機動戦士ガンダムSEED 裏切りのコーディネーター (TNKエース)
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機動戦士ガンダムSEED 裏切りのコーディネーター

機動戦士ガンダムSEED 裏切りのコーディネーター

 

さて、諸君初めまして。

俺の名はクラウド=ハンター。

コズミック・イラに転生した29歳だ。

職業は地球連合の軍人で階級は大佐。

つい、先日付けでアラスカ本部所属の参謀となった。

 

今の時期は三月、血のバレンタインから約三週間が経過した。

 

当時の俺は旗艦の参謀長を務め、対MSの作戦を考えるも、性能差を乗り越える事が出来なかった。

 

しかし、ルーズベルトの艦長は月面基地に保管されていた核ミサイルを無断で持ち出し、理事国の財産であるユニウスセブンを破壊した。

 

俺はその艦長を糾弾。例えテロリストであるザフト相手でも……と言う理由ではなく(寧ろ、その点については民間人を避難させなかったザフト側に非がある)理事国の財産であるユニウスセブンを破壊した件だ。

 

その後の戦闘は別の部隊が関わり、

移動の間のちょっとした休暇を取り、友人と会う事にした。

 

「やあ、クラウド」

 

「すまない。遅れたか?」

 

「いえいえ、と言っても僕もそう時間は取れませんが……」

 

「無理を言ってすまないな。ムルタ(・・・)

 

友人。ロゴスメンバーにしてブルーコスモスの盟主。ムルタ・アズラエルである。

 

アイツと出会ったのはジュニアハイスクール時代だ。

当時、デトロイトに住んでいた俺は、ムルタの存在は知っていたがクラスが違う事もあったし、取り巻きも大量にいたので関わらない事にしていた……が

 

ある日裏庭周りで掃除をしていたら、ムルタの取り巻き達が逃げていた。

 

何だ?何だ?と見ていると、噂のコーディネーター君がムルタを殴っていたのだ。

 

俺はちょっと面倒臭そうだな。と思いながらコーディネーター君を止めようとしたが、

 

何と、コーディネーター君。人の話を聞こうともせずに此方に殴りかかってきたのだ。

 

俺は驚きながら一撃を喰らってしまうもコーディネーター君を迎撃し拘束し、慌てて駆けつけてきた教師達が大騒ぎして、警察沙汰……まあ、地元の大企業の子息に対して暴力を振るったコーディネーター君は退学処分となり、俺は学校から表彰される事となった。

 

それからムルタは取り巻きを引き連れるのをやめて、俺と絡む様になった。

 

まあ、普通に親友と呼ばれる間柄となり、実家の事業も業績が上がった。

 

ああ?実家はデトロイトにある中規模の工場で、俺はそこの三男坊なんだ。

 

因みにブルーコスモスの正規メンバーだ。

 

ブルーコスモスって言ったらテロリストじゃないのかっだって?

それは過激派か、それを真似したにわか達だ。

 

ブルーコスモス自体は一自然保護団体であり、コーディネーター殲滅が思想ではない。

 

閑話休題

 

 

「それで、何の用ですか?」

 

「ああ、プラントの事だ」

 

俺はコーヒーを頼み、椅子に座る、

 

「世界樹で使われたザフトの新兵器。ニュートロンジャマー……知ってるだろ」

 

「ええ、核分裂を抑制して、通信妨害もするという……ちょっと待ってください!もしや!?」

 

早速気づいてるよ。

 

「ああ。最悪のパターンだが、地球にニュートロンジャマーを打ち込まれた場合……」

 

「各地でエネルギー不足に各地との連絡が……」

 

予想される被害に頭を抱える。

 

「向こうはユニウスセブンでの一件でNJを地球に打ち込む権利を得た………と思っているだろう。

自分達の正当性を棄てるとも知らずに……」

 

「それは……どう言う………ああ、そう言う事ですか………」

 

「実際にニュートロンジャマーを打てばコーディネーターの為と言いながら、自分達の私利私欲のお題目に利用された地球のコーディネーター達はどうする?」

 

俺は悪い顔をする。

 

「クラウド、君は本当に軍人よりも政治家の方が向いているんじゃ無いんですか?」

 

「ハハッ、冗談言うなよ。【ピピピっ】悪りぃ。本部からだ。

はい。クラウド=ハンターです。

はい。何っ!!?ザフトがビクトリアに?了解しました!可及的速やかにアラスカ本部へと向かう!

悪い。話はまた今度だ。とりあえずはニュートロンジャマーが散布された時の対応を頼んだ!」

 

俺は速やかにその場から立ち去り、近くの基地へと向かった。向かうは……アラスカだ!

 

 

 

 

 

俺がアラスカ本部に着いた頃にはすでに戦闘は終わっていた。

 

結果はザフトの撤退。恐らく次辺りでエイプリルフール・クライシスが起こるだろう。

 

「おお、大佐。休日中にすまないな」

 

「問題ありません」

 

俺に話しかけてくる黒髪の准将。

彼の名はリカルド=バジルール。

俺の直属の上官だ。

 

ついでに言えばナタル=バジルールの父親でもある。

 

「ザフトの軍勢は撤退したとなると、次回は別の地点か、それとも何か……ニュートロンジャマーによるミサイル等の無効化でしょうか?」

 

「君が報告していた。ニュートロンジャマーを地球に打ち込まれた場合の被害か……考えたくもないが、地球にもコーディネーターが居るのに……」

 

「シーゲル=クライン達プラント指導者を騙るテロリスト達は、何を考えているのでしょうね……」

 

 

 

 

 

そして、運命の4月1日(エイプリルフール)

ザフトはオペレーション・ウロボロスを発動し、連合軍の決死の奮戦も虚しく、地球にニュートロンジャマーが打ち込まれ、

 

 

 

 

 

多くの悲劇が生まれた。

 

この日から、一ヶ月もしないうちに地球の一割の人間が死に……今もなお、寒さと飢えで苦しむ人々がいる。

俺は以前にムルタと話していた作戦を実行する事にした。

 

 

 

 

 

翌年、3月1日

 

プラント議長を語っていたテロリスト。シーゲル=クラインは、全身に包帯を巻き、車椅子に乗った状態で法廷の場にいた。

 

どうしてこうなったのだろう?

 

 

 

 

 

2月14日

 

私、プラント国防委員長であるパトリック=ザラは誰もいない自宅で、妻の残した畑に咲いた花を取っていた。

 

生前の彼女の真似をしながら育ててきた。彼女が好きだった花を収穫する。

 

この花を息子の婚約者であるラクス嬢に似合うであろうと考えながら私は立ち上がろうとすると、

 

ドォン!!

 

爆発音!?

こんな日に!

 

私は爆発音を聴くと同時に邸宅内にあるシェルターへと駆け出す。

 

ブルーコスモス共か?

そんな事を考えながら、何とかシェルターに逃げ込み、国防本部に連絡を入れる。

 

暫くすると、シェルターのドアが開いた。

 

「おお、よくや【ドゴォ!】ごふぉ!」

 

何だ?何が起こった!?

 

「よくやってくれた。同志」

 

「ああ、同志」

 

まさか?

 

「貴様ら、ブルーコスモスか?」

 

「ああ、そうだ。ただし、コーディネーターのな!」

 

ドカッ!

 

蹴られた顎の痛みを感じながら

私の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

2月14日

 

この日、シーゲル=クラインは朝から慌ただしかった。

 

血のバレンタインから一年。

地球連合の卑劣な核によって多数の死者が出てしまった。

親友を含む遺族や死者の魂が安らぐ事を祈って、

娘とその婚約者であるアスラン=ザラを送り出した。

 

此方は早く戦争を終わらせたいのに、地球連合は今もなお、無駄な争いをしようとしている。

早くオペレーション・スピットブレイクを訴えるべきか?

 

と、シーゲルは考えていた。

 

そして、秘書の入れてくれたコーヒーを飲んで、暫くすると、

シーゲルは夢の国へと旅立ってしまった。

 

 

 

 

 

 

さて、少し興醒めかも知れませんが、皆様には先に結末を語っておきましょう。

 

2月14日

この日に起こったクーデターは後世に『バレンタインクーデター』と呼ばれ、

プラントは再び理事国の管理下に置かれ、理事国から派遣されたジャン=キャリーが代表としてプラントを統治する事となった。

 

 

 

 

 

 

パトリックが目が覚ますと、薄暗い倉庫の中だった。

 

「此処は?何処だ?」

 

パトリックは自分の状態を確認していく。

 

腕は頑丈な手錠で逃げ出す事が出来ない。

 

が、彼には焦りの表情が無かった。

 

優秀なコーディネーターであるザフトの兵士なら直ぐに自分を見つけてくれるだろうと、

 

彼は信じて待った。

 

信じて待った。信じて待った。信じて待った。信じて待った。信じて待った。信じて待った。信じて待った。信じて待った。信じて待った。

 

信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて信じて

 

待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って

 

待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待待…………………………………………

 

 

 

 

 

倉庫の扉が開く。

 

そこには、飢えて乾き物言わぬ死体となったパトリックがいた。

 

其れを見た男は狂気を孕んだ笑顔でこう言った。

 

良かったな。苦しむ時間が少なくて、

俺の娘はもっと苦しんだのに比べれば優しいだろう

 

 

 

 

 

2月14日

 

血のバレンタインで死んでしまった同胞の鎮魂歌をラクス=クラインは歌っていた。

 

前回と同じ轍を踏まない為に今回はナスカ級を二隻、ローラシア級を六隻、その中にシルバーウィンド(原作でラクスを乗せていたシャトル)と同型のシャトルに遺族が乗り込んでいた。

 

アスラン=ザラもラクスの歌声を聞きながら、亡き母へと祈った。

 

直後、彼等の乗る船は爆発し、絶命した事も気づかずに命を落とした。

 

 

 

 

 

少し前、とある兵士は格納庫にてラクスの歌声に夢現の状況になっていたが、妙な匂いに気付き、辺りを見渡していると、同じザフトの兵士がタバコを吸っていた。

 

「お前、何をやってるんだ!?」

 

タバコを吸っていた兵士は、気怠そうに、

 

「線香代わりだよ」

 

と返して、

 

「ああ〜、気持ちは分かるが、流石に格納庫でタバコは「ああ、気にするな。どうせ最後だからな」

 

そう言って彼はスイッチを取り出して押すと、

 

閃光。

 

兵士は光を見た直後に命を失い。

彼らが乗っていた船は爆発した。

 

いや、その場にいた全ての船が爆発して、軍人民間人(ザフト認識)問わず多くの人間が死亡した。

 

 

 

 

 

この日、プラントでは、クーデターが起こった。

クーデター参加数は役150万人。

中にはザフト軍人も多数いて、ジンで自軍の基地を破壊していった。

 

クーデター軍は老若男女、一見関わりのない様に見えたが、

たった一つ。たった一つだけ共通点が有った。

それはクーデターに参加した全てのコーディネーターがエイプリルフールクライシスによって自分や身内に被害を受けた者達だった。

 

そう、クラウドとアズラエルの策略だ。

そもそも、地球圏にいるコーディネーターの総数は訳6億人以上。内、大半は遺伝子治療や健康面程度のコーディネートを施された者だ。

【尚、Destinyの主人公シン=アスカもこれである。】

【更に言うなら、健康面程度なら合法】

 

対する原作プラントは訳6000万人程度

 

単純計算すると、エイプリルフール・クライシスでプラントに匹敵する数のコーディネーターを殺害している。

 

これでコーディネーターの為どころか、滅亡の為に動いていると言っても過言ではない。

 

そもそも、プラントの事など、地球に住むコーディネーターにとっては関係ないのにエネルギー不足で家族は凍え死に、食べる物も無く飢え、渇き死んでいってしまった。

 

昨日の隣人に、コーディネーターだからだと言う理由で暴行を加えられた。

 

愛する者と引き裂かれた。

 

などなどの理由で彼等はプラントの外道達に復讐をする事にしたのだ。

 

最終的に多くのジンやシグーが暴れまくり、太陽光発電設備が破壊され、

クーデター軍に試作型のグングニールを奪われてしまい。マイウス市やアーモリーワンにて発動したそれはザフトの工場全てを破壊してしまった。

 

残されたプラント最高評議会はシーゲル=クラインとアイリーン=カナーバを除いて殺害された。

 

翌日2月15日にシーゲル=クラインの名の下にプラント及びザフトは地球連合に敗北を宣言。

 

一部のザフトはそれを信じられずに徹底抗戦の構えを取ったが、補給が出来ずに連合の物量に打ちのめされた。

 

コーディネーターVSナチュラルと思われた戦争は

コーディネーターとコーディネーターの内乱により終わった。

 

 

 

 

 

エピローグ

 

キラ=ヤマト

 

地球に降りて目を覚ましたら、戦争が終わったと言われ困惑するが、アラスカ迄半月以上あったため心の整理がついた。

その後、アラスカ本部にて何事もなく除隊。僅かな給料と退職金を貰い、友人達と共にオーブに帰った。

 

20歳になると義両親から自分の出生を聞き、驚くも自分は自分と整理をつけ、カレッジを卒業後はモルゲンレーテに就職し、アサギ=コードウェルと付き合い。普通に幸せな家庭を築……こうとしたのだが、中々子供が出来ずにいた為に両親のように養子をとって、幸せな家庭を築いた。

 

 

 

フレイ=アルスター

 

コーディネーターに父を奪われた後、そのコーディネーターがザフトを破壊した事でどうすれば良いのか分からなくなってしまった。

原作ではキラと寝ていたが、この世界では特に話す事もなく関係は終わった。

その後はサイ=アーガイルと結婚して、息子に父の名前を名付ける。

実家はアルスターの分家が継いだ。

 

 

 

ラウ・ル=クルーゼ

 

クーデターを知った後、自分のシナリオが無茶苦茶となり、次善の策として、ユニウスセブンを地球に落とそうとしたが、薬が切れてしまい。作業中に死亡。不憫枠

 

 

 

マリュー=ラミアス

 

アラスカ本部に到着後。G計画の功績を讃えられ、新型のG計画のメンバーに抜擢、

マードック達と共に、

レイダー。カラミティ。フォビドゥンを開発に着手する。

 

 

 

ムウ・ラ=フラガ

 

アラスカ本部に到着後。士官学校教官に転属され、持ち前の気性から生徒に好かれる良い教官となった。

後に、とある女性士官に捕食され人生の墓場に直行してしまったもののそれなりに幸せになった。

 

 

 

アンドリュー=バルドフェルド

 

戦争終結後。恋人と共にオーブにてコーヒーを売りにした喫茶店を開く。

その後恋人と結婚してマスターとして名を残した。

 

 

 

 

ムルタ=アズラエル

 

今回の一件とザフトで開発途中だったニュートロンジャマーキャンセラー(開発途中にアズラエル発狂した)を完成させ、エネルギー問題を解決した功績にて益々ロゴス内での発言力を高める。同年代のロード=ジブリールに因縁をつけられるものの、ジブリール傘下の『マティスの一族』を自分の下につけた事により、ジブリール財団の不正の証拠を得て、ジブリール財団を吸収した。

最近の悩みは父親に孫はまだか?と聞かれてくる事

 

 

 

クラウド=ハンター

 

戦後、テロリスト殲滅に多大な貢献(盟主の友人補正有り)をした為、准将に昇格、

再編された第8艦隊の司令官となる。

 

地球連合最年少の准将である。

 

後に、お見合いを経て、ナタル=バジルールと結婚。

一男一女を得て幸せに暮らした。

 

 

 

 




こう言った地球のコーディネーターがプラントのコーディネーターに復讐する作品って中々見ない為に作ってみちゃいました。

指摘された所を修正しました。それに伴い人数を約倍にしました。


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戦後のクラウド

蛇足話その1
アストレイキャラを出します。


戦後のクラウド

 

 

CE71年11月7日

 

戦争が終わって半年以上が経過した。

俺は再編(殆ど新造)された第八艦隊を率い、日々軍務を熟している。

 

最初はブルーコスモスの俺に旧ハルバートン提督傘下の兵達が従ってくれるかが心配だったが(尚、勤務態度が悪ければ別の部署に異動させる予定)ハルバートン派の士官以上の人間は低軌道開戦にて殆ど戦死していた為、問題はなかった。

 

それから数ヶ月はアークエンジェルを旗艦とした艦隊の訓練。

MS部隊の育成に新型機(三馬鹿の機体)の実戦データ収集等、ろくに休日を取る事も出来なかった。

まあ、地上は地上で忙しいのだが、

 

そんな中、今俺は

 

「あー、あー、ジャンク屋。ロウ=ギュールに告げる。

私は地球連合軍第八艦隊提督。クラウド=ハンターだ。

直ちに武装解除して、超大型実体剣を明け渡しなさい」

 

SEED外伝のアストレイシリーズの主人公。ロウ=ギュールが持つレアメタルΩ製の超大型実体剣150ガーベラの接収である。

 

「何で、150ガーベラを渡さなくちゃ何ねぇんだよ!」

 

画面にロウ=ギュールが噛み付かんばかりに叫ぶ。

 

「君達ジャンク屋ギルドの所有するビーム兵器等の兵器は自衛目的と認められるが……流石に、150ガーベラとやらは認められない」

 

半分事実で半分建前な説明をするが、

 

「150ガーベラは作業用だ!」

 

俺は目頭を軽く揉む。

 

「それは無理があるだろうに……」

 

「提督。彼は頭に血が上っています。

ここは強行突入で拘束してから接収しましょう」

 

副官が強行策を言うが、

 

「では、ロウ=ギュール。

君は危険物不法所持で捕まるか……それとも150ガーベラを放棄して今まで通りにジャンク屋を続けるか。

どちらかを選びたまえ」

 

道を選ぶぐらいはさせてやる。

 

「ふ…もが!「少々お待ちを!」

 

若い男の声が流れ、一度モニターが消える。

向こうも一枚岩ではないようだ。

 

「各艦、MSの発進準備とイーゲルシュテルンとアンチビーム爆雷用意。向こうが逃走及び敵対行動に移った時のみに攻撃を許可する」

 

俺の指示に部下達はすぐに行動に移る。

 

因みに、現状第八艦隊旗艦アークエンジェルの役職は艦長とヘリオポリス組以外は原作メンバー。

新型機の技術顧問としてマリュー=ラミアスの元第八艦隊メンバーだ。

 

さて、どうなるだろうか?

 

 

 

 

 

その頃、

 

ジャンク屋ギルド所属のロウ=ギュールは仲間のリーアムと樹里に取り押さえられていた。

 

「何するんだよ!」

 

「落ち着いてください!我々の戦力では第八艦隊には勝てません!」

「それに振れもしない150ガーベラ有っても無用の長物だよ!

さっさと連合に渡しちゃおうよ!」

 

二人の言葉にロウは眉を顰める。

 

本来の歴史通りにレアメタルΩを手に入れ、150ガーベラを作り出したまでは良かった。

しかし、150ガーベラを使う為のアイディアとなったミーティアは作られる前にザフトが崩壊した為MS用外骨格とも言えるパワーローダーは作られず、ジャン=キャリーも今現在はプラントの復興作業をしているためにパワードレッドが作られる訳も無く、無用の長物と化していた。

 

『現状、連合の言動に不当な処は無い。

150ガーベラを渡すべきだ』

 

仲間達からの説得もあり、ロウは頭を引っ掻き、

 

「……分かったよ」

 

小さく呟いた。

 

少しだけ彼のその後を説明しよう。

 

原作よりも早く戦争が終わり、優秀な技術者である。ユン=セファンも居らず、ジャンク屋ギルドは原作よりもその権力が遥かに無かった。

 

更にはユニウスセブンの作業(アストレイRで有った)で事故が発生し、プラントに損傷を与えてしまった。

 

これには残っていたプラント市民や理事国も怒り、ジャンク屋ギルドは責任を取らされ解体。

ジャンク屋ギルド所属ではなくなった。ロウ=ギュールは愛機レッドフレームを手放す事となった。

 

無論、火星に行く。と言うこともなく、リーアムが作り出したリサイクル会社でワークスジンに乗りながら、細々と………ではなく、何時迄も腐ってられるか!と言わんばかりに、ビームサイン等の逸品を作り出し、その特許でレッドフレームを買い戻し、リ・ホームを買い取り、大型ロケットエンジンを買い、火星へと向かった。

その後Δアストレイ(バッテリー駆動)やターンΔを作り、技術者として名を残した。

 

 

 

 

 

ジェス=リブル

 

後の外伝、ガンダムSEEDDestinyASTRAYの主人公ジェス=リブルはスポンサーであるサーマティアスに助手として、プレア=レヴェリーとセトナウィンスタースを紹介されていた。

 

そこで新規気鋭の第八艦隊に取材(アポは取った)する事となった。

 

「初めまして、ジェス=リブル殿。私は第八艦隊提督のクラウド=ハンターだ。

今回の取材はよろしく頼む」

 

「はっ、はい!よろしくお願いします!」

 

まさか、最初からトップが出てくるとは思わなかったジェスは少しドモリながらクラウドと握手をする。

 

「それでは、今回乗艦するアークエンジェルと艦載機を紹介しよう」

 

「アークエンジェル……ヘリオポリスで製造され、当時エース部隊だったクルーゼ隊に奪われた四機のGに囲まれて生き残った不沈艦……」

 

「ええ、残りのGはザフトに奪われたままですが、残ったストライクは当艦の艦載機になっています。

それに新型のGも有ります」

 

クラウドの言葉にジェスは、

 

「新型ですか?戦争も終わったと言うのに?」

 

「ええ、ですがザフト残党も残っていますからね……

それに新型機は技術試験機でもありますから」

 

「技術試験機?」

 

「ええ、詳しい事は軍機ですので喋れませんが」

 

「写真は大丈夫ですよね?」

 

「ええ、写真で分かる機能では無いので」

 

クラウドはアークエンジェルの格納庫を案内する。

 

 

 

 

 

ストライクのや新型機の写真や戦闘訓練の風景をワークスジン(OSはナチュラル用)で撮影していく。

 

取材のトークの部分で好きな人は?と聞かれた時には少し吹いたが、筒がなく終わった。

 

その後、ジェスは戦場カメラマンとして、原作ほどでは無いが有名となった。

尚,愛機はワークスジンのままである。

 

 

 

 

 

オーブにて、

 

タンッ!タンっ!

 

ドサッ!

 

オーブ首相の邸宅にて代表ホムラ・アラ=アスハが殺された。

 

犯人の名は、

 

 

 

 

ロンド・ギナ=サハク

 



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オーブ内乱

今回はあっさりテイスト


オーブ内乱

 

ロンド・ギナ=サハク

彼もまたクラウドの被害者の一人と言える。

 

本来の彼はキラ=ヤマトが作り上げたOSを使ったM1アストレイを使い、支配者による統治世界の構築をしようとしたのだが、因縁のあるロウ=ギュールと戦い、傭兵サーペントテールの叢雲凱によって命を絶たれる。

 

が、しかしバレンタイン・クーデターによって戦争が終結し、キラ=ヤマトはオーブに寄らず、一学生に戻ってしまってから帰ってきた。

 

故にナチュラル用のOSはエリカ=シモンズ達、オーブの科学者達が作り上げるしかなく、原作でのヤキン・ドゥーエ攻防日にやっとこさ作られた。

遅い?約三ヶ月でそんなに進展しなかったOSが更に更に半年弱で形になったのに?

まぁ、それもこれもロウ=ギュールのレッドフレーム用のOSのお陰なのだが、

 

その後のアークエンジェルとザラ隊の戦闘がなく、ゴールドフレームもブリッツの右腕が無く(その為M1の腕を移植)ミラージュコロイド技術がない為にギガフロートでの戦う事もしなかった(そもそも借りは模擬戦で半ば返した)。

そのおかげで今も尚生きていた。

 

そして妹?のミナも又、ギナと同じく支配者が統治する世界を試みており、戦力をアメノミハシラやサハク家の保有する秘密基地に集め、手始めに弱腰のアスハを叩き潰そうとしていた。

 

そして、現代表のホムラを撃った。

そして、次はウズミ、そしてカガリ。

既にセイランは此方に尻尾を振り、残りの五大氏族は風見鶏でサハク家……いや、自分達がオーブを手中に収めれば自ずと尻尾を振ってやって来るだろう。

 

「さて、ザフトの諸君。諸君等の実力を存分に発揮してもらうぞ」

 

「了解した」

 

ギナはザフト残党達に命令する。オーブ軍のアスハ派の将校を抹殺するために、

 

ザフト残党の中には地球へと降りたイザークとディアッカもいた。

 

 

 

 

 

 

さて、その頃一応は主役のクラウドは、

久々の休みを満喫していた。

 

何で何もしていないんだ?だって?

それは簡単、クラウドには何の関係もないからだ。

そもそも今の状況はオーブでホムラが殺されてから一時間も経っていないので知るよしもない。

 

「(さてと、プラントが理事国の統治下に戻ったから種死は無い。原作崩壊してるから、ロウ=ギュールもパワーローダーとか作ってないし、有るとしたら残党軍によるユニウス落とし……クルーゼ辺りがやりそうだな)」

 

クラウドはクルーゼが死んだ事を知らずに今後の事を考える。

 

「ああ、温泉に行きたい」

 

疲れからか肩を回し温泉に行って休みたいと呟く。

 

「それは、良いですね。

私もご同伴させてもらってもよろしいでしょうか?」

 

クラウドに話しかけてきたのは婚約者でもあるナタル=バジルールであった。

 

「ああ、そうだな。日本……の温泉で雪見酒とでも楽しむか?」

 

「良いですね」

 

クラウドの提案にナタルは穏やかな微笑みで返す。

まあ、彼女とて、プライベートぐらいは堅物軍人の顔はしないだろう。

 

しかし、翌日のニュースでクラウド達は忙しくなり、温泉に行くのは来年以降となった。

 

CE71年11月25日

 

ニュースにてオーブでクーデターが勃発し、MSがオーブを焼いた。

中にはデュエルとバスター。ザフトの機体も有り、連合は新代表ロンド・ギナ=サハクに抗議文を送ると、彼等は傭兵であるとの発表がなされた。

 

此れにより、地球連合はオーブをテロリスト幇助国家と認定……しようとしたのだが、連合は独裁制ではなく、各国家群の代表の合議によって決まる。

ザフトととの戦争では各国も己の利益の為にそう反論もなかったが、今回の一件は既にサハク家が根回ししていた為に論議が遅れに遅れてしまい、翌年になるまで決議は決まらなかった。

 

そして翌年、クラウド率いる第八艦隊は哨戒任務中だった。

 

何もしないのか?だって?

 

彼は連合の一准将であるクラウドが戦時中なら兎も角、平時で好き勝手に暴れるわけにもいかず、日々任務を全うするしかないのだ。

無論兵達を鍛え上げるのも忘れずに……

 

現在第八艦隊ではストライクや後期G、ストライクダガーやダガーL、少数だがバスターダガーやNダガー(非核)もある。

それにコスモグラスパーも多数有る。

 

此れは連合の艦隊の中でも平均よりかなり上だ。

因みに、一般的な艦隊編成は大体MSがダガーとダガーLで、コスモグラスパーとメビウスの混成部隊である。

 

まあ、この艦隊が実験部隊だからとも言えるが、

 

因みに言ってはないがこの艦隊に三馬鹿はいない。

代わりにスターゲイザーとΔアストレイに出てきたファントムペインのメンバーが乗っている。

 

内訳はこうだ。

 

スウェン・カル=バヤン【ストライク】

シャムス=コーサー【カラミティ】

ミューディ=ホルクロフト【レイダー】

エミリオ=ブロデリック【フォビドゥン】

ダナ=スナップ【NダガーN】

である。

因みにステラ達はこの世界では解放されて、里親の元で平穏に過ごしています。

 

クラウドは待つ。自分達に新たな指令が下される時を、

まぁ、自分達はオーブ本国に介入する事は無いだろうが………

 

 

 

 

 

修復作業中の街をイザーク=ジュールは歩いていた。

 

イザーク=ジュール。この世界ではアークエンジェルを追撃し、地上に降りたが、降りた当日にプラントが降伏したと言う情報が出回り、それが真実だと知ると茫然自失となった。

無理も無い。大切な母親が殺されたのだ。

それもナチュラルではなく同胞であるコーディネーターにだ。

 

挙げ句の果てには彼等は我々こそ真のコーディネーターと謳い。地球を忘れた宇宙人たるプラントのコーディネーターを青き正常なる世界の為に滅ぼさんと声明を上げた。

 

自分達が降り立ったジブラルタル基地も中にいた反乱分子と連合軍の手によって奪い取られ、良好だった親プラント国家はオーブを除き手の平を返して、ザフト残党軍を叩いた。

 

そして最後に残されたのがオーブのサハク家だった。

 

度重なる戦闘でボロボロだったデュエルやバスターも元々、モルゲンレーテで作っていた為、最初に乗っていた時と同様なスペックとなった。

 

ただし、アサルトシュラウドだけは流石に新造出来ずに、連合のフォルテストラを奪い取って使用している。

 

今の彼に残っているのは……復讐、母を殺した偽物のコーディネーター共も連合も全て殺してやる。

今の彼は、民間人や投降してきた兵士がいたとしても眉一つ動かさずに殺せるだろう。

 

そんな中、彼はとある孤児院に足を運んだ。

 

「初めまして、イザーク=ジュール」

 

そして彼は悪魔と契約してでも復讐をすると決めていた。

 




カガリ達の行方はまた今度で、


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アメノミハシラを討て!(前編)

今回は前編後半に分かれます。


アメノミハシラを討て!(前編)

 

CE72年1月18日 オーブ・オノゴロ島・モルゲンレーテ社地下工場

 

そこには改装途中のMSが三機並んでいた。

 

そこではナチュラルとコーディネーターもなく作業をしている。

 

彼等の内片割れは元ザフトのMS開発者達だ。

バレンタインクーデターの日、運良く生き延びた彼は開発中の機体のデータをコピーしプラントを去った。

 

そして、もう片割れは元ジャンク屋ギルドの人間だった。

ジャンク屋を営んでいた彼等の大半は、ユニウスセブンをプラントにぶつけた事でギルドが解体されるのを納得していた。

が、職を奪われたと思う人間は少なからずいた。

彼等は後見人とも言える男に言われ、オーブにやって来たのだ。

 

「ほう、これが我の新しき機体か……」

 

ギナは新しくなった愛機を見る。

 

ゴールドフレームをベースにアズラエル財団と連合各国が共同開発したニュートロンジャマーキャンセラーを組み込んだ核エンジンを搭載し、

胸部には後期型のGと同じTP装甲。

武装はシンプルに強化されたビームライフルとビームサーベル。後はイーゲルシュテルンのみ、

その代わりにバックパックには高機動パックを装備しており機動力に関しては本来の歴史にあるフリーダムやジャスティスをも超える。

 

残りの二機も見る。

 

M1をベースにザフトで設計されていたMSフリーダムとジャスティスのデータを流用したが、

武装の殆どが試作品だった為、再現し実用できたのはレールガンやファトゥムぐらいだったので、後は連合の兵器データから作られたアグニの小型劣化版やビームブーメランを使っている。

一応の形にはなったが……原作のフリーダムやジャスティスに比べるとかなり弱くなっている。

 

「量産は可能か?」

 

「NJCの量産の為のレアメタル入手が困難な為現時点では……」

 

技術者は材料が無い為作れないと言う。

 

「……仕方あるまい。核エンジンをパワーエクステンダーに変え武装を変更にした機体を作れ」

 

「ははっ!」

 

技術者はギナに頭を下げる。

 

 

 

 

 

 

CE72年3月19日

 

クラウドは遂に来たか……と思った。

 

遂に決まったオーブ開放戦線。その一歩となるアメノミハシラとヘリオポリスの奪還作戦(名目上、最悪破壊でも可)が決まった。

 

今回の為にユーラシア連邦からもエース級の人材が派遣される。

 

「自分はバルザム=アーレンド中尉です。

今回の作戦ではユーラシアが独自開発したハイペリオンにて戦わせていただきます!」

 

「ユーラシア連邦所属のモーガン=シュバリエ大尉です」

 

この二人は本編には出てこなかったが外伝で出てきた二人だ。

 

バルサムはXアストレイに出てくる噛ませ犬だ。

カナード=パルスと同等の機体に乗りながら、特にダメージも与えられずに直ぐ死んだ男だ。

コイツには盾役をやってもらおう。

 

対するはモーガン=シュバリエ大尉だ。

此方はガチのエースパイロットだ。

今回は先行量産機のガンバレルウィンダムに乗って戦う。

 

俺は帽子を被り直し、

 

「それでは諸君、我々は連合加盟国であるオーブに巣食うテロリスト達を排除しアメノミハシラ……及び復興中のヘリオポリスを奪還する事となった。

諸君等の健闘を祈る」

 

俺はマリュー=ラミアスの座っていた艦長席に座り、旗艦としての機能を追加したが、やはりアークエンジェルは旗艦として使うのは不似合いだ。

原作の様に単艦で扱うのが一番である。

 

実物を見た訳では無いが旗艦としての機能はミネルバが勝っているだろう。

 

少しの合間から全艦が発進準備を整える。

 

「全艦!出撃!!」

 

俺の号令と共に全ての艦が出立した。

 

 

 

 

 

その頃アメノミハシラでは、

 

ロンド・ミナ=サハクはアメノミハシラで製造した機体を見ていた。

 

「ほぉ、これが……M1FアストレイとM1Jアストレイか……」

 

ザフトのフリーダムとジャスティスの武装をM1アストレイに積み込んだ試作機をデチューンしてパワーエクステンダーにして

M1Fはフリーダムのウイングスラスターのみにして、腰のレールガンを片方をビームキャノンに交換し火力と機動力を向上。

ビームキャノンも小型化に成功し、威力三割減にバッテリー消費は五割減だ。

 

M1Jはジャスティスのファトゥム-00を簡略化して量産性を高め、アストレイの根幹である機動力を高めた機体だ。

 

どちらもそれなりのコストながら高性能で、しかも既存のM1から改修すればコストも下がる。

 

更にFとJを更に突き詰めれば……とミナは考える。

 

だが、しかし全ては第八艦隊を討ってからだ。

今は既存のM1の改修作業を急がせる様に指示を出した。

 

 

 

 

 

格納庫の奥にあるオーブ製の物では無い二機が静かに佇んでいた。

 

 

 

 

 

 

一方その頃、デトロイトにあるアズラエル別邸では、館の主人であるムルタ=アズラエルが私服姿で、以前から逗留している客人とお茶を飲んでいた。

 

「………そろそろ」

 

「?」

 

「オーブ奪還作戦が始まりますね」

 

客人である金髪の少女は遠くにあるオーブを見る。

 

「ええ、その為にアメノミハシラにも第八艦隊を送りました。

彼等なら見事にアメノミハシラを奪還してくれますよ」

 

アズラエルは空を見上げる。

親友の勝利を信じて、

 

 




次回スパロボ にも登場したお二人が出てきます。


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