な事くらい知ってる

 

「仕方ない、翼着いて来いお前の端末も収納可能にしといてやる」

 

「湊君それなら彼処が空いてるからそこでやってあげると良い」

 

そう言ってユノアは部屋にあるパソコンを指さす

 

「サンキュー、んじゃさっさと終わらせて此処に来た本命始めんぞ」

 

「ああ、助かる」

 

此処に来た目的はユノアへの挨拶も勿論あるがそれだけじゃない響達のレベルアップも目的の1つだ

 

「終わったぞ」

 

「ありがとう」

 

翼はそう言って受け取り通信機を起動させ色々とやってるみたいだが中々風鳴司令へ渡す紙を仕舞わない

 

「翼、もしかしてだが…」

 

「済まない何処をどう操作すれば良いんだ?私は機械の扱いに慣れて無いんだ」

 

「たく、そうならそうと言えよ」

 

そう言って俺は翼に通信機への収納の仕方を教える

 

「良かったですね翼さん」

 

「ああ、それでは失礼します」

 

「ああ、何かあればまた来ると良い」

 

俺達が部屋を出る時ユノアはそう言った

 

「優しそうな人でしたね」

 

「ああ、早速始めるとしようトレーニングルームの使用は事前に湊が許可を取ってくれている」

 

翼は響の言葉に同意しつつそう言う

 

「響は第一トレーニングルーム、翼は第2トレーニングルームに入ってくれそこに相手が居る。俺と姉さんは第3トレーニングルームだ」

 

「湊君、私と翼さんの相手はもうトーニングルームに居るの?」

 

「ああ、どっちも強敵だからしっかりしないと何の成果もなく日本に帰ることになるからちゃんとしろよ」

 

「ああ、私の相手は誰なんだ?」

 

「翼の相手はルナだ。因みに響お前の相手はエルザだ」

 

何も知らない相手より少しは知ってる相手の方が良いだろう

 

「それと翼はルナの奴も完全聖遺物使ってくるから気をつけろよ。下手すりゃ怪我どころじゃ済まねえから」

 

「あれ?私には?」

 

「特に何も無い」

 

「嘘⁉︎」

 

エルザの事だから何も使わないだろうからな

 

「んじゃ行くか姉さん」

 

「ああ、お前との勝負はフィーネの乱入で御開きになっちまって結局決着ついてなかったからな」

 

俺と姉さんはそう言ってトーニングルームに入って行った




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51話

「そんじゃ始めようぜ」

 

「ああ、悪いが俺が勝たせてもらうぜ」

 

「は!寝言は寝て言いやがれ‼︎当然あたしが勝たせてもらうぜ‼︎」

 

~Killter Ichaival tron~

 

そう言って姉さんは聖詠を行いシンフォギアを纏い俺はネフシュタンの鎧を纏う

 

「初陣たぁ、あたしも舐められたもんだな」

 

「俺の目的はネフシュタンの鎧の性能の確認だからな」

 

「そうかよ、んじゃ負けた方は勝った方に1週間絶対服従って賭けどうだ?」

 

「は?普通に嫌だろ「何だ?ビビッてんのか?」安い挑発だなおい、まあ良いだろうその賭け乗ってやるよ」

 

「決まりだな先手は貰うぜ‼︎」

 

《BILLION MAIDEN》

 

そう言って姉さんはアームドギアとして携行型の2連装ガトリングガンを形成し両手に構え2丁4門による一斉掃射する

 

「試させて貰うぜネフシュタンの鎧」

 

《ASGARD》

 

俺は肩部の鞭状突起を伸ばして陣を組みバリアを展開し小型ミサイルを防ぐ

 

「だっだたら此奴だ‼︎」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

姉さんは複数の小型ミサイルを俺目掛けて発射する

 

「ふっ!」

 

俺は小型ミサイルをフィーネがして居た様に鞭を回転させて防ぐ

 

「此奴を持ってけ‼︎」

 

「だったらあたしは此奴だ‼︎」

 

《NIRVANA GEDON》

 

《MEGA DETH FUGA》

 

俺は両肩部の鞭状突起の両方の先端に生成し投げた黒い電撃を帯びた白いエネルギー球を姉さんは大型ミサイルを発射して相殺する

 

「へっ!この程度かよ」

 

「さて、それはどうだろうな」

 

「あ?嘘だろ⁉︎」

 

姉さんが上空を見上げると今までの比でないくらいの黒い電撃を帯びた白いエネルギー球が生成されている

 

「これがネフシュタンの鎧の全力だ、しっかり堪能してくれよ姉さん‼︎」

 

《NIRVANA GEDON MAXIMUM》

 

「チッ!一か八かやるしかねえか」

 

《MEGA DETH INFINITY》

 

背部に形成した射出器に左右それぞれ6基、合計12基もの大型ミサイルを連装して生成し一斉掃射し巨大な黒い電撃を帯びた白いエネルギー球に対抗する

 

「はぁはぁ、ギブアップだこれ以上は身が持たねえよ」

 

「俺の勝ちだな、お疲れ姉さん」

 

結局姉さんの抵抗は虚しく黒い電撃を帯びた白いエネルギー球は姉さんに直撃、これ以上は難しいと思った姉さんがギブアップした事により俺の勝ちが決定した

 

「つうかお前ネフシュタンの鎧あたしよりも使いこなしてるじゃねえか、あたしの時は彼処まででかいの生成出来なかったぜ」

 

「そうなのか?まあ俺に操れない聖遺物も完全聖遺物もないからな、ネフシュタンの鎧の性能を完全に試行できたって事だろ」

 

「そうかもな、あたしは少し休憩するな」

 

「膝貸そうか?」

 

「ああ頼む」

 

姉さんはそう言って俺の膝の上に頭を置く

 

「本来は逆なんだろうけどな」

 

「本人達が良いんなら別に良いんじゃないか?」

 

「それもそうだな」

 

姉さんはそう言って目を閉じた




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52話

「ご主人…もう行っちゃうの?」

 

「ああ、それに1週間って約束だろ」

 

「でも、セレナと葉月ちゃんの2人が一緒なのは納得いかない」

 

あれから数日、俺達が日本に戻る事を知ると今度こそ置いて行かせまいと葉月が抵抗を始め、説得するのも面倒なので誰かが一緒に来る事になった。そしてエルザとルナはユノアからの仕事を頼まれて居て行けないので削除法でセレナが一緒に日本に来る事になった。そしてエルザとルナが行けない理由はもう1つある

 

「仕方ないでありますよ。わたくし達はフランス以外ではあまり認知されて居ない種族でありますから」

 

「るる、それを言われると返す言葉もない」

 

そうエルザの言う通り獣人はフランス以外ではあまり認知されて居ない種族なのだ故に中々海外に連れ出せないのである

 

「んじゃ飛行機も出るし俺もそろそろ行くな」

 

「ご主人また毎日連絡する」

 

「ああ、分かった分かった」

 

俺はルナに適当に返して飛行機の搭乗口に向かった

 

「パパお空飛んでるよ‼︎」

 

「葉月今回は専用機で行くが本当は他の人も居るんだから静かにしろよ」

 

「分かった」

 

俺は大声で話す葉月にそう言う

 

「それにしても専用機まで手配する何て湊何者?」

 

「そう言われてもな」

 

正直言って俺も何で専用機まで手配できるかは知らねえんだよな。その辺はユノアに任せっきりだからな

 

「でもこれで普通の飛行機よりも早く着くんでしょ?」

 

「ああ、6時間もあれば日本に着くぞ」

 

しかし普通の飛行機より早く着くと言っても6時間それなりに時間は掛かる

 

「あ!そうだ!師匠にDVD借りてたんだ皆んなで見ようよ」

 

「おっさんから借りたって事はアクション映画だろ」

 

「私もアクション映画はちょっと」

 

姉さんの言葉を聞いてセレナは苦笑いをする

 

「え〜、それじゃあトランプは!」

 

「トランプなら葉月ちゃんも出来るしね」

 

「うん!響お姉ちゃん葉月トランプしたい‼︎」

 

「それじゃあトランプで決定!」

 

未来の言葉に葉月は嬉しそうに響にそう言う(因みに未来は未来お姉ちゃん、姉さんはクリスお姉ちゃん、翼は最初翼おばさんだったのだがそう呼ばれた翼は相当ショックだったのか響に『私はそんなに老けて見えるのか?』と聞いて居たが響と未来が葉月に翼を翼お姉ちゃんと呼ぶ様にさせ翼は何とか持ち堪えて居た)

 

「葉月ちゃんは何ならした事ある?」

 

「えっと、ババ抜きと神経衰弱‼︎」

 

「それじゃあ皆んなでババ抜きしよう‼︎」

 

「全く立花は突然だな」

 

「良いぜやってやるよ、湊お前もやるよな!」

 

「ああ、当たり前だろ」

 

そう言って俺は響達とパパ抜きを始める

 

「む〜、湊君こっち?」

 

「それで良いのか響?」

 

「ならこっち?」

 

「お前が良いならそれで良いぞ」

 

「ん〜、よしこっち‼︎」

 

響はそう言って俺のジョーカーを引く

 

「うっ…はい葉月ちゃんの番だよ」

 

そう言って響は葉月にカードを引かせる

 

「えっと…これ‼︎やった‼︎」

 

「葉月ちゃん凄いまた1番だね」

 

「うん‼︎」

 

葉月はそう言って俺の膝の上に座りに来た

 

「にしても葉月は全て一抜けか凄いな」

 

「運が良いんだろうな、あ俺も終わった」

 

そう言いながら俺がセレナからカードを取ると俺も揃った

 

「また最下位」

 

「逆に凄いなお前」

 

3回のババ抜きをして全て響は最下位これもこれで凄い気がする

 

「そろそろ着陸するみたいだから全員座ってシートベルト閉めろ」

 

俺の言葉に頷き全員椅子に座りシートベルトを閉めた




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53話

「叔父様翼です。たった今フランスから帰国しました。それからフランスのユノア氏から書類を受け取って居ます」

 

「そうか、見せてもらえるか翼?」

 

風鳴司令にそう言われた翼は通信機からユノアから渡された紙を風鳴司令に渡す

 

「成る程な」

 

「あの師匠何て書いてあったんですか?」

 

「我々ニ課とフランスとの間に平和条約を結びたいそうだ」

 

ユノアの奴普通1つの組織の為にそこまでするか?

 

「これに関しては明日ユノア氏に話を聞こう。それと翼彼女達は?」

 

「フランスに居る湊の仲間そして妹です」

 

「そうか」

 

風鳴司令はそう言って立ち上がる

 

「俺は風鳴弦十郎、此処ニ課の司令官を務めて居る」

 

「セレナ・カデンツァヴナ・イヴです宜しくお願いします。風鳴司令」

 

「ああ、宜しく頼むセレナ君。所で湊君の後ろに居る子が君の妹か?」

 

「ああ、葉月挨拶ぐらいしろ」

 

俺がそう言うと葉月は俺の後ろから顔出す

 

「雪音葉月です」

 

「ああ、宜しくな葉月君」

 

葉月はそう言う風鳴司令に頷きまた俺の後ろに隠れる

 

「意外私達の時は普通だったのに」

 

「大人にそこまで免疫が無いんだろうな、ユノアにもあんま会った事ないだろうし」

 

「そうだクリス君、君の住居先が決まったぞ」

 

「ああ、分かった」

 

住居先?どう言う事だ?

 

「言ってなかったな、何時迄もお前の部屋に居座る訳にはいかねえからな、おっさんに住居先を探してもらってたんだ」

 

「そう言う事か、別に気にしなくて良いんだけどな」

 

「お前が気にしなくてもあたしが気にすんだよ」

 

「君の要望通り湊君の住んでるアパートの近くのマンションを住居先にした」

 

「勿論あたしの荷物運び手伝ってくれだろおっさん」 

 

「ああ、構わないぞ。それじゃあ早速運び出そう」

 

そう言って風鳴司令と俺達はアパートに向けて出発した

 

「湊この仏壇あたしが持って行って良いか?」

 

「ああ、大丈夫だぞ」

 

「ありがとな湊、頼むおっさん」

 

姉さんがそう言うと風鳴司令は軽々と仏壇を持ち上げ車に乗せに行く

 

「彼奴人間じゃねえだろ。普通あんな軽々と仏壇何て持てねえぞ」

 

「そうだね、それでクリスさんどのマンションに住むの?」

 

「此処だ」

 

姉さんは通信機に地図を表示して自分の住むマンションを指さす

 

「本当だすぐ近く何だね、それじゃあ残りの服なんかを段ボールに入れて湊君の通信機に入れて行こっか」

 

「そうだな」

 

そう言って俺は外に追い出され姉さん達は部屋の中で服や下着類を段ボールに収納した

 

「姉さんもう良いか?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

俺は姉さんのその言葉を聞いて中に入る

 

「これで全部か?」

 

「ああ、全部だ」

 

「そんじゃ入れるからな」

 

俺はそう言って段ボールを通信機の中に入れる

 

「風鳴司令も外で待ってるだろうし行くぞ」

 

「分かった」

 

「私と葉月ちゃんは此処で待ってるね」

 

「ああそうしてくれ」

 

そう言って俺と姉さんは下にある風鳴司令の乗ってる車に向かった




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54話

『遊びに行くんだけど湊も来る?』

 

「遊びにってどこに行くんだよ?」

 

日本に戻ってから数日未来からそう連絡があった

 

『遊園地だよ。少し前に開園したばかりでずっと行こうって話してたんだけど中々皆んなの予定が合わなくてね。丁度明日は皆んな予定が無いから明日行こうって事になったんだ。それでどうする?』

 

「そうだな…葉月を連れてっても良いなら俺も行く」

 

『大丈夫だと思うよ。創世達も別に子供は嫌いじゃ無いだろうし』

 

俺の言葉に未来はそう返す

 

「そうか、なら明日葉月を連れて行く」

 

『分かった、それじゃあ明日の8時30分に翼さんと待ち合わせした公園来て、葉月ちゃんの事は私が創世に話しておくよ』

 

「分かった」

 

俺はそう言って未来との通信を切った

 

「パパ!早く行こう‼︎」

 

「待て葉月、水筒よし、弁当よし、これで大丈夫だな葉月こっちに来い」

 

そう言って俺は葉月にリュックを背負わせる

 

「セレナ俺達出るから後の事頼んだぞ」

 

「うん、いってらっしゃい湊君、葉月ちゃん」

 

「「いってきます」」

 

俺と葉月はそう言ってアパートを出た

 

「パパ響お姉ちゃんと未来お姉ちゃんは?」

 

「ああ、未来はあのバカが寝坊して遅れてるらしい「ごめん湊君‼︎葉月ちゃん‼︎」やっと来たか」

 

俺と葉月が話して居ると響を含む全員が走って来た

 

「ごめん湊」

 

「ある程度予想は出来てたから気にするな」

 

俺がそう言うと安藤達は苦笑いを浮かべる

 

「パパ!早く行こう‼︎」

 

「待て葉月人とぶつかるからそんな急ぐな」

 

俺はそう言って葉月の手を取る

 

「ごめんなさい」

 

「時間は十分にあるんだ、急がなくても大丈夫だ」

 

俺はそう言って葉月を撫でる

 

「葉月ちゃんよっぽど楽しみだったんだね」

 

「わからなくも無いけどね」

 

「そうですね」

 

「私も初めて遊園地に行った時はあんな風にお父さんもお母さんも置いて中に入ろうとしたよ」

 

板場それお前の親は相当心配しただろうな

 

「葉月ちゃんそんなに乗りたいのがあったの?」

 

「うん!あれ!」

 

葉月はそう言ってコーヒーカップを指さす

 

「パパ一緒に乗ろう」

 

「ああ、良いぞ葉月お前達も良いか?」

 

俺の言葉に全員頷き最初は葉月の要望通りコーヒーカップに乗った

 

「動いた!」

 

「葉月ちゃん此処を回すと早く回るんだよ」

 

響がそう言って中央の円盤を回すとコーヒーカップの回転が早くなった

 

「響お姉ちゃん!葉月もやりたい‼︎」

 

「良いよ葉月ちゃん」

 

響がそう言うと葉月はもの凄い勢いで円盤を回す

 

「葉月ちゃんストップストップ‼︎うっ気持ち悪い…」

 

「お前こんな所で吐くなよ⁉︎葉月一旦ストップしろ響がやばい!」

 

「うん」

 

俺がそう言うと葉月は円盤を回すのを止める

 

「大丈夫か響?」

 

「うん、でも暫くはコーヒーカップは見たく無いかな」

 

コーヒーカップが終わり現在響はベンチでダウンして居る

 

「それにしても凄い勢いで回ってたねビッキー達の所」

 

「ごめんなさい響お姉ちゃん…」

 

葉月は申し訳なさそうな表情で謝る

 

「葉月ちゃんに悪気はないんだから気にしなくて良いよ」

 

「そうだよもう大丈夫だから」

 

そう言って響は立ちあがる

 

「葉月ちゃん次何が良い?」

 

「えっとね、あれが良い!」

 

葉月がそう言って指さしたのはお化け屋敷だった

 

「お化け屋敷か、葉月ちゃん大丈夫?」

 

「うん!」

 

「それじゃあお化け屋敷に行こっか」

 

そう言って俺達はお化け屋敷に向かった




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55話

「ミナってお化け屋敷とか平気な方?」

 

「まあ平気だな、実際にお化けとかそう言うのが居る訳じゃなくて作り物、それにお化けなんかよりノイズの方がよっぽど怖いからな」

 

俺は葉月と安藤の3人でお化け屋敷に入っている。何故かと言うとコーヒーカップの時同様5人がじゃんけんで俺と葉月の2人とお化け屋敷に入る人を1人決めたからだ

 

「それを言ったら雰囲気が壊れちゃうよ」

 

「創世お姉ちゃんはお化け屋敷は嫌い?」

 

「ん〜、好きでも無いし嫌いでも無いかな?葉月ちゃんは?」

 

「パパと一緒だから大丈夫‼︎」

 

安藤達は葉月が俺の事をパパと呼ぶ理由は聞かないが多分未来がうまく説明してくれたんだろう

 

「ぐわぁ〜」

 

「ひっ!びっくりした作り込まれてるね」

 

「パパ…お腹すいた」ぐ〜

 

突然のゾンビの登場に驚く安藤に対し葉月は俺にお腹が空いたと言う

 

「おいビビりすぎだろ安藤、葉月はお化け屋敷出たら昼飯にするから出るまで待て」

 

「うん」

 

「2人共全然動揺しないね」

 

全く動揺せず話す俺と葉月に安藤はそう言う

 

「さっきも言ったがノイズの方がよっぽど怖いからな、ほらさっさと行くぞ」

 

そう言って俺は安藤の手を取って先に進んで行く

 

「みっミナ手は握らなくても」

 

「は?忘れたか此処迷路になってるから迷われても面倒なんだよ」

 

そうこのお化け屋敷実は迷路になって居てその各所にお化けが居る仕組みになって居る

 

「でっでもいきなり手は…」

 

「ごちゃごちゃ言ってないで先進むぞ」

 

俺はそう言ってお化け屋敷の出口を目指した

 

「終わったな」

 

「そっそうだね、ビッキー達はまだ出て来てないみたい」

 

「だな「パパ…」ああ約束だからな、安藤お前なんか顔赤いがどうした熱でもあんのか?」

 

「ううん!なんでも無いよ!」

 

安藤はあからさまに同様してそう言う

 

「そうか?俺と葉月は彼処で持って来た弁当を食べるがお前はどうする?」

 

俺は直ぐそこにあるベンチを指さしてそう言う

 

「私はビッキー達を待ってるよ私達のすぐ後に入ったからそろそろ出て来るだろうし」

 

「そうか「パパ!」分かった分かった」

 

俺はそう言って葉月の座るベンチに座り弁当を食べた

 

〜響side〜

 

「いや〜結構怖かったね」

 

「それは響が間違った道ばかり進むからでしょ「ヒナ〜」創世待っててくれたんだ。あれ?湊と葉月ちゃんは?」

 

私達がお化け屋敷から出ると創世は居たけど湊君と葉月ちゃんは居なかった

 

「2人なら彼処でお弁当食べてるよ」

 

「湊君お弁当作って来たんだ」

 

「それでどうだった男子とのお化け屋敷」

 

弓美がそう聞くと創世は顔を赤くする

 

「実は…最後の方ミナが私の手を引いて出口まで向かったんだ」

 

「信じられない、あの雪音君が」

 

「でもナイスです。私もいつかはそう言った経験をしてみたいです」

 

詩織は目を輝かせてそう言う

 

「私達もお昼にしよっか響」

 

「うん!私もお腹ぺこぺこだよ」

 

「丁度彼処にお店もあるし行こっか」

 

私達はそう言ってお昼を食べにお店に入って行った

 

〜響side out〜




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56話

「おはようパパ!」

 

「ああ、おはよう葉月」

 

翌日あの後ジェットコースターに観覧車色々と乗り遊園地を盛大に満喫した葉月はいつもより早い時間に眠ってしまった為、俺はいつもより早い時間に葉月に起こされた

 

「パンとご飯どっちにする?」

 

「ご飯‼︎」

 

「分かった、葉月セレナを起こしてくれ」

 

俺がそう言うと葉月は頷き隣の部屋に居るセレナを起こしに行く為に玄関を出る

 

「出来た「パパ!セレナお姉ちゃん起こせたよ!」ありがとな葉月、寝癖すごいぞセレナ」

 

「うん…今さっき起きたばかりだから洗面所借りるね」

 

セレナはそう言って洗面所に顔を洗いに行く

 

「目覚めたかセレナ」

 

「うん、いただきます」

 

そう言ってセレナは朝ご飯を食べる

 

「それじゃあ葉月ちゃん今日は昨日出来なかった分までお勉強頑張ろっか」

 

「うん!パパセレナお姉ちゃんのお部屋行って来るね」

 

葉月がそう言ってセレナの部屋に向かって行く

 

「さて、残りは読書感想文だけだし図書館にでも行って本を読むか」

 

俺はそう言って図書館に向かう

 

「この辺で良いな「あれ湊?」未来それに響お前らも宿題か?」

 

「うん、湊君も読書感想文の為の本を読みに来たの?」

 

「そうだ」

 

俺はそう言って図書館の本を読む

 

「う〜ん、未来此処ってどうやるの?」

 

「此処はこの公式を使って」

 

「そっか…ねえねえ湊君は夏休みの宿題後どれくらい残ってるの?」

 

「後は読書感想文だけだ」

 

俺は本を読みながらそう答える

 

「嘘⁉︎私なんてまだ1科目しか終わってないよ⁉︎」

 

「どうせ勉強してる時間より休憩の時間の方が多いんだろ。勉強の休憩を本休憩にして怠けてる姿が目に浮かぶ」

 

響は俺に言われた事が図星なのか何も言い返してこない

 

「読み終わったの?」

 

「ああ、後はレポート用紙に書いたら宿題は全部終わりだ」

 

そう言って俺はレポート用紙に読書感想文を書く

 

「終わったな」

 

「私達もこのくらいにしてちょっと休憩しよっか」

 

「うん、うわ!もうお昼なんだ」

 

響がそう言うので俺も通信機で時間を確認すると確かに昼だった

 

「響図書館では静かに」

 

「ごめん未来」ぐ〜

 

響が未来に謝ると今度は響のお腹が鳴る

 

「もう響ってば、丁度良い時間だしお昼にしよっか」

 

「やった、湊君も一緒に行こう」

 

「良いぞ、悪い通信来たから先に外に出てる」

 

俺はそう言って外に出て通信に出ると相手はセレナだった

 

「どうしたセレナ?」

 

『湊君今どこに居るの?』

 

「何処って図書館だが?」

 

セレナの問いかけに俺はそう答える

 

「今から未来達と昼飯食べに行くけど2人も来るか?」

 

『どうする葉月ちゃん?』

 

『行く!未来お姉ちゃんも来るんでしょ!』

 

葉月の奴相当未来に懐いたな

 

「ああ、図書館で偶々会ってな」

 

『それじゃあ私達も今から図書館に向かうから少し待ってて』

 

「分かった」

 

俺はそう言って通信を切った

 

「お待たせ、誰からの通信だったの?」

 

「セレナだ、それとセレナと葉月が図書館に向かってらから待ってくれ」

 

俺がそう言うと響と未来は頷き3人でセレナと葉月の到着を待った




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57話

『湊今日は空いているか?』

 

「ああ、空いてるがなんだ翼?」

 

翌日、葉月もセレナの所に勉強に行ったので部屋でのんびりして居ると翼からそう通信があった

 

『私の友人がお前と話したいそうだ』

 

翼の友人がね、心当たりは全く無いが

 

「分かった、今から行く」

 

『そうか、私達は湊のアパート近くの喫茶店に居る』

 

「分かった」

 

俺はそう言って通信を切り翼と友人の居る喫茶店に向かった

 

「こっちだ湊!」

 

喫茶店の中に入ると翼が俺を呼ぶ。て事は一緒に居るのが俺と話したい奴か。ん?彼奴どっかで見た事ある気が

 

「久しぶりね雪音湊君」

 

「ああ、思い出したリディアンの生徒会長か」

 

何ヶ月も会ってないから直ぐに出てこなかったが此奴は俺を不審者扱いした水野琴音だ

 

「2人は知り合いだったのか?」

 

「いや、登校初日に不審者扱いして来た失礼な奴だ」

 

「その件はごめんなさいね」

 

生徒会長はそう言って頭を下げる

 

「別にもう済んだ事だから気にして無いが要件はそれだけか?」

 

「違うわ、お爺ちゃんを助けて貰ったお礼がしたかったの」

 

「お爺ちゃん?言っとくが俺はお前と同じ苗字の奴を助けた事はないぞ」

 

「それじゃあ無いわね、私の母型の祖父だから」

 

つまりは此奴の母型の祖父を助けたのか

 

「苗字は?」

 

「広木よ」

 

「広木…広木ね…は?」

 

その苗字を聞いた瞬間俺の頭の中に1人の男性が思い浮かんだ

 

「まさかとは思うがお前祖父って広木防衛大臣じゃないよな?」

 

「そうよ」

 

「嘘だろ」

 

「嘘じゃないわ、何ならお正月に集まった時の写真を見せましょうか?」

 

生徒会長はそう言って携帯の一枚の写真を見せるとそこには確かに広木防衛大臣が写って居た

 

「マジかよ」

 

「この前お爺ちゃん言ってたわよ、自分に対して敬語も何も使わない私と同じ歳くらいの子に会ったって、名前を聞いて呆れたわ。ついこの間私に敬語を使わなかった子がお爺ちゃんにまで敬語を使わなかったんだもの」

 

「良いか生徒会長、敬語ってのは敬う言葉と書いて敬語って読むんだ。なのに見ず知らずの他人に敬語を使う理由が何処にある?」

 

「はぁ、貴方って誰に対しても態度を変えないのね。お爺ちゃんもそこは将来大物になるって気に入ってたみたいだけど」

 

生徒会長はそう言ってため息を吐く

 

「驚いた、まさか琴音が広木防衛大臣の孫だったとは」

 

「別に自慢したいわけじゃ無いしね、にしても翼夏休みの宿題進んでるの?今日ここに来た1番の理由は夏休みの宿題よ?」

 

なら俺はもう帰って良いって事か

 

「分かっている何処に行くんだ湊?」

 

「いや、用事も終わっただろうし帰るんだが?」

 

「終わってないわ、私はねお礼はちゃんと返さないと気が済まないのよ。奢るわ遠慮なく好きなもの頼みなさい」

 

「遠慮しなくて良いんだな」

 

俺はそう言って店員を呼ぶ

 

「アップルパイとバニラアイス、それと苺パフェとチョコレートケーキ、後パンケーキとドリンクバー1つ」

 

「かしこまりました。ドリンクは彼方からお取りください」

 

店員はそう言って厨房に向かって行く

 

「貴方ね、いくら私が遠慮なくって言ったからって限度ってものがあると思わないの」

 

「悪いな生徒会長、俺はこう言う性格なんだ」

 

俺はそう言って頼んだデザートを一通り食べて喫茶店を出た




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戦姫絶唱シンフォギア G編
58話


「んじゃ行ってくんな」

 

「パパ、葉月も行きたい」

 

夏休みが終わり初登校の日、俺は前日から葉月に一緒に連れて行って欲しいと言われて居たが流石に葉月を連れて行くわけにはいかない

 

「悪いな、お前を高校に連れて行けないんだ分かってくれ」

 

「午後には帰るからセレナの所で大人しくしてろよ」

 

「うん…いってらっしゃい」

 

葉月が本当に寂しそうな表情でそう言うから凄い酷い事してる気になる

 

「おはよう姉さん」

 

「来たか湊」

 

俺は借りて居るマンションの昇降口で待ってくれて居た姉さんと合流する

 

「にしても意外だな、姉さんが学校に通うなんて」

 

「いっ良いだろ別に、あたしはお前と一緒の学校に通ってみたかったんだよ。悪かったなこんな理由で!」

 

姉さんは俺から顔を晒してそう言う

 

「クリスちゃ〜ん!湊く〜ん!」

 

「響か、お前未来はどうしたんだ?」

 

あと少しで学校に着く所で響と合流したがいつも一緒に居る未来が居なかった

 

「未来は今日用事があるって先に学校に行っちゃったんだ」

 

「大変だな未来も」

 

「そうだな」

 

俺の隣を歩く姉さんが俺の言葉に同意する

 

「それじゃあ私と湊君こっちだからまたねクリスちゃん」

 

「じゃあな姉さん」

 

「ああ、またな」

 

そう言って俺と響は自分の教室に姉さんは職員室に向かって行った

 

「おはようビッキー今日は遅刻じゃないんだね」

 

「流石に登校初日に遅刻はしないよ」

 

「そんな事言って、私が起こさなかったら今日も遅刻してたでしょ」

 

「たはは、それを言われると返す言葉もないよ」

 

響は苦笑いをしてそう言う

 

「たく、社会人になっても未来に起こして貰う訳にはいかねえんだし自分で起きる努力はしろよ。ああ、忘れてたフランスに行った時の土産だ」

 

俺は遊園地の時に忘れてたフランスの土産を安藤達に渡す

 

「ありがとう。そう言えばビッキーとヒナも一緒にフランスに行ったんだっけ?」

 

「そうそう、帰りは凄いんだよ!専用の飛行機に乗ってね」

 

「驚いたけど中々出来ない体験は出来たね」

 

まあ専用機に乗る機会何て中々ないからな

 

「フランスと言えばファッションだけど街の人の服とかどうだった!」

 

「凄いオシャレだったよね未来」

 

「うん、いつもとは少し違った雰囲気があったよ」

 

「やはりそうなんですね」

 

「でも私は湊君の作ったスコーンが凄く美味しかったのが1番の思い出だよ」

 

お前の1番ってそんなにしょうもないのな

 

「ビッキーはやっぱり食べ物なんだね」

 

「でも確かに美味しかったね、ねえ今度スコーンの美味しい焼き方教えて」

 

「ああ、良いぞ「皆さん時期にチャイムが鳴りますよ」この話はまた後でな」

 

俺達が話して居ると担任が来たので話をそこで切り上げた




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59話

「ただいま「パパお帰り‼︎」葉月勉強は終わったのか?」

 

「うん‼︎」

 

俺が帰って来た途端に抱きついて来た葉月は笑ってそう言う

 

「そうか、悪いちょっと待ってくれ」

 

俺は葉月にそう言って端末を起動させる

 

「ノイズか、しかも数が多い夏休みの間に出なかった分のつけが来たか『湊君!』分かってるノイズだろ風鳴司令」

 

『ああ、君の居る場所から南西に1km離れた住宅街に出現した至急対処に当たってくれ』

 

「分かった「湊君!」出るぞセレナ」

 

「うん「パパ?セレナお姉ちゃん?」葉月ちゃん、どうしよう湊君」

 

「どうすっかな「湊!」未来どうしてお前が居るんだよ」

 

俺が2階からそう聞くと未来は階段を上がって来る

 

「弦十郎さんから響に連絡があったから私は湊とセレナさんが居ない間葉月ちゃんの事を見てようって思って来たの」

 

「そうか、助かる未来。葉月少しの間だけで良い未来と留守番しててくれ直ぐに戻る」

 

「うん」

 

葉月は少し寂しそうな表情を浮かべたが未来と部屋の中に入って行った

 

「さて、さっさと終わらせて戻るぞセレナ」

 

「うん」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺とセレナはシンフォギアを纏いバイクでノイズの発生地点に向かう

 

「一気に攻め込むぞ」

 

「うん」

 

《豪炎天界》

 

セレナがバイクから降り複数の炎を天に向けて放つとその炎の集合体が広範囲のノイズを殲滅する

 

「俺達もやるぞ」

 

《雷鳴》

 

俺もバイクを降り無数の雷の纏った剣を具現化させて飛ばす

 

「セレナ後方支援を頼む!」

 

「分かった」

 

《紅炎華》

 

セレナは空間から炎の矢を具現化させて放ち俺がノイズを倒す援護をする

 

「はあ!」

 

「やあ!」

 

俺とセレナは数を確認しながらノイズを倒して行く

 

「ちょっと多いね…」

 

「ああ「避けろ湊!セレナ!」やっと来たのかよ」

 

《蒼ノ一閃》

 

俺とセレナが横に飛ぶと青い斬撃がノイズを切り裂く

 

「遅れて済まない」

 

「大丈夫ですよ翼さん」

 

「セレナ後は俺と翼でどうにかなる。お前は避難し損ねた人を探せ」

 

俺がそう言うとセレナは頷いて避難し損ねた人を探しに行った

 

「片付けるぞ翼」

 

「ああ、我々の真打をくれてやろう」

 

《天雷ノ逆鳥》

 

俺と翼は上空に飛び翼の天ノ逆鱗と俺の雷鳥を融合させ剣となった巨大な雷鳥が次々とノイズを殲滅して行く

 

「終わったな」

 

「ああ「翼さ〜ん!」こっちだ立花!」

 

ノイズを倒し終えて少しすると響と姉さんが到着する

 

「遅えぞ響もうノイズは全部倒し終えてんぞ」

 

「たはは、ごめんごめん」

 

「たく、だから言っただろ」

 

姉さんは腰に手を当ててそう言う

 

「湊君、避難し遅れた人は居なかったよ」

 

「そうか「そうだ2人にもこれを渡しておかないとな」何だこれ?」

 

俺とセレナは翼から3枚のチケットを手渡される

 

「今度行われるライブQUEENS of MUSICのチケットだ。雪音と立花にはもう渡してある。良かったら葉月と3人で見に来てくれ」

 

「ああ、時間があったらな。帰るぞセレナ、セレナ?」

 

「え?う…うん」

 

俺は翼達と別れぎこちない表情でそう言うセレナとアパートに帰る

 

「どうかしたのかセレナ?」

 

俺はバイクに乗りながらセレナにそう聞く

 

「うん、ちょっと気になる名前があったの。マリア・カデンツァヴナ・イヴって名前なんだけど」

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴ…か、ん?カデンツァヴナ・イヴ?もしかして」

 

「うん…多分そうだと思う」

 

セレナは嬉しそうにそう言う

 

「そうか、良かったなセレナ」

 

「うん、ありがとう湊君」

 

俺の言葉にセレナは嬉しそうにそう返した。だがこの再会はセレナの望まない形での再会となる事は俺もセレナも知らずに居た




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60話

「たく、何で俺まで」

 

「翼さんが折角くれたんだからちゃんといかないと失礼だよ」

 

QUEENS of MUSIC当日、本当は俺もソロモンの杖の搬送の護衛に当たる筈だったんだが響が俺の代わりに向かう事になった

 

「翼の奴は良かったらって言ってただろ」

 

「パパも一緒に行こう」

 

「葉月ちゃんもこう言ってるしさ、ね?」

 

そこで葉月の名前を持って来るのは卑怯だろ

 

「分かったよ行きゃ良いんだろ」

 

「やった‼︎パパとお出かけ‼︎」

 

葉月の奴翼のライブが目的じゃなくて俺と出かけるのが目的か

 

「はぁ、行くからにはさっさと行くぞ」

 

「うん!」

 

「待って今車用意するから」

 

セレナはそう言って通信機から車を取り出す

 

「乗って湊君、葉月ちゃん」

 

「ああ、それと助手席から案内するから未来を迎えに行ってくれ」

 

「分かったよ」

 

セレナはそう言って車を走らせた

 

「未来まだ寮の中か?」

 

未来が生活をして居る寮の前に車が着くと俺は未来に通信を取った

 

『うん、そうだけど』

 

「今セレナの車で寮の前に来てるから降りて来てくれ」

 

『分かった』

 

そう言って通信を切って数分すると未来が出て来た

 

「すみません、私まで連れて行って貰って」

 

「気にしないで未来ちゃん、湊君と葉月ちゃんのお友達なんだから」

 

「ありがとうございます」

 

そう言って未来は椅子に座りながらセレナに頭を下げる

 

「着いたよ」

 

「ありがとうございます葉月ちゃん着いたよ」

 

未来は会場に着く途中で寝てしまった葉月を起こそうと試みる

 

「葉月着いたぞ」

 

「ん…パパ…おんぶ」

 

「分かった」

 

そう言って俺は車から降りて葉月を背負う

 

「葉月ちゃん気持ち良さそう」

 

「湊君昔から小さい子に懐かれやすかったからね」

 

「うるせえ…」

 

俺はセレナから顔を晒してそう言う

 

「ふふ、本当に不器用なんだから。未来ちゃんこれからも湊君と仲良くしてあげてね」

 

「お前は俺の何なんだよセレナ」

 

「はい、セレナさん」

 

「お前もお前で了承するな未来」

 

俺とセレナと未来はそう話しながら自分達の席に向かった

 

「おお!流石マリア・カデンツァヴナ・イヴ‼︎生の迫力は違うね‼︎」

 

「全米チャートに登場してからまだ数ヶ月なのにこの貫禄はナイスです」

 

「マリア姉さん」

 

あれがセレナの姉マリア・カデンツァヴナ・イヴ

 

「今度の学祭の参考になればと思ったけど流石に真似できないわ〜」

 

「当たり前だ、マリア・カデンツァヴナ・イヴ彼女と俺達じゃ経験の差がありすぎるからな」

 

「私もそう思いますよ板場さん」

 

隣を見ると未来は通信機を見ていた

 

「どうした未来?」

 

「もしかしてまだビッキーから連絡来ないの?」

 

「うん、そんなんだ」

 

「折角風鳴さんが招待してくれたのに今夜限りのスペシャルユニットを見逃す何て」

 

「期待を裏切らないわねあの子ったら、あれ雪音君どっか行くの?」

 

「俺は元々来る気は無かったからな、それに音声は会場内に居れば聴こえて来る」

 

「パパ!葉月も行く‼︎」

 

俺はそう言って客席を立つと葉月も俺に着いて来た




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61話

〜セレナside〜

 

「マリア姉さん」

 

ステージの上で翼さんと歌うマリア姉さんは本当に輝いて見える

 

「どうかしましたか?」

 

「ううん、何でもないよ。それにしてもごめんね湊君ああ言う子だから」

 

「いえ、大丈夫です」

 

「そう言えばヒナこの人誰なの?」

 

未来ちゃんの隣に居る子が未来ちゃんにそう聞く

 

「創世達は知らないよね、セレナ・カデンツァヴナ・イヴさんフランスに居た頃から湊と一緒に居る人だよ」

 

「そうなんだ、安藤創世です宜しくお願いします」

 

「寺島詩織です宜しくお願いします」

 

「板場弓美宜しくお願いします」

 

「私こそ宜しく創世ちゃん詩織ちゃん弓美ちゃん」

 

私はそう言ってステージに立つマリア姉さんに目を向ける

 

『ありがとう皆んな!私はいつも皆んなから沢山の勇気を分けて貰って居る。だから今日は私の歌を聞いてくれる人達に少しでも勇気を分けてあげられたらと思っている!』

 

『私の歌を全部世界中にくれてあげる!振り返らない全力疾走だ!着いて来れる奴だけ着いて来い!今日のライブに参加できた事を感謝して居る。そしてこの大舞台に日本のトップアーティスト風鳴翼とユニットを組み歌えた事を』

 

『私も素晴らしいアーティストに巡り会えた事を光栄に思う』

 

そう言って翼さんとマリア姉さんは握手を交わす

 

『私達が世界に伝えていかなきゃね、歌には力があるって事を』

 

『それは世界を変えていける力だ『そしてもう1つ』ん?』

 

そう言ってマリア姉さんが合図をするとステージの周りにノイズが現れた

 

「アニメじゃないのよ」

 

「何でまたこんな事に」

 

「響…「未来ちゃん皆んなと安全な場所に避難して」セレナさんはどうするんですか?」

 

「私は私に出来る事をしに行くの」

 

(どうしてマリア姉さん)

 

私はそう思いながら翼さんの居るステージに向かった

 

〜セレナside out〜

 

「騒がしいな、未来?何だよ未来?」

 

一曲目が終わってから何故か外が騒がしいと思って居ると未来から通信があった

 

『湊!今何処に居るの⁉︎』

 

「何処ってそりゃ会場内だが、そう言や外が騒がしいが何かあったのか?」

 

『ノイズが、ノイズが現れたの!』

 

「ノイズ⁉︎」

 

俺が急いで端末を確認すると翼達が居たステージの周りにノイズが出現して居た

 

「セレナは⁉︎」

 

『さっき私に出来る事をしに行くって言って何処かに行っちゃった』

 

セレナの奴マリアとか言う奴の所に行ったな

 

「分かった一先ずセレナに任せておけば大丈夫だからお前は避難誘導に専念しろ」

 

『分かった、湊も気をつけて』

 

「ああ、そっちもな」

 

俺はそう言って通信を切る

 

「パパ…」

 

「大丈夫だ葉月「湊さん‼︎」緒川!丁度いい此奴を頼む」

 

「わかりました、行きましょう葉月さん」

 

緒川はそう言って葉月を連れて何処かに向かった

 

「やっべ〜、彼奴こっちに来るデスよ」

 

「大丈夫だよ切ちゃんいざとなったら」

 

「あわわ、調てば穏やかに考えられないタイプデスか⁉︎「何やってんだお前ら」デス⁉︎こっこの子が急にトイレとか言い出しちゃってデスね、参ったデスよ」

 

「そうか、だったら…その首から下げてるペンダントは何だ?」

 

俺はそう言って金髪の少女の首から掛けている紐を指してそう言う

 

「なっ何の事デスかね…」

 

今のやりとりで分かった此奴嘘とかつくの苦手なタイプだ

 

「あくまでしらを切るつもりか…だったら仕方ないな」

 

そう言って俺は少女達に近づく

 

「ちょっと強引に行かせて貰うぜ‼︎」

 

「切ちゃん!」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

金髪の後ろに居た黒髪の少女が聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「何してるデスか調⁉︎」

 

「要約その気になったか」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はそう言って聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「成る程、そう言う事デスかだったら私も容赦はしないデス」

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

そう言って金髪の少女もシンフォギアを纏う

 

「やるデスよ調」

 

「うん、でも切ちゃん…向こうは待ってはくれないみたい」

 

《雷撃》

 

俺は大剣の先に溜めた雷を高出力のエネルギービームとして放つ

 

「たく、これで終わりか…にしてもむかつく聖詠をしやがって」

 

そう言って空いた穴を進むとそこには金髪の少女だけが居た

 

「このギア…どうやら聞き間違いじゃないみたいだな「切ちゃんから離れて‼︎」言われなくとも要件が終われば返してやるぜ」

 

《γ式 卍火車》

 

俺は金髪の少女を抱え大きな歯車を避ける

 

(狭い場所じゃ戦い辛いし広い場所に出るか)

 

「切ちゃんに触れないで‼︎」

 

《α式 百輪廻》

 

俺は金髪の少女を抱えながら開けた場所に向かう

 

「逃がさない‼︎」

 

《非常Σ式 禁月輪》

 

黒髪の少女は巨大な円状の刃を形成し、内側に乗り追いかけて来る

 

(そうだ、そのまま来い)

 

黒髪の少女は思惑通り機材を壊しながら俺を追いかけて来る

 

「とっ、やっと広い場所に…出たか…セレナ‼︎」

 

俺が出た場所は翼達のライブを行ったステージでそこにはセレナが倒れて居た




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62話

〜翼side〜

 

「帰る所があると言うのは羨ましいものだな」

 

「マリア貴様は一体「マリア姉さん!」セレナどうして」

 

私が声のする方を見るとそこにはセレナが立って居た

 

「マリア姉さんどうして」

 

「マリア姉さん?私をそう呼んで良いのはかつて死んだ私の妹ただ1人よ」

 

どう言う事だ…マリアとセレナは姉妹なのか?だがマリアは妹は死んだと…

 

「確かに6年前私はの起動実験で暴走したネフィリムを休眠させる為に絶唱を使った。そのせいで動けなくなって火災で起きた瓦礫の暴落に巻き込まれそうになったのも事実、でも私は死んで無かったの同じ火災で脆くなった足場が崩れたお陰で何とか一命は取り留めたの」

 

「嘘は辞めなさい、仮にそうだとしてあの子なら私やマムに無事を伝える筈よ」

 

「でも信じてマリア姉さん」

 

涙を流しながらそう言うセレナにマリアはアームドギアである槍を向ける

 

「これ以上は私も容赦はしないわ」

 

「マリア姉さん…」

 

「忠告はしたわよ」

 

《HORIZON†SPEAR》

 

そう言うとマリアはアームドギアの刀身を展開し形成した砲身部から、高出力のエネルギービームを放つ

 

「避けろセレナ‼︎」

 

「ごめんなさい翼さん」

 

セレナはそう言ってマリアの攻撃を抵抗せずに受ける

 

「セレナ‼︎」

 

「その程度の力で私に勝てると思って居たのかしら」

 

ギアが解除されたセレナに駆け寄る私にマリアはそう言う

 

「マリア貴様」

 

「観客と部外者は退去した、もう被害者が出る事はない。それでも私と戦えないと言うのならそれは貴方の保身の為、貴方はその程度の覚悟しか出来て居ないのかしら?」

 

「くっ!何だ…この音は」

 

マリアのステージの後ろから刃が擦れる音が此方に近づいて来て居た

 

「この音まさかあの子達‼︎」

 

「とっ、やっと広い場所に…出たか…セレナ‼︎」

 

音のする方から最初に出て来たのは金髪の少女を抱える湊と巨大な円状の刃を形成し、内側に乗り湊を追いかける黒髪の少女だった

 

〜翼side out〜

 

「たく、バカしやがって」

 

翼から事情を聞いた俺は金髪少女をロープで拘束してセレナの隣に降ろす

 

「済まない湊、私が不甲斐ないばかりに」

 

「いや気にすんな、それと彼奴が機材系の殆どをぶっ壊して来てるから中継されるとしても音声も映像もノイズだらけで誰もお前だってわからないと思うぞ」

 

「‼︎そうか、これで私が引き下がる道理が無くなった訳だ」

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

そう言って翼は聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「要約その気になったようね」

 

「いざ押して参る!」

 

「切ちゃんを返して‼︎」

 

「そんなに大事なら奪い返して見せろよ」

 

そう言って俺は黒髪の少女に翼はマリアに向かって行く

 

「やあ!」

 

「ふっ」

 

《β式 巨円断》

 

《雷斬》

 

俺は黒髪の少女が合体させた後に巨大化させて俺の頭上から振り下ろしたアームドギアのヨーヨーを両断する

 

「これなら‼︎」

 

《α式 百輪廻》

 

黒髪の少女は俺に向けて無数の歯車を飛ばす

 

「はぁ、拍子抜けだったな」

 

《天地雷鳴》

 

俺は武器をインドラの槍に変え無数の雷を纏った球体で防ぐ

 

「くっ!」

 

「残念だったな」

 

俺はそう言って雷を纏った球体を黒髪の少女に落とす

 

「そんなの‼︎」

 

《裏γ式 滅多卍切》

 

黒髪の少女はさっき2つだった巨大な歯車を4つに増やして抵抗する

 

(まあ、それは囮だが)

 

《神槍羅刹》

 

俺は地面にインドラの槍を突き刺す

 

「まさか!「私を相手に気を取られるとは」逃げなさい調‼︎」

 

「ふっ!」

 

マリアの言葉を聞いて黒髪の少女が後ろは下がる

 

「外したか、だが此方が有利な事には変わりない」

 

「ああ、話はベッドで聞かせてもらおう‼︎」

 

《風輪火斬》

 

翼は2本のアームドギアの柄を繋ぎ合わせて双刃刀へと変形させ、炎を纏わせながら振り回し斬りかかる

 

「こっちも仕上げるか、何だ?」

 

〜Crimson glacier fenrir tron〜

 

「させない!」

 

そう言って剣を持った赤髪の少女が俺に向かって来る

 

「遅れちゃってごめんね調ちゃん」

 

「ううん、助けてくれてありがとう」

 

「チッ!増援か」

 

俺は一度距離を取って体制を立て直す

 

「装者が3人」

 

「アリスに救われなくとも貴方程度に遅れを取る私じゃないんだけどね」

 

そう言ってマリアは翼に向かって行く

 

「貴様みたいな奴はそう言って見下ろしてばかりだから正気を見落とす」

 

「上か!」

 

上空にはニ課のヘリから降りた響と姉さんがギアを纏って降下して来て居た

 

「土砂降りの16連発」

 

《BILLION MAIDEN》

 

「はあ‼︎」

 

姉さんの銃弾を防ぐマリアに響が追撃を加える

 

「およ?何デスか…って何で私縛られてるデスか⁉︎」

 

「切ちゃんこっち‼︎」

 

「何だか知らないデスけど分かったデス「お前はこっちだ」離すデス!」

 

俺はセレナと金髪の少女を抱えて響達の所に行く

 

「お前そいつ誰だよ」

 

「俺が用のある奴だ」

 

「まあお前にも何か理由があるんだろうな」

 

姉さんはそう言ってマリア達に向き直る

 

「辞めようよこんな戦い!今日出会った私達が争う理由何て無いよ!「偽善者…この世界には貴方の様な偽善者が多すぎる」は!「何をして居る立花‼︎」ありがとうこざいます翼さん」

 

「雪音は立花の援護を頼む、湊と私は装者1人を相手にするぞ」

 

『了解(はい)(おうよ)』

 

そう言って俺は赤髪の少女に向かって行く

 

「切歌ちゃんをどうするつもり!」

 

「さあな」

 

俺はワザと曖昧な返事をする

 

「ちゃんと答えて‼︎」

 

《氷華》

 

赤髪の少女は無数の氷を具現化し俺に向けて飛ばす

 

「こんなんじゃ俺に何かを吐かせる何て夢のまた夢だぞ」

 

「小さいからって馬鹿にしないで‼︎」

 

《氷雪一閃》

 

剣に氷を纏わせて斬りかかって来る赤髪の少女を俺はインドラの槍で受け止める

 

「引くわよ調、アリス!」

 

「でも切ちゃんがまだ‼︎」

 

「落ち着いて調ちゃん、切歌ちゃんを見捨てるわけじゃ無い一度引いて体制を立て直してから迎えに行けば良い」

 

マリアの言葉を聞いても尚も戦おうとする黒髪の少女を赤髪の少女が止める

 

「分かった」

 

黒髪の少女がそう言うとマリアは突然現れた巨大なノイズに向けてエネルギービームを放つとノイズは会場一杯に分裂するとマリア達は何処かに向かって行った

 

「増殖分裂型か…たく、面倒なノイズを残して行きやがるぜ」

 

「どうでも良いからこの拘束を解くデス!「ちょっと黙っててくれ」ちょ!何をするつもりデ」

 

俺はまだ何か言いたそうな金髪を猫に変えて気絶して居るセレナと一緒に通信機の中に入れる

 

「どうする」

 

「絶唱です」

 

姉さんの言葉に響はそう答える

 

「あのコンビネーションは未完成なんだぞ⁉︎」

 

「増殖力を上回る破壊力で一気に殲滅、立花らしいが理にかなって居る」

 

「やれるのか響」

 

「うん」

 

俺の問いかけに響は力強く頷く

 

「分かった、エネルギーを溜め込む合図は俺が出す」

 

「お前まで…はぁ、仕方ない一発ぶちかますか」

 

「ああ」

 

俺達はそう言って手を繋ぐ

 

〜Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl〜

 

「スパーブソング‼︎」

 

「コンビネーションアーツ‼︎」

 

「リリースコネクション‼︎」

 

「セット、ハーモニクス‼︎」

 

そう言って絶唱のエネルギーを響に持っていく

 

「ぐぅぅう!」

 

「耐えろ立花!」

 

「もう少しだ!」

 

翼と姉さんがそう声を掛けるが響の限界が近い

 

「響此処で耐えられなかったら逃げ遅れた奴も未来や安藤達も危ないんだぞ!」

 

「未来…皆んな…うぉぉお‼︎」

 

俺がそう言うと響は気合で乗り切る

 

「上出来だ!やれ響‼︎」

 

俺がそう言うと響は腕のアームドギアにエネルギーを吸収させる

 

「これが私達の絶唱だ〜‼︎」

 

そう言って響は増幅分裂型のノイズをぶん殴ると虹色の光が空に上がって行った

 

「大丈夫か響」

 

俺はギアを解除して地面に座り込む響にそう聞く

 

「あ…うん、大丈夫」

 

「だったら何で泣いてんだよ。ほら」

 

俺がそう言って手を差し出すと響は俺の手を取って立ち上がる

 

「ねえ湊君…私のしてる事って偽善なのかな?胸が痛くなる事だって知ってるのに…」

 

「さあな、それは捉える相手が思う事だ。だがこれだけは言える。それが偽善であってもそうじゃなかったとしても、お前の言葉に行動に助けられ元気付けられた奴は少なからず居る。それは誰にも変えようの無い事実だ」

 

「うん…ありがとう…湊君、あのね…少しの間だけ…良いかな?」

 

「ああ」

 

俺がそう言うと響は俺に抱きつく

 

「未来とは少し違う…でも凄く暖かい」

 

「そうか」

 

「行くぞ湊」

 

「ああ」

 

俺はそう言って響を抱えてニ課の本部まで向かった

 

〜アリスのプロフィール〜

 

名前: アリス・フェアリス

 

年:14歳

 

好きなもの:海老フライ、フライドポテト

 

嫌いなもの:虫、カエル

 

シンフォギア:フェンリル

 

武器:剣




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63話

「そろそろ出してやるか」

 

アパートに着いた俺はそう言って猫に変えた金髪少女を通信機から出す

 

「暴れんな」

 

「何デス急に猫になったりでもう頭が追いつかないデスよ!」

 

「怪我人が寝てんだ静かにしやがれ」

 

「ごっごめんなさいデス…ってそうじゃないデス‼︎」

 

金髪少女はそう言って床を転がる

 

「お姉ちゃん誰?」

 

「私デスか?私は暁切歌デス」

 

「切歌お姉ちゃんって言うんだ!私は雪音葉月‼︎」

 

「葉月お前もセレナが怪我して寝てるんだから静かにしろ」

 

「うん、ごめんなさいパパ。セレナお姉ちゃん元気になった」

 

葉月の質問に俺は首を左右に振る

 

「嫌、まだ一度も目を覚ましてない。まあ無理もないかもしれないがな」

 

「パパお腹空いた…」

 

「晩飯もまだだしな何か食べるか」

 

時刻は8時30分、流石にこの時間じゃ手の込んだ物は出来そうにないな

 

「仕方ない鍋でも食べるか」

 

「お鍋!やった!切歌お姉ちゃんも一緒に食べよ」

 

「敵の情けは受けないのデス」

 

金髪少女はそう言ってそっぽ向くまあ此奴はどうでも良いが

 

「それじゃあ食べるか葉月」

 

「うん!」

 

そう言って俺と葉月は鍋を食べ始めるが

 

「じ〜」

 

「何だよ」

 

「な、何でもないデス」ぐ〜

 

腹が減ってるなら素直に言や良いのに

 

「ん…湊君…葉月ちゃん…」

 

「起きたかセレナ」

 

「セレナお姉ちゃん‼︎」

 

少ししてセレナが起き葉月がセレナに飛びつく

 

「ごめんね葉月ちゃん心配かけちゃって」

 

「ううん!セレナお姉ちゃんもう大丈夫なの?」

 

「うん、大丈夫だよ。あれ?そこに居るのって切歌ちゃん?」

 

「何で私の名前を知ってるデス?」

 

「当たり前だよ、覚えてる?私セレナだよ」

 

セレナがそう言うと金髪少女は疑いの目を向ける

 

「そんな筈無いデス、セレナは6年前に死んだ筈デス。私もマリアも調もマムもこの目でしっかりと見てるデスよ」

 

「それじゃあ切歌ちゃんこっち来て」

 

セレナが手招きすると金髪少女は疑いながらもセレナの所に行く

 

「な!何でそんな事知ってるデスか!それは本物のセレナしか知らない筈デス‼︎」

 

「言ったでしょ?私はセレナ・カデンツァヴナ・イヴだって」

 

「でっでもセレナはあの時確かに…」

 

「セレナの言ってる事は本当だぞ」

 

俺は鍋を食べながら金髪少女にそう言う

 

「6年前、起動実験で暴走したネフィリムを休眠させる為に使われた翌日、その施設が廃棄される事になってな、アメリカに居る俺の仲間がその実験施設を買い取った時に瓦礫の山の下から人が出て来たそれがセレナだ」

 

「そっそれじゃあセレナは本当に…」

 

「うん、辛い思いさせちゃってごめんね切歌ちゃん。マリア姉さんと調ちゃんそれにマムにも辛い思いをさせちゃって」

 

セレナは金髪少女に頭を下げてそう言う

 

「もう良いデスよセレナ無事で良かったデス、早速マリアや調に「ごめん切歌ちゃん調ちゃんは大丈夫かもしれないけどマリア姉さんは難しいと思う」どうしてデス?」

 

「私もねマリア姉さんに切歌ちゃんと同じ事言ったんだけど全然信じてくれなくて」

 

向こうの言い分も分からなくは無いけどな。死んだと思ってた妹が生きてたんだ信じたいって気持ちもあるのかも知れないけどそれ以上に死んだって信じ込んで居た自分がそうさせないんだろう

 

「そうデスか…分かったデスマリアには秘密にしておくデス」

 

「ありがとう切歌ちゃん「セレナお姉ちゃんお鍋一緒に食べよう!」うん、食べようか葉月ちゃん」

 

そう言ってセレナも俺達と鍋を食べる

 

「何なんデスか私への用件って」

 

「お前そのシンフォギア何処で手に入れた」

 

「確かに、切歌ちゃん6年前はペンダントは持ってなかったよね?」

 

「イガリマデスか?これは5年前にFISで渡された物デスよ?」

 

FISって事はやっぱり彼奴らが持ち出してた訳か

 

「そのイガリマは今から5年前に突如紛失した物だ。時期的にもFISの連中が無断で持ち出したんだろう」

 

「そう言われても私にはこの力が必要何デス、マリアの為、調の為、マムの為、アリスの為この力が必要デス、だから手放すわけにはいかないデス」

 

「それでフランス諸国を敵に回す事になったとしてもか?」

 

俺がそう聞くと金髪少女は力強く頷く

 

「調にマリア、マムにアリスを守るため為なら私はどんな罪も背負ってみせるデス」

 

「分かった、だが次に敵対する様な事があればその時は例えセレナの姉や友人だとしても容赦はしない叩き潰す」

 

「分かったデス」ぐ〜

 

「ほら、これで何か買って来い捕虜に餓死される訳にはいかないからな」

 

そう言って俺は金髪少女に1000円札を渡す

 

「こっこんな大金貰えないデス‼︎」

 

「1000円が大金ってどんな生活してんだよ」

 

「とっ取り敢えず一緒に行こう切歌ちゃん」

 

「わ、分かったデス」

 

2人はそう言ってアパートを出てコンビニに向かって行った




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64話

〜調side〜

 

「切ちゃん…「調ちゃん」アリス…どうかしたの?」

 

私がシャワーを浴びて居るとアリスが中に入って来る

 

「元気がない気がして、やっぱり切歌ちゃんが心配?」

 

「うん、それに…」

 

「まだあの人の事を?」

 

確かに切ちゃんの事も心配だけど彼奴の言葉も気に入らない

 

(話せば分かり合えるよ!戦う必要何か!)

 

「何にも背負ってない彼奴が人類を救った英雄の1人だなんて私は認めたくない」

 

「うん…本当にやらないといけない事があるなら例え悪いと分かって居たとしても背負わなきゃいけない時もあるそれなのに「それでも私達は私達の正義と上手くやって行くしかない。迷って振り返る時間なんてもう残されて居ないのだから」マリア…そうだね時間は待ってはくれないもんね。その為にも先ずは切歌ちゃんを取り返さなきゃ」

 

「うん」

 

(切ちゃん、必ず助けに行くから無事で居てね)

 

切ちゃんの事を考える私を見てアリスは笑って居た。だから気づかなかった

 

「…やっぱり私の事覚えてないんだね兄に…」

 

笑顔の裏で小さくそして寂しそうに呟くアリスの声に

 

〜調side〜

 

「…響…響たら」

 

「…何やってんだよ未来…」

 

俺は上の空の響に呼びかける未来にそう聞く

 

「立花さん何か悩み事でもあるのかしら?」

 

「はい、とっても大事な」

 

「秋ですものね、立花さんにだってきっと色々思う所があるんでしょう」

 

「そう何です」

 

響は自然な流れで席の前まで来た先生と会話をする

 

「おい響そろそろ誰と会話してるか気づけよ」

 

「え?「例えば私の授業よりも大事な」あれ?先生⁉︎」

 

やっと気づいたのかよ話し声で気付けよ

 

「新校舎に移転して2週間後に学祭も控えて、誰も皆新しい環境で新しい生活を送って居ると言うのに貴方と来たら相も変わらず何時も何時も!何時も何時も何時も」

 

「でも先生‼︎こんな私ですが変わらないで居て欲しいと言ってくれる心強い友達も案外居てくれたりする訳でして「立花さん‼︎」ひぃ!」

 

「……バカ」

 

(毎度毎度本当にバカだな響の奴、まあ見てて飽きはしないが)

 

そう思いながら前を見て居ると先生が俺の隣の空いてる席と未来を交互に見る

 

(これってつまりは)

 

未来も先生の意図に気づいたのか立ち上がる

 

「どうしたの未来?」

 

「このままでは小日向さんにまで影響がでかねませんからね、なので小日向さんには雪音君の隣に移動して貰いました。雪音君は成績も優秀ですからね」

 

「そんな⁉︎」

 

まあ自業自得だな

 

「…よろしくね湊」

 

「…ああ、よろしくな未来」

 

「それと立花さん貴方はこの時間の授業は廊下に立って反省してなさい」

 

「はい」

 

そう言って響は廊下に出た

 

「ふぇ〜、やっと未来と隣の席になれたのに」

 

「響が全然授業に集中出来てないからでしょ」

 

「それにしても廊下に立たされる人久しぶりに見た気がする」

 

授業が終わり現在は中庭で弁当を食べて居る

 

「他にも居たのかこんなバカな奴が」

 

「う〜ん、小学校1年の時に1人居たくらいかな?」

 

小学校1年って事は6、7歳か相当前だな

 

「そう言えば雪音君時々居ないけど何処で食べてるの?」

 

「ああ、そう言う時は姉さんと食べてるんだ」

 

(まあ姉さんの場合そうしないと購買のパンとかばっかり食べて栄養も偏るからな)

 

そう思いながら俺は弁当を食べた




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65話

「それで俺達のクラス学園祭の出し物なんだが…全部却下!」

 

『えー!?』

 

昼休みの後、学園祭の出し物を決めているんだがその案が最悪だった

 

《雪音湊の執事喫茶》

 

《雪音湊と王様ゲーム》

 

《雪音湊とお化け屋敷》

 

「お前ら俺が黙って聞いてたら揃いも揃ってアホなのか‼︎第一誰が喜ぶ奴なんている訳ねえだろ‼︎」

 

「私は居るって断言できるよ。良く話したりしてる立花さん達は兎も角さ雪音君とあまり関わりのない他のクラスの人とかは結構喜ぶし喰い付きも良いと思うよ」

 

「…百歩譲って居たとしよう、だが何で俺限定何だよ!執事喫茶をするなら女子も数名男装すれば良いだけだろ!」

 

「まあまあ落ち着いて湊君「お前は黙ってろ響‼︎」たはは、こりゃ想像以上にご立腹だよ。どうする未来?」

 

響はそう言って文化祭実行委員の未来にそう聞く

 

「う〜ん、流石に本人の意思を無視する訳には行かないしね」

 

「そもそもの話これを生徒会が許可するのか?」

 

「あ〜、確か生徒会の許可が必要なんだっけ?」

 

そうクラス間の出し物の内容は予め生徒会への申請が必要になる

 

「はぁ、仕方ない今からするゲームにお前らが勝てば学園祭当日はお前達の考えたこれで行こう」

 

俺のこの言葉でクラスが騒がしくなる

 

「話は最後まで聞け、これはあくまでお前達がゲームに勝てたらだ。もし負けたらこの案は無し別の真面な物にして貰う。そして俺は学園祭当日は出し物に参加しない」

 

「雪音君、流石にクラスの出し物には参加して欲しいんだけど」

 

「それは彼奴ら次第だ、取り敢えず今から鬼ごっこをする。ルールは至ってシンプルだ。今日と明日のこの時間つまりは文化祭の準備時間だ。その間に学校の敷地内でお前達の内誰か1人でも俺を捕まえられたらお前達の勝ち俺は学園祭当日はお前達の考えた案に従おう。逆に誰1人として俺を捕まえられなかったらさっきも言った通り学園祭の出し物は変えて貰うし俺は出し物に参加しない以上だ質問はあるか?」

 

俺の言葉に全員が首を横に振る

 

「決まりだな」

 

「一先ず仮の出し物を決めよっか」

 

そう言って未来が採決を取る

 

「それじゃあ私達のクラスの仮の出し物は《雪音湊の執事喫茶》に決まりました」

 

「先に言っとくがこれはあくまで仮の出し物だ誰も捕まえられなかった時の為に真面なのを考えろよ。それじゃあ全員机に顔を伏せろ」

 

俺がそう言うと全員が机に顔を伏せる

 

「先生後の事お願いします」

 

「分かったわ10、9、8」

 

先生が数え始めると俺は教室の窓に向かって歩く

 

「よっと」

 

「3、2、1⁉︎」

 

俺が窓から飛び降りると先生は驚いた声を上げる

 

「ゆっ雪音君⁉︎大丈夫なの⁉︎」

 

「大丈夫です。それで全員教室出ましたか!」

 

「ええ!今さっき出て行ったわ!」

 

今さっきって事は此処に来るまでの多少の時間稼ぎにはなるか

 

「分かりました!」

 

俺はそう言って人気の無い校舎裏に向かう

 

(これを知ってるのはあの中じゃ響と未来だけだからな)

 

俺は自分の姿を猫に変えて校舎に向けて歩いて行った




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66話

(何処だよ此処)

 

鬼ごっこ開始数分俺は木の枝から窓の空いてる部屋に入った

 

(ある程度校舎内は見て回ったつもりだったがこんな場所があったんだな)

 

「あら?どうしてこんな所に猫が」

 

(この声って生徒会長、て事は此処って生徒会室か通りで見た事ない訳だ)

 

俺が顔をあげるとそこにはやはり生徒会長が居た

 

「あの窓から入って来たのね、駄目よ勝手に入って来ちゃ」

 

生徒会長はそう言って俺を持ち上げる

 

「会長何をしているんですか?」

 

「梨沙、可愛い侵入者が居たからついね」

 

「何を言って居るんですか、侵入者何ですから可愛い訳が…子猫でしたか。確かに可愛い侵入者ですね。換気の為に開けていた窓から入って来たんでしょうね」

 

此奴は確か副会長だったか?

 

「それでどうかしたの梨沙?」

 

「学園祭の出し物の申請がまだ完了していないクラスがいくつかある様なのでそろそろ催促に行こうかと」

 

「良いじゃ無い後になって苦労するのはその子達なんだから」

 

それは最もだがそれで良いのか生徒会長

 

「会長…その大変の内に私達生徒会も居るんですよ?分かって居るんですか?」

 

「その時は去年みたいに学校に泊まれば良いじゃ無い」

 

「はぁ、そうならない様に私は催促に行こうとして居るんですよ。1年生はまあ1クラスなので良いでしょう。2年はB組とD組、3年はA組とC組です」

 

1年で申請してないの俺らのクラスだけかよ

 

「そう、催促をするかどうかは梨沙に任せるわ」

 

「わかりました。今日の所は辞めておきましょう」

 

副会長はそう言って俺に向かって来る。何故か生徒会室の鍵を閉めて

 

「会長この子連れて帰っちゃダメですかね、本当に可愛くて仕方ないんです」

 

「貴方って本当に小動物が好きね、そう言う貴方も私は嫌いじゃ無いけど、て言うかそろそろ辞めてあげなさい苦しそうにしてるわ」

 

「は!すみません会長お見苦しい所を」

 

副会長がそう言って謝罪をすると扉が叩かれる

 

「あれ?誰も居ないのかな?会長?副会長?居ますか?」

 

「直ぐに行く、失礼します会長」

 

そう言って副会長は何事も無かったかの様に鍵を開けて出て行った

 

(何かどっと疲れた)

 

「貴方何処と無く彼に似てるわね」

 

生徒会の言う彼とは恐らく俺の事だろう

 

(まあ生徒会長なら良いか、口も硬そうだし)

 

「なっ⁉︎あっ貴方‼︎」

 

「久しぶりです生徒会長「今直ぐ此処であった事を忘れなさい」それで脅しのつもりかよ」

 

「脅しじゃ無いわお願いよ」

 

ならその木刀を仕舞え

 

「分かった分かった、此処であった事は誰にも言わない」

 

「そうなら良いわ、それともう1つ答えなさい貴方のそれは何かしら?」

 

「おいおい、こっちは質問も何もしてないってのにそっちにばかりに情報を提供するのはおかしく無いか」

 

俺がそう言うと生徒会長は木刀を下げる

 

「そうね、こればかりは貴方の言う通りよ。今ので無断で生徒会室に侵入した事は不問にしてあげるわ。でも貴方がそれを悪用したのは事実よ、この質問に答えたならこの事も不問にしてあげるわ」

 

悪用って俺何もしてないよな?

 

「はぁ、分かった話せば良いんだろ話せば」

 

「最初からそうすれば良いのよ」

 

俺はある程度脚色して生徒会長に話す

 

「成る程ね、納得はいかないけど理解はしたわ。でもそこまでして何をしていたの?」

 

「文化祭の出し物をかけての鬼ごっこですかね」

 

「何を言って居るの?」

 

俺は此処に来るまでの経由を生徒会長に話す

 

「成る程ね、貴方はクラスのその出し物が嫌で鬼ごっこを提案、そして木の枝から窓の空いていた生徒会室に入ったのね」

 

「単純に話せばそんな所だな」

 

「つまり貴方が此処に居ると校内放送をすれば貴方のクラスの人達は生徒会室前に来ると」

 

この人の意図は大体分かった、居場所がバラされたくなければ何か手伝えと

 

「お前良い性格してやがんな」

 

「何の事かしらね、私はただもしもの事を言っただけよ」

 

生徒会長は澄ました顔でそう言う

 

「んで何だよ」

 

「私の事は生徒会長じゃなく琴音と呼びなさい」

 

「分かったよ琴音」

 

「上出来よ、6限が終わるまで此処に居なさい。紅茶を淹れて貰ったりするだろうけど」

 

琴音はそう言って生徒会長と書かれたプレートのある席に座った




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67話

「会長只今戻りまし…会長これは一体…」

 

「お帰り梨沙」

 

まあ副会長の言葉にも頷ける生徒会室に戻って来たら生徒会長が制服じゃ無いんだからな

 

「お帰りではなく…その格好は…」

 

「変かしら?私は似合ってるって思うんだけど」

 

「いえ、お似合いではあるんですが…それに彼は」

 

副会長は俺を指差してそう言う

 

「雪音湊君よ、色々とあってね今は此処に居るの」

 

「そうでしたか、私は2年の西住梨沙だ」

 

「1年の雪音湊だ」

 

俺と副会長はそう言って会釈を交わす

 

「それでこれについてよね、これは彼の試作品よ。何でもその人の任意の服装になれるそうなの」

 

「そうでしたか、では会長は自らそのドレスを?」

 

「ええ、因みに今は私の任意の服装だから雪音君は執事服なの」

 

当然だ、誰が望んでこんな格好をするものか

 

「そう言えば要件は何だったの?」

 

「申請用紙の提出でした。そう言えば1年生に彼の居場所を聞かれましたがその色々に関係があるのでしょうか?」

 

副会長がそう言うので俺は副会長に会長と同じ説明をした

 

「成る程、それで会長は…事情はわかりました。そう言う事なら私も了承しましょう」

 

「梨沙ならそう言うと思ったわ、それで梨沙はどんな服を着てみたい?」

 

「いえ、私はこのままで大丈夫です」

 

「そう、なら私が決めてあげるわ」

 

そう言って琴音はファッション雑誌を見る

 

「会長またそんな物を持ち込んで居たんですね」

 

「良いじゃ無いこれくらい」

 

「ですが「これなんて良いじゃ無い」私の話を聞いて下さい会長‼︎」

 

琴音は副会長の言葉に耳を傾けず副会長の服装を変える

 

「やっぱり似合ってるじゃない」

 

「似合いませんよ、会長の方がきっとお似合いですよ」

 

「そうかしら?貴方はどう思う?」

 

正直言ってどうでも良いがそう言うと校内放送とか使われるんだろうな

 

「俺は似合ってると思うけどな」

 

「そうよね、梨沙もせっかく可愛いんだから偶にはそう言う服を着ないと」

 

「もう知りません」

 

副会長はそう言って副会長と書かれたプレートのある席に座る

 

「大変だなお前も」

 

「会長が済まない」

 

副会長はそう言って紅茶を飲む

 

「美味いな、君が淹れたのか?」

 

「ああ、それがどうした」

 

「私達のクラスは学園祭で喫茶店をする事になってな、紅茶の淹れ方を教えて欲しいんだが構わないか?」

 

「ああ、別に良いぞ」

 

副会長の問いかけに俺はそう答える

 

「ありがとう、明日の放課後に生徒会室前に来てくれ」

 

「分かった」

 

俺がそう言うと副会長はもう一度紅茶を飲んだ

 

「そろそろ6限も終わりですね」

 

「そうね、終わりにしましょうか流石に1年生に見せる訳にはいかないものね」

 

「やっと終わったか」

 

俺はそう言って機械を端末に仕舞うと制服に戻った

 

「それじゃあ俺は教室に戻ります」

 

「私達も戻りましょうか」

 

「ええ、そうですね」

 

俺達はそう言って生徒会室を出た




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68話

『湊君‼︎聞こえるか‼︎』

 

「風鳴司令か今何時だと思ってやがんだよ」

 

真夜中の突如の通信に若干キレ気味に返す

 

『済まない、だが緊急事態が発生した』

 

「緊急事態だ?」

 

『響君達の適合係数が急に低下し始めた。このままではギアのバックファイアで自身を殺しかねない』

 

成る程な確かに緊急事態だ

 

「分かった今から向かう」

 

俺はそう言って響達の居る場所に向かう

 

「翼‼︎」

 

響達のギアの反応を頼りに向かうと上空から翼が落下して居た

 

「済まない助かった湊」

 

「気にするな」

 

俺はそう言って翼を響達の所に連れて行く

 

「湊君!来てくれたんだ!」

 

「風鳴司令から通信が来てな、さて」

 

俺が海を見るとそこにはアームドギアの槍の上に立つマリア・カデンツァヴナ・イヴが居た

 

「彼奴は!」

 

「時間通りですよフィーネ」

 

「フィーネだと」

 

姉さんが驚くが何も可笑しな話じゃない彼奴は言った自分を永遠の刹那に存在し続ける巫女だとつまり彼奴は輪廻転生を繰り返すそれが偶々彼奴だったってだけだ

 

「あれはネフィリム⁉︎何でテメェがそれを持ってやがる」

 

「それは貴方が知る必要は無いわ」

 

「だったら…力尽くでも聞き出してやろうじゃねえか‼︎」

 

《雷鳥》

 

俺は雷鳥に乗ってマリアに突っ込む

 

「見せて貰うわよ、フランス最強の装者の力を‼︎」

 

「望み通り見せてやる‼︎」

 

俺は雷鳥に乗った状態でインドラの槍を取り出す

 

「ふっ!」

 

「はあ!」

 

マリアはマントを回転させて雷鳥を防ぐと雷鳥はまるで意識があるかの様に上昇する

 

「もう終わりかしら」

 

「まだまだ‼︎久しぶりに全力でやるんだ思う存分俺が満足するまで付き合って貰うぜ‼︎」

 

《雷帝》

 

インドラの槍を空に翳すと無数の雷がマリア目掛けて落ちる

 

「ふっ!」

 

マリアはマントを回転させて竜巻の様になって雷を防ぎ俺に向かって来る

 

「はあ!」

 

「ぐっ!」

 

俺が竜巻を勢いよく突くとマントの一部が破壊されマリアが剥き出しになった所でマリアは後ろに飛ぶ

 

「はあ!」

 

「ふっ!」

 

マリアの攻撃を防ぎ槍を弾くとマリアの槍の先端が砕けた

 

「くっ!これ程までに力の差が」

 

「おいおい、最初の威勢はどこに行ったマリア・カデンツァヴナ・イヴ」

 

「はあ!」

 

《HORIZON†SPEAR》

 

マリアが槍の先端から俺に向けて放った高出力のエネルギービームを雷鳥が切り裂きながら突っ込む

 

「くっ!ぐあ!」

 

マリアは雷鳥を槍で防ごうとするが威力が殺しきれず吹き飛ばされる

 

「これで終わりだ」

 

「させない‼︎」

 

《氷菓》

 

この間の赤髪の少女が俺の背後から具現化させた無数の氷を飛ばす

 

「ちっ、邪魔しやがって」

 

「大丈夫マリア」

 

「ええ、これで形勢逆転ね」

 

「私も忘れてもらっては困る‼︎」

 

そう言って前に出ようとする翼を俺は槍で止める

 

「何のつもりだ」

 

「怪我してる奴が居ても邪魔になるだけだ。下がってろ俺1人でどうとでもなる」

 

「気が付いて居たのか…分かった」

 

翼はそう言って後ろに下がる

 

「随分と甘く見られた様ね、私もアリスも2対1でやられる程弱くはないわ」

 

「嫌弱い、お前と弱虫アリスだろ」

 

「私は…私はもうあの時の私じゃない‼︎」

 

そう言ってアリスは俺目掛けて突っ込もうとする

 

「闇雲に行くのは辞めなさいアリス返り討ちになるだけよ」

 

「うん」

 

「来ないのか?だったらこっちから行くぞ‼︎」

 

《天地雷鳴》

 

俺は周囲に雷を纏った球体を生成して2人に飛ばす

 

「ふっ!はあ‼︎」

 

「やあ!」

 

俺はマリア目掛けて突っ込んで行く

 

「ふっ!はあ!」

 

「くっ!」

 

マリアは俺にマントで防いでも意味がないと理解して居るのか槍で受け流して居るが徐々に押されて居る

 

「はあ!」

 

「ぐあ!」

 

俺が蹴りを入れるとマリアは海に落ちて行く

 

「此奴で終わりだ」

 

《雷星槍》

 

俺は上空で雷を纏った槍を巨大化させる

 

「まさか⁉︎辞めろ湊‼︎」

 

「辞めて兄に‼︎」

 

俺は翼とアリスの制止を無視して巨大化させた槍をマリア目掛けて投げた

 

「ぐあぁぁあ‼︎」

 

暫くするとインドラの槍は俺の手元に戻って来る

 

「マリア‼︎」

 

アリスはギアが解除されたマリアを助ける為に海に入って行った

 

「辞めろ湊!お前はあの2人を殺すつもりか‼︎」

 

「その程度の事想定してないでどうする、此処は戦場だ。戦場は常に喰うか喰われるかの世界だそのくらいの事幾つもの戦場を渡り歩いて来たお前なら分かる筈だ」

 

「湊お前、それを本気で言って居る訳じゃないだろうな」

 

翼がそう言うと何処からか戦闘機が姿を現しマリアとアリス目掛けてロープを垂らす

 

「チッ!」

 

俺はインドラの槍を端末に仕舞う

 

「ソロモンの杖を返しやがれ「辞めろ姉さん、あれはステルス迷彩が搭載されてるから直ぐに見えなくなる」そうか」

 

俺がそう言うと姉さんはギアを解除した

 

「俺はサンダルフォンで一度アパートに戻る」

 

「分かった師匠にも伝えておくね」

 

俺は響のその言葉に頷き雷鳥に乗りアパートに向かった




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69話

〜マリアside〜

 

「此処は…」

 

私が目を覚ますとそこは移動用の戦闘機の中だった

 

「マリア目が覚めたデスね」

 

「良かった」

 

そこに切歌と調が来た

 

「私は一体…」

 

「覚えてないの?」

 

「彼奴に海に落とされた後に電気を浴びて気を失ったデスよ」

 

切歌と調にそう言われて思い出した。そうだ私は彼(雪音湊)に負けたんだ

 

「あんなの負けた内に入らないデスよ」

 

「そうだよ、戦う場所が悪かっただけ」

 

「いいえ、彼と私には埋められない差があったわ。それは並大抵の事じゃ絶対に埋められない差よ」

 

実際私は最初から最後まで圧倒されっぱなしだった

 

「あれがフランス最強の装者、まさかこれ程までの実力だった何て」

 

「大丈夫デス、私と調が力を合わせれば勝てない相手じゃないデス」

 

「うん、私と切ちゃんなら」

 

「貴方達2人だけでは返り討ちに合うだけです」

 

そう言ってマムが中に入って来る

 

「ごめんマム」

 

「貴方が悪い訳ではありません。全ては彼の実力を軽視して居た私がいけないんです」

 

「人類を救った本物の英雄雪音湊、やはり彼は要注意人物の様ですね」

 

少し遅れてドクターとアリスも入って来る

 

「アリスから彼の事を大方聞きました。彼は8年前に終止符を打ったシンフォギア軍事兵器化実験の被験者だったそうです」

 

「それって確かアリスも被害に合った言うあれデスか?」

 

「その様です」

 

切歌の言葉をマムは肯定する

 

「彼と貴方の間に何があったのアリス」

 

「うん、話すよマリア」

 

そう言うとアリスは彼との間にあった事を話す

 

〜マリアside out〜

 

〜アリスside〜

 

兄にとの思い出の中で一番最初に出て来る記憶は真っ暗な部屋そして泣き叫ぶ子供の声

 

『入れ』

 

『……』

 

その時兄には何も言わずに入って来て少し怖かった。でも此処に来る人でそう言ったのは珍しくはなかった。自分と同じ無理矢理親や家族から引き離された人だと思って居たから

 

『はぁ、辛かった』

 

その人が居なくなると兄にはそう言って壁に移動する

 

『ねえ、何て名前なの?』

 

『アリス…アリス・フェアリス』

 

『そっか、僕は雪音湊宜しくアリス』

 

『うん…』

 

それが私と兄にの初めての会話だった

 

『大丈夫アリス?』

 

『うん『テメェ何休んでんだ』ごっごめんなさい』

 

『アリスの運ぶ量どう考えても他の子よりも多いんだし少しくらい良いじゃん!』

 

『ガキが口答えてんじゃねえよ‼︎』

 

兄は振われた鞭を避けようとせずに私を守る様にして立って居る

 

『此奴は良いぜ、おいそこのお前此奴を抑えてろ』

 

『そんな…『ああ?折角情けを掛けてやってるてのにそれを棒に振るのか?』はっはい!』

 

私は恐怖のあまりその人の命令を聞く事しか出来なかった

 

『これからも頼むぜ』

 

男は兄にを暫く鞭で打ち続け満足したのかそう言って何処かに向かって行った

 

『ごめんなさい…私怖くて…本当にごめんなさい』

 

『気にしないでアリス、僕は大丈夫だから』

 

兄にはそう言って私の頭を撫でてくれた

 

『兄に…その兄にって呼んでも良いですか?』

 

『兄に?何だか良く分からないけどアリスの好きに呼んでくれて良いよ』

 

『はい‼︎宜しくお願いします兄に』

 

その日から私はあの人を兄にって呼ぶ事にした。私はどんな時でも兄にと一緒に居た。どれだけ辛くても兄にと一緒に居れば耐える事が出来た。でもあの日から兄には変わっていった

 

『そこのお前出ろ』

 

『分かった』

 

『兄に…『心配しなくて良いよアリス直ぐに終わったら直ぐに戻って来るから』うん』

 

そう言って兄には私を残して男と何処かに向かって行った。最初の内は今まで通りの兄にだった

 

『兄に…『悪いアリス今日はもう寝させてくれ』うん…』

 

時々少し怖い日もあったけど今まで通り優しい兄にの日が多かった。でもある日

 

『兄に『煩いんだよ毎日兄に兄にって‼︎俺はお前の兄にじゃねえよ‼︎』でも…兄には兄にだし…』

 

そう言って伸ばす私の手を兄には弾いた

 

『兄に兄にって何でも俺に頼ろうとすんな‼︎』

 

『そんな…兄に…』

 

そう言って手を伸ばす私に兄には大剣を向けた

 

『だから…俺は兄にじゃない』

 

『何をやってる‼︎』

 

『別に、此奴に兄に呼びを辞めさせようとしてただけだ』

 

『…今直ぐそのギアを解け部屋の移動だ』

 

『ああ』

 

兄にはそう言って男に着いて行く

 

『兄に‼︎待ってよ‼︎1人にしないで‼︎』

 

『うるせえ、じゃあな泣き虫アリス』

 

兄にそう言われた後の事はよく覚えてない、気が付けば施設は壊れて私1人だけがそこに立って居た

 

「そんな事が」

 

「うん、その後FISに捕まって2年経った時にマリア達に会ったの」

 

私はマリア達に兄にとの事を話した

 

「酷い、アリスが寂しいって知ってるのにそんな事言う何て切ちゃんもそう思うよね、切ちゃん?」

 

「…なっ何デスか調?」

 

切歌ちゃんは調ちゃんに呼ばれて返事をするが何か考え込んでるのか少し間があった

 

「どうかしたの切歌ちゃん?」

 

「えっとデスね、私にはあの人が望んでそんな事をする様な人に思えないんデス」

 

「切ちゃんは彼奴の肩を持つの?」

 

「そう言う訳じゃないデスけど…」

 

切歌ちゃんは何とも言えない表情でそう言う

 

「何方にせよ我々の敵である以上戦闘は免れられません。接触があった場合危険ではありますがマリアとアリスの2人で交戦をお願いします」

 

「「分かったよ(OK)マム」」

 

私とマリアはマムの言葉にそう返事をした

 

〜アリスside out〜




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70話

「来たか雪音」

 

「当然だ。約束をすっぽかす様な事をするつもりはないからな」

 

昼休みの後、鬼ごっこ2日目が始まり今日逃げ切れば俺は学園祭当日のんびり出来るその為にも副会長の所で時間を稼ごう

 

「皆んな待たせて済まない、昨日言って居た助っ人を連れて来た」

 

「雪音湊だ、宜しく頼む」

 

『宜しくお願いします‼︎』

 

俺がそう言うと副会長のクラスの奴らはそう返す

 

「彼はフランスからの留学生らしくてな、紅茶の淹れ方を教えて貰おうと思って来てもらったんだ。早速頼む」

 

「分かった、先に聞いておくぞこの中に紅茶を淹れた事がある奴は居るか?」

 

俺はそう聞くが誰も返事をしないって事は全員初めてか

 

「良いか、紅茶を淹れる時に1番最初に気をつけるのはお湯の温度だ。紅茶に淹れるのに適してる温度は沸騰直後の100℃だ。この温度が紅茶の香気成分を1番良く引き出すんだ。この時のお湯がぬるかったり沸騰しすぎたお湯では紅茶の香気成分がよく出ないから気をつけろ」

 

俺がそう言うと全員がメモ帳にメモを取り始める

 

「すみません!紅茶に1番適してる温度って何度でしたっけ?」

 

「次はないぞ100℃だ」

 

「ありがとうございます」

 

そう言って女生徒はメモを取る

 

「次に紅茶を淹れるポットだ。一見何でも良い気がするが此処にも気をつける点がある。それは鉄分の含まれたポットは避ける事だ」

 

「どうしてですか?」

 

「それはだな、鉄分を含むポットを使うと紅茶のタンニンと言う成分が鉄分と化合して香味を損なうからだ、それだけじゃない紅茶の命と言っても良い色も黒っぽくしてしまって見た目も悪くなる。だからポットは陶磁器か銀製のティーポット、それが無ければガラス製のティーサーバーを使え、それもない場合は緑茶用の急須を代用品として利用するのも可能だ。最後にティーカップだな、ティーカップは出来るだけ白が良いな、紅茶の生命は色と香りだと言っても良い。その色を楽しむために内側は白くて香りが広がりやすい浅い形をしたティーカップが理想だ。紅茶を淹れるまでに気をつける手順としてはこれで終わりだ。何か質問はあるか?無いならこれで終わりだ」

 

『はい!ありがとうございました‼︎』

 

そう言って全員が紅茶を淹れる準備に取り掛かる

 

「ありがとう雪音」

 

「別に、俺は行くからな」

 

「待て今日は此処に居ると良い、皆んなも初めて淹れる紅茶だ。君の感想も欲しいだろう頼めるか?」

 

まあ此処で時間を稼げはそれだけ逃げる時間が減る訳だからな

 

「分かった、待て全員でやっても手が余る。スコーンの作り方も教えるから何人かこっちに来い」

 

そう言って俺の所に集まったのは半数の15人だった

 

(これだけ居れば大丈夫だろう)

 

そう思った俺は集まった奴らにスコーンの作り方を教えて2日目の鬼ごっこも俺と同じクラスの奴に出会わずに終わった




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71話

「逃げるぞ湊‼︎」

 

「何で俺まで‼︎」

 

翌日、俺は2日間逃げ切った物の準備だけは手伝おうとしたのだが出し物がまだ決まってないらしいのでリディアン内を散歩して居ると姉さんに捕まり姉さんの言う奴等から逃げて居る

 

「此処までこれば大丈夫だろう」

 

「いや、油断してたらいつ追いつかれるか分かったもんじゃねえ気をつけろ」

 

そう言って姉さんは周りを警戒する

 

「姉さんの言う奴らって一体誰の事なんだよ」

 

「クラスの奴らだよ、何でも文化祭当日に勝ち抜きステージってので歌って欲しいらしくてな」

 

「歌えば良いじゃん」

 

「でも何であたし何だよ別にあたしがやんなきゃいけねえって決まりもないだろ」

 

まあ確かに本人が嫌がってんのに追っかけてまでやらせようとするのはちょっと違うかも知んねえな

 

「まあこればっかりは姉さんが決める事だからな」

 

「お前は良いのかよこんな所に居て」

 

「昨日まで鬼ごっこしててな、クラス内の出し物には参加しないって話はつけてる」

 

「そうかよ、ん〜!あたしはちょっと一寝入りするか」

 

姉さんは伸びをしてそう言う

 

「ある程度経ったら起こしてやるよ」

 

「おう、頼むな」

 

そう言って姉さんは目を瞑った

 

「何をして居るんだ湊?」

 

「翼か見ての通り暇を持て余してるんだ」

 

「クラスの準備は良いのか?」

 

「そっちは響達が今決めてる」

 

「そうか、頃合いを見て教室に戻るんだぞ」

 

翼はそう言って校舎の中に入って行った

 

「そろそろ起こすか、姉さん起きろ」

 

「ん…何だよ人が気持ちよく寝てるってのに」

 

俺が起こすと姉さんは愚痴を言って起きる

 

「俺ある程度経ったら起こすって言ったよな?姉さんも了承したよな」

 

「そう言やそうだったな、どれくらい経った」

 

「大体30分くらいだな」

 

そう言って俺は立ち上がる

 

「あたしはもうちょい此処に居る。彼奴らがまだ探してるかも知んねえからな」

 

「分かった、一旦教室に戻る」

 

「おう、じゃあな」

 

俺と姉さんはそう言って別れた

 

「決まったのか」

 

「あ、湊君それがまだ決まらなくて」

 

まだ決まって無いのかよ

 

「候補は何が上がったんだもうそこで決めちまえば良いだろ」

 

「えっと、候補はお化け屋敷と焼きそばそれからクレープ屋の3つでクレープと焼きそばの2つまでは絞れたんだけどその先が中々決まらないんだ」

 

2つまで絞れたならどっちか折れろよ

 

「そうだ雪音君に決めて貰おうよ」

 

「賛成‼︎皆んなも雪音君が決めれば誰も文句ないよね?」

 

女生徒の言葉に全員が頷く

 

「それじゃあ湊君宜しくお願いします」

 

「良いのか?そんじゃあ」

 

全員が了承したので俺はどっちか決める

 

「それじゃあ私達のクラスの出し物はクレープ屋に決まりました。この中でクレープを作れる人は?」

 

未来の質問に俺だけが手を挙げる

 

「お前ら…」

 

「あはは、皆んなも今から覚えていこう当日は湊君居ないんだしさ」

 

「そうだね、一先ず私と詩織が教えて貰うから皆んなは待ってて」

 

「宜しくお願いします雪音さん」

 

「分かった」

 

そう言って俺は未来と寺島の2人と家庭科室に向かった




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72話

「ん〜‼︎さてと、そろそろあの話の決着をつけに行くか」

 

数日後、俺は風鳴司令達とある話の決着をつける為にニ課の仮設本部に向かった

 

「全員居るな」

 

「どうしたんだ湊君」

 

「あの件の決着をつけに来た」

 

俺がそう言うと風鳴司令の表情が険しくなる

 

「そうか、俺としては避けたかったがそうもいかないか」

 

「師匠、湊君の言ったあの件って一体何の事ですか?私には話が見えませんけど」

 

「湊君が俺達ニ課を抜ける事についてだ」

 

「忘れて居たがそうだったな、元々お前が我々に協力したのは雪音を見つける事を条件として居たな」

 

翼と風鳴司令は話が早くて助かる、だが此奴はそうもいかないらしい

 

「でもそんな急に居なくなるなんて…」

 

「響俺は前にもその話はした。その時に風鳴司令が言った通り俺がお前達に協力する理由はもうないからな、それに…敵対して居る奴をみすみす逃す様な事をする奴と組ん居られないからな」

 

「そうか…だが私はあの時お前を止めた事を後悔はしていない」

 

俺の言葉に翼はそう返す

 

「湊君せめて今回の事が落ち着いてからでも」

 

「悪いが断らせて貰う」

 

「そんな…」

 

俺がそう言うと響は寂しげな表情を浮かべる

 

「まあ待て、ならこうしよう響君達3人と君で模擬戦をしよう。君が勝った場合、君がニ課を抜ける事について我々が響君にはもう何も言わせない。逆に響君達が勝った場合、今回の事が落ち着くまで君にはニ課に居て貰う。これなら響君も納得が行くだろう」

 

「そうですね、防人であるならば己の技と力で決着をつけるのが最適だと私も思います」

 

「あたしもそれで文句は無いぜ、湊には負けっぱなしだからな此処らで1つ彼奴にギャフンと言わせんのも面白えな」

 

「分かりました、私も闘います」

 

「決まりだな」

 

「よし、全員10分後にトレーニングルームに移動してくれ、少ないだろうが作戦会議を行う」

 

『はい((了解))!』

 

作戦って言っても俺は1人だけなんだがな

 

〜響side〜

 

「それでどうすんだよ」

 

私は翼さんとクリスちゃんの3人で作戦会議をして居る

 

「まず私と雪音の攻撃で湊に隙を作る。立花お前はその隙を見逃すな、この中で1番力があるのはお前だ立花、故に湊にこの中の誰よりも強烈な一撃を与える事が出来る。そこが勝負の鍵だ」

 

「私に出来るでしょうか?」

 

「ああ、お前なら出来ると私は思って居る」

 

「分かりました、やってみます」

 

私は翼さんにそう答える

 

「でもよ、彼奴もこのバカが1番力があるって事は分かってんじゃねえか?」

 

「だろうな、だからそこ我々が湊に隙を作る必要がある。仮にもし立花が先に打ち取られて仕舞えば近距離が不得手な雪音と力で劣る私が残る事になる。そうなれば我々の勝てる見込みがかなり下がるだろう、我々の勝機は立花お前が握って居ると言っても過言では無い」

 

「はい!私頑張ります‼︎」

 

『時間だ全員トレーニングルームに向かってくれ』

 

「行くぞ立花、雪音‼︎」

 

「「はい(おうよ)‼︎」」

 

そう言って私達は湊君の待つトレーニングルームに向かった

 

〜翼side out〜




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73話

「済まない待たせてしまったな湊」

 

「さっさと始めようぜ」

 

『それでは模擬戦開始‼︎』

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

~Killter Ichaival tron~

 

俺達は風鳴司令の合図と共に聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「喰らいやがれ‼︎」

 

「はあ‼︎」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

《千ノ落涙》

 

開始早々に姉さんと翼が2人して俺の動きを封じに来る

 

「ふっ!」

 

「翼さん‼︎クリスちゃん‼︎」

 

《雷帝》

 

俺がインドラの槍を天井にかざすと上空から無数の雷が姉さんと翼に向けて落ちていく

 

「くっ!」

 

「ちっ!」

 

姉さんと翼は何とか雷を全て避ける

 

「はあ!」

 

「ふっ!「やああ‼︎」そんなもんか響」

 

俺は片手でインドラの槍を使い翼の刀を受け止め空いた片手で響の拳を受け止める

 

「本命はこっちだ‼︎」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

そう言って姉さんが2基の大型ミサイルを俺に向けて飛ばすと響と翼は俺に当たるギリギリの所で離れる

 

「やったか」

 

「いや、そうもいかないらしい」

 

《雷鳥》

 

土煙の中から飛び出して来た雷鳥を翼達は避ける

 

「その程度か」

 

「な⁉︎無傷だと⁉︎」

 

「嘘だろ「クリスちゃん上‼︎」ちっ!」

 

姉さんは響に言われ上空から自分に向かって降下して来ていた雷鳥に気づき咄嗟に後ろに飛ぶ

 

「雪音‼︎「他人の心配してる場合かよ」くっ!」

 

翼は俺の攻撃を受け止めるが力の差があり着実に押されて行く

 

「はああ‼︎」

 

「ふっ!」

 

翼が押されて居る事に気づいた響が援護に来たので後方に飛んで一度翼から距離を取る

 

「はあ‼︎」

 

《炎鳥極翔斬》

 

翼は両手に携えた直剣のアームドギアから火炎を放出し自身を青い火の鳥と化して俺に突貫してくる

 

「はあ‼︎」

 

《雷星槍》

 

「何⁉︎ぐあ‼︎」

 

「翼さん‼︎」

 

俺はインドラの槍を巨大化させて青い火の鳥の中央部目掛けて投げると青い火の鳥は消え翼は吹き飛ばされ壁に打ち付けられる

 

「そっちも終わったか」

 

俺が響にインドラの槍を向けると雷鳥が俺の所に戻って来た

 

「クリスちゃん‼︎」

 

「悪いな、ちっとばかし油断しちまった」

 

そう言う姉さんはトレーニングルームの壁にもたれて居る

 

「どうする降参するか響」

 

「…ううん、私闘うよ湊君」

 

響はそう言って構える

 

「そうか、来いよ響」

 

「うおお‼︎」

 

そう叫びながら響は俺に向かって来た

 

《真槍羅刹》

 

俺はインドラの槍をトレーニングルームの床に突き刺し地面から無数の槍を出現させ響を拘束する

 

「諦めろ響、お前1人じゃ俺には勝てない」

 

「まだ…まだ!ぐっ‼︎」

 

響がまだ闘うと言うので俺は響の拘束を強める

 

『もう良い響君…勝者雪音湊』

 

風鳴司令がそう言ったので俺は響の拘束を解く

 

「ケホケホ‼︎」

 

「風鳴司令に感謝しろよ響」

 

俺はそう言ってトレーニングルームを出た




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74話

数日後、学園祭当日が来た

 

「パパ‼︎早く‼︎」

 

「おい待て葉月‼︎」

 

1人でのんびり過ごす予定だった学園祭に急遽葉月が行くと言い出しそれにセレナも一緒に行く事になり俺は3人で学園祭を回る羽目になった

 

「葉月ちゃん凄いはしゃいでるね」

 

「まあ中々こう言う所に連れて行ってやる機会も無いしな」

 

「パパ‼︎あれ食べたい‼︎」

 

「分かった分かった、買ってやるから落ち着け」

 

そう言って葉月は俺の手を引いてたこ焼きの屋台に向かう

 

「熱いから気をつけろよ」

 

「うん!」もぐもぐ

 

そう言って葉月はたこ焼きを食べる

 

「美味しい、タコを食べるってちょっと抵抗あったけど」

 

「ああ、俺もそれは思った意外と大丈夫なんだな」

 

俺とセレナがたこ焼きを食べて居ると見知った顔の3人組が居た

 

「彼奴ら何企んでんだ」

 

「あれって…」

 

セレナはそう言って暁達に近寄って行く

 

「楽しいデスな〜、何を食べても美味しいデス」

 

「「じ〜」」

 

「なっ何デスか?調?アリス?「久しぶり切歌ちゃん」およ?お〜!セレナも来てたデスか‼︎」

 

セレナは何でも無さそうに暁達に話しかける

 

「セレナ?切ちゃん何言ってるの?」

 

「ああ、調にも言って無かったデスね。何とセレナが生きて居たんデスよ‼︎」

 

「じ〜」

 

黒髪の少女はセレナの事をじっと見つめる

 

「しっ調ちゃん?「うん、私も切ちゃんの言う通りセレナだと思う」良かった信じてくれて」

 

「あの人は一緒じゃ無いデスか?「切歌お姉ちゃん‼︎」お〜!葉月ちゃんも居たデスか‼︎」

 

「今度は私も知らない子…「俺は知ってるんじゃないか?」‼︎」

 

俺がそう言うと黒髪の少女は後ろに飛んでペンダントを掴む

 

「随分とやる気だな」

 

「ん…」

 

そう言って俺と黒髪の少女は睨み合う

 

「待つデスよ調、こんな所でおっ始める訳にはいかないデス、最悪犠牲者が出るデスよ」

 

「湊君も辞めてこんな所で喧嘩しちゃ怪我人が出ちゃう」

 

暁とセレナの仲裁で俺と黒髪の少女はペンダントから手を離す

 

「ふぅ〜、一瞬本気でおっ始めるんじゃ無いかってヒヤッとしたデスよ」

 

「此処じゃ人目につき過ぎるから場所を変えて」

 

「分かった」

 

俺と黒髪の少女はそう言って2人で移動する

 

「そう言う問題じゃないデス‼︎そもそも接触があった時に彼奴と闘うのはアリスとマリアの2人だってマムにも言われてるじゃ無いデスか!此処にアリスは居るデスけどマリアは居ないデス」

 

「冗談だよ切ちゃん」

 

「調ちゃんの冗談は時々冗談に聞こえない時があるからちょっと困るかな」

 

「湊もだよ、いくら調ちゃんが敵だからってあんまり挑発するのはよく無いよ」

 

「はぁ、分かった行くぞ葉月」

 

「うん!バイバイ切歌お姉ちゃん‼︎」

 

「にいに…私も…」

 

「勝手にしろ…」

 

俺はそう言って葉月とアリスと3人で別の出し物に向かう

 

「うちのクラスはどうなってるかな?」

 

「あ!湊君と葉月ちゃん‼︎いらっしゃい‼︎入って入って‼︎」

 

俺が覗くと響が俺に気付き中に入れる

 

「結構賑わってんだな」

 

「うん!これも湊君が皆んなにクレープの作り方を教えてくれたおかげだよ」

 

「にいに…「その呼び方前に辞めろて言ったよな」…」

 

「えっと…あ!そうだ‼︎何食べる?クレープの作り方教えて貰ったお礼に代金は要らないよ」

 

響は異様な空気を感じ取ったのか場の雰囲気を和らげる為にそう聞く

 

「良いのか?なら此処から此処までを全部頼む」

 

「全部⁉︎流石に1つにしてくれると嬉しいんだけど…」

 

「冗談だ、1つ意外の代金はちゃんと払う」

 

「全部は冗談じゃ無かったんだ…葉月ちゃんとえっと…「アリス」アリスちゃんはどうする?」

 

アリスの姿をちゃんと見てるのは俺と翼の2人だけ響も見ては居るだろうがそこまでしっかりと見てないから敵の1人だって分からなかったらしい

 

「葉月はね…チョコバナナ‼︎」

 

「フルーツミックス」

 

「分かったよ!ちょっと待ってて」

 

そう言って響は注文を伝えに行った




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75話

「美味いなこれ」

 

アリスと別れ俺と葉月は2人で学園祭を回って居る

 

「パパ葉月も食べたい‼︎」

 

「分かった、ほら「やはり湊だったか」お前か翼」

 

俺と葉月が話しながら歩いて居ると翼と出会う

 

「ん?セレナは来て居ないのか?」

 

「セレナの奴なら別行動だ」

 

俺は暁達の事を伏せてそう言う

 

「葉月も来て居たんだな」

 

「うん‼︎さっきね響お姉ちゃんと未来お姉ちゃんの所に行って来たんだ‼︎」

 

「そうか、それと葉月食べ物が口に入って居る時に話すのはよく無いぞ」

 

翼はそう言ってフランクフルトを食べる葉月の頭を撫でる

 

「翼お姉ちゃんにもあげる!」

 

「ありがとう」

 

そう言って翼は葉月から渡されたフランクフルトを食べる

 

「美味しい翼お姉ちゃん?」

 

「ああ、美味しい」

 

翼がそう言うと葉月は嬉しそうな表情を浮かべる

 

「湊…」

 

「ああ、誰かに後を着けられてんな」

 

俺と翼がそう言って振り返ると翼の見える所からは誰も見えないんだろうが俺の居る所からは暁と黒髪の少女の姿が丸見えだ

 

「ん〜、私の気のせいだろうか?」

 

「いや、確実に誰かが後を着けてるそいつが何処に居るかまでは分からないが」

 

《影縫い》

 

俺はそう言って持って居たフランクフルトの木の棒を折り2人の影に投げて動きを封じる

 

「行こうぜ翼「パパ…眠い…」はぁ、ほら」

 

俺はそう言ってしゃがみ葉月を背負う

 

「ふふ」

 

「何がおかしいんだよ翼」

 

「いや済まない、こうして見るとお前は本当に父親の様だなと思ってな」

 

「そんな事言って無いで前みろ」

 

俺がそう言うと翼は姉さんとぶつかる

 

「痛ぁ」

 

「またしても雪音か、何をそんなに慌てて「追われてるんだ」何?」

 

「さっきから連中の包囲網が少しずつ狭められてるんだ」

 

「雪音も気づいて居たか。先刻より此方を監視する様な視線を私と湊も感じて居た所だ」

 

多分だが翼、俺達と姉さんの言ってるのは別人だと思うぞ

 

「見つけた雪音さん‼︎」

 

「うるせえぞお前らちょっとは周りを見やがれ」

 

「ごめんなさい、お願い雪音さん本番まで時間がないの」

 

姉さんの名前を呼んだ女子生徒はそう言って姉さんに話しかける

 

「一体どうしたんだ?」

 

「勝ち抜きステージで雪音さんに歌って欲しいんです」

 

「だから何であたしが‼︎」

 

「だって雪音さん凄く楽しそうに歌ってたから」

 

姉さんが歌を楽しそうにね

 

「雪音は歌嫌いなのか?」

 

「あたしは…」

 

姉さんは翼から目を逸らしてそう言う

 

「姉さん前に言ってたよな歌が大嫌いだって、今でもそう思ってるのか?」

 

「それは…」

 

「姉さん歌いたいなら歌っても良いと思う。それに純粋に俺も姉さんの歌が聞きたい」

 

「湊…良いぜ、でもあたしが出るんだお前もでやがれ」

 

「そう来たか、良いぜ出てやるよ」

 

「決まりだな」

 

俺は背負って居る葉月を翼に預けて姉さんと一緒に勝ち抜きステージの会場の体育館に向かった




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76話

〜翼side〜

 

「翼さんこっちです‼︎」

 

「遅れて済まない立花、実は湊に呼び止められてな」

 

「仕方ないですよ、葉月ちゃん久しぶり」

 

「未来お姉ちゃん‼︎」

 

葉月はそう言って小日向の所に向かって行く

 

「その湊君はどうしたんですか?」

 

「ああ、湊なら「さあて!次なる挑戦者の登場です‼︎」来たか」

 

私がそう言うと思って居た通りの人物がステージに上がり歌い始める

 

「綺麗、あんな人リディアンに居たんだ」

 

「うん!見た事無いし2回生か3回生の人かな?」

 

「何を言って居るんだ立花?あれは湊だぞ?」

 

私がそう言うと立花と小日向はポカンと腑抜けた表情をする

 

「いやいや翼さん‼︎あれが湊君だなんてあり得ないですから‼︎」

 

「いやしかし私にはあれが湊に見えるんだが」

 

「翼さんもしかしてその眼鏡のせいじゃ無いですか?」

 

小日向がそう言って指さすのはつい先程湊に渡された眼鏡だった

 

「何も変わらないと思うが…どうなって居るんだ?」

 

私が眼鏡を外すと先程まで湊に見えて居た人物が別人に見えた

 

「あはは、翼さんあの人が湊君に見えるだなんて面白い事言いますね」

 

「立花お前も掛けてみてくれ」

 

「良いですよ、その眼鏡を掛けただけであの人が湊君に見えるなんてそんな訳…嘘…本当だ⁉︎湊君に見える⁉︎」

 

「本当響?本当だ湊に見える」

 

立花と小日向が自分達も眼鏡を掛けた事で私が嘘を吐いて居ないと理解してくれた

 

「でも何で湊君に」

 

「そうだな…もしやこれは湊の力を阻害する為の物か?」

 

そうだとすると私達がこれを掛かる事により彼女が湊に見えた事にも頷ける

 

「湊君の力ですか?」

 

「ああ、前に湊が言って居ただろ?自分及び他人の姿を自由に変えられる力があると、そしてこの眼鏡がその力を阻害する為の物だとするならあの姿が湊に見えるのも頷ける」

 

「でも湊がこんなのに参加するかな?」

 

「そうだよね、クラスの出し物にも参加しない湊君が参加するなんて」

 

「それに関しては私から説明しよう」

 

私は立花と小日向に雪音がクラスメイトに追われて居た事、雪音がこの勝ち抜きステージに参加する事になった事、雪音が参加する条件として湊も参加するはめになった事を話した

 

「それで湊君他の皆んなには自分だってバレない様にあの姿に変えて、その事を知ってる翼さんにはこの眼鏡を渡したんだ」

 

「信用されてんるてすね翼さん」

 

「そうだと嬉しいな「翼お姉ちゃん‼︎葉月にも貸して‼︎」ああ、良いぞ葉月」

 

「ありがとう‼︎うわぁあ‼︎本当にパパだ‼︎」

 

「葉月ちゃん静かにしないと怒られちゃうよ」

 

小日向がそう言って騒ぐ葉月を注意する

 

「ごめんなさい」

 

「大丈夫だよ、ほら座って一緒に見よ」

 

「うん‼︎」

 

葉月はそう言って小日向の膝の上に座りステージを見た

 

〜翼side out〜




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77話

「ふぅ〜、終わった」

 

俺はそう言って人影が少ない場所で元の姿に戻る

 

「そろそろだろうな」

 

姉さんの出番は俺の次の次だ今から行けば普通に間に合うだろう

 

「チッ!こんな時にノイズかよ」

 

俺が再び体育館に入ろうとすると端末が鳴る

 

(距離も離れてる、そこに行けば姉さんの歌は確実に聞けない…だが行かなければ無関係の死者が出る事もある…迷ってる暇はないか)

 

俺はため息を吐いて体育館を見る

 

「悪い姉さん」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はそう言って翼に動画撮影を頼んで聖詠を行い雷鳥に乗ってノイズの発生源に向かった

 

「此処か」

 

そこは何かの工場で中から煙も出て居た

 

「凄い音してたの此処じゃない?」

 

「どうせ何かの工事だろ?」

 

「お前ら何やってんだ」

 

俺が降りるとそこには自転車に乗った子供が居た

 

「ごめんなさい、大きな音がしたからつい気になって」

 

「そうか「うわあ‼︎」チッ!出て来やがったか」

 

工場から叫びながら出て来た男が俺達の前でノイズに炭素化される

 

「分かっただろ!此処にはノイズが居るんださっさと逃げろ‼︎」

 

「はっはい‼︎」

 

そう言って3人の子供は自転車に乗って走って行った

 

「おや?誰かと思えば貴方でしたか」

 

「ドクターウェル」

 

ノイズの後に工場から出て来たのはソロモンの杖を持ったドクターウェルだった

 

「ソロモンの杖返して貰うぞ」

 

「やれやれ、返して貰うとは我々が奪った様ではありませんか」

 

「事実そうだろ、日本政府の施設への搬送終了後あんたがソロモンの杖を奪った事は分かってる、それから…俺への奇襲もな」

 

《HORIZON†SPEAR》

 

俺は工場の中から打ち出される高出力のエネルギービームを上空に飛んで避ける

 

「そう簡単には行かないわね」

 

「お互いにな…」

 

俺はそう言ってマリアに大剣を構える

 

「…OKマム、今回は此処で引かせて貰うわ」

 

そう言ってマリアとドクターウェルは工場の中に戻って行く

 

「俺も帰るか」

 

そう言って俺はリディアン音楽院に戻った

 

「湊‼︎」

 

「翼か何だ?」

 

「何だじゃねえだろ。たく、1人で無茶しやがって」

 

「まあまあ、湊君も無事だった訳だし」

 

響がそう言って姉さんを宥める

 

「1人でも何とかなっただろうからな、あの3人はリディアン音楽院に居る訳だし一度勝ってる相手に負ける程弱くはねえよ」

 

「我々もお前が負けるとは思っていない、しかし万が一の可能性も否定しきれないだろ」

 

「万が一も何も俺があんな奴に負ける事なんて絶対にない、もう良いか?そろそろ帰りたいんだ」

 

「分かった、引き止めて悪かった」

 

俺は納得のいかない表情でそう言って翼達を後ろに先に帰った葉月とセレナの居る借りアパートに帰った




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78話

「ただいま」

 

「「「「お帰り(であります)湊君(パパ)(ご主人)(湊)」」」」

 

何だ?いつもより声が多く聞こえた気がするけど気のせいだよな?

 

「ルナ、エルザお前ら此処で何やってんだよ?」

 

そこにはフランスに居る筈のルナとエルザが居た

 

「るる、ご主人久しぶり」

 

「久しぶりってお前、たったの2ヶ月ちょいだろ」

 

「ユノアから休暇を貰ったから遊びに来たであります。セレナから学園祭って言う学校行事の事も聞いて居たでありますし」

 

成る程、そもそもの発端はお前かセレナ

 

「まあ別に良いが、ん?お前ら事前に学園祭の事知ってたんだよな?なら何で昨日の夜から来なかったんだ?」

 

学園祭は今日もあった此奴らの事だから1日目から来ると思ったんだが

 

「それが休暇を貰ったのは今日のお昼何であります」

 

「るる、そこから専用機に乗って来たからついさっき着いたばっかり」

 

時間は18時30分、昼に休暇を貰ったならこれくらいの時間に着くのが自然か

 

「んでいつ帰るんだ?」

 

「明後日であります」

 

「そうか、じゃあ明日は俺とお前ら3人で一緒に回るか」

 

「良いな〜、ルナお姉ちゃんもエルザお姉ちゃんも」

 

葉月はそう言ってルナとエルザを羨ましそうに見る

 

「葉月ちゃん今日は沢山遊んだでしょ?だから明日は我慢してお勉強しよう」

 

「うん」

 

そう言って葉月は沈んだ表情を浮かべる

 

「お土産期待して居て欲しいであります」

 

「るる、沢山持って帰って来る」

 

「うん‼︎ありがとうルナお姉ちゃんエルザお姉ちゃん‼︎」

 

今度は先程とは打って変わり満面の笑みでそう言う

 

「そんじゃ晩飯にするか、何か食べたい物あるか?」

 

「葉月ハンバーグが良い‼︎」

 

「ご主人のハンバーグは絶品」

 

「わたくしも異論はないであります」

 

「決まりだな、直ぐ準備するから待ってろ」

 

俺はそう言ってハンバーグを作り始める

 

「るる、満足」

 

「ルナ、葉月ちゃんが真似するでありますから食べて直ぐに横になったらダメでありますよ。湊洗い物はわたくしとルナでするであります」

 

「そうか?なら任せる」

 

「ガンス、ほらやるでありますよルナ」

 

「るる、分かった」

 

エルザは寝転ぶルナを立ち上がらせ2人で洗い物を始めた

 

「パパおやすみなさい」

 

「ああ」

 

そう言って葉月はセレナの部屋に向かった。

 

「ご主人一緒に寝る」

 

「わたくしは別に一緒に寝たい訳では無いでありますがセレナが気を使ってくれた訳でありますから仕方なくであります」

 

そうは言うがエルザお前ルナと同じくらい尻尾振ってるぞ?

 

「電気消すぞ」

 

「「るる(ガンス)」」

 

俺はルナとエルザの返事を聞いて電気を消す

 

「おやすみご主人、エルザ」

 

「おやすみであります湊、ルナ」

 

そう言ってルナとエルザは俺の腕に引っ付く

 

「ああ、おやすみルナ、エルザ」

 

俺もそう言って眠りに着いた




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79話

「これが学園祭」

 

「人が沢山居るであります」

 

翌日俺はエルザとルナと3人で学園祭を回って居た

 

「ご主人のご飯の方が美味しい」

 

「そんな事を言ってはダメでありますよ、作った人に失礼であります」

 

「エルザの言う通りだ、そう言う事を言うのは辞めろルナ」

 

「るる、分かった」

 

正直なのは良い事なんだがルナの場合正直過ぎるからな

 

「りんご飴といちご飴それからチョコバナナを1つずつ、ほら」

 

「ありがとうご主人」

 

「ありがとうであります湊」

 

俺はエルザにりんご飴、ルナにいちご飴を渡しチョコバナナを食べる

 

「ご主人チョコバナナ頂戴」

 

「別に良いぞ」

 

「あ〜ん、美味しいご主人もはい」

 

俺がルナにチョコバナナをあげるとルナは俺にいちご飴を貰った

 

「ん、美味いな」

 

「るる♪」

 

「むっ、湊わたくしも少し交換するであります」

 

「まあ別に良いが」

 

今度は俺がエルザにチョコバナナをあげると俺はエルザからりんご飴を貰った

 

「ご主人焼きそば」

 

「こっちはたこ焼きであります」

 

エルザとルナはそう言って俺にたこ焼きと焼きそばを持って来る

 

「美味いな、てかお前らさっきから食べ物ばっかじゃねえか?まあ俺も大して変わんねえから人の事は言えないが」

 

学園祭に来てから1時間くらい経った頃、俺達は学園祭の出し物の食べ物をほぼほぼ制覇して居た

 

「次はご主人のクラスに行ってみたい」

 

「え、湊のクラスって彼奴が居るでありますよね?」

 

エルザはあからさまに嫌な顔をしてそう言う。エルザは夏休みの一件以来響の事が苦手の様だ

 

「エルザが行かないなら私とご主人2人で行く」

 

「う…わたくしも行くであります」

 

エルザは一瞬迷ったがそう言って俺達のクラスに一緒に向かう

 

「よお響」

 

「湊君いらっしゃい、今日はエルザちゃんとルナちゃんが一緒なんだ」

 

「るる、久しぶり」

 

「湊とルナが行かなければわたくしは貴方に会うつもりはないであります」

 

エルザはそう言って響から顔を晒す

 

「響、話してないで注文聞いて」

 

「うん、ご注文は何にしますか?」

 

「俺は昨日と同じで」

 

「わたくしはいちごチョコをお願いするであります」

 

「私はご主人と一緒」

 

ルナがそう言うと響の動きが止まる

 

「良いのルナちゃん?湊君が昨日注文したのって此処のクレープ全種類だよ?」

 

「……フルーツミックス」

 

「うん、分かったよ」

 

響はそう言って未来と厨房に向かった

 

「それにしても湊は相変わらず甘い物が好きでありますね」

 

「るる、クレープ全種類は驚いた」

 

「そうか?全部って言ってもだったの20個だぞ?」

 

「「十分に多い(であります)」」

 

俺の言葉を聞いた2人に同時にそう言われた




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80話

「ノイズか…」

 

学園祭から数日、寝ようとして居た時にノイズの反応が検知された

 

「此処は確か…」

 

「パパ?何処か行くの?」

 

俺が布団から出ると隣で寝て居た葉月が起きる

 

「悪い起こしちまったか?」

 

「ううん…」

 

「そうか、まだ寝てて良いぞ」

 

「葉月も行く…」

 

「駄目だ、セレナと待っててくれ直ぐに帰って来る」

 

俺がそう言うと葉月は頷く

 

「セレナ葉月の事頼む」

 

「うん、気をつけてね湊君」

 

「分かってる」

 

俺はそう言ってノイズの発生したカ・ディンギルの跡地に向かった

 

「此処か…「湊君‼︎」お前ら」

 

「遅れて悪い」

 

「別に俺も今来た所だ。にしても何たってこんな所にノイズが」

 

「その事については私が話そう」

 

俺は翼から学園祭の日に暁達から決闘の申し出を受けた事を受けた事を知る

 

「決闘か」

 

「ああ、そして此処カ・ディンギルが決着を求める者、おあつらえ向きの舞台と言うわけだ。居たぞ!」

 

俺達はカ・ディンギルの前に立つ人影に向かって行く

 

「ふん」

 

「ドクターウェル」

 

「野郎‼︎」

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

~Killter Ichaival tron~

 

俺達はシンフォギアを纏いドクターウェルがソロモンの杖を使って出現させたノイズに向かって行く

 

「二手に分かれるぞ‼︎」

 

「「「はい(おうよ)(了解)‼︎」」」

 

そう言って翼は姉さんと俺は響と二手に分かれてノイズを対処する

 

「はあ!」

 

《雷鳥》

 

俺は大剣を投げ雷鳥でノイズを一掃する

 

「調ちゃんと切歌ちゃんは‼︎」

 

「あの子達は謹慎中です。だから私がこうして出張って来てるのですよ。お友達感覚で計画に支障をきたされては困りますので」

 

「何を企てるFIS‼︎」

 

「企てる?人聞きの悪い、我々が望むのは人類の救済」

 

ドクターウェルは空を指さしてそう言う

 

「人類の救済だ?」

 

「ええ、そうですよ。月の落下にて害われる婿の命を可能な限り救い出す事だ」

 

ドクターウェルが淡々と答える

 

「月の公転軌道は各国機関が3ヶ月前から計測中の筈だ‼︎落下などと結果が出て居るのに黙って居る筈が「いや、黙ってるだろう」何?」

 

「対処方法の見つかって居ない極大災厄何てさらに混乱を招くだけだ。お前と響が思ってる程大人は良い奴ばかりじゃない不都合な真実を隠蔽する理由なんて幾らでも作り出す奴らばかりだ」

 

「ええ、貴方の言う通りですよ」

 

(チッ!やっぱ大人ってのはそう言う奴らばっかなんだな‼︎)

 

「まさか!この事実を知る連中てのは自分達だけ助かる様な算段を始めて居る訳じゃ‼︎」

 

「だとしたらどうします貴方達なら、対する私達の答えがネフィリム‼︎」

 

ドクターウェルがそう言うと姉さんの居る地面が揺れる

 

「逃げろ姉さん‼︎」

 

「⁉︎ぐあ!」

 

「「姉さん(クリスちゃん)‼︎」」

 

姉さんは地面から出て来たネフィリムに飛ばされる

 

「雪音‼︎くっ!この様な物で!」

 

翼が姉さんに近寄るとノイズが粘液を出して翼の動きを封じる

 

「人を束ね組織を組み国を立てて命を守護するネフィリムはその為の力‼︎」

 

「させっか‼︎」

 

「はあ‼︎」

 

俺と響が姉さんと翼に向かって行くネフィリムを止める

 

「ルナアタックの英雄そしてその仲間よ、その拳でその剣で何を守る!」

 

「俺は守りたい物を守るそれだけだ‼︎」

 

「はあ‼︎」

 

《雷斬》

 

「そうやって君達は誰かを守る為の拳で剣でもっと多くの誰かをぶっ殺して見せるわけだ‼︎」

 

ウェルの言葉に一緒響の動きが止まる

 

「惑わされるな逃げろ響‼︎」

 

「え?」

 

響が前を見ると片腕をネフィリムに喰われて居た




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81話

「ぐっ!」

 

「行った〜‼︎ばくついた‼︎シンフォギアを‼︎完全聖遺物ネフィリムは言わば自立稼働する増殖炉他のエネルギー体を暴食し取り込む事でさらなる出力を可能とする!聞こえるか!覚醒の鼓動‼︎この力がフロンティアを浮上させるのだ「グァァ」あ?」

 

「ガアア‼︎」

 

「暴走…ようやくか」

 

俺はそう言って暴走した響とガングニールに向かい合う

 

「ガアア‼︎」

 

「ギアのエネルギーを腕の形に固定、まるでアームドギアを形成するかの様に」

 

「来いよ響」

 

俺がそう言うと響はネフィリムを無視して俺に向かって来る

 

「ガアア‼︎」

 

「そろそろ頃合いかもな」

 

俺はそう言って響に触れると響の暴走の力が弱まって行く

 

「借りるぞお前の力」

 

《ギア・コンバージョン》

 

響のギアが光の粒子となって俺に纏わりつく

 

「たく、此処まで彼奴と同じなのかよ」

 

「何が…起きたんだ」

 

翼が困惑するのも仕方ないよなついさっきまで響が纏って居たガングニールを今度は俺が纏ってんだからな

 

「さてと…ネフィリムお前には5年前に分からせたと思ってたんだがな、何方が上の立場なのかを」

 

「ガァァ」

 

ネフィリムはようやく気づいたらしい俺が誰なのかを

 

「今更気づいた所で遅えよ」

 

「グアア‼︎」

 

ネフィリムは力任せに俺に攻撃をする

 

「おいおい、その程度かよそんなんじゃ準備運動にもならねえぞ」

 

俺はネフィリムの攻撃を受け止めて殴り返す

 

「この程度でへばってねえだろうな、まだまだやるぞ」

 

そう言って俺は再度ネフィリムを殴り岩にぶつける

 

「止めろ‼︎止めるんだ‼︎成長したネフィリムはこれからの新世界に必要不可欠な物だ‼︎それを!それを‼︎」

 

「成る程なつまりネフィリムをぶっ潰せばお前らの計画も軒並み潰れてくれるって事か、良い事聞いたぜ尚のことやる気が出て来た」

 

ネフィリムは恐怖を感じたのか逃げ出そうとする

 

「止めろ〜‼︎」

 

ドクターウェルは複数のノイズを出現させた後、そのノイズを融合させて1体の大型ノイズを出現させる

 

「邪魔なんだよ‼︎」

 

《水月》

 

俺は大気中の空気を拳に圧縮し大型ノイズに放つと大型ノイズは一撃で倒れた

 

「あの大きさのノイズをたった一撃で…」

 

「さて、そろそろ終わりにするか」

 

そう言って俺は上空に飛ぶ

 

「まさか⁉︎止めろ〜‼︎」

 

「辞めろって言われて止めるバカが居るかよ‼︎」

 

そう言って俺はネフィリムに飛び乗りネフィリムの体内に手を伸ばし心臓らしき物を引きちぎり投げる

 

「じゃあな」

 

俺はネフィリムの体内から手の抜き上空に放り投げて貫くとネフィリムから発せられる爆風が辺りを包んだ

 

「湊…」

 

「ん…何だってんだ」

 

「起きたか姉さん、さて今度こそソロモンの杖を返して貰おうか」

 

「ヒッヒィイ‼︎」

 

「湊…今のお前じゃあの野郎を殺しかねない…私はお前に人殺し何てして欲しくねえんだ…」

 

姉さんが掠れた声でそう言う

 

「分かった、命拾いしたなさっさと行け」

 

俺がそう言うとドクターウェルは転びながらも走って行った

 

「そうだ立花は‼︎」

 

「彼奴なら無事だ」

 

俺は通信機の中から響を出す

 

「そうか、ん?立花の左腕は無事なのか…」

 

「みたいだな、侵食は最低限に抑えられただろうがメディカルチェックをしておいた方が良いだろう」

 

「分かった、済まない湊私は雪音を支えなければならない立花を頼めるか?」

 

「ああ、別にいいぞ」

 

俺はそう言って響を背負い姉さんを支える翼とニ課本部に向かった




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82話

「響君…」

 

「く…」

 

本部にも到着し響は現在メディカルチェックを受けて居る

 

「風鳴司令、彼奴が起きたらこの錠剤を飲む様に伝えてくれ」

 

「これは?」

 

「雀の涙程度だが聖遺物の浸食を抑える事のできる薬だ。大きく抑えたいが為に複数の服用は無しだ」

 

「分かった、少し待ってくれ君と翼には少し残って貰いたい」

 

「「分かった(分かりました)」」

 

俺と翼は風鳴司令の言葉にそう返した

 

「これは?」

 

「メディカルチェックの際に排出された響君の体組織の一部だ」

 

翼が見て居たのは黒いかけらだった

 

「つまりこれは響の胸のガングニールのかけらって事か」

 

「ああ、身に纏うシンフォギアとしてエネルギー事再構成を繰り返して来た結果、体内の侵食進度が進んだんだ」

 

「生体と聖遺物が1つに溶け合って…」

 

「響のあのバカみたいな力の源がこれか」

 

「そうだ」

 

風鳴司令の後に誰も言葉を発しない

 

「この融合が立花の命に与える影響は?」

 

「遠からず死に至るだろう」

 

「立花が…死ぬ?馬鹿な…」

 

「そうでなくてもこれ以上の融合状態が進行してしまうとそれは果たして人として生きて居ると言えるのか?」

 

「言えないだろうな…このまま融合状態が進行すればあらゆる感覚が麻痺して植物状態になるだろう」

 

俺のその言葉に翼も風鳴司令も何も返さない

 

「皮肉な事だな、先の暴走によって観測されたデータによって我々では知り得なかった危険が明るみに出たと言う訳だ」

 

「壊れる立花…壊れた月」

 

「FISは月の落下に伴う世界の救済なんて立派な題目を掲げて居るが、その実ノイズを操り進んで人命を損なう様な輩だ。このまま放っておく訳にはいかない。だが、響君を欠いた状態で我々はどこまで対抗出来るのか」

 

「それでも立花をこれ以上戦わせるわけにはいきません、掛かる火難は全て防人の剣で払って見せます」

 

風鳴司令の言葉に翼はそう返す

 

「湊君、FISの目論見を阻止する為に今一度我々に力を貸してくれないか?」

 

「分かった」

 

「ありがとう湊君」

 

俺と風鳴司令はそう言って握手を交わす

 

「いやー、面目ないご心配お掛けしました」

 

「存外元気そうじゃねえか、まっいい機会だから暫く休んでな」

 

翌日リディアンで響と俺と翼と姉さんで集まり話す

 

「何と!この立花響休んだりとかぼんやりしたりは得意中の得意です任せてください」

 

「本当に大丈夫なのか?私達を安心させようと気丈に振る舞って居るのではあるまいな?」

 

「御託は良い翼、単刀直入に言うぞ響お前はこれ以上ギアを纏うな。ギアを纏う度に暴走されたらそれこそこっちが迷惑だ。敵だけで無く味方に被害を出す力なんて邪魔以外の何物でもない、今の状況下で間違いなくお前は足手まといだ」

 

「湊テメェ‼︎「クリスちゃん」お前」

 

俺の胸ぐらを掴もうとする姉さんを響が止める

 

「良いよ私が暴走して皆んなに迷惑をかけちゃうのは本当の事だから」

 

「FISには私と雪音、今一度協力する事となった湊で対応すれば良い。行方を絡ませたウェル博士についてももっかニ課の情報部が中心となって調査を続けている。たかが知れている立花の助力など不要だ。行くぞ湊」

 

「ああ」

 

「待ちやがれ‼︎何のつもりだよお前ら」

 

そう言いながら追いかけて来る姉さんを後ろに俺と翼はその場を後にした




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83話

〜響side〜

 

「ねえったら」

 

「え?ああ、美味さ断然トップだからねおばちゃんのお好み焼きは」

 

私達は久しぶりにフラワーでお好み焼きを食べて帰って居る

 

「お誘いした甲斐がありました」

 

「おばちゃんも凄く元気そうで良かった」

 

「以前ほど簡単に通えませんからね」

 

ルナアタックの時にリディアンがボロボロになって新校舎に移動してからフラワーに行くのが前程簡単じゃなくなったからあまり行ってなかった

 

「でもビッキーこれで少しは元気出たんじゃない?」

 

「え?」

 

「あんたってばハーレムアニメの主人公並みに鈍感よね」

 

弓美が私を見ながらそう言う

 

「どう言う事?」

 

「何処かの誰かさんがね、最近響が元気ないって心配しまくってたからこうしてお好みパーティーを催した訳ですよ」

 

「未来が…」

 

私達が階段を降りると目の前を3台の車が通って行った後爆発音が聞こえる

 

「ビッキー今のって」

 

「うん、多分そうだと思う」

 

そう言って私が走って行くと未来達もついて来る

 

「ヒヒヒ、誰が追いかけて来たって此奴を渡すわけには行かない」

 

「ウェル博士」

 

「なっ何でお前が此処に‼︎ヒィィイ‼︎」

 

ウェル博士は私達に向けてノイズを放つ

 

「皆んな下がって‼︎」

 

私が未来達の前に立ってシンフォギアを纏おうとすると1台の車が間に入って来る

 

「湊君?」

 

湊君は一瞬私達の方を見ると直ぐにノイズに向き直る

 

「皆んな早く乗って」

 

セレナさんが車の中からそう言うので私達は頷いて車に乗り込んだ

 

「ありがとうございますセレナさん」

 

「ううん、気にしないでこのままシェルターに向かうから」

 

そう言ってセレナさんは近くのシェルターに車を向かわせた

 

〜響side out〜

 

「昨日はしくじったが今度こそネフィリムを回収させて貰うぞ」

 

「こっこれは我々の計画の必要不可欠な物だ」

 

ドクターウェルはそう言ってまた複数のノイズを出現させる

 

「そろそろその芸当も飽きて来たな」

 

《雷精》

 

俺は上空に向けて雷を放ち辺りのノイズを殲滅する

 

「何時も何時もお前は‼︎」

 

「だがそれも今日で見納めだ」

 

《雷光一閃》

 

俺は雷を纏った大剣を巨大化させた後、翼のブースターを噴射させてノイズを両断しそのままドクターウェルに斬りかかる

 

「チッ!邪魔が入ったか」

 

「何とノコギリ、この身を鎧うシュルシャガナはおっかない見た目よりもずっと汎用性に富んでいる防御性能だって不足なし」

 

「それでも全力の3人でどうにかこうにか受け止めてるんデスけどね」

 

月読の後ろでは暁とアリスが支えている

 

「ごめんね2人共、私のヒールじゃ踏ん張りが効かないから」

 

「良いって事デス」

 

「気にしないで調ちゃん」

 

「相変わらずのごっこ遊びだな」

 

そう言って更に深く斬り込む

 

「くっ!」

 

「このままじゃ真っ二つになるデス」

 

「こうなったら」

 

《氷華》

 

俺はアリスが無数の氷を具現化し俺に向けて飛ばして来るので後退して避ける

 

「ドクターを回収して速やかに離脱するのが今の私達の役目でも」

 

「彼奴を相手に言う程簡単じゃないデスよ「やあ‼︎」待つデスよアリス迂闊に飛び込むのはダメデス」

 

俺は暁の言葉を無視して突っ込んで来るアリスの剣を受け止める

 

「その程度か」

 

「過去の弱い私を断ち切る為に、にいにを倒して私は私を超えて行く‼︎」

 

「やってみろよ、アリス・フェアリスお前にその覚悟があるのなら‼︎」

 

俺は大剣で力一杯押す

 

「はぁ…はぁ…」

 

「これで終わりか?口だけなのは変わらないな」

 

「まだ終わらない‼︎ううん、終われない‼︎」

 

《氷獣天翔斬》

 

アリスがそう言って自身に冷気を纏わせ白い狼に姿を変えて突進して来る

 

「残念だがこれで終わりだ」

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺は大剣のアームドギアから雷を放出し自身を雷を纏う鳥と化させアリスに突進する

 

「きゃあ‼︎」

 

「「アリス‼︎」」

 

互いの技がぶつかり合い押し負け吹き飛ばされたアリス目掛けてそのまま突進する

 

「やらせないデス」

 

「アリスは大切な仲間、殺させやしない」

 

暁と月読が間に入りアームドギアの鎌と巨大な歯車で受け止める

 

「はあ‼︎」

 

《HORIZON†SPEAR》

 

上空からの攻撃に俺は技を解除して後ろに飛ぶ

 

「引くわよ切歌、調」

 

「「了解(デス)」」

 

2人はそう言ってアリスとドクターウェルを抱えて戦闘機に乗り込む

 

「逃したか」

 

『無事か湊君‼︎』

 

「ああ、無事だそれとウェル達だが取り逃した」

 

『構わない至急本部に向かってくれ、その際未来君に話す事があるから連れて来てくれ』

 

「分かった」

 

俺はそう言ってセレナの居るシェルターに向けてバイクを走らせた




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84話

「やったなセレナ」

 

「湊君、うん私にも誰かを守る事が出来た」

 

シェルターに着きセレナと合流する

 

「あそれと未来、風鳴司令がお前に話したい事があるから連れて来いだって」

 

「弦十郎さんが私に?」

 

「ああ」

 

俺は風鳴司令が話すであろう事を知って居るが知らないふりをする

 

「師匠が未来に?何だろ?」

 

「さあな、行きゃ分かるだろ」

 

「分かった、響は弓美達と先に帰ってて」

 

「分かったよ未来」

 

響は未来の言葉にそう返す

 

「それじゃあ乗って皆んな送ってあげる」

 

「ありがとうございますセレナさん」

 

「俺達も行くぞ」

 

「うん」

 

俺は後ろに未来を乗せてバイクを走らせた

 

「未来を連れて来たぞ風鳴司令」

 

「弦十郎さん私に話って何ですか?」

 

「君には知っておいて貰いたい事があるんだ」

 

風鳴司令はそう言ってモニターにメディカルチェックの結果を表示する

 

「これって…まさか‼︎」

 

「クソッタレが‼︎」

 

姉さんはそう言って潜水艦の装置を蹴る

 

「胸に埋まった聖遺物のかけらが響君の体を蝕んでいる。湊君がくれた錠剤のお陰で多少はマシになっては居るだろうが、その錠剤も万能ではないこれ以上の進行は彼女を彼女でなくしてしまうだろう」

 

「そんな…」

 

未来はそう言って沈んだ表情を浮かべる

 

「そうだ!湊なら響を治せるかもしれないんだよね!前に言ってたよねFISって組織が持ってる神獣鏡なら響の聖遺物を取り除けるかもしれないって」

 

覚えてたか未来の奴

 

「どう言う事だ?」

 

「俺が未来に話したのはあくまで可能性の話だ。聖遺物殺しのシンフォギア神獣鏡、その中にミラーデバイスやアームドギアの扇から放たれる光には聖遺物由来の力を分解する光起電力効果という機能がある。以前その力を使えばもしかしたら響の体内の聖遺物も取り除けるんじゃないかって話をしたんだ」

 

「そんな物があったのか」

 

翼は神獣鏡の存在を知らなかったのか驚いた表情を浮かべる

 

「そのシンフォギアは今何処にあるんだ?」

 

「管理してる奴らが変わってないのならFISが所有してる」

 

「此処に来てFISか」

 

「ああ、だが絶対に出来ると決まった訳じゃない、さっきも言ったがあくまで可能性だ響みたいな例は今までなかったからな実証も何もされていない」

 

「そうか」

 

風鳴司令はそう言って難しい顔をする

 

「弦十郎さん、つまり今後に響が戦わなければこれ以上の進行はないんですね?」

 

「響君にとって親友の君こそが最も大切な日常、君のそばで穏やかな時間を過ごす事だけがガングニールの侵食を抑制出来ると考えて居る。響君を守って欲しい」

 

「私が響を…分かりました!」

 

「無論我々も立花がこれ以上戦う事の無い様最善を尽くそう、立花の事は頼んだぞ小日向」

 

「はい!」

 

そう言った未来の目はやる気に溢れていた




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85話

〜切歌side〜

 

「楽しい楽しい買い出しだってこうも荷物が多いと面倒臭い労働デスよ」

 

「仕方ないよ過剰投与したLiNKERの副作用を抜ききるまではおさんどん担当だものそれにあの時LiNKERを使わなかったらアリスも危なかったし」

 

「それもそうデスね、あ」

 

私達がスーパーを出ると向こうからセレナとあの子と彼奴が来ていた

 

「調」

 

「うん」

 

私達は眼鏡をかけて隣を通り過ぎようとする

 

「?」

 

(バレて無いデスよね?)

 

さっきからすれ違ったあの子の視線を感じる

 

「じ〜」

 

「調あの子が私達だって気づかない内に行くデスよ」

 

「うん」

 

私と調は早足で歩いて行く

 

「切歌お姉ちゃん‼︎調お姉ちゃん‼︎」

 

「やばバレたデスよ!」

 

「お前ら変装するの下手だろ」

 

振り返るといつの間にか私達の後ろに来ていた彼奴がそう言た

 

〜切歌side out〜

 

翌日俺達がスーパーに行くと出口から見知った顔の2人組が出て来て俺達に気づいた途端に眼鏡をかけた

 

「彼奴らあれで変装のつもりかよ」

 

「あれはあれで可愛いけど」

 

眼鏡をかけた2人を見てセレナがそう言う

 

「どうしたんだよ葉月?」

 

俺はずっとあの2人を見てる葉月にそう聞く

 

「パパ、あれって切歌お姉ちゃんと調お姉ちゃんかな?」

 

「気になるんだったら行って来たらどうだ?」

 

「うん!切歌お姉ちゃん‼︎調お姉ちゃん‼︎」

 

「やばバレたデスよ!」

 

「お前ら変装するの下手過ぎだろ」

 

俺は暁と月読の後ろからそう言う

 

「私達が何処で何をしていようと貴方には関係のない事」

 

「俺もお前らが何処で何をしようと別に気にしちゃ居ねえよ。葉月の奴が気にしてたから行ってみたらどうだって言っただけだ」

 

「湊君も調ちゃんも落ち着いて私達は別に喧嘩をしに来た訳じゃ無いんだし」

 

俺と月読が睨み合うのをセレナが仲裁する

 

「パパ切歌お姉ちゃんと調お姉ちゃんと遊びたい」

 

「たく、セレナ一緒に行ってやってくれ」

 

「うん、切歌ちゃんと調ちゃんも良いかな?」

 

セレナは暁と月読にそう聞く

 

「どうするデス調?」

 

「少しだけなら良いんじゃ無いかな?」

 

「本当‼︎」

 

葉月は目を輝かせてそう言う

 

「んじゃ頼んだぞ」

 

俺はそう言ってスーパーに入って行った

 

〜セレナside〜

 

「切歌お姉ちゃん‼︎」

 

「今度こそ捕まえるデス」

 

スーパーから少し離れた廃墟で私達は湊君を待って居る

 

「色々とあったけど施設に居た頃よりかは自由だよね。あの時はこんな自由が出来るなんて想像もつかなかったね」

 

「そうだね」

 

調ちゃんは私の言葉にそう返すが心なしか元気がない気がする

 

「フィーネの魂が宿る器として施設に閉じ込められて居た私達、でも今はマリア姉さんがフィーネを宿してるって湊君から聞いたけど本当なの?」

 

「うん」

 

「そっか、もしかしたらマリア姉さんがマリア姉さんじゃ無くなっちゃうんだね。寂しいけどマリア姉さんが私がセレナだって分かって貰えないんじゃ仕方ないよね…調ちゃん?」

 

今度は返事が無いから調ちゃんを見ると調ちゃんは苦しそうにして居た

 

「調ちゃん大丈夫!」

 

「セレナ調がどうかしたデスか⁉︎」

 

「分からないの、返事が無いから調ちゃんの方を見たら苦しそうにしてて」

 

私の声を聞いた切歌ちゃんがこっちに来る

 

「もしかして調ずっとそんな調子だったデスか⁉︎」

 

「大丈夫少し休んだら…元気に…」

 

そう言って立ち上がろうとした調ちゃんは倒れる

 

「「調(ちゃん)‼︎」」

 

「切歌お姉ちゃんセレナお姉ちゃん」

 

「葉月ちゃん、は!こっちに来ちゃダメ‼︎」

 

私は物音がして上を見ると鉄の棒が落ちそうになって居た

 

「調‼︎しっかりするデスよ調‼︎」

 

「切歌ちゃん此処は危ないから少し移動しよう」

 

「分かったデス、セレナ上デス‼︎」

 

切歌ちゃんに言われて上を見ると鉄の棒が既に落ちて来て居た

 

「ごめんね切歌ちゃん」

 

「へ?」

 

私はそう言って調ちゃんを支える切歌ちゃんを押して鉄の棒が届かない所まで押し出す

 

「「セレナ(お姉ちゃん)‼︎」」

 

私は身を縮こませてしゃがむが一向に鉄の棒が落ちて来ない

 

「たく、ヒヤヒヤさせんなよセレナ」

 

「湊君」

 

そこに居たのは私の上部に障壁に似た何かを展開する湊君だった

 

〜セレナside out〜




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86話

「何がどうなったデスか⁈」

 

「お前には関係ないだろ、立てるかセレナ?」

 

「うん、ありがとう湊君」

 

俺が手を差し出してそう言うとセレナはその手を取って立ち上がる

 

「にしても何だってこんな事になったんだよ」

 

「うん、今から話すね」

 

セレナはそう言って俺が来るまでに何が起きたか説明した

 

「成る程な、おい暁お前が抱えてる月読を見せろ」

 

「‼︎調に何をするつもりデスか‼︎」

 

「大丈夫だよ切歌ちゃん調ちゃんの容体を見るだけだから」

 

「むっ、セレナがそう言うなら信じてあげるデス」

 

暁はそう言って月読を地面に寝かせる

 

「大丈夫だ疲れでも溜まってたんだろ今はただ気絶してるだけだ」

 

「良かったデス、でもどうして…」

 

「それが分かるのは医者だけだドクターウェルにでも聞け」

 

俺はそう言って立ち上がる

 

「分かったデス、礼は言わないデスよ」

 

「別に俺はんなもん求めてねえよ、帰るぞ葉月」

 

「うん!バイバイ切歌お姉ちゃん」

 

「2人は先に帰ってて、私も調ちゃんの事は心配だしまた何かあったら嫌だから切歌ちゃんに着いて行くよ」

 

「分かったあんまり遅くなんなよ」

 

俺はセレナにそう言って帰った

 

〜切歌side〜

 

「ん…切ちゃん?セレナ?」

 

「あ、気が付いたデスか調?」

 

暫くして調が気が付いた

 

「うん、ごめんね切ちゃんセレナ心配かけて」

 

「全然デス!調が元気なら私はそれで大満足デスよ」

 

「でも無事で良かった」

 

私はそう言って安心する

 

「それにしても調、具合が悪いならちゃんと言ってくれないと困るデスよ」

 

「うん、次からはちゃんと言うね切ちゃん」

 

「絶対デスよ、セレナ調も起きた事デスしもう大丈夫デス」

 

「うん、それじゃあ気をつけてね切歌ちゃん調ちゃん」

 

セレナはそう言って来た道を帰って行った

 

「切ちゃんどうして帰って貰ったの?マリアに合わせてあげれば良いのに」

 

「実はデスね調」

 

私は以前セレナから聞いた事を調に伝える

 

「セレナとマリアにそんな事が」

 

「うん、マリアは今までセレナが死んで居たと思って居たから急にセレナが生きてるって知って動揺したんだと思うデスけど、そう言えば彼奴が妙な力を使ってセレナを助けたデスよ」

 

「妙な力?」

 

私はついさっき見た光景を調に伝える

 

「切ちゃんが見たのってもしかしたら何だけどリンカネーションじゃないかな?」

 

「リンカネーション…だとすると彼奴がフィーネかも知れないって事デスか?でもフィーネはマリアに宿って居る筈デスよね?」

 

「まだそうって決まった訳じゃないけどもしもそうだとしたら」

 

「私達はフィーネを敵に回してしまったって事になるデスね」

 

もしそうだとしたら私達の努力もマリアの努力も全てが水の泡デス

 

「今はマリアを信じようきっとフィーネを宿してるのは彼奴じゃなくてマリアの筈デス」

 

「うん、そうだね切ちゃん」

 

私達はそう話しながらアジトに戻った

 

〜切歌side out〜




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87話

「お前は…」

 

「マム」

 

「貴方達は‼︎マムどう言う事なの‼︎」

 

翌日俺とセレナは匿名で東京スカイタワーに来る様にと言う通信を受けたので葉月を同じくスカイタワーに来ていた響と未来に預け暫くするとマリアと車椅子に乗る老女が待って居た

 

「初めまして私はナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤF.I.S.のブレーンとしてマリアやあの子達を従えて居ます」

 

「お前か俺とセレナの所に通信を行ったは」

 

「ええ、久しぶりですねセレナ」

 

「うん、マムも元気そうで良かった」

 

セレナはマリアから目を逸らしながらそう言う

 

「まだそんな世迷言を‼︎」

 

「待ちなさいマリア彼女は間違いなく貴方の妹セレナ・カデンツァヴナ・イヴです」

 

睨みを効かせてそう言うマリアをナスターシャが止める

 

「でもセレナは6年前のあの時に…」

 

「分かって居ます」

 

「そんな事の為に俺やセレナを呼び出した訳じゃないってのは分かってんだ本題に移って貰おうか」

 

俺がそう言うとナスターシャは頷く

 

「切歌から聞きました。イガリマの件」

 

「成る程な、そう言う事か」

 

「イガリマがどうかしたのマム?」

 

「イガリマのシンフォギアは5年前F.I.Sがフランスに無断で米国に持ち帰った物です。そしてイガリマの前任装者であるリュー・クリスティア彼女の死の影にF.I.S.が関与して居ました」

 

ナスターシャは拳を強く握りながらそう言う

 

「まあそんな事だろうとは思ってたけどな、んでその謝罪だけで俺達2人を呼んだって訳じゃないんだろ」

 

「ええ、ですがそれは私達に着いて来て頂ければ分かって頂けると思います」

 

ナスターシャがそう言うとマリアは車椅子を押す

 

「マム、あれはどう言う?」

 

「言葉通りです。フィーネを宿して居ると演じる必要はないと言う事です」

 

「それってマリア姉さんにはフィーネは宿っていないって事?」

 

「ええ、ですが私達がして来た事はテロリストの真似事に過ぎません真になすべき事は月がもたらす最悪の被害を如何に抑えるか違いますか?」

 

此奴らの所にも真面な考えの奴が居たのか

 

「つまり今の私達では世界は救えないと?」

 

マリアがそう言ってナスターシャに指示された部屋に入るとそこにはエージェントが数人居た

 

「マムこれは」

 

「米国政府のエージェントです。講和を持ちかける為私が招集しました」

 

「講和を結ぶつもりなの?」

 

「ドクターウェルには通達済みです。さあこれからの大切な話をしましょう」

 

マリアはそう言ったナスターシャに困惑して目を向けて居た

 

「異端技術に関する情報、確かに受け取りました」

 

「取り扱いに関してはベッド私が教授致しますつきましては」

 

ナスターシャがそう言うとエージェントは俺達に銃口を向ける

 

「マム!」

 

「貴方の歌よりも銃弾は遥かに早く躊躇なく命を奪う「成る程な、こうなる事が分かってて俺とセレナを呼んだって訳か」貴方は、まさか‼︎総員銃を降ろせ」

 

エージェントの男の内の1人が俺の声を聞いた途端に全員にそう言う

 

「マムもしかしてこの事が分かって居て彼を?」

 

「ええ、米国が取引に応じるつもりが無い事は初めから分かりきって居ましたから」

 

「だがどうもこれで終わりそうも無いみたいだぞ」

 

そう言って外を見るとノイズに囲まれて居た

 

「これもあんたらの思わく通りか」

 

「恐らくドクターウェルの独断でしょう」

 

「そうかよ」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Granzizel bilfen gungnir zizzl〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺達は全員同時に聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「やあ!」

 

「はあ!」

 

《紅炎華》

 

《雷鳴》

 

俺とセレナで部屋の中のノイズを倒して道を作る

 

「ぐずぐずしてんな行くぞ‼︎また追っ手が来る‼︎」

 

「ええ」

 

マリアはそう言ってナスターシャを担いで部屋を出る

 

「待ち伏せを避ける為上の階からの脱出を試みましょう」

 

「お前の指示に従うのは癪だがそうするしか無いな下からの脱出は不可能だからな」

 

下に行けば待ち伏せしてる米国の奴に殺されるのがおちだ

 

「たく、しつこいぞ彼奴ら‼︎」

 

「貴方達を巻き込んでしまった事本当に申し訳ありません」

 

「マムが悪い訳じゃないよ」

 

「セレナ‼︎」

 

マリアがマントで銃弾を防ぎながらセレナを呼ぶ

 

「マリア姉さん」

 

「早く来なさい‼︎」

 

「うん!」

 

セレナがそう言ってマリアの元に向かう途中にマントの弾いた流れ弾がセレナに当たる

 

「セレナ…セレナ‼︎」

 

「野郎‼︎」

 

俺は銃を発砲する米国の連中に突っ込む

 

「うわあああ‼︎」

 

俺の後ろからマリアも槍を持って突っ込んで行く

 

「はぁはぁ…くっ!私は…」

 

マリアはアームドギアに付着した血を見て悔しそうな表情を浮かべ涙を流す

 

「たく、面倒かけんなよセレナ」

 

「ごめん…ね…湊君…」

 

俺がそう言ってセレナに近づくとセレナは途切れ途切れでそう言う

 

「いや…助けて…助けて‼︎」

 

「狼狽えるな‼︎行け‼︎」

 

マリアがそう言うとそこに居た女性と男性2人は走って階段に向かって行く

 

「もう迷わない!一気に駆け抜ける‼︎」

 

そう言ってマリアはアームドギアとマントを回転させ天井を貫いて行く

 

「俺達も此処から出るぞ」

 

「うん…」

 

《雷撃》

 

俺はセレナの傷を治してから背負い大剣の先に溜めた雷を高出力のエネルギービームとして放ち壁に穴を開ける

 

《雷鳥》

 

俺は雷鳥に乗って外に出ると見知った奴が上から落ちて来て居た

 

「何やってんだよ響」

 

「湊君‼︎良かったそのまま上に居る未来も」

 

響がそう言うとスカイタワーの上空が爆発する

 

「未来‼︎湊君‼︎早く未来を‼︎」

 

「分かってる!でも無事かどうかは知んねえぞ‼︎」

 

俺はそう言って未来の居るらしい爆発の起きた上に向かうが

 

「そんな…未来…」

 

響が絶望する中俺は辺りを見渡す

 

「行かなきゃ未来が‼︎未来が死んじゃう‼︎」

 

「落ち着け‼︎響‼︎」

 

俺が大声でそう言うと響は一瞬震えて俺を見る

 

「湊…君…」

 

「人はノイズに炭素化でもされない限り突然消える事何て先ずない」

 

そう言って俺は未来の通信機の反応を探す

 

「良かったな響未来は無事だ」

 

「本当‼︎良かった。ねえ未来今何処に居るの?」

 

「そう焦んな、ん?」

 

もう一度通信機を見ると未来の通信機の反応が消えた

 

「どうしたの湊君?」

 

「いや、未来の通信機の反応が突然消えたんだ」

 

俺が通信機から目を離したのは本の数秒だった。その間に反応が消えた怪しいな

 

「響一先ず地上に降りるぞ話はそれからだ」

 

「うん」

 

俺はそう言って響とセレナを乗せて人気のない場所に向かった




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88話

俺と響とセレナは地上に降りセレナを地面に寝かせる

 

「未来の通信機の反応は…」

 

「まだだ」

 

響の言葉に俺はそう言って首を振る

 

「そんな…」

 

「反応が検出され次第俺が向かうそれまで待ってくれ響」

 

「うん「立花‼︎湊‼︎」翼さん、クリスちゃん」

 

そこに姉さんと翼が到着する

 

「そいつは任せた!やるぞ湊」

 

「ああ‼︎」

 

俺は姉さんとノイズを殲滅する

 

「お疲れ姉さん」

 

「お前もな、つかお前何でこんな所に居たんだよ」

 

俺は姉さんに此処に居る理由を話す

 

「そうか未来の奴が行方をくらましたか、この事おっさん達は?」

 

「知らないだろうな」

 

「パパ〜‼︎」

 

葉月は走って俺の所に向かって来る

 

「お前も無事だったか」

 

「うん!未来お姉ちゃんと響お姉ちゃんが最初に助けてくれたから」

 

そうかこれは何としても未来を見つけないとな

 

「湊!セレナが目を覚ましたぞ‼︎」

 

「そうか、大丈夫かセレナ」

 

「うん、もう大丈夫だよ」

 

「なら良いんだ」

 

そこに風鳴司令達も到着する

 

「風鳴司令ちょっと良いか?」

 

「ん?どうしたんだ湊君?」

 

俺は姉さんと同じ事を風鳴司令に話す

 

「米国政府とF.I.Sの講和か」

 

「ああ、昨日の夜方俺とセレナの所に匿名で通信があったその相手がマリア達の親玉のナスターシャだったんだ。ナスターシャは講和の為に米国政府のエージェント招集して講和の話を持ち込んだ。だが米国政府側はそれに応じなかった。ナスターシャの奴はそれを見越して俺とセレナに通信を試みて此処に来るように指示をしたんだ」

 

「そうか」

 

そう言って風鳴司令は顎に手を当てる

 

「此処へのノイズの出現原因はナスターシャの見解じゃドクターウェルの独断だとよ」

 

「つまりウェル博士はF.I.Sと米国政府が結びつくのは反対だったと言う事か」

 

「恐らくな、それと未来が行方をくらました。今俺の通信機で未来の通信機の反応を探してる。反応が検出され次第未来をつれ戻すつもりだ」

 

「分かった、これに関しては君だけが頼りだ」

 

「分かっている。葉月ちょっと来い」

 

俺はそう言って葉月を呼ぶ

 

「何パパ?」

 

「お前ネフィリムが何処に居るか分かるか?」

 

「ネフィリム?何それ?」

 

ああ、ネフィリムつっても分からないか

 

「お前と同じ生き物の居場所が分かるか?」

 

「うん!分かるよ‼︎」

 

やっぱり分かるか

 

「そこに案内して貰っても良いか?」

 

「うん‼︎」

 

俺がそう聞くと葉月は笑ってそう言う

 

「どう言う事だ湊君?」

 

「未来は恐らくだがF.I.Sの連中と一緒だ。覚えてないか風鳴司令彼奴らの戦闘機のレーダーの反応が突然消えた事、その事を考えると未来の通信機の反応が消えたのも頷ける」

 

「成る程な、分かった未来君の事は君に任せる」

 

「ああ、任された行くぞ葉月‼︎」

 

「うん‼︎」

 

俺は葉月と一緒に雷鳥に乗りF.I.Sのアジトがあるであろう場所に向かった




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89話

「これは…ありがとな葉月未来の居場所が分かった」

 

「本当パパ‼︎」

 

「ああ、もう直ぐだ」

 

そう言って俺は雷鳥を加速させる

 

「やっぱあいつらの戦闘機が未来の通信機の反応の消失の原因か」

 

未来の通信機の反応のある場所にはあいつらの戦闘機があった

 

「葉月少し隠れててくれ」

 

「うん」

 

俺はそう言って葉月を通信機の中に収納する

 

「早速侵入するか」

 

俺は自信を猫の姿に変えて戦闘機の中に侵入する

 

(何処に居やがんだよ未来)

 

「およ?調猫が入って来ちゃってるデス」

 

「本当だ」

 

そこに暁と月読が来た

 

「こら!勝手にうろちょろしたら駄目デスよ」

 

「やんちゃな子」

 

そう言って暁は俺を抱き上げる

 

「切歌ちゃん調ちゃんその子どうしたの?」

 

「どうやらいつの間にか侵入して来た猫デスよ」

 

暁はアリスに俺を見せびらかしてそう言う

 

「そうなんだ、可愛い」

 

「デスよね!もしかしたらお腹が空いて入って来ちゃったのかも知れないデス」

 

「そうかも、暖かいミルク持って来るよ」

 

「宜しくデス調」

 

月読はそう言って何処かに向かう恐らく台所でもあるんだろう

 

「此処で少し待ってて下さいデス」

 

そう言って暁が俺を入れた中にはレーザーの檻の様な所に入れられて居る未来を発見した

 

(見つけた、未来を連れてとっととずらかるか)

 

俺はあいつらが来てない事を確認しながら未来の所に向かう

 

(未来!おい未来‼︎)

 

俺は未来に近づける所まで近づく

 

「ん…此処は…猫?」

 

(良かった気が付いたか)

 

俺は未来が気が付いた事を知ると元の姿に戻る

 

「湊…」

 

「此処から出るぞ「お待たせデス」チッ!思った以上に早かったな」

 

俺がシンフォギアを纏おうとして居ると暁が戻って来た

 

「お前は‼︎どうして此処に居るデス‼︎」

 

「どうしたの切ちゃん?」

 

そこに月読も来る

 

「一体何処から」

 

「さてな、お前達に答える義理は1つもない」

 

「切り刻んでやるデス‼︎」

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Girar desig Sandalphon tron〜

 

俺達は一斉にシンフォギアを纏う

 

「お前達だけで俺に勝てると思ってるのか」

 

「此処に居るのは私達だけじゃないマリア達も居る」

 

「マリアとアリスも合流すればいくらお前でも勝てっこないデス」

 

俺達がシンフォギアを纏って睨み合ってると

 

「何をして居るの貴方達、貴方は‼︎」

 

「俺は此奴を連れ戻しに来ただけだ」

 

「そんなの信じるもんかデス‼︎」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

暁はアームドギアの刃を3つに分裂させてブーメランの様に飛ばし左右から挟撃する

 

「はあ‼︎」

 

《雷斬》

 

俺は雷を纏った大剣で暁に斬りかかる

 

「やあ‼︎」

 

《α式 百輪廻》

 

月読が飛ばして来る無数の歯車を斬りながら俺は暁に向かって行く

 

「辞めなさい2人共‼︎」

 

「マリアどうして止めるデスか!」

 

「今此処に私とマムが居られるのは彼のお陰だからよ」

 

マリアの言葉に暁と月読は攻撃を止める

 

「どう言う事デスかマリア?」

 

「そうね、そこから話さないとね」

 

マリアは暁達に講和後の事について話した

 

「事情は分かったデス、でも彼奴はアリスを」

 

「もう良いか?「待って湊」どうした未来?」

 

マリアが話して居るうちに檻を壊し未来を風鳴司令達の所に戻ろうとする俺を未来が止める

 

「歌が聞こえるんだ…何だろ不思議な歌なんだけど胸に自然と落ちて来る」

 

未来の言葉を聞いてマリア達が驚く

 

「事情が変わったわ彼女を此処で返す訳には行かないわ」

 

「俺は此奴を連れて帰る為に此処に来たんだ何の成果も無しで帰る訳にはいかないな」

 

「あの…この歌は一体」

 

「それが知りたいのなら着いて来なさい」

 

マリアがそう言うと未来は俺を見る

 

「俺も同伴するから安心しろ可笑しな所があれば直ぐにでも止める」

 

「うん、ありがとう湊」

 

「気にすんな、もうバレてるし此奴も出してやるか」

 

俺はそう言って通信機から葉月を出す

 

「未来お姉ちゃん!」

 

「葉月ちゃん心配かけてごめんね」

 

「ううん!響お姉ちゃんもすっごく心配してたよ」

 

「そっか、響が…教えてくれてありがとう葉月ちゃん」

 

「うん!」

 

葉月と未来はそう言って手を繋ぎマリア達の後を追い俺はその後ろに続いた




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90話

「マム少し良いかしら?」

 

『ええ、大丈夫ですマリア』

 

ナスターシャがそう言うとマリアは扉を開けて中に入る

 

「何かあったのですか?貴方は」

 

「ヒッヒイ‼︎何でお前が此処に」

 

中に入るとそこにはナスターシャとドクターウェルが居た

 

「俺は此奴を連れ戻しに来ただけだ」

 

「マム神獣鏡を借りても良いかしら?」

 

「ええ、構いません今の状態ではフロンティアの浮上に至る出力が足りてませんからね」

 

ナスターシャはそう言ってマリアに1つのペンダントを渡す

 

「神獣鏡、あれだよね響を助けられるかも知れないシンフォギアって」

 

「ああ、あれが本物の神獣鏡だとすればな」

 

俺の言葉に未来は頷く

 

「貴方名前は?」

 

「小日向未来です」

 

「そう、小日向未来これを持って聞こえた歌を歌いなさい」

 

マリアはそう言って神獣鏡を未来に渡す

 

「はい」

 

~Rei shen shou jing rei zizzl~

 

そう言って小日向が聖詠を唱えるとコアは多少反応する物の不発に終わる

 

「湊これって無理って事なのかな?」

 

「多少は反応したんだ適合係数が足りてないんだろう、シンフォギアを纏うには一定の適合係数が必要になる。適合係数が一定未満だとシンフォギアは纏えない。つまりお前は神獣鏡を使えない事もないが適合係数が一定未満だから使えないって事だ」

 

「成る程、彼女の胸に歌が響いたのですね。今一度待って頂けるのであれば貴方の為のLiNKERをご用意しますよ」

 

確かに胸に歌が響いたのだとすればLiNKERで適合係数は補える

 

「どうするかの判断はお前に任せる」

 

「うん、お願いします」

 

「では今一度お待ちを」

 

そう言ってドクターウェルはLiNKERの制作に取り掛かる

 

「ご協力感謝します小日向未来さん」

 

「いえ、私も神獣鏡を使って助けたい友達が居ますから。もうその友達が戦って居る姿を見て居るだけじゃ嫌なんです」

 

ナスターシャの言葉に未来はそう返す

 

「LiNKERの完成までは時間があるわ、今のうちに覚悟を決めておきなさい」

 

「分かりました、行こう葉月ちゃん」

 

「うん!」

 

未来と葉月が部屋を出るので俺もそれに続こうとするとマリアに止められる

 

「セレナは…あの子は無事なの?」

 

「彼奴なら大丈夫だ傷口も塞がってるし歩ける様にはなってるだろ」

 

「そう…良かった」

 

マリアはそう言って安堵の表情を浮かべる

 

「話はそれだけか?」

 

「ええ、引き止めてごめんなさい」

 

「別に」

 

俺はそう言って部屋を出る

 

「待つデス‼︎良い機会デス私達と決闘デス」

 

「私たちが勝ったら8年前の事アリスに謝って欲しい」

 

今度は暁と月読に道を塞ぐ

 

「俺にその決闘を受ける理由が無い」

 

「ほう、私達に負けるのが怖いんデスか」

 

「そう思うなら勝手に思ってろ」

 

そう言って暁と月読を押しのけて進むが直ぐに俺の前に出て道を塞ぐ

 

「私達が負けたら何でもする」

 

「だから決闘を受けるデス、さも無いとふせんぱい?でお前をアリスの所に連れてって謝らせるデス!」

 

不戦敗の言い方がかなり怪しかったが此奴らはアリスの為に一生懸命なのは伝わって来た

 

「はぁ、分かった決闘だろ受けてやるよ」

 

「最初からそう言うデス」

 

この感じだと俺が頷くまで永遠と続きそうだったので俺は渋々了承した




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91話

「LiNKERが完成したわ」

 

「そうか」

 

数分後マリアからLiNKERが完成したと言われたのでもう一度試す為にナスターシャとドクターウェルの所に行く

 

「始めなさい」

 

「はい」

 

~Rei shen shou jing rei zizzl~

 

LiNKERを投与した後、再度聖詠を行うと今度は成功し小日向は神獣鏡を身に纏う

 

「これで私も闘えるんだ!響の居る世界を守れるんだ!」

 

「素ぅ晴らしいですねぇ!ボクの作った【あなたの為のLiNKER】があるとはいえ、ここまで簡単に適合してしまうとは!これこそまさに愛!ですねぇ!」

 

「何故そこで愛!?」

 

まあ此奴の言う事もあながち間違って無いんだろうけどな

 

「親友のいる世界を守りたい、そんな純粋な想いが聖遺物との適合を果たしたのです!涙ぐましいじゃないですか!これを愛と言わず何と言うのです!」

 

「愛かどうかはどうでも良いがこれで彼奴の救える可能性は見えたな」

 

「うん」

 

未来は笑って頷く

 

「貴方にも協力して貰うのだから試運転をしておきなさい」

 

「わかりました」

 

「だったら丁度良いのがあるぞ」

 

俺は此処に居ない暁と月読が居る実技演習室に向かう

 

「遅いデス‼︎勝負はもう既に始まってるのデス」

 

「その人も一緒にするんだ」

 

「うん、宜しくね切歌ちゃん調ちゃん」

 

そう言って未来はアームドギアの扇を構える

 

「さっさと終わらせんぞ」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺は未来にそう言ってシンフォギアを纏う

 

「切り刻んでやるデス」

 

《対鎌・螺Pぅn痛ェる》

 

暁は2本のアームドギアを合体させ、三日月型の刃を左右に備える大型の鎌を形成する。

 

「貴方には悪いけど勝つのは私達」

 

「未来は後方支援を頼む」

 

「うん」

 

俺の言葉に未来は頷く

 

「それじゃあ行くデス‼︎」

 

暁はそう言って突っ込んで来る

 

「ふっ!」

 

「くっ!」

 

俺は暁の鎌を受け止めて押し返す

 

「切ちゃん避けて‼︎」

 

《α式 百輪廻》

 

月読がそう言って暁が横にずれると正面から無数の歯車が迫って来る

 

「やあ!」

 

「助かった未来」

 

未来はミラーデバイスから光を放つと歯車が消える

 

「やっぱ本物だなその神獣鏡」

 

「うん、これなら響も」

 

「まだ終わってない」

 

《非常Σ式 禁月輪》

 

月読はアームドギアから巨大な円状の刃を形成し、内側に乗り突進して来る

 

「いや、これで終わりだ」

 

《雷斬》

 

俺は突進して来る月読の円状の刃ごと砕き背中のブースターて加速させて切り付け月読を実技演習室の壁まで吹き飛ばす

 

「調‼︎」

 

「痛た…ギアが‼︎」

 

月読のシュルシャガナは大きく破損した為ギアが解除されてしまった

 

「だから言っただろ終わりだって」

 

「くっ!」

 

「私だって負けないデス‼︎」

 

「んな事はわかってる!」

 

暁がまたしても鎌で切りつけて来るので俺はそれを受け流す

 

「やれ未来」

 

「うん、やあ‼︎」

 

《閃光》

 

未来はアームドギアの扇を鏡のように展開し、複数のビームを同時に放ちその光が暁を包み込んだ

 

「初めてにしては上々なんじゃないか?」

 

「うん、この調子なら何とかなりそう」

 

そう言って未来はアームドギアの扇を強く握る

 

「そろそろLiNKERの効力も切れるだろ、今日の所は終わりにしておけ」

 

「うん、そうするよ」

 

未来はそう言って葉月の待つ部屋に向かった

 

「お前らさっき自分達で言った事覚えてるよな」

 

「私達に何をさせるつもり」

 

「アリス彼奴と2人だけで話せる時間を作ってくれ」

 

俺の言葉に暁達は驚きを隠せていない

 

「どうして…」

 

「それをお前達が知る必要はない。勿論拒否権もだ」

 

「分かったアリスに伝えておく」

 

暁と月読はそう言って実技演習室を出て行った




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92話

「兄にどうしたの…」

 

その日の夜、俺が夜風に当たって居るとアリスが後ろから俺に声をかける

 

「来たかアリス」

 

「うん、それで話したい事って何?」

 

「8年前のあの日の事だ。悪かったあそこまでショックを受けるとは当時の俺には想定外の事だったんだ」

 

俺の言葉にアリスは何も返さない

 

「数日前から、俺は彼奴らにある実験に付き合わされて居たんだ。それがたまらなく怖くて仕方なかった。ある日聞いたんだ俺の次はお前がその実験の被験者になるって。それだけはどうしても避けたかった。そしてもう1つが最大の理由だあの時のお前は俺に依存して居た」

 

「私が兄にに依存?」

 

「お前こう思ってたんじゃないか?俺と一緒だから耐える事が出来たって、裏を返せば俺が居ないとお前は耐えられなかった。俺が居ないと怖くて何も出来ないそう言う事だろ」

 

「それは…」

 

アリスは違うと言いたいんだろうが自分でも思い当たる節があるんだろう言葉を詰まらせる

 

「俺はお前にだけは普通に生きて欲しかった。お前には優しいお前のままで居て欲しかった。その為には俺と一緒に居るべきじゃないそう思ったんだ」

 

あの時の俺はただ自分の考えをアリスに押し付けてただけだ、話さなくてもアリスなら分かってくれると思って居たから、その結果がこれだ

 

「俺は別にお前に許して貰おうとは思ってない、でもこれだけは分かって欲しいんだ。お前の嫌ってる奴は今でも存外お前の事を大切に思ってるって事をな「待って‼︎」何だアリス」

 

そう言ってアジトである戦闘機の中に入って行こうとする俺とアリスが止める

 

「私だって…私だって兄にの事嫌いなんかじゃないもん‼︎兄にはまたそうやって私の話を聞いてくれないの‼︎本当は私だって兄にと戦いたくなんて無かった‼︎でも兄には私の事が嫌いなんだってそう思ってた‼︎そう思わずには戦えなかった‼︎」

 

「アリス…お前」

 

「兄に…私頑張ったよ兄にからするとまだ弱虫かも知れないけど私なりに頑張ったんだよ。もう頑張るのも兄にと戦うのも辛いし苦しいよ」

 

アリスは涙を流しながらそう言う

 

「悪かったな、俺が良かれと思った事がお前を苦しめてたんだな」

 

「兄に…」

 

「お前は十分過ぎるくらいに頑張った、だから少し休憩を挟めそれからまた頑張れば良い」

 

俺がそう言うとアリスは俺目掛けて走って来る

 

「兄に‼︎兄に‼︎」

 

「大丈夫だ俺は此処に居る」

 

「うん…うん…」

 

俺は泣きながらしがみつくアリスの頭をそっと撫でながら落ち着くのを待つ

 

「ありがとう兄に、今日は我慢しなくて良いんだよね」

 

「今日だけな」

 

「うん、行こう兄に」

 

そう言ったアリスの表情は昔と変わらない笑みだった




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93話

「ん…朝か…」

 

翌日、俺は身動きが取れない状態で目が覚めた

 

「たく此奴は」

 

左右を見ると葉月の他にアリスが俺にしがみついて寝ていた

 

「兄に…」

 

「本当あの頃に戻ったみたいだな」

 

英国の施設に居た時も俺とアリスは2人で寝ていた翌朝アリスは決まって俺の服の袖を掴んでいた

 

「ん…パパ」

 

「悪い起こしちまったか?」

 

俺がそう聞くと葉月は首を左右に振る

 

「朝飯にするか」

 

「うん!」

 

俺と葉月はまだ寝てるアリスを残して部屋を出た

 

「冷蔵庫勝手に開けるわけにもいかないしな」

 

俺は通信機の中から朝飯の材料を出す

 

「パンとご飯どっちにする?」

 

「パン!」

 

「分かったちょっと待ってろ」

 

俺はそう言ってパンを2枚トースターに入れる

 

「何してるの」

 

「見て分かんだろ朝飯だよ」

 

俺と葉月が朝飯を食べて居ると月読が起きて来た

 

「そう」

 

月読はそう言ってパンをトースターに入れる

 

「アリスとはどうなったの?」

 

「おかげさまで昔みたいな仲に戻った」

 

「そう、アリスは寂しがりやだから出来るだけ側に居てあげて」

 

「そのくらい分かってる」

 

俺は月読にそう言ってパンを食べる

 

「おはよう湊、調ちゃん、葉月ちゃん」

 

「「「おはよう未来(未来さん)(未来お姉ちゃん)」」」

 

暫くすると未来が起きて来た

 

「未来お姉ちゃんご飯終わったらお外で遊ぼう」

 

「うん、良いよ葉月ちゃん終わったら遊ぼっか」

 

「うん!パパ‼︎」

 

「分かったからちょっと待て」

 

俺は自分と葉月の使った洗い物を済ませて手を拭き葉月と外に出る

 

「兄におはよう」

 

「起きたのかアリス」

 

「アリスお姉ちゃんおはよう」

 

俺と葉月が外に向かって居るとアリスと会う

 

「何処か行くの?」

 

「外に出ようと思ってな」

 

「一緒に行っても良い?」

 

「別に良いけど朝飯どうするんだよ」

 

そうアリスは今起きたばかりで朝飯を食べてない

 

「仕方ない外で何か作ってやるよ」

 

「ありがとう兄に」

 

そう言ってアリスは俺と葉月について来た

 

「パンとご飯どっちにする」

 

「パン」

 

「分かった」

 

そう言って俺が通信機から椅子と机とパンを取り出すとアリスは不思議そうにしてその通信機を見る

 

「兄にそれ何?」

 

「これか?俺がフランスで作ったホログラム通信機だ。俺と特定の奴のは中に物が収納できる様になってる」

 

「やっぱり兄には凄い」

 

そう言ってアリスは椅子に座ってパンを食べ始める

 

「焼かなくて良いのか?」

 

「うん、私は食パンは焼いてない方が好きだから」

 

「そうか、卵とベーコンを焼くからちょっと待ってろ」

 

「うん」

 

アリスは俺の言葉に頷き用意された皿にパンを置く

 

「パパ葉月もデザート食べたい」

 

「分かってるプリンだろほら」

 

俺はそう言ってプリンを葉月に渡す

 

「ありがとうパパ」

 

「気にすんな「ふぁ〜何か良い匂いがするデス」暁お前か」

 

卵とベーコンの匂いにつられて暁がやって来た

 

「中にこんなのあったデスかね?」

 

「兄にが用意してくれたんだ」

 

「そうだったデスか、あれ?調はいないデスか?」

 

「月読なら未来と中で朝飯食べてるぞ」

 

「さいデスか、それじゃあ私も中で朝ご飯食べて来るデス」

 

暁はそう言ってアジトの中に戻って行った




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94話

「米国の哨戒船か」

 

数時間後、俺達はフロンティアと呼ばれる物が眠って居る場所に向かって居ると道中に米国の哨戒船を発見する

 

「恐らくですが米国は自分達でフロンフィアを浮上させるつもりなのでしょうね。月の落下時に有利な状況を作ろうとして居るのでしょう」

 

「成る程な、つまり米国側からすれば自分達でフロンフィアを浮上させる事に意味があるって事か」

 

アリスから多少聞いたがフロンティアの浮上には神獣鏡が必要らしいが神獣鏡は今ナスターシャ率いる武装組織フィーネが持って居る彼奴らはどうやってフロンティアを浮上させるつもり何だ

 

「こうなるのも想定の範疇、精々連中を派手に葬って世間の目を此方に向けさせるのはどうでしょう?」

 

「そんなのは弱者を見下す強者のやり方「世界には私達の主張を届けるには格好なデモンストレーションかもしれないわね」マリア」

 

マリアの言葉を聞いて月読は寂しそうな表情を浮かべる

 

「私は…私達はフィーネ弱者を支配する強者の世界構造を終わらせる者この道を行く事を恐れはしない」

 

どうやら此奴は本気らしい

 

「俺は向こうに行ってるからな」

 

「待って兄に」

 

俺がその部屋を出るとアリスも俺に着いて来る

 

「何で着いて来たんだ」

 

「私もあの中に居づらくて、本当どうしちゃんだんだろうマリア」

 

「さあな…アリス出るぞウェルの野郎面倒事を増やしやがった」

 

俺が通信機を見るとそこにはノイズの反応があった

 

「行くぞ」

 

「うん」

 

〜Crimson glacier fenrir tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Various shul shagana tron〜

 

俺とアリスが戦闘機から飛び降りると月読も飛び降りて来る

 

「お前もか」

 

俺の質問に月読は無言で頷く

 

「アリスお前は月読と連携を取ってノイズを着実に倒していけ」

 

「分かった、行こう調ちゃん」

 

「うん」

 

アリスと月読はそう言って俺と反対側に居るノイズを倒しに行く

 

「ふっ!これでこっちは片付いたか」

 

俺がアリス達の所に行くとギアが解除された月読をアリスが支えていた

 

「何があったんだアリス」

 

「兄に…それが切歌ちゃんが調ちゃんにLiNKERに似た打ってから調ちゃんのシュルシャガナが急に馴染まなくなって」

 

「そうか」

 

そう言って俺はアリスと月読の前に立つ

 

「何のつもりだ暁」

 

「お前には関係のない話デス」

 

暁はそう言って俺に向けて鎌を構える

 

「お前此処が戦場だって分かってないのか?それとも月読を死なせたいのか?ああ悪いな、ノイズが大勢居る場所でギアを解除させる時点で分かりきってた事だな」

 

「それは…ちが…「何も違わないだろ」え?」

 

「お前アリスが居なかったら月読は今頃どうなってた」

 

「あ…」

 

俺がそう言った事で暁は自分のした事に気が付いた

 

「でっでも此処ままじゃ私が私じゃ無くなるかも知れないデス!そうなる前に何か残さなきゃ!調にも、アリスにも忘れられちゃうデス、そんなの…そんなの私には耐えられないデス!」

 

「だそうだが?お前らはどうなんだ?」

 

俺は月読とアリスを見てそう言う

 

「切ちゃん本当におバカ私が切ちゃんを忘れるわけ無いよ」

 

「切歌ちゃん1人で考え込まないで、皆んなで考えたらもっと良い案が出るかもしれないよ」

 

「調…アリス… でも他にどうすれば良いんデスか!私にはもうドクターのやり方以外の方法が思い浮かばないデス!」

 

暁が涙を堪えながらそう言う

 

「だったらそのドクターウェルのやり方でどれだけの人が救えるんだ?どれだけの弱い人達を助ける事が出来るんだ?お前達の最終目標はそこなんだろ?」

 

「それは…何デス⁉︎」

 

俺と暁が話して居ると海から水飛沫が上がり何かが飛び出して来ると中から姉さんと翼が出て来た




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95話

「何やってんだ湊‼︎」

 

「どう言うつもりだ湊」

 

突然現れた姉さんと翼は俺が彼奴らを姉さんの攻撃から守ると険しい顔をする

 

「どうもこうも俺も未来も無事だ、此奴らに神獣鏡を借りる代わりに手伝いをしてるって感じだ」

 

「しかし肝心な小日向の姿が見えないのだが」

 

「時期に来る」

 

〜Rei shen shou jing rei zizzl〜

 

「何だこの聖詠は…」

 

「来たか」

 

俺がそう言って上を見ると翼と姉さんも上を見る

 

「お待たせ湊」

 

「パパ‼︎」

 

「「未来(小日向)⁉︎」」

 

翼と姉さんは未来が神獣鏡を纏って降りて来た事に驚くが俺が驚いて居るのはそこじゃない

 

「未来何で葉月の奴まで連れて来たんだよ」

 

「ごめんね湊、どうしても着いて来るって言う事に聞いてくれなくて」

 

それで葉月を連れて来たのか悪い事しちまったな

 

「ごめんなさいパパ」

 

「たく、でもまあお前を彼奴らの所に置いて来るよりか多少はましだな、これであんたら2人も分かっただろ」

 

「ああ、だが先程までのノイズは」

 

「あれはドクターが勝手に出現させた物私達の指示でも何でもない」

 

月読の言う通りこれはウェルが勝手にした事だろう

 

「だがお前達が小日向を拐った事実は何も変わらない」

 

「待ってください翼さん、あの時私は自分からマリアさんに着いて行ったんです。マリアさんが連れて行ってくれてなかったら私は今生きていないと思います。それに響を助ける為の神獣鏡を纏う事も出来ずにずっと響の傷つく姿しか見れていませんでした」

 

小日向も翼と姉さんを説得する

 

「分かった、信じよう」

 

「ありがとうございます」

 

「てなるとでも思ったか‼︎」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

姉さんはそう言って暁とアリスに大型ミサイルを飛ばす

 

「葉月」

 

「うん‼︎」

 

葉月は暁とアリスの前に立ち大型ミサイルを受け止める

 

「嘘…」

 

「こんな小さい子供がシンフォギアの攻撃を」

 

それを目の前で見ていた暁とアリスは驚いて居た

 

「何すんだ湊‼︎」

 

「今あそこにはギアも纏って居ない月読が居るんだそれを分かってんのか姉さん」

 

「けど彼奴らは‼︎」

 

「よせ雪音、彼女達には戦う意思がない」

 

翼も俺と一緒に姉さんを止める

 

「叔父様、立花を」

 

『分かった』

 

翼は風鳴司令に響を此処に連れて来て貰う事にしたらしい

 

「ありがとう葉月ちゃん」

 

「助かったデスよ」

 

「私もありがとう葉月ちゃん」

 

「切歌お姉ちゃんと調お姉ちゃんとアリスお姉ちゃんが無事で良かった」

 

俺が偶然暁達の上を見るとそこにはネフィリムがアリスと暁に向けて降下して来て居た

 

「お前ら逃げろ‼︎」

 

「は!切ちゃんアリス上‼︎」

 

月読がそう言ってアリスと暁は初めてネフィリが降下して来て居る事に気づいた

 

「間に合え‼︎」

 

俺は通信機からネフシュタンの鎧を取り出して纏いトゲを鞭の様に伸ばしてネフィリムに巻き付け投げる

 

「それはネフシュタンの鎧」

 

「だとするとやっぱり彼奴が」

 

暁と月読はそう言って俺を見る

 

「それじゃあ前に切歌ちゃん達が言ってた通り兄にが新しいフィーネ」

 

「フィーネ?アリスお姉ちゃんフィーネって何?」

 

フィーネ何の話だ?

 

「未来‼︎」

 

「響‼︎」

 

そこに響が到着するのと同時にネフィリムが立ち上がる

 

「未来ネフィリムは俺達でなんとかするお前は響のガングニールを除去するのに集中しろ‼︎」

 

「うん」

 

俺はそう言ってネフィリムに向かい合う

 

「月読は葉月の事を頼むぞ」

 

「分かった」

 

月読はそう言って葉月と俺達の後ろに待機する

 

「私もやるよ兄に」

 

「不本意デスけど2度も助けられたんデスちゃんと返すデスよ」

 

「助かる」

 

俺の隣に並ぶ暁とアリスがそう言うとネフィリムは俺達に向かって来た

 




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96話

〜未来side〜

 

「始めるね響」

 

「うん!ドーンと来てよ未来」

 

響はそう言って笑う

 

「クリスも翼さん下がって下さい」

 

私がそう言うと神獣鏡の力を知っている翼さんとクリスは後ろに下がる

 

「あれは!あの野郎‼︎」

 

「何処へ行くんだ雪音‼︎」

 

クリスは何かを見つけてマリアさん達の居る戦闘機に向かう

 

「マリアさんお願いします」

 

私が叫ぶとマリアさんが飛行機から複数の反射鏡を飛ばしてくれた

 

(お願い神獣鏡、響を助けさせて)

 

《混沌》

 

私は今の自分に出来る全力で反射鏡に光を放つと神獣鏡に亀裂が入り光が出なくなった

 

「響‼︎大丈夫⁉︎」

 

複数の光が一点に集まり大きな光になって響を包む光が治るのと私は響に近づきそう聞く

 

「あはは、何とか大丈夫だよ。まだちょっと体が痛いけど」

 

「良かった、これで響の中のガングニールが取り除けたんですよね翼さん?」

 

「湊の可能性が真であるならばそうなるな。立てるか立花?」

 

「立てる様になるまでもう少しかかりそうです」

 

そんなに辛かったんだ

 

「響」

 

「ありがとう未来」

 

私が響に手を出すと響は私の手を取る

 

「小日向済まないが立花を頼む私は湊と一緒に戻る」

 

「分かりました。行こう響」

 

私はそう言って響と一緒に本部に向かった

 

〜未来side out〜

 

「はあ!」

 

《ASGARD》

 

俺は肩部の鞭状突起を伸ばして陣を組みバリアを展開しネフィリムの攻撃を防ぐ

 

「やれアリス、暁」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

《氷華》

 

暁はアームドギアの刃を3つに分裂させてブーメランの様に飛ばし左右から挟撃しそれに合わせてアリスが具現化させた氷を飛ばす

 

「やったデスか」

 

「嫌、まだだ」

 

煙が晴れるとネフィリムは暁目掛けて突っ込んで行く

 

「負けるもんかデス」

 

《対鎌・螺Pぅn痛ェる》

 

暁は2本のアームドギアを合体させ、三日月型の刃を左右に備える大型の鎌を形成してネフィリムの攻撃を受け止める

 

「離脱しろ暁」

 

《NIRVANA GEDON》

 

俺は両肩部の鞭状突起の両方の先端に生成し投げた黒い電撃を帯びた白いエネルギー球をネフィリムに向けて投げる

 

「ふっ!」

 

暁は俺はエネルギー球が自分とネフィリムに当たる直前にネフィリムから距離を取る

 

「これで最後デス‼︎マリア…でも‼︎分かったデス。アリス、マリアからの指示デス。ネフィリムを連れて戻って来るデス」

 

「うん、バイバイ兄に」

 

暁とアリスは負傷したネフィリムを抱えて戦闘機から伸びるロープに捕まり戦闘機に戻って行った

 

「大丈夫か湊」

 

「ああ、大丈夫だ。何だ⁉︎」

 

突然海面が大きく揺れまるで海底自体が隆起しているみたいだ。

 

「何だよあれ…」

 

「もしかしてあれがフロンティアかも」

 

「フロンティアって確かウェルの奴が浮上させようとしてた星間航行船だよな?」

 

「まだ断言は出来ない。でもフロンティアの浮上の鍵は神獣鏡の放つ魔が払いの光、未来さんが神獣鏡を使った事でフロンティアの封印が解除されたとしてもおかしくない」

 

月読の話を聞くにあれはフロンティアで間違いないかもな

 

「今此処で向かうのは得策では無い一度本部に戻り叔父様達と話し合おう」

 

「ああ、お前も来い月読」

 

「分かった」

 

俺がそう言うと月読は俺達と一緒にニ課本部に向かった




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97話

「すみませんがこれは預からせて貰いますね」

 

「お願い皆んなを止めて…助けて」

 

「緒川、彼女のペンダントは俺が預かろう」

 

俺はある人物に姿を変えて中に入ってそう言う

 

「わかりました司令」

 

緒川はそう言って風鳴司令に変装した俺にシュルシャガナを渡す

 

「悪く思うなよ緒川」

 

「貴方は‼︎うっ!」

 

緒川は風鳴司令が突然姿が俺になった事で俺が変装して居たと知るが隙を見て気絶させた

 

「さて、どうすっかな「湊君?」やべセレナ」

 

俺が緒川を担いで居ると運悪くセレナと遭遇した

 

「緒川さんに何してるの?」

 

「話は後だ、一先ず緒川を隠して月読の所に行くぞ」

 

俺は近くにあったロッカーに緒川を入れセレナと月読の所に向かう

 

「誰?セレナそれに」

 

俺達が中に入ると月読は俺が持って居るシュルシャガナのペンダントに目を向ける

 

「ほら持ってけ」

 

「何のつもり」

 

「セレナと一緒に行って来い月読こっちは俺が何とかしてやる」

 

「どうして?」

 

月読は俺を見てそう言う

 

「本当に大事な人ってのは自分の力で助けたいもんだろ。俺はお前に彼奴らを助けるチャンスを与えるそれだけだ」

 

「行こう調ちゃん」

 

「待ってセレナ…ありがとう」

 

月読はそう言ってセレナとフロンティアに向かった

 

「さてこっちもやるか」

 

俺は自身の姿を月読に変えてその場に待機する

 

『湊君フロンティアに到着したよ』

 

「分かった」

 

(そろそろ彼奴らも気づいた頃だろうな)

 

俺がそう思って居ると外から此方に向かって来る足音が聞こえる

 

「姿を変えても無駄だぞ湊君」

 

「やっぱバレてるか、当たり前だがな」

 

フロンティアに着いたって事は月読はシュルシャガナを纏って居るんだろうからな

 

「緒川はどうした」

 

「緒川なら「すみません司令」来たか」

 

風鳴司令と話して居るとロッカーに入れて居た緒川が来た

 

「すみません司令、まさか湊君が司令に変装するとは思ってもみなかったので」

 

「気にするな、俺も湊君がまさか俺に変装するとは思って無かったからな」

 

「俺は相手を欺く為なら誰にだって変装するぞ例えそれが女だったとしてもな」

 

「そうか」

 

俺は風鳴司令と話しながら移動する

 

「それで俺を呼びに来たって事は出撃命令か」

 

「ああ、現在翼とセレナ君と彼女が対処にあたって居る」

 

「俺にも対処に当たれって事だろ分かった」

 

「戻って来たら少々きつめの説教が待ってる居ると思え」

 

風鳴司令はそう言って俺をフロンティアに向かわせた

 

「湊君!私も連れてって!」

 

「響ギアも無いお前に何が出来るって言うんだ」

 

「分からないけどこのままじっと見てるだけは嫌だ」

 

響は真っ直ぐ俺を見てそう答える

 

「たく、本当にお前は…分かった連れてってやるよ」

 

「ありがとう湊君」

 

「礼は全部終わってからにしてくれ」

 

俺はそう言って響を連れてフロンティアに向かう




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98話

『何をやって居る‼︎響君を戦わせるつもりは無いと言った筈だぞ‼︎』

 

「戦いじゃありません!人助けです‼︎」

 

「悪い風鳴司令どうしてもって聞かなくてな」

 

俺と響は風鳴司令からの通信に対してそう答える

 

『減らず口のうまい映画など見せた覚えはないぞ‼︎『行かせてあげて下さい』未来君』

 

『だって人助けは1番響らしい事ですから。でも約束して響絶対に生きて帰って来るって』

 

「未来…ありがとう絶対に生きて未来の所に帰るよ」

 

響がそう言うと風鳴司令は通信を切った

 

「響此奴を持っておけ」

 

そう言って俺は響に銃を渡す

 

「これって…前に話したフランスで作られた対ノイズ用の武器だよね?」

 

「ああ、丸腰で行く訳には行かないだろ」

 

「湊君‼︎」

 

そこにセレナが合流する

 

「月読は」

 

「切歌ちゃんと戦ってる」

 

「そんな…あんなに仲が良かった2人が戦うなんて」

 

「セレナ俺は月読と合流するお前は響とあの塔に向かってくれ恐らくそこにマリアとウェルが居るだろう」

 

俺がそう言うとセレナは頷き響と一緒に塔に向かった

 

「調‼︎目を開けて調‼︎「暁!」お前は」

 

「俺の事はどうだって良い何があった」

 

「私のせいで調がイガリマの絶唱の効力を受けたアームドギアに」

 

「イガリマの絶唱の特性は確かあらゆる防御を無視して対象の魂を破壊するだったな。だがこれがお前の望んだ事なんだろ。月読とアリスの気持ちを知っても尚お前が選んだドクターのやり方その結果がこれだ」

 

俺の言葉を聞いて暁は酷く絶望する

 

「私はこんなのを望んで居た訳じゃない、私はただ調にもアリスにも誰にも私の事を忘れて欲しくなくて、でも結局フィーネの器だったのは私でもマリアでもアリスでも無く調で…もうどうすれば良いか分からないデスよ」

 

「どうするも何もお前にはどうする事も出来ない。どうにか出来るとしたらそれはフィーネの野郎だけだ」

 

フィーネが月読を守りでもしてたら話は別だが彼奴はそんな事をする奴じゃない

 

「お願いデスフィーネどうか調を…調を助けて欲しいデス私は…私はどんな罰でも受けるから…私から大好きな調を奪わないで」

 

暁がそう言いながら月読の片手を握って居るともう片方の手が暁の手を掴む

 

「私も…大好きだよ切ちゃん」

 

「へ…しっ調⁉︎幽霊じゃない…デスよね?」

 

月読が目を覚ましてそう言うと暁は急いで俺の後ろまで距離を取りそう言う

 

「む〜」

 

「おい暁それは無いんじゃないか」

 

「でっでも…」

 

「大丈夫だよ切ちゃん私は私のままだから」

 

月読がそう言うと暁は恐る恐る月読に近づく

 

「本当に調なんデスか?でもどうして私のアームドギアは確かに調を」

 

「多分…フィーネに助けられたんだと思う」

 

「フィーネにデスか?」

 

て事はフィーネが月読を守ったのか

 

「気分はどうだ月読」

 

「うん、そこまで悪くない。皆んなが私を助けてくれているだから切ちゃんも力を貸して一緒にマリアを救おう」

 

「うん、今度こそ調と一緒に皆んなを助けるデス」

 

「そう言えば…アリスは何処に居るんだ?」

 

俺はずっと姿を見て居ないアリスの事を暁に聞く

 

「アリスはマリアの代わりにマムの側に着いて居る筈デスけど」

 

「切ちゃんもしかしてあれ?」

 

月読の見る方角には月に向かって行くフロンティアの一部があった

 

「彼処デスマムとアリスが居る所は‼︎きっとドクターの仕業デス‼︎」

 

「ウェルの仕業か、お前達はマリアの居る塔の1番上を目指せ俺はあれを追う」

 

《雷鳥》

 

俺がそう言って雷鳥に乗ると暁と月読が近づいて来る

 

「マムとアリスの事は頼んだデス」

 

「アリスの事だからきっと責任を感じて泣いてると思うだから行って慰めてあげて」

 

「分かった」

 

俺はそう言って月に向かって行くフロンティアの一部を追いかけた




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99話

〜アリスside〜

 

「はぁ…はぁ…マムもう一度やらせて」

 

「もう良いのですアリス、マリア達の中で1番適合係数の高い貴方でしたがやはり月遺跡の起動へのフォニックゲインは1人ではどうにもならないのです。彼が居てくれれば結果は変わったのかも知れませんが」

 

マムの言う彼は兄にの事だと思う

 

「ネフシュタンの鎧にインドラの槍2つの完全聖遺物を使用できる彼ならと思って居たのですが」

 

「兄に…この声…」

 

遠くから聞こえる声、その声は私の大好きな声、私を安心させてくれる声だった

 

「兄に‼︎」

 

「何とか間に合ったみたいだな」

 

そこには私達の所に向かって来て居る兄にが居た

 

〜アリスside out〜

 

「マム!兄にが来てくれたよ‼︎」

 

「悪いナスターシャ」

 

「いえ、来て頂いてありがとうございます」

 

そう言ったナスターシャは壁に凭れて居る

 

「んで俺は何をすれば良い」

 

「貴方のフォニックゲインで月遺跡を起動させて欲しいのです。月遺跡が起動すれば月の軌道は元に戻り月の落下が喰い止められる筈です」

 

「私やマリアのフォニックゲインじゃ全然ダメで、でも完全聖遺物を2つも使える兄になら」

 

「分かったやってみよう」

 

俺はそう言って石板にフォニックゲインを流す

 

「フォニックゲイン照射継続、月遺跡バラルの呪詛完成装置の再起動が確認、月起動アジャスト開始、星が音楽となって…「こんな所で死ぬんじゃねえよ」これは…」

 

「テメェにはまだ聞きたい事が山の様にあるんだ地球に戻ったら全部話してもらうぜナスターシャ」

 

「ええ…帰りましょうあの子達の待つ星へ」

 

ナスターシャはそう言って気を失う

 

「兄にマムは大丈夫なの?」

 

「今は気絶してるだけだ帰るぞアリス」

 

「うん、でもどうやって」

 

「俺に考えがある」

 

俺はそう言ってアリスとナスターシャを連れて地球に向かった

 

〜弦十郎side〜

 

「司令月の軌道が修正されていきます‼︎」

 

「何だと‼︎」

 

モニターには元の軌道に戻って行く月の姿が映し出されて居た

 

「湊君、君がまた何かしたのか?「司令未確認の飛行物体が此方に向かって来ています‼︎」何だと!」

 

「モニター切り替わります」

 

そこには神話上の存在である生き物が映って居た

 

「ドラゴンだと⁉︎」

 

「それだけではありません!ナスターシャ教授に湊君それから1人の少女の姿も見られます‼︎」

 

友里の言う通りそのドラゴンの背中には湊君とナスターシャ教授そして1人の少女が乗って居た

 

「至急湊君への通信を試みろ‼︎通信が取れ次第音声を繋げ‼︎」

 

「わかりました‼︎」

 

俺がそう指示を出すと一斉に湊君との通信を試みる

 

「未来君、君も頼む」

 

「わかりました」

 

そう言って未来君は通信を試みる

 

「弦十郎さん湊との通信取れました」

 

「少し借りるぞ未来君」

 

そう言って未来君から通信機を借りて音声を繋げる

 

「聞こえるか湊君‼︎」

 

『聞こえてるぞ風鳴司令』

 

俺がそう聞くと湊君はいつもの調子でそう返す

 

「このまま行くと我々の潜水艦と激突する恐れがある。此処には未来君と葉月君も居る安全な場所に着陸し我々と合流してくれ」

 

『了解、今大気圏を突破したナスターシャとアリスは俺と一緒に合流させる』

 

そう言うと湊君は通信を切りモニターには海の上に着水するドラゴンの姿が映し出された

 

〜弦十郎side out〜




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100話

「此処は…「帰るまでの手立てから何から何まで俺にやらせておいて呑気な奴だな」つまり此処はもう地球なのですね」

 

「ああ、今さっき着いた所だ」

 

俺は目を覚ましたナスターシャにそう言う

 

「マム良かった目が覚めたんだね」

 

「心配をかけましたねアリス」

 

「マリア達も帰って来たみたいだし行くぞ」

 

俺はそう言ってナスターシャとアリスを連れてドラゴンに乗ってニ課本部に向かう

 

「「「マム‼︎」」」

 

「貴方達にも随分と心配をかけてしまいましたね」

 

ニ課の潜水艦がある場所に着くとマリア達がナスターシャの元に向かって行く

 

「これで一先ず全部片付いたな」

 

「湊君‼︎良かった無事だったんだね」

 

そう言って響達が俺の所に来る

 

「それにしてもおっきい!これがドラゴン何だ。漫画とかで偶に見るけど現実にも居るんだ」

 

「んな訳ねぇだろ、お前も湊と一緒なのか?」

 

姉さんがそう聞くとドラゴンは人の姿に変わる

 

「はい、エルザ様達からお話は聞いております雪音クリス様。私はシャルロット・カルネスタです。以後お見知り置きを」

 

「なんか調子狂うな、普通にクリスで良いぞ」

 

「はい、クリス様」

 

「それでも様だけかよ」

 

姉さんはそう言って頭をかく

 

「悪い姉さんシャルはこう言う奴なんだ。シャルも悪かったな急に呼んだりして」

 

「構いません、私も湊様にお話しがありましたから」

 

「俺に話しって事はまたあの面倒なのが始まんのか」

 

俺はそう言って肩を落とす

 

「どうしたの湊君?あれシャルちゃん?どうかしたの?」

 

「セレナさんそれがこの子が湊君に話したい事があるって言ったら急に落ち込み始めて」

 

「あー、そう言えばそろそろだったね。湊君あれ苦手だもんね」

 

「意外だ湊に苦手なものがあったとは」

 

翼が意外そうな声をあげてそう言う

 

「俺にだって苦手なものくらいある。はぁ…いつからなんだシャル」

 

「今日から2週間後です。それまでにはフランスに戻って来て欲しいそうです」

 

「あのセレナさん一体何があるんですか?」

 

「会議があるんだけど数年前まで獣人と人間の間に亀裂があってね。今でも湊君抜きじゃちょっとした事で結構衝突してるから会議どころじゃなくなるんだ。6月にあったのは湊君の代わりに私が出たんだけど一度来て湊君が居ないって分かったら獣人達は直ぐに帰っちゃったんだ。やっぱりまだ湊君が居ないとダメなんじゃないかな?」

 

彼奴らも相変わらずだな来年には俺日本に住むつもりだってのに

 

「だが2週間後だったのが幸いだな」

 

俺はそう言ってナスターシャの所に行く

 

「ナスターシャ4日後に日本を出て米国に向かうぞ」

 

「分かりました。彼女の件で話すのですね」

 

「ああ、それと暁お前もだ」

 

「私もデスか?」

 

俺の言葉に暁はそう聞き返す

 

「切歌彼から聞いて居るのでしょうイガリマのシンフォギアがフランスから無断で持ち出されたシンフォギアだと」

 

「前にそいつから聞いてるから間違いないデスよ」

 

「イガリマを貴方に譲渡する手続きの為に貴方はフランスに向かう必要があるのです」

 

「分かったデス」

 

暁はナスターシャの言葉に頷く

 

「切りちゃんが行くなら私も行く」

 

「私も兄にがフランス居るなら皆んなにも会えるだろうし」

 

アリスの言う皆んなはエルザ達の事だろう

 

「別に良いぞ、出発は4日後それまでに準備を終わらせろ」

 

俺がそう言うと暁達は頷いた




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101話

「ん〜‼︎朝か」

 

翌日俺はいつもの様に目を覚ますと隣に葉月とアリスが頭上にシャルが寝ている

 

「ああ、昨日から此奴が居るんだったな」

 

「兄に…」

 

「パパ…」

 

2人は寝言で俺を呼ぶ

 

「朝飯にするか」

 

そう言って立ち上がるとチャイムが鳴る

 

「誰だこんな時間から…ほ〜い、何だお前か月読」

 

玄関の前に居たのは暁とマリアの3人でセレナの部屋に泊まって居る月読だった

 

「セレナに聞いたらご飯は貴方の所で食べるって言われたから」

 

「セレナの奴起きてるなら来いよ」

 

「ううん、多分寝ぼけてる。でも何でセレナの部屋にフライパンとかが全然無いのかは分かった」

 

月読は納得の行った表情でそう言う

 

「はん…」もぐもぐ

 

「ん…」もぐもぐ

 

((誰かと一緒に朝ご飯食べてる時に会話がないとこんなに微妙な空気になるんだ))

 

俺も月読も互いにあまり他人と話す方じゃない為微妙な空気の中で朝食を食べて居る

 

「ん…パパ…」

 

「起きたのか葉月」

 

「うん…」

 

葉月は目を擦りながら俺の隣まで来て座る

 

「パンとご飯どっちにする」

 

「ご飯」

 

「分かった」

 

俺はそう言って立ち上がりご飯とベーコンエッグを皿に乗せて葉月に渡す

 

「ほら、冷める前に食べろ」

 

「うん!いただきます‼︎」

 

そう言って葉月は朝食を食べ始める

 

「ふぁ〜、おはよう湊君…」

 

「やっと起きたかセレナ、んじゃ俺ちょっと出かけてくるから」

 

「うん、いってらっしゃい」

 

(時々思うけど本当に大丈夫かセレナの奴?まあ朝飯は作ってるから大丈夫か)

 

俺はそう思いながらリディアンに向かった

 

「おはようございます」

 

「おはよう雪音君学校に何が用かしら?」

 

「はい、これを出しに」

 

リディアンに向かう途中に先生に会ったので俺は書類を見せる

 

「分かった、皆んなには私から伝えるわ」

 

「ありがとうございます」

 

今日俺がリディアンに来たのは留学終了の書類を渡す為だ

 

「最後にうちはどうだった雪音君?」

 

「そうですね」

 

正直言ってリディアンに来てから色々とあった同じ歳の奴らと勉強して姉さんと一緒の学校に通った

 

「悪くはありませんでした」

 

「そう、3年経つまでにまた日本に留学して来る時はうちに来てね。皆んなも先生もいつでも歓迎するから」

 

俺の予定通りに行けば来年にはまた此処に世話になるだろう。留学生としてじゃなく普通に一般生徒として

 

「はい、その時はまたお願いします」

 

「うん、それじゃあ体には充分気をつけてね」

 

俺は先生の言葉に頷いてリディアンを後にした

 

「戻ったぞセレナ…焦げ臭」

 

「湊君…失敗しちゃったよ」

 

涙目になりながらそう言うセレナに握られて居るフライパンには焦げたベーコンエッグがあった

 

「朝飯出来てんのに何やってんだよセレナ」

 

「それがシャルちゃんの分のベーコンエッグが無くて作ってあげようとしてたら焦げちゃった」

 

ちゃんと全員分作ったと思うんだけどな

 

「あ…」

 

そうだ月読が食べたから1人分足りないんだ

 

「すみません湊様、セレナ様が此処まで料理が出来ない事を知らずに」

 

「はぁ…もう良いから座ってろ後は俺がやる」

 

「うん、お願いね」

 

セレナはそう言うとしょんぼりしながら座って再び朝食を食べ始めた




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102話

「それでお前達は俺と来るのはまあ良い問題はその後だ」

 

数時間後、セレナと葉月は隣のセレナの部屋で勉強、俺達はマリア達の今後について話し合って居た

 

「私は切ちゃんやアリス皆んな一緒に居れればそれで良い」

 

「私も調と同じデスね」

 

「私も、マリアは?」

 

「私もマムが心配だからそうしたいのだけど司法取引に応じて【フロンティア事変の英雄】という肩書きでの立ち回りながら国連の監視下で歌手活動を続ける事になったの」

 

月読達は全員一致してるのか

 

「ナスターシャお前はどうするんだ」

 

「私は今回の件で米国に向かう際にF.I.S.のブレーンを辞任させて頂くつもりで居ます。前回は貴方達に危害が及ぶ事も考え穏便に行こうと思って居ましたが前回のエージェント達の事もあります。F.I.S.が我々に非協力的なのはもはや明白、私はリュー・クリスティア彼女の死の影にF.I.S.が関与して居た証拠を提示します。無論F.I.S.はその事を否定し隠蔽工作を講じるやも知れません。ですがその為の彼です」

 

「以前俺はF.I.S.に聞いた事があるんだ。何故フランスよりも先にリューが死んだ現場に居たのかを彼奴らは偶々だと答えた。だがそれが嘘な事くらい俺でも分かる。何よりリューのイガリマが消えた時期と暁がイガリマを渡された時期がその丁度1週間後だ。偶然にしては出来過ぎている」

 

その偶然が必然だとしたのならF.I.S.がリューの死に関わって居るのは確実なものとなる

 

「彼の言う通り彼女の死亡時期と切歌に渡された時期を考えると偶然とは言い難いです。ですが偶然ではなく意図的に仕組まれた必然だとするのなら納得がいきます」

 

「つまり貴方はF.I.S.がリュー・クリスティアの死亡した現場に居た事が偶然だったと聞かされて居たのね。そしてその1週間後にその現場から消えて居たイガリマのシンフォギアは切歌に手渡されて居る。それがF.I.S.がリュー・クリスティアの死に関わって居た何もよりもの証拠となるのね?」

 

マリアの言葉に俺は頷く

 

「ああ、こればっかりは既にバレてるから隠蔽のしょうがない。そして彼奴らもバカじゃない此処で隠蔽しようとすれば逆に怪しまれる事くらい理解出来て居るだろう」

 

「でもこれがそのリューって人のじゃ無いかもって事はないの?」

 

「イガリマのシンフォギアも他のもの同様量産は困難を極めます。そしてイガリマのシンフォギアの所有権は現在でもフランスにあるのに対し現在貴方の手に渡って居ます。何よりフランスは別のシンフォギア装者にシンフォギアのペンダントを譲渡する際に必ずフランスの特異災害特殊部隊総司令官から許可を取る必要があるんです。それを他国に持ち出すのなら尚の事、ですが昨夜コンタクトを取った結果イガリマのシンフォギアを他国に持ち出す許可は出して居ないとの事、つまりは何者かが無断で持ち出したもの」

 

「それがF.I.S.の連中って訳デスね」

 

暁の言葉にナスターシャは頷く

 

「米国に向かった際とある場所に葉月を預けるナスターシャと暁そしてセレナ以外は葉月の護衛を頼む」

 

「「「了解(うん)」」」

 

俺の言葉に名前を呼ばれなかったマリア達はそう答えた




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103話

マリア達と話し合いをして数分後、響から通信機に連絡があった

 

「何だ響?」

 

『あ、湊君?今日ねニ課の本部で湊君達のお別れ会をしたいんだ。だからセレナさんと葉月ちゃん皆んなを連れて来て』

 

「必要ない。それじゃあな」

 

俺はそう言って響からの通信を切った

 

「湊君、響ちゃんがお別れ会するからニ課の本部に来てだって」

 

数分後、セレナがそう言って俺の部屋に来た

 

(響の奴俺がダメだったからって今度はセレナに連絡したな)

 

「俺は行かないぞ」

 

「そっか、それじゃあ葉月ちゃん一緒に行こっか」

 

「パパが行かないなら葉月も行かない」

 

セレナの誘いを葉月はそう言って断る

 

「どうかしたのセレナ?」

 

「あれ?お兄さんはいかないデスか?」

 

アパートの扉の隣から顔を出した暁が俺にそう聞いて来る

 

「別にやる必要もないからな」

 

「まあまあ、そう言わずに一緒に行くデスよ。皆んなとご飯きっと美味しいデス」

 

「そうか?騒がしいだけだろ。それに…もう晩飯もほぼ作り終わってるからな」

 

そう俺が響の誘いを断った1番の理由は既に晩飯がほぼ完成して居るからだ

 

「良い匂い、もしかして今日の晩御飯はシチュー?」

 

「ああ、シャルたっての希望でな」

 

「湊様のシチューは他とは比べ物にならない程に美味しいですから」

 

流石に晩飯がほぼ完成してるんだ諦めるだろう

 

「そんなに美味しいんだ湊さんのシチュー」

 

「あわわ、調涎が出ちゃってるデスよ」

 

暁がそう言うと月読は服の袖で涎を拭く

 

「そうデス後は本部で作っちゃえば良いデスよ」

 

「良い考え切ちゃんそれなら晩御飯も無駄にならないし」

 

そこまでして俺を誘うか此奴ら

 

「はぁ、分かった俺の負けだ」

 

「やったね切ちゃん」

 

「はいデス‼︎」

 

そう言って暁と月読はハイタッチをする

 

「それじゃあ行こう湊君」

 

「ああ、行くぞ葉月シャル」

 

「「うん(はい)」」

 

俺は鍋を通信機に仕舞い葉月とシャルにそう言ってニ課本部に向かった

 

「それと何だ暁その大荷物」

 

「これデスか?お泊まりするんデスからこのくらい普通デス」

 

荷物が多いと思ったらそう言う事か

 

「湊さんは泊まらないの?」

 

「まあ葉月も居るし泊まる事になるだろうな」

 

葉月の事だ途中で疲れて本部で寝るに決まってる

 

「それじゃあ葉月ちゃん着替え持って来よっか」

 

「うん!」

 

葉月はそう言って部屋に戻り着替えを取りに行く

 

「あれ?お兄さんは良いんデスか?」

 

「俺はこの中に入ってるからな、そう言やマリアとナスターシャとアリスはどうした?」

 

俺は此処に居ないナスターシャとマリアとアリスの事を聞く

 

「マムは家で安静にしてるってマリアとアリスはその看病」

 

「そうか「パパ!」終わったか行くぞ」

 

「「「「うん(はい)(はいデス)」」」」

 

そう言って俺達はニ課本部に向かった




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104話

「来たぞ響」

 

「あ!湊君‼︎良かった未来の言った通りだったよ」

 

「だから言ったでしょ湊本人を誘うよりセレナさんを誘ってセレナさんに湊を連れて来て貰った方が良いって」

 

成る程セレナを誘う様に言ったのは未来の奴か

 

「たく、お前もこのバカが一度言い出したら聞かねえって分かってんだろ」

 

「まあ薄々はな、それよりも此処に泊まるって本気で言ってんのか?」

 

「ああ、あのバカが言うには本気らしい」

 

つまり彼奴は本気で全員此処で泊まるつもりなのか

 

「未来お姉ちゃん‼︎」

 

「葉月ちゃんも来たんだ」

 

「うん‼︎」

 

葉月は未来を見つけた途端に走って未来に向かって行く

 

「お兄さん早くシチューを完成させて欲しいデス」

 

「シチュー?湊はシチューを作って居たのか?」

 

「ああ、殆ど出来上がってんのを持って来た」

 

俺はそう言って通信機の中からシチューの入った鍋を取り出す

 

「ん〜、良い匂い」

 

「後は味の調整をするだけだからな」

 

「はいはい!味見役私がやる‼︎」

 

「ずるいデスよ響さん私だってやりたいデス‼︎」

 

いつ俺が味見をさせるって言ったんだよ

 

「パパお腹すいた」

 

「そうだなさっさと終わらせるか」

 

俺はそう言ってカセットコンロを取り出してシチューを煮込む

 

「そろそろ頃合いだな」

 

「「お〜‼︎」」

 

俺がそう言って鍋の蓋を開けると後ろから響と暁が覗き込む

 

「美味しそうデス」ぐ〜

 

「本当早く食べようよ私もう待ちきれないよ‼︎」ぐ〜

 

「響お行儀が悪いよ」

 

「切ちゃんも」

 

響と暁はそう言う未来と月読に連れて行かれる

 

「それじゃあ湊君達のお別れ会始めよう‼︎」

 

響のその合図で俺達のお別れ会が始まった

 

「ん〜、このシチュー美味しい」

 

「これはシャルが他のと比べられないのも頷けるデス」

 

「湊様おかわりを頂いてもよろしいでしょうか?」

 

「お前本当よく食うな」

 

シャルの奴これで3杯目だぞ

 

「パパこのハンバーグ美味しいよ」

 

「良かったな葉月」

 

「はい!」

 

そう言って葉月はフォークに刺したハンバーグを俺の口に持って来る

 

「確かに美味いな」

 

「えへへ」

 

「ほら響そろそろ自分で入れないと湊が何時迄も食べられないでしょ」

 

「そうだった、湊君此処からは自分で入れるから大丈夫だよ」

 

響がそう言うので俺はシチューを入れるのを辞めて食べる事にした

 

「つか、彼奴本当に凄え食うな」

 

「ああ、だがあの食べっぷり立花に良く似て居るな」

 

「何時もなの?」

 

「ああ、でもまあ残されるよりかはまだマシだな」

 

月読の問いかけに俺はそう答える

 

「ああ!気づいたらもう無い⁉︎」

 

「うぇ⁉︎私達そこまで食べてないデスよね⁉︎」

 

「ふぅ〜、まだ食べれる」

 

その犯人ならたった今別の食べ物を取りに行ったぞ

 

「まさかお前の言ってたあのバカみたいによく食う奴って彼奴か?」

 

「ああ」

 

「此処にある料理1人でも食べきれそう」

 

「シャルちゃんが全部食べちゃう前に私達も食べよっか」

 

セレナの言葉に俺達は頷き食事を再開した




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105話

「ふぅ〜、もう入らないよ」

 

「デ〜ス」

 

響と暁は満足した表情でそう言って壁に凭れ掛かる

 

「満足したかお前ら、忘れてた葉月、セレナ、シャルデザートも持って来てた」

 

「プリンだ‼︎」

 

俺がプリンを出すと葉月は走って来る

 

「パパ‼︎プリン食べたい‼︎」

 

「分かったから落ち着いて食べろよ」

 

「うん‼︎」

 

葉月はそう言ってプリンを食べ始める

 

「ほらシャルとセレナも」

 

「ありがとう湊君」

 

「ありがとうございます湊様」

 

俺がセレナとシャルにプリンを渡すと後ろから視線を感じる

 

「何だお前ら満足したんじゃなかったのか?」

 

視線の犯人は暁と響だった

 

「甘いものは別腹だよ」

 

「その通りデス!お兄さんまだ何か残ってるデスか?」

 

「どうだっただろうな…あ、マフィンが5つとゼリーが5個あった…けど」

 

俺の言葉を聞いて目を輝かせる2人の後ろでは未来と月読がじっと俺を見て居る。多分これ以上食わせるなって事だろう

 

「これ以上湊さんの料理を食べたら切ちゃんが…」

 

「これ以上は響が…」

 

ああ、そう言う事か

 

「湊君」

 

「お兄さん」

 

「お前ら…嫌だ、数的に考えてこれは帰ってからエルザ達と食べる分だろうからな」

 

「そっか〜、それじゃあ仕方ないね」

 

「そうデスね」

 

響と暁がそう言うと未来と月読は安藤して居た

 

「切歌ちゃん良かったら半分食べる?私もう食べられないし」

 

「良いんデスかセレナ!ありがとデス‼︎響さんこれを2人で食べるデスよ」

 

「やった〜!ありがとうございますセレナさん」

 

そう言って響と暁は2人でセレナから貰った半分のプリンを食べる

 

「セレナお前あれ半分って言って殆ど食べてないだろ」

 

「流石にこれ以上は本当に入らなかったし」

 

まあセレナがそう言うなら良いか

 

「…未来お姉ちゃん‼︎」

 

「葉月ちゃんくれるの?」

 

「うん‼︎」

 

セレナが響と暁に渡して居るのを見た葉月が未来にプリンを持って行く

 

「ありがとう葉月ちゃん、調ちゃん一緒に食べよう」

 

「うん…ありがとう葉月ちゃん」

 

未来と月読もそう言ってプリンを食べる

 

「お前らだけ何も無いってのも何か変だしな」

 

「湊、ありがとな」

 

「ありがとう湊」

 

俺はそう言って翼と姉さんにプリンを渡した

 

「よろしかったのですか湊様?」

 

「別に食べたいならまた作りゃ良い話だからな」

 

「そうですか、湊様良ければこれを」

 

そう言ってシャルが俺にプリンを渡す

 

「ありがとう、どうしたシャル?」

 

「いえ何も…」

 

その後もシャルは何かぶつぶつ呟いて居る

 

「パパ…おんぶ」

 

「分かった、翼葉月を連れて行く案内してくれ」

 

「分かった、こっちだ湊」

 

俺は葉月を背負い翼に着いて行った




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106話

「風鳴司令」

 

「ん?どうした湊君」

 

翌日俺は起きてすぐに風鳴司令の所に向かった

 

「いや、日本を出る前に一度お前と手合わせをしてみたくてな」

 

「言われてみれば君とは一度も手合わせをした事が無かったな」

 

風鳴司令は顎に手を当ててそう言う

 

「だろ、俺もお前の実力は知らないからな」

 

「良いだろう相手になってやろう」

 

「そうこなくちゃな」

 

俺と風鳴司令はそう言ってトレーニングルームに向かう

 

「湊君遠慮はいらない全力で来い」

 

「その言葉後悔させてやるよ」

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

俺は聖詠を行い響と同じギアを纏う

 

「湊君それは一体」

 

「響のガングニールの欠片からギアを展開したんだ」

 

「そうか…よし来い」

 

俺は風鳴司令の言葉に頷き突っ込んで行く

 

「中々重い一撃だな、だが」

 

俺の拳を受け止め反対側の手で攻撃して来る風鳴司令を俺は後ろに飛んで交わす

 

「やるな湊君」

 

「つうか前々から思ってたんだがお前本当に人間か?シンフォギアの攻撃を生身で受け止めるなんて常人のそれじゃ無いぞ」

 

「何の勝負はまだこれからだぞ‼︎」

 

そう言って風鳴司令は俺目掛けて突っ込んで来る

 

「はああ‼︎」

 

「ふっ!はあ!」

 

俺は風鳴司令の攻撃を避けて攻撃すると風鳴司令は自分の拳をぶつけて威力を相殺する

 

「本当とんでもねえなお前」

 

「君こそ、俺も此処まで全力を出すのは随分と久しぶりだ」

 

風鳴司令はそう言って笑う

 

「だが今ならどう足掻いてもこれは防げないだろうな」

 

「まさかこれを狙って‼︎」

 

風鳴司令は俺の狙いにいち早く気づき距離を取る

 

「今更遅い」

 

《水月》

 

「くっ‼︎」

 

風鳴司令は腕をクロスさせて防ぐがビル近くまで押される

 

「ふぅ〜、危ない危ない「まだだ‼︎」これは俺も全力で行かないとな」

 

風鳴司令はそう言って俺に向かって来る

 

「ふぅ〜、そろそろ響君達も起きて来るだろうから此処までにしておこう」

 

「それもそうだな」

 

俺と風鳴司令はそう言ってトレーニングルームを出る

 

「おはようございます叔父様」

 

「起きてたか翼」

 

「はい、先程の勝負見させて頂きました。湊も凄いなあの叔父様と彼処まで渡り合うとは私もまだまだ修行が足りないな」

 

翼はそう言って肩を落とす

 

「湊君、中々に良い勝負だった勝敗はまた次に持ち越しだ」

 

「次は俺が勝たせてもらうぜ風鳴司令」

 

「俺も弟子がいる手前まだまだ負けられないからな。精進を重ねて待たせてもらおう」

 

俺と風鳴司令はそう言って握手を交わす

 

「パパ‼︎お腹すいた‼︎」

 

「分かった今から作ってやるから待ってろ」

 

「うん!行こう翼お姉ちゃん‼︎」

 

「ああ、済まない湊」

 

翼はそう言って葉月と響達が寝てる部屋に向かって行った




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107話

「おいさっさとしろ暁」

 

「切ちゃん早くしないと置いて行かれちゃうよ」

 

「あわわ!待って欲しいデスよ‼︎」

 

翌日、俺達は米国に向けて出発しようとして居た

 

「行くんだな湊」

 

「ああ、何だ姉さん随分と辛気臭いじゃねぇか」

 

「そっそんな事ねえよ」

 

姉さんはそう言ってそっぽ向く

 

「クリスちゃんもしかして寂しいの?」

 

「バカそんな訳ねぇだろ‼︎お前この馬鹿の言葉間に受けんじゃねえぞ‼︎」

 

姉さんは響の顔を掴みそう言う

 

「そう怒るな雪音、湊お前との中で私は一回り大きく成長出来たそんな気がするありがとう」

 

「それはお互い様だ翼。俺の方も良い経験になった「お待たせデス」やっと来たか暁じゃあな」

 

俺はそう言ってドラゴンになったシャルに乗る

 

「おー!本当に飛んでるデス‼︎」

 

「何だか不思議な感覚」

 

セレナ達は昨日の内に先に米国に渡り俺と暁と月読はシャルに乗って上空に飛ぶ

 

「バイバイ湊君!切歌ちゃんと調ちゃんもまたね‼︎」

 

「それじゃあ行って来るデス‼︎」

 

「今から出す暫くの間喋んなよ暁」

 

俺はそう言うとシャルを米国に向かわせた

 

「風が気持ちいデスよ」

 

「本当…米国にはどれくらいで着くの?」

 

「大体2時間半くらいだな、向こうの天候によってはもうちょい掛かるがセレナから向こうの天気も聞いてるし大丈夫だろう」

 

その為にわざわざセレナ達を先に米国に行かせたからな

 

「セレナそっちはどうだ?」

 

『湊君、今アリアさん達と合流した所だよ』

 

「そうか代わってくれ」

 

俺がそう言うとセレナはアリアに代わる

 

『何か御用でしょうか湊様?』

 

「いや、用って訳じゃない。ありがとな葉月を預かってくれて」

 

『いえ、とんでもありません『アリアお姉ちゃん‼︎』この通りわたくしも楽しませて頂いております』

 

そう言って葉月と自分をモニターに映すアリア

 

「葉月あんまアリアに迷惑掛けんなよ」

 

『うん‼︎』

 

『迷惑だなんてとんでもありません。わたくしも葉月ちゃんと会えて嬉しいですから』

 

「そうか、後2時間くらいしたら着く」

 

『かしこまりました。父にもそう伝えておきす』

 

『バイバイパパ‼︎』

 

そう言ってアリアは通信を切った

 

「今のは?」

 

「アリア・ツゥーヴェルク米国に居る俺の知り合いだ。お前は彼奴と一緒に葉月の護衛をしてくれれば良い」

 

「大丈夫デス調マムは私達が守るデスよ」

 

「切ちゃん…うん湊さんが居れば何とかなりそうな気がする」

 

暁の言葉を聞いて月読がそう言う

 

「そうデス!頼りにしてるデスよお兄さん」

 

「ああ、俺にやれる最善は尽くそう」

 

「湊様時期に米国が見えてきます」

 

「分かった」

 

シャルの言葉にそう答えた俺はアリアとの待ち合わせの場所にシャルを向かわせた




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108話

「ようこそいらっしゃいました湊氏今回はどの様なご用件でしょう」

 

俺達は米国に着きアリアと合流後、月読の代わりにナスターシャとセレナを連れてF.I.S.の本拠地で話をして居た

 

「しらばっくれんのも大概にしろ。リューの件だお前達F.I.S.はあの時フランスから何も持ち出して居ないそう言ったな」

 

「ええ、その通りです。確かにあの当時我々はフランスのリュー・クリスティア彼女の死の現場に居合せました。しかし我々が到着した時にはイガリマは奪われており我々は何も持たずにフランスを出ています」

 

「そうだったな、そこで疑問になるのがセレプターチルドレン暁切歌の持って居るイガリマのシンフォギア、そしてリューがノイズに殺されたにも関わらず炭素化して居なかった事についてだ」

 

俺がそう言うと相手は一瞬肩を震わせる

 

「ナスターシャの話だと暁切歌にイガリマのシンフォギアが渡されたのは5年前そうだよな?」

 

「ええ、そうです」

 

「そしてリューが死んだのも5年前、偶然にしては出来過ぎでないと思わないか?」

 

「確かに出来過ぎでは居ますね。しかし我々がイガリマを盗んだ証拠にはなり得ないのでは?」

 

まあそう来るとは思ってた

 

「それに関してはナスターシャが色々と調べてくれた。そしたら次から次に出て来るF.I.S.がどうやってイガリマを手に入れたのかリューが死んだ元凶であるウェルの野郎が作ったAnti_LiNKERの事も」

 

「ナスターシャ貴様‼︎」

 

「先に私達を裏切ったのは貴方達米国政府です。裏切った相手を庇う必要もないでしょう」

 

「ナスターシャの言う通りだ。さてセレナの一件の時にお前達に言った事勿論覚えてるよな」

 

「くっ!」

 

男が俺に銃を向けるがそこから銃弾が出る事はなかった

 

「ぐああ‼︎」

 

「そんな事させない」

 

それは男の後ろに居た1人の少女が男の腕を切り落としたからだ

 

「あ〜あ、ミミちゃんそんな事しちゃったら後で湊に怒られちゃうのに、でもおじさん達がいけないんだよミミちゃんの前で湊に銃なんて向けるから、そりゃ湊が大好きなミミちゃんは怒るよ」

 

「ごめん湊」

 

「別に良いぞお前達を探す手間も省けたからな」

 

俺はそう言ってミミの頭を撫でる

 

「あ!ミミちゃんだけ辛い‼︎湊私も頑張ったんだよ‼︎」

 

「それも分かってる」

 

そう言って俺に近づいて来るルカを見て米国側は唖然とする

 

「一体何がどうなって」

 

「どうなっても何もそもそも私達は湊からの指示でF.I.S.に潜入調査してただけだから、正直言っておじさん達はどうでも良いんだよね。ね!ミミちゃん」

 

「姉さんの言う通り私と姉さんの目的はF.I.S.の潜入調査だから貴方達には何の興味もない」

 

ミミとルカは冷めた目でそう言い切る

 

「くっ‼︎もう構わん全員撃ち殺せ‼︎」

 

「あ〜あ、何にも分かってないんだねおじさん達」

 

ルカがそう言うと突如地面が氷で覆われる

 

「ミミちゃんの前で湊や私に銃を向けるって事は…死んでも良いって事なんだ」

 

「やっ辞めろ‼︎我々が悪かっただから…」

 

男が何かを言い切る前にミミはその場に居た俺達以外の全員を氷漬けにした

 

「終わった」

 

「うう〜、寒いよミミちゃん」

 

「くしゅっ‼︎はっ早く此処から出ないと私達まで凍っちゃうデスよ」

 

「だな、ルカ直ぐにの氷溶かせ」

 

「は〜い」

 

ルカはそう言ってミミの氷を溶かし始める

 

「我々をどうするつもりだ」

 

「1つはナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤをF.I.S.のブレーンから解任する事、もう1つは神獣鏡の所有権をF.I.S.から俺に譲渡する事、簡単な事だろ」

 

「わかりました。これよりナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤはF.I.S.のブレーンから解任、並びに神獣鏡の所有権を湊氏に譲渡する事を約束しましょう。それから金輪際湊氏に関する事で問題を起こさない事を徹底させます」

 

「次は無いからな行くぞ」

 

俺はそう言ってミミ達を連れてF.I.S.の本拠地を後にした




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109話

「パパ!お帰り‼︎」

 

「ただいま葉月」

 

アリアの家が見えて来ると葉月が俺目掛けて走って来た

 

「何度見ても大きいデス」

 

「家って言うよりも屋敷って感じがするよね」

 

「何やってんだ入るぞ」

 

俺がそう言うとセレナと暁とナスターシャも俺の後ろに続いて中に入る

 

「お帰りなさいませ湊様」

 

「レイネさんアリア達は」

 

「お嬢様方は食堂にいらっしゃるかと」

 

レイネさんにそう言われて俺達は食堂まで通される

 

「お嬢様、皆様がお戻りになられました」

 

「ありがとうレイネ、お疲れ様でした湊様」

 

「色々と言いたい事はあるがお前は兎も角何で月読達まで服装が変わってんだ」

 

俺達が食堂に入るとアリアだけでなくアリスや月読、マリアの服装までメイド服に変わって居た

 

「少しありまして、それで如何でしたか湊様F.I.Sとの会談は」

 

俺はその少しが知りたいんだがまあ良いか

 

「色々あったが何とか落ち着いたな、ナスターシャもブレーンから解任されたし神獣鏡の所有権も俺に譲渡された。それにお前らに関してもF.I.Sからの圧が掛かる事も少なくなるだろうなんせ俺に関する事で問題を起こさない事を徹底するらしいからな」

 

「ありがとうございます湊様、これでわたくし達Clover'sも今まで以上に動きやすくなりますわ」

 

そう言ってアリアは頭を下げる

 

「調そのメイド服凄く似合ってるデスよ‼︎」

 

「ありがとう切ちゃん」

 

「マリア姉さんも凄く似合ってる」

 

「そう、ありがとうセレナ。アリス貴方も行って来なさい」

 

そう言ってマリアはアリスを俺の所に向かわせる

 

「どうかな兄に…」

 

「どうって、にあってるんじゃ無いか」

 

「良かったですねアリスちゃん」

 

「うん」

 

アリスはそう言うとマリア達の所に戻って行った

 

「アリア私達にも貸して‼︎」

 

「構いませんよ。レイネ、ルカちゃんとミミちゃん、切歌ちゃんとセレナさんにもメイド服をそれと湊様にも執事服を1着持って来て下さい」

 

「はいお嬢様」

 

レイネさんはそう言うとルカ達のメイド服と何故か俺も着る事になった執事服を取りに行った

 

「何で俺まで」

 

「まあまあ細かい事は言いっこ無しデスよ」

 

「そうだよ湊、それに楽しそうじゃん皆んなでコスプレ」

 

ごめんルカのそれは人によると思う

 

「どうデスか調‼︎」

 

「切ちゃんも凄く可愛いし似合ってる」

 

「えへへ、そうデスか」

 

「あれミミちゃん?どこ行ったのかな?ちょっと探して来るから待ってて湊」

 

ルカはそう言って隠れたミミを探しに行く

 

「湊様もとてもお似合いです」

 

「自分じゃ分からないけどそうなのか?」

 

「はい、そうです皆様これから今日1日此処でメイドとして働いてみませんか?きっと楽しいと思うんです」

 

「お〜‼︎楽しそうデスね調」

 

「うん、偶には良いかも」

 

暁と月読はどうも乗り気らしい

 

「ごめんなさい私はやっぱりマムが心配だから」

 

「お気になさらないで下さいマリアさん強制しようとは思って居ませんので」

 

マリアの言葉を聞いたアリアがマリアにそう言う

 

「ごめんね湊やっとミミちゃん見つかったよ」

 

「辞めて姉さん…やっぱり恥ずかしい」

 

「大丈夫だよミミちゃん」

 

そこにルカがミミを引っ張って来る

 

「ほらミミちゃん‼︎」

 

「押さないで姉さん…きゃ!」

 

「大丈夫かミミ、ミミ?」

 

俺が倒れそうになったミミを支えるとミミは急に動かなくなった

 

「おいルカ」

 

「あ〜、ミミちゃん気絶しちゃった…ごめんね湊、私やっぱりミミちゃん見とくよ」

 

「ルカちゃん案内します」

 

ルカはそう言ってアリアとミミを連れて部屋に向かった




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110話

〜切歌side〜

 

「調」

 

「どうしたの切ちゃん?」

 

私達は今アリアさんのお家でメイドになって働いて居る

 

「私も調もアリスもそれにマリアもお兄さんに貰ってばっかりじゃないデスかね?」

 

「私もちょっと思った。マムが無事なのも湊さんのお陰だしあの時の私達のフォニックゲインだけじゃ月遺跡の起動に必要なフォニックゲインには少し足りなかったみたいだし」

 

「そうデスね、私達でお兄さんに何かお礼出来ないデスかね?」

 

「お礼…湊さんに何か出来ない事あるのかな?」

 

それを聞かれると困るデス

 

「どうかしたの切歌ちゃん調ちゃん?」

 

「「セレナ」」

 

そこにセレナがやって来た

 

「そっか、湊君に何かお礼がしたいんだ」

 

「セレナは湊さんが出来ない事知ってたりする?」

 

「う〜ん…」

 

セレナは腕を組みながら考える

 

「お掃除何てどうデス?」

 

「掃除は大丈夫だと思うよ。湊君がルナちゃんの部屋の掃除してる所見た事あるし今も1番頑張ってるしね」

 

「それじゃあ洗濯」

 

「それも大丈夫だと思う。私がフランスに来る前からずっと湊君が洗濯してたみたいだし」

 

う…どんどん私達に出来る事が減って行く

 

「それじゃあ…分かってるけど料理」

 

「それは…うん、湊君が1番得意な事だから問題ないかな」

 

これ以上は思いつかないデス

 

「あの思ったんだけど無理してお礼何てしなくて良いんじゃないかな?」

 

「でもそれじゃあ」

 

「湊君も何かして欲しくてしてるわけじゃないんだし、切歌ちゃんと調ちゃんが湊君が困ってると思った時に助けてあげれば良いんじゃないかな?それにさ」

 

セレナがそう言って指を指す方にはお兄さんとアリスが居た

 

「わぁぁあ‼︎兄にこれってどうすれば良いの⁉︎」

 

「お前これ洗剤入れ過ぎだ」

 

「ごめん兄に」

 

「たく、分からないなら聞きゃ良いだろ。でもまあ怪我とかじゃなくて安心した」

 

お兄さんはそう言ってアリスを撫でる

 

「ね、切歌ちゃんも調ちゃんもアリスちゃんみたいに一生懸命にやってれば湊君はちゃんとその頑張りを見てくれてるから」

 

「そうデスね、それじゃあ私達もアリスに負けない様頑張るデスかね調」

 

「うん、やろう切ちゃん」

 

私と調はそう言って掃除を再開した

 

〜切歌side out〜

 

「ありがとう兄に」

 

「まああれくらい初めてやるなら誰でも通る道だ。次に同じ失敗をしなければ良いだけの事だ」

 

2度目の洗濯を終え干しながら俺はアリスにそう言う

 

「終わったな次昼飯の準備に行くぞ」

 

「うん!兄にお昼何作るの?」

 

「そうだな、冷蔵庫の中の材料にもよるな」

 

まあアリアの家だから大抵の物は揃ってるだろうが

 

「あ、湊」

 

「ルカお前何やってんだよ」

 

「えへへ、ミミちゃんにお昼用意してあげようと思って」

 

ルカの料理かミミが心配になるな

 

「俺達も今から昼飯の準備を始めるからお前も手伝え」

 

「うん!よーし頑張るぞ‼︎」

 

「兄に私も頑張るね」

 

そう言って俺達は昼飯を作り始めた




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111話

「ふぁ〜、朝か」

 

アリアの家での事から数週間が経って俺の周りで色々と変わった事がある。1つはナスターシャの病が治った事だ。ナスターシャの病は人ではあまり見かけないが獣人達の中では稀に見る病だった為割とすんなり治った。2つ目はイガリマの所有権が正式に切歌に譲渡された事と2人の呼び方だ。俺自身は特に気にした事は無かったが2人曰く何時迄も苗字で呼ぶのはおかしいらしく名前で呼ぶ事になった。そして最後

 

「おはようパパ…」

 

「ふぁ〜、おはようデスお兄ちゃん…」

 

切歌の俺の呼び方だ。2人を名前で呼ぶようになって暫くすると調はこれまで通り呼んで居たが切歌が俺の事をお兄ちゃんと呼ぶようになった。切歌からの話によると切歌はF.I.S.に引き取られる前のことは何も覚えておらず、自分の本当の誕生日も知らず今の誕生日はF.I.S.に引き取られた日らしい。そんな中切歌が毎晩寝る前にしてた事が自分の両親がどんな人達なのか兄や姉、弟や妹は居るのかを想像して居たらしい、そして何の偶然か切歌の理想の兄が俺だったそうだ。俺もアリスが俺の事を兄に呼びだから別に気にしない為にそれを受け入れた

 

「つうか切歌お前また寝ぼけてこっちに来たのか」

 

「えへへ…お兄ちゃんの部屋が私と調の部屋と真正面だから眠い中起きた夜のトイレだとついつい間違えちゃうデスよ」

 

ルナはわざと来てるんだろうが切歌の場合わざとじゃなくて本当に分からずに来てるからな

 

「切ちゃん居るの?」

 

「調デスか?居るデスよ」

 

切歌がそう言うと調が入って来る

 

「やっぱり此処に居た。また寝ぼけて湊さんの部屋に入ってたんだ」

 

「実はそうなんデス「終わったぞ切歌」ありがとデス」

 

俺が切歌の髪を整えて終わりそう言うと切歌は俺の膝の上から降りる

 

「じ〜」

 

「何だよ調」

 

「どうかしたデスか調?あ!もしかして調もやって貰いたいデスか?」

 

「良いの切ちゃんは気にしないで」

 

調は切歌の前ではそう取り繕うが本心は

 

(私の切ちゃんをこれ以上取らないで)

 

こう言いたいに違いない

 

「パパ?」

 

「何でもない俺達も行くぞ葉月」

 

「うん‼︎」

 

俺と葉月はそう言ってキッチンに向かう

 

「おはようであります湊」

 

「起きてたかエルザ」

 

キッチンに着くと既にエルザが起きて居た

 

「パンとご飯どっちだ」

 

「ご飯‼︎」

 

「今日の朝ご飯は昨日のカレーの残りデスからね、私もご飯にするデス‼︎」

 

「私はパン」

 

「わたくしもパンを頂くであります」

 

「了解」

 

俺はそう言って切歌と葉月のご飯と調とエルザのパンを準備する

 

「ん〜、お兄ちゃんの作るご飯はやっぱり美味しいデス」

 

「湊さん今度は私も一緒に作ってみたい」

 

「ああ、今度な「おはようご主人」起きたかルナ今準備するからちょっと待ってろ」

 

「るる」

 

俺はそう言ってルナの朝ご飯の準備をする

 

「此処も賑やかになって来た」

 

「そうでありますね、最初はどうなる事かと思ったでありますがその心配は無用でありましたね」

 

「確かに最初よりもかなり賑やかになったな」

 

最初は俺達4人だけだったからな

 

「こう言う騒がしいのは嫌いだったんだけどな」

 

「ですが今はそうでも無さそうでありますよ」

 

「そうだな、多少嫌いでは無くなったのかもな」

 

そう言ってコーヒーを飲む俺を見てエルザとルナが笑みを溢して居た




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112話

「そろそろ本格的に始めるか」

 

「始めるって何をするの?」

 

「何って特訓だろ何もしないまま日本に行くわけにもいかねえからな」

 

来年の3月の初めから俺は日本に行くその際に切歌と調と葉月それからルナとエルザを連れて行く事になって居る

 

「うう…これだけ着込んでるのにまだ寒いデスよ」

 

「冬なんだから当たり前だろ。それに出る前に言っただろそれじゃ寒いって」

 

俺は出る前に切歌と調に厚めのコートとマフラーを着けて行く様に指示し調は俺に言われた通りの格好で来たが切歌はマフラーを着けて来なかった

 

「此処まで寒いのは予想外デス」

 

「はぁ…持って来て正解だったな」

 

俺はそう言ってマフラーを取り出す

 

「予備のマフラー何て持って来てくれてたデスか」

 

「これで風邪でもひかれたら俺が悪いみたいだからな」

 

俺はそう言って切歌にマフラーを巻く

 

「着いたぞ此処が特訓をする場所だ」

 

「特訓って言っても此処湖デスよね?氷も張ってるデスし」

 

「此処で特訓をするのは調だお前言ってたよな自分のヒールじゃ踏ん張りが効かないって」

 

「うん、私のヒールじゃ湊さんみたいな強い力を受け止める事は出来ないだから切ちゃんとアリスに手伝って貰った」

 

「それって受け止める必要あるのか?」

 

「あの時はその方が良いって思ったけど」

 

まあ悪くは無いが

 

「確か調のシュルシャガナのブーツの内部には小型の車輪が内蔵されてるんだよな?」

 

「うん、偶にそれを使って移動する事もあるけど」

 

「あの時お前はその車輪を使って後ろに下がってから攻撃する事もできたんじゃ無いか?」

 

「前に進むのは大丈夫だけど後ろ向きで進むのは苦手だから」

 

そう言う事か

 

「良いか?あの時お前が車輪を上手く使えて居たらもう少し戦えたんじゃ無いか?」

 

「確かにあの車輪を上手く使えて居たら状況が変わったって思う事は結構あった」

 

「だろ、その為の特訓だ調にはスケートをして貰う」

 

「スケート?此処で?」

 

「ああ、まあやるだけやってみろ」

 

「うん」

 

調はそう言ってスケート靴を履く

 

「どうデスか調?」

 

「何だろこの感じ、シュルシャガナの足に車輪が付いてる時の感覚に似てる」

 

「そのまま滑ってみろ」

 

「うん…」

 

調はおぼつかない足取りで氷の張った湖の上を歩く

 

「お兄ちゃん私もやってみたいデス‼︎」

 

「最初から1人でやらせるつもりなんて無いからな」

 

そう言って俺と切歌もスケート靴を履く

 

「大丈夫デスか調?」

 

「うん、何とか切ちゃん前‼︎」

 

「え?うわぁぁあ‼︎止まらないデス‼︎」

 

切歌はそのまま雪に突っ込んで行った

 

「大丈夫切ちゃん」

 

「あはは、雪がクッションになってくれて助かったデス。調は大丈夫そうデスね」

 

「そう言えば初めてするのに切ちゃんみたくなって無い。私はブーツに内蔵されてる車輪を使ってる感じでやってるんだけど」

 

「それで良いんだ、調少しそのまま少しバックしてみろ」

 

調はそれに言われた通り後ろに下がる

 

「これで良いの?」

 

「ああ、次はまあ手本を見せた方が良いか」

 

俺は調と同じ様にバックしてからまた前に進む

 

「湊さんこれって」

 

「相手の攻撃を避けつつ近づく戦法だ」

 

「やっぱり…でもこれが出来る様になれば湊さんくらい力がある人とも長時間戦える」

 

「ああ、頑張れよ」

 

俺はそう言って切歌の所に戻る

 

「お兄ちゃん私にも教えて欲しいデス」

 

「分かった見た感じ切歌もブレーキさえ出来れば何とかなるだろ」

 

「お兄ちゃん私も早く調みたく滑れる様になりたいデスよ」

 

「おい、あんま調子乗るとまた同じ目に遭うぞ」

 

「大丈夫デスよ、お兄ちゃんそう言えば私止まり方教えて貰ってなかったデス‼︎」

 

俺がそう言った途端に切歌は同じ目に遭いかけて居る

 

「おい切歌前みろ前‼︎」

 

「へ?うわぁあ調‼︎どいて欲しいデス‼︎」

 

「切ちゃん?」

 

切歌は声に反応してブレーキをかけた調とぶつかる

 

「あ痛たた…」

 

「ごめんデス調大丈夫デスか?」

 

「うん、大丈夫だよ切ちゃん。切ちゃんも怪我してない?」

 

「はい「大丈夫かお前ら」あ、お兄ちゃん大丈夫デス」

 

俺が2人に近づくと切歌がそう言う

 

「たく、だから言っただろ前みろって」

 

「ごめんなさいデス」

 

「でもまあ怪我がなくて良かったよ。調はそのまま続けろ俺と切歌は端の方で練習してる」

 

「うん、分かった」

 

調はそう言って再び滑り始める

 

「と…どうデスかお兄ちゃん‼︎」

 

「だいぶ慣れて来たみたいだな」

 

練習を開始して1時間くらいで切歌はブレーキを覚えた

 

「今度こそ行ってくるデス!調〜‼︎」

 

「また調子乗りすぎてブレーキ忘れんなよ」

 

俺は調の元に向かう切歌にそう言った




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113話

「調少し慣れて来たみたいだし午後からは内容を少し変えるぞ」

 

「ん…何を変えるの?」

 

俺達は休憩のついでに昼飯を食べながら午後の特訓の事を話す

 

「午後からは切歌が調に向けて投げる雪玉を避けながらやってくれ」

 

「それって本格的に回避の練習をするって事?」

 

調の言葉に俺は頷く

 

「切歌お前は遠慮なく調に向かって雪玉を投げろ狙うのは基本的に何処でも良いが5回に1回くらいのペースで足元を狙え」

 

「足元をデスか?でもそれだと危なく無いデスか?」

 

「中には調の機動力を奪う為に足元を狙って来る奴も居るだろうその為の特訓だ」

 

「切ちゃん私は大丈夫だから遠慮しないで」

 

「調、分かったデス調がそう言うなら私も全力でやるデス」

 

調がそう言う事で切歌もやる気になる

 

「湊〜‼︎」

 

「はぁ…はぁ…待って…姉さん」

 

俺達が昼飯を食べて居ると聞き覚えのある声が聞こえて来る

 

「ミミ、ルカどうしたんだよお前ら」

 

「湊の家に行ったらセレナが此処に居るって教えてくれたんだ」

 

「はぁ…はぁ…湊達は休憩中ですか?」

 

「まあな」

 

俺は息を切らすミミにそう言う

 

「つうかお前相変わらず体力無いな」

 

「聞いてよ湊、最近ミミちゃん全然運動してないからお腹にお肉が「姉さん‼︎ストップ‼︎ストップ‼︎」え〜」

 

ルカは明らかに不機嫌そうな声でそう言う

 

「もう姉さんは…それに少しお腹にお肉が付いて来ただけで別に…」

 

「ミミもう自分で言っちゃってる」

 

調にそう言われてミミは自分の言って居る事を思い出す

 

「みっ湊今のは聞かなかった事に…」

 

「何の事だ?」

 

正直言って俺は切歌に後ろから耳を塞がれて何も聞こえて無かった

 

「だっだから…私の…」

 

「大丈夫だよミミ、切ちゃんが耳を塞いでくれたお陰で湊さんには聞こえて無いから」

 

調がそう言うとミミは安堵する

 

「それで湊達は何の特訓をしてるの?」

 

「スケートでシュルシャガナの機動力と回避技術の上昇の特訓」

 

調が短く正確に特訓の内容をルカに説明する

 

「そっか〜、ミミちゃん私達もスケートやろっか」

 

「ダメですよ姉さん、調の特訓の邪魔になります」

 

「え〜、良いじゃんミミちゃん‼︎湊の邪魔になる様な事なんてしないからさ‼︎湊も良いよね⁉︎特訓の邪魔しないなら隅っこで遊んでても良いよね⁉︎」

 

ルカは涙目になりながら俺にそう聞いて来る

 

「はぁ、特訓の邪魔だけは絶対にするなよ」

 

「わ〜い‼︎ありがとう湊‼︎」

 

ルカはそう言ってスケート靴を履いて滑りに行く

 

「ルカって切ちゃんを少し大人っぽくした人みたい」

 

「ミミは髪を下ろした調に少し似てるデス」

 

「俺からすればお前らがミミとルカに似てんだけどな」

 

組み合わせもかなり似てると思うぞ。しかし双子で此処まで性格に差が出るなんてな

 

「ミミは行かないデスか?」

 

「運動は苦手でも後からちゃんと行く」

 

切歌の問いかけにミミはそう返す

 

「それじゃあ行って来るね切ちゃん」

 

「私も少ししたら始めるデスよ」

 

調もそう言ってスケート靴を履いて滑りに行った




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114話

「そろそろ帰るか」

 

「え〜、まだ遊び足りないよ湊」

 

「お前らはそうでも俺には晩飯の準備って言う仕事があるんだ。切歌‼︎調‼︎そろそろ切り上げるぞ‼︎」

 

俺はそう言って切歌と調を呼ぶ

 

「どうしたの?」

 

「何かあったデスか?」

 

「帰るんだ、晩飯の準備もしなきゃだしな。それでどうだ調?」

 

「切ちゃん雪玉を避けながらだから少しやりづらかった、切ちゃんが足元目掛けて投げて来てたの殆ど全部当たっちゃったし」

 

そうか殆ど全部当たったのか

 

「最後は雪玉じゃなくて俺の攻撃が飛んで来るんだから今のうちに慣れとけよ」

 

「うん、分かった」

 

「お兄ちゃん私の特訓はいつ始まるんデスか?」

 

「お前も明日から始める。調はセレナに話しておくからセレナに付き合って貰え」

 

「「うん(了解デス)」」

 

俺の言葉に切歌と調はそう返す

 

「私達も帰ろう姉さん湊の言う通り晩御飯の準備もしなくちゃダメだから」

 

「え〜、ミミちゃんも帰るの‼︎む〜、でも晩御飯の準備をし無いとご飯が食べられないもんね。分かった帰ろうミミちゃん」

 

「うん」

 

やっとルカも帰る気になったか

 

「それじゃあ私達はこっちだから」

 

「バイバイ湊‼︎切歌ちゃんと調ちゃんもバイバイ‼︎」

 

「ああ、じゃあな」

 

「さよなら」

 

「さよならデス」

 

俺達はそう言ってミミとルカと別れる

 

「今日の晩御飯は調も一緒に作るんデスよね‼︎」

 

「うん、セレナのお友達が来るんだって」

 

「ほぇ〜、一体誰が来るんデスかね?」

 

「さあな、セレナの奴俺にも教えて無いからな」

 

本当に友達って誰を呼ぶつもりなんだろな

 

「帰ったぞ…何でお前が居るんだよ」

 

「お兄ちゃん誰が居たデスか?あれ響さんじゃないですか」

 

「本当だ響さんが居る」

 

俺達が入ると響が日本に居る筈の響が居た

 

「お帰り湊君‼︎」

 

「お帰りパパ‼︎」

 

「悪い葉月ちょっと待ってくれ。何でお前が此処に居るのか正直に答えろ」

 

俺は響の頬を引っ張りながらそう言う

 

「お前ら何やってんだ、さっさと中入って来いよ」

 

「姉さんも居たのか…セレナの仕業だな」

 

俺は此処でようやくセレナの仕業だと理解して響の頬を離す

 

「あっお帰りビッキー」

 

「安藤お前達も居るのか」

 

俺が中に入ると未来と翼だけでなく安藤達も居た

 

「すみません急に押し掛ける形になってしまって」

 

「セレナから友達が来るって聞かされては居たが、まさかお前らだったなんてな」

 

「お帰り湊君」

 

そこに何の悪びれも無いセレナが入って来た

 

「セレナお前友達って此奴らかよ」

 

「そうだよ」

 

「つうかよく全員連れて来れたな」

 

「ああ、叔父様がユノア氏と話をする事のついでに我々をフランスに連れて行ってくれたんだ」

 

(風鳴司令がユノアと話ね、多分俺達の事だろうな)

 

3月の初めから俺達が日本に行くからその時に色々と助けて欲しいとか頼んでんだろうな

 

「それにしてもこんな豪邸に住んでる何て、もしかして雪音君って結構なお金持ち?」

 

「どうだろうな考えた事も無いから分かんねえな」

 

「いやいや、家に温泉と露天風呂があるって中々無いからね」

 

俺の言葉に被せる様に安藤がそう言う

 

「ご主人…お帰り」

 

「ルナお前そんな所で何やってんだよ」

 

ルナは扉の向こうから俺を見てそう言う

 

「ああ…さっき弓美があの子ともう1人の子見て興奮して追い回しちゃったんだ」

 

「エルザもそっちに居るのか?」

 

「わたくしも居るでありますよ湊…」

 

エルザは声だけでそう答える

 

「お前ら本当に日本でやってけんのかよ」

 

「なっ何とか慣れて行く」

 

「わたくしも慣れる様に頑張るであります」

 

そう言ってエルザとルナは恐る恐る俺の所に来る

 

「ほっほら、怖がらなくて大丈夫だよ」

 

「「ガルル‼︎」」

 

「ビッキーの時と同じ反応になっちゃったね」

 

板場が近づくにつれて2人は俺ごと後ろに下がって行く

 

「いや、これ響以上に酷いんじゃ無いか」

 

「あの人はもうどうしよも無いくらい無理」

 

「わたくしも同感であります」

 

やっぱり板場の奴響以上に嫌われてんな

 

「こればっかりは弓美が悪いからどうしよも無いかな、ごめんね2人共」

 

未来がそう言ってルナとエルザに近寄るとルナとエルザは俺の後ろから顔だけを出す

 

「未来さんが謝る必要はないであります」

 

「るる、未来さんは悪くない」

 

「ありがとう2人共」

 

未来はそう言ってルナとエルザの頭を撫でる

 

「随分と小日向に懐いて居るな」

 

「エルザお姉ちゃん尻尾触って良い?」

 

「ガンス、ですがあまり強く引っ張るのは嫌でありますよ」

 

「うん!」

 

葉月はそう言うとエルザの尻尾を触り始める

 

「つかそろそろ晩飯の準備をしなきゃだろ」

 

「湊はゆっくりしてて、晩御飯は私達で準備するから」

 

「そうか、んじゃそうする行くぞエルザ、ルナ、葉月」

 

俺はそう言ってルナとエルザと葉月を連れて自室に向かった




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115話

「さて、俺の部屋に来たのは良いがどうする?」

 

「そうでありますね、湊の部屋には葉月ちゃんが遊ぶものだけでありますからね」

 

エルザの言う通り俺の部屋には葉月が遊ぶぬいぐるみ程度しかない

 

「仕方ないあそこに行くか」

 

「行くでありますか?」

 

「此処でじっとしてるよりかはマシだろ」

 

「るる、そうと決まればご主人早速行く」

 

俺の言葉にルナも同意する

 

「パパ葉月も行く」

 

「ああ、一緒に行くか」

 

「うん‼︎」

 

そう言って俺達は目的地に向かった

 

〜翼side〜

 

「湊時期に夕食が…ん?」

 

夕食の準備も進み時期に出来る時間になったので湊の部屋に入るが中には誰も居なかった

 

「可愛い…」

 

私は思わず部屋の中に置いてある熊のぬいぐるみを抱きしめる

 

「何してんだよ先輩」

 

「‼︎雪音か驚かせないでくれ」

 

「てか彼奴何処行ってんだよもう晩飯出来ちまうぞ」

 

雪音はそう言って部屋の中の捜索を始める

 

「おい湊」

 

「待て雪音、勝手に漁って良いのだろうか」

 

「彼奴が居ないのが悪いんだし良いんじゃないか?何だ?」

 

雪音に賛同して2人で捜索をして居るとクローゼットが動き始める

 

「熊さん忘れた…」

 

「「葉月‼︎」」

 

クローゼットの後ろから出て来たのは葉月だった

 

「翼お姉ちゃんとクリスお姉ちゃん?どうしたの?」

 

「どうしたのって…まあ良いか、なあ湊の奴知らないか?彼奴何処にも居なくてよ」

 

雪音は葉月の目線までしゃがんでそう聞く

 

「パパならルナお姉ちゃんとエルザお姉ちゃんと一緒だよ」

 

「そうか、なああたし達もそこまで案内してくんねぇか?」

 

「うん「お待ち下さい葉月様」ユナお姉ちゃん?」

 

葉月が私達を湊の所に案内しようとすると突如1人の少女が現れた

 

「部外者をこの中に入れる訳にはいきません。此処にはマスターの研究資料もあるのですから」

 

マスター?一体誰の事を言って居るんだ?

 

「テメェ一体どっから‼︎」

 

「貴方に答える義理はありません。葉月様、戻りが遅くなればマスターが心配なされますよ」

 

「翼お姉ちゃんとクリスお姉ちゃんも一緒じゃダメなの?」

 

「いくら葉月様のお頼みでもそれはいけません。マスターがお許しになるのであれば別ですが」

 

葉月を知って居るとなると彼女は湊の知り合いなのか?

 

「テメェ葉月から離れやがれ‼︎」

 

「待て雪音‼︎此処で相手を刺激しては葉月に何をされるかわからない」

 

「だからって見てるだけで居られっかよ‼︎あたしの目の前で葉月に何かあったんじゃあたしは湊に顔向け出来ねえ」

 

~Killter Ichaival tron~

 

雪音はそう言ってシンフォギアを纏う

 

「少々宜しいでしょうか?たった今マスターのお名前を呼ばれましたか?」

 

「あ?何の事だ?」

 

雪音が今呼んだのは葉月と湊の名前だとすると

 

「少し良いだろうか?君は雪音湊の知り合いなのか?」

 

「はい、雪音湊マスターが私をお作りになられました」

 

「作られたか…済まない湊と話をさせて貰えないか?」

 

「…その場で少々お待ち下さい」

 

少女は暫く考えた後そう言ってまた突如と姿を消した

 

「何だったんだ今の…」

 

「分からないだが我々の敵でない事は確かだ」

 

「お待たせしました。先程のご無礼どうかお許し下さい雪音クリス様、風鳴翼様」

 

少しすると少女が現れ私と雪音に謝罪をする

 

「君は一体…」

 

「申し遅れました。私はマスターに作られこの屋敷の管理をして居るユースティアナと申します以後お見知り置きを」

 

ユースティアナと名乗った少女はそう言って頭を下げる

 

「マスターはもう間も無く到着なされます」

 

「そうか、此方も武器を向けてしまって済まなかった」

 

「いえ、問題はありません「もう良いぞユナ」かしこまりましたマスター」

 

湊が出て来てそう言うとユースティアナはそう言って姿を消した

 

〜翼side out〜

 

「湊彼女は一体何者なんだ?突然現れたと思ったらまた突然と姿を消して」

 

「彼奴は此処のセキュリティー管理の為に俺が作ったAIだ。ユースティアナって名前はルナが付けたんだ」

 

「るる、頑張って考えた」

 

ルナは握り拳を作ってそう言う

 

「セキュリティーか、彼処の先には何かあるのか?」

 

「彼処には今研究の最中の聖遺物なんかがあるんだ迂闊に人を入れられない」

 

「成る程な、その為のセキュリティーか」

 

「ああ、それとついでに葉月の遊び相手」

 

葉月の遊び相手は本当についでだ。実体化させるのにはかなり苦労したが何とか成功した

 

「んで何の用だ」

 

「ああ、時期に夕食も出来るから呼びに来たんだ」

 

「そうか、分かった」

 

俺がそう言って部屋を出ると翼達も俺に続いて部屋を出た




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116話

「お邪魔するよ湊君」

 

「ユノアかお前も居るのか風鳴司令」

 

俺達が夕食を食べ終えて数分後ユノアと風鳴司令が来た

 

「ん?響君達はどうしたんだ?」

 

「彼奴らなら別の部屋で映画でも見てるんだろう。それと悪いが料理は響の奴が食い尽くして全部ないぞ」

 

「そう言う目的で来た訳じゃないんだけどね」

 

「此処に来たのは君達が再度日本を訪れる際に所属するニ課改めS.O.N.G.についてだ」

 

そう言うと風鳴司令は1枚の紙を俺に見せる

 

「本当に良いのかユノア、これってフランスにメリットが無いだろ」

 

そこにはフランスがS.O.N.G.の後ろ盾になると記載されて居た

 

「君が居ると言う事実が十分過ぎるメリットだよ」

 

「そうかよ…なんか食うか簡単なものしか作れないが」

 

「相変わらずだね君は、お願いするよ」

 

「了解」

 

俺はそう言ってキッチンに向かった

 

〜弦十郎side〜

 

「ユノア氏先程の相変わらずとは一体」

 

「風鳴司令も覚えておくと良い。湊君はね、照れてたりする時は何か別の事に気を紛らわす癖があるんだよ」

 

成る程あれは湊君の照れ隠しの一種だと言う事か。だが言い変えればそれ程までに湊君がユノア氏に心を許して居ると言う事だ

 

「あれ?師匠じゃないですか」

 

「ん?響君じゃ無いか、どうだ楽しんでるか?」

 

「はい!とっても!実は今までババ抜きをしてて負けちゃったんで新しい飲み物を取りに来たんですけど湊君何処に居るか知ってますか?」

 

「湊君ならキッチンに居ると思うぞ」

 

俺がそう言うと響君はキッチンに向かって歩いて行った

 

「風鳴司令も随分と信頼されていますね」

 

「いえ、自分なんてまだまだです」

 

「湊君はあの歳で本当に色々と辛い経験もして来て居る。どうか湊君の事を頼むよ風鳴司令」

 

「はい、俺にできる範囲で彼の役に立ってみます」

 

ユノア氏の言葉に対して俺はそう答えた

 

〜弦十郎side out〜

 

「こんなもんだな「湊君‼︎」響どうかしたのか?」

 

「ババ抜きで負けちゃったから新しい飲み物取りに来たんだ。ねえ湊君も一緒に遊ぼうよ‼︎」

 

「俺はまだ良い、それよか響これも持ってけ」

 

俺は響にそう言ってクッキーを渡す

 

「ありがとう湊君‼︎湊君も気が向いたら来てね皆んな待ってるから」

 

響はそう言ってクッキーとジュースを持って元居た場所に戻って行った

 

「そんじゃ風呂に行くか」

 

「パパ〜‼︎」

 

俺がユノア達に料理を持って行った後風呂に行こうとすると葉月が走って来た

 

「どうかしたのか葉月?」

 

「一緒にお風呂入ろう‼︎」

 

「別に良いぞ葉月、じゃあ行くか」

 

「うん‼︎」

 

俺はそう言って葉月と一緒にお風呂に向かった

 

〜響side〜

 

「ごめん皆んなお待たせ」

 

私はそう言って中に入る

 

「お帰りビッキー、あれ?そのクッキーどうしたの?」

 

「これ?湊君に貰ったんだ飲み物取りに行った時にこれも持ってけって、あれ?葉月ちゃんは?」

 

私が飲み物を取りに行く前には居た葉月ちゃんが居なくなって居た

 

「葉月ちゃんならお風呂に行ったデスよ」

 

「私達もこれからお風呂に行こうって話してたんだ響はどうする?」

 

お風呂か、う〜ん…

 

「行くよ未来」

 

「分かった、それじゃあ行こっか」

 

「うん!着替え準備してから行くから先に行ってて」

 

「分かった、先に行ってるね」

 

未来はそう言って皆んなを連れてお風呂に向かって行った

 

〜響side out〜




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117話

「わ〜い‼︎お風呂‼︎」

 

「あんま走ると転ぶぞ」

 

俺は走って行く葉月にそう言う

 

「良いなぁ私達以外は夏も此処に来たんだよね?」

 

「うん、初めて来た時は此処が湊の家だって言われて本当に驚いたよ」

 

向こうには未来達が入ってるのか

 

「未来お姉ちゃん‼︎」

 

「葉月風呂で騒ぐな」

 

「良いよ気にしないで湊」

 

「それにしてもズッキーもミナと一緒に入る何て本当に中良いんだね」

 

ズッキー…多分葉月の事だろう

 

「まあ悪い事はないだろ、ルナの奴もお前らの所に居るのか?」

 

「うん、居るよクリスとエルザちゃんがルナちゃんを引っ張ってこっちに入ったから」

 

これで彼奴が俺の方に乱入して来る事なくゆっくり入れる訳か

 

「なあ立札だがちゃんとやってんのか?」

 

「その筈だけど、最後に入ったのって弓美だよね?」

 

「そうだよ、一様吊り下げたけど」

 

吊り下げた?

 

「弓美それって湊が入ってるって事になるんだよ?」

 

「え⁉︎そうなの⁉︎」

 

「ああ、もしかしたらこっちに来るかもな」

 

「ちょっと見て来るよ‼︎」

 

そう言って湯船から上がる音の後に走って行く足音が聞こえる

 

「本当に雪音さんの方に行ってしまわなければよろしいのですが」

 

「まあこればかりはちゃんと説明してなかった俺にも非があるな」

 

「ううん、此処に来た事のある創世達以外が最後に入れば良かったんだから私達も悪いよ」

 

そう話して居ると向こうの扉が開く

 

「いや〜、ギリギリだった。あと少し遅かったら響向こう入ってたよ」

 

「間に合ったんだ」

 

「良かったですね」

 

「本当に良かった…」

 

未来は心底安堵した声を上げてそう言う

 

「ふぅ〜、それにしてもアリス遅いデスね」

 

「うん、マリアとマムはもう来てるからそろそろ来ても良い頃なのに」

 

1人間に合わなかったみたいだな

 

「なあ切歌調それっていつの話だ?」

 

「ほえ?マリア達が入って来たのは響さんが来て少ししてからデスよ?」

 

本当絶妙なタイミング来たな彼奴ら

 

「板場戻したんだよな?」

 

「うん、立札は立てかけるのに変えたよ?」

 

一様彼奴にも説明はしたが

 

「パパ…もう出よう」

 

「そうだな俺ものぼせて来たしもう出るか」

 

そう言って扉に手を掛ける

 

「居ないみたいだな。出るぞ葉月」

 

「うん」

 

俺と葉月はそう言って脱衣所まで向かう

 

「たく、本当に危なかったな。あそこで気付かずに響が入って来てたら未来に何されてたか分かんなかったな」

 

「どうかしたのパパ?」

 

「何でもない。ほらじっとしてろまだ髪も乾かし終わってないんだから」

 

俺がそう言って葉月の髪を乾かして居ると扉が開いた

 

「兄に?」

 

「出てて正解だったか、切歌達なら隣に居るぞ」

 

「そっか…兄にはもう出るの?」

 

「この状況でまた入るはないだろ」

 

俺がそう言うとアリスは出る事なくそのまま入って来る

 

「私1人で入りたいからこっちにするよ」

 

「そうか、まだ多少時間掛かるからタオルくらい巻いて行けよ」

 

「うん、そうする」

 

そう言うとアリスは鏡で見えない所で服を脱ぎ始める

 

「終わったぞ葉月」

 

「うん‼︎」

 

俺がそう言うと葉月は俺の膝の上から降りた

 

「パパ牛乳飲みたい‼︎」

 

「分かった分かった持って行ってやるから待ってろ」

 

俺がそう言うと葉月が部屋に入って行くのを見てから牛乳を取りに行った




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118話

「んじゃお前も特訓始めるから移動するぞ切歌」

 

「望む所デス‼︎それは良いデスけどお兄ちゃん私は何をするんデスか?」

 

翌日、俺は切歌の特訓の為に別の場所に移動する

 

「何でお前まで来るんだよ翼」

 

「済まない、湊の特訓と言うのが気になってな」

 

何だそんな事か

 

「別に良いがこの先にお前が特訓をする場所がある」

 

俺がそう言うと翼は何かを察したらしい

 

「此処ってお兄ちゃんの部屋デスよね?まっまさか特訓て…そう言うのはまだ早いデスよお兄ちゃん、確かに私はお兄ちゃんの事は嫌いじゃないデスけど「どうした暁、随分と顔が赤いが具合でも悪いのか?」だっ大丈夫デスよ翼さん「何やってんだお前らさっさと来い」わっ分かったデス‼︎私も腹を括るデス」

 

切歌はそう言って俺の部屋に入るとベットに向かって行った

 

「一様聞くぞ、何やってんだ切歌」

 

「何って体力をつける特訓の準備デス」

 

「湊、暁は何を言って居るんだ?ベットは寝る場所の筈じゃなかったか?」

 

「さあな、俺にも分からん」

 

そう言って俺と翼はベットに寝転ぶ切歌を放置してクローゼットを左にずらす

 

「ユナ」

 

「はい、おはようございますマスター」

 

俺が名前を呼ぶとユナは姿を現す

 

「ひゃあ‼︎おっおばけデス⁉︎」

 

「暁おばけでは無いユースティアナ此処のセキュリティー管理の為に湊が作ったAI?だそうだ」

 

「AI…何だか物凄く最先端な技術に思えるデス」

 

そう言うと切歌はユナをまじまじと見る

 

「私に何か付いていますか?」

 

「ごっごめんなさいデス…その初めて見たのでつい」

 

「構いませんよ、マスターこの方は」

 

「昨日話た特訓をする奴だ」

 

「この方がそうでしたか。お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

 

ユナはそう言って切歌を見る

 

「私は暁切歌デス」

 

「かしこまりました。宜しくお願い致します暁切歌様、私はユースティアナ風鳴翼様のおっしゃった通り此処のセキュリティー管理をして居ます」

 

「宜しくデス、所でユナさんセキュリティーってこの先には何があるんデスか?」

 

「この先には湊様の所有する聖遺物や完全聖遺物その他の機密事項の資料に加えて鍛錬場が1つ存在します」

 

ユナを作った原因の1つが俺1人で管理しきれない数々の聖遺物と完全聖遺物だ

 

「ネフシュタンの鎧やインドラの槍は全部此処から転送される形で取り出して居るんだ」

 

「そうだったのか、早速向かおう」

 

「ああ、行くぞ切歌」

 

「了解デス「パパ‼︎」葉月ちゃんおはようデス‼︎」

 

そこに未来と寝て居た筈の葉月が来た

 

「おはよう切歌お姉ちゃん‼︎パパユナお姉ちゃんの所に行くの?」

 

「ああ、お前も来るか?」

 

「行く‼︎ユナお姉ちゃん一緒に遊ぼう‼︎」

 

「ええ、熊のぬいぐるみを忘れてますよ葉月様」

 

ユナがそう言うと葉月は熊のぬいぐるみを持って来る

 

「全員準備出来たな」

 

「はい、参りましょうマスター」

 

「楽しみデスね翼さん」

 

「ああ、此処にはセレナも入った事がないそうだ。戦闘員として中に入れるのはルナとエルザ以外では我々が初めてだそうだ」

 

「くれぐれも無闇に歩き回るのは控えるようにして下さい。迂闊に触って起動して仕舞えば収集の付かない物も存在しますので」

 

ユナはあらかじめ切歌と翼にそう言って扉を開いた




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119話

「着きましたマスターこの先が鍛錬場になります」

 

「ああ、それとユナ葉月の事は頼んだぞ」

 

「はい」

 

俺の言葉にユナはそう返す

 

「済まないユナ、その前に私も聖遺物の資料室と言う場所に案内してくれないか?私もその資料には少なからず興味があるんだ」

 

「先程も言いましたが「ああ、聖遺物には一切触れない。資料を確認するだけにしておこう」かしこまりました。宜しいでしょうか湊様?」

 

「ああ、そこはお前の判断に任せる」

 

俺がそう言うとユナは頷き葉月と翼を連れて資料室に向かって行った

 

「さて切歌お前には此処で俺と模擬戦をして貰う」

 

「模擬戦デスか?でもlinkerが無かったら私はギアを」

 

「linkerなら俺とミミ達で複製したのがあるウェルの奴が作ったのより効果の時間は少し短いがオーバードーズになる事は相当な連続投与をしない限り無いだろう」

 

オーバードーズ、linkerの連続で投与をする事で出血などを引き起こすlinkerの副作用の事だ

 

「分かったデス、調が頑張ってるんデス私も頑張るデス」

 

「良い返事だ早速始めんぞ」

 

そう言って俺と切歌は鍛錬場に入る

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

「それって響さんの」

 

「理由は前にも話したろ良いから来い3分の間は攻撃は当てないで置いてやる」

 

切歌達は俺がアリスから距離を取った理由を知って当然知りたくなった切歌と調は俺に直接聞きに来た

 

「それじゃあ行くデス」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

切歌はアームドギアの刃を3つに分裂させてブーメランの様に飛ばし左右から挟撃する

 

「ふっ‼︎」

 

「なっ!これならどうデス‼︎」

 

《災輪・TぃN渦ぁBェル》

 

俺がブーメランの内の2枚を破壊すると切歌は肩部プロテクターからバーニアを噴射、コマのように高速回転し俺に向かって来る

 

「まだ甘いぞ切歌」

 

「くっ!これでもダメデスか」

 

切歌のアームドギアを受け止め回転を止めた俺を見て切歌がそう言う

 

「でもこの距離なら避けられない筈デス‼︎」

 

《断殺・邪刃ウォttKKK》

 

切歌は肩のアンカーで俺を捕縛すると一度距離を取ったと同時にギロチン状に変形させたアームドギアをセットしブースターを噴射させスリングショットのように突撃して来てそれが当たり土煙りが上がる

 

「これでどうデス‼︎」

 

「惜しかったな切歌」

 

「そんな…」

 

切歌は本気で来ていたんだろう俺が立ってる事に驚きを隠せていない

 

「そろそろ3分経ったな、こっからは俺も攻撃して行くからな」

 

俺がそう言うと切歌は顔を左右に振ってアームドギアを構える

 

「はあ‼︎」

 

「くっ!」

 

俺の攻撃を切歌は何とか受け流すがあまり長くは持たなさそうだ

 

「はぁ…はぁ、次で決まらなかったらもうどうしよもないデス」

 

《断突・怒Rぁ苦ゅラ》

 

切歌は空中でアームドギアを脚部に装着しエネルギーを纏わせ、肩部の小型ブースターを噴射し突っ込んで来る

 

「確かに良く頑張ったな切歌」

 

《水月》

 

「かは…」

 

俺が切歌の攻撃を受け流し打撃を入れると切歌はイガリマが解除された状態で気絶した

 

「お疲れ切歌」

 

俺はそう言って気絶した切歌を抱え一度鍛錬場を出た




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120話

「マスター少し宜しいでしょうか」

 

「何かあったのかユナ」

 

俺が切歌を抱えて鍛錬場を出て暫くするとユナが葉月を連れて俺の所に来た

 

「いえ、何かあった訳ではないのですが。エデルガルデ様がお見えになっています」

 

「エデルガルデが?ああ、確か何か話があるって言ってたな」

 

俺は昨日の夜エデルガルデから話があると通信を受けた事を思い出す

 

(彼奴が来てんのに俺が行かないわけにはいかないか)

 

「分かった、翼を呼んでくれ」

 

「かしこまりました。少々お待ちください」

 

ユナはそう言うと翼を呼びに行った

 

「パパもう遊べないの?」

 

「話が終わったらまた来れば良い」

 

「うん」

 

葉月は残念そうな表情で頷きそう言う

 

「マスター翼様をお連れしました」

 

「何かあったのか湊?突然ユナから呼ばれたのだが」

 

「此処を出るお前だけを残して行くわけにはいかないからな」

 

俺はそう言って未だ気絶して居る切歌を抱えようとする

 

「切歌お前実は起きてるだろ」

 

「えへへ、バレちゃったデスか」

 

切歌は笑ってそう言い立ち上がる

 

「ふざけてないで行くぞ」

 

「「ああ(うん)」」

 

「まっ待って欲しいデスよ!グヘッ」

 

そんな声が聞こえたので後ろを振り返ると扉は閉まっており切歌は居なかった。大方俺達が出たのと同時に扉が閉まった所為で顔をぶつけたんだろう

 

「うう、痛いデース」

 

切歌はそう言って涙目になりながら鼻を抑えて居る

 

「はぁ、全く何やってんだか」

 

「大丈夫切歌お姉ちゃん?」

 

「大丈夫デスよ」

 

切歌はそう言って立ち上がる

 

『今扉を開けます』

 

「ああ、頼むなユナ」

 

俺がそう言うとユナは扉のロックを外す

 

「悪い遅れたなエデルガルデ」

 

「かまへんよ湊、うちの方こそすまへんな昨日の今日で来てもうて」

 

エデルガルデの所に行くと響達も居た

 

「それで何なんだ?話ってのは?」

 

「ユノアから聞いとらんの?」

 

「昨日言う機会がなくてな、この際だ響君達も聞いてくれ」

 

「我々にも関係がある事なのですか叔父様?」

 

翼の言葉に風鳴司令は頷く

 

「1ヶ月先フロンティアの一部の回収に伴いシャトルが発射されたのは皆んなも知って居るだろう」

 

「確か米国軍が発射したシャトルでしたよね?」

 

「ああ、先日その落下予測地点がフランスである事が公表された」

 

風鳴司令の言葉を聞いて翼達は驚く

 

「フランスからの応援の話を受けて俺達はフランスに来たんだ」

 

「それで落下の予測地点は」

 

「うちが仕切っとる獣人達の集落や、そういやセレナはどないしたん?」

 

エデルガルデが此処に居ないセレナの事を聞いて来る

 

「セレナなら調って奴の特訓に行ってるが呼ぶか?」

 

「別にええよ、何で居らんか気になっただけやから。それにその話はうちは断った筈やで湊とユノアと葉月ちゃんとセレナこの4人以外は出来る限り人は入れとうないんよ」

 

やっぱりまだ難しいか

 

「ユノア悪いがこればっかりは俺からは何も言えないぞ」

 

「分かって居るよ湊君」

 

「少し宜しいでしょうか?何故そこで湊の名前が出て来るんでしょうか?」

 

俺達の会話に疑問を覚えた翼がユノアにそう聞く

 

「まあ気になるのもしゃあないな。もう5年前に済んだ事やし何も知らんかったら疑問に思うだけやし話したってユノア、湊ちょっとばかしうちに付き合うてくれへんか?」

 

「ああ、分かった葉月お前も行くぞ」

 

「うん‼︎」

 

俺はそう言って頷き葉月を連れてエデルガルデと部屋を出た

 

「すまへんな、うちもあんまし思い出しとうないんよ」

 

「それはお互い様だエデルガルデ」

 

俺とエデルガルデは別室に置いてある机と椅子に座って話す

 

「紅茶とお菓子を持って来たでありますエデルガルデ」

 

「お菓子だ‼︎」

 

「ありがとうなエルザちゃん、葉月ちゃんも慌てんでええからゆっくり食べや」

 

エルザはそう言って机の上に紅茶とお菓子を置く

 

「そないな所で遠慮してやんとこっちに来たらどうや?」

 

「ガンス、それじゃあ失礼するであります」

 

エルザはそう言って椅子に座る

 

「ルナちゃんはどないしたん?」

 

「ルナお姉ちゃんは寝てるよ」

 

「相変わらずお寝坊さんなんやねルナちゃんは」

 

「全くであります。わたくしとしてはもう少しちゃんとして欲しいであります。折角従者の立ち位置を譲ったと言うのにこれでは従者の意味がないであります」

 

エルザは悪態を吐きながらお菓子を食べる

 

「ほんまにエルザちゃんは湊の事が好きなんやね」

 

「別に…そうでもなくないであります」

 

エルザは顔を染めてそう言う

 

「ほんま可愛ええなエルザちゃんは」

 

「もう揶揄うのはやめて欲しいでありますエデルガルデ、葉月ちゃんも誰も取ったりしないから落ち着いて食べるであります」

 

エルザはそう言って葉月の口に付いたお菓子を取る

 

「湊もこんなええ子手放したくはないやろ」

 

「そうだな、正直言ってルナより手伝いも積極的にしてくれてるから助かってるな」

 

「もう2人共恥ずかしいので辞めて欲しいであります」

 

エルザがそう言ってそっぽ向くとエデルガルデが笑って謝罪した




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121話

〜クリスside〜

 

「あの、ユノアさん何かあったんですか?それに湊君もいないみたいですし」

 

「済まないねセレナちゃん、君にも知る権利があるだろうからね」

 

ユノアは特訓を辞めて戻って来たセレナにそう言う

 

「それであのエデルガルデとか言う獣人があたし達を受け入れない理由洗いざらい話してくれんだよな」

 

「雪音もう少し口の聞き方をだな「出来っかよそんなの」雪音?」

 

先輩は心配した声であたしの名前を呼ぶが今は関係ない

 

「エデルガルデの奴と出て行く時チラッと湊の顔が見えたんだ。あたしは…あたしは彼奴のあんな顔を見たのは初めてだ。凄え悲しそうで酷え顔してた。湊がそうなる理由にはあんたが関係してんだろ」

 

「君は本当に湊君の事をよく見ているね。直接関与はしてはいないけど僕の不注意が引き起こした事だよ」

 

「テメェ!よくもぬけぬけと‼︎」

 

「止めろ雪音‼︎気持ちは分かるが止めるんだ‼︎」

 

「離してくれ先輩‼︎」

 

ユノアに殴り掛かろうとするあたしを先輩が羽交い締めにして止める

 

「ユノア氏一体湊君と彼女達獣人族との間に何があったんですか」

 

「そうだね、獣人族達との和平が確立したのは5年前に起きた内戦の後なんだ」

 

「内戦って…何処と何処がですか」

 

「僕達人間と獣人族達の間にだよ」

 

その事実はセレナも知らなかったらしい信じられない表情で話を聞いて居る

 

「内戦のそもそもの原因は獣人族と僕達人間の関係性にあった。5年前の和平が確立するまで彼女達は人間の奴隷のような扱いを受けていたんだ」

 

(奴隷…か)

 

あたしの頭にはかつての自分の姿が思い浮かんだ

 

「それはいつ頃から」

 

「僕も書籍の中でしか見た事が無かったが5000年前には既に彼女達は奴隷のような扱いを受けて居た事が分かって居る」

 

「5000年…そんなに前からエルザちゃんやルナちゃんみたいな子達が奴隷みたいに扱われていたんですか」

 

「こちらに不都合な書籍は殆ど処分されていたが事実だろう」

 

「はっ!そうだろうよ、これだから大人は信用出来ねえんだよ。自分達に都合の良い事ばかり公表して都合の悪い事は全部ひた隠しにすんだ」

 

先輩に拘束されながらあたしが皮肉を込めてそう言うとユノアからはあたしの予想の斜め上の言葉が出て来た

 

「ああ、本当に僕もそう思うよ」

 

「ユノアさん…」

 

そう言ったユノアの手はあたし以上に震えて居た

 

「悪いあたしはもう何も言わねえ」

 

「済まないこちらも少し取り乱してしまった。そんな獣人族に救いの手を差し出したのは湊君とリュー・クリスティアの2人だったんだ」

 

そこにあたし達の知らない名前が出て来た

 

「リュー・クリスティア…思い出したマムが話してたわ。雪音湊、彼のパートナーだった少女の名前それがリュー・クリスティア」

 

「でもそれってイガリマを持ち出す為のF.I.S.の所為だったんじゃ」

 

「彼らはそこまでしか話して居ないのか、確かにリュー・クリスティア彼女を殺しイガリマを強奪したのは間違いなくF.I.S.だ。そして遺憾だが裏でF.I.S.を手引きしていた人物がフランスにいたんだ」

 

そいつはもう死んだらしいが問題は誰が殺したのかだった

 

「彼女の死が報告された時湊君や獣人族の子も数名居たよ。だがそれが獣人族と人間との内戦が起るひきがねとなったのはあそこで彼奴の放った言葉だろう」

 

「その言葉とは」

 

「僕も今でも良い物だとは全く思わないけどね。道具が1つ壊れた程度で喚くな彼は湊君や獣人族の子達の前でそう言ったんだ」

 

(そいつは死んだ人間の事を道具と言って罵ったんだ)

 

「先程その人物は亡くなったと言いましたが一体誰が」

 

「湊君…彼が殺したんだ」

 

『‼︎』

 

ユノアの歯切れは悪かったがそれでもはっきりと分かった

 

(嘘…だろ…彼奴が…彼奴が殺したって言うのか)

 

「雪音…」

 

「大…丈夫だ…先輩」

 

あたしの頭の中はもう何も考えられないくらいに一杯になっていた

 

「湊君がその人物を」

 

「ああ、エルザちゃんとルナちゃんが湊君を止めてくれなければもっと多くの被害が出ていただろう」

 

「何で…何でテメェはそれを止めなかった‼︎テメェが止めていれば彼奴が…湊がそいつを殺す事もなかっただろ‼︎」

 

あたしは先輩の拘束が緩くなって居る隙を突いてユノアに掴み掛かった

 

〜クリスside out〜




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122話

〜響side〜

 

「止めろクリス君」

 

「どいてくれおっさん‼︎」

 

ユノアさんに殴り掛かったクリスちゃんの拳を師匠間に入ってが止める

 

「何で止めんだよおっさん‼︎」

 

「俺だって止めたくはない」

 

「だったら‼︎「だが果たしてそれで湊君が君に感謝するのだろうか?」…」

 

「言い方を変えよう湊君がそれを望んでいるのだろうか?」

 

「それは…」

 

師匠の言葉を聞いてクリスちゃんは悔しそうにその場に佇んだ

 

「クリス君の怒る気持ちは分かる、だが君がそうする事を湊君が望んでいるのかどうかを考えてやって欲しい」

 

「おっさん、分かった」

 

「そうか「風鳴司令そこを退いてあげてくれ」ユノア氏しかし」

 

「良いんだ全ては此方の不手際が招いた事だからね」

 

ユノアさんがそう言うと師匠はクリスちゃんの前から退いた

 

「良いんだな…」

 

「それで君の気が済むのなら」

 

そう言われたクリスちゃんはまた殴り掛かろうとはしなかった

 

「どうしたんだい?」

 

「出来ねえよ…あたしには…あんたは湊の事を本当に良く考えてくれてる。そんな奴を殴るなんてあたしには出来ねえ」

 

「クリスちゃん」

 

クリスちゃんはユノアさんの顔を見て分かったんだと思うユノアさんがどれだけ湊君に家族であるクリスちゃんに人殺しをさせてしまった事を申し訳ないと思って居るのか

 

「あたしはあんたを許したつもりは無い、でも決めんのは湊だ。湊がもう良いってんならあたしが何かすんのは間違ってんだと思う」

 

「本当に済まなかった。そしてありがとう」

 

ユノアさんはそう言ってクリスちゃんに頭を下げる

 

「それで内戦はどちらが」

 

「僕達人間が負けたよ、湊君が獣人族側に着いて居たからと言うのもあるんだろうけど僕達が獣人族を過小評価し過ぎていた所もあるかもしれないね」

 

「彼は獣人族側に加勢したのですか?」

 

「ええ、ですがそれでも尚被害は最小限に抑えられた。湊君もそうですが彼女達は上層部を落とせば占拠したも同然だと言う事を理解していたんでしょう。実際に死人はほんの一握りの上、全員が彼女達を捕らえ売り捌く様に指示していた者ばかりでした」

 

もしかして湊君は全部分かっててエデルガルデさん達に加勢したんじゃ

 

「誰が殺したかってのは分かってんのか」

 

「心配しなくとも君が考えてる様な事はなかったよ。湊君が殺したのはさっき話した彼奴だけだ」

 

ユノアさんがそう言うとクリスちゃんはほっとする

 

「でも獣人族達との関係が修復しきった訳ではない、現に今でも獣人族の集落に入る事が出来る人間はエデルガルデの言っていた通り湊君と僕と葉月ちゃんとセレナちゃんの4人だけだからね。これでも最初は僕も相当嫌われてたんだけどね」

 

「そりゃそうだ、相手は湊が話をしていたとは言え自分達を散々苦しめて来た奴らの上層部なんだからな」

 

「全くだ、しかも今になっても獣人族の子を攫う輩は後を絶たない。恐らく何も言わない彼女達に味を占めているんだろう」

 

今まで苦しめて来たのにまだそんな人達がいるなんて

 

「その者達の事も常時追わせている。居場所がわかるのも時間の問題だろう」

 

「そうですか」

 

「何にせよエデルガルデが了承しない限り彼女達の集落に近づくのは難しいだろうね」

 

ユノアさんは肩をすくめてそう言う

 

「その事なんやけどちょっとええやろか?」

 

声の方を見るとそこにはエデルガルデさん達が居た

 

〜響side out〜

 

「どうかしたのかいエデルガルデ」

 

「あんさんらの事は湊から聞いた。けどもこればっかりはうちが信じてもそれを証明してくれな話にならへん。そこで頼みがあるんやけど攫われた子を出来る限りでええから連れて帰って来てくれへんか?生憎とうちはまとめ役やからあんま集落から離れられんのや。今日かてルクシャナに無理言うて此処に来とんねん」

 

本当にルクシャナの奴も大変だな

 

「それを我々に頼みたいと言うのか?それは此方としては喜んでやらせて貰いたいんだがその彼女達は人間に攫われたのだろ?我々が助けに行った所で警戒されるだけではないか?」

 

「さっきも言うたけどもうちはあんさんらの事を湊から聞いた。それにうちには何となく分かっとったんよ。あんさんらは悪い事はせえへん。何か起こすにしてもよっぽどな理由があるやろ。それに多分そこにおらん様になったミーシャもおるやろ。あの子やったらあんさんらが悪い人やないって分かってくれるやろう」

 

確かにそこにミーシャがいるんだったら翼達の事を敵だとは思わないだろう

 

「ミーシャはうちらの中でも特に敏感でな人の心の内まで見えとんねん。せやからあんさんらがホンマに善意でやるんやったらミーシャは何も言わずに着いて来てくれる筈や。ミーシャが着いて来ればそこに捕まっとる子もあんさんらを信用してくれるやろ」

 

エデルガルデがそう言うと風鳴司令は顎に手を当てて考える

 

「師匠私やります。誰かが困っているのなら私は助けたいです」

 

「私も行きます叔父様」

 

「あたしもだ」

 

「お前達、良いだろう行って来い」

 

「「「はい‼︎」」」

 

風鳴司令の言葉に響達はそう返す

 

「湊君、君も一緒に行ってあげると良いミーシャちゃん達が心配なのはエデルガルデだけじゃないだろうからね」

 

「分かった、俺も行ってくる」

 

「ちょっと待ってもろてええやろか?済まんけど湊は辞めといてもろてもええやろか?」

 

ユノアの言葉に頷く俺にエデルガルデがそう言う

 

「湊が一緒やと湊に着いて来た思われるかも知れへんからあの子達だけで行ってもらいたいんよ」

 

「分かった、そう言う事なら俺は辞めておく」

 

「済まへんな湊、ほんなら頼んだで」

 

「「「はい‼︎」」」

 

エデルガルデの言葉に響達はそう返した




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123話

翌日、響達は早速ミーシャ達が捕まってる施設に向かって行った

 

「あの子らほんまに大丈夫なんやろか?昨日の今日で向かっとるみたいやけど」

 

「まあ大丈夫だろ、俺が心配なのは」

 

俺はエデルガルデ達の集落に居る。そこまではまあ良いだろう問題は

 

「ルクシャナの奴が何か問題を起こさないかが心配だ」

 

「何よ私がそこまで信用できないって訳」

 

「まあまあ、落ち着きやルクシャナうちもちょい心配しとるけど大丈夫やって信じとるから」

 

心配してるのは変わらないんだな

 

「いっいくら私が人嫌いだからと言って妹を助けてもらった方を侮辱したり愚弄したりする事は無いです。何か特別な理由が無い限りですが」

 

「特別な理由って何なん?」

 

「そりゃ…そいつらがミーシャに可笑しな真似をしたりだとか」

 

まあ彼奴らに限ってそんな事は無いだろう

 

「彼方ですお姉様、あ!ルクシャナ〜‼︎」

 

「ミーシャ‼︎」

 

俺達が話しているとミーシャに案内され響達が集落まで来ていた

 

「お前少しミーシャに引っ付き過ぎだ‼︎いい加減離れろ‼︎」

 

「そっそんな事言われましても私から望んでこうしている訳では無い訳でして」

 

ルクシャナに剣を向けられる響がびびりながらそう答える

 

「なんや可笑しな空気になってんな」

 

「そんな‼︎私の事を彼処まで力強く連れ出して下さったと言うのに…うう、私とはただのお遊びだったんですかお姉様」

 

「ちょっ!此処で泣かないで余計に勘違いされちゃうから「よく分かりました…」良かった分かってくれたんだ」

 

そう言って響が安堵の表情を浮かべるが多分だが分かって貰えてないと思うぞ響

 

「ええ、充分に…立花響‼︎私ルクシャナ・アイシャスは貴方に決闘を申し立てます‼︎」

 

「へ?え…え〜⁉︎けっ決闘⁉︎」

 

「はぁ、やっぱりこうなってもうたか」

 

エデルガルデはため息を吐きながらそう言った

 

「なっ何でこんな事に…」

 

「ほんまに済まへんな響ちゃん。あの子も悪い子やあらへんねん」

 

エデルガルデはそう言って響に謝罪する

 

「湊彼女は一体何者なんだ?」

 

「彼奴はルクシャナだ。昔からミーシャとは仲が良かったらしい。つうか何でミーシャが響に彼処まで懐いてんだよ」

 

「あたし達も分かんねえがあのバカが何かやったらしい」

 

何かやったね…まあその話は追々聞くとして

 

「頑張って下さいねお姉様」

 

「うっうん頑張ってみるよ」

 

ミーシャは相変わらず響にべったりだな

 

「それにしてもミーシャはよっぽど響ちゃんの事が気に入っとるみたいやな、何かあったんか?」

 

「お姉様は私の命の恩人なんです。1番監視の多い私の囚われて居た場所まで助けに来て下さって、動けない私に『何があっても私が守ってあげる』と言って外に連れ出してくれたんです。あの時のお姉様は力強くてとても凛々しかったです」

 

ミーシャの中で響がかなり過大評価されてるって事は何となく分かった

 

「それに私は既に決めています。ミーシャは一生お姉様に着いて行きます‼︎これから末永く宜しくお願いしますお姉様」

 

「いやいや‼︎そうなったら私あの子からもっと嫌われるよね⁉︎」

 

「構わないじゃないですか、お姉様が勝利して下さればルクシャナも口出しをしないでしょうから」

 

うわ、ミーシャの奴本気だ

 

「かなり乗り気だねミーシャちゃん⁉︎」

 

「はい!愛に障害は付き物ですから‼︎」

 

「愛ってそんなご冗談を…あれ?冗談だよね?」

 

ミーシャはそう言う響の目を真っ直ぐ見ている

 

「諦め響ちゃんこう言い出したミーシャは止まらんねん」

 

「あはは…はぁ、未来に何て言えば良いんだろ」

 

確かに未来にどう説明するかは見ものだな

 

「まあ一先ず目先の事に集中した方がええやろな」

 

「そうだな一先ずこの話は置いといてルクシャナとの決闘に行って来い」

 

俺とエデルガルデがそう言うと響は頷いてルクシャナの所に向かった




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124話

〜響side〜

 

「逃げないでよく来たな立花響」

 

「えっと…やっぱり決闘しなきゃいけないのかな?話し合いとかじゃ」

 

「お前は戦場でも同じ事が言えるのか」

 

そう聞かれて私は言葉に詰まる。クリスちゃんの時も調ちゃんや切歌ちゃん達の時も同じ事を聞いて話し合いじゃどうにもならなかった

 

「でも…それでも私は話し合いで済ませられるならそうしたいよ」

 

「はぁ、どうやら私とお前では根本的な考え方が違う様だな」

 

ルクシャナさんはそう言って剣を構える

 

「お前も早くシンフォギアを纏え、出ないと…此処で死ぬぞ‼︎」

 

「くっ!」

 

私は横に避けて交わす

 

「何のつもりだ」

 

「私は決闘何てしたくない」

 

「お前にその気がなくても私にはある!」

 

《darkness blade》

 

ルクシャナさんは剣に黒エネルギーを纏わせて斬撃を飛ばす

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

私は咄嵯にシンフォギアを纏って斬撃を防ぐ

 

「どうしても貴方と戦わなくちゃいけないんですか」

 

「勿論お前が降参すると言うのなら辞めざるを得ないが私はそれでは納得出来ない」

 

「分かりました、私戦います」

 

「漸くその気になったか」

 

ルクシャナさんはそう言って剣を構える

 

「はあ!」

 

「ふっ、はあ‼︎」

 

私の攻撃を避けたルクシャナさんが剣を振り下ろす

 

「ふっ!」

 

「そこそこ出来るみたいだな」

 

攻撃を避けた私を見てルクシャナさんはそう言う

 

(此処までは湊君や翼さんとの特訓がまだ役に立って居るけど…)

 

「はあ!」

 

《shadow rain》

 

ルクシャナさんが上空に剣を翳すと無数の黒い刃出現し私に向かって飛んで来る

 

「ふっ!はあ!でりゃ!」

 

「くっ!はあ!」

 

私が斬撃を防いでいるとルクシャナさんが私に向かって来るのが見えた

 

「ルクシャナさん‼︎」

 

「何のつもりだ…お前まさか…」

 

ルクシャナさんが私に向かって来る途中ルクシャナさんに向かって飛んで行く斬撃が見えたので私はルクシャナさんを助ける

 

「馬鹿だろお前…私は敵なんだぞ…敵を助けてどうする」

 

「私はルクシャナさんの事を敵だなんて思ってません。ただもっと仲良くなれたらとは思ってます」

 

「お前…」

 

「もう辞めましょうルクシャナさん。私達が戦う理由何て何も無いじゃないですか」

 

「良いから退いてくれ」

 

そこで私はルクシャナさんを押し倒す形になっている事に気づく

 

「すっすみません‼︎」

 

私はそう言って急いでルクシャナさんから離れる

 

「私の負けだ、お前の力そして他者を思う気持ちそれに偽りはない」

 

「ルクシャナさん」

 

私はルクシャナさんから差し出された手を取る

 

「だがお前のそれは時には相手の付けいる隙になる。こんな風にな」

 

そう言ってルクシャナさんは私の体を引き寄せ体制を崩す

 

「あの…これって」

 

「さっきの仕返しだと思っていてくれ」

 

ルクシャナさんはそう言って私から手を離す

 

「お前になら妹を任せられそうだ。ミーシャの事頼んだぞ」

 

「はい…え?えぇええ⁉︎いっ妹⁉︎」

 

「何だ気づいてなかったのか、私とミーシャは双子だぞ」

 

全然気付かなかったけどよく見ると似てる気がする

 

「あっあの‼︎」

 

「何だ」

 

「私、頑張ってミーシャちゃんの事守ってみせます‼︎」

 

「…ああ、ミーシャの事はお前に任せる」

 

ルクシャナさんはそう言うと何処かに向かって行った

 

「お姉様♪」

 

「みっミーシャちゃん⁉︎どっどうしたのいきなり」

 

「これから未来永劫末長く宜しくお願いします」

 

「あれ?何かさっきよりグレードアップしてない?」

 

ミーシャちゃんは屈託の無い笑顔でそう言う

 

「響ちゃんミーシャの事は頼んだで」

 

「はい!エデルガルデさん‼︎」

 

「ええ返事や、ミーシャ響ちゃんに迷惑かけるんやないで」

 

「はい!これから宜しくお願いしますお姉様」

 

「うん、宜しくねミーシャちゃん」

 

私はそう言ってミーシャちゃんの頭を撫でた。そしてこの時に私の中から未来にどう説明しようと言う考えが抜けていた

 

〜響side〜




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125話

「それで響…その子は一体誰なの?」

 

「えっと…ミーシャちゃんです」

 

「そっか、それじゃあそのミーシャちゃんは何で響にそんなにべったり引っ付いてるの?」

 

「それは…その…」

 

「おっお姉様…この人少し怖いです」

 

俺の家に戻ると響は当然の様に未来から質問攻めにされていた

 

「彼奴ああなる事くらい分かってたろうに本当に馬鹿な奴だな」

 

「ミナって結構他人事みたいに言う事多いよね」

 

「実際に他人事だからな」

 

俺はそう言ってクッキーを作る

 

「まあ落ち着け小日向、聞けばミーシャはお前や立花の2つ下だそうだ、可愛いものじゃないか」

 

「そうだぜ未来、それにこのバカを此処まで尊敬する奴は今後現れねえだろ」

 

翼と姉さんがそう言って未来を宥める

 

「止めなくて良いでありますか?」

 

「悪いのは響な訳だし止めなくて良いだろ。そろそろ出来たか」

 

「良い匂いデス」

 

「るる」

 

そう言って切歌とルナが休憩のついでに此処までおやつを食べに来た

 

「小日向さん立花さんにも悪気があった訳でもなさそうですしこの辺りで許してあげましょう」

 

「そうだよヒナ、それにビッキーにこんな事言っても意味ないよ。ビッキーの事だからヒナに何か言われるって分かってても助けてただろうし」

 

「今回だけだよ響」

 

「ありがとう未来」

 

安藤と寺島の説得もあり未来は響の事を許したらしい

 

「そう言えば弓美は?」

 

「そう言えば見ないね、どこ行ったんだろ」

 

「先程までは板場さんも居たのですが」

 

寺島がそう言うと同時に俺の通信機が鳴る

 

「どうしたユナ」

 

『すみませんマスター侵入者を拘束しました』

 

侵入者…此処にいない板場が気になるがまさかな

 

「その侵入者ってどんな奴だ?」

 

『この方です』

 

そこに映し出されたのはユナに縄で拘束された板場だった

 

「お前ら板場が何処にいるか分かったぞ」

 

「そっか、何処にいるの?」

 

「切歌、ルナお前ら出て来る時にユナが居ない事に気づかなかったのか?」

 

俺がそう聞くと切歌とルナは顔を見合わせる

 

「そう言えば」

 

「るる、いなかった」

 

今更気づいたのかよこの2人

 

「結局何処に居るの?」

 

「ああ、着いて来い」

 

俺はそう言って全員を板場の居る場所に案内する

 

「お待ちしてましたマスター、この者の処分は如何致しましょうか」

 

「助けて〜!」

 

「勝手に入るからこうなんだよ。ユナそいつは俺の知り合いだから解放してくれ」

 

「はい」

 

俺がそう言うとユナは板場の拘束を解く

 

「大丈夫ですか板場さん?」

 

「うん、でも此処にこんな所があった何て」

 

「で何で此処に入ろうと思ったんだ」

 

「こう言う地下室みたいな所ってアニメとか映画でしか見た事無かったから気になったんだよね‼︎」

 

それで此処に侵入したと

 

「お前家主の許可なしによく実行したな」

 

「そうだよ、もしミナじゃ無かったらどんな目にあってたか分からなかったんだよ」

 

「確かに、ごめん雪音君」

 

「まあ別に良いが、つうかユナが見逃すって何気に初めてじゃないか?」

 

「すみませんマスター、オートロックにするのを忘れていました」

 

まあもう済んだ事だから良いんだが

 

「それにしても此処にこんな場所があった何て」

 

「此処には湊が所有している聖遺物や完全聖遺物その他の機密事項の資料が保管されて居るそうだ」

 

「もしかして切歌ちゃんとルナちゃんは湊君に頼まれて資料の整理でもしてたの?」

 

翼の話を聞いて未来が2人にそう質問する

 

「違うデスよ」

 

「るる、私達は鍛錬場で特訓してた」

 

「鍛錬場…そんな場所まであるんだ」

 

「それでユナ板場は何処にいたんだ?」

 

「完全聖遺物を保管して居るブースに居ました」

 

板場の奴は完全聖遺物の保管している場所に居たのか

 

「大きな剣があったから気になって見てたら突然現れて拘束されたんだよ」

 

「大きな剣…ああ、デュランダルか」

 

「そう言えばデュランダルはあの後に湊が管理したままだったな」

 

そう言えば俺もデュランダルを返すのを忘れてた

 

「翼デュランダルを持って来るから風鳴司令に渡しておいてくれ」

 

「分かった」

 

俺はそう言ってデュランダルを取りに行った




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126話

「デュランダルを持って来たぞ翼」

 

「ああ「マスター国外より通信の要請があります」国外から」

 

「何処だ」

 

「日本と言う国です」

 

日本って事はデュランダルの件か

 

「お前達は席を外せ」

 

「出口までご案内します」

 

「ああ、皆んな行くぞ」

 

俺がそう言うと翼達はユナと出口に向かって行った

 

「全員出たか」

 

「いえ、葉月様だけは眠っておられましたので此処に留まっておられます」

 

此処に居るのは寝てる葉月だけかまあそれなら大丈夫だろ

 

「葉月を連れて来い」

 

「はい」

 

ユナは葉月の所に向かい俺の所に連れて来た

 

「モニター繋げます」

 

「ああ、頼む」

 

俺は寝ている葉月を俺と同じ部屋に連れて来させモニター越しに相手の姿を確認する

 

『久しぶりだね雪音湊君』

 

「あんただったか広木防衛大臣」

 

俺に通信を取って来たのは広木防衛大臣だった

 

「要件は何だ、デュランダルを返せって言うなら風鳴司令に渡してるぞ」

 

『デュランダルの件で間違いはないが返せと言う訳じゃない君への譲渡と解析データの提示をする様にと言うのが今の上層部の判断だ』

 

「譲渡と解析データの提示か…それだけじゃないんだろ」

 

『相変わらず頭のキレる子だね、勿論それだけじゃないだろうが私に伝えられて居るのはそれだけだ。勿論断って貰っても構わないがその時はデュランダルを君自身が日本政府に返しに来る様にとの事だ』

 

俺が直接日本政府に返しに行かなきゃいけないのか、めんどくせえ

 

「まあデュランダルはお前ら日本政府に返すつもりで一切手をつけてなかったからな解析データの提示は面倒だがデュランダルが俺の手元に来るのは俺としても良い悩ましい所だな」

 

『今すぐ答えを出せと言う訳じゃない。聞けば君は日本に移住するそうじゃないか』

 

「おいこら、それどっから知った」

 

俺の質問に広木防衛大臣は何も答えない

 

「たく、この件は一旦保留だ。お前達の意図が分からない限り無闇に受け持つ事は出来ない」

 

『分かった、こちらから上層部にそう伝えておこう』

 

「案外あっさりしてるんだな、てっきり無理にでも頼んで来るんだと思ったぞ」

 

『上層部のとしても君とは良い関係を望んでいるらしい。それじゃあ失礼するよ』

 

広木防衛大臣はそう言って通信を切った

 

「良い関係を望んでるね、それこそ本当かどうか分からないな」

 

「如何致しますかマスター」

 

「保留だって言ったろ、さっきも言ったが向こうの意図が分からない限り無闇に受け持てない何か裏があるかも知れないからな」

 

だが風鳴司令と言い広木防衛大臣と言いこう見ると大人ってのは俺が思ってる様な奴らばかりじゃないのかもしれないな。

 

「まあそれは追々知るとして今は目先の事に集中するか」

 

「はい、出口までお供します」

 

俺は寝ている葉月を背負いユナと出口に向かった




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戦姫絶唱シンフォギアGX編
127話


「全員聞いてくれフランス時刻明朝○五○○に話をしていたシャトルが地球に向けて落下して来る。その際の編成を行う先ずは翼そして響君、クリス君それから湊君以上4名だ「ちょっと待ってくれ風鳴司令」どうかしたのか湊君」

 

数週間後、俺達は例のシャトルの落下時の編成を話し合っている。安藤達には葉月の相手をして貰って居る

 

「その中にエルザそれと調と切歌最後にセレナを加えろ」

 

「理由を聞いても良いか」

 

「調のヨーヨーの紐でシャトルを拘束、同じくシャトルを拘束できるエルザとセレナの3人でシャトルの減速をさせる。速度を殺すのが俺と響だけじゃ負担が掛かり過ぎる」

 

俺がそう言うと風鳴司令は顎に手を当てて考える

 

「湊わたくしめは何も問題がないでありますが調には」

 

「私はlinkerがないとそんなに長い時間ギアを維持出来ない」

 

「大丈夫デスよ調、此処にはお兄ちゃん達が作ったlinkerがあるデスよ」

 

「そうなのか湊?」

 

翼の言葉に俺は頷く

 

「まさか君にlinkerを作り出せるだけの技術があったとはな」

 

「俺は元々どちらかって言うとこっちの方が得意分野だからな」

 

「そうだったな」

 

「でもlinkerを作る上で1番貢献してくれたのはミミとルカだな。あの2人がいなかったら多分linkerは出来なかった」

 

ミミとルカにはlinkerを作る時に本当に助けて貰ったからな。まあその後の見返りとして一日あの2人の言いなりになった訳だが

 

「湊君、そのミミちゃんのルカちゃんって誰の事なの?」

 

「名前はミミ・エルガルム、ルカ・エルガルム双子の姉妹だ。最近までスパイとして米国に行ってたのを回収した」

 

「米国へのスパイか」

 

「ああ、米国には優秀な研究員として派遣した。元々あの2人は研究員として優秀だったからな。それで内側から色々調べたりもして貰った」

 

「たく、本当にお前らしいな。わざと相手の本拠地に送って内側から崩していく算段か」

 

姉さんの言葉に俺は頷く

 

「本当に君を敵に回さないのは得策だった様だな」

 

「そこまですんのは米国だけだ。彼奴らは…まあ今その事はどうでも良い」

 

「そうだな、行けそうか調君」

 

風鳴司令はそう言って調を見る

 

「調、調なら大丈夫だから自信を持って欲しいデス」

 

「切ちゃん…うん、大丈夫です」

 

「そうか、エルザ君とセレナ君も大丈夫だな」

 

「ガンス、わたくしは大丈夫であります。湊から準備を言い渡されていました」

 

「私も大丈夫です」

 

「それと切歌他人事みたいに言ってるがお前も参加なんだぞ」

 

俺がそう言うと切歌は思い返し自分の名前が呼ばれている事に気づく

 

「私もデスか」

 

「前にも言ってただろ調のヒールじゃ踏ん張れないってお前には調のストッパーになって貰う」

 

「ストッパーつまり私は調の補助をすれば良いんデスね」

 

「ああ、姉さんと翼もエルザとセレナの補助を頼む」

 

「「了解した(任せとけ)」」

 

俺の言葉に翼と姉さんはそう返す

 

「地球までへの作戦行動は風鳴司令が話した4人で構わない。響は上で待機、俺と翼と姉さんで軌道の修正って流れで良いか」

 

「ああ、響君今回は寝坊は勘弁してくれよ」

 

「あはは、気をつけます師匠」

 

響がそう言うと風鳴司令は部屋を出た

 

「立花、今日は夜更かしをしないで早めに寝たらどうだ?」

 

「いや〜、それが中々出来ないんですよ」

 

「仕方ないな、今日は全員夜更かしなしで行くか」

 

「そんな⁉︎それじゃあ今日は夜のトランプは無しデスか⁉︎」

 

切歌があからさまに落ち込んでそう言う

 

「仕方ないよ切ちゃん」

 

「まあ今日くらいは我慢しろ、明日はお前が満足するまで付き合ってやるから」

 

「む〜、仕方ないデスね今日の所は我慢するデス」

 

俺がそう言うと切歌は拗ねた顔を晒してそう言う

 

「お兄ちゃん明日の夜は思う存分遊んでくれるデスよね‼︎」

 

「ああ、お前が満足するまでって言ったからな」

 

俺がそう言うと切歌は目を輝かせる

 

「明日が楽しみで眠れないかもしれないデス」

 

「そうなったら意味ないからな」

 

「は!でっでも仕方ないじゃないデスか、お兄ちゃんがそこまで言ってくれる事って中々無いデスし」

 

「そう頻繁に言ってたらそれこそ意味がないからな、こう言うのは偶にあるから良いんだよ」

 

「それもそうデスね、明日は何をして遊ぶデスかね」

 

そう言った切歌は目を輝かせながら明日の夜何をするかを考えていた




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128話

『準備は良いか?では作戦開始‼︎』

 

「「「「了解‼︎」」」」

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

〜Killter Ichaival tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺達は風鳴司令の言葉にそう返しシンフォギアを纏う

 

「立花お前は昨日言われた通り力を温存しておけ」

 

「はい!」

 

翼の言葉に頷き響は後ろの方で待機する

 

「湊ブースターを全開で噴射させろ少しでも速度を減速させるぞ」

 

「分かった」

 

俺は翼とブースターを噴射させシャトルの速度を減速させる

 

『全員聞こえるかこのままだと減速しきれずカラコルム山脈に激突する』

 

「その対象ぐらいやってる!エルザ‼︎」

 

俺がエルザを呼ぶと予め山頂で待機して居たエルザから弦が伸びてそれに沿ってシャトルが上昇する

 

「だが問題はこっからだぞ」

 

「分かっている進路は我々が確保しよう」

 

「頼んだぜ翼、姉さん行くぞ響」

 

「うん!」

 

《ギア・コンバージョン》

 

俺はギアをガングニールに変更して響とシャトルから降りてブースターを噴射させてシャトルを押す

 

「くっ!」

 

「風鳴司令後どんくらいで集落に着く‼︎」

 

『10分と掛からないこのままだと間違いなく集落に突っ込む』

 

「分かった、翼‼︎姉さん‼︎セレナとエルザの支援に行ってくれこっからは障害物もない‼︎」

 

俺がそう言うと翼と姉さんはエルザとセレナの支援に向かう

 

『湊君もう集落まで残り3キロを切ったぞ‼︎』

 

「仕方ないやるだけやってみるか、響以外全員離脱しろ‼︎」

 

「何をするつもりだ湊」

 

「ガンス、直ちに離脱するであります」

 

「私達も離脱するよ」

 

エルザ達が離脱する事で減速していたシャトルが少し加速する

 

「どうするの湊君」

 

「こうすんだよ」

 

俺はフォニックゲインを上昇させながらそう言う

 

「これって…エクスドライブ…これなら‼︎」

 

「一気に畳み掛けるぞ」

 

「うん‼︎」

 

俺と響はフォニックゲインの急上昇によって至ったエクスドライブの力でシャトルを減速させる

 

『湊君残り1キロだ‼︎何とか踏み止まれ‼︎』

 

「残り1キロかやばいな」

 

「止まれ〜‼︎」

 

俺と響が全力で押すとシャトルが停止する

 

「はぁ…はぁ…何とか止まった」

 

「ああ…止まったな」

 

俺と響は止まった地面に寝転びながらそう話す

 

「ねえ、どうして私と湊君はエクスドライブに?」

 

「俺が全ての聖遺物と完全聖遺物に適合すんのは知ってるだろ」

 

「うん」

 

「それには膨大なフォニックゲインが必要になる。あの時に俺の体にはフォニックゲインを生成する臓器が出来たんだ」

 

「それじゃあ湊君の側に居たから私もエクスドライブに?」

 

「多分な…ふぅ、通りでフォニックゲインの必要量が多い訳だ」

 

俺はそう言って立ち上がる

 

「立てるか響?」

 

「ごめんもうちょっと掛かりそう」

 

「そうか「湊君〜!」こっちだセレナ‼︎」

 

俺が立ち上がって暫くするとセレナが俺と響を迎えに来た




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129話

「そんじゃおやすみ」

 

「ちょっと待って欲しいデス‼︎」

 

その夜俺はいつも通り部屋に向かおうとすると切歌に止められる

 

「何だ切歌」

 

「お兄ちゃん忘れてないデスか、昨日は夜更かししない分今日の夜私が満足するまで付き合ってくれるって言ってくれたデスよね」

 

此奴覚えてたのか

 

「偉いな切歌ちゃんと覚えてて」

 

「えへへ、は!ってそうじゃないデス‼︎」

 

俺が頭を撫でると切歌は一瞬気持ちよさそうにするが直ぐに切り替えてそう言う

 

「まあ約束は約束だからな」

 

「やったデス‼︎皆んな待ってるデスよ!」

 

切歌はそう言って俺の手を引く

 

「あ、お帰り湊君」

 

「お前らも居たのか、てっきり俺は全員寝たから来たものかと思ってたぞ」

 

俺が切歌に連れられてリビングに行くと響達も居た

 

「それで全員集まって何するんだ」

 

「これだけ人数が居たら色々できて逆に迷っちゃうね」

 

「それじゃあ定番だけど王様ゲームってどうかな」

 

王様ゲーム…

 

「そもそも王様ゲームって何だ」

 

「湊君そう言うの全然知らなかったね」

 

「今考えるとそうだな」

 

今思うとリューともそう言う遊びとかした事ないしな

 

「それじゃあこれから覚えていけば良いよ」

 

「そうだよミナ」

 

「分かった取り敢えずルールだけ教えてくれ」

 

安藤は俺に王様ゲームのルールを説明する

 

「要するに王ってクジを引けば好きな番号の奴に何でも頼めるって事か」

 

「そうそう」

 

「分かった」

 

要するに一回で王を引けば良い訳だ

 

「それじゃあ始めよう」

 

『王様だーれだ?』

 

響の合図で俺達は全員同時にクジを引く

 

「あ、最初から俺か」

 

「湊が王様なんだ」

 

「みたいだなそれじゃあ今後の王様ゲームは1番〜11番でやってくれ」

 

俺はそう言って席を立つ

 

「ちょっとストップ‼︎」

 

席を立った俺を響が止める

 

「何か間違ったのか?ちゃんと番号で宣言したしルールを守ってると思うんだが」

 

「確かに湊の言う通りルールは守ってるけど」

 

「いやいや!だとしてもこれはないでしょ⁉︎」

 

「何が言いたいんだ響」

 

俺がそう言うと安藤達は苦笑いをして俺を見る

 

「あのね湊君、多分皆んなはもうちょっと湊君と王様ゲームをしたいと思うしもうちょっとだけ付き合ってあげてくれないかな」

 

「まあ別に良いが」

 

俺はそう言ってまた椅子に座る

 

「それじゃあ気を取り直してもう一回‼︎」

 

『王様だーれだ?』

 

「あ、私だ」

 

今度は安藤か

 

「それじゃあ1番が8番を膝の上に乗せて王様ゲーム再開」

 

「1番は俺だが8番は「パパ‼︎」どうかしたか葉月」

 

俺がそう聞くと葉月は1枚の紙を見せる

 

「お前が8番だったのかまだマシな方だったのかもな」

 

そう言って俺は葉月を膝の上に乗せる

 

「葉月ちゃんが8番だったんだそれじゃあ次行ってみようせーの」

 

『王様だーれだ?』

 

「パパこれなんて読むの?」

 

数字じゃないって事は葉月が王様か

 

「このクジ作ったの誰だ?」

 

「私だけど?」

 

俺の質問に響が答える

 

「お前な葉月も居るんだからひらがなで書いてやれよ」

 

「それじゃあ葉月ちゃんが王様なんだそれじゃあ葉月ちゃんどうする」

 

「パパは何番なの?」

 

葉月は直球で俺の番号を聞いてくる

 

「それを言ったら面白くないだろ」

 

「ダメなの?」

 

「どうなんだお前ら」

 

俺がそう聞くと全員が話し合う

 

「話し合いの結果、葉月ちゃんの時だけ皆んなの番号を見せ合う事になりました」

 

「そうかじゃあ葉月この中から好きな人を選べ」

 

俺がそう言うと葉月は俺とセレナの番号を選ぶ

 

「葉月、俺とセレナに何をさせるつもりだ」

 

「パパとセレナお姉ちゃんと一緒に寝たい」

 

成る程こう言うのもありなのか

 

「セレナこれって良いのか?」

 

「ちょっと待ってもう一回話し合いさせて」

 

そう言ってセレナはまた響達と話し合う

 

「ねえ葉月ちゃんどうしてもこれが良いの?」

 

「ダメなの?」

 

まあ葉月には何の悪意も無いんだろうな、ただ純粋に俺とセレナと3人で寝たいだけだろ

 

「どうするセレナ俺は別にどっちでも良いが」

 

「これだけダメとは言えないし、でも流石に一緒に寝るのは…」

 

セレナは顔を赤くしてぶつぶつと何かを呟く

 

「大丈夫デスよセレナ、今まで私もお兄ちゃんと寝た事あるデスけどなにもなかったデスよ」

 

「ちょっと待って、湊君切歌ちゃんと寝たってどう言う事?」

 

切歌の言葉を聞いてセレナが俺に詰め寄って来る

 

「俺の部屋って切歌と調2人の部屋の真正面にあるだろう。それで切歌の奴何度か寝ぼけてこっちに来てんだよ」

 

「私も何度か間違えそうになったけど私達の部屋は2段ベットで私が上だから2段ベットじゃない時点で湊さんの部屋だって分かる」

 

「つまり切歌ちゃんは下を使ってるから間違えちゃうと?」

 

響の言葉に切歌は頷く

 

「もうこの話は辞めよう」

 

「そっそうだね、王様ゲームも辞めよっか」

 

こうして変な空気になったまま王様ゲームは終了、セレナは俺と葉月と寝る事になった




アンケートの結果ヒロインはセレナになりました。アンケートに参加して頂きありがとうございました。
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130話

「セレナお姉ちゃんも一緒に行こう…」

 

「ごめんね葉月ちゃん、私マリア姉さんのマネージャーやるって決めちゃったんだ。時間が出来たら会いに行くよ」

 

数日後、俺達は日本に向かって発射する飛行機の前でセレナと話していた

 

「あの…私達までご一緒して良かったんですか?」

 

「別に良いだろ、ダメな理由も特にないしな」

 

響達はフランスに残るそうだが安藤達3人は用事があるらしく先に俺達と日本に戻る事になった

 

「弓美ちゃん達は忘れ物とかない?」

 

「はい、昨日3人で確認しました」

 

「そっか、それじゃあまたね湊君」

 

「ああ、またなセレナ」

 

俺はそう言って安藤達と飛行機に乗り込んだ

 

「それにしてもミナのそれ凄いね家まで移動させられる何て」

 

「そうですね、これも雪音さんが作られたんですか?」

 

「ああ、一様な」

 

俺がそう言うと安藤達から称賛される

 

「日本でも響さん達が戻って来るまでの間は湊さんの所でお世話になるんだよね?」

 

「ああ、風鳴司令が言うにはそうらしいな」

 

調の問いかけに俺はそう返す

 

「これでもう暫くの間はお兄ちゃんと一緒に居られるんデスね」

 

「だからと言って湊にベタベタしすぎるのはわたくしとルナが許さないでありますよ」

 

「るる、当然」

 

そう言ってエルザとルナも目的地の設定を終えて戻って来る

 

「これってどれくらいで日本に着くの?」

 

「今が10時だから大体14時くらいだな」

 

「普通のだと半日くらいかかるって聞いた事あるけどそれの半分くらいの時間で着くんだ」

 

そう考えるとこれも凄いのかもな

 

「パパトランプしたい‼︎」

 

「良いね!雪音君もやろうよ‼︎」

 

「良いぞ、何するんだ」

 

俺と安藤達がババ抜きや真剣最弱をしながら時間を潰して居る内に日本に着いた

 

「そんじゃ気をつけて帰れよ」

 

「はい、次に会うのは新学期ですね」

 

「それじゃあねミナ」

 

俺は通信機から家を出した後、安藤達はそう言って帰って行った

 

「湊さん今日は何を作るの」

 

「そうだな、何か食べたい物とかあるか?」

 

「そう言われると悩むデスね」

 

「私は湊さんのシチューが食べたい前作ってくれた時殆どシャルロットさんが食べちゃってたし」

 

そう言や彼奴竜化した後だから凄い量食ってたな

 

「彼奴竜化した後って何時も以上に腹減るらしくてな異常なくらいにまで食うんだ」

 

「そう何だ、でもあの大きさになった後だったら納得が行く」

 

「そうデスね、本当凄く大っきかったデスからね」

 

「ご主人私はハンバーグが食べたい。ご主人のシチューも絶品だけどハンバーグも負けないくらいの絶品」

 

「おー!お兄ちゃんのハンバーグにシチュー考えただけでも美味しそうデス」

 

切歌はそう言って涎を垂らす

 

「切ちゃん涎出てるよ」

 

「はっ!」

 

切歌は調に指摘されて涎が出てる事に気づいたのか服の袖で拭き取る

 

「んじゃ今日はハンバーグとカレーにして明日シチューにするか」

 

「るる、ご主人は前もって言ってれば確実に作ってくれるから早めに言って置いた方が良い」

 

「ほえ〜、覚えておくデス」

 

「私も」

 

「そんじゃ買い出しに行くか」

 

俺達はそう言って全員で買い出しに向かった




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131話

〜響side〜

 

湊君達が日本に向かって数分後、私達はS.O.N.G.本部の潜水艦に集まって居た

 

「何だよおっさん湊達が日本に向かってからあたしらを集めて」

 

「この映像を見てくれ」

 

そう言って師匠が再生したのはこの間のシャトルを止める時に湊君と私がエクスドライブに至った時の映像だった

 

「この時響君と湊君のフォニックゲインが異常な程に急激に上昇していた。響君の話によればイギリスで生物兵器にされた際に新たな臓器を形成されたと湊君は言って居たそうだな」

 

「はい、確かにそう言っていましたけどそれがどうかしたんですか?」

 

「これが先日行った湊君のメディカルチェックの結果だ」

 

そこに映された湊君のメディカルチェックの結果に明らかにおかしな部分があった

 

「叔父様これは一体」

 

「気が付いたか翼、此処の臓器これは本来なら人間にはない臓器だそれが湊君の体内に存在している。そして此処から絶えずフォニックゲインが生成されている」

 

「絶えずって事は彼奴が寝てる時もフォニックゲインが生成されてんのか」

 

「ああ、しかし問題はそこじゃない。心臓にあるこれだ」

 

湊君の心臓には以前ガングニールの破片が埋まって居た私の時と同じ様に何かの欠片が埋まっていた

 

「ユノア氏の話だと湊君がフランスに来た時には既にこの欠片は湊君の心臓にあったそうだ。その事からイギリスで起きたシンフォギアの軍事兵器化実験の際に心臓に埋め込まれた物だとユノア氏は考えているそうだ。そして湊君本人はその時の事を一切覚えていないらしい」

 

「叔父様、湊の心臓にある欠片は一体」

 

「分からない、響君の時同様に複雑に組み込んでいて摘出するのは困難な為に手が出せないらしい。そして響君と違うのが侵食が一切ない事だ、つまりこの欠片は起動させて来た聖遺物や完全聖遺物ではいないと言う事だ。しかしこの欠片がいつ侵食を起こすか分からない以上安心は出来ない」

 

「そうだ!私の時みたいに未来が神獣鏡で取り除けば」

 

「残念な事に神獣鏡の修理がまだ終わっていない」

 

未来の使った神獣鏡は私を助けた後に光の放湿が止まりそれから光が出なくなったらしい

 

「現状では神獣鏡の修理が完了するまで湊君を助ける手立てはない。総員は湊君の状態に変化が見られた際は早急に俺かユノア氏に連絡を図るように」

 

『了解‼︎』

 

そう言ってその場は解散になった

 

「まさか湊が立花と同じ状況下にあったとはな」

 

「ああ、彼奴そう言う素振りとか全然見せなかったのによ」

 

「翼さん、私の時と同じ様にこのままだと湊君は死んじゃうんですか?」

 

私の質問に翼さんは首を横に振る

 

「いや、立花の時は侵食が進みすぎて極めて危険な状況下にあったが湊の場合は侵食が無いからまだ命に別状はないだろう。しかしどの聖遺物がきっかけで侵食が起こるか分からない以上最善の注意が必要だ。せめて湊の心臓に埋め込まれた聖遺物が何か分かりさえすればその聖遺物に近づけなければ済むんだが」

 

「それが何か分からないんですよね」

 

「たく…何で彼奴はあたしにも言ってくれなかったんだよ」

 

クリスちゃんは不貞腐れた顔でそう言う

 

「そう言うな雪音、湊には湊なりの考えがあるんだろう」

 

「分かってるよそんくらい」

 

クリスちゃんはそう言うけど何処か納得していない

 

「一先ずは叔父様の言う通り様子を見るしかない」

 

「ああ、そうだな」

 

「でも不思議ですね、湊君ってそう言うの覚えてそうなのに覚えてない何て」

 

私の言葉を聞いて翼さんとクリスちゃんは動きを止める

 

「確かに妙だ、湊がそんな重要な事を忘れるとは思えない」

 

「ああ、もしかするとその記憶が秘密裡に誰かに消されたってのも考えられる」

 

「でも湊君が忘れてるのってその時の事だけなんですよね?そんなピンポイントで消す事って可能なんですか?」

 

「わからない、しかし完全聖遺物の中にその様な事ができる様な物があるのだとするならば湊の心臓にある聖遺物は誰にも知られてはいけない物なのかも知れない」

 

考えれば考える程難しくなる

 

「とっ取り敢えず難しい話は後回しにしましょうよ」

 

「そうだな、今は湊がその聖遺物に近づかない様にするのが先決だな」

 

「ああ…そうだな」

 

話は終わった後もクリスちゃんはまだ納得のいかない顔をしていた

 

〜響side out〜




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132話

「そんじゃ早いうちに勉強済ませるか」

 

「るる、ご主人と同じ学校楽しみ」

 

そう言ってルナは尻尾を振る

 

「あれ?ルナって私達と同じ歳だったデスか?」

 

「るる、私の誕生日は12月24日だから」

 

「クリスマス・イヴに生まれたんだ」

 

調の言葉をルナは頷いて肯定する

 

「それじゃあ葉月ちゃんはどうなるデスか?」

 

「葉月は小学校に通う、勉強はセレナが見てたからある程度できるだろう」

 

「パパ葉月も一緒にお勉強する」

 

「じゃあ一緒にやるか」

 

俺達はエルザを抜いて勉強を始める

 

「お兄ちゃん此処がわからないデス」

 

「何処だ…お前何だよこの字」

 

切歌の字はおよそ切歌と同年代の歳の字じゃなかった

 

「調お前の字も一様確認しておきたいんだが」

 

「うん」

 

調の字は切歌と違い普通の字だ

 

「切ちゃん字を書くの苦手だもんね」

 

「苦手で済ませて良いレベルじゃないだろこれ」

 

「るる、ご主人これで良い」

 

「覚悟してたがお前も大概だなルナ」

 

ルナは切歌程酷くはないが同年代と比べるとかなり下手な部類に入ってる

 

「パパ出来た‼︎」

 

「ちょっと見せてくれ葉月、お前ら葉月でも此処まで綺麗に書けてんだぞ」

 

俺は切歌とルナに葉月の字を見せる

 

「切ちゃんとは大違い凄いね葉月ちゃん」

 

「えへへ」

 

調に頭を撫でられて葉月は嬉しそうにしてる

 

「どうかしたでありますか湊」

 

俺がため息を吐くとエルザが来た

 

「エルザか、実はこの2人の字が思った以上に酷くてな」

 

「少し見せて欲しいであります。これは確かに酷いでありますね」

 

切歌とルナの字を見たエルザも俺と同じ反応をする

 

「ですが切歌は字を何とかすれば大丈夫であります。字は酷いでありますが問題の答え自体は間違ってないであります」

 

「お前この字が読めるのか?俺には読めなかったぞ」

 

「ルナの字を何度も見てる内に段々と分かるようになって来たであります。湊2人はわたくしに任せてもらっても大丈夫であります」

 

「そうか、じゃあ頼んだ」

 

俺がそう言うとルナの顔から血の気が引いていく

 

「ルナ逃げようとしてもダメでありますよ。答えが正解だったとしても相手に何て書いてるか分かって貰えなければ本末転倒、意味がないであります」

 

「るる、それは分かってるでも中々上手くならない」

 

「ルナが毎日頑張っている事はわたくしも理解しているであります。だからもう少し頑張るでありますよ」

 

「るる、分かった」

 

ルナはそう言って立ち上がる

 

「切歌も来るであります」

 

「分かったデス、それじゃあ行って来るデス」

 

「ああ、気をつけろよ」

 

部屋を出て行く切歌にそう言った

 

「湊さんどう言う意味?」

 

「エルザああ見えて結構スパルタ何だよ」

 

「そうなんだ、湊さん此処教えて」

 

「此処か?此処はな」

 

そう言って俺は調に勉強を教えた

 

その夜とある少女の叫び声が家に響き渡った




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133話

「ん…朝か此奴また来たのか」

 

翌日俺が起きると隣で切歌が寝ていた

 

「おい切歌起きろ」

 

「ん…ふぁ〜、おはようデスお兄ちゃん…」

 

「おはようじゃないだろ、何で居るんだよ」

 

調は切歌が何度も寝ぼけて俺の所に来る為2段ベットの上を切歌に使わせる事にした。だから寝ぼけて来る訳はなくわざとだ

 

「じっ実はデスね、昨日の夜エルザに永遠と文字を書かされて居たからかそれが夢に出て眠れなくなったんデス」

 

「それと此処に来るのに関係性が見当たらないんだが」

 

「それはデスね、お兄ちゃんと一緒に寝てたらその夢を見なくなったんデスよ。その後また起きて自分の部屋に戻って寝たらまた同じ夢を見てこれはお兄ちゃんと一緒じゃないと寝られないって思ったから此処で一緒に寝てたデス」

 

よく分からないがエルザの文字の書く練習は切歌にとって夢に出る程の事だったらしい

 

「取り敢えず調が起きない内に戻れ「私なら起きてる」起きてたか調」

 

「うん、切ちゃんが居ないって思ったらそんな事情があったんだ。私の隣に来れば良かったのに」

 

知ってるって事は調の奴結構最初の方から居たな

 

「調の隣でも試してみたんデスよ、でもダメだったデス」

 

「じ〜」

 

「なっ何デスか調」

 

「切ちゃんは私の隣より湊さんの隣に居る方が落ち着くんだ」

 

「ちっ違うデスよ調‼︎確かにそうかも知れないデスけどこれは違うデスよ‼︎」

 

切歌はそう言って部屋を出て行く調を追いかけて行った

 

「朝から元気な奴だな」

 

「パパ…おはよう…」

 

「起きたか葉月」

 

「うん…パパお腹空いた」

 

「起きて朝飯にするか」

 

「うん‼︎」

 

俺と葉月はそう言ってリビングに向かう

 

「調〜、機嫌を直して欲しいデスよ」

 

「湊さん私ご飯が良い」

 

「分かった、葉月はパンとご飯どっちにする」

 

「ご飯‼︎」

 

切歌が調を宥めてる中俺は調と葉月のご飯と昨日の残りのカレーを皿に入れる

 

「熱いから気をつけろよ」

 

「うん!」

 

「ありがとう」

 

調と葉月が食べ始めたので俺も自分の分を準備する

 

「調〜」

 

「湊さん洗い物は私がやる」

 

調は露骨に切歌を避けてそう言う

 

「そうか、じゃあ頼む」

 

「うん」

 

エルザ達も起きて来て全員が朝飯を食べ終わると調は洗い物を始める

 

「何かあったでありますか?」

 

「まあ彼奴らの中で何かあったのは事実だろうな」

 

何があったかは知らないが

 

「ぐす、調が全然私の事を見てくれないデスよ」

 

「あれは俺達から見てもお前の事を避けてる様にしか見えないな」

 

まさか調が此処まで切歌を避ける日が来るとはな

 

「一先ず今日の所は辞めとけ余計に避けられるだけだ」

 

「はい」

 

切歌はあからさまに落ち込んで返事をする

 

「なあ切歌、この後ゲーセンにでも行くか」

 

「ゲーセン‼︎行くデス‼︎調も一緒に行かないデスか?」

 

「……」

 

さっき辞めとけって言ったばかりだろ

 

「俺と葉月とお前で行くぞ」

 

「分かったデス」

 

そう言うと切歌は落ち込みながら自室に向かって行った




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134話

「おー!此処がゲームセンター‼︎買い物以外でショッピングモールに来るのは初めてデス‼︎」

 

「そうか「ご主人…」あー、お前にはキツイかもな」

 

「此処煩い…」

 

そう言ってルナは帽子越しに両手で耳を塞ぐ。現在俺達はゲームセンターに来てるのだが嗅覚と聴覚が発達した獣人には此処は厳しかったらしい

 

「大丈夫ルナお姉ちゃん?」

 

「るる、葉月ちゃんが楽しいって言ってたから我慢する」

 

「持って来てて正解だったな、ルナこれをつけてろ」

 

俺はルナに音を緩和するヘッドホンを渡す

 

「るる、ありがとうご主人」

 

「それとその帽子はあまり取るなよ、取るとしても人目につかない所でとれ」

 

「分かった」

 

俺はそう言ってルナ達と中に入る

 

「切歌お金渡しとくから好きに遊んで来い」

 

「こんなに沢山…ありがとうデス‼︎ルナ一緒に行くデス」

 

「るる、それじゃあご主人また後で」

 

そう言ってルナと切歌は走って行った

 

「パパあの熊さん取って‼︎」

 

「あれか?」

 

「うん‼︎」

 

葉月の目線の先には大きなクマのぬいぐるみがあった

 

「デカイな、お前と同じくらいの大きさあるぞあれ」

 

葉月の身長が112㎝それと同等だからかなり大きい人形だ

 

「て言うか誰かやってるな」

 

「もう辞めようよ春香ちゃん」

 

「う〜ん、此処までやったけどそろそろお金も厳しいし辞めとくよ」

 

「うん、そうしよう。すみませんお待たせしてしまって」

 

そう言ってその少女はその場を後にしようとするがもう1人が俺をじっと見ていた

 

「何だ」

 

「ん〜、この人どっかで見た事あるんだけど…どこだったかな」

 

「人違いじゃないのか、俺はお前を見た事ない訳だし」

 

「あ、思い出した。前に火憐を家まで連れて帰って来てくれた人だ」

 

本当に会った事があったのか、てか火憐って誰の事だ

 

「春香ちゃん本当に会った事あるの?」

 

「と言うよりも見ただけなんだけど、ほら前にあった風鳴翼の出たアーティストフェスあの日に火憐がお母さんの誕生日プレゼント買いに行ってたんだ」

 

お母さん…誕生日…あ、彼奴か

 

「そうだったんだ」

 

「うん、それで名前も何も言わずに帰っちゃったから火憐もまた会いたがってるのに会えずじまいだったんだ」

 

当たり前だそう何度も会う訳ないだろ

 

「それで結局何の用だ」

 

「次に取る時の参考にしようと思ってあ、私神無月春香って言います」

 

「鳩木佳奈子です。宜しくお願いします」

 

「雪音湊だ」

 

「雪音葉月‼︎」

 

俺達は互いに自己紹介をする

 

「参考って言っても俺もそこまで上手い訳じゃないぞ」

 

「そんな訳無いじゃないですか、そのお菓子とぬいぐるみの数々かなりの熟練者と見ました」

 

「偶々かも知れないだろ」

 

「そうだとしても見ておこうと思うんです」

 

そう言って神無月は目を輝かせる

 

「別に良いが、邪魔だけはするなよ」

 

「しませんよそんな事」

 

神無月がそう言うので俺はぬいぐるみを取り始める

 

「取れたぞ葉月」

 

「わーい!ありがとうパパ♪」

 

葉月は嬉しそうにそのぬいぐるみを抱きしめる

 

「改めて見ると本当にデカイな」

 

「湊さんやっぱり上手いじゃないですか!まさかあんな簡単に取っちゃうなんて」

 

「あれくらい慣れればいけるだろ」

 

「湊さんもう一度挑戦するので見ててアドバイスを下さい」

 

「春香ちゃんもう辞めるんじゃなかったの⁉︎」

 

「湊さんが居る今ならいけるって」

 

その自信は何処から出て来るんだ

 

「よし取れた」

 

「さっきよりも早く取れたね」

 

「やっぱり湊さん上手いじゃないですか、これで上手くないって謙遜し過ぎですよ」

 

そう言って神無月は取り出し口からクマのぬいぐるみを取り出す

 

「偶々だろ」

 

「春香ちゃんそろそろ行こう皆んな来たって」

 

「そうだね、湊さん火憐が会いたがってましたし連絡先交換しましょう」

 

「私もお願いします」

 

「別に良いぞ」

 

そう言って俺は神無月と鳩木の2人と連絡先を交換する

 

「また連絡しますね」

 

「失礼します」

 

神無月と鳩木はそう言って何処かに向かって行った




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135話

「ふぅ〜、楽しかったデスねゲームセンター」

 

「るる、沢山取れた」

 

ルナは満足そうにそう言って袋を抱える

 

「お前ら何処に行ったと思ったらそんなの取ってたんだな。しかも結構な数取れてるし」

 

ルナの持ってる袋の中身の形からしてフィギアでも取ってたんだな

 

「これの半分がルナでもう半分は私が取ったんデスよ」

 

「るる、頑張った」

 

「随分とご機嫌だな、切歌お前が持ってるそれには何が入ってるんだ?」

 

俺は切歌が大事そうに持ってる袋の中身を聞く

 

「これデスか?これは調へのお土産デス、これで調とも仲直り出来る筈デス」

 

(仲直りとか以前にお前は何も悪く無いんだけどな)

 

多分だが調は不安なんだろう何時も一緒だった切歌が俺に取られたんじゃ無いかって

 

「それでいくら残ったんだ?」

 

俺がそう聞くと切歌とルナは残額を俺に見せる

 

「10万円渡して8万円とちょっとか結構残ってるな、決めたこれをお前らで2人分に分けろそれが今月の小遣いだ」

 

「良いんデスかこんなに貰っちゃって」

 

「本当はルナの場合もっとあっても良いんだがエルザの話だとそうすると無駄遣いが過ぎるって話だからな」

 

「うっ、事実だから何も言い返せない」

 

そう言ってルナは罰の悪そうな表情を浮かべる

 

「そんなに酷いデスか?」

 

「エルザの話によると1ヶ月で漫画とゲームに8万円使い込んだらしい」

 

「漫画やゲームに8万円も⁉︎む〜、それはちょっと羨ましいデス」

 

羨ましいのかよ

 

「それでそんな生活が2ヶ月くらい続いた時にエルザが怒って小遣い制にしたんだ」

 

「るる、でも今回はエルザからのお小遣いよりかは多い」

 

「そうなのか?次からの参考にするが大体どれくらい貰ってるんだ?」

 

「2万円…次のお小遣い前はいつもギリギリ」

 

2万円って結構減ったな、まあ仕方ないと言えば仕方ないんだろうが

 

「ルナその4万円を無駄遣いせず使ってみろ。そうすればエルザも小遣いの額を上げてくれるだろう」

 

「るる、頑張ってみる」

 

「頑張るデスよルナ」ぐぅ〜

 

そう話して居ると切歌のお腹が鳴る

 

「あはは…お腹空いて来ちゃったデスよ」

 

「パパ、葉月もお腹空いた」

 

「そうだな丁度昼時だしどっかで食べるか」

 

「ご主人私彼処が良い」

 

ルナはフードコートを見てそう言う

 

「彼処は私も知ってるデス!沢山あるお店の中から自分の好きな所のご飯が食べれる場所だった筈デス」

 

「やけに詳しいな切歌」

 

「1回だけ調と2人で来た事があるデス」

 

俺の問いかけに切歌はそう答える

 

「俺と葉月も前に響と未来に連れられて1回来た事あるくらいだからな、葉月お前も彼処で良いか?」

 

「うん!葉月うどんが食べたい!」

 

「わたしは何にするデスかね。たこ焼きにカツ丼何処を見ても美味しそうな食べ物で一杯デス」

 

「ご主人あっちにアイスもある」

 

「待てよお前ら先に座る場所の確保だろ」

 

そう言って俺は座れる場所を探す

 

「彼処が空いてるな、俺と葉月は残ってるから切歌とルナは先に注文して来い」

 

「ありがとデスお兄ちゃん、それじゃあ行くデス」

 

「るる、ご主人行って来る」

 

そう言って切歌とルナは人混みの中に消えて行った




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136話

「それで何処まで伸びた?」

 

「ガンス、2人共もう大丈夫そうであります」

 

数ヶ月後、そろそろ勉強に移らないと入試に間に合いそうにない為そう聞いた所机で突っ伏す2人を後ろにエルザはそう答える

 

「随分と上達したな」

 

「ご主人…ルナ頑張った…」

 

「ああ、お疲れさん切歌もかなり良くなったな。切歌?」

 

よく見ると切歌は机に突っ伏したまま寝ていた

 

「まあ今日くらいは多めに見ても良いか「湊さん」調か悪いが切歌を部屋まで運んでやってくれ」

 

「うん」

 

調は俺の言葉に頷き切歌を背負って部屋まで向かって行った

 

「もう大丈夫そうでありますね」

 

「そうだな」

 

結局の所俺が思って居た通り調のあの態度は不安から来るものだった。だから仲直りも何も調が自分でその不安を何とかしない限り一生悩み続ける事になるだろう

 

「ご主人…」

 

「頑張ったなルナ」

 

俺がそう言ってルナの頭を撫でるとルナは目を細めて直ぐに寝息を立てる

 

「疲れも溜まっていたみたいでありますね」

 

「お前も良くやってくれた。ありがとなエルザ」

 

「わたくしはただルナと切歌の2人を手伝っただけであります。此処まで伸びたのは2人が本当に頑張ったからでありますよ」

 

エルザは俺の隣に座り俺同様にルナの頭を撫でる

 

「ご主人…」

 

「わたくしもそろそろルナを連れて部屋に向かうであります」

 

「ああ、おやすみ」

 

「おやすみなさい」

 

エルザはそう言って調と同じ様にルナを背負って部屋に向かって行った

 

「俺も自分の部屋に行くか」

 

そう言って俺も自分の部屋に向かう

 

〜調side〜

 

「ふぁ〜、あれ?私いつの間に寝ちゃったデスか?「おはよう切ちゃん」調って事は此処は私達の部屋デスか?」

 

「うん、切ちゃん文字の書き取りが終わった途端に寝ちゃったんだよ」

 

私は此処に来るまでの事を切ちゃんに説明する

 

「そうだったデスか、そう言えば最近あまり元気がないけど何かあったデスか?私で良かったら相談に乗るデスよ」

 

「切ちゃん…実は…」

 

私は切ちゃんと湊さんの事を伏せて話をする

 

「成る程、昔から仲の良かった友達が最近出来たお兄さんとばかり仲良さそうにしていて調の事を忘れてる様に感じると」

 

「うん、今までずっと一緒だったのにみな…そのお兄さんと仲良くなってから私よりもそのお兄さんと仲良くしてる時間が増えて」

 

「知らなかったデス、私とアリス以外に調にそんなに仲の良い友達が居ただなんて」

 

(切ちゃんと湊さんの事だよ)

 

私は声に出さずに心の中で切ちゃんに訴える

 

「そうデスね、私もお兄ちゃんが出来たから一緒に過ごすのはお兄ちゃんの方がちょっと多くなってるかもデスね」

 

(切ちゃん)

 

「でも私はお兄ちゃんと一緒の時間も大事デスけどそれ以上に調との時間が凄く大事デスね。だってお兄ちゃんが出来ても調が親友って事は絶対に変わらないデスから」

 

「切ちゃん」

 

「その友達もきっと私と同じデスよ、その子にお兄さんが出来たとしても私にお兄ちゃんが出来ても私とその友達の事を調はお兄ちゃんとその友達のお兄さんよりも知ってる筈デス。だからもっと自信を持って欲しいデス」

 

切ちゃんは笑ってそう言う

 

「うん、ありがとう切ちゃん元気出た」

 

「それは良かったデス、所で調ちょっと一緒に来てもらっても良いデスか?」

 

「?どうしたの切ちゃん?」

 

私は切ちゃんに言われるがまま着いて行く

 

「調ちゃんと居てくれてるデスよね⁉︎」

 

「居るよ切ちゃん」

 

「なっなら何か話して欲しいデス」

 

私は切ちゃんに一緒にトイレに連れて行かされた

 

〜調side out〜




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137話

数日後、遂に私立リディアン音楽院の受験の日が来た

 

「切歌、調ルナ全員忘れ物無いか確認したか?」

 

「大丈夫デスよお兄ちゃん」

 

「私と切ちゃん2人で昨日の内に確認したから後は行って試験を受けるだけ」

 

「るる、問題ない」

 

昨日2人で何かしてると思ったら準備してたのか

 

「パパ、葉月も「葉月ちゃん、湊達はこれから大事な用事をしに行くでありますわがままを言って困らせてしまってはダメでありますよ」わかった、パパ早く帰って来てね」

 

「マスター葉月様の事は私とエルザ様がお相手をしています」

 

俺達が受験に行って居る間葉月の面倒はエルザとユナが見てくれるらしい

 

「出来るだけ早く戻る」

 

俺はそう言って葉月を撫でる

 

「それじゃあいってくる」

 

「「いってきます」」

 

葉月とエルザとユナにそう言って私立リディアン音楽院に向かった

 

「それにしても良かったね切ちゃん読める字が書ける様になって、私最初に切ちゃんとルナの字見たときダメなんじゃ無いかなって思ってたから」

 

「そうだな」

 

リディアンに向かって居る途中にそう言う調に俺も頷く。切歌はかなりギリギリまで苦労して居たが普通に読める字が書けるようになった。

 

「本当に間に合って良かったデスよ」

 

「るる、頑張った」

 

そう言ってルナは握り拳を作る

 

「調も最後の方は俺に聞く事も少なかったしこれなら大丈夫だろ」

 

「うん、ありがとう湊さん」

 

調は笑ってそう言う

 

「それにしてもお前ら2人が字が読めれば大丈夫だったのが本当に意外だ」

 

「お兄ちゃんそれは間違いなく私達をバカにしてるデスね?」

 

「るる、ご主人酷いちょっと傷付いた」

 

「悪かったな普段のお前らを見てたら如何もそう思えて仕方なかったんだ。着いたぞリディアン音楽院」

 

切歌達と話している間にリディアンが見えて来た

 

「ルナとは別室になっちゃったデスね」

 

「そうだな、にしても相変わらず男女の比率がおかしな事になってるな」

 

テストを受ける教室に着いて1つ思った事が男女の人数の差だった。俺の受ける教室に居る男子は指で数えられる程度しか居らず大半は女子だ。仕方ないと言えば仕方ない事なのかもしれない、リディアンが共学になったのは2年前から、それまでは女子校だったのだから必然的に女子が多くなる

 

「そう言えば湊さんは去年まで此処に通ってたのにどうしてまた試験を受けなきゃいけないの?」

 

「俺は留学生って事でリディアンに来てたからな、留学の期間が終わったからまた試験を受ける羽目になったんだ」

 

「そうだったデスか、お兄ちゃん始まるまでのちょっとの間も勉強手伝って欲しいデス」

 

「私も」

 

「ああ、分かった」

 

そう言って俺は試験監督の教師が来るまでの間、切歌と調の勉強を手伝った

 

「いやー、これでしばらく勉強はしなくて済むデスね」

 

「るる、思う存分遊ぶ」

 

「そうだね、でもルナも切ちゃんも勉強についていけなくなったら大変だから少しはしようね」

 

「お前ら余裕だな、もし落ちてたらまた別の学校探すんだぞ?」

 

俺がそう言うと切歌と調とルナの動きが止まる

 

「今はそう言う事言うのやめて欲しいデスよ」

 

「ご主人…今はダメ」

 

「出来る事はやったでもそれで落ちちゃったら…湊さんこの話辞めない?」

 

「俺が言っといて何だがそうだな」

 

俺達は微妙な空気の中歩き始める

 

「湊さ〜ん…」

 

「待って…春香ちゃん…」

 

「ん?なあ今なんか聞こえなかったか?」

 

「私には何も聞こえなかったデスよ?」

 

「私も」

 

「るる、何か聞こえた気がするけど分からなかった」

 

「だよな、まあ良いか」

 

そう言って俺達は帰宅した




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138話

「お帰りなさいませマスター」

 

「ああ、ただいまユナ」

 

俺達が家に着くとユナが玄関前で待って居た

 

「皆様もお疲れ様でした。中で響様達がお待ちしています」

 

「響達が来てるのか?」

 

「はい」

 

彼奴ら何の用だ?

 

「ご主人、早く入る」

 

「ああ、悪いな」

 

俺はそう言って中に入って行く

 

「お帰り湊君、どうだった試験」

 

「まあ、一度受かったんだから落ちる事はないだろ」

 

「だろうな」

 

俺の言葉に姉さんはそう返す

 

「それで何の用だ?」

 

「エルザとユナの2人だけじゃ大変だと思ってな、あたしらも葉月の相手をしに来たんだ」

 

成る程そう言う事か

 

「パパ!お帰り‼︎」

 

「ただいま」

 

「ルナお姉ちゃん達もお帰り」

 

葉月は俺に飛びついた後ルナ達の方にも走って行く

 

「るる、ただいま」

 

「ただいま葉月ちゃん」

 

「ただいまデス!」

 

「葉月ちゃんが走って行ったと思ったらやっぱり帰ってたんだお帰り」

 

そう言って葉月が俺達が帰って来るまでまで一緒に居た未来も来た

 

「そう言えば翼はどうしたんだ?」

 

「翼さんは緒川さんと今後の予定を立ててるよ」

 

そう言えば翼は卒業して後は海外に行くんだったな

 

「湊帰ったでありますか」

 

「ああ、にしても大人数で葉月を見てたんだな」

 

「殆ど未来さんが見ていたであります。クリスさんとミーシャは家の事を手伝ってくれましたが響さんに頼んだ筈の事をミーシャがやって居て驚いたであります」

 

まあ響の事だから自分でやろうとはしたんだろうな

 

「いや〜、ミーシャちゃんが思ってたより何でも出来る子でさ」

 

「ミーシャちゃん教えたら教えただけ出来るようになるから私も教えがいがあるよ」

 

「終わりましたエルザさん、湊さん戻って居たんですね」

 

「ああ、ついさっきな」

 

そこに何かをして居たミーシャがこっちに来る

 

「でも響がミーシャちゃんが来る前より朝起きれなくなっちゃったんだよね」

 

「あはは、ミーシャちゃんと未来が何度か起こしてくれるんだけどね」

 

響は苦笑いをしてそう言う

 

「お姉様はもう少し早く睡眠を取った方が良いんじゃないですか?」

 

「分かって居ても中々出来ないんだよね」

 

「生活習慣の乱れは中々直らないそうでありますから早めに対処を取った方が良いとわたくしは思うでありますよ」

 

「確かにお姉様は夜遅くまで起きてる事も多いですね」

 

「そうだね、偶に私達とミーシャちゃんが寝た後も起きてる事もあるし」

 

「あの〜、未来?ミーシャちゃん?」

 

響が話しかけるが2人は話し合いを辞めない

 

「響ミーシャちゃんと話し合ったんだけど今日から夜の10時以降は携帯は禁止、それと私達に隠れてお菓子を食べるのも禁止」

 

「なっ何の事?」

 

響の奴隠すの下手過ぎだろ

 

「お姉様がベットの下にお菓子を隠して居る事は私も未来さんも知っています。それと浴室の着替えの奥の方にもこれは今までは私しか知りませんでしたけど」

 

「嘘⁉︎そこまで知られてるの⁉︎」

 

「はい、お姉様が隠しそうな所は大体予測が付きます」

 

本当に凄いな未来も気付かなかった所まで気付くなんて

 

「ミーシャちゃんが来てくれて良かったよ。これからも響を宜しくね」

 

「私もお姉様や未来さんと同じ部屋に住めて嬉しいです」

 

その後も響は色々と制限をかけられて居た




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139話

「あっそうだ忘れてた」

 

「なにを忘れてたんだ響、今日此処に泊まるとかだったら即座に追い出すからな」

 

「違う違う、それはエルザちゃんとユナさんに許可取ってるよ」

 

そう言われて俺はエルザを見る

 

「確かに確認の連絡は貰ったであります。わたくしは未来さんとミーシャであれば許可をしても良いと言ったであります」

 

「つまり響はダメだと」

 

「ガンス」

 

俺の言葉にエルザは頷く

 

「だそうだ」

 

「そんな⁉︎何で私はダメなの⁉︎」

 

「自分の胸に聞いてみるであります」

 

多分だがエルザは出会い頭に尻尾を触られた事をまだ根に持っているんだろう

 

「エルザちゃんもしかして響が出会い頭に尻尾触っちゃった事まだ怒ってる?」

 

「それもあるでありますがあの人は落ち着きが無さすぎるであります」

 

「あ〜、お前静かな方が好きだからな」

 

響が居ると騒がしいから嫌だって言うのもあるのか

 

「切ちゃんは大丈夫なの?」

 

「切歌はあの人程物分かりが悪い訳ではないでありますからね」

 

「とほほ、これは相当嫌われてるよ」

 

「こればかりはお姉様が悪いと思います」

 

流石のミーシャも出会い頭に尻尾を触った事に対するフォローは出来なかったらしい

 

「それでそうじゃないなら何を忘れてたんだ?」

 

「そうだった、切歌ちゃんと調ちゃんの住む場所が決まったって師匠が言ってたよ」

 

「本当デスか響さん!」

 

「待って切ちゃん、それってもしかして湊さん達の所から移動しなきゃダメって事?」

 

「う〜ん、湊君達が良いなら別に移動しなくても良いんじゃないかな?」

 

響がそう言うと切歌と調は此処の責任者である俺を見る

 

「まあ折角用意してくれたんだからそっちに移ったらどうだ」

 

「私達が居たら邪魔デスか?お兄ちゃん?」

 

「別に距離的にも離れてる訳じゃないんだろ響?」

 

「えっと確か此処に住所と写真が…あった。此処から5分くらい歩いた所にあるマンションだよ」

 

歩いて5分それなら近い方だろ

 

「まあ来たくなったら何時でも来れば良い」

 

「お兄ちゃん、分かったデス。お兄ちゃんお世話になったデス」

 

「私も楽しかった」

 

切歌と調はそう言って俺に頭を下げる

 

「わたくしも楽しかったであります」

 

「るる、偶に遊びに行く」

 

「葉月も行く!」

 

「そんじゃ荷物整理始めろ」

 

俺がそう言うと切歌と調は自分達の荷物をまとめ始めた

 

「これで全部か?」

 

「はいデス!」

 

「運べないのは2段ベットくらい」

 

「そうか」

 

俺はそう言って2段ベットを通信機の中に収納する

 

「それじゃあ早速行くぞ」

 

「了解デス、それにしてもあんな大きなベットがこの中に入る何ていつ見ても不思議デス」

 

「そう言う風に出来てるからな」

 

俺達は荷物を持って響の案内の元切歌と調の住むマンションに向かった




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140話

翌日、エルザとルナと葉月の3人は買い物に行き俺が1人でのんびりとしていると電話が掛かって来た

 

「もしもし」

 

『あ!湊さんですか!良かったちゃんと繋がった』

 

この声に俺は聞き覚えがあった

 

「もしかしてだが神無月か?」

 

『はい、神無月春香です!』

 

俺の問いかけに神無月はそう返す

 

「どうかしたのか神無月」

 

『この前話したじゃないですか、妹が会いたがってるってこの後時間って空いてますか?』

 

「ああ空いてるぞ」

 

『この後妹に会ってもらって良いですか?』

 

何だそんな事か

 

「別に良いぞ」

 

『ありがとうございます、駅の近くにある美味しい甘味処って知ってますか?』

 

「ああ、知ってるぞ」

 

『そこに来て下さい、お母さんから火憐を助けてくれたお礼って事で奢る分と渡す分のお金も預かってますから、佳奈子も来るんです』

 

鳩木も来るのか、それにお金は有り余る程持ってるから別に良いんだけどな、でも折角の行為を無駄にする訳にはいかないな

 

「分かった今から向かう」

 

『私達も今から向かいます』

 

神無月はそう言って電話を切った

 

「湊さん!こっちです!」

 

俺が店に入ると神無月が立ち上がり俺に向かって手を振る

 

「春香ちゃん周りの人に迷惑だよ」

 

「でもこの方が私達が何処に居るか分かりやすいでしょ?」

 

やっぱり神無月の奴薄々気づいてたが響と同じ性格か

 

「そんな大声で呼ぶ必要無かっただろ」

 

「でも湊さん私達の事探してましたよね?」

 

「確かに探してたが「お兄さん!」久しぶりだな」

 

俺と神無月が話していると以前に俺が助けた神無月妹が俺に飛びついて来た

 

「それにしても湊さんがリディアン音楽院の入試に居た時は驚いたね佳奈子」

 

「うん、湊さん私と春香ちゃんより年上だと思ってたのに同じ歳だった何て」

 

「何言ってんだ?俺は2年の編入試験を受けに行ったんだぞ」

 

「それじゃあやっぱり年上何だ」

 

「ああ、でもだからって敬語とか使う必要とかないぞ俺そう言うの苦手だから」

 

俺がそう言うと鳩木と神無月は安堵する

 

「それより火憐、湊さんの邪魔になるからちゃんと椅子に座りなよ」

 

「嫌!此処が良いの!」

 

神無月妹は俺が来てからずっと俺の膝の上に座って居る

 

「まあ葉月の奴もこうする事あって慣れてるから気にすんな」

 

「葉月ちゃんってこの間居たあの子ですよね?」

 

「そうそう、湊さんに全然似てない女の子」

 

本当の家族だから似てなくて当然だろ

 

「実はな、葉月の奴は元々捨て子だったんだ」

 

「え〜‼︎あんな可愛い子捨てたの⁉︎」

 

「それは可哀想ですね」

 

「今は凄え楽しそうにしてるけど前はあんま人と関わろうとしなかったんだよ」

 

勿論嘘だ、しかしネフィリム云々を一般人に話す訳にはいかない

 

「そう言えば佳奈子、湊さんに聞きたい事あったんじゃ無かったの?」

 

「そうなのか?」

 

「はい、今も何ですが何も無い所から歌が聞こえるんです」

 

「歌が?」

 

「はい、春香ちゃんもなんだよね?」

 

「うん、何なんだろこの歌別に嫌な気持ちにはならないけどちょっと気味が悪いかな」

 

何も無い所から歌か、一様聞いてみるか

 

「その中に固有名詞って言って分かるか?」

 

「はい、何とか」

 

「私は分かりません」

 

分からないのは神無月だけか

 

「固有名詞ってのは例えばお前の名前の春香とか冷蔵庫とか他と区別するためのものだ」

 

「成る程、それじゃあこの英語みたいな歌の中にそれがあるって事だよね佳奈子?」

 

「そうじゃないかな?私は多分これだと思うエアリアル」

 

「う〜ん…私はこれかな?グレンデル」

 

エアリアルとグレンデル…これは間違いなさそうだな

 

「鳩木、神無月お前達のその歌の原因を俺は知っている」

 

「本当‼︎」

 

「ああ、だが此処じゃ言えない事だ」

 

「誰にも言えない…何か深刻な事話ですか?」

 

捉え方によっては深刻になるかもな

 

「詳しい話は明日話す今日同じ時間に此処で待ち合わせだ」

 

「はい、ほら帰るよ火憐」

 

「嫌‼︎お兄さんともっと遊びたい‼︎」

 

「我が儘言わないの」

 

神無月は神無月妹を俺から引き離そうとするが神無月妹はそれに対抗して俺から離れない

 

「仕方ない、遊んでやるから離れろ」

 

俺がそう言うと神無月妹は満面の笑みを浮かべて離れる

 

「ごめんなさい湊さん」

 

「いや、気にするなそんじゃ遊ぶか」

 

「うん‼︎」

 

その後、神無月妹や神無月と遊んでいるとエルザ達と鉢合わせ色々とあった




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141話

「おはようございます!湊さん!」

 

「おはようございます、湊さん」

 

「来たか鳩木、神無月」

 

翌日、昨日と同じ時間に神無月と鳩木が昨日の喫茶店に来た

 

「それで湊さん歌の事何ですが」

 

「ああ、場所を移す…こんな時に」

 

『聞こえるか湊君!』

 

俺がノイズの出現を確認すると同時に風鳴司令から通信が入る

 

「ああ、分かってる俺の付近でノイズの発生だろ」

 

『ああ、だが数が数だ響君達も向かわせる。それまで耐えろ!』

 

「分かった」

 

俺がそう言うと風鳴司令は通信を切る

 

「湊さん今ノイズって言いませんでした?」

 

「ああ、ノイズが出現した場所も此処からそう離れてない」

 

「危ないじゃないですか!今直ぐシェルターに向かわないと」

 

鳩木の反応は正しい寧ろこれが本来ノイズへの反応だ

 

「そう言う訳にはいかない、俺にはやるべき事があるんだからな行くならお前ら2人で行って来い」

 

「湊さんもしかして私達の歌ってノイズに関係してるんですか」

 

神無月が真剣な表情でそう聞いて来る

 

「何でそう思う」

 

「火憐が話してたんです。歌を唄いながらノイズと戦ってたって、だったら私達のこの歌もノイズに何か関係があるんじゃないですか?」

 

「ああ、ノイズには関係あるな」

 

「だったら私も闘います」

 

「春香ちゃん…春香ちゃんが戦うなら私も戦います!此処で私だけ逃げたらきっと後悔しちゃうから、だから後悔しない為に戦います!」

 

神無月と鳩木は逃げるのは辞めて戦う事を選ぶ

 

「仕方ない、いきなりの実戦だがノイズは待ってはくれないからな」

 

「「はい‼︎」」

 

俺は神無月と鳩木にペンダントを渡す

 

「湊さん一体…」

 

「何なんですかこれ?」

 

「説明は後でいくらでもしてやる。今は目先の事だけ考えてお前達の聞こえた胸の歌を信じろ、来るぞ」

 

俺がそう言うと鳩木と神無月は頷く

 

〜Hope blade grendel tron〜

 

〜Desperta signe aerial tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺達は聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

〜弦十郎side〜

 

「司令!湊君のサンダルフォン以外にも2つのアウフヴァッヘン波形を検知‼︎」

 

「何だと⁉︎直ぐにモニターの確認を急げ‼︎」

 

(新たな敵勢力か…それとも新たな戦略となる味方か…出来れば後者であると望みたい物だ)

 

「モニター出ます‼︎」

 

そこに映し出されて居たのは湊君の後ろに立ってギアを纏う2人の少女だった

 

「アウフヴァッヘン波形の照合確認出来ました。エアリアルとグレンデルだと思われます」

 

エアリアルにグレンデル何方も初めて聞く名前だ

 

「湊君との通信は」

 

「可能です」

 

もしもの時の通信も可能か

 

「グレンデル並びにエアリアル装者、湊君とノイズとの交戦を始めました!」

 

「つまり少なからず我々の湊君の味方ではあると言う事か、一先ずは様子を見るが何が起こるか分からない全員警戒を怠るな‼︎」

 

『はい!』

 

俺の言葉にその場に居る全員がそう返した

 

〜弦十郎side out〜




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142話

「何これ⁉︎どうなってるの⁉︎」

 

「これは弓かな?」

 

神無月は自分の持ってる剣や纏ってるギアを見て驚きを隠せずに居る。鳩木は意外な事に姿はそこまで気にしてなく持っている武器を見ていた

 

「神無月、驚いてる事悪いが今は目先の事に集中してくれ」

 

「はい、でも良かった剣で重すぎなくて軽すぎないしまるで私の為に作られた剣みたい、佳奈子はどう?」

 

神無月は剣を振りながら鳩木にそう聞く

 

「私も弓だから何とかなると思う」

 

「お前ら話はそれくらいにしろ」

 

「はい!とりゃー‼︎」

 

神無月はそう言ってノイズの集団に突っ込んで行く

 

「たく、性格が似てるなら行動もあのバカと一緒かよ!」

 

「はあ!」

 

《疾風》

 

鳩木の放った緑のエネルギーは途中で3つに分裂してそれぞれノイズに命中する

 

「後方からの支援は私がします。湊さんは春香ちゃんをお願いします」

 

「分かった、鳩木広範囲にさっきのを撃てるか」

 

「やってみます」

 

俺は鳩木のその言葉を聞いてノイズに突っ込んで行った神無月の元に向かった

 

「避けろ神無月!」

 

「はい!やあ‼︎」

 

《雷鳴》

 

俺は神無月を囲むノイズに向けて無数の雷を纏った剣を具現化させ飛ばすと神無月は上手い具合にそれを避けて仕留め損ねたノイズを倒す

 

(鳩木と言い神無月と言いこれは中々に掘り出しものかもな)

 

「やあ‼︎」

 

《水龍天翔斬》

 

神無月は靴底の穴から水を噴射させて早速し水を纏う龍と化して大型ノイズに突貫して大型ノイズを貫通する

 

「はぁ…はぁ…流石に無茶し過ぎた…」

 

神無月は剣を地面に突き立ててそう言う

 

「まあ初めてであれだけ出来れば上出来だろ「湊さん!春香ちゃん!避けて!」分かった、ほら行くぞ神無月」

 

「わわ‼︎おっ重くないですか…」

 

「人1人くらいなら余裕で運べる、良いぞ鳩木!」

 

「はい!」

 

《風華天翔》

 

鳩木が上空に向けてエネルギーを放つと空から無数のエネルギーが降り注ぎノイズを殲滅した

 

「終わったんですよね…」

 

「私達がした事なんですよね…」

 

ノイズを殲滅し終わった後鳩木と神無月は俺にそう聞いて来る

 

「ノイズも倒し終わったし、これは全部俺達がした事だ」

 

「まだ少し実感が湧かない」

 

「私もです。まさか父が言っていた事が本当だったなんて」

 

鳩木の言葉に俺は耳を疑った

 

「父の言っていた事?」

 

「はい、私が小さい頃ですがノイズの対処を専門にする所に勤めて居たらしいです」

 

ノイズの対処を専門にする所ね…絶対に風鳴司令の関係者だ

 

「一先ず出発するぞ」

 

「「はい」」

 

鳩木達は戸惑いながらも俺に着いて来る

 

「此処って海ですよね?」

 

「ああ、此処で待ってれば良い」

 

暫くすると水面から潜水艦が姿を現す

 

「此処に入るんですか?」

 

「ああ、心配しなくとも何もしない」

 

俺がそう言うと鳩木と神無月は互いに顔を見合わせて頷き潜水艦の中に入って来た




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143話

「おい、風鳴司令昨日話してた奴連れて来たぞ」

 

「そうか、ん?佳奈子君じゃないか随分と久しぶりだな」

 

「弦十郎さん?こんな所でどうしたんですか?」

 

やっぱり風鳴司令と鳩木は知り合いだったのか

 

「佳奈子この人知り合い?」

 

「うん、お父さんとお母さんの幼馴染でお父さんは前の仕事の同僚だって」

 

「全く、清吾郎の奴は口外は厳禁だと言ったんだがな」

 

どうやら鳩木と風鳴司令は父親と母親経由で仲良くなったらしい

 

「司令、エアリアルを纏って居たのは佳奈子ちゃんで間違いない様です」

 

「そうか、君がグレンデルの装者か俺は風鳴弦十郎、此処の責任者をして居る」

 

「神無月春香です。宜しくお願いします」

 

神無月はそう言って風鳴司令の手を取って握手を交わす

 

「それで湊さんさっきのあれって一体」

 

「その事については俺から話そう」

 

そう言って風鳴司令はシンフォギアについて話し始めた

 

「と言うのが君達の使っているシンフォギアについての大まかな説明だ。何か質問はあるか?」

 

「はい‼︎」

 

「何だ春香君」

 

「あの…全然分かりません」

 

その言葉は以前に櫻井了子にシンフォギアの説明を受けた響が放った言葉と同じだった

 

「済まない、俺は説明があまり得意ではなくてな」

 

「実際の所はノイズに抵抗する事の出来る武器だと思えば良い」

 

「成る程、分かりましたありがとうございます湊さん」

 

俺は最優先の説明だけ済ませる

 

「弦十郎さんお父さんは此処でどんな仕事をして居たんですか?」

 

「清吾郎は以前此処に居た櫻井了子と言う聖遺物研究家のアシスタントをして居た」

 

「アシスタント」

 

「ああ、娘がいない俺の代わりに凛子君と2人して翼の相談なんかにも色々のってくれて頼りにして居た」

 

「翼?もしかしてそれってあの風鳴翼の事ですか‼︎」

 

神無月は興奮しながらそう聞く

 

「ああ、そうだ凛子君と一緒に佳奈子君の世話も何度かした事がある」

 

「良いなぁ佳奈子、そんな身近で翼さんを見た事あるなんて」

 

「そうだったんだ」

 

「まあ佳奈子君も小さかったからな覚えてないのも無理はないだろう、清吾郎と連絡を取れるか佳奈子君」

 

「はい、多分ですけど」

 

鳩木はそう言って父親に連絡を試みる

 

「あ、お父さん私だけど…うん、色々あって今は弦十郎さんの所に居るの、分かった弦十郎さんに代わるね。弦十郎さんお父さんが弦十郎さんと話がしたいそうです」

 

「ああ、湊君彼女達が協力するかどうかの意思確認を頼む俺だ清吾郎」

 

風鳴司令は鳩木から携帯を受け取りそう言って別の場所に向かって行く

 

「だそうだ、俺は強制するつもりはない、あくまで決めるのはお前達だどうする?」

 

「私は…「私やります」佳奈子」

 

神無月の言葉に被せる様にして鳩木はそう言う

 

「何処まで出来るか分からないですけど私も父の様に誰かの為に何か出来る人になりたいんです」

 

「そうか、神無月はどうするんだ」

 

「私もやります」

 

「2人共やるって事で良いんだな」

 

「「はい‼︎」」

 

2人の目から覚悟が見て取れる

 

「分かった、これを持っておけ」

 

俺は2人にホログラム通信機を渡す

 

「これは」

 

「俺が作った小型のホログラム通信機だ、電子マネーとしても使えるからコンビニなんかでも使えるぞ」

 

「凄いよ佳奈子!こんなの凄そうなの貰っちゃったよ‼︎」

 

「ありがとうございます湊さん」

 

「此処に居る装者は全員持ってるんだお前達だけ持ってなかったら緊急時の連絡が取れなくなるだろ」

 

俺はそう言って鳩木と神無月から視線を逸らす

 

「助かった佳奈子君、それで湊君2人はどうすると言って居るんだ?」

 

「ノイズと戦うだとさ」

 

「そうか、2人共今日此処で俺から聞いた事は清吾郎と凛子君以外には誰にも話してはいけない。この事が悪さをする人間に聞かれれば家族や友人に危険が及ぶ可能性がある。君達が本当に大事にしたいなら誰にも話さない事をお勧めする」

 

「「分かりました」」

 

風鳴司令の言葉に2人はそう返した




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144話

「ルナさっさと来ないとおいてくぞ」

 

「待ってご主人‼︎」

 

今日は私立リディアン音楽院そして葉月の通う小学校の入学式よりにもよって2つの学校の入学式が被ってしまった

 

「ありがとうパパ!」

 

「取り敢えず出るぞ!」

 

「うん!」

 

葉月の髪を結び終え急いで玄関に向かう

 

「入学式終わったら直ぐ迎えに行くからそれまでは学校に居るんだぞ葉月」

 

「うん!待ってる!」

 

学校へ向かう途中の分かれ道で葉月は左、俺とルナは右に向かう

 

「たく、こんな日に限って寝過ごすなよ」

 

「るる、明日から頑張る」

 

「それ頑張らない奴の言う言葉だぞ「おーい!湊く〜ん!ルナちゃ〜ん!」響か朝から元気だなお前」

 

リディアンが見えて来た所で響と遭遇する

 

「未来はどうした。結構一緒に登校してただろ?」

 

「ううん、何時もは一緒に登校してるんだけど今日は用事があって先に学校行っちゃったんだ」

 

「そうか、未来も大変だな」

 

そう話している内にリディアンに着いた

 

「それじゃあ俺は職員室に行くから」

 

「るる、ご主人また後で」

 

「また後でね湊君」

 

ルナと響はそう言って教室に向かって行く

 

「失礼します、雪音ですけど」

 

俺がそう言って中に入ると1人の女性が近づいて来た

 

「久しぶりね雪音君」

 

「お久しぶりです小倉先生」

 

「今年の担任も私だから宜しくね、それじゃあ教室に行きましょうか」

 

「はい」

 

俺は小倉先生と教室に向かった

 

〜響side〜

 

「おはよう!未来!」

 

「おはよう響、今日は遅刻せずに来れたんだね」

 

「何とかね、そう言えば湊君とルナちゃんに会ったよ!同じクラスだと良いなぁ」

 

「そうだね」

 

未来と話して居ると先生が来た

 

「もう知ってる人も居るかも知れませんが転校生が来ています」

 

小倉先生の言葉を聞いて周りの人達が騒めく

 

「それじゃあ響、湊って」

 

「うん、私達のクラスって事だね」

 

「それじゃあ入って」

 

小倉先生がそう言うと私達の思った通りの人が入って来た

 

「雪音湊、これから1年よろしく」

 

湊君は黒板に自分の名前を書いてそう言う

 

「えっと、それだけかしら?」

 

「?」

 

小倉先生の言葉を聞いて湊君は疑問符を浮かべる

 

「それじゃあ席は立花さんの後ろに座って」

 

「はい」

 

湊君はそう言って私の後ろの席に座った

 

〜響side out〜

 

「湊君!また同じクラスなんだ‼︎」

 

「またお前と同じか、煩いクラスになりそうだな」

 

俺がそう言うと響が苦笑いを浮かべる

 

「久しぶりミナ」

 

「安藤お前達も一緒だったか」

 

「はい、これからフラワーで進級祝いをするんですが雪音さんも来ませんか?」

 

寺島にそう誘われるが

 

「悪い葉月を迎えに行かなきゃいけないんだ」

 

「そっか、葉月ちゃんの小学校の入学式も今日だったんだそれじゃあ仕方ないね」

 

「ああ、それじゃあ俺は帰るな」

 

俺はそう言って教室を出る

 

「湊さん!」

 

「神無月かお前も妹を迎えに行くのか?」

 

「はい、もう入学式終わってるらしいですし」

 

入学式はもう終わってるのか

 

「乗れ神無月、小学校まで一緒に連れて行ってやる」

 

「ありがとうございます!湊さん!」

 

俺がそう言うと神無月が後ろに乗ったので俺は小学校に向けてバイクを走らせた

 

〜葉月side〜

 

「パパ」

 

「お姉ちゃん」

 

私はパパに言われた通り学校の前で待ってる。皆んな入学式に来たお父さんとお母さんと一緒に帰って行き周りには葉月と火憐ちゃん以外誰も居なくなった

 

「雪音さん神無月さん帰らないの?」

 

「パパがお迎えに来てくれるって約束してくれた」

 

「私もお姉ちゃんと約束したから」

 

私がそう言うと先生は葉月と火憐ちゃんの隣に座る

 

「私も此処で雪音さんのお父さんと神無月さんのお姉さんを待つわ」

 

「うん「「葉月(火憐)‼︎」」あ!パパ‼︎」

 

「お姉ちゃんも一緒だ‼︎」

 

遠くからバイクに乗って走って来るパパと春香お姉ちゃんが見えた

 

〜葉月side out〜

 

葉月と神無月妹の小学校が見えて来た所で2人が誰がと話して居るのが見えた

 

「「葉月(火憐)‼︎」」

 

「パパ」

 

「お姉ちゃん‼︎」

 

葉月と神無月妹が俺達に気づき走って来て抱きつく

 

「悪いな葉月」

 

「火憐もごめんね」

 

「ねぇ、貴方本当に雪音さんのお父さん?どう見ても高校生にしか見えないけど」

 

「うん!葉月のパパだよ」

 

葉月はそう言ってさらに強く俺に抱きつく

 

「すみませんご迷惑をお掛けして」

 

「いえ、それでその雪音さんのお父さんで良いんですよね?」

 

少し警戒した様子でそう言う小学校の教師

 

「あはは、まあそうなりますよね」

 

俺はリディアン音楽院の制服のまま葉月の小学校に向かったので相手も高校生だってわかるし、それで父親って言うのもおかしいと思うのも無理はない

 

「そう葉月ちゃんは捨て子だったの」

 

俺は神無月と鳩木の時同様に葉月は捨て子で俺が面倒を見続けている内にいつの間にかパパと呼ぶ様になったと嘘を吐いた

 

「はい、それじゃあ失礼します。ほら葉月」

 

「先生さようなら!」

 

「火憐もお礼言いなよ」

 

「うん!先生さようなら!」

 

「さようなら、神無月さんも気をつけて帰ってね」

 

葉月と神無月妹は先生が見えなくなるまで手を振って居た




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145話

「お〜い!湊く〜ん‼︎」

 

俺と神無月が家に着くと響が家の前で待っていた

 

「悪い響、この格好で行ったからちょっと話聞かれた」

 

「気にしなくて良いよ私達もちょっと前に着いた所だし、あれ?葉月ちゃんと火憐ちゃんは?」

 

「ああ、2人なら」

 

俺は通信機の中から葉月と神無月妹を出す

 

「うわ⁉︎そんな所に⁉︎」

 

「途中で寝たから2人を通信機の中に入れて神無月を後ろに乗せて来た」

 

「お疲れ湊君、春香ちゃんもお迎えお疲れ」

 

「全然です、湊さんにバイクに乗せてもらっただけですから」

 

「いや〜、私湊君のバイクに良い思い出ないんだよね」

 

そう言えば響が俺のバイク見たのってデュランダル運搬の時に寝坊したのが初めか

 

「それじゃあ皆んな集まった事だし進級祝い&入学祝いを始めよう‼︎」

 

「煩いでありますよ、全く寝てる子が居るのによくそんな大声で話せるでありますね」

 

「ごめんねエルザちゃん、響ってああ言う性格だから」

 

「大丈夫でありますよ未来さん」

 

「何だろ、未来と私への接し方にかなり差がある気がする」

 

それはお前のせいだから諦めろ

 

「ご主人早く食べよう」

 

「ああ、そうだなそれじゃあ食べるか」

 

『いただきます』

 

俺達はそう言って進級祝い&入学祝いを開始した

 

「お姉様、此方は私が作ったんです食べて頂けますか」

 

「食べるよ‼︎ミーシャちゃん美味しそう、ん〜美味しいよ」

 

「響こっちは私が作ったんだ」

 

「未来のも美味しそう‼︎あ〜、こんな美味しいもの沢山食べられて幸せだよ」

 

お前の幸せって相当安いな

 

「湊さんこれ凄く美味しいです!」

 

「当たり前デス、何たって私のお兄ちゃんなんデスから」

 

「春香ちゃん食べながら話さないお行儀が悪いよ」

 

「切ちゃんも何か飛んで来た」

 

切歌は相変わらずいつも通りだな

 

「ん、しっかしお前も変わったよな、前までのお前だったら全員追い出してただろ」

 

「それも含めて俺もあのバカの影響を受けたのかも知れねえな」

 

「そうかもな「パパ…」おっ、起きて来たのか葉月」

 

俺達が話して居ると葉月が起きて来た

 

「お腹空いた…」

 

「昼もまだ食べてなかったからな、まだ残ってるから食べろ」

 

「うん…」

 

葉月は寝起きだからか目を擦りながらおぼつかない足取りで皿を取りに行く

 

「たく、ちゃんと歩け」

 

「うん…」

 

俺は壁にぶつかりそうになる葉月を見てられず葉月と一緒に行く事にする

 

「パパ…おんぶ」

 

「はいはい、分かった分かった」

 

俺はそう言って葉月を背負う

 

「また寝るつもりか腹減ったんだろだったら起きてろ寝たら響に全部喰われるぞ」

 

「うん…」

 

俺は目を擦りながらそう言って頷く葉月を連れて皿を取りに向かった




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146話

「戻ったぞ…何か増えてないか?」

 

「お邪魔してるぞ湊君」

 

「何の用だよ風鳴司令、それと誰だよお前の隣にいる奴らは」

 

俺が葉月を連れて戻ると風鳴司令と大人が2人増えて居た

 

「すみません湊さん、私の父と母です」

 

「何でお前の親が来てんだよ」

 

風鳴司令のとなりに居たのは如何やら鳩木の親らしい

 

「て言うか凛子ってどっかで聞いた事あると思ったらお前か凛」

 

「ええ、かれこれ5年ぶりかしらね」

 

「ん?湊君、凛子君と面識があるのか?」

 

「ええ、彼とは5年前にフランスで会って居るの」

 

鳩木凛子、一様名前だけ覚えておいた日本人女性、俺の作ったホログラム型小型通信機の複製の為に日本から派遣された技術スタッフ

 

「俺は鳩木清吾郎だ、宜しく頼む」

 

「ああ、それで結局の所何の用だ」

 

俺がそう聞くと鳩木の親は俺に此処に来た理由を説明する

 

「成る程な、俺の見定めか」

 

「ああ、話を聞くに君はあの弦と互角にやり合ったそうじゃないか」

 

「それを聞いた清吾郎君が貴方と1度戦ってみたいって、きっと昔の血が騒いじゃったのね」

 

「俺と戦ってくれるか」

 

そう聞かれて俺は考える

 

「まあ俺も暇だしな、退屈しのぎには丁度良いかもな」

 

「ありがとう、早速始めよう」

 

「清吾郎君、まだ食事の最中なんだから無茶言っちゃダメよ。清吾郎君の事は気にせずゆっくり食べてね」

 

「そのつもりだ、元々そいつに合わせる気はなかったからな」

 

俺はそう言って食事を再開する

 

「ご主人、本当に彼奴と戦うの?」

 

「風鳴司令の知り合いなんだ、少しは楽しませてくれるだろ。あ、美味い」

 

「ガンス、わたくしが作った物であります」

 

「お前か、上達したなエルザ」

 

「ほっ褒めても何も出ないでありますよ」

 

エルザはそっぽ向くが尻尾が左右に振られて居るので喜んで居るのは確かな様だ

 

「お兄ちゃん!調が作ったのも美味しいデスよ!」

 

そう言った切歌に食べ物を口に掘り込まれる

 

「どうかな?」

 

「確かに美味いな、お前もかなり上達したな調」

 

「良かった、湊さん今度はケーキの作り方教えて、切ちゃんの誕生日までに作れる様になりたいから」

 

調が俺にだけ聞こえる声でそう言う。切歌の誕生日って確か1週間後だった筈だが間に合うのかそれ

 

「間に合うのか?」

 

「間に合わせる、だから教えて欲しい。出来れば切ちゃんに気づかれない様に」

 

「分かった」

 

「ありがとう「何の話をしてるデスか?」切ちゃん」

 

俺と調が話して居ると来なかった調が気になって切歌が戻ってくる

 

「来週の切ちゃんの誕生日パーティーは此処でしようって話してたんだ」

 

「本当デスか!良いんデスかお兄ちゃん‼︎」

 

「まあ1日くらいならな」

 

俺がそう言うと切歌は目を輝かせる

 

「どうすんだよ調」

 

「このまま行く、きっと切ちゃんは誕生日用のケーキだなんて思わない」

 

まあ相手は切歌だし気づかないかもな

 

「それじゃあ明後日」

 

「ああ」

 

「行こう切ちゃん」

 

「デス!」

 

そう言って切歌と調は料理を取りに行った




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147話

「それじゃあ始めようか」

 

「ああ、所で…お前もやるのか鳩木」

 

「はい」

 

俺の問いかけに鳩木はそう答える

 

「お前は良いのか」

 

「ああ、2人まとめて掛かって来ると良い」

 

「随分な自信だな、それがいつまで持つか楽しみだ」

 

「佳奈子も遠慮はいらない思いっきり来い‼︎」

 

「はい‼︎」

 

『それでは模擬戦開始‼︎』

 

〜Desperta signe aerial tron〜

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

俺と鳩木は聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「どうした、先攻も譲っても良いぞ」

 

「鳩木頼めるか」

 

「はい、やあ‼︎」

 

《疾風》

 

鳩木は緑のエネルギー3つに分散させて放ち俺はそれに続く形で鳩木父に突っ込む

 

「ふっ!どうした佳奈子‼︎それで終わりか‼︎」

 

「そんな訳ないだろ‼︎」

 

《水月》

 

鳩木父は本能的に危険を感じたのか腕をクロスさせてガードの体制を取る

 

「ふう、成る程な弦と互角にやり合うって言うのは本当だったみたいだな」

 

「信じてなかったのかよ」

 

「まあな、弦とまともにやり合えるのは俺だけだと思って居たからな」

 

成る程な、そう言う事か

 

「鳩木お前は後方支援に専念しろ!」

 

「はい!」

 

俺は鳩木にそう言って鳩木父に向かって行く

 

「はあ!」

 

「ふっ!はああ‼︎」

 

鳩木父は俺の攻撃を避けて反撃する鳩木父の打撃を後ろに飛んで交わす

 

「なかなかやるな」

 

「此処らで武器を変えるか」

 

《ギア・コンバージョン》

 

俺はガングニールをサンダルフォンのギアに切り替える

 

「それは何だ」

 

「俺だけが使える奥の手みたいなもんだな」

 

そう言って俺は大剣を構える

 

「此処からは第2ラウンドと言う事か」

 

「そう言う事だ」

 

《雷斬》

 

俺は大剣に雷を纏わせ背中のブースターを噴射させて鳩木父に突っ込む

 

「はあ!」

 

「くっ!」

 

鳩木父は俺の攻撃を拳で受け止める

 

「君の実力はそんな程度か」

 

「風鳴司令の言葉を借りるとしたらまだ勝負は始まったばかりだ」

 

《雷鳥》

 

「くっ‼︎はあああ‼︎」

 

鳩木父は俺の雷鳥を上に受け流し攻撃体制を取る

 

「やあ‼︎」

 

《風華天翔》

 

鳩木が上空に向けて矢を放つと空から無数の矢が鳩木父に向けて降り注ぎ土煙が上がる

 

「これで終わりでしょうか」

 

「いや、まだ終わらないだろうな」

 

俺の言った通り土煙が晴れると鳩木父は顔色一つ変えずに立って居た

 

「たく、風鳴司令と言い此奴と言い日本には人外が2人も居んのかよ」

 

「どうした2人共、来ないのか」

 

鳩木父の言葉を聞いて俺はため息を吐く

 

「悪い正直言ってお前の事舐めて掛かってた」

 

「ほう、なら此処からは全力で来るんだな」

 

「ああ、全力でお前を潰しに行く」

 

「良いだろう、来い」

 

鳩木父がそう言うと俺は1つの部品を取り出す

 

「鳩木あれを使うぞ」

 

「はい、分かりました」

 

『何をするつもりだ湊君』

 

俺と鳩木の雰囲気の変化を感じ取った風鳴司令が俺にそう聞く

 

「奥の手だ、まさかこんな所で使うとは思っても無かったけどな」

 

「大丈夫です弦十郎さん」

 

俺と鳩木は風鳴司令の質問にそう答える

 

「「セイクリッドモジュール、抜剣‼︎」」

 

俺と鳩木はその掛け声と共にペンダントにその部品を装填した




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148話

「大丈夫か鳩木」

 

「はい、大丈夫です」

 

俺と鳩木のギアは色が白に変色している

 

「それが君の…いや、君と佳奈子の奥の手と言う訳か」

 

「ああ、時間も限られてる一気に攻め込むぞ」

 

「はい!」

 

《疾風》

 

鳩木はそう言うと緑のエネルギーを複数に分散させて放つ

 

「ふぅ、スピードも出力も先程とは比べ物にならないな「それは鳩木だけじゃないぞ」そんな事は分かっているさ!」

 

そう言って鳩木父は大剣を受け止める

 

「君の実力しかと見せて貰った、だが俺とてまだ子供に負ける訳にはいかない、ましてや娘に負けたとあっては父親としての立場がないからな」

 

「そうかよ、だがそれも何時迄持つんだろうな」

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺は後ろに飛んで両手に携えた大剣のアームドギアから雷を放出し自身を雷を纏う鳥と化させ鳩木父に突進する

 

「ふっ‼︎」

 

鳩木父は横に飛んで避けるが俺は軌道を変えて鳩木父の方に向かって行く

 

「悪いな佳奈子、先ずはお前から倒させて貰う」

 

「負けませんよ父さん」

 

《疾風ノ舞》

 

鳩木の周り一帯に複数こエネルギーの矢が具現化され鳩木が1つのエネルギーの矢を放つと全ての矢が鳩木父に向かって行く

 

「まだまだ甘いぞ佳奈子!」

 

そう言って鳩木父は拳で砕きながら鳩木に向かって行く

 

(鳩木の攻撃で彼奴の移動の速度が落ちてる今の内に)

 

俺は上空に飛び鳩木父の真上から急降下する

 

「成る程な、これが佳奈子の狙いだったか」

 

鳩木父が嵌められた事に気付いた時には遅く鳩木父は直撃を避ける事は出来ないと理解し動きを止め俺の攻撃が命中した

 

「何とか勝てましたね」

 

「ああ、大丈夫かお前」

 

「ああ、しかし俺もまだまだ鍛錬が足りない様だな」

 

鳩木父は天井を見ながらそう言う

 

「シンフォギアを纏った装者とあれだけやり合えれば上出来だろ、それ以上を目指すとかお前は神にでもなるつもりかよ」

 

「ははは!そうなのかもな、今日は俺の我儘に付き合って貰って済まなかったな」

 

鳩木父はそう言って立ち上がる

 

「これからも佳奈子の事を頼む」

 

「俺に出来る範囲でフォローはしてやるよ」

 

「それで良い」

 

そう言って俺達はトレーニングルームを出る

 

「見せて貰ったぞ湊君、まさか清吾郎に勝つとはな」

 

「清吾郎君も楽しかったんじゃないかしら?此処まで体を動かしたのは久しぶりでしょ」

 

「ああ、彼処まで体を動かしたのはニ課で毎日の様に弦と賭けをしていた時以来だな」

 

その賭けの内容が異常に気になるがまあ今は良いだろう

 

「それで湊君、先程のあの力は一体」

 

「悪い、まだ完成しきった訳じゃないんだ」

 

「湊さん、これお返しします」

 

「ああ」

 

俺は鳩木から部品を受け取り端末に収納する

 

「完成したらその時に話す。もう暫くの間待ってくれ」

 

「分かった、引き留めてしまって済まない」

 

「別に構わない」

 

そう言って俺はその場を後にした




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149話

「プール掃除?」

 

「うん!今週の日曜日何だけど空いてるかな?」

 

あれから数ヶ月、放課後の教室で響にそう聞かれる

 

「大丈夫と言えば大丈夫だが何でプール掃除をする話になったんだ?」

 

「それがこの前レポートの提出が1日遅れちゃって、その罰でプール掃除をする事になったんだけど「手伝って欲しいって事か?」嘘!?何でわかったの!?」

 

「今の話の流れで分からない方がおかしいからな、人数はどれだけ集まったんだ」

 

「えっと、私は決まりで未来とクリスちゃんと創世達、それから切歌ちゃんと調ちゃんそれからルナちゃんとミーシャちゃん今の所はこれくらいかな?切歌ちゃんと調ちゃんが今日佳奈子ちゃん達に聞いてくれるらしいし」

 

今の合計で10人上手くいけば12人か

 

「それだけ居れば大丈夫だろ」

 

「う〜ん、うちのプールって結構広いでしょ?だから念のために湊君にも声かけようと思ったんだ。それにルナちゃんは湊君が行くなら行くって言われたし」

 

「成る程な、でもそれでも9人だろ?」

 

そう例え俺が行かなくてルナが行かない事になったとしても9人も居る、それに切歌と調が鳩木達を誘う事に成功したとしたら11人居る事になる

 

「響、湊と何の話してるの?」

 

「あ、未来実はね」

 

響は未来に俺をプール掃除に誘って居る事を話す

 

「そうなんだ、湊今の内に行くって決めておいた方が良いと思うよ」

 

「何でそう思うんだ未来?」

 

「だって切歌ちゃんが湊が来ないって知ったらきっと湊の家まで行って誘って来るよ?」

 

「うげ…確かに想像出来る、何ならそのまま俺が参加するまで帰らなさそう」

 

こう言う時の彼奴って結構面倒なんだな

 

「分かったよ行くよ最近暑いしな」

 

「うん、掃除が終わったらそのまま遊んで良いらしいしね」

 

「なら葉月ちゃんも連れて来てあげれば?」

 

「そうするか」

 

エルザも連れて行ってやるか偶には彼奴にも休息が必要だろうからな

 

「それじゃあ俺は帰るな」

 

「うん、またねそうそう日曜日は8時30分に門の前に集合だから」

 

「了解」

 

俺はそう言って帰宅する

 

「まさかお前が来るかもって話してたら本当に来るなんてな」 

 

俺が家に帰るって暫くすると切歌と調が家に来た

 

「えへへ、お兄ちゃん来てくれて良かったデス日曜日が楽しみデス」

 

「切ちゃんその前に水着を買いに行かなきゃ」

 

「水着か、そう言や水着で思い出した葉月の水着を買わないとな」

 

「それじゃあ私達と一緒に行くデス!」

 

「一緒に行く?水着を一緒に買いに行くって事か?」

 

「そうデス!」

 

俺の問いかけを切歌は肯定する

 

「俺は別に良いが調はどうなんだ?」

 

「私も湊さんなら良いと思う」

 

俺ならって事は他の奴は駄目って事か

 

「それじゃあ土曜日、皆んなで一緒に買いに行くデス!」

 

「うん、湊さんも良い?」

 

「ああ、ついでだ晩御飯も食べて帰れ」

 

「良いんデスか!お邪魔するデス!」

 

「お邪魔します」

 

そう言って切歌と調は家の中に入った




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150話

「パパ早く行こう」

 

「ちょっと待て葉月、切歌と調の奴遅いな。大方切歌が原因なんだろうが、やっと来たか」

 

土曜日、切歌達と水着を買いに行く約束をしたのだが言い出した切歌達がまだ来て居ない

 

「お兄ちゃん!お待たせデス!」

 

「ごめんなさい湊さん、切ちゃんが寝過ごしちゃって」

 

やっぱり原因は切歌か

 

「たく、何やってんだよ切歌」

 

「えへへ、昨日は楽しみ過ぎて中々寝付けなかったデスよ」

 

「まあ良い、さっさと行くぞ」

 

そう言って俺達はショッピングモールに入って行く

 

「調この水着可愛くないデスか?」

 

「可愛い…でも切ちゃんはこっちの方が良いと思う」

 

「それも捨てがたいデスね、う〜ん…悩むデス」

 

水着売場に着いてからそう話す切歌と調を後ろに俺は葉月と水着を選んで居る

 

「葉月決まったか」

 

「うん!これ!」

 

そう言って葉月が持って来たのはとてもじゃないが葉月と同じくらいの歳の子が着る物じゃない

 

「それは戻して来い、そうだな…これなんて良いんじゃないか」

 

「うん!それにする‼︎」

 

そう言って葉月は元の場所に水着を戻して俺の所に来る

 

「ま、試着も出来るみたいだし直ぐに決めずに色々見て回れば良いだろ」

 

「うん!」

 

俺と葉月はそう言ってルナとエルザを探す

 

「助けてご主人‼︎」

 

俺と葉月がルナとエルザを探して居るとルナが走って俺の後ろに隠れる

 

「何やってんだよお前ら」

 

「ルナが水着を見に来たと言うのに全く水着を見るつもりがないからわたくしが選んで持って行ったでありますがそれをルナは悉く拒否するんであります」

 

「るる、私前に言った水着なんて泳ぐのに邪魔になるだけだから要らないって」

 

「わたくしと湊と葉月ちゃんそれからセレナだけの時はまあ良しとするであります。ですが今回は未来さん達も居るであります。だからちゃんと水着を着るであります」

 

俺が居る時点で良しとはしないで欲しいがそうでもしないとルナの奴は着なさそうだな

 

「エルザの言う通りだ、邪魔になるとか言ってないでちゃんと水着を買え」

 

「るる、ご主人がそう言うならそうする」

 

ルナはそう言うとその辺にある水着を取り逃げる様に走って行く

 

「何処に行くでありますか!まだ試着もなしに決めるなんて!待つでありますよルナ‼︎」

 

エルザはそのルナを追いかける様にして走って行った

 

「俺達は試着室に行くか」

 

「うん‼︎」

 

俺と葉月は試着室に行き葉月の水着を試着する

 

「パパ!どうどう‼︎」

 

葉月はフリル付きの薄い緑のワンピースの水着を着て一周する

 

「良いな、似合ってる」

 

「パパ葉月これにする!」

 

「そうか「お兄ちゃんじゃないデスか」お前らも試着か?」

 

葉月の水着が決まった所で切歌と調が試着室に来る

 

「そうデス!そう言えば此処に来る途中でエルザに引きずられるルナを見たデスけど何かあったデスか?」

 

ああ、結局彼奴エルザに捕まったのか

 

「まあそれは気にするな」

 

「そうデスお兄ちゃん私達の水着も見て欲しいデス!」

 

「別に良いが、調は良いのか?」

 

「うん、湊さんなら問題はない」

 

そう言って切歌と調は試着室の中に入って行く

 

「全くルナは」

 

「だって…エルザの水着は動きにくそうなのばかりだから」

 

「文句は言いっこなしでありますよ、湊わたくしも自分の水着を試着するでありますからルナが逃げない様に見張ってて欲しいであります」

 

「了解、て訳だルナエルザが試着室に入った途端に逃げようとするな。後で俺まで一緒に怒られる羽目になるんだからな」

 

俺はエルザが試着室の中に入った途端に逃げ出そうとするルナを捕まえてそう言う

 

「ほら、諦めて試着室の中で水着を着て来い」

 

「るる、分かったご主人」

 

ルナもそう言って試着室の中に入って行く

 

「いや〜、これで明日は大丈夫デスね」

 

「うん、ありがとう湊さん付き合ってくれて」

 

「別にお礼を言われる様な事はしてないけどな、俺達はフードコートで昼を食べるがお前達はどうする」

 

俺がそう聞くと切歌と調は相談し合う

 

「私達も一緒に食べて帰る」

 

「皆んなで食べた方が絶対に美味しいデス!」

 

「そうか、じゃあ行くか」

 

そう言って俺達は昼を食べにフードコートに向かった




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151話

「この感じ久しぶりだな」

 

翌日、俺は久しぶりに切歌が隣で寝て居たのだが今回はそこに何故か調も居た

 

「おい、お前ら起きろ」

 

「ん…ふぁ〜、おはようデスお兄ちゃん…」

 

「ん…おはよう湊さん…」

 

「おはようパパ…」

 

俺が起こすと3人はそう言って目を擦りながら起きる

 

「珍しいな調まで居るなんて」

 

「うん…切ちゃんを連れ戻そうとしたらそのまま一緒に寝ちゃった」

 

俺は調と話しながら切歌の髪を梳かす

 

「終わったぞ切歌」

 

「ありがとデスお兄ちゃん!調もやって貰うデスよ!」

 

「私は…恥ずかしいから…」

 

「大丈夫デスよ調ほらほら」

 

そう言って切歌は俺の膝の上に調を誘導する

 

「それじゃあ…お願い」

 

「分かった」

 

俺は頬を染めてそう言う調の髪を梳かす

 

「こんなもんだろ」

 

「うん、ありがとう湊さん」

 

「別に気にするほどの事じゃないだろ」

 

「それでもありがとう」

 

「パパ!次葉月の番‼︎」

 

「分かったからそう急かすな」

 

そう言って葉月の髪を梳かし終え俺達は朝食を食べにリビングに向かう

 

「パンとご飯どっちにする?」

 

「葉月はパン!」

 

「う〜ん、昨日の晩御飯はカレーだったデスからね。今日はご飯にするデス」

 

「私もご飯にする」

 

俺は頷きカレーを温めながら葉月のパンをトースターに切歌と調のご飯を皿に入れる

 

「ご主人…おはよう…」

 

「おはようであります湊」

 

俺達が朝食を食べて居るとエルザとルナが起きて来る

 

「エルザお姉ちゃんルナお姉ちゃんおはよう‼︎」

 

「葉月ちゃん口の中に食べ物を入ってる時は話さない方が良いでありますよ」

 

「るる、何か飛んで来た」

 

どうやら葉月が食べていたパンの破片が飛んで来たらしい

 

「葉月2人に謝れ」

 

「エルザお姉ちゃん、ルナお姉ちゃんごめんなさい」

 

「次から気をつけてくれれば大丈夫でありますよ」

 

「るる、ご主人タオルちょうだい」

 

俺はルナにそう言われて2人にタオルを渡す

 

「忘れ物はないでありますか?」

 

「ああ、俺はない「パパ〜!」葉月それは持っていけないからしぼめてくれ」

 

数分後、リディアンに向かう準備をして居ると葉月が浮き輪とビーチボールを膨らませて持って来た

 

「うん…」

 

「後でちゃんと膨らませてやるから」

 

「わたくしも手伝うでありますよ」

 

「うん!ありがとうパパ!エルザお姉ちゃん!」

 

そう言って葉月は浮き輪とビーチボールの空気を抜いて自分のカバンの中に入れる

 

「ご主人準備出来た」

 

「ルナその鞄に水着は入っているでありますか?」

 

エルザがそう聞くとルナは逃げる様に玄関に向かって行く

 

『ルナ待つであります‼︎』

 

『いや‼︎あれ動きにくい‼︎』

 

『そう言う問題じゃないであります‼︎』

 

本当ぶれないなルナの奴

 

「お前らは忘れ物ないか?」

 

「ばっちりデス!」

 

「問題ないパーフェクト」

 

俺の問いかけに切歌と調はそう答える

 

「そうか、お前ら遊んでないでさっさと準備終わらせろ」

 

「分かっているであります。ルナいい加減にするであります‼︎」

 

「るる…勝てなかった」

 

そう言うルナはエルザに首の根っこを引きずられて部屋に連れて行かれた

 

「今度こそ大丈夫か」

 

「ガンス、わたくしが確認済みであります」

 

「そうか、じゃあいくか」

 

そう言って俺達はリディアンに向かって出発した




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152話

「ミナ!こっちこっち!」

 

「おはようございます湊さん」

 

「悪い安藤、鳩木俺達が最後…って訳でもないみたいだな」

 

リディアンの校門前に安藤達が居たが頼まれた張本人の響と未来が居なかった

 

「ビッキーが今起きたってヒナから連絡きたよ。走って向かってるだって」

 

彼奴こんな時でも寝坊かよ

 

「俺達は先に職員室に用具室とプールの鍵貰いに行く」

 

「うん、ビッキーとヒナが来たら私達も直ぐに行くよ」

 

「分かった、行くぞお前ら」

 

俺はそう言ってエルザ達を連れて職員室に向かった

 

「掃除って言うからある程度汚いとは思ってたデスけど」

 

「これは予想外」

 

プールに着いて最初に切歌と調が口にした言葉がそれだった

 

「ですがこれはこれで掃除のしがいがあるであります」

 

「るる、それにご主人に良い所を見せるチャンス」

 

「葉月も頑張る‼︎」

 

「だな、さっさと着替えて始めようぜ」

 

俺はそう言って男子用の更衣室に向かう

 

〜エルザside〜

 

「湊さんの言う通り早く始めよう」

 

調はそう言って切歌を連れて更衣室に入って行く

 

「ルナ達も先に着替えて来るであります。わたくしは未来さん達が誤って湊の方に向かわないかどうか確認してから入るであります」

 

「るる、分かった行こう葉月ちゃん」

 

「うん!」

 

ルナと葉月ちゃんもそう言って更衣室に入って行く

 

「おーい!エルザちゃん!」

 

わたくしは走って来た響さんを横にずれて避けて未来さん達の所に行く

 

「待っていたであります。向こうのは湊が入学するからと建てられた男子用の更衣室であります。わたくしは貴方達が誤って向こうに行ってしまわない様に此処で待っていたであります」

 

「そうだったんだ、ありがとうエルザちゃん」

 

「ガンス大丈夫であります」

 

「いたた「お前遅れて来たってのに遊んでんだ」湊君⁉︎」

 

後ろを振り返ると響さんの前に仁王立ちをしている湊が居た

 

「さっさとしろ!元はと言えばお前が頼まれた事だろ‼︎」

 

「はっはい‼︎」

 

響さんはそう言って急いで更衣室に入って行った

 

「たく、ありがとなエルザ彼奴らがこっちに来ない様に外で待っててくれて」

 

湊はそう言ってわたくしの頭を撫でる

 

「聞こえてたでありますか」

 

「偶々聞こえたんだよ、お前も着替えて来い」

 

「ガンス」

 

わたくしはそう言って更衣室に入って行く

 

「エルザちゃん!みっ湊君怒ってなかった?」

 

「怒っていたでありますよ、大体頼まれた貴方が遅刻するのが悪いであります」

 

「あはは、それを言われると何も言い返せないよ」

 

響さんは頭を掻きながらそう言う

 

「ルナちゃんと水着は着てるでありますか」

 

「るる、問題ない」

 

そう言われてわたくしはルナを見ると確かにルナは水着を着ていた

 

「大丈夫そうでありますね、湊は既に始めてくれているであります。早速向かって欲しいであります」

 

わたくしがそう言うとルナは葉月ちゃんと一緒に湊の所に向かった

 

〜エルザside out〜




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153話

「意外と早く終わったな、まあ人数も人数だったしな」

 

「るる、この大きさのプールだったらもう少し少なくても午前中に終わったと思う」

 

プール掃除は人数が多い事もあり12時前に終わり先に弁当を食べてからプールに入る事になった

 

「お兄ちゃん!早速お弁当を食べるデス!」

 

「言われなくともそうするつもりだ、ほれお前らの弁当、狭い所に大勢で集まっても食べずらいだけだ2つに分かれて食うぞ」

 

「了解デス!調〜‼︎」

 

切歌は俺から重箱を受け取ると調の元に走って行き葉月と調の3人で座って食べ始めた

 

「この3人だけで食べるのも久しぶりな気がするな」

 

「ガンス、わたくし達の他にも葉月ちゃんやセレナが居たでありますからね」

 

最後に俺達だけで食べたのってもう6年以上前リューがまだ生きてる頃か

 

「随分と変わったな俺もお前らも」

 

「るる、あの頃のご主人からは想像出来ないくらい友達が出来た」

 

「それを言えばお前も同じだがなルナ、エルザも俺とルナ以上に警戒心とか強かったのに今じゃ響以外とは普通に話せてるしな」

 

「あの人とは性格的にあまり合わない気がするであります」

 

響とエルザじゃ性格が正反対だからな

 

「ですが…あの人が悪い人じゃないって言うのは理解しているであります」

 

「それだけでも大きな進歩だな」

 

そう言って俺はおにぎりを食べる

 

「とりゃー!」

 

「とう!」

 

「デス‼︎」

 

切歌と響と神奈月の3人がプールに飛び込む

 

「たく、あの3バカは。葉月ゆっくり入って来い」

 

「うん…」

 

葉月は怯えながらプールに入ってくる

 

(まあ葉月からすれば初めてのプールだからな、そりゃ怯えるか)

 

「えい!」

 

葉月は目を瞑って一気にプールに入って来る

 

「大丈夫だろ」

 

「うん!冷たくて気持ちいい」

 

「そうか「湊、葉月ちゃんの浮き輪膨らませ終わったであります」ありがとなエルザ、葉月もお礼を言え」

 

俺は葉月の浮き輪を受け取りそう言う

 

「ありがとうエルザお姉ちゃん!」

 

「喜んで貰えて良かったであります。足がつかないから浮き輪から手を離してはダメでありますよ」

 

「うん!「葉月ちゃん!」未来お姉ちゃん」

 

葉月は浮き輪に入りながら泳いで未来達の所に向かう

 

「ご主人」

 

「お前かルナ」

 

「るる、鬼ごっこ私が鬼をする」

 

本当此奴いつも突然だな

 

「分かった、じゃあ逃げるな」

 

俺はそう言ってプールの中に潜る

 

(さてそろそろ来る頃か)

 

俺がそう思っているとある事に気付く

 

(そう言や彼奴何で顔より下を水の上から出さなかったんだ?)

 

そう思ってルナの方を見ると案の定だった

 

(これはエルザに言う必要があるかもな…えっとエルザは…居た)

 

俺はルナ以外の尻尾を見つけそこに向けて泳いでいく

 

「エルザ俺だ」

 

「湊どうしたでありますか」

 

「ルナの奴水から顔しか出さないから何でかと思ったら上着て無かった」

 

「はぁ、やっぱりこれはルナの物でありましたか」

 

そう言うエルザの手には昨日買った筈のルナの水着があった

 

「どうしたんだよこれ…」

 

「恐らく邪魔になると思って外した所までは良かったでありますがわたくしにバレる事を恐れてであります」

 

ああ、そう言う事か

 

「ちょっと説教をして来るであります」

 

「ちょっと待て」

 

俺はエルザの姿を俺に変える

 

「これでルナにも俺の姿に見えるだろ」

 

「そうでありますね、水中であれば臭いはさほど関係ないでありますし行って来るであります」

 

そう言ってエルザは潜って行った

 

その後俺とエルザの予想通りルナは俺に化けたエルザに捕まりキツイ説教を受けた




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154話

「じゃあ学校行って来る」

 

「パパ…葉月も「ダメでありますよ葉月ちゃん」エルザお姉ちゃん…」

 

プール掃除の翌日、葉月の小学校が創立記念日で休みなのだが俺とルナは普通に学校がある。だから今日は留守番をする必要があるのだがそれを知った葉月は随分と寂しそうにしている

 

「まあこればかりは仕方ないしな、ルナ行くぞ!」

 

「待ってご主人‼︎」

 

俺がそう言うと自室からルナが走って出て来る

 

「次の休み何処か連れてってやるから我慢してろ」

 

「うん!いってらっしゃい‼︎」

 

俺とルナはそう言ってリディアンに向かった

 

「へぇ〜、朝そんな事あったんだ」

 

「まあな、正直言ってエルザがいなかったら学校に行けたかどうかも怪しい」

 

リディアンに到着した俺はプールサイドに座り響達と話している

 

「それは大変でしたね、そう言えば進路についての三者面談もう直ぐですわね」

 

進路か正直言ってシンフォギアを纏ってる以上S.O.N.G.(二課が再編された時に名前がSquad of Nexus Guardiansに変わった)に就職って形になるだろうけど流石に考えた方が良いのかもな

 

「ビッキーとミナの所は誰がくるの?」

 

「うーん、私の所はおばあちゃんかな?お父さん居ないし、お母さん日曜日も働いてるし」

 

「俺はもし時間が空いたりでもすればセレナが来るんじゃないか?彼奴俺が学校に通ってるって知って三者面談があるなんて言えば無理して時間を作ってでも来るだろうから伝えてないが」

 

「そっか、やっぱりあのマリア・カデンツァヴナ・イヴのマネージャーをしてるから難しいよね」

 

板場が腕を組んでそう言う

 

「湊のは特殊だけど響のは良くあるみたいだよ何処も忙しいって」

 

確かに特殊だが響のフォローをする時の未来が苦笑いをして居たのは何故だ?

 

「ふーん」

 

「優しいお婆様なのかしら?」

 

「じゃないとビッキーの成績じゃ」

 

 

「まっ説教の1つや2「とう!」冷たっ!」

 

俺達が話して居ると響がプールに飛び込みその水しぶきがかかる

 

「そんな事より泳ごうよ!今日の夜更かしに備えてお昼寝するならちょっと疲れたくらいが良くないかな?わお!自分で言ってて驚きのアイデアだね!「心配するな昼寝なんてしてたら俺が起こしてやる」おっお手柔らかに頼むね湊君」

 

響がそう言うと安藤達もプールに入って行く

 

「…空元気の癖に…」

 

(やっぱり、無理に話題を変えたからおかしいと思ったが、これは家族絡みで何かあったんだな)

 

そんな中、小声でそう言う未来の言葉が聞こえた。

 

余談だがプールの授業の後結局いつも通り寝た響を隣の席の俺が起こしたのは言うまでもない




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155話

「そろそろ着く頃だな」

 

「はい」

 

放課後、響達は先に姉さんの所でチャリティードッグフェスを見る準備をして俺はシャルと姉さんの所に向かっている

 

「湊君‼︎こっちだよ‼︎」

 

声がしたので上を見ると響がベランダから顔を出して居た

 

「おい!調子乗って落ちてくんなよ‼︎」

 

「大丈夫だよ!」

 

そう言った途端響はバランスを崩し落ちかけるがミーシャが後ろに引っ張った事で何とか無事だった

 

「たく、何やってんだか彼奴は…行くぞシャル」

 

「はい、行きましょう湊様」

 

俺達はそう言って姉さんの住むマンションに入って行く

 

「姉さん俺だ開けてくれ」

 

『ああ、分かった』

 

俺がそう言うと姉さんはマンションのオートロックを解除して俺とシャルを中に入れる

 

「いらっしゃい湊君‼︎あ!シャルちゃん久しぶり‼︎」

 

「はい、お久しぶりです響様」

 

「相変わらず真面目だねシャルちゃんはもう皆んな集まってるよ」

 

「分かってる俺とシャルが最後だろ」

 

俺達はそう言って姉さんの住む部屋に入って行く

 

「にしても何であたしの部屋なんだよ、湊の家でも良いだろ」

 

「ロンドンとの時差は約8時間!」

 

「チャリティードッグフェスの中継を皆んなで楽しむにはこうするしかない訳でして、ミナの家も知らないので」

 

「そう言やお前達は結局フラワーに行ったんだったな」

 

入学式の日、安藤達はフラワーに行って響達と来なかった為俺の家を知らない

 

「ミナの家とキネクリ先輩の家ってどっちが広い?」

 

「どっちかと聞かれると俺の家だな」

 

「だな、でもお前の家デカイテレビとかないからこっちのあたしの家の方が良かったのかもな」

 

確かに俺の家には姉さんの家ほどデカイテレビはないからこっちの方が良かったかもな

 

「まっ!頼れる先輩って事で!それにやっと自分の夢を追えるようになった翼さんのステージだよ?」

 

「皆んなで応援…しない訳にはいかないよな」

 

「まあ俺としてはそこまで興味はないけどな、ヤベェ忘れる所だった」

 

俺は通信機の中からシチューを取り出す

 

「おお〜‼︎美味しそう‼︎」

 

「流石に邪魔するだけじゃダメだろうからな一様持って来た。響お前涎垂れてるぞ」

 

「は!」

 

俺が指摘した事で涎が垂れてる事に気付いた響は服の裾で拭う

 

「全く響は」

 

「お姉様はもう少し恥じらいと言う物を身につけるべきです」

 

「まあビッキーらしいけどね」

 

安藤の言葉に全員が頷く

 

「あはは、はっ早く食べようよ」

 

露骨に話を逸らしたな

 

「そうするか、シャルも待ちきれないみたいだしな」

 

シャルは響みたいに顔に出るタイプではないが俺の裾を引っ張ってるからかなり我慢してるんだろ

 

「それにしても大きい鍋だね」

 

「フランスからシャルに持って来てもらったんだ。前に食べた時はお前も切歌も食べたりなさそうにしてたからな」

 

「ビッキーそれはどうかと思うよ」

 

ジト目でそう言う安藤に弁解を始める響を無視して俺は画面を見ている切歌と調の所に向かう

 

「お前達はもう1人が気になるか?」

 

「うん、マリア」

 

「歌姫のコラボユニット復活デス‼︎それに加えてお兄ちゃんの料理これは待ったなしデス‼︎」

 

少しは待って欲しいがな

 

「湊そろそろシャルが本当に待ちきれないみたいでありますよ」

 

「だな、食べるか」

 

「るる」

 

そう話して居るとチャリティードッグフェスが始まったので俺達は料理を食べ始めた




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156話

「ミナ、結局の所昨日のあれって一体なんだったの?前に弓美も猫に変えてたけど」

 

安藤の言うあれは俺の姿がエルザに変わったあれの事だろ

 

(どうすんだ湊?)

 

(どうするの湊君?)

 

響と姉さんが目でそう聞いてくる

 

「昔からあるんだ俺自身これがなんなのかは分かってない。分かってる事と言えば自分と他人の姿を変えられるって事くらいだな。他人の場合そいつの頭の中を覗いてその姿に変える事も出来る。俺が知ってるのはこのくらいだな」

 

「へ〜、それで弓美を猫に変えたんだ」

 

「立花さん達の事と言い雪音さんのその力と言い不思議な力もあるんですね」

 

流石響の事を知っても尚友人で居ようとした3人だ。しかもその前に友人が猫に姿を変えられてるからな

 

「ねえそれって雪音君が知ってる物じゃないとダメなの‼︎」

 

「そう言う訳じゃ無いがどうした急に」

 

「それじゃあさ‼︎」

 

俺は板場にある頼み事をされる

 

「本当に凄い‼︎アニメで見たまんまだ‼︎」

 

「そりゃそう言う力だからな」

 

板場の頼みは自分をアニメのキャラに変えて欲しいとの事だった

 

「それにしても雪音君よく知ってたね、これ結構古いアニメなのに」

 

「ああ、アメリカにアニメ好きな友人が居るんだ偶々そいつに教わった」

 

「その雪音さん…私も頼んで宜しいでしょうか」

 

「あ!私も私も‼︎」

 

「別に良いが」

 

そう言って俺は安藤と寺島の姿も変える

 

「流石に疲れた」

 

「ご主人お疲れ」

 

「お疲れ様であります湊」

 

安藤と寺島の姿を変えた後、俺と姉さんと未来、それとルナとエルザとミーシャ以外の全員の姿も変える事になり全員が思い思いに動き回って居る

 

「それにしても…動物園にしか見えないね」

 

「あたしもそう思う。それにしてもよく寝れるな」

 

俺が姿を変えた大半が動物だった為姉さんの部屋が小さな動物園になって居る。葉月はこの騒がしい中隣の部屋で寝ている

 

「響おいでおいで」

 

「お姉様、此方にいらして下さい」

 

犬に変えた響はかなり戸惑いながら未来の方に向かって行く

 

「お前らはこっちに来たか」

 

犬と猫に変えた切歌と調が俺の足元に来る

 

「これで良いか切歌」

 

調は恐らく切歌に着いて来ただけなので切歌にそう言って膝の上に乗せて撫でると犬になった切歌は大きなあくびをする

 

「此奴マジか、人の膝の上で寝やがった」

 

少しすると切歌が動かなくなりどうしたのかと顔を覗くと寝ていた

 

「取り敢えず降ろすか」

 

俺は切歌を床に降ろして同じ場所に座る

 

「何だ、お前は切歌に着いて来ただけなんじゃ無いのか?」

 

下から俺を見上げる猫になった調にそうきくが調は俺を見上げるだけだ

 

「まさかとは思うがお前もか?」

 

俺がそう聞くと調は俺の膝目掛けてジャンプする

 

「お前もかよ」

 

「いや〜、雪音君モテモテだね」

 

「煩い、たく何なんだよ」

 

そう言って俺は調も切歌と同じ様に撫でる

 

「切歌だけだと思ったらお前もかよ」

 

「きっと雪音君のナデナデには安眠効果でもあるんだよ」

 

「うわ…全然嬉しくない」

 

切歌に続き調まで俺の膝の上で寝始めたので切歌と同じ場所に置いた




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157話

「何だユノア…分かった直ぐに向かわせる、仕事だエルザ、シャルとロンドンに迎え」

 

「ガンス、了解であります。起きるでありますシャルロット仕事でありますよ」

 

エルザはそう言って寝ているシャルを揺さぶる

 

「ふぁ〜、こんな時間から仕事ですかエルザ様」

 

「ロンドンに飛ぶでありますよ」

 

「はい、分かりました」

 

シャルは欠伸をしながら外に出て竜の姿になる

 

「それでは行って来るであります」

 

「ああ、現地で緒川と合流しろ」

 

「ガンス」

 

俺がそう言うとエルザは頷きシャルをロンドンに向けて飛ばした

 

「ロンドンで何かあったのか?」

 

「敵襲だとさ」

 

「⁉︎」

 

俺の何気ない言葉に響達は驚く

 

「敵襲って…マリアさん達は!」

 

「その為のエルザとシャルだ大丈夫だあの2人なら大抵の相手は対処できる」

 

それに今回はちょっと面倒な敵でもあるからな

 

「お前達が心配しても何の意味もないからな「ご主人、何か焦げた匂いがする」こっちものんびりは出来ないみたいだな。ルナ匂いは何処からしてる」

 

「東から距離もそこまで遠くない私とご主人の全速力で行けば30分くらいで着く」

 

30分かそれなりに距離はあるな

 

「ちょっと待て!お前こっから飛び降りる気か⁉︎」

 

「火災が起きてるってのに階段を使う何て事言ってられないだろ」

 

「火災⁉︎何処で⁉︎」

 

「距離からして第7区域辺りだろ俺は先に現場に向かう行くぞルナ」

 

「るる」

 

そう言って俺とルナはベランダから飛び降り家の屋根を渡って現場に向かう

 

〜響side〜

 

「クリスちゃん私達も行かなきゃ」

 

「あたし達はおっさんからの連絡がない限り動けねえだろ、たく…こう言う時は彼奴の立ち位置が羨ましいぜ」

 

クリスちゃんはそう言って師匠からの連絡を待つ

 

『響君!クリス君、第7区域にて大規模な火災発生消防活動が困難な為応援命令だ』

 

「たく、遅えんだよ」

 

『湊君は居ないのか?』

 

「湊君ならついさっきルナちゃんと一緒に第7区域に向かいました」

 

『そうか、ヘリを回す2人はそれに乗って第7区域に向かってくれ』

 

「はい!直ぐに向かいます!「響」大丈夫ただの人助けだから」

 

私は立ち上がってそう言う

 

「私達も」

 

「手伝うデス!」

 

切歌ちゃんと調ちゃんもそう言って立ち上がる

 

「お前達は留守番だLiNKERも無しに出動なんて「それなら問題ないデス‼︎」はあ⁉︎何を根拠に‼︎お前らそれって」

 

「LiNKER、湊さんから貰ったお互いに最後の1本」

 

「これで私達も手伝えるデスよね」

 

「はぁ、たく彼奴はLiNKERの効力が切れる前に戦線からは離脱しろよ」

 

クリスちゃんはため息を吐いて2人にそう言う

 

「分かったデス」

 

「うん、それにこのLiNKERドクターの作ったのより効果時間も長いし」

 

「行って来るね未来」

 

「うん、待ってる」

 

私は未来にそう言ってヘリの来る屋上を目指した

 

〜響side out〜




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158話

「何だ今さらかよ風鳴司令、俺はもう現場に着くぞ」

 

『そうか、それにしてもよく火災に気がついたな』

 

「風鳴司令は獣人の嗅覚を舐めすぎだ「ご主人!」あそこか」

 

姉さんの所から暫く走って行くと燃えている建物を発見する

 

「風鳴司令、火災の現場が見えた」

 

『そうか響君達も時期に到着する、建物の中にまだ数人取り残されて居る。ルナ君は響君と協力して救助をメインに動いてくれ。そして湊君だが被害状況が依然四時の方向に拡大中だ。クリス君と協力して状況の確認を行ってくれ』

 

「了解」

 

俺はそう言って風鳴司令との通信を切る

 

「ルナ匂いが分かるか」

 

「ギリギリ何とか分かるけど煙の匂いと混じって大雑把な匂いしかわからない」

 

「そうか「湊君‼︎」遅えぞ響、風鳴司令から聞いてるだろうがルナと救助活動だ、俺はこのまま被害状況の確認に行く」

 

「うん、気をつけて」

 

「お前じゃねえんだから下手にヘマなんてしねえよ」

 

俺はそう言って被害状況の確認に向かう

 

『湊君状況の報告を頼む』

 

「ちょっとばかし建物が崩壊した後みたいなのはあるがそれ以外は怖いくらいに何もねえな」

 

『そうか、警戒は怠るなよ』

 

「分かってる、たく響と言いお前と言い他人を心配しすぎじゃねぇか」

 

『子供の安全を見守る、それが俺たち大人の役割と言うものだ』

 

「大人の役割ねぇ、ん?は、悪い風鳴司令関係者らしい奴を見つけた」

 

俺が通信を切って月を見上げるとそこには建物の最上階から此方を見下ろすドレス姿の仮面を付けた女性が居た

 

「テメェがこの騒動の主犯か」

 

俺の問いかけにその女性は何も答えない

 

「だんまりかよ、まあ俺は別にそれでも良いけどよ。その仮面が取れた後に泣きっ面見せても容赦しねえからな」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺がそう言ってシンフォギアを纏うと仮面の女性はレイピアを構えて降りて来る

 

「はあ‼︎」

 

《雷鳴》

 

俺は複数の雷を纏った剣を具現化させその女性に飛ばすと女性は全てレイピアで受け流し時に切り裂いて防ぐ

 

「中々やるみたいだな、これならどうだ‼︎」

 

《雷精》

 

俺は大剣の先に雷を溜めた後にそれを分裂させて放出する

 

(可笑しい、どうして彼奴はあの隙を突いてこない)

 

俺は相手の出方を見る為にわざと雷を多めに溜めて放出したが雷を溜めている間その女性は何故か攻撃して来なかった

 

「何のつもりかは知らねえがお前が俺を舐めてるってのだけは分かった」

 

俺がそう言うと女性は炎と氷を錬成して攻撃してくる

 

「成る程な、錬金術師だったかとっとと仮面をぶち壊してお前の顔を拝んでやる」

 

俺は上空に飛んでかわしブースターを噴射させ突っ込み相手の仮面だけを両断する

 

「さて、どんな顔…してん…だろうな…何で…何でお前がこんな所に居るんだよリュー‼︎」

 

仮面を外した姿は俺のよく知る5年前に死んだ筈のリュー・クリスティアだった




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159話

「答えろよリュー‼︎」

 

「あのさ、さっきからリューって誰かと間違えてない?私はルミア、ルミア・エルスティアって名前なんだけど?あ、もしかしてこの体のスペアの子が生きてた時の知り合いとか?」

 

スペアって何だそれに生きてた時の知り合い…此奴まさか

 

「まさかテメェあのリューの死んだ事に関わってんじゃねえだろうな」

 

「うん、と言うかあの子殺したの私だしね。いや〜、中々しぶとくて骨が折れたよ。まあアルカノイズの良い実験台になってくれたけどね」

 

そうか、此奴がリューを殺した張本人か

 

「あ〜あ、ベラベラと喋っちゃってマスターに怒られますよ」

 

「大丈夫だよガリィ、重要な事は何も喋ってないから」

 

そう言ってガリィと呼ばれた少女はビルの上から俺達を見下ろす

 

「たく、いい加減マスターから撤退の指示が出てるって言う事くらい理解して欲しいですね」

 

「それで来たんだお疲れガリィ」

 

「全くマスターの命令じゃなかったら私はどうでも良いんですけどね」

 

そう言ってガリィと呼ばれた少女は地面に結晶を落とす

 

「逃すかよ‼︎」

 

《雷斬》

 

俺は大剣に雷を纏わせブースターを噴射させて加速して斬り掛かるがそれは障壁で防がれる

 

「焦らない焦らない、私もまだ遊び足りないから今度またたっぷり遊ぼうね」

 

そう言うと2人は突如姿を消した

 

「チッ、逃げられたか」

 

『湊君状況はどうなって居る』

 

そこに今まで無かった風鳴司令からの通信が入る

 

「どうなってるも何も逃げられたよ」

 

『そうか、相手の容姿を覚えて居るか』

 

「そうだな1人は確かゴスロリだったか?そんな感じの奴だ、もう1人は思い出したくもない」

 

『ん?なんだか機嫌が悪いみたいだな、時期に切歌君と調君がクリス君を連れて到着する合流して本部に戻って来てくれ』

 

姉さんがあの2人を連れて来るならまだしもあの2人が姉さんを連れて来るのか?

 

「姉さんに何かあったのか?」

 

『ああ、クリス君ではなくイチイバルに問題が発生してな』

 

イチイバルに問題か

 

「分かった、切歌と合流し次第本部に向かう」

 

『ああ、頼む』

 

風鳴司令はそう言って通信を切った

 

(これはまた色々と調べる必要がありそうだな)

 

「お兄ちゃんこっちデス‼︎」

 

俺が振り返るとそこには姉さん抱える切歌と見知らぬ少女を抱える調が居た

 

〜ルミアside〜

 

「どう言うつもりだ、勝手な行動は辞めろと言った筈だぞ」

 

チフォージュ・シャトーに戻ると思ってた通りキャロルからの小言が待っていた

 

「まあまあ、良いじゃん面白い子にも会えたし♪」 

 

私がそう言うとキャロルは少しの沈黙を置いて小さく笑う

 

「ふっ、まあ良い確かに面白い奴には会えたな」

 

「マスターがそう言う事言う何て珍しいですね」

 

「時期にお前にも分かるだろ」

 

ガリィの問いかけにキャロルはそう答える

 

(さて、次はいつ遊びに行こうかな♪)

 

私はそう考えながらシャトーの中をスキップしながら歩いて行く

 

〜ルミアside out〜




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160話

「退屈デーズ‼︎」

 

「病院食は味がしない」

 

「たく、何で俺まで」

 

翌日、LiNKERの投与をした事による切歌と調の検査入院に加え何故か俺まで検査入院をさせられた

 

「お兄ちゃんLiNKERの複製って難しいデスか?」

 

「ああ、LiNKERのレシピの材料自体は何とか集まって居る。だがそれを人が使える物にするのは至難の業だ。ウェル博士はあんな性格だがかなり腕の良い生化学者だったみたいだな」

 

「私は彼奴のLiNKERにはもう2度と頼りたくないデスけどね」

 

「それでも1番なのはやっぱりドクターの作ったLiNKERって事だよね」

 

調の言う通り俺の作ったLiNKERはウェル博士の作ったLiNKERよりも確かに効果の持続時間は長いがその分ギアの出力が本来の半分くらいに抑えられて居る

 

「それでも私はお兄ちゃんの作ったLiNKERが好きデス。彼奴の作ったLiNKERとは違ってお兄ちゃんの作ったLiNKERにはドクターの時には無かった安心感があるデス」

 

「うん、ドクターはシンフォギアを動かす事を1番に考えてたかも知れない、でも湊さんのは私達の身体の事を1番に考えて作ってくれだ。その分ギアの出力は抑えられちゃってるけどそれは私達の身体に掛かる負荷を抑える為、それに効果の持続時間と私達が湊さんとの特訓から学んだ事で補えてる」

 

切歌と調は笑ってそう言う

 

「そうか、でも出力は問題があるないくら何でも流石に半分は抑えすぎだ。もう少し改良が必要だな」

 

「そう言う難しいのは後々考えれば良いんデスよ」

 

「私達に出来る事なら何でもお手伝いする」

 

「ああ、手伝いが必要な時は頼む。一先ずこれはLiNKERのストックだ。念のために持っておけ」

 

俺はそう言って通信機からLiNKERを取り出して切歌と調に渡す

 

「ありがとう」

 

「ありがとうデスお兄ちゃん!」

 

切歌と調は立ち上がって俺のLiNKERを取りに来る

 

「俺は少し寝るが起こすなよ」

 

「「は〜い」」

 

俺はそう言って目を閉じた

 

〜切歌side〜

 

「切ちゃん」

 

「何デスか調」

 

お兄ちゃんが寝て少ししたら調が話しかけてきた

 

「良かったね湊さんがお兄ちゃんになってくれて」

 

「はい、そうデス調も一緒にどうデスか?」

 

「私は…湊さんで良いかな?」

 

「さいデスか」

 

私は隣で寝てるお兄ちゃんに目を向ける

 

「お兄ちゃんには本当に感謝しても仕切れないデス」

 

「うん、私達の為にLiNKERを作ってくれたり色々助けてもらって」

 

お兄ちゃんは私達の為にLiNKERを作ってくれただけじゃなくて私達に合った闘い方まで教えてくれた。おかげでこの間もクリスさんがやられても相手が引くまで何とか持ち堪えられた。全部お兄ちゃんが居てくれたおかげ

 

「いつかこの恩をお兄ちゃんに返せると良いデスね」

 

「うん、湊さんが困っていた時は私達が力を貸してあげて少しづつ返して行こう」

 

「そうデスね…ふぁ〜、私も眠くなって来たデス」

 

「私も、私達も寝よっか」

 

「そうデスね」

 

そう言って私達もお兄ちゃんと同じ様に目を閉じた

 

〜切歌side out〜




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161話

「そう言やエルザの奴遅いな、確認の連絡を入れてみるか」

 

少しして起きた俺はエルザの帰りが遅い事を疑問に思いエルザの通信機に連絡を取る

 

「どうしてお前が出るんだ翼」

 

『済まない湊、エルザは今気を失って居るんだ。セレナが付きっきりで看病をして居る』

 

「何かあったのか?」

 

俺が翼にそう聞くと翼は昨夜の事を話し始めた

 

〜翼side〜

 

「翼これは何なの?あの子の持ち物の様なのだけどさっきから鳴ってるの」

 

「これは…恐らく湊からの通信だろう私が出よう」

 

日本に向かう飛行機内のプライベートルームに居た私はマリアからエルザの通信機を受け取り通信を繋げる

 

『どうしてお前が出るんだ翼』

 

「済まない湊、エルザは今気を失って居るんだ。セレナが付きっきりで看病をして居る」

 

『何かあったのか?』

 

「ああ、全ては私の不手際が原因だ」

 

私はそう言って昨夜の事を湊に話す

 

「くっ…」

 

「翼‼︎」

 

「大丈夫だマリア、しかしこれは一体」

 

突然ギアが分解された私は戸惑いのあまりそれ以外の言葉が出て来なかった

 

「システムの破壊を確認、これでお仕事は一段落ね」

 

「そこの貴方!どいて欲しいであります‼︎」

 

その声と共に上空から弦が降りて来てノイズを倒した後に1人の獣人が降りて来た

 

「エルザどうして此処に…」

 

「湊からの出撃の指示であります。言われて来てみればこの状況、説明は後でして貰うでありますよ翼。一先ずこれを着てるであります」

 

エルザはそう言って服を一着私に掛ける

 

「済まない」

 

「貴方は何者でありますか、目的は何でありますか」

 

「私の目的は既に達成されて居るわ、此処は見逃して欲しい所ね」

 

「生憎友人をこんな目に遭わされて引ける程わたくしは大人では無いであります」

 

「そう、なら仕方ないわね」

 

そう言って女性は新たなノイズを出現させる

 

「気をつけろエルザ!そのノイズの攻撃に触れてしまったらギアが分解されるぞ!」

 

エルザは頷くとノイズに向かって行った

 

「翼、彼女は何者なの?」

 

「エルザ・ベート、湊の仲間だ」

 

「彼の?」

 

「ああ「「翼さん(マリア姉さん)‼︎」」緒川さん」

 

「セレナ‼︎」

 

私がマリアに説明をして居ると車に乗った緒川さんとセレナが来た

 

「何とも無いとは言えませんがご無事で何よりです」

 

「ありがとうございます緒川さん」

 

「マリア姉さんも無事で良かった、彼処に居るのってエルザちゃん?」

 

「ああ、我々の助っ人に来てくれたらしい」

 

私はエルザの居る事に疑問を覚えたセレナにそう伝える

 

「そっなんだ、エルザちゃん避けて‼︎」

 

「は!」

 

敵の攻撃にいち早く気付いたセレナがそう言うが既に遅くエルザは尻尾を切られてしまった

 

「くっ…ノイズに気を取られて油断したであります」

 

「分かりました、ではその様に」

 

女性はそう言ってエルザにとどめを刺さずに姿を消した

 

「エルザちゃん‼︎」

 

「セレナでありますか…随分と情けない姿を見せてしまったで…ありますね…」

 

「エルザちゃん!「落ち着きなさいセレナ」マリア姉さん」

 

取り乱すセレナにマリアが近づき落ち着かせる

 

「大丈夫よセレナ気を失ってるだけよ」

 

「良かった…」

 

マリアの言葉を聞いてセレナは心底安心した声を上げる

 

「一先ず応急処置を済ませて安静にさせてあげましょう」

 

「そうだね」

 

「皆さん此方です」

 

私達は緒川さんに呼ばれそのまま日本に向かうつもりだった

 

「状況報告は聞いている、だがマリア・カデンツァヴナ・イヴ君の行動制限は解除されていない「その事ですが少し宜しいでしょうか」何だ君は」

 

「日本のエージェントをして居る緒川慎次と言います、失礼ながら見て頂きたい物がございまして」

 

そう言うと緒川さんは1枚の紙を取り出して銃を向ける相手に見せる

 

「これは…偽りのものでは無いだろうな」

 

「ええ、事実これは彼女が持って来てくれた物です」

 

そう言って緒川さんの乗って来た車からはシャルロットが出て来た

 

「貴方は‼︎確認を取る為少し時間を貰うぞ」

 

そう言うと男性は何処かに連絡を取り始めた

 

「かしこまりました、確認が取れました。確かにマリア・カデンツァヴナ・イヴ彼女の行動制限は先程解除されている。時間を取らせてしまい済まなかった」

 

そう言うと男性達は謝罪をした後に頭を下げて戻って行った

 

「緒川さんそれは一体」

 

「湊さんがセレナさんがいつでもマリアさんに会える様にと手を回してくれた様です」

 

「湊君が…ありがとう湊君」

 

セレナは涙を流し感謝していた

 

「話は後にしましょう今はその子の応急処置をするのが先よ」

 

「そうだな」

 

私達は緒川さんの運転の元日本に向かう為の飛行機に乗った

 

「これが昨夜あった事だ」

 

『そうか、分かったエルザが目を覚まし次第連絡をくれ』

 

「ああ「待って翼」マリア?一体どうしたんだ?」

 

私が通信を切ろうとするとマリアがそれを止める

 

「私の行動制限の解除、貴方が手を回してくれたそうね」

 

『ああ、緒川から聞いたんだろ』

 

「ええ、あの子の為にありがとう今此処にいないセレナの代わりにお礼を言うわ」

 

『気にするな、俺がしたくてした事だ』

 

そう言うと湊は通信を切った

 

〜翼side out〜




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162話

「マリアも翼さんもセレナも遅いデスね」

 

「俺達が早く来すぎたんだよ、日本に着くのって大体2時間後だぞ」

 

翌日、退院した俺達が向かったのは空港で今日セレナ達が到着するらしい。ルナと葉月も来てるが葉月が寝てる為ルナと外で待機して居る

 

「でも湊さんの飛行機だともっと早く…あ」

 

「どうかしたデスか調?」

 

「思い出したみたいだな、俺達が日本に向かう時に乗ったのは特殊な飛行機だから普通の飛行機より早く着くんだ」

 

「そうだったデス」

 

切歌もその事を思い出したらしい

 

「時間もあるし外で待ってるか、響達も来るみたいだし此処に来るのは響達が来てからにするぞ」

 

「「うん(了解デス)」」

 

俺達はそう言って空港の外に出た

 

「あ〜ん、美味しいデス」

 

「病院食は味が薄かったから余計に美味しく感じる」

 

「そんな物か?」

 

「パパ…」

 

「るる、ご主人葉月ちゃんが起きた」

 

俺達が近くのコンビニで朝食を買い公園で食べて居ると寝ていた葉月が起きた

 

「起きたか葉月」

 

「うん…セレナお姉ちゃんとエルザお姉ちゃんは?」

 

「まだ帰って来てないから安心しろ」

 

葉月はセレナとエルザが戻って来るのを楽しみにしてるからどうしても気になるんだろうな

 

「葉月どれにする?」

 

「パン」

 

「サンドイッチな、ほら」

 

俺はそう言って葉月にサンドイッチを渡す

 

「わ〜い‼︎」

 

「葉月ちゃん走ると転ぶデスよ」

 

朝食を食べ終え頃合いになるまで公園で遊ぶ事を知った葉月は一目散に遊具に向かって行く

 

「葉月の面倒は彼奴に任せておけば良さそうだな」

 

「葉月ちゃんと切ちゃん凄く仲良しだから」

 

「きっと精神年齢が近いんだろうな」

 

「るる、きっとそう」

 

若干酷い事を言って居るのだが調から否定が来ないのであながち間違いでは無いんだろう

 

「おはよう湊君」

 

「おはよう湊」

 

「来たか、寝坊はしなかったみたいだな響」

 

俺達が公園に来て1時間くらいした頃響と未来が俺達の居る公園に来た

 

「いや〜、流石に今日は寝坊できないよ」

 

「そうだね、翼さん達の出迎えに行こうって言い出したのは響だしね」

 

「だな」

 

未来の言う通り翼達を出迎えに空港まで行こうと言い出したのは響だ

 

「それにしても早いね湊君」

 

「ああ、彼処で葉月と遊んでる奴に連れ出された」

 

俺は葉月と遊んでる切歌を見てそう言う

 

「あ〜、切歌ちゃんがマリアさんに会いたくて早く来たんだ」

 

「それだけじゃなくて私達が日本に向かう時に乗ったのが特別な飛行機だって事を私と切ちゃんがすっかり忘れてた」

 

「あれ日本に着くの普通のより早いもんね、私も間違えそうになったよ」

 

大方それは未来が止めたんだろう

 

「そろそろ頃合いだし俺達も行くか、お前ら戻って来い」

 

「了解デス!葉月ちゃんまた今度遊びに来るデス」

 

「うん!」

 

切歌がそう言って葉月と手を繋いで戻って来る

 

「切歌ちゃんと葉月ちゃん本当に仲良いね」

 

「当然デス」

 

「切ちゃん葉月ちゃんの独り占めは良くない」

 

そう言って切歌の反対側の手を調が繋ぐ

 

「モテモテだね葉月ちゃん」

 

「まあ仲が悪いよりかは良いだろうな、それより姉さんは来ないのか?」

 

「クリスちゃんなら…あ、来たよ湊君」

 

俺達が話して居ると姉さんが走って来た

 

「悪いあたしが最後か」

 

「大丈夫だよ、私達も今来たばっかりだから」

 

「そうか、そんじゃ行くぞ」

 

俺達は姉さんの言葉に頷いて空港に向かった

 

「そろそろデスかね」

 

「多分そうだと思うけど…来た!翼さーん!マリアさーん!セレナさーん!」

 

「セレナお姉ちゃん‼︎」

 

葉月はセレナの事を見つけるとセレナ目掛けて走って行く

 

「葉月ちゃん久しぶりだね」

 

「うん!」

 

「貴方達も元気そうね切歌、調」

 

「突然デス!」

 

「マリアも元気そうで良かった」

 

「翼さーん‼︎」

 

「立花も元気そうだな、それと湊エルザだが済まないまだ目を覚まして居ないんだ」

 

翼は沈んだ表情でそう言う

 

「まあだろうとは思ってた」

 

俺はそう言って翼の背負って居るエルザを引き取る

 

「起きろエルザ」

 

「ん…わたくしは一体…」

 

「起きたかエルザ、何があったか覚えてるか?」

 

「ガンス、断片的にではありますが」

 

そうか覚えてるか、なら問題ないな

 

「済まなかったなエルザ私が不甲斐ないばかりに」

 

「いえ、あれはわたくしの油断から生じた事であります。翼が気に病む必要はないでありますよ」

 

「そうか、だが大事を取って今日は休んでいると良い」

 

「ガンス、そうするであります…ひゃ!」

 

「るる、尻尾が根本から切られて無いまた直ぐに生えて来る」

 

ルナがエルザの尻尾の部分を確認してそう言う

 

「こんな所で確認の必要はないであります‼︎」

 

「早いに越した事はない、それに別に減る物でもない」

 

「そう言う問題ではないであります‼︎」

 

「あんま暴れんな落ちるぞ」

 

俺がそう言うとエルザは顔を赤くしながらも大人しくなった

 

「ルナ〜、後で覚えておくでありますよ」

 

「るる、覚えてる」

 

今のって怒る人が良く言う言葉だがルナはその言葉通りに解釈したらしい

 

「お前ら遊んでないでとっとと行くぞ」

 

「分かってる」

 

俺はそう言ってルナとエルザの3人で姉さん達の所に向かう




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163話

「全員揃ったか、これでシンフォギア装者勢揃い、とは言い難いのかも知れないな」

 

本部に着いて今後についての話し合いをして居る

 

「だな、まともにシンフォギアが纏えるのは此処に居る俺と響、それから此処にいない鳩木と神無月の4人だけだからな」

 

「ああ、しかも佳奈子君と春香君の2人はシンフォギア装者としての経験が浅い」

 

「私達だって湊さんが作ったLiNKERを使えば」

 

「それでもLiNKERによる負荷が無いわけじゃない、それも含めての話だ」

 

「ああ、LiNKERについては湊君から予め聞いている。2人にはLiNKERを使って貰う事もあるだろうがそれは最後の手段だと思ってくれ」

 

風鳴司令がそう言うと切歌と調は何も言い返さなくなった

 

「これが新型ノイズに破壊された天羽々斬とイチイバルです。コアとなる聖遺物の欠片は無事なのですが」

 

「エネルギーをプロテクターとして固着させる機能が損なわれている状態です」

 

「以前セレナの使って居たアガートラームと同じ」

 

「私のアガートラームも絶唱の影響で破損してその機能が使えなくなってたし」

 

セレナが以前使って居たシンフォギアも同じ状態なのか、それにしても新型ノイズ…まさかな

 

「風鳴司令少し気になる事がある」

 

「言ってみてくれ」

 

俺はルミアが言っていたノイズの事を話す

 

「アルカノイズか…」

 

「ああ、リューを殺す時にその実験をしたらしい」

 

「もしかするかも知れないな、湊君と並ぶ装者だ、そう易々と負けるわけは無いと思って居たが今回の天羽々斬とイチイバルの事例がある」

 

「ああ、シンフォギア装者と言えどシンフォギアを分解されたらただの人間と何も変わらないからな」

 

「て言っても勿論治るんだろ」

 

姉さんの言葉に藤尭と友里は言葉を詰まらせる

 

「櫻井理論が開示された事で各国の異端技術研究は極めて進行しているわ」

 

「それでも了子さんでなければシンフォギアシステムの修復は望めない」

 

「直せない事はない」

 

俺のその言葉で全員が俺を見る

 

「どう言う事だ」

 

「確かに櫻井理論が開示されたのはフィーネ、櫻井了子が亡くなってからだ。だが俺は櫻井了子に会わずにサンダルフォンをシンフォギアに変えた。面倒な事はしたくないが今はそんな事も言ってられないからな」

 

「そうか…頼めるか湊君」

 

「破損状態にもよるな、天羽々斬とイチイバルのペンダントを見せてくれ」

 

俺がそう言うと姉さんと翼は俺に天羽々斬とイチイバルのペンダントを渡す

 

「成る程な」

 

「どうだ治りそうか?」

 

「ああ、1週間もあれば何とかなる。本来俺はこう言うバックアップの方が得意だからな、何だよお前らその意外そうな顔は」

 

俺がそう言うとエルザとルナ以外の俺の周りにいる全員が意外そうな顔で俺を見て来る

 

「うん…ホログラム型の通信機なんて作っちゃうから分かっては居たんだけど…」

 

「いざそう考えると」

 

「なぁ」

 

「ああ」

 

「やっぱ辞めるか」

 

此処まで来られると流石にやる気が無くなる

 

「まっまあ待て湊君、君の腕は通信機の時点でかなりある事は分かっている。此処は目を瞑ってくれ」

 

「たく、分かったよ。話はこれで終わりか」

 

「いや、まだ終わった訳じゃない全員着いて来てくれ」

 

そう言われて俺達は風鳴司令に着いて行った




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164話

「そう言や葉月の奴見ないな」

 

「そう言えば確かに何時も湊君の隣に居るからてっきり湊君の隣に居ると思ってたんだけど」

 

部屋の前で待ってる様には言ったんだがな、流石に退屈になって移動したのか?

 

「取り敢えず葉月は探すのは後にして風鳴司令達においてかれない様にするぞ」

 

「わあ!待って下さいよ師匠⁉︎」

 

響はそう言って走って風鳴司令達を追いかけて行った

 

「この中に誰か居るのか?」

 

「ああ、先日調君が連れ帰った少女だ」

 

ああ、調が抱えてた彼奴か

 

「待って下さい…さん」

 

「わ〜い!」

 

「なあ、調が連れ帰ったのって1人だったよな?明らかに2人分の声が聞こえたんだが、しかも物凄い聞き覚えのある声だっだんだが」

 

「奇遇だな湊あたしもだ」

 

姉さんだけじゃなく響達にも2人分の声が聞こえたらしい

 

「一先ず入るか、やっぱり此処に居たのか葉月」

 

「パパ!」

 

俺が中に入ると思った通り葉月が居た

 

「たく、勝手に居なくなんなよな」

 

「あの…もしかして湊さんですか?」

 

するとさっきまで葉月と遊んでいた少女が俺の名前を呼ぶ

 

「ああ、そうだが何で俺の名前知ってるんだ?俺とお前は初対面だろ?」

 

「あ…そう…でしたね、湊さんは覚えてないんでしたね」

 

その少女は残念そうにそう言う

 

「何だお前の知り合いなのか?」

 

「いや、初対面の筈なんだが」

 

「どうしてご主人が覚えてないのに貴方はご主人の事を覚えているの」

 

「返答によっては容赦はしないであります」

 

「わわ!おっ落ち着いて下さい‼︎」

 

「お前ら何やってんだよ」

 

俺はそう言ってエルザとルナに手刀を下ろす

 

「ご主人痛い」

 

「湊は気にならないでありますか」

 

「気になるならない以前の問題だっただろ」

 

本当にこの2人は

 

「一先ず俺の事は良い話を始めてくれ」

 

「はっはい」

 

少女は呆気に取られながらも話を始める

 

「僕の名前はエルフナインです。僕はキャロルに命じられるまま巨大装置の一部の開発に携わっていました。ある時アクセスしたデータベースよりこの装置が世界をバラバラにしてしまう物だと知ってしまい目論見を阻止するために逃げ出して来たのです」

 

「世界をバラバラにたぁ穏やかじゃねえな」

 

姉さんの言葉を聞いてエルフナインは頷く

 

「それを可能とするのが錬金術です」

 

「アルカノイズ、あれも世界をバラバラにするって目的で作られたのか?」

 

「はい、アルカノイズはノイズのレシピを元に作られました。アルカノイズを見たのでご存知でしょうがシンフォギアを始めとする万物を分解する力は既にありその力を世界規模に拡大するのが建造途中の巨大装置チフォージュ・シャトーになります」

 

エルフナインは俺の質問を肯定した後そう続けた

 

「装置の建造に携わって居たと言う事は君もまた錬金術なのか?」

 

「はい、ですがキャロルの様に全ての知識や能力を統括して居るのでは無く限定して作られたに過ぎません。それに僕は装置の建造に必要な最低限の錬金術の知識をインストールされただけなのです」

 

インストールってどう言う事だ?

 

「インストールと言ったわね?」

 

マリアも俺と同じ所が気になったのかエルフナインにその質問をする

 

「必要な情報を知識として脳に転送複写する事です。残念ながら僕にインストールされた中に作戦の詳細はありません。ですが、世界解剖の装置チフォージュ・シャトーが完成間近だと言う事はわかります。お願いです!力を貸してください!その為にドヴェルグ=ダインの遺産を持ってここまで来たのです!」

 

「ドヴェルグ=ダインの遺産?」

 

「聞いた事がある、確か魔剣ダインスレイフだったか?」

 

俺の言葉を聞いてエルフナインは頷く

 

「はい、アルカノイズに…錬金術師キャロルの力に対抗しうる聖遺物それが魔剣ダインスレイフこれがその欠片です」

 

エルフナインはそう言って箱から魔剣ダインスレイフの欠片を取り出す

 

「それに関しては分かった、あたしが気になってるのはお前が覚えてんのに湊の奴が覚えてなかった事だ」

 

「今から9年前、当時のキャロルは英国で行われて居たとある実験に目をつけました」

 

「9年前の英国…シンフォギアの軍事兵器化実験か」

 

「はい、そこで1番の成果を出して居たのが他でもない湊さんです」

 

シンフォギア軍事兵器化実験、確かに俺は1番の成果を出して居たのは事実だろうだがそれと俺の記憶がないのはどう繋がる?

 

「キャロルは僕を通して湊さんの信頼を得ようとしました。結果として僕と湊さんは友人となり短い間でしたが共に過ごしました。そしてこの先がキャロルの本当の目的だったんです。キャロルは貴方の体にとある聖遺物を埋め込み自分の思うがままに動き殺戮の限りを尽くす生物兵器に仕立て上げようとして居たんです」

 

「そのとある聖遺物って言うなんなんだ?」

 

「すみません、そこは僕もキャロルに記憶を消されて居て覚えていないんです」

 

「記憶を消されて?どう言うことだ?」

 

「キャロルやオートスコアラー達はとある方法を使って他者の記憶を奪う事が出来るんです。それがその対象とキスをする事です」

 

エルフナインは淡々と話す

 

「つまりは俺の記憶もキャロルに奪われたって事か?」

 

「はい、それにどう言う意図があったのかは分かりませんが何か理由があったと思います」

 

俺の記憶を奪う理由か、俺に知られちゃいけない何かやらかしたか?

 

「分かった、今はそれで信じよう。エルザとルナも良いな」

 

「ガンス」

 

「るる、問題ない」

 

俺の問いかけにエルザとルナはそう返す

 

「一緒に遊ぼうエルフナイン!」

 

「わわ!はっ葉月さん何処に行くんですか」

 

エルフナインはそう言って葉月に連れて行かれた




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165話

「そう言や忘れる所だった、未来神獣鏡が治ったぞ」

 

俺はそう言って未来に神獣鏡を渡す

 

「ありがとう湊、良かったこれで私も響達と一緒に戦えるんだ」

 

「それを決めるのは風鳴司令じゃなくてお前自身だからな」

 

「弦十郎さん早速お願いします」

 

「ああ、動作確認もしておく為にトレーニングルームに移動しよう」

 

風鳴司令の言葉に頷き俺以外の全員がトレーニングルームの映像を映すモニター前に移動し俺だけがトレーニングルームに移動させられる

 

「たく、何で俺まで」

 

『動作確認の途中で暴走した時の事を考慮してだ理解してくれ』

 

「はぁ、分かったよ」

 

「宜しくね湊」

 

「どうでも良いからさっさと始めようぜ」

 

「うん」

 

〜Rei shen shou jing rei zizzl〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺と未来はそう言って聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「前回はLiNKERを使って漸く纏えるくらいだったが今回はLiNKERなしで纏えるみたいだな」

 

「うん、LiNKERを使わないとダメなら切歌ちゃんと調ちゃんみたく止められてたかも知れないけど一様は大丈夫みたいだね」

 

「ギアも前回と変わらずか」

 

「うん、響がマリアさんのガングニールを使った時は変わったけど今回は変わらなかったみたい」

 

未来の纏った神獣鏡は前回同様紫を基調とするカラーリングで手には扇のアームドギアを持って居た

 

『未来君の適合係数に問題はない、動作確認に移ってくれ』

 

「分かりました、行くよ湊」

 

《閃光》

 

未来はアームドギアの扇を鏡のように展開し、複数のビームを同時に放つ

 

「ふっ!はあ‼︎」

 

「やあ‼︎」

 

《雷撃》

 

《流星》

 

俺が大剣の先端に溜めた雷を高出力のエネルギービームとして放つと未来は脚部装甲から円形のミラーパネルのような物を形成し、腕から伸びるケーブルと接続するして極太の破壊ビームを放射する

 

「やっぱ押し負けるか、神獣鏡の魔が払いの光は面倒だな」

 

「弦十郎さんもう大丈夫です」

 

『いや、可能ならもう少し続けてくれ神獣鏡はデータが不足しているんだ』

 

つまりこれは不足している神獣鏡のデータを収集する為でもあるのか

 

「仕方ない乗ってやるか」

 

「弦十郎さんにはお世話になってるし私も大丈夫だよ」

 

「そんじゃ、続けるか」

 

《雷鳴》

 

《閃光》

 

俺が無数の雷を纏った剣を具現化させて未来に飛ばすと未来はアームドギアの扇を鏡のように展開し、複数のビームを同時に放ち剣を撃ち落として行く

 

「はあ!」

 

「やあ!」

 

俺が大剣で斬りかかると未来は扇を使って防ぐ

 

『2人共助かった神獣鏡のデータも大体取れたもう大丈夫だ』

 

「だそうだ、さっさと出ようぜ」

 

「うん、湊これからも時々付き合ってくれるかな?」

 

「ああ、その時は俺に言ってくれ」

 

俺と未来はそう言ってトレーニングルームを出た




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166話

「たく、お前は家の中でも外でも変わんねえな」

 

「るる、ご主人が居る所それは私が居る所だから」

 

「この感じ見慣れて来た」

 

「そうだね」

 

翌日、俺はルナと鳩木達と帰宅して居る

 

「ご主人ノイズの匂い」

 

「そうか、場所は分かるか?」

 

「こっち」

 

「行くぞ鳩木、神無月」

 

「「はい!」」

 

俺達はルナに案内してもらいながらアルカノイズの出現地に向かう

 

『聞こえるか湊君!』

 

「ああ、アルカノイズだろ!ルナ達と向かってる!」

 

『緊急事態だ、ガングニールが響君の声に応えない』

 

ガングニールが応えない?どう言う事だ

 

『こちらから緒川とマリア君が向かった。応援に向かってくれ』

 

「分かった、場所のデータを送ってくれ」

 

俺がそう言うと風鳴司令は俺に響達の居る場所のデータを送る

 

「俺達が向かってる方角とは真逆か、ルナそっちはお前達に任せる俺は響の応援に向かう」

 

「るる、任されたご主人」

 

「湊さんは響先輩の所に」

 

「ああ、頼むぞ」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はそう言って聖詠を行い響達の所に雷鳥に乗って飛ぶ

 

「大丈夫かお前ら‼︎」

 

「ミナ!来てくれたんだ‼︎」

 

俺が響達の所に向かうと響は安藤達とアルカノイズから逃げていた

 

「どうやらガングニールが応えないってのは本当らしいな」

 

「うん、私どうしたら…」

 

「どうしたも何も使える奴に使わせれば良いだろ!」

 

俺は響のペンダントを強引に奪い到着した車に向けて投げる

 

「受け取れマリア!」

 

「ええ!」

 

〜Granzizel bilfen gungnir tron〜

 

車から出て来たマリアがペンダントを受け取り聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「どう言う風の吹き回しかしら?」

 

「どうもこうも今の彼奴よりお前の方が使えると思っただけだ」

 

「そう、行きなさい!」

 

「はい!」

 

未来はそう言って響の手を引いて走って行く

 

「まさかこんな形で貴方と戦場を共にするとはね」

 

「御託は良い、別の場所にもノイズが出てるさっさと片付けるぞ」

 

「そうね」

 

《HORIZON†SPEAR》

 

《雷撃》

 

俺とマリアは2つのエネルギー砲を組み合わせて放ちノイズを殲滅する

 

「テメェかガリィ」

 

「へ〜、ガリィちゃんの名前覚えててくれたんだガリィ感激」

 

「はああ!」

 

マリアがアームドギアの槍を持ってガリィに突っ込む

 

「くっ!」

 

「そろそろギアも限界か、戻れマリア‼︎」

 

「ええ!でもせめて一撃だけでも‼︎」

 

そう言って槍の一部を2つに分かれさせもう一度突くがガリィの中央にはシールドの様なものがあった

 

「頭でも冷やせやー「させっかよ!!」チッ」

 

「もう充分だ、下がれマリア」

 

「ええ」

 

俺がそう言うとマリアは来た道を戻って行く

 

「もう、折角ガリィちゃんの相手を決めたのに…もうこうなったら貴方に相手をしてもらおうかしら?」

 

「望む所だ」

 

「いっただっきまーす!」

 

ガリィが氷の上を滑り俺に近づいて来て時に突き刺した所である事に気付く

 

「これって…「はあ!」チッ!」

 

《雷斬》

 

ガリィは俺の攻撃を後ろに飛んで避ける

 

「これは1回引いたほうが良いかもね、貴方は私のガリィちゃんの相手に決めたわ他の子にやられないでね」

 

ガリィは不敵な笑みを浮かべてそう言い姿を消した




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167話

「ミナ!良かった無事だったんだ」

 

「当たり前だ、こんな所で死んでたまるかよ」

 

俺は安藤にそう返す

 

「怪我はないかしら?」

 

「ああ、俺の見た限り外傷はない。今はお前の手当てが先だマリア」

 

「ええ、君のガングニール「私のガングニールです!これは誰かを助けるための力!私の貰った!私のガングニールなんです!」……」

 

そう言って響はマリアの手にあるガングニールを奪い取っる

 

「響!お前!「良いの辞めなさい雪音湊」マリアお前」

 

「そうだ!ガングニールはお前の力だ!だから!目を背けるな!!」

 

マリアは力強くそう言って響の両肩を掴む

 

「響、一つ忠告しておく今のお前じゃ何も出来ないまま全てを失うぞ未来もお前の後ろにいる友人達も」

 

「何も出来ないまま全てを…未来や皆んなを…」

 

響の言葉に俺は頷く

 

「もう少し自分の言葉や行動に責任を持って」

 

「うん…」

 

俺は響のその言葉を聞いて帰路に着く

 

「ありがとう、助かったわ」

 

「別に、さっきも言ったが今の響よりかは戦えると思ってやった事だ」

 

俺がマリアと話して居ると通信が入る

 

「ルナか、そっちはどうだ」

 

『るる、アルカノイズ殲滅完了でもアルカノイズ以外誰もいなかった』

 

誰もいなかった?アルカノイズはガリィみたいな奴が来てるから出現するんじゃないのか?

 

「分かった、一先ず調査は風鳴司令達に任せてお前達は戻って来い」

 

『るる、了解』

 

ルナはそう言って通信を切る

 

「どう思うマリア」

 

「恐らくアルカノイズを放った後、前回や今回の様に姿を消したんじゃないかしら」

 

「彼奴らの目的は記憶を採取する事じゃなかったか?」

 

「そうね、そう考えると確かに不自然ね」

 

「だろ」

 

オートスコアラーの目的が記憶の採取だとすれば誰の記憶も奪わずに撤退するなんて事はあり得ない筈

 

「この事は明日風鳴司令と話し合ってみるわ」

 

「ああ、そうしてくれ」

 

そう言って俺はマリアと分かれる

 

〜マリアside〜

 

「ただいま」

 

「お帰りデ⁉︎マリア‼︎どうしたデスその怪我⁉︎調!調〜‼︎」

 

出迎えた切歌が私が血を流している事に驚き調を呼びに行った

 

「何があったデスか?」

 

「立花響彼女のギアを借りた時のバックファイヤよ、LiNKERも使わずに無茶をしたもの当然よ」

 

「響さんのギアをマリアが」

 

「うーん、響さんらしくないデスね」

 

切歌が腕を組んでそう言う

 

「2人は彼をどう思う」

 

「「彼?」」

 

「ええ、私達と彼は敵対して居た。私も彼に殺されかけた。でも彼は敵対していた時とは違って私達に力を貸してくれて居る。だから分からないの、あの時の私を殺そうとして居た冷酷な彼、今私達に力を貸してくれている優しい彼どちからが本当の彼なのか」

 

私はフランスに行ってからも彼とはあまり関わっていない、でも切歌は彼を兄と慕い調も少なからず良く思って居る

 

「私には難しい事はわからないデスけど私にとってお兄ちゃんはお兄ちゃんデスよ」

 

「私も湊さんは悪い人じゃないと思ってる」

 

「そう、私が彼の事をあまりにも知らなさ過ぎるのよね」

 

セレナからある程度聞いてるけどそれはセレナの見解で私が実際に目の当たりにした訳じゃない

 

「マリアも時期に分かるデスよお兄ちゃんはとっても優しいデスから」

 

「私達も沢山助けて貰ったし」

 

「そう」

 

切歌と調の言葉を聞いた私は2人にそう返した

 

〜マリアside out〜




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168話

「来たかナスターシャ」

 

「ええ、少々遅れてしまいましたね」

 

「るる、問題ない遅れたと言っても誤差の範囲気にする必要ない」

 

翌日、俺は学校が終わって直ぐに空港に向かいナスターシャを出迎えに行った

 

「では行きましょうか」

 

「ああ、何だ風鳴司令」

 

『敵襲だ!現在響君が対処に当たって居るが未だ歌が歌えない状況下にある至急応援に向かってくれ!』

 

「分かった、ルナお前はナスターシャを連れて本部に迎え」

 

「るる、了解」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はそう言って聖詠を行い響の通信機の反応を元に現場に向かう

 

「彼処か」

 

「今邪魔されるのは困るのよね」

 

俺が降りて響達の所に向かおうとすると物影からそんな声が聞こえる

 

「ガリィか」

 

「ガリィだけじゃなくて私も居るよ」

 

そこにはガリィとルミアが居た

 

「何のつもりだ」

 

「私はただ君と遊びたいだけだよガリィの目的は知らないけど、私の遊ぶ時間は邪魔しないでね」

 

「はいは〜い、貴方と違ってガリィちゃんにはちゃんとお仕事があるからね」

 

そう言ってガリィは響達の居る場所に向かって行った

 

「俺はお前と遊んでる暇なんてないんだよ!」

 

「だ〜め、貴方は私と遊ぶの。その為に私は此処に来た訳だから」

 

「遊ぶなら別の時にしてくれ」

 

俺がそう言ってルミアの横を通り過ぎようとすると突然レイピアを向けられる

 

「あらら、避けられちゃった」

 

「テメェ何のつもりだ」

 

俺は後ろに飛んでそう言う

 

「だめだよガリィのお仕事の邪魔しちゃ」

 

「仕方ないだったらお前を倒して行くだけだ」

 

《雷斬》

 

ルミアは俺の攻撃を受け流す

 

「だったら此奴でどうだ‼︎」

 

《雷鳴》

 

俺は無数の雷を纏った剣を具現化させて飛ばす

 

「この程度じゃ私は倒せないよ、早くしないと向こうの2人ともやられちゃうんじゃないかな」

 

「チッ!目的は時間稼ぎか」

 

「それもあるよでもただ私が貴方と遊びたいだけ」

 

仕方ないまだ未完成だが使うしかない

 

「セイクリッドモジュール抜剣‼︎」

 

俺はその掛け声と共にペンダントにその部品を装填した

 

「へ〜、そんな事も出来るんだシンフォギアも侮れないね」

 

「お遊びは此処までだ」

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺は後ろに飛んで両手に携えた大剣のアームドギアから雷を放出し自身を雷を纏う鳥と化させルミアに突進する

 

「まだマスターに倒れられる訳にはいきません」

 

「あ〜あ、何で来ちゃうかな」

 

俺の攻撃がルミアに当たる直前に誰かに阻まれる

 

「誰だ!」

 

「お初にお目に掛かりますね、私はオートスコアラーのセラと申します今後何かとお会いする事もありましょうからどうぞお見知り置きを」

 

セラと名乗った少女はそう言って姿を消した

 

「何だったんだ…ヤベェ響‼︎」

 

俺は急いで響の所に向かう

 

「響!響‼︎」

 

「未来‼︎」

 

「湊…響が…響が‼︎」

 

そこにはギアが解除された状態で倒れる響と未来が居た

 

「間に合わなかったか、悪い未来足止めを喰らってた」

 

「響は無事なの?」

 

俺は未来にそう聞かれて響の脈を測る

 

「大丈夫だ、だがこの格好はどうにかならないか?」

 

「ごめん湊、今私別の服持ってないんだ」

 

響が今身に付けているのは未来の鞄の中にあったタオルだけ

 

「向こうで待ってるから一先ずこれを着せろ」

 

俺はそう言って通信機から1枚のコートを取り出す

 

「分かった」

 

未来は俺からコートを受け取ると気を失ってる響にコートを着せる

 

「もう大丈夫だよ湊」

 

「そうか、一先ず響を本部に運ぶぞ」

 

「うん」

 

俺は気を失った響を抱えた未来を連れて雷鳥に乗って本部に向かって飛んだ




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169話

「悪い風鳴司令」

 

「湊君、君が悪い訳じゃない。君は錬金術師の内の1人と相対していたのだからな。それに新たなオートスコアラーの確認も取れた」

 

俺はサンダルフォンで響と未来を本部の潜水艦まで運び響は治療室に入り治療を受けて居る

 

「湊君、天羽々斬とイチイバルの修復はどうなって居る」

 

「昨日終わった所だ。次に本部に向かう事があったら渡そうと思ってた」

 

俺はそう言って天羽々斬とイチイバルのペンダントを風鳴司令に渡す

 

「済まないが響君のガングニールも頼めないか?」

 

「分かった、やってやるよ」

 

「助かる、それと明日プロジェクトイグナイトについてエルフナイン君から説明がある学校が終わり次第本部に向かってくれ」

 

「ああ、響の事は風鳴司令達に任せて帰るぞ未来」

 

「うん、そうだね」

 

そう返す未来はやはり響の事が心配なのか元気がない

 

「未来君、響君の事が心配なら此処に泊まって行くと良い」

 

「良いんですか弦十郎さん」

 

「ああ、響君も、目覚めた時に君が側に居てくれた方が良いだろう」

 

「ありがとうございます弦十郎さん」

 

未来はそう言って風鳴司令に頭を下げる

 

「良いのか風鳴司令、彼奴明日も学校あるんだぞ?」

 

「何学校くらいに送ってやるさ」

 

まあ風鳴司令がそれで良いのなら俺は別に良いんだが

 

「湊君もどうだ?」

 

「いや、俺は帰るそう言やナスターシャの奴は来たのか?」

 

「やはり君が呼んでいたか、君達が来る少し前にルナ君が連れて来てくれたよ」

 

どうやらルナはちゃんとナスターシャを本部に連れて行ってくれた様だ

 

「ああ、長年聖遺物の研究に携わって来たナスターシャならエルフナインの協力も出来ると思ってな」

 

「そうか、今日の所はゆっくり休むと良い事後処理はこちらで行っておこう」

 

「ああ、そうさせてもらう」

 

そう言って俺は自分の家に戻った

 

「お帰りであります湊」

 

「お帰りご主人」

 

「お帰り湊君」

 

「ああ、ただいま」

 

エルザ達の言葉に俺はそう返す

 

「パパ‼︎」

 

「葉月も遅くなって悪かったな」

 

「大丈夫だよ!ルナお姉ちゃんと一緒だったから‼︎」

 

「そうか、最近ノイズの数も増えて来てんだからあんま1人で出歩くのは辞めろよ」

 

「うん!」

 

俺の言葉に葉月は笑ってそう返す

 

(此処は俺の帰る場所なんだ、だから何があっても此奴らだけは絶対に俺が守ってみせる。もうリューの時みたいな気持ちになるのはごめんだからな)

 

「パパ?」

 

「なんでもない、エルザ達も待ってるだろう行くか」

 

「うん!」

 

俺はそう言って葉月とエルザ達の居るリビングに向かった




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170話

「プロジェクトイグナイト、現在の進捗は92%旧ニ課の保有して居た第1号及び第2号聖遺物のデータとエルフナインちゃんの頑張りそして先日湊君の完成させたプロジェクトセイクリッドのデータのお陰で予定よりもずっと早い進行です」

 

「済まないな湊君、君のモジュールのデータまで貰ってしまう形になってしまって」

 

「気にすんな風鳴司令、俺もエルフナインの協力があって完成したんだからな、それに今はどうこう言ってられる状況じゃないしな」

 

響が倒れて数日、響がまだ目を覚さない中プロジェクトイグナイトは完成間近の所まで来ていた

 

「そして長年聖遺物を研究して居たナスターシャ教授の助力も大きく我々だけでなくエルフナインちゃんも気づけない所でのアドバイスも大きく助かったとエルフナインちゃんが話していました」

 

「湊君がナスターシャ教授を呼んだ事は正解だった様だな」

 

「ああ、そうみたいだな」

 

俺が呼んだナスターシャもエルフナインの役に立ってるみたいだ

 

「各動力部のメンテナンスと重なって一時はどうなる事かと思いましたが作業や本部機能に必要なエネルギーが外部から供給できたのが幸いでした。これは!アルカノイズの反応を検知‼︎」

 

「何だと⁉︎」

 

「座標確認します!」

 

「風鳴司令、響のガングニールと元セレナのアガートラームの修理が終わったから渡しておくぞ‼︎」

 

「ああ!済まないが今すぐ向かってくれ!」

 

俺は風鳴司令の言葉に頷きアルカノイズが発生した発電所に向かう

 

「ルナ!エルザ!聞こえるか‼︎」

 

『るる、問題ないもうアルカノイズの発生源に向かってる』

 

『こちらも同様にセレナとアルカノイズの発生源に向かっているであります』

 

「分かった、お前達はそのままアルカノイズの対処に集中して可能ならオートスコアラーを撃て」

 

『『ガンス(るる)』』

 

俺はそう言って通信を切る

 

「1番近いのは此処か」

 

俺は本部から1番近い所に向けてバイクを走らせる

 

「着いたかやるぞサンダルフォン」

 

そう言って聖詠を行う俺だったが聖詠は俺が思っていた聖詠とは違って居た

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

俺が身に纏ったのはサンダルフォンではなく白銀のギアだった

 

「これって確か」

 

『どうした湊君‼︎』

 

「悪い風鳴司令、渡すペンダントミスった俺が今持ってんのがアガートラームだ」

 

『何だと⁉︎』

 

不味いな、ガングニールなら兎も角アガートラームは一度も使った事ないぞ

 

「仕方ない、このまま戦闘を始める!」

 

『ああ、そうしてくれこればかりは君のミスだからな』

 

「それを言われちゃ返す言葉も無いな」

 

俺はそう言ってアームドギアの短剣を構える

 

(よりによって短剣か苦手なんだよな)

 

「まあ俺がミスったんだ仕方ないよな」

 

《INFINITE†CRIME》

 

俺は左腕部ユニットからアームドギアである短剣を引き抜き、それに連なって引き出された無数の短剣を周囲の空中に展開しアルカノイズに向けて一斉に投擲する

 

(この調子ならなんとかなるかも知れないな)

 

俺はそう思いながらノイズを出現させているオートスコアラーを目指した




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171話

「見つけたぞ!テメェがアルカノイズを出現させてるオートスコアラーだな!」

 

「マスター、邪魔者を確認如何致しましょう」

 

俺がアルカノイズを倒して行くとガリィとは別の黒髪の女性が居た

 

「承知、派手に排除致します」

 

そう言って女性は俺に向けて飛ばして来るコインを短剣で両断する

 

「ほう、多少は骨のある相手と言う訳か」

 

「多少で済めば良いがな」

 

俺は短剣の刀身を蛇腹剣のように変化させ女性に向けて振るう

 

「ふっ」

 

「だったら此奴でどうだ!」

 

《INFINITE†CRIME》

 

俺は左腕部ユニットからアームドギアである短剣を引き抜き、それに連なって引き出された無数の短剣を周囲の空中に展開し女性に向けて飛ばす

 

「ルミアのお気に入りと期待して居たが派手に期待外れだ」

 

「悪いな、このギアは本来俺のギアじゃ無いんでな」

 

「しかし私がそれを見る事はない此処で貴様を派手に葬るからだ」

 

女性はコインをトンファー状に結集して俺に向かって来る

 

「ふっ!」

 

「はあ!」

 

女性のトンファーを受け流し短剣を向けると女性はもう片方のトンファーでそれを受け止める

 

「近接戦は得意の様だな」

 

「そう言うお前はあまり得意じゃないみたいだな」

 

俺と女性は互いに後退してそう言う

 

「なら遠距離で行くだけだ」

 

女性はそう言って無数のコインを飛ばす

 

「何度やっても結果は同じだ」

 

「やはり私に地味は似合わないな、派手に行かせて貰う」

 

女性はそう言って俺の左右に巨大なコインを生成する

 

「派手に死ね」

 

そう言って女性はそれの左右にある巨大なコインで俺を潰そうとする

 

「爪が甘いな」

 

《EMPRESS†REBELLION》

 

俺は短剣の刀身を蛇腹剣のように変化させ、あらゆる角度から周囲一帯を斬り裂き巨大なコインを破壊する

 

「俺もそろそろ本気で行くか」

 

そう言って俺は通信機の中からデュランダルを取り出す

 

『湊君!どうして君がデュランダルを持っている‼︎』

 

「広木防衛大臣から日本政府との取引だとよ、デュランダルの研究データを渡す代わりにデュランダルの所有権を完全に俺に譲渡してくれるって言うから研究データを渡した。だからデュランダルはもう俺の自由に使って良いんだよ」

 

俺は風鳴司令に簡単に説明する

 

「さあ続きを始めようぜ」

 

「承知しました。この決着は次に持ち越しだ。それまで俺以外のやつに派手に負けてくれるなよ」

 

女性はそう言ってその場から姿を消した

 

「ちっ、逃したか」

 

『湊君!そのまま切歌君と調君の応援に向かって来れ‼︎あの2人本部のメディカルルームからLiNKERを持ち出して交戦中だ‼︎』

 

「何やってんだよ彼奴ら、分かった直ぐに向かう」

 

『こちらもプロジェクトイグナイトが完成し次第翼とクリス君を向かわせる。その際に君のサンダルフォンも持って行かせるからそれまで耐えてくれ』

 

「了解、丁度切歌の奴からSOS信号が来た」

 

『何だそれは?』

 

「そのままの意味だ。危険だと思った時に送る信号だ」

 

俺はそう言ってバイクに乗り切歌がSOS信号を飛ばしている場所に向かった




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172話

〜切歌side〜

 

「はああ!」

 

私のイガリマがクリスさん達と同じ様に破壊されてからずっと調が戦っている

 

「調もう良いデス私の事は良いから調だけでも」

 

「嫌だ、この命は切ちゃんから貰った命だがら切ちゃんの為に全部使う」

 

「そんなのダメデス、私のせいで調がいなくなったりでもしたら私は…私は…」

 

(神様でも誰でも良いデス、どうか調を…調を助けて欲しいデス)

 

そう願うも調を助けてくれる人は現れない

 

(私がお兄ちゃんみたく強かったら、お兄ちゃんみたいに…そうデスお兄ちゃんデス‼︎)

 

私はギアが解除されても手元にある通信機でお兄ちゃんにSOS信号を送る

 

(お兄ちゃん…どうか気づいて…調を助けて…)

 

私はそう願い目を瞑る

 

「もうギア持たない」

 

「調‼︎避けるデス‼︎」

 

「は‼︎」

 

調が気づいた時にはアルカノイズの攻撃が調の直ぐそこまで来ていた

 

「調‼︎」

 

(お兄ちゃん早く)

 

後少しで調に当たる所で上空から剣が飛んで来てアルカノイズを倒す

 

「これって…」

 

「デュランダル…もしかして‼︎」

 

そこにはバイクこっちに向かって走って来る姿が見える

 

「無事かお前ら‼︎」

 

「「お兄ちゃん(湊さん)…」」

 

「ああ、遅くなって悪いな」

 

そう言ってお兄ちゃんは私達の前に立って地面に刺さるデュランダルを引き抜いた

 

〜切歌side out〜

 

「おー!ルミアのお気に入りが来たぞ‼︎」

 

「お前もその覚え方なのか」

 

このオートスコアラーにもさっきの奴と同じ覚え方されてたのか

 

「調お前はLiNKERの効果が切れる前に切歌を連れて撤退しろ、それと後で風鳴司令から説教があるだろうがそれは我慢しろよ」

 

「うん、ありがとう湊さん」

 

俺がそう言うと調はそう言って頷き切歌を連れて本部に向かって行った

 

「さて、随分とやってくれたみたいだな」

 

「私はまだやり足りないんだぞ」

 

「なら俺とやるか、言っとくがあの2人みたいに行くと思ったら大間違いだぞ」

 

そう言って俺はデュランダルを仕舞いインドラの槍を赤髪の少女に向ける

 

「とりゃー!」

 

赤髪の少女は赤い結晶を持って向かって来る

 

「ふっ」

 

「それそれそれ〜」

 

俺がインドラの槍で結晶を防いで少女ごと吹き飛ばすとその少女は今度は結晶を投げて来る

 

《天地雷鳴》

 

俺は結晶にぶつける様に自身の周りに雷を纏った球体を飛ばす

 

「おー!さっきの奴らより全然強いぞ‼︎ルミアが気に入るわけだぞ」

 

「その余裕がいつまで持つか見ものだな」

 

《神槍羅刹》

 

俺が地面にインドラの槍を突き刺すと少女の周り一帯から無数の小さな槍が出て来る

 

「お!面白くなって来たぞ‼︎」

 

そう言って少女は炎をドリルの様な髪から炎を出し加速して突っ込んで来る

 

「わざわざ俺の間合いに入って来てくれて助かったぜ」

 

俺は槍を横に振るってオートスコアラーを建物にぶつける

 

「此奴で終わらせる」

 

《雷光檄竜槍》

 

俺はインドラの槍を巨大化させて投げると槍は雷を纏う竜へと姿を変えてオートスコアラーに向かって行き土煙を上げる

 

「やったか」

 

「ふっ、やはり貴様は俺が出るべき相手だったな」

 

そこには障壁を張って俺の攻撃を防ぐエルフナインに似た少女が立っていた




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173話

「面目ないんぞ」

 

「嫌、手ずから凌いで良く分かった俺の出番だ」

 

「俺が覚えてる中では初めてだなキャロル・マールス・ディーンハイム、テメェには聞きたい事が山程あるんだ」

 

俺はそう言って槍を構えてキャロルに突っ込む

 

「流石は完全聖遺物と言った所か、全てに置いて優先されるのは計画の実行、此処は俺に任せてお前は戻れ」

 

「分かったぞ」

 

そう言うと赤髪の少女はガリィと同じ結晶を砕き姿を消す

 

「たく、随分と余裕ぶってくれるな」

 

「事実、今の貴様程度であればどうとでもなる。しかしそれを理由に本気を出さなければ俺同様に貴様とて満足は出来まい。刮目せよ‼︎」

 

俺が距離を取るとキャロルは異空間から竪琴を取り出し弦を弾くとキャロルの容姿が成長し紫を基調とするプロテクターを纏う

 

「ダウルダブラ…成る程なお前が持ってたか、通りで何処の国を探しても見つからない訳だ」

 

「それは此方も同じだあれを貴様に先に見つけられて居たとはな」

 

キャロルの言うアレとはエルザの使って居るエクリプスの事だろう

 

「貴様も全力で来い」

 

「は、全部お見通しって訳か良いぜ俺も全力で行ってやる」

 

俺がインドラの槍を空に翳すとインドラの槍に雷が落ち俺は金を基調とするプロテクターを纏う

 

「はあ‼︎」

 

キャロルは腕の弦をワイヤーの様に伸ばして俺に向けて振るう

 

「ふっ、はあ‼︎」

 

俺は弦を両断してキャロルに向けて突っ込む

 

「この程度で終わってくれては困ったからな、ん?どうやら邪魔が来た様だ」

 

「みたいだな」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

俺とキャロルが話して居ると後ろから2基のミサイルが飛んで来た

 

「大丈夫か湊‼︎」

 

「ああ、たくタイミングが悪いにも程がある」

 

「お前ギアを間違えておいて良く言えたな」

 

姉さんはそう言って俺にサンダルフォンのペンダントを渡す

 

「ああ、それは助かった」

 

「話は済んだか」

 

「ああ、待たせたな」

 

サンダルフォンを首に掛ける俺に代わって翼がそう答える

 

「全く、余計な邪魔が来てくれた物だ」

 

「チッ、あの野郎あたしと先輩はまるで眼中にねぇぜ」

 

「ああ、しかし我々も湊に任せきりと言う訳にはいくまい」

 

そう言って翼は刀を構える

 

「はあ‼︎」

 

キャロルは先程とは違い炎と水を同時に錬成して来る

 

「何なんだよあの出鱈目な力は!」

 

「あれが錬金術師、今までのオートスコアラーとはまるで別格だ」

 

「よそ見してんじゃねえ‼︎次が来るぞ‼︎」

 

俺と翼と姉さんはキャロルの錬金術を避けながら攻撃の隙を伺う

 

「そこだあ‼︎」

 

「ふっ、はあ‼︎」

 

俺は弦を両断してキャロルに向けて突っ込む

 

「はああ‼︎」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

姉さんはキャロルが錬金術を発動し終えた隙を見て追尾式の小型ミサイルを一斉に発射する

 

「ふっ!その程度か」

 

「はあ‼︎」

 

キャロルが姉さんの追尾式の小型ミサイルに気を取られて居る内にキャロルに接近した翼が斬りかかる

 

「何⁉︎ぐあ‼︎」

 

キャロルは翼の接近に気づいていたらしく翼を弦で拘束した後に放り投げ錬金術で攻撃する

 

「先輩‼︎クソ!喰らいやがれ‼︎」

 

《GIGA ZEPPELIN》

 

大型化させた両手のクロスボウに2連装するクリスタル状の矢を上空に向けて放つ。射線上の敵を穿ちつつ一定高度に到達した矢は割れるように分裂、無数の小片がキャロルや辺り一面に向かって行く

 

「やはりオートスコアラーに負けた2人ではこの程度か」

 

キャロルは弦を回転させて防ぎそのままドリル状に集中させる

 

「逃げろ姉さん‼︎」

 

「しまっ‼︎」

 

俺と姉さんが気づいた時には遅く姉さんは錬金術で作られた風に動きを封じられドリル状に集中された弦での攻撃で翼の隣に倒れる

 

「これで邪魔者は居なくなった、続きを始めよう」

 

「ああ」

 

俺はそう言って槍を構えてキャロルに向かって行く




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174話

「はあ!」

 

「ふっ!」

 

俺の攻撃をキャロルは弦を盾の様にして防ぐ

 

「はああ‼︎」

 

「くっ‼︎」

 

キャロルが錬金術で錬成した炎と水を後ろに飛んで交わす

 

(俺がインドラの槍のファウストローブを纏って約20分、そろそろ決めないとまずいな)

 

実はこのインドラの槍のファウストローブには火力の代わりに1日30分と言う制限時間が存在する

 

「これで決める‼︎」

 

《雷帝終焉槍》

 

俺は巨大化させたインドラの槍を回転させるとインドラの槍は黒いプラズマを纏いキャロルに向かって突っ込んで行く

 

「それが貴様の全力か良いだろう受けてたとう‼︎」

 

キャロルはそう言って炎、水、風、土の4つを同時に錬成する

 

「何⁉︎押されて居るだと⁉︎」

 

槍は錬金術を貫きながらキャロルに向かって行く

 

「くっ‼︎はあ‼︎」

 

キャロルは障壁を何重にも展開し弦も盾の様にして攻撃に備え槍が盾にぶつかって少しすると爆発が起こると同時にファウストローブが解除され槍が俺の所に戻って来る

 

「はぁ…はぁ…」

 

「やったか」

 

「わからないだがら向こうもただでは済まないだろう」

 

槍を支えに立つ俺の後ろで立ち上がった姉さんと翼がそう話す

 

「待て‼︎」

 

「嘘だろ…」

 

爆発で起こった土煙が晴れるとそこにはキャロルが立っていた

 

「少々危なかったがそれでも俺を倒すにはまだ足りない様だな」

 

「へっ、化け物が」

 

「お前に化け物と言われるのは心外だ」

 

そう言って弦をワイヤーの様にして攻撃するキャロルの攻撃を翼がインドラの槍を姉さんが俺を抱え後ろに飛んで交わす

 

「ほう、まだ動けるか」

 

「いけるか雪音」

 

「あれを試すくらいにはギリギリ大丈夫って所かな…」

 

「ふん、球を隠しているなら見せてみろ、俺はお前達の全ての希望をぶち砕いてやる」

 

姉さんと翼の言葉を聞いたキャロルはそう返す

 

「付き合ってくれるよな」

 

「無論1人で行かせるものか」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

後ろから聞こえる聖詠を聞いて翼と姉さんが振り返る

 

「姉さん…翼…俺にもやらせてくれ…」

 

「湊…しかしお前は」

 

「大丈夫だこのくらい、あそこで感じた痛みに比べればどって事ねえよ」

 

シンフォギア軍事兵器化実験、あそこで感じた痛みや苦しみに比べればこの程度の事は何ともないと思える

 

「分かった、しかしお前は先程の戦いでかなり消耗しているだろうから無理はするな」

 

「たく、本当変わったなお前」

 

「変わんねえよ、俺は俺のやりたい様にやるだけだ。帰る場所を守りたいものを守る為に戦ってるそれだけだ」

 

「そうかよ」

 

「行くぞ‼︎」

 

「「「イグナイトモジュール(セイクリッドモジュール)抜剣‼︎」」」

 

俺達はその掛け声と共にペンダントに部品を装填した




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175話

「「ぐああ‼︎」」

 

「やっぱこうなったか」

 

セイクリッドモジュールを纏った俺は無事だったがイグナイトモジュールを纏おうとした翼と姉さんは破壊衝動に呑まれそうになっていた

 

「たく、世話の焼ける奴らだ」

 

俺はそう言って翼と姉さんの手を握る

 

「何をするつもりだ」

 

「悪いな、今お前の相手をしてる暇はないんだ。こいつらと遊んでろ」

 

俺がそう言うと背後から弦が伸びる

 

「遅れたであります」

 

「るる、ちょっと手間取った」

 

そう言ってルナとエルザが俺達の前に立つ

 

「ふん、まあ良いどうせお前らも纏めてしまつする予定なのだからな順序が早まるだけだ」

 

「そう簡単にやられはしないであります」

 

「るる、ご主人に良い所を見せるチャンス」

 

そう言ってルナはキャロルに向かって行く

 

(さて、さっさと終わらせるか)

 

俺はそう考えて2人の中を覗く

 

〜翼side〜

 

「剣である私では誰も抱きしめられない、夢を叶える事も出来る筈もない」

 

私の心は既に折れかけていた

 

「ならお前は夢を諦めるのか」

 

「湊…」

 

次に私の前に現れたのは立花や雪音でもなく湊だった

 

「ああ、剣である私の歌を聞いてくれるのは戦さ場に居る敵だけだ」

 

「そうか、ならこいつらは一体何を聞こうとしてるんだ」

 

湊の後ろには立花に雪音そして小日向が居た

 

「翼さん、私翼さんの歌大好きです!だがら翼さんの歌を聞いてくれるのが敵だけだなんて寂しい事言わないで下さい」

 

「このバカの言う通りだぜ先輩、それに先輩の歌を楽しみにしてるのは何もこのバカだけじゃ無いんだぜ」

 

「そうですよ、きっと響や私達以外にも翼さんの歌を聞くのを楽しみにしてる人は沢山います。あんなにも」

 

私が振り返るとそこには先程とは異なり多くの人達が集まっていた

 

「これは…」

 

「みんな翼さんの歌を聴きたくて集まったんです。翼さんの風鳴翼さんの歌を」

 

「私の歌を…」

 

そうか、こんなにも大勢の人達が私の歌を聞きに来てくれたのか

 

「翼さんの歌を沢山の人に届けるために今はもう少しだけ頑張りましょう」

 

「ああ、私の歌を待っている人達の為に」

 

私が立花達の手を取ると私の意識は浮上して行った

 

〜翼side out〜

 

〜クリスside〜

 

あたしが居ても良い所、ずっと欲しかった物なのにまだ違和感を覚えてしまう。それでもこの春から新しい後輩が出来た。なのにあたしが不甲斐なさで彼奴らがボロッカスになって

 

「ひとりぼっちのあたしが仲間とか友達とか家族とか先輩とか後輩とか求めちゃいけないんだ」

 

「誰が決めたんだよそんな事」

 

その声の方を振り返るとそこには湊が居た

 

「湊…でも、あたしが不甲斐ないばっかりにあの2人は‼︎」

 

「それは違うデスよ」

 

「クリスさんは考え過ぎ」

 

すると湊の後ろからあの2人が姿を現す

 

「お前ら…でもお前らはあたしのせいで」

 

「あれは私達がやりたくてやった事デスよ、クリスさんのせいなんかじゃ無いデス」

 

「私達は少しでも皆んなの役に立ちたかったただそれだけ」

 

「2人の言う通りだ、あれは2人がやりたくてやった事だ。姉さんが悪い訳じゃねえよ」

 

3人はそう言ってあたしに寄って来る

 

「でもひとりぼっちのあたしがそんなの望んじまったら残酷な世界が皆んなを殺しちまってあたしは今度こそ本当にひとりぼっちになっちまう」

 

「ひとりぼっちになんてさせねえよ」

 

あたしの言葉に被せる様にして湊はそう言う

 

「ひとりぼっちになんてさせるかよ、前にも言ったろもう姉さんをひとりぼっちになんてさせねえよ。姉さんがどれだけひとりぼっちの道に行こうとも絶対に皆んなの所に連れ戻す。今まで散々ひとりで頑張ってきたんだ。このくらいの贅沢したってバチは当たらねえよ」

 

「湊…」

 

「そうだよクリスちゃん」

 

その声のした方に振り返るとそこには先輩達が居た

 

「雪音はひとりじゃない、私達が付いている」

 

「先輩…」

 

「翼さんの言う通りだよクリス」

 

「姉さんはもうひとりぼっちなんかじゃないこんなにも姉さんの事を思ってくれてる人が沢山いる。だからあと少し頑張ろうぜ姉さん」

 

「ああ、そうだなあたしの帰る場所を守る為に」

 

あたしがそう言って湊の手を取るとあたしの意識は浮上して行った

 

〜クリスside out〜




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176話

「「はぁはぁ…」」

 

「やっと戻って来たか」

 

暫くすると姉さんと翼にまとわりついてた暴走のエネルギーは消え元のギアの色になった

 

「済まない湊…」

 

「悪いな、今のあたし達にはまだ身が重いみたいだ」

 

「そうか、ならそこで見てろ」

 

俺はそう言ってキャロルと戦うルナとエルザの元に向かう

 

「待たせたな」

 

「ふん、漸く来たか」

 

俺がキャロルの前まで行くとエルザとルナも俺の隣に並ぶ

 

「ご主人彼奴かなり強い」

 

「わたくし達の攻撃では致命傷は難しいであります」

 

だろうな、その気になれば俺の全力の攻撃でも耐えられるんだエルザとルナでは話にならないだろう

 

「貴様だけと言う事はあの2人の力は尽きたのかそれとも折れたのか、何方にせよ立ち上がる力くらいは俺がくれてやる」

 

そう言ってキャロルは上空にアルカノイズを出現させる

 

「お前達が俺をくだしアルカノイズの倒すのが先か、それとも俺がお前達を倒すのが先か此処からはそう言う時間だ」

 

「エルザ、ルナお前達は街に向かったアルカノイズに徹底しろキャロルは俺がやる」

 

「るる、分かった」

 

「油断は禁物でありますよ」

 

そう言ってルナとエルザは街のアルカノイズを撃破しに向かった

 

「お前1人で俺を倒せるとでも思っているのか」

 

「倒せる倒せないじゃない倒すんだ」

 

「ふ、その威勢だけは褒めてやろう」

 

俺は両手で大剣構えてキャロルに向かって行く

 

「はあ!」

 

「ふっ」

 

「チッ!はあああ!」

 

俺がキャロルの伸ばした弦を両断するとキャロルは数を増やして俺に弦を伸ばす

 

「所詮はその程度か、ん?漸く揃うか」

 

キャロルは弦で俺を拘束すると俺を自分と後ろの建物にぶつけようとすると上空に居たアルカノイズが撃破される

 

「やあ!」

 

《紅蓮の銃口》

 

降下して来たセレナがキャロルに向けて無数の浮遊する小型銃を一点集中さてた炎を避ける為に後ろに下がる際に拘束を緩めた隙を見て脱出する

 

「大丈夫湊君!」

 

「ああ、大丈夫だだからさっさと決めて来い」

 

「うん」

 

響はそう言って翼と姉さんの元に向かった

 

「助かったセレナ」

 

「うん、私も戦わなくちゃ駄目だから」

 

「そうだな、お前も俺が渡してるのを使え」

 

「うん、セイクリッドモジュール抜剣!」

 

セレナはその掛け声と共にペンダントに部品を装填する

 

「セレナお前は後方からの支援を頼む響達が来るまで俺達だけで耐えるぞ」

 

「うん」

 

俺はそう言ってキャロルに向かって行く

 

〜響side〜

 

「翼さん!クリスちゃん!」

 

「すまない、お陰で助かった」

 

「とんだ醜態を見せちまったけどよ」

 

私が翼さんとクリスちゃんの所に向かうと2人は私にそう言う

 

「イグナイトモジュール、もう一度試してみましょう!」

 

「だが、今の私達では」

 

「未来が教えてくれたんです。自分はシンフォギアの力に救われたって、この力が本当に誰かを救う力なら、身に纏った私達の事もきっと救ってくれる筈!だから信じるんです!ダインスレイフの呪いを破るのは私達とシンフォギアだって!!」

 

「何時も一緒だった天羽々斬」

 

「私を変えてくれたイチイバル」

 

「そしてガングニール!信じよう!胸の歌を!シンフォギアを!」

 

「は、このバカに乗せられたみたいでカッコつかないが、それに何時迄も弟に任せっぱなしじゃ姉として失格だかんな」

 

「もう1度行くぞ!」

 

翼さんの言葉に私とクリスちゃんも頷く

 

『イグナイトモジュール、抜剣!』

 

私達はイグナイトモードを起動させる

 

「「「ぐあああ!」」」

 

苦しい、暴走の時の破壊衝動が私をクリスちゃんを翼さんを塗り潰そうとする

 

(未来が教えてくれたんだ、力の因果を背負う覚悟を!だからこの衝動に塗りつぶされてなる物か!!)

 

〜響side out〜




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177話

「向こうも成功させたみたいだな」

 

《雷斬》

 

「その様だな」

 

大剣に雷を纏わせ斬りかかる俺をキャロルは弦をドリル状に集中させて防ぐ

 

「はあああ‼︎」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

すると後ろから大型ミサイルが飛んで来る

 

「ふっ」

 

キャロルは大型ミサイルを弦を伸ばして破壊する

 

「たく、あたしらも待たずに突っ走りやがって」

 

「此処からは我々も力を合わせよう」

 

そこに黒いギアを纏った姉さん達が来る

 

「一緒に闘おう湊君、セレナさん」

 

「うん、一緒に闘おう響ちゃん」

 

「邪魔だけはするなよ」

 

「ああ、心得ている」

 

俺が1番邪魔しそうだと心配してんのはお前じゃなくて響なんだがな

 

「響さっさと片付けるぞ」

 

「デュランダル…うん」

 

俺が差し出したデュランダルを受け取った響は以前の様に破壊衝動に囚われていなかった

 

「此処からの敵は俺じゃなくて此奴らだ!」

 

そう言ってキャロルは建物の上に飛び複数のアルカノイズを出現させる

 

『全員良く聞け‼︎現在検知されて居るアルカノイズは5000、避難誘導も開始して居るがまだ完了していない区域もある1匹たりとも逃すな‼︎』

 

「たかだか5000‼︎」

 

「一気に片付けてやるよ!セレナ、姉さん後方からの支援を頼む他は各自アルカノイズの撃破そしてキャロルを撃つぞ‼︎」

 

『了解‼︎』

 

俺達はアルカノイズの撃破を最優先にして立ち回る

 

「はあ!」

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺は両手に大剣に携えた大剣のアームドギアから雷を放出し自身を雷を纏う鳥と化させアルカノイズを一掃する

 

「はああ‼︎」

 

俺は別方向からのキャロルの錬金術による攻撃を上昇してかわしキャロルに向かって行く

 

「くっ‼︎」

 

キャロルは弦を盾状にして防ごうぐが威力を抑えきれずに後ろに押される

 

「後退しろ湊‼︎はあ!」

 

《千ノ落涙》

 

空間から具現化させ上空から無数の青いエネルギー剣を落下させる

 

「立花‼︎」

 

「はい!はあああ‼︎」

 

するとデュランダルを持った響がキャロルに向かって行く

 

「たく、俺も付き合ってやんよ!」

 

俺はそう言ってインドラの槍を構えキャロルに向かって行く

 

「完全聖遺物を扱える様になったからと言って俺に勝てると思い上がるな‼︎」

 

「クリスさん」

 

「ああ、邪魔はさせねえ‼︎」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

《紅蓮華》

 

姉さんとセレナがキャロルが俺達に向けて放った錬金術を阻止する

 

「チッ!」

 

「終わらせるぞ響」

 

「うん、やろう湊君」

 

俺と響がデュランダルとインドラの槍を合わせると高出力のエネルギーがデュランダルとインドラの槍に纏わりつく

 

「させるか〜‼︎」

 

「「はあああ‼︎」」

 

《Dual Quintetto》

 

俺と響がデュランダルとインドラの槍を振るうとそのエネルギーは一気に放出されキャロルを包み込んだ

 

「はぁ…はぁ…」

 

「はぁ…はぁ…」

 

キャロルと響は力の殆どを使い果たし肩で息をして居る

 

「キャロルちゃん、どうして世界をバラバラにしよっなんて」

 

「忘れたよ理由なんて、思い出を焼却、戦う力と変えた時にその呪われた旋律で誰かを救えるなどと思い上がるな、うっ!」

 

俺がインドラの槍をキャロルに突き立てるとキャロルの体は黒くなって燃え始めた

 

「湊君…何も…何も殺さなくたって‼︎」

 

「そいつを倒した所であのオートスコアラー達が止まるとも思えない、障害となる物は1つ1つ確実に取り除く必要がある」

 

「だからって…」

 

「響その優しさは時として自分自身を殺しかねない早めに捨てろ」

 

ギアを解除した俺はそう言って本部に向かった




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178話

「壊されたイガリマの回収と」

 

「無理して破損したシュルシャガナも修理完了」

 

キャロルとの戦闘の翌日、アルカノイズとの戦闘で壊されたイガリマの回収と、無理し過ぎで破損した為修理されたシュルシャガナが切歌と調に手渡される

 

「機能向上に加えイグナイトモジュールを組み込んでいます。そしてアガートラームですが、此方にもイグナイトモジュールを組み込んでおきました。一度神経パスを繋いで居るので問題はないと思います」

 

「俺のセイクリッドモジュールを組み込んでも良かったんだがモジュールのコアとなる聖遺物の欠片がもうなくてな」

 

「以前から気になっていたんだが湊君、君のセイクリッドモジュールは何をコアとして居るんだ?」

 

そう言えば誰にも言ってなかったな

 

「4年前に俺が見つけた聖遺物聖剣エクスカリバーだ」

 

「聖剣エクスカリバー、大いなる天災をも切り裂くとされて居る剣ですね」

 

「ああ、ルナのファウストローブもエクスカリバーなんだが殆どをルナのファウストローブで使い切ってな、残った欠片をセイクリッドモジュールのコアにしてるんだ」

 

「それじゃあ私達のに組み込んだ時にその欠片は無くなったんですか?」

 

「ああ、多く見積もって4人分くらいだったからな」

 

俺のセイクリッドモジュールを組み込んで居るのは俺とセレナ、鳩木と神奈月の4人だ

 

「湊さんのセイクリッドモジュールは僕の暴走とは違いエクスドライブをベースに作られています。その力は暴走をベースとして居るイグナイトモジュールより出力は多少落ちますがそれでいてキャロルと互角に戦えて決して暴走の可能性のない安全性に優れたものといえるでしょう」

 

「本来であれば全て湊君の提案したプロジェクトセイクリッドに持っていきたい所だが生憎さっきも聞いた通りモジュールのコアとなるエクスカリバーの欠片が不足して居る」

 

「まあ無いもんは仕方ないからな」

 

俺はそう言って姉さん達の所に向かう

 

「本当凄えなお前」

 

「ああ、錬金術師に対抗する新たな策をよく生み出してくれた」

 

「前々からやってたんだがエルフナインのお陰で漸く物になったからな」

 

「いえ、湊さんの技術も素晴らしかったです。イグナイトモジュールの参考にとても役に立ちました。ありがとうございました」

 

「何にせよ、イグナイトモジュールそしてセイクリッドモジュールこの新たな力導入に伴い此処らで1つ特訓だ」

 

『特訓?』

 

(特訓か何をするんだ?)

 

俺は特訓の内容に疑問を抱きながらその場は解散となり帰宅した




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179話

「それ〜!」

 

「冷た〜い!しょっぱ〜い!」

 

「何でこうなんだよ」

 

特訓の当日、政府保有のビーチで特訓をするらしいのだが誰一人特訓らしい特訓をしておらず全員が海を満喫して居る

 

「仕方ないであります、わたくし達があの人に任せてしまったでありますよ」

 

「だな、て言うかこれ帰っても良く無いか?」

 

「ガンスわたくしもそう思うであります」

 

海に入っているルナと葉月と違い俺の隣に座るエルザが俺に同意する

 

「だよな、よし帰るか」

 

「ちょっとストップ‼︎」

 

俺とエルザが鞄を持って帰宅しようとすると葉月と遊んでいた筈の響が俺とエルザの所に来る

 

「何だ響、もしかして葉月とルナの着替えか?それならあそのに置いてる鞄の中に入ってるからそれを着せてくれ」

 

「いやいや!そうじゃなくて‼︎何で帰ろうとしてるの⁉︎」

 

「そりゃお前、此処は暑いが家にいれば涼しいからだ」

 

「割と分かる納得出来る理由だ⁉︎」

 

いや、適当に返したがこれで納得出来るのかよ

 

「それから1番の理由はな、これから特訓をする姿に見えないからだ」

 

「ガンス、わたくしもそれが1番の原因であります」

 

「パパ…帰るの?もう終わりなの?」

 

未来と遊んでた葉月が俺とエルザの所に来てそう聞いて来る

 

「俺とエルザは帰るがお前は好きなだけ遊んで帰って来いルナにセレナもいるしな」

 

「葉月パパと遊びたい」

 

「ほら〜、葉月ちゃんもそう言ってることだしさ」

 

「そう言われてもな、何だ全員海から出て来てないか?」

 

「本当だ、どうしたの未来?」

 

「大きな生き物の影が見えたからもしかしたらサメなんじゃ無いかって一度出たんだ」

 

大きな生き物の影か、こんな浅瀬にサメがいるわけないからサメな訳ないが

 

「そう言えば未来、ルナの奴が見当たらないんだが」

 

「私達も探してるんだけど見つからないんだ」

 

彼奴何処まで行ったんだよ

 

「ん?未来、お前達の見た大きな影だが多分サメじゃないぞ」

 

「ご主人‼︎大きなマグロ捕まえた‼︎」

 

そう言って海から出て来たのは大きなマグロを持ったルナだった

 

「ルナちゃん…はぁ…びっくりした」

 

「る?」

 

全員の安堵した声にルナは疑問符を浮かべる

 

「それにしても大きいデス」

 

「本当、海の中にこんなのがいるんだ」

 

「しっかしこんなマグロをよく見つけたな」

 

「るる、頑張った」

 

「頑張る方向性を間違っている気もするがな」

 

ルナが取って来たマグロを見て全員が思い思いの反応をする

 

「湊君どれくらいある?」

 

「102k、此奴1匹1ヶ月くらいはマグロに困る事はないな」

 

「マグロだけで済んで良かったでありますね」

 

「るる、マグロだけじゃない鯛も捕まえた」

 

そう言ってルナは通信機の中から鯛を取り出す

 

「全くルナは、以前こんなの捕まえたら漁師が困るっと注意したと言うのにまたやったでありますか」

 

エルザが言って居るのは俺達が初めて海に行った時、ルナが調子に乗って大量の魚を取って来た時の事だろう

 

「でも美味しそうだった」

 

「まあこれだけ状態も良いと不味くはないだろうな」

 

「でもこれ食べ切れるかな?」

 

「その時は風鳴司令達に見上げとして持って帰りゃ良いだろ、一先ず今日の昼と夜はマグロで決まりだな」

 

そうしたとしても102kのマグロだから絶対に余るだろう

 

「取り敢えず捌くか、て言っても包丁も何もないからこれを使うしかないけどな」

 

俺はそう言ってデュランダルを取り出す

 

「まさか完全聖遺物で魚を捌く日が来るととはな」

 

「湊君慎重にね、勢いよくやり過ぎちゃったらせっかくのマグロが粉々になっちゃうから」

 

「お前じゃないんだからその辺の力加減は分かってる」

 

そう言ってデュランダルでマグロを捌く俺を響達がずっと見ていた




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180話

「ふう〜、もう入らないよ」

 

「デ〜ス」

 

数時間後、マグロを捌き終えパラソル下のレジャーシートの上に寝転びならが響と切歌がそう言う

 

「お前らな、まあまだまだ残ってるんだがな」

 

「流石にマグロが大き過ぎたね」

 

「るる、もっと小さいのにすれば良かった」

 

「それにもっと早く気付いて欲しかった」

 

残ってるマグロの量を見てルナがそう言う

 

「仕方ない、残りは風鳴司令達への土産だな」

 

「佳奈子ちゃんと春香ちゃんにも」

 

「そうだな」

 

鳩木と神奈月は家の用事でこの特訓に来れなかった。来てたら来てたで響達と遊んでただろうが

 

「お前ら午後はちゃんとした特訓をするんだろうな?」

 

「そうです、湊さんの言う通り特訓をしなくて平気なんですか?」

 

「真面目だな〜、エルフナインちゃんも湊君も」

 

「暴走のメカニズムを応用したイグナイトモジュールは3段階のセーフティーにて制御される危険な機能でもあります」

 

「お前暴走がどんなのか忘れたわけじゃないよな響?」

 

「湊さんの言う通りです!だから自我を保つ特訓を」

 

エルフナインの言葉を遮る様に海の水が噴き出す

 

「夏の思い出作りは十分かしら?「随分と余裕そうじゃねえかガリィ」嫌々、貴方相手に余裕なんてかましてる暇無いですから」

 

《雷鳴》

 

《紅炎華》

 

サンダルフォンを纏った俺が無数の雷を纏った剣をカマエルを纏ったセレナが無数の炎の矢を飛ばすとガリィはその攻撃を水に溶けてかわしてそう言う

 

「何やってんだ響!姉さん!翼!さっさと終わらせるぞ!マリアお前はエルフナインと未来を連れて避難してろ!」

 

「「「おう(うん)(わかったわ)!」」」

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

〜Killter Ichaival tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

俺がそう言うと響と姉さんと翼も聖詠を行ってシンフォギアを纏いマリアはエルフナインと未来を連れて避難しに行く

 

「キャロルちゃんからの命令も無しに動いてるの?」

 

「さあねぇ」

 

ガリィは答える気がないらしくアルカノイズを出現させる

 

「くたばりやがれ!」

 

《雷鳴》

 

ある程度ノイズを倒した所でガリィが居ない事に気づく

 

「まさか!お前らガリィの目的は俺達の足止めだ‼︎」

 

「それじゃあオートスコアラーは今!」

 

「彼奴らの方に向かったって事だな」

 

俺は上空に飛んでガリィ達を捜索する

 

「居たぞ!やっぱり彼奴マリア達を追ってやがった‼︎」

 

「湊此処は我々に任せてお前はマリア達の所に迎え‼︎」

 

「分かった‼︎「湊君!未来をお願い‼︎」任せとけ」

 

俺はそう言ってマリア達の所に向かう

 

「イグナイトモジュール、抜剣!」

 

俺がマリア達の所の上空に着くとマリアがアガートラームのイグナイトモードへの移行を試みるが

 

「ガアアア!」

 

イグナイトモードへの移行が失敗しアガートラームが暴走した

 

「エルフナイン!未来!」

 

「「湊(さん)」」

 

「お前らは響達と合流しろ、彼奴は俺がなんとかする」

 

俺がそう言うと未来は頷き来た道を戻って行く

 

「チッ!獣と落ちやがった」

 

俺が未来達と話して居る間も戦闘は続きガリィは暴走したマリアの攻撃を避けながらそう言う

 

「ガアアア!「それまでだマリア」ガアァァ」

 

俺は後ろからマリアを気絶させてそう言う

 

「あらら、もう終わりなの?」

 

「悪いが此奴は終わりだ、代わりに俺が相手してやるよ」

 

そう言ってガリィに攻撃を仕掛ける

 

「はあ‼︎」

 

「やっぱり私の相手は貴方しか居ないみたいね、でも此処は引かせてもらうわ」

 

「逃がすか‼︎」

 

《雷斬》

 

俺は大剣に雷を纏わせて斬りかかるそれが届くより先にガリィは姿を消した

 

「チッ!逃したか」

 

「う…私は一体「気が付いたか」貴方は…そうダインスレイフの呪いに飲み込まれて暴走したのね私」

 

マリアは自分に何が起こったのか理解したらしい

 

「お前自分が何に負けたか理解してるのか」

 

「いいえ、分からないわ」

 

「そうか、今のままじゃお前はイグナイトモジュールを使える事はないと思うぞ、それだけは頭に入れとけ」

 

俺はそう言うとマリアから離れた




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181話

「主人を失ってなお襲い来る人形」

 

「どうして優位に立っても撤退を繰り返しているのだろう?」

 

「あ〜、言われてみれば飛んだアハ体験デス」

 

夕暮れになり俺達はアリアとセレナとエルフナインを抜いて話し合いをしている(因みに葉月はエルザとルナ3人で夕飯の飲み物の買い出しに行って居る)

 

「いちいちぼんが暗すぎるんだよな」

 

「少し待ってくれ翼、恐らくだがキャロルの奴は生きている」

 

俺の言葉に全員が驚く

 

「しかし彼女は湊が倒したのでは」

 

「ああ、だが手応えは無かった。エルフナインが言ってただろう自分はキャロルが肉体のスペアとして創造したホムンクルスのうち失敗作の1つだって」

 

「おいそれってまさか!」

 

「ああ、恐らく肉体だけとなったスペアはああやって消えるんだろ」

 

あの時のキャロルは血を流さずに消えたいくら錬金術師と言っても人間に近い物には変わらない筈、だから血を流さないのはどう考えてもおかしいだとすると俺の投げたインドラの槍が当たる前に何かしたと考えるのが妥当だ

 

「彼奴が動けない今の内にオートスコアラーを1人でも多く倒しておくべきだと俺は思う。肉体のスペアがまた稼働できる様になるまでどれくらい掛かるかは分からない、もしかすると明日には稼働できる様になってるかもしれない」

 

「そうだな」

 

「それに気になるのはマリアさんの様子も」

 

「力の暴走に飲み込まれると頭の中まで黒く塗りつぶされて何もかも分からなくなってしまうんだ」

 

未来の言葉に響はそう返した

 

〜マリアside〜

 

(人形に助けられるなんて情けない、私が弱いばかりに魔剣の呪いに抗えないなんて)

 

「強くなりたい…これって…「マリア姉さん」セレナ…エルフナインも」

 

私が1人で呟いて拳を握っていると1つのボールと一緒にセレナとエルフナインがやって来た

 

「ごめんなさい、皆さんの邪魔にならない様にしようとしていたのですがセレナさんだけでなくマリアさんにまで」

 

「邪魔だなんて、練習私も付き合うわ」

 

「はい、ありがとうございます」

 

私達はそう言ってビーチに移動する

 

「それ」

 

「エルフナインちゃん頑張って、次こそできるよ」

 

「はい、それ」

 

「セレナ今は話し合いの最中じゃ無かったの?」

 

「うん、本当はそうなんだけどエルフナインちゃんってなんだか放っておかなくて」

 

そう言ってセレナはボールを打つエルフナインに目をやる

 

「中々上手くいきませんね」

 

「最初は誰だってそうだよ、エルフナインちゃん最初に比べたら凄く上手になってると思うよ」

 

「そうでしょうか?」

 

「うん!」

 

エルフナインの言葉にセレナは笑ってそう言う

 

「色々な知識に通じているエルフナインなら分かるのかな?分かるのなら教えてエルフナイン、強いってどう言う事かしら?」

 

「それはマリアさんが僕に教えてくれたじゃ無いですか」

 

「え?何⁉︎」

 

突然後ろから大きな物音と共に水飛沫が上がるとそこには昼間に現れたオートスコアラーが居た

 

〜マリアside out〜




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182話

〜マリアside〜

 

「お待たせハズレ装者、あら他にもいるのね」

 

「マリア姉さん」

 

「ええ、分かっているわ」

 

「大丈夫ですマリアさんなら出来ます」

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

私とセレナは聖詠を行いシンフォギアを纏いオートスコアラーに向かって行く

 

「貴方がハズレでないのなら戦いの中で示して見せてよ‼︎」

 

オートスコアラーはそう言うとあたり一面にアルカノイズを出現させる

 

「はあ!」

 

「やあ!」

 

私とセレナはオートスコアラーへの攻撃の隙を伺いつつアルカノイズを倒して行く

 

「セイクリッドモジュール、抜剣!」

 

セレナはその掛け声と共にペンダントに部品を装填しセイクリッドモジュールを起動させる

 

「やあ‼︎」

 

《紅炎華》

 

セレナはオートスコアラーに向けて炎を纏う矢を放つ

 

「今なら私でも」

 

私はセレナの攻撃に気を取られて居るオートスコアラー目掛けて走って行く

 

「その程度の事お見通しなのよ!」

 

そう言ってオートスコアラーは私に錬金術で錬成した水を向ける

 

「ふっ‼︎」

 

空中に展開した複数の短剣でバリアーを発生させ水を防ぐ私をオートスコアラーは氷漬けにして行く

 

「強く…強くならなば…」

 

「マリアさん‼︎」

 

「ふ「させない‼︎」チッ!」

 

《豪炎天界》

 

セレナが複数の炎を天に向けて放つとその炎の集合体がオートスコアラーに目掛けて落ちて来た事で錬金術を中断したので私は短剣で氷を砕く

 

「はぁ…はぁ…」

 

「貴方はそこそこできる様だけどハズレ装者の方はてんで弱すぎる!」

 

オートスコアラーにそう言われ私はペンダントに手を伸ばす

 

「その力弱い貴方に使えるの」

 

「は!私はまだ弱いまま…どうしたら強く‼︎」

 

「マリア姉さん、弱い事はいけない事なのかな?」

 

「セレナ?」

 

私にはセレナの言っている事が分からない、弱ければ何も守れない

 

「弱い事がいけない事なら私はまだ戦う事が少し怖いしエルザちゃんやルナちゃん湊君に比べたら私なんて全然弱いよ、でもね…そんな弱い私だけど私らしさは忘れちゃいけないと思うの」

 

「私らしさ…」

 

「そうです!マリアさん‼︎大事なのは自分らしくある事です‼︎」

 

「弱い…そうだ、強くなれない私にセレナが教えてくれたエルフナインが気付かせてくれた。弱くても自分らしくある事それが強さ、エルフナインは戦えない身でありながら危険を顧みず勇気を持って行動を起こし私達に希望を届けてくれた。セレナは彼らに比べれば弱いかもしれないそれでも自分らしさを忘れてはいけないと教えてくれた。エルフナインそしてセレナそこで聞いて居て欲しい君の勇気にそして貴方の言葉に応える歌を‼︎イグナイトモジュール、抜剣!」

 

私はもう一度イグナイトモジュールの起動を試みる

 

(狼狽える度偽りに縋って来た昨日までの私)

 

「マリアさん‼︎」

 

「マリア姉さん‼︎」

 

「そうだ、らしくある事が強さであるなら私は弱いままこの呪いに叛逆してみせる‼︎」

 

私は破壊衝動に呑み込まれそうな中セレナとエルフナインに教わった通り自分らしさを強く持った

 

〜マリアside out〜

 

〜セレナside〜

 

「マリア姉さん」

 

私の目の前にはダインスレイフの呪いに打ち勝ちイグナイトモジュールが起動したアガートラームを纏うマリア姉さんが居る

 

「もう大丈夫よセレナ、戦いましょう2人で一緒に」

 

「うん」

 

「弱さは強さだなんて頓知を効かせすぎだって」

 

そう言ってオートスコアラーはまたアルカノイズを出現させる

 

「「はあ!」」

 

《紅炎華》

 

私は炎の矢を具現化させて飛ばしマリア姉さんは短剣を左腕の手首部に取付け切っ先から刃状のエネルギー弾を連射してアルカノイズを倒す

 

「良いね良いね!」

 

「セレナ」

 

「うん」

 

私とマリア姉さんは二手に分かれてオートスコアラーを挟み撃ちにする

 

「はあ!」

 

マリア姉さんがオートスコアラーを斬ると体がシャボン玉に変わる

 

「させない!」

 

私は腕と浮遊する銃口から同時に炎を放出してシャボン玉を壊す

 

「私が1番乗りなんだから!」

 

そう言ってオートスコアラーはマリア姉さんの後ろに姿を現す

 

「セレナ‼︎」

 

「うん!はあ‼︎」

 

私は右腕の銃口から放出される炎を剣の刃の様にして背中に付いたブースターで加速しオートスコアラーに向かって行く

 

「その程度かしら?ん?」

 

「はああ‼︎」

 

障壁を張って私の攻撃を防いでいると私の後ろからマリア姉さんが短剣で障壁を切り裂いて拳でオートスコアラーを上空に飛ばしオートスコアラー目掛けて飛び短剣を左腕部ユニットの肘部側に柄から取付けて刀身を長大に変形させる

 

「決めるわよセレナ‼︎」

 

「うん!」

 

私は両腕の銃口から放出される炎を剣の刃の様にしてマリア姉さんと同じ高さまで飛ぶ

 

「はあ!」

 

「はああ‼︎」

 

《SERE†NADE》

 

私とマリア姉さんはブースターを噴射させてオートスコアラーをすれ違い様に切り裂く

 

「私が1番乗りなんだから‼︎」

 

私とマリア姉さんが地面に着地したと同時にオートスコアラーはそう言って爆発した

 

〜セレナside out〜




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183話

「マリアが元気になって本当に良かった」

 

「お陰で気持ち良く東京に帰れそうデスよ」

 

夕食も終わり外に出て浜辺で花火をして居ると切歌と調の話し声が聞こえる

 

「何にせよ、これで新しい戦力が増えたな」

 

「そうですね、あ」

 

話して居るとエルフナインの線香花火が落ちる

 

「しかし特訓とは名ばかりの鍛錬はあまり出来なかったな」

 

「そうだな、殆ど遊んでばっかだったからな」

 

お前も途中から思いっきり楽しんでたがな翼

 

「今日は土曜だし晩飯を食べたコテージに泊まって明日ちゃんとした特訓をするって手もあるけどな」

 

「成る程な、明日は日曜日特訓は可能なのか」

 

「ああ、そう言う事だ。最もそれを響達が受け入れるかどうかは分からないがな」

 

まあ1番の問題は響と切歌が朝起きれるかどうかだけどな

 

「後で立花達に聞いてみよう「何の話ですか翼さん?」立花か丁度良い所に来てくれた」

 

「何ですか翼さん?」

 

翼は響に明日こそちゃんとした特訓が出来ないかと響に聞く

 

「明日は日曜日ですし学校は無いので私は構わないですけど」

 

「そうか、花火の後に雪音達にも聞くとしよう」

 

「分かりました「響〜!」うん!今行くよ‼︎」

 

そう言って響は未来の所に向かって行った

 

「そう言えばエルフナインの話してた聖遺物だが」

 

「ああ、確かキャロルが湊の体に聖遺物を埋め込み自分の思うがままに動き殺戮の限りを尽くす生物兵器に仕立て上げようとして居ただったな」

 

「それを可能とする聖遺物が深淵の竜宮に保管されてるみたいだ」

 

「本当ですか湊さん⁉︎」

 

「ああ、そうは言っても確証がある訳じゃないがな」

 

「あくまで可能性か、だが我々にとっては大きな進歩に繫がる叔父様にも話しておいた方が良いだろう」

 

「そうですね、キャロルがそれに気づいて動くかも知れませんし」

 

確かに風鳴司令達には話しておいた方が良いかもな

 

「緒川さん少し良いですか?」

 

『何でしょうか?』

 

翼は車で本部に戻っている緒川に通信を繋ぐ

 

「叔父様と話がしたい時間を空ける様にだけ伝えておいて貰えませんか?」

 

『分かりました、司令にはその様に伝えておきます』

 

「ありがとうございます」

 

翼はそう言って通信を切る

 

「翼さんお兄ちゃん!クリスさんが最後に打ち上げ花火をしてくれるそうデス‼︎」

 

「そうか、我々も行くとしよう湊」

 

「ああ、そうだな行くぞエルフナイン」

 

「はい!」

 

俺達が切歌に連れられて浜辺に向かうと既に姉さんが打ち上げ花火の準備を終わらせて待機していた

 

「遅えぞお前ら」

 

「済まない雪音、少し話し込んでしまってな」

 

「たく、そら全員離れろ」

 

打ち上げ花火に火を付けてそう言う

 

「おー!ターマヤー!」

 

「ターマヤー!」

 

「綺麗」

 

「あれが打ち上げ花火、とても綺麗です」

 

やっぱりエルフナインの奴打ち上げ花火見るの初めてか

 

「それで翼さんいつ言うんですか?」

 

「ああ、そうだったな。皆んな今日は特訓とは名ばかりに鍛錬はあまり出来なかった。そこで提案なのだが明日も此処で特訓を行いたいのだが構わないだろうか」

 

打ち上げ花火も終わり片付けをしている途中に翼は全員にそう聞く

 

「だな、今日はあのバカのお陰で遊んでばっかだったからな」

 

「そう言うクリスちゃんだって楽しそうに遊んでたじゃん」

 

「バカあれは空気を呼んだだけだ」

 

姉さんは顔を赤くしてそう言う

 

「でも確かに翼の言う事も分からなくないわ」

 

「ガンス、わたくしは賛成であります」

 

「るる、私も」

 

「私達も」

 

「勿論賛成デス‼︎」

 

全員賛成か決まりだな

 

「あ…でも泊まる所とかどうするんですか?」

 

「晩飯を食べたコテージに泊まれば良いだろ」

 

「そうだね、それじゃあ早く片付けも早く終わらせて行こっか」

 

「それと少し話しておきたい事もあるから各自部屋割りを決めた後集まってくれ」

 

翼の言葉に全員が頷き俺達はコテージに向かった




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184話

「それで何なんだよ先輩」

 

「まあ待て雪音『済まない待たせたな』大丈夫です叔父様」

 

コテージに着いて部屋割りを決めて数分、既に葉月は眠りに着き俺達は話し合いをした場所で風鳴司令からの通信を待っていた

 

『それで緒川から時間を空けておく様に言われたが何かあったのか?』

 

「はい、湊の心臓部に複雑に組み込んでいた聖遺物その正体となりゆる聖遺物の情報を湊が入手して様です」

 

『本当なのか湊君』

 

「ああ、翼にも言ったが確証がある訳じゃ無い」

 

俺はそう言ってその聖遺物の情報を出す

 

「その完全聖遺物の名前はアステカの杖、個人によって違う一定の周波数を出し相手を催眠状態にし自在に操れる完全聖遺物だ」

 

『催眠状態か、その聖遺物は現在の所在は分かるか?』

 

「ああ、深淵の竜宮だ」

 

俺がその名前を出すと風鳴司令の表情が険しくなる

 

『何故君がその名前を知っているんだ』

 

「叔父様、深淵の竜宮とは一体」

 

『深淵の竜宮、異端技術に関連した危険物や未解決品を封印した絶対禁句、我々にも詳細な情報が伏せられている拠点中の拠点だ』

 

「でも何でそんな場所の事を湊君が知っているんですか?」

 

「そもそもの話、聖遺物関連での異端技術も危険かどうか判断する必要がある。その話の大体が俺の所に来てた時期があってな、その中にあった完全聖遺物の1つが今言ったアステカの杖だったんだ」

 

『成る程な、自信が研究した聖遺物それが何処に保管されるか知っておいても問題はないだから深淵の竜宮の事を知っていたのか』

 

俺の言葉を聞いて風鳴司令は納得して頷く

 

「だが未解決品もあるのだろ?」

 

「ああ、だがそれが聖遺物だった場合の殆どが金をけちって来たから俺が適当に解析をした物ばかりだろうな」

 

『全く、本当に喰えない男だな君は』

 

「ただ単に俺は対価に相応の時間を使っただけだ」

 

「大人の悪い所だな、子供相手だからって渋るからそうなんだよ」

 

姉さんは皮肉を込めてそう言う

 

「でも湊さんは聖遺物を自由に操れるから問題はないんじゃ」

 

『そうじゃない調君、確かに外からの周波数はどうにかなるだろ、だが体内からでは直接脳に周波数が送られてしまう』

 

「ああ、流石にこればかりは俺も対処のしようがない」

 

「つまりは貴方の中に眠る聖遺物がそのアステカの杖だった場合なす術はないと言う事ね?」

 

「ああ、そう考えてくれて構わない」

 

俺はマリアの言葉を肯定してそう言う

 

『もしかするとこの中の誰かと湊君が戦う事になる恐れもある訳か』

 

「だろうな」

 

『此方でも引き続きそう言った聖遺物の情報を捜索を続ける。何か分かったらまた連絡をくれ』

 

そう言って風鳴司令は通信を切った

 

「湊君と戦わなくちゃいけないかも知れないなんて」

 

「お兄ちゃんと戦うなんて嫌デスよ」

 

響と切歌が暗い顔をしてそう言う

 

「切ちゃん」

 

「響」

 

「案ずるな、まだそうだと決まった訳ではない」

 

「翼さんの言う通りだよ切ちゃん」

 

「響も元気出して」

 

そう言って翼と調と未来が2人を慰める

 

「そうデスよね…まだお兄ちゃんと戦うって決まった訳じゃないデス」

 

「うん、そうだよね湊君と戦うって決まった訳じゃないよね」

 

「ああ、あくまで可能性の1つと言うだけだ」

 

「悪い、あたしは部屋に戻らせて貰う」

 

姉さんはそう言って部屋を出て行った

 

「クリスちゃん…」

 

「雪音からすれば辛いだろうな、またしても実の弟と戦う事になるかも知れないのだからな」

 

「そうね、私達も部屋に戻りましょう」

 

マリアのその言葉で俺達は自分の使う部屋に戻った




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185話

〜クリスside〜

 

あたしは暗い中を歩いている

 

「何処なんだよ此処…ん?」

 

暫く歩いていると見知った後ろ姿が見えた

 

「よお湊」

 

「どうしたんだよ姉さん」

 

そこにはいつも通りの湊が居た

 

「彼奴ら何処行ったか知らねえか?」

 

「彼奴ら?ああ、響達の事かそれなら向こうに居たぞ」

 

「そうか、う…何だ急に…」

 

あたしが痛みを感じた場所に手を当てると血が流れていた

 

「一体何がどうなって…」

 

「クリス…ちゃん…」

 

向こうから小さな声が聞こえる

 

「おいどうしたバカ‼︎誰にやられた‼︎」

 

そこにはバカ以外にも先輩達も倒れて居た

 

「湊…君が…キャロルちゃんに…」

 

「は⁉︎お前何言って…」

 

あたしがそう言うと上空から大剣が降って来てバカを両断する

 

「たく、まだ死んで無かったのかよ」

 

「構わん、どうせ今ので死んだ」

 

そこには何かを投げた湊と錬金術師が居た

 

「湊お前‼︎」

 

「無駄だ、此奴はもう貴様の知っている雪音湊ではない、俺の為に忠実に動く殺戮兵器だ」

 

「殺戮兵器だ?テメェまさか湊を‼︎」

 

「そいつも殺せ」

 

「分かってるマスター」

 

そう言って湊はバカを切り裂いた大剣を持ってあたしに近寄って来る

 

「悪く思うなよ」

 

「かは‼︎」

 

傷口に蹴りを入れられたあたしはその場に倒れる

 

「くそ…湊お前…」

 

「じゃあな」

 

そう言った湊は大粒の涙を流しながらあたしに大剣を振り下ろした

 

「はぁ…はぁ…」

 

あたしが目を覚ますとそこはコテージのあたしが使う部屋で隣には先輩が寝ている

 

「夢…か…クソが」

 

原因は間違いなく昨日の夜に湊から聞いた話だ。彼奴がまた敵になるかも知れない、しかも今度はあたしを本気で殺しに来るかも知れない。フィーネの時はあたしが一方的に拒絶みたいな事しちまったけど今回は催眠状態、彼奴の感情関係なく対立する。

 

「そうなった時あたしは彼奴と戦えるのかよ」

 

昨日の2人の反応を見て余計に心配になる。あたしはあの2人みたく戦えなくなるんじゃないかと

 

「なあパパ…ママ…彼奴と…湊と戦う羽目になっちまったらあたしはどうすれば良いんだ?どうすれば彼奴を傷付けずに済むんだ?」

 

当然パパとママは此処には居ないからあたしの呟きに返答は出来ない

 

「この世界はどれだけあたしに不幸になって欲しいんだよ」

 

パパとママを失って大人達に湊と引き離されて折角また会えたってのに

 

「ちょっと外に出るか」

 

考えれば考えるだけ悪い方向に向かっていくのであたしは先輩を起こさない様に部屋を出て出口に向かう

 

「流石の彼奴もまだ起きてねえか」

 

「誰が起きてないだって」

 

あたしが振り返るとそこには湊が居た

 

「おわ⁉︎たく、驚かせんなよ」

 

「何度か声を掛けたがそれに気付かなかった姉さんだろ」

 

何度か声掛けられてたのか、気付かないくらいにまであたしは考え込んでいたんだろ

 

「なあ湊、ちょっと外に出ねえか?」

 

「ああ、別に良いぞ」

 

そう言ってあたしと湊はまだ少し薄暗い中コテージを出た

 

〜クリスside out〜




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186話

「それで結局どうしたんだよ姉さん」

 

姉さんに言われるがままに外に出て浜辺を歩く

 

「なあ湊」

 

「何だよ姉さん」

 

「お前さ、フィーネの言いなりだったあたしと戦ってる時どう思った」

 

フィーネに従って居た自分と戦ってどう思ったか…

 

「正直に言えば最初に思ったのは嬉しいそれだけだった。生きててくれた事が、また会えた事が、でも嬉しい反面辛くもあった。姉さんと最初に戦うってなった時、俺は刃を向ける事を躊躇った。敵勢力に姉さんがいるなんて思ってもみなかったしな。それでも信じてた姉さんがこんな事をするのには何か理由があるってそれを聞き出すには姉さんと戦って勝ってそれを聞きたいって思った」

 

今言った言葉に嘘はない、事実俺は姉さんと分かりあいたいと思って居た

 

「でもそれで良いのかとも思った。姉さんと最初に会った時から夢に見た姉さんに殺される夢を何度も何度も」

 

「湊…「それでも」何だ?」

 

「それでも、また姉さんと同じ時間を過ごせると思うと姉さんが生きてるって知った時以上に嬉しかった。姉さんとバラバラになってからまた一緒にご飯食べたり、話したり、笑いあったりするのがずっと夢だったから」

 

「そうか」

 

姉さんは照れ臭そうにそっぽ向いてそう言う

 

「多分あたしも同じなんだと思う、心の何処かでお前が生きてた事を凄え喜んでた、あんな最悪の環境の中でも生き残れたのはお前の存在があったからだ。ただでさえパパもママも死んじまってんのに此処であたしまで死んじまったらきっとお前の心が壊れちまうってそう思ったんだ。そんな事があって良い筈がない生き残ってもう一度お前に…湊に会うんだって、あたしはあの時持ってたあたし以外に力を持つ奴は全部あたしがぶちのめすって言う目的以上のあたしが生きる理由にしたんだ」

 

確かに姉さんは言っていた戦争を無くしたいなら戦う意思と力を持つ奴らを片っ端から潰して行けば良い、それが1番合理的で現実的だとだが姉さんはそれ以上に俺の事を思っててくれたんだ

 

「だからそこお前とまた戦うってのが怖い、あの時あたしは直ぐに部屋に戻ったけど内心は多分あの2人よりも酷えもんだったって分かる」

 

「姉さん…ありがとな姉さん、だったら尚の事キャロルに操られたら姉さんが俺と戦ってくれ、そんでもって姉さんがバカな俺の目を覚まさせてくれよ」

 

「分かった、あたしも踏ん切りが付いたお前が彼奴に操られたらあたしも全力で戦う、そんでもってお前をあたしやあのバカ達の所に引きずってでも連れて帰る」

 

「ああ、頼りにしてるぜ姉さん」

 

「ああ、任せとけよ湊」

 

俺と姉さんはそう言って互いの手を合わせて朝陽を見た




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187話

「ごめんね湊、晩ご飯作って貰ったのに朝ご飯まで」

 

「気にすんな、俺がしたくてやってるんだからな」

 

数時間後、起きて来た未来に俺はそう言う

 

「出来る事なら私も手伝いたかったのだが生憎と料理は苦手でな」

 

「先輩がやったらまた前みたくなるだろ」

 

翼の料理の腕は知らないが姉さんが止めるって事は上手くないって事だろう

 

「そう言えば昨日切ちゃんと響さんだけどうして湊さんが決めたの?」

 

「そう言えばそうだね、どうしてなの?」

 

「それはな、寝坊の常習犯を1つの部屋にしておく為だ」

 

俺の言葉を聞いて全員が納得の声を上げる

 

「パパ歯磨き終わった‼︎」

 

「そうか、悪い葉月まだ寝てる2人起こして来てくれ」

 

「うん!分かった‼︎」

 

葉月はそう言ってまだ寝てる響と切歌を起こしに行った

 

「葉月ちゃん凄く良い子だね」

 

「うん、普通の子だと彼処まで良い子中々いないよ」

 

「セレナと湊の苦労の賜だな」

 

「私は殆ど何も、勉強を教えているのは私ですけど躾は全部湊君がしましたから」

 

「るる、ご主人頑張ってた」

 

「ですが葉月は物分かりが良かったのでそこまで苦労をしている感じは無かったであります」

 

セレナの言う通り躾は全部俺がしたんだが彼処まで物分かりが良いのは葉月が初めてだ

 

「意外だわ、貴女ちゃんと父親らしい事してたのね」

 

「本当に今更だなマリア」

 

まあマリアは俺と殆ど行動を共にした事がないから知らないのも無理はないか

 

「ふぁ〜、おはようデス」

 

「ふぁ〜、おはようみんな早いね」

 

「パパ‼︎切歌お姉ちゃんと響お姉ちゃん起こせたよ‼︎」

 

そこに響と切歌そして2人を起こした葉月が来た

 

「偉いな葉月」

 

「えへへ」

 

俺が頭を撫でると葉月は嬉しそうに笑う

 

「今日は俺は一緒に遊んでやれないが未来とセレナの言う事ちゃんと聞いとけよ」

 

「うん‼︎」

 

「2人共、葉月の事は頼んだぞ」

 

「うん、洗い物と洗濯は私とセレナさんでしておくよ」

 

「湊君達は特訓に行っても良いよ」

 

「ならば此処は小日向とセレナの行為に甘えさせて貰うとしよう」

 

「そうだな、お前らも8時迄には浜辺近くの森の前に来いよ」

 

現在の時刻は6時50分、後1時間近くも有れば食べ終わるし着替えも済ませられるだろ

 

「それで特訓とは言っても何をするんだ?」

 

「それはあの2人が来てから説明する。やっと来たか」

 

あれから約1時間経ち漸く響と切歌が来た

 

「今からこの森の中で鬼ごっこをする」

 

『鬼ごっこ?』

 

俺の言葉に全員が疑問符を浮かべる

 

「それが特訓なのか?昨日の立花の物と変わらない気がするのだが」

 

「まあ名前だけ聞くとな」

 

俺はそう言って木に登る

 

「何をしているでありますか貴女達も登るであります」

 

「るる、早く来ないと始まらない」

 

そう言ってエルザとルナも木に登ると響達も木に登る

 

「さっきも言ったがこれから鬼ごっこをする。だが普通の鬼ごっことはルールが少し違う、相手を捕まえられるのは木の上限定とする」

 

「木の上限定?」

 

「成る程、そう言う事か」

 

「何か分かったのか先輩?」

 

この特訓の意味にいち早く気付いたのは翼だった

 

「この特訓で得られる物はバランス能力と判断力そして瞬発力だ。安易な木の枝を選べば上に乗った時点で折れてしまうが故に丈夫な木の枝を選ばなければならない、そして木の枝に着地するにはバランスが重要となる、枝から枝への距離も多少あるから瞬発力も必要だ。この3つを同時に鍛える事が出来るのが木の上での鬼ごっこと言う訳だ」

 

「翼の言う通りだ、逃げる側は俺とエルザそしてルナの3人、追いかける側は翼と姉さんと響、それから切歌と調とマリアの6人だ。何か聞いておきたい事はあるか?」

 

俺がそう聞くと全員が首を左右に振る

 

「それじゃあ始め‼︎」

 

俺がそう言うとエルザとルナは別々の方向に逃げたので俺も2人とは別の方向に向かって逃げた




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188話

〜翼side〜

 

湊達が姿を消して数分後、我々は誰が誰を追うか話し合って居る

 

「さて、誰が誰を追うかだが」

 

「取り敢えず立花響、貴女がエルザを追うのは帰って捕まえづらくなるからなしよ」

 

「ふぅ、やっと戻って来れた」

 

あの後直ぐに湊を追いかけようとしたが足を滑らせて早速木の上から落ちた立花が戻って来る

 

「大丈夫か立花?」

 

「はい、何とかそれにしても凄いですよね湊君達、誰1人足元を見ずに進んで行っちゃいましたから」

 

立花の言う通り湊達3人は足元の枝を見ずに…いや、正確に言うと渡る前にある程度見て居るんだろう。それだけの判断力を持っているんだろう

 

「私達は3人でエルザを追うわ」

 

「分かった、気を付けて進んでくれ」

 

「ええ」

 

マリアがそう言ってエルザの向かった方角に進むと暁と月読はマリアに続く形で後を着いて行く

 

「私達はどうしましょうか?」

 

「そうだな…「湊はあたしが追いかける」雪音?」

 

「あたしが湊を追いかける、んでもって彼奴をとっ捕まえる」

 

「分かった、1番苦労はするだろうが雪音であれば大丈夫だろう。湊は任せた」

 

「ああ、任せとけ」

 

雪音はそう言って湊の進んだ方角に進んで行く

 

「残る我々はルナだな、行くぞ立花」

 

「はい!私も頑張ります‼︎」

 

私はそう言う立花とルナの向かった方角に進んだ

 

「わっとと、湊君達は簡単に進んでましたけど結構難しいですね」

 

「ああ、だがこれは確かに良い特訓にはなるだろう」

 

「見てください翼さん」

 

立花の目線の先を見るとそこにはルナがいた

 

「何のつもりだルナ」

 

「るる、安全確認こんなので怪我してたら次に進めない」

 

成る程、これはあくまで特訓怪我をしては元も子もないからな

 

「私達は気にせず進んでくれて大丈夫だ」

 

「るる」

 

ルナはそう言って更に奥に進んで行った

 

「どうだ立花?」

 

「だんだん慣れて来ました」

 

「そうか無理はするなよ」

 

そう言って私は立花とルナを追いかけた

 

〜翼side out〜

 

〜マリアside〜

 

「中々見つからない」

 

「まだそこまで奥に進んでないと思うのだけど」

 

「見つけたデス!とう‼︎」

 

切歌はエルザを見つけてその木にジャンプするが距離が足りず木の幹に顔をぶつけて地面まで落ちて行く

 

「大丈夫切ちゃん!」

 

「うう…痛いデス」

 

切歌は地面で鼻を抑えてそう言う

 

「そう簡単には捕まらないであります」

 

「そうね、私もそこまで簡単に捕まえさせてくれるとは思ってないわ」

 

私達が話していると切歌はエルザと同じ木を登る

 

「ではわたくしは先に進んでいるであります」

 

「ええ」

 

エルザはそう言って更に奥に進んで行った

 

「切ちゃん大丈夫?無闇に飛び出すから」

 

「えへへ、ちょっと失敗しちゃったデスでも今度は大丈夫デス」

 

「先に進みましょう、このペースだと日が暮れるわ」

 

「「うん(了解です)」」

 

私達はそう言って更に奥に進んで行ったエルザを追いかけた

 

〜マリアside out〜




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189話

「待ちやがれ湊‼︎」

 

(俺の所には姉さんが1人で来たか)

 

姉さんは俺の渡った枝を渡って追いかけて来る

 

「俺が渡った枝を使ってたら何時迄も追いつけねえし捕まえらんねえぞ」

 

「んな事は分かってんだよ‼︎」

 

姉さんは慣れて来たのか枝を渡るスピードを上げる

 

「何だ、もう追いつかれそうじゃねえか」

 

「姉さんあんまスピード出し過ぎると危ないぞ」

 

「は!負け惜しみかよ!」

 

「じゃなくて本当に、あ…」

 

俺は使えそうな枝が無い為方角を変える

 

(大丈夫か姉さんの奴)

 

「とっ、うわぁぁ」バキッ

 

案の定姉さんは止まりきれずに俺が使えないと思った枝に乗ると途端に枝が折れて落ちて行った

 

「大丈夫か姉さん」

 

「つつ…結構痛いな」

 

「だから言っただろ、あんまスピード出しすぎると止まりきれねえんだよこれ」

 

実際姉さんは止まりきれなかったから落ちた訳だし

 

「んじゃ先に行くからな」

 

「待ちやがれおい!いつ…」

 

姉さんは立ち上がろうとすると足を押さえるこれは完全にやったな姉さんの奴

 

「たく、何やってんだよ姉さん」

 

「悪いな湊」

 

そう言って姉さんは俺の手を取る

 

「やっぱ足痛めてんな」

 

「さっき落ちた時にちょっとな」

 

「足痛めてる時点でちょっとじゃねえよ、ほら捕まれ戻るぞ」

 

「おっおう」

 

俺はそう言って姉さんを背負って出口に向かって行く

 

「にしてもあたしを背負ってるってのに余裕で進んでくな」

 

「足場の強い場所を選んでるからな、そろそろ出口だ」

 

俺がそう言って暫くすると森から抜けて俺達が集まった場所に到着した

 

「セレナ‼︎ちょっと来てくれ‼︎」

 

「湊君?ごめんねちょっと待ってて」

 

俺がセレナを呼ぶとセレナは葉月達にそう言って俺の所には来た

 

「まだ痛むかなクリス?」

 

「まだちょっとばかしな」

 

「そっか、これは今日はもう安静にしておいた方が良いかもね」

 

「これに懲りたら危ねえ事は辞めとけよ、エルザ達も呼び戻すか」

 

俺はそう言ってエルザとルナに通信を取った

 

『湊何かあったでありますか?』

 

『る?何ご主人?』

 

「姉さんが足を痛めた、これ以上はまた次の怪我人が出るから撤収しろ」

 

『るる、分かった』

 

『ガンス、直ちに帰投するであります』

 

ルナとエルザはそう言って通信を切った

 

「パパ〜‼︎」

 

「何だ葉月」

 

俺の所に走って来た葉月はビーチボールを持って居た

 

「パパも一緒に遊ぼう‼︎」

 

「悪いな葉月、また今度連れてってやるからそん時にな」

 

「うん!「こら葉月ちゃん邪魔しちゃ駄目だよ」ごめんなさい」

 

「ちゃんと謝れて偉い偉い、それじゃあ向こうで続きしよっか」

 

「セレナも行って来いよ、姉さんは俺が見てる」

 

「うん、分かったクリス今日は安静にしててね」

 

セレナはそれだけ言って葉月達の所に向かった




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190話

「美味しい!」

 

「そうか良かったな」

 

エルザ達が戻って来た所で時間も丁度良く少し早めの昼食を食べて居る

 

「結局のところ誰か1人でもどっちか捕まえられたのか?」

 

「わたくしの方は全く駄目でありました。切歌には何度か危ない所もありましたがそれ以外は点で駄目であります」

 

「るる、こっちもあまり変わらない強いて言うなら響さんが沢山落ちてたくらい」

 

「どっちも収穫は無しか」

 

エルザとルナの話を聞く限りあまり良い結果では無いのは事実だ

 

「まあそんなもんだろうとは思ってたけどな」

 

「ガンス、そもそもわたくし達を捕まえるのは難しいでありますからね」

 

エルザの言う通りそもそも俺は響達がエルザとルナを捕まえられる何て思っていない。これはあくまで特訓、最終目標は捕まえる事だが本来の目的はバランス能力と判断力そして瞬発力を鍛える事だから別に捕まえる事にこだわる必要はない

 

「湊、午後からなのだが雪音は参加が難しいと聞いた」

 

「ああ、と言っても俺の忠告を聞かなかった姉さんの自業自得だけどな」

 

俺は姉さんにあまりスピードを出しすぎると危ないぞと言ったが姉さんはその言葉に耳を貸さず結果的に足を痛めた。完璧に姉さんの自業自得だ

 

「それで何をするんだ?」

 

「まあ元々午後からは模擬戦をするしかなかったからな、模擬戦で良いだろ」

 

「そうだな」

 

「ああ、それと響は俺が借りてくからそれだけは伝えといてくれ」

 

「分かった」

 

翼はそう言って響達の所に戻って行った

 

「湊もしかして彼女に水月を教えるつもりでありますか?」

 

「まあな、対キャロル用に使えるようになってて損はないだろ」

 

「るる、私は響さんの頑張り次第では何とかなると思ってる」

 

「だと良いでありますが」

 

エルザは嫌味を込めてそう言う

 

「お前らは切歌と調を頼む」

 

「るる、任された」

 

「わたくしも全力で相手をするであります」

 

「全力で相手をするのは良いがやり過ぎるなよエルザ」

 

エルザの全力じゃあの2人なら1時間も掛からずに終わるだろ

 

「湊君、私だけ皆んなと違う事するみたいだけど何するの?」

 

「俺に着いて来れば分かる」

 

昼食後、俺は響を連れて森の奥の方に進む

 

「ず…随分と奥まで進むんだね」

 

「もうこの辺りで良いか、さてと響お前には水月を使えるようになってもらう」

 

俺がそう言うと響はキョトンとする

 

「水月?水月って確か湊君がガングニールを纏ってる時に使う技の1つだよね?」

 

「ああ、だがあれは純粋な身体能力で使ってる技だ」

 

「嘘⁉︎翼さんに聞いたけどネフィリムを10mくらい吹っ飛ばしたんだよね⁉︎」

 

「それはシンフォギアを纏った状態でだろ、まあ多分生身だとしても2m近くは飛ぶだろうが」

 

俺のその言葉を聞いて響の顔が青ざめる

 

「そっそんなの無理無理‼︎」

 

「無理じゃねえよ、それに最初からそこまでの事は求めねえよ」

 

俺がそう言うと響は胸を撫で下ろす

 

「来るべきキャロル戦に備えた特訓だと思っておけ」

 

「湊君…分かった私やるよ」

 

「そんじゃ早速始めんぞ」

 

「はい!宜しくお願いします‼︎」

 

響は真剣な表情でそう言った




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191話

「はあ!やあ!」

 

「さっきも言ったが力み過ぎだ、空気を腕で掴むように撃て」

 

俺は響と模擬戦をしながら水月を教える

 

「空気を掴むように…」

 

「ああ、一旦考えるのを辞めて意識を全部腕に集中させてみろ」

 

「分かった」

 

響はそう言うと動かなくなった

 

「ふぅ〜」

 

響は息を整えて意識を左腕に集中させる

 

「はあ!」

 

響が何を思ったか左腕を木に向けて撃つ

 

「う〜ん、掴んだと思ったんだけどな〜」

 

「掴めかけては居たみたいだな」

 

見ると樹木には若干ヒビが入って居る

 

「私シンフォギアも纏って無かったのに」

 

「コツを掴めばこのくらいの木なら簡単に折れるぞ」

 

「そうなんだ…湊君一度やって見せてよ」

 

響はそう言って後ろに下がる

 

「別に良いぞ、てかお前がやった後の木でやる訳ないだろ。これが良いな」

 

俺は隣にあった響の木と太さも然程変わらない物を選ぶ

 

「はあ!」

 

俺が木を殴るとその木は簡単に折れて倒れる

 

「凄い…」

 

「だから言っただろ、コツさえ掴めば簡単に折れるって」

 

「うん、私もう一回やってみるよ」

 

響はそう言ってさっきのヒビの入った木の前に立つ

 

「ふぅ〜」

 

「腕の力だけで折ろうとするなよ腕を痛めるだけだからな」

 

「うん…はあ‼︎」

 

響が左腕を木に撃ち込むと今度は大きな物音と共に木が倒れる

 

「どっどうなった湊君」

 

「自分で確認しろ」

 

俺がそう言うと響は目を開け目の前にあった木が倒れて居る事を確認する

 

「これを私が…」

 

「完成とはいかないが一歩前進と言った所だな、どうだった」

 

「何だろ…空気が私の腕に纏わりつく感覚があった」

 

「その感覚を忘れんな、ほら忘れる前にもう一度やるぞ」

 

「うん!てりゃー‼︎」

 

そう言って響は普通に殴り掛かって来る

 

「よっと、ふっ!」

 

「ぐふっ!」

 

「あ…」

 

俺は反射的につい本気で響の腹を殴ってしまい殴られた響はその場に倒れる

 

「おい響、生きてるか」

 

「な…何とか」

 

響は気を失いそうになりながらもそう返事をする

 

「悪い、つい本気で殴っちまった」

 

「何だろ…本当に意識が持っていかれそうで今までで一番死んだと思った」

 

「いや本当に悪かった」

 

流石に罪悪感が出て来てもう一度響に謝る

 

「湊お前達の方から物凄い音が聞こえたが、どうかしたのか立花?」

 

そこにさっきの響が木を倒した時の物音を聞いた翼とマリアがやって来た

 

「湊君から本気の腹パンを喰らって本当に動けない状態です」 

 

響がこの状況に至るまでの事を簡単に説明する

 

「そっそうか、所で湊聞きたいことがあるんだがこの倒れて居る木は2本ともお前がやったのか?」

 

「確かに片方は俺だがもう片方は響がやった、因みにお前達が聞いた物音は響が木を倒した時の音だ」

 

「そうか、一先ず立花を小日向達の元に運ぶとしよう」

 

「そうね、このままにするわけにもいかないものね」

 

「うう…まだ痛い」

 

そう言って腹をさする響を見て俺は心の中でもう一度謝罪をした




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192話

「大丈夫響?」

 

「うん…まだちょっと痛いけど」

 

俺は翼達と戻り響はビーチチェアの上に寝転びながらそう言う

 

「にしてもこのバカ相手に本気で殴るかよ」

 

「仕方ねえだろ、受け身も何にもせずに突っ込んで来たんだぞ、俺はそこまで器用じゃねえよ」

 

姉さんにジト目でそう言われた俺はそう返す

 

「湊君も気にしないで、私も湊君を危険な目に合わせた事あるし」

 

響が言ってるのは初めてデュランダルを持って暴走した時だろう

 

「そう言う訳に行くかよ、仕方ねえ俺がもうちょい上手くやってれば良かったんだからな、その尻拭いくらいはしてやるよ」

 

俺はそう言って響に近づく

 

「治せるの湊?」

 

「ああ、治せる」

 

「湊お前あれを使うのか?」

 

「そうだ」

 

俺はそう言って響に手をかざす

 

「湊さんそれはまさか…」

 

「今は集中させてくれエルフナイン」

 

俺がそう言うと何かを言おうとしていたエルフナインは黙った

 

「もう動けるぞ響」

 

「あれ?本当だ痛みが引いてる」

 

もう響に痛みは無いようだ

 

「もう大丈夫なの響?」

 

「うん!平気へっちゃら、それにしても不思議だよさっきまであんなに痛かったのにその痛みが急に消えるんだもん」

 

「あの…湊さん」

 

エルフナインは若干怯えながら俺に近づいて来る

 

「何だエルフナイン、さっきも何か言いかけてたみたいだが」

 

「あの…先程の力何ですが…湊さんは錬金術師何ですか?」

 

エルフナインの言葉に全員が驚いて俺を見る

 

「湊お前は錬金術師なのか?」

 

「ちょっと待って来れ先輩、錬金術ってのは記憶を燃やして力を発揮すんだろ?あの力はあたしも昔から知ってるけど一度も記憶が消えてた事なんて一度も無いぜ」

 

「いや、エルフナインの言う通り俺は錬金術師だ姉さん」

 

「嘘だろお前…」

 

姉さんは信じられない表情で俺を見る

 

「事実だ、それと多分だがエルフナインの考えてる事であってると思うぞ」

 

「ではやはり先程の力は」

 

「ああ、治癒の錬金術だ」

 

「やはりそうでしたか」

 

エルフナインは納得した表情でそう言う

 

「だが雪音の話ではお前はその治癒の錬金術を昔から使っていたのだろう?」

 

「そりゃ重症でもなけりゃ使う力も弱くて済むんだから燃焼させる記憶も大した量にはならねえよ。多分そん時は怪我をした時の記憶を燃焼させてたんじゃねえか?」

 

「確かに、傷が小さければ燃焼させる記憶も抑えられますが基本的に何処の記憶を燃焼させるのかは選択出来ない筈ですが」

 

「出来るんだから仕方ねえだろ、あまりにも連続して使ったり大きく使いすぎたりしたら選べないみたいだけどな」

 

俺の言葉を聞いて翼が1つの疑問を抱く

 

「待って来れ湊、何故そこまで知っているんだ?」

 

「お前も気づいてんだろ翼」

 

俺がそう聞くと翼は押し黙る

 

「シンフォギア軍事兵器化実験、恐らくあの時が1番治癒の錬金術を使ってたな、お陰で親の顔なんて全くと言って良いくらい覚えてないけどな」

 

「おい…どう言う事だよそれ…」

 

姉さんが震えながらそう聞く

 

「俺は父さんの顔も母さんの顔も覚えてない、多分あの時に燃焼させた記憶の中に父さんと母さんの顔の記憶があったんだろうな」

 

「お前は…お前はそれで良かったのかよ‼︎「良い訳ないだろ‼︎」湊…お前…」

 

「良い訳ないだろ、父さんと母さんも俺を育てて来れた人だ。そんな人の顔を忘れて良い訳ないだろが、だが俺は使った事への後悔はしてない、使わなかったらもっと多くの犠牲者が出ていてんだからな」

 

姉さんは何も言い返さない、多分姉さんも分かってるんだと思う俺が治癒の錬金術を使わなければもっと多くの犠牲者が出ていたのも事実だと理解しているんだろ

 

「本当に後悔はしてないんだな…」

 

「ああ、此処で嘘をつく程にクズじゃない」

 

「そうか…お前がそう言うならあたしは何も言えねえな、1番辛えのはお前なんだからな」

 

「悪いな姉さん」

 

「謝んなよ、お前が悪いわけでもねえんだからよ」

 

俺が謝罪すると姉さんは笑ってそう言う

 

「もしかしなくても私を治す時も記憶を燃やしたんだよね」

 

「それは別に良いんだよ、お前を治すのにはそこまで強い力は使わなかったから忘れたい記憶を燃やせたからな」

 

俺がそう言うと響はホッと胸を撫で下ろす

 

「だが使用は可能な限り控えた方が良いだろう」

 

「だな、あんま使わない様にはするつもりだ」

 

「なら良いんだ、マリア我々は特訓に戻るとしよう」

 

「そうね、貴方達はこのまま此処にいなさい」

 

翼とマリアはそう言ってまた森の中に入って行った




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193話

「勉強会?」

 

「そうデス」

 

特訓から数日、俺は切歌と調とルナ4人で昼を食べて居る

 

「そんなに不味いのかお前らの成績、勉強会とかじゃなく各自で勉強すりゃ済む事だろ」

 

テストは大体1週間後、それだけの時間が有れば何とかなると思うが

 

「これ切ちゃんと私とルナの小テストの結果」

 

「どれどれ、調以外本当に酷いな」

 

特に切歌、小テストで0点て初めて見たぞ

 

「私はそこまで酷くない筈」

 

「お前の点数も切歌と対して変わらないくらい酷いぞ」

 

俺がそう言うとルナは目を逸らす

 

「たく、此処まで酷いなんてな」

 

「切ちゃんもルナも小テストが返されたら直ぐに机の中に直して間違えとか見ないから」

 

「お前ら本当に酷いな」

 

「そう言うご主人は?」

 

「そうデス!お兄ちゃんだって対して変わらない筈デス‼︎」

 

此奴ら誰が入試までの勉強見てやったと思ってんだよ

 

「未来さんに聞いたけど湊さん2年生で1番頭良いらしい」

 

「そう言う事だ、つうか誰が調やお前らに勉強を教えたと思ってんだよ。一先ずルナの事はエルザに任せるとして問題はお前ら2人だな」

 

「待ってご主人、頑張るからそれだけは辞めて」

 

「無理だ、3人も一気に見きれない」

 

俺がそう言うとルナは目に見えて落ち込む

 

「ならセレナ、セレナが良い」

 

「参加する連中にもよるな、他に誰が呼んでたりするか?」

 

「えっと…今の所は春香と佳奈子と私達3人の5人とお兄ちゃんの6人デス」

 

「となると他の2人次第だな鳩木と神奈月はどんな感じ何だ?」

 

「佳奈子ちゃんなら大丈夫、私達の中で1番頭良いしでも佳奈子ちゃんは春香ちゃんに付きっきりだと思う」

 

つまり神奈月は鳩木に任せておけば良い訳か

 

「ならセレナでも大丈夫そうだな」

 

「あ、でも私も佳奈子ちゃんも分からなかったら湊さんに聞くと思う」

 

「そこまで頻繁じゃなけりゃ大丈夫だ。場所は決まってるのか?」

 

「るる、駅前のファミレス」

 

まあ確かに彼処なら俺達だけじゃなくて鳩木達も近いみたいだしな

 

「分かった、一先ずは後でセレナに…そう言えばセレナの奴今日は無理かもな確か葉月の三者面談に行くとか言ってた気がする」

 

「三者面談、私達ももう直ぐデスね」

 

「マリアが来るかマムが来るか」

 

「る…私はエルザが来ないならご主人でもセレナでもどっちでも良い」

 

多分お前の時はエルザになるだろうな、なんせエルザはお前が学校に迷惑を掛けてないか1番心配してるからな

 

「取り敢えずセレナに連絡取って来れそうなら来てもらうか、セレナが無理そうならエルザになるが」

 

「るる、分かってるそれでセレナが来れないなら仕方ない」

 

「そうデスね、それじゃあお兄ちゃんまた放課後ファミレスに集合デス!」

 

「湊さんまた後で」

 

3人はそう言って教室に戻って行った




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194話

「へ〜、それで今日勉強会するんだ」

 

「ああ、それで響とお前も誘おうと思ってたんだが響の奴何処行ったんだ?」

 

放課後、響と未来を勉強会に誘おうと思い響と未来を探すが響が見当たらない

 

「ごめんね湊、響は今日用事があって先に帰っちゃったんだ」

 

「あの響に用事ね、あいつの事だまた人助けとかやってんだろうな」

 

「そうだね、それに私も今日はミーシャちゃんと約束があるから」

 

「別に気にするなよ、約束じゃ仕方ないからな」

 

「ありがとう湊、それじゃあまた明日」

 

未来はそう言って教室を出た

 

「後はセレナだな」

 

そう言って俺はファミレスに向かいながらセレナに連絡を取る

 

「セレナか?今どこにいる?」

 

『ファミレスだよ、葉月ちゃんの学校から帰る途中に切歌ちゃん達と会って事情は聞いてるよ』

 

「そうか、今から俺も向かう」

 

『うん『パパだ‼︎』葉月ちゃん、ちゃんと座ってないときゃっ!』

 

その声と共に通信は途絶えた

 

「何だったんだ一体…今度は調か何だ」

 

『湊さんセレナの通信機に葉月ちゃんがジュースをこぼして壊れた』

 

それで通信が急に切れたのか

 

「多分それ壊れた訳じゃなくて水分で電波が阻害されてるだけだから直ぐに治るぞ」

 

『分かった、セレナにも伝えておく』

 

調はそう言って通信を切った

 

「着いた「パパ‼︎」お前か葉月」

 

「葉月ちゃん走ったら危ないよ」

 

葉月が俺の所に来ると葉月を追いかけてセレナが来た

 

「俺だから大丈夫だセレナ」

 

「良かった、でも葉月ちゃん他の人に迷惑になるからお店の中で走り回っちゃダメだよ」

 

「ごめんなさい」

 

「ううん、分かってくれたら良いの行こう切歌ちゃん達も皆んな待ってるから」

 

「ああ、そうするか」

 

そう言って俺は葉月とセレナの3人でルナ達の席に向かう

 

「お〜、本当にお兄ちゃんが来たデス!凄いデスルナ‼︎」

 

「何の話だよお前ら」

 

俺達が席に着いた途端に切歌がそう言う

 

「お前ら勉強してるんじゃ無かったのかよ」

 

「実は私も調ちゃんも行き詰まってしまって」

 

「そんな時にルナが湊さんの匂いがするって言い出したから」

 

「皆んなでお兄ちゃんが来るかどうか確かめてたデス」

 

高校生にもなって何やってんだよ此奴らは

 

「何処で行き詰まっちゃったの?」

 

「此処なんですけど」

 

「応用問題だね、此処は…」

 

セレナはそう言って鳩木に答えの出し方を教える

 

「お前らは俺が見てやるからさっさと始めろ」

 

「「るる、了解(了解デス)」」

 

切歌とルナはそう言って勉強を再開する

 

「セレナもうそろそろ切り上げた方が良いんじゃないか?」

 

「そうだね、時間も時間だしこれ以上遅くなったら親御さんも心配するもんね」

 

「確かに、マリアからもいつ帰って来るのってさっき通信も来た」

 

「それじゃあ今日は終わりにするデス!」

 

「そうですね、それでは解散にしましょうか」

 

「賛成‼︎」

 

そう言って勉強会を終了して各自で帰宅する事にした

 

「ルナちゃん学校楽しいかな?」

 

「るる、楽しい」

 

「そっか、良かったね」

 

「でも勉強は大変」

 

「そうかもな、でも良い事の方が多いんじゃないか?」

 

「る…それを言われると何も言い返せない」

 

ルナはそう言って鞄を持つ手を強める

 

「お前はどうだ葉月」

 

「楽しいよ!お友達も沢山出来た‼︎」

 

「良かったな」

 

葉月は今まで同年代の友人が居なかったから尚の事嬉しいんだろうな

 

「湊君はどうなの?」

 

「そうだな、悪くないとは思ってる」

 

俺がそう言うとセレナとルナは笑って居た




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195話

勉強会から数日、テストの1日目が終わり俺はルナとエルザとセレナの4人で昼を食べた後、俺とルナが勉強をしていると1つ前のテーブルに見知った人物が座る

 

「もしかして響ちゃん?」

 

「セレナさん⁉︎それに湊君達も何で此処に⁉︎」

 

身を乗り出してセレナだけでなく俺達もいる事を確認した響がそう言う

 

「俺達は昼飯を食べたから勉強してるんだ」

 

「ん?響の知り合いでも居るのか?」

 

俺がそう言うと1人の男性が此方に来る

 

「あの…もしかして響ちゃんのお父さんですか?」

 

「そうですけど貴方達は」

 

「響ちゃんの友人のセレナ・カデンツァヴナ・イヴです。宜しくお願いします」

 

「こちらこそ、良ければご一緒にどうですか?」

 

響の父親がそう聞くとセレナは俺を見る

 

「好きにしろ」

 

「それじゃあ相席させて頂きます」

 

そう言って俺達は席を移動しようとする

 

「ルナはダメであります、貴方は此処でわたくしと勉強をするであります」

 

「る…ご主人…」

 

「お前はエルザと勉強してろ」

 

俺はそう言ってセレナと俺は響とその父親の席に向かう

 

「前に月が落ちる落ちないの事件があっただろ」

 

フロンティア事変の事か

 

「あの時のニュース映像に映ってた女の子、その子がお前によく似ててな、以来お前の事が気になってな、もう1度やり直せないかって考えてたんだ」

 

「…やり直す…」

 

やり直す?どう言う事だ?

 

「なんかあったのか響、お前があの時に父親はいないって言ってたのと関係してんのか?」

 

「あの…差し支えなければ何があったか教えて頂けませんか?」

 

「そうか、君達は知らないのか」

 

そう言って響の父親は何があったのか話し始めた

 

「勝手なのは分かってる、でもあの環境の中でやって行くのは俺には辛過ぎたんだ。また皆んなで一緒に…母さんに俺の事を伝えてくれないか」

 

「話の内容は分かった、それを込みで言わせて貰うがふざけるのも大概にしやがれ」

 

俺は響の父親を睨みながらそう言う

 

「お前は分かってんのか、自分がいつ居なくなったのか、此奴が1番一緒にいて欲しい時に居なくなったのはそっちだってのに随分と簡単に言うじゃねえか」

 

「そうだよ…それに湊君の言う通り私が1番一緒に居て欲しい時に居なくなったのはお父さんじゃない…」

 

「大丈夫だよ響ちゃん落ち着いて」

 

震えながらそう言う響を隣に座るセレナが落ち着かせる

 

「やっぱ無理か、何とかなると思ったんだけどな、いい加減時間も経ってるし」

 

響の言葉を聞いて父親は一瞬表情を濁らせたが直ぐにそれは笑い顔に変わった

 

(此奴‼︎)

 

俺が響の父親に殴り掛かろうとした時に俺の隣で乾いた音が鳴り響いた

 

「貴方に響ちゃんや響ちゃんのお母さんに会う資格なんてありません‼︎もっと響ちゃんや響ちゃんのお母さんの立場になって考えてあげて下さい‼︎」

 

そう言って響の父親に手を出したのは意外な事にセレナだった

 

「出ようか響ちゃん」

 

「はい」

 

そう言って響はセレナとファミレスを出ようとする

 

「待ってくれ響「会計ならこれで済ませとけ、言っておくが今のお前が彼奴に会う資格は全くと言って良い程にない」そっそうか、済まないね」

 

「別に、お前らも行くぞ」

 

俺がそう言うと後ろで話を聞いていたルナとエルザも響の父親を睨みながらファミレスを出た




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196話

「ありがとうございましたセレナさん。湊君もごめんね…そうだお金」

 

そう言って響は鞄を探る

 

「別に良い、それにしてもお前が前にプールの授業で父親が居ないって言ってた意味がわかった」

 

「響ちゃんのお父さんがあんな人だったなんて」

 

セレナはまだ少し響の父親に怒って居る様だ

 

「今回ばかりは貴方に同情するであります」

 

「るる、私達はまだ親が心配してくれてたから」

 

ルナとエルザはイギリスで行われていたシンフォギア軍事兵器化実験をしていた武装組織の連中に誘拐された為、生きてフランスに戻った時は本当に喜ばれていた

 

「そっか、2人にもそんな事があったんだね。わっ!どうしたんですかセレナさん⁉︎」

 

「響ちゃん辛い時は泣いても良いんだよ」

 

「セレナさん…」

 

「大丈夫私達は皆んな響ちゃんの味方だから」

 

「はい…はい…」

 

響はそう言いながらセレナに抱きしめられながら泣いた

 

「寝ちゃったね響ちゃん」

 

「泣き疲れて寝るとか葉月でもしねえぞ」

 

数分後、響が泣き止んだかと思っていると響は泣き疲れて寝ていた

 

「きっとそれくらい辛かったんでありますよ」

 

「そうだな、セレナ響を連れて未来の居るリディアンの女子寮まで送ってやってくれ」

 

「うん、それじゃあ行って来るね」

 

セレナは通信機から車を出して響を助手席に乗せてリディアンの女子寮まで向かって行った

 

「さて俺達は帰って勉強するか」

 

「ガンス、そうするのが1番であります」

 

「る…ちょっと休憩したい」

 

「そんな事言ってあの人の話の時全然集中出来てなかったであります」

 

「る…それを言われると何も言い返せない」

 

「取り敢えず帰るぞ」

 

俺達はそう言って帰宅した

 

〜響side〜

 

「ん…此処って「あっ響ちゃん起きたんだおはよう」おはようございますセレナさん…あの私何でセレナさんの車に?」

 

確かセレナさんの抱き締められて…そうだ‼︎セレナさんに抱き締められながら湊君達の前で泣いちゃったんだ⁉︎

 

「うう…恥ずかしい…」

 

「そんな事ないよ、湊君達も誰も気にしてなかったし」

 

「そうですか、あの今は何処に向かっているんですか?」

 

「リディアン音楽院の女子寮だよ、未来ちゃんも帰ってるだろうし送って行こうと思ってね」

 

「本当にありがとうございます」

 

「気にしなくて良いよ」

 

セレナさんは笑って私にそう言う

 

「それと暫くはシンフォギアを纏っての戦闘は辞めて置いた方が良いかもね、そんな状態でノイズと戦っちゃったら怪我どころじゃ済まなくなるだろうし落ち着いたら戻ってこれば良いしね。暫くは未来ちゃんと一緒に待機しててね。着いたよ響ちゃん」

 

「分かりました、送ってくれてありがとうございました」

 

私がそう言って頭を下げるとセレナさんは笑って手を振ってから車を走らせた

 

〜響side out〜




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197話

「ご主人、彼処に居るのって」

 

「切歌と調だな彼奴ら今日は鳩木の家で勉強会とか言ってたのにな」

 

そんな疑問を抱きながらも2人に近づく

 

「だー!苦いコーヒーを選んじゃったデスよ!「なら取り替えるか?」あっありがとうデスお兄ちゃん…お兄ちゃん!?何でこんな所に!?」

 

コーヒーを取り出した切歌が突然の後ろからの声に驚いてコーヒーを落としそうになる

 

「エルザとルナも一緒なんだ、セレナは一緒じゃないんだ」

 

「セレナはちょっとあってな、今は別行動中だ何が良いんだ?」

 

「ミルクティーでお願いするデス」

 

「分かった」

 

俺はそう言って自販機にお金を入れてミルクティーを買う

 

「ほら」

 

「ありがとうデス」

 

「そう言やお前ら鳩木の家で勉強会をするんじゃなかったか?」

 

「それがデスねうわぁ!?」

 

切歌が何か言おうとした所で全員の通信機が鳴る

 

「「司令‼︎」」

 

「何の様だ風鳴司令」

 

『湊君か、丁度良い今そこに誰が居る?』

 

「俺と切歌と調、それとルナとエルザの計5人だ」

 

俺はその場に居る全員の名前を風鳴司令に伝える

 

『たった今アルカノイズの反応を検知した、アルカノイズを出現させているのはミカだ』

 

「わかった、場所は?」

 

『地下80メートルの共同溝内部だと思われる、君達の近くにエントランスが見えるだろ、そこから中に潜入してくれ』

 

「了解」

 

俺はそう言って通信を切る

 

「お兄ちゃんきょうどうこう?って何デス?」

 

「共同溝って言うのは電気やガスなんかのライフラインをまとめて道路とかの地下に埋設するための設備だ。近くにエントランスがあるらしい行くぞ」

 

「わたくしとルナは先に戻っているであります。湊も居れば申し分ない戦力でありますから」

 

「る〜、ご主人〜!」

 

そう言ってルナはエルザに引きずられて行った

 

「此処がその入り口みたいだな、行くぞお前ら」

 

「「うん(了解デス)」」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

俺達は聖詠を行いシンフォギアを纏い共同溝内部に潜入する

 

「おっ!来たな、悪いけど今はお前達の相手をして居る暇は無いんだぞ」

 

「湊さんはオートスコアラーをお願い」

 

「アルカノイズは私達に任せて欲しいデス」

 

「分かった、頼んだぞお前ら」

 

俺はそう言ってミカに向かって行く

 

「と!こんな狭い場所でそんな大きな剣は扱い辛いぞ」

 

「そう思うならとっとと切り刻まれろ‼︎」

 

「おっ!温まって来たぞ!でも向こうはもっと歌わないと死んじゃうぞ!」

 

そう言ってミカの片腕から放出された炎が切歌の目の前まで迫るが調がそれを防ぐ

 

「大丈夫か調!」

 

「私は大丈夫だから…湊さんは彼奴を!」

 

「無理はすんなよ、セイクリッドモジュール、抜剣」

 

 

俺はセイクリッドモードに移行して炎を放出するミカ本体を攻撃する

 

「おっ!良いぞ良いぞ!ん?正論かもだけど…鼻につくぞ!」

 

独り言のような事を言ってミカは炎の威力を高める

 

「させっかよ‼︎」

 

《雷撃》

 

俺は調が防ぐ炎の間に割って入り大剣の先端から高エネルギー砲を放つ

 

「おっ!中々やるな、でも今日は此処までだぞ」

 

その言葉を最後にミカはその場から姿を消した

 

「うっ、湊さんもっと優しくして欲しい」

 

「無茶するなって言ったのに無茶した奴への罰だ、お前もだぞ切歌」

 

「う〜、今そこ触るのは反則デスよ」

 

ミカが姿を消した後共同溝から出て本部に向かい医務室にて切歌と調の治療を行なっているのだが

 

「調が悪いんデス!」

 

「切ちゃんが無茶するからでしょ!」

 

「調が後先考えずに飛び出すからデス!」

 

「切ちゃんが私を足手まといに思ってるからでしょ!」

 

切歌と調がずっとこの調子で言い合いをしている

 

「なぁ調、お前は本当に切歌がお前を足手まといに思ってるってそう思うのか?」

 

「それは…」

 

「切歌、確かに後先考えずに飛び出した調も悪いかも知れない、でもお前が無茶した事を棚に上げてそれを言うのは間違って無いか?」

 

「うっ、確かにそうデス」

 

そう言って切歌と調は互いの顔を見ようとするが直ぐに互いから顔を逸らす

 

「お前らな…」

 

「わかってるデス、あの、調「ごめんね切ちゃん、今切ちゃんと話すと酷い事言っちゃいそうだから」そう…デスか」

 

「はぁ…一先ずは大事には至らなくて良かった。お前ら一旦帰れ」

 

「分かったデス」

 

「うん」

 

俺は切歌と調の2人と帰路に着いたが何時もの様に2人が話す事はなかった




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198話

「お前らいつまで続けるつもりだよ」

 

「分かってるデス、でも調が…」

 

切歌と調の状況は家に帰っても変わらずそれどころか調は自室で何かを始めた様子だ

 

「うん…うん、今から行く」

 

そう言って調が部屋から出て来る何故かリュックを背負って

 

「何処に行く気だ調」

 

「そうデスよ、そんな大きな荷物を持って何処に行くデスか⁉︎」

 

切歌荷物の大きさはそこまで重要じゃ無いと思うぞ

 

「ごめんね佳奈子ちゃん、切ちゃんに話してなかったんだ。今日から少しの間佳奈子ちゃんの家にお泊まりして来る」

 

「さいデスか…」

 

良いのかよ切歌…

 

「お泊まり…うえ⁉︎お泊まりデスか⁉︎」

 

いや違う此奴ただ単に事態を理解してなかっただけだ

 

「どっどうして急に」

 

「切ちゃん私思うんだ、今切ちゃんと一緒に居たらさっきよりも酷い事言って今まで通りの私と切ちゃんに戻れないかなって、それなら暫く距離を置こうって」

 

要するにこれ以上切歌を傷付けない為にと思って調なりに考えた結果距離を置こうって考えに至ったのか

 

「だとしてもそんな急に言われても「行かせてやれよ切歌」お兄ちゃん…」

 

「調事が済んだら戻って来るんだろ、だったら行って来い」

 

「ありがとう湊さん」

 

調はそう言って外に出て行った

 

「さて…俺も帰るか」

 

「まっ待って欲しいデスお兄ちゃん」

 

調が鳩木の家に向かって数分後、俺も帰ろうとすると切歌に止められる

 

「きょ…今日はマリアも帰って来ないデスしこんな広い所で1人は寂しいデスよ」

 

「だから俺にどうしろって言うんだよ」

 

「本当は調が帰って来るまでって言いたいデスけど、今日だけ今日だけでも良いデスからお兄ちゃんのお家に泊めて欲しいデス」

 

切歌は涙ぐんでそう言う。お前ら寧ろ一緒に居ない時間の方が少ないんじゃ無いかって思うくらい常に一緒に居るからな

 

「分かった分かった、調が戻るまで俺の所に居ても良いから泣くな」

 

「ひぐ…ありがとうデスお兄ちゃん」

 

「おい切歌!俺の服で鼻水を拭くな!辞めろ離れろって‼︎」

 

切歌が半泣きの状態で俺に抱きついて来たから俺は切歌を引き離そうとしたがこう言う時ばかり力が強いのか結局服は切歌の涙やら鼻水やらでドロドロになった

 

「たく」

 

「ごっごめんなさいデスお兄ちゃん」

 

「はぁ、こうなっちまったら仕方ねえよ後で洗うだけだ。ああそれとしっかり捕まってないと落ちるからな」

 

「りょっ了解デス」

 

俺がそう言うと切歌はバイクの後ろに乗って俺に抱きつく

 

「う…なんかビショビショに濡れてて気持ち悪いデス」

 

「お前のせいでそうなってんだ文句を言うな」

 

俺はそう言ってバイクを走らせる




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199話

「パパカレー美味しい‼︎」

 

「ん〜、お兄ちゃんのご飯は美味しいデス」

 

「るる、当然」

 

数時間後、俺達は少し早めの夕食を食べていた

 

「切歌ちゃん通信機鳴ってるよ」

 

「本当デス、誰デスかね?『ちょっと切歌‼︎家に戻っても誰もいないけど今何処にいるの‼︎』マリア⁉︎何で今日は帰って来ないって」

 

『それは明日の話よ、それに遅くはなるけど帰って来ない訳じゃ無いわ貴方がそこに居るって事は調もそこにいるのね?』

 

「いえ…調は…」

 

それを聞いた切歌の表情が暗くなる

 

「マリア俺だ」

 

『貴方の所に居たのね、調はどうしたの?切歌の反応を見る限り貴方の所には居ないみたいだけど』

 

「実はな」

 

俺は今日あった事をマリアに伝える

 

『そう、切歌と調が喧嘩を』

 

「ああ、切歌は仲直りをしようとしてるんだが調が切歌を避けてる状況だ」

 

実際に切歌は何度か調に謝ろうとしてたが調が切歌を避けてたからな

 

『分かったわ、あの子は何処に居るの?』

 

「鳩木佳奈子って友人の所だ」

 

『そう、本当なら今日にでもお礼を持って行きたいけどあまり遅くなっても迷惑がかかるわね』

 

そもそもお前が行く時点で騒ぎになって迷惑が掛かるだろうけどな

 

『セレナと明日の事についても話がしたいから今からそっちに行くわ』

 

「ああ、分かった。今からマリアが来るらしい。明日の事についてセレナお前と話したいらしい」

 

「うん、分かったよ湊君」

 

そう言ってセレナはカレーを食べる

 

「ではわたくし達は勉強の続きをしに部屋に向かうであります」

 

「る〜、ご主人〜助けて〜」

 

ルナはそう言いながらエルザに引きずられて行った

 

「いらっしゃいマリア姉さん」

 

「ありがとうセレナ、貴方もごめんなさい切歌が迷惑を掛けて、近くのスーパーで買ったリンゴよ皆んなでたべて」

 

そう言ってマリアに渡された袋にはリンゴが入っている

 

「ありがとな、葉月リンゴ食べるか?」

 

「食べる‼︎」

 

夕食の後だってのに本当によく食べるな

 

「今から切って来るからちょっと待ってろ」

 

「うん‼︎」

 

葉月がそう言って椅子に座るのを見た俺はリンゴを切りに向かった

 

〜マリアside〜

 

「それで何が原因で喧嘩になったの」

 

普段から仲の良い切歌と調が喧嘩をするから何か理由があるんだと思ったらやっぱり理由があった

 

「そう、ノイズとの戦闘での事で」

 

「無茶をする調が心配になってつい」

 

「そうね、でも調だけが悪い訳じゃないでしょ?」

 

「はい、お兄ちゃんに言われて私も悪いって事は分かってるデスよ」

 

そう、切歌は自分も悪いって事は理解しているのね、そしておそらく調も自分にも悪い所があった事には気づいているんだと思う。だから一度距離を取って自分の頭を冷やしたいんでしょうね

 

「パパまだかな」

 

「葉月ちゃん、その前にちゃんとマリア姉さんにお礼を言わなきゃダメでしょ」

 

「うん!ありがとうマリア叔母さん‼︎」

 

「おば⁉︎」

 

「はっ葉月ちゃん、マリアお姉ちゃんだよ」

 

「いっ良いのよセレナ…私もそう言うのはあまり気にしないから」

 

マリア叔母さん…少し辛いものがあるわね

 

「?」

 

「良いのよ、貴方の好きに呼べば」

 

「うん!マリア叔母さん‼︎」

 

「本当に良いのマリア姉さん?」

 

「ええ、大丈夫よセレナ」

 

私は若干のダメージは受けたが彼女の笑顔を見るとそれも仕方のない事だと軽く水に流せてしまった

 

〜マリアside out〜




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200話

「お疲れミナ、どうだったテスト」

 

翌日2日目のテストを終えた俺が帰ろうとすると安藤が俺の所に来た

 

「昨日と同じだな、強いて言うなら響が後ろで煩かったくらいだ」

 

「たはは、ごめんね湊君」

 

そう言って謝る響だが此奴の性格からして明日も同じ事をしそうだ

 

「お兄ちゃん!一緒に帰るデスよ!」

 

「るる、ご主人帰る」

 

俺が響達と話していると切歌とルナが俺の所に来た

 

「そうするか「待って湊」何だ未来」

 

「今日この後勉強会するんだけど湊達も来ない?響から昨日の事聞いたからそのお礼もしたいし」

 

「まあ前回の特訓みたいな事がないなら行っても良いが」

 

「大丈夫、殆ど響の為に開く勉強会みたいなものだから」

 

それなら大丈夫か

 

「分かった、俺達も参加する良いかお前ら」

 

「勿論デス」

 

「るる、問題ない」

 

「それじゃあファミレスに出発‼︎」

 

響の言葉に続いて俺達は教室を出る

 

「そう言えば切歌ちゃん、調ちゃんは一緒じゃないの?」

 

「えっと…今日は調とは別で行動してるデスよ」

 

切歌は昨日の事を悟られない様にしてそう言うが

 

「ねえ湊、切歌ちゃんと調ちゃんの2人に何かあったの?」

 

「まあちょっと訳ありでな、今は別々に行動してる」

 

この通り響以外には何かあった事が安易に予想できる

 

「うへぇ、もう頭がパンクしそう…ねえちょっと休憩しない」

 

「響まだ始めて30分しか経って無いよ」

 

「集中力が無さ過ぎなんだよ、他を見ろ」

 

ファミレスに着いて勉強を開始して30分、早々に響の集中力が限界に達していた

 

「お兄ちゃん此処教えて欲しいデス」

 

「ご主人私も」

 

「此処はだな」

 

俺は響の相手を未来に任せて切歌とルナに勉強を教える

 

「それにしてもミナって意外と面倒見が良いよね」

 

「そうか?」

 

「普通は年上の男性だからと言ってお兄ちゃんとは呼ばないかと」

 

そう考えると確かにそうだが俺をそう呼んでるのは切歌だけだからな

 

「響此処はこうするんだよ」

 

「え〜と、解けた」

 

向こうはもう小学生みたいな感じになってるな

 

「ん〜!ねえ今度こそ休憩しない」

 

「そうだね、お昼にも良い時間だし少し休憩してお昼食べよっか」

 

「だな、お前ら一旦辞めて良いぞ」

 

俺がそう言うと切歌とルナは筆記用具を机に置いて突っ伏す

 

「うへぇ、これじゃあ持たないデスよ」

 

「るる、頭がパンクする」

 

「お前らもかよ」

 

でも響と違って自分から進めるあたりまだ良い方何だろう

 

「ねえ未来、ミーシャちゃんも呼んであげられないかな?」

 

「ミーシャちゃんを?」

 

「うん、何時も部屋の掃除とか洗濯とか色々してくれてるしさ」

 

彼奴もうやってる事が家政婦と変わらないな

 

「そうだね、偶にはそれも良いかもね」

 

「良かった、それじゃあミーシャちゃん呼ぶね」

 

そう言って響は2人の部屋に居るミーシャに通信機で連絡を取った




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201話

「それで調と仲直りは出来そうか?」

 

『はい…何とか今日一緒に帰る約束とテストのお疲れ様会の買い物の約束をして来たデスよ』

 

期末テスト最終日、切歌と電話越しにそんな話をする

 

「本当に良いのか?俺も居なくて?」

 

『お兄ちゃんが居てくれれば心強いデスでもこれは私と調の2人で解決しなくちゃいけない問題デス、だからお兄ちゃんは待ってて下さい。私が調と2人でお兄ちゃんの所に行くのを』

 

おそらく切歌は俺の家でする事にしたテストのお疲れ様会とやらに調を誘うらしい

 

「この際だから鳩木も誘ったらどうだ、マリアも来るみたいだし鳩木にお礼もしたいって言ってただろ」

 

『そうするデス、それじゃあお兄ちゃんまた後でデス』

 

そう言って切歌は通信を切る

 

「さて、俺も帰って準備しないとな」

 

俺がまた歩き出すと通信機が鳴る

 

「何だよ風鳴司令」

 

『湊君、アルカノイズの反応を検知した。被害が拡大する前に対処に当たってくれ』

 

「分かった、因みに誰がアルカノイズを出現させてるんだ」

 

『分からない、我々も初めて見るオートスコアラーだからな』

 

風鳴司令達が初めて見るって事は彼奴か

 

「分かった、今から向かう」

 

『ああ、済まないな近くに君くらいしか居なくてな。本当は響君も居る事は居るが彼女自身から暫く戦場から距離を置きたいと申請があった為響君には連絡していない』

 

そうか、彼奴は自分から戦場から距離を置きたいと風鳴司令に申請したか

 

「分かった」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はサンダルフォンを纏いセラが現れたと言う場所に向かった

 

〜響side〜

 

「美味しかったね未来」

 

「うん、食べ放題も偶には良いかもね」

 

「ありがとうございますお姉様、私まで呼んでくださって」

 

「気にしないでよ、ミーシャちゃんも何時もありがとう」

 

私達がお昼を食べて帰っていると近くで爆発が起きる

 

「何⁉︎」

 

「もしかしてアルカノイズ⁉︎行かなきゃ…でも…」

 

私の頭の中にはセレナさんの言ってた事を思い出した

 

『そんな状態でノイズと戦っちゃったら怪我どころじゃ済まなくなるだろうし』

 

(確かにあの時の私はお父さんへの感情で頭が一杯一杯だった。でも今は違う未来にちゃんと話したからかなりマシになった。今なら…でも)

 

未来にお父さんと会った時にあった事を話して少しはマシになったかもしれないでも…まだ…

 

「お姉様、此処は私に任せて下さい」

 

「ミーシャちゃん…」

 

「大丈夫です、私にもノイズと戦う力はあります。なのでお姉様と未来さんはどうか安全な場所へと避難して居て下さい」

 

「うん…分かった、行こう未来!」

 

「うん、ミーシャちゃん私も響も待ってるから必ず戻って来てね」

 

「勿論です未来さん」

 

ミーシャちゃんはそう言って爆発の起きた場所に向かって行った

 

〜響side out〜




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202話

「湊さん!」

 

「お前もかミーシャ」

 

俺の言葉にミーシャは頷く

 

「さっさと終わらせて帰るぞ」

 

「はい!お姉様と未来さんへのご馳走の準備もしなければいけませんから」

 

ミーシャはそう言ってファウストローブを纏う

 

「お前のその姿を見るのは随分と久しぶりだな」

 

「湊さんにはあまり見せたくない姿ですから」

 

そう言ってミーシャは剣を構える

 

「漸く来ましたか、ご招待するのは貴方だけの筈でしたがやはり爆発はやり過ぎでしたか」

 

「やっぱりテメェかセラ」

 

そこには以前ルミアを連れて姿を消したオートスコアラーが居た

 

「答えて頂けないでしょうが目的は何ですか」

 

「分かっていらしているではないですか」

 

要するに本気で答える気はないのか

 

「やるぞミーシャ」

 

「はい!」

 

《雷鳴》

 

《翔炎斬》

 

セラは俺とミーシャの攻撃を横に飛んで避ける

 

「此方もいかせて頂きます」

 

そう言ってセラは水と炎を同時に錬成する

 

「はあ!」

 

《炎帝》

 

ミーシャが剣を地面に振り下ろすとそこから火柱が上がり錬金術を防ぐ

 

「彼の方の手の内を見てる暇はない様ですね」

 

「みたいだな、セイクリッドモジュール、抜剣‼︎」

 

俺はセイクリッドモードに移行させたサンダルフォンでセラに向かって行く

 

「はあ!」

 

《雷斬》

 

俺は雷を纏った大剣でセラを攻撃する

 

「ふっ」

 

セラは氷の剣を錬成して俺の攻撃を防ぐ

 

「くっ!」

 

「面倒だからとっとと倒れてくれよ‼︎」

 

俺はセラの氷の剣を砕いてセラを斬りつける

 

「これ程だなんて「はああ!」くっ!」

 

セラは目の前まで迫っていたミーシャの攻撃を後ろに飛んで交わす

 

「すみません湊さん」

 

「そう簡単に行くだなんて思ってないから気にすんな」

 

俺は謝罪をするミーシャにそう言って大剣を構える

 

「まさかこれ程までの装者がまだ残って居たとは」

 

どうやらセラはミーシャをシンフォギア装者だと勘違いしている様だ

 

「勘違いなされている様ですが私のこれはシンフォギアではなくファウストローブです」

 

「ファウストローブ…は‼︎その赤と黒の剣それはまさか⁉︎」

 

「貴方がどの様な答えを出したかは存じ上げませんがお姉様との大切な時間を邪魔したのですから私に許すと言う選択肢はありません」

 

《炎炎一閃》

 

《雷光一閃》

 

ミーシャは背中から翼を生やし上空に飛び剣に炎を纏わせ俺は大剣を巨大化させた後、翼のブースターを噴射させて突っ込む

 

「直ぐに撤退を…」

 

「今更遅えよ」

 

俺はそう言ってミーシャと同じタイミングでセラを両断する

 

「終わりました…ね…」

 

「ああ、良くやった」

 

俺はファウストローブが解除されて倒れそうになるミーシャを支える

 

「ありがとうございます湊さん」

 

「気にすんな、動けるか」

 

「すみません、暫くは難しそうです。やはり頻繁に使わないと疲れが凄く出ますね」

 

「ファウストローブは特に出るだろうな、送ってやるからしっかり捕まってろ」

 

《雷鳥》

 

俺はそう言ってミーシャを支えながら雷鳥に乗って響達の寮に向かった




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203話

「着いたぞミーシャ」

 

「ありがとうございます湊さん「ミーシャちゃん‼︎どうしたの⁉︎」お姉様」

 

俺が寮にミーシャを連れて行くと丁度響達が帰って来た

 

「湊ミーシャちゃんに何があったの?」

 

「随分と長い間ファウストローブを纏ってなかったみたいだからな、ファウストローブはシンフォギアより疲れが出やすいんだ」

 

「そうなんだ、ごめんねミーシャちゃん私の所為で」

 

「お姉様の所為ではありまん、私が言い出した事なんですから」

 

ミーシャは謝る響に笑ってそう言う

 

「ありがとう湊君、ミーシャちゃんを連れて来てくれて」

 

「あのままじゃ此処に着くまでに倒れてただろうからな『湊君聞こえるか』聞こえるぞ風鳴司令」

 

響と話していると風鳴司令から通信が入る

 

『戦闘後に済まないが本部に来てもらえるか』

 

「分かった、て訳だ俺は行くが後は大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫だよ湊君」

 

「私も着いてるから大丈夫だよ湊」

 

俺は響と未来の言葉に頷き本部に向かった

 

「それで湊君、先程のファウストローブは一体」

 

「やっぱそれか、あれは魔剣レーヴァテインて言う完全聖遺物の欠片だ」

 

「魔剣レーヴァテイン…聞いた事があります。別名血塗られた魔剣、所有者を吸血鬼に変えてしまう魔剣ダインスレイフと同格に呪われた魔剣の1つだと聞いています」

 

エルフナインが言ってる事はあながち間違いじゃない

 

「エルフナインの言う通りダインスレイフと同じ呪われた魔剣だって言われてるが実際の所は呪いなんかじゃない、あれはダインスレイフに比べればまだ比較的安全だ、まあ危険な聖遺物である事には変わりはないけどな」

 

「どう言う事だ」

 

「魔剣レーヴァテインはエルフナインの言った通り所有者を吸血鬼にする。だがそれだけじゃない、所有者に人を殺せと1週間頭の中がその言葉で埋め尽くされる。その所為かその所有者の周りには大量の血を流して死んでいた人が多く見られた。それが血塗られた魔剣だと言われる由来だ」

 

俺は風鳴司令達にレーヴァテインについて話す

 

「そんな聖遺物があったとはな、それはミーシャ君彼女が倒れそうになった原因なのか?」

 

「いや、彼奴はあのファウストローブを完全に使いこなせて居るミーシャがそれ以前の所有者達の様になる事はない」

 

「そうか」

 

「湊さん、ファウストローブと言う事はレーヴァテインは別の場所に保管されているんですよね?」

 

「ああ、俺が管理してる」

 

俺はそう言って通信機からレーヴァテインを取り出す

 

「それが魔剣レーヴァテイン…」

 

「そうだ、エルフナイン彼奴が最後の最後にキャロル達の所に撤退を試みた原因は分かるか?」

 

「すみません、僕にも分かりません」

 

「そうか、それを聞けただけでも満足だ」

 

「司令!アルカノイズの反応を検知しました!」

 

またかよ、今日はやけに多いな

 

「湊君、済まないが」

 

「ああ、俺が出る‼︎丁度試したいのもあるからな」

 

俺はそう言って本部から出てアルカノイズを出現させて居るミカの所に向かった




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204話

〜弦十郎side〜

 

「マリア君、先程の湊君の言葉どう思う」

 

「そうですね、セイクリッドモジュールに並ぶ何かが完成したかあるいは新たな聖遺物の力試しか」

 

「もしかして…」

 

俺の隣に居たエルフナイン君が何かを呟く

 

「何か知っているのかエルフナイン君」

 

「いえ、数日前に湊さんの所に向かった時にシンフォギアの調整をして居たのでそれが完成したのではないかと」

 

「シンフォギアの調整か…」

 

「まさかあの聖遺物の?」

 

今度はマリア君が何かを呟く

 

「マリア君、君にも心当たりがあるのか?「それについては私から説明します」ナスターシャ教授」

 

「マリア貴方が思い浮かべているのは神獣鏡ですね」

 

ナスターシャ教授の言葉にマリア君は頷く

 

「風鳴司令‼︎切歌ちゃんと調ちゃんがオートスコアラーとの戦闘を始めました‼︎」

 

「何だと⁉︎」

 

そこにはオートスコアラーと戦う切歌君と調君が映し出された

 

「湊君は‼︎」

 

「残り300m‼︎未だにシンフォギアを纏う様子もありません‼︎」

 

(どう言うつもりだ湊君)

 

「司令‼︎ アウフヴァッヘン波形の反応を検知‼︎」

 

「これは!」

 

そのアウフヴァッヘン波形は俺達も良く知るものだった

 

「神獣鏡だと⁉︎」

 

湊君の纏ったシンフォギアは紛う事なく神獣鏡のシンフォギアだった

 

〜弦十郎side out〜

 

「さて、試させてもらうぜお前の力」

 

〜Guidance shen shou jing rei zizzl〜

 

俺は聖詠を行い神獣鏡のシンフォギアを纏う

 

「未来の神獣鏡とは違ったアームドギアだな、どっちかって言うと響に似てるな」

 

俺は自身のアームドギアを確認しながらミカの所に向かう

 

「彼奴らも居るのか、始めんぞ神獣鏡」

 

俺はミラーデバイスから放たれる光をミカに向けて放出する

 

「これは!」

 

「神獣鏡の魔が払いの光…それじゃあもしかして未来さん」

 

「悪かったな未来じゃなくて」

 

俺は神社の鳥居の上から降りてそう言う

 

「「お兄ちゃん(湊さん)‼︎」」

 

「お!お前も来たか面白くなって来たゾ!」

 

ミカはそう言って俺に炎を放出する

 

「ふっ!」

 

俺は腕に装着されているデバイスの先端から放出される光を光剣の様にして炎を切り裂く

 

「おっ、結構使えるな」

 

「とりゃー‼︎」

 

「お前らさっさと仕留めるぞ、セレナ達も待ってんだからな」

 

結晶を持って突進して来るミカの攻撃を受け流しながらそう言う

 

「了解デス!」

 

「佳奈子ちゃんも待ってるし」

 

そう言って切歌と調の2人とは別行動を取る

 

「闇雲に逃げてたらじり貧だぞ」

 

(闇雲に逃げてる訳じゃないけどな)

 

あれから少し経ち神社の周りにはミカの作り出した巨大なクリスタルが数本立って居る

 

「追い詰めたゾ」

 

「追い詰められたのはお前デス!」

 

ミカの作り出したクリスタルを蹴って現れた切歌は両肩から放つロープでミカを絡めとり、地面に固定し同時に切歌のアンカーを調のギアと接続する

 

「まさかこれを狙って!」

 

「今更気づいても遅いんだよ!」

 

俺はミカの作り出したクリスタルの上に乗る

 

「「これで終わり(デス)!」」

 

《禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS》

 

「こっちの気も知らねえで」

 

「偶には指示に従ったらどうだ?」

 

無事ミカを倒した後切歌と調が姉さんと風鳴司令から注意を受けている

 

「お兄ちゃんだって一緒に戦ったデスよ」

 

「私達だけ怒られるなんて納得いかない」

 

切歌と調が説教を受けて居るのに俺が注意を受けない理由それは

 

「湊君にはこちらから対処に当たる様に指示を出したからな」

 

「そう言うこった」

 

切歌と調はまだ少し納得いってない表情をするがその表情も変わり

 

「独断が過ぎました」

 

「これからは気をつけるデス」

 

切歌と調がそう言って謝罪をするとおっさんと姉さんは驚いた顔をする

 

「珍しくしおらしいな」

 

「私達が背伸びしないで出来るのは受け止めて受け入れる事」

 

「だからごめんなさいデス」

 

そう言って2人で頭を下げる

 

「分かってくれりゃ良いんだよ」

 

「ああ、湊君も助かった」

 

「此奴ら程はしてねえよ、ほらセレナ達も待ってるからさっさと行こうぜ切歌、調」

 

「「はいデス(うん)」」

 

俺と切歌と調はそう言ってセレナ達が待ってる俺の家に向かった




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205話

「ただいま」

 

「お邪魔します」

 

「お邪魔するデス!」

 

俺達がそう言って中に入るとリビングから葉月が来た

 

「パパ!お帰り‼︎」

 

「悪いな遅くなって」

 

「切歌ちゃんと調ちゃんもいらっしゃい」

 

葉月に続いてセレナも出て来る

 

「あ、切歌ちゃんと調ちゃん来たんだ」

 

「うん、遅くなってごめんね」

 

「気にしないで、良かったね調ちゃん切歌ちゃんとと仲直り出来て」

 

「うん」

 

鳩木の言葉に調は笑ってそう返す

 

「美味しいデス」

 

「美味しい」

 

数分後、俺達はテストのお疲れ様会を始めた

 

「湊さん凄く美味しいです」

 

「明日から1週間くらいテスト休みだし何処かに遊びに行きたいよね」

 

まあ俺の家の場合はそんな事すれば葉月が拗ねるから絶対にしないが

 

「湊さんチャイムなってますよ?」

 

「ああ、彼奴も来たのか」

 

恐らくこのタイミングで来るのはマリアだけだろう

 

「やっぱりお前かマリア」

 

「ええ、切歌と調も此処にいるんでしょ?」

 

「ああ、後お前が礼をしたい鳩木って奴も来てるぞ」

 

「ええ、調から聞いているわお礼も持って来てるしね」

 

そう言ってマリアはビニール袋を持ってリビングに向かって行く

 

「凄いよ佳奈子!本物のマリア・カデンツァヴナ・イヴだよ‼︎」

 

「はわわ、春香ちゃん私どうしたら良いのかな⁉︎」

 

「サインでも貰っちゃいなよ佳奈子」

 

「きゅっ急に言っても迷惑じゃないかな⁉︎大丈夫かな⁉︎」

 

突然のマリアの来訪に鳩木と神奈月は動揺しまくっている

 

「貴方が鳩木佳奈子ね」

 

「はっはい!そうです」

 

マリアが近づくと鳩木は緊張しながらも何とか声を絞り出して返事をする

 

「調がお世話になってみたいね、ありがとう」

 

「そっそんな…私はただ調ちゃんの力になってあげたかっただけで」

 

「それでもよ、これくらいしか出来ないけど受け取って頂戴」

 

「はい!ありがとうございます‼︎」

 

マリアに手渡された菓子折りを鳩木は両手で受け取る

 

「びっくりした、まさか切歌ちゃんと調ちゃんがあのマリア・カデンツァヴナ・イヴと知り合いだった何て」

 

「マリア姉さん来てたんだ」

 

「ええ、ついさっきね」

 

マリアとセレナの会話を聞いて鳩木と神奈月は2人を交互に見る

 

「どうかしたのか2人して」

 

「セレナさんってマリア・カデンツァヴナ・イヴと姉妹何ですか?」

 

「今更かよ、名前を聞いた時点で気づけよ」

 

「確かに初めて会った時に名前教えて貰いましたけどまさか姉妹だなんて思いませんでした」

 

まあ普通は思わないよな

 

「そう言えば私も佳奈子ちゃんと春香ちゃんにマリア姉さんの事話した事なかったもんね」

 

「2人共これからも切歌と調の2人と仲良くして貰えるかしら?」

 

「「はい‼︎それとサイン下さい‼︎」」

 

「私のサインなんかで良いのなら構わないわ」

 

マリアはそう言って鳩木と神奈月に渡されたノートにサインを書いた




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206話

「お前ら随分と長居するんだな、もう7時過ぎだぞ」

 

「あれ?湊さん聞いてないんですか?」

 

「おかしいデスね、ルナにお兄ちゃんに伝える様にお願いした筈デスけど」

 

切歌がそう言うのでルナの方を見ると記憶を探って居た

 

「私も聞いたよ切ちゃんがルナにお願いしてる所」

 

「私も聞きました」

 

「私も」

 

これで証人が4人、完全にルナの奴が忘れてるな

 

「ルナの事は一先ず後回しにして何の話だ?」

 

「お兄ちゃんのお家にお泊まりするって話デス」

 

俺の家に泊まるね

 

「別に良いが鳩木と神奈月の親が良く了承したな」

 

「私はお父さんに話したら大丈夫だと言ってくれました」

 

「私もお母さんに火憐を助けてくれた人の所に泊まって来るって話したら良いよって、火憐も行きたいってわがまま言ってましたけど学校があるからってお母さんに反対されてました」

 

どうやら俺は鳩木と神奈月の親から謎の信頼を得ている様だ

 

「お兄ちゃんなら大丈夫デスよ」

 

「だからって湊さんの部屋に寝ぼけて行くのは辞めようね切ちゃん」

 

「そう言う調だってこの間は…」

 

「あれは切ちゃんを起こそうとしただけ…」

 

そもそも俺の部屋に勝手に入って来る事自体が色々とおかしいって事に気付け

 

「本当に切歌がごめんなさいね」

 

「ルナも結構頻繁にあるからな、切歌はまだマシな方だろ」

 

俺の部屋では俺と葉月が寝ているんだが朝起きるとルナがいる事も少なからずある

 

「切歌、調今日は私も泊まって3人で同じ部屋で寝るわよ」

 

「うん、マリアが居るなら大丈夫な気がする」

 

「私は春香ちゃんと同じ部屋で寝ます」

 

「そうだね、ゲームとか色々持って来たし」

 

そう言って神奈月はゲームやその他もろもろを取り出す

 

「また沢山持って来て、夜更かしする気満々だね」

 

「当たり前だよ!お泊まりの夜と言えば眠くなるまでゲーム三昧、切歌と調もやろう」

 

「ほ〜う、私に挑戦デスか。良いデスよ受けて立つデス!」

 

「ゲーム何て久しぶりにする」

 

「湊さんテレビ借りますね」

 

「ああ、あんま使わないから好きにしろ」

 

そう言って全員がゲームを始める準備をする

 

「貴方達その前に寝るまでの準備が先でしょ、お風呂に入って歯を磨いて来なさい」

 

「マリア、歯を磨いちゃったらお兄ちゃんの作ってくれるクッキーが食べられないデスよ」

 

そもそも作るなんて一言も言ってないんだが

 

「パパ葉月もやりたい」

 

「はぁ、良いから行って来い9時には辞めて寝ろよ」

 

「うん‼︎」

 

そう言って葉月は切歌達の所に加わる

 

「だとしてもお風呂には入って来なさい、ゲームはそれからよ」

 

「え…ダメなのマリア叔母さん」

 

ゲームをする気満々だった葉月はそう言われて落ち込む

 

「貴方はもうお風呂にも入って居るから良いのよ、ほら貴方達はお風呂に入って来る!それまでゲーム一旦お預けよ‼︎」

 

「マリアさんの言う通りだよ、私達は先にお風呂にしよう」

 

『は〜い』

 

マリアと鳩木がそう言うと全員ゲームを中断してお風呂に向かった

 

「パパ…」

 

「相手が1人も居なくなったな」

 

「大丈夫よ、皆んなが来るまで私が一緒にしてあげるわ」

 

「本当‼︎」

 

「ええ、だからそんなに寂しそうな顔をしないで」

 

マリアはそう言って葉月の頭を撫でる

 

「そんじゃ俺は彼奴らの言ってた通りクッキーでも作るか」

 

「葉月も食べたい‼︎」

 

「明日の朝まで残しといてやるからお前は約束の時間には寝るんだぞ」

 

「うん!」

 

そして俺はクッキー作りをマリアと葉月は2人でゲームを始めた




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207話

「おはようパパ」

 

「おはよう葉月」

 

翌日、俺が起きると隣に居たのは葉月だけだった

 

(マリアとエルザが手を回してくれたんだろうな)

 

俺は此処に居ないエルザとマリアに感謝して葉月とリビングに向かった

 

「葉月パンとご飯どっちが良い?」

 

「ご飯‼︎」

 

「分かった、ちょっと待ってろ」

 

俺はそう言って葉月のご飯と目玉焼きを皿に乗せる

 

「ほら、出来たぞ」

 

「ありがとうパパ‼︎」

 

「どういたしまして「湊おはようであります」エルザかおはよう」

 

俺が葉月の朝食の準備をし終えるとエルザが起きて来た

 

「いつもより遅かったな」

 

「昨日はわたくしめも熱くなってゲームに没頭したでありますから恐らくその影響であります」

 

ほう、エルザがゲームに没頭するなんて珍しいな

 

「お前はどうする」

 

「わたくしもご飯にするであります」

 

「分かった」

 

俺はそう言ってエルザの分の朝食を準備した

 

「それじゃあ行って来いよ」

 

「パパ、一緒に行こう」

 

「一緒にってお前な、今日だけだぞ」

 

「うん‼︎」

 

俺がそう言うと葉月は嬉しそうに笑う

 

「パパ、火憐ちゃん待っても良い?」

 

「ああ、良いぞ。て言うか随分仲良くなったんだな彼奴と」

 

最近葉月は神奈月妹と一緒に登下校して居るそうだ。歳も同じだしクラスも同じらしいからな

 

「葉月ちゃん!」

 

「火憐ちゃん!」

 

暫く待っていると神奈月妹が来た

 

「お兄さんも居る‼︎」

 

「久しぶりだな」

 

「今日はねパパと一緒に行くんだ!」

 

「良いなぁお姉ちゃんお兄さんのお家にお泊まりしてるんでしょ」

 

そう言や昨日神奈月が言ってたな、神奈月妹も来たがってたって

 

「夏休みも近いんだしそん時にこれば良い葉月も喜ぶだろうし歓迎する」

 

「うん!そうする!」

 

そう言って神奈月妹は俺の手を握る

 

「パパ葉月も葉月も‼︎」

 

「もう片方が空いてるからそっちを使え」

 

「うん!」

 

俺は葉月と神奈月妹と手を繋いで学校の門の前まで連れて行かされる

 

「パパ行って来ます!」

 

「バイバイお兄さん!」

 

そう言って葉月と神奈月妹は学校の中に入って行く

 

「優しいですね、雪音さんだけじゃなくて神奈月さんとも手を繋いで登校してあげるなんて」

 

「そう言う訳じゃないんですが、それじゃあ」

 

そう言って俺は小学校を後にする

 

「戻ったでありますか」

 

「お帰り湊君」

 

「「お帰りなさい湊さん」」

 

「お前らも起きて来てたのか」

 

俺が帰るとエルザだけだったのがセレナと調と鳩木も起きていた

 

「今日は切歌が来てなかった、ありがとな調」

 

「私は何にも、マリアが切ちゃんのトイレに着いて行っただけ」

 

そうだったのか起きて来たらマリアにも礼を言わないとな

 

「湊さん今日も宜しくお願いします」

 

「ああ、早速始めるか」

 

「はい!」

 

そう言って俺と鳩木は場所を移動した




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208話

「それじゃあ始めるか」

 

「はい、宜しくお願いします」

 

〜Desperta signe aerial tron〜

 

〜Guidance shen shou jing rei zizzl〜

 

俺と鳩木は地下の鍛錬場でシンフォギアを纏う

 

「行きます‼︎」

 

《疾風》

 

俺は途中で3つに分裂して向かって来る緑のエネルギーを避ける

 

「以前より速度が上がってるな」

 

「ありがとうございます、やあ!」

 

《叢雨》

 

鳩木が緑のエネルギーを構えると同じエネルギーが鳩木の周りにも現れ一斉に放たれる

 

(この数は流石に避けきれないか)

 

《終焉》

 

俺がミラーデバイスの光を一点に集中させて上空に放つと1つの球体が出現しそこから辺り一面に無数の光が放たれ撃ち漏らしたエネルギーは腕の光剣で対処し鳩木は自分に向かって来る光を避ける

 

「はあ!」

 

「やあ!」

 

俺が腕の光剣のエネルギーを飛ばすと鳩木は緑のエネルギーを飛ばし相殺する

 

「反応も随分と良くなって来てる、かなり良い線は行ってるぞ鳩木」

 

「はい、正直言って始めた頃は全然でしたけど続けるに連れて上達する自分が見て取れるので凄く嬉しいです」

 

鳩木の成長は著しく始めた頃は本当に避ける事も儘ならなかったが今では反撃をするまでになっている

 

「これで決めます」

 

《風華天翔》

 

鳩木が上空に向けてエネルギーを放つと空から無数のエネルギーが俺に向けて降り注ぐ

 

「くっ!」

 

俺は障壁を張って防ぐがそれでも押される

 

「これで終わりです!」

 

《疾風》

 

空から降り注ぐエネルギーが消失すると同時に鳩木はエネルギーを放つとそれは3つに分裂する

 

(試してみるか)

 

俺は緒川から教わった技を試す為にわざと攻撃を受ける

 

「やった!当たった!「甘いな鳩木」湊さん、ですが彼処に…あれは丸太」

 

鳩木の言う通りエネルギーは丸太に当たっていた

 

「緒川が言うには空蟬って技らしい」

 

「空蟬…負けました湊さん」

 

「1ヶ月ちょいであれだけ出来りゃ上出来だ」

 

これだけ上達してれば戦い方によっては響とならまともにやり合えるだろう

 

「見せて貰ったわ、ギアを纏ってまだ数ヶ月しか経ってないのに凄いわね」

 

鍛錬場から出てリビングに向かうと起きて来ていたマリアが鳩木にそう言う

 

「そんな、私なんて全然」

 

「わたくしも拝見させて頂いたでありますが動きにあまり無駄が無く良い勝負が出来ていたであります」

 

「ありがとうエルザちゃん」

 

エルザの言葉に鳩木は笑ってそう返す

 

「ふぁ〜、おはようデス」

 

「おはようございます」

 

少しして切歌と神奈月が起きて来る

 

「遅いわよ貴方達、今何時だと思っているのもうお昼よ」

 

マリアの言う通り切歌と神奈月が起きて来たのは11時30分過ぎ既に昼ご飯の準備を始めた頃だった

 

「だから言ったのにあまり遅くまでゲームしてると朝起きれないって」

 

「それは分かってるんだけど」

 

「中々辞めれないデスね」

 

調の言葉を聞いて切歌と神奈月は苦笑いでそう言う

 

「調はマリアより早かったが寝たのはマリアより後だったよな?」

 

「マリアは夜中の切ちゃんのトイレに付き合ってたから私の方が先に起きたんだと思う」

 

「成る程な」

 

俺と調はマリアに注意を受けている切歌と神奈月を見ながらそんな話をした




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209話

「電力の優先供給地点になります」

 

翌日俺や切歌達は本部に集められて居た

 

「こんなにあるデスか」

 

「その中でも一際目立ってるのが」

 

「深淵の竜宮か」

 

俺がそう呟くとおっさんが頷く

 

「オートスコアラーがその位置を割り出して居たとなると」

 

「狙いは恐らくアステカの杖」

 

「だったら簡単だ!先回りして迎え撃つだけの事」

 

「ああ、そうだな…狙われる場所が1つだけならな」

 

そう姉さんが言った事を実行できるのは狙われる場所が1箇所だけだった場合にのみ有効だ

 

「まだ襲撃予測地点はあるんだろ風鳴司令」

 

「ああ」

 

俺がそう聞くと風鳴司令はそう言って第2の襲撃予測地点を表示する

 

「此処は!?」

 

「知ってるのか翼?」

 

「ああ」

 

俺がそう聞くと翼は頷く

 

「気になる出来事があったので調査部で独自に動いてみました。報告によりますと事故や事件による神社や祠の損害が頻発して居まして、いずれも霊的防衛機能を支えて居た琉脈、霊ラインのコントロールを担って居た要所になります」

 

「錬金術と霊ライン、敵の計画の一環と見て間違いないだろう」

 

「風鳴の屋敷にはかなめ石がある。狙われる道理はあると言う訳か」

 

つまりオートスコアラーの狙いはそのかなめ石を破壊する事か

 

「おっさん、あのバカはまだなのか」

 

「ああ、響君はまだ少し時間が欲しいそうだ」

 

響はまだ父親の事を引っ張ってるのか

 

「皆さん…キャロルの怨念を止めて下さい」

 

エルフナインの言葉に全員が頷く

 

「よし!チームを編成するぞ!」

 

チーム編成の結果、マリアと翼そしてマリアに推薦された鳩木が風鳴の屋敷に、姉さんそれから切歌に調そして神奈月が深淵の竜宮に向かう事になり俺は特に指示が出されなかったので

 

「深淵の竜宮、此処に来るのも随分と久しぶりだな」

 

先に深淵の竜宮に入り込んで居た

 

「結構広いんだな…ん?」

 

中に入って暫くすると向こうにキャロル達の姿が見えた

 

「風鳴司令俺だ」

 

『湊君どうかしたか?』

 

「深淵の竜宮にキャロルが侵入して来て居る」

 

『何だと!?此方でも確認した』

 

俺は風鳴司令に状況を報告してからある疑問が頭をよぎった

 

「風鳴司令、セキュリティでキャロル達以外のオートスコアラーは見つかったか?」

 

『嫌、見てないがどうかしたのか?』

 

「深淵の竜宮には侵入者を排除する為に俺が起動させたオートスコアラーを配置した筈なんだ。それなのに俺の所にキャロル達の侵入が報告されなかった。どう考えてもおかしいんだ」

 

『成る程な、此方でもモニターにて捜索しよう』

 

「頼む、髪は金髪服装はメイド服だ」

 

『分かった』

 

俺は隠れて話しながらキャロル達を追いかける

 

(これで彼奴らの目的はアステカの杖でほぼ決まりだな。そう言やキャロルの目的は世界の破壊、だとするなら此処にそれに類する聖遺物、或いは危険物が収納されて居るに違いないだろうな。待てよ、確かエルフナインがチフォージュ・シャトーは巨大装置だって言ってたな、不味いなら彼奴らの狙ってるのはアステカの杖だけじゃない‼︎)

 

「風鳴司令、ヤントラ・サルヴァスパって情報集積体が保管されてないか至急調べてくれ」

 

俺はキャロル達に気づかれないくらいの声でそう言う

 

『湊君何だそれは?』

 

『湊さん!もしそれが保管されて居るとしたら!』

 

エルフナインはヤントラ・サルヴァスパを知って居るのか

 

「エルフナイン説明頼む、兎に角直ぐに調べてくれ」

 

『ああ、わかった』

 

あれがキャロルの手に渡ったら完全にチフォージュ・シャトーが完成する

 

『湊君エルフナイン君から聞いた。それは此処に保管されて居る。今から場所のデータを「悪い向こうがそんな暇与えてくんないらしい」気づかれたか、クリス君達が到着するまで何としてでも耐えろ!』

 

「無茶が過ぎるぜ風鳴司令」

 

そう言った俺の目の前にはキャロルとオートスコアラーが居る




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210話

「敵を前にして通信とは余裕そうだな雪音湊」

 

「冗談キツイぜお前と戦闘だってのに通信なんてやってらんねぇよ」

 

俺はキャロルにそう言って通信を切る

 

「レイア、ルミアお前は例の物を探せ此奴は俺が相手をする」

 

「え〜、彼に最初に目をつけたのは私だよ!」

 

「好きにしろ、行くぞレイア」

 

「はい」

 

キャロルはそう言ってオートスコアラーを連れて先に進んで行く

 

「悪いが今日ばかりは子供の相手をしてる場合じゃない、さっさと片付けて追わせて貰う」

 

「ふふん、私だって今日はとっておきを使うよ」

 

〜Guidance shen shou jing rei zizzl〜

 

俺が神獣鏡を纏うとルミアはいつものレイピアを取り出して地面に突き刺し青を基調としたプロテクターを纏う

 

「それがお前のとっておきか」

 

「そう、私のとっておきにしてお気に入りの完全聖遺物ティアマトとそのファウストローブ」

 

完全聖遺物だったのか、通りでシンフォギアで破壊できない訳だ。だが神獣鏡であれば別だ

 

「簡単に終わらないでね」

 

「こっちの台詞だ」

 

そう言って俺は腕から放出される光を光剣の様にしてルミアに斬りかかるとルミアはティアマトで受け止める

 

「流石は完全聖遺物と言った所か、神獣鏡の魔が払いの光もこの程度じゃ効かないか」

 

「当然だよ、普通の聖遺物でもこれで無力化出来るのは精々あの子の大型ミサイルくらいだよ」

 

ルミアの言うあの子は姉さんの事だろう

 

「だろうな、だが此奴は如何だ!」

 

俺は後ろに下がってからルミアの後ろに配置したミラーデバイスからの光を放つ

 

「とう!これくらい余裕余裕‼︎」

 

そう言ってルミアはレイピアを回転させて光を防ぐ

 

「これなら如何だ‼︎」

 

《終焉》

 

俺がミラーデバイスの光を一点に集中させて上空に放つと1つの球体が出現しそこから辺り一面に無数の光が放たれる

 

「よっと!」

 

ルミアは俺の攻撃を上手く交わし交わしきれない光はレイピアで防ぐ

 

「やっぱり良いね次行くよ‼︎」

 

「来い」

 

俺とルミアの攻撃がぶつかり合う直前にキャロルにレイアと呼ばれていたオートスコアラーが割って入りルミアのレイピアと俺の光剣を受け止める

 

「お楽しみの時間は此処までだ」

 

そこにダウルダブラを纏ったキャロルも来て弦で俺を拘束する

 

「マスター」

 

「ああ」

 

そう言ってキャロルはアステカの杖を俺に向ける

 

「やっぱり目的はアステカの杖か」

 

「ほう、気づいていたか、だがやはり愚かだ気づいて居れば来なければ良かったものを」

 

そう言ってキャロルはアステカの杖を起動させる

 

「これから俺達に協力して貰うぞ雪音湊」

 

薄れ行く意識の中で俺が最後に目にしたのはそう言って不適に笑うキャロルだった




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211話

〜クリスside〜

 

「お前ら時期に着くぞ」

 

「了解デス!」

 

「クリス先輩、通信機が光ってるんですけど取らなくて良いんですか?」

 

そう言われて通信機を見ると確かに光っていた

 

「たく、こんな時に誰からだよ『クリス様』お前かユナ」

 

あたしが通信を取るとそこにはユナが映し出された

 

「ユナさんどうかしたんですか?」

 

『はい、先に深淵の竜宮に向かっていたマスターですが、先程キャロル一派の手に落ちました』

 

「な!彼奴がキャロル側に着いたのか⁉︎」

 

『はい』

 

あたしは原因を考えそして1つの答えにたどり着いた

 

「まさかとは思うが彼奴らの狙いは前に湊の言ってた通りアステカの杖だったのか」

 

『その様です』

 

やっぱりそうか、そうでもなきゃ彼奴が敵対勢力に簡単に協力する訳がない

 

「お前はその事をあたし達に伝える為に通信を取ったのか」

 

『はい、伝えておいた方が宜しいと思いましたので』

 

「そうか、助かった」

 

『いえ、それでは』

 

ユナはそう言って通信を切った

 

「まさか湊さんのアステカの杖を狙ってるって言うのが本当だった何て」

 

「クリス先輩、私達これから湊さんと戦うんですよね」

 

「ああ」

 

震えながらそう言う此奴に対してあたしはそう返す事しか出来なかった

 

「それでも…それでも戦わないとお兄ちゃんは帰って来ないデス、だったら戦うしかないデスよ。私達の力を合わせてお兄ちゃんを助けるんデス!」

 

「お前…」

 

本当は此奴だって湊と戦いたくなんてない筈だ。それなのに此奴は湊を助ける為に頑張ろうとしてるんだ

 

「そうだね切ちゃん、私達は何時も湊さんに助けて貰ってばっかり、だから今度は私達が湊さんを助ける。何時もと少し立場が違うだけでやる事は同じ」

 

「でもやっぱり…」

 

やっぱ初陣で知人と、しかもかなり仲良くなった奴と戦うのはきついか

 

「ふぅ〜、お前は出口の確保を優先にしろ」

 

「出口の確保ですか?」

 

「ああ、いざって時に直ぐに逃げられる様にあらかじめ脱出出来るルートを見つけておくんだ」

 

「分かりました。やってみますクリス先輩」

 

よし、これで脱出の事を気にせず戦える

 

「お前達はあたしと一緒に湊やキャロル達の捜索だ、それとアステカの杖だが見つかり次第回収しろだと」

 

あたしは深淵の竜宮に向かう直前にアステカの杖の回収をおっさんから依頼されていた

 

「了解デス」

 

「分かった」

 

「見えて来たぞお前らあれが深淵の竜宮だ」

 

そう言って海の底を見るとそこにはおっさん達の映像に映っていた建物が見えた

 

〜クリスside out〜




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212話

「湊…」

 

ルミアと俺でマスターとレイアを待って居ると見知らぬ女性が俺の名前を呼ぶ

 

「誰だお前?」

 

俺がそう聞くとその女性は浮かない顔をする

 

「どうかしたか湊」

 

「マスター、ヤントラ・サルヴァスパ見つかったんだな」

 

「ああ、ん?ふっ客人か…もてなしてやれ湊、レイア」

 

「「了解」」

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

俺がガングニールを纏いレイアと共にマスターの前に立つとさっき俺の名前を呼んだ女性とその隣にいた2人の少女も同様に顔を歪める

 

「やっぱ戦わなきゃいけないんだね」

 

「分かってはいたデスけどやりずらいデス」

 

その少女2人は俺を見てから2人で小声で話す

 

「湊、お前の相手はあっちの2人だもう1人はレイアが相手をする」

 

「わかった、て事でよろしくなチビ2人組」

 

俺がそう言って向かって行くと2人は臨戦態勢を取る

 

「来ないのか」

 

俺の問いかけに2人は何も答えない

 

「そうか、だったら俺から行ってやるよ‼︎」

 

「来るデスよ調」

 

「うん、切ちゃん」

 

そう言って俺は桃色のギアを纏った少女に向かって行くと緑のギアを纏った少女が俺の攻撃を鎌で受け止める

 

「調作戦通りに行くデスよ!」

 

「うん!」

 

そう言って桃色のギアを纏った少女は俺と緑のギアを纏う少女の周りをグルグル回り始める

 

「何のつもりかは知らないがその作戦ってのが出来るまで持つのか?」

 

「何としてでも持たせるデス!」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

緑のギアを纏った少女はアームドギアの刃を3つに分裂させてブーメランの様に飛ばし左右から俺を挟撃しようとする

 

「ふっ!」

 

「これなら如何デス‼︎」

 

《断殺・邪刃ウォttKKK》

 

緑のギアを纏った少女は肩のアンカーで俺を捕縛すると一度距離を取ったと同時にギロチン状に変形させたアームドギアをセットしブースターを噴射させスリングショットのように突撃して来てそれが当たり土煙りが上がる

 

「これで少しは、調‼︎」

 

「うん!やあ‼︎」

 

《β式 獄糸乱舞》

 

そこに桃色のギアを纏った少女が無数の糸を俺の周囲に張り巡らせて動きを封じる

 

「成る程、これで時間を稼ごうって魂胆かだがまだ甘い‼︎」

 

《水月》

 

俺は糸を全て千切りそのままブースターで加速して桃色のギアを纏った少女をぶん殴ると桃色のギアを纏った少女は壁まで飛ばされてギアが解除される

 

「調‼︎」

 

「考え自体はそこまで悪くなかったが相手が悪かったな」

 

俺にパワーが無ければ突破は難しかったが逆に言えば力技で突破が可能なくらい甘い考えだった

 

「貰った‼︎」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

レイアと戦っていた筈の赤いギアを纏った女性が俺に向けて巨大なミサイルを2基飛ばす

 

「はあ‼︎」

 

俺はその内の1基を殴って壊す

 

「嘘だろ⁉︎」

 

「さてもう1基を何だ⁉︎」

 

俺がもう1基が飛んで行った方を見るとそこにはミサイルを止めて居る人の姿があった

 

「ヒヒヒ、久方ぶりの聖遺物、その味は甘くとろけて癖になる」

 

「嘘…」

 

「嘘デスよ…」

 

「嘘な物か…僕こそが真実の人!!ドクターウェル!!」

 

そこには変色した腕から聖遺物を体内に取り込む男が居た




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213話

「だって、彼奴が居なくなればlinkerは」

 

「そうとも僕に何かあればlinkerは永遠に失われてしまうぞ!」

 

いきなり出て来てどんどん話を進めて行く男に流石に我慢出来なくなって来た

 

「マスター…彼奴見てるとなんかイライラするんだが殺して良いか」

 

「ダメだ、面倒事を増やすのは許可できん」

 

「ねえキャロル次は私も戦いたいよ〜」

 

「ふん、好きにしろ」

 

「わ〜い!」

 

マスターがそう言うとルミアはレイピアを持って緑のギアを纏った少女に向かって行った

 

「本当に良かったんですかマスター」

 

「ああ、目的は達成されて居る。此処で多少の時間を稼ぐのも良いだろう。お前には時期に次の指示を出すそれまでじっとしてろ」

 

「了解」

 

俺はそう言ってマスターの隣に立った

 

「そろそろ頃合いか湊」

 

「了解マスター」

 

俺はそう言って地面に穴を開けてマスター達とその穴に向かって落ちた

 

 

「マスター!!」

 

俺は降下中に意識を失ったマスターを抱える

 

「拒絶反応か…マスターが起きるまでお前が抱えて居ろ」

 

「ああ、わかった」

 

レイアに言われた通り俺はマスターを抱えたまま降下を続けた

 

「は、俺は落ちて居たのか「良かったマスター気がついたんだな」湊…一先ず下ろしてくれ」

 

ある程度降下した所で止まり暫くするとマスターの目が覚めた

 

「レイアから聞いた、拒絶反応って言うらしいな。それとヤントラ・サルヴァスパだが」

 

俺はマスターの持って居たヤントラ・サルヴァスパが降下中に意識を失った時にマスターから手離してしまい紛失した事を話す

 

「そうか…お前が気に病む必要は無い、知って居るぞドクターウェル、フロンティア事変の関係者の1人そんなお前が何故此処に?」

 

「我が身かわいさの連中がフロンティア事変も僕の活躍もよってたかって無かった事にしてくれた人権も存在も失った僕は回収されたネフィリムの一部として放り込まれて居たのさ!」

 

ウェルは変色した腕をこちらに向けてそう言う

 

「それがネフィリムそう言う事か…ネフィリムには暴食って言う聖遺物を喰らって力を増大させる特性があるイチイバルのミサイルを喰らったのか」

 

「何を今更、貴方もフロンティア事変の関係者ではありませんか」

 

「何の話だ?」

 

「今はそんな事どうでも良いだろ、それにしても面白い男だ着いて来い」

 

マスターが話を強制的に終わらせてそう言う

 

「此処から僕を連れ出すつもりかい?だったら騒乱の只中に案内してくれ」

 

「騒乱の只中?」

 

「英雄の立つ所だ」

 

ウェルがそう言うとマスターは手を差し出す

 

「ネフィリムの左腕その力の詳細は追っ手を巻きつつ聞かせてもらおう」

 

マスターはウェルと握手を交わしながらそう言った

 

「本当に連れてくのかマスター?」

 

「ああ、あのネフィリムの左腕にも興味があるからな」

 

「マスターがそう言うなら俺は気にしない」

 

「そうか」

 

俺がそう言うとマスターは歩き出したので俺もマスターの後ろを歩き始めた




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214話

〜クリスside〜

 

「はあ!」

 

「良いのかよお前は追いかけなくて‼︎」

 

あたしはそう言って錬金術師の攻撃を避ける

 

「元々私とキャロルの最終的な目的は合わなかったから此処で別行動って事になったの」

 

《水鳴》

 

「別行動だ?」

 

あたしは錬金術師の周りに具現化され飛ばされた無数の水の球体を避けながらそう言う

 

「私の目的は強い相手と戦う事だけだよ、だからキャロルの世界をバラバラに砕くって言う目的が達成されたらそれ所じゃないから私とキャロルの目的は合わないの」

 

つまりは彼奴の最終的な目的が達成されれば此奴の目的である強い相手と戦うって目的が達成されなくなるって事か、だったら

 

「お前!あたし達に協力しろ‼︎」

 

「貴方達に協力?それで私に何かメリットがあるの?」

 

「あたし達を纏めてる奴は生身でシンフォギアを纏った装者と互角に戦えるくらいの奴だ‼︎お前があたし達に協力してくれるってならあたしからおっさんに頼んでやる‼︎」

 

私がそう言うと錬金術師は私に向けたレイピアを寸前で止める

 

「生身でシンフォギアを纏った装者と互角に戦う…」

 

「ああ、馬鹿みたいに強いってのは保証してやる」

 

如何だ!目的が強い奴と戦う事だって言うんならこれに興味を惹かれる筈だ!

 

「それは彼とも?」

 

此奴の言う彼ってのは多分だが湊の事だろう

 

「そのおっさんだが、彼奴には勝ってなかったが互角にはやり合ってた」

 

「本当‼︎」

 

あたしがそう言うと錬金術師はおもちゃを見つけた子供の様に目を輝かせてあたしに迫って来る

 

「ほっ本当だ本当」

 

「へ〜、それなら貴方達に協力するのも良いかも知れないね」

 

「そうか、あたし達に協力してくれるか」

 

「う〜ん、まだそうするって決めた訳じゃ無いけど良いかなって思ってる」

 

よし、これなら湊ともまだ戦えるおっさんには悪いが此奴を釣る為の餌になって貰うぜ

 

「調‼︎調‼︎目を開けて欲しいデスよ」

 

「ちょっとどいて」

 

錬金術師が近づいて行くとチビはアームドギアの鎌を構える

 

「調に何をするつもりデスか!」

 

「ちょっと容体を見るだけ勿論害は加えないよ」

 

「そんなの信用出来ないデス‼︎「まあ待て」クリスさん」

 

「余計な害があるってあたし達が判断したら協力云々はなしだ」

 

「分かってるよ、その代わり彼が元に戻ったら1番に私と戦わせてね」

 

そう言って錬金術師は倒れて居るチビに触る

 

「う〜ん、これは骨が折れてるかな?直ぐには目は覚めないと思うよ」

 

「そうか、治せるか?」

 

「私には無理だね、彼なら治せるだろうけど」

 

「彼?」

 

「そう、彼なら治癒の錬金術を使えるからね」

 

ちょっと待て何で此奴がその事を知ってるんだ‼︎

 

「あれ?知らなかったの?貴方達の所に居るエルフナインの視聴覚情報は全部キャロルに筒抜けになってるんだよ?」

 

「な⁉︎」

 

「何デスと⁉︎」

 

そこであたし達が聞いたのは衝撃の事実だった

 

〜クリスside out〜




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215話

〜クリスside〜

 

「おっさん、ちょっと良いか」

 

『どうかしたかクリス君』

 

あたし達は場所を移動しておっさん達にさっきの事を話すために通信を行って居る

 

「さっきの戦いでチビの内の1人が重症を負った」

 

『調君の事か』

 

「はい、今だに目を覚さない上に骨が折れているそうデス」

 

『そうか、直ぐに此方に連れて来て貰いたい所だが難しいな』

 

此処深淵の竜宮があるのは海の底の奥深くそんな所からおっさん達の居る潜水艦まで向かうには少し時間が掛かる

 

「へ〜、この人が生身でシンフォギアと互角に戦えちゃう人なんだ」

 

『クリス君彼女は』

 

「初めましてルミア・エルスティア、訳あってキャロル側から貴方達側に移った錬金術師です」

 

『錬金術師だと⁉︎』

 

あたし達の通信に急に入って来た相手におっさんは驚きを隠せていない

 

「今そんな事やってる場合じゃねえだろ、それと此奴に聞いて今までキャロル側があたし達の行く先々に現れた原因も掴めた」

 

『詳しく聞かせてくれ』

 

おっさんがそう言うのであたしは錬金術師から聞いた事をおっさん達に話す

 

〜クリスside out〜

 

〜エルフナインside〜

 

「本当なのかその話は」

 

『本当だよ、エルフナインの視聴覚情報は全部キャロルに筒抜けになってるよ』

 

「そんな…僕のせいで…『ああ、そうだお前だとも』キャロル…」

 

キャロルの声と共にそこにはキャロルの姿が映像の様に映し出されていた

 

『全くルミアお前は本当に余計な事をしてくれる』

 

『いつかはこうなると思ってたからね』

 

『ふっ、それは俺も同じだ』

 

映像越しにキャロルはルミアさんと話す

 

「本当何ですかキャロル、僕の視聴覚情報が全て筒抜けだったと言うのは」

 

『ああ、お前自身は無自覚だろうがな。何故ならお前の目を耳を感覚器官を俺が一方的にジャックして来たのだからな』

 

「そんな…僕の感覚器官が勝手に…」

 

『同じ躯体から作り出されたホムンクルス躯体だからこそ出来る事だ。お前には感謝してるぞ、お陰であの男が治癒の錬金術を使える事も分かったのだからな』

 

湊さんも僕のせいで…

 

「お願いです弦十郎さん、僕を拘束して下さい。誰も接触できない様独房にでも閉じ込めて…いえ、キャロルの企みを知らしめると言う僕の役目は既に果たされていますだからいっそ‼︎「そんな事はしない」弦十郎さん」

 

「何よりその事については少し前に湊君が既に勘付いて居た。我々を翻弄するかの様に現れるオートスコアラー、それを可能とするには此方の行動を常時観察でもする必要がある。そうしたのであればそれが出来るのはキャロルと同じ躯体から作られたエルフナイン君ただ1人だろうと、そしてそれをエルフナイン君自身が理解した時1番に自身を殺す様要望するであろうとも、だがエルフナイン君は知らない内にキャロルの良い様に利用されただけでエルフナイン君自身に悪気はないだろうとそう言っていた」

 

「湊さん…」

 

「そして何より君のしている事は全て善意から来ている。悪意なんて全くと言って良い程ない事は我々もよく理解しているつもりだ」

 

弦十郎さんはそう言って僕の頭に手を置く

 

「でも良かったエルフナインちゃんが悪い子じゃなくて」

 

「湊君の言う通り良い様に利用されて居ただけだもんな」

 

「友里さん藤尭さん…」

 

「君の目的はキャロルの企みを止める事、そいつを最後まで見届ける事、だから此処に居ろ誰に覗き見されようと構うものか」

 

「弦十郎さん…はい!」

 

『チッ!使われるだけの分際が』

 

そう言ってキャロルは姿を消した

 

〜エルフナインside out〜

 

〜クリスside〜

 

『それで湊君の事だが』

 

「ああ、何時もならあんま気にしないが流石に1人抜けた状態で湊と戦うのは骨が折れる」

 

「だったら多分次の目的地はチフォージュ・シャトーだと思うよ」

 

チフォージュ・シャトー確かエルフナインが言うには世界をバラバラにする為の装置だったな

 

「完成してたのか」

 

「ううん、でも確かあの変な人の左腕ってネフィリムなんだよね?」

 

「ああ、そうだ」

 

「私も記録程度でしか見てないけどあの左腕で触れた聖遺物は思うがままに動かせるみたいだよ」

 

あのネフィリムの左腕にそんな力まであったのか

 

「クリスさん、私調を安全な場所に運んであげたいデスよ」

 

「そうだな、湊の事もあるが先ずはそいつだな」

 

あたしは倒れて居たチビを連れて来たチビにそう言う

 

「だったら私と貴方の2人で行って残りは出口付近で待機して貰うって言うのはどう?」

 

「そうするか、お前達は出口付近で待ってろ危険だと思ったら直ぐに戻る」

 

「分かったデス、クリスさん達が無事に戻って来るのを待って居るデス」

 

そう言ってチビは3人目のチビが居る出口付近に向かった

 

『脱出経路は既に春香君に送信済みだ君達も無理をせず頃合いを見て脱出してくれ』

 

「「了解(は〜い)」」

 

あたしと錬金術師はそう言って湊達を追いかけた

 

〜クリスside out〜

 

「そこまでだお前ら‼︎」

 

さっきの赤いギアを纏う女性が来たので臨戦態勢を取るとマスターに止められる

 

「湊お前は出るなレイア」

 

「はい」

 

レイアは前に出て赤いギアを纏う女性の相手をしに向かう

 

「後は私と間もなく到着する妹で対処します」

 

「オートスコアラーの務めを」

 

「派手に果たして見せましょう」

 

レイアがそう言うとマスターはアルカノイズの時と違う小さな結晶を地面に落とす

 

「バハハイ」

 

「逃がさないよ‼︎」

 

突っ込んで来るルミアをレイアが対処して居る内に何処かに転移させられた

 

「此処は…「チフォージュ・シャトーの内部だ」此処がチフォージュ・シャトーマスターそれで俺は何をすれば良いんだ?」

 

「お前の出番はもう少し先だ、ドクターウェル」

 

ウェルは中央の水晶のある装置にネフィリムの左腕を添える

 

「ワールドデストラクターシステムセットアップ、シャトーの全システムをオートドライブモードに固定。見たか!ネフィリムの左腕!僕と繋がった聖遺物は全て意のままに動くのだ!」

 

「オートスコアラーによって呪われた旋律は全て揃った、これで世界はバラバラに噛み砕かれる」

 

マスターがそう言うとウェルの動きが止まる 

 

「あ?世界を噛み砕く?」

 

「父親に託された名大だ…わかってるわ、だから世界をバラバラにするの!解剖し分析すれば万障の全てが理解できるわ」

 

マスターは子供の様な目をしてそう言う

 

「つまりは思考の英知、ならばレディはその地を持って何を求める?」

 

「何もしない、父親に託された名大とは世界を解き明かす事それ以上も以下もない」

 

「NO、レディーに夢はないのか?英雄とは悪なき夢を見、誰かに夢を見せる物!隠された物で満足してたらその天辺もたかがしれ「マスターの侮辱はそこまでにして貰おうかウェル」ぐっ!」

 

俺はサンダルフォンの大剣でウェルの腹部を突き刺す

 

「既にシャトーは起動し、世界分解のプログラムは自立制御されて居る。ご苦労だったなドクターウェル、世界の夜明けは俺と湊で出頭しよう」

 

そう言ってマスターがダウルダブラを振りかざすとそれが当たる前にウェルはチフォージュ・シャトーの下層に落ちていった

 

「うっ、「大丈夫かマスター?」ああ、立ち止まれる物か計画の障害は例外なく排除するのだ」

 

胸を押さえながらそう言ってマスターは1つのビジョンを映す

 

「此奴を潰すのか?」

 

「ああ、お前は装者共にチフォージュ・シャトーが破壊されないかその見張りをしろ計画の邪魔になる様なら殺しても構わん」

 

「分かった、俺の命に変えてもチフォージュ・シャトーは守ってみせるそれがマスターの為に俺が出来る事だからな」

 

「ああ、頼りにして居るぞ」

 

「任せてくれ」

 

俺がそう言うとマスターは何処かに転移した




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216話

〜クリスside〜

 

「やるね貴方、流石あの子のお姉さん」

 

「へっ、良く言いやがるぜ」

 

あのオートスコアラーは倒せたけどそれはあたし1人じゃ絶対に出来なかった。此奴が前に出てあたしの戦いやすい状況を作り出せたからこそ倒せたんだ

 

「何だ⁉︎」

 

「随分と早いね」

 

「だから何なんだよ⁉︎」

 

「レイアの妹ちゃん、前に見た事無い?巨大な人形兵器」

 

「⁉︎」

 

人形兵器あれが向かって来てるってのか⁉︎

 

「う〜ん、この調子だと後10分くらいで着くかな?」

 

「分かるのか」

 

「うん、ファウストローブティアマトこれは水を自在に操る事が出来るから水の中は私の縄張り生物の反応なんかも分かるよ」

 

「そうと分かればさっさと脱出するぞ」

 

「そうだね、でもその前に」

 

そう言って錬金術師が水滴を垂らすと水の波紋が広がる

 

「これで深淵の竜宮が破壊される事は殆どないよ」

 

「助かる、急ぐぞ‼︎」

 

「は〜い」

 

あたしと錬金術師は走って出口を目指した

 

「お前ら‼︎」

 

「「クリスさん(先輩)‼︎」」

 

出口に着くとそこにはチビ達とオートスコアラーが居た

 

「誰だ‼︎」

 

「ひぃ」

 

「くっクリスさん違うデスよ⁉︎これはお兄ちゃんが起動させたオートスコアラーデスよ」

 

湊…彼奴が起動させたのか

 

「はっはい、雪音湊様に起動させて頂いたシュリ・アザレスと申します」

 

ヤベェ、さっきので怯えちまったか

 

「もう駄目だよ、こんな可愛い子虐めちゃ」

 

「いっ虐めてねえよ‼︎」

 

あたしと錬金術師の会話を見てチビ2人はポカンと口を開けて居る

 

「取り敢えずこっから脱出するぞ」

 

「クリス先輩その事何ですけど」

 

「色々探したんデスけど乗り込めるのが1つしか見つからなくて」

 

「ちっ、此処までだってのか」

 

「ユースティアナ様ですか?はい…はい、かしこまりました」

 

突然話始めたと思ったらオートスコアラーは何処かに移動する

 

「何処に行くつもりだよ」

 

「深淵の竜宮、確かに公の場では異端技術に関連した危険物や未解決品を封印した絶対禁句の場となっていますがその実態は違います」

 

そう言ってオートスコアラーと1つの部屋に入ると中は操縦室の様になっていた

 

「一体どうなってんだ」

 

「深淵の竜宮の起動及びブースターの起動を確認、此れより深淵の竜宮の浮上を開始します」

 

オートスコアラーがそう言うとまた大きな揺れが起きる

 

「チッ!もう来やがったか」

 

「まだだよ、今は寧ろこっちが近づいてる側」

 

「「「はあ⁉︎(え〜⁉︎)(何デスと⁉︎)」」」

 

錬金術師のあまりの返答にあたし達は驚きを隠せない

 

「どうなってんだよ⁉︎おいオートスコアラー‼︎」

 

「先程も申した通り深淵の竜宮は異端技術に関連した危険物や未解決品を封印した絶対禁句の場となっています。ですがその実態は湊様により制作された海底の奥深くを移動する潜水艦なのです」

 

「潜水艦⁉︎」

 

「はい、水圧による変化もありませんのでご安心下さい」

 

良く分かんねえが取り敢えずは大丈夫って事で良いんだろうな

 

「此方の浮上に合わせて追って来る生命体を確認」

 

「多分彼奴だ浮上が完了したと同時に外に出してくれあたしが何とかする」

 

「かしこまりました、直ぐそこにあるカプセルに入って下さい浮上が確認でき次第そこから外に出します」

 

「分かった」

 

そう言ってあたしはオートスコアラーに言われるがままにカプセルに入る

 

「クリス先輩」

 

「心配すんな大丈夫だ」

 

「浮上完了、雪音クリス様御武運を」

 

そう言われるとあたし入ったカプセルは動き出し外に放り出された

 

〜クリスside out〜




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217話

〜マリアside〜

 

「やはり来たか」

 

「どうして貴方が此処に」

 

ドクターウェルと取引をしシャトーの制御装置のある部屋にたどり着くと彼がそこにいた

 

「マリア今のお兄ちゃんはキャロルの言いなり此処の護衛を任されて居るデスよ」

 

「そう、くっ!」

 

私と切歌に向けられた彼の攻撃が何者かに防がれる

 

「「ご主人(湊)‼︎」」

 

「貴方達⁉︎一体どうして」

 

「私達だってご主人を助けたい」

 

「貴方達のシャトーの制止、わたくし達の湊の救出目的は合致して居るでありますよ」

 

そう言って2人は私達の前に立ち彼に向かって行く

 

「私達は今の内に制御装置の破壊を」

 

「頭のプロセッサは何世代前なんだい、そんな事をすれば制御不能になるだけさ」

 

「ならどうしろと‼︎」

 

「プログラムを書き換えるのさ」

 

ドクターウェルはそう言って制御装置に触れる

 

「邪魔だ‼︎」

 

《雷撃》

 

そう言って彼はドクターウェルに向けて高出力のエネルギー砲を放つ

 

「ふっ‼︎」

 

「でりゃ‼︎」

 

私は空中に展開した複数の短剣によってバリアーを発生させウェルを守り切歌は彼自身を攻撃する

 

「ふっ」

 

「ぐあ‼︎」

 

「切歌‼︎一体何があれは‼︎」

 

彼の居場所を見るとそこにはセレナの纏って居るカマエルのギアの浮遊する小型銃があった

 

「バカな!2つのギアを同時に展開する何ていくら全ての聖遺物に適合して居るからと言ってそんな芸当」

 

「でも実際の所お兄ちゃんはその不可能を可能としているデス」

 

敵に回った彼の戦いづらさは分かってたつもりだけど彼の強さはあの時の比じゃないどうすれば

 

「マリア‼︎」

 

「はっ!くっ!2つでも厄介なのに3つも‼︎」

 

更には神獣鏡のミラーデバイスあれに当たればシンフォギアでも無力化されてしまう

 

「ドクター早く‼︎」

 

「血が足りないから踏ん張れないって言っただろ子供はいつも勝手をヨォ」

 

『生きていたのかドクターウェル』

 

そこに翼達と戦って居る筈のキャロルが映し出される

 

『何をして居る』

 

「シャトーのプログラムを書き換えているのさ、錬金術の工程は分解と解析そして『機能を反転させ分解した世界を再構築させるつもりなのか、バカなそんな運用にシャトーが耐えられるものかお前達もろとも巻き込んで』そう爆散する」

 

「ウェル…「させるか‼︎」くっ‼︎間に合わない‼︎」

 

彼は私達を突破してドクターウェルに向かって行く

 

「どっちにしろ分解は阻止できる本当嫌がらせってのは最高がは…」

 

「これ以上マスターの邪魔だ手をさせてたまるものか」

 

そう言って彼が突き刺した大剣を引き抜くウェルはその場に倒れる

 

『良くやった流石だ、残りのそいつらもしまつし俺と合流しろ』

 

「了解しましたマスター」

 

そう言って彼は私達に向き直った

 

〜マリアside out〜




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218話

〜エルフナインside〜

 

『くっ!』

 

「マリアさん皆さん‼︎」

 

「やはり湊君が相手では分が悪いか」

 

チフォージュ・シャトーで湊さんと戦うマリアさん達を見て弦十郎さんはそう言う

 

「そうだ!お願いですルミアさん‼︎僕を湊さんの所に連れて行って下さい‼︎」

 

「何を考えてるエルフナイン君‼︎」

 

「湊さんの催眠はキャロルがかけたものならキャロルと同じ躯体から作られたホムンクルスの僕なら湊さんの催眠も解ける筈です」

 

「だがこの状況下で戦う術がない君を湊君の元に行かせるわけには「良いんじゃない」どう言うつもりだ」

 

弦十郎さんは警戒した様子でルミアさんにそう聞く

 

「別にエルフナイン1人で行くわけでもないし私も居るんだしさ、それにしてもエルフナインちょっと変わったね」

 

「変わった…僕がですか?」

 

「キャロルや私達と居た頃はもっとおどおどしてたもん」

 

確かに僕は変わったのかもしれない、でもそれは湊さんやマリアさん皆が居てくれたから

 

「行けるかエルフナイン君」

 

「はい!」

 

「不味いと思ったら私が連れ帰るよ」

 

「ああ、頼りにして居るルミア君」

 

「大丈夫だって、それじゃあ行こっかエルフナイン」

 

ルミアさんはそう言ってキャロル達の使っていた結晶を地面に落とす

 

「此処は…「チフォージュ・シャトーその内部だよ」此処がチフォージュ・シャトー、早くマリアさん達の所に」

 

「うん、はいエルフナイン」

 

ルミアさんはそう言って僕にアステカの杖をくれる

 

「ありがとうございます」

 

「この先直ぐだから」

 

そう言ってルミアさんが扉を開けるとマリアさん達が湊さんと戦っていた

 

「マリアさん‼︎」

 

「エルフナイン⁉︎どうして此処に」

 

「彼奴がエルフナインか」

 

そう言って湊さんは標的を僕に変えて向かって来る

 

「おっと、ダメだよこの子は無事に連れて帰るんだから」

 

「貴様マスターを裏切るつもりか」

 

「裏切るって言い方悪いな〜、私は目的が一致してたから一緒に居ただけだもん」

 

そう言ってルミアさんが僕に向かって来た湊さんの攻撃を受け流す

 

「エルフナイン」

 

「はっはい!」

 

僕はそう言って湊さんにアステカの杖を向ける

 

「そこの子、彼を拘束して」

 

「ガンス」

 

エルザさんはそう言って弦で湊さんを拘束する

 

「すみません湊さん、ですがこれは貴方を元に戻すためなんです。だからごめんなさい」

 

そう言って僕は湊さんに向けてアステカの杖を起動させた

 

〜エルフナインside out〜

 

「ん…此処は…」

 

俺が目を覚ますと見知らぬ場所に居た

 

「お兄ちゃん‼︎私の事分かるデスか⁉︎」

 

「何言ってんだよ切歌、分からない訳ねえだろ」

 

「うう…お兄ちゃん‼︎」

 

「おわ⁉︎何なんだよお前⁉︎」

 

「「ご主人(湊さん)‼︎」」

 

「お前らもか⁉︎」

 

突然切歌だけでなくルナとエルフナインまで俺に飛び付いて来た

 

「漸く戻って来たわねバカ男」

 

「取り敢えず状況の説明だけ頼む」

 

俺はマリアにそう言って状況の説明をして貰った

 

「そうだったかキャロルに操られて、悪かったな心配かけて、それとありがとなエルフナイン催眠を解いてくれて」

 

「僕1人だときっと無理でした。ルミアさんが居たから出来たんです」

 

エルフナインがそう言うので俺は後ろで笑って居るルミアに視線を向ける

 

「まあ私的にキャロルとももう良いかなって思ってたからね、丁度良かったよ」

 

「そうか、俺はエルフナインを本部に連れ帰ってから調を治療してシャトーの破壊に取り掛かる」

 

「分かったわ、調の事は頼むわ」

 

「ああ、任せとけ」

 

俺はそう言ってエルフナインを連れて本部に向かった




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219話

「風鳴司令、早速で悪いが調を寝かしてる医務室まで案内頼む」

 

「ああ、こっちだ」

 

俺はエルフナインを連れて本部に戻るなりそう言って風鳴司令に調を寝かしてる医務室に案内して貰う

 

「此処だ、今はセレナ君が容体を見ている」

 

「分かった、入るぞセレナ」

 

「湊君…」

 

そう言って俺が中に入ると調を心配そうに見ているセレナが居た

 

「湊君…調ちゃん大丈夫なんだよね」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

俺はそう言って調に治癒の錬金術を使う

 

「う…此処は…本部の医務室…」

 

「如何やらもう大丈夫そうだな」

 

「調ちゃん良かった‼︎」

 

「セレナ痛い…」

 

力一杯抱きしめるセレナに調はそう言う

 

「湊さんも元に戻って良かった、切ちゃん凄く心配してたから」

 

「それに関しちゃ悪かったな、大丈夫そうならキャロルとの決戦にセレナと向かって来れ」

 

「分かった」

 

調はそう言って立ち上がるがずっと寝ていたからかふらふらだ

 

「たく、本当に大丈夫なのかよ」

 

「大丈夫まだ少しフラつくだけだから」

 

世間ではそれを大丈夫じゃないって言うんだぞ調

 

「セレナ後の事は頼む俺はチフォージュ・シャトーの破壊に取り掛かる」

 

「分かった、気をつけてね湊君」

 

「大丈夫だ、後は彼奴にプログラムさえ書き換えさせりゃ如何とでもなる」

 

俺はセレナにそう言ってチフォージュ・シャトーに向かう

 

「たく、余計な手間掛けさせやがって」

 

「それが世界を救う邪魔をした奴の言葉かい」

 

「余計な話をしている暇があるならさっさと始めやがれシャトーのプログラムの書き換えはお前にしか出来ないんだからな」

 

俺はそう言いながらウェルの傷を治す

 

『湊さん‼︎通信機をウェル博士に‼︎』

 

「ほら受け取れ」

 

俺がそう言って通信機を投げるとウェルはそれを受け取る

 

『ウェル博士この通信機をシャトーに繋いで下さい!サポートします‼︎』

 

「胸が躍るね!だけど出来るのかい」

 

『はい、フォトスフィアの霊ラインのモデルデータを元にした処理をこちらから行い演算を此方で肩代わりして負荷を抑えます掌握しているシャトーの機能を全て再構築に当てて下さい』

 

「そう言う事かい、聞いての通りだお前は僕を守る事だけを考えておけば良いんだよ!僕が死ねばその時点でジ・エンドだよ」

 

「癪に触るがそうするのが最善みたいだな、早速おでましか」

 

俺がそう言って辺り一帯に現れたアルカノイズを倒す

 

「ウェル後どんくらいだ‼︎」

 

「次期に終わるからお前は黙って僕を守ってろ‼︎」

 

本当に此奴には一回どっちが上か理解させた方が良いのかも知れない

 

「シャトーのプログラムの書き換えは終わった」

 

「そうか、んでこっから先は爆発でもして終わりか」

 

「ああ、そして僕は世界を救った英雄として世界に名を知らしめるんだ‼︎」

 

俺は自身の身を崩壊するシャトーから守りウェルの最後を見届ける

 

「満足したか」

 

「ああ…雪音湊…僕は英雄になれたのかい?」

 

「ああ、認めてやるよお前は世界を救った英雄だと」

 

「そうか…やっと僕の悲願は達成されたのか…」

 

そう言ってウェルはメモリーチップを取り出す

 

「何だそれは」

 

「愛ですよ」

 

「そこで愛が出て来る理由が分からないんだが」

 

「シンフォギアの適合に奇跡など介在しない、力を自分の物にしたいなら手を伸ばし続けるが良い」

 

ウェルはそう言って力尽きる

 

『無事か湊君‼︎』

 

「ああ、ウェルの奴はついさっき死んだ」

 

『そうか、直ぐに響君達と合流してくれ』

 

「了解、風鳴司令」

 

俺はそう言って響達の元に向かった




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220話

「彼処か」

 

俺がシャトーから出ると大きな爆発音と共に上がる土煙を発見する

 

「サンダルフォンのセイクリッドじゃ敵わない、だったらこのファウストローブに賭ける」

 

俺はインドラの槍のファウストローブを纏い土煙の上がる場所に向かう

 

「見つけた!はあ‼︎」

 

「チッ‼︎」

 

キャロルは俺の攻撃を避けて炎を放つ

 

「ふっ‼︎」

 

「湊君…」

 

「悪いな遅くなって」

 

俺は後ろで倒れ掠れた声で呼ぶ響にそう答える

 

「たく…本当に遅えぞ…」

 

「陣形を立て直せそれまでの時間くらいは俺1人で稼いでやる」

 

「出来るのか」

 

「俺じゃなきゃこの中で他に誰が出来んだよ」

 

俺の言葉に翼は答えない

 

「頼む」

 

「ああ」

 

そう言って俺はキャロルに向き直るとエルザとルナも俺の隣に並ぶ

 

「湊1人に戦わせる様な事はしないでありますよ」

 

「私達も一緒に戦う」

 

「お前ら、ありがとな」

 

「愚かな奴だ本当に貴様達3人で俺を止められると思っているのか」

 

「あの時は邪魔が入ったからな」

 

あの時は翼と姉さんの邪魔が入ったせいで時間が来たからな

 

「可笑しな事を言う、まるであの介入が無ければ俺を倒せていたかの様に聞こえるぞ」

 

「彼処で先に来たのがエルザとルナだったとしたらお前は倒せて居ただろうな」

 

「ほう、随分と大きく出た物だ。ならばそれを今此処で証明して見せろ‼︎」

 

そう言ってキャロルが炎と風を放つ

 

「わたくし達も出し惜しみはなしで行くでありますよルナ」

 

「るる」

 

そう言ってエルザは自身の尻尾にアタッチメントを接続する

 

「アタッチメント!打ち抜くであります‼︎」

 

「ふっ‼︎」

 

エルザの攻撃を障壁を展開して防ぐキャロルだがその障壁はみるみる押されていく

 

「くっ‼︎これ程までの力を一体何処に、はあ‼︎」

 

「る〜‼︎」

 

エルザの対処をしていると後ろからルナが攻撃を仕掛ける

 

「くっ!俺を甘く見てくれるな‼︎」

 

「甘いのはどっちだ」

 

「くっ!はあ‼︎」

 

エルザとルナの攻撃を凌いだキャロルに休む暇を与えずにインドラの槍をキャロルに向けて振るう

 

「如何したその程度の力で俺を止められると思ってはいないだろうな‼︎」

 

「勿論そんな事は微塵も思ってもない。これはほんの挨拶代わりだ」

 

《天地雷鳴》

 

俺はキャロルを包囲するかの様に周りに雷を纏った球体を出現させ一斉にキャロルに飛ばし俺は地面に着地する

 

「生物兵器の実験を受けて居たのは貴様だけではなかったのか」

 

「俺だけじゃないエルザもその他にも受けてる奴は数人いる」

 

「だがこれを避け切る事は出来まい‼︎」

 

キャロルはそう言って巨大な重力の球体を俺達に向けて飛ばす

 

「頼むぞエルザ」

 

「ガンス、了解であります」

 

「ルナも頼んだ」

 

「るる」

 

そう言ってエルザは別のアタッチメントを接続して起動させると黒い甲羅の様な物が俺とエルザを覆い錬金術を防ぐ

 

「何⁉︎俺の錬金術を防いだだと⁉︎ぐっ‼︎」

 

「今度は当たった」

 

姿を絡まして居たルナが大剣でキャロルを後ろから斬りつける

 

「いつの間に!だがこの至近距離では避けれまい」

 

そう言ってキャロルが錬金術を放とうとするとルナは再び姿を絡ませる

 

「如何なって居る…まさか‼︎「よそ見してて良いのか」くっ‼︎」

 

《雷帝終焉槍》

 

俺は巨大化させたインドラの槍を回転させると黒いプラズマを纏い突っ込んで行くインドラの槍をキャロルは以前の様に何重もの障壁を張る

 

「く…ぐあ‼︎」

 

キャロルの障壁はあの時と違い簡単に破られキャロルは地面に倒れる

 

「終わりだキャロル・マールス・ディーンハイム」

 

「ふ、だがタダでは終わらん彼奴らも道連れにしてくれる‼︎」

 

そう言ってキャロルは響達に向けて錬金術を放つ

 

「させるか‼︎」

 

俺はインドラの槍を地面に突き刺し高く飛びキャロルの錬金術を受け止める

 

「くっ‼︎」

 

「湊君‼︎」

 

錬金術を防ぐ俺の背中を響が支えその後ろをマリア達が支える

 

「響、一か八かだあのフォニックゲインを取り込め‼︎」

 

「何を言っている湊‼︎そんな事をすれば立花の体に掛かる負荷は‼︎」

 

「翼さん、私やってみます」

 

「分かった、無理はするな」

 

翼の言葉に頷き響はフォニックゲインの取り込みを始める

 

「S2CA ヘキサゴンバージョン‼︎今度こそガングニールで束ね‼︎」

 

「アガートラームで制御再配置する‼︎」

 

「チッ‼︎こんな時に‼︎」

 

そのタイミングでインドラの槍のファウストローブにヒビが入り始める如何やら限界が近いらしい

 

「頼むあと少し…持ってくれ」

 

俺はそう言ってインドラの槍に更に力を込める

 

「まさか貴様ら俺のぶっ放したフォニックゲインを利用して…させるか‼︎」

 

「エルザ‼︎ルナ‼︎」

 

俺達の考えに気付いたキャロルが止めを刺そうとするがそれをエルザとルナに止めさせる

 

「ジェネレート!」

 

「エクス…ドライブ‼︎」

 

そう言って響が上空に放った虹色の光と共に響達は遥か上空に登って行った




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221話

「やりやがったか」

 

「「ご主人(湊)‼︎」」

 

インドラの槍のファウストローブが解除されエクスドライブに至った響達を倒れながら眺めているとエルザとルナが俺を目掛けて走って来る

 

「大丈夫だ」

 

「本当に何時もそうであります」

 

「るる、ご主人無理し過ぎ」

 

2人はそう言って俺を支える

 

「お前ら先に本部に戻ってろ、此処から先はお前達のファウストローブじゃ着いていけない」

 

「ガンス、了解であります」

 

「る、ご主人先に本部に戻ってる」

 

エルザとルナはそう言って本部に向かって行った

 

「俺もやるか」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はサンダルフォンを纏って上空に浮上する

 

「湊君、良かった無事だったんだね」

 

「ああ、もう大丈夫だセレナ」

 

俺の無事を確認し安堵の表情を浮かべるセレナに俺はそう答える

 

「これで単機対8機」

 

「錬金術師であるのならば彼我の戦力差を指折る必要もないであろう」

 

「おまけにトドメのエクスドライブこれ以上はもう終いだ」

 

「ふ、奇跡を身に纏ったくらいで俺をどうにか出来るつもりか」

 

「皆んなで紡いだこの力を」

 

「奇跡の一言で片付けるつもりデスか!」

 

「片付けるとも‼︎」

 

キャロルは力強くそう言い切る

 

「奇跡など、あの日蔓延する疫病より村を救った俺の父親は衆愚によって研鑽を奇跡へとすり替えられた。そればかりか資格なき奇跡の代行者として刎頚の煤とされたのだ」

 

「お父さんを」

 

(要するに此奴の父親はその村の奴らの為に疫病を治す研究をしたにもかかわらずその村の人間に裏切られ殺された訳か)

 

「万象に存在する摂理と術理、それらを隠す覆いを外しチフォージュ・シャトーに記す事が俺の使命、即ち万象黙示録の完成だった。だったのに、くっ!」

 

キャロルの言葉には憎しみと怒りが入り交じって居た

 

「奇跡とは蔓延る病魔にも似た害悪だ。故に俺は殺すと誓った。だから俺は奇跡を纏う貴様らだけには負けられんのだ‼︎」

 

そう言ってキャロルは大量のアルカノイズを出現させる

 

「は、たったそれだけかよ、そんな理由で世界をバラバラに噛み砕くだと?笑わせるなお前が思っている程この世界は安くはない」

 

「そんな理由だと、貴様は大事な物を失った事がないからそんな事が言えるのだ‼︎」

 

「違うな、失った事が有るからこそ言える。お前の父親は自分の所為でお前がこんな事をするのを望んだと思っているのか」

 

「黙れ…」

 

「答えろキャロル・マールス・ディーンハイム‼︎」

 

「黙れ〜‼︎」

 

キャロルはそう言って俺達に向けて錬金術を放つ

 

「泣いている子には手を差し伸べなくちゃね」

 

「この世界もお前達も何もかもを壊し尽くしてくれる‼︎」

 

キャロルがそう言うとアルカノイズ達が建物を次々と破壊して行く

 

「翼さん!」

 

「分かっている」

 

「スクリューボールに付き合うのは初めてじゃねえからな」

 

「その為にも散開しつつアルカノイズを各個に打ち破れ」

 

マリアの言葉を合図に散り散りになりアルカノイズを倒しに向かった




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222話

「翼!マリア!」

 

「済まない、湊」

 

「助かったわ」

 

俺が吹き飛ばされて来た翼とマリア受け止めると2人はそう言う

 

「何があったんだよ2人して吹き飛ばされる何て相当だろ」

 

「キャロルの力が思ったよりも強力だった物でな」

 

「そうか、おい何だよあれ!」

 

そこには巨大な獣の姿があった

 

「一先ず立花達と合流しよう」

 

翼の言葉に頷き俺達は響達と合流する

 

「姉さん!」

 

「湊、仕掛けて来るぞ避けろ!」

 

姉さんがそう言うと獣は炎を吐き出す

 

「はぁ…」

 

俺はため息を吐いて自分の前に障壁を張って炎を防ぐ

 

「んで、何なんだよあれ」

 

「キャロルの奴が錬金術で作り上げたんだ」

 

たく、本当に面倒だなあの威力下手すりゃあこの辺り一帯を消し飛ばせる威力はあるぞ

 

「だったらやられる前に」

 

「やるだけデス!」

 

「辞めろお前ら」

 

俺はそう言って獣に向かって行く切歌と調を止める

 

「どうしてデスかお兄ちゃん!」

 

「あの装甲恐らく単発の威力じゃ突破できる装甲じゃない」

 

「ならばアームドギアにエクスドライブの全エネルギーを収束し鎧通すまで」

 

「それでも恐らくダメだ」

 

「ならどうしろと‼︎」

 

「響のアームドギアに全エネルギーを収束させて一気にぶつければどうにかなるだろう」

 

「成る程な、結局の所頼みの綱はあのバカって事か」

 

俺がそう言うと全員が頷く

 

「御託は後だましましが来るぞ‼︎」

 

姉さんがそう言うと無数の光が俺達に向かって来る

 

「たく、悪あがきも程々にしやがれ」

 

俺は巨大な障壁を張ってその光を防ぐ

 

「今の内に始めろ」

 

「ああ」

 

俺がそう言うと翼達はエクスドライブを収束させたエネルギーを響に送る

 

「5秒後にこの攻撃が止む!そこがチャンスだ‼︎」

 

「うん‼︎」

 

俺がそう言うと響は頷き攻撃が止むと響は上空に飛ぶ

 

‘「させるものか‼︎奇跡は殺す皆殺す俺は奇跡の殺戮者に‼︎」

 

そう言ってキャロルの放つ錬金術を響は巨大化させたアームドギアで受け止める

 

「何⁉︎」

 

「繋ぐこの手が私達のアームドギアだ!当たると痛いこの拳だけど未来は誰かを傷つけるだけじゃ無いって教えてくれた」

 

「なくなを潰す、ぐっ!こんな時に拒絶反応、違う…これは俺を止めようとする過去の思い出、認めるか!認めるものか!俺を否定する思い出などいらない!全部燃やして力と変われ‼︎」

 

キャロルは自暴自棄になり錬金術のエネルギーを集める

 

「不味い!立花はまだ力の収束しきれて居ないこのままでは押し切られる」

 

「チッ!俺が止める‼︎」

 

〜Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl〜

 

俺は絶唱を歌い終えると同時に上空に飛び放たれた錬金術を受け止める

 

「まさか絶唱で止めるつもりか‼︎」

 

「無茶だ「無茶の1つでもしねえと彼奴は倒せねえだろ‼︎お前らは響のエネルギー収束に力を貸してやれ‼︎」くっ!天羽々斬‼︎」

 

「くそ、死ぬんじゃねえぞ!イチイバル‼︎」

 

「シュルシャガナ‼︎」

 

「イガリマ‼︎」

 

「カマエル‼︎」

 

「アガートラーム‼︎」

 

「はぁああ!ガングニール‼︎

 

装者のシンフォギアのエネルギーが送られる事で響の力の収束が支援される

 

「バカな!たった1人分の絶唱で俺の錬金術を受け止めて居るだと⁉︎」

 

「受け止めて居る訳じゃ無い、サンダルフォンの絶唱は切り裂いた空間からブラックホールを生成するそのエネルギーを大剣に付与してぶつける事でお前の錬金術をブラックホールが飲み込んで居るんだ‼︎」

 

俺のしている事は言葉にすれば一見簡単そうにも聞こえるがかなり不可能に近い事をしている

 

「湊君‼︎「構うな響!このままやれ‼︎」でも…」

 

「迷うな!その迷いがまた収束された力の乱れになる‼︎」

 

「うわあああ‼︎」

 

《Glorious Break》

 

響は躊躇いつつも拳を攻撃を防ぐ俺ごとキャロルに向けて振るう

 

「ぐっ‼︎」

 

「湊君‼︎」

 

「奇跡は呪いだ、すがる者を取り殺す」

 

その言葉と共に起きた爆発でキャロルは放り出される

 

「キャロルちゃん‼︎「行け響‼︎」うん」

 

俺がそう言うと響はキャロル目掛けて飛んで行く

 

「悪いがこのまま爆発されたら流石に俺も持たないんでな」

 

俺は溜め込んで居た残りの絶唱のエネルギーを振るってブラックホールを生成し獣を飲み込ませる

 

「はぁ…はぁ…」

 

(体が言う事を聞かねえ、そりゃそうか今回ばかりは無茶が過ぎたか)

 

俺は落下して行く中で意識を失った




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223話

「ん…此処は…何で此奴が俺の足元で寝たんだ?おい起きろ響」

 

「未来…もう食べられないよ」

 

此奴俺と未来の声も聞き分けられないくらいに熟睡してんのか

 

「良いから、起きろ響‼︎」

 

「あ痛‼︎」

 

俺が起こす為に響にゲンコツをすると響はそう言ってむくりと起きる

 

「ん…ふぁ〜、湊君…湊君‼︎良かった無事だったんだね‼︎」

 

そう言って響は俺に抱きつこうとする

 

「大丈夫だから離れろ‼︎」

 

「そんなに照れなくたって、嘘嘘‼︎嘘だからアイアンクローは止めて‼︎痛たたた‼︎」

 

俺が響の顔を掴み力を込めると響はそう言って悶える

 

「たく、うっせえぞこのバカ湊が寝てるからって…起きたたのかお前」

 

「ああ、ついさっきな」

 

姉さんの言葉に俺はそう返す

 

「取り敢えず彼奴ら呼んで来る。未来と葉月も来てっからさ」

 

「ああ、俺は未来が来る前までこうしてる」

 

「ちょ!それは流石に‼︎痛い痛い痛い‼︎」

 

俺は響の言葉を無視して力を込め姉さんは全員を呼びに行った

 

「起きたか湊君」

 

「ああ、どれくらい気を失ってた?」

 

「1日くらいだ」

 

1日かそんなに気を失ってたんだな

 

「パパ〜‼︎」

 

「葉月、悪いな心配させて」

 

俺は泣きながら飛びついて来た葉月の頭を撫でながらそう言う

 

「葉月君の事もある、今後は無茶な事は控えてくれよ」

 

「ああ善処する。今回は流石にやり過ぎた」

 

俺は片手で葉月の頭を撫でながらそう言う

 

「何はともあれお兄ちゃんの目が覚めて良かったデスよ」

 

「本当に良かった」

 

切歌と調がそう言った所である事に気付く

 

「エルフナインはどうした?」

 

「エルフナインちゃんも今倒れちゃってるんだ」

 

「そうか、葉月、俺もエルフナインに起きた報告に行きたいから一旦離れてくれ」

 

俺が優しくそう言うと葉月は頷き一度俺から離れる

 

「よし「えい!」危ねえ、たく今日だけだからな」

 

「うん!」

 

俺が起き上がった途端に葉月が後ろから飛びついて来たからバランスを崩しそうになるも何とか踏み止まってそう言うと葉月は嬉しそうに頷く

 

「私の時と対応が全然違う⁉︎」

 

「当たり前だろ」

 

「あのバカはほっといて行くぞ湊」

 

「ああ」

 

俺はそう言って葉月を背負いながら姉さんに着いて行く

 

「よおエルフナイン」

 

「湊さん、良かったです。目が覚めたんですね」

 

エルフナインはベットに横になりながらそう言う

 

「ああ」

 

「良かったですね葉月さん」

 

「うん!パパ!パパ‼︎」

 

「葉月さん湊さんの目が覚めなくてずっと泣いてましたもんね」

 

ずっと泣いてたのか、本当に悪い事しちまったな

 

「いつからこの状態何だ」

 

「湊さんが倒れられた日からずっとです。体が思うように動かなくて」

 

「そうか」

 

俺はエルフナインの体に手を当ててエルフナインの体の状態を確認する

 

「何か分かりましたか?」

 

「いや、一様ワクチンの調合くらいはしてやれると思う悪いなこんな事ぐらいしかしてやれなくて」

 

「いえ、して頂けるだけでもとても嬉しいです」

 

「そうか、少ししたらワクチンを持って来る」

 

俺はそう言ってエルフナインの居る部屋を出た




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224話

「エルフナイン、ワクチンが完成した」

 

「ありがとうございます」

 

「湊君!それを使えばエルフナインちゃんまた元気になるんだよね」

 

俺がエルフナインの部屋に戻るとそこに集まって居た響からそう聞かれる

 

「ワクチンってのはそんな便利なもんじゃねえよ、良くて進行を遅らせる程度だ。彼奴が居れば何とかなったかもしんないが」

 

「彼奴?お前エルフナインに近い症例でも知ってんのか!」

 

「そう言う訳じゃねえよ、彼処で作られた俺のホムンクルスそいつがいればまだ何とかなったかも知れないって話だ」

 

「彼処と言うとシンフォギア軍事兵器化実験を行なって居た場所か?」

 

「ああ、廃棄されたって噂はあったがそれも本当かどうかはわからない」

 

もし此処に居たならエルフナインの症例と比較でも出来たんだろうが

 

「可能性があるとすればオリジナルであるキャロルの消失した事によってエルフナインの身体に何らかの問題が生じたんだろうが、その生じた問題が何か分からない限り完全に完治できるワクチンを作る事何てほぼ不可能に近い」

 

「大丈夫です…少しでも良くなるのなら」

 

「そうか」

 

俺はそう言ってエルフナインにワクチンを投与する

 

「そう言えば皆さん、学校?には行かなくて良いんですか?」

 

「夏休みに入ったから大丈夫」

 

「夏休み?」

 

そう言やルナからそんな話を聞いたな

 

「楽しいんだって夏休み」

 

「私達も初めてデス」

 

「そう言えば響、湊に渡す様に頼まれてた宿題持って来たの?」

 

「あ…」

 

未来の言葉を聞いて響が固まる

 

「まさかお前…」

 

「あははは、ごめん湊君‼︎」

 

そう言って響は手を合わせて謝る

 

「はぁ、今日寄って帰るからそん時にくれ」

 

「大丈夫!明日こそは持って来るよ」

 

「その言葉昨日も聞いたぞ、後お前は一度信用って言葉を辞書で調べた方が良いぞ」

 

「とほほ、これはもう完全に信じてもらえて無いよ」

 

「それは響の自業自得」

 

未来の言葉に周りに居る姉さん達も頷く

 

「でもね、夏休みって早起きしなくて良いし夜更かしもし放題なんだよ」

 

「それは響のライフスタイル」

 

「まあ予想の出来る生活だな、見事にだらけ切ってるのが目に浮かぶ」

 

俺の言葉を聞いてまたしても全員が頷く

 

「そっそれにね、商店街のお祭りもあるんだよ。焼きそば、綿飴、たこ焼き、焼きイカ」

 

「お〜!聞いてるだけでお腹が空いて来るデス!あ、後かき氷も美味しいデスよね、フランクフルトに人形焼き」

 

「お前ら全部食いもんじゃねえかよ」

 

「今のだけ聞くと食べ物以外何もない状態だぞ」

 

「勿論、食べ物以外にも金魚すくいに輪投げそれに射的色々あるよ」

 

「葉月金魚すくいやったよ‼︎」

 

「そうだね、ヨーヨー釣りもしたね」

 

やっぱり食べ物以外にもちゃんとあったか

 

「此処だけの話、盛り上がって来るとマリアさんのギアから盆踊りの曲が流れて来るんだよ」

 

「そんなんですかマリアさん?」

 

純粋に気になってたエルフナインはマリアにそう聞く

 

「そんな訳ないでしょ!大体そう言うのは私より翼のギアの方がお似合いよ」

 

マリアがそう言うと響達がシンフォギアを纏って太鼓を叩く翼をイメージして笑う

 

「成る程、成る程、皆が天羽々斬についてどう認識しているかがよ〜く分かった」

 

「そもそも俺は盆踊りの曲を知らないんだが」

 

「そう言えば去年は葉月ちゃんとセレナさん2人で出かけて湊は行かなかったんだっけ?」

 

「興味もなかったし、そもそも行く理由もなかったからな」

 

未来の言葉に俺はそう返す

 

「湊君って娯楽の知識って全然無いよね」

 

「俺の中で娯楽と言えばゲームセンターくらいだからな、家で遊べる物もトランプとチェスをギリギリ知ってるくらいだ」

 

「チェスか、あまり湊と同年代の者が遊ぶものとは思えないな」

 

「今年は行こうよ湊君!きっと楽しいよ‼︎」

 

俺は響にそう言われて考える

 

「今年は行ってみるか、射的ってのが少し気になる」

 

「多分お前が思ってる射的とはだいぶ違うぞ、球もコルクだからな」

 

「そうなのか?てっきり本物でも使うんだと思ったんだが」

 

「そんな事してお店の人にでも当たったら大惨事だよ」

 

俺の言葉を聞いた未来がそう言うと全員が頷き笑った




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225話

「すみません、僕のわがままを聞いて頂いて」

 

「このくらい気にするな」

 

翌日、何故かエルフナインに今日は泊まって一緒にいて欲しいと頼まれて俺だけエルフナインの居る部屋で読書感想文を書くための本を読んで居る

 

「何だ、風鳴司令か?」

 

突如扉が開いたのでそこをみると見つからなかったキャロルの姿があった

 

「キャロル…」

 

「キャロル…それが俺の名前なのか?」

 

「何言ってんだよお前」

 

キャロルは何もわからないかの様に自身の名前を俺に聞き返した

 

「記憶障害…思い出の殆どを焼却したばっかりに…」

 

やっぱり記憶障害になってたのか

 

「全てが断片的でかすみがかった様に輪郭が定まらない。俺は一体何者なのだ。目を閉じると瞼に浮かぶお前なら何か知っていると思い此処に来た」

 

「此奴はもう1人のお前だ」

 

少し辛そうに話すエルフナインに代わって俺がそう答えた

 

「俺がもう1人のお前なのか?」

 

「ええ、2人でパパの残した言葉を追いかけて来たんです」

 

「パパの言葉…そんな大切な事も俺は忘れて…教えてくれ!こうしている間にも俺はどんどん…」

 

キャロルがそう言った所でエルフナインが咳き込む

 

「大丈夫かエルフナイン」

 

「お前!」

 

「順を追うとね、一言では伝えきれないんです。僕の体もこんなだから」

 

エルフナインはキャロルを見ながらそう言う

 

「湊さん…僕は世界を守れるなら消えても良いと思ってました。でも、今は此処から消えたくありません」

 

「当たり前だ、お前が消えれば悲しむ奴が大勢居るそんな奴を消えさせるかよ!」

 

どうする、キャロルが居るこの状況なら打開する手段が何かある筈だ

 

「そうだ!頼むキャロル!此奴を助ける為にお前の力を貸してくれ‼︎」

 

「分かった、俺に出来る事なら協力する!だから此奴を治してくれ!」

 

俺はキャロルの同意を得てキャロルの血液を採取しそこから新しいワクチンを作り出しエルフナインに投与した

 

「どうだエルフナイン」

 

ワクチンを投与するとエルフナインの顔色は良くなり咳き込みも治っていた

 

「…体が軽くなりました。今までの辛さがまるで嘘の様です」

 

「そうか、助かったキャロル」

 

「もう話して平気なのか?」

 

「はい、もう大丈夫です」

 

「なら教えてくれ!パパの命題とは何だったんだ‼︎」

 

キャロルのその言葉と同時に外から大人数の足音が聞こえる

 

「キャロルちゃん…エルフナインちゃん」

 

「僕はエルフナインです」

 

「俺はキャロルだ「キャロルちゃん!無事だったんだね‼︎」何だお前は!おい此奴も俺の知り合いなのか‼︎」

 

いきなり飛びつく響を力一杯引き剥がそうとしながらキャロルは俺に問いかける

 

「一様知り合いの部類に入るな」

 

「そう…ですね」

 

知り合いと言うかお前と此奴は敵同士だった訳だが

 

「ええい!辞めないか‼︎俺は今そこのもう1人の俺に用があるんだ‼︎」

 

そう言ってキャロルは何とか響を引き剥がす

 

「はぁはぁ、何なんだお前はそれでパパの命題とは何だったんだ。俺は何をしていたんだ」

 

話が進まないので姉さんと俺で響を捉える中エルフナインがキャロルが父親に託された命題、そしてその為に自分が何をして来たのかを話す

 

「そうか、俺はそんな事をして来たのか。愚かな者だな、パパの命題の意味を取り違えあまつさえ世界をバラバラにしようとするとは」

 

キャロルは掠れた声で涙を溜めながらそう言う

 

「俺は此処に存在しても良いのだろうか…記憶のない俺でも分かる俺のした事は決して許される事ではない。そんな俺がこの世界に存在しても良いのだろうか」

 

「キャロルちゃん」

 

「それはお前が決める事だ」

 

俺は問いかける様にそう言うキャロルにそう言い放つ

 

「お前が存在してもいけないと思うなら消えるなり何なりすれば良い。だがそれは本来お前がしなければいけない命題をエルフナインに押し付ける事になる。此処で決めろ、此処から消えるかそれとも俺達と一緒に来てエルフナインや俺達と一緒にお前の父親の残した命題を達成するか、答えは1つだ」

 

「俺は…俺は此奴と…嫌、エルフナインやお前達と一緒にパパの命題を達成する。だから宜しく頼む」

 

「勿論だよキャロルちゃん!」

 

そう言って向かって行く響を避けキャロルは俺に手を差し出す

 

「これからお前には迷惑を掛けるかも知れないが宜しく頼む」

 

「ああ、宜しく頼むな」

 

そう言って俺とキャロルは握手を交わした




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226話

「起きたかキャロル」

 

「ああ、おはよう」

 

キャロルが俺達と行動を共にする事になって数日、あれからキャロルは俺の家に住む事になったんだがエルザとルナは未だに少しキャロルの事を警戒している様だ

 

「やはり俺は此処に居ない方が良いのか?今からでもエルフナインの元に住む事にするが」

 

「別に気にする事じゃない、それよりも先ずは服だなそれしか持ってないのは流石にダメだろ」

 

「そうだな、しかし記憶を無くす前の俺は随分と服に興味がなかったんだな」

 

キャロルが今来てるのは俺達と初めて会った時のローブの様な服だ。シャトーにも行ってみたが服の様な布状の物は見つからなかった

 

「パパ!キャロルお姉ちゃん!おはよう!」

 

「起きたか」

 

エルザとルナとは対照的に葉月はキャロルを受け入れており随分と懐いて居る

 

「服を選ぶのは良いが彼奴も来るのか?」

 

「ああ、後から合流する事になってるのはエルフナインだけだ。響が来る予定はない」

 

数日前の事でキャロルは多少だが響に対して警戒心を高め他に比べて響に対してだけ対応が冷たかった

 

「そうか、エルフナインの奴が誘わなければ良いんだが」

 

「その時は…仕方ない諦めろ」

 

「ああ」

 

キャロルはそう言ってパンを口に運んだ

 

「すみません!湊さん、葉月さん、キャロル」

 

数時間後、俺達が近くの公園で待って居るとエルフナインが走って来た

 

「遅れなかったから良いだろう」

 

「およ?お兄ちゃんとキャロルそれにエルフナインじゃないデスか」

 

「皆んなで何処か行くの?」

 

俺達が公園を出てショッピングモールに向かおうとすると切歌と調に遭遇する

 

「俺達はキャロルの服を買いにショッピングモールに行くんだ」

 

「切歌さんと調さんは何処に向かわれるんですか?」

 

「私達も同じ理由でショッピングモール」

 

エルフナインの質問に調がそう答える

 

「そうデス!私達も一緒にショッピングモールに行くデス!」

 

「今回はキャロルがメインだからな、どうするキャロル」

 

「彼奴でなければ好きにさせろ」

 

キャロルはそう言って歩き始める

 

「それじゃあそうさせて貰うデス」

 

「うん、それにしても本当に響さんは苦手意識を持たれることが多い」

 

「彼奴に悪気がないから何が悪いか理解できない分尚の事厄介な所だな」

 

「あはは、僕達も行きましょうか葉月さん」

 

「うん!」

 

俺達はキャロルの後ろを着いて行く形でショッピングモールを目指した

 

「キャロル先に行ってるがお前ショッピングモールの場所分かってんのか」

 

俺がそう聞くとキャロルは立ち止まり俺達の隣に戻って来る

 

「甘く見るなショッピングモールの場所くらい俺だって知っている。しかしお前達がどうしても俺と一緒に行きたいと言うのなら一緒に行ってやらなくもない」

 

「素直じゃねえな、一緒に行くぞ」

 

「ふん、仕方のない奴だなそこまで言うなら一緒に行ってやろう」

 

不機嫌そうな声でそう言いながらもキャロルの顔は笑っていた




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227話

「お前らもう大丈夫か?」

 

「はい、きゃっキャロル押さないで下さい」

 

「全く、何故お前はそうもおどおどしている。仮にももう1人の俺だと言うのならもっと堂々としろ」

 

「で…ですがこんな姿を湊さんに見せるのは恥ずかしくて」

 

「此処まで来ておいて今更何を言って居る!おい、湊早くカーテンを開けろ!」

 

大丈夫だと返答があって数分、キャロルの言葉を聞いてカーテンを開けるとキャロルの後ろに隠れ顔だけ見せるエルフナインと堂々と立って居るキャロルの姿があった

 

「どうだ、男はこう言った物が好きなんだろ」

 

「嫌、完全に人によりけりだろ。と言うかよく見つけたな」

 

キャロルとエルフナインの着ているのはメイド服、俺はシュリやレイネで何度か見てるが普通はそうそう着る事はないだろう

 

「普通に商品として置いてあったのでそれを持って来ただけだ」

 

「2人は何を買うか決まったデスか?お〜!こんなのまで置いてあるんデスね」

 

「お前も行って来たらどうだ、向こうにまだ色々とあったぞ」

 

「本当デスか!ちょっと見て来るデス」

 

切歌はキャロルに言われた方向に向かって走って行く

 

「お前ら遊んでないでちゃんとしたのを選びやがれ」

 

「心配せずとも買う物の試着は既に終わって居る。これはついでの余興だ」

 

「買うわけでもない店のもので遊ぶなよ、決まったなら会計を済ませるぞ」

 

「俺はさっきの奴が何を持って来るか興味がある、会計はお前とエルフナインで行って来い」

 

そう言ってキャロルはエルフナインを試着室の外に押し出す

 

「エルフナイン向こうで待っててやるからせめて着替えて来い」

 

「はい、キャロル僕の着て来た服を取って下さい」

 

エルフナインがそう言うとキャロルはエルフナインが元々着ていた服を下から出す

 

「すみません、少し待っていて下さい」

 

そう言ってエルフナインはキャロルの居る試着室の隣に入る

 

「お待たせしました」

 

「そこまで待っていない、それで全部か?」

 

「はい、キャロルの分も合わせてこれで全部です」

 

意外にもキャロルは言ってた通り予め普通の服もちゃんと選んで居たらしい

 

「キャロルの奴あれを本気で買うつもりじゃないだろうな」

 

「僕にもそれは分かりません」

 

俺とエルフナインはそう話しながら会計に向かった

 

〜キャロルside〜

 

「およ?キャロルだけデスか?」

 

「ああ、あの2人なら会計に向かわせた」

 

「さいデスか、所で本当に色々あるデスね。どれも着てみたくなって片っ端から持って来ちゃったデスよ」

 

そいつは10着程の服を持って来て居た

 

「ほう、色々と持って来たな俺も混ぜて貰おうか」

 

「良いデスよ、2人で今度こそお兄ちゃんを驚かせて見せるデス」

 

「ああ、とびきりの奴でな」

 

俺はそう言ってそいつと2人で試着室に入った

 

〜キャロルside out〜




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228話

「たくお前らは好き勝手しやがって、店の商品はおもちゃじゃねえんだぞ」

 

「俺はちゃんと買ったぞ」

 

あれから30分程待っても試着室から出て来ないキャロルと切歌を見かねて調とエルフナインに切歌とキャロルの回収に向かわせた。因みにキャロルの言った事は本当でキャロルは俺の前で着たメイド服を本当に購入して居た

 

「でも戻すの手伝った時に見たけど本当に色々あった」

 

「今度彼処に服を買いに行く時はもっと色々と見てみたいデス」

 

「それも良いかも」

 

「見るのは良いがあんま試着室に持ってくのだけは辞めてとけよ後が面倒になるだけだからな」

 

「う…それは今日の事で痛感したデス」

 

キャロルが言うには切歌の持って来た服は10着程度、4人で片付けたから楽だったが1人だと重労働だろう

 

「この後は昼飯を食って解散だな、姉さん?」

 

そこに姉さんからの通信が入る

 

「何だ姉さん」

 

『湊か?悪いんだが今日の午後からあたしの所のマンションでガス関係の修理点検があって明日の午後までガスが使えねえんだ。お前の所に泊めてくれねえか?』

 

「別に良いぞ姉さん、ガス関係の修理点検じゃ仕方ねぇからな」

 

「そう言えば切ちゃん私達の所もそうだったよね?」

 

「そう言えばそうデスね、何でもガスのパイプが劣化してどでかい穴が空いたとか」

 

俺と姉さんが話していると切歌と調が思い出したかの様にそう言う

 

「ならお前らも来るか?部屋は有り余ってるし」

 

「本当デスかお兄ちゃん!」

 

「良いの?」

 

俺の言葉に調がそう返す

 

「ああ、その代わり葉月の相手はちゃんとしてくれよ」

 

「そのくらいお安い御用デス」

 

「大丈夫、葉月ちゃんの相手くらい私達がする」

 

「決まりだな、エルフナインもどうだ」

 

「え…僕も良いんですか?」

 

エルフナインは誘われると思ってなかったのか驚いた表情でそう言う

 

「これで誘わない方が可笑しいだろ、別に1人増えた所であんま変わんないからな」

 

「えっと…それでは宜しくお願いします」

 

エルフナインはそう言って頭を下げる

 

「別にそこまで畏まる必要はないんだぞエルフナイン」

 

『そうだぞ、お前は少しあのバカを見習っても良いと思うぞ』

 

「響さんの様にですか」

 

「響さんみたいなエルフナインデスか」

 

「響さんみたいなエルフナイン」

 

そう言って切歌と調は響の様になったエルフナインを想像する

 

「「違和感しかない(デス)」」

 

「まあ、確かに違和感は凄いかもな」

 

響とエルフナインじゃ性格が違いすぎるからな

 

「キャロルお姉ちゃん…」

 

「ん?湊、此奴がもう待ち切れないらしい続きは昼食を食べながらすれば良い」

 

「そうだな、じゃあな姉さん」

 

『ああ、6時にはお前の所に着く様にする』

 

姉さんがそう言って通信を切ったので俺達はフードコートに向かった




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229話

〜マリアside〜

 

「ごめんなさい、少し前に来たばかりなのにまた泊まり込みで来る事になってしまって」

 

「別に気にする程の事じゃねえよ葉月の奴も楽しそうだしな」

 

彼はそう言って切歌達と遊ぶ葉月を見る

 

「マリア姉さんクリス2人もコーヒー飲む?」

 

「ええ、ありがとうセレナ頂くわ」

 

「悪いな、頼む」

 

「俺はもう行くからな」

 

私がセレナと話していると彼はそう言って何処かに向かって行った

 

「はぁ…全くあの子は」

 

「どうかしたのかマリア」

 

私がセレナと彼を見てため息を吐くとクリスがそう聞いてくる

 

「セレナの事よ」

 

「ああそう言う事か、セレナの奴だがありゃ完全に湊の事がすきだな」

 

「意外ね、貴方はそう言う事には疎いと思っていたのだけど」

 

「彼奴自分では気づいてないみたいなんだが湊の事話す時いつも以上に凄え良い笑顔になってんだよ。それにセレナの奴隠し事とかしてたらぜってえ顔に出るタイプだろ」

 

確かにセレナは隠し事とかは苦手だったし何かを隠してたりした時は必ず顔に出ていた

 

「あの子私のマネージャーとして着いて来てくれたんだけど何処か上の空と言うか、ミスこそ無かったもののあまり集中出来ているかどうかと聞かれると怪しい所があったの」

 

「多分何時も一緒に居た湊の奴が居なくなって違和感があったんだろうな。それに今はチビの片割れが居るからな」

 

そうクリスの言う通り今まではエルザとルナと葉月、誰1人として彼に恋愛感情は抱いてない人物ばかりで安心できていたセレナ、でも調は別として切歌は恋愛感情まではいかないかも知れないけど彼を気に入っている様だし彼と一緒にいる時間を心良く思っている

 

「一度あの子自身に聞いてみたのよ、彼の事をどう思ってるのかって、そしたら」

 

「そしたら?」

 

「セレナは彼の事は好きだと答えたわ、でも彼が自分の事をどう思ってるのかわからないし、告白でもして振られたら今の関係が壊れてしまいそうで怖いそうなの、あの子昔から引っ込み思案な所もあったし、告白して振られたら今まで通りの関係でもいられないでしょうからそれが怖いって言うのもわからなくはないんだけどね」

 

「だな、難しいよな一緒にいる時間が長ければ長い程」

 

「そうね「マリア姉さん、クリスコーヒー持って来たよ」ありがとうセレナ」

 

そこに話題の中心に居たセレナがコーヒーを持って戻って来た

 

「それでセレナどうするかは決まったの?」

 

「ううん、まだ決まってないんだ」

 

「そう、焦らなくても良いからゆっくり考えなさい」

 

「うん」

 

そう言ってセレナは自分のコーヒーを持って何処かに向かって行った

 

「なんの話だ?」

 

「また私のマネージャーとして私に着いて来るかどうかって話、そろそろ決めて貰わないといけないと思ってね」

 

「でもよ、お前もう米国の司法取引に応じるって形で歌手活動を続ける必要はないんだろ?」

 

「ええ、でも私の歌を待って居る人が1人でもいるのなら私は歌い続けたいの」

 

「そうかよ」

 

私とクリスはそう言ってコーヒーを飲んだ

 

〜マリアside out〜




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230話

翌日の夜、俺達は夏祭りに来ていた

 

「去年は来なかったから知らなかったが夏祭りって神社でやるんだな」

 

「うん、それにしても皆んな直ぐに見えなくなっちゃったね」

 

夏祭りの行われる神社に着いて直ぐに走って行った切歌を調が追いかけて行き、マリアはキャロルとエルフナインの3人で屋台を見に行き、姉さんと葉月は2人で何処かに向かった

 

「取り敢えず俺達も行くか」

 

「そうだね」

 

セレナは後ろを気にした様子を見せながらもそう言って俺に着いて来る

 

「あれが的ってあんなの直ぐに落とせるだろ」

 

「湊君からしたら簡単なのかもね射的」

 

俺は気になってた射的屋に来たんだがお菓子やぬいぐるみの他にショッピングモールの商品券など色々ある

 

「セレナもやってみたらどうだ」

 

「うん、これなら私にも出来そうだよ」

 

そう言ってセレナも銃にコルクを詰める

 

「よっと」

 

「まだやるのか兄ちゃん」

 

「金は払ってるんだから無理矢理辞めさせるとかはなしだからな」

 

「んな事言われてもなぁ」

 

射的を初めて10分、見えて居る射的の景品は残り半分を切っていた

 

「随分と人が集まって来ましたね」

 

「そりゃ1発も外さずに景品も取って行くのはこの兄ちゃんが初めてだからな」

 

これ以上は待てそうにもないし終わるか

 

「最後はセレナが決めて良いぞ」

 

「おっ、彼女さんに選ばしてあげるなんて偉いね兄ちゃん」

 

「彼女じゃない」

 

「そうかそうか、それでどれにするんだ彼女さん希望があるってならまだ後ろにあるのを持ってくるぞ」

 

俺の言葉を聞き流して店員はセレナにそう聞く

 

「良いんですか?」

 

「当たり前だ、でどれにする」

 

「それじゃあ、その大きなクマで」

 

「はいよ、此奴は難しいぜ頑張って彼女さんに良いとこ見せな」

 

「もうそれで良いからさっさと退いてくれ」

 

俺がそう言うと店員はクマのぬいぐるみを設置して移動する

 

「中々だったな、にしても切歌と調はまだしも姉さん達も見つからないなんてな」

 

「うん、どこ行っちゃったんだろ」

 

結局クマの景品を落とした後も数個落とし袋を景品で一杯にして屋台を回りながら切歌達を探している

 

「近くに公園もあるしそこで待つか、俺も歩き疲れた」

 

「そうだね」

 

俺とセレナはそう言って神社を出て近くの公園のベンチに座る

 

「結局此処に来るまでも誰も見なかったな」

 

「此処ならマリア姉さん達も居ると思ったんだけど」

 

公園に来るまでも周囲を見渡しながら来たが誰1人として見つからなかった

 

「彼奴ら先に帰ったのか?」

 

「それなら私か湊君に連絡するんじゃないかな?マリア姉さんにクリスも居るから忘れる事もないだろうし」

 

だと良いんだがな

 

「湊君」

 

「何だよセレナ」

 

「あのね…私ずっと前から言いたかった事があるんだ」

 

そう言ったセレナは俯き浴衣の裾を持ちながらもじもじして居た

 

「セレナ?」

 

「えっと…その…わっ私ずっと前から湊君の事が好きだったの!だから…私と付き合って下さい‼︎」

 

セレナが俺に言いたかった事、それは俺への告白だった




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231話

セレナが俺の事が好きね

 

「知ってた」

 

「そうだよね…え?え⁉︎知ってたの⁉︎」

 

「ああ」

 

セレナは俺の事が好きだとバレていないと思っていたのか驚きの声を上げる

 

「ちっ因みにいつ頃から」

 

「そうだな、大体2・3年前だな」

 

「それって最初からだよ‼︎う〜、恥ずかしいよ〜」

 

セレナはそう言って耳まで赤くしてその場に踞る

 

「大丈夫かよセレナ」

 

「そっそれで返事は…」

 

セレナは踞ったまま俯きそう聞く

 

「セレナが俺で良いってなら喜んで」

 

「え…良いの…」

 

「ああ、こんな時に嘘を吐ける程俺は器用じゃない」

 

俺はそう言って踞るセレナに手を差し出す

 

「うう…湊君‼︎良かった、本当に良かった‼︎」

 

セレナは泣きながら飛びついて来る

 

「おいおい、そこまで泣く事じゃないだろ」

 

「だって、断られたらって思ったら不安になって怖かったんだもん!断られちゃったら今まで通りの関係じゃ居られない、だったらいっその事ずっとこのままの方が良いんじゃないかと思ったけどやっぱり嫌で、湊君に私の事ちゃんと見て欲しくて」

 

セレナ…お前はそこまで考えてたんだな

 

「たく、これじゃどっちが年上か分かったもんじゃねえな」

 

「だって…だって…」

 

「そもそもな、俺が一緒に居たくもない奴を何時迄も居させる訳がないだろ、お前と一緒に居る時間が嫌いじゃないから一緒に居たんだよ」

 

セレナと一緒に居る時間はエルザやルナ彼奴らと違って安心感みたいなのがあって居心地が良かった。いつかこうなる事はなんとなく理解してたがいざそうなると何か変な感じがするな

 

「えっと…私と湊君付き合うって事で良いんだよね」

 

「ああ、これからよろしくなセレナ」

 

「うん!宜しく湊君!」

 

俺とセレナがそう話して居ると涙を啜る声が聞こえる

 

「良かったわね…セレナ」

 

「あんま声出すなよ気付かれるだろ…」

 

途中から気配を感じてたから俺は気づいてたぞ姉さん、セレナは気付いて無かったみたいだけどな

 

「…葉月ちゃん今は我慢するデスよ」

 

「…そうだよもうちょっと待って」

 

反対側では俺に向かって行こうとする葉月を止める切歌と調の声も聞こえる

 

「セレナ場所を変えるぞ」

 

「え?う…うん」

 

セレナはまだ気付いてないらしく疑問符を浮かべながら俺に着いて来る

 

「さっさっきから誰も居るはずのない所から声が聞こえるけどおばけかな…」

 

気づいてないのかも知れないがそれ全部お前の姉とその一行だぞ

 

「ちょ…葉月ちゃん」

 

「パパ‼︎セレナお姉ちゃん‼︎」

 

「おっ出て来たか葉月」

 

俺は俺とセレナに向かって走って来る葉月を受け止め頭を撫でる

 

「ぐっ偶然デスねお兄ちゃん」

 

「本当に偶然」

 

葉月が俺達の向かって走って行った事で隠れてるのが困難になった切歌と調が茂みから出て来る。その証拠に髪には草が付いて居る

 

「お前ら何か言う事あるんじゃないのか?」

 

「あはは…盗み聞きなんてしてごめんなさいデス」

 

「切ちゃん…セレナもごめんね」

 

「聞かれちゃってたんだ、恥ずかしいけど誰か人が来てもおかしく無かったから気にしないで」

 

セレナは気にした様子もなくそう言う

 

「それじゃあ帰るか、エルザからキャロルとエルフナインは先に戻ってるって連絡も来てるし」

 

「キャロルちゃんとエルフナインちゃんだけ?マリア姉さんとクリスは?」

 

俺の言葉に疑問を思ったセレナがそう聞く

 

「あの2人も何処かで休んでるんだろ」

 

「そうだね、帰ろっか」

 

「…良いのかな切ちゃん?」

 

「…今のお兄ちゃんに何か言えば私達まで怒られるから何も言わない方が身の為デス「なんか言ったか?」なっ何でもないデスよ、あはは」

 

切歌はあからさまな作り笑いをするが俺はそれをスルーして帰った。結局、姉さんとマリアは翌日の朝まで帰って来なかった




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232話

「漸くお目覚めか湊」

 

「パパおはよう‼︎」

 

翌日、俺が起きるとキャロルと葉月が既に起きていた

 

「悪いな、遅かったか?」

 

「いや、いつもより5分遅かっただけだ」

 

「だったら漸くって程でも無いじゃねえか」

 

「ふ、貴様が寝てる間に何があったかわかるまい」

 

キャロルが疲れ切った顔でそう言う、成る程俺が起きるまでの間ずっと葉月の相手をしてくれてたんだなお前

 

「ありがとなキャロル」

 

「ん…」

 

俺がそう言ってキャロルの頭を撫でるとキャロルは途端に大人しくなる

 

「お前に撫でられて居ると何処だかとても懐かしい気持ちになる」

 

「そうなのか?」

 

「ああ、もしかしたら俺は覚えて居るのかもなパパの事を」

 

キャロルはそう言って俺にしがみついて来た

 

「パパ‼︎葉月も葉月も‼︎」

 

「分かった分かった」

 

俺はそう言って空いてる手で反対側に来た葉月を撫でる

 

「本当に見境ないなお前は」

 

「人聞きの悪い言い方をするな」

 

「確かに、昨日の今日でこれは見境がない」

 

「お前はいつからそこに居た‼︎」

 

俺はいつの間にか俺の部屋に入って来ていた調にそう聞く

 

「ついさっき」

 

「そうか、じゃあ朝飯にするか」

 

「「「うん(ああ)」」」

 

俺達はそう言ってリビングに向かった

 

「相変わらず切歌の奴はまだ寝てるのか」

 

「うん、切ちゃんがこんなに早く起きる事はまず無い」

 

「そうか「皆さん、おはようございます」お前も起きたのかエルフナイン」

 

俺達が朝飯を食べているとエルフナインが目を擦りながら起きて来た

 

「はい、とても良い香りがして」

 

「匂いに釣られて起きて来たのか、時期に出来るから顔洗って座って待ってろ」

 

俺がそう言うとエルフナインは顔を洗いに洗面所に向かった

 

「エルフナインの起きた原因が私とエルザと同じ」

 

「わっわたくしは偶々ルナが起きるまでの待っていただけであります。決して朝食の匂いで起きた訳ではないであります」

 

そう言うがお前俺達の前に出て来た時完全に寝起きだったじゃねえか

 

「美味しい」

 

「葉月さん誰も取ったりしませんのでゆっくり食べて下さい」

 

「貴方もでありますよルナ」

 

「甘いぞお前達、おかわりは早い者勝ちだ」

 

「今日は人数分しか作ってないからおかわりはないぞ」

 

「なら仕方ないな」

 

キャロルはそう言いながらあからさまにしょんぼりする

 

「そんなあからさまに落ち込まなくても良いだろ」

 

「落ち込んでなどいない」

 

「嘘を吐くならもう少しマシな顔で吐け」

 

「キャロルはもうすっかり湊さんに胃袋を掴まれてる」

 

「な⁉︎俺はそんな彼奴の様に単純じゃない‼︎」

 

調の言葉を否定するがその反面でキャロルは朝飯の手を決して止めたりしない

 

「キャロル、流石に説得力がありません」

 

「うっうるさい!俺はもう部屋に戻る」

 

キャロルは顔を真っ赤にさせて朝飯を一気に掻き込みそう言って食器を運んで自室に向かって行った

 

「今のキャロルは以前より少し楽しそうに見えます」

 

「どうなんだろうな、少なくとも今の所はまた世界をバラバラにしようとは考えてないだろ」

 

「うん、私もそう思うご馳走様そろそろ切ちゃんを起こして来る」

 

そう言って調も切歌を起こしに行った




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233話

「お兄ちゃん、宿題見て欲しいデス」

 

「宿題?お前らまだ終わってなかったのか?」

 

「夏祭りとかプールとか色々あって少しサボり気味」

 

俺がそう聞くと調はそう言って目を逸らす

 

「ふふふ、お兄ちゃん私はちゃんと進んでるデス‼︎」

 

「俺は終わったかどうか聞いてるんだよ、てか終わってない時点で威張るな」

 

「そっそう言うお兄ちゃんは如何なんデスか!」

 

「響さんの所為で私達より宿題を渡されたのは後、流石の湊さんでもまだ終わってない筈」

 

「あれくらい1週間もあれば終わるだろ」

 

俺がそう言うと切歌と調の顔は青ざめて行く

 

「もしかして湊さん」

 

「お兄ちゃん」

 

「「もう夏休みの宿題終わっちゃった(デスか)」」

 

「ああ、先週な」

 

俺は先々週、漸く響から夏休みの宿題を渡してもらえ宿題に取り込む事が出来た。その間料理以外の事はセレナ達が4人で分担してやってくれた為宿題は早くに終わった

 

「嘘デスよ、あの量をそんなに早く終わらせられるなんて」

 

「湊さん、答えを見てズルするのは良くない」

 

「答えなんて貰ってる訳ないだろ、自力で解いたんだ」

 

切歌と調は信じられないと言う表情で俺を見る

 

「わっ私達は湊さんよりも予定が入ってるだけ」

 

「そっそうデスよ、お兄ちゃんは宿題しかする事が無かっただけで私達にはする事がたくさんあるんデス」

 

「例えば何だ?」

 

「えっと…ゲームだったりプールに行ったり…あ、こっこの事はマリアには秘密でお願いするデス」

 

「マリアに言ったらきっと怒られるから私達だけの秘密」

 

切歌と調は必死になって俺に頼んで来る

 

「怒られるのが嫌なら進めてろよ、それと明後日から俺いないから此処に来ても意味ないぞ」

 

「何処か行くデスか?」

 

「フランスだ、近々獣人と人間の和平の会談があるらしい。んでもって、獣人側がそれに参加する条件として俺が居る事が前提に話を進めて欲しいって事だそうだ。この前ユノアから連絡があった」

 

「もっもしかしてその後フランスで遊ぶ何て事は無いデスよね?」

 

「さあな、それは分からない向こうで気が向いたら遊んで来るかもな」

 

「そんな⁉︎そこは遊ばないって言って欲しかったデスよ!」

 

切歌はそう言って俺を揺さぶる

 

「切ちゃん必死過ぎ、でも意外湊さんなら直ぐに戻って来そうなのに」

 

「どうせ日本に戻ったらまた響とかの所為で騒がしくなるだろうからな、偶には静かにのんびり過ごしたいんだよ」

 

「お兄ちゃんの家の近く海があったから羨ましいデス」

 

「湊君、切歌ちゃんと調ちゃんも連れて行ってあげられないかな?2人も来てくれた方が葉月ちゃんも楽しいだろうし」

 

「そうだな、一緒に来るかお前ら」

 

俺がそう聞くと切歌は一気に笑顔になる

 

「行くデス!」

 

「切ちゃんが行くなら私も行く」

 

「決まりだな、それにセレナがいるなら宿題も見てもらえるだろ」

 

「セレナお願いするデス」

 

「お願いセレナ」

 

「うん、頑張ろうね2人共」

 

こうして明後日フランスに行く日に切歌と調の同行が決まった




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234話

「凄いよ未来!去年のより大きいよ‼︎」

 

「響あんまり大声を出さない、夜も明けたばかりで寝てる人もいるんだから」

 

3日後、当初の予定では俺は切歌と調とセレナ、それと葉月とルナとエルザとキャロルの計8人でフランスに行く筈だったんだがそこに急遽響を含めたいつものメンバーが合わさり14人と言う大所帯でフランスに行く事になった

 

「にしても相変わらず凄えな、去年のも相当デカかったがまだ上があったなんてな」

 

「これが一番デカいしな、響お前楽しむのは良いが葉月の相手もしてやってくれよ」

 

「任せといてよ湊君!」

 

「キャロルあっちも行ってみるデスよ」

 

「ふっ、仕方ない付き合ってやる」

 

切歌とキャロルは此処に来てから部屋の隅々を探検してる。本当に任せても良いんだろうか?

 

「私達も居るから大丈夫だよ湊」

 

「ああ、お前は和平の会談の事を考えていれば良い、今日で条約を結ぶかどうか決まるのだろ?」

 

「ああ、と言っても和平の条約を申し出たのは人間側だから獣人達の意見が尊重されるだろうな、和平の条約てのは出された方の要求が通る事が多いからな」

 

「まさかお前それで獣人達に人間への和平の条約を申し出させなかったのか?」

 

「ああ、条件に有利に立ってる方が何かと都合も良いしな」

 

正直言って俺は人間と獣人どちらを信用するかと聞かれると即答で獣人だと答えると思う

 

「本当、お前って敵に回したら厄介だよな」

 

「褒め言葉として受け取っておく。そろそろ行くか葉月、未来達の言う事を聞いてろよ」

 

「うん…パパ早く帰って来てね」

 

「ああ、直ぐに終わらせて来る」

 

俺はそう言って会談の行われる場所に向かった

 

〜セレナside〜

 

「パパ…」

 

「葉月ちゃんほらこっちで一緒に遊ぼう!」

 

響ちゃんがそう言って葉月ちゃんを呼ぶけど葉月ちゃんは湊君のいなくなった方向をじっと見ている

 

「やっぱり湊がいないと寂しいんだね葉月ちゃん」

 

「まだ親に甘えたい年頃でしょうしね」

 

マリア姉さんの言う通り葉月ちゃんはまだ親に甘えたい年齢だから仕方ないと言えば仕方ないのかも知れない

 

「今思うと湊君無しで葉月ちゃんとちゃんと遊んだ事無かったね」

 

「エルザとルナは?」

 

「わたくし達は湊がいない時に遊ぶ事もあったでありますが」

 

「やっぱりご主人といる時が一番楽しそうにしてる」

 

湊君と一緒に居る時の葉月ちゃん本当に嬉しそうにしてるもんね

 

「いや〜、結構楽しかったデスね」

 

「そうだな、葉月お前ならこの辺りの事もある程度知っているだろ何か面白いものは無いのか」

 

「でもパパが…」

 

「ふん、お前は湊が此奴らを置いて行った理由もわからないのかお前が寂しい思いをしない為だ。お前がそうする事で彼奴の行為を無駄にする事になる。それが嫌なら俺に協力しろ」

 

「うん‼︎」

 

キャロルちゃんがそう言うと葉月ちゃんはキャロルちゃんと一緒に走って行った

 

「こんな所があったのか」

 

「さっきまで全然元気なかったのが嘘みたい」

 

「お兄ちゃんに聞いておいて正解だったデス」

 

そこに切歌ちゃんも戻って来る

 

「お帰り切ちゃん、湊さんに何か聞いたの?」

 

「葉月ちゃんの事だから絶対お兄ちゃんがいなくなって寂しがると思ったからお兄ちゃんにどうすれば良いか聞いておいたんデス」

 

もしかして切歌ちゃんとキャロルちゃんが戻って来るの遅かったのってそれが理由なの?

 

「ありがとう切歌ちゃん」

 

「当然デス!お兄ちゃんに任された事デスからちゃんとしないとお礼にならないデス」

 

「切歌お前も来い」

 

「了解デス‼︎」

 

そう言って切歌ちゃんはキャロルちゃんと葉月ちゃんの所に向かって行った

 

〜セレナside out〜




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235話

「ほんまにすまへんな湊、わざわざうちらの為に日本から来てもうてしまって」

 

「お前らがそう言う気持ちもわからない訳じゃないから気にするな」

 

「はぁ、人間が皆んな湊や響ちゃん達みたいなええ子やったら良かったんやけど」

 

会談を終え俺はエデルガルデと俺の家に向かっている

 

「ただいま「パパ〜‼︎」葉月、ただいま」

 

「パパ、パパ」

 

俺が中に入ると直ぐに葉月が走って来て俺に飛びつく

 

「お帰り湊君、葉月ちゃんが急に走って行ったから驚いたよ」

 

「うちもおるで響ちゃん」

 

「お久しぶりです、エデルガルデさん」

 

「ほんまに久しぶりやね、ミーシャはおらんの?」

 

「はい、ミーシャちゃんは私と未来の部屋で自ら名乗り出てお留守番をしてくれているんです」

 

「そうやったんか、ミーシャも前までやったらそんな事言わへんかったやろうに響ちゃんのお陰でちょっとええ方に変わってくれとるみたいやね」

 

「そんな、ミーシャちゃんにはお世話になってばっかりですし、上がって行って下さい。良いよね湊君」

 

「もう好きにしてくれ」

 

俺はそう言って中に入ると響はエデルガルデを連れて中に入って来る

 

「お帰りデスお兄ちゃん」

 

「お帰り湊君、エデルガルデさんもお疲れ様です。それで会談は如何なったの?」

 

「ほんまに湊の言う通りに事が進んだわ」

 

エデルガルデの言う通りやはりと言うべきか和平の条約の会談は獣人達の有利な形で進んでいき、最終的に人間もその条件を受け入れ和解の条約が確立された

 

「そっか、良かったですねエデルガルデさん」

 

「うちもそやけど獣人の皆んなも喜ぶやろな、改めてほんまにありがとうな湊」

 

「だから、さっきも言ったが別に気にする必要もない事だ。そう言えば未来、葉月の奴如何だった」

 

俺は気になってた事を未来に聞く

 

「最初は湊が居なくなって寂しそうにしてたけど切歌ちゃんとキャロルちゃんの2人と遊び始めてからは凄く楽しそうにしてたよ」

 

「そうか、ありがとな切歌、キャロル」

 

「ふん、俺はただこの家の中が気になっただけだ」

 

「またまた〜、キャロルちゃんだって湊君の役に立ちたかったんだよね」

 

「な⁉︎そんな訳ないだろ、俺はただ家の中が気になっただけだ‼︎それ以外の理由などあるものか‼︎」

 

「もう、素直じゃないねキャロルちゃんは」

 

「煩い‼︎」

 

キャロルは顔を赤くしてそっぽ向く

 

「なんやかわええ子が増えとるやん湊」

 

「キャロル・マールス・ディーンハイムだ」

 

「うちはエデルガルデ言うんよ」

 

そう言ってエデルガルデとキャロルは握手を交わす

 

「そろそろ昼か、お前も食べて帰れエデルガルデ」

 

「ありがとうな湊、ほなそうさせて貰うわ、響ちゃん未来ちゃんミーシャが如何な生活しとるか聞かせてくれへんか」

 

「「良いですよ」」

 

そう言って未来と響はエデルガルデにミーシャの日本での生活を話し始めた




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236話

「ふぅ、美味しかったもう入らないよ」

 

「デ〜ス」

 

「もう響ってば食べ過ぎだよ」

 

「切ちゃんもお行儀が悪いよ」

 

調と未来が地面に寝転ぶ切歌と響にそう言う

 

「たく、あのバカは」

 

「ほんまにこの子にミーシャちゃん預けて良かったんやろか?」

 

「さあな、そもそもミーシャの奴が響と居たいって言い始めたんだからな」

 

まあミーシャの方は響と一緒に居れて嬉しそうにしてるから良いんだろうな

 

「これは一旦ルクシャナにミーシャちゃんの様子を見に行って貰った方がええかも知れへんな」

 

「無駄だと思うけどな、ミーシャが決めたんだルクシャナが何て言っても曲げないだろ」

 

「せやな、ほなうちは帰るわ」

 

「途中まで見送るであります」

 

「ありがとうなエルザちゃん」

 

エデルガルデのお礼を素直に受け取りエルザはエデルガルデを送りに行った

 

「おい、湊海に連れて行け」

 

「急に如何したキャロル」

 

俺が洗い物を終えて戻るとそこには響と切歌と未来それと調の姿がなかった

 

「て言うか此処に居ない4人は如何した」

 

「小日向と月読が眠ってしまった立花と暁を部屋に連れて行ったんだ」

 

「食って直ぐ寝るとか子供かよ」

 

「だな、しっかしまあ此処まで静かな所だとそうなるのも分からない訳じゃないけどな」

 

「そうね」

 

日本で俺達の住んでる場所で此処まで静かな場所ってそうなさそうだしな

 

「此処は風も気持ち良いですから」

 

「そうだな、この時間は海からの潮風もあって丁度良い感じだしな」

 

「確かにこれは立花達が寝入ってしまうのも納得がいくな」

 

そう言って翼は小さく欠伸をする

 

「貴方もなの翼」

 

「ちっ違うぞマリア!私は決して…」

 

「仕方ないですよ。私も此処に来るとお昼なのに眠くなっちゃいますから」

 

「現に此処でも2名寝てるからな」

 

俺の足元ではキャロルと葉月が俺の膝を枕にして寝ている

 

「気持ちよさそうね」

 

「ああ、あれが世界を敵に回したキャロル・マールス・ディーンハイムだとは誰も思うまい」

 

「だな、ふぁ〜何かあたしまで眠くなって来ちまった」

 

そう言って姉さんも大きな欠伸をする

 

「だったら姉さんも部屋に行って寝たら如何だ」

 

「そうさせて貰うぜ」

 

そう言って姉さんも自分の使う部屋に向かって行った

 

「我々も部屋に向かおうかマリア」

 

「そうね、それじゃあまた後でねセレナ」

 

「うん、マリア姉さん」

 

そう言って翼とマリアも自分の使う部屋に向かって行った

 

「静かだね湊君」

 

「だな、此処は本当に静かで落ち着ける」

 

此処まで静かなのも随分と久しぶりだな、彼奴と会ってからまた騒がしい日々が続いていたからな

 

「湊君、肩借りても良いかな?」

 

「好きにしろ」

 

俺がそう言うとセレナは俺の肩に頭を乗せる

 

「パパ…」

 

「ん…」

 

「ふふ、こうしてると何だか親子みたいだね」

 

「だな、それとキャロルもう寝たふりは良いぞ」

 

「そうか」

 

そう言ってキャロルは目を開ける

 

「きゃっキャロルちゃん起きてたんだ」

 

「ああ、だが湊もう少し俺もこうして居たいが良いか」

 

「ああ、別に良いぞ」

 

「そうか」

 

そう言ってキャロルはまた俺の膝に頭を置いて眠り始めた




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237話

「悪いなキャロル」

 

「気にするな、俺も悪い気はしなかった」

 

あの後セレナと葉月が完全に眠り俺がセレナをマリアの部屋にキャロルが葉月を俺の部屋に連れて行った

 

「ご主人ただいま」

 

「ただいまであります」

 

「帰ったか、ルナの方は如何だった」

 

俺とキャロルがリビングに戻ろうとするとルナとエルザが帰って来た

 

「るる、たくさん取れたからルーデウスにあげたらお刺身くれた」

 

「またルーデウスの所に世話になって来た訳か、まあルーデウスもそれで儲かってる訳だから良いんだろうけどな」

 

ルーデウスは漁師をしていてルナが取りすぎた魚を時々引き取って貰っている

 

「これは大トロと中トロとタコそれにイカでありますか」

 

ルナの貰って来た袋の中身を見てエルザがそう言う

 

「数も少ないし彼奴らが起きて来る前に食っちまうか」

 

「偶には良いかも知れないな」

 

「る♪私達だけで食べる」

 

「少し悪い気もするでありますがいないのであれば仕方がないでありますね。一先ずわたくし達は手を洗いに行くであります」

 

「ああ、ご飯と醤油を準備して待ってる」

 

俺はルナから刺身を受け取りキャロルとリビングにルナとエルザは洗面所に向かった

 

「る〜、美味しかった」

 

「そうでありますね」

 

「ふん、まずまずと言った所だな」

 

「そう言うお前が1番先に食べ終わってたけどな」

 

「ちっ違う、俺の分がお前達より少し少なかっただけだ」

 

キャロルは顔を赤くしてそう言うが俺もエルザ達もキャロルの照れ隠しだと分かっているからか何も言わない

 

「ご主人、ルナ頑張った」

 

「ああ、俺の頼んだのだけじゃなくて刺身まで貰って来てくれてありがとな」

 

そう言って頭を撫でるとルナは気持ちよさそうに目を細める

 

「る〜、ご主人のなでなで気持ちいい」

 

「そんなに良いものじゃないだろ」

 

「そんな事ない、この為に頑張ってる所は少なからずある」

 

此奴にとって頑張る理由は俺に撫でて貰う為だったのか

 

「此奴まじか」

 

暫くルナを撫で続けているとルナは俺の膝の上で眠り始めた

 

「きっと海に潜って疲れていたでありますよ。実はわたくしもエデルガルデからチョコレートを貰っていたであります。デザートとしてルナにもと思っていたでありますがわたくし達だけで頂くであります」

 

そう言ってエルザは通信機の中からチョコレートを取り出して蓋を開ける

 

「このタイミングでチョコレートかルナの奴好きなのに残念だったな」

 

「眠った彼奴が悪いんだ、早速頂くぞ」

 

キャロルはそう言ってチョコレートを手に取って食べる

 

「そうでありますね」

 

「だな、ルナはソファに寝かせて置くか」

 

俺はルナをソファに寝かせてチョコレートを食べた




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238話

「楽しい筈の夏休みは何処へ」

 

「お兄ちゃんは夏休みの宿題が終わって葉月ちゃんも絵日記だけになったから余裕なのは分かるデス。だけど、どうしてクリスさんも余裕何デスか?」

 

「良い機会だから教えてやる、こう見えて学校の成績は悪くないあたしだ」

 

フランスから日本に帰って数日、マリアが昨日日本から立ったのだが切歌と調はとうとうマリアに夏休みの宿題があまり進んでない事がバレてしまい夏休みの宿題が終わるまで2人がサボらないか見ている様にと俺がマリアから頼まれた

 

「嘘!?」

 

「ん」

 

調が驚くとそれにイラついたのか2人を睨む姉さん

 

「いっ今言ったのは調デス!!」

 

「私を守ってくれる切ちゃんはどこ行っちゃったの」

 

「ちゃっちゃと宿題片付けろ!」

 

「ご主人終わった」

 

姉さんが切歌と調の2人にキレているとルナが宿題を終わらせて俺に持って来る

 

「ん、俺の見た感じ間違いはないよく頑張ったな」

 

「る♪」

 

俺がそう言うとルナは嬉しそうに尻尾を振る

 

「ルナお姉ちゃん宿題終わったの?」

 

「るる」

 

「じゃあゲームしよう!」

 

「るる、やる」

 

そう言ってルナは葉月とゲームを始める

 

「ぐぬぬ、まさかルナにまで先を越されるとは思っても見なかったデス」

 

「彼奴はちゃんとやれば出来る奴だからな」

 

「ガンス、それをしないからタチが悪いであります」

 

エルザはゲームをしているルナを見てそう言う

 

「キャロルの奴は如何した。セレナもいねえしよ」

 

「昼の買い出しに行かせた、早めに買っておいて損はないだろ。セレナは心配だからって後ろから着いて行ってる所だろ」

 

現在キャロルは社会勉強と称し1人で買い物に行かせている。当初は本当に1人で行かせるつもりだったがセレナが1人で行かせるのは心配だと後ろから隠れて着いて行った

 

「不審者だと間違われないだろうな」

 

「多分な、義理の姉が心配して着いて行ってるとでも思ってくれるだろ」

 

「きっと思ってくれる、誰もセレナに悪意なんて感じないだろうし」

 

「だな、感じるとすれば後ろから着けられてるキャロルくらいだろ」

 

(それにキャロルなら撒くか誰か気付くかどちらかするだろ)

 

そう思っているとキャロルに渡して居た通信機から通信が入る

 

「如何したキャロル」

 

『此奴を向かわせたのはお前か』

 

やはりバレたのかキャロルの隣に立っているセレナが映し出された

 

「俺は心配のし過ぎだって言ったんだがな」

 

『ただの買い物に此処まで心配されては』

 

『だっだって、もし誘拐でもされたらって心配だったんだもん』

 

そんな事を考えて居たとは

 

「誘拐なんてそう簡単に起きる事じゃない」

 

『そうかも知れないけど『あれ?セレナさん』佳奈子ちゃん、春香ちゃん』

 

俺達が通信をしていると鳩木と神奈月と会ったらしい2人の声が聞こえる

 

「それじゃあ買い出し頼んだぞキャロル」

 

『ああ、任せておけ』

 

キャロルはそう言って通信を切った




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戦姫絶唱シンフォギアAXZ編
239話


「全員揃ったか」

 

「緊急収集なんてして何の用だよ風鳴司令」

 

俺がそう聞くと風鳴司令はモニターを映す

 

「先輩‼︎」

 

「マリア姉さん‼︎」

 

「マリアそっちで何が起きてるの?」

 

モニターに映し出されたマリアに調がそう聞く

 

『翼のパパさんからの匿名でね、S.O.N.G.のエージェントとして魔法少女事変のバックグラウンドを探っていたの』

 

『私も知らされていなかったので、てっきり寂しくなったマリアが勝手に英国までついて来たとばかり』

 

『だから!そんな訳ないでしょ‼︎』

 

「コントは良いから進めてくれ」

 

俺がそう言うと緒川が話し始める

 

『マリアさんの調査そして、湊さんのある情報で1つの組織の名前が浮上して来ました。それがパヴァリア光明結社です』

 

「湊君の情報?」

 

「何かしたのか湊?」

 

「ああ、ちょっとな…」

 

歯切れの悪い俺の返答にその場の全員は疑問符を浮かべる

 

『すみません湊さん、あまり良い話ではありませんでしたね』

 

「いや、風鳴司令達に言ってなかった俺が悪いんだ。俺が話したのは10年前に俺が居たシンフォギア軍事兵化実験での事だ」

 

「その事に繋がるものがあったのか?」

 

『はい、これを見てください』

 

映し出される画像の中には俺だけじゃなく切歌と調にも見覚えのあるマークだったらしい

 

「チフォージュ・シャトー建造の為キャロルに支援をして居た組織だった様です」

 

「あのマーク見た事あるデスよ!」

 

「あれって確か」

 

「私とドクターウェルと通じFISを武装蜂起させた謎の組織です」

 

『そして、10年前英国に居た時に彼やアリスを苦しめた武装組織がこの組織の傘下だと言う事も調査でわかったわ』

 

「悪いがそのマークをとっとと消してくれ、見たくない物が見える…」

 

「如何したの湊君…なんだか震えてるみたいだけど」

 

「大丈夫だ…」

 

セレナの問いかけに俺はそう答える

 

「湊君少し来てくれ」

 

俺の様子のおかしさに疑問を覚えた風鳴司令は俺を呼ぶ

 

「済まないが少し失礼するぞ」

 

そう言うと風鳴司令は俺の服をめくり俺の背中を見る

 

「ちょ⁉︎師匠‼︎何やってるんですか‼︎」

 

「切ちゃんはみちゃ駄目」

 

「はわわ、何も見えないデス」

 

突然の風鳴司令の行動にその場に居た女性陣全員が慌てて目を逸らす

 

「これは…」

 

「しっ師匠、湊君の背中に何が」

 

響が顔を両手で覆いながらそう聞く

 

「済まないがこればかりは見せられるのはクリス君くらいだ。決して家族以外の友人に見せるそれではない」

 

風鳴司令は俺を気遣い姉さんだけに見せる事にしてくれた

 

「これって…」

 

「ああ、恐らくはそう言う事だ」

 

「そうか…悪い湊」

 

姉さんは悔しそうな声でそう言う

 

『フロンティア事変と魔法少女事変の双方に関わって居た組織パヴァリア光明結社』

 

「これを機会に知られざる結社の実態に至る事ができるかも知れません」

 

『存在を窺わせつつも中々尻尾を掴ませて貰えなかったのですが。マリアさんからの情報そして湊さんからの情報を元に調査部でも動いてみた所』

 

そう言って次に映し出された画像にはアルカノイズが映って居た

 

『これが撮影されたのは正常不安な南米の軍事政権国家バルベルデです』

 

「バルベルデか…」

 

「くっ、よりによってバルベルデかよ」

 

「装者達は現地合流後作戦行動に移って貰う。忙しくなるぞ!」

 

風鳴司令の言葉を聞いて俺達はバルベルデに向かった




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240話

「彼処か」

 

俺が先行して上空から様子を見ると中には対空砲の他に戦車などの兵器があった

 

「漸く気づいてうじゃうじゃ出て来やがった」

 

俺に気づいてアルカノイズを出現させ俺を撃ち落とそうと対空砲を放つ

 

「そんな事しなくても今すぐ降りてやるよ!」

 

《雷鳴》

 

俺は無数の雷を纏った剣を具現化させてアルカノイズに向けて飛ばす

 

「翼‼︎」

 

「ああ!はあ‼︎」

 

《蒼ノ一閃》

 

俺がアルカノイズを殲滅し終えると同時に向かって来ていた翼が対空砲を破壊する

 

「進路確保」

 

「緒川さん‼︎」

 

翼がそう言うと緒川が響と姉さんを連れて上空に姿を現す

 

「きっ貴様は‼︎」

 

「まあバルベルデに居るんだったら俺の事くらいは知ってるかもな」

 

「ほっ他の奴は良い‼︎彼奴から狙え‼︎奴は後回しにすると厄介だ‼︎」

 

1人の男がそう言うと響達に向けられていた銃やアルカノイズが俺に向けられる

 

「は、誰が1番面倒かわかってるみたいだな、此処に居るのは俺だけじゃねえぞ」

 

「ああ、此処には私も居る!」

 

《雷鳥》

 

《風輪火斬》

 

俺が雷鳥を飛ばすと逆サイドから翼が2本のアームドギアの柄を繋ぎ合わせて双刃刀へと変形させ、炎を纏わせながら振り回し突進して行く

 

「お前ら降りて来い‼︎」

 

「「うん(おうよ)」」

 

響と姉さんはそう言って降りて来る

 

「よっと」

 

「と、うわぁあ⁉︎」

 

姉さんは着地に成功したが響は着地に失敗して転ぶ

 

「何やってんだよこのバカ」

 

「たはは、失敗失敗次からは転ばない様にするよ」

 

響がそう言って立ち上がると同時に戦車とアルカノイズが俺達に向かって来る

 

「翼は既に雷鳥と先の罠を破壊しに向かって居る俺達も行くぞ」

 

「あたりめえだ先輩ばっかに任せてられっかよ」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

姉さんはそう言って小型ミサイルを飛ばしてアルカノイズを撃破する

 

「俺達も負けずに行くぞ響」

 

「うん、とりゃ〜‼︎」

 

俺は叫びながら突っ込んで行く響と戦車に突っ込んで行く

 

「ふっ!」

 

俺は戦車から打ち出される砲弾を切りながら打ち出す部分を切り裂く

 

「如何だ翼」

 

「ああ、後は彼処の軍基地を占拠するのみ」

 

「何だ⁉︎」

 

俺達が軍基地の直ぐそばまで着くと上空に光が放たれそこから戦闘機が姿を現す

 

「は、漸くおでましか」

 

そう言って俺は雷鳥に乗る

 

「気づいていたのか」

 

「ああ、いくらなんでも簡単に行き過ぎてたからな」

 

「成る程、此処からが本当の決戦と言う事か」

 

『貴方達グズグズしないで追うわよ‼︎』

 

響達が追うためのヘリの中からマリアの声が聞こえる

 

「上空での戦闘は俺に任せろ、お前達は俺の支援に徹してくれ」

 

「分かった、頼むぞ湊」

 

「ああ、任せとけ」

 

俺はそう言って雷鳥を飛ばす

 

「今更そんなもん使ってんじゃねえよ‼︎」

 

《雷光一閃》

 

俺は持って居た大剣を巨大化させた後、翼のブースターを噴射させて突っ込み落下して来る爆弾を破壊する

 

「うわぁああ⁉︎」

 

「たく、何やってんだバカ」

 

乱射されたミサイルから足を踏み外して落ちていく響を受け止めてそう言う

 

「たっ助かった…」

 

「湊‼︎そのまま立花を連れて旋回しろ‼︎」

 

「分かった‼︎」

 

俺は翼に言われた通り響を連れてミサイルを避ける

 

「初手にて奥義よりつかまつる」

 

そう言って翼は剣を自身の何十倍もの大きさにする

 

「はあ‼︎」

 

翼はそれを戦闘機に向けて振るい亀裂を作る

 

「行って来い響‼︎」

 

俺は響の頭を掴んでその亀裂に向かって放り投げて翼の確保に向かう

 

「助かった湊」

 

「別に気にする必要はない」

 

『乗りなさい翼』

 

「ん?私だけか?」

 

『ええ、彼には他にする事があるの翼の事は私に任せて行きなさい』

 

「ああ、そうさせて貰う」

 

俺はそう言って次の目的に向かった




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241話

「パパ!パパ!」

 

「大丈夫だ、もう少しで良くなる」

 

作戦行動が終わり俺は負傷者の治療を行なっている

 

「ん…此処は」

 

「気がついたか「ご協力感謝します。後は我々が行いますので」別にお前らの為にやった訳じゃねぇよ」

 

そう言ってテントを出る

 

「お疲れ湊君」

 

「響か、たく戦闘の後にこれってふざけてんだろ風鳴司令の奴」

 

「お前使ったのか錬金術」

 

姉さんは俺が錬金術を使ったと思ってるらしい

 

「本当に一大事の人には使ったが殆どは応急処置だ」

 

「そうか、なら良いんだ」

 

姉さんはほっとした表情を浮かべてそう言う

 

「湊さん巡回完了」

 

「バッチリデース」

 

「乗って本部に戻るわよ」

 

マリアが運転して来た車の荷台から切歌と調がそう言う

 

「わかった「あの…」ん?何だ?」

 

後ろから袖を引っ張られたので振り返るとさっき治療した男の子供が居た

 

「これ…」

 

「あんがとな」

 

俺はその子の目線にまでしゃがみ飴玉を受け取る

 

「良かったね、湊君」

 

「ああ…」

 

俺は響の言葉を受け流す様に答える

 

「私達を苦しめたアルカノイズ、錬金術の断片が武器として軍事政権に渡っているなんて」

 

「シンフォギアを軍事兵器として投入しようとしていた組織の一部デスからやりかね無い事ではあったデスけど実際に目の当たりにするとキツイデス」

 

(やっぱり根っこを潰さないと駄目か…)

 

緒川から聞いた組織パヴァリア光明結社恐らくアルカノイズ今回の奴らに渡したのもその組織の奴らだろう

 

「ん?何だあれ?」

 

姉さんが上空を見てそう言うので全員で上空を見上げるとそこには1機のヘリが飛んでいた

 

「何だよ姉さんただのヘリじゃねえか」

 

「けどよ、あのヘリあたしらの所に来てねえか?」

 

言われてみればそんな気もする

 

「こんな時に誰だよ」

 

そこに俺の通信機に通信があった

 

「誰だよ『わたくしです湊様』お前かアリア珍しいなお前から通信を取って来るなんて」

 

俺に通信を取って来たのはアリアだった

 

『今回の事でお父様がお礼を言いたいそうですので皆さんをお連れしようと思って居るのですが大丈夫でしょうか?』

 

「オーグがか?まさかだとは思うが俺達の上のヘリってお前が乗ってるヘリじゃないだろうな」

 

『はい、そうです』

 

お前の乗ったヘリだったのか

 

「一先ずヘリから降りて来い、話はそっからだ」

 

『かしこまりました。レイネ、何処かにヘリを止めて下さい』

 

『かしこまりました』

 

レイネの奴まで巻き込んでんのかよ、まあアリアが来る時点である程度予想は出来ていたが

 

「んじゃ、後で」

 

『はい、また後程』

 

アリアはそう言って通信を切る

 

「何だったんださっきのヘリは」

 

「急に進路を変えて行った」

 

「あれな、アリアの乗って来たヘリらしい」

 

「アリアってあのアリアさんデスか?」

 

「ああ、お前の思ってるアリアで合ってる」

 

切歌の問いかけに俺はそう返す

 

「湊君、アリアさんて誰?」

 

ああ、この中でアリアに会ったことがあるのは切歌と調とマリアの3人だけか

 

「アメリカのシンフォギア装者だ」

 

「そんな奴があたしらに何の用だ?」

 

「何でも今回の事の礼をしたいんだとさ」

 

「礼か、何やら信じがたいものがあるが」

 

「心配すんな、相手はアリアだおかしな事はしねえよ」

 

「そうデス、私達も会った事あるデスよ」

 

「優しい人だったから大丈夫だと思う」

 

「一先ず彼女と合流しましょう、話はそこからよ」

 

そう言うとマリアは車を少しだけ加速させた




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242話

〜響side〜

 

「あ〜ん、美味しい〜翼さん達も食べましょうよ凄く美味しいですよ」

 

「こんな美味しいものを食べない何て勿体無いデス、翼さん達が食べないなら私達で食べちゃうデスよ」

 

私と切歌ちゃんはそう言ってお菓子を食べる

 

「お前らちっとは相手を疑えよ」

 

「貴方は何者なの、彼とセレナは何処に居るの」

 

マリアさんが警戒した様子でそう聞く

 

「申し遅れました。私はアリアお嬢様の専属メイドのレイネと申します。それと湊様とセレナ様は今現在のツーヴェルク家の当主であるオーグ・ツーヴェルク様のいらっしゃる特異災害対策本部にいらっしゃいます」

 

「何故我々全員ではなく湊とセレナの2人だけなんだ」

 

「恐らくは代表者として呼ばれたのではないでしょうか、お2人だったのはただ単にオーグ様のお知り合いだからかと」

 

「成る程、理解は出来ないが納得は出来る。私とて見ず知らずの相手と会うのは些か抵抗がある」

 

「そうね、それが理由だとするのなら納得は出来るわね」

 

マリアさんと翼さんも納得は出来たみたいで机に並べられたお菓子を食べる

 

「美味しい」

 

「まだあるので沢山食べてください。私は少し失礼します」

 

レイネさんはそう言って何処かに向かって行った

 

〜響side out〜

 

「久しぶりだなオーグ」

 

「そうだね湊君、セレナちゃんも久しぶりだね」

 

「はい、お久しぶりですオーグさん」

 

俺は響達と別行動を取りセレナとエルザとルナと葉月、そして風鳴司令と緒川の7人でオーグの居る特異災害対策本部に来ていた

 

「初めまして、日本の特異災害機動部隊S.O.N.G.の司令を務めて居る風鳴弦十郎と言います」

 

「同じく特異災害機動部隊S.O.N.G.エージェントの緒川慎次です」

 

「米国特異災害機動部隊総司令官のオーグ・ツーヴェルクです」

 

そう言ってオーグ達は軽く会釈を交わす

 

「バルベルデの件、助かりました。此方からはあまり手出しが出来ませんでしたから」

 

「いえ、実際に対処に当たったのは湊君含めツーヴェルク家に居る少女達です」

 

「オーグ御託は良いから俺達を此処に呼んだ理由を教えてくれ」

 

「ああ、済まないね湊君。実はね彼らにアルカノイズ渡したと思われる錬金術師達が判明したんだよ」

 

「本当かオーグ‼︎」

 

「本当だよ湊君」

 

オーグはそう言ってモニターに3枚の顔写真を映す

 

「右からサンジェルマン、カリオストロ、プレラーティこの3人の錬金術師がバルベルデに侵入してからバルベルデでアルカノイズが発見される様になったんだ」

 

「つまりその3人の錬金術師がバルベルデ上層部にアルカノイズを渡したとお考えなのですね」

 

「いくらなんでもアルカノイズを作り出すだけの技術がバルベルデにあると思えないからね」

 

成る程、確かにバルベルデにアルカノイズを作り出すだけの技術があるとは思えない。となるとその3人の錬金術師がバルベルデの上層部にアルカノイズを渡したと考えるのが普通だ

 

「僕たちの方でも未だに調査を進めていて現在彼女達が何処に居るのかは分かっていない。分かり次第君達にも湊君を通じて連絡しよう」

 

「ありがとうございます、では失礼します」

 

風鳴司令がそう言うと緒川も頭を下げて司令室を出て行く

 

「俺達も行くか」

 

「そうだね、その前に葉月ちゃんの面倒を見てくれているエルザちゃん達を迎えに行かないと」

 

「だな、オーグ俺達も帰る」

 

「何かあれば僕に頼ってくれ湊君」

 

「ああ、そうさせて貰う」

 

俺とセレナもそう言って司令室を出た




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243話

「戻ったぞお前ら…何やってんだよ」

 

俺がアリアの家に行き響達のいる場所をレイネから聞いてそこに行くと姉さんは机に顔を突っ伏して寝て響と切歌が走り回って居た

 

「お兄ちゃんお帰りデ〜ス」

 

「ただいま切歌」

 

「マリア姉さん何があったの?」

 

俺が中に入って来た事に気付いて勢いよく突進して来た切歌を避けてセレナは全員にそう聞く

 

「あれのせいよ」

 

マリアの指さす方にはチョコレートがあった

 

「あのチョコがどうかしたのか?」

 

「我々も気づかなかったのだがあれはウィスキーボンボンだったんだ」

 

「ウィスキーボンボンってチョコの中に洋酒が入ってるって言うチョコ菓子だよね?」

 

「ああ、そのウィスキーボンボンだ」

 

聞く所によるとレイネが持って来たお菓子を響達が食べ最初に眠った姉さんを見て今酔ってない3人は警戒をしたが何の警戒もせずに食べたこの2人最初こそ普通に食べていたが最終的には2人で殆どのウィスキーボンボンを食べ此処まで酔っ払ったらしい

 

「まさかウィスキーボンボンで酔う奴がいるとはな、しかも2人も」

 

「雪音も2つ食べた時点で酔って寝てしまったのだろう」

 

今後姉さんに酒を飲ませる時は誰か知り合いを着かせるべきだろう。

 

「調ちゃんは止めなかったんだね、何時もなら止めてるのに」

 

「切ちゃんがあまりにも美味しそうに食べるから止められなかった」

 

成る程、切歌が美味しそうに食べてるんだ調に止められるはずがない

 

「避ける何て酷いデスよお兄ちゃん」

 

「切ちゃんこっちこっち」

 

「ほら切歌、調が呼んでるぞ」

 

調が両手を広げて切歌を待って居る

 

「今は調よりお兄ちゃんの気分デス」

 

「む〜、やっぱり湊さんは私の一番の敵」

 

「まさか切歌が調より彼を選ぶなんてね」

 

「ああ、元は敵同士だったと言うのに此処まで変わるとはな」

 

思えば最初に会った頃に警戒してた奴が此処まで懐くのって凄い事なんだろうな

 

「おい湊、あのメイドが呼んでいたぞ」

 

「あ!キャロルちゃんだ!キャロルちゃ〜ん‼︎」

 

「な!おい貴様引っ付くな!離れろ!」

 

キャロルが来ると響はキャロルに抱きつく

 

「お兄ちゃん‼︎」

 

「切歌!いい加減にしろ‼︎切歌?」

 

俺を押し倒した後急に静かになった切歌を不思議に思い切歌を見ると俺の上で寝ていた

 

「調この後の事は任せたぞ、俺はレイネの所に行って来る」

 

「うん、分かった」

 

俺はそう言ってレイネの所に向かった

 

〜切歌side〜

 

「ん…ふぁ〜、よく寝たデ〜ス」

 

「おはよう切ちゃん」

 

「おはようデス調」

 

私が起きると上には調の顔があった

 

「それにしても何で調の顔が上にあるデスか?まっまさか調急に身長が伸びたんじゃ‼︎は!それとも私の身長更に縮んじゃったデスか⁉︎」

 

「落ち着いて切ちゃん、私が膝枕してるだけだから」

 

この柔らかいのは調の膝デスか

 

「あ、切歌ちゃん起きたんだ」

 

「セレナ、何があったデスか?起きたら調に膝枕をされてるデスし、響さんはキャロルを抱き枕にしてるデスし、色々あり過ぎて頭が追いつかないデス」

 

「順を追って説明するわ」

 

そこからマリアは何があったのか説明してくれた

 

「うう、私お兄ちゃんにそんな事を…」

 

マリアに聞いたのは最後の最後私がお兄ちゃんを押し倒した所で寝ちゃったそうデス

 

「切歌ちゃん、やっぱり湊君の事…」

 

「そうじゃないデス、お兄ちゃんと一緒なのは確かに楽しいデス。でも楽しいだけで私はお兄ちゃんの事が好きとかじゃないと思うデス」

 

でも実際の所は如何なんだろ…私はお兄ちゃんの事をどう思ってるんデスかね

 

「しっ調は如何ですかお兄ちゃんの事」

 

「私の1番の敵」

 

「さいデスか」

 

調はやっぱりまだお兄ちゃんの事は少し苦手なんデスかね?【自分が原因だとは全く気付いていない】

 

「おいお前ら、晩飯が出来たぞ」

 

「お〜、今日の晩御飯は何デスかお兄ちゃん!」

 

「今日はカレーだ」

 

「お〜!それは楽しみデス♪」

 

「やっぱり湊さんは私の敵…」

 

私は後ろでお兄ちゃんを見ながらそう言う調に気付かなかった

 

〜切歌side out〜




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244話

「たく、よりにもよって相方がお前とか不安しかねえじゃねえか」

 

「まあまあそう言うなよ湊」

 

翌日の夜俺はナイン・フォレスティアと言う人物と潜入調査の準備していた

 

「此処だな」

 

「なら、ちゃっちゃと終わらせて帰ろうぜ。見た所何もないみたいだしアリア達の行った方が当たりなんだろう」

 

俺とナインはそう言って中に入る

 

「本当何もない修道院って感じの場所だな」

 

「そうだな、ん?どうやら此処もあながちハズレでもないみたいだ」

 

修道院の中の石像の1つが軽くそれを移動させると地下へと続く階段が現れた

 

「まるでRPGゲームみたいな隠し方だな」

 

「ゲームだとこんな感じの隠し方もあるんだな」

 

「ああ、こう言う場所で地下の階段を隠す時の定番の隠し場所だ」

 

そうだったのか、ゲームも役に立つ事があるんだな

 

「降りるぞ」

 

「了解」

 

俺とナインは人の気配を確認しながら進んで行く

 

「地下にも人の気配はないな」

 

「もう何かを持ち出した後じゃねえのか?」

 

「だったらまた隠す必要はない、あれじゃないのか?」

 

辺りを確認しながら進むと氷の結晶が見える

 

「これは人か?」

 

その氷の結晶の中には人が入っていた

 

「いや、人だったらとっくに死んでる。わざわざこんな事をするって事は恐らくオートスコアラーだ」

 

「成る程、パヴァリアの錬金術師はこのオートスコアラーを起動させて何かおっ始めるつもりだったのか」

 

「多分な、一先ずこれを持って行くぞ」

 

「了解」

 

そう言ってナインが氷の結晶に触れると氷の結晶は砕けそのオートスコアラーがナインに倒れ込む

 

「おいおい大丈夫か?」

 

「ん…此処は何処でしょう」

 

するとオートスコアラーが話し始めた。恐らくナインが触れた事で起動したんだろう

 

「どうする湊…」

 

「一先ず此処が何処なのかと名前だけでも言っておけ」

 

「ああ、此処はアメリカって国にある修道院だ、あたしはナイン・フォレスティアだ宜しくな」

 

「俺は雪音湊だ」

 

「私はオートスコアラー個体名はアイズです。それで私を起動させて下さったマスターは何方でしょうか?」

 

アイズと名乗った青髪の少女はそう言って頭を下げた後に俺達にそう聞いて来る

 

「お前を起動させたのはナインの方だ」

 

「それを言うなら最初に見つけたのは湊だろ?」

 

「アイズは起動させて下さったマスターって言ったんだ。だからナインお前が此奴のマスターだ」

 

「そうでしたか、宜しくお願いしますマスター」

 

アイズはそう言って再びナインに頭を下げる

 

「そのマスターって言うの辞めてくれよ、凄えむず痒いんだよ」

 

「では何とお呼びすれば宜しのでしょうか」

 

「普通にナインで良いぜ」

 

「分かりましたナイン」

 

ナインとアイズがそんなやりとりをして居ると俺の通信機が鳴る

 

「何だ」

 

『湊君、マリア君達がパヴァリア光明結社の錬金術師達と交戦を始めた。直ちに君も合流して加勢してくれ』

 

「分かった、行くぞナイン」

 

「分かった」

 

「お供しますナイン」

 

俺とナインはそう言って俺達に着いて来るアイズとマリア達の所に向かった




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245話

「湊彼処じゃねえか?」

 

「ああ、多分彼処だ」

 

俺達の目線の先には巨大な蛇の様な何かが見えている

 

「あれって蛇だよな?」

 

「いや、蛇にしちゃデカすぎる。それにあんなでかい蛇が居るなんて聞いた事もねえしな」

 

「確かに、あんなデカい蛇が居たらこの辺りの奴が大慌てであたしらの所に連絡が来るだろうからな」

 

「確かにな、そろそろ話も辞めて行くぞ」

 

〜Oath of moment gungnir tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

そう言って俺とナインはシンフォギアを纏う

 

「ナイン先ずは動きを封じるぞ」

 

「了解」

 

《gravity bomb》

 

そう言ってナインは黒い球体を複数生成し蛇に向けて飛ばす

 

「大丈夫かお前ら」

 

「ええ、何とか」

 

「大丈夫」

 

「それにお兄ちゃんが来てくれたなら百人力デス」

 

「如何やら新手が来たワケダ」

 

「その様だな、ん?ふっ、漸く出会えたか」

 

俺が切歌達の前に出ると3人居た内の1人のサンジェルマンが笑ってそう言う

 

「貴方を探していたわ雪音湊…錬金術師の中でもごく僅かな治癒の錬金術を使う貴方を」

 

「俺を探してただと」

 

「ええ、我々と共に来なさい雪音湊」

 

そう言ってサンジェルマンは俺に向けて手を差し出す

 

「お断りだ、あんな事をする連中に協力するなんてまっぴらごめんだ」

 

「つまり私達の話には乗らない、そう言うワケダ」

 

「ああ、一度引いて体制を立て直すぞ」

 

「ええ、それが良いでしょうね」

 

如何やらマリアも俺の意見に賛成らしい

 

「三十六計が通じない相手には」

 

マリアは短剣を円状には浮かせて飛ばす

 

「この隙に」

 

「此奴も持ってけ」

 

《雷鳴》

 

俺はマリアの短剣に少し遅れたタイミングで届く様にしてマリア達と逃げる

 

「全く、何処まで追って来るんだよ」

 

「蛇の様にしつこい」

 

「自在とてつもない蛇野郎デス」

 

上手い事言ってる場合じゃないぞお前ら

 

「お兄ちゃん!此奴を頼んだデス!」

 

「了解」

 

俺は切歌に投げられた藤尭を受け止める

 

「お前何かしたのか?」

 

「流石に何時迄も女の子に抱えられたままって訳にはいかないからな」

 

「そうか」

 

すると崖の下から音が聞こえる

 

「この音は列車か?」

 

「来たデスか飛ぶデスよお兄ちゃん!とう!」

 

切歌が飛び降りると調とマリアも続いて飛び降りる

 

「飛べって言われてもな、行くぞナイン、アイズ」

 

「「了解(はい)」」

 

《雷鳥》

 

俺はナインと藤尭とアイズを連れて雷鳥に乗りマリア達の乗った列車を追う

 

「ふぅ〜、サンダルフォンに飛行機能があって良かった」

 

「このまま本部まで飛べば良いのか」

 

「ああ、それで彼女達は一体」

 

「本部に着いたら話す」

 

そう言うと藤尭は何も言わなくなった




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246話

「観測任務より帰還しました」

 

「ご苦労だった」

 

「はぁ、やっぱり本部が1番だ安心出来る」

 

本部に到着した藤尭が心底安心した声でそう言う

 

「だが今夜はまだ眠れそうに無いぞ」

 

「ええ、死ぬ思いをして手に入れたデータサンプルも有りますしね」

 

「そう言付けても無敵の怪物の出現か、パヴァリア光明結社を表舞台に引きずり出せた物のが一筋縄ではいかないようだ」

 

「大丈夫」

 

「そうデス次があれば必ず…あ」

 

切歌がそう言った所である事に気づく

 

「ごめんなさい、linkerが十分に揃っていれば次の機会なんて幾らでも作れるのに…やっぱり僕にはレシピの解析は…」

 

目に見えて落ち込むエルフナインを切歌は慌ててフォローしようとする

 

「何を言っている、linkerのレシピの解析が難しい事くらい此奴らも理解している筈だ。その上でお前と俺に任されているのだから急かされる道理はないそれに此奴らも諦めた訳じゃ無いだろうからな」

 

「キャロルの言う通りよ、私達はまだ諦めて無いもの」

 

「ごめんなさいよりも応援が欲しい年頃なんデス」

 

「ごめんなさいより欲しい」

 

「そう」

 

マリアはそう言ってエルフナインを撫でる

 

「それで湊君、先程の彼女達は一体?」

 

「ああ、彼奴らか?おい、ナイン、アイズ入って来い」

 

俺が呼ぶと2人は中に入って来る

 

「あたしはナイン・フォレスティアってんだ。お前らの事はアリアから聞いてるぜ」

 

「司令、先程のガングニールのアウフヴァッヘン波形を発して居たのは彼女です」

 

「そうか」

 

そう言うと風鳴司令はナインに近づく

 

「何だ?あたしに何かついてるのか?」

 

「そのガングニールのペンダントだがどの様にして入手したのか聞かせて貰いたいんだ」

 

「ガングニールをか?別に良いけどよ…あんた達もしかして天羽奏って奴の知り合いか?」

 

ナインの口から出た名前を聞いて風鳴司令達は驚く

 

「奏を知っているのか?」

 

「直接会った訳じゃねえんだけどよ、このガングニールの欠片の取引をしてた奴がその名前を口にしてたからよ」

 

「取引だと」

 

「ああ、そっから話す必要があんのか?」

 

ナインはそう言ってガングニールを手に入れるまでの事を話した

 

「て訳だよ」

 

「成る程な、まさか奏のガングニールの欠片が他国に流出してましてや裏取引までされていたとは」

 

「あり得ない話では無いわね」

 

「ええ、FISであれば不可能ではありませんね」

 

ナスターシャとマリアはFISの仕業だと考えているみたいだ

 

「君の事は分かった、俺が1番気になっているのはもう1人彼女の事だ。少なくとも人間じゃ無いだろう」

 

「それに関しては俺から話す」

 

そう言って今度は俺がアイズについて話す

 

「つまり彼女はパヴァリア光明結社が起動を目論んでいたオートスコアラーなのか?」

 

「確定じゃ無いが隠されていたって事は何かしらの理由があるんだろうよ」

 

「そうだな、彼女の保護は君に任せるとしよう。どうした⁉︎」

 

突然の警報音に風鳴司令がそう聞く

 

「司令!エスカロン空港にアルカノイズが出現して居ます‼︎」

 

「エスカロン空港か、湊君ナイン君、早速で悪いが2人でエスカロン空港に向かってくれ」

 

「「ああ(了解)」」

 

「私達も行くわ」

 

「まだlinkerの効力は効いてる」

 

「その間に倒せば済む話デス」

 

「分かった、風鳴司令ヘリを一機飛ばしてくれ」

 

「おう、元よりそのつもりだ」

 

俺達は風鳴司令の用意したヘリに乗ってエスカロン空港に向かった




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247話

「随分とやってくれてるな」

 

ヘリからエスカロン空港を見るとそこには既にアルカノイズの大群が居た

 

「行くわよ」

 

「「了解(デス)」」

 

「俺達も行くぞナイン」

 

「おうよ!」

 

〜Oath of moment gungnir tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

俺達は聖詠を行いながらヘリから飛び降りる

 

「俺とナインはアルカノイズを、お前達はカリオストロとプレラーティの2人と交戦しろ」

 

「「「「了解(分かった)」」」」

 

マリア達が2人の近くに着地した後俺とナインもアルカノイズが固まって居る場所に着地する

 

「へへ、この数のノイズは久しぶりだから腕が鳴る」

 

「ナイン、マリア達のlinkerの効力は持って20分くらいだ一気に片付けて3人に加勢するぞ」

 

「分かってるって、さっさと片付けて終わらせりゃ良いんだろ」

 

《gravity bomb》

 

ナインが複数の黒い球体を飛ばすとその範囲に居たノイズが押しつぶされて消える

 

「俺も負けてられないな」

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺はナインの球体を避けながらノイズを倒して行く

 

「湊此処はあたしだけで何とかなるから彼奴らの方に行ってやってくれ、そろそろ15分が経つぞ」

 

「分かった、残りは頼んだぞ」

 

そう言って俺はマリア達の所に向かう

 

「調」

 

「切ちゃんの思う所はお見通し」

 

「お前らそいつは俺に任せて行ってこい」

 

「お兄ちゃん…ありがとうデス、行くデスよ調!」

 

「うん」

 

切歌と調は航空機の離陸の補助に向かう

 

「あの2人でどうにかなると思ってるワケダ」

 

「ああ、あの2人ならやってくれる」

 

「でも、この2人をどうにか出来るかしら?」

 

「さあな、だが…勝機はこっちにあるみたいだぞ」

 

すると俺の後ろからカリオストロとプレラーティに向けてナインが球体を飛ばす

 

「ちっ、外れちまったか」

 

「あれは一体」

 

「あたしの重力球だ、あれに飲み込まれたら身体に倍の重力が掛かって地面に突っ伏して動けなくなっちまうんだ」

 

「そう、一気に行くわよ!」

 

「ああ、ナインお前はエネルギーを溜めろ」

 

「了解」

 

そう言ってナインはハンマーにエネルギーを溜め始める

 

《HORIZON†CANNON》

 

マリアが最後の力を振り絞って放ったエネルギー光波はカリオストロ達に命中すし土煙が上がる

 

「はぁはぁ…」

 

マリア達のギアはlinkerの効力が切れた為解除される

 

「如何やら私達は此処までの様ね…」

 

「今ので決まってくれてれば良いんだがな」

 

俺がそう言うと土煙が晴れる

 

「まだ戦えるのかよ」

 

「おいでませ、無敵のヨナルベパストーネ」

 

カリオストロがそう言ってあの化物を呼び出す

 

「不味いな…」

 

「待たせた湊‼︎エネルギーは十分溜まった‼︎もうぶっ放して良いか!」

 

「ああ!やれ‼︎」

 

「おう!喰らいやがれ‼︎」

 

《Mjolnir hammer》

 

ナインはハンマーを巨大化させるとヨナルベパストーネに向けて振り下ろす

 

「如何だ‼︎」

 

「この威力でダメならかなりキツイぞ」

 

するとさっきまで無力化されて居たダメージが無力化されずヨナルベパストーネは姿を消す

 

「これなら行けるぞ」

 

「ああ、何だあれ?」

 

すると響が飛んで来てカリオストロ達の前に立つ

 

「だけど私は此処に居る!」

 

「そこまでだパヴァリア光明結社」

 

「こちとら虫の居所が悪くてなぁ、抵抗するなら容赦は出来無いからな」

 

響に少し遅れて翼と姉さんとセレナも到着する

 

「大丈夫マリア姉さん」

 

「ええ、ありがとうセレナ」

 

セレナは到着するとマリアに近づき支える

 

「生意気にー、踏んづけてやるわ!」

 

カリオストロがそう言った所でサンジェルマンが現れた

 

「フィーネの残種シンフォギア、だけどその力では人類を未来に解き放つ事は出来ない」

 

「フィーネを知っている、それに人類を解き放つって」

 

俺は話しているのを無視してサンジェルマン達に攻撃を仕掛けようとするとセレナが両手で俺を引き止める

 

「ダメだよ湊君、そんな事をしても何も変わらない。それに私は湊君が傷つく所なんか見たく無いよ」

 

「悪いセレナ、ありがとな」

 

俺はセレナのお陰で何とか冷静さを保てた

 

「雪音湊、次に会った時こそ我々と共に来てもらうぞどんな手段を用いてもな」

 

そう言ってサンジェルマン達は姿を消した




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248話

「さっさと終わらせろ響」

 

「うわぁ〜、まだ半分しか終わってないよ〜」

 

「それは響が毎日コツコツしないからでしょ自業自得」

 

数日後、翌日学校が始まると言うのに響の宿題が終わってなく響達の寮より俺の家からの方がリディアンに近い為俺の家で泊まり込みで宿題を終わらせるらしい

 

「ありがとう湊、泊まる許可くれて」

 

「お前が居た方が葉月も喜ぶからな、それに今更2人増えた所であんま変わんないから気にすんな」

 

俺はそう言ってゲームをする切歌と調を見るあの2人は米国から戻ってからずっと俺の所に居てもう自分の家みたいな感じになっている

 

「まあまあ、葉月ちゃんも楽しそうだし良いじゃん」

 

「そうだな、それがあの2人を此処に置いとく1番の理由って言っても良いかもしれないからな」

 

「それは切歌ちゃんと調ちゃんがちょっと可愛そうかな」

 

未来は苦笑いをしてそう言う。実際には2人共積極的に手伝いをしてくれる調なら夕飯を作るのを手伝ってくれたり料理の出来ない切歌は洗濯や洗い物を自ら率先してやってくれるその辺はかなり助かっている

 

「未来〜、此処教えて」

 

「未来お姉ちゃん一緒に遊ぼう」

 

「ごめんね葉月ちゃん、響の夏休みの宿題を手伝わなくちゃいけないんだ」

 

「それなら俺が見ててやるからお前は葉月と遊んでやってくれ」

 

「湊…うん、それじゃあ一緒に遊ぼうか」

 

そう言って響に勉強を教えるのを俺に変えて未来は葉月の部屋に一緒に遊びに行った

 

「これで数学と国語は終わった〜、後は読書感想文だけだしちょっと休憩」

 

「1番面倒なのを最後にして如何するんだよ」

 

読書感想文は1番面倒なので俺は真っ先に終わらせたが響は最後まで残してたみたいだ

 

「私じっと本とか読んでるの苦手なんだ」

 

「それは日頃のお前を見てたらなんとなく分かる」

 

「ねえねえ、湊君は何の本読んだの?」

 

「お前…まさかだが俺のを丸写しする訳じゃ」

 

「流石にしないよ!」

 

そうか、流石の響でも丸写しはしないか

 

「本なら結構な数あるから自分で選ぶか?切歌と調も俺が持ってた本から選んでたし」

 

切歌と調の夏休みの宿題が終わったのは響と未来が来る2日前、2人は俺の持ってる本の中から自分で選びそれで読書感想文を書いた。切歌でも書けるのがあったんだなら響が書けるのもある筈だ

 

「そうするよ、案内して」

 

「ああ、良いぞ」

 

「切歌、今から本見に行くから11時30分になったら呼びに来てくれ」

 

「了解デス「切ちゃん隙あり」何の!勝負はまだまだこれからデス」

 

俺と話している内にやられそうになった切歌は再びゲームに戻る

 

「本当に仲良いんだね切歌ちゃんも調ちゃんも」

 

「だな、さっさと本決めて読書感想文に取り掛かるぞ」

 

「は〜い」

 

そう言って俺と響は書斎に向かった




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249話

〜未来side〜

 

「そろそろお昼の準備しないと葉月ちゃん一緒に行こっか」

 

「うん!」

 

私と葉月ちゃんは部屋から出てリビングに向かう

 

「あれ?湊もそれに響もいない、何処に行ったんだろ?葉月ちゃんを呼んでないって事は家の中にいるんだろうけど」

 

リビングに向かうとそこにはゲームをする切歌ちゃんと調ちゃんしかいなかった

 

「切歌ちゃん湊と響知らない?」

 

「お兄ちゃんなら本を見に行くって言ってたから多分書斎デス」

 

「書斎?へ〜、此処書斎何てあったんだありがとう切歌ちゃん、葉月ちゃん書斎って何処か分かるかな?」

 

「うん‼︎こっち‼︎」

 

葉月ちゃんはそう言って走って書斎に向かって行く

 

「凄い、あの響があんなに真剣に本を読んでる」

 

中を覗くと湊と響が本を読んでいた

 

「パパ〜‼︎」

 

「何だお前か葉月、未来は如何した」

 

「ごめんね湊、響があんなに真剣に本を読んでる所始めて見たからなんか入りづらくて」

 

「此奴もついさっき自分に合うのを見つけたばっかだ。それより如何した?」

 

湊が疑問符を浮かべてそう聞く

 

「そろそろお昼にしようと思ったんだけど誰かの家の冷蔵庫を勝手に開けるわけにもいかないから」

 

「はぁ、彼奴にもそんな常識があれば良かったんだがな」

 

湊はため息を吐いてそう言う

 

「何かあったの?」

 

「何でもない、にしてももうそんな時間か」

 

そう言って湊は時間を確認する

 

「切歌の奴、11時30分になったら呼びに来いって言ったのに忘れてやがる」

 

「響、休憩にしてお昼にするよ」

 

私がそう言うと響は本を読むのを辞めて私を見る

 

「あ、未来全然気づかなかったよ」

 

「響本当に集中して読んでたもんね」

 

「読んで…あ、そっそうなんだ。あはは…」

 

この反応もしかして

 

「響、もしかしてだけど本読んでるフリして寝てた?」

 

「そっそんなわけないじゃん未来」

 

この反応、多分本当に寝てたんだね響

 

「後で一緒に探してあげるから頑張ろ」

 

「未来、ありがとう」

 

「何やってんだお前らさっさと行くぞ」

 

「うん!行こう未来」

 

「そうだね、行こっか響」

 

そう言って私と響は湊の後を追いかけた

 

〜未来side out〜

 

「美味しいね葉月ちゃん」

 

「うん!」

 

「本当、今度レシピ教えて湊」

 

「別に良いぞ未来」

 

数分後、俺達は昼飯を食べている

 

「お兄ちゃん、ごめんなさいデス」

 

「私もごめんなさい、切ちゃんと一緒に時間を忘れちゃってた」

 

「次気を付けてくれたら大丈夫だから気にするな」

 

「「ありがとう(デス)湊さん(お兄ちゃん)」」

 

切歌と調は俺を呼びに行くのを忘れてた事に気付きあからさまにしょんぼりして食べている

 

「キャロルちゃんとエルザちゃんも一緒に食べようよ」

 

「断る」

 

「わたくしもお断りするであります」

 

俺達の所から離れた場所で食べるキャロルがそう言う

 

「2人共本当に響の事苦手なんだね」

 

「ま、悪いのは響だからな」

 

「う〜ん、エルザちゃんは初めて会った時に尻尾を触っちゃったからだと思うけどキャロルちゃんは何で何だろ?」

 

「それが分からない限りお前はキャロルとは仲良くなれないだろうな」

 

「あはは…」

 

俺の言葉に未来は苦笑いをして居た




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250話

「おはようパパ」

 

「お前らもう起きてたのか」

 

「ああ、俺達もついさっき起きたばかりだ」

 

翌日、響は昨日の深夜漸く読書感想文を書き終え何とか夏休みの宿題を間に合わせた

 

「にしてもキャロルが来てから彼奴ら来なくなったから凄え助かってんだよな」

 

俺の家に来てからキャロルは葉月と一緒で俺部屋で寝てる。俺の隣が空いてないかなのかは知らないが切歌とルナが俺の部屋で寝る事が少なくなって居た。キャロルが来るまでは毎日の様に2人のどちらかが居たがキャロルが来てからはあったとしても月に1回あるかないかだ。もしかするとあの2人にとって俺の隣で寝るって言うのが大事なのかもしれない

 

「葉月学校の準備は終わってるのか?」

 

俺は葉月の髪をブラシで解かしながらそう聞く

 

「うん!昨日切歌お姉ちゃんと調お姉ちゃんと一緒にしたよ!」

 

「そうか、出来たぞ」

 

俺は葉月にそう言うと次にキャロルの髪をブラシで解かす

 

「キャロルお前も俺達が居ない間家の事頼んだぞ」

 

「ん…任せておけ」

 

キャロルは気持ち良さそうにしながらそう言う

 

「あ、キャロルちゃんと葉月ちゃん湊もおはよう」

 

「起きたか未来、響は如何した?」

 

「それがまだ起きないんだ、何度も起こそうとはしたんだけどね」

 

響の奴まだ起きてないのか

 

「響は俺が起こすから未来は先にリビングに行っててくれ」

 

「うん、ごめんね湊」

 

「お前が謝る必要はないだろ、悪いのは起きない響なんだからな」

 

俺はそう言って未来と響が寝て居た部屋に入る

 

「おい響起きろ朝だぞ」

 

「ん〜、大丈夫だよ未来学校は明日からだからさ」

 

此奴今日が何日か忘れてるのか

 

「良いから起きろ響、それと俺は未来じゃねえぞ」

 

俺はそう言って響の布団を剥ぎ取る

 

「ふぁ〜、今日はいつもより乱暴だね未来」

 

響はそう言って起き上がり薄く目を開けて俺を見る

 

「漸く起きたか響」

 

「みっ湊君⁉︎なっ何で此処に‼︎」

 

「さっき未来とあってな何度起こしても起きないって言うから俺が起こしに来た」

 

俺は驚いている響に俺が起こしに来るまでの経由を説明する

 

「そうなんだ、それにしても学校は明日からだって言うのに真面目だね湊君は」

 

「お前通信機見てみろ」

 

俺がそう言うと響は通信機で日付を確認する

 

「9月1日…あれ?私の夏休みの最終日は⁉︎」

 

「お前ずっと勉強してて分かってなかったのかも知れないが昨日が夏休み最終日だ」

 

「そんな〜、夏休みの宿題頑張って終わらせて気兼ねなく遊ぼうと思ってたのに」

 

そんな事考えてたのか響

 

「それがしたかったなら早めに宿題を終わらせれば良かっただけだろ」

 

「あはは、それを言われちゃうと何も返せないよ」

 

「未来も切歌達も全員待ってんださっさと行くぞ」

 

「うん!」

 

俺と響はそう言って部屋を出てリビングに向かった




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251話

「にしても帰国途中にノイズか災難だったな」

 

「うん、私と翼さんで何とか対応は出来たんだけど」

 

俺は今日帰国したセレナと家に向かいながら話をしている

 

「彼奴ら俺達を追って此処まで来たのか」

 

「如何なんだろ…偶然じゃないとは思うけど」

 

「偶然にしては出来過ぎ出るから偶然じゃないだろうな」

 

「うん…あれって‼︎」

 

セレナは前方の生き物に気づいて車を停止させる

 

「アルカノイズ」

 

「やっぱ俺達を追って来てたか、被害が出る前に片付けるぞ!」

 

「うん!」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺とセレナは聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「数がいつもより少し多いね」

 

「ああ、だかやりきれない訳じゃないこのまま押し切るぞ」

 

「余裕をかましていると思わぬ見落としがあると言うワケダ」

 

すると上から突然声が聞こえる

 

「プレラーティ」

 

「お前達の相手は別に居ると言うワケダ」

 

プレラーティが放った結晶から出現したアルカノイズが辺り一帯を光で包む

 

「ん…此処は…」

 

次に目を開けるとそこには異空間が広がって居た

 

「さっきまで街中だったのね?」

 

「ああ、その筈だが…話してる余裕はくれないみたいだな」

 

俺の目線の先には大量のアルカノイズがこちらに向かって来ていた

 

「たく多いにも限度ってもんがあるだろ!」

 

俺はアルカノイズのを斬りつけるが何事も無かった様に修復する

 

「何だよこれ‼︎」

 

「もしかしてこの前湊君達が戦った蛇みたいなのと同じなのかな」

 

「わかんねえよ、一旦引いて体制を立て直すぞ」

 

俺達が一度引いて体制を立て直そうとしていると風鳴司令から通信が入る

 

「こんな時に何だよ風鳴司令‼︎」

 

『そちらの状況は理解している。現在響君達も同じ状況下だ』

 

『そこではアルカノイズによる武装差障壁がプラクトルによって変化しインパクトによる調律が阻害されて居ます』

 

「調律が阻害…何程なそれでシンフォギアの質力が下がった様に感じるのか」

 

『はい』

 

俺の質問にエルフナインがそう答える

 

「俺の攻撃で抜けないんじゃセレナも無理だろうからな、エルフナイン響達は如何してる」

 

『響さん達は現在イグナイトモードに移行して未だなお交戦中です』

 

イグナイトモードか成る程

 

「セレナ、聞いての通りだ俺達もやるぞ!」

 

「うん!」

 

「「セイクリッドモジュール、抜剣‼︎」」

 

俺とセレナはその掛け声と共にペンダントにその部品を装填しセイクリッドモードに移行して戦闘を再開する

 

「たく!次から次へと!」

 

「はぁ…はぁ…「セレナ後ろだ」やあ!」

 

セレナは後ろからのノイズの攻撃に何とか対応するがそろそろ限界の様だ

 

「このままじゃ埒があかねえ」

 

『湊さん!何処かにその亜空間を維持している核がある筈ですそれを破壊して下さい‼︎』

 

「核か、一か八かだ」

 

《雷精》

 

俺が雷を辺り一面に落とすと1体の巨大なアルカノイズが姿を表す

 

『それです!それを破壊して下さい!!』

 

「分かった‼︎」

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺は両手に携えた大剣のアームドギアから雷を放出し自身を雷を纏う鳥と化させアルカノイズに突進して行く

 

「如何だ‼︎」

 

俺がアルカノイズを貫くとアルカノイズは消滅し辺りに居たアルカノイズ達も消えた

 

「何とかなったな」

 

「うん」

 

セレナはふらふらになりながらそう返す

 

「そんなんじゃ車の運転なんて無理だろ、後は俺のバイクで帰るぞ」

 

「うん、お願い湊君」

 

俺がそう言ってバイクに乗るととセレナもバイクに乗り俺にしがみつく

 

「しっかり捕まってろよ」

 

「うん」

 

俺はセレナの返事を聞いてバイクを発進させた




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252話

「良かったの湊君、避難誘導への参加で」

 

「ああ、そっちの方が楽だからな」

 

数日後、俺はノイズとの戦闘ではなく松城の避難誘導の方に参加して居た

 

「お婆さん、ついさっき避難指示が出されましたよ」

 

俺とセレナで避難し遅れた人が居ないか探していると籠を背負った婆さんが居た

 

「そうじゃね、けどトマトの最後の収穫時期を迎えていてね」

 

「…なあそのトマトの収穫が終わったら此処から避難してくれるか?」

 

「そのつもりじゃよ」

 

だったらこの婆さんをさっさと避難させるには

 

「良いかセレナ?」

 

「うん」

 

「どうかしたのかい?」

 

俺とセレナが話して近づくと婆さんはそう聞いてくる

 

「私達も手伝います」

 

「早く終わればその分俺達の避難誘導って仕事も早く片付くからな」

 

「ありがとうね、なら向こうのトマトをお願いしようかね」

 

俺とセレナは婆さんが指さした方のトマトの収穫をしに行った

 

「婆さん、向こうの終わったぞ」

 

「ありがとうね。やっぱり若い子が居るのと居ないのとじゃ偉く違うね」

 

「にしても色も形も良い物ばかりだな…」

 

「本当に、見ただけて大事に育てられてる分かるよ」

 

トマトの収穫をしているとふとそんな言葉が出て来た。実際に色と言い形と言いスーパーで売っている物とは比べ物にならないくらい良い物ばかりだ

 

「切ちゃん前!」

 

すると聞き覚えのある声が聞こえた後見覚えのある人物が婆さんとぶつかる

 

「ごめんなさいデス!」

 

「大丈夫ですか」

 

「大丈夫だよ、こっちこそすまないね」

 

「たく、ちゃんと前見ろよ切歌」

 

「お兄ちゃん、それにセレナまで何してるデスか?」

 

俺はマリア達にこの婆さんを手伝う事になった経由を話す

 

「それで湊さんとセレナはお婆さんのお手伝いを」

 

「本当に良くしてくれてるよ。あ、一つ食べるかい?」

 

「美味しそうデス!」

 

「美味しいよ、食べてごらん」

 

婆さんはそう言って切歌と調にトマトを1つずつ渡す

 

「あ〜ん…ん〜!美味しいデス!調も食べるデスよ!」

 

「いただきます」

 

そう言って調もトマトを食べる

 

「本当だ!近所のスーパーとは違う!」

 

「ほら、手伝って貰ったお礼だよ」

 

婆さんはそう言って俺とセレナにも切歌や調と同じ様にトマトを渡す

 

「それじゃあ…」

 

「いただきます」

 

俺とセレナはトマトを口に運ぶ

 

「美味い」

 

「本当に美味しい」

 

「そうじゃろう、丹精込めて育てたトマトじゃからなぁ」

 

「あっあのねお母さん…「キャハーン」!!」

 

「みーつけた」

 

声のする方を向くとそこにはカリオストロが居た

 

「あらら、じゃ無い方いろいろ残念な三色団子ちゃん達か…それでも、治癒の子ともう1人が居るのね」

 

「三…」

 

「色…」

 

「ぎにー!団子とはどう言う事デスか!!」

 

まあ三色団子に比べたら俺のはまだマシな方か

 

「見た感じよ怒った?でもがっかり団子三姉妹を相手にしてもねぇ。ねぇ、貴方もう1度考え直さないかしら?貴方が今直ぐ私達の味方に付くなら今回は何もせずに帰ってあげても良いわよ」

 

「何度聞かれても変わらない答えはNoだ」

 

「あら残念、それなら貴方達2人以外の戦えるあの子達が来る前に片付けてあげちゃう!」

 

カリオストロはそう言ってアルカノイズを出現させる

 

「此処は俺とセレナが引き受けるマリアお前達は婆さんを連れて逃げろ!」

 

「わかったわ、気をつけて行くわよ切歌!調!」

 

マリアがそう言って婆さんを背負い切歌と調もそれに続いて走って行った

 

「やるぞセレナ」

 

「うん、湊君!」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺とセレナは聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「今回は私も戦うのよ!」

 

カリオストロがそう言って青い球体飛ばすがそれは空からの攻撃に砕かれる

 

「「姉さん(クリス)!」」

 

「応援に来てやったぜ湊、セレナ!」

 

ミサイルから降りた姉さんがそう言って俺達の隣に来る

 

「お前とセレナはアルカノイズをやれ彼奴はあたしがやる」

 

「ああ、なら俺は楽をさせてもらう!」

 

「うん、クリスも気をつけてね」

 

そう言って俺とセレナはアルカノイズを倒す

 

「此奴で最後だな」

 

最後のアルカノイズを倒して姉さん達と合流するとそこにカリオストロの姿はなかった




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253話

「たく、昼間にも現れたってのに随分と出て来てくれたもんだ」

 

そう言う俺の目の前には無数のアルカノイズが居る

 

「これだけの数」

 

「先に行かせてたまっかよ」

 

「そうだね」

 

「ああ、猶予はない刹那に薙ぎ払うぞ!」

 

「「「「了解」」」」

 

『イグナイトモジュール(セイクリッドモジュール)、抜剣!』

 

俺達は一斉に抜剣を行いアルカノイズに対応する

 

「アルカノイズの方はそろそろ終わりそうだな」

 

「ああ、だが問題は彼奴らが未だに出て来て居ない事だ」

 

アルカノイズを倒し初めて数分、アルカノイズを出現させている筈のサンジェルマン達の姿が一向に見えない

 

「彼処か!」

 

「見えた!推して参るは風鳴る翼!この羽ばたきは何人たりとも止められまい!!」

 

「待て翼!何かおかしい‼︎」

 

《炎鳥極翔斬》

 

サンジェルマン達を見つけた翼はサンジェルマン達に向かって行く

 

「く!何⁉︎ギアが‼︎ぐああ!」

 

「チッ!だから言ったのによこれは…」

 

俺はアルカノイズの対処を中断し翼を受け止めると翼のイグナイトは解除されて居た

 

「まさか…ファウストローブ」

 

そこにはファウストローブを纏ったサンジェルマン達の姿があった

 

「よくも先輩を〜‼︎」

 

「辞めろ姉さん!無策で戦おうとするな!」

 

俺の言葉を無視して姉さんはサンジェルマン達に攻撃する

 

「クリス‼︎湊君これ‼︎」

 

「ああ、彼奴らの攻撃をもろに受けるとそうなるみたいだ翼のイグナイトも解除されてる」

 

カリオストロの攻撃を受けて吹き飛ばされセレナに受け止められた姉さんも翼同様にイグナイトは解除されて居た

 

「残す装者はお前達3人だけだ」

 

「シンフォギアでダメなら此奴を使うまでだ!」

 

俺はギアを解除してインドラの槍のファウストローブを纏う

 

「セレナお前は別方向からアルカノイズが接近して来た時の為に風鳴機関本部に迎え」

 

「うん、湊君も気をつけて」

 

セレナはそう言って風鳴機関本部に向かった

 

「後ろだ響‼︎」

 

「は‼︎」

 

サンジェルマンの銃口から放たれた光は響の後ろで停滞した後に爆発しその爆発に巻き込まれた響もイグナイトが解除された状態で地面に倒れる

 

「その馬鹿みたいな力、まさかラピス・フィロソフィカスか」

 

「ああ、ラピス・フィロソフィカスのファウストローブ、錬金技術の覇王、賢者の石と人は言う」

 

「その錬成にはチフォージュ・シャトーにて解析した世界構造のデータを利用、もとい応用させて貰ったワケダ」

 

つまりチフォージュ・シャトーで解析した世界構造のデータが此奴らに渡っているのか

 

「貴方達がその力で誰かを苦しめると言うのなら私は…」

 

「誰かを苦しめる?野外な、積年の大願は人類の解放世界のくびきから解き放つに他ならない」

 

「人類の解放…だったらちゃんと理由を聞かせてよ…それが誰かの為ならば私達きっと手を取り合える」

 

「手を取り合う?」

 

響がそう言うとサンジェルマンは聞き返すかの様にそう言う

 

「もう良い響、喋らないで寝てろ」

 

俺がそう言うと響は目を閉じ安定した呼吸をする

 

「さあ我々と共に来い雪音湊」

 

「今直ぐ来れば此処に居る連中は見逃してやるワケダ」

 

「俺の答えは変わらない」

 

「そう、残念ね…は!あの光!」

 

カリオストロの言葉にサンジェルマン達が上空を見上げるので俺も同じ場所を見るとそこでは男性が黄金の光を集めて居た




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254話

「くっ、統制局長アダム・ヴァイスハウプトどうして此処に」

 

統制局長、アダム・ヴァイスハウプト彼奴が此奴らの親玉か

 

「何を見せてくれるワケダ!」

 

「金を錬成するんだ決まってるだろ、錬金術師だからね僕達は‼︎」

 

そう言ってアダムと呼ばれた男はその黄金の光を巨大な炎の球に変える

 

「2人共、局長の黄金錬成に巻き込まれる前に早く」

 

そう言ってサンジェルマン達は撤退して行く

 

「残念だったよ雪音湊、君が僕達の誘いを断るような事が無ければこんな事にはならなかっただろうに」

 

(彼奴らはまあ良い、だがこっちには…)

 

サンジェルマン達の方は全員が動ける状態だ、しかし俺達の方は動かないのが3人居る。俺1人じゃとても運べない

 

「行くしかねえか」

 

そう言ってインドラの槍をサンダルフォンのシンフォギアに切り替えアダムに向かって行こうとすると誰かがその手を掴む

 

「お前ら、如何して此処に」

 

そこにはマリア達が居た

 

「私達だって皆んなを守りたい」

 

「でもそれでお兄ちゃんが犠牲になったら意味が無いのデス」

 

「私達も協力するわ、だから此処は撤退するわよ」

 

「お前ら…ああ、全員生きて帰るぞ」

 

俺の言葉にマリア達は頷く

 

「くっ!」

 

「このままじゃ間に合わない」

 

「お兄ちゃんからのlinkerの効果時間もやばいデスよ」

 

「もう持たない」

 

マリアが翼を俺が姉さんを切歌と調が響を連れて走るがそれに気づいたのかアダムが火の球を投下する

 

「仕方ない、お前ら最終手段を取る」

 

《雷鳥》

 

俺は大剣を雷鳥に変更させ乗る

 

「その大きさに私達全員は無理よ!」

 

「だからこうするんだよ」

 

俺はそう言って姉さん達3人を通信機の中に入れる

 

「これならいけるだろ‼︎」

 

「ええ‼︎2人共早く‼︎」

 

俺がマリアを乗せるとマリアは切歌と調に向けてそう言う

 

「うん」

 

「がってんデス!」

 

そう言ってジャンプする調の手をマリアが切歌の手を俺が取る

 

「このまま上空に向かう振り落とされたら回収は無理だから振り落とされるなよ!」

 

そう言って俺は雷鳥を上空に向けて飛ばす

 

「逃れたか、まあ良い目的は達成されたのだから」

 

アダムはそう言って姿を消す

 

「行ったみたいだな」

 

「ええ」

 

「でも私達を倒せて居ないのに目的は達成されたって」

 

「訳が分からないデス」

 

俺達は誰も居なくなった上空でそう話す

 

「にしてもあれだけデカイ建物が丸々1つ吹っ飛んだと考えるとゾッとするデス」

 

「本当、湊さんが居て助かった」

 

「一先ず考えんのは後だ」

 

「そうね、翼達の容体も見る必要もあるでしょうしこのまま本部に向かって頂戴」

 

「了解」

 

俺はマリアにそう言うと雷鳥を風鳴司令達の居る本部に向かわせた




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255話

「ん…此処は…」

 

「漸く起きたか翼」

 

「湊…」

 

数時間後、漸く気を失って居た翼が目を覚ました

 

「雪音と立花は」

 

「お前の隣に居るだろ、2人共目は覚ましてない」

 

「そうか、済まなかった湊」

 

すると突然翼に謝罪される

 

「何の事でだ」

 

「先程の事だ、お前は敵の様子が可笑しい事にいち早く気付き私を引き止めてくれたにも関わらず私は敵に向かっていきあまつさえ醜態を晒してしまった」

 

「ちゃんと分かってんじゃねえか、風鳴司令達を呼ぶ」

 

俺がそう言うと翼は頷く

 

「目が覚めたか翼」

 

「ご心配をおかけしました叔父様」

 

「でも良かったわ、貴方がこの調子なら2人も大丈夫でしょう」

 

「そうデスね」

 

「うん」

 

俺が風鳴司令を呼ぶと一緒に居たマリア達も来た

 

「それで湊君、君に聞きたい事があったんだが」

 

「ああ、ラピス・フィロソフィカスの事だろ」

 

俺の言葉に風鳴司令は頷く

 

「ラピス・フィロソフィカス、今の人間に分かる様に言うと賢者の石だな」

 

「賢者の石それは古来より錬金術師たちが追い求めてきた技術体系の到達点であり同時にその中間地点でもあります」

 

「そのラピス・フィロソフィカス聖遺物と同じで高質量のエネルギーソースになるかもしれないんだがラピス・フィロソフィカスは聖遺物じゃなく現代の錬金術師が有する最新叡智の結晶体だったんだ。しかも1番厄介なのが物質の変成を促す作用以外にも万能薬としての一面も備えてて病を初めとするあらゆる不浄を焼き尽くすとか言う言い伝えもあるんだが恐らく事実だろう」

 

「はい、翼さん達のイグナイトモジュールが解除された理由も恐らくそこだと思います。ですのでラピス・フィロソフィカスはイグナイトモジュールにとって1番の天敵と言えるでしょう」

 

彼奴はラピス・フィロソフィカスが魔剣ダインスレイフに対して強力に作用し強制的に引き剥がす事が出来ることを恐らく理解できて居たんだろう。そしてそれによる負荷でダメージを与えられることも少なからず考えれて居ただろう

 

「幸いなのが湊君が作り出したセイクリッドモジュール、あれはダインスレイフの様に呪われた剣ではなく聖剣エクスカリバーによる大いなる天災をも切り裂くとされている剣だ。イグナイトモジュールの様にラピス・フィロソフィカスの力で無力化されることもないだろう」

 

「ああ、だが前にも話した通りエクスカリバーの欠片がもう用意出来ないから新しいのを作り出すのが無理な所が厄介だ。鳩木と神奈月を前線に連れて来る必要があるが鳩木の方は兎も角神奈月にはまだ早いかもしれない」

 

「そうね、鳩木佳奈子の方は貴方とも多少なりとも渡り合えて居たのだから前線に連れて来ても問題はないでしょうけど問題はもう1人の神奈月春香でしょうね」

 

俺と鳩木の模擬戦を見た事のあるマリアがそう言って鳩木の前線への参加を肯定する

 

「そうか、切歌君、調君、明日の放課後2人を本部まで連れて来てくれ」

 

「「はい」」

 

風鳴司令の言葉に切歌と調はそう返した




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256話

「司令!佳奈子と春香ついでに途中で見つけたお兄ちゃんを連れて来たデス!」

 

「たく、何で俺まで」

 

翌日、学校から帰っていると鳩木達を連れた切歌と調に会いそのまま流れる様に俺も本部に連れて行かれた

 

「あの弦十郎さん私達に何か御用ですか?」

 

「ああ、君達を呼んだのは君達2人が使う湊君が製作したしたセイクリッドモジュールを使っているからだ。先の戦いの中で敵勢力に翼と響君そしてクリス君のイグナイトモジュールが解除されると言う事態が発生した、それに太刀打ち出来るのが湊君とセレナ君そして君達2人の使うセイクリッドモジュールだ。そこで君達2人にも前線に出てもらいたいんだ。無論、無理強いはしない前線に出るかどうかそれは君達自身が決めてくれれば良い」

 

風鳴司令にそう言われて鳩木と神奈月は考える

 

「私に出来るでしょうか」

 

「貴方なら出来るわ」

 

「マリアさん」

 

自信なさげに言う鳩木にマリアがそう言う

 

「貴方と彼との模擬戦を見せて貰った事があったわよね、シンフォギアを纏って数ヶ月で彼とあれだけ戦えたら凄いわ」

 

「分かりました、弦十郎さん私やってみます!」

 

「そうか、春香君はどうする」

 

「私も…私もやります」

 

「そうか「待って下さい叔父様」どうした翼」

 

神奈月が前線に出る事を決めると翼が中に入って来る

 

「叔父様、私は彼女が神奈月が前線に向かうのは得策ではないと思います。鳩木とは風鳴の屋敷で私も手合わせをした事があるので実力は前線に向かえるだけの実力はあると思います。ですが神奈月の実力は不明な上に鳩木に便乗しただけに思えます。そんな簡単な気持ちで戦さ場の最前線に向かうなど自殺行為と同じ、私にはそれがどうしても認められません‼︎」

 

確かに鳩木が行くと言うまで神奈月は何も話そうとしなかった。自分からであれば翼も便乗とは捉えられず純粋に神奈月を鍛えようとは思っていたんだろう

 

「確かに翼の言い分も分かるな」

 

「待って下さい翼さん!春香ちゃんにそんなつもりはなくて」

 

「鳩木、これから2人が向かうのは戦さ場の最前線、生半可な気持ちで行って良い場所じゃないんだ」

 

「でも」

 

「諦めろ鳩木、翼の言っていた事は全て事実だ」

 

俺が鳩木を止めると翼は神奈月に近づく

 

「神奈月今から私とお前で模擬戦をするぞ」

 

「え…」

 

「お前の力を私を認めさせられれば私は何も言わずに最前線に出向くお前を目送ろう、しかし私を認めさせなければお前を最前線になど行かせない」

 

これも翼なりの優しさなんだろう。もう天羽奏、彼女の様に誰かにいなくなって欲しくないんだろう

 

「分かりました。翼さんが私を認めてくれないって言うなら私やります。そして必ず翼さんに認めてさせて見せます」

 

「決まりだな、直ぐに鍛錬場に来い」

 

「はい!」

 

「春香ちゃん…」

 

「大丈夫だよ直ぐに終わらせて来るよ」

 

神奈月はそう言って翼と鍛錬場に向かって行った




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257話

〜翼side〜

 

「来たか神奈月」

 

「はい」

 

私がそう言うと神奈月はそう返す

 

『それでは模擬戦開始‼︎』

 

「いざ押して参る‼︎」

 

「はあ‼︎」

 

《蒼ノ一閃》

 

《水ノ一閃》

 

私は大型化させた大剣状のアームドギアを振るい、巨大な青いエネルギー刃を神奈月に向けて放つと神奈月は刀の刀身に水を纏わせそれを斬撃として飛ばす

 

「ならば!」

 

《千ノ落涙》

 

私は空間から大量の青いエネルギー剣を具現化し、上空から落下させる

 

「はあ!」

 

《水帝》

 

神奈月が水を纏わせた刀を地面に突き刺すと神奈月を守る様にして水の壁が出現して防ぐ

 

「くっ「やああ!」何⁉︎」

 

私が地面に着地すると神奈月はその壁を突き破って私に突進してくる

 

「はあ!」

 

《風輪火斬》

 

私は2本のアームドギアの柄を繋ぎ合わせて双刃刀へと変形させ、炎を纏わせながら振り回し神奈月に斬りかかる。

 

「くっ!」

 

「はあ!」

 

すると神奈月はそれを一振りで受け止め押し返す

 

「はあ!」

 

《水龍天翔斬》

 

神無月は靴底の穴から水を噴射させて早速し水を纏う龍と化して私に突進して来る

 

「ならば私も真打をくれてやろう」

 

《炎鳥極翔斬》

 

私は両手に携えた直剣のアームドギアから火炎を放出し自身を青い火の鳥と化して神奈月を迎え撃つ

 

「ふっ‼︎」

 

「しまった‼︎」

 

私と神奈月の攻撃がぶつかる寸前神奈月は進路を上に変更し私の上を取る

 

「はああ‼︎」

 

神奈月は私の上を取ると技を切り替え先程の何倍もある水で伸ばされた刀身を私に向けて振るった

 

『そこまで!勝者、神奈月春香』

 

神奈月の攻撃を受けて地面に倒れる私にそう言う叔父様の声が聞こえる

 

「あの…大丈夫ですか翼さん」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

私はそう言って手を伸ばす神奈月の手を取る

 

「それで…結局私は」

 

「ふぅ、これなら最前線に出たとしてもやっていけるだろう。済まなかったな神奈月ろくに実力も見ずに否定的な態度を取ってしまって」

 

「大丈夫ですよ」

 

「そうか、皆が待っている戻るとしよう」

 

「はい!」

 

私と神奈月はそう言って鍛錬場を出る

 

〜翼side out〜

 

「春香ちゃん‼︎」

 

「やったよ佳奈子‼︎」

 

「うん!おめでとう‼︎」

 

鳩木と神奈月は互いに抱きしめあって喜びを分かち合う

 

「ただいま戻りました叔父様」

 

「ああ、ご苦労だった翼。だがまさか春香君にあれ程までの実力が隠されていたとはな」

 

「ええ、何よりセイクリッドモジュール抜きであの腕前、今後の鍛錬次第で神奈月はまだまだ伸びると思います」

 

まあ今までもちゃんと鍛錬を積んでたらもっと強くなってたし翼も神奈月の事を弱くは見なかっただろうけどな

 

「佳奈子君、そして春香君これから出撃頻度は増えるだろうが頼んだぞ2人共」

 

「「はい‼︎」」

 

風鳴司令の言葉に鳩木と神奈月はそう返した




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258話

「お帰り湊君、春香ちゃんと佳奈子ちゃんどうだった?」

 

俺が本部から戻るとセレナが俺にそう聞いてくる

 

「ああ、2人共前線に向かっても良いそうだ」

 

「そっか、私達も負けてられないね」

 

「だな、特に神奈月は最初からちゃんと鍛錬を積んでたらセレナとも負けず劣らずの模擬戦が出来たんだろうな」

 

彼奴は伸び代もあるしこれを機にちゃんと鍛錬を積んでくれれば良いんだけどな

 

「戻ったぞ」

 

「ただいま!パパだ‼︎」

 

暫くすると夕飯の買い出しに行った葉月とキャロルが帰って来た

 

「ありがとなキャロル、葉月に付き合ってくれて」

 

「ふん、俺にかかればこの程度の事ぞうさもない」

 

「それでも助かった」

 

「ふん、そこまで言うなら報酬を受け取ってやろう」

 

キャロルはそう言って俺の膝の上に座る

 

「ほら、さっさとしろ」

 

「分かったからじっとしろ」

 

俺はそう言ってキャロルの頭を撫でる

 

「中々に気持ちいい」

 

「そうか、それは良かった」

 

「キャロルお姉ちゃん!葉月にもして‼︎」

 

「し…しかたのない奴だな」

 

キャロルはそう言って俺の膝から降りると葉月を撫で始める

 

「キャロルお姉ちゃん気持ちいい」

 

「全く、今日だけだからな」

 

キャロルは不貞腐れた様にそう言うがその顔は何処か嬉しそうにしている

 

「キャロルちゃん嬉しそう」

 

「そんな事しててまたキャロルにどやされても知らないからな」

 

俺はそう言ってキッチンに向かう

 

「ご主人お帰りなさい」

 

「帰ってたでありますか湊」

 

キッチンに向かう途中でエルザとルナに遭遇する

 

「お前ら何やってんだ」

 

「わたくし達は今地下から戻って来た所であります」

 

地下って事は此奴らも鍛錬場に行ってたのか

 

「お前らセレナにちゃんと言ってやれよお前らの事随分と探し回ってたみたいだぞ」

 

「る…それについては反省してる」

 

「セレナは心配性の度が過ぎるであります」

 

「まあ確かに否定は出来ないな」

 

少し前に初めて葉月に1人で買い出しに行かせたがセレナはその後をずっと着けて行きそれにキャロルまで巻き込んでたからな。まあそのお陰で葉月が財布を落としたのに気付いて届けられた訳なんだが

 

「心配をしてくれるのはとても嬉しいでありますがそれも度が過ぎるとそれはそれで困りものであります」

 

「るる、でも心配してくれる人が居るとやっぱり嬉しい」

 

「そうだな、晩飯何か食べたいものあるか?」

 

「ハンバーグ」

 

「わたくしはカレーが食べたいであります」

 

カレーとハンバーグかバラバラだな

 

「カレーの上にハンバーグ乗っけるか」

 

「るる、それなら私とエルザの食べたいのがどっちも食べれる。それに私は両方食べたいからそれでも構わない」

 

「そうでありますね、ならそうするであります」

 

(なんだかんだ言ってこの2人も切歌と調に負けず劣らず仲が良いよな本当に)

 

俺はそんな事を考えながら再びキッチンに向かった




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259話

「お兄ちゃん少し手伝って欲しい事があるデス!」

 

「手伝って欲しい事?」

 

数日後、俺はまた切歌に本部に連れてこられたが今回は調も一緒だった

 

「で何を手伝うんだ俺は」

 

「私達と模擬戦をして欲しい」

 

「お前らと模擬戦?」

 

何を言い出すんだ此奴らは

 

「お兄ちゃんの言いたい事は分かってるデス、でも何もしないままは嫌なんデス」

 

「分かった、付き合ってやるよ」

 

「「ありがとう(デス)」」

 

俺が了承すると切歌と調はそう言って頭を下げた

 

「それじゃあ準備は良いか?」

 

「はい!」

 

「何時でもOKデス!」

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Guidance shen shou jing rei zizzl〜

 

俺達は聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「お兄ちゃんサンダルフォンじゃなくても良いんデスか?」

 

「もしかして私達に気を使って?」

 

「違う、神獣鏡を使い慣れてる事にデメリットは無いからな」

 

実際にサンダルフォンばかり使って神獣鏡をあまり使いこなしてないのも事実だからな

 

「そんじゃ始めんぞ」

 

そう言うと俺の周りにシュミレーション用のノイズが出現する

 

「行くデスよ調!」

 

「うん」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

切歌がアームドギアの刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばしてノイズを攻撃する

 

「湊さんの相手は私!」

 

「良いぞかかって来い」

 

俺がそう言うと調は俺に向かって来る

 

「シュルシャガナの刃は全てを切り開く無限軌道!目の前の障害も私達の明日も!」

 

《Δ式 艶殺アクセル》

 

「甘い」

 

スカートを円状の刃に変形させ、体を回転させて周囲のノイズを倒して行く調に向けてミラーデバイスの光を放出する

 

「まだ負けない!」

 

《γ式 卍火車》

 

ツインテール部分を伸縮可能なアームとして扱い、2枚の巨大鋸を投擲し攻撃を交わしながら突っ込んで来る

 

「くっ!」

 

「お前らそろそろ身体が限界なんじゃねえか」

 

「まだまだ!」

 

「その威勢だけは認めてやる、おい調一旦中断だ‼︎」

 

大型のノイズを倒そうとした所で攻撃が不発に終わり落下する切歌を受け止める

 

「大丈夫切ちゃん?」

 

「お兄ちゃんに受け止めて貰ったので何とか大丈夫デスよ調」

 

「調ちゃん!切歌ちゃん!」

 

そこに響達が入って来た

 

「linkerも無いのにどうして」

 

「私達がlinkerに頼らず戦えていれば…あんな事にも…」

 

「あれは例えお前達がlinker無しに戦えて居たとしても撤退して居た。だからお前達が責任を感じる必要はないんだ」

 

そう言って俺は切歌を床に下ろす

 

「私は大丈夫デス、それよりもお兄ちゃん続きをするデスよ」

 

「今は休憩が必要だ、焦ってばかりだと大きな見落としがある」

 

「その必要は無いデス、linkerに頼らなくても良い様に適合係数を上げなきゃデス」

 

切歌はそう言って立ち上がる

 

「ダメだよこんな無茶!一歩間違ったら死んじゃうかもしれないんだよ!」

 

「経緯もよくわからままに十分な適合係数を物にした響さんにはわからない!「調」ごめんなさい」

 

「お前の気持ちも分かる、だがそれを誰かにぶつける事だけはするな」

 

「はい、切ちゃん湊さんの言う通り少し休憩にしよう」

 

「さいデスか、調がそう言うなら少し休憩にするデスかね」

 

切歌と調はそう言ってトレーニングルームを出て行った




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260話

「全く彼奴らは湊まで巻き込みやがって」

 

「仕方ないわよ、何時かきっとlinkerは完成する。だけどその何時かを待ち続けるほど私達の盤面に余裕は無いわ。貴方もあの子達の過剰な無茶を抑える為に一緒になってしてくれたのよね」

 

マリアの言葉に俺は頷く

 

「方法は有ります。linkerの完成を手繰り寄せる最後のピースを埋めるかも知れない方法が」

 

「最後のピース?」

 

マリアがそう聞くとエルフナインは頷く

 

「ウェル博士に手渡されたlinkerのレシピで唯一解析出来ていない部分、それはlinkerがシンフォギアを装者の脳のどの領域に接続し負荷を抑制しているかです。フィーネやFISの支援があったとはいえ1からlinkerを作り上げたウェル博士は色々は兎も角、本当に素晴らしい生科学者だったと言えます」

 

「素晴らしい…ゾッとしない話ね」

 

エルフナインの言葉にマリアはそう返す

 

「確かにな、マリアや切歌達からすれば良い話じゃないかもな」

 

「あの…難しい話は早送りにして最後のピースの所まで飛ばしてよ」

 

「鍵はマリアさんの纏うアガートラーム、そしてセレナさんの纏うカマエルにあります」

 

「白銀の…私のギアに?それにセレナのギアにも?」

 

マリアの言葉にエルフナインは頷く

 

「アガートラーム、特性の中にエネルギーベクトルの制御があります。対してカマエルには熱エネルギーのみの制御です。土壇場で度々見られたマリアさんのアガートラームの発光現象、脳とシンフォギアを行き来する電気信号がアガートラームの特性によって可視化それどころかギアからの負荷をも緩和したのでは無いかと僕は推論します。これまでずっと任務の合間に繰り返して来た訓練によってマリアさん達の適合係数は少しずつ上昇して来ました。恐らくはその結果だと思われます」

 

「それじゃあ私達の頑張りは無駄ではなかったのね」

 

「ええ、マリアさんの脳内に残された電気信号の痕跡を辿って行けば」

 

「linkerの作用している場所が解明する…だけどどうやって」

 

「それこそウェルの野郎に頭を下げない限りは」

 

姉さんの言う通りウェルに頭を下げない限りは難しいかも知れない

 

「先日湊さんの協力の元完成した装置があります。それを使えば或いは」

 

「確かに、あれを使えばどうにかなるかも知れないが成功するって保証はないぞ」

 

俺はそう言って通信機からその装置を取り出す

 

「それは?」

 

「ウェル博士の置き土産ダイレクトフィールドバックシステムを錬金技術を応用して再現してみました。対象の脳内に電気信号化した他者の意識を割り込ませる事で観測を行います」

 

「つまりこれを使えば対象の頭の中を覗く事が出来るって事だ。そして理論上それは可能だ。だがそれには大きなリスクを伴う」

 

「大きなリスク?」

 

俺の言葉に響はそう聞いて来る

 

「人の脳内は複雑に入り組んだ迷宮だ。最悪の場合、観測者ごと被験者の意識は溶け合い廃人となる可能性も出て来る。だから確実に成功する目処がつくまでは使わない方が良いとは俺は思っている。だが今回それを決めるのはお前だ。どうする」

 

俺はそう言って真っ直ぐマリアを見る

 

「やるわ、ようやくドクターのlinkerの完成の目処が立ちそうなのに見逃す理由は無いでしょ?」

 

「そうか、分かった起動の準備が整うまで少し待っててくれ。それとセレナも同行させるから呼んでおいてくれ」

 

「分かったわ」

 

マリアはそう言ってセレナを呼びに行った




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261話

「観測者…つまり貴方達にもその危険は及ぶのね?」

 

「それが僕に出来る戦いです。僕と一緒に戦って下さいマリアさん!」

 

「ええ、一緒に戦いましょうエルフナイン」

 

エルフナインの言葉にマリアはそう返す

 

「セレナ貴方も一緒に頑張りましょう」

 

「うん、頑張ろうマリア姉さん」

 

セレナもマリアの言葉に頷きそう返す

 

「エルフナインとセレナ貴方達が私の此処に入ってくるのね?「その解釈は少し違うな」そうなの?」

 

「ああ、仮想空間に複写したマリアお前の脳構造に接続した後、エルフナインとセレナそしてマリア3人の意識を共有すると言った方が正しいな」

 

俺はマリアの小さな間違いを訂正する

 

「了解」

 

「それじゃあ装置を起動させるからな」

 

俺はマリアとセレナそしてエルフナインが頷いたのを確認して装置を起動させた

 

「友里後の事は頼んだ」

 

「ええ、分かったわ」

 

俺は友里にそう言ってその部屋を出る

 

〜セレナside〜

 

「此処は「セレナさん!」エルフナインちゃん、此処がマリア姉さんの」

 

「はい、マリアさんの脳内にある記憶です」

 

「それじゃあ私も此処に来た事があるかも…あれって…」

 

エルフナインちゃんと合流して近くを散策して居ると見覚えのある2人が見えた

 

「間違いない、まだF.I.S.に居た頃の私とマリア姉さんだ」

 

「あれがマリアさんとセレナさん」

 

私達が幼い頃の私とマリア姉さんを見つけると突然マムが現れて場面が切り替わった

 

「「痛…」」

 

幼い頃のマリア姉さんがマムにムチで打たれると私達も同じ場所に痛みを感じる

 

「今日から貴方達には戦闘訓練を行って貰います。フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは涙より血を流す事で組織に貢献するのです」

 

「思い出した。確かにこんな事があった。それでその後」

 

「マリア姉さん…」

 

「大丈夫よだから安心してセレナ」

 

マリア姉さんは私の記憶通りの言葉を言う

 

「そうか、意識を共有しているからにはマリアさんの記憶と体験は僕にもそしてセレナさんにも及ぶんです」

 

「だからマリア姉さんがマムにムチで打たれた傷と痛みが私達にも」

 

「はい、ですが此処は」

 

「此処はF.I.S.が私達レセプターチルドレンの観測を行ってた施設なんだ」

 

「すると此処にギアと繋がる脳の領域のヒントが?」

 

「分からない、でも…」

 

私はレセプターチルドレン達が戦闘訓練を受ける場面を見て当時の事を思い出して居た。でもマリア姉さんと私のマムの印象は随分と違う気がする

 

「これは!ノイズの記憶⁉︎」

 

「下がってエルフナインちゃん」

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

私は聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「凄い数…」

 

「逃げながら戦いましょうセレナさん、もし此処で死んでしまえば恐らく現実の僕とセレナさんも目を覚ましません」

 

「そうだね」

 

《紅炎華》

 

私はエルフナインちゃんと一緒に逃げながらノイズと戦う

 

「数が多い、こんな時湊君だったら…」

 

「セレナさん‼︎」

 

私が気を取られて居る内にノイズ囲まれて居る

 

「やあ‼︎」

 

《紅蓮の銃口》

 

私は両腕にあるアームドギアの銃口を浮遊する銃口と統合させ巨大な銃口に変形させて炎をレーザーの様に放出してノイズを倒す

 

「エルフナインちゃん今の内に早く!」

 

「はっはい‼︎」

 

普段出さない私の大声を聞いてエルフナインちゃんはノイズが倒された場所を走り抜ける

 

「セレナさんも!」

 

「うん!」

 

私もエルフナインちゃんの所に向かおうとするが私の周りにノイズが集まる

 

「はぁ…はぁ…キリが無い」

 

「セレナさん!」

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

「この聖詠…もしかして」

 

私が見上げると空から無数の青白いエネルギーが降り注ぐ

 

「いくら相手がエルフナインとセレナでも思い出を見られるのはちょっと照れくさいわね」

 

「マリア姉さん」

 

私はマリア姉さんが来た事に安心とノイズと戦い続けた疲労からギアが解除される

 

「このノイズの数の中で良く1人でエルフナインを守ってくれたわ」

 

「あの貴方は何時の記憶のどのマリアさんですか?」

 

「一緒に戦うって約束したばかりでしょ、この場に意識を共有するのなら居るのは貴方達だけじゃ無い。私の中で私が暴れて何が悪い‼︎セレナ貴方はエルフナインを連れて私に着いて来なさい‼︎」

 

「うん!」

 

私はエルフナインちゃんの手を引いてノイズを倒すマリア姉さんの後ろを着いて行った

 

〜セレナside out〜




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262話

「うう…」

 

「切ちゃん心配なのは分かるけど」

 

「分かっているのデス!全ては分かった上での決断なのデス!」

 

俺達は本部から離れて出店に来ている

 

「たく、自分で選んでおいて何やってんだよ。美味いか葉月」

 

「うん!凄く美味しい‼︎」

 

「そうか、お前らは如何だ」

 

俺は前の席に座るキャロル達にそう聞く

 

「ふん、まあまあだな」

 

「る…ご主人が作った方が美味しい」

 

「ガンス、同じくであります」

 

「お前ら正直が過ぎるだろ、それ買ったクレープ屋は目と鼻の先なんだぞ」

 

それにクレープなんて向こうで数回作ったくらいだしな

 

「それじゃあ行くデス、んぐ⁉︎」

 

「チョコ明太子味なんて大冒険するから」

 

「私の奢りを残すなよ常識人、美味いじゃねえか」

 

如何やら姉さんの口にはあったらしい

 

「これは願掛けなんデス、成功すればきっとマリアとエルフナインの挑戦はきっと上手く行くのデス」

 

「そんなのが願掛けになれば良いけどな」

 

「クリスお姉ちゃんのも頂戴」

 

「ああ、んじゃ交換だな」

 

そう言って葉月と姉さんはストロベリー味とチョコ明太子味を交換する

 

「ん、でもやっぱ王道が1番かもな」

 

「葉月これ好き!」

 

「そうか、ほら口の周りにチョコが付いてんぞ」

 

姉さんはそう言って葉月の口の周りに付いたチョコレートをハンカチで拭き取る

 

「ありがとうクリスお姉ちゃん」

 

「悪いな姉さん」

 

「こんくらい気にすんな、……」

 

姉さんはそう言った後ディスプレイから流れるニュースを見て険しい顔をする

 

「良かったねあの子またサッカーができる様になるんだね」

 

「だと良いんだけどな、悩んで下した決断が何時も正しい訳じゃない、それどころか初めから正解がないなんて事もザラにある」

 

「ステファンの事なら翼からある程度聞いてる、姉さんのやった事は間違ってねえよ。彼奴は姉さんがああしなきゃ足を失うだけじゃ無く死んでたんだからな」

 

「ああ、ありがとな湊」

 

そう言って姉さんはクレープを食べる

 

「ご主人、アルカノイズの匂いがする」

 

「気が付いたでありますかルナ」

 

「風鳴司令達からの指示を待ってる訳にはいかねえな」

 

俺達はそう言って立ち上がる

 

「何処行くんだよ」

 

「アルカノイズだ、被害が出る前に行くぞ」

 

「アルカノイズだと⁉︎なら何でおっさん達からの指示がねえんだよ」

 

「発見してから俺達に指示を出すんだ多少のタイムロスがあるのは当たり前だ。切歌、調、葉月の事は頼んだぞ」

 

「任せるデス!」

 

「湊さん達も気を付けて」

 

そう言って切歌と調は葉月を連れて本部に向かう

 

「師匠響です」

 

「遅えんだよおっさん!こっちはもう向かってる途中だ!」

 

「獣人の嗅覚は発達してるからな、エルザ案内役はルナがやるからお前は鳩木と神奈月を探せ」

 

「ガンス、了解であります」

 

エルザはそう言って鳩木と神奈月を探しに行く

 

「クリスちゃん、師匠がヘリを私達の所に向かわせてくれるって」

 

「分かった、お前達は先に行けあたし達も後から追いつく」

 

「ああ、遅れすぎて倒した後でも文句は聞かねえからな」

 

そう言って俺とルナとキャロルは走って現場に向かった




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263話

「見つけた」

 

「ああ、だが彼奴はやべえな」

 

『見た事があるのか』

 

「ああ、6年前にな」

 

サンジェルマン達が連れている8つの龍の様な頭を持つ巨大なアルカノイズ、あれとは1度だけフランスにいる時に戦った事があるが他のノイズとは強さの桁が違う、あの時は単機で何とか倒せたが今倒せるかどうかと聞かれると正直言って厳しい

 

「湊‼︎」

 

「来たか翼」

 

「ああ、時期に立花達も到着する」

 

響達が来たとしてもあのサイズは

 

「翼あの巨大なアルカノイズは俺が1人で何とかする」

 

「な!無茶だ!1人で如何にか出来る物でもあるまい」

 

『あのノイズを6年前にフランスに同じ物が現れているらいし』

 

「その時も単機で倒したのか」

 

「ああ、あの時はかなり荒れてたからな」

 

あの時はリューが亡くなって間もなかったから自暴自棄になってノイズと戦った。俺を心配してくれて居たセレナやエルザ達の話を耳に入れる事もなく。だが自暴自棄になっていたからこそ倒せた

 

「そうか、何故荒れてたかどうかはあえて聞かない。だが私はお前の事を仲間だと思っている。私だけではない、立花も雪音もマリアも、暁も月読も神奈月も鳩木もそして叔父様達も皆お前の事を本当の仲間だと思っている。だから1人で抱え込む様な真似はするな、何かあれば我々も手を貸そう」

 

「ああ」

 

(本当にいらないお節介を焼いてくれる奴らだ、だがこの場所が俺は嫌いではない)

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

そう言って俺と翼は聖詠を行いシンフォギアを纏いキャロルとルナはファウストローブを纏う

 

「いざ押して参る、はあ‼︎」

 

《千ノ落涙》

 

翼は空間から大量の青いエネルギー剣を具現化し上空から落下させて広範囲のアルカノイズを攻撃する

 

「今の内だ行け‼︎」

 

俺達は翼の言葉に頷いて巨大なアルカノイズに向かって行く

 

「漸くお出ましなワケダ」

 

「お前達の相手は俺だ」

 

「るる、私も居る」

 

そう言ってキャロルとルナがサンジェルマン達の前に立ちはだかる

 

「貴様はキャロル・マールス・ディーンハイム‼︎生きていたのか!」

 

「お前達も俺が記憶を燃やし尽くす前の知り合いか、しかしながら彼奴の邪魔立てをしよう物なら誰であろうと容赦はしない」

 

「悪いお前ら、エルザが来るまで持ち堪えろ‼︎」

 

「ふん、この貸しは高く付くぞ」

 

「ご主人、今日の夕飯はカレー」

 

「ああ、勿論だ」

 

俺はそう言って背中のブースターを噴射させ上空に飛び巨大なアルカノイズに向かって行く

 

(今の俺はあの時の1人でいた弱い俺じゃない。エルザが居てルナが居てキャロルが居てセレナが居る。後ろにはどうしよもないくらいのお節介焼き共に姉さん俺を慕ってくれてる後輩連中も居る。強くなる為の明確な理由が、やっと見つけた本当の意味で俺の守りたい場所がある)

 

「悪いな、早めに片付けさせて貰う」

 

そう言って俺は大剣の刃を巨大なアルカノイズに向けた




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264話

「ふっ!」

 

俺は巨大なアルカノイズの攻撃を避けつつ倒すのに必要なエネルギーをアームドギアの大剣に溜める

 

(彼奴に無闇に攻撃しても分裂と再生で数が増えるだけ、あの時の俺が彼奴に苦戦した1番の原因だろうな)

 

あの巨大なアルカノイズには分裂と再生の機能が備わって居る為闇雲に攻撃をしてもその数が増えていき面倒になるだけだ

 

「一撃で決めてとっととあのクソ錬金術師共を叩き潰す‼︎セイクリッドモジュール、抜剣‼︎」

 

俺はセイクリッドモードに以降し加速して攻撃が巨大なアルカノイズを攻撃を避け続けエネルギーを溜める速度を上げる

 

『湊‼︎わたくしも2人を連れて到着したであります!』

 

「ああ!こっちもエネルギーが溜まり切った所だ‼︎」

 

数分後、エルザが神奈月達を連れて到着したと同時に俺の大剣に蓄積されるエネルギーも最大に達する

 

「全員に目を瞑る様に指示を出せ‼︎ぶちかます‼︎」

 

『ガンス、了解であります』

 

そう言ってエルザは通信を切る

 

『湊、ほぼ全員集め切ったであります。ただわたくしとキャロルだけは錬金術師の足止めをする必要があるであります』

 

「分かった、錬金術師共は構わないがお前らは絶対に俺の方を見るなよ」

 

『ガンス、了解であります』

 

エルザはそう言ってまた通信を切る

 

「待たせたな、これだけ待たせて悪いが一瞬で終わらせて貰う」

 

そう言って俺が空に大剣を翳すと大剣の刃の部分が開き2メートル程ある雷の刃が現れる

 

「くたばりやがれ‼︎」

 

《月光・雷斬》

 

俺がその雷の刃を巨大なアルカノイズに向けて十字に振るうと巨大な爆発と共にアルカノイズは消滅した

 

(残すはお前らだけだ。さっさとウェルの野郎のlinker完成へのヒントを見つけて帰って来い)

 

俺はそう思いながらキャロル達の戦うサンジェルマン達の元に向かった

 

〜セレナside〜

 

「ん…此処は…」

 

あの後、私達は黒い何かに飲み込まれて気を失って…

 

「マリア姉さん!エルフナインちゃん!」

 

「ん…セレナ…」

 

「セレナさん…」

 

私が呼びかけると2人は目を開ける

 

「良かった、無事だったんだ」

 

「ええ、でも此処は…」

 

「私にも分からないんだ、目が覚めたら此処に居て」

 

「マリア…マリア…」

 

「誰私を呼んでいるのは」

 

その声の主の1つの小さな光はその姿を私達のよく知っている人物に変える

 

「あっ貴方は!」

 

「そうとも、僕はゆきずりの英雄」

 

「ドクターウェル⁉︎彼の話では死んだ筈では‼︎」

 

「それでもこうして生き続けている。死んだ人間ってのは大体そうみたいだね‼︎」

 

そこには怪しく笑っている死んだ筈のドクターウェルが居た

 

〜セレナside out〜




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265話

〜マリアside〜

 

「ふふふ、これもそれもきっとあれですよあれ、マリアの中心で叫べるなんて超最高‼︎」

 

「あんな言動私の記憶に無い筈よ」

 

そう言って私は額に手を当てる。私の知ってるドクターウェルはあんな言動を取らない

 

「だとするとウェル博士に対する印象や別の記憶を元に投影されたイメージと言う事になるのでしょうか?」

 

「はぁ、自分の記憶をしかりたい」

 

「もしかしたらマリアさんの真相意識がシンフォギアと繋がる脳領域を指し示して居るのかも知れません」

 

エルフナインの言葉を聞いて私は立ち上がる

 

「アガートラームの導き?だったらセレナ…は此処に居るから無理なのよね、でもそれ以外にもマムとか彼とか他にも適役がいた筈よ」

 

「此処に来た目的はドクターウェルのlinker完成のヒントを見つける為なんだよね?それなら私はドクターウェル以上の適役がいるとは思えないけど…」

 

確かにセレナの言う通りかも知れない、今回此処に来た目的の上で確かにドクターウェル以上の適役はいないのかも知れない

 

「生化学者にして英雄、定食屋のチャレンジメニューもかくやと言う盛りすぎ設定!そうとも!いつだって僕ははっきりと伝えて来た!はぐらかしなんてするものか!「だったら!」忘れているのなら手を伸ばし自分の力で拾いあげなきゃ、記憶の底の底の底そこには確かに転がっている!」

 

「マリアさん、は!」

 

「離れないでセレナエルフナイン‼︎」

 

そう言って私はセレナの手を掴みエルフナインの手も掴もうとするがもう少しでエルフナインの手を掴めると言う所で場面は切り替わった

 

「く!間に合わなかった」

 

「エルフナインちゃん」

 

「大丈夫よセレナ、エルフナインはきっといる筈探しましょう」

 

「うん、そうだねマリア姉さん」

 

そう言って私とセレナは歩き始めるがどこまで行っても同じ景色のままずっと同じ場所を回っているだけに思えて来る

 

『強くなりたい…』

 

「この声は私?」

 

『弱い自分は見せたく無い、誰に嘘を吐いてでも自分の心を偽ってでも、でも本当は嘘なんて付きたくない』

 

「私の心の闇、受け入れられない弱さに怯えて誰かと繋がることさえ拒んでいたあの頃の、誰かと手を取り合いたければ自分の腕を伸ばさなければいけないだけどその手がもし振り払われてしまったら…」

 

「マリア姉さん?どうしたのマリア姉さん‼︎」

 

セレナの声が遠くなって行く

 

『妹を見捨てて何が姉だ!さっさとセレナの手を掴めマリア・カデンツァヴナ・イヴ‼︎』

 

「は!セレナ‼︎」

 

私は聞こえた声に触発されてセレナの手を掴む

 

「マリア姉さん」

 

「ええ、もう大丈夫よでも今の声」

 

今私に聞こえた声それは確かに彼の声だった。私の背中を強引に押す様に力強く荒々しい中には優しさに溢れていた

 

『シンフォギアとの適合に奇跡というものは改竄しない』

 

「この声はドクターウェル」

 

『その力自分の物としたいのであれば手を伸ばし続ければ良い』

 

その声と共に落ちて来た1つの光を掴むとまた場面が切り替わった

 

「マリアさん!セレナさん!」

 

「ん…此処は…白い孤児院私達が連れて来られたF.I.S.の」

 

「どうしてまた此処に…」

 

私達が辺りを見渡すとまだ小さい頃の私とセレナが居た

 

「今日から貴方達には戦闘訓練を行って貰います。フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは涙より血を流す事で組織に貢献するのです」

 

ムチで叩かれた私はマムに怯えて居る

 

『本当にそうなのかい?』

 

(本当に…本当に私の記憶はマムへの恐れだけだったの)

 

「見てマリア姉さん」

 

セレナの言葉を聞いて私がマムに目を向けるとマムはとても辛そうな顔をしていた

 

「マム凄く辛そうな顔をしてる」

 

「そうだ、恐れと痛みから私は記憶に蓋をしていた。いつだってマムは私を打った後は悲しそうな顔で、それにマムは私達にどれだけ過酷な実験や訓練を課したとしてもマムは誰1人として脱落させなかった。それだけじゃない私達が決起する事で存在が明るみに出たレセプターチルドレンは全員保護されて居る」

 

セレナの時もそうだ私を生かす為に自分の足を犠牲にしてまで私を助けてくれた

 

「大いなる実りは厳しさを耐えた先にこそ、優しさばかりでは今日まで生きて来られなかった。私達に生きる強さを授けてくれたマムの厳しさその裏にあるのは」

 

『ナスターシャにもマリアにもいつだって伝えて来た。人とシンフォギアを繋ぐのは』

 

「可視化された電気信号が示す此処はギアと繋がる脳領域、誰かを思いやる熱くて深い感情を司る此処にlinkerを作用させることが出来れば‼︎」

 

エルフナインの言葉を最後にエルフナインはその場から姿を消した

 

「そっか、マリア姉さんは私以上にマムに怖さと痛みの記憶が強いから私との記憶に差があったんだ」

 

「セレナ貴方は強いのね」

 

「ううん、私1人じゃきっと気づかなかった。湊君やエルザちゃん達と会ってやっとマムのして来てくれた事に気づけたから」

 

「そう、行きましょうセレナ」

 

「うん、マリア姉さん」

 

私とセレナがそう言って手を繋ぐと私達の意識は浮上して行った

 

〜マリアside out〜




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266話

「いくらシンフォギアが堅固でも」

 

「装者の心は容易く折れるワケダ」

 

「総力戦を仕掛ける」

 

そう言ってサンジェルマンはアルカノイズを出現させる

 

「エルザ!ルナ!キャロル!一旦引いて体制を立て直すぞ!」

 

「「「ガンス(るる)(ああ)」」」

 

俺はそう言って一先ず響達と合流を試みる

 

「それってリディアンの方じゃ」

 

「響‼︎何かあったのか」

 

「湊君、リディアンのある方アルカノイズが」

 

アルカノイズがリディアンのある方に向かってるのか

 

「お前はそっちの対処にあたれ此処に居る装者の数は足りてる」

 

『湊の言う通りだ、こっちは私や先輩湊達でなんとかなるからお前はリディアンに迎え!』

 

「クリスちゃん、でも…」

 

『あたしらに抱えられるもんなんてたかが知れてる、お前はお前の正義を信じて握りしめろ、責めて自分の態勢を選んでくれ』

 

困惑する響に通信機越しに姉さんがそう言う

 

「ありがとうクリスちゃん、湊君だけど私…」

 

「待っていたのはこの瞬間」

 

「良いんだな響」

 

「うん、イグナイトモジュール『その無茶は後に取っとくデス‼︎』え?」

 

その声と同時に後ろから2機の戦闘機が飛んで行く

 

『我儘なのは響さん1人じゃないから』

 

「如何やら間に合ったみたいだな、行けるかお前ら!」

 

『当然デス!』

 

『その為に私達は此処に来たんだから』

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

そう言って戦闘機から打ち上げられた切歌と調は降下しながら聖詠を行う

 

「ボサッとすんな!此処に残るってならさっさと終わらせてリディアンに向かってんのを片付けるぞ」

 

「うん、てりゃ〜!」

 

頷いて響はアルカノイズに向かって行く

 

「敵勢力は」

 

「匂いが感じ取れるだけでも4、5000は居る」

 

4、5000か結構居るな

 

「「湊さん!」」

 

そこに鳩木と神奈月も合流する

 

「この人数だ3つに分かれるぞ、エルザとルナとキャロルは西側のアルカノイズを、鳩木と神奈月は東側のアルカノイズを頼む上空のアルカノイズは俺がどうにかする」

 

『了解(はい)!』

 

そう言って俺は上空のアルカノイズを倒しに向かう

 

「先ずはあれをどうにかする必要があるな」

 

「お兄ちゃん‼︎此処は私達に任せるデス‼︎」

 

「湊さんは錬金術師をお願い」

 

「分かった、頼んだぞ」

 

俺はそう言って錬金術師達に向かって行く

 

「お前1人で3人をどうにか出来ると思って居るワケダ」

 

「誰が俺1人だなんて言った」

 

俺が地面に結晶を4つばら撒くと4機のシンフォギアが現れる

 

「これは!」

 

「お前達の使うアルカノイズを出現させる結晶あれの原理を利用させて貰った」

 

俺がそう言うとイチイバルとイガリマがプレラーティに攻撃を仕掛ける

 

「くっ‼︎」

 

「押し切るぞ!」

 

俺がそう言うとイチイバルとイガリマそれに加えてシュルシャガナと天羽々斬も俺と一緒に後退するプレラーティを追う

 

「いくら数が増えたとしてもシンフォギア俺の敵ではないワケダ‼︎」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

《α式 百輪廻》

 

そう言って炎を錬成するプレラーティに向けてイチイバルが大型ミサイル2基をシュルシャガナが無数の歯車を飛ばして防ぐ

 

「くっ!これだけの力が何処に残って居たワケダ」

 

「フォニックゲインさえあればこの程度の事は如何とでもなる」

 

「でも2人目はどうにか出来るかしら!」

 

そう言ってカリオストロは俺に向けてレーザーを放つ

 

「そっちは任せるぞ!」

 

俺はプレラーティをイチイバル達に任せてカリオストロに向かう

 

「くっ!は!」

 

「吹き飛べ!」

 

《雷鳥》

 

俺は障壁で俺の大剣での攻撃を防ぐカリオストロは即座の事に対応出来ずに障壁が破れる

 

「お兄ちゃん同時に行くデス!」

 

「ああ!」

 

俺はイチイバルと天羽々斬の展開を解除してイガリマとシュルシャガナを切歌と調2人の動きに合わせる

 

「もう良いぞ切歌、調」

 

俺は戦闘機を貫通して落下して行く切歌と調にそう言う

 

「ありがとデスお兄ちゃん」

 

「ありがとう湊さん、でもあれって」

 

「昨日漸く完成したんだ。まさかこんな所で使う事になるとは思って無かったけどな」

 

俺達はそう話しながら地上に向かった




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267話

「彼奴らは何処に行ったデスか」

 

「そう遠くには行ってない筈だけど」

 

そう言って辺りを見渡す俺達に向けて銃弾が射出される音が聞こえる

 

「湊さん後ろ‼︎」

 

「その命革命の礎に」

 

俺は大剣で射出された銃弾を斬る

 

「何…」

 

「お〜」

 

「お見事デス、アニメや漫画でしか見た事無かったデス」

 

呑気な事言ってる場合かよ

 

「人の命を革命の礎にするね」

 

「間違ってる、命を礎だなんて間違ってるよ」

 

「3対4になったからって」

 

「気持ちが大きくなってるワケダ」

 

「3対8で済めば良いがな」

 

「いや、11対3だ」

 

その声と共に赤いエネルギーがサンジェルマン達に降り注ぐ

 

「翼さん!クリスちゃん!」

 

「「マリア‼︎」」

 

「セレナ」

 

そこにセレナや姉さん達が到着する

 

「くっ!」

 

「良い加減に聞かせて貰おうかパヴァリア光明結社その目的を!」

 

「人を支配から解放するって言った貴方達は一体何と戦ってるの‼︎貴方達が何を望んでいるのか教えて!本当に誰かの為に戦っているのなら私達は手を取り合える」

 

「手を取るだと傲慢な」

 

サンジェルマンは響の言葉を強く否定する

 

「我らは神の力を持ってしてバラルの呪詛を解き放つ」

 

「神の力でバラルの呪詛をだと」

 

「月の遺跡を掌握する」

 

月の遺跡って言うとフロンティア事変の時に俺が起動させたあれの事か

 

「人が人を力で蹂躙する不完全な世界秩序は魂に刻まれたバラルの呪詛に起因する不和がもたらす結果だ」

 

「不完全を改め完全と正す事こそサンジェルマンの理想でありパヴァリア光明結社の掲げる思想なのよ」

 

「月遺跡の管理権限をうわばいて人の手で制御するには神と呼ばれた旧支配者並ぶ力が必要なワケダ、その為にバルベルデを始め各地で儀式を行って来たワケダ、そしてその力と並び立つ為の最後のピースそれが治癒の錬金術と言うワケダ」

 

それでこいつらは俺を狙って来た訳か

 

「だとしても、誰かを犠牲にして良い理由にはならない!」

 

「犠牲ではない、流れた血も失われた命も革命の礎だ‼︎」

 

そう言ってサンジェルマンは銃を俺達に向けて射出する

 

「馬鹿な⁉︎全て防いだと言うのか⁉︎」

 

「くだらねえ…」

 

「何…」

 

「聞いてれば理想だの思想だの革命の礎だのそれらしい言葉を並べやがって、あんたらの勝手な考えに為にシンフォギア軍事兵器化実験でどれだけの多くの死者が出たのか分かってんのか‼︎」

 

「シンフォギア軍事兵器化実験だと…」

 

サンジェルマンは戸惑った表情をする

 

「馬鹿な!あの実験は中止になった筈だ‼︎」

 

「馬鹿な事言ってくれてんじゃねえよ‼︎現に俺達はその被害者だ‼︎」

 

《雷斬》

 

俺はそう言ってサンジェルマンに突っ込んで行く

 

「くっ!」

 

サンジェルマンは俺に向かって銃を乱射するが俺はその銃弾を全て斬り捨てサンジェルマンに接近する

 

「はあ‼︎」

 

「くっ!はあ!」

 

サンジェルマンは俺に向けて銃のトリガーを引いて出現した青白いエネルギーの竜を両断する

 

「此処は引くぞ!」

 

「彼奴に問い正す事が出来たワケダ」

 

「そう言う事だからバハハ〜イ」

 

「逃がすか‼︎」

 

《雷撃》

 

俺は大剣に集めたエネルギーの全てを使ってエネルギー砲を放つ

 

「クソが」

 

俺の攻撃が届く寸前にサンジェルマン達の姿が消える

 

「湊君…」

 

「悪い今は1人にしてくれ」

 

俺がそう言うとまだ何か言いたそうな響を翼が止める

 

「翼さん」

 

「今はそっとしておいてやれ立花」

 

翼の言葉を聞いて俺は何も言わずに雷鳥に乗って空に向かった




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268話

「すみません、また手伝って貰ってしまって」

 

「大丈夫だ。彼奴らも此処に来てるからな、それにどう考えても此処にある資料を1人で全部確認するのは無理だ」

 

数時間後、俺達は本部に来ていた

 

「それにしても賢者の石に対抗する手段か」

 

「はい、それが見つかれば希望が見えて来る筈です」

 

賢者の石に対抗する手段をひとしきり探すがやはり中々見つからない

 

「この中にはその資料はありませんね」

 

「2人共、異端技術に関する資料らしい資料はかき集めて来たつもりだ、他にも何か必要な物があったら何でも言って欲しい」

 

「はい…ありが…わ!「無茶のし過ぎは良くないぞエルフナイン」ありがとうございます湊さん」

 

俺は資料を撮りに行く途中で倒れそうになるエルフナインを支える

 

「こんを詰めすぎちゃいないか?」

 

「大丈夫です…」

 

「無茶をし過ぎれば逆に彼奴らを心配させるんだ。それに此処には俺とエルザも居る。先ずは晩飯を食べて腹ごしらえ残りの資料確認はその後だ」

 

「ですが…」ぐ〜

 

エルフナインは一瞬考えたが自身のお腹の音を立てる

 

「分かりました、そうします」

 

「我々も直ぐに向かう、少し待っててくれ」

 

そう言って風鳴司令は残って作業をしている友里と藤尭を呼びに行く

 

「お前ら、準備は出来てるか」

 

「るる、問題ない」

 

「此方も問題ないであります」

 

テーブルにカレーとサラダを運びながらエルザとルナはそう言う

 

「とても良い匂いです」

 

「パパ!早く食べよう‼︎」

 

「ああ、後は彼奴らが来るのを待つだけだ「遅くなって済まないな」来たかそんじゃ食べるか」

 

そう言って俺達は晩飯を食べ始める

 

「すぅ~、すぅ~」

 

「たく、食い終わった途端に寝やがった」

 

「ははは!良いじゃないか、よく食べて、よく遊び、よく学び、よく寝る子供が元気に育つ事以上に嬉しい事は無いだろ」

 

風鳴司令に言われて考えると確かにそうかも知れない

 

「ルナ、セレナ、キャロル葉月の事頼んだぞ」

 

「るる、任された」

 

「弦十郎さん、ベットを1つ借りても良いですか?」

 

「ああ、構わないついて来てくれ」

 

「俺達も行くぞエルザ、エルフナイン」

 

「「はい(ガンス)」」

 

こうしてセレナは寝ている葉月をベットに運ぶ為に風鳴司令に着いて行き俺達はエルフナインのラボに向かった

 

「やっぱこう言う時は人数が多い方が効率は上がるな」

 

「はい、あの…ありがとうございます湊さんエルザさん」

 

「わたくしも湊も好きでしているでありますから気にしないで欲しいであります。これは…少し見て欲しいであります」

 

エルザは突然俺とエルフナインを呼ぶ

 

「どうかしましたかエルザさん?これは」

 

「融合症例第一号、立花響の体内より生成され、体外にまで迫り出したガーベッジか」

 

「これは響さんと言う1人の人間と言う小さな命から生み出された。言わば賢者の石の正反対の力…可能性が見えて来ました」

 

「保管場所も書かれてるな、深淵の竜宮か一先ずシュリに確認してみるか」

 

「そうでありますね、わたくしは他国での同じ事例を探してみるであります」

 

そう言ってエルザはパソコンで他国での事例を探す

 

「エルフナインお前はそのガーベッジをどうやってシンフォギアシステムに使用するか検討してくれ」

 

「分かりました」

 

そう言って俺達は各自自分の仕事に取り掛かった




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269話

「これは?」

 

「以前ガングニールと融合し言わば生態核融合炉と化していた響さんより錬成されたガーベッジです」

 

マリアの質問にエルフナインはそう答える

 

「まあ!あの時の瘡蓋?」

 

「とは言えあの物質にさしたる力は無かったと聞いていたが?」

 

「世界を1つの大きな命と見立てて作られた賢者の石に対してこのガーベッジは響さんという1人の小さな命より生み出されています。今回立案するシンフォギア強化計画ではガーベッジが備える真逆の特性をぶつける事で賢者の石の力を相殺する狙いがあります」

 

「つまりは対消滅バリアコーティングって事か」

 

俺の言葉にエルフナインは頷く

 

「はいこれは錬金思想の基本であるマクロコスモスとミクロコスモスの照応に導き出された回答です」

 

「誰か説明して欲しいけれど」

 

「その解説すら分からない気がするデス」

 

まあ理解出来てない奴ならまだもう1人居るだろうけどな

 

「切歌、数学でプラスとマイナスの掛け算をするとどうなる」

 

「プラスとマイナスの掛け算デスか?う〜んと」

 

切歌は腕を組んで考える

 

「切ちゃん1学期に学んだ事だよ」

 

「もっ勿論覚えてるデスよ⁉︎えっと」

 

「はぁ」

 

頭を抱えて考える切歌に俺は思わずため息を吐く

 

「響お前が答えてみろ」

 

「え⁉︎私⁉︎」

 

響は自分に回って来ると思ってなかったのか驚いた声を上げる

 

「もしかしてだがお前も分からない何て事は無いよな?」

 

「あはは、そんなまさか…でもちょ〜と待ってね」

 

そう言って響は切歌と同じ様に腕を組んで考える

 

「プラスとマイナスで掛け算をするとマイナスになる」

 

「正解だ調、それと響お前それでよく進級出来たな」

 

「たはは」

 

響はそう言って苦笑いを浮かべる

 

「はぁ、切歌貴方には少し勉強をする時間を増やすべきなのかも知れないわね」

 

「まっマリアそれだけは、それだけは勘弁して欲しいデス‼︎」

 

「だったらもう少しちゃんとしなさい」

 

「う…分かったデス」

 

切歌もこれで少しは勉強に身を入れれば良いんだがな

 

「それが分かれば後は簡単だ、プラスを賢者の石にマイナスをこのガーベッジ《マイナス位相の賢者の石》と置き換えてみろ」

 

俺がそこまで説明すると切歌と調は漸く理解が出来たらしい

 

「お〜!成る程デス!ありがとうデスお兄ちゃん」

 

「私も分かった、ありがとう湊さん」

 

「ま、これくらいならな。それでそのガーベッジの名前は何にするんだ?」

 

俺がそう聞くと全員が考えるが姉さんは既に決まってるみたいだ

 

「その物質何処ぞのバカの中から出たってんだから、さしずね愚者の石って所だな」

 

「愚者とは酷いよクリスちゃん」

 

「うん、成る程賢者の石に対する愚者の石か」

 

「まさかの師匠まで!?」

 

風鳴司令まで愚者の石と言う名前に賛成する

 

「愚者の石か、確かに響の中から出て来たんだ悪く無いんじゃないか」

 

「とほほ、何処にも味方が居ないよ」

 

愚者にはタロットの正位置の意味で自由や純粋、可能性などの意味があるが姉さんが言ったのは一般的に見て普通の思考回路を経ない言動と行動を取る奴の事だろう。後笑ってやるなよ切歌、かく言う俺も笑えるのを必死で堪えてる訳だが

 

「それでその石は何処に」

 

「深淵の竜宮に保管されてたらしいんだがちょっと面倒な事になっててな」

 

「面倒な事?何か問題があったのか?」

 

翼の言葉に頷き説明する

 

「つまり先のオートスコアラーの襲撃によって深淵の竜宮の一部が破損、そこに保管されていたのがこのガーベッジと言う事か」

 

「ああ、勿論これは姉さん達の戦闘で破損した訳じゃない」

 

そう言って俺はモニターを映す

 

「姉さん達が戦っていたのは此処、そしてガーベッジが保管されていたのは此処どう考えても距離的に姉さんの戦闘で破損してとは考えずらいだとすると」

 

「彼奴の言ってた妹の方の襲撃でか」

 

「ああ、あれが深淵の竜宮に保管されたのはあの襲撃が行われる1ヶ月前だったからそのガーベッジを保管してた区域の強度がまだあまり強くなかったんだ。だからこれはシュリの奴の問題だ」

 

俺は自分のせいだと責任を感じていそうな姉さんにそう言う

 

「そうか、だったらその場所を特定すれば良い。何処なんだ?」

 

「一様場所は出てるがかなり海底にあるから直接取りに行くのは無理だな」

 

「直接が無理なら吸い上げれば良い、湊君その場所に案内してくれ」

 

俺は風鳴司令に言われるままその場所に案内した




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270話

「たく、こんなんで本当に見つかんのかよ」

 

「文句があるなら辞めてもらっても良いぞ、俺が1人でも大丈夫だっていうのに姉さん達が無理矢理着いて来たんだからな、そっちはどうだ切歌、調」

 

俺は逆側から探す切歌と調にそう聞く

 

「全然デス」

 

「私も」

 

切歌と調も同様で反応が無いらしい

 

「うわぁ!!」

 

「どうした!!アルカノイズ!?」

 

男の叫び声が聞こえた方に向かうとそこにはアルカノイズが居た

 

「どうなってんだおっさん!!」

 

『恐らくこちらの動きに合わせて来たのだろう早急に避難指示及び対処に掛かってくれ』

 

「「「「了解」」」」

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

〜Various shul shagana tron〜

 

~Killter Ichaival tron~

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺達は聖詠を行いシンフォギアを纏い二手に分かれてノイズの対処と非難行動を同時に行う

 

「大丈夫デス!落ち着いて避難を!」

 

「大丈夫だなんて簡単に言ってくれるじゃないこのお気楽系女子」

 

「誰がお気楽デスと!」

 

「決まってるでしょ‼︎」

 

俺はカリオストロが飛ばすレーザー光を大剣で防ぐ

 

「あらら、残念」

 

「切歌、避難も儘ならない状態で持ち場を離れるな!」

 

「ごめんなさいデス、でりゃ〜!」

 

切歌は俺に謝罪をしてカリオストロに向かって行く

 

「はあ!」

 

「ぐあ!」

 

「よっと、何やってんだよ」

 

俺は吹き飛ばされる切歌を受け止めてそう言う

 

「切ちゃん!湊さ…きゃ!「おっと」クリスさん」

 

「大丈夫か」

 

「はい」

 

調もプレラーティの攻撃を受けるが姉さんに受け止めて貰い体制を立て直す

 

「ダインスレイフを抜剣出来ないシンフォギアなんてちょろ過ぎるワケダ」

 

「此処でぶち壊されちゃいなさい」

 

「彼奴らの狙いはシンフォギアの破壊だってのか」

 

「愚者の石を狙って来た訳ではないんデスね」

 

「だったら話は早え」

 

俺はサンダルフォンを解除してインドラの槍を構える

 

「あら、漸く見せてくれる気になったのね」

 

「少しは楽しませてくれよ!」

 

そう言って俺はインドラの槍のファウストローブを纏う

 

「切歌お前は隙を見て調と合流しろ」

 

「でもどうやって」

 

「安心しろ策くらいは考えてある」

 

そう言って俺は槍を構える

 

「はあ!」

 

「ふっ!」

 

《天地雷鳴》

 

カリオストロは俺が飛ばした雷の球体を水を貼って防ぐ

 

「やっぱ今までの傾向からそう来るよな、切歌」

 

「ふぇ⁉︎」

 

俺は切歌のアームドギアの鎌の先端にインドラの槍を接続させる

 

「行って来い‼︎」

 

「何デスと⁉︎」

 

《雷星槍》

 

俺はそのまま雷を纏ったインドラの槍を掴みカリオストロ目掛けて放り投げるとアームドギアが接続されて居る切歌も一緒に飛んで行く

 

「きゃ!」

 

「避けろ姉さん‼︎」

 

「あ?は!そう言う事かよ‼︎」

 

「何⁉︎ぐあ!」

 

姉さんが直前に横に飛んで避けた事でプレラーティに直撃するとインドラの槍は俺の手元に戻って来る

 

「一体何が…切ちゃん⁉︎」

 

「あ痛たた、それじゃあいっちょやらかすデスよ調」

 

「うん、切ちゃん」

 

そう言って切歌と調はプレラーティとユニゾンを発動させながら戦闘を再開する

 

「後で何言われてもあたしは知らねえからな、こっちもやるぞ湊!」

 

「ああ!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

《雷帝》

 

「プレラーティ!」

 

カリオストロはプレラーティの事を気にしながら俺と姉さんの攻撃を避ける

 

「はあ‼︎」

 

《GIGA ZEPPELIN》

 

大型化させた両手のクロスボウに2連装する赤紫色のクリスタル状の矢を上空に向けて放ち一定高度に到達した矢が割れるように分裂して無数の小片があたり一面に降り注ぎカリオストロの逃げ道を無くす

 

「ぶちかませ湊‼︎」

 

「ああ!」

 

《雷帝終焉槍》

 

姉さんが逃げ道を塞いでいる内に俺は巨大化させたインドラの槍を回転させるとインドラの槍は黒いプラズマを纏いカリオストロに向かって突っ込んで行く

 

「私達も」

 

「とっておきをくれてやるデス!」

 

《禁合β式・Zあ破刃惨無uうNN》

 

調のアームドギアのヨーヨーを切歌のアームドギアの鎌の柄の先に接続し、巨大な刃が付いた車輪状に変化させ、回転させながらプレラーティに突進して行く

 

「ぐっ!」

 

「くっ!」

 

プレラーティとカリオストロは俺達の攻撃に障壁を張って耐えていたがプレラーティに限界が来て海に放り投げられる

 

「此処までにしてあげるわ」

 

カリオストロはそう言ってプレラーティを連れて姿を消した




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271話

「じ〜」

 

「何だよ切歌、言いたい事があるならさっさと言え」

 

「ふっふん、言わないといけない事があるのはお兄ちゃんデス!」

 

カリオストロ達が撤退して数分、ずっとこれが続いている

 

「別に俺から言う事何てないがな」

 

「む〜」

 

俺がそう言うと切歌は頬を膨らませる

 

『今日の作業は此処までだ。戻って来てくれ』

 

「分かった」

 

「戻ろう切ちゃん」

 

「む〜、了解デス!」

 

それから作業が終了した後もずっと切歌は俺を見て来た

 

「さて、帰るか」

 

「だがどうするんだ湊?此処から日本にあるお前の家までは距離が離れて居るぞ?」

 

「それくらいは考えてある、キャロル頼んだぞ」

 

「ああ、ゲート」

 

キャロルがそう言うと壁に俺の部屋が映し出される

 

「これは…」

 

「錬金術ゲートだ」

 

「ゲート、数少ない記憶の焼却無しで発動出来る錬金術の1つ一体どうやって」

 

キャロルがゲートを使える事に疑問を持ったエルフナインがキャロルにそう聞く

 

「以前夏休みと言う期間中に湊ととある遺跡に行ってな、そこにはゲートに関する事が綴られてあった」

 

「成る程、キャロルはそこからゲートを」

 

「ああ、ゲートは自身が一度行った事のある場所と今ある場所を繋げる錬金術だ。以前の俺はこれを転移の錬金術と勘違いしていたんだろう」

 

「そうだったんですか」

 

キャロルがエルフナインとゲートの事について話して居るとゲートが構築される

 

「じゃあな」

 

「待て湊君、作業の再開は明日の午前9時からだ遅れるなよ」

 

「ああ、分かったほら行くぞキャロル」

 

「ああ」

 

そう言って俺とキャロルがゲートを通るとゲートが収縮して行く

 

「とうっ!」

 

ゲートが収縮しきる寸前に誰がゲートに飛び込んで来た

 

「切歌お前何やってんだよ、キャロルもう一度ゲートを開いてくれ」

 

「ゲートを開けるのは1日1回だ。これ以上は無理だ」

 

マジかよ、取り敢えず調に連絡をするべきだな

 

「調『湊さん!切ちゃんは…切ちゃんは無事なの⁉︎』ああ、切歌は無事だどうしたんだよそんなに慌てて」

 

「ゲートの収縮中にゲートを通るとおかしな場所に出たり、出る前に収縮しきって亜空間に閉じ込められる事がある。此奴が俺達と同じ場所に出て来れたのは運が良かっただけだ」

 

「わっ私そんな事全然知らなかったデス」

 

本当に此奴は後先考えずに飛び出しやがって

 

「取り敢えずゲートを使えるのは1日1回だけらしいから明日此奴を連れて本部に行く」

 

『ありがとう湊さん、どうしたのマリア?』

 

調がそう言うと通信機にマリアが映し出される

 

『切歌の事なんだけど多分さっきの戦闘での事で思う所があるんじゃないかしら?』

 

「さっきの戦闘での事?あ、成る程そう言う事か」

 

切歌が俺に言ってた言わないといけない事、それは俺がインドラの槍を切歌のアームドギアに接続して投げた事に対する謝罪だろう

 

「何となく分かった」

 

『そう、迷惑をかけるかも知れないけど切歌の事宜しく頼むわ』

 

マリアはそう言って通信を切った




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272話

「ん〜、お兄ちゃんのご飯はやっぱり美味しいデス調も一緒に連れて来てあげれば良かったデス」

 

あの後、戦闘の時の事を謝ったら普通に許してくれた。まあ姉さんじゃ此処まで簡単には許してくれなかっただろうが

 

「あんな突拍子のない事をするのはお前と彼奴だけだ」

 

「そうだよ切歌ちゃん、下手をしたらもう調ちゃんとも誰とも会えなくなってたんだよ」

 

「う…それについては今になってから物凄い勢いで反省してるデス」

 

此奴の反省してるは信じ難い物があるからな

 

「ま、明日会ったら調とマリアにも怒られるだろうな」

 

「おっお兄ちゃん!私と一緒に謝って欲しいデス!」

 

「お前が撒いた種だろ、それくらい自分で回収しろ」

 

そもそもの話俺が間に入った所で何も変わらないだろうし、多分調には逆効果だろうしな

 

「切歌お姉ちゃん一緒に遊ぼう!」

 

「良いデスよちょっと待って欲しいデス」

 

そう言って切歌は残りを一気に掻き込む

 

「葉月寝る時間だけはちゃんと守れよ」

 

「うん‼︎」

 

「任せるデスお兄ちゃん」

 

切歌は食器を運び終えるとそう言って葉月と一緒に遊びに行く

 

「切歌が来たら俺がゆっくりする時間が出来て助かる」

 

「葉月ちゃん異様に切歌ちゃんに懐いてるもんね」

 

「そうでありますね」

 

「きっと精神年齢が近いんだろうな」

 

俺がそう言うとセレナ達は苦笑いをする

 

「流石にそれは」

 

「ないとは言い切れないな」

 

「きっと大丈夫」

 

「まああの人よりかはしっかりしてるとわたくしは思うであります」

 

エルザの言うあの人は多分響の事なんだろう。確かに切歌と響ではどちらかと言うと切歌の方がしっかりしてるのかも知れない

 

「洗い物はわたくしがやっておくであります。湊は自分の部屋で寛いでいると良いであります」

 

「悪いなエルザ、なら頼む」

 

「ガンス、ルナは此処にいるであります。貴方が一緒に行くと湊が寛げる場所でも寛げないであります」

 

エルザは俺に着いて来ようとしていたルナの首の根っこを掴みそう言う

 

「る〜、ご主人〜」

 

「あはは、私達も行こっかキャロルちゃん」

 

「ああ」

 

そう言って俺達は各自の部屋に向かう

 

「お前は良いのか、自分の部屋を用意出来るって言ってんのに俺と同じ部屋で」

 

「ああ、それにこうしていると何かを思い出しそうなんだ」

 

キャロルは俺の隣に座って肩に頭を置いてそう言う

 

「もしかすると記憶を失う前の俺はパパとこんな風に過ごしていたのかも知れないな」

 

「如何だろうな、それは俺には分からない話だな」

 

「ああ、俺もそう思うだがこれが落ち着くんだ。お前が辞めろと言うなら辞めるのもやぶさかではないが」

 

キャロルは俺の目を見てそう言う

 

「ま、良いんじゃねえかずっと1人でやって来たんだこのくらいの事があってもバチは当たらねえだろ」

 

「そうか」

 

そう言ってキャロルは完全に体重を俺に預けて来て数分で眠りに付いた




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273話

「パパ‼︎」

 

翌日、ガーベッジの捜索の続きをしていると葉月が俺の所に入って来た

 

「どうした葉月」

 

「パパ綺麗な石見つけた」

 

そう言って葉月が見せて来たのは間違いなく俺達が探しているガーベッジだった

 

「葉月これ俺が貰っても良いか?」

 

「うん!パパにあげる」

 

さて許可も貰った事だし

 

「エルフナインそれっぽいの見つかったぞ」

 

「本当ですか!見せて下さい‼︎うわぁああ」バシャン

 

うわぁ、エルフナインの奴顔から突っ込んで行ったぞ

 

「大丈夫かエルフナイン?」

 

「はい、ありがとうございますそれで愚者の石は」

 

「これだ」

 

そう言って俺は葉月から貰った愚者の石らしき石を渡す

 

「そうですこれが賢者の石に対抗する僕たちの切り札愚者の石です」

 

「すっかり愚者の石で定着しちゃったね」

 

自分のガーベッジが愚者の石と呼ばれる事に凹む響だが普段の行いが招いた名前なんだから受け止めろ

 

「一先ず本部に戻るとしよう」

 

「そうね、帰るわよ」

 

マリアのその声で全員が本部に戻って行った

 

「はあ!」

 

本部に戻った俺は風鳴司令から許可を貰い早速トレーニングルームを使っていた

 

「やってるな湊」

 

「翼?お前らまでどうした?」

 

そこに翼を含む装者全員が集まっていた。話を聞く限り此処に収集したのは風鳴司令らしい

 

「数が増えてんな、一気に片付ける」

 

《雷精》

 

俺は天井に向けて雷を放つとその雷は円を描くように落ちていく

 

「これで粗方片付いたな、やっと出て来たか」

 

「今回は特別に俺が訓練をつけてやる遠慮は要らんぞ!」

 

遠慮は要らないのか

 

「その言葉後悔させてやるぜ風鳴司令!」

 

《雷斬り》

 

俺は大剣に雷を纏わせて風鳴司令に斬りかかる

 

「はあ!」

 

「ふっ!速度も威力も申し分ないがそれでは俺にはつうようしないぞ」

 

「分かってる、だがこの距離なら外さねえ!」

 

《雷鳥》

 

俺は技をチェンジさせておっさんにかわされないように雷鳥を風鳴司令に押し込む

 

「ふ〜、危ない危ない」

 

「は、冗談も程々にして欲しいぜ」

 

「師匠怠惰をお願いします!」

 

「おい、張り切るな特訓バカ!」

 

俺が戻って来ると同時に風鳴司令に向かって行く響を姉さんが止める

 

「司令は手を合わせ心を合わせて我々に何かを伝えようとしている」

 

「風鳴司令が俺達と戦いたいだけじゃねえのか「うわぁああ⁉︎」たく、本当に人間かよ彼奴」

 

「分からない、だがその前に私の中の跳ね馬が踊り昂る。はあ!」

 

「私も行きます!」

 

そう言って翼と神奈月も風鳴司令に向かって行く

 

「湊、わたくしとキャロルで動きを封じてみるであります」

 

翼と神奈月が飛ばされた後、次はエルザとキャロルが弦で風鳴司令の動きを封じようと試みる

 

「これでどうでありますか!」

 

「これではお得意の力技も通用しまい」

 

「こたえなおっさん‼︎」

 

「此奴も持ってけ‼︎」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

《雷鳴》

 

俺は姉さんの小型ミサイルと同時に具現化させた雷を纏った剣を飛ばす

 

「はあぁああ‼︎」

 

「くっ!」

 

「なんでありますか!この力は‼︎」

 

風鳴司令はエルザとキャロルを振り回して弦を引きちぎる

 

「はあはあはあ、どりゃ〜!」

 

「嘘だろ⁉︎」

 

風鳴司令は姉さんの小型ミサイルを全て受け止めそれを投げて俺の雷を纏った剣を防ぐ

 

「悪い湊、私の攻撃が裏目に出たみたいだ」

 

「気にすんな姉さんあんなの普通は出来ないから」

 

「数をばら撒いても重ねなければ積み上がらない!心と意を合わせろ!爆心!!」

 

風鳴司令が思いっきり地面に足を打ち付け地面を割って攻撃をしてくる

 

「逃げんぞお前ら」

 

「おう!」

 

「「「うわぁああ!」」」

 

俺と姉さんそれとルナ達は避けたが切歌と調と鳩木は避けきれず風鳴司令の攻撃を喰らっていた




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274話

俺達は1度風鳴司令から距離を取り作戦会議をしている

 

「どうする、あのおっさん相手じゃあたしの攻撃じゃ通用しなさそうだぞ」

 

「確かに通常モードじゃ通用しないかもな」

 

「まさかイグナイトか?」

 

「ああ」

 

俺はさっきの戦いで確信した。風鳴司令は人間じゃないだからイグナイトモジュールを使っても問題ないだろう。だから俺もセイクリッドモジュールを使う

 

「確かに、あのおっさん相手に加減なんてしてる暇は無いかもな」

 

「だろ、そこでだ俺とルナが前に出て風鳴司令の注意を逸らす。ルナお前も遠慮なんてせずにエクスカリバーを使って全力で行くぞ」

 

「るる、了解ご主人」

 

「それでエルザとキャロルだが俺達が風鳴司令の注意を逸らしている内にもう1度風鳴司令の拘束を頼む、その間にその隙を突いて俺と姉さんとルナの最大火力で止めを刺す」

 

最後の部分だけ聞くと完全に単身で手に負えないノイズに対する感じだが俺から言わせると風鳴司令を相手にするくらいならノイズを相手にしてる方が何倍もマシだ

 

「分かった、まああのおっさんの事だ万が一死ぬなんて事もねえだろ」

 

「ああ、それは俺が手ずから凌いで良く分かった」

 

「わたくしもキャロルに同意であります」

 

最初の内は警戒されていたキャロルだが今では警戒もされておらず信頼を獲得している様だ

 

「よし、やんぞ姉さん」

 

「ああ」

 

「「イグナイトモジュール(セイクリッドモジュール)抜剣‼︎」」

 

俺と姉さんはその掛け声と共にペンダントに部品を装填する

 

「はあ‼︎」

 

「がう!」

 

《雷斬》

 

《聖光斬》

 

「ほう、先ずは君達かルナ君、湊君」

 

俺とルナが姿を現すと風鳴司令はそう言う

 

「はあ!ふっ!」

 

「がう!るが!」

 

「どうしたどうした!君達の実力はそんなものか‼︎」

 

俺とルナの攻撃をバックステップで避けながら風鳴司令はそう言う

 

「今だ!やれ!エルザ!キャロル!」

 

「ガンス」

 

「ああ、分かっている」

 

エルザとキャロルは床を通じで風鳴司令を拘束する

 

「此処までだぜおっさん‼︎」

 

《MEGA DETH QUARTET》

 

そこに姉さんと待機させて居たイチイバルのギアが登場し前述のガトリングガンと腰部ミサイル射出器の展開にくわえ、背部に大型ミサイルを左右に各2基、計4基を連装する射出器を形成、背部射出器はアウトリガーも備える大型のものであり、ギア自体を地面に固定する形で射撃体勢を取る。姉さんの話だと腰部射出器には小型ミサイル弾体を多数内蔵する三角柱状ポッドが連装され、発射されたポッドが敵集団内に達すると内蔵ミサイルが乱射される仕組みになってるらしい

 

「俺達も決めるぞ」

 

「るる、分かった」

 

《エクスカリバー・デュアル》

 

俺とルナの武器の刀を合わせると1つの黄金の光を放つ剣となり俺とルナが2人で持つとその光は更に輝きを増す

 

「くたばれおっさん!」

 

「くたばれ風鳴司令‼︎」

 

そう言って俺と姉さんは同時に攻撃を放つ

 

「ん〜!はあ‼︎」

 

「くっ!化け物め」

 

「ですがこれでは避ける事は困難を極める筈であります」

 

エルザの言う通りこの状況で避けるのは難しい

 

「はああ‼︎」

 

すると風鳴司令はあろう事か拳で俺とルナの攻撃を受け止めようとする

 

「る、しぶといでもこれで終わり」

 

「ああ」

 

流石の風鳴司令も俺とルナの攻撃に加え姉さんとイチイバルの最大火力は応えたらしく押し切られ爆発が起こる

 

「全く、たいしたものだ」

 

「は!もう動けるようになっといて良く言うぜ」

 

決着から数分、風鳴司令は倒れては居なかったがギブアップをして俺達が勝った

 

「たく、お前本当に人間かよ」

 

「るる、ご主人この人絶対人間じゃ無い」

 

「ははは、心外だな」

 

「だが貴様の強さは常人のそれでは無いのも確かだろ」

 

「ガンス、ダウルダブラとエクリプスの弦を両方とも引きちぎる何て力技は常人じゃ無理な話であります」

 

確かに、響と俺でも多分無理だろうな

 

「そう言えばクリス君、この後は翼と湊君の2人と用事があるんだだな」

 

「ああ、そろそろ時間も頃合いだろうしな行くぞ湊」

 

「ああ、俺は何処に行くかは知らないが」

 

今朝クリスに言われたが行き先までは聞かされていない

 

「そういや言ってなかったな、ソーニャの所に行くんだ」

 

ソーニャかて事はそこにはステファンも居るのか

 

「分かった、エルザ達は待っててくれ」

 

「ガンス、了解であります」

 

そう言って俺達はトレーニングルームを出た




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275話

「今日の夕方の便で帰るんだ、でもその前にこの事を伝えたかった」

 

「ああ」

 

ソーニャとステファンの2人と合流し喫茶店で話をする

 

「術後の経過も良いからすぐにリハビリを始められるって」

 

「そうか」

 

ステファンの言葉に姉さんはそう返す

 

「内戦のない国ってのをもう少し見て見たかったけど、姉ちゃんの帰りを待っている子達も多いからさ」

 

「彼女は雪音そして湊のご両親の意志を継ぎ、家や家族を失った子供達を支援しているそうだ」

 

「え?」

 

姉さんは驚いた顔でソーニャを見て姉さんが何か言おうとした時爆発が起こる

 

「取り込み中だぞ!」

 

「アルカノイズ」

 

「ソーニャお前はそいつを連れて避難しろ!」

 

俺がそう言うとソーニャは頷いてステファンの車椅子を押してその場を離れて行く

 

~Killter Ichaival tron~

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺達は聖詠を行いシンフォギアを纏いアルカノイズの対処を行う

 

「伏せろ姉さん‼︎」

 

《雷鳴》

 

俺はカリオストロの姉さんへの背後からの攻撃を防ぐ

 

「のこのこと誘き出されたわね」

 

「雪音!湊!建物に敵を近づけさせるな逃げ遅れた人達がまだ!」

 

「「わかってる!」」

 

俺と姉さんはそう言ってカリオストロを建物に近づけさせない様にする

 

「!?ちょこまかと!」

 

姉さんと俺の後ろに現れたカリオストロに攻撃をしようとした姉さんは手を止める

 

「口調程悪い子じゃないのね…片方はそうじゃないみたいだけど」

 

「はあ!」

 

《雷斬》

 

俺は大剣に雷を纏わせてカリオストロに突っ込む

 

「ちょこまかと鬱陶しい!」

 

《雷撃》

 

「待て湊!そっちには!」

 

「そう逃げ遅れた人達が居る」

 

「わかってるよそれくらい」

 

俺はカリオストロに向き直り貯めた雷を一気に放出する

 

「チッ!外したか」

 

「嫌いじゃないけど殺しちゃお」

 

カリオストロが俺に向かって来る途中短剣が地面に突き刺さる

 

「大丈夫湊君!!」

 

「「湊さん‼︎」」

 

「ああ、何とかな」

 

響達の言葉にそう返してカリオストロに向きなる

 

「済まない暁、月読」

 

「偶には私達だって」

 

「そうデス!此処からが逆転劇デス!」

 

「そうね、逆転劇は此処からよね!!」

 

カリオストロはそう言ってあの時の空間を閉鎖するノイズ出現させる結晶を響と切歌、調と翼、俺と神奈月と鳩木に向かって投げる

 

「こっちは3人なだけまだありがたい」

 

「湊さん此処って」

 

「アルカノイズが作り出した異空間の中だ、此処じゃギアの出力が落ちるから気を付けろ来るぞ!」

 

「「はい‼︎」」

 

俺がそう言うと神奈月と鳩木はそう返す

 

「これどれくらい続くんですかこれ」

 

「きりがありませんよ」

 

「分かんねえよそんなの、この異空間を作り出す為の核になってるアルカノイズの居場所が分かればそれまでなんだがな」

 

「核、そのアルカノイズは確実に此処にいるんですよね?」

 

「ああ」

 

「それなら」

 

《風華天翔》

 

 

鳩木が上空に向けてエネルギーを放つと空から無数のエネルギーが降り注ぐとそれに当たった核となるアルカノイズが姿を現す

 

「でかした鳩木」

 

「私だって‼︎」

 

《雷鳥天翔斬》

 

《水龍天翔斬》

 

俺は両手に携えた大剣のアームドギアから雷を放出し自身を雷を纏う鳥と化させ、神奈月は靴底の穴から水を噴射させて早速し自信を水を纏う龍と化してアルカノイズに突っ込む

 

「やりました湊さん」

 

「ああ、上出来だ神奈月。鳩木も良くやってくれた」

 

「ありがとうございます」

 

『湊君、そっちは全員無事か!』

 

そこに風鳴司令から通信が入る

 

「ああ、全員無事だ」

 

『そうか、響君達がまだ戻って居ないアルカノイズの対処を頼む』

 

「了解、さて続きをやんぞお前ら」

 

「「はい‼︎」」

 

俺の言葉に神奈月と鳩木はそう返した




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276話

「調君は翼のリードでも合わせられずか」

 

数日後、本部のトレーニングルームで切歌と響、調と翼のユニゾンの特訓が行われているのだが調と翼のペアで調が翼に合わせられていない

 

「はぁ、調の奴何か他の事に気を取られすぎてるな」

 

「分かるのか?」

 

「ああ、似た経験はして来たからな」

 

リューが死んでから初めて他の誰かと組んだ日、俺は相手との連携も取らずに1人で突っ走っていた今の調と同じ様に

 

「風鳴司令俺が出る」

 

「分かった、似た経験をした君だからこそ伝えられる事もあるだろう」

 

「それを理解できるかは調次第だがな」

 

俺はそう言ってトレーニングルームに向かう

 

「よお、お前ら」

 

「湊さん、それに緒川さんも」

 

俺は途中で合流した緒川とトレーニングルームに入る

 

「微力ながらお手伝い致しますよ」

 

「俺はお前ら特に調が見てられなくてな」

 

俺はそう言って調を見る

 

「気を付けろ月読、その技前は飛騨南郡の流れを汲んでいる力を合わせなければ緒川さんは影すら捉えられないぞ」

 

「俺は対アダム戦に向けて試しておきたい完全聖遺物があるからな」

 

俺はそう言って通信機からレーヴァテインを取り出す

 

「どっちにする緒川?」

 

「そうですね…では僕は翼さんを湊さんは調さんをお願いします」

 

「ああ、分かった」

 

俺がそう言うと調にレーヴァテインの刃を向ける

 

「来ないのか調」

 

俺の言葉に調は何も返さない、恐らくレーヴァテインの力を知らないから無作為に向かっていく事はしたくないんだろう

 

「来ないならこっちから行くぞ!」

 

俺はそう言って調に向かって行く

 

「やあ!」

 

《α式 百輪廻》

 

調は無数の歯車を俺に向けて飛ばすが俺は自分に当たりそうな歯車だけ両断しながら進む

 

「これなら!」

 

《非常Σ式 禁月輪》

 

レーヴァテインの性能が分からずに距離を取ったにもかかわらず自分から距離を詰めて来る調普段ならこんな事はしないだろうが今は自分だけ上手くいっていない事に焦っているので自ら自分の不利になる状況を作り出している

 

「ありがとなお前の方から間合いに入って来てくれて」

 

「ぐあっ!」ドンッ

 

レーヴァテインはその円状の刃を砕き調をビルまで吹き飛ばす

 

「うっ…」

 

調は何とか立ち上がるが既にフラフラな状態だ

 

「まだ続けるか調?」

 

「まだ…続ける!」

 

《裏γ式 滅多卍切》

 

さっきは2枚だった巨大鋸を4枚に増やし再度突進して来る

 

「初めた時から思ってたんだが視野が狭くなってんぞ」

 

《炎柱》

 

調を切り裂くと地面から火柱が上がり調を包み込んだ

 

「まだ…終わってない‼︎」

 

《α式 百輪廻》

 

そう言って調は最後の抵抗として無数の歯車を飛ばす

 

「ダメデス調!今そっちに飛ばすのは!!」

 

「うっ!」

 

複数の歯車の内の1つが翼と戦闘をして居た緒川を切り裂くが

 

「ど偉い事故デス…は!」

 

緒川からは血は出ずその代わりに煙が出て緒川は丸太に変わった

 

「思わず空蟬を使ってしまいました」

 

緒川は調の後ろでそう言う

 

「力はあります。あとはその使い方です」

 

緒川がそう言うと調は地面に膝を付く

 

「調ちゃん!」

 

「調大丈夫デスか!」

 

「うん、大丈夫だよ切ちゃん」

 

「良かったデス」

 

そう言って話す調の事を翼は何処か難しい顔をして見ていた




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277話

「ん〜、美味しいデス」

 

「お前、特訓の直後だってのに元気だな」

 

数時間後、俺達は埼玉県の調神社に向かっている

 

「えへへ、褒めても何も出ないデスよ。あ、お菓子ならあげられるデスお兄ちゃんも食べるデスよ」

 

「言っとくが褒めてないぞ」

 

「そうデス調も一緒に…あ、調はマリア達の方だったデス」

 

俺達は人数も多いので車2台で向かっているんだが切歌に先に乗る車を選ばせた調は同じ車に乗るのかと思ったがまさかの別の車に乗った

 

「どうかしたの切歌ちゃん?」

 

「それが…実は最近調の様子がおかしいんデス」

 

「調ちゃんの様子が?何かおかしな物食べたのかな?」

 

「そう言う事じゃないと思うよ春香ちゃん」

 

真剣な表情で言う神奈月に鳩木がそう言う

 

「晩御飯を残す事が多くなって、昨日何て殆ど食べずに自分の部屋に行っちゃったんデス。時々何か思い詰めてる表情をする事も増えてきてるデスし」

 

「何か悩み事でもあるのかな?」

 

「調ちゃんが切歌ちゃんに隠し事をするなんて思えないけど」

 

「お兄ちゃんは何か分かるデスか?」

 

切歌が俺にそう聞いてくる。調が気にしてるのは十中八九ユニゾンでの事だ。切歌と響のユニゾンが上手く行っているのに対して翼のリードにも合わせられない自分に焦りを感じているんだろう

 

「さあな、俺にも分からないな」

 

「さいデスか…」

 

切歌は落ち込みながらそう言う。実際の所、俺は知っているが調に切歌に聞かれても答えない様に口止めされて居る

 

「そう言えば今から向かうのって調神社なんですよね?」

 

「ああ、それがどうかしたのか?」

 

「そこって此処ですか?」

 

そう言って鳩木は通信端末から俺に1枚のホログラムの写真を送って来る

 

「そうだが知ってるのか?」

 

「はい、祖父が宮寺をしているんです」

 

成る程な、自分の祖父が宮寺をしてるのか知ってるのも頷ける

 

「ほえ〜、佳奈子のお爺ちゃんがそのお寺の宮寺さん何デスか」

 

「だったら鳩木お前何か言い伝えみたいなの聞いた事ないか?」

 

「そう言えば昔祖父から氷川神社郡と言うのを聞いた事があった気がします」

 

氷川神社郡か…確か今から向かう調神社も氷川神社郡の中の1つに入っている神社でその7つの氷川神社を上空から見ると鏡写のオリオン座になってるって言うあれか。でも確かあれって単なる噂話だった筈だが

 

「内容は覚えてるか?」

 

「すみません、小学生の頃に聞いた話なので内容までは…」

 

「別に気にすんな、ヒントになりそうなのがあっただけでも幸いだ」

 

「ありがとうございます、祖父に頼めばもう1度話して頂けると思います」

 

「ああ、そうさせて貰う」

 

「あ、セレナさんそこの角を曲がれば近道が出来ます」

 

「うん、分かったよ佳奈子ちゃん」

 

そう言ってセレナは鳩木に言われた通りの道を進んで行った




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278話

「パパ!うさぎさんが一杯居るよ!」

 

「たく、あんまはしゃぎ過ぎて壊すんじゃねえぞ彼奴らはまだ来てないんだな」

 

「私達が早く着き過ぎたんだよ「おやおや、もういらっしてたのですか」あの貴方は」

 

足音と共に後ろに現れた爺さんにセレナがそう聞く

 

「話は伺っています。私は此処の宮寺です」

 

「私の祖父です。お久しぶりです」

 

鳩木はそう言って宮寺に頭を下げる

 

「佳奈子、来るなら言ってくれれば佳奈子の好きなキッシュを作って待って居たんだよ」

 

「すみません、私も行き先がこの調神社だってさっき教わったばかりなんです」

 

「まさか私の目の黒い内に佳奈子の友人に会えるとは、今度とも佳奈子事をよろしくお願いします」

 

「はっ恥ずかしいよお爺ちゃん!」

 

鳩木には珍しいくらいの大声でそう言う

 

「貴方達もう着いて居たの?」

 

「やっと来たのか」

 

「お前らが早すぎんだよ」

 

俺達が宮寺と鳩木のやり取りを見てると姉さん達が来た

 

「ご主人、やっと会えた」

 

ルナは俺を見つけた途端に俺の所にやって来た

 

「全く、ルナは本の数時間離れて居ただけだと言うのに仕方ないであります」

 

「全くだ」

 

「お前らもルナの事言えないの分かってんのか?」

 

お前らも俺を見つけた途端響から距離を取る様に俺の所に来たくせに

 

「皆さんお揃いの様ですね、所で皆さんは氷川神社群と言うのをご存知ですかな?」

 

氷川神社群か

 

「確か大宮を中心とする氷川神社、中氷川神社、女氷川神社に調神社、宗像神社、越谷の久伊豆神社が鏡写しのオリオン座になってるって奴だろ?だがそれはあくまで噂だったはずだが」

 

「実はそうでも無いんですよ」

 

宮寺はそう言って寺の中に案内してくれた

 

「これはオリオン座?」

 

「正しくは此処調神社を含む周辺7つの氷川神社により描かれた鏡写しのオリオン座とでも言いましょうか。受け継がれる伝承において鼓星の神門、この門より神の力がいずるとされています」

 

今は宮寺に神出ずる門の伝承を聞いている

 

「まさかあの噂が本当だったなんてな」

 

「お前この事知ってたのか?」

 

「神出ずる門の伝承については今さっき知ったばかりだが氷川神社郡を上から見ると鏡写しのオリオン座になるって方は知ってた」

 

姉さんの質問に俺はそう答える

 

「ありがとうお爺ちゃん」

 

「いやいや、このくらい気にしなくて良いよ」

 

鳩木のお礼に宮寺はそう答える

 

「憶測と推論に過ぎないか、それでもパヴァリア光明結社の狙いと合致する部分は多く無視はできない」

 

「そうかもな」

 

「神いずる門」ぐ〜

 

真剣な空気の中に不適切な音が鳴る

 

「響先輩この状況で」

 

「けたたましいのデス」

 

その後の発生源である響に対して切歌と神奈月はそう言う

 

「いや…あの…私は至って真面目なのですが私の中に獣が居ましてですね」

 

「では晩ご飯の支度をしましょうか。私の焼いたキッシュは絶品ですぞ「待ってくれ」どうかなさいましたか?」

 

晩ご飯の支度をしようと立ち上がる宮司を引き止める

 

「世話になるだけじゃ悪いからな晩飯は俺が作る。勝手だがある程度資料は見させてもらったからな」

 

「そうですか、それではお願いしましょうか。此処にある古文書、全て目を通すにはお腹いっぱいにして元気でいないといけませんからね。台所に案内しましょう」

 

「ああ、頼む葉月お前も来い」

 

「うん!」

 

俺が隅の方で遊んでぬいぐるみで遊んで居る葉月にそう言うと葉月は嬉しそうに俺の所に来た




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279話

「こんな時間に何処に行くつもりだ調」

 

「湊さん」

 

俺が外を見てると調の姿が見えたので声を掛ける

 

「飲み物を買いに行こうと思って…」

 

調の歯切れが悪い確実に何かを誤魔化そうとしてる

 

「誰にも声をかけなかったのか?」

 

「みんな古文書を読むのに集中してたから」

 

意外だ、響か切歌辺り直ぐに投げ出すと思ってた

 

「そうか、俺も一緒に行く。ついでだ奢ってやる」

 

「ありがとう」

 

俺と調はそう言って神社を抜けてコンビニに向かう

 

「んで、いつまで続けるつもりだ」

 

「何を?」

 

「何すっとぼけてやがる。分かってんだろ自分でも」

 

「……」

 

俺の言葉に調は何も答えない

 

「独りよがりな力を求めるだけじゃ自分を絞め殺すだけだぞ」

 

「それでも私は1人で強くならなきゃ」

 

「1人で強くか…」

 

本当に似てるなお前は昔の俺に

 

「こんな時に敵か、行くぞ調」

 

「うん」

 

そう言って俺と調はプレラーティが通る新川越バイパス道路を目指す

 

「見つけた」

 

「だな」

 

俺と調が新川越バイパス道路に入るとプレラーティが走って居た

 

「何処に行くつもりだ」

 

「チッ!お呼びで無いワケダ‼︎」

 

そう言って錬成する炎を避ける俺と調を見てプレラーティは隣の道路を逆走する

 

「チッ!どうなろうとお構いなしかよ。調、ユニゾンと言いたいんだが無理なんだろうな」

 

「はい…ユニゾンは出来ません。切ちゃんは…やれてる。誰と組んでも、でも私は切ちゃんとじゃなきゃ!人との接し方を知らない私は1人で強くなるしかないんです!」

 

「お前のその心の壁がユニゾンが上手くいかない原因なんだろうな」

 

「心の壁…」

 

俺がそう言うと調は小声でそう呟く

 

「本当に似てんなお前は昔の彼奴が死んだばかりの頃の心を閉ざして独りよがりな力を求めてた時の俺に」

 

「私と湊さんが似てる?」

 

「ああ、だがお前には俺と決定的に違う所がある」

 

俺がそう言うと同時にトンネルに入った

 

〜調side〜

 

「私と湊さん何似てる?」

 

私には湊さんの言っている事が分からなかった。だって湊さんはエルザやルナそれにセレナ皆んなと力を合わせられている

 

「ああ、だがお前には俺と決定的に違う所がある。それはお前の心の距離は相手を思っているからそこの距離感だと言う事だ」

 

「相手を思ってこその」

 

私の中にはキャロルとの戦いの中での切ちゃんと喧嘩した時の事が思い浮かぶ

 

「その距離が離れればそれだけ関係が悪化すること事もある。俺とアリスみたいにな」

 

「湊さんとのアリス…」

 

湊さんとアリスの事はアリスから聞いてる。湊さんはアリスを守る為にアリスと距離を置いた。でもそれが原因でアリスは湊さんに見捨てられたと勘違いして蟠りが出来た

 

「そうなるかも知れないって事はお前も分かってたんだろ、それでもお前は切歌を傷つけない為にと思ってあの時お前は切歌と距離を置いた。それは簡単に見えてそうそう出来る事じゃない。そして何よりそれはお前の優しさなんだろうな」

 

「私の優しさ」

 

(そっか、これなんだね切ちゃん)

 

私は切ちゃんが湊さんをお兄ちゃんって呼ぶ理由が分からなかった。けど今それが少し分かった気がする。湊さんは私達の事をちゃんと見てくれて居て助けてくれる。私達が頑張ったら褒めてくれる。それに湊さんは私が切ちゃんを心配させたく無いから言わないで欲しいって言った事もちゃんと言わないでいてくれた。

 

「優しいのは私じゃ無く周りの皆です、だからこうして気遣ってくれて…私は皆んなの優しさに応えたい!」

 

「ごちゃつくな!いい加減付き纏うのは辞めるワケダ!!」

 

プレラーティはトンネル内で炎を放って私と湊さんはその爆風に巻き込まれる

 

「湊さん」

 

「何だ調」

 

私が呼ぶと湊さんは私を見る

 

(セレナ…切ちゃん…今は少しだけ湊さんの事借りるね)

 

「ユニゾンお願いします」

 

「その言葉を待ってた。やるぞ調!」

 

「はい!」

 

「「イグナイト(セイクリッド)モジュール、抜剣!」」

 

イグナイトモジュールとセイクリッドモジュールを起動させた私と湊さんは爆風の中トンネルの外を目指した

 

〜調side out〜




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280話

「ぐうの音も、何⁉︎」

 

プレラーティは倒したと思った俺と調がトンネルから出て来た事に驚く

 

「調この先に住宅地がある、そこに出るまでに仕留めるぞ」

 

「はい!」

 

俺と調はプレラーティの両サイドに並ぶ

 

「くっ!動きに合わせて来たワケダ」

 

「神の力そんな物は作らせない‼︎」

 

「それは此方も同じワケダ‼︎」

 

(可笑しい此奴らの目的は神の力を作り出す事だった筈だ。なのにどうして此奴はその力を作り出すのを否定する)

 

俺がそう考えて居るとプレラーティはけん玉の上に立つ

 

「宴どもには激流がお似合いなワケダ‼︎」

 

「この際ある程度の破損は俺が責任を持つ、調道路の壁を壊すぞ」

 

「やあ!」

 

《α式 百輪廻》

 

《雷鳴》

 

俺と調は無数の歯車と雷を纏った剣を飛ばして道路の壁を壊して瓦礫の坂を作りプレラーティの上を取る

 

「うああ!何⁉︎」

 

プレラーティはけん玉の持ち手をぶつけ俺と調の軌道を変える

 

「此処で終わらせるぞ調」

 

「はい!」

 

《雷月ノ疾双》

 

俺の《雷精翔騎》の状態のバイクに後方から調の《非常Σ式 禁月輪》のホイールが変形した巨大な二輪が接続し、チャリオットとして構築、地上を疾走しプレラーティに向けて突進する

 

「アダムは危険だとサンジェルマンに伝えなきゃならないワケダ‼︎こんな所で‼︎」

 

そう言ってプレラーティも持ち手を槍の形に変えて突進してくる

 

「「はあああ‼︎」」

 

「サンジェルマン!サンジェルマーン‼︎」

 

俺と調はプレラーティの攻撃を打ち破りぶつかり合った時に起こった炎を駆け抜ける

 

「勝てたの…」

 

「だろうな」

 

調の言葉に対して俺はそう返す

 

「立てるか調」

 

「ユニゾンって本当はこんなに体力が持っていかれるんだ」

 

調は切歌とのユニゾンの違いを確認しながら俺の手を取って立ち上がる

 

「起源が同じってのが関係してるんだろうな、彼奴らも心配してるだろうし戻るか」

 

「はい「調〜‼︎」此処だよ切ちゃん」

 

調はそう言って俺達の所に向かって来るヘリに乗る切歌達に向けて手を上げる

 

『アダムは危険、彼女は確かにそう言ったのか?』

 

「ああ」

 

俺達はヘリで調神社に向かいながら風鳴司令と通信を繋ぎプレラーティの言った事の真意を考えて居た

 

「仲間内で何かあったのか、それとも我々を混乱させる為の策略か」

 

『どちらにせよ彼女を倒してしまった以上それの確認をする事は出来ないな』

 

そう風鳴司令の言う通りプレラーティを倒した以上それを確認する方法は無い

 

「それと風鳴司令、神殺しその力を持つ完全聖遺物が奉納されて居る遺跡が米国で見つかったらしい」

 

『君の話では調査にはミミ君とルカ君2人を向かわせて居るんだろ?』

 

「ああ、だがちょっと面倒な事態が発生してな。如何やらその遺跡の中でアルカノイズがうろついてるらしい」

 

『アルカノイズ…錬金術師が関わって居るのか?』

 

「そう考えるのが妥当だろう、その確認も込みで明後日キャロルと米国に行くつもりだ」

 

『そうか、今は神殺しの情報が少しでも欲しい確たる物があれば此方としても動きやすくなる。頼んだぞ湊君』

 

「ああ、そいつは俺も同じだ」

 

そう言って俺は風鳴司令との通信を切った




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281話

「よし、米国に着いたな。それにしてもお前まで来るとはな」

 

2日後、俺達が米国に渡る際に翼も着いて来た

 

「聞けば神殺しに関する遺跡には2つあるらしいな、ならば1つ1つ探るより手分けをして方が良いだろう」

 

「まあ、別に良いがこれから会う2人と揉め事だけは起こしてくれるなよ」

 

「ん?良く分からないが了解した」

 

本当に分かってるのか翼の奴

 

「待たせたな」

 

「ふん、我々も今来たばかりなワケダ。それで来るのは貴様とキャロル・マールス・ディーンハイム2人だけだと聞いて居たが一体どう言うワケダ」

 

「あらら、付き人の追加何て聞いてないわよ」

 

そう言ってフードを取るとその人物2人を見て翼はペンダントに手を伸ばす

 

「さっきも言っただろ揉め事を起こすなって」

 

「だが湊!彼女達は‼︎」

 

やっぱりこうなったか

 

「翼、2度目は無いぞ」

 

「ああ、不承不承ながら了承しよう」

 

そう言って翼はペンダントに伸ばす手を止める

 

「先ずは場所を移動するぞ、話はそれからだ」

 

俺の言葉にその場に居る全員が頷く

 

「此処が明日お前達が俺とキャロルと行って貰う遺跡、こっちが翼とミミとルカに確認をして貰う遺跡だ」

 

「此処に神殺しのヒントがあると言うワケダ」

 

「ちょっと待ってくれ、お前達の目的は神を降ろす事じゃ無いのか?何故神殺しを必要とする」

 

その言葉を聞いた翼はプレラーティにそう聞く

 

「確かにあーし達の目的は神を降ろす事だった」

 

「だった?今は違うのか?」

 

「ああ、状況が変わったワケダ」

 

「一体何が起きたんだ」

 

翼の言葉にプレラーティは俺達に協力するに至るまでの経由を翼に話す

 

「つまりアダム・ヴァイスハウプトは」

 

「ああ、彼奴は最初から俺もカリオストロもそしてサンジェルマンの命も全て計画遂行の勘定に入ってたワケダ。そして彼奴はこうも言っていた人形の見た夢にこそ神の力はと恐らく彼奴は人形の見た夢にこそ神の力は宿ると言いたいワケダ」

 

「人形…つまりはオートスコアラー」

 

翼の言葉にプレラーティは頷く

 

「ああ、オートスコアラーティキその役割は記録された星図情報から、儀式に定められた座相で天地のオリオン座が照応するタイミングを測る事と言うワケダ。そして、神いずる門から得られる膨大なエネルギーに自身が備える恋乙女の概念を付与させることで、アダムに対して盲目的に動く、神に匹敵する兵器と至る事と言うワケダ」

 

「あーし達はアダムに一泡吹かせる為に彼の話に乗っかって遺跡にある古代の錬金術師が残した古代文字を解析する事にしたわけ」

 

「成る程、そちらが我々に協力する理由は理解出来た」

 

翼はそう言ってプレラーティ達への警戒心を緩める

 

「プレラーティお前は古代文字の解析に専念しろ」

 

「ああ、元よりそのつもりなワケダ」

 

「カリオストロと俺とキャロルは解析をするプレラーティにアルカノイズを近づけない事を1番に考えてくれ」

 

「「ああ(分かったわ)」」

 

「翼達の方の古代文字はミミとルカがある程度把握してる。その先の調査を頼む」

 

「「「心得た(分かりました)(は〜い)」」」

 

「全員他に質問はないか?」

 

俺がそう聞くと全員が首を左右に振る

 

「なら明日の朝8時に此処のホテルの前に集合、後に分かれて行動する事にする」

 

俺がそう言うとプレラーティとカリオストロは頷き自分達の使う部屋に向かって行った




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282話

「此処がその遺跡だ」

 

俺達は翼達と分かれて目的の遺跡の前に来ていた

 

「入口が塞がれてるけどどうやって中に入るの?」

 

そうその遺跡の入り口は無数の水晶が邪魔をしてとても人が通れる道ではない

 

「こうするんだ」

 

俺が水晶に手をかざすと水晶で塞がっていた道が開き中に入るスペースが出来た

 

「何やってる入るぞ」

 

俺は未だに中に入ろうとしないカリオストロとプレラーティにそう言う

 

「あれはどう言うワケダ」

 

「あの水晶か?あれは錬金術で作った水晶だ、この前も言ったが此処にはアルカノイズが居る。それなのに此処に入ろうとする馬鹿どもがいるからああやって入り口を塞いでるんだ」

 

「意外と他人の事を考えてるのね」

 

カリオストロが意外そうな顔をしてそう言う

 

「何かあれば俺に責任が向くからな、ならあらかじめ誰も入れないようにすれば良いだけの話だ」

 

「この道なりに進めば良いのよね」

 

「ああ、その先にはアルカノイズが居る全員ファウストローブを纏え」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

そう言って俺が聖詠を行うとキャロル達もファウストローブを纏う

 

「この先に神殺しに関する何かがあるワケダ」

 

「ああ」

 

俺はプレラーティの言葉に頷きキャロルと先頭を切って進んで行く

 

〜プレラーティside〜

 

「彼奴の言ってる事どう思う」

 

「7割が事実なワケダ。確かに神殺しに纏わる壁画が多く描かれている」

 

確かに此処になら神殺しに関する何かがあってもおかしくないワケダ

 

「前からのあの2人が倒しちゃうしあーしは居なくても良かったんじゃないかしら?」

 

「いや、そうでもないワケダ」

 

「それもそうね!」

 

カリオストロが私達の後ろに現れたアルカノイズを倒す

 

「これだけ厳重に守ってるのに何もありませんでしたじゃ割りに合わないわね」

 

「プレラーティ此処だ」

 

彼奴はそう言って文字を指差す

 

「確かに古いものなワケダ」

 

「いけそうか?」

 

「この程度時間を稼いでくれれば楽勝なワケダ」

 

「そうか」

 

そう言ってアルカノイズと向き合う

 

(全く掴めないワケダ。此奴の意図が、何故此奴は少し前まで敵だった私やカリオストロを信用出来るワケダ。何が此奴を信じさせるワケダ)

 

考えても考えても此奴の意図が掴めない…

 

「どうかしたプレラーティ?」

 

「どうもしないワケダ…成る程そう言う事なワケダ」

 

その壁画の文字の解読に成功した私はそう言って笑みを浮かべた

 

〜プレラーティside out〜

 

「何か分かったのかプレラーティ」

 

「ああ、この扉を開けるにはお前の力が必要なワケダ」

 

「俺の力、まさか治癒の錬金術か?」

 

「ああ」

 

俺がプレラーティに言われるがままに石板に治癒の錬金術を使うと辺りの壁画が発光し始めた

 

「彼処か、はあ!」

 

《雷撃》

 

俺は大剣の先に溜めた雷を高出力のエネルギービームとして放ちアルカノイズを一掃して道を作る

 

「お前ら今の内だ!」

 

「ああ、分かって居るワケダ」

 

「あーしも先に行かせて貰うわ」

 

プレラーティとカリオストロはそう言って中に入る

 

「キャロルもう良い来い!」

 

「ああ!」

 

俺がそう言うとキャロルはそう言って走って中に入って来た




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283話

「これがこの遺跡の最深部か」

 

「ああ、此処に神殺しに関する情報があるかもしれない、プレラーティは引き続壁画の文字の解析、他は聖遺物の捜索にあたれ」

 

俺がそう言うとプレラーティは壁画の解析に辺り俺達は聖遺物の捜索を始める

 

「これは…」

 

「何かわかったのかプレラーティ」

 

それまで壁画の文字の解読をしていたプレラーティが何かを発見して声を上げた

 

「今から約2000年程前にも1度神の力がこの世に君臨しているワケダ。この遺跡の最奥に奉納されている聖遺物は神殺しの力を宿しているワケダ」

 

やっぱりあったか神殺しの聖遺物

 

「ねえプレラーティ!これってそうじゃない?」

 

カリオストロも何かを発見したらしくプレラーティを呼ぶ

 

「間違いないワケダ、これが此処に奉納されている完全聖遺物スルトの剣、神をも両断する黄金の剣」

 

「でもこれ全然抜けないのよね」

 

カリオストロは地面に突き刺さるスルトの剣を何度か抜こうとしたのかそう言う

 

「全ての聖遺物に適合のあるお前なら抜けるだろ」

 

「ああ、だろうな」

 

俺がそう言ってスルトの剣を引っ張ると簡単に抜けた

 

「意外とあっさりしてるわね」

 

「だな、他に何か記述はあったか?」

 

「ああ、お前の治癒の錬金術に関する記述もあったワケダ。治癒の錬金術それは神を宿す者に与えられた力、その力は正しく使えば多くの者を癒し、誤って使えば世界すらも破滅に導く事の出来る物だと記されていたワケダ」

 

世界すらも破滅に導く事の出来る力か…確かに使い方によっちゃ何度倒れても立ち上がる無敵の軍隊を作ることも難しくないだろうな。それに神を宿す者に与えられた力って事は俺の中に神が宿ってるって事なんだろうな

 

「剣も抜けたし地上に出るぞ」

 

「でも扉の向こうにはアルカノイズが居るのよ?あーし達が入った時間からして対処出来る数を超えてると思うけど?」

 

「それに関しては問題ないワケダ。あれは扉の持ち手の蛇の認識で現れると言う記述もあったワケダ」

 

つまりあのアルカノイズは此処に入る資格のない人を追い払う為の物だったのか

 

「出口は他に無いのか?」

 

「それに関する記述は特には無かったワケダ」

 

「そうか、ん?足音が聞こえるが気のせいか?」

 

「いや、確かに誰かの足音が聞こえるワケダ」

 

俺達が耳を澄ませるとキャロルが寄り掛かってる壁の向こうから足音が聞こえる

 

「誰かいるのか?」

 

「その声、もしかして湊?」

 

壁の向こうから聞こえる声に俺は聞き覚えがある

 

「もしかしてだがルカか?」

 

「そうだよ!私だよ!」

 

「どうかしたのかルカ?」

 

そこに翼の声も聞こえる

 

「お前ら何でそんな所に居るんだ?」

 

「実はだな」

 

翼の話によればミミとルカが見落としがないか壁画の解析をしていると翼の踏んだ床が沈み今の通路に行き着いたそうだ

 

「お前らの方の収穫はどうだ」

 

「特にはない、強いて言えば約2000年程前に神がこの地に降りて居る事くらいだ」

 

俺の質問に翼がそう答える

 

「そうか、こっちは神殺しの完全聖遺物が手に入った」

 

「!そうか、近くにいるのなら合流をしたいがどうしたものか」

 

「それなら多分」

 

俺がその壁に手をかざすと壁が形を変え翼達の道に通じる通路が出来る

 

「一体何が」

 

「私達が来た時はこんな通路無かったよね?」

 

「多分俺たちの方にアルカノイズがいた事と同じ原因だろう」

 

俺はそう言って俺達の方にアルカノイズがいたおおよその理由を話した

 

「成る程、そう言う事だったのか」

 

「ああ、さてそっちにはアルカノイズもいなかったんだろうし俺達も地上に戻ろうぜ」

 

「ああ、そしてアダムの奴に一泡吹かせに行くワケダ」

 

そう言って俺達は地上に戻る為翼達の来た道を戻って行った




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284話

〜切歌side〜

 

「全員揃ってるな」

 

「全員つうか先輩と湊はいねえけどな」

 

「湊君達が米国に行っている時に何だが俺達に新しい仲間が出来る事になった」

 

お兄ちゃんと翼さんが米国に行った次の日、私達に新しい仲間が出来ると司令から知らされる

 

『新しい仲間?』

 

「ああ、特に切歌君達はよく知っているだろう。入って来てくれ」

 

司令がそう言うと1人の女の子が入って来た。その子は赤い髪をした私達のよく知っている人だった

 

「アリス・フェアリスです。宜しくお願いします」

 

「「「アリス‼︎」」」

 

私達の新しい仲間は武装組織フィーネをしていた時の仲間のアリスだった

 

「元気そうねアリス」

 

「元気そうで何よりデスよ」

 

「フランスに行った時も1度も会えなかったからずっと心配だった」

 

そうアリスとは最初に一緒にフランスに行ってからずっと会えていなかった。何度かアリスに会おうと思った事もあったけどそう言う時に限ってアリスは任務に出ていたり用事をしていて会えなかった

 

「貴方の事はユノア司令から聞いています。人命救助に捕虜の解放、以前彼が行っていた事の大半を貴方が行っていると」

 

「うん、兄にみたいにはまだ全然なれてないかもしれないけど私もずっとまたマリア達と戦いたいって思ってたから」

 

「また一緒に戦えるんデスね!」

 

「うん」

 

私の言葉をアリスは笑って肯定する

 

「私は立花響、宜しくアリスちゃん」

 

「雪音クリスだ」

 

「私はセレナ・カデンツァヴナ・イヴ、宜しくねアリスちゃん」

 

「宜しくお願いします響さん、クリスさん、セレナ」

 

「さて、アリス君早速で済まないが模擬戦を頼む」

 

「はい!」

 

アリスはそう言って頷く

 

「それじゃあ行こっかアリスちゃん」

 

「うん」

 

そう言ってアリスとセレナはトレーニングルームに向かって行った

 

「どう思いますナスターシャ教授」

 

私達は司令に連れられてトレーニングルームの上からアリス達を見ている

 

「アリスがどれ程の実力を付けているのか、そこが勝負の鍵でしょうね」

 

「そうですか、マリア君達はどう思う?」

 

「私もマムと同じです。アリスがあまり実力を付けていないなら恐らくセレナには勝てないと思います。彼らの中では1番弱いのかもしれないですけど私達の中では突発して弱い訳ではないですから」

 

「だな、セレナの奴あれでやる時はきちんとやりやがるからな」

 

「きっと大丈夫だよアリスなら」

 

「その通りデス、アリスならきっと大丈夫デスよ」

 

「だと良いんだけど…」

 

マリアはそう言うとアリスの方を見て心配そうな表情を浮かべた

 

〜切歌side out〜




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285話

〜アリスside〜

 

私とセレナさんの模擬戦、私が勝ったのは良かったけどマリアは私を心配そうに見ていた顔が忘れられない

 

「アリス少し外で話しましょう」

 

「う…うん」

 

マリアの言葉に私はそう返す

 

「アリス、貴方は彼みたいになりたいそう言ったわね」

 

「うん、私は兄にみたいになりたい」

 

「それは無理な話よ彼と貴方じゃ実力が違いすぎるもの。貴方じゃ彼にはなれないわ」

 

マリアは私を見てそう言う

 

「私は別に兄にになりたい訳じゃ…」

 

「いいえ、マムの言っていた貴方のして来た事を聞いたけど…全て彼がして来た事、貴方は彼の影を追いかけているだけ。彼のような強さを求めるあまりに貴方らしさを見失ってしまっているわ」

 

「私らしさ」

 

「私もそうだったもの、強さを求めて自分の弱さから目を背けて私らしさを見失ってしまっていた」

 

マリア…

 

「私分からないんだ、どうやったら強くなれるのか。ねえマリア、マリアの知ってる私らしさって何?ずっと私は兄にの後ろ姿ばかり追いかけて来た。そんな私に私らしさ何てあるのかな?」

 

「貴方らしさ、それはアリスが自分で見つけなきゃいけないものよ。大丈夫よアリスならきっと見つけられるわ。だって貴方は雪音湊じゃなくてアリス・フェアリスだもの」

 

「マリア…うん、考えてみるよ私らしさがどんな事なのか」

 

「ええ、そうしなさい。そろそろ帰りましょうこれ以上は切歌と調が心配するでしょうしね」

 

私とマリアはそう言って切歌ちゃんと調ちゃんの待つマンションに戻った

 

〜アリスside out〜

 

「どうした湊」

 

急にくしゃみをする俺に対して翼がそう聞く

 

「いや、なんでもないそれで何の話だ?」

 

「ああ、スルトの剣だが私にも試させて貰えないだろうか?」

 

「スルトの剣を?別に構わないがどうしたんだ急に?」

 

「お前にはレーヴァテインと言う神殺しの力を宿す完全聖遺物があるのだろう?ならばスルトの剣は他の者が持った方が戦力となるのではないかと思ってな」

 

確かに、いくら全ての聖遺物や完全聖遺物に適合するからと言って2つの完全聖遺物を同時に使用するのは流石に疲れる

 

「分かった、1度試してみるか」

 

「ああ」

 

俺達はそう言ってアリアの家にあるトレーニングルームに向かう

 

「まさかアリアの家に鍛錬場まであったとはな」

 

「此処にはない施設の方が多いんじゃないか?」

 

何故俺達がアリアの家にいるのかと言うと今日の宿を取りに行く途中に偶然アリアに会い泊まる場所が決まってないなら自分の家に来て欲しいと言われた為にその行為に甘えさせて貰った

 

「それじゃあ始めるか」

 

「ああ」

 

俺はそう言ってスルトの剣を取り出して翼に渡す

 

「くっ!こんなに重いのか」

 

「適合がなかったそもそも地面から抜けなかった訳だからな、それなりに重いだろうな」

 

「ああ、だが私も此処で引き下がるわけにはいかない」

 

そう言って翼はスルトの剣を持つ手に力を込める

 

「くっ!」

 

「もう大丈夫だろ」

 

「ああ、ふっ‼︎」

 

そう言って翼はスルトの剣を振るう

 

「如何やら適合はしてくれたようだ」

 

「そうか、アダムとの決戦時にはお前も出て貰う必要が出たな」

 

「ああ、私はもう少し此処で慣らしておきたい。夕食が出来たら呼びに来てくれ」

 

「ああ、分かった」

 

俺はそう言ってトレーニングルームを出た




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286話

「そろそろ出るか」

 

「ああ、世話になったなアリア」

 

「いえ、わたくしも楽しかったです。またいらしてください」

 

翼の言葉に対してアリアはそう返す

 

「カリオストロさん、またお話ししましょう」

 

「そうね、また会う機会が有れば話しましょう」

 

「私はお前達の話に入るのはもうごめんなワケダ」

 

アリアとカリオストロ達が何を話していたかは知らないが俺が知る必要のない事なんだろう

 

「じゃあ頼むぞキャロル」

 

「ああ、ゲート」

 

キャロルはそう言ってゲートを発動させる

 

「まさかゲートを使えるなんてね」

 

「ああ、俺も文献ばかりで直接見るのは初めなワケダ」

 

「これなら直ぐに日本に戻れるからな」

 

俺はそう話している内にゲートが構築される

 

「何やってる早く通れ」

 

「ああ、分かっているワケダ」

 

そう言ってプレラーティとカリオストロはゲートを通る

 

「俺達も行くぞ」

 

「ああ」

 

そう言って俺と翼とキャロルもゲートを通る

 

「湊様、米国に来日した際はまたいらして下さいね」

 

「ああ、また米国に向かう時は行かせて貰う」

 

俺がそう言うとゲートは閉じた

 

「早速風鳴司令達の所に向かうか」

 

そう言って本部に向かおうとすると通信機が鳴る

 

「セレナ?『良かった繋がったよ』響?何でお前がセレナの通信機を使ったんだよ」

 

『それが…セレナさんが…私と切歌ちゃんとアリスちゃんを守る為に絶唱を…』

 

響の話では神の力を宿したティキの一撃をセレナが絶唱を使って受け止めたらしい

 

「あのバカ…わかった直ぐに向かう。俺達が到着するまで何とか耐えろ」

 

俺はそう言って通信を切る

 

「キャロル悪いが本部にはお前1人で向かってくれ」

 

「ああ、分かった」

 

キャロルはそう言って本部に向かって行った

 

「お前達は真っ直ぐ響達が戦っている場所に向かへ、そこにサンジェルマンの奴もいるだろう」

 

「ああ、恐らくアダムは消耗したサンジェルマン事そいつらを倒すつもりだったワケダ」

 

「彼奴が考えそうな事ね」

 

「お前は何処に行くんだ」

 

「俺はミーシャの奴を呼びに行く、ミーシャの纏うファウストローブもレーヴァテインだ。戦力としても響よりか役に立つだろう」

 

「そうか、分かった」

 

翼達はそう言って響達の通信機の反応のする場所に向かい俺はミーシャを呼ぶ為に響達の寮に向かった

 

「来たかミーシャ」

 

「はい、遅れてしまい申し訳ありませんでした湊さん」

 

「いや、急な呼び出しに応じてくれただけでも充分だ」

 

「急ぎましょう、お姉様がお怪我される前に」

 

「あっああ」

 

俺はミーシャの必死さに若干引きながら翼達の居る場所に向かった




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287話

〜切歌side〜

 

「お兄ちゃん早く…」

 

「兄に…」

 

私とアリスでセレナを支えながらお兄ちゃん達を待つ

 

「はあ!」

 

「ふ!」

 

響さんはあの錬金術師と協力して戦って居る

 

「暁!セレナ‼︎」

 

「翼さん!」

 

「遅れて済まない」

 

そこに翼さんが到着する

 

「翼さんセレナは大丈夫デスよね」

 

「大丈夫だ暁、気絶しているだけだ」

 

翼さんの言葉を聞いて私は安心する

 

「暁と君は2人でセレナを本部に」

 

「翼さんは」

 

「全く、先走りすぎなワケダ」

 

その声に私達だけじゃなくアダムと戦っていた錬金術師も振り返る

 

「カリオストロ…プレラーティ…生きていたのか」

 

「ええ、今此処に居ない彼のおかげでね」

 

「今此処に居ない彼?一体誰の事を…何だ⁉︎」

 

錬金術師がそう言うと空から炎がアダムに向かって飛んで行く

 

「間に合ったみたいだな」

 

「お兄ちゃん」

 

「兄に」

 

そこには翼を生やして空を飛ぶお兄ちゃんの姿があった

 

〜切歌side out〜

 

「漸く現れたか雪音湊」

 

俺の姿を見たアダムはそう言う

 

「全員無事か?」

 

「セレナ以外全員無事デス!」

 

「そうか、ミーシャ悪いが先ずは彼処の3人を連れて本部に向かってくれキャロルが本部のある潜水艦を水上に浮上させてくれているだろう」

 

「分かりました、皆さん捕まって下さい」

 

ミーシャはそう言って切歌達を連れて本部に向かって行く

 

「待て雪音湊‼︎」

 

俺がアダムに向かって行こうとするとサンジェルマンが俺を止める

 

「何だ」

 

「彼奴はお前1人では倒せない相手なワケダ」

 

「そうそう、あーし達とも協力しなきゃ」

 

「我々と共にアダムを撃ってくれ雪音湊」

 

サンジェルマンがそう言って手を差し出して来る

 

「足手まといになる様なら切り捨てるからな」

 

「ああ、それで良い」

 

「我々も行くぞ立花」

 

「はい、翼さん‼︎」

 

サンジェルマンはそう言ってファウストローブの武器の銃で空中に足場を作りティキの元に向かう為の足場を作った

 

「行け!」

 

「はあ!」

 

「あーし達が彼奴を食い止めるわ」

 

「お前達は構わずティキを倒す事に集中すれば良いワケダ」

 

カリオストロとプレラーティと響が3人がかりでアダムに攻撃を仕掛ける

 

「ああ、なら構わず使わせて貰うぜ、翼‼︎」

 

「ああ」

 

俺と翼はサンジェルマンの作った足場を利用し空中に居るティキに向かって行く

 

「させはしない好きに!僕だけなんだよ触れて良いのはティキのあちこちに」

 

「そうはさせるか!」

 

アダムがティキを守る様に俺と翼に錬金術で攻撃をするが翼がその攻撃を防ぎ地面に着地する

 

「はあ!」

 

「くっ!」

 

俺があと少しでティキに届く所でアダムはもう一度俺目掛けて放った錬金術を防ぎ俺も地面に着地する

 

「ですが局長、ご自慢の黄金錬成はいかが致しましたか?」

 

「あーし達に手心を加える必要もないのにどうしてあの馬鹿みたいな火力をかいちょうしないのかしら?」

 

「大方天からの霊ラインチャージはお前からしても予定外だった。その為門の開放に消耗し黄金錬成させるだけの力が無いのが丸わかりなワケダ」

 

いつまで経ってもあの高火力の火の玉が来ないと思ってたがそう言う事か

 

「はあ!」

 

サンジェルマンが発射した銃からは青い竜の様な物が現れた

 

「ふっ」

 

アダムはそれを帽子を飛ばして防ぐ

 

「はあああ‼︎」

 

サンジェルマンとアダムの攻撃がぶつかり合って出来た煙の中から響がアダムに向けて打撃を叩き込もうとするがそれは受け止められる

 

「どうしたもう終わりか?「はああ!」ぐっ!」

 

響に気を取られている内に翼が近づきスルトの剣でアダムの腕を斬る

 

「今だ雪音湊!ティキが完全に神の力に至る前に!」

 

「わかって…」

 

俺はティキの元に向かおうとした所で可笑しな点に気がつく

 

「お前その腕…」

 

アダムの腕からはまるで機械の様に電気が散って居た




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288話

〜弦十郎side〜

 

「司令!此方に向かって来る生命体を確認‼︎」

 

「モニターに映せ‼︎」

 

俺がそう言ってモニターを出すとそこにはキャロル君が映し出された

 

「弦十郎さんキャロルから通信が来ています」

 

「繋いでくれエルフナイン君」

 

俺がそう言うとエルフナイン君は通信を繋ぐ

 

「キャロル君、湊君達は如何した」

 

『ああ、彼奴らは立花響達の応援に向かった。俺は向こうでの報告を指示されたからお前達の所に向かっている』

 

「そうか、これから潜水艦を水上に浮上させる少し待機していてくれ」

 

『ああ』

 

俺がそう言うとキャロル君は通信を切った

 

「急で済まないが米国での報告を聞かせて貰えるか?」

 

「ああ」

 

キャロル君はそう言って米国での事を話す

 

「これが向こうであった事の全てだ」

 

「そうか、それで翼は現在響君達の応援に向かっているのか」

 

俺は翼がキャロル君と来なかった事に対する疑問が解ける

 

「まさか完全聖遺物が眠ってたなんてな」

 

「ああ、しかも翼が使えるとはだが大きな戦力の上昇には繋がった」

 

「司令、切歌ちゃん達間もなく到着します」

 

そこに切歌君達を連れたミーシャ君が到着する

 

「切歌!セレナは無事なの‼︎」

 

「はい、翼さんが見てくれて今は気絶しているだけだそうデス」

 

切歌君がそう言うとマリア君は安堵の表情を浮かべる

 

「ん…マリア姉さん…」

 

「セレナ、貴方はまた無茶な事をして」

 

マリア君はそう言ってセレナ君を抱きしめる

 

「痛いよ…マリア姉さん」

 

「ごめんなさいセレナ、でも無事で良かったわ」

 

「ご苦労だったミーシャ君」

 

「いえ、それでは私はやる事があるのでこれで失礼します」

 

そう言ってミーシャ君は響君達の元に向かって行った

 

〜弦十郎side out〜

 

「錬金術師を統べるパヴァリア光明結社の局長が…人形だと」

 

「人形だと!!」

 

アダムがそう言うとティキの光が強くなっていく

 

「光が…生まれる!」

 

「何が生まれるんですかサンジェルマンさん」

 

光は次第に治まっていきさっきまでティキがいた場所には怪物が居た

 

「完成してしまったんだ神の力が…」

 

「こうなるとあーしやプレラーティでも難しいわね」

 

「鍵を握るのはお前達が使う剣2つだけだ」

 

早めに仕留めたかったが俺達が来たのが遅かったのもあったか

 

「見せしめようか、完成した神の力…ディバインウェポンの恐怖を!」

 

アダムがそう言うと怪物は肩から光線を飛ばそうとする

 

「させるものか!」

 

「辞めろ‼︎迂闊に近づくな‼︎」

 

翼はサンジェルマンの言葉に聞く耳を持たずに神と化したティキに向かって行く

 

「はあ‼︎」

 

「ふっ」

 

アダムの笑みが溢れると同時にスルトの剣が届く寸前の所で光が放出される

 

「くっ‼︎ぐあ‼︎」

 

「翼さん‼︎」

 

翼は怪物の肩から放出される光に力負けして吹き飛ばされる

 

「たく、余計な面倒掛けんなよ」

 

俺は上空で翼を受け止めてそう言う

 

「済まない湊、次が来るぞ!」

 

「ああ、分かってる‼︎」

 

俺はそう言って怪物の肩から放出される光を避け続け治るのを待った




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289話

「人でなしサンジェルマンはそう呼び続けていたね。何度も僕を…そうとも人でなしさ僕は何しろ人ですらないのだから」

 

「アダム・ヴァイスハウプト貴様は一体」

 

サンジェルマンがそう問いかけるとアダムは地面に降りて来た

 

「僕は作られた彼らの代行者として」

 

「作られただと…」

 

「ああ、だけど廃棄されたのさ試作体のまま完璧過ぎると言う理不尽極まる理由をつけられて」

 

確かに理不尽極まり無い理由だだが

 

「有り得ない、完全が不完全に劣るなど「ふざけた事言ってんじゃねえぞ」何処がふざけていると言うんだい?ふざけているのは完全過ぎると言う理不尽極まり無い理由を付けて廃棄した彼らじゃないか」

 

「お前は…お前はそんな理由でシンフォギア軍事兵器化実験なんてふざけた実験をして俺や大勢の子供達を苦しめたってのか‼︎」

 

俺がそう言うとアダムは俺をよく見る

 

「成る程、あの時の男か。しかしその実験があったお陰でシンフォギアを纏える身体になっただろ。しかも1つじゃなくこの世の全ての聖遺物、完全聖遺物にそれにしても飼い猫に噛まれるとはね」

 

「湊が飼い猫だと、如何言う意味だ‼︎」

 

「そのままの意味さ、今も残っている筈だよ背中に僕が直々に背に入れたパヴァリア光明結社の所有物だと言う刻印が」

 

アダムが不敵に笑いそう言う

 

「翼さんもしかして師匠とクリスちゃんが見たのって」

 

「ああ、恐らくそうだろうな」

 

「局長、貴方は何処まで‼︎」

 

「僕は歪みを正すだけだよ。完全が不完全を滑る事でね!!」

 

「させるか!「何をするつもりだ雪音湊!!」あれを止める!またあんなの撃たれてみろそれこそこの辺り一帯が焼き払われる!そんな事になれば俺もお前達も終わりだ!倒せる見込みのある俺が行くのが妥当だろ!」

 

俺はサンジェルマンにそう言って怪物に向かって行く

 

「やらせないよ!「それは此方とて同じ事‼︎」くっ!」

 

「足止めは我々に任せて行け湊‼︎」

 

そう言って翼達がアダムの足止めをする

 

「はあ!」

 

倒すまではいかなかったが今の攻撃で完全に軌道が変わった

 

「あぁああ!!」

 

「くっ!」

 

怪物の振り下ろす腕が直撃し吹き飛ばされる

 

「まだ倒し切るのは無理か、くそ連発出来るなんて聞いてねえぞ!」

 

俺を吹き飛ばした直後怪物はまたエネルギーを溜め始める

 

「くっ…ぐあ‼︎」

 

「湊君‼︎」

 

今度は間に合わず俺は怪物の光線を飛に直撃してビルの鉄骨に右腕が刺さる

 

「くっ!この程度の痛み」

 

俺は右腕を鉄骨から抜き治癒の錬金術を使って治す

 

「クソが、血液まではまだ時間が掛かりそうだ」

 

「湊君‼︎」

 

「如何した響」

 

俺が腕を治して居ると響が来た

 

「今ミーシャちゃんが私達の所に向かってるって、それとガングニールにも神殺しの力があるって分かったって師匠から」

 

ガングニールにも神殺しの力が…

 

「そうか10分…いや5分もあればいけるだから頼む少しだけ時間を稼いでくれ」

 

「ああ、心得た」

 

「我々も時間を稼ごう。お前は完全に腕を治せ」

 

「そう言う事」

 

「だが遅ければ俺達が彼奴を倒してしまうワケダ」

 

「ああ、お前達が彼奴を倒す前に行ってやるよ」

 

俺がそう言うと響達はアダムと怪物に向かって行った




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290話

「もう大丈夫そうだ」

 

さっまで感覚の無かった右腕は回復し戦闘も可能となったのでサンジェルマン達の元に向かう

 

「待たせたサンジェルマン」

 

「ああ、雪音湊次の指示を頼む」

 

俺がサンジェルマン達の元に行くとサンジェルマンは俺にそう言う

 

「お前になら我々の全てを掛けても構わないと言うワケダ」

 

「あーしも同じよ」

 

「今あの怪物は」

 

「立花響、風鳴翼、それからお前の指示で一度仲間を連れて行った子が相手をしてる」

 

ミーシャの奴着いてたのか

 

「ティキの方は神殺しの力を持った奴が3人がかりで対処すれば問題ない、俺達はアダムを抑えるぞ」

 

「「「了解」」」

 

そう言って響はデカブツに向かって行った

 

「やっと得心した。あの時無理筋な黄金錬成、あれはシンフォギアに向けた物では無く局長にとって不都合な真実を葬り去る為だったのね」

 

「言った筈なんだけどな探し過ぎると」

 

アダムはそう言って俺達に向かって来る

 

「やはりあの時の君を確実に仕留めるべきだった様だね、雪音湊…君は危険すぎる!」

 

アダムはそう言って自身の腕を抜き武器として扱う

 

「悪いな、俺にはまだやり残した事が山ほどあるんだそうやすやすと死んでたまるかよ」

 

「後退しろ雪音湊!」

 

「ああ」

 

俺はアダムに確実に当てる為にギリギリの所で後ろに飛ぶ

 

「今だ行け雪音湊!」

 

サンジェルマンの言葉を聞いて俺はアダムの上を取り怪物と化したティキに向かって行く

 

「乗り過ぎだ調子に「はあああ!」くっ!」

 

「行け湊、此処は私が引き受ける」

 

「ああ、頼むぞ翼!」

 

俺はそう言って翼を生やして一気に怪物に近づく

 

「ミーシャ、響如何だ」

 

「すみません、ファウストローブを使う様にはなってきたんですがお姉様を抱えたままでは飛べず」

 

「分かった響は俺が連れて行く、お前はあの怪物の周りを飛んで撹乱してくれ」

 

「分かりました」

 

ミーシャはそう言って怪物に向かって行く

 

「捕まれ響、落ちても無事な保証はしねえぞ」

 

「うっうん、出来れば安全に行って欲しいかな」

 

響はそう言いながら俺の手を掴む

 

「打ち込んで来い!」

 

俺はそう言って響をティキに向かって投げる

 

「うおお!」

 

「アダムを困らせるな!!」

 

「お姉様に手出しはさせません」

 

そう言って響を握り潰そうとティキが伸ばす左腕をミーシャが斬り落とすのと同時に響が右腕を破壊する

 

「これでどうだ」

 

ティキは直ぐに両腕へのダメージを無かった事にしようとしたが無かった事にはならずその場で叫ぶ

 

「効いてますよお姉様」

 

「ああ、これならいける次はあの胸の水晶を破壊するぞ、水晶の中のティキを破壊すればあの怪物も消える筈だ」

 

「うん、やろう湊君」

 

響がもう一度俺の手を掴んだ所で俺は上昇する

 

「終わらせて来い」

 

「とりゃ〜‼︎」

 

俺がもう一度響を投げると響は腕をドリルの様にして突っ込む

 

「ハグだよティキ、さあ飛び込んでおいで神の力を手放して!」

 

「アダム「相手が悪かったな」あああ!」

 

アダムはティキが破壊されるのを恐れ自分の元に向かわせるがその途中に俺がティキの入っていた水晶を破壊する

 

「ふ〜、何とかなったね」

 

「ああ」

 

俺は響の言葉に頷きティキが落ちて行った場所を見る

 

「とても素敵でしたお姉様」

 

「あはは、そうでも無いよ」

 

響に抱きつきながらそう言うミーシャに響は照れながそう答える

 

「新世界の雛形へと!!」

 

アダムがそう言うと小さな光の粒がアダムに向かって行くが

 

「どう言う事だ?」

 

何故かその光は俺と響の周りに集まって来て居た

 

「ねえ湊君…何これ?」

 

「わからないが…ぐっ!あああ!!」

 

突然胸に激しい痛みがこみ上げて来た

 

「どうしたの!?ねえ湊く…」

 

響が俺の名前を呼びかけるが俺の意識は段々遠のいていった

 

〜ミーシャside〜

 

「一体何が如何なって」

 

私の目の前で湊さんとお姉様が2つの大きなさなぎに姿を変えた

 

「宿せ無い筈…汚れなき魂でなければ神の力を」

 

「生まれながらに原罪を背負った人類に宿る事など「一概にそうとは言い切れ無いワケダ」如何言う事だプレラーティ」

 

「俺が彼奴と行った遺跡には神殺しの事だけで無く治癒の錬金術師の事についても書かれてあった。治癒の錬金術それは神を宿す者に与えられた力だと」

 

そんな事が…

 

「あのお姉様達は如何なるんですか?」

 

「分からない、何より神の力にはまだ分かっていない事が多過ぎるワケダ」

 

「そうですか… 」

 

「一先ず状況の整理がしたい。我々と一緒に本部まで来てくれないだろうか?」

 

翼さんがそう言うと錬金術の内の1人が考える

 

「分かったわ、一先ずは貴方達を信じましょう。互いに持っている情報を整理する必要もあるでしょうし。プレラーティは此処に居て何か変化があれば知らせて欲しい」

 

「分かったワケダ」

 

そう言って錬金術達は1人を残して私達と本部に本部に向かった

 

〜ミーシャside out〜




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291話

〜クリスside〜

 

『クリス君、状況に変化はないか?』

 

「ああ、昨日よりデカくなってるくらいだ」

 

1日が経ったあのバカと湊のさなぎは日を追うごとに成長している

 

『そうか、状況に変化があり次第報告を頼む』

 

「分かった」

 

あたしはそう言っておっさんとの通信を切る

 

「クソが、何たって彼奴ばっかり」

 

「すみません、私が1番近くに居たと言うのに何も出来ず…」

 

「別にお前を責めてるわけじゃねえよ」

 

あたしはそう言ってミーシャの頭に手を置く

 

「此方でも打開策を試したがどれも失敗に終わっているワケダ。最悪神殺しの力を使えば破壊も可能だろうがその場合、立花響は助かる可能性はまだあるだが、雪音湊彼奴は神をその身に宿している故に迂闊に手を出せば彼奴自身を殺しかねないワケダ」

 

「ああ、お前達が彼奴らを助ける為に手を尽くしてくれてるのは知ってる」

 

錬金術師共はあたし達が動き始める前から湊をあのバカを助けようとしてた。今更敵だなんてあたしは思ってねえ

 

「だが彼奴だからこそ米国も最後のカードを切る事が未だに出来ない状況下にあるワケダ」

 

「ああ、だがそれも時間の問題だ」

 

ナスターシャの話だとF.I.Sは湊に関する事で問題を起こさない事を徹底させているらしい。だから米国も反応兵器は使って居ないそれにこの前世話になったアリア・ツーヴェルクの父親が待ったを掛けてるのも効いてんだろ

 

(でも米国以外は違う、その内米国だけでは抑えきれなくなるかも知んねえ、その前に何としてでも湊をあのバカを助ける必要がある)

 

あたしがそう考えて居ると頭上から欠片が落ちて来る

 

「これは…「チッ!随分と早い目覚めなワケダ」おい!おっさん‼︎」

 

『此方でも確認した、君達は直ぐにそこから離れろ!中から高エネルギー反応が検知されて居る‼︎』

 

「分かった!聞いただろ錬金術師‼︎」

 

「ああ、分かって居るワケダ」

 

あたし達がさなぎから離れる中ミーシャだけがその場に佇み何かを見て居る

 

「おい!何やってんだ!さっさと離れんぞ!」

 

「誰か降りて来てるんです」

 

「は⁉︎こんな状況で何バカな事言ってやがる!」

 

あたしはミーシャの所まで戻り無理矢理引っ張って行く

 

「間に合え‼︎」

 

あたしはさなぎの下から放出れる光から走って距離を取る

 

「はぁはぁ、間に合ったのか…」

 

「あれが雪音湊の中に眠る神」

 

錬金術の見る方には確かに槍と盾を持った人の姿をした何かが居た

 

「下がってろ」

 

~Killter Ichaival tron~

 

あたしはミーシャを後ろに下がらせて聖詠を行う

 

「暫く見ないうちに随分と変わってしまいましたね」

 

そいつは辺りを見渡してそう言う

 

「貴方は…」

 

あたし達に気付くとあろう事かあたし達の方に向かって来た

 

「待て!テメェ何もんだ‼︎どっから来やがった‼︎」

 

「混乱するのも無理はありません、ですが少し私の話を聞いて頂けないでしょうか?」

 

「は、話すまでもねえ!」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

あたしは背部に形成した固定式射出器の左右に1基づつ、計2基の大型ミサイルを発射する

 

「話もさせてくれないのですね」

 

そう言ってそいつが槍を振るうとたった一振りで大型ミサイルが2つとも破壊された

 

「ちっ、らあ‼︎」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

あたしは左右の腰部アーマーを展開し、内蔵の多連装射出器から追尾式小型ミサイルを一斉に発射する

 

「クソ、化け物が」

 

そいつはあたしの発射した小型ミサイルを全て槍で破壊して見せた

 

「もう良い、奴の正体も分かった」

 

「あ?何言ってやがる錬金術師‼︎」

 

錬金術はそう言うとそいつに近づき地面に膝を付いた

 

「これまでの御無礼を許して欲しいワケダ」

 

「少しは話の分かる子が来てくれた様ですね」

 

そいつはそう言って槍を地面に向ける

 

「我が名はアテネ、輪廻転生を繰り返す神です」

 

そいつはあたし達に向けてそう言い放った

 

〜クリスside out〜




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292話

〜クリスside〜

 

「あ〜ん、すみませんね私昔から良く神友にお腹が空くと性格が激変するって言われるんですよ」

 

数時間後、彼奴はあの後倒れたと思うとお腹の鳴る音が聞こえて来たから一様本部に連れ帰って食事をしている

 

「君は一体何者なんだ」

 

「あ、自己紹介も無しにすみません私はアテネって言います。一様神様をやってます」

 

その名前を聞いて錬金術師達は驚く

 

「女神アテネ、錬金術の生みの親にして始まりの錬金術師」

 

「まさか彼の中に居たのが女神アテネだったなんてね」

 

「湊は彼奴は無事なのか?」

 

「はひ、んぐ⁉︎」

 

食べてる途中にあたしの質問に答えようとして喉に詰まらせたのか渡された水を飲む

 

「ふぅ〜、ありがとうございます。それで主人様についてですよね、少し前に目を覚まされましたよ。今は体の主導権を私に譲ってくれて休んでます」

 

そうか、湊の奴は無事なのか

 

「あのアテネさん、お願いしたい事があるんです」

 

「何ですか?」

 

「響を….響を助けて欲しいんです!お願いします!」

 

未来はそう言って頭を下げる

 

「えっと…響ちゃんだよね?その子って今あそこでさなぎになってる子で良いのかな?」

 

「はい」

 

「そっか、残念だけどあの殻は外から攻撃したら余計に硬くなって最悪その響ちゃんが出れなくなっちゃうからその子が出て来るのを待った方が良いよ。後はあの子に降りた神様が話の出来る神だと良いんだけど」

 

アテネはそう言って腕を組む

 

「少し良いか?神と言うのは君の様に話が出来る者達ばかりではないのか?」

 

「神様にも色々位みたいなのがあるんですよ。位が下の神に行けば行く程言葉は話せませんので話も出来ませんので戦うしかありません」

 

「話し合いが出来る神様だったら響は無事なんですよね?」

 

「大丈夫だよ、これでも話し合いが出来る神様だったらその中で私が1番偉いから」

 

「ありがとうございます!」

 

未来は笑って頭を下げる

 

「その響ちゃんがさなぎになってどれくらい経ったかな?」

 

「2日と2時間くらいだ」

 

「そっか、主人様?うん、分かった主人様がもうそろそろ変わって欲しいって、それじゃあねお友達助けられると良いね」

 

「はい!」

 

未来がそう言うとアテネの雰囲気が変わった

 

〜クリスside out〜

 

「ふぅ〜、やっと戻れたか」

 

「今度は湊みたいだな」

 

俺を見て姉さんがそう言う

 

「ああ、悪いな変な心配かけちまって」

 

そう言って俺はアテネの姿に変わった自分の姿を元に戻す

 

「ん?お前その首から下げてんの何だ?」

 

「これか?神の力が結晶化した物みたいだ」

 

「ではその結晶を砕けば彼女の力が?」

 

「だろうな」

 

そう言って俺は意識が浮上する中で手にした黄金の結晶を見る

 

「湊君、この先彼女の手助けが不可欠になるやも知れん彼女に伝えたい事は極力君に伝える事になってしまうがそこは了承してくれ」

 

「んな事は分かってる、兎に角いまは響がさなぎの中から出てくんのを待つか」

 

そう言って俺は人の入ってるさなぎを見た




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293話

「司令鎌倉から直接‼︎」

 

『五国災害派遣法を適応した』

 

モニターには知らない爺さんが映し出される

 

「五国?」

 

「爺さんテメェ自分が何言ってんのか理解してんのか」

 

「如何言う事デスかお兄ちゃん」

 

爺さんの言った事の意味が分かってない切歌が俺にそう聞く

 

「彼奴は立花響を第二種得意災害に認定したって言いたいんだよ」

 

俺の言葉を聞いて姉さん達も事の重大さを理解する

 

『聖遺物起因の災害に対し無制限に火器を投入可能だ。対象を速やかに殺処分せよ』

 

「ですが現在救助手段を講じており『儚きかな』くっ!」

 

『国連の介入を許すつもりか、その後者は反応兵器、国が燃えるぞ』

 

反応兵器、あれが使われれば確かに国一つ余裕で燃やせるだが日本には俺が居る。米国もそこまで馬鹿じゃないだろう

 

「待って下さい!響は得意災害なんかじゃありません‼︎私の…友達です!」

 

「国を守るのが風鳴ならば、鬼子の私は友を人を防人ます!」

 

『翼!その身に流れる血を知らぬか』

 

「知るものか‼︎私に流れているのは天羽奏と言う1人の少女の生き様だけだ」

 

翼は険しい顔で爺さんにそう言う

 

「俺だオーグ、そっちは如何なってる」

 

『反応兵器の事だね、安心してくれ反応兵器は僕とF.I.Sが知る限り使われていないよ』

 

「そうか、引き続き頼むもし使われる様な事が有れば直ぐに連絡を入れてくれ」

 

俺はそう言ってオーグとの通信を切る

 

「テメェの早とちりだったみてえだな爺さん。聞いた通り今の所反応兵器が使われる可能性は0に近い」

 

『貴様、名を何と言う』

 

「生憎だがテメェに名乗る名前なんて持ち合わせてねえよ、とっとと失せろ爺さん」

 

俺と爺さんはそう言って互いに睨み合う

 

『司令!響ちゃんの周辺に攻撃部隊の展開を確認』

 

『作戦開始は2時間後、我が選択した正義は覆さん』

 

爺さんはそう言って通信を切る

 

「友里、報告の続きを頼む」

 

『はい、ですが響ちゃんの周りに10騎のシンフォギアを確認、攻撃部隊を響ちゃんに近づけない様尽力して居ます』

 

当然だ、彼奴を死なせるわけにはいかねえからな

 

「助かった湊君」

 

「ああ」

 

風鳴司令の言葉に俺はそう返す

 

「後は響に降りた神が話の出来る奴か如何かに掛かってる」

 

「万が一話が出来なければどうなる」

 

「最悪…神ごと響を殺す必要も出て来る」

 

俺がそう言うと静かだったのがさらに静かになる

 

「まあ最悪だけどな、んじゃ俺はシンフォギアを止めに行くなその先の護衛は俺がやる」

 

「ああ、頼む湊君」

 

そう言って俺はシンフォギアを止める為に響の居る場所に向かった




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294話

「と、お前らサンキューな」

 

俺はそう言ってシンフォギアの展開を解除して聖遺物の欠片に戻す

 

「そこの少年そこを退きなさい」

 

「退かないと言ったら?」

 

俺がそう言うと上空に光が発せられる

 

「漸くお目覚めか、アテネ如何だ」

 

『あれは無理です。彼女の中に降りたのはただの破壊神、名もなき神です』

 

名もなき神、て事は戦うしかないのか

 

「念話であの中に居る響と会話は出来ないか?」

 

『やってみます』

 

アテネはそう言って響に念話を試みる

 

「たく、やべえな」

 

俺はアテネと話しながら攻撃を避けたが軍の戦車の大半は大破している

 

「湊‼︎」

 

「遅えぞお前ら」

 

「悪い、彼奴は」

 

俺は姉さんの言葉に首を左右に振る

 

「あれはただの破壊神、名もない神らしい」

 

「つまりは話の出来る神ではなかったのか」

 

翼がそう言うと怪物となった響は俺達に向けて光線を発射する

 

「たく面倒掛けさせんな‼︎」

 

俺は障壁を張ってその攻撃を防ぐ

 

「あのバカなんつうパワーしてんだよ」

 

「あの出鱈目な強さはなんだかとても響さんデスよ」

 

「この戦さ場はこちらで預かる、撤退されよ」

 

『国連直角の先遣隊か、我らは日本政府の指揮下にある、撤退命令は受けて居ない』

 

「くっ、この後に及んで」

 

「理由が必要だと言うのならくれてやるワケダ」

 

そう言ってサンジェルマン達が戦車の手法を破壊する

 

「力を貸してくれるのか」

 

「これは共闘では無い、私達の戦いだ」

 

翼の言葉にサンジェルマンはそう返す

 

「時間を稼げ、今アテネの奴に響本人との念話によるコンタクトを取ってもらってる」

 

「立花本人との?しかしそれでどうにかなるのか?」

 

「どれだけ姿が変わろうと響は響だ。未来が呼びかけりゃ止まるだろ」

 

「成る程な、確かにそうだな」

 

未来は彼奴にとって1番大事な存在だ。姿が変わろうと響が未来を傷つける事はほぼ無いだろ

 

「先ずは動きを封じる、行くぞ!」

 

俺達は翼の後に続く形で響に向かって行った

 

〜響side〜

 

「ん…此処って」

 

私が目を覚ますと真っ暗な場所に居た

 

「確か私と湊君の所に小さな光の粒が集まって来てそれから」

 

私がその先を思い出そうとしても何も思い出せない

 

「それにしても此処何処なんだろ、真っ暗で何にも見えないや」

 

『あの…何方…』

 

すると突然何処からか微かに声が聞こえる

 

「誰か居るんですか!居たら返事をして下さい‼︎」

 

『繋がった、聞こえますか?聞こえたら返事をして下さい』

 

「聞こえます!姿を見せて下さい‼︎」

 

姿は見えないでも声だけは確かに聞こえる

 

『名前を教えて頂けないでしょうか』

 

「立花響16歳です」

 

『ありがとうございます、姿を見せて差し上げたいのは山々なのですが生憎の念話なので声しか届ける事が出来ないんです』

 

「分かりました、貴方は誰何ですか?」

 

『少し待って下さい、今貴方のお知り合いに変わります』

 

私の知り合い?誰だろ?

 

『響‼︎』

 

「未来?」

 

その人の言う私の知り合いは私の親友小日向未来だった

 

〜響side out〜

 

「湊」

 

「ああ!分かってる‼︎」

 

《影縫い》

 

俺と翼は青と金のエネルギーを飛ばして響の動きを止めようと試みる

 

「ガアア‼︎」

 

「やはり対人戦技では、効果が望めぬか」

 

「エルザ!キャロル!お前達もやれ‼︎」

 

俺がそう言うとエルザとキャロルが弦を伸ばして響を拘束する

 

「手伝うデス」

 

「私も」

 

「ありがとうであります」

 

「ふん、余計な事をだが感謝しておいてやる」

 

「この隙を無駄にはしない‼︎」

 

その隙にマリアが空中に展開した複数の短剣によってそれを頂点にしたバリアーを展開をした後にそのバリアーを伸ばして響を拘束しようとする

 

『主人様、立花響さんとの念話成功しました』

 

「翼、響との念話が成功したらしい」

 

「そうか、湊は小日向を立花の元に連れて行け!」

 

「分かった!」

 

俺はそう言ってトラックに居る未来の所に向かった




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295話

「準備しろ未来、あのバカを助けに行くぞ」

 

「それじゃあ響は!」

 

「ああ、無事だ。彼奴の意識もある」

 

俺はトラックの中で未来にそう言う

 

「弦十郎さん、私行きます」

 

「ああ、響君の事は頼んだぞ未来君」

 

未来は風鳴司令の言葉に頷き俺と一緒にトラックから出た

 

〜Rei shen shou jing rei zizzl〜

 

未来はトラックから出ると神獣鏡を纏う

 

「行くぞ未来」

 

「うん」

 

俺は未来を連れて響の所に向かう

 

「響‼︎」

 

未来が大声で響の名前を呼ぶと響の動きが止まった

 

「今日は響の誕生日何だよなのに…なのに響が居ないなんておかしいよ」

 

は?今日彼奴の誕生日なのか?全然知らなかった

 

「グ…グアア‼︎」

 

怪物と化した響は未来を握り潰そうとする

 

「全員小日向を守れ‼︎」

 

『止まれ〜‼︎』

 

これまで聞こえなかった響の声が聞こえる

 

「響、私は此処に居るよ帰ろうよ響」

 

未来がそう言うと怪物と化した響の胸の中央部分が異様に光る

 

「未来、あの光ってるのが見えるか?」

 

「うん、もしかしてこの先に響が?」

 

「それは俺にも分かんねえよ、だが行ってみる価値はある」

 

俺はそう言ってアイギスの槍で響の胸の中央に亀裂を入れる

 

「行くかどうかはお前に任せる」

 

「私ねこの先に響が居ると思うの…だからちょっと行ってくるね」

 

そう言って未来は俺の開けた亀裂の中に入って行く

 

〜未来side〜

 

「やっぱり居た」

 

湊が入れた亀裂を進んでいくとそこに響の姿はあった

 

「響」

 

「未来!良かった無事だったんだ」

 

「うん」

 

響の言葉に私は頷く

 

「でもどうして未来が此処に」

 

「響を迎えに来たんだよ。帰ろう響、皆の所に」

 

「うん、やっぱり暖かいな未来は」

 

響は私に抱き付きながらそう言う

 

「響…お誕生日おめでとう」

 

「うん、ありがとう未来」

 

響がそう言うと辺りは眩しい光に包まれた

 

〜未来side out〜

 

「成功か」

 

未来が入って5分程すると化け物となった響の体全体に亀裂が入りさっき光ってた中央部分からは気を失っている響と響を抱えた未来が現れたと同時に俺の通信機が鳴る

 

「どうしたオーグ」

 

『済まない湊君!僕とF.I.S.の目を盗んで反応兵器が発射された!』

 

「このタイミングでマジかよ」

 

俺はそのまま上空に飛ぶ

 

「お前1人の力ではどうにもならないワケダ」

 

「でもあーしらの錬金術とアテネのアイギスを組み合わせれば」

 

「勝算がある我々と協力してくれ雪音湊」

 

「今回ばかりは俺から頼みたいくらいだ、錬金術の知識に関しちゃお前らより断然下だからな」

 

そう言って俺はアイギスの槍に神の力を込める

 

「着弾までの距離は400m間に合うのか?」

 

「ああ、それだけあれば充分過ぎるワケダ」

 

プレラーティ達はそう言って俺にエネルギーを送る

 

「もう充分なワケダ」

 

「やっちゃいなさい」

 

「ああ」

 

俺はそう言ってアイギスの槍を投げる

 

「これは…」

 

槍が反応兵器とぶつかり爆発したがそのエネルギーは拡散すること無く一定の区間で止まって居る

 

「お前の神の力そして私達が今まで呪詛の解除の為に始めたラピスの研究開発、それで培った錬金術をお前の神の力で圧縮しているワケダ」

 

「でもあーし達じゃ限界は来る。やっぱり最後は神様がきっちり決めてくれなきゃね」

 

「私達の積年の思いをお前に託す‼︎」

 

「ああ、やってやるよ!」

 

俺はそう言ってサンジェルマン達が抑えてる反応兵器に近づく

 

「アテネ、このエネルギーどうにか出来るか」

 

『はい、あの方々が拡散を最小限に抑えてくださっているので可能です』

 

俺の問いかけにアテネはそう答える

 

「なら頼む」

 

『お任せ下さいマスター』

 

俺はそう言って人格の主導権をアテネに渡す

 

〜サンジェルマンside〜

 

「くっ!まだか雪音湊」

 

「仕方ないわね、あーし達の命を燃やして「その必要はありません」やっと出てきたのね」

 

そう言って雪音湊は私達が抑える反応兵器のエネルギーに手を伸ばす

 

「あれだけのエネルギーを一瞬で…」

 

「流石女神アテネ、我々とは桁違いの錬金術の威力なワケダ」

 

雪音湊は私達がギリギリで抑えていたエネルギーの掌握を簡単に終わらせる

 

「エネルギーの掌握終わりましたマスター」

 

そう言うと雪音湊は何かに意識を刈り取られたかのようになって落ちて行く

 

「大丈夫か」

 

「ん…ああ、なんか身体中の至る所が無茶苦茶痛いが動けない程じゃねえ」

 

私の問いかけに雪音湊はそう返した

 

〜サンジェルマンside out〜

 

『湊(君)(さん)(お兄ちゃん)‼︎』

 

俺達が地面に降りていると響達が向かって来る

 

「良かったです、サンジェルマンさん達も無事で」

 

「ああ、後はあの神の力へと変えたエネルギーを掌握すれば」

 

「しなくてはね君達に感謝を」

 

そう言って割れた空間からアダムが現れる

 

「アダム・ヴァイスハウプト、またしても神の力を‼︎」

 

「僕の手に今度こそ‼︎」

 

「止めるぞ!」

 

そう言って翼達がアダムに向かって行く

 

「もうさせないよ邪魔だては」

 

そう言ってアダムが水の後に錬成した氷で翼達の動きを止める

 

「ふ、何…くっ!」

 

「させっかよ、そんな事」

 

俺はアダムの集める神の力を自分に集める

 

「これで全部だ、やれ響‼︎」

 

俺は掌握した神の力を球体状にして上空に向かって投げる

 

「うおお‼︎」

 

「辞めろ‼︎都合の良い神殺しなものか‼︎その力は、2000年の思いが呪いとせきそうした哲学兵装、使えば背負う呪いはその身に‼︎」

 

「私は歌でぶん殴る‼︎」

 

そう言って響は神の力を掌握した球体を破壊した




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296話

「湊君‼︎」

 

「セレナか…」

 

響が掌握した神の力を破壊した所でセレナ達残りの装者が到着する

 

「くっ!雪音湊…貴様‼︎」

 

アダムはアイギスの槍を地面に突き立てて体を支える俺を睨みつける

 

「だが、お前達が分かり合えるものか、バラルの呪詛がある限り呪詛を施したカストギア、アヌンナキを超えられぬ限り、だが1つになれば話は別だ統率者を得る事で無秩序な部隊は完全隊へと「だとしても‼︎」ん?」

 

「分かり合う為に手を伸ばした事無意味では無かった‼︎」

 

「ああ、このバカの言う通りだ」

 

「お前の語った通り私達1人1人の出来は良くない」

 

「だから何ちゃらの一つ覚えで何度だって立ち上がって来たのデス」

 

「諦めずに何度でも、そう繰り返す事で一歩ずつ踏み出して来たのだから」

 

「貴様1人に何時迄も遅れを取る俺達だと思ってくれるな」

 

「たかだか完全を気取る程度で私達不完全を上から支配出来るなどと思うてくれるな‼︎」

 

響の言葉に続いて翼達がそう言う

 

「確かに、この世界には統率者が必要だ。だがそれは決して局長、貴方の様な人じゃない」

 

「そうね、例をあげるとすれば彼かしらね」

 

そう言ってカリオストロは俺を見る

 

「統率者にとって最も重要なのは人望と他者からの信用、そしてアダム・ヴァイスハウプトお前にはその2つが決定的に抜けているワケダ」

 

「どうしてそこまで言える、大きな事を、大きな顔で」

 

アダムはそう言ってアルカノイズを出現させる

 

「人でなしには分からない‼︎」

 

響がそう言うと全員がアルカノイズとの戦闘を開始する

 

「湊さんが動けるようになるまで私達が」

 

「湊さんを守ってみせます」

 

「悪いお前ら」

 

俺は神の力を構築して自身の傷を治して行く

 

「此処まで治れば、お前達もう良いぞ!」

 

俺がそう言うと鳩木と神奈月は中央を開ける

 

「悪いアテネ、一旦眠っててくれ」

 

『はい、私は何時でも貴方の心のままに』

 

アテネがそう言うとアイギスが消える

 

「何時迄も神様に任せっきりって訳にも行かねえからな」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

《雷鳥》

 

俺は聖詠を行いシンフォギアを纏って直ぐに大剣を投げ雷鳥を出現させてアルカノイズを倒す

 

「は、漸く来やがったか」

 

「悪いな、遅れて此奴は本の礼だ」

 

俺は溜めに溜めたフォニックゲインを全員に行き渡る様にして放つ

 

「ギアの出力が向上した、これならば湊‼︎」

 

「ああ!彼奴にデカイのを喰らわせてやる‼︎」

 

《天雷ノ逆鳥》

 

俺と翼は上空に飛び翼の天ノ逆鱗と俺の雷鳥を融合させ翼が剣となった巨大な雷鳥が俺と翼を乗せてアルカノイズを殲滅しながらアダムに向かって行く

 

「調子に乗るな、人間風情が‼︎」

 

アダムは障壁を張って俺と翼の攻撃を防ぐ

 

「ふ、所詮はこの程度」

 

「ああ、だが片腕を失って居る貴様ではこれには対処出来まい。立花‼︎」

 

「はあああ!」

 

俺と翼がアダムの注意を引きつけてる内に響は体勢を立て直しアダムに殴り掛かる

 

「やったデスか?」

 

「まだだろうな」

 

「ああ、相手は統制局長そう簡単に終わらせてはくれないだろう」

 

響の攻撃が命中する直前に後ろに飛んで交わした俺と翼は切歌にそう言う

 

「案外エクスドライブに何なくてもいけるかも知んねえな」

 

「いや、そうでもないらしい」

 

「やっぱりか…」

 

土煙が晴れるとそこには失った筈の左腕で響の拳を受け止め放り投げるアダムの姿があった




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297話

「そうさ、力を失っているのさ僕は…だから保っていられないのさ、僕は…僕の完成された美形を!!」

 

そう言ったアダムから高質力のエネルギーが発せられ次第にアダムの姿が変わっていった

 

「知られたくなかった人形だと…見せたくなかったこんな姿を…だけどもう頭に角をいただくしか無いじゃ無いか!僕だって同じさ負けられないのは!」

 

そう言ってアダムは自らが出現させたアルカノイズを倒していく

 

「ちっ、また化け物のお出ましかよ」

 

「仕方ない、使うつもりはなかったが」

 

俺はそう言って黄金の結晶を砕く

 

「雪音湊…貴様一体何を…」

 

「まさかその光は!させるものか!」

 

アダムは俺に向かって来るが後一歩の所でアイギスの槍と盾が形成される

 

「やっぱ神の力を結晶化させてたのか」

 

「貴様… 貴様!!」

 

アダムは怒りを俺にぶつけるように向かって来る

 

「攻撃が軽い、これが完全に神に至った感覚か」

 

俺はアダムの攻撃を盾で防ぐが響の時の様に重くなく簡単に押し返せる

 

「それで終わりかアダム・ヴァイスハウプト」

 

「ほざけ〜!!」

 

アダムの拳を交わし槍でアダムを突いて吹き飛ばす

 

「此処は俺が引き受ける!あまり長くは持たない!何とかアダムを打開する手立てを導き出せ!」

 

「わかった、ありがとう湊君」

 

響の言葉を聞いた俺はアダムを飛ばした方に向かう

 

「図に乗るな人間風情が!」

 

俺とアダムは互いに力をぶつけ合いう

 

「はあ!」

 

俺は後ろからのサンジェルマンの銃弾を交わす

 

「我々も手を貸そう」

 

「だったらカリオストロ、プレラーティお前達はエルフナインにこれを届けてくれ、後で必要になる筈だ」

 

「ああ、分かったワケダ」

 

プレラーティはそう言ってカリオストロとエルフナインの居るトラックに向かって行った

 

「俺達はアダムを止めるぞ」

 

「ああ」

 

そう言って俺は槍と盾をサンジェルマンは銃を構える

 

「所詮は人間!私に勝てる筈が無いんだ‼︎」

 

「ふっ!」

 

俺が盾で受け止めて居るとサンジェルマンが後ろから飛び出て銃を剣の様にしてアダムに斬りかかるが

 

「くっ!」

 

「はあ!」

 

「ぐあ!」

 

サンジェルマンの攻撃ではアダムはびくともせず何事も無かったかの様にサンジェルマンを吹き飛ばす

 

「何をするつもりだったんだろうね…サンジェルマンのスペルキャスター‼︎」

 

吹き飛ばされた際にサンジェルマンが落したファウストローブの武器である銃を砕きファウストローブを形成するエネルギーを響に向けて放つ

 

「しまっ‼︎」

 

「させるか〜‼︎」

 

俺はそう言って槍を地面に突き立てて棒高跳びの要領で飛びエネルギーが届く前に響達の前に立ち盾を構える

 

「くっ!」

 

受け止めながらも徐々に後ろに押される

 

「諦めないで湊君!」

 

「踏ん張りやがれ湊!」

 

「耐えろ湊!」

 

「耐えなさい雪音湊!」

 

「踏ん張るデスお兄ちゃん!」

 

「何時も支えられてばかりの私達、だから今度は私達が湊さんを支える番」

 

「湊君ならきっと出来るよ。だから頑張って」

 

響達も後ろで俺を支えてくれている

 

「無駄な悪足掻きを「そうはさせないであります」僕の邪魔をするな〜‼︎」

 

俺の負担を少しでも減らそうとエルザ達はアダムに攻撃を仕掛ける

 

「お前ら…」

 

(今俺の後ろにはセレナが居る。俺を慕ってくれてる後輩達が俺を受け入れてくれた仲間、守りたい奴らが立ってるんだ…こんな所でやられてたまるか!!)

 

心の中でそう決意した時、響達の絶唱の声と共に青白い光が俺を包んだ

 

〜エルフナインside〜

 

「これは…絶唱!?」

 

「無茶だ!フォニックゲイン由来のエネルギーじゃ「待ってください!これは…」どうなっているんだ…」

 

響さん達の絶唱でファウストローブのを形成するエネルギーを取り込んでいっているそしてその力の殆どがフォニックゲインに近いエネルギーに変換されて取り込まれている

 

「まさか湊さんの体から出ているあの青白い光の影響でしょうか?何にしてもこれはまたと無いチャンスです!フォニックゲインに近いエネルギー以外の負荷はバイパスを繋いでダインスレイブに肩代わり!触媒として焼却させます!」

 

「でも可能なのか!?」

 

「可能にするそれが銃後の守りよ!」

 

「しのごの言う余裕も無さそうだ!」

 

友里さんと藤尭さんと僕とで本部のバックアップによるコンバートシステムを確立を試して居ると中に誰か入って来る

 

「君達は」

 

「彼からよきっと必要になるからって」

 

カリオストロさんが持って居たのは1つのメモリーチップだった

 

「これは…」

 

「どうしたエルフナイン君」

 

「これは外部のエネルギーをバイパスを通じて湊さん達が抜剣の際に使うエクスカリバーに送って肩代わりさせるためのプログラムです。このプログラムを応用すれば行けます‼︎」

 

僕は湊さんのプログラムを応用してコンバートシステムを確立させる

 

「コンバートシステム確立しました!響さん‼︎」

 

『バリアコーティング・リリース‼︎』

 

響さんの叫び声と共に青白い光を放つ湊さん以外が暴走の時の様な禍々しいオーラに包まれた

 

〜エルフナインside out〜




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298話

「くっ!」

 

あの青白い光に包まれてから何故か力が湧いて来る

 

「何をしようと」

 

「抜剣!ラストイグニッション」

 

響達の黒い姿に亀裂が入る

 

「程がある悪足掻きに、受け入れよ完全を!!」

 

そう言って巨大な火の玉を俺達に向けて落とす

 

「補って来た錬金術でいつか完全に届く為に超えるために!」

 

「だとしても!」

 

響の声と共にミサイルがアダムに向けて飛んで行く

 

「生意気に人類如きが!!」

 

迫って来るアダムの腕を翼とマリアが切り裂く

 

「ギアが軋む、悲鳴を上げている」

 

「このノリ筋は長くは持たない」

 

「引き上げたのか出力を」

 

腕を修復したアダムを調が拘束する

 

「詰まる所…」

 

「一気に決めれば問題無いのデス!」

 

「エクスドライブじゃ無くても!」

 

調と切歌がアダムの動きを封じてクリスの巨大なミサイルをアダムに命中させる

 

「片付けるぞ響」

 

「了解!」

 

響は俺から飛び降り片腕をドリル状にして上空からアダムに向かって突進して行くが

 

「ぐあ!」

 

突然威力を失いそのまま落下する

 

「動けないようだな神殺し…終わりだ!」

 

「させっかよ‼︎」

 

俺は響の前に出て盾でアダムの攻撃を防ぐ

 

「忌々しい、何度僕の邪魔をすれば気が済むんだ!!」

 

攻撃を止めた俺にアダムが向かって来る

 

「俺にばかり感けて居て良いのか、敵は前だけじゃねえぞ」

 

「何を今更、ん?」

 

「俺を忘れてくれるな‼︎」

 

キャロルはそう言って巨大な重力の球体を錬成してアダムに飛ばす

 

「キャロルちゃん‼︎」

 

「わたくしも今回だけは貴方に協力してあげるであります」

 

「るる、エルザは素直じゃ無い」

 

「煩いでありますルナ」

 

エルザとルナはそう言って響をアダムから距離を離す

 

「ぐっ、否定させないこの僕を誰にも!」

 

「くっ、やはり抑えきれないか。だが時間は稼いだ」

 

「喰らいやがれ‼︎」

 

俺は槍に溜め込んだ神の力を槍の先端から一気に放出する

 

「皆のアームドギアを!」

 

その声と共に響は調の禁月輪を使ってアダムに向かって行く

 

「あれが立花響のアームドギアの力」

 

「まさに繋ぐ手と手、全員の性能を1つに束ねたのか」

 

「してる場合じゃ無いんだこんなのをこんな所で」

 

「ぐあ!」

 

「チッ、あのバカ」

 

俺はアダムに捕まり握り潰されそうになる響を助けに行く

 

「降臨は間も無くだカストギアンの、それまでに手にしなければならないアヌンナキに対抗し越えるだけの力を、なのにお前達は‼︎」

 

「響‼︎ イチイバルのアーマーパージを使え‼︎」

 

「はあ‼︎」

 

響は俺の指示通りアーマーパージを使いその判断でギアが解除される

 

「今度こそ終わりだ神殺し」

 

「そいつはさせられねえな」

 

俺は響に手を伸ばすアダムの腕を破壊してそう言う

 

「貴様は…何度…何度何度僕の邪魔をするんだ‼︎」

 

「は、お前も次期にあのバカにぶちのめされて終わるだろ」

 

「ほざけ〜‼︎」

 

俺はアダムの攻撃を避けつつも攻撃を続ける

 

「受け取れ立花響‼︎」

 

「はい!Balwisyall nescell gungnir tron‼︎」

 

聖詠を行いガングニールを纏う響だがガングニールのカラーはオレンジから金色に変わっていた

 

「黄金錬成だと!」

 

「まさか取り込んだのか私の黄金錬成を」

 

「錬金術師でも無い者が!」

 

「湊君避けて!」

 

「ああ!だが俺もでかいのお見舞いしてやらねぇとな!」

 

俺は自分の中に溜まってるエネルギーを一気に放出してアダムを中に浮かせるとアイギスの槍と盾が消滅する

 

「大丈夫か雪音湊!」

 

「ああ、何とかな」

 

響がアダムを遥か上空に突き上げ撃破したのを確認してからサンジェルマンの後に続いて翼達が俺の元に来る

 

「流石に今回ばかりは私も肝が冷えた」

 

「良かった…本当に良かった…」

 

セレナはそう言って涙を拭う

 

「無茶が過ぎるデスよ!」

 

「同意、でも無事で良かった」

 

「お前らな…それまだあんのか?」

 

姉さんは俺の持った金色の結晶を見てそう言う

 

「ああ、まだアテネとは付き合いが続きそうだ。なあ今更なんだが…あの高さから落ちたら流石にヤバイんじゃ無いか?」

 

そこで全員がようやく響が力を使い果たし自然落下している事に気づく

 

「おいあのバカ気絶してんじゃ無いだろうな!?」

 

「あの高さからじゃ流石の響さんでも助からないデスよ!」

 

「だが我々ではどうする事も」

 

俺の方もギリギリ腕を動かせるかどうだからな

 

「仕方ない、彼奴を助けるのは不本意だが」

 

キャロルはそう言って飛んで行き響を受け止め降りて来る

 

「助かったキャロル」

 

「皆本部に戻ろう」

 

響をそのままキャロルが背負い、俺をエルザとルナが2人で支えて本部に向かった




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299話

「パパ、セレナお姉ちゃんどうしたのかな?」

 

「さあな、何処かで食べて来るとは聞いたが」

 

数時間後、俺はようやく動ける様になりキャロルのゲートで本部から帰宅して居た

 

「意外ね、貴方料理できたのね」

 

「失礼な奴だな」

 

「それにしてもサンジェルマンとプレラーティは此処に来て直ぐに資料に目を通しに行っちゃったわね」

 

そうサンジェルマンとプレラーティは此処に来てから俺が深淵の竜宮に保管してある聖遺物の資料を保管して居る事を知ると2人でそこにある資料に目を通しに行った

 

「お姉ちゃん誰?」

 

「私、私はカリオストロよ。宜しくねおチビちゃん」

 

「む〜、おチビちゃんじゃ無いもん‼︎葉月だもん‼︎」

 

葉月は頬を膨らましてそう言う

 

「マスター、通信が来ています」

 

「カリオストロ、今手が離せないからお前が出てくれ」

 

「分かったわ、あら貴方達じゃない」

 

『あの…サンジェルマンさん達は』

 

通信の相手は響だったか

 

「サンジェルマンとプレラーティなら深淵の竜宮に保管してる聖遺物の資料を見に行ってるわ、私は彼の夕食作りを見学中よ」

 

『良かった、まだ食べてなかったんですね』

 

「ええ、もしかして夕飯のお誘いかしら?」

 

『はい、これから誕生日会をやるんですけど良かったらサンジェルマンさん達もどうですか?』

 

「そうね〜、取り敢えずサンジェルマン達にも聞いてみるわ」

 

そう言ってカリオストロはサンジェルマン達の所に向かった

 

「ユナ、カリオストロが入れる様にロックは外して置いてやれよ」

 

「分かりました」

 

そう言うとユナも姿を消して俺と葉月だけになった

 

『お兄ちゃん、今日の晩御飯は何デスか?』

 

「ん?切歌か、今日の晩飯はシチューだ」

 

『お〜‼︎』

 

俺が蓋を開けると切歌と響の声の他に小さく調の声も聞こえる

 

『美味しそうデス』

 

『美味しそう』

 

『見てるだけでお腹が空いて来ちゃうよ』ぐ〜

 

響の声と共にお腹の音も聞こえて来る

 

「お前相変わらずだな、どうした葉月」

 

「パパ味見したい‼︎」

 

「別に良いぞ、熱いから気をつけろよ」

 

俺は小皿にシチューを少し入れて葉月にあげる

 

『あ〜‼︎』

 

「美味いか?」

 

「うん‼︎」

 

『ずるいデス‼︎お兄ちゃん私には駄目って言ったのに酷いデス‼︎断固講義するデスよ‼︎』

 

お前、自分と葉月の年齢差を考えろよ

 

「丁度良いタイミングだったみたいね」

 

「お姉ちゃん‼︎お姉ちゃんにもあげる‼︎」

 

「ありがとう、頂くわ」

 

そう言ってカリオストロは葉月の小皿に乗ってるジャガイモを食べる

 

「美味しいわねこれ」

 

「ほう、ならば私も頂くワケダ」

 

「私もそうしよう」

 

そう言ってサンジェルマン達も人参を食べる

 

「これは中々」

 

「いけるワケダ」

 

「パパのご飯凄く美味しいんだよ!」

 

俺達が話してると複数の足音が聞こえて来る

 

「ご主人酷い、私の時は駄目って言うのに」

 

「お前の場合味見じゃなくてつまみ食いに発展するからな」

 

「そうでありますよ、それに前にそれで怒られてたでありますよ」

 

「全くだ、葉月俺も少し貰っても良いか」

 

「うん!」

 

キャロルは葉月に許可を貰いシチューを飲む

 

「まあまあだな」

 

『もう、キャロルちゃんてば素直じゃないんだから〜』

 

「煩いぞ立花響‼︎」

 

キャロルはそう言って通信を切る

 

「彼奴の事など放って置いて夕食にしよう」

 

「そうだな、今度は未来か」

 

すると今度は未来から通信が入る

 

「何だよ未来、今から早めの晩飯にする所なんだが?」

 

『湊、響の誕生日会なんだけどサンジェルマンさん達と一緒に来てあげてくれないかな?響が湊のシチューを凄く楽しみにしてるんだ。今日は響の誕生日だから私は響のお願いを出来る限り叶えてあげたいんだ』

 

本当に愛されてんな響の奴

 

「分かったよ、ただプレゼントに対する期待はすんなよ」

 

『うん、ありがとう湊』

 

そう言って通信を切ってサンジェルマン達と響達の居る姉さんのマンションに向かった




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300話

〜響side〜

 

「それじゃあ改めて」

 

『ハッピーバースデー(デス)!!』

 

未来の言葉に続いて皆がクラッカーを鳴らす

 

「17歳のお誕生日おめでとう響」

 

「あはは、ありがとう。とんだ誕生日だったよ。でも皆のお陰でこうしてお祝い出来た事が何より嬉しい」

 

「まあまあ、堅苦しいのは無しデスよ。主役はこちらデス」

 

そう言って切歌ちゃんが私を席に案内する

 

「凄〜い!どうしたのこの料理!!」

 

「はい、調が頑張ってくれました」

 

「違う!私はほんの少し手伝っただけで…殆ど湊さんが…それに湊さん達はまだ奥で作ってる」

 

この机の上にもかなりの数の料理が並んでるけどまだ作ってるなんて

 

「サンジェルマンさん達も来てくれてありがとうございます」

 

「私達も此処に来なければ夕食は自分達で作る羽目になってたから来た。それと立花響、我々からと言って良いのか分からないが」

 

そう言ってサンジェルマンさんが花束をくれる

 

「ありがとうございます!」

 

「喜んで貰えたのなら良かったわ」

 

「ああ、私達も選んだ甲斐があるワケダ」

 

「月読と湊達が作り立花がたいらげる。さすれば後片付けは私が「止めろ翼キッチンが地獄になる」湊、だが私を見縊ってもらってわ!」

 

そこに最後の料理を完成させた湊君が台所から出て来た

 

〜響side out〜

 

「こんなもんだな」

 

「そうであますね」

 

「こっちも完璧」

 

そう言って俺達は最後の料理を運ぶ

 

「月読と湊達が作り立花がたいらげる。さすれば後片付けは私が「止めろ翼キッチンが地獄になる」湊、だが私を見縊ってもらってわ!」

 

「ほう…ハンバーグから木炭を生成した奴がよく言えたな」

 

料理の準備の最中ハンバーグを作ってる筈が翼だけ途中から木炭を作り出した時は流石に目を疑った

 

「な!?違うあれはただ少し間違えただけだ!その気になれば」

 

「喧嘩しないのほら」

 

そう言ってマリアが俺の作ったローストビーフの切れ端を翼の口に運ぶ

 

「ん…くっ!負けを認めるしかないのか、こんな美味しいものを私は…だがしかし月読達ならばまだしも男性である湊に負けるのは…」

 

「無駄でありますよ翼、わたくしとルナに料理を教えたのは湊であります」

 

「エルザ、だが私が引き下がる道理など」

 

「パパ、お腹すいた…」

 

「だな、翼とエルザの事は放って置いて食べるか」

 

『は〜い』

 

俺がそう言うと翼とエルザを除く全員が食べ始める

 

「ん〜、美味しい」

 

「湊が料理出来る事は知ってたけどルナちゃん達も出来たんだ」

 

「るる、でもパエリア以外はご主人の作ったご飯の方が美味しい」

 

「基本的にわたくし達の料理の担当は湊でありますから必然的に上達するであります」

 

そうルナとエルザの言う通り基本的に料理の担当は俺だから必然的に料理の腕は上達する

 

「お兄ちゃんこれ何デスか?初めて見たデス」

 

「それはフォアグラだ」

 

「フォアグラってあのフォアグラ?」

 

「ああ、お前の想像してるフォアグラで間違い無いぞ」

 

未来の言葉に俺はそう返す

 

「私フォアグラなんて初めて食べるよ」

 

「まあ中々食べられるものでは無いからな」

 

そう言って翼はフォアグラを食べる

 

「ふぅ〜、もう入らないよ」

 

響はそう言ってソファに寝っ転がる

 

「では私は後片付けに行くとしよう」

 

「翼さん私も一緒に行きます」

 

「ん?そうか、では行こうセレナ」

 

俺は翼1人だと何かやらかしそうで心配だった為セレナに同行させた




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301話

「それで俺達のクラス文化祭の出し物なんだが…全部却下!」

 

『えー!?』

 

響の誕生日会から数日が経ち文化祭の出し物を決めているんだがその案が最悪だったと言うか

 

《雪音湊の執事喫茶》

 

《雪音湊と王様ゲーム》

 

《雪音湊とお化け屋敷》

 

去年俺が断った時と何一つ変わっていなかった

 

「お前らは揃いも揃ってアホなのか!特に去年俺と同じクラスだった響、未来、安藤、寺島、板場、お前らが居て何でこうなった!去年の文化祭で俺がお前らと鬼ごっこする事になった理由を忘れたのか!」

 

「まあまあ、湊君少し落ち着い「お前は黙ってろこのバカ!」たはは、こりゃ想像以上にご立腹だよ。どうする未来?」

 

「う〜ん、確かに去年湊と一緒だった私達が止められなかったのも悪かったのも事実だし」

 

未来は反省しながらそう言う

 

「先生ダメだよなこんな変な企画」

 

「え…えっと…ごめんなさい!雪音君の執事喫茶を提案したの私なの!」

 

小倉先生がそう言って謝罪する。何やってんだよこの先生、そう思って居ると廊下を走る音が聞こえて来た

 

「ご主人‼︎」

 

「お前何しに来たんだよ、つか自分のクラスはどうした」

 

廊下を走って来た犯人のルナは勢い良く扉を開けて中に入って来る

 

「一年生のガルフェルドさんですよね?どうかしたんですか?」

 

「る、これ」

 

ルナはそう言って俺の担任に1枚の紙を渡す

 

「成る程、これに雪音君を誘いに来たんですね?」

 

「るる、ご主人一緒に行く」

 

「取り敢えず俺にもその紙を見せてくれ、話はそれからだ」

 

俺はそう言ってルナからもう1枚同じ紙を貰う

 

「成る程な」

 

「雪音君さえ良いのなら私からは何も言えないけど、どうしますか?」

 

「まあ、俺のクラスでやる出し物よりかは遥かにマシになるだろうな」

 

俺はそう言って黒板に書かれた出し物を見る

 

「分かった、俺もお前らの方に参加する」

 

「るる、分かった皆んな待ってる」

 

「ああ、そんじゃお前ら頑張れよ」

 

俺はそう言ってルナと教室を出た

 

「ありがとなルナ、お前らのお陰で変な出し物に参加せずに済みそうだ」

 

「るる、でもご主人とお化け屋敷行ってみたかった。執事喫茶も良かったかも知れない」

 

「辞めてくれルナ、想像もしたく無い。お化け屋敷に関しちゃ文化祭の次の日が土曜と日曜で休みだからその時に行くか」

 

「る♪楽しみ」

 

そう言ってルナは尻尾を振る

 

「それで切歌達は何処で待ってるんだ?」

 

「空き教室、そこで衣装を決めてる」

 

「そうか、俺達も急ぐか」

 

「るる」

 

そう言って俺とルナは急いで空き教室に向かった




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302話

「湊君、居る?」

 

「どうしたんだ響?お前らまで」

 

翌日、屋台の内装を決めて居ると響達が空き教室に来た

 

「実は昨日出し物が決まったまでは良かったんだけど」

 

「小日向さん以外料理はあまり出来ない様でして」

 

「そこで料理の出来るミナに教えてもらおうって事になったんだ」

 

昨日俺が居なくなった後そんな話をしてたのか

 

「それでどうかな湊?」

 

「そうだな…」

 

俺の方も調と鳩木に教える必要もあるからな

 

「お前らの出し物にもよるな」

 

「中華喫茶だよ」

 

「中華喫茶か…こっちは普通の喫茶店だからメニューは全く違うな」

 

「そこを何とかお願い湊君‼︎」

 

響がそう言って手を合わせて頭を下げる

 

「どうするお前ら」

 

「私は別に良いけど」

 

「私も構いません」

 

調と鳩木は問題なしか

 

「取り敢えず家庭科室に移動するか、全員を家庭科室に集めてくれ。そこから人を厳選して教える」

 

「ありがとう湊君‼︎」

 

「それじゃあビッキー達は先に家庭科室に向かってて、私はクラスの皆んなと向かうから」

 

安藤はそう言ってクラスに向かって行った

 

「俺達も移動するぞ、ルナそっちは任せた」

 

「るる、任された」

 

ルナは切歌達と通信機から机や椅子を取り出し並べながらそう言う

 

「それでメニューの候補とか決まってんのか?」

 

「えっと、今決まってるのは麻婆豆腐にごま団子、中華まんそれとポテト、飲み物はお茶、それくらいかな」

 

多少は決まってるのか、ならそれを教えれば大丈夫そうだな

 

「雪音さんは何を作るんですか?」

 

「カレーとオムライス、デザートにプリンくらいだな」

 

「飲み物は紅茶とコーヒーそれとオレンジジュースです」

 

「これだけあれば大抵のお客さんは満足してくれる筈だから」

 

「充分だよ、早く食べてみたいよ」

 

此奴の頭の中には食べる事以外ないのか

 

「本当に響は」

 

「でもそれでこそ響さん」

 

「そうですね」

 

そう言って話している内に家庭科室に着いた

 

「それじゃあ各自思い思いに初めてくれ」

 

『は〜い』

 

俺がそう言うと各自調理を開始する

 

「あの〜、湊君…どうして私は皆んなみたいに調理の練習をしてないんでしょうか?」

 

「悪いが俺の独断と偏見だ、お前の場合料理を覚えるより接客に回した方が何かと都合も良いからな。単純に厳選する人数が少なくなるってのもあるが」

 

「う〜ん、なんだか腑に落ちないけど…」

 

響がそう言って腕を組む

 

「それじゃあ私達先に教室に戻って内装考えてるね」

 

「うん、それにしても減ったね」

 

あの後、全員に作って貰った結果、未来と寺島の去年クレープの作り方を教えた2人になった

 

「それじゃあ始めよ」

 

「そうですね、雪音さんお願いします」

 

「ああ、お前らも何かあったら言えよ」

 

俺はプリンとオムライスを作る調と鳩木にそう言って2人にメニューの候補にあった料理を教えた




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303話

未来達に料理を教えて数日、文化祭が2日後に迫って来た

 

「これで良し、そっちはどうだ?」

 

「るる、問題なし」

 

「完璧デス」

 

俺が切歌達にそう聞くと机と椅子を運び終えた切歌とルナがそう言う

 

「調お前達はどうだ?」

 

「私達の方も問題ない」

 

「大丈夫春香ちゃん?」

 

「うん…何とか」

 

神奈月はあの後ルナと切歌だけで大丈夫だと思い鳩木と調の失敗作を処理する事にしたらしい

 

「お前そんなんで文化祭当日に倒れんなよ」

 

「はっはい」

 

本当に大丈夫なのか此奴

 

「はぁ、ほら胃薬飲んどけ」

 

「ありがとうございます。そこのソファーで横になってます」

 

神奈月は鳩木に介抱されながらそう言ってソファーに向かった

 

「後は此奴らだな」

 

俺は通信機からうさぎを出す

 

「おー!うさぎが一杯デス!」

 

「可愛い」

 

「アリアから猫カフェって言うのがあるって聞いたからな、それならうさぎがあっても良いだろ」

 

俺はそう言ってうさぎを1匹抱える

 

「私が抱っこしても逃げない」

 

「もふもふで最高デス、およ?あわわわ!お兄ちゃん何か一杯来たデス‼︎」

 

対するルナはと言うと

 

「る〜」

 

「…」

 

俺に抱えられているうさぎとにらみあって居る

 

「たく、今行くから待ってろ」

 

俺はそう言ってうさぎを地面に置いて切歌に群がっているうさぎの所に向かった

 

「たっ食べられるかと思ったデス」

 

「私は1匹で充分」

 

俺の後ろからうさぎを見る切歌を見て調がそう言ってうさぎを撫でる

 

「お前何かお菓子か何か持ってんじゃないだろうな」

 

「ちょっ調理実習で作ったクッキーなら持ってるデス」

 

その匂いにつられて来たのか

 

「まあ、ラッピングされてて良かったな」

 

「そうデスね、にっ人参ならあげられるデス」

 

「切ちゃんそれ今日の晩御飯の材料…」

 

「で…でも1つだけなら」

 

「確かに…」

 

そう言って調はキャベツを切歌は人参を通信機の中からを取り出す

 

「どっどうぞ…」

 

切歌は恐る恐る人参をうさぎに向ける

 

「えっと…食べる?」

 

そう言って調がキャベツを1枚千切ってうさぎにあげるとうさぎはキャベツを食べ始める

 

「可愛い…」

 

「お前いつまで怖がってんだよ」

 

俺は未だに後ろに隠れる切歌にそう言う

 

「えっえい」

 

切歌が人参を投げるとうさぎは人参に向かって行った

 

「ふう…これで一安心デス」

 

「1匹まだ残ってるぞ」

 

切歌の足元にはまだ1匹うさぎが残っていた

 

「そっそれじゃあ、調」

 

「うん」

 

調はキャベツをもう1枚千切って切歌に渡す

 

「ありがとデス、どうぞデス」

 

そう言って切歌はうさぎにキャベツをあげる

 

「可愛いデス、私達もおやつにするデス」

 

「そうしよう」

 

そう言って切歌はポケットから調は鞄からクッキーを取り出す

 

「これはお兄ちゃんの分デス!」

 

「ありがとな切歌」

 

俺はそう言って切歌からクッキーを貰う

 

「鳩木、俺達は今から紅茶を入れておやつにするがお前はどうする」

 

「私は春香ちゃんの介抱をしてます」

 

「そうか、程々にして休めよ」

 

俺はそう言ってお湯を沸かしたポットを持って切歌達の居る机に向かった




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304話

「キャロル・マールス・ディーンハイムだ」

 

「どうしても連れてけって煩くてな、厨房を手伝ってもらうって条件で連れて来た」

 

文化祭当日、キャロルが文化祭に連れて行けと煩いので厨房を手伝うならと許可を出した

 

「それじゃあ厨房の人が1人接客に行く事になるんじゃ」

 

「悪い調、接客行ってもらえるか?」

 

「分かった」

 

「本当に悪いな調」

 

キャロルに接客は無理だ、客にだけ言葉遣いが柔らかくなるとは到底思えない。

 

『皆さん、屋台の準備は宜しいでしょうか?』

 

「切歌、ルナ準備は大丈夫か」

 

「るる、大丈夫」

 

「こっちも抜かりはないのデス、皆んなもバッチリデス‼︎」

 

切歌はうさぎを見てそう言う

 

『それでは文化祭を開始します』

 

そのアナウンスと共にルナと神奈月が扉を開けた

 

「お兄ちゃんカレー3つデス‼︎」

 

「こっちはオムライス2つ」

 

「ああ、時期に出来る」

 

「こっちは出来た」

 

俺とキャロルがカレーとオムライスをお盆に置くと切歌と調はそれをテーブルに運ぶ

 

「あまり忙しくはありませんね」

 

「これくらいで良いんだよ、人が来過ぎるとこの人数じゃ無理だからな。なんならちょっと早めだが休憩に行くか?」

 

「良いんですか?まだ始まって1時間くらいですよ?」

 

「良いんだよ、客もまだ少ないしどうせ午後からは殆ど休憩をとる暇何てないかもだからな」

 

「分かりました。行こう春香ちゃん」

 

「それじゃあ1時間後に戻ります」

 

鳩木と神奈月はそう言って文化祭を周りに行った

 

「んじゃ、俺とキャロルとルナも休憩に入るからな」

 

「うん、でも直ぐに戻れる様にお店の中にいて欲しい」

 

「了解」

 

俺は調にそう言われ中で休憩をする事にした

 

「お〜い!湊君‼︎」

 

「お前ら、そっちはどうだ」

 

「雪音さんのお陰で沢山来てくれています」

 

「そうか、そりゃ良かった」

 

如何やらクラスの方も上手くいってるらしい

 

「お兄ちゃん、調が言うにはお兄ちゃん達のお昼だそうデス」

 

「うわあ!美味しそう!」ぐ〜

 

俺達がカレーを食べてると響の腹がなる

 

「ビッキーさっき食べてたじゃん」

 

「たはは、見てたらお腹空いて来ちゃって、すいませーん!」

 

響は俺のカレーを見てて自分も食べたくなったのか店員を呼ぶ

 

「キャロルちゃんもこっちにこれば良いのに」

 

「お断りだ」

 

「キャロル、ルナさっさと食って仕事に戻るぞ」

 

「「ああ(るる)」」

 

俺達はそう言ってカレーを食べる

 

「ご馳走様、そろそろだな俺は仕事に戻る」

 

「あ!湊君カレー頼んでおいて」

 

「わかった」

 

俺は響にそう言って仕事に戻る

 

「1日目終了!!」

 

「ん〜!やっと終わったデスか」

 

文化祭の1日目終了の合図と共に切歌と神無月が伸びをしてそう言う

 

「疲れたけど楽しかったね調ちゃん」

 

「うん」

 

「るる、明日もまだ続く」

 

「だな、午後からは本当に忙しかったがな」

 

「全くだ」

 

俺の予想通り午後からは殆ど休憩をする暇がなくかなり大変だった

 

「ま、明日には客も減ってるだろ。お前らも今日は良くやってくれたな」

 

俺はそう言って扉を閉めてうさぎを野放しにする思い思いに動き回る

 

「うさぎ目的で来てる人も沢山いた」

 

「この調子なら明日も沢山お客さんが来てくれるデスよ」

 

「物珍しさってのもあるから明日も今日程来るとは思えないけどな」

 

「さっさと帰るぞ湊」

 

「へいへい、帰るぞルナお前ら明日も頼むな」

 

俺達はそう言って帰った




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305話

「ん〜!これで2日目も終了デス!」

 

「お疲れ切ちゃん」

 

文化祭の2日目が終了し後片付けも終わった店の中で切歌と調が椅子に座りながら話す

 

「お前らも来てくれてありがとな」

 

「良いのよ、サンジェルマン達も偶には外に出て動かないといけなかったもの」

 

「パパ葉月も頑張ったよ!」

 

「ああ、ありがとな葉月」

 

サンジェルマンとプレラーティは俺に変わって深淵の竜宮にある聖遺物の研究をしていたが如何やらカリオストロに連れ出されたらしい

 

「だがカリオストロの言う事も一理あるワケダ」

 

「そうかもしれないわね」

 

「ふん、全く情け無い奴等だ」

 

キャロルが椅子に座るサンジェルマンとプレラーティを見てそう言う

 

「この後はどうしましょうか?」

 

「あら?打ち上げとかしないの?私はすると思ってたんだけど」

 

「打ち上げ?何デスかそれ?花火でも打ち上げるデスか?」

 

カリオストロの言葉に疑問を覚えた切歌が俺にそう聞く

 

「はぁ、お前それ学校が許可すると思ってるのかよ」

 

切歌の発言に俺は呆れてため息を吐く

 

「打ち上げってのは簡単に言うとお疲れ様会みたいなもんだ」

 

「おー!良い考えデスね!私は賛成デス!」

 

「どうしたの切ちゃん?」

 

「調!実はデスね!」

 

切歌の話を聞いた調も打ち上げをする事に賛成し鳩木と神無月も賛成した事で打ち上げをする事は確定したので俺は先生に出し物の店の使用許可を貰いに行く

 

「先生の話じゃ後片付けさえきちんとすれば良いらしい」

 

「決まりね、ほらサンジェルマン、プレラーティも手伝って」

 

「全く、しょうがないワケダ」

 

「だが、部外者の私達が立ち入って良いものなのか?」

 

サンジェルマンは疑問に思い俺にそう言うが

 

「一緒にやった時点で部外者ではないだろ」

 

「るる、当然誰にも部外者何て言わせない」

 

「そうか」

 

サンジェルマンはそう言って小さく笑う

 

「お姉ちゃん、帰っちゃうの?」

 

「私達も参加する、だからそんな顔をしないでくれ」

 

サンジェルマンが帰ると思ったのか寂しそうな顔をする葉月にサンジェルマンはそう言って葉月の頭を撫でる

 

「あらら、サンジェルマンてばおチビさんを泣かせちゃダメじゃない」

 

「ちっ違う、別に泣かせたわけじゃ」

 

「貴方達も遊んでないでないで手伝うでありますよ」

 

エルザがそう言った所で漸く打ち上げの準備が開始された

 

「ごめんね湊君遅れちゃって」

 

打ち上げを始めて直ぐにセレナが走って来た

 

「別に気にするな、保護者面談だったんだろ」

 

「うん、葉月ちゃんの学校での事が沢山聞けて良かったよ」

 

まあ葉月の事だ、悪い話は特に無かっただろ

 

「セレナ、早くしないと無くなるぞ」

 

「うん、ありがとうキャロルちゃん私も食べるよ」

 

そう言ってセレナも食べ始めた




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306話

翌日、俺はルナと約束した通り土曜日に遊園地に行く事にしたんだがそこに切歌達まで加わった合計12人で行く事になった

 

「何でこんな大所帯に…増えても5人だと思ってたんだが…」

 

「仕方ないであります。未来さんと偶然会って偶々行く遊園地が一緒だっただけであります。それにわたくしはこの人が居るなら来ていないであります」

 

「俺も此奴が来るのなら来なかったな」

 

俺の呟きにエルザとキャロルがそう返す

 

「それにしてもお兄ちゃんが遊園地だなんて意外デス、葉月ちゃんにお願いされて行くならまだしもお兄ちゃんからなんて」

 

「ああ、響達のクラスの出し物の候補の中にお化け屋敷があってな、ルナが行ってみたかったらしい」

 

「そう言えば去年私達で遊園地に行った時はルナちゃん達居なかったもんね」

 

そう考えると最後に遊園地に行ったのって1年くらい前なんだな

 

「パパ!葉月あれ乗りたい‼︎」

 

「あれって…」

 

葉月がコーヒーカップを指すと響は去年の事がフラッシュバックしたのか少しフラつく

 

「ひっ響さん⁉︎急にフラついて大丈夫デスか⁉︎」

 

「だっ大丈夫だよ切歌ちゃん」

 

「あ〜、響去年あれに乗って…」

 

「だな、おい安心しろ響お前は一緒に乗せない」

 

俺がそう言うと響は安堵の表情を浮かべる

 

「切歌、お前葉月と一緒に乗ってみるか?」

 

「私デスか?良いデスよ葉月ちゃん一緒に乗るデス‼︎」

 

「うん!」

 

何も知らない切歌は葉月と一緒にコーヒーカップに向かう

 

「俺達も行くか」

 

「そうだね」

 

そう言って俺達も切歌と葉月の後に続いてコーヒーカップに向かう

 

「うう…すっごく気持ち悪いデス…」

 

「おいおい、こんな所で吐くなよ」

 

「大丈夫切ちゃん?」

 

案の定、鬼の様に回された切歌は乗った時の様な元気はなく既にふらふらの状態だった

 

「去年の私の所もあんな勢いで回ってたんだ…」

 

「うん、去年は弓美と見て驚いたよ」

 

「外野から見ると物凄いな」

 

俺と響は去年一緒に乗ってたから分からなかったが他の所と明らかに速さが違った

 

「葉月ちゃん、次から乗る時はもっとゆっくり回そうね」

 

「うん!」

 

セレナがそう言うが葉月からするとあれが楽しいんだろうな

 

「お前良く無事だったな」

 

「いや、去年あれで響は死にかけてた」

 

「そうか」

 

俺と一緒に乗ってた姉さんは葉月の速さの異常にいち早く気付きコーヒーカップに乗ってる時に去年会った事を聞いて来た

 

「とっ取り敢えず次はゆったりしたのに乗ろうよ、ほらあれとかさ」

 

響が指したのは船に乗って人形を見ながら移動するだけの乗り物、まあ切歌の休憩には良いのかもしれないな

 

「んじゃそこで次に行くお化け屋敷の3人のペアを決めるか」

 

「だな、それじゃあ行こうぜ」

 

俺達はそう言う姉さんの後ろを着いて行った




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307話

「最初は私達だね」

 

「ああ、彼奴で無いだけまだましだ」

 

「そうでありますね」

 

そう言ってセレナとエルザとキャロルの3人が中に入って行く

 

「次はあたしらだな」

 

「それじゃあ響先に行くね」

 

「行ってきますお姉様」

 

「いってらっしゃい」

 

そう言って次にクリスと未来とミーシャが中に入る

 

「次は私達デスね」

 

「うん」

 

「それにしても凄いね2人はこんな時まで一緒だなんて」

 

「意図的に仕組まれた何かを感じない事もないがまあ良いだろ、葉月切歌と調に迷惑だけは掛けんなよ」

 

「うん‼︎行ってきます!」

 

そう言って切歌と調と葉月も中に入って行った

 

「そろそろ俺達も行くぞ」

 

「るる、楽しみ」

 

「それじゃあ出発‼︎」

 

俺達は響を先頭に中に入って行く

 

「薄暗くて何だか凄く雰囲気があるね」

 

「そうか?そうでもないだろ」

 

「るる、夜の獣人の里の方が真っ暗だからかなり明るい方」

 

「そりゃ真っ暗にしちゃったら危ないから多少の明かりはあるよ」

 

俺達はそんな話をしながら中を進んで行く

 

「パパ…」

 

「へぇ〜、子供の鳴き声も聞こえる凄いリアル」

 

「だな、てかこの声聞き覚えあるんだが?」

 

その鳴き声は足音と共に大きくなって来る

 

「あはは、最近のお化け屋敷って凄いや本当に誰かが近づいて来てるみたいだよ」

 

「響、現実から目を背けるな」

 

「この匂い」

 

この泣き声そして後ろから走って来る足音と声

 

「パパ〜‼︎」

 

「ちょっと待つデスよ葉月ちゃん!」

 

「誰かとぶつかっちゃったら危ないから待って」

 

その正体は泣きながら走って俺を探す葉月とそれを追いかける切歌と調だった

 

〜切歌side〜

 

「葉月ちゃん大丈夫デス?」

 

「やっぱり戻る?湊さんも中に入ってるだろうし」

 

「ううん…頑張る…」

 

葉月ちゃんは私と調の手を握ってそう言うが既に半分くらい泣きそうになっている

 

「調、やっぱり響さんに頼んで葉月ちゃんと変わってもらった方が良くなかったデス?」

 

「でも葉月ちゃんが私達と行きたいって言ったんだしもう少し様子見てみよ」

 

お化け屋敷に入る前に響さんが葉月ちゃんと変わってくれようとしたけど葉月ちゃんは私達と入る事を選んだ凄く嬉しかったけどそろそろ腕の限界が近い

 

「うあぁぁ」

 

「‼︎うう…」

 

「はっ葉月ちゃん?」

 

「如何したの?」

 

葉月ちゃんが急に立ち止まって動かなくなった

 

「うう…パパ〜‼︎」

 

「ちょっ⁉︎葉月ちゃん⁉︎」

 

葉月ちゃんは突然走って来た道を戻って行った

 

「葉月ちゃんやっぱり怖くなったんだよ」

 

「でもこのお化け屋敷の中は迷路みたくなってるからこのままじゃきっと迷子になっちゃうデス」

 

「うん、追いかけよう切ちゃん」

 

そう言って私と調は葉月ちゃんを追いかけた

 

〜切歌side out〜

 

「と言う事デス」

 

「成る程な、響先に切歌達と出口に向かっててくれ俺は葉月が落ち着いてからまた出発する」

 

「うん、分かったよ」

 

響はそう言って切歌達と先に進んで行った




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戦姫絶唱シンフォギアXV編
308話


文化祭から数ヶ月、学校が終わった後俺は切歌達と姉さんの誕生日プレゼントを選ぶ為にショッピングモールに向かっていた

 

「それにしても響さんも大変デスね居残りテストだなんて」

 

「ま、彼奴が試験をすっぽかしたんだから自業自得だがな」

 

本来は響達も来る予定だったが響が一昨日の音楽の試験の時に迷い猫を助けていて試験をすっぽかしたのが原因で居残り試験を受ける羽目になってしまい響は今日その居残り試験に未来を付き合わせ安藤達も響の居残り試験が終わるまで待つそうなので俺を含む切歌、調、ルナ後から合流したセレナ、葉月、キャロル、エルザの合計8人で選ぶ事になった

 

「何だか響ちゃんらしいね」

 

「そうだな、すっぽかした理由が特に彼奴らしいな」

 

迷い猫を助ける為に試験をすっぽかすのなんて響くらいだろう

 

「それじゃあまた後でデス」

 

「また後でね行こう2人共」

 

「ああ、俺達も行くぞ葉月、キャロル」

 

「うん!」

 

「ああ」

 

俺達は1度別れ暫くの間別々に見て回り合流するまでに見つからなかったら合流してから選ぶ事になった

 

「パパ!葉月これにする!」

 

「スノードームか、良いんじゃないか?」

 

姉さんも小学生が選んだ誕生日プレゼントに文句は言わないだろう

 

「俺はもう決まったぞ」

 

「確かお前は服だったな、後目ぼしいのが決まってないのは俺だけか「何やってんだよお前ら?」ん?姉さんかただの買い物だが?そう言う姉さんはどうしたんだ?」

 

「あたしは偶々お前らを見つけたから声かけただけだ。「クリスお姉ちゃん!」何だそれ買ってもらうのか?良かったな」

 

姉さんはそう言って葉月の頭を撫でる

 

「んじゃあたしは行くからまたな」

 

「ああ」

 

姉さんの言葉に俺はそう返した

 

「中々決まらないもんだな…一旦集まるか」

 

「パパお菓子買って!」

 

「葉月、少し考えろてみろ此処で買ってもらうよりお菓子売り場で買って貰った方が良いものが買えると思わないか?」

 

キャロルがそう言うと葉月は考える

 

「思う…」

 

「そうだろ、なら此処で買ってもらわずお菓子売り場で買って貰った方が利口だ」

 

「うん!そうする!」

 

キャロルがそう言うと葉月はそう言ってお菓子を返しに行った

 

「後決まってないのは俺とセレナか」

 

「うん、中々決まらないんだ。やっぱり湊君のお姉さんだから変に考えちゃうよ」

 

これ以上悩んでても時間の無駄だし仕方ないか

 

「お兄ちゃん毛糸玉なんて買ってどうするデスか?」

 

「手編みでマフラーを作るんだよ」

 

幸いまだ姉さんの誕生日までそれなりに日にちがあるし何とかなるだろ

 

「編み物なら私にも出来るしそうしようかな」

 

「2人でマフラー渡しても意味ないんじゃないか?」

 

「じゃあ私は手袋にするよ」

 

そう言ってセレナも毛糸を選ぶ

 

「パパ、葉月も欲しい」

 

「るる、ご主人私も」

 

「分かった分かった、手袋なら作ってやるから選んで来い」

 

俺がそう言うと葉月とルナは毛糸を選びに行った

 

「キャロルちゃんとエルザちゃんのも作ってあげるから選んで来て良いよ」

 

「ふん、俺は別に必要ないがそこまで言うなら貰ってやる」

 

「キャロルはもう少し正直に言うべきであります」

 

セレナに言われたキャロルとエルザも毛糸を選びに行った

 

「遅くなっちゃったね」

 

「そうだな」

 

あの後切歌も誕生日プレゼントが決まり帰宅しているが外はもう夜になっていた

 

「調早く帰って晩御飯にするデスよ」ドンッ

 

突然爆発音が聞こえた

 

「何だ!?」

 

「何処かで何か事故でもあったのかな?」

 

「パパ…怖い…」

 

「大丈夫だ落ち着け葉月…風鳴司令?」

 

俺が葉月を落ち着かせていると風鳴司令から通信が入る

 

「さっきの何だよ風鳴司令!」

 

『それについては此方で話す。今そこに誰かいるか?』

 

「此処には俺と切歌と調と葉月、それとセレナとエルザとルナとキャロルの8人だ」

 

風鳴司令の問いかけに俺はそう答える

 

『そうか、たった今マリア君がそちらに向かった。君達はマリア君と合流した後至急本部に向かってくれ』

 

「わかった、お前ら一先ずマリアと合流するぞ」

 

「「「了解(デス)(うん)」」」

 

俺はマリアと連絡を取って合流地点に向かった




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309話

「大型船舶に偽造したS.O.N.G.の研究施設にて事故が発生した」

 

「海上の研究施設デスか?」

 

切歌の質問に風鳴司令は頷く

 

「あの…海上って事は地上では扱えない様な代物を扱っていたって事なんですよね?」

 

「ああ、そこでは先端で回収したオートスコアラーの残骸を調査して居たんだ」

 

風鳴司令の言葉を聞いて俺は1つの考えに至った

 

「オートスコアラー…先端でって事はティキか」

 

「ああ、知っていたか」

 

風鳴司令の言葉に俺は頷く

 

「破壊されたアンティキティラの歯車とオートスコアラーの構造物からパヴァリア光明結社ひいてはアダム・ヴァイスハウプトの目的を探る為の解析が行われていたの」

 

「先程の機密に眠る最深部に触れたが為のセーフティーとも考えられますが」

 

「湊さんはオートスコアラーティキの情報はご存知ですか?」

 

俺はエルフナインにプレラーティに聞いた事を全て話した

 

「成る程、湊さんの仰った通りティキと呼ばれたあのオートスコアラーには惑星の運行を観測し、記録したデータを元に様々な現象を割り出す機能があったようです」

 

「これは南極大陸でありますか?」

 

エルフナインの映し出した大陸は南極大陸だった

 

「爆発の直前最後にサルベージしたデータは南極の位置指定を示す座標でした」

 

「此処は南極大陸でも有数の湖ヴォストーク湖、付近に位置するのはロシアの観測基地となります」

 

「お兄ちゃん、湖なんて何処にあるデスか?」

 

友里の湖と言う言葉を疑問に思った切歌が俺に聞いてくる

 

「今お前が見てる雪景色の殆どがヴォストーク湖だ。要するにあの氷の下に湖があるって感じだな」

 

「ほえ〜、あの氷の下に湖デスか。とても信じられないデス」

 

切歌は信じられないと言う表情でモニターを見る

 

「地球の環境は一定じゃないからな」

 

「そうですね、キャロルの言う通り地球の環境は一定ではなく度々大きな変化を見せてきました。特に近年はその変動は著しく極間の氷の多くが失われています」

 

「まさか氷の下から何かが出てきたって訳じゃ無いよな?」

 

「そのまさかよ」

 

友里は姉さんの言葉を肯定する

 

「先日ヴォストーク観測基地の近くで発見されたのがこの氷漬けのサソリです」

 

「照合の結果数千年前の中東周辺に存在していた種と判明」

 

「何故そんなものが南極に」

 

「額面通りに受け止めるとすれば正史文明期に何らかの方法で中東より持ち込まれたのではないでしょうか?」

 

額面通りに受け止めるとそうなる。それより俺はもう一つの話が気になる所だがな

 

「気になるのはこれだけではありません。情報部は堕胎後に湊さんの指示で動いてくれたミミ・エルガルムさん、ルカ・エルガルムさん2人の錬金術師と共に地下へと潜った残党摘発に努めさらなる調査を進めて来ました」

 

「得られた情報によるとアダムは占有した神の力によって遂げようとした目的があったようだな」

 

「その目的とは一体」

 

翼は息を飲んで風鳴司令にそう聞く

 

「この星の支配者になる為、時の彼方より浮上する棺を破壊」

 

「待ってくれ、南極のサソリに時の彼方より浮上する棺付合する点があっていかにも罠って感じがするんだが」

 

「ああ、次の作戦は南極での調査活動だ。出所に結社残党が絡む以上湊君の言うようにこの情報自体が罠という可能性は十分にある作戦開始までの1週間各員は準備を怠らないで欲しい」

 

『了解(デス)』

 

風鳴司令の言葉で今日は解散となった




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310話

「誰だよこんな時間に…」

 

翌日、俺は朝早くに通信機の音で目が覚める

 

「誰だ…」

 

『私よ湊』

 

そう言って画面に映ったのはステラだった

 

『何よ、アンタ寝起きなの本当にだらしないわね』

 

「時差を考えろ。それくらい分からないお前じゃないだろ」

 

現在の時間は朝の5時、ステラ達の居るニューヨークとは14時間の時差がある為向こうは午後3時だ

 

「たく、今日が休日だから良かったものの」

 

『それは悪かったわね、アイズの事が分かったから1番に知らせてあげようと思ったんだけどね』

 

ステラは嫌味を込めてそう言う

 

「確かに何か分かったら教えてくれって頼んだのは俺けどよ、それで何が分かったんだ」

 

『アイズには惑星の運行を観測して記録したデータを元に様々な現象を割り出す機能があったみたいなの、それで今その機能の割り出しているのが南極大陸のヴォストーク湖なの』

 

アイズにもティキと同じ機能があったのか、そしてティキが示してるのもヴォストーク湖、これはあながち残党達がデマで言った情報自体が罠って訳でも無さそうだな

 

「分かった、助かったまた何か分かったら教えてくれ、くれぐれも時間は気をつけてくれよ」

 

『分かったわ、それじゃあね』

 

ステラはそう言って通信を切った

 

「さて、一様風鳴司令達にも報告しとくか」

 

俺は立ち上がって風鳴司令に通信機を行う

 

「俺だ風鳴司令」

 

『湊君か君から連絡して来るとは珍しいな』

 

「御託は良いから要件だけ伝えるぞ、アイズの事で分かった事があるんだが」

 

俺はステラから聞いた事をありのまま風鳴司令に伝えた

 

『成る程、君達が米国で発見したあのオートスコアラーにもティキ同様の機能があったのか』

 

「ああ、しかも今現在その機能が割り出してるのもヴォストーク湖だそうだ」

 

『そうか、そうなって来ると情報自体が罠という可能性は低いだろう』

 

「だろうな」

 

パヴァリアの残党達が話した情報だけじゃその情報自体が罠って事も考えられるがステラ達が俺に嘘を教える必要はない

 

「ステラにはこれからもアイズの解析は続けて貰うつもりだ。何か分かったらその都度報告する」

 

『ああ、期待してるぞ湊君』

 

風鳴司令はそう言って通信を切った

 

「たく、何やってんだよ彼奴」

 

数時間後、俺は本部の鍛錬場でアリスを待っていた

 

「漸く来たかアリス」

 

「うん、でも如何したの兄に?昨日急に鍛錬場に来るように言って?」

 

そう俺は昨日の解散後にアリスだけ呼んで鍛錬場に来る様に伝えた

 

「アリス今から俺と模擬戦をして貰う、そこでもしお前が不要だと俺が判断したら即刻フランスに帰って貰う」

 

「え…」

 

俺の言葉を聞いたアリスは驚きの表情を浮かべた




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311話

「如何して兄に…私何かしたかな?」

 

「お前俺がフランスから何も報告を受けてないと思ってるのか?」

 

「それは…」

 

俺がそう言うとアリスはそう言って俯く

 

「分かった、私が勝ったら兄にも私を認めてくれるんだよね」

 

「ああ、俺に勝てたらな」

 

〜Crimson glacier fenrir tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺達はそう言って聖詠を行いシンフォギアを纏った

 

〜マリアside〜

 

「お兄ちゃんどうしちゃったんデスかね?」

 

「うん少し強引だった、湊さんらしくない」

 

「そうでもしないとアリスが自分と向き合えないと思ったんでしょうね」

 

私達は別室でアリスと彼の勝負を見ながら切歌と調にそう言う

 

「アリスが自分と?」

 

「どう言う事デス?」

 

「アリスはずっと彼の影を追っているだけなのよ、マムから聞いた報告も全て雪音湊、彼がしていた事を真似をしているだけだったらしいわ」

 

アリスは言っていた。マリアの知ってる私らしさって何?と、ずっと彼の後ろ姿ばかり追いかけて来た私に私らしさ何てあるのかと

 

「アリス戦い方が私達とフィーネにいた頃と結構変わってる」

 

「調もデスか?私もそんな気がするデス」

 

切歌と調の言う通りアリスの戦い方が少し変わっている。セレナの時も同じ事を思ったけど武装組織フィーネあの時のアリスの戦い方は自分の得意なスピード生かした戦い方だったのが力任せに剣を振るう戦い方に変わっていて体もそれについて行けていない

 

(アリス…貴方はそれに気づいていない、いえ自分が見えなくなりすぎて気付けていないんでしょうね)

 

今のアリスは本当によく似てるセレナにエルフナインに自分らしくある事こそが強さだと教えて貰う前の私に、だからこそ私はアリスを放ってはおけない

 

「このままじゃアリスはフランスに帰る事になっちゃうデスよ」

 

「せっかくまた皆んなで一緒にいられると思ったのに…」

 

切歌と調は本当に寂しそうにそう言う

 

「貴方達…」

 

「ですが仕方のない事です」

 

「「「マム」」」

 

そこにマムが入って来た

 

「切歌、調、貴方達の言いたい事も分かるつもりでいます。ですがこれから貴方達が向かうのは戦場、その上棺と言う未知数の相手、今のアリスの様な生半可な気持ちで向かって良い場所ではない事は貴方達も分かっている筈です」

 

「マムの言う通りよ。今回の彼との模擬戦でアリスが自分らしさを見つける事が出来れば良いのだけど」

 

「そうですね」

 

私とマムがそう言って彼とアリスの模擬戦に目を向けると切歌と調も彼とアリスの模擬戦に目を向けた

 

〜マリアside out〜




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312話

「やあ!」

 

「ふっ」

 

俺はアリスの剣での攻撃を大剣で受け流す

 

「はぁ…はぁ…」

 

「お前フィーネに居た頃より弱くなってるな」

 

「そんな事ない!」

 

《氷華》

 

アリスが具現化させて飛ばした無数の氷を大剣で防ぐ

 

「誰かの真似しか出来ない奴の力は所詮この程度何だよ」

 

《雷撃》

 

俺はそう言って大剣の先に溜めた雷を高出力のエネルギービームとして放つ

 

「こんなの!」

 

《氷雪一閃》

 

アリスは剣に氷を纏わせてエネルギービームを両断して俺に向かって来る

 

「やあ!」

 

「あまいな」

 

俺は隙だらけになったアリスに蹴りを入れる

 

「はあ!」

 

《雷精》

 

アリスは俺が放った雷をギリギリの所で避ける

 

「負けたくない…私だって弱いままじゃ嫌だ…切歌ちゃんや調ちゃんやマリアみたいに認めて貰いたい!強くなりたい‼︎」

 

「強くなりたいか…強さを求めるあまりに自分らしさを見失ってるお前には一生無理だろうな」

 

《雷鳥》

 

俺が大剣を上空に投げると大剣は雷鳥へと姿を変えてアリスに向かって行った

 

〜アリスside〜

 

兄にの雷鳥がどんどん私に近づいて来る

 

(兄にもマリアと同じ事を言う、自分らしさって何?)

 

私は今までずっと兄にの影を追って来た。でもどれだけ追っても追いつけなくて…いつの間にかマリア達にも置いて行かれて…

 

(私らしさ…そう言えば兄には言ってた。今の私はフィーネに居た頃よりも弱くなってるって)

 

あの時は兄にを超える為にがただただ夢中になってた。あの頃と変わった事と言えば私の戦い方だけ…そっか…私何で気づかなかったんだろ

 

(私は兄にの影を追って居るだけのつもりがいつの間にか兄に見たいじゃなくて兄にになろうとしてたんだ。マリアはその私にいち早く気付いて教えてくれてたんだ)

 

「ありがとうマリア…もう兄にになろうだなんて思わない私は私にあったやり方で強くなる!そしていつか兄にに認めて貰う‼︎」

 

私は地面に落ちた剣を強く握って振るった

 

〜アリスside out〜

 

「やっとか」

 

俺はアリスに向かって行った雷鳥が剣で弾かれたのを見てそう言う

 

「私はまだ戦えるよ兄に!」

 

「ああ、来いアリス」

 

俺がそう言うとアリスはフィーネの時の様な速さを生かした戦い方に戻って居た

 

(フィーネに居た頃よりもスピード速くなってるし正確さも増してる。やっぱこの戦い方がアリスには合ってんだろうな)

 

「やあ!」

 

《氷華》

 

「おっと」

 

アリスが具現化させて飛ばした無数の氷を俺は後ろに飛んで避ける

 

「この距離なら」

 

《氷獣天翔斬》

 

アリスがそう言って自身に冷気を纏わせ白い狼に姿を変えて突進して来る

 

「まあまあだな」

 

《雷鳥天翔斬》

 

俺は大剣のアームドギアから雷を放出し自身を雷を纏う鳥と化させアリスに突進する

 

「くっ!きゃあ!」

 

互いの技がぶつかり合い押し負けアリスは吹き飛ばされる

 

「ちょっとはやる様になったみたいだな」

 

「兄に…それじゃあ!」

 

「ああ、認めてやるよお前の事。強くなったなアリス」

 

俺はそう言ってアリスの頭に手を置く

 

「良かった…」

 

アリスは小さくそう言うと俺に向かって倒れて来た

 

「「「アリス‼︎」」」

 

暫くすると別室で見ていた切歌達が鍛錬場に入って来た

 

「お兄ちゃん、アリスはアリスは無事デスか⁉︎」

 

「大丈夫だ、今は疲れて寝てるだけだ」

 

「そう、よく頑張ったわねアリス。アリスは私が引き受けるわ」

 

「ああ、俺は先に出てる」

 

俺はマリア達にそう言って鍛錬場を出た




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313話

「風鳴司令、南極大陸のヴォストーク湖に到着した」

 

『そうか、現場の様子はどうだ?』

 

数日後、俺達が一足先にヴォストーク湖に向かう事を予想していた風鳴司令からヴォストーク湖周辺の調査を任されてしまった

 

「特にこれと言って変わった事はないな」

 

『そうか、何か変化があり次第報告を頼む』

 

「了解」

 

俺はそう言って風鳴司令との通信を切った

 

「る〜、ご主人…此処寒すぎる…」

 

「南極なんだから寒いに決まってんだろ」

 

(切歌は南半球は夏真っ盛りだなんて言ってたが寒い所は四季関係なく寒いからな)

 

俺は昨日切歌が言ってた事を思い出しながら辺りを歩く

 

「わ〜い!」

 

「葉月ちゃん邪魔にならない様にしようね」

 

「は〜い‼︎」

 

俺達が周辺調査をする傍らで葉月とセレナとエルザが雪で遊んでいる

 

「る…私もあっちが良かった」

 

「周辺調査も時期に終わる、そもそもジャンケンで決めようって言ったのはお前だろ文句を言うな」

 

「そうだ、貴様が余計な事を言わなければ全員でやっていた物を」

 

そうこうなった原因はルナにある。キャロルのゲートで南極大陸に向かう直前に突然ジャンケンで周辺調査をする人を決める事になり綺麗に俺とルナとキャロルが負けた

 

「る…ちょっと後悔してる」

 

「これで終わりだな、お前も好きにしてろ」

 

俺がそう言うとルナは一目散にセレナ達の元に向かって行った

 

「お前は行かないのかキャロル」

 

「俺はアイツらの様に子供じゃないからな」

 

普通に騒がしいのが苦手だと言えないのか此奴は

 

「ま、俺もお前と同じだけどな」

 

「ふっ、やはり俺とお前は気が合うみたいだな」

 

「だな「パパ‼︎キャロルお姉ちゃん‼︎」彼奴に呼ばれたら行くしかなくなるのもな」

 

「ああ、本当にな」

 

そう言って俺とキャロルは雪で遊ぶ葉月達の所に向かった

 

「流石に冷えて来たし中に入って晩飯にするか」

 

「そうだね、葉月ちゃん雪で遊ぶのはまた今度にして今日はもう終わりにしよっか」

 

「うん!」

 

葉月も満足したのか満面の笑みを浮かべている

 

「やはり外に出た後はこれに限る」

 

「る〜、暖かい」

 

キャロルとルナは俺が通信機から出した家に入った途端にこたつの中に入る

 

「全く2人は仕方ないでありますね」

 

「暖かいもんね、外に出た後だと特に」

 

そう言ってエルザとセレナもこたつに入る

 

「お前らな…」

 

「パパ…お腹すいた」

 

「そうだな、あの状態だと彼奴らも動きそうにないし今日は鍋にするか」

 

「うん!葉月お鍋食べたい‼︎」

 

「決まりだな、手伝ってくれ葉月」

 

「うん‼︎」

 

俺達が鍋の準備を始めるとセレナとエルザはこたつから出て来て手伝ってくれたが他の2人は手伝うどころか鍋が出来上がる頃にはこたつの中で寝ていた




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314話

『総員棺の浮上に備えるんだ』

 

「こっちは何時でも行けるぜ風鳴司令」

 

風鳴司令の言葉に俺はそう返す。

 

『聞こえるか湊』

 

「ああ、聞こえるぜ翼」

 

『我々はこれから降下を始める棺の注意を逸らせてくれ』

 

「了解、聞いた通りだやるぞお前ら」

 

俺の言葉に葉月の面倒を見る為に残ったセレナ以外の全員が頷く

 

「あれが棺か」

 

「るる、思ってたのとなんか違う」

 

俺達の前に姿を現した棺は一般的な棺とは程遠い見掛けをしていた

 

「ですがあれを破壊するのが今回の目的であります」

 

「ああ、早急に終わらせよう」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

そう言って俺はシンフォギアをエルザ達はファウストローブを纏う

 

「先ずは力比べと行くか」

 

《雷斬》

 

俺は大剣に雷を纏わせて棺に斬りかかると棺は腕と思わしき部分で防ぐ

 

「互角か、はあ‼︎」

 

俺は大剣を力一杯押し込もうとすると棺は赤と黒の入り混じった様な光線を放つ

 

「チッ、互角か」

 

「大丈夫か湊!」

 

「ああ」

 

俺が光線を交わして後ろに飛ぶとそこに翼達も到着する

 

「お兄ちゃんと力が互角だなんて飛んだ化け物デスよ」

 

「それでも私達の中の誰1人として気持ちでは負けていない!」

 

そう言うと再び棺の怪物が光線を放つ

 

「甘えんだよ!」

 

《雷精》

 

俺達は散り散りに飛んで交わし俺は迎え撃ち相殺する

 

「避けなさい!」

 

マリアの言葉に反応して反射的に後ろに下がるとそこに氷の結晶に似た何かが現れ辺りに緑の炎を出現させる

 

「何なんだよあのデタラメは!どうする」

 

「どうもこうも止めるしか無いじゃない!」

 

そう言ってマリアは後ろの観測基地を見る

 

「キャロル観測基地の防衛を頼む」

 

「ああ、任せておけ」

 

キャロルはそう言って観測基地に向かって行く

 

「これで多少の攻撃じゃ観測基地は安全だ」

 

「ああ、だが完全に安全とは言い切れない。旋回しつつ距離を詰めろ!観測基地には近づけさせるな!」

 

『了解(ああ)』

 

翼の指示に俺達はそう答える

 

「氷の上での戦闘なら」

 

「お兄ちゃんの所で練習済みデス!」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

《α式 百輪廻》

 

「逃がすかよ‼︎」

 

「はあ!」

 

切歌と調の攻撃を交わそうと飛んだ棺を響がぶん投げ俺が大剣を振って地面にぶつける

 

「そら!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

姉さんが内蔵の多連装射出器から追尾式の小型ミサイルを一斉に発射する

 

「効いてねえのかよ」

 

「捕まれ姉さん!」

 

俺は雷鳥に乗って姉さんを回収する

 

「悪い、助かった」

 

「礼は後で良い、次のが来るぞ」

 

今度は棺の体の至る所から無数の棘が現れそれが発射されると宙へ浮かぶ生き物に姿を変える

 

「数が多けりゃ良いってもんじゃねえぞ」

 

「群雀共に構い過ぎんな!」

 

「ああ!」

 

《BILLION MAIDEN》

 

《雷鳴》

 

俺は雷鳥を飛ばしながら雷を纏った剣を飛ばし姉さんは銃を乱射して雑魚を殲滅する

 

「このままじゃじり貧だ、姉さん一旦降りてくれ俺が一気に道を開く」

 

「ああ、頼りにしてんぜ!」

 

俺は姉さんが降りると雷鳥を加速させて雑魚を一気に殲滅する

 

「俺が盾になる遅れるなお前ら!」

 

俺がそう言うと響とマリアは頷き俺の後ろを着いて来る

 

「やれお前ら‼︎」

 

「最速で最短で」

 

「真っ直ぐに一直線に」

 

響とマリアは片腕をドリル状にして怪物に突っ込む

 

「効いてるか、下がれお前ら‼︎」

 

「「は!」」

 

棺は響とマリアの攻撃で一瞬効いたと思ったが直ぐに動き始め響とマリアに攻撃する

 

「2人共しっかりするデスよ!」

 

「来るぞ!」

 

「間に合え!!」

 

姉さんが俺達を守る形で前に出てリフレクターを使う

 

「ぐっ‼︎」

 

「耐えろ雪音‼︎」

 

「踏ん張れ姉さん‼︎」

 

俺と翼でリフレクターを張る姉さんを支える

 

「わかってる!だけど…もう持たねえ!」

 

姉さんがそう言うと同時にリフレクターが破られた




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315話

「どうなったんだ…」

 

俺が目を開けるとそこには氷漬けになった姉さん達が居た

 

「俺だけ助かったのか『はい、そうです主人様』アテネお前のお陰なのか?」

 

『私と言うよりも神の力が主人様を守ったと言った方が正しいと思います』

 

そうか、神の力が俺を

 

「だったら響の奴も助かる筈じゃないのか?」

 

『いえ、彼女の中にはもう神の力は残って居ません。結果として彼女も他の方々と同じ結果になってしまいました』

 

成る程な、確かに響の中にあった神の力は未来と一緒に出て来た時に散り散りになってたな

 

「でもまあ誰かと戦うより1人で戦う方が慣れてるからこっちの方が良いのかもな」

 

何も1人で戦うのが初めてじゃない、むしろ此奴らと会うまで姉さんと再会するまでは1人で戦うのが殆どだった

 

「セイクリッドモジュール、抜剣」

 

《雷光一閃》

 

俺はセイクリッドモードに移行して持って居た大剣を巨大化させた後、翼のブースターを噴射させて棺の怪物に突っ込む

 

「これなら、何だよ、動けんならさっさと出て来いよ」

 

棺の怪物との力比べに勝って追撃を行おうとしていると後ろから2基の大型ミサイルが飛んで来る

 

「待たせたな湊」

 

「この戦場に立つのはお前1人では無い」

 

姉さんと翼が俺の隣に立ってそう言う

 

「あれは貴方1人でどうこう出来る相手じゃないでしょ」

 

「私達だってまだ戦える」

 

「調の言う通りデス」

 

「一緒に戦おう湊君」

 

「ああ、そうだな」

 

本当に此奴らは、終わるまであの中に居ても良かったってのに

 

「小物は我々が引き受ける、湊お前と立花は棺を倒す事を優先に考えろ」

 

「「了解‼︎」」

 

俺と響はそう言って棺の怪物のトゲが姿を変えた雑魚を翼達に任せて棺の怪物に向かって行く

 

「さっきはよくもやってくれたな」

 

《雷撃》

 

俺が棺の怪物にエネルギー砲を放つと棺の怪物は光線を放って対処する

 

「さっきまでの俺と同じだと思ったら大違いだ」

 

さっきは相殺されたエネルギー砲だったが今度は棺の怪物の光線を押し腕を1つ破壊した所で一度距離を取る

 

「あのバカ!」

 

響が女性を助けた隙を突いて棺の怪物が響に向けて光線を放とうとしていた

 

「お前の力借りるぞアテネ」

 

『はい、マスター』

 

俺は黄金の結晶を砕いてアイギスの盾を構えて棺の怪物の光線を受け止める

 

「湊君!今です急いでS.O.N.G.指定の避難ポイントまで」

 

響がそう言って避難するように促すと女性は頷き避難ポイントまで向かって行った

 

「響このまま俺が受け止める」

 

俺は響にそう言って円形になって向かう棺の怪物を受け止める

 

「ぐっ!」

 

俺は棺の怪物に押されながらも何とか受け止めだが棺の怪物は停止する直前に俺を腕で湖の中に押し込んだ

 

(吹き飛びやがれ!)

 

湖の中で沈んでいく棺の怪物をアイギスの槍の先端から出る光線で上空に打ち上げる

 

 

「湊君!良かった無事で」

 

打ち上げられた棺の怪物が落下して来ている中響が俺に手を持って引き上げる

 

「んな事よりあれを何とかするのが先だ」

 

「そうね、狙うべきは喉元の破損箇所ギアの全エネルギーを一斉収束」

 

「決戦機能を動く対象に!?」

 

外したら後が無いのはマリアだって理解しているその上でそう言うのなら

 

「だったら此奴で確実に仕留めれば良い」

 

「デュランダル、そっか!私が了子さんと戦った時に使ったあれを使えば」

 

「ああ、そう言う事だ」

 

「しかしあの時は私も雪音もエクスドライブ状態だった。あの時程のフォニックゲインが引き出せるだろうか?」

 

「ああ、マリアがエネルギーベクトルを上手く操作すれば何とかならない事もない」

 

マリアがギアのエネルギーを全て響に向けて操作すれば可能性はある

 

「は、面白えじゃねえか」

 

「それに3人分のエクスドライブなら私達と湊さんなら補える筈」

 

「やってみる価値は充分にあるわね、それで行きましょう」

 

マリアがそう言うと響はデュランダルを握る

 

「あの時みたいに破壊衝動には囚われない、これなら」

 

「ああ、行ける」

 

俺達はマリアを通して響にギアのエネルギーを送る

 

「もう充分よ行きなさい立花響‼︎」

 

「はい!」

 

響はそう言ってエネルギーが具現化した羽を生やして棺の怪物に向かって行く

 

「はあああ‼︎」

 

《Synchrogazer》

 

響がデュランダルを振り下ろし棺の怪物を両断する

 

「良くやった響」

 

「あはは、もう身体中が痛いや」

 

そりゃあれだけのエネルギーを1人で背負えばそうなる

 

「このまま本部に行くぞ」

 

俺はそう言って響を本部に連れて行った




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316話

南極からの帰還している途中、米国が南極で回収した遺骸の護衛にS.O.N.G.を付けるよう交渉をする為米国に寄っていた

 

「そこを何とか」

 

『何度言われても変わらない答えはNOだ』

 

何度も風鳴司令が米国に遺骸にS.O.N.G.を付けるように要求するが米国側は首を縦に振らない

 

「たく、邪魔するぞ風鳴司令!」

 

俺はおっさんが米国と交渉して居る部屋に入る

 

「湊君、今は大事な話を『こっこれは湊氏!一体どのような案件で!』ん…どうやら俺が交渉するより君が交渉した方が優位に立てそうだな」

 

「ああ、先の反応兵器の件だ。オーグから聞いた反応兵器の件は助かった」

 

『いえいえ、結局の所我々の不手際で反応兵器は発射されてしまいましたから』

 

米国側も俺が出て来ると思ってなかったのか少し動揺している

 

「だがそれと南極で回収した遺骸の護衛にS.O.N.G.を付かせない理由を教えないのとは話は別だ。教えろ何故遺骸の護衛にS.O.N.G.を付かせない」

 

『遺骸につきましては米国新型空母トーマス・ホイットモアの護衛に他国であるS.O.N.G.に付かせる訳にもいかず』

 

「成る程な、お前達の意見も分からなくはない。確かに他国であるS.O.N.G.に付かせる訳にはいかないな。ならその護衛に俺が付くのはどうだ」

 

『湊氏が直々にですか?』

 

「ああ、Clover'sとでも言いたいがナインの奴は一度船を沈めてんだ。お前達が任せられないってのも理解できるからな」

 

『少しお時間を頂けますでしょうか?上層部に掛け合ってみます』

 

そう言ってモニターに映ってた人物はモニターと音声をOFFにする

 

『大変お待たせしました。湊氏是非この話受理させて頂います。ですが米国新空母トーマス・ホイットモアは米国の上層部の一部の者しか知りません。此処はどうか少数の者で編成をして貰えないでしょうか?』

 

米国側の話に俺は少し考える

 

「良いだろう、S.O.N.G.から俺を含め4名アルカノイズの数も分からない警戒するに越したことはないだろう」

 

『ええ、それで構いません』

 

「作戦開始時刻は2日後○八○○。他の者にはこちらから伝えておく」

 

『分かりました。トーマス・ホイットモアのデータはツゥーヴェルク氏を通じて湊氏の端末に送らせて頂きます』

 

米国側はそう言って通信を切る

 

「これで良いんだろ風鳴司令」

 

「ああ、助かった湊君」

 

「トーマス・ホイットモアには俺と切歌と調とセレナの4人で向かう」

 

「分かった、切歌君と調君とセレナ君には俺から伝えておく」

 

「了解だ風鳴司令、出来れば今直ぐに伝えてくれ。トーマス・ホイットモアのデータが届き次第ミーティングをしたい」

 

「ああ、勿論だ切歌君と調君そしてセレナ君3人は湊君から大事な話がある至急司令室に集まってくれ」

 

俺がそう言うと風鳴司令はセレナ達3人に収集を掛けた




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317話

「作戦開始時刻まで5分を切ったが持ち場には着いてるか?」

 

俺は作戦開始時刻まで5分前になったので此処に居るセレナ以外に最終確認を行う

 

『問題なしデス』

 

『いつでも行けます』

 

俺の問いかけに切歌と調はそう返す

 

「時刻○八○○。作戦開始!」

 

『了解!!』

 

そう言うと全員ギアを纏いアルカノイズの警戒を行う

 

「大丈夫かな切歌ちゃんと調ちゃん」

 

「大丈夫だろ、彼奴らもアルカノイズにやられる程もう弱くはないからな」

 

切歌と調を心配するセレナに俺はそう返す

 

「来たか、お前らさっさと引け!」

 

「はい!全員引くぞ!これ以上は湊氏の邪魔になる!」

 

そう言って全員空母内部に避難して行く

 

「ふぅ、こんなもんだな」

 

「そうだね、ねえ湊君あの子じゃないパヴァリア光明結社の残党って」

 

「あれは!」

 

俺はセレナの見つけた少女を見て驚く

 

「セレナお前は切歌と調と3人でアルカノイズを倒しつつ撤退の準備をしろ」

 

「どうして?」

 

「お前らじゃ彼奴に勝てねえからだよ、互角とも言えないただ殺されるのを待つだけになるだろ」

 

「うん、分かったよ」

 

セレナはそう言って切歌と調の居る方に向かって行った

 

「それで何時迄気付いてないふりをしてるんだ」

 

「やっぱり凄いねマスターは、気付かれてないと思ってたから不意を突こうと思ってたんだけど」

 

「気付かない訳がないだろメア」

 

「久しぶりマスター」

 

そう言ってメアは不敵に笑う

 

「ねえマスター、マスターが人間と一緒に居るなんてやっぱり間違ってるよ。兵器は兵器同士で仲良くしようよ、人間は異物を嫌い排除する生き物、人間が私達兵器を受け入れるなんて事は絶対にないんだからさ」

 

「だろうな、俺もそう言う奴らを結構見て来た」

 

「だったら「だが俺はお前達に協力するつもりはない」そっか、それがマスターが出した答えなんだね」

 

メアは俯きながらそう言う

 

「だったら…此処で死んで‼︎」

 

俺は左腕を刃に変えて向かって来るメアの攻撃を大剣で受け止める

 

「ねえマスター、何で私を置いて行ったの?何で私を独りぼっちにしたの?」

 

メアは攻撃の手を休めずに俺にそう聞いて来る

 

「前にも言っただろ、俺達はお前を独りぼっちにしたかった訳じゃないって、お前の居場所が分からなかったんだよ、彼奴らに聞き出してそのに向かったがお前は既に行方をくらました後だった」

 

「嘘だ!私は一年も待ったんだよ!それなのにマスターも誰も来てくれなくて、だから私は今こうやってマスターと戦ってるんだよ!」

 

確かにメアの言う通り俺達がメアの居場所を聞き出してそこに探しに向かった時はシンフォギア軍事兵器化実験から既に2年が経って居た

 

「ずっと待ってたんだよ1人できっとマスター達は来てくれるって」

 

「メア…」

 

「それなのに…誰も来てくれなくて来たのはパヴァリアの人達だけ」

 

それでメアはパヴァリア光明結社に

 

「私の目的はあの時から変わってないよマスター」

 

「そうか、だったら俺はそれを止める。それがお前を1人にしちまった俺がしてやれる事だ」

 

俺がそう言うとメアは右腕も刃に変えて突っ込んで来た




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318話

〜切歌side〜

 

「調そっちはどうデス?」

 

私はアルカノイズを倒しながら調にそう聞く

 

「アルカノイズばっかり、切ちゃんは?」

 

「こっちもデスよ、お兄ちゃん達の方に行ってるデスかね?「切歌ちゃん!調ちゃん!」およ?セレナどうかしたデス?」

 

アルカノイズを倒しているとセレナが私達の所に来た

 

「湊君がアルカノイズを倒しながら撤退の準備をして欲しいって」

 

「撤退の準備を?」

 

「セレナ何があったデスか?」

 

「私にも分からないの、ただ今回の敵は私達じゃ互角とも言えなくてただ殺されるのを待つだけだって」

 

お兄ちゃんがそこまで言う相手少しばかり気になるデス

 

「だったら尚の事お兄ちゃんを置いて撤退の準備なんてしてられないのデス」

 

「でも湊さんの指示を聞かないで行ったら怒られるんじゃないかな?普段あまり怒らない人が怒ると怖いって聞くよ?」

 

「う…そっそれは…」

 

お兄ちゃんは滅多な事では私達に怒ったりしない、でも指示を無視したり勝手な事をしたら物凄く怒るって前にルナに聞いた事がある。その時のお兄ちゃんは本当に鬼の様に怖いそうデス

 

「やっやっぱり良い子にしてるべきデスよね、お兄ちゃんに怒られても何も良い事はないデス」

 

「切ちゃん…」

 

「あはは、取り敢えずアルカノイズも大体倒し終わったし撤退の準備を始めよう」

 

「「了解(デス)」」

 

私達はセレナにそう言って撤退の準備を始めた

 

〜切歌side out〜

 

「マスター!もっと早く、もっと激しく行くよ!」

 

「くっ!」

 

メアは両腕だけじゃなく髪の一本一本も刃にして攻撃してくる

 

「はあ!」

 

「ふっ、やっぱり凄いねマスターは私の攻撃が全然通用しないんだもん」

 

メアはそう言うと何かに気付いた様子を見せる

 

「うん、分かったよごめんねマスター私行かなきゃまた遊ぼうね」

 

メアはそう言って羽を生やして何処かに飛んで行った

 

「何とか持ち堪えれたか」

 

俺は辺りに居たアルカノイズを倒し終えた事を確認してからギアを解除する

 

「にしても彼奴が此処に来た理由って一体なんだったんだ?何かに興味がある訳でもなさそうだったしな」

 

(何で私を置いて行ったの?何で私を独りぼっちにしたの?)

 

違う…俺はお前を独りぼっちにしたかった訳じゃない。俺だってお前を見つけたかった

 

(ずっと待ってたんだよ1人できっとマスター達は来てくれるって)

 

あの時俺はエルザ達の言う事を無視してでもお前を見つけて独りぼっちにさせない様に選択すれば良かったのか?

 

「湊君、終わったの?」

 

「セレナ」

 

俺が考え込んでると撤退の準備を終わらせたセレナが俺の所に来た

 

「ああ、彼奴は何処かに行った」

 

「そっか、何かあったの湊君?酷い顔してるけど」

 

「大丈夫だ」

 

俺は心配するセレナにそう言って本部に向けて歩き始めた




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319話

「んじゃ行くか湊」

 

「ああ、お前ら頼んだぞ」

 

米国の空母トーマス・ホイットモアの護衛から数日、俺と姉さんと葉月の3人で出かけて居た

 

「たく、別にあそこまでしなくても良いってのによ」

 

「仕方ねえだろ、セレナの奴が異様に張り切ってんだからよ」

 

こうなった原因はセレナだ、今日は姉さんの誕生日それで俺達は前日から姉さんの所に泊まり込み今さっきセレナ達が誕生日パーティーの準備を始めた

 

「クリスお姉ちゃん何処行くの?」

 

「そうだな…ま、その辺ぶらぶらしながら決めるか」

 

「だな」

 

俺と姉さんと葉月は一先ず公園を目指して歩き始めた

 

「わ〜い!」

 

「おい、あんまはしゃぎ過ぎて怪我すんなよ」

 

公園に着いた途端に公園の遊具に向かって行った葉月に姉さんはそう言う

 

「朝っぱらから元気な奴だな」

 

「本当にな」

 

俺と姉さんは遊具で遊ぶ葉月を見ながらベンチに座りそう言う

 

「彼奴を見てると昔のお前を見てるみたいだ」

 

「昔の俺をか?」

 

「ああ、あたしはまだ眠いってのにお前に今みたいに朝早くから公園に連れて行かされた事が何回もあった」

 

「そんな事してたんだな、その辺りの事もよく覚えてないからな」

 

「本当に不便だな錬金術って、時には大事な記憶まで消しちまうんだからよ」

 

「ああ、そうかもな」

 

俺達がそう話してると葉月が俺達の所に走って来た

 

「クリスお姉ちゃんとパパも一緒に遊ぼう」

 

「しゃあねえな、行くぞ湊」

 

「ああ」

 

俺と姉さんはそう言って葉月と一緒に遊具に向かって行った

 

〜セレナside〜

 

「お待たせしてすみませんセレナさん!」

 

「お察しかも知れませんが響のいつもの寝坊が原因でして」

 

湊君達が出かけて2時間くらい経つと響ちゃんと未来ちゃんが中に入って来た

 

「響ちゃんも未来ちゃんもいらっしゃい、大丈夫だよ私達もついさっき始めたばかりだから」

 

「そんな事言って、貴方達1時間も前から始めてたじゃない」

 

私と言葉を聞いて時間通りに来たマリア姉さんがそう言う

 

「でもこの方が響さんらしい」

 

「そうデスね、さあちゃっちゃと飾りつけを完成させるデス」

 

マリア姉さんに連れられて来た切歌ちゃんと調ちゃんは部屋の飾りを作ってくれている

 

「あれ?湊君と葉月ちゃんが居ない」

 

「あの2人ならクリスと出かけた」

 

「そうなんだ、よーし私も頑張るぞ!」

 

「えっと…響ちゃんと未来ちゃんに材料の買い出しを頼みたいんだけど大丈夫かな?」

 

「大丈夫です、ほら行くよ響」

 

「は〜い」

 

響ちゃんと未来ちゃんはそう言って買い出しに向かった

 

〜セレナside out〜




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320話

「クリスお姉ちゃん次何処行くの!」

 

「そうだな、先ずは昼だな」

 

「葉月オムライスが食べたい!」

 

「良いな、あたしも食べたかったんだ。お前もそれで良いよな」

 

公園で遊んで数時間後、俺達は昼を食べるために公園を出てショッピングモールのフードコートに向かって居た

 

「もう好きにしてくれ」

 

「んじゃ決まりだな」

 

「わーい‼︎」

 

会計はどうせ全部俺が払う事になるんだろうが諦めて俺は葉月と姉さんに着いて行く

 

「美味しい!」

 

「偶には外で食べるのも良いもんだな」

 

「そりゃお前は払わなくて良いからな」

 

俺は姉さんを見ながらそう言う

 

「ほら、そんな急いで食わなくても誰も取ったりしねえから落ち着いて食べろ」

 

姉さんはハンカチで葉月の口周りに付いたケチャップを拭き取る

 

「ありがとうクリスお姉ちゃん」

 

「良いんだよこんくらい」

 

姉さんは笑って葉月の頭を撫でる

 

「この後どうする」

 

「どうするって言ってもな」

 

現在の時刻は1時、5時にはマンションに帰りたいからこのショッピングモールからは出ない方が良いだろ

 

「ゲーセンで時間でも潰すか」

 

「そうだな、行くぞ葉月」

 

「うん…」

 

葉月は目を擦りながら立ち上がる

 

「眠いのか?」

 

「うん…パパおんぶ」

 

「はぁ、分かった」

 

俺がそう言って葉月を背負うと葉月は直ぐに眠り始める

 

「良いのか?それでゲーセン行ってもキツいだけだろ?」

 

「他に行く所も無いしな」

 

「お前が良いならそれで良いけどよ、キツくなったらちゃんと言えよ」

 

「分かってる」

 

そう言って俺と姉さんはゲームセンターに向かう

 

「にしても案外起きないもんだな、あたしだったら絶対起きてる」

 

「此奴寝始めたら中々起きないからな」

 

葉月は一度寝始めると中々起きない、だから夕方に寝た日は大抵起きるのが早く翌日の朝早くに俺が起こされる

 

「クソ〜、中々取れねえな」

 

「姉さんが下手なんじゃないか?」

 

「お前がうま過ぎんだよ」

 

姉さんはカートに入れられた袋を見てそう言う

 

「変わってみろ」

 

「は!いくらお前でもそんな直ぐに取れる訳が「取れたぞ」マジかよ…」

 

俺は姉さんが何度も取ろうとして居たぬいぐるみを1回で取って見せた

 

「ほら、これで良いんだろ」

 

「納得いかねえ…」

 

姉さんは不貞腐れながらもぬいぐるみを受け取る

 

「そろそろ良い時間かもな」

 

「ああ、葉月起きろ帰るぞ」

 

「ん…」

 

俺が呼ぶと葉月はまだ眠そうにしながら目を開ける

 

「パパ…クリスお姉ちゃん…」

 

「まだ眠いならもうちょい寝てて良いぞ晩飯の時にまた起こしてやるから」

 

「うん…」

 

姉さんがそう言うと葉月はまた眠り始めた

 

「それじゃあ荷物持ちは姉さんに任せるぞ、葉月が起きないんじゃ俺は持てねえからな」

 

「これ全部お前の通信機の中に入れりゃ良いだろ」

 

「たく、余計な時だけ思い出したかの様に使わせやがって」

 

俺はそう言ってお菓子とぬいぐるみの入った袋を通信機の中に入れる

 

『湊君、準備終わったからクリスちゃんと帰って来ても良いよ』

 

「言われなくても今もうマンションの前に居るから直ぐに帰る」

 

『そっか、それじゃあ待ってるね』

 

そう言って響は通信を切る

 

「行くぞ湊」

 

「ああ、分かってる」

 

俺はそう言って姉さんの所に向かった




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321話

「お前ら葉月の事は頼んだぞ、行くぞキャロル」

 

「ああ」

 

「いってらっしゃい湊君、キャロルちゃん」

 

姉さんの誕生日パーティーから数日、俺とキャロルはそう言ってセレナ達と別れとある場所に向かった

 

「それで、どうだ人数の方は?」

 

俺は翼の凱旋公演が行われる会場で通信機を使いミミと連絡を取ってそう聞く

 

『ステラ達を含めて900人くらい集まってくれた』

 

「900?そんなに集まったのか?」

 

『うん、湊からの収集って言ったら皆んな集まってくれた。ナイン達もその日に参加してくれるって連絡も来たし自分から協力を申し出てくれた装者も沢山来た』

 

意外だな、米国からすればナイン達はノイズやアルカノイズに対抗する為の1番の戦力、一か八かの賭けだったが参加してくれるのか

 

「恐らく前回の空母トーマス・ホイットモアの護衛に対する米国側からの礼と言う事だろう」

 

「多分な、サンジェルマン達はこの後俺達と合流する事になってる」

 

『編成はどうする?』

 

「そうだな…班は1班200人の班を4つ作れ1班から3班はもしもの時に備えていつでも出撃可能にしておけ4班だが観客の避難誘導を優先し避難誘導が済み次第アルカノイズの討伐に参加してもらう。1班のリーダーはミミとルカ、2班のリーダーはアリア、3班のリーダーはナイン、4班のリーダーはステラだ。何か質問はあるか?」

 

『大丈夫、それじゃあ1班は遠距離のアーチャーや銃をメインにする、2班3班は近距離の剣や槍をメインにして、4班は近距離と遠距離の複合型で編成する。これで良い?』

 

「ああ、ありがとなミミ」

 

俺はミミの言葉にそう答える

 

『あ!ミミちゃんだけ湊と連絡してるずるいよ私だって湊と話したいのに‼︎』

 

『姉さん今は大事な話をしてるからまた今度』

 

『む〜、ミミちゃんの意地悪ちょっとくらい良いじゃん』

 

相変わらず自由な奴だなルカは

 

「済まない遅れたか?」

 

「いいや、時間通りだ」

 

ミミとルカの2人との通信を切って少しすると深淵の竜宮の警備をして居たサンジェルマン達が合流する

 

「そう言やお前ら、メアって奴知ってるか?」

 

俺がそう聞くとサンジェルマン達は顔を見合わせる

 

「少なくともあ〜し達は知らないわね」

 

「そうか」

 

だとするとメアの奴をパヴァリア光明結社に連れて行かれたのにはアダムの奴が関わってるのか

 

「そいつがどうかしたワケダ」

 

「ちょっと訳ありでな、だが話してる暇はない全員持ち場に着いて警戒を怠るな」

 

「ああ、私達は当初の予定通り南側の出入り口を見張ろう」

 

「ああ、キャロルは俺と待機だ他の出入り口にもそれぞれ装者か錬金術師を配置してる。お前達は不審な奴を見かけたら俺に報告なしで攻撃を仕掛けろ、そいつがパヴァリアの残党の可能性がある」

 

「分かった」

 

そう言ってサンジェルマン達は南側の出入り口に向かって行った




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322話

『湊アルカノイズが来たよ』

 

「そうか、全員配置に着け!俺とキャロルも配置に着く」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

ルカは俺の言葉を聞いて頷き通信を切ると俺は聖詠を行いキャロルとステージ上空に向かうとアルカノイズが多数出現して居た

 

「全員配置に着いたな、作戦開始‼︎」

 

そう言って俺はアルカノイズに向かって行く

 

〜マリアside〜

 

ステージ上空にアルカノイズが出現して慌てふためく人達だがそれも次の瞬間にアルカノイズは倒されそこに1人の少年が現れた。

 

「狼狽えるな‼︎」

 

「あれは…」

 

「我々はアルカナム、フランスからの使者だ‼︎」

 

彼がそう言うとステージの周りにも大勢の装者が姿を現す

 

「マリアどう言う事だ」

 

「私だってわからないわよ」

 

「我々が此処に来た理由は1つ、我々が予てから追っていた錬金術師が此処を襲撃すると予想しての事だ」

 

彼がそう言うとステージの周りに居た装者が降りて来る

 

「翼あれって」

 

「ああ、湊の仲間だろう」

 

そこには以前共闘した事もあるナイン・フォレスティアそしてエルガルム姉妹の姿もあったので彼の仲間で間違い無いだろう

 

「これより我々はアルカノイズの対処を行い錬金術師の出所を掴む、貴様ら一般人を巻き込むと後々面倒だ数人手配してやるので出口に向かへ」

 

そう言って彼は現れたアルカノイズを倒しに行く

 

「何をして居る、貴様達もギアを纏え」

 

「ああ、マリア我々も行くぞ」

 

「ええ、やりましょう翼」

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

キャロルに促され私と翼は聖詠を行いシンフォギアを纏いアルカノイズとの戦闘に向かう

 

〜マリアside out〜

 

「すみません!」

 

俺がアルカノイズと戦って居ると1人の女性が話しかけて来た

 

「娘が…娘が見当たらないんです!どうか娘を!」

 

「その少女の特徴は」

 

「桃色のカーデガンに黄色のバックを持っています。名前は火憐です」

 

そうか、どっかで見た事あると思ったら神奈月と神奈月妹の母親か

 

「分かった、そいつは俺が責任を持って連れて行く。だから今は非難を優先にしろ」

 

「はい…お願いします」

 

華の母親はそう言ってキャロルについて行った

 

「きゃー!」

 

「この声…」

 

俺が聞き覚えのある声の方に向かうとそこには火憐を取り囲んだアルカノイズが居た

 

「させっかよ!」

 

俺は火憐を囲むアルカノイズを倒し華に近づく

 

「大丈夫か?」

 

「お兄さん?」

 

「ああ、久しぶりだな悪いがちょっとこの中に入っててくれ」

 

俺はそう言って火憐を通信機の中に入れる

 

「あはは!恐れよ!落ちよ!うちが来たぜ!此処からが始まり守備良くやってみせるぜ」

 

上空からそんな声が聞こえるので向かってみると1人の少女が居た

 

「うちの標的はお前だぜ風鳴翼!」

 

「パヴァリアの残党「翼!」湊、演技は終わりで良いのか?」

 

「ああ、犠牲者は今の所ゼロだ」

 

俺の言葉に翼は無言で頷く

 

「歌を血で汚すな!」

 

「大人しく弄らせて貰えると助かるぜ」

 

「戯れるな「離脱しろ翼!」はあ!」

 

翼は俺の言葉を無視して少女に攻撃を続ける

 

「待て翼!チッ!邪魔なんだよ!!」

 

俺は俺をその少女の元に向かわせないかの様に現れたアルカノイズを倒すがその時には既に遅かった

 

「貴様‼︎」

 

そこには血溜まりを作り倒れる女性と怒りに任せた翼が居た

 

「たく、ちょっと寝てろ」

 

「うっ!」

 

そう言って俺は翼を気絶させる

 

「テメェ、よくも関係ねえ奴を」

 

「怖え怖え、でもうちはそろそろ尻尾を巻かせて貰うぜ」

 

少女がそう言って指を鳴らすと会場全体にアルカノイズが一斉に降下して来る

 

「此処を破壊するつもりか、させるな‼︎迎え撃て‼︎」

 

『了解‼︎』

 

俺がそう言うと全員がステージに向けて降下して来るアルカノイズの対処を行った

 

「目が覚めたか翼」

 

「湊…錬金術師は!」

 

翼の言葉に俺は首を左右に振ると翼は逃げられた事を理解した

 

「犠牲者は彼のお陰で翼の前で亡くなった彼女1人だけよ」

 

「そうか…」

 

翼はそう言うと浮かない表情をして居た




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323話

「それにしても急な話だったね」

 

「ミミは話そうと言って居たらしいでありますよ」

 

「ああ、大方ルカの仕業だろ」

 

ライブから数日後、俺達は東京の空港にミミとルカを迎えに来ていた。俺達が2人が日本に来る事を知ったのは昨日のルカからの通信だ

 

「エルザ晩飯を作ってる途中だから出てくれ」

 

「ガンス、了解であります」

 

エルザはそう言って通信を取る

 

『あ!エルザちゃん‼︎』

 

『久しぶりですエルザ』

 

「ミミとルカでありますか、2人共どうかしたでありますか?」

 

如何やら通信の相手はミミとルカだったらしい

 

『実はね私達今日の便で日本に向かう事になったんだ』

 

「今日の便でありますか…ルカ、もう一度言って欲しいであります」

 

エルザはルカの言葉に疑問を抱きそう言う

 

『うん!今日の便で日本に向かう事になったんだ』

 

「わたくしも湊も初耳であります」

 

『当たり前だよ、皆んなには内緒にしてたんだもん‼︎』

 

『すみません、姉さんに何度か話そうとは言ったんですですが聞いてくれなくて』

 

ミミが本当に申し訳なさそうにそう言う

 

「はぁ…ルカもう少しミミを見習って落ち着きを持って行動して欲しいであります」

 

『だって驚かせたかったんだもん』

 

ルカは頬を膨らませてそう言う

 

「驚かせたかったってお前な」

 

「湊、もう大丈夫でありますか?」

 

「ああ、後は煮込むだけだ」

 

俺はそう言ってエルザの隣に座る

 

「明日の何時頃に着く予定なんだ?」

 

『予定通りに行けば日本時間の10時に着きます』

 

「そうか、分かった明日の朝の10時に迎えに行く」

 

『はい、また明日』

 

『バイバイ‼︎』

 

そう言ってミミとルカは通信を切った

 

「でも流石に急すぎてキャロルちゃん達は来れなかったね」

 

今此処に居るのは俺とセレナとエルザの3人、ルナは鳩木と神奈月と遊びに行って、キャロルと葉月もエルフナインと遊びに行っている

 

「来たな」

 

 

暫くすると帽子を被った2人が降りて来て辺りを見渡す

 

「居た!湊〜‼︎」

 

「すみません、姉さん待って」

 

俺を見つけた途端に走って来るルカに対してミミはルカがぶつかりそうになった人達に謝りながらルカを追いかける

 

「やっと会えたよ‼︎」

 

「直接会うのは久しぶりだなルカ」

 

俺は飛び付いて来たルカを軽く撫でてからミミにそう言う

 

「ミミも久しぶりだな」

 

「はい、久しぶりです湊」

 

抱きついて居るルカに対してミミは頭を下げてそう言う

 

「久しぶりだねミミちゃんルカちゃん」

 

「セレナも久しぶり」

 

「久しぶりですセレナ」

 

セレナもミミ達と挨拶を交わす

 

「取り敢えず此処に居ても邪魔になるから外に出るか」

 

そう言って俺達は外に出た




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324話

「この匂い、湊アルカノイズであります」

 

「みたいだな、面倒だが行くしか無いか案内頼む行くぞお前ら」

 

俺がそう言うとエルザはアルカノイズの居る方角に向かって行く

 

「彼奴らか」

 

アルカノイズを出現させて居たのはライブ会場に現れた錬金術師とメアだった

 

「誰か襲われてる早く助けないと」

 

「ああ、やるぞお前ら」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺とセレナが聖詠を行いシンフォギアを纏うとエルザ達もファウストローブを纏う

 

「俺とセレナはメアを他はライブ会場に現れた錬金術師を頼む」

 

『了解』

 

そう言うとエルザ達はライブ会場に現れた錬金術師に向かって行く

 

「今の内に早く逃げて下さい」

 

「ありがてえ、テメエらとっとと引き上げるぞ」

 

セレナがそう言うと男達はバイクのスピードを上げて走って行った

 

「また会えて嬉しいよマスター」

 

「役者は揃ったぜ」

 

「そうでも無いみたいだぞ」

 

~Killter Ichaival tron~

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

上空へのヘリの到着と同時に響と姉さんがギアを纏って降りて来た

 

「応援に来てやったぜ湊!」

 

「こっちは任せて湊君はあの子達を安全な所に!」

 

あの子達ってそう言えば響と姉さんはミミとルカに直接会うのは初めてか

 

「彼奴らは俺の仲間だ。そう易々とやられねぇよ、今は目の前の敵を見ろ」

 

「マスター以外に興味はないんだけどな〜」

 

「は!その余裕が何時迄も続くと思ってくれるなよ‼︎」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

そう言って姉さんは複数の小型ミサイルを一斉に発射する

 

「はあ!」

 

「遅い、遅過ぎるよ」

 

そう言ってメアは軽々と響の攻撃を交わす

 

「セレナ出し惜しみは無しだ全力で行くぞ」

 

「うん」

 

「「セイクリッドモジュール、抜剣‼︎」」

 

俺とセレナは響と姉さんがメアの相手をして居る内に抜剣を行いセイクリッドモードに移行する

 

「後退しろ響!」

 

俺がそう言うと響は後ろに飛んで後退する

 

「それが抜剣なんだ…素敵マスター私に見せてよ抜剣の力を」

 

メアはそう言って腕を刃に変えて突っ込んで来る

 

「はあ!」

 

《雷斬》

 

俺は雷を纏った大剣でメアを迎え撃つ

 

「ミラアルクちゃん!」

 

メアは俺との戦いを中断して響達に押されて居る錬金術師を助けに行く

 

「悪いメア、ヘマしちまったぜ」

 

「気にしないでミラアルクちゃん、バイバイマスター」

 

メアはそう言って錬金術師を抱えて何処かに飛んで行く

 

「待ちやがれ!「大丈夫だ姉さん、収穫はあった」チッ!今回はそれで満足しとくか」

 

姉さんは俺が持ってる錬金術師達のアタッシュケースを見てそう言う

 

「そうしてくれ「湊、発信機の作動を確認したであります」助かった」

 

そう言って俺は発信機の位置を確認する

 

「まだアジトには着いてないか…反応が一定になり次第そこを襲撃する」

 

「ガンス、了解であります」

 

「所で湊君、結局あの子達は誰なの?」

 

『その事については俺から話そう3人共一先ず本部に戻って来てくれ』

 

「「「了解」」」

 

俺は風鳴司令の言葉にそう返し手配されたヘリで本部に向かった




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325話

〜響side〜

 

「それで師匠あの子は一体」

 

本部に戻り湊君は回収したアタッシュケースの中身の確認を行うそうなので私とクリスちゃんは師匠に話を聞きに行く事にした

 

「彼女達の名前はミミ・エルガルム、ルカ・エルガルムと言う名前だそうだ」

 

あれ?確かその名前って…

 

「フランスの特異災害組織に所属しノイズやアルカノイズと戦って居た。そして既に気付いて居るだろうが以前より湊君の指示で緒川の捜査にも協力してくれて居た錬金術師だ」

 

やっぱり師匠や緒川さんの話で名前だけ出て来てた女の子だったんだ

 

「彼女達は君達も薄々察しては居るだろうがシンフォギアの軍事兵器化の被害者だ。被害者になった経由も全て湊君から話は聞いている。彼女達の住んでいた集落にノイズが出現、その際に彼女達以外の集落に住んでいた者は全て彼女達の目の前でノイズに炭素化されたらしい」

 

家族が大切な人達がノイズに炭素化されている中たった2人だけ助かってその直ぐ後にシンフォギア軍事兵器化実験、あの子達の辛さや悲しみは私には想像もできない

 

「司令、湊さんから通信です。アタッシュケースの中身の正体が判明したそうです」

 

「そうか、モニターに繋いでくれ」

 

師匠の言葉でモニターにアタッシュケースの中身が映し出された

 

〜響side out〜

 

「これがキャリーケースの中身だ」

 

『湊さんそれってケチャップ?』

 

『この時期にバーベキューパーティーでもするつもりデスか?』

 

彼奴らにはこれがケチャップに見えるのか

 

「これは全血清剤だ」

 

『全血清剤か、西部輸血昨今ではあまりお目に掛からなくなっている代物だな』

 

「ああ、だが俺がそれ以上に気になったのはその種類だな。RHソイル式140万人に1人の希血だと言う事がわかった。アジトに着いたか、後は資料を送るからそれを確認してくれ」

 

『待て湊…』

 

俺は風鳴司令が何かを言い切る前に通信を切り向こうからの一切の通信を遮断する

 

「行くぞミミ、ルカ」

 

「は〜い」

 

「分かりました」

 

俺達はそう言って発信機の反応を頼りにメア達のアジトを目指す

 

「彼処が彼奴らのアジト」

 

メア達のアジトがあったのは山岳地帯の奥地だった

 

「間違いないと思います。あの中から昼間の2人の反応があります」

 

「よし、それじゃあ早速やろう!」

 

ルカはそう言ってイフリートのファウストローブを纏い剣に炎を纏わせ飛ばすと施設が爆発しメアが出て来る

 

「マスター、どうして此処に」

 

「悪いがもう1人の方に発信機を着けさせて貰った」

 

「行かせない、せめてバネッサが来るまでは持ち堪える」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

そう言って突っ込んで来るメアの攻撃を大剣で受け流す

 

「ミミ、今の内に行け」

 

「分かった」

 

「行かせない!「ミミちゃんの邪魔はさせないよ」退いて‼︎」

 

そう言ってメアは標的をルカに変える

 

「湊、姉さん回収完了」

 

そう言ったミミは此処に来なかったミラアルクを連れて来た

 

「ミラアルクちゃん‼︎」

 

「メア…うちに構わずメアだけでも逃げるんだぜ」

 

「マスター、私が…私がミラアルクちゃんの代わりに人質になる。だから…だからミラアルクちゃんは見逃してあげて」

 

「…ミラアルクだったか?お前にチャンスをやる。明日の19時までにお前達の輸血を行なっているRHソイル式を全て俺に渡せ。そうすれば今回は見逃しでメアも返してやろう。ただしその際に少しでも変な動きをしてみろ…メアの命は無いと思え。行くぞミミ、ルカ」

 

「分かりました」

 

「は〜い」

 

「待ち…やがれ…」

 

俺は後ろから微かに聞こえるミラアルクの声を無視して来た道を戻った




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326話

「ただいま」

 

「パパお帰り!」

 

俺はミミとルカにメアを任せ一度マンションに戻ると葉月が走って来た

 

「お前だけか葉月?」

 

「ううん、エルザお姉ちゃんとルナお姉ちゃんなら居るよ」

 

「そうか、なあ葉月今日は俺別の所に泊まるんだがお前も来るか?」

 

「行く!」

 

「なら着替え用意して来い、俺は先に行ってるからエルザとルナと一緒に来てくれ」

 

「うん!」

 

俺はそう言って葉月が家に入ったのを確認してホテルに向かった

 

「マスター、私を拘束しないの?」

 

「別に拘束なんてしなくてもお前も逃げる気ないだろ?」

 

俺がそう聞くとメアは黙り込む

 

「まあ元々ルナとエルザをお前に合わせてやりたかっただけだからな」

 

その名前を聞くとメアは沈んだ表情を浮かべる

 

「2人共怒ってるよね」

 

「嫌、その逆だ安心してた」

 

「そっか…」

 

俺達が話して居るとエルザ達の姿が見えて来た

 

「俺達は今から晩飯買って来るからお前らで話しててくれ行くぞ葉月」

 

「うん!」

 

「私と姉さんは何か飲み物を買いに行って来ます」

 

「行こっかミミちゃん」

 

俺達はそう言って部屋を出た

 

〜メアside〜

 

「兎に角元気そうで良かったであります」

 

「るる、ずっと心配だったから」

 

ルナちゃんとエルザちゃんは心底安心した表情でそう言う

 

「怒ってないの?私今エルザちゃん達の敵なんだよ?」

 

「るる、それにご主人から聞いた。メアがパヴァリア光明結社に入るまでの経由」

 

そっか、マスター2人に話したんだ

 

「それからずっと謝りたかった」

 

「ガンス…わたくし達も湊と一緒にメアを探していればもしかしたらこんな事にもなってなかったかもしれないであります」

 

「どう言う事?」

 

私は2人の言ってる意味が分からなくてそう聞く

 

「湊から聞いてないでありますか?」

 

「ご主人私達が実験施設から脱出した後に火事になってるのにメアの事を探してた」

 

マスターが私を探して?

 

「そうなの?」

 

「るる、1時間近く経っても出てこなかったからミミ達に錬金術で消火して貰って全員で探しに行こうとしたら出口の近くで倒れてるご主人が居た」

 

「あの時はわたくし達も湊を助けるのに必死でメアの事が頭から抜けて居たであります。ですが湊はずっとメアを探して居たのは間違い無いであります」

 

マスター…それじゃああの時言ってくれた私を独りぼっちにしたかった訳じゃないって言うのはマスターの本心だったんだ

 

「あの時はご主人にも嘘を着いた、私達もメアを探したけど見つからなかったって、でも本当は全然探してなんて無かった」

 

「本当に探していればもしかしたらメアは見つかって居てわたくし達と敵対する事も無かったかも知れないであります」

 

ルナちゃんとエルザちゃんは本当に申し訳なさそうな表情でそう言う

 

(2人はずっと私の事を心配してくれてたんだ…なのに私はマスターを…皆んなを恨んでばかりだった…)

 

私はあれからマスターを…私を置いて行った皆んなを恨んでばかりだった…なのに2人はそんな私を心配してくれて居た

 

「ありがとうルナちゃん、エルザちゃん私みたいな兵器を心配してくれて」

 

「メアは兵器なんかじゃないであります」

 

「当然、メアは私達の大切な家族だから」

 

「そっか…ねえ2人にお願いしたい事があるんだけど良いかな?」

 

私はルナちゃんとエルザちゃんにある事をお願いした

 

〜メアside out〜




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327話

「にしても良かったのか?随分と思い切ったみたいだが」

 

昨日の夜俺達が買い出しを終えて戻るとハサミを持ったルナと切った髪をビニール袋に入れるエルザの姿があった

 

「うん、私これからは兵器のナイトメアじゃなくて1人の女の子メアとして生きるつもりだから。全部終わって私が自分を許せたらマスターの所に帰るよ」

 

「ああ、何時でも帰って来い」

 

その後は俺もメアも何も話さなくなり約束の時刻を5分過ぎた頃ミラアルクがやって来た

 

「待たせたぜ、約束だメアを返して貰うぜ」

 

「待て、その前にRHソイル式を渡して貰おうか話はそれからだ」

 

俺がそう言うとミラアルクはアタッシュケースから輸血パックを取り出す

 

「此奴が今うちらが持ってるRHソイル式の全部だぜ」

 

「確かに受け取った」

 

俺がそう言うとメアはミラアルクの所に向かって行く

 

「ごめんねミラアルクちゃん」

 

「良いって事だぜメア、そんじゃうちらはこの辺りで「デス!!」チッ!テメエ最初からうちらを仕留めるって魂胆だったのかよ!」

 

「切歌!?調!?」

 

そこに到着した切歌と調の攻撃をミラアルクは交わしてアルカノイズを出現させる

 

「ギアも完全聖遺物を使わないで敵と居るなんて湊さんらしくない」

 

「…元々戦う気はなかったからな…仕方ないか」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

俺はそう言って聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「私達はアルカノイズを湊さんは錬金術師を」

 

「ガツンとどでかいのを決めてやるデス!」

 

「わかった!」

 

そう言って俺はミラアルク達を追いかけた

 

〜メアside〜

 

「やられたぜ。こっちを油断させて2人まとめて仕留めようって魂胆だったのか」

 

「それはないんじゃないかな?マスター焦ってたみたいだし」

 

私は一緒にビルを転々とするミラアルクちゃんにそう言う

 

「メア…向こうはそうでもないみたいだぜ」

 

ミラアルクの視線の先には私達を追いかけて来てるマスターの姿があった

 

「はぁはぁ、そろそろ逃げるのもキツくなって来たぜ」

 

「ミラアルクちゃん、彼処で止まって戦おう」

 

「ああ、頼りにしてるぜメア」

 

「うん」

 

そう言って私とミラアルクちゃんは次のビルで足を止めた

 

〜メアside out〜

 

「たく、ちょこまか逃げ回りやがって」

 

俺はそう言ってミラアルク達が足を止めたビルに降りる

 

「うちらにはうちらのやり方があるんだぜ」

 

ミラアルクはそう言って腕を巨大化させて突進して来る

 

「学習しない奴だな…何だ?」

 

突如辺りの電気が消えた

 

「たく、これで目眩しのつもりかよ」

 

俺はそう言って向かって来るワイヤーの付いた腕を交わす

 

「付近一帯のシステムをダウンさせました。早くしないと病院には命に関わる人も少なくないでしょうね」

 

そう言いながら1人の女性がビルの上に降りて来る

 

「来てくれたのかヴァネッサ!3人が揃った今最大実力で…」

 

そう言い切ろうとした所でミラアルクが膝をつく

 

「それはまた次の機会に、消耗の激しいミラアルクちゃんに無理はさせられません。ねえ坊や、私と取引をしない?そのRHソイル式を私達に渡すなら今回は引いてあげても良いわよ?」

 

「別に引いて来れなくても良いぞ?俺としてもお前達に聞きたい事が山程あるからな、と言いたい所だが今回はこっちの奴がしゃしゃり出たせいで戦闘になったんだ。今回の取引で受け取ったのは返してやるよ」

 

俺はそう言ってRHソイル式をメアに渡す

 

「ヴァネッサ今回の取引でマスターに渡されたのはこれで全部だよ」

 

「出来れば前回貴方達が回収したRHソイル式も返して欲しい所ではあるけどそれは高望みね。私達はノーブルレットきっとまたお目に掛かりましょう」

 

ヴァネッサはそう言って見慣れた結晶を地面に落として姿を消した

 

「切歌、調悪い逃げられた」

 

『丁度良かったデスお兄ちゃん!こっちを手伝って欲しいデスよ!』

 

「わかった直ぐ今戻る」

 

俺はそう言って切歌達と別れた病院に向かった




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328話

「新たな敵パヴァリア光明結社の残党ノーブルレットか、その狙いは一体」

 

翌日俺達は本部で作戦会議を行なっていた

 

「彼奴らが持ってるRHソイル式の全血清剤は殆ど俺が回収したが渡してる張本人を何とかしない限りRHソイル式の全血清剤は彼奴らの手に渡るだろうな」

 

「ちょっと待ってくれ、彼女達のRHソイル式の全血清剤は君が回収したのか?」

 

「ああ、話して無かったな」

 

俺は一昨日メアを拐い返す条件として所持するRHソイル式の全血清剤を全て渡す様に指示した事をおっさん達に話した

 

「えっと…それじゃあ昨日のあれは…」

 

「ただメアと引き換えにミラアルクの奴にRHソイル式の全血清剤を渡して貰ってた所にお前達が乱入、無駄な戦闘を行った上にその時に回収する筈だったRHソイル式の全血清剤を全て奪われたんだ」

 

俺がそう言うと切歌と調は罰の悪い顔をする

 

「切歌君達も知らなかったんだ、それで君が向かったアジトの方はどうなっていた?」

 

「俺にバレた後移動したんだろうな、今朝ミミとルカに行って貰ったら誰も居なかったらしい」

 

まあ発信器は付いたままだから何処に居るかは見当が付いてるが

 

「しっかし残党相手にこうも苦戦を強いられるとは思っても見なかったな」

 

「確かにメアに苦戦するならまだしもミラアルクって方に苦戦してんのは可笑しな話だな」

 

「待ってくれ、湊お前は彼女の実力を知って居たのか?」

 

「ああ、そう言や言って無かったな」

 

俺は翼達にメアが俺のホムンクルスだと言う事とパヴァリア光明結社の残党に居た理由を伝える

 

「まさか彼女が湊君のホムンクルスだったとは」

 

「だとしてもその人は湊さんが相手をしてる、他の錬金術師よりは幹部級3人の方がよっぽど強かったなのに何故」

 

「なりふり構わないやり方に惑わされただけデスとも」

 

「だと良いがな」

 

俺がそう言うと隣に居た翼も歩き出す

 

「ちょっと2人共何処に行くの」

 

「鍛錬場だ。相手には湊が認めるだけの実力者が居る。何より相手がてれんてくだを用いるのならそれを突き崩すだけの技を磨けば良いだけの事」

 

「帰るんだ。此処に居ても何の意味がないからな」

 

そう言って翼は訓練場に俺は自分の家に向かった

 

「ただいま」

 

「戻ったでありますか湊、早速で申し訳ないでありますがわたくしはルナと夕飯の買い出しに行って来るので葉月ちゃんを宜しくであります」

 

「それじゃあご主人行って来る」

 

そう言ってルナとエルザは夕飯の買い出しに向かった

 

「パパ!お帰り‼︎」

 

「ああ、お前らも朝から助かった」

 

「良いの良いの」

 

「中まで隈なく探したんですが見つかったのは全血清剤の入っていた輸血パックだけでした」

 

「まあそうだろうとは思ってたけどな」

 

俺に見つかった時点でアジトを変えるのは予想の範囲内、後はメア次第だな

 

「パパ一緒に遊ぼう!」

 

「まあこの後は暇だしな、遊んでやるよ」

 

「私も遊ぶ遊ぶ!」

 

「私も」

 

「ふん、仕方ない奴だ俺も参加してやる」

 

俺達は葉月と遊びながらエルザとルナを待った




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329話

〜響side〜

 

「行っちゃいましたね」

 

「出来れば2人にも特に翼にはと思っていたんだがな、入って来てくれ」

 

師匠がそう言うと見慣れた人が入って来た

 

「サンジェルマンさん!」

 

「ああ、久しぶりだな立花響」

 

師匠に呼ばれて入って来たのは深淵の竜宮で聖遺物や完全聖遺物の研究をしていたサンジェルマンさんだった

 

「どうして貴方が?彼の話だと深淵の竜宮で聖遺物や完全聖遺物の研究をして居ると聞いていたのだけど?」

 

「それにある程度区切りが着いたんだ。プレラーティは引き続き深淵の竜宮で聖遺物や完全聖遺物の研究を継続、カリオストロもプレラーティが無理をし過ぎないように監視をする為、私だけ一足先に此処に来たんだ」

 

「それじゃあ一緒に戦えるんですね‼︎」

 

私の言葉にサンジェルマンさんは頷いた

 

「でもよ、お前のファウストローブってアダムの奴に壊されたんじゃなかったか?」

 

「ああ、今思うとあの時直ぐにファウストローブが解除されなかったのは奇跡に等しい。だが安心してくれ深淵の竜宮で新たなファウストローブを完成させて来た」

 

そう言ってサンジェルマンさんは以前の様な銃の形をした物を取り出す

 

「それもまたラピスフィロカスのファウストローブなのか?」

 

「いや、流石の深淵の竜宮にもラピスフィロカスはなかった。しかしラピスフィロカスに変わる聖遺物は手に入れられた」

 

「良かったのか?そんな事しちまって」

 

「ああ、それに関しては雪音湊彼からも許可は貰っている」

 

意外だ、湊君基本的にそう言うの断ると思ってた

 

「その力見せて貰えはしないだろうか?」

 

「構わない、行こうか」

 

そう言ってサンジェルマンさんは鍛錬場に向かって行く

 

〜響side out〜

 

〜翼side〜

 

「はあ‼︎」

 

《千ノ落涙》

 

私が鍛錬場でシュミレーション用のノイズで鍛錬をしていると中に誰か入って来た

 

「貴様は!」

 

「久しいな風鳴翼」

 

私は叔父様や立花達が心配をして来たのかと振り返るとそこに立って居たのはパヴァリアの幹部であるサンジェルマンだった

 

「どうして貴様が此処に」

 

「シュミレーションのノイズだけでは手が余るだろうと思ってな、私も新たなファウストローブの力を試しておきたい」

 

そう言ってサンジェルマンは銃を取り出す

 

「そうか、ならば相手を頼もう貴様が相手なのだと言うのであれば私としても申し分ない」

 

私がそう言うとサンジェルマンがファウストローブを纏うが以前のファウストローブとは何かが違う気がする

 

「いざ押して参る‼︎」

 

そう言って私はファウストローブを纏ったサンジェルマンに向かって行った

 

〜翼side out〜




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330話

〜サンジェルマンside〜

 

「はあ!」

 

「ふっ!」

 

私はファウストローブの武器である銃の先端を刃の様にして風鳴翼の刀を受け流す

 

「その程度か風鳴翼、随分と落ちぶれた物だな」

 

「何…私が落ちぶれているだと‼︎」

 

「ああ、我々と対立している頃のお前の方が遥かに攻撃に重みがあったぞ」

 

私がそう言うと多少心当たりがあるのか風鳴翼は攻撃の手を止める

 

「知った様な口を‼︎」

 

《風輪火斬》

 

2本のアームドギアの柄を繋ぎ合わせて双刃刀へと変形させ、炎を纏わせながら振り回し斬り掛かって来た

 

「ふっ!」

 

「何⁉︎ぐあ!」

 

私が銃弾にエネルギーを込めて放つと銃口からは雷鳥が放たれる

 

「それは…湊の雷鳥…」

 

「これは私が作ったサンダルフォンのファウストローブ今の貴様が私に勝てるか?」

 

「無論、勝ってみせる。はあ!」

 

そう言った風鳴翼の攻撃には以前程では無いが先程よりも多少だが攻撃に重みと鋭さが戻って居た

 

「はあ!」

 

《蒼ノ一閃》

 

風鳴翼は大型化させた大剣状のアームドギアを振るい、巨大な青いエネルギー刃を放つ

 

「その程度か」

 

「まだまだ‼︎」

 

《逆羅刹》

 

風鳴翼は逆立ちと同時に横回転し、展開した脚部のブレードで周囲を切り切り裂く

 

「くっ‼︎」

 

私は障壁を張って防ごうとするが防ぎきれずに後ろに飛ぶ

 

「真打をくれてやる‼︎」

 

《炎乱逆鱗斬》

 

風鳴翼は双刃のアームドギアを巨大化させ、更に蒼炎を纏わせ彼女自身が回転して投擲をする。

 

「はあ!」

 

私はファウストローブの最大限のエネルギーを銃弾に込め放つと先程との比にならないくらいの大きさの雷鳥が風鳴翼目掛けて向かって行った

 

「くっ!まだだ…」

 

《炎鳥極翔斬》

 

風鳴翼は攻撃がぶつかり合う中で両手に直剣のアームドギアを構え火炎を放出し自身を青い火の鳥と化して突貫する

 

「く…ぐあ!」

 

私は障壁を張って防ぐが威力を殺しきれずに障壁が破られる

 

「はぁ…はぁ…如何やら今回は私の勝ちの様だな…」

 

「その様だな」

 

そう言って私は風鳴翼から差し伸ばされた手を取る

 

「また手合わせを頼めるだろうか」

 

「ああ、その時は私が勝たせて貰う」

 

「そうか、ならば私も精進を重ねて待たせて貰おう」

 

そう言って私はファウストローブを解除して鍛錬場を出る

 

「君の新たなファウストローブの力、確かに見せて貰った。これから宜しく頼む」

 

「ああ、立花響もう少し慣らしておきたい協力してくれ」

 

「はい!」

 

「調、私達もやるデス」

 

「うん、やろう切ちゃん」

 

「だったらあたしが相手をしてやるよ」

 

「私は翼の所に行って来るわ」

 

そう言って私達は各自鍛錬場に足を運んだ

 

〜サンジェルマンside out〜




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331話

「それでお前ら帰って来たと思ったら何で未来達と一緒なんだ?」

 

買い出しに行ったエルザとルナが戻って来ると何故か未来と神奈月と鳩木も一緒だつた

 

「珍しいね未来ちゃんが響ちゃんと一緒じゃ無いなんて、何かあったの?」

 

「何かあったって訳じゃ無いんですけど、実は響から今日は本部に泊まるって連絡があって夕飯の買い物をしてたら偶然エルザちゃん達に会って夕飯に誘ってくれたんだ」

 

「未来さんが来てくれれば葉月ちゃんもきっと喜ぶと思って来てもらった。春香達は偶然会って一緒に来ただけ」

 

成る程、未来の方はエルザ達が誘って神奈月と鳩木は本当に偶然なんだな

 

「実は響先輩達が本部で泊まり込みで特訓するって聞いて私達も湊さんの所で特訓をしようって佳奈子と話して向かってたんです」

 

「その途中でエルザちゃん達と合流したんだ」

 

セレナの言葉に神奈月が頷く

 

「はい、もしかしてご迷惑でしたか?」

 

「ううん、私は大丈夫だよ。大丈夫だよね湊君?」

 

「ああ、寧ろそう言う事なら歓迎する。この際だ未来の方もどれだけ神獣鏡を扱える様になったか確認しておきたい。未来神獣鏡は持って来てるか?」

 

「うん」

 

俺がそう聞くと未来は通信機の中から神獣鏡のペンダントを取り出す

 

「なら晩飯を食べたら早速開始だな」

 

「はい!宜しくお願いします」

 

「宜しくお願いします湊さん」

 

「宜しくね湊」

 

そう言って俺達は各自晩飯の準備に取り掛かった

 

「そんじゃグループ分けだな」

 

俺達は葉月の相手をキャロルとユナに任せて鍛錬場の前に集まって居る

 

「未来さんはわたくしとルナが相手をするであります」

 

「るる、ご主人が言うには伸びも上々らしいから気になる」

 

「宜しくね、エルザちゃんルナちゃん」

 

これで1グループが出来たとなると

 

「セレナお前は鳩木とだ。鳩木も模擬戦に関しちゃ俺や翼、接近戦の得意な奴ばかりだっただろ、この辺りで遠距離の相手とも戦っておいてくれ」

 

「分かりました、宜しくお願いしますセレナさん」

 

「うん、私の方こそ宜しくね佳奈子ちゃん」

 

そう言ってセレナと鳩木は互いに頭を下げる

 

「最後に俺と神奈月だ。お前は伸びは良いんだ、前に翼も言ってただろうがちゃんと鍛錬を積めばかなり伸びる。今日の所は実戦をメインにして行く」

 

「分かりました!」

 

此奴本当に返事だけは良いんだよな

 

「1時間後に相手を変えるから特訓を中断して鍛錬場の外に出て来てくれ、それと限界だと思ったら無理せず休む事」

 

俺の言葉に全員が頷き鍛錬場の中に入る

 

「俺達も行くぞ神奈月」

 

「はい!宜しくお願いします‼︎」

 

そう言って俺達も鍛錬場の中に入った




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332話

「俺も行くか「パパ?」悪い起こしちまったか?」

 

ミラアルクに仕掛けた発信機の反応が一点に止まったのでそこに向かおうとすると葉月が起きて来た

 

「葉月、俺はこれから大事な用事がある。夜明け迄には戻れる様にするから此処で待っててくれ」

 

「葉月も行く…」

 

葉月は目を擦りながらそう言うが戦場に葉月を連れて行く訳にはいかない

 

「湊君、私が葉月ちゃんと待ってるよ」

 

「セレナ、助かる葉月出来るだけ早く戻って来る。戻ったら何処かに行こうな」

 

「うん…」

 

俺はそう言って未来達を起こしに行く

 

「良かったの?私だけで?」

 

「あの2人が予想以上に起きねえんだよ」

 

発信器が反応する場所に向かいながら未来にそう言う。事実あの2人は部屋の電気を付けてもどちらも起きなかった

 

「ルナとエルザはもしもの時の護衛だ」

 

「そっか、本当に湊はエルザちゃん達の事が大事なんだね」

 

「ああ、こんな俺に付き合ってくれる奴らだからな」

 

そう言って俺は雷鳥を加速させる

 

「響達はまだみたい」

 

「だな『湊君‼︎未来‼︎』着いたか、お前ら全員降りるな‼︎」

 

《雷精》

 

俺が上空から雷を落とすと地面が爆発する

 

「湊今のって」

 

「地雷だ、彼奴らも馬鹿じゃ無いって事だろ」

 

『助かった、お前が居なければ私達は彼女達と戦う前にダメージを受けていた』

 

「んな事は如何でも良いからさっさと降りて来やがれ!」

 

俺がそう言うと響達が地面に降りて来る

 

「全部が爆発した訳じゃ無い慎重に行く事は忘れるな」

 

「マスターが地雷を全部破壊するのも予測の範囲内」

 

「行くぜ〜!」

 

ミラアルクがそう言うと上空に青白い立方体が現れると地面に落ちて来る

 

「させるかよ!」

 

「此奴も持ってけ‼︎」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

《雷鳴》

 

俺と姉さんは同じ立方体に攻撃するがまるで効いて居ない

 

「馬鹿な!雪音と湊の火力で砕けぬとは」

 

「だったら直接彼奴らを攻撃するまでだ‼︎」

 

《雷斬》

 

俺は大剣に雷を纏わせミラアルク目掛けて加速する

 

「そう…アレカシイ」

 

「は!お前ら‼︎」

 

俺が範囲外に出た時に言ったヴァネッサの言葉で立方体が一斉に落ち響達を覆い尽くすと宙に浮き巨大なピラミッドになった

 

 

「名称ダイダロスの真髄を此処に怪物が蠢くは迷宮、神話や伝承果ては天田の創作物による石像認識にはそうあるかしと引き起こした事象の改変、哲学兵装」

 

「怪物と蔑まれた私達3人が生成する全長38万kを超える迷宮は捕らえた獲物を逃がさない」

 

「それだけじゃないんだぜ!!」

 

ヴァネッサ達が力を込めるとピラミッドが光出す

 

「上手く作動してくれよ」

 

「ぐっ!何だ…身体が痺れて…「如何やら効いてるみたいだな」テメェ!うちの身体に何をしやがった‼︎」

 

「前に言っただろ発信機を取り付けたって、その発信器は1日もすれば皮膚に張り付いて俺が解除をする以外に取り外し方法は無いって代物だ」

 

「まさかメアを捕らえて1日稼いだのはうちの発信機を確実に取り付ける為に」

 

「察しが良いな」

 

そう言って俺はミラアルクの電流を強める

 

「ぐっぐあああ‼︎」

 

ミラアルクの片膝が地面に付くとピラミッドの形が一瞬歪む。どうやらかなり意識を集中させる必要があるみたいだな

 

「それが分かればこっちのもんだ」

 

《雷撃》

 

俺はミラアルク目掛けて高出力のエネルギービームを放つ

 

「はぁはぁ…これくらいどって事無いぜ」

 

そう言いながらもミラアルクは苦しそうな表情を浮かべる

 

「いつまで持つか気になる所だな、セイクリッドモジュール抜剣」

 

俺はサンダルフォンをセイクリッドモードに移行させる

 

「仕方ないわね、メアちゃんミラアルクちゃん辛いだろうけど最大質力で迷宮ごと吹き飛ばすわよ」

 

「「ああ(うん)」」

 

「俺の攻撃がお前達に届くのが先か、お前達がピラミッドの迷宮を吹き飛ばすのが先かだな」

 

俺はそう言って大剣に雷を溜める

 

「後少しだぜ…」

 

「この威力なら…「一足遅かったみたいだな…」ぐっ!ミラアルクちゃんの努力は無駄にはしない!」

 

ヴァネッサはそう言って俺の攻撃を受けながらも力を込め続けピラミッドを爆発させるのと同時に吹き飛ばされる

 

「如何なった…「「だとしても!!」」如何やら無事の様だな」

 

土煙が晴れるとそこには黄金のバリアフィールドに身を包む響とサンジェルマンが居た

 

「無事だった様だなお前ら」

 

「ああ、なんとかな」

 

「此処は立花達に任せよう」

 

「そうね」

 

マリア達はそう言ってギアを解除する

 

「さて、やれるか響サンジェルマン」

 

「「勿論‼︎(ああ)」」

 

俺の言葉に響とサンジェルマンはそう返す

 

「1人はもう殆ど消耗しきってる残り2人だ」

 

「「了解」」

 

そう言って響とサンジェルマンはヴァネッサに向かって行く

 

「マスター‼︎」

 

「来たかメア‼︎」

 

俺は大剣でメアの攻撃を受け止める

 

「マスターさっきのは本当なの‼︎私を連れて行ったのはミラアルクちゃんの発信機を確実に取り付ける為だけだったの‼︎」

 

「それも理由の1つではある。だが第1に考えてたのはエルザ達がお前に謝りたいって話してたからだってのに嘘偽りは無い!」

 

《雷鳥》

 

俺はメアにそう言いながら雷鳥を飛ばすとメアは交わしきれずに吹き飛ばされた先にあった岩に激突し石の下敷きになる

 

「メア‼︎」

 

「まだ戦える…」

 

「そうか…」

 

《雷斬》

 

俺はそう言って大剣に雷を纏わせメアに向かって行く

 

『辞めろ湊君、現時刻をもって装者全員の作戦行動を中止とする。日本政府からの通達だ』

 

日本政府からの通達か

 

「俺は作戦行動で来た訳じゃないんだが?」

 

『日本政府からの指示だ。特に君には必ず来る様にとの事だ』

 

それだと響達は来なくて良いみたいな言い方だな

 

「メアちゃん‼︎」

 

「ごめんねヴァネッサ…」

 

「うちもすまないぜ」

 

駆けつけたヴァネッサは謝罪をするメアとミラアルクを抱えて飛んで行った

 

「悪いがそいつらに言っとけ断るってな」

 

俺はそう言って通信を遮断して雷鳥を飛ばした




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333話

「悪かったな遅くなっちまって」

 

俺はセレナ達と朝食を食べながら葉月にそう言う

 

「ううん!パパ何処に遊びに行くの‼︎」

 

「そうだな…ん?何だよ風鳴司令」

 

『済まない朝食の最中だったか、彼らが如何しても君を参加させろと聞かないものでな』

 

そう言って映し出されたのは知らない男だった

 

「そいつが本部を制圧した奴か?」

 

『制圧とは不躾な言葉を知らないのか』

 

「如何でも良いんだよあんたが何処の誰であろうと」

 

『護国災害保険法第6条、日本政府は日本国内におけるあらゆる特異災害に対して優先的に介入する事ができるだったか?』

 

風鳴司令がそう言うと男は一枚の用紙を取り出す

 

『そうだ、我々が日本政府の代表としてS.O.N.G.に査察を申し込んでいる。威力による制圧と同じに扱ってもらっては困る。世論がザワッとしてしまうから本当に困る』

 

俺にはどう見ても同じに見えるんだが

 

『国連直轄の特殊部隊が野放しに威力行使出来るのはあらかじめその詳細を開示し日本政府に認可されて居る部分が大きい違うかな?』

 

『違わないだが、故に我々は前年に正式な手続きの元…』

 

『先程見させて貰った武装、開示資料にて見かけた事がないのだが』

 

こう言う奴らは色々と理由を付けて来るから面倒なんだよな…

 

「んで、結局の所俺を参加させたい理由って何なんだよそろそろ話してくれよ」

 

『ふん、白々しい貴様が我々日本政府に神の力の結晶体の情報を提示して居ない事は既に確認済みだ。何故我々日本政府に情報を提示しない』

 

そんな事も分からないくらいに馬鹿なのか日本政府は?

 

「そんなもん俺が日本政府を信用してないからに決まってんだろ。情報を共有する上で1番重要なのは相手が信用できるかどうかだ。俺が信用できると思ってる奴らにはその情報は提示している。話はそれだけか?だったらもう切るぞ」

 

『チッ!まあ良い、後ろ暗座を抱えて無ければ素直に査察を受け入れて貰いましょうか?』

 

『…良いだろうただし条件がある。装者の自由とギアコンバーターの急行許可今は戦場故不測の事態の備えくらいはさせて貰う』

 

風鳴司令は少し考えた後代表男にそう言う

 

『折り合いの付け所か…ただしあの不明武装に関しては認可が下りるまで使用禁止とさせて貰おう』

 

『勝手にしろ』

 

『では勝手を開始する』

 

「話は終わりって事で良いな?それじゃあ切るぞ」

 

俺はそう言って通信を切った

 

「たく、何なんだよ」

 

「良いの湊君?」

 

「ああ、良いんだよああ言う奴らは難癖つける事しか出来ない奴らだ。今度は響か」

 

俺が朝食を再開しようとすると今度は響から通信が来た

 

「何だよ響」

 

『湊君今から私達も湊君の家に行くから出来れば朝ごはんを作ってくれてれば嬉しいんだけど』

 

響の奴図々しいにも程があるだろ

 

「はぁ…分かった作っておいてやるよ」

 

「ありがとう湊君‼︎直ぐに行くね‼︎」

 

響はそう言って通信を切った




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334話

「マリア姉さん」

 

「ありがとうセレナ」

 

マリアはそう言ってセレナからコーヒーを受け取る

 

「久しぶりだなサンジェルマン」

 

「ああ、ファウストローブの件は助かった」

 

そう言って俺とサンジェルマンも席に付く

 

「それにしても一部を除く関係者に特別警戒待機だなんて」

 

「物は言いようって奴だ、とどのつまりは査察の邪魔をするなって事だろ」

 

「ますます持って気に入らない」

 

マリアはそう言ってコーヒーを飲む

 

「だがそれが正式な申し入れであるならば私達に拒否権がないのも文民統制の側策だ」

 

「休息を取るのは悪い事じゃないだろうけど」

 

「だからってはしゃぐ様なお気楽物は此処には誰一人居ないのデス」

 

(だったらお前の持ってるそれは何なんだよ)

 

そう思いながら切歌の持ってる冬旅行の本を見ていると切歌がその視線に気付く

 

「ちっ違うデスよお兄ちゃん!こっこれはデスね…そうデス偶々そこにあったのを見てただけデス…決して私が行きたいとかじゃなくてデスね…」

 

切歌は必死に弁解しようとしているが遊びに行こうとしてたのを隠しきれていない

 

「えっと…そうだ!エルフナインちゃんはお休みはいつも何してるの?」

 

「お休みの日は気晴らししてます。少し前までならダイレクトフィードバックシステムを応用して脳領域の思い出を記録された電気信号と見立てる事で「わあ!今は辞めて止めて辞めて止めて!それは気晴らしじゃなくて割としっかり目のお仕事だよ多分!あれ?でも少し前までならって」はい、最近は葉月さんやキャロルとお買い物に行ったりお散歩をしたりしています」

 

前に休みの日に本部に来た時にエルフナインがかなりしっかり目の仕事をしてたから葉月と出掛ける事を勧めたんだがそれはまだ続いてるらしい

 

「それじゃあ明日も葉月ちゃんと?」

 

「いえ、葉月さんにはまだ「エルフナイン明日遊べるの‼︎」はい、葉月さんさえ良ければですが」

 

俺達の話を聞いていた葉月がエルフナインの所に走って行く

 

「うん!遊ぶ‼︎」

 

「では行きましょうか」

 

「うん‼︎」

 

葉月は満面の笑みでエルフナインにそう返す

 

「そう言えば、師匠から湊君に伝言があるんだった」

 

「風鳴司令が俺にか?」

 

「うん、えっとね」

 

響が言うには以前俺が見せた対ノイズ用の武器を幾つか欲しいらしい

 

「成る程な、分かった明日から早速取り掛かる」

 

「意外だな、湊なら今直ぐに取り掛かるとでも言いそうだったが」

 

「今日は既に葉月と何処かに遊びに行くって約束しちまってるからな、そろそろ行くか」

 

俺がそう言って立ち上がるとエルフナインと話していた葉月も俺の所に来る

 

「湊、此処には鍛錬場もある借りても良いだろうか?」

 

「ああ、それは好きにしてくれ」

 

「ありがとう」

 

そう言って翼は鍛錬場に向かって行った

 

「湊、私達も行って良いかな?」

 

「ああ、良いよな葉月」

 

「うん‼︎」

 

葉月も了承した事で翼の様子を見る為に家に残るマリア以外の全員とショッピングモールに向かった




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335話

「此処に来るのも久しぶりだな…」

 

「ガンス、わたくしは初めてであります」

 

「るる、私も」

 

そう言えば俺が前に行った時はお前らはキャロルの事警戒してて行かなかったな

 

「お前ら此処に来たって事はまた変なの買うつもりなのか」

 

「そう頻繁には来ていない、エルザが小遣いと言う規則を作ったからな」

 

そりゃそうだ、あれだけ買って来たらそうなる

 

「行くぞエルフナイン」

 

「ぼっ僕もですか?」

 

「湊此処ってそんなに変な服とかあるのか?見た感じ普通だぞ?」

 

「彼奴に着いて行きゃ分かるぞ」

 

「ご主人私も行って来る」

 

俺がそう言うと姉さんとルナはキャロルとエルフナインに着いて行った

 

「もしかして偶にキャロルちゃんの着てるメイド服とかって」

 

「ああ、此処で買ってるんだ」

 

「私も最初見た時はびっくりした」

 

「そうデスね、私も驚いたデス」

 

その割には楽しそうに試着しまくってたけどなお前

 

「メイド服なんかも置いてるんだ、未来私達も行ってみよう」

 

「もう響は、見るだけだよ」

 

未来はそう言ってから俺を見て響に着いて行った

 

「パパ‼︎これ欲しい‼︎」

 

「お前…絶対彼奴らに着いて行っただろ」

 

そう言って葉月が持って来たのはお姫様が着ている様な服だった

 

「本当に凄いねそんなのまであるんだ」

 

「ダメなの?」

 

「先ずは着てみるでありますよ」

 

そう言うとエルザは葉月と試着室に向かって行った

 

「本当に色々あんだな」

 

いつの間にか戻って来た姉さんがそう言う

 

「戻ったか姉さん」

 

「ああ、葉月の奴はどうした彼奴先に戻っただろ?」

 

「エルザと試着室に入ってる」

 

俺がそう言うと同時に葉月が試着室から出て来る

 

「パパ!着て来たよ!」

 

「お、似合ってるじゃねえか」

 

「良いんじゃ無いか、葉月本当にこれが良いのか?」

 

「うん‼︎」

 

葉月は満面の笑みでそう言って頷く

 

「なら決まりだな」

 

「買うのか?」

 

俺は頷いて葉月を一旦着替えさせて会計に向かった

 

「エルザ、ルナの奴かなり遅いから一旦見て来てくれ」

 

「ガンス、了解であります」

 

そう言ってエルザはルナの様子を見に行った

 

〜エルザside〜

 

「本当に色々あるであります」

 

わたくしはルナを探しながらそう呟く

 

「あれ?エルザちゃん」

 

「未来さん、ルナを見てないでありますか?」

 

「ルナちゃんなら響と一緒に中で試着中だよ」

 

「そうでありますか」

 

わたくしはそう言って未来さんと一緒にルナを待つ

 

「響、大丈夫そう?」

 

「ちょっと待って、良いよ未来」

 

響さんがそう言うと未来さんが試着室のカーテンを開ける

 

「どうどう‼︎未来‼︎」

 

「ちょっとそのままで居てね響」

 

未来さんはそう言って携帯で響さんの写真を撮る

 

「エルザも何か見に来た?」

 

「貴方の戻りが遅いから様子を見に来たでありますよ。所で何処に行くつもりでありますか?」

 

「ご主人の所」

 

「もう止めたりしないであります」

 

そう言ってわたくしはルナと湊の所に向かった

 

〜エルザside out〜




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336話

「取り敢えず夕食の買い出しも終わったし帰るか」

 

「待つデスお兄ちゃん、これを未だやってないデスよ」

 

そう言って切歌はガラポンの券を取り出す

 

「お前らだけで行ってこいよ俺は待ってる」

 

「まあまあ、そう言わずに行こうよ湊君‼︎」

 

そう言って響は俺の手を取って走り出す

 

「まだ結構豪華なの残ってるね!」

 

ガラポンの抽選をして居る場所に着くと響はそう言う

 

「本当だね、どうしたの葉月ちゃん?」

 

葉月が抽選をする場所に着いてからずっと何かを見ているのでその視線を辿ると3等の豪華海の幸詰め合わせセットを見ていた

 

「あれが欲しいのか葉月?」

 

「うん」

 

まあこればっかは運だからな

 

「次のお客様」

 

「私の番デス!」

 

そう言って切歌はガラポンを回しに行く

 

「後は湊君と葉月ちゃんとエルフナインちゃんだけだよ」

 

「私達の分も良い景品を持って帰って来て欲しいデス!」

 

良い景品って言ってもお前ら全員ポケットティッシュだろ

 

「次のお客様」

 

「俺達の番だな、行くぞ葉月」

 

「うん!」

 

「先ず葉月からだな」

 

「うん!えい!」

 

葉月が回して出て来たのは白い球

 

「ごめんね、はい参加賞のポケットティッシュ」

 

「……」

 

まあ本当にこればっかりは仕方ないからな

 

「エルフナイン次はお前だぞ」

 

「はっはい、えい!」

 

そう言ってエルフナインも回すが出るのは白い球

 

「ごめんね、はい参加賞のポケットティッシュ」

 

「ありがとうございます、すみません葉月さん」

 

「パパ…」

 

「最後はお父さんですか頑張って下さいね」

 

受付の人から応援されるが正直言って俺は欲しい景品はない為適当に回す

 

(黄色かつまりは)

 

「おめでとうございます!3等、豪華海の幸詰め合わせセット大当たりです!!」

 

「良かったな葉月」

 

「うん!パパありがとう‼︎」

 

そう言って葉月は俺に飛び付いて来る

 

「どうぞ、重いから気をつけてね」

 

「ありがとう‼︎」

 

葉月は嬉しそうに箱を受け取る

 

「良かったね葉月ちゃん」

 

「葉月ちゃんの視線には気付いてたから本当に良かったデス」

 

「取り敢えずその荷物を仕舞って帰るぞ」

 

俺はそう言って葉月の持ってる箱を通信機の中に入れる

 

「葉月ちゃんよっぽど嬉しいんだね」

 

「ふん、あの程度であそこまで喜ぶとはな」

 

「あそこまで喜ぶか普通?」

 

葉月は現在切歌と響の3人で家に向かって競争をして居る

 

「嬉しそうにしてくれてんだから良いじゃねえか」

 

「そうだよ湊、欲しい物が貰えなくて落ち込んでる葉月ちゃんを見るよりかはよっぽど良いよ」

 

「まあ、そうかもな」

 

俺達は後ろから先に行く3人を眺めな話しながら家に向かった




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337話

「それじゃあ行って来るね湊君」

 

「行って来ます‼︎」

 

「ああ、気を付けろよ」

 

俺はそう言って神奈月妹と遊園地に行く約束をしたセレナと葉月を玄関先で見送る

 

「翼さん!今日は予定空いてますか!」

 

「済まない立花、私は今日も湊に鍛錬場を借りるつもりなんだ。また今度にしてくれ」

 

「悪いな先輩、鍛錬場はあたしとチビ2人が先約だ」

 

「そうだったか…他はどうなってる湊」

 

そう言って翼が俺を見て来る

 

「1つは姉さんの言った通り姉さんと切歌と調、もう1つはエルザとルナとキャロル、最後の1つは鳩木と神奈月、だから…全部埋まってるな」

 

「そうか」

 

「それじゃあ翼さん!予定も無くなった事ですし私達と一緒にお出掛けしましょう!」

 

「ああ、湊お前も来てくれ」

 

「はぁ、分かったよ」

 

翼は最後の抵抗をするかの様に俺も一緒に連れ出す事にしたらしい

 

「あ〜ん、美味しい!」

 

俺達が最初に響達に連れて来られたのはファミレスだった

 

「たく、お前さっき朝飯食ったばかりだっただろ」

 

「甘いものは別腹だよ、湊君も食べなよ美味しいよ」

 

「んだよ、あん」

 

俺は響に言われるがままにフォークに刺されたパンケーキを食べる

 

「普通に美味いな、ん?どうした未来?」

 

俺が食べた途端に未来の方から殺気を感じる

 

「響、それさっき響が使ったのだよね」

 

「うん、そうだけど?」

 

響がそう言うと未来の殺気は更に強くなった

 

「立花、お前がした事を思い返してみろ」

 

「う〜ん…」

 

響がそう考えて居ると俺の隣に座って居たエルフナインが服の袖を引っ張る

 

「あの…これも美味しいので是非湊さんにも」

 

「ありがとなエルフナイン」

 

俺はそう言ってフォークに刺さったパンケーキを食べる

 

「確かに響が食べてたのとはまた別の味だな」

 

「喜んで貰えて良かったです」

 

エルフナインは安堵した表情でそう言う

 

「なんか貰ってばっかで悪いな、響ちょっと貰うぞ」

 

俺は新しいフォークを使い響のパンケーキを貰いそれをエルフナインに持って行く

 

「ほれ」

 

「はん、とても美味しいです」

 

「でしょ!それじゃあ次に行こう‼︎」

 

そう言って響は店の外に出る

 

「もう響は」

 

「立花は相変わらずだな」

 

「そうだな、此処は俺が出しといてやるよ」

 

「ありがとうございます湊さん」

 

結局未来が俺に殺気立ってた理由は分からなかったがもう殺気は感じないしもう良いんだろう

 

「エルフナインちゃんもう良いかな?」

 

「はい、大丈夫です」

 

次に俺達は昨日に引き続きまた服を見に来て居てエルフナインが試着をして居る

 

「それじゃあ開けるね、エルフナインちゃん似合ってるよ!翼さんもそう思いますよね!」

 

「ああ、よく似合って居る」

 

「湊もそう思うよね?」

 

「そこで俺に振るのか?」

 

未来にそう聞かれるので俺もエルフナインの服装を見る

 

「どっどうでしょうか?」

 

「似合ってるじゃないか」

 

「そうですか…良かった」

 

俺がそう言うとエルフナインはほっと安心した顔で小さくそう呟いた




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338話

〜響side〜

 

「ねえ響何がどうなってるの?」

 

「おっかしいな、最近しょげてる翼さんを一緒に盛り上げるつもりだったのに」

 

「湊は湊で何かに熱中してるし」

 

服を選び終えた後カラオケに来たのは良かったんだけど翼さんはまだしょげたままな上湊君はパソコンと睨めっこをして居る。多分師匠に頼まれた対ノイズ用の武器を作る準備をしてくれてるんだと思う

 

「済まない、突然予定が空いたが故立花の申し出を受けてはみたが、私に余裕がないのだろうな。今は歌を楽しむよりも防人の技前を磨くべきだと心が早る。焦るのだ」

 

「翼さん…」

 

「あの日以来震えが止まらない。弱き人を守れなかった自分の無力さに、全ては自分のせいなのだと…湊が仲間を集めてくれていなければもっと多くの犠牲者が出ていただろう」

 

「かも知れないな」

 

そこに今までパソコンと睨めっこしていた湊君はパソコンを閉じて翼さんの目を見てそう言った

 

〜響side out〜

 

「湊…」

 

「確かにお前とマリアだけじゃあ犠牲者を1人になんて出来なかっただろうな。だがそれでもお前に助けられた奴も居る。それと響流石に勝手過ぎるんじゃないか?」

 

「え?そうかな?「そうだよ!響は勝手過ぎるよ!!」何もそんな言い方しなくても」

 

俺の言葉を肯定するかの様に未来がそう言う

 

「ちょっと待てどうして2人が…」

 

翼が2人を止めようとするが響も未来も言い合いが止まらない

 

「翼さんの事私にも相談してくれたって良かったじゃない!それにもっと別の方法だって!」

 

「私だって私なりに考えて」

 

まだわからないのかこのバカは

 

「お前なりにじゃない!俺は翼の事も考えたのかって聞いてんだ!!」

 

「そうだよ!響の言い方だと翼さんの事全然考えてないよ!!」

 

「それじゃあ2人は翼さんの気持ちがわかるの‼︎「少なくとも未来はお前よりも分かってると思う」湊君…どうして?」

 

どうしてってお前が1番知ってる筈だろ

 

「分かるよ、だって私ずっと自分がライブに誘ったせいで大好きな人を危険な目に合わせたと後悔して来た。それからずっと危険な目に合わせて居る自分を許さずに居るんだよ」

 

「シンフォギアの軍事兵器化実験の事だけじゃない、リューが死んだ時俺も一緒だったらもしかしたらって思った事も少なくない…ずっと自分を許さずに居るってのは俺も未来と一緒だ…」

 

「…ごめんて言葉ずっと隠して来た…それがきっとその人の事を困らせてしまうと分かっていたから…」

 

「未来…湊君…」

 

響が何か言おうとした時に響の携帯が鳴る

 

「響です。翼さんとエルフナインちゃんそれから湊君も一緒です。どちら様ですか!?」

 

電話の相手に響がそう問いかける

 

「代われ響、湊です。査察官の方ですね?」

 

『はい、第32区域にアルカノイズの反応を検知現在当該箇所より最も近くに位置するSG-01とSG-03は直ちに現場へと急行し対処を駆逐せよ』

 

俺は何もしなくて要するに俺はじっとしてろって事か

 

「分かりました。2人にそう伝えます」

 

俺はそう言って電話を切った

 

「湊状況は!?」

 

「この近くにアルカノイズが出たらしい。響と翼は現場に急行だ。俺には何の指示も出てないし未来とエルフナインを連れて安全な場所に避難する」

 

「わかった、未来…また後で」

 

「うん…響も気をつけてね」

 

そう言って響と翼はアルカノイズを倒しに、俺達は安全な場所に避難しに向かった




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339話

「湊安全な場所に避難するのは良いけど何処に」

 

「俺に考えがある、人目に着く場所じゃいつ彼奴らに聞かれるか分からない。この辺りで良いか…」

 

俺は未来とエルフナインを連れて路地裏に入り廃ビルの中に入る

 

「恐らくだが彼奴らの狙いは未来お前とエルフナインのどちらか又は両方だ。アルカノイズはお前達を響達から遠ざける為の誘導だと思う」

 

「私かエルフナインちゃんを?でもどうして」

 

「ヴァネッサって奴が言っていた神の力でもう一度人の体に戻るとその為には神の力の依代と仮説されて居るお前が必要なんだ。そしてもう1つの可能性があるのがS.O.N.G.の錬金術によるバックアップスタッフであるエルフナインを失う事による衰退この2つの内のどちらか或いはその両方が今回の目的なんだろう」

 

俺は考えられる目的を未来とエルフナインに伝える

 

「分かりました。湊さん未来さんを連れて逃げて下さい」

 

「そんな、エルフナインちゃんも狙われてるかも知れないんだよ」

 

「神の依代と仮説されている未来さんが捕まってしまっては神の完成は時間の問題です。ですが僕ならば神を完成させるまでは行く事はありません」

 

エルフナインは覚悟を決めた表情でそう言う

 

「良いんだなエルフナイン」

 

「はい」

 

「分かった、絶対に助けに行くそれとこれを持って行け」

 

俺は2つの爆弾を渡す

 

「これは」

 

「煙幕弾だ、目眩し程度にしかならないがそれでも時間稼ぎは出来る。発信機も着けて置いてくれ万が一お前が捕まったとしても直ぐに助けに行けるからな、未来を家まで連れて行ったらお前を連れに戻って来る。それまで逃げ切れ」

 

「はい!」

 

そう言ってエルフナインは走って行く

 

「行くぞ未来」

 

「うん」

 

俺は通信機からバイクを取り出し家に向かった

 

〜エルフナインside〜

 

「はあ…はあ…」

 

「見つけたぜ!」

 

ミラアルクがそう言って僕を追いかけて来る

 

(出来るだけ遠くに逃げないと、そうしないと未来さんまで)

 

「それ」

 

「ちっ!煙幕弾か面倒だぜ」

 

僕は逃げてる途中で湊さんに貰った煙幕弾を使ってミラアルクの視界を塞ぎより遠くに逃げる

 

「わあ!」

 

「鈍臭い奴だ、それでもちょこまかと逃げ回ってくれたもんだぜ」

 

僕は逃げてる途中に転んでしまい立ち上がって居るうちに追い付かれてしまった

 

「もう1つでまた距離を「クフフ、こうも簡単にお前を本部の外に連れ出せるとはな」何で貴方が…」

 

ミラアルクの後ろの物陰から出て来たのは昨日の日本政府代理で本部に来た男性だった

 

「さ〜て、追いかけっこは此処までにして大人しくうちと一緒に来てもらうぜヴァネッサ?」

 

ミラアルクはそう言って此処に居ない仲間と話し始める

 

(今の内に)

 

「ああ…了解したぜ、悪く思わないで欲しいぜ」

 

ミラアルクはそう言って爪を伸ばして隣に居た男性の首の動脈を切って辺り一帯に血が舞う

 

「は…」

 

僕はその血の量の多さを眼の当たりにして気を失ってしまった

 

〜エルフナインside out〜




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340話

「湊、早くエルフナインちゃんを」

 

「ああ、分かってるこれは…」

 

俺が通信機でエルフナインの発信機の反応を見るとミラアルクに付けた発信機の反応と被って居た

 

「どうしたの湊?」

 

「エルフナインの奴捕まったみたいだ」

 

「そんな…」

 

未来はそう言って膝から崩れ落ちる

 

「誰だ?湊、それに未来までお前らあのバカ達はどうした」

 

「クリス…エルフナインちゃんが…」

 

「湊、彼奴に何かあったのか」

 

未来の様子を見て何かあったと感じ取った姉さんが俺にそう聞く

 

「姉さん至急響達に連絡を取ってくれ、エルフナインが錬金術師に捕まった」

 

「んな⁉︎彼奴が捕まったのか⁉︎」

 

俺は姉さんの言葉に頷く事しか出来なかった

 

「分かった、お前はおっさんに連絡を取ってくれ」

 

「そのつもりだ。未来お前は少し落ち着け彼奴なら大丈夫だ」

 

「湊…うん」

 

未来はそう言って俺の手を取って立ち上がる

 

「湊君‼︎エルフナインちゃんが錬金術師に捕まったって本当なの⁉︎」

 

「ああ、本当だ」

 

俺は姉さんから話を聞いて俺の家に向かって来た響にそう言う

 

「だがどうして彼女達はエルフナインを」

 

「それに関してだがある程度の予想が付いて居る」

 

「遅れて済まない湊君」

 

俺が翼達に話そうとしていると風鳴司令も到着した

 

「成る程な、確かにその可能性は高いだろう」

 

「最初はエルフナインちゃんも一緒に逃げてたんです…でも湊の話を聞いたエルフナインちゃんが…私が捕まったら神の完成は時間の問題だから自分が1人で逃げるって言ってくれたんです…」

 

未来は責任を感じているのか暗い表情でそう言う

 

「未来…」

 

「俺もエルフナインでも使えそうな煙幕弾なんかも渡したんだがそれでも捕まったらしい」

 

「そうか、それで湊君エルフナイン君の反応は今何処に向かっているんだ?」

 

「今はまだ特定の場所に停滞していないからなんとも言えない」

 

「そうか」

 

俺がそう言うと風鳴司令は難しい顔をする

 

「だがエルフナインの言った事も間違ってはいない、仮に神の依代と仮説されている小日向が捕まってしまっていた場合我々はもしかすると神と化した小日向と戦う事になって居ただろう」

 

「ああ、発信機の反応が一定の場所に停滞したら直ぐに助けに行く。それと風鳴司令、こんな状況だ響に頼んだ伝言の方は待ってくれ」

 

「ああ、分かっている今はエルフナイン君の発信機の反応を探れるの君だけが頼りだ何よりもエルフナイン君の事を最優先にしてくれ」

 

「ああ、そもそも俺がエルフナインも纏めて逃げれば良かったんだ。少なくとも俺にも責任はある」

 

俺はそう言ってエルフナインの発信機の反応を探った




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341話

「帰って来たか、葉月と神奈月妹お前らだけか?セレナはどうした?」

 

俺がセレナ達の帰りを待って居ると帰って来たのは葉月と神奈月妹だけだった

 

「パパ…パパ‼︎」

 

「どうした⁉︎どうした⁉︎」

 

葉月は俺を見るなり泣きながら飛びついて来る

 

「どうしたんですか湊さん?火憐どうしたの?」

 

「お姉ちゃん‼︎」

 

「どっどうしたの火憐⁉︎何か嫌な事でもあったの?」

 

神奈月妹も神奈月が来たのを見て泣きながら神奈月に飛び付く

 

「何かあったのか葉月?」

 

「セレナお姉ちゃんが…お姉ちゃんと一緒に何処かに行っちゃって帰って来ないの」

 

「はあ?お姉ちゃん?」

 

「うん…エルザお姉ちゃん達とお話ししてたお姉ちゃん」

 

(此奴の前でエルザ達が仲良くしてたお姉ちゃんって結構居るぞ?待てよ、葉月なら切歌達なら名前で呼ぶしそれ以前に彼奴らは俺達が帰って来た時には家に居たから彼奴らじゃない、だとすると…まさか⁉︎)

 

俺は葉月が名前も呼ばずにお姉ちゃんとだけ言う人物に心当たりがあった

 

「なあ葉月、それってこの前一緒にホテルに泊まった奴か?」

 

「うん…そのお姉ちゃん」

 

やっぱりメアか

 

「取り敢えず落ち着いて何があったか話してくれ」

 

「うん…」

 

俺と神奈月は一度葉月と神奈月妹を家の中に入れて落ち着かせる

 

「それで何があったんだ葉月」

 

「えっとね…」

 

葉月は俺達に何があったのか話してくれた

 

「そうか、分かった教えてくれてありがとな葉月」

 

「火憐も良く葉月ちゃんを連れて帰って来てくれたね」

 

俺と神奈月がそう言って撫でて居ると次第に2人は泣き疲れて眠りに付いた

 

「まさかエルフナインだけでなくセレナまで攫われるとは」

 

「そうね、でもどうしてセレナなのかしら?」

 

葉月達が寝た後俺達はメアがセレナを攫った原因を考えている

 

「もしかしてお兄ちゃんがセレナと戦えないと思っての行動じゃないデスかね?」

 

「もしそうだとしたらなんで葉月じゃなくてセレナなんだ?あたしだったらセレナより葉月の方を連れてくぜ?」

 

「確かにセレナより葉月ちゃんの方が攫う方が簡単な気がする」

 

「それってセレナさんじゃないといけない何かがあったって事?」

 

確かに姉さんと調の言う通りセレナを攫うより葉月の方が簡単かも知れない、それなのに攫ったのは葉月じゃなくてセレナ何か理由がないとそうはならない

 

「もしかして私や湊君みたいにセレナさんも神の依代だったって事はないんですか?」

 

「湊君の様な例を除けば神の依代となるのは神獣鏡の光を浴びた者だと過程されている。マリア君、切歌君、調君、セレナ君が君達と居た頃に神獣鏡の光を浴びた事はあっただろうか?」

 

風鳴司令にそう聞かれてマリア達は考える

 

「無かったと思います」

 

「私達も」

 

「同じデス」

 

「そうか、湊君達はどうだ?」

 

風鳴司令は次に俺達にそう聞く

 

「俺もマリア達と同じだ、だよなエルザ?ルナ?」

 

「ガンス、わたくし達も知らないであります」

 

「るる、私も」

 

俺の質問に対してエルザとルナはそう答える

 

「兎も角セレナの救出も視野に入れてエルフナインの発信機の反応が一定になるのを待ちましょう」

 

「ああ、そうだな」

 

マリアの言葉に俺はそう返した




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342話

〜エルフナインside〜

 

「あ…まさか此処は!!「お帰りなさいませご主人様」貴方は!!」

 

僕が目を覚ますとそこにはメアさんとミラアルクが居た

 

「あはは!日本に来たのなら一度やってみたかったんだぜ!!」

 

「ミラアルクちゃんあんまり怖がらせちゃダメだよ」

 

「ほほはチフォージュ・シャトー」

 

僕がそう言うとミラアルクは僕を投げ飛ばす

 

「ミラアルクちゃんお客さんはもっと丁寧に扱ってね」

 

「次からはそうさせて貰うぜ」

 

ミラアルクとメアさんはそう言って僕に向き直る

 

(考えなきゃ今何が起きてるのかを、此処に連れて来られるまでに何が起きたのかを)

 

僕は湊さんと未来さんの2人と別れて逃げてそれで…

 

「そうだ未来さん…未来さんはどこに居るんですか‼︎」

 

「あ?その未来って奴が誰かは知らねえがもう1人のターゲットにしてた奴は彼奴と一緒だったから逃げられたぜ」

 

(良かった、未来さんは捕まってないんだ)

 

僕はミラアルクの話を聞いて安心する

 

「でもまあ別の奴を確保したからそっちは別に良いんだぜ」

 

「別の人」

 

「ああ、此奴だぜ」

 

ミラアルクがそう言ってビジョンを映し出すとそこにはセレナさんが居た

 

「セレナさん‼︎」

 

「大丈夫だよ用済みと判断されたあの人とと違ってあの人は生きてるから」

 

「それにやって貰う事はお前にもあるんだぜ」

 

「今は貴方の使ってるキャロルの体を使って起動して欲しいものがあるんだ」

 

(もしかしてこの人達はキャロルが殆どの記憶を失って生きている事を知らない…ですがこれはチャンスです)

 

「キャロルの…まさかチフォージュ・シャトーを!?それは無理です!!例え起動出来たとしてヤントラ・サルヴァスパもネフィリムの左腕も失われた今自在に制御する事は絶対に‼︎」

 

「落ち着けってそうじゃないんだぜ。お前に起動させて欲しいのは別のものなんだぜ」

 

別のもの…でも僕にはキャロルの体を使って起動させれるのはチフォージュ・シャトーくらいしか

 

「君に起動させて欲しいのはこれだよ」

 

そう言ってメアさんが指を鳴らすと照明が点灯し棒の後ろが照らされる

 

「まるで何かのジェネレーター…あ!こっこれは!」

 

そこには沢山の破損した人形が入ったケースが並べられていた

 

「貴方達は一体何を企んで…あ!」

 

僕は後ろから迫って来るミラアルクに気づかず首を締め付けられるのと同時に何かが流れ込んで来た所で僕の意識は途絶えた

 

〜エルフナインside out〜

 

俺が夜中に起きると未来が起きて居るのが見えた

 

「お前まだ起きてたのか」

 

「湊…うん…やっぱりエルフナインちゃんが心配で」

 

やっぱりまだちょっと責任感じてるな未来の奴

 

「さて、そろそろだな此処は…」

 

俺がエルフナインの発信機の反応を確認するとミラアルクとエルフナインの発信機の反応は1つの場所に止まって居た

 

「漸く目的の場所に着いたか」

 

「エルフナインちゃんの居場所が分かったの?」

 

「ああ」

 

俺がそう言うと未来は安堵の表情を浮かべる

 

「今からキャロルを起こしてそこに向かう「待って!」どうした未来」

 

「私も…私も連れて行って‼︎」

 

「何言ってんだよお前」

 

「無茶なお願いをしてるのは分かってる、でもお願い私もエルフナインちゃんを助けたいの‼︎」

 

未来は真剣な表情で俺にそう頼んで来る

 

「分かった分かった、連れてってやるその代わり今から行くのは敵のアジトだ自分の身は自分で守れ」

 

「分かった」

 

「ふん、そろそろ頃合いだと思って居た」

 

俺達が話して居ると後ろからキャロルが歩いて来る

 

「そんじゃさっさとエルフナインを助けに行くぞ」

 

「「ああ(うん)」」

 

そう言って俺達はエルフナインを助けにチフォージュ・シャトーに向かった




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343話

〜エルフナインside〜

 

「おい、いつまでそうして居るつもりだ」

 

「この声は…」

 

意識が途切れて暫くすると何処からか僕を呼ぶ声が聞こえた

 

「漸く気付いたか」

 

「キャロル…どうして此処に」

 

「錬金術の技術を使ってお前と俺の意識を一時的に共有させたんだ」

 

キャロルは何でもない顔でそう言う

 

「時期に俺達もお前の居るチフォージュ・シャトーに到着する。それまでにお前は彼奴らの元から離れて居ろ」

 

キャロルがそう言って背中を押すと僕の意識は浮上して行った

 

「くっ!」

 

意識を取り戻した僕は急いで攻撃を交わす

 

「此奴!!」

 

「途中で目を覚まして咄嗟に避けたんだ」

 

「はぁはぁ…」

 

「あら?自分が原因で世界にあだなしてしまった以上生きて居るのが辛く無いかしら?」

 

そう言われて僕は立ち上がる

 

「確かに昔の僕ならば世界を守る為に消えて良いとすら思って居ました…だけどこの体は大切な人からの預かり物です。今は此処から消えたくありません!!」

 

「そう…だけどそれは聞けない相談だわ」

 

そう言って錬金術師は僕に迫って来る

 

(どうすれば…だけど僕では…)

 

「次は外さないわ」

 

「誰か!!」

 

僕がそう叫んだ後、何かがぶつかり合う鈍い音が聞こえたので恐る恐る目を開ける

 

「ソードブレイカーその一振りを貴方が剣と思うなら」

 

「ファラ…」

 

そこには僕を守るファラの姿があった

 

「しっかりしてヴァネッサ!「先手必勝派手に行く」くっ!!」

 

「あはは!ちゃぶ台をひっくり返すのはいつだって最強のあたしなんだぞ!!」

 

「マスター今のうちに」

 

装置からミカ、ガリィ、レイアの3人も出て来て僕はガリィに抱えられて居る

 

「貴方は炉心に連結されて居た廃棄個体の…」

 

「スクラップにスペアボディ?呼び方は色々あるけれど再起動してくれたからにはやれるだけの事はやりますわよ」

 

「マスターの様でマスターでない、少しマスターぽい誰かだけど、マスターのために働くのが私達の使命なんだぞ!」

 

「その身に蓄えられた残存メモリーをエネルギーに利用しようと目論んだ様でしょうがそうは参りません」

 

「さてマスター今後の指示を頼むこのまま地味に脱出するも良し、無論派手に逆襲するのもマスターの自由です」

 

1番確実なのが弦十郎さんや皆さんと合流する事でも

 

「だったらやりたい事があります‼︎」

 

「エルフナインちゃんこっち‼︎」

 

「未来さん!ガリィ彼処に‼︎」

 

僕がそう言うとガリィは未来さんの部屋に入って行く

 

「良かったエルフナインちゃんが無事で」

 

「未来さんどうして此処に」

 

「湊とキャロルちゃんと一緒にエルフナインちゃんを探しに来たんだよ。2人は別行動でエルフナインちゃんを探してくれてる。少しこの辺りを探して見つからなかったら直ぐに戻るって言ってたよ」

 

それで湊さんとキャロルは此処に

 

「これから弦十郎さん達と通信を取ります。未来さんも一緒にお願いします。ファラとレイアは先程の方々が此処に入って来れない様見張ってて下さい」

 

「かしこまりましたマスター」

 

「派手に果たして見せましょう」

 

そう言ってファラとレイアは扉の外に出るとすれ違いでキャロルと湊さんが入って来た

 

〜エルフナインside out〜




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344話

俺とエルフナインで本部への専用回線にアクセスして数分後モニターに映像が映し出された

 

『わはぁ‼︎』

 

モニター越しに藤尭の驚いた声が聞こえる

 

「すみません僕です。たった今湊さん達と合流しました」

 

『エルフナイン君!』

 

「通信を行った以上捕捉される恐れがある為要点だけ手短に、現在地はチフォージュ・シャトー内部僕とセレナさんは此処に居ます」

 

エルフナインがそう言うと本部に居る全員から安堵の声が聞こえる

 

「これからオートスコアラーや湊さん達とセレナさんの救出に向かいます神そのものへと完成して居ない今ならまだ間に合います」

 

『君が!?無茶だ「そう無茶です‼︎」ん⁉︎』

 

エルフナインが強い口調でそう言うと風鳴司令は驚いた顔をする

 

「だから!応援をお願いします!!此処は敵の只中ですどうしたって危険が伴います『此方も先程の戦闘でセレナ君の攻撃を受けて響君が負傷している』そんな…この局面で響さんを」

 

「響…」

 

未来は響が負傷したと聞いて心配そうな表情を浮かべる

 

「マスター」

 

「応援が来るまで何とか持ち堪えます!」

 

エルフナインはそう言って通信を切る

 

「地味に窮地…今度は先程の様に不意はつけないかと…」

 

「此処は私とレイアに、ガリィはマスターのエスコートをお願いするわ」

 

ファラとレイアはそう言ってミラアルクの攻撃を受け止める

 

「任せて、目的地までの道は此処に叩き込んでるから」

 

「ミカとそこの貴方達も一緒に」

 

「そこの2人の実力は知らないがお前とミカが付いているなら私もファラも憂いは無い」

 

「元気印の役割は心得てるぞ!」

 

「ああ、あの2人が時間を稼いでいる内に行くぞお前ら」

 

俺はエルフナインの手を引いて走る

 

「ファラとレイアならきっと大丈夫ですよね?」

 

「不足は色々ありますが全力を尽くしてます。だからマスターも全力で信じてあげて下さいな。それに此方にはフランス最強の装者雪音湊と言う奥の手もあるんですから」

 

ガリィはそう言って俺を見る

 

「まあ俺にやれる事はやってやるつもりだ。もう追い付いて来たか」

 

目的の階まであと少しの所でエレベーターが止まり扉に凹みが入る

 

「待たせたな、お仕置きの時間だぜ‼︎お前は!」

 

《雷撃》

 

俺は大剣の先に溜めた雷を高出力のエネルギービームとして放つ

 

「くっ!いつの間に此処に」

 

「お前の相手は最強のあたしだぞ!」

 

「ミカ!」

 

ミカは俺達に向かって来たミラアルクを押さえつける

 

「マスターを頼んだぞ、そんな楽しい任務本当はあてしがしたいけどこんな手じゃマスターの手を引く事は出来ないから残念だぞ」

 

「ミカ…」

 

「わかってる、あんたの分まで私達に任せて」

 

「俺も直ぐに追い付くお前達は先に行け」

 

「うん、行こうエルフナインちゃん」

 

未来はそう言ってエルフナインの手を取って走り出す

 

「ミカ!だけどかっこいいですミカのその手大好きです!」

 

エルフナインはそう言ってガリィ達と目的地に向かった

 

「褒められたぞ!照れくさいぞ!」

 

「廃棄個体が舐めてくれるぜ」

 

ミカを投げ飛ばしたミラアルクがそう言う

 

「俺を忘れたわけじゃねえよな」

 

「チッ!やっぱりうち1人じゃ敵わないぜ」

 

ミラアルクは俺の攻撃を何とか避けてそう言う

 

「お前はマスターを頼んだんだぞ」

 

「分かった」

 

俺は間に入ってそう言うミカを見てエルフナイン達を追いかける

 

「湊さんミカは…」

 

「ミラアルク1人だからまだ壊れちゃいないがメアが来た途端に壊れるだろうな」

 

「彼処です」

 

「彼処にセレナさんが「マスター!」ガリィ!」

 

セレナの居る部屋の近くに差し掛かった時突然ガリィがエルフナインを突き飛ばすとガリィがミサイルで吹き飛ばされる

 

「ガリィ‼︎僕を守る為に…」

 

「嫌ですよマスター性根の腐った私がそんな事する訳ないじゃないですか」

 

「でも‼︎」

 

「もっと凛として下さいまし私達のマスターはいつだってそうだったじゃないですか…」

 

ガリィがそう言うとキャロルは自身を見つめる

 

「手じゃ余るから足で失礼しちゃいます」

 

「未来シンフォギアを纏え迎え撃つぞ」

 

「うん」

 

〜Rei shen shou jing rei zizzl〜

 

そう言って未来も聖詠を行いシンフォギアを纏う

 

「待て、お前達が出る必要は無い貴様達の相手など俺1人で充分だ」

 

そう言ってキャロルは俺達の前に出て亜空間からダウルダブラ取り出しファウストローブを纏う

 

「この土壇場に出鱈目な奇跡を」

 

「奇跡だと?冗談じゃ無い俺は奇跡の殺戮者だ!!」

 

ダウルダブラを纏ったキャロルは力強くそう叫んだ




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345話

「思えば…不要無用と切り捨て来た者に救われてばかりだな…ありが「似合わない事に浸らせないぜ!!」無駄だ」

 

キャロルはそう言って障壁を展開してミラアルクの攻撃を防ぐ

 

「声音を模した訳で無くあれは」

 

「本物のキャロル・マールス・ディーンハイム」

 

「漸くお前らしくなったかキャロル」

 

「気付いていたのか」

 

キャロルは隣に立つ俺にそう聞く

 

「ああ、だがどれだけ変わろうとキャロル・マールス・ディーンハイムは俺の仲間それだけは変わんねえよ」

 

「そうか… さて、俺の干渉に踏み込んできた挙句、俺の仲間にまで手を出したんだそれなりの覚悟は出来てるはだろうな」

 

キャロルがそう言うとミラアルク達は一斉に攻めて来る

 

「後は任せたぞ」

 

「任された、未来お前はエルフナインを守れ!」

 

俺はそう言って大剣を構える

 

「そんな物で俺に傷を付けれると思って居たのか」

 

「はぁぁあ「俺を忘れた訳じゃないだろうな」チッ!邪魔だぜ!」

 

ミラアルクはそう言って標的を童に変える

 

「マスターの相手は私だよ!」

 

そう言ってメアは俺との距離を詰めて来る

 

「まさかとは思うがそれが本気じゃ無いだろうな?」

 

「うん、まだいけるよ」

 

メアは片腕だったのを両腕を刄に変えて更に強く攻撃をして来る

 

「強くなって来たなメア」

 

「うん、いつか胸を張ってマスターの隣に立つのが今の私の目標だから」

 

メアはそう言って一度俺と距離を取る

 

「お姉ちゃんも出し惜しみしてらんない!!」

 

銃の乱射と共に飛んで来る複数のミサイルをキャロルと障壁を張って防ぎ土煙が晴れると共に攻撃をする

 

「流石たった1人で世界と敵対しただけの事はあります」

 

「マスターも前に戦った時よりも強くなってる」

 

メア達は何とか攻撃から身を守るが俺とキャロル2人の同時攻撃を受けたからかかなり疲れが溜まって来て居る

 

「ふっ」

 

「キャロルそろそろ終わりにするぞ」

 

「ああ、極太の止めをくれてやる」

 

キャロルはそう言うと上空に高密度な重力子の塊を生成する

 

「俺も負けてられないな」

 

俺は大剣を仕舞いキャロルと同じ様に上空に高密度の雷の塊を生成する

 

「不味いぜヴァネッサ」

 

「そうね…片方は超重力、もう片方はサンダルフォンの雷、危ない匂いがするわね」

 

「恨むなら俺達を敵に回した自分達を恨め」

 

俺のその言葉が引き金となってキャロルの重力子の塊と俺の雷の塊が同時に投下される

 

「やり過ぎたか」

 

「破壊力が仇にだが逃すものか「待ってくださいキャロル、今はセレナさんの救出が先です」正論をだが聞いてやる」

 

そう言ってキャロルはメア達を追いかけ様とするのを止める

 

「ありがとうございますキャロル」

 

「助けた訳ではない礼など不要…それでも彼奴らには手向けてやってくれないか?きっとそれは悪党が口にするには不似合いな言葉だ「その必要は無い」何?」

 

『へぇ〜、マスター私達をそれなりに大事に思ってくれてたんですね〜、ガリィ感激』

 

『とっても嬉しいんだぞマスター』

 

俺がそう言うと同時に何処からか聞き慣れた声が聞こえる

 

「ガリィ、ミカお前達何処に居る‼︎」

 

『嫌ですねマスター、此処ですよ』

 

その声は俺の通信機の中から聞こえる

 

「湊、貴様‼︎」

 

「彼奴らの残存メモリーはスペアボディーが破壊されると同時に俺の通信機に転送される様に細工をしておいた」

 

「全くお前は… それの事については後で話してもらう行くぞこの先に彼奴が居るのだろう」

 

「ああ、その筈だ」

 

そう言って俺達はセレナの居る部屋に入って行く




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346話

〜マリアside〜

 

「ヘリの発艦準備は完了ですいつでも」

 

「ああ…だが」

 

風鳴司令が何かを言おうとした時にモニターに映像が映し出される彼女は

 

「その姿は」

 

『久しいな、と言っても俺はお前達の事は見ていたがな』

 

「本当に我々と戦ったキャロル・マールス・ディーンハイムなのか?だが一体どうやって」

 

エルフナインの話では彼女は私達との戦いで殆どの思い出を焼却し、以前の記憶など覚えていないそうだ。そんな彼女の記憶がどうして

 

『エルフナインが脳内ストレージをおかしな機械で観測して居てだな、記憶を取り戻す前の俺が罪の意識か何かがあったのだろうなエルフナインに頼み彼奴の中から拾い集めた思い出の断片をコピペの繰り返しで記憶と錬金術的に再構築しただけだ』

 

「だけなんだ…」

 

「コピペ、最先端な錬金術デスね」

 

確かに最先端な錬金術ではあるがそれ以上に気になる事がある

 

「貴方が記憶を取り戻す前の彼女の記憶はどうなっているのかしら?」

 

『安心しろ、彼奴がお前達と関係を築く以前の記憶として構築している。そろそろ本題に入るとしよう、脱出までの駄賃にセレナ・カデンツァヴナ・イヴ奪還する…その為にお前達の暇な手を貸して貰うぞ』

 

私の問いかけにキャロルはそう答える

 

「ちょっと待てよ、その割にはテメェ以外の湊やらエルフナインが一切顔を出さないのはどう言う事だ?」

 

『彼奴らは既にセレナ・カデンツァヴナ・イヴ奪還に向けて動いている。何もしていないのは小日向未来くらいだ』

 

小日向未来、彼女には戦う力はあるが彼やエルフナインの様に技術的な面で強い部分は無いと言っても良いそんな彼女が何も出来ないのは此処に居る全員が分かりきって居る

 

「未来君の安否を確認したい、未来君と話させて貰っても良いだろうか?」

 

『良いだろう、お前の出番だ』

 

キャロルがそう言うと後ろから小日向未来が姿を現す

 

「無事か未来君」

 

『はい、それで弦十郎さん響は』

 

「響君は現在も療養中だ。そこで未来君君に頼みたい事がある。響君の代理として君にも翼達に協力して欲しいんだ」

 

『分かりました『話は済んだか』うん、ありがとうキャロルちゃん』

 

『さて話の続きをするとしよう』

 

「その物言いに物言いなのだが…」

 

「私達に手伝える事なの?」

 

内容によっては私達では何も出来ない物があるのでそう聞くとキャロルはモニターに別の映像を映す

 

『これを破壊して貰う』

 

「な!?それが出来れば私らも『出来る』!!」

 

キャロルはクリスが言い切る前に出来ると言い切る

 

『此処はチフォージュ・シャトーその気になれば世界すら解剖可能なワルドデストラクター。残された猶予に全てをかける必要がある。お前達は神の力シェムハの破壊を、そして俺達は力の器たる依り代の少女を救い出す2段に構えるぞ』

 

キャロルはそう言うと作戦の詳細を話し始めた

 

〜マリアside out〜




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347話

「古来より人は世界のあり方に神を感じ、しばしば両者を同一の物と奉ってきた。その概念にメスを入れるチフォージュ・シャトーで有れば攻略も可能だ」

 

『これも一種の哲学兵装、ですが今のシャトーにそれだけの質力を賄う事は「無理であろうな」やはりそうですか』

 

「だがチフォージュ・シャトーは様々な聖遺物が複合するメガストラクチャー、で有れば他に動かす手段は想像に難くなかろう」

 

キャロルにそう言われた俺はそれが何を意味するのか直ぐに理解出来た

 

『フォニックゲインだな?』

 

「いいや、湊の力を使う」

 

「成る程な、やっぱりそれか」

 

俺は作業を一度中断してキャロルの元に向かう

 

『無事だったか湊君』

 

「ああ、それでキャロルお前の言う力ってのはあれで良いんだよな」

 

「ああ、お前の全ての聖遺物に適合する力、そして無限に生み出されるフォニックゲインその2つが鍵となる。お前達には湊がお前達全員をエクスドライブに出来るまでのフォニックゲインが溜まるまでの時間稼ぎをして貰う。それに神殺しの力があるのは何も立花響だけじゃ無い」

 

そう神殺しの力を持つ聖遺物を持って居るのは響だけじゃ無い翼のスルトの剣にミーシャのレーヴァテインのファウストローブだってある

 

『済まない湊…スルトの剣は使えない』

 

「どう言う事だ翼?」

 

『それについては俺から説明しよう』

 

風鳴司令はそう言うと俺達にスルトの剣が使えない理由を話した

 

「成る程な、つまりこの局面で翼のスルトの剣が以前のガングニールが応えなくなった響と同じ状況に陥ってるのか」

 

『ああ、何度も試したがそれでも適合係数の上昇が見られない』

 

俺の言葉に翼は悔しそうな顔でそう返す

 

「ミーシャの方はどうなんだ?」

 

『ミーシャ君は現在響君の療養に付き合ってくれて居る。未来君程ではないが此処に居る誰よりも彼女は響君の事を知り思っている。そんな彼女が側に居た方が良いだろう』

 

「分かった、今から未来を地上に向かわせる。戦う必要はない逃げ続けても良いし守りを固め続けても良い何が何でも時間を稼げ」

 

『ええ、分かったわ』

 

『やれる、やってみせる!』

 

『あの頃より強くなった私達を見せつけてやるデスよ』

 

「決まりだな、ではあのデカブツは任せたぞ」

 

キャロルはそう言って通信を切った

 

「未来お前はチフォージュ・シャトーを出て翼達と合流しろ」

 

「でもどうやって?まださっきの人達が居るんだよね?」

 

「安心しろ」

 

俺は大剣でチフォージュ・シャトーの壁に穴を開ける

 

「此処から出ろ本気で持ちそうにないなら通信をくれ作戦を変更して俺も戦闘に加わる」

 

「うん、分かった」

 

未来はそう言って俺の開けた穴からチフォージュ・シャトーの外に出た




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348話

「如何やら場外のブサイクは巨大なエネルギーの塊でありそいつをこの依代に宿す事が儀式のあらましの様だな」

 

「この祭壇を破壊するってのはどうなんだ?」

 

俺の質問にエルフナインは首を振る

 

「祭壇から無理に引き剥がしてしまうとセレナさんを壊してしまいかねません」

 

「面倒だが手順に沿って儀式を中断させるより他になさそうだ。どうした」

 

キャロルは自身を見つめるエルフナインにそう聞く

 

「意外だなぁと思って、僕はまだキャロルの事を全然知らないんですね」

 

「そうじゃない、気に入らない連中に貸しを押し付けるチャンスなだけだ。それに…此奴には記憶を取り戻す前に世話になってるからな」

 

キャロルはそう言ってセレナを見つめる

 

「さて連中もおっとり刀で駆けつけて来た様だな、此方も取り掛かるぞ」

 

俺達が儀式の中断に取り掛かろうとすると後ろから爆発音がする

 

「こっちはこっちで」

 

「待てキャロル」

 

俺はヴァネッサ達に向かって行こうとするキャロルを止める

 

「何だ?」

 

「俺が行く、俺は儀式の中断の手順何て知らないなら知ってるお前がやるのが当然ってもんだろ」

 

「ふん、まあ良いだろうだが忘れるなお前の役目は他にある事を」

 

そう言ってキャロルは祭壇に向かい儀式の中断を試みる

 

「全く、そのまま逃げてれば良かったんだがな、そっちからやって来たと言う事は余程の理由があるのか、それとも何かこの短時間で戦う力でも手に入れたのか?」

 

「その両方よ‼︎」

 

ヴァネッサはそう言って俺に向けて乱射する銃を障壁を張って塞ぐ

 

「何をしてくるのかと思ったらそろそろ他の事もして来たらどうだ?いい加減飽きて来たぞ」

 

「うちらは強くない弱くちっぽけな怪物だぜ!」

 

「お前らの中のメア以外の奴は怪物とも呼べない欠陥品だ」

 

俺はミラアルクの後からの攻撃を大剣で塞ぐ

 

「捕まえたぜ」

 

ミラアルクがそう言うと上空に四角の立方体が出現して落ちて来る

 

「成る程な、無い頭で少しは考えたらしいな」

 

「神の力の完成は何人たりとも邪魔させな…」

 

「おいメアあれって何なんだぜ⁉︎彼奴はあんな事まで出来るのか⁉︎」

 

「私もマスターの力の全部を知ってる訳じゃ無いから、でもこれはちょっとまずいかな」

 

メアがそう言うとピラミッドは破壊され膨大なエネルギーが上空に放出される

 

「一足遅かったみたいだな」

 

「どうやって哲学の迷宮を…あれは‼︎」

 

ヴァネッサが俺の周りに数体のシンフォギアを確認する

 

「さっきの光は一気にシンフォギアを解放した光だったのか!」

 

如何やらミラアルク達はさっきの光はシンフォギアを一気に解放した時の光だと勘違いしてくれたらしい

 

(上手くいった様だな)

 

(ああ、今頃彼奴らもエクスドライブに到達してる頃だ)

 

俺はキャロルにそう視線を送るとヴァネッサ達に向き直る

 

「メア以外不完全なお前達で完成された怪物俺を倒せるか?」

 

「やって見せ…ガハ‼︎」

 

「ミラアルクちゃん‼︎「ゴホ‼︎」ヴァネッサ‼︎」

 

突然ヴァネッサとミラアルクが血液を嘔吐する

 

「この不調…「如何やら何か仕組まれていたみたいだな」何ですって…」

 

「やっぱりな血液に異物が入り込んでいる恐らく全血清剤に何か仕組まれていたんだろう」

 

「もしかしてミラアルクちゃんとヴァネッサの不調の原因はその異物なのマスター」

 

「だろうな」

 

「くっ!訃堂〜‼︎」

 

ヴァネッサはそう言って拳を地面に打ち付ける

 

「マスター、ヴァネッサとミラアルクちゃんはこのままなの」

 

「時間は掛かるだろうが動ける様にはなるだろう、それでお前1人でも戦うか?」

 

「ううん、私はヴァネッサとミラアルクちゃんを連れて逃げるよ。バイバイマスター」

 

メアはそう言ってヴァネッサとミラアルクを連れて何処かに飛んで行く

 

「そっちはどうだキャロル…これって…一体どうなってんだ」

 

俺がキャロル達の方を見るとセレナが光の粒子になっていた

 

「如何やら俺は思い違いをしていたらしい」

 

「思い違い…」

 

「依代となったセレナさんに力を宿しているのではなく、大きな力がセレナさんを取り込む事で…湊さん‼︎」

 

俺はエルフナインの話を途中で聞くのを辞めて未来が出た場所から俺も外に出る

 

(間に合え…間に合え‼︎)

 

俺は上空の怪物に向けて飛んで行く

 

「我が名はシェムハ、人が仰ぎぬるこの星の神が我と覚えよ」

 

そう言うとセレナは響を投げ捨てる

 

「大丈夫か響」

 

「うん…」

 

俺は響を受け止めて地上に降りる

 

「よきかな人の生き汚さ100万の夜を超えて尚地に満ち満ちて居ようとは」

 

「よしなさいセレナ!貴方にそんな物言い似合わない!!」

 

「後は忌々しき月の…ぐっ!」

 

するとセレナは突然苦しみ出した

 

「セレナ…何だ⁉︎」

 

俺がセレナに近づこうとすると後から翼がセレナを抱えて上空に飛ぶ

 

「先輩⁉︎」

 

「何で…翼さん?」

 

「全てはこの国の為に」

 

そう言って翼の目は何かに操られている様な目をしていた

 

「私はこの国の防人なのだ」

 

《乱れ影縫い》

 

そう言って翼は無数の青いエネルギーを飛ばす

 

「何のつもりかは知らねえが敵対するってなら容赦はしねえぞ翼‼︎」

 

「やはりお前は避けて来るか湊」

 

俺は翼の攻撃を上空に飛んで避ける

 

「待て、今攻撃すれば彼奴は如何でもいいがセレナまで傷つけかねない何心配せずとも後で助ければ良い」

 

「キャロル…そうだな、行くなら行ってくれ」

 

俺がそう言うと翼は何処かに向かって飛んで行った




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349話

「ごめんね湊君…セレナさんを助けられなくて…」

 

「響…」

 

あの後俺達はヘリで回収されたが響は暗い表情を浮かべている

 

「それは俺達の考えが甘かったんだ」

 

「ああ、まさか依代に力を宿すのではなく、大きな力が依代を取り込む事で完成されるとは思っていなかった」

 

(そう言えば)

 

俺はある事を思い出して通信機で風鳴司令に通信繋ぐ

 

『如何した湊君?』

 

「風鳴司令、訃堂って言う名前に聞き覚えはないか?」

 

『何かあったのか?』

 

「ああ、実はな…」

 

俺はノーブルレッドの全血清剤に異物が仕込まれていた事、そしてその時にヴァネッサが訃堂と言う名前を叫んだ事を風鳴司令に話す

 

『そんな事が…知っている事は知っているが…』

 

風鳴司令はその名前に聞き覚えがある様だが如何も様子がおかしい

 

「仕方ない、この手は使いたくなかったが」

 

俺はある人物にコンタクトを取る

 

【聞こえるよマスターどうかしたの?】

 

【悪いなメア、訃堂とか言ったか?そいつのフルネームは分かるか?】

 

俺がコンタクトを取った相手はメアだ

 

【うん、風鳴訃堂だよマスター】

 

【そうか、分かったこのパスは今後は使わない様にする】

 

【うん、今度使う時はこの件が終わってから本当にマスターの所に帰る覚悟が出来た時に私から使うよ】

 

【ああ、待ってる俺達は何時でもお前を歓迎する】

 

【うん】

 

俺はそう言ってメアとのパスを遮断する

 

「湊君!」

 

「何だよ響」

 

「湊が急に話さなくなったから皆んな心配したんだよ」

 

これを使うと周りの声が全部遮断されるから全然聴こえて無いんだよな

 

「悪い、それと彼奴らに全血清剤を渡してた奴が分かった」

 

『本当か湊君!』

 

「ああ、風鳴訃堂だとよ」

 

その名前を聞くと風鳴司令は表情を強張らせる

 

『やはりそうだったか』

 

「あの師匠、その風鳴訃堂って誰なんですか?」

 

『俺と八紘兄貴の実の父親そして翼の祖父だ』

 

風鳴司令の言葉に全員が驚く

 

「彼奴に苗字を聞いた時はまさかと思ったがやっぱりあんたと翼の親族だったか」

 

『だが湊君、誰からその名前を聞いたんだ』

 

「メアだ、何もそこまで驚く事じゃ無いだろ」

 

俺は名前を聞いて再度驚く響達にそう言う

 

「ああ、湊の言う通り驚く事じゃない現に俺もエルフナインを通じてお前達の行動を見ていたんだからな」

 

「そうだったわね、それで他には何か有益な情報は?」

 

「特に聞いてない、それに翼の操られている原因はおよその検討はついてるしな」

 

「当たり前だ、そうでもなきゃ不器用なあの人に裏切りなんて真似出来るものか」

 

姉さんは最初から何か原因があると分かっていたかの様にそう言う

 

「その原因って一体何デスか?」

 

「恐らくミラアルクの奴の魔眼だ」

 

「僕もそう思います。一時的にですが僕も操られていましたから」

 

エルフナインがそう言うのなら確実だな

 

『この後だが湊君とマリア君は本部に急行してくれ、それ以外の者は湊君の家で待機して居てくれ』

 

『分かった(分かりました)』

 

俺達がそう言うと風鳴司令は通信を切った




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350話

〜翼side〜

 

「セレナ…」

 

「否、我が国にふさわしき神の力である」

 

私がお爺様に案内された場所にはセレナの姿があった

 

「ダイレクトフィードバックシステムによる精神制御は間も無く完成する。その時こそ次世代抑止力の誕生よ」

 

「しかし櫻井女史亡き今どうやって新たなシンフォギアを」

 

「シンフォギアに有らずカマエルのファウストローブよ、だがそれを作った者も今は何処ぞで果ててしまっておるがな」

 

お爺様はそう言って不敵な笑みを浮かべる

 

「それよりも翼、何故連中にとどめを刺さなんだ?」

 

「そっそれは…」

 

「まあ良い、だが迷うなその様に脆弱な心ではやがては折れてしまう。護国の為に鬼となれ、歌では世界を救えぬのだ!!」

 

「はい…」

 

お爺様の言葉に私は何も言い返せなかった

 

〜翼side out〜

 

「お呼びでしょうか?」

 

「何だよ俺とマリアだけを呼び出す何て、んで誰だよそいつは」

 

俺とマリアが風鳴司令達の元に着くとモニターには俺の知らない男性が映されていた

 

「翼のパパさんよ」

 

『風鳴八紘だ、君の事は弦から聴いている。デュランダルの解析、米国による広木防衛大臣殺害の阻止、新たなシンフォギア強化のデータ色々と協力してくれているそうだな』

 

風鳴司令の奴勝手に俺の事を此奴に話してるのか

 

「雪音湊だ。結局何の用なんだよ」

 

『早速だが君達にとある任務を行って貰いたい』

 

「兼ねてより進めていた内定と政治手段により風鳴総会への強制捜査の準備が整いました。間もなく執行となります」

 

緒川の言葉にマリアは驚く

 

「風鳴そうけんって貴方達や翼の…」

 

「そうだもはや一刻の猶予もない」

 

『風鳴訃堂自らが推し進めた護国災害法違反により日本政府からの大愚依頼だ。状況によっては殺害の許可も降りている』

 

「殺害って!それは翼に対しても!」

 

「多くの修羅場を潜り抜けて来た湊さんを除く未成年スタッフに任せるわけにはいかないと判断しました。そこでマリアさんに「任務とは言え承伏できないわ」…」

 

緒川はこの返答が来ると思ってなかったのか驚いた顔をする

 

「刃の下に心を置くってそう言う事?違うわよね、どんな理由があろうと家族が家族を殺すなんて間違ってる「考えが甘いんだよ」何ですって…それじゃあ貴方は!任務の為なら翼の殺害をもやってみせるとでも言うのかしら‼︎ 「誰が翼を殺すなんて言った」何ですって…」

 

「殺すのは風鳴訃堂ただ1人だ」

 

「如何言う事だ」

 

「翼の方はただ操られているだけそれなら殺す必要はない護国災害法がどんなもんかは知らねえ、だが操ってた奴だけならまだしも操られて居た奴まで殺害ってのはおかしな話じゃねえのか?」

 

俺の問いかけに風鳴司令達は何も答えない

 

「貴方…」

 

「勘違いするな、お前の言ってる事が甘いってのは本気で思ってる。最悪家族同士で殺し合う何て俺の住んでた所じゃ当たり前だったからな」

 

「……」

 

俺の言葉にマリアは何も言い返さない

 

「俺は俺のやりたい事をするだけだ。あの頑固者は半殺しにしてでも引きずってでも連れ戻す」

 

「私も翼を引きずってでも連れて帰る為に同行させて貰うわ」

 

俺とマリアはそう言って風鳴司令達に同行する事にした




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351話

「開門、私の権限の及ぶセキュリティは解除可能だ」

 

風鳴八紘がそう言うと何人かの捜査官が中に入って行こうとする

 

「待て」

 

「どうかしたのか?」

 

「分からないのか?相手はノーブールレットと取引をして居た相手だとすれば」

 

俺が先に中に入ると大量のアルカノイズが道を塞ぐ

 

「アルカノイズ」

 

「やっぱり出て来たか、何をしてるさっさと片付けるぞ」

 

「ええ!」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

俺とマリアは聖詠を行いアルカノイズを撃破する

 

「君はこれが分かっていたのか」

 

「分かっていた訳じゃない、だが俺が風鳴訃堂だとすればそうするだろうと思っただけだ」

 

「そうか、全員速やかに風鳴訃堂及び対同社の確保、拘束を」

 

風鳴八紘がそう言うと俺とマリアが開けた道を捜査官達が通って行く

 

「此処は私達に」

 

「良いかマリア君、湊君アマルガムは「分かってる私と彼だって謹慎はごめんよ」そうか」

 

「良いからさっさと行って来い。緒川念の為に此奴を持って行け」

 

「ありがとうございます」

 

俺が緒川に対ノイズ用の武器を渡すと緒川はそう言って風鳴司令達に着いて行った

 

「ふっ!はあ!」

 

「たく数が多いな」

 

「そうね、まるで私達が来る事を予想していたかの様な数ね…何⁉︎」

 

突然襖が飛んで来たのでそこを見ると拳を握る風鳴司令と刀を振るうあの時の爺さんが居た

 

「あれが風鳴訃堂か、こっちもお出ましか」

 

「そうね、そうよね、会えて良かった貴方には聞きたい事が沢山あるわ翼‼︎」

 

俺とマリアの視線の先には屋根の上に立つ翼が居た

 

「はあ!」

 

《雷撃》

 

俺は剣の先に雷を高出力のエネルギービームを翼に向けて放つ

 

「ふっ!何のつもりだお前らしくもない攻撃を‼︎」

 

翼は攻撃を交わして俺に向かって来る

 

「はあ!」

 

「ふっ!」

 

翼はマリアの伸ばした短剣の攻撃を後ろに飛んで交わす

 

「風鳴訃堂に組みする事が貴方の言う人を先守ると言う事なの‼︎」

 

「そうだ、神の力はその為にこそ‼︎」

 

「全く血の通わない言の葉ね」

 

「言うに事欠いて」

 

翼はそう言ってマリアに斬撃を飛ばす

 

「もう良いマリア後手に回るのは終わりだ」

 

《ギア・コンバージョン》

 

俺はそう言ってギアを変える

 

「貴方そのギアは切歌の…いえ、少し違うわね」

 

「此処からは俺が先行する邪魔をするな」

 

マリアは俺と翼を出来るだけ戦わせない様に立ち回って居たのは直ぐに分かった暫くはそれで様子を見たが良い加減にして欲しい

 

「分かったわ」

 

マリアは渋々後ろに下がる

 

「漸くお前と戦える、はあ!」

 

《蒼ノ一閃》

 

翼は大型化させた大剣状のアームドギアを振るい、巨大な青いエネルギー刃を放つ

 

「ふっ!」

 

「なっ⁉︎ならばこれで‼︎」

 

《風輪火斬》

 

翼は2本のアームドギアの柄を繋ぎ合わせて双刃刀へと変形させ、炎を纏わせながら振り回し俺に切り掛かって来る

 

「くっ!」

 

「その程度か、それで人を守ると良く言えたな」

 

俺は翼の攻撃を軽く受け止めながらそう言う

 

「思い出しなさい!貴方の翼を、貴方の仲間を、貴方が貴方である理由、神の力何かじゃない貴方が貴方の力で人の命を守る理由を‼︎」

 

「しれた事を!人は弱いからだ!弱き命だからこそ強き力で守らなければならない‼︎」

 

「もう良い、此奴には一度その身をもって分からせる以外に方法はない‼︎」

 

俺がそう言って鎌を地面に突き刺すと大量の棘が地面から飛び出す

 

「くっ!」

 

「人を守って居なければ自分を保てない奴に俺を越える事なんて出来るか‼︎」

 

《death scythe》

 

俺は鎌で斜めの十字に切り斬撃として翼に飛ばす

 

「その程度の攻撃で」

 

「俺を甘く見てくれるなよ」

 

「ぐっ!ぐあ‼︎」

 

俺は翼の後ろに回り込み蹴りを入れて確実に攻撃を当てる

 

「くっ…」

 

「はあ!」

 

「ぐあ‼︎」

 

翼は直ぐに立ち上がろうとするが俺は立て続けに鎌を地面に突き刺し大量の棘で追撃を行う

 

「もう止めなさい‼︎これ以上は翼の体が持たないわ‼︎」

 

「止めるな、こうでもしないと彼奴は理解出来ないんだ」

 

「理解出来ない…何が言いたい…」

 

翼はよろめきながら立ち上がり俺にそう聞いて来る

 

「お前が今守っているのは人じゃないお前自身だ‼︎」

 

「私…自身…」

 

俺がそう言うと翼は握った剣を落とす

 

「弱きを守るは理由足り得ない…じゃあ私は何の為に…何時迄も防人防人馬鹿みたいに繰り返して来たのよ…分からない、分からないわ」

 

翼はそう言って手で顔を覆う

 

「どうやら洗脳は解けた様ね」

 

そう言ってマリアはギアを解除した




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352話

「帰ろう翼、皆んなの所に」

 

「マリア…「良い加減茶番は辞めろおまえら」湊」

 

俺は翼とマリアが話している時に背後からの風鳴訃堂の拳を鎌で受け止める

 

「くっ!何つう力してんだよこの爺さん」

 

「ほう、ワシの拳を受け止めるか」

 

拳を受け止められた風鳴訃堂は俺を見る

 

「司令は…は!司令‼︎」

 

「叔父様‼︎」

 

マリアと翼は風鳴司令を見つけたらしくそこに向かって行く

 

「ワシの元に来い翼!防人ならば、風鳴の血が流れているならば!」

 

そう言われて翼は立ち止まる

 

「出来ません、もはや何を力と変えて立ち上がれば良いのかも分かりません」

 

「刻印起動‼︎」

 

「私は…もう…」

 

今度は翼が操られる事はなく不発に終わる

 

「貴様もまた風鳴の面汚しか」

 

そう言って風鳴訃堂は懐から銃を取り出す

 

「させっか!」

 

俺は鎌を地面に突き刺すと無数棘が風鳴訃堂に向かって行く

 

「儚きかな、所詮はあの不承の息子にも及ばない者よ」

 

「時間を稼げただけでもまだマシだ」

 

《ギア・コンバージョン》

 

俺がそう言ってギアをサンダルフォンに戻し大剣を構えると風鳴訃堂は銃を仕舞い落ちて居た刀を構える

 

「私も戦おう」

 

「勝手にしろ」

 

「ああ」

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

そう言って翼は聖詠を行いギアを纏う

 

「はあ!」

 

《風輪火斬》

 

《雷斬り》

 

翼は2本のアームドギアの柄を繋ぎ合わせて双刃刀へと変形させ、炎を纏わせながら振り回し、俺は後ろに続く形で大剣に雷を纏わせ風鳴訃堂に斬り掛かる

 

「ふん!」

 

「くっ!」

 

風鳴訃堂は刀で翼の攻撃を破り俺の攻撃も受け止める

 

「歌で世界は守れない、人が繋がり分かり合うなど片腹痛し、その様な世迷言血を流し命を礎として来た先達に顔負けできぬと何故分からぬ」

 

「それはお前の考えだ、俺も人が繋がり分かり合える何て思っちゃいない、だがそれでもそれを真っ向から否定する事は誰であろうと許されない‼︎」

 

《雷光一閃》

 

俺は風鳴訃堂の翼に向けた攻撃を受け止めながらそう言う

 

「湊‼︎」

 

俺は翼の言葉を合図に横に避ける

 

「使用許可が降りたのかアマルガムの」

 

「ああ、つい先程な」

 

俺の隣にはいつの間にか復活した風鳴司令が居る

 

「不味いな今の翼では本当に殺しかねない」

 

「仕方のない奴だ」

 

俺はそう言って翼の振るうギアと風鳴訃堂の前に立ち翼の攻撃を弾き返す

 

「湊…「済まない湊君、そこまでだ翼」叔父様…」

 

そう言って俺達の所に来る

 

「お前まで鬼と落ちてしまえば俺は兄貴に合わせる顔がない」

 

「分かりました…」

 

風鳴司令がそう言うと翼はギアを解除した

 

「それで良い、ん?地震か?」

 

「いや、如何やらまだ終わってないみたいだ」

 

俺がそう言うと風鳴司令達も俺と同じ方を見る

 

「何なんだ此奴は」

 

俺達の目の前には赤いエネルギーが天に向けて伸びて居た




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353話

「ふははは、首輪を着けて神を飼い慣らそうとした報いが此処に」

 

「あんたが仕掛けた事ではないのか!」

 

風鳴司令は風鳴訃堂が仕掛けたと思っていたのかそう驚いた声を上げる

 

「如何やら風鳴の祈り、護国の願いは此処に潰えて果てたと見える」

 

風鳴訃堂が天に登る赤い光と共に巨大な何かが俺達の前に現れその上にはシェムハが居た

 

「不敬で有る。道具風情が我を使役しようとは」

 

「道具?僕たちの事を」

 

「焦ったい。道具の用いる不完全な言語では全てを伝えるのもままならない」

 

「如何言う事だ」

 

シェムハの言葉に風鳴司令はそう聞き返す

 

「もはや分かり合えぬと言う事だ。ああ、それこそが忌々しきバラルの呪詛であったな」

 

「ふっ‼︎」

 

シェムハの飛ばした光の球体を俺は大剣で受け止める

 

「此処は俺に任せてお前達は容疑者と中に残っている風鳴八紘達を連れて撤退しろ‼︎」

 

「湊‼︎「此処は湊君に任せて一度引くぞ」はい、死ぬなよ湊」

 

「たく、誰に言ってやがんだか」

 

俺はそう言ってシェムハの居る上空に飛ぶ

 

「消失なり、この身を傷付けまいとは矛盾思考に刃が鈍っておるぞ」

 

(今はシェムハが使っているとは言えあれはセレナの体そう易々と傷付けられない)

 

「図るにあたわず全力で来い」

 

そう言って幾何学的な模様を浮かべた後そこから放つ光線を避けると地面が銀色に変わった

 

「小感である、今の馴染みではこの程度、それともユグドラシルの起動に力を使いすぎたか」

 

「よそ見してんじゃねえよ‼︎」

 

俺はシュルシャガナの欠片からギアを展開してシェムハを捕まえさせる

 

「その胸に秘めたエネルギー…はは、驚愕だ!貴様面白いものを持っているな貴様も神の依代かしかもそのエネルギー宿しているのはアテネだな」

 

「お前どうしてその名前を‼︎甘え‼︎」

 

俺は別の所からの攻撃を避けてそう言う

 

「ノーブルレッドか、他の2人も多少は出来る様になったみたいだな」

 

『湊君、全員の避難は完了した君も直ぐに撤退しろ』

 

「了解」

 

俺はそう言ってその場を離れる

 

「それで逃げてるつもりか?」

 

そう言ってミラアルクが俺の上に現れる

 

「お前なら追いかけて来ると思った」

 

「何…ぐあ‼︎」

 

俺はそう言ってミラアルクの羽を切り裂く

 

「まさかお前最初からこれを狙って」

 

「まあな、此処まで上手くいってくれたのはお前が単純だったからだ」

 

俺は片方の羽が切断されて上手く飛べないミラアルクに近づいてそう言う

 

「させないわよ」

 

「大丈夫ミラアルクちゃん」

 

「ああ、ちょっとへましただけだぜ」

 

そこに到着したヴァネッサが俺とミラアルクの間に距離を取らせてメアがミラアルクを支える

 

「シェムハからの撤退の指示よ、次に会う時はこうはいかないわ」

 

「如何だかな」

 

俺はそう言って本部に向かった




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354話

「全ての調査聞き取りは完了した。現時刻を待って行動制限は解除となる」

 

「調査と聞き取りだけ?あの…アマルガムの不許可使用についての商談は…」

 

「お前が使う直前に使用許可が降りたらしい」

 

俺がそう言うと翼は驚いた顔をする

 

「私が使用する直前に?」

 

「ええ、八紘氏が兼ねてより進めて来られていたのです」

 

「お父様が⁉︎」

 

「ま、本命はそこじゃないんだろうがな」

 

「如何言う事だ?」

 

俺がそう聞くと風鳴司令がおおよその予想を話す

 

「湊君の名前を出すと渋々ながらも了承してくれたそうだ。恐らくは湊君に対する米国政府の広木防衛大臣の暗殺阻止とデュランダルの解析データの報酬そして君とは敵対したくないと言う日本政府の意思表示だろう」

 

「成る程な、つうか本当に俺の預かり知らない所で俺の名前を出すのは辞めてくれないか?」

 

「すみません、ですがこれも全て湊さんのフランス最強の装者と言う肩書きがあるからなんです。我々情報部でお手伝い出来る事が有れば何時でも協力致します」

 

緒川は申し訳ない顔でそう言う

 

「本当にありがとう湊」

 

翼はそう言って俺を抱きしめる

 

「翼…」

 

「お前が私の攻撃を止めてくれたお陰で私はお祖父様の様に護国の鬼と落ちずに済んだ。本当に感謝して居る」

 

「俺からも礼を言わせてくれ、ありがとう湊君」

 

「別に…俺は俺のしたい事をしただけだ」

 

俺がそう言うと翼は俺から離れる

 

「翼さん‼︎」

 

「立花…私は…「全部聞きました、セレナさんの事、正直言って今は頭の中がぐちゃぐちゃで混乱しています。だけど1つだけはっきりして居る事は翼さんが翼さんが帰って来てくれて本当に良かった、嬉しかった」立花」

 

「分からない事はこれから考えて行きたいですだから明日や明後日その先のこれからをまた一緒に」

 

そう言って響は翼に手を差し出す

 

「貴方と私また一緒に」

 

「翼先輩」

 

「翼さん」

 

「翼さん」

 

「翼」

 

「あたしら全員このバカと手を繋いで来たんだ。先輩だけ無しなんて許さねえからな」

 

切歌達にそう言われて戸惑う翼の手を響が握る

 

「おかえりなさい翼さん」

 

「それで話をノーブルレッドとシェムハの方に移しても良いか?」

 

俺がそう聞くと全員が頷く

 

「ああ、君がシェムハと戦ってみた手応えは如何だった」

 

「正直言ってまだ何ともだが彼奴は俺が話していないにも関わらず俺の中にアテネが居る事を見抜いた。もしかするとシェムハとアテネは生前何処かで知り合って居るのかも知れない。ノーブルレッドの連中も多少は出来る様になってるがアマルガムを使えばメア以外はお前らでも対応出来る」

 

昨日のミラアルクであれだ、ヴァネッサの方もそこまで大きく力は付けてないだろう

 

「湊のホムンクルス、彼女にはまだ太刀打ち出来ないのか?」

 

「翼のアマルガムのでギリギリと言った所だろうな、通常のギアじゃ確実に負けるだろう」

 

まあメアは俺が相手をすれば良い話だけどな

 

「それで湊、彼奴らの残存メモリーのデータをお前の通信機に移した理由は何なんだ」

 

「残存メモリー?何の話だ?」

 

その場に居なかった風鳴司令達が疑問符を浮かべる

 

『あたし達の事だぞ!』

 

「この声聞き覚えがあるデス!」

 

俺の通信機から出るミカの声を聞いた切歌がそう言う

 

「此奴らはホムンクルス作成の為に回収したんだ」

 

『ホムンクルス⁉︎』

 

俺の言葉に響達が驚いた声を上げた




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355話

「バカな!ホムンクルスの作成方法など存在する訳がない!」

 

「存在するからこそキャロルのホムンクルスであるエルフナインが、俺のホムンクルスであるメアが存在して居る」

 

サンジェルマン言葉に俺はそう返す

 

「確かに可能だ、エルフナインは俺の肉体のスペアとして創造したホムンクルスその技術を応用すればあるいは」

 

「それに俺の中にはあそこでメアが作り出された時の記憶も残って居る。その2つの不完全な部分を掛け合わせれば確実にホムンクルスを作り出せるだろう」

 

「成る程な、面白いお前の考えてる事は理解出来た」

 

キャロルはそう言って不敵な笑みを浮かべる

 

「それにオートスコアラー達にも利点はある」

 

『その利点は気になるわね』

 

俺の通信機から今度はガリィの声が聞こえる

 

「記憶の消費を抑える事が出来る」

 

「ホムンクルスとは人に近い存在、故に起動の度に記憶を消費するオートスコアラー達にとっては大きな利点となる」

 

キャロルの言葉に俺は頷く

 

「あの〜、話に全く付いていけないんですけど…」

 

「別に無理に話に付いて来る必要はない、エルフナインお前も手伝え」

 

「分かりました、僕のラボに向かいましょう」

 

俺達はエルフナインの言葉に頷き本部にあるエルフナインのラボに向かおうとすると風鳴司令がそれを止める

 

「君達にも知って置いて欲しい事があるんだ。現在本部は鹿児島県の種子島に向かって航行中」

 

「種子島だ!?」

 

「ああ、目的地は種子島宇宙センターになる」

 

目的地を聞いて俺達に1つの考えが浮かぶ

 

「先だって風鳴亭付近に出現した巨大構造物ユグドラシルと呼応するかの様に月遺跡からシグナルが発信されて居るのが確認できました」

 

「つまり私達に」

 

「月遺跡の調査に行けと言うのデスか!?」

 

「検討段階ではそう言った話もありました。ですが今回月に向かうのは特別に編成された米国特殊部隊となります」

 

切歌と調の質問に緒川がそう答える

 

「確かにあのユグドラシルを放っては置けないものね」

 

「だからってこうも簡単に都合をつけられる物なのか探査ロケットって」

 

(米国特殊部隊…まさかな)

 

俺の頭の中にはアリア達が思い浮かぶ

 

『Mr. 八紘が兼ねてより進めていたんだよ』

 

「お父様が?」

 

モニターに映し出されたオーグに翼がそう聞く

 

「判断と対応には感謝に耐えませんオーグ・ツゥーヴェルクさん」

 

『先の反応兵器発射による国際社会からの非難を交わせたのはMr.八紘が提案した日米の協調姿勢による所が大きいからね。その象徴である月ロケットを活用する事にどうもこうもあるものかと言うのが上の意見だからね』

 

オーグからの通信で俺の予想が的中する

 

「米国の特殊部隊って言ってたからある程度予想してたが、月に行くのはアリア達か」

 

『そうだよ湊君、アリア達Clover'sそしてミミちゃんとルカちゃんの合計5人で月に向かう事になってるんだ』

 

俺の言葉にオーグはそう返す

 

「んん!では警護の日時は手筈通りに」

 

『ああ、よろしく頼むよ』

 

そう言って通信は切れた

 

「諸君らの任務は1週間後に発射が迫る月遺跡探査ロケットの警護である。敵の襲撃は十分に予想される。各員準備を怠るなよ」

 

風鳴司令の言葉に全員が頷く

 

「話も終わったし俺達は早速ホムンクルスの作成に取り掛かるぞ」

 

「「はい(ああ)」」

 

そう言って俺達は今度こそエルフナインのラボに向かう




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356話

「プログラム完成、後はこれを錬金術で形とした装置に組み込めば完成だ」

 

「本当に容易く言ってくれる、ホムンクルスを作り出す装置そんな物は元々存在しない。だからこそ錬金術ですら形とするのは難しい」

 

「そうですね、元となる何かが存在するので有れば簡単なのかも知れませんが存在しない物を作り出すとなると如何しても時間が掛かってしまいます」

 

元となる何かか…

 

「俺も手伝おう、メアは俺の遺伝子を元に装置で作られたホムンクルスだ。その記憶を呼び起こせば何とかなるだろう」

 

「成る程な、明確な形が存在するのであれば形とするのは然程難しくはない。より強くその装置をイメージしろそうすれば自ずとその装置が構築されて行く筈だ」

 

俺はキャロルに言われるがままに彼処で見た装置の形をイメージする

 

「完成だ、おい如何した‼︎」

 

「湊さん‼︎」

 

装置が完全したと同時に倒れる俺の所にキャロルとエルフナインが来る

 

「はぁ…はぁ…」

 

「何があった…‼︎

 

「……‼︎」

 

誰かの声が聞こえる中俺の意識は途絶えた

 

〜キャロルside〜

 

「キャロル湊さんに一体何が」

 

「恐らくはあの装置を完成させる為に奴がイメージしたせいだろう。当時の事が聡明に思い出され奴が忘れかけて居た記憶が蘇ったのだろう」

 

此奴はそれ程までの事をあの時にあの場所で経験したんだろう

 

「何があった‼︎」

 

「湊君‼︎如何したの‼︎」

 

「しっかりするであります湊‼︎」

 

「ご主人‼︎」

 

「落ち着け、そいつは気絶して居るだけだ」

 

俺はそう言って湊が気絶するまでの経由を話す

 

「そうか…」

 

「湊君凄く苦しそう…」

 

立花響の言う通り湊は気を失いながらも苦しそうな表情を浮かべて居る

 

「それ程までの事があったんでしょうねシンフォギア軍事兵器化実験の行われた場所では」

 

「ああ、それは並大抵の苦しみではないのだろうな…」

 

「お兄ちゃんを助けてあげたいのは山々デスけど…私達には如何する事も出来ないデス」

 

「本当に湊さんが困ってる時、私達には何も出来ない…」

 

「ご主人…」

 

「苦しいに決まって居るであります…あんな場所での事を思い出してしまったでありますから」

 

「クソッタレが‼︎」

 

雪音クリスはそう言って壁を殴る

 

「一先ず雪音湊の容態を確認するのが先だ」

 

「俺達は此奴を完成させる。彼奴が此処までした物を完成させる義務が俺にはある」

 

「僕も手伝いますキャロル」

 

彼奴らが湊を連れ出す間、俺とエルフナインは装置完成までの残りの作業を続けた

 

〜キャロルside out〜




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357話

「ん…此処は…」

 

俺が次に目を開けると周りには誰もいなく真っ暗な空間が広がって居た

 

「何処なんだよ此処…」

 

『マスター…』

 

そこに聞き覚えのある声が聞こえる

 

「此処って…」

 

声の方に進むとそこにはあの場所が広がって居た

 

「間違いない、俺がシンフォギア軍事兵器化実験を受けていた施設だ…でも何で今更こんな場所に…」

 

「ふっ!やあ!」

 

「はあ!」

 

そこには9年も前の俺とメアそれ以外にも4人の少女が居た

 

「やっぱり強いやマスターは」

 

「だな、流石はあたし達のマスターだぜ」

 

「ホンマにマスターさんは女の子相手でも容赦あらへんな」

 

「し…仕方ないよ…これも訓練何だし…それにマスターも手なんて抜いたら何されるか分からないんだもん」

 

「故に私達も全力で戦っている」

 

(如何なってんだ?俺のホムンクルスはメアだけじゃなかったのか?)

 

駄目だ幾ら思い出そうとしても思い出せない

 

「マスター、これからもずっと皆んなで一緒に居れるよね」

 

「如何だろうな」

 

俺とメアがそう話た所で場面が切り替わった

 

「何だよこれ…」

 

次に俺が見た光景は血だまりを作るメア以外のホムンクルスとその血液であろうものが付着する俺とメアだった

 

「はぁ…はぁ…」

 

「はぁ…はぁ…ぐす…」

 

メアを見ると涙目でそこに佇んで居た

 

「マスター…あのね…もう我慢しなくて良いよね?泣いても良いよね?」

 

「ああ…もう彼奴らは誰1人として見ていない。良く泣かずに我慢したなメア」

 

「うう…うわ〜ん‼︎」

 

俺がそう言うとメアは俺に抱きついて泣き始めた

 

「湊…」

 

「ご主人…」

 

「お前ら…」

 

するとそこにルナとエルザも来た

 

「辛いでありましょうね」

 

「るる、メア皆んなの事大好きだったから」

 

「ああ…本当にな…」

 

(思い出した…何で忘れてたんだよ俺…)

 

俺は漸くこの時の記憶をメア以外の4人の記憶を思い出した

 

(忘れた訳じゃない…俺は俺が殺したって事実から目を背ける為にこの記憶を奥底に仕舞ったんだ…今回ホムンクルスを作成する為にその時の装置の記憶を呼び覚ました時にホムンクルス関係ので俺が奥底に仕舞ったこの記憶も一緒に思い出したんだ)

 

「悪い、こんな出来損ないの俺の所為で死なせちまって…」

 

『マスターは出来損ないなんかじゃ無いぜ』

 

俺が謝罪をしていると何処からかあのホムンクルスの声が聞こえる

 

『マスターさんは優しい人やな』

 

『うん…マスターは優しい…私達の事…マスターにとっても辛い事だったからずっと忘れてくれてても良かったのに』

 

『同意、無理をして思い出す必要も無かった記憶』

 

すると俺の目の前にメア以外のあのホムンクルス達が現れる

 

「出来損ないはあたし達の方だぜマスター」

 

「同意、出来損ないは我々ですマスター」

 

「ホンマやうちらがもうちょい強かったらマスターさんもメアちゃんも辛い思いせんで済んだんやから」

 

「すみませんマスター…私達の所為で…マスターとメアちゃんに責任を負わせてしまって…」

 

「お前ら…」

 

そう言ってホムンクルス達は四方から俺に抱きつく

 

「あたし達の事、思い出してくれて本当に嬉しいんだぜ」

 

「ですがそれでマスターが辛い思いをしては本末転倒、意味がありません」

 

「せやでマスターさん」

 

「大丈夫ですマスター、私達はずっとマスターの中から見てますから、どうぞまた記憶の奥底にでも仕舞って下さい」

 

俺はホムンクルス達の言葉を無視して全員を抱きしめる

 

「あの時は俺に勇気が無くてお前らを記憶の奥底に仕舞った。でももうそんな事はしない。お前らを受け入れる、そんでもっていつかまたもう一度お前らをホムンクルスとして作り出す」

 

『マスター(さん)』

 

「その時までもうちょっと俺の中で俺を見守っててくれ」

 

「承知しましたマスター」

 

「あたし達は何時でも見守ってるぜマスター」

 

「マスターの言ううちらをまた作ってくれるその時まで」

 

「お待たちしています…マスター…」

 

「ああ、必ず」

 

俺がそう言うと俺の意識は浮上していった




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358話

「ん…此処は確か…何で姉さんは俺の足元で寝てんだよ」

 

目が覚めると俺はS.O.N.G.の医務室にいて足元では姉さんが寝ていた

 

「悪いな姉さん、また随分と心配を掛けたみたいだな」

 

俺はそう言って立ち上がりエルフナインとキャロルが居ると思われるラボに向かう

 

「調子は如何だお前ら」

 

「湊さん良かった目が覚めたんですね」

 

「ああ、ついさっきなそんで装置の方は如何なってる?」

 

俺は中に入って作業をして居るエルフナインとキャロルにそう聞く

 

「起動確認が先程終わった所だ。後はお前の通信機の中に居るガリィ達の残存メモリーをこの装置にセットして起動させホムンクルスとして構築するだけだ」

 

「そうか、キャロルお前の考える中でオートスコアラー達の中で1番扱い易いのは誰だった?」

 

「ミカだな、奴は起動するまでの記憶が膨大なだけあって起動するまでに時間を使ったが起動させてみればオートスコアラー達の中でも火力が高く特に扱いやすかった。逆に1番扱いにくかったのはガリィだ」

 

『前にも言いましたけど私をそう言う風にしたのはマスターですよ』

 

まあ俺もガリィは性格上1番扱いづらいのは目に見えてたから最後にするつもりだったが

 

「なら最初はミカの奴だな」

 

『おっ!最初はあたしだぞ!』

 

『仕方ないですね、マスターがそうお決めになったのですから私に異論はありません』

 

『私も、マスターがそうお決めになったのなら異論は御座いません』

 

ガリィは兎も角ファラとレイア他の2人は問題はないらしい

 

「それじゃあ早速始めるぞ」

 

「「ああ(はい)」」

 

そう言って俺がミカの残存メモリーを装置にセットするとキャロルとエルフナインが装置を起動させる

 

「上手く行くと良いんですが」

 

「上手く行くだろ」

 

俺達がそう話して居ると装置の中に人の形が構築される

 

「一先ず第一段階は完璧か」

 

「ああ、後はこれが完全に人として構築されるのを待つだけだ」

 

「キャロルお前の時はどれくらい掛かった?」

 

「そうだな、約2時間程は掛かって居たと思う」

 

「俺の居た場所でもそのくらいだ。如何やら構築される時間はそう変わらないかもな」

 

「ああ、如何もそうらしい」くぅ〜

 

俺達が話して居ると別の場所からお腹の音が聞こえる

 

「はわわ!すっすみません」

 

「そう言や朝飯もまだだったな、待ってる間に朝飯でも食うか」

 

「ああ、だがまだ俺達の時ほど時間が掛かると決まった訳では無い。俺が見張りをしておこう。お前達は朝食を食べて来い」

 

「すみませんキャロル。ではお願いします」

 

「お前の分もしっかり作って来てやるから待ってろ」

 

俺はそう言ってエルフナインと本部の食堂に向かった




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359話

「それで、何で此奴らまで一緒なんだ?」

 

「悪い、如何してもって聞かなくてな」

 

「ま、あたし達も気にならない訳じゃねえからな」

 

キャロルの言葉に姉さんがそう返す

 

「まあ良い、さて時期に完成する」

 

キャロルがそう言って見る装置には既に大凡完成された人が入って居る

 

「これがホムンクルス」

 

「姿はオートスコアラーの時の残存メモリーを参考にして居る」

 

「つまり我々の知る姿になると言う事か」

 

翼の言葉にキャロルは頷く

 

「それにしても湊君、それ如何するつもりなの?」

 

「良いかよく考えろホムンクルスは人の体として構築される。問題はそれに衣類は含まれるか如何かだ」

 

「もしも衣類が含まれ無かったら一先ずそれを着せようとそう言う事ね?」

 

マリアの言葉に俺は頷く

 

「完成だ」

 

キャロルがそう言うと装置の扉が開く

 

「ん…お…」

 

『お?』

 

「お腹が空いたんだぞ」

 

ミカが最初に放った言葉はそれだった

 

「あ〜ん、美味しいんだぞ」

 

「まだまだあるから遠慮せず食え」

 

結果から言うと衣類は構築されなかった。その為俺は自ら外に出て一度響達に任せて暫くしてから中に入った

 

「しっかし良く食うな此奴」

 

「ああ、立花に引けを取らない食べっぷりだ」

 

ミカの食事の量を見て姉さんと翼がそう言う

 

「さてこれで問題が無い事が証明された。次に移ろう」

 

「ああ、次はファラとレイアどっちにする」

 

『何私が最後なのは決定事項みたいに話を進めてるんですかね』

 

俺の通信機の中からガリィが納得の行かない声をあげる

 

「ファラでいこう、彼奴はあのオートスコアラー達の中で1番マシな性格をして居る。消去法で次はレイア最後にガリィの順で行く」

 

「分かった」

 

『無視ですかマスター?』

 

ガリィが何か言ってるが俺はそれを無視してファラの残存メモリーを装置にセットするとキャロルとエルフナインが装置を起動させる

 

「これでホムンクルスが出来るデスかお兄ちゃん?」

 

「ああ、後はさっきのミカみたく人の形に構築されるのを待つだけだ」

 

「ふぅ〜、満足だぞ」

 

そう言ってミカは床に寝っ転がる

 

「ミカ、お前がホムンクルスとして構築された理由を忘れるな」

 

「了解なんだぞマスター、それにしても動きにくいんだぞ」

 

ミカは響達に着せられた服を見てそう言う

 

「サイズは丁度良い筈だと思うんだけど」

 

「そうだよね、私達もそこはちゃんと確認したし」

 

ミカが言いたいのはそう言う事じゃなく戦闘に向かないって言いたいんだろう

 

「ミカ今のお前はオートスコアラーではなくホムンクルス、一般人からしてみればただの人だ。それに溶け込むには如何してもそれが必要なんだ」

 

「う〜ん、マスターがそう言うなら分かったんだぞ」

 

ミカはそう言うと俺の元に来る

 

「マスター、此奴は如何なるんだぞ?」

 

「何の事だ」

 

ミカの質問の意図が分からずキャロルはそう返す

 

『マスター、恐らくミカは我々に対する奴の立ち位置を聞きたいのかと』

 

『私は別に如何でも良いんですけどね、まあマスターが協力しろと言うのなら協力はしますよ』

 

「お前達の判断に任せる」

 

キャロルはそう言ってファラの構築されて行く状況を見る

 

「分かったんだぞ、お前あたしの新しいマスターになるんだぞ!」

 

ミカは俺に向かって大声でそう言い放った




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360話

「悪い、もう一度頼めるか?」

 

「だからお前が新しいあたしのマスターになるって言ったんだぞ」

 

「お前のマスターはキャロルだろ?」

 

あまりにも突拍子の無い言葉に俺はそう聞く

 

「そうデス!それにお兄ちゃんは誰にも渡さないのデス‼︎」

 

「切ちゃん必死過ぎ」

 

「お、何だジャリンコあたしとやるのか?」

 

そう言って俺を挟んで歪み合う切歌とミカ

 

『マスター、恐らくこれがミカが出した奴への対応かと』

 

「ああ、そうらしいな」

 

『実際ミカの扱いはマスターより彼奴の方が上手く出来そうですけどね』

 

キャロル達は俺を放置して話を進めていく

 

「そうデス決闘デスお前が勝ったら私もお兄ちゃんの説得に協力してやるデス」

 

「ふふふ、ジャリンコに1人に負けるあたしじゃ無いんだぞ」

 

そう言って切歌とミカは部屋を出て行く

 

「行っちゃったね湊君」

 

「そもそも俺は何も了承してないんだが…」

 

「あはは」

 

俺の言葉にエルフナインの苦笑いを浮かべる

 

「時期に完成だ、湊お前はまた外に出ていろ」

 

「分かってる、つうか後はお前らでやってくれ俺はさっき出て行ったバカ2人が気になるからそっちを見に行く」

 

俺はそう言って通信機を置いて部屋を出た

 

「さて彼奴らは「パパ‼︎」来てたのか葉月」

 

「るる、私達が連れて来た」

 

「流石に誰もいない場所に放置は可哀想でありますからね」

 

如何やら葉月を連れて来たのはルナとエルザらしい

 

「る?ご主人、通信機は?」

 

「彼奴らに預けて来た、今は3人目のオートスコアラーをホムンクルスにして構築してる頃だろう」

 

「そうでありますか、ではわたくしとルナはそちらに向かうであります。行くでありますよルナ」

 

「るる」

 

そう言ってルナとエルザは響達の所に向かって行った

 

「パパ、お腹すいた…」

 

「お前朝飯まだだったのか?」

 

「うん…」

 

現在の時刻は10時過ぎ、流石に朝飯を食べるには遅い時間だ

 

「んじゃ軽く何か食べるか」

 

「うん!」

 

そう言って俺と葉月は目的地を変え食堂に向かった

 

「ほら、出来たぞ」

 

「ありがとう!」

 

「焦る必要何かないから落ち着いて食えよ」

 

俺はパンと目玉焼きを食べる葉月にそう言ってコーヒーを飲む

 

「パパ!遊ぼう‼︎」

 

「分かったからちょっと待て」

 

俺はそう言って鍛錬場の中に入る

 

「やってんな彼奴ら」

 

「切歌お姉ちゃんだ!切歌お姉ちゃん‼︎」

 

「今は駄目だ、彼奴にとって何か大事な物が掛かってるみたいだったしな」

 

俺はそう言って切歌の所に向かって行こうとする葉月を止める

 

「あ!お兄ちゃん!やったデスよ‼︎」

 

そう言ってミカとの勝負に勝った切歌が俺の所に向かって来た




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361話

「何時でも良いぞお前ら」

 

「ガンス、此方も何時でも大丈夫であります」

 

俺の言葉を聞いてエルザがそう答える

 

「本当に良いのか湊?我々シンフォギア装者そしてエルザ達ファウストローブ使い合計12人全員を一斉に相手をするなど幾らお前と言えど苦戦を強いられるのではないか?」

 

「構わない、月遺跡探査ロケットの護衛は明後日それまでに俺も仕上げておきたい」

 

「は、後で吠え面かくんじゃねえぞ」

 

『それでは模擬戦開始‼︎』

 

〜Balwisyall nescell gungnir tron〜

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Imyuteus amenohabakiri tron〜

 

~Killter Ichaival tron~

 

〜Seilien coffin airget-lamh tron〜

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

風鳴司令がそう言うと俺達シンフォギア装者は聖詠を行いシンフォギアを纏いエルザ達はファウストローブを纏う

 

「良いか、作戦通りに」

 

「ええ、相手はあの雪音湊気を引き締めて行くわよ‼︎」

 

マリアがそう言うと翼と響と姉さんとサンジェルマンを除く全員が俺に向かって来る

 

「覚悟するデスお兄ちゃん‼︎」

 

《切・呪リeッTぉ》

 

切歌はアームドギアの刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばして左右から俺を挟撃する

 

「ふっ!この程度か」

 

「やあ!」

 

《α式 百輪廻》

 

俺が切歌の攻撃を防ぐと今度は調が俺に向けて無数の歯車を飛ばす

 

「まだ甘い」

 

「捉えました」

 

《疾風》

 

鳩木がそう言って放った緑のエネルギーは途中で3つに分裂して左右から俺に向かって来る

 

「狙いはまずまずと言った所か」

 

「やあ!」

 

《水龍天翔斬》

 

神無月は靴底の穴から水を噴射させて早速し水を纏う龍と化して突っ込んで来る

 

「ふっ!」

 

《雷斬り》

 

俺は雷を纏わせた大剣で神奈月を斬りつける

 

「春香ちゃん!」

 

「大丈夫、でもこんなに重い攻撃今まで受けた事無いよ」

 

何とか後ろに飛んで受け流す神奈月だが多少のダメージは入ったらしく膝を着いてそう言う

 

「俺を忘れてくれるな‼︎」

 

「ガンス、捕まえたであります」

 

キャロルとエルザがそう言って俺の周りに弦を張り巡らせ逃げ道を塞ぐ

 

「はあ!」

 

《DIVINE†CALIBER》

 

蛇腹剣で十字を切るモーションの後、左腕ユニットを爪状に変形させてから突き出すと無数の十字架状のエネルギーに襲われ動きを封じられる

 

「これで決めるわよ!」

 

「るる」

 

そう言うとマリアとルナが前後から同時に攻撃を仕掛けて来る

 

「多少は考えたみたいだな、だがこれなら如何だ」

 

《雷鳴》

 

俺は無数の雷を剣を具現化させてマリアに向けて飛ばす

 

「くっ!」

 

マリアの動きが止まり意識が逸れた事で俺は動ける様になる

 

「はあ!」

 

《雷撃》

 

俺が先に溜めた雷を高出力のエネルギービームとして放つとルナは剣で受け止める

 

「そろそろ仕上げて行くか」

 

俺はそう言って上空に飛び上がり黄金のバリアフィールドを生成する

 

「全員体制を整えなさい、この先は今まで通りには行かないわよ‼︎」

 

「その前に倒せば済むだけの話‼︎」

 

「待ちなさいキャロル‼︎」

 

マリアの言葉を無視して俺に突っ込んで来るキャロルに向けて俺は大剣を振るう

 

「くっ!ぐあ‼︎」

 

「「キャロル!」」

 

俺の攻撃に吹き飛ばされ床に打ち付けられたキャロルに切歌と調が向かって行く

 

「しっかりするデス」

 

「ああ、如何も一足遅かったらしい」

 

キャロルがそう言って立ち上がるのを見た俺は大剣を構えて降りて行った




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362話

「これがサンダルフォンのアマルガムか」

 

そう言って俺は大剣があった筈の手元を見る

 

「如何なってるんだ?」

 

「はあ!」

 

俺が思考を巡らせて居るとマリアが向かって来る

 

「ふっ!」

 

「な⁉︎」

 

俺が大剣を振るう様にイメージすると腕に雷の剣が握られて居た

 

「如何言うことかしら?武器を持たなくなったと思ったらいきなり現れるなんて」

 

「知るかよ、俺もサンダルフォンのアマルガムは初めて何だ」

 

だがこの感じから察するに…

 

「はあ!」

 

「くっ!」

 

マリアは俺の攻撃を受け流す為に後ろに飛ぶ

 

「本当に如何なってるのかしら?貴方のアームドギアは大剣だけの筈よ」

 

俺が弓を使った事に疑問を持ったマリアがそう聞いて来る

 

「仮説の段階だが恐らくアマルガムになった状態のサンダルフォンの武器はさっきの剣と今の弓なんじゃ無いか?」

 

「いきなり現れるのは厄介ね、不意を突かれかねないわ」

 

確かに何も武器を持ってなかった相手がいきなり武器を取り出すんだ不意打ちにはもってこいかもな

 

「誰も来ないのか?」

 

俺がそう聞くが誰一人として動こうとしない。恐らくさっきのを警戒してるんだろう

 

「来ないならこっちから行くぞ!」

 

俺はそう言って剣を持ってキャロルに突っ込む

 

「早い!」

 

「くっ!はあ!」

 

キャロルは弦をドリル状に集中させ攻撃を受け止める

 

「俺がギリギリ目で終える程の速度は出るみたいだな」

 

「らしいな」

 

俺はそう言って後ろに飛ぶ

 

「これなら如何デス‼︎」

 

《災輪・TぃN渦ぁBェル》

 

俺は肩部のプロテクターからバーニアを噴射、コマのように高速回転しながら向かって来る切歌を後ろに飛んで交わして弓に持ち替える

 

「待ちなさい切歌!無作為に向かって行くのは危険よ!」

 

「はあ!」

 

俺が放った矢は雷鳥に変わり速度も速くなって居た

 

「ぐあ!「全く世話の焼ける奴だ」ありがとデス」

 

「礼には及ばん」

 

雷鳥が当たって吹き飛ばされそうになった切歌をキャロルが弦で受け止める

 

「威力も速さもそれなりにある」

 

「やあ!」

 

《疾風》

 

今度は鳩木が弓から緑のエネルギーを放つと今度は6つに分裂して向かって来る

 

「ふっ」

 

「やあ!」

 

《水龍天翔斬》

 

俺が剣を振るって鳩木の攻撃を防ぐとその直ぐ後ろから神奈月が攻撃を仕掛けて来た

 

「くっ!」

 

俺は神奈月の攻撃を受け流して後ろに飛ぶ

 

「調、此処は一気に決めるデス」

 

「うん、切ちゃん」

 

《禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS》

 

切歌は両肩から放つロープで俺を絡めとり、地面に固定。同時に切歌のアンカーと調のギアを接続し、非常Σ式 禁月輪と断殺・邪刃ウォttKKK で挟撃した攻撃が当たり土煙が上がった

 

〜調side〜

 

「やったデスか」

 

「上手く行き過ぎたとは思うけど…」

 

私と切ちゃんはそう言って土煙の上がる方を見る

 

「切ちゃん上‼︎」

 

「は!ぐああ‼︎」

 

私が湊さんを切ちゃんの真上に見つけた時には遅くて湊さんが弓から放った雷鳥が切ちゃんに直撃する

 

「切ちゃん!」

 

私はギアが解除された状態の切ちゃんに向かって行く

 

「途中の攻撃までは中々良かったが俺を倒すには威力が少し足りなかったな」

 

そう言って湊さんが私達の目の前に降りて来た

 

〜調side out〜




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363話

「切ちゃん、切ちゃん‼︎」

 

調は俺の攻撃で倒れた切歌に呼びかける

 

「どいてくれ調」

 

「湊さん…はい」

 

俺がそう言うと調は切歌から離れる

 

「まさかギアが解除されるだけの出力が出るなんてな」

 

「湊さん、切ちゃんは…」

 

「安心しろ気を失ってるだけだ時期に目を覚ます」

 

俺がそう言うと調は安堵の表情を浮かべる

 

「だがこれじゃ続行は無理だな」

 

「切ちゃんは私が医務室に連れて行きます」

 

「ああ、頼んだ調」

 

そう言うと調は頷き切歌を医務室まで連れて行った

 

「貴方自身も予想外の威力だった様ね」

 

「ああ、ギアが解除されるなんて予想外にも程がある」

 

「不意を突かれて防御も何も出来なかったとは言えあの威力、敵ならば厄介でしょうけど味方だとすれば此処まで心強いものはない」

 

シンフォギアを纏った装者であれだシンフォギアもファウストローブも纏わないノーブルレッドには対策の余地も無いだろう

 

「さて、私達の役目は此処までよ」

 

「はい「待って下さい!」春香ちゃん?」

 

そう言って鍛錬場を出ようとするマリア達を神奈月が止める

 

「私は此処に残りたいです」

 

「如何言う事かしら、私達の役目はアマルガムを発動させたサンダルフォンの性能の確認よ。それに貴方1人で彼とまともに戦えると思っているの?」

 

「思って無いです、でも私ずっと負けたままなのは嫌なんです」

 

神奈月はマリアの目を真っ直ぐに見てそう言う

 

「…分かったわ、一様止めはしたわよ」

 

「はい」

 

「春香ちゃん」

 

「大丈夫だよ」

 

神奈月がそう言うと鳩木は心配しながらもマリアと鍛錬場を出て行った

 

「ふん、そんなものは俺とて同じだ」

 

「わたくし達は先に出て居るであります」

 

「るる、ご主人頑張る」

 

そう言ってエルザとルナも鍛錬場を出て行った

 

「行きます」

 

「ああ、来い神奈月」

 

俺がそう言うと神奈月は剣を構えて向かって来る

 

「はあ!やあ!」

 

「はあ!」

 

キャロルが弦で俺の左右の逃げ道を塞ぎ神奈月は少しずつ攻撃の速度を上げる

 

「そろそろ本気で決めに行かせてもらう」

 

俺は聖遺物の欠片からシンフォギアを展開してキャロルに向かわせる

 

「ふっ、そう来なくてはな」

 

「やあ!」

 

俺は神奈月の攻撃を受け流しつつ後ろに下がる

 

「如何した神奈月、もう根を上げるのか」

 

「まだやれます」

 

神奈月はそう言うが顔には疲れが見えている

 

「アマルガム相手に良くやったな、だが此奴で止めだ」

 

俺はそう言って神奈月の腹に蹴りを入れて体制を崩し雷を纏った剣で斬りつけられ吹き飛ばされた神奈月が壁にぶつか土煙を上げる

 

「まさか此処で使える様になったか」

 

「まだ…まだ戦えます‼︎」

 

土煙が晴れるとそこには黄金のバリアフィールドに身を包む神奈月が立って居た




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364話

「行きます‼︎」

 

「何時でも来い、いやちょっと待て」

 

俺がそう言うと神奈月の後ろからミサイルが飛んでくる

 

「中々やるじゃねえか」

 

「クリス先輩!」

 

「此処からは我々とも協力するぞ神奈月」

 

「はい!翼さん‼︎」

 

そこに翼と姉さんと響とサンジェルマンが来た

 

「これで単機対6機、その内4機がアマルガム」

 

「お前ならばこの状況で戦うと言う選択肢は浮かばない筈だ」

 

まあ普通なら浮かばないな

 

「まあそれなりにサンダルフォンのアマルガムの性能も理解出来たから俺は別に辞めても良いんだがな、お前はそうは行かないんだろ神奈月」

 

「はい、私も漸く翼さん達みたいにアマルガムが使える様になったんです。まだ湊さんに勝てるかどうかは分かりません。でも私はこの力を試してみたいです」

 

「だそうだ」

 

神奈月がそう言うと翼達は考え始める

 

「どうすんだ先輩」

 

「翼さん」

 

「分かった、ただし私と立花も一緒だ、そして万が一我々が危険だと判断した時は是が非でも止めるこれが条件だ」

 

「ま、それが1番無難だな」

 

「だったらあたし達は先に出てるぜ」

 

そう言って姉さんとキャロルとサンジェルマンは鍛錬場を出て行き残るは俺と響それから翼と神奈月だけになった

 

「先行するぞ神奈月!」

 

「はい!」

 

睨み合いが続き最初に仕掛けて来たのは翼と神奈月だった

 

「はあ!」

 

「ふっ!やあ!」

 

俺は両腕に剣を構えて2人の攻撃を防ぐ

 

「でりゃー‼︎」

 

両腕が塞がってる俺の隙を見て響が攻め込んで来る

 

「やっぱ通常のギアとは出力が桁違いだな、神奈月の攻撃もアマルガムを発動させてから格段に威力が増してる」

 

「私もそれは感じます、翼さんと協力してるのもあるんだと思いますけどアマルガムを発動してから湊さんへの攻撃が凄く通りやすくなってる気がします」

 

「それもだが神奈月の技術の吸収には目を見張る物がある」

 

まあ元々神奈月はちゃんと鍛錬を積めば伸び代はあったんだからな

 

「とりゃー‼︎」

 

「はぁ、お前は成長って言葉を知らないのかよ」

 

俺は相変わらず突進して来る響にそう言って攻撃を交わす

 

「翼さん、響先輩、湊さん私の我儘に付き合ってくれてありがとうございます。もう大丈夫です」

 

「そうか、ならば続きは次に持ち越しとしよう」

 

翼と神奈月はそう言ってシンフォギアを解除すると俺と響もシンフォギアを解除する

 

「結局1回も当たらなかったよ」ぐ〜

 

響はギアを解除した途端に腹が鳴る

 

「響先輩ってやっぱり常識に欠けてますよね」

 

「あはは、朝ごはんは食べたんだけどね」

 

響はそう言って苦笑いを浮かべる

 

「だが立花らしい、鍛錬場を出たら少し早いかもしれないが昼食にしよう」

 

「はい、なんだか私もお腹が空いて来ました」

 

「そうするか」

 

そんな話しながら俺達は鍛錬場を出た




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365話

「発射予定時刻まであと24時間。引き続き警戒に当たります」

 

調はそう言って通信を切る

 

「それにしても近くで見るとでっかいデスね〜」

 

「内緒だけどちょっとだけ月に行けるかもと期待しちゃった」

 

「期待してたのかよ、まあアリア達なら安心して向かわせられるって言う米国の考えもあるんだろうけどな」

 

「それでもやっぱり期待はしちゃうデスよお兄ちゃん、およ?急に暗くなったデス?今まであんなに晴れてたのに急に雨でも降るデスか?」

 

「お前らギアを纏え上を見てみろ」

 

俺がそう言うと切歌と調は俺に言われた通り上空を見上げるとそこには

 

「「デ〜ス(え〜)!!」」

 

巨大なアルカノイズが居た

 

『アルカノイズの反応を検知』

 

『装者各員は施設防衛に当たってください』

 

「さっさと始めるぞ」

 

「はい、切ちゃん行こう」

 

「了解デス!」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Various shul shagana tron〜

 

〜Zeios igalima raizen tron〜

 

俺達は聖詠を行いアルカノイズの対処を行う

 

「今度はこの間みたいには行かないぜ‼︎」

 

「マスターは私が相手をするよ。だからミラアルクちゃんはロケットの破壊を優先して」

 

「了解だぜメア」

 

それ言ってミラアルクはロケットに向かって行く

 

「行かせっか!」

 

「マスターの相手は私だよ」

 

そう言ってメアが腕を刃に変えて攻撃して来る

 

「マスター以外の装者に負けるミラアルクちゃんじゃないから」

 

「それは如何だろうな」

 

俺がそう言うとメアはミラアルクの方を見る

 

「やっぱりマスターは凄いや、私達の事は何でもお見通しだね」

 

探査ロケットの方には切歌と調が向かってミラアルクの足止めをして居る

 

「でもミラアルクちゃん相手に何処まで持ち堪えられるかしら」

 

そう言って自身の腕を飛ばすヴァネッサの攻撃を俺は後ろに飛んで交わす

 

「下がれ湊‼︎」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

姉さんのその声と同時に後ろからミサイルが飛んで来る

 

「あっぶねえ、たくもうちょい早くに言ってくれても良かったんじゃねえか」

 

「お前ならそれくらい避けると思ったんだよ、言わせんな」

 

そう言った姉さんと一緒に響達も到着する

 

「此処は我々が引き受けよう、お前は探査ロケットの方に迎え」

 

「分かった」

 

俺はそう言ってロケットを破壊しに行ったミラアルクの方に向かった

 

〜翼side〜

 

「マスター以外の装者に私の相手が出来るって思ってるんだ」

 

「無論そう長くは持たないだろう」

 

彼女の言葉に私はそう返す

 

「わたくし達の目的は貴方達の仲間を探査ロケットから距離を取らせる事、湊ならその程度の事直ぐに済ませてくれるであります」

 

「るる、あわよくば私達でそっちのは倒す」

 

ルナはそう言ってもう1人の女性を見る

 

「私もメアちゃんもそうやすやすと負ける程弱くは無いわ、行きましょうメアちゃん」

 

「うん、ヴァネッサ」

 

彼女達はそう言って我々に向かって来た

 

〜翼side out〜




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366話

「お前ら!」

 

「「お兄ちゃん(湊さん)‼︎」」

 

「漸く来たぜ、でも残念月遺跡の探査ロケットは既に破壊済みだぜ」

 

さっきの爆発音はやっぱりロケットが破壊された音だったのか

 

「ごめんなさいデス」

 

「良いんだよ別に、それにあれ偽物だしな」

 

俺がそう言うと切歌と調は疑問符を浮かべる

 

「偽物?」

 

「ああ、言ってなかったな本物は俺の通信機の中だ。その方が襲撃があった時も安全だろうって米国側に話を持ち掛けたら許可をくれた」

 

「それじゃあ私達が守ったのって」

 

「ああ、彼奴らへの囮だ」

 

俺がそう言うと切歌と調は安心する

 

「ちっ、舐めた真似してくれるぜ」

 

「実際はそんな事しなくても良かったんだがあくまで念の為だ」

 

俺がそう言うとミラアルクは地上に降りて来る

 

「前回はうちもヘマしちまったが今回はああは行かないぜ」

 

「それはお前自身で証明して見せろ」

 

「行くぜ‼︎」

 

ミラアルクはそう言って俺に向かって来る

 

「うちらはずっとずっと壁に囲まれて疎外感に苛まれて来たんだぜ!利用されて裏切られてそれでも何時か孤独を埋める方法があると信じて、それだってのに…こんな姿になれ果てて」

 

ミラアルクはそう言って涙を流しながら俺への攻撃の手を緩めない

 

「不可逆な怪物に成り果てるくらいなら優しさなんてうちは知らなくて良かったんだぜ」

 

「それは違う!」

 

「うちらに無いものを全部持ってるお前に…うちらの何が分かるんだぜ‼︎」

 

ミラアルクは怒りに任せて攻撃を続ける

 

「確かに前にメアが言った通り人間なんて殆どの奴らがそうだ異物を受け入れず、自分達と少し違う程度で相手を蔑み淘汰する連中ばかりだ、俺自身も怪物だと淘汰された事なんて山の様にあった!」

 

「だったら!うちらに味方してくれても良かったじゃねえか‼︎」

 

「だとしても全員が全員そう言う訳じゃねえ!中には俺達をみたいな怪物を受け入れて優しくしてくれる奴らも存在するそれはお前だって分かってんだろ‼︎」

 

「うちらの周りにはそんな奴らは居なかったんだぜ‼︎」

 

ミラアルクはそう言って上空に飛ぶ

 

「うちらの周りには利用して裏切って来る連中しか居なかったんだぜ!だからうちらは今もこうして戦い続けてるんだぜ‼︎」

 

「居るじゃねえか!お前にとってあの2人はそう言う存在じゃ無かったのかよ‼︎」

 

「メアにヴァネッサ…うわぁぁあ‼︎」

 

ミラアルクは一瞬動きを止めたが直ぐに俺に向かって来る

 

「お兄ちゃん避けるデス!」

 

「後は私達で‼︎」

 

《ポリフィルム鋏恋夢》

 

そう言ってアマルガムを発動させた切歌と調が巨大なトラばさみでミラアルクを捕らえようとする

 

「ミラアルクちゃん‼︎」

 

「メア…お前…」

 

そこにメアが割り込んで来てミラアルクを突き飛ばしトラバサミはミラアルクの代わりにメアを捕えて内部の刃が球体ごと回転しを切り裂いていく

 

「メア!メア‼︎」

 

「行かせっかよ!」

 

俺はメアを助けに行こうとするミラアルクを羽交い締めにする

 

「離せ!離しやがれ‼︎うちは…うちはメアを助けに行かなきゃいけないんだぜ‼︎」

 

「それにもっと早く気が付いたりゃこうはならなかっただろ、お前に出来る事は現実を受け止めることだけだ」

 

「チクショ〜‼︎」

 

ミラアルクのその声と共に地面に激突し爆発すると同時に俺はミラアルクを離す

 

「やったデスか…」

 

「多分だけど…」

 

「メア‼︎」

 

俺に解放されたミラアルクはメアの元に向かって行く

 

「済まないんだぜメア…うちのせいでこんな目に合わせちまって…」

 

「大丈夫だよミラアルクちゃん、まだ戦えるから」

 

そう言ってメアはふらふらになりながらも立ち上がる

 

「その必要はないわメアちゃん月遺跡への探査ロケット破壊と言う此方の目的は既に達成されています」

 

ヴァネッサがそう言って1つの結晶を取り出すと

 

「そいつを使えば貴様達の喉元に喰らいつけるのだろ、この命に変えてもセレナは必ず!!」

 

そう言って翼がヴァネッサ達目掛けて剣を振るう

 

「翼さんを1人ぼっちにさせるな‼︎」

 

「エルザ!ルナ!お前達は残って防衛に専念しろ‼︎」

 

俺はエルザとルナにそう言って響達と翼を追いかけた




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367話

「ん…此処は…『月遺跡ですよ主人様』アテネか?」

 

俺の問いにアテネがそう答える

 

「月遺跡…そうか、此処が月遺跡なのか」

 

『はい、重量と空気は私が生前人を招き入れようとしていた時のままの様です』

 

アテネの奴そんな事考えてたのか、だがそれは好都合だ

 

「取り敢えず誰かと合流する必要があるな」

 

『そうですね、参りましょう主人様』

 

そう言って俺は外に出ようとする

 

「何だよあれ…」

 

そこには南極で俺達が見た棺が出現させていた生き物が居た

 

『あれは生前私が月遺跡に侵入した異物を排除する為に配置したものです。あれが出て来て居ると言う事は月遺跡は我々を異物と判断したのでしょう』

 

元々の月遺跡を作り出したアテネを異物扱いするのか

 

「あれを止めるにはどうすれば良いんだ」

 

『月遺跡の制御室に向かいシステムを止めるしか無いです」

 

つまり止める方法は1つだけか

 

「ん?あれって…」

 

そこには南極で見た生き物が群がって居る中に見覚えのある姿が見えた

 

「邪魔だどけ‼︎」

 

《雷精》

 

俺は攻撃して群がって居る生き物を散り散りにする

 

「大丈夫かメア」

 

「マスター、うん大丈夫だよ」

 

俺が聞くとメアはそう答える

 

「一気に片付けるぞ」

 

「うん!」

 

俺とメアはそう言ってその生き物を倒して行く

 

「こんなもんだな」

 

「うん…」

 

俺はそう言って倒れそうになるメアを支える

 

「本当に大丈夫なのかメア?」

 

「うん…ちょっと疲れてるだけだから…」

 

そう言うがアマルガムを発動させたイガリマとシュルシャガナの攻撃をもろに受けたんだ相当な傷を負ってるだろう

 

「じっとしてろ」

 

「うん」

 

俺はそう言って治癒の錬金術でメアの傷を治す

 

「やっぱりマスターの錬金術は暖かい」

 

「そうか?自分じゃよく分からないが」

 

俺はメアをある程度治してから背負い移動を開始する

 

「一先ず制御室に向かってあの生き物の出現を止める事から始めないとな」

 

『はい、恐らくは皆様も戦闘を行われて居ると思います』

 

そう考えるとますます先を急いだ方が良いな

 

「何時以来だろう、こうやってマスターにおんぶして貰うの」

 

「さあな、少なくともあの頃には遡る必要はあるだろうな」

 

そもそも俺にはお前を背負った記憶なんて無いけどな

 

「見えて来た、あれが制御室か?」

 

『はい、あそこであの生き物の活動は止められる筈です』

 

俺がアテネに確認して中に入るといろいろな装置が置いてある

 

「それでどれをどうすれば良いんだ?」

 

『先ずは…』

 

俺はアテネに言われるがままに装置を操作する

 

『完了です。これであの生き物は姿を消した筈です』

 

「そうか、それじゃあ後は響達と合流するだけだな」

 

「私もヴァネッサ達と合流しないと」

 

俺達はそう言って制御室を出た




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368話

〜キャロルside〜

 

「翼!マリア君!!」

 

風鳴司令が呼びかけるが返答がない

 

「通信遮断されています。恐らく先程の攻撃は通信を行っている石碑の破壊を目的とした物だったのかと思われます」

 

「ユグドラシルの稼働を確認、地球中心隔壁に向かって進行中!」

 

「皆の頑張りでバラルの呪詛は死守できているのにどうしてユグドラシルが…」

 

「やっぱり此奴の仕業だろうな」

 

そう言って男はシェムハを映し出す

 

「ん…」

 

「司令どちらへ!」

 

「装者が不在の今あの神話丘の頂上に対抗出来るのは…「待て」ん?」

 

俺はシェムハの元に向かおうとする風鳴司令を止める

 

「その大役は俺達に任された責務だ、勝手な事は辞めてもらおうか」

 

「しかし此処で君達まで失う訳にはいかない」

 

風鳴司令の言いたい事は分かる此処で俺達まで失えばこの先もっと強大な敵が現れた際に対抗できない

 

「しかし、あの神話丘の頂上にすら対抗出来ないのであればその先の敵など相手にするなど出来ない」

 

「ガンス、此処はわたくしめらに任せて欲しいであります」

 

「此処で貴方を失う方がこの先もっと大変になる」

 

俺の言葉にエルザとルナがそう繋げる

 

「我々も協力しよう」

 

「ああ、そのつもりだ」

 

「何か策があるのか?」

 

「ああ、切り札はチフォージュ・シャトーに備えられた世界分解機能を限定的に再現し応用した錬金術だ」

 

俺がそう言うと風鳴司令は顔を強張らせる

 

「確かに君は言った。それで神に対抗出来るとして…まさか君は響君に代わってセレナ君を殺しその罪を背負うつもりなのか」

 

「何を言っている、彼奴を殺すつもりなど毛頭ない。彼奴は必ず救い出す。その為に月遺跡に行ったであろう彼奴らが戻って来るまでの時間を稼ぐそれが今の俺達に出来る事だ」

 

「出来るのか」

 

風鳴司令は表情を変えずにそう聞く

 

「出来る出来ないではない、やらなければ何も守れない。俺は彼奴のお陰で今パパの命題の意味をはき違える事なく追求する事が出来ている。それに彼奴には返しても返しきれない程様々な物を貰った。それを少しでも返す為に俺は奴の足止めをする」

 

「わたくしもキャロルと同じであります。怪物だと淘汰され同族の誰も受け入れてくれなかったわたくしとルナでありますが湊はわたくし達の事を何の躊躇いもなくさも当然だと言わんばかりに受け入れて受け止めてくれたであります」

 

「るる、だから私もエルザも誰に何て言われてもご主人に着いて行くって決めて従者にもなった。例えこの世界そのものがご主人の敵になったとしても私はご主人に着いて行く」

 

「… 分かった、シェムハの事は君達に任せよう。くれぐれも死ぬ事はない様にしてくれ」

 

俺達は風鳴司令の言葉に頷きシェムハの居るラグナロクの頂上に向かった

 

〜キャロルside out〜




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369話

〜キャロルside〜

 

「彼処に神シェムハが」

 

「ああ「「サンジェルマン‼︎」」漸くお出ましか」

 

俺達がシェムハの居るラグナロクの前に到着する直前に残りの2人も到着する

 

「カリオストロ、プレラーティよく来てくれた」

 

「当然よ、あーし達だってあの子に助けられて此処に居るんだもの」

 

「彼奴に恩を返すチャンスそうそう見逃す訳にはいかないワケダ」

 

到着した残りの錬金術師2人がサンジェルマンにそう言う

 

「高鳴りが抑えきれぬ、あはそうさな人間共はこう言う時に歌の一つでも口ずさむのであったな。ん?果ての荒野にまだ立つ者達が居ようとは」

 

ユグドラシルの上に立つシェムハはそう言って降りて来る

 

「何だ怖さに怖気付いたか」

 

「怖さは確かにあるであります。わたくし1人では確実に此処には立てていないであります。ですがわたくし達は1人ではないであります」

 

エルザはそう言って俺達を見る

 

「向こう水が我に逆らうどんつくがまだ居ようとは」

 

「俺もそう思う、だが俺の錬金術を舐めてくれるな!」

 

俺がそう言うと一斉にファウストローブを纏い俺とエルザがシェムハに弦を球体状にして飛ばすと全員がユグドラシルに向けて移動する

 

「鎖骨だぞ、どこを狙っている…!!悪く無い考えだ我ではなく直接ユグドラシル種間を狙うとは」

 

そう言ってシェムハは俺達に着いて来る

 

「ふっ!」

 

「るる」

 

俺に向かって振るった光剣をルナが剣で受け止める

 

「ん?驚愕だ、あの男と言い貴様と言い中々に面白い物を使うそいつはエクスカリバーか」

 

「離脱しろルナ・ガルフェルド‼︎」

 

「これも持っていきなさい」

 

サンジェルマンはそう言って銃から雷鳥を放ち錬金術師も青いレーザー光をシェムハに向けて飛ばす

 

「数を増やせば交わせぬとでも踏んだかなれど人の技では打ち落とせぬ!!」

 

そう言ってシェムハはダメージを無力化し光の球体を飛ばす

 

「ぐは!」

 

障壁を張るも攻撃を防ぎ切れず地面に落とされる

 

「無意味だ、だがそれ以上に…目障りだ‼︎」

 

「ふっ、掛かってくれたワケダ」

 

「るる、神様も意外と簡単に引っ掛かる」

 

「やれ‼︎」

 

「ああ、そうさせて貰う‼︎」

 

「ガンス、了解であります」

 

俺とエルザはばら撒いた弦を使いシェムハを拘束する

 

「動けぬ、鉄砲に緊縛するか」

 

「恐るべきは埒外の物理法則によるダメージの無効化、だが拘束に対してはどうだ!」

 

「「「アルカヘスタ」」」

 

サンジェルマンを含む錬金術師がそう言うと拘束されたシェムハの周りに錬金術の術式が展開される

 

「人の概念などとうに解析済み。ならばそれ以外の不純物を神と定めて分解まで、俺の編み出した錬金術を舐めてくれるな!」

 

「例え物理法則によるダメージが無効化が可能だとしてもただの拘束には物理法則は無意味であります。そこにキャロルの編み出した錬金術を打ち込めば勝機はあるであります」

 

「3人掛で錬金術に必要な膨大なエネルギーをかき集めたか…だが‼︎」

 

次の瞬間に辺り一帯を強い衝撃波が襲い俺達は吹き飛ばされる

 

「一体何が…は!」

 

そこにはカマエルを纏うシェムハの姿があった

 

「これが何か貴様らなら分かるであろう」

 

「それは…幻獣鏡の破片でありますか…まさか幻獣鏡の魔が払いで錬金術を…」

 

「く…やはり神殺しの力無しでは…神に対抗は出来ないのか…」

 

サンジェルマンは悔しそうな声でそう言って意識を失う

 

「止めは刺さずに捨て置いてやろう。神に肉薄した褒美だ。星の命が改造される様を特等の席にてごろうじろ「させない‼︎」ほう、まだ立つか」

 

「ご主人が戻って来るまで戦う」

 

「サンジェルマンが殆どの力を担ってくれた。私も力を貸してやるワケダ」

 

「あーしも力を貸してあげるわ」

 

そう言ってルナはと錬金術師2人はシェムハに向かって行く

 

「駄目で…あります…ルナ…」

 

エルザもそう言って意識を失う

 

「くっ!さっさと帰ってきやがれシンフォギア!!」

 

俺はシェムハと3人が戦う中そう叫んだ

 

〜キャロルside out〜




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370話

「お兄ちゃん無事だったデスね‼︎」

 

「ああ」

 

俺がメアと月遺跡の探索を続けていると切歌と調の2人と合流する

 

「湊さん、どうして戦わないの?」

 

「戦う必要もないからな」

 

「うん…それに私はマスターとはもう戦いたくないし…本音を言えばミラアルクちゃんとマスターが全血清剤の取引をした時から」

 

「ならどうして…」

 

調の疑問は当然だなら何故戦ったのか

 

「私にはまだマスターの所に帰る資格が無いからだよ、ミラアルクちゃんとヴァネッサ2人の居る場所が私の帰る場所だったから、私が私を許せるまでマスターの所には戻らないって決めたから」

 

「そうだったのか…」

 

その声と共にコウモリの姿がミラアルクに変わる

 

「ミラアルクちゃん…ごめんね言い出せなくて…」

 

「うちもごめんだぜ…メアがそんなに心を痛めて戦ってた何て全然気付いて無かったぜ」

 

そう話して居ると突然壁に大きな穴が開きそこから姉さんと響の2人と戦うヴァネッサが出て来る

 

「「ヴァネッサ…」」

 

ミラアルクとメアが心配そうな声を上げる

 

「仕方ねえ奴だ」

 

《ギア・コンバージョン》

 

俺はギアをサンダルフォンからカマエルに変え姉さんの一撃で月遺跡に空いた穴からヴァネッサが遺跡の外に放り出される前に身体に炎を巻き付ける

 

「くっ‼︎」

 

「貴方…」

 

自分を助けた俺を見てヴァネッサが驚いた顔をする

 

「もう放しなさい、出ないと貴方まで「「私(うち)も手伝うよ(手伝うぜ)‼︎」」メアちゃん、ミラアルクちゃん」

 

「クリスちゃん何とかならないの!?」

 

「動き回るから狙い難いんだよ!」

 

姉さんがさっきから穴を塞ごうとしているがヴァネッサの位置が固定されず動き回る為に照準が定まらない

 

「私達も」

 

「手伝うデス!」

 

そう言って調がヨーヨーの紐ををヴァネッサに巻き付け切歌と後ろに引っ張る事で位置が固定される

 

「お前らそのまま引け!そしたらいける!」

 

姉さんの言葉に全員が頷きヴァネッサを引っ張りながら後ろに下がる

 

「何とかなったデスね」

 

「危機一髪」

 

何とかヴァネッサを助けた切歌と調がそう言って座り込む

 

「どうして助けたの?」

 

「助けた訳じゃねえ、ただ本当に今より此処より先に進もうと願うのなら尚の事帰る場所ってのが大切なんだと伝えたかった。あたしは考えすぎるからきっとまた迷ったりするかもしれない。だけど帰る場所があるから立ち止まって先に進んで行ける。それはあんただって同じだろ」

 

「ヴァネッサ…」

 

「もう辞めようヴァネッサ…心まで怪物にしない為にも」

 

「うちも弱さを言い訳に自分の心を殺すのは沢山だぜ」

 

「帰る場所…私の家族」

 

ヴァネッサはそう言ってメアとミラアルクを抱きしめた




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371話

「だが…茶番は終わり此処までだ」

 

ヴァネッサはそう言って飛ぶ

 

「ヴァネッサ?」

 

「忌々しきネットワークジャマーは手ずから葬らせて貰う」

 

「まさかシェムハか⁉︎」

 

石板で囲われた場所に映った男性がそう聞く

 

「この者を完全怪物と完成させた際に我の一部を滑り込ませていたのだ」

 

「ヴァネッサの治りが遅いと思ったらヴァネッサに細工をしていやがったのか‼︎」

 

「くっ!た…頼む神殺し…その拳でシェムハを撃て」

 

ヴァネッサは苦しみながらそう言う

 

「そんな事をしたらヴァネッサさんまで」

 

「私はもう誰にも利用されたく無い!」

 

「マスターお願い」

 

「良いんだなメア」

 

俺がそう聞くとメアは頷く

 

「うちからも頼むぜ」

 

「分かった」

 

《翔炎斬》

 

俺は通信機からレーヴァテインを取り出しヴァネッサに炎の斬撃を飛ばす

 

「ぐっ!忌々しき神殺しの力…だが此処で終わる訳にはいかぬ‼︎」

 

「いや、終わりだ」

 

俺は背中から翼を生やし石板に腕が届く前にワイヤーをレーヴァテインで切る

 

「くっ…だがしかし貴様のした事の結果がこれだ」

 

シェムハがそう言うとヴァネッサは身体中から血液が溢れ床に落ちる

 

「「ヴァネッサ!」」

 

「ヴァネッサさん‼︎」

 

そう言って倒れるヴァネッサに響達が近づく

 

「湊君…これしか…この方法しかヴァネッサさんを救えなかったの‼︎「だったらお前が躊躇わずその拳でそいつを助ければ良かっただろ‼︎」湊君」

 

「お前が躊躇って俺がやる必要が出てその結果がこれだ‼︎この方法しか救えなかっただ⁉︎甘えんな‼︎お前がやらねえから俺がやる羽目になったんだろが‼︎」

 

俺が睨みを効かせて怒鳴ると響だけじゃなく後ろに居た切歌達も後ずさる

 

「そうよ…彼は守ってくれたのよ…例え呪われていたとしても私の…私達の誇りを…」

 

ヴァネッサは掠れた声でそう言う

 

「ヴァネッサさん…」

 

『主人様少しばかり変わって頂けないでしょうか?』

 

(ああ、分かった)

 

俺はそう言って主人格をアテネに変わる

 

〜響side〜

 

「月遺跡に立つのも何年振りでしょうか」

 

「その物言いアテネか」

 

「ええ、久方ぶりですね」

 

翼さんの言葉に湊君はそう言って振り返る

 

「彼の姿のままでその話し方は辞めて頂戴、何だかゾッとするわ」

 

「そうですね、ではこうしましょう」

 

アテネさんがそう言うと湊君の姿は私達の見覚えのない女性の姿に変わる

 

「あのその姿は…」

 

「私の生前の姿です」

 

アテネさんの生きてた頃の姿、通りで私達は知らない筈だ

 

「そこに居るのかアテネ」

 

「ええ、居ますよエンキ」

 

エンキさんの言葉にアテネさんはそう返す

 

「まさか彼が転生したアテネを宿している器だったとは…だが丁度良いアテネ、君が話していたネットワークジャマーバラルの呪詛以外にも特殊な機能があると聞いているんだがそれは何なんだ?」

 

「話していませんでしたね、地球への転移術式を施した転移装置ですよ」

 

あれ?今アテネさん普通にとんでもない事言ってたよね?

 

「地球への転移術式だと!?」

 

「月遺跡は元々私が地球を観測する為に作った物ですからね。地球人も招こうとも考えていたので転移術式を施した転移装置を作ったんです」

 

アテネさんがそう言うと警報音が鳴る

 

「エンキこれは!」

 

「間違いない!このままではシェムハと再生…この様にな」

 

そこにはエンキさんじゃない別の姿が映し出される

 

「シェムハ…」

 

「アテネ漸くあの男の体を我が物としたか」

 

「この体は主人様の者、決して私の物ではありません」

 

「ふん、まあ良い万謝するぞ人間、1年前のあの日刹那に人が1つに繋がった事で我は蘇りねがらにかからの浮上を果たせた」

 

1年前に人が1つに繋がったあの日、私達にはそれに思い当たる事がある

 

「1年前…は!月の落下を止める為に世界中の人類がAppleに繋がれたから!じゃあふその地のあの歌は一体!」

 

「形を変えて現代に残る統一言語の断片、その成れの果てだ」

 

「人は1つに繋がらないのではなく」

 

「繋がってはいけなかった」

 

「だが真実を知った所でお前達は月遺跡ごと吹き飛ばされる定めだ」

 

シェムハはそう言って姿を消すと同時に爆発が起こる

 

「このままじゃ地球に帰還どころか宇宙の藻屑だぞ!」

 

「ギアをギアを纏うデスよ!」

 

「そうだ!アテネさんの言ってた地球への転移装置で」

 

私の言葉にアテネさんは首を振る

 

「転移術式の起動までに最低でも10分は掛かります、ですが恐らくそれでは間に合いません」

 

「うちらに考えがあるぜ」

 

アテネさんの言葉に被せる様にミラアルクちゃんがそう言う

 

「神アテネ様…今の私達には彼の力が必要なんです」

 

「ええ、分かって居ます」

 

アテネさんはそう言って自分の姿を元に戻した

 

〜響side out〜

 

「んで、何をどうするつもりだ」

 

「うちら3人が形成する全長38万kを超える哲学の迷宮、あれを使えば遺跡も間の衝撃も遮断するだけじゃ無く空間を捻じ曲げて地球までの道を切り開ける、でもとてもじゃねえけど今の消耗してるうちとヴァネッサ、多少ばかり回復しただけのメアじゃ地球まで持ちそうにねえぜ」

 

「メアちゃんに出来る事ならメアちゃんの素となった素体である貴方にも」

 

成る程な、確かに試して見る必要は有りそうだな

 

「マスター」

 

「ああ、やってやろうじゃねえか」

 

俺はそう言ってメアの手を取ると錬金術のイメージが流れ込んで来る

 

「行くぜ‼︎」

 

ミラアルクがそう言うとヴァネッサ達が俺を中心としてダイダロスの迷宮を発動する

 

「メアお前はもう良いぜ…後はうちとヴァネッサで何とかなるぜ…」

 

「ミラアルクちゃん?」

 

「そうね…メアちゃんにはまだ私達とは違って未来がある「何カッコ付けた事言ってくれてんだ」これって…」

 

ヴァネッサとミラアルクの周りには光の粒子が散り散りになり徐々に薄れて居た体が戻って行く

 

「俺の中にある神の力を少しだけお前達に分けた、俺が独りぼっちにして傷つけちまったメアがやっとの思いで見つけたたった1つの本当の居場所そのたった1つすら守ってやれねえで如何する!」

 

「マスター…」

 

「お前…」

 

ミラアルクはそう言って涙を拭う

 

「此処まで力を取り戻せたなら今のうちらでも行けるぜ‼︎」

 

「ええ、地球まであと少し頑張りましょう私達怪物の底力シェムハに見せてあげましょう‼︎」

 

俺はそう言うヴァネッサの言葉に頷くミラアルクとメアを見ながら響達の所まで下がった




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372話

「着いたんだぜ」

 

地球の地面へと到着するがそこは俺達の知る場所ではなかった

 

「此処が地球…」

 

「ユグドラシルの影響で原型は失われているかも知れないが地球で間違い無いだろ」

 

俺達はそう言って歩き出す

 

「彼処に誰か倒れてるデス‼︎」

 

「あれは!エルザ!」

 

「サンジェルマンさん‼︎」

 

俺達が少し歩いた先にエルザ達が倒れていた

 

「ん…湊…良かったであります…」

 

「サンジェルマンさん‼︎サンジェルマンさん‼︎」

 

「立花…響…漸く戻って来たか…」

 

響の呼びかけでサンジェルマンも目を覚ます

 

「キャロルは…如何したでありますか…」

 

「俺達が此処に来た時点で此処に居たのはお前とサンジェルマンの2人だけだ」

 

「そうでありますか…」

 

エルザはそう言ってふらつきながら立ち上がる

 

「無茶すんな」

 

「例え無茶だとしも…行かないとルナも…キャロルも…」

 

「その為に俺達は月遺跡から戻って来たんだ。後処理は任せておけ」

 

「ガンス、了解であります」

 

エルザはそう言って本部までの道を歩き出す

 

「手を貸そう」

 

「わたくしもそして貴方も何方も手が必要なのは変わりないでありますよ」

 

「だったらうちが手を貸すぜ」

 

「私も手を貸すわ」

 

そう言ってミラアルクがエルザをヴァネッサがサンジェルマンを支える

 

「如何言うつもりでありますか…」

 

「うちらにはもうあいつらと戦う意味も何もないぜ、それどころかヴァネッサを助けて貰った上シェムハと戦うってなった場合うちとヴァネッサが1番の邪魔になるぜ」

 

「そうね、悔しいけどシェムハと戦えるのは私達の中じゃきっとメアちゃんだけ。それなら私達は私達に出来る事をするだけよ」

 

ミラアルクとヴァネッサは警戒心を強めるエルザにそう言う

 

「わたくしはまだ貴方達を信用しきれないであります。ですがその言葉に嘘偽りはないと信じるであります」

 

エルザがそう言うとミラアルクとヴァネッサはエルザの案内の元本部に向かって行った

 

「俺達も行くぞ、こうしてる間もルナとキャロルはシェムハと戦い続けてるんだ」

 

「うん「「響(お姉様)‼︎」」未来!ミーシャちゃん!」

 

ミラアルク達と入れ違いでミーシャと未来が到着する

 

「如何して未来が」

 

「弦十郎さんから神獣鏡の使用の許可が降りたの、私も戦うよ響」

 

「私もお供しますお姉様」

 

「うん、一緒に戦おう未来ミーシャちゃん」

 

そう言って俺達はシェムハと戦うルナ達の所に向かった

 

〜キャロルside〜

 

「「「はぁ…はぁ…」」」

 

「くっ!」

 

「我々を相手に此処まで良く耐えたと褒めてやろう」

 

シェムハを相手に俺達は殆ど消耗しきって居た

 

「責めて最後は白銀に煌めくと良い」

 

そう言ってシェムハは白銀の光線を放つ

 

「此処までか…何だ」

 

すると上空から大剣が降って来て俺達を守る

 

「この大剣…」

 

「漸くお出ましなワケダ」

 

「やっぱりあの子達じゃないとね」

 

俺達が振り返るとそこには良く知る奴らが並んで立って居る

 

「ふ、漸く戻って来たかシンフォギア」

 

俺はそう言って笑みを溢した

 

〜キャロルside out〜




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373話

「見えたぞ!「ご主人‼︎」ルナ、良く耐えてくれたな」

 

ルナは俺を見つけた途端にシェムハに見向きもせずに俺に向かって来た

 

「さっきまで消耗しきってたのに途端に元気になったわね」

 

「漸く戻って来たワケダ」

 

「ああ、サンジェルマンから聞いてるお前達も助かった」

 

ルナに続いてカリオストロとプレラーティも俺達と合流する

 

「お前達は先に本部に戻っろ、後はこっちで処理する」

 

「ああ、そうさせて貰うワケダ」

 

「ルナ言っとくがお前もだぞ」

 

「るる…また後で」

 

そう言ってルナ達は本部に向かって行った

 

「キャロルちゃん!」

 

「戻って来たか、後ろの奴の事も聞きたいが色々は後回しだ」

 

キャロルの目線の先にはカマエルのファウストローブを纏うセレナが居る

 

「セレナ…」

 

「セレナさん…」

 

「呪われた力神殺し我の依代たる友の前に何とする」

 

「誰かを困らせる誰かが居るのなら私は止めるこの拳で!」

 

「想定外の奴も多少ばかり居るが俺達8人が揃った今なら神の力を覆せる、小日向未来お前は後方にて隙を狙いカマエルのファウストローブを解け行くぞ!」

 

キャロルの言葉に頷き俺達はシェムハに向かって行く

 

(悪い、また暫くの間借りるぞお前の力)

 

(今の主人様なら私の力の全てを使いこなせるでしょう、健闘を祈ります)

 

俺が胸の結晶を砕くとアイギスの盾と槍が現れる

 

「アイギス」

 

「ああ、あらゆる邪悪、災厄を払う魔除けの能力を持つアテネのアイギスを使えばセレナを傷つける事なく助けられる!」

 

「だが!まさか…」

 

シェムハはダメージの無力化をしようとしたが失敗に終わる

 

「不条理の執行に無力化されない」

 

「これなら行ける!」

 

そう言ってマリアと切歌と調が同時に攻撃する

 

「はぁぁあ!」

 

「ふっ」

 

翼の攻撃をシェムハは光剣で受け止める

 

「一度離脱しろ!」

 

「ああ!」

 

翼がシェムハから離れるとキャロルは弦でシェムハを拘束する

 

「ふっ」

 

翼が斬りかかろうとするとシェムハは笑い光を放つ

 

「下がれ翼!」

 

「済まない湊」

 

俺はシェムハの光をアイギスの盾で受け止める

 

「まさか神獣鏡の輝きを!」

 

「こっちが神殺しのであれば向こうはシンフォギア殺しなのデス」

 

「元々セレナは神獣鏡に適合が無かった訳じゃない、以前の小日向未来同様に適合係数が足りて無かっただけ、何度もカマエルを纏う事で別のギアの適合係数も上がっていても不思議じゃないわ」

 

つまりセレナの奴は元々神獣鏡に適合はあったのか

 

「「はぁぁあ!」」

 

俺とメアがシェムハに同時に攻撃するとシェムハの障壁は破れる

 

「本当に効いてやがるこれってエクスドライブの力なのか?」

 

「違うだけどまるで位相差障壁を突破するかのように」

 

すると赤い光が天に向かって伸びそこからシェムハが姿を現す

 

「セレナを依代とするシェムハは」

 

「此処からが本気みたいデスよ」

 

「我が欲したのは権利や力などではない、その先にある未来だ!」

 

シェムハはそう言って無数の生き物を生み出す

 

「我らであっても独立した個を備える以上擦過して激突するそれでは完全なる存在とは言えぬ神とはちゃんちゃら、故に我はこの実験場にてこの統合を試み夢と見た」

 

「はあ!」

 

シェムハの撃った光線を腕を刃にしたメアが弾いて軌道を変える

 

「皆!ぐあ!」

 

「誰もが痛みに傷つき、分かり合えぬ夜に涙しない未来の為に」

 

「セレナさん‼︎」

 

「もう遅いたった今この依代は我を受け入れた!」

 

「セレナがお前を受け入れる訳が無い、誰よりも優しい彼奴が誰かを傷つけるお前を受け入れる何て事は絶対にない‼︎」

 

俺はそう言ってメアとシェムハに向かって行く

 

「湊と彼女が抑えてる今が好機だ!」

 

『オーバーブレイブ‼︎』

 

そう言って響達も8人の力を重ねてシェムハに向かって行く

 

「未来を!!「呪われた拳で響ちゃんは私を殺すの」は!」

 

一瞬セレナさんの姿になりそう言うシェムハの姿に一瞬力が緩むでも

 

「迷うな響‼︎」

 

「やりなさい立花響‼︎優しい子にこれ以上辛い思いをさせない為にも‼︎」

 

「うおぉお‼︎」

 

響は俺とマリアの言葉に後押しされセレナにその拳を振るう

 

「ふっ」

 

攻撃が当たる直前にシェムハが笑うと爆発が起き響達は吹き飛ばされる

 

「お前ら‼︎」

 

「無粋に足掻く、だが責めて散り際は白銀に煌くが良い!」

 

「させるか‼︎」

 

俺はアイギスの盾を巨大化させてシェムハの攻撃を防ぐ

 

「アイギスか、だが乱発叶わぬこの力にいつ迄耐えられるか」

 

「くっ‼︎」

 

「マスター‼︎」

 

メアはシェムハの攻撃に押される俺を後ろから支える

 

「良くやったと褒めてやろうだが…此処までだ‼︎」

 

シェムハはそう言って威力を上げる

 

「メア早くどけ!」

 

「ごめんねマスター、私我儘だからマスター1人を犠牲に何てしたく無いんだ」

 

「メア…悪いな」

 

「うん、マスター」

 

メアがそう言うと同時に罅の入っていたアイギスの盾が砕けて俺とメアはシェムハの攻撃に呑み込まれた




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374話

〜響side〜

 

「そんな…湊君…メアちゃん」

 

私はそう言って湊君とメアちゃんに近づく

 

「忌々しい、だがその男の抜けた貴様らなど腑抜も同然、我の敵では無い」

 

「此処までなの」

 

「否、此処からだ‼︎」

 

シェムハがそう言うと地震が起こる

 

「太陽放射による接続障害を抑制、此処に生体端末のネットワークは構築される。全人類に忍ばせた全ての命と力を統合し1にして全なるシェムハにて寮弱してくれる…!神殺しその力にて接続から魔逃れたか‼︎」

 

「私は皆んなを取り戻す‼︎」

 

「私も共に行きますお姉様」

 

「うん、行こうミーシャちゃん」

 

そう言って私とミーシャちゃんはシェムハに向かって行く

 

「あたわず、その拳と剣は呪いの石造神殺し、撃てばこの身を殺して殺す‼︎」

 

「殺さない‼︎お父さんが教えてくれた、呪いと祝福は裏表あり方なんて如何とでも変えられる変えてみせる‼︎」

 

「断章の全てをこの身に集めたのだ人に遅れる通りなどありはしない‼︎」

 

「だとしても‼︎」

 

シェムハはそう言う私に向かって神獣鏡の光を放つ

 

「させません‼︎」

 

「くっ‼︎」

 

「人が誰かを思う気持ち、2000年の呪いよりもちっぽけだと誰が決めた‼︎」

 

そう言うと私のアームドギアに光が集まる

 

「逃がしません」

 

《煉獄》

 

そう言ってミーシャちゃんはシェムハの周りにある地面から炎を出してシェムハの逃げ道を塞ぐ

 

「バラルの呪詛が消えた今隔たりなく繋がれるのは神様だけじゃない!人と人も隔たりなく繋がれる筈!」

 

「束ねて居るのは人の思い」

 

「神殺しなんかじゃ無い、繋ぐこの手は私のアームドギアだ‼︎」

 

「チッ‼︎」

 

シェムハは黒い光剣を私に向ける

 

『未来を‼︎』

 

「セレナさんや皆んなを‼︎」

 

『奪還する為に‼︎』

 

「まさか本当に呪いを上書いて」

 

《METANOIA》

 

私の拳が撃ち込まれるとシェムハは悲鳴を上げ消えてセレナさんの姿に戻る

 

「良かった、セレナさんも無事だ「響‼︎」未来!皆んな‼︎」

 

私とミーシャは元に戻ったセレナさんを連れて未来達の所に向かった

 

〜響side out〜

 

「湊君…良かった…」

 

「響…やってくれたか」

 

俺は響が抱えているセレナを見てそう言う

 

「うん、湊君が私を私達を守ってくれたから」

 

「俺には出来ない事だからな、俺は俺に出来る事をしただけだ」

 

俺はそう言って立ち上がる

 

「メアお前も本当にありがとな」

 

俺はそう言って未だに目を覚さないメアを抱える

 

「まだ全部が全部終わった訳じゃない、お前達はユグドラシルの方を見ててくれ俺はセレナとメアを本部に連れて行く」

 

「うん、分かったよ」

 

俺はそう言って響からセレナを受け取り本部に向かった




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375話

「彼処か」

 

「ご主人‼︎」

 

俺がS.O.N.G.のテントが設営されている場所に着くと下からルナが俺を呼ぶ

 

「お疲れ様であります湊」

 

「ご主人ルナ頑張った!」

 

「ああ、本当に助かったありがとな」

 

俺はメアとセレナを寝かせルナの頭を撫でる

 

「パパ〜‼︎」

 

「おっと、お前にも心配かけて悪かったな」

 

俺は走って泣きついて来た葉月の頭も撫でる

 

「お前!メアは如何なんだぜ!」

 

「落ち着きましょうミラアルクちゃん、メアちゃんの容体は如何なっているの?」

 

俺達が話しているとミラアルクとヴァネッサがテントの中に入って来る

 

「今は気を失っているだけだ時期に目を覚ますだろう」

 

俺がそう言うとヴァネッサとミラアルクは安堵の表情を浮かべる

 

「ん…此処は…「「メア(ちゃん)‼︎」」ヴァネッサ…ミラアルクちゃん…」

 

S.O.N.G.のテントに到着して数分メアが目を覚ました

 

「起きたかメア、気分は如何だ」

 

「うん、大丈夫だよマスター」

 

「そうか」

 

メアの言葉に俺はそう返す

 

「メア起きたでありますか」

 

「るる、起きないかもってちょっと心配した」

 

「エルザちゃん、ルナちゃん」

 

そこにエルザとルナもやって来る

 

「ん…湊君…」

 

「目が覚めたかセレナ」

 

「うん…」

 

そのタイミングでセレナも目を覚ます

 

「セレナお姉ちゃん!」

 

「葉月ちゃん、心配かけてごめんね」

 

葉月は目を覚ましたセレナに向かって行く

 

「これで後はユグドラシルをどうにかするだけだな、何だ揺れ⁉︎」

 

「大変です司令!惑星環境の改変速度元に戻って!」

 

「状況の報告をお願いします」

 

シェムハの奴は倒した筈だ、なのに何故惑星環境の改変が行われている?

 

「考えてる暇わないか、エルザ、ルナ出るぞ残りの奴らは此処に居ろ」

 

「待って湊君…私も行くよ」

 

「セレナ、だがお前はまだ本調子じゃないだろ」

 

「そうであります、セレナは此処に居るべきであります」

 

エルザもそう言ってセレナを止める

 

「でも…私は皆んなに守られてばっかり、だから私も皆んなを守りたい」

 

「セレナ…分かった、行くぞ」

 

〜Girar desig sandalphon tron〜

 

〜Hellfire chamael tron〜

 

俺とセレナはそう言って聖詠を行いシンフォギア纏い、エルザとルナはファウストローブを纏う

 

「我々も協力しよう」

 

「あーし達だってまだ出来るんだもの」

 

「お前達だけにいい格好はさせないワケダ」

 

俺達がテントを出て響達と合流しに向かおうとするとサンジェルマン達もそう言ってファウストローブを纏い俺達の前に現れる

 

「ああ、協力頼む」

 

俺はそう言ってサンジェルマン達を引き連れ響達と合流しに向かった




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376話

〜マリアside〜

 

「目視にて状況を確認」

 

「本部シェムハは倒れてもユグドラシルはまだ生きている」

 

『何だと!?』

 

翼は風鳴司令にユグドラシルがまだ生きている事を伝える

 

『此方からはつい先程湊君やセレナ君達がそちらに向かった』

 

「待って下さい風鳴司令!セレナはまだ万全の状態では無いのでは!?」

 

『ああ、湊君もセレナ君には待ってるように言っていた。だがそれでもセレナ君は湊君達と共に向かうと言い無理をしない事を条件に湊君が連れて行った』

 

私の質問に風鳴司令はそう答える

 

『先行したユグドラシルをメインシャフトと仮定中枢部を破壊して惑星環境の解剖を喰い止めるのだ!』

 

「行くぞ何とかなる」

 

「クリスちゃん」

 

クリスは立花響の肩に手を置きそう言う

 

「中枢を叩いて砕くそれで各地のユグドラシルも機能を停止する筈」

 

「行くわよ!」

 

私達は立花響を先頭にユグドラシル内部に侵入中枢を目指し降下する

 

「洒落臭いのが端首揃えて!」

 

「だけど今のコンディションでは」

 

下降を続けて行くとシェムハの作り出した生き物が無数に存在していた

 

「もたもたしてたらこの地球は!」

 

「知らない星に作り変えられちゃうのデス!」

 

「だったらその前に中枢にたどり着けば良いだけの事!」

 

すると上空から聞き覚えのある声と見覚えのある黄金のギアが急降下して行きその生き物を破壊する

 

「悪い遅くなった」

 

「マリア姉さん!」

 

彼に続いてセレナ達もユグドラシル内部に入って来た

 

〜マリアside out〜

 

「この先の中枢部を壊しても他のユグドラシルのいずれかが完成機能を獲得して稼働は止められないみたい」

 

「つまり新たなメインシャフトが完成しそれがどれだか分からなくなるのか」

 

「うん」

 

姉さんの言葉にセレナはそう返す

 

『皆さん!』

 

「エルフナイン?どうかしたの?」

 

そこにエルフナインからの通信が入る

 

『その先のユグドラシルを破壊した所で新たなメインシャフトが完成する事はセレナさんから聞きましたか?』

 

「ああ、今その説明をセレナがした所だ」

 

『そうですか、では此処がメインシャフトと仮定できる今中枢をフォニックゲインで制御し全ての薪を爆破し同時伐採するしかありません!』

 

「フォニックゲインで?だが私達は1度チフォージュ・シャトーの起動にも失敗して」

 

そう翼達はチフォージュ・シャトーの起動に失敗して居る

 

『だからこそキャロルはセレナさんを救おうとしたんです。七つの惑星と七つの音階、そしてそれを1つに束ねる八つ目の惑星と八つ目の音階世界を調和する音の波動こそが統一言語8人の歌が揃って踏み込める神の摂理、世界を知れと言うパパからの命題に対する僕とキャロルなりの回答です!』

 

「八つの調和」

 

その言葉を聞いて俺はキャロルの言って居た事を思い出す

 

『想定外の奴も多少ばかり居るが俺達8人が揃った今なら神の力を覆せる』

 

(それであの時キャロルはああ言ったのか)

 

俺は漸くキャロルの言っていた事の意味を理解した。そして恐らくキャロルの想定外の奴はメアじゃなく未来とミーシャの事だろう

 

「私達とキャロル8人の共闘がシェムハの埒外物理を突破したのはそう言う事だったのか」

 

『はい』

 

「話は理解出来たな、あと少しで中枢部にたどり着く筈だ。準備は良いな」

 

俺の言葉に私達は頷き中枢部を目指した




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377話

「おい如何なってんだ⁉︎2つに分かれてんぞ⁉︎」

 

『恐らくそのどちらかが本命のユグドラシルの中核に通じる道だと思われます‼︎』

 

「どちらかか…キャロルお前は響達と迎え、どちらかが本命何だとすれば両方の中核部を同時に制御して全ての薪を爆破し同時伐採すれば良い」

 

俺がそう言うとキャロルは響を見てあからさまに嫌そうな顔をする

 

「お前が此奴らと行け、俺は此奴らと行く」

 

「だったらお前が俺の居ない状況で彼奴らを纏め上げてくれるってのか?」

 

「…くっ!分かった俺が此奴らと行こう、この貸しは高く付くぞ」

 

「ああ、分かってる」

 

キャロルは悔しそうな表情をしたが渋々そう言って響達の元に向かった

 

「あの…どうしてキャロルちゃんと湊君限定なの?」

 

「どっちが本命の中核部か分からないからだ。メインシャトルとなる中核部が1つならそこを制御すれば言い。だが今回は2つそれもどちらが本命か分かって居ない状況、もしお前達の方が本命だったしてキャロルと俺が同じだったとしよう、確実に高いフォニックゲインの方が優先して制御されそっちから破壊される。そうなった場合どうなる」

 

「成る程、そうなってしまった場合湊とキャロルを一緒にしてしまうと確実に2人の居る方から破壊される。我々の方がメインシャトルだとすればその時点で別のユグドラシルが新たなメインシャフトが完成しそれがどれだか分からなくなってしまう。だからキャロルと湊は別々なのか」

 

翼の言葉に俺は頷く

 

「俺ならお前達のフォニックゲインを感じ取ってそれに合わせて調整出来る。ルナ達のフォニックゲインに俺のフォニックゲインを加えて俺がお前達に合わせる事でそのエネルギーの違いは殆どない状態に持っていける」

 

「そうね、そうでもしないとメインシャトルと仮定される中核部の2つを同時破壊なんて不可能と言っても良いでしょうね」

 

俺の言葉を聞いてマリアも納得の声を上げる

 

「それじゃあ此処からは俺と響の通信機を繋げた状態で進む中核部に到達しても直ぐに始めるな、同時に始めるぞ」

 

『了解』

 

俺達はそう言って2つ手に分かれて中核部を目指す

 

「それにしてもキャロルが随分と早くに納得してくれて良かったであります」

 

「ま、ルナ以外なら簡単に纏められるだろうがルナは彼奴には無理だろうからな」

 

俺がそう言うとセレナとエルザは苦笑いを浮かべる

 

「彼処じゃない?」

 

「多分そうだな、響俺達は今中核部に到達した。そっちは如何だ?」

 

『私達も今中核部に到着したよ』

 

向こうも中核部に到着したか

 

「それじゃあ始めるぞ」

 

『うん、皆信じよう胸の歌を』

 

『私も響と皆と一緒に』

 

響と未来の言葉に全員が頷き歌を歌う

 

『これが私達の』

 

『絶唱だ〜!!』

 

俺達のその言葉に反応するかの様に中央の球体が爆発する寸前に全員ユグドラシルの出口に向かって飛び立つ

 

「そっちは如何だ‼︎」

 

『此方も中央の球体が爆発する寸前に飛び立った』

 

俺の言葉に答える様に翼がそう返す

 

「通信は一旦遮断して合流する事に専念してくれ!」

 

俺はそう言って通信を切る

 

「全員居るな!」

 

「うん!皆んな居るよ‼︎」

 

俺の言葉に響はそう返す

 

「くっ!結構やばいな」

 

「このままじゃギアが!」

 

「待ちそうに無いのデス!」

 

全員のギアから火花が散り損傷もある本当に待ちそうにない

 

「仕方ないカマエルの火力で一気に地上に向かうぞセレナ」

 

「うん!」

 

《ギア・コンバージョン》

 

俺はそう言ってギアをカマエルに変えセレナと一緒に銃口を下に向ける

 

「それしか無さそうね」

 

「ああ、そうだな」

 

そう言って俺とセレナに捕まる姉さんとマリアを見て他の奴らも俺達に捕まる

 

「もうこのサイズが精一杯みたい」

 

「仕方ない、足んねえかも知らないがやるしか無い全員振り落とされるんじゃねえぞ!」

 

《Chamael Megido》

 

俺とセレナはカマエルの最大火力を放つ

 

「あと…少し…」

 

「踏ん張れセレナ、おいマジかよ!」

 

ユグドラシルの出口も見えて来た所でカマエルの火力が落ちて行くとそこに爆破するユグドラシルの中から人の様な何か向かって来る

 

「まさかあれは!」

 

「シェムハなのかよ!」

 

「くそ、このままじゃ全員彼奴に捕まんぞ」

 

「キャロルわたくしに考えがあるであります」

 

エルザはそう言ってキャロルと先に進みユグドラシルの外に出る

 

「全員これに捕まれ!」

 

「わたくしめらが全員を引き上げるであります」

 

そう言ってキャロルとエルザは弦を垂らす

 

「全員エルザ達の言う通りにしろ俺とセレナは最後の最後に捕まる」

 

「だから皆んなは先に捕まって」

 

俺とセレナがそう言うと響達はキャロルとエルザの弦に捕まる

 

「もう限界…」

 

「セレナ!」

 

俺は限界に達してギアが解除されたセレナの手を掴む

 

「セレナ!」

 

「湊君!」

 

「エルザ!キャロル!そのまま引き上げろ‼︎」

 

「くっ…ガンス、了解であります」

 

エルザがそう言って引き上げるとキャロルも引き上げそれと同時に俺のカマエルのギアも解除されシェムハと思われる人影に捕まった

 

『答えよ何故1つに溶け合う事を拒むのか?』

 

「シェムハなのか?」

 

俺がそう聞くとその女性は頷く

 

「確かにお前の言った誰もが痛みに傷つき、分かり合えぬ夜に涙しない未来、そんな未来が来れば良いかも知れないな」

 

『なら「でも」何?』

 

「でも簡単に分かり合えないからこそ人は誰かを思い大切にする事が出来る。誰かを好きになる事が出来る。確かに人は過ちを犯すのかも知れません。だけど人はその過ちから学んでやり直す事も出来ると思うんです」

 

シェムハの言葉にセレナはそう被せる

 

『その過ちによってまた未来に悲しみ苦しむ事になってもか?』

 

「ああ、人は傷付け合いながらも自分の足で前に進んで行ける。神の知らない光で歴史を未来を作って行ける。人にはそれだけの可能性が眠っていると俺は信じている」

 

俺がそう言うとシェムハは小さく笑う

 

『ならば責務を果たせよ、お前達がそして彼女達がこれからの未来を司るのだ』

 

そう言うとシェムハの姿は段々と薄れて行き遂には見えなくなった

 

「湊…湊君‼︎」

 

「お兄ちゃん!目を開けて欲しいデス‼︎」

 

「目を開けてセレナ‼︎」

 

「マリア…姉さん」

 

「お前らうるさい…」

 

俺は泣きながら俺を呼ぶ響と切歌にそう言う

 

「お兄ちゃん…うう…本当に良かったデス!」

 

切歌は泣きながら俺にしがみ付いて来る

 

「分かった分かった、だから離れろ」

 

俺は切歌を引き剥がしてそう言う

 

「良かった…本当に」

 

響もそう言って涙を拭う

 

「たく、またとんでも無い無茶しやがって」

 

「今回ばかりは流石に肝が冷えたわ」

 

「ああ、だが無事で何よりだ」

 

「私達は先に風鳴司令の所に向かうわ、貴方達も早く来るのよ」

 

「行こう湊君」

 

「ああ」

 

俺はそう言ってセレナの手を取って本部に向かった




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378話

「あ〜ん、やっぱりお兄ちゃんのご飯は美味しいデス」

 

「あれ?ヴァネッサさん達は食べないんですか?」

 

数時間後、俺の家に全員集まり晩飯を食べて居ると食事に手をつけていないヴァネッサ達に響がそう聞く

 

「いえ…そう言う訳じゃないんだけど…」

 

「こんなしっかりとした食事何て随分と久しぶりだからどうすれば良いのか分からなくて戸惑ってるぜ。今までは生きる為に必死だったから尚更だぜ」

 

まあそうなるよな

 

「お前は気にせず食ってるよなメア」

 

「だってせっかくマスターが用意してくれたんだもん食べなくちゃ勿体無いよ」

 

此奴も此奴で凄いよな本当に

 

「貴方達のその気持ちは分からなくもないであります。わたくしめらも最初にフランスでちゃんとした食事を出された時は戸惑ったであります」

 

「るる、本当にどうすれば良いか分からなかった」

 

「そうだな、俺もどうすりゃ良いかなんて分からなかったし」

 

その結果小一時間くらいして部屋に誰もいなくなってから少しずつ食べ始めるって結果になった訳だが

 

「私達も同じデスね」

 

「うん、湊さんの家で出されたご飯は美味しかったけどどうすれば良いのか少し戸惑った」

 

そう言えばお前らも最初は戸惑ってたな

 

「そう考えると私達って本当に恵まれてるんだね」

 

「そうだね、私達は家に帰ったら当たり前にご飯があるけど湊君達の話を聞いてるとそれって凄く幸せな事なんだって思うよ」

 

俺達の話を聞いていた未来と響がそう話す

 

「別に誰も取って食いやしねえからお前達のペースで食え」

 

「「ええ(ああ)」」

 

そう言ってヴァネッサとミラアルクは漸く食事を始めた

 

「さて、そろそろ決めましょう私達の今後を」

 

食事が終わり未来と響が洗い物に行くとヴァネッサがそう言う

 

「貴方達の今後?どう言う事かしら?」

 

「言葉通りの意味よ、私達ノーブルレッドの今後の事それを今此処で決めようと思うの」

 

そう言うとヴァネッサとミラアルクとメアの3人は俺の前に来て膝を着く

 

「私達ノーブルレッドは雪音湊、貴方に私達の今後の全てを捧げようと思います」

 

「は?俺に?」

 

「うちらが今こうして五体満足で居られるのはお前のお陰だぜ、正直言ってお前が居なかったらうちとヴァネッサはあの時に消えて居なくなってたぜ。でもお前が神の力の断片をうちとヴァネッサに分けてくれたからうちとヴァネッサは今こうしてまたメアと一緒に居られてるんだぜ」

 

「マスター、私達はどんな事でもする。だからマスターの側に居させて」

 

俺の言葉にミラアルクとメアがそう返す

 

「分かった、好きにしろ元々メアは俺達の所に連れ戻すつもりだったからな今更1人や2人増えた所で関係ない」

 

「ありがとう」

 

「うちらに出来る事があるならなんでも言って欲しいぜ」

 

「ありがとうマスター!」

 

‘そう言ってメアは俺に飛び付いて来た




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379話

「ん…起きてたのか」

 

「おはようパパ‼︎」

 

俺が起きると既に葉月は起きて居た

 

「キャロルはまだ寝てるのか、葉月前にも言ったが隣で誰か寝てる時は大きな声は出すな」

 

「うん…ごめんなさい」

 

葉月はあからさまに落ち込んで謝罪する

 

「別にそこまで怒ってる訳じゃないからそこまで落ち込むな」

 

俺がそう言って撫でると葉月は嬉しそうに笑う

 

「おはよう湊、葉月ちゃん」

 

「起きてたのか未来」

 

「未来お姉ちゃんおはよう!」

 

葉月はそう言って未来に向かって走って行く

 

「お前本当に懐かれてるな」

 

「特別に何かした訳じゃないんだけど」

 

「未来お姉ちゃん?」

 

「ううん、ないでも無いよ葉月ちゃん一緒に行こっか」

 

「うん!」

 

葉月は笑って未来と手を繋いでリビングまで向かう

 

「ごめんね湊、昨日は響の所為で急に泊まる感じになっちゃって」

 

「別に気にするな、葉月も楽しそうだったしな」

 

そう未来達が此処に居る理由だが昨日響が此処に泊まると言い出しそれに切歌も便乗し結果的に全員が泊まる事になった

 

「おはよう湊さん、未来さん、葉月ちゃん」

 

「「調ちゃん(お姉ちゃん)おはよう」」

 

「起きたか調、時期に出来るから座って待ってろ」

 

俺がそう言うと調は頷き椅子に座る

 

「キャロルは?」

 

「まだ寝てる」

 

「意外、何時もは湊さんと一緒に起きてるのに」

 

まあ昨日は彼奴も切歌達とゲームに熱中してたからな、大方夜更かしし過ぎたんだろう

 

「おはようであります」

 

「「おはようエルザ(ちゃん)」」

 

俺達が話して居るとエルザが起きて来た

 

「朝食は出来てるから自分で用意しろ」

 

「ガンス、了解であります」

 

そう言ってエルザは自分の分の朝食を取りに行く

 

「お前らも起きたか」

 

「うん、おはようマスター」

 

「しかし、あんなしっかりしたベッドで寝るのなんて久しぶりだったぜ」

 

「そうね、アジトを点々として生きて居たけどベッドまでは運べなかったものね」

 

やっぱり此奴らも此奴らで色々と苦労もあったんだな

 

「そうだ、ミラアルク今日の内に此奴を使える様にしておけ」

 

「そいつは月遺跡でヴァネッサに使った」

 

「ああ、完全聖遺物魔剣レーヴァテインだ」

 

俺はそう言ってミラアルクにレーヴァテインを渡す

 

「完全聖遺物…そんな物をうちに渡しても良いのか?」

 

「何も俺が使える完全聖遺物はそれだけじゃないからな」

 

「分かったぜ、使いこなして見せるぜ完全聖遺物」

 

「駄目よミラアルクちゃん、その前に私達も朝食にしましょう」

 

「ああ、そうするぜ」

 

そう言ってミラアルクはレーヴァテインを一度俺に返しヴァネッサ達と朝食を取りに行った




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380話

ミラアルク達が俺達の仲間になって数ヶ月が経った

 

「よし、こんなもんか」

 

「パパありがとう!」

 

俺が服を整え終わると葉月はそう言って笑う

 

「そっちはどうだ?」

 

「るる、今終わった」

 

そう言ってルナがメアとミラアルクを連れて中に入って来る

 

「どうどうマスター!」

 

「ああ、似合ってるんじゃないか」

 

「ミラアルクちゃんもメアちゃんも良く似合ってるわ」

 

「湊わたくしめも準備が完了したであります」

 

俺達が話して居るとそこにヴァネッサとエルザが来る

 

「そっちも準備が出来たか、どうしたヴァネッサ」

 

俺がそう言うとヴァネッサが俺の前に来る

 

「うん、これで良いわね」

 

ヴァネッサは屈んで俺の服装を整えてそう言う

 

「たく、あれくらいが丁度良かったがまあ仕方ねえか」

 

そう言って俺達は部屋を出る

 

「もう良いだろ!」

 

「駄目だよ、ちゃんとしないと」

 

俺達が移動してると1つの部屋の中からそんな声が聞こえる

 

「お前らまだやってたのかよ」

 

「あ、湊君」

 

そこにはキャロルの服装を整えるセレナとそれから逃げようとするキャロルが居た

 

「湊お前からも何とか言え!」

 

「…頑張れキャロル、そうなったセレナは俺でも無理だ。行くぞお前ら」

 

俺はそう言ってキャロルとセレナの居た部屋を出る

 

「良かったでありますか?」

 

「実際にああなったセレナって俺でも止められないしな、キャロルには耐えてもらうしかない。そろそろ他の奴らの準備も出来てるだろうしそっちに向かうぞ」

 

俺はそう言って別の所で準備をして居る響達の所に向かう

 

(しかしまあこんな事になるとは俺も思ってなかったけどな)

 

こうなった原因は数日前に遡る

 

「いや〜早いね、もう明日から夏休みだもんね」

 

「今年もミナはフランスに行くの?」

 

「今年は別に行く必要はないかもな、一昨年は戻らなかったらルナが煩かっただろうから戻っただけで去年はフランスに戻る理由があったからな。悪い俺だどうしたアリス」

 

俺はそう言って安藤達から少し離れた所でアリスと通信を取る

 

『兄に!マムがマムが‼︎』

 

「ナスターシャの奴がどうかしたのか?」

 

『マムの容態が急変してお医者さんに聞いたらもうそう長くはないって』

 

ナスターシャの容態が急変したか、しかもそう長くはないアリスの奴が動揺するのも分からなくはない

 

「取り敢えず落ち着け、俺は明日フランスに向けて出発する。お前はナスターシャの様子に異変があったら直ぐに知らせろ」

 

『うん、分かった』

 

アリスはそう言って通信を切った

 

「お兄ちゃん!マムに!マムに何かあったデスか⁉︎」

 

「湊さんお願い!マムに何があったか教えて‼︎」

 

いつの間にか俺の後ろまで来ていた切歌と調がそう言って俺に詰め寄って来る

 

「分かった分かった、話してやるから取り敢えず落ち着け」

 

俺はそう言って切歌と調の2人を落ち着かせる

 

「そんな…マムが…」

 

俺達は一度喫茶店に入ってアリスから聞いた話を切歌と調に教える

 

「まだ決まった訳じゃないが医者が言うんだ事実だろうな」

 

俺がそう言うと切歌と調は落ち込んだ表情を浮かべる

 

「マリアはまだこの事を…」

 

「知らないんだろうな、知ってるとなれば彼奴は誰よりも早くにフランスに行く筈だ」

 

マリアは今切歌と調の住んでるマンションからセレナを迎えに行き俺達の居る喫茶店に向かって居る。その時点でアリスがマリアに伝えていない事は間違いだろう

 

「お兄ちゃん、明日フランスに行く時に私達も一緒に連れて行って欲しいデス」

 

「もしかしたらこれがマムに会える最後のチャンスかも知れない、だったら私も切ちゃんもマムに会っておきたい」

 

「ああ、元々そのつもりだ」

 

俺はそう言ってマリアとセレナを待った




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381話

「どうしたの湊君、マリア姉さんと一緒に来て欲しいって切歌ちゃんと調ちゃんも一緒だし」

 

「2人の表情から察するにあまり良い話じゃないんでしょうね」

 

しばらくするとセレナとマリアが到着し2人の表情を見てマリアがそう言う

 

「ああ、良い話じゃないのは確かだ。アリスからの通信でナスターシャの容態が急変したらしい、しかも医者に診てもらった所あまり長くは持たないそうだ」

 

「マムが…」

 

「マム…まだマムが死んだ訳じゃ無いのよね」

 

マリアの問いかけに俺は頷く

 

「明日俺は日本を出てフランスに向かう。お前達はどうする、切歌と調は俺と一緒に来るそうだが」

 

「私も行くわ」

 

「私も、もしかしたらマムに会えるのこれが最後かも知れないし」

 

マリアとセレナも俺と一緒に来るのか

 

「分かった、風鳴司令にはお前達が事情を説明しろ。俺は日本を出る準備をする」

 

「分かったわ、行くわよ2人共」

 

「「うん(了解デス)」」

 

マリアはそう言って切歌と調の2人を連れて本部に向かって行った

 

「まさかマムがそんな危険な状態になってた何て…」

 

「アリスから聞いたんだが、ナスターシャは俺との模擬戦を終えたアリスと一緒にフランスに戻っただろ?その時には既に容態が悪化し始めていたらしい」

 

「何で言ってくれなかったんだろ…」

 

「そんな事を言えば心配してお前達までフランスに来るって言いかねないからだろ…心配をかけたくなかったんだよお前にも彼奴らにも」

 

ナスターシャはセレナ達を心配させまいとしてやった事なんだろうが蓋を開けてみれば容態が急変して余計に心配をかけてしまって居る

 

「ねえ湊君、マムと話したり出来るのってもしかしたら今回フランスに行くのが最後なのかも知れないんでしょ?」

 

「ああ、その可能性は0じゃ無い」

 

「だったら…」

 

その後のセレナは顔を赤くしてこう言った

 

『ちょっと早いかも知れないけど…マムが元気な間に私と湊君の結婚式をしてマムに最後の思い出を作って貰いたい』

 

「まさかこうなるなんてな…本当に彼奴は偶に俺も予想してなかった事を言う」

 

「わたくしもセレナがあんな事を言うとは予想してなかったであります」

 

俺の呟きにエルザがそう返す

 

「ありがとうセレナの我儘に付き合ってくれて」

 

「マリアか…まあ彼奴は我儘何て滅多に言わないしな、今回も我儘何て言ってるがナスターシャの為にって言ってるからな」

 

「そうね…だとしても貴方はあの子の為に動いてくれて居る。だからありがとう」

 

「礼を言われる程の事はしてない。寧ろ俺が彼奴に礼を言わなきゃいけない事の方が山積みだからな」

 

「そう…私はセレナの所に行って来るわ」

 

そう言ってマリアはセレナの所に向かって行った




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382話

「湊君、本当にこれで良かったのかな?」

 

「何がだ?」

 

俺とセレナの結婚式から1週間後、医者の言っていた通りナスターシャは長くは持たなかった様で今朝病室で静かに息を引き取り亡くなっていたらしい。セレナ達はナスターシャの関係者として現在その葬式に向かって居る

 

「マリアさん達の事…ナスターシャさんが亡くなるって事をもっと早くに伝えてあげていられたらマリアさんもセレナさんも切歌ちゃんも調ちゃんももっと沢山ナスターシャさんとの思い出を残せたんじゃないかなって…」

 

「さあな、それは俺にも分からない。だが彼奴らのした事は何も間違ってないとは思う」

 

ナスターシャは病室でも切歌と調とアリス3人の話を最後まで笑って聞いて居たそうだから寂しく亡くなったって事は無いだろ

 

「そうだな、マリア達がそうした事でナスターシャ教授は最後まで笑顔でいられたそうだその事実だけで満足は出来ないだろう。しかしそうしなければ恐らくナスターシャ教授だけでなくマリア達ももっと後悔して居ただろう」

 

「ああ、死ぬ間際まで誰かとそれも自分が気に掛けて居た奴らと一緒に居られたんだ十分過ぎるくらいに幸せだったろうな」

 

「そうかも知れませんね」

 

姉さんと翼の言葉に未来は同意するかの様にそう言う

 

「俺は少し彼奴らの所に行って来る」

 

「ああ、分かった」

 

俺はそう言ってメアとミラアルクが模擬戦して居る鍛錬場に向かう

 

「ヴァネッサ、ミラアルクの方はどうだ?」

 

「完全聖遺物にの力にまだ少し振り回されて居るけれど最初の頃よりは上手く扱える様になって来て居るわ」

 

「そうか」

 

俺はそう言ってメアとミラアルクを見る

 

「そろそろメア以外のルナやエルザとも模擬戦をさせても良い頃合いだな」

 

「そうね、今までずっとメアちゃんばかりだったから別の子と模擬戦をさせても良いかも知れないわね」

 

ヴァネッサは俺に同意してそう言う

 

「メアちゃん、ミラアルクちゃん少し休憩にしましょう」

 

『うん、ヴァネッサ』

 

『分かったんだぜヴァネッサ』

 

そう言ってメアとミラアルクは鍛錬場から出て来る

 

「マスター!来てたんだ‼︎」

 

「ああ、使いこなせる様になって来たみたいだなミラアルク」

 

「まだ少し振り回されては居るが何とか物になって来たぜ」

 

俺の言葉にミラアルクはスポーツドリンクを飲んでそう返す

 

「それでねミラアルクちゃん、今話してたんだけどそろそろメアちゃん以外の子と模擬戦をしてみても良いんじゃ無いかって話してたんだけどミラアルクちゃん自身はどうしたいかしら?」

 

「うちは…うちの力が何処まで通用するかは正直言って分からないぜ、でも今のうちに出来る限りの事はしたいぜ」

 

「決まりだな」

 

俺はそう言ってルナとエルザを呼び出す

 

「ご主人どうかした?」

 

「何かあったでありますか湊?」

 

「今日からお前達とローテーションでミラアルクと模擬戦をして貰う。取り敢えず今日の所はルナだ、鍛錬場に入って準備をしろ」

 

俺がそう言うとルナとミラアルクは頷き鍛錬場に入って行った




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383話

「何やってんだよ彼奴ら…」

 

俺が偶然窓の外を見ると泣きじゃくりなが歩くセレナと切歌とその後ろを歩く他3人を見て思わずそう呟き外に出る

 

「うう…みっ湊君〜‼︎」

 

「ぐす…お兄ちゃん‼︎」

 

「何なんだよ!本当に何なんだよお前ら‼︎」

 

セレナと切歌は2人して俺を見つけた途端に走って来て俺に抱きつく

 

「どっどうしたんですかセレナさん⁉︎それに切歌ちゃんも⁉︎何か悲しい事でもあったの⁉︎」

 

「響、お葬式に行った人にそう聞くのはおかしいんじゃ無いかな?」

 

「は!そうだった‼︎」

 

お前今まで忘れてたのかよ…

 

「セレナまで本当に…」

 

マリアはそう言ってため息を吐く

 

「まあ大方予想は付く中に入るぞ」

 

俺はセレナと切歌に抱きつかれながら家の中に入る

 

「湊…その状況に至るまでの説明をしてもらっても良いでありますか?」

 

「ま、十中八九ナスターシャが運ばれる時にやっぱり悲しくなったんだろ」

 

「そうよ」

 

「初めは切ちゃんだけだったんだけど流石に霊柩車で運ばれる時にセレナまで泣きだしちゃった」

 

それで家に着くまでずっとあれか、仕方ないとは思う反面一緒じゃなくて良かったとも思う

 

「まあ仕方ないと言えば仕方ない事ではありますが…」

 

「るる、これは予想外」

 

だよな!お前らもそう思うよな‼︎

 

「たく、もう十分泣いただろとっとと離れろ」

 

「「す〜、す〜」」

 

俺が下を見ると2人して寝て居た

 

「此奴ら…」

 

「仕方ないわね、セレナは私が預かるわ」

 

「切ちゃんは私がベッドに連れて行く」

 

そう言ってマリアがセレナを、調が切歌を連れて部屋に向かった

 

「本当に災難だったね湊君」

 

「たく、2人して子供か…」

 

俺の言葉を聞いて全員が苦笑いを浮かべる

 

「兄に…」

 

「はぁ〜、もう好きにしてくれ」

 

俺がそう言うとずっと裾を掴んで居たアリスは俺に飛び付いて来る

 

「お前は1番ナスターシャの隣に居たから彼奴ら以上に余計に辛かっただろうによく耐えたな」

 

「うん…兄に…」

 

そう言ってアリスの頭を撫でるとアリスは気持ち良そうにする

 

「そうして居ると本当の兄妹の様だな」

 

「アリスちゃんも切歌ちゃんと同じで湊君の事が大好きなんだね」

 

暫くするとアリスも切歌とセレナ同様俺の足元で寝息を立て始めた

 

「パパ‼︎葉月も‼︎」

 

そこに未来と遊んで居た葉月が来る

 

「今更1人増えたくらいじゃ何とも思わないからな、別に良いぞ」

 

「わ〜い‼︎」

 

俺がそう言うと葉月は俺の所まで来て俺の膝に頭を置く

 

「パパ…」

 

「兄に…」

 

「本当に…」

 

少しすると葉月も眠り始めだが存外悪くない感覚だ

 

「湊そのままじゃ気持ち悪いだろうし私が変わるから一度着替えて来たら?」

 

「ああ頼む」

 

俺は未来にそう言って服を着替えに行った




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384話

〜マリアside〜

 

「うう…恥ずかしいよ…」

 

「恥ずかしいならあんな事しなければ良かったじゃない」

 

数分後、目覚めたセレナはさっきの事を全部覚えて居るらしく顔まで布団を被った状態で悶えて居る

 

「だっだって…」

 

「仕方ないとは思うけど一様彼も異性なんだからそう言うのはちゃんとしなさい」

 

「うん…次からは気をつけるよ…」

 

でもまあセレナも彼にそれだけ気を許してるって事なんでしょうね。それに切歌あの子もそう、彼に気を許して居るからこそ彼処まで彼に甘えられるんでしょうね

 

「セレナ起きてるか?」

 

「み…湊君…どうしようマリア姉さん…こんな顔じゃ湊君の前に出れないよ…」

 

「私が話を聞いて置いてあげるわ」

 

私はそう言って立ち上がり扉を開ける

 

「お前かマリア」

 

「ええ、セレナはまだ寝てるの何か用かしら?」

 

「まあ良いか、明日の流れ星どうするか聞いて置いてくれ」

 

彼はそれだけ言うとまたリビングに向かって行った

 

(流れ星?何の事かしら?)

 

私はそう疑問に思いながらも扉を閉める

 

「終わったわよセレナ」

 

「ありがとうマリア姉さん、何の用だったの?」

 

「明日の流れ星をどうするか聞きたかった様ね」

 

「流れ星、もう明日何だ」

 

流れ星その言葉だけでセレナは何の事か察しは付いているらしい

 

「何かあるの?」

 

「うん、毎年恒例なんだけど流れ星を見に行くんだ。此処から歩いて半日くらい掛かる所に」

 

それで彼はセレナにそれに行くか聞きに来たのね

 

「それでどうするのセレナ?」

 

「行こうかな…エルザちゃんやルナちゃんにキャロルちゃんそれに葉月ちゃん行くだろうし」

 

毎年行っているんだから今年だけ行かないわけにもいかないでしょうしね

 

「それにしても流れ星を見るって言っても人混みが凄くてあまり見れないんじゃ無いかしら?そもそも彼人混みは嫌いでしょ?」

 

「うん、だからそのにいるのは私達だけなんだ。そもそも湊君の所有の場所だから人も入って来れないんだ、リューさんのお墓もあるからそこにお参りをしてからテントを設営して2泊3日」

 

ちょっと待って今何か突拍子の無い事を聞いた気がするわ

 

「所有の場所なの?」

 

「そうだよ」

 

「彼の?」

 

「うん」

 

もしかすると私が思って居た以上に彼は凄い子なのかも知れない

 

「私もその流れ星を見に行くわ」

 

「うん!凄く綺麗だからいつかマリア姉さんにも見せてあげたいって思ってたんだ」

 

「そう、それじゃあ一様支度をしておきましょう」

 

「うん!」

 

そう言って私とセレナは着替えの用意を始めた

 

〜マリアside out〜




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385話

「流れ星ですか!」

 

その日の夜、マリアが流れ星の事を響達の前で俺に話す

 

「ええ、セレナから聞いたわ毎年恒例だそうね」

 

まあセレナに伝えておく様に頼んだんだ知っててもおかしくは無いだろ

 

「ちょっと待って欲しいデス、毎年って事は去年も」

 

「ああ、お前達が居る時に俺達だけでそこに行った」

 

「そう言えば去年も一昨年も2日間くらい湊君達の事見なかった気がする」

 

恐らく響の言ってるその日は俺達が流れ星を見に行ってる日だろう

 

「ずるいデス!お兄ちゃん達だけで行くなんて!断固として抗議するデス‼︎」

 

「落ち着いて切ちゃん、湊さんの事だからきっと理由がある筈だから」

 

そう言って調が切歌を落ち着かせる

 

「場所が遠いんだよ、お前もセレナから聞いてるだろマリア片道半日くらい掛かるって」

 

「ええ、聞いてるわ」

 

俺の質問にマリアは頷いてそう言う

 

「片道半日」

 

「それに人数の問題もある、片道半日ってのは車で移動した場合だ」

 

「車で移動しても半日くらい掛かるんだ」

 

「ああ、これを見ろ」

 

俺はそう言って地図をホログラムで写す

 

「この木々の生い茂った道を車でまともに進めると思うか?」

 

「無理だろうな」

 

「だろ、整備された道もあるにはあるがそこに行くには外周をこう回って行くしか無いんだ」

 

俺はそう言って地図の道を指でなぞる

 

「成る程な、それに加えて山道を進まなければならない。それで半日程掛かってしまうのか」

 

「ああ、そう言う事だ」

 

「でもセレナから聞いた話だとこの山は貴方所有の山なのよね?」

 

「確かに俺の所有の山な事には変わりはない、だがそこに元々住んで居たのは動物達だ。後から来た人間が安易にそいつらの住処を奪うのは間違ってんだよ」

 

「幸いわたくし達も多少の関わりは持って居たであります、ですから余り大きく木を伐採したりしない限りでは道の整備をしても良いと許可を貰ったであります」

 

あの時は割とあっさりしてたよな、お礼に俺達はりんごの木など果実の実る木を植えた

 

「でも道の整備何て最初はしなかった。と言うかする必要がなかった」

 

「は⁉︎ならお前どうやってそこまで行ってたんだよ⁉︎」

 

「姉さん、それは去年の特訓を思い出せば分かるんじゃないか?」

 

俺がそう言うと姉さんは1つの考えに行き着いた

 

「まさかとは思うがお前らさっき見た生い茂った木を渡って行ってたのか」

 

「ああ、外周を回って行く必要もない。何よりその方が早く着くからな」

 

俺の言葉を聞いて全員が唖然とする

 

「ですがセレナと葉月ちゃんが一緒に行く様になってそうもしてられなくなったであります」

 

「るる、あの行き方は慣れてないと本当に危ないだから道を整備して遠回りをしてでも時間が掛かってでも安全に行ける様にした」

 

「そうだったんだ、ありがとうエルザちゃん、ルナちゃん、湊君」

 

セレナは笑って俺達に礼を言う

 

「お前達を連れて行かなかったもう1つの理由だがシンプルに全員車に乗れなかった」

 

「そこは普通なんだね」

 

当たり前だ、それなりの理由がないと連れて行かなかった時切歌がうるさそうだしな

 

「だがそれに関してはキャロルが去年行った時点で改善はされて居る」

 

「ああ、ゲートを使えば直ぐに到着する」

 

錬金術ゲートあれは発動する人物が1度そこに向かう必要がある。そしてキャロルは去年俺達と一緒に行って居るからゲートでの時間の短縮ができる様になってる

 

「はいはい!湊君!私も行きたい‼︎」

 

「私もデス‼︎」

 

まあそう言うとは思ってたが

 

「響が行くなら私も行こうかな」

 

「切ちゃんが行くなら私も」

 

「あの…湊さん達さえ宜しければ…僕流れ星を見た事が無くて…」

 

「私も良いだろうか?勿論無理にとは言わないが」

 

「あたしもだ、お前達が良いってなら連れてってくれ」

 

セレナがいつかマリアにも見せてやりたいって言ってたからマリアが来るのは予想出来たが全員来るのか

 

「はぁ…分かった連れてってやる」

 

「やった〜‼︎」

 

「楽しみデス‼︎」

 

そう言って切歌と響は大いにはしゃぐ

 

「だが1つ良いか?食料の買い出しはどうするんだ?道が整備されて居るとはいえそれなりに時間が掛かるんじゃないか?」

 

「食べ物に関しちゃ明日の朝買いに行きゃ良い、移動はゲートで一瞬なんだからな」

 

「そうね、一先ず全員明日の準備をしましょう」

 

響達はマリアの言葉に頷いて全員明日の準備をしに自分の使って居る部屋に向かった




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386話

「お兄ちゃんおはようデス!」

 

「葉月パンとご飯どっちにする?」

 

「えっと…ご飯‼︎」

 

俺は切歌の声が聞こえたがこんな時間に起きてる訳がないので幻聴だと思いスルーする

 

「ちょっ⁉︎お兄ちゃん流石に無視は酷いデス‼︎」

 

「切歌、お前本当に起きてたのか」

 

「まっまさか、幻聴とか思われてたデスか⁉︎」

 

「察しが良いなそうだ」

 

切歌の言葉に俺はそう返す

 

「悪かったって切歌、そろそろ機嫌直せよ」

 

「しっ仕方ないデスね、今回だけ特別に許してあげるデス」

 

数分後、朝食を食べ終えた後も何度か謝り漸く許して貰う

 

「にしても今日は早かったな」

 

「えへへ、実はマリアにこんな事を言われたんデス」

 

切歌が言うには昨日マリアに【そんなに楽しみなら明日の朝早くに起きれば良いじゃない】と言われたらしい。そして切歌はその言葉を鵜呑みにして昨日は早い段階で寝て昼寝をした影響もあるのか朝早くに目が覚めたそうだ

 

「毎日これくらいの時間に起きてれば幻聴だなんて思われずに済むのにな」

 

「…それはそうと今日の夕飯は焼肉デスか?それともバーバキューデスか?」

 

俺がそう言うと切歌はあからさまに話の話題を逸らす

 

「湊さん…葉月ちゃんおはよう」

 

「起きたか調」

 

「おはよう調お姉ちゃん」

 

少しすると調も起きて来た

 

「湊さん切ちゃん知らない?朝起きたら居なかったからまた湊さんの所だと思ったんだけど…」

 

「あ、調おはようデス」

 

そう言って調は声のする方を見るとそこには切歌が居た

 

「どうしたの切ちゃん?今日は随分と早起きだね」

 

「昨日マリアに言われた事をしたらこんなに早く起きれたデス!」

 

「あの切ちゃんが…明日からマリアに毎日そう言って貰うのも良いかも知れない」

 

「ちょっ⁉︎調それだけは勘弁して欲しいデス‼︎そっそうデス調!今牛乳を持って来てあげるデス」

 

「切歌お姉ちゃん葉月もジュース取りに行く」

 

「そうデスか、それじゃあ一緒に行くデス!」

 

「うん!」

 

そう言って切歌は牛乳とコップを葉月はジュースとコップを取りに行く走って取りに行く

 

「うん、この方法良いかも知れない」

 

「あんまやり過ぎると嫌われるぞ」

 

「うん、だからあんまり使わない様にする」

 

あんまりって事は偶に使うんだな

 

「ま、早起きして悪い事はないからな」

 

「うん、切ちゃんはもう少し早起きした方が良いと思うから」

 

確かに、今までの起きてる時間とかを見るとそう思うのも無理はないな

 

「ならお前と一緒に寝てるんだからお前も早めに寝て切歌にも同じくらいの時間に寝かせりゃ良いんじゃないか?」

 

「今度やってみる」

 

「ああ、そうしろ」

 

俺と調はそう話しながら切歌と葉月を待った




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387話

〜響side〜

 

「未来、こんな感じで良いの?」

 

「う〜ん…もうちょっと引っ張って響」

 

「分かったよ」

 

そう言って私はテントのロープを引っ張る

 

「もう良いよ響」

 

「うん!それにしても凄いよ湊君達もうテントの設営終わってるもん」

 

既にテントを建て終えた湊君達は椅子を組み立てのんびりしてる

 

「何度も繰り返し組み立てるだろうね、後はそれを地面に刺したペグに括れば完成だよ」

 

未来にそう言われて私はさっき地面に刺したペグ?に括り付ける

 

「完成‼︎やっと建て終わったよ」

 

「お疲れ響、私達もゆっくりしよう」

 

「うん、えっと椅子にテーブル、それから」

 

私は朝皆んなと買いに行ったキャンプ道具を通信機から取り出す

 

「お前らテント建て終わったなら移動するぞ」

 

「行こう響」

 

「うん、未来」

 

私と未来はそう言ってクリスちゃん達の後ろを追いかけた

 

〜響side out〜

 

「お前らは別に来なくて良かったんだぞ」

 

俺達がリューの墓参りに行くと何故か姉さんだけでなく響達全員が着いて来た

 

「まあまあ、そう言わずに」

 

「私達も今日此処にお世話になるんだからお墓参りくらいしておかないと」

 

それだとリューが此処の守り神みたいに聞こえるんだが気のせいか?

 

「あれがリューの墓だ」

 

「凄いよ未来!街が見えるよ!」

 

「お〜!絶景です‼︎」

 

響と切歌は走って柵のある場所まで行きそこから見える景色を堪能する

 

「やる事が此処に来た時のリューと同じだな」

 

「ガンス、全く同じであります」

 

リューが生きてた当時も此処に来た時は響と切歌の2人と同じ反応をして居た

 

「でもどうしてお墓を此処に建てたの?もっと近くに建てれば頻繁に来れるのに」

 

「彼奴がそうしてくれって言ってたのを思い出したからだ」

 

最後に俺とリューが此処に来た時にリューが言ってた【もしも私が死んじゃったらお墓は此処に作って欲しいんだ。そしたら何時でも私が大好きだった街を見れるから】それを思い出した俺はリューの墓を此処に建てた

 

「そうだったのか」

 

「ああ、彼奴の最後の我儘だそれくらいの我儘は叶えてやりたかった」

 

そう言いながら俺はリューの墓の花と水を入れ替える

 

「ほら響もこっちに来てちゃんとお参りして」

 

「貴方もよ切歌」

 

未来とマリアに呼ばれて響と切歌もリューの墓に手を合わせる

 

「あたしらは先に戻ってるぞ」

 

「ああ、俺も直ぐに追いつく」

 

俺はそう言って姉さん達が戻って行って少ししてから姉さん達を追いかけ様とすると聞き覚えのある声で何かを言われた気がしたので振り向くがそこには誰もいない

 

『良かったねお姉さんに会えて、沢山のお友達が出来て』

 

「ああ、また来るなリュー」

 

リューにそう言われた気がしながらも俺は姉さん達を追って歩き始めた




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388話

「もう入らないよ〜」

 

「お腹いっぱいデ〜ス」

 

そう言って響と切歌は椅子に座る

 

「お前ら1番食ってたんだから手伝えよ」

 

「響の分は私がやるよ湊」

 

「切ちゃんの分は私が」

 

そう言って未来と調が響と切歌の使った皿を運んで行く

 

「貴方達は本当に」

 

「あはは…」

 

そんな響と切歌を見てマリアはため息を吐きセレナは苦笑いを浮かべる

 

「湊、流れ星は何時頃見れるんだ?」

 

「何時も通りなら8時くらいだな」

 

現在の時間は7時30分時間にはまだ少し余裕がある

 

「でも流れ星に関係なく星が綺麗に見えるよマリア姉さん」

 

「そうね、街中だと建物が障害物になったりしてて余り見えない様だけど此処には障害物になる様な物はないものね」

 

「そうかもな」

 

マリアの言葉に姉さんはそう返す

 

「あ!見えたよ切歌ちゃん‼︎」

 

「本当デスか響さん!何処デス‼︎」

 

「ほら彼処‼︎」

 

切歌は響の見てる方向を見る

 

「本当デス!こっちも見えるデスよ響さん‼︎」

 

「始まったか」

 

暫くすると沢山の流れ星が見えて来る

 

「綺麗…」

 

「ああ、これは凄いな」

 

「お前らはこんな場所を独占してたのかよ」

 

「まあな」

 

姉さんの言葉に俺はそう返す

 

「未来!早く早く‼︎」

 

「分かってる今行くよ響」

 

「調も早く来るデスよ!」

 

「うん、今行くよ切ちゃん」

 

そう言って未来と調は響と切歌の居る場所に向かう

 

「何度見ても綺麗であります」

 

「るる、これはずっと変わらないで欲しい」

 

「そうだね」

 

「だな」

 

俺達は横に並んで響達の後ろから流れ星を見る

 

「終わっちゃったね」

 

「でも本当に凄かったね響」

 

「来年もまた来たいデスよ」

 

「それは湊さんにお願いしないと無理だよ切ちゃん」

 

流れ星を見終えた後、各自思い思いに過ごして居る

 

「どうだったかなマリア姉さん?」

 

「凄く良かったわ、ありがとうセレナ誘ってくれて」

 

「気に入ってくれて良かった」

 

そう言ってセレナは安堵の表情を浮かべる

 

「パパ…」

 

「そろそろ眠いか葉月?」

 

俺がそう聞くと葉月は無言で頷く

 

「いくら夏でもこんな所で風邪引くからテントに行くぞ」

 

「うん…」

 

葉月はそう言って眠い目を擦りながら俺の袖を掴む

 

「彼奴寝たのか?」

 

「ああ、テントの中に入って横になったら直ぐに寝た」

 

姉さんの言葉に俺はそう返す

 

「きっと楽しかったんだね」

 

「葉月ちゃん今日は1日中遊んでたもんね」

 

「私も楽しかったデス」

 

「切ちゃんもずっと葉月ちゃんと遊んでたもんね」

 

そう今日の葉月は切歌や未来、俺やセレナ全員と遊びに遊んだから疲れたんだろう

 

「ふぁ〜、私も今日は疲れたよ」

 

「私達もそろそろ寝よう響」

 

「私達もよ切歌、調」

 

「うん、マリア」

 

「そうデスねそれじゃあおやすみデス」

 

「エルフナイン俺達も行くぞ」

 

「は…はい…」

 

「我々もやすむとしよう」

 

「そうだな」

 

そう言って響達は自分達のテントの中に入って行き残るは俺とセレナそれからルナとエルザの4人だけになった

 

「今年は何時もより賑やかだったね」

 

「そうでありますね」

 

「るる、去年も一昨年も流れ星を皆んなで静かに見て終わりだった」

 

「確かにそうだな」

 

俺達は焚き火を消してランタンを付けて話して居る

 

「わたくし達も先にやすむであります」

 

「ご主人とセレナも頃合いを見て寝る」

 

そう言ってエルザとルナもテントに入って行く

 

「そろそろ寝ようぜセレナ」

 

「うん、ねえ湊君…」

 

「何だ?」

 

俺はセレナの声に立ち止まりそう聞く

 

「来年も再来年もずっと皆んなでこうやって流れ星を見に来ようね」

 

「そうだな」

 

セレナの言葉に俺はそう返した




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