銀色の悪魔…1st Stage(頭文字D) (SilviaSilvermoon)
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あれ?何かおかしい…は?なんじゃこれ!

どこにでもいる車ヲタなおじさん?がマンガの世界に!?<ご挨拶&設定>


さつきです、作者です!読者の皆さんこんにちは。(←いきなりメタいな)

さつき『っつーか作者さんさぁ…俺じゃ無理があるんじゃないの?おっさんだぜ?』

作者】「固いこと言わずに^^;;;こういうのしてみたかったんだよねぇ。おっさんが若返りトリップ…聞いたことないっしょ?」

さつき『そりゃそーかもしれんが、需要が無いって事じゃねぇ~の?』

作者】「まあ…作者の自己満足ですから…ハハハ。」

さつき『完全に巻き込まれてるじゃん…俺。』

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<主人公の設定>

・小長井さつき 元の世界では1973年6月9日生まれ。血液型はB型。
出身地 神奈川県
実世界(2020年1月現在)では46歳の元・走り屋。今…ただのドリフトのできる車ヲタな独身ジジィ(←ここポイント)
昔、Team SILVER-MOONを立ち上げリーダーをしてた。普段結構ぼんやりしてる。ただいきなりスイッチが入ることがある…(B型特有の気質と言ってもいいだろうけど。)
その割とスイッチが入る典型的な例としては運転。えげつないほどドS。
現役で走ってた時に”銀色の悪魔”と呼ばれていた。
トリップ時22歳に若返って顔が精悍に変化。(※要は原作と年齢に合わせてイケメン化)

・さつきの愛車…スパークリングシルバー(純正のシルバー)の日産シルビアspecR
(S15型・1999年~2002年)※改造箇所等は…追々小出しに書きます。



さつきside

 

Facebookで知り合ったメンバーでミーティング(もしくはツーリング)

と称して久しぶりの遠出…

伊香保温泉に泊まって頭文字Dの舞台・秋名山の基になった榛名山を思いっきり楽しむ&

地元グルメと温泉を満喫するつもりで圏央道から鶴ヶ島で関越道に乗り換え

渋川伊香保ICを目指す工程の途中…

 

さつき『うわあ…結構予定から遅れちゃってるなあ…夜勤明けでただでさえ厳しいのに圏央道の渋滞酷すぎ』

 

当初の予定より約1時間20分遅れ・・・焦る気持ちで年代物に差し掛かりつつある3Gのガラケーを取り出し…Bluetoothのハンズフリー機能をONにしてコンポのTELスイッチを押し、今回の主催者の“サイトーさん”をスクロールで検索して電話しだす。

 

サイトー「はい、もしも~し!さつきさん?どした?」

 

さつき『あ、サイトーさん?悪い!渋滞にはまっちゃっててさ。まだ圏央道の高尾なんだわ

^^;;;悪いけど先に渋川伊香保目指しててよ。近づいたらまた連絡入れるから』

 

サイトー「あ、わかった。じゃあ休憩入れながらぼちぼち行くからなるべく早く追いついてよ。」

 

さつき『了解っす^^;;;じゃ、また後ほど…』

 

そう言って電話を切る…

 

はあ…この渋滞の先頭ってどこからだ?そう思ってFMラジオを付けた…

タイムリーに交通情報が流れだした。

 

DJ「ハイッ!この時間はトラフィック・リポートですね。九段の日本交通情報センターの中山さんです。よろしくお願いしま~す!」

 

「…まず東名高速は上り線が横浜町田出口で2Kmほど渋滞。圏央道は鶴ヶ島から断続的に八王子JCTまでの混雑…第3京浜の上り…」

 

プチッ…

 

さつき『はあ…マジかよ。シャレになんねぇ~!追いつけるのか?』

 

ラジオを切りながら呟いていた。車はハザードを点灯させてる列に並んでいた。

トンネルを抜けたところでなんか一瞬、景色がグニャっと歪んで戻った。

 

さつき心の声『(な、なんだ?今の・・・夜勤明けで疲れてるのかな…すげぇーやべぇ感じしたぞ?)』

 

キョロキョロと周りを見回しても特別異常を感じなかったので、寝落ちしそうになったんだと思い、気にせず次第に空き始めた高速を一路、渋川伊香保に向かってアクセルを踏み込んだ。

 

(※この時気が付くべきだったのかもしれないが…不思議な現象の始まりだったように思う…)

 

しばらく走って関越道に入り…警察を気にしつつ思いっきりアクセルを踏みつけて追いつくため絶賛努力の真っ最中。

ふと、後方確認をしようとバックミラーを覗いた時に何か違和感が…

ん!?っと思ってもう1度見た時に

 

『へっ?だ、誰?』

 

叫んでしまった後、見間違いだと思ってミラーに手を伸ばす…

幻覚でも見てるのかと思ったけど、ミラーに近づいていく手で

 

『は?お、俺ですか?この顔は…おいおいめっちゃ若くなってないか?それに言っちゃ悪いが俺、こんなにイケメンじゃない…はずだけど???』

 

頭の中が?で埋め尽くされる。どう考えても見慣れてる顔とかけ離れすぎていた。

 

『と、とにかく次のPAかSAに行ってしっかり確かめないと…』

 

俺は自分に起こっていることが呑み込めず物凄く気が動転していた。

次のSAに到着するとすぐトイレに駆け込み…鏡で自分の姿を確認する。

 

『ハハハ。俺で間違いないみたいだ…でも何でいきなり若返ってイケメン化した?』

 

呟きながら誰もいないトイレを後にして渋滞情報のモニターの横を通った時思わず通り過ぎてから戻ってしまう。

(199X年!?急いで自分の免許も確認する…197V年となってる事からVはXの2年前と推測して…22歳かよ^^;;;何じゃこりゃ。うわぁ…25歳も若返ってるってど~ゆ~事よ?

しかもここって頭文字Dの世界じゃ?…はっ!もしかして……トリップ?いやそんなでも神様にも会ってないし、って、今はそんなバカバカしい事考えてる暇はないはずないじゃん! 誕生日が来たら47になろうとしてるおっさんが何夢みたいなこと考えてんだよ。)

 

自販機で普段飲まないブラックコーヒーを買い、目覚まし代わりに一気飲みして車に戻り…

このままじゃ埒が明かないのでとにかく渋川伊香保へと急いだ。

なぜか普通にETCのゲートをくぐり

(※ホントならこの時代、圏央道とかできてないはずなのによく通過できたな…下手したらETCだってあるかどうかも分かんないのに。と思いつつ)

…左に寄せてサイトーさんに電話しないと…と思ってコンポのTELボタンを押して画面をスクロールしてサイトーさんに電話してみる…が

”お掛けになった電話番号は…現在使われておりません”のアナウンスが。

不安になって知り合いに片っ端から電話しまくるが全部使われておりませんとなって万事休す。

連絡手段が消えてしまった。

 

(とりあえず降りてしまったことだし…とりあえずガソリンスタンドを探さないと…)

 

急いできたため満タンで出発できてなくて見た時には燃料警告灯のオレンジ色のランプが点灯し、表示の針は”E”の位置に限りなく近づいていた。




さつきの”銀色の悪魔”仕様のS15の画像はこちら


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居た居た…見つけちゃった。

Face〇ookのミーティングに行くつもりが…なぜかトリップしてしまった主人公が
取り敢えず燃料も少なくなってきたので向かった先のスタンドで…

そこに居たのは”やたらとコミュ力やたら高っけ~しフレンドリーな連中がいる風景…”だった。



この車にカーナビが付いていないのでヤフーの地図をダウンロードしたものと群馬の観光ガイド(さっきのSAでフリーペーパーというか、パンレット状のをもらった)だけが頼りである。フリーペーパーにあったGSを目指して走ってみた。意外にもすんなり見つかって一安心。

取り敢えず車を止めたら店員さんが走ってきた。どうやらここはフルサービスのスタンドのようだ。

 

店員「いらっしゃいませぇ~!!レギュラーですか?ハイオクですか?」

 

さつき『あ、ハイオクを満タン、現金でお願いします。』

 

店員「ハイ!ハイオク満タン入ります!!あざ~っす!」

 

窓とかしっかり拭いてくれるし…接客がしっかりできてるスタンドだな…

(さつきは昔スタンドでバイト経験あり)なんてボ~っと思っていて一生懸命働いてる若者を見て気が付いちゃった…

 

さつき『あれ?もしかしてあの子って池谷君なんじゃ…マジかよ。頭文字Dの世界決定じゃん(滝汗)っていうか俺の持ってる現金使えるのか?それに…』

 

いろんな事を一気に思い始めて脳みそがグルグルし始めたときに元気のいい男の子たちの声が…

 

高校生風1&2「「先輩!ちわ~っす!今日もよろしくお願いしま~っす!」」

 

と声をかけつつ奥のロッカーに向かって消えていった。

”どっからそう見ても樹と拓海じゃね?確定しちゃったな。道理で電話が通じないわけだ…”

携帯の電源を切ってグローブボックスに投げ入れて…領収書を持ってこっちに来る池谷君と思われる人物に財布を出しつつ運転席側の窓を下ろし、笑顔で

 

さつき『ご苦労様です。いくらですか?』と声をかけた。

 

店員「えっとハイオク満タンで58リッター入ったので6960円いただきます。」

 

マジか…リッター120円?ずいぶん前の時代の値段だな…2020年ならリッター140円位するぞ?

そんなことを思いつつ1万円を出した。

 

店員「1万円お預かりします…えっとおつりが3040円になりますお確かめください!ありがと~ございましたぁ。」

 

普通に現金が使えた事に安堵しつつ質問してみた。

 

さつき『あ、すみません…ちょっと聞いてもいいですかねえ?』

 

店員「へっ?なんでしょう?」

 

さつき『この辺で…峠って言うとどの辺りになりますかねえ?初めて神奈川から来て、群馬ってレベルが高いって聞いたもんで…地元の走り屋さんたちの迷惑にならないように少しコースを見て避けられる場所とか知っておきたくって。』

 

店員「あ~お客さん群馬って初めてなんですね。じゃあ…こちらへ」

 

店員さんに案内され事務所で地図を見せてもらうことに…不意にネームプレートに目をやれば

”池谷”の文字が目に入る…

池谷「あ、えっと…これがこの辺の地図なんですけど…今、このスタンドがこの蛍光ペンで印がしてあるとこなんですけど…あ、よかったらメモ用にコピー用紙で良ければ使ってください。」

ものすごく親身に相談に乗ってくれてる。ホント、ありがたい。

 

さつき『いやぁ、ホント、助かります。えっと…これがこの前の通りで…フムフム。

(もらったコピー用紙にメモしながら)この辺だと面白そうな道ってやっぱり赤城か秋名山…ですかねえ?今日は伊香保温泉に泊まろうと思ってるんですけどね。』

 

池谷「ああ…伊香保に泊まるんなら絶対秋名ですよ。俺たち地元の人間なら間違いなく秋名に行きますね。」

 

さつき『ふむふむ。ん~”いけたに”さん?で読み方合ってるかな?地元の人が勧めてくれるなら間違いないっしょ^^で、池谷さんも走り屋してるの?』

 

池谷「え?あ、ああ…俺はそこのライムグリーンのS13ですよ。秋名スピードスターズって

いうチームを仲間とやってて…」

 

さつき『あ、あのS13?かっこいいじゃん。俺、昔あれの兄弟車の180SXの中期型で白いヤツに乗ってたよ。あぁわかるなあ。いいよね、S13とか運転しやすいし。俺も乗り換えてもS15なんだし。へぇ~』

 

池谷「あ、そうなんですか?やっぱりすっごくお客さんと話が合うなぁ。」

 

さつき『あっ、ちょうど入ってきたあれと同じ色で同じ型の180SXですよ。(あぁ…健二君かそういえば彼の180SXも中期型の白だったねぇ)』

 

そんなやり取りをしていたら180SXの彼が入ってきた。

 

客「ちわ~っす。おぉ!池谷!…居た居た。ハイオク満タンで」

 

池谷「あ、健二かぁ。表に樹と拓海が居るだろ?あいつらに言ってくれよ。俺は今、お客さんに道を説明してるんだから。」

 

さつき『あ、俺、ちょっと地図見せてもらってますから…池谷さんは常連さんの事してあげてくださいよ。俺も前、スタンドで働いてたからわかるんですよ。常連さんで尚且つ仲の良い友達なら余計に大事にしなくちゃね。^^』

 

池谷「そう…ですか?じゃあ…すみません、ちょっと行ってきます。」

 

そう言うと健二君のところにダッシュで向かう池谷君を見送り…自販機で買ったコーラを飲みながら貸してもらった地図に目を落とした。

 

 

しばらく地図とにらめっこしてた俺は…秋名山までのルートをメモし…

ふと顔を上げると、笑顔で談笑しながら事務所に戻ってきた池谷君と健二君ににっこりとほほ笑んで池谷君に話しかける。

 

さつき『あ、すみません!地図…ありがとうございました。何とかこれでたどり着けそうです。』

 

池谷「あっ、大丈夫でした?すみませんお客さん放っておいちゃって…こいつが話しかけてくるもんで…」

 

健二君を思いっきり指さして申し訳なさそうに俺に謝ってる。

 

(”いやいや、俺の方こそ助かったし、チラチラ見て観察できてるんだから…”)

と思いつつも、そんなことはおくびにも出さずに

 

さつき『あ、良かったらみんなでお茶でも飲んで^^180SXの彼…お名前わかんないけど(とっさに濁した←やべぇ~口に出す前に気が付いて良かったぁ。)の分もきっとあるはずだからさ。』

 

池谷「いやいやいや…そんなにお客さんに気を使ってもらっちゃったら申し訳ないですよぉ。」

 

健二「へ?あ、お、俺の分まで?すみません、何か…(恐縮してペコペコしてる…面白いから吹き出しそうになる)」

 

さつき『い~じゃん、い~じゃん。俺も前に白の180SXの中期に乗ってたから嬉しくなっちゃってさ^^ここで会ったのもなんかの縁でしょ?あ、自己紹介してなかったね。俺はさつき、神奈川から群馬はレベル高いって聞いてて…伊香保温泉にも来てみたかったんで、仕事の夜勤明けに有給組み合わせて来てます。一応こんなですけど、SILVER-MOONっていうチームのリーダーしてます。よろしくね。

(22の頃だと現役で走ってたし、”銀色の悪魔”なんて変なあだ名付けられてたっけ…(;^ω^))』

 

池谷君と健二君に握手しながら言うとフレンドリーに話し始める彼ら。(←ヲイヲイ、池谷君や…盛り上がってるのは良いけど、仕事良いのか?)

 

健二「あ、俺、こいつと幼馴染で一緒に秋名スピードスターズっていうチーム組んでるんですけどね…今、外で誘導やってる2人も入れて秋名最速…って事になってます。」

 

さつき『お、じゃあもの凄く良い出会いできてるじゃん俺。(まあ…知ってるけどさ)

ちなみに…いじり方はどんな感じ?ホイールのインチアップとタイヤに足廻りとマフラーはお約束だとして…ブレーキパッドとコンピューターとか?』

 

池谷「やっぱわかります?走り屋の人だとこういう車の話ができるから楽しいですよ、ホント。」

 

健二「俺のもそんな感じで…あとはFスポ取り付けたくらいかなあ。」

 

さつき『うんうん、定番だけど手軽に速さが実感できるよね。』

 

池谷「ちなみにさつきさんのS15ってどんな感じなんですか?すげぇ興味あるんですけど。」

 

健二「あ、俺もそれすっごい興味ある。見るからに派手な感じじゃなくて玄人っぽいっていうか…派手なD1仕様とは一線を画すっていうか…」

 

さつき『要するに純正みたいだけどどっかが違うし普通の峠仕様にも当てはまらない感じがする?昔のAE86とかKP61とかみたいな…ボーイズレーサーっぽい感じがするんでしょ?』

 

池谷「って事は…エアロとかって…」

 

さつき『Rスポだけ純正品でサイドステップとRアンダースポイラーは純正チックな無印品で派手になり過ぎない程度にして…、FスポイラーはTRUSTだよ。あといじってるのは足廻りとマフラーがNISMO。エンジンはSRのエンジンって流用できるじゃん?

P10プリメーラのオーテックversion用のハイカムとN14パルサーGTI-R用の鍛造ピストン入れて…それにポン付けのタービン組んで、CPUはTRUSTでインタークーラーがARCに変えてるかな。これでブースト1.1Kg/cm2で320PSくらいだよ。もうちょっとブースト圧かけて1.3Kg/cm2まで上げればMAXで350PS位まで上げられるけど、自分のウデと安全マージンを計算に入れてちょっと下げてる。』

 

池谷、健二「「うわお…マジっすか…すっげえ乗ってみてぇ~!」」

 

さつき『ものの見事に綺麗にハモったな^^;;;じゃあ…今日って池谷君何時に上がる?

それに合わせて健二君も、あの子たちも誘えるなら誘ってここに集合する?秋名までドライブしようよ^^』

 

…っと言ったら速攻で健二君が表にいた樹と拓海に話を持ってってるわ。フットワークめっちゃ軽いなぁ~^^;;;あ、戻ってきた。

 

健二「あいつらも行きたいっていうんで、今夜9時にここに集合って事でお願いします!!」

 

さつき『あはは。OKですよ。じゃあそれまで…健二君時間ある?コースの下見とかしてみたいんで付き合ってくれると嬉しいんだけど…』

 

健二「え?全然暇です暇です!じゃあ…俺、先導しますからついてきてくださいよ。」

 

さつき『よっしゃ。じゃあ行ってきますんでまた後でね』

 

そう言い残して健二君の180SXに続いてスタンドを出て行った。

 

 

 




意気揚々と健二君、教える気満々ですけど…次回は健二君の受難の回になる予定…(ヲイヲイ)


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秋名突入…ってヲイヲイ^^;;;

スタンドで知り合った健二君を連れて秋名へ…いざ練習!の筈だったんだけど…ん?


市役所通りから左折して伊香保神社や秋名山の方に向かって上り坂を走っていく…たぶん、元の世界にならこの辺りに頭文字Dのショップ”レーシングカフェ・D'zガレージ”があるはず。この世界では駐車場になってるけど^^;;;

 

(”当初はここでお土産買うつもりだったのにダメか…まあしょうがないんだけど。ま、それ以前に神奈川に帰った所で家があるかどうかも疑問だけどね…^^;;;”)

 

そんなことを思いつつ、いくつかの旅館やホテル、それに神社の入り口を過ぎたらスケートセンターの看板が見えると共に傾斜がきつくなり、いかにも山道に突入していく。

 

(”おっ…だいぶそれらしい感じになってきたな。いよいよですか。じゃ、まずはグリップで道の状態とコースを覚えていかないと…”)

 

健二君の180SXの挙動がかなり怪しい。グリップで入っていくのにやたらとコーナー出口でテールスライドさせてる。遊んでるのかそれとも単に下手なのか…?

ん?待てよ…確か原作では、池谷君もだけど、テールスライドをドリフトだと思い込んで攻めてるつもりになってたってことだっけ。って事は原作の初め~コミックの10巻位までの間か?

う~ん…下手だとは聞いてたけどこれほどだとは^^;;;

そりゃ高橋 涼介に「うちの2軍でも楽に勝てる」って言われちゃうよな。多分コース知らない俺でも勝てる気がする…。

さて…ドリフトごっこは良いからグリップで良いからもう少しペース上げてこうぜ…じゃないとコース覚える前に日が暮れる。

仕方なく180SXとの車間を今までの半分に詰めて…様子を窺う。すると気になったのか少しペースが上がる。

車間をなるべく詰めるようにして健二君のドリフトごっこ→マジモードに変化させるようにする。すると漫画やアニメで見たスタート地点まで来た。端に寄せて2台止める。

俺は降りる前にひとしきりどういう風に声をかけるか悩んでいた。

次の下りでちょっと煽ててみてペースを上げさせるか。それとも横に乗せて黙々と走りこむか…

ペースを上げて事故ったら…巻き添え食っちゃうかも知れないし、巻き添えでS15を壊したくないしなぁ。それなら横に乗ってもらってナビしてもらいながら1台で走った方が気楽かぁ。

 

ガチャ…バタムッ(※運転席のドアを開閉させる音)ドアを閉めて健二君の180SXに近づいて声をかけた。

 

さつき『健二君さぁ。ここに180SX置いといて横に乗ってもらってもいい?横で次右ね…とか指示してもらえると嬉しいんだけど…ラリーのナビみたいな感じでさぁ。』

 

 

 

ーここからside change さつき→健二side―

 

 

さつきさんが山頂に着いた時にちょっと考え込みながら降りてきた。

ここのコースは難しいから今日来てすぐはやっぱり難しいかな…でも全開の俺より後半速かった様な気もするし…。

偶然なのかそれとも神奈川ってレベルがものすごく高いのか…?

訳が分からなくて考えていたら窓をノックするさつきさんが。

俺は窓を開けて

 

「どうですか?少しは参考になってますか?」と聞いてみた。

 

するとさつきさんは若干食い気味に…

 

さつき『健二君さぁ。ここに180SX置いといて横に乗ってもらってもいい?横で次右ね…とか指示してもらえると嬉しいんだけど…ラリーのナビみたいな感じでさぁ。』

 

と言ってきた。320PSを体感できるチャンスでもあるし、こっちとしては余分にガソリン使わないし願ったり叶ったり。

 

健二「あ、解りましたぁ。じゃあ…ここの端っこに寄せてくんでちょっと待っててください。」

 

そう返事をして寄せてる間にこの狭い場所で華麗にさつきさんはスピンターンして見せた。

もしかして…秋名だと拓海…に近いくらいのウデ(強いて言うなら…この前、拓海に負けたとは言え妙義では敵無しの有名な走り屋Night Kidsの中里とか庄司位のレベルかもしれないな…320PSを腕でねじふせて初めての峠で全開の俺を越えるかもしれない位のペースで走れてるんだから)

そう思いながら車を降り、ロックをしてS15の助手席のドアを開け・・・

 

健二「じゃ、すみません、お邪魔しま~す」と乗り込んだ。

 

助手席も運転席と同じスパルコのR100が装着されていた。ただし、後ろの席への乗降も考えてるんだろうけど、こっちは3点式の純正のシートベルトだ。

シートベルトをしたところで

 

さつき『まずはグリップで行ってみるから、右か左かと緩いかある程度きついのか…指示してくれる?とっちらかさない位のペースで下ってみるからさあ。』

 

と言った。安全マージンを残しつつもさつきさんの中ではある程度のペースでって事だろうから…こりゃ初めから期待できそうだな…なんて余裕ぶちかましていた。

 

この時まで…俺は池谷の”コーナー3つで失神事件”を笑ってられなくなるなんて…これっぽっちも思いもしなかった。だぁ~!この時の俺をぶっ飛ばしたい!!

 

さつき『まずはグリップで行くから、右か左かと緩いかある程度きついのか…指示してくれる?とっちらかさない位のペースで下ってみるからさあ。』

 

と言う緊張感のない話し方にどこか余裕ぶっこいてた。

 

音楽のかかってる車内で…軽いホイールスピンとともに一気に本線に合流し1コーナーに向かって行く。

(ま、マジか!これって俺の全開のペースより速くねぇ~か?って言うかこんな速度で曲がれるんか?拓海みたいに毎日走ってるコースじゃないのに?うわっ!もうコーナーが迫ってきたぁあああ!やっべえ~絶対事故った…俺死ぬのか?まだ女の子と付き合ってもないのに?

180SXにだってまだまだ乗っていたいのに…ギョンッ!(←注:タイヤの軋む音)へっ?何で?

何でこの速度で曲がれる?嘘だろ…?「うわぁあああああ!!!お、降ろしてぇええええええ!!」

 

 

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(ここからside change健二→さつき)

 

 

健二君の悲鳴を聞きつつ(”そっか…このくらいでビビっちゃうのか^^;;;池谷君のコーナー3つで失神事件に近い状況が彼には起きてる訳ね。じゃ、いっそのこと寝ててもらった方が集中できるかな…”)

2つ目のコーナーの入り口で既に100Km/h超えてる…でもまだグリップで走れるレベル。

ふと横を見ると健二君は…堕ちてましたとさ(チーン)

(2つ目で失神かよ…池谷君よりチキンだな…)

さてと、コースの習熟行ってみますかぁ!少しずつペースを上げRの緩いコーナーで軽~くドリフトさせる程度で全体的に70%くらいの力で下りも上りも流せるようになった頃…

 

折り返して上りに入ったところで健二君が気が付いた様子。

 

健二「あ…あれ?ここは…」

 

さつき『おはよ。いい目覚めはできたかな?』

 

健二「あれ?えっ?あっ!さつきさん!?今何本目ですか?ん…やっべぇ…最初っから全然覚えてないけど…><;;;」

 

さつき『ん~7セット目かな。全然指示が来ないから横見たら寝てたから起こしちゃ悪いかなって思ってさ。(※実は失神してるの知ってるけど、敢えて言わない)』

 

健二「…(失神してるの解ってて言わないの?それともホントに寝てると思ってたの?)あっ!さつきさん!後ろ後ろ!ハイビームで速いのが追いかけて来てますっ!」

 

さつき『うん、速いねえ…あれって秋名の主?((拓海の86トレノとは言わない。車のラインも違うしね)車種何だろね?5ナンバーサイズかな…そんなに大きい車じゃなさそうだねぇ。(お~っとぉ。ここに来てエンカウントか? )

あ~あ。もうちょっと後に来てくれりゃあ、もっと面白かったのに…ま、仕方無いか。健二君さぁ。ちょっと飛ばすぞ?』

 

健二「???えっ…?飛ばすってじゃ、今までのは???」

 

俺は無言でニヤッと笑い、2速で立ち上がって本気で右足に力を入れ始める。

グイっと体がシートに押さえつけられるような加速Gを受けつつ、コーナーではヒール&トゥを使った減速&シフトダウン。

すると斜め方向に力がかかり、ギュンッ!っという鋭いタイヤのスキール音とともにガードレールを舐めるように曲がっていく。

 

(さて…拓海の86トレノじゃないし180SXとかでも無さそう…でも角目のリトラクタブルのライトねぇ…なら音楽を消して…ロータリーサウンドが聞こえれば…FCしかないでしょう。)

 

徐に音楽を止めて窓を開ける…ブン回してる迫力のロータリーサウンドに乗っかるように甲高いタービンの音…間違いなく13Bのロータリーターボそのもの。

 

さつき『何かワクワクするw』

 

半笑いでクラッチに蹴りを入れる。

健二は…絶叫マシーンに乗せられてる人の様相。

 

「ぎゃああああああ!!!」しか叫んでない。

 

車1台分の車間距離を保ったまま頂上について…折り返し場所にハザードを出して止めた。

水銀灯に照らし出されたのは白のFC…

やっぱり来たか…赤城の白い彗星・高橋 涼介…遠くでもう1台ロータリーサウンドが聞こえている…おそらく弟の高橋 啓介に違いないと思う。

俺が運転席のドアを開けると向こうもほぼ同時にドアを開けた。

出てきたのはやっぱりジャケットを肩にかけたイケメン…キザだけど、様になってるねぇ。

 

 

高橋 涼介「俺は…高橋 涼介。赤城RedSunsってチームのメンバーだ。」

 

さつき『へぇ~群馬のエースと知り合えたんだ。群馬に来て良かったな。俺はさつきってもんで、神奈川の走り屋です。自分でSILVER-MOONってチームを立ち上げてます。よろしく。』

 

軽く握手を交わす。

 

高橋 涼介「見た所結構手を入れてるようだが…ん?SILVER-MOONのさつき!?確か・・・俺の記憶違いでなければ”銀色の悪魔”と呼ばれてる神奈川No.1の走り屋…じゃなかったか?」

 

さつき『神奈川No.1かどうかは定かじゃないけど、”銀色の悪魔”とは言われてるみたいですね。こっ恥ずかしいですけどね。』

 

っと苦笑いしてみせる。

 

健二「え”?さつきさんってそんなすごい走り屋だったの?スタンドで知り合って神奈川から観光がてら遊びに来たって言うからてっきり…」

 

さつき『いやいや、観光がてらも嘘じゃないし群馬も初めてだよ。

車見りゃわかるだろうけど、思いっきり”湘南”ナンバーだからね…神奈川以外の何者でもないよ^^;;;

ついでに言っちゃえば、来る途中のSAでフリーペーパーまでもらってスタンドに来た人だからね?走るなら群馬の走り屋の人たちと交流したいと思ったのもホントの事さ。

だから秋名の道を教えてくれた健二君と出会えて数時間とは言え、少しはコースが頭に入ったのさ。地元の人に道を聞くのが1番手っ取り早いし。』

 

高橋 涼介「ま、良いさ。そういう事なら俺は貴方と走ってみたいんだが?安全マージンも見込んで敢えて320PSに絞ってるS15とな。

どちらも地元じゃないって事なら条件は同じだ。それに俺も昨日からここを走り始めたばかりだ。どうだい?受けてくれるか?」

 

さつき『そういう事なら避ける理由もないしな。受けましょう!でも、実力が違うだろうからなぁ。ハリボテって言われないようにしないとな。今日は練習させてもらって明日の夜ここでっていうのはどうです?』

 

高橋 涼介「それは構わんさ。そろそろ弟の啓介も来る頃だ。楽しみに待ってるよ。」

 

さつき『なら…高橋兄弟と出会えたんだ。一緒に3台でバトルも豪華な気もするけどな。

この際上りと下りで分けても良いけどね。でも圧倒的に俺が不利だから条件に加えないけどな。じゃ、明日は何時に集合で?』

 

高橋 涼介「午後10時でどうかな。その方が路面温度と出てる車の数が心配だしな。」

 

さつき『了解しました。じゃ、明日夜の10時にここで。』

 

健二「あ、さつきさん!そろそろスタンドで待ち合わせの時間が…」

 

ちょうど上ってきた啓介にも会釈しつつ…健二君と一旦スタンドに向かうのと、途中にあった本来泊まる事になっていた宿に確認もしたかった(時間軸がずれてるから予約なんて無理な話だけど)ので、俺の車1台で走り始める。

下りを車の中の時計を見ながら飛ばして行く…来る前にネットで調べたコースレコードと遜色無い位のペースで下れてると思う。

相変わらず健二君は恐怖のダウンヒルになってる様だけど、一応起きてるから良しとするか^^;;;

一旦ホテルに駐車場に車を止め・・・宿泊可能かの確認という名の日帰り温泉のチケット購入をして車に戻ると大急ぎでスタンドに向かった。

 

 

一方そのころ…集合場所のスタンドでは

 

 

 

ー※ここからNo side(作者ナレーションとも言う)で進行します―

 

 

 

・締めの作業を終わらせた連中が店長とさつきの事を話している…池谷、樹、拓海+店長の会話からご覧ください…

 

 

池谷「いやぁ、すごく”感じのいい人”でしたよ。S15だからって自慢ぶっこいてる感じじゃないし、

エアロとかもさりげなく渋くてかっこ良くて…D1とかみたいな派手派手しい感じじゃないのが良いんですよ。それに地図見せてただけで、健二が乱入してきても常連さんは大事にしなきゃ。って、

地図見せてもらってるから常連さんの方を優先してあげてって。お茶までご馳走してくれるんですから…あ、樹と拓海!さつきさんからの奢りだからあとでお礼言っといてくれよ?」

 

樹「いやだなあ。池谷先輩。もちろんお礼なんてメッチャ言うに決まってるじゃないですかぁああ!それに今夜秋名で先輩たちの走りが見られるなんてぇ~最高すぎてよだれバリバリっす!」

 

池谷「ヲイヲイ…汚ね~事言ってんじゃね~よ!拓海はどう思う?」

 

拓海「ん~ちゃんと見てた訳じゃないですけど…きっとかなりすごい人だと思います。何て言うかなこの前のNight Kidsの中里とか庄司って人レベル…下手すりゃそれ以上かもしれませんね…。」

 

樹「うぇえええええ~!!!マジかよ…群馬のスーパースターに並ぶ位の実力者?じゃあ高橋 涼介とかにも並ぶんじゃ?拓海…お前ならどうだ?勝てそうか?んん?」

 

拓海「ん~、やってみなきゃ解んないけど…ギリギリ最後の最後まで持ち込んでようやく決着がつく感じじゃないかな…。勝てるかどうかは、マジでやってみなきゃ解んないなぁ。」

 

店長「へえ…拓海がそんなこと言うなんて珍しいな。」

 

樹「そ~言えば健二先輩って一緒に道案内しに行ったんですよねえ?結構経ちましたけど大丈夫なんですかねえ?また…わたしは見たぁああああ!!絶叫が秋名山にこだまする恐怖のダウンヒル…池谷先輩…コーナー3つでし、し、失神事件!!!の二の舞になるイヤ~な予感しかしないんですけど…。」

 

店長「そのさつきさんって~のは拓海と同じくらいの実力って事になるのか…一体どういう練習をしてるんだろうな…あのクレイジー文太の仕込んだ拓海と遜色ない腕の持ち主って。」

 

拓海「そう言えば健二先輩たちって何時の約束でしたっけ?」

 

池谷「ん?あぁ。21時の予定だからもうそろそろ来るだろうな。」

 

 

約束の時間まであと4分…(どうやら高橋 涼介が拓海とバトルする前らしい。)



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取り敢えず約束の時間には間に合った^^;;;

頭文字Dの世界らしく峠で何やら不穏な空気が流れた後…ただ今絶賛スタンドに向かって爆走中。

約束の時間まであと4分…(ヲイヲイ^^;;;)


(―ここから池谷sideで進行します―)

 

 

店長や樹、拓海とそんな話をしていたら…けたたましいエンジン音とスキール音が。

どうやら来たみたいだ。

 

樹「池谷先輩…この音ってもしかして…。」

 

池谷「ああ。多分さつきさんだろうな…2台だったらきっと健二が置いて行かれてる。きっとそれを見越して1台で来るだろうな。」

 

拓海「……」(無言ですぐに表れるであろう交差点の方を凝視していた。)

 

ギュキュキュッ!キョォオオオオオ!!!ブォオオオオオンッ!!!タイヤのスキール音と、アクセルコントロールしてるエンジン音と共にいきなり目の前にドンっと銀色のS15が現れた。

 

樹「うっへええ…ド迫力。」

 

池谷「な、何ぃいいい~!!健二起きてるか!?」

 

拓海「す、すごっ…(ほぼ初めての道でその勢いで来るなんて…やっぱこの人ただもんじゃない)」

 

店長「こいつはすげぇや。(そこいらの走り屋の小僧とはスピードレンジもウデも…全然違う。拓海が感じてる事はホントかも知れねぇな。)」

 

そしてみんなの前に横付けされたS15の助手席側のガラスが下がるのと同時にドアが開き…

恐怖に震えて腰の抜けた健二が這い出てきた。

 

健二「ひ、ひいいいい~さつきさん…やっぱ”銀色の悪魔”だぁあああ!」

 

何の事だか解らずキョトンとしてる4名。

 

池谷「何なんだよ健二!お前の言ってる事が全然わかんね~よ。」

 

樹「そうですよぉ。健二先輩!何なんですか?その”銀色の悪魔”って…」

 

健二「さつきさんはな…地元の神奈川じゃ”銀色の悪魔”って呼ばれてる神奈川No.1の走り屋らしい。」

 

さつき『ヲイヲイ…オーバーだって。No.1かどうかなんてよくわかんないし、俺の名前を知らないから車の色で銀色の…になったんでしょ^^;;;悪魔ってそれに誉め言葉じゃないだろうしね。』

 

健二「いやだって、あの高橋 涼介が”SILVER-MOONのさつき!?確か…俺の記憶違いでなければ”銀色の悪魔”と呼ばれてる神奈川No.1の走り屋…じゃなかったか?”って言ってたじゃないですか!!」

 

池谷、樹、拓海、店長「「「「えぇっ!/うげっ!/ま、マジでか!!!/おったまげたぜ…」」」」

 

さつき『噂なんて勝手に1人歩きするものだし…自分がそれに当てはまってるかって言ったら疑問しかないよ?』

 

全員「「「「そ、そりゃ本人は自覚が無いかも知れないけど…うぇえええええっ!」」」」

 

(うぇええええ!何?そのぶっ飛んでる話^^;;;って顔をしてるスタンドのみんな…)

 

 

さつき『あ、そうだ!ちなみに…この中で1番速い人…俺の横に乗ってコーチングしてくれないか?実はさっき…話の流れで高橋 涼介と秋名でやることになっちゃってさ^^;;;

明日の夜までに形にしたいんだよね。お願いできないかなあ?』

 

池谷、樹、拓海、店長「「「「へ?なっ、なんだってぇええええ!!!高橋 涼介にバトルを申し込まれた!?こりゃあドえらい事になってきちゃったぞぉ!!」」」」

 

さつき『ちなみにこの中で1番速い人…犠牲になるみたいで申し訳ないんだけど、マジで横に乗ってコーチングしてよ。付け焼刃でも何でも良いから明日までの形にしたいんだ!!じゃなきゃ、俺、絶対後悔すると思うし。』

 

池谷「じゃあ、拓海!!さつきさんの横に乗って教えてあげてくれ!!俺達は後ろから追いかけるから。」

 

拓海「あっ、解りました…でも教えられるかどうか…説明するのが難しいんですけど。」

 

さつき『よろしくね。じゃあ…まずは乗って。出発しよう。』

 

池谷君のS13とさつきのS15の2台に分かれ…秋名の山を目指すことになった。

 

 

 

------------------------------------------

 

(―※ここから店長side―)

 

2台が出て行って…ここに残った俺は自分の車をのドアを開け・・・運転席に座りながらエンジンをかける前にこれまでの話を思い出しつつ、タバコを咥えながら…火をつけてさつきの事を考えてみた。

天性の才能なのか、たゆまぬ練習の積み重ねなのか…文太の育て上げた拓海より凄腕なのか…。

それと、神奈川のレベルが群馬より上なのか…?次々気になる事柄が浮かんで消える。

 

「こりゃあ…拓海と高橋 涼介のバトルも近いかもしれないな…」

 

呟いた言葉はたばこの煙と共に吐き出された。

 

 

・不意に文太に電話をかけてみるも不在で、留守電にもなっていない為あえなく撃沈し、店長は家路についた。

 

 

―――――――――――――

(―※side change 店長→さつきで進行します―)

 

・秋名最速の男を連れて練習だぁ~い!

 

早速さっき下ってきた道を戻り…旅館やホテルの立ち並ぶエリアを越えていく。すでに140Km/h位出てるけど…この際気にしない。(←マテマテ)

 

さつき『えっと・・・この辺りからコースが始まる感じだっけ?』

 

拓海「そうですね…じゃあ、俺もあんまり教えたことがないんでさつきさんの覚えてる範囲で良いんで曲がれる速度で走ってみてください。そうすれば何か気が付いたら教える感じで。その方が早くマスターできるかも。」

 

さつき『そ~だねぇ。じゃ、まずさっき高橋 涼介に追いかけて来られたくらいで…その位が俺の70%位だから…まずはそこから行ってみるかな。じゃ、始めるね。』

 

フバァアアアアンッ!1段ギアを落とすと一気に池谷のS13を引き離すように加速し始める。

ボォオオオオオオンッ!

 

 

--------Side Changeさつき→池谷side-------

 

 

池谷「な、何て加速なんだ…あんなに置いてかれるもんなのか?上りだぞ?ど~なってんだ?」

ギョワアアアアアア!!(S15が若干のスキール音を立てて拓海もよく使う溝落としを行ってイン側のタイヤを引っ掛けるようにしてギュ~ンっとジェットコースターのように曲がっていく。)

 

池谷、樹、健二「「「嘘…だろ!何で拓海の得意技をあっさり…うおおお!S15のコーナーの旋回速度に目が…付いていかないっ」」」

 

池谷「やべぇ~!目の前でとんでもない事が起きてる。もしかしたらさつきさん…ホントに”銀色の悪魔”だ。初日でしかもこの秋名であんなえげつないドライビング…見たこと無ぇ~ぞ!うぉおおお!もうあんなに…もう見えなくなっちまった。」

 

健二「俺…さっき案内しながら上り切った時にさつきさんが山頂で横に乗ってコーチしてくれって言われて横に乗って初めての下りだし…って余裕ぶっこいてたら、走り出したらのっけから俺の全開より速い速度で突っ込んでいって…1本目の2コーナーから意識無くなって…気が付いたら7セット終わったところの上りに入るところだったんだよ。」

 

樹「やばっ!健二先輩ダサダサですけど、それ以上にさつきさん…バケモノですか?俺…ちょっと前に拓海の運転でここ上った時…身体削られると思いましたもん。訳の解んない速度で突っ込んでそのままの勢いでギュンッてコーナーを曲がって…そのまま次のコーナーに向かって気の狂ったような加速して…何か不思議と笑いが沸き上がってくるんです。それに近いことが起きてたのかも…。」

 

※池谷君達が驚愕していた頃…S15の車内ではどっちかって言えばまったりな空気が流れていた。

 

---------------------------------

 

(―※ここからNo side(=作者ナレーション)で進行します―)

 

 

拓海「ああ…さつきさん、溝走りできるんですね。今の入るタイミングも出る時のタイミングもどっちもドンピシャでしたね。あとは…ん~俺が教えられることと言ったら流せるコーナーと流さない方が良いコーナーとの使い分けができちゃえば全然問題なく地元の走り屋より速くなっちゃうと思いますよ。」

 

さつき『え?あっ、そう?やっぱ、コーチが良いと伸びしろが大きくなるね^^やっぱりコーチを頼んで正解、正解。』

 

(顔をどんどん赤らめて焦った感じになる拓海…)

 

拓海「やっ、そ、そ~ゆ~んじゃなくて…さつきさんのセンスと練習方法と、練習の量がすごいんだと思いますけどね…(照れてる拓海は頬杖をついて窓の外に視線を移してしまった。)

あ、もうそろそろ頂上ですから、そのまま折り返して下りも同じペースで行きましょうか。」

 

拓海はしっかり観察してくれてるようなので頂上に着くとそのままの勢いでスピンターンをかまして下りに突入する。

第1コーナーに向かってアクセルを踏み込む…まずは流していいコーナーなので拓海張りのゼロ・カウンターのドリフトで抜けていく。さっき健二が失神した2コーナー…ここはグリップで通過…3コーナーに向かう直線で…

 

さつき『あれ?車が…来るなぁ。あ、もしかして…池谷君達じゃね?思ってたより差が開いちゃったなあ?(ボソッ)』

 

音楽に掻き消されてるかと思ったが…聞き取れたらしく苦笑いを浮かべてる拓海。

コーナーを曲がってきた池谷君達のあの驚いた顔…拓海の”何してんだ?こいつらは…”的な冷めた顔との対比が面白くてクスリと笑った。

 

さつき『今の3人の顔…おかしかったな。』

 

拓海「まあ、こんなに離されてると思ってなかった…っていう顔でしょうね。」

 

さつき『その顔と拓海君の冷めた表情と見比べたら…面白かったw』

 

拓海「えっ?ええええ~~~?」

 

さつき『フフフ…(意味ありげにニヤニヤしながらも順調に下っていく。)さて…と。5連ヘアピンか。ここはなるべく溝落としで直線的にだったね?』

 

拓海「えっと・・・ああ、そうですね。対向車が無ければその方が絶対速いですね。」

 

さつき『ふむふむ、何とな~く掴めて来たかも知れないなぁ。』

 

 

 

急速に秋名のコースに対応していくさつき。

 

 




何事も練習って大事ですよね…


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取り敢えず…1往復終了。

成り行き上、秋名で高橋 涼介とバトルする事になってしまったさつき…
やれるだけの事を池谷君達と試行錯誤してみることに…


5連続ヘアピンの溝落としの入るタイミングと出るタイミングを入念に打合せした後、

その先の原作では高橋 涼介vs拓海で最後の高橋 涼介がタイヤの熱ダレでインを突く事ができずにラインが交差して拓海の86がインに飛び込んで決着した…あの上下線合わせて3車線分ある複合コーナーについても(※実際の拓海はこの時まだ高橋 涼介とバトルしてないけど、シュミレーションは常にやってるらしく、しっかりと意見を述べてレクチャーしてくれた。めちゃめちゃありがたい。)

 

さっき拓海にアドバイスしてもらった下りの攻略のポイントを自分のものにしようと上りも必然的にペースが上がる。(現在80%位で走っていた)

 

そしたら”人数は少ないけど人がガードレール脇に立ってるなぁ…”と思ってたらRedSunsの連中が

区間タイムを計っていたらしくて…

上りのコースレコードをあっさり更新してたらしく^^;;;その事が頂上の少し離れた所に停めて居たらしい高橋 涼介、啓介に無線で報告がいった様で…

 

啓介「兄貴ぃ~!!大変だ!ケンタからの報告で、S15のアイツ…上りのコースレコード更新しやがったらしい。」

 

高橋 涼介「ほう…上りとはいえ1発目で更新してきたのか。驚いたな。」

 

啓介「そんな呑気な事を言ってる場合かよ!どうする…俺達も出るか?」

 

高橋 涼介「……(啓介の問いかけには答えず考え込んでいるようだった。少しでもデーターを揃えて、シュミレーションを組み立て始めたのかも知れないが…)」

 

おもむろにFCの助手席に置いていたノートPCを開いてカタカタとキーボードで入力し始めた。

 

S15が頂上に到着すると、さっきすれ違い、そのまま頂上で待っていた池谷君達と合流した。

 

池谷「拓海!さつきさんっ!!ちょっとちょっと!」

 

凄い勢いで手をブンブンと振って呼んでいた。車を降りて池谷君のS13の前に集合する。

 

さつき『どした?何かおかしな事でもあった?顔がメッチャテンパってるぞ?』

 

池谷「さつきさん…今上って来る時って全開でしたか?」

 

さつき『へっ?…いや…80%位かな?まだ全開じゃないよ?』

 

健二「ヲイヲイ…マジか。」

 

樹「フツーにこんな記録出るんですね…(orz状態)」

 

何だか言ってる意味が解らず、頭の上で?が大量発生しキョトンとしてる拓海とさつき。

 

さつき『ん?全然言ってる意味わからんけど?ど~ゆ~事?誰でも良いから説明プリ~ズ?』

 

池谷「さつきさんが全開じゃなかったのにこの前の交流戦でRedSunsの弟の啓介が作った上りのタイムアタックのコースレコードを3秒も縮めちゃったんですよ。」

 

さつき『マジでか?んなわきゃ無いっしょ^^;;;拓海君にレクチャー受けてくっちゃべりながらだぞ?無い無い^^;;;』

 

池谷「ありえない事が起きてるからこれだけ騒ぎになってるんですよ。」

 

(ここで拓海が思い出したように言った。)

 

拓海「あっ…でも、途中良い感じでスピードに乗っててさつきさんが楽そうに運転してるのは感じたかも…」

 

さつき『何だ何だ?何かのゾーンにでも入ったかのような…ってか?う~ん、解らん。』

 

池谷、樹、健二「「「だぁああっ!まさに無自覚…無自覚でこんな記録出されたらたまらんわな…^^;;;」」」

 

さつき「じゃあ…とりあえずもう何本か下って上ってをしてみるか…あ!ってかさぁ、より実践的な事…試してみても良い?」

 

池谷「え?今度のバトルに向けた秘策でも思いついたんですか?」

 

さつき『いやぁ、単なる思い付きだからそこまで期待されても困るけどさ…より実践的なシュミレーションをしてみようかなって…』

 

健二、樹「「より実践的なシュミレーションねえ…???」」

 

池谷「解ったぞ!俺のS13か健二の180SXを拓海に運転してもらって模擬バトル…って事ですか?」

 

さつき『まあね…ホントは拓海君の自分の車を持ってきてもらってするのが1番ベストなんだろうけど…取りに行ってる時間もないだろうしさぁ…』

 

健二「それに拓海の86は親父さんと共同で豆腐屋さんの商売でも使ってますからねぇ…」

 

さつき『そうすると尚更親に許可取りとかも絡んでくるじゃん?だ・か・ら…俺が見込んだのは、

拓海君ぐらいのウデの持ち主なら自分の家の車ほどまでは行かなくても、ある程度乗りこなせちゃうんじゃないか…ってね。そうすればここでブロックされるかも…とかここでこうすれば前に出られるかも…とかイメージしやすいんじゃないかなってさ。』

 

話としては納得できる部分はもちろんあるけど、こればっかりは拓海がOK出してくれないと身も蓋もない事だから…と思いつつみんなの視線が思い悩むように上を見上げた後…池谷君が徐に口を開いた。

 

池谷「あ、前に俺、ブレーキングドリフトマスターしたくて拓海にS13…運転してもらったことがあるわ…言われてみれば。」

 

樹「あぁ!池谷先輩、コーナー3つで失神事件!!の…」

 

池谷「だぁああ!嫌な事思い出さすなよ^^;;;キンチョーするだろうが…」

 

さつき『え?そんなエグい運転するの?』

 

健二「さつきさんがそれ言います?気が付いてるかどうかわかんないですけど、さつきさんの運転も結構エグいっすよ^^;;;」

 

さつき『はい?マジですかい?そんなにエグいか?俺の運転って…』

 

健二「エグいなんてもんじゃないですよ^^;;;しょっぱな、俺を乗せて下るとき…初めの方で俺…意識飛んでましたからね?さつきさん、あの時”寝てるみたいだから起こさなかった”って言ってましたけど、あれ…失神ですからね?」

 

樹「あはは。健二先輩、池谷先輩の事笑ってられないじゃないですかぁ!」

 

健二「そ、それ位さつきさんの運転は異常なんだってばぁ!」

 

池谷「多分…健二も俺と同じで初めてだし、そんなのっけから飛ばすなんて事はない…って余裕ぶっこいてたんだよ。そしたらウデの違いで拓海やさつきさんには軽く流してる状態が俺たちの全開より速かった…だからびっくりしすぎて脳みそが付いて行かなかったんだ…」

 

健二「確かに…初めての峠で今、上ってきたところだし…っていうのは確かにあったなぁ。

さつきさんもとっ散らかさない程度に…って言ってたし。それが自分のとっ散らかさない程度に当てはめて余裕ぶっこいちゃったんだよな。2コーナーが迫ってきてギョンってタイヤのスキール音がしたのまでは何となく覚えてるけど…その後全然解んなくなっちゃったし…」

 

樹「ふぅ~んそうなんですね…。」

 

拓海「池谷先輩、車…貸してください。さつきさんの気持ちに応えてあげたいです!」、

 

さつき「『おおっ!やってくれるか!』」

 

拓海「ただし…さつきさん、先輩のS13をちゃんと乗りこなすことができてないかも…いいですか?」

 

さつき『じゃあ…S13には拓海君が1人で乗車。俺は池谷君と樹君を乗せてバトル。

で、健二君はスケートリンクのストレートの真ん中で待機して、2台が見えたら抜かれないように努力して。スタート時に携帯で言うからその位置からスタートのハンデマッチでどうよ?で下り切ったらそのままファミレスに行ってご飯食べようよ^^』

 

池谷「ああ…それなら何となく公平感ありそうな…」

 

健二「俺も…それなら何とかなるかも…」

 

樹「さつきさん、結構重量的なハンデって…パワーもですけど、ブレーキにも影響出ません?」

 

さつき『どれくらいでS15のブレーキがタレてくるのか…実際に走って試すのもいい機会じゃない?明日のバトル中にヤバい事になるよりよっぽど良いんじゃないかなあ?』

 

拓海「じゃ、用意…しますね。」

 

さつき『拓海君、よろしく頼むね。』

 

さつきの言葉にうなづいて池谷のS13に乗り込む拓海…って事で急遽、変則ハンデマッチ開催!

健二も180SXに乗り込んでエンジンをかけ…暖気させつつ携帯で池谷と連絡しあいながらスタート地点を目指して先に降りて行った。こちら(頂上)のスタート地点にS13とS15が並ぶ。

 

RedSunsの連中がストップウォッチで計測してるのは知ってるが…ここは本気で走りたい。

拓海はどうやらさつきの感情に気が付いたようだ。

 

窓を開けた状態で携帯を手にした池谷君のカウントが始まる。

 

池谷「じゃあ、カウント行くぞ~!5・4・3・2・1…GO!!!」

 

ズキャキャキャキャァア~!!!!激しいスキール音と共に全開、フル加速の2台。同時刻スケートリンクのストレートから健二の180SXもスタートを切る。

1コーナー手前でS13が1テンポ前に出た。S15はS13と20Cmの位置で超接近ツインドリフトをかます。

 

池谷、樹「うげっ!こ、こんなにくっついててぶつかってないって…うぇええええ!!マジか!怖っぇええええ!!!」

 

そのままスピードを殺すことなく第2コーナーをグリップでクリア。(※この時後ろに座っていた樹には見えてしまった…この時点で160Km/hを超えていると言う現実が。)

 

樹の心の声「(ひぇえええ!マジでこの人やべぇ!こっちは3人も乗ってるのに…1人乗りの拓海のS13に遅れるどころか逆に煽る位の勢いでくっついて…こんなんで後半ブレーキとタイヤのグリップ力がもつのか?

2台とも事故ってあの世行きとかイヤだぜぇ!まだ女の子とデートもHもしたことないのに!!!(←発想が健二と全く一緒じゃん^^;;;)」

 

そんな心配をよそに…甲高いエンジン音を響かせてどう見ても今日来てすぐのペースじゃない速度で次々コーナーをクリアしていく2台。

 

当然、RedSunsの連中は逐一報告を上げている様子…。

 

(※ここからは現場から届くRedSunsの連中の様子を交えてお送りします。)

 

当然、RedSunsの連中は逐一頂上に居る高橋 涼介、啓介兄弟に向けて無線で報告を上げている。

 

RedSunsのモブ1「1コーナー…うわぁああ!お互いのバンパーが20Cmと離れていない状態でツインドリフトで抜けていきましたあんなの初めて見ました。1コーナーの進入速度…171Km/h!?ちょっと怖くなってきました。報告は以上です。」

 

RedSunsのモブ2「こちらポイント2‼減速せずに突っ込んできてそのまま訳の解らない速度ですっ飛んでいきやがった!!あいつら何者だ?」

 

RedSunsのモブ3「えっと…スケートリンク前のストレート…さっきまでいたスピードスターズの180SXが移動しました。この先の5連続ヘアピンとかでパスするとかで混戦になるかも…あっ!もう2台が来ました。タイムは…この前の交流戦で86が出したコースレコードを15、6秒位短縮しそうです!!」

 

啓介「何だって!じゅ…15秒も短縮だと?一体どうなってるんだ?」

 

高橋 涼介「フッ…どうやらお互いの実力が接近していてよく似たタイプのドライビングスタイルなんだろうな。という事は…今回SILVER-MOONのさつきとバトルすれば86対策が試せて実験の実証ができると言う訳だ…」

 

啓介「そ、それにしてもこの2台…明らかにオーバースピードじゃねぇ~か?」

 

高橋 涼介「それだけどちらも本気だという事だ。お互いをしっかり認識しつつ…さつきは明日に迫った俺とのバトルに照準を合わせているはずだ。こちらはおかげで相手の癖や欠点が丸裸にできるチャンスだ…明日は楽しくなりそうだな。」

 

啓介「兄貴…どうしてあいつのバトルの相手…俺では無くいきなり兄貴だったんだ?」

 

高橋 涼介「はっきり言ってしまおうか…あいつは…さつきは現時点でのお前よりウデがはるかに上だ。そんなに甘い相手じゃない。いきなり今日来てコースレコードを上りを1本目で3秒、下りで15秒も縮めるかもしれない相手だぞ?お前がやって勝てるか?」

 

いきなりの爆弾投下で顔をひきつらせた啓介が固まっている。

そんな時にゴール地点のケンタから非情な報告が入ってきた…。

 

ケンタ「啓介さ~ん!聞こえますか!!!ケンタです。ゴール手前の合計3車線ある複合コーナーで引っかかってたスピードスターズの180SXにラインを阻まれたS13がラインを変える一瞬のスキをついてS15がアウトから前に出て…ラインが交差して逃げ切ったのはS15です。で…タ、タイムがこの前の交流戦で86が出した記録を17秒短縮です!!」

 

 

(―※ここからはNo side(-作者レーション)で進行します―)

 

 

時刻は23時を回ろうとしていた。誰しもお腹の空いてくる時間。

で、現在、走り終わってそのままファミレスに直行し…反省会を兼ねてワイワイやってます…。

 

さつき『でも、思い付きでもやってみるもんだねぇ。どうラインを崩してから立て直してインに食いつけるかとか…頭じゃ絶対考えきれないもん。あんなの。

それと…健二君が良い仕事してたよね^^必死になって抜かさせないようにしてるのが…実際の峠でよくある事じゃない?』

 

健二「そりゃあ…意地もあるけど…追いつけなくても何か爪痕位残したいしさぁ。」

 

池谷「でも、よく咄嗟にそんなこと思いつきましたね?」

 

樹「重量のハンデとか距離のハンデとかも…ぴったりでしたもんねえ…」

 

健二「そりゃ…さつきさんの経験値で感じた事なんじゃないか?」

 

さつき『意外とこの練習法ってみんなにも応用できると思うんだよね。他所から交流会を持ちかけられたら…練習方法として今後役立てられたら俺の自分のためでもあるし、みんなのためにもなる。思いついた事は取り敢えずやってみるっていうのが成功の近道になるかもね。』

 

拓海「あ、ちなみにさっきのタイム…腕時計のストップウォッチ機能で測ってみてたんですけど…(ストップウォッチのモードの表示を出してテーブルの上に置く)」

 

池谷、樹、健二、さつき「「「『ん?どれどれ…どんな感じだったん?』」」」

 

樹「あれ?このタイムって…この前のRedSunsとの交流戦で拓海の出した記録より速いんじゃ…。」

 

健二「えっと前回の時のタイムが…(携帯のメモ機能を開いて探してる)あ、あったあった。これだ…これがこの前拓海が出したタイムだ…。」

 

樹「うぇえええ!じゅ…16秒7速い…」

 

池谷「若干の誤差はあるとしても…15秒以上速いのは間違いないな。」

 

拓海「あの…さつきさん、高橋 涼介が直接走りたいって言ってたんですよねえ?…

(啓介さんじゃ相手にならないって直感したんだ…。やっぱりさつきさん…すごい人だ。)」

 

さつき『ん~まあ…高橋 啓介の名前は出さずに直で…だったね。何かグイグイ来るなぁ~って。』

 

健二「あ、それ…俺も思った。弟に先に対戦させるのかと思ってたのに…いきなり兄貴の方が出てきたからびっくりだったよな。」

 

池谷「上りでいきなりタイムをあっさり更新されちゃったんだし…ある程度は読めてたんじゃないかな。明日…高橋 涼介がどう出てくるかだな…」

 

あの後、高校生組は池谷君の家に泊まったそうな^^;;;

健二君は普通に家に帰り、俺は…泊まる場所がないので朝までコースで練習。今は朝ご飯をファミレスで食べて昨日買った日帰り温泉のチケットで温泉に浸かって仮眠して…

昼前にスタンドに顔を出した。

ブォオオンッ(端っこに停めて池谷君が居るか様子を見てる。)

 

店長「お、いらっしゃい、池谷なら今、配達に出ちゃってるけど…」

 

さつき『あ、店長さん、昨日はどうもすみません。みんな総動員で峠でワチャワチャやってたもんで…今朝はヘロヘロになってたんじゃないかと^^;;;』

 

店長「あはは。まあ…若いんだからそれぐらいしないとなあ?俺たちが現役の頃はよく仕事に寝坊して社長に怒られてたもんさ。」

 

さつき『おおぅ、耳が痛いですね^^;;;俺なんて朝まで結局コースの下見して宿に泊まれなくて日帰り温泉でひとっ風呂浴びて仮眠して…今ですもん…』

 

店長「今夜バトルなのに大丈夫かい?」

 

さつき『まあ…大丈夫かと。あ、ハイオク満タンと、エンジンオイル…交換したくて…池谷君が居ないなら自分で作業してもいいですし。』

 

店長「そりゃ、かまわないけど…普段からちゃんとメンテナンスしてるんだね。エラい!」

 

さつき『いえいえ^^;;;これでも一応整備士資格持ってますし…スタンドのバイト経験もあるんですよ。』

 

店長「そうなんだ。じゃあ群馬に住みたいとか思ったらここで働きな^^歓迎するから。」

 

さつき『えっ?マジですか?ん~悩むなぁ…もし、神奈川でリストラされたら使ってくださいね^^;;;(ん~神奈川戻って家が無かったら最悪ここで働くのもありかも…)あ、とりあえず、ハイオク…入れてきますね。』

 

そう言って給油機に並べ…忙しそうにしてるバイト君達に設定だけしてもらって自分で給油して窓を拭いてる。

 

店長「あ、普通に給油できてるし…窓もちゃんと拭けてるか…(マジでスカウトするかな…週末だけでもどう?ってか。)結構良い逸材かもしれないなぁ。」

 

※さつきは…給油が終わるとルブ室でリフトにセットしてさっさと車を上げる準備してる…

ボンネットを開けてオイルのゲージとフィラーキャップを外してウエスに置き…ジャッキアップポイントに角ゴムをかませてリフトを手際よく上げる…14mmのメガネレンチでドレーンを緩めると流れるように廃油受けを下に置きながらドレーンボルトを外して廃油を抜きにかかる。

 

さつき『やべぇ…結構汚ねぇ。フラッシング必要かな(ボソッ)』

 

さつき『あれぇ~店長!フラッシングオイルとMobil1のRPの10W-50って1缶あります?』

 

店長「あ、ああ…フラッシングオイルがこれだな。RPの10W-50だって?結構固めなオイルだな…

う~んどれどれ…(棚卸の在庫表を見てる)あ、在庫1つだけあるなあ…奥にあるんじゃねぇ~かなあ…(ガサゴソっ)あ、あった!見つけたぞ。それとSR20の後期の黒ヘッド用のオイルエレメントだろ?」

 

さつき『さっすがぁ~(^^♪助かります。じゃあ近いうちにバイト始めるって事で、”従業員価格”でお願いしま~っすw』

 

店長「じゃあ…毎週末はここでバイトだなwよ~し、言質は取ったぞぉ~」

 

さつき『うはっ!マジでハンパなく作業が来そう…^^;;;ってゆ~か交通費出ます?』

 

店長、さつき「『うははははw』」などと話してたら池谷君が帰ってきた。

 

さつき『池谷君、お疲れぇ~居なかったから勝手に作業してるよぉ。』

 

池谷「うわっ!さつきさん…溶け込みすぎ…違和感全く無ぇ~し^^;;;」

 

そんなこんなでオイル交換とかタイヤの空気圧チェックとか水のレベル確認やベルトの張りも確認してメンテナンス終了。取り敢えずみんなでお茶しながらお金を払ってるさつき…。

 

さつき『それにしても店長ぉ~。マジでこれって従業員価格じゃないですか?工賃かからないにしても安くない?マジでラストまでバイトするかなあ?』

 

→この一言がきっかけで”非常勤のバイト”確定しましたとさ^^;;;(少なくともこれで神奈川に帰って家も職が無くなってても大丈夫なはず…)

 

帰ってからの心配も無くなったし、これでのびのびとバトルに集中できそうだ…(さつき注)

 

あの後結局ラストまでスタンドを手伝って…21時に営業終了。

とりあえずスタンドでもらったつなぎから私服に着替えて高校生組も集まったため、

ラーメン屋で軽くみんなで食事して秋名山の山頂を目指す。

昨夜の模擬バトルのせいもあって非常に今日は落ち着いている。

結果がどうであれやるべきことをやり切ったというすっきりした気持ちになっている。

15分前に到着したとき、もう高橋 涼介、啓介は来ていた。RedSunsのメンバーはもう配置についているように見える。すげぇ手馴れてる。

 

高橋 涼介「やあ、ちゃんと来てくれたようだな。感謝してるよ。」

 

さつき『いやいやいや。バトルを申し込まれてぶっちぎるほど性根が腐っちゃいませんって。

それに…たぶん、噂が1人歩きしてるようですから、実際にやってみて幻滅しても噂が勝手に大きくなった…それだけの事…と思ってください。俺は誰も出来ないような凄いテクニックがある訳でもないし。理論がどうのって言う学者肌でもない。感覚だけでやってるもんでね。ありとあらゆることが自己流・・・まあ、自己流なりにベストは尽くして頑張ってはみますけどね。それと…1つ聞いていいですかねえ?』

 

高橋 涼介「質問には誠実に答えるつもりでいるよ。あなたは礼儀を知ってる人のようだからね。」

 

さつき『じゃあ…質問。昨日俺はスピードスターズの人を巻き込んで練習してたのはとっくに知ってると思いますけど…連中とバトル形式の練習をしてた時のタイム…聞いてもいいですかねえ。実際どれ位なのか…前回の交流戦で拓海君のAE86の出したコースレコードをどれ位更新してたのか…

自分で把握していないのも何かいやでね。モヤモヤしてたんです。』

 

高橋 涼介「手元に細かい数字を持ってきていないが…前回の秋名の86の出した記録より手元の時計で17秒早かった。これは昨日1日…と言っても午後から来て…のはずだからな。たった半日でここまで行くって言うのは称賛に価すると思っている。それにまあ…余談だが、あなたに挑むのに弟を先に対戦させなかったのは、弟ではあなたに歯が立たないという事を実感したからだ。

昨日あなたは自分がハリボテにならないように…と言ったが、きちんと実力を備えている。

これは断言しておく。だからこそ弟を出さず自分が直接挑むことにしたのさ。」

 

さつき『はぉ、あのカリスマと言われる高橋 涼介に認めて貰えると言うのは率直に嬉しい事だし、今後の俺の糧になるね。今夜はしっかり全力出し切るんでよろしく。』



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バトルスタート!

いよいよ決戦の時…勝つのはどっちだ!?


さつき『えっと勝負は下りだけだったっけ?上りは今回は入れなくて良いのかな?』

 

高橋 涼介「まあ…上りも気になるとこだけどな…下りを見ればそのドライバーの力量がはっきり出てしまうからな。もし時間に余裕があるならバトルの後にでも改めて上りと下りのタイムアタックをしてみないか?」

 

さつき『わかった。バトルが終わったらタイムトライアルね。了解です。』

 

高橋 涼介「じゃあ、始めようか。今夜は今までで1番…ワクワクするな。」

 

スタートラインに車を並べるとスピードスターズのメンツが傍に来た。

 

樹「さつきさん、ガッツですよぉ!」

 

池谷「さつきさん、昨日の練習でも思ったんだけど、さつきさん、俺達はもう仲間ですよ^^

昨日みんなで考えた作戦、見せつけてやりましょうよ。」

 

さつき『そうだね。全力で挑んでくるよ。』

 

RedSunsのスターター「スタート10秒前!」

 

カウントが始まると池谷君はガッツポーズを見せて離れて行った。

 

スターター「10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…GO!!!」

 

ギュキャキャキャキャアアアアアア!!!2台同時に飛び出していく。1コーナーの駆け引きでさつきが前に出る。

 

さつきの心の声『(あ~あ、前に出ちゃったか…仕方無い本気出すかぁ。なるようにしかならんわなぁ。)』

 

ゼロ・カウンターで流れるようなドリフトを見せながら2コーナーに向かう。次はグリップで。まあ、当然のことながらぴったり張り付いてますねえ。

 

さつきの心の声『(かぁあああ…さすが高橋 涼介。楽に勝たせちゃくれませんねぇ。

さてと…こ~ゆ~時どうかわしていこうかな…ぶっちぎれりゃかっこいいんだけどな…

いやいや、相手があの高橋 涼介だしなぁ。やっぱ、ちぎらしちゃあくれないな。

そりゃ、いくらなんでも甘すぎるか…^^;;;)』

 

そしてさつきはゾーンに入っていく。

(※きっと妙義の走り屋・NightKidsの中里辺りなら”さつきのS15に強いオーラが出ている”と表現するだろう。)

 

さつき『駆け引きで前に出てしまったけど…大体、高橋 涼介のパターンは後について様子を窺って抜き去ってゴール。こうすれば誰の目にも明らかな”文句のつけようのない”勝利になる…。

先行してしまったら、ぶっちぎらない限り”誰の目にも明らかな”勝利にはならないって事ね…。

ま、なるべく抜かされないように…だな。後ろに居ればラインのコピーも自由にできるだろうなあ。ホント厄介!』

 

呟くように言葉を吐き捨て2コーナーー、3コーナーを抜けていく。

 

(前半は比較的急こう配でコーナーのRは緩め。ここの高速セクションでタイムを稼いでこの後に中・低速をいかにうまく切り抜けるか…がポイントになるんだろう。

ん~高橋 涼介って溝落としできたっけ…?えっと、確か原作では拓海と啓介の時に溝落としの解説はしてたけど…「理論上は可能だ」って言ってたって事は実際にはやっていない可能性が高いか…仕掛けるならそこしかないかな。)

 

スケートリンクのストレートでスピードメーターは振り切れている…。ちらっとサブメーターを見れば200㎞/hに手が届く位置に。

 

 

 

(---------※ここでside change→高橋 涼介---------)

 

 

 

高橋 涼介心の声「(俺が後ろにくっついたのは昨日のあの記録…そんな何時間かでタイムを削り出せるなんて…このコースに初めてですぐに乗りこなせるほどイージーな峠ではない。ならば、その速さをこの目で見極める必要がある。後ろについていれば、ウデさえあればライン取りのコピーだってできる…

秋名の86の前に躓くなんてありえない、RedSunsの関東最速プロジェクトの達成のためには悪いが銀色の悪魔・さつきと言えども叩き潰す。1番速いのはこの俺、高橋 涼介以外ありえない。)」

 

 

ギャアア!!ギュンッ!ズキャキャキャキャッ!ブァアアアンッ!ゴアアア~ギャンッ!キョォオオオ!!!…激しいスキール音と共にエンジン音、シフトダウンして

エンジンブレーキをかける音が秋名の峠に響き渡る。

 

 

高橋 涼介心の声「(何故だ?なぜ…俺はあいつとの距離を詰められない?あいつが言う様に今の所、特別なことをしているようには一切見えない。それなのに…ミッションのギヤ比か?それともエンジンのトルク特性によるものか?そうなるとこの先の中・低速セクションでは差が小さくはなるが…

より直線的なラインで立ち上がる重視で行かなければコーナーの脱出速度が上がらない。

厄介だぜ…SILVER-MOONのさつき。こいつは仕留め甲斐のあるおいしい獲物だぜ。秋名の86と同等…もしかしたらそれ以上かもしれないな。)」

 

 

・スケートセンター前のこのコースで唯一の長いストレートからの右のきつめなコーナーへのアプローチで高橋 涼介の焦りはやがて大きな確信に変わっていく。

ストレートエンドでの突っ込みの速度、コーナー旋回時の脱出速度、コーナー同士をつなぐ直線的なライン…全てに無駄が無くさつきを攻略するだけの隙が見当たらない。

 

 

高橋 涼介の心の声「(勝負には誤算がつきものとは言うが…まさか秋名の86以外にもこういうヤツが居たとはな…昨日は藤原が自分の車ではないから…と言うのはもちろんあるにしても…前回の交流戦の記録を上回っているのにもかかわらず、それをも超えていく…常人には理解しがたい現象だな。)」

 

 

やがて見えてきた5連ヘアピン…ここで高橋 涼介は思い知ることになる。

 

 

ボッ!ブォオオオオ~ン!!ドンっ!ギュキャア!!!ゴリンッ!ギュ~ンッ!ギュキャキャキャアア!

S15が啓介と拓海とのバトルで拓海が見せた溝落とし…を高橋 涼介の前でやすやすとやってのける。

 

 

高橋 涼介「なっ!なんだとぉ!コイツは…藤原がやった排水用の溝にわざとタイヤを引っ掛けるようにして…曲げる技を持ってやがる。何て事だ。こいつは…予想してなかったな。」

 

高橋 涼介が驚愕している。

5連続ヘアピン以降の溝のあるコーナーは全てこの技を使い、さつきがジリジリと引き離しにかかっていく。最終の複合コーナーを待たずして8秒差でぶっちぎってやった。

 

(※ちなみに昨日の変則バトルよりも6秒早かった。)

さつきはタイムアタック用にスピンターンをしていたら高橋 涼介がゴールした。

 

高橋 涼介「フッ、まさかこの俺が負けるとはなぁ。やはり理論だけでなく相当な走り込みが必要…という事なんだろうな。」

 

さつき『まあ…俺が地元の神奈川で走ってるコースにもここにあるような排水用の溝がある区間があってね。引っ掛けるようにしてコーナリングする技は日常茶飯事だった…って言うのが1つの勝因かな。ただ、タイヤを溝に落とすタイミングと出るタイミングが地元のコースとは違ってたからね。

そのタイミングを見つけられたのが俺の幸運だったんでしょう。楽しかったです。またお会いする機会はあると思うんでいろんな所でバトルできることを楽しみにしてますよ。もちろん神奈川でも…ね。』

 

ニヤっと笑ってさつきは上りと下りのタイムアタックに臨む…。

そしてこの上りのタイムアタックで昨日記録更新したタイムより22秒、下りの今回のバトルより更に1秒詰めて後に語り継がれる記録を残して終了した。

 

決戦が終わって… タイムアタックの後、池谷君達と合流し、ファミレスで祝勝会を開いてくれることになった。

 

皆、我が事の様に喜んでいる。

 

(何か…中身おっさんだしこういう騒ぎに慣れてないから気恥ずかしいのだけど…)

 

 

樹「いやぁ~さつきさん天才っすよ!天才!」

 

さつき『ヲイヲイ…たまたま向こうが溝落としの走り方ができなかったから助かっただけの事さ。深い意味はないよ。』

 

池谷「あ、そうだ。さつきさん、ステッカー交換しません?俺たち仲間なんですから。」

 

健二「そ~だよ。それが良いよ。ねっ!」

 

さつき『そうだねえ。ステッカーならグローブボックスに入ってたような…たぶん人数分位あるんじゃないかなあ?それに、池谷君、健二君、樹君は磨けば光る原石だと思うから、

練習してもっとうまくなれば…秋名の走り屋全体のレベルアップにもつながる。

拓海君は完成の域に達してると思うから、もっと上を目指すなら…プロのドライバーを目指していくのもいいかもね。俺で良ければ協力するよ^^みんなに恩返しもできるしね。』

 

と言うと皆笑顔がこぼれていた。

その後、駐車場でステッカーの枚数を確認したらちょうど人数分あったので1枚ずつプレゼントして…こっちもスピードスターズのステッカーをもらって解散となった。名残惜しいななぁ…

この3日…短いけど濃密で…また来れたら良いな。

 

余韻に浸りたいところだけどそうも言ってられない。

 

 

 

 

さてと…戻るのは良いとして…神奈川の自分の家があるのか…時間軸がずれてる以上、もう1人の俺が居るかもしれない…

一気に膨らみ始める不安を抱えつつ高速の渋川伊香保ICを目指した。

一応ETCのゲートはあるようなのでETCレーンから進入して…圏央道があれば圏央道方面に、

無ければ…とりあえず高井戸で環状8号に出て東名高速か、それとも中央道で八王子から八王子バイパス→R129経由で厚木を目指しますか…

 

さつき『あ~バトルよりドキドキしてるのは何でだぁ?』

 

盛大な溜息をつきつつ…頭を掻きながら不安をかき消して運転して一路、神奈川へと向かって行った。

 

 




<※一旦続編に移行しようと思いますのでここで一区切り。この夢主の今後は?…実はまだエンディングを考えてないので続編の書き出しに少し時間がかかってしまうかも^^;;;
仕事の合間に話のネタを練ってみます。銀色の悪魔…2nd.Stageでお会いしましょう^^
作者より>

※2nd.StageへのLink→ https://syosetu.org/novel/251027/


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