神話と現代が混ざった世界で、普通な俺ですが頑張って生き残ってやる!! (鳩は平和)
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二度目の人生は次こそはリア充に!?
それはただ偶然の出来事だった………普通に起きて、普通に母さんや父さん、妹に挨拶して、普通にご飯を食べて、普通に高校まで登校するはずだった。
………それが、家族と最後の別れになるとは……この時の俺は考えてもいなかった。
俺は……死んだ、トラックに轢かれて無意味に死んでしまった。
そして、幽霊になってしまった。最初の頃は戸惑った、自分の死体が目の前にあって、誰も俺に気づかないんだから、寂しいか寂しくないかであれば寂しい。
『どうしたら、俺は成仏できるんだろう………』
晴天の空の中でふよふよと浮かびながら考える、そう、ゲームや小説に置いて、トラックに轢かれた男は大体、二度目の人生は前世の知恵でを使って異世界で無双しハーレムを作る。
いや、時には成長し、魔王倒す王道系もある。
だが、疑問に思ったことがある………ただの高校生達がよく、人や動物などを殺せるなと……俺には無理だ。そんな度胸も才能もない。
高校の成績はど真ん中、容姿普通、運動も普通な俺がそんな俺が異世界に行ったら3秒で死ぬ自信がある。ああ、どんなすごい特典をもらおうが、中身が普通な俺にはそれらを使いこなせる自信がない。
ハハ、普通すぎる人生だったな、せめて次はリア充みたいな高校生活を謳歌してみたいものだったな、二度目の人生を送れるならな。
『あれ、ここは………』
適当に空を漂い、気がつけばそこは葬式場だった。なんで俺は葬式場に……見覚えあるクラスの人たちもいた。
『もしかして……やっぱり』
葬式の看板には………俺の名前があった。つまり無意識に自分の葬式に来てしまったのか………なんか後味が悪いな。なんか、わざわざ俺のために葬式を着てもらっているのが申し訳ない。
その後、自分の葬式を見るとモヤモヤしていく……普通の俺なんかのために………普通に……
それならどうして、自分の胸の中に暗くて……なんか胸がぽっかり穴が空いて………虚しい?
いやいや、虚しいってなんだよ………俺はトラックに殺されてしまったんだ。言うなれば自分は被害者なんだよ。こう………幽霊なら幽霊らしく、欲望のままに……まずは銭湯に向かって、女湯を覗………やめておこう。なんか、おばさんの裸なんか見たら、違う意味で成仏してしまう。
うっぷ、想像しただけで吐き気が………いや、お化けは吐くのか?ええい、そんなのどうでもいい!!
『はあ、火葬はやめておこう……自分の姿が燃えるところなんて見たくないし』
どこに行こうか悩む………大阪のVSJも千葉のデスティニーランドに行くのもいいなあ。いや………海外に向かうのもありだな。
「ねえ、そこの幽霊」
後ろから声をかけられた気がする………いや、多分俺じゃないだろう。
「そこのいかにも幸薄そうな普通の幽霊!!」
『ああ?普通だと?こっちだって、好きで普通の人生を送ってきたわけじゃないんだよ!!』
いかにも俺のことだと思った俺は後ろを振り返った…………そこにいたのは巫女服を着た金髪ツインテールの少女だった。しょ、小学生六年生ぐらいか?……俺、ロリコンじゃないんで………まだ逮捕されたくないので
そんな少女は俺を見てため息を吐いた………ああ?なんて失礼なガキだ………
「本当、葬式があれば、絶対自分の死を認められない幽霊があるわね……まあ、いいわ、仕事終わらせるわ」
金髪ツインテールはポケットから何かを取り出した…………それは数珠だった。
「さらば、今を彷徨う幽霊よ……次はもっとマシな人生を過ごしなさい。急急如律令!」
金髪ツインテールがそう言うと、何か吸い込まれる感覚があった。そこには何もかも吸い込むブラックホールみたいな渦が発生していた。
『うぉぉぉぉぉぉ!!なんだ、これは!!?』
「アッハッハ!!それは輪廻の渦よ、それに吸い込まれたら即成仏」
金髪ツインテールは高笑いをしていた………クッソぉぉぉ!!俺は………まだ、成仏するわけにはいかないんだよ、成仏って未練なく死ぬことだろう……まだ………まだ死ぬわけにはいかないんだよ!!………もう、死んでいるけどね……是非もないよね!!
「ざぁ〜こ♡弱々幽霊、抗わないと原子の塵まで分解されわよ、ほら♡ほら♡頑張れ頑張れ」
この金髪………いや、メスガキっ!!くっそっ!!わからせたい、あの笑顔をビビらせたい!!
『ふんぬぅぅぅぅぅ!!』
「な、なんでよ………クソ雑魚幽霊がどうして、あの輪廻の渦に抗えるのよ」
怒りにも似た感情で徐々にメスガキに近づいていく……グヘヘヘ、このメスガキ、今までの、この恨み、晴らさでおくべきか。
「くっ、この欲望の塊!!」
俺は無我夢中で前を進むと………突然目の前に壁が出現しそれに捕まった。
「きゃっ!!」
『うん?………壁なのに柔らかい?…………いや、けど何か固いものが……なんだこれは?』
それにメスガキの女の子っぽい声が聞こえた…………俺は恐る恐る上を見上げるとなんとびっくり、俺が壁だと思って掴んでいたのはメスガキのおっぱいだった。
「このっ!!変態雑魚お化けっ!!」
「ブレラっ!!」
メスガキの憤怒の回し蹴りが俺の顔面にクリティカルし、ブラックホールまで吹き飛ばされた。
『ああぁぁぁぁ、まさかのラッキーすけべーがメスガキのちっぱいなんて最悪すぎるぅぅぅ!!』
足の先から分解され………そのまま俺は気を失ってしまった。
ー○●○ー
「ねえ、起きないよっ!!綾鷹」
「ぐへっ!!」
布団の上からわかる女の子の声と柔らかい感触と鳩尾に食らわせられた打撃でゆっくりと目を開けると、そこにいたのは金髪ポニーテールの少女だった。鳩尾の一撃が強かったのか、呼吸がうまく出来ない。
彼女は鳴瀬美香……俺が住むアパートの隣の家の幼馴染み……武術全般得意とし……こうして、時折殴られる……俺じゃなかったら死んでいたぞ。
そして何より………おっぱいが大きい………いや、何あのおっぱい、何カップあるんだろう………すっげえな?下から見上げているのか、高校制服からもわかるほどのボリューム………俺の眼は完全におっぱいに奪われてしまった。
「あの………美香さんや」
「うん、何よ?あ、おはよう」
「うん、おはよう……それで、なんで、幼馴染で隣の家に住むあなたが俺が借りている6畳一間のアパートの一室に?そしてなぜ、俺の腰あたりを太ももで挟んで馬乗りを?」
瞬間的な挨拶に思わず反射的に返した……人の悪戯なのか、そういうサービスだったのか……太もものリアルな感触が腰から伝わってくる。それを言うと、顔を真っ赤にする………へ?何故にそのような反応をするんだ………それは………まさか……いやないな、こんな………あっ、パンツ見えた、心の中で拝んでおこう。
「べ、別にあなたのためじゃないんだから…………ほら、お母さんに頼んであなたの分の弁当も作ってもらったんだから!!早く起きなさーいっ!」
「起きて着替えたいんだけど………いいのか?ここで脱いで?」
俺の言葉の意味がわかったのか、顔を真っ赤にして離れた。
「べ、別に興味ないわよ!!ほら早くしなさいっ!!」
美香は慌てて慌てて部屋から飛び出した………そうだよな、そんなラッキーすけべみたいなことが起こるはずもない。
『───ました』
「えっ?」
声が聞こえた………周りを見るがそこには誰もいなかった……気のせいか?気のせいだな。俺は…………今日から始まる新しい高校の学生服に着替え、弁当をカバンの中に入れた。
「輪廻の渦に巻き込まれたけど、そんなの構わない!!目指せリア充生活!!」
俺はそう意気込み、美香が待つ外へと出た。
ー○●○ー
「ねえ、それで……お母さんがね、塩と砂糖を間違えて入れちゃったの!!」
「へえ、おばさん……らしいかも」
鐘の音の音が聞こえた…………俺たちは空を見上げるとスクリーンみたいものが浮かび上がった。
『現在、朝の8時をお知らせします。そして雷神
空を見上げれば、晴天だった空は鉛色に染まり雷の音が聞こえ、風が強くなってくる。
「えっ、今日のニュースで神さま情報あった?」
そう美香が聞いてくるが、俺は首を横に振る。彼女の言う通り、今朝のニュースに神さま情報の類いはなかったはずだ。曇天の中に目を凝らすと、凄まじい速度で視界を横断していく2人の少女が見えた。どちらも無骨な剣……しかし、唯一の違いは矛先が欠けているか欠けていないかである。
「「アッハッハ!!」」
その黒髪のショートヘアーの少女が持つ矛先が欠けた剣は、突きを完全に捨てたがその意を介さない剣戟があった。守るところは最低限であり、金髪のゆるふわ少女が震えば雷が落ち、もうひとりの少女が矛先が欠けた剣を振るい、暴風にて雷を打ち砕いた。
「今日もあの神様はすごいね」
「ああ、凄い…………特に胸がブベラッ!!」
美香の裏拳が俺の顔に当たり吹き飛ばされた………ヘヘ、今日もいいパンチをお持ちで………俺はちゃんとはっきりと!!
俺はゆっくりと立ち上がった…………ここは学園都市
「でも、私たちも神口学園で加護をもらうんだよね」
「貰えたら良いなあ……」
日本最大の神おろしの学園である………まあ、実際に肉体に神おろすわけではない………そんなことしたら人の肉体は爆散!!もらえるのはその契約した神さまから加護である。
無論、神様は海外にいる……西欧ならギリシャ・ローマ神話、北欧なら北欧神話。アイルランド地域ならケルト神話、中東ならバビロニア神話、アジア地域ならならインド神話と須弥山が分かれている。南米ならマヤ・アステカ神話、南アフリカはエジプト神話の主神たちが代表となり、世界を運営している。
その地域は大なり小なりの神話があると数えきれない………まあ、この日本も仏教と日本神話が混ざった神仏習合。ヨーロッパなら聖書の神が生まれ、その他の世界の神を悪魔として堕とす行為が許せなかった神たちによる……数十年前には
しかし……代表格となる神話の神様のほとんどは不死であり決着がつかないために……神々は各都市に加護を与えるための学園を作り、主神は校長となり、学園を運営し、戦争は世界的にも人気なスポーツへと変わった。
「まあ、貰える加護は……それこそ神のみぞ知る!!」
武神系の加護をもらえれば、高校生活はモテモテ必須………普通の人生とはおさらばっ!!
ー○●○ー
桜が舞い散る校門にて………スクリーンが下されていた。そして目の前に広がるのは………男と女の子がイチャイチャと歩いていた。まあ、新しい季節の勢いで付き合うというのもあるだろう。
「ねえ、週末は遊園地に行こうよ」
「良いね、そしてもちろん夜は……ね?」
ああ、もしこの世にリア充爆破ボタンがあるなら、俺は迷わずこの世全てのリア充たちを消し去っていただろう。
「あっ、同じクラスだね」
掲示板に俺と美香の名前が書いてあった………一年
「おお、本当だ………これから三年間よろしく」
無論、神様の加護次第では、企業がこっちに来てくださいとなり、人生勝ち組確定。だからお願いします………神様、どうか、この金なし、親なしの俺に相応しい加護をください。
「それじゃあ、早く行こう!!」
「わっ、ちょっと待ってくれ!!」
美香に腕を引っ張られ、俺たちの教室へと向かうのであった。
ー○●○ー
入学式までの準備まで時間があるために……俺は寝る。ヘヘ……別に美香以外にお友達がいないからとかじゃないから!!その時間潰しの美香はすでに同じクラスの女子と仲良しになっている。
「なあ、おい………起きろよ」
男っぽい口調が聞こえる……肩を揺らされ、そこにいたのは物腰が柔らかそうな…じゃなかった。同い年だよな?実は俺は先生でしたって言うオチじゃないよな。
「えー……どちら様?」
「俺か?
こいつ………もしや、陰キャな俺とは対の存在陽キャなのか!?ま、眩しい……まだ加護すらもらっていないのに……この男の後ろから流れ出る後光はなんだ!?……そして、ゴリラじゃねえか……茶髪のイケメンがゴリラみたいな名前か……
「えーと俺は
「そうか、よろしくな綾鷹………なんかホストでいそうな、名前だな」
互いに握手し、俺は思わず苦笑いする。たしかに………神無月って人ホストにいそうだ
「たしかに……けど、俺は女性経験はゼロだ」
「ああ、俺もだ…………なあ、綾鷹はもし貰えるなら、どんな
「そりゃ、この学園で有利になれる加護だよ………」
武神系なら、武器関連………豊穣神系なら鍬や釜へと変貌する。噂だと極めた人となると
「俺は決まっている…………
「芸術系の主神だったか?」
………人は意外と見た目によらないんだな……ゴリさんはチッチッチと舌を鳴らした。
「いや……たしかに芸術又は踊りの神様だが………それ以上に
………ええ、まあ、わかるよ………男は獣、常にエロのことを考える……だけど、それを貰うほどに………このゴリさん……出来る。
「さあ、お前もこの手を取ってくれ………俺らもエロの極地へと至ろうぜ」
手を取りたい………しかし、その手を取れば何か大事なものを失う気がする……もしくは、美香に殺される……うん、絶対に殺される。
「……そうか、お前の夢はそれぐらい大事なものなんだな……これからは親友でいようぜ」
「ああ………」
はたして、俺とゴリさんは……
ー○●○ー
体育館に集まる………合計12クラスが余裕にいられるほど広い。
『それでは………これより学園長であられる
体育館の壇上にトコトコと歩く金髪ツインテール幼女がいた…………なんか、見覚えあるけど気のせいだな。
『えー、新入生の皆さん、入学おめでとうございます………私たちはあなたたちがやりがいがある学園生活であることを約束します』
その後、校長あるあるの長話が続く………幼女に見えるけど……あれがロリババァというものなのか………
『それと、この入学式が終わった後に………貴方達が楽しみに止まない
又教室へと戻る………そして金髪爽やかイケメンの青年が教卓に立っている……俺とゴリさんは視線を合わせる。
「僕は宮崎隼人……今日から1年間担任と歴史・実習を担当するよ、これからよろしくね」
キャーキャーと女子生徒達の黄色い声が聞こえる……… 共学校ではあるけど、女:7・男:3という………だからこのクラスもまた女子が多い……生徒会もたしか全員女性だし………
「ゴリさん……」
「ああ………あいつは俺とお前………いや、俺ら男子生徒全員の敵だ」
さすが、ゴリさん………よくわかってらっしゃる。
「それじゃあ………このまま中央の神社にて
ー○●○ー
神口学園の中央にある神社に向かった俺たち生徒たち。神性的な雰囲気に息を飲む……ここまで綺麗な景色を俺は見たことがない。
「生徒たちは、この真ん中で立ってもらいます………すると、君達に与える神様がいます……魂と魂の波長が合う神様が目の前に現れます」
日本にでは八百万の神様がいるために………よっぽどではない限り
次々と神々が現れ………
「それじゃあ、次は………鳴瀬美香さん」
「はい!」
美香の頰から冷や汗が流れ出る……緊張しているのだ……わかる。俺も緊張する……頑張れ、美香。美香は片膝をつき祈った。
「偉大なる八百万の神々よ………その力で我らを導きたもう」
「……うん、雷音?」
上を見上げれば………雷雲が発生していた……おいおい、まさか!?
雷が落ち……煙が上がり……消える。そこにいたのは………同じ金髪だがゆるふわの少女だが………その体から尋常ならざるオーラが放出していた。
「
美香の前に……出てきたのは……雷を放出させる刀だった。宮崎先生はゴクリと唾を飲み込んだ。さっき、上空で戦っていた神様じゃないかっ!!
「すごい………
全員から惜しみない拍手に戸惑う美香………そういえば美香の実家って剣道やっていたよな……やっぱりそれなのかな。
その後順調に進む………ゴリさんは青い髪の女性に非常に眠そうな目つきをしている。
「それじゃあ………神無月くん」
「はい」
歩くたびに心臓が早く鼓動するのを感じる………どうか、どうかリア充生活を謳歌出来る神さま来てください。
「偉大なる八百万の神々よ………その力で我らを導きたもう」
………何も来ない………ええ、どういうこっちゃ…祈りが、祈りが足りないんか!?だったら祈る……だから神様女神さま仏様!!どうかきてください!!
しかし………来なかった……あまりの出来事に生徒達の視線が痛い。宮崎先生の方を見る。
「神無月君………君に与えらる神様が………誰も来ないんだ」
宮崎先生の申し訳ない言葉に俺は真っ白になる………この世界は理不尽に理不尽を重ねた世界らしい。
世界観
神話と化学が発展した世界であり、神々が普通に現世にて住まう。世界の各地域にて神様の陣営がある。神々は人と地球をより良い世界へと導く為に陣営外で戦闘することは禁じられている(ただし陣営内なら暴れても問題ない)。人だけではなく、妖怪、
神々
そして人に
そして、神々が現世に現れる際……ほとんどの女性の性別である(例外を除く)
神々が人々に与える恩恵……様々な形があり、その魂に適したものが具現化となる。それを使う世界大会までも開催されている。
神口学園
人々が神々より
神無月綾鷹
一年子組……主人公。白髪黒目。謎の少女に謎の渦に吸い込まれた挙句二度目の生を受けた。
学業……普通
運動……普通
神の
成瀬美香
金髪ポニーテール、少し目つきが強い。最近胸が育ってきたことが悩み
一年子組
学業…中の上
運動…上位
神の
雷神建御雷神《タケミカヅチ》の刀。常に雷が放出する……当たれば感電では済まない
五輪山武
茶髪の髪に、整った顔立ちだが……意外と欲望には忠実に。芸術の主神から
神の
何か分からないことが有れば質問どしどしお願いします!!
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この世は無常也
「ねえ、大丈夫?」
気がつけば………そこは帰宅路だった。美香が心配そうに顔を覗いていた。あれ……授業は?俺はいつのまに………たしか、俺は……神さまから
与えてくれる神様が1人もいないなんて………どういうことなんだよ!!八百万って無数っていう意味なんだろう!?
それなのに………それなのに、ないってどういうことなんだよ!?……はあ、前世でも変わらず無個性な俺がリア充生活が出来ないっていうことなんだな……そういうことなんだな………クソっ人生はやっぱりクソゲーすぎる。
「あっ、でも、宮崎先生が……いま、ほかの先生と会議しているし、よっぽどではない限り大丈夫………のはず!」
俺がこの世の終わりぐらいの絶望顔に励ましてくれる……ごめん……生まれて来てごめんなさい……うう、なんで………なんでなんだよ。
「おい、貴様」
「えっ?」
俺は誰かに呼ばれ、下に向いていた顔を見上げれば………刀の鞘が目の前にあった。その後勢いよく、風圧が来て……腰がぬけたのか俺は尻餅がついた。そこにいたのは美香とは似た容姿…………しかし……目つきがとても強い。
「さっきからネチネチ、負の感情を感じて鬱陶しい!!」
そう言われた………たしかに羨ましいし、悲しい気持ちがある……けど、最初から持っている
「いや……ちょっと待って!?なんで、ここに
俺は思わず立ち上がり、目の前にいる俺の質問に何言っているんだとという顔をする
へ、……俺なんか悪いことを言ってしまったのか?
「何言っているのよ……
ああ………その頃はずっと、どんな加護が貰えるか楽しみにしていたからな………まあ、結局貰えなかったけど。
「まあ………その……そうだな。こんなウジウジしても仕方がない。宮崎先生も優しそうだし、よっぽどじゃない限り退学も多分ない!!」
「ええ、そうよ……早く帰りましょう」
その後………帰り、アルバイトがあったことを思い出し別れた。金無しに休む暇なんてないんだ!!
ー○●○ー
「それじゃあ、今回の
私こと、神口学園の永久校長
みっち〜(許可無し)も女の子で現世に降りたら良かったのに〜まあ、それを咎める権利にはわたしにはないんだけどね。
「ええ、今回の一年生達はとても優秀ですね………例えば、牛組には
うーん、これは玉の世代が来てしまった、来てしまったのかな?ようやく、私たち日本神話の陣営陣が本気出せることを
「何より、すごいのは……
なるほど、なるほど………まあどの神がどの人たちに力を与えるのかは、その神の気分次第なんだよね。今日の朝もこの二柱が暴れるから………わたしも怒っちゃうところだったよ………
お正月の高天原………
するとみっち〜が帳簿をじーっと見ている、何かあったのかな?何か面白いことだと嬉しいな〜
「どうかしたの、みっちー?」
「えっ、み、みっちー?……こほん………その子組の1人、神無月綾鷹は………誰とも神から
………へ?誰からも
「そんな、五年前は便器の神様から授かった人もいるのに………困ったな」
授からないから退学というほどの理不尽な校則も無いけど………これは困ってしまったね……実習や体育も受けることは出来ずに留年か自主退学するかもね
「いっそのこと、わたしが
よっぽどじゃない限り………大丈夫でしょう。私、こう見えて……凄い神様だし……それじゃあ、早速彼の家に行こう!!しかし、みっちーが深いため息を吐いた。
「
だよね〜、特に隣須弥山の主神様が絶対に黙っていないし………この事がバレてしまい、説明するのも面倒かと言って、このまま野放しをするのも面倒。
「とにかく、様子見……かな……宮崎先生にもよろしくって言って置いてちょうだい」
「はあ、わかりました………お茶とお菓子です」
わあーい、今日のお菓子はなんだろう………今後のことについては明日のに考えよう。そして………神無月綾鷹くん…………とても面白い人の子だね。
ー○●○ー
「ありがとうね、あやちゃん……それじゃあ、帰っていいよ」
「店長、おつかれさまです」
コンビニのアルバイトが終わって、残り物のお弁当を鞄に詰め込んだ。これで二日分の食糧確保……ヤッホー!!久しぶりのお肉だ〜
「春といっても、夜は寒いな〜」
空を見上げると……満点の星だった……なんで、俺が二度目の人生を引き継いだんだろ。あのメスガキが原因なのか………嬉しいよ、うん………某スライム作品や某作品のように………いや、あれは俺と似たような感じだけど、ヒロインいっぱいだよな………羨ましいな、主人公こんちくしょう。
「ぐじゅ……じゅるるる」
つい、別のことを考えながら俺は路地裏を通り抜けている途中……その時時だった、何か動物みたいな声が聞こえた。
「誰か…………ペットの放し飼い?」
いやいや、放し飼いってそんな無責任な飼い主がいるのか………この時代でそんな珍しいことが起きるのか?
俺は気になった………どんな動物がいるのかが………神様もいるんだったらめっっっちゃくちゃ可愛い動物とかがいるかもしれない。
「ぐじゅぐじゅるるるる」
路地裏をくぐり抜け広い空間にたどり着いた………そこにいたのは………巨大な黒い毛皮を持つ犬……いや、あれを犬と言ってもいいのか?………尻尾と立髪の一本一本が蛇だった。化け物がこちらを振り返り…………犬の頭が二つあった。こんなの……まるで神話に登場する化け物。
「な、なんだよ………これ」
そんな化け物が食べていたのは………人……だったもの。人骨が地面に化け物の口には赤い液体で染み付いていた。こちらを見ているその化け物、唸るその姿は明らかに友好的な要素は何処にもなく、あるのは敵意のみだ。
「ぐるるるるる」
「け、警察………違う………か、神様に」
恐怖で震える手で俺はポケットからスマホを取り出す……早く、逃げないと……逃げないとあの人骨のように死ぬ。たとえ……武神と武神が戦い合う所を間近で見ようとも……それは自分が死ぬことはないからだ………こわい。
じゃあ、どうやって逃げる…………鞄を囮にして逃げるか?無理だ………顔が二つあるし、どっちに当てるか悩むうちに買われて死ぬだけだ。いや、違う………もし、逃げたらこの化け物は……街中で暴れて人をまた食うはずだ。俺は決意を固めた
ぐじゅり
………が、すぐに簡単にその決意は砕けた。スマホをを持っていたはずの右腕の感触がなく……激痛が走る。
「ア………ァァァアアアアアア!!」
頭を紛らすために全力で叫んだ………腕からとめどもなく血が流れ出る。痛い痛い………傷口が熱い………痛い……それが無限ループする。化け物を舐めていた……知能はそこまで高くないと慢心した。けど………化け物は最初から俺じゃなく……持っていたスマホの右手だった……仲間を呼ばないために……化け物はケータイを持った右手ごと………もう、二度と、右手で何かを持つことは出来ない。
「……がっ!!」
化け物の蛇の尻尾で俺を壁際まで吹き飛ばした………背骨…絶対に折れた。もう……逃げるのは無理そうだな。
「グじゅるるる」
バギゴキッ!!
「ああぁぁぁぁ!!」
化け物は倒れた俺に上乗せ、念入りに逃げない為なのか俺の左腕をゆっくりと、確実に押しつぶし、骨を折った。
死ぬのか……また、あの前世のように無意味に………嫌だ。
死にたくない………死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないない死にたくない死にたくない死にたくない殺したい死にたくない死にたくない死にたくない
………違う………言葉が今脳内に出た………
『綾鷹〜』
何かドス黒くネバネバした……何かわからないものが溜まる中……一筋の光……違う、この声は………美香の声だ。なんでこんな時に……死ぬ直前なのに……なん……でだろう。
視界が霞んできた………トラックの交通事故の次は………化け物に殺されて死ぬのか………
「ぐる?………ぐじゅるるる!!」
化け物は何かを察したのか………前足を折った左腕から放しどこかへと逃げた。どういう………ことなんだろう
苦しい………入学初日で化け物に殺されるとか……ついてないな………でも、家族いないし……迷惑………かけないか……でも……俺が死んだら美香は泣いてくれるのかな。
「……やられましたね」
なんか別の女性の声が聞こえた……初めて聞いたのな……どこかで聞いたことがあるような……黒い髪で片目が隠れているのか……表情がわからない。
「魔獣なのに………人祓いを……また別の………」
頭を持ち上げたのか、謎の浮遊感の後に何か頭の後ろから柔らかく、人の温もりを感じ……意識がどんどん沈んでいく…………深い闇の底みたいに……
ー○●○ー
木製の鳩笛を吹くような、頼りのない変な鳥の囀りと目覚まし時計の声が聞こえた。もう……朝……時計の音がうるさい……この音がなるいうことは二度寝の合図
ピピピピっ!!
うるさい………時計……時計どこだったかな。俺は寝ぼけながら時計を探すが触らない。
その時だった………何かむにゅっとやわらかい………
「あっ………」
聞き覚えがない……女性の甘い声が漏れたかのように聞こえ、震え出した。俺はまさかと思い、その柔らかいものからすぐに手を離し布団をどこかへと吹き飛ばした。
そこにいたのは………あの、長い黒髪で片目を隠した長身の女性……白い布をゆったりとした服を着ており………まるでヴィーナスの誕生の女神が飛び出しような格好だ。
そして今何より………メートル級のおっぱいだった……俺は自分の手を見て、グーパーグーパーする……俺がさっき右手の五指で使うんだのは………生おっぱいだったのか、二次元とかではなく……本物の美少女……ああ、幸せすぎるけど……グッバイ、青春、こんにちは、お巡りさん。
いや違う………なんで、俺は……生きているんだ?俺は確か、あの化け物に殺されかけて、右腕を食いちぎられ、左上も踏み潰れて死ぬ所だったのに……なんで俺は生きているんだ……そして、俺は誰かに……そう今目の前にいる女性みたいに………いや、違う!!俺はこの人に助けてもらったんだ………どうやって、俺は生き残ったんだ?
しかし、俺にはやらねばいけない使命が目の前にある。
「ご、ごめんなさいぃぃぃ!!」
俺はすぐさまに土下座した………そんな、助けて貰った女性の胸を揉んだとか……もう、こんなの死ぬしかない!!いや、もう……なんでもしますから、だからどうか……どうか警察での通報はやめてください!!
その時だった、ぐ〜ぎゅるるるとその女性から大きな腹の虫がなった。
「あの………昨日貰った朝ごはんをいただきますか?」
コクリと頷き、俺は起き上がった時………違和感があった。なぜ俺の声は高いんだ?そして……胸が寝巻きに擦って気持ち悪いし、何故俺の胸はここまで盛り上がっているんだ?
「ハハハ、そんな………あるわけない」
俺は、恐る恐る自身のズボンを覗いた…………ない!!男には絶対にあるはずの息子がいない!!さよなら息子……まだ使ってあげることが出来なかった父親(まだ結婚していない)を許してくれ。
信じたくないが………俺は……俺は女の子になってしまったのかぁぁぁぁ!!
「………俺、こんなパンツ持ってないし買う余裕もない」
ピンポーンと玄関のチャイムの時間が聞こえた、地面に転がっている時計を見ればすでに学校に登校している準備
『ねえ、綾鷹、大丈夫?』
扉の外から美香の声が聞こえ、俺の心臓の鼓動が速くなる。ヤヴァイヤヴァイ……俺が女の子になったのもそうだけど、それ以上に………女の子と一緒に布団の中で一緒に寝ていた……なんて、拳一発では済まない。
これから起こることに身震いし…………顔が真っ青になっていく。
「み、美香さんや…………出来れば先に行って欲しいな〜………なんて」
「ちょっと………今の声誰よ!?どうして、知らない女の子の声が聞こえるのよ!?」
ドンドンと声を叩く……ああ、そうでしたね。今の俺、女の子でしたね!?美香さんから聞いたらそうなるわ!!ごめん、説明すると色々ヤヴァイ!!だからお願い、ちょっと落ち着いて話し合おう!!
「美香、落ち着いて話そう!!俺だよ、神無月綾鷹だよ!!」
俺の名前が聞こえたのか、美香はドアを叩くのをやめた。
『え?……でも、女の子………え?……えぇぇぇ!?』
美香も戸惑い驚きの声を上げた………そうなるよ。俺だって今の現状を受け入れることはできないし、できればしたくない。
『とりあえずわかったわ………開けてちょうだい』
俺はゆっくりと扉を開ける………そして俺の姿を見て唖然とする。そうだよな………普通はそうなるはずだ……もう、笑ってくれよ。
ー○●○ー
そして俺は昨日起きた化け物のこと………そしてこの女性に助けてもらった事を説明する。
「なるほどね………事情はわかったわ」
俺と美香はちゃぶ台にて話した………ひとまず納得してくれたのがよかった
「ほっ、よかった」
「それでどうするの?」
どうするとは?…………どういう事なのかわからない俺に美香は深いため息を吐いた………あっれぇ、最近こんな事多くない。
「あなた、女の子のまま学校にいくの?」
たしかに……このまま投稿したら絶対に俺は……注目の的だ……いや、それだけで済めばいい下手したら退学っていう可能性もある。
「かと言って、このまま不登校なのも不味いし………宮崎先生に聞くか」
「それしかないわね………でも変ね」
「変って?」
「そんな、化け物がいるならどうして、今まで気付かないのか………ニュースもやっていないわ……魔獣だって山奥じゃない限り出てこないし………」
たしかに………名を残すほどの魔獣だって、ほとんどは主神級がほとんど倒したって中学で習った。
「魔獣………いる」
ずっと無口だった女性が口開き、俺と美香はその人に顔向けた。
「ただ、ずっと……鳴りを潜めていただけ………上位の魔神は……人々の恐れや負の感情で不滅の
「………あの、貴方は誰?」
美香がそういうと、その女性は立ち上がって俺の方をみた。俺……え、まだ何も悪いことはしてないよ。
「私……アイア。ギリシャ・ローマ付属アイオンハイスクール一年」
それを聞いて俺たちは驚いた………主神ゼウスが校長務める西ヨーロッパ最大の学院。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!なんで、西ヨーロッパの学院の生徒がここにいるのよ!!」
た、たしかに………俺も頷く。
「今日から……神口学園へ留学生として転入してきた。一年子組に入る予定」
ー○●○ー
「ちょっと、ゼウス!!どういうことよ!」
私は校長室にて液晶スクリーン越しに映る長いゆるふわの白髪の女性、頭には赤と黄金の装飾が施されている王冠をのせている。ギリシャ・ローマ陣営
私はつい、声を荒げた………こんなの認めることは出来ない。
『何って言われても、その紙の通り、私たち、アイオンハイスクールの生徒を留学生として貴方達の神口学園一年子組へ送ったのよ』
「こっちはまだ入学が終わって間もないのよ、それを急にされても受け入れることは出来ないわ」
「でも、私はちゃんと送ったし、こっちの手続きは終わっているわ………それとも何か
ゼウスの言葉に苦虫を噛み潰したような表情になっている私………本当、自分が楽しめればそれでいい………本当に全能な神は嫌になる。別に留学生は構わない、だけど、こいつに弱みをしられると絶対何かしてくる………隣の大陸の陣営ともそこまで仲は良くない。まあ、基本的に陣営優先が当たり前だし、全員腹真っ暗だし
「ええ、わかったよ、こっちでもその子の資料をちょうだいね」
「はいはい〜それと、アポロンちゃんが言っていたんだけど、そっちで近々怪異が発生する予言が出てきたから気をつけてね」
はっ!?ちょっと待ちなさいって言おうすると、すぐに通信が切れた………あの腐れ○ッチババァァァァ!!
「はあ、あとで各教室の担任と……天照大神さまにも連絡入れておかないと……きょうは残業かな」
本当、神様を残業させるとか……絶対にあの主神を許せないわ……一枚の紙が出てきた……それはこちらに送る留学生の情報だった。
「アイン?…………ファミリーネームは無し?いえもしかしたら隠しているのかもしれないのね………
下手をすれば……死人が出てもおかしくはないわね………頭痛い。私は………早速作業に急いで取り掛かるのであった
概要
神口学園の校長。金髪ツインテール幼女。好きなものは和菓子と定時退社。
菅原道真
神口学園教頭。学問の神でもあるが天神として恐れられたために一度逆鱗に触れると怖い。長髪の黒髪黒スーツの女性。大国主や神々からはみっちーと呼ばれている。
アイン・■■■■
ギリシャ・ローマ陣営が経営するアイオンハイスクールの留学生。
ゼウス
アイオンハイスクールに校長にしてギリシャ・ローマ主神。ゆるふわの長髪白髪の女性。実力も
魔獣
古今東西の神話・物語に登場する神々の不倶戴天の敵。神話に名前を残す魔神又は聖書に記される悪などは人々の恐れ、妬みなどの負の感情による不滅の
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女の子って、コワイ
「わかった、僕からも学園長に報告しておくよ。君も次からは夜遅くまでバイトしないように」
「はい、わかりました」
職員室で宮崎先生に全てを話した………普通なら信じないが、その事件が起き、女性になってしまった俺を見ればいやでも信じるだろう、ハッハッハ自分で言って悲しくなってくるぞ。
「そういえば、宮崎先生……留学生がくるって本当なんですか?」
「うん?……まだ、そのことは僕たち先生しか知らないのに良くわかったね」
言えない………その留学生が、俺の家で寝てたわわなおっぱいを揉んでしまったことは………墓地の中に入るまでのことにしておこう。
「あ、いや、その………そう、そんな噂があったので」
「あ〜なるほどね……そうなんだよ……とりあえず仲良くしてくれると僕としても嬉しいから」
なるほど…………しかし気になることがある。それは今最も大事なことである。
「あの、先生………俺……制服ってどうすればいいんですかね?」
「ああ、そういえば………今日は授業と身体検査あるから明日には多分君の夜に届くと思うよ」
よかった……のか……とりあえず、スカート関係はやめて……TS主人公は普通にスカート履けてすごいな。俺には無理だ。
「了解です〜それじゃあ、俺戻ります」
俺はそのまま子組へと戻るのであった……早く、この姿に慣れたいいなとどこか楽観な俺がいた。
ー○●○ー
ざわざわと内緒話が聞こえるのと、視線が俺の方に集まっているのかは気のせいだろうか………気のせいだな。そうだな………うん、そんな俺が女の子になったくらいでクラスのみんなが…………いや、普通驚くは!!
「おお、本当に女の子になっているな」
「おっすっ!ゴリさん、俺は見せ物じゃないんだ……ここから先は有料」
「いや待てよ………お前が女の子になったということは……これはもはや、ハーレムでは?」
「ハッハッハ、お前それ以上話すとやばいぞ」
「でも、実際に他の神様を見習って一夫多妻制度もあるから、別に問題ないよな?」
「そういう問題じゃないと思うけどな………」
ゴリさんが珍しいものを見たような顔つきになる、変な事を考える……たしかに前世と違い、一夫多妻制度があるが……そういうのは二次元だから許されるんだよ……実際にあると、俺なんて絶対にストレスで胃に穴が開く自信がある。なんでこんなことになったんだろう………それにあの化け物はどこにいるんだ?未だにニュースにならないとか………気になるな。
「はい、みんな席に座って」
宮崎先生が教室の中に入りクラスのみんなは自分の席へと座った。ようやく息苦しさが少しだけマシになった。
「それと、この子組に転校生が来てくれたよ……それじゃあ入ってくれる?」
扉が開き入ってきたのはアインさんだった…………このクラスの数少ない男どもはアインさんに釘付けだった。
「……アイオンハイスクールから来たアインさん。みんな、同じ志を持つものとして仲良くしようね」
「……アインです、よろしくお願いします」
「それじゃあ…………神無月くんの隣の席に座ってくれるかな?」
「……はい」
おお、しかも俺の隣にこんなにも可愛い美少女が座るなんて………ついているぞ、俺!!
「それじゃあ、今日は一時間目歴史から二時間目と三時間目は身体検査、昼の後半三限全ては実習だからね、みんな怪我しないようにちゃんと指定された服を着るんだよ」
「あの、先生俺は…?」
「そうだった、君は申し訳ないけど後半も身体検査なんだ」
宮崎先生に苦笑されながら言われた。ああ、なるほど………そうだよな。俺どの神さまとも契約出来なかったんだよな………それならばしょうがないか……とりあえず、こんな姿になったけど変に誰かに目をつけられたくないな。
「僕は機材の準備をするから、君たちも教科書の準備をするんだよ」
「「「はーい」」」
俺はカバンの中にある教科書を用意するのであった………しかし、中学の歴史の教科書よりも分厚くて大きいぞ。
「ああ、そうだ……神無月くん。アインさんの教科書が未だ用意出来ていないんだ。すまないが見せてあげて欲しい」
「わかりました」
「……ありがとうございます」
俺は彼女の方に机を寄せて…………うん?心なしか彼女からいい匂いが…………って何やっているんだ、俺は!!もう、これだとただの犯罪予備軍じゃないか!!
「それじゃあ、授業を始めるよ」
こうして、俺の二度目の授業が始まった。
ー○●○ー
スクリーンに映像が映し出されたのは地球だった。地球は本当に青かったんだ。
「この地球の創生は一つ一つの神話の創生が折り重なった状態………身近にいうならば一つの本である物語がこの地球」
ギリシャであるなら、
バビロニアなら神マルドゥクが原初の女神ティアマトを引き裂き、天と地を作り出した。
日本ならば、イザナギとイザナミが結婚し、神々と島々を創り出した。
インドならば、山に竜王を結び続け、千年間攪拌しつづけ様々な物を創り出した。
南米は五回の滅びと創生が起きた。エジプトは原初の海ヌンより生まれた男神アトゥムによる………あれによって世界を創り出された。
「世界で様々なもの方法を用いて世界を創り出され、聖書記も北欧神話、ケルト神話もまた世界を創り出しました」
スクリーンの大陸の一つずつに光の柱が立った……中国、インド、西ヨーロッパ、アイルランド、北欧、バチカン、エジプト、南米、中東、日本と出てきた。
「今や、先の大戦により、ほとんど神話が消えてしまい……代表は今出た主神方、そして各校長が今後どうするべきか話し合う事となっています」
「あ、あの!!」
ひとりの女子生徒が手を挙げた、今更だが校長が主神ってすごいよな……ロリだけど、ロリなんだけど!!
「何か質問ですか?」
「は、はい………どうして、ヨーロッパに各神話の陣営が集中しているのですか?」
「いい質問だね………そう、ヨーロッパは
たしかに………小さいから、本物の妖怪を見てびっくりしたな………各学園はどんな種族の生徒がいるんだろう……興味あるな。
あーたしかに……テレビとかでもやるときの選手の目は血眼だったな。怖かったけど…………中々素晴らしい光景だった。
「それで
又は写真が変わった…それは大きな都市。東京ではなく……たしかあそこは中学でも習った。
「国の首都のように、神々が住まう場所を神都と呼びます。日本ならば出雲がその神都の入り口になっています。その首都と神都の間にある島を開拓したここ竹生市に神口学園」
いかん、すでに追いつけないぞ。頭のメモリーが許容オーバーだ………なんでみんな普通についていけるんだ!?
その時だった……俺の左腕にむにゅっと柔らかいものに包み込まれた、ま、まさかっ!!俺は錆びたブリキの人形のように左の方を見ると……こちらに体を寄せ、そのたわわなおっぱいが俺の腕に乗っかってい………フォォォォォォ!!
なんだこれは!?なんだこれは!?………今までの勉強が全て塗り替えられていく……顔が熱くなってくる……心臓が早くなってくる!!天国と地獄を一気に体験できる。
「……綾鷹、大丈夫?」
顔を近づけてくるアインさん………近い近い近い近い!!ああ、なんかいい匂いもするし
「だっ!、大丈夫っ!!」
声が裏返りながら答えた、やばいやばい!!助けてゴリさん
(むしろ、ごちそうさまだぜ。元気でやれよっ!!」
俺の視線に気づいたゴリさんは親指を立てて笑顔になる……ああ、今となってはその親指をへし折りたい。
キーンコーンカーンコーン
「今日はここまでだね、明日からは通常授業もあるから
終わりの合図を知らせるチャイムがなると、アインさんが離れた………なんだろう、この嬉しいような悲しいような………うん、これでよかったんだ。
「おーい、綾鷹、着替えに行こうぜ」
「おー、それじゃあ、アインさんまた今度ね」
俺はゴリさんと共に
ー○●○ー
俺は男子更衣室に立ち止まった。俺は……どっちの更衣室を使えばいいんだ?肉体的に考えるなら俺は女子更衣室、精神的に考えるなら男子更衣室。けど、このままいけば犯罪だ。
……難しくてよくわからないから女子更衣室で行けばいいや、だって、今の体は女の子なんだし
「ちょっと待って、綾鷹」
後ろを向けばそこにいたのは美香だった。なんだろう………まさか、覗きがバレたのか…いや、まだ覗いていないし。
「な、なんだよ!?まだ何も悪いことはしていないし、これは不可抗力、そう、これしか方法がないんだよ、俺が着替えるためには」
「まあ、それは仕方ないよね……それはそれでいいけど」
美香が俺の肩に手を置き、俺をじーっと見る。
「もし、他人に迷惑をかけるような事件を起こしたら………その時は覚悟しなさいよ」
美香の発した言葉に重みと血の気が引いていく感覚がある………あの光を灯していない美香の瞳はマジだと認識し、コクコクと頷く俺だった。
ー○●○ー
「よお……うわっ!!なんだよ、その希薄のない顔は」
ゴリさんが俺の方へと近づき、驚いていた………多分、俺はエジプト並みのミイラみたいに痩せ細いだろう
「いや、同じクラスの女子たちにさ………興味深々で俺の身体触ったりするんだよ」
「なんだよ、役得じゃねえかよ」
やれやれと肩をすくめて、ため息を吐いた………ああ、女の子とあれこれ出来たり、間近で女の子の胸を見れて嬉しいけど、その度に美香のあの言葉を思い出してそれどころじゃないし………女の子って、普通に俺の胸を揉むんだな。
「なんか、どこかの忍者が着そうなタイツだよな………」
「あっ、わかる!!」
ここの体操服は機動性重視なのか、肌に張り付く体操服。白と黒を強調したがズボンが少しぶかぶかである。肘と膝には装甲をつけた……なんか胸が締め付けられて気持ち悪いんだよな……それに、この装甲今いるか?
「なあ、ひとつ聞くけど………お前、自分のおっぱいを揉んだか?」
「自分の揉んでも気持ち良くないし、単純に虚しいだけだ」
真顔で言った俺に若干引き気味であるゴリさん…………オイコラ、お前から聞いてきたんだろう
「それじゃあ、俺あっちだから……じゃあな!!」
「おう、これ終わったら食堂で飯食おうぜ」
俺とゴリさんは他愛も無い話をして、俺は美香とアインさんの方へ向かった。
ー○●○ー
身体検査は前世でも特に変わらず終わった。でも妖怪専用の体重計とかあるのは面白かったな〜そしてみんなは今頃実習なのか………羨ましいな。
「それじゃあ、次は……神無月」
保健室の中から女性の声が聞こえて、俺は保健室の中にはいる。保健室は非常に整ってはいるが、役僧?とにかく漢方薬の匂いで部屋が充満していた。机には白衣を着ており、白いセーターに白いスカート……とにかく白づくしであるが、目に止まったのは頭に白いうさ耳が生えていた。
「ああ、宮崎から聞いた通り、本当に女になっているんだな。これは実に興味深い」
机に置いてある紙にさらさらと何かを書いていく……男らしい口調だが知性を溶かすほどの妖艶な声がマッチしている。アインさんの胸も大きかったがそれと同等もしくは上かもしれない? 仕事をしているその人は、実に様になっていた。
「あ、あの先生………」
「ああ、すまんな………私は因幡の白兎だ。保健を担当している……原意不明の女体化は実に面白くてな」
フフフと微笑む因幡先生………まあ、外から見ればそりゃおもしろいと思う。
「だが、安心するといい……神が
因幡先生は立ち上がり、俺の方へ近づき、因幡先生は俺の顔に手を添えた。宝石のルビーよりも赤いその瞳に吸い込まれそうだった。
「実に興味深い、君の全てが………気になる」
保健室のベットに押し倒された俺、待って待って待って!!何この急展開!?エロ漫画でももう少し情緒があるよ!!
「大丈夫だ、君に忘れない体験を……教えてあげよう」
うわーん、こういうのはできたら女の子の体じゃなくて男の体が良かっ………たわけでもない!!
因幡先生は制服の胸元のボタンを外すと、俺は胸元が露出した……違う、こんなの俺が知っている診断ではない!!
「先生、これって診断ですよね!?」
「ああ、診断だとも……今から君の器となる神の………うん?」
因幡先生が突然固まり、首を傾げた。
「……いや、ありえない………だが、私が考えていることことなら、この過程は擁立させる……だが」
ぶつぶつと何かをいい、俺の体から離れ、机に座り、パソコンに何かを打ち込む。俺はゆっくりと立ち上がり、保健室の扉まで辿り着きゆっくりと、扉を開ける
「お、お邪魔しました〜」
俺は小声で因幡先生に挨拶し、廊下を走る………あのままいると俺は食わ
れていたかもしれない。とりあえず、みんながいる実習室へと向かおう!!
実習室に着くと…………アインさんと美香が戦っている。
「おいおい、何が起きているんだよ!?」
なんか、2人からとてつもない殺気が出ているのだけはわかる。
ー○●○ー
私たちは実習室と呼ばれる場所に集まった。綾鷹は保健室で診断と聞いたけど大丈夫なのか心配。宮崎先生も動きやすい格好をしていた。赤と黒のジャージの上に心臓を守るための胸当てをつけていた。
「それじゃあ、実習を始めるよ……みんなは神々から
宮崎先生がそういうと、空気が揺らめき黒髪の緑の武者鎧の……小さな、そうまるでマスコットみたいな少女が顕現した。
「みんなも呼び出してみなさい」
宮崎先生にそう言われ、私は祈りを捧げ
「そう、これが
「あ、あの!!それじゃあ神さまたちは!?」
同じクラスの女性が手を挙げて宮崎先生に質問した。
「神さまによっては様々な側面や
『これからよろしく』
二頭身の
『名刀雷切を出した』
刀が出てきた……私はそれを手に取る。すごい………持っただけでもわかる……私が振ってきた刀が全部オモチャみたい。
「そうそれが君の魂が具現化したもの………今回はそれを使い組手を行ってもらう」
「先生、それは……危ないと思います」
私が宮崎先生に言った………わかるのはこれが本物刀……怪我ではすまない。下手をすれば命を落とす生徒もいる。
「ああ、それなら安心して……ステージやこの学園で死に至る怪我などが起きた場合は強制的に医療の
宮崎先生がそう言い………安心した。たしかに今までのゲームで死人が出るような事故は起きてこない。
「それに、その体操服にも……身を守るための術式が施されている………大体はその術式が破壊されたら負けのルールが多い……それじゃ、アインさん」
宮崎先生に名前を言われた……アインさん……その手には大きな鎌を持っていた。
「出来れば君の実力を見たい…………誰か、相手してくれる人はいるかな?」
生徒全員が顔を下に向けた………それなら!!
「先生、私にやらせてください」
私は自分から手を挙げ、刀を構える。勝ちたい………今日の綾鷹を見て、彼女勝ちたいと思った。そして、鼻の下を伸ばしている綾鷹を殴りたいと思った
私とアインさんは自身の得物を構える。宮崎先生は私とアインさんの顔を交互に見て、手を挙げた。
「………初めっ!!」
手を振り下ろしたの同時に私はアインさんの懐に入るために走る。刀に置いて打ち合うのは禁じ手………刀は斬るためである……もし、アインさんの鎌と打ち合えば先に私の刀の刃先が欠けるのは必然。
けどリーチの長いその鎌なら懐では振りにくいはず…………私はら頑張った。才能だけで剣を振るって来たわけでもない、努力した。
私は大上段から刀を振り下ろした。
しかし、アインさんは鈎柄で私の刀を防御した………硬い……鉄……いえ、これが
「だったら!!」
その時、私の刀に稲妻が走る………
しかし………アインさんの顔は無表情だった。雷よ………痛くないはずがない。
私が戸惑う中、アインさんは口を開く。
「初めてでそこまで……出来るのは……凄い……でも……くぐってきた、修羅場の数が違う………」
鎌の刃でわたしのお腹を横薙ぎに振るう、刀でガードするが、その細腕に見合わない重い一撃は私の体をガードごと壁際まで吹き飛ばされた。
「ガハッ!!」
痛い、腕が痺れるほどにいたい……その見えない壁と刀の防御していなかったら……私は意識を無くしていたと思う……私は刀を杖代わりにして立ち上がる。
「まだまだ!!」
私は動くたびに、斬撃をアインさんは真正面から迎え撃った。鎌の横薙ぎと私が放つ上段の打ち下ろし。縦と横の剣撃がぶつかり、火花が炸裂した。
雷を刀に貯める………勝ちたい……とにかく勝ちたい思いしかなかった。近づいてもダメなら!!私は刀を上げ、上段の構えをする。
「雷っ切り!!」
上段から振り下ろされた紫の雷撃はアインさんのの方まで放たれた。地面を抉るほどの一直線の雷撃が放たれた。
「来て………
アインさんの横に現れたのは古びたローブを来た二頭身の女の子だった。アインさんの鎌が変色する………光すら飲み込む……闇そのものと一体化となった鎌は私が放った雷を触れると……朽ちていき崩れ、消えた。
「………私と契約した神は……ギリシャ神話において死の神タナトス、その触れたものに死を与える」
雷にすら………死を与える
「はい、そこまで」
宮崎先生が私とアインさんの間に割ってはいる。
「美香さん、初めてなのに
「……はい」
私は下を向き、拳に力を入れた………アインさんに手も足も出なかった。悔しい………ただそれだけが私の心の中に溜まっていく。
因幡のの白兎
大国主の眷属であり、保険医担当している。神話の出来事により薬学を通じ、常に保健室で新しい薬を作っている。
契約した神の分身、
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