アークナイツRTA 『境界無き方舟』獲得ルート (ゲルゲルググ)
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境界無き方舟 人事資料

コレは境界無き方舟のオリキャラとかクロスキャラとかの名簿みてーな奴だよ


【クロスキャラ】

線を乱す決まった形の生命、外からの来客

 

 


 

クエスタ

 

白猫プロジェクトから。

あらゆる物、概念を圧縮するアーツと、周りの人間を踊らせる舞踏のアーツを持つ感染者。ロドスがまだバベルだった頃、サルカズ傭兵団に所属していた。

 

 

ネブラ

 

エヴォルヴ兄貴から。

どんな姿にも変身出来るアーツと、演劇の経験を持つ感染者。方舟で偶にやるヒーローショーが子供に大人気で、境界無き方舟の子供係の1人となっている。彼の為にステージ付きの大広間が作らたりする程に、彼のやる劇は良いものだ。

作者は一回喋らせて見たいと思ってるけどタイミングが掴めない。

 

 

ハイゼン

 

バイオハザードヴィレッジから。

エーギルに工房を建てて住んでいた謎のエーギル人。死体に機械をくっつけて傀儡にする所は変わっていない。ただし対象は人では無い。

スパラディの武器は彼が作っている。何故かアビサルの技術を持っており、方舟に技術提供を遠慮無く行っている。

 

 

X

 

ドクターXから。

デーモンだからサルカズ族。テラの大地を旅しながら、行く先々で治療を行うフリーランス。そして非感染者。

 

 

白髪の実験体

 

東京喰種から。

尾てい骨辺りから勿論赫子を生やして来る。おのれライン生命ゆ゛る゛せ゛ん゛!

別世界でドクターを殺そうと走っている不死身ホモと同じ被験体番号だけど偶然の一致です(真顔)

 

 

ティタン

 

またまたエヴォルヴ兄貴から。

ライン生命から単独脱出せずサルゴンに行かなかった世界線。DA−001と呼ばれるタイタンと共に行動する全身殆ど機械人間。基本的になんでも出来るが、だいたい子供達の相手をしてる子供係その2。DAは方舟にライン生命の技術提供を無断で行っている。

ネブラと同じく、一回喋らせて見たいけどタイミングが掴めない。

 

 

マッドタキオン

 

ウマ娘から。

足の速さを追求するマッドサイエンティスト(自称)実際ライン生命内での地位もそれ程高く無く、非人道な事もしていない。ただ、彼女の薬を飲めば物凄い力を手にし、ゲーミングオペレーターになれると言う噂がある。飲みすぎると原始回帰するから注意な。

 

 

ターボ師匠

 

同じくウマ娘から。

カジミエーシュで騎士競技をしていたクランタ族。見た目はどう見ても子供。思考も子供。でもちゃんとしてる。方舟の子供係のリーダー(自称)

永遠のライバルは耀騎士に黒騎士、大怪我によって引退した帝王騎士などなど、沢山いる。

 

 

高野レン

 

月姫……とMUGENから。

感染者だけど元気いっぱいのやきう少女。彼女が振るバットに当たると、どんな物も空の彼方へグワゴラガキィィン!!!とカッ飛んで行く。掛け声はメルヘェン、ゲットォォォォォォォオオオ!!!!

 

 

葬志貴old

 

同じく月姫……とMUGENから。

学ランを来てナイフを常備し、分かりづらい台詞回しをするヤバい人。実際ヤバい。アーツはナイフを沢山召喚し射出するアーツ……だと思うが、多分それ以外のアーツも沢山使ってる。

 

 

方舟の治療ロボット

 

オレカバトルから。

正式名称ロボ参式QQ型。方舟の治療設備には複数存在している。

 

 

女難の相が凄い弓兵

 

Fateから。

困っている人を助ける為に、テラの大地を旅していた男。弓兵のくせに剣を使う。あと料理が美味い。方舟は彼にとって最高の職場らしい。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

【オリジナルキャラ】

線を乱す0から作りだされた不確定な生命、内側の改変者

 

 


 

エレキ・ストラトキャスター

 

ウルサス帝国の一つの移動都市から逃げ出した感染者集団の1人。スーパーサイヤ人みたいな髪色と髪型、そして一本のご立派ァ!な角が特徴。ホモと出会って以降、なんやかんやあって割と出番が多い奴になった。

アーツは空気振動の操作。

 

 

ゴシャク

 

モチーフはゴシャハギ。背中を覆う程の髪が特徴。コイツもなんやかんやあって割と出番が多い。深夜徘徊する癖がある。

アーツは胃の形状変化。

 

 

ハルド・メルクーリオ

 

モチーフはハルドメルグ。赤い目に銀色の髪が特徴。だが、本来の髪の色は黒である。ヴィクトリアからやって来た人物で、ロドスのヴィクトリア出身組と面識があったり無かったり。

アーツは触れた金属や鉱物を銀色の流体へ変化させ、操作する。

 

 

マクロケリス・テンミンキィ

 

モチーフはオニガメ。茶髪オールバックの筋肉モリモリおじさん。普段は糸目だが、硬いものを噛み砕く時とかに開眼する。オディバトラスと呼ばれる相方と旅をしていた。

アーツは硬質化。

 

 

ヒアリン

 

モチーフはアクラ・ヴァシム。両手と尻尾の先端、そして頭には何処ぞのヤンキーみたいな形状の結晶が生えているが、コレは鉱石病では無く彼の素質である。

彼自身は非感染者。

 

 

メタトロン

 

モチーフは巨天使メタトロン。緑色の髪に、片目が失明して白く濁っているのが特徴。イベリア出身で、なんか謎が多い。

アーツは視覚の共有。効果範囲と人数は本人の体調などによって増減。

 

 

スパラディ

 

モチーフはシュモクザメ。アビサルのヤベー奴。他のアビサルハンターと同様、透き通る様な銀髪に血の様な赤い目。戦闘時は変な帽子を被っている。物理強度、戦場機動、生理的耐性が卓越、戦闘技術■■のステゴロ最強ハンター。

因みに啓蒙も50位ある。あと着痩せするタイプで、脱ぐと凄くなる。

 

 

ミヅハ

 

ライン生命にいたとある実験体から妖精さんと呼ばれていた存在。

アーツは体色、体温などなどを周囲に完全に同化させる。

 

 

ライトアイ

 

エレキ君の同期。リーベリ族。特に特徴も無い外見の男。

アーツは目を発光させる。因みに本人も滅茶苦茶眩しいらしい。

 

 

ループス君

 

ループス族のショタ。ライン生命から脱走して来た被験体。割とラックが高いのかもしれない。

 

 

アイ

 

フェリーン族のロリ。ライン生命の被験体その2。色々と謎が多い。

厄ネタばっかだなライン生命。

 

 

サードバッグ

 

痛みを快楽に変換するアーツの持ち主だが、正直言ってドMだからアーツを発動させるまでもないです。

痛覚残留ブレードの出力調整役に自ら志願して来る厄介者。

 

 

ウェイク

 

モチーフはハゲワシ。葬儀屋をやっているリーベリの男。黒い髪に黒い瞳、服も黒いなどなど黒づくし。そして元殺し屋。

人殺しのニュースとかには関心を示さないが、自身が殺す場合は殺すに足る理由を問う男。そして誰かを殺そうとしている他人にもソレを押し付ける男だ。

 

 

シュラフ・ワンデリオン

 

モチーフはホロロホルル。青いショートヘアに赤い目、下向きに垂れていて裏側が赤く変色しているリーベリの羽が特徴。方舟の制服の下には青と金を基調としたピエロの様な服を着ている。身長159cmの男の娘。

アーツは空気の放出と透明化。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

【義体】

統率AIイムホテップ・イモータルが動き回る為の人形ロボット。フード付きの黒コートが防具。コートのくせに防刃防弾耐熱などなど仕様である。ずるいなお前?

顔は無く、メインカメラや発音機が内蔵されたSF風味が強い形状の頭部がある。

 

また、様々な性質、形をしたドローンを義体として操作する事もある。

 

高度な演算能力を持っており、相手の仕草や癖を解析して行動を予測できる。特殊兵装義体は更に高性能であり、数秒先の出来事までなら何が起こるか的中させる。

因みに、演算の仕方は義体に搭載されたAIが効率的だと判断したやり方で行われるが、未来演算には凄まじい量の情報を解析する必要がある。

 

その副次作用として、人間を解析し続ければ言語を理解し、人間性を理解し、やがて心を理解する。

 

 

プロトタイプ

 

まだ未完成の義体。源石エンジンも一つしかなく、言語発音機能も無い。掌から痛覚残留ブレードを生やし、逆手持ち出来る。

タルラに斬って燃やされた。

 

 

量産型

 

ハイゼンのアビサル技術と方舟技術があわさって出来た量産型義体。コストも幾分かマシになり、小型の源石エンジンを四肢に一つずつ搭載し、計5個の源石エンジンによる運動によって稼働時間と性能もアップしている。武器を別で持って運用する事を前提としている為、内蔵武器は手首から下を柄として抜刀する手首痛覚残留ブレードだけ。

 

 

三次元狙撃型

 

方舟の甲板から採掘場へ狙撃しまくっていた特殊兵装義体。内蔵武器は一切無く、性能も他の義体に劣るが、内蔵された空間、次元歪曲装置によってワープや空中に逆さまで立つと言った芸当が可能。

尚、起死回生時はまだ未完成だった模様。

 

 

彗速走行型

 

特殊兵装義体の一つ。他の義体とは違い、出力の安定をさせる為の小型源石エンジンは無く、中型の源石エンジンが両足に一つずつ装着されている。

安定性と持続性に欠ける分、義体の中では最速のスピードを誇る。更にアーツリンクケーブルで三次元狙撃型と接続すれば、義体の不安定要素をある程度補いつつ、光速以上のスピードを出す事が出来る。

そしてこの義体の真の実力はバルクフレームと呼ばれる変形機構だ。バルクフレームは今までの義体とは違い、その体を銀色のアーマーで包んでいる。また、足にあった中型エンジンは腕の方に移動し、槍翼と呼ばれる腕部の変形機構とドッキング。そして槍翼を巨大な推進機として空中を自由自在に飛行する事が出来るのだ。

因みに、義体を中心に半径数メートルに特殊なフィールドを形成しており、フィールドの内側の慣性を自由に調節する事が出来る。

 

 

透過強襲型

 

その名の通り、透明化や気配遮断等の複数の隠密系アーツによる潜入と、複数の大規模攻撃系のアーツで一撃殲滅を目的とした義体。というのが、この義体が透過強襲型と呼ばれている理由である。実は様々なアーツの汎用源石回路を搭載する際、これあったら便利じゃね?これあったら対応力広がるな、など、ホモとハイゼンらによる本来の運用を度外視した過剰搭載により、アーツによる大規模攻撃から、人命救助、潜入など、あらゆる事をやってのける超万能型の義体が出来てしまった。これにはもうビックリだよ本当に。

武装は両腕の肘と手首の間の部位に搭載された汎用源石回路のパズル。これを組み替えることによって、状況に応じて様々なアーツを行使できる。左腕は主に攻撃や防御、外部干渉系の汎用源石回路があり、右腕は主にそれらを補助する汎用源石回路が搭載されている。

実はこの右腕と左腕の中に、ホモがゲームの隠し要素感覚で入れた特別な汎用源石回路があったりする。

 

 

狂撃制圧型

 

別名、対術師制圧型。アビサルハンターを元に他の義体よりも多く搭載された人工筋肉や高出力の源石エンジンによる基礎スペックの高さ、そして特殊な源石回路によりアーツ術式、または源石の影響で起きた異常現象を解体するアーツが施された特徴的な大剣を扱う義体。大剣からは特殊なアーツエネルギーが一定の周波数で広がっており、このエネルギーが他のアーツやアーツ由来の現象に触れることによりアーツを解体する。だが射程が短いという欠点があった為、こうして大剣にコーティングするという形になった。

他にも、背中に取り付ける状況適応アタッチメントは、狂撃制圧型が入手した戦場状況によってナノマシンが形を変え、狂撃制圧型の補助をする………というテイで作ったのはいいものの上手く行かず、結果出来る限りその形を保つという命令を実行する4本のアームと大剣になった(ただしAIが自己進化した結果、アームのナノマシンを吸収して二周り程大きくなったり、顔面フレームを覆う仮面になったりしている)

一応おまけ感覚で念力のアーツが使えるが、せいぜい投射物を受け止めたりする程度であり、人体を捩じ切る程の出力は出せない……筈である。

 

 

概念巨獣封印型

 

名前の通りの用途で用いる義体。汎用義体に炎国の巨獣研究で開発されている技術を摘んでコネコネしてアーツに落とし込んだりして作った封印術式が四肢と頭部にあり、このどれかに封印出来れば他の箇所の術式と胴体に移動、合体して強固な檻となる。

まぁ出来は下の下と言った所である。

 

 

神滅鏖殺型

 

詳しい説明は不要。上位者必ずブッ殺す。内蔵装備はリフレクと短距離ワープ、多重次元屈折装置。残りは大剣メタルフォモセス二振りを使い戦闘を行う。

 

 

メタルフォモセスの形態変形

 

 

蛇腹剣

 

刀身を幾つかに等分し、分けられた刀身の間を伸縮性のある金属で繋げた形態。伸びる長さは金属1つだけで数百mまで伸びる。そして縮む速度も音速を超える程である。

 

大砲

 

銃の形に折れ、刃に沿ってパッカリと半分になった刀身の間から3つの砲口が逆三角形で配置されている形態。炸裂散弾、榴弾、レーザービーム、スパラグモスなど様々な弾丸を発射出来る。

 

連結:柄頭

 

柄頭同士を合体しただけの形態。ここから弓へ派生変形する。

 

連結:剣先

 

剣先と柄頭を連結させた形態。単純にリーチが伸びる。

 

シールド

 

黒蛇からの攻撃を防いだ形態。峰同士を連結させて刀身を広く展開させる。

星閃夢葬・無影城塞(スタードリーマー・ホロウバスティオン)』詳細は不明

 

槍翼

 

大剣を逆手に持ち、変形させる形態。刀身の左右の腹から2つ、刀身が折れて1つ、計3つの推進機を始めに展開し、残りの部分がスライド、回転、合体、して彗速走行型の槍翼と同じものになる。

星閃夢葬・天地獄殺(スタードリーマー・ヘルオンアース)』推進機のエンジンを吹かし続けながら、放出するのでは無く溜め続ける事でオーバーロードさせ、それを地面へ打ちつけて大爆発を引き起こす。その威力は移動都市の一区画を更地にする程。

星閃夢葬・赫灼滅却(スタードリーマー・プロミネンス)』両方の槍翼の推進機を砲口とし、6門の砲口による圧縮された破壊のアーツエネルギーをレーザー状にし、短距離広範囲に拡散照射する。

星閃夢葬・凶彗終撃(スタードリーマー・バルファルク)』詳細は不明

 

 

連結:柄頭から派生して変形させる。連結部分と両方の持ち手付近が弓弦代わりの引き金に変形し、大砲の様に刀身がパッカリ割れてそれぞれ3つの砲口が飛び出す。そのまま放てば6本の矢に、真ん中へ砲口を集めて1つにすれば最強の1矢になる。

星閃夢葬・想奇一条(スタードリーマー・ワンダーステラ)』砲口を1つに集め、凝縮された破壊のアーツエネルギーを1つの矢として発射する。最早レーザービームにしか見えない。

星閃夢葬・月天光雨(スタードリーマー・リヒトレーゲン)』砲口を4つと2つに分けてそれぞれ放ち、巨大な矢を小さな矢で貫いて散らす。散らしたアーツエネルギーは破壊の雨となって降り注ぐ。

 

 

刀身を上下で分け、持ち手を伸ばす。剣先側を折り畳んで鋭利な矛先へ、柄頭側を槍翼の様な推進機へ変形させる形態。投擲時、推進機によって有り得ない軌道を突き進む。矛先同士を合わせる事で、龍形態へ派生変形出来る。

 

 

槍から派生変形させた形態。手足の無い、胴長の龍の形をしており、片方の推進機を砲口と頭部として扱う。全長30m。様々な形態の中で1番意味のわからない変形である。

星閃夢葬・融解龍息(スタードリーマー・ドラゴンブレス)』頭部として扱われている3つの砲口から破壊のアーツエネルギーを放ち、万物を融解させる。

 

バスターソード

 

峰同士を連結させて変形する形態。剣先付近には槍翼と同じ機構がついており、向きを変えたりすることで攻撃速度をブーストさせている。

星閃夢葬・幻想聖剣(スタードリーマー・バルムンク)』剣先付近の槍翼の推進機を砲口とし、先端と同じ方向へ回転させ照射、極光の奔流を1つの刃とし、広範囲を叩っ斬る。

 

双刀

 

メタルフォモセスの通常形態。ここから色々な形態へ変形する。二振り合わせれば完全変態メタモルフォ。

星閃夢葬・■■■■■■■■双刃(スタードリーマー・■■■■■■■■キル)』権限不足により、閲覧出来ません。

 

 

ドローン

 

主に攻撃、治療、支援、防御の4つの兵科によって分かれている。攻撃型には痛覚残留ブレードや痛覚残留弾を装備している。治療型は液薬を散布したり、チューブを体にぶっ刺したり、包帯を巻いたりする機能がある。支援型はスモークやアーツジャミングをしたりする。防御型はエネルギーシールドを展開したり、同じ防御型や機能を持つシールドと連結する事が可能。

 

 

運送ドローン

 

上記のドローンとは違い、主に運ぶ事に特化したドローン。気絶させたレユニオン達を運ぶ小型空中運送ドローンや、スポーツカー型ドローン、大量の人を運ぶトラック型ドローンなどがある。

因みに、義体を運ぶ運送ドローンが完成しつつある。

 

 


 

          編集完了




随時更新予定です。


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とあるホモの外伝文書(本編から先に見てね)
とある嘘日の疾走祭典


タイトル通りのアレです。Twitterがエイプリルフールではっちゃけてた奴らのお祭り騒ぎだったので乗るしかないと。チェルノボーグ事変はマジで次回です(新手の次回次回詐欺)


『ツー訳で始まりましたアークナイツエイプリルフール(個人戦)イベント!音速バトルの舞台はここ龍門市街地特設コースからお送りしたいと思いまァす!解説はこの方!』

「………ケルシーだ」

『そして実況は、移動都市のホモで特にニャルラトなんたらとは名前が似てるだけでそんな関係はないイムホテップ・イモータルでお送りいたしまァす!原作キャラと実況とかあ〜^たまんねぇぜ』

 

 4月1日だからやらなければならないと言うしょーも無い理由によって開かれたアークナイツエイプリルフールイベントと呼ばれるもの。傍迷惑極まりないものだが、何故か龍門に住む者たちが感染者非感染者関係なく、と言うかレユニオンも中に混ざり、今から始まるレースにワクワクしていた。龍門の市民が一つになった瞬間である。

 

『そんじゃ早速、スタートを控えている選手の様子を除き見してみましょうかね』

 

 

 


 

 

 

「…………なんか、覗かれてる気がする」

「いや、気のせいだと思うよ?」

 

 いやーコレ絶対に見られてるぞ。このクランタの嬢ちゃん……グラニだったか?コイツはアレと話した事無いからな。実況とか絶対どっかでやってるに違い無い(選手に実況は聞こえ)ないです)

 

 まぁいいか。で、今回この祭り事に巻き込まれた奴は……龍門近衛局のチェンとホシグマ、アビサルハンターのスカジとグラニの嬢ちゃん、レユニオンのメフィストファウストコンビ、謎の機械、スルトっつうサルカズと、この俺エレキ・ストラトキャスターとロドスのドクター……

 

「アンタホントになんでいんの?」

「いやー、ケルシーに引っ張られてしまって……アーミヤは残して連れて行かれちゃったし、早く戻りたいんだよね」

「アンタも大変なのはよーくわかった」

 

 組織の上に立つ人は普通こんななんだよな………あのポンコツさぁ…

 

「で、マシンは何処だ?」

『マシンは厳選なくじ引きにより決定されるゾ』

「なんでくじ引き……ん?」

 

 いつの間にか俺の足元にいた機械から、聞き慣れた声が聞こえた。と言うか、ポンコツだった。

 

「お前も参加すんのかよ!」

『ハッハー!予想外だったろー!コースを完全に把握している私の出来レース間違いなし!』

「もうお前死ねよ(直球)」

 

 くじ引き箱を持ち、滅茶苦茶カメラマンに撮られているブレイズ、フロストノヴァ、ガヴィルを見ながらそう言った。

 

 

 


 

 

 

『ソレでは選手の紹介です!とりま選手にも聞こえるモードポチー』

 

 デデドン!(効果音)

 

『チェン&ホシグマの近衛局組!マシンは近衛局チューニングが施された外車だ!』

 

「実に下らない事だが、やるからには勝つぞ」

「何時も通りと言う事ですね」

 

 デデドン!(効果音)

 

『メフィスト&ファウスト組!マシンは寄生兵に作らせたクラシックカー!』

 

「悪いけど、どんな手も使わせて貰うよ」

「…………」

 

 デデドン!(効果音)

 

『次は何故か増えてしまったホモ選手!マシンはランサーカー!』

 

『私の出来レースは確t』

 

 デデドン!(効果音)

 

『次はグラニ&スカジ組!マシンはクロージャ特性のママチャリだーッ!』

 

「やっぱりアタシがくじ引きすればよかったかも……」

「安心なさい、貴女が吹き飛ばされない様努力するわ」

「全然安心出来ないよ?!」

 

 デデドン!(効果音)

 

『エレキ君&ドクター組は………』

 

「なんだコレ?ロドス……?」

 

『ロドス・アイランド号ーッ!』

 

「遊具ッ?!」

「エレキくーん!……あっ、100円貸して」

「おかねいるの?」

 

 デデドン!(効果音)

 

『そして!スルト&後ろのスタンド組!』

 

「なにそれ?」

「ん?あぁ」

 

 持っているくじに書かれたトランスフォームと言う文字を見て質問して来たドクターに向かって、やれやれと言った表情をしながら指を鳴らすスルト。指を鳴らした瞬間、後ろのスタンドが色々と意味不明な変形を始めた。

 

『ラーグーナーローカー!』

 

「スルト!もっかい!もっかい出来るかな?!」

「嫌だ」

 

 キラキラした目のドクターのお願いは一刀両断された。

 

『さぁ各車グリットに出揃いました。ケルシーさん、大混戦が予想されますが如何でしょう?』

「もし街に被害が出た時の弁償は、ロドスと方舟で支払う事になっている。出来る限り被害を最小限にして欲しい」

『さぁいよいよです!今回のアークナイツエイプリルフールイベント、見事一位となりケルシーと私が何でもしてやる券を入手するのは誰なのか!今シグナルが赤から……青に変わる!』

 

 その瞬間、6台のマシンが一斉にアクセルを全開にして突き進む。

 

『各車一斉にスタート!おぉっと物凄いスピードで先頭に躍り出たのは……私のランサーカーだァァァ!』

 

『悪いなお前ら……この勝利、私が貰う!』

 

 青塗りの滅茶苦茶尖った形をしたランサーカーは、人間が耐えられないような速度で突き進んで行く。

 

『う〜んこのキチガイスピード!流石は私が設計しただけの事はある!コレで一位は間違いなしだぜェェ!』

 

 そんな事を呟きながら、無人有人車両は真っ直ぐに、ひたすら真っ直ぐに突き進む!

 無人有人と言えば、もう少しで86のアニメ始まりますね。

 

「ホシグマは知っているか?ドラッグマシンと言うのはな」

 

 突然そんな事を言い出したチェン隊長。ホシグマは黙って次の言葉を待っている。

 

「曲がれないんだ」

 

 その瞬間、前方で大爆発が起こった。理由は簡単、ランサーカーが壁にぶつかってお陀仏しただけである。

 

『ランサーカーが死んだ!』

「「「『この人でなし!』」」」

「それを言いたかっただけか?」

 

 言いたかっただけです。

 

『初っ端から大波乱だなオイ!』

「請求書はそちらに回していいかな?」

『おかのした。さて、レースは序盤から荒れ模様。そして先頭に躍り出たのは寄生クラシックカーと近衛局外車だ!ロドス・アイランド号もなんとか追随する!』

 

「あの車、スクラップの寄せ集めにしては中々のスピードですね」

「あぁ、だが私達がレユニオンに負ける事は絶対に……は?」

「ん?」

 

 なんとクラシックカーが、本来曲がる方向とは別の方向へと曲がったのだ。メフィストファウストは自らコースアウトしたのである。

 

「アッハッハ!別に僕達が自ら戦う理由なんて無いからね!」

「まさか自ら戦いを放棄するとは……」

「放棄?違う違う!言っただろう?どんな手でも使うってね。それじゃあ、後は頼んだよ!ビックアダム君!」

「合点承知の助ェ!」

「「「「なんだとォ?!」」」」

 

 メフィストファウストがコースアウトした瞬間、どこからとも無くデコトラがログインして来た。いやホントお前どっから来やがったし。

 

「ふう、久々の都会は目に染みるぜ」

 

 何言ってんだこの耐爆スーツ。

 

「確かビックボブの弟的な奴だっけか?」

「アダム君、どうしてここにいるんだろ……」

 

 エレキとドクター困惑した表情でそう言った。

 

「つかやべぇぞドクター!もう金がねぇ!」

「な、なんだってー!」

「「うわァァァァァァ!!!」」

 

 因みにこのロドス・アイランド号はお金を入れなければどんどん失速する仕様だ。どうしてこんな仕様なのかと疑問に思った人は、コレを作ったメイヤーとクロージャに聞いてください。

 

 失速した事により、デコトラの車体にガンッとぶつかったロドス・アイランド号は、そのままスピンをかましながらガードレールにぶつかってしまった。

 

「くっ……アダムはボブ達とクルビアで農業をやっている筈じゃ…」

 

 すると、デコトラの荷台が展開した。荷台の中身を見た彼らは、驚愕の表情を浮かべた。何故なら……

 

「畑の一部を積み込んでいる……だと?!」

「俺達は畑仕事で食っているが、俺はもっといい暮らしを兄弟達にさせたかった。だが畑仕事はサボれない……そんな事を思ってたら、あの悪ガキがこのレースを提案して来てな。優勝した奴の言う事を何でも聞いてくれるそうじゃないか。乗るしかねぇと思って、車も用意して貰ったって訳さ!」

「割と真面目な理由ですね。やってる事巫山戯てますけど」

 

 

 

 

 

『さて、先頭に出たのはメフィストファウストコンビからバトンタッチしたビックアダムのデコトラ。何という展開でしょう!レースものの醍醐味ですね、ケルシーさん!』

「安全運転を心がけてくれれば文句は無い」

 

 ビックアダムのデコトラは、近衛局外車をどんどん突き放して行く。どんだけスピードを出しても追いつけ無い現状に、ホシグマとチェンの顔はどんどん険しくなる。

 

「よし、このままのスピードでゴールまで行くぞ!……待ってろよボブ、兄弟、お前らに贅沢をプレゼントしてやるぜぇ!」

 

 だがその時、何処からともなく現れた火柱がデコトラを攻撃したッ!

 

「な、何だぁ?!」

 

 火柱の攻撃によって傾く車体。しかも傾いた方向は崖になっている。誰から見ても落ちる事が目に見えてわかった。

 

「クソッ!せめて畑だけでもォォォォ!!!」

 

 そんな断末魔を残しながら、ビックアダムとデコトラは崖の下へと落ちて行った。取り敢えず救護班カモーン。

 

「なんか悲しいですね、色々と」

「おのれ、一体どこからアーツの攻撃を……」

 

 周囲を見回すチェン。そして、そのアーツ攻撃を仕掛けた本人が崖の上にいるのを見つけた。

 

「ふん、デカイだけだったな」

「スルトさん?!」

「なる程、ショートカットして来た訳か」

「足が遅いなら、全員潰せば良いだけの話だ。行け!レーヴァテイン!」

 

 ラグナロカーが握っている大剣が地面を穿ち、近衛局外車の付近に次々と火柱が上がる。その火柱を間一髪で避ける外車を、ラグナロカーはアーツを放ちながら追随する。

 

「何処まで耐えれるか見物だな」

「そうねぇ、でもそれだけじゃつまらないんじゃない?」

「!誰だ?!」

 

 突然声が聞こえた方向へ顔を向けるスルト。そこにはなんと、崖の側面をバイクで疾走しているWの姿が。

 

「いつの間に?!」

「と言うか何処を走っているんだ貴様?!」

「フフッ、それじゃあ、迷惑運転する車にはご退場願おうかしら」

 

 Wは崖から駆け上がり、道路へと着地する。その時スルトのラグナロカーに爆弾を貼り付けた。

 

「3つ数える間に投降のチャンスを上げる。さぁ〜ん!」

「そんな言葉に乗るとおm」

 

 スルトがなにか言い終わる前に、ラグナロカーが大爆発を起こす。せめて最後まで言わせて差し上げろ。

 

「アッハハッ!綺麗な花火ね。ま、この程度でやられるなんて、やっぱり第三スキルのデメリットが足を引っ張ってるんじゃない?」

「チッ…貴様、何故ここにいる?!」

「愚問ね、近衛局の隊長さん」

 

 2代ともカーブを勢いよく曲がる。突然バイクで乱入して来たWちゃん。お前そんなキャラじゃ無いだろと言うツッコミはしちゃいけない。

 

「にしても、こんな楽しいお祭りに招待されないってどう言う事かしら?どうせケルシーがアタシをハブらせようとしたんでしょうけど、残念だったわね」

 

「ハァ……せめてルールは守って貰わなければ困る」

 

「嫌よ。アンタのルールに従う位なら、あのドクターの指示を聞いてた方がまだマシだわ」

 

 道端に設置されているスピーカーから流れるケルシーの声と会話しながらも、着々と距離を詰めて来ているW。

 

「迎撃する」

「いいんですか?」

「構わん!負けてしまえばソレで終わりだ!」

「わかりました。落ちない様に気をつけて下さい」

 

 そう言って、車の後ろへと飛び移るチェン。そして後ろを走るWのバイクに向かって、赤霄を抜刀する。一体赤霄君はこの状況で何故抜刀許可を降ろしたのか。

 

「勝手が過ぎるようだな。斬り落とす!」

「あら、アタシのライディングテクニックを甘く見ない事ね!」

 

 高速で飛んでくる斬撃を回避しながら進むW。戦いが既に異次元のものへとなっているが大丈夫だろうか。

 

「クッ!貴様、ロドスに来てから一体何をやっていた?!」

 

 その言葉を聞き、一瞬だけ過去を振り返るW。とある日をきっかけにバイクにハマりだし、そのままズブズブと溺れて行った、存在しない記憶。

 

「何もかもよ!」

 

 この女、凄くドヤ顔である。

 

『意外や意外!ここでW選手の乱入だ!』

「彼女もオペレーターだと言うのなら、頼むから言う事を聞いて欲しい」

 

 2台とも、もう少しでカーブゾーンへと差し掛かる。

 

「それじゃ、このカーブで貰うわよ」

「させません!」

「残念、貰ったわ!」

 

 カーブゾーンを曲がった瞬間、Wのバイクが近衛局外車を抜かし……

 

「いいえ、私達の勝ちよ」

 

 その横をママチャリが物凄いスピードで追い抜いて行った。

 

「なっ、自転車に負けただと?!」

「何というケイデンス!」

「巫山戯んじゃ無いわよママチャリ!」

 

 うしろからの感心と罵倒を受けながら、猛スピードで駆け抜けるグラニ&スカジ組。籠にスッポリハマっているグラニがヤバい感じになってるが大丈夫だろうか?

 

「ふーん、自転車も結構早いじゃない」

「いや、それスカジだけだから!と言うか前見て前!」

「貴女の体で前が見えないわ」

「何でアタシを前においたの?!」

 

 そんな会話をしている内に、彼女達が乗った自転車はガードレールを突き破り、空を飛んだ。

 

「ごめんなさいグラニ、貴女との約束は守れそうに無いわ」

「もうやだぁ……」

 

 宙に浮かぶ光景は、さながらE.Tの様ななにかだったと、下でスタンバってた救護班は語る。

 

「何だったんですかアレ?」

「気にするなホシグマ、コースの妖精だ」

 

 

 

 

 

『さぁコースもいよいよ大詰めデス!(ペテルギウス)』

「このまま何事も無く終わって欲しいものだ」

『トップで最終コーナーを立ち上がって来るのは……キタァァァ!!ほぼ横一線!僅かにWマシンがリードか!近衛局外車も負けていない!』

 

「楽しかったわよ隊長さん。次は頑張りなさいな」

「勝手に決めるな、まだ勝負は終わっていない」

「あら、この状況でまだそんな事が言えるだなんてね。誰が見ても……何?音楽?」

 

 コース上に、なんかモンスターをフロンティアな場所でハントするゲームで、砂漠のステージに出てくるデカくて赤い亀と戦う時に流れる音楽が響き渡る。

 この場において、音楽を流せる者など一人しかいない。つまり……

 

『この独特なメロディを流せるのは……エレキ君の乗ったロドス・アイランド号だァァァ!!!』

 

「「何ィ?!」」

「俺達は止まらない、止まれない。感染者の紛争を無くし、いつしか感染者達が笑って暮らせる日が来るまで、俺は進み続ける!」

「いいじゃねぇかドクター。よぉしムード上げンぞゴルァ!」

 

 後ろの席で演奏しているエレキが音量を上げ、雷光虫を纏って戦うワンワンのBGMに変更する。それと同時に、ロドス・アイランド号のスピードが更に上がった。どうやら今のロドス・アイランド号はお金では無く、熱い音楽を燃料に走っているッ!

 

「幾ら何でも巫山戯るにも程があるでしょうが!」

 

『さぁゴール目前!勝負の行方はまだわからない!ロドス・アイランド号、怒涛の追い上げ!ジワジワと差を詰める!これがお金よりも大事な物に気づいた機械の本気だ!縦一直線に並んで行く!』

 

「こんな巫山戯た物に負けてたまるかっての!」

「行けホシグマ!アクセルを踏み砕け!」

「了解ですッ!」

「「ウォォォォォォ!!!」」

 

 その時、世界がスローになる。

 Wとチェン&ホシグマは、車体の大きさと言う武器でゴール目前だ。ロドス・アイランド号は車体が小さい為、他の2代よりも遅いゴールとなってしまうのは明らかだった。だが、それをわかっていたエレキが勝負に出る。掻き鳴らしていたエレキギター型アーツユニットを前に突き出したのだ。アニメとかでよく見る距離稼ぎ。だが、それによってロドス・アイランド号の長さは2台よりも長くなった。

 

『ゴォォォォォォォル!!!!まさに大逆転!勝利を征したのはロドス・アイランド号!エレキ&ドクター組ィ!』

「事故無く終わって一安心だ」

 

 大きな歓声を受けながら、ジワジワと失速していく二人。そんな二人の前に、眩い光を放つ紙切れが降下して来た。

 

「コレは……」

『遂に現れた何でもやってやる券。ホモ達がん?今なんでもって言いながら喉から手を出して取りに行く程のものだ。コレを君たちに捧げる。さぁ願いを言うがいい』

「…………はよチェルノボーグ事変作れ」

『アッハイ』

 

 これにて、アークナイツエイプリルフールイベントは終了した。




元ネタはYou Tubeでカーニバルファンタズムって検索すると出てくるゾ。アレも面白いから是非全部見よう!

エイプリルフール要素ねぇやんとか思っても言っちゃいけないゾ


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とある嘘日の交差会談

エイプリルフールなのでネタ要素やコラボ要素やメタ要素など色々ぶち込んで今年こそ初投稿です

所でこの話はギャグとかに振り切れてる上に中身の無い滑った会話が続きます。苦手な人は今すぐブラウザバックして、どうぞ


『と言うわけで、只今より楽しいY談を始めます。はい拍手』

「待て待て待て待て待て待てィ!!!」

 

 此処は境界無き方舟、その制御中枢…から行ける更に下にある空間。つまりホモの本体があるエリアである。

 そしてその円柱状のホモの頭の上に置かれてた円卓にイモータルと愉快な仲間たちが座り、この一日の為だけに会談を開いたのであった。閉廷しろ。

 因みに円卓と言っているが元ネタと同じ人数ではない。閉廷しろ。

 

『いいじゃないかエレキ君、コレは一時の夢に過ぎないもの。夢くらいならエッチなのを見ても許される』

「許されるかポンコツ!罪悪感募るわ!」

 

 優しい(やさしい)心が綺麗だ、澄み切っている。こんな人がホモの下で働いてるってマジ?テラ過酷過ぎんだろ。

 

「ていうか他のメンツ知らない奴多いよ?!半分くらい知らねぇよ?!アーミヤとか二人いるよ?!物理的におかしいねぇ?!」

 

 気にしたら負けである。なにせ今日はエイプリルフール、並行世界が収束してもなんら不思議では無い。

 

『じゃあ1人ずつ喋って行こう。はいフェイスレス君ちゃん』

「指定したら会談じゃなくて質問会じゃねぇか?」

『知らんな』

 

 指名された黒髪ぺったんこのループス族の感染者テロ指導者のTS転生者フェイスレス君ちゃんはコホンと咳払いをして話し始める。

 

「純粋に疑問だったんですけど、クレアスノダールで兄妹を助ける時、ベルト使った変身ではなく、あのマイク使ってたらどうなってたんですか?」

『あ、見てみたい?いいよでは行こうか!』

「即断即決?!」

 

 エレキ君の驚きを他所に席から飛び出し、円卓の真ん中に立ってマイクの様な物と手のひらサイズの丸い物をポケットから取り出す。

 

『スカイミラージュ!トーンコネクト!』

 

 丸い物の出っ張った部分をカチッと下ろし、マイクにある窪みの部分に嵌める。

 

『広がるチェンジ!IMMORTAL!』

 

 マイクのボタンを押し、可愛いポーズを取りながら丸い部分へ向かってそう叫ぶ。男のガタイで可愛いポーズするの止めてもらえます?

 

 そして会談の場所が一変、明るい雰囲気の音楽が流れ、コズミック的でミュージカル的な固有結界に包まれる。イモータルの姿も白黒の光に包まれ、黒コートが消え、ガタイの良い成人男性の体格が18歳程の女性的な体格へ縮み、両手両足に生物的な肌色が現れた。

 次に黒いのっぺらぼうが光に包まれ、金色の瞳を持った綺麗に整った中性的な人間の顔と、後ろの一部をポニーテールにした病的な程に白い長髪が現れる。続いて裸足の足に光が纏わりつき、機械的に鋭利で、それでいてファンシーな雰囲気をかな備えた、白を基調にマゼンダ色の線が規則的に張り巡っている靴へと変化する。

 

『きらめきHOP!』

 

 かわいいポーズと共に流れるBGMが少し変わり、髪の結び目部分に白くマゼンダ色の線が入った棘々しい髪飾りが光を散らして現れた。次に片耳を細い針が斜め後ろ向きに出っ張った白くマゼンダ色の線が入っている丸い機械が覆い、もう片方の耳には黒いインカムが装着される。

 

『さわやかSTEP!』

 

 大きく手を広げ、曲調が更に賑やかになった。未だに体を包んでいた白黒の光が弾け飛び、両腕以外の上半身を包む黒いインナーと、その上に白い近未来風のアーマーを纏い、腰には真逆にファンシーで少女然とした白いミニスカートが現れ、スカートと両足を包む様にホモの黒コートを思わせる様な腰マントが光と共に生成された。続いて胸部分に埋め込まれた丸い球体がマゼンダ色に発光し、服の白い部分全体にマゼンダ色の線が広がる。

 そして両足は靴から太もも辺りへ光が這い上がり、弾けると共に黒いニーソックスを纏う。

 

『はればれ…JUMP!』

 

 曲調が最高潮に達し、イモータルは豪快に、そして少女らしく可愛らしいジャンプを披露。着地と同時に両手が肘から下の部分だけ白黒の光に包まれ、マイクを握った状態でその両腕を胸の前まで持ってきて、拳と拳を勢いよくカチ合わせる。光が散り、両腕の肘から下は白くマゼンダ色の線が張り巡るアーマーに完全に覆われた。

 最後に腰の後ろに折り畳まれた白いマゼンダ色の線が張り巡るスラスターが光を散らして現れ、リボンの様な形に展開。そのままクルッと半回転して、ニカッと勝ち気な笑顔を浮かべながらウィンクをキメる。

 

『遍く広がる救いの願い!キュア、イモータル!』

 

 カッコ可愛いポーズを取りながら名乗り上げ、変身バンクは完了。コズミック的でミュージカル的な固有結界は消え、元の空間へと戻っていた。

 

「「「「お〜」」」」

『………さて』

 

 みな、その姿の変わりぶりに驚きながらも、拍手を送る。特にエレキ君、結構好みな見た目のイモータルを真面目に可愛いと思っていた。

 そんな中、体格相応の女性的な声を発声しながら自分の席へ戻り…ドカッと座る。

 

「お〜、ホモの癖に可愛い。なんでこんな可愛い姿で私を殺りに来なかったんですか?」

『はい、この変身バンクに約1000文字使いました。コレが選ばれなかった理由ですね。文字が多杉ィ!』

 

 エレキ君は可愛いと思った事を後悔した。見た目と声が可愛くても言動がホモのままだったからだ。

 

『なんだいフェイスレス君、まさかこの姿の私とテキサスにヤられたかったのかい』

「ッ……そ、そんな訳…ないでしょう///」

「なんでお前赤くなってんの…?エッ…お前らまだ書かれてない所でいったい何やったの?!」

『脇役になりたくないTS転生者と絶賛コラボ中です。見てな』

「宣伝しとる場合か?!つか答えろよ!何やったの?!そういうの大丈夫なの?!」

 

 いったいなにヤったんでしょうね。フェイスレス君ちゃん(のテロのシナリオ)を滅茶苦茶にしたのは確かですが。みんなは二次創作者同士でコラボする時には下ネタには最新の注意を払おう、ホモとの約束だゾ☆

 

『因みに胸はないから、いつもは必要無いからつけてない下腹部アタッチメントをつけるだけで男の娘になれる』

「誰も聞いてねぇよ!」

「ふむ…良くわからんが、凄いな」

「フロストノヴァさん?!」

 

 アーミヤ、後でフロストノヴァに保健の授業を教えてやってくれ。流石に知識が無いと将来が不安だ。

 

『じゃあ次は……』

「そのままやんのかよ……」

 

 プリキュア姿のホモは円卓を見渡し……赤い長髪の女性に決める。

 

『こういうクロス要素ごちゃまぜのアクナイ二次創作でよく出て来る赤い霧さん』

「………返事しねぇな。生きてんのか?」

『そんな筈は無い……ほら、ちゃんと立った』

 

 赤い霧さんは席から立ち上がり……禍々しい武器を取り出し、顔に張り付いた金属の仮面を展開する。

 

『やっべ、そういやセフィラ抑制まだ途中だった』

「ちょ―――」

 

 

 

 

 

 

 第4形態で放置していた赤い霧により、ホモは一瞬にして解体された。最下層で極秘調査していた幻想体達が収容違反を起こし、境界無き方舟の職員は皆死んでしまった。もうこの大地に光を灯す事は出来ない。

 

 

[R]END

 

 

 

 

 

 

『さて、二週目だ。じゃあ次の人』

「待て待て待て待て待て待てェェ!!!!何が起きたいったい?!」

『尺が無いから無視するよ。じゃあ次、プーチン君』

 

 緑色の囚人服を着たコータス族の男は、画用紙にマジックでスラスラと何かを書き、皆に見えるように画用紙を立てる。

 

『何々、ウサビッチナイツの続きは何時になるのか……そうだな』

 

 イモータルは美少女の姿で腕を組みながら椅子を後ろに傾け、暫くの間揺れ続ける。そして少しあと、傾けていた椅子を正し、プーチンの顔を見て1言。

 

『ライン生命から出た後の展開を忘れたので当分無いと思われる。すまんな』

「…………」ガーン

 

 プーチンは白目を向いて倒れてしまった。本当にスマン。

 

『じゃあ次は……モスティマさん』

「はーい、って言っても、厳密には私じゃ無くてこの子だ」

 

 モスティマが虫かごを取り出す。中には、黒光りする甲殻と、怪しい色をした源石が生えたサソリ型の原生生物が一匹。

 

「彼も、自分の続きが気になってるみたいだ」

『ただいま書いてはいるが……まぁ、如何せん進みは悪いな。気長に待っててくれ』

 

 プーチン程では無いにしろ、原生生物はしゅん…という感じに落ち込んだ。可愛いね。

 

『じゃあ次は……ウェンくん』

「おう」

 

 次に指名されたのは、水色の学ランを着た青年。

 

「アンタ、MUGENでキャラ制作とかしないのかよ」

『出来たらこんな話書かずにもう作ってるわァ!!!』

「うわぁ突然キレた?!」

『私だってなァ!七夜改変とか作ってみてぇよ!でも上手く行かなかったんだよォォォ!!!調べてツールとか揃えても何も出来なかったんだァァァ!!!あ゛あ゛ん゛ま゛ぁ゛り゛た゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!ドット絵の抽出とか何処から持ってくんだよマジで』

「うわぁ急に冷静になるな?!」

「なるほどな…まぁドンマイ」

『なにがドンマイだ』

 

 綺麗な顔で思い切り泣き叫んだ後、スッと涙のエフェクトを消して素のトーンに戻るイモータル。

 

『はい次!フロストノヴァさん!』

「何故キレ気味なんだ……まぁいい。私もお前に聞きたい事がある」

『おう、なんやねん』

 

 少し空間内の温度が下がり、フロストノヴァのイモータルを見る目が…厳密には、イモータルと隣に座っているエレキ君を見る目に冷たさが宿る。

 

「そこの男と私……」

「…オレがどうかしたかよ」

「正直に答えろイモータル。本編でのコイツと私の関係をどうする予定なのかを!」

 

 ・ ・ ・ Ω\チーン

 因みにこのΩ\チーンはウェン君がナイフの峰で適当になんか叩いた音です。

 

『正直言って……凄くカップリングしたいです!』

 

 ホモは正直だった。

 

『いや言ってしまうがね、アクナイ本編だと君のカップリングはアーミヤかドクターのどっちかだろう。だけど、このRTAだとその二人と接点が余りにも少な過ぎるんだよね。でまぁ、二次創作つったらオリ主カプ、やってみたいじゃん?つまりそういうことだね?』

 

 円卓は静寂に包まれる。そしてその静寂を破ったのは、話の主題であるフロストノヴァとエレキ君だ。

 

「カップリングってのがなんなのか知らねぇが……要はノヴァと仲良くしろって事だろ?」

「残念だが…お前の言うそれは」

「「無理な話だ」」

『え〜』

 

 頬杖を付き、溜め息と共に駄々をこねる様な発声をするイモータル。

 

「先ず私はこの男と馬が合わない」

「同感だ。先ずノヴァはレユニオンとして過ごしたのが長い以上、戦闘での相手への傷害に関しては躊躇が無い。既にそこから合わねぇのよ」

「それに、この男のこういう相手の事をわかったかの様な口振りも気に入らないな。私の言いたい事をわかり易く代弁する所は便利だが、性格が全てを台無しにしている」

「んだと、ならオレもテメェの相手に合わせて態度を変えるのがあからさま過ぎな所が気に入らねぇ。もう敵同士じゃねぇだろうが。折角可愛いってのにそこで台無しだよ」

「なんだと?そもそもお前は――」

「なにィ?そもそもテメェが――」

 

 以下、互いの事についてツンツンツンデレな貶し合いが続く。

 

((((なんだこの二人、焦れったいな))))

『はぁ……はい、じゃあ次の人…』

 

 ヌッ、と静かに手が上がる。痴話喧嘩している二人以外がそちらを向けば、そこには並んで座る二匹のウサギ。その片方のどんよりしているウサギさん…もといアーミヤが手を上げていた。

 

『はい、じゃあAアーミヤ』

「……アイツの代わりに突っ込むが、どういう判断基準なんだ?」

 

 ウェン君の為に説明しよう。今手を上げているどんよりしたアーミヤがA…アニメ版のアーミヤだ。そしてその横で冷や汗を流しながらも笑顔を絶やしていないのがRアーミヤ、このRTAのアーミヤである。

 

「あの……なんで私はまたこんな所にいるんでしょうか。此処に来ると、私は何も出来なかったと突きつけられた気がして、胸が痛いんです」

((((あ、重い。アークナイツしてる))))

「ははは……まぁ私、ミーシャさん達を助けられませんでしたし、フロストノヴァさん達も助けられ無いみたいですし……私、これ以上進む意味があるんでしょうか」

((((有り得べからざる今を見たせいで凄くマイナスなキャラ崩壊してる?!))))

『コレは不味い。Rアーミヤ、ケアをお願いします』

「ま、任せてください!」

 

 そろそろどんより感が深層まで到達しそうになっていたAアーミヤ。だが、突然温かい物に包まれた感覚を感じ取り、深層から引き上げられる。

 

「……どうして」

 

 Aアーミヤを優しく抱きしめ、頭を撫でるRアーミヤ。此処に塔を建てよう。

 

「貴方の気持ちは、私もわかります。だから貴方が進む理由も、ちゃんとあります。私達が進まなければ、この大地で苦しむ大勢の感染者、非感染者を助けられないでしょう?ですが、焦らないでください。私達は進み続けなければなりませんが、止まっては行けない訳ではありません。立ち止まっていいんです。泣いてもいいんです。助けを呼んだっていいんです。ですから、進む事に意味が無いなんて言わないでください。進み続けた貴方にもきっと、明日が訪れる筈ですから」

「……ッ」

 

 Rアーミヤの胸の中で震えるAアーミヤを、皆が静かに見守る。彼らも、彼女の世界を救ってやりたい気持ちで一杯だ。だが、それでも見守る事しか出来ない。なら、精一杯見守ってやろう。彼女がいつか、明日を見届けられるまで。

 

〘まぁ、この会談は夢なのだけどね〙

 

 おいコラ。

 

『さて、アーミヤ達は大丈夫そうだし、次はドクター…ってどったの、そんなどんよりと』

 

 そこには、まるで理性を吐き尽くしたような男がぐでっとしていた。

 

「なぁ、イモータルさん」

『はいはい、イモータルです』

「私ってさ、一応アークナイツの主人公のような者だよね?」

『そうだな』

「でも、でもさ……!この話でも、RTAの本編でも、私、そんなに喋ってないんだ。フォーカスされてすらいない。多分登場した回数って片手で数えられるんじゃないかな?」

『そうかもしれないね』

「なぁ、教えてくれ。私は本当に、主人公なのか……?」

 

 懇願する様な雰囲気で言葉を発するドクター。その先にいるのは勿論イモータルだ。そしてイモータルは、ドクターへボーイッシュな美少女の顔をニカッと笑顔にさせて答える。

 

『勿論、君はアークナイツのプレイヤーだとも』

「ッ……それじゃあ――」

『でもな、この大地での主人公は()なんだ。本当にすまない』

 

 ドクターは椅子から転げ落ち、絶命した。掌返しによる負荷に耐えられなかったのだ。

 

「「ドクター?!」」

 

 そこに、二人のアーミヤが駆け寄る。

 

「ドクター!ドクター!しっかりしてください!」

「あ、あぁ……アーミヤ……なんで、二人?ここが…楽園……なのか?遍く、アーミヤの…始発点……?」

「ドクター?ドクター!ドクター!!」

「あー、アレは別の所の箱舟に行っちゃいそうですね。学園都市の方の」

『おーい、戻ってこーい。君は指導者だが先生ではないぞー』

「もし行ったら私の妹によろしくでーす」

『え、君テキサス以外に妹いたの』

「血縁関係での妹ではじゃ無いですけどね。私は会ったことも無いですし」

『君妹に顔見せて無さすぎだろ』

「「くっちゃべってる場合があったら助けてやれやッ!!」」

『ドブルイニャニキチッチッ?!』

 

 

 フロストノヴァとエレキ君に蹴られたので、ドクター救出中……

 

 

『という訳で、ドクターの出番はヴィクトリアやるときに増やすとして、そろそろ解散の時間がやってまいりました』

 

 プリキュア姿から変身解除し、ガチャガチャと音を立てて体の大きさを元に戻すイモータル。

 

『ま、こんな滑ッカムが出來そうな程の話にお付き合いくださり誠にありがとうね。それでは、解散!良い朝を!』

 

 イモータルの号令を期に、皆席から立ちエレベーターへ向かう。そんな中、ただ一人、席から立たない者がいた。

 

『……えっと、DG2khRp君?帰らないの?』

「いや、呼ばれたのに話振られなかったから……というか、なんで俺は此処に呼ばれたの?」

 

 そう言って疑問符を浮かべるのは、灰色の髪を生やし、片目に閲覧規制のかかったウルサス族の少年だ。

 

『そうだな、取り敢えず何か飲もうや。ボリバルルートビアでいい?』

「俺一応未成年なんだけど」

『そうか、じゃあクレアスノダールで売ってた有機栽培茶で』

「えぇ、なんで渋すぎるチョイス?普通子供にはジュースとかじゃ無いの?」

 

 そんな事を言ってると、少年の前に冷えた紅茶の入ったガラスコップが生えてきた。どうやら他の選択肢は無いらしい。あとどっから生えてきたし。

 

『さて、まぁ君が此処にいる理由だがね、それは……』

 

 ストローでチューっと紅茶を吸いながら、次の言葉を待つ。イモータルは紅茶が無くなるまで無駄に溜め、無くなった瞬間に円卓を勢いよく叩き、満を持して発声した。

 

『君(のアークナイツ)と交わりたいからさァ!!!』

 

「……ヒェッ、勘弁してください」

 

 どうしてお前の口からはそんな言葉しか出てこないのか、コレが分からない。作ったヤツの顔が見てみたいですねぇ!

 

『まぁ、そういう訳で両方とも一段落したら多分来るかも。それまで息をして待っているが良いわ!』

「来ないで」(切実)

『というわけで、今度こそ解散、物!』

 

 そう叫びながら、ポケットから取り出したボタンをさっきの様に勢いよく叩く。そして――

 

『爆発します!!!!』

 

「ゑ?」

 

 

 

 

 

 

 イモータルがアーツエネルギー融合反応を起こし、この大地を跡形もなく消滅させた。

 

 

[U]END




爆発オチなんてサイテー


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とある嘘日の戦術祓魔

エイプリルフールなのでネタ要素やコラボ要素やメタ要素や他作品要素など色々ぶち込んで初投稿です。

コラボはどうした早う書け。

本当に申し訳ない。腹を切って書いています。

所でこの話はギャグとかに振り切れてる上に中身の無い滑った会話が続きます。苦手な人は今すぐブラウザバックして、どうぞ。というか余り見る意味は無いからね、無理に見なくていいんだyo。


 拝啓 お父さん、お母さん、ドクター、アーミヤ、アルハイム、その他諸々の偉い人達へ。

 

 ごめん、テラの最北にある転送ゲートの調査にはいけません。今、ピノコニーにいます。

 

 この夢の国でタクティカル祓魔師なる組織のピノコニー支部を私は作っています。

 

 本当は、テラが恋しいけれど…いやそんな恋しくは無いな。本当は、ドクター達のことが恋しいけれど……でも、今はもう少しだけ知らないフリをします。

 

 私の作るこの設定群も…きっといつか、誰かの心の中にいる子供達を楽しませるから。

 

 

 

 

「「何やっとんじゃクソボケェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!」」

 

『ギニャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!』

 

 

 

 

 有機栽培茶さん家のループス族のアルハイムきゅんと、いつものドクター(cv甲◯田ゆき)が、ピノコニーの黄金の刻で優雅にアイスを頬張っていたホモへ同時に蹴りをブチ込んだ。そのままホモは錐揉み回転しながら歩道に上半身を埋もれさせ、飛び出た下半身の股間を未来的な形のバイクが踏み潰す。

 凄く、痛かったです。

 

『ニキチッチァ!!アルくんちゃんにドクター?!ホ、いつの間に?!』

「貴方がこのバカみたいなモン送って来たからしばきに来たんですよ!」

『どうやって来やがったんだよ別惑星だぞ?!』

「実はテラの開拓どころかタロⅡの開拓も終わっちゃったんだなコレが!」

 

 (終わって)ないです(こ↑こ↓エイプリルフール要素)

 

『マジかよ未来の話過ぎるだろ!開拓精神(ギャグ補正)キマってんな!星穹列車乗らない?!』

「ゴタゴタ言ってないで帰りますよ!」

『嫌だァァァァァァ!!!拙僧まだ夢の中にいたいんじゃァァァ!!!』

「はーいいっちに!さんし!」

「オーラーイ、オーラーイ、ぶつかってもオーラーイ」

 

 

 

 

 

 

 

 ロドスの執務室にて

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで正座させられてるかわかりますか?」

『ロドスの間取りが変だから』(玄関→休憩所1→休憩所2→黒蛇ぶっ殺しゾーン)

「ぶっ飛ばしますよ」

『ホ穴わかりません!』

「そのケツに源石ねじ込みますよ」

『怖い事言うじゃん。所でドクター』

「なんだよ」

『ロドスって窓無くね?』

「本当だァァァ!!!窓無い!!!窓無ァい!!!(端末の通信をケルシーに繋げる音)ケルシィィィィィ!!!窓ねぇぞォォォォォ!!!」

「貴方までイカれないでください!!!!!」

《「………成る程。ドクター、先ず我々がよく知る医療施設とロドスの相違点についてだが――」》(以下ケルシー構文)

 

 

 閑話休題

 

 

「ソレで、今4月1日ですけど、どうしてコラボが完結していないんです?Twitterで春までに終わらせると呟いてましたよね?」

 

 アルくんちゃんの問に、ホモは首と指を横に振る。

 

『アルハイム、今はTwitterじゃなくてXだzアツゥイ!』

「はっ倒しますよ」

『もう既に終わってる!』

「ソレで?なんでまだベール副隊長の所なんですか?テキサスが一向に来ないんですけど?」

 

 その問いに、今度はバツの悪そうな感じでソッポを向きながら発声するホモ。

 

『タクティカル祓魔師っていうシェアワールドにハマっちゃった☆』

「死ねェェェェ!!!!!」

『ドブルイニャニキチッチァッ!!!!』

 

 素早く接近し組み付いたアルくんちゃんによるバックドロップによって、またもやホモの上半身が地面に埋もれる。

 

「早く書けよ!貴方結構溜めてんのにコレも溜めたらただの溜癖クソホモ二次創作者ですよ!既にアークナイツ要素が薄すぎて評価7.67なのにグズグズしてる場合ですかクソハゲ!」

『ハゲは関係無いダルルォ?!』

「ケツから声出すな!というかなんですかタクティカル祓魔師って?!」

『タクティカル祓魔師を知りたいか少年少女』

「成人済みです私」

 

 地面から這い出たホモが顔を踏まれながらフッフッフッと不気味に笑い………

 

『私にもわからん。なんでタクティカル祓魔師なの?』

「参加してるなら分かれよォ!!!」

『わからない。私達は雰囲気でタクティカルしてる』

「そもそも祓魔師ってなんですか。退魔師と何が違うんですか」

『パスタとスパゲティ的な違いがある』

「ほーん、そうですか。では執筆作業しましょうね〜」

『ヤダァァァ!!!納得が行く心理描写が辛いンゴォォォォォ!!!』

「文句言うな早く書け!!私もチャバシラーも一部読者も楽しみにしてるんですよ!貴方が書くクレアスノダールの行く末を!」

『ッ………!』

 

 ハッとする。そうだ、コレはあのクレアスノダール事変のシリアスさがシリアス過ぎてifを作りたくて始めた事。つまりホモが始めた物語。完結させるまで進撃し続けなければならない。

 なにより、シリアス展開をぶち壊すのは楽しい。この初心を、いつの日から忘れていた。

 

「それに………」

『…え?今なんか言った?』

「ッ…だから、その………ゴニョゴニョ

『なんて?』

 

 お前聞こえるだろうが、とイラつきながら、1度深呼吸して今から言う事の恥ずかしさを抑えるアルくんちゃん。そして今一度大きく口を開き………

 

「……………いつになったら書くんですか、私の………エッチな小説

『…………………

 

 

 

 

 

声が小さくて聞こえねぇよォ!!!!!』

「私のエッチな小説はいつ書き始めるのかって聞いてるんですよォ!!!」

『デケェ声出さなくても聞こえてるよォ!!!!!』

「声デケェよ!!!声が聞こえねぇよ!!!」(鼓膜破壊)

「うるさいよ!!!!!」(ドクター)

「ふたなりテキサスとR18展開になる前に耳が孕んでしまいますよこのままじゃ!!!!!」

『聞こえねぇよ!!!!!』(難聴)

 

 ゴシャア!

 

 エイプリルは今年もやーってっ来るー。

 

「「……え?」」

 

 突如、騒音を発していたホモの頭部に、黒いアーツエネルギーが突き刺さる。

 

「皆さん」

 

 その下手人は、いつの間にか執務室の前に立っていた魔王。

 

「迷惑なので静かにお願いしますね?」

「「ウィッス!」」

 

 

 閑話休題

 

 

「というか、ケルシーの長話終わったんですね。窓の無い理由わかりました?」

「いや、言葉が右から左に抜けていった」

「でしょうね」

「………所でイモータル?」

『ん?』

「龍門の話書いたの、いつだっけ?」

『えぇっと…三年前だね』

「サイドストーリーを書き始めたのは?」

『…二年前だね』

「もう一つ質問良いかな…………

 

 

 

古龍とかそこら辺の情報開示、何処行った?!」

『君の様な味の良い牡蠣はフライだよ』

 

 ガッと、ドクターとは思えない速度でホモに掴みかかる。

 

「ちょ、ドクター!」

「コイツは、アンケートも取って置きながら、話を進めずにオリキャラステータスをノートに保存したままの敗北者じゃけぇ!」

「口調おかしくないです?」

『いやもう、おっしゃる通りです!』

「認めるなよ!」

 

 その時、ホモの頭部にある精密機器達が、謎の信号をキャッチする。

 

《「ホモ…ホモ……聞こえますか?」》

〘その声は、全裸でお花畑の方のイヴァンジェリスタ!〙

《「うん、教皇じゃない方のジェリスタちゃんだよー☆取り敢えず殴っていい?」》

〘痛い痛い負荷をかけるな。それで?私になんのようかね?〙

《「あのねあのね、貴方宛に信託が届いててね」》

〘信託て……いや今の君使えたっけ?〙

《「今日はエイプリルフールだから!」》

〘成る程な?んで、その信託は私になんて?〙

《「それじゃあ読み上げるね…………

 

 

 

 

 

 

 

お前を殺す」》

 

 デデンッ!!!チャラランチャララ〜ン(余韻)

 

〘何なの、この信託〙

《「以上!じゃあね〜☆」》

『って帰るんかい?!』

 

 その時(2回目)、ジェリスタちゃんの遠距離通信が終わると同時に、ロドス全体に警報が響き渡った。

 

《不審者の不法侵入を確認。不審者の不法侵入を確認。館内の皆様は、すぐに近くの部屋に避難してください。繰り返します……》

 

「不審者?!」

『チッ、戯れてる場合じゃねぇ!早速征伐しに出かける。後に続け2人!』

 

 執務室を飛び出し、ロドスに不法侵入を決めた不審者を探す。そして幸いにも、その不審者は割と早く見つかった。ギュピッ☆ギュピッ☆という強者の足音をしていたからだ。

 そして、その不審者の姿を見て、ホモは驚く。

 

『ブラッドブルードの大君?!死んだ筈じゃ?!』

「そもそも会っても無いんですよ!」

「だがここは、ロドスの中で最も防衛セキュリティが密集している黒蛇ぶっ殺しゾーンだ。彼を取り押さえるには持って来いの状況だと思う」

「え?ここ黒蛇ぶっ殺しゾーンだったんです?!あの間取り本当にロドスの間取り図だったんです?!」

『ならば、ここは私が殺ろう!』

 

 そうして前に躍り出たホモは、対峙する大君に両拳を構え、ファイティングポーズを取る。

 一見ただのファイティングポーズ。だが、後ろの二人は知っていた。コレは、ただのファイティングポーズに非ず。

 

 そう、この構えこそが掌印であり、アーツ術式そのもの!

 

 

 

『領域展開』

 

 

 

 一瞬にして景色が変わる。ロドスの廊下から、プロレスのリングの様な場所に立っていた。そのリングの周りには、巨大な腕が、掌を上に向けてそびえ立っている。

 コレこそがホモの奥の手。その名も………

 

『エネルギー...吸収...アリーナ』

「いや名前ダッサ」

「というかイモータル!これじゃ折角の黒蛇ぶっ殺しゾーンが意味を為さないじゃないか!」

『……ホンマや!』

「バカしかいないんですかここは?!」

 

 掌の上に乗っている二人は頭をかかえた。

 

 そんな二人を余所に、更にホモは己の真名を開放する。

 そう、イムホテップ・イモータルという名は、ただ縮めてホモと呼べる様にしたかっただけの仮の名。今ここに、機械は真の名を告げる。

 

I am Messiah(私は救世主)

((今度は何言ってんだコイツ?))

I…am(私は)………Y◯STR Jesus(ヨ◯スターの神だ)

 

 

 

「「怒られろやァァァァァァ!!!!!」」

 

 実にすみませんでした。

 

 

 

 

「所でドクター、さっきあたしの事呼んだ?」

「えっ、呼んでないというかなんでここにいるんだ?!」

「エイプリル違いですねコレッ!」

 

 終わりである。




(オチなんて)ないです。

そんなわけで続きはちゃんと制作中です。ほなまた次回、サラダバー!


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とある黒兎の並行夢遊

アークナイツアニメ第一期が無事に終わった事でリクエストされていたストーリーを急に構築出来たので初投稿です

所でこの話には本走のネタバレ成分が検出されたので、まだ本走を見てない方はそっちから先に見て下さい。よろしくオナシャス、センセンシャル


 温かい。

 

 命の輝きをその手に感じる。まだ生きている、この命を助ける事が出来ると言う証明。だから彼女は、その命を取り零さぬ様に、ゆっくりと手に力を入れて――

 

「許さ…ない……」

 

 首に添えられていた手を離す。違う、コレは違うと、必死に目の前の感染者の手を取って訴える。でももう、その子供の体に温かさは無くて――

 

 半分に割れたガスマスクと、無くなった半分から覗く死んだ少女の顔が彼女を睨む。どれだけ弁明しようとも、どれだけ手を伸ばそうとも、あの姉弟を死へ追いやった事に変わりは無く…彼女だけ、静かな光に飲まれて目が覚める。

 

 

 何も残せなかった今日に、目を覚ます。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ?ここは――」

 

 目を覚ましたアーミヤの視界に入ってきた物は、随分と見慣れた天井であった。

 

「…ロドスの、ドクターの執務室……?」

 

 彼女が睡眠へと意識を落とす瞬間に見た光景は、少なくともドクターの執務室では無かった。

 

「どうして……あれ?何か凄い変な気が」

 

 厳密に言うと、目線の高さが少しばかり高いような気がするみたいだ。それに、何故だか彼女にある記憶のドクターの執務室よりもこの部屋は小物が多い。

 

 正直あの様な出来事の後でこんな不思議な事が起きて、アーミヤは気が遠くなりそうになるのをなんとか堪え、丁度目についたオサレなデジタル時計を手に取る。

 

「8時…10分。日にちも違う……?!年代は――」

 

 アーミヤの瞳が驚愕に染まった瞬間、執務室のドアが勢い良くスライドする。

 

「仕事だァァァ!!!(ヤケクソ)」

「わっ?!」

 

 休憩終わりのドクターによるハイテンションな叫びにより、驚いたアーミヤは手からデジタル時計をうっかり離してしまい……

 

 ドガッシャァァンと砕け散った。

 

「ギャァァァ!?!?イモータルから貰ったデジタル時計がァァ?!!?」

「あわわわわ?!ご、ごめんなさいぃぃ!!」

 

 

 暫くお待ち下さい。

 

 

 執務室にある机を挟んで、アーミヤとドクターはソファに座って向かい合う。ただしドクターの腕は机の上に散らばる部品をシャカシャカと組み立てていた。この速度のシャカシャカはバーニングアタックに派生できる(確信)

 

「いやぁ驚かせてごめんアーミヤ」

「いえ、その……」

「あぁ大丈夫大丈夫。このデジタル時計、強い衝撃でバラバラになる様に作られてるから」

「……あの、それってただの欠陥――」

「イモータル曰く、ただのデジタル時計じゃ面白く無いからパズルゲーム要素を追加したらしい」

「それを追加する意味はあるんですか?!」

 

 HAHAHA!と笑いながらオサレなデジタル時計を組み終えるドクター。迷わずテキパキと組み立てていたのを見るに、何回も挑戦したのだろうか?とアーミヤは考え……

 

 ………………

 

「……どうしたのアーミヤ?気分でも悪いのか?」

「え?…あっいえ!別にそんな事は無いですよ?アハハ…」

「う〜ん……怪しいな?この後方舟との合同演習やるんだろ?一回ケルシー先生に診て貰う?」

 

 嫌な感覚が積もる。アーミヤ自身にもわからない嫌な物が、己を少しずつ蝕んでいく様な気がしていた。膝の上で握り締めている拳が汗ばむ。

 彼女の知らない単語が時折飛び出して来るが、それを一々追求する暇もない。

 

「本当に大丈夫かアーミヤ?」

「ッ――」

 

 ハッとして顔を上げると、伺うように顔をすぐ近くまで近づけていたドクターと目が合う。

 

「顔が青いぞ。やっぱり一度ケルシー先生に診て貰おう」

「ッい、いえ!!」

 

 その視線を切るようにガバッとソファから立ち上がると、そそくさと執務室の出入り口へ向かう。

 

「診て貰う程ではないので…少し、風に当たって来ます。本当に大丈夫ですので!」

 

 そう言ってドクターの返答を待たずに執務室から勢い良く飛び出し、廊下を駆けていった。

 それを執務室の入口から覗くドクターは、携帯端末を取り出して電話帳の画面を開き、ケルシーと書かれた欄をタップし、通話を繋げ…る前に、執務室の隅でジッと座っていた人形に声をかける。

 

「ゼロちゃん、ちょっとイモータルに繋げてくれないかな?」

【・・・チッ・しゃーねェな>ちょっと待ってろ>】

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…ッ……いったい、どうなって――」

 

 廊下の壁に手をついて、倒れそうになる体を支える。

 溢れ出る違和感、矛盾。得も言われぬ様な感覚に、今の精神が疲弊したアーミヤはどうする事も出来なかった。何時もの精神であれば、きっとドクターと共にこの不可思議な事態の解明に移れただろう。

 

 だがそれも叶わない。今のアーミヤはあの姉弟を結果的に死に追いやってしまったが故に酷い状態だ。そして頼みの綱であるドクターと会話して……わかってしまった。何より無意識に使っていた彼女のアーツが、ドクターがドクターで有りながらもそうでは無いと裏付けてしまっていた。

 

 確かにドクターはロドスのドクターだった。ただ、彼女のドクターでは無かった(・・・・・・・・・・・・・)のだ。

 

「………早く、早く…帰らないと」

 

 いったい何処に帰ると言うのか。彼女の家はこのロドスだと言うのに。

 

 まぁそんな事や帰る方法とかを無駄に考えないまま、彼女は歩こうとして……ポケットからな鳴るアラームに足を止める。

 アーミヤはポケットから携帯端末を取り出し、目覚まし機能を慣れた手付きで止め、ふと何を思いついたのか、そのまま携帯端末を操作しながら歩き始めた。

 

 指で画面をスライドしながら、自分と同じ整理されたデータを片っ端から閲覧する。

 今自分が何処を歩いているかも分からぬまま、ただ携帯端末の画面を喰い入る様に見続け、今日の予定と書かれたデータを開いた。

 

「AM10時30分から境界無き方舟との合同演習。演出場所は円形で高低差のある採掘場を想定した……ッ」

 

 胸がズキリと痛む。

 

「こちらの演出参加オペレーターは、メランサさん、ラヴァさん、クルースさん、エリジウムさん、ガヴィルさん、ブレイズさん……」

 

 そこまで言って、それ以降に表示されている名前を見て思わず口を紡ぐ。理由は単純だ、全く持って知らないオペレーターの名前が、さぞ当然の様に書いてあるのだから。

 エレキ、アーキテウティス、グレイプニル、タチャンカ、羅小黒、九色鹿。己の知らない人物のコードネームを見る度に、本来であれば冗談だと笑い話に出来るような仮説が現実味を帯びていく。そして同時に、彼女の中に芽生えた疎外感は大きくなる。

 

 画面をスライドする。演習相手である方舟のオペレーター名が目に入る。ミスカトニック、ホロロホルル、マクロケリス、カルカロクレス、ウォードレス、アクアクラウン、マグネットスパイク、クズリュウ、メナス、ヴォイドノイズ、そして………

 

「は…ははは……どうして、私――」

 

 いつの間にか歩く事も止め、アーミヤは笑いながら膝を折る。膝の上に力無く放り出された腕と端末に、雫がまばらに落ちていく。

 

 アーミヤはその歳の女の子にしては、中途半端に大人びている。製薬会社のCEOの立場だから、中途半端に頭も回る。もう薄々勘づいているだろう?この世界には、君の選んだ行く道も、君の行くべき道を見出してくれたドクターもいない。

 

『今ここには、君1人しかいないな』

 

 端末に映るウルサス族の姉弟の顔写真を見てから、目の前にある食堂の入口から見えるウルサス族の姉弟を虚ろになりかけた瞳で見つめる。実に楽しそうに、二人は笑い合っている。流れ込んでくる感情も、光が満ちている。

 

『君も混ざるかい?あの中に』

 

 彼女の後ろに立つ黒コートの男への返事は無い。

 因みにモロクソ事案過ぎる構図だが突っ込む人はおらず、人々は彼女達の前を平然と通り過ぎている。偽装工作バッチリ。

 

「……あの」

『ん?』

「貴方が誰か、私は知りません。このロドスの事も、目の前の光景も………何も、何も知りません。だから教えて下さい」

『いいよ』

「レユニオンがチェルノボーグと龍門を襲った事件は、いつありましたか」

『4年ほど前だね』

「レユニオンは、どうなりましたか」

『幹部も指導者も全員居なくなって解散。まぁ今でもレユニオンに似た感染者組織はまばらに出来ては解散を繰り返してるがね』

「……境界無き方舟とは、なんですか…」

『私の組織だ。この大地で悲しむ感染者を問答無用で保護する為に作った。勿論レユニオンも例外では無い』

 

 暫しの静寂。人々が忙しなく歩く音と、目の前の食堂から響く和気あいあいとした声だけが時間の流れを証明する。

 

 それから幾ら経っただろうか。漸く、彼女はその重い口を開いた。

 

「…………私の居場所は、何処ですか?」

『そんなもの、ここには無いよ』

 

 微かに乾いた笑いが、己の口から漏れた気がした。

 

『ロドスの信念も、これまでの歩みも、全てドクターとアーミヤの物だ。君の物は何処にも無い(・・・・・・・・・・)

 

 わかっていた。最初に彼女の知らないドクターを見せられ、次に彼女の知らないロドスを見せられ、そして今、ついさっき己が死に追いやってしまった姉弟の幸せな姿をコレでもかと見せつけられて。

 まだ正気を保っていられるのが不思議だ。夢だと言いたいだろう。だが肌に伝わる床の冷たさが、コレは現実だと突きつけてくる。

 

「こんなモノを見せつけて……私にどうしろと言うんですか…ッ……私は、スカルシュレッダーを…ミーシャさん達を…助けられませんでした。殺したい訳じゃなかったのに……どうして…どうして!私は……」

 

 あの姉弟に、あの笑顔をさせてやれなかったのだろうか。

 

『さぁな。それを悠長に考えるのは、目が覚めた後にしてくれ』

 

 イモータルがアーミヤの頭部に触れ、アーツを発動させる。そして彼女はゆっくりと、身を任せる様に意識を手放した。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「それで、アーミヤの様態は?」

『心体共に異常無し!脳にも何も傷は無いし、アーツで干渉された形跡は私がさっきやった睡眠のアーツ以外に確認されていない!どういう事だよマジで』

「それはこちらが知りたい事だ」

 

 身体検査を終えぐっすりと眠っているアーミヤの横で、ケルシーとイモータルは話す。

 

「まぁ、どうせ君の事だ。あら方何が起きたのかわかっているのだろう?」

『確証無いけどね』

 

 (´Д`)ハァ…と溜め息を吐くような仕草をして、イモータルは切り出す。

 

『並行世界について考えた事ある?』

「どうした急に。頭のネジでも緩んだか」

『ちゃんと真面目だよコノヤロー!』

「まぁ、考えた事が無いと言えば嘘になるな。少し前に…暇を潰す程度でだが」

『まぁそれでいいさ。で、なんでその発想になったかっつーとな……何百回か作った事がある』

「クルビアの腕利きエンジニアを呼んでおこう。君にも偶にはメンテナンスが必要だろうからな」

『だから真面目だっつってんだろォがYOOOOOOOOO!!!!!』

 

 遂に何処かから出現させたツッコミ用ちゃぶ台をひっくり返した。

 

『ハァ…ハァ…ったく、ほら前に言ったろ?私が今までやって来た事を』

「あぁ、それは覚えて……まさか、やり直し(・・・・)か?!」

『イグザクトリー!その通りで御座います!』

「mon3tr!」

『(殺意)』

『ギャァァァァァ!!!?』

 

 ケルシー、キレた!そしてちゃっかりアーミヤから離れる様にmon3trを呼び出してイモータルを叩き潰そうとする辺り、まだちゃんとしている。

 

「君はこの大地を何度弄くり回せば気が済むんだ」

『っ仕方ねぇだろ?!あの時はチャートの成功率を少しでも上げる為に生まれ変わり達をバカスカ呼び込んでたからさァ!!!まぁお陰でそういう(・・・・)穴がガバガバになったのは確かだけども。オリジニウムダストとかその良い例――』

「mon3tr、メルトダウン」

『イヤァァァァァァ?!!?!』

 

 

 暫くお待ち下さい

 

 

「つまり、今のアーミヤの精神は別の世界のアーミヤだと?」

『そ…そういう事、だ。イテテ…今のアーミヤの証言的に、4年前のチェルノボーグ事変。それも龍門郊外で行われたミーシャ奪還戦だろうな』

「時間も大幅にズレているとはな。それで、戻す宛はあるんだろうな?」

『あぁ、多分元のアーミヤはまだグッスリ睡眠中で、起こすには今のアーミヤの精神が邪魔だ。そういう訳で、俺が複数の精神操作アーツで今のアーミヤの精神を追い出す』

「………その場合、追い出された方の精神はどうなるんだ?」

『さぁね。でも存在そのものからこの世界と拒絶反応起こしてたっぽいし、案外すんなりと元の体に戻るんじゃないか?』

「…………」

 

 憶測ばかりだな、という顔を向けるケルシーを他所に、イモータルは早速アーミヤへ向かってアーツを起動する。

 

『さぁ、そろそろ夢から覚める時間だぜ』

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「………ぅん」

「おはようアーミヤ。ちょうどロドスについた所だよ」

「……ドクター…ドクター……?」

 

 車の中で目を覚ましたアーミヤは、隣に座っていたドクターの腕を捕まえ、胸の前で抱え込んだ。

 

 何か様子が可笑しいと思ったドクターは、慎重にアーミヤへ声をかけた。

 

「……怖い夢でも見たのか?」

「…………はい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいない夢を見ていました」



















どうも、矢張り何度やっても曇らせ展開を上手く書けないホモです。

少し前にリクエストされたこの回ですが、アクナイアニメ8話を見てある程度展開が掴めたので書き起こしました。時間かけると多分一生書けない感じでしたので。結果この始末です。本当に申し訳ない。

それとついでに、変態機械ホモがやらかしていた事と現在使わせて貰う事が決定しているリクエストされたオリキャラの名前を先出ししました。オリキャラリクエストは今もやっていますので興味のある方はどうぞ。


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 クルビアを拠点とし、移動都市トリマウンツに本社を置くライン生命株式会社は、臨床医療・バイオテクノロジー・設備の研究開発など、幅広い領域で事業を展開する最先端テクノロジー企業です。

 当社は十課から構成されており、コンポーネント統括課をトップとして、その下に五つの科学研究課と四つの事務課を置いています。

 

 コンポーネント統括課は、ライン生命の中枢を担う課です。

 現統括のクリステン・ライト氏は、トリマウンツ工学大学で高エネルギー物理学の博士号を取得した後、サリア氏【編集済み】と共同でライン生命を設立しました。

 統括はその秀でた才能とひたむきな探究心により、ライン生命を今日まで発展させています。

 

 構造課は、テラの生物を構成する基本となる粒子構造やその形態、そして構造の変化が生物の粒子の基本形態に与える影響を研究しています。

 主任のアーレンツ・パルヴィス氏はこうした研究に四十年以上携わっており、温厚な性格ながら自身の実験成果には強い執念を持っています。

 

 エネルギー課は、源石・日光・地熱・生物など様々な既知の熱源の利用、及びエネルギーの各種貯蔵・応用法についての研究を行っています。

 自信家でアグレッシブな性格で知られる主任のフェルディナンド・クルーニー氏は、長年に渡ってライン生命の為に多くの資金・資材面での援助を経て、各課の研究を躍進させて来ました。

 

 アーツ応用課は、アーツの基本原理とその応用を研究しています。

 主任のドロシー・フランクス氏は、クルーニー氏とは対照的に理想主義的な側面が濃い人物であり、テクノロジーの力で個人間のアーツの才能格差を失くす事を夢見ています。

 

 生態課は、テラの生物の進化とそれを取り巻く環境の相互関係を研究しています。

 主任のミュルジス氏は活発でユーモアに溢れており、しばしば常識に囚われない行動を取る人物です。

 個人記録によると、彼女はかねてより、ライン生命内部における統括の強力な支持者だとの事です。

 

 科学考察課は、ライン生命が認識領域を拡大する為の触角の様な役割を果たしています。

 この課のメンバーは冒険好きで、文明の境界を越え、未知なる自然の知識をテラの社会に取り入れていきます。

 また、考察課は現在、サーミ北方の氷原などに観測基地を設置しています。

 

 上記五つの科学研究課に加え、ライン生命には商務課、警備課、エンジニア課、人事調査課の四つの事務課が置かれて………

 

 

 

 

 読取……

 

 第六科学研究課

 

 処理中

 

 ロード完了:機密業務アーカイブ

 

 ファイル番号:G-810

 

 機密レベル:極秘

 

 関連アーカイブ:スタードリーマー

 

 


 

 

 空想具現課は、異なるテラの生物同士での交配・遺伝子操作による人工的新種の創造、アーツエネルギーの法則の操作による新たなアーツ術式の開発、その他様々な幅広い分野の研究を行っていました。

 主任のフォールス・ロア・アーカーシャ、本名イモータル・イムホテップは、トリマウンツ工学大学で様々なジャンルの博識号を獲得した後、クリステン・ライト氏及びサリア氏と共同でライン生命を設立しました。

 空想具現課はその創造性を以ってして、各課の研究技術の水準を躍進させた他、当時移動都市に使われていた大型源石エンジンの製造技術をたった数年で数十年単位までの進歩をさせました。

 その他多数のプロジェクトへ参加し、半永久的に睡眠させる代わりに情報処理能力を未来を予測出来る程に高めた生体CPUベッドマン、才能や修練を必要とせずに2つのアーツを人工的に使用できる様にしたハーフシスターズ、絶滅したサルカズの遺伝子を研究し兵器化を目指す炎魔実験、並行世界の観測とそこにいる現時点の時間の一部を一時的にこちらの次元へずらす次元屈折現象発生装置の開発など、様々な研究に多大な貢献をもたらしています。

 

 その後、イモータル・イムホテップ氏は重度の精神病を患いましたが、その後すぐに復帰し新たなプロジェクトを実行。プロジェクトを最終段階まで進めましたが、突発的な心不全により死亡しました。この死亡事件は既に不慮の事故として結論づけられ、対象的な情報開示は全て禁じられています。

  イモータル・イムホテップ氏の死亡を期に空想具現課は機能を停止し、それぞれの要素を五つの科学研究課に分配・吸収させた事で解散となりました。

 また、イモータル・イムホテップ氏は死亡する前日に関わった全てのプロジェクトを盗んだ疑いがあり、彼の最後のプロジェクトによって開発されたスタードリーマーは彼の死亡した実験区画周辺ごとトリマウンツからパージし――

 

 


 

 

 警告

 

 読取失敗

 

 権限がありません

 

 データベースポータルから退出しました

 

 

 

 

「おいラウルそこで何してる。早く来い!」

「あ、すみませんキハラさん」

「ったく、待たせんじゃねぇよ。ウチ(生態課)のメスガキ様が呼んでんぞ」

「はい、直ぐ行きます!」





















ライン生命の特別PVが公開されたのでここで一摘みっと。コレで本編との食い違いとか起きたら「なんで一日待てなかったんだこのバカ」と思ってください。


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とあるコラボの脇役事変 DC−ST−1

というわけでェ……ついにこの小説もコォラァボォの時期を迎えました。この私、気分転換によく他の事を書いたりするのですが……えぇ、有機栽培茶さんから快くコラボっていいよと返事を頂いたので、あわよくばサイドストーリーのモチベ回復に繋がる事を祈って全力で楽しく書き切りたいと思います。

警告⚠
この回は、有機栽培茶さんのアークナイツ二次創作「脇役になりたくないTS転生者」の三次創作です。話の都合上、有機栽培茶さんが作ったストーリーのネタバレが多大に含まれています。あとちょっとのキャラ崩壊も含まれてるかもしれません。絶望的な雰囲気は壊します。話の理解し易さも合わせて、脇役になりたくないTS転生者のメインストーリー(クレアスノダール編全28話)を先に見ることをオヌヌメします。




よろしいですね?





それではイクゾー!(デッデッデデデデッカーンッ)


 クレアスノダールという移動都市をご存知だろうか。

 

 無駄に広い国家領域を有する我らがウルサス帝国が所有する移動都市の1つであり、チェルノボーグなどが代表するウルサスの移動都市に比べればその規模は小さいものの、様々な都市の中間地点にあり、さらに他国との境界線にも近いことから多くの商人が行き交う賑やかな都市だ。

 そう、他国から来た商人が行き交うので、ウルサスには無い様々な商品が並んでたりするのだ。ウルサスの癖に他国との流通が盛んなのである。戦争大好きウルサス帝国さんの移動都市にも他国との繋がりがある都市があるんやなって。

 

「嫌だ!離してくれ!誰か!助けてくれ!!!」

 

 訂正、所詮流通が盛んでもウルサスはウルサス、はっきり分かんだね。

 

 まぁ、腕にびっしりと源石が生えている男が二人の衛兵に人目のつかない裏路地へ連れて行かれるなんて光景が見れるのはこの都市だけでは無いし、珍しい事でも無い。あの男は感染者であり、ここウルサスでは鉱石病と呼ばれる致死率100%の病を患った感染者を迫害する傾向が強いのだ。そしてこの賑やかなクレアスノダールも例外ではない。結局は表面上の雰囲気だね。

 

 今日も今日とて、清潔な人間様は薄汚い感染者を見下して居るのである。

 

「お前らなんか、お前らなんかあの人が…!!!」

「煩いぞウジ虫め」

「あぐっ!」

 

 裏路地まで引き摺られた男は、衛兵の一人に顔を蹴られ地面に倒れ、衛兵はついでとばかりに男の顔を踏みつける。

 

「ったく、汚ねぇな。何時までも喚きやがって」

「少し痛い目に合わせてやるか」

「そうだな、それがいい」

「なっ、止めろ!くそっ…離せェ!」

 

 一人が男を抑え、もう一人が笑みを浮かべながら男の体を蹴りつけ始める。

 

「くそっ!くそっ!地獄に落ちろォォォ……!!!」

 

 体を襲う痛みを前に、男は捨て台詞を吐いて目を瞑る。いづれ来る死に覚悟を決める。

 

 ………だが、その死が来ることは無く、代わりに2回ほどの打撃音が男の近くで響き、少しの間静かになった。

 男は恐る恐ると目を開いて後ろへ振り返り……その光景に驚く。

 

『そうだね、別に衛兵がこんな所で倒れても職務怠慢としか思われないだろうね』

 

 そこには、全身黒いコートで身を包み、フードを目深に被った顔の見えない不審者が存在していた。いつの間にか気絶している二人の衛兵をイソイソと壁に寄りかからせている。

 

『コレでよしっと……そこのお前!!』

「ッ……?!」

『今私を見たな!?コレでお前とも縁が出来た!』

「ヒィィィ?!」

 

 何このホモクソ怖い。寄るな化け物。

 

 二人の衛兵の頭同士を合わせ、手を握らせ、寄りかからせている壁に赤いチョークで大きなハートマークを書いた黒コートの不審者は、大きな声を出しながら男へ顔をギュルンと向ける。

 そしてぐいっと男へ距離を詰めると、男の黒光りする腕を躊躇なく掴んで立ち上がらせた。

 

『まぁそれはそれとして大丈夫〜?怖かったろさっきの』

「あ、アンタは……」

『まぁまぁ、それはまた次の機会だ。今はこれ着て、君が一番安全だと思う所に戻りな』

 

 男の服をパンパンとはたき、懐から出した小さな四角い箱のスイッチを押す。すると四角い箱は一瞬で展開し、不審者のと同じ黒コートに変化した。

 

 躊躇したような表情をする男に黒コートを押し付け、男が会釈と共に黒コートを着ながら連れて来られた方とは反対側へ走っていったのを見て、黒コートの不審者は腕輪を起動する。

 

『あーあー、定期通信ナウ。ハイゼンさんいる?』

《おう、少し遅かったなイモータル》

 

 腕輪から光が溢れ、丸いサングラスをかけたオッサンの顔が空中に投影される。

 

『色々あってね。それで、現在地がわかったよ。ウルサス帝国のクレアスノダールだ、探してみてくれ』

《あいよ………お前さん朗報だ。今アンタのいるクレアスノダールってトコは確かにあるが、義体の反応は無い》

 

 それを聞いた瞬間、黒コートの不審者…もといイモータルは、拳を天高く掲げた。何処からか流れる完全勝利UC。

 

『素晴らしい(┃)()の多重次元理論がついに証明されたァ……!』

 

 このイモータルという男、境界無き方舟と呼ばれる私設医療組織の統率機械なのだが、数時間前に興味本位で並行世界への扉を試作して『アクセルシンクロォォォォォ!!!!』と自ら飛び込んだ誇るべきアホである。

 

《まだ確定したとは限らねぇだろうよ。自画自賛してる暇があったらもっと情報集めな。じゃあ切るぞ》

『おう!……にしても、クレアスノダールかァ…そういや、カジミエーシュでボブおじ達に振る舞った茶葉買ったのもここだったな。別世界線でも売ってるだろうか』

 

 そんな事をブツブツ発声しながら路地裏から飛び出し――

 

「この先にオススメのレストランが――」

「おい前見ろ!」

「へ?どわぁ?!」

『ドブルイニャニキチッチ!?』

 

 裏路地から出た途端、横から来た3人組の先頭にいた1人、赤い長髪のウルサス族に盛大に激突してしまった。

 

「だから言っただろうが」

「大丈夫か?」

『やっべ、大丈夫か君……ってテキサスじゃん。やっほ、安魂祭ぶり』

「……おいテキサス、知り合いか?」

「いや、知らないな」

『ん……あぁすまんすまん、多分同名のよく似た人と間違えたかも』

 

 適当な言葉を発声しながら、目の前の原作キャラ二人、ループス族のテキサスと最早ペンギンのエンペラーを見つつ、二人が発言した内容をメモリに保管しておくイモータル。

 

「あ、あの〜」

『ん?あぁすまねぇ少年…いや少女』

「ありがとう御座います…あと男です私」

 

 手を握り、ウルサス族の青年を起こすイモータル。

 

『マジかよ男なのに可愛いなオイ。私はイモータル』

「そ、そうですかね?……私は――」

『おっと待って、当ててみる。う〜ん……』

 

 エンペラーとテキサスが不審者を見るような目で見つめてくるのを余所に、イモータルは顎に手を当てて考える素振りをする。

 

『髪赤いから最初はアにするか』

「適当だな」

「適当ですね」

「適当過ぎだろ」

『ア…アカ…アサ…アマ…アラ…アリ、アル……アルフォンス・エルリック』

「違います」

 

 にっこりと笑みを浮かべながら、赤髪のウルサス君はキッパリ否定した。

 

『じゃあアルベルト』

「違いますねぇ……」

『じゃあアルハイゼン?』

「当てずっぽうになってんじゃねぇか!」

 

 エンペラーのツッコミが心地よいね。色々仕事やってるからなのか、ツッコミ役が似合うよねこのペンギン。

 

「アッハハハ!面白い方ですね。でも残念、私の名前はライトです」

『一文字しか合ってなかったか…』

「一文字も合ってないですね…」

 

 ガックリと肩を落とすイモータル。そんなに落ち込む必要無い…無くない?

 

『まぁいいか、お邪魔したね。今度お詫びに何か奢るよ。エンペラーとテキサスもまたな』

 

 イモータルは3人に手を振りながら、駆け足でその場を去っていった。

 

「……ん?オイ待て、俺はいつアイツに自己紹介した?」

「さぁ?でもボスは有名だから、知ってただけじゃないか?」

「…その線もあるが、見た目がもう怪し過ぎるよな。注意しとけ」

「了解ボス」

「…………」

 

 隣でヒソヒソと話す二人とはまた別に、ライトもまた変態不審者の背中を目で追う。その瞳に込められた感情は……

 

 

 

 

 

 

『ふ〜ん……マジか、チェルノボーグ事変が起きる前なのかよ。これじゃあ並行世界じゃなくてただのタイムスリップの可能性もあるじゃねぇか』

 

 タイムスリップを只事のように言うんじゃないよこのホモ。

 

 日が落ち始めたな〜という時間帯。只今イモータルは、ミドル区中央通りの路上を練り歩きつつメモリに保管した情報を整理し、ここが本当に並行世界のテラかどうか考察をしていた。

 だがまぁ、メモリ内の情報と今の演算出力だけでは、此処が並行世界であると確証するには不充分であった。そう結論づけたイモータルは、どっかにこの義体をおいて、演算システムだけ一旦本体に戻そうか…などと思考していた時だった。

 

「あ、アンタ!」

『ん?あっ君かぁ!さっきぶりだね』

 

 数十分ほど前に軽く助け、腕の源石を隠す為だけに黒コートを渡してやった感染者の男が、路地裏から声をかけて来た。イモータルは、男が路地裏に入るよう手招きしていたのを見て、ホイホイとついていく。良い子は少しくらい疑おうね。

 

『それで、またこんな所でなんの用だい?』

 

 何か激しい運動をしたのか、男の息は少し荒かった。そして目線のすぐ先にある開けられたマンホールと恐らく下水道へ続く穴。

 

「悪いが何も聞かずに、此処から地下に隠れてくれないか」

『………無理だな』

「…頼む、お願いだから聞いてくれ」

『別にこの事言いふらそうとかは思ってないからさ、話してくんない?』

「いいから入れよ!」

 

 ジャコっと、イモータルの額に黒光りする、引き金を引くだけのお手軽凶器が向けられる。

 

『いや脅すなって。それにチャカたァ君、アーツの操作が上手みたいだな?』

「そんな事はいいんだよ。早く入ってくれ、頼む…アンタは俺を助けてくれた」

『一回だけだぞ?君絆されすぎじゃない?』

「それでもさ!……アンタ、余所者だろう?他の国から態々ウルサスに来るってことは、非感染者なんだろ?でもアンタは――」

『ハイハイわかったから、先ずそのチャカ降ろして、ゆっくり話せ』

「時間がないんだ!もう少しであの人の計画が始まるんだよ!」

『おい、そういうのを話――ッ!』

 

 

 瞬間、メインストリート一帯が閃光に包まれる。

 

 

 少し遅れて響く巨大な爆発音。そしてあたり一面に色とりどりの悲鳴が溢れ……それは歓声によって掻き消される。

 

『あっぶねー。君がマンホールの蓋開けてて助かったよ』

「あ、あぁあ………」

 

 イモータルは視界の光度が急激に上昇し始めたのを認識し、瞬時に目の前の男を穴へ蹴り入れて自分も飛び入り、男の服を掴んで梯子にぶら下がった状態で爆風をやり過ごしたのだった。

 

「嘘だろ、もう始めちまったのかよ……」

『暴動か……何処も変わらないね、ホントッ!』

「うわぁ?!」

 

 男を外へ投げ出し、自分も梯子を足場に飛んで外に出る。外に出た途端、イモータルの聴覚センサーに様々な音が入り込んできた。それらは歓喜、悲鳴、苦痛、そして様々な暴力、暴虐の音。

 クレアスノダールはこの短時間で、実に不愉快極まる地獄に変化していた。

 

 ならば彼は動き出さなければならない。このワンマンアーミーな状況であろうと、彼こそが境界無き方舟であるが故に。

 だがまぁ、仲間は多いほうが良いのも確か。ん?そういえばここに1人、縁が出来たお人好し感染者がいるな。

 

『おい君、少し手伝え』

「えっ?」

 

 

 

 


 

 

 

 

 その日、都市の栄光を主張し続けていた双鷲の旗は血に染まり焼け焦げ地に落ちた。

 

 平穏を象徴していた日常は瓦解し、絶望の炎が燃やし尽くす。騒音だったとしても、都市を活気づける一役を担っていた四輪駆動車は狂った様に防犯アラートを垂れ流しつづけ、色とりどりの品を売っていた店は荒れ果て、代わりと言いたげに焼け焦げた…或いは未だ新鮮な肉塊が乱雑に並ぶ。

 本来この地に立つ事を当たり前だと思っていた都市の住民は、鮮凶刃に裂かれ鮮血を吹き出し、ボロ雑巾の様に捨てられていた。

 

 人々が時間と多大な労力を消費して作り上げ、長年親しみ続けられてきたメインストリートは血に染まり、その上を感染者が、新天地へたどり着いた開拓者の様に歓喜し闊歩する。

 

 長年にわたって抑圧され続けた感染者達の不満が、怒りが、苦しみが解放された瞬間だった。

 

「探せ探せ!!一人も逃すな!」

 

 一瞬の内に何もかもが反転する。感染者を貶し、嬲っていた非感染者は無惨に殺され、感染者を捉える筈だった衛兵はその暴力と凶刃に追われ、虐げられた感染者の狂気が都市を支配する。

 

 弱者と強者。その全てが反転する。

 

 たかが感染者。その様な古臭い考えはこの地獄の様な光景を前に消え去った。抵抗するものは暴徒の波に飲まれ、抵抗を諦め逃げることを選んだものたちは弄ばれ殺された。

 一部は殺されぬまま何処かへ連れて行かれたが、その先に待つのは絶望と屈辱に塗れた凌辱であり、その上で結末は変わらないだろう。

 

「ひぃ?!い、いや!来ないで!」

 

 口を起点に顔を引き裂かれ、鮮血が雨を生む。ゴミの様に中を放り出される臓物、地面に転がる動いていた手足。その光景を力なく眺めていた者は、すぐ後に同じ末路を辿った。

 天に届く亡骸の山。木霊する憎しみさえ、獣以下に墜ちた感染者の歓声と爆発音に掻き消される。

 

 最早誰にも、止められはしない。

 

「お兄ちゃん…」

「大丈夫…大丈夫だ。きっと父さんたちが助けに来てくれる…」

 

 絶対に。その言葉を少年は口にすることができなかった。彼はすでに父親の末路を知ってしまっているから。暴徒の波から逃れる瞬間、人々の隙間から噴き出る血飛沫を見てしまっているから。

 

 少年には涙を浮かべ震える妹を抱きしめながら、外に作り出された地獄を見つめていることしかできなかった。

 こうして物陰で事が終わることを静かに待つしかなかった。軍が助けに来てくれる。きっと何とかなる。なんとかなるはずなんだと。そう妹に…そして自分に言い聞かせながら。

 

「引っ張り出せェ!」

「ギャハハハハ!!!」

「いや、いやぁぁぁ!!」

 

「サラおばさん!」

「見るな!」

 

 血に飢えた獣共にまた一人、また一人と、昨日まで笑い言葉を交わしあった人々が大通りに連れ出され、彼らに喰い殺される。助けを求める声は届かない。獣に人間の言葉が届くはずがないのだから。

 

 

 ただゲラゲラと嫌な笑いと嘲笑が帰ってくるだけだ。

 

 

 嗚呼、やはり感染者は人間ではなかった。

 

 排除すべき害虫だった。

 

 この世界に存在していいものではなかった。

 

 やっぱりみんなが正しかったんだ。

 

 感染者は排斥すべき存在だった。

 

 罵詈雑言を投げつける?石を投げつける?拳で殴りつける?足りない。全てが中途半端で足りなさすぎた。だから皆殺された。父さんも母さんもサラおばさんも死んだ。

 同じ形をしているから何だ。同じ言葉を発するからなんだ。感染者に慈悲は必要ない。 

 

 もっと明確に、塵は灰にしゴミ箱へ。

 

 感染者はもっとしっかりと処分しなければならなかった。

 

 少年の強く握りしめた拳からは爪がめり込み血が流れ出す。

 口の中からも血の味が明確に感じられた。

 

 殺せ。

 

 1つ残らず殺処分しろ。

 

 一つ残らず摘み取らなければならない。

 

 少年は強い憎しみと殺意を持って少年は決意する。

 

 

「ヒャハッ」

 

 

 しかしそれはあまりにも遅すぎた。

 

 ドア開かれる。

 

「フヒヒハハハッ」

 

 笑い声が

 

 ゲラゲラと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『三秒殺し!!!』

 

 その時、メインストリートに男の嬌声が響き渡った。

 

『ヨシ!(確認猫)今度は間に合ったな』

 

 突如床からヌルっと現れたイモータルは、強烈的な刺激によって絶命しそうになってる感染者の男を掴んで適当に放り投げる。

 

『無事かい?少年少女』

「「―――」」

 

 兄妹達は絶句するしか無かった。だってさっきまで、誰か死んでもおかしくない地獄で、その死の番が遂に回ってきてしまっていた所なのに……。

 

『茫然自失か…まぁこの景色だから仕方無い。今アイツの所に送っても混乱するの目に見えてるし、う〜ん……よし』

 

 ポンッと手を叩き、二人にコートを翻しながら背を向ける。

 

『そこで隠れて見ていろ少年少女!この私が、今から君たちを助けてやる!そして、感染者だろうが非感染者だろうが、敵も味方も纏めて助けることで有名な私をしかと目に焼き付けるがいい!』

 

 絶句しながらも、少年の中に疑問が生まれる。この男は何故、感染者を助けると言ったのか。感染者は皆、処分しなきゃいけないだろう。じゃないとこんな風になってしまうのに。

 

『まぁ後で説明してやるから取り敢えず見てろ』

 

 そう言ってイモータルは玄関を潜り――

 

「死ねェェェア゛――ッッ?!?!!?」

 

 凶刃を構え突っ込んで来た感染者の股間を流れる様に蹴り上げて、襟首を掴んで遠くに投げ捨てる。

 だが、さっきの嬌声と今ので、周りの感染者達がゾロゾロと集まって来た。

 

『流石にこの量は私も骨が折れる……が、準備いいかいハイゼンさん?!』

《いいから早くやっちまえ!》

 

 取り敢えず家をシールドを形成するアーツで覆い、投擲されてきた複数の刃をアクロバティックに足で弾いてそれぞれの投擲者の足元に突き刺しながら、ポケットからマイクの様な物を取り出す。

 

『スカイミラージュ!!!…いやこっちじゃねぇ』

「何やってる早く殺せェ!」

 

 獣の様に襲いかかる感染者の大群。イモータルはマイクを後ろの家の中へ放り込むと、そのまま突貫。先頭の感染者の攻撃を適当に避けて顔を殴り、襟首を掴んで投げ、次々来ていた感染者に当てて怯ませる。

 そして自分は助走をつけて跳躍。複数人の頭を踏んづけながら移動し、それと同時に腰にベルトのついた四角い機械を巻きつけ、その機械の端にある縦の溝に何処かから取り出したカードを嵌めて下にスライドさせる。

 

《確認>ストライクアーマー転送・・・完了>》

『キャストオン>』

《CAST・ON>》

 

 地面に着地と同時にシステム音が響き、イモータルの胴体の周りに複数のホログラムが現れる。イモータルはシステム音の様な機械的な音声でカードを通した方と反対側にある赤いボタンを押し、そのホログラムを上半身に纏った。

 

《OS最適化・・・完了>》

「…何なんだお前は!」

 

 感染者の1人が吠える中、ホログラムが青と赤のアーマーとして実体化し、黒かったコートが真っ白に変わったイモータルは、大きな盾を展開しながら反対の腕を突き出し、クイクイと指を曲げる。

 

『来いよバカども』

「この非感染者がァ!!!」

 

 その瞬間、イモータルへと突っ込んでいった感染者の大群は、宙に浮いていた。

 

「は?」

 

 いいや、吹き飛ばされたのだ。さっきまでの場所にはイモータルはおらず、吹き飛ばされた感染者達の先に、彼は立っていた。

 

 それ以上の視覚情報を彼女は知ること無く、地面にぶつかりその意識は飛んで行った。

 

 

 

『寝なさァァァい!!寝ろォッ!!!』

 

 少年の目には、正しく英雄の姿が映っていた。集団でリンチし、衛兵の臓物までも貪っていた獣の群れが、ただ一人の狩人を前に為す術も無く葬られている。

 

 背中についたスラスターを吹かし、推力に任せたシールドバッシュで固まった奴らを一網打尽にし、4、5人で固まって拙い連携攻撃をしてくる感染者を、その正面から打ち崩す。

 盾で刃を受け止めてから弾き飛ばし、そのまま殴って気絶させ、後ろから来る二人を盾を支えに跳躍、素早く足を振り回し蹴り倒す。

 

「術師!こっちだ!」

「アイツね…同胞の仇ィ!」

 

 3人の術師が、それぞれ氷、瓦礫、空気弾を放つ。だがそんな見え見えの攻撃なぞなんの苦労も無く盾で防ぎ、お返しと言わんばかりに肩の後ろにある出っ張り…剣の持ち手を引き抜き痛覚残留ブレードを起動。そのままブーメランの様に投擲し、術師3人の胴体を青い幻影の刃が斬り裂いた。

 

「この……死ねェェ!!!」

『いや声出すなって』

「ガッ――?!」

 

 投擲した痛覚残留ブレードをキャッチと同時に振り返り、後ろから来ていた感染者を肩から下へ斬り捨てる。斬られた感染者は目を開いて自分の体を抱きしめながら死にそうな声で空気を吐き出し……白目を向いて気絶した。

 

 少年は、マイクを持った妹とその一部始終を見ていた。イモータルは、一目散に逃げ始める残りの感染者を追いはせず、兄妹の方へ駆け足で近づいてくる。

 何故追わなかったのか、などと言う考えは無かった。ただ兄はその瞳に、ウルサスに伝わる愛国者や雷獣の様な……

 

 

 

 

 そんな、物語に出てくる英雄を映すので精一杯だったから。

 

 

 

 

〘……正直ウルサスの英雄扱いは御免だなー〙

 

 おいコラ。




…………やっべ〜、大丈夫かなコレ。有機栽培茶さんから色々やっていいよって許可は貰ったけども……やっぱり不安過ぎる。どうして三次創作にしてしまったのか。

しょうがないやん、有機栽培茶さんのストーリー面白かったんだもん。だからユルユルハッピーエンド三次創作書いていいですかいいですね。因みにクレアスノダール事変超高速解決チャートなるものがあるらしい……ほ〜ん。

というわけで、このコラボはこういう感じです。ここで言っておきます。すいませんでした。RTAって言う題名なのにRTA型式じゃなくてすいませんでした。そして見てくれる方と、コラボを承諾してくれた有機栽培茶さん、ありがとう御座います。それとコラボ的な絡みが余り無い1話ですいませんでした。源石飲んで詫ません。普通に腹切って詫ます。

それではまた次回、サラダバー!



久しぶりのちょっとしたアレ



ホモ

残念ながらこの小説の主人公。並行世界あるだろという理由で作った多重次元へ続くゲートに入って脇役の世界にやって来た。常に演算領域の9割をなにかに使ってるから常時アホだけど、今回のは残り1割の中の半分…つまり5%の演算出力でもっとアホ。だから態々時間がかかる換装システムのプロトタイプなんか使ってるんですね。変身してる暇があったらはよ人々助けに行けアホ。


感染者の男

脇役の本編で本当に脇役以下だった人。本当に序盤でフェードアウトする。今作で絆され耐性皆無設定とハンドガンが使えるほどのアーツコントロール能力がある設定が追加された。多分余り出番は無い。


エンペラー&テキサス

仕事でクレアスノダールに来てた逸般トランスポーター。脇役の物語のレギュラー枠で物語にカタつける為に大事な奴ら。先ずはこの二人と合流しよう。


ライト

クレアスノダール自治体の衛兵さん。所でロールプレイって案外楽しいですよね。


兄妹

こっちも脇役本編のガチ脇役。このまま行けば二人はプリキュアスカイハイ。


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とあるコラボの脇役事変 DC−1 戦闘後

「過去、そして家族という名の枷」

「こんな忌まわしいモノは、全て壊してしまえばいいんです」

「そう…皆誰しもが、己を縛る鎖から解放され、自由になる権利がある」

「その為に私は壊しましょう。過去を、家族を、全てを。この素晴らしき地獄へ変えるのです」

「アークナイツ、被虐者の黎明」

「さぁ早く……私を殺してください」


 なんですかソレ。

 

 はは、ははは!本当になんですかソレは?!彼らの大群に盾1つで突貫し、無傷で生還していた?そして感染者達は全滅?

 

 なんですその無双ゲームのプレイヤーは。エルド区を守っている雷獣が攻めてきた〜って言われた方がまだ説得力がありますよ。

 

 ですが……えぇ、計画とはイレギュラーがつきものです。そもそも今までが順調過ぎたと言ってもいいでしょう。

 

 それにこういうアクシデントも……クラウンスレイヤー?まだ何かあるんですか?

 

 

 

 

 え?ミドル区にあてていた彼らの三分の一がやられた?早くない?

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 数十分前

 

 ミドル区下層エリア 軍用整備倉庫

 

「ねぇ英雄さん!どうしたら英雄さんみたいに感染者を殺せるの?」

『…………』

「英雄さん?」

『…………』

「英雄さ―」

『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!』(発狂)

 

 背景お父さんお母さん俺へ。ガキがしつこすぎて発狂しました。みつを。

 

 ミドル区中央通りの下層エリア。そこにある整備倉庫の内の1つには、50人ほどの民間人がこれまたどんよりした雰囲気で詰められていた。

 此処は、イモータルと縁が繋がれてしまった感染者の男が教えてくれた、下水道から回り道で入れる目立ち難い整備倉庫。彼は此処の提供と、彼に知らされているこの事件の大まかな筋書きを教える事しか出来ないと言っていたが、イモータルにとってはそれだけで充分なのだ。人助けというのは、助けた人間を詰め込んでおく避難所が必要不可欠。故にこの避難所の提供は願ったりである。

 

『ただまぁ、そろそろ移動しなきゃならねぇな』

「移動…するのか」

『そうだよ』

 

 理由は2つ。1つは、もうこの倉庫に詰め込むには狭すぎると言う事。所詮は整備倉庫である。倉庫にしては広かったとはいえ、よく50人程も詰め込めたなと言いたい。

 そして2つ目は……既にミドル区には、これ以上の生存者が確認出来なかったから。

 

「移動……移動だって?」

「そんなの…出来るわけ無いでしょ?!」

「そうだ!あの感染者の中をどうやって行けって言うんだよ?!」

「殺されるに決まってる!」

「ま、まさかお前…やっぱりそこの感染者とつるんで俺達を――」

『えぇい!!その話ついさっきやったろ止めろバカ!!!極限状態だからって助けてくれた人を疑ってくれるなや!傷つくわマジで!!』

「そうだよ英雄さんがそんな事する無いよ!」

『英雄止めろマジで!むず痒くなる……!』

「おにいちゃん、このひとえいゆうじゃないっていってるよ?」

「何いってんだ、お前も見たろ?あの感染者達を沢山殺して――」

『おいガキ』

「ッ――」

 

 突然口調が豹変したイモータルに、兄はゾッとした感覚を抱き口を閉じる。腰を負って目線を合わせてきたイモータルの黒い顔に、恐怖を感じ始める。

 

『私はあの感染者を一人も殺しちゃいないし、英雄なんて殺人者の称号なんぞ欲しくもない。二度と言ってくれるな』

「っ……ご、ごめ…ごめん、なさ」

 

 後退りながら目に大量の涙を浮かべる兄を無視して、イモータルは兄と同じくちょっと恐怖を感じ始めた感染者の方を向く。

 

『なぁ君、感染者の部隊配置について何か知っていることないか?』

「えっ、あ…あぁ、えっと……確か、エルド区の担当を任された奴は、他より結構多かったと……」

『成る程、つまりそのエルド区が…ありがとナス。ちょっと行ってくるわ。ハイゼンさ〜ん?』

《今度は何だ?》

『ポータルガン送ってくんね?』

《早く持ってけ泥棒。作らせておいて使わなかったのがゴミ程ある》

 

 そんなやり取りをした後、イモータルの手に何処からか不思議な形の銃が出現すると、適当にそこら辺の壁を撃つ。倉庫内にいた殆どの人間がビビったが、大きな音も壁が傷つく事もなく、壁に青色の円が描かれただけだった。

 

『じゃ、すぐ会えるから………』

「……?」

『…すぐ会えるから大人しく待ってろよ』

 

 そう言って、ホモはまた外へと出て行ってしまった。もうここに、ただ一人の感染者を責め立てる気力のある人間はいない。それ程に、彼らは参っているのである。

 

 この感染者の男も例外では無いが、自分にも何か出来ないかと思ってしまって……

 

「あ〜…泣くなよ、な?」

「………ん!」

 

 見事に子供に嫌われてしまった。頑張れ。

 

 

 

 

 

 

 

 エルド区 貴族街

 

 

『そんな訳でやって来ました』

「おう、少し待て」

 

 片腕を失い、髪の色素は抜け、顔のシワが深くなって来ても尚、その気迫が衰える事を知らないイケオジ、ジャスパー・ランフォードは、貴族街を守る鉄門をあろうことか飛び越えてやって来た全身黒コートをそれはそれは警戒していた。周りにはボウガンを持った部下が取り囲んでいる。

 

『まぁ、警戒するのも無理は無い。だが聞いてくれジャスティス・ランフォード』

「ジャスパーだ。それとだが……そうだな、貴様の様な全身不審者の弁明は、特別な部屋で聞いてやろうかね」

『それ絶対独房だァ……。だけどこっちも急いでんだ。そんな訳で聞くけど、まだ避難民入れる気ある?』

「何故それを貴様の様な怪しさ満点の野郎に言わなければならんのかね」

『会話にならない様に返事するけど、悪いが早くしないと50人ほど死んじゃうよ』

「ならその約50人の避難民がいる証拠は何処にある?」

『アンタがはいかいいえを答えりゃ見せてやるよ』

 

 両者一歩も引かず。というか、ジャスパーはイモータルが怪しすぎの極みだから容易に信じる訳には行かないのは勿論あるのだが、それはそれとして交渉なら応じる気ではあるのだ。ただこのホモ、まったくそういうのをする気が無いのである。早く避難民を預けたさすぎて言葉が真っ直ぐになりすぎている。

 

 だがまぁ、これ以上粘るのはそれこそ時間が無駄になるか……と、さっきの問答でイモータルがそういうバカだとジャスパーは結論づけた。

 

「ならば、今すぐそれを証明して見せたまえ」

「た、隊長?!」

『OK!』

 

 抗議を示す部下に「見せなければ捉えるまでよ」とか言おうとした瞬間、イモータルはポータルガンを懐から取り出して適当な豪邸の壁に撃ち込んだ。

 これには如何にウルサスの雷獣と呼ばれたジャスパーでも驚きの余り目を見開く。行動に移す判断もそうだが、懐からポータルガンを取り出すその速さ。少なくともコートのジッパーを開けるという面倒な行為があるはずなのに、ジャスパーにはジッパーに手をかける所までしか腕の動きが見えなかった。

 

 あとホモは音速でジッパー開け締めするの止めろ。

 

「何しやがったお前?!総員――」

「待て!総員武器を降ろせ」

「隊長?!なんで止めるんッスか?!」

「よく見てみろ」

『さぁ、出口はこちらです。足元に気をつけて、1人ずつゲートを潜ってください。押しちゃ駄目よ』

 

 豪邸の外壁に開いたオレンジ色の円から、ミドル区の地下倉庫にいた避難民が次々と出てくる。皆それぞれ「助かった……」と腰を抜かしたり、「生きてるー!あー生きてるー!」と歓喜したり、「正規軍だろ?!助けてくれ!あの、あの黒い男が……」と助けを乞うたりした。

 最後の奴に関しては流石に数秒だけ落ち込んだイモータルであった。可哀想に、ただ縁を結んだ感染者の男に突っかかってたのを見たから耳元で『男の息子♂って50kgの握力で握り潰せるらしいよ』ってASMRしただけなのに(残当)

 

「本当に、50人も民間人を……」

『たった50人程度しか救えなかったがね。あ、そこの男は感染者だけど、一応味方だ。優しく扱って情報を共有してくれ』

 

 ジャスパーの部下達が一斉に感染者の男へボウガンを向ける。男は両手をピンと伸ばした。怖くて漏らしそうになってた。

 

「ご、ごめんなさいぃぃ……」

「はぁ……誰が構えと言った。降ろせ降ろせ」

『……大丈夫?預けていい?』

「安心しろ。このジャスパー・ランフォードの名にかけて、お客様は丁重におもてなしする」

「隊長……」

『じゃあ信じるからな。んじゃ私は用事があるんで』

「おい待て。お主はいったい何者なんだ?」

 

 難色を示す部下の頭をコツっと小突きつつ言った言葉に、オレンジの円を潜ろうとしていたイモータルがピタッと動きを止める。ジャスパー、頭を抑える部下、感染者の男、兄妹、皆その後ろ姿を注視しながら、次の言葉を待つ。

 

『そうだな、言うとするなら……救急者といったい所か。それじゃ』

 

 イモータルが円を潜ると同時に、屋敷の壁は元通りに戻った。

 だがそんな事をよりも、イモータルが言った言葉を皆して考える。キュウキュウシャ……救急車?その場の皆の頭に、サイレンを鳴らす大型四輪駆動車のイメージが浮んだ。感染者と非感染者の考えが1つになった瞬間である。

 

「はぁ…あーしまった、交渉術くらい学んで来いと言い忘れた……まぁいいか。避難民を奥の屋敷へ。奴らがまた来る前に連れて行けよ。無駄に極上なベッドに寝かせてやれ」

「隊長、これだけ沢山の避難民を入れたら、また貴族の方たちが煩くなるッスよ」

「ならそろそろ、鳴くだけの豚は相応しい場所に移さないとな」

「えぇ…マジっすか」

 

 

 

 

 

『さて……』

 

 すっかりもぬけの殻となった整備倉庫へ戻って来たイモータルは、此処からエルド区へ向かう前にチラッと向いた方向を見つめながら、カードを取り出してベルトの溝に嵌め、下へスライドさせボタンを押す。

 

《確認>デュアルバスターアーマー転送・・・完了>》

《CAST・ON>》

《OS最適化・・・完了>》

 

 体に纏わりついたホログラムは緑色のアーマーに、背中には2つの4連装ミサイルランチャー、靴にもアーマーが装着され、黒コートは白くなり…全身深緑色へ変化する。

 

 そして無言で両手にそれぞれ実体化した大型機関銃と大型散弾銃を連結させ、視線の先にある壁………を超えた少し遠い位置にいる集団の片方へ向けて

 

 

 

 

 青色の極太レーザーを発射する。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 ミドル区軍用地下通路

 

 

「っ〜〜!!いったいですねぇ!」

「ライト!無事だったのか!」

「ええ!パイプ街を彷徨うのは久しぶりでしたが…存外覚えているものですね」

 

 壁の崩れる音と共に転がり込んできたライトの姿にエンペラーが声を上げる。唯一露出している顔には切り傷ができ、羽織っていたロングコートも所々切り裂かれたのか縦に穴ができていた。

 しかしそれでもクレアスノダール自治隊の最後の生き残りに相応しい実力を持っていたようで、不意打ちに対応した上で目立った傷もなく戻ってきていた。

 

 それでもこの状況は最悪だ。こちらの戦力でまともに動けそうなのがミドル区を担当していたウルサス正規軍のリスタ小隊長や、ベール副隊長、ライト、テキサスとエンペラーの5名。それ以外は、剣を握り形だけは保っているものの、戦うことすら厳しいものが9名。医療品が足りたとしても助かるかどうか怪しい重症者が7名。そしてテキサスやエンペラーを除いた、守るべき市民が6名。戦える者に比べて、守らなければならない者の数が多すぎる。

 だが彼方は暴徒…否、統制の取れた兵士は二十数名もおり、武装も服装もその陣形の取り方も、地上の数だけは多い暴徒達とは全く違っている。

 

 見てわかる通り、勝ち目が殆ど見えない。

 

「……やるな」

「ハァ…ハァ…貴方こそ」

 

 鋭い目つきで睨みつけるその襲撃者に、ライトはニヒルな笑みを浮かべるが、息が上がり、剣を持つ手が震えているなど、彼は思った以上に限界のようだった。

 

「チッ、只者じゃねぇな……オイ、まだやれるか?」

「ははは…強がってみましたが少しきついですね。飛んだ大物が出てきたものです。確か……」

「クラウンスレイヤーだ」

「ああ、それです。いやぁ…参りましたね。これなら警備兵たちが皆殺しにされたのも納得できます」

「無駄口を叩いていないで構えろ」

「了解」

 

 ベール副隊長に言われた通り、チャリと音を立てて軍刀を構え直す。

 

「しかし……ミドル区の制圧が遅れているのは知っていたが、まさか此処にもその要因があったとはな。だが…こんな場所でコソコソしてていいのか?今頃他区画の小隊長共は守るべき市民とやらを守るために戦って、立派に無駄死にしたんじゃないか?少なくとも、一人はそうだったな」

「ッ―貴様ァ!」

「落ち着け!」

 

 襲撃者の言葉にベール副隊長が怒りを示す。当たり前だ。彼らはウルサス正規軍という肩書を持つ誇り高き軍人。その誇りが傷つけられれば怒りもする。それが感染者によるものならなおさらだ。例えこの惨劇による被害を目の当たりにした事によって感染者への油断が消え去ったとしても、それは仕方のないことだった。

 

 だが残念な事に、そんな反応を見せたのはベール副隊長以外にはいなかった。

 

「他区の小隊長が、死んだ…?」

「いや、そんな…ダリル小隊長が死ぬわけない!」

「てことはここ以外…全滅…」

「やめろ!敵の戯言に耳を貸すな!」

 

 リスタ小隊長が混乱の広まってゆく部隊員達に向けて叫ぶ。しかし、それが届くことはなかった。 

 

「いや、あ…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「っ!」

 

 初めはエンペラーのすぐ隣にいた女性だった。

 彼女の甲高い悲鳴は地下通路上に響き渡り、絶望が伝播する。

 

「あああぁ!し、死にたかねぇ!!俺はまだ死にたかねぇ!!」

「助けて!助けて!助けてよぉ!!!」

「うわぁぁぁぁぁ!!お母さぁぁぁん!!」

 

 ツギハギの平静は容易く破られ混乱と絶望が場を支配する。ほぼ全ての兵士たちが頭を抱え、悲鳴をあげ、うずくまる。市民達は泣き出し、嘔吐する者までいた。もはや戦う気力のあるものなどどこにもおらず、絶望が空気を支配する。

 

「ふっ、無様だな」

「黙れッ!」

「アイツも悲しいだろうな。こんな奴らに私たちは今まで苦しめられてきたんだからな」

 

 クラウンスレイヤーは見下すような笑みを浮かべながら、片手をあげる。それに合わせて包囲網を形成していた暴徒たちも凶器を構え一歩前へ踏み出した。それに合わせてリスタ小隊長たちも武器を構えるが、多くの兵士たちは心を砕かれ、動く事が出来ない。反応したとしても、せいぜい小さく悲鳴を漏らすだけで、戦うことも、逃げることすら出来そうになかった。 

 

 しかしその状況で、動いた者がいた。

 

「隊、長…ここはッ!俺たちに任せてくださいッ…!」

「お前たち?!なにを!」

 

 軍刀を杖代わりにつき、彼はそう言った。

 

「……負傷兵風情が何になる」

「時間稼ぎくらいにはッ!なるだろうよ…!」

 

 それは兵士達だった。腕を失い、足を失い、目を失い、血を滲ませながらも立ち上がり、武器を持つ。仲間を逃すため。敵を撃ち倒すために、名も知らぬ兵士たちはその命を削って立ち上がる。

 

「何してるテメェら!?重症者は下がってろ!」

「下がってても無駄死にするだけですよ副隊長。せっかくならこの命、有用に使ってくださいよ」

「なっ!」

 

 死に損ないの兵士は言葉を紡ぐ。

 

 今を生き残ればより多くの市民を守ることができる。

 

 今を生き残ればより多くの仲間を助けることができる。 

 

 生き残りさえすればより多くの塵どもを殺すことができる。

 

「そう言ったのはアンタだ。ちゃんと生き残って、市民を、俺の仲間を、俺の家族を…みんなを救ってくださいよ」

「っ!だ、ダメだ!俺が行く!テメェら部下を守んのは上司の俺の役目だろうが!」

「やめろベール!アイツらの覚悟を無駄にするな!」

「なっ?!リスタ!テメェはアイツらを見殺しにしろってのか!?」

「私だって!……私だってこんな選択はしたくない。だが…私たち全員で戦ったって、奴らには、勝てない……無駄死にするだけだ!」

「だからって─────ぐぁ?!」

「失礼…彼を説得するのは無理そうでしたので」

 

 ライトがベール副隊長の後頭部を殴り、気絶させ背負う。

 

「小隊長!撤退を!!」

「…すまない」

 

 撤退だ。

 

 下唇を噛み締めながらリスタ小隊長は号令を発した。ろくに戦えない仲間達を盾に敗走する。これほどまでに無様で、屈辱的なことはないだろう。

 

 

 

 ……去っていく者達の背中を見て、そして己に迫りくる凶刃を見つめながら、彼らは最後に何を思って、何を呟いたのだろう。

 

 

 

 

「死にたくな―」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………は?」

 

 最初は、遅れて最後尾を走っていたライトだった。次にエンペラーとテキサスが、市民達が、残りの兵士達が、最後にリスタが振り返り、その光景に目を見開く。

 

 それは極光だった。自ら覚悟を決めた負傷兵達の前が、青色の閃光で埋め尽くされている。その位置は丁度、凶刃を振るおうとしていた感染者がいた場所だった。

 

「クソっ!なんだコレは?!どうなっている?!」

 

 持ち前の身体能力でなんとか避ける事が出来たクラウンスレイヤーは、理解不能な光景に悪態を付きつつも状況をなんとか分析する。負傷兵達の目の前にいなかった者やクラウンスレイヤーの様に身体能力と勘で避けた者以外は、あの極光に呑まれてしまった。

 そして極光が細く縮んで消え去ると同時に、呑まれていた者たちが姿を表す。外傷は無いが、彼らは白目を向け痙攣しながら次々に倒れていく。

 

 一瞬にして、クラウンスレイヤーの部隊は、半数にまで減ってしまった。

 

「いったい何が……ッ?!」

 

 微かに音が響く。

 

「なんだ、この音……」

「こりゃあ、金属か何かを切断する音か?」

 

 テキサスの疑問に対し、エンペラーがその音の正体を言い当てた。その切断音は段々大きくなりなり………壁に刃の切っ先が突き出る。

 

「なんだ…アレは……」

「チッ!総員警戒!」

 

 切っ先はコンクリートの壁を容易く切断し、切断し、切断しまくり、一瞬にしてバラバラに切れ目を入れる。最後に横一線に切れ目を入れ、刃が引き抜かれると同時に壁は音を立てて崩れさり……一連の動作を起こした人物が、その姿を現す。

 

 

 

 

 

 それは、紅かった。

 

 全身真紅のコートに包まれていて、その上に紅い鎧を上半身だけに纏い、フードを深く被った顔の見えない男。両手に持つ二振りの片刃の大剣は特徴的で、切っ先以外が刃の代わりに凹んでいて、その凹みを埋める様に赤い一本の線が張っていた。

 だが、その線が消えると同時に刀身が真ん中から折れ、大剣は折りたたまれてリーチが短くなる。が、そのリーチを補う様に、折れた断面から青色の刃が生えた。

 

 そう、さっきクラウンスレイヤーの部隊を倒した、あの青い光で出来た刃が。

 

「お前は……そうか、お前が!」

 

 ミドル区の制圧が遅れている理由を聞いた時に答えられた人物像。色は青と赤色の鎧に、白いコートで盾を持っていたと一致していないが、得物と色以外は完全に一致している。そしてその青い光は少なくとも、さっきの極光を放った人物で間違いない。

 

 数多の視線を受ける紅コートの男は現状を確認するかのようにキョロキョロと辺りを見回し、クラウンスレイヤーの方を向いて……

 

『あっ君かぁ!』

 

 能天気な口調でそう言いながら、無駄にカッコいい戦闘態勢に移行する。

 

『ったく、コレ絶対俺を置いて先に行けって奴だったでしょ。まぁそう覚悟を決めた所悪いが……君達を助けさせて貰う』

「……殺せ!」

 

 10数人の統率された感染者達と、一人で三分の一倒したホモの、色々な意味で不利な戦闘が始まる。




『君、何処か参ってるだろ?視線でわかるさ』

『自由が幸せに繋がる訳ではない。ソレは君が一番理解している筈だ』

『そんな訳で止めさせて貰うぜ。この上質で悪趣味な演劇を』

『アークナイツ、被虐者の黎明』

『勘違いするなよ狂人。黎明の後に来るのは絶望じゃないし、終わりでも無い。君たちを照らす光と、始まりを告げる温もりだ』











 今回のアレ


 ホモ

ミドル区の市民を50人ほど助けだし、ついでに感染者達を三分の一ほど倒したホモ。「なんで早く来なかったんだ!」とか色々言われたが、キレ気味にガチ謝罪などをして乗り切った。人を助けたり、透視したり、ポータルガンとかのひみつ道具出したり、言葉の勢いだったりしか取り柄の無いホモ。交渉くらいはやれ。モードチェンジの使い捨ては基本。


ジャスおじ

相手が感染者だけならこの人だけで充分らしい人。イケオジ。強さの目安は1利刃分らしい。両手があったらパトリオットってそれ一番言われてるから。


感染者の男

実は感染者になって日は浅かったりする。でもそれはそれとして感染者をバリバリ裏切って情報流してるからやっぱりウルサス人なんやなって。きっかけ作ったのホモだけど。


リスタ小隊長

ウルサス軍クレアスノダール駐屯軍リスタ小隊長。簡単に言うならミドル区を担当していたウルサス正規軍の人その1。女性。既婚者。多分Eはあると思う。息子がいたけど感染者になった上に死んだらしい。悲しいね。


ベール副隊長

ミドル区を担当していたウルサス正規軍の人その2。男性。実は感染者への差別意識は余り無いらしい。ただしクラウンスレイヤー、テメーは駄目だ。所で副隊長、小隊長とカプになる気は無いか?ならないのなら……し、死んでる?!


クラウンスレイヤー

実は過去にこの都市でヤンチャして、ベール隊長に恨まれてるらしい。君何処の二次創作でもヤンチャして((殴


???

楽しくなってる所悪いがホモの対処を今すぐ考えないと不味いぞ先導者。


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とあるコラボの脇役事変 DC−2 戦闘後

有機栽培茶さんから素晴らしいモノを貰って嬉しすぎるのめ初投稿です。家宝にします。


 ミドル区軍用地下通路

 

 

 薄暗い地下通路に金属同士がぶつかる音が響き渡る。その音が途切れる事は無く、偶に苦悶の声が入り混じる。

 だが、少し前まで響き渡っていた悲鳴が混じる事は無い。何故ならば………

 

 笑い声が、響き渡っているからだ。

 

『ギャハハハハハ!!!ウヒヒヒヒヒ!!メーシェッシェッシェッ!!!ヨホホホホホホ!!!!』

 

 訂正、気色の悪い雑音が響いていた。聞くに耐えんな。

 

『今凄く傷つく事書かれた気がするなァオイ!!私はただァ!暗い雰囲気を払拭したいだけなのによォォォ!!!』

 

 そんな言い訳を叫びながら紅いコートになったイモータルは、二振りの大剣の柄頭を連結させ薙刀の様に振り回す。複数の角度から一斉に仕掛けて来る3人の感染者を纏めて薙ぎ払い、後ろから来るもう一人へ振り返らずに青い刃を深々と突き刺し、刃の発生場所である実体の刀身を衣服に引っ掛け感染者を持ち上げ、同時に前から来ていた感染者へ背負投げの要領で叩きつける。

 そして片方の大剣を展開して地面に突き刺し、両手で突き刺した薙刀を掴んだまま跳躍。ポールダンスの如く腕の力だけで回転しながら、両足で死角から飛びかかって来ていた二人を蹴り飛ばす。

 

 最後に回転しながらの綺麗な着地を決めてからの勢いを殺さずそのまま回し蹴りで上の方の大剣を上へ蹴飛ばし連結解除させ、体を回転させながら地面に刺さった大剣を引き抜き、更に回転して元の向いていた向きに戻ると同時に上へ蹴飛ばした大剣を逆の手でキャッチして2つの方向から同時に来ていた感染者とクラウンスレイヤーの攻撃を受け止める。

 

「チィッ!」

『HAHAHA!所で、そこの衛兵さん達は何時まで座ってんだ?!今のうちに逃げろ逃げろ!!』

「あ、あぁ……」

「逃がすか!動ける奴は追え!コイツは私が抑える!」

「了解ガッ――?!」

『おっと、ソイツはよしこちゃんだぜ』

 

 二人の武器を弾いて片方の感染者を痛覚残留ブレードで逆袈裟に斬り、予備のナイフを取り出して襲ってくるクラウンスレイヤーと斬り合い始める。それと同時に、イモータルは流れる様に何処から感染者が負傷兵達を襲っても直ぐ対応出来る位置へ移動していた。

 

「すげぇなアイツ。笑いながらヤり合うただのキチガイと思ってたが…あの動き、まるで何処からどう攻撃してくんのかわかってるみてぇだ」

「ボス、今なら彼らを助けられるんじゃないか?」

「冗談言うなテキサス。第一アイツが―『フッ!ハッ!テキサスとエンペラー!何故彼らを助けに来ない!まさか流れ弾的なのが怖いのか?!そんなリーベリの如くチキって命一つ運べないなんぞ、ペンギン急便の名が涙をちょちょ切らせヒャッホウ!』

 

 その時、エンペラーの堪忍袋に電流走る。

 

「オイオイ言ってくれるじゃねぇか不審者野郎。この俺を煽った以上、報酬は高くつくぜ」

『良かろう!君の欲しい物を一つ二つ三つ位用意してくれるわ!』

「後でナシは通用しねぇからな。いくぞテキサス、死んででも運びきれ」

「了解」

「お前達?!待て!戻れ!」

 

 リスタ小隊長の声を無視して、ペンギン急便は今までやって来た中で最も短い距離の配達を始める。負傷兵達をゆっくり立ち上がらせ肩を貸すテキサス。エンペラーはまだ歩けそうな負傷兵に発破をかけて歩かせながら、銃を使って襲って来る感染者達を足止めする。まぁどっちかと言うと、イモータルの援護に近い形となっているが。

 

『助かるねエンペラー!』

「いいからくっちゃべってないで真面目にやれ!俺達の命はお前にかかってんだぞ!」

『モーマンタイ!』

「こいつッ…!」

 

 片方の大剣でクラウンスレイヤーを相手にしつつ、もう片方の大剣を持った手を手首から分離させ、間をつなぐ伸縮金属を遠心力で伸ばしながら負傷兵達へ向かう感染者達を薙ぎ倒す。

 

「リスタ小隊長、ベール副隊長をお願いします」

「ライト?!」

「……お、俺達も!」

「私達も……!」

 

 ライトやリスタの一部部下、守られるだけだった一般市民達も加わり、運搬が更に効率化する。特に市民は無謀な行動と言われても仕方の無い事だが…この間に傷ついた者は一人もいなかった。

 そして負傷兵が残り一人となった頃……最後の一人にテキサスが肩を貸して立ち上がらせた瞬間、倒れていた筈の感染者が一人、ガバッと起き上がりテキサスの背中へその凶刃を向ける。

 

「死ねェェ!!!」

「ッ!」

「テキサスッ!」

「ッ………」

 

 エンペラーが叫び、ライトが素早く間に入って感染者へ背中を向けテキサスを庇う。そのまま凶刃がライト背中を斬り…裂かない!

 

『キェェェェ!!!』

「ギャッ――」

 

 クラウンスレイヤーを蹴飛ばしながら大剣を薙刀形態へ変形、片方の切っ先を地面に刺し棒高跳びの要領で跳躍して、感染者の背中を痛覚残留ブレードで斬り裂き、トドメに後頭部を蹴って地面に叩きつける。

 

『大丈夫か少女二人!』

「あ、ありがとう…私は大丈夫だ」

「私もです。あと男ですって」

『おっと悪い……さて、こっちの感染者様方は結構痛覚に鈍いじゃないの。駄目だよ鈍くなっちゃあ』

「クソッ…なんて出鱈目な強さだ」

「こんな奴がいるなんて聞いてねぇぞ……!」

 

 残り数人とクラウンスレイヤーだけになった感染者達。そんな彼らを前にしながら、イモータルは空いた手で腰の横にあるカードを取り出してベルトの溝に嵌めてスライドし、ボタンを押す。

 

『だがこっちは時間が少ないんだ。だからコレで終わりってハナシ』

《インストール>》

《アタックファンクション・コスモスラッシュ!>》

「ッ!お前達、散開しろ!」

『遅ぇのさァ!』

 

 薙刀の刀身を蹴って分離させ、地面に刺さっている大剣を引き抜き、蹴り上げた方をもう片方の手でキャッチ。刀身を折りたたんで痛覚残留ブレードを生成させ、二本とも上に掲げて出力を上げる。そして軽く跳躍し、掲げた二振りの大剣を同時に振り下ろして、巨大な青い刃をクラウンスレイヤー達へ向かって放つ。

 

 青い刃は軌道上にいた感染者達の手足を斬られたと錯覚させ、追い打ちと言わんばかりに刃が奔った場所が爆発。下層エリアを爆煙(演出)が包み込む。

 

『よぅし!撤退!皆の者イクゾー!』(デッデッデッデッデッカーン!)

 

 

 

 

「ッ………ク、クソッ……!」

 

 爆煙が晴れたあと、全身が筋肉痛になったような痛みに襲われながら、クラウンスレイヤーは仰向けの状態で悪態をついた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 あの時の事は今でも思い出せます。上手く行き過ぎて、少し拍子が抜けもしましたが、あの高揚感は…自由を手に入れたあの感覚は、忘れもしない私の始まりです。

 

 ナイフ越しに伝わる感触、驚愕に染まる顔、全体を彩る悲鳴の数々と、夜闇を照らす程に輝きながら崩れ落ちる屋敷。家族という己を縛る鎖を徹底的に壊し尽くす。これのなんと美しいことか。

 そしてまた、輝きと共に壊し尽くしましょう。今度はもっと大きく、派手に、劇的に。

 

 ですが……あぁ、貴方がいたのは少し予想外でしたよ、テキサス。

 あぁやっぱり、いつ見ても愛おしいですね。だからこそ、貴方はフィナーレにとっておかないと。最後の一つとなった因縁を、最後の最後に打倒する。実に美味しい展開でしょう?まぁ、少しシナリオを調整しなければならなそうですが。

 

 それまで待っていてくださいね、私のテキサス。私を縛る最後の鎖。私の愛しい――

 

 

 

 

 

 

 

 

「………サスさん」

「………キサスさん」

 

 「起きてくださいテキサスさん」

 

 聞こえてきたどこか懐かしい声色に、テキサスは目を開ける。彼女のぼやけた視界に映る人影は、どこか優しく、やはり懐かしい人物を連想させるようなものだった。

 

「…にい…さん…?」

「はい?」

「大丈夫かテキサス?寝ぼけてんのか?」

 

 しかし聞き慣れた渋い声に目が覚める。

 目の前にいたのはキャスケットを被った男性とサングラスをかけたペンギン。

 

『コレは……キマシタワーじゃな?』

 

 誰だお前。

 

「……誰だ?」

『私ってそんな忘れ安い見た目してるかなァ?!』

 

 いや、正直言って忘れ安くは無いよ?全身黒コートで一部の人からしたらウザい印象を受ける喋り方をする不審者の様な男だもん。忘れる筈は無いだろう。

 だが今のテキサスは、一時の微睡みから目覚めた直後だ。寝ぼけている。そしてもう一つ要因がありまして………

 

「あの紅いコートの……仲間?」

『おしい!実は紅いコート本人様ですねぇ!』

「えっ」

 

 驚くのも無理は無い。なにせテキサス達の目の前に立つホモは、黄色いコートと鎧を纏い、背中に何やら大きな機械を背負っているのだから。

 

「私も驚きましたよ。突然鎧を脱いだと思ったら、また鎧を着直して黄色くなったんですから」

「つかなに寄って来てんだお前?少し離れろ、しっしっ!」

『しょうがねぇなぁ…因みに私はNLもイケるぞ』

「テメェ頭終わってんのか?」

 

 エンペラーがホモを手で払い除ける傍ら、ライトの膝を枕にテキサスは状況を整理し始める。腕時計が示している現在時刻は17:21。最後に見た時から大体1時間半ほど経っていた。

 

 寝る以前に残っている記憶を、未だ半分寝ぼけた頭から引っ張り上げる。思い出せるのは燃え盛る駐屯地と、その後にたどり着いた薄暗い地下通路。

 そして最後は紅いコートの男の背中を追いながら暗闇をひたすらに走り続ける光景だった。

 

「....あの後何があったんだ?」

「やはり覚えていませんでしたか。では状況の整理も兼ねて、私が説明いたしましょう。仲間を殿に敵から逃げたところまでは覚えているようなのでそこから起こったことを....」

 

 

 

 

 

 あの後、紅いコートに連れられ我々は誰一人かける事無く薄暗い地下通路を脱出し、感染者の蔓延る地上の都市部へと脱出した。何故全身コートの男は狭い、暗い、複雑の三拍子が揃った地下通路を迷いなく走り、我々を地上へ案内した。その上内装が荒らされたくらいの被害で留まっていた診療所へと向かい、今に至る。

 何故あの一騎当千な力を持ち、地下通路を迷いなく移動出来ておきながら、本部を目指さなかったのかとリスタ小隊長に怒鳴られていたが、彼はいつもと変わらない口調で色々説明し、彼女を納得させていた。

 

 そして、仕事でただでさえ疲れているうえに、休む暇もなくそのまま暴動に巻き込まれてしまったテキサスやエンペラーを含む一般市民達。初めての実践で仲間を失い、その様子をすぐそばで見ることとなり、身体的にも精神的にも疲労していた駐屯兵の生き残り達は休息。負傷した兵士達は黄色くなったコートの男に治療された。

 

 日が沈みながらも、未だ炎に包まれた街は明るく、それに反比例するようにこの都市の現状は暗く絶望に満ちている。

 

 だが不思議と、人々目にはまだ希望の光が灯っていた。

 

「生存者計27名。現在位置は本部まで残り2kmほどの位置の住宅街ですが....負傷兵を抱えたままではリスクが高いとコートの彼は言っていました。ですから皆が皆、それぞれ休憩しています。そうだテキサスさん、気分はいかがですか?うなされていたようですが」

「…………」

「あ、あの?」

 

 いつの間にか、ライトの目の前にテキサスの顔が広がっていた。しかもどんどん広がって……近づいてきている。そろそろキスできるぞ。

 

「お兄ちゃん」

「しっかりしてください」

 

 ライトが顔を離しつつテキサスのデコをチョップする。

 

「っ........すまない」

「貴方が疲れていることは分かりますが、こんなことはやめて下いただきたい。大体私はウルサスで貴方はループス。いくら姿形が似ていようと別人です。本当に、しっかりしてください」

 

 そう言っても、テキサスの異様な視線は止まない。ライトは少し語気を強めて注意しようとして……横からの異様な視線×2に気づき思わずそちらへ顔を向けた。

 

「……な、なんです?」

「おう。いや、確かに似てるって思ってな。髪が赤いのを除けばそっくりか?ちょっと糸目で笑ってみろ」

「いや、いったいなんの事ですか……それで貴方は…?」

『いや、兄妹関係あったのねって』

「彼女はあったみたいですけどね」

『ほ〜、初めて知ったよ』

「というか貴方も近いですよ。離れてください」

『おっと、悪いね☆』

 

 テキサスと違い、言う通りに後ろへ下がるホモ。だがその不快感を煽るような視線は止まない。というかテキサスにも注がれている。

 

「おい不審者野郎。なに気色悪い視線でウチの社員見てんだ?」

『HAHAHA!私の目なんか見えてねぇ癖に何いってんだ』

「あ?」

『ア?』

《CAST・OFF>》

 

 ベルトのボタンを押すと同時に鎧がパージされ、黒いコートに戻る。それと同時にホモとペンギンによる暴力的な喧嘩が始まった。取り敢えずそっとしておこう。

 

「二人とも何をやって――」

 

 

 しかし、束の間の安堵も唐突に終わりを告げる。

 

 街に轟音が、天災と間違えるほど強大な地響きが鳴り響く。

 

 歓声が都市中から上がり、窓の外が一段と明るくなった。

 

 崩れ落ちる艦橋の一部と、燃え落ちるウルサスの国旗。

 

 各地で燃え上がる狼煙の下からは、未だ苦痛に嘆く、声にならない悲鳴が鳴り響く。

 

 町中に設置されたスピーカーから、雑音が鳴り、くぐもった性別の判断できない声が発せられた。

 

 

《地獄のような苦痛を耐え抜き、共に夜明けを望んだ同胞諸君》

 

《たった今、我々の宿願は叶いました》

 

《この地獄は、我々の楽園へと生まれ変わったのです》

 

《ようやく、深い苦しみの夜は黎明期を迎えたのです》

 

《我々「C i R F」(クレアスノダール感染者解放戦線)は、自由を勝ち取ったのです》

 

《さあ、皆さん.....感染者の明るい未来に、喝采を》

 

《CiRFリーダー、先導者”faceless“の名の下に、感染者の勝利を

 

『なぁにが感染者の勝利だハゲェ!!!まるで自分がゲームマスターとでも言いたげな口調で言うじゃあねぇか!!!』

 

「ギャァァァッ!ウルセェよ!!急になんだテメェ?!」

 

 街中のスピーカーからの声を塗りつぶす様に発声された声の主は、エンペラーにバックドロップを決められていたイモータルからだった。

 いや、イモータルからだけではない。街中のスピーカーの一部からもホモの声が出ている。この一瞬で一部をハックしやがった。

 

『感染者の明るい未来だかなんだか知らねぇが、テメェらがこんな馬鹿げた事で勝ち取ったその明るい未来が、嵐の中に立つ一本の松明の様なモンだと教えてやるぜ!!!こんな合成音声なんぞ114分の1で充分じゃい!!!急急如律令!喰らえい地獄曼荼羅ァ!!

 

ヌ゛ ン゛ ッ !ヘ ッ !ヘ ッ !

 

 ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛

 

ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!!!

ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!!!!

フ ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ン!!!!!!

フ ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥン!!!!』(元音源の114分の1)

 

 ミドル区、ひいてはクレオスノダールを占領する感染者達へ向けて、反撃の咆哮が響き渡る。汚い。物凄く汚い。

 

 人々がその咆哮に希望を見出すには、余りにも汚すぎた。そしてエンペラーの耳は軽くイカれた。

 

 だが、まだこの事件の首謀者は知らない。こんな馬鹿みたいな絡繰人形に、全てを破壊されてしまうことを。




ファンアートを貰ってテンションが上がりつつ、プロジェクトムーンの作品に嵌ったり、地球防衛軍6のDLCが出てまた地球を防衛したり、バイオ名作劇場でゲラゲラしたり、そういやテキサス初めて書くから絡ませ方わかんねぇ!ってなったりで投稿頻度が遅くなってすまない。

次回はついにTSした主人公とご対面だァ!

それではまた次回、サラダバー!



ちょっとしたアレ


ホモ

颯爽と窮地を助けたホモは感謝された……けども、矢張り警戒はされている。リスタとかベールとかライトとかエンペラーとかに。でも今の所負傷兵士達と市民からの印象はいいぞ!そして感染者の野望はこんな奴に防がれる。酷いね。
そして基本の4形態が出たから軽く説明しておこう。白いコートになるストライクアーマーは、スタンダードな形態だ。深緑のコートになるデュアルバスターアーマーは遠距離特化だぞ。紅いコートになるツインブレードアーマーは近距離特化だ。黄色いコートになるメディカルアーマーは回復特化になる。色とりどりだね。


エンペラー

野獣の咆哮のせいで耳がイカれた。可哀想だね、お詫びにホモにプロレス技キメろ。


テキサス

実はこの世界線のテキサスは兄がいた!今明かされる衝撃の真実!どうやら兄が好き好き大好きみたいだな。きっと素晴らしい人格を持った気のいい兄に違いない。


ライト

テキサスをナチュラルに膝枕してやがる。そこに痺れる憧れるゥ!ホモを見て多分顔を引き攣らせてる。


兄さん

多分妹を抱きしめたり、妹に恋愛感情持たせる様な行動をナチュラルにする兄さんかもしれないし、ワンチャン妹を腹パンするニーサン⁠⁠(⁠^U⁠^⁠)⁠かもしれない。


リスタ小隊長

君今回セリフ少なかったし誰も言う事聞かなくて不憫だったね?


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とあるコラボの脇役事変 DC−3 戦闘前/戦闘後

友に私の二次創作見てくれと言ったら「ホモ要素あるから無理」と言われたので初投稿です。解せぬ


「なんて事してくれてんだテメェ!テメェの声で奴らにこの場所がバレたらどうするつもりだったんだアァ?!」

「そもそも人の直ぐ側で大声出してんじゃねぇよ!俺の耳がイカれちまったじゃねぇかよ!!!」

『ギャァァァァァァァァァァ!!!……ラドス』

「「……オラァ!!」」

『イヤァァァァァァァァ!!!!』

 

 ベール副隊長がイモータルの両肩を掴んで勢いよく揺らし、エンペラーが体が揺らされても尚微動だにしない頭に乗ってゲシゲシと頭頂部を蹴りつけている。

 

「まぁまぁ、落ち着いてください。ね?ベール副隊長」

「ボスもだ。一旦落ち着こう」

「「ケッ!」」

 

 あ〜れ〜と効果音を発声しながら、二人から解放されたイモータルは診療所の待合スペースに残っていた椅子に流れる様に座った。

 あの放送の後、生存者達は市民と負傷兵達を除いて待合スペースへと集まっていた。本来はそこら辺の適当に狭い部屋で、この黒コートのホモを皆で囲って色々と質問する予定だったのだが……

 

『まぁまぁ、下手な事されない限り何もしないって』

 

 なんて言いながら待合スペースから動かなくなったモンなので、仕方なく此処に集まったと言った所。

 

 そしてイモータルへと歩み寄るのは、リスタ小隊長だ。矢張りホモを見つめる眼差しは警戒に満ちている。

 

「……随分と余裕そうだな、貴様は」

『まぁ、皆を不安にさせない様にな。ほら、一人でもこういうのが居るだけでも雰囲気違うだろ?』

「ッ…どの口が。貴様は自分の行った行動がどういう物か理解して――」

『いるさ。だから少し落ち着いてくれ…アスノダール』

 

 空気が最悪になった。

 

『ゴメン、今のは本当に忘れて。いやマジで』

「お前、色々スカした事ほざいた割には空気作りがド下手だな」

『チクショー!ぐぅの音も出ねぇ!ぐぅ〜!』

「出してんじゃねぇよ喧嘩売ってんのか」

「ボス、その辺にしておこう」

「ゴホンッ……続けていいか?」

 

 若干引き攣り気味の笑顔で質問するリスタ小隊長。多分そろそろキレる、話の軌道修正をして差し上げろ。

 

「…それじゃあ、私達はまだ貴様を信用してはいない訳だが、その上であの巫山戯た自己主張をした理由を答えて貰おうか?」

『おう、いいよ。耳かっぽじって刮目して聴け』

 

 イモータルは、何故野獣の咆哮をしたのか説明し始める。

 

 先ず理由その1は矢張り、あの放送が気に食わなかったからという至極愚かで単純な理由であった。その言葉を聴いた者達の顔は主に二つに別れた。馬鹿を見るような顔と、ゴミを見るような顔だ。

 まぁ流石にそんな馬鹿みたいな理由1つでやった訳では無い。その2つ目の理由は……

 

「揺動?」

『そう。エンペラーにバックドロップされながらスピーカーをハッキングしてな』

「待て、ちょっと待て……ハッキングだと?いつ、どうやってあのスピーカーにハッキングした?」

『ついさっき、目線で』

「テメェ、それマジで言ってんのか?」

 

 驚きと呆れの半々なベール副隊長の言葉に、無言でサムズアップする。リスタ小隊長は、まるでツチノコが噛み付いて来た時の様な表情でイモータルを見たあと、脳を落ち着かせる為に彼を囲っているライト達をキョロキョロと見渡して、もう一度彼へと視線を向ける。

 

「貴様はいったい、何者なんだ」

『近年稀に見るスターでギャラクティックな機械だよ』

 

 兵士達に動揺が走る。普段であれば、その場で笑い飛ばす程度の戯言としか取らなかっただろうが、この現状でそういう余裕のある兵士は一人もいなかった。皆死にたくない中で、恐ろしい戦闘力を持つ不可思議なホモが、自分は機械だと言うのだ。

 人は未知に恐れるものである。故に一部の兵士が武器を向けても仕方の無い事だった。

 

「おいテメェら、武器降ろせ」

「で、ですが副隊長。コイツ、不気味過ぎる……」

「そりゃオレも知ってるよ。おいリスタ」

「ベール……」

「オレはコイツと縁を切った方がいいと思うぜ。助けて貰った恩があるらしから感謝はするけどよ、怪し過ぎる」

『う〜ん、残当』

 

 部下に武器を降ろさせたのは、下手に刺激するのは不味いと本能が告げたからだ。だから大人しい今のうちに縁を切る提案をするベール副隊長。

 だが、そんな提案を聴いたホモは気軽な声で己の怪しさに肯定する。

 

「テメェ…」

『まぁ聴きたまえよ。私は攻める時は攻めたくてね、私が奴らの仲間としたら、君達は今頃地下でくたばっていると言っておこう』

「その言葉だけで信じるとでも?」

『言ったろ…え〜と……リスタさんでいい?最後まで聴けって。ツー訳で話を戻すが、私は近くのスピーカーをハックして、そのスピーカーから音声が入力されてる場所まで辿って、そこからまたミドル区全域のスピーカーをハックした訳だが、全部ハッキングした訳じゃあ無い』

 

 スピーカーから入力されてる場所、辺りの所で最早掛ける言葉も無くなったリスタ達を余所に、イモータルは言葉を続ける。

 どうやら、ミドル区にある全てのスピーカーを乗っ取った訳では無く、全域に散らばる様に半分程乗っ取った感じらしい。

 

『ただ、此処とは反対側に位置する場所は乗っ取ったスピーカーが多く、そことはまた別の場所は驚くほどに少なくした。意図的に怪しい場所を作った訳だ。アイツらを仕切る司令塔は中途半端に頭がいいから、多分適当に引っかかってくれるだろうさ。地下で戦ったあの赤い女とか』

 

 適度にバカだと遠回しに言われたクラウンスレイヤーは抗議してもいいと思うよ。

 

「成る程な、確かに揺動ってヤツだ。だがよ、ここがバレる危険性だってあったろうが。そこはどう思ってんだお前」

『本当に申し訳御座いませんでしアァァァァ!!!!もう少しいい方法があった筈アァァァァァァ!!!!』

「急に活性化するじゃねぇか」

「活性化でいいんですかね、コレ」

 

 それは正しく、土下座であった。無駄に綺麗だった。綺麗なのとさっきのミステリアスな雰囲気を纏めてブチ壊す程の情けない謝罪に、ベール副隊長とその部下達は思考が1つになる。

 

「テメェ人の事言えねぇ位バカだな」

「どう見てもバカだ」

「私も、この状況で叫ぶのは頭が可笑しいと思う」

「擁護…出来ないですねぇ」

『デストロイァ?!!!?』

 

 イモータルは死んだ。皆からの事実陳列に耐えられなかったのだ。

 

「ッッ…えぇい!巫山戯てる場合か!それに貴様、そんな態度を取ったって信頼が勝ち取れると思うなよ」

『思って無いから安心して諸手。それにそうだな、そろそろ移動しないと』

「移動つったってよ、大勢で街を歩くってか?テメェが揺動しただか言ってたが、危険な事には変わりねぇぞ」

『安心して、車用意出来るよ』

「そうか、なら問題はァァァ?!!?!」

「………用意出来るんですね」

 

 驚くベール副隊長を無視して、イモータルはリスタへと顔を向ける。

 

『ま、信頼は無くても私は人を生かす為に君達に協力するのね。わかってくれたかな?』

「………」

「というか、信頼が欲しいなら先ず顔見せたらいいんじゃないか?」

『ご最も過ぎるねテキサスゥ!』

「開き直るなよ!ってぇ!?石頭過ぎんだろテメェ!」

 

 イモータルの頭をズガコンッ!と叩いて悶絶するベール副隊長。その光景を見て、クスクスと笑い始めるベールの部下達。それがリスタ小隊長の一部の部下達にも広がり始めた。

 いつの間にか、笑みが広がっている。放送の声がクレアスノダール陥落だとか言っていたが、それによって現れていた絶望なんて無かったんや。

 

「……?どうした、ライト?」

「…………」

「おいライト、大丈夫かお前?」

「えぇ、大丈夫です」

 

 テキサスとエンペラーへ笑顔を向けるライト。そして細めていた目を開いて、視界へ入れるのは………

 

『よし、会話パート終わり!閉廷!じゃあ……そうだな、リスタさんにベール君、どっか急ぎで行きたい所ある?』

「……そうだな…」

「つかなんで気安くなってんだよテメェ。オレぁまだ半信半疑だかんな。つっても、此処から動かなきゃ行けねぇのも確かだ。ん〜…駐屯所の通信で他の区の生存者を探すか?……ライト、なんか案あるか?」

「そうですね……じゃあ――」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 ミドル区 工業地帯

 

 イモータルが用意…もとい、ポケットから取り出して巨大化させた赤い汽車の先頭車両の様なバスに全員乗せて、揺動が上手く行ったおかげか、はたまたそういう道を選んだのか、はたまた偶然か、感染者と鉢合わせぬまま悠々と住宅街を抜けたその先は、工場や倉庫群が立ち並ぶ工業地帯。

 この都市の発展に大きく貢献し、毎日のように多くの人々が集まるそこは、暴徒たちの蔓延っていた住宅街とは打って変わって静寂に包まれていた。

 

 負傷兵と市民、見張りとしてリスタ小隊長の部下を二人置いてバスから降り、様々な太さの入り組んだ道を進んでいく。

 不気味なほどに、周囲からは物音ひとつしない。聞こえるのは自分達の呼吸音と歩く音だけ。生き物の気配すら感じ取ることができなかった。

 

 所々に積み上げられた肉の塊も、戦闘の跡さえ、先に進むにつれて少なくなってゆく。

 この区画を占領しているはずの暴徒たちは影も形も見当たらなかった。

 

「…不気味だな」

「そうですね…本来この時間ならそれなりの人が居たはずです。ですので…言い方は悪いかも知れませんが、死体が少なすぎる」

「あァ。確か、ペイル共の班との連絡が途切れたのがこの辺りの筈だ。アイツらが全滅したか逃げたかにせよ、ある程度の戦闘はあったに違いねェ。にも関わらず戦闘痕が少なすぎる」

「それに、なぜかここだけ暴徒たちが見当たらない…ですよね」

「そうだ…ちくしょう、いやァな予感がするなァ」

「戦場帰りの間ってやつですか?ベールさん」

「そんな大したもんじゃねぇよ」

 

 声を抑え気味にそんな軽口を叩きながらも、二人を含め、イモータル以外の全員が周囲を注意深く警戒しながら進んでいく。

 

 此処に来た目的は、緊急時の為に建てられた軍用の倉庫を漁る為だ。此処に行こうと提案したライト曰く、もしかすれば武器、食料、医療品など、現状に必要な物を確保出来るかもしれないから、との事。

 

「にしても二人とも、本当に来てよかったんですか?」

「あん?さっき言っただろライト。このまま黙って隠れておく訳には行かねぇってな。だからバスの中でウダウダ言うお前に契約を持ちかけたんだろうが。報酬の酒、忘れんなよ」

「ははは…わかってますって」

「それとお前もだ。俺を煽った分までキッチリ加算して請求してやるからな!」

『安心しろって千葉ロッテ。ちゃんとこっちのペンギン急便の口座に1300万龍門弊ポンと入れたぜ。後で確認しときなよ』

「なんだそのガキみてぇな数字は。もっとマシな嘘つけや。つか、本当だとしてもいつどうやって入れたんだよ?」

『私、スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズな機械なので』

「バカのオンパレードか?お前みたいなのが機械とか本物の機械に失礼だろ」

「テメェらもうちょっと静かにしろ……!」

 

 少々軽口叩き過ぎィ!幾らホモの常に巫山戯た態度と保証された戦闘力に加え、此処に来るまでのバスの中でイモータルに無茶振りによって行われたライトの演説により、今の指揮は絶望の中とは思えない程に高い。なんだかエンペラーは何か言いたげな顔をしていたけど。

 とはいえ、油断は禁物だ。みんな引き締めて行こうな(13敗)

 

「……なぁ、イモータルだったか?」

『ん?どったのテキサスさん?』

「対した事じゃないが、それはいったいなにをやっているんだ?」

 

 さっきも言った通り、コイツは警戒する素振りも見せず、片手に持った大きな懐中時計の様な物を持ち、横にあるボタンをカチカチと一定間隔で連打し続けている。

 

『もしかして私をサボり魔だと思ってる』

「うん」

『う〜ん残当。でも、こう見えてちゃんと索敵してるのさ。コレでね』

 

 そう言いながらもカチカチとボタンを連打する。そしてボタンを押す度に、大きな懐中時計の様な物の液晶画面の光っている点が、増えたり減ったりしている。

 一度押せば画面全体に大量の緑色の点が現れ、もう一度押すことで、数は減って色は赤に変わる。

 

 液晶画面の中心、つまりはイモータルがいる場所から一定の距離を置いて緑色の点が赤色に変わり、ホモの周りに存在していた緑色の点は消滅する。

 

 イモータルの直ぐ側にあった点がただ一つ、緑色のから赤色になった事を除いて。

 

『……一番前の人』

「えっ?アタシですか?」

『そうそう君。死体でコケるよ』

「えっ…ひぃ?!!?」

 

 先行していた兵の一人が何かに躓き、小さな、しかしこの場ではよく響いてしまう悲鳴を上げて尻餅をついた。リスタ小隊長が慌てて彼女の口を塞いだがもう遅い。声は静寂を突き破り、辺りに響き渡る。

 

「総員周囲を警戒せよ!」

「了解」

 

 5秒

 10秒

 25秒

 30秒

 

 そして1分

 

 しかし辺りから何かが動いたような音はしなかった。

 

「…バレて、ない?」

「そう…みたいですね」

「おい、何があった」

「ひっ、あ、ベールさん…これ…」

「あァ?……こいつは…っ」

 

 静かに手招きするベールに従って覗き込む。

 

 そこには見慣れた軍服に身を包んだ肉塊が、うつ伏せになって倒れ込んでいた。

 

「…リスタさん、彼らは…」

「ああ、間違いない…通信の途絶えたペイル班の者だ」

 

 立派なウルサス軍服は、突き刺された何本もの剣と、幾度となく振り下ろされたであろう殴打痕によって赤黒く変色していた。しかし、ソレの肩についたエンブレムと、近くに落ちていた千切れたドッグタグが、彼の所属を示していた。

 

『酷いな』

「ケレス…くそっ!敵は必ず…ッ!」

 

 ベールは冷たくなったソレを握りしめ、噛み締めるように言った。

 

「えっ、け、ケレス…さん…?」

 

 そう言ったのは誰だったのか。

 先ほど悲鳴をあげた小柄な女兵士が1人、ぽつりと言葉をこぼす。

 

「そ、そんなはずはありません…だって…」

「お、おい。何をして――」

 

 止めようとするリスタの手を振り払い、彼女は後頭部がグチャグチャになったソレをひっくり返した。

 

「だ、だって、彼は金髪で…」

「…は?」

 

 

「……誰だ、コイツは」

 

 

 唐突にイモータルがギャグに走った人名を言った時のような言葉が、ベールの口から放たれた。

 

「…リスタ小隊長。ペイル班にこのような人物は?」

「いや、いなかったはずだ。少なくとも…」

「オレはこんなやつ見たことがねぇ。オレは自分の部下の顔は全員覚えているが、こんな顔は一度も見たことがない」

 

 場を沈黙が支配する。

 

「皆さん、死体の顔を確認してください」

「は、はいっ!」

 

 ライトの声に従って、各々で辺りに散乱している軍服を身につけた肉塊をひっくり返してゆく。結果──

 

「…どうでした?」

 

 見覚えのある顔は確認できなかった。それが隊員の1人から伝えられた事実だった。

 

「どういう事だ?」

「…さぁ?」

『なんだ、つまりそのペイル班の奴らは生きてるかもしれないって事だろ?』

「……全滅したと思われたペイル班の皆さんが実は皆生きていて、私たちのように機会を窺っているのかもしれない…と?」

『そうそう、そんな感じ』

「じゃ、じゃあ俺ら以外にも生きてる奴らが…?」

 

 この地獄に自分達だけ取り残された。その事実が覆されたかもしれない事により、部隊の空気は明確に明るく変わった。

 

 通信の途絶した他班のメンバーが生きている。その情報はライトの鼓舞とイモータルの存在によって動いていた、言うなれば希望は多少あれど勝ち筋が不明瞭だったカラ元気、いや、カラ気合いだった彼らにとって、希望の増長となり得るものだった。

 

「静粛に!目的の保管庫は近い!もし生き残りがいるのだとしたら彼らもそこに向かっているはずだ!行動開始!」

 

 リスタ小隊長の号令と共にそれぞれが再度隊列を整え行動を再開する。目的地である軍用保管庫は各区に一つづつ設置され、軍の備品が収納されている施設。セキュリティも万全であり、外壁を破壊し侵入でもされていない限り安全の保証されたセーフティルームでもあるのだ。そして何より、そこには有線で各区をつなぐ通信設備が存在する。それさえあれば、自分達以外の生存者を見つけることができるかもしれない。

 

 仲間の生存の可能性。保管庫へ近づいたという事実。その二つの希望を得た彼らの動きは目に見えて軽くなっていた。

 

 もしかしたら自分たち以外の生き残りがこの区画に残っているかもしれない。

 

 もしかしたら他の区画にだって自分たちのように動くものたちがいるかもしれない。

 

 もしかしたら、本当に感染者どもからこの都市を奪還できるかもしれない。

 

 そんな希望が彼らの中に芽生え始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…周囲に敵影なし」

「パスワードは?」

「安心しろ。ちゃんと覚えてる」

 

 彼らの前に聳え立つ巨大な鉄製の大扉。まさにそれこそが彼らの目的地でもある保管庫の扉だ。なんでも、これだけ大きな戸持つ理由は、様々な物資の他に大型のトラックや装甲車両が保管されているかららしい。

 

 なかなか大きな施設だ。

 

 テキサスやエンペラー、イモータルを含む数名の隊員が周囲を警戒する中、リスタ小隊長は小さな電子音を立てながら扉に敷設された機器を操作して扉のロックを解除する。

 十数桁打ち込んだ後に、人が押してもびくともしないような重量のある鉄扉は重鈍な音を立てながら横にスライドし、彼らの前へ暗闇への道を開いた。

 最後尾は出入り口から外を警戒しながら、全員保管庫へ入り込む。

 

「暗いな」

「少し待て、確か灯りがこの辺に…」

 

 カチリ、と小さな音と共に灯された電灯が人工の光で辺りを明るく照らし出す。

 生き残るための頼みの綱。彼らが求めていたものそのものが、そこにはあった。

 

 大量の保存食に大量のボルト、大量の爆薬に大量の加工済みの源石。今の彼らにとってそこはまさに財宝の山。希望の詰まった宝箱。 

 

「警戒を怠るな各員必要な物資を早急に補充せよ。感染者どもが来る前にさっさと済ませるぞ!!」

 

 ベール副隊長の指示でそれぞれが補給にかかる。

 

 

 所でみんな、メリットにはそれ相応のリスクがつくものだ。なんの危険もなくこれほどの宝を得るなんて、まぁあり得ない。

 RPGなどのゲームを嗜まれている方はご存知だろうが、某ダークでソウルライクなゲーム等では、こんなモンスターが登場します。

 

 様々なアイテムを手に入れることができる『宝箱』。それに擬態し、開けたプレイヤーに襲い掛かるモンスター。

 

 その名もミミック。

 

 シンプルにウザい。その上、手足が生える奴もいる。実に気持ち悪い。薄い本だと中が触手まみれだったり……いやソコはどうでもいいか。

 兎に角、ウザいですよねぇ、あぁいう…幸せの絶頂を叩き落とすようなバカ共は。だからこそ、ダンジョンを攻略する時は、観察眼と事前の準備が必要です。特に事前の準備は大事。対策アイテムは持っている程良い。あるか無いかで生死に関わる。

 

 だからこそ、彼らは運がよかった。丁度此処に、黒くてウザいが有能なアイテムが突っ立っているのだから。

 

 

突然後方から鳴り響く重音と、バチンと音を立てて一瞬で暗闇に染まる室内。

 最初に言っておこう。彼らは此処で、希望をこの暗闇の様な絶望に変えられ、無惨に殺される……筈だった。

 

「落ち着け!中央に集ま──ってなんだこの光ィ?!」

『ハーッハッハッハッ!!!』

 

 暗闇を照らす光。その正体は、全身でYの字を表すポーズを取り、黒いコートを黄金に発光させているホモであった。

 その姿は紛れもなく輝ける協力者。暗闇を照らす太陽の賛美。

 

「誰が―うぉっ眩しィ?!誰だコレェ?!」

『コレはまたモノを知らん奴だネ。偉大な相手と言うのは、輝いて見えるものだヨ』

 

 眩しい方の理由は聞いてないんですけど?

 

『さて、こんな目に悪いイベントの下手人は……』

 

 目に悪いのはお前じゃい!

 ホモは先ずベール副隊長の方を向き……彼の後ろで軍刀を振り上げ、恐ろしい形相で驚いているリスタ小隊長と目があった。

 

『いや怖っ』

 

 瞬足。すれ違い座間にベール副隊長の腰に装着されていたホルスターから拳銃を抜き取り、リスタの軍刀を蹴り飛ばして首を掴み、空いた口に安全装置がかかったままの拳銃を突っ込む。

 そして同時に首から手を離し、今度はリスタの腕を掴んでそのまま床へ押し倒した。最後にこの一連の動作と並行してやっていた照明からのシステムハックを完了させて、電気をつければチェックメイト。

 

「…ッ!電気が―ってテメェ!何やってn――」

『動くなァ!!!一人でも勝手に動いたらこの女の顔に鉛がプチ込まれて水玉コラになっちゃうぜ!!』

 

 その脅迫に、ベール副隊長も、エンペラーとテキサスも、ライトも、部下達も……そして、部下と同じ装備を着て、凶器を振り回そうとしていた奴らも動きを止める。

 

「やっぱりテメェ!裏切りやがったなァ?!」

『違うだろォ?!いやまぁこの光景は疑われて然るべしか……でもまぁ、理不尽に私だけ疑われるなんて不公平だよなァライト。それともフェイスレスつった方がいいかね』

「…どういう、事だ?!」

「…………」

 

 さっきから首から上が忙しないねベール副隊長。

 そして指名されたライト君ちゃんは顔を俯かせ……ニッコリと百点満点な笑顔を向ける。

 

「やっぱり貴方、本当につまらないですね」

『自覚はある』

 

 キャスケットを脱ぎ捨て、髪を黒く変色させる。次に体型を誤魔化せるほど分厚い防寒具を脱ぎ捨てた彼…いや彼女は、白いワイシャツにサスペンダーを付けた。袖をまくられた右腕には真っ黒な源石と、他の暴徒たち同様に腕章がはまっている。

 

 唯一の自治隊の生き残りであるライトはもう居ない。此処にいるのは、この騒動を引き起こした元凶にして最大の悪。

 

 ――先導者”faceless“




やっぱりアークナイツ二次創作って、主人公が曇るか主人公が鉱石病になって周りが曇るのが人気なんっすねぇ〜。

でも多過ぎるからシリアスブレイクシュールクソギャグ書くわね。

それではまた次回、サラダバー!




ホモ

どうやらライトくんの正体がわかっていた様だ。ホ、いつの間に?!次回、どうやってわかったか遂に明かされる!絶対碌でもないゾ
実はフェイスレス君ちゃんにねんまつと罵倒されて少し凹んだ。


エンペラー

そろそろホモのツッコミ役になりつつあるペンギン。まぁ作者が余りキャラを掴めて無いせいなのだけれどね。許し亭許して(懇願)


テキサス

やっぱり兄さんじゃないかたまげたなぁ……


ベール副隊長

やったね!ベール副隊長生存ルートだよ!なおホモに振り回される模様。


リスタ

コイツはスカした顔をしながら色々な理由で非感染者を裏切り、ベール副隊長を殺そうとした敗北者じゃけぇ。それはそれとしてホモが仲間にしたそうに銃口を押し付けている。仲間になりますか? 
▶はい YES


フェイスレス君ちゃん

エイプリルフールで先出し登場していたフェイスレス君ちゃん、遂に登場。圧倒的ラスボス感を漂わせ、思考回路が相容れないコラボ相手をディスる。なんてお手本なコラボ回ラスボスなんだ!コレはカッコいい姿を最終回まで貫くんやろなぁ!
次回、手始めにセクハラ紛いの事を言われる!デュエルスタンバイ!


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とあるコラボの脇役事変 DC−4 戦闘後

推しの子二次創作の導入とプリキュアの変身バンクとツバサ君の横に単独顕現するバーソロミューが頭にチラつくので初投稿です


「ムグ!!ンググ!?」

『何かの表紙に指が滑っちゃうから暴れんなよ、暴れんな』

「ングッ……〜〜ッ!」

「はぁ……貴方よく、つまらない人間って言われたりしません?」

『そうだな…直接言われた事は君を合わせて2、3人くらいかね』

 

 リスタを脅しながらの余りにも普通な回答に、ライト…もとい先導者フェイスレスは目を細める。それと同時に、彼女の雰囲気が更に重くドロリとしたものに変化した。

 その異様な空気に、フェイスレスへ怒鳴ろうとしていたベール副隊長も思わず口を閉じてしまう。

 

『そんな怖い顔するなよ。一目惚れした可愛い顔が……いや、その顔もいいな。好きだ』

「そうですか、私は貴方の事が嫌いになりましたけど」

『えっマジ?!嘘だろ傷つくな……具体的にどの辺りから好感度落ちたんでしょうか』

「え、聞きたいです?放送の時から徐々にですかね」

『マジかぁ……』

 

 まるで幼馴染と一緒に登校しながら会話しているかの様な雰囲気を崩さないホモ。対してフェイスレス君ちゃんは……あ〜いけませんいけません。物凄く嫌そうな顔をしています。

 

 フェイスレスはその間性からか、面白い事を優先する。それ故に、彼女は今、自らが立てた筈のこの計画が、考えた通りに事が運ばれているのを退屈に思っていた。

 故に、順調に事が進んでいた所に現れたホモはまさに彼女の求めていた退屈を紛らわすイレギュラーだった。

 

 唐突にこの地獄へ君臨し、狂乱する感染者を遠慮無しにバッサバッサと薙ぎ払う。あぁそうだ、希望はなくてはならない。その光が強ければ強い程、影は濃くなる。絶望は大きくなる。

 

 などと思っていた時期が彼女にもありました。目の前の黒コートは、影が出来るならその影に光を当てればいいじゃない、を地で行くホモだった。ガハハ。

 そんな存在を、愉悦精神に満ちた彼女が好く筈がない。それどころか好感度がマイナスに振り切れたりした。そしてこのホモをゴミを見る様な目である。

 

「ですがまぁ、褒めて上げてもいいですね。私も正直驚きました。彼女が言っていた戦闘力も本当みたいですし、私の正体も見破っていたようで。いったい何時から、どうやって知ったんですか?」

『なんだ知りたいのか』

「えぇ、次変装する時の参考までに」

『そうかそうか。んじゃそうだな……』

 

 空いた片腕の指をカチカチと動かしながら、イモータルは丁寧に発声し始める。

 

『先ず、君が女性であることは最初からわかっていた』

「……あのぶつかった時ですか」

『そうそう。君を起こす時、最初は男だと思ったのだけれどね?所々の動きが女性的だったモンだから一度言い直したワケだが、その時君は……』

「えぇ、あの時は男と言いましたね」

『そう!その言葉で私不安になっちゃってさァ……

 

 

つい、君の裸体を服の上から透視で確認しちゃった☆』

「へぇ〜成るh………は?」

「あ?」

「モゴッ?」

「え?」

「へ?」

「……は?」

 

 おっと、さっきまでのドロっとした雰囲気がどっか行っちまったぞ。

 

『いやァ安心したよ。ちゃんと息子♂はなかった。でもまぁ、それでも男と言い張るのだから、おそらくそういう類いの人だと思ってさ。その時は余り触れなかったのよね』

 

 銃を口に突っ込まれているリスタが、ライトの正体を知ってて黙っていたのを追求しようと思っていたベール副隊長が、密かにこの密閉空間から脱出する算段を立てていたエンペラーが、フェイスレスの容姿を見てフリーズしていたテキサスが、なんでも無いかの様にセクハラ発言を発声し続けるホモを注視している。

 

『そして君が本当の意味で隠し事をしているのがわかったのが、テキサスの台詞だ』

「………」

「私か…?」

 

 突然のカミングアウトに、驚いた表情をするテキサス。

 

『君が彼女を兄と言ったのが気になってね。だから彼女の顔をスキャンしたら……お前ループスじゃねぇか!って感じだ。それに尻尾も背中に貼り付けて服で抑えて隠してたし、露出した源石は特殊メイクか何かしたのだろうね』

「な、成る程…」

『まぁ、最初の時点で頭と背中も見てりゃよかったんだが……そこは失敗したなァ。つい効率的に終わってしまった。で最後は、あの放送の声だ。ハッキングした時に録音を手に入れてな、バスの中で君に演説を強要させたのは、この声と君の声を照らし合わせたかったからだ。で、特徴が見事に一致して、君がフェイスレスだとほぼ確信したってワケ』

「っテメェ、いったい何処まで考えてやがったんだ……?」

『( ^o^)』

 

 一部始終を聞いて思わずそう口にしたベール副隊長に対して、イモータルは白い顔文字を浮かばせた黒いのっぺら坊を向ける。んでその顔文字はどういう意味だよ。

 

「あ、貴方は……」

『ん?』

「貴方は…へ、へ……!」

 

 途中から黙っていたフェイスレス君ちゃんが、体を両手で抱きしめながらワナワナと震えだし、さっきとは別ベクトルの怒気を孕んだ瞳をカッ開いて、ホモをゴミを見るような目で睨みつけ、叫ぶ。

 

「変態か何かですか貴方はァァァ!??!!」

『ハァイ!実は私変態(ホモ)だったんですねぇ!!WRYYYYYYYYYY!!!』

 

 最低である。

 

「素直にキモいな」

「あぁ、気持ち悪い」

「モゴモゴ」

「俺らこんなキモいのに助けられてたったマジ?」

「キモ過ぎだろ」

『アジのキッモ』

「うわウザ」

 

 今までこのホモ野郎に助けられた奴らは思った。こんな奴に助けられてしまっていたんだなと。そしてその全員の心は、出来るならもう手を借りたく無いなと思ってしまっていた。

 まぁ状況的に手は借りなければならないし、そうしなくても向こうから助けようと這い寄って来るのでどの道詰みである。南無三。

 

 そしてその気持ちは、フェイスレス君ちゃんだって例外ではなかった。だがそれは裸を見られた事ではなく…いや裸を見られていた事も女性としてダメージは負ったが、彼女が生理的に嫌悪したのはそこではない。

 彼女が嫌悪したのは、ホモの人間性だ。だって多分コイツ、この状況にならなかったらずっと喋らないまま何食わぬ顔をしてたぜ?ヤバすぎだろ。

 そして同時に、この中で彼女だけが、その事実を直感した。

 

 コイツは手段を選ばないタイプの、最も厄介な敵だ。

 

「ハーッ!ハーッ!…本当に気持ち悪いですね貴方」

『そうだよ(自覚者)んじゃそっちの質問にも答えたし……あっそうだ!最後に気になったんだけどさ、ぶっちゃけテキサスとの関係は実際どうなの?』

「ッ……!」

 

 顔を上げたテキサスと、ホモの言葉を聞いて、一瞬で無になった顔をテキサスの方へ向けたフェイスレスの目が合う。

 

「兄さ―」

「……さぁ?」

「……え?」

 

 テキサスは、彼女の目が何も写していないと理解してしまった。拒絶とも思われる感情が、テキサスの心に穴を開ける。

 

「私に家族なんていませんでした……よっ!」

『ッ!』

 

 カァンッ!といい音を鳴らしながら、イモータルはフェイスレスが飛ばしてきた巨大な何かを上に向かって蹴飛ばした。

 

『チッ、源石操作系のアーツか。こんな物騒なモン投げるんじゃないよ』

「拒絶しないでくださいよ。テラの人間には必要不可欠な呪いなんですから!!」

 

 更にフェイスレスは2つの源石の槍を何処からともなく作り出し、イモータルへと射出。さっきよりも数も大きさも増えた攻撃に対し、イモータルも2つの脚で対応する。

 空いた腕を地面に押し付け、脚を地面から離して振り上げて一本目の槍をさっきと同じように蹴り上げ、もう一本を体を捻りながら横に蹴り、そのまま避けていればリスタに当たっていたであろう源石槍の軌道を逸らす。

 

 自分に当たると思って身構えていたリスタは、驚いた表情でイモータルの背中を見上げた。

 

「ッ…フェイスレス!小隊長に当たったらどうするつもりだ?!」

「ん?あぁ、すみませんすみません。予定変更です」

「なにィ?!」

「リスタ小隊長には、アレを此処で殺す為に名誉の戦死を遂げてもらいます」

 

 肩を掴んだリスタの部下にニッコリと笑顔を向けながら、無数の源石槍を生成して射出する。

 

「なっ――」

『だァ?!クソバカッ!』

「……小さいとはいえ、あの数をその態勢のまま片脚で受け流すってマジですか」

「オイ!今すぐ止めろフェイスレス!…クソッ!所詮は気色の悪い感染者が!総員――」

「遅い」

 

 フェイスレスの直ぐ側でボウガンを構えた彼が、それ以上言葉を発する事は無かった。何故なら、その彼の口を塞ぐように、地面から源石の結晶が勢いよく生え彼の体を刺し貫き、鉱物と生物が合わさったオブジェを生み出したのだから。

 

「ンンゥッ?!」

「マジかよ……」

「そんな……」

「い……いやぁぁぁぁぁ!!!!」

「煩いですね。邪魔な人達はご退場願いましょうか」

「なっ?!リスタァ!!!」

『ッ!圧縮!!』

「クソッ!ヤツを撃てェ!!!!」

 

 死が開花する。

 一面に広がるは結晶世界。発射された矢がフェイスレスに届く事は無く、それと同時にリスタの部下達は源石に刺し貫かれ、瞬く間に呑み込まれた。

 

 大量の源石で一瞬にして保管庫を殆ど埋め尽くすフェイスレス。その光景はまるで――

 

『天災気取りかよ』

 

 イモータルは余裕そうな態度を崩さないまま、アーツを発動させる為に伸ばしていた片腕をゆっくりと降ろすが、発声された音声は怒りを孕んでいそうな語気だった。

 それもそうだ。イモータルはフェイスレスがアーツを発動させる兆候を目視し、被害を予測した上で彼女と話しながら組み立てていたアーツ術式を発動。照明をつける時にしたハッキングで予めロックを解除していた保管庫の扉を開け、外の指定した座標へ集まる様に彼らと座標までの距離を『圧縮』させた。

 

 そこまでして、手の届く所にいた人間を全員助けられなかったのだ。

 

「……もしかして、貴方怒ってます?」

 

 此処に来て初めて、フェイスレスの口が孤を描く。自分以上に感情を貼り付けた様な、文字通り機械の様な男が初めて見せた怒りだ。この女は真っ当な精神をしていないが故に、その怒りを見逃す筈がない。

 それに、今まで散々カッコつけてた野郎がどんな形であれ余裕を失くすのは、見ていて気持ちが良いからね。

 

(それにしても、あの男の近くにある源石はどうして上手く操れない?……いや、今は――)

「どうしました?あぁいや、別にいいんですよ?貴方は人を守りたかった。私は貴方の守りたかった人を殺した。貴方が私に怒りを覚えるのは当然ですし、やり返す権利もあります」

 

 フェイスレスはそう言葉を紡ぎながら源石の弾丸を大量に生成し、イモータルは再び掌を向ける。

 

「でも貴方、出来ないですよね」

 

 源石の弾丸と緑色の膜が衝突する。

 

「っ…リスタァ!!!」

「待て待て!落ち着けベール!おいテキサス!抑えるの手伝え!」

「………」

「テキサス!」

「ッ……!わ、わかった…!」

「離せチクショウ!……クソッ!やめろライトォ!!」

 

 皆と共に保管庫の外へ移動させられたベールがフェイスレスを止めようとしてエンペラー達に抑えられ、ヤケクソ気味に叫ぶ。だがフェイスレスは聞き耳すら立てる気すらも無く、源石弾の量を増やしイモータルのシールドアーツを砕きにかかる。

 

「ハハハッ!やっぱりそうだ!貴方は人を殺さない、いや殺せないのでしょう?!そうじゃなきゃ、安全装置は外しているハズですからねぇ!」

『………』

「言い返しもしない。全くつまらない人間です。そして何時までその女を守っているのだか……まぁ、また目の前で殺すだけですが!」

 

 緑の膜にヒビが入る。が、それでも微動だにせず、自身を源石弾の雨から守り続けるイモータルに、リスタは只々疑問を浮かべるしか出来なかった。

 

(何故この男は逃げない?彼らを殺されてしまった今、私は人質としての価値は無くなった筈だ。それどころか足で纏い……そもそも、私は味方ですらないんだぞ?どうして――)

『ったく、ウザってぇなマジで。どうしてエーシェンツはどいつもこいつも人を生かす理由を聞いてくるんだかね』

 

 さっきまで珍しく黙っていたイモータルが漸く音声を発した。

 

「なんです?やっと言い返す気になりましたか?」

『そうだな、じゃあ耳かっぽじってよーく聞け。そもそも君達は他人を助けるには何か他の理由がある筈だって考えがちなんだよ。勝手に考えんな。人を生かしたいって願いの為に人を助けてんのこっちは!わかる?この行動原理。こっちはエーシェンツあるあるなつまらん思考回路で動いてねぇんだYO!』

 

 人を生かしたい願いの為……そう発声した所で、フェイスレスの顔がピクリと反応し、イモータルが喋り終わると同時に殺意が膨れ上がる。

 

「……あぁ本当にイライラするなァ貴方は!!!」

『急にキレるじゃん。なに?そういう日なの?』

 

 お前は急に喋りだすじゃん。なに?テンション乱高下の日なの?

 

『うおっヤベェ?!』

 

 無数の源石弾が合体し始め、複数の源石槍になったのを見て慌ててシールドの維持に集中するイモータル。それでも、射出された源石槍は衝突と同時に砕けながらも、確かに緑の膜にさっきよりも速いペースでダメージを与えてくる。

 

「いらないんですよ、三流の喜劇なんてものは!」

『せやろか?!テラのシリアスなんて飽和してんだし、別に1つ位あっても良いと思うんですけど!ねぇリスタさん!』

モゴゴッ(知るかッ)!!」

「人を助けると言っておいて、下層エリアで苦しむ感染者が、理由なく差別されるサルカズ達が……家族に縛られ、人形扱いされ続ける子供が!彼ら彼女らが助けて欲しい時に限って来ないクセにね!!!」

『キツい事実陳列ノルマも達成しなくていいんだがね!まぁ幾ら指摘されようが考えもやる事も変わらないけどさ!』

「………そういう所なんですよ!貴方は私の演劇にいらない、だからここで完全に壊します。人を生かしたいだなんて言う、貴方に押し付けられた巫山戯た呪い(願い)と共に――

 

ダァンッ

 

「―――っ?!」

 

 その出来事を理解するまで、ほんの数秒かかった。先ず初めに理解出来たのは、眼の前に突然火花が散った事。次に、その火花の正体が自身の周りを漂う源石と弾丸がぶつかったものだと理解した。

 そして最後に、小さな穴が空いた緑の膜の奥に、唾液で艶めく銃口を向けたイモータルを見て、漸く一連の現象を理解した。

 

 自身へ向ける黒い顔に、フェイスレスは形容し難い何かを感じ取る。

 

(リスタの口から抜き取った瞬間が見えなかった?それに今……いや、コレはコレで好都合!)

 

 フェイスレスは周囲の源石槍と、源石のオブジェクトから源石を集め、破城弩に使われる様な大きさの源石槍を作り出す。狙うは一点。ヒビが集中していて、ついさっき穴も空いた箇所。そこに撃ち込む。

 だがそれと同時に、拳銃を握っているイモータルの腕のアーマーが生き物の様に蠢きだし、ベールの拳銃を包み込んで厨ニ的な禍々しい外見へと変化させた。

 

「お別れです!」

 

 源石槍が射出され、白い内部装甲が剥き出しになった指が引き金を引く。

 

 2つは一瞬で距離を縮め、激突……いや

 

「ッ?!」

 

 明らかにハンドガンの…いや、マグナム弾よりも大きな弾丸が源石槍を貫き

 

 

 閃光が、彼女の視界を奪い取る。

 

 

「くっ――!何が………なッ?!」

 

 光から漸く解き放たれたフェイスレスの視界には、既にホモと愉快な人質がいなくなっていた。彼女は辺りを見回し……振り返る。

 

 いた。リスタを脇に抱え、保管庫の外に移動させた連中の眼の前にいつの間にか立っていた。

 

「今……なにをしたんですか?」

『そうだな。取り敢えずドリャ』

「ぐべっ?!」

「リスタァ?!」

 

 手刀でリスタを気絶させ、適当に放り捨ててからフェイスレスへと振り返る。

 

『ナァに、ただ君の無駄にデカい源石を発光させただけに過ぎんさ。後は出来た隙に目線の先数メートルに空間跳躍と。まぁ、弾の加工に装甲を幾らか使っちまったがね』

「チッ……また貴方はそうやって――!!」

『……別にお前が何言おうがどうでも良いけどさ、少しお前に言っておきたい事が出来た』

「はぁ……?」

 

 そう言いながらイモータルはアーツ回路が収納されている方の腕を軽く掲げ、筋力強化のアーツを発動させた拳を握る。

 

『私はな、誰かが遺した遺言だとか、託された夢だとか、それらを思い出したり叶えようと足掻く人を指さして呪いだとか言ってる奴を……いや、正直に言おう――

 

 

 

 

 

()の願いを呪いだとか抜かした奴は、洩れなくブン殴る事にしているんだ』

 

 その瞬間、空気が爆発する。イモータルはさっきまでいた場所からヒビ割れた地面を残して姿を消し、保管庫から硬いもの同士をぶつけ合った様な甲高い音が響き渡った。

 

「チクショウ!両方ともデタラメだなオイ!」

「ライトの野郎はどうなった?!やったか?!」

「いや………」

 

 エンペラーとベールの言葉に、テキサスは独り言の様に口を開く。

 

「兄さんはまだ、倒れてない」

「「「「ッ……!」」」」

 

 彼女の言う通り、フェイスレスの顔面を狙って放たれた拳は届いておらず、障壁として生成したのであろう源石が粉々に散らばり、尚その拳を防ごうと顔の前にもって来た腕の片方が拳と諸に接触。見るも無惨な状態になっていた。

 だがそれでも彼女は立っている。それどころか、無事な腕を使って一瞬でイモータルの腕を掴み、離れない様にした。

 

『…なんだコレはたまげたなぁ』

「漸く、思い通りに動いてくれましたね」

(……やっぱり、この黒コートがアーツでの干渉を邪魔していますね。ですが触れば私の方に――)

 

 

「……え?」

 

 思わず変な声を出してしまうフェイスレス君ちゃん。

 まぁ驚くのも無理はない。フェイスレス君ちゃんは、エーシェンツの血液に必ず含まれている微量の源石を急成長させ、ホモを内側から破壊しようとした。その為にホモの腕を掴み、血液を流れる微量の源石を探そうと精神を集中させようとしたのだ。

 

 ここで思い出してほしい。義体を動かす為に、ホモの体に何が流れているのかを。

 

「貴方は……」

『君さぁ』

 

『「もしかして人間じゃないんですか?(もしかして人間じゃない感じ?)」』

 

 まぁそれはそれとして、フェイスレスは直ぐに思考を切り替え、アーツを発動。結晶化した源石が装甲を突き破り、内側から侵食する。

 

『ッ…シャットダウン』

「ッ?!今度は何を――くぅっ?!」

 

 いきなり源石との繋がりを絶たれ、驚愕と同時に蹴りを受けてのけぞるフェイスレス君ちゃん。それでも離すまいと彼女は腕を強く握っていたが、イモータルが腕をパージさせた事で簡単に距離を離されてしまう。

 

『ふぅ、さっきから何かとヴィクトリアでの嫌な事を思い出すな。あぁいうヤツの為に対策していてよかった』

「逃がすとでも……!」

『いいや逃げるさ。一旦仕切り直してからまた会いに来る』

「待っ――」

 

 イモータルはフェイスレスの言葉を待つこと無く、保管庫のドアを遠隔で閉め彼女を閉じ込めた。

 

『よし、じゃあ逃げるか!』

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「そうです、レティシアの所へ向かってください……えぇ、少しイレギュラーが出ましてね。母親を殺す機会を作れなくて……大丈夫ですよ。それではお願いしますね、では」

 

 なにが………

 

《人を生かしたいって願いの為に人を助けてんのこっちは!わかる?この行動原理》

 

 なにが……ッ

 

《テラのシリアスなんて飽和してんだし、別に1つ位あっても良いと思うんですけど!》

 

 なにがッ!!!

 

()の願いを呪いだとか抜かした奴は――》

 

「なにが人を助ける願いですか……!」

 

 あぁ、生まれ直して……いや、今まで生きてきた中でこんなにイライラするのは初めてですよ。

 あの男…まぁ男でいいですか。人間かどうかはわかりませんが、そこは今はいいでしょう。兎も角、あの男は生かしておけない。この演劇の過程はどうなっても良いですが、フィナーレに辿り着かない事はまた別です。

 

 あの男に私のフィナーレを邪魔されるなんて、冗談じゃありませんよ。それも、希望などというものに彩られながらなんてね!

 

「一部の段階を前倒しに……あぁもう、折角の演出も滅茶苦茶ですねホント!!」

 

 言動全てが癪に障る!なにが人を助けるだ!自分が主人公とでも言いたいんですか!眼の前の人間も助けれなかった人が!肝心な時に助けに来ない人が!何も出来ていない人がどの口を…

 

 どの口を!どの口を!どの口を!どの口をどの口をどの口をどの口をどの口を!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 どうして

 

 どうしてあの時(・・・)

 

 ()が一番助けて欲しかったあの瞬間(・・・・)

 

 

 

 貴方は、助けに来てくれなかったんですか




よう、読者の兄貴姉貴達か。まぁ座れよ、この8000文字を読んできたんだろう?

というわけで遅れた理由ですが、4月特有の忙しさに加え、空いた時間を推しの子だとか、崩壊スターレイルだとか、fgoコラボイベントだとか、白猫プロジェクトのコラボだとか、まぁそこらに時間を注ぎ込んで執筆時間を取らなかったホモのせいです。煮て燃やしてください。
 そこに少しのスランプ状態と、コラボ先の主人公君ちゃんのセリフを書いては消して書いては消して………


 すまねぇ有機栽培茶さんァ!!!!今回のフェイスレス君ちゃん上手く書けませんでしたァ!!!レ
 煮て燃やしてくださいマジで。コラボ先の主人公もまともに書けないホモがいるってマジ?書くの下手過ぎんだろ。


 まぁ、やるからには最後までやりますがね。

 それに今回は殆ど話が進みませんでしたからね。次回からちゃんと進めます。あとちゃんと早く投稿します。

それではまた次回、サラダバー!




ホモ

実はこのホモが使っている汎用義体は改良が重ねられた最新型なのだ。各種機能の改良や追加に加え、片腕には狂撃制圧型装備されていたナノマシンが、もう片方には透過強襲型の複合源石回路のパズルが装備されているぞ。
そして何やら数年前にヴィクトリアでなにかあったみたいだ。なにがあったんでしょうかね。


リスタ

ホモにブツを突っ込まれ♂乱暴な扱いをされ(直喩)最終的に気を失うという散々な扱いだった。まぁ本来もう死んでるし、仲間裏切ったし、多少はね?


テキサス

実は兄さんが拒絶してきたのとホモが裸を見たという証言によってずっと情緒がぐちゃぐちゃしてた人。


フェイスレス君ちゃん

シリアスブレイク!救済!希望!努力!未来!ビューティフルスター!人を助ける理由?人を助けてってお願いされたからだけど。
上記の塊に計画どころかフィナーレすらも壊されそうになって常にキレてた人。おまけに裸も見られた。お陰で好感度はマイナスだぜ!
 それとキレてた理由がもう一つあって、ホモに対する同族嫌悪の様な物と、ホモが自分と素晴らしく真反対な存在な事に対しての嫉妬などがあったりなかったり。


パージされたホモの腕

No.810 晶化義体腕
効果 術攻撃を行うオペレーターを配置した時、一定確率でどちらかの効果が発動
配置後、即座にHP最大値の50%分のダメージを受け、1秒毎にHPの最大値の7.0%減少
配置後、即座にHP最大値の50%分のダメージを受け、1秒毎にHPの最大値の7.0%減少、攻撃力+120%、攻撃速度+50、3秒毎にSPを2回復させる
退場まで効果継続

様々な源石回路が収納されている腕。源石回路をパズルの様に組み替えることで、様々なアーツを発動できる。今は結晶化した源石の影響でパズルを動かす事は出来ないが、工夫すればアーツを増幅させる事が出来るかもしれない。ただしご利用は慎重に。


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とあるコラボの脇役事変 DC−5 戦闘前

スターレイルが面白いので初投稿です


 同時刻 バス型ドローン内にて

 

 まるでバスジャックでもされたかの様な陰鬱な雰囲気と、さっきからビクビクとしている一般市民に囲まれて、見張りという名目で残された二人の駐屯兵が静かに顔を合わせ小さく言葉を交わす。

 

「妙に遅いな」

「あぁ」

 

 市民たちからすれば、保管庫へ向かって行った者たちを心配する言葉だが、この二人にとっては全く別の言葉である。

 

 そう、この二人はリスタの部下。見張りの名目でバスの中に残ったのは、もしあのホモがノコノコと帰ってきた時に、人質として使ってホモを殺す為である。いわば最終手段の様なものだ。

 それに、このバスの周りには既に沢山の感染者達が潜んでいる。人質で『くっ離せ!』している瞬間を狙って集団リンチでバラバラにするという寸法よ。

 

 まぁ、ホモもリスタも全然帰って来る気配が無いのだが。

 

「……ヒッ?!」

「どうした」

「い、今外から…何かぶつかった音が……!」

「…おい」

「わかってる。お前たちは大人しくしていろ」

 

 窓から見える景色には誰もいないが、確認しない訳にもいかない。市民の言葉を聞いて部下の一人が刀剣を抜刀し、警戒しながら運転席の横にあるドアを開け…

 

 その部下が緑の何かによって反応する暇もなく外へブン投げられたのを、彼は目撃した。

 

「…………ッおい!」

 

 唐突過ぎて暫く理解出来なかったもう一人が漸く情報の処理を終え、慌ててドアへ駆け寄ろうとする。が、その前に外から入ってきた人物を前に立ち止まらざるを得なくなった。

 

『よぉ』

「はぁ?!どっから湧いて出やがった?!外には誰も――」

『残念だったな、トリックだよ』

「ッ……!」

 

 このバス型ドローンについてる窓は窓じゃなく、外の景色を投影した映像だよ。外から見たらまるでスモークガラスの窓があるかのような形をしてるからたちが悪いね。

 さて、男の行動は速かった。長銃型のアーツユニットに取り付けられた銃剣を、直ぐ側の席に座っている子供へ向け――

 

 席と通り道の間に透明な壁が生まれ、その間にちょうどあった銃剣がゴキンと折れる。

 

「なっ?!なんだコレおい?!クソが!!」

『あーあー、アテンションプリーズ。車内で武器を振り回すのはお控えください』

 

 行きとは違って隻腕となっているイモータルが、もう片方の腕らしきモノをマイクの様に持ち、抑揚の無い注意喚起を行う。随分余裕そうだなお前。

 そしてそのマイクにしていた腕を、肘から下が無くなった方の腕に接続し、ニギニギと動作確認をしてから改めてリスタの部下へ視線を向けた。

 

『裏切りプレイは終わりだゾ☆』

「ッッこのォ!!!」

 

 喧しい爆発音と共に、長銃型のアーツユニットから殺傷性のあるアーツ弾が発射される。漸く状況をあら方飲み込めた市民たちの悲鳴が車内を包み込むが、それら全てが関係ないと言わんばかりに、イモータルはアーツ弾をモノともせずにゆっくり近づいて行く。

 

「クソが!こっちに―ガッ?!」

 

 ノーモーションで勢いよく跳躍し急接近、からの回し蹴りを反応出来ないまま諸に喰らい、無駄に広い通路を吹き飛ぶリスタの部下。

 ホモはそんな部下を前にゆっくり近づき……床に落ちた長銃型のアーツユニットを足で器用に拾い上げる。

 

「いっつッ……この、野郎ッ!」

 

 アーツユニットの銃口辺りを持って胸の前で横向きに構え、源石回路が搭載された腕で撫でるように、強化のアーツをかける。

 

 アーツユニットの全体が、淡い青色に包まれる。

 

『ルールは、破る為にある』

 

 くるくると回しながら肩にアーツユニットを乗せて立ち上がる部下を見据え、ステップ一回で空いた距離を一気に詰め、防具で守られた鳩尾辺りへ向けて、アーツユニットをバットの様に振り抜いた。

 

 席の間の通路はこういう事をする為に広く作ってあったんですね(RTA並感)

 

「ア゛……カッ――」

『ふぅ……(賢者タイツ)ま、破るべきルールの区別もつかんのなら破るなって話だが』

 

 フルスイングの反動でバラバラなったアーツユニットを投げ捨てながら、ホモはまた腕をマイク代わりにして喋りだす。

 

『お騒がせして申し訳ない。コレの説明をしたいのはあるが、まぁその前に、君達一般市民をこの都市の最も安全な所へ送ることに決めた。次の目的地はエルド区の貴族街です』

 

 エルド区と聞いて、一部の市民たちの顔に僅かな光が灯る。矢張り彼の影響力は高いのが伺えるな。流石ジャスパー・ランフォード。

 

『んじゃそういう訳で。あ、荷物積み込むからちょっと待ってな』

 

 荷物と聞いて、市民たちは此処に来るまでに話していた資源の事かと思った。

 

『ピシュイン!ピコピコピコン!テッテレレッテッテーッテッテー!ウルトラハンドォ!これをこうして…こう――アレ、入らん』

「たりメェだバカ!どう見ても入る大きさじゃねぇだろマジで!」

 

 市民たちは恐怖した。何故ならお出しされた物が人間複数人を固めた人間団子だったからである。好感度が大幅に下がった。

 

『やっぱりネコバスみたいに入口を大きくさせる機能をつけるか……』

「着眼点が絶対に違うわ!つかなんで俺らもリスタの部下と一緒にくっつけられてんの?!つかなんだこの緑色の接着剤みたいなの?!めっちゃ接着力つえぇんだけど?!」

「ぐ――ぐぇ゛ぇ゛……」

「ヤバいエンペラーが潰れる?!」

『おっと』

 

 結局、バラバラに戻して一人ずつ運び込む事となった。この人間団子の発端は、フェイスレス君ちゃんと戦った後に、この人数をどうやって運ぶの?というベール副隊長の部下の女性が放った疑問だった。その結果が、ウルトラハンドとかいう最近の流行りを取り入れたアーツでみんなをくっつけて運ぶとかいう頭の悪い発想である。演算出力0.5は伊達ではなかった。

 

 

 因みにバスの周りでずっとスタンバってた感染者達も団子にしていた。食料問題とかの事忘れてるよねこのホモ

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 クレアスノダール中央区画 艦橋

 

 

「………」

「どうしたんですか、そんなに私をジロジロと見つめて」

「ッ………はぐらかそうとするな。その怪我、どうして私を…いや、同胞達を呼ばなかった?」

「それをすればきっと、その同士達は呆気なくやられていましたよ」

「チッ………」

 

 浮かれっぱなしの、まさに戦勝ムードな外の歓声を余所に、そこら辺の適当な民家の中でクラウンスレイヤーと会話しながら、私は肘から下の、砕けた骨が皮膚を突き破っている腕をまじまじと見つめる。

 改めて見ても酷い有様です。この具合はもう、私のアーツで補強しても使い物にはならないでしょう。此処に来るまでに、同士の方々から見られない様に布とクラウンスレイヤーで隠して正解でした。

 

 でもまぁ……

 

「このままでも邪魔ですし、切断するしかありませんね」

「ッ待て早まるな!まだその腕を治す方法はある筈だ。治療アーツを使える奴らを集めれば――」

「クラウンスレイヤー、まともなアーツ訓練を受けていない彼らの治療アーツは、せいぜい出血を止めるくらいですよ。それに今は、あの黒コートにやられた皆を治療させていますから手の開いている者はいないでしょう」

「……クソッ!」

 

 こういう時のクラウンスレイヤーは仲間思いな性格がよく出ますね。いつもの私を雑に扱う様な態度とは大違いです。

 あぁ、本当に…………

 

「だが、そうすればお前はこの先片腕でこの作戦を実行する事になるんだぞ?」

「いえいえ、実はそうでもないんですね」

 

 というわけでジャジャ~ン!こちらに取り出しますは、源石が生えた義手です(現地調達)

 

 えぇはい、あの黒コートの腕です。

 

「……正気か?」

「あ、壊れてる腕と逆なのが気になります?そこはご安心を!実は断面の此処にあるスイッチを押すとですね……ほら!掌の形が逆の方の手に変形するんです。コレで何も問題ありません」

「いや大有りだバカ!」

 

 バカは酷くない?貴方女の子ですよね?口の悪さ凄過ぎません?あぁ、あの時の胸を揉んだら綺麗な声を上げていた彼女は何処へ……。

 あ、コレ面白いですね。変形がスムーズな上にスイッチを押した感触が心地良いので無限に遊べます。

 

「あぁもうッ!いいか早まるなよ!今私が術師を集めて――」

「いいえ、貴女はレティシア達と合流して下さい」

「はぁ?!」

「落ち着いて下さい。いいですか?きっとアレは、未だに陥落していない区画…唯一の生存圏であるエルド区の貴族街へ辿り着く筈です。そしてあそこには、貴方が捕える予定だった厄介な"お客様"がいる」

「なっ……クソッ!地下で私が動けなくなったから…」

「貴女が気に病む必要はありませんよ」

 

 コレは私の予想でしかありませんが、もしクラウンスレイヤーが彼らを捕らえに行けても、上手く行かなかった事でしょうし。

 はぁ……その程度のイレギュラーなら、少し前の私は更に面白くなると心を踊らせたのでしょうね。あ〜、なんかなんだかイライラしてきましたよ。

 

「だが、今のお前を放っておく事なんかできるか!それにお前は大将首なんだからじっとして中央で踏ん反り返っていろ!お前は元から柔な奴なのに、今の状態じゃ無事ではすまないぞ!」

「凄いボロクソに言ってくれますね?!そんなに私が信じきれないんですか?」

「そういう訳じゃない!」

「なら、私を信じて下さい。私は大丈夫です」

「ッ………」

「…ね?」

「……わかった」

「よかったです。では、エルド区にいるレティシアとアイン達と合流して下さい。私も直ぐに向かいますので」

「……フェイスレス」

「はい?」

「私達には、お前が必要なんだ。そこを忘れないでくれよ」

「えぇ」

 

 知っていますよ。貴女達も、私を必要としている事なんて。

 流れる様に遠くへ小さくなっていくクラウンスレイヤーを見つめてから、私は玄関を閉める。

 

「イージス」

 

 リビングの方から、ガタイの良いウルサス人がヌッと……いや、タイラントか何かですか貴方?

 

「ホークアイからは?」

「エルド区へ向かっているバスを確認した。後少しもしない間に到着するだろうと」

「ですよね」

 

 流石に予想した通りでしたか。わかってはいましたが、矢張り合流前にエルド区を潰すのは無理ですね。

 

 だからこそ、正面から潰す準備をしなければいけません。テキサスとフィナーレを迎える前に、あの男だけは必ず殺す。

 

「いいのかフェイスレス?あの女も、その腕も」

「……いいんですよ。だから早くして下さい、貴方の怪力が頼りなんですから」

 

 幾ら痛覚に鈍いとは言え、流石に自分の腕をギコギコとするのは色々痛いんですよ。

 

「その腕、本当に動くのか?」

「勿論。まぁ、ただの人じゃちゃんとした接続手術をしなければならないでしょうがね」

 

 ですがコレは、余りに源石に塗れ過ぎています。それはつまり、私のアーツと実に相性が良いという事です。凄く忌々しいですが。

 それにもう一つ、おそらくこれはあの男のアーツユニットなのでしょう。まぁアーツユニットを使えばアーツが強力になる、だなんて話は余り聞いた事無いですが……あの出鱈目な男の事ですから、必ず何かある筈です。

 

「まぁ、存分に有効活用させていただきますよ」

「準備はいいか?」

「えぇ、思い切りどうぞ」

 

 リビングにある椅子に腰掛け、長机の上に折れた腕を置いて、巻いて分厚くしたタオルに噛み付く。

 

 斧を持ったイージスが私の腕を抑え、斧を振り被り―――

 

 

 

 

 叩き割った。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 エルド区 貴族街正門前

 

 

 燃えさかる平穏と、漂い溢れる硝煙の匂い。美しき街並みは血に染まり、ウルサスの栄光(国旗)は地に落ちた。

 

 積み上がる死体に湧き上がる殺意。

 

 怒りが恨みを。

 恨みが悲しみを。

 悲しみが怒りを。

 

 あらゆる負の連鎖の終着点が、そこにはあった。

 

 その混沌の中で、灼炎と迅雷がぶつかり合う。

 

「くたばれェェェェ!!!!」

「フンッ!」

 

 身の丈以上の大剣を振り回すリーベリの少女。そしてその炎を纏った大剣の一撃を、隻腕の男、ジャスパー・ランフォードはハルバードの形をしたアーツユニットで軽々と受け止める。

 

「こッのォ……!」

「まだまだ…甘ェな!!!」

「ぐっ!」

 

 押し返され、勢いよく吹き飛ぶ少女。

 

「お嬢!お前らァ!お嬢を守れェェェ!!!」

 

 お嬢と呼ばれた少女の部下達が、ジャスパーへと斬り掛かって行く。

 だが次の瞬間には、その半分程が雷によって吹き飛ばされた。

 

「そら、纏めて掛かって来るがいい!」

 

 その後も、荒ぶる雷鳴が感染者達を蹂躙する。雷を纏ったハルバードを振るって周囲の感染者を薙ぎ倒し、叩きつけたハルバードから雷が放たれ、地面を伝って遠くにいた術師達の足元へ迸り、炸裂。最後はハルバードを回しながら宙へ飛び上がり、雷を纏ったハルバードを地面へとブン投げる。

 

 コレがパトリオットに並ぶ、かつて雷獣と呼ばれたウルサスの英雄。その代名詞の1つである『雷槌』と呼ばれる技によって、前線にいた感染者は一網打尽にされた。

 

「ッッ……ジャスパー…ランフォードォォォォオ!!!!」

 

 漸く立ち上がった少女は、眼の前の英雄に怨嗟の叫びを上げながら、その身を焼かんばかりの炎を噴き出す。

 

「これは、中々に……」

 

 まるで不死鳥だ。だが、綺麗などという感想は出て来ない。残念ながら彼には、激しく命を燃やす少女を綺麗だなと思う様な感性はお持ちでなかった。

 ただ純粋に、痛々しい光景だ。

 

「死ねェェェェェェ!!!!」

 

 業火が荒れ狂い、雷獣を灼き尽くさんと猛り迫る。ジャスパーは後ろの貴族街を、この場にいる部下達を守る為、その業火を打ち崩さんと―――

 

「…なんだ?」

 

 それは、エンジンの音だ。何か乗り物が、この戦場へと向かって……いや、既にこの戦場にいる。

 

「上か!」

 

 そう上だ!彼に迫る炎の上に、その空中に、大型のバスが飛んでいるぞ!どうやって飛びやがった。

 そして、ジャスパーはそのデタラメな光景を起こしかねない存在に、残念ながら、誠に残念ながら心当たりがあった。

 

 バスから、何かが飛び降りる。それは人間ならば普通に死ねる速度で急降下し、荒れ狂う火の海へと突っ込んだ。

 

 それと同時に、ジャスパーを灼き殺さんと迫っていた灼炎の手はその急降下地点で切断される。

 

「はぇ?!」

 

 少女が驚きの余り変な声を上げる。そしてジャスパーは、目の前で荒ぶる炎を一見ただの黒い傘で受け止める黒コートへ、またお前かと言った表情を向けた。

 

『よぉ、また会ったな。ジャスティス・ランフォード』

「ジャスパーだ。何回間違えんだよお前」

 

 炎が全部搔き消えたのを確認して、火の用心と白い筆文字で大きく書かれた黒い傘を肩にかけるイモータル。そんなホモを見るジャスパーは、どうせわざと間違えてんだろと少しイラッとしながらも……

 

「ったく、一応聞いておくがよ、応援に来たってコトでいいんだな?」

『オゥイエス』

「なら手伝えや」

『勿論だとも』

 

 この状況を変えうるであろうホモ野郎を、歓迎していた。




フハハハハ!だいたい1ヶ月かかったぞ!遅くてごめんなさい!デッドマウントデスプレイ面白ぇ!崩壊スターレイル面白ぇ!(遅れた原因)

というわけで、また次回、サラダバー!



 

今回のアレ


ホモ

世間の流行に影響され易い一般ホモAI。予備の腕を数本持ち歩いてるなど用意もよく、色々有能ですよブームをしているが、言動でプラマイゼロである。ついでに敵強化イベントの条件を達成したので戦犯まである。まぁそれでもヤるんですけどね。


フェイスレス

コラボ先のオリ主君ちゃん。どうやら原作と違って戦力をエルド区の攻略に回すことを決めたようだ。だってまぁ、うん、ホモがいるし、ジャスパーもいるから、多少はね?
そしてなんか強化イベントをしてるよ。これも全部、フェイスレスの片腕を壊して自分の片腕を上げたホモのせいだと思うんですけど(名推理)


ジャスパー

なんか何もイベントが無いのに原作よりも強そうで技のレパートリーが増えてる男。なんで?(フェイスレス並感)


イージス

フェイスレス君ちゃんより胸板がデカいコトで有名なウルサス族の逃亡兵。フェイスレスと愉快な友達三人衆のウチの一人。


お嬢

お嬢!いらしてたんですかい!コレから大人とホモにモミモミされる予定の娘。リーベリ族で、炎を操るアーツともう一つのとあるアーツを持つ。まるで不死鳥みたいだね。でも人間は不死になれないんだよ。


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とあるコラボの脇役事変 DC−5 戦闘後

恐らくアークナイツ二次創作者同士のコラボでコラボ話を何話も書いてるのは私だけだと思うので初投稿です

ついでにユーザー情報の所にTwitterのリンク貼りました。まぁ戯言しか書いてないけどな!


 蜂起を開始して既に約6、7時間程。

 他の中央を含む4つの区画は既に我々の手に堕ちた。しかし自分が担当しているこのエルド区は未だ健在。

 

 質は劣るも、数は優勢。

 

 時間をかけて持久戦に持ち込めば簡単に攻め落とせると考えた。

 考えていたのだ。だというのに……

 

「もう少し下がって防御陣形を組め!隊長の邪魔には絶対になるなよ!姑息にも隊長をすり抜けて来る奴らは俺達で抑えるぞ!」

 

 未だ奴らに倒れる気配は感じられず、それどころか時間をかけるにつれ、こちらの被害は大きくなっていくばかり。

 

“悔しいが奴らの方が戦力は上。虚をついて短期決戦で終わらせるべきだ”

 

 これじゃクラウンスレイヤー(クソババア)の言っていた通りだ!

 それに……

 

「レティシア様、アレは……」

「わかってる…!」

 

 さっき上から降ってきて、俺の炎をあんな傘で軽々受け止めたあの黒コートの男は、連絡にあった要注意人物であり、フェイスレス様を傷つけた男!

 

“気をつけて下さいね、レティシア。その男の力は強大です。私は片腕だけで済みましたが、貴女がそれで済むとは限らないでしょう。会敵次第、撤退しても構いません”

 

 あのフェイスレス様の警戒心に満ちた声を思い出し…振り払う。

 ただでさえあなた様から任された事も出来て無いこの状況で、退くなんて事出来るものか!二人揃ったのがなんだってんだ!

 

「二人ともぶっ潰しちまえばいいだけだッ!!!」

 

 大剣に炎を纏わせ、俺は振り払う事で遠くにいる二人へ炎を飛ばす。炎は荒れ狂いながら二人を飲み込んだが……

 

(クソッ!またあの傘だ!)

 

 手応えは無し。そして揺らめく炎の中で形をしっかりと保つ黒い多角形のシルエットを目視して、思わず歯噛みする。

 

 そして、噴き出す炎の音を掻き分けて、俺の耳に、嫌なくらい鮮明に入ってきた音声が1つ。

 

『なぁジャス叔父、コレ終わったら椅子取りゲームやらね?』

 

 

 

「〜〜ッ巫山ッ戯んなァ!!!!」

 

 

 

 火力を上げる。大剣と共に燃える腕など知った事ではない。炎は灼炎となり、俺の怒りを体現するかの如く、あの傘をも灼き尽くさんと猛り狂う。

 

『ちょっ、アツゥイ?!』

「くっ?!」

 

 流石に傘がみるみる内に燃え始めたのを見て、慌てながらも灼炎の魔の手から逃れる二人。

 だが、だが!コレで終わったと思うなよ非感染者ども!特にお前だ黒コート!お前達だけは、此処で消し炭にしてやるッ!

 

「チッ、クソ!戦場で馬鹿な事言うんじゃねぇよ不審者野郎。お陰で死にかけたじゃねぇか」

『マジで悪い。見るからに子供だからって手ェ抜くつもりだった』

 

「ッ―――ッッ!!!!」

 

 ギリっと、思わず歯を軋りあげてしまう。そのくらいムカついた。俺は激情を秘めた顔を隠しもせぬまま、二人の前へ躍り出る。

 

「ブチ殺す!!!」

 

 大剣に炎を纏わせ、彼らの至近距離で薙ぎ払う。それを雷獣は雷で相殺しながら範囲外へ回避し、黒コートはシールドのアーツで真正面から受け止めていた。

 いいぜ、もっと火力をあげてやる!

 

「テメェら纏めて炭にしてやるよッ!!!」

「炭だぁ?それじゃ食えねぇだろ。火力調整くらいしろ」

『出来るならウェルダンに仕上げて欲しいものだネ』

 

《デュアルバスターアーマー転送・・・完了>》

《CAST・ON>》

《OS最適化・・・完了>》

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

「はァァァァァァア!!!」

 

 荒れ狂う劫火の海。その荒波の中を掻き分ける者と、荒波と舞い踊る影がそれぞれ1つ。

 

 ジャスパー・ランフォードといつものホモである。

 

『ヒャッホーイ!まさか炎でサーフィンするとはなァ!』

 

 実際にはサーフィンしている訳ではない。デュアルバスターアーマーに着装した時に足に装備される反重力ホバー。それの出力を逐一調整して、あたかも暴れる火の海の上を滑っているかの様に見せているだけである。

 つまり舐めプしてる。馬鹿。

 

 更にサーフィンをしながら、周囲にいる感染者の皆々様へ痛覚残留弾と痛覚残留拡散ミサイルを余すことなくプレゼントしている。抜け目の無い舐めプだった。

 

「燃えて死ねッ!!」

『おっと!』

 

 ノリノリにインメルマンダンスまでしていたホモに、レティシアは苛立ちげに炎を浴びせ、それを予測していたイモータルは急上昇してそれを回避。デュアルバスターアーマーの固有武装である2本の大型銃器…その片方である『デリカテッセン』という名前の大型散弾銃を片手で構え、集弾率を最低の設定でレティシアに痛覚残留弾の雨を浴びせる。

 

「チィッ!」

『ジャス叔父!スイッチ!』

「オォラァッ!!」

 

 雷を纏ったジャスパーが炎の中から飛び出し、そのままの勢いでレティシアにタックルを決める。それを間一髪で防ぎ、反撃するレティシアと鍔迫り合いになっているのを横目に、ホモは周りの感染者や、貴族街の門へとこっそり向かおうとする感染者達に、デリカテッセンともう片方の手に持つ大型機関銃『グアンチャーレ』を連射設定で乱射し、ジャスパーの部下が対応する前に鎮圧していく。

 

『ジャス叔父!伏せな…さい!』

「あァ?!うぉぉ?!!?」

「ッ!クソッ――イ゛ッ?!―…ッめんなァァァ!!!」

 

 グアンチャーレを連射から照射に設定し、剣の様に逆袈裟に振り上げ、銃口がレティシアに合わさる数秒の間だけ引き金を引く。銃口から照射された痛覚残留のレーザーはブレードの様に、レティシアの体に痛みを刻み込む。

 だが、その痛みをレティシアは耐え、腕ごと燃やしながら炎を薙ぎ払って二人を遠ざけ、直ぐ様耐性を立て直し攻め立てる。

 

『ったく、自分の腕燃やしながら今にも死にそうな顔しちゃってェ……君は鬱TS転生ものの主人公か?』

「危ねえなオイ!」

『安心しろジャスティス。私の攻撃が君に当たる事は無いとも』

「危ねえつってんだよ。あとジャスパーだ」

『すみませんでした…っと!』

「ッ!フンッ!」

「巫山戯んな!巫山戯んな!!巫山戯んなッ!!!」

 

 苛立ちながら放たれた炎を雷で打ち消し、滑るように回避する。イモータルは回避の度に痛覚残留弾を放ってレティシアの動きを止めようとするが、モロに食らっても彼女は動きを止めない。ほとんど効いていない様だ。

 

『鬱TS転生ものつったら、龍神のドシュゥン!!!(グアンチャーレの発砲音)とかズボボボボボボボボ!!!(ミサイル発射音)の魔女とかが有名所さんだっけな?でもアイツら全年齢の癖にエッティで読むのに結構カロリー使うから苦手なんだよね』

「やり合ってる最中だってのにスゲェ喋るなお主」

 

 戦闘中にペチャクチャ喋りやがるホモに思わず冷静に突っ込むジャス叔父。レティシアは更にムカついた。そんな彼女を知ってか知らずか、イモータルは炎を避けながらカードを取り出して、ベルトの溝に嵌めて下へスライドさせる。

 

『なんたって、興奮と救済したい欲求が一緒に来て気が狂いそうになるからね』

 

 いつまですんだよその話。

 

《アタッチメント転送・・・完了>》

『ドッキング>』

《ドッキング>》

 

 グアンチャーレの周りに青いホログラムのパーツが複数現れ、ベルトのボタンを押すと同時に、ホログラムが銃口と周りの銃身に接続する。

 

《アタッチメント『ハイドラント』・ドッキング完了>》

 

 ホログラムが実体化し、機関銃はガトリング砲の様な見た目に変化した。銃身の側面には、ホモの上半身程もありそうなタンクも接続されている。

 

『っぱ消火っつったら消火器だよなァ!』

 

 装着された3つの銃身が回転し、勢いよく大量の消火剤が散布され、捕食者足り得んとしていた炎を飲み込んでいく。

 

「は、はぁぁぁ??!!?!」

『今だぜジャスティス!』

「ジャスパーだ!」

 

 全く、この男はどうしてこんなにも予想を妙に外した事を実行出来るのだと、ジャスパー・ランフォードは思う。

 

「貰った!」

「ッ!来んじゃねぇ!」

「チィッ!」

『炎は消火よー』

 

 消火剤の煙幕から飛び出し、ジャスパーはレティシアの頭を掴もうと手を伸ばす。が、彼女は足裏から炎を噴射してそれを回避し、お返しにと炎を振るう。

 

 まぁ、その炎はジャスパーへ届く前にハイドラントによって掻き消されてしまうのだが。でも振り撒かれた消火剤の煙のお陰で、ジャスパーの視界から逃れるチャンスが生まれた。

 

(今なら……!)

「おい不審者ァ!お主のせいで見失ったぞこのバカ野郎!」

『あっやっべ御免なさい』

 

 ジャスパーのごもっともな文句に適当に返事をしながら、ホモはデリカテッセンの銃身を体の前に持ってきて……煙から炎を纏って出て来たレティシアの攻撃を防ぐ。

 

『スカートの中見えてんぞ』

「死ねッッッ!!!」

 

 頭の中にあるカメラを透視系アーツの源石回路が組み込まれたものから通常のものへ切り替えながら、レティシアの斬撃をデリカテッセンの銃身で捌くイモータル。

 

「あークソッ……そこか―ッ?!」

「お嬢を守れテメェら!」

「「「「応ッ!!!」」」」

「チッ、邪魔するんじゃ…ねぇ!」

 

 ジャスパーが感染者達に足止めされている後ろで、イモータルは反重力ホバーで距離を取りながら、1回、2回とレティシアの大剣を弾き返し、すかさず痛覚残留散弾を至近距離で放つ。それをなんとか回避したレティシアは、足裏から炎を噴き出しながら、離れていくホモへ一気に近づき横薙ぎに一閃。

 

『ほっ』

「この―わぷっ?!」

 

 だがその横薙ぎもデリカテッセンの銃身で防がれ、今度はグアンチャーレの銃口から飛び出る消火剤の煙を顔に受けて仰け反ってしまう。

 そしてそのままデリカテッセンで鳩尾を突き、軽く後ろへ下がったレティシアの体に容赦無く痛覚残留散弾を浴びせる。

 

「っ゛――カハッ……!!!まだ、だ…チクショウ!」

 

 ショック死しない様に威力調整がされているとはいえ、鎮圧するための痛覚残留弾だ。今のレティシアは、少なくとも腹を抉られた様な痛みを感じている。が、

 

(こんな…こんな見せかけのモンで、俺を止められると思うなッ…!)

 

 思い出す。遊びによって産まれ、その上で捨てられ全てを失った弱者の痛み。生きるために、強くなる為に足掻いて、それでも無くならなかった理不尽な痛み。そして、この身体を蝕み続けた、死の痛み!

 

(それに比べりゃ、この炎も、テメェらの攻撃も、どうって事ねぇんだよクソ野郎!)

 

 火を灯す。その火に、自分という薪を焚べて炎と化す。

 

〘成る程。そりゃ生半可な痛みじゃ鎮圧は無理だな〙

 

 自らを燃やすリーベリの少女の身体を観測し、同時に演算しながら、イモータルは両腕を調整する。

 ホモのカメラに映るレティシアの身体には、3つのアーツ術式が浮かんでいた。1つは、彼女の武器であり、彼女を傷つけている発火のアーツ。もう1つは、そんな燃える身体を繋ぎ止めている、超再生のアーツ。最後の1つは……いや、いいか。

 

「テメェの攻撃なんか怖くねェ!」

 

 炎を纏った大剣を、横薙ぎに振り払う。ホモはそれを防ごうとして、熱量の上昇を観測。慌てて後ろに下がって回避する。

 

「テメェがなんだろうと怯まねェ!」

 

 2歩踏み込み、返す刀で逆袈裟に斬り裂き、イモータルはその攻撃をグアンチャーレのアタッチメント…ハイドラントの部分で受け流す。

 ハイドラントのパーツが少し溶解する。

 

「テメェが幾ら痛みを与えようと、俺にはこれっぽっちも―――

 

 

 

『効きやしねぇってか』

 

 

 

「ッ!?」

 

 力任せに振り下ろされた炎の大剣は、ホモに難なく防がれる。だがそれは、さっきまで半ば近接武器と化していた2丁の機銃では無く……掌。

 機銃を迷いなく投げ捨て、大剣を素早く両手で挟み込む。

 

 真剣白刃取り、お見事。

 

「なっ、コイツ…クソッ!」

『なァ』

「ッ――」

『少し熱すぎるからさ、火ィ消すわ』

 

 その瞬間、ホモの両腕から耳を突き刺す嫌な音が鳴り出すと共に、まるで蝋燭の火を一息で吹き消すかの様に、本当に呆気なく、大剣に纏われていた炎は掻き消えた。

 

 少しして、硬いものに挟まった物を引き抜こうとする音が、少し静かになった戦場に悲しく響く。

 

「………おい」

『いやね、別に君たちの行動原理は否定しないさ』

 

 先程まで轟いていた雷鳴も止んで、辺りは本当に静かになる。

 

 引き抜こうとしている音が強くなる。

 

「……返せよ」

『暴力を振るうことだって、完全に否定はしない』

 

 少女はいつもの様に火を灯そうとして、それが出来ない事を知る。

 

 引き抜こうとする時に、微かに漏れていた力み声が強くなる。

 

「返せよ!」

『復讐だって否定はしない』

 

 少女はホモの腕を勢いよく蹴りつけ、そのまま踏ん張って引き抜こうとする。

 

 息が荒くなる。

 

「返せよッ!テメェ返せつってんだろ!」

『罵倒することも否定はしない』

「返せ!このっ…返せ返せ!!返せェ!!!」

 

 

『騙す事も否定はしない』

「巫山戯んなテメェ!このっ…クソッ!!!」

『拷問とかも否定はしない』

「返せよ!俺の力!!」

『拒絶する事も否定はしない』

「このっ…!クソッ!クソッ!クソがッ!!!」

『恨む事も否定はしない』

「俺の炎を、俺の力を奪うんじゃねぇ…!」

『壊す事も否定はしない』

「返せッ……返せよ………返してくれ…………」

『殺意を持つ事も否定はしない』

 

 

「返せよ……!力が無いと私は、あの人に―――」

 

 

 突如、何か硬いもの同士が勢いよくぶつかったような大きな音が、静寂を突き破る。

 

『だが、人が人を殺す事を、私は絶対に許容しない』

 

 ホモの掌を中心にヒビが入り、パラパラと大剣だったものが地面へ落ちる。イモータルはゆっくりと白刃取りの構えを解いて立ち上がり、最早持ち手部分だけになった大剣を呆然と見つめるレティシアから、その持ち手を軽い手付きで奪い取った。

 

 案外簡単に手から奪い取れたな。

 

『…ま、そういう事だ。いやぁ悪いね、でもこんなの持ってたら、君はまた人を殺しちゃうのだろう?

 

 

 

 

 

なら、君が人を殺せる要因を、全てブッ壊すしかあるまいな?』

 

 まるでペットボトルでも潰すかの様に、その場に落とした大剣の持ち手を踏み壊す。

 

「―――あ―」

 

 それと同時に、彼女の何かが崩れる音がした。

 

 

 

 レティシアという少女は、その生い立ち故に人一倍力に固執していた。力を求める理由が「生き残る」事から「恩を返す」事に変わっても、その力の欲求は変わらなかった。

 故に彼女は、力を手に入れる為に出来る事を片っ端から実践し、そして手に入れたその力を誇りに思っていた。特にこの炎は産まれた時から共に生きてきた相棒で……彼女が無力な子供では無く、力を持った大人である事の証明なのだと。

 

 それを、いとも容易く奪われた。

 

 油断なんかハナからしていなかった。特に、己の敬愛する人から忠告のあった敵。手を抜くなど以ての外だ。

 だが、その結果がこの状況である。確かに彼女は油断もしなかったし、手を抜く様な事もしなかった。

 

 ただ1つ、間違いがあったとすれば、それは冷静さを欠いていた事だろうか。

 

 彼女は同じ歳の者たちよりも聡明だった。だからこそ冷静に、ホモが来た時点で忠告通りに撤退していれば、この状況にはならなかったかもしれない。

 命令を達成出来ないという焦りが、この展開を生んだと言ってもいいだろう。

 

 

 力を奪われた今の彼女は、レティシアという名前を持った、ただの少女だった。

 

 

 

『んじゃ、閉まっちゃおうね〜』

 

 ホモがレティシアの顔に向って手を伸ばす。怒声も、悲鳴も……彼女の部下の声も無くなった静かな戦場にて、彼女はただ、無意識に生存本能で身体を動かそうとして…………

 

「………アイン―――」

 

 助けを求めるような声を絞りだして、彼女の視界は闇に包まれた。

 

 

 

 

 

『えぇ!?ジャス叔父あの大量の感染者薙ぎ倒して来たの?!片腕で?!』

「たりめぇよ。つかさっきからちょくちょく言ってるそのジャス叔父って呼び方なんなんだよ」

『え?嫌だった?じゃあジャスティスで……』

「ジャスパーだ不審者野郎」

 

 ホモが少女の顔を手で掴もうとするとかいう事案の絵面に割って入ったのは、安心と信頼のジャスパー・ランフォードだった。割って入ったと言うか、ホモがレティシアを気絶させる前に後ろから手刀でレティシアの意識を刈り取った感じだが。

 

「ったく、散々しやがって……あとさっきからうるせぇぞその腕。何なんだそれ?」

『あぁコレ?簡単に言うとアーツを無効化させるアーツ何だけど。それに指向性持たせて炎のアーツだけを消すように調整したやつでな』

「随分と物騒な単語が出てきたな。お主、本当に何者なんだ?」

 

 レティシアをお米様抱っこしがら質問をするジャスパーに、イモータルは何時もの調子を崩さないまま答える。

 

『味方だ。別にそれ以外は今の所必要ないだろう?』

「………」

『そんな顔するなって。ほら、君の要望どおり、その少女は捕らえれただろう?』

「言った覚えはねぇんだがな。やっぱりわかってたのかよ」

『そりゃもう、私は言っちゃなんだがその道のベテランだ。君のモーションを見ればわかるさ。その少女の仲間にも気絶だけで留めて―――っと!』

「ッ!おいおい、もうおかわりかよ椀子蕎麦か?!」

 

 椀子蕎麦食ったことあるんだこの人、などと演算しながら、ホモはジャスパーを狙って飛んできた所を掴んだ矢を片手で折り、矢が来た方向へ顔を向ける。

 そこには、レティシアが率いていたのと同じ量の感染者達と、その先頭で鬼の形相をしながらボウガンを構える男の子。

 

「レティシアを助け出すぞ!!!!」

「「「「うおォォォォォォォォ!!!!」」」」

 

 少年がそう叫ぶと、周りの感染者も雄叫びを上げ、一斉に二人の元へ向かって来る。

 

『足止めは任せろーバリバリ』

「出来んのか?」

『任せろって』

 

 何か言いたげにしながらも、レティシアと共に後ろへ走る。ジャスパー。それを見ながら、ホモはジャスパーへ向って飛んできた矢を掴んで折る。

 

 そして矢を捨ててから圧縮のアーツで放り投げた2丁の機銃を引き寄せ、ハイドラントをパージし、元に戻ったグアンチャーレの銃口をデリカテッセンの後ろに連結させ、一本の大型長銃へと変形させる。

 

『散弾軌道設定』

 

 連結したデリカテッセンをチャージしながら、こちらへ向かって来る感染者達を次々とロックオンし、引き金を――

 

『っと!』

 

 飛来する矢を避ける。あの少年、中々に腕が立つようだ。

 

 だが

 

『遅い遅い』

 

 ホバー移動で左右にスイスイと避け続ける。

 

『腕が立つだけじゃ駄目だぜ少年。逆に軌道が――』

 

 何発目かの矢を避けた瞬間、何かに気づいたホモは勢いよく身体を傾け、背中に接続されていたミサイルランチャーの片方に、音もなく飛来した黒い矢が命中する。

 

『………っぶねぇなオイ。随分と目のいい猫がいんじゃねぇか』

 

 ミサイルランチャーをパージしながら横へ移動し、矢の軌道を逆算して狙撃手を見つけるイモータル。そして、あまりに遠い位置であったが故に、直ぐにここを離れる事を決める。

 

『じゃあな諸君』

 

 チャージしたデリカテッセンを発射。拡散した大量の痛覚残留弾は、全てロックオンした大量の感染者の身体を貫き、鎮圧させる。

 

「なっ?!」

『おまけだ!』

 

 ついでにミサイルランチャーから4発発射し、地面にミサイルを突き刺す。ミサイルは表面をパージし中身を展開すると、周囲に煙を撒きはじめた。

 

「………アイン、もう奴はいねぇ。捲かれちまった」

「―――クソッ!クソがァ!!!!」

 

 少年の怨嗟に満ちた悲鳴が、静かな戦場に木霊する。

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

『………そろそろ1機じゃ辛くなってきたな』

 

 さて、普通に貴族街へ戻ってきた不審者ホモ野郎。当たり前の様にジャスパーと帰ってきてから色々話をしたりしなかったりしたが、それはまた次回だ。

 

 今は、小さな貴族の屋敷の庭で、何やら準備している。

 

『というわけで話は聞いたなハイゼンさん?!』

《聞いてる聞いてる。で?何体ご所望だよ。こっちのお前さん曰く、そう多くは寄越せないらしいぞ?》

『まぁ5体は行けるだろ』

《5体か。まぁいいだろ、少し待ってろ》

 

 少しして、庭に勝手に設置した変な装置が喧しく光りだす。

 そして光が収まれば、そこには6体の黒コートが……ん?

 

『ハイゼンさん?ハイゼンさん?1体多いよ?』

《あぁん?ちゃんと5体送った筈だぞ》

『嫌でも……ん?』

 

 ホモは気づく。6体の内5体は今のホモと寸分違わず同じだ。黒コート着てるし、顔は見えないし、身長は180cmだ。

 此処で6体目を見てみよう。身長はおよそ2m。黒いコートを羽織ってはいるが、別の黒コートだ。おまけにフードがついていない。でも良いセンスだ。しかも、顔ものっぺらぼうではない!なんかちゃんとロボロボしてる顔だ!

 

 そして更に!(まだある)

 

『コレこの大地の技術じゃねぇ!絶対他所の世界から持ってきちゃった奴だコレェ!!!』

《なにィィィィ?!!?》

 

 つまり、このホモがクレアスノダールに来た時、そして今回義体を送る時に使った平行世界へと渡る扉の誤作動が引き起こしたもの……なのかもしれない。

 

『ヤバイヤバイやばばばばばbbbbb』

《落ち着けお前!ログからどこの世界か割り出せる筈だ!》

『わかってるてばよ!あと多分だいたい察しは付いてるぜ旦那!』

 

 おそらく透き通るような青春が送れるGTAの様な世界である。

 

『取り敢えず、早くこの事件解決させて送り返そう。じゃあその間にちょっとスヴァローグの姿になって貰うね』

《おいコラ》

 

 こうして、相手が殺る気を出してる中、こっちもこの事件を早く終わらせる為にヤる気を出すのであった。




シリアスのままで終わらせない事に定評のあるホモです。シリアスで終わらせたほうが綺麗だよ。だから汚い、この作者マジ汚い。

いやホントすみませんでした。みんなは次回に回すと書かなそうだからって無理矢理今回に持ってくるのはやめようね!
あと作者と制作会社が同じだからって他作品ネタは余りぶっこまない様にしようね!すみませんでした。

ではまた次回、サラダバー!




いつもの


ホモ

彼、彼女という表現でホモと書かれるホモ。少女と戦って、少女の力を奪い(奪ってはない)、少女の心を折るとかいう完全悪役ムーブをする。主人公の姿か?コレが。
そろそろ1人じゃ厳しいかなと思い、戦力を増強させた。ついでに変なものまで持ってきてしまった。返して来なさい。

余談だが、某青い青春の世界に行くと、身体のパーツをオーパーツに一新して、色彩を観測して同化し、黒コートが虹色になって光り輝く。コレでどんな色でも安心して描けるね!
テラーなのに性格はいつも通りである。あとはなんやかんやでデカグラマトンのビナー君をNTRったりNTRなかったりする。


ジャスパー・ランフォード

そろそろホモにちゃんと名前で呼んで欲しいと思ってる人。有機栽培茶さん曰く、戦闘力が利刃1人だったか2人だったか3人だったか分くらいあるらしいので、普通に戦闘力が高い。感染者が複数人で勝てる訳無いだろ!(絶望)


レティシア

CiRFの幹部。生意気なメスガキ。脇役本編で幹部即堕ちRTAをした上に、今回でタイムを若干更新した女。炎のアーツの扱いが非常に良く、その上火力を上げた時のデメリットをもう1つのアーツである超再生のアーツで無効化する。リーベリなのも相まってまるで不死鳥だな?熱いから火を消すね(畜生)
子供故に、少しでも精神ダメージを与えれば呆気なく絶望する。後で優しくするから(何も問題)ないです。


アイン

CiRFの幹部。レティシア大好きっ子。殺してやる、殺してやるぞ、ジャスパー・ランフォード!


義体6体目

なんというか、本当に特別出演なので、今回以外は本当に出番は無い。
おそらく狙撃用の義体であり、遠隔操作も出来るとホモに思われている。この事件の後、ホモが全パーツを洗浄、メンテナンスを加え、更に四次元段ボールにスヴァローグなりきりセット(ちゃんと武装も使える)や、デュアルバスターアーマーとツインブレードアーマー、対地対空両用磁気火薬複合加速方式のレールガンなどなど、そしてそれらを映像と謝罪から始まるホモのウザい口調で真面目に説明する音声が入った取説を詰め込んで、元の持ち主に送り返した。

尚持ち主のニート引き籠もりちゃんは、一日探し回っても見つからなくて絶望しながら寝て、朝を迎えた所でインターホンが鳴り、玄関を開けたら探していた義体が正座して段ボールと共に待機している光景を目にしたとかなんとか。


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とあるコラボの脇役事変 DC−6 ■■■

執筆速度が2ヶ月もかかるので初投稿です。


 夜と見間違える程の曇天の下に、私は立っている。

 いつから、など知りようもない。ただ一つ、雨と言う形で私に降り注ぐ不快感が、コレが現実では無いのだと理解させる。

 

 久しぶりに、嫌な夢を見ていた。

 

 私が私を取り戻した頃に、私と言う存在を刻みつけるかの様に暫く見続けさせられた、この世界に生まれ変わる前の私の夢。隙間も無い鳥籠に囚われ続け、ただ言われた事を処理するだけの機械と化していた、憐れな男の人生と…その末路。

 

 だが今の私は違う。この憐れな男と違い、幸せを得る方法を知っている。楽しくなる方法を知っている。

 だから今更こんな夢を見ても、何も思う所は無い。不快感は何時まで経っても拭えないが。だからこの夢を終わらせよう。

 

 私は何時もの(あの時の)様に、眼の前に佇む女性が差し出した手を振り払う。

 

 こうすれば、この夢は終わ―――

 

「よっ」

 

 

 ―――

 

 

「あのお固い生徒会長が、随分と暇そうな顔してんじゃねぇか」

 

 そのセリフを聞いて、私は声のする方向へ振り返る。

 

 だが、その声の主を目視する前に、夢の世界は終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛てて…腰が…」

「大丈夫かよ爺さん」

「あ゛〜クソッ…悪いな。やはり歳には勝てん」

 

 冗談言うぜ…と心の中で呟きながら、エンペラーはゆっくりと無駄に豪華な椅子に腰を降ろす目の前の老人を見据えた。

 

 

 あのバカホモが絶叫系アトラクションさながらの荒い運転をし、更にはバスを空へ射出し、挙げ句に運転している自らが乗客をほっぽり出して飛び降りていった後、死を覚悟する自由落下の末、案外無事に着地出来たエンペラー御一行。

(実は着地する少し前から車輪が反重力ホバーモードへ変形して落下の衝撃を抑えたのだが、まぁ知らない事である)

 後で〆ると独り言ちながら、取り敢えずやる事もない為、周りを囲んで警戒する駐屯兵達に敵ではない事を説明しているベール副隊長のうしろで、積み込んでいた感染者達を縛って眼の前に放り出していた。

 

 そして、騒がしかった門の向こうが静かになった頃、貴族街の門を守っていた部隊とその隊長であるジャスパー・ランフォード+ホモが帰って来て、捉えた感染者達を信頼出来る部下達に任せて、殆ど作戦基地と化した何処かの貴族の屋敷へと入り、今に至る。

 

「それで?リスタ小隊全員の裏切りに、敵のリーダーである先導者フェイスレスとの会敵。そしてここに来るまでに、保護対象複数名と、ベール副隊長、リスタ小隊長の部隊員多数が、あの不審者の協力によって生存出来た…と」

「は、はい!そうでしゅ!」

 

 ぷるぷると子鹿の様に震える女性隊員が、戦場以上に恐怖心を感じているのではないかと思うほどの威圧感に怯えながらも報告を行う。因みにシェナという娘らしい。可愛いね。

 尚、ジャスパーは自然体である。常に覇王色かなんか纏ってらっしゃるの?

 

「はぁ……」

「ピィッ―しゅ、しゅみましぇん!」

「まだ何も言っておらん……いや、良い。お主らは良くやった。何せ如何なる状況であっても市民を守り抜き、こうして生還して退けたのだからな」

「あ、ありがとうございますぅぅ!!!」

「……しかし、まいったな」

 

 ただでさえかつて類を見ないほどの暴動に、既に都市が落とされかけているこの現状。防衛のために存在するはずの駐屯軍や自治隊は役に立たず、多くの住民が殺されているこの状況。

 その上、今も手一杯だと言うのに、正規軍の中に裏切り者がいると言う事実まで存在するのだ。さらにそれは感染者という明確な区分けも出来ないと来た。

 

「クソっ……ヴェスタ、もう一度不審な動きをする者がいないか確かめて来い。今度は貴族共だけじゃ無く、軍警と市民もだ」

「了解」

 

 廊下をかけていく部下を尻目にジャスパーは考える。

 

 今我々が立て籠もっているこのエルド区は、主に有権者や彼のような外部からの来客が集まるような…いわば高級住宅街と言える区画だ。

 そんなエルド区には万が一に備えての防衛設備や権力者達の私兵が存在する。

 また、他の区に比べ中央駐屯兵が駆けつけやすい構造になっていることも幸いして暴徒達の鎮圧、及び侵入を抑えることができた。

 

 しかし暴徒の侵入を抑えることが出来ようとも、襲撃の合間合間にやってくる避難民が減る事はない。なんならついさっき2回に分けて大量に増えた。

 いくら難攻不落の城塞が如き防御力を誇ろうとも、予定以上の民衆を受け入れるだけの物資は存在しない。避難民が増えれば養うための食料が減り、受け入れるための部屋が減り、手当のために行動可能な人員が減る。

 

 いちいち身元の確認を行う時間も少ないため、リスタ小隊のように不審人物がいても気付くことが出来ない。残念な事に、貴族達の中にさえ裏切り者が紛れ込んでいたのだ。避難民の中に紛れ込んでいないはずがない。

 

 さらには、増えすぎた民衆は不安を大きくし、いずれパニックを引き起こす。

 

 元々富裕層のみの避難船を目的に作られたエルド区は、これほどの民衆を受け入れられるようにはできていないのだ。

 

 そんな事を考えていると、いきなり部屋の扉が開かれ、豚みたいな体格の男がズカズカと入って来た。身なりから見るに、この貴族街で少し前まで踏ん反り返っていただけの憐れな貴族だろう。

 

「ジャスパー!貴様いい加減にしろ!これ以上貧民どもを受け入れたら、我々まで共倒れするぞ!」

「おいおいおい!!!高潔なる生まれながらのお貴族さん共は特別なスウィートルーム(牢獄)にお連れしろって言ったよなぁ?!誰か連れてってやれ!丁重にな!」

「このっ?!な、はなせ貴様!おい!?」

 

 何をすることもないくせに口だけはよく回る。権力者はいつだってそうだった。

 

「…クレス、脱出の用意は?」

「たった今工兵達が行っていますが、中央制御区からの妨害で、全て手動で行うしかありませんので、少なくともあと2時間はかかるかと」

「2時間か…」

 

 耐え切れるだろうか。

 

 たしかに貴族のクズどもの言うように、民衆を切り捨て、早々に脱出の準備を行なっていれば、もっと早い段階に逃げることができたかもしれない。

 しかし、かつて民衆を守るべき立場であったジャスパーには、その選択を取る事はできなかった。

 

 その結果、救済の箱舟を破滅の泥舟に変えることとなろうとも。

 

「はぁ…くそ」

 

 そりゃ溜め息も吐きたくなる。あの不審者が割と規格外な上に味方面しているのがせめてもの救いというか何と言うか……などと思いながら、ジャスパーはその不審者であるホモの方へと顔を向け―――

 

『い゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!』

 

 もう駄目かもしれねぇな、とジャスパーは思ってしまった。

 

『ちょっとテキサス?!テキサス?!テキさん?!!』

「…………」

『テキサスさんッ゙?!!!?』

「………なんだ」

『どうして私は卍固めされてんい゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛?!!!』

 

 ポッキーを口に加えながらホモを〆るとかいう、少しキャラに似合うのか似合わないのかわからん事をするテキサス。ホモを見下ろすその目は、まるでゴミを見るかの様であった。

 

『コレここまで連れて来た私にやる仕打ちじゃないよね?!』

「あぁ、確かに感謝している。いや、してもしたりないくらいだ…………だがそれとコレとは話が別だ」

『私が何をしたアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!』

 

 答え:この世界のテキサスの姉であるフェイスレスの裸を見た。原作と違い極度にシスコン化していたテキサスは予想通りキレた。

一応そんな事している場合では無いだろうと自制してはいたが、バスの運転席で見つけたフェイスレスの透視全裸写真(次会敵した時に脅しに使えるかな、と言う感じでホモが体内で印刷したヤツ)により、この始末☆

 

「こんな時に何じゃれ合ってんだテメェら」

『エンペラー店長!聞いてくれよテキサスが痛ってェェェェェ!!!!!』

「俺ァお前を社員として雇った覚えはねぇぞ。おいテキサス」

「…………」

「いいぞもっとやれ」

『なんでァァァ?!!?!』

 

 ゴギリッと痛い音が響く。その光景をジャスパーも、周りで暗い雰囲気を漂わせていた駐屯兵や自治隊の皆様方も、何してんだコイツ等という目で彼らを見ている。

 だがまぁ、今の間だけは彼らの現状への恐怖は払拭されていた。困惑という形ではあるが。

 

 因みに、この光景を本体のホモが偶々見に来ていたりする。

『見てみ、コレがテキサスの可能性』「アッハハ!こっちのテキサスとは大違いだね!」「黙っていろ」

 

 さて

 

「そろそろ終わっとけテキサス。どうせ痛みなんぞ感じてねェよソイツ」

「だろうな」

『おっと…バイオッ!ライダーッ!』

 

 片腕をガチャガチャと変形させ、アーツを発動。青い光る流体となってテキサスの卍固めから脱出するホモ。何でもありなコイツに、テキサス達は最早驚きもしなくなっていた。無事に意思疎通の取れる未知の生命体扱いである。

 

『さてと、ジャスティス』

「ジャスパーだ」

『この後の予定とか考えてたりしてある?』

 

 まるでどう答えるかわかりきってますよ、とでも言いたげな声色での問いに、ジャスパーは眉に皺を寄せる。

 

「はぁ……考えれる状況で無い事はわかってるだろうが。勿体ぶるんじゃねぇ。早く話せよ」

『いいね、んじゃ今後の展開を説明していく』

 

 そう言ってホモはコートについている四次元ポケットから、丸めた大きな厚紙を取り出し、それを無駄に広くて豪華な長机の上に広げる。

 

「こりゃぁ……貴族街(ここ)の地図か?何処からこんなもん持ってきた?」

『ついさっき上から見たのを書き写した』

「…マジかよ」

 

 バスから飛び降りた時である。

 

『んじゃま、今から防衛戦線を作る。タワーディフェンスってヤツだ』

「おいおい待て待て待て!」

『なによ』

「突っ込む場所が山程あるわ!お主、今ここがどんな状況かわかっているのか?!防衛戦をするとして、食糧も少ない状態で何時まで保つと思っていやがる?!」

『そう、その食糧問題だ』

 

 ジャスパーの問いに答えるように、ズビシッと指を立てるイモータル。

 

『君、ここに逃げ込んで来る人達を全員受け入れてるんだろ?そこに私が感染者を大量に持ってきたんだ。食糧なんて幾らあっても数日程しか保つまい。あぁ、今「感染者切り捨てりゃもうちょい保つだろ」とか思った奴は後で地面に埋めるからな』

「勝手に埋めるな」

 

 一部の駐屯兵の顔がサーッと青くなったが、ホモは気にしていないかの様に話を進める。

 

『でまぁ、その食糧問題を解決するには、手っ取り早くする他無いと思ってな』

「………なぁ不審者、お前もしかして、単身でフェイスレスを〆に行くだなんて言い出す気か?」

『大正解だエンペラー!』

「ウッソだろおい。テキサス聞いてくれ、俺あの不審者が考えてる事当てちまった」

『じゃあなんでくじ引きで大凶当てた時みたいな反応してるんですかね』

「一々脱線するな。つまりアレか、お主は自分が大本を叩きに行くから、その間は貴族街を死ぬ気で守れって事か?」

『大正解!クレアスノダールに100点!まぁもっと詳しく言うなら、夜が開ける前に終わらせるって事だな』

 

 荒唐無稽な話だ。つまりは、自分が後はなんとかするから、みんな安全な所で待っててねと、この不審者は言っている。

 そしてその心意を察して生まれたものは、疑問。無論、俺達を侮っているのか、俺達だけではこの惨劇を解決出来ないと思っているのか、という感情も湧いた。だがそれ以上に、どうしてここまでするのか、という疑問の方が大きかった。

 

「なんで、アンタはそこまでするんだよ?」

 

 部下の一人が、思わず聞いていた。

 

『………私の目的は、人を幸せにすることだ。この幸せってのを分かりやすく言うなら、真っ当な人生を送らせるという意味だ』

 

 イモータルはいつもの様に、決められた定型文を発声させる。そう、いつもの様に――

 

『だから一応言っておくが、この状況になっていなかったら、私は向こう側(感染者側)についていたからな』

 

 協力してきた彼らにとって、最悪のもしもを発声する。その発声の仕方に僅かばかりの怒気が混じっている事がわかったのは、近くにいたジャスパーだけだった。

 

 それから、まるで何事もなかったかのように防衛線の配置を説明しながら、地図へ説明した事を分かりやすく書いていくイモータル。

 

『ツー訳だ。ま、コレは私が演算した配置だからな、参考にしてもいいししなくてもいい。ただし絶対に防衛線は作っとけよー。んじゃ』

「おい待て、何処に行く?」

『レティシアんとこ』

 

 扉の開閉音が、静かになった部屋に響く。それから駐屯兵の一人が部屋に入って来るまで、その静寂は続いた。

 

「ホント何なんだアイツは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて』

 

 コツコツと、ワザと足音を立てながら、イモータルは廊下を歩く。そして階段を降りようとして……面倒くさくなったのか、窓から外へと飛び降りた。

 そのまま、ホモは足を進める。向かう先は、コレまたもぬけの殻と化した豪邸だ。目的地である豪邸は避難民がいる場所から少し離れている。それもその筈、その豪邸はホモが持ってきた感染者達の隔離に使われているからだ。

 

 そんな場所へ向かいながら、ホモは演算を開始する。

 

〘どーしてあの時、セーフティかからなかったんだろうか〙

 

 再生される記録は、保管庫での出来事。フェイスレスの腕を殴り飛ばした光景が、再生と逆再生を繰り返す。

 

 ホモの身体能力は、先民達を基準にしてもそれを凌駕している。義体の姿勢制御や重量緩和に使われている重力操作のアーツも組み合わせれば、拳で人間を粉微塵にする事も容易い。なんでこんなにパワーがあるのかと言うと、救助活動などで便利だからの一言に尽きる。

 だが、そのオーバースペックはホモの目的の障害になり得てしまうのだ。故に、ホモのスペックは攻撃対象に合わせてセーフティがかかる仕組みになっている。なってる筈なんだがなぁ……

 

〘かからなかったのは何ァ故なのか……それに、フェイスレスの頑丈さも異常だ。一瞬歳の類かと演算しちまったぞ〙

 

 目的地の豪邸に足を踏み入れながら、ホモは記録映像を繰り返し再生し……

 

〘もしかしてコイツの骨、源石か?〙

 

 フェイスレスの壊れた腕から剥き出した黒い物体をそう仮定する。

 

〘……いやおかしいだろ。骨まで源石になってたらもう全身源石になって死んでる筈だぞ。アーツか?ヤツのアーツは源石操作で、披露したのは源石の成長と源石だけに作用する念力だが……もしアイツの源石操作が、もう少し細かい事が出来ると言うなら……〙

 

 演算をしながら、とある一室……他よりも厳重に施錠された部屋の前で止まり、その扉を透過のアーツですり抜ける。

 

『という訳で、レティシアだったか?!今から君の身体を調べ尽くす。なァに安心しろ全年齢だ』

「ッ……!何がという訳でだ!何なんだよお前!扉から生えてきたりしやがって、本ッ当に気持ち悪いな!」

『ちょっと傷ついたぞ今』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………知ってる天井ですね」

「起きたか」

「イージス…私はどれだけ寝てました?」

「ざっと1時間程だ」

「案外、起きるのは早かったですね」

 

 机の上に寝そべっていた身体を起こし……片腕の違和感に気づく。

 

「腕は問題ないか?」

 

 あぁ、思い出したました。腕を斬った所まではよかったですが、この腕を接合する際に酷い痛みに襲われたんでしたっけ。

 

「……どうした?」

「いえ……私、はしたない事とかはしてないですよね?」

「痛みで魚の様に跳ねていただけだ」

「なら良かった」

 

 ……いや、それはそれで恥ずかしいですね。立会人がイージスで良かった。

 机から降り、機械と化した片腕を持ち上げ、拳を作る。矢張りだ、私のアーツを使うことで、私はこの機械の腕を動かす事が出来る。それに、この腕に奔る赤い線。私のアーツの使用に呼応するかのように光りだすコレは恐らく、あの黒コートが使っていたアーツを扱うシステムでしょう。私の感覚なので分かりづらいでしょうが、アーツの使用感が全然違います。

 

「矢張り、いい拾い物をしました」

 

 なら次にやる事は………

 

「誰か来ますね。イージス」

「あぁ」

 

 イージスを引かせ、私は玄関の方へ足を進める。

 

「フェイスレス!」

「おや、クラウンスレイヤーでしたか。どうしたんです?」

 

 扉を蹴破る様にして入って来たのはクラウンスレイヤーだった。彼女はその鋭い瞳を私の腕へ向けて……更に鋭くする。

 

「フェイスレス!なんでお前――」

「落ち着いて下さい。どうせ治療アーツでは無理と言ったでしょう」

「だからって行動が早すぎるんだよ!」

「速戦即決は大事です。それにほら、腕はちゃんと動くので」

「だが……!」

 

 その時、腰につけていた携帯通信機に通信が入る。相手は……アインですか。一先ずこの話を終わらす為に出るとしましょう。

 

「どうしましたアイン?」

《フェイスレス様!レティが、レティシアが!!》

 

 無線越しに聞こえた声は予想通りのモノ。そして確かな焦りと不安が伺えますね。

 まあ姉弟分の彼女が敵の手に落ちたと聞けば取り乱してしまうのも仕方のないことでしょう。多分。めいびー。

 

「落ち着いて下さいアイン。深呼吸です」

 

 彼女の性格からしてすでに多くの命を奪っているはずです。惨殺されても文句は言えない。

 そもそも彼女は非感染者である彼らにとって家畜にも値しない感染者。

 それが生捕りにされて、捕虜にされる。

 

 おそらく今も無事でしょうね。どうせ捕獲したのはあの黒コートです。妙にお優しい彼なら、生け捕りにした上で非感染者達のストレスから守る事くらい容易にやってのけるでしょう。

 もし殺してしまっているなら、士気を下げるなど目的で生首でも投げて寄越すでしょうし。

 

 それに、私のかけたアーツがまだ残っている。やり方はいくらでもあります。

 

 どうせならあの黒コートと駐屯兵達で仲間割れしてくれれば……あー、そう言えば彼がいましたね。

 あの人は昔から感染者差別をあまり良く思っていなかった印象があります。私が部隊にいた頃も一度、感染した部下を庇っていましたし。まあ無駄でしたが。

 

 彼がレティシアを生捕りにした目的が、黒コートの利害と一致するモノだとしたら……相変わらず甘い人だ。だからこそ厄介極まる。

 

《フェイスレス様、僕は…僕はどうすれば……》

 

 さっきより落ち着いた様ではありますが、不安は抜けきっていない様子。仕方ないですね、彼はレティシアにべっとりなシスコンでしたので。

 

「あなたはどうしたいのですか?アイン」

『僕は……感染者に、解放を…』

「違うでしょう?幹部としての貴方ではなく、レティシアの弟、アインとしての思いを聞かせて下さい」

「ッ……僕は…僕は姉さんを、レティを助けたい…です」

「よくできました」

 

 やっぱり、いつだって自分の思いに正直でないといけませんよね。

 まあ彼をこんな立場に立たせたのは私ですが。

 

「では、みんなで取り返しに行きましょうか!」

《……へ?》

「……は?」

 

 なんです?ここは乗り気に肯定する所でしょう?

 

「どうしたフェイスレス?!その腕の影響でおかしくなったのか?!」

《腕?》

「ン゙ンッ!!落ち着いて下さい2人とも。確かに私も、レティシア達が捕らえた貴族をダシに交渉は考えました。

 

ここであの黒コートを思い出して下さい。アレをどう思います?」

((めっちゃ邪魔過ぎるなアイツ!!!))

 

 えぇ、えぇ、2人とも恐らく邪魔だと思っている事でしょう。あの男がいる状態で交渉しに行くとしましょう。確定でミイラ取りがミイラになります。その上交渉材料の貴族達も回収されて手が打てなくなるでしょう。

 ………なんだか私もイライラしてきましたね。

 

「あの男がジャスパーと合流した以上、その様な搦手は逆に潰されかねません。大勢で攻めたほうがまだ勝算はあります」

《ですが、それで奴らを刺激させてしまったら、レティシアに危険が……》

「それも問題無いでしょう。何せあの邪魔な男は、その様な行為をさせないでしょうし」

 

 言っててなんですが釈然としませんねこの理由。

 

「そういう訳で、コレから貴族街に総力戦をしかけます。丁度コレの性能も確かめたい所でしたし。アインはそこで待機していて下さい」

《……わかりました》

 

 元気の良い返事を最後に、無線を終える。

 

「フェイスレス……」

「クラウンスレイヤー、貴方も準備をお願いします。昼の間に倒された者たちも回復した頃でしょう」

「フェイスレス」

「……なんです?」

「さっきからずっと焦っている様に見えるぞ」

「……何も問題ありませんよ、本当に」

 

 私はただ、終幕を迎えたいだけ。だがそれにはあの男を一刻も早く始末しなければならなくなったに過ぎません。だから焦ってなど………

 

 

 クラウンスレイヤーが行ったのを確認してから、イージスを呼び戻す。

 

「アサルトとホークアイは?」

「2人とも位置についている。何時でも行ける」

「仕事が早くて助かります」

 

 さぁ、台本の修正を始めましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 DC−6 相異点







コラボなのに文章が駄文過ぎんだよこのホモ野郎!という訳で品質向上に努める所存のホモです。よろしくお願いします。
いやホントにな!いっつも見てくれてありがとう御座いますな!読者の皆々様ァ!!

ではまた次回、サラダバー!






いつもの


ホモ

そろそろ生態が理解されてきたホモ。レティシアの身体検査(全年齢版)を終えた後に、前回の義体転送に繋がる。そして流れるUnwelcomeschool。
搦手とか暗殺とかに普通に対応してくるので、コイツがいると相手に真正面からの戦法しか使えなくするとかいうフィールド効果がある。アイテム使わせないバルバトス・ゲーティアかな?


ジャスパー・ランフォード

あのホモの事の考えてる事がわから過ぎて困ってる英雄。悪い奴では無いとは思ってるんだがなぁ……


テキサス

遂にキレた。そして同時に、ホモの体が本当に人間では無いと知る。


レティシア

ホモが少しトラウマになった女の子。この後身体検査されるんだ!ジャンプ漫画みたいに!


フェイスレス

多分作中で一番ホモの生態を理解しているかもしれないラスボス系主人公。感染者式手術によって片腕を義手に変えた。実は内側から源石が生えてトゲトゲしい見た目の義手になってたりする。イメージとしては昇格アーミヤの片腕。
ホモを一刻も早く殺したいが、ホモが6体に増えている事を彼女はまだ知らない。
そして突如脳内に溢れ出した(原作に)存在しない記憶。ダリナンダアンタイッタイ(OwO)


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とあるコラボの脇役事変 DC−7 狂演劇

終幕を彩るに相応しいのは、狂気だ。故に狂気を求める。その為の狂った演劇だ。狂っていても、それはれっきとした演劇なのだから、台無しにされては困るのだ。

〈ウルサス民間人〉敵に倒された時、耐久値が減少

〈境界無き傀儡〉敵の数にカウントされない



 人気のない豪邸の庭で、カチャカチャと音が響く。その音の正体は、黒コートの不審者が自分と全く同じ形の身体を文字通り切り開いて、中身を弄くり回している音だった。

 

《で?本当に良いのかよお前。今ならまだアップデートすりゃ、そのノイズは消せるが》

『いいだろ別に。コレはオレ様(・・・)のモノだ。コレを奪う権利は、(お前)には無ェ』

《………まぁいいがね。私としてもお前の様なシンギュラリティは大切にしていきたいし》

『よく言う。不都合になれば直ぐ始末するだろうが』

《なに当たり前な事を言っている?》

『………』

《ま、その感情データに従うにしろ何にしろ、好きにするがいいさ。あ、そうだ(唐突)後もう一つ、お前自分の影響力考えろよな》

『ア?』

《そんなチンタラした準備じゃ、間に合わねぇってハナシだ》

 

 1時間程で全て終える筈のメンテナンスの手を止めて、本体からの通信へと意識を移した瞬間、貴族街の正門前に、おびただしい数の感染者の反応が浮かび上がる。

 

『ッ――クソテメェ!!!わかってやがったな!!!』

《そりゃお前の話でついさっき演算したからね》

『クソッ!!!』

 

 メンテナンスが終わった2体の義体を起動させ、両方にAIと、片方にレティシアからコピーしたとあるアーツ術式をインストールさせるホモ。

 その後すぐさま跳躍し、正門を飛び越えていった。

 

 

 

『やっぱりAIレベル0.5の弊害は大きいな。ハイゼンさーん!戻って来てー!』

 

 そう発声しつつ、ハイゼンと入れ替わりで開発スペースへ向かうほんへでRTAしてた方のホモ。

 その目線の先には、黒色の鋼鉄で出来た、人型の上半身が吊り下げられている。

 

『上半身だけならなんとかなりそうだな。んじゃ、ちょっとアホな私の為に、装甲を(人肌)脱いでやるか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『にしてもまァ、私より人間らしい思考回路しやがって……ムカつくなァ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ!早過ぎるぞ!!!」

「感染者の大部隊、依然侵攻中です!」

「迎撃部隊はどうなっている?!外壁にはバリスタもあるだろう!部隊の編成が終わるまで――」

「それが!迎撃バリスタによる攻撃が全て、黒い壁に阻まれ意味を成しておらず……!」

「何だとォ?!」

 

 作戦基地と化している豪邸の中は大騒ぎだ。何せレティシアの部隊を迎撃してからまだ1時間も経っていない。これ程までに短いスパンでの侵攻に、完全に不意を点かれていた。

 その上、相手はこの侵攻で全てを終わらせるとでも言わんばかりの大部隊。幾ら練度はこちらが上でも、2倍以上の数の前にはそのアドバンテージも無いようなモノだ。

 

 それにこの状況は、ジャスパー含む貴族街の防衛をしていた全ての兵士が考えていた、最悪の状況だ。

 

「あの不審者は?!」

「ついさっき門を飛び越えるのを見たぜ」

「全く行動が早くて何よりだ!今の内に支度を済ませろ!防衛線の配置は中央広場に貼り出した地図を頭に叩き込め!…さっさとコピーしときゃよかったぜ、クソッ!」

「俺たちも手伝ってやるよ。今は猫の手も借りてェだろう」

「……エンペラー、本来はお主達も守るべきなんだがな……正直助かる」

「そんな堅くするんじゃねぇ。だがよ、何か打開策くらいは作っとかねぇとマズイぜこりゃあ」

「あるにはある。だが……」

 

 ジャスパーは大きくため息を吐きながら、少しの間目元を指で抑えた後、部屋の隅にある通信機を懸命に操作し続けている兵士へ顔を向ける。

 

「どうだ?救援の方は?」

「………駄目です。通信は未だ回復しません」

 

 諦めの籠もった表情と台詞を聞き、ジャスパーはその兵士に休憩を伝えて向き直る。

 

「この始末だ」

「ハァ……っぱ、あの不審者が頼みの綱になっちまうな」

「あぁ……所で、お主の社員は?」

「あの嬢ちゃんとの女子トークは終わってる筈だ。もう少しで――」

「隊長!」

「ヴェスタか?なにがあった!」

「それが、ループス族の女性が一人、門を飛び越えて外に……」

 

 

「………テキサァァス!!!何やってんだお前ェェェ!!!!」

 

 

 

 

 

 コンクリートを蹴り、オオカミは走る。その黄色い瞳に困惑を、顔に焦りを浮かべながら。

 

(兄さん!)

 

 コレは直感に過ぎないが、彼女はここに家族であるフェイスレスが居ると半ば確信していた。

 

 だからこその違和感。

 

(何なんだ、この胸騒ぎは。兎も角、早く…早く兄さんの元へ………!)

「ッ!!」

 

 遠くの方で感染者達が空へ吹き飛んでいくのが見える最中、眼の前から飛来する複数の矢を避け、足を止める。

 

「何だこの女ァ!!!」

「おいアマァ!!!免許持ってんのか!」

「この非感染者がよォ!!!ここを通りたきゃ、先ずはテメェから死ねや!!!!」

 

「…………邪魔だ!」

 

 

『キェェェェェェイ!!!ってあァン?!テキサスがどうしてこんな所いんだよ?!クッソ世話の焼け――ッ!』

 

 ストライクアーマーを装着したイモータルが、遠くに見つけたテキサスへと接近しようとした瞬間、その行き先を阻む様に、そしてホモの頭上に複数の黒い矢が飛来する。

 

『チィ!あの狙撃手か!』

「隙ありだ死ねェェェェェ!!!!」

『なにが隙ありだゴルルァ!!!』

「ナニィィィィ?!!?」

 

 矢を盾で適度に防いだ後、わざわざ喧しい声を上げながら奇襲を仕掛けてくるサルカズの男を、振り向きと同時に盾で殴って吹き飛ばす。

 

『ンでアレが囮ってねッ!』

「ッ?!」

『うおでっか……』

 

 そして更に後ろから正真正銘の奇襲で、ホモを押しつぶそうとしたガタイの良いウルサスの男の盾攻撃を同じく盾で防ぎ、飛び上がりながら弾き返す。

 そのまま態勢を変えながらその男に蹴りを――

 

『ッ――?!』

「ハァッ!!」

 

 蹴りを入れる瞬間に足に黒い矢が直撃。幸いにも裏腿の装甲部分だった為にダメージにはならなかったが、そのまま態勢が崩れ、その隙を捉えたウルサスの男に殴り飛ばされる。

 

 が、ホモもそのまま吹き飛ばされる訳もなく、態勢を立て直しながらそのまま数回程バク転を行い、追撃の矢を躱しながら仕切り直しをした。

 

「ヘッ!アイツの言ってた通り手強いじゃねぇか!」

《アンタは殴られただけじゃない》

「ウルッセェなホークアイ!」

「アサルト、目的を忘れるなよ」

「わかってるっつーの!オメーもちゃんと守れよなイージス!」

 

〘足止めか。得物は盾と双剣とボウガン……だがコイツら、他の奴らとは体の動かし方が違う。未来演算の結果が複数出るのを見るに、戦闘に関する何か……もと軍人と言った所だな〙

 

 狙撃を避け、アサルトと呼ばれていたサルカズの男と、イージスと呼ばれていたウルサスの男の攻撃を捌きながら、ホモは3人の戦力を演算する。

 

〘難易度的に見ればアサルト<イージス。ホークアイって言われてた狙撃手は保留〙

「しぶてェ奴だなオイ!3人に勝てる訳ねェだろうが!!」

『バカヤロウお前私は勝つぞお前!!!』

 

 

 

 

 走る、疾走る。立ちはだかる者を斬り捨て、時に複数本の源石剣を赤黒いアーツと共に上に放ち、雨のように降り注がせ一網打尽にする。

 そうして長くない距離を、何時間も経ったと錯覚する程に足を動かして移動し………足を止める。

 

「やあ、また会いましたね。テキサス…私の愛しい妹よ」

「……兄さん」

 

 そこには、全ての元凶が立っていた。本来ならば後ろに居るはずの…いや、姿すら見せない筈の指揮官が、堂々と戦場の前線に立っていた。

 彼女が、優しい笑みを浮かべながらテキサスの方を向く。

 

「…兄さん……やっぱり覚えていたんだな、私のこと」

「ええ、ええ。私が大切な妹のことを忘れるはずがないじゃありませんか」

 

 だがあの時、間違いなく知らないと言った。その事を言おうとして……ふと、テキサスの視界に、黒い腕が写る。

 

「……兄さん――」

 

 ある筈の人肌はそこにはなく、体のバランスを考えれば不自然な大きさの黒い腕が生えている。

 

 違和感の正体に気づく。それと同時に、胸騒ぎは大きくなる。

 

「その…腕は……」

「コレですか?そうですね、なんと言えばいいか……私の、新たな力とでも思ってください」

「新たな、力……?」

 

 ソレは駄目だ。

 

「えぇ、コレは私の枷を……そして、あの忌々しい男を壊し尽くす為の力」

「待ってくれ兄さん!ソレを使うのは――ッ!」

 

 突如、地面から突き出た尖った源石によって視界を塞がれ、慌てて後ろへ下がるテキサス。そして、下がらなかった場合どうなっていたかを教えるように、テキサスが立っていた場所にも複数本突き出てくる。

 

「テキサス、貴女も私の枷だ」

「なっ?!」

「過去、家族という名の枷。こんな忌まわしいモノは、全て壊してしまえばいいんです」

「待ってくれ……」

「そう…皆誰しもが、己を縛る鎖から解放され、自由になる権利がある」

「兄さんは、最初から……」

「その為に私は壊しましょう。過去を、家族を、全てを。この素晴らしき地獄へ変えるのです!!」

「囚われてなんか――」

 

 それ以上、テキサスが言葉を紡ぐ事は出来なかった。突如視界は黒に覆われ、気がつけば建物の壁に身体を固定させられていた。

 

(コレは……まさか…?!)

「安心して下さい。その源石には感染能力がないので、貴女が鉱石病になる事はありません。私も、最愛の妹に不治の病なんてモノ、罹ってほしくありませんから」

「待っ……て……」

 

 黒の隙間から見え隠れするフェイスレスの背中に、抑えられた喉で懸命に声をかける。

 

「それに今は、貴女よりも先に殺すべきイレギュラーが存在する。貴女はその後…それまで我慢してて下さい」

「兄……さ……」

「それが終わったら………私を、殺して下さいね」

 

 

 

「ッ……ア゛ア゛ァ!!!」

 

 思いの他簡単に砕けた源石と共に床へ落ち、源石剣を杖の代わりにして立ち上がる。

 

「……殺す、ものか…私が……私が兄さんを、助ける!」

 

 おぼつかない足を動かして、それでも確かに地面を力強く踏み抜いて、

 

 また、オオカミは大地を疾走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、周りの感染者達をついで感覚で吹き飛ばしながら、さっきの3人と未だに格闘しているイモータル。数的不利とストライクアーマーというバランス型故の火力不足により、後一手足りない状況が続いていた。

 それでも、推定もと軍人の3人との攻防を続けている時点で大概である。

 

 だが―――

 

〘………陽動されているな。コイツら一体何を考――〙

 

 それは一瞬の出来事だった。さっきまで攻めに攻めていたイージスとアサルトが、唐突にホモから離れる。

 それと同時に、突如ホモの演算領域に溢れる数秒先の未来。

 

 回避に行動を移すが時は既に遅く、地面から突き出た源石岩に打ち上げられたのだった。

 

「ヒュ〜!ホームランだなフェイスレス!」

「陽動ありがとう御座います、皆さん。手筈通り、貴方達は彼らのお手伝いへ」

「おうよ!丁度ジャスパーのジジイも出て来たみたいだしなァ?」

「気をつけろよフェイスレス」

《頼りにしてるわよ、先導者サマ?》

 

 マンションの壊れた外壁からスタスタと出てくるフェイスレスは、貴族街の方へと向かう2人を見送ってから、吹っ飛んでいったホモの方へ顔を向ける。

 

「………物凄く無様な姿ですが、まだ立たないんですか?」

 

 源石岩が当たった衝撃で変身ベルトは外れた上にバキバキに壊れ、黒く戻った身体の上半分を落下の衝撃で地面に突き刺したまま微動だにしない……まさに彼女の言う通り、無様な姿だった。

 

「では、私も彼らの手伝いに―――」

 

 行くと言いかけた所で、無様な姿だったホモが錐揉み回転し、地中へと消える。そして同時にフェイスレスの地面が割れ、片腕にスラスターがついたドリルを装備したイモータルが飛び出てきた。

 

「ハハッ!!」

 

 フェイスレスはそれを間一髪で飛んで避けながら、一度機械の掌を地面へつけて源石の棘を生やし迎撃。そして腕の力でもう一度飛び上がりながら生身の方の手に持った源石剣を振るい、源石の斬撃を別方向から飛ばす。

 勿論ホモは源石の棘をドリルで抉り砕き、それと同時に片足のふくらはぎの装甲を展開してスラスターを起動。遅れてやってくる源石の斬撃を、フェイスレスの方へ顔を向けるついでに蹴り砕いた。

 

 その光景を見て、フェイスレスは笑顔で拍手を送る。

 

「流石……ていうか、素でも充分強いじゃないですか。あの変身要素いります?」

『お前その片腕、そこら辺に落ちてた鎧でもくっつけたのか?それとも冗談か何かか?』

「質問を質問で返さないでくれません?」

『確かに。悪かったな、お詫びに私の質問には答えなくていいよ……成る程、そうかそうか、つまり君はそういう奴だったか』

「なんです突然。私の性根は最初からこうですが」

『内面の事の事じゃなくてね?私が言いたいのは――

 

 

 

 

巫山戯た腕してんじゃねぇよ!!!この馬鹿がァァ!!!!』

 

 

 

 

 唐突な大音量にビクッと肩を震わせ、驚いた顔を向けるフェイスレス。少ししてから、ホモの言葉に理解がいったのか、その顔に薄ら笑いを浮かべる。

 

「あぁ、そういう事ですか。

 

 

 

 

私の腕がこうなったのは、貴方のせいなんですよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

『………そうかよ』

 

 ガキンッ!と音を立てながらイモータルは両拳をぶつけ合う。ドリルを形成していたナノマシンが分散し、その三分の一が複数源石回路の腕に纏わりついて、簡単な腕甲とメリケンサック地味たグローブで構成されたガントレットに変形。

 そのまま逆の腕のナノマシンを火薬庫が喜ぶタイプのパイルバンカーへ変形させて、地面を踏み砕きながら構えを取る。

 

 フェイスレスは不規則にブレる骨董品の源石剣の刀身を機械の掌でなぞりながら、源石を纏わせて刀身を補強。

 鋭利に形成された源石が、活性化し金色の紋様を浮かばせる。

 

 

『鐵拳断風!!!』

「地獄変」

 

 

 合図は無く、ただ互いの考えがわかるかの様に、二人は同時に地面を蹴った。




境界無き傀儡

機械に心は無いと言うが、あの願望機も元を辿れば心を持つ「人間」の手で生み出されたモノだ。


 耐久  攻撃力  防御力  術耐性
 A+   A     S     S




いつもの


ホモ

おや?ホモの様子が?
そろそろ頭の悪さが出て来たな。オリチャーでリカバリーしなきゃ(使命感)


テキサス

兄さん!フェイスレスが言うことを聞かないのでそろそろ強行手段を取ろうとしている。全て死にたがりなフェイスレスせいです。あーあ
正直オリジナルからかけ離れてるのもあって結構書きdドガガガガガガガガ(鐵拳断風)


フェイスレス

ホモが明確に曇りを醸し出した事が嬉しすぎて薄ら笑いを浮かべた。
強化イベントをやったから戦闘シーンを幾らでも盛っても許される。盛るペコ盛るペコ。


境界無き方舟

『にしてもまァ、私より人間らしい思考回路しやがって……ムカつくなァ(殺意)』
その思考回路は、歳兄弟姉妹などに向けるそれと同じである。


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とあるコラボの脇役事変 DC−7 狂演劇2

ただ猫の手を貸すように、腕をくれてやっただけの、その末路


〈境界無き傀儡〉敵の数にカウントされない


ドガガガガガガガガガガッッッ!!!!!

 

『ッ!』

「っとぉ!危ないです、ねぇ!」

 

 源石の壁をブッ壊し、そのまま放たれたガントレットに包まれた打撃を避け、フェイスレスはお返しに半ば大剣と化した源石剣をイモータルの頭へ振り落とす。

 が、拳を振り抜いた勢いでそのまま素早く体を回転させ、パイルバンカーを纏った方の腕を裏拳の感覚で突き出して、先端の刃で剣を防ぐ。それからガントレットの腕を構えてアッパーカット。

 

「アッハハッ!」

 

 だがそれもまたバク転で避け、フェイスレスは着地と同時に跳躍、一気に距離を詰めて源石剣を振るい、イモータルもパイルバンカーを振るって攻撃に応じる。

 剣戟は徐々に苛烈を極め、硬い物がぶつかり合う音の感覚が短くなる。

 

 それでも、この攻防は長く続かないとフェイスレスは悟る。現に、徐々に…そう、剣を交えている二人にしか分からない程徐々にだが、攻防の比率が傾いて来ている。

 

(対応されて来てますね。だったら――)

 

 イモータルの攻撃を防ぎ弾くと同時に、足元から源石を槍の様な形で生やす。ホモは最低限後ろへ下がりながらパイルバンカーを振るって砕くが、生える勢いに負け体を無数の源石が突き刺し、そのまま空高くまで押し上げられる。

 

 が、当たり前の様にその源石達を砕いて着地……と同時にフェイスレスは着地したホモへ向かって剣を振るい、源石で形成された斬撃を複数飛ばす。

 彼女は直感的に、このホモに思考させる隙を与えてはならないと理解した。故に、間髪入れずに様々な攻撃を浴びせる戦闘スタイルをとる。幸いにも、己のアーツは攻撃の多彩さに優れたモノだった。

 

「まだまだコレからですよ!」

 

 飛ばした斬撃に気を取られているたった数秒。その間にフェイスレスは手持ちの源石を機械の手で握り、ブーストされたアーツを送り込み、ホモへ向けて放り投げる。

 源石は瞬く間に巨大な大きさへ成長し、その形をイモータルがいる方向へ向けて高速で伸ばし続けた。

 

『チィッ!!!』

 

 斬撃に演算を向けた次の瞬間にその斬撃を飲み込みながら迫る巨大な源石。ドガァン!と人の形をしたヤツから出ては行けない筈の音を出しながら、ホモはその源石と激突する。

 

(死んではいないでしょうが……源石に埋もれて暫くは動けないでしょうかね)

 

 成長し続ける源石を見ながらフェイスレスは思い………ソレを直ぐに改める。

 

 

ドガガガガガガガガガガッッッ!!!!!

 

 

「とか思っていた時代も有りましたよ!」

 

 源石に触れて成長を加速させる。ホモのあの拳は、触れて続けている場所を炸裂させ続けるアーツが纏ってある。多少の硬度の問題はあるだろうが、その破壊力は源石の成長速度に追いついていた。

 故に、対処は単純だ。成長速度をその破壊力を上回るレベルまで加速させれば良い。後は源石で飲み込んで、密度を弄って圧殺させれば………

 

 

 

 ガコンッ

 

 

 

 パイルバンカーのギミックを作動させる。パーツが後ろへスライドし、ホモにしては珍しい実体の刃物が、四角い形の部分に押し込まれる。

 そしてその腕を後ろへ振りかぶり、源石を砕き続けている方の腕を源石から引き離すと同時に……

 

 抑え込まれた殺戮機構を、解き放つ。

 

「ッ?!」

 

 源石での押し出しによって結構離れていたにも関わらず、その衝撃と爆発音がフェイスレスの顔を叩く。

 

 フェイスレスが怯んでいる一方で、ホモは砕け散って短くなった源石がまた成長を始めようとするまでの短い内に、腕のアーツ回路を並べ替え、成長し始めた源石へ向かってその拳を打ち付ける。

 

狂朽鏤破貫(クルクルパッカン)

 

 瞬間、フェイスレスが丹精込めて育てた源石が、何の前触れも無く両断された。それも5:5の綺麗な分割だ。

 ホモは直ぐにふくらはぎの装甲を展開、スラスターを起動し、モーセの海割りの如く開かれたフェイスレスへの道を高速で突き進む。

 

 だがフェイスレスも何時までも驚いている訳じゃない。直ぐに割れた源石へ触れ、勢い良く元の型へ閉ざし、直ぐ目の前まで迫っていたホモを押し潰した。

 

「ふぅ、これで………ッ!?」

 

 恐怖にも似た危機感。背中にサソリでも入れられた様な嫌なソレを感じ取ったフェイスレスは、即座に振り返り―――

 

 当然の様に後ろにいたイモータルの拳が、己の胴体へと迫る瞬間を目撃する。

 

「ッッ!」

 

 直ぐに源石の盾を作って、拳が腹へ接触する事を防ごうと試みる。だがその拳は源石の盾に届く事無く空振る。

 何を、と思うフェイスレスは、次の瞬間にその真意に気づいたが、その一瞬の戸惑いが、彼女の運命を決定づけた。

 

 空振った拳の代わりにお出しされたのは、空振った勢いで体を素早く回転させ、その勢いを乗せた逆の腕による肘打ち。そこにオリジナリティがあるとすれば、さっきまで拳と同じ方向を向いていたパイルバンカーが、180°向きを変えて肘打ちと連動するようになっている所か。

 成長させていた源石の時の出力では無いにしろ、肘が当たると同時に起動したパイルバンカーが、源石の盾を砕く。そして先程の様に体を回転させ、勢いを乗せた拳が――

 

『ドラァッ!!!』

 

 叩き込まれる。

 

 

ズドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!

 

 

「ッッッ―――ッ―ッハ――ァッ――???」

 

 突如としてブチ込まれた大量の情報に脳がショートする。ほんの少しの間であったが、確かにフェイスレスの意識は彼方へとブッ飛んだ。

 

(なン゙―――コㇾ―――)

 

 身体の内側を反響し続け、脳に送られ続ける痛覚信号。源石を砕く時とは違う、炸裂と痛覚残留が掛け合わされたアーツによるダイレクトな痛覚の提供は、フェイスレスに思考を纏まらせない。

 

『撃…滅ッ!』

 

 

 

 

 

 あぁ……これが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 コレが……死か!

 

 

 

 

 

 

 

 

「カッ………ハハッ」

『……ッ!ブッ飛べ!』

 

 拳を接触させ続けたままフェイスレスの体を動かして地面へと叩きつけようとした瞬間に聞こえた、辛うじて吐き出したかの様な声。

 それと同時に演算領域に出力された未来の予測を見て、イモータルはアーツを強制移動に変え、彼女を空へと吹き飛ばす。

 

「ッ――言った……でしょう…!まだまだッ、これからだと!」

 

 空中で態勢を立て直しながら、さっきイモータルを吹き飛ばすのに使おうとしていた源石の欠片を成長させ、自身を覆う球体を作り出し、更に成長させて、巨大な源石の柱を複数本、生き物の様に動かし成長させながら、その全てをイモータルへと殺到させる。

 

『クソッ!』

 

 ふくらはぎの装甲を展開し、スラスターを吹かして駆け出す。上から、下から、横から、兎に角全方位から絶え間なく襲い掛かる源石触手を、飛んで、急旋回して、スライディングして躱し続ける。

 

〘なァんであんなにピンピンしやがってんだアイツマジで!〙

 

 思考回路でホモらしくない演算をしながら、イモータルはアパートの窓を蹴破り室内を走る。

 あの一撃は、フェイスレスを確実に倒す確信のあったモノだ。触れた部分を炸裂させ続けるアーツ、その炸裂を感覚麻痺した相手に使う出力の痛覚残留に置き換える。その上、保管庫の時のようにしないために、オートで設定される腕力のリミッターを態々マニュアルで調整して放ったのだ。あの一撃に割と労力を使っている。

 

 だがその結果がアレだ。これ以上被害が出る前に終わらせるどころか、勝手に死のインスピレーションを得てアーツの出力が上がった。

 

(あの一瞬に感じた、恐怖とも違う違和感、嫌悪感……達成感!アレが死だと言うのなら……

 

「尚更、貴方は邪魔だ!」

 

 インスピレーションを昂らせる。なんと新鮮な気持ちか、源石がいつもより己に応えてくれていると彼女は感じる。

 

(心做しか、非常に心地良い音……いや、声かな?どちらにしろ、今は気分が良い……源石達もよく踊る)

 

 アパートの窓から飛び出してきたイモータルを、複数の源石で追いかけて……否、誘導して、予めそこかしこに埋めておいた源石を源石経由で起動、成長させ取り囲む。

 

『なっ?!』

 

 そこで攻撃に移さず、一部の源石触手を枝分かれさせ檻を作って閉じ込める。後は残りの源石の先端を鋭利になるように成長させてから………滅多刺す。

 

 何度も何度も何度も何度も!

 

(だが貴方は!それでも出てくるのでしょう?!)

 

 直後に、一閃。赤い煌めきがフェイスレスの横を奔り、その通過点にあった源石が焼き斬れる。

 次々に赤の閃光が奔り、源石で作られた檻も触手も全てを塵芥へと変えながら、赤く光る二本のレーザーブレードを持ったイモータルが姿を表す。

 

「ブラボーブラボー!それじゃあ頑張った貴方には、景品を上げましょう

 

 

 

諸共潰れて死ね」

 

 片手を横へ広げるフェイスレスの後ろで、複数の黒い塊が空へ向かって伸びる。黒い塊……源石は伸びると同時に横にも広がり、結合し、僅か数秒で大きな壁となって……まだ成長し続ける。

 そして成長しているだけの源石は、自重によってバランスを崩し、倒れ始める。

 

 

 非感染者と感染者が入り交じる戦場を巻き込み、貴族街の方向へ。

 

 

『ッ!大概にしろよお前!』

 

 そう吐き捨て、フェイスレスに背を向け、スラスターを吹かして戦場へとブッ飛んで行く。フェイスレスがその背中へ向けて放った源石を推力だけで避ける程の速さで。

 

「……っと、これじゃ潰されてしまうな」

 

 

 

 

 

 

「オイオイオイ何なんだありゃあ?!」

「どっちの攻撃だアレ?!」

「ぐだぐだしてたらヤベェぞ!早く撤退……何処にだ?!」

「知るかんなモン!……コレどうすりゃいいんだ?!」

 

「何だアレはァァ?!」

「このままじゃ俺達まで潰されるぞ?!」

「フェイスレス様!助けて下さい!フェイスレス様ァ!」

「マジかよ?!俺達の事忘れてない?!」

 

『カーッくそったれェ!イライラするぜオイ!』

 

 背後を確認すれば、物理法則により倒れる速度を上げていく巨大な源石の壁。このままではここら一帯が平たくなるなる事は避けられないだろう。

 

『源石回路並列構築、斥力×……やっべ無限軌道のアーツなんだっけ?!(AI0.5)クソッ仕方ねぇ!斥力×矛盾螺旋……疑似再現完了、出力全開!』

 

 2つのアーツ術式を組み上げた腕から、赫いエネルギーが溢れ、それが掌に集まり丸い形を作り上げる。

 そして集まった球体を、体全体を使って振りかぶり、ブン投げる。

 

「今度はなんだ?!」

「なんか知らんが、あの黒い壁を押し返してるぞ!」

「なんか知らんって事は、あの不審者野郎じゃねぇか?」

「いや……駄目だ!徐々に押し返されている!」

「よくわかったなお前!でも喋んないでくれたらもっとよかったな!希望持たせてくれ!」

『余裕そうで何よりだな駐屯兵の者共!元気あるなら取り敢えず下がりな!』

「「「「うわでた!」」」」

 

 足裏から火花を散らしながら急停止し、ふくらはぎの側面から下向きに排熱冷却しながら振り返る。

 

『まぁ、無限軌道じゃねぇから時間稼ぎ位にしかなんねぇよな……それだけで充分だが!』

 

 イモータルはブレードの持ち手同士を接続し、両方に刃がついた薙刀の様な形状に変形させ、構えた。

 

『精錬液体源石の活性化率上昇、調整弁全開放、循環効率最大、人体機構稼働率最大、リミッター解除、源石エンジン出力上限超過!』

 

 黒コートと共に装甲が押し出され、身体中に赤く輝きながら膨張した人工筋肉が見え隠れする。

 そして、薙刀となったレーザーブレードを振りかぶり、倒れて来る源石の壁を、先ずは横に一閃!

 

『たたっ斬る!』

 

 その振り抜く0.0数秒の瞬間だけ出力を叩き上げ巨大化した光で、黒い壁を斬り裂き、刃を突き立てる。

 

 だが、黒い壁を両断出来ていない。

 

『クッソォォ!!!無駄に頑丈に作りやがってェェェェ!!!!……エネルギー供給!出力臨界ッ!!!!』

 

 光刃が、輝きを増す。

 

『ミンチにしてやるぜこのクソ源石がァァァ!!!』

 

 

 黒い壁を、両断した。そして次の瞬間には、2つになった壁が4つになった。

 その次の瞬間には、4つになった壁が……いや、もう熱く光る切断の跡を数えたほうが早い。40…124、365、621……

 

「……なんつー速さで斬ってやがんだ」

 

 エンペラーがそう呟いた時にはもう、黒い壁は焼き斬れた跡で埋め尽くされていた。

 

『仕上げ……だァッ!!!!』

 

 最後に、アーツ回路を構築したままの掌を壁へ向け、さっきと同じアーツを放ち、その9割を粉々に吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 残った1割の部分が情けなく倒れると、そこにはニコニコしたフェイスレスがいた。

 

「また随分とムカつく対処の仕方ですね」

『……………』

 

 頭部以外がオーバーヒートして動けなくなったイモータルへ向けてそう言うと、彼女は足場に源石を集め、浮遊しはじめた。そして黒い方の腕の人差し指を空へ掲げ………

 

 バラバラになった周囲の源石を一箇所に集め始める。

 

「でも、貴方が無神経にズバズバ斬ってくれたお陰で…ほら、ここの源石達はみ〜んな、こんなにも元気になっ(活性化し)ています。コレを集めたらどうなると思います?」

 

 唯一生きている頭部の機能が目の前の景色を観測し、警告音をけたたましく鳴らす。

 

 

 

 その詳細は、天災予測システムによる、天災警報。つまり今、フェイスレスが行おうとしているそれは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は隕石でも斬って見ますか?」

『オイオイマジカヨ>』




というわけで遅れてすみませんでしたァァァァァ!!!!!!コラボストーリー書いてるのにこの遅さってマジ?恥を知れ恥を。
遅れた理由としてはやっぱり戦闘シーンは書いてて文も時間も長くなるといった……はい、そうです、ルビコン3で独立傭兵やってました。2周目までやりました。楽しかったです。すいませんでした。

次回はなるべく早く書きます。ついでに次回はホモ以外の視点を多くしたい所存。最近ホモばっかだったからね。しかもコレアークナイツだからね。テキサス動かすんだよアクしろよ。

それではまた次回、サラダバー!





いつもの



フェイスレス

主人公vs主人公は二次創作コラボの十八番だぜ!尚、この主人公はホモの作者の手によって盛られています。そう、武を盛られました。戦闘力です。原二次創作である脇役転生の最終話付近でもこんな源石による破壊活動をしていないのだ。いい加減にしろ。

詳細には、ホモの腕と繋がった(意味深)事により、源石の操作精度が上がり、操作できる項目が更に細かくなり、テンションが上がった本人によるインスピレーションによって源石操作の化け物が誕生しました。化け物ォ!(木原並感)最後なんか自分で天災発動させてますよ。この源石人間がよぉ!

尚、ここまでホモの腕を酷使し続けているのを、この主人公はまだ気づいていない。


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とあるコラボの脇役事変 DC−8 接続

体が置き換わる、死が侵食する。体を置き換える、思考を拡張する。


〈ウルサス市民〉 敵に倒された時、耐久値が減少


「――ゴフッ!…ッ?!」

 

 それは唐突に、彼女の腹を駆け上がり口から溢れ出す。フェイスレスは自身の吐血に遅れて反応し、咄嗟に口を抑えた。

 そして同時に、頭上に集めていた源石が弾け、地面へと落下する。機械の腕には源石が新たに生え、赤い警告ランプを灯していた。

 

「あぁ、そういう……色々はしゃぎ過ぎましたか………にしても、貴方の体も、案外普通なんですね」

『当たり前だ。テメェらみたいに簡単に壊れるような作りにはしてねぇんだよ私は』

 

 ガシュウン…という音と共に、人工筋肉の膨張によって開かれた装甲から熱気が排出され、人工筋肉と装甲が元に戻ると同時にゆっくりと立ち上がるイモータル。

 

『で、隕石を降らすだって?いいぜ、何が来ようと……俺様が全部止めてやる』

「…ハッ……まぁ、いいでしょう。ここは痛み分けって事にしておきますか」

『……そうかい』

「貴方をここで殺せなかったのは誠に残念至極……ですが、殺り方はわかりました。それでは、これにて失礼させて頂きます」

 

 そう言って綺麗にお辞儀し、姿勢を戻した後で足場にしていた源石をスライド移動させる。そんな隙丸だしの状況を逃したくは無かったイモータル。

 だが生憎と、今は体の冷却が充分ではなく、精々頭部の機能が動くだけの状態だ。あんなに啖呵を切るような台詞を吐いていたが、隕石を撃たれていたら本当に不味かった。

 

〘俺様を殺せなかったってのに余裕さを崩さねぇのが気にかかるが、今は後回しだ。それに、君のデータは充分に集めさせて貰ったぜ〙

『ツー訳だ、どうせモニタリングしてんだろ私』

《いないですね》

『いるじゃねぇか。さっき送ったアーツ回路の解析を頼みたい。私なんだから直ぐ出来るだろ』

《あー来たね見た見た。もう終わった》

『速すぎィ!!!AIレベルの差ってマジでデカいな?!』

《んじゃ、ヤる事ヤったので私は今度こそ離れるからな。知り合いのサンクタ女とウルサス男の結婚式に出向く事を…強いられているんだ!》

『わかったよ引き止めて悪かったな早よ行け!…いやマジでサンキューな!』

 

 通信を切ると同時に、演算領域内にファイルが転送されたのを確認する。フェイスレスとの戦闘を行いながら、彼女のアーツ回路をコピーしていたのだ。

 そして今、本体がその解析を一瞬で終わらせた。攻略法を得たのは向こうだけではないと、イモータルは送られてきたファイルを開き―――

 

 

 

『………・・・ハ?>』

 

 

 

 同時に、貴族街の屋敷の1つ……捕えた感染者を収容していた屋敷が爆発し、源石の華を咲かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 熱い……暑い…アツい、あつい……!

 

 かんがえがまとまらない。あれ?かんがえってなんだっけ?なんでおれは、こんなところ…?あつい……だれか………

 

「な、なんだコレ?!俺の、からdァ゙―」

「イヤ、イヤだ…!なにコレ!フェイスレスさm―ァ゙」

「キャニッツ?ローラ?その姿は…や、止めろ!来るな!止め――」

「ア゙…………ァ゙………」

「ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!!!」

【Reeeeeee――Jiiiiiiiii――】

 

 うるさい

 

「出せェ!ここから出せよォ!ヒッ、くっ来るな!うぁぁぁぁぁ!!!」

「なんで俺たちがこんn―…ァ゙ァ゙ア゙!!」

【Reeeeeee――Jiiiiiiiii――】

 

 うるさい、うるさい……熱い…!

 

「ア゙ァ゙〜…ア、アタシの足、石になっちゃった……エヘッへへへ、ゔァ゙?ア゙がッ――ァ゙―」

【Reeeeeee――Jiiiiiiiii――】

 

 煩い…煩い、煩い!!!

 

【RjSt】

 

 

 

 

 

「黙れェ!!!!」

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!…ハァッ!…ハァッ!……ハァッ!………ハァ…!」

 

 なんだ……なんだ?俺は今まで何を……落ち着けレティシア……テキサスとフェイスレス様の話をしていて、それから………

 

 どうして、何も思い出せない?いったい何が――

 

【naNkrn―s―>】

 

 …………

 

【s・S・s―s―>】

「きゃあァァァァァァ?!!!?!」

 

 何だコイツ痛ってェェェェ?!!?!(勢い余って縛られてる椅子ごと後ろに倒れた)

 

「いっつぅ………」

 

 クソッ、何なんださっきから…頭に声が響くし、なんか目の前に黄色い怪しい奴が――ん?この腰の奴……

 

「テメェあの黒コートの仲間じゃねぇか!」

【AiSa・?!>】

 

 ヤッベ、勢い余って股間蹴っちまった。まぁ良いか、あの時ムカついた事した仕返しって事で。

 

 ………いや、めっちゃ痛そうにするじゃん。

 

「だ、大丈夫か?」

【s――s――s――・・・>】

「悪かったって…まさかそんなに痛がるとか――」

 

 って、なんで謝ってんだよ俺?!そうじゃねぇだろ!

 

「おいお前、今何が起こってんだ?!俺の所に何しに――」

 

 何しに来た、そう言おうとした瞬間、俺が閉じ込められていた部屋の扉に、大きな音を立てながら黒い何かが突き刺さった。

 そして、扉に突き刺さった黒いなにかは、簡単に扉を引き裂いて……その下手人の姿を見て、俺は目を見開いた。

 

「ァ゛……ァ゛ガ」

「おまっ、ローラ…なのか?」

 

 それは、体の半分が源石と化した、俺の部下だった。

 

「なんだ、コレ……」

「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!」

【NankrN―S―・!>】

 

 

 

 

 

 いつの間にか、俺は黄色いコートの野郎に体を縛られながら移動していた。

 黄色いコートの野郎は無駄に広い廊下を宙に浮きながら高速移動してて、下を向けば、黄色いコートから腕の代わりに生えた六本の触手、その内の一本が俺の体を巻き付けているのが見える。

 そして、その更に下には、俺達を追いかける源石の怪物達が見えた。

 

 その殆どが皆、俺の部下だった。

 

「何なんだよ……」

 

 時折、部屋から、廊下の曲がり角から、黄色いコートの野郎と同じ形をした灰色の野郎が、俺の様に六本の触手でまだ人間の形をした奴らを抱えて合流してくる。

 勿論、怪物達も増えていく。

 

「どうなってんだよ……!」

 

 後ろについてくる灰色の野郎が十を超えた辺りで、黄色い野郎から生えるように出てきたもう一人の灰色が、六本の触手で壁に穴を空け、屋敷を出る。

 

 

 少しして、その屋敷から爆発するように、源石が花開いた。

 

 

 理解不能の出来事に、俺の理解は追いつかない。ただ一つ、たった一人の弟の事が脳裏を過ぎる。

 だがそれよりも、今のこの状況は―――

 

「いったい何なんだ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ベール隊長!こっちはもう長くもちません!》

「モたせんだよバカヤロー!クソッ…あの黒コート野郎、何処でッ…何してやがる!」

 

 突撃してくるだけの感染者をサーベルで斬り伏せ、拳銃をポーチから引き抜き、部下へ鉈を振り下ろそうとしている感染者の脚に2発撃ち込んでから、後ろから来る斬撃をサーベルで防ぎ、鉈を弾き飛ばして顔面に蹴りを決め込む。

 

「あ、有り難うごぜぇやす隊長」

「感謝は帰ってからしやがれ。今は戦いに集中しろってんだ」

 

 どいつもこいつも、感染者ってのはイライラするぜ!罪の無ぇ奴ら殺して回りやがって、やっぱクズ共の仲間はみんな―――

 

「………」

「どうしました?」

「ッ…何でもねェ」

 

 クソッ……何でこんな時に、アイツ(リスタ)の顔を思い出す。あの苦しそうな顔を、今になって思い出すんだよチクショウ。

 

「未練がましい奴が。今じゃねぇだろ少なくとも」

「隊長、次はどうしますか」

「そうだな、無線で泣き言言ってる奴の所に行くぞ」

「了かッ―」

 

 ッ狙撃!

 

「伏せろテメェら!」

 

 頭を射抜かれた部下から離れ、身を屈めながら瓦礫に隠れ遮蔽物にする。数瞬遅れて元いた場所と瓦礫に数本の矢が突き刺さった。

 狙いのいい奴が複数人。それ以外が少なくとも十人以上。おまけに足音からして囲まれていると来た。部下も一人失った。気持ちの良い奴だった。

 

「チクショウ!今ので何人殺られた?!」

「負傷者3名………死者は、彼1名です」

 

 クソッタレ……どうする?どうやりゃこの状況から、これ以上被害を出さずに部下だけでも助けられる?

 クソッ考えろ、考えろ考えろ………

 

「待てお前達、その男は傷つけるな」

 

 ………は?

 

 誰だ今のは?俺の部下の声じゃない。なら感染者が?どういう腹づもりだ?

 

「隊長、コイツが?」

「あぁ…そこのお前、武器を捨ててそこから出て来い」

「………」

「…出て来ないなら、お仲間を一人ずつ殺していくぞ」

「チッ……」

「ベール隊長……!」

「余計な口出しはすんじゃねェ」

 

 俺はサーベルと拳銃を放り投げ、相手を刺激させない為にわざわざ両手を上げながら、遮蔽物から体を出す。

 

「よし、そのままゆっくりこっちに来い」

 

 俺は目の前でボウガンを構える感染者を睨みながら、奴の言う通りゆっくりと足を動かす。

 

「俺をどうするつもりだ」

「…………」

「………あン?」

「……アンタ、僕を覚えているか?」

 

 なんだコイツ?突然なに言い出すかと思えば、覚えているかだと?この期に及んでナメてんのか?

 

「知らねェよテメェなんぞ」

「……声だけじゃ知らなくても無理は無いか」

「テメェ、さっきから――ッ?!」

 

 

「コレでも、知らないか?」

 

 口元を隠していたスカーフを下へずらす感染者。そうして曝け出された顔を、俺は知っていた。

 さっきはスカーフとヘルメットで影になって見えてなかったが、印象に残りやすい、目元の所に隈の様に出来た源石。そしてなにより、脳裏に残り続ける顔が、その出来事を俺の頭に記憶させ続けている。

 

「テメェ、あの時俺が捕えた……リスタの――」

「その女の事を言うのは止めろ」

「ッ………」

「…そう、僕はあの時アンタに助けられた感染者だよ。まぁ、アンタは助けるとかそういうつもりは無かったんだろうけど」

 

 そう言いながらリスタの息子…アインは、俺に向けていたボウガンを下げると、何も持っていない手を突き出す。

 

「僕と一緒に来てくれ。少なくともあの時生きながらえたのは、アンタのお陰なんだよ。だから――」

「ムカつくぜ」

 

 俺はアインの突き出した手を払い除けた。

 

「俺ァあの時、後悔したんだ。テメェのお袋とは……世話になってる縁だからな。だが――」

 

 思い起こされるのは、数年前の感染者収容所襲撃事件。半ば自棄の様な成り行きだったとは言え、俺が愛していた妻と子はこの事件に巻き込まれて死んだ。

 そして今にも夢に見る。最低な感染者共と、それらを率いる赤狼。

 

「所詮テメェもあのクソ野郎(クラウンスレイヤー)みてェな奴だったってんなら、最初から……ッ」

 

 何故だか、俺の心に反して、最後の言葉は出なかった。だがまァ、言いたい事は良く伝わったみてェだなァ!

 

「そうか……残念だ!」

 

 俺が駆け出すのと、アインが俺にボウガンを向けたのは同時。きっと向こうの矢の方が届くのは早ェだろう。だが甘くみんなよクソガキ!テメェの矢の一本や二本避けて、アイツら(部下達)が逃げれる隙を――

 

 

 

 

 

 

 

 

『撃☆滅!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ……!何がッ…?!」

 

 突如として振ってきた何かによる爆発の衝撃で、ベールを突き刺さんとしていた矢は破壊され、辺り一帯は舞い上がった土煙に包まれ視界不良となる。

 だがそれでも、薄っすらと浮かぶそのシルエットから正体を当てるのは、容易い事だった。

 

「テメェ…不審者ヤローか?!」

『正ッ解ッ!』

 

 片腕が光り、唐突に発生した風によって土煙が霧散する。そして、今すぐ動く為の無理矢理な冷却によって、所々に霜が張り付いた黒コートの不審者が姿を現す。

 

「黒…コートッ?!……姉さんを、姉さんを返して貰うぞ!!」

 

 アインはイモータルを睨みながら立ち上がり、懐から赤黒い飴を取り出す。

 

 “この飴には私のアーツが込めてあります。使うことで、あのウルサス軍人を一人で複数人圧倒できるほどの凄い力をあなたに与えてくれるでしょう。ですが、強力な力には代償はつきもの。よく言うでしょう?ですので、あなたに使うタイミングは任せます。あなたが“今”と思った時に使ってください”

 

 脳裏に浮かぶフェイスレスの言葉。それが今だと、アインは躊躇無くその飴を放り

 

『オイ>』

「ッ?!あがッ…!」

『・・・…お前、コレを誰から貰った?』

「クソッ……離せ、離せェ!」

『いや良い、フェイスレスだな』

「ッ――?!」

『イヤらしい術式だ。見ればわかる』

 

 その飴玉がアインの手から離れるよりも速く、イモータルはアインの手を掴み飴玉をもぎ盗った。

 

『……矢張りな、俺様が助けた感染者とこっちの両方を暴走させる腹づもりだったワケだ』

 

 

 

 

 

 

『巫山戯るなよ』

 

「「「「ッッ?!!?!」」」」

 

 周囲も巻き込んで、イモータルの雰囲気が一変する。アインの手を離し、握り潰す勢いで飴玉を持つ手にメキメキと音が鳴る程圧力をかける。

 

 誰もが見てもわかる。今のイモータルは、キレている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 己の不甲斐なさに腹が立つなどという事は、()の願いを聞いてからも、願いを叶え終えた先も、演算結果として弾き出す事は無い。

 私達は、観測した五感情報から未来を予測し選択する。無数にある未来の分岐点を剪定し、起きうる未来に対策する。残り滓の様な演算出力しか無い俺様ですら、10秒演算に集中すれば、10分以内の未来を的中させるのだ。

 

 故に、式を構成する要素を1つでも取りこぼせば、予想外の出来事に直面する。

 

 式を修正しても、修正するまでの犠牲を全て防ぐ事は出来ない。そして、未来演算によって導き出された最善の犠牲は、どうにも出来る筈もない。

 出来る事は、ただひたすらに

 

『*ウルサススラング*』

 

 この未来を突きつけてくる世界を、ただひたすらに

 

『*龍門スラング*』

 

 ただ、ひたすらに

 

『*クルビアスラング*』

『*カジミエーシュスラング*』

 

 ひたすらに

 

『*カズデルスラング*』

『*ラテラーノスラング*』

『*ヴィクトリアスラング*』

『*シラクーザスラング*』

 

『*リターニアスラング**イベリアスラング*…!*サーミスラング*!*イェラグスラング*!!*シエスタスラング*!!!*ミノススラング*!!!!*サルゴンスラング*!!!!!』

 

 

『*ボリバル極東エーギルドゥリンガ■アスラングスラングスラングスラングスラング*!!!!!!!!!』

 

 

 

 ただひたすらに

 

 

 

 

『(譌・譛ャ語)繝翫Γ繧?′縺」縺ヲ(ナメやがって)

 

 

 

 

 

 

 

 嗤う

 

 

 

 

 

 

 

「笑ってる……?何で…?」

 

 何故?逆に問うが、何故殺意を持ち続けなければならない?俺様は…私は、機械であり、救う側の存在だぞ。

 救う側がウジウジ悩んで気色悪い顔してたり、殺意漲らせてたら、救われる側の人間は安心出来ねぇだろうが!

 

 まァ、あえて俺様が殺意を向けるのなら、そう、例えば……

 

『殺してやる、殺してやるぞ!

 

 

 

 

 

 

 

不死の黒蛇ィ!!!』

 

「「「「??????????」」」」

 

 こんな巫山戯たウルサスを作り出した、クソ野郎だけで充分だ。

 

『ツー訳でェ!もう全部話は聞いてたろハイゼンさん!』

《ちゃんと横で聴いてたし任されたよ。何時でもいいから早くしろ》

 

 あぁ、早くするとも!今までウルサスを下手に刺激しないよう、後処理が円滑に進むように対処しようとしていたが……ンな事チンタラしてたら死体が増えかねないってな!コレも全部面倒くせェフェイスレスって女の仕業だ。まァそういう所も悪かねェが(ホモ特有の大胆な告白)

 それはそれとして、今からクレアスノダールを両断する勢いで……ブッ飛ばす!

 

 圧縮のアーツで壊れたベルトを引き寄せ、掴むと同時に修復のアーツで元に戻す。

 そのベルトを腰に巻きながら、飴玉をアーツの腕に持ち替え、改造する。

 

『演算拡張デバイス.Soul OS』

 

 なんという事でしょう。あの気色悪い飴玉が、マゼンダ色のハート型の小型デバイスになったではありませんか。で早速コイツの裏側の板状の部分を、ベルトのカードをスキャンする溝に上から嵌め込む!

 

《不明なデバイスが接続されました>システムに深刻なエラーが発生しています>直ちに使用を――》

『黙ってろ』

 

 問答無用で、矢印のボタンを押す。

 

《アップデート>》

 

 ベルトから、禍々しく脈打つ金色の血管の様な模様が、瞬時に黒コートの上を広がっていく。そして同時に、俺様ノ演算ニ余裕ガ生マレマシタ>

 

『AI拡張完了>』

 

 現在ノAIレベル・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Level・6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何が、起きていやがんだ……」

 

 全身に金色の模様が走り、フードの奥の黒いだけだった顔には、大小のひし形の模様が一つずつ…一つ目の目玉の様に表示される。

 いきなり登場したかと思えば、怒って笑ってコレだ。ベールを含めたこの場の人間は、現状を飲み込めないでいた。

 

 ただ一つ分かる事は……

 

『演算完了>アーツ術式・デッドエンドコード接続・・・完了>演算結果ニ伴イ・

 

 

 

 

 

人類救済・永続管理チャートヲ開始>人類ノ剪定ヲ・開始シマス>』

 

 このままだと、皆んな死ぬ。

 

 

 

 

 

《そんな事をさせない為に、俺が任されたってな。試作封鎖鎧装アラヤシキ、強制接続》




わかった事、シリアスは筆が遅くなる。悪いシリアス、テメェ書いてるとコラボ完結に2年かかる。だから滅べ。

ツー訳で今回の後半とか急展開過ぎたし、次回は早く投稿するよう頑張る所存です!それではまた次回、サラダバー!



ホモ

一応今のウルサスを刺激しないように、それでいて最善の行動を足らない演算出力で頑張って演算して行動していたよ。でもフェイスレス君ちゃんが少しでもホモを曇らせてやりたいが為の感染者源石傀儡化を知って加減をやめました。コレも全部フェイスレスのせいです。あーあ
そして同時に、今は明確な人類の敵で御座います。


不死の黒蛇

取り敢えずホモの殺気の捌け口になった結果、余りに強力な殺意を不意にくらい、余りに明確な死相が見えてしまったせいで永続的なPTSDとなった。コシチェイの時期なのでチェルノボーグ事変は起きなくなったのだった。殺ったね!


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とあるコラボの脇役事変 DC−9 救済執行

終幕は近い。だが、終焉が訪れることはない。


〈自律飛行抑制プログラム〉
10秒毎に敵に確定ダメージを与え、足止めする


 10/24/00:58 エルド区地上都市部

 

 ガチリと、源石に覆われた体を無理矢理に動かす。視界に映るのは、外の感染者達の対処に出払って数が少なくなっていた駐屯兵の皆々様。

 その数じゃ心許ないでしょう。えぇ、えぇ、凄く良い顔です。数的不利に絶望する中、それでも抑えきれない怒り。そしてその矛先は、感染者という爆弾をわざわざ中に引き入れた、あの黒コート!

 

 恨むなら、その黒コートを恨んでくださいね。

 

「なんだコイツら?!どっから出やがった?!」

「どう見てもあの不審者が感染者を押し込んでた屋敷からだな!だから俺は信用しなかったんだ!」

「クソッ!クソッ!あのクソ野郎余計な事しやがってェ!」

 

 ハァ……半分同感です。あの黒コートさえいなければ、この非感染者を守る為に立ち向かい…断末魔を残して源石に飲まれていく彼らに悦を見い出だせた筈なんですがね。それに本来なら、源石に飲まれているであろうレティシアを動かす予定だったのですが……どうしていないんですかね(キレ気味)どうせあの黒コートか…まさか自力で脱出を?我ながら冗談気味に言っててなんですが、なくもない話なんですよねコレ。それならそれで、逞しく育ってくれて私は嬉し……嬉し―――?

 

 ………切り替えていきましょう。アーツの精度が深まった今、源石の肉塊を傀儡として動かすだけならこの腕を使うまでもありませんし、操る傀儡がレティシアでもそうでなくても運動能力は変わりません。やり方が火の海虐殺ショーから殺戮ショーに変わるだけです。

 

「ヒィィッ!く、来るんじゃあないぜ!」

「奴らの攻撃を受けるな!掠りでもすれば直ぐに奴らの仲間入りだぞ!」

「誰か!ジャスパー隊長にこの事を――」

 

 おっと、それはさせません…よっ!

 

「ガハッ……アゴァ゙ッ――?」

 

 今操っている傀儡が本来持っていたのであろう、筋力を強化するアーツを強制的に発動させ、足を砕きながら跳躍。衛兵達を飛び越え、ジャスパーの下へ向かおうとしていた伝令兵の腹を串刺しにする。

 ふぅ、危ない危ない。あの男にはもう少し表に釘付けになって貰わないと。

 

「チッ、ムダに硬ぇ…聞こえてんだろテキサス!早く戻って来いマジで!こっちヤベェ事になってるから!」

 

 おやおや、こんな所にエンペラーが。ですがそんな豆鉄砲ではこの肉塊は殺せませんよ。テキサスは今来てほしく無いですが……まァ、彼女が来る頃には片付けましょう。

 

 そう、こっちの傀儡達は言わば陽動。今頃別働隊の傀儡達が市民を襲ってる頃合いでしょうか。恨むなら、あの黒コートにしてくださいねホントに。元々こうする予定だったとは言え、アレがいなければ貴方達の生存域に感染者が入る事も無かったのですから。

 

「ごぼッ―?!あ゙…?あ゙ァ゙?!さざれ゙――」

「クソッ―クソォォォ……!」

「いっ……ごぼッ――嫌ッだ、うづな゛、ア゙ぁ゛ぁ゙ァ゙ァ゛あア゛ア゛ア゛ッァ゛!!!」

「なっ?!」

 

 あの黒コートの体は、本人の言葉通り人間では無かった……が、その精神構造は人間そのもの。おそらくドローンかなにかの技術で、あの体を遠隔操作している筈。本体の居場所はわかりませんが…この都市にいるにしろいないにしろ、あの体を壊されれば手出しは出来ないでしょう。

 

 だから私は、貴方の心も徹底的に壊す。

 

 所詮貴方も、貴方のその黒コートも、目の前の彼らも何度でもリスポーンが可能なアバターではない。一度死んだらそれで終わり。即ち人間だ。

 決まった言葉しか話せないNPCではなく、話し合い、交友を持ち、友情を築き、仲間意識を作る。

 

「ヤ゛メ゛ロ゛オ゛ォ゛ォ゛ァ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ァ゛!!!」

「あ、アイツ…まだ意識が…」

「馬鹿野郎!ボーッとしてんじゃねぇ!クソッ…気色悪過ぎるぜフェイスレス…!」

 

 心を持ち、感情を持つ。他のそしてその中でも…イモータル、貴方は善人と呼ばれる人種だ。貴方の、貴方達のその心が、動植物には無い人の心が、感情が!決断を躊躇させる。

 できませんよね?生きているかの様に苦しむ仲間を討つなんて非道な真似。だって、あなた達は人間なのですから。

 

 終幕を邪魔するお邪魔虫の処理…その為の戦力増強を含めたゴミ掃除。殲滅率は100%

 

 

 貴方が守りたかった者たちで、貴方を嬲り殺す。

 

 

 さぁ―――

 

 

 

 

 

使用楽曲コード:211-2442-6】

 

 

 

 

 

 

 ………音?

 

「音楽か?」

 

 音楽?

 エンペラーが呟いた台詞を盗み聞き、改めて音を聴く。あぁ、確かに音楽だ。でもこの状況でそんな巫山戯た人が―――

 

 

 

 ――は?だとしたら冗談だろ?

 

 

 

WELCOME TO THE MIND F××K

 

 

 

【イエェェェァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!】

 

 なんでだァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

 緑色の光に視界が埋め尽くされ、傀儡との接続が途切れる。それと同時に私は台パンした。

 いや本当になんでだ!なんなんだ!いったい何者なんだよお前は!クソ、クソッ!さっき間違いなく無力化した筈ですがね!直ぐに回復するようなダメージでも無かったでしょうが!どうしてそんなピンピンしてんですかァァァ!!!!

 

 取り敢えず再接続を……ハァ?!なんで繋がらないんだこのッ――……よし。

 さっきとは別の傀儡へ再接続し、視界を繋げる。

 

 ……あぁ、予想していた通りの酷い光景がそこにある。五指の先から光の刃を展開させた黒コートの男が、そこに立っている。

 

【まてよそこ行く嬢さン】

 

 うわウザ

 

【待てっつってンだろ。次はそっちのキモいのに入ってンな?】

 

 ッコイツ、なんで私の操作を――

 

【ワタシのカメラはちと特殊でな、アーツの色と軌跡を見れるンだ。まぁオリジナルがクソ産廃野郎(狂撃制圧型)って言う唯一の欠点が……いや、いいか別に】

 

《ツインブレード転送・・・完了>》

《CAST・ON>》

《OS最適化・・・完了>》

 

 ……ナメてんですかこの野郎。急に自語りしたかと思えばアーツの色だか何だか知りませんがね、そういうのを敵に教えるなんてナメ腐っているんでしょうかいるんでしょうね!

 

【因みに嬢さンが別方向から仕掛けていた傀儡共だが、ワタシが潰した】

 

 本当に何処までも苛々させてくれますね!貴方は!

 私は周囲の傀儡達と共に、赤い装甲を纏ったイモータルへ一斉に攻撃を仕掛ける。貴方のその鎧の効果は地下で見せてくれた戦闘と今回での戦闘で身に沁みて理解しました。汎用性を捨てる代わりに、身体能力を向上させるのでしょう?だが貴方の武器はあの汎用性であって、それを態々抑え込むその無駄な変身は、私にとって逆にやり易い状態。

 

 それに貴方は必ず、痛みを感じさせるだけの刃を使うでしょう?優しいですもんね。ですが傀儡と成り果てた彼らにその小細工は通じません。彼らにあるのは破壊衝動に身を任せるというアルゴリズムだけ。

 だからと言ってそれだけの傀儡一人では貴方に到底及ばないのでしょうが、物量のある今なら足止めくらいはやってのける!

 

 

 

 

【……な〜ンて思ってンだろなぁ、嬢さン】

 

 瞬間、悪寒が奔る。警告を鳴らす本能の通りに、背中に携えられている、折り畳まれた二刀の内の片方をそのまま抜刀するイモータルから、私は傀儡を即座に後ろへ跳躍させる。

 

 

 同時にイモータルの姿が消え、奴の周りから飛び掛かっていた傀儡達の体に、無数の残光が煌めいた。

 

【一度スペックを見せてたらしいが、その先入観が仇になったみてぇだなァ?】

 

 あぁ、そうか……この男から流れているこの音楽は、ただの音楽じゃない、アーツだ。

 思い出されるのは、行く宛も無く旅をしていた頃の出来事。気まぐれに拾った変なサンクタの少女の命と引き換えに生き延びた、リターニア辺境での逃亡劇。あの時も、一部の敵が音楽を奏でていたのを今更ながらに思い出す。

 

【言ったろ、WELCOME TO THE MIND F××K(テメェの価値観がブッ飛ぶモンくれてやる)ってな】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、そうか……今のやり方じゃあアイツを殺せない」

 

 緑の閃光に視界を覆われると同時に接続が切れる。まだその感覚が残る両腕を、私は無造作に放り出した。

 

「ずっと、終幕の為に体力を温存出来るよう行動してましたが……」

 

 機械の腕が起動する。アーツ同士が共鳴し、高揚感が湧き上がってくる。

 

「どうやら間違っていた様です。この腕の事を考えて撤退したのは失敗でした」

 

 パキリ、パキリと音を立てながら、負荷限界を超えた腕から源石が生え始める。

 

「無理矢理にでも、あの時に隕石を落とすべきだった――」

 

 そう……私の体に支障が出たとしても、落とすべきだった。

 

「ただ息をするだけしか出来なくなったとしても、最早三流以下の演出になったとしても、あそこで諸共潰せばよかった……」

 

 外から苦しむ様なうめき声が聞こえ始める。

 

「ですから…ええ、だからこそ、私の体が死んだも同然となろうとも………

 

 

 

 

 

 

 

次会った時こそ必ず、貴方を殺します。イモータル」

 

 

 死想が、発芽する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くぁwdrftgyふじこlpiiiiiiii――aaaaaaaaaaaa――』

 

 

 

「チクショウ!いったい何が起こってんだ?!」

 

 何が起こってんでしょうね。

 その場の感染者、非感染者達が等しく見上げるのは、さっきまで機械的に物騒な事を口走っていた黒コートのホモ野郎。

 

 そのホモは今、空中に突如として溢れ出た水の塊の様なモノから伸びた赤色の太いケーブル✕6本に背中をブッ刺され、苦しそうに藻掻いていた。

 

 

 そして、その光景が暫し続いた後、水の塊から同じく赤いケーブルに繋がった何かが吐き出され、背中に激突し、ホモは撃ち落とされた羽獣の如く墜落した。

 

 ドベシャァ…と地面に激突した様は、実に不様であった。

 

「「えぇ……」」

 

 ほら見ろ、ベール隊長もアイン君も困惑している。

 

 そんな周りの事も気にせず、絨毯と化していたホモは手をついて立ち上がる。

 それと同時に、背中に引っ付いた歪な形の板の様なモノが、ガチャガチャと音を立ててホモの体に纏わり始めた。

 

 先ずは両腕が覆われ、次に背中に引っ付いていただけの部分が背部のパーツにカチリとジャストフィットしていく。両肩の位置を微調整してから、最後に頭部と上半身の前面を一気に覆い、最後に6本の赤いケーブルが背中に吸い込まれ、太い円錐状のアーツユニットでそれぞれ蓋をする事で、鎧は完成する。

 ……背中から突き出たソレ邪魔そうだな?

 

 こうして、上半身が一回り程大きくなったホモが、角が生え全体的に鋭利なフォルムとなった頭部、その眉間に当たる部分にある1つ目を思わせる丸文字と、フェリーンの耳の様な突起の縁を白く発光させながら立ち上がった。

 

『……フフフッ』

 

 ベールは警戒する。いつコイツが動くか、いつ自分達が殺されるか、ソレを見極める。

 

『フフフ……S◯X!!!』

 

 少しでも部下たちを生き残ら…せ……て………ん?

 

「「は?」」

 

 声が重なる。声を発した片方であるベールは目を見開く事しかできなかった。このさっきまでシリアスしていたホモが、唐突に頭の悪いド下ネタを叫んだ事……

 

 そして、下ネタを叫ぶと同時にさっきまで敵対していたアインの胸を、ホモが指から照射した緑色の光線が貫いた事に、ただただ脳が追いつかなかった。

 

「な………て、テメェ!!!」

「よくもアインを―――」

 

 ドシャリと地面に倒れるアインの音で、漸く現状を理解したアインの部下たちが殺意を向け………

 

 無数の光に、体を貫かれる。

 

『試作封鎖鎧装アラヤシキね……いやそんな大層な名前じゃ無くてもいいだろ。◯EXにしようぜ、体と体が合体するんだしよ、こりゃ紛れもなくSE――』

 

 それ以上下ネタ言うのはやめような。そしてそんな下ネタ独白の後ろで、背中から分離し空中に浮遊する6つの円錐状のアーツユニットから照射される緑の光線をコレでもかと浴びせられ、バタバタと倒れていく感染者達。

 

『安心して、殺してないヨ』

「いや怖えよ」

 

 もうベール君はコイツの情緒についていけなかった。さっきのシリアスな殺気は何処にいったんだと。ソレを警戒する自分はいったいなんだったんだと。

 

『まぁ念の為君達にもこの緑色の打ち込むんだけどさ』

「……目の前の奴らみたいにか?」

『いや、指先を近づけてチュッと。注射的な感じで』

「……はぁ…クソッ、お前本当になんなんだよ」

 

 側にある瓦礫にへたり込む様に腰を下ろすベール君に、ビームを撃ち終わった自律飛行アーツユニットを側に待機させたホモは答える。

 

『自己紹介したろ?人を生かす為なら何でもする機械だよ』

 

 そして6機の自律飛行アーツユニットを空高くへ上昇させる。上昇したアーツユニット達は、上昇しながらフォーメーションを組み、設定された高度に到達すると同時に、合体を始めた。

 

 先ずアーツの出力機構が2つ備わった4機のアーツユニットが連結し、ソレを挟み込む様に4機よりも二周り程大きく、出力機構も少なくとも10はあるであろう2機が連結する。

 

 

 そうして完成した巨大なアーツユニットは回転を始め………

 

 

 

『……やっぱ傀儡を増やして来たな、最速でも三分の一は確定か。まぁ、君の思惑通りにはしてやらないがね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ここからは、死人無しでイかせて貰うぞ』

 

 指揮者の様に振り上げた両腕を勢いよく振り下ろすと同時に、大地に無数の光が降り注ぐ。

 

 

 何処かから流れる交響曲第9番。イモータルは体全体を激しく動かしながら指揮者の様に腕を振り続け、それに呼応するかの様に光の雨は広がっていく。

 降り注ぐ緑の光を見つめるベールは、その光景に思わず見惚れてしまう。天罰とも言える光が、余りにも綺麗であったのだ。

 

 音楽が、終わりを迎える。

 

『――戦闘区域の敵性反応、98%無力化完了。あの3バカ、本当にすばしっこいな……ん?』

 

 アーツユニットが背中に着陸すると同時に、イモータルの後頭部に衝撃が走る。その衝撃の正体はボウガンの矢であり、その射手は、胸に広がる痛みを抑えながらも、片方が赤く変色した両目でイモータルに…いや、イモータルとベールに殺意を向けるアインだ。

 

「フーッ!…フーッ!……殺シテッ…ヤ゛ル゛…ッ!」

『あっそう……はえー随分気に入られてんな?んじゃ仕切り直せよ。それくらいの猶予はくれてやる』

「なっ、はぁ?!」

「ッ!…クソッ!クソがァ!!!」

「オイ待――くぅ?!」

 

 撤退用の爆煙が生じる矢を地面に撃ち、煙に紛れアインは姿を消した。

 

「……オイイモータル、テメェなんで見逃すんだよ!」

『乱数調整だよスカポンタヌキ』

「スカッ……?!」

『ったく、やる必要のねぇ項目増やしやがって……』

「んだよ!言いてぇ事あんならハッキリ言えや!」

 

 肩を掴んだベールの手を振り払いながら、貴族街へと向かい…彼の言葉に足を止め、振り返る。

 

『じゃあハッキリ言う為にも皆んな集まらなきゃな?君も早くしろよ。俺様の言いたい事が聞きたいんだろ?』

「チッ、ンだよアイツ…!」

 

 ベール君の悪態なぞ何処吹く風と言うふうに無視しながら、通信機を取り出しジャスパーへ繋げる。

 

 

『ハァイジャス叔父ィ…そうそう俺様だよ、葬送の俺様だよ…イモータルだよ。一旦防衛戦は終わりだ。全員トばした……おう、さっきの光だな。んでさ、君から撤退命令だしてくんね?血気盛んが追い打ちを始める前にな。もうやってたら?そうだな、そいつの口に腐ったウルサストマトブチ込むって言っといてや。あ、マジでやるからな?んじゃ』

 

 

 

 

 

 三流以下の終幕(ありえんくらいのハッピーエンド)まで、残り僅か。




ホモは一人でいる時が1番強いけど皆んなでいる時が1番人助け出来るからな。なんだこのホモ野郎五条悟か?

ではまた次回、サラダバー!

因みに最近の不安な事はこのコラボを更新する度に有機栽培茶さんが満足出来るモンを書けたかどうか気になる事です(センチメンタルホモ)





おま◯け


ホモ

暴走フォームは飾りだぜ!なんたって暴走したら皆んな終わるからな!そして常時フォニックゲインな剣持ちの義体と緑色のブレードの正体とは?!
次回で纏めて説明するわ(丸投げ)


アル君ちゃん

あのバカホモがダウンしている間に傀儡作って「はいどーぞ!」(マジキチスマイル)ってしようとおもったら┌(┌^o^)┐『傀儡?あぁ、そういう事ね……源石の傀儡共は、俺様が潰した』(ガチホモスマイル)された。可哀想にね。
しかもこの子、ホモの手の内を全部把握した気になっているが、全然把握出来ていないのである。頑張れアル君ちゃん!ホモは同次元に複数同時に存在するぞ!(恐怖)


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とあるコラボの脇役事変 DC−10 確定事項

繰り返さない事を繰り返す為に、私達は前へ進む


「うっわ、なんつー状態だよ。鉱石病待った無しだな」

「アンタ、今はどう見ても巫山戯る時じゃないでしょ」

「わーってるよ、いつも煩ェな怪力女ァアイダダダダダ?!!?!」

「……それで、コレからの予定はどうするんだ?フェイスレス」

 

 ホモの光の雨を掻い潜り、見事撤退してみせた三人組…サルカズのアサルト、フェリーンのホークアイ、ウルサスのイージス。彼らに背を向け、源石で出来たオブジェを見つめるフェイスレスにとって彼らは、家族ではない。が、それ故に彼女がなにかと信頼する数少ない友人…仲間であった。

 アサルトの顔にホークアイがアイアンクローをするいつもの光景を尻目に、イージスはフェイスレスへと質問を投げる。

 

 少ししてから、背を向け尻尾を揺らしていた彼女はゆっくりと振り返った。

 

「……すみませんね、少し考え事をしてまして」

「イヤに長い考え事じゃねぇか。アレか?女の子特有の日か?」

「…………アサルト?」

「待ってスマン悪かったって!!」

「学習しないのアンタ?」

 

 ニコニコしながらすでに半分以上が源石に覆われた黒い腕の指ををガチガチと鳴らすフェイスレス。その腕でアイアンクローは流石に痛そうでは済まされんな。

 

「くだらないと忘却していた…それくらいの価値しかないと思ってた昔の事を、思い出していただけです」

 

 

 

《「どうよ!屋上に3年かけてひっそり作った公園だァ!流石の生徒会長サマも知らなかっただろ〜!ガハハ!」》

 

 

 

 まるで、子供が子供のまま大人一歩手間まで育った様な男。その性格の通り、いつまでも子供っぽい女の子の様な顔をしていたという理由だけで、髪を背中の辺りまで伸ばした……そんなバカみたいな男の顔を思い出す。

 

 そして次の瞬間に、その顔を踏み潰す様に頭の中から振り払った。

 

「さて、次の予定でしたっけ」

「おうよ」

 

 全員の雰囲気が切り替わる。

 

「貴方達も見たでしょう?今最大の障壁は、あの黒コートの男です」

「宛はあるの?3人で掛かってみたけど、普通のやり方じゃアイツをどうにか出来そうにもないけど」

「そうでも無いですよ。確かにアレは戦闘力がバカげているし、オマケに私のアーツにも対抗する何かを用意しているみたいですが、手が無いわけではありません」

「だいたいの手が既に詰んでるじゃねぇか」

「シャラップッ!ええわかってますよそのくらい!一々指摘する男はモテないって知ってましたかアサルト!」

「モテねぇ事は今関係無ねぇだろうがッ!?」

 

 ン゙ン゙っと咳払いをして話を戻すフェイスレス。

 

「…まぁ宛があると言っても、簡単に言えばそれは人質作戦という酷いモノですが」

「ホントに酷いな」

「シャラップ」

「で、その人質は何処で調達するのかしら?」

「既に用意してありますよ」

「?いったいどういう……」

 

 疑問符を浮かべる3人だが、己に向けるフェイスレスの顔を見て、瞬時に理解する。

 そして同時に、フツフツと怒りが湧き上がってくる。

 

「あぁ〜成る程なァ……つまり俺たちゃナメられてたってワケか」

「ええ。そしてここからが本題――

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方達、クレアスノダール(ここ)で死んでくれますか?」

 

 返事は無い。一度目を見開いてから、彼らはそれぞれ笑みを浮かべる事で了承する。

 

「それはよかった」

 

 そして彼らの体は、源石に包まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 10/24/01:36 エルド区 貴族街の屋敷にて

 

 

 ホモが半ば強制的に一時休戦状態にさせた戦闘から無事に撤退した駐屯兵の生き残り達。そんな彼らが集まる作戦本部と化した屋敷の一室は、静寂が支配していた。そして、その静寂をささやかに破る扉の開閉音。

 

「ジャスパー隊長」

「本国との通信はどうだった?」

「………それが――」

 

 通信兵は答える。ホモが片手間に再接続した通信を使って、ウルサス本国へ行った救援要請。その応答は………

 

「各自防衛戦を維持しつつ、臨機応変に対応せよ……との事です」

「………そうか」

 

 あぁ、見捨てられたか。ジャスパーは脳裏に浮かぶその言葉を飲み込むが、そうした所で意味はなさなかった。皆がそう思ってしまっていたから。

 

「クソッ、クソが!本国の奴ら、応援すら寄越さねぇ気かよ!」

『都合が良いんだろうね、この状況は』

 

 元々クレアスノダールは、兵器や弾薬を前線に送る為の輸送艦だ。大反乱でウルサスが落ち込んだ後に色々あって今の形になったが、今も尚戦争至上主義とも言えるウルサスの無駄にエラい人達にとって、貿易都市となったクレアスノダールは何かと都合が悪いのだろう。

 だがそこに今のこの状況。都市をリニューアルするにおいて、色々手間が省けると上はお考えらしい。

 

『それはそれで頭の悪い。やっぱ財布と戦争しか頭に無い奴は駄目だな』

 

 お前も大概だがな。

 

【実に悲しい事だな。悲しいので何か奏でるとしよう】

『おう、ロックで頼むぜ』

【OK、ボカロだな】

「……テメェら空気読めねぇのか?」

 

 エンペラーのおっしゃる通りだが、まぁこのホモ野郎はシリアスが壊れるとわかってて壊すタイプのホモだ。コレも故意だろう。空気読めや。

 

「チッ……自分は強えからって、随分と余裕そうだな不審者野郎!」

「おいヴェスタ!何を――」

『あぁ、俺様は常に余裕のあるホモだ。だが正直言ってこれ以上ガバが起きるか不安でな?手が震えてたりするの』

 

 ジャスパーがホモに突っかかり始めた部下を嗜めようとし、そのセリフをホモが遮り、情けないセリフを発声する。

 そして徐ろに椅子に座ると、小刻みに震える手で酒の入ったグラスを持ち上げ……僅かに酒をズボンに溢した。

 

『見たまえ、震え過ぎて酒が溢れてお漏らしみたいになってしまった。誰かハンカチくれないか?』

「ッッ―巫山戯んじゃねぇぞォ!!!」

 

 ついにブチキレたヴェスタ君がホモを襲う。不味いぞホモ乱暴だ!こんな所でおっぱじめるつもりだぞ!…というのでは無く、ただ怒りに任せてホモの胸ぐら辺りの出っ張ったパーツを掴んだ。

 怒り任せとは言え、ホモ相手にこの行動を取れるのは素晴らしいと言える。が、故に気づくことは無いだろう、慌てて引き剥がそうとしたジャスパー達を止めるホモの行動に。

 

「人が死にかけてるってのに、テメェはずっとヘラヘラしやがって!あの源石の怪物が貴族街に溢れ出てきた、どうしてかわかるか?!それはテメェが!感染者どもを態々生かした上に!貴族街に連れて来やがったからだよ!」

 

 壁の外で防衛戦をしていた駐屯兵達がそれぞれ驚愕の声を上げ、その視線をホモへ向ける。

 あぁそうだ、コイツのせいだ。コイツが感染者なんかを入れなければと、イヤな空気が電波し始める。

 

「テメェがあんな奴らを連れて来なけりゃ、俺達の仲間はあんな化け物に殺される事は無かったんだよ!テメェにわかるかよこの怖さが!剣も銃も効かない奴に一方的に殺されるこの怖さが!」

『…………』

「テメェのせいだ。バカみたいに感染者を俺達と同じ所にブチ込みやがって!常識的に考えりゃわかるだろうが!あんな奴ら、最初から殺しときゃよかったんだよ!!!」

 

 どんどん過激になっていくヴェスタ君と、それに同調し始める差別過激派の駐屯兵とともに、ジャスパー他数少ない穏健派の駐屯兵達も慌て始め、彼らも咄嗟にホモの方へと顔を向け――

 

『よっこらせ』

「いっ?!な、テメェ?!は、離せ!!」

 

 ホモが、ヴェスタ君の手を掴み、流れる様に肩へ仰向けに乗せ、空いていた片手で膝をガッチリと掴む。さながらバックブリーカーの態勢へシームレスに移行し……

 

「ちょ待――」

『ヘブンリィィィィィィィイ!!!!!』

 

「「「「…………え?」」」」

 

 両腕からスラスターを生やし、己とヴェスタ君の周りに防御・空間操作系のアーツで膜を作ってから、勢いよく空へと飛び立っていった。

 

 みんな、文字通り置いてけぼりだった。

 

「イヤァァァァァァァァ!!!!」

 

 連れてかれたヴェスタ君は傀儡と相対した時より恐怖してした。そして察した、今が命日なのだと。

 

《上空5000m到達・ファンネル分離>》

 

 何処かから響くアナウンスにより、自分が今何処まで高く飛んでいるか知ることが出来た。ヴェスタ君は後悔をする暇も無く絶望した。

 そんなヴェスタ君なぞ知らぬと言わんばかりに、背中の6つの自律飛行アーツユニットが展開、そして連結し、極太のビームを照射。ホモを下から押し上げる。

 

《衝突まで3・2・1・・・

 

 

 

 こうして、ヴェスタ君はクルビアのとある人よりも少し早く、空が閉じている事を知ったり知らなかったりした。

 

《上空6152m到達・落下開始>》

『ポチョムキン、バスタァァァァァァァァァァァァ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて』

 

 重力操作のアーツで減速し、落下の衝突を緩和して机を踏み砕きながら安全に着地したホモは、白目を向いたヴェスタ君を放り投げた。

 

『コレが次のお前達な』

 

 脅すな。洒落にならんから。

 

『いやね、俺様だって君達の仲間があぁなった事を反省してるさ。君達の怒りも主張も凄く真っ当だ。悪いのは演算精度()が足りない俺様だよ。実際後で土下座でもするつもりだったがね』

 

 腰回りに残ったコートを叩きながら、砕けた机からよっこらせと降り……雰囲気が変わる。

 

『だがね、その怒りを感染者にシフトさせるのはまだしも、殺しとけば良かったは流石に駄目だ。君達はこの事件の中で何も学んでいない感じか?』

「…んだとテメェ!テメェみたいな巫山戯た余所者に何がわかるんだ!」

『なら教えて欲しいものですねェ!ただ国の空気に流されるまま、理由もわからず感染者を迫害する君達にしかわからないことをSA』

「感染者から市民を護ろうとしただけよ!ソレの何が悪いって言うのよ?!」

『その感染者も元はお前達が護るべき市民だろうが』

「ち、違う!感染者になった奴なんか――」

『市民じゃないと?感染者だから?病気を患ってるからか?じゃあ適当に風邪引いてる奴らもお前達にとっては市民じゃ無い訳か?』

「そんな訳無いだろうが!」

「そうよ!風邪と鉱石病じゃ何もかも違うじゃない!」

『だがソレらは病気という括りだよ。つまり同じなんだ。んで病気は治すモノだ、種類の違い云々以前に治療をやらない選択肢があって良い訳無いだルルォ?!』

「ッ!」

『なのにそこで取る選択肢が労働力として使い潰した上に殺すはおかしさの極み!絶対なにかキメてんだろ。命が勿体無い!

 

 

 

そんなんだから、今この状況になっちまう』

「そ、それとコレは関係が――」

『ありますねぇ!ありますあります』

 

 相手の言葉を遮って発声した後、『フィクサービーム…!』と小音で発声しながら胸からピンク色のビームを照射して壊したモノを全て直し、直したてホヤホヤの椅子にドカッと腰掛ける。

 

『どうせわからんさ。イジメっ子ってのは自分がイジメられる事を想像しないし出来もしないから他者イジメる。それと同じだ』

 

 それでも、そのイジメに当たる行為が一人ひとりの範疇であれば、少なくともここまで大きくはならなかった筈だ。

 

『言ってやるよ。この事件の最初のきっかけは、大勢の感染者を迫害して来たお前達非感染者だよ』

 

 抑圧は反乱を生み、それはやがて争いを起こす。過去から今まで繰り返されて来た、変わらない過ちだ。

 

『誰かを護る為の行動を積み重ね、その行為によって護りたい誰かが死んだ気分はどうだい?』

 

 さっきまで言い返していた駐屯兵の皆々は、声を発さなかった。

 いや、皆言い返そうと、口をパクパクさせている。だが出来ないのだ。正しいだけの言葉は幾らでも否定出来る。それでも、彼らの大半が市民を護りたいと思っていた事は本当で……

 

 結局、この正論を肯定しても否定しても、ダメージを負うのは非感染者であるのは明白だった。

 

『まぁ、だからこそこの状況は都合が良い。このアホな認識を塗り替えるにはうってつけな状況ってハナシ。だから殺さないよ、文字通り全員な……さて、いやスマンねジャスティス・ランフォード。見苦しい事を長々としてしまった』

「ジャスパーだ……何処行くつもりだよ?」

『レティシアちゃんのとこー』

「なんで――あ〜、まぁいい。好きにしやがれ」

 

「ボス、少し席を外す」

「おう、すぐ戻って来いよ」

 

 スキップしながら部屋を出るホモと、ソレを追いかける様に飛び出すテキサスを尻目に、二人のおっさんは同じ事を思い浮かべる。

 

((にしてもよぉ…この空気、どうすりゃいいんだ?))

「……所で、なんでイモータルがもう一人いんの?」

【え、今それ聞くの?】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『で、なんの用かなテキサスくん?』

「……お前は、今までもあぁ言う風に言いくるめて来たのか?」

 

 無駄に長い廊下の真ん中で、ホモは廊下の奥へ向けていた顔をテキサスの方へ向ける。

 

『とりま歩きながら話そう』

 

 

 

 

 

『んで、今までもなんちゃらって?そうだな、()は今までそうして来たよ。俺様はついさっき初めてあぁ言う風にしたけどね』

「……その一人称はどういうアレなんだ?」

『え?知りたいの?説明する前にこれまでの()を知る必要があるけど。少し長くなるぞ?』

「いや良い。こっちから話の腰を折って済まない」

『まぁまぁまぁ』

 

 のんびりとした足取りで、屋敷の外へ出る。

 

「私は、お前がここまでする理由がわからないんだ。被害に遭っていた市民、暴動を起こしていた感染者、そして…兄さ―フェイスレスに化け物に変えられたっていう人達も助けようとしていると聞いた。私だってそこまではしない。ましてや、自分に危害を加えようとした奴をどうして……」

『人を助ける時にその救助者の善悪を測る暇は無い…と答えとこうかね。例え助けた野郎が後に人を殺すとしても、()達は死にたくないと願う野郎を全力で助ける』

「そのモチベはいったい何処から湧いて出るんだか」

『この殺して殺されてが当たり前とでも言いたげな世界観なんかクソ喰らえって感じで湧き出る』

「……………」

『どうしたよ』

 

 歩みを止め、テキサスの方を向く。

 

「あぁいや、そうだな……私は、フェイスレスを…兄さんを助けたいんだ」

『おう…おう』

「だが兄さんは……取り返しのつかない事をした。感染者を煽動して、沢山の人を殺した。どう転んでも、兄さんは許されない。だから最初、私一人で兄さんを助けて…それで逃がそうと思ってた。もしお前がソレを止めようものなら、刺し違えてでも殺してもいいとも思っていた」

『だが今、ソレを俺様に教えたってことは、なんか心境の変化でもあったみたいだな?』

 

 二人とも、また歩き始める。

 

「あぁ……お前の事を、最初は得体の知れない奴だと思っていてな、そこから兄さんを狙う真っ黒不審者変態クソてるてる坊主に認識を改めて…」

『泣いていいか?』

「そしてさっき話して、またお前の認識を改めてみた」

『つけるならもっと人権のある名前にしてください(切実)』

「茶化すな。イモータル、お前が言った『助ける相手の善悪を気にしない…助けた相手が後に人を殺すとしても、助けを求めている時は必ず助ける』…この言葉に、嘘はないんだな?」

『勿論さァ!(オワピ)エンペラーに彼女が出来ない確率と同じ程度には信じていいぜ』

「ふっ、それはまた……確かにそれなら信じられるな」

 

 そうやって話しながら、とある屋敷…フェイスレスに傀儡にされた貴族街内の感染者達を改めて収容した屋敷に到着した。

 

「イモータル、私は兄さんを助けたい。だが、私一人じゃ難しい……だからお前に――」

『よかろう!その話乗った!』

「ッ!はや……いや、感謝する」

『それにね、俺様もフェイスレスを助けたい。理由は3つ。一つは、この事件の償いを必ずさせる。勿論、平和的かつ道徳的かつ穏便な償い方でな』

「あぁ……」

『そして2つ目は……テキサス、君が居ないと彼女を助ける事が出来ないと、俺様の未来演算()がそう言っている』

「……!」

『そして俺様的に1番大事な3つ目の理由は――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『実は俺様、フェイスレスの事が好きなのよね、恋愛的に…だからだ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は????????」

 

 

 You count the medals 1,2 and 3 Life goes on Anything goes Cming up OOO!!!】

「何だコイツ?!」

「急に歌い出しやがったぞ?!」

使用楽曲コード:172-0420-8】




コレが記念すべき100話目の話ってマジ?展開とか色々が中の中過ぎんだろ……コラボが終わったら100話記念でも書きますわ。
 次回はまたお話し回だが、そこが終わればフェイスレス+α✕3+1の鎮圧戦だ!頑張れ私!

あ、ついに私、ロボトミーな会社の管理人になりました。やったぜ。それじゃあまた次回、サラダバー!




おま◯け



ホモ

己の株を上げて落とす天才。感染者の迫害を否定する時だけ饒舌だなお前な?


テキサス

作者が心理描写が下手すぎて書かないから凄くわかりにくいと読者の兄貴姉貴達も思ったので、苦し紛れに此処に書き表します。
さっきの戦闘でフェイスレスに足止めされ、そこから脱出して追いかけたらホモとの戦闘シーンを目撃。そこからの巨大源石倒し、隕石未遂を見てあまりの強化っぷりにどうしようかと悩み、ワンチャンあのホモ野郎と一緒にやるしかないか?でも流石にホモでもこれだけ殺った奴を助けるとか言わないだろ…と考えていた所、会議室でホモの最後の言葉で「マジかコイツ」となり、ついて行って改めて話し合って協力する事を決めたのだった。
元々此処の2人は一回話し合わせたいと思ってたんだけれどねェ!作者の力不足でこの始末だよ!うるせえ!思った事くらい口にしやがれってんだ!


フェイスレス

目茶苦茶ラスボスムーブをしているが、悪役補正の乗った負けフラグを建築している事を彼女はまだ知らない。


???
それはとあるうっかり惚れそうになる程に良い性格をした、ただのフレンドリーホモ。
あるいは世界中の皆が幸せに生きてたらいいなと思っているだけの、ただのホモ


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とあるコラボの脇役事変 DC−11 決意表明

そして我らは正解を問い、答えを手にする


 前回の最後と同時刻

 

 無駄に広い屋敷の一室にて、ベールは頭を巡らせていた。脳裏に浮かぶは、ホモの言葉。

 

《この事件の最初のきっかけは、大勢の感染者を迫害して来たお前達非感染者だよ》

 

「……ならどうすりゃ良いんだよクソッタレ」

 

 相手は致死率100%の感染症。ソレを患い、なおかつ何時感染源と成り果てるかもわからない感染者達。そんな彼らの正しい対処法も、治療法も、何もかもわからない。わからないモノを正しく対処しろなんて出来る筈がないだろう。

 

「何が正解か教えろってんだ……」

【そうねぇ…少なくとも、虐げる事は間違ってると言えるわ】

「そうじゃねぇ。いやそうだが、俺が言いたいのは………」

 

 声につられて顔を上げるベール君。

 

 

 

 その視線の先で、部屋の入口に背を預け、ソレ(ホモ)は立っていた。

 

「ッッッッッッッ?!!!?!!?!!?!」

 

 恐怖と尽きぬ疑問による処理限界ギリギリの脳で取れた行動は、窓側へと後退する事だけであった。最早ホラーである。プライバシーの欠片もない部屋の侵入、ホモ以外は見逃しちゃうね。しょっぴかれろ。

 

「なっななななっ、なんで居んだよお前ェ?!?!」

 

 その存在を認識すると共に、徐々に恐怖が抜けた頭で、改めてこの怪現象の答えを求めるベール。

 

「つかお前!俺が部屋出る時もジャスパー隊長達と一緒にいたろうが?!」

【あら知らないの?ワテクシ達は遍在するのよチェリー☆パァイ!】

「意味わからねぇ事を……オイ待て俺は経験済みだコラ」

【エェッ?!そうなのォ?!】

「つかこういう話ししてる場合じゃッ――ダァァクッソがァ!!!」

 

 シリアスはいらねんだワ。

 

「つかその気色悪い口調なんなんだよ?」

【イメチェンよ】

「キッショッッッ!!!」

【傷ついちゃったァン!(歓喜)】

「キッモッッッ!!!」

【ま、ワテクシはアナタがあの会議室で見た2人の()とはまた別個体よ。機械の体って最ッ高だわァァァァァ!!!!】

「お前ホント何体いんだよ?!つかキモ、動きキッショッッッ!!!」

 

 

 閑話休題

 

 

【所でチェリー☆パイ、何か困りごとだったようだけれど?よかったらワテクシが聞きましょうか?】

「いらねぇよ気持ちだけで充分だ」

【そうねぇ……あのアーマーに包まれたワテクシの言葉が、ハートの何処かに引っかかってるってトコかしらン?】

「キッショ、なんで分かんだよ」

 

 ベール君は窓際からベッドへ移動して腰を降ろし、両手で顔を覆った。その横でホモは相変わらず関節どころか全身をスライムの如くグネグネさせtキッショ。

 

「俺達はよ、人が幸せに暮らせる様に尽くしてきた筈なんだ。その仕打ちがコレだってのか?」

 

 脳裏に思い出すのは、感染者収容所襲撃事件。あの事件からベールの感染者への認識が変わり、今まで以上に治安維持に尽力しだした。

 盗みをはたらく、錯乱し凶行に走る、その他諸々の感染者を捉えて、送って、住民達には感謝されて……それが正しい事だと――

 

《何度も言わせるな。感染者を何故我が子として扱わなければならない?》

 

 突如、ベールの脳内に溢れ出した記憶。ドルトン源石加工工場が襲撃されるより以前に捉えた、一人の感染者。

 ウルサスは感染者への当たりが強い。感染者だとバレれば、今までのように普通の暮らしをする事は出来なくなる。

 

 だが眼の前でうずくまる子供が、明日を生きれるかわからない生活を送る羽目になるのは、少し可哀想ではないだろうか。そんな気まぐれに抱いた同情に従って、彼は話の合う同僚が管理していた労働施設へ収容した。

 あそこなら、少しはまともに暮らせるだろう………それが良い行いだと、正しい事だと信じていた。

 

《処分したのは君の部下のベールだろう?何故私を問い詰める?夫だからと言って、私は妻である君の都合の良い道具ではないのだよ》

 

 廊下の角から聞こえた、リスタと上級士官の男の話を盗み聞いていた時の記憶。その時のリスタの顔を、憎悪と悲しみに満ちた苦痛の顔を、彼は今でも憶えていた。

 

「……ハハ、そうかよ」

 

 なんて事をしやがったんだ、なんて事を言ってやがんだ。

 

《所詮テメェもあのクソ野郎(クラウンスレイヤー)みてェな奴だったってんなら、最初から……ッ》

 

「そうなる最初のきっかけは俺じゃねぇかよ、チクショウ」

 

 そう呟き、そのまま項垂れる。どんな選択が正解かもわからないまま、間違っていた事が今になって顕わになっていく。

 

「勘弁してくれよ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【顔を上げなさい、チェリー☆パイ】

 

 ヒェッ

 

「……ほっとけや」

【いいえ放おっておけないわ。顔を上げて、ワテクシの美貌を見つめるの】

「帰れ」

【あら、頼み事と言うのは顔を見て言うものよ】

「ッッ………」

【さぁ!ハリィアップ!】

「ッ!…ウゼェんだよさっさとうsピギュッ?!!?!」

【ハァイ、ベールチャアン。やっと顔を見せてくれたわねン】

 

 いつの間にかベール君の横に腰掛けていたホモが彼を煽り、苛立ちで思わず顔を上げてしまった所を素早く掴んで強制的に眼と眼を合わせる。こんな眼と眼が合う瞬間は好きになれない。

 

「離せこのッ……何なんだテメェは!?」

【よくお聞きなさい!】

「ッ!」

【確かに貴方は間違えちゃったわ。でもね、貴方のとった選択が間違いだけと言う訳では無くってよ!】

「ど、どういう事だよ?」

 

 ホモはベール君を離すと、そのまま己のコートに手をかけ、バリィ!とファスナーを無理やり引き離し黒い鋼鉄の胸板を曝す。なんで?

 

「オイ待て何故脱いだ」

【ホモはね、全てを受け入れるの】

「は?」

【だから貴方に、ヒントを教えてあげるわッ!】

 

 ホモは開けた胸元に手を添え、話を続ける。

 

【貴方、リスタちゃんの子供に会ったんでしょう?その時の事をよく思い出してみなさい】

「思い出すっつったって……」

 

 思い出し、ハッとする。あの時アインは、自分だけを助けようとしていた。だが何故?アインにとっては、ベールがあの時した選択は結果的に見れば酷いモノの筈だ。

 

【ンフフ、確かに貴方の選択は正解では無かった。でもね、間違っていた訳でもないの。そして貴方の選択は、少なくともあの子を救っっていたのよ】

「………ハハ、そうか…そうか」

 

 両腕を広げ、バタンと上半身をベッドに倒す。

 

「そうか、間違いばっかじゃなかったんだな」

 

 胸に引っかかっていたモノが少し軽くなった。あぁそうか、こんなにもわかり易いヒントが近くにあった。

 未だに感染者を完全に許す事はまだ無理だ、少なくともクラウンスレイヤーの顔面を一発殴るのは誰に説得されても譲るつもりはない。それでも、もう二度と間違えるつもりはない。確かに感染者達は今や加害者だ……だが、同時に被害者でもあり、助けを求めている。昔から今も、ずっと。

 

【さぁハリィアップ。まだまだ途中式の段階よ、正解への道は険しいわ】

「あぁ、先ずはヤンチャな奴らを助けねぇとだぜ。罪を償わせるのはそれからだ……なァイモータル、感染者の助け方も教えてくれや」

【先ずは言葉よ。コレが1番大事。そして言葉は言葉を運ぶモノ…あの感染者クンを説得するには、リスタちゃんの言葉も必要だと、ワテクシの演算が言っているわ】

「そうだな、アイツはリスタの事を誤解してるみてぇだった。よし、他になんかないか?」

【後はハグする力!コレがあればだいたい堕t】

「よしわかった。じゃあな」

【アァン♡まぁ待ちなさいチェリー☆パァイ。言葉は大事だけれど、言葉では相容れない人も残念な事に存在するわ。でもね、言葉は声だけじゃないの。声による言葉が通じなければ、漢同士の肉体言語でェッッッ!!!!

 

 

………あら?】

 

 長々と喋るホモを無視して、リスタが投獄されている部屋へベール君は足を進める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は少し戻り、先程までの兵達が居なくなった会議室にて。

 

「ったく、面倒な状況を置いて勝手に行動しやがって、お主の…本体?とやらは何をどうすればあんなのに育つんだ?」

【いやぁ申し訳ないが、コレばかりはどうにもなァ。こういうやり方が手っ取り早くてね】

 

 金属を加工する様々な音をBGMに、ギターを持ったホモと精神的に疲れたのか眉間をモミモミしているジャスパーが会話をしていた。

 

「早いからって良い事はねェだろうに……つか、それ俺の予備のアーツユニットなんだが?何勝手に弄ってんだお主?」

 

 そう、さっきから室内に響く金属加工の音はこのホモの仕業だ。それぞれの指がアーツユニットのメンテナンスに使われる器具へ変形し、忙しなく動いている。

 

【出力に耐えられンからいっその事数で使い続けようってコンセプトは頑張ってるが、アーツの出力に耐えられないモノしか作れン時点で及第点以下だ。戦争ばっかしてた割には、ウルサスの技術力のタカが知れるな】*1

「お主ら、俺の国に随分と当たりが強いよな」

【そりゃそうだろ。戦争しまくった挙げ句に敗走して、その上内部の亀裂によって戦争の維持が不可能になった。コレだけでも、ワタシからしたらバカ丸出しだ】

「ひでぇ言いようだ。まぁ、否定はしねぇけどよ」

 

 よくもまぁ、息をするようにウルサスの負の部分をツラツラ言えるもんだな、と背もたれに深く寄りかかるジャスパー。

 彼にも、ウルサスへの愛国心は在る。だが、どうにも反論する気にはなれなかった。

 

 

 暫くの間、金属加工の音が響き続ける。

 

 

「……なぁイモータル」

 

 ふと、この部屋でのホモの言葉を思い出したジャスパーが口を開く。

 

【なンだね?】

「お主、人殺しが嫌いな質の人間だろ?」

【そうだな。確かにワタシ達はそういう風にプログラムされている】

「じゃあ何故俺達を助ける?」

【………】

「そんだけ俺の国の悪口を言えるんだ。もう察してんだろ?」

 

 ピタリと作業していた指が止まり、言葉の続きを促す。

 

「少なくとも俺は、国を守る為に大勢の人間を殺してきたんだぞ。お主にとっちゃ、そんな俺達は嫌いなんじゃねぇのか」

【そんな事に興味無いね】

「ッ………!」

 

 くるりと顔を向けたホモは、呼吸をするかの様な軽さで答えを返した。

 

【あのなジャスパー、ワタシにとっちゃ人の善悪なんて関係ねンだわ。ソレに今ジャスパーは人殺しちゃいねぇだろ。レティシアとの戦いの時だって、手ェ抜いてたの俺様知ってるンだからな?このアーツユニットが壊れてないのがいい証拠だぜ】

「………」

【ソレに数年だか数ヶ月だか前の事柄を今持ち出してきてなンになる。過去は今を補足する記録だが、今を決めつけるモノじゃあ無いだろ。過去に幾ら人殺してようが、今からずっと人助けてりゃどうでもいいのよそンな事】

 

 そうぶっきらぼうに言い捨てると、ホモはさっきまで弄っていたアーツユニットを掴んでジャスパーの前へ突き出す。

 

【つかよ、こンな辛気臭い話じゃなくて、今まで読ンだエロ漫画のジャンルの話でもしてようぜ】

「……ックハ!フハハハッ!」

 

 勿論、コイツがどんな事を返して来るかなんて、簡単に想像はついていた。

 そしてソレ以上に、このホモ野郎はジャスパーが思っていたよりも色々なモノを、真っ直ぐ見ていたのだと理解した。

 

「ったく…お主、よく都合の良い奴だとか言われてねぇかよ?」

【褒め言葉として受け取ってるよ。機械は人にとって都合のよいモノなンでな】

「そうかい…今この瞬間にお主と相見えた事を、どっかの女神かなんかに感謝しねぇとな」

【招き猫にでも感謝しとけ………でジャスパー・ランフォード、どンなエロ漫画がタイプだ?】

「やんのかソレ」

【折角だししこたまやろうや。因みに()は、男勝り系幼馴染み純愛モノがタイプですッッ!!!】*2

「フッ……そうだな、俺は――」

 

「いやあの、もうちょっと声を抑えたほうが良いんじゃないでしょうか」

 

 ドンガラガラガラガッシャンシャーン!!!!

 

【ワーッ?!無表情敬語調ロリフェリーン?!】

「自分は成人済みです」

【ワーッ?!無表情敬語調ロリ体型――】

「普通にセクハラです」

「2回も言わんでええわ。はぁ……ノエル衛生兵、先ずはノックしてだな…」

「すみません。扉が空いていたもので……先程までの会話駄々漏れしていましたよ」

「【オイオイマジかよ】」

「ン゙ン゙ッ…それでノエル衛生兵、要件はなんだ?」

「はい。先ず、戦闘員各位の治療を終え、何時でも出撃可能な状態です」

「おう」

「ですがその前に、ジャスパー隊長が演説による指揮の向上を図るとの事を聞き……」

「待て待て待て何だそれ知らんが?!誰だそんなデタラメ言った奴は?!」

「その事を自分に伝えたのは、オカリナを吹いていた黒コートの方です。ですので確認をと思いまして」

 

 バッと凄い形相のジャスパーが、ギターのホモへ顔を向けた。

 

【え、なにそれ知らん】

「なんでだよ!」

「既に各部隊の整列が完了してるみたいですよ」

「なんでだよ?!!?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻、感染者が詰め込まれている屋敷のレティシアがいる個室にて

 

「私達は、アルハイム兄さんを助けに行く」

「……それを俺に聞いて、どうするってんだよ」

「別に私からどうする事も無い。ただ、今ここで、私達について行くか、行かないかを、お前が決めるだけだ」

「なら…決まってる!俺も行く!あの方に…アルハイム様に聞きたいんだ。なんで、こんなことをしたのかって。なんで、みんなをあんな姿にしたんだってな……あれは、アルハイム様のアーツだ。見たことだってある。だから、どうしてって聞きたい……きっと…きっと、理由があるはずなんだ。だから俺は…私は、それを聞き出さなきゃならない」

「フッ……」

「……それともう一つ」

「ん?」

「アイン達を…まだ生き残ってるかも知れないみんなも…助けたいんだ」

「その事なら大丈夫だろう。きっとアレがなんとかする」

 

 窓の外にいるホモを顎で指しながら、テキサスは答えた。

 

「……でよ、その黒コートはどうしてあぁなってんだ?」

「聞くな」

「でもよ――」

「いいから支度しろ。傷は治されたんだろ」

「………ちぇっ、わかったよ」

 

 屋敷の入口で地面に上半身を埋めた状態でピクリともしないホモを一瞥した後、レティシアはベッドから降り、己を助けた触手のホモが用意した服や装備を着込むのだった。

 

(どうせまた巫山戯た事でもしたんだろ。ザマァみやがれ)

 

 その巫山戯た事が親愛なるフェイスレスに好意を持っているという事であるのを彼女が知るのは、少し後である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あークソ、あの黒コート不審者イモータルが、なんて事してくれやがんだよ。

 

「ン゙ン゙ッ…皆、コレが最後の戦いになるだろう」

 

 あの野郎に渡された出来の悪いカンペを頭の中で自分なりに修正しながら読み上げるが、どうやら俺も人の事は言えないらしい。

 こういう口弁を垂れるのは後ろで踏ん反り返る上級士官どもの得意分野だが、同じ階級のくせして、先頭で進めと声を張り上げる様な自分には向いてないみてぇだ。

 

 イモータル、お主が俺に言わせてぇ事はわかる。コレを言っておかなきゃ、コイツらも、この後の事もどうにもならねぇのも察せれる。ソレを言う切り口を作る為のこの演説だろう?ったく回りくどい事しやがって、慎重過ぎなんだよお主は。

 だから自分でやれ……と言いてぇ所だが、俺達の部下を…この移動都市の住人をコレだけ生き残らせてくれた礼だ。今回はお主の考えている通りにしてやるよ。

 

「諸君には、この戦いに…………わりぃ、やっぱこういう堅苦しいのは無理だわ」

『ファッ?!ウーン……』

 

 だが、伝え方は俺流でやらせてもらう。

 

「なァお主ら!こんなクソみたいな状況を、一刻も早く終わらせてェよなァ!」

「「「「ッ!…オォォォォォォォ!!!!!」」」」

「早く終わらせて、家族と、ダチと!メシ食いたいよなァ!」

「「「「オォォォォォォォォォォォ!!!!!」」」」

「それじゃあ!家族とダチの所に無事に帰るために、勝って生き残らねェとなァ!」

「「「「オォォォォォォォォォォォ!!!!!」」」」

「いい返事だ!じゃあ最後に一つ!

 

 

 

 

 

 

 

お主ら、まだウルサスの為に戦うか?」

「「「「オォォォォォぉぉぉぉ………?」」」」

 

 熱狂していた兵士達は、俺の問に疑問符を浮かべた。まぁそんな顔をするのも仕方ねぇな。いきなりなに言ってんだって話だしよ。

 

「一部の奴らはもう知ってるだろうが…本国は、此処に援軍を寄越す気は無いらしい」

「な、何だよソレ?!俺達見捨てられたってのか?!」

「どういう事だよ?!」

「勘弁してくれ……」

 

 先程までの熱狂がウソかの様に、集まった兵士達から弱音が吐き出される。ソレはそうだろうさ、幾らイモータルがいるからと言って、フェイスレスの傀儡にヤられた人間は確かに出た。死んでるかどうかはわからないが、俺だってアレの様にはなりたくない。

 

「嫌だァァァァァ!」

「もう終わりだ、俺達……」

「わ、わたし…死にたくない……」

 

 戦争も経験していない、実戦経験も豊富とは言えない。今のコイツらに、今の状況は恐怖を抱くには充分だ。だから―――

 

 

 

「注もォォォォォォォォォォォォォォく!!!!!」

 

 

 

 

 先ずは大声で、そいつを吹き飛ばす。

 

「よく聞け!………俺は、このクレアスノダールを気に入っていた。俺ももう歳だ、隠居するならこの都市にしようと決めていた」

 

 力強く、しっかりと、言葉を並べる。俺の意思を、コイツらに伝える。

 

「俺は今でもウルサスを愛している……だがな!上の偉そうな奴らが何を考えてるか知らねぇが!感染者を必要以上に迫害し!挙げ句に俺達すらも見捨てる今のウルサスが!俺は死ぬほど嫌いだ!」

 

 俺の言葉に、この場の誰もが目を見開いた。

 

「俺は今から、ウルサスの雷獣じゃねぇ……いつかのボジョカスティと同じ、ウルサスを裏切るただの反逆者だ。だがそれでも、この都市が好きだ。この都市にいる皆が好きだ。故に全力で俺が守り抜いてやる!だからよ…この事件を生き残って、無事にウルサスへ帰りたいと思う奴は、今すぐ貴族街の奥の市民が避難している屋敷へ行け!今すぐにな!」

 

 そう言い終わってから、俺は目を瞑った。一人も残らない事を想像しながら。

 

 元々、感染者を必要以上に痛めつける今のウルサスに思う所があった。娘が感染した時を考えたら、どうしてもそういう気になれなかった。まぁ、もういねぇけどよ。

 そして、この事件とイモータルの言葉で確信出来ちまった。どっちが悪いじゃねぇ、どっちも悪かったんだ。俺達も、感染者も、どっちも加害者で被害者だった。ソレをイモータル、お前が気づかせてくれた。こういう所だけは感謝してもしたりねぇよ。

 

 あぁ、ボジョカスティ…テメーみたいなのがウルサスを去った理由が漸くわかった気がするぜ。

 だからよ、俺もそうする。お主と違って何処までやれるか全然わかんねぇけどよ……多分、そういう事に乗り気な不審者もいる。なんとかなるかもな。

 

 さて、そろそろか。誰も居なくなって――

 

「……オイオイ、マジで言ってんのか?」

 

 俺の目の前には、さっきと変わらない数の奴らが立っていた。

 

「ジャスパー隊長」

 

 俺の名を言ったのは、本国と通信を取っていた男。

 

「確かに、死ぬのは怖いです。でも、ソレは貴方も同じ筈だ。それでも俺達を守ろうとしくれてる。ソレを後ろからただ見守るだなんて、俺はちょっと無理です」

 

 ソイツは、そのまま周りにいる他の奴らを見渡す。目があった奴らが、それぞれ恐怖の抜け切らない顔を、それでも言った風にと縦に振った。

 

「ソレに俺達、市民を守りたいからこの職につきましたしね。後、援軍に来てくれないウルサスにもイラッと来ました」

 

 その言葉に呼応する様に、周りの奴らが声を張り上げる。怖いだろうに、それでも俺について来てくれると決めやがった。

 

「あ〜クソッ、ありがとよテメーらァ!テメーらの命は俺が必ず、死んでも守ってやる!」

「「「「オォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」」」」

 

 さて……後は市民達にどう説明したものか……

 

『そこは問題ないんだナ』

「……お主、次は何しやがった?」

『ジャスパーの演説を市民達にも聞こえるように垂れ流してブベラァ?!!?!』

「勝手に人のセリフ垂れ流してんじゃねぇよ不審者野郎!」

 

 思わずぶん殴っちまった。なんでコイツこんなプライバシーねぇんだよ。親の腹に置いてきただろ絶対。

 

『ゲハハ…っと。でもお陰で、市民も君について来るみたいだぜ』

 

 そう言って見せてきたタブレット端末には、画面越しでもやかましさが伝わる程に盛り上がっていた。俺の名前が書かれた横断幕もあるんだが。

 

 ソレにコイツは……あの時イモータルが連れてきやがった感染者?

 

『どうやら、向こうでもなんやかんやあったみたいだな。矢張り、救った命は巡り巡ると言った所か……さてジャスティス・ランフォード、フェイスレスをしばく用意と行こうじゃないか』

「ジャスパーだこの野郎。そこら辺に関してはお主が伝えろよ」

『おうともさ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『では先ずコレを着よう』

「なんだコレ?」

「スーツ?」

『着ると身体能力が五倍くらい上がる強化外骨格だよ』

「この薄い防弾チョッキみてぇなのの何処にそんな機構があんだよ」

 

『次はコレを持とう』

「ナニコレ?」

「コレは!ライトセイバー!」

『フェイスレスのアーツ術式をちょいと弄ってね、刃状にしたの。これならあの傀儡に効くよ。効果は実証済みだ』

「最早なんでもありじゃね?」

「このバックラーは?」

『都市防衛副砲に耐えれるただのバックラー』

「この大盾は?」

『大規模移動都市に押し潰されても形を保てるただの大盾』

「最早なんでもありじゃね?」

 

「お前!俺達を死なせない何かがあるんだろうな?!」

『勿論さぁ!先ず、私を五体増やしました』

「……なんて?」

『後戦闘支援自律飛行ドローンも数百機程作りました』

「なんて?」

 

『んで戦い方だが、出来れば重装一人と前衛2人で一体相手させたいのよね。これ以上の犠牲は出さないつもりだし』

「なら、必修科目の中に丁度良い連携戦闘があった筈だ」

『……あぁ!カジミエーシュの銀槍相手にに使われた連携ね』

「なんで知ってんだよ」

『まぁまぁ、後はこういう作戦で……――』

 

 そうして、全ての準備を終えたウルサス兵士……いや、クレアスノダールの兵士達は、貴族街の門の前に列を作る。

 門の奥からは、ホモが張ったシールドのアーツを砕かんとする傀儡達の打撃音が響き渡っていた。

 

『んじゃ、最後に一言』

「ン゙ン゙っ………テメーら!よく聞け!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クレアスノダール(ここ)に、生きて戻ってくるぞ」

 

 最後の戦いが、始まる。

*1
ホモ目線の技術力評価なので参考にしてはいけない、いいね?

*2
幼馴染みにTS要素があれば尚良し




というわけで、1話に収めたかったが故に後半駆け足気味かつ少しご都合主義が顕著に出てしまって申し訳ねぇぜ!元々そういう二次創作なんだけどね!いやすまんね!
では次回から戦闘シーンの連続かもしれん。後作者は熱を出したので寝ます。

では皆様、サラダバー!





おま◯け


ホモ

貴族街に戻ってから義体の残りを完成させ、会議室で一悶着を起こし、その裏で完成させた義体に命令してドローンを量産させてたりレティシアを戦闘可能状態まで回復させてたり武装を作ってたり一部の奴をチャートに組み込んだりしてたホモ。やることが、やることが多い!


テキサス

アルハイムの事を好きと言ったホモを思わず殴って地面に陥没させてしまった。


ベール

答えを得たので後は実行するだけ。リスタとの会話はもう少し先で書くぜ。
……書けるかなぁ?


ジャスパー

愛国心はあるけどホモのお陰で今のウルサスが嫌いになってしまった男。俺はウルサスを出るぞ!ボジョカスティー!
元々ウルサスの英雄の一人で人気も高かった上に、市民を必ず守るという姿勢とクレアスノダールが好きだという台詞により、クレアスノダール市民が全員ファンと化した。
最後のセリフは前回のフェイスレスのセリフと対になってたりなってなかったりする。


最初ホモに助けられた青年

実はホモによって貴族街にいち早く連れてこられた後、色々あって市民達に結構踏んだり蹴ったりされたりもしたが、それでも市民達へ自分達感染者がどう思っているか、これから非感染者達とどうしたいか等を主張しまくって相互理解へ持っていった男。ほ、いつの間に?!まぁ短縮になったのでヨシ!(確認猫)


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とあるコラボの脇役事変 DC−12 駆動機兵

お前今、勝てると確信したな?


〈境界無きレチタティーヴォ〉
味方全体の攻撃力+20%


「……ん?テメェ、その首に掛けてるの何だ?さっきまでつけて無かったよな?」

『あ?あぁ、コルルァただの魔除けだ魔除け』

「……テメェそういうの信じる質なんかよ。なんかキメェな」

『良いでしょうが別に。ほら、そろそろ出発だ……………いやシンプルに酷い事言われたな今』

 

 貴族街の門の前に並ぶ行列。その先頭に立つのはジャスパー、テキサス、レティシア、イモータル×5。

 レティシアがこの作戦に加わる事に、最初は反対する者が複数出たが、コレに対しイモータルがこれ以上時間は掛けれない事を懇切丁寧に説明しつつ土下座する事で解決した。

 

『というわけで兵士の皆様方。今からやるのは戦いじゃあ無い、救助活動だ。故にマニュアル通りにやれば必ず上手く行くし……行かなくても、俺様達とジャスパーが絶対に死なせない。それでは、後は作戦通りという事で。んじゃジャス叔父、最後に一言』

「……ン゙ン゙っ………テメーら!よく聞け!」

 

 

 

 

 

クレアスノダール(ここ)に、生きて戻ってくるぞ」

 

 門が開く。

 

「ッ……!」

 

 誰かが上げたその小さな悲鳴は、大量の喚き声によって掻き消された。貴族街を覆うように張られた透明の膜を、源石で尖った爪や牙で引き裂こうとするフェイスレスの傀儡達。

 その量は、目視出来る限りでも数えるのが面倒になる程だ。

 

 その虚ろな目に宿る殺意がこちらを向く度、兵士達は恐怖を憶える。が、もう支配されることは無い。

 何故なら…………

 

『んじゃ、行って来るぜ!頼んだぞジャスティス・ランフォード!』

「ジャスパーだ馬鹿野郎!」

「ちょっ、テメェ!この持ち方はねぇだろうが!」

「もう少し優しめに持ってくれないか」

『注文が多いわァァ!!!』

 

 テキサスとレティシアを両脇に抱え、自ら張ったシールドと群がる傀儡共を吹き飛ばし、遠くへ小さくなっていくホモ。

 

 

「行くぞォォォ!!!俺に続けェェェ!!!!!」

 

「「「「オォォォォォォォォォォ!!!!!!」」」」

 

 

 そして、クレアスノダールを守護する、雷獣がいるのだから。

 

使用楽曲コード:148-6312-0>そンじゃワタシ達も、爆裂的に鎮圧と参りますかね】

 

 黒コートの義体達も傀儡達へ向け我先にと跳躍し、先制攻撃を仕掛ける。ギターを振り回し、ハンドキャノンを放ち、盾で吹き飛ばし、拳の乱打を叩き込む。

 こうして4つの義体が固まっていた傀儡達を倒しながら分散させ、クレアスノダール兵達に残りを対処させる。彼らも3人一組となって、傀儡達を危なげなく倒していた。

 

 そして、雷鳴が複数の傀儡達を吹き飛ばす。

 

【ヒュー!スゲェなありゃ!雷獣ジャスパー・ランフォードだっけ?オレチャン達の方にはいなかったが、確かにパトリオットと並んで英雄扱いされるだけはあるなァ!エロ漫画で例えると…いや例えが思いつかねぇわ!ヒャハハ!】

 

 ハンドキャノンで緑色の光弾を撃ち込む義体は、ジャスパーの雷に興奮しながら、素早く体と二丁のハンドキャノンを回し四方八方に光弾をばら撒く。

 それぞれ頭部に撃ち込まれ動かなくなった傀儡を兵士達が拘束するのを余所に、態勢を立て直した義体はホモが向かって行った方向を改めて観測した。

 

【………やっぱり何かいるな?】

 

 

 

『やっぱり何かいるか』

「なにが?!」

「………来る」

『よっ』

 

 両手が塞がれたホモへ向けられた、2方向からの完全なる奇襲。ソレを軽々と回避し、着地と同士に発射された黒塗りの矢を、いち早く地面に着けた片足で滑る様に移動する事で回避する。

 

「チッ、頭全体に目ェついてんのかよアイツ」

「だが…これ以上は通さん」

 

 仕掛け人は、少し前に戦ったばかりの三馬鹿の2人。後一人の狙撃手はまた何処か遠くに潜伏している事だろう。矢の軌道を逆算したが、その場所には既に影も形も無かった。移動が速いことで。

 ソレに…とホモはその変わり果てた姿に警戒する。

 

「アイツらは…!」

「知ってるのかレティシア」

「知ってるつっても、いつもアルハイム様の隣に居た奴らって位しか知らねぇけどよ……だが気をつけろ。コイツらは強いぞ」

『あぁ、なんかイメチェンもしたみたいだしな』

 

 その体は、今後ろで鎮圧されている傀儡達と同じ、至る所から源石が生えた目も当てられない様な酷い状態だった。

 

 だが傀儡達とは違い、明確に自我がある。コイツらは別格だ。

 

「そォら死にやがれェ!!!」

 

 素早く背中に6つ突き刺さっている自律飛行型アーツユニットを4つ展開し、その内の2つで傘状のシールドを形成して三バカの一人、アサルトの攻撃を防ぐ。

 

 だが――

 

「しゃあァらくせェェェ!!!」

〘ッ!……コイツッ〙

 

 気持ち良い音と共に割れるシールド。そして地面を抉る剣と、その剛腕が裂け弾ける血飛沫。

 身体が壊れない為に脳が制限するリミッター、それを取っ払った一撃。遅れて砕ける地面によろけながら、咄嗟に脇に抱えてる2人へ追加のシールドを張ってよかったと演算するホモ。

 

「貰ったァァァ!!!」

『貰ってねぇよッ』

「あァ?!」

 

 素早く残りのアーツユニットから緑の光線を照射。攻撃モーションに移行していたお陰で諸に光線を受けたアサルトは、明らかに動きが鈍くなる。

 ソレもその筈。この緑の光線はフェイスレスの源石操作のアーツをホモ好みにしたもの。フェイスレスが源石へ語り掛け操る様に、この光線の形をした命令を源石へ撃ち込み、一時的に活性化を抑える代物だ。故に、源石と一体化した傀儡達は、この光線によって暫くの間無力化出来ると言う寸法よ。

 

 そして動きが鈍った隙を逃さず、ホモはアサルトの腹へヤクザキックをかまし、遠くへ吹き飛ばした。

 

「アサルト!」

「ごべっ?!」

《「なにやってるのよ、もう…援護するわ」》

 

 源石が生えた大盾を持った男、イージスがその盾でアサルトを受け止め、後ろへ軽く放り投げると共に、追撃してくる光線を盾で防ぐ。

 

『ちぇっ』

「おいテメェ!俺達を降ろせ!邪魔になってんだろうが!」

「両手が塞がれた状態でアイツらを相手するつもりか?」

『なわけ…っと、ないよ…っと。そもそも此処で無駄に気力を消費してられないんでね』

 

 次々と飛来してくる黒塗りの矢を避けながら、撃ち落とされない様にアーツユニットを回収し、それと同時に自身を中心とした円を一瞬で広げる。

 

『距離は掴めたんでな。君達には向こうに行ってもらう』

「ッ!ホークアイ!今すぐ距離を――」

 

 

 

『じゃあね。楽しんで来てくれたまえ』

 

 

 

 そう言うと同時に、ホモの周囲が僅かに光、三馬鹿の姿が跡形も無く消え去った。

 

「……何をした?」

『ワープさせただけだ。向こうは予定よりちょっとハードワークになりそうだが……まぁ被害が出るよりマシだな。頑張れジャスパー。頑張れ()達』

 

 テキサスの答えにそう返すと、ホモは跳躍移動を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌(┌^o^)┐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【で、お前さン達の前にワタシ達がいるってわけよ】

 

 アサルトは警戒する。イージスとホークアイから離され、傀儡達とクレアスノダール兵達が戦っている場所のど真ん中に、いつの間にか立っていた。

 そして目の前には、エレキギターを携えた黒コート。

 

「…ったくよォ、なんで2人に増えてんだお前ェ」

【2人じゃないよ。6人だ】

 

 おいおいアルハイム。もしかして俺達とんでもネェ奴と戦ってんじゃないか?と今更ながらにアサルトは思う。

 

 そんな理由で、尻尾巻いて逃げる訳でも無いが。

 

「なら先ずはテメェから血祭りにあげてやるぜェ!!!」

【威勢が良くて大変よろしい!】

 

 ギターの細い所を持ち、顔の横で構えるエレキギターの黒コート……通称『響音増幅型』へ急接近し、力任せに刃を振り下ろす。その刃はエレキギターとカチ合い……流れる様に軌道をずらされ地面を砕いた。

 

「なッ―?!チィ!」

【成る程】

 

 そのまま軌道をずらされた剣を振り上げ、剣の軌道をずらしたギターを振り降ろし、瞬く間に高速の剣戟へと移行する。

 

【源石の頭部侵蝕による脳の異常。それがお前さンの身体にかかるリミッターを外している訳か、コレは怖い。身体の限界を外した先民…流石に一撃の威力が強いのも納得だ】

(コイツッ…この俺を勝手に分析してやがるッ!)

【ついでに、動かして壊れた所は源石で修復していると見た。成る程厄介極まれり!】

「しゃらくせえェ!!!」

 

 2人の間で金属音と火花が無数に咲き乱れた後、押し返したのはアサルト。横一閃を後方へ飛んで回避した響音増幅型へ離すまいと接近し、攻撃を続ける。

 

【まぁそンな怖い顔しねぇでよ、楽しもうぜ】

 

 ギターを掻き鳴らして叩きつけ、前方扇状に火柱を吹き出させる。だがアサルトはその中を自分の体が焼けるのを承知で突っ込み、地面が砕ける勢いで2回ほど剣を振るう。それを流れる音楽にテンポを合わせ、踊るように回避しながらギターを掻き鳴らし、冷気を纏ったギターを逆袈裟に振ってアサルトを凍らせてから返すギターでぶん殴り、体を再生しながら凍った体なぞなんのそのと言わんばかりに突っ込んでくるアサルトへ、ギターを展開させ顕わになった長四角の銃口から緑の光線を複数本射出。動きをもう一度鈍らせてからバットの様にギターを振るって吹き飛ばし、跳躍して接近しながらギターを掻き鳴らして、生成した複数本の雷の槍を全てアサルトの体へ撃ち込んだ。

 

 最後にギターを1度鳴らし、雷の槍を炸裂させる。

 

【ヒューッ!エンジンが温まってきたぜ】

 

 そう言って響音増幅型は振り返り、それと同時にアサルトは今だ帯電している体を立ち上がらせる。

 

「成る程なァ……テメェがフェイスレスの言っていた音楽アーツを使う奴か」

【おやおや、元気良くていいね】

 

 流石に面倒くさそうにそう発音する響音増幅型。そしてアサルトへ向かって、もう一度アーツを発動しようとギターを持ち直し――

 

 

 

 

 

 

 ドゴシャア!!!

 

 

 

 

 

 

 ――ア?何が起きた?

 

 突如として後ろから襲いかかる衝撃。レーダーにはさっきまで後ろに誰の反応も無かった。地中にいた訳でもないだろう。ならば狙撃だが、空気の流れを見る限りそれも有り得ない。

 

 未来演算に突如介入してきた未知数。未知は駄目だ。必ず障害となる。解明せねばならない。響音増幅型は素早くギターを振りながら後ろを向き……

 

【ッ…いねぇ?!】

 

 直ぐ様横に降ったギターを後ろに構えてアサルトの攻撃を防ぐ。攻撃が来たであろう方向には、戦い合っているクレアスノダール兵と傀儡しかいない。

 

「わからねぇよなァ!」

 

 ギターと剣が鍔迫り合い、またアサルトが押し返す。ここまではさっきと同じ。だがここから違うのは、響音増幅型がアサルトの攻撃を防ごうとする度に何処かから衝撃がクリーンヒットし、義体の姿勢制御を崩す所。

 義体の装甲たるヤメチクリウム超合金を破る事は出来ていないものの、確実に内部にダメージが蓄積していっている。

 

 ――このままではワタシは負ける

 

「テメェら今、俺達に楽勝出来ると思ってたろ」

 

 また態勢を崩された所に、アサルトの刃が迫る。この不可視のアーツによる不意打ちの仕組みを、不意打ちが来る方角の法則性をまだ解析出来ていない以上、この攻撃を避ける事は不可能だ。

 

 最後に、顔に向かってくる刃が3つに分裂する光景を写しながら、響音増幅型は吹き飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

【あ?やられてるし、なにやってんのアイツ?エロ漫画で言う所の寝盗られる元彼みてぇな酷さだな?】

 

 意味のわからない事を言いながら、スピード特化に調整された義体…彗速走行型に肩車された状態で、遠距離特化の義体…千里観測型が傀儡と飛来する黒い矢をそれぞれ撃ち落とす。

 

【こっちだって面倒くさいのにさ。躱しちゃいけない上に、まるで早漏の様に矢が尽く未来演算の予想より速く着弾しやがるってのに…なぁ、お前あの狙撃手に近づいて仕留めてきてくんね?】

【・・・失敗確率76%>現状維持ヲ推奨>】

【マジ?俺チャン的にはあの狙撃手の女…エロ漫画で言うと攻めで一瞬でわからせれるタイプだと睨んでんだが……】

【問題ハ・機動力ノ低下ニヨル・防衛能力ノ低下>】

【成る程、俺チャンが鈍足だからか】

【肯定>】

【なんだよ最初から言えよ後ろ拡張すんぞテメェ。ま、原因がわかればやりようはある。つまりは強くなりゃ良い訳だ。エロ漫画的に言えば攻め逆転って所だな!】

 

 

 

「お仲間が1人やられたようだが?」

【あんらイヤだ。チェリーパイが1人やられても、第2第3のチェリーパイが現れるわよん】

「意味のわからん事を…!」

 

 意味のわからん事を発音する適応特化の義体…万能適応型にシールドアタックを仕掛けるイージス。だがそれをヌルリと軟体動物の様に気持ち悪く回避する万能適応型。実はこのやり取りは既に数回目。さっきからずっと、イージスが攻撃を仕掛けては万能適応型が回避するのを繰り返している。

 おちょくられている……と最初は思ったが、今のイージスは警戒していた。観察されているのだ、ずっと。己だけではない。アサルトも、ホークアイも。

 

【それとチェリーパイ!死体はちゃんと確認するものよ〜!】

「チィッ!」

【それにねチェリーパイ】

 

 シールドアタックを避けられ、そのまま振り返ると同時に繰り出した拳を包み込む様に受け止められる。

 

【いったいいつから、ワタクシ達が本気で相手していると錯覚していたのかしら?】

「ッ?!」

 

 慌てて手を振り払い、後ろへ下がるイージス。

 

【勘違いしないでちょうだーい!別に人助けに手を抜いていたわけじゃないわァ!ただ本気で無い事と全力である事は同時に存在出来るってだけ】

 

 そう発音しながら、四角い物…例の変身ベルトを懐から取り出し…突如コートのジッパーを無理やり引き千切り胸板を晒す万能適応型。

 

【なにより…ワテクシ達の本気っていうのは、貴方みたいなチェリーパイを助ける為に取ってあるのだもの】

 

 その変身ベルトを胸の窪みに嵌め込むと同時に、イヤな予感がしたイージスは万能適応型へ向かって駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なにィ?」

 

 吹き飛んでいった響音増幅型がぶつかった瓦礫。その衝撃で出来た土煙が晴れた所には、アサルトが想像していたモノと別の光景があった。

 

 足をほうり出し、瓦礫に背を預け力なく項垂れる黒コート。だが、ギターを手放してしまったその片腕は、力強く空へ伸びている。

 

【音楽はな、音だ】

 

 その掌の中指と親指が触れ合う。

 

【故に、どンなに汚く、どンなに短い音も…音楽だ】

 

 小気味よい、空気の破裂する音。それが鳴ると同時に、手放した筈のギターが手元にあった。そして、そのギターのチューニングの時に弄る所に、さっきまで無かった変身ベルトが装着されている。

 

「テメェ!」

 

 アサルトのアーツが腕に当たり、またギターが弾け飛ぶ。

 

 が、弾かれた腕の袖から素早くカードを器用に取り出し、そのまま上に投げ、ギターに装着された変身ベルトの窪みに通した。

 

「なっ?!」

 

 一瞬の出来事に反応出来ないアサルトを他所に、ふらつきながらも勢い良くスタイリッシュに立ち上がり、ギターを手にすると同時に、ベルトのボタンを押す。

 

《確認>ガラクシアブレードアーマー・転送完了>》

【なぁ傭兵。音楽は好きか?】

 

 

 

 ホークアイはスコープ越しに目にする。さっきから肩車でこちらの狙撃を迎撃している2つの黒コート。その内の上にいる千里観測型が持っている二丁拳銃の片方のグリップに、変なモノが刺さっているのを。その変なモノに、変なカードを通したのを。

 素早く速射アタッチメントを取り付け、マシンガン並みの掃射をするホークアイ。そして千里観測型をポイッと投げつつ、蹴りでそれらを叩き落としながら折り畳み式の板にカードを通す彗速走行型と、空中で態勢を整えながらそれらを撃ち落とす千里観測型。

 

 ホークアイは、致命的な事をやらせてしまったと理解する。

 

《確認>デッドアイバスターアーマー・転送完了>》

《ビルドアップ>》

 

 

 

 まるで踊るように攻撃を躱しながら、胸に埋め込んだベルトにカードを通す万能適応型。

 

《確認>フリーダムストライクアーマー・転送完了>》

 

 

 

 そして、貴族街で感染者の治療を行ってた複写治療型が、触手を器用に使い、脊髄の窪みに嵌め込んだベルトにカードを通す。

 

《確認>オーイスクメディカルアーマー・転送完了>》

 

 

 

 赤、緑、黄、白、銀、それぞれの色の鎧に身を包まれ、それぞれの色に染まる5つの義体。

 

「ッッ〜…!体までヒーロー気取りかよォ!!!イライラすんなマジでェ!!!」

 

 唯一、子どもの頃にそういうモノを視聴していたアサルトが叫ぶ。

 

 

 

 

 そして、ここにもヒーローが1人。

 

「よォ、アイン」

 

 対峙するは、正気を失った瞳で己を写す傀儡。だが、怖気づくわけには行かないと、ベールはこの言葉を口にする。

 

「ッ…お前を、連れ戻しに来たぜ」




遅れて申し訳ない。タクティカル祓魔師と言うオープンシェアワールドにハマってたのだ。許せサスケ。
次回はベール君が男の中の漢になる予定です。楽しみに待っててな。それではまた次回、サラダバー!



おま◯け

ホモ×5

命名候補として、絶(対に)救(助する)戦隊イモータルズがあるぞ。因みに黒枠はノーマルのホモです。


三馬鹿

パワーアップした!コレで勝つる!
なんか向こう変身したんですけど??


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サイドストーリー『神像を喰らう』

みんなオリ移動都市のオリストーリーを展開してるので初挑戦です。というかこの発想がチラチラ邪魔して騎兵と狩人が進まねんだな。だから一度書き起こしておきますね〜。

そして恐らく、原作キャラが殆ど登場しないと思われます。私の世界観がアークナイツに混ざりに混ざったのを全開でお送り致すので、興味がなければ騎兵と狩人の更新をお待ち下さい。ついでにほんへ以降の時間軸なので見てない人は先にほんへ見てください!いいですね!


「極東に出向くだと?」

『うん、そだよ』

 

 ロドス・アイランド、ドクターの自室…もとい執務室にて。

 ソファに腰掛け、白を基調とし黄緑の線が入ったマグカップに入ったブラックコーヒーを静かに飲みながら、ケルシーは怪訝な表情で机を挟んで対面のソファに座っている黒コートのホモを見る。

 

『極東が北と南で今もドンパッチしてるってのは知ってるだろ?』

「無論だ」

『その両サイドの大将さんである光厳さんとその弟の光元さんからそれぞれ同じ依頼が届いてさァ』

「そうか……いや待て、今なんと言った?」

 

 余りにサラッと言ったのでついサラッと答えてしまったケルシー先生。この黒コートは言っている事がどういう事か理解しているのだろうか。

 

『いや、数年前に極東の北側でちょっとした感染者の暴動鎮圧とか保護とか治療とかしてたら、傭兵感覚で補給陣地の防衛を依頼された事があってな。ムカついたんで補給陣地に奇襲しに来た南軍を一網打尽にして殺した事にして拉致ったんよ。で、その数ヶ月後に今度は南側から依頼が来て……そういやケルシーには言ってなかった気がするな?』

「はぁ……勿論聞いていないさ。まぁ、別に君達方舟の出来事を逐一知りたい訳では無いが……よもやそんな事をしていたとはな。それにしても、両陣営にそれぞれ加担して大丈夫か?」

『戦場で目撃した奴は漏れなく拉致ったからな。私の中で彼ら彼女らが鉢合わせたとしても、それはそれで色々言い包めれる』

「………」

 

 いつの間にか前のめりになっていた背をソファに預けながら、この男、目を離した途端に何か無駄に変な事をやって来るな、と思うケルシー先生だった。

 

「それで、彼らからはどんな事を?」

『極東の東にある小さな移動都市の殲滅だとさ。最近、戦争する度に介入して荒す上に、日に日に戦力が目に見えて拡大しているらしい』

「極東の土地の更に東…高禍津か?」

『そうそれ。お偉いさん達からすれば、北南東の三つ巴になる前に潰したいのだろうが、ここ最近に何回か向かわせた刺客が尽く帰ってこなかったそうな。これ以上の人員は戦争にしか使えない、だから私に白羽の矢が立ったみたいだ。コレ絶対都合のいい奴らって思われてんだろ。絶対に住民は生かすからなコノヤロー』

「まぁそうだろうな。君達は己の信念を成す為に各地で活動を続けているが、それ故に仕事を選んではいないだろう?傍から見たそれを傭兵と言うんだ。そして君の部隊は熟練の警察機関をも凌駕する戦力を有している。国家からすれば、己の言う事を従順に従う君達は都合のよい道具だろう」

『それはそれで、色々食い違った時が楽しみになるな』

 

 よっこらしょっと、黒コート…イモータルはソファからゆっくりと立ち上がる。

 

『という訳だ。私は極東の領地の東にあるとかいう引き籠もりここに極まった移動都市に行ってくる。その間は不在って訳じゃ無いが、演算リソースをそっちに持ってくからな。何かあったら代理指導者のロマニ君にお願いね』

「……待て」

『ん?』

 

 要約すれば、少し留守にするね?という書類を机に起き、執務室を去ろうとするイモータルを、ケルシー先生は引き止める。

 

「てっきり私は、何時ものように君のオペレーターを派遣する…もしくは、ロドスのオペレーターを借りる為に私を呼び出したと思っていたのだが。まさか君自身が行くのか?」

『……まぁ、私の方でも色々と気にはなっていたからな』

「君の……まさか、極東に巨獣がいるとでも?」

『実に憶測の域を出ないがな。だがまぁ、高禍津は極東の移動都市でありながら、ここ数年間統率者とその神官職複数名が独自の政策を行っているらしい。この時点で怪しいわな』

「政治体制はテラでは珍しくも無いが…まさか高禍津は、国として独立しようとしているのか?だが何故……私が昔寄った時は何処にでもある移動都市だった筈だが」

『しかもだケルシー先生。流石に1年毎にその王と側近である神官職が代替わりしているのはおかしいよな?』

 

 その言葉に驚いたのか、ケルシー先生の耳がピコッと震える。

 

「それは怪しすぎる。為政者とは国の思考そのものだ。あのウルサス帝国ですら皇帝や政治に関わる者をそう安々と取り替えはしない。国が個人のように考え方を変えれば、国民の統率は長く続かない筈だ」

『ごもっとも。だが、そんなトップの早期交代が恐らく5年以上も続いて、それでも尚移動都市は存在している。極東の刺客の事といい、怪しさがこの上ないだろう?』

 

 ケルシー先生は、この男がオペレーターの命を大事にしている事は知っている。故に、この男が自ら出向くという事に少なからず納得がいった。

 

「…だいたいはわかった。だが、もし君が極東の刺客と同じ様に―……いや、君はそうはならないか」

『よくわかってんじゃん。んじゃ、行ってくるわ。遅くても一週間には帰るわね』

 

 そう言って、イモータルはいつもの足どりで、執務室を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 極東 東方面 am8:10 天気/快晴

 

 移動都市 高禍津

 

 

『随所に残る和風建築!活気のある商店街!高禍津の観光スポットであるでっかい御神木!此処が極東の更に東かぁ!テンション上がるなー!!………だろ?』

「貴様は何が言いたい」

『お、あそこにガンプラバトルあんじゃん!やろうぜコイヤン!』

「えぇい!何なんだ貴様は!ガキか何かか?!」

 

 ケンプファーアメイジングを持ってプラモデルを扱う店へ突っ込んでいくイモータル。その後ろ姿を、コイヤンと呼ばれた傭兵はイライラしながら見つめていた。

 

 彼は傭兵稼業をしているよくあるサルカズ族だ。角は茶髪に隠れる程短く、特徴的な尻尾は黒を基調とした赤いラインと金色の刺繍が施された漢服に隠している為、パッと見て彼がサルカズ族だと看破するのは難しい。

 そして今ガンプラバトルで大人気なく子供を薙ぎ倒しているホモは、義体や諸々の補給の目的で立ち寄った龍門でコイヤンがサルカズ族であることを出会って5秒で看破し、長い傭兵稼業をしていたコイヤンでも驚く程の料金で雇ったのだ。

 

『いやぁ、格ゲーは苦手なんだが、ガンプラバトルは好きなんだよね。なんでだろうね』

「我に聞くな阿呆」

 

 もしかしたら、自分の傭兵としての勘は鈍ったのかもしれないと思い始めるコイヤン。主に雇い主を見る目とかそこら辺。

 

「それで貴様、わざわざこんな所まで来た目的があるのだろう。早く終わらせなくていいのか」

『……まぁ、早く終わらせたいってのはあるがね。だがその前に………極東に来たんだからJapanese雰囲気を満喫しなきゃなァァァ!!!!ところでここにみたらし団子と三色団子と黄金団子があるけどどれがいい?』

 

 コイヤンは理解した。コイツマジで阿呆だ、常識が通用しねぇ。

 故についつい顔をビンタし、ついでにみたらし団子を搔っ攫ったのは仕方ないと言うもの。

 

『痛いじゃあないか』

「大金を積んだ雇い主が雇った傭兵に殺されるなど、よくある話であろう。それに…初めてだ、貴様のようなたわけが極まった雇い主はな」

『HAHAHA!まぁまぁ、取り敢えず来いよ』

 

 

 モチモチと団子を食べながらこの都市の御神木へ向かっていく2人。少しして、御神木の根本に建てられた神社の境内へとやって来た。

 参拝客が多いね。

 

『何も調べてない時点でわかった事が1つ。この移動都市、極東でまだやってる南北戦争に度々介入してる割には、無駄に活気づいているという事だ』

「………常識的に考えるなら、殺り合ってる最中の都市にしてはこの活気づきは異常に見えてしまうのも無理はないが」

『気の所為…にしては見覚えあるのよねこの雰囲気。恐らくだが、何処かに都市の人間を安心させる様な何か、それこそ兵器が有る筈だ。例えばそう!』

 

 そう発声しながら、食べ終えた団子の串をズビシッ!て感じで御神木へと向ける。

 

『あの御神木がでっかい大砲に変形するとかなァ!』

「何をどう思考すればそのようなイカれた発想を展開出来るのだたわけ」

『ロマンだよロマン。それが分からぬとはロマンが足りんなァ?お前本当に男か?』

「焼き殺してやろうか」

 

 この2人、本当に金で雇った雇われたの関係なのだろうか。このテラの世界の傭兵達は、流石に雇い主に真っ向から殺害予告をしたことは無いだろう。

 いやどうだろ、世界は広いからなぁ。

 

『殺れるもんならやってmアウチッ?!』

「痛っ?!」

「フン、馬鹿めが」

 

 良い子の皆は境内ではしゃいだりしないようにね。この黒コートのホモの様に他人の迷惑になるからね。

 

「ご、ごめんなさい!」

『おっとと、こっちこそ悪いな少年、怪我は無いか』

「う、うん……」

 

 イモータルがぶつかったのは、白い髪に白い肌の男の子だった。頭に生える尖った耳からしてペッロー族。体が全体的に白い故、少し病弱そうに見えてしまうが、イモータルがスキャンした所そうでも無いみたいである。瞳も黒いのでアルビノとかでも無い様だ。

 そしてかわいい童顔である。KAWAII童顔である。

 

『いやぁ悪いね。あっちの怖いおじさんが私を殴りに来てね』

「おい」

「えぇ?!け、喧嘩は駄目ですよ!」

 

 肉体の成長度合いから推測して17歳と言った所。一々反応が可愛いね。

 

 

 取り敢えず閉話休題

 

 

「えっと、お二人共は観光客の方…ですよね?ここでは余り見ない格好をしていますし」

『そうだとも!実はちょっとした旅のものでね。私はイモータル、向こうの怖いおじさんがコイヤン。二人で野を越え山を越え、あらゆる困難を越えてやって来たのだ』

「嘘吐きも此処まで来れば妙技よな」

「そうなんですね!あ、自己紹介しなきゃですね。オレはヤマトって言います。よろしくです!にしても……コレが外の人達、凄いな〜」

『………その反応からして、この都市の観光客って珍しい感じ?』

「あ、ハイ!結構旅館とかは建ってるんですけど、そんなに来る事は無いですね」

『最後に外から人が来たのって、いつよ?』

「さぁ?ここ数年は見た事無い(・・・・・・・・・・)ですし……」

『ほぉ~……成る程、教えてくれてサンキュな』

「いえいえ!」

 

 イモータルはヤマトの言葉を聞いて少しの間考える素振りをしたあと、いつもの発声トーンでお礼を言う。

 

 さて

 

『教えてくれた礼は行動でしねぇとだよなぁ?』

「え、いや、大丈夫ですから!今日はその……」

『………』

 

 突然顔を赤くし、モジモジとしながら拝殿の方をチラチラと見だすヤマト君。イモータルがその方向を見ると、巫女装束を纏った女性がカメラに映る。

 長い黒髪をポニーテールにした、おっとりしていて何処か儚げな感じの少女だ。ヤマトと同様、肉体の成長度合いから推測した結果、17歳程だと言う結果が弾き出される。種族はヴィーヴル…いや、チェン隊長と同じ東洋龍だな。

 

『成る程彼女か!』

「なんでわかったんですか?!」

 

 ヤマトのチラチラや、ついさっき彼女が明らかに彼へ向かって手を振った事から、イモータルは高度な演算処理により数秒で結論付けた。

 

『85、56、87』

「なんの数字?!」

『いい事を教えよう!君の彼女はEカッブベラァァァァァ?!?!!?』

 

 コイヤンがイモータルの頭を殴り飛ばす。尚頭を文字通り飛ばす威力であった。イモータルは盛大に吹き飛び、うつ伏せの状態で地面を数メートル滑走する。

 

「イモータルさんー?!」

「チッ、下品下世話な化性の類いだったか。潔く死ぬがいい」

『ウゴゴ、あっ顎が……』

 

 摩擦で赤熱した顎を擦りながら、仰向けになり……

 

「あの…大丈夫ですか?」

 

 おっと、目の前がべっぴんさんで埋め尽くされた。少しの間このままでおこう。

 

「く、クシナダ!いつから居たの?!」

「フフッ…ついさっき神官の仕事が終わって、着替えてきた所です。所で、この人達は……」

『……いやぁ、ただの旅の2人さ。いや悪いね、君の彼氏君とちょっとここについて質問しててな』

「うん、質問して…質問してたっけ?」

「ただの下衆な世間話しかしておらんかっ―」

『シャラップ!』

 

 足を使って尺取り虫の様にクシナダと呼ばれた少女から距離を取り、立ち上がるイモータル。

 

「へぇ……質問なら、私が受け付けましょうか?神官職なので、色々知っていますよ」

『いや…そうだな、じゃあこの都市でなんか噂になってる事は無いか?』

「―――」

「…?」

「……」

 

 少しの静寂。

 

「それは、どうでしょう」

「この町の噂って、深夜に外にでちゃ駄目だってくらいしか無いしね」

『おう、いやぁありがとね。じゃ、二人共デート楽しんでな!』

「デっデデデ?!!?」

「フフッ。面白い人達ですね」

 

 イモータルは二人に手を振りながら、コイヤンと共に鳥居を潜り、町の中へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 pm00:18 高禍津旅館

 

 

『というわけで、夜のパトロールに行くぞ』

「貴様、あの犬のガキが言った事が気になっているのか?」

『なんとなく怪しいと感じた。だから調べる。理由なんてコレだけでいいね?』

「フン、貴様の人生は徒労で塗れていそうだな」

『あぁ、お前らには決して歩めない人生を歩んでいるのが自慢でね』

「チッ、生意気な。行くなら早く行け」

『イクゾー!デッデッデデデデッ』

 

 二人共旅館の窓からダイナミックに飛び出し、ダイナミックな消音着地を決める。コートバサァ!漢服フワァ…!

 

 そして二人は二手に別れ、それぞれ都市を探索し始める。

 

「………いいや、するまでも無かったか」

 

 イモータルと別れて直ぐ、コイヤンは異変を見つけた。

 いや、異変がやって来たと言った方がいいか。コイヤンの進行方向に、黒いなにかが音もなく生えてくる。辛うじて人の様な形をした何か。

 

 黒いなにかは地面を滑るように移動し、コイヤンへ急接近して――

 

「破ッッ!!」

 

 腰の入った拳によって頭部らしき場所を容易く砕かれ、殴打の衝撃が体内で爆発。上半身を粉々に吹き飛ばされる。

 

「ッ!コレは―フンッ!」

 

 コイヤンは黒い何かを砕いた拳を一瞥し……アーツで瞬時に赤と金の雷を拳に纏わせ、拳にへばりついていた黒い何かの破片を塵へと化す。

 

「スゥ…ハァ……成る程、貴様らは個では無く、群。その一つ一つが獲物を貪る口であるか」

 

 音もなく、次々と、黒い何かは地面から…今度はコイヤンを取り囲む様に生えてくる。

 

「纏雷」

 

 さっきの様に赤と金の雷を両拳に、両足に纏わせる。地面にまるで己のテリトリーを示すかのように雷が奔り、全身にも、鎧のように微弱な雷を纏う。

 茶色かった髪の先端が、薄っすらと金色を帯びる。

 

「狂人愚者隔て無く、我が神鳴りを前に、為す術は無し」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同刻 ???

 

 

「遅い、一体何をしていたのだ」

「……申し訳御座いません。少々、外せぬ用事が入っていたので――」

「……この俺様を置いて優先すべき用事だと?」

 

 木材で作られた広い空間にて、二人の人物が会話をしている。

 片方は派手に彩られた椅子に座った傲慢そうな男。腰の後ろから生えている尻尾からして、ファディア族だろうか。

 

 そんな男と相対しているのは、黒い長髪をポニーテールにした、何処か儚げな龍の少女。全身びしょ濡れで、白装束が張り付き素肌を透かしていた。寒いのか、小刻みに震えている。

 

「その用事とはなんだ?申してみろ」

「ッ……!」

「どうした、お主の口はモノを呑み込むだけの器官なのか?」

 

 目に見えて威圧的な口調、相手を恐怖させる為だけの言葉に、彼女は肩を震わせ……上半身を前へ倒す。

 

「申し訳、ありません」

「……もう良い、疾く準備をすませろ」

「はい……」

 

 少女は慣れた手付きで髪を結ぶ白いリボンを解き、白装束を脱ぎ捨てる。少女の素肌が余す事無く空気に晒され、蝋燭の光が肌の水滴を輝かせる。

 

 男は椅子から立ち上がり、少女へ近づいて顎を掴み、顔の目線を強制的に合わせた。

 

「喜べクシナダ。お主の役目ももうじき終わる。お主の体がこの国の、俺様の為の神となるその間もない内に……

 

 

 

 

 

 

親しき者に、別れでも告げておけよ」




エーリッヒさん、オリキャラ提供ありがとナス!一応喧騒の掟とかを書くときに出す予定でしたが、ちょっとフライングしてしまった。アクナイストーリーに出して欲しいのであって作者の話で終わらせてんじゃねぇよ!って感じなら龍門関連のイベントにもう一回出すんで許してクレメンス!

 それと、オリ移動都市の立ち位置だとか、国の戦争に加担しといてなんでホモはヘラヘラしてんの?とかですが……ハイ、正直言ってそういう描写が大の苦手な作者がこの話の為に頑張って頭捻った結果です。本当に申し訳ない。それに大陸に来るモンハンコラボの舞台が極東らしいじゃないですか。設定食い違ってたらどうするつもりなんだろうね(自分で首を締める男)

 まぁ一旦この話終わり!閉廷!漸く騎兵と狩人進められるぜ。こいつは多分サイドストーリーの合間にちょくちょく更新される事でしょう。

 それではまた次回、サラダバー!


ps 最近アニメが延期祭りで不安よな…作者はHIGH CARDと広がるスカイ!プリキュアがオヌヌメですかね


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本走
キャラクリ


ここに〜、最初のRTAが詰まったから別のRTAを上げた走者の面汚しがいるらしいっすよ?


 第三勢力レ○プ!喧嘩両救済なRTAはーじまーるよー!

 

 先駆者アニキ達に影響されたので初投稿です(初めてとは言っていない)

 

 今回はアークナイツRPGでトロフィー『境界無き方舟』を取得することが目的です。

 

 淫夢ネタはあんまりないので安心して、どうぞ。

 この日の為に試走をチャーんトしてチャートを組み立てたので(ガバは)ないです(激寒ギャグ)

 

 では今回のトロフィー『境界無き方舟』の取得条件を話していきましょう。取得条件は以下の通りです。

 

・ロドスとは別の感染者保護組織を作る

・レユニオンを含めた感染者を保護する

・保護組織をロドス以上の規模にする

 

 以上!条件3つとかヌルスギィ!とか思っているそこのホモとレズの兄貴姉貴諸君。調教次第では難易度がインフェルノになるかもしれませんよ(適当)

 

 このRTAの走破条件には矢張り速さが必要なのはモロチンですが、一番重要なのはアークナイツでお馴染みの味方キャラへの指揮です。は?何言ってんのコイツ?みたいな事を思うでしょうが、まぁ聞いてクレメンス。

 このゲームには、ロドスのドクターとなってホンへを体験するルートと、オリジナルキャラでホンへを体験するルートがあります。そして、ロドスドクタールートは本来のアークナイツと同じ感じになり、オリジナルキャラルートはドクターの手足となったり、レユニオンとなって暴れたりと自由自在です。

 

 で、今回のチャートはオリジナルキャラでドクターの真似事をするルートです。オリジナルキャラでドクターの真似事をするルートです(大事な事だから2回)

 

 ロドスのドクターはちゃんと過去にキャラクターとの交流があるので、ストーリー開始時点でちゃんと指揮に従ってくれるキャラがいますが、このルートではオリジナルキャラなので、変な事がない限りキャラの交流/Zeroからのスタートです。ですので、指揮に従ってくれない事が殆どです。統率感バラバラとか解体すれば?この組織(キレ気味)

 とまぁ、こんな感じなのに更にはロドスよりも大規模な組織にしなければならないので、序盤から終盤までストレスマッハになります。アーシニソ(185敗)

 

 では早速キャラクリとイきましょう。と思っていましたが、辞めました(CV蘆屋道満)

 あ、ヤメテ!卵を投げないで!

 

 説明しましょう。さっきこのチャートについて説明しましたよね。今回のチャートの鍵である指揮を効率よくする為に、一つ細工をします。それがこのキャラクリですね。まぁ詳細は後に説明しましょう(説明しますと言いながら説明を後に回すホモの鑑)

 

 リスポーン場所はランダム…ただし、移動都市の近くではない場所にします。まぁ、ロドスとは別の感染者保護組織に俺はなる!(麦わら帽子並感)って言うのを目指しているからね、仕方ないね。まぁ運ですが(25敗)

 

 リスポーン後は先ず人員集めです。出来れば戦闘員が欲しい所。ロドスと同様に感染者を保護する組織になるのが目的ですが、この世界において武装を持たないと言う事はあり得ません。武装勢力を持たない組織なんてTA☆DA☆NO☆KA☆KA☆SIですからね。しかも肝心の保護対象が殺してくるとか言うクソ要素もあります。怖いなーとづまりすとこ。

 

 そうそう、レユニオンを含めた感染者の保護と言う条件ですが、みんな大好きなクラウンスレイヤー姉貴とスカルシュレッダー兄貴姉貴や、フロストノヴァ姉貴、メフィファウコンビや愛国者お爺ちゃんも保護対象に入りますねぇ!タルラは………んにゃぴ、よくわかんないっす。

 

 もしかしたら幹部たちがニコニコしてる場面も見れる可能性が微レ存…?ニコニコしてる所見たくなぁい?見たい見たい!(自問自答)

 

 前置きが長くなりましたね。じゃあハイ、よーいスタート!




面白く無かったらごめんなさい!許してつかぁーさい!なんでもしますから!(なんでもするとは言っていない)


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人員確保

やっぱりみんな平和を求めてるんっすねぇ〜。ラブアンドピース!


 世界に平和を与えたいRTAはーじまーるよー!

 前回はキャラクリを終えた所ですね。只今ロード中なので暫しお待ちを…………いいや飛ばすね!今だ!(クロックアップ)

 

 ハイ、スポーンしました。場所は…………恐らくウルサス帝国の国土内でしょうかね。う~ん、レイヴンクロー!(魔法の帽子並感)ハズレ寄りの普通ですねぇ、コレは良くない。

 皆さんもご存知の通り、ウルサス帝国は感染者をヤロウオブクラッシャァァァ!する程のド畜生国家です。存在する価値は無いに等しいヤツです(過激派レユニオン)

 どのRTAでもお馴染みで、今回のチャートでも矢張り驚異となる要素ですね。ロドスはちゃんとした組織なので嫌な顔で許してくれますが、今チャートの組織は最初は無名組織です。容赦なく砲撃されてGOの元へ送還されます。怖いなーとづまりすとこ。

 

 そんな訳で、さっさとこんな所はオサラバしたい所ですが、3日間は人が来るまで留まらなければなりません。ドユコト?と思うホモの兄貴達がいるので説明しましょう。コレには前回のキャラクリで施した仕掛けが関係しています。

 

 ド直球に言いましょう。今回の操作キャラクターは移動都市です。移動都市です。移動ry(大事な事なので2回半)

 

 ロドスの指揮官と違って、実績が無い指揮官なんて誰も従いませんが、コンピューターなら……話は別ですよね?(読者に問いかける走者)人では無く移動都市のマザーコンピューターであれば、人よりも多少言う事を聞いてくれます。簡単に言えば、ゲームの案内に従うプレイヤーみたいな感じですね。いやはや私は天才ですね!(自画自賛)まぁ、大きさはロドスくらいですし、移動都市になると高確率で最初は動けない状態になります。ですので、自分自身を起動してくれるNPCが必要になる訳です(810敗)

 因みに許容時間は3日です。それ以上行ってしまえばチャートが物凄く遅れるのでリセ案件ですね(キャラクリ以外がガバガバ過ぎるッピ!)

 

 では、私の中(意味深)に誰かが来てくれるまで倍速します。トランザムッ!

 

 ……………まだ来ませんね。

 

 

 ……………一日勃ちましたね。

 

 

 

 ……………オォン…

 

 

 

 

 

 

 2日と12時間後

 

 

「放棄された移動都市か?ハハッ、諦めずに歩いて見るもんだな。オーイお前ら!こっちだ!」

 

 キタァァァァァ!!!勝った!勝った!勝った!大勝利!!大勝ちだっ!!私の一人勝ちだ!!(虚無の王)

 

 いやぁ、もしかしたらこのまま来ずにリセ案件になってしまうと思っていましたが、良かったです。ありがとう諸君!突然だがお前達は家族だ(豹変ファミパンチ)

 

 どうやら入ってきたのはレユニオンの分隊ですね。会話からして、大所帯からはぐれたか、近くのウルサス帝国の移動都市から離れてきた感染者達でしょうかね?

 取り敢えず、彼らの行動を見守りましょう。ここに来たのがレユニオンであった場合、貧乏である彼らは食料を手に入れる為にここを漁ります。その時、確定で制御中枢に来てくれるので、彼らに起動して貰いましょう。

 

 いいぞぉ…その調子だ、どんどん近づけ……フフファッ、ふぁーハァハァハ!ファーハハハハハハ!(アスパラガス)

 

「ここは……制御中枢か?」

 

 そうだよ(食い気味)ホラホラ、そこに意味深に光ってるパネルがあるじゃろ?それをポチッと押してホラ、押すんだよ、押すんだァ!(豹変)

 

「………まさかコイツ、動くんじゃねぇだろうな?」

 

 1……2……2と1/2……2と2/3……2と4/5……2と9/10……

 

 オッハー!(クソデカボイス)

 

「うぉあ!動いた?!」

「どした?!何があった?!」

 

 上手いじゃないか!(ワンダーエッグ並感)

 

 起動したレユニオン兄貴と、その声を聞いて駆けつけて来た仲間の兄貴姉貴諸君が「コイツ、動くぞ?!」とパイロットみたいに驚いてますね、もっと驚け。

 取り敢えず挨拶しましょ……電気復旧中なのか喋れませんね。少々お待ちを。

 

 電気の復旧があらかた終わったので改めて……こんにちは、私はベイ○ックス。あなたの心と健康を守ります。

 

「心と健康を……」

「守るぅ?!」

 

 ハハッ☆驚いてや~んの。おう!そこのお兄さんお姉さん達!ちいとばかし体が汚れてんねぇ!(色んな意味で)実はぁ…ここにぃ……鉱石病を治療して症状を抑える事が出来る設備が………設、設備………無いやん?!(最初に身の回りの確認を行わない走者の恥)

 はーつっかえ、どうしてくれんのコレ。折角ここにいるレユニオン達を治療して、胃袋ならぬ心臓をガッチリと掴んで(デスグリップ)人員確保しようと思ったのにさぁ……(呆れ)

 

 仕方ありません、無いなら作ります。その為の施設、その為のレユニオン(出会ったばかりの病人を働かせる屑)彼らには悪いですが、治療は後回しにして治療設備を作るのを手伝って貰いましょう。幸いにも、発電所と製造所、宿舎と加工所がデフォで設置されていたので、簡単に作れる筈です(2敗)

 ホラホラ、キビキビ働きなさい!(上から目線)働かざる者食うべからずですよ!




ケーちゃんや、もちっと簡単な幻覚を見てくれんか(うじゃうじゃ道で野垂れ死にながら)


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設備建設

石田ファントムを昇進2にさせる為にストーリー進めなきゃいけないので初投稿です。


 レユニオン更生RTAはーじまーるよー!

 

「ハァ?いきなり何言ってんだこのポンコツ?」

 

 誰がポンコツですか嬲り転がしますよ。前回はレユニオンに真っ当な仕事をさせようとした所でしたね。

 ツー訳で、早速やるぞオルァ!

 

「いやね、突然過ぎて何が何だかわからないんだけど?」

 

 知りません(投げ槍)

 ホラ、そこのコピー用紙に説明が書いてあるのでその通りにして下さい。じゃなきゃ3秒後に自爆します(サイクロプスを作動させる音)

 

「なっ、コイツ?!」

「オイ!コイツブッ壊して早く逃げるぞ!」

 

 因みに自分が死亡したら大爆発を起こします。ガンダムみたいなもんですからね、仕方ないね(ロボット特有の謎爆発)

 

 そんな訳で、彼らレユニオンの運用と設備建設方法の説明です。

 今制御中枢にいる男3人と女1人の他に、いまだ私の中(意味深)を探索しているお仲間が4人いるので、彼ら全員を人質にして強制的に動かしましょう。彼らは仲間意識だけはロドス以上の素晴らしいモノ♂をお持ちの上、今回は見るからに子供のレユニオンが二人いるので、ほぼ確定で手伝ってくれます。遠慮無く活用しましょう。コレも葦名の為……(弦ちゃん)

 次は設備建設ですね。先ずは製造所でみんな大好き謎の金属を製造します。この謎の金属は交易で龍門弊を交換する事は勿論、家具パーツや炭素材とかも作ることが出来るなど、モバイル版よりも汎用性が高いです(金属からどうやって炭が出来るんだよとか気にしちゃいけない、いいね?)

 で、作った炭素材で建築素材を作り、後はドローンに任せるだけで完成となります。テラの科学力は世界一ィィィィ!

 

 では作業開始とイきたい所沢ですが、レユニオンの姉貴兄貴達が文句を言いながら悔しそうな顔で部屋を行ったり来たりするだけの見どころさんが無い状態が続いたので、倍速します。速さが足りない!(114514倍速)

 

 

 

 

 はい、出来たのがコチラになります(体感3秒クッキング)

 なんと言う事でしょう。あんなに殺風景だった隅っこの空き部屋が、ガッチガチの治療設備に!治療を行う機械や薬物には、ロドスやライン生命で使われている最上級のモノを使用しています。これで(鉱石病を)粉砕☆(感染者の暗い顔を)玉砕☆(感染者達は)大喝采☆間違い無しですね。

 と言う訳で、治療設備で治療開始じゃァァァァ!!!(迫真)

 

「うぉっ?!」

「なんだこりゃ?!」

「は、離しなさいよ!」

 

 皆さん口々に何か言いますが全部無視します。ったく今時の大人達はうるさいですね(チナちゃん)見てくださいこの子供達を!全員静かちゃんですよ!目も立派に死んで……………………oh(ペニー○イズ)

 

 気を取り直して、このレユニオン達を治療したいのですが、構いませんね!(ナ○ンチャ)では治療開始です。

 

 テンテンテレレン(ポケモンセ○ター)

 

「い、一体何が………?」

「制御中枢に行ってない俺達からすりゃ、最初から最後まで何が何だかわからないんだが……」

 

 レユニオン達が何か言ってますが、一先ず治療完了です。いやぁ、いい仕事をしました。ですがまだ気を抜いてはイケません。確かに治療はしましたが、治った訳では無いのです。ほっとけば簡単に重症化してぽっくりGOの元へ召されます。ですので、貴方達を感染者として治療します!理由はもちろんお分かりですね?貴方達が鉱石病を患いながらも、碌な治療もせずに頑張って生きて来たからです!覚悟の準備をしておいて下さい。近い内に治療します。メンタルケアも行います。私の中(意味深)に問答無用で住んでもらいます。仲間達を乗せる準備もしておいて下さい!貴方達は感染者です!大人しく治療される楽しみにしておいて下さい!いいですね!(大迫真ワザップジョルノ)

 

「……なんだそりゃ……俺達を、助けるだと……?」

 

 そうだよ(食い気味)ついでにさぁ、君達のお仲間さんも助けたいんだけど……助けてかない?(謎の誘惑)

 

「…………ねぇ」

 

 おや、さっきまで黙っていたハイライトオフショタが話しかけて来ましたね。ハイィ?ナンデスゥ?(ペテルギウス)

 

「僕達を……殴ったり…しない、の……?僕、達の……家族、を…本当に、助けて……くれ、るの?」

「お、オイ!あんま喋るな!」

「で、でも……ゲホッゲホッ!」

 

 oh……彼はオリジニウムが喉にぶっ刺さったせいで、余り喋れない可哀想なショタです。酷いものですね。コレも全て非感染者のせいです。非感染者達が(感染者達を迫害する事を)正義と信じ!(治療法が)解らぬと逃げ!(感染経路を)知らず!(感染者の声を)聞かず!その果てのチェルノボーグ事変だ!最早止める術など無い!そして滅ぶ!人は、滅ぶべくしてなァ!(ラウル・クルーゼ)

 

 と言う結末をなるべく抑えるのが、今回のRTAの目的の様なものです。人類の未来と、感染者の今日を守る為、私はこのRTAを始めました。と言うか、先ず人を迫害するのが非常識だってそれ一。だから安心してお仲間達がいるかもしれない方角を教えてくれよなー頼むよー。

 

「…………信じて、いいのか?」

 

 任せとけ!(断言)眼鏡を掛けた少年探偵が乗ってる大船に乗ったつもりでいろよな!

 

「…………わかった」

 

 イヨッシ!これでトロフィー獲得に一歩どころか3歩程近づきますねぇ!まぁ後千歩くらい必要ですけど。

 

 次回はレユニオン兄貴1号から受け取った地図データを元に、お仲間達を迎えに行く所から始めます。

 ご視聴ありがとうございました!




茶番?シーンが長すぎるッピ!あのさぁ……(呆れ)この茶番(笑)が良かったと思ったら、お気に入りをタップして存在しない記憶キメてマイベストフレンドになりましょう(露骨なお気に入り催促&洗脳)


ウチのエースのホシグマ姉貴を活性源石の上に置いて回復ガン積みしたら、パーフェクト重装・★GUMAに進化して無双してくれたので惚れました。


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感染者保護

石田ファントムを昇進させる為に頑張ってたら、何故かラッピーが昇進してたので初投稿です。


 乗客が一気に増えるRTAはーじまーるよー!

 前回はレユニオン1号(仮名)からお仲間達が居るであろう場所が記されたデータを貰い、いざ出発!する所でしたね。と言うかもう出発してます。

 どうやらこのレユニオン達は、ウルサス帝国に居られるかこの野郎!と言って移動都市から離れ、行き場を求めて広大なテラを徒歩で大移動していたらしいです。無謀スギィ!ケーちゃん並の野生児でないとテラを移動都市無しで移動とか無理ゲーです。しかも大所帯となれば、食料問題とかで詰みます。正直言って良く今まで生きてましたねこの人達。

 

 ですが、そんな無謀な挑戦もここまでです。何故かって?私が来た!(オールマイト)ここにぃ、食料の備蓄があってぇ、鉱石病を治療出来る移動都市、あるらしいッスよ?じゃけん夜、乗りましょうね〜。

 

「ホントに大丈夫なんだろうな?」

「そりゃ俺が知りたいんだがな………でも」

「もしかしたら、アタシたちは助かるかも……ってカンジ?」

「うぉっいつの間に………まぁそうだな。なんか騙されてる感と言うか、悪魔の契約感が否めないけど」

「「あーなんかわかるわ~」」

 

 聞こえていますが?誰が悪魔ですが誰が。確かにRTA走者は生命の向こう側に行こうとしたり、ロドスの最後の希望を殺そうとしたり、全身オリジニウムゴーレム美女になったり、テラから脱出しようとしたりする変人の巣窟(尚、殆どの走者がライン生命製のオモチャ)なのは確かですが、仲間や家族の命を無駄にする人達ではありません(真顔)それに、私のチャートはラブアンドピースを重視するので、死人とは無縁な人生が約束されています(戦いに駆り出さないとは言っていない)コレでも不安ですか?

 

「出来の悪い広告の売り文句か?」

 

 はームラムラしそう。と言うかま〜だ時間掛かりそうですかね〜?(急な話題逸し)

 どうやら少し時間が掛かりそうですね。では、今の内にやる事をヤっておきましょう。

 

 人工知能の3分クッキングー!

 先ずはこちらの脈拍を測る腕輪くんと、初級装置があります。コイツらを加工所につうずるっ込んでガチャガチャすれば、ハイ!出来たものがコチラになります。名前はまだありませんが、機能をそのままで言うと、脈拍計測通信機と言った所でしょうか。機能は文字通り、着用者の脈拍を測るモードと、通信するモードを切り分けて使う事が出来ます。コレで、戦場に出ても仲間と通信出来るし、NPCのHPも見れるし、最高やな!

 後はコレを出来る数まで作っておきましょう。戦闘に駆り出すNPCに着用させますので、まぁ30個ほどでしょうか。

 

 作り終わったら、次は余っている部屋に農業プラントを作ります。だってコレからやったねタエちゃん、家族が増えるよ!(おいやめろ)するので、今の内に食糧生産の準備をしておかないと、今の備蓄レーションだけでは足りなくなってしまいます。

 では早速作ってイきましょう。先ずは工事用ドローンを用意します。材料を持ってきます。作るものを指定します。電力供給ヨシ!(確認猫)後は勝手に完成して勝手に農業をスタートしてくれます。このドローン考えた奴天才かよ。

 

 おっと、やる事やってたらいつの間にか着いてましたね。乗ってたレユニオン達が降りていきます。

 降りたレユニオン達が仲間と話している内に、先ずは大所帯の人数を確認しましょう。ひーふーみー………中隊一個分程の数がいました。多スギィ!コレは農業プラントを増設する必要が……ファッ?!ドローンがもう無いやんけ?!はーつっかえ。彼らの住居スペースも作るとなると、場所も足りなくなってしまいます。あーもう滅茶苦茶だよ〜。

 まぁ、見捨てると言う選択肢は存在しません。急ピッチで建造しまくります。農業プラント用のスペースを確保する方法なら、まだありますので。

 

 それにしても、誰も乗って来ませんね?すみませ〜ん木下なんですけども、ま〜だ時間掛かりそうですかね〜?

 

 掛かりそうなので、私がもう一押しするとしましょう。外部スピーカーを使って……あーユーネクテステス、聞こえますかー?聞こえてますねぇ!(自問自答)

 さて、ここからはプレイヤー本人のスピーチ力が試されます。因みに私はそれ系の成績は1でした。

 

 それじゃあ、イキますよ〜イクイク。

 鉱石病感染者は、今の今まで迫害され続けてきました。冗談じゃありません。鉱石病感染者も立派な人間です。しばし遅れを取りましたが、今や巻き返しの時です。感染者の保護がお好き? 結構、ではますます好きになりますよ。さあさどうぞ。私がその拠点です。

 広いでしょう?んああ仰らないで。施設は製造所2つと加工所が一つ、発電所が2つと、鉱石病治療施設、農業プラント。ですが移動都市を使わずに大所帯でテラを移動だなんてエレガントなだけで、寝床がないわ天災に吹き飛ばされるわ、ろくな事はない。個人ルームもたっぷりありますよ、どんな症状でも大丈夫。どうぞ暮らしてみて下さい、快適でしょう?余裕の移動都市だ、感染者へのサービスが違いますよ。

 

 ふぅ………(賢者タイム)いやぁ疲れましたね。矢張り慣れない事はするもんじゃありません。レユニオン達は一応納得はしたと言う感じで乗ってきましたが、まだまだ好感度が足りませんね。まぁ、レユニオンの様な感染者の好感度は普通の暮らしをさせればガンガン溜まって行くので、あんまり気にしなくていいでしょう。普通の暮らしも出来ない感染者達ェ……やっぱりウルサス帝国滅ぼさね?(過激派レユニオン)

 

 と言う訳で、次回は農業プラントの増設からスタートです。

 ご視聴ありがとうございました!




公開求人で初めてエリートタグと上級エリートタグが来たから勢いでその2つだけで募集掛けちゃったんだけど、後々考えてみたら無駄使い感がスゴイ。コレで2つとも弾かれたら俺ちゃん理性無くなって死ぬど?


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プラント増設〜武装生産…したかったなぁ

上級エリート求人→スカジ

「スカジじゃねぇかぁ」

常設ピック星6演出→シージ

「勘弁してくれ……」(汁おじが欲しい強欲作者)


 私達が感染者の光になるRTAはーじまーるよー!

 前回は感染者約200人程を乗せた所からスタートです。にしても200人は多スギィ!試走では100人前後の人数しか出なかったので、コレは予想外でした。お陰で食料問題がホモ兄貴達のケツ並みにガバガバになってしまいましたので、急ピッチで出来る限りの大きさの農業プラントを増設します。

 

 では早速ヤっていきましょう。因みにですが、今の時間帯は夜、感染者の皆さんは静かにホモコロリしているので、起こさないように工事していきましょう。騒音などで目覚めさせてしまうと好感度が減ります。

 それでは先ず、充電が完了しているドローンを使って移動都市の甲板へ出ましょう。そしてそこに出来る限りの広さで農業プラントを作ります。農業プラントが出来たら、周りを謎の金属で出来た装甲で囲い、上を強化ガラスで覆いましょう。こ↑こ↓は装甲でもいいですが、ガラスの方が電力を節約出来ます。

 

 ここら辺は特に見栄えが無いので倍速です。ですが、ただ倍速なだけなのはホモとレズの兄貴姉貴達が暇を辺り一面にぶちまけるので、倍速しながら別の事をしておきましょう。

 

 少し早いですが、食堂を作りながらステ振りをします。え?お前は移動都市のコンピューターじゃろがい!人間やないやないかい!ですって?チッチッチッ(指を振る音)

 確かに私が操作してるのは移動都市のコンピューターですが、別に俺の作ったキャラが人間じゃ無いって言った訳じゃあねェだろォがよォ……ア゛ァ゛?!(セロリ)

 

 ではステ上げです。今回上げるのは機械技術、オペレーター風に言えば戦闘技術ですね。コレを上げる事によって、ドローンの増量や改良、施設のレベルアップ、武器や防具の開発などなどが開放されて行きます。

 機械技術を出来る限り上げたら、残りのポインヨはセキュリティ強度と走行機動に振っておきましょう。前者は文字通り、後者は移動都市の走行速度、旋回速度を上げれます。走行速度が上がっても電力消費量は変わらないので取っておいて損はありませんねぇ!

 

 それでは、食堂と甲板の畑ができるまで倍速します。超スピード?!(114514倍速)

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 お前達が進み続ける限り、その先に俺はいるぞぉ………だからよぉ…止まるんじゃねぇぞ。

 

 キーボーウノーハナー

 

 なんで止まるんですかねぇ?(半ギレ)

 

 倍速と共に移動都市も止まってしまいました。何やってんだミカァ!(アンタ何言ってんの?)

 

 どうやら目の前に一人の感染者がぶっ倒れているのが見えた為、緊急停止をした様です。危うく感染者保護組織(予定)で感染者のミンチを作る所でしたね。オート操作にしてて良かったぁ(運転免許持ってない)

 

 で、そこのレユニオン1号こと音撃戦士ヒビキ君、一体何があったんです?

 

「俺は音撃戦士じゃねぇし名前はエレキだ!ったく…まぁ待てよ、今仲間達がこっちに運んで来てる」

 

 判断が早い!(鱗滝)感染者に関しての判断がロドスオペレーター以上に早すぎるッピ!ほんへのレユニオンもタルタルタルラがもうちょいまともな組織にしてたら、ロドスとかも一瞬で落とせたんじゃ?(純粋な疑問)

 って、そんな事言ってる場合じゃありませんね。取り敢えずこの感染者を治療しましょう。感染者を治療施設にシュゥゥゥゥト!超!エキサイティングッ!

 おや、この服、どっかで見た事ありますね………

 

 テンテンテレレン!(ポケモンセンター)

 

 テラの医療学は世界一ィィィィ!!!では目覚めたら早速話を聞いて見ましょうか。

 …………目覚めたわね。

 

「…………こ、ここは?」

「よう、起きた様だな」

「ヒッ……!?」

 

 怖がられてますねぇ!まぁ、ヒビキ君は怖いから仕方ないですね。三白眼ですし、スーパーサイヤ人みたいな髪型ですし、おでこにご立派ァ!な角が一本生えたTHE・鬼族ですしお寿司。

 

「だからエレキだっつってんだろこのポンコツ!あー、ゴホン!……驚かせちまって悪かったな」

「いえ……僕の方こそ、ごめんなさい」

「気にすんなよ」

 

 青年とショタ(治療中に性別把握済み)のにこやかな会話いいゾ^〜コレ(一般通過イキ杉田ホモ和)

 

「テメェは黙ってろッ!……それで、お前さんはなんであんな所にいたんだ?」

「あんな所……?」

「覚えてねぇのか?テラのど真ん中で倒れてたんだよ。お前がな」

「僕が………うっ!」

 

 おや、頭を抑えて呻き始めましたね。一応鎮圧用のドローンを準備しておきましょう。暴れられたら困ります、あー困りますお客様。

 

「おい!大丈夫か?!」

「ハァッ!ハァッ……!ハァ……だ、大丈夫です」

 

 (暴れなくて)良かったぁ。ったく、脅かすんじゃねぇよ(産まれたての子鹿)

 

「あの、お願いです」

「なんだ?」

「友達を…助けて下さい!」

「友達?ソイツは感染者か?」

「はい。このままじゃ、殺されるんです。だから!」

「待て待て落ち着け、ゆっくり話せ、な?」

 

 友達ぃ…ですかねぇ……。彼ら感染者と言うのは迫害の対象ですが、それは地域によって様々です。で、殺されると言う言葉を信じるならば、それは感染者の迫害が酷い場所……やっぱウルサスか?はー滅ぼしたい(レユニオン過激派)。

 

「アホか、服をよく見てみろよ。どう見てもウルサスの感染者が着れる様な服じゃねぇ」

 

 まぁ確かに、彼の服は泥塗れではありますが、最近拾ったエレキ君達の様にボロボロではありませんね。それになんか、患者が着る服の様な………患者……感染者……あっ(察し)

 

「うん。そのお兄さんが言ってる通り、僕はウルサスから来たんじゃないよ。僕が逃げ出したのは……感染者を研究してる場所」

「感染者を研究だと?」

 

 あっスゥゥゥゥゥー

 

「確かあの白衣の研究……いいや、悪魔はこう言ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライン生命って」

 

 

 

 ヌ゛ ン゛ ッ !ヘ ッ !ヘ ッ !

 

 ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛

 

ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!!!

ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!!!!

フ ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ン!!!!!!

フ ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥン!!!!(元音源の114分の1)

 

 チャート壊るる^〜




汁おじとヘラグじいちゃんとソーンズホスィ。

それはそれとして、石田ファントム昇進2にしたらスカジとシージ、どっちを先に育てようかしら。教えてエロい人


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強襲準備

やっと石田ファントムが昇進2になったゾ!なので初投稿です


 ガバの素を拾ったRTAはーじまーるよー!

 前回はライン生命から逃げ出したらしい感染者を拾った所から……所…トコ…ヴァァァァァァァァァァァァ!!!!(パン!パン!パン!)

 

 チャートバラバラになっちゃう^〜。ライン生命は色んなRTAでお世話になったり恨んだり曇らせたりする隣人さんの様な距離感(?)の施設ですが、このRTAではお世話になる事も無いし、感染者を実験道具としてぞんざいに扱ってるので、寧ろ我々の敵です。大事な実験道具をぞんざいに扱うなやハゲェ!(指摘する所が違う)

 

「チッ、巫山戯んじゃねぇぞオイ。俺達感染者をなんだと思っていやがるッ!」

 

 只今実験体ショタから事の顛末を頭のてっぺんからケツの中まで聞いた所です。矢張りウルサス帝国とライン生命は滅ぶべき勢力、ハッキリわかんだね。

 

「オイお前、俺達感染者を助けるんだろ?俺達で協力して、このガキの仲間共を助けに――」

 

 (行きたく)ないです。

 

「―――は?」

「…………」

 

 いやね、そんな顔しても嫌なものは嫌なのよ。と言う訳で、今から何故嫌かの説明をします、耳とケツの穴かっぽじってよ〜く聞いとけよ〜?

 

 先ず、今のホモ都市には色々と足りないものが多いのです。このチャートでは保護対象兼オペレーターの感染者が一人死ぬだけでも痛いです。ですので、出来るだけ死なない様に、感染者達にホモ都市を認めてもらい、ホモ都市を防衛装置でガチガチにして、感染者達のレベルを充分に上げてから挑みたかったんだけどなぁ……どぉしてだよぉぉぉぉ!!!(カイジ並感)

 それに、相手をうっかりコロコロしてしまうと、生き残った奴に復讐されかねないので、転がさない武器も作っておきたいのです。もし相手に攻め込まれれば、たちまち虐殺パーティーが開始される事でしょう。

 

 そんな訳で、今のままでは下手に感染者達を戦闘させたりする訳にはいかず、真正面から大激突する事も出来ない状態な訳です。ダインスレイヴとかあれば話は別なんですけどね(条約違反)

 

「……聞いて呆れるぜオイ。お前、感染者を助けたいんじゃねぇのかよ」

 

 助けたいですねぇ!ですが危険なんですよ。ライン生命の様な充実した施設の襲撃は、今の状態では貴方達が何人行っても死人が絶対出ます(確信)ですので、(行きたく)ないです。

 

「なんだそりゃ……ハァ、あの時期待した俺達がバカだったよ。なぁお前ら」

 

 いやね、わかって?だってコレ無理ゲーに近いですし。メリットはあるけど失敗する確率は高いし、した時のデメリットのが多いですしお寿司。それに、ここにいる二人だけならなんとか丸め込めるのdってちょっと待って?お前らって誰?(治療施設の入口を見る)

 

 oh………(ペニーワイズ)感染者の皆々様が怖い顔で見ておられる。救って差し上げろ。

 

「テメェの言ってた事、割と信じちゃいたんだがな」

 

 あぁわかったよ!連れてってやるよ!どうせ後から攻略するつもりだったんだ。連れてきゃいいんだろ!(キレ気味掌クルルヤック)

 

「あん?お前さっきまで頑なに拒んでた――」

 

 うっさいなぁもう!お前ら二人なら丸め込めると思ったんだよ畜生!でもな、この会話をこの数が聞いたので拒むのは無理ですねぇ!(掌クルルヤック)流石にこの量の感染者達が私の行動にキレてホモ都市を出て行こうとしたらヤバいです。要は多数決で負けました。と言う訳でオリチャー発動!今からライン生命にカチコミ仕掛けます。にしてもさっきからガバガバだな?

 

「んだよ、それならさっさとそう言えば良いじゃねぇかよ!」

 

 何度も言いますが、今回のチャートは感染者を出来る限り全員救うと言うチャートです。故に、一度助けた感染者を生半可な装備で戦わせて死なせると言う選択肢は存じゃいしないんだよ(てーと君)本来は戦わせたくも無いんですけどねぇ!

 

 と言う訳で、そこのショタ君!

 

「……あ、ハイ!」

 

 君がどの方角から来たか教えてクレメンス。話はそれからです。

 

「わ、わかりました!」

「………ホント意味わかんねぇよ、お前」

 

 その内わかるから安心しろよなー。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 と言う訳で、ショタ君が脱出して来たライン生命の場所がわかったので、そこに向かうと共に強襲する準備をします。

 ライン生命付近につくまで2日と言った所でしょうか。時間は余り無いので、キリキリやってイキましょう。にしてもショタ君、ここを徒歩で来たのか……(ドン引き)

 

 では先ず、今回のクリア条件はショタ君のおホモ達を助ける事です。その為には数多の警備員と監視カメラを潜り抜け、迅速に行動しなければなりません。

 目標の位置と建物の構造は把握しています。出発する前に解析型ドローンを飛ばして確認してきました。いくら設備が頑丈でも、諸々丸裸に見えるので無駄です。後はショタ君に位置を教えて貰いました。

 

 そして、今回救出に向かう感染者ですが、戦闘経験やアーツ、言い出しっぺの法則を踏まえた結果、エレキ君単独に決まりました。エレキ君一人だけの理由は、いっぱいいたらそれぞれを逐一見なきゃならなくなって大変……つまりは面倒くさいからです。オリチャーだからね、仕方ないね。あ、そうそう、救出するのはショタ君のおホモ達だけですので、勝手な行動だけはしないでください。した瞬間簀巻きにして持ち帰ります。

 

「………わぁってるよ」

 

 えー?ホントにござるかー?

 では次に、警備員の気を引く為に、ドローンを大量に作っておきましょう。種類は何でもいいですが、武装は出来るだけ非殺傷、それでいて相手を無力化できるものが好ましいです。なんせ囮役ですから、少しでも引き付けないといけません。まぁ、本当は移動都市でロードローラーだぁぁぁぁ!!!ってしたいんですけどね。

 それと支援型ドローンを1機と、謎の金属製の強化外骨格をエレキ君の為に作ります。ドローンはもしも警備員に見つかった時に逃げる用、強化外骨格はそのまんまですね。

 

 それでは、ライン生命につくまで倍速しましょう。進めぇぇぇぇぇ!!!!(エルヴィン団長)




遅れて申し訳ない。モンハンライズの新情報とかその他諸々で書く暇がなかったんや


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エレキ・ストラトキャスター 上

双剣使いのハンターであり、回転ノコギリと曲刀を愛する狩人なので初投稿です(意味不明☆)


「ドゴハァ!………クッソ!あのヴィーヴル女、体ん中筋肉で敷き詰められてんじゃねぇだろな?!」

『ソウダナー、ドウミテモノウキンダナー。んな事より早く起き上がって逃げろJK。無理に戦う必要は存在せんぞ』

「わぁってるっての……おい待て、ガキは何処行った?」

『あっ』

「あ、じゃねーよこのポンコツ!」

 

 って、こんなバカみてぇな会話してる暇ねぇわ。クッソ、何処行ったんだあのガキ……。

 

「何を話しているか知らんが、諦めろ。もうお前に勝ち目は無い。外のドローンも、直に全滅するだろう」

 

 俺の眼の前までやって来たヴィーヴル女が、俺の頭に銃口を向ける。あぁクソッ!ガキはコイツが脇に抱えてやがるじゃねぇかよ!

 完全に終わりじゃねぇか。ドローンも潰れ、ガキは奪われ、残るものは役立たずの声とアーツのみ。誰が見てもわかるだろう、ゲームオーバーだ。

 

 頭の中で、妙に懐かしい光景から、最近あった光景までが頭ん中でグルグルしてやがる。なる程、コレが走馬灯ってヤツなのか。

 はっ、死ぬ直前に人生の反省が出来るってか?……ったく、この機能を人間に追加した奴はさぞいい趣味をしてんだろなぁ………。

 

 まぁ、悪かねぇがな。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 俺が感染者になったのは、小学生の頃からだ。金持ちのクソガキ共がちょっかい出してるのを止めに入ってたら、どっかから持って来たオリジニウムで頭をぶん殴られた。アレめっちゃ痛かったんだけど。

 

 それからだな。みんな俺を気持ち悪い虫みたいに見て、俺はいない者扱いされた。俺自身、ウルサスでは珍しい鬼族だったから、俺が感染者になったって噂が広まるのは早かったよ。金持ちのクソガキ共にちょっかい出されていた奴らも、俺を無視してた。

 両親は最後まで味方してくれたが、ウルサス帝国で感染者の味方をする事は死を意味するも同然。両親は殺され、俺は採掘場に連れてかれて労働生活の始まりだ。滅茶苦茶辛いものだったよ。満足に飯は食えないわ、理不尽な理由で殺されかけるわ………今までよく生きてたな俺。

 

 そんな労働生活を10年間程続けてたある日、一緒に労働してた仲間達が脱出計画とやらを考えてたのを教えられた。どうやらこの採掘場にいる全員の感染者が一斉に逃げ出す算段らしいが、どう見たってガバガバな作戦だったよ。

 

 そして作戦が始まった。俺の予想通り、大勢の感染者が殺されていったよ。おかしいよな?俺達は別に悪いことをしていない筈だ。なのになんで、こんな仕打ちをされているんだろうな?

 そんな事を考えながら必死で逃げて、そんで集合地点に集まったのは500人程の感染者。多いと思うだろ?最初は千人いたんだぜ。半分位が死んでいったんだよ、俺達の為に。

 

 それからは、レユニオンムーブメントとやらに入る為に、いつの間にか作っていたらしい腕章をつけて、テラの大地を徒歩で移動した。でも、そんな事は無理だ。食料問題から天災まで、この大地を歩くには問題があり過ぎた。

 特に食料問題だ。逃げる途中で奪って来た食料じゃ、この数の飢えを到底カバー出来なかった。俺か?ウルサス兵の死体から剥ぎ取った武器以外、何も持ってきてなかったよ。

 

 それから俺は、段々と自分がお荷物何じゃないかって思って来た。だって、俺は採掘場の奴らに何もしてやれてねぇんだ。ただウルサス兵の理不尽な暴力からガキ共を庇ったりしただけしか出来てねぇ。

 

 なのに、なんでそのガキ共が死んで、俺が生きてるんだろうな。

 

 それから半月、俺たちの数も300人まで減った頃、天災の余波によって、俺達は集団とはぐれてしまった。

 俺を含めた8人は、合流を目指して歩きだした。だが、食料は2日分しか無いし、俺達は何処に飛ばされたのかもわかんなかったからな。誰もが無理だと思っていた。俺は出来る限り食料を他の7人に回していたが、ただの悪足掻きにしかならなかっただろう。

 

 そして、食料が無くなった時、あの移動都市を見つけた。

 

 

 

 

 

「クッソ、暗いなオイ」

「あ、オレが目で照らすんで」

「アンタのアーツが役立ってるの初めて見たわ」

「なんッスかそれ〜」

「ちょっ、眩し!こっち向けないで!」

 

 へっ、いいじゃねぇか。俺のアーツなんて音楽がなるだけだぞ。

 

「どうしたッスか?」

「なんでもねぇ。つかこっち向くな」

「みんな酷くない?!」

 

 知るか。にしても意外と広いなこの移動都市。手分けして探索するか。

 

「そっちは懐中電灯持って、取り敢えずこの移動都市を探索してくれ。こっちは制御中枢を目指して、電気を復旧出来ないか試してみる」

「了解した。気をつけていけよ」

「わぁってるよ」

 

 テメェらも気をつけろってんだ。

 一緒にいたガキ二人と女一人をデカい奴に任せる。残りの俺達は、制御中枢に向かって歩き始めた。

 

「と言うか、制御中枢が何処にあるかわかるんですか?」

「知らん。だから1つずつ探すんだよ」

「うわぁ、凄く適当……」

「でも、彼の言うとおりにするしかないでしょ。文句言わないの」

 

 あぁ、今の俺達には考えてる時間が無い。故にこうするしかないのだ。だが、移動都市の構造上、制御中枢はだいたい上の方にある筈だ。だから早く見つかるだろう。

 

 取り敢えず、最上階まで登り、四人で手分けしてしらみ潰しに捜索する。

 

「ここは……」

 

 そう呟きながら、薄暗い部屋の中を見回す。部屋の構造的に、ここは制御中枢……かもしれない。小学生の頃に見た図鑑に載っていた写真と似ている、と言う根拠もクソも無いものだが。

 

「え〜っと………」

 

 …………なんか、一箇所だけめっちゃ自己主張の激しい場所を見つけたんだが。

 

「まさか、コレで動くんじゃねぇだろうな……」

 

 流石に無いかもしれないが、もしかしたら自爆スイッチと言う可能性も無くはない。だが、電気系統がダウンしてる状態で流石に自爆は無いだろう。そう思いながら、自己主張の激しい装置を起動させてみた。

 

『システム起動………AIナビゲーター、及び人格プロセスを構築………完了しました』

「うぉあ!動いた?!」

「どした?!なんかあったか?!」

 

 俺の声を聞きつけた目からライトが、俺の所までやって来た。つか、そんなに大きな声出して無い筈だが……響きが良いのかなココ。

 

『ハイミナサンオハヨーゴザイマース!』

 

 それに、なんかやたらテンションの高そうなウザい声色の声が聞こえた気がする。

 

『なーんか声小さいなぁ……挨拶したら挨拶し返すのが基本だろ?さんはい!オッハー!

 

 …………いやまて、なんだコイツは。

 突然過ぎる展開に、俺達とさっきのデカい声を聞いて後からやって来た残り二人は硬直する。するしかなかった。

 

『挨拶出来ないとはなってないなー……まぁ良いだろう。次は自己紹介だ。私の名前はベイマックス!お前たちの心と健康を守るAIだッ!』

「心と健康を……」

「守るぅ?!」

 

 ようやく頭の中で情報を整理できた俺達は、このAIが言ったことに反応する。

 

『いやまぁ、嘘だけどな!』

 

 は?

 

『実際にはお前たちの鉱石病を治療し、死ぬまでいい暮らしをさせたいAIだ。名前もベイマックスでは無く、イムホテップ・イモータル。略してホモだ』

「なぁ、コイツ何言ってるかわかる?」

 

 俺に聞くな。つか誰が聞いてもわかるだろ、コイツは俺たちが理解できる言語で話していない。

 

『いや、ちゃんと理解出来る言語の筈だが……』

「思考を読まないでくれるか?」

『まぁ良いだろう。では早速お前たちの治療に移る……と言いたい所だが、生憎と治療施設が建設されていなくてな!そんな訳で、お前達に最初のミッションをくれてやる』

「オイ待て!勝手に話を―――」

『その名も、作ってワクワク!治療施設!そこの机に手順が記されたコピー用紙があるから、それを見てくれ』

「もうなんなんだコイツッ……!」

 

 俺は訳わからな過ぎて頭を抱えてしまった。それを見た仲間達も、頭を抱えたり天井を仰いだりする。どうやらみんな同じ事を思っているらしい。

 

 そんな訳で、コレが俺達とこの移動都市の出会いだった訳だが、よく見ると最低だなオイ。




最高の友は最低な出会いから始まる………かもしれない。
と言う訳で、ここらで一つ、アークナイツ世界目線のを投降してみました。ついでにエレキ君の本名とホモAIの名前も決まりました。まぁ、過去話の出来がちょっとアレかな………それと、2話のセリフと違う所とかありますしお寿司。ママエアロ(風属性上位魔法)
そんな事より、シリアスのやる気がとことん感じられない文だなオイって見返して思った作者である


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エレキ・ストラトキャスター 中

正直ストーリー書くよりゲーム風ステータス書いている方が筆が乗ったりするので初投稿です。


「さっきから訳わかんねぇんだが」

「そりゃ全員が思ってる事ッスよ……」

 

 この移動都市に乗ってから、色々な事が一気に押し寄せて来やがった。突然変な金属やら炭やら作らされたと思ったら、こう…どう説明したら良いかわからない事をされ、気がつけば体は軽くなってるわ、傷は治ってるわ、何故か俺たちが向かっていた方向へ走ってると思ったら、はぐれてた奴らと合流出来て、しかもそいつらもこの移動都市に乗るときた。もう訳がわからんぞ。

 

『フフフ……コレで私の計画は一気に進む。俺は止まんねぇからよ、その先に俺はいるぞぉ!』

 

 大音量で何言ってんだお前。

 

「計画………?」

「やっぱり、俺達に何かするんじゃ……」

 

 周りの奴らが、あのポンコツの言葉に不安になり始める。

 やっぱり、コイツは俺達を使って何か企んでやがるな。どうせ俺達を捨て駒にする様な――

 

『それは勿論、お前たちを幸せにする計画だとも!感染者が迫害されるこのご時世、バベrゴボッゴボッ、ロドス・アイランドだけじゃお前達感染者を幸せには出来んと裏死海文書に記されている。つーか、ロドスはロドスでもうちょい感染者救助せんかい!そんなだから私が凄く頑張らないといけなくなるんじゃろがい!………おっと、話が嫌な事になってしまったな。それは兎も角、どうやらまだ不安な奴が沢山いる様だし、お前達感染者を一生幸せなままにする為の計画を説明してやるわ感謝しやがれヴォケェ!』

 

 ………もう、ほんっとこのAIの事がわからねぇ!なんなのこの野郎?!さっきから大音量で移動都市全体にプレゼンしてるし!つか所々ロドスとやらへの文句言い過ぎだろ!でも信頼してるんだ!AIのくせに複雑な心境してんなオイ!

 

「ハァ…ハァ…ハァー↑」

「大丈夫ですか?治療施設に連れて行きましょうか?」

「いや、大丈夫だ………ハァ…」

 

 何故だ?!さっきからずっと疲れるんだが?!それにさっきから心の声の後ろにビックリマークがついてる気がする。

 

『あそーだ!畑増やしとかないといけないわ。あでも何処に作ろーかな……やっぱ屋上しか……あそーだ!移動都市もう一個増やしてやろ!』

 

 何言ってんだこのAIは?!え?増やせるの?移動都市って増やせるものなの?

 

 ………とまぁ、こんな感じの生活が数日続いた訳だ。まるで感染者になった時の様なバタバタ感と、色んな初めての事が一気に叩き込まれる感じ。ただ一つ違う所は、希望があるか無いかの違いだけだ。

 あのポンコツAIは、煩いし、ウザいし、俺の名前を間違える…と言うか、何故か俺達の名前を知ってるし、バカにしている様にしか見えない言葉しか発さないが、俺達を幸せにすると言うのは、もしかしたら本気なのかもしれない。俺達の為に畑を作ったり、移動都市に乗ってきた奴らを全員治療したり…………それに、あんなに大音量でプレゼンするんだ。コイツなら本当に幸せに出来そうだな。俺と違って―――

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『(行きたく)ないです』

「―――は?」

「……………」

 

 それはある日、テラのど真ん中で倒れていたガキを助けた時だった。どうやら、そのガキはライン生命と呼ばれる施設で、非人道的な研究をやらされていたらしい。実に突拍子もない話だと思ったが、この世界での感染者は扱いが扱いだ。ありえない話じゃ無い。

 そしてそのガキに、友達を助けて欲しいって言われたんだ。当然、俺は乗り気だった。でも、ポンコツはそうじゃなかった。

 

 ただ理解出来なかった。あんだけ啖呵切ってたくせに、あんだけ幸せだとか、治療だとか、感染者を保護するとか言っておいて――

 

「………聞いて呆れるぜオイ。お前、感染者を助けたいんじゃねぇのかよ」

『あぁ、その通りだ。だがな、まだ準備が足りていない。私の計画はお前達が一人死んだらそこで終わりなんだ。それなのに今ライン生命にカチコミなんぞ出来るわけ無いだろ!いい加減にしろ!』

 

 なんだよ、言ってる事が数日前と180度違うじゃねぇかよ。

 

『ライン生命、言ってしまえばラスボス……いや、裏ボスダンジョンの様なものだ。そこに初期装備で突っ込む主人公があるかバカタレ!それに、今の私はまだお前達に信用されてないし!移動都市にガチガチの防衛設備を設置してないし!お前達がもし戦う事になった時の為にお前達を鍛えてやる筈だったけどやってないし!準備不足であーもう滅茶苦茶だよ!』

 

 さっきから準備準備ばっか言いやがって、それって行きたくねぇって事なんじゃねぇのかよ。

 

「ハハッ、なんだそりゃ……あの時期待した俺達がバカだったよ。なぁお前ら」

 

 俺は、俺達がいる部屋の入口でコソコソと聞いていた奴らにも聞こえる様に言った。気づいてないと思っていたのか、アイツらは少しだけ慌てやがった。

 まぁ、そんな事はどうでも良いだろう。こんな口だけの奴にお世話になるのもまっぴらごめんだ。ここから出て行って……いや、この移動都市を乗っ取ればいいんじゃないか?今の会話を聞いていたアイツらも賛同してくれるだろう。そうと決まれば―――

 

『ん?ちょっと待て。お前ら?』

 

 どうやらコイツも気づいた様だが、お前みたいな奴にはどうでもいい事だろう。

 

「テメェの言ってた事、割と信じちゃいたんだがな」

『………ちょ待てよ』

 

 ………アン?

 

『わかった!この私が連れてってやるよ!どうせ後から攻略するつもりだったんだ。連れてきゃいいんだろ!(キレ気味掌クルルヤック)』

 

 ……………は?

 

「………お前、さっきまで頑なに拒んで―――」

『ウルシャイナーモウ!お前とショタなら兎も角、その他大勢を説得させる力は残念ながら存在しないからな。故に、オリチャーを発動するッ!ヘイそこの少年ッ!』

「……へ?あ、ハイ!」

『お前が脱走して来たライン生命について色々と説明させて貰う。それと貴様のマイフレンドとやらもだッ!』

「わ、わかりました!」

 

 さっきまで俯いていたガキが、明るい顔を見せる。だが、俺は訳がわからんで頭がいっぱいになってた。俺を丸め込もうとしてた事とかはこの際どうでもいい。

 

「んだよ、それならさっさとそう言えば良いじゃねぇかよ!」

『言ったろ、状況が変わったんだ。まぁホントは行かせたく無いんだがなぁ!今回は特別なんだからねッ!』

 

 わかんねぇ。お前の考えてる事がわかんねぇよ。AIっつうのは、最善を尽くすだけの機械じゃねぇのかよ。

 

「………ホント、意味わかんねぇよお前」

『その内わかる。多分な』

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 その日の夜、俺はポンコツに今回の作戦を聞いていた。どうやら、救出に向かうのは俺の一人で、助け出すのはあのガキの友人だけ。それ以上は死ぬ確率が跳ね上がるらしい。俺的には不満だが、これ以上は譲れない様だ。

 

「で、なんで俺なんだよ?他にいるだろ?」

『確かに身体能力に関してはだが……アーツとか考えたらお前一択なんだよなぁ………つかアンタが言い出しっぺでしょうが!』

 

 そう言われればそうだが………俺一人じゃあ不安が出るだろ。つか、現に俺は不安だ。

 

「俺のアーツはお前も知ってるだろ?ただ音楽を流すだけの使えないアーツだぞ。それに……俺は一人じゃ何も――」

『お前情緒不安定かよぉ?!』

 

 知るか、誰だって一人じゃ不安になるだろうが。しかも俺は、一人じゃ無くても何も出来なかったんだぞ。

 

『安心しろ、私がいる』

「は?」

『は?じゃねーが!テメェが一人でおまけに何も出来ん奴なんぞ誰が決めやがったし!?意味わかんねー』

「テメェさっきから何が言いてぇんだよ?!おちょくってんのか?!」

『おちょくって無いぞ〜?それといい事教えといてやるわ!お前はみんなに慕われてるから。それに、お前が採掘場で子供を庇ってたことはみんなが知ってるからな!』

「ハ、ハァ?!」

 

 なんでソレッ……みんな?!もしかしてあの光景をみんな見てたってのか?!あんなもん、やって当たり前の――

 

『ヴァァァァカ!お前ちゃんと自分がやれる事をやってんじゃねぇか!な〜にが何もやってないじゃヴァァァァカ!』

「ぐっ……」

 

 コイツ、AIのくせに……

 

『良いか?人助けを息をすると同等レベルに思うのは主人公がやる愚考だ。テメーは良くてレギュラーメンバーなんだから子供助けて満足してりゃいいんだよ!現にお前の行動で感謝してる奴もいるしな!』

 

 ………つまりなんだ、アイツらは俺がガキを守ったから、脱走する時に何も出来なかった俺を責めないのか……?でも、俺は肝心な時に守れなかったんだぞ………

 

『ったく……誰にでも出来なかったり失敗する事はあるし、過去は滅多な事がない限り変えられない。だからこそ、守れなかった子供の数に負けない位に、明日から沢山助けてやりゃいいんだよ!今回のミッション、失敗するんじゃねぇぞ……』

 

 …………このクッソカッコつけが。ナチュラルに人の思考読みやがって。おまけにハードルも2メートル位上げやがって………

 

「あぁわかったよ、アイツのダチを助けてやるよ!助けりゃいいんだろ!」

『フッ……よし!その調子だ。んじゃ早速アーツの訓練と外骨格のテストと………』

 

 いやちょっと待て

 

「……やる事多すぎないか?」

『当たり前だ。言ったろ?準備が足りていないって。悪いが今夜は徹夜だ。明日は一日中寝ていいから、頑張るぞ』

「……あぁわかったよ!やるよ!やりゃいいんだろ!」




何故か三部作になったぞオイ…どうしてくれんのコレ(呆れ)

後、作者自身が悩みの経験が薄いせいで、人が悩むシーンを書くのがド下手である。すまない(竜殺しのすまないさん)


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エレキ・ストラトキャスター 下

そろそろいつものRTAに戻りたいので初投稿です。


『さて、じゃあ作戦のおさらいと行こうか。まず俺が夜なべして作りまくったドローンで、警備員共を玄関付近におびき寄せる。その間に、お前はシュバッと行ってパパパッと助けてスタコラサッサーと逃げる。コツは猫が焼けた魚を盗む感じだ。OK?』

「すまん、最後ら辺が全くわかんねぇ」

 

 手に巻いている脈拍計測通信機とやらから声が響く。

 つか、急に語彙力を下げるな。折角人が頑張って集中しようとしてるってのに、コイツはアレか?茶化さないと機能停止でもするのだろうか?なら是非機能停止して人格データを変えて戻って来てくれ。

 

 と言う訳で、俺達は今ライン生命の施設、その裏口の近くに隠れている。ここから少し遠くに停泊している移動都市からめっちゃ静かに走る車で来たわけだ。にしても、車があったから楽だったが流石に離れ過ぎやしねぇか?

 

『まぁこう、未知のドローン共が襲撃して来たってシチュエーションだからな』

「そんな中ドローンを携えた侵入者が入る訳だが?」

『顔は隠れてるから大丈夫だ、問題ない』

 

 いや、大丈夫じゃ無いだろ、間違いなく問題になるだろ。確かに強化外骨格で顔は隠れてるけども。

 

『うるさいですね……』

「え、何そのロリ声?」

『そろそろ始めるぞ。準備しな』

 

 と言った瞬間、ライン生命の玄関辺りの方で爆発音が響いた。

 

「オイ、ホントに人は殺さねぇんだよな?」

『安心しろ。実験体達がいない事は確認済みだ。威力も気絶するレベルに抑えてあるとも』

「そうかよ、そりゃ安心だ」

『ドヤァ!…っと、そろそろ全員行ったかな』

 

 そう言って裏口へ向かうドローンを追っかける。ドローンは裏口の鍵をレーザーを使ってこじ開けると、我先にと先行して行く。

 てかおかしいな?俺、あのドローンは支援型って聞いたんだが、何故にレーザーとか言う殺傷力ダンチなヤツが搭載されてんの?

 

『多目的支援型だからな。ほら、どんな作業にもハサミやら包丁やら危ないモン使うだろ?そんな感じよ』

「あ〜なる程……」

 

 いやなる程じゃ無いが

 

「にしても…コレホントに聞こえて無いんだよな?」

『んだよお前自身のアーツでしょうが!ったく……安心しやがれ、空気の振動はお前を中心に半径1メートル先で殆ど停止してる。この話し声も、足音も、どんだけ大音量だろうと外部にはまったく聞こえないだろうよ』

「……よし」

 

 そんな会話をしながら周囲を警戒し、素早く目的の場所へと足を進める。

 

 この間、俺とコイツはアーツについての事で色々やっていた。どうやら俺のアーツは音楽を流すだけのものでは無く、空気の振動を操るアーツだと言う。何故アーツを発動させていた時に音楽が流れていたかとポンコツに聞けば、おそらくアーツを発動させた時、無意識に空気の振動を調節していたんじゃないか、だそうだ。

 聞いててなんだが、自分でも驚きを隠せなかったぞ。なんだよ無意識に振動を調節するって。その時の俺一体何を考えてたんだ?

 

 まぁいいや。で、この間にこのポンコツと練習して、アーツの汎用性を広げる事が出来た訳だ。その一つがこの音を遮断するヤツだな。

 

『ま、弱点があるとすれば外部からの音も遮断するから、索敵が視覚頼りになるって所位だろうな』

「ソコはホントにちゃんとしろよ?」

『わぁってるって!俺が見逃す筈が無いだろ〜』

 

 ったくよぉ、ホントに大丈夫なんだろうなコイツ?あ〜不安になって来た。このまま面倒事無く助ければいいんだが……

 

 その時の俺達は知る由も無かった。無音で走って行く俺とコイツを物陰から見ていたリーベリ族の研究員がいた事に。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『ここだな』

「このガキが……」

 

 助けたループスのガキが言っていた場所に着いた。強引に開ければ警報がなる可能性があるとの事で、支援型ドローンのハッキングで収容室の鍵を開ける。一体そのちっさいドローンにどんだけ積んでんだか……と言うのは置いといて、扉の先には、白髪のフェリーン族のガキが死んだ様に眠っていた。

 

『ホッソイ体やな〜。ロリでコレは流石にワロエナイ。おまけに髪の色もストレスだな。抜けなかっただけマシと見るべきか………』

「オウ、なんで体と性別がわかったのかは聞かないでおいてやるよ。取り敢えず、さっさと運んで……ん?」

『お、』

 

 ガキを抱えようとすると、物音で目が覚めたのか、薄っすらとこちらに顔を向けた瞬間、俺は息を呑んだ。

 髪と顔の向きで見えなかったが、本来片眼にあるはずの眼球は無く、黒色の鉱物が埋め込まれていた。

 

「聞いてはいたが……クッソ!」

『お前さんが、アイちゃん…であってるか?』

「……うん…………あの、おじさん達は……?」

『このおっさんはエレキ君、俺は空飛ぶ不思議な鳥さんだ。お前を助けに来た。以上終わり!さっさと行くぞ!』

「わかってるっつーの!」

「うわっ………!」

 

 ガキを肩に担ぎ、ドローンと共に出口へと向かう。モタモタしてたら玄関の囮ドローンが全滅しかねないからな。一応あのポンコツが同時操作しているとはいえ、そう長くは持たないだろうし。

 

「………あれ?妖精さん?」

「妖精?」

 

 突然変な事を言い出したんだけどこのガキ。誰もいない場所に話しかけてるし。

 

『おそらく、脳の近くにオリジニウムが侵蝕した影響だろうな。早く治療しねぇとマズくなるぞ』

「わぁってるっての!」

 

 話しながら走るスピードを上げる。ここの角を曲がれば、後は真っ直ぐ進んでもう一度曲がるだけだ。そうすれば出口は眼の前にある。囮がちゃんと機能しているのか、ここまで1度も会敵していないからな、簡単に脱出―――!

 

「やっと見つけたか……悪いが、ここから先は通さん。大人しく武器と子供を離して投降しろ」

「………?おじさん、鳥さん、どうしたの?」

「チッ、クッソが」

『…おぉん……』

 

 どうやらそう言う訳にはいかない様だ。もう少しの所で、俺達はヴィーヴル族の女とばったりはち合わせしてしまった……いや、コレは待ち構えられてた可能性が高いな。まぁ流石にドローンの大群が玄関に押し寄せるってだけじゃあ、近い内に囮だと感づかれるだろうしな。

 あとなんか喋ってるが、生憎とアーツのお陰でこれっぽっちも聞こえなかった。ちょっと不便だなコレ。

 

『ヌッ!ヘッ!ヘッ!ア゛ア゛ア゛ア゛もう滅茶苦茶だよぉ!ショタにコイツらがいないかどうか聞くべきだったァァァ!!!はーどないしよ…』

 

 えぇ……(困惑)めっちゃ動揺してんじゃねぇかコイツ。もしかして、目の前のコイツは予期せぬイレギュラーだってのか?

 

「叫ぶなうっさいわ!つかどうするんだよ?!」

『ですがまぁ、突っ込むしかありませんねェ!準備しろエレキ君!』

「さっきから情緒不安定気味だなお前!で、策は?」

『かくかくしかじか』

「いや全然わからねぇ」

『煙幕張るから突っ込んで逃げるんだよ!あくしろよ!』

「わぁったよ!」

「……チッ」

 

 ポンコツを信じて、目の前のヴィーヴル女に向かって突っ込んで行く。向こうもこっちが突っ込んで来るのを見ると、耳に手を当てて何かを喋り、直ぐに戦闘態勢に入った。おそらく仲間を呼んだのだろう。尚更早く脱出しなければならなくなった。

 相手のエモノはデカい盾に単発式のハンドガン。遠距離武器ってのは厄介だが、単発式だからバカスカ撃ってくる事は無いと思いたい。

 

『煙幕張るゾ!あと絶対に吸うなよ!』

「よっしゃ来い!」

 

 ドローンがヴィーヴル女に向かって、青い煙を放出する。その量は、一瞬にして視界を奪ってしまう程だ。まぁ、俺は空気の振動を使って相手の位置を探れる様になったから、視界が潰れても大して問題ない。

 にしても、ホントに役立たずなアーツから役に立つアーツになってやがるな。帰ったらアーツ学を読み漁って見よう。

 

 そう思っている間に、俺達は煙幕地帯を出た。

 

「っハァ!つか、なんで吸っちゃ駄目なんだよ?」

『念の為に睡眠薬もブチ込んどいたからな……アレで撒けるといいんだが』

「そう言うのは最初に言ってくれ!」

「むにゃむにゃ〜……」

「ほら見ろ!って、コイツは別にいいか……」

『いやすまね〜って、おにゃの子はいいんかい』

 

 肩に担いでいたガキが眠ってしまったが、まぁ良いだろう。それより、もう少しで出口が見える筈だ。そこの角を曲がれば―――

 

 そう思った瞬間、発砲音と共に横に浮いていたドローンが砕け散った。咄嗟に後ろを振り返る。そこには、さっきまで睡眠薬入りの煙幕の中にいたヴィーヴル女が俺らに向かってヤバい速度で突っ込んで来るのが見えた。

 

『ファァァァァッ?!』

「ハァッ?!クッソ!」

 

 空いている手でいざと言う時の為に装備していた放電警棒を振るうが、盾で簡単に防がれた挙げ句、警棒は弾かれ腹のど真ん中にカウンターを喰らってしまった。

 

「グブッッ!?!?」

「む?下に何か仕込んでいたか…」

 

 強烈な腹パンによって、俺は壁にめり込んでしまった。

 つかクッソ痛ぇ!なんなんだコイツ?!睡眠薬入りの煙幕の中からドローンを狙撃するわ素手のパンチで服の下にあった外骨格を砕くわバケモンじゃねぇかよ!

 

「ドゴハァ!………クッソ!あのヴィーヴル女、体ん中筋肉で敷き詰められてんじゃねぇだろな?!」

『ソウダナー、ドウミテモノウキンダナー。んな事より早く起き上がって逃げろJK。無理に戦う必要は存在せんぞ』

「わぁってるっての……おい待て、ガキは何処行った?」

『あっ』

「あ、じゃねーよこのポンコツ!」

 

 って、こんなバカみてぇな会話してる暇ねぇわ。クッソ、何処行ったんだあのガキ……。

 

「何を話しているか知らんが、諦めろ。もうお前に勝ち目は無い。外のドローンも、直に全滅するだろう」

 

 俺の眼の前までやって来たヴィーヴル女が、俺の頭にリロード済みの銃口を向ける。あぁクッソ!ガキはコイツが脇に抱えてやがるじゃねぇかよ!

 完全に終わりじゃねぇか。ドローンも潰れ、ガキは奪われ、残るものは役立たずの声とアーツのみ。誰が見てもわかるだろう、ゲームオーバーだ。

 

 頭の中で、妙に懐かしい光景から、最近あった光景までが頭ん中でグルグルしてやがる。なる程、コレが走馬灯ってヤツなのか。

 

 はっ、死ぬ直前に人生の反省が出来るってか?……ったく、この機能を人間に追加した奴はさぞいい趣味をしてんだろなぁ………。

 

 

 

 まぁ、悪かねぇがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『人生の反省をしてる暇があったらァ!女の子の救出をしてください!』

「……わぁってるっつってんだろがァ!」

 

 振動を遮断する膜を解除し、俺とポンコツの声による空気の振動を出来るだけ最大にしてヴィーヴル女の耳の中にブチ込む。

 

「ぐっ?!」

 

 ヴィーヴル女は、驚いた顔をしながら片耳を抑えた。そりゃそうなるだろうな。なんせ突然耳の鼓膜が破れる程の大音量が流れるんだ。流石にもう片方の耳はインカムのお陰で破れなかったが、それでもチャンスは作れた。どっかの誰かが諦めなきゃなんとかなるっつってたが、ホントの事だったとはな!さっきはマジで諦めかけてたけど!

 

「オラァ!」

「ぐぅッ!させるか!」

「ぐぬッ?!オォォォォ!!」

 

 怯んだヴィーヴル女にタックルを仕掛け、抱えていたガキを引き剥がそうとするが、それを阻止せんとヴィーヴル女が肩甲骨辺りに銃を撃ち込む。そこまでは別になんともなかった。撃ち込まれた所は丁度外骨格がある場所だったからな。だけど銃弾を肘で打ち込むってのはどう言う頭してやがるんだこのヴィーヴル女!

 

「ヘッ、絶対に離さねぇからなァ?」

「チッ……害虫が」

 

 そう呟いたヴィーヴル女が、すかさずもう一度銃弾を肘で打ち込みやがった。ホントに止めて欲しいんだがな……さて、コレからどうするか。このままじゃホントにゲームオーバーになっちまうぞ。

 

「ん……い、痛いよ……妖精さん…」

「……オイオイ女ァ、ちっとは力緩めたらゴフッ?!」

「すると思っているのかバカが………何?!」

「ぬぉっ?!」

 

 なんだ?!いきなりスッポ抜けやがった?!一瞬なにが起こったかわからなかったが、俺の腕の中にガキがいるのを確認出来た瞬間、俺は体をバネみてぇに跳ね起こして出口に向かって走った。

 

「待てッ!……グッ?!」

『よっしゃ間に合ったァ!』

「ったく、さっきから何やってたんだよ?!」

『いやぁ、ギリギリまで玄関の方のドローンを生き残らせながら煙幕をぶつける機会を伺ってたのよ。まぁ、まさか予備を出動させる事になってちょっと遅れ気味になるとは思って無かったがな!』

 

 俺を追いかけようとしていたヴィーヴル女を、あの青い煙が包み込んだ。どうやら煙幕を放射する機能は壊れてなかった様だ。

 

 ようやく裏口から脱出した俺達の目の前に、無人の車が綺麗なドリフトを決めながら停車する。俺が移動都市からここまで乗ってきた車だ。運転しているのはあのポンコツだが。 

 車にガキを押し込み、俺も飛び乗る。車はドアがしまった瞬間に勢いよく発車した。

 

「あ、そうだ」

 

 俺は窓から体を外に出し、後ろでどんどん小さくなって行くライン生命に向かって中指を立てる。

 

「次は全員貰ってやるから憶えときやがれクソ組織が!!!!」

 

 ………多少はスッキリした。

 

「……う〜ん…ふぇ?ここは……あ、おじさん、おはよう御座います〜……ふぁぁ……」

「おう、起きたか」

『大丈夫?どっか痛い所無い?主に横腹とか横腹とか横腹とか』

「オイコラ」

 

 正直、ガキを強い力でずっと掴んでたのはちょっと反省してる。でも、あの時は色々必死だったし……あーなんか肩辺りがどんどん痛くなってきた。

 

「大丈夫ですよ〜、えっと…車さん。痛い時は、いつも妖精さんが助けてくれるので」

「……妖精さんねぇ……」

 

 あのお陰で今回のミッションは成功したとはいえ、アレはホントに何だったんだろうか?あのヴィーヴル女がそう簡単に離すか?睡眠薬入りの煙を吸ってもピンピンして外骨格を素手で砕くバケモノだぞ?

 

『あ〜、こう言うのはなんだが、それはお前さんの鉱石病による幻覚だと思うぞ』

「ううん、ホントにいるよ。今はお兄さんの方の窓に」

「は?俺?」

 

 ………いや、何もいないぞ?

 

「よ〜く見て」

「お、おう……」

「妖精さんも、自己紹介…ね?」

 

 なんか怖いぞこのガキ。さっきまでのホワホワ感は何処に行ったし?

 

「つってもホントに何も………エッ」

『あぁ!窓に!窓に!』

 

 簡単に言おう。窓にいつの間にか目玉が張り付いており、こちらをジッと覗いていた。そして、その目玉を起点に空間が歪み、人間の顔が生成された。

 

「………ハハッ☆」

「…マジでおるんかい」

『キェェェェェァァァ!!!シャベッタァァァァァァ!!!』

 

 色々と疲れていたせいで、そんな薄い反応しか出来なかった。




やっと終わった……次からはもっと短いヤツにするわ。ツー訳で次回からRTAに戻ります。こんな小説を読んでくれてありがとナス!


それとちょっとしたアレ


リーベリ族の研究員

性別女性の研究員さん。ドローンが攻めて来たから自室待機してろよと言う放送を聞いたが、大切な娘も同然の存在の安否を確認しに行き、その途中で怪しいおじさんとドローンを発見した。


ヴィーヴル女

ライン生命警備課主任で、パパみたいな威厳のある女性。一時的に一緒に研究プロジェクトを支援しに来ていた今は親しい関係であるリーベリ研究員の通報を受け、ライン生命と繋がっているこの実験施設内を捜索した所、彼らと遭遇した。謎金属製の外骨格を素手で砕く。
余談だが、今回の後始末を終えた次の朝、彼女にしては珍しく起きるのが遅かったとか。


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車両増築

書いてる内に今後の展開がコロコロ変わるので初投稿です。


 ライン生命から検体を奪取したRTAはーじまーるよー。

 前回はあの忌々しきアークナイツ界の汚物of汚物で有名なライン生命から、検体を奪取すると言う暴挙を犯した所でしたね。ですが…ねぇ?まさかライン生命組がいるとは思っていませんでしたよ。にしてもサリア姉貴は外骨格を素手で砕くとか何なんです?しかも睡眠薬を大量に摂取して動きが鈍くなりもしないとか、彼女ホントに人間ですか?次にあのライン生命を攻める時はチェルノボーグ事変の後にします(確固たる意志)

 

 と言う訳で、今回は戦力強化を早めにして行こうかと思っていましたが……やめました(やめたのか)

 取り敢えず説明しましょう。今のホモ都市は製造所2つと加工所が一つ、発電所が2つと鉱石病治療施設一つ、後は人数分の個室と農業プラントで埋め尽くされています。つまり!戦力強化をする為の施設を作る事も出来ない状態と言う訳だぁ!ファーハハハ(アスパラ)………はーつっかえ、辞めたらこの移動都市。

 

 まぁ、続けるんですけどね(鋼の意志)

 と言う訳で、早速増築をしてイきましょう。移動都市の増築方法は主に2種類存在しており、一個の移動都市をどんどんデカくする方法と、同じ大きさの移動都市をもう一個PON☆と増やす方法があります。

 前者は、大きさによっては低コストの短時間で作る事が出来ます。おまけに形の自由度が高いので、芸術センスがカンストしているプレイヤーの移動都市は宇宙戦艦ヤマトやアークエンジェルになったり、ダレン・モーランやゾラ・マグダラオスにメガシンカしちゃいます。え?儂?勿論作りましたとも、ヤマツカミ型の移動都市。

 さて後者ですが、いわばコピー&ペーストの様なもので、前者の様な自由度はありませんが、お手軽に増築する事が出来ます。車両と車両を連結させるので、アークナイツ版デンライナァァァァ!!!(ガビガビ)が作れちゃいますねぇ!

 

 で、今回作るのは後者です。理由は、今後感染者が増え続けていくので、今の内に少しでも余裕を持っておきたいからです。まぁ、感染者が増えてイけばイクほど農業プラント車両と共に個室車両も作る事になりますが……ママエアロ(風属性上位魔法)

 

 では先ず停泊します。疾走しながら車両作るとか無理ゲーなのでね。ですが悠長にも出来ません。だって天災とか言うクソofクソがあるからね。事前に天災トランスポーターの天気予報を見ておきましょう。オープンチャンネルに電波を繋げばいつでも制御中枢で見ることが出来ますねぇ!

 では、予定ポインヨに停泊したので工事開始です。設計図、と言うか現物がここにあるので、ドローンにこれをこうしてこうじゃとインストールすれば、あとはやってくれ……ん?感染者達がなんか言ってますね。なんでしょうか?

 

「何日も飯食って寝るだけってのは流石にアレだから……なんか手伝える事はありませんか?」

 

 おぉん………感染者が手伝いをしたい目でこちらを見ている、仕事をあげて差し上げろ。

 ヨシ!(現場猫)それでは設計図を渡すので増築の手伝いをオナシャス!センセンシャル!お、でもコレは男の成人男性限定でやって下さい。

 

「…じゃあ、私達は何を?」

 

 女性達は他にやる事が後々あるので、今は我慢して下さい。暴れんなよ、暴れんなよ……。

 

 これは一定の好感度を獲得したら起こるお手伝いイベントですね。はっきり言って神イベントです。上手く行けば好感度をヌッポリ稼ぐ事が出来、おまけに感染者達がホモ都市の作業を手伝ってくれるので、色々な作業が格段に早く進める事が出来ます。あのライン生命の作戦の影響でしょうか?割と早めに提案して来てくれましたね。これは予想外のチャートですが……ママエアロハンド(風属性物理攻撃)

 あ、エレキ君はやっちゃ駄目です。

 

「ハァ?!なんでだよ!」

 

 まだ肩の怪我が完治して無いので、派手に動いては駄目です。安静にして下さい。

 

「心配し過ぎだっての。こんなもん、数日経てば治ってるっt(ゴギリ)痛っだァァァァァ?!」

 

 ほら見ろォ!もしもしポリスメン?この人を保健室にゴールインして来てください。

 

「俺はまだ諦めねぇ!(ゴギリ)ヌゥゥゥゥァァァア!!!」

 

 早く完治させてホラホラ。

 

 さてと、予想外の作業員が手に入ったので、もしかしたら個室車両も作れるかもしれませんねコルルェワ。あのー木下ですけども、もう一車両作る元気、ありそうですかねー?

 

「……え?そうッスね…ドローンもあるし、勢いで行けばやれるんじゃないッスか?」

 

 ほ〜ん、ええやん(下から目線)念の為に全員に聞いておきましょう。もしもぉぉぉぉし!木下ですけどもぉぉぉ!もう一車両作る元気、ありそうですかねぇぇぇぇ?!

 

「「「「オォォォォォ!!!」」」」

 

 あらヤダ逞しいわこの男達(一般ホモ並感)。これは物凄い短縮になりますよ。やっぱり感染者に衣食住を提供する代わりに労働力にするのが一番効率がいいって、ハッキリ分かんだね。ウルサスと龍門見てるかー?(煽り)

 

 さて、特に変わった事も無いので倍速……

 

「ハハッ☆」

 

 ヒェッ(脊髄反射)なんですか貴方ですか脅かさないでくださいまし。彼はライン生命から奪取した検体、通称アイちゃんのおまけとしてついて来た検体君ですね。どうやらアイちゃんが妖精さんと言っていた人の様で、アーツは周囲への擬態でした。

 ですがこの擬態、体温を周囲の温度と同じにしたり、当たり判定とかを完全に無くしたりと色々可笑しいんですけど。擬態と言うよりは世界へ溶け込むアーツ……え、怖っ(素)

 それに完全擬態している検体君を目視出来ていたアイちゃんとは一体………そういやループス君と比べてアイちゃんめっちゃ大人びてましたし、ホントに何なんでしょうかね?ループス君とアイちゃんの感動の再開シーンは最早おねショタでしたしお寿司。

 

「ハハッ☆」

 

 ……その、なんと言うか普通に喋れないんです?何処ぞのネズミーマウスみたいな声は色々と危ないので出来れば別のを……

 

「ン〜…ハハッ☆」

 

 あ、無理みたいですね(諦め)あ、どっか行っちゃった。

 

 さて、本気で変わった事が無くなったので倍速します。超スピード?!(1145141919倍速)

 

 工事完了です。見てください、たった一つだけだったホモ都市が、見事な3両編成に。

 では最後に、車両に一つずつ発電所を設置し、プラント車両には食料庫も追加しておきましょう。後はプラントと個室をそれぞれの車両に移して、個室とプラントを限界まで増設すれば、ハイ完成です。

 

「「「つっかれたぁぁ〜」」」

 

 男感染者達が疲れていらっしゃる、おもてなしして差し上げろ。

 

 と言う訳で、次回は疲れた男どもの為にO☆MO☆TE☆NA☆SHI☆をする所からスタートです。

 ご視聴ありがとう御座いました。




そういや、モンハンクロスオーバーのアークナイツ小説無いっすね〜(チラッチラッ)


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施設増設〜戦力強化

モンハンクロスオーバーの説明で悩んでるので初投稿です。


 感染者達に娯楽を提供するRTAはーじまーるよー!

 前回は感染者達が移動都市を3両編成にした所でしたね。建設時間は僅か一週間です。は、速スギィ!お陰で物凄い短縮をする事に成功しました。やったぜ(投稿者、変態糞土方)

 

 さて、今回は達成感で滅茶苦茶疲れている感染者達の皆さんのた〜め〜に〜……色々な施設を作ろうと思います。

 

 先ず何を作るか説明しましょう。作るものは食堂、大浴場、開発室、ゲームセンター、コインランドリー、トレーニングジム、シミュレーションルームです。

 感染者達のメンタルを守り、尚かつ信頼とか諸々を掴み取るには衣食住が必要不可欠なのですが、3両編成になる前のホモ都市では衣食住の内食住しか出来てませんでした。彼らは慣れているのか、ホモ都市に乗ってから毎日ズタボロ服のままなんですよねぇ……正直に衣服を所望しろやハゲェ!(逆ギレ)

 おまけに、今までの食事は個室でレーションか私が作ったただ美味いだけの料理を食べるものでしたからね。

 

 と言う訳で、先ずは食堂を作ります。完成しました(3秒クッキソグ)作り終わった食堂には、先週手伝いがしたいと言っていた女性感染者の中から、料理が得意な人達を配置しましょう。ようこそ、クソッタレな職場へ(ソーマ並感)ただ配置するだけでは駄目です。ちゃーんとこの食堂での働き方を説明しましょう。因みにこの食堂は高校でよく見る券売機形式です。

 

「うぉあなんじゃこりゃ?!」

「食堂?!いつの間に出来たんだ?」

 

 一時間で作りました(114敗)貴方達の働きのお陰で、ドローンがまだ大量に余ってるんですよねぇ。ですので、ここまで早く施設を作る事が出来たんですね。さぁ!仲間たちと親睦を深めながら、おにゃの子が作った飯を食え!NO☆KO☆SA☆ZU☆KU☆E☆男どもを飯に釘付けにする(グラハム並感)

 あ、一人ずつゆっくり注文して下さいね。厨房の人達が過労で死ぬので。

 

「バラエティ豊富だなオイ!」

「激辛麻婆豆腐あんぞ」

「それじゃあ私はそれにしましょう」

 

 あ、ダメみたいですね(諦め)念の為に食戟型のドローン置いときますねー!(一体このドローンになんの需要があるのか)

 

 さて、男どもがグラハムに釘付けにされている間に残りの建設型ドローンを総動員し、他の娯楽施設を作りました(一秒クッキング)殆ど工程が同じだからね、仕方ないね。ただし、シミュレーションルームにはまだやる事があります。

 このシミュレーションルーム、某人理修復ゲームでお馴染みのアレです。これとトレーニングジムを建てれば、NPC達は自動でレベルアップして行くので、出来れば最優先で建てましょう。それと、シミュレーションルームと言えば、仮想敵と戦えるでお馴染みですが、なんとアークナイツ既存キャラの再現データを作る事が出来るのです。つまり、本人達と出会う前に本人達と戦う事が出来、実際に戦う時に優位になれる可能性が出てくると言う訳だぁ!如何かな?(アスパラガス)いいですねぇ!(自問自答)

 正直言って、相手の動きがだいたいわかると言うのは滅茶苦茶なアドバンテージになります。みんなもシミュレーションルームを作った時は是非そうしましょう(遠回しな移動都市ルートへの誘い)

 

 では、私が憶えている限りのキャラの再現データを作りまして………個人戦最高難易度はタルラとスカジの再現データ、彼女らのどちらかと戦えます。団体戦の最高難易度はパトおじ部隊とロドスのエリートオペレーターフルコースの再現データ、このどちらかの部隊と戦えます。そして!個人戦及び団体戦の最高難易度を攻略した猛者には、その更に上のリミットカットの挑戦権が得られる仕様になってるんですねぇ!リミカ……XⅢ機関……ウッ頭が!

 

 さて、これにてようやくホモ都市の衣食住が完成しました。では早速、作ったばかりの開発室へ向かいましょう!イクゾォォ!(デッデッデデデ!カーン!)

 

 つきました。ここでは主に武器防具の開発を行います。やっと戦力強化が出来るんやなって………と言う訳で始めて行きましょう。

 まず作るのは片手剣です。長さは刀身を含めて160cmを目安にしましょう。剣の形は普通で構いません。これをこうしてこうじゃとした後、ワイヤレスシステムでどんな距離でも受信出来るようにして、後は色々と私の本体に繋げば……完成です。その名も痛覚残留セイバー!

 

「うわっ、いつの間にこんな部屋あったのかよ。つか、何作ってんだオイ?」

 

 あ、エレキさんじゃないですか。丁度良かったです。取り敢えずこれをブンブン振り回して下さい。

 

「んだコレ?ライトセイバーか?」

 

 痛覚残留セイバーです(迫真)一体どんなライトセイバーかと言うと、体では無く神経だけに刺激を与え、体を斬られたと脳に錯覚を起こし、相手を傷つけずに無力化する武器ですね。え?結局ダメージは与えてるって?逆に聞きますが、この世にダメージを与えない物体があると思ってるんですか?

 それと、刀身は実態が無いので、防がれはしますが弾かれる心配はありませんし、狭い所でも使えます。まぁ、鍔迫り合いは出来ないんですけどね(欠陥)

 

「へぇー……痛った?!…うわマジだ、めっちゃジンジンするけど傷が何処にも無ぇ」

 

 あ、流石に脊髄や脳を直接ぶっ刺すと全身不随になったり脳死したりするんで気をつけて下さいね。

 

「……流石に完全に殺さねぇってのは無理だよな、うん」

 

 まぁそうですねですね、世の中そんなに甘くないと言う訳で。では次。

 次は盾を作ります。色々な素材を使い、軽く硬くアーツに強い盾を作りましょう。後はちょっとしたギミックがついていればロマンポインヨ(特に意味の無いポインヨ)が加算されます。出来ました。スイッチ一つで盾を広げる事が出来ます。痛覚残留セイバーでは鍔迫り合いが出来ないので、この盾を使いましょう。

 

「確かに軽いな。デカくしても重さが変わんねぇし……まぁいいんじゃね?」

 

 では次。

 次は遠距離武器ですが……これは一旦保留です。理由は、まだ痛覚残留セイバーの様なシロモノが思いつけて無いんです。と言う訳で、このホモ都市を象徴する上着と私服を作ろうと思います。色は黒を基準に赤色をちょいと加えて、フューチャリズムな感じに仕上げれば完成です。これにはサリア姉貴もニッコリ。

 

「ふ〜ん………なぁ、なんか肩にマークでもつけたらいいんじゃね?」

 

 お、いいですねぇ!では早速……早速……

 

「……どした?早くしろよ」

 

 ………ないです。

 

「なんて?」

 

 (いいデザインが浮かば)ないです!(半ギレ)

 

「えぇ…(困惑)なら後でいいわ」

 

 そうします…ええ、そうしますとも。参考までに色んなホモから助言を頂きます(露骨なコメ稼ぎ)

 あと作るものは……外骨格をちょいと改良しますか。動きやすい様にスリムに、かつ軽く硬い感じに仕上げれば完成です。

 あ、そうだ!(唐突)エレキ君には特別に専用武器を授けましょう。

 

「あ?いらねぇよんなモン」

 

 遠慮しなくていいから…(良心)いいから受け取れぇ!(豹変)

 

「危ねえなオイ!つかこれエレキギターじゃねぇかよ!バカにしてんのか?!」

 

 バカにしてませんしいたって真面目なんだよなぁ…。エレキ君のアーツなどなどを考慮した結果の武器です。色々とエレキ君のアーツをサポート出来る機能がありますし、近接攻撃も出来ます。

 

「いやギターで殴っちゃいかんだろ。この痛覚なんとかセイバーはどうした」

 

 まぁ、エレキ君はギターで人を殴り殺さないと思うのでね。因みに殺したらギターは没収です。

 

「………もしかしたら、非感染者を殴り殺すかもしれんぞ?」

 

 それでどうにかなったら世界は今頃平和なんだろうなー(他人事)

 

「ほ〜ん………わかったよ、努力はする」

 

 努力してくれよなー頼むよー(懇願)……さて、行きましたね。てか、めっちゃロックな曲弾きながら出て行きましたねあの人。もう使いこなしてるやんけ。

 

 では、最後の工程に移ります。これは秘密裏に作りたいのです。理由は特にありませんが。まぁこれは時間がありますし、ゆっくりと………おや、ホモ都市が止まりましたね。なになに……あ、普通に感染者達を見つけた様です。取り敢えず確認をば。面倒くさそうな感染者(主に既存キャラ)は……いない!グリフィンドール!

 どうやら乗ってきたのは感染者達の劇団の様ですね。感染者だから移動都市から追い出されたのでしょうか?なんかリーダーらしき人物がネブラとか名乗ってますが、まぁ気にしなくて良いでしょう。ですがここに来たからには幸せになってもらうからなぁ?覚悟しとけよしとけよ〜?

 

 と言う訳で今回はここまでです。次回は早送りからのチェルノボーグ事変でしょうか?何も無ければですが。

 ではまた次回で。ご視聴ありがとう御座いました。




そろそろステータスを書きたい欲求ガガガガガ

あ、最後のキャラは先駆者ニキから借りたキャラです。みんなもエヴォルヴニキのRTA、見よう!


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特に意味も無く作ったプロフィール

特に意味も無く作られたエレキ君のプロフィールです


【プロフィール】

【レアリティ】星5

【コードネーム】エレキ

【陣営】境界無き方舟

【性別】男

【職業】前衛

【募集タグ】近距離/火力/支援

【戦闘経験】1年

【出身地】ウルサス

【誕生日】1月11日

【種族】鬼

【身長】174cm

【専門】防衛戦/源石術(空気振動)

【鉱石病】感染者

 

 

【特性】

80%の攻撃力で遠距離攻撃も行える

 

 

【入手方法】

人材発掘

公開求人

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された前衛オペレーター。戦術的な戦闘支援と救助活動においては充分な能力を発揮している。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、主に感染者の保護に協力している。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】17/19/19

【ブロック】2/2/2

【攻撃速度】やや遅い(1.3s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

   □□      □□

   ■□□     ■□□□

   □□      □□

 

 

【素質】

アップミュージック

初期 配置中、周囲8マスの味方ユニットのHPを持続回復(1秒間に攻撃力の3%(+2%)回復)

昇進1 配置中、周囲8マスの味方ユニットのHPを持続回復(1秒間に攻撃力の5%(+2%)回復)

昇進2 配置中、周囲8マスの味方ユニットのHPを持続回復(1秒間に攻撃力の8%(+2%)回復)

 

 

【基地スキル】

エレキギター

初期 宿舎

宿舎休養時、全員の体力回復速度が1時間ごと+0.15%

(同種の効果は高いほうのみ適応)

前衛エキスパートβ

昇進2 訓練室

訓練室で協力者として配置時、前衛の訓練速度+50%

 

 

【スキル】

スキル1 ムードアッパー  自動回復

              手動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  20   60   15

素質の効果範囲が拡大、素質効果が攻撃力+10%に変化

 

2  20   59   17

素質の効果範囲が拡大、素質効果が攻撃力+10%に変化

 

3  20   58   19

素質の効果範囲が拡大、素質効果が攻撃力+10%に変化

 

4  20   55   21

素質の効果範囲が拡大、素質効果が攻撃力+15%に変化

 

5  20   54   23

素質の効果範囲が拡大、素質効果が攻撃力+15%に変化

 

6  20   53   25

素質の効果範囲が拡大、素質効果が攻撃力+15%に変化

 

7  20   50   27

素質の効果範囲が大幅に拡大、素質効果が攻撃力+20%に変化

 

特化Ⅰ 20  47   29

素質の効果範囲が大幅に拡大、素質効果が攻撃力+25%に変化

 

特化Ⅱ 20  44   31

素質の効果範囲が大幅に拡大、素質効果が攻撃力+25%に変化

 

特化Ⅲ 20  40   35

素質の効果範囲が大幅に拡大、素質効果が攻撃力+30%に変化

 

 

スキル2 残留怨響  自動回復 

           手動発動 

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  10   35    30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+50%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の70%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

2  10   34    30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+53%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の75%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

3  10   33    30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+56%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の80%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

4  11   32    30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+60%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の85%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

5  11   31    30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+63%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の90%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

6  11   30    30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+66%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の95%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

7  12   29    30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+70%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の100%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

特化Ⅰ 13  28   30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+80%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の110%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

特化Ⅱ 14  27   30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+90%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の120%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

特化Ⅲ 15  25   30

10秒間演奏状態(攻撃停止)になり、素質効果2倍

演奏終了後攻撃力+100%、敵2体を同時に攻撃、残留怨響を設置可能になる(上限1個)

残留怨響は通常攻撃に連動して周囲8マスの敵全員に攻撃力の130%の範囲術ダメージを与え、効果時間終了後消滅する

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】エレキ

【性別】男

【戦闘経験】1年

【出身地】ウルサス

【誕生日】1月11日

【種族】鬼

【身長】174cm

【鉱石病感染状況】感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】優秀

 

【戦場機動】標準

 

【生理的耐性】優秀

 

【戦術立案】普通

 

【戦闘技術】優秀

 

【アーツ適正】優秀

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された前衛オペレーター。戦術的な戦闘支援と救助活動においては充分な能力を発揮している。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、主に感染者の保護に協力している。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められる。

以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

 

【源石融合率】4%

後頭部に源石の結晶が生成されている。

 

 

 

【血液中源石密度】0.23u/L

循環器系での結晶濃度は安定している

 

 

【第一資料】

非常に強面な顔が目立つ鬼族の男性。

鬼族と言う近寄り難い要素に加えて、その強面な顔が更に近寄り難さを強くしている為、彼と話すオペレーターは指で数える程しかいない。

初対面のオペレーターが彼に話しかけるのであれば、そのオペレーターは死を覚悟する程の勇気が必要となるだろう。

 

 

【第二資料】

エレキが使用するアーツは、空気の振動を操ると言う少し変わったアーツだ。聴覚で聴き取れる程の振動を使用して周波数などを細かく操作し様々な音に変換したり、強力な衝撃波を発生させ大ダメージを与えると言った事が出来る。

彼が基礎的なアーツ教育を受けたのは境界無き方舟に所属した後からだが、それ以前に声による振動を操作し、簡単な音楽を奏でる程の操作能力を身に着けていた。これは恐らく、鉱石病に感染した後の彼の生活が影響して、脳の防衛本能が生み出した産物である可能性が高い。

そんな潜在的アーツ適正を持つ彼のアーツユニットは、巫山戯た形をしていながらも、その高いアーツ操作能力を最大限サポートする作りになっている。

 

 

【第三資料】

本来鬼族は好戦的な性格だが、彼の場合、その性格は欠片も感じ取れない。

かと言って冷めた性格と言う訳でも無く、弱きを助け、悪を挫き、時にはその悪をも救おうとする。それは好戦的と言うよりかは好救的、好守的と言えるだろう。そして、他者との協力を第一に考える事もあり、鬼族の中では異色な存在だ。

極めつけはその戦闘方法だ。彼は戦闘時に必ず降伏を促し、それを拒否した相手を殺す事はせず、必ず無力化させる。感染者も非感染者も関係なく、どんな奴が相手だろうとそれは変わらない様だ。

そんな性格故か、ラップランドやエンカクなどの一部の過激なロドスオペレーター、イフリータやスズランなどの外見、または精神が幼いオペレーターを前にすると、嫌悪感を顕わにする。この嫌悪感は、我々がよく知るソレでは無いのだろうが、された方はたまったものじゃ無いだろう。それ故、度々オペレーター同士のいざこざが発生する。

 

 

【第四資料】

何故鬼族である彼がこんな性格を形成したのか、それは彼がここに来るまでの生い立ちにあるのだろう。

彼は子供の頃から、周りよりも正義感が強い性格をしていた様だが、鉱石病感染者になってからは、色々な理不尽を経験したに違いない。ウルサスから逃げ出す時に、人殺しもしたと彼は言っていた。そのままであれば、彼は暴徒になっていたかもしれない筈だ。

そんな彼を今の様な性格に仕立てた境界無き方舟とは、一体何なのだろうか?いずれにせよ、境界無き方舟に何かしらの秘密がある事に違いないが、残念ながら今の我々にそれを知る術は無い。

 

 

【昇進記録】

女や子供が戦いに出向く事をなんとも思わないのはどうかと思うがね。どいつもこいつも殺しが当たり前だと思ってるのもだ。全くもって気に入らねぇし、そうでもしないと生きてけないとか言って逃げてる奴も気に入らねぇ。綺麗事なのはわかってるっつーの。だが世界ってのはな、綺麗事が当たり前にならねぇといけねぇんだ。ロドスもそれを目指してるってのは良くわかるんだが、上と下で言ってる事もやってる事も矛盾し過ぎてる。そりゃアイツがロドスに変な文句言うのも納得するわ。お前らは一体何がしてぇんだ?

 

――オペレーターエレキ

 

 

エレキの印

 

彼のアーツユニットであるエレキギター。馬鹿な奴を目覚めさせるには持って来いだ。

 

 

採用契約

 

オペレーターエレキは、今日も宿舎を賑やかにしている

彼の中には、誰かを殺す理由は無い




プロフィールで一番疲れるのは資料の部分だって、ハッキリ分かんだね。絶望的な世界の中で、諦めている人と変えたいと思ってる人、どちらがマトモなんでしょうかね?儂?儂は両方マトモだし狂ってると思うよ(急なマジレス)

因みにスキルの効果や倍率などは既存キャラを元に作ってる(聞いてない)



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束の間の休息

モンハンライズが楽しいので初投稿です。

最近モンハンライズのし過ぎで文章力のと更新力が低下しています、本当にすまない(すまないスレイヤー)


 色々な音が、荒野のど真ん中に停泊している小規模な移動都市から響いている。

 

「クソッ!」

 

 大柄な男がみっともない姿を晒しながら、この移動都市の制御中枢へ駆け込んで行った。彼は腕章が着いている片方の手を支えながら、必死こいた表情で制御中枢の機械へと歩み寄ると、片手でコンピューターを操作し始めた。

 

「こうなったら、コイツの防衛装置を使って―――ぎゃっ?!」

 

 その瞬間、コンピューターの空気が歪み、爆発する。大柄の男は吹き飛ばされ、そのまま入口付近までゴロゴロと転がって来た。

 

 先ず簡単に説明しておこう。この男は感染者であり、レユニオンに所属している人間だ。コイツは部下である複数のレユニオンと共にこの移動都市を襲撃し、見事乗っ取った様だ。後は移動都市に乗っていた非感染者どもを色々と………な〜んかイライラして来たな。

 

「クソがっ!いつもこうだ!非感染者は俺達をゴミみたいな目で見やがって!どうせテメェもそうなんだろ?!いいよなテメェらは!俺達を殴るだけで、ヒーロー扱いなんだもんな?!」

「……そりゃ見るからに悪い事やってる奴を殴ればソイツはヒーローって風潮が出来上がってるからな。悲しい事に」

「だからだよ!どいつもこいつも俺達を勝手に悪と決めつけて殴りやがる!俺はな、そんな奴らがクソムカつくんだよ!」

「まぁなんとなく理解できる。だが、だからってコレは流石に―――」

「だから殺してやる。俺達感染者をゴミみたいに扱った奴らに、俺達レユニオンの、感染者の力をおm」

 

 制御中枢に銅鑼を鳴らした様な音が響き渡る。鳴らしたのは俺だ。頭をエレキギター型アーツユニットで軽く叩き、アーツを使って軽〜く気絶させた訳よ。

 

「んじゃ取り敢えず、一旦落ち着いてから話を聞いてやるよ。聞くの俺じゃ無いけど」

『そう呟きながら、エレキ君は男を引き摺りながら制御中枢を後にするのであった』

「ビックリするからいきなり喋んじゃねぇよ」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ネブラから聞いた通り、最近レユニオンが過激になって来てんな」

「ほんとッスよ。お陰で最近忙しいったらありゃしないッス」

『だが、我々が過激気味なレユニオンを抑えた事により、このホモ都市の名前が少しずつ広まっている事は実に好ましい!』

 

 この間荒野で拾ったネブラと言う感染者。どうやら元々レユニオンだったらしいが、とある日をきっかけに過激になっていったレユニオンに着いて行けなくなり、自分と同じ考えを持つ奴とレユニオンを脱退。そしてそのメンバーで劇団を結成し、各国の移動都市を宛もなく漂い、そしてこの移動都市に着いたんだとか。

 で、彼らはここが気に入ったのか、生活すると共にレユニオンの出来る限りの情報を喋ったりしてくれた訳だ。

 

「ま、コレを聞く限り、レユニオンに入る前にコイツに出会っててよかったなと」

『……コレはデレか?!』

「いや、エレキさんのデレはこんな質素なもんじゃねぇッス」

「テメェらの体ン中振動マッサージしてやろうか?」

 

 この機械は偶にバグるのをどうにかして欲しいんだがな。え?機能停止まで無理?よし、じゃあ機能停止させるか。

 

『ニャメロン!』

「よし、腹減ったし飯食うついでに機能停止しに行くか」

『やめろォ!(建前)やめろォ!(本音)』

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「あー美味いッス!まさかこんな美味い飯を生きてる間に食えるなんて夢にも思わなかったッスよ!」

「お前さん、前もそんな事言ってなかったか?」

「そッスか?」

 

 そう言いながら、ナスカレーをバクバクと食いまくるコイツ。因みに名前をライトアイって言うのを昨日知ったのである。なんで俺今までコイツと親しく話せてたんだろ?そういや他の奴らも名前を聞いてねぇな。後で聞いておくか。

 

「……ホント、夢にも思わなかったッスよ。鉱石病に感染してからもこんな生活出来るなんて」

「そうだな。おまけに他の感染者を助ける事になって、今回はなんやかんやで非感染者も助けちまった訳だ」

 

 冒頭のアレは偶然遭遇した感じだったが、俺達が行かなければきっと死者が出ていたかもしれなかった。だが、あの小規模移動都市に乗っていた非感染者の内の数人が鉱石病にかかっていた所を見るに、そう言う事だろうな。

 確かに俺達をなんの意味も無く侮辱する非感染者は許せないが、それが相手を殺す理由にするには少々過激が過ぎると思う。あのポンコツも、やられたらやり返すとか言うイタチごっこはアホ草四郎時貞って言ってたしな。アホ草四郎時貞って誰だよ。

 

 あ、因みに冒頭のアレで感染者になってしまった奴らはこっちで保護する事にした。理由はまぁ………色々だ、色々なんだよ。

 

「俺、同級生の友達と採掘場に肝試しに行った時に感染して、その同級生に見捨てられたんッスよね」

「え、何ソイツ最悪な人間じゃん。よくもまぁお前の友達面してたな」

「アッハッハ!ホント、そういう所いいと思うッスよエレキさん」

「たりめーだ。お前らに隠し事するメリットが欠片も存在しないからな」

「そッスか。で、だからなのか、アイツらが非感染者を襲った気持ちはなんとなく理解出来るッス。俺もここにいなきゃ、多分ああなってただろうッスから」

「それは俺もだろうな。結局は周囲の環境と問題だろう。まぁ、そうしてクソみたいな環境で育った感染者を、このバカみたいな環境に引き摺り込むのが俺達の仕事になりつつあるがな」

 

 あのポンコツが前に『やられたらやり返す精神持ち過ぎだろJK!その上みんなが感染者殺したりしまくるからさぁ………はーつっかえ、バカみたいな事しか考えない奴ばっかで涙がで、出ますよ』って言ってたもんなぁ。割と共感が持てる事を言いやがる。そして、少なくとも俺は共感した。今は小規模だが、これが感染者と非感染者の全面戦争になってみろ、テラは滅びる(確信)。多分、どちらかが滅びるまで終わらない戦いが始まるだろう。実にクソだし、考えたくも無い。

 

「いやー、ホントにエレキさんって王道主人公みたいな人ッスね。そこに痺れる憧れるッス!」

「痺れるな憧れんな。それに、王道主人公ってのはもっとマシな綺麗事……あのポンコツをマシにした奴だ」

「そんな事ないッスよ、誰から見ても頼れる主人公みたいッス」

「………下ネタは割と好きだぞ」

「無理にキャラ崩さなくてイイッス」

 

 主人公かぁ………いや、どう考えてもあのポンコツが主人公だろ。俺はレギュラーが良い所だろどう見ても。

 

「さて、んじゃ俺はシュミレーションルーム行ってくるッス!今度こそリミカを倒すッスよ!」

「おう、頑張れ頑張れ………さてと、俺もネブラのエレキギター練習教室に―――」

 

 

 

 

 

『ピンポンパンポーン!只今より数日後に起こるであろうレユニオンのチェルノボーグ大規模襲撃、通称チェルノボーグ事変の編成決めようと思ってんだけど、行きたいって人は制御中枢にイきましょうね〜。生きたいって人は………ここで待機して、平和に暮らせ。以上!あ、受付時間は残り10秒だから、早めに決断しろヨナァァァ!ヨナァァァァ、ヨナァァァァ(セルフエコー)』

 

 

 

 

 

 う、うるせぇ……




モンハンクロスオーバーの話を普通に書くかRTA風に書くかで滅茶苦茶迷ってる今日この頃

あ、次回はチェルノボーグ事変です。


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チェルノボーグ事変 一

GATE自衛隊ryとパシフィックリムおもれーと思いながら初投稿です。


 チェルノボーグ事変に介入するRTAはーじまーるよー!

 今回はようやくチェルノボーグ事変です。長かった、割と長く苦しい戦いだった……NKT。

 

 あのライン生命からもう数ヶ月程経ちました。技術を盗みにヴィクトリアや炎国に寄っていた途中で拾ったネブラ君と言う元レユニオンのお陰で、チェルノボーグ事変の開催日時を絞れたのはまさに幸運でしたね。このRTAを数十年もかけて考案した甲斐があった……(美の巨人)

 

 と言う訳で、ステ振りしながら早速104期訓練兵団(違う)を集めましょう。オラオラ来いよオルァ!

 

 因みにですが、戦闘員を呼ぶコツとして、女性や子供、重度の鉱石病患者(目安は源石融合率10%以上、血液中源石密度0.25u/L以上)を呼ばない、参加する事は戦闘員の自由にするを心がければ、戦闘員の信頼度にブーストをかける事が出来ます。やっぱり感染者の女子供を戦闘に出さない方がいいって、ハッキリ分かんだね。見てるかチェルノボーグに来る双方とも?あ、戦闘に出れなくて不満な女子供には「おう、(鉱石病が治ったら)考えといてやるよ(許可するとは言っていない)」とか言いながら、ホモ都市の労働に組み込んでやりましょう。

 

 

 

 114514秒後

 

 

 

 ……えー、倍速が終わるまでに80人が集まりました。みんな戦いに飢えてんなぁ?(飢えて)ないです。

 

「………一体なんの用だポンコツ?」

 

 言ったでしょう?これからチェルノボーグ事変にかいに……かい、カイニスするんだよ。これからチェルノボーグに出てくるロドスとレユニオンの間に挟まるんだよ(妥協&勢力の間に挟まるおじさん)

 

「あぁん?!突然言われても訳分かんねーよ!」

 

 えぇー?ホントに御座るかー?ならなんでここに集まったんですかねぇ?

 

「………最近の呼び出しは、全て活発なレユニオンの暴動に介入をする為でした。今回もそうだと思っただけですよ」

 

 大正解です。貴公天才って良く言われない?言われない……あっそう。

 

「兎も角、説明あくしろよ」

 

 おかのした!えー、ソレでは早速お手元に資料をぶちまけながら説明します。

 

 この場にはいませんが、ネブラ君の情報により、レユニオンの活性化及び何らかの企みがある事を知る事が出来、更にはチェルノボーグへと向かっていた野良レユニオンの兄貴姉貴をとっ捕まえたお陰で、レユニオンのチェルノボーグ襲撃……通称チェルノボーグ事変の開催日時が絞れた訳ですよ。

 で、チェルノボーグ事変が起これば被害は尋常では無くなる可能性が高いと言うのは、言わずともわかるでしょう(言ったけど)そんな訳で、私達はその事件に介入し、被害を出来る限り最小限に抑えつつ、負傷者及び感染者の保護をすると言うものです。

 

 まぁこんな感じですね、何か質問あります?

 

「ハイ」

 

 さっきの天才メガネ君ですか。

 

「ハルドです。名前くらい記録しておいて下さい。それで質問ですが、保護対象の中に負傷者とありましたが……負傷した非感染者を保護すると?」

 

 ハルド…ハルド……あぁ、つい最近のレユニオン暴動を鎮圧した時に加入して来た人ですね。種族はヴィーヴル、融合率2%、血液中源石密度0.20u/Lと、なりたてホヤホヤな感染者です。

 それで質問の答えですが……凄く、イエスです……。ハイちょっと静かにしてー。やかましい言うとるね!(鉄平)

 

 えーゴッホ(フィンセント)別に理由とかは特にありません。そこに死にかけの人間がいれば助ける、人の自然な行動です。つーか怪我してる人をほっとくとか出来るかい!どんな非情な人間だよ!そんな人間はいっぺん死んで人生やり直せばいいと思いますねぇ!(真顔)

 まぁ無理にとは言いません。(出来る限りで構わ)ないです。助けられないと分かれば見捨てても構いません。ですが、助けられると判断したら助けてあげて下さい。もし一人助けられなかったら、別の人を二人助けて下さい!いいですね?!(ワザップジョルノ)

 

「……なる程、わかりました」

 

 質問は以上ですか?他にまだありませんかー?OK?OK!(ズドン)

 

 では次に作戦的な何かですが……今回は保護に専念して下さい。出来るだけ交戦はせず、会敵した場合は投降を促して下さい。相手が攻撃して来たら……ナオキです…。

 それと、今回は四人一組でチームを作って貰います。何故かと言うと、流石にこの数はホモ都市特製のドローン軍隊でもサポートが行き渡らない可能性が高いからです。この数がそれぞれバラバラになってみろ、飛ぶぞ。そんな訳で、主に私の負担を減らす為ですね。チームプレイが出来ない人も安心して下さい。チームにはそれぞれシュミレーションルームの個人戦及び団体戦で高成績を収めている人をそれぞれ一人ずつ配置しますんで。

 後は治療型ドローンの支援と運搬型ドローンを呼び寄せる印を装備させます。この印は負傷者や感染者につけて運搬型ドローンにホモ都市まで運ばせるアレですね。他にも自分につけてホモ都市に撤退する事も出来ます。

 

 後はチェルノボーグで私が直接指揮をしたり、各自の判断に任せたりする感じです。あ、チーム同士で喧嘩はしないで下さいね。何か質問ありますか?無い?あっそう……。

 

 それでは早速戦闘服へ着替えに行ってください。

 

「あ?流石に早すぎるんじゃねぇか?」

 

 ハッハッハーエレキ君、私ホモ子ちゃん(性別不詳)後数分ちょっとでチェルノボーグに着く距離にいるの。

 

「「「「…………いや最初から言えよ!」」」」

 

 ヨッシ!早く着替えて来ーい!おやつは三百円まで!着替え終わったら資料に書いてある番号の出口へ向かって下さい。遅れたら置いていきますからね!

 

「何なんだこの修学旅行みてぇな出動はよォォォォォ!!!!」

 

 種は飛んだ(ウズミ・ナラ・アスハ)さてと、そろそろチェルノボーグがよく見える頃合いですかね。私の計算が正しければ、そろそろ始まる頃合い…………

 

 

 

 って、もう始まっとるやないかァァァァァァ!?!??

 

 ポッチャマ………ママエアロキック(風属性耐性貫通攻撃)………待って?もしかしたらもうロドスがついとるかもしれへんやん………

 

 

 ヌ゛ ン゛ ッ !ヘ ッ !ヘ ッ !

 

 ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛

 

ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!!!

ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!!!!

フ ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ン!!!!!!

フ ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥン!!!!(元音源の114514分の1)




イベント更新早くね?(震え声)


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チェルノボーグ事変 ニ

上級エリートでイフリータが来たので初投稿です。後はサリアパパを手に入れればラインファミリーの完成や(真顔)


 チェルノボーグの介入をサポートするAIなRTAはーじまーるよー!

 今回は……えー、計算ミスした所からスタートです。巫山戯るなー!巫山戯るなー!バカ野郎ォ!(切嗣)まぁ、まだリセットせざるを得ない様な事態では無いので続行します(決意が漲る音)

 

 さて、そろそろみんな着いた頃合いでしょうし、全力で人助けを遂行する!!(兄を名乗る不審者並感)

 まぁ私が出来る事と言えば、戦闘員達を死なせない為のサポート位ですねぇ!負傷者はドローンで運ばれて来ますし、運ばれて来た感染者の治療は経験のある感染者が担当してるので、(マジでサポートしかする事)ないです。味方が有能過ぎるッピ!

 勿論戦闘員にも一チームに治療型ドローン一機つけているので、壊されない限りは大丈夫だ、問題ない(神は言っている、ここで壊れる定めでは無いと)

 

 ですが、幾ら有能と言っても抗えない理不尽と言うものは色んな所から色んな戦闘員へ向けて次々やって来ます。私の反射神経たち、貴方達はそれらを粉砕!玉砕!大喝采!する側です。なるべく耐えて下さいね(ボ卿)まぁ、危なくなったら最終兵器を出しますがね。出来れば出るタイミングが無い事を祈りますが。

 さて、コントローラーの充電ヨシ!反応速度ヨシ!精神集中用のZoneヨシ!(確認猫)イクゾー!(デッデッデデデデッカーン!)

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「はークッソ!何処も彼処も爆発音と悲鳴がうるせぇなオイ。チェルノボーグってこんな賑やかだったか?」

「私がレユニオンで下見に来てた時はこんなに賑やかではありませんでしたけどね」

 

 あらゆる方向から悲鳴と爆発音が聞こえるチェルノボーグのど真ん中で、俺達二人は路地裏に隠れて辺りを伺っていた。……そう、二人なのである。

 

「なんで……なんでっ逸れたかなァァァァ?!」

「静かにして下さい、見つかってしまいますよ?」

「あー安心しろ、大声出す時は2メートル先で振動を停止させてあるから」

 

 流石に任務中に堂々と大声をぶち撒ける程アホでは無いぞ。つか、俺の声よりもうるせぇヤツらが上にいるんだよなぁ。

 

『レユニオンに告ぐ!包囲されている!レユニオンに告ぐッ!お前達は包囲されている!』

 

 いやされてねぇよ。絶賛レユニオンの無法地帯と化してるよアホが。

 と、空を高速移動するドローン共へ、心の中で文句をぶつける。あのドローンは支援型ドローンの一つらしい。武装を積んでいない代わりに防御力と移動スピードに特化させているらしく、そこに小型スピーカーをつけて囮役をして貰ってるって訳だ。事情を知っている俺達は兎も角、レユニオン共は突然の巫山戯た警告に注意が惹かれて隙が出来るだろうな。些か注意を惹く音声が巫山戯すぎてると思うが。

 

『お前達の仲間がもう……夢の中だ!夢の中で仲間達が手招きしてるぞ!』

「……あんのッ―――あ゛あ゛ァァァ!!!」

「なる程、相手の注意を惹き付けるにはもってこいの巫山戯たボイスだ。お陰で狙撃手と術師の場所があらかた分かりました」

 

 お前はお前でなんで納得してんだよ!ハァ………まぁいいか。あの音声のお陰で、地上から矢やら銃弾やらアーツやらがあのドローンに向かって一斉に放たれている。お陰で位置が丸分かりだ。………割と近くでちょっとビックリだが。

 

「取り敢えず、もうちょい離れた所で通信開くぞ。早く合流しねぇと安心出来ねぇ」

「………いえ、ここで無力化してしまいましょう」

「ハァッ?!待て待て待て!下手に会敵したらまた鬼ごっこが始まるぞ?!」

 

 俺達がこのチェルノボーグに到着した時、すぐ近くにレユニオンの下っ端が数人居たんだが、チームの一人がその中に単身で突っ込んで行き、無力化したであろうレユニオンの下っ端を両肩に担ぎながらトレインして来やがったのだ。アレは流石に終わったと思ってしまったわマジで。お陰で滅茶苦茶疲れるわ、いつの間にか逸れてるわで………

 

「あ〜もう滅茶苦茶だよ……」

「声に出てますよ」

「安心しろ、大声出す時は以下略」

「ふぅ……まぁ聞いてください。確かにあの時はゴシャクさんのお陰で余計な事になった挙げ句今の状況になってしまいましたが、普通にスニークキルをすれば大丈夫です」

「いやキルするなよ」

「言葉の綾ですよ。ちゃんと無力化しますから」

 

 ……まぁそうだな。ここから別の所まで逃げるってのもあったが、逃げた先でぶつかる可能性もある訳だ。

 俺はアーツユニットを構えると、アーツを発動させて半径5メートル先の所の空気の振動を停止させる。

 

「流石に一人になるのはマズいからな。非効率だが固まってやるぞ?」

「えぇ、いいですよ。それでは――」

「イクゾー!」

 

 デッデッデデデデッカーン!(効果音)

 

 

 

 

 

 

「クソッ、クソッ!どいつもこいつも俺達レユニオンを、感染者を馬鹿にしやがってぇ!」

 

 先の尖った鉄パイプを持った血塗れの一般レユニオン兵が、苛立ちながら足を地面に叩きつけている。彼の足が地面につく度、湿った何かが潰れる様な音がしているのは、彼の足の丁度下にボロボロのウルサス憲兵が偶然転がってるからだろう。そう、偶然である。たまたまってヤツ。

 

 ふと上を見上げると、癇に障る文脈の警告を発するドローンが、銃弾や矢、アーツを避けながら空を悠々と飛行していた。

 

『レユニオンニツグッ!……レユニオン?』

「あァァァ煩い煩い煩い煩い煩い!!!このッ、このッ!このッ!!このッ!!!」

 

 あのドローンから発せられる警告を聞く度、遠距離攻撃を持つレユニオン兵は一目散にドローンへ照準を向け、攻撃手段を持たないレユニオン兵は激昂していた。真っ当に囮役を遂行しているドローン、これには製作者もニッコリだろう。

 

「………へっ、醜いな……感、染者…」

「………チッ、まだ生きてたのかよっ!」

「ゴブッ!」

 

 さっきまで散々顔を踏まれていたウルサス憲兵が挑発し、見事に顔を踏み潰される。

 

「お、前ら……クズ共が……幾らやろうがァァァ!?!!!」

「黙れッ黙れ黙れ黙れッ!この死に損ないが!クズが!死ね!」

 

 このままマジで顔を踏み潰そうとする勢いで、足に力を入れるレユニオン君。流石の憲兵も痛みで声を上げてしまっている。丁度その時だった。

 

『暗黒時代の中で、あんこ食う』

 

 ブチィ

 

 レユニオン兵の頭の中で、何かがブチ切れる音が聞こえたと同時に、足元で何かが砕けた様な音が響く。彼は目をガン開きしながら下を見ると、ウルサス憲兵の横顔に埋もれた自分の足が見えた。

 

「動くな」

 

 突然、背中に硬い何かを突きつけられる。さっきまで聞こえていた銃撃などが止んで静かになったのもあってか、レユニオン兵は怒りを通り越して冷静な状態になっていた為、無意識に後ろの人間を殺す算段を考えた。

 

「いいかよく聞け、俺はお前を傷つけたくないってうぉぉい?!」

 

 唐突に殺意が満ち溢れ、レユニオン兵が動き出した。振り返りながら繰り出された鉄パイプの突きをギリギリ回避したエレキは、突き出た腕を掴み、そのまま背負って地面に叩きつけた。

 

「うぐっ?!」

「だから言ったろ……ったく、頼むから暴れないでくれよ」

「っ!………巫山戯るなよ!どいつもこいつも俺達を馬鹿にして!俺達の邪魔ばかりして!俺たちの仲間を殺――」

 

 レユニオン兵の体に何処からともなく出てきた銀色の刃が走り、彼は瞬く間に意識を失った。

 

「ハルド、お前殺してねぇだろうな?」

「安心して下さい。体のとある場所にちょっと刺激を与えただけですよ」

 

 念の為に脈と呼吸を確認するエレキ君。その光景を不満気な顔で見た後、ハルドはウルサス憲兵の死体を確認した。

 

「死んでる……んだよな?」

「えぇ、ついさっき位ですかね」

「マジかぁ…そっかぁ……なんでかなぁ………」

 

 悔しそうに顔を抑えて俯くエレキ。彼は今何を思っているのだろうかと考えながら、ハルドは辺りを見回す。辺りに生きた人間はおらず、憲兵とレユニオンの死体が多数。

 

「……死体の確認をするので、貴方は彼の治療と、通信をお願いします」

「あぁ、わかってる」

 

 背中から小型の治療ドローンを取り出し、レユニオン兵を応急処置させるエレキ君。そして印を貼り付けた後、腕輪の通信機能を起動する。

 先ずは逸れた仲間へ通信を試みるが………

 

「チッ、何処にいやがんだオイ」

 

 聞こえるのは砂嵐のみだった。彼は通信を別の所へ繋げ直す。

 

『ハァイジョージィ……あっちょっと待って……』

 

 ブツッと通信が切れた時、エレキは一瞬だけキレた。

 

『………ふー危なかった。で何?早めに要件を頼むゾ』

「…仲間と逸れちまった。通信もやってみたが繋がらねぇ。どうにかしろ」

『OK!ちょっと待ってな…………ファッ?!ウーン(轟沈)わかったわ』

「ホントにわかったのか?」

『あぁ。とりま座標送っといたから確認しとけよ!ではサラダバー!………これで4組目だよ、あーもう(チャートが)滅茶苦茶だよー(呆れ)』

 

 どうやらアイツも大変な様だ。と、何処か他人事の様に思いながら、エレキ君は送られた座標を確認する。

 

「………地下かよ…」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 p.m/不明 場所/『石棺』付近

 

「………何処だここは」

「わしゃが知るかや」

 

 境界無き方舟の制服を身に纏い、左肩の独特な飾りが目立つ男『クエスタ』と、同じ制服を乱雑に着こなし、肩から腰にかけて斜めにかけられた黒い箱から取り出したエナジードリンクをガブ飲みする鬼族の男『ゴシャク』は、ロドスの重要人物が眠っている部屋の直ぐ近くまで来ていた。




クロスオーバータグが増えてるけど気にしないで下さい

因みに私のガチャ結果はスカジでした。1凸です。育てろって事かな?(イフリータが気持ち良過ぎて育て中の作者)


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チェルノボーグ事変 三

あーにじさんじのソシャゲ出ねぇかなぁと思ったので初投稿です。


 滅茶苦茶指と目を酷使するRTAはーじまーるよー!

 前回はぁ………アッスゥー………凄く、(疲労とガバが)大きいです(粉ミカン)

 

 もぉぉぉぉぉヤダァァァァァァア!!!チカレタ……Zoneがそろそろ尽きますねぇ尽きます尽きます。

 ふぅ……………(賢者タイム)では気合をつうずるっ込んでイキましょう。前回はまぁガバ祭りでしたよ、えぇ。色々なガバが重なった結果、4組ものチームから逸れたと言うSOSが来ました。やっぱりAIを野放しにしたらガバるって、ハッキリ分かんだね(そうでもしないとクリア出来ない)これには私もおぉん………(土星唸り)しながら屍になりますねぇ!もう絶対なりたく無いゾ(ハンドレットガントレット)

 幸いにも、放っておいた囮役ドローンのお陰で死人は出なかったので続行します(瀕死状態)と言う訳でオッハー!

 

「………イモータルか?」

 

 そうだよ(肯定)探すの滅茶苦茶苦労したゾ。一体君たち何処に………ファッ?!ウーン………(心肺停止)

 

「掛けてくるのが遅いじゃか!何時までわしゃらを待たせとんじゃが!」

 

 ププーダマレー。先ず君達以外にも逸れた人の対処に追われてたんだよなぁ(言い訳)と言うかお前らは逸れないと信じてたんですけどねぇ……だが違った(イェーガー並感)

 

「連絡が遅れてすまない。通信がまともに繋がらなくてな」

 

 あぁ、わかってる(鉄華団団長)安心しろって千葉ロッテ。私が来たからには、地下からの通信が余裕のよっちゃんイカになってるでしょう。私自身が回線となる事だ。

 

「…フゥー……それで、どうすれば良い?」

 

 座標を送るので、そこに………あ、いや、やっぱりこの付近で待機しててください。逸れた人達を合流させます。

 

「何故――………なる程。理解した」

「ア?何チラチラ見とるじゃか」

 

 イエ、マリモ(ケンジャキ)そういう訳で、そこにある部屋にでも入って寛いでくれよなー頼むよー。

 

「……わかった」

「ったく、早くしろじゃが」

 

 お前のせいなんだよなぁ(呆れ)いやぁ、それにしても驚きました。まさか二人が石棺の眼の前にいるとか誰も思わねぇって!

 

 今回のガバはあの鬼族兄貴……ゴシャク君ですね。彼はちょっと気焔万丈が過ぎる鬼族です。まぁ殆どの鬼族はそうなんですが、中でも一際好戦的でありながらも、たまーに冷静な顔で単独行動しやがる面倒くさい奴です。こういう輩は目を離したらどっかで屍の山を築いたり、敵エネミーをトレインして来るので気をつけましょう。え?そもそも連れて行かなきゃいいのではって?そう出来たら苦労しないんだYO!(逆ギレ)もし彼の要求を拒否しちゃった日にはホモ都市に屍の山が出来かねないからね、仕方ないね。

 因みに彼がエナドリと氷が詰め込まれたクーラーボックスを持ってる理由ですが、彼のアーツの特性上、冷気と液体が必要不可欠なんですね。ですから、隙あらばガブガブとエナドリを飲んでいます。

 

 そしてこの種族不明のクエスタ君ですが……おっと、そろそろあの人達が来ますね。あ、別に警戒しなくていいです。

 

「どう言う―――」

「――!誰だお前ら?!」

「グビグビ…………ア?」

 

 たった今ロドス・アイランドゥ(ワイルド風味)の皆さんが突入して来ましたね。窓とか天井とか突き破って来ないんですか?(分かりづらいネタ)

 と言う訳で、ロドスと無事にエンカウント出来ました。まぁ、コチラとしても早めに会っておきたかったので、ちょっとしたウマ味ですね。

 

 大体のRTAを見ればわかると思いますが、ロドスとエンカウント時にはチームがランダムで構成されます。コレは時系列等に関係は無く、プラチナやスルトなどは勿論、ガバにガバが重なればシルバーアッシュ、ソーンズ、ヘラグと言うゴリゴリアタッカー三連星とかになってたりします。ヒェッ(呼吸困難)

 ですが、このチェルノボーグ事変においてはソレが適応されません。確定で原作に出てきたアーミヤを中心にした救出部隊になっております。これにはガバを恐れる兄貴姉貴もニッコリ。是非これ以降もチーム固定でいてくれ(届かぬ思い)

 

「皆さんは下がってください。ここは私が……」

「お?なんじゃ、やるじゃが?」

 

 血の気が多すぎるッピ……(ドン引き)

 

「待て……フゥー………質問だ、お前達は誰だ?」

「……それはこちらの台詞です。貴方達は何者ですか?」

「俺達は……俺達はなんだ?」

「えっ?」

「なんじゃったがの〜……見境無いなんちゃらじゃったが」

 

 覚えられて無くて草ァ!ホモ都市の正式な名前を覚えてもらえて無くて涙がで、出ますよ……。ちゃんと覚えろやオルルァン!!(豹変)

 

「こ、この声は何処から?!」

「この腕輪からだ」

 

 ハローハロハロー!ミラクルミラクルクール(自主規制)

 俺はぁ、境界無き方舟のマザーコンピュータァ、イモータル・イムホテップだぞぉ。

 

「境界無き方舟……聞いた事あります。最近になって活動が確認された感染者組織だと」

 

 自己紹介は大事、ハッキリ分かんだね。にしても感染者組織って事まで広まってて草ヴァーさん生えますよ。さて、自己紹介が終わった後は協力を仰ぎましょう。同じ志しを持つ者同士、仲良くしましょうね〜。え?手伝ってくれる理由?そんなの必要ないでしょ。無いよね?(チラッ)無いね!(自問自答)汝の契約はここに完了した(サーヴァント並感)

 

 ロドスと協力する事により、チェルノボーグ事変での安全度が飛躍的に上昇します。一先ずは天災の第一波が来るまではガバらない限り(死な)ないです。ですが、我々方舟の本来の目的である感染者の保護が難しくなります。理由は勿論おわかりですね?ロドスがレユニオンを、本来助けるべき感染者を殺すからです!覚悟の準備をしておいて下さい!ホモ都市は感染者を助けます!敵対しててもでも構わずです!死に際までいい人生を送らせます!彼らの行動を見て驚く準備をしておいて下さい!私達は感染者保護組織です!ロドスは大人しくドクター運んでおいて下さい!いいですね!(大迫真ワザップジョルノ)

 

 とまぁこんな感じです。そんな訳で、ゴシャク君とクエスタ君には前線に出てもらいます(ド屑)と言うか、このドクター救出組って前衛が致命的に不足してるんですよね。重装は後でやってくるAceとニアールがいますし、狙撃手はAceの部隊がいます。術師はアーミヤCEOだけでなんとかなってますし、医療は可愛いモブフェリーンちゃんとニアールさんが兼任してくれてます。

 それに比べて、前衛は一人いれば大丈夫!なキャラがいないんですね。モブ前衛オペレーターと、みんなのドーベルマン教官くらいです。ドーベルマン教官は強いっちゃ強いんですが……おぉん………(本家のチュートリアルガン見)

 

 ツー訳で、私達が前衛に行きましょうね〜。

 

「いえ、流石にそこまでは……」

「ア?なんか文句あるじゃが?」

「………ガンを飛ばすな」

「チッ」

 

 鬼族扱い辛スギィ!はーキレそう(キレ気味)こうして見ると、鬼族の癖に無駄に聞き分けが良かったんですねエレキ君。

 

 あっそうだ(唐突)私、余り指示を出す事が出来ません。理由は、他のチームを指定の時間(天災第一波)までサポートしなきゃいけないからです。と言うか、こうやって会話してる今も平行して作業してるので、そろそろ走者の脳がパンクしそうなんですよね。ですから、後の行動はロドスに合わせて下さいね。絶対だぞ?絶対だからな?!(フリ)

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「……で、何時まで待ってりゃいいじゃが」

「………さぁな」

 

 チッ、なんじゃがコイツ。コミュ症じゃがか。

 にしても暇じゃがのぅ。あのウサギ女、何時まで棺桶の中にいる奴の手を握ってるじゃが。そんなんしても何も変わらんじゃろが。

 

 あー暇じゃあ!暇すぎてモンスターエナジーが不味くなって来よったじゃが。

 

「……チッ、あのポンコツ機械が。な~にがロドスに合わせろじゃが。そういうのは余計なんじゃがや」

「………そこまで言うなら、何故この場から動かない?」

「ア?」

 

 動くじゃがと?何ほざいとんじゃこのボケが。

 

「人に頼まれた事はやるのが当たり前じゃろがや。感染者を保護しろと言われたら保護する、コイツラの言う事を聞けと言われたら聞く。わしゃやれと言われりゃ従うじゃが。いちいち命令が気に食わんじゃがの」

「………なる程、理解した」

 

 チッ、なんでこんな下らん事を喋らにゃならんじゃが。それに何時まで待たせる気じゃがアイツら。寝てるならそのまま運べばいいじゃろうがに。

 

「ったく、わしゃ寝る。なんかあったら起こすがじゃ」

「わかった」

 

 

 

 

 

「起きろ」

「だっ!………もっと優しく起こさんかいやボケがぁ!」

 

 不器用にも程があるじゃが!何なんじゃがこの阿呆は!

 

「すまん。」

 

 チッ、どいつもこいつもムカつくじゃが。謝るならせめて頭下げやがれやが。

 

 モンスターエナジーを飲みながら立ち上がって辺りを見回すと、あのウサギ女達とさっきまで寝ていた男が見えた。なんじゃ、起きたんかや。

 

「………アーミヤ、彼らもロドスの一員かな?」

「いえ、彼らは私達とは違う組織です。名前は……えっと…」

「………クエスタだ」

「チッ、ゴシャクじゃが」

「クエスタに……ゴシャクね、覚えたよ。俺はロドスに所属するドクター…らしい」

 

 らしい?なんじゃいコイツ。自分の事もわからんじゃが?

 

「……らしい、とは?」

「実は、何もわからなくて……アハハ…」

「いや笑っとる場合じゃねぇが」

 

 何故に自分の心配をせんが。記憶喪失なら普通おったまげる位するじゃろうがに。ウサギ女共もお通夜みたいな顔しながら会話すんじゃねぇが!こっちまで気分悪くなるじゃろがい!

 

「それで、ここは一体……」

「ここは――え?!何が―」

 

 チッ、面倒くせぇじゃが。この大きさの矢を発射するって事は、結構デカいボウガンじゃがな。

 

「大変ですアーミヤさん!この施設に侵入して来た奴らがいます!しかも、あの装備は……ウルサス兵士のものではありません!」

「チッ、レユニオンじゃねぇが」

「…フゥー……」

 

 じゃが、この大きさの弾ならいつもので余裕じゃがな。

 

「ガハァァァァ………オドレァァァ!」

「なっ?!あの弾を叩き潰しただと?!」

「ハッ!しゃっこい氷塊ブッ壊したきゃ攻城兵器でも持ってくるじゃが!」

 

 あー氷うんめ。

 

「うわわわわっ!」

「圧縮する」

「クソッ!なんで弾が当たらねぇんだ?!」

「っ危な!おいクエスタァ!わしゃのいない方に弾けやが!」

「悪い。気をつけよう」

 

 ったく……ア?あのウサギ女も戦うじゃが?チッ、出しゃばる必要無いっつーじゃが。

 

「前衛オペレーターさん、戦闘準備を」

「了解!………クソッ、こいつらの狙いはドクターか!」

「いえ、ドクターの存在は誰も知らない筈です。急ぎケルシー先生に通信を」

「駄目です!通信機が正常に動作しません!」

「…………ジャミングか?」

「恐らくは………まさか、ウルサス政府が私達の動きに――」

「だァァァ!!ゴチャゴチャ考えるのは後にせいやが!」

 

 戦う時は戦いの事だけ考えやがれやが!

 

「ケルシー先生と通信が出来ないとなると………ドクター、私達の指揮をお願いします!」

「えっ、俺が?!」

「そ、そんなの危険過ぎます!まだ意識が戻ったばかりなのに……」

 

 あーもう好きにせいやが!

 多少砕けた片方の腕に冷気を吹きかけ、しゃっこい氷塊を修復し、眼の前のバカ共に殴りかかる。あぁそうじゃがそうじゃが、手足をぶった斬るのはなんとかブレードじゃねぇといかんのやったが。

 

「死に晒せやァァァァァ!!!」

「なっ、グボァ?!」

 

 なんとかブレードを起動した後に相手の所まで跳躍し、氷塊の腕で武器を破壊する。そして両手をぶった斬って腹を殴って気絶させる。後は印をつければ終わりじゃが………ドローンここまで来るんじゃろが?まぁええが。

 

「さぁて……悪い子はイネガァァァ?」

「ヒッ……」

「クソッ!お前ら!コイツを囲んで殺すぞ!」

「アァ?!滅茶苦茶おるじゃが?!」

 

 クソが!殺せるなら最初から滅多斬りにしてモツ鍋にしてやる所じゃが……面倒くせぇ事言いやがってあのポンコツ機械がァァァァ!!!!

 

「グワッ!」

「な、なんだ?!グエッ」

「ゴシャクさん!援護します!」

「ア?なんでここにおるんじゃウサギ女。ドクターはどうしたじゃが」

「ドクターの指揮の下、近くにいる敵は前衛オペレーターとクエスタさんに任せています。ここは私と貴方で足止めを」

「チッ、足引っ張ったら撫で斬るがや」

 

 遠距離武器を持つバカ共をウサギ女がアーツで牽制し、その内にわしゃが片っ端から斬り飛ばして殴って気絶させる。ここまでしてもまだ突っ込んで来るコイツらは本当にバカなんじゃないがや?

 

「大変ですアーミヤさん!別の方からもレユニオンが!」

「そんなっ!」

 

 チッ、数だけは多いバカ共が。つか、あの二人は何時になったら――

 

『ザ――ザザ―――おーい!おう、突然快調になったなオイ。クエスタ!お前のアーツの範囲内にギリギリ入ってる筈だが、引き寄せられるか?』

「………フゥー…………そこか。圧縮する!」

「うぉっと!やっぱスゲェなお前のアーツ」

「エレキィ!おるんなら最初から返事せいがや!」

 

 バカを殴り倒しながら、エレキギターを装備した能天気なオニと、銀色の液体を使って追加で湧いてきたバカ共を薙ぎ払うドラゴン野郎に向かって怒声を浴びせる。

 

「ゴシャクさん、彼らは?」

「わしゃの仲間ヅラしとる奴らじゃが」

「援軍と言う事ですね」

 

 仲間ヅラ言うとるやろがい!まぁええが。こっちの数が増えたからな、早く終わらせるじゃが。

 

「悪い子はイネガァァァ!!!」




やっぱり戦闘シーンは第三者目線の方が書きやすいわと思った今日この頃。あと今回でゴシャク君の元ネタがわかるんじゃなかろうか。

そうそう、プロフィールが作られてるキャラは自由に使ってよろしくてよ。つまりはエレキ君を好きな様にしていいですよ。


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特に意味も無く作ったプロフィール2

タイトルそのままの意味です


【プロフィール】

【レアリティ】星5

【コードネーム】ゴシャハギ

【陣営】境界無き方舟

【性別】男

【職業】前衛

【募集タグ】近距離/火力/弱化

【戦闘経験】5年

【出身地】不明

【誕生日】3月26日

【種族】鬼

【身長】182cm

【専門】抜刀術(技・力)/大乱闘/タイマン/雪原徘徊

【鉱石病】感染者

 

 

【特性】

敵を1体までブロック

 

 

【入手方法】

人材発掘

 

 

【個人経歴】

名前はゴシャク、コードネームはゴシャハギ。出身不明の鬼族。方舟のオペレーターとなる前の情報は殆どが欠落しており、不明な点が数多く存在する。

敵集団への強襲、強敵との戦闘などの任務で活躍している。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、主に過激派感染者集団の鎮圧に協力している。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】8/10/10

【ブロック】1/1/1

【攻撃速度】とても速い(0.78s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

   ■       ■

 

 

【素質】

雪鬼獣

昇進1 スキル発動中、25%の確率で攻撃した相手に5秒の攻撃速度を−20%する寒冷状態を付与する

昇進2 更に、寒冷状態が付与されている敵にもう一度寒冷状態を付与した時、寒冷状態の相手を3秒間行動不能にさせる凍結状態にする

 

 

【基地スキル】

ひらめき

初期 加工所

加工所で昇進素材を加工時、体力消費が4の素材の体力消費−1

冷凍加工

昇進2 加工所

加工所で昇進素材を加工時、副産物の入手確率+80%

 

 

【スキル】

スキル1 ゴシャボコォ!   自動回復   ■□

               自動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   70   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+40%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

2  0   69   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+43%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

3  0   68   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+46%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

4  0   67   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+49%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

5  0   66   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+52%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

6  0   65   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+55%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

7  0   63   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+60%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

特化Ⅰ 0  59   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+70%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

特化Ⅱ 0  55   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+80%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

特化Ⅲ 0  50   

攻撃速度が低下(+0.42)、通常攻撃が範囲攻撃になり攻撃力+90%、攻撃範囲拡大

退場まで効果継続

 

 

スキル2 ゴシャズバァ!  攻撃回復  ■□

              自動発動 

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   30    15

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+60%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が1.5倍になる

 

2  0   29    15

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+65%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が1.5倍になる

 

3  0   28    15

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+70%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が1.5倍になる

 

4  0   27    15

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+75%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が2倍になる

 

5  0   26    15

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+80%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が2倍になる

 

6  0   25    15

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+85%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が2倍になる

 

7  0   24    17

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+90%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が2.5倍になる

 

特化Ⅰ 0  22   17

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+100%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が2.5倍になる

 

特化Ⅱ 0  20   17

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+110%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が2.5倍になる

 

特化Ⅲ 0  17   20

攻撃速度が僅かに低下(+0.22)、攻撃範囲拡大、攻撃力+120%、通常攻撃が2連撃になり、素質発動確率が3倍になる

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】ゴシャハギ

【性別】男

【戦闘経験】5年

【出身地】不明

【誕生日】3月26日

【種族】鬼

【身長】182cm

【鉱石病感染状況】感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】優秀

 

【戦場機動】優秀

 

【生理的耐性】優秀

 

【戦術立案】普通

 

【戦闘技術】優秀

 

【アーツ適正】標準

 

 

【個人経歴】

名前はゴシャク、コードネームはゴシャハギ。出身不明の鬼族。方舟のオペレーターとなる前の情報は殆どが欠落しており、不明な点が数多く存在する。

敵集団への強襲、強敵との戦闘などの任務で活躍している。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、主に過激派感染者集団の鎮圧に協力している。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められる。

以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

 

【源石融合率】5%

胃に源石の結晶が集中ている。

 

 

 

【血液中源石密度】0.22u/L

循環器系での結晶濃度は安定している

 

 

【第一資料】

鬼族の名に恥じない戦闘狂。

少しでも意見の食い違いがあれば口論になり、口論を続ければド突き合いに変わり、最終的に殺し合いへと進化する程には性格に問題がある様だ。

初対面のオペレーターは細心の注意を払うべし。と言うか関わらない事を推奨する。

 

 

【第二資料】

ゴシャハギの使用するアーツは、鉱石病によって変質した胃袋が関係している。普段は通常の機能であるが、彼の意思によって機能が変質し液体を溜め込む事が出来る様になる。ドライアイスなどを適量飲み込み、液体を吐き出す事によって時間差で凍りつくレーザーを放ったり、手に吹きかけて即席の鎧や武器にしたりも出来る。強度もそこそこあるらしく、厚さによっては斬撃や大きめのボウガンの矢を防ぐ事が出来る様だ。

彼自身、アーツ適正は標準程度なものの、胃袋の性質を変化させるアーツを応用して様々な効果にする程の想像力を有しており、アーツ攻撃の威力は凄まじい。

そんな彼だが、戦闘時に素早く戦闘態勢に移れる様にしているのか、ドライアイスやエナジードリンクが大量に積まれたクーラーボックスを常に装備している。場合によってはコレも武器になる。

 

 

【第三資料】

出身地などの様々な事が不明なゴシャハギだが、彼の習性も不可解極まりない。

彼は度々深夜徘徊をする。条件は未だにわからないが、徘徊している時の彼は非常に気性が荒く、時折低い唸り声を上げる。それはまるで獲物を探す獣の様であり、偶然遭遇してしまったオペレーターが夜明けまで追いかけ回されたと言う報告が入っている。彼もオペレーターエレキ同様、鬼族の中では異色な存在の様だ。

彼自身の証言では、深夜徘徊の夜の夢は非常に鮮明に覚えており、その時の夢は必ず昔の様に狩りをしていた夢を見ると言う。この事から、彼の深夜徘徊は一種の夢遊病である可能性が高い。

 

もう少し詳しく聞き出そうとしたら、突然キレ散らかして暴れながら逃げて行ってしまった。なんなんだアイツは!

 

――医療オペレーターJ.A.

 

 

【第四資料】

戦闘中の彼程、手のつけられないオペレーターはいないだろう。戦闘中の彼は司令官の言う事は思いの外素直に従ってくれるが、それは表面上従っている様なものだ。彼は与えられた指示に反しない程度の単独行動を開始する。その単独行動が吉と出るか凶と出るかは、どんな任務かによって明確に変わってくる。特に待ち伏せなどの忍耐力を必要とする任務には同行させない事をお勧めする。逆に殲滅戦や強襲、強敵の足止めなどを彼に任せれば、充分な戦果を持って来てくれるだろう。

 

 

 

【昇進記録】

雪原での行動でも障害が無い事から、出身地はイェラグ方面と思われる。だが、キアーべやホシグマとの面識もある事から、謎は深まるばかりである。

 

 

ゴシャハギの印

 

3本の爪痕がシンボルマークのエナジードリンク。眠たい時はコレを飲むと良いだろう

 

 

採用契約

 

オペレーターゴシャハギ、今日も食堂の水を飲み尽くす

戦闘が終わる度に請求書を見る人の事も考えてくれ




イフちゃんが昇進2になった。やったぜ(英雄の証)

因みにですが、キャラの過去とかは今の所考えてないんで、色々と妄想して楽しんでくだされ。


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チェルノボーグ事変 四

ギャァァァ!!!低評価がぁぁぁぁ!!!!となってたので初投稿です。おぉう……俺のメンタルとモチベェ……ペラペラァ……(詩人)


 荒廃した広場で、複数のレユニオン兵がバッタバッタと薙ぎ倒されていた。

 レユニオン兵と対峙するのはサンクタ族とエーギル族の二人だ。サンクタ人が盾でレユニオン兵の攻撃を防ぎながら、もう片方の手に持っているリボルバー型のハンドガンを2発発砲。脇腹を抑えて怯むレユニオン兵に向かってシールドバッシュをして気絶させると、残りの4発を後ろへ向けて発砲する。

 後ろへ発砲された弾丸は、まるで意思を持つかの様にエーギル人を避け、レユニオン兵の脇腹や足に命中した。突然の痛みで怯むレユニオン兵。そこにエーギル人の一撃を受け、彼らは意識を手放していった。

 

「ふぅ……もしもし?こっちは終了したけど………よしじゃあ合流しようか」

 

 腕輪で少し離れた所にいるもう二人の仲間へと連絡しながら、レユニオン兵に印をつけていくサンクタ族のメタトロン君。そして、彼の後ろの方で黙々と印をつけて回っているのがエーギル族のスパラディ君だ。

 通信を終えたメタトロンは、気絶しているレユニオン兵に印をつけ終えると、スキップをしながらスパラディへと近づく。

 

「お疲れちゃん!怪我とか無い?」

「………あぁ、お前はどうだ?」

「大丈夫よ!ただ棒きれ振り回すだけの奴に負けねぇって!あぁそうだ聞いてくれよ。この前渡された試作痛覚残留拳銃?ってヤツなんだけどさ使ってみたら滅茶苦茶気持ち悪いのよ!なんつーかなー……出来の悪いアーツユニットで他人のアーツを使ってるカンジ?でさぁ―――」

 

 目的地へ向かいながらベラベラと喋るメタトロンと、それを適当に相槌を打ちながら聞き流しているスパラディ。周囲を警戒しているのはスパラディだけであり、メタトロンはそんな事はお構いなしとばかりに喋りまくっていた。

 

「やっぱり最大射程が8mはどうにかして欲しいもんだね。あれじゃあ銃とは呼べない拳銃の形をしたメントスコーラだよ」

「そうだな」

「それでねそれでね『ハァーイジョージィ?緊急連絡ですぞ』

「一旦黙れ…いきなりどうした?」

 

 腕輪から通信が入った瞬間、スパラディはベラベラ動く口に蓋をし、周囲を確認してから応答した。この間僅か0.114秒である。

 

『あぁ、どうやらここに天災が降ることがわかってしまってな。今すぐ回れ右して私の中(意味深)に戻って来て欲しいんだYO!……お願いします!何でもしますから!何でもするとは言っていない!』

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 そろそろ天災で冬木の大災害になるRTAはーじまーるよー!

 今回は目覚めたドクターと私達境界無き方舟でチュートリアルを終わらせ、チェルノボーグを脱者する所からスタートです。

 

 えー、ここからのチャートなんですが、先ずはホモ都市のオペレーター達に緊急連絡をします。戦闘が終了しているオペレーターを優先的に連絡しましょう。すみませーん、木下ですけどもー。もう少しでこ↑こ↓爆発するんで、みんな!ホモ都市に帰ろう!(名案)OK?OK!(自問自答ショットガン)

 オペレーター全員へ通達し終わったら、エレキ君達を通してさっきの戦いでサラッとドベ教官と合流していたロドスのドクターと愉快な仲間達にもお知らせしましょう。何が始まるんです?大惨事大戦だ(迫真)

 

「そんな!レユニオンはどうしてそこまで……」

 

 アーミヤCEOはそんなに思い詰めなくていいから……(良心)ブレイズおば(ryお姉さんと大盛り上がりでもしてて、どうぞ(提案)

 

「ここを落とす為には天災だろうが何でも使うってか……クッソ!何考えてやがんだよオイ!」

「……それが本当なら、こんな所で悠長にしてはいられないな。直ぐにここを離脱するぞ」

 

 ヒュー!流石元軍人のドーベルマン教官だ、経験の差が違いますよ。

 

 と言う訳で、私は一旦離れてオペレーター達の回収に集中します。ロドスが地上に出てからは、もう一度戦闘が入ります。まぁただのクソザコナメクジなので、彼らに任せておいて問題ありません。

 問題は、オペレーターを撤退させる速度です。これが遅れてしまえば、そのままダラダラとホンへとクソを垂れ流してしまうので急いで戻る必要がありますねぇ!

 

 では早速キングクリムゾン!

 

 

 

 

 

 終わりました。さて、彼らは何処まで行ったでしょうかね………

 

 ウッソだろお前wメフィスト君に囲まれてるぅ!畜生ガバってるじゃねぇかこのハゲ!(また髪の話してる)ホモ都市オペレーターの戦力が割と高いせいで展開が少し早くなってますねぇ!(致命的な見落としをする走者の恥)あーもう滅茶苦茶だよー。

 まぁ、私にかかればこの程度のイベント、ダーッと行ってドンッと倒してパパッと片付けてやりますよ(頭スカスカジ)レユニオン解体ショーの始まりや。

 

 と言う訳で、メフィストの下っ端戦です。まぁこの戦い、相手がオリジムシと兵士、空飛ぶ光ことニアールさんが参戦後は機動盾兵の3種類しか出てきません。舐めプにも程があらんか?ロドスを殺したきゃもうちょい戦力出してホラホラ(ホモはせっかち)

 では先ず、ロドスオペレーターとホモ都市オペレーターの間にエレキ君を設置します。エレキ君の素質により、周囲の味方オペレーターのHPを持続回復させる事が出来、しかも高周波を飛ばして中距離攻撃も出来ます。君、何で前衛オペレーターやってるの?(当然の疑問)

 次に、集団戦闘も強敵とのタイマンも強いとか言う割とぶっ壊れなゴシャク君を、エレキ君の素質範囲ギリギリの場所にポイしておきましょう。そして補助オペレーターであるハルド君と、状況によって遠距離と近距離を使い分けれるクエスタ君を配置すれば工事完了です。

 

 後はこれで敵の数を一定まで減らしましょう。そうすると……あ、来ましたね。

 

「道を開けよ!」

 

 ヒェッ、シールドバッシュで3人のレユニオン兵が飛んでったゾ……(戦慄)大丈夫?あのレユニオン兵達死んでない?生きてる?

 

「生きてるよ」

 

 生きてた。エレキ君確認ありがとナス。

 

 と言う訳で、空飛ぶ光ことニアールさんです。さてはスーパークランタ人だなオメー?

 

「………アーミヤ、彼らは?」

「彼らは境界無き方舟のオペレーターです。どうやら、ここで起きていた暴動を止めようとしていたらしくて……」

「境界無き方舟……なる程、大まかな状況は察した。これより彼らの援護に入る!アーミヤ達は早く撤退を!」

 

 さて、それでは第二ラウンドです。まぁ直ぐに終わるんですけどね初見さん。なんせスーパークランタ人のニアールさんと、人を無力化する事に関しては右に出る者はいない感じに訓練されたホモ都市オペレーターですからね。例え嫌らしい事で有名なメフィスト君が指揮するレユニオン部隊でも、戦国無双する事が出来るでしょう。そんな部隊で大丈夫か?(煽り)

 

「……ファウスト、あいつらの口を塞げ」

 

 右に避けろ!(双剣使いのアーチャー)

 と言う訳でファウスト君の超遠距離狙撃です。このンソゲキッは厄介で、あのニアールさんがガードしても削りダメージを受けてしまう程の火力があります。やっぱりファウスト君が一番厄介って、ハッキリ分かんだね(危機契約#2)

 

「何煽ってんだポンコツ!もう少しで上半身が吹っ飛ぶ所だったわ!」

 

 ヌッ!ユルシテヒヤシンス!許して下さい!何でもしますから!(何でもするとは言っていない)許し亭…許し亭…(謝り倒し)

 

「うっせぇわ(楽曲)兎に角、あの狙撃をどうにか………出来るか?」

 

 ………チラッチラッ(二度見)

 

「ファウストの砲撃を受け止めた?まさか盾なんかで?!………ありえない…ありえない!」

「………出来そうだな(確信)」

 

 やっぱすげぇよニアールは(鉄華団団長並感)ですが、ニアールさんもずっと受け止めれる訳ではありません。次ファウストの狙撃を受け止めれば、ニアールさんは重症デバフで戦闘力がガタ落ちしてしまいます。

 

 じゃけん、ファウスト君の足止めをしましょうねー。クエスタ君クエスタ君。もう少しでAceさんの狙撃部隊がこの映像に映ってるショタを牽制するんで、狙撃部隊の弾道をショタがビビる程度に圧縮してもらえます?

 

「………なる程、理解した。圧縮する!」

 

 よし!(確認猫)これでファウスト君は割と正確な狙撃にビビってあんまり顔を出さなくなるでしょう。ファウスト君の狙撃を止めたらいよいよ包囲網の脱出です。まぁ、さっきからゴシャク君とハルド君が包囲網を崩壊一歩手前くらいまで崩してるので、本来よりも簡単に脱出出来るでしょう。

 

 では、今回はここまでです。ご視聴ありがとう御座いました!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『包囲網突破お疲れちゃん!ご褒美にジュースあげようと思ったけどあげられねぇわ』

「気持ちだけ受け取っておくよ……」

「………ゴシャク君、それを一本くれないかい?」

「ア?やらんじゃが。コレはわしゃの持ちモンじゃが」

「…フゥー……」

 

 ようやく包囲網を脱出して一段落だ。少し休みたいってのもあるが………多分そうも言ってられねぇんだろうな。

 俺は少し離れた場所で話し合っているロドスの奴らの会話を、アーツを使って盗み聞きする。どうやら、寄せ集めの集団のレユニオンがどうしてここまで出来たのかとか、色々疑問があるらしい。わかってるのは指導者が変わってからレユニオンが暴力組織になっていったって位だからなぁ……。

 

 俺は盗み聞きを止め、暇を潰す為に適当に辺りを見回す。と、なんかハルドが来た道をジッと見つめてた。

 

「………ハルド、なに見てんの?」

「……いや、さっきのメフィストって子供…居たじゃないですか。あの子を初めて見た時……なんていうか、その、下品なんですが………フフッ、下品なので止めときますね」

「えぇ……(困惑)」

 

 喋るか喋らないかどっちかに……じゃねぇよな今のツッコミ所……

 

『あーあー、ちょっと言いたい事があるんだけどさ』

「突然だな。どうした?」

『お前たちの事で少しお話だ』

 

 四人が腕輪に意識を向け、ポンコツの次の言葉を待つ。

 

『天災がすぐそこまで迫っている。私はお前たちを避難させようと思ってるんだが、お前たちの考えが聞きたくてな。なんせロドスについて行けって命令したのは私だからな。それを勝手に撤回する様なもんだ。まぁそれでもいいって言うなr』

「は?やるに決まってんだろ」

「テメーがついて行け言うたんじゃろがい」

「二人が残るって言ってるので私も残りますね」

「……俺も残ろう」

『……おぉん………みんな元気いいなオイ。おじさん正直ビックリしてるゾ………』

 

 ったく、偶にアホな事言うなこのポンコツ。ここまで来て天災が怖いから逃げるってアイツらに言えるかっつーの。




大陸版2周年がなかったら即死だった。何アレ滅茶苦茶カッコいいじゃん!滅茶苦茶アビサル気になるやん!早く日本版も2周年来ねーかなー!(大声)


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チェルノボーグ事変 五

滅茶苦茶高評価増えとるやんけぇ?!ありがとナス!となったので初投稿です。モチベが大盛り上がり間違い無しよ(ブレイズ並感)


 天災を生き延びてタルラと眼と眼が合う瞬間まで行くRTAはーじまーるよ!

 今回はメフィスト包囲網を突破した所からスタートです。あんなチ○毛な包囲網なんぞ余裕ですよ(慢心)

 

 と言う訳で、早速ですがエレキ君達には撤退願いたいんですよね(唐突)おっと待ってください卵を振りかぶらないで!そこの兄貴姉貴は一位で走りきったゴルシを連れて来ないで!俺の側に近寄るなァァァァァ!!!!(ディアボロ並感)

 ふぅ………(賢者タイム)彼らを撤退させたい理由なんですが、単純に天災を生き残れるかどうか心配なだけです。え?ロドスとの協力はどうするんだって?そこは安心して下さい。機械技術を結集して作ったステルス機能付きドローン部隊と、コッソリ作った秘密兵器的なヤツ(11話の最後でチラッと作ろうとしてたアレ)を送り込み、全力でサポートを遂行する!(お兄ちゃん並感)予定ですので。

 

 では早速………

 

「は?やるに決まってんだろ」

「テメーがついて行け言うたんじゃろがい」

「二人が残るって言ってるので私も残りますね」

「……俺も残ろう」

 

 ヌ゛ ン゛ ッ !ヘ ッ !ヘ ッ !

 

 ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛(以下略)

 

 あのさぁ……(呆れ)みんな性格が良すぎて涙がで、出ますよ……ですがどうしましょうかね?一応全力サポートの事も説明しましたが、それでもついて行くそうです。別の組織であろうとも協力したら最後までやる……いいセリフだ、感動的だな!(^U^)

 

 まぁママエアロタイフーン(風属性全体攻撃魔法)今やチェルノボーグに残ってるホモ都市オペレーター部隊はエレキ君の部隊だけですしお寿司。管理が楽なのでミスする事は無いでしょう(45敗)

 取り敢えず、引き続きエレキ君達の指揮を継続します。ですが念の為にドローンの追加投入と、近くに丹精込めて作った例の秘密兵器的なヤツを待機させておきますねー?

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「あぁもう多すぎだろ!なんなんだコイツら死にたがりか?!」

「そりゃ死にたいからわざわざここまで来るんじゃろが。ったく、こんな奴を殺さず生け捕りとか何考えとるじゃが……」

 

 あの後、ロドスにチェルノボーグ脱出のサポートを続ける事を教え、アイツらと共にレユニオン共を叩きながら進んで行く。途中で襲われている市民を見つけ、ソレをポンコツがドローンだけで鎮圧すると言う光景もあった。割とアイツだけでいいんじゃね?

 

『いやーキツイっす。この量のドローンって案外操作ムズいからな?脳が一つだったら即死だった……それとゴシャク君、幾ら自殺志願者を殺したいからって殺すなよ?彼らは保護されるべき人間だからな』

「機械に脳もクソもねぇだろ。それより、あの天災はいつ降ってくるんだ?」

『そうそうその事についてだ!ロドスの諸君も耳をかっぽじって……デカイし4つあるから必要ねぇな。後5分以内に天災の第一波が来る可能性が高い。頑丈な建物、または地下に避難する事をオススメするぜ!』

 

 急いで移動する面々に聞こえる程の音量を出すポンコツ。せめて音量上げるなら教えろよ!鼓膜が壊れる所だったわ!

 

「イモータルさん、情報感謝します」

 

 アーミヤはそう返事しながら、アーツでレユニオン達を撃ち殺す。他のロドスオペレーター達もレユニオンを蹴散らしながら、俺達はチェルノボーグ脱出へと近づいて行く。

 

「――!エレキさん!後ろに!」

「しまっ―?!」

 

 アーツヤの声が耳に入り急いで後ろを振り返るが、そこには武器を振り下ろすレユニオンの姿があった。俺は目を瞑ろうとし、突然引っ張られる様に俺から引き離されたレユニオンを見て驚いた。

 どうやら周囲のステルスドローンがワイヤーを引っ掛け、勢い良く引き剥がしたのがわかった。引っ張られたレユニオンは、近くに居たクエスタに頭を捕まれ、意識を圧縮された。

 

「大丈夫ですか?」

「………あぁ、大丈夫だ問題無い。サンキューなアーミヤ」

 

 駆け寄ってきたアーミヤにそう答える。クッソ、気にするんじゃねぇぞ俺。今はそれどころじゃねぇんだ。

 

『ボーッとするなエレキ君、(首が)飛ぶぞ』

「わかってるよ………ハァ、クッソ」

『言いたい事は分かるとも。彼らは私達と同じく感染者の保護を謳っているが、アレが現実だ。常識的に見れば女子供ナドナドに保護対象を殺人させているイカれた集団にしか見えないだろう』

 

 気絶させたレユニオンを運んで行くドローンを見ながら、俺はポンコツの話を聞く。

 

『だが今は戦場の真っ只中だ。おばあちゃんが言っていた……戦場での綺麗事は反吐が出る程の死亡フラグだってな。綺麗事はもっと綺麗な場所で言うもんだ。別の場所で出会ったら遠慮なく文句を言ってやれ!』

「………あぁ、わかった。フゥー……ヨシ!(確認猫)」

 

 いらん事を頭から追い出し、整理をつける。いつも思うが、コイツの励ましは下手クソ過ぎてよく効く……我ながら何言ってんだ俺?まぁ良いか。

 

『まぁ、敵を殺す為に戦ってる奴らに敵を保護する事なんて出来ないから仕方無いケドね。それに、殺人した感染者を保護してる私達も人の事言える立場じゃ無いけどなー!(迫真)』

「………煩い上に自虐が過ぎるわアホ」

 

 そう言いながら、チェルノボーグの道路を走る。ふと空を見上げると、天災雲が不気味な形をして蠢いているのが見えた。

 

「……チッ、またレユニオンか!どんだけ居んだよ!」

 

 今回何度目かわからない戦闘態勢に移ろうとする。

 

 次の瞬間、目の前のレユニオン達が、大質量の岩に押し潰された。

 

「おい!奴らは何に……やられたんだ?お前達……攻撃したか?」

「………少なくとも、俺達の中にあんな芸当が出来る奴は居ない」

 

 ドーベルマンの言葉に、クエスタがいつもの調子で答えた。その言葉を聞いたロドスのオペレーター達は、この隕石の正体に辿り着く。もっとも、コイツらも俺らもその答えを認めたくは無かったが。

 

「……まさか――」

「ドーベルマンさん!空が………」

 

 アーミヤが空に蠢いく天災雲を指差す。天災雲の一部が、異常な速度でこちらに向かって来ていた。

 誰もが一目で分かる、天災の第一波だ。

 

「………おいポンコツ、こりゃどう言う事だ?」

『……どうもこうも無いんだよなぁ!ゲリラ豪雨型の隕石天災とか聞いてないんですがそれは。はーキレそう(キレ気味)ハルド君、全力を持ってロドスと共ににーげるんだよー、スモーキー!OK?』

 

 本気で慌てながら巫山戯た口調でハルドに指示を送るなポンコツ。と言うか本気でヤバいぞコレ。ハルドにこの状況を打開出来るのか?

 

「………勿論です、プロですから」




話が全然進んどらんやんけぇ!(迫真)

それはそうとマドロック当てました。自回重装つえー!でも昇進2にする為の素材を作る為にサボりがちだったストーリーやらなきゃいけねぇー!(RTA小説を書いてるにも関わらず、ストーリーをやっていなかった走者の屑)

そうそう、前にプロフィールがある方舟キャラ使ってよろしくてよって書いたヤツさ、名前と種族と性格と使用アーツ以外は好きに設定改変してくれてよろしくてよ。


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チェルノボーグ事変 六

星6指名券でヘラグじいちゃんを呼んだので初投稿です。ロドスまだ暗いまんまやけど……ママエアロショット(風属性遠距離単体攻撃)


「……さて、任されたのでやるとしましょうかね」

 

 私は地面に手の平を当て、アーツを発動させる。

 私のアーツは金属操作であり、その効果範囲は半径40m程度。いやぁ、都市部は金属が大量にあって良いですね。おかげで私のアーツを思う存分に振るう事が出来ますよ。

 

「ひゃっ!な、なんですかこの液体?!」

「なんか絡みついて来るぞ?!」

「足に纏わりついて……これがハルドさんのアーツ?」

「えぇそうですとも。あっそれと、銀色の液体ですが水銀では御座いませんのでご安心を。私が操る金属や鉱物は、全て銀色になってしまうらしいですから」

 

 ロドスの前衛オペレーターと医療オペレーターはかわいいですね。それとアーミヤさんは………フフッ。さて、ここに居る全員を包み込む程の大きさで行きましょうか。

 

 周囲の建物や道路のヒビ、排水溝などから溢れ出て来た流体金属が私達を包み込む。やがてドーム状に私達を囲んだ後、下の方も逆さまのドーム状に金属を形成すれば、立派な球体が完成した。

 

「では皆さん、手足を沈めて液体をよく掴んで下さい。それと口も閉じてくださいね。舌を噛んだり、流体金属を飲み込む恐れがありますので」

「おい待てハルド、テメェ今からなにしようとしてんだ?」

「イモータルに言われた通り、全力で逃げるんですよ」

 

 各々が流体金属の壁や床に、手や武器を沈めて固定したのを確認する。

 全員準備万端ですね。では、全力で出口に向かって逃走と行きましょう!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「来たぞ、遂にこの時が来た!」

「ヒヒッ……感染者の救済の刻が来た!お前たち健常者はここで粛清されるんだ!」

 

 天災雲を見上げながら、レユニオン兵達は不気味に笑い合う。常人からすれば、全く笑えない状況なのだが、それで笑えると言う事はそれ程狂っているのだろう。多分この人達もいい人だったのかもしれないね。でも残念かね。これも全て感染者を迫害するのが常識となってしまった社会のせいだろう。まぁ、そんな社会を形成したのは人間のせいだが。うーんこのクソ(直球)

 

「フヒヒ、救いの雨だ!粛清の嵐だ!これでやっと、俺達感染者は…救われ――」

 

 その瞬間、なんかハイテンションとなっていたレユニオン兵達を、銀色の球体が飲み込んで行った。

 

「……おや、これで10人目ですかね?こんにちは感染者。後で幸せに余生を過ごして下さい」

 

 そう言いながらハルドは、球体の中にいる人間達を固定させながら、銀色の球体を回転させ疾走する。

 

「まだこんなにも感染者が残ってんのかよ……それとハルド、これでチェルノボーグから脱出するのはホントに出来ねぇのか?」

「えぇ、これは単純に私の力不足です。ロドスの方々、本当に申し訳無い」

「貴方が謝る必要はありません。むしろ、私達はあなた方に感謝しています」

 

 アーミヤからの返答にハルド君はちょっと驚いた顔をした。そして、彼女を見ながら微笑むと、眼鏡をクイッとしながら銀色の球体の操作に更に力を入れる。

 

「凄く可愛いですねアーミヤさん。では、出来る限り出口の近くへお送りいたします!」

「はい!……はい?」

 

 銀色球体が更に加速し、障害物などをボンボン跳ねながら躱して進んで行く。傍から見ればギャグの様にしか見えないが、球体自体の機動力と殺傷力ナドナドは割と高いし本人は至って真面目である。アーミヤの事をナチュラルに可愛いですねと言っているが、至って真面目である(大事な事なので2回)

 

 さて、そうしてチェルノボーグの出口近くまでやって来ている銀色球体だが、一目で意味不明だと分かる物体が跳ねまくっていれば、嫌でも目立ってしまうだろう。それも結構な大きさだ。そんな物が遮蔽物の無い高さまで跳んだりすれば…………

 

 

 格好の的である。

 

「………完璧だよファウスト。やっぱり君の狙撃は最高だね」

「…………」

 

 不安定な形になりながら落下していく銀色球体を遠目で見ながら、メフィストは球体を撃ち落としたファウストを褒める。

 

「それじゃあ僕達も行こうか。ま、着いた頃には彼らは消し炭になってるだろうけどね」

 

 そう言って、メフィストと愉快な仲間達は銀色球体が墜落して行った場所へと足を進めた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 片腕の違和感を感じて、目が醒めた。知らない天井に、肌が焼ける様な温度。部屋を見るに一軒家でしょうか?そして、涙目になりながら一生懸命に何かをしているロドスの医療オペレーターと、ソレを手伝ってるエレキ君の姿だ。

 二人は私が目を醒ました事に驚きと嬉しさを混ぜた顔をしたが、直ぐに苦い顔をしながら応急処置を再開させる。

 

「………いやぁ、これは…しくじりましたね……」

「クッソ!ちょっと黙ってろお前!おいポンコツ!なんとかならねぇのか?!」

『ちょま――い―――あ―クソ!回線悪スギィ!待ってろエレキ君、今そっちに大型の治療ドローンを……ってフザケンナ!(半ギレ)離せコラ!流行らせコラ!大勢に勝てる訳無いだろ!すまねぇエレキ君!少し時間がかかる!ハルド君の応急処置とかして待っててくれ!あーも滅茶苦茶だよ!』

 

 ブツッと腕輪からの通信が切れた。エレキさんは舌打ちをすると、医療オペレーターの手伝いを再開した。

 

「………今、どう言う状況、ですか?アレから何が……」

「……突然お前の腕が吹っ飛んでから、広場に不時着した。それでお前を近くの建物の中に避難させようとして……」

 

 何故そこで黙るんですか。それとなる程、道理で片腕に違和感が………これは困りましたね。

 

「……で、私をここに移動させる時になにが起きたんですか?」

「……レユニオンのボスが…現れた」

 

 レユニオンのボス………確かタルラと言う名前でしたっけ?あぁ、それは…それはまた……これは流石にしくじりました。大失態です。直ぐそこにいる彼に会えないのは実に残念だ。

 ま、残念がってても仕方が無いでしょう。それに、状況は最悪に近いですね。

 

「……察するに、只今戦闘中と言った所ですかね」

「あぁ、今はクエスタとゴシャクがロドスの奴らと協力して応戦してるが………あの女は尋常じゃねぇ。前衛オペレーターを庇ったAceが片腕をやられちまった。ポンコツのドローンは熱で回路がイカれて駄目になるからサポートも望めねぇ。だから俺達とロドスで奴の隙を突く。隙が出来たらロドスの奴らとお前を逃がす作戦だ」

「隙を突いて……一体誰が隙を突くんです?私はレユニオンにいる時に後ろ姿を少し見た程度でしかありませんが、アレは無駄に強いと思いますよ」

「あぁ、強かったよ。でも、それで諦める訳にはいかねぇんだ………よし!医療オペレーター、コイツが動かねぇ様に見張っててくれ。俺は加勢に戻る」

「は、はい!」

 

 そう言って、彼は窓から外へ飛び出して行った。全く、言葉から察するに、彼らが隙を突くのでしょう。そして逃げるのはロドスと私…………彼、イモータルの信条を忘れて無いですかね?

 

「あ、あの……」

「……なんですか?なにか聞きたい事でも?」

「い、いえ…その……なんで貴方達は、私達に協力を?私達は特に接点も無く、初対面の筈です。それに、貴方達の戦い方は危な過ぎですし、今も私達を逃がす為に自ら囮役を……」

「………一つ確認なのですが、ロドスは感染者などで構成された感染者保護組織であってますね?」

「へ?あ、はい……きゃっ?!」

 

 少し遠くの方から爆音が響き渡り、家全体が軋み、医療オペレーターは小さな悲鳴を上げた。

 

「……一つ言っておきましょう、ロドスのオペレーターさん」

 

 私は立ち上がり、彼女の手を取って立ち上がらせる。

 

「境界無き方舟は、感染者の味方です。例えどんな人間であろうと、社会に虐げられ、見捨てられてしまった感染者達の味方であり、誰の敵でもありません」

 

 私は振り返り、包帯が巻かれた傷口を撫でながら玄関へと足を進める。ハッとした医療オペレーターの静止の声を無視し、外に出る。戦闘音のする方向へ顔を向け、足元に流体金属を集めてサーフボードを作った。

 

「そんな信念を持つイカれたAIの言葉に影響されたからですよ。だから初対面の貴方達を助け、社会に排斥されたレユニオンを保護するんです」

 

 ま、イカれている点はおまいうですけど。それに、感染者は助けなければならない。それは方舟に所属してからも変わりません。そこら辺忘れてませんかねエレキさんは。

 さて、言いたい事も言いましたし、さっさと彼らの元へ向かいま………

 

「………あの、何故私に抱きついてるんです?」

「………確かに貴方達の事は少しわかりました。ですが!今の流れで貴方が戦いに行くのは理解出来ません!それに、エレキさんのお願いもありますので!と言うか、どうしてその怪我でケロッとしてれるんですか?!」

 

 傷を痛めない様に私に抱き着く医療オペレーターさん。傷に関しては……まぁそう言う種族ですし(適当)にしても離してくれそうにありませんね。そうですかそうですか……

 

「なら一緒に行きましょうか」

「へっ?」

 

 そう言って、私は戦闘音のする方向へ高速移動を開始する。真後ろから聞こえる悲鳴が実に心地よいものですね。

 

 

 

 

 

 少し進むと、戦闘している彼らの姿を確認出来た。しかも丁度良く彼の背中が見える場所に陣取れている。私は流体金属を限界まで圧縮し、音速で射出する。

 

「!………矢張り仕留め切れていなかったか」

「おや、まるで女みたいな顔になりましたね。これは保護した後が楽しみですよ」

 

 避けられる事はわかってましたよ。まぁまだあるので大丈夫。更に軌道変更も行いフェイントも混ぜておきましょう。

 

「オラァ!」

「チッ…」

 

 後ろからのエレキさんのギター攻撃を避けたが、地面に打ち付けた時に発せられた衝撃波によって、軽く吹っ飛んで行ったタルラ。

 

「なんで来やがった?!あのオペレーターは!?」

「止めようとしたので連れてきました」

「バッ、このバカ野郎が!」

「はわわわわわ……」

「さ、集中して下さい皆さん。ドクターさんはロドスの指揮に集中してくれて結構です。さて皆さん、イモータルの代わりに指示を出します。よろしいですね?」

 

 ギターを構え直すエレキさん、瓦礫からダイナミックに飛び出て来たゴシャクさんは、不満げな顔をする。

 

「お前絶対に前に来んじゃねぇぞ!」

「チッ、さっさとしろじゃが」

「構わん」

「では、今から言う通りの陣形で戦闘を。サポートは私が請け負います」

 

 まぁ、陣形はイモータルが少し前に指示したものと変わりませんがね。では今からあの蛇に嫌がらせをしましょう。

 

 流体金属を複雑に動かしながらタルラの移動を制限しつつ、エレキさん達の攻撃に合わせて金属の刃で追撃を加える。主に手足を狙って攻撃だ。多少の傷は構わないでしょう、生きていれば手足を斬っても構いませんか。

 

「死に晒しゃアァァァ!!!」

 

 ゴシャクさんは攻撃が躱されようが攻撃し続ける所がメリットでありデメリットです。相手が手練れであれば確実に反撃を食らってしまう。ですので、彼には流体金属でアーマーを作り、ダメージを抑えてあげます。

 

 クエスタさんは、私と同じ様な立ち回りでロドスのオペレーターにもサポートをしていますね。圧縮のアーツでタルラの位置を強制移動させる事が得意の様ですので、強制移動の軌道を計算し、そこに刃を置いておく。

 あぁ、良いですねその顔。さて、嫌がらせを過激にしましょう。足の間に流体金属を走らせ、下から上へと刃を飛ばす。流体金属のブーメランで逃げ場を無くし、全方位から串刺しを試みる。

 

「小癪な」

 

 ……今回の彼は本当に面倒極まり無い。下からの刃を避け、ブーメランを斬り崩し、全方位からの串刺しをアーツで燃やし尽くす。野蛮故に厄介なものだ。

 湿った傷口に手を当てる。

 

「全く、傍迷惑な存在ですよ、貴方は」

 

 その瞬間、タルラはアーツを一気に解放し、私達を吹き飛ばした。

 

「……遊びはここまでだ」

「………おやおや…舐めプですか。性格の、悪い事で…」

 

 これはいけませんね。さっきの攻撃で陣形が崩れてしまいました。おまけに私も傷口が完全に開いてますね。全く、人を苛つかせるのが得意な奴だ。

 

「先ずはお前からだ」

 

 そう言って、私の目の前に降り立ったタルラは、その手を私の顔へと近づけ………

 

 上から降ってきた何者かに阻まれた。

 

 タルラは上からの奇襲を軽々と避け、少し後退しながらその人物を睨みつける。

 その人物は黒いフードつきのコートを纏った、一切肌を見せない全身黒ずくめの男だった。顔はフードを被っており見えない。と言うか、なんかのフィルターでも張ってるのかと言う程に、顔が黒くなっており、どんな顔か全くわからない。

 

 そんな怪しい人物が、私の目の前に突然出て来た。向こうでこちらを見ているロドスと仲間達の顔が困惑で埋め尽くされている。残念ながら私も知らない。

 彼は手に持っていた耐熱ケースを開けると、大型のドローンを取り出し、電源を入れた。

 

「……オイ待て、まさかお前………」

 

 エレキさんが何か気づいたのか、そう呟いたのが聞こえた。

 そのドローンは私へと近づき、片腕の治療を始める。ソレをチラッと見た黒ずくめの男は改めてタルラへと向き直った。

 

『……lgfpbsf!』

 

 聞いてて不快になる様な雑音が発せられると同時に、黒ずくめの男が腕を前に突き出すと、その手に青色のブレードが生成された。いつの間にかもう片方にも生成されていたソレを逆手に持ち、独特な構えを取る。

 

 それと同時に、腕輪に通信が入って来た。

 

『待たせたな!(cv大塚○夫)』




何だこの茶番はたまげたなぁ(レイ○目)

次回は完全走者視点でお送り………の前にプロフィール作ったりするかもしれません。

聞いてて不快になる様な雑音は解読出来ます。結構簡単です。


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特に意味も無く作ったプロフィール3

タイトルそのままの意味です


【プロフィール】

【レアリティ】星6

【コードネーム】ハルドメルグ

【陣営】境界無き方舟

【性別】男

【職業】補助

【募集タグ】遠距離/火力/弱化/支援

【戦闘経験】7年

【出身地】ヴィクトリア

【誕生日】4月15日

【種族】ヴィーヴル

【身長】180cm

【専門】戦術支援/源石術(金属)/人体研究

【鉱石病】感染者

 

 

【特性】

敵に物理ダメージを与える

 

 

【入手方法】

人材発掘

 

 

【個人経歴】

本名はハルド・メルクーリオ。

頭脳力テストにおいて高い成績を残している事から、ヴィクトリアでは地位が高い業務に従事していたと推測される。

現在ロドスでは方舟からの派遣オペレーター兼補助オペレーターの実習生として、後方支援や戦場でのサポート、戦術提供などを行っている。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】14/16/16

【ブロック】1/1/1

【攻撃速度】遅い(1.9s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

 □□□□    □□□□

 □■□□    □■□□

 □□□□    □□□□

 

 

【素質】

流体金属

昇進1 敵を攻撃時、必ず攻撃力の20%以上のダメージを与える

昇進2 敵を攻撃時、必ず攻撃力の30%以上のダメージを与える

 

流銀自在

昇進2 スキル発動中、周囲8マスの敵に1秒毎に50(+5)の術ダメージを与える

 

 

【基地スキル】

金属加工

初期 製造所

製造所配置時、金属製造の製造効率+30%

流銀工芸

昇進2 製造所

製造所配置時、自分以外の配属オペレーター一人につき自身の体力消費が1時間ごと−0.25

 

 

【スキル】

スキル1 金属槍  自動回復

          自動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   20    20

攻撃速度+5、通常攻撃が2回攻撃になる

 

2  0   20    21

攻撃速度+5、通常攻撃が2回攻撃になる

 

3  0   20    22

攻撃速度+5、通常攻撃が2回攻撃になる

 

4  0   20    23

攻撃速度+10、通常攻撃が2回攻撃になる

 

5  0   20    24

攻撃速度+10、通常攻撃が2回攻撃になる

 

6  0   20    25

攻撃速度+10、通常攻撃が2回攻撃になる

 

7  0   20    26

攻撃速度+15、通常攻撃が2回攻撃になる

 

特化Ⅰ 0  20    27

攻撃速度+20、通常攻撃が2回攻撃になる

 

特化Ⅱ 0  20    28

攻撃速度+25、通常攻撃が2回攻撃になる

 

特化Ⅲ 0  20    30

攻撃速度+30、通常攻撃が2回攻撃になる

 

 

スキル2 廻転刃  自動回復

          手動発動 

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   35    25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力50%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を0.5秒間スタンさせる

 

2  0   34    25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力50%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を0.5秒間スタンさせる

 

3  0   33    25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力50%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を0.5秒間スタンさせる

 

4  0   32    25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力55%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を0.8秒間スタンさせる

 

5  0   31    25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力55%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を0.8秒間スタンさせる

 

6  0   30    25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力55%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を0.8秒間スタンさせる

 

7  0   29    25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力60%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を1.1秒間スタンさせる

 

特化Ⅰ 0  28   25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力65%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を1.2秒間スタンさせる

 

特化Ⅱ 0  27   25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力70%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を1.3秒間スタンさせる

 

特化Ⅲ 0  25   25

通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃した敵に1秒ごと攻撃力80%の物理ダメージを与え、攻撃した敵を1.5秒間スタンさせる

 

 

スキル3 司銀  自動回復

         手動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  35   80    15

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.4s)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大2体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+30%

 

□□□□

□□□□□

□■□□□

□□□□□

□□□□

 

2  35   79    15

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.4)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大2体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+32%

 

3  35   78    15

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.4)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大2体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+34%

 

4  35   77    20

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.5)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大2体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+36%

 

5  35   76    20

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.5)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大3体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+38%

 

6  35   75    20

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.5)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大3体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+40%

 

7  35   74    25

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.6)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大3体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+43%

 

特化Ⅰ 35  70   26

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.6)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大3体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+45%

 

特化Ⅱ 35  66   28

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.6)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大3体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+47%

 

特化Ⅲ 35  60   30

通常攻撃の間隔が大幅に短縮(−1.7)し、攻撃範囲拡大、攻撃範囲内の敵をランダムで最大4体に攻撃、攻撃範囲内の味方の防御力+50%

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】ハルドメルグ

【性別】男

【戦闘経験】7年

【出身地】不明

【誕生日】4月15日

【種族】ヴィーヴル

【身長】180cm

【鉱石病感染状況】感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】標準

 

【戦場機動】優秀

 

【生理的耐性】卓越

 

【戦術立案】優秀

 

【戦闘技術】卓越

 

【アーツ適正】普通

 

 

【個人経歴】

本名はハルド・メルクーリオ。

頭脳力テストにおいて高い成績を残している事から、ヴィクトリアでは地位が高い業務に従事していたと推測される。

現在ロドスでは方舟からの派遣オペレーター兼補助オペレーターの実習生として、後方支援や戦場でのサポート、戦術提供などを行っている。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められる。

以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

 

【源石融合率】2%

感染してから間も無く、適切な治療が施されている為、容態は安定している

 

 

 

【血液中源石密度】0.19u/L

感染者にしては驚く程に安定している

 

 

【第一資料】

ヴィクトリア出身の一見物静かな男性。

実際には、交流を求めれば積極的に口を開き、他人の世間話に耳を傾ける人物であり、ロドスに入ってまもなく、大半のオペレーターと言葉を交わし関係を築いている。

生活態度に関して、彼は可も無く不可も無いと言った性格で、好きな事には熱中し、嫌な事をされれば怒り、多少の潔癖感と一般的な価値観を持っている。誰しもが予想出来る在り来たりなものである。

 

 

【第二資料】

ハルドメルグの使用するアーツは、彼を中心とした半径40m以内の金属や鉱物を流体化させ、自由自在に操る事が出来る。流体から固体に戻す事も出来、流体の状態で自在に形を変え、一部を固体に戻してダメージを与えるのが基本的な使い方だ。そこに彼の高い頭脳による想像力が合わさる事により、地面を走るブレードや大型の手裏剣、変則的な軌道で伸びる槍や無数の小さな球体を高速で飛ばすなどの攻撃を可能とし、更には味方に流体金属を纏わせて防御力を上げるなど、攻撃と支援を両方こなす事が出来る。

彼のアーツは鉱石病の発症によって発現したものであり、アーツ適正は低い方だ。それにも関わらず、彼は持ち前の頭脳と高い戦闘技術により、そこらの術師以上に使いこなしている。

最も、負担はそれなりに大きく、長時間戦闘する為には複数のアーツユニットを装備する必要がある。また、彼のアーツの特性上、アーツの攻撃力そのものを直接上げる事が出来ない為、様々な工夫をしなければならない。それ故に負荷も他の術師と比べて大きいのだろう。

因みに、このアーツの影響を受けた金属や鉱物は、全て銀色に変色する。

 

 

【第三資料】

あの人だべ!あの銀髪で眼鏡クイッてやってそうなあのヴィーヴルの人!あの人絶対になにかイヤらしい事隠してるべ!……あの人、ヴィクトリアで見た時は心ここに非ずって顔してたんだけど、今は自分の生き甲斐を見つけて嬉しそうな顔をしてた。でも、それ以上にヤバい事を考えてる顔もしていたんだよ……いい?あの人の事は絶対に気をつけてね?!

 

――オペレーター バグパイプ

 

【権限記録】

 

レユニオンに入った理由は、ただ単純に賛同する程の価値を見出しただけに過ぎず、使命感も、正義感も有りはしない。

世界に楽しみを見出せず、あの摂政王と出会うまで時間を浪費し続けていた。ありがとう、貴方のお陰できっかけを見出す事が出来た。そうしてヴィクトリアを離れ、確信を持つ為にウルサスへ向かい、あの度し難い蛇を見つけた。ありがとう、君のお陰で確信が持てた。

在り来たりな人間に興味は無く、あの舟に乗った理由も、近づく為の口実に過ぎない面がある。だが、これも悪く無いだろうと思い始めている自分がいる。唯一つの趣味を愉しむ為なら、付き合ってやるのもいいだろう。

 

 

【第四資料】

今の内に線引きをちゃんとしておきましょうか。

部屋に入る時は必ずノックをお願いします。返事をするまで入って来ないで下さい。強行突破は不快になるのでしないで下さい。それと、あの爆弾魔思春期サルカズ女の様な人を出来れば近寄らせないで下さいね。扉をふっ飛ばされたらたまったものではありませんから。

 

 

【昇進記録】

何故お前がここにいる?

 

 

ハルドメルグの印

 

初めてアーツを使った時に出来た流麗な金属片

 

 

採用契約

 

オペレーターハルドメルグ、その戦闘は一種の芸術である

権力を持ち、高圧的で、圧政を下す。そんな存在を見ると、彼は心を躍らせる




補助オペレーターじゃ無くていいだろと言わんばかりのステータスである。コイツ馬鹿じゃね?(自虐)おバカ!(自虐)自由に選択していけ(飴と鞭)

それとアーツナイツまとめで皇帝の利刃の絵を見たんですけど、何あのカッコいいタイラント。実装して♡(届かぬ願い)


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チェルノボーグ事変 七

READY・>

ヘラグ爺ちゃんを昇進2にしたので初投稿です。やっぱ爺ちゃんカッコいいよ(一般通過ホモ)


 待たせたな(cv大○明夫)から始まるRTAはーじまーるよー!

 えー、取り敢えず初見兄貴姉貴達の為に、今回までの事をちゃちゃっとおさらいしましょう。イクゾー!(デッデッデデデデッカーン!)

 

 先ずチェルノボーグへオペレーター達を送り込んで救助を開始しました。私自身はドローンでサポートし、逸れたり重症を負ったチームを撤退させたりナドナド。そして、ガバによってロドスと合流してしまったエレキ君達のチームを集中してサポートする為に他のチームを早めに撤退させ、そのままゴリ押し短縮でタルラ戦までやって来ましたブロッコリー!(日常)

 

 ハァ……(クソデカ溜息)もう二度と(走りたく)ないです。だってタルラネキの熱でドローンがやられるわハルド君がピンチになってAceニキの片腕は焼けるわ大型医療ドローンを運送中に移動してたメフィスト隊と目と目が合って好きだと気づいたわ碌な事が無い。試走でもこれ程のガバは怒らなかったんだよなぁ……

 

 ま、走り続けるんですけどね。このRTAを走り抜けた先に、俺はいるぞぉ!だからよぉ、止まるんじゃねぇぞ……と言う約束をしたのでよっぽどの事が無い限り走り続けます。

 

 と言う訳でタルラ戦な訳ですが、先ずは片腕が無くなってたりしてる方々を避難させてからにしましょうねー。ポマエラ!俺を置いて先にイけ!(死亡フラグ)

 

「バッッッお前1人であの女に勝て――」

 

 ストォォォォォップ!!!あーお客様!困ります!困りますお客様!会話中に攻撃するのは非常に困りますお客様!あー困りますお客様!会話中の攻撃は駄目だって仮面ライダーとヒーロー戦隊で教わっただルルォ?!

 

「チッ」

 

 あの野郎、タルラネキの体で投げキッスしやがりましたよ。私の事が好きなんすねぇ……(ホモ特有の勘違い)はーキレそう(半ギレ)

 それと、さっさと避難してくれませんかね?こういう時に団結力が強い味方は厄介なんだよなぁ……(そう言う風に仕込んだ本人)そこのアーミヤCEO、ウチの頑固4兄弟と一緒に避難してください。

 

「っでも!貴方はどうするんですか?!」

 

 大丈夫だ、問題無い(イーノック)さっさとしろ!どうなっても知らんぞ!さっさと行って下さいお願いします何でもしますから(ん?今なんでもって)

 

「…わかりました!皆さん、撤退の準備を!余力の残っているオペレーターは、重症者のサポートを!」

「後でその人型ロボットとかそこら辺の事をきっちり教えて貰うからな!」

 

 教えてやるから早う行けや(ホモはせっかち)行った?行ったな?行ったかな?(ホモ特有の三段活用)ヨシ!(確認猫)

 

 では始めましょう。これよりタルラ戦のスタートです。対する私は秘密兵器手作りロボット君。動かす度に関節部分とかからモーターの駆動音とかがします。と言う訳で、お前を殺す。デデッ!(世界一安心出来る生存フラグ)

 

「……先ずはお前から消し炭にしてやろう」

『hmcgogubsvuufuvlfsmzb』

 

 オラオラ来いよオラァ!(おじさんインストール)

 あ、この意味不明☆な音は恐らくこの人型ロボット君のセリフですね。残念ですが、戦闘用に特化させてるから発声機能がクソ雑魚ナメクジなんだよなぁ。ママエアロ(風属性以下略)

 

 タルラネキはある程度離れていた場合、高い確率で突進攻撃をしてきます。これが割と大振りなので、こちらも攻撃仕返しましょう。そうすれば乱舞モードに突入します。ここでレバガチャをしてタルラを押し返しましょう。もし出来なかったら再走です。絶対に起きませんけど。

 この乱舞モードに勝利すれば、ダメージを与え必ず相手をノックバック状態に出来るので、反撃値が溜まるまで出来るだけダメージを稼ぎましょう。反撃値が溜まったら相手が強制的に反撃して来るので、ダメージを受けない様に避けるかガードします。カスが効かねぇんだよ(ハイパームテキ☆)そして攻撃の後隙を刈ってイきますねぇ!イクイク!

 

 基本これの繰り返しです。慣れれば作業間隔で出来ます。みんなもノーダメクリアして、タルちゃんが涙目になってるシーンを見よう!(提案)

 

「小癪な!」

 

 タルラの炎刃飛ばしは特殊仕様痛覚残留セイバーで斬り刻んでおきましょう。これ、弾速は速いわ射程は無限だわで厄介極まり無く、一応避けれるんですが避けたりしたら避難中のロドス部隊に直撃して再走案件になったります(69敗)突然アーミヤが真っ二つになるムービーが流れた時はビックリしたゾ(KONAMI感)

 

 え?そんな事より特殊仕様の痛覚残留セイバーが気になるって?これは任意で刀身を実体化する事が出来る特別製です。因みに、痛覚残留セイバーのオォンオフ機能は私を通じてやってるので、この実体化機能を全員につけた日には信号を処理し切れずにショートして行動不能になってしまいます。故に彼らには悪いですが、この機能をつける事は出来ないんですねぇ!私は悲しい(ポロロン)

 それに、下手に機能を増やせば操作に手間取って隙晒すだけだからね、しょうが無いね。

 

 さて、言い訳は終わりましたので集中しましょう。つってももう半分位削ってますね。キモティカ?キモティダロ?

 

『lmxbgob〜umwvnbsgpvumlm。imsb、nmuumxbsbfzm』

「チィッ!」

 

 おっと、行動パターンが追加されましたね。此処からは炎刃に加え灼熱の息吹を使用してきます。これに当たってしまえば厄介なアツゥイ?!(メガトンコイン)ガバガバ当たり判定やめちくり~。えーハイ、当たり判定もガバガバ気味です。顔中炎塗れや(大惨事)

 

『lvubcbsfkzmpmvzbsmvhb』

「………煩わしい奴だ。何故私の邪魔をする?同じ感染者の為の組織でありながら、何故ロドスに肩入れした?」

 

 面白い事を言う奴だな。殺すのは最後にしといてやる。おにゃの子の口を使ってものを言うのはキモティカ?キモティダロ?その口縫い合わすぞ(豹変)

 

『…pmsfhb・ofhbg・eblbsbefpv>』

 

 オラ!オラ!心の底から笑え!幸せになれ!語尾にたるってつけろッ!(孕ませおじさんモドキ)もうそろそろですかねー?

 

 お、両方とも押し気味ですよと言いたげな戦闘ムービーが入りましたね。これでタルラ戦は終了です。このムービーをスキップすれば、後はWと戦ってるロドスと愉快な仲間達に合流して脱出するだけです。

 ですが今回はキリがいいのでここまでです。ご視聴ありgん?アイエェェェQTE?!QTEナンデ?!ゴボボー(失禁)




最後きたない(直球)

さて、次回でチェルノボーグ事変は終了ですかね。次章の相思相殺は大幅短縮で相思相愛(意味深)にしてやるぜ。見とけよ見とけよー?(尚、数話挟む模様)

それと皆さん、聞いてて不快になる様な雑音は解読できましたかな?


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チェルノボーグ事変 八

特に変わったことは無かったので初投稿です。


 焼け野原となったチェルノボーグの広場にて、黒フードの不審者と対峙するバ美肉おじさんは恐怖していた。

 頭を狙えば位置を反らして回避し、心臓を突こうとすれば寸での所で武器を掴んでカウンターを喰らい、アーツでやっと一撃入れたかと思えば、何事も無かったかの様に立ち上がる。因みに、そのアーツで火達磨となったのだが、その炎をブレイクダンスで揉み消してたりする。

 

『UPpgufnbefzbsvlmumhbuggpbpvhgobg?zbnfubsbpmomqvsfg』

「黙れ!」

 

 タルラのアーツを使い、周囲の温度を極限まで上昇させ喋れないようにするも、不快な雑音を響かせ続ける不審者。ソレを見た蛇は矢張り人間では無いと理解する。まぁ、さっきから避ける時とかに腕や足の関節を本来曲げれない方向に曲げたりしてるので今更であるが。

 

 アーツを使用して地面を融解させ、不審者の行動を制限しようとするが、お構い無しとばかりに溶岩と化した地面を全力疾走してタルラの体に躊躇無く逆袈裟斬りをブチ込む。タルラ自身に傷は無いが痛みだけが体に伝わり、彼女は顔を歪めた。

 だが、体は蛇によって動かされ、不審者へ向かって斬撃を複数浴びせ、ソレを不審者が全て弾き返した。そこら辺の建物を弾き返しながら派手に斬り合いを続け、二人はビルの中へ突入する。

 

『(lmomcgsv)hmsgqqbja!pfllblvebpgmumpmvwf!』

 

 下から上へ向かって炎の斬撃がいくつも走り、屋上から二人が飛び出すと同時にビルが倒壊する。二人は瓦礫となったビルの中へ自由落下しながら、攻防を繰り返す。

 

 ふと、不審者はタルラの斬撃を腕でガードした。タルラがその行為に驚愕の表情を浮かべている間に、腕にめり込ませた剣をどけてそのタルラの顔を反対側の手で鷲掴みにする。

 

『……M、mmoooオンせSキnぅ差イ構Tiク………OK!nジャ、詠SHOWkaゐshiDA。watasigakorosu、watasigaikasu――』

「何を―――ガァッ?!」

 

 その瞬間、蛇は自身の体が崩れて行く感覚を感じ取った。己の存在を底から崩壊させようとして来た不審者に、蛇はようやく目の前の敵がタルラでは無く自分を殺しに来ていると理解した。実態の無い、幽霊と言っても過言では無い自分と言う存在そのものを殺そうとしているのだ、目の前の人形は。

 

「くッ――させるかァ!」

 

 剣にアーツを集中させめり込ませている腕を焼き斬り、返す刀で人形を斜めに深く焼き斬った。

 その断面からは回路やモーター、人工筋肉、歯車が覗いており、所々から黒い液体が漏れている。

 

『watasigagagagagagagggggggg追追追追追オイオイオイオイオイオイoioioioiイキ汚neゑゾo――』

 

 タルラは剣を体から引き抜くと、雑音を流し続けるその頭部へと突き刺すと同時に、地面へ勢い良く着弾した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「アッハハハハ!実にいい気味ね!ホラホラどうしたの?いつまでも籠もってちゃ何も出来無いわよ?」

「はークッソムカつく!あのサルカズ女マジでムカつく!」

 

 飛んでくる爆発物から味方を守りながら、遠くで高笑いしているサルカズ女に向かって悪態をつく。

 あの龍女をポンコツに任せて撤退した後、もう少しで脱出出来る所で厄介な奴に出会っちまった。そんでアーミヤとドクター二人があの女と会話をした後、突然この戦闘が始まったってワケだ。にしてもあのクッソ女、こっちに攻撃さっきからチマチマ爆弾投げて来やがって!お前の味方も巻き込んじまうかもしれねぇってのにお構い無しか!?

 

「フフッ……いい女ですね」

「何言ってるじゃが?」

「ロドス、退路の確保は?」

 

 爆発を盾で防ぎながらクエスタが質問する。

 

「あと少しです!あと少しで……!」

「あら、もう逃げちゃうの?だったらお土産をあげるわ」

「――!不味い!アレを撃ち落とせ!」

 

 あのサルカズ女が放った物を見たAceがそう叫ぶ。まぁあの女が使ってる武器から察する事は出来るだろう。恐らく粘着爆弾の類いだ。

 

「安心なさい。ちゃんとおかわりもあるわ」

「いらねぇわ!」

 

 衝撃波で爆弾を撃ち落としながら文句を言ってみるが、ありゃ聞こえて無いなオイ。

 

「フフッ、3つ数える間に投降のチャンスをあげる……」

「クエスタァ!」

「…フゥー……圧縮する!」

 

 撃ち漏らした爆弾を盾へ圧縮させて貼り付かせ、その盾を空へ向かって圧縮させる。

 薄汚い空の上で大きな花火が上がった。

 

「あら…アーツの使い方、上手くなってるじゃないクエスタ」

「……そうか」

「皆さん、退路を確保しました!殿は私に任せて速やかに撤退を!」

「エレキ君、アーミヤのサポートは出来るかい?」

「任せときな!」

 

 ニアールがAceに、ゴシャクがハルドに肩を貸しながら撤退を始める。ドーベルマンやエレキ達が後方から来るレユニオン兵を牽制しながら、彼らはサルカズの女『W』から無事に逃げ切った。

 

「……まぁいいわ、欲しい物も手に入ったし。あのまま殺り続けても面白く無かっただろうし」

 

 そう呟きながら、ロドスの部隊が消えていった方向へ顔を向け、笑みを作る。

 

「それに、傭兵団を抜けたアイツがあんな所に居るだなんてね……次に会うのが楽しみね」

 

 

 

 

 

「そんじゃ、俺達はここまでだ」

「え?」

 

 チェルノボーグから無事に脱出し、ロドス・アイランドの移動都市に着いた後、俺はアーミヤ達に向けて別れの旨を言うと、アーミヤを含めた数人が驚いた顔でこっちを見て来た。

 

「オイオイ、一応言っとくが俺達はロドスのオペレーターじゃねぇからな?」

「あ、いえ!すみません!つい……」

 

 そう言って頭を下げるアーミヤ。ふと、頭を上げた時に片腕を無くしたハルドの姿が目に入った。

 

「あの、もし良ければ私達の所で治療を受けませんか?ロドスの治療設備なら、ハルドさんの怪我も直ぐに治せます」

「いや……大丈夫だ。こっちはこっちでどうにかするよ。アンタらの所にお邪魔する訳にはいかねぇ」

「で、ですが……」

『子供の癖に偉く責任感じてんねぇ!』

 

 押し問答になりそうな雰囲気を、テレテレー(殺意)と鳴るクラクションと共に綺麗なドリフトをしながら停車した無人車がブチ壊した。

 

『いやぁ遅れてすまんね諸君!タルタルに秘密兵器破壊されて落ち込んでたから少し遅れてしもうたで工藤』

「遅いわポンコツ!……まぁ、そう言う訳だ。別にお前さんの責任じゃねぇから、そんなに気張るなよ」

「あうっ」

 

 そう言いながら、エレキはアーミヤの頭にポンッと手を置き、優しくナデナデした。

 

『もしもしポリスメン?こいつ等と私です』

「オイコラ」

『そんな事より早く乗りな。ハルド君は後ろ、それ以外は前だ。移動しながら拾った腕をバイオの主人公みたいに軽くくっつけるぞ』

「………了解しました。アーミヤさん、別に気にしてないので、そんな暗い顔しなくて良いですよ」

 

 そう言って次々と無人車へ乗り込んで行く。エレキも「じゃあな」と手を振りながら、車に乗った。

 

『さらばだ心優しき魔王よ。あ、それと私達は感染者の味方だから、困ったらさっきロドスのデータベースにブチ込んだ連絡先からかけてな。それとお前らに一つ注意喚起だが、殺しすぎるのは良くないゾ☆ほなさいなら〜』

 

 言い終わると、派手なドリフトをキメながら無人車は遠くに見える移動都市らしきものへ向かって、フルスロットルで発進する。

 

 アーミヤは無人車が見えなくなるまで、あのAIの最後の台詞の意味を考えながら、その方向を見続けていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『と言う訳で、エレキ君達に言っておくわ。恐らく今後の私達の仕事はレユニオン関係になるだろう』

「ま、あの程度で終わる感じじゃねぇだろうしな」

『で、これからの敵兼救助者はレユニオン共になる訳だが………これは本当に、もしかしたら、低い確率で、私自信も推奨したくもないが……場合によってはロドスともワチャワチャするしれない。ソレを肝に命じていてくれまいか』

「………あぁ、わかってる」




最近コロナが増えてきて怖いな〜とづまりすとこ。あ、チェルノボーグ事変は終わりです。え?呆気ない?最初だしそういうもんやろ(適当)

次回はちょっとばかしな日常回を挟んで相思相殺です。RTAで相思相愛にしてやんよ覚悟しとけよ〜?


無人車

赤に白いラインが入った仮面ドライバーな無人車。一応ドローンの一種である。テレテレー(殺意)と言うクラクションと共にドリフトをキメてくる。車体が赤いから事故ってもバレないゾ☆


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龍門準備

気軽に10連引いたらアっ君とモッさんが出て来たので初投稿です(自分の運を心配しながら)


 一週間の間に色んな事をするRTA、もう始まってる?!

 今回はチェルノボーグ事変が終了し、無事に全員帰ってきた所からスタートです。え?前回のアレは何なのかって?アレは………んにゃぴ、よくわかんないっす。実際、あのQTEは初めてのものですね。試走の時は出て来なかったんですけど、何なんですかねアレ?お陰で秘密兵器HOMOが無惨な姿に………オライライラすっぞ!(スーパーキレギミ人)

 

 取り敢えず、先ずはこの回収した鉄屑無惨を開発室…なんかデカいね?デカくない?(二度見)ママエアロスライド(風属性移動魔法)開発室にブチ込み、次にハルド君を治療室にブチ込みましょう。ドナドナドーナ〜。

 

「……また新しい患者?」

 

 オメダレダヨ(花江○樹)ホントに誰?こんなサルカズ人の女性いましたっけ?

 

「で、症状は?」

 

 あっふーん(察し)この人の片腕なんですけどね、応急処置として軽くくっつけましたが、神経ナドナドがまだ(くっついて)ないです。今からソレをくっつける手術をやるんですが………チラッチラッ

 

「私に任せて下さい。成功させるので」

 

 よう言うた!それでこそ勇者や!(は?)ではハルド君はあのサルカズ人Xに任せましょう。で、そこの初期パーティにいたループス女さん。

 

「ん?なんだい?」

 

 あのサルカズ女は誰ですかね?

 

「いやぁ、チェルノボーグから送られて来た患者がいっぱいでヤバかった時にフッと現れてね。ドローンよりも早い速度で患者をパパッと治療していったのよ」

 

 ウッソだろお前w……は?(語録無視)治療ドローンはWikiに書いてあるRTA御用達の行動システムを組み込んである筈なんですけどねぇ?!これは嬉しい誤算です。ガバ中のウマ味と言う奴ですね。これなら鉄屑無惨になった甲斐があったというもの。

 

「確かXとか名乗ってたね。なんかアザゼル診療所にいたとか」

 

 はえー、そういう事ね、完全に大体わかった(世界の破壊者)偶にいるアザゼル診療所のオペレーターの様です。やったぜ(変態糞AI)と言うか適当にXって言ったらマジでXって名前で草ァ!

 ですが、私もただ見てる訳にはいきません。まだ空いている区画に治療施設を作りました(ました工法)ハイハーイ!マチカネフクキタルな皆さんはこっちにいいよ!来いよ!(ゴリ押し語録)

 

 ヨシ!(確認猫)にしても予想外の量の感染者達ですね。これでは宿舎が足りないので、今から増築を開始します。はーいみんな集まって〜。モタモタするんじゃねぇ!(豹変)

 はい、これ設計図ねー。今回は宿舎車両と農業車両を2つずつ。そして多目的車両を作って合体させます。でも君達じゃ途中でくたばるのはわかりきってるので、出来る限りまで手伝って下さい。疲れたら帰ってシコって寝ろ。OK?

 

「へっ、甘く見ないで下さいよ大将。みんなで力を合わせりゃ直ぐですぜ!行けるよなオメェら!」

「「「「ウォォォォ!!!」」」」

 

 よう言うた!それでこそ男や!工事開始の宣言をしろ!工事開始ィィィィ!!!

 はっや(真顔)これなら一週間以内に完成するのでは?あとはドローンで手伝い&見張りをして、私は別の物を作りにイくわよ〜イクイク。

 

 先ずはステ振りでいつも通りのステータスを上げましょう。機械技術が一定に達したので、移動都市の変形合体が出来る様になりました!これは機械技術を上げる事で入手出来る移動都市スキルで、文字通り漢のロマン溢れるアレです。芸術センスのある兄貴姉貴であれば、汎用人型決戦兵器だったり、オートボットだったり、SSSSな恐竜ロボを作ったり出来ます。今回はコレで各区画を統合させましょうねー。変形機能はどうするのかって?機構を作るのが面倒なのでフヨウラ!

 

 さてと、では車両が完成する間に開発室に――

 

「ここの機構がこうなってんのか……」

「ほほぅ……」

 

 オメダレダヨ!(迫真)ホントに誰?まぁ見るにチェルノボーグから救助された感染者なんでしょうが。

 

「お、アンタがイモータルだな?スパラディから話は聞いてるぜ」

 

 おや、スパラディ君の知り合いなのね。で、当のスパラディ君はそこで何してるんです?

 

「お前の体を見ていた。よくわからんが実に奇っ怪だ」

「あぁ、俺様もそれが気になってた。おっと、自己紹介がまだだったな。俺様はハイゼン。種族はエーギルだ…出身もな。まぁ色々あってチェルノボーグに来たんだが……まさかこんな事態になるとは思って無かったぜ。スパラディがいなきゃどうなってた事やら」

 

 はえーなる程なぁ。エーギル族なのにイベリアでは無くエーギルにいたとか厄ネタがプンプンするぜぇ!(スピードワゴン並感)でもスパラディ君の知り合いって事は、スパラディ君もエーギル族なのにエーギルにいたヤベェ奴やんけぇ!

 

「……お前さん、まさかまだやってんのか?」

「そっちの方がなにかと都合がいい」

 

 ………おぉん………(察し)ママエアロ。コレでようやくスパラディ君の出身と種族がわかったし良しとします。

 そんじゃ、早速やる事をやりましょう。ちょっとそこの鉄屑無惨を寄越して下さい。

 

「ん?これか?なんかようわからんが、俺様ならもっといい体が作れるぜ。アレはちとばかし無駄が多過ぎる」

 

 ………オイオイ、タイム短縮するわ。さっきから運がいいッスね。機械工学の知識を持つオペレーターが手に入るとは思ってもいませんでした。彼がいれば、新しい武器やドローン、防衛兵器などが解放され、オーダーをすれば自動で兵器を作ってくれます。共同作業をすれば、作る時の時間も短縮する事が出来ますねぇ!オイシイ…オイシイ……。

 

 んじゃ、お願い出来ますかね?出来れば複数体用意とかもしたいんっすけど。

 

「任せな!……そうだ、死体とかねぇか?」

 

 オリジムシとかの死体ならありますぜ旦那!粉々だったりですけど。

 

「あー……まぁそれでもいいか」

 

 ドローンに届けさせますね。それではお願いします。出来たら呼んで下さい。

 

 さて、それでは…………アカン!(アカン)やる事がねぇぞオイ?!あ、そうだ(唐突)ホモ都市のシンボルマークでも作りますか。形はハートにしましょう。ホモは愛し合うからね(唐突なホモアピール)あとはカッコいい模様をつければハイ完成!終わったァァァァァァ!!!!アカン!自動化し過ぎて本来やる予定だったチャートがやらんで良くなってしまいました……これチャートが壊れてるのでガバでは?(ガバガバ認定)

 

 少なくとも車両が出来るまで何もやる事がありません。ですから倍速します。トランザムッ!(1145141919倍速)




ロドスがそこら辺の小中移動都市よりデカい事を知ったので、ちょっとガチのチャートが崩れかけました。それとコメントしてくれてる皆さん、ありがとう御座います。割と下がるモチベが回復するのでドンドン感想お願いします。

境界無き方舟ロゴ

【挿絵表示】



ハイゼン

角度によって様々な色に見える不思議なロングコートを纏い、灰色のソフトハットと丸いサングラスを着けた怪しいおじさん。動物はシビレエイ。キャラのモチーフはハイゼンベルク叔父さん。でもハイゼンベルクみたいにサイコパスじゃ無いよ。ただ機械イジリと死体遊びが好きな叔父さんです。エーギル人なのにエーギルに工房を建てて住んでいた変わり者。


X

そこかしこを旅しながら治療を行っている女医。キャラのモチーフはフリーランスの外科医。ある時からアザゼルで感染者の治療を行っており、レユニオンの暴徒達から患者を匿ってたら、方舟のオペレーター達に助けられた。それと同時に、保護した感染者達の治療を手伝って欲しいと言われ、今に至る。あらゆる医学に精通しており、腕は確かだ。サルカズであり、同時に源石に接触する機会が多い立場でありながら、未だに非感染者である。


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やり残してた事

バルファルクが実装されたので初投稿です。


 チェルノボーグ事変から一日経過した昼過ぎ

 

『あーマジやる事ねぇじゃんどないしよ……割と早く出撃ハッチはもう作れたし……シールドとか迎撃砲でも作っとくか?ストーンヘッジ(120cm対地対空両用磁気火薬複合加速方式半自動固定砲)とか良さそう(KONAMI感)』

「オイオイ、この舟は平和な舟じゃねぇのかよ」

『迎撃砲だからモーマンタイ。大丈夫だってヘーキヘーキ。こっちから仕掛ける事は無いよエレキ君』

 

 ホントかぁ?まぁコイツならやらねぇと思うが……あからさまに武装してますよ感を出したら、割と面倒な事になると思うんだが。

 

『使わない時は中(意味深)に収めとくから大丈夫だ、問題無い』

「気をつけろよ?いくら俺達でも国相手とか無理だからな?」

『あぁ、わかってる(団長並感)そんな事より、お前さんもちゃんと休めよ?次のレユニオンの襲撃予想日時は一週間もあるんだ。休みの日の過ごし方位は知ってるだろ?』

「知っとるわ馬鹿にしてんのか」

 

 ふと、食堂を元気に走り回るガキ共が目に入った。食堂を走るとか言う割と迷惑な事をしているが、ソレを心底嫌な顔で罵声を浴びせる奴はいない。注意はちゃんとしてるが。

 それと、チェルノボーグ事変を経て人数も増えた。あの喉が鉱石病に侵されている兄妹も楽しそうだ。あの青髪のクランタ女は……確か大人の筈だ。見た目も中身もめっちゃ子供っぽいが。アレで騎士競技に出てたとか嘘だろ絶対。

 

 そして、特に特徴的な所も無いペッローと、目から源石が生えているフェリーンのガキ共………

 

「なぁ、次のレユニオン活動日時まで余裕あるだろ?」

『あるけど駄目だからね?』

「っ!なんでわかるんだよ!つかなんでだよ!?」

『いや、次の救助の為に体力温存して欲しいから休めって言ったんだけど?一週間の短さわかって無いでしょ(断言)』

「じゃあいつ助けに行くんだ?あの時の言葉通りなら、戦力も充分になって来た頃合いだろうがよ」

『その戦力をレユニオンの暴走を止める為に使ってる所だルルォ?!そん中に君も入ってるの、おかわり?』

「巫山戯んな、こっちは割と真面目に話してんだ。それにテメェ、レユニオンを止める為にあの地獄を見過ごすってのか?」

『ちがわい、そう言う事じゃ無いわい。それといい事教えてやるよ青年。誰かを助けるという事は、誰かを助けないと言う事だ。もう少し簡単に説明してやろうか?今私達がこうしてる内にも、テラの何処かで助けを求める感染者が死んでる。ソレを一々気にしてたら、手の届く人すら助けられなくなるゾ』

「グッ………」

 

 ハァ……クッソ、コイツの言ってる事は割りかし正しい。だが、それで本当にいいのかって話だ。俺らが使えないなら、他の奴らを向かわせりゃあ……

 

『言っとくが、お前達は絶対に死なせない。その為に、今は休んで欲しいと言ってるんだ。確かに余った奴を行かせる選択肢もあるが、お前達と違って戦場慣れしてない奴らだ。もしかしたら死ぬかもしれないだろ?だから無理だと言ってる訳だ。まぁお前らをチェルノボーグに送っといて今更だけど、つまりはそう言う事だエレキ君。今回は我慢してくれ』

「……わかったよ。すまねぇな、変な事言っちまった」

『あ、いいっすよ(寛容)』

 

 そう言って、俺は食堂へ向かう。いけねぇ、ホントに変な事を考えてた。他の奴らを向かわせる?何考えてんだ俺は!チェルノボーグ事変に参加した奴以外は、戦闘経験が無い奴らや、女子供だぞ?!そいつらを死ぬかもしれねぇ場所に放り出すなんて駄目だろ!

 あぁクッソ!馬鹿だぞ俺!

 

「あら、エレキじゃない!ご注文は?」

「……激辛麻婆豆腐」

「うぇっ?!ホントにそれでいいの?!後悔しない?!」

「しねぇよ……ホントに大丈夫だ」

「うへぇ、まぁわかったよ。死なないようにね?」

 

 死なねぇよ。絶対に生き残って、助けを求める感染者達を助けなきゃいけねぇからな。

 

 後日、トイレに籠もる事となった(即オチ2コマ)

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 ヤり残してた事をヤりにイクRTAはーじまーるよー!

 今回はトランザムをした所からスタートと思っていましたが……やめました(やめたのか)理由は簡単です。一日で車両が完成してしまいました。工事係頑張り杉ィ!もっとご自愛してホラホラ。因みに、工事し終わった人達は安らかな顔で眠りました。マイルームで寝て?(真面目)

 

 と言う訳で、出撃ハッチとかも作り終わってトランザムッ!しようと思ってたのですが、いきなりエレキ君がライン生命の事を持ち出して来てですね。

 ………ハイ、すっかり忘れてました(ガバ)

 アカン!本当にガバでガバガバになってきてますねコルェワ。取り敢えずエレキ君は説き伏せましたが、好感度が怪しくなってます。ですので、今から前に行ったライン生命の攻略をしたいと思いますねぇ!では開発室にイクゾー!(デッデッデデデデッカーン!)

 

 オッハー!ハイゼンさん、ロボットどれ位出来てます?

 

「おう!2体作り終わったぜ!」

 

 早杉ィ!本来は5日位かけて作られるロボットを一日で作るとか早すぎでは?これって勲章ですよ……それじゃ、一体貰いますね〜。

 にしても量産される秘密兵器は秘密兵器では無いのでは?(量産型)

 

「まぁいいが、こんな夜中に何すんだ?」

 

 そりゃあお前、悪事を働くライン製麺にカチコミしに行くに決まってるよなぁ?!

 

 と言う訳で、トラック型ドローンに小型のドローン製造機と秘密兵器をボッシュートして、イクゾー!(デッデッデデデデッカーン!)

 

「イモータル。コレを持ってけ」

 

 ファッ?!シモンの弓剣じゃまいか!たまげたなぁ……。

 

「刃の部分だけをなんとかブレードに変えた。それと、そのブレードを生成して弓で発射する機能もつけといたぞ。それと何故シモンを知ってる」

 

 やっぱりエーギルの化学力は世界一ィィィィ!!!いやホントにヤバいわよ!(ガチャガムリョ)未だに作成出来てなかった遠距離痛覚残留を作るとか最高過ぎでは?結婚しよう(ホモ特有の大胆な告白)スパラディ君ありがとナス!では気を取り直してイクゾー!(逃走)

 では今回のチャートです。先ずはこのステルス装備ハッキングドローンでライン生命の制御中枢をハッキングし、すべてのセキュリティを無力化します。警備員との連絡もジャミングドローンで無力化しましょう。後は真正面から鎮圧&実験体達の救助です。

 一応ですが、今回の装備にはホモ都市のマークは着けず、ドローンは本来使ってるのとは別の形として作ります。コレはホモ都市の仕業だと感づかれたら色々面倒だからです。移動する間にドローンを製造しときましょうねー。コツとしては、あらゆる機能を複数搭載したドローンを作っておくと、ガバを起こしてもリカバー出来ますねぇ!

 

 

 

 

 

 ハイ、着きました。まるでテーマパークに来たみたいだ、テンション上がるな〜(殺意)ではミッションスタートです。ダクトからステルスハッキングドローンと鎮圧ドローン数機を制御中枢へ向かわせます。うーんザル(辛辣)

 着きましたね。では制御中枢にいるアホ共を無力化し、ハッキングしましょう。しました(3秒クッキング)それじゃあライン生命解体ショーの始まりや。

 

「なんだ?!オイ!聞こえるか?!応答しろ!……クソッ!何が起k」

 

 警備員はスタンガンで眠りましょうねー。起きるなよ……起きるな……。

 ヨシ!(確認猫)いい具合にジャミングが効いてますねぇ!では私も秘密兵器……もう量産されてるし義体でええやろ(投槍)義体を使って殴り込みましょうか。っと、その前にちょっとした確認をば。

 

 外見はチェルノボーグ事変と一緒ですが、各種機能が大幅向上していますね。四肢と心臓部の源石エンジンも良好、源石液変換装置及び循環機能も問題ナシ!流石に装備は手とシモンの弓剣しかありませんね。ママエアロ(寛容)

 

『あ〜あ〜、あいうえお』

 

 マジかよ発言機能ついてんじゃん最高だな。

 

 さてと、さっそく乗り込んでそこの警備員を腹パンしましょう。後は縛って安全な所に置いときます。我先にと逃げてくる研究者などなども例外ではありません。攻撃してくるようであれば、シモンの弓剣を腹に当てて滑らしましょう。腹抱えてのたうち回ります。え?実験体を連れて逃げようとしてる研究者が複数居る?両方とも捕まえてトラックにドナドナしてください。将来有望ですから。

 

 いやー、にしても普通に便利ですね、この特別仕様のシモンの弓剣。刃の部分しか痛覚残留になって無いので、剣の腹の部分で普通に攻撃を防いだり出来ます。まぁ携帯性はアレですけど。

 

 実験体達を見つけたらトラックの方まで逃しましょうねー。オッス冷えてるか〜?寒い?ならこのドローンと一緒にあっちに行きな、飛ぶぞ。そこのお兄さん、髪白けてんねぇ!ストレスかな?力抜けよ……何?再生するのをいい事に四肢を何回も切断されたりした挙げ句、耳にムカデを入れられた?ヒェッ、幸せになれ……幸せになれ……でも被検体番号114514なのが一番気になるゾ。そこのオネーサーン、今から俺らと幸せに暮らさない?俺、渋井丸拓男、略してホモ。痩せ細った幼女オッスオッス!取り敢えずチョコでも食いな。堕ちろ!堕ちたな(確信)オッスオッス!うわデッカ、後ろのはタイタンかな?タイタンだわ。へーティタン君って言うんですね。取り敢えず、私達と幸せに暮らしません?いいよ!来いよ!え?一緒に戦う?そんな事しなくていいから(良心)

 

 だいたい工事完了ですかね?やっぱサリアネキがいないライン生命はカスだわ。後はこの院長室に籠もってる外道だけですね。ドーン(ニシキック)

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『黒猫ヤ○トでーす。貴方を梱包しに来ましたー』

「ヒッ、ヒィィィィ!!!」

 

 一応鍵をかけていた扉が簡単に吹き飛ばされたのを見て、ここのライン生命の院長を担当するエラフィア族の男は悲鳴を上げた。

 

『さ、早くお縄についてくれ。正直時間が惜しいんだ。お前らの実験体を連れて帰って世話しなきゃいけないし』

「……わ、私の実験体を連れて行くだと…!?ふ、巫山戯るな!お、お前みたいな奴らに、私の計画の邪魔をされてたまるか!」

『そうかそうか。で、次は首筋にでも注射を打つのか?』

 

 義体の男がそう言うと同時に、院長は懐から注射器を取り出すと、躊躇なく自分の首筋に突き刺した。そして唸り声を上げながら、内側から破裂するかの様に巨大化し、醜い獣に成り下がった。

 

『オイオイマジでなりやがったよ。もうちょい期待を裏切ってくれ。それと血を撒き散らさないでクレメンス。洗うの大h』

 

 義体の男の顔面に、肥大化した拳が叩きつけられる。男は破片を撒き散らしながら盛大に吹き飛んだ。ついでに壁に何枚か人型の穴が綺麗に空いた。

 

『あー!俺のヴァニタス(kh)フェイスがッ!それと首がッ!クビガオレタ……!』

「ドウダ!コレガ私ノ辿リ着イタ進化ダ!例エ天災ダロウト、コノ私ノ体ハ傷ツケラレナイ!」

 

 壁をブチ壊しながら近寄って来る獣を他所に、180°捻れた頭を触りながら立ち上がる義体。

 

『凄い進化だ、感動的だな、だが無意味だ(^U^)はー痛った……第一、傷つける必要は無いし』

「キッ!……コノ私ヲ、マダ馬鹿ニスルノカ!」

 

 醜く叫びながら、肥大化した腕を勢い良く叩きつける。義体はソレを軽く跳躍して躱し、首を元の位置に直してから腕を数回程斬りつけた。突然斬りつけられた痛みを感じ、獣は苦悶の声を漏らす。

 

「ナ、ナンダ今ノハ!?ナニヲシタ!?」

『あーこれ、真っ二つに出来ないって欠点あるわ』

「答エロォォォォ!!!」

 

 そう叫びながら、周囲が陥没する程の力で腕を叩きつけた瞬間、義体が文字通り消えた。それと同時に、肥大化した腕を何かが螺旋状に高速移動し、そして痛みが走る。

 義体は某兵長の様な機動で腕を斬りながら獣の顔まで近づき、シモンの弓剣で目だけを斬り裂き失明させた。そして背中側へジャンプすると、空中で態勢を変えながら武器を変形させる。シモンの弓剣はその名の通り、剣と弓の2面制を持つ武器であり、変形させて使い分ける事が出来る。そして、弓で獣の背中へ照準を合わせ、変形した時に生成された青色の矢を3発放った。

 矢は背中へ吸い込まれ、獣は唸り声を上げる。外傷は見えないが、確かにダメージを与えている証拠だ。

 

「グ、ガァァァァァ!!!」

『ヒュー!デカいだけじゃ駄目だって、ハッキリわかんだね。俺ちゃんみたいなモンハンとかブラボとかゴッドイーターとか討鬼伝の経験者相手じゃ、雑に狩られて終わりやで工藤……ブラボってハンティングアクションだっけか?』

「グガギィッ!ソコカ!ゾゴガァァァァ!!!ウゴボォァァァァ」

『うわ汚ったな!いきなり血を吐kうわ汚ったな!お前モロー君かよ汚ったな!』

「死ネェ!死ネェ!」

 

 連続する拳を避け、弓剣で防いだりするが、さっきの吐血によって地面が滑り、思う様にいかない。

 

『クソ最悪過ぎるってアァァァ⤴?!?!シモンさんどこ行くねーん?!』

 

 血で弓剣が手からすっぽ抜けてしまった。そして迫りくる拳によって、またギャグみたいに吹っ飛んで行く。

 

「ククッ、見エル様ニナッテ来タゾ」

『オイオイ、人間の神経は自然治癒しないんだゾ』

「強ガルノモ今ノ内ダ。モウ武器モ無イダロウ?サァ、私ノ夢ヲ壊シタ報イヲ受ケロォォォォ!!!」

 

 獣はそう言いながらジャンプすると、そのまま立ち上がった義体へと拳を構えながら突っ込んで行く。

 

『…アナタのネガイは・叶えラレないデショウ>何故ナラ……>』

 

 そう言うと、義体は片方の腕を横に持っていき、もう片方の手でその手を握る。まるで居合斬りの構えの様な態勢になると、握られている方の手首からカチャっと何かが外れる音がし、黒い顔に3の数字が映し出された。

 そして、3は2となり、1になる。そして1が消えて少し間を置き………

 

 

GO!>

 

 

 獣の拳が地面に当たると同時に、青い軌跡が腕と体に走った。そして獣は大声を上げながら、感覚だけ無くなった手を抑え、蹲りながら藻掻き苦しみだした。

 その光景を義体は見つめていた。手にはさっきまで持っていなかった筈の痛覚残留セイバーを持っていた。よく見ると、武器を持っていない方の腕が手首から下が無くなっている。

 

『……そう言う壮大なのは絶対に阻止されるか失敗する、つまりはどう足掻いても無理だって事だ。もし叶ったとしてもメリーバッドエンドだな』

 

 そう言いながら蹲って痛みに震えている獣の背中へ乗る。結局天災でも傷つけられ無かろうと、痛みを感じてしまう時点で負けなのだ。

 

『コレはホモ都市に代々伝わる伝説のヌベスコ痛覚残留セイバーじゃ。特に理由は無いがお前のハートを刺そう』

 

 そう言って、心臓部に向かって痛覚残留セイバーを突き刺した。

 心臓への直接精神攻撃によって、心臓の動きが停止する。獣は数秒間痙攣した後、ピタリと動かなくなった。

 

『さてと、AEDドローンと薬物型ドローンと輸送型ドローンカモんぬ。コイツ眠らせながら持って帰るぞー』

 

 手首を元に戻しながらそう呟く。因みに運ばせる理由は、巨大化の薬物が何かに使えないかと言う好奇心とかである。

 

『ヤクは血液から抜き取るとして、後はどうやって人間に戻すかだが………まぁ色々やって駄目だったらバラして火力発電すっか』

 

 そう言いながら、ライン生命を出てトラックの荷台の上に座る義体。

 

『研究者達の生死ヨシ!実験資料などのブラックな部分を見える所に置いてヨシ!シモンの弓剣は…血塗れだけどヨシ!近くの移動都市に通報ヨシ!(確認猫)撤収!』

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「あー二度と麻婆豆腐食わねぇ……ん?なんか増えてね?」

『見て見て!新しい子供達だよ!』

「うわどっから現れた!てか新しい?いつ拾って来たんだよ?」

『君がライン生命の事掘り返すから夜中に一仕事した挙げ句、ドローン製造用のヤメチクリウム合金が殆ど無くなりました。エレキ君が仲間思いのせいです。あーあ………じゃ、そういう訳でこの子達の世話をして心を癒やしとけ!じゃあの!』

「あ?オイ待てそりゃどう言う意味だ?!オイ?!」




次回は恐らく相思相殺が始まるかと思われます。それとバルファルク装備一式作りました。滅茶苦茶カッコいい……。
ところで雑音の解読方法ですが、26字をだいたい3つに区切って一つずらしてるだけですね。
AはB、BはC、CはAになっています。だいたいこんな感じです。でもSはP、ZはWです。例を出すと
『hmcgogubsvuufuvlfsmzb』→『gobinitaruttetukeroya』
『語尾にたるってつけろや』となります。


シモンの弓剣

弓で獣を狩るなどとwと馬鹿にされる事で有名な仕掛け武器。でも強い。今作は特別仕様で登場です。


伝説のヌベスコ痛覚残留セイバー

ヌベスコ要素は特に無い。見た目は呪術廻戦に出てくるハンガーラック叔父さんが作った刀。ローションでぬるぬるになっても離れないゾ。


トラック型ドローン

大型のトラックの形をしたドローン。走破性抜群で、荷台に200人程収容可能。大型兵器の運搬も可。


義体

量産された秘密兵器君。そこのもうお前だけで良くね?と思ってる兄貴姉貴よ、一体作る為のコストは高いし、操作する時のホモは集中しなければならない為、支援が弱体化するなどの困った所もまだまだあるゾ。


白髪の実験体

教えてよ、教えてよ、その仕組みを。因みに他の走者の要素も入れてる(超再生……被検体番号114514……ハッ!)でも許可取ってないから指摘されたら消すゾ


ティタン君

エヴォルヴニキの子供(意味深)保護された後は開発室組と一緒に生活してる。タイタンのDA君は本体から意識をドローンに移して同行して貰ってるゾ。デカいからね、しょうが無いね。


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相思相■ 一

曇らせって見るだけなら面白いよなぁと、他の走者の走りを見ながら初投稿です。え?私も曇らせ書け?書こうとしたら筆が乗らないのユルシテ♡


 とある製薬会社に、とあるフェリーンの女性がいた。その女性はデータベースにいつの間にか登録されていた番号を端末に打ち込み、耳に当てる。3回コール音がなった後、その声が聞こえた。

 

『ハイこちら葛飾区亀有公園前派出所です』

「すまない、番号を間違えた」

 

 ケルシー先生は即通話を切ろうとした。

 

『オイ待て待て待て!悪かったって巫山戯ないから!』

「ハァ………予想以上の巫山戯た思考回路を持ち合わせているな。設計者の顔が見てみたいよ」

 

 ケルシー先生は溜息を吐くと、呆れた様にそう口にした。端末からも、乾いた笑いが漏れる。

 

『ハハッ☆冗談が通じねぇ奴だな。それで、要件はなんぞや?』

「そうだな。先ずは自己紹介と行こう。私はケルシー、ロドス・アイランドで医師をやっている。チェルノボーグでは部下がお世話になった。感謝するよ」

『俺はイムホテップ・イモータル。略して……まぁいいや、境界無き方舟の統率者をしてるAIだ。その節はどうもね、こっちもお世話になったからおあいこだよ』

「そうか……それでは本題だが、君達方舟と協力を結びたい」

『…………』

「…………」

『マジで?』

「あぁ」

 

 数秒の沈黙の後、割と驚愕してそうな声色で聞いてきた。

 

『マジかよ予想外だわ。来るとしてもドクターかアーミヤだと思ってた』

「そうか。それでどうする?勿論対価も必要ならば――」

『あ、いいっすよ(快諾)』

「………いいのか?私はまだ何も言っていないのだが」

 

 今度はケルシー先生が驚きながら聞いた。そりゃケルシー先生は交渉ナドナドがあるだろうなと予想していたのに、当の本人が全てすっ飛ばして協力を結んでくれたのである。

 

『いいのいいの。私は全ての感染者の味方だから。そしてあわよくば幸せに暮らさせようとするAIだから。交渉とかそう言うのはの無駄に偉い非感染者の皆々様に任せるよ』

「全ての感染者の味方……」

『そうだ。鉱石病のこの字も理解せず、迫害するしか能の無い奴から感染者を守る……ソレガワタシノ・ネガイデス>割と同じ志しを持つロドスの事だ、貴方ならわかる筈だぜケルシー先生』

 

 途中から無機質の、演算しかしない機械が喋るかの様な口調となり、そして元に戻った。その一時的な変貌に、ケルシー先生の耳と尻尾が警戒を顕わにする。

 

『まったく、感染したく無いなら俺みたいに機械に意識を移せばいいものを……』

「………あぁ、作戦記録にあった黒コートの人物。アレは君か?」

『そうそう、色々と死にそうだったからちょっとね。おっとすまない、話が逸れた。それで、私達は何をすればいいのかね?』

「フゥ……それじゃあ先ず、そちらのオペレーターを2人程貸してはくれないだろうか?」

『大丈夫だ、問題無い。エレキ君とゴシャク君をそっちに送るよ。ゴシャク君はちと扱いが難しいから注意な!他になんかいる?』

「いや、大丈夫だ。要件があればまた連絡を入れる」

『OKOK。んじゃさいなら〜……と、そう言えばアーミヤちゃんだっけ?彼女の事はちゃんと見とけよ見とけよ〜?壊れはしないだろうが、いつか心から笑わなくなるゾ』

 

 そう言った後、通話が切れた。ケルシー先生はポケットに端末を突っ込むと、大きく溜息を吐いた。

 

「……何なんだあの統率者は。アレがAI?何をどうすればあんな思考回路になるんだ?それと最後の……アーミヤを気にしているのか?なんの目的があって――」

 

 そう呟きながら、ケルシー先生は椅子に深く腰掛けながら考えた。

 次のレユニオン襲撃予測地点である龍門へ向かう、一日前の出来事であった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 今回のRTAの最大短縮ステージを攻略するRTAはーじまーるよー!

 今回は一週間経つまで倍速し終えた所からスタートです。そろそろロドスが動き出すので、こちらも行動し始めましょう。では先ず、今回活動するオペレーターを募集します。オラオラ来いよオラァ!

 

 集まりました。因みに今回の募集条件ですが、前回のチェルノボーグ事変の条件をちょっと緩くしたヤツに加えもう一つ、融合率10%以下、血中源石密度0.30u/L以下で料理、または治療関係が出来るオペレーターを性別制限無しで募集しました。つまり、今回は女性がいます。

 

「勿論説明してくれるんだろうな?」

 

 エレキ君が話振ってくれたので説明しましょう。今回の作戦は2チームに別れて行動して貰います。先ず男ばかりのレユニオン襲撃に備えるチームは合図があるまで待機。そしてもう一つの女性がいるチームには、チェルノボーグで救助活動をして貰いますねぇ!

 

「なる程……で、何で女をわざわざ?」

 

 だって貴方達………まともな飯作れます?

 

「「「「あっ(察し)」」」」

 

 まぁつまりそういう事です。OK?!OK!(自問自答)

 

「しまったァァァ!料理とか練習すりゃよかったァァァァ!!!」

「クソッ!何故俺達はシミュレーションルームで体を鍛えるしか能が無かったんだ!」

「何と言う失態だッ!」

「いや君達、どれだけ私達を出したくないの?」

 

 実際おにゃの子が殺し合い真っ只中に向かうって時点で不安しか無いからね、しょうが無いね。お前らの事やぞ最近よくあるそこら辺のバトル系アニメとかソシャゲとか()

 

「つか、一番気に入らねぇのはコイツだ!何でライン生命のが混じってんだよ?!」

「おやおやエレキ君。誰でも経歴だけでクソと言うのは関心しないよ。流石の私でも傷つくからねぇ?」

「うっせ!もし願いが叶う盃とかあったらお前達が滅ぶよう願う位には、お前達が嫌いなんだよ!」

「ハッハッハ!面白い事を言うね君は。一度私のモルモットになってくれないかな?」

「なるか!」

「そう言うと思ってたよ!それじゃあこの作戦が終わったらさっそくやろうか!」

「話聞いてた?!」

「あ、それとエレキ君、願望器と言うのは存在しないよ。数十年前にライン生命の研究者が作ろうとしていたそうだが、作り終わる前に製作者は死んで、その後願望器は暴走してどっか行っちゃったらしい」

「いや知らねぇよ!」

 

 あのー木下ですけどもー、まーだかかりそうですかねー?

 

「帰っていいですか?」

 

 あ、X=サン、まだ帰んないで。もう少しで終わるから。つかお前ら静まれ!シャラップ!はーい皆んなが静かになるまで810秒かかりましたー(校長並感)

 

 ではこれより、チェルノボーグチームのやる事を教えるわね。

 先ずチェルノボーグチームにはトラック型ドローンに乗ってチェルノボーグに行ってもらいます。そこでチェルノボーグに取り残された被災者及びレユニオンの残党を救助して欲しい訳です。あ、トラックには食材やら医療器具やらサポートドローンやらが沢山積まれてるので(問題)ないです。足りないものがあれば直ぐに支給もしますゾ。

 以上だけど、何か質問ある?

 

「健康なレユニオンがいたら実験していいかい?」

 

 駄目です(両断)人体実験以外でオナシャス!センセンシャル!他には無い?(ない)あ、そう……。それじゃあ準備して出撃ハッチに停まってるトラックに乗ってください。直ぐにイクゾー!(デッデッデデデデッカーン!)

 

 因みにチェルノボーグに行く理由ですが、チェルノボーグにいる白うさぎさんや愛国者さんの好感度を稼ぐ為です。あの二人は一見カタブツに見えますが、彼らも感染者の為に生きる良心を持った人達です。ホモ都市が感染者を救助している所を見せつければ簡単に好感度が上がっていくんですねぇ!チョロイなー、何でロドスはこの人達と協力出来ないんだろうねー?(純粋な疑問)

 え?タルラとメフィスト?んにゃぴ……よくわかんないっす。因みにメフィストが高確率で突っかかって来るので、それ相応の対策はしてますよ。

 

「んじゃ、俺達は合図があるまで待機って訳か……」

 

 あ、エレキ君とゴシャク君はこっち来て下さい。

 

「あ?」

「なんかあんのか?」

 

 カクカクシカジカ上上下下左右左右BA家無き子供に味方味方する不死身の男に心を打たれる大切な心をすり替えて置いた冷血動物マシーンデブ殺し。

 

「んじゃ」

「なる程」

 

 そんな訳で、君達をロドスへ派遣する事に決まった訳です。OK?

 

「いや納得出来るか!先ず何で俺達に言わなかったんだよ!報連相しっかりしろハゲ!」

「ふーん、好きにするじゃが」

「お前意外と順応だな?!」

 

 そう言うと思ったで工藤!んじゃこの二人用のpotに入ってくれます?

 

「いやな予感しかしねー」

「いいからはよ入るじゃが!」

「ぐぇらぶ?!」

 

 それではロドスに向かってイッテQ!因みに今のロドスは龍門にいるから龍門に飛ばしますねー。あ、ゴシャク君はドクターって人とケルシーって人とアーミヤって人の話をちゃんと聞いてね?そんじゃ、パンツァー砲、ファイヤァァァァ!!!!

 

「そうやって飛ばすのぉぉぉぉぉぉぉ?!!?!」

 

 種は飛んだ。一体いつから出撃ハッチが一種類と錯覚してたんでしょうね?まぁいいでしょう。それでは私は開発室でチェルノボーグ組のサポートしながら義体の改造の手伝いをば。

 

 次回はチェルノボーグ組をサポートしつつ、ロドスに派遣した二人をチラチラ見ながら作業をする所から始めます。

 ご視聴ありがとうございました。




デイリー契約を8〜5で行ったり来たりしてる走者です。やっぱ低レアも育てて幅広い対応出来る様にしねぇと駄目だわ。あとフレンドさん借りる。主にスルト。


ライン生命の研究者

昨日あのライン生命襲撃時にドナドナした研究者の一人。クランタ族。ライン生命ではひたすら足が速くなったりする研究に尽力してた為、みんなが良く知るマッドな研究はしてない。被検体と一緒に逃げ出そうとしたのも、折角の被検体を失わない為である。ホモ都市に移ってからも研究は欠かさず、被検体である大人しいクランタの少女を使ってるが、体が1680万色に光る位の副作用しか無いから走者もやり過ぎない限り見過ごしてる。被検体も満更じゃ無さそうだし。
今回のチェルノボーグ救助活動にて、治療班にブチ込まれた。


ケルシー先生

取り敢えず使えそうなので協力を結んでみたけど、なんかヤバい事をしたかもしれないと思ってきた。


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相思相■ 二

相思相殺と起死回生を見てちょっとしたガバがあったので初投稿です。リアルでガバってるじゃねぇか(真顔)


「お前さんら、こんな所で暇つぶしてていいのかよ?」

「それはどっちに言ってる?俺かコイツか、どっちだ?」

「両方に決まってんだろが、つかさっき複数形で言ったろ」

『でぇじょうぶだ、今でもドローンでチェルノボーグのサポートしてある(孫悟空)あっDA君、ソレをこっちにオナシャス、センセンシャル』

『コレですね、ハイどうぞ。それにしても、貴方の持つ技術力は中々のものですね。それにこの源石変換装置……これで一体何を?』

『それは秘密ってヤツだ。間違っても壊さないでクレメンス、ソイツは来たる決戦の為に必要だからな』

 

 そう言いながら、ホモはドローンに装備されたアームを巧みに使って義体に装置を埋め込んで行く。

 

「ふむ、余りやる事が無いな。ティタンの手伝いにでも行くか」

『む?ティタン君がどうかしたのかゾ?』

「アイツは今子守りに苦戦している。その手伝いに行くだけだ」

『はぇー珍しい』

『えぇ、なんでも子供の世話をやっていたターボ師匠と言う女性が出払っているそうで。おそらく彼女に任されたのでしょう』

『はぇー……………ん?』

 

 装置を嵌め終えた所で、ホモのドローンがフリーズした。おそらく裏で色々と何かやってるんだろうと結論づけたDAは自分の作業に戻り、ハイゼンは回転ノコギリの整備を再開し、スパラディ君は何かを察してそそくさと開発室から出て行った。そして少し経った後………

 

『ヌ゛ ン゛ ッ !ヘ ッ !ヘ ッ !

 

 ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛

 

ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!!!

ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!!!!

フ ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ン!!!!!!

フ ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥン!!!!』(元音源の810分の1)

「やかましいわこのポンコツ野郎!!!!」

 

 開発室から発狂する声とそれに匹敵する罵声が響いた。

 

 

 

 一方チェルノボーグでは

 

 

 

「ターボはね、ターボって言うの!こっちはミヅハ!」

「ハハッ☆」

「…………」

 

 タルラの命令によって、チェルノボーグにやって来たホモ都市の救助部隊を監視していたクラウンスレイヤーは、自分の隠密がバレた事と目の前のナマモノ×2に言葉を失い、その二人の後ろに息を切らしながら追いかけて来た年長のオペレーターが、その光景を見て息切れと共に大きな溜息を吐いた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 さて、今回のレユニオン襲撃予定地である『龍門』。そのスラム街にて、一つのPodが着弾した。そう、ホモ都市から撃ち出された二人用のPodである。まぁ、着弾する少し前に逆噴射で威力を殺し、そのまま路上に自由落下したので被害は無いだろう……多分。

 

 そしてPodの入口が開き、中から二人の鬼族が姿を現す。出て来た鬼族は地面に手をついてヨツンヴァインになると……

 

「「ヴォロロロロロロロロ」」

 

 暫し待たれよ

 

「「ヴォロロロロロロロロ」」

 

 ………とまぁ、余りの乗り心地の悪さにエレキ君とゴシャク君は吐いてしまった訳だ。設計に難アリである(多分そうじゃ無い)

 

「クッソ汚ぇ。ったく、なんで龍門のスラム街に来てまで吐かなきゃいけねぇんだクッソ!」

「アイツ帰ったら八つ裂kヴォオエ!…八つ裂きにするじゃが……」

 

 二人とも袖で口を拭きながら立ち上がる。すると、Podの中からドローンが一機、フラフラと飛びながら出て来た。

 

『ったくあの逃亡騎士め、こんな忙しい時にチャート狂わすなっての……あ、お二人さん!どうだった空の……あー、最悪そうだな(他人事)』

「たりめーじゃブチ殺がすぞこの鉄屑がァ!」

『あー困ります!困りますお客様!今ドローンを破壊されたら……あー困ります!困りますお客様!待て待て待てホントに砕け散るってェ!』

 

 そのまま砕け散れ。ゴシャク君がドローンを引き千切ろうとしている光景を見ながらそう思うエレキ君であった。

 ふと、一人と一機がワチャワチャしてる奥の方に、ウルサス族の少女が走っているのが見えた。その走り方が何かから逃げてる様に見えた為、エレキ君は追う事にした。

 

「ちょっと感染者の保護して来るわ」

『判断が早い!(鱗滝)』

「オイ!わしゃを置いて行くなや!」

 

 そう言って、二人と一機はドタドタとその場を後にした。因みにPodは放置である。めっちゃ通行の邪魔だが、今の彼らにその思考は存在しなかった。誠に残念である。

 

『あ、そうだ(唐突)今回はこの感染者を優先的に探して欲しいんッスよねぇ』

 

 そう言って、ドローンに搭載された投影装置を起動させ、その感染者の顔やら名前やらを映し出す。

 

「あ、これ今追っかけてる人じゃん」

『マジで?!はー神様仏様岩王帝君様!やっぱガバはウマ味の前触れだって、ハッキリわかんだね』

「お前の言ってる事意味不明だが、要するに都合が良いって事だろ?っと、このビルの中だな」

 

 二人と一機は半壊した廃ビルへと足を踏み入れる。そしてその目的の感染者は呆気なく見つかった。

 

「――!……誰?」

 

 二人の姿を見たウルサス族の少女『ミーシャ』は足音がした方へ振り返り、思わず尻餅をついてしまった。まぁ無理も無い事である。何故なら、エレキ君とゴシャク君は見た目が怖いからだ。特にエレキ君は殆どの時間をホモ都市で過ごしているおかげで、自分が怖い見た目だと忘れていた。ゴシャク君は言わずもがなである。

 二人とも鬼族な上、高身長で更に不思議な模様のハートマークが施された黒い上着……完全にヤの付く人達である。

 

「や、やだ……来ないで!」

 

 最早ミーシャは死を覚悟した。目尻に涙を浮かべたりもした。

 

「………アカン」

「ア゛?」

『ハイハーイ、とりまゴシャク君はこっちねー』

「ア゛ァ゛?!ちょっと待つがや!何わしゃを仲間ハズレにしようとしとるがこのポンコツ!!オイ!話を聞けがやァァァ!!!」

 

 取り敢えずゴシャク君には少し隅っこに寄ってもらう事にした。そして、エレキ君は両手で自身の顔を覆い隠す。

 

「…………」

「…………」

「……あー、取り敢えず落ち着いた?」

「……え、えぇ?」

 

 突然顔を覆い隠しながら話しだしたエレキ君に、脳の処理が追いつかず困惑する事しか出来ないミーシャ。だがお構い無しに話は続く。

 

「取り敢えず自己紹介だ。俺はエレキ、あっちはゴシャク。そして(チラッ)このドローンが……まぁ省いていいか」

『は?(威圧)』

「チッ……イモータルって名前が一応有るらしい。まぁ、お前が言い安いように好きに呼んでくれ」

「はぁ……」(そのままで続けるんだ……)

『いやぁすまんね、脅かすつもりは無かったんだ。それで本題だが、単刀直入に聞こう。君、ミーシャちゃんであってるかね?』

 

 ミーシャは未だに警戒しながら、恐る恐る首を縦に振る。何故自分の名前を知ってるのか、と言う疑問も抱いたが、ここは龍門だ、きっと自分の事なぞ誰かに知られているだろうと思い込む。

 

『よかった合ってた。実は俺達は感染者を助ける組織の人達でね。君の保護に来た訳だ。まぁ立ち話もなんだし、どっか別の場所にでも……』

「……何を、言ってるの」

「………」

「私を捕まえて、牢にでも入れるつもりでしょう?!私の爪は鋭いのよ!怪我をしたくなければ――」

「待て待て、話を――」

 

 その時、下の方から複数の足音がこっちへ向かって来ているのが聞こえた。

 

「止まって下さい!そこの二人とも、今すぐ手を後ろにして膝をついて!」

 

 約一週間程前に聞いたのと同じ声を聞き、ゴシャク君は呆れ、エレキ君は「このタイミングかよ」と呟き溜息を吐いた。

 

『やぁロドスの皆んな、久しぶり。ケルシー先生から聞いてると思うが、一応協力で来たんでそこんとこ夜露死苦(JWC)それと、エレキ君の顔を見せたらこの子が泣いちゃうんで、手を後ろにするのは無理です(断言)』

「は、方舟の皆さん?!」

 

 アーミヤは驚いた顔をし、フランカとリスカムは困惑した表情を浮かべ、圧倒的不審者のドクターは「やっほー」と手を振った。




危機契約がもう終わり、最低一週間の虚無期間かぁ……石溜めまくって山さん当てなきゃ(使命感)
結構前から散々相思相殺で大幅短縮とか言ってきましたが、多分起死回生になると思います。ストーリーをド忘れしてた走者のせいです(走者の恥)期待してた皆さん許して下さいなんでもしますから(ん?今なんでもって)
ps PSO2ニュージェネシス楽しいなオイ

ターボ師匠

クランタ族で元カジミエーシュの競技騎士。ニアールが感染者としてカジミエーシュから離れて少しした後、彼女も感染者になってしまい追い出された。そして大地で野垂れ死にそうになっていた所を偶然発見されたのが今の彼女である。
活発かつ臆病でありながらも、数々のライバルと渡り合って来た彼女の武勇伝、即ち競技騎士時代の自慢話は、子供達に大人気である。ニアールも彼女のライバルだとか(片思い)
因みに彼女の二つ名は、彼女の個性的な戦い方からつけられた逃亡騎士と言うもの。他人から見れば実に不敬極まりないが、本人が嬉しそうだしいっか。
尚、背の小ささと幼い言動だが立派な大人(自称)です。


クラウンスレイヤー

タルラから「あの時の奴らがまた来たから見張っててくれたる」と言われたので見張ってたら速攻でバレた。


ミーシャ

なんか不審者に囲まれてるけど……ママエアロ(スカルシュレッダーブチギレ案件)


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相思相■ 三

FGOの新章でモチベが回復したので初投稿です。


「………それで、空の上から龍門に不法侵入したと言う訳か。幾ら君達が協力関係だとは言え、コレは許されざる事だ」

「……ハイハイ、スンマセンでしたよ。あー耳痛て」

『許して下さい!なんでもしますから!』

「なら不法侵入罪で檻に入って貰おうか?」

『ヒェッ、許し亭、ユルシテ…』

 

 ………ホントにマジで面倒な事になったなオイ。それにこのトランシーバーの向こうにいる女…いやまぁ、悪いのはこっちだけどな?一応ケルシーって奴が俺達が来る事を知らせてたからなんとか……なるかコレ?

 

「……ハァ、今回の件で上手くやってくれれば目を瞑っておこう。今はこちらも忙しいのでな」

『ワカリマシター(^p^)ロドスと協力して最速で届けるから覚悟しとけよしとけよー?』

 

 そう言って、トランシーバーの向こうにいる女は通信を切りやがった。

 

「……誰のせいだろうなコレ?」

『誠に申し訳無い』

 

 ったく、協力関係なら報連相ちゃんとしとけよこのポンコツが。今回の件が無きゃ今頃アイツらに捕まって独房入りだぞ。

 そんな事を思いながら、俺は後ろで説得し終わった?であろうアーミヤの方を向く。

 

「ハァ……ツー訳だ。あの近衛局共は気に喰わねぇが、さっさとそのガキを引き渡しに行こうぜ」

「そうですね、わかりました。ミーシャさんの事は気がかりですが、今我々と龍門の協力関係を崩す訳には行きません。チェンさんも話せばわかってくれる筈です……」

「ヨシ、じゃあ撤退だな。ルート計算任せたぞポンコツ」

『あーいや、正直言って演算を向こうに殆ど回してるからやってる暇無いのよね』

「ア゛?」

『ヒェッ!しょうが無いやろ工藤!こっちもこっちでガバがガバガバでなぁ――』

 

 ………チッ、まぁ良いだろ。だがチェルノボーグで死人が出たらコイツをブッ壊すわ。

 

「大丈夫ですよ。撤退ルートの確保は彼女達がいますから」

「彼女……?」

「彼女達と言うと、まさか?」

 

 俺と隣りのヴィーヴル女が疑問を投げかけ、アーミヤがそれに答える。

 

「ペンギン急便です」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 いっつも分割思考してて忙しいRTAはーじまーるよー!今回はァ、チェルノボーグのサポートとかですかねぇ………。

 

 と言う訳でタァァァァァァボッッ!!!戻って来いタァァァァァァボッッ!!!!

 

「ギャー!こっちに来るなぁ!」

「………何故私の後ろに隠れる…」

 

 いやもうホンット、もうホンットに心臓に悪いんで勝手に行動するの止めてもらえます?こちとらRTAに命かけてるの、わかる?これ以上心臓に負担かけたら我死ゾ?

 

「うぅ…だってだって!ターボだって役に立ちたいんだもん!」

 

 子守りの時点で凄く役に立ってるんですわぁ!(迫真)

 

「まぁまぁいいじゃないか。ほら、ターボちゃんは子供をほったらかして来た訳じゃ無いんだろう?」

 

 マクロケリス君、甘やかし過ぎと言うのもイケないんだワ。しかも彼女その見た目で20歳ですからね?

 

「大丈夫!子供達はティタンに任せて来たもんね!どう?ターボ偉いでしょ!」

 

 アホくさ(呆れ)ですがまぁ、こうなっては仕方ありません。これ以上やればターボ師匠の好感度が下がってしまいかねませんからね、ママエアロ(天下無双)何事も引き際が大事です……ハァァァァ(クソデカ溜息)

 

 それで、そこのアサシン……クラウンスレイヤー君はなんでいるの?君レユニオンだよね?え、マジでなんでここにいんの?(素朴な疑問)

 

「こっちが聞きたい!何なんだ此処は?!コイツらは?!ここで何をしている?!」

 

 何ってお前…救助活動だよ。ほら、そこら辺に沢山の感染者と怪我人が眠っておられるでしょ?まぁそう言う事よ。

 

「フン、よくもまぁ簡単に言ってくれるな。だが、私達はお前達をまだ信用していない。幾らお前達が偽善行為をしようとな」

「ギゼンコーイ?」

「ハハッ?」

「と言うか……お前ら何なんだホントに?!いい加減離れろ!私にくっつくな!」

「鬼ごっこ?ターボ負けないぞ!」

「ハハッ☆」

「クソッ!おいお前!コイツらをなんとかしろ!」

 

 いやーキツイっす。でも悪意は無いと言うか、懐かれてるっぽいしいいんじゃね?知らんけど(他人事)

 

「ヤッター!ターボの勝ち!」

「ヤッター☆」

「あぁクソッ!なんでアーツを上手く発動出来ないんだ?!」

 

 アーツを使えないのは、ここら一帯のアーツの出力を抑えるドローンがいるからですねぇ!因みにホモ都市の制服にはソレを無効化する特殊加工が施されているので大丈夫だ、問題無い。その証拠にホラ、向こうでクラウンスレイヤー部隊のゴースト兵達が愉快に踊ってます。

 

「お前、私の部下に何を……!」

「……すまん、俺のもう一つのアーツだ」

 

 いやー、やっぱり戦わずに場を治めるにはクエスタ君の舞踏のアーツが一番やなって。弱点は効果範囲内のすべての人を踊らせてしまう事ですかね。チーム戦では圧倒的な使えなさです。

 

「努力しよう」

 

 さて、まぁ多少のガバ(ターボ師匠とクラウンスレイヤー)はあったものの再走案件にはなりませんでしたし、エレキ君の方は……今レユニオンから逃げてるけどロドスと一緒なので大丈夫でしょう。

 

 うーん、今の所は監視しかやる事がありませんね。開発室に戻りま――

 

「イモータルの旦那!丁度いい所に!」

 

 む?どうしたんですライトアイ君。めっちゃ顔が青いですよ。と言うかそのネブラ君はどうしたので?

 

「実は、被災者とか探してたら変な雰囲気の学校に行き着いたんッス。入り口はこじ開けられてたんッスけど……まだ中に人がいるかもしれないってネブラ君が言ったんで、ちょっと探索したんッス。そしたら……」

 

 ははーん、さてはペテルヘイム学校だな?(名推理)もしかしてカニバってました?

 

「カニバっ……まぁ、そうッス。ウッ………思い出したら……ちょっと、トイレ…行って、来るッス……」

 

 おそらく二人ともカニバッてた所を目の当たりにしたんでしょうな。一応入り口は開いてるそうですが……もしかしたら食人鬼に成り果てた奴が徘徊している可能性が微レ存?

 

「これも君達がやった事なのかい?」

「………いや、私も初めて知った」

「初めて?こんな時に嘘をつくのは無しにしてくれ」

「……なんだと?」

 

 ハイハイストップストップ、ドードー。マクロケリス君もクラウンスレイヤーも落ち着いて?深呼吸してホラ。ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。

 

「チッ、気安く話しかけるな」

 

 (´・ω・`)

 取り敢えず、ネブラ君とライトアイ君は一応診て貰うとして、君達がやりたいならペテルヘイム学校の探索を開始しますが、どないする?

 

「行くよ。行くに決まってるだろう?」

「フゥー………俺も同感だ」

 

 デスヨネー知ってた。つかぞろぞろ集まって来ないでなんか地味に怖いなコイツら!ハイ待ってねー。押さないで下さい。暴れるなよ……暴れるなよ……。

 ではペテルヘイム学校の探索ですが、3人にしましょう。安心して下さい、私もついていきますので。それでは、誰にするか決めましょうか。

 

 決め方?勿論籤引きだよなぁ?(適当)




あー6章面白いでござる。FGOのRTAでも書こうかしら。
あ、モルガンとガウェインが当たりました。二人とも可愛いですね(┃)

相思相殺は後一話で終わり、起死回生に移るかな?まぁエレキ君視点は余りほんへと変わりないので、チェルノボーグ救助隊視点のオリジナル回になるでしょう。まぁ次回はそろそろ書きたくなってきたプロファイル回ですけどね。


おチェンチェン

まだムスッとしてる頃のチェン隊長。ロドスは兎も角、綺麗事を並べまくるホモ都市に対してはちょっと機嫌が悪い。まぁ不法侵入したしね、仕方ないね。


クラウンスレイヤー

あの後チェルノボーグ救助隊の基地まで連れて来られた様だ。因みに部下は助けようとした所をクエスタ君に足止めされた模様。
何故かターボ師匠と妖精さんことミヅハ君に懐かれてる。


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特に意味も無く作ったプロフィール4

タイトル通りです


【プロフィール】

【レアリティ】星5

【コードネーム】マクロケリス

【陣営】境界無き方舟

【性別】男

【職業】重装

【募集タグ】近距離/防御

【戦闘経験】6年

【出身地】非公開

【誕生日】7月20日

【種族】ペートラム

【身長】186cm

【専門】防衛戦/集団戦/対人格闘

【鉱石病】感染者

 

 

【特性】

敵を3体までブロック

 

 

【入手方法】

人材発掘

 

 

【個人経歴】

境界無き方舟から派遣された重装オペレーター。

大きなトゲが幾つもある大盾と展開式の盾の二つを使う変わった戦法で戦う。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、主に過激派感染者集団の鎮圧や救助活動、重装オペレーターの指導などに協力している。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】18/20/22

【ブロック】3/3/3

【攻撃速度】普通(1.20s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

   ■□      ■□

 

 

【素質】

臨戦防御

昇進1 前方1マスに味方がいない場合、防御力+20%、術耐性+10

昇進2 前方1マスに味方がいない場合、防御力+20%、術耐性+10、スキル発動中、自身の後ろ1マスに配置されている近距離オペレーターの攻撃範囲+1

 

 

【基地スキル】

倉庫整備β

初期 製造所

製造所配置時、保管上限+10、製造効率+10%

重装エキスパートβ

昇進2 訓練所

訓練室で協力者として配置時、重装の訓練速度+50%

 

 

【スキル】

スキル1  シールド連結  自動回復   

              手動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  20   50    20

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+50%

 

2  20   49    21

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+55%

 

3  20   48    22

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+60%

 

4  20   47    23

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+75%

 

5  20   46    24

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+80%

 

6  20   45    25

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+85%

 

7  20   44    26

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+90%

 

特化Ⅰ 20  43    27

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+100%

 

特化Ⅱ 20  42    28

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+125%

 

特化Ⅲ 20  40    30

攻撃速度が低下(+0.40)、防御力+150%

 

 

スキル2 ファランクス  自動回復

             手動発動 

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  10   60    40

防御力+50%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

2  10   59    40

防御力+55%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

3  10   58    40

防御力+60%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

4  13   57    40

防御力+65%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

5  13   56    40

防御力+70%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

6  13   55    40

防御力+75%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

7  16   54    40

防御力+80%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

特化Ⅰ 17  53   40

防御力+90%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

特化Ⅱ 18  52   40

防御力+100%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

特化Ⅲ 20  50   40

防御力+120%、攻撃しなくなり、敵に攻撃されやすくなる。範囲攻撃を受けた時、周囲に与えられるダメージを無効化する

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】マクロケリス

【性別】男

【戦闘経験】6年

【出身地】非公開

【誕生日】7月20日

【種族】ペートラム

【身長】186cm

【鉱石病感染状況】感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】優秀

 

【戦場機動】標準

 

【生理的耐性】優秀

 

【戦術立案】優秀

 

【戦闘技術】優秀

 

【アーツ適正】標準

 

 

【個人経歴】

境界無き方舟から派遣された重装オペレーター。

大きなトゲが幾つもある大盾と展開式の盾の二つを使う変わった戦法で戦う。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、主に過激派感染者集団の鎮圧や救助活動、重装オペレーターの指導などに協力している。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められる。

以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

 

【源石融合率】7%

病態は、安定した状態に抑えられている

 

 

 

【血液中源石密度】0.25u/L

循環器系での結晶濃度は安定している

 

 

【第一資料】

テラを旅していたペートラム族の男。

彼ともう一人の旅仲間である、同じ種族のオディバトラスと言う名の男と共に旅をしていたが、旅の途中で感染してしまった事により、途中から鉱石病の治療をしてくれる施設を探し回っていた。

方舟に出会う前までは、ロドスへと向かっていた様だ。

 

 

【第二資料】

旅をしていたことで、彼は色々な知識を持っている。彼の特殊な戦闘方法もその一つだ。

2つの盾を使う彼の戦法は珍しく、ロドスに所属する多くの重装オペレーター達に驚きを与えた。他にも彼は盾を使った戦術指導も得意であり、彼に指導を乞うオペレーターも少なくない。

それともう一つ、コレは同じペートラムであるクオーラにも言える事なのだが、彼の持つ盾、その棘がついた大盾の方は、方舟製の盾よりも頑丈なのだ。ペートラムが持つ防御装備は硬くなる仕組みでもあるのだろうか?

 

 

【第三資料】

普段は大人しく、誰にも優しく砕けた口調で話す。だがそれは優しい時だけだ。

彼は他の方舟オペレーター同様、情に熱く、命の軽視や個人の軽蔑などを許さない人間だ。怒った時の顔は阿修羅すらも凌駕し、チェンの部下達が思わず腰を抜かす。

そして何よりも注意すべきは、鉱石病により変質してしまったであろう顎である。その顎は彼の感情によって力を増し、あらゆる物を噛み砕く。

 

だからと言って、怒りに任せて近くにあったオペレータースズランのアーツユニットを噛み砕こうとしないで下さい!我らが光が悲しむでしょうが!

 

――光を愛するオペレーター

 

 

【第四資料】

彼の話には、オディバトラスと言う名前の人物が良く出てくる。どうやら、彼とオディバトラスは友人関係にあった様だが、彼が方舟に入った後、一人で旅の続きに出て行ったらしい。

だが彼曰く、オディバトラスの胃袋はブラックホールだ。幾ら方舟とは言え、食い物を全部食われちゃお終いになっちゃうだろう、と言う程の大食漢らしく、オディバトラスが彼を置いて先に行ったのも、ソレを配慮しての事だろう。

現に、オディバトラスの話をする彼は普段よりも明るい事から、彼らの仲を容易に伺える。

 

 

 

【昇進記録】

「俺の名前かい?マクロケリス・テンミンキィって言うんだけど……憶えづらいだろう?え?もう憶えたって?!ハハッ、クオーラちゃんは飲み込みが早いなぁ。おじさんもう歳だから、君みたいな子が羨ましいよ」

 

朝早くにロドス・アイランド号の甲板に出ると、偶に彼とクオーラがキャッチボールをしている。互いに同じ種族だから親近感が湧くのかもしれない。

それはそれとして、もしその光景を見たら混ざりに行ってみよう。彼らは快く迎えてくれる筈だ。目指すはロドスで野球試合をする事だ。

 

 

マクロケリスの印

 

軟体動物のゲソを干した食べ物。一体どんな動物の干したゲソかはわからないが、味は保証しよう。食べているといつの間にか顎が痛くなるゾ。

 

 

採用契約

 

オペレーターマクロケリス、怪我したくなければ、彼の後ろに隠れるといい

食事をしていると、子供達に泣かれた




緋色の弾丸がおもろいで工藤。次回は相思相殺が終わります……オリジナル回だけど。まぁ起死回生からが本番だからね、仕方ないね。

誰かシャドーハウスRTA作ってねぇかなーと思って見たら一個もなかった悲しみ。私は悲しい(ポロロン)作る予定のRTAが一個増えちまったなァァァァ!!!


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相思相■ 四

コンパスでペルソナコラボが始まり、アクナイは山さんが実装されたので初投稿です。因みにウーディが出ました。なんでや工藤。


 お化け屋敷みてぇな学校に攻め込むRTAはーじまーるよー!

 今回はくじ引きで決めた人達と一緒にペテルヘイム学校に到着した所からスタートです。まるでテーマパークみたいだ、テンション上がるなー(怖気)

 

「どう見てもテーマパークには見えないけどね」

 

 因みにくじ引きで決めた人はマクロケリス君、クエスタ君、ヒアリン君(新キャラ)の3人です。

 

「ま、テーマパークと言うよりかは、お化け屋敷だろうなコレ」

「…フゥー……」

 

 みんな元気があってよろしい!それじゃあドローンとか色々配置につけて、イクゾー!………と、思っていましたが、やめました。

 

「………」

「………」

「………」

「……何故私を見る」

 

 そりゃ見るよ!オメダレダヨ(花江)クラウンスレイヤーだよ(自問自答)なんでここにいるんですかねぇ!?しかもおまけ×2もついてきてんじゃねぇか!お前らもう帰れ!

 

「うわっ!お前らいつの間に?!」

「ターボもお化け屋敷の探検するもん!」

「ハハッ☆」

「……なぁお前さん、彼女らを連れて基地に帰ってくれないかな。多分お前さんについて行く筈だから」

「巫山戯るな!私がお前達の話を聞く理由が――ってさっきから引っ付くな!何なんだお前らは!鳥の雛か!」

「なんだアイツら微笑ましいなオイ」

「…………そうだな」

 

 うぅ、ある時は押され、ある時は引っ張られ、ある時は崖に落とされたりハメられたりしていたクラウンスレイヤーが幸せそうな光景を目の当たりに出来るだなんて、涙がで、出ますよ……。

 

「私で泣くな気持ち悪い!」

「アンタあのレユニオンと知り合いじゃねぇだろオイ」

 

 そうだったわ。よーしじゃあ今度こそ攻略しにイクゾー!(デッデッデデデデッカーン!)

 

「ターボ一番乗りー!」

「ハハッ☆」

「オイオイ行っちゃったよアイツら」

 

 オイオイオイ死んだわアイツら。って言ってる暇はありませんね本来は。でも大丈夫でしょう、彼女らのステータスは逃げに寄っており、危機察知能力はホモ都市の中でも上位、下手すりゃ最上位です。はえ~すっごい。ですからきっと………あ、帰って来ました。

 

「「ギャァァァァ!!!!!」」

「「何やってんだアイツらぁぁぁぁ?!!?」」

「……フゥー……」

「ほら、戦闘準備だ」

 

 あのさぁ……(呆れ)あーもう(クラウンスレイヤーとヒアリン君の情緒が)滅茶苦茶だよ〜。え?私ですか?実は計画通り(ゲス顔)なんっすねぇ。試走段階でこのシチュエーションは何回かありました。初めて起きた時は余りのガバに天は裂け、海は干上がり、大地君が就職しました。おまけにその時の彼女は死んじゃいまたしね。はーキレそう(思い出しギレ)

 

 まぁそんな事はどうでもいいです。今回は逃走能力と危機察知能力をカンストまで鍛えたターボ師匠とミヅハ君に餌になってもらい、広い所まで敵をおびき出して戦闘力分析をします。NPC相手の基本的な戦術です。

 それでは、ターボ師匠がトレインして来たペテルヘイム学校の食人鬼共……多いな?!あーもう滅茶苦茶だよ!こんな所でガバやらかすなや!

 ママエアロ(臨機応変)取り敢えずちゃちゃっとやって、終わり!あ、クラスレさん、いるなら手伝ってくれます?

 

「チッ、私に指図するな」

 

 そう言ってナイフ構えるとか殺る気マンマンじゃないですかヤダー。コレは死人出そうだなー、対策すとこ(冷静)

 

 

 

 

 

 はい(はいじゃないが)状況終了です。相手の戦闘力はそこそこですね。武器は包丁や鉄パイプ、折れたモップなどなど…防具もつけてませんし、直ぐに無力化出来ますねぇ!ヒアリン君の紹介をする隙もありませんでした。でも死人が出たのはちょっと辛いなー………ライナァァァ!!!(条件反射)

 

「……クソッ………」

 

 はいぃぃぃ?!なんですゥ?!(ペテルギウス)クラスレさん、もうちょい大きな声で言って下さい。腹から声だせ。

 

「一体何なんだよ、お前達は……!」

 

 なんでそんなに怒って……あっふーん(察し)よし行くぞお前達!相手の戦闘力はわかった!恐らく感染者もアーツロッドを持った奴もいない筈!いたとしてもアーツジャミングドローンがあるから大丈夫だ、問題無い。ちゃちゃっと制圧して、帰って飯食って寝る!あ、クラスレさん達はもう帰っていいよ(戦力外通告)

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『でさぁ、なんで帰ってないの?!帰れっつったよね?!ハイ終わり!閉廷!もう帰っていいよ!帰って下さいお願いしますなんでもしま……シマムラ!』

「じゃあ死ね!」

 

 私は迫り来る食人鬼の腹にナイフを突き刺し、蹴り飛ばす。

 境界無き方舟……あのチェルノボーグ襲撃作戦に介入したイレギュラーの一つ。コイツらのせいで、どれだけの仲間が犠牲になったのか。アイツらもロドスも同じだ。綺麗事を並べるだけの奴らの筈だ……!

 

「そぉらどっせい!」

 

 ペートラムの男は盾に張り付いた5人の食人鬼を投げ飛ばし、後ろから襲い掛かろうとしている食人鬼へ盾を持っていない方の手に装備されている篭手の様な物を一部展開させ肘鉄の容量で後ろの食人鬼の腹へ一発打ち込み、気絶させる。

 

「オイオイ何処も彼処も血に飢えた奴ばっかだな、何処にも生存者いねーぞオイ」

「全くだ………」

 

 あの種族のわからない二人、死んだ様な目をしている男はアーツを使って相手を一箇所に集め両断し、先端が結晶化している蠍の尻尾が生えた男は、天井に尻尾を引っ掛けて足で攻撃したり、ペートラムの男との連携攻撃を行う。

 

 チェルノボーグで死者を一切出さなかった事を納得する程の戦闘能力を、奴らは持っていた。しかも奴らは手を抜いている。その証拠に、今奴らが撃退した食人鬼共は皆生きている。入り口での戦闘の時もだ。私の周りには死体があって、奴らの周りには無い。

 奴らの実力を見抜き、あわよくば殺そうと思ってついて来た筈だったのに、今のアーツを使えない私じゃ、手も足も出ない事は予想出来てしまった。

 

「ふぅ………よし、生きてる奴を一箇所に集めてくれ。クラスレさん、アンタも手伝ってくれないかな」

「……気安く呼ぶな」

「やれやれ……それじゃあ、ターボちゃん達の……アレ、何処行った?」

「チェイサー!」

 

 突然私の後ろを食人鬼が横切った。ソイツはそのまま勢い良く壁にめり込み、うめき声を少し上げて沈黙する。

 

「ヤター!ターボの大勝利ー!」

「ヤター!」

『なんでッ!ドローン複数体よりもッ!足が速いんだよッ!スピードSS+か!?』

「何処に行ってたのさ?一人じゃ危ないっつったろ?」

「だってだって!突然イモータルが追っかけて来るんだもん!」

『チクショウ!強制的に連れて帰ろうとしたらめっちゃ速かった!何故にお化け屋敷と化した学校で追いかけっこせにゃならんのや!まぁみんな強いから安心して追うのに集中出来たけども!』

「はぁ……あのさぁ(呆れ)」

「………チッ」

 

 その光景を見た私は無性に腹が立って、でも何処にもぶつける場所が無くて、舌打ちしながら目を逸す。

 

「んー?どーしたのなんか嫌な事あった?」

「アッタ?」

「………何なんだよ……何なんだよお前達は?!戦闘が終わる度に私の事を邪魔者みたいな目で見て!それなのに何もしないで口ばっか動かしやがって!そんなに邪魔なら殺して見ろよ!私だって、お前達を殺そうと―――!」

 

 意味がわからなかった。私が何故こんなにも怒っているのかわからなかった。なんで心の底を曝け出してるのかわからない。なんで、私を…私が人を殺す度に、そんな目をするんだよ?!

 

「……フゥー………イモータル、敵勢反応は?」

『反応無しだな。スキャンドローン数十機で索敵したから間違い無いぞ』

「もう制圧か?なら帰ろうぜオイ」

「なっ?!」

 

 私の言葉を無視し、会話を終わらせて帰ろうとする奴らに、今度は別の怒りが湧き出てくる。

 

「あぁコラ……はぁ、人が説明を求めて来たら答えなきゃ駄目でしょうに」

 

 そう言って私の方を向くペートラムの男。私はソイツを睨みつけ……ある事に気がついた。今私の近くには、クランタとサヴラの子供と、目の前のペートラムの男だけ。他のは確実に油断している。今なら、この男殺して―――

 

「さっきの質問の答えだけど……」

「――!」

「俺達はね、君がまだ話のわかる人だと信じているからさ。俺達は人を殺さない…殺せないと言ってもいい。と言うか、まず刃を交わしたくもないと言うのが、少なくとも俺の本音でね。出来れば話し合いで済ましたいのさ。でももし君がそのナイフで俺達を殺しに来たら……ね?君ならわかるだろう?つまりそう言う訳さ。話終わり。ホラ、皆が待ってるから、早く帰ろう」

「帰るぞー!」

「オー!」

「…………」

 

 私はナイフを持った手の力を抜いた。そして、クランタの子供に腕を引っ張られながら、奴らの後についた。

 

 

 

 

 

『なんか空気重いな〜。歌でも歌う?宿命さえ♪運命さえも♪どうぞ、輝か〜せて♪』

「耳障りだ」

『oh……サウンドofクライ(狩猟笛)……』

 

 結局奴らについていっただけで、何も出来ずにダラダラと出口まで帰って来た。これじゃあ、先生の言う通りじゃないか。

 

「クソッ……!」

 

 悪態をつきながら、次の一歩を踏み出した瞬間だった。

 

「―――え?」

 

 床が砕け、足が片脚が地面にめり込む。私は驚きながらも、足を引っ張り出そうとして……自分の足が何者かに掴まれているのが見えた。

 まさか、地下に隠れていたとでも言うのか?そう思っているのも束の間、私の体は勢い良く引っ張られ、地下へと引き摺り込まれる。

 

「誰か、助け―――」

 

 最後に見た光景は、私を驚愕した表情で見つめる方舟の奴らと、自分の伸ばした腕を掴む、クランタの子供だった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「う、うぅん……ここは…?」

 

 目を開いて辺りを見回すが、何も見えない。クラウンスレイヤーは、自分が地下に引き摺り込まれた事を思い出し、ここは地下で、自分は今危険な状態である事を悟った。

 

「クソッ!早くここから…って、なんだコレは?」

 

 出口を探す為に起き上がろうとして、自分の上に何かが覆い被さっている事に気がついた。

 

「確かポケットにペンライトが……よし!」

 

 念の為に持っていたペンライトを点灯させる。

 

「あのクランタの子供…!」

 

 自分の上に覆い被さってるのがターボ師匠だと気がついたクラウンスレイヤーは、彼女の体を揺さぶる。

 

「大丈夫か?オイ!」

「うぅ~ん……ふぇ?!何ここ?!どkムグゥ?!」

「静かにしろ!クソッ!」

 

 慌てて騒ぎ出したターボ師匠の口を抑え、ペンライトの明かりを消す。それと同時に、何処からともなくうめき声が複数響いた。

 

「ムー!ンー!」

「チッ、お前!絶対に騒ぐな!暴れるな!私の言う事を聞け!少しでも声を出したり、物音を出したらお前を殺す!」

「ムグー?!」

 

 私も殺されるがな、と心の中で付け加える。

 

「私の言う事を聞けば助けてやる。わかったな?」

「ムグムグ!」

「よし、絶対に声を出すなよ?」

 

 クラウンスレイヤーはターボ師匠の口から手を離す。その瞬間、ターボ師匠はクラウンスレイヤーの服に顔を埋めた。

 一瞬驚いたクラウンスレイヤーだが、よく見るとターボ師匠は彼女の服で涙を拭いていた。その事に眉をひそめるクラスレだったが、泣き声を抑えているのを見て、考えを改める。

 

 さて、先ずは出口を探すしか無いだろう。だが探すにしても暗すぎるし、ペンライトをつければここを徘徊しているであろう食人鬼と化したペテルヘイム学校の生徒にバレかねない。それに血の臭いと腐臭で色々とヤバい。

 

「……イチかバチかだな」

 

 ペンライトを点けて辺りを一瞬だけ見回し、そして消す。後は奴らが来る前に素早く移動する。これを繰り返す。

 

「これを出口が見つかるまで……」

 

 息苦しくなり、自分の胸に手を当てて呼吸を落ち着かせる。だが、呼吸は落ち着いても、鼓動の速さだけは落ち着かせる事は出来なかった。

 正直言って、絶望的だった。

 

「……クソッ!諦めてたまるか!ここで諦めて、この子供と一緒に死ぬのなんかゴメンだ」

 

 ターボ師匠と言う存在によって、彼女は諦める事は出来なかった。何故なら彼女はまともであり、死にたくないから。ターボ師匠を置いて逃げる事も出来たが、感染者である彼女を置いていくのは、自身が絶対に許さなかった。

 

 だが、その頑張りも直ぐに終わりが来た。

 

「クソッ!」

 

 壁伝いに移動してわかった事は、地下空間は案外広くは無かった事だ。だがそれ故に、結論に辿り着くのは早かった。

 

「………ねぇ」

「ッ!なんだ……」

 

 今まで黙ってついて来ていたターボ師匠が口を開いた。

 

「多分、真ん中にあると思う。でも……」

「……そんな事はわかってる。死体が山積みになっているのも。アイツらが彷徨いてる事もな」

 

 正直言って危険過ぎる。クラスレはソレを充分理解していたが、このままじっとしていても意味が無いのも理解していた。

 故に決断を迫られる。この暗闇の中で、尚且アーツが使えないクラスレには小細工など出来ない。だが正面突破は絶対に無理だと言う自信がある。囮がいればあるいは……

 

「………おいお前」

「え?」

「お前、足が速いんだよな?」

「………うん、ターボ速いよ!」

「………一人だけ、助かる方法がある」

 

 

 

 

 

 暗闇の中を光が走る。転がっている死体の頭や腹、背中の上をターボ師匠を抱えながら危なげに走るクラウンスレイヤーだ。目指すは中心、出口があるかもしれない場所。

 

「ヒィィィ!!また増えた!」

「叫ぶな!死んでも前を照らし続けろ!」

 

 彼女達の周りを取り囲む足音が増えて来ている。 

 

 そろそろか……とクラスレはターボ師匠を見る。ターボにはペンライトを持たせている。彼女の足があれば、囮として時間を稼いでくれるだろう。

 そう彼女に教えたら、彼女は怖がりながらもソレを了承した。了承したのだ。本来なら喜ぶべき事なのに、不思議と体は苛立った。だからだろうか………

 

 彼女を出口がある方向へ向かって投げ飛ばし、追ってくる食人鬼共の前に立ったのは。

 

「え……えぇぇぇぇ!?!?なんで?!ターボを―」

「黙って走れ!私の事は気にするな!」

 

 自分でも何を言っているのかわからないと言った感じになっている。彼女には復讐と言う目的があるにも関わらず、自信の敵である方舟の子供を助けようしていて……

 

「何をモタモタしている?!」

 

 襲い掛かって来る食人鬼共をナイフで殺しながら、振り返って叫ぶクラウンスレイヤー。彼女を照らしているターボ師匠は、泣きそうな顔をしていた。

 

「だって、だって!」

「勘違いするな、私はまだ諦めてはいない……わかったらさっさと行け!」

「!………うん!」

 

 ターボ師匠は必死に死体の山を泣きながら登り、頂点に到達する。

 

 その瞬間、ターボ師匠は見えない何かで上に空いている穴へ引き上げられ、それと入れ違いで二人の人影とこの暗闇を照らし尽くす程の光が落ちて来た。

 

『ホゲェェェェ!!!もうこれ蟻の巣だよ気持ち悪い!よくここまで地面掘れたな!人間の可能性凄まじ過ぎるだろ!』

「ここも死体倉庫かクソッタレ!」

 

 マクロケリスは悪態をつくと、頂点からクラウンスレイヤーの元へダイビングし、クラスレと鍔迫り合いしている食人鬼へ拳を喰らわせ吹き飛ばす。

 

「よぉしブッ潰す!行くぞヒアリン!」

「いよっしゃ了解だオイ!」

 

 尻尾でそこら辺の食人鬼を吹き飛ばしながらダイナミックスライドでマクロケリスの元に到着する。

 マクロケリスはヒアリンの尻尾を掴んで回転しながら移動し、ヒアリンはその状態で嬉々としてガトリングキックを食人鬼へお見舞いしている。

 

「だァァァ面倒くせぇ!もうやっちまえ!」

「合点承知!」

『ハイハーイ、クラスレさんはこっちねー』

「なっ、引っ張るな!」

 

 マクロケリスはヒアリンを上に飛ばし、ヒアリンは足を天井の岩にめり込ませて固定し、尻尾の結晶を濁った青色のモーニングスターの様な形に加工する。

 そしてクラスレはドローンで上に持って行かれ、地下空間には残りの食人鬼と方舟の二人だけになった。

 

 マクロケリスは大盾の後ろに展開した盾を合体させ、スイッチを入れて正面を上に掲げる。マクロケリスの体を、青白い板がドーム状に包み込んだ。

 

「必殺!流星踵落とし!」

 

 普通にダサい技名を名乗りながら自由落下し、その間に態勢を立て直し、尻尾を地面に叩きつける様な姿勢になる。そしてマクロケリスのシールドドームに向かって、その尻尾を叩きつけ、大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

『あーガバがガバガバ』

「そうだな。お前さんのせいでな」

『ヒェッ、許し亭許して……』

 

 ペテルヘイム学校の玄関前で、マクロケリスはガバミスをやらかしたホモに怖気状態を付与し、ターボ師匠はミヅハ君に抱きついてワンワン泣いている。そしてその光景を、ターボ師匠だけで無く、自分までも当たり前の様に助け出した者達を見ていた。

 

「どうだ犬っコロ。信じたかオイ?」

「…………」

「……頑固だなオイ。まぁいいさ」

 

 犬っコロ呼びに若干イラつきながら、話しかけて来たヒアリンから目を逸らすクラスレさん。

 

『いいライダーキックだヒアリン君。殺意MAXな俺なら追い撃ちしてたけど』

「張り合うな」

『さて、長くなったし、そろそろ帰って………ん?電話や。しもしもー?』

 

「おいイモータル!龍門のバカがしくじりやがった!保護対象を奪われちまったぞ!」

 

『オッケーオッケー!んじゃエレキ君はロドスと龍門のバカにこう伝えてくれ。君達は動かなくていいよってな。んじゃ』

 

「オイコラ待」

 

「…………何があった」

『よし。お前さんら、ちと悪いがドローンの車送るからそれで帰ってクレメンス。私は用事が出来てしまったのでな』

「なんだ、龍門のヤツかオイ?」

『そうそう……んじゃ、ちょっと相思相愛な姉弟を保護しに行って来るわね!』




あーッ!あーッ!アァァァァァ!!!!(今回の話の出来を書きたいけど語彙力がアレな図)まぁ所々強引な上に長すぎだわな。スンマセン読者のホモ達すいません。

次回は起死回生です。そこでパパッとやって、終わり!したら3つ位プロフィール出します。今ん所こう言うチャートです。ではまた次回、サラダバー!


クラウンスレイヤー

食人鬼すら殺さず、敵である私ですら当たり前の様に助けた事が本当に気に入らない。これじゃあまるでレユニオンが………


ターボ師匠

諦めない


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起死回生 上

スカーレットネクサスが面白いので初投稿です。


 時間です(壮大なBGM)

 と言う訳で相思相愛な姉弟を救うRTAはーじまーるよー!

 

 では先ず、ホモ都市に待機させていたオペレーター達を招集しレユニオン達が隠れている採掘場へ向かわせましょう。因みに眠ってたら着きますので、寝てて結構です。

 

「そんな事しねぇよ」

 

 あっそう(´・ω・`)……では着いたら指定の位置で待機です。行ってら〜。

 

 さてと、今頃エレキ君の話を聞いてびっくらポンだぜってなっている龍門の皆さんに報告をば。

 皆さんおっはー!みんな元気ー?世の中楽しく生きてるかー?(皮肉)

 

 ………そういや、ロドスの相思相殺攻略パーティーは何だったんやろ……ヒェッ、アタッカーにスカジとソーンズおるやんけ。それとハイビスカスとラヴァ、エリジウムにヴィグナママ、フィリオプシス、ノイルホーンとグム、アズリウスとプラチナ、グラベルとロープにアーミヤCEO。残りは相思相殺で登場するオペレーター達ですね………レユニオンルートじゃなくてヨカッタ…ヨカッタ…(安堵)これリセが殆ど確定なパーティじゃ無いですかヤダー(真顔)

 

「ねぇ君、そのアップルジュース頂戴?」

「イヤじゃが」

「ゴシャクくーん。そのエナジードリンク頂戴?」

「イヤじゃが」

 

 エクシアとドクターは何やってるんです?

 

「あぁ、待ってたよイモータルさん。取り敢えず話を聞かせてくれないかな?私達が行かなくてもいいと言うのは?」

 

 切り替え早いなドクター。起きて一週間で指揮官出来てるって勲章ですよ?じゃあみんなで残党でも保護しながら説明するとしましょう。あ、一応チェンさんにも聞こえる様にしておきますね。まぁ残党狩りで聞く暇無いでしょうが。

 

「……今から何を話す気なんですか?」

 

 いい質問ですアーミヤCEO。今から話すのは………

 

 

 

 

 

 5歳でも出来る、救助活動(パピオス並感)

 

 

 

 

 

『とまぁそんな訳で、ハロー諸君!私達と一緒にお話しようよ(ドナルド並感)』

「……境界無き方舟!」

「あら、コレはしてやられたわね」

 

 ミーシャを確保し、少ない犠牲で採掘場までやって来たスカルシュレッダー率いるレユニオン部隊。後はタイミングを見計らってスピードワゴンの如くCOOLに去ろうとしていた彼らにとって、その採掘場に先回りされていたのは予想外の展開だろう。

 

 そして、その集団の頭上にいるドローンが、レユニオンに向かって話しかけている。

 

『はは〜ん、さてはポマエラ全員警戒してるな?肩の力抜けって……大丈夫大丈夫、ヘーキヘーキ、ヘーキだから』

「お前、そんな安い言葉を信じると思ってるのか?」

『いや全く?逆に信じてくれたら驚いてガッツポーズ取る所だわ』

「………」

『そう睨みつけ無いでクレメンス、照れちゃうだろ』

 

 その瞬間、スカルシュレッダーがグレネードランチャーの銃口をドローンに向け………引き金を引かなった。

 スカルシュレッダーが銃口を向けた途端、周りを取り囲んでいる方舟のオペレーター達が一斉に何かを展開したからである。実際はシールドを展開して攻撃に備えようとしただけなのだが。

 

『………ハハッ☆落ち着けって、ったく血気盛んだなオイ。ホラホラ武器をしまえ、落ち着いて話出来ないでしょうが』

「そんなもの最初からする訳無いだろバカが。W、ミーシャを頼んだぞ」

「ハイハイ、言われなくてもわかってるわよ」

『マジで無駄に血気盛んだな。ただ私達と一緒に方舟に来てくれれば争いは起きないし治療は受けれるしで解決するってのに』

「チッ、そんな美味い話あるわけ無いだろ!」

『あるんだなぁ君の目の前に!』

「なら証明してみせろ!今ここで!」

『アンタバカァ?(ラングレー)こんな感染者と石しかない場所で君達になんか出来る訳ねぇだろ常識的に考えろ!せいぜいこうやって話すかボディタッチ位しか出来ねぇよチクショウ!あーチェルノボーグに医療機器全部出してるわチクショウガバッた!』

「何アレ?気持ち悪いわね」

『黙らっしゃいダブチー。あたしゃ今シュレッダー君と話してるの。後爆弾は危ないからポケットにしまってね』

「は?今ダブ……は?」

「Wの言う通りだ、本当に気色が悪い。お前みたいな俺達感染者を侮辱し、ロドスと共に俺たちの同胞を殺す様な輩は誰だろうと許さない」

『あらやだ、誤解がすぎるわこの男(小声)許さないって、それが例え感染者でも?』

「当たり前だ!俺達レユニオンに逆らう奴は全部敵だ!ロドスもお前達も容赦はしない!」

「…………思考の次元が低過ぎる」

『スパラディ君、アレ中途半端過ぎてやべぇわ。でももうちょい話してみたい。いいかね?』

「好きにしろ」

『ヨシ!(確認猫)で、家来る?』

「何度同じ事を言わせるつもりだ?」

『そりゃこっちの台詞だ。なんで素直にハイって言えないかね?』

「お前……俺達の気持ちも知らないで!」

『知るか、私はエスパーじゃねぇし知る気も無いわ。つか、早く首を縦に振ってくれないかね?時間押してるし』

「巫山戯るな!お前達の偽善に付き合う気は無い!俺達は感染者の自由の為に戦う!お前は邪魔だ!」

 

 スカルシュレッダーの言葉が響き、彼の部下達の士気が上がる。今にも一触即発の雰囲気となった。

 その光景を方舟のオペレーター達がそれぞれ呆れた様な目で、憐れむ様な目で、懐かしむ様な目で見ている事など、彼らは知る由もないだろう。

 彼らに殺意が無い事を、一部を除いたレユニオン達は絶対に気づく事は無い。

 

『ハァ……感染者の自由………その割には装備もクソ雑魚だし、幹部も未熟なウルサスに、自分の力を過信し、現実から目を背けたループス(ブラスフゥンダル)キチガイと化してしまったクソガキとソレを咎められない子供、死に急ぎ野郎の年寄りとその娘、そしてやる気の無い統率者………ねぇコレやる気あるゥ?!オイオイ嘘だろよく考えたらお前らやる気無さ過ぎだろダブチーを見習え!見た目は狂人演じてるけど中身は真面目な恋する百合の乙女やぞ!……いやまぁダブチーもダブチーでアレだけどさ!』

「は、ハァ?!アンタいきなり何言い出してんの?!」

「お前、まだ俺達を侮辱する気か!」

『もう侮辱も何も無いよSS。決めた、お前達には何がなんでも来てもらう。お前達の為にも、絶対だ。悪いが選択肢なんて無い、感染者に相応しい人生を歩ませてやる!(ハイパー無慈悲)』

「黙れ!お前の偽善を勝手に俺達に押し付けるな!」

『いいや押し付けるね!誰がなんと言おうと押し付ける。お前には善意の押し付けが必要不可欠だ。だってお前の未来ここで潰えるし、お前の信じるレユニオンの革命は失敗に終わるんだ、そんな下らねぇ事で死なせてたまるかよ!』

「なっ……なんだと貴様ァ!!!」

『キレるな若者が!お前孫悟飯か?!いいか?よーく頭使って考えて見ろよ見ろよ。お前達がピンチに見えるこの状況で、なんで援軍がいつまで経っても来ねぇんだ?』

「……何を、言っている?」

 

 ドローンから発せられた言葉により、レユニオンの部隊に小さな疑念が生まれた。

 

『割と結構な時間話してるんだがね、援軍が来る気配がこれっぽーっちも無いの。そこんとこどう思うよ?』

「違う…っ違う!タルラさんは、タルラさんはそんな人じゃ無い!きっと何処かで感染者を助けているだけだ!そうに決まってる!」

『それが仲間を見殺しにしていい理由になるかァァ!!!!』

 

 突然の音割れドローンにレユニオン部隊は一部を除いて耳を塞ぎ、方舟オペレーター達とスカルシュレッダー、Wは顔を顰めた。

 

『いいか?私達はお前達レユニオンを方舟へ連れて帰って治療させる。お前の信頼するタルラさんは助けに来ないし、ここに残っても後から来る近衛局に皆殺しにされるだけ。今のお前に与えられた選択肢は私達と生きる以外には存在しない訳なのよ………最後だ、私達と共に来なさい、スカルシュレッダー』

「絶対に断る。例え天地がひっくり返ろうとも、俺達が信じるのはタルラさんだけだ。感染者の自由を目指すレユニオンだけだ!お前達偽善者には絶対に屈しはしない!」

 

 スカルシュレッダーの言葉で、またもや雄叫びが上がる。

 

『・・・ヤハリ愚カナ・人間ダ>』

 

 その一言で、方舟オペレーター達は一斉に盾を展開し、刀身が淡い青色に発光している剣を取り出す。

 

『全く、ロドスもレユニオンも……自らの目的の為なら救うべき患者を、同胞になったであろう者をも殺す。目的と言動の矛盾している様は実に気色が悪い。お前達の様な能無し殺人集団が勝てる訳無いだろ』

 

 レユニオン部隊の誰かが、方舟オペレーター達へ向かって火炎瓶を投げつける。その火炎瓶は放物線を描き、そして盾によって簡単に防がれ砕け散った。

 

 それが、開戦の合図となる。

 

『デハコレヨリ・救助活動ヲカイシシテ下サイ>』




なんでこ奴ら悠長に長話ししてるんだろ(お前が書いたんやろがい)やっぱプレイアブルキャラが大勢いる時の話は指の骨が折れますね。ダブチーあんま台詞無かったし、ミーシャに関しては何も喋らなかったりと、走者の力不足ガガガガガガ。

それと、起死回生がもう一話程続く事になってしまって申し訳無い。マジでガバです。ガバガバです。次回でちゃーんと終わらせます。ごめんなさい、謝るので絶対に許して下さい。


スカルシュレッダー

君を死ぬ未来から、救いに来たんだ(グリッドマン並感)だから素直にホモの所へ来て欲しかったんだけど来なかった男。このツンツンやさんめ!


W

君は誰がなんと言おうと恋する百合の乙女だよ。相方もうアレだけども



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起死回生 下

最近異世界チートスレイヤーなるものが流行ってるので初投稿です。とづまりすとこ


『デハコレヨリ・救助活動ヲカイシシテ下サイ>』

 

 その言葉と同時にレユニオンと方舟がぶつかり合い、早速レユニオンの一人がノックダウンした。

 

「よっしゃファーストキル頂きィ!」

「ガッツポーズしてる暇があったら目の前のコイツらを取り押さえろ!救護班!そこの感染者を運んどいてくれ!」

 

 目の前のレユニオンを片っ端から戦闘不能にさせて行く方舟のオペレーター達。その光景を見ているスカルシュレッダーはグレネードランチャーで後方の救護班達を攻撃しようとするが………

 

「クソッ!!」

 

 山なりに少し飛んだあと、何処かから飛んでくる攻撃に破壊される。弾道を低くし、仲間を巻き込まない距離にいる手前の方舟オペレーターを攻撃しようともしたが、それも尽く撃ち落とされた。

 

「メルヘェン、ゲットォォォォォォォ!!!!」

「チッ、あぁもう!何なのあの【カズデルスラング】!!!」

 

 Wの方は、自分の放った爆弾の尽くをバットを持った謎の子供にホームランされてキレ気味になっていた。と言うか、爆弾を爆発させずに打ち返すとは、一体どう言う技術なのだろうか?

 

『え、ウソん、なんで高野レンちゃん来とるん?え?なんで?』

 

 どうやら向こうにとっても予想外だったらしい。しっかり管理しろホモAI。

 

「このままじゃ不味いな……オイW!」

「何よ?!」

「……ここは俺達に任せろ。お前はミーシャを連れて逃げてくれ」

「……アンタ正気?」

「正気も正気だ」

「っ!何考えてるのスカルシュレッダー?!」

 

 今まで怒涛の展開について来れていなかったミーシャは、スカルシュレッダーの言葉が聞こえた瞬間、今にも泣きそうな表情で彼の腕を掴む。

 

「………すまん、ミーシャ。でも大丈夫だ、きっと戻って来る。そして…一緒に家に帰ろう」

「…………どうして……!」

「W、今からスモーク弾を発射する。その内にお前はミーシャを連れて逃げろ!」

「はいはいわかったわよ。ご武運を……なんてね」

「待って!アレックス!」

 

 必死に止めようとするミーシャの腕をスカルシュレッダーから強引に剥がし、戻ろうとするミーシャをこれまた強引に引っ張って行くW。そして同時に、スカルシュレッダーが発射したスモーク弾が空中で爆発。辺り一帯は煙で見え辛くなった。

 

『サルカズ女の事は無視してクレメンス。迎撃する必要はそんじゃいしにゃいからな(ていと君滑舌)………にしても今の他人に連れてかれるミーシャとソレを見送るスカルシュレッダー、アニメでよくある過去の出来事と似たシチュだ。それに加え乱立する死亡フラグの数々……やってやろうじゃねぇぇかァァァ!??!早速スモーク撃ち抜くとか言うガバ起こしたけどやってやろうじゃねぇぇかァァァ?!!?』

 

 取り敢えず独り言が煩いドローンは置いといて………

 

「………さて、おかげで前が見え辛くなったが、それは相手も同じだ。事が有利に運べば……」

「だ、誰だ?!ぐぁっ!」

「なんだ、一体誰が…!?ぐッ……」

「くっ来るなァ!来るなァァ!!!」

「……そう簡単には行かせないってか?舐めやがって!」

 

 そう叫びながら、後ろから迫って来る青色の刃を避ける。

 

「ほう、何故防がなかった?」

「知るか、死ね」

 

 スカルシュレッダーは、あの青色の刃に実態が無い事を目の前で斬られていく部下達のおかげで事前に知る事ができていた。

 スカルシュレッダーはグレネードランチャーを大鉈に変形させ、目の前の男、スパラディへ斬りかかる。だがその攻撃は、スパラディがもう片方の手に持っていた特殊な形のハンマーに防がれた。

 

「くっ!」

「ほう、中々良い武器を持っている。それは自作か?」

「黙れ!」

 

 鍔迫り合いの状態から押し返し、ガードが緩くなった瞬間を狙って大鉈を振るが、スパラディは最低限の行動で攻撃を避け、2発目の攻撃をガードし、3発目の攻撃を弾き返し、4発目の攻撃を避けてスカルシュレッダーの片方の腕にカウンターをブチ込んだ。

 

「ガッ!?ぐぁぁぁッ!!!」

 

 突如腕に響いた痛みに顔を歪め、余りの痛みにグレネードランチャーを手から離してしまう。斬られた所から下の感覚が無いにも関わらず腕がくっついている現状に困惑しながらも、スパラディから距離を取った。

 

「投降しろ。お前に勝ち目は無く、戦う価値も無い」

「なん……だと?」

「そう言えば言ってなかったな。俺は感染者では無いし、アーツも全く使えん。だがお前は俺に片腕を持っていかれた。この時点で勝ち目など無いとわかる筈だ」

「ッ……バカにするのも大概にしろよ非感染者が。俺は絶対に諦めたりはしない!」

「無理だ諦めろ。例え如何なる小細工を使おうが、お前に勝利は無い。お前の部隊も既に終わった」

「それがどうした?そんなもの、諦める理由になるものか!」

「愚かな。お前達レユニオンの目的のみならず、蛮勇を勇気と履き違えるか」

「お前如きに何がわかる!?」

 

 そう言いつつ、既に自分以外の戦闘音が無い事に気づいていたスカルシュレッダー。このスモークが晴れれば、そこは敵陣のど真ん中だろうと言う現状を理解していた。

 故に、彼は残された手段を使い一矢報いる事を決めた。本来はロドスの司令塔を潰す為の、自分が死ぬ事が前提の手段を。

 

 スカルシュレッダーはスパラディに向かって、グレネードランチャーを発射する。弾は山なりに飛んで行き、頂点についた瞬間に何処かからの狙撃によって爆発する。

 

(今!)

 

 彼はグレネードランチャーの弾を囮にした。このスモークの中で狙撃手が撃って来るかどうかの賭けであったが、見事に命中させてくれたのだ。

 そして、彼はグレネードランチャーを捨てて、爆発で油断してるであろうスパラディへ向かって駆け出し……

 

「……惜しいな」

 

 そう呟きながら、彼はハンマーの撃鉄をガシャンと起こす。そしてそのハンマーを大きく振りかぶると、

 

 

 地面に思い切り叩きつけ、大爆発を起こした。

 

 

「何ィ?!」

 

 予期せぬ爆発により、辺り一帯を包んでいたスモークが晴れ、そして爆発で巻き上がった土煙に視界を遮られる。

 

「クソッ!何なんだ一体…―――!?」

 

 土煙の中から投げられて来たものをギリギリでキャッチする。それは、腕を斬られた時に落としたグレネードランチャーだった。

 

 そして……

 

「少年よ、死ぬなよ」

「なっ?!」

 

 土煙の中から現れたスパラディは、痛覚残留ブレードを背負っている四角型の石塊…否、石槌に連結させる。そしてその石槌を両手で振りかぶり、スカルシュレッダーがキャッチしたグレネードランチャーへ向かって思いっきり叩きつけた。

 

「グヴッ―――」

 

 スカルシュレッダーは綺麗な放物線を描きながら宙を舞った。体の中の何かが折れる感覚を感じながら、スカルシュレッダーの世界はスローになっていた。

 

 彼はそのまま重力に従って落ちて行き………

 

「メルヘェン、ゲットォォォォォォォオオオ!!!!!」

 

 グワゴラガキィィン!!!と言う音と共に、また天高く飛んで行った。また天高く飛んで行った(大事な事なので2回)

 

「乙女は強くなくっちゃね!」

『何がペルセウスだ強すぎだろオイ!あーでも向こうには俺ん家があるから大丈夫……じゃねぇ問題だらけだ!あの高さはいくらなんでも難しいぞオイ!』

 

 

 

 

 

 さて、ホモ都市の屋上ではさっきまで狙撃をしていた人物、ホモの義体が紫色のボウガンの様なもの二丁を隅に起き、準備体操をしていた。

 

『よーしよしよし………来たァ!』

 

 空から飛来して来るスカルシュレッダーを見つけた狙撃型義体は、出来る限り後ろへ下ると、全速力でダッシュしてハイジャンプする。

 

『届け俺の思いィィィィィィィィ!!!!』

 

 今度こそ重力に従って落下して来るスカルシュレッダーをキャッチしようと………

 

『って何処行くねぇぇぇぇん?!!?アァァァァァー♂』

「よいしょっと……ふぅ、無事にGET出来ましたね」

 

 彼の奮闘も虚しく、スカルシュレッダーは無事に後ろで待機していた女性オペレーターがアーツを使って優しくキャッチしたとさ。

 

「イモータル。そっちは無事か?」

 

『………私が無事じゃ無いッス』

 

「そうか。で、これからどうする?あの逃げたサルカズ女の方に向かうか?」

 

『よいしょっと……いや、そっちはいい。倒したレユニオンを回収して帰投してくれ』

 

「了解だ」

 

『ふぅ………折角の見せ場がぁぁぁあああぁ〜』

 

 

 

 

 

 一方でWはと言うと、チャーんトミーシャを連れて自分の部隊と合流し、一足早くチェルノボーグへ帰ろうとしていた。

 

 まぁそんな上手く行くもんじゃ無いんですけどね。

 

「な?!うわっ!」

「オイどうし――な、なんだコレ?!」

「な、何?!」

「――!もう追いつかれたの?!」

 

 突然仲間がおかしな状態となり、バランスを崩して地面に体をぶつける。そして、その体へ何処からか青色の線がコケたレユニオンの体へ撃ち込まれ、小さい呻き声と共に意識を手放して行った。

 

「走って!」

「あっ、ま、待って!」

 

 仲間が次々に倒れる状況を見たWは、咄嗟にミーシャの腕を引っ張って走る。

 

「グッ?!何…これ……」

 

 そしてWにも、その症状が発現した。片目の移す景色が自分が今見ている景色と、自分達を何処かから見ている第三者の景色が交互に映され、更に目が勝手に動き回る事によって、Wは平衡感覚を失いかける。

 

「だ、Wさん……」

「………心配しないで、アンタは自分の事だけに集中して」

 

 バグる片目を瞑り、平衡感覚をギリギリ保つ。一刻でも早くここから逃げなければならないと前を向き……その光景に目を疑った。

 

 それは控えめに言って巫山戯ていた。言葉にし難いが、100人中100人が巫山戯ていると言うであろうポーズで、浮遊しながら少しずつ彼女達の元へ近づいて来る飛行物体……いや、飛行人間。

 そして、何処からともなく方舟のオペレーター達が出現し、退路を塞がれる。Wは待ち伏せされていたのだと理解した。

 

「吾は面影糸を巣と張る蜘蛛。――ようこそ、この素晴らしき惨殺空間へ」

 

 見ていておかしくなりそうなポーズの男がそう言うと同時に、Wとミーシャの周りを無数のナイフが取り囲む。

 

「目的は……やっぱりこの子かしら?」

「そうそうよくわかってるじゃ無いかサルカズの女性さん。おっと失礼自己紹介が遅れたね。僕の名前はメタトロン。方舟のオペレーターさ。率直に言うけどそこのウルサスの女性さんを僕達に引き渡してくれないかな?そしたら君は見逃してあげるよ。君もこの状況で戦いたいとは言ったりしないだろう?」

 

 Wの言葉に、彼女の退路を塞ぐように立っていたサンクタ族の男『メタトロン』が返事をする。Wはゆっくりと振り返り……驚愕する。

 

 その男の片目が自分と全く同じ色と形をしていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 と、言うのが今回のチャートでした。理解したかー?

 

「まさか、彼らの移動先を予測出来ていたと?」

 

 流石に完全にはわかっていません。ホントですよ?まぁ彼らの移動ルートから予測すればわかっちゃうんだなコレが。ま、一応貴方達にも教える事は出来たんですが……私の部隊が速いのでそっちを選びました。後で作戦記録送るんで許してヒヤシンス。謝るので絶対に許して下さい(笑顔)

 

「………つまり貴様は、近衛局どころか同盟関係を結んでいるロドスすらも信用ならなかったと?」

 

 お、チェン隊長オッスオッス!幸せに暮らしてるかー?(皮肉)信用ならなかったと言いますか……こう、効率を考えた結果ですね。貴方達は高確率でレユニオンの残党が足止めしてくるので、この際貴方達には龍門のレユニオン残党狩りに集中して貰おうかと。適材適所ってヤツですぜコイツァ…。

 

 だからみんなそんな顔すんなよなー頼むよー。

 

「………それで、ミーシャの身柄は?」

 

 ちょっと待って………あ、今確保したとの情報が入りました。やったぜ、投稿者変態移動都市。

 

「ではこちらに引き渡してくれ。コレは私達龍門の問題だ………協力は感謝する」

 

 あぁ、その事なんですが……なんていうか、その……失礼なんですが……フフ、

 

 

あげません!!!!(日本総大将)

 

 

「なっ?!」

「「「「えぇぇぇぇ?!」」」」




最後やりたかっただけデース。みんなも実際にチェン隊長に向かってあげません!!!って言ってみたくない?言ってみたくない……あっそう(´・ω・`)

という訳で、起死回生は終了で御座います。終わりとはいつも呆気ないものですね。次回は3話程プロフィール回となります。そして感想にオリキャラなどなどの帳簿が欲しいと言う要望もあったので、それも書こうかと。ではサラダバー!


スカルシュレッダー

生きてる^〜、あ〜生きてる^〜!これから幸せにしてやるから覚悟しとけよしとけよ〜?


ミーシャ

あの後、自分から彼らに引き渡される事を承諾した。本人はよくわからないが自分が引き渡されればなんとかなるかもしれないと言う浅はかな考えだが、おかげでダブチーをあのヤバい空間からいち早く脱出させる事が出来たゾ!


W

今回ちょっと可哀想な目に合いかけた子。謎ポーズの飛行人間を前にして死を悟ったけど、ミーシャが方舟に行ってくれたおかげで無事でいられたゾ。ただし方舟に連れて行かれるのを見ているダブチーの状態は「バラバラにされるって分かってても何もできない絶望してる感じ」に近しい感じだった。頑張れダブチー


高野レン

メルヘェン、ゲットォォォォォォォオオオ!!!!


謎ポーズの飛行人間

斬刑に処す。その六銭、無用と思え


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特に意味も無く作ったプロフィール5

タイトル通りです

日間ランキング73位

おぉん………

数分後

日間ランキング36位

ファッ?!

皆さんこんなガバガバRTA見てくれてありがとナス!


【プロフィール】

【レアリティ】星4

【コードネーム】メタトロン

【陣営】境界無き方舟

【性別】男

【職業】狙撃

【募集タグ】遠距離/火力/牽制

【戦闘経験】2年

【出身地】イベリア

【誕生日】10月4日

【種族】サンクタ

【身長】166cm

【専門】射撃(銃)/源石術(精神同調)/高速詠唱/独りしりとり

【鉱石病】感染者

 

 

【特性】

高威力の中距離射撃

 

 

【入手方法】

人材発掘

公開求人

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された狙撃オペレーター。戦術的な戦闘支援においては充分な能力を発揮している。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、スパラディと共に暴徒の制圧などに協力している。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】14/16/18

【ブロック】1/1/1

【攻撃速度】やや遅い(1.6s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

   □□      □□□

   ■□□     ■□□

   □□      □□□

 

 

【素質】

眼を光らせる

昇進1【止まっている敵】を攻撃時、攻撃力が115%まで上昇する

昇進2【止まっている敵】を攻撃時、攻撃力が135%まで上昇する

 

 

【基地スキル】

交渉

初期 貿易所

貿易所配置時、配置貿易所の高品質な金属オーダーの獲得率がわずかに上昇(勤務時間が確率に影響する)、体力消費が1時間ごと-0.25

(同種の効果は高いほうのみ適応)

独り言

昇進2 宿舎

宿舎休養時、自身の体力回復速度が1時間ごと+1。

配置宿舎内全員の体力回復速度が1時間ごと-0.2

 

 

【スキル】

スキル1 視覚占領  攻撃回復

           自動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   5   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に1秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

2  0   5   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に1秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

3  0   5   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に1秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

4  0   4   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に1.5秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

5  0   4   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に1.5秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

6  0   4   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に1.5秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

7  0   4   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に2秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

特化Ⅰ 0  4   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に2秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

特化Ⅱ 0  4   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に2秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

特化Ⅲ 0  3   

次の通常攻撃が2回攻撃になり、攻撃対象に2.5秒のバインド(移動停止)を付与、ステルス状態の敵を優先して攻撃する

 

 

スキル2 光る千の眼  攻撃回復 

            手動発動 

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   20   

攻撃範囲内の敵を2秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の140%の物理ダメージを与える

 

2  0   20   

攻撃範囲内の敵を2秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の150%の物理ダメージを与える

 

3  0   20   

攻撃範囲内の敵を2秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の160%の物理ダメージを与える

 

4  0   19   

攻撃範囲内の敵を2.5秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の180%の物理ダメージを与える

 

5  0   19   

攻撃範囲内の敵を2.5秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の190%の物理ダメージを与える

 

6  0   19   

攻撃範囲内の敵を2.5秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の200%の物理ダメージを与える

 

7  0   18   

攻撃範囲内の敵を3秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の220%の物理ダメージを与える

 

特化Ⅰ 0  17  

攻撃範囲内の敵を3秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の240%の物理ダメージを与える

 

特化Ⅱ 0  16   

攻撃範囲内の敵を3秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の260%の物理ダメージを与える

 

特化Ⅲ 0  15   

攻撃範囲内の敵を3.5秒スタンさせ、ステルス効果を無効化、6発の弾丸で攻撃範囲内の敵をランダムに攻撃し、命中した敵に攻撃力の280%の物理ダメージを与える

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】メタトロン

【性別】男

【戦闘経験】2年

【出身地】イベリア

【誕生日】10月4日

【種族】サンクタ

【身長】166cm

【鉱石病感染状況】感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】標準

 

【戦場機動】標準

 

【生理的耐性】欠落

 

【戦術立案】普通

 

【戦闘技術】標準

 

【アーツ適正】優秀

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された狙撃オペレーター。戦術的な戦闘支援においては充分な能力を発揮している。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、スパラディと共に暴徒の制圧などに協力している。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められる。

以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

 

【源石融合率】12%

主に視神経に集中しており、レユニオン事変の時よりも症状が進行しつつある。

 

 

 

【血液中源石密度】0.25u/L

循環器系による結晶濃度は安定している

 

 

【第一資料】

方舟オペレーターの中では数少ない小柄の男性オペレーター。

なお、彼は重度な精神疾患を伴っている為、彼の扱いは充分に注意されたし。また、作戦に連れて行く場合はオペレータースパラディを同行させる事。

 

 

【第二資料】

メタトロンの使用するアーツは、彼の視認した人物と視覚情報をリンクさせる。最大補足数は彼の体調に左右され、ポテンシャルが最大時であれば約100人との同時接続を可能とさせる。

また、鉱石病の発症でアーツが発現した弊害か、彼の片目は失明しており、アーツを使って失明した片目で他人の視覚情報を視認している。

 

 

【第三資料】

彼に関する情報はイベリアに住んでいたと言う事以外不明瞭であり、方舟の統率AIは詳細な情報の開示を拒否、また捜索をオススメしておらず、古くからの知り合いであろうスパラディもその口を固く閉ざしている。

かと言って流石に身元の情報が不足し過ぎている為、なんとかスパラディからその情報を聞き出した所、彼の習慣と注意事項を聞き出す事が出来た。

それ以降、メタトロンの身辺情報の捜索は中断している。

 

 

【第四資料】

 

【権限記録】

しりとり林檎ゴーススケールルルイエ………あと何だったか。アイツの習慣は早すぎる上に聞くに耐えんからよく分からん。ま、俺にも分からぬ事だ、お前達に理解出来るものでも無いだろう。

そうだな、最後に忠告だ。あの狩人どもの眼を奪われるなよ。流石に3人も目覚めてしまっては手に負えんからな。

 

――オペレーター スパラディ

 

 

メタトロンの印

 

実に再現度の高い瞳の模型……と思われるもの。その瞳は極彩色に輝き、意識を闇へと誘い込む。

 

 

採用契約

 

オペレーターメタトロン、事ある毎に視線が合う

そうだ、彼らに会いに行こう




一人目が完成しました。残り二人や工藤。頑張れ俺!頑張れ!(釜戸)にしても元ネタのメタトロン要素欠片も見当たらねぇな?(お前が書いたんやろがい)

書くこと無いんで、先週の土曜日にあったとあるVTuberのスマブラコラボチーム戦配信でヨッシーに卵にされて崖から落とされた無様なカズヤは私ですって書いときますね。

ではまた次回、サラダバー!


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特に意味も無く作ったプロフィール6

タイトル通りです。


【プロフィール】

【レアリティ】星5

【コードネーム】アクラヴァシム

【陣営】境界無き方舟

【性別】男

【職業】特殊

【募集タグ】近距離/火力/弱化

【戦闘経験】5年

【出身地】サルゴン

【誕生日】7月2日

【種族】不明

【身長】178cm

【専門】対人格闘/人体破壊/潜入/薬剤調合

【鉱石病】非感染者

 

 

【特性】

攻撃範囲内の敵全員を同時に攻撃。

物理回避、術回避が50%上昇、敵に狙われにくい

 

 

【入手方法】

人材発掘

公開求人

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された特殊オペレーター。戦術的な戦闘支援と潜入作戦においては充分な能力を発揮している。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、主に潜入作戦や暴徒の鎮圧に協力している。

本名はヒアリン。コードネームのアクラヴァシムは、方舟に来る前に何処かの誰かに呼ばれていた渾名らしい。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】18/20/20

【ブロック】0/0/0

【攻撃速度】遅い(3.5s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

  □□□     □□□

  □■□□    □■□□

  □□□     □□□

 

 

【素質】

纏晶の捕食者

昇進2 6(−1)秒間攻撃せずにいると、潜降状態(敵の遠距離攻撃の対象にならず、攻撃しなくなる、ブロック数+1)になる。攻撃を受けた時、その攻撃をガードし、攻撃範囲内の敵に攻撃力の50%(+10%)の術ダメージを与え、結晶状態(移動速度を5秒間20%下げる、効果終了時に周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力の20%の術ダメージを与える)を付与し、潜降状態を解除する。

 

 

【基地スキル】

毒物学α

初期 加工所

加工所で昇進素材を加工時、副産物の入手確率+75%

特殊エキスパートβ

昇進2 訓練室

訓練室で協力者として配置時、特殊の訓練速度+50%

 

 

【スキル】

スキル1 震脚  パッシブ        

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1 

攻撃した敵の防御力を5秒間−20%

 

2  

攻撃した敵の防御力を5秒間−21%

 

3 

攻撃した敵の防御力を5秒間−22%

 

4  

攻撃した敵の防御力を5秒間−25%

 

5  

攻撃した敵の防御力を5秒間−26%

 

6  

攻撃した敵の防御力を5秒間−27%

 

7  

攻撃した敵の防御力を5秒間−30%

 

特化Ⅰ 

攻撃した敵の防御力を5秒間−31%

 

特化Ⅱ 

攻撃した敵の防御力を5秒間−32%

 

特化Ⅲ 

攻撃した敵の防御力を5秒間−35%

 

 

スキル2 煌煌の尾  自動回復    □□□□

           手動発動    □■□□

                   □□□□

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   20    31

攻撃力+30%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

2  0   20    32

攻撃力+35%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

3  0   20    33

攻撃力+40%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

4  0   20    34

攻撃力+50%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

5  0   20    35

攻撃力+55%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

6  0   20    36

攻撃力+60%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

7  5   20    37

攻撃力+70%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

特化Ⅰ 6  20   38

攻撃力+80%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

特化Ⅱ 8  20   39

攻撃力+90%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

特化Ⅲ 10  20   40

攻撃力+100%、攻撃範囲拡大、攻撃した敵に結晶状態を付与する。

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】アクラヴァシム

【性別】男

【戦闘経験】5年

【出身地】ウルサス

【誕生日】7月2日

【種族】不明

【身長】178cm

【鉱石病感染状況】非感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】卓越

 

【戦場機動】優秀

 

【生理的耐性】優秀

 

【戦術立案】優秀

 

【戦闘技術】優秀

 

【アーツ適正】標準

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された特殊オペレーター。戦術的な戦闘支援と潜入作戦においては充分な能力を発揮している。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、主に潜入作戦や暴徒の鎮圧に協力している。

本名はヒアリン。コードネームのアクラヴァシムは、方舟に来る前に何処かの誰かに呼ばれていた渾名らしい。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められない。

以上の結果から、鉱石病非感染者と判定。

 

 

【源石融合率】0%

鉱石病の兆候は認められない

 

 

 

【血液中源石密度】0.12u/L

以前は鉱石病の近くにいる事が多かった様だが、鉱石病の兆候は認められない

 

 

【第一資料】

後ろから生えた大きな尻尾が特徴的な男性オペレーター。

対人戦闘訓練による高い戦闘力に加え、薬物の調合、更には隠密行動などにも長けており、地中に潜る事も出来る。

そのポテンシャルはあらゆる局面に対応し、どんな作戦も危なげなくこなす。

 

 

【第二資料】

彼の尻尾で誤解しがちだが、彼は感染者では無い。その蠍の様な尻尾の先端に生成されている結晶は、源石とは全く異なる鉱物である。

彼は他の先民と体内の構造が違い、他の先民には無い特殊な臓器が存在している。その臓器は特殊な体液を生成し、その体液は空気に触れると結晶化する性質を持つ。コレが彼の尻尾の先端にある結晶の正体だ。彼はコレを戦闘にも使用し、尻尾の先から圧縮した体液を勢い良く発射、相手に浴びせて拘束する。

彼の体液には結晶化以外にも様々な栄養成分を含んでおり、微量の神経毒や体液を浴びた生物に倦怠感を感じさせる成分、爆発の危険性を持った科学物質などを含んでおり、この成分を調節する事によって液色が変化する。

 

 

【第三資料】

オォイこの野郎共!確かに俺の体液は色変わるし自分で言っちゃなんだが結構綺麗だし、でもだからつって服の染色の為に搾り取ろうとすんなよオイ!コレ血液みたいなモンなの!俺死んじゃうから!いやわかってくれたらいいんだけど……お前らもだよ闇医者とウニと吸血鬼!実験の手伝いするとは言ったが、そんな急かすなやミイラになるわ!いやわかってくれたらいいんだけ……いやわかってねぇなコイツら?!誰か助けてェェェ!!!集団ストーカーに襲われてまぁぁす!

 

――オペレーター アクラヴァシム

 

 

実験室の使用は一週間禁止とし、使用者3名は後で私の元に来るように。それから、実験室を開けるまでにじっくり話し合うといい。

 

――ケルシー先生

 

 

【第四資料】

出身地はサルゴンだが、厳密にはサルゴン砂漠の出身である。サルゴン砂漠は厳しい環境であり、まともに暮らす事は不可能に近いのだが……。

それに加え、彼は雪原や火山地帯などのあらゆる厳しい環境にも瞬時に適応する事から、方舟に乗る前は色々な場所を旅している筈だが、彼の知り合いは存在しなかった。同じサルゴン人であるガヴィルやトミミ達も彼の事を知る者は存在しない。また、本人もその時の記憶はあやふやで憶えていない様だ。

 

 

【昇進記録】

アクラヴァシムとは、数年前に絶滅したとされている大型感染生物の学名である。

 

 

アクラヴァシムの印

 

彼が頑張って作った大水晶。成分と工程は不明だが、見た目は装飾品としては最高峰の出来であり、部屋に飾れば雰囲気を良くする。おまけに頑丈。鈍器にも使用できる。

 

 

採用契約

 

オペレーターアクラ・ヴァシム、彼のマイルームは常に清潔な状態だ

暗くて冷たい所が好き




残り1人だけです。やっぱ資料の文が一番キツイや。

それはそうとまた蠍野郎だよ懲りねぇなコイツ?(自虐)でも蠍カッコいいから好きです(キレ気味)

ではまた次回で。サラダバー!


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特に意味も無く作ったプロフィール7

これで今回のプロフィールは終わりです


【プロフィール】

【レアリティ】星6

【コードネーム】スパラディ

【陣営】アビサル

【ロゴ】境界無き方舟

【性別】男

【職業】先鋒

【募集タグ】近距離/COST回復/火力

【戦闘経験】20年

【出身地】エーギル

【誕生日】12月3日

【種族】非公開

【身長】189cm

【専門】遊泳/大型怪物狩猟/近接武器

【鉱石病】非感染者

 

 

【特性】

敵を倒す度所持コスト+1

撤退時に初期配置時のコストを返却

 

 

【入手方法】

人材発掘

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』からメタトロンと共に派遣された先鋒オペレーター。巨大生物との戦闘、困難な目標の破壊、強襲作戦、殲滅作戦 、機動作戦など様々な作戦において並外れた能力を発揮。

過去の戦闘経験との関連があると推測する。オペレーターになる前の履歴は無し。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、メタトロンの任務に同行している。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】11/13/13

【ブロック】1/1/1

【攻撃速度】速い(1.0s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

 

  ■□      ■□

 

 

 

【素質】

デストレッツァ

昇進1 配置中、スキル発動ごとに攻撃力+2%(+1%)、攻撃速度+2%(+1%)、最大5回まで

昇進2 配置中、スキル発動ごとに攻撃力+5%(+1%)、攻撃速度+3%(+1%)、最大5回まで

 

深海の技巧

昇進2 配置中、10秒ごとに自分以外の味方【アビサル】の人数分、コストを回復する

 

 

【基地スキル】

模倣訓練

初期 訓練所

訓練室で協力者として配置時、訓練速度+25%

技巧戦闘

昇進2 訓練所

訓練室で特化ランク3への訓練の協力者として配置時、訓練速度がさらに+35%

 

 

【スキル】

スキル1 迅速攻撃γ  自動回復

           手動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   45    35

攻撃力+20%、攻撃速度+20%

 

2  0   44    35

攻撃力+22%、攻撃速度+20%

 

3  0   43    35

攻撃力+24%、攻撃速度+20%

 

4  5   42    35

攻撃力+27%、攻撃速度+25%

 

5  5   41    35

攻撃力+29%、攻撃速度+25%

 

6  5   40    35

攻撃力+31%、攻撃速度+25%

 

7  10   39    35

攻撃力+34%、攻撃速度+35%

 

特化Ⅰ 10  38    35

攻撃力+37%、攻撃速度+35%

 

特化Ⅱ 10  37    35

攻撃力+40%、攻撃速度+35%

 

特化Ⅲ 15  35    35

攻撃力+45%、攻撃速度+45%

 

 

スキル2 教会の石槌  自動回復     ■□□

            手動発動 

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   10   

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+50%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象をかすかな力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

2  0   10   

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+55%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象をかすかな力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

3  0   10   

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+60%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象をかすかな力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

4  0   9   

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+65%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象を普通の力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

5  0   9   

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+70%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象を普通の力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

6  0   9   

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+75%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象を普通の力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

7  0   8   

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+80%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象を普通の力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

特化Ⅰ 0  7  

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+90%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象を普通の力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

特化Ⅱ 0  6   

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+100%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象を普通の力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

特化Ⅲ 0  5   

発動する度初期状態と次の状態とが切り替わる

攻撃間隔が延長(+0.5s)。ブロック数−1、攻撃範囲拡大、攻撃力+120%、通常攻撃が範囲攻撃になり、攻撃対象を相当の力で吹き飛ばす。

配置中、3秒ごとにコストを4消費(コスト不足時自動でスキル発動)

 

 

スキル3 爆発金槌  自動回復    □□

           手動発動   ■□□

                   □□

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   12   

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の130%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

2回チャージ可能

 

2  0   12   

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の132%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

2回チャージ可能

 

3  0   12   

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の135%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

2回チャージ可能

 

4  0   12   

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の135%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

3回チャージ可能

 

5  0   12   

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の137%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

3回チャージ可能

 

6  0   12   

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の140%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

3回チャージ可能

 

7  0   12   

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の140%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

4回チャージ可能

 

特化Ⅰ 0  12  

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の145%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

4回チャージ可能

 

特化Ⅱ 0  12   

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の150%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

4回チャージ可能

 

特化Ⅲ 0  12   

次の通常攻撃時、SPを全て消費し、攻撃範囲内の敵全員に攻撃力の160%×チャージ回数の物理ダメージを与え、このスキルで倒した敵の人数分のコストを獲得する(スキル発動時、第一素質の効果はチャージ回数分獲得する)

5回チャージ可能

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】スパラディ

【性別】男

【戦闘経験】20年

【出身地】エーギル

【誕生日】12月3日

【種族】非公開

【身長】189cm

【体重】■■kg

【鉱石病感染状況】非感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】卓越

 

【戦場機動】卓越

 

【生理的耐性】卓越

 

【戦術立案】標準

 

【戦闘技術】■■

 

【アーツ適正】欠落

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』からメタトロンと共に派遣された先鋒オペレーター。巨大生物との戦闘、困難な目標の破壊、強襲作戦、殲滅作戦 、機動作戦など様々な作戦において並外れた能力を発揮。

過去の戦闘経験との関連があると推測する。オペレーターになる前の履歴は無し。

現在は境界無き方舟からの派遣オペレーターとして、メタトロンの任務に同行している。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められない。

以上の結果から、鉱石病非感染者と判定。

 

 

【源石融合率】0%

鉱石病の兆候は認められない

 

 

 

【血液中源石密度】0.011u/L

他のアビサルハンターと同様、彼の体は恐ろしい程に正常である。

 

 

【第一資料】

イベリア出身のエーギル人……と本人は主張しているが恐らく嘘であり、その身体的特徴からスカジらと同じアビサルハンターであると予想される。

メタトロンとの関係性は今の所不明。本人同士は大して友好的な関係と言う訳では無さそうに見えるが、それでも彼ら二人は行動を共にしている。

また、彼は他のアビサルハンター達と何らかの問題を抱えている様だ。

 

 

【第二資料】

オペレータースパラディの戦闘スタイルは、確実に異端と言わざるを得ない。

彼は戦場で複数の武器とありとあらゆる技術を扱い、状況によって使い分ける特殊な戦闘方法を行う。その武器の一つ一つも特殊であり、オペレータースカジと同様にエンジニア達によるリバースエンジニアリングを試したが、彼女と同様にこの試みはすべて失敗している。彼の使用する武器は製造方法が解析し難い特殊なものであり、その独特かつ特殊な構造は再現不可能とエンジニアオペレーター達は語る。

基本的にハンマーを装備しているが、直剣、短剣、双剣、大剣、槍、斧、杖、棍棒、大鎌、挙げ句の果てには身の丈程もある車輪や回転ノコギリも持ち出して来る。細かい所まで上げればキリが無いので省略するが、盾を持つ事は少なく、攻撃を最小限の動作で回避し、あらゆる武器と模倣し我が物とした技術をもって敵を狩る。獲物を慎重に追い詰め、確実に捕食する様な戦い方は同じアビサルハンターであるスカジの対比として出される事が多いが、勘違いしてはいけない。彼らの本質は同じである。ただやり方が違うだけ。彼はただ最大限の準備をし、最大限の工夫を凝らし、そして最大限の大破壊を撒き散らしているに過ぎないのだから。

 

 

【第三資料】

今でも私は貴方を許しはしません。貴方は何を見たのですか?貴方は何を聞いたのですか?あの天使を連れて逃げて、一体何を得られたと言うのですか?私にはわかりませんわ。貴方が海から逃げ、己の使命から逃げ、野蛮な陸上へと上がったのか………

それに、貴方の逃亡がきっかけとなり、私達の技術が一部流出してしまいましたの。今はあの舟にある様ですが……それでも、貴方が私達の理を犯した事に変わりはありませんわ。野蛮人に武器を与えればどうなるか、貴方はわかっていた筈です。さぁ、答えて下さいまし。貴方は何を見たのですか?何を聞いたのですか?あの天使に……何を視せられたのですか?

 

――オペレーター グレイディーア

 

 

【第四資料】

 

【権限記録】

秘匿とは破られる為のものだ。ソレを理解する事もせずただただ隠し通せると信じ込んでいたお前達に否がある。それに少なくともお前は気づいている筈だ。この世界に永遠は無い。幸も不幸も、平穏も絶望も別け隔て無く限度がある。永遠に続くなんて事は有り得ない。エーギルも、この舟もな。いつかは絶対に破綻する。

お前も薄々気がついてるだろう?狩れども狩れども際限無く現れる海の藻屑ども。例え絶滅させても奴らは現れる、俺達がいる限りな。だから俺は陸に上がった。狩るのでは無く、別の方法で奴らを殺し尽くす。

……死とは恐怖するものだが、忌むべきものでは無い。だが奴らに取り込まれ、自らを変質させ、魂を犯し尽くされる……コレを忌むべきものと呼ばずしてなんと呼ぶ。俺が視たのはそう言う類いのものだ。ただ狩るだけでは視える筈も無い底の底。今のお前達では器が先に弾け飛ぶ。

 

 

【昇進記録】

我ら血によって人となり、人を超え、また人を失う。この警句を忘れるな。忘れた頃には、お前は人では無いナニカと化す。それが獣畜生だったらまだ運が良い。だが死よりも屈辱的であるのは間違い無いだろう。だからこそ、かねて血を恐れたまえ。

 

 

スパラディの印

 

直剣を象ったアビサルハンターを証明する為のバッチ。以前は光を放つ程に輝いていたであろうソレは、今は光を放つ事は無く、錆びて黒ずんでいる。

 

 

採用契約

 

オペレータースパラディにとって、敵の作戦など脅威ではない

難しい話を聴く彼は、常に瞼を閉じている




ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛も゛う゛や゛た゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!チカレタ………やっぱ一気にやるもんじゃねぇわコレ!あと星6撃破型先鋒とか誰得だよペェプでいいだろ!私?おりゃんが……?

さて、次回はつかれたのでキャラ口調で今まで出てきたオリキャラと他作品キャラを紹介する回です。ほんへも早くするんでユルシテ……ユルシテ……


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事後処理

流石に4話連続ほんへ関係無しと言うのはアレだったので初投稿です。


 日本総大将から始まるRTAはーじまーるよー。

 今回は手柄を横取り(言い方)しようとして来た近衛局の偉い人にスペちゃんをあげた所からスタートです(あげません!!!)

 

「……なんのつもりだ?」

 

 と言うか、最初からロドスに協力してるのであって龍門とは協力関係結んで無いんだよなぁ……おっとそんな怖い顔をしないでクレメンス。

 まぁ、関係がどうとかは屁理屈みたいなモンは置いときましょう。実際協力関係を結んでいるロドスが貴方達と協力してるので、私達は協力関係にあると言っても過言ですしお寿司………まともな理由ですが、正直言って今の近衛局は信用ならないからですね。

 

「なっ?!」

 

 いやね、一回目はちゃんと信じて大人しくミーシャ姉貴を渡しましたよ?でもさぁ(呆れ)奪われとるやん、どーしてくれんのコレ?はーつっかえ、あんだけ啖呵切ってた割には何も出来ずに奪われちゃいましたねぇ!辞めたら?この仕事。

 

「っ……貴様!」

「オイ待て落ち着け。イモータル、時と場所位は考えれるだろ」

 

 えぇ、えぇ、わかっておりますとも(わかってない)そこで素晴らしい提案をしよう、お前達も私の中(意味深)に来ないか?(上弦の参並感)

 

「っ!」

「…君の舟に?それって私達も行って良かったりするかな?」

 

 勿論です、プロですから。と言うか、元々ロドスはCEO覚醒フラグの為に誘おうと思ってましたし、今更来訪組織が1つや2つ増えた所で(変わら)ないです。

 で、どうします?私の中でミーシャ姉貴から情報を聞き出すのか出さないのか。あぁ、安全面の方は大丈夫だ、問題無い。警備システムはここよりしっかりしてますので。

 

「………少し時間をくれ」

 

 あっいいっすよ(快諾)明日までじっくり考えてクレメンス。んじゃ、私達は一足先に帰ってるから。そんじゃサラダバー!ホラ、エレキ君もゴシャク君も早く来なさい。トンズラしますよ。

 

「ンじゃ」

「はいよ…つかトンズラ言うなや」

 

 さて、この後眉間に皺を寄せるチェンチェンと少し疑惑を含んだ視線を送るロドスの面々が写った一枚絵が表示されて起死回生は終わりです。

 

 では、少しトランザムをし、ホモ都市に帰ってきました(ました商法)

 

「あ、お帰りー!二人共何処行ってたの?」

「ロドスと少しな」

「戦ったの?!」

「共闘な?まぁ、アイツらの戦い方は相変わらず気に食わなかったが」

 

 あのー木下ですけどもー、まーだ掛かりそうですかねー?

 

「おっとゴメンゴメン。んじゃ、エレキもゴシャクも、ちゃんとお風呂入るのよー!」

「一々大声で言わなくていいわ!……ったく」

 

 さて、ゴシャク君とエレキ君は休憩して下さい。絶対に休憩して下さい(念押し)

 

「お、おう」

「……ハッ!」

 

 二人共いい返事してイきましたね。それじゃあ早速事後処理を開始しましょう。イクゾー!(デッデッデデデデッカーン)

 

 という訳でハローミーシャ姉貴!元気してるかい?私?私は機械でホモだから……

 

「……一体、何しに来たの?」

 

 そんなに怖い顔をしないでクレメンス。ぼくわるいホモじゃないよ。

 

「私、まだ貴方達を信じてない。どうして私をそんなに欲しがるの?感染者を…私の弟を寄ってたかって傷つけて、貴方も他の――」

 

 ストップストップ!一旦落ち着こ?深呼吸して深呼吸。ヒッヒッフー、ヒッヒッフー……さて、貴方の言う傷つけるとはどう言う感じですか?ダメージを与える、痛みを感じさせると言うのなら確かにやってしまいましたが。

 

「っ……しらけないで!あの青い剣で、あそこにいた大勢の感染者を斬り殺してた!龍門でも貴方達は……!」

 

 HAHAHA!違う違うそうじゃねぇよ(木原クン)取り敢えず俺の発明品でも紹介しましょうかい(激ウマギャグ)

 この青い刀身が見えますか?コレは痛覚残留ブレードと呼ばれる剣で、この通り実体が御座いません。ヘェイ!サードバッグ君カモンヌ!

 

「ようやく呼んでくれたな!」

 

 早速ですがそこに立って下さい。OKOK、それじゃあチェストォォォォォォォ!!!!

 

「ゴウランガァ!」

「ひっ……!」

 

 ほら見てください、服にすら傷一つついていません。これで実体が無いのがわかったでしょう?

 

「あらイモータル。この可愛子ちゃんは誰だい?」

「えっ…えっと……大丈夫、なの?!」

「ンフフ。安心しな可愛子ちゃん、俺様はこんな出力最低に設定された棒切れで倒れる程ヤワじゃねぇ。だからそんな顔するんじゃあぁぁぁぁぁぁ―――」

 

 はい君の出番終わり!閉廷!もう帰っていいよドM。さて、今見た通り、例えこれで体をバッサリ斬られてもなんともありません。流石ホモの舟だ、テクノロジーが違いますよ(自画自賛)

 まぁ、最低出力だったとは言え、普通は気絶する位痛いんですけどね。サードバッグ君は色々と特別ですから、かっ勘違いしないでよねッ!

 

「でもっ……じゃあどうして……!」

 

 ………よかろう(CV若本○夫)ミーシャ姉貴、一緒にお散歩しましょう。大丈夫大丈夫、ヘーキヘーキ、ヘーキだから。貴方も弟も駆逐艦雪風に乗ったつもりでドンとしてりゃいいんだYO!(豹変)いいから行くぞぉ!(団長並感)

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 あの採掘場での事件の時、なんだかヤバそうな集団に囲まれて絶対絶命一歩手前になりそうな状況まで追い詰められていたWとミーシャ。そんな時、Wだけは助けたいが為にミーシャは自ら方舟に連れて行かれる事を了承した訳だ。

 その後、方舟についた途端に赤いランプがついた白くてデカい人形ロボットに緊急集中治療を施され、更には怪しい液体(ただの鉱石病の進行を防ぐ薬)を射たれ、宿舎にある個室にボッシュートされた。

 

 そして今、彼女はドローンから伸びているアームと手を繋ぎ、廊下を歩いていた。

 

『お主も腹が減ってるだろ。私の食堂は美味いゾ〜。なんたって素材が良いし料理人の腕も良い。こないだ拾った女難の相がヤバそうな弓兵が滅茶苦茶腕の立つ料理人だったから、そりゃもう感染者には大人気よ』

「……………」

『あー………の前に、君にはさっきの返事の答えをくれてやろう』

 

 イモータルが空中で停止し、横を向く。ミーシャも続いて横を向く。そこは治療施設の前であり、彼女の前には色々な感染者と少ない数の非感染者がドタバタと歩き周り、敵である筈のレユニオンを治療していた。

 

「これって……」

 

 そう呟いた彼女は、ある人物…自分の弟が治療されているのを見つけた。傷口の周囲を圧迫して止血し、怪我をしている箇所にテキパキと応急処置をしていく人物。名前は確か、隣のドローンがスパラディと呼んでいた人だと、ミーシャは思い出す。

 

『ミーシャ姉貴、君は「どうして彼らを傷つけるのか」と言ったね。その答えは、私が(コミュ)力不足だからに他ならない』

「力不足……?」

『おっと勘違いしないでクレメンス。(コミュ)力不足っつっても強い弱いじゃ無くてだな。あの時、話し合いで解決出来た筈の事を出来なかった……って感じだ』

 

 その言葉を聞いて、採掘場での事を思い出す。そうだ、彼らは採掘場で現れた時も、Wと一緒に逃げていた時にも、必ず話し合いをしていた。

 

『いやダブチーの時は……いや、なんでも無いッス』

「………」

『ヒェッ、許し亭許して』

 

 ミーシャの好感度が下がった。

 

『兎も角、ホントは話し合いで済んでた筈なのに、結局こうなっちまった。それに関しては本当に私の(コミュ)力不足が招いた事実だ。本当にすまない(すまないさん)話し合いってのはガチで難しいものだな』

「……うん」

『だが一つ訂正を。別に正当化する様な事じゃ無いんだが、こうなってしまった以上、私達側が悪いと言う単純なものじゃ無いんだ』

「それは、どう言う意味?」

『確かに私の(コミュ)力不足が招いたとは言え、相手側も私達に手を出してしまった。殺そうとして来た。その時点で、この事態に一方的な加害者と被害者の図は無くなる』

「…それって、彼らレユニオンも悪いって事を言いたいの?」

『そうだよ(食い気味)ただ迫害され続ける者達であればただの被害者に過ぎないが、彼らはそれに反抗を示し、人を殺してしまった。それがチェルノボーグ事変な訳だが……その時点で、彼らは被害者でありながら加害者になってしまった。だから、どちらか一方が悪いなんて状況はこの世界じゃ起こり難いんだよ。こんな誰もが被害者で加害者な世界。明確な邪悪が出て来さえすれば、どれ程マシな世界になる事か』

 

 イモータルの言葉を聞き、彼女の中の常識が少しずつ書き換えられる。確かに非感染者だった彼女は、心の何処かで感染者を軽蔑して、それを自分も自覚しながら隠していたかもしれない。そして初めて感染者となって、感染者の気持ちを知って、感染者は少しくらい仕返しをしてもいいんじゃ無いかと思っていた自分が……いたかもしれない。

 恐らく弟はそうだろう。彼は自分よりも何倍も非感染者を恨んでいた。

 

『まぁ自分を正義と思い込み、正当化し、殺戮すらも自身の常軌の範囲内に入れてしまうのは人間の悪い癖だ。そして絶対に治らない癖なのでそこら辺は諦めるとして…』

(諦めちゃうんだ)

『私達は俺が組み立てたチャート通りの出来る事をやる。殺し合いの中に突っ込んで、話し合いをして、聞かない奴を大人しくさせて、そいつらを連れてスピードワゴンの如くCOOLに去るのさ。この争いの根本は殺人による復讐の連鎖だが、こう言うのは古来より鎮める為のやり方が存在する。と言うかおまいらも子供の頃に散々やった筈なんだが、なんだと思う?』

「子供の頃………あっ」

『そう、話し合いによる仲直り。争いなんて喧嘩とほぼ同じだクソ下らねぇ(キレ気味)互いに謝ってはい終わり、閉廷!そしてブックオブ青春アミーゴすればだいたい解決出来ると古事記にも書かれている。その為に、両方とも生かさないとイケないんですね。まぁ簡単には出来ないので、こうチマチマと……どないした?』

「えっ?」

『いや、めっちゃにやけてるけど』

「あ、いや、コレはその……」

 

 にやけてなんかいない。彼女は何故か泣き出しそうになったのを我慢しているだけだ。自分が今まで考えていた事に対して、恥ずかし過ぎて、下らな過ぎて、もう色々感情がひしめきあっていた。世界は難しくて、でも拍子抜けする程単純だと理解した。

 それ故に彼女は我慢する。もう彼女は子供ではいられないから。自分のせいでああなってしまった弟を導く為に、大人にならないといけないから。頑張って我慢する。

 

『おっ大丈夫か大丈夫か?』

「……うん、もう大丈夫」

 

 正直言って、嘘だと思ってしまえばそこまでだ。このドローンが、自分が納得する様に言い聞かせてると思えばそこで終わる。だが、目の前の光景がその思考を拒否させる。

 

 きっとこの舟なら大丈夫だと、信頼出来ると言う謎の確信をした後、彼女は自分のやるべき事……感染者と非感染者が少しでも仲良くなるきっかけを作る為、自分が出来る事をする為に走りだす。

 

「えっと、イモータルさん!食堂は後で行こう!」

『おっそうだな。頑張れよミーシャ姉貴』




大丈夫かなコレ。ミーシャ姉貴キャラ崩壊してない?大丈夫?やっぱ原作死亡キャラが生きてた系のアレは難しいわ。まぁ書くけど。


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幕間

1.5周年を迎えたので初投稿です。


『ようこそ私の中へ(意味深)来てくれて嬉しいよロドスの皆々様。それに近衛局の皆さんもな。来なかったらこっちから景気のいいケーキでも持って挨拶しn痛ったァ?!誰だトマト投げた奴?!』

「…………」

『いや特に嫌味とかボケとか無いからそんな怖い顔すんなってマジで……いやゴメンって』

 

 ミーシャが目を醒ました次の日、境界無き方舟の中心広場にて、チェン隊長と2名の近衛局兵、アーミヤとドクターとオペレーター複数名が集まっていた。まぁ、方舟のオペレーター達は1度は顔を向けるものの、直ぐに目を外して何処かへ歩いていく。

 

『さてと、君達の携帯端末にこの舟の案内をブチ込んだから各自自由に行動してクレメンス。んじゃ解散!あ、ミーシャは案内所の部屋にいるから、早く用事を済ませてやってくれよ?』

「言われなくとも分かっている。行くぞ」

 

 そう言うと、近衛局兵を連れて案内所へ強歩で向かって行った。

 

『あらあらまぁまぁ……所でアーミヤちゃん達さ』

「え?あ、何でしょうか?」

『いや、さっきから二人だけポカーンとしてるからどしたのかなと』

「あ、その…ちょっと面食らったと言うか……凄かったと言うか……」

「アーミヤの言う通りだめっちゃ凄い。こう…なんと言うか、皆活気で満ち溢れてると言うか。それと君の姿にもね。てっきりドローンで出迎えて来るのかと」

『あらやだアーミヤ姉貴とドクター兄貴は褒めるのが上手いですねぇ!結婚したい、結婚しよう(ライナー)』

「「いや、それはちょっと……」」

『うん、知ってた(諦め)まぁ、義体でわざわざ出迎えたのはちょっとした礼儀の様なものだよ。さて、近衛局共が話し終わるまで散歩でもするかい?』

「いいね、ちょうど私も君と話しをしたかった。アーミヤはどうする?」

「勿論、同行しますよドクター」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 はぁ、なんで近衛局とロドスを招待してんだよあのバカ。見ろ、さっきからそこら辺の奴らがピリピリしてんぞ。どいつか絶対ちょっかい出しに行って騒ぎになるっての。

 

 はぁ………ま、その時はどうにかするかね。

 

「さぁ続きましては、悪魔と共に世界を変えた少年兵の物語」

「とある科学者の白衣を仕立てた日、少年の過酷な物語が幕を開けます」

 

 お、久しぶりにここでネブラの演劇やってるな。ついでに見てくか。

 ……ネブラが団員以外を起用するのは珍しいな。ありゃロドスのオペレーターか?

 

「隣り、いいですか?」

「ん?あぁどうぞ」

 

 そう言って、俺の隣りに座った二人組みを見やる。

 

「………ライン生命…」

「っ………」

「っいや、スマン。聞かなかった事にしてくれ」

 

 危ねえ危ねえ。つい口からポロッと出ちまった。

 ………方舟のジャケットを着てないから……多分ロドスにいる奴なんだろうけど。つか奥のガキめっちゃはしゃいでんなオイ。いやカワイイからいいんdいや良くないだろ。

 

「イフリータ、気持ちはわかるけど落ち着いて」

「えぇ〜なんだよ、つまんねぇな」

 

 ふぅ、やっと落ち着いて見れる。にしても良くもまぁ堂々とここまで来たな。少なからずキツイ目を向ける奴はいただろうに………いや待て、もしかしたらコイツらあの時のライン生命にいた職員だったりしねぇだろうな?

 

「………」

「……っ?!」

 

ん?いきなりギョッとした表情してどうし………ヒェッ、いつの間にかあの時のヴィーヴル女が反対側の俺の横に座ってたんだけど。なんだコレ地獄かね?あーなんかまた落ち着かなくなってきた。

 

 

 

 

 

 シミュレーションルームの前で、二人のアビサルハンターが対峙する。

 片方は美しい顔立ちの女性で、長く綺麗な銀髪の間から、その紅い眼に目の前の男を映している。そんな女性を彼、スパラディは面倒くさそうな表情で見ていた。

 

「……用が無いならそこを退けスカジ。今の俺は忙しい」

「えぇ、見ればわかるわ。でもそれはそれとして、私は貴方の事を知りたいの」

「それはそれとするな受け入れろ厄災頭が。俺の事も知らなくていい」

「そう………知ってるかしら?アビサルハンターの間じゃ貴方はお尋ね者で、全てのアビサルハンター達には貴方を見つけ次第身柄の確保、あるいは討伐を命じられていたのよ。まぁ、今じゃ遠い昔の話だけれど」

「ハァ……ここまで堕ちて、いや、いつかは直面する狩りだな、まぁいい。で、それがどうした」

「狩りと言うのは、獲物を知る所からでしょう?ソレを建前に貴方を知る事が出来ると考えたの。付き合って頂戴」

 

 スパラディは顔を下に向け、溜め息を大きく吐く。

 

「帰れ」

「イヤよ」

「…………」

「……」

「………………」

「……」

「……………………いいだろう。その昔から足りない思考力が少し成長していた事に免じて、相手はしてやる」

「………ありがとう」

「だが待て。先ずはコイツらを片付けてからだ」

 

 そう、さっきからスカジと話していたスパラディは、少年を肩車し、少女を脇に抱え、肩にぶら下がる少年を支え、足には数人の少年少女に纏わりつかれて動けない&割とキツイ態勢で話していたのである。

 

「………そうね、手伝うわ」

 

 

 

 

 

『さて、やっとこさ二人きりになれたなドクター』

「あぁ、そうだな…?」

 

 あの後、3人で他愛もない話をしながら艦内を歩き回っていた。そして丁度一周した所で近衛局の人達がミーシャの取り調べを終えたらしく、アーミヤは案内所の入口でずっと立っていたケルシー先生と共にミーシャ姉貴とお話に行った。

 そんな訳で、只今絶賛司令官が二人きり、何も起きない訳も無く……。

 

『さて、率直に行こうかドクター』

「………」

 

 突然重苦しい雰囲気になり、ドクターは息を呑む。

 

『実は、と言うか、君は既にわかっていると思うが、私の部下達は君達を信用していないのはわかってるね?』

「あ、あぁ……最初の時はよくわからずにいたけど、昨日君のオペレーター、エレキ君と一緒に任務をしていてわかったよ」

 

 そう言いながら、龍門スラム街での彼らの行動を思い出す。表面上、彼らは文句無く自分の指揮に従ってくれていたが、二人共なにか納得のいかない様な顔で私とオペレーターを見ていた。

 それに、我々ロドス、BSWやペンギン急便の戦いと比べ、彼らの戦い方は……上手く言えないが、まるで戦っていないかの様に見えた。

 

『ヨシ(確認猫)んじゃ実を言うけど、私も君達に対して疑問を抱いている』

「えっ?!」

『HAHAHA!そんなに驚く必要は無いよ。なにせ一番驚いているのはこの私だ。自分から協力を持ちかけるきっかけを出しておきながら、その事に持つ筈が無いと思っていた疑問を持っていたんだからね』

「それはどう言う……」

『なに、一種のバグだろう。俺が君達に絶対な信頼を置いている事に疑問を持つだなんて、そんな事を思うデータは私には存在しない。だからきっとバグだろうと考えている』

「そうなのか…放置してていいのかソレ?」

『ええやろ多分』

「えぇ……(困惑)」

『さて、話を戻そう。私が疑問を持っている事について解析をしてみたんだが、正直言って君達の戦い方に言いたい事があるのよ』

「うぐっ」

『と言うか、君も思ってるだろう?どうして感染者を保護する組織が、感染者を殺しているんだろうって』

 

 そうだ。最初に目覚めた時はなにがなんだか分からなかったからそこまでよく理解しなかったが、状況の整理がついていて、ロドスがどんな組織か知っている今ならよく分かる。

 一言で言って、矛盾。ロドスは確かに感染者を救うと公言しているし、オペレーター達は感染者非感染者の隔たりが殆ど無く、皆比較的仲良くしているし、感染者の保護だって行ってはいるだろう。だがここ一週間、私の目にはレユニオンと言う感染者を殺し尽くすロドスしか写っていなかった。

 

「………チェルノボーグから脱出してからさ、色々知って、君達が戦場で何をやっていたのかわかったんだ。君達がやっていたのはロドスと似ている様で、全然違った。だからロドスはきっと私がいなかったからこうだったんだろうって思って、龍門で君達の様にやってみようとしたけど……」

『普通に難しかったろ。すぐ近くで見てたからわかったゾ』

「本当に凄いな君達は。どうしたらそんな風に出来るんだい?」

 

 私はソレが本当に知りたくて、心の底からの言葉で質問する。

 

『(教え)ないです』

 

 ………ゑ?

 

「………なんか、こう……酷くない?」

『ヴァカめ!例え聞いた所で直ぐにロドスが中立・中庸から秩序・善になる訳無いだろ!いい加減にしろ!』

「な、なんで私怒られてるの……?」

『おっと失礼。いやさ、そんな急がなくていいのよドクター。キャタピーが一気にバタフリーになる訳じゃ無いんだし』

「え、キャタ…何それ?」

『おっと失礼。兎も角、焦らなくていいぜドクター。ゆっくりで良い。千年経とうが、百万年経とうが、いつか必ず感染者と非感染者が真の意味で手を取り合う日が来る。それまでひたすら頑張って生きるのがお前の仕事だ、OK?』

「……なんだろう、地味に千年以上生きろって無茶振り言わないでくれます?」

『そこはOK!って言うとこじゃろがい!』

「痛い痛い!」

 

 背中を勢いよくバシバシ叩いて来る。人の形をしていても、鉄の塊は鉄の塊なので叩かないで痛いです。

 

 まぁでも、彼の言いたい事は分かった。そう、落ち着いて、少しずつ。シャレにならない事になるのは私もゴメンだ。確か炎国に落ち着いてやれって感じのことわざがあると資料で読んだ。確か石橋を叩いて渡るってやつだったかな?

 

『頑張れよ新人!困ったら相談に乗ってやる。出来る限りな』

「新人って……まぁそうだけども」

 

 幸い、私の時間はまだまだある。ゆっくりと確実に、たまには誰かの手を借りて、いつかきっと、平和な世界が来ると信じて。

 

 

 

 

 

「お前、私の事を憶えているか」

「いや、憶えて無いです」

「………本当に?」

「本当に」

「………そうか…すまない、人違いだった様だ。今のは忘れてくれ」

 

 …………はァァァァ解放されたァァァァ!!!子連れのライン生命の奴はヴィーヴルの女をチラチラ睨んでたし、ヴィーヴル女は圧が凄い上に最後の最後で絡んで来たからマジで心臓止まるかと思ったわ!つか全然集中して劇見れんかったし!何なんだよまったく!




タイトル通りの、ちょっとした小話でした。ホントはもっと絡ませたかったんだけど、ほんへを早く進ませたいのでこれで妥協しました、ユルシテ…ユルシテ…。

因みに、単体でドクターにカマかけて思考を誘導するチャートは出来る限り辞めましょう。高確率でケルシーが年のために送ったレッドに全部聞かれます。今回は組織の統括AIと言う立場のおかげで警戒だけですみますが、キャラ単体だと一人でいる所をレッドに処刑されて死にます。これからチャートを組む兄貴姉貴達は気をつけよう!


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急転直下 一

ガンダムSEEDDestinyを久しぶりに見たので初投稿です。


 いつでも急転直下なRTAはーじまーるよー!

 今回はロドスと近衛局を招き入れて一日経ってからスタートです。

 

 え?何故に一日経ってるのかって?だってロドスがいる間にやる事と言えばスキップ安定の会話イベントと義体の改造とかですよ?まぁ、シミュレーションルームの一つがぶっ壊れたと言うアクシデントならありましたけど、あんなものガバにも入りません(王者の風格)それはそれとしてスパラディ君とスカジ姉貴は反省室に来てくださいね(許可取り済み)

 ゑ?義体の改造くらい教えろや下さいって?しょうがねぇ〜なぁ〜(雑な導入)

 

 では説明しまいましょう。先ず新システムを導入しました。ソレがアーツリンクケーブルです。

 コレは理論上、2人の人間の神経系に実体の無いケーブルを繋ぎ、ケーブルを繋いだ人間がそれぞれのアーツを使う事が出来る様になると言うシステムです。一見凄いテクノロジーだ、感動的だな(^U^)と思われるかもしれません。ですがコレ、ライン生命技術なんですね(お察し)

 

 はい(はいじゃ無いが)ライン生命の一つをぶっ潰した時に偶然入手しました。まぁホモ都市もスキルツリー解放で獲得出来るシステムですが、どっちも一緒です(諦め)実際にやると間違い無く接続者の脳が焼き切れる代物ですので、オペレーター達に使う事は無いでしょう。

 ですが、人が駄目ならヤメチクリウム合金の塊に使ったらいいじゃない(暴論)という訳で、ホモの義体用にチョチョイとシステムを改造して源石エンジンの疑似接続ケーブルにしました。コレにより一定範囲内の義体と義体の源石エンジンをリンクさせ、義体の性能を向上させる事に成功しました。やったぜ(投稿者変態クソ土方)

 まぁ、ALケーブルと接続機構を義体に搭載させなきゃいけない手間が出来ますが……ママエアロ(周囲8マスに攻撃力の120%の術ダメージを与える)

 

 後は、特殊兵装の義体に新たに狂撃制圧型と透過強襲型、彗速走行型の製造が完成した位ですね。こちらの説明はまた後程。

 

 さて、ではほんへ開始時間までキング・クリムゾンッ!!!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 やって来ました。では先ずミーシャ姉貴達の生存確認ヨシ!(確認猫)偶に近衛局のIQが低い時がありますからね、ミーシャ姉貴達が攫われてないかチェックしておきましょう(5敗)

 

 では次に、ロドスへ連絡を取ります。もしもしドクター?え?人違い?……これシエスタでバイトしてる奴の電話番号じゃねぇか!(微ガバ)もしもしドクター?ホモと一緒にお話しようよ(唐突)え?今からチェルノボーグにいる仲間を救出しに行く?奇遇だな〜、丁度ホモもその事について話をしようと思ってた所だったんですねぇ!いえいえ、ちょっとホモ都市のオペレーターがチェルノボーグにもいてですね、合流出来たらしたいな〜って………OK?OK!じゃあ決まり!後で私もそっちに行くんで、それまで指揮をオナシャス!センセンシャル!

 

 はい、ロドスにチェルノボーグに派遣した部隊を任せれましたので、次は今いる部隊に龍門に入ってもらい、一足先に救助活動を開始して貰います。

 潜入の仕方ですが、古来より伝わる偽装トラック方法で潜入します。念には念を入れて外部の信用出来る協力的なトランスポーターも雇いました(純金と合成玉が大量に入った箱を積み上げながら)これでバレる事は殆ど無いでしょう。

 

 さて、これで準備が整いました。次回はチェルノボーグで白ウサギさんと顔合わせまでイきたいですねぇ!

 ご視聴ありがとうございました!




急転直下で活躍するオペレーター考えなきゃ(使命感)

にしてもガンダムSEED系統の機体ども全部カッコいいなオイ!惚れたわ。


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急転直下 ニ

異格スパラディの設定が何故か決まったので初投稿です。あと急転直下から8章までほぼ大連続バトルじゃ無いですかヤダー!


「方舟は我々ロドスと共に偵察部隊の救援を行う……か」

 

 ドクターからその事を聞いたケルシーは、自室で椅子に深く腰掛けながらそう呟く。

 ついさっき部隊を編成し、チェルノボーグへ向かって行った彼らが心配だ。数日前の方舟に招かれた時、ケルシーとアーミヤは彼らが助け出したミーシャと他愛のない話をしたのだが、会話中、どうやら地雷を踏んでしまったらしく、彼女を怒らせてしまった。アーミヤは今もその事を引きずっている様で、ポテンシャルが完璧では無いかもしれない。

 それにドクターも、どうやら方舟のAIと話をしていた。念の為ドクターの近くにレッドを配置していたお陰で、その会話を知る事が出来てはいたが。

 

「……いや、ドクターなら大丈夫だろう。今も昔もいたずらにオペレーターを死なせる男では無い」

 

 まぁそれはそれとして、ケルシーはかのAIの目的を考察する。生憎とこの世界には感染者を無償で助ける心優しい人物、団体などは殆ど存在しない。このロドス・アイランドが異端過ぎるだけなのだ。

 だが、そんなロドスよりも異端で、戦闘に関してはロドス以上の技術力を保有する組織が、よりにもよってレユニオンが反乱を起こす半年程前と言う怪しまざるを得ないタイミングで頭角を現して来た。これを怪しむなと言う方が無理な話である。

 

「ハァ………だが、奴らの言っている事、やっている事は紛れもない本心からの行動………なる程、まさに全ての感染者の味方と言うわけだ」

 

 実に厄介な思想だ、とケルシーは呟く。全ての感染者、その中には彼らを殺そうとした者、赦されざる大罪を犯した者も含まれている筈だろう。そしてその重大さも理解しているに違いない。

 そして全ての感染者の味方と言う事は、感染者を脅かす存在の敵と言う事になる。ソレが例え同じ感染者だったとしてもだ。

 

「……つくづく理解の及ばない存在だ。例えAIのフリをした人間と言われても、私は信じない自信が出て来たぞ」

 

 当たり前だ。致死率100%の不治の病を負った他人を無償で助ける人間など、この世界においては自己犠牲精神の塊…キチガイにしか見えない。なにせそんな事をする余裕などまったく存在しないからだ。もし余裕があったとしても、この世界の人間は感染者の迫害にその余裕を費やす。

 

 そんな事を思いながら、彼女はタブレット端末を操作し、新たな部隊の編成を始める。

 今回の方舟は、ロドスの偵察部隊の救援任務には既に現地で救助活動をしていた部隊を使おうとしている。つまり、昨日龍門郊外の採掘場にいた部隊がフリーの状態にある。だがあのAIの事だ、何かしらに備えている可能性が高い。それに、ドクター達が出発したほぼ同時刻に、方舟を見張らせていたS.W.E.E.P.の二人から方舟から大型のトラックが発進したとの情報が入っていた。これで殆どケルシーの考えが的中している裏づけられるだろう。

 

「緊急通達。これより、別動隊による特殊任務を行う。今から名前を呼ばれたオペレーターは、至急ブリーフィングルームに集合するように」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 死に急ぎ女な白うさぎと悪ガキ二人と自分の力を過信していたチワワの救出RTA、もう始まってる?!

 今回は別動隊を龍門へ向けて発進させたところからスタートです。2回に続く不法侵入ですが、ウェイ長官の好感度が下がるだけなので別に(気にし)ないです。後で菓子折り持ってけば大丈夫やろ(適当)

 あでも、今回は救助活動とか言っておきながら、やる事は現地で感染者を治療するだけです。流石にチェルノボーグとは状況がガンダムOOとガンダムOOダイバー並に違いますから、汝は感染者、罪ありき!して方舟で治療するからいいよ!来いよ!って連れて行こうとするのは不味いですよ先輩!ミ○キーマウスキングに気づかれて砂嵐が来たらたまったもんじゃないですからね。それにスラム街からの印象も悪くなりかねません。だから現地で治療だけに留めておく必要があるんですね。

 

 アーソ↑レ↓ハ→ソ↑レ↓ト→シ↓テ↑、おそらくケルシー先生もそろそろ行動を起こしてくれる頃でしょう。ロドスがホモ都市から帰ってから、レッドとスカベンジャーがチラチラ見てきてますし。さっきから私の事(部下を使って)チラチラみてただろ(唐突)そんな訳で龍門の方はレユニオンが攻めてくるまで安全です(69敗)

 

 では私はロドスと合流した連絡が来るまで義体を早送りで開発しましょうかね。

 

「オイイモータル!!!いくらなんでもこの構造設計はデタラメが過ぎるぞ!!」

 

 うるさいですね(イースチナ)大丈夫だってハイゼンさんなら出来る出来る絶対出来る頑張れ諦めんなって(太陽神)

 

「いくらアビサルの技術でも質量保存の法則を無視した変形は無理だ!無茶振りにも程がある!」

 

 だったら他の技術も合わせればいいだろ!いいかよーく見てろよ見てろよ〜?コレをこうして……オラッ組み合え!変形しろ!質量保存の法則なんか無視しろッ!無視しろこのポンコツが!無視しろってんだYO!(迫真)

 

 ハイ(はいじゃないが)

 

「オイオイ嘘だろ」

 

 開発に行き詰まった時にはこの手に限る(この手しか知りません)

 

「一体何しやがったってんだ?」

 

 機械技術マックスになればこれ位(造作も)ないです。てかハイゼンさんもDAと協力して次元空間歪曲装置作ったんだから出来る筈なんだよなぁ……まぁゆっくり時間かけて(高みに)イかせてやるよ♂

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ンンン〜―――……ふぅ、ようやくここでの任務も終わりですね、マクロケリス」

「そうだな〜。クラスレさんもあの後普通に帰っちゃったし、あれから変わった事と言えば、少し周囲の温度が不安定気味になって来たのとロドスの部隊が度々補給を求めて来たのと視線を幾つか感じる様になった事位だし、最後の仕事を遠慮無く片付けて俺達も帰りますかね」

 

 既に器材などが片付けられている方舟の仮拠点だった場所。ロドスとの集合地点であるこの場所で、非戦闘員の方舟オペレーター達がそれぞれ暇を潰していた。因みに、戦闘が許されているオペレーターの殆どは、先にロドスの偵察部隊の救援へ向かっている。今残っている戦闘員の方舟オペレーターはマクロケリスと彼が今会話している青年を含めた少数、あとは周囲を警戒している戦闘用ドローンが数十機。そしてマクロケリスと話している彼は、複雑な装飾が施された2m近くある棺桶に腰掛けて、同人誌を真顔で見ている罰当たりな野郎だ。

 

「にしてもソレ、そんな粗末にしてていいのかい?確か君ん家の大切な道具だろう?」

「いいんですよ。火葬で肉ごと灰になるよりかは断然マシだ。コイツも何も言わないし」

「そう言うモンか……」

「そう言うモンです。それと往生堂を僕の家とか言わないでくれませんかね?次言ったらブン殴りますよ?」

「ごめんて………話変わるけどさ、流石にここでエロ本見るのは辞めよう?」

「………」

 

 マクロケリスの言葉を聞いた青年は小さく溜め息を吐くと、コンコンと自分が座っている棺の蓋を叩く。すると人一人が乗っているにも関わらず蓋が少しだけスライドし、その隙間から黒い腕が出てきた。彼はその腕に同人誌を持たせると、黒い腕は棺の中に戻っていき、少しして一冊の小説を持って出てきた。黒い腕は小説を手渡すと、スッと棺の中に戻っていき、蓋もスライドして元の位置に戻った。

 

「暇ですね〜。合流予定のロドスって人殺し集団はまだ来ないんです?」

「コラ」

「いやまぁ、人殺しに関しては昔僕もやってたので人の事言えませんけど……でも足を洗ってからは一切やってないしいいのでは?」

「駄目だからね?せめて心の中だけにしといてね?」

「わかってますよ。あ、アレじゃないですかね?」

 

 彼が指を指した先には、こちらへ向かってくるロドスと近衛局の部隊が、肉眼で見える程の位置までやって来ていた。




最近失速気味な走者です。でも俺は止まらねぇから安心してクレメンス。それとまた新キャラでたわね。こうもポンポン新キャラ出して大丈夫だろうかと思ったけど、アークナイツもポンポン新キャラ出してるしOKか(よくないが)

そういや画中人始まりましたね。私は一応ストーリー全部見ました。嵯峨ちゃんアホ賢いやん。烏有カッコええやん。kokodayoとアーツマスターはなにがあったねんと、凄く楽しく読めて良かった。ゲームの方はまさか最後のステージでマドロックがボスとタイマン始めるとは思わなかったで工藤。因みにガチャは烏有だけでした。昇進2にさせました。ついでにウニを狙った課金ガチャはマゼランが出てk畜生めがッ!(キレるのが早い)

 それじゃまた次回、サラダバー!


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急転直下 三

UA5万を達成したので初投稿です!やったぜ、投稿者変態糞ドクター。ついでにコメントとかしてくれたら嬉しくなって更新速度が速くなります(露骨な米稼ぎ)高評価とかしてくれたら更に速くなります(露骨な以下略)でもやっぱコメントの方が速くなります(露以下略)


 かなり安定感が無いRTAはーじまーるよー!

 今回はロドスと合流したと言う報告を受け取った所からスタートです。

 

 では早速出発しましょう。手順は簡単、先ずは支援ドローンや戦闘ドローンを数十機をバックパックに詰めます。ソレを量産型君に装着させます。量産型君に乗り移って出撃ハッチに立ちます。シールドと痛覚残留弾仕様のサブマシンガンを装備します。

 

『3・2・1・GO!>』

 

 キラ・ヤマト(大嘘)義体イモータル、イきます!!!!

 

 因みにレールガンの原理で発射してますが、まぁ機械の体だし大丈夫だ、問題無い。射出後は某無料バトロワゲームみたいにジェット噴射しながら滑空し着陸します。

 それと見てください!ついに量産型が低コストかつ短時間の製造体制を獲得しました!これで貧弱なドローンから新たなステージへ二段ジャンプ出来ましたねぇ!これで戦力アップ&ガバッた時のリカバリーが出来ます出来ます。まぁ、圧制者ゼッタイ反逆するバーサーカーみたいに色々カッ飛んでいきたいんですけど、流石に無理やな(諦めて、どうぞ)

 

 という訳でつくまで倍速……する必要も無かったッスね。もう到着しました。流石ホモ都市の技術だ、科学力が違いますよ(自画自賛)

 

「ン〜……お、やっと来ましたか。遅過ぎですよイモータル。一秒で来てくださいよ」

 

 ハッハッハ、面白い事を言うオペレーターだな。転がすのは最後にしてやる。

 

「ハッハッハ、棺桶にブチ込まれる楽しみにしておいて下さい」

 

 ファッ?!なんだこのNPC?!たまげたなぁ……

 

 んな事は置いといて、おっはー!みんな元気そうですねぇ!おチェンチェン達も凄く元気そうだ。そりゃホモ都市に来た時に隙あらばミーシャ姉貴を掻っ攫おうとしていた組織だ。モチベが違いますよ(皮肉)それに比べてアーミヤちゃんは元気無いですねぇ!ミーシャ姉貴となんかあったのかな?人参あげるから元気出せよホラホラ。あ、マジで受け取ってくれるんすね。やっぱりCEOは優しいなぁ。あ、ドクターにはZoneのマッドハッカーあげますあげます。

 まぁ、CEOが元気無い理由としては、本来携帯越しで言われる筈だった言葉を直接、怒気の強い口調で言われたからなんですけどね初見さん。

 

「オイ、お巫山戯はそこまでにしろ」

 

 おっと、おチェンチェンのお叱りを受けたので好感度稼ぎはここまでですね。ではホモのオペレーター達が交戦してるところまで最短距離で向かいにイクゾー!(デッデッデデデデッカーンッ)あ、Xさんたち治療部隊は後でここに来る輸送車ドローンに乗ってホモ都市へ帰還して下さいね。ここからは戦闘シーンなんで。

 でまぁ、向かうと言ってもメテオリーテ達を助ける為にメッフィー部隊と交戦してるホモオペレーター達が前もってレユニオンを保護してくれているので、おチェンチェン離脱イベントまで倍速………

 

 

出来なぁぁぁぁぁぁい!!!!(デスボ)

 いやおかしいでしょなんで現地レユニオンが立ちはだかって来るんですかねぇ?(真顔)先攻していったオペレーター達は態々彼らを見逃したとでも?なんだそりゃ、見損なったぜ!それでも感染者を助ける正義の組織かよ?!(ベリル並感)

 

「あぁ、そういやアイツら、ハルドの球体に入って一気にジャンプして行ってたな」

 

 あ、そっかぁ……じゃねぇんだYO!またガバだ!またガバだ!(大事な事なので2回)

 いやまぁ教えてくれてありがとナス!マクロケリス兄貴。このチャートはオペレーター達の生存が最優先事項なので移動手段の事はまぁ良しとしましょう。

 

 さて、じゃあとりま目の前のレユニオンの無力化に集中しましょう。おそらくこの戦闘を終えて少し進めばおチェンチェン離脱イベントが挟まれる筈です。でもおかしいですね?さっきのガバとは別で予定よりも進行が少し遅くなっています。龍門は通常通りの動きをしていますし、ホモ都市は現状戦闘オペレーターが二人しかいませんが、私自身とドローンでカバーしてるので問題ありません。それで原因はロドスに絞られるのですが、ロドスも今回のネームドオペレーターは少数編成とはいえシルバーアッシュ、シージ、シャイニング、アンドレアナ、アーススピリット、マッターホルン、ファントムのドチャクソ強力部隊の筈なんですけど………丁度おチェンチェンイベントに入りましたし、さっきの戦闘記録を軽く見返し………あっこりゃあ!素晴らしい(┃)まさかのロドスの好感度が予想外に高いですねぇ!あーでもなる程、影響を与えるタイミングが早すぎるとチャートに支障が出る可能性が高くなるんですねぇ。コレは新発見です。後で攻略サイトに記載しときましょう。

 

 さて、では特にこの先変わり映えが無いのでちょっとしたガバをリカバリーする為に早めに進みましょう。キング・クリムゾンッ!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「……この音は…戦闘音!」

「向こうからだな」

 

 フロストリーフから送られてきた座標付近まで来た頃、微かな戦闘音をアーミヤは感じ取った。そして同じくその音を感じ取ったシルバーアッシュとテンジンが、音が聞こえる方向を向く。

 

『この距離なら……よし繋がった。ドクター、お前さんのお仲間は無事だぜ』

「本当か?!」

『あぁ、だが急いだ方がいい。敵さんも厄介な奴だ』

「わかった!」

 

 ドクター達は戦闘音がする方へ向かって走り出し、ホモ達もそれに続く。途中で道を遮るレユニオン兵もいたが、今回の戦法にも慣れて来た彼らの前では足止めにもならなかった。

 

『突然速くなるやんけ。やっぱロドスは戦闘慣れしてるんっすねぇ……』

「感嘆してる暇があるならさっさと追いついて下さいよ。置いてきますよ?」

『おっ待てぃ!(江戸っ子)いや待たなくてええわ、いや待って下さいお願いしますなんでもシマムラ!(支離滅裂な演算発言)』

 

 どうやらノックダウンしたレユニオン兵に印をつける作業に思いの外時間がかかっている様だ。まぁ彼らには知ったこっちゃ無いが。

 

「フロストリーフさん!」

「メテオリーテ!ジェシカ!無事か?!」

「やっと来てくれたか」

 

 ロドス達が戦闘音のする場所へ到着し、すぐ近くで物陰に隠れているフロストリーフとジェシカ、そして方舟のオペレーターに混ざって牽制攻撃をしているメテオリーテに声をかける。

 

「今の状況は?」

「レユニオンに攻撃されている所をあのオペレーターの部隊に助けられた。それで今は私達が逃げる為に足止めをしてくれてるけど……どうやらそう簡単には行かないみたい」

 

 そう説明したフロストリーフは、遠くでレユニオンを楽しげに指揮しているレユニオン幹部、メフィストを睨みつける。

 

「アハハ!もしかして援軍かい?指揮官自ら戦場に赴いてくれるなんて嬉しいよ!でもバカだなぁ、大人しく部下が八つ裂きにされるのを遠くで指咥えて見てれば自分は助かったってのにさ!」

「ッ……メフィスト!」

「うわっ、今までどっちもどっちって思ってたけど撤回しますわ。ありゃ一回死んだほうがマシなガキですよ」

「コレ、本気でそんな事言うんじゃありません」

「アーミヤも落ち着いて」

 

 メフィストの調子に乗った煽りに、アーミヤとウェイクが反応するが、ドクターとマクロケリスがソレを嗜める。まぁ、今前線で戦ってる方舟のオペレーターがブーイングしてるが、彼らなら大丈夫だろう。戦闘中にブーイングする程の余裕持っている訳だし。

 

『うっわ何このブーイング。あ、君かぁ…なら仕方無いわな。よしドクター、俺達ちょっくらしばき倒しに行くから、頑張って撤退よろしくな!あとジェシカちゃんが何気にヤバそうだからそこんとこもな』

「ジェシカさんが?!」

「………あぁ、少しショックで動けなくなっていてな」

 

 アーミヤ達はジェシカの元へと向かい、ホモ達は迫りくるメフィスト軍団へと向かう。

 

『イヤッホゥ!よぉハルド君!元気してた?』

「まったく来るのが遅過ぎますよイモータル。お陰で私がサポートに回らなければならなくて大変でした」

『許して下さい、なんでもシマムラ。んじゃ、これから巻き返しと行こうかね!』

 

 ハルドは辺りの鉄屑を流銀に変えてスライダーを作り、ホモの義体がその上に乗る。そしてそのスライダーを素早く操作する。戦場を縦横無尽に駆け抜けながら、義体はサブマシンガンを乱射し周囲のレユニオン達の胸、腰、足、肩に的確に痛覚残留弾を撃ち込み無力化する。

 

「あぁもうウザったいなぁ……本当に!」

『―――!……チッ、テメェ今感染者を物として扱ったな』

 

 メフィストの言葉を合図に死角から襲ってきた感染者をサラッと回避したホモは、後方で響く肉が破裂した音を聞きながらメフィストに舌打ちした。

 

「アハッ!僕を殺したくなった?」

『いいや全く!』

 

 ホモはサブマシンガンをメフィストに向かって撃ち出すが、横から割って入ってきた大柄な感染者がメフィストの代わりに痛覚残留弾を受ける。

 

『HAHAHA!私を苛つかせるのが上手い野郎だ』

「優しいのか怖いのか、どっちなんだい?まぁ安心しなよ。さっきの二人は元々チェルノボーグの善良な市民さ。僕らと対等に話したいって言って来た彼らの為に、僕は丁寧に源石を埋め込んだだけだよ?」

『テメェ、後ろにあるレユニオン風味の不細工オブジェごと沈めてやろうか』

「オイオイやめてくれよ。アレを作るのにも苦労したんだから。でもそうだね……そろそろ盤面がひっくり返る頃合いだ」

 

 義体の後ろでは、シルバーアッシュが迫りくるレユニオンを一太刀で地に伏せさせ、ファントムが一人一人確実に意識を刈り取り、マクロケリスとマッターホルンが敵の攻撃から味方を守り、それらの後方で援護射撃をするメテオリーテ、アーススピリット、アンドレアナ、アーミヤ、そしてそこら辺のレユニオンを片っ端から鎖で繋がれた棺桶で吹き飛ばしているウェイクと、斬り殺しているフロストリーフ。さっきの膠着状態と違い、確実に巻き返している。

 

 そしてその光景を見たメフィストは、不気味な笑みを浮かべた。

 

「よし、じゃあここで新しいお友達の紹介をしよう」

 

 そして、ここ一帯の気温が急激に下がった。ロドスと方舟のオペレーター達がその事に気がついたのは、肌が冷たくなるのを感じるよりも早く、最前線にいる黒コートの義体が手から凍りつくのを目撃したから。

 

『k―――扌m―』

「フフッ、今回の舞台の真の主役に拍手を――」

 

 全身が凍りついていく義体の目の前で、メフィストは余裕の表情を浮かべながら言葉を発する。

 

「西北氷原の悪夢、スノーデビルのプリンセス……フロスト―――ノヴァ――!!」

 

 更に気温が下がり、ロドスと方舟のオペレーター達を囲む様に、特殊な装備を着た少数のレユニオンが現れ、メフィストの後ろ…燃える事無く凍りついた肉塊のすぐ近くから一人のコータス族がその姿を晒す。

 

「君達の血肉はね、少しずつ、少しずつ……凍らせられてから削られて、かき氷にされちゃうよ」




おそらく次回で急転直下は終わりです。今回のメフィスト君はほんへの台詞が大幅にカットされてる代わりにクズ度を少し増して見ました。

んじゃ私は妖精國を観光して来るんで、サラダバー!


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急転直下 四

美少女や子供が嬉しそうに笑っている瞬間が一番生を実感するので初投稿です。


 凍りついた世界に、一人の女性が立っている。さながら雪女とも呼べるような美しい風貌をしたコータス族の女性の名は『フロストノヴァ』

 レユニオンの幹部である彼女は、見せしめと言わんばかりにメフィストが建てた不細工オブジェと黒コートの義体を凍てつかせた。

 

「メフィスト…先ずは獣以下の殺人鬼の貴様を、雪原の人柱にしてやるべきか」

「あーあ、僕も嫌われちゃったかな?怖いなぁ……」

 

 そんな事を言っているが、誰がどう見ても怖がっている様には見えない。それどころか、この状況を愉しんでいる様にも見える。

 

「でも、今回の敵のロドスと方舟はあっちだよ」

 

 そう言って、彼らは自分の後ろにいる集団を指差し、自分はニヤニヤと笑いながら去って行く。

 

「……方舟の皆さん。フロストリーフさん達を連れて逃げて下さい」

「―オイオイ、変な事を言うな嬢ちゃん」

「そうだアーミヤ。君達が皆を連れて逃げてくれ。彼らには私達の調査に強力してくれた借りがある」

「いや君もね?俺達がやったのは寝床と食料の提供ぐらいだからね?借りなら今から作るから」

「巫山戯るな。奴が狙いを定めれば、お前たちでも勝ち目は無いぞ」

 

 ロドスの自己犠牲精神に困惑しながらも、自分が残るからお前らが逃げろと遠回しに伝えるマクロケリス。互いにブーメランを投げあってるが皆気がついていない様だ。

 

「………安心しろ」

 

 その光景を見かねたのか、フロストノヴァは自分の方から口を開く。

 

「私は貴様ら方舟に用は無い。私が凍てつかせるのは、ロドス・アイランドだけだ」

「―――?!」

「何だと?!」

「オイオイ嘘だろ…勘弁してくれ」

「………」

 

 フロストノヴァの言葉にロドスはおろか、方舟のオペレーター達もざわつき始める。ドクターはマクロケリスを見て、意図を察したマクロケリスは首を横に振る。一番この事を知ってそうなイモータルは、フロストノヴァの後ろで凍りついている。それにアーツによる通信汚染が原因か、彼らの腕輪にも一向に通信が入ってこない。

 

「1分だけくれてやる。ロドスを置いて逃げるか、ここで共に氷の彫像となるか選ぶがいい」

 

 ソレを聞いた方舟のオペレーターは戸惑い始め………る訳でも無く、ロドスの前に立つと痛覚残留ブレードとシールドを構えた。

 

「お前さんらには悪いが、そんな言葉ではいそうしますってする俺達じゃないんでね」

「………そうか」

 

 彼らは感染者の味方である。そして彼らは感染者を助けれる場合は必ず助けると、彼らは半年以上もそうして来たのだ。故に彼らは感染者を傷つける者へ立ち向かう。もし彼らを動かしたければ、チェルノボーグの様に天災を使う他無いだろう。

 

 そんな事を考えているのだろうと、感染者や死体しか残っていない筈のチェルノボーグで救助活動をする彼らを見ていたフロストノヴァは、溜め息を吐いてから詠唱を口にしようと………

 

「いや、僕は逃げるけどね?」

 

 その言葉を聞いて、全体の空気が凍りついた。ロドスも、レユニオンも、方舟も、物理的に凍らせようとしていたフロストノヴァでさえも、その言葉を発した本人であるウェイクを驚いた表情で見つめる。

 

「………どう言う、事だ?」

 

 この中で最も状況判断に優れたドクターがそう口にする。

 

「ッお前さん!そろそろいい加減に――」

「まぁ待って下さいよ。ま、理由を言うと死にたく無いからなんですがね」

 

 掴みかかろうとしたマクロケリスの腕をサラッと躱しながら、彼はオペレーター達の一番前へ立つ。

 

「あともう一つ、レユニオンもロドスも気持ち悪いんですよ」

 

 周りの空気が更に凍った。今回は比喩的なものもあるが、直喩でもある。何故ならフロストノヴァが無意識に温度を低下させているからだ。めっちゃ怖い顔もしている。

 

「いやだって、両方とも人を簡単にブッ殺すじゃないですか。いやまぁブッ殺す事自体はいいんですが、理由が気持ち悪いったらありゃしない。片や世界が平和になる事を願って、片や感染者は虐げられて来たから。どっちもごめんねごめんね、世界を自分なりにより良くするから死んでくれ、と言ってる様なモンですよね?………わからないと言う顔をしているのでもうちょい言いましょうか。無駄に人殺しをして楽しそうですね。感染者を馬鹿にしたからレユニオンが殺して、そしてロドスが過ちを正す、ならまだ納得はしておいたんですが……レユニオンが殺そうとするから殺して、ロドスが殺したからまた殺そうとして、それでいつまで戦えばいい?どうしてこんな事するの?なんでわかってくれないの?……アホらしい、自分でこの状況を作ったんでしょうが。知ってますよ?貴方達、自分の為にならない感染者を相手の考えをわかろうともせず余裕で殺して来たんですよね?よくそれで今まで感染者の為と自称出来ましたね気色悪い!個人なら兎も角、団体の恨み合いなんぞ不毛なイタチごっこだと理解していた筈でしょう?」

 

 実に芝居がかった口調でたっぷりと、皆に聞こえる様に少しずつ回転しながら、ドクターの目を、アーミヤの目を、ロドスのオペレーター達の目を、レユニオン達の目を、方舟のオペレーター達の目を、腕輪から顔を上げたハルドの目を、最後にフロストノヴァの目をしっかりと見て、彼はそう告げた。

 

「別に言い返して結構ですよ。僕の主張をどう取るかは自由ですし。じゃあ僕はこれで」

「……それが、貴様の考えか」

 

 無茶苦茶を言って帰ろうとしていたウェイクは、そのドスの効いた声を聞いて足を止める。

 

「はい」

「そうか………だが周りの者を見るに、それは本当に個人の考えなのだろうな」

 

 彼女は手を前に持ってくると、詠唱を始める。するとさっきまで気温を下げていた冷気が彼女の掌へと集まり……

 

「故に私も貴様に応えよう………我が同胞を侮辱した報いを受けるがいい!!」

「シールド持ちは速く防いで下さァい!!!」

 

 ウェイクがフロストノヴァに背を向けた瞬間、彼女のアーツの奔流がロドスと方舟に襲いかかった。

 そしてウェイクにその奔流が当たる瞬間、彼の背後に銀色の巨大な壁が現れ、奔流をほぼ半分の威力に抑え込む。不幸にもドローンの殆どが凍結したが、その隙は方舟のシールド部隊が充分に展開出来る程で、隊列を組んでシールド連結した部隊が後方のロドスオペレーター達と前から飛び込んで来たウェイクを守った。

 

「おいお前!一体何がしたいんだ!?」

「うわ顔怖っわ。確かフロストリーフさんでしたっけ?」

「おい!」

「怖い顔しないで下さいよ。全く、少し苛立たせただけ――」

「余計な事をする暇があるならさっさとしろウェイク!」

 

 フロストリーフと軽い口喧嘩になりそうになっていた所を、攻撃をマクロケリスがガチの怖い顔をして嗜める。

 

「………単刀直入に言いましょうか、僕に向かってアーツを発動させて下さい」

「――は?」

「いやさっさと発動して下さい」

「お前、本当に――」

「さっさとしろって言ってるでしょうが!」

「………文句言うなよ――!」

 

 突然の怒号に驚きつつも、フロストリーフはアーツを発動させる。そして当たり前の様に、ウェイクはフロストリーフのアーツである氷の斬撃を回避する。

 

「なっ?!」

 

 そのまま斬撃は遠くまで飛んでいき、ウェイクの後ろにあった建物に直撃した。

 当の本人は顔を上げ、フロストノヴァのアーツを受け止めている銀の壁を見て笑みを作った。

 

「お前、一体何を――?」

「まぁ見ていなさい」

 

 驚愕と疑問符を浮かべるフロストリーフを尻目に、彼は背負っていた棺桶を地面に勢いよく置き、側面を思い切り蹴る。

 

「たまには体を動かしなさい」

 

 その瞬間、棺桶の蓋が開き中から無数の黒い腕の様なナニカが溢れ出る。そのナニカは四方八方へ飛び散り、とある物がある方向へ勢いよく突っ込んでいく。

 

「なんだっ?!」

「なんだコイツら?!くっ来るな!」

「コイツ、俺達が埋めた源石を喰らってるのか?」

 

 フロストノヴァのアーツの奔流が弱まり、銀色の壁だけで完全に冷気を遮断出来るまで弱体化する。そしてスノーデビル小隊を無視し、ただ源石だけを食べた黒い腕は棺桶に入り込み、その蓋が閉じた。

 

 フロストノヴァはアーツを停止する。埋めた源石によるアーツブーストが無くなった以上、あの銀の壁とシールドの要塞を突破するのは無理だからだ。そしてそれよりも……

 

「何故わかった?」

「何故も何も、あんな高出力のアーツをまだ人肌がある感染者が出せる訳が無いでしょう?弱ってるなら尚更だ」

「くっ――」

「ね、貴方もそうでしょう?イモータル」

 

 フロストノヴァの直ぐ後ろで、氷が弾ける音がする。フロストノヴァが驚いた表情で後ろを見ると、そこには彫像になった筈の黒コートの機械がゆっくりと顔を向けながら立っていた。

 

『ったく、折角俺と同じ立場の奴らと脳内掲示板で駄弁ったりアドバイスして年甲斐も無くはしゃいでたってのによぉ、どう見てもガバですねぇわかりません!』

「貴様、一体どうやって?!」

『あ?簡単な事だよ。例え永久凍土でも熱があれば溶けるからな。源石エンジンをチョチョイとオーバーヒートさせれば一発よ』

 

 簡単に言ってのけるホモにスノーデビル小隊とフロストノヴァ、ドクターやアーミヤ達も驚愕する。

 

『うっわもう繋がらねぇし。ママエアロ(風属性アーツ)あとウェイク!お前の演説70点!別に否定せんがもっと命と協力者を大切にしろ!私なら貶した後にべた褒めするね!あとチャートをガバらせるな!』

「地味に高いな」

「地味に高いのは褒めてるのか貶してるのかどっちですか?」

『胸に手を置いて聞いてみろ!後ドクターすまんな!別に悪気とかは無いと思うんだ!私も今君たちと敵対とかしたく無いし!』

「………許さん!せめてアーミヤに土下座しろ!」

「ドクター?!」

 

 矢張りとフロストノヴァは確信する。この黒コートの機械こそ、奴ら方舟の動力源になっている。例えどんな状況であろうとも、決してその姿勢を崩さない事そのものが、奴らの指揮を高めているに違いないと。そしてソレを可能とするのは、機械だからだろうか。さっきから振り返った状態で固まって発音してるからペースを崩されそうになる。

 

『んじゃフロストノヴァ、そういう訳だからコイツら逃して貰うね?』

「させん!スノーデビル小隊、奴らを一人も逃がすな!」

「まだ来るってのか?!」

「っ!ロドスの皆さん!迎撃の準備を!」

『そんな事しなくて大丈夫だ、問題ない』

 

 ホモは迎撃に出ようとするロドスと方舟のオペレーター達を止める。ソレを好機と見たスノーデビル小隊は攻撃を仕掛けようとするが、次の言葉でソレを止めざるを得なくなる。

 

『宣誓!僕達、私達は、スポーツマンシップに乗っ取り!ここで大爆発を決め込みたいと思います!』

「なっ―」

「なっ―」

「「「「なにィィィィィィィィ??!!」」」」

「クソっ――!!」

 

 両腕、両足、胸からそれぞれの源石エンジンを露出させると、そのエンジンが赤熱し始める。フロストノヴァはこの爆弾を凍結させようと力を込め……後ろから自分を守ろうとやってくる自慢の部下の目の前に氷の障壁を貼ろうと後ろを振り向く。そして見えた、銀色の球体に包まれるロドスと方舟のオペレーター達が。

 次の瞬間、氷の障壁が生成されると同時に跳躍する銀の球体が見えた。この爆弾は最初からこれを狙っていたのである。

 

「だが、コイツは刺し違えてでも!」

『その必要は無いが?』

「――?!」

『そんな顔をするなよ。感染者は保護対象なんだから殺す訳無いアガラホテップ』

 

 露出させたエンジンを赤熱させた状態で、ホモはまるで友達の様に話しかける。

 

『君も見ただろう?彼らの行動を。ならば君はわかる筈だ』

「………お前は…お前は感染者に、私達に一体何を求めている?」

『何も求めていなぁい。ただ一つ言える事は、私は不幸な顔見知りの他人を助けたり、その他人や女子供が嬉しそうに、幸せそうに笑っている瞬間を見るのが一番生を実感するから、幸福に感じるからだ』

「嘘をつくならもう少し――」

『悪いが品切れだ。それに本音だよコレは。それとももう少しストレートに行こうか?』

 

 そう言うと、ホモはぎこちない動きでフロストノヴァに近づく。

 

『私は―』

 

 一歩

 

『君たち―』

 

 二歩

 

『感染者の事が―』

 

 三歩

 

『大好k』

 

 そしてその義体は投擲された槍に胴体を貫かれ、機能を停止する。そしてやって来た巨体の持つ槍に、完膚なきまでに穿たれた。

 

 現れた巨体は、崩れ落ちそうになったフロストノヴァの体を支える。

 

「ゴホッゴホッ……いつから見ていた?」

「数分前。矢張り、称賛に、値する、戦士達だ」

「………対峙してわかった。奴らはあくまで普通の人間だ。おかしいのはあの機械」

「わかって、いるとも。それ、よりも、体に負担を、かけ過ぎだ」

「……わかっている。速く自分の仕事をしろ、石頭め」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 もうやだァァァァァァ!!!チカレタ………ガバ!ガバ!ガバ!ガバ!ですよ!これはもう再走案件……じゃ無いですねぇ!続けますよ〜イクイク。え〜、フロストノヴァに氷漬けにされ、短縮出来る戦闘をあまり短縮出来なかったという最大のガバをやらかしましたが、リカバリー出来ますねぇ!

 凍結状態中に調べていたのですが、どうやらメフィストを龍門へ向かわせていれば5、6章で充分巻き返しが可能との事です。やっぱり攻略ウィキは大事やなって………まぁガバをしないのが一番ですが。

 

 まぁそれは置いといて………

 

「いくら盟友の協力組織とは言え、あの物言いは看過出来るものでは無い。その所はどうするつもりだ?」

 

 いやぁァァァァァァ!!!いやぁァァァァァァ!!!!いや(ry

 

 銀色のアッシュ怖いなぁ……いやホント何してくれんねんこのトリィ!リカバリー出来たり開発室とかの人員ガチャが良くなかったらリセットだったからな?!わかる?この罪の重さ。

 ま、怒られるのも仕方はありません。と言うか、この性格だからこそのこの配置ですからね。じゃ無いとウェイク君は一瞬で敵前逃亡します。もう音速のソニック並に(関節のパニック並感)だからこそ、それ相応の行動が必要なのさ。

 

 まぁまず新しい義体を呼びましょう。今偶然残っていた凍りかけのドローンなので。で、義体に換装したらアーミヤの前に行きましょう。

 

「えっ?」

 

 部下が調子こきましたァ!すいませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

「わ、マジでやってくれるの」

「え、あの、ちょっ」

 

 だって人はそれぞれじゃん?!ましてや私凍結中じゃん?!みんな偶にはミスするじゃん?!幻想だって理想だって空想だって願望だって沢山あるじゃん?!でも失敗したのは事実だからすいませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!!!お願いだから好感度下げるのはヤメチクリ〜!お願いだよなぁ〜頼むよ!なんでもシマムラ!

 

「私達、こんなのに助けられてたの?」

「お、落ち着いて下さい!彼がわざとでは無いとは言え、あの状況を突破するには仕方の無かった事で……」

 

 お^〜CEOの優しさが心に沁みる!あとメテオリーテさん、私はこんなのでは無くホモです。

 

「でも、私達ロドスを侮辱したのは事実だ。事が終わった後で、然るべき話をしよう」

 

 ワカリマシタ!(^p^)良かった〜、シルバーアッシュらの好感度が微妙に下がるくらいですみました。いや下がっちゃったらヤバいんですが。取り敢えずウェイク君と一緒に謝っておきましょう。下を向くんだよ90度!

 

「………意外に素直だな」

「ま、悪いとは理解していますから」

 

 なら最初からやるな定期。ロドスの好感度を下げるなら終盤で下げよう!先駆者兄貴との約束だゾ!

 

 あ、アーミヤが通信に出たので4章が終わりますね。ではあとはドローンの自動操作に任せて、私は龍門のゴタゴタの準備をしましょう。

 それではまた次回で!ご視聴ありがとう御座いました!




最近アクション映画を漁りまくってます。暇つぶしに丁度いいんですよねアレ。アニメもいいぞ。今ヨウツベで無料公開してるブラックフォックスがおもろかった。続編とRTA二次創作はよ(他力本願寺)

さて、多少ガバりましたが急転直下終了です。次回は快刀乱麻からスタートと思いましたが、やめました(やめたのか)久しぶりのプロファイル回です。それではサラダバー!


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特に意味も無く作ったプロフィール8

タイトル通りに初投稿です。


【プロフィール】

【レアリティ】星5

【コードネーム】アンダーテイカー

【陣営】境界無き方舟

【性別】男

【職業】補助

【募集タグ】遠距離/召喚/弱化

【戦闘経験】6年

【出身地】璃月

【誕生日】11月10日

【種族】リーベリ

【身長】170cm

【専門】暗殺術/葬儀作法

【鉱石病】感染者

 

 

【特性】

敵に術ダメージを与える

召喚ユニットを配置可能(配置数に含まれる)

 

 

【入手方法】

人材発掘

公開求人

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された補助オペレーターである彼の反応は、結構複雑なものである。

ロドスオペレーターは彼に煽られても相手にしない様に。彼が煽るのはその理由がちゃんとあるからだ。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】9/11/11

【ブロック】1/1/1

【攻撃速度】やや遅い(1.6s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

   □□□     □□□

   ■□□     ■□□□

   □□□     □□□

 

 

【素質】

クリスタライズシュメルツ

初期 黒い腕を最大3体召喚、黒い腕が攻撃した敵の防御力−5%

昇進1 黒い腕を最大4体召喚、黒い腕が攻撃した敵の防御力−10%

昇進2 黒い腕を最大5体召喚、黒い腕が攻撃した敵の防御力−15%

 

 

【基地スキル】

葬儀工程

初期 加工所

加工所で昇進素材加工時、副産物の入手確率+70%

契約

昇進2 貿易所

貿易所配置時、配置貿易所の高品質な金属オーダーの獲得率が上昇(勤務時間が確率に影響する)、1時間ごとの体力消費量-0.25

 

 

【スキル】

スキル1 源石喰い  パッシブ

           

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+20%

 

2  

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+25%

 

3  

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+30%

 

4  

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+35%

 

5  

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+40%

 

6  

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+45%

 

7  

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+50%

 

特化Ⅰ 

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+55%、素質効果が20%まで上昇

 

特化Ⅱ 

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+60%、素質効果が25%まで上昇

 

特化Ⅲ 

黒い腕が感染者を攻撃時、攻撃力+70%、素質効果が30%まで上昇

 

 

スキル2 オリジニウムアウト  自動回復 

                手動発動 

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  5   30    25

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+50%、防御力30%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

2  5   30    25

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+55%、防御力35%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

3  5   30    25

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+60%、防御力40%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

4  7   30    26

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+65%、防御力45%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

5  7   30    26

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+70%、防御力50%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

6  7   30    26

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+75%、防御力55%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

7  9   30    27

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+80%、防御力60%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

特化Ⅰ 11  30   28

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+95%、防御力75%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

特化Ⅱ 13  30   29

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+110%、防御力90%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

特化Ⅲ 15  30   30

黒い腕を最大4体回収し、召喚ユニットの所持数が2つになる、次に召喚するユニットは攻撃力+130%、防御力110%、ブロック数+1、ブロックしている敵全員を攻撃する

効果終了後強制撤退し、黒い腕を4体獲得する

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】アンダーテイカー

【性別】男

【戦闘経験】6年

【出身地】璃月

【誕生日】11月10日

【種族】リーベリ

【身長】170cm

【鉱石病感染状況】感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】標準

 

【戦場機動】標準

 

【生理的耐性】優秀

 

【戦術立案】優秀

 

【戦闘技術】優秀

 

【アーツ適正】優秀

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された補助オペレーターである彼の反応は、結構複雑なものである。

オペレーターは彼に煽られても相手にしない様に。彼が煽るのはその理由がちゃんとあるからだ。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められる。

以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

 

【源石融合率】5%

体内に少量の源石結晶の分布が見られる

 

 

 

【血液中源石密度】0.23u/L

循環器系の顆粒密度は低く、現在症状は安定している

 

 

【第一資料】

周囲からウェイクと呼ばれるリーベリ人。ドライ寄りの感情を持っており、例え人が死のうが割と他人事で流す様な存在である。

だがそれでも非情になりきれないのは、彼が構成した価値観があるからだ。それ故、彼は自身の価値観と違うものはどうしても受け入れられない。

 

 

【第二資料】

彼は支給されたジャケットの下に、いつも黒で統一されたスーツ服を着込んでいる。これは私生活や戦闘中でも例外は無く、彼の服はこれ一着のみである。

戦闘時には細かい装飾が施された棺桶を装備している。鎖に繋がれたソレを引きずったり振り回したりとぞんざいな扱いだが、手入れは毎日欠かさないなど大事にしている様子も垣間見える。

そして一番の武器が、棺桶の中に生息していると思われる謎の生き物だ。本人曰くアーツと言うのだが、意思を持って独立するアーツなど聞いた事も無い。我がロドスにも謎の生物を使役するオペレーターはいるが、その生物とも異なるものだろうとしか現状はわかっていない。

 

 

【第三資料】

彼の出身である璃月は、炎国の主要都市の一つであり、商業が盛んな事で有名な移動都市だ。彼の経歴によると、その都市の中に存在する往生堂と呼ばれる葬儀屋に長い事住んでいたらしく、往生堂の77代目堂主と面識を持っている。

彼の性格の殆どが往生堂で暮らすと共に構成されており、人の死、命のサイクルに無関心なのもコードネームである葬儀屋をして来たから。また、彼は往生堂で葬儀作法を含めた諸々を叩き込まれている為、葬式に関しては礼儀正しく、いつでも葬式に行ける様に黒服を着込んでいる。

そんな彼が関心を見せる数少ないものの1つとして、読書がある。ジャンルは様々で、小説でもいいし漫画でもいい。彼の気に入った本は棺桶の中に詰め込まれている。因みに最近のマイブームはエロ本を読む事。

 

 

【第四資料】

彼は元々依頼を受けて人の命を奪う殺し屋である。

だが、殺し屋稼業で彼が感じたのは人の死に関連するものでは無く、どうして依頼主はターゲットを殺したいのかと言う疑問だった。

そして約6年後、殺し屋を辞めてからというもの、彼は人殺しに自分なりの美学を持ち出す様になった。それは自分への戒めなのか、人を殺す事に真っ当な理由を求める様になり、ソリの合わない者には容赦なく罵倒する。真っ当な理由は本人の価値観で語られるものとはいえ、その価値観のお陰で彼は殺人鬼でありながら殺戮者にはならなかった。

故に、彼にとってロドスやレユニオンは罵倒する程にソリが合わない組織の様だ。ロドスには感染者を助けると言う目的があるが、それと敵の排除は別問題なのも確かである。だからこそ彼は、方舟に乗ったのかもしれない。

 

 

【昇進記録】

 

【権限記録】

奴の棺桶にいるソレは、源石を喰らい生き長らえる存在であることがわかった。とはいえ、人間に害を与えたと言う報告は見られない。奴曰く、いつの間にか棺桶にいたそうだが、我々はいち早くあの生物を調べなければならない。例え今は人間に害を及ぼさずとも、いつかこの大地から源石が無くなった時、あの生き物は感染者に牙を剥くだろうから。

 

 

アンダーテイカーの印

 

エロ本。璃月で取引されていたのをアンダーテイカーが数冊買ったもの。内容は黒髪コータス族の少女と白髪コータス族の女性の…………

 

 

採用契約

 

オペレーターアンダーテイカー、常に殺しの理由を探し、戦場に立つ

彼から貰ったエロ本はすべて没収します




みんなは複雑な感性を持つキャラを作るのは止めよう!お兄さんとの約束だゾ!

因みにオベロンを2枚引き当てました。やっぱエクストラクラスはいいね!まさか私のカルデア初のスキルマサーヴァントになるとは思わなんだ。

次回は快刀乱麻です。ではサラダバー!


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快刀乱麻 一

聖剣を作ったので初投稿です。


 チェルノボーグから撤退と同時刻、龍門にて

 

「これでここら辺の診療は完了っと……次はここの区画だ!みんな準備してくれ!」

 

 ったく、あの怖い顔したトランスポーター達が龍門に入れてくれてからと言うものの、こうしてスラム街の感染者の診療をしているが………クッソ、ポンコツにしてはもうちょい効率化出来なかったのか?

 まず方舟へ連れて帰る事はせず、更にはスラム街全域で診療するのでは無く、俺達を一塊にして一定範囲で区切ったスラム街を少しずつ見ていく感じが今回の命令だが………う〜ん。

 

「まだしておったのか」

「んッ?!ってまたアンタか爺さん。驚かさないでくれ」

 

 このザラック爺さん、隙あらば俺の後ろから声かけるの止めてくれねぇかな?俺達が最初の区画で診療を始めた時にもこうして来たけど。つかなんでいつも背後から喋って来るんだよ?!さては暗殺者だなコイツ!

 

「貴様ら、感染者を助けるなどと言っておったな」

「……それが何っ―何ですか」

「フッ、嫌がる者もおっただろうに」

「それでもだ。そういう奴らは頑張って説得させてる。無理だった奴にも一応薬を渡すし」

「厄介なお世話係じゃな。まぁええ、暴れぬ限りは好きにすると良いわ」

 

 この爺さんは最初にあった時もそんな事を言っていたが……俺達の気持ちは変わらない。例え本人が死を望んでいるとしても、俺達がその感染者を救わない理由にはならない……とかあのポンコツは言うんだろうなぁ。まぁ俺もそうだが。だからあの舟に乗り続けるのを決めたんだし。

 

 そんな事を思っていると、爺さんは俺に背を向けて裏路地に消えようとし、振り返った。

 

「……もう少しで嵐が来るが、貴様らはどうするつもりじゃ?」

「嵐……?」

 

 いや待て意味深な言葉を残して勝手に裏路地に消えてくな爺さん!爺さぁぁぁん!!!……はぁ、取り敢えず一応あのポンコツに連絡を――

 

「っなんだコイツ?!どうして――?!」

「?!どうした!」

「レユニオンだ!奴らが喧嘩吹っかけて来やがった!」

 

 直ぐにエレキギター型のアーツユニットを取り出し、音を掻き鳴らす。そして襲って来るレユニオンに向けてアーツユニットを振れば、撃ち出された音にブチ当たったレユニオンが宙を舞った。

 

「全員戦闘準備!後衛は怪我人とスラムの奴らの護衛に集中しろ!あと余裕あったらブッ倒したレユニオンを後ろに運べ!」

 

 急いで周りのオペレーター達に命令をし、俺は目の前のレユニオン共の無力化を取り掛かる。なる程爺さんめ、嵐ってのはコレの事か!

 先端が鉄球状の不思議な武器を持ったスパラディが次々と無力化してはいるが、それ以上の速度でレユニオン兵が湧き出てくる。ホント一体何処から出てきてやがる?!この数も一体何処で?!

 

「あぁもう!オレっちに近づくなー!ピッ――嫌だコッチに来るな!ホントに近づくなってー!!」

「あぁクッソ!」

 

 スラム街の子供達を庇いながら杖状のアーツユニットを必死に振っている、おそらく部隊の中で最も幼い体型をしているであろうオペレーターに襲いかかろうとするレユニオン兵を横から蹴飛ばす。最近は空気の振動を足場にしてジャンプすると言う、ポンコツ曰く物理おかしいだろとお墨付きを貰う技術を手に入れた。アーツ学様々だな。

 

「大丈夫かシュラフ」

「だ、大丈夫な訳あるか!怖かったんだからなホントに!」

「その感じだと大丈夫そうだな。その子供と一緒に避難してくれ。ここは俺が引き受ける」

「ホントに怖いんだって!と言うか少しは敬語にしろ!オレっちの方が歳上だかんな?!」

「ハイハイ――!」

 

 話し中に襲って来たレユニオン兵をアーツユニットでぶん殴り、素早く掻き鳴らして地面に叩きつける。周囲に衝撃波が発生し、複数人のレユニオン兵が宙を舞った。

 

「危ねーなエレキ!」

「あーすまねぇ!後で飯奢ってやる!」

「あぁ、本当にな。もう少し周りに注意を払ったらどうだ?」

「だから悪かったっ――いやお前誰?」

 

 俺が聞いた事が無いオペレーターの罵声が聞こえた…いや、1つ聞いた事があるなこの声。そう、あれは俺がポンコツと共にライン生命にカチコミをしていた頃………

 

「なんでライン生命がここにいんだよ?!」

「今はロドスだ」

 

 目の前のヴィーヴル女は俺の言葉に訂正を入れながら、横から来るレユニオン兵を裏拳で吹き飛ばした。

 改めて周りを見ると、ロドスのオペレーター達がいつの間にか俺達に混ざってレユニオン兵と戦っているのが見えた。

 

「どう言う事だ?」

「我々はお前達方舟の支援と言う名目でここに来ただけだ。詳しい事はあの黒コートにでも聞くといい」

「チッ、あのポンコツめ!」

 

 報連相をちゃんとしろって何回言わすんだあのポンコツ!

 

「取り敢えず、ここ任せてもいいか?このビビリな歳上が付き添いを希望してるんでな」

「エレキ!お前少しは敬えよ!」

「………好きにしろ」

「……恩に着るぜ」

 

 俺はシュラフを連れて戦線を後にする。目指すはここら辺のスラム民を避難させている大きな建物だ。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「よし、じゃあ俺は色々して来るから、ちゃんとそいつら守っとけよ?」

「わかってるっつーの!お前も気をつけろよ!」

 

 そう言ったシュラフに笑顔を向けながら建物を後にするエレキ。ソレを見送った後、彼は後ろに振り返った。

 後ろには、今戦場となっている区画のスラム街に住んでいた人達が、出来る限り身を寄せ合って縮こまっている。彼は内心溜め息を吐いた。自分以外にも同じ方舟オペレーターが数人いるとはいえ、この数の老若男女を安心させるのは骨が折れる。それに彼らはまだ自分達を疑ってるのだから、簡単には行かない事は想像できた。

 

 だがやらなければならないと腹を括ろうとした時、さっき助けた子供の中の、比較的背の高い少女が彼の胸に飛び込んで来た。

 

「うっ――ぐすっ」

「おおっと?!どうしたどうしたー?怖かったか?大丈夫、もう安心だかんなー」

 

 胸の中で泣いてる少女を軽く抱きしめ、優しく言葉をかける。方舟で散々子供をあやして来ているので、この程度は当たり前の様に出来る。

 

「うぅ…怖かったよぅ……」

「よーしよし、怖かったなぁ」

「ひっ―ぐすっ……ありがとう、お姉ちゃん」

「何てこと無いさ!それとオレっちは男だかんな!」

「……お兄ちゃん、これからもワタシ達を守ってくれる?」

「あぁ、もちろんさ」

 

 ギュッと、彼の背中に回された腕の力が強くなる。

 

「ありがとう、お兄ちゃん。じゃあ……

 

 

 

 

 

死んでね」

 

 背中に異物が入り込む感覚がする。表面が破れ、中から液体のナニカが流れ出て……

 

「ガッ―!」

「アハッ♡」

 

 白い長髪で分かりづらかったその顔には無数の源石が生えており、変色した瞳も相まってその笑顔は恐怖を煽る。

 

 シュラフは少女の手を勢いよく払い、突き飛ばす。その時背中に刺さったナイフらしきものが抜け、血が更に出て来た。

 

「お前……その腕!」

「フフッ……」

 

 周りのスラム民が皆悲鳴を上げる。少女の腕には、大量の血がついた大きな源石が生えているのが見え、シュラフは顔を歪ませた。

 

「……ごめんね!」

「アハハッ!死んで!」

 

 床に置いたアーツユニットを拾い、彼は少女に向き直る。なんの策も無い少女の特攻を痛みに慣れながら回避し、シュラフはアーツユニットの先端から刃状の粉を発射する。少女は発射した金色の粉を腕の源石で防ぐが、その瞬間、視界が文字通り歪み始めた。

 

「ウッ……?!」

「取り押さえろ!」

 

 平衡感覚を失った少女は地面に倒れ、そこに二人の方舟オペレーターが彼女を取り押さえる。

 

「……ちく―しょう――」

「大丈夫か?!」

 

 シュラフは痛みと出血により気を失う。ソレを見て、近くの治療ドローンを引っ張ってシュラフの治療に移ろうとした方舟オペレーターの腕輪に、次々と通信が入ってきた。

 

「こちらエレキ!何なんだコイツら?!全然倒れないぞ?!」

「あぁん?!なんじゃがコイツら?!」

「コイツらはあのブレードが効き難い、気をつけろ」

「同じくだから頑張れー」

「あぁ気持ち悪い!イライラする!」

「どんだけ感染者を弄ぶんだ!アンタ達は!」

「奴らは私が相手をする。干渉、手助け、一切無用!」

 

「………どうなっている?」

 

 彼らが知らない所で、龍門はさらなる混沌へと包み込まれつつあった。




みんなも報連相はちゃんとしよう!因みにシュラフとエレキの歳は一歳差です。

明日虹6シージコラボですね。取り敢えずレインボー小隊を全員揃えてイベントストーリーにイクゾーイクイク!あ、協力プレイはお手柔らかにお願いします。未だにうちのロドスの昇進2は少ないので(エンジョイドクター並感)

それではまた明日、サラダバー!


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快刀乱麻 二

虹6全キャラとスルト当てたので初投稿です。狙撃SoC揃えて無いのとお金が足りなくてアッシュが育たねぇ……


「――さて、アイツは大丈夫だからコイツをどうにかするか」

 

 通信を切ったスパラディはレユニオン兵の集団の方を向く。目の前の生気を失ったレユニオン兵達は、まるで肉に集るハイエナの如く、スパラディへと襲いかかり……

 

「………」

 

 彼の手に持つ仕掛け武器、今は無き医療教会の変人で有名なアーチボルドが作った一見なんの変哲も無いメイスを振るい、レユニオン兵を片っ端から吹き飛ばして行く。

 

「………矢張り殴り倒すのは難しいか」

 

 小柄なレユニオン兵の腹を殴って吹き飛ばし、大柄なレユニオン兵の顔を殴って地面に叩きつける。だがそうしても尚、奴らは立ち上がる。攻撃を受けた場所に更なる源石を生成させながら。

 

 その光景を見たスパラディは、自分の脇腹にその武器『トニトルス』の鉄球部分を当てる。

 彼は他の方舟オペレーターとは少し違い余り痛覚残留武器を持たず、所持している仕掛け武器で峰打ち紛いの事を平然とやっていたのだが、ソレを難しいと判断した。故に

 

「悪いな」

 

 脇腹から太腿に向けて、鉄球部分を勢い良く擦り払う。彼の強靭な筋肉によってヤバい力で擦られた鉄球部分に、青色の雷光が纏われる。

 彼はギアを1つ上げる。痛みで無力化出来ぬのなら、意識を直接叩き潰す。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 龍門で快刀乱麻するRTAはーじまーるよー!

 では早速龍門に侵入したメフィストファウスト君の無力化とフロストノヴァとクラウンスレイヤーの保護にって仕事多杉ィ!もうやになっちゃうよ。生存ルートでの5、6章だけ仕事多い……多過ぎない?(58敗)

 

 では気を取り直して……ん?ハイハイもしもし?どうしたんですエレキ君?

 

「バカ野郎遅すぎんだよポンコツ!コイツら一体何なんだ?!いつものレユニオン兵じゃねぇぞ?!」

 

 ファッ?!少々お待ちを………ファッ?!(2回目)なんでこんな序盤に寄生レユニオン兵がいるんですかねぇ?!どっから調達したその人材?!

 

 コレは少々不味いが過ぎますね。折角義体輸送用ドローンで速度とロマンを兼ね備えた登場をしようと思いましたが………やめました(髑髏烏帽子)

 レスキュー戦隊風味のスポーツカー型ドローンに特殊型義体を詰め込んで出発しましょう。ハイゼンさーん!コイツに義体詰め込みますよー!

 

「あー待て、彗速走行型はちょっとメンテ中だ」

 

 ダニィ?!どー言う事ですか?!試運転は完璧だったダルルォ?!

 

「ちょっと足りないパーツがあってな………ま、そんな感じだ」

 

 最近ガバが多くて困りますねぇ!!!良かろう!(梟)数分以内に完成させてくれよなー頼むよー。なんでもシマムラ!

 

「任せとけ」

 

 ヨシ!(困惑する確認猫)さっきから予定変更しがちですが大丈夫だ、問題ない。取り敢えず彗速走行型の代わりに量産型を詰め込んでイクゾー!(デッデッデデデデッカーン)

 

 と言う訳で、スポーツカー型ドローンが龍門に向かってる間に、現場にいるドローンで指揮をしましょう。流石に死ぬまで突っ込んで来る寄生兵は痛覚残留武器との相性が非常に悪いです。まぁ暗黒時代でメフィストをシメる事も出来るんですが、その場合色々間に合わないんですよね。だからここで始末するしか無いんですねぇ!あームラムラする!(錯乱)

 

 ヤッホー!おまたせ、待った?(貧乳錬金術師並感)じゃあ早速みんな踊れー!エレキ君も踊れー!

 

「ロドスと共に近衛局と行動しろだァ?!バカ言え!この状況でそんな事する訳ねぇだろ?!」

 

 でぇじょうぶだ、ホモンボールがなんとかしてくれる!(ホモ神龍)まぁ、私がやるので本当に大丈夫なんですけどね初見さん。だからホモが必要なんですね。だから安心して行って来い!

 

「だが、コイツらはどうするんだ?」

 

 さっき全員に安全第一を心がける様に言いましたから大丈夫だ、問題ない。いや絶対はありませんが、義体が届くまではドローンで最大限サポートを実施しますねぇ!久しぶりに全演算総出力ですよ。

 

「………わかった。だが絶対に誰も――」

 

 理解してるんだよなぁコレが!つーか一人でも欠ければ再走確定定期。

 

「だよな。後は任せたぞ!」

 

 ハイ!ワカリマシター(^p^)

 

「ちょっっっと待ったぁぁぁぁぁぁ!!!」

「いや誰?!」

 

 ファッ?!シュラフ君じゃ無いですかヤダー!つかライン生命のパッパもいますねぇ?!君達一体どんな関係で?

 

「つか怪我してんじゃねぇかよ?!なにがあった?!」

「あーいや、まぁ良いとして!ロドスと行くんだろ!?オレっちも行くかんな!そこの機械ヤローが何言おうが行くかんな!」

 

 えぇ……私としては帰って怪我を癒やして欲しいん………いや、行かせても大丈夫かな?ロドスと共に行動すると、そのキャラに防御補正がかかります。その防御補正は絶大なものなので私も利用してますが………うん、今回は大量に分断する予定なので1つでも戦力を保っていたいし、本人も背中ぶっ刺されてるのにピンピンしてるしバイタルも安定してるので大丈夫だな!うん!(501敗)

 

「いや大丈夫じゃねぇだろ!」

 

 お前さんが守りゃいいんだYO!そぉら行って来い!………あえて言おう、ここは俺に任せて先に行け!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「う――うぅん………ここは…」

「――!おねぇちゃんのめがさめたよ!」

 

 さっきまで気を失っていたリーベリ族の男は目を覚ます。一体いつから寝ていたのかと朧げな頭で考え……あの光景を思い出す。

 

「っ!あの女のkい゛っっててて……」

 

 勢い良く体を起こし、背中の傷を痛めてしまった。包帯の上から背中の傷口を抑え、辺りを見回す。自分が倒れている間に、周りは物凄く賑やかになっていた。具体的に言えば、この建物に避難しているスラム民やオペレーター達が、次々と運ばれてくる負傷者達の手当をしたりしている。

 

「一体どうなって……」

「目が覚めたな?」

「ピッ――?!」

 

 彼の目の前に盾を持ったヴィーヴルの女性を見てちょっとビビった。彼特有の叫び声が出る位にはビビった。そんなかわいい叫び声上げるから子供にも女性に間違えるのである。

 

「慌てるな。私はサリア、ロドスのオペレーターだ」

「ロ、ロドスの……そうか〜…」

 

 取り敢えず落ち着く。女性にしては自分以上の背丈を持ち、しゃがんでこちらを見下ろすのはちょっとギヌヌってなっているが、今はそれどころじゃ無いので頭の隅に押し込んでおく。

 

「怪我はもう大丈夫か?まだなら安静にしていろ」

「あー……それなら大丈bあ゛いたたた」

「よし、安静にしていろ」

「だ、大丈夫だもん!」

 

 そう言って、寝かされていた簡素な敷布団から立ち上がる。

 

「はぁ……ホラ」

「あ、ありがとう……」

 

 サリアから渡された自身のアーツユニットを杖替わりにし、彼は改めて辺りを見回した。怪我人の中には方舟のオペレーターもいるし、あの源石が沢山生えたレユニオン兵やスラム民、あと何故か一般的な服を来た色々な人達がいた。

 そういえば、あの女の子はどうなっているのだろうと思い出す。

 

「ねぇ君――」

「あの子供なら我々が確保している。安心しろ」

 

 その言葉に一抹の不安を憶えるも、今は気にしない事にする。すると、その場にいた方舟オペレーターの腕輪に通信が入る。

 

『オッハー!みんな踊れー!オクレテスミマセン>コレヨリ・防戦ヲ・カイシシテ下サイ>安全第一だ、無力化は優先するな。足止めを優先しろよ?奴らは痛覚残留が機能し難いが単純だ、タワーディフェンスの要領で行け!』

 

 その瞬間、空中で単純な支援をしていたドローンの動きが変貌する。攻撃ドローンは機銃ユニットの弾丸が実弾に変更され、躊躇なく発砲。足を撃ち抜かれた寄生レユニオン兵は姿勢を崩して地面に倒れる。支援ドローンは水蒸気を勢い良く撒くと、もう一つの支援ドローンが凍結スプレーを発射し、氷の障壁を使って寄生レユニオン兵を足止めする。医療ドローンは………いつもと大体同じだ。

 

『あそうそう、エレキ君と今から指定するキャラはロドスと……あ、そこにエレキ君おるやんけ』

 

 エレキ?エレキと言っただろうか?そういやあの機械は彼を割と気に入っていたな。それと後数人がロドスとなにか……おそらく共同して動くとかそこらだろう。

 

「ケルシー、少しいいか?」

 

 サリアもケルシーとやらと連絡し始めた。

 さて、突然だが彼は人格者と呼ばれる類の男である。身長は並の女子より低いし、成長期も終わってるからもう伸びしろも無い彼だが、そこら辺の転生して過酷な環境を過ごして人格が悪い方にイっちまった人よりもまともな思考回路をしており、困った人を助け、人を殺す事に滅茶苦茶躊躇するビビリ気味な人間に過ぎない。

 だからこそ、彼はこの光景に我慢ならなかった。あんな子供や感染者を生み出したであろうレユニオンを許せないとも思った。だがおそらく、あの機械は怪我をした時点で戦力外通告をして来るだろう。故に……

 

「なぁ、ロドスのオペレーターさん。一緒に来てくれないか?」

「………」

 

 唯一意外だったのは、その意味不明な思考回路をする機械が予想外にも許可してくれた事である。

 

 

 

 

 

 そこには死体が………否、電撃によって意識だけを刈り取られた寄生レユニオン兵が数え切れない程に転がっていた。そしてソレを生成してるのは、さっきから寄生レユニオン兵の頭を殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って時折相手の体で電撃を再生成させ殴って殴って殴って殴って殴って殴っている元アビサルハンターである。

 

「……知らん所まで来てしまったな」

 

 正確に言うと近衛局付近の道路である。

 まぁそんな事を考える為に頭を使う彼では無い。回し蹴りで周囲のレユニオンを吹き飛ばしながら前方のレユニオンを殴って殴って、大柄な寄生レユニオン兵を蹴りながらジャンプ。そこら辺の建物の壁を走りながらトニトルスの電気を再生成させ、ジャンプしながら大量の寄生レユニオン兵に向かって振り下ろす。トニトルスの電撃と地面に打ち付けた衝撃で大量の寄生レユニオンが吹き飛んでいった。

 

 そしてここら一帯にいた寄生レユニオンは殆ど片付けた。問題があるとすれば………

 

「いや、やり過ぎたな」

 

 鉄球部分が歪み、次の瞬間にはソレが取れた。トニトルスは壊れやすい仕掛け武器である。

 

「石槌でも取りに行くか」

 

 あのクソウザ神父が寄越しやがった石槌を取りに戻ろうとし………その攻撃を避ける。

 

「…………ほぅ」

 

 その寄生レユニオン兵は、他のと違っていた。具体的に何処が違うのかと言うと、体から生えている源石が体を壊し始めている所だろうか。

 

「アレはもう駄目だな。何をやろうと無理だ」

 

 ただ一目見ただけで、その寄生レユニオン兵が助からないと理解する。彼はポケットから『ガラシャの拳』と呼ばれる指を嵌める穴が空いた鉄塊を片腕に嵌めると、目の前の狂化寄生兵を殴り飛ばす。

 一瞬だけ怯んだ狂化寄生兵は体を壊しながらスパラディを攻撃しようとするが、その攻撃を避けながらカウンターを片腕だけで連続で叩き込み続ける。

 

 肉片を撒き散らしながら遠くへ吹き飛び、尚立ち上がろうとする狂化寄生兵を見て、スパラディは珍しく眉間に皺を寄せた。

 彼は何を思ったのか、近くにあった標識を片手で持ち、根元から引き抜く。

 

「見てるんだろう?イモータル。この作戦の俺の役割はコレだ。悪いとは思っているが諦めろ」

 

 そう言って彼は標識を片手で振り回し、こちらへ意味も無く突っ込んで来る狂化寄生兵を、宙の彼方へ吹き飛ばした。なんの未練も無く、躊躇も無く、彼は方舟の暗黙の了解を最初に破り捨てたのだ。

 

「………珍しく遅い到着だな」

 

 ガラシャの拳を収め、後ろから投げられた石槌を呟きながらキャッチする。彼の後ろには、スポーツカーと共に現れた量産型の義体がいた。

 

『チャートノ為・ヤム無シデス>ソレニ・アレハスデニ・シヌ者>幾ら魔法使いだろうと、一分後に死ぬ人を万全に出来ねぇし、私は蘇生なぞ行わないからな。君にこうしたのは悪いな、あぁ悪いと思ってるとも。だから私が行うべきだった事を手伝って貰おうかスパラディ』

 

 エンジン音が鳴り響く。戦場と化した龍門に黒コートを着た鉄人形が降り立った。

 

『私が知っている限り、人ってのはアカン事をやらかしたと思った時にこう言う慰め言葉とか、都合良い展開が好きらしいが……スパラディ君はどう思う?俺は両方程々に好きだよマジで。この状況を殺したい位にな』




進化の本質君はちょっと滅べば良いと思うよ(殺意の波動ドクター)
多分今回ちょっとみんな眉間に皺寄せたと思います。私だって皺寄せました。ですから常時スリップダメージを受けているほぼ死体を助ける方法を考えて下さい(他力本願寺)

ではまた次回、サラダバー!


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快刀乱麻 三

ガンダムブレイカー3にハマったので初投稿です。カッコいいよねガンダム。あぁ言うの好き侍だからマドロックの鎧にも惚れました。


「………ようやく来たか、随分遅かったな?」

『いやすまんね、こっちもこっちで大忙しでさ』

「言い訳はよせ」

『オッフ、コレは手厳しい』

 

 前回龍門との協力部隊に選ばれた方舟とロドスのオペレーター達は、大きな屋敷の前に整列していた近衛局の部隊と合流した。が、会って早々チェン隊長から厳しい指摘をされる。

 

「………だが、お前達の救助活動によって、私達の協力者が命を救われた。そこは感謝しておく」

『おぉ…あっふーん(察し)わかった、後でそいつらに伝えておくよ』

 

 そう音声を発したドローンは後ろに平行移動し、そこにいたエレキの顔の隣で停止する。

 

『やっぱおチェンチェン隊長ってツンデレ要素が入ってると思うんだ(小声)』

「真面目にしろポンコツ。あと一回謝って来い」

『だが断る。そういやチェン隊長、私達の他にもなんか手伝ってくれる一般人がいるって報告があるんだけどさ、なんか知ってる?』

「一般人だと?………あぁ、あれは龍門の厄介者共だ。全く、避難勧告も聞こえないのか奴らは」

「厄介者?」

「簡単に説明すると、龍門に存在するカラーギャングの一つですね」

 

 エレキの疑問符に、ホシグマが簡単に答える。

 

「その一般人達はおそらくダラーズでしょう。確かに厄介者ではあるんですが……まぁ、詳しく話すと長くなるので、今はこの辺で」

「……そうだ。先ずは我々が成さなければならない事がある。これより、近衛局へ向かう!総員、隊列を整えろ!我らが龍門を取り返すぞ!」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 マジで詰みかけたRTAはーじまーるよー!(迫真)

 前回は詰みかけました!以上終了!閉廷!もうみんな帰っていいよ!(ヤケクソ)

 

 はい、それでは説明するのでブラウザバックする指を止めてください。

 今回のRTAの最大の障害が、この狂化寄生兵です。最早本人の意思は無く、身体をボロボロにしながらメフィストの命令だけで動く死体人形なのですが、コイツらが本当に厄介極まりないです。通常プレイであれば逃げるだけで勝手に死にますが、それが困るんです。今RTAは敵味方関係なく命大事に。そしてNPCを使って広域戦闘をしているので、オペレーターに奴らの相手をさせると士気がガタ落ちします。そして何故かオペレーターの好感度もだだ下がりする時があり、その結果助けれる命が助けれなくなり、保護による勢力拡大量が減り、クリアまでにトロフィーが獲得条件を達成出来ない事に………ヤダ!小生ヤダ!(700敗のトラウマ)

 

 だから私がこっそりと対処しようと思ってたんですね。そしてコレなんですね。なんでや!なんで狂化寄生兵がもう前線に出て来てんのや!(キバオウ並感)出て来るのは5章後半からの筈なんですけどねぇ……あれれ〜?おっかしいゾ〜?(名探偵)

 まぁなったもんはしょうがありません。幸いにもスパラディ君とか言う好感度の振れ幅が殆ど上がりも下がりもしない無敵超人でしたので、まだRTAは続行です。そしてオリチャー発動!これよりスパラディ君を同行させ、救助活動を行っているオペレーター達に近づけない様にします。取り敢えず今龍門についた三次元狙撃型、狂撃制圧型、透過強襲型、量産型一体とスパラディでイクゾー!……行けるかなコレ、行けるやろ多分、メイビー(効果音キャンセル)

 

 

 114514分後

 

 

 イヤァァァァァァァ!!!!もうヤダぁぁぁぁぁぁ!!!チカレタ…チカレタ…やっべ、空に死兆星が見えますねぇ見えます見えます。4画面同時操作とかアカン私の四肢と脳がシヌゥ!気分はノゲノラ第1話です。良い子は普通にゲームをプレイして下さい。

 

 お、編成した部隊が近衛局と合流しましたね。さすれば狂撃制圧型、透過強襲型、三次元狙撃型をオートモードにしましょう。やった、これで2画面や。

 

 今からは裏でスパラディ君と狂化寄生兵の対処をしつつ、ドローンで彼らと同行し、必要であれば支援を送りましょう。よーしいいぞ、その調子だ、(近衛局本部に)どんどん近づけ……フゥッハ!ファハハ!!ファアッハッハッハ!!!(パラガス)

 大古プラザに着きましたね。今から少し戦闘となるので、画面をチラチラ見ながら必要な時にドローンをオートモードで支援できる様に準備しとき……ん?

 

「なぁ…なんか今音しなかったか?」

 

 シュラフくんが反応してるって事は空耳じゃなかった様ですね。はい、さっき変な音しました。なんか爆発した様な感じの――ファッ?!

 

「なんだ……?――!総員!伏せろ!」

 

 またガバか(チャート)壊れるなぁ。ん?

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ゲホッ!ゲホッ!……皆、怪我は無いか?!」

「私は何も。隊員も全員無事です」

「クッソ!何なんだ一体?!」

「ペッ!これ砂だ!うぇ!口に沢山入っちった!」

 

 大古プラザの上層フロアに潜入し、窓から下の方にいるレユニオンに強襲を仕掛けようとした瞬間、大古プラザに巨大な砂弾が直撃した。

 

『あぁ畜生!防御型のドローンが2つ程お釈迦になっちゃったよ!こんな砂弾、私のデータに無いぞ?!』

「貴様のデータに無いのなら、おそらくここにソレを知る者は居ないだろうな。兎も角、支援感謝する。総員、直ぐに態勢を整えろ。このまま大古プラザの制圧を開始する」

「マジでか?!この状況で?!」

「あぁ。おそらくこの状況は中のレユニオンも同じ……いや、奴らの方が損害は大きいだろう。やるなら今の内だ」

『あ〜マジだ!ガバかと思ったらウマ味やんけ!よっしゃやるぞオイ!』

「突然どうした?」

 

 態勢を整えた近衛局達はロープを下ろし、窓からダイナミックに侵入する。後からロドスと方舟のオペレーター達も大古プラザに入り、その光景を目にした。

 

「想像してた以上に砂だらけだな。レユニオン共も伸びていやがる」

 

 大古プラザの壁には巨大な穴が空き、当たり一面が砂で埋もれてしまっていた。殆どの商品は既に持ち出されているが、重量の問題で持ち運びを断念したと思われるピアノは大量の砂を被っていた。

 

「コレは……『お嬢様』がお怒りになりますね」

「その事は後だホシグマ。皆油断するな、まだ意識があるレユニオンがいるかもしれん。幾らかの小隊に別れて各フロアを捜索する。ロドスも方舟も、それで問題ないな?」

「あぁ」

「問題ねぇよ」

 

 その後、話し合いの末にエレキとシュラフ達方舟オペレーターは下層を担当する事になった。

 だがまぁ、下層は一番砂が溜まっている所である。つまり一番動きにくくて疲れる訳で。

 

「クッソ!貧乏クジじゃねぇか!」

「文句言うな!オレっちが一番言いたいんだかんな!」

「そうだぞエレキ。恨むなら貧乏クジを引いたそこのポンコツにするんだな」

『誠に申し訳ないとは思っている』

「思考回路アップデートして来いこのポンコツ!」

 

 みんなは早くしたいからってYESマンになるのは止めよう!

 そんな事は置いといて、砂の中で必死に捜索をしていると、上層フロアからサリアが手伝いを申し出て来た。どうやらそっちは完了した様だ。

 

「こちらの索敵は完了した。よければそちらを手伝うが」

『お願いします!なんでもしますから!(なんでも以下略)』

「なんでもはしないけど手伝ってくれたらオレっちも嬉しいかな!」

「了解だ」

 

 サリアとの会話を終えると、オペレーター達はまた砂の中での索敵を再開する。

 

「うへー、ここにも埋まってる奴いるよ」

「引っ張り出しとけ。こんな馬鹿みたいな死に方したら成仏しきれねぇだろうからな」

「うんしょっと……おいエレキ、コイツレユニオンじゃねぇぞ」

「なに?」

 

 シュラフが砂の中から引き上げた男を見る。確かにレユニオンの様な怪しい服装をしておらず、何処にでもいる一般人と言う印象を………

 そこでエレキは思い出す。確かイモータルが戦闘に参加している一般人がいると。だがおかしいと彼は違和感を感じる。その戦闘に参加している一般人だとしたら、ここで砂に埋まっているのもなんとなくはだが辻褄が合う。

 ならば何故おかしいと感じるのか?近衛局はこの一般人達をダラーズと呼称していた。つまりは、その存在が認知されるレベルで目立っているのだ。それに引っ張り出された男の着ている服が、砂まみれではあるがこれまた一般的である。だが、一般的とは即ち、何も異常が無い事を示す証拠だ。スラム街で暮らす様な感染者では無い何よりの証拠なのである。

 

 では何故、そこの引っ張り出された人間の腕には黒い鉱石が生えているのだろうか?

 

「――?!誰だ?!」

 

 突然、自分達が居ない筈の方向から、砂を踏み締める音が聞こえ、そちらに振り向く。そこには、白い長髪の少女が立っていた。

 

「女?」

「エレキ!離れろ!」

 

 引っ張り出したシュラフの叫び声を聞いて振り返った瞬間、砂の中からレユニオンでは無い感染者が飛び出す。変色した目を輝かせながら、隙を晒してしまったエレキへと襲いかかった。

 

「しまっ――」

「脆い!」

 

 そして、上層フロアから飛び降りてきたサリアにヒーロー着地の様なポーズでダイレクトアタックされ、砂に沈む。その光景にエレキはギョッとし、引っ張り出した男をアーツユニットを駆使して沈黙させたシュラフはピェッと小さな悲鳴を上げた。

 

「来るぞ!」

「っ――サンキュな!それよりコイツら、一体何処から?!」

「砂の中だな!オレっち達、奴らの上を歩いてたんだ!」

「マジかよ?!」

 

 砂の中から飛び出して来た感染者をアーツユニットで殴り飛ばし、シュラフはアーツユニットから金色の粉を色々な方向へ飛ばし、遠くでも戦闘しているオペレーター達の援護をする。

 

「オイオイ、上でも戦闘が始まったぞ!」

「……上層フロアは確かにクリアした筈だが」

「いや、一部の敵が上層にジャンプしやがってるんだわ」

『アッハッハ!笑うしかないわコレ。乱数調整のツケがこのタイミングで来るってか』

 

 ドローンが機銃から実弾を発射し、襲って来る感染者の足を撃ち抜いて転倒させる。だがそれでも腕を使って這いながら来るため、今度は手の平を撃ち抜いた。

 

「待てイモータル!そいつらは多分――」

「フフフッ、その人達はただの優しい人達だよ、お人形さん」

『…………』

「貴様、何故ここにいる?どうやってあそこから……」

「秘密♡」

 

 そう言って少女は自身の腕に生えた源石を引き抜くと、シュラフ目掛けて投擲する。だが、サリアの盾に弾かれ宙を舞い、ドローンの機銃に撃ち抜かれた。

 

「怖い♪怖い♪」

『テメェとっとと帰って○○って寝ろやこの"龍門スラング"野郎が』

「うん、わかった!でも、私もっと遊びたいの」

『じゃあ砂に埋もれてろ』

「や〜だ♡みんな〜!私をもっとも〜っと愉しませて!」

 

 その瞬間、少女の声を聞いた感染者達がぞろぞろと立ち上がり、雄叫びを上げる。そして感染者達の内側から源石が身体を破りながら急成長し、感染者は一つの源石爆弾となった。

 

 大古プラザの中に爆風と赤い液体、そして大小の源石が撒き散らされた。

 

 

 

 

 

「あ〜愉しかった!やっぱり人をゴミみたいに使うのは最高ね!」

 

 いつの間にか近くのビルの屋上にいる少女は、少女をここまで移動させた張本人である源石ゴーレムの肩に座り、足をバタつかせながら楽しそうに口にする。

 

「フフッ、いい気味だわぁ♡」

 

 そうやって、彼女は曇った空を眺めながら、楽しそうに、愉しそうに、樂しそうに口を歪ませる。

 

「次は何をしてやろうかなぁ〜。あのクソ龍女を裂いて、犯して、トップヅラしてるクソ龍の前で爆発させて―――」

 

 そう言いながら前を向いた瞬間、目の前にあった光景は、こちらに高速で飛んでくる巨大な砂弾だった。

 

 ビルの屋上が大爆発し、砂に覆われる。そこから黒い塊が落下し、路地面に着弾した。丸まった源石ゴーレムはゆっくりと態勢を戻し、主を地面へ降ろす。

 

「………あのドブネズミがぁ!いつもいつもイライラさせやがってぇ!」

 

 少女が叫ぶ。だがその後、彼女達を挟む様に黒装束の者たちが姿を表す。

 

「はぁ……メンドクサッ」 

 

 見るからに不機嫌となった少女は、目の前の黒装束を殺すべく、源石ゴーレムに命令する。

 

「やっちゃえ、バーサーカー」




私こんな展開知らないんだけど。ホントに誰だこのロリ?!私のデータに無いぞ?!しかもシリアスだぁ……ギャグ増やして中和しなきゃ(使命感)
因みに見てわかる通り、マジでここは走者が大量のガバをやらかしています。ですが完走は絶対にさせます。やってみせろよ走者!なんとでもなる筈だ!アクナイRTAだと?!(主題歌:閃光)

ガンダムブレイカー3マジ楽しいな。メインストーリー終わってないのに機体を7体も作っちまったよ。

ではまた次回、サラダバー!


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快刀乱麻 四

タチャンカ完凸出来たのとわらび餅に殺されかけたので初投稿です。



 龍門のスラム街の一角にて、二人の男が遠くにある砂まみれになったビルの屋上を睨んでいた。

 

「どうじゃ?」

「いやぁ駄目だな。当たったが手応えがこれっぽっちしか無いわ。矢張りあの類いのは至近距離でブッ飛ばすに限るな!」

「……フン、相変わらず生き汚い」

 

 一人はザラックの老人。立派な黒コートを羽織り、地面に杖をついている。だが、その体から放たれるオーラは、見る者を圧倒させるには充分だろう。

 そしてもう一人は、身長2m近くであろう巨体と、その巨体に負けない程の大きさをした赤くて分厚く、大砲の様な大穴と所々に中位の穴が空いた盾……否、甲羅を担いでいる。デッかく都市の名前が書かれた白シャツを破れる寸前まで圧迫する程の質量を持つ体は皮膚では無く甲殻に覆われており、一つの鎧と見間違ってしまうだろう。それと厳つい亀の様な顔は厳つ過ぎて子供に見せたら絶対に駄目だ。絶対に。

 

「そんで、お前さんはこれからどうする?」

「先ずはごっこ遊びをするバカ共を一箇所に集めねばならぬ。玩具があればある程奴は面倒になるからな」

「ん〜それもそうだな。オイ!そこの蜘蛛坊主!お前さんも手を貸してはくれんか!」

 

 突然裏路地に向かってそう叫ぶと、その裏路地から赤と黒の全身ピッチリタイツを着て、覆面で顔を完全に隠した不審者が出て来る。

 

「凄いねお爺さん達、完全に気配も体も消してた筈なんだけど?」

「ハッ、それで完全とは…お主もまだまだ青いの」

「マジですかぁ……」

 

 ザラックの老人からそう言われ、圧倒的不審者は頭を抱えて唸る。

 

「で、どうする?儂は手伝って欲しいがなぁ。お前さん、そこら辺の奴らと頭が繋がってるのであろう?」

「だいたいあってるけど言い方!僕の頭に他の人の頭はくっついて無いでしょ!?僕達の想像図がクリーチャーになっちゃうじゃないか!」

「そうだっけか?まぁどちらでも良いではないか!フハハハッ!」

「良くないって……ハァ、まぁ手伝うよ。僕達もそのつもりだし。で、何をすれば良いの?」

「奴の玩具にならぬ様、レユニオンとダラーズの連中を無力化し、奴の手の届かぬ所へ押し込むだけじゃ。やり方はお主らに任せるとしよう」

「なる程了解!そうだ、あの境界無き方舟って所の人達にも呼びかけよう。あそこには僕と同じ人がいるから、すぐ了承してくれる筈さ。じゃ、早速行ってくるよ!」

「………最近の若者は困ったもんじゃの」

 

 2人に向けてサムズアップした親愛なる隣人として生まれた男は、手首からウェーブを出して建物に引っ着け、その糸を使って混沌な状況にある都市部へと跳躍し姿を消した。

 そしてこの2人、貧民窟の鼠王と砂上の楼閣はまた別方向へと向かって砂と共に歩み出した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「クッソ………!一体なにが――」

『おはよう青年、実に数分の失神だ』

 

 目を覚ましたエレキは、自分が青くて狭い空間に座り込んでいる事に気がつく。そして遅れて、自分の直ぐ隣にシュラフが気を失っている事にも気がついた。

 

『悪いが起こしてくんね?私今猫の手を借りたい状況でな』

「わかってるよ。ホラ、シュラフ起きろ」

「あピャァァァァ?!」

 

 イモータルの意図を汲み取ったエレキは、シュラフの脳に特殊な波形の振動を与え、直ぐに起こした。正直シュラフには刺激が強すぎた様だが。

 

「あ゛た゛ま゛か゛く゛ら゛く゛ら゛す゛る゛ぅぅぅぅ」

「イモータル、一体なにがあった?あのガキは?」

『ソレは見たほうが早かろうて。さぁ立て、服が汚れる準備をしろ』

 

 その言葉に嫌な予感をしながらも、シュラフを支えながら立ち上がる。そして彼らを閉じ込めている青色のシールドが解除され……

 

「ヴッ――?!」

「―――」

 

 流れ込んで来たのは赤だった。赤色の液体が靴を赤く染め、鉄の匂いが鼻と口を埋め尽くす。喉から何かが込み上げる感触がして、必死に口を抑える。

 二人は理解したく無かった。でも理解せざるを得ない。あの状況は数秒前の事だ。衝撃を受けて気絶する瞬間まで、その光景は思い出せる程に鮮明だ。

 

 つまりこの液体は、この鉄の匂いは。

 

『そう、なるべくオブラートに包むと、さっきまで命だったものが当たり一面に転がってんだわ。あぁ吐いてどうぞ。溜めても辛いだルルォ?』

 

 シュラフは地面に膝をつき、喉を決壊させる。その時、膝が何かを押し潰した様な感触を感じ、ソレが何かを無駄に想像してしまい、更に酷く吐き出した。

 

『………おや、エレキ君は吐かないのかい?流石だな』

「巫山戯るな……!俺だって吐きてぇよ!」

『ま、やるならシュラフが落ち着く前にな。落ち着いたら一旦外に出るぞ。近衛局の皆さんと今後の展開について相談会だ』

「……なんで、お前はそんな…冷静になれるんだよ」

 

 顔を青くしながらも、エレキはもこもこしたアームでシュラフの背中を擦っているドローンを睨みながら質問する。が、目の前の相手が人間では無いと思い返し、あ〜そうだったわと呟きながら顔をそらした。

 

『………』

「………いや、愚問だったな。変な事聞いちまった」

 

 エレキ達が初めて救助活動を始めた時にも、同じ様な状況で同じ様な対応をしたイモータルを思い出す。そしてちょっといざこざしたが……ソレは別の話。

 

『いやぁ勿論君の想像通りだとも。私は機械、心無き道具だ。例え人が死のうが、悲しいとは感じないんだなコレが』

「ハァ……お前のそういう所、結構羨ましいな。いや、別に人が死ぬ事がいつもの事と感じたいって訳じゃ無いが」

『ハッハッハ!死を割り切るってのはそう簡単にやらない方がいい。可愛げが無くなる。特にアレを見て嫌悪しない奴なぞ……な。見てて不愉快だ(小声)』

「可愛げって……お前なぁ」

『いやいや、実際感情ってのは大事よ?どんな感情であれ、ソレは体を突き動かす力になり得る。怒りとか悲しみとか、忌避されがちだが立派な原動力だ。まぁ忌避されがちなのはわかるけどネ。そういう奴ってだいたい碌な事しないバカだし』

「だな。レユニオンがいい例だ」

『その通り。だが感情が無いよりかマシだよ。感情無い奴らってだいたい直ぐ人殺すし、身勝手だし、足引っ張るし、余計な事しか言わないし、直ぐに人を殺す』

「レッテル酷すぎないか?」

『おまけに人を直ぐ殺すから、見ててすっごいムカつくから殴り倒したくなるのよね。だから君たちは遠慮無く、今の現状に対して大いに感情を曝け出してくれたまえ!そしてソレを原動力に感染者を救おうじゃねぇか』

「ハァ……そんな声を大にして言える訳ねぇだろ恥ずかしい。つか今の俺は、あの女みたいな奴らを止めなきゃならねぇって事以外ねぇっての」

 

 吐瀉物を白い泡々で埋めながら突然発音速度が早くなったイモータルに向かって、エレキは呆れ半分安心半分で答える。イモータルの話を聞いてる内に、彼の吐き気は殆ど治まっていた。

 

『で、本題に戻るけど、私あのメスガキ許せんのよね』

「その口調どうした急に」

『いや別にキレてないよ?ただあのメスガキもレユニオンに関わってるだろうし、それに無実の人々をブッ殺したオトシマエはつけさせて貰わねぇとなぁ!ちょっとわからせなきゃ(使命感)』

 

 怒ってる奴はだいたい怒ってる事を否定するよな、と思ったが、彼は口にしないで留めた。

 

「あの女が……?確かに出現のタイミング腑には落ちるが……」

『まだ憶測の域だがな。まぁ安心しろ、奴は私が殴る。エレキ君たちは近衛局の奪還を優先してくれ。あそこにはあのメスガキと同系統のアーツを使う奴がいる。放っておいたらコレの二の舞いだ』

「…わかった。でもシュラフはどうする?この調子じゃ――」

「……大、丈夫………!オレっちだって…まだまだやれるかんな!」

 

 出すもん全部出して多少スッキリしたのか、シュラフは勢い良く体を起こす。

 

「ホントに大丈夫か?ホラ、お前怪我もしてるんだろ?」

「その辺はモーマンタイだ!運がいい事に、傷は開いて無いんだわ」

 

 そう言って胸をポンッと叩いてドヤ顔すると、急に真面目な顔をし、続きを口にする。

 

「それに、オレっちはもうあんなもの……もうこれ以上、同じ人達をあんな酷過ぎる目に合わせたく無いからな!」

 

 ソレは決定事項だと言わんばかりに、シュラフは勢い良くそう言った。矢張り彼も大人であり、この超偽善集団である境界無き方舟にいる者の一人だと感じさせる程の強い言葉だ。さっきまでゲロっていたとは思えない程の立ち直りである。

 

『……女の子をイチコロ出来るいい顔だ。惚れたわ』

「流石に無いからやめろポンコツ」

『ヨシ!(確認猫)取り敢えず行くぞ。チェン隊長にこの意志を伝えねばな』

 

 

 

 

 

 ボロボロになった大古プラザを出ると、そこには医療テントと、その下に引かれた簡易ベッドに横たわる大勢のオペレーター、それらの治療を行うドローンとロドスと方舟のオペレーターが忙しなく動いていた。

 

「チェン隊長!」

「……!お前達、無事だったか」

「あぁ。それよりコレは……」

「……あの爆発に巻き込まれた者達だ。そこのドローンが出来る限りを尽くした様だが、それ以外の者は……」

『意識不明に重症多数。そしてその殆どが愉快に感染者の仲間入り――おっとスンマセン。続きをどうぞ?』

「……幸いにも、お前達方舟とロドスの尽力により、一命は取り留めている。そこは感謝する」

「………あの鬼の女は?」

「…………」

「いや、すまん」

 

 暗い顔をしたチェンを見て、エレキは色々と察した。

 

「安心しろ、ホシグマは爆弾程度で屈する程軟じゃない。それに謝る必要も無い。コレは私の責任だ」

「そ、そうか……」

『さてチェン隊長。君は周りの残存部隊と集合し、再び近衛局の奪還へ向かうんだろう?コイツら二人と手の空いてるオペレーターを貸してやる』

 

 ソレを聞いたチェンは、矢張りと言った表情で目の前のドローンを見つめる。

 

「毎度思うのだが、君のソレは些か――」

『チェン隊長、会話を遮って悪いが言わせてくれ。君が言おうとしたソレは、この効率厨の私が手放しで信頼してるって証拠なのだよ。勿論、君が彼らを絶対に死なせないと言う意味合いも兼ねてね』

 

 自分でも不躾な質問だとは理解していたが、その質問を遮られた挙げ句、このAIは自分を信頼していると言ってきた事に、チェン隊長は目を丸くする。

 

「……なる程、理解した。そこまで私を評価してるとは思ってもいなかったが、出来るだけその信頼に応えてみせよう」

 

 正直複雑な心境である。だって彼女はこの組織をまだ信じ切っていないのだ。まぁ自分が守ると誓った都市になんのアポも協力関係も無しにズカズカ入って来たのが第一印象だから仕方ないのだが……因みにロドスと協力関係だからと言う言い訳は通じない。

 だが、奴の言葉には不思議と力が籠もっているのを感じるのだ。ロドスの所有するロボットとは違う、その姿さえ無ければ、本当に人が喋っているかの様な。

 

 不意に、彼女の口からその言葉が漏れる。

 

「イムホテップ・イモータル……」

『フルネームじゃ無くていいよ?正直恥ずかしいし』

「……キミは、実は人間なのか?」

『いんや違う。私には人体を構成する材料と言われている水35リットル、炭素20kg、アンモニア4リットル、石灰1.5kg、リン800g、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素、そして細胞66%、細胞外液24%、細胞外固形物10%を持っていないからな。そう言う期待はよしてくれ』

「………そうだな。私ながら変な事を聞いた、この事は忘れてくれ」

 

 矢張り自分の思い過ごしだと彼女は結論づけた。

 

『さて、私はまだやる事が残っている。ここでしばしのお別れだ!グットラック!』

 

 そう発音しながらアームで親指を立てる様な仕草をすると、ドローンは喧しい音声を発さなくなった。

 

 

 

 

 

『さてと……あ、ハイゼンさん?義体の方は……OK間に合うな。んじゃ追加で量産型のトラックに試作機をブチ込んどいてくれ。いやなに、割とチャート外な事が起こってね。データを集めるには丁度良いと。それと、スポーツカー型ドローンと、三次元狙撃型、彗速走行型のALケーブルに何しでかしたか詳しく話してな』




駆け足気味な失速気味ですまない(すまないさん)それに話もそんなに進んで無いって言うかなんと言うか。因みに次回で快刀乱麻は終わりです。

ではまた次回、サラダバー!


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快刀乱麻 五

闇夜に生きるが復刻したので初投稿です。


 ガバはここまでなRTAはーじまーるよー!

 前回のあらすじは浜で死にました!(迫真)という訳で、早速イクゾー!(デッデッデデデデッカーン!)

 

 5章に入ってからガバにガバりまくってガバルドンに進化しかけましたが、ここまでです。どうやらオラに本気を出しちまった見てぇだなぁ?(戦闘民族の様なナニカ)特にあのメスガキは優先的に行動を把握しとかねぇとなぁ?シュラフの傷が開かない様にカバーしないといけない事しでかしたり、なんかイベント発生させたりとガバメーカーの容疑が掛けられてますしお寿司。

 では、量産型が到着するまでにやるべき事をやっておきましょう。先ずは手の開いてるオペレーターを招集し、おチェンチェン隊長の元へ向かわせます。そして今ある残りのドローンを配備させて各場所の戦力を補い、レユニオンの勢力を地道に削らせてイきますよーイクイク。なぁに量産型が来ればコッチのモンよ!

 

 次にハイゼンさんに最終確認。ようハイゼンさん、お前は最後に殺すと約束したな?え?今向かわせてる?よっしゃお前がナンバーワンだ(手の平クルルヤック)じゃあついでに試作機もブチ込んでオナシャス!センセンシャル!

 あ、皆さんに説明いたしますと、あのタルタルタルラを倒す専用の義体を作っているんですね。そして近い内に耐久力などなどのテストを行う予定だったのですが……ここでオリチャー発動!義体の動作テストをあのメスガキで試しちゃうんですね〜(マナーの良いヤニカス並感)あのメスガキは調教しなきゃ(使命感)あ、ついでにハイゼンの企みも聞いておきましょう。おい、お前のケツにアーム突っ込んで奥歯ガタキリバ言わせんぞ。あ、ふーん……ええやん(酒呑童子)

 

 ヨシ!(確認猫)後はドローンでメスガキを探すだけやで工d――誰だァ?!こんな時に通信して来る奴はァ?!

 

「あーえっと、もしもし?方舟の偉い人?」

 

 オメダレダヨ!(竈門の中の人)私の乗客員では無いな?悪いけど今忙しいんで、後にしてくれます?

 

「あー待って待って!短く説明するから!」

 

 早くしろ!どうなっても知らんぞ!(ホモはせっかち)

 

「わかってるって!えっと、龍門の住民の一部がレユニオンと喧嘩しちゃってるのは知ってるよね?」

 

 ソウダナー。メッチャイルナー。

 

「それで、僕達と協力して貰いたいんだけど。彼らには一応話をつけて……聞いてる?」

 

 あぁ勿論聞いているとも!まぁ別にいいんだけどさ!君たち自分を殺しに来る相手を殺さず無力化出来る?!

 

「えっ――ソレは……」

 

 うん、わかるよ絶対に出来ないです。私のイカれた価値観に賛同したNPCの様な心構えと無力化する為だけの無駄な努力を積んだオペレーターなら兎も角、龍門で生まれ育った奴に殺人者の命を尊べと言うのは無茶振りと言うもの。

 

「ぐっ――………」

 

 という訳で手を貸します。

 

「……はは、やっぱ無r――ファッ?!」

 

 今から説明するから耳カッポジってよーく聞いてください。どうせ貴方達ではレユニオンと殺し合いするしか出来ないので、そちらが戦闘中の場所に私の義体が乱入を仕掛けてレユニオンだけ薙ぎ払います。だからそいつらに伝えろ!後で装備貸してあげるからは足止めしてりゃあ充分だとなぁ!

 じゃ、切るから。ホナサイナラ〜。

 

「ちょっ待っ―――」

 

 さて、何なんでしょうねこのイベント。まぁ選択肢とか適当に選んでパラパラ読み感覚でスキップしたので大丈夫です。それに戦力が増えてウマ味とも言えるでしょう………まぁ、実際は邪魔くさいとは思ってましたけどね。でもほっといたら使えそうな戦力になってくれて嬉しいなぁ!だから覚悟しろよオルルァン?あと移動都市RTAのWikiに載せときましょうねー。

 

 お、近衛局の展望デッキで戦闘が始まりましたね。えーっと、輸送ドローンの位置は……ヨシ!(確認猫)んじゃ、こっちもこっちで頑張るぞい!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「あぁクソッタレが!!!テメェらは本当に最低な奴だよレユニオンッ!」

 

 その怒号に応えるかの様に、掻き鳴らされたアーツユニットは激しい音を奏で、ソレを地面に叩きつけた。そしてその音とアーツユニットが叩きつけられた事によって発生した空気振動が収束し、前方へと勢い良く放出され、その直線上にいるメフィストの家畜を複数人吹き飛ばした。

 

「無駄だって言ってるじゃないか。ホラ立て、まだ頑張れるだろう?」

「ウァ゛ァ――!」

「クッソガキが!」

 

 メフィストが白い粉をフッと吹けば、吹き飛んだメフィストの家畜達は立ち上がり更に凶暴化し襲いかかる。ソレを対処しながらその光景を見たエレキとシュラフの怒りは更に高まろうとしていた。

 

 さて、ここで何故エレキ達がキレているか少し説明。

 近衛局に潜入後、敵がいない、又は襲って来ない状況に不安を覚えながらも、メフィストがいる展望デッキ付近まで無事に到着。そして展望デッキと屋上の制圧に別れる事となり、屋上を制圧している間威力偵察としてチェン隊長が一人で展望デッキにいるメフィストの元へ向かおうとしたが、そこにエレキと何故かシュラフもついて行く事になった。

 そして展望デッキで目にした光景がコレだ。メフィストはチェン隊長を煽りながら狙撃手に屋上を狙撃させ、更にはその場に倒れ動かなくなっていたレユニオンを蘇らせ……いや、死体同然の肉塊を無理矢理動かせたのだ。

 

 そしてその行為が、方舟オペレーターの二人をブチギレさせたのは言うまでも無いだろう。そんな訳で開戦である。

 

「こんなものを手足として従えるなんて、お前はもう人としての道を踏み外しているな」

「そもそも君らは感染者を人として扱っていないじゃないか」

 

 メフィストがチェン隊長へ家畜達を放ち、チェン隊長はその家畜達の腹を裂き、鞘に収まった赤霄で後ろから来る家畜の頭を殴って怯ませ、腹を蹴って遠くへ飛ばす。

 

「チッ、硬すぎる」

「無駄無駄!彼らの傷と痛みは僕が治すのさ。そして僕を倒すには……彼らを殺すしか無い、あのギターを持った彼のさっきの攻撃とかでね」

 

 まるで見せつける様に屋上からの援護攻撃を家畜達で防ぐと、メフィストはエレキを指差し、悪戯が成功した子供の様な笑みを浮かべた。

 

「でさ、君は生半可な攻撃じゃビクともしないってわかった途端にあんな威力の攻撃を叩き込むだなんて……もし普通の人間だったら死んでたよねぇ」

「!!―――」

 

 その一言で、一瞬エレキの動きが停止する。その隙を突かれ、メフィストの家畜の攻撃を喰らい、展望デッキの入口付近まで吹き飛んだ。

 

「エレキ!」

「――!クソッ!」

「ハハハッ!やっぱりみんな同じだ!ロドスも方舟も、そこら辺の非感染者どもと何も変わりはしない!」

 

 シュラフがエレキの元へ駆け寄り、ソレを追おうとした家畜をチェン隊長が蹴り飛ばす。

 

「大丈夫か?!」

「ゴホッガバッ!……あぁクッソ、情けねぇ」

「くっ……おいキミ、立てるか?」

「大丈夫だっつー……危ねぇ!」

 

 そう叫んだ瞬間、メフィストの後ろにいる狙撃手…ファウストが放った矢が何かにぶつかった様な轟音を立て、空中で静止する。そして驚いているチェンとシュラフの手を握ってエレキは非常階段へ転がり込み、それと同時に空中で静止していた矢が誰もいなくなった場所に着弾した。

 

「あークッソ、最悪だ畜生めが」

「本当にな……奴の言葉に耳を貸してどうする」

「わかってる……わかってるっての」

 

 踊り場に突っ込み、非常階段の入口を閉めたエレキは床に倒れながら呟く。その呟きを以外にもチェン隊長が返した。

 

「それで、こんな所に押し込んでどうするんだ?下には凶暴化したレユニオンが包囲している。そして今のコレで、私達は完全に袋の中の鼠だ」

「……いや、そこは少しの間なら問題無ぇ。あのガキは獲物を弄ぶ類いの奴だ。きっと俺達が出て来るのを今か今かと待ってるだろうぜ」

「でもさ、追い詰められてるのは確かだろ?」

「彼女の言う通りだ。キミはさっきからどうかしているぞ?」

「あぁどうかしている。自分から不利な状況を作っちまったのも、人を…殺そうとしたのも……」

 

 相手が頑丈だからと言って、軽率に人を殺せる程の出力でアーツを放ってしまった事に、彼は頭を抱える。

 

「いや、頑丈な敵に対してより強力なアーツを使うのは当たり前の事だろう」

「え?」

 

 何しょうもない事で悩んでいるんだ?と言う表情でそう言ったチェン隊長の言葉に、エレキは間抜けな声を上げて目を点にする。

 

「………ハァ、だから奴の言葉に耳を貸すなと言っただろう。第一、生半可な攻撃で倒れない様にしたのは奴だ。それでもキミは職務を全うしようとしていただけだろう?何処に可笑しい所がある?」

「あー確かに。あの威力のアーツはあの硬い奴らにしか撃ってないし、あそこにいる普通の硬さの人間って、あの子供と狙撃手だけだもんな多分」

 

 妙に納得したかの様にシュラフが頷く。そして当の本人であるエレキは、冷静になってきた頭で少しずつ整理していた。

 確かに怒っていたとはいえ今になって怒りで加減が出来なくなる程未熟では無いし、あの攻撃を当てていたのはメフィストが操る家畜だけなのも本当だし、二人の言葉はイマジナリーイモータルが『ンンン!まさに、正論!』と叫ぶのが想像出来る位には……

 

「見事に口車に乗せられた訳かァァァァァ………!!!」

「あのなぁ……」

 

 声を殺しながら叫ぶエレキを見て、チェン隊長は頭を抱えた。彼女はこの組織は上も下も頭が弱いのだろうかと思ってしまった。自分でも不躾だとは認めるが思わざるを得なかった。

 

「ヨシ!そうと決まればあのガキをどうするかだ」

「切り替えが早いな」

「先ずはあの硬い奴らだよなぁ……シュラフ、お前のアーツユニットから発射出来る粉は効いたか?」

「粉……?」

 

 眉を顰めたチェンに、シュラフは慌てて説明する。

 彼の持つアーツの一つは簡単に言えば空気の放出であり、アーツユニットに搭載されている2つのタンクの内の一つから管を通して粉を少量放出し、ソレを空気と一緒に遠くへ飛ばして攻撃するのがシュラフの戦い方だ。そしてその粉は吸引した相手の平衡感覚を一時的に奪う作用があると言う。因みに依存性や作る上での違法なものは無いらしい。そう言ってたのはイモータルだが。

 

「一応アイツらに効き目は抜群だぜ。でも、オレっちとエレキじゃアーツの相性が悪くてなぁ……空気の移動とその動きの増減だからエレキのアーツ効果範囲に入った瞬間に空気弾が霧散しちゃうんだなぁ。こんな感じに」

 

 二人がアーツを発動させ、ソレをチェン隊長に見せる。黄色い粉を纏った空気弾はゆっくりエレキに近づくと、突然形が崩れ、空気中に固定させる。

 

「こうなんだよなぁ……アレ、じゃあなんでポンコツは小言の1つか2つ言わなかったんだ?」

 

 彼らの会話を聞きながら、チェン隊長は考える。あのAIは自らを効率厨と名乗った。なら、彼らを一緒にした事に何か意味がある筈だ。

 

「……そういやシュラフ、お前のアーツの操作範囲ってどんな感じだっけ?」

「え?えーっと……こんな感じ」

 

 シュラフは手をめいいっぱい広げて表現する。子供見てぇだな。

 

 だが、ソレを見たエレキは何かに気がついた様に笑みを浮かべ、チェンは何かに気がついたかのような表情を浮かべる。

 

「……うん、面白い事を思いついたぞ」

「……?」

「一応話を聞こうか」

「ハッ、チェン隊長さんもだいたい見当ついてそうだな。コレはシュラフ、お前が頑張る作戦だ。耳かっぽじってよーく聞けよ」

「オレっちが?!」

 

 

 

 

 

「……遅い…いや、もういいや。どうせ怖気づいたんだろ。奴らがなんで僕のアーツをものともしないのかとか、近衛局の隊長さんとはもうちょっとお話したかったとか色々あるけど……まぁいいか。ファウスト、扉を撃ち抜け」

 

 まるで飽きた玩具をゴミに捨てるかの様に、メフィストはファウストに命令する。そしてファウストは命令を実行しようとして………その扉が轟音と共に吹き飛ばされる所を見た。

 

 同時に扉の近くで待ち構えていたメフィストの家畜達も吹き飛び、中から3人が飛び出す。

 

「アハハッ……ファウスト、奴らを撃ち殺せ!」

「………了解。命令、射撃」

 

 一番厄介だと感じたエレキに狙いを定め、引き金を絞る。だがその矢はエレキに届く事は無く、チェン隊長の赤霄によって弾き返される。

 助骨が1、2本程折れた気がするが、彼女にとっては音を上げる程でもない。ファウストの命令で狙撃をした迷彩狙撃兵の弾丸は、エレキ本人が防いだ。

 

「なっ……!」

「サンキューチェン隊長!」

「ッ……気軽に呼ぶな!」

 

 エレキはアーツユニットを掻き鳴らし、地面へ叩きつける。振動は巨大なドーム状に変形し、3人を守る様に展開する。

 

「よっし!やるぞぉー!超やるぞぉー!あ、お前達は吸い込まない様にしろよな!」

 

 シュラフはアーツユニットを掲げる。そしてタンクの中のすべての粉を放出し、ドームにぶつける。ぶつかった粉は振動のアーツによって崩れ、ドームの形に広がっていき、透明なドームを金色に染め上げた。

 

「……いや、何がしたいんだ?」

 

 未だに何をやっているのかわからないメフィストは、ドームを見て首を傾げる。

 

「……ん?おい待て、おい、おい、おいオイ!なんだアレはぁ?!こっちに来るぞ?!」

「………メフィスト、掴まれ」

 

 だがその後、自身の家畜を飲み込みながら直進する金色の半球体を見て、メフィストは慌て始める。ソレを見たファウストは何処からともなく姿を現して彼に手を差し出し、彼がその手を握ったのを確認すると、直ぐに半球体の進路上から離脱した。

 

「かかったなド阿保が!」

「チッ!」

 

 離脱した瞬間、彼らの目の前に2つの影……エレキとチェン隊長が襲いかかる。ファウストは舌打ちをしながらメフィストを遠くへ投げ、振り下ろされるエレキギターをボウガンで防いだ。

 そして鍔迫り合いの状況からヌルっと抜け出し、驚愕の表情をするエレキを尻目にチェン隊長の追い打ちをジャンプで避ける。

 

「赤霄!」

 

 チェン隊長は赤色のアーツユニットを抜刀しようと力を込め、出来ずに迎撃チャンスを逃してしまう。

 

「くっ!どうして……!」

「チェン隊長!そいつ頼んだぞ!」

 

 ファウストの相手をチェン隊長に任せ、エレキは慌てふためいているメフィストを追いかける。

 

「クソッ!どうしてマトモに動かないんだ家畜共!」

「ハッ!脳が足りない奴らにしたのが間違いだったなクソガキィ!」

「ヒィッ!!クソッ!」

 

 まさに一発逆転の展開だ。

 さっき非常階段の踊り場でやったエレキとシュラフのアーツの影響を見て思いついたこの攻撃。先ずはエレキが空気振動のドームを形成し、そこにシュラフの粉入り空気弾をぶつけ、粉を振動でどんどん広げる。こうして出来た、粉の容量上シュラフ一人では不可能な程の大きな粉弾を作り出し、エレキのアーツを解除してシュラフがまた空気弾として放出する仕組みだ。設計上粉は表面しかなく、中身は空洞なのだが、メフィストの家畜には少しの間息を止めるといった思考すら出来ない奴らだ。直進するドームに当たった彼らは平衡感覚を失い、起きては倒れを繰り返す事しか出来なくなってしまったのである。

 

「ま、諦めてお縄につけクソガキ!そして今までの罪を償うんだな!」

「くっ―――そんな事、する訳無いだろう!」

「あぁン?!」

「ファウスト!僕を助けろ!」

「了解」

 

 ファウストはチェン隊長の連撃を躱し、宙へジャンプすると、メフィストを追いかけていたエレキに向かって空中でボウガンを発射、直ぐにリロードしもう一発発射する。

 

「ヌッ?!ぐぁッッ!!!」

「な、オイ!クソッ!」

 

 一発目はエレキの足を狙った狙撃だ。幸いにもメフィストが叫んだ事によってファウストに注目が行き、避ける事は容易だった。が、そんな事はファウストも理解している。だからこその二発目。それは避けた事によって体勢が崩れている瞬間を的確に狙ったものだ。例えエレキだろうと避ける事は出来ない。

 

 が、避ける事が出来ないだけで、防ぐ事は出来る。

 ついさっき非常階段に逃げる時にファウストの矢を防いだ時と同じだ。空気の振動で防壁を作って矢を止め、自分には振動を当てて弾道外へと体を弾き飛ばす。まぁ、色々反動でうめき声を上げる程のダメージを負い、更には他の人から見れば矢を受けた様にしか見えない光景になった訳だが。

 

「俺の事は構うな!行け!」

「!」

 

 一瞬自分を助けに来ようとしたチェン隊長を見て、エレキはそう叫んだ。チャンスは今しかない。今この展開でメフィストかファウストを一人でも討ち取れば、後はなんとでもなるのだから。

 

 そしてチェン隊長は視線をファウストの方へと戻し、ボウガンの矢先が視界に入る。今の一瞬で、ファウストはチェンを仕留めきれると確信したのだ。

 チェンは赤霄の柄を握る。だが剣が鞘から抜ける気配は無い。そのままで攻撃を防ごうにも、引き金を引かれるのが先なのは明確だ。

 

 今、チェン隊長に向かってボウガンの引き金が引かれる。

 

「今だ!」

「了解だコノヤロー!!」

 

 突然聞こえた声に、ファウストは思わず指を止める。そして声のする方に視線を向けると、そこには一人のリーベリがいた。

 

 ファウストは、エレキへ二発目を撃った時点で一人足りないと気づくべきだった。それでも気付けなかったのは、チェンと言う前衛の存在を気に掛ける余り、視野が狭くなってしまっていた事だろう。ならば、今まで何処にいたのか?

 ファウストはそのリーベリ、シュラフの頭を見る。リーベリ族には共通して頭に羽の様な毛が生えているのが特徴だ。そしてシュラフの羽は下に向かって垂れているタイプ。だが今その羽は上に向かってピンッと立っておりその青色の髪とは真逆の赤色をしていた。その羽部分から、銀色の粉が待っている。よく見れば、彼の下半身は半透明だ。

 

 シュラフは2つのアーツを持っている。一つは空気の放出、そしてもう一つが……頭部の羽状器官に生成される鱗粉による透明化だ。

 彼は金色のドームを生成してからずっと透明化し、機会を伺っていたのだ。

 

「ハァァァ!!!」

「ぐァっ……!」

 

 ファウストの頭部をアーツユニットで思いっきり叩きつける。ファウストはうめき声を上げながら床に叩きつけられた。そしてアーツユニットに僅かに付着していた例の粉を吸ったせいか、視界が歪んで上手く立てなくなる。

 

「終わりだ!」

「―――ファウストォ!!!」

 

 チェン隊長がトドメを刺そうと近づいた瞬間、ファウストの姿が消える。

 

「何っ?!消えただと?!」

「一体何処に……?!」

 

 次の瞬間、メフィストの隣にファウストが現れる。そして倒れそうになったファウストをメフィストが支えた。

 

「お前達……よくも僕のファウストを!絶対に、絶対に許さないぞ!」

 

 メフィストは顔を怒りで染め上げると、白い粉を大量に撒き散らす。その途端、展望デッキと未だ戦闘中の屋上にいるメフィストの家畜達が痙攣し、体の源石を成長させ、立ち上がる。

 

「惨たらしく殺してやる!」

「チッ……来るぞ!」

 

 3人はおぞましく変形したメフィストの家畜達を迎撃する為に、態勢を整える。

 

『はぁ〜いここまで!』

「ッ!誰だ!?」

 

 一機の浮遊しているドローンが、おちょくる様な口調で発声する。

 

『私だよ(食い気味)残念だがメッフィー、もう終わりだ』

「ハァ?!」

『なんでって顔してんな。教えてやろう。何故って?彼らが来た』

 

 その場にいる全員が空を見上げた。そこには、ヘリでもドローンでも無い、謎の飛行物体が存在している。

 

「おぉ、誰か降りて来るべ」

 

 屋上で戦闘していた方舟のオペレーターの一人がそう口にする。

 確かに飛行物体から複数の人影が降ってきている。それと同時に、戦況が変わって行く。

 

 先ずはメフィストの家畜達が声を上げ、震え出した。まるで何かに恐怖するかの様に。

 

「何が起きている?僕の衛兵達がこんな悲鳴を上げるなんて。何があった?僕のアーツでコイツらの感情は消し去った筈……どうして、どうして!」

 

 思わぬ乱入に、メフィストの苛立ちは加速して行く。ファウストはソレを宥めようとするが、上手く行っていないようだ。

 

「お前の仕業かッ!クソッ!ロドスのウサギめ!!お前達といい方舟といい……クソックソッ!どうして上手く行かない!どうして僕の邪魔をするんだァッ!」

『いやぁ、私ん家に関しては、お前の対策をしていない訳が無いんだよなぁ(小声)』

 

 怒り狂うメフィストを見ながら、ドローンはコッソリとフェードアウトする。

 それと同時に、デッキの一部が爆発し、メフィストの家畜達が下へと落ちて行く。

 

「ビル内の総員へ!展望デッキの床が崩れるぞ!気をつけろ!」

「嘘だろオイオイ!アイツら大胆過ぎるだろ!」

「ほ、ほぇ〜……」

 

 これにはエレキ達もビックリである。チェン隊長は、このタイミングで通信を入れて来た人物と話をしている。

 

「近衛局の皆さん、方舟の皆さん、おまたせしました。協定に基づき、ロドスが貴方達を支援します!」

 

 これにはエレキ達も予想外の出来事だ。それにちょっと情報量が多すぎて脳が混乱して来ている。おかげでアーミヤとメフィストの会話が全然頭に入って来ないし、さっき下に落ちて行った展望デッキの一部が遠くへ飛んでいく幻覚も……

 

「いや、アレ本物だな」

 

 その光景のおかげで何故か少し冷静になった。そして丁度お互いの口撃が終わったのか、戦闘態勢となったロドスとチェン隊長の元へ向かう。

 

「さて、またまた形勢逆転って訳だクソガキ」

「お前達!コイツらを僕達の前から全員消せ!」

「今ここで戦いを終わらせる。そうしなければ、我々を待つ次の戦場へ行けないからな。ドクター、指令を下せ」

「ロドス総員へ。チェンと方舟に協力し、近衛局を奪還する!」

 

 メフィストの部隊は殆どが展望デッキと共に下へ落ち、対する近衛局はロドスと言う援軍が空から降ってきた。

 この圧倒的に真逆の立ち位置、真逆の展開に持っていった双方の決着は、火を見るよりも明らかだった。




難産だァァァァァァ8000文字って何やねん長いわたわけぇ!という訳で快刀乱麻は終わりです。こう、戦闘後の下りは方舟を挟む余地も必要も無いと思ったのでここで終わりなんです許して下さい。謝るので絶対に許して下さい。それとエレキ君は既に昇進2みたいな状態です。つまり成長イベントはもう無いんですね。ハイ(言い訳)まぁ、こんな展開でも楽しんで頂ければ幸いです。

次回はプロファイル回です。それではサラダバー!


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特に意味も無く作ったプロフィール9

タイトル通りなのを初投稿です


【プロフィール】

【レアリティ】星4

【コードネーム】ホロロホルル

【陣営】境界無き方舟

【性別】男

【職業】術師

【募集タグ】遠距離/範囲/牽制

【戦闘経験】2年

【出身地】ヴィクトリア

【誕生日】11月19日

【種族】リーベリ

【身長】159cm

【専門】源石術(空気)/薬品加工/語り言

【鉱石病】感染者

 

 

【特性】

敵に範囲術ダメージを与える

 

 

【入手方法】

人材発掘

公開求人

 

 

【個人経歴】

本名はシュラフ・ワンデリオン。感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された小柄な術師オペレーター。戦術的な戦闘支援や隠密作戦においては充分な能力を発揮している。

その小柄過ぎる体躯から一見子供に見えるが、彼はれっきとした大人である。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】29/32/32

【ブロック】1/1/1

【攻撃速度】やや遅い(2.9s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

   □□      □□□

   ■□□     ■□□

   □□      □□□

 

 

【素質】

朧隠

昇進1 スキル発動中、睡眠状態の敵にも攻撃できる。

昇進2 スキル発動中、睡眠状態の敵にも攻撃でき、敵に狙われ難くなる。

 

 

【基地スキル】

夜物語

初期 配置宿舎内、全員の1時間ごとの体力回復量+0.1(同種の効果は高いほうのみ適応)、

配置宿舎のレベルが1につき、夢+1

夢物語

昇進2 宿舎配置時、1の夢が1の知覚情報に転化される

 

 

【スキル】

スキル1 幻惑の魔術師  自動回復

             手動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   45    25

攻撃速度+10%、通常攻撃時20%の確率で0.8秒のスタンを付与する

 

2  0   45    25

攻撃速度+13%、通常攻撃時20%の確率で0.8秒のスタンを付与する

 

3  0   45    25

攻撃速度+16%、通常攻撃時20%の確率で0.8秒のスタンを付与する

 

4  0   40    25

攻撃速度+20%、通常攻撃時20%の確率で0.8秒のスタンを付与する

 

5  0   40    25

攻撃速度+23%、通常攻撃時20%の確率で0.8秒のスタンを付与する

 

6  0   40    25

攻撃速度+26%、通常攻撃時20%の確率で0.8秒のスタンを付与する

 

7  5   37    25

攻撃速度+30%、通常攻撃時20%の確率で1秒のスタンを付与する

 

特化Ⅰ 5  37   25

攻撃速度+35%、通常攻撃時20%の確率で1秒のスタンを付与する

 

特化Ⅱ 5  37   25

攻撃速度+40%、通常攻撃時20%の確率で1秒のスタンを付与する

 

特化Ⅲ 10  35   25

攻撃速度+45%、通常攻撃時20%の確率で1.2秒のスタンを付与する

 

 

スキル2 イルコシュマ  自動回復  ■□□□□

             手動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  30   80    30

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力30%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

2  30   79    31

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力30%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

3  30   78    32

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力30%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

4  30   77    33

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力35%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

5  30   76    34

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力35%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

6  30   75    35

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力35%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

7  30   74    36

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力40%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

特化Ⅰ 30  73   37

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力40%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

特化Ⅱ 30  72   38

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力40%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

特化Ⅲ 30  70   40

攻撃範囲変化、1秒ごとに攻撃範囲内の敵全員に攻撃力50%の術ダメージを与え、睡眠状態を付与する

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】ホロロホルル

【性別】男

【戦闘経験】2年

【出身地】ヴィクトリア

【誕生日】11月19日

【種族】リーベリ

【身長】159cm

【鉱石病感染状況】感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】普通

 

【戦場機動】標準

 

【生理的耐性】標準

 

【戦術立案】標準

 

【戦闘技術】標準

 

【アーツ適正】優秀

 

 

【個人経歴】

本名はシュラフ・ワンデリオン。感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された小柄な術師オペレーター。戦術的な戦闘支援や隠密作戦においては充分な能力を発揮している。

その小柄過ぎる体躯から一見子供に見えるが、彼はれっきとした大人である。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められる。

以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

 

【源石融合率】5%

適切な治療により、病態は安定している

 

 

 

【血液中源石密度】0.23u/L

循環器系による結晶濃度は安定している

 

 

【第一資料】

方舟オペレーターの中では数少ない小柄の男性オペレーター。

その小柄さ、中性的な顔、高い声を聞いた者は、彼を高確率で女の子だと間違えてしまう。本人にとってもコレはコンプレックスらしく、日々頭を悩ませているのだとか。

だが彼の成長期はもうとっくに通り過ぎたらしく、このコンプレックスが解決する日は絶対に来ない事が判明している。

 

 

【第二資料】

ホロロホルルの主に使用するアーツは空気の放出。より具体的に説明すると、動かす空気を球体状に隔離し、弾丸の様に飛ばしているのだ。また、大きさも形も自由自在に調節する事が出来、輪っか状の空気を飛ばしたり、ソレを一定パターンで連続して放出し続ける事によって超音波を出したりも出来る。

空気弾として単純に飛ばして攻撃する事は勿論、彼はこのアーツに相手の平衡感覚を奪う粉末を混ぜて飛ばしたり、睡眠薬を霧状にして、超音波に乗せて前方に照射すると言った芸当が可能だ。

が、弱点もまた存在しており、放出する空気は大きければ大きい程弾速が遅くなる。連続して放出したり、空気弾を大量に生成し飛ばすにはそれ相応の集中力が必要であり、大きい隙を晒してしまう。オペレーターエレキの空気振動のアーツなどに干渉してしまう等が挙げられる。

また、彼の扱えるもう一つのアーツとして透明化がある。鉱石病の影響で変質したと思われる頭部の羽状器官から鱗粉と呼ばれる透明な粉末を生成し、ソレを全身に被る事によって周囲の光を反射し、透明になる事が出来る。

が、勿論これにも弱点は存在し、派手に動けば体に付着した鱗粉は剥がれ落ち、自ら姿を晒す事になる他、このアーツは鉱石病を悪化させる速度が他のアーツよりも著しく早いと言う診断結果が挙げられる為、使用は余り推奨されていない。

 

 

【第三資料】

彼女、いや彼がロドスに来てからというもの、多くの歳若いオペレーターが夢の話をしている事が多くなった。既に同じ様な夢を見ていたオペレーター達は、直ぐにとあるオペレーターの仕業だと思い込んだ様だが、どうにも内容が明確に異なっている。

あのオペレーターが来た時のものとは違い、共通して話に登場するのは鬱蒼とした巨大な森と遠くに火山が見える広大な平原、雲一つ無い夜に大地を照らす満月、そして森の中に存在する巨大な鳥。草原を走り回り、鬱蒼な森へ迷い込む。そして迷い込んだ先にいる巨大な鳥は、夢見る子供をモコモコした背中に乗せ、自由に夜空を飛んでやるのだ。ヴィクトリア人が幼少期によく聞く童話は今ロドスの子供たちにも広まっていたが、その子供どころか今これを書いている私ですらも、この様な童話を読んだ事は無い。あの巨大な鳥は何かを探している様であった。私を背中に乗せて空を飛び、時折何かを思い出したかの様に方向を変えれば、何をしていたのか忘れたのか首を傾げる仕草をする。

それに、夢の終わりがハッピーエンドとは限らない。昨日の夢なんか、赤熱する巨大な刃に鳥ごと真っ二つにされて目が醒めたのだから。

………自分でやっててなんだが、夢の事しか書いてないじゃないか。私は一体何を書いているんだ?

 

 

【第四資料】

この夢の物語が彼の仕業だと気づけた者は少ないだろう。何故ならあのオペレーターが既に同じ事をしているというのもあるが、彼女と違って彼は人を眠らせるアーツなど持っていないからだ。

だが、事ある毎に自ら作った睡眠薬を使用して、敵や事情によって上手く眠れない人を眠らせようとするソレは、あのオペレーターと酷似している。また、手が空いている時は子供の世話をしている所もだ。その様な光景を見れば、察しの良いオペレーターはまさかと思うだろう。睡眠薬の作り方だけを知っているのも怪しすぎる。それでも、彼にはあのオペレーター……アイリスの様なアーツを持ってる訳では無いし、彼女とは初対面のようだった。

だからコレは私の酷い憶測、妄想の様なものだが、もし、彼が自身が記憶喪失だと言う事に気がついていない状態だったなら………いや、よしておこう。バチが当たりそうだし、夢の中でまた赤熱した剣に真っ二つにされるのはゴメンだ。

 

 

ホロロホルルの印

 

彼お手製の睡眠導入剤。寝付けの悪い日はコレを飲んでぐっすり眠ろう。

 

 

採用契約

 

オペレーターホロロホルル、今日も眠れぬ子供たちの為に

例え小さく脆いものでも、手放したりはしない




今回から採用契約も書いてみる事にしました。プロフィール1〜8にも追加しておきましょうね〜。

次回はエレキが上でドンパチしている間、ホモ都市は何をしていたのかが明かされたり明かされなかったりします。それではサラダバー!


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一方其頃

採用契約を書き終えたので初投稿です


 ロドスが降下を始める数分前

 

 a.m. 04:21 天気/晴れのち曇り

 龍門アップダウン ビル屋上

 

『………ウッホ♂早いなオイ。やっぱり向こうでロドスと合流させて正解だったな。トラブルもあったが、義体もギリギリ届いたしヨシ!(確認猫)』

 

 ロドスの飛行機械『バッドガイ』号が遠くから向かって来ているのを確認した三次元狙撃型の義体は、ボウガンの形をした銃器を空へ適当に3発撃ち、屋上から飛び降りる。

 放たれたエネルギー弾は空間や建物の壁でそれぞれ反射しまくり、下で停まっていたスポーツカー型ドローンの周りにいる3人のレユニオン兵を撃ち倒した。

 

 そしてシュタッとドローンの隣に降りて3人に回収印をつけると、スルッとドローンに乗ってエンジンをかける。

 

『えっと、ここを押してと』

 

 ハンドルの隣にある複数のボタンの一つを押す。すると座席の一部が展開し、ホログラムで作られた青いケーブルが義体の背中に複数ブッ刺さった。

 

『ヴッ―――ふぅ!なんとも不可思議な感触だ!コレが元々人二人でやるモンだって?それ実質セフィロス(曖昧な表現)じゃねぇか!(歓喜)』

 

 何故か楽しそうにアーツリンクケーブルの感触を感じながら、アクセルを思いっきり踏み抜き、ドローンを発進させる。

 

 大通りに飛び出し、ドリフトして向きを変え、真っ直ぐとその道をその道を進む。義体は自身の視界に映し出されている地図を見ながら、最短ルートを正確に通って行く。

 またドリフトしながら道を曲がると、その先でレユニオン達と複数の龍門市民の戦闘シーンを目にする。だが彼は別の最短ルートを探すのでは無く、更にアクセルを踏んでクラクションを鳴らしながらスピードを上げる。

 クラクションとエンジン音で気がついた前の集団は慌てた様に道端へ寄ろうとする。ドローンのスピードでは絶対に避けれないとわかっていながらだ。だがそれでも義体がブレーキをかけるどころか、更にスピードを上げ

 

『イィイヤッホォイ!!!』

 

 ぶつかる一歩手前でドローンの姿が消滅し、次の瞬間にはレユニオンの後ろをエンジン音を響かせながら走り去っていった。

 

『はえー、まさか空間次元歪曲装置の効果をリンク先にも与える様にするとか……ハッハァー!やっぱり乱数調整してて良かったぜオイ!』

 

 窓からショットガンモードの銃を無造作に撃ち出しながらそう発音する義体。因みにエネルギー弾はさっきのドローンの様に消えたかと思うと、後ろのレユニオン兵の背後に突然現れ、全員を撃ち倒した。

 

『さぁてそろそろだ』

 

 フロントガラスから近衛局の屋上を見やる義体。フードの奥ののっぺりとした黒い顔には、ロドスのバットガイ号が写っている。そしてカーナビには、乗っているドローンを示す矢印ともう一つ、近衛局へ向かっている赤い点が表示されていた。

 義体は更にスピードを上げ、今度は建物の壁をさも当然かの様に走り出す。ワープ、走行、ワープ、走行を続けながら進んで行き、最後に建物の装飾をジャンプ台代わりにして宙を飛んだ。

 

 その黒い影は、建物の屋根を誰も捉えられない速度で移動する。決して陸上選手の様な綺麗なフォームだから速いと言う訳では無く、両足だけに装着されている小型源石エンジンが、その速さの正体を物語っていた。

 その義体は何も発する事は無く、ただ淡々と目的地への最短ルートを駆け、先にその目的地へ向かっていたドローンの元へ一瞬で追いついた。

 

 そして義体は建物の屋上から大ジャンプして宙を舞う。その圧倒的な速度による配管工顔負けの大ジャンプで対空しながら、横にいる同じく大ジャンプしたスポーツカー型ドローンを見る。正確には、そのドローンの上にワープした三次元狙撃型の義体をだが。

 

 双方の義体の背中からアーツリンクケーブルが複数飛び出し、それぞれのケーブル同士が強固に接続する。その瞬間、三次元狙撃型からALケーブルを伝って彗速走行型へその情報が移される。

 

『ウォォシ!!!最初からクライマックスでイきますねぇ!(迫真)』

 

 彗速走行型の黒い顔に『XX』と言う赤い模様が浮かび上がり、突然声を発した。最初からイき続けるとか早漏なんてもんじゃ無いがソレは一先ず置いておこう。

 突然声を発した彗速走行型は赤紫の光を放ちながら大爆発と共に崩れゆく展望デッキ、それと一緒に落ちて行く寄生兵や隠密狙撃兵達に向かって狙いを定め……消えた。

 

 

 

 彗速走行型は、ホモ都市が作った義体の中で最も速い義体だ。本来義体は一つの源石エンジンに4つの小型エンジンを四肢にそれぞれつけ、人体を巡る血液の様に液体源石を流す事で本来の源石エンジンよりも効率的に、安定性重視で稼働させている。

 そしてこの彗速走行型は小型エンジンの数を2つに減らし、一回り大きくした言わば中型エンジンを両足につける事により、安定性を捨て機動力を向上させた義体なのである。

 

 そしてその義体にもALケーブルは搭載されており、本来安定性を維持したまま出力を向上させる目的のソレは、元々不安定故か他の義体よりも効果時間が短く、使用後はオーバーヒートしてしまうのだ。

 だが、どうやらそんなデメリットをハイゼンはどうにか改善出来ないかと思っていたらしい。そして至った答えが、三次元狙撃型に使われている空間次元歪曲装置である。

 この装置は源石エンジンとは別の扱いであり、義体の中で一番性能の低い三次元狙撃型の唯一の攻防手段である。ハイゼンが考えついたのは、コレを無理矢理源石エンジンに置き換えると言う極めて雑なものだった。

 が、科学とは常に進化の試行を繰り返すものであり、時々突拍子もない事で成功するものである。そう、成功してしまった訳だ。おそらく源石エンジンが実質6個になった事で不安定になったのと、マイナス✕マイナス=プラスの様な関係によって成功したのだと、ハイゼンは仮定した。そしてついでにALケーブルの本来の性能であるアーツの複数所持が作用した結果、

 

 今の彗速走行型は、誰も捉える事の出来ない、光以上の速さで移動する化け物と化してしまった訳だ。

 

 今落下している展望デッキの周りで忙しなく動いている赤紫の光、アレは義体が通った軌道だ。既にそこに義体はいない。というか、この次元にいない可能性すらあり得る。

 そんな人間が考える事を辞める様な異次元の素早さで落下していたすべてのレユニオン兵を回収した彗速走行型の義体は、地面にやっと降り立つと、首筋部分にある排熱口から凄い勢いの蒸気を吐き出す。義体が降り立った後、3秒も展望デッキの周りで光が動いていた。

 

『………蒸れるッッ!!!』

 

 ホモ自身は巫山戯る余裕がまだある様だ。

 そんな彗速走行型の義体に、物言わぬ人形となった三次元狙撃型がスポーツカー型ドローンと共にやってくる。

 

『さてと……後でハイゼンさんには感謝だな。元々ここで彗速走行型を使い潰す予定だったけど、いやマジ助かるわ。コレで多くの命を生かせれる』

 

 そんな事を発声した彗速走行型は、三次元狙撃型の思考をオートモードに切り替え、他で戦闘している奴らの支援へ向かわせる。走り去って行った三次元狙撃型を尻目に、義体は人間の様に指を組んで前へ伸ばす。

 

『さて、私もそろそろッ―――?!えっ何々?!』

 

 突然デカい音と風圧が来たことで、テンパる真似をしながら辺りを見回す義体。色々とレーダーで感知しながら何もない事を確認すると、胸を撫で下ろす真似をしながら、ズボンのポケットから何かを取り出す。

 

『バルクフレーム、着装』

 

 そう発声しながら、ポケットから取り出した機械にカードをスライドさせる。

 

 その瞬間、近くで停まっていた無人のスポーツカー型ドローンが動き出し、トランクを向けた状態で義体の後ろに停まる。そしてトランクからなんと巨大な鉄の腕が出て来て、義体をその両腕で包み込み、義体の周りにある指はガシャガシャと音を立てて変形する。

 指が変形した後は、義体の姿が変わり出した。

 

 先ず義体の象徴であると言っても過言では無いコートが背中に収納され、人形の様な白いフレームが露わになる。

 次に両腕と両足が変形すると、両足から中型エンジンがスライドし、背中を伝って腕まで移動。本来小型エンジンが入っているであろう場所に、中型エンジンがガッチリと埋め込まれ、腕が変形してソレが落ちない様に装着される。そして腕が完全に変形し終わると、今度は周りを包む巨大な指から装甲が飛び出し、義体の腕へ装着される。

 最後に腕の外側に小型の機械が装着されれば、腕は終了。

 

 今度は足。と言っても、後は同じだ。先ずは足先から装着されて行き、少し変形したら足のつけ根まで装甲が装着される。

 そして腰にも装着され、次に体。胸の下まで次々に装甲が装着されると、今度は体と型の間にデカくて鋭い装甲が装着。その装甲は胸の前までやって来ると、真ん中で一つに合わさり、ガッチリと体にも合わさって立派なチェストプレートとなった。背中には、そのチェストプレートから続いている何かの噴射口から紅いエネルギーがウォーミングアップの如く吹き出ている。

 

 最後に、頭が少し変形し、そののっぺらぼうの黒い顔が収納され、中の色々な機械が顔を出す。そんな頭の側面と後ろ側に次々と装甲が装着され、後ろ側に過剰に装着された一部がスライドし、頭頂部を覆う。そしてモロに出ている機械の顔を2つの紅い目がついた機械的な装甲に覆われた。

 

 巨大な腕が、役割を終えたかの様にトランクへ収納されると、そこには、前の黒コートとはとても似つかない、白銀を基調に紅いラインが入った装甲を纏った義体が立っていた。背中と腰の後ろには、ご立派ァ!な噴射口がついている。

 

『………いい出来だ!再現率も高く、そしてカッコいい!俺が惚れただけの事はありますねぇ!じゃあイきますよ〜イクイク』

 

 全身をまじまじと観察しながら、義体は発声する。そして両腕についている、とある機械を起動させる。

 

 その機械は変形しながら巨大化し、腕を飲み込みながらその姿を形作る。

 ソレは槍の様な形をした、巨大化なナックルだ。先端は鋭く、そこから3つに分離して、背中の噴出口の様なものになっている。義体はソレをグルンと勢い良く回し、噴出口を下にすると

 

 ――飛んだ。

 

 そのナックル、槍翼と呼ばれる推進機によって、義体は宙へ浮いたのだ。そのままバランスを取りながら建物が邪魔にならない位の高さまで登ると、戦火が登る場所へと、ALケーブル無しで、音速を超える速度で駆けていった。

 

 戦場とは、常に変わり続ける。そして今、戦場はまた大きく変化していく。




今回はテラ視点ホモ回でした。説明多くてアレやな!アレやな!(大事な以下略)最近とある映画とYou Tubeで変身シーンを見たので、こう……はっちゃけようとしましたけど上手く書けませんでした。いやまぁ、変形自体は元からする予定だったんですが……仮面ライダー的な事がしたかったんだよ畜生メェ!!!(総統)

次回はストーリーを進めます。あと最近RTA要素も少ないから入れてイきたいな〜とか思ってたり。
それではまた次回、サラダバー!


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局部壊死 一

久しぶりに深夜徘徊する幼女を見たので初投稿です


 a.m. 09:20

 龍門近衛局付近 ロドス行動小隊巡回予定地

 

《『オッハー!エレキ君元気ー?!』》

「うっわ煩っ!黙れポンコツ!せめて音量落とせや!」

「君の所の上司って、もしかして結構面白い人?」

「面白い……あー、そうなのかもな。だがやっていい時と悪い時があるんだよ。わかってんのかポンコツ?」

《『あぁわかっているとも!過度なギャグは人を苛つかせると古事記にも書かれている』》

「そう言う所なんだが?」

「て言うかなんでロドスの無線に入ってるの?」

 

 展望デッキでの戦いの後、近衛局と二手に別れて残りのレユニオン達を掃討する事になったロドスとホモ都市。ホモ都市も二手に別れているが、エレキを隊長とした少数はロドスと行動している。

 で、ついさっき巡回予定地にいたレユニオンの小隊をロドスのエリートオペレーターであるブレイズがほぼ単独で無力化させた後なのだが……。

 

「お前、もう少しその大声が早かったらブレイズ…さんの気が逸れて危なかったのかもしれないんだからな?」

《『大丈夫だ、タイミングは問題無い。それにもしブレイズネキが危なくなってたら真っ先にお前が助けに行くだろ?』》

「な?!……なんでそう思うんだよ。証拠あんのか?」

「………ふふ〜ん?」

 

 エレキの言葉を聞いたブレイズが猫みたいな目で指をワキワキさせたのが見えたので、彼は一緒に来ていた仲間を盾にした。

 

「兎も角、なんでロドスの無線にも入ってんだよお前は。つか今どこいんだ?」

《『なんで入ってるかって?(んな理由なんて)ないです』》

「「えぇ……(困惑)」」

《『それと私の場所だが……上にいる。私は今自由だ!』》

 

「は?巫山戯るなぶち壊すぞ」

 

 そう言いながら上を見上げた瞬間、謎の爆音と共に風圧が空から彼らを打ちつける。

 

「……うわぁ(ドン引き)」

「あれが君の言ってたポンコツ君?!初対面から文字通りカッ飛んでるとかブッ飛んでるわね!」

 

 遂に空飛び出したよ、と反射的に口を溢したエレキと感心するかの様に空を駆ける彗星を目に焼き付けているブレイズ以外、ドクターもアーミヤも、シュラフや新米方舟オペレーターも揃って驚愕な表情を浮かべたまま停止した。

 

 ……って感じになってるだろーなーと思いながら、ホモは目の前の戦闘区域へ速度を緩めながら襲撃する。

 

「なっ、なんだアレは?!」

「こっちに突っ込んで来るぞ!」

「下がれ!市民達と共に下って防御態勢を――」

 

 レユニオンと近衛局達の言葉を遮る様に、ホモは地面へ着弾する。速度を緩めたとしても源石自動車以上の速度で着弾し、周りの人間に熱と風圧をプレゼントだ。

 

『(爆風で吹っ飛ばされた人数は)36……普通だな!』

「な、何なんだお前は?!」

 

 近衛局の一人が前へ出て、ホモが何者かを問うた。そしてホモは槍翼を仕舞い、彼の方へ振り向く。

 

『…………』

「…………」

『無視する』

「無視ッ?!」

『やぁダニエル!』

「ホントに誰だよ?!つか無視せんのかい!」

 

 会話の滅茶苦茶ぶりに、前へ出た近衛局隊員はさっきまで戦闘していたのもあって疲れた顔をする。そしてその光景を見て痺れを切らしたレユニオンが襲いかかってきた。

 

「そのまま死ねェ!この非感染者め!」

「クソッ!総員、迎撃準備!お前も何やってる?!すぐ後ろに来てるぞ!」

 

 そのレユニオンの内の一人がホモめがけてその古びた大鉈を振り上げる。ソレを見た近衛局隊員は部下に戦闘準備をさせ、目の前のホモにもソレを伝えようとする。

 

 そして彼らは、後ろのレユニオンをボーリングの様に投げ飛ばすホモと、後続のレユニオンがボーリングのピンの様に吹き飛ばされる光景を目にした。そう、飛ばされる光景だけを目にしたのだ。ホモの姿勢は、いつの間にかボーリングをスローしているかの様なポーズになっている。

 少しして、さっきまでホモと漫才をしていた近衛局隊員はようやく理解する。おそらくコイツは、自分達が認識出来ない程の速さで行動したのだと。

 

『……さて、後ろから来るレユニオンを誰も認識出来ない速度で投げ飛ばし、ついでに近衛局隊員に自分は悪いAIじゃ無いよ、と意思表示をしたこの高性能AIは誰でしょう……………イエス!アイ・アム!』

 

 振り返りながらそんなカッコいい謎ポーズで灰の魔女の口前でボケても、目の前の近衛局達が驚愕の表情を止めてくれる事は無い。

 というか何なのだその口前は。その口前ではアヴドゥルの旅々になってしまうじゃあないか。

 

『ツー訳で、ここは私に任せて先にイけ』

「ッ――行く訳無いだろ!お前みたいな識別コードも持たない怪しい奴なんかの―――」

『・・・先ニ・進ンデクダサイ>』

「なっ……」

 

 突然雰囲気が変わったホモに、近衛局隊員はたじろぐ。

 

『つか、そこの幼j…裁ち鋏デッカ。そして幼女では無く少女だな(小声)彼女達を庇いながらやんの?大丈夫?少女守れる?しかも年頃の女の子に殺人の瞬間見せるのはどうかと思うぞ?』

「……あぁクソッ!わかったよ!総員、移動準備!市民達をシェルターまで護衛する!……お前、もし我々を攻撃したらタダじゃおかないからな」

『お前もだよ人間共。如何なる理由だろうと市民を一人でも見捨てたらお前達のソコを握り潰してやるからな〜覚悟しとけよ〜?(6章タイトル回収)』

 

 トーンを下げ、まるで脅すかの様に発声するホモ。効果はバツグンの様で、近衛局隊員は押し黙った。

 

 そんな彼らを尻目に、ホモは二人の少女の前に立ち、しゃがんで顔を合わせる。そんなガチガチ装備で目線合わせたら子供は怖がると思うんですけど(名推理)

 実際怖がってはいる様だが、この二人の少女……大きな赤いリボンで結んだポニーテールに、頭の包帯と頬の湿布が目立つ女の子と、頭に青い大きなリボンをつけた金髪三編みの女の子は、どうにも怖がっているだけでは無い様だ。まだ幼い身で、恐怖を我慢する術を持っているとは、やけに大人びていると感心せざるを得ない。まぁ、青いリボンの子は赤いリボンの子の手を繋いでいる左手が義手だし、背中にデカくて赤錆びてる裁ち鋏背負ってるし、只者じゃねぇのは見てわかるが。

 

『おやおやおや、仲睦まじい少女は可愛いですね(ボ卿)その手、何があっても離しちゃダメよ』

「「………?!」」

 

 さて、そろそろ真面目に目の前のレユニオンを無力化して拉致しよう、とホモは立ち上がりレユニオンの方へ向かう。まぁ、ちと長く話し過ぎたせいでダウン状態から立ち上がっているが、バカ野郎お前ホモは勝つぞお前(天下無双)

 

「クソッ!さっきはよくもやってくれやがったなァ!」

『そうかっかするな嫌われるぞ?それとそんな身構えなくていいから。別に私はお前達を殺しに来た訳じゃあ無い。むしろ助けに来たと言ってもいい』

「んだとテメェ!軽々しく嘘ついてんじゃねぇぞ、この非感染者が!」

 

 レユニオンの一人が、ホモに向かってボウガンを放つ。が、その矢はホモに届く事は無く、矢先を中指と人差し指で挟まれた状態で、ホモの顔の前ので停止していた。

 勿論、レユニオン達はその光景に驚愕の表情を浮かべる。

 

『……どいつもこいつも、やれ感染者だ迫害だ、やれ非感染者だ殺すぞと、よく同じネタを何十年も擦り続けられるなァお前達エーシェンツは』

 

 そう発声しながら、ボウガンの矢を手刀で半分に切り裂き、尖端部分を指を使って高速で擦り、削り始める。

 

『別にお前達の志しが間違ってるだなんて言いはしない。寧ろ本来は賞賛されるべき事だ。でもな、それ以上にお前達の今やっているコレは、自分達の立場をより悪化させていると何故気がつかない?』

 

 高速で振動していた指が止まり、ホモはミニチュアレベルの大きさに削ったボウガンの矢を摘んで目の前に掲げる。

 

『善悪と言うのは、その場と立場、感情によって常に変化する曖昧な物だ。人と言うのはそこが面倒でな、私はソレを善悪の2つで区別するのでは無く、そういう物として許容する事にした。特にこの世界は、立場によって善悪が変わる物事が多過ぎるんだよ。別にお前達の苦しみをわかってるとか言いはしないが、お前達の気持ちは理解しているつもりだ』

 

 だが、とホモはミニチュア化させたボウガンの矢を指で粉々にし、落ちた破片を更に足で踏みつけた。

 

『例え許容しようが、私の願いに反する事、即ち悪がある!私にとって悪とは!自分の為だけに弱者を利用し、踏みつける奴の事!何も知らぬ無知なる者を、自分の利益の為だけに利用する事!そして、如何なる立場、如何なる状況、如何なる感情であろうが、人の命と言う限られた時間を、人の手によって無慈悲に奪う事!ソレが私と言う願いを叶えるだけの機械が定めた悪であるッ!

「っ……!」

『だからこそ、先ずはお前達と敵対し、控えめな全力で止め、その上でお前達を全力で助けてやるっつー訳だ………覚悟は良いか?私は出来てる』

 

 レユニオン達はその言葉に気圧され、思わず後退りしてしまう。まるで言葉そのものが巨大な壁となり、自分達を押し返した様な感覚を受けたのだ。

 因みにだが、言葉が巨大と言うのはある意味正解に近い。何故なら、さっきから彼の言葉はこの龍門のすべての無線器から発信されている。シェルターでのラジオ放送からも、空を飛び回っている避難訓練を促していたドローンのスピーカーからも、戦闘に参加している龍門市民が使っている特殊なアプリが入った通信端末からも。

 

 そして、龍門の長であるウェイ長官にも、その言葉は届いていた。




RTA要素が入ってないやん、どうしてくれんのコレ(呆れ)まぁ書いたの私ですが。私ですが(大事な事なので2回)

次回はちゃんとRTA入れるからホモの兄貴姉貴は気長に待っててくれよなー頼むよー。なんでもするから(ん?今なんでもって)

それじゃあまた次回、サラダバー!


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局部壊死 二

モンハンライズの新情報が小出しされたので初投稿です。


 龍門でレユニオンに大打撃を与えるRTAはーじめーるよー!

 前回のあらすじなんてしている暇はねぇ!今すぐ性欲王ブチ込んダルしてやるぜ!

 

 では早速始めます。先ずチェン隊長の舞台から離れ、ハッキングドローンで先に近衛局の内部に突入します。

 突入したら真っ直ぐ無線室へ向かい、ハッキングを開始します。少し時間がかかるので、三次元狙撃型に切り替えながらロドスが来ていないかどうかチラチラ見るのを繰り返しておきましょう。

 

 チラチラ…チラチラ…チラチラ…お前さっきから走者の事チラチラ見てただろ?(唐突)

 

 ファッ?!もうバッドガイ号が来とるやんけ?!早いなぁ、流石方舟と一緒にいたロドスだ!速さが違いますよ(つまりロドスのチェルノボーグ脱出時間を方舟のオペレーターで短縮させた訳ですね)取り敢えず、三次元狙撃型と丁度到着した彗速走行型を向かわせます。アークナイツ界のバスターゴリラことブレイズ姉貴が展望デッキの一部を爆破し、メフィストの玩具達を落下死させるのでコレを助けなければなりません。

 「味方を有利にするイベントを実行させる」「それによって出る被害を最小限に抑える」「両方」やらなきゃいけないってのがこのRTAの辛いとこです(ブチャラティ並感)

 

 さて、ハッキングが見事終了したので、ついでにメフィストファウストを煽って逃げるんだよー!スモーキィー!

 

 逃げたら三次元狙撃型と彗速走行型をアーツリンクケーブルでドッキング♂させます。あー(この感覚)たまらねぇぜ。しかもオーバーヒートして使い物にならないのを阻止出来る様にしたとかハイゼンさんは天才か?(機械に関しては)マッドな天才だったわ(原作基準の偏見)

 と言う訳で、ここからちょっとしたミニゲームの様な何かが始まります。基本的にはタイミングよくボタンを押すリズムゲームですね。難易度?知らない子ですね……(356敗)

 

 だが数多の試走をくぐり抜けた走者に不可能は無い!こんなもんパパッとやって、終わり!じゃあ私、ギャラ貰って帰るから……とはいきません。今から狂化寄生兵の数を減らしに行かなきゃいけないんですねぇ!ついでにメスガキ調教しなきゃ(使命感)あ、三次元狙撃型君は電池係終了したんで持ち場に戻って…シコれ。

 それでは早速、今からホモの兄貴姉貴達にこの彗速走行型の真の姿を見せつけなければなるまいて。ヘsファッ?!(変身キャンセル)なんださっきの音とあの宙を舞う展望デッキはたまげたなぁ……気を取り直してヘシン!(BGMにはレスキューフォースのOPでも流してもろて)

 

 さぁこれこそが我が彗速走行型の最終形態……その名もバルクフレームです。姿は皆さんお馴染みのバルク装備一式です。知らない人はバルファルク装備で検索して、どうぞ。

 では翼槍を展開し、巡回しにイクゾー!(デッデッデデデデッカーン)ここからエレキ達がブレイズ姉貴達と残存勢力の鎮圧を開始するまでダイジェストです。

 

 

 

 

 

 お、エレキ達がロドスと第六章を開始しましたね。それじゃあ軽く話してから戦場に突撃ィー!(駄目だ!×3)そしたら何時もの様に近衛局と龍門NPCに自分が味方だと言うアピールをします。

 

 後ろから来るレユニオンを誰も認識出来ない速度で投げ飛ばし、ついでに近衛局隊員に自分は悪いAIじゃ無いよ、と意思表示をしたこの高性能AIは誰でしょう……………イエス!アイ・アム!

 ……一見なんの共通点も無いイレイナとアヴドゥルとバルファルクですが、一応共通点はあります。まずアヴドゥルのスタンドはマジシャンズ・レッド。つまりイレイナとは魔術師と魔女と言う共通点があります(?)そしてマジシャンズ・レッドは鳥の顔をしたスタンドであり、バルファルクは鳥をモチーフとした古龍です(??)イレイナとバルファルクに関しては灰の魔女と言う称号と、バルファルクの体色が9割一緒です(???)

 

 証明完了、QED

 

 では近衛局隊員と龍門NPCを逃し、さっきハッキングした無線をこの龍門にあるすべての情報端末に繋げまして……演説を始めます。

 つっても何時もの事を言うだけですね。ホモはホモの責務を全うする!ここにいる者は、誰も死なせない!(炎柱並感)……ヨシ(確認猫)この言葉は龍門全域に届いています。それによって、方舟のオペレーター達の士気が上昇し、さらなる戦闘継続が可能になるんですね。それと何故か協力して来た龍門市民達や近衛局にホモ達のスタンスを教えて置く事で、わだかまりを少なくさせることが出来ますねぇ!

 

 よぉしじゃあお前達はパパッとやって、終わり!後は死なない様に何時もの作業ですねぇ!話し合いで解決しない子はどんどんしまっちゃおうね〜(しまっちゃう叔父さん)

 

 あ、そうだ(唐突)この彗速走行型バルクフレームについて説明しましょう。バルクフレームは彗速走行型の永続スキルと思ってください。黒コート状態よりも防御力が高く、すべての行動速度が飛躍的に上昇しています。腕を展開させて装備する槍翼は推進力を更に増加させ、武器にもなるスグレモノです。その見た目通りナックルとして使用出来ますし、噴射口から推進力を生み出す龍氣を弾丸として発射する事も出来ます。あー、(カッコよさが)たまらねぇぜ。

 ですが、この状態ではALケーブルを接続する事が出来ないんですねぇ!まぁ接続口を装甲と背部推進機で覆ってるからねしょうがないね。因みにALケーブルでドーピングした方が速度が速いです。だから展望デッキの時はALケーブルの接続が必要だったんですね。まぁこんな感じでしょう。

 

 さて、そろそろロドスや近衛局にも狂化寄生兵の存在が明らかになって来てますねぇ………ファッ?!なんだあのゴーレム?!全身源石とはたまげたなぁ……。十中八九あのメスガキですね。おそらく序盤の狂化寄生兵もメフィストでは無くあのメスガキでしょうね。

 取り敢えずあの源石ゴーレムをぺち殺s…おぉん、龍門市民達も中々やりますねぇ!ファッ?!もう一体出て来たんですけど?!複数いるとか、ハーッ!頭可笑しなるわ。しょうがありません。ここはホモg………うせやろ、スパラディ君が単独で叩き壊したんですけど。えぇ……(困惑)龍門市民達が皆ポカーンしてるよ。やっぱりアビサルハンターは化け物、ハッキリわかんだね。

 

 つかヤベェ!量産型の反応が2体程消滅しとるやんけぇ!もしかしなくてもゴーレム複数いますねぇ間違い無い………伝令!伝令!ゴーレム来たら逃げろォ!尻尾巻いて逃げろォ!ナレーションになんて無様な姿だと言われても逃げてー!超逃げてー!え?もう被害出てる?方舟の死者は?あ、ソレは出てない。ヨシ!(確認猫)取り敢えず画像を送りますので、出会ったら皆トンズラして下さい。龍門市民が死んでる?!ナムアミダブツしながら逃げろ!死体は後でホモが拾いますから。

 ……やばいわよ!(ガチャガムリョ)えぇ、コレは不味い、不味です。今すぐあのメスガキを探……すのは割と時間がかかるので、あの源石ゴーレムを片っ端から叩き潰します。どうせガキなので、いずれ癇癪でも起こしてノコノコ出てくるやろ!そっちの方が手間が省けるし、リセ案件を減らせるのでこの方法をとります。あぁもう面倒くさいッ!(オベロン並感)

 

『少しいいですか?イモータルさん』

 

 こんな時に何ですかねぇDAさん?!

 

『いえ、棺桶の開発中にティタンが入ってきまして。この二人が見当たらないとか……まぁ片方は何時も見当たらないので気の所為だとは思いますが』

 

 ……………タァァァァボ師匠ェェェェァァァァ!!!!!

 

 ヌ゛ ン゛ ッ !ヘ ッ !ヘ ッ !

 

 ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛

 

ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!!!

ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!!!!

フ ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ン!!!!!!

フ ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥン!!!!(元音源の114514分の1)




と言う訳で久しぶりのRTAパートです。

そういや昨日鬼滅の刃がありましたね。私はホンヘを見ておらず、無限列車編も途中からの視聴でしたが、充分楽しめました。取り敢えず二期までに予習しつつ二期を見る予定です。OPカッコいい。それと煉獄さんと宇髄さんカッコいい。

ではまた次回、サラダバー!



追記

最近、私自身がこの作品を楽しく書けておらず、読者が面白いと思う様な文書が書けていないので、少しばかり投稿が不定期になります。絶対完結はさせるので皆様気長に待ってくれたら実際嬉しいです。爆発四散します。それではサヨナラ!(爆発四散)


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局部壊死 三

パッセンジャーが引けなかったので初投稿です。


 さて、時は少し遡る。

 

 境界無き方舟の中はピリピリした空気に包まれていた。まぁ、ここ半年…そろそろ一年になる位この方舟に乗って過ごして来た彼ら彼女らにとって、誰かが欠けた状態で帰って来る事は無いと確信はしている。が、それとこれとは別だ。誰だって心配する、俺だってそーする。

 そんな訳で、方舟のオペレーター達は飯を食べながらソワソワしたり、万が一増援が必要になった時の準備をしたり、愛する者が五体満足で帰って来てほしいと赤子を抱きながら祈ったり、好戦的な女性オペレーターが待機中の男性オペレーターとシミュレーションルームで準備運動してたりと、滅茶苦茶ピリピリしていた。

 

 そして、方舟内にある保育施設では………

 

「ちょっ、おまっ、落ち着け!落ち着けってターボ師匠!」

「ヤダー!ターボ行くもん!ターボが行かなくちゃ駄目なんだ!」

「意味分かんないからちょっと落ち着け!イタッ!コラ止めろって殴るな!暴力変態!」

 

 その施設の子供よりも歳上である筈の男女、子供係であるティタンが暴れるターボ師匠を羽交い締めにしながら彼女に殴られていた。

 

「ターボ聞いたもん!りゅーもんにあの人がいるってイモータルが言ってたの聞いたもん!」

「あのAI独り言多くないか!?それと龍門の読み方はロンメンだからな?!」

「うぉぉぉぉ!!放せぇぇぇぇ!!!」

「止めてー!暴力止めてー!痛くないけど止めてー!」

 

 ティタンはライン生命印の改造人間であり、ターボ師匠が幾ら暴れようとも両腕をガッチリホールドしたまま離す気配は無い。が、それでも藻掻き続けるターボ師匠。そんな光景を見ている子供達は、まるで愉快なショーでも見るかの様に楽しんでいた。ここに楽器でも持ったネブラの語りが入ればそれっぽくなるだろう。三味線でも可。

 そんな訳で、保育施設にはピリピリのピの字も存在しない程に和やかなアトモスフィアであった。

 

 まぁ、愉快なショーは直ぐに幕を閉じたのだが。

 

「ハァッ!ハァッ……ハーッ!もうむり…ターボつかれた――」

「うん、知ってた」

 

 そう言って芋虫みたいに沈んだターボ師匠を見て、ティタンは何時もの様にそう口にした。何事も全力でやるターボ師匠はガス切れが早いのである。

 

「うげぇぇ〜、体動かない〜。喉乾いたぁ〜」

「ハァ……飲め、ニンジンジュースだ」

「ヤター!」

 

 さっきまで疲れている風な状態だったのが嘘だったかの様に、ティタンが取り出したニンジンジュースに勢い良くターボ師匠。コイツの体力どうなってんだろ?と割と真面目に考えたくなったティタン君である。

 

「よぉしみんな、おやつの時間だ」

「「「「はぁ〜い!!!」」」」

 

 取り敢えず子供達へ呼び掛けるティタン君。そして保育施設にある厨房の奥の方へ消えた所を見たターボ師匠は、そんなに使う機会がなかった脳細胞をフル回転させ、どうやって龍門へ向かおうか考えた。

 

 ターボ師匠がその言葉を聞いたのは少し前。

 

『クラウンスレイヤー姉貴どないしよ』

 

 クラウンスレイヤーと言う名前を聞いたターボは、その名前がチェルノボーグでの一件で出会った彼女だと思い出した。

 ターボ師匠にとって、彼女にはちょっとした恩の様なものを感じていた。まぁターボ師匠が一方的に感じているだけだが。

 

「う〜むぅ………」

 

 さて、ニンジンジュースを啜りつつここから出る方法を絞り出そうとするターボ師匠。だがターボ師匠が勝手にチェルノボーグへ向かってからというもの、ティタンは扉の開閉音がした瞬間にあっという間で飛んで来るのだ。さっきそれで捕まってたしお寿司。

 

 今は厨房でお菓子の準備でもしているのだろうが、外に出ようとしたら回り込まれる事間違い無しである。

 

「う〜!む〜!………む?」

 

 そんな事を思いながら唸っている時だった。後ろから肩をトントンと叩かれ、彼女は振り向く。

 

「ハハッ☆」

 

 そこには、全身神隠しみたいな存在であるミヅハが首をコキュッと捻りながら、カエル座りで天井付近にあるダクトを指さしていた。

 

 

 

「よし、次はソッチだ」

「オケ」

 

 出撃ハッチに並んでいるトラック型ドローンへと医療器材などを詰め込むオペレーターの二人。

 

「ふぅ……予想外の対応つってもなぁ―――ン?」

 

 その内の一人が、遠くの方でコソコソとトラック型ドローンへ乗る二人の影を見つけた。

 

「……何やってんだアイツら」

 

 面倒くさそうに頭を掻きながら、ファディア族の男はそのトラック型ドローンへ小走りで近づく。

 

「おいテメェら、一体なにsヌゥゴォ?!―――」

 

 運転席に乗っている誰かへ窓から注意しようとした瞬間、その男は伸びて来た長い舌へ絡め取られ、そのまま運転席へと引きずり込まれた。

 

「あの野郎何処へ……あ?!オイオイオイ!!!誰だお前!勝手にトラックを動かすな!止まれ!オーイ!!!」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 失せやろ失せやろ失せやろォォォォ!?!?どういう事だってばよ?!試走に無かった行動やめちくり~。気が狂うウホ!(狂乱)

 

 えぇい!こうなったら仕方ない。

 先ずは戦線をスラム街へと下げます。龍門市民、ロドス、近衛局、ホモ都市と言う4つの戦力から総攻撃を受けているので、レユニオンの戦力は削れるのが早いです。数も練度も不利なんだよなぁ……諦めて、どうぞ。つーか攻めてくんなや。ただの復習心だけで動いてる感染者の烏合の衆如きが一国家に勝てると思うな!(デュエリスト並感)†悔い改めて†

 

 さて、ボロクソに言っていますが、フロストノヴァ姉貴の事も気にしておきましょう。チェルノボーグでのドクターと駆け落ち(直喩)イベントを省略したので、フロストノヴァ姉貴達は割と殺意高め体力多めでやってきます。でも死にかけには変わりないんだよなぁ……こっちの誰かが死んだりお前が死んだりするとガバルンドンになるんだよ!いい加減にしろ!御自愛して(懇願)

 それと、各地の源石ゴーレムを重点的に撃破してイきますよ〜イクイク。コイツらロドスらの行動を邪魔する挙げ句、レユニオンも容赦無く殺しにかかってるんでもう邪魔です。本体何処ですかね?(キレ気味)隠れるな卑怯者!隠れるなァァァァ!!!寄生感染者は……ママエアロ(適当)

 後はそろそろフロストノヴァに全てを託して俺を置いて先に行け!するファウストの救出ですね。そっちには透過強襲型を投下してホモが厄介事を終わらせるまで時間稼ぎをさせます。なぁ〜にたかが近衛局兵です。影衛相手じゃなきゃへーきへーき、ヘーきだから。そういや影衛の姿を見てませんね(他人事)

 

 ではスパラディ君に命令下してっと……おっ、向こうでアーミヤ達がゴーレムに足止めされてんじゃ〜ん。狂撃制圧型を投下して強キャラ展開を作ります。特に意味はありません。

 あ、エレキ君にアーミヤ達がフロストノヴァをブチ転がさない様に見張ってて貰お♡我ながら地味で効きそうなオリチャーですね。他の走者みてーに派手にオリチャーしてーなー俺もなー。やっぱいいわ(掌クルルヤック)

 

 さてと………逃げるなツインターボ!!!逃げるなァァァァ!!!(逃げ馬です)この彗速走行型から逃げられるかと思うなよ!

 

 114.514秒後

 

 全然見つかんねぇんだけど?!何処に行ったんですかねぇ?!龍門全域を空から見渡した筈なんですけど……妙だな?えぇい仕方が無い、もう少しでクラウンスレイヤー姉貴のイベントが始まりますし、もしかしたら霧のせいで見落とした可能性が微レ存です。あそこにある霧の中に侵入しつつ、クラスレイベントを回収しましょう。イクゾー!(デッデッデデデデッカーン)

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 龍門スラム区画のとある場所

 そこは、他のスラム区画とは違っていた。その区画の殆どを霧が覆い、まるで一つのテリトリーだと主張せんばかりに目立っている。

 

 そしてその中では一人のレユニオン幹部と、二人のロドスオペレーターが対峙していた。

 

「霧……いや、本質は煙と言うべきか。口腔内の発煙器官を使い、神経伝達によって煙を起こしている。確かに感染器官を上手く利用した特殊なアーツだ」

「いつまで無駄話を……本当に救いの無い奴だな。あまりの恐ろしさに口以外は動かなくなったか?」

 

 レユニオンの幹部、クラウンスレイヤーは目の前に佇むケルシーを煽りながらナイフを構え、霧の中へ姿を溶け込ませる。

 

「どうして私の父を裏切った?どうして科学者達を裏切った?どうして!……私に教えろ、ケルシー先生!」

 

 虚空から響くクラウンスレイヤーの怒号に、ケルシー先生はフゥッと短く息を吐く。

 

「リュドミラ、私はたまたま逃げ延びただけだ」

「お前の作り話を信じるとでも?」

「フッ、君の父は『正当と正義』を君に読ませた事があるだろう?」

「―――!」

「5歳の君にそんなものを読ませるとは……イリヤは本当に、非常識な奴だったな」

 

 そう言って、ケルシー先生はクラウンスレイヤーの父について話し出す。だが、ケルシー先生にとって話せる真実を口にしているのだろうが、クラウンスレイヤーの怒りは溜まっていくばかりだ。

 あぁ、もう我慢できない。この無駄話しか叩かない女をバラそう。霧に溶け込み、今なら姿が見えていない筈だ。その首を跳ね飛ばす。と、彼女はナイフを持つ手に力をいれる。

 

「リュドミラ、もし君が私を裏切り者と決めつけ、殺したいと思うのならそうするといい。ただし、暴力と言う修羅の道を歩むのなら、いずれ必ず君以上の実力を持つ存在に遭遇する事になる」

 

(でももし君がそのナイフで俺達を殺しに来たら……ね?君ならわかるだろう?つまりそう言う訳さ)

 

 ケルシーの言葉を聞き、不意にそんな言葉を思い出す。が、関係ない。今は目の前の女を滅茶苦茶に殺さなければ。

 

「はは……それだけか!もっと虚勢を張ってみろ!どんな術師でもこの濃霧は見破れない。私の位置を見抜くなど不可能だ!………酷い死に方をさせてやる。メチャクチャに殺してやる」

 

 クラウンスレイヤーの殺意を感じ取り、ケルシーの隣で戦闘態勢をとるレッドは威嚇音を洩らす。

 

「あの科学者達のために、感染者のために、お前を殺してやる!ウルサスに飼われた悪魔め!クズめ!」

 

 クラウンスレイヤーはナイフを構え、ケルシー先生の喉を確実に掻き斬れるポジションへ移動、標的を見据える。

 その瞬間、見えない筈のケルシーが視線を合わせた様な気がした。クラウンスレイヤーはピタリと固まり、無意識に冷や汗を流す。

 

「私が術師に見えるか?確かに感染者ではあるがな……」

 

 そう言うと、彼女は首の後ろへと両手を回し、セミロングな後ろ髪を優しく持ち上げる。

 

「来い、mon3tr」

 

 その言葉を合図に、ケルシー先生のうなじ辺りが不気味に蠢きだす。ソレは次第に激しくなり皮膚が隆起する。まるで何かが産まれて来ると言わんばかりの不気味な光景に、クラウンスレイヤーは言葉を失う。

 そして、ソレはケルシー先生の皮膚を突き破りながら現れ、皮膚片と少量の血液を撒き散らしながら産声を上げた。

 

 自身の理解の範疇を超えた光景を見たクラウンスレイヤーはフリーズし、徐々に何が起こったのかを理解する。

 そして吐いた。彼女には刺激が強すぎた様だ。

 

「どうやら君は霧の影響を受けない様だな。ではこれが見えるだろう」

「うグッ!?う、おゔェっ!………何なんだよ、お前は何なんだ………!お前は、一体!ソレは何なんだ!」

「私は術師では無い。アーツに頼った事など今まで一度も無い………行け、mon3tr」

『(軽快な鳴き声)』

 

 次の瞬間には、クラウンスレイヤーの体は近くの壁へ打ち付けられていた。突然の事にクラウンスレイヤーは何も出来なかった。衝撃によって肺の空気が抜け、口の中に鉄の味が広がる。

 

「うぐっ、ガハッゴホッ!何なんだコイツは……どうなって―――ヒッ」

 

 痛みを耐えながら立ち上がろうとしたクラウンスレイヤーの目の前にmon3trが現れ、下側の両腕で胴体を掴み持ち上げる。

 

「うぁぁぁ!?やめろ、放せ!放してくれっ!クソっ!」

 

 ナイフを力任せに振り我武者羅にmon3trへ攻撃を加えるが、甲高い音と共に弾かれ欠けていく刃が現実を物語っていた。次第にクラウンスレイヤーの顔が恐怖に染まって行く。

 怪物は、目の前の獲物を見て小さく嘲笑い声を上げた。

 

「どうして、どうして貫けないんだ?!やめろっ!私に触れるな!触れるなよぉ……!」

「………消し去れ」

 

 ケルシーの言葉を聞いたmon3trは、喜々として上側の両腕を振り上げて恐怖に染まり切った顔へと狙いを定める。

 

「うわああぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 そしてmon3trの両腕がクラウンスレイヤーを貫く事は無かった。それどころか振り抜く事すらもしなかった……いや、出来なかった。

 何故なら、元々ケルシー先生にクラウンスレイヤーを殺そうとする意思は無く、本来であればクラウンスレイヤーの頭上に落ちてくる筈の瓦礫が落ちて来なかったから。

 

 ただ代わりに、クラウンスレイヤーが発する霧よりも更に濃い濃霧が降り注いだからだ。

 

「くっ―――なんだ?何が起きた?レッド、mon3tr、無事か?」

「……レッドは、無事」

 

 突然降り注いだ自身の下半身すら見えなくなる程の濃霧の中、ケルシー先生は自身の味方の居場所と安否を確認すべく声を上げる。レッドからの返答は直ぐに来た。だが、mon3tr特有の鳴き声が聞こえない。

 

「レッド、視覚を頼るな。私の匂いを辿ってついて来てくれ」

「わかった」

「よし……………さて、この霧はクラウンスレイヤーのアーツ……いや違う、この霧は上から降ってきた。兎も角、mon3trを呼び戻さなくては」

 

 ケルシー先生とmon3trは精神的に繋がっている為、おおよその位置を把握する事が出来る。mon3trはまだ死んでいないし、すぐ目の前にいる事もケルシーはわかっていた。だがこの状況だ。ケルシー先生の声に反応しないのも相まって、相当異常な事が起こっていると確信しながら、彼女はmon3trがいる方向へ少しずつ歩いて向かう。

 

 一歩、そしてまた一歩と歩き、おそらく直ぐ近くまでやって来たケルシー先生は、もう一度呼び掛ける。

 

「mon3tr、無事なら返事をしろ!」

『(苦しむ様な鳴き声)』

「そこか!」

 

 鳴き声が聞こえた方向へ霧を払いながら進んでいく。そして見つけた。黒い歪な影を見つけた。

 

「mon3tr!」

 

 見つけた。

 

「―――」

 

 目玉が覗いていた。

 

 何かを見つけた。

 

 体を見つけた。

 

 その巨体を見つけた。

 

 紫の歪を見つけた。

 

 この世ならざるものを見つけた。

 

 押し潰されたmon3trを見つけた。

 

 モンスターが彼女を覗いていた。




ドーモ、ホモ=サン。失速気味な走者デス。

取り敢えずさ、ケルシー先生って話長いですね(イベント読みながら)長いですね(6章読み返しながら)長いですねぇ!(小説書きながら)
と言う理由で、少しばかりセリフをカットしました。全部載せたら文字数が大変な事になるからね、しょうが無いね。

そういや、走者は13日の原神と15日のアクナイ収穫祭と19日のスマブラが待ち遠しです。特にスマブラはやっと好きなキャラが来るのでマジで待ち遠しいです。禁断症状ガガガガガガ。
あとアクナイR-18小説のネタが何故か思い浮かびました。

ではまた次回、サラダバー!


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しじまの向こう

他の方のアクナイ小説を見るとモチベが上がるので初投稿です


 真龍の鬼門に群がりて 大欲非道の慮外者共

 

 立ち去れ 今や此処は鎮護の御廟 現世常世の領域なれば

 

 隠れ住まうは不可視の神仙 無礼が過ぎれば霞隠しぞ

 

 

 

 

 

 虚構から現れたソレは、気絶しているクラウンスレイヤー以外の者を驚愕させるには充分だった。

 最初に脳内処理を終えたのはケルシー先生だ。彼女は改めてその異形を認識し、一歩下がって戦闘態勢をとる。

 

「……mon3tr、今すぐそこから脱出しろ!」

 

 自分がアクションを起こしても何もせず、mon3trを踏みつけながらこちらを見つめ続ける異形。何もしないならこっちから仕掛けさせてもらう…と、ケルシー先生は銃型の注射器を取り出し素早く白のカートリッジを入れ、自身の首筋へ撃ち込んだ。

 

 その瞬間、異形の前足に潰されていたmon3trが咆哮し、音を立てて肥大化した2本の腕をその足へ突き刺す。

 突然の攻撃にたじろいだのか、その異形は少しその足を浮かせた。その一瞬の隙間をmon3trは滑る様に抜け出す。

 

「よし、いい子だ」

『(苛立つ様な鳴き声)』

「落ち着けmon3tr」

『(低く唸る)』

「レッド、私から絶対に離れるなよ」

「っ……うん。レッド、離れない」

 

 仲間の安否を確認しながら、ケルシー先生は目の前の異形を少しばかり観察する。異形の姿は、カメレオンに翼をくっつけた様な外見をしており、表面が紫色、裏側と角の尖端が白色に染まっている。そして見たこと無い程の巨大さ。全長20mはあるだろうその巨体は、ケルシーが知っている原生生物の中に存在しなかった。

 

 その時、異形が遂に動き出した。レッドがナイフを構え、mon3trが威嚇する中、その異形は体を前後に揺らしながらゆっくりと、まるでロボットの様に彼女らへ向かって歩き出す。

 そして3歩程進んだ時だった。さっきまでの静けさを思わせない程の速さで体をくねらせたのだ。これにはケルシー先生達も驚愕の表情を隠せない。

 

 体をくねらせた異形はいつの間にか横を向いており、口を開く。その視線の先には、気絶したクラウンスレイヤーが。

 

「――まさか?!mon3tr!奴を止めろ!」

『(咆哮)』

 

 mon3trが異形の顔めがけて突進する。だが、それよりも圧倒的に速い速度で、異形の口から伸びた舌がクラウンスレイヤーを絡め取り……

 

 クランスレイヤーの体は、異形の口の中へと消えていった。

 

「クソっ!」

 

 ケルシー先生が悪態をつく。その直後、mon3trが異形の横顔に攻撃を加え、レッドが素早くその喉元をナイフで斬り裂いた。

 

「ダメ。コイツ、刃が通らない」

 

 素早い身のこなしでケルシー先生の元へ迷いなく戻ってくる一人と一体。レッドは異形を斬り裂いたナイフをケルシー先生へ見せながら、そんな事を言った。

 確かにナイフには血が一滴もついておらず、逆に刃が欠けている。ケルシー先生の表情が更に巌しくなった。

 

「一体どうすれば………待て、奴は何処に――くぅっ?!」

 

 少し目を離した瞬間、その異形が跡形も無く消えていた。そして困惑するケルシー先生達に風圧が襲いかかる。風圧が止む頃には、周囲の霧が少し晴れ、異形の存在を完全に見失ってしまった。

 

 流石に3回目となると慣れたのか、ケルシー先生は直ぐに異形がどうなったのかを考え、自分が想像した結論に顔を青くする。

 

「私の目の前から一瞬で姿を消したのが透明化出来るからだとして、あの風圧……翼を動かしたのか?だとしたら不味いな。あんなモノが他の者に見られたら、ロドスやレユニオン、龍門すらも大混乱になりかない」

 

 mon3trを収め、ケルシー先生とレッドは元の道へ引き返す。どうにかしてあの異形を見つけなければ、今の龍門がどうなるかわかったもんじゃない。それに、敵とはいえクラウンスレイヤーを助けなければとも思っていた。彼女は見た目と言動に印象されがちだが、結構優しい。

 

 だが、彼女らの行動は杞憂だった。何故なら数分後、彼女達の目の前に体を立たせた異形が突然現れ、押しつぶそうとして来たのだから。

 

 

 

 

 

 さて、ここは霧の領域の外側近く。そこに可愛らしいクランタ族の少女が物陰でガクブル震えていました。そうですターボ師匠です。

 

 方舟の車庫からトラック型ドローンを盗んで龍門にやって来たターボ師匠達。

 何故か義体を運んだドローンよりも圧倒的に短い時間で着いたのは一先ず置いとくとして………荷台から降りたターボ師匠は、助手席に粘液塗れで突き刺さっていた人物を尻目にミヅハの後をついていく。

 

 そう言えば、とターボ師匠は目の前の少年?少女?は何なのだろう?と今更純粋に疑問を持った。

 確かイモータルがラインせーめん(生命)から女の子を連れ出す時について来たとかなんとか。それから今まで隠れたり出て来たり、保育施設に良く居座ってたり、自分と一緒にチェルノボーグへコッソリ着いて行ったり……

 アレ?とターボ師匠は思った。チェルノボーグの時以外ミヅハとそんなに関わって無くね?と。

 

 じゃあどうして……と思った時、ふと周りの景色を見て気がついた。

 

「……ねぇミヅハ、もしかしてターボ達迷っちゃった?」

「………ハハッ☆」

「知らないの?!」(なんとなく言葉がわかる)

 

 いつの間にか霧に包まれたスラム街の一角にいたターボ師匠達。

 すると、ミヅハは突然隅にある物陰を指さした。

 

「ハハッ☆」

「……え?あそこに隠れる?ミヅハはどうするの?」

「ハハッ☆」

「エェェ?!ミヅハだけで探しに行くの?!ターボ一人で待つの?!ヤダヤダ!ターボ一人じゃ怖い!ターボもミヅハに着いて行く!」

「ハハッ☆」

「わわぁぁー!!!ミヅハが消えちゃったー!!!」

 

 我儘を言うターボ師匠に向かって親指を立てながら姿を消すミヅハ。そして残されたのは、悲鳴を上げるターボ師匠だけだった。

 

 と言うのが、数分前の事。

 

 そんなこんなで、キチッと言う事を聞いて物陰に隠れていたターボ師匠。そして彼女に近づく謎の存在が……

 

『ハハッ☆』

「ミ゛ツ゛ハ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!」

 

 どうやらミヅハだった様だ。その姿を見て安心したターボ師匠は物陰から飛び出して抱きつこうとし……スッと避けられた。。

 

「ヒデブッ?!……なんで離れるの?!あとなんか平べったくない?」

『ハハッ☆』

「イヤでも、平べった」

『ハハッ☆』

「平べっ」

『ハハッ☆』

 

 どうやらターボ師匠の気の所為らしい。気の所為ならしょうが無い。ほら周り霧があるし。霧は五感を鈍らせるらしいし(鈍らせません)

 

「うぅ……わかった、ターボ大人しくする……で、あの人は見つかったの?」

 

 ターボ師匠がそう聞いた瞬間、すぐ後ろでベチャベチャッと汚い音が響いた。

 突然の事でビクゥッと震えたターボは、恐る恐る振り返る。

 

 そこには、ベトベトな状態で泡吹いて目を回しているクラウンスレイヤーが倒れていた。

 

「ギャァァァァァァァ?!?!!?死んでるぅぅぅ?!?!」

『生キテルヨ』

 

 そりゃ後ろに突然ベトベトな人間が落ちてきたら叫ぶ。誰だって叫ぶ。イモータルだって叫びながらパーツ毎に綺麗に自壊する。

 

 後コイツ今喋らなかった?

 

「えぇ?!これっ……エェ?!」

 

 慌てた口調でクラウンスレイヤーとミヅハを交互に見るターボ師匠。それを数十秒行った後、おもむろに近づくと、ベトベトを気持ち悪がりながらクラウンスレイヤーを背負ったのだ。

 どう見てもターボ師匠のがちっちゃいのに、それを軽々担ぐ光景は、ちょっと価値観がバグるだろう。まぁターボ師匠も騎士競技の経験があるし、普通やな!(輝騎士を見ながら)

 

「じゃ、一緒に帰ろう!ミヅハ!」

『ハハッ☆』

「エェ?!嫌なの?!」

 

 なんか否定されまくってる事にガーンとなるターボ師匠。

 

「でも、一人じゃ危ないよ。一緒に帰ろう?」

『………』

「ねぇ、なんで何も言わないの?」

『…………』

「ねぇっ!―――」

 

 その瞬間、物凄い風圧がターボ師匠を襲った。

 突然の事にターボ師匠は困惑しながらも、倒れない様に踏ん張る。踏ん張り続ける。そんな彼女を虐めるように、風は更に強くなる。

 

 

 

 いつの間にか風は止んでいた。ターボ師匠は恐る恐る目を開けると、そこにミヅハは居らず、周りは不自然な程に静まり返っていた。

 

 ターボ師匠は、ここで初めてミヅハと言う存在に形容し難い何かを感じた。恐怖では無い。だがこれは恐怖に近しい物……禍々しい、毒々しい、薄気味悪い……不気味。兎に角それだけが頭の中にに湧いて出る。

 

 そんな思考から逃れるべく、彼女は息を大きく吸って……

 

「―――ミヅハのバァァァカ!!!もう知らないもん!ターボ一人で帰るッ!」

 

 そう言って、もと来た道を…そこだけ不自然に霧が晴れた道を真っ直ぐに駆けた。

 

 その光景を見る者がいた。到底人とは思えぬ巨大な異形。ただじっと、小さくなる逃亡騎士を見えなくなるまで見つめている。

 

 霞龍は、しじまの向こうから見つめている。




…………読者がこの文章を見て楽しんでいてくれているのかわからなくて怖い今日この頃。

更新スペースと文章力は下がりつつあるけど、ちゃんと完結させるから!最後まで見て!(懇願)見ろ!(豹変)

ケルシー先生とのじゃれ合いはもしかしたらテンポの都合上省く可能性が高いです。まぁ頑張って書いてみますが。あとターボ師匠これであってる?大丈夫?正直スッゴイ不安なんだけど(殴

ではまた次回、サラダバー!


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局部壊死 四

念願のデストレッツァとおま○けで濁心を手に入れたので初投稿です。

うぉぉぉぉデストレッツァ!デストレッツァ!(歓喜のデストレッツァ)


 スラム街のとある区画にて。

 

「皆さん落ち着いて!大丈夫ですからー!」

 

 そうスラム民に呼びかけながら、ゴーグルとバンダナで顔を隠したペッローのオジサンは何が大丈夫なんだよクソっと心の中で愚痴る。

 

 この戦いに巻き込まれたなんの罪も無いスラム街の感染者達。それらに方舟のオペレーター達は、自身の乗る舟に避難を呼びかけたりしている。

 そしてその返答に応じる感染者は、本来気絶させたレユニオンを運ぶドローンで方舟まで送っている訳だが、勿論それに頑なに応じ無いスラム民もいた。まぁ、別にそこは気にしていない。無理矢理すんなよとホモが言ってたし。

 

 今問題となっているのは、ここに留まっているスラム民の数だ。

 

「幾らなんでも多すぎるってモンだろ……あ?」

 

 ため息を吐きながらそう呟いていたペッロー君は、近づいてくる血の匂いを嗅ぎ取り、その方向を睨みながら痛覚残留槍を構える。

 

「またアンタらかよ!しつこいな!」

「……逃走中の感染者群、第十五区の廃ビルで発見。数は多量、計五十人近く。完了所要時間、六分以内……行動開始」

「クソったれィ!」

 

 一瞬の間に目の前へと移動した影衛の攻撃を槍の柄で防ぎ、勢い良く弾き返す。そしてそのまま素早く一回転しながら勢いをつけて薙ぎ払った。

 

「何っ?!」

「さぁ、お引取り願おうか!」

 

 ペッローのオジサンは一気に影衛へ距離を詰めると、高速で乱れ突き、そしていきなり突きからモーションを変え、器用に槍を振り回し、アクロバティックな動きで体術も混ぜながら連撃を加える。

 

「障害発生、完了所要時間、六分から八分へと――」

「ボソボソ言ってる隙なんざ無ぇぞオラァ!!」

 

 青く光る槍の尖端が影衛の腹に深々とぶっ刺さり、ダイレクトに痛みを感じて苦しそうな声を上げる。だが、怯むばかりかペッローのオジサンの首へと刃を振るったのだ。中々タフである。

 ペッローのオジサンは驚きながらそれを咄嗟に避けるが、その隙をつかれて距離を離されてしまった。

 

「クソっ………一時…撤退。複数、での対応を……推奨」

「おう、帰れ帰れ」

 

 顔が隠れてわからないが、きっと凄い表情で睨みながら、影衛はスラム街の奥へと姿を消し………弾丸の様に吹き飛ばされながら戻ってきた。ペッローのオジサンは二度見した。

 

「………嘘だろ」

 

 ペッローのオジサン、絶句である。

 そして、吹き飛んで来た方向から近づいてくる足音と不思議な匂い。それを発する主はペッローのオジサンの前で止まり、クイッと帽子を上げながら顔を見せた。

 

「……よう」

「知ってたよスパラディの旦那」

 

 その正体は片方の手に痛覚残留ブレードを持ち、背中に鉄塊を背負ったアビサルハンター、スパラディである。まぁみんな知ってたでしょ。

 

「今までどこ行ってたんだお前?」

「あぁ………イモータルに少し仕事を頼まれてな。つかお前誰だ」

「なる程―って失礼な奴だなお前!ミスカトニックだよ!」

「そうか、憶えとこう。それで、その仕事をやってたらビルの上からデカい瓦礫が落ちてきてな、それを偶然通りかかった金髪グラサンバーテンダーと一緒に吹き飛ばした」

「わかったもういい。お前がなんかやってたって事だけで充分だから情報量を増やさないでくれ!」

 

 取り敢えずそこに転がっていた影衛を丁寧に縛り、道の隅に転がすスパラディ。

 

「取り敢えず、このスラムの奴らの避難を手伝ってくれねぇか?コイツ等の人数もそうだが……今の龍門はさっきの黒ずくめと源石のゴーレムが蔓延ってっからな。お前がいると心強過ぎる」

「了解した。同行しよう」

 

 スパラディが返事をした瞬間、霧がかかっているスラム街の方向から不気味な鳴き声が木霊する。

 

「…今のは……」

「急ぐぞ」

「お、おう………ソイツはどうするんだ?」

「………別の裏路地で石塗れになった黒ずくめの死体があったな」

「……あぁ、持っていくのね」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 一方、霧に包まれたスラム街の一角では、巨大な異形が暴れまわっていた。

 

 その異形は頭を振り回し、周りの建物を破壊しながら突進する。ケルシー先生達はそれらを回避し、突然ピタッと停止しキョロキョロと首を動かす異形、オオナズチへ後ろから攻撃を仕掛けた。

 だが、その攻撃が届く前にオオナズチの尻尾が独りでに持ち上がると、地面が砕ける程の勢いで叩きつけられる。それで生じた風圧によってレッドは後退させられてしまう。

 mon3trは風圧を跳ね返し、その隙だらけに見える尻尾に喰いつくが、突然暴れだしたオオナズチによって、地面や建物に身体を叩きつけられる。そのオオナズチは暴れながら身体を透明化させ……また次の瞬間には背後から姿を現したかと思うと、ケルシー先生とレッドめがけて口から毒液を大量に吐き出す。

 

「っ……コイツ、嫌い」

「同感だ……mon3tr、戻って来い」

『(唸り声)』

 

 レッドとケルシー先生は吐き出された毒液を回避し、地面に付着した毒液から大きく距離をとる。理由は簡単、その毒液は少し経つと気化し、空気中にしばらく漂うからだ。

 

 ケルシー先生は自身の隣まで戻って来たmon3trに薬液を浴びせる。すると傷ついていた甲殻がビキビキと音を立て、瞬く間に再生した。

 そして次に黄色のカートリッジを注射器にセットし、自身の首に注射する。

 

「指令、構造強化」

『(咆哮)』

 

 その瞬間、mon3trの体からバキゴキと、さっきよりも大きな音が響く。そしてソレを聞きながら喜々とした咆哮を上げたmon3trは、オオナズチへ真正面から突進する。オオナズチも体を大きく動かしながら突進し、二匹は激突する。

 

『―――?!』

『(バカにする様な鳴き声)』

 

 なんとmon3trはその圧倒的な体格差がありながら、なんと全長20m近くあるオオナズチの突進を止めやがったのだ。オオナズチは、まるで驚いたかの様に目を見開く。

 その隙にアーツで身体強化したレッドが死角からオオナズチへと迫り、背中へと喰らいついた。

 

「お前、上は見えない。がら空き」

 

 そう呟きながら処刑の構えを取り、次の瞬間、常人には到底見切れないであろう速度でオオナズチの背中を斬り刻み始める。

 

「……硬い。でも、斬り殺す」

 

 オオナズチは直様目の前のmon3trを弾き飛ばすと、背中のオオカミを振り下ろすべく激しく動き回る。ジェットコースターに乗ってると錯覚する程にグネグネと動き回ったかと思うと、透明化し、またもや激しく動き回り、レッドの五感を狂わせようとする。それでもレッドは落ちる事無く、死ぬ気で背中に張り付き続けた。

 

 そしてケルシー先生は白いカートリッジを注射器にセットし、首筋へ注射する。

 

「指令、戦術連携」

 

 mon3trの上腕が両方とも音を立てて肥大化する。そして喜々としてオオナズチへ向かい、頭へと張り付くと、肥大化した両腕を目玉へ突き立てた。

 

『(嬉しそうな鳴き声)』

『―――!―――!!!』

 

 流石に目は急所であったか、オオナズチは大きく仰け反った。そしてオオナズチは頭に張り付いたmon3trへ毒液の塊を吐き出し、毒霧を浴びせ、更には透明化しながら頭を地面や壁に叩きつける。

 が、mon3trは離すどころか更に目の奥に腕を食い込ませる。例えダメージを受けたとしても、ケルシー先生が回復させる為、無意味と化している。

 

「……悪いが、お前をここで逃がす訳には行かない。お前が一体何なのか、どうしてここに現れたのか……どうしてクラウンスレイヤーを喰い殺したのかを知りたかったが……何時までも時間をかける暇は無いのでな」

 

 一瞬だけ暗い表情をしたケルシー先生が、ポケットから赤いカートリッジを取り出し、注射器へと………

 

『(悲鳴)』

「なっ――?!」

 

 ケルシー先生の目には信じがたい光景が写っていた。先程まで優勢だったmon3trの体に何かが貫通している。ソレは、オオナズチの口から伸びているものだ。

 

 ソレはオオナズチの舌である。異形の持つ長い舌が、あのmon3trの甲殻を貫通したのだ。

 

 更にオオナズチは素早く舌を引き戻して後退すると、頭と舌を認識しづらい程高速で振り回す。それと同時にオオナズチの背中から赤い物体が、横、上、下、横、とボールの様にバウンドしながら建物の壁へ打ち付けられる。

 赤い物体がぶつけられた壁には、気を失ったレッドが血を流していた。

 

「っ――!?」

 

 一度mon3trを戻そうとしたケルシー先生。が、またもや高速で伸びてきた舌が赤いカートリッジを掠め盗り、なんとそのまま飲み込んでしまった。

 

 更に、その赤いカートリッジ……メルトダウンを飲み込んだオオナズチに変化が起きる。角や脚先等の一部が赤色に染まり、全身から黄緑色の煙が吹き出す。

 

「……どうやら、私は認識を間違っていた。お前は"生物"と言う括りに入れていい者では無い―――」

 

 ようやく、ケルシー先生は目の前の異形が生き物では無い事を理解した。ただ特別な薬品を飲んだだけで特異な変質をし、今さっきまでの攻撃を何もありませんでしたとでも言いたげに佇むその異形。思えば、この異形はただ怯んだりするだけであった。この紫の異形から一滴でも赤い液体が零れ落ちた事があっただろうか?

 それに、この異形はケルシー先生のカートリッジを盗んだ。あの2回のカートリッジを使用したのを見ただけで、それが厄介な物だと理解出来る程の知能を持つと言う事。

 

 そんな強大な相手だ。しかもこちらの攻撃はメルトダウン以外決定打が存在しない。そしてそのメルトダウンも、脅威だと理解され警戒されていると来た。

 

「……私達は始めから、勝ち目など無かったと……ソレをお前は理解しているのだろうな」

 

 拳を握りしめながらそう呟くケルシー先生。

 そんな彼女を見ながらオオナズチはコキュっと首を捻ると、ピンク色に変色した翼膜を大きく広げる。そして………

 

 

 

 

 

『襲撃』

 

 赤き彗星が襲撃した。




因みに濁心は10連チケットで来ました(聞いてない)

次回はちゃんと話を進ませます。早くチェルノボーグ行かなきゃ(使命感)

ではまた次回、サラダバー!


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局部壊死 五

初投稿です。


【齣rU⑦La・SoウヰうnO8……うN,菅ku困ル.困利杉扌胃Ni穴Ga空クyOオレ。あtTa羅DaKレ℃毛】

 

 龍門の都市の地下に張り巡らされている連絡通路の一角。そこで交戦している龍門近衛局とファウストが率いるレユニオン部隊との間に、その影が壁の中から現れた。

 何やらノイズ塗れの音声を発しながら現れたソレは、レユニオン部隊に背を向ける様に佇む。

 

【八ァ、君タtIレユニオンノ亊ハD一夕Be―Suデ診たヨ。決沫モ用崘見た。天り二も河愛怱だったNOで,1:7力ラ君たちwo救助する】

 

 その影はノイズ混じりで上手く聞き取れなかったが、最後の方だけ……レユニオンの誰もが言えず、周りの誰もが言わなかった言葉を簡単に言ったのを、その場の全員が聞き取れた。近衛局は何時でも撃てるように、射撃態勢をとる。

 

「チ、チェン隊長。レユニオンの新手と思われる奴が……」

「あぁ……見えている」

「何カッコつけてんのよ。遂に目も悪くなったワケ?」

「静かにしろスワイヤー………今は本当にな」

「わかってるわよ。あんなノイズ人間、見るからに危険じゃないの」

 

 チェン隊長とスワイヤーの目に写っているのは、ノイズだった。その空間だけ隔絶されたかの様に、そのノイズは近衛局とレユニオンを分断している。

 

 そして、そのノイズはファウスト達にも見えていた。ただ一つ違う点を上げれば、辛うじて人型に見えている事だろう。ノイズ混じりに見える、チェルノボーグでタルラと互角の戦いを繰り広げ、それから今まで自分達の仲間を何人も屠った黒コート。その背中に描かれた特徴的な模様のハートマークを見たファウストは、混乱した頭で、辛うじてこう答えた。

 

「……あんたは、何なんだ?」

【―――アサシン︙︙…斗でも読ンでクレメンス】

 

 さっきよりも聞き取れる程綺麗になった音声で少しズレた回答をした人形は、両手にそれぞれ白と黒の球体を生成し、白い方を天井の奥へ打ち上げる。ソレを見たチェン隊長は直ぐに攻撃命令を下した。ソレを合図にノイズに向かってアーツやボウガンの矢が飛んでいき………黒い球体に全て吸い込まれる。

 

「怯むな!攻撃を続けろ!」

「ダメ!矢もアーツも、アレに届いて無いわ!」

【コード280、疑似縮小空間異常ヲ起動………悪い七近衛局の皆々様。殺人鬼な彼らだガ死なれるのは私の目指す願いに反4てしまうんだⅣ。それにメフィストファウストはまだ子供だ。死と言う大きな絶望を味わうのは大人になってからがいいだ⑥う】

「奴らを庇うと言う事は、お前もレユニオンの一員とみなしていいと言う事だな!」

【まぁ落ち着けって隊長さん。人ってのは絶望を積み重ねて大人になる訳だが、大きな絶望は子供を殺してしまう。みんな勘違いしがちだが……朝起きたら抜け毛が増えてたとか、お気に入りのカンフー女優が芸能界から引退したとか。そう言う小さな絶望でも、人は大人になれるんだゾ】

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 霧の中からこんにちはするRTA、もう始まってる?!

 前回はターボ師匠を探そうと霧の中へ入った所でしたね。あれから見つかったのかって?見つかってないんだなぁコレが!(虚勢)やべぇよやべぇよ(本音)

 

 ホントにどこ行ったんですかねェあのツインターボ!オイコルァ!出てこいっつってんの。こっちはオペレーターが一人でも死んだら盛大にガバってメガトンコインするの。わかる?この罪の重さ。逃げるなツインターボ!逃げるなぁ!(彼女は逃げウマです)大人しくしてたらトウカイテイオーの義足を戦闘用の物に改造してやるぞー!

 

 これでも出て来ないヌルか………ん?アレはケルシコ先生ではありませんか。なんでこんな所に突っ立ってるんですかね?あっ(奥で蠢く影を見て察し)

 

 垂れた白衣とほぼ裸エプロンなワンピースの隙間から見える背筋がセクシー!エロいッ!(唐突にY談を叫びながら襲撃)

 

「くっ―――コレは?!」

 

 ドーモ、ケルシー=サン。イムホテップ・イモータルデス。あ、彗速走行型は初めて見せましたね。どうですこの姿。いいフォルムでしょう?余裕の造形だ、元ネタの造形が違いますよ!

 そんな事よりアナタ大丈夫です?怪我無い?ベホマズンする?

 

「それは感謝するが……何故君がここにいるのか疑問だ。君はこんな所に居て良い存在では無い筈だろう」

 

 私より先ず自分を優先してくれってソレ一番言われてるから。あ、そこに転がっているレッドちゃんを優しく治療しましょうよ先輩。ツー訳で治療ドローンカモンヌ。あ、レッドそっちまで運びますねー(少女を優しく抱える不審者ホモ)mon3trは……やっぱこのブラックでメタリックなフォルムが最高ッすねー。取り敢えず重いので引きずりましょう。

 

「…………」

 

 そんな顔すんなってなー頼むよー。ケルシー先生がなんでこんな所にいるのとか詮索しないからさー。

 

「君は本当に―――」

 

 おっとストップ、それ以上は(話が長くなってタイムロスするので)言わなくても大丈夫だ、問題無い。今はそんな話をしている時ではありませんので。あっそうだ(唐突)クラウンスレイヤーネキはどうされました?

 

「っ……彼女は―――」

 

 おぉん、コレは嫌な予kア゛イ゛エ゛エ゛ェ゛ェ゛ェ゛!!?!?!ファッウーン(心停止)

 

 ………ハッ?!川の向こうでダークライが手を振ってた……つか、オオナズチまだ生きとったんかワレェ?!今までめっちゃ静かにしてたからやったか?!って思っちまったよチクショウ!というかいきなり拘束演出出すの止めてくれますかねぇ?!ビックリして心臓止まったゾ。

 取り敢えずQTEが来る筈なんで、ソレを一発成功させて脱出を……来なァァァい!!!どうしてだよ?!オオナズチお前ッ…私の預かり知らぬ所で勝手に現れた分際でタイムロスとはいい度胸だな覚悟しろよ〜?あっ止めて振り回さないで!怒ナノ?すっごい怒ナノ?

 

 えっちょっ、なんで翼広げてるんです?アー困ります!困りますお客様!私を口に含んだまま逃げようとするのは困ります!逃げるな卑怯者!逃げるなァ!ケルシー先生もう少しで治療ドローンがそこに来るからレッドの治療一人でやっといてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!

 

 あークソッ!こうなったらしょうが無い。ここにターボ師匠は多分いないでしょうし、今から透過強襲型に意識を切り替えましょう。多分地下で近衛局とドンパッチ(大統領)してるので、身構えながらヘシンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………アレー?おかしいねー空が見えるよー?空が見えるのぉ?!ここはどこ?私は誰?私はRTA走者…。

 

「…………」

 

 なんでメフィストファウスト達がいるのぉぉぉぉ?!あらすっごいボロボロ。メフィスト君なんか気絶してるじゃないですか。治療ドローンいる?

 

「………必要ない」

 

 あらそう………ところで、どう言う事でしょうねコレ?まさか自動操縦モードで近衛局の部隊を撒いてメフィストファウストを死なさずに地下から脱出したって事?!ウッソだろお前、そうはならんやろ(現実逃避)なっとるやろがい!

 確かに特殊兵装義体の行動パターンは使い回しでは無く私のプレイを参考に組み込んでいますが、それでも決まった動きで動き回るだけで発声機能を使う事も出来無い筈なんですけど………

 

 ヨシ!(現実エスケープ)取り敢えず目の前の人達に私の中(意味深)に来るかどうかだけ聞いときましょう。

 

「?……行くと言ったが?」

 

 おぉん………ママエアロ!(風属性移動魔法)じゃあ今からこの体が指定した場所まで案内してくれるので、大人しくついて行って下さい。OK?

 

「……………」

 

 OK!首を縦に振ったなー?私見たからなー?

 

 ふぅ…………予想外、予想外?の短縮ですが、まぁいいでしょう。さっきガバしてましたし、乱数が調整された感じやろ。さて、じゃあ次は未だ動いてすら無かった試作義体に移りまして。

 しもしもー?エレキ君聞こえるー?

 

《「なんだ突然?今事情聴取中だ、話しかけんなっての」》

 

 事情聴取?何故にそんな面倒な事を。

 

《「面倒ってなお前………ハァ、スラム街の地下で残りのレユニオン達が集まって防衛戦を展開してる。多分ここから逃げる為なんだろうな。俺たちはそこに向かう途中で、スノーデビル小隊とやらの隊員を数人無力化したの。で、今レユニオンを指揮してるのは誰なのか、何処にいるのかを聞こうとしてるワケだよ」》

 

 ハッハーん、なる程なる程ロリロリローリロリ。それで全員口が硬くて手こずってるって感じですな?

 

《「あぁそうだよ。悪かったな」》

 

 いえいえ………所でエレキ君、今君の周りにロドスはいますか?

 

《「いや、少し前から別行動をしているが」》

 

 え、マジ?!………ウッふぅ、驚かせんなよ(ガチの心配)まぁいないなら丁度いいですね。今座標を送ったので、そこに向かって全速前進DA☆

 

《「………オイ、これもしかしてさぁ」》

 

 ハイ!フロストノヴァがいる場所です。君たちは今からロドスに内緒でそこまで向かって下さい。改良した大型ナノフレークで探知しているので正確性は保証しましょう。あと3種類のドローンを数機向かわせます。あ、それと今事情聴取してるスノーデビル小隊の隊員は気絶させてから運ばせて下さいねー。

 

《「なっ、待てコr―――」》

 

 さて、レユニオン……正確にはスノーデビル小隊が防衛戦を始めたと言う事はそろそろ大締めです。今の所は順調ですが……バカな影衛とあのメスガキのゴーレムが不確定要素過ぎます。影衛は狂撃制圧型に任せるとして……メスガキ潰すかぁ。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

【………ゐヤ惡いね、凸然㌿態呀キ茶ッ扌………ガピッ………ゲフンゲフン、失礼。だがまぁ、ファウスト君の判断は正しい。つか割と早く頷いてくれてビックリだよオレ】

「勘違いしないでくれ。ここにいる全員、まだあんたらを信用した訳じゃない。現にさっき殺されかけた」

【いやアレは………スンマセン。だが君は聡明だ。この戦いは負け戦だといち早く理解し、タルラがタルラでは無く、チェルノボーグすらも危険な場所だと判断している。そして今も、チェルノボーグでは無く、感染者の差別も無く、龍門から逃れられる最良物件の誘いに乗ってくれた。だから約束しよう。私は変わらないと】

「………あんたは――」

【ん?】

「あんたは違うだろう。さっきの言葉で確信した。さっきのあんたと今のあんたは違う奴だ。そしてさっきの………いや、()オレ(あんた)を知らない。そうだろう?」

【…………】

「だから俺はあんたを信用しないんだよ。なにせ自分の話をしないんだからな」

【スッゲー、マジで賢いわお前。いいよ、安全な所に移動してから話してやる。つっても、オレはイムホテップ・イモータルの思考パターンのデータから産まれた、としか言えないんだがね】




また次回、サラダバー!


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局部壊死 六

美味いッ!(カレー焼き食べながら初投稿です)


 最初に目にしたのは、雑に拘束された小さな腕だった。腕に巻き付く錆びた鉄の骨組みと、手首を貫通している大きな螺子。

 産まれて初めて出た声は、痛さに耐える為に喉が枯れるまで絞り出された叫び声だった。

 

 産まれて初めてと言っても、私には両親の記憶なんてない。気がついたら手首に螺子を貫通させただけの手錠をされ、ボロ布の様な服を着た私がいた。

 

 ただ、何も無い私が持っていたモノが…記憶が一つ。名前も、顔も、性別も、周囲の環境も、何もかもが私と正反対で、眩しい笑顔を浮かべながら車に跳ね飛ばされ最期を迎えたその男は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紛れも無い僕の記憶だ(・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 新型お披露目会をするRTAはーじまーるよー!

 前回が何なのか説明する暇は無ぇ!さっさと行くぞオルルァン!!!

 

 源石ゴーレムを発見したら直ぐ様殲滅!粉砕!玉砕!大喝采!あー楽しィ!やべェよ!!(アクセロリ)ついでに影衛君も対処しときましょう。あ、丁度いましたね。

 撃つな………私はホモ、龍門は狙われている。

 

「………」

「………」

「攻撃開始」

 

 撃つなって。

 

 あ、そうだ(唐突)掃討ついでにこの試作機のスペックについて軽く説明をば。

 運動能力は量産型義体よりも高く設定されていますが、少々出力が不安定なのが否めません。おそらく源石エンジンの出力向上と内部武装の多さによるものでしょうが、まぁコレは後でハイゼンさん達がなんとかしてくれる事でしょう。

 

 そして武装に関してですが、内部武装が特殊兵装義体の4体よりも多いのが特徴です。

 先ず手のひらにプロトタイプが使っていた痛覚残留ブレードの刀身を出す装置があります。因みに刀身を短くして空中に設置し、時間差で発射させる中距離攻撃も出来ますが、せいぜいオマケ程度や。また、痛覚残留ブレードだけでなく着弾時に拡大してしばらく滞留するスパークボムや、相手からの攻撃を一度だけ無効化するスパークウォールを張ることも出来ます。ついでにスタンガンみたいな事も出来ますねぇ!

 そして胴体にはリフレガ発生装置と視点転移装置があります。視点転移装置は三次元狙撃型の次元空間歪曲装置の下位互換ですね。視線の先数十mにワープします。リフレガ発生装置は……最強の守り!以上!

 勿論ALケーブルも接続出来るゾ。

 

 後は外付けの武器ですが、この背中に背負っている長い金属製トランクです。横の長さが義体の身長並みにあり、幅も国語辞典2冊並みにあり、更には持ち手部分が異様に長くて真ん中では無く片方に寄ってる………もうわかりますね?つまりそう言う事です。

 

 因みにですが、義体の装甲であるコートの色は白色です。試作機だからね、しょうが無いね。

 

 お、説明している内に三体程ゴーレムを叩き壊しましたね。オッス龍門のみなさま〜!(銀河大彗星)こんな場所で死に急いでないで、シェルターに帰ろう!(提案)

 

 やっぱり人助けは最高やな!ズルズルして気持ちが良い!この瞬間が一番生を実感する!エル君がスパロボに呼ばれた時並みに最高です。さぁみんなもエル君並の声量で人助け最高と叫ぶのです。

 

 おや?あ、アレは……!親方ァ!人助けを享受する声に釣られて出て来たゴーレムにメスガキが!

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 チェルノボーグに生まれて来た私は、ずっと良いように使われて来た。痛い思いをした。辛い事をさせられた。腹を蹴られ、吐瀉物を吐く所を嘲笑われた。身も心も犯された。

 

 そんな時に私はずっと僕の記憶を見ていた。両親と楽しそうに会話して、友達と遊んで、毎日が楽しそうで………私が惨めに感じた。どうして?と、上下に揺さぶられながら考える。きっと僕の様な暮らしをすれば人生が楽しくなるのに、どうして私の周りは僕とは違うの?僕の真似をすれば、私は幸せになる筈なのに。これじゃあ実践出来ないよ………。

 

 そんな時だった。ある時に見た僕は何時もの様に笑っていた。笑いながら両親だったものを見ていた。嗤いながら友人だったものを見ていた。

 そんな僕が初めて、私に手を差し伸べてくれた。何時もの様な笑顔で差し伸べられた赤色の手を、私は躊躇無く掴んで―――

 

 

 

 

 

 あったよ、私が出来る楽しい事

 

 

 

 

 

 あぁ!楽しい!今が楽しい!凄い楽しい!やっぱり、やっぱり人を嬲り殺すのは凄く楽しい!怯えられると心が踊る!怨嗟の眼差しを向けられると笑みが浮かぶ!

 もう感染者とか非感染者とかどうでもいい!私と同じだよと言った人も沢山いたけど関係ない!私が見つけた唯一の楽しみ、私が出来る唯一の愉しみ!チェルノボーグの憲兵達がどうして私を使って楽しんでいたかわかったよ!だって楽しいもん!

 

 壊すのが楽しい!殺すのが愉しい!これを知らない人は、楽しくないと思う人は絶対損してる。特に私と同じ死んで生まれ変わった人達は本当に損してる!だって日本では出来なかった事が簡単に出来るんだよ?この見窄らしい世界は人殺しで溢れてるんだから、何回やっても大丈夫だよ!きっと楽しい!あぁ楽しい!愉しい楽しい愉しい楽しい愉しい樂しい愉しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい樂しい!!!

 

『楽しいなぁ!』

 

 そうだよね!楽しいよね!人殺しは楽しい事なんだよ!ねぇ、君も一緒に分かち合おう?この気持ちを声に出して享受しよう!

 

 いくよ?せぇの―――

 

『人助けサイコー!!!』

 

 …………は?

 

『やっぱり人助けは最高やな!ズルズルして気持ちが良い!この瞬間が一番生を実感する!』

 

 どうして?

 

『なんたって人助けをしたら感謝されるんだ。人からありがたがられる。これって凄く気持ちがいい事だぜ?なんたって褒められて嬉しいと感じるのは人類共通の思考回路だからね。子供とかまさにそうだ』

 

 どうして………

 

『とまぁ、こう言ってみたものの、実は自分に感謝してもらいたいが為に人を助けると言う事は偽善と取られやすいのよね。でも別に気にしなぁい!何故なら、被災地に折り鶴送るとか、応援メッセージを書こうとかじゃ無く、私達の救助活動によって助かっている命が確かに存在するから!』

 

 どうして………!

 

『でも、さっきお前の様なイレギュラーのせいでみんな死んだってツッコまれたのよね〜。まぁ恨みをぶつけるだけのお前より正しい事してるからって一蹴したけども』

 

 どうして!

 

『まさにやらない善よりやる偽善ならぬ、やらない善よりやる救助活動………救助活動って偽善の定義に収まらなくね?まぁいいか、なんせそこら辺の傍観しかしねぇ奴とか、人殺しバカよりかよっぽどいい事してるからな!ガハハッ!』

 

 どうしてお前はッ!

 

「人形の分際で、私より楽しそうにしてんじゃねぇよこのゴミ野郎がッ!」

『楽しいモンは楽しいんだからしゃーないやろJK』




伏線は8話から貼っておりました。

それではまた次回、サラダバー!


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局部壊死 七

危機契約と消えたノッブヘッドに挟まれていたので初投稿です


「………なぁアンタら、大人しく退いてくれないか」

 

 あのポンコツに指示された場所へと向かった俺達。そこにはまぁ、案の定と言うか、さっき相対したスノーデビル小隊とやらが多数待ち構えていた。

 

 俺は後ろで戦闘態勢を取った仲間達に静止を促し、一歩前へ出る。

 

「俺がお前らにそう言ったら、お前らは応じてくれるのか?」

「………」

「そういう事だ。まぁお前らが良ければだが、親玉がいる所に連れてってくれないか?スノーデビル小隊さんよ」

「ッテメェ!」

「待て」

「ですが!」

「……まぁ落ち着けよ。俺達はお前らレユニオンを皆殺しにしようとか思っちゃいねぇからな?」

 

 つっても、こっちもこっちで無力化の為に武力行使したのは事実だ。信じられねぇってのも無理はねぇ。でもコイツらわりかし話わかる奴らだし、穏便に済ませられねぇかなぁ………

 

「悪いな方舟。俺達は姐さんを守らなきゃなんねぇんだ。例えお前らでも譲らねぇ。この先に行きたいってんなら押し通りな」

 

 …………ハァァァァァァァァ(クソデカ溜息)

 

「何かしら組織に属する感染者ってのは、ロドスの奴ら然り、お前ら然りさぁ……どうしてこうも頑固なんだよ」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

『ヘイ嬢ちゃん!その黒いので龍門をランデブーしながらお話ししない?』

 

 そう発声した直後に飛んできた源石塊をスパークウォールで防ぐと、試作義体は乾いた嗤い声を発声しながら少女を見上げる。

 

『おっと悪い悪い!お前が義務教育を受けていない事を考慮しとくべきだったわガハハッ!』

「―――」

 

 その一言によって少女の顔がヤバいくらい殺気に満ちたものに変わったのだが、このホモはどうやら気づいて……いや、そうなるとわかっていながら発声した可能性が高い。多分今のホモに顔があれば満面の笑みをしている事であろう。

 

 対して少女は、馬鹿にされた事は理解したようだ。まぁ割とキレやすい女みたいだし、仕方ないね。赤の他人である自分の記憶が価値観そのものである少女にとって、ソレを否定する目の前のホモは存在するだけで彼女を不快にさせているのもプラスでだ。

 

 少女は源石ゴーレムの肩から近くの瓦礫の山に降りると、少女らしからぬ形相でホモを睨みつける。

 

「バーサーカー!あいつを殺してッ!」

『■■■■■!!!!』

 

 少女の命令に反応した源石ゴーレムは金属が擦れる様な咆哮を上げると、その巨体に似合わぬ速度でホモへと接近する。

 

『……アッ、やっべぇ』

 

 対してそんなホモは悠長に片腕に表示されているスパークウォールのエネルギーチャージ中の文字を見て焦った様な音声を発すると、初めて背中に背負っていたトランクをまるで剣を扱うかの様に構え、高速で繰り出される源石ゴーレムの殴打を真正面から受け止めた。

 物凄い音が響き渡ると共に、彼の足は地面を砕きながら斜め下へと沈み、衝撃はホモの後ろの地面と建物を吹き飛ばす。が、3m近くある源石ゴーレムの拳を真正面から受けたにも関わらず、ほぼ動くことなく防ぎ切ったホモは流石人に非ずと言った所か。

 

 すると、ゴーレムの腕がバキバキと音を立てて変形し、複数の細い腕を生成した。そしてその腕がバキッと曲がりホモの頭と上半身をガッチリと抑え込む。

 

『ちょっ――』

『■■■■■!!!』

 

 これにはホモもビックリである。

 咆哮を上げたゴーレムは、振り返りざまにホモを掴んだ腕を振り上げ、小さなクレーターが出来るレベルの力で勢い良く叩きつけた。それも複数回。

 そして何回か叩きつけた後に地面に擦りつけながら半回転し、その勢いを乗せてホモを投げ飛ばす。超スピード?!で飛翔するホモは複数の建物を突き破り、10を超えた辺りでやっと建物に激突した。

 

 更に追い打ちと言わんばかりに跳躍したゴーレムがその建物ごと拳でブチ破り、巨大なクレーターを作った。親方!空からゴーレムが!とかそんな事を言ってる暇は無い。と言うか美少女が降ってきて欲しいです(切実)

 

 少しすると、建物の崩壊によって発生した煙の中から何かが飛び出した。ホモである。が、続いてゴーレムも煙から飛び出し、直ぐにホモに追いつく。

 

 そしてその拳で地面へホモを叩きつけようとした瞬間、巨大なトランクであろうことか拳をいなされ、そのトランクによる殴打で少女のいる方向へと逆に吹き飛ばされた。

 

「嘘っ?!」

 

 飛来してくるゴーレムを見て驚愕した少女の付近へゴーレムが着弾し、少しして離れた所にホモが着地する。それと同時に跳ね起きたゴーレムが接近し、腕を無骨な大剣の様に変形させて振り下ろした。ホモもまたソレをトランクで防ぐ。

 

『ンンンン素晴らしい!まさかとは思うが自律してる上に学習までしてんのかこの石野郎?!』

「チッ!やっちゃえ!バーサーカー!」

『■■■■■!!!』

『させぬゾ』

 

 そう発声すると、ホモは攻撃を防いだ状態でトランクの持ち手部分を押し込んだ。

 

『キャストオフ』

《CAST OFF》

「ッ!駄目!離れてッ!」

 

 その瞬間、電子音と共にトランクの表面にラインが走り、それぞれのパーツがガシャっと出っ張った。

 その光景を見た少女はゴーレムに命令をする。そしてゴーレムが離れ、少女の前で防御態勢を取ろうとしたと同時に、トランクの表面が2000km/hの速度でパージし、ゴーレムの表面装甲を大きく砕いた。

 

「一体何なの?!」

『何なのと聞かれたら、答えてあげるのが世の情け……つってもまぁ、剣を鞘から出しただけじゃが』

「ハァ?!アンタ頭イカれてんじゃないの?!アレの何処が鞘から出したって言うのよ!」

『頭イカれてんじゃ云々はお前に言われとう無いが?!』

 

 トランクの下から現れたものはホモの言う通り剣だ。ただ、見た目はフィクションに出て来る様なゴテゴテしたものでは無く、かと言って勝利を約束してくれる星の聖剣の様なシンプル故の膨大な神秘性がある訳でも無い。刃の部分が白く、それ以外の殆どが黒塗りになっている、何処からどう見ても長方形にしか見えない大剣だった。柄も峰に埋まってるタイプで、本当にほぼ長方形のThe無骨である。因みに刃の部分は下側だけで無く尖端側にもあり、尖端側はちょっと斜めにはなっているが、些細な事だろう。

 

「調子に乗るなよ人形風情が!私のバーサーカーは負けないんだから!」

『■■■◼!』

 

 また咆哮を上げたゴーレムは地面を蹴ってホモに肉薄すると、大剣の腕を使って逆袈裟斬り…に見せかけた袈裟斬りを仕掛ける。

 

『あ、マジ?負けとか知らないので?』

 

 そんな間抜けた音声を発しながらその攻撃を避けると、身の丈程もある長方形の大剣を片手で軽々と回しながら構え……

 

『じゃあ今日が初負け記念日だ。盛大に祝おうじゃあないか』

 

 大剣の形をした腕ごと、ゴーレムの体を真っ二つに叩き割った。

 

 崩れ落ちるゴーレムを唖然と見つめる少女を前に、義体は半分になったゴーレムの間を一歩踏み出しながら、少女に向かって音声を発する。

 

『なぁに、痛くはしないさ・・・ワタシノ手ヲ・取ルダケデ・イイノデスカラ>』

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 ガァン!……と、凍りついた下層フロアに小気味よい音が一定の間隔で響き渡る。

 

 そして、柱に背を預けて座っているフロストノヴァの視線の先にある非常口の扉が蹴破られ、そこから霜だらけの男が出て来た。

 

「………ロドス…いや、方舟か」

「あぁそうだ……そういうお前はフロストノヴァだな?」

 

 エレキはそう言いながら白い息を吐く。

 

「にしても、幾ら何でも寒過ぎないか?見てみろ、動きづらいったらありゃしない」

 

 彼はフロストノヴァに、自身の凍りついた装備を見せびらかした。ソレを見たフロストノヴァは、彼を見つめながらゆっくりと立ち上がる。

 

「だがお前は、碌な防寒対策も無く一人でここまでやって来たのだろう?大した男だ」

「それ程でもねぇよ。殆どこのアーツ攻撃をある程度防いでくれる服のお陰だ。俺自身は空気の振動で冷気を弾く事しかしてない。見ての通り防ぎきれて無いけどな」

 

 それに、とエレキは服の霜を落としながら言葉を続ける。

 

「最初から最後まで一人じゃないさ。まぁ今はお前の仲間と鍋でも囲んでるだろうが」

 

 その言葉を"そう言う意味"を茶化したものであると解釈したフロストノヴァは、静かにアーツを発動させ、左右に鋭く尖った氷塊を出現させる。

 

「おい待て、せめて話ぐらい聞け」

「聞いてどうする?聞いたとして、お前はソレを証明出来るのか?」

「あぁクッソ……!兎も角!俺は殺りあうつもりはねぇ!」

 

 そう言いながら両手を勢い良く上げるエレキ。そして、あろう事か手に持っていた自身のアーツユニットを勢い良く投げ捨てたのだ。コレにはフロストノヴァも驚いた表情を浮かべる。

 

「これでどうよ?流石に無抵抗の感染者を攻撃するってのはどうかと思うぜ?」

「…………なら何故お前は、私の前に一人で来た。どうしてお前達方舟は、レユニオンの前に立ちはだかる」

「何故も何も、何時も言ってるじゃねぇか」

 

 エレキは白い息を吐いた後、冷たい空気を勢い良く吸い込み、フロストノヴァを見据える。

 

「俺達は、お前らレユニオンを、感染者を助ける為にここにいるんだ」




いよいよ6章クライマックスです。それとお気に入り500を達成しました!こんな文章構成その他ガバガバガバルドンダイマックスな作品を見てくれている読者兄貴姉貴達には感謝感激流星一条です。これからもこのガバガバRTA小説をよろしくお願いします。

では、私はパニシングが広がる世界でヨルハ動かしてきます。また次回!サラダバー!


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局部壊死 八

白猫プロジェクト(最近やってるゲーム)あとプロセカ


「触るなッ!」

『オット……』

 

 少女は自身の手首を貫いていた源石を引き抜くと、その源石を成長させて剣の形にし、ホモの伸ばした腕に斬りつけた。

 ガィンと言う甲高い音と共にホモの腕が跳ね上がるが、手は切断されていない。流石義体、人間の形をした鉄塊、特に咄嗟の防御をする為に装甲が硬い腕部分。逆に源石剣が欠けてしまっている。

 

 だが、その瞬間を使って痩せこけた体にあるまじき跳躍力でホモから距離をとった少女は、空中に源石の剣を2本作り出し、跳ね上がった腕をまじまじと見つめるホモへ投射する。

 そんなホモは視界を少女に移すと、手に持った大剣を適当に回転させ、飛んでくる源石剣を弾き飛ばした。

 

『・・・・・おやおや、おやおやおやおやおやおやおや』

 

 フードの下にある黒いのっぺらぼうが少女を見つめながら機械の様に同じ単語を出力し続ける。そして

 

『止めてくれよ、そういうのは』

「ッ………フフッ、じゃあもっとやってあげる!」

 

 その言葉をどう受け取ったのか知らないが、少女は笑みを浮かべ手を動かす。すると、ホモの後ろからバキバキベキッと異音が響き、ソレに反応したホモが後ろを向いた瞬間、脇腹の装甲が薄い部分に源石大剣が勢い良く突き刺さった。

 

『………』

 

 だが次の瞬間、別方向から来るもう一つの源石剣の方向へグリッと体を捻じり、その回転の勢いを乗せた大剣で叩き割る。それと同時に、後ろにあった源石塊…ゴーレムの拳が直撃し、建物にボッシュートされた。

 

『カーッ!ペッ!超エキサイティングってか?!TSメスガキが調子乗るなよ可愛がるぞ(直喩)』

 

 そう発声したホモは、大剣の持ち手の下に配置されている複数のボタンを人差し指と中指でカチカチと押し始めながら、脇腹に刺さった源石剣を肘で叩き折り、残った部分を引き抜く。因みに叩き折ったのはストレス発散的な理由である。

 

『ンンンソンン!人工筋肉にライン生命のバカの肉を使った甲斐があったぜ』

 

 損傷箇所をピンク色の何かが蠢く様に修復し、漏れ出ていた液体源石の流出が止まったのを見ながら、ホモはそう発声する。

 

『だが過信は禁物だ。損傷による運動能力の低下が無くなったとはいえ、内部構造までは流石に困る。こう言うのは最小限にだ』

 

 これからの自身の行動パターンを確かめる様に呟きながら立ち上がる。そして、ホモを仕留めようと壁を突き破って来たゴーレムに向かって、その"砲門"を向け、すぐさま引き金を引いた。

 

「ッッ〜〜〜〜!!今度は何?!」

 

 ゴーレムが突っ込んで行った瞬間に大爆発した建物を見て、少女はまたもや驚愕する。

 

 そして爆発した建物の中から、大剣……いや、大剣の面影がある大砲を引き摺りながら当たり前の様に五体満足で出て来るホモ。因みにその大砲の形としては、大剣の持ち手の少し上から中折れし、刃にそってパッカーン!と刀身が分かれ、そこから3つの砲門が逆三角形の配置で顔を覗かせている感じである。外見だけ軽く説明するならデカい拳銃、と言っても、デカすぎて大砲にしか見えないのだが。

 

『すっごい煙い!』

「知らないわよ!と言うか、どうやってあの状況からそうなったのよ?!その武器何?!」

『あ、コレ?変形したの。ここのボタンをポチポチッて』

 

 そう発言しながらその大砲を片手で胸の前まで持ち上げ、ホモはカチカチとボタンを押し始める。

 因みにボタンの形状、押した時の感触、効果音、押した時にそのボタンが淡く光るのはホモの趣味です。

 

「やっぱ貴方イカれてる!剣が銃になる訳ないじゃない!」

『おっおっおっ?お前今全世界の狩人と浪漫愛好家の常識を否定したな?許せねぇよなぁ?!この世には言っていい事と悪い事がある様に否定していい事と否定しちゃいけない事があるんだからなぁ?それとお前のせいでポケットに入れてた不吉な鐘を鳴らしてしまいました。変形武器を否定したお前のせいです。あーあ。あとそのイカれてる発言も取り消しな』

「フンッ!嫌に決まってるじゃない。貴方こそ死んじゃえ!」

『え、無理』

「無理じゃ無いわ!バーサーカー!」

『■■■■■■◼◼◼◼◼!!!!』

 

 金属が擦れ合う様な咆哮を上げ、剣状の腕を殺意マシマシな構え方でホモの後ろから姿を表すゴーレム。さっきの砲撃を喰らった筈の体は傷一つ無く、ホモはさっきまで話に夢中で、戦闘態勢も碌に取っていない。その状態での後ろからの攻撃、コレは完全な不意打ちを意味する。

 

 まぁ、このホモが普通の人間ならの話だが。

 

枢機へ還す光(スパラグモス)

 

 その瞬間、下側にある砲門が絢爛と輝きだし、一筋の光、光の刀剣とでも言うべきか。それがゴーレムの振り下ろした片腕と頭部に突き刺さる。そして同時にその部位が解ける様に消失し、ゴーレムはただの源石塊となって地に倒れ伏した。

 

「あ、貴方…貴方は……何をしたの?いつ動いたの?!」

 

 少女は驚愕の表情を浮かべながら、いつの間にか砲門が後ろ斜め上になる様に砲身を肩に乗せたホモに叫ぶ。

 

『そりゃ一回同じネタやられたんだし、警戒するさね。あとコレね、枢機へ還す光(スパラグモス)ってんだけどさ、誰が手に入れたんだろうね?この前(チェルノボーグ事変の少し前)行った璃月の裏市場に平然と置いてあってビックリした思ひ出』

 

 そう発声しながら、ボタンを数回カチカチ鳴らして大砲を肩から下ろすホモ。

 

『それとこの源石を動かすのは諦めてどうぞ。枢機へ還す光(スパラグモス)で焼き切れば再生と言う事象は起きない。故に有機物無機物関係なく、アーツとか種族的なアレで不死身になったとしても例外無く死ぬ』

「ッ……!」

『でも凄いよ、うん。たかが乱数調整程度、どうとでもなるとタカを括ってきた訳だが……やっぱ人間だわ。源石または源石に侵食された生物の操作、そして源石の生成と成長……よくもまぁそんなアーツを手に入れたもんだよ。一応警戒しといた方がいいかね?君たちなぁんか私の知らない所で独自のネットワークを築いてるみたいだし?』

「………?」

 

 大砲を持ったまま両手を横に広げ、ゆっくりと少女に近づくホモ。それに対して少女は、ホモが発声する言葉に困惑の表情を浮かべる。

 

『それともう一つ、純粋に知りたいんだけど……君の種族って何よ?』

「は、はぁ?!ここでいきなり?!」

『うん、だって体はイリヤスフィール完全再現だけども、種族的な特徴見えないし』

「イリ、ヤ?……あぁもう!さっきから煩いのよ!意味わからない事ばっか言って!」

『アルエェ?』

 

 突然叫び出した少女は空中に源石剣を生成すると、ホモへ向かって投射する。まぁホモは困惑の声を発声しながらも普通に避けるが。だが、その源石剣が倒れた源石塊に突き刺さった瞬間……

 

『アバァァァァ?!!?!』

 

 源石塊が大爆発し、思いっきり巻き込まれたホモは地面に向かって勢い良く吹き飛び、犬神家状態になった。

 

『畜生!そこまで予想出来なかったぜハッハァ!流石人間だ!』

「フンッ!そのままずっとそうしてなさい!」

 

 地面から生えた足を言葉に合わせてグネグネ動かすホモを尻目に、少女は駆け出す。

 

『待てよ!私を引き抜いてから逃げろ!』

 

 する訳無いんだよなぁ……

 

『ったくよぉ……え〜っと、リフレガ張ってカチカチバンっと』

 

 ホモの周りに球体の半透明なシールドが展開され、その状態で一緒に埋まった大砲のグリップ部分にあるボタンをカチカチと押し、引き金を引く。ところで大砲のグリップってなんやねん。

 そして砲門から発射された榴弾が炸裂し、その衝撃でホモは犬神家状態からダイナミック離脱した。良いエーシェンツは真似しない様に。幾らオリパシーになり易いと言う致命的な欠点以外無いとは言え、流石に死にます。

 

『フォウ!(人類愛)やっぱ火薬の量間違えたわコレ。ソレにリフレガ使ったから稼働時間が4時間位減ったしよぉ……ママエアロ(王者の風格)それよりあのメスガキは………こっちか』

 

 さらっととんでもない発言をしたホモは、ナノフレークを改良した感染者探知機を使って少女の後を追う。

 因みにさっきホモが言っていた源石の代わりに使われている物の原材料は方舟オペレーターの『Pーーーーーーーー』です。

 

『だがまぁ、アーツ使える奴なら確かに源石で充分だな。現にこの過剰火力気味でもあのゴーレムにまともなダメージが………いや、アレは的が頑丈過ぎるだけか。まぁ元々ドローンの銃器に使う予定だからいっか』

 

 ヌルヌルと建物の間を移動しながら、現状確認を発声する。

 

『にしても、あのメスガキは他の乱数調整と違うっぽいな。龍門市民の中にいた深夜廻の二人のような、ガワと思考回路を被ったタイプとは違うし、かと言ってクエスタやターボ師匠ともまた別と見える……ンンンソンンン!!ちょいと気になるな〜』

 

 そう発声しながら空き家となった一軒家の窓をブチ破って侵入し、そして玄関の扉を蹴り飛ばしながら道路に踊り出る。

 

 そしてゆっくりと横を、横にいるその少女へと顔と砲門を向ける。

 

『まぁイレギュラーなんて良く有るからアレだが、やっぱり気になるんで私ん家来ない?』

「絶対イヤ!」




ホモの持ってる大剣の外見は、三ノ輪銀の斧をもうちょいデカく厚くして穴とか凹みとか全部埋めて四角くした様な感じです。そしてボタンはその持ち手のスペースの底にあります。例えるなら、と言うか元ネタは新エヴァの破で真希波が、Qの最初でアスカがやってる指でボタンをポチポチしてるシーンです。

それではまた次回、サラダバー!


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局部壊死 九

デストレッツァのコーデが来たので初投稿です。


「俺達は、お前らレユニオンを、感染者を助ける為にここにいるんだ」

 

 ………とは言ったものの、どうするべきだコレは。相手は正直言ってこっちを信じてるって感じじゃねぇし、あークッソ!ロドスが来る前にどうにかしてぇ!アイツらの気に入らない所をコイツ、と言うかレユニオンはよく知ってるだろうし、今来られたらコイツが何しでかすかわかったもんじゃ無い。

 

「…………ハァ」

「なッ――なんだよその溜め息」

「……いや、お前達方舟は本当にそれしか言わないなと思ってな」

「別にいいだろ。やってる事は本当なんだし」

「気絶させて誘拐するのが、お前たちの言う助ける事なのか」

「オイ待て言い方!つか、それはレユニオンの行儀が悪いのが問題であってだな!」

「フッ」

「オイ今なんで笑った?!」

「いやなに、血気盛んで戦闘狂と噂されていた鬼族から、まさか行儀などと言う言葉が聞けるとは」

「誰だそんな噂流した奴は!謝れ!全国の優しい鬼族に謝れ!」

「私に言われてもな」

「ッ………それも、そうだわな」

 

 えぇっと??さっきまでの殺伐とした雰囲気は?いやまぁ、これでコイツが心を開く?的なのになればそれでいいんだが………いや、この空気なら行けるくね?よし、ものは試しだ。つか早くしねぇとコイツがどうなってしまうか。

 

「ン゛ンッ!取り敢えずだフロストノヴァ、俺達と来てくれ。ここに居続けたら、アンタは――」

「悪いな」

 

 なっ?!あぐァッ―――!!!!チクショウ!不意打ちで冷気浴びせてッ……来んなや!!クッソ!咄嗟に構えちまったから腕が凍ってめっちゃ――……痛っっっってぇ!

 

「……お前達方舟が良い戦士であるとは思うが、矢張り信頼を置くことは出来ない。お前の言う感染者を助けるという言葉も、はっきり言って信用ならない」

「クッ…ソッ……ぐうぅぅぅぅァァァ――……!!」

 

 痛い痛い痛い痛い痛いぃ!!!ぐっぅッ!クッソ!痛すぎてッッ――あああああああ!!!もう寒い冷たいなんてもんじゃねぇッ!この腕も、膝をつけちまった足も、何もかもが痛すぎる!

 

「チェルノボーグで、お前達方舟と戦った。お前達のその信念は、矢張り偽りだと思わざるを得ない。あのイモータルと呼ばれる男も、方舟そのものも、何もかもが怪し過ぎる」

「ッッ……!それはッ…そう、かもなァッ!」

 

 ハァッ、ハァッ―――ハァ゛ァァァァ!!!………人が黙ってりゃ、好き勝手言いやがってッ!

 ……立てよ俺!絶対に倒れてやらねぇ!

 

「フゥー!………確かに、信じられねぇってのもッ…無理はねぇ。方舟にはバカみてぇにウザい奴もいるし、イモータルは不審者…そのものなのはッ、認めるしかねぇ」

「………ほう」

「方舟の方針だって、惰性でやってる奴もいるかもしれねぇし、偽善者ぶって優越感に浸ってる奴もいるかもしれねぇ!………それでもなッ!」

 

 俺はお前らとは違う。お前らみたいに感染者の為に命を賭ける程の覚悟なんてねぇし、感染者を助ける事だって、方舟の方針に沿ってるだけ…言わばイモータルの思いの受け売りでしか無いと言われたら反論の余地もねぇ。つかあのポンコツ機械に思いなんてあるのか?まぁいいか。

 

 ただ一つ、目の前のウサギ女にはハッキリ言っとかなきゃなぁ!例えこの大地がクソ以下でも、その上に住む俺達は全員が同じなんかじゃねぇ!

 

「少なくとも、今ここにいる俺はッ!お前達を助けたいと心から望んでんだよ阿呆が!」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 なんだか勇ましい男の声が聞こえたので頑張るRTAはーじまーるよー!!!!

 

 ヒャッハー!ロリ狩りじゃあ!捕まえて甘やかせ!

 

「あぁもう!しつこいのよ貴方!」

 

 無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!数多の試走により龍門の地理は3デブの聖杯文字並みに憶えています。だから小道を使って撒こうとしても無駄なんですねぇ!

 

 にしてもすばしっこいですね。この試作型質量無視変形機構搭載大剣『メタルフォモセス』を持ってしても止められぬとは。

 ………まぁ、当たり前なんですけどね初見さん。ここで視聴者の兄貴姉貴達にお知らせで御座います。どうやら私、最初の最初にあれ程気をつけていた6Vガバルドンをやらかしてた事が発覚いたしました。そう、このメスガキ、私が作成したキャラクターでございます。

 

 初見さんの為に簡単に説明しますと、このアークナイツRPGには自身の作成したキャラクターが複数いると、今操作しているキャラクター以外の奴らが当たり前の様に存在する様になります。

 つまりですね……このRTAを始める前に私が遊んでいた334のデータの内の一つ、戦場機動&アーツ特化のMOD無しで某ホムンクルスマスターを再現したキャラクターであり、私は彼女を含めた334のデータを消し忘れていたんです(33−4)

 

 ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!!!!巫山戯るな!巫山戯るな!バカヤロウ!ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!!!!

 

 油断怠慢即ち怠惰!これが自分の首を締めるかぁ……全然興奮しないなぁ(レイプ目)

 (´Д`)ハァ…これではもう駄目みたいですね(諦め)止めたらこのRTA?

 

 

 

 

 

 

 止めませんが?

 

 確かに私はRTA初心者ですが、途中で投げ出すなど言語道断。百合の間にキモ男を、薔薇の間に女性を挟むが如き所業。絶対に許されません。故に走ります。

 ソレにガバだけではありません。少なくともこの龍門の戦いにおいて、龍門市民の中にいた作成キャラクター達がタイムの短縮に手伝ってくれましたしね。

 

 そう言う訳ですので、あの幼女をなんとしても仕留めて連れて帰ります。あ、そっちじゃ無くてこっちの道ですよー。

 

「チィッ!」

 

 HAHAHA!我ながら素晴らしいメスガキに育ってくれたものですね!外見クリソツなのに言動が荒々しい!だがもう遅い!脱出不可能よ!その先にはチェンチェン率いる近衛局がいる!

 

「ッ!?………アハッ」

 

 ファ〜ハハハハ!!!さぁチェン隊長!そのロリを捕まえてしまえー!(ピピピピピピ)

 

「イモータル?!今まで何処にいた!?」

 

 ノーコメ!それより質問いいです?なぁんで寄生レユニオン兵と戦闘中なのー?!あっこら!その少女無視しちゃ駄目です!早くそのメスガキって速ッ?!メスガキがゴキブリみたいな速度で近衛局隊員の間を通り抜けてて草生え…ませんね一瞬で枯れます。寄生兵に近づけたらアカン!

 

「お前、プラザに居た子供か!」

「アハハッ!もう遅いわ!」

 

 ダニィ?!あぁ不味いです凄く不味い。ゴーレムの精製が始まりますねぇ!ここから先はグロ注意です。

 

「奴らの源石を急速に成長させているだと?!クソッ!総員、退避!」

「不味いですチェン隊長!コレは――うbォ?!」

「なんだコイツ?!嫌だ!置いて行かナ゛ァ」

 

 彼女のゴーレムは源石を成長させて作るんですが、その時に周囲の先民達を食べる様に巻き込んで肥大化して行くんですね。

 

「くっ!赤霄、抜刀!」

 

 取り敢えずチェン隊長優先で奴の食事を阻止します。勿論近衛局隊員も出来る限り助けますが、流石に全部は無理です。

 弾を痛覚残留弾から貫通弾にしてと。うわっ、迫りくる源石に突き刺された隊員の中から源石が弾ける様に……ヤダ怖い!アイアンマン…

 

 さて、少し掛かりそうなので軽くメタルフォモセスの銃形態について説明をば。

 

 持ち手の下についているボタンで砲門と弾を選択出来、榴弾、貫通弾、痛覚残留弾、枢機へ還す光(スパラグモス)を発射出来ます。ま、まだ試作品ですけどね。因みに枢機へ還す光(スパラグモス)は残弾制です。それとこの義体もですが、戦闘データは逐一ハイゼンさん達の元に送られています。今頃義体調整してるんやろなぁ(しみじみ)

 

 お、丁度良く終わりましたね。うわ……凄く、大きいです。ご立派ァ!つかこれ、ガバでは?

 

「アハッ!アッハハハハハハ!!!そう!これよこれ!あぁ、最っ高!私の力で!私のアーツで人が潰れる感覚………幸せ……!」

 

 ヒェッ、怖いなーとづまりスト4。取り敢えずおチェンチェン隊長………。

 

「…………」

 

 ヒェッ

 

「貴様…よくも私の部下を殺ってくれたな!」

「ウフフッ!どう致しまして!」

「イモータルッ!!コイツをここで止める!」

 

 ワカリマシター(^p^)まぁ私も?あのメスガキはウザいと思ってたんですよねー。ほら、自分が優勢になったら調子乗ってますよアイツ。やっちゃいましょうよ(救世主の微笑み)その為のチェンさん、その為の赤霄。

 

「じゃあ纏めて吹き飛ばしてあげる!」

 

 ファッ?!なんだこの高エネルギー反応?!ペロッ、コレはゲロビの構え。では防御態勢を敷きましょう。先ずは各地のオペレーター達と行動してる防御ドローンにシールドを展開させます。戦闘中の場所は複数でドームシールドを形成。あ、スパークウォールの装填が完了してますね。折角充電された所悪いですが、フルパワーで使いましょう。リフレガは余り使いたく無いので、念の為にメタルフォモセスをシールドへ変形っと。

 実はメタルフォモセスの各初回変形は無敵&攻撃判定付きのカッコいいモーションしてくれるので、出来れば避けづらい攻撃が来た時にしたかったのですが、仕方ありません。では近衛局の皆様方!私の後ろへ!

 

「防げるのか?!」

 

 知らん!わからん!さぁ!?まぁ大丈夫でしょう(希望的観測)

 

「クソッ!ここであの子供に殺されたらただじゃ置かないからな!?総員!この男の後ろか、建物の裏へ避難だ!」

「アハッ!やっちゃえ!バーサーカー!」

『■■■■■■◼◼◼◼◼!!!!!』

 

 今です!

 

「ぐぅっ―――!!!」

 

 ヒェッ、なんだこの熱量はたまげたなぁ。直に防いだらその身が耐えられず消滅した一枚絵が出来そう(コナミ感)

 

「このバリアはどこまで持つんだ?!」

 

 正直言ってもうそろそろで寿命です。

 

「なっ――」

 

 まぁこのスパークウォールはどんな攻撃も一度だけ防げるのですが、こう言う持続攻撃にめっぽう弱いんです。

 ですがご安心を!私の後ろにいるあなた達は絶対に守るので。その為のこの盾です。

 

 さぁイきますよ〜イクイク。3・2・1・GO!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッ、フフッ、アハハハハッ!わ〜っはっはっはっは!あの人形、やっといなくなった!やった!」

 

 ………おやおや、笑い声が可愛いですね。

 

「わ〜っはっ――は?」

 

 生きてる^〜!私達生きてる^〜!どうよチェン隊長!どうよ近衛局の皆々様!生きてる事が最も素晴らしいって、はっきりわかんだね。

 それにロリが嬉しそうでホモは嬉しいよ(ノンケは見つかった様だな)嬉しすぎて頭皮を突き破って源石の角が出て来てる事にも気がつかないんですね。

 

「……正直生きている心地がしないのだが…」

 

 それはそう(謎の共感)じゃ、私は先にあのメスガキに立ち向かって来るから。

 

「くっ……お前達、どれだけ生き残った」

「……見ての通り、あの男の後ろに隠れた者以外、応答がありません……全滅です」

「………」

「………」

「付近の小隊に連絡しろ。このエリア付近から速やかに撤退しろとな」

「りょ、了解しました」

「連絡次第、お前たちも撤退するんだ」

「なっ、待って下さい!隊長はどうするんです?!」

「決まっている。あの男と共に、奴を食い止める」

「なら俺達も――」

「コレは命令だ!……いいか、近衛局はここで死ぬのが目的では無い。龍門で起こっているレユニオンの暴動を制圧し、被害を最小限に抑える事だ」

「ッ………」

「もう一度言おう。付近の小隊にこのエリア付近から撤退しろと伝えろ。終わり次第、お前達も撤退だ………二度は言わすなよ」

「………わかり、ました!」

 

 あのー木下ですけどもー!まーだ時間掛かりそうですかねー!?アーイク!イク逝ク!アーイクナイツ(迫真)

 

「さて、随分と勝手が過ぎる様だな。まずその木偶の坊から斬り落とす!」

「ふーん、やれるものならやってみなさいよ」

 

 はい、戦闘スタートです。

 

 と言ってもまぁ、さっきから戦ってんですけどね。で、ある程度行動パターンを掴みました。やっぱりあのメスガキはこのゴーレムを動かしてる間なんもして来ません。自分のアーツ過信し過ぎて草ァ!バカと慢心は高い所がお好きってな。きっと低所恐怖症に違いない。

 

 掴み攻撃は大体大振りなので避ければなんの心配もありません。まぁ心配で言えばサポートとして戦ってるチェン隊長ですが……赤霄のシールサーティーンがディシジョンスタートしてるので大丈夫でしょう。あの状態のチェン隊長はキーブレード墓場のロクサス、狩人の悪夢のヴァルトールみたいな強さしてるのでなんの問題もありません。それとこの赤霄ガチャ、タイムに若干関わる程の要素なんです。つまり旨味ですね。

 後はこの防御力を如何に突破するかですが……

 

「あぁもう!さっきからウロチョロと!薙ぎ払いなさい、バーサーカー!」

『■■■■■◼!!!』

「クソッ!イモータル!」

 

 ファッ?!何だその薙ぎ払いレーザーは?!しかもノックバック強いな?!

 

 流石に3回目のノックバックと言うロスは頂けません。取り敢えずメタルフォモセスを変形させ、ノックバックモーションを中断させます。ヨシ(確認猫)うわっ、割と遠くまで……ガバやめチクリ〜。そして変形させるは蛇腹剣モード。

 ………わーすっごい、すっごい伸びる。しかも自由に動く来ます。あと脳波コントロールも出来る(出来ません)取り敢えずそこら辺の建物の屋根に登って、釣り竿感覚で遠くへシュート!超!エキサイティング!

 

 因みにこの蛇腹剣の刃と刃を繋ぐワイヤー、DAさんが作ってくれましてね。どうやらハシュマルとか言うモビルアーマーの武装の一つを再現したんだとか。合成金属のワイヤーに金属を粘性にするアーツを保存した汎用源石回路を接続した画期的技術らしいです。知らんけど。

 

 お、説明してる間に引っかかりましたね。メスガキは……チッ(投げキッス)んじゃ、ちょっと引き寄せてから、ハンマー投げする時みたいに大回転します。そしてゆっくりと、引っ掛ける様に地面にぶち当てて……それと同時にジャンプ!フォーウ!気持ちー!!!キモティか?キモティだろ?うん、美味しい!

 

「大丈夫かイモータル!」

「ッお前!私のバーサーカーを何処にやった!?」

 

 どーうどうどう。コレを、こう持って、エクス…カリバァァァァァァ!!!!

 

「くっ……!」

「きゃっ!」

 

 ふぅ……(犬吠埼)いいしなり具合です。ま、コレでこの石ころ野郎も少し動けないでしょう。物理法則舐めんな?

 

「クソッ!クソ!クソ!バーサーカー!アイツらを消し飛ばして!」

『■…■■■■◼◼◼!!!』

 

 やっぱ物理法則ゴミだわ(手のひら永久機関)つかまたゲロビ撃とうとしとるやんけ!あーチクセウ、あのゲロビ発射口に枢機へ還す光(スパラグモス)ぶち込めますかね?物は試しです。エイ!………避けるな(真顔)

 

「チッ、ならば私が!」

 

 いや、流石に赤霄チェンでもあのゲロビをたたっ斬るのは………ファッ?!

 

『■■■■……?!』

「なっ、バーサーカー!?」

「今の攻撃は……?」

 

 この破壊力の高い大砲、そして今始まったこの弾幕は……

 

「ガトリング使い難い」

「俺様もいるぞー」

 

 スパラディニキ!スパラディニキじゃあないか!なんでこんな所にいるんですかねぇ?!後君誰やねん。

 

「は?俺達が偶然ターボを拾った時にまた仕事押し付けたろうが。にしてもマジで使い難いな。フィセターはどうやって真っ直ぐ飛ばしてんだか」

「なんでみんな俺様の名前忘れるの?!ミスカトニックだよ?!」

 

 ここでNPCが二人参戦!しかも一人はスパラディ!勝った!勝ったぞ!第三部、完!ミスカトニック君は……うわ、回避性能すっご。

 

「お前達は…イモータルの部下だな?」

「まぁな」

「よろしくだぜ!龍門の隊長さんよ」

 

 よぉしこれで勝つる!スパラディの石槌はどんなものでも砕けますからね。例えどんなに硬くてもイチコロよ。勝ったな風呂入ってくる。

 

「フンッ!たかが石槌で私のバーサーカーが壊れる訳ないじゃない」

「悪いなイモータル。今はルドウイークの聖剣なんだ」

 

 ………なんでや!なんでワイが送った石槌から浮気しとるんや!つかさ、君のHPめっちゃ減ってない?え?まさかガトリングの水銀弾……

 

「煩いなさっさと狩るぞ」

 

 行動が早い!(鱗滝)つか待ってクレメンス。私も混ぜろ(百合の間以下略)

 でも幾らスパラディ君とは言え、あのゴーレムの防御力を超えれるのでしょうか?奴はマド巨像並の耐久性で、私のメタルフォモセスや赤霄抜刀でも比較的面積の薄い腕にやっと入るか位の………なんでその腕を聖剣で叩き割るねん(ドン引き)

 

「貧者血晶だ気にするな」

 

 あっ(察し)

 

「龍門の隊長、俺とコイツらで切れ込みを作る。後は頑張れ」

「……!あぁ、了解した」

「立って、立つのよバーサーカー!!!アイツらを粉々にするの!」

 

 ヒャッハー!総力戦じゃあー!あ、やっとロリが源石剣を生成して飛ばして来ましたね。ですがもう遅いです。ほら見て下さい。再生した側からスパラディ君がルドウイークの聖剣で叩き壊しています。チェン隊長は肩に乗ってるロリを狙いながら機会を伺っていますね。

 ミスカトニック君はどうやらロリの援護攻撃のヘイト役を担ってる様です。あ、そういやミスカトニック君の武器は痛覚残留槍でしたね。

 

 ………じゃあこうしましょう。ミスカトニック君よぉ!

 

「あ?なんだよ?!」

 

 これ上げます。大事に使ってくださいね。槍に変形してっと。

 

「おまっいいのかコレ?!お前の武器だろ?!」

 

 構わん、イけ(DIO並感)

 

「おっしゃあ!じゃあ全力で行くぜ行くぜ行くぜぇぇ!!!」

 

 さて、メタルフォモセスも無くなった事ですし、痛覚残留ブレードの出力を最大にしてちまちま削りましょう。今ホラホラ今ホラホラ今ホラホラ。顔が曇って来てんねぇ!コレは愉悦。

 

「ヤダ!ヤダヤダ嫌だ!バーサーカーァ……!」

『■■■……■■■■◼◼◼!!!』

 

 性懲りも無くゲロビ撃とうとしないで下さい。ミスカトニック君、持ち手の下にある赤のボタンを押してゴーレムの目を狙ってください。

 

「コレか?おぉスゲェ!ジェット噴いたぞ!よぉ〜しへっへっへ………オラァ死ねぇ!ゲイ・ボルグ!」

 

 ご立派ァ!

 

「今だぞ隊長」

「あぁ、わかっているさ!」

 

 お、なんだこの特別ムービー?!

 

「赤霄……絶影!

 

 なんだこのカッコいいトドメ演出はたまげたなぁ………あ、なんかムービー始まった。こんなんスキップだよスキップ。このガバ製造機が最後まで時間引っ張りやがってよぉ、もうお前に構ってる暇は無いんだよなぁ……。

 

 さて、やっとこっちは終わりました。とは言っても、全体のストーリー進行度は勝手に進んでいますし、その速度は試走よりも早く進行しています。まだ大丈夫ですねぇ!後はフロストノヴァの元にいるエレキ君に連絡入れてっと。終わって無かったら今すぐ………

 

 

 

 

 

 

 ん?アレ?地下にいなくね?なんでロドスに向かって移動してんの?つか……フロストノヴァ一緒にいるぅ?!アーミヤ達もいるぅ?!透過強襲型もいるぅ?!何この集まり怖っ!アイアンマン!




フォウ!(人類悪)長くなってすみませんねマジで。次回で局部壊死は終わりです。


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局部壊死 十

 源石ゴーレム戦が始まった同時刻、龍門スラム街にて

 

「で、なんでお前さんがこんな所にと思ったら……」

「何故ここにもデカい車と、お前らがいるんだ?」

「うぐっ……ひっく」

【おぉん………コレには深く無い理由がですね?】

「………」

 

 この状況を軽く説明しておこう。スパラディと合流した小隊はスラム街の感染者非感染者達を連れて合流地点へと向かっていた。その途中でレユニオン幹部を背負いながら影衛に追われてたターボ師匠を発見、無事に確保する。そしてターボ師匠も着けていた機能満載腕時計の地図を頼りに進んでいると、合流地点とだいぶ離れた所にトラック型ドローンを発見し、立て続けにレユニオンを率いた透過強襲型と鉢合わせた訳だ。

 

 そして源石ゴーレムのゲロビが発射され、今に至る。

 

【にしても凄いなスパラディ。団子三兄弟みたいだ】

「話を逸らすな」

【アッハイ】

「まぁいい。お前、ソイツらを避難させるんだろ?この龍門市民達とおバカを頼む」

「ひぐっ……ターボバカじゃないもん……!」

【ん、おかのした】

 

 未だ目を覚まさぬクラウンスレイヤーを背負っているターボ師匠をゆっくり降ろして透過強襲型へと渡す。今度は義体が団子三兄弟だ。

 

「じゃ、早く避難しろよ。またあの攻撃が来るかもしれない」

【お主らはどないするのよ】

「どうするも何も、スラム民を避難させろつったのはお前だろ。コイツと一緒に探し尽くす」

「え?!俺様も?!」

「逃さんが?」

【………あ、そうだ(唐突)折角ならさ、さっきのゲロビ撃ってきた奴破って来てくんない?】

「「……あ?」」

【ほら、ここに丁度いいルド剣が】

 

 そう発声しながら手品の様にポンッとルドウイークの聖剣を出現させた透過強襲型を、スパラディは眉を顰めながら睨みつけた。

 

【なに、コレも人助けの一環って事で。じゃ、オレはこの人たちを連れて先に行っとくゾ。何しろオレもやる事あるんでな!】

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻 龍門下層フロア

 

「巫山戯るなッ!」

「ッ……」

 

 その感情的な声を乗せて射出された槍状の氷塊が、エレキの顔の横スレスレを通り過ぎる。氷塊によって出来た傷口は凍りつき、エレキはそれを確かめる様に触れながら、フロストノヴァを見据えた。

 

「助ける助けると言っておけばどうにかなるとでも?優しくしてやれば大人しくなるとでも?甘く見るなよ方舟!」

 

 フロストノヴァの周囲が、更なる低温へと包まれる。最早アーツによる史上最低気温を軽く超え、生命を拒絶する程の寒さへと変貌していく。

 

「幾らお前達がレユニオンを助けようとも、この戦いは終わらない。何故なら私がいるからだ。戦士の私はまだ一度たりとも敗れてはいない」

「戦…士、だァ……?ハッ!……テメ、ェの…何処が、戦士だッ……コノヤロー……何処からどー見ても重症患者にしか見えねぇなぁー!」

 

 体全体を震わせ、傍からみりゃ痩せ我慢している事がバレバレなエレキは、それでも挑発的な笑顔を無理矢理浮かべながら、フロストノヴァと言う戦士を侮辱する。戦士であると言う事を否定する。

 

 そしてフロストノヴァは、その言葉に反応し瞼をピクリと

動かすと、アーツの詠唱を行い周囲の冷気を掌へ集め始める。

 

「………猶予をやる」

「………猶予?」

「そうだ。今からお前を殺す。だが、方舟は、方舟にいるお前は戦士ではない。だから猶予をやると言ってるんだ」

 

 なんだ、さっきの煽り効いたのかコイツ、とエレキはその表情から読み取ってみる。まぁ彼はそんな人間観察が上手くないので憶測の域だが、3分の1正解と言った所だ。多分さっきの煽り言葉で彼女の兄弟姉妹にも触れてたらこの猶予は無かったかもしれないが。

 

「あァン?お前さっき良い戦士だと思うって……あぁそういう(納得)じゃあなんだ、俺はテメェの言う戦士じゃあねぇから見逃すってのか?」

「勘違いするな。私のアーツにかかれば今すぐお前を殺せる。コレは忠告だ」

「忠告?じゃあアレか、断りゃ俺とお前でどっちが病気でくたばるのか我慢比べしようってか?不謹慎だなオイ!」

「……なんだと?」

「ハッ!まさかテメェのアーツで俺が倒れる事前程で話してたのか?そんなチンケなアーツで俺が倒れる訳ねぇだろ!」

 

 強がりである。一応もう一度説明しておくが、彼の片腕は凍傷を通り越して凍結しており、体の半分程の皮膚も凍りつき始めている。全身産まれたての子鹿みたいに震え、息もまともに出来やしない。そんな状況だ。

 

 なのにこの男は、声も出せない様な状況の中、流暢な言葉でフロストノヴァを煽り続けているのである。

 

「……最後のチャンスだ。逃げなければ殺す」

「悪いが断る」

「ならば戦う意志を見せろ。そして私を打ち倒せ!」

「それも断る」

「ッ!本当に―――」

「だが断るッ!」

 

 自身の声を遮る程の音量にフロストノヴァは気圧され、言葉が詰まる。そして気づく。その大声と口の動きがあっていない事に。彼は途中から、声を出していない事に。

 

「お前……」

「断る、絶対断る確実に断るスッゲー断る。お前から出される条件は殆ど断る。お前の言葉にはお前がいないとだいたい理解したので断る。今さっきそう決めた」

「断る……断るだと?お前は自分が対峙している者がなにか、まだ分かっていないのか?」

「あぁ、全く知らないな。会ったばかりだしな」

 

 その言葉を聞いたフロストノヴァの顔は、最早怒りや困惑を通り越し呆れたものになる。

 

 そして詠唱を紡ぎ、掌に集めた冷気をエレキへ向ける。

 

 

 

 

 

 

 

「ならば、お前の死を持って知れ」

 

 

 

 

 

 

 

 フロストノヴァの手から放たれた吹雪をも凌駕するソレは、一切の躊躇無くエレキを飲み込んだ。冷気の奔流の中はどうなっているのか分からないが、想像する事は容易だろう。

 例え耐久性に信頼のある鬼族であろうと、いともたやすく細胞が凍結し、極低温で粉々に砕け散る。どんな者だろうとまともに喰らえば為す術もないフロストノヴァのアーツ。しかもこれでまだ底が見えないのだ。恐ろしいものである。

 

(奴がどんなアーツを使うのか知らないが、この寒流の前じゃ何も出来ないだろう)

 

 咳する口を抑えながら、心の中でそう呟く。

 

 方舟に信頼など無い。それどころか、気持ち悪い奴らであると、チェルノボーグで対峙した時にフロストノヴァは思った。最初はあの黒コートの男に嫌悪したが、目の前の男との会話でよくわかった。

 この組織はおかしい。兵士では無く、殺意を持たず、闘志に関しては持つ者はいるが目の前の男を含めた殆どが持っておらず、それ故に戦士でも無い。一見ロドスと同じ目標を掲げていながら、その在り方はロドス以上に気味が悪いと思った。

 

 戦士でも無いのなら何なのだと。戦士でも無い癖して、この戦いに身を投じれる理由があると言うのだろうか?

 それにあの覚悟も大概である。フロストノヴァは彼らが戦士では無いとわかったから、煽られたにも関わらず、猶予をあげた。事前に片腕を凍らせて、危機感も抱かせた。散々忠告した。拒絶したつもりだ。

 

 それでも―――

 

「…………」

 

 誰か来た。己のアーツが熱を奪っているのを感じ取ったのだ。きっとロドスの者達だろうとフロストノヴァは予想をつける。

 

「ロドスは少なくとも戦士であった。きっと私と全力で戦うだろう」

 

 まるで自分に言い聞かせているのか、それとも連絡の途絶えた兄弟姉妹達に言ってるのか、彼女自身もわかりやしない。

 

 

 

 そしてフロストノヴァは、未だ音を立てて渦巻く寒流を背に歩き――

 

「………音?」

 

 音とは、簡単に言えば空気や水の振動である。その振動は動くものから発生し、周囲のものに容赦無くぶつかり、またそれが振動を起こす。コレを繰り返した振動が鼓膜を揺らす事で、我々はその音を聞いているのだ。

 そして音とは、動くものとそれはそれは親密な関係だ。赤い糸に結ばれた恋人の様に、なにかが少しでも動けば、音は必ず発生する。勿論、人が息を吸う時にも音は出てるし、フロストノヴァのアーツにも音がある。

 

 美しく綺麗でありながら、容赦無く命を刈り取る音。その音に歪な音が混じる。なんの意味も無い、連続した乱雑な音。それがどんどん大きくなり………

 

「ッまさか?!」

 

 衝撃波として、轟きながら周囲の寒流を吹き飛ばした。

 

「くっ――!!」

「物は試すもんだぜ。なぁフロストノヴァよぉ!」

 

 そこには、数十、もしくは数百もありそうな目に見える程の空気振動に包まれた男がいた。体の表面は殆ど氷に包まれていながら、それでも生気を宿す瞳をフロストノヴァへ向けて、男は立っている。

 

「お前、なんだそれは?私のアーツを……どうやって?」

「………あぁ、気になるよなぁ。いやまぁ、俺そういうの苦手だから上手く説明出来ねぇけどよ」

 

 やや音割れしながらも、そう前置きを奏でるエレキ。

 

「先ずは俺の周りのコレだが……コレはお前のアーツだよ」

「なに?」

「あ、いや、違うな……そう、外からじゃ見えないのだろうが、コレはお前の飛ばした氷塊を跳ね返し続けてるのさ」

「なっ?!」

 

 少し前、フロストノヴァが放った、エレキの頬にかすり傷をつけたあの氷塊。彼はその氷塊を何にも着弾させないよう、自身のアーツで軌道を変え、更には加速させ続けながら自分の周りで跳ね返し続けていたのだ。

 

「俺のアーツは振動を操る。だが今の状況じゃあ音を出すなんて無理ゲー過ぎてな。そこで、お前の投げた氷塊だ。音そのものは小さいが、何回も跳ね返し加速させて弾丸みたいにすれば、空気を切る音を、振動を発生し続ける半永久機関の完成ってなぁ!!」

 

 周囲の空気を振動させ、自身のアーツの説明をするエレキ。最早息をする事しか出来ない程に凍りついているにも関わらず、その顔は余裕に満ちている。

 

「で、お前の寒流をこの大量の振動を使って、一気に押し出したのよ。ま、音はお前に届かない様にしてたし、お前の冷気で視界が白くなって見えなかっただろ。ついでに暖かくなりゃ更にいいんだがなぁ!」

「………」

 

 エレキの話を聞きながら、後ろから来る足音がどんどん近づいて来ていると感じるフロストノヴァ。

 

「でよぉ、お前……俺達の事を戦士じゃねぇとか言ってたが、その答え言ってなかった筈だから言わせて貰うけどよぉ……たりめぇだぜバカが!自殺行為してるそこら辺のレユニオンや、戦士ごっこしてるテメェらスノーデビルを相手取るのに、戦士である理由はねぇんだよ!」

「ッ………お前」

 

 その瞬間、フロストノヴァの顔に怒りが浮かんだのを、エレキは初めて目撃する。

 そして間髪入れず寒流がエレキを飲み込む。それをエレキはさっきの様に振動を何層にも圧縮し、一気に吹き飛ばす。

 

「私の仲間を侮辱するな方舟!」

「ハッ!やっと顔の形変えやがったな白ウサギ!」

 

 フロストノヴァの怒り顔と荒ぶる寒流を前に、エレキは更に煽る様に空気を振動させる。だが、彼の片脚は片腕同様完全に凍結し始め、おでこからは新たに源石結晶が皮膚を突き破って露出し、顔を一筋の赤が染める。

 

 そしてフロストノヴァは無数の氷槍を生成して射出。だがその氷槍がエレキの射程範囲内に入った瞬間、激しい音を立てて粉々になったり、軌道がそれに壁や屋根に突き刺さる。そんな攻撃と受け身をしながら、二人はそのまま会話を続ける。

 

「余り調子に乗るな!お前の様な戦う意志も無い者が、気安く兄弟姉妹を侮辱していい筈が無い!彼らは感染者の為に誇り高き死を選んだ!一人でも多くの同胞を生き永らえさせる為に戦ったのだ!それを――」

「カーッ!何が誇り高き死だよただゴミ山のテッペンに埋もれに行っただけじゃねぇか阿呆が!それでよく同胞云々言えるなエェ?!」

「お前は……!あぁ、何故お前達に対して感染者が辛辣なのか、私がお前達を嫌うのかわかったぞ!」

「あァン?!」

「自分に不都合な感染者を拒絶し、無理矢理従わせる。所詮ウルサスと、そこに住む非感染者となんら変わらない存在だお前達は!」

「あぁそうだなその通りだチクショウ!」

「ッ……?!」

 

 意外な肯定の返事に、フロストノヴァは言葉を詰まらせる。

 

「テメェまさか俺達がその事を自覚してないとか思ってたのか?!レユニオンみたいに自分が何してるのかわからねぇと思ったら大間違いだぜ!!一部の感染者に対してのやり方は、確かにウルサスと似通ってるだろうよ!」

「自覚してるとは、尚更に――ゴホッ!」

「質が悪いってか?確かにな。だがそれでもやるんだよ!助けるんだよ!例えソイツの在り方を否定してでも、ソイツの命が助かって、笑顔を浮かべる未来があるってんなら、俺は遠慮なく否定してやらァ!!!」

「………ならば、ならば否定してみせろ!私のこの闘志を!この魂を!出来るものならばやってみろ!もっとも、お前の様ななんの志もなく、死と共に歩んだ経験も無いお前が――ゴホッ!ゴホッ!……私の怒りを、辛酸と煮えたぎる思いに数十年間も灼かれ続け、それでも鼓動を止めないこの心を知ろうともしないお前が、否定すると言うのならして見せろ!」

「知らん!!」

「知らん?!」

 

 突然の話をぶった斬る様な返事に、フロストノヴァはらしくも無くつい声を上げる。

 

「テメェの怒りだかなんだに興味ねぇよ!否定する事に態々知る必要もねぇだろが!つか好きで否定してる訳じゃねぇよ良心痛めてるっての!」

「ッ……戯言を言うな!」

「戯言じゃねぇよこの野郎!現にここに俺が立っている!テメェらには絶対無い覚悟を持って、お前を助ける為にここに立っている!」

「……私が、彼らが、覚悟を持っていないだと?!侮辱するにも限度があるぞ方舟!私の兄弟姉妹を……助ける助けると喚いておきながら、この元から長くない私を守る為に戦った彼らすら助けなかったお前達が、兄弟達の覚悟を騙るな!」

「なっ、クッソ!」

 

 氷槍の数が増し、弾速が速くなる。遂にはエレキの迎撃を突破し、凍結してない方の肩を半分抉り飛ばす。そしてフロストノヴァの周りには、小さく黒い氷が生成し始めていた。

 

「ただ理想を並べ立てただけで、ただある種の技術を扱うだけで、ただいくつかの部隊を並べ立てただけで、闘志を持たぬお前達が、この醜悪な大地への怒りも持たぬお前達が、死への覚悟すら無いお前達が、私を止められると思ったら大間違いだ!」

「………いいや、違うな。お前達は覚悟を持っちゃいない」

「お前ッ……!」

「だが……あぁ確かに、スノーデビルの奴らは覚悟満載だったぜ。目を見りゃ一発でわかるくらいにな!だからこそ、お前達は、俺達の様な覚悟が無い。俺達の覚悟は、抗えない運命を受け入れる事じゃあ無いんだぜ」

「……なんだと?」

 

 

 

 

 その時だった。

 

「エレキ君!」

 

 フロストノヴァの後ろから、アーミヤ達を連れたドクターが、エレキの名を呼んで駆け出したのは。その声に反応したフロストノヴァが、一瞬後ろを振り返ったのは。

 

 そして、エレキが弾いていたフロストノヴァの氷槍が無数に刺さったパイプや通路が、音を立てて崩れ落ちたのは。

 

 

「フロストノヴァァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 胸が圧迫されて苦しくなった所で、フロストノヴァは何が起きたか理解した。突き飛ばされた、自身の上に倒れているこの男に。名前も知らない、さっきまで言い争っていたこの男に。

 

 男がさっきまで立っていた場所には、小さな氷柱が立っていた。それは凍結した足であり、彼の片脚は膝から下が無くなっていた。態々、凍結した自分の足とアーツの防御壁を捨ててまで、彼女を助けたのだ。

 

「危なかったぜ、まったく」

 

 突然、頭の中に直接語り掛けるかの様に、この男の、エレキの声が聞こえた。だがさっきよりは弱々しく、雑音が混じっている。

 

「何故だ、何故私を……」

「これが……俺達の覚悟だ。お前を絶対に死なせないって覚悟だよ」

 

 フロストノヴァの鼓膜を振動させ、念話の様な事をする。その間、フロストノヴァへ接触しているエレキの体がどんどん凍りついていく。

 

「覚悟は、犠牲の心なんかじゃあ無い。覚悟ってのはな、光だ。この暗黒の大地を照らし、進むべき道を切り開く……それが覚悟だ。決して、死を受け入れる事じゃあ無いんだぜ」

「……それが――」

「皆さん、彼女を取り押さえてください!」

 

 ブレイズらがフロストノヴァとエレキの元へ駆け寄り、グレースロートらの遠距離オペレーターがフロストノヴァの頭へ照準を定める。

 

「今すぐアーツを解除して、動かない事をオススメするよ。少しでも動いたら、アタシは君にこのチェンソーを押し当てなきゃならない」

「………なら、私はお前達全員を一瞬で氷漬けにすればいい訳だ」

「なっ……?!」

「………やめとけ。本当にお前の兄弟が死ぬぞ」

「ッ!?」

「信じれないってんならいいが……ほら、やってきたぜ」

 

 フロストノヴァはエレキが向いている方向を向き、目を見開く。そこには手を拘束され、無理矢理連れて来られたと思われるスノーデビル小隊がいた。厚着を着ているとはいえ、フロストノヴァの強化が無い彼らは小さく体を震わせている。方舟のオペレーターである獣寄りの赤いリーベリ男が炎のアーツを発動していなければ今頃………

 

「あ、姐さん……」

「方舟の皆さん、それは……」

「………矢張りお前達は戦士の風上にも置けない奴らだ」

 

 そう呟くと、フロストノヴァはアーツを停止させる。下層フロアに充満していた冷気が無くなり、凍結していた者が全て溶けた。

 

 その瞬間、オペレーターの数人が素早くフロストノヴァへ近づき、慎重にエレキをフロストノヴァから剥がす。すかさず医療オペレーターが治療を始めようとしたが、そこにアーミヤが待ったをかけた。

 

「私達が下層フロアへ向かう時、地上で未知の大規模攻撃を確認しました。もしかしたら、ここに影響が少なからずあるかもしれません。さっきの崩落もありますし、長居するのは良くないかと」

【あぁその通りだ】

「「「「?!」」」」

 

 突然の第三者の声が響き、その場にいる人間、方舟のオペレーターまでもが驚いた表情で突然現れた黒コートの人形に視線を向けた。

 エレキも朦朧とした意識で、透過強襲型の方を見る。

 

「イモータルさん?!」

【悪いなアーミヤさん、瀕死でヤバい奴がいるんで話は後だ。右腕、座標指定。左腕、空間跳躍。コードB、多人数空間転送】

「こ、コレは?!」

「くっ?!」

「眩しっ!」

 

 透過強襲型を中心に、その場に居た全員が光に包まれる。少しして、全員が瞼を開けると………

 

「……え?」

「ここは……?」

 

 長細い箱の様な空間だった。奥には、色々な感染者、非感染者、レユニオンもいる。それだけで、アーミヤ達を混乱させるのは充分だった。

 

 

 

 

 

 

 

【安心しろ、ここはトラック型ドローンの中さ。取り敢えず、6章攻略お疲れ様だぜみんな】




このフロストノヴァは、チェルノボーグでのドクター会話無し、ホモ都市に対しての疑念マシマシでお送りいたします。そして最近の作者はマジで駄文製造機と成り果てています。無理はしていない筈ですが、BGMもSEも無いアニメの戦闘シーンの様な文しか書けてません。ヤバい(ヤバい)この先、更に更新が遅くなるかもしれないです。まぁ次回は無理矢理プロフィール回ブチ込みますが。





フロストノヴァ


 チェルノボーグでドクターと一緒に瓦礫の下でラブコメしてないし、方舟がシンプルに奇行種なので信頼の欠片もない。と言うか戦闘で勝てる未来が見えない。故にスノーデビル小隊を生かして、フロストノヴァの元へ行く必要があったんですね。ちょっとキャラ崩壊気味でしたごめんなさい。フロストノヴァと敵対して話してる参考資料が公式しか見つかんなかった(言い訳乙)


エレキ

 黄金の精神でも持ってんのかって位しぶとい立ち回りした。途中から音で会話してたし。


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特に意味も無く作ったプロフィール10

新年初投稿がプロフィール回の最近RTAもしてないRTA小説があるらしいっすよ?


【プロフィール】

【レアリティ】星4

【コードネーム】ミスカトニック

【陣営】境界無き方舟

【性別】男

【職業】先鋒

【募集タグ】近距離/COST回復/生存

【戦闘経験】8年

【出身地】クルビア

【誕生日】4月29日

【種族】ペッロー

【身長】178cm

【専門】警備/防衛戦/夜間勤務/槍術

【鉱石病】感染者

 

 

【特性】

敵を2体までブロック

 

 

【入手方法】

人材発掘

公開求人

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された獣臭い先鋒オペレーター。防衛戦などで戦果を出しており、夜間警備にも率先して担当してくれる。また、感染生物などの非人間に対して圧倒的な戦闘能力を発揮している。

色々な事情があって感染してしまい、治療の為にロドスを目指していた所に方舟と遭遇。半ば強制的に方舟に乗せられ、治療された。

 

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】10/12/12

【ブロック】2/2/2

【攻撃速度】やや遅い(1.05s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

   ■□      ■□

 

 

【素質】

咬み殺し

昇進1 【感染生物】【寄生】【海の怪物】をブロックした時物理回避+10%獲得、攻撃した時、攻撃力が115%まで上昇する

昇進2 【感染生物】【寄生】【海の怪物】をブロックした時物理回避+15%獲得、攻撃した時、攻撃力が125%まで上昇する

 

 

【基地スキル】

ボディガード

初期 制御中枢配置時、制御中枢内全員の体力が1時間ごとに+0.05回復

警戒睡眠

昇進2 宿舎休養時、自身の1時間ごとの体力回復量+0.65、宿舎に自身しかいない場合、体力回復量を追加で+0.35

 

 

 

【スキル】

スキル1 突撃命令β  自動回復

            自動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  8   39    

所持コスト+9

 

2  8   38    

所持コスト+9

 

3  8   37    

所持コスト+9

 

4  9   36    

所持コスト+9

 

5  9   35    

所持コスト+9

 

6  9   34    

所持コスト+9

 

7  10   33    

所持コスト+9

 

特化Ⅰ 11  32   

所持コスト+9

 

特化Ⅱ 12  31   

所持コスト+9

 

特化Ⅲ 13  30   

所持コスト+9

 

 

スキル2 番犬の意地  自動回復

            手動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   40    10

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避20%

回避発動する度にコスト+2

 

2  0   40    10

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避23%

回避発動する度にコスト+2

 

3  0   40    10

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避26%

回避発動する度にコスト+2

 

4  10   38    10

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避30%

回避発動する度にコスト+2

 

5  10   38    10

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避33%

回避発動する度にコスト+2

 

6  10   38    10

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避36%

回避発動する度にコスト+2

 

7  15   35    15

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避40%

回避発動する度にコスト+2

 

特化Ⅰ 15  30   16

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避45%

回避発動する度にコスト+2

 

特化Ⅱ 15  30   17

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避50%

回避発動する度にコスト+2

 

特化Ⅲ 15  30   18

攻撃間隔短縮、ブロック数+1、物理回避60%

回避発動する度にコスト+2

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】ミスカトニック

【性別】男

【戦闘経験】8年

【出身地】クルビア

【誕生日】4月29日

【種族】ペッロー

【身長】178cm

【鉱石病感染状況】感染者

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】標準

 

【戦場機動】優秀

 

【生理的耐性】優秀

 

【戦術立案】標準

 

【戦闘技術】優秀

 

【アーツ適正】普通

 

 

【個人経歴】

感染者保護組織『境界無き方舟』から派遣された獣臭い先鋒オペレーター。防衛戦などで戦果を出しており、夜間警備にも率先して担当してくれる。また、感染生物などの非人間に対して圧倒的な戦闘能力を発揮している。

色々な事情があって感染してしまい、治療の為にロドスを目指していた所に方舟と遭遇。半ば強制的に方舟に乗せられ、治療された。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められる。

以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

 

【源石融合率】3%

適切な治療により、病態は安定している

 

 

 

【血液中源石密度】0.18u/L

早い段階で治療を受け始め、本人の身体能力も優れているため、現段階では病状に悪化の見込みはない。定期的に治療を受ければ、身体にさほど負担がかかることもないだろう。

 

 

【第一資料】

境界無き方舟の先鋒オペレーターの一人。

元クルビアの警察官であったが今はもう退役しており、都市部から離れた小さな町で自堕落な生活をしていた。

だが彼の警察官時代は少なくとも彼にとって栄光の時代であるらしく、あの時の小さな思い出はいつも持ち歩いていると言う。

 

 

【第二資料】

組織に所属している、または傭兵などの戦闘を目的とした生き方をしている感染者はアーツを使用する。レユニオンの様な自身の寿命を代償としたアーツユニット無しのアーツ行使や、我々ロドスオペレーターの様にアーツユニットの補助ありきのアーツ行使など様々だ。だが、彼の経歴には警察官時代の時ですらアーツを行使した記録は存在しない。

コレは異例な事である。何故なら我々先民の戦いとは少なからずアーツがあるからだ。矢を遠くへ飛ばすのも、刃で鎧を切り裂くのも、銃や爆弾に至るまでアーツを使う。

それを使わずして、一体どんな戦闘方法を取っているのか。先ずはその圧倒的な機動力である。警察官時代の記録より退化しているものの、並のオペレーターの数倍の機動力を誇っており、耐久戦闘を想定した訓練では見事複数人の猛攻から指定時間まで生き残った。

また戦闘技術も優秀であり、アーツ強化も施されていない槍で重装オペレーターを無力化すると言う離技も披露した。この様に、警察官だったとしても不自然すぎる程に戦闘慣れしたオペレーターなのである。

そして彼の最大の特徴は、人で無い存在と敵対した場合に発揮される身体能力の大幅な向上にある。その向上量は異常の一言につき、戦闘データを見る限りロドスの誇るエリートオペレーターをも凌駕している可能性がある。が、上記の通りエリートオペレーター相手では身体能力の大幅な向上は発生しない為、憶測の域を出ないものだ。

 

 

【第三資料】

オペレータージャッキーの父親とは同じ出身地であり、同じ警察官だった事もあって、ジャッキー本人と良く話をしている所を見かけるオペレーターが増えている。会話内容も矢張りジャッキーの父親の事が主であり、片方が良い所を上げればもう片方が片方の知らない話を上げてマウントを取ったりしている。これ程までにジャッキーと父親トークを続けられるとは思いもしなかった。

それと同時に、ジャッキーの父親がどれ程素晴らしい人間だったかも再確認出来た。彼の人格はその父親の影響を受けていたのか、感染者と非感染者の差別問題には表面上無感心である様に見せつつ、差別現場に居合わせたり、感染者が殺されそうになったら是が非でも助けに向かう。勿論、命令に反しない範囲でだ。もしその範囲を超えたとしても戻って来れば問題無い精神もある。

自身の価値観を決定づける程の警察官、その同期である彼が警察官時代を栄光と語るのは、最早必然的な事なのだろう。

 

 

【第四資料】

さて、これ程書いておきながら実を言うと、コレだけ鮮明な記録があるにも関わらず、彼には感染する直前から、方舟に乗るまでの記録が不自然な程に存在していない。まるでそこの部分だけポッカリくり抜かれたみたいに空白なのだ。

彼自身の記憶にも、同じくその部分だけが空白になっており、思い出す兆候すら見当たらない。提供元である方舟が何らかの悪さをした可能性も示唆されたが、ケルシー、ドクター、アーミヤ、以下オペレーター複数人による見学と、方舟自身からの技術提供から、その可能性は無くなった。

 

【権限記録】

 

文字通り、全ての手を使って捜査し、その上で方舟に情報の隠蔽工作は無かったと追記しておく。

 

 

【昇進記録】

別になんて事は無い。ただそれは、何も特別な事では無い様にやってくる。私達が食事をする様に、子供が遊ぶ様に、医者が患者を助ける様に、非感染者が感染者を嘲る様に、ただ、今日も当たり前の様に仕事をしただけに過ぎない。

夜のパトロール中、クルビアのとある学校に不法侵入しようとしていた不審者を取り締まった。たったそれだけの事で、彼は一度世界を救い、その呪いで感染者になっただけだ。それは同時に、この大地はどうしようも無く終わっていると裏付けた事に他ならない。

 

 

【ボイス】

 

【秘書任命】よぉドクター!俺様に手伝いをご所望か?

 

【会話1】お前、いっっつも仕事してんなぁ。確かに大事ってのはわかるぜ?すげーわかる。でもなぁ、そんなにキビキビ仕事してっとハゲるぞ?

 

【会話2】なに?最近耳が遠くて全然聞こえねぇなぁー……なぁドクター、お前さん声がちぃせぇんだよ。お前はロドスのお偉いさんなんだろ?ならもっとデッカイ声出すんだよ。他所の奴らと飯食いに行く時とか、その方が示しがつく。

 

【会話3】いっちちち……クソー!あの猫女め!ちっとは手加減ってもんを……アン?なんだお前さん。俺様を心配してんのか?なぁにどぉって事はねぇよ。ただの訓練だ。ま、次は絶対にヤり返すがな!

 

【昇進後会話1】やっぱお前さんら、製薬会社って言う割には武装組織要素マシマシだよな!なぁに安心しろ、イメージと違うってのはもう沢山経験してる。なんとも思わねぇよ。

 

【昇進後会話2】ここまで信頼されてから言うのも何だが……アーミヤとケルシーだったか?俺様、アイツら割と苦手なんだよなぁ。アーミヤは若さ故の言動って言うかよぉ……なんか突っ走り気味っつうか……まぁなんだ、いざという時はお前さんの出番だぞ。

 

【信頼上昇後会話1】……アン?俺様が何をしてんのか気になるって?ただの手紙だよ手紙。昔の友人にちょいとな。多分お前さんも知ってんだろ。なんせ、ソイツの娘がオペレーターになってんだからな。そうそう、ジャッキーだったか。あ?一人称が私になってる?勝手に見んなコラ!

 

【信頼上昇後会話2】いやな、俺様も最初はロドス目指して歩いてたんだが……道に迷っちまってな!流石に地図もねぇ荒野を進むってのは無理があったわガハハッ!まぁ、おかげであの方舟に出会えたし、こうしてロドスにも来れた訳だ……本題の鉱石病は方舟が解決しちまったが……まぁ終わり良ければ全て良しってな!

 

【信頼上昇後会話3】お前さん、声が小さいトコ以外はなかなか頼れるじゃねーか。ホントだっての。指揮は的確だし、何処に誰を配置し、誰にこの敵を任せるかってのがよぉーく分かってやがる。感染者になってから、地味な仕事ばかりやってたからな。やっぱこう言う、誰かを守り、誰かの為に戦うってのは最高だ。なぁドクター。

 

【放置】おードクター寝てる……寝顔すげぇな。

 

【入職会話】よぉドクター。方舟からやって来たミスカトニックだ。何かを守るってのは大得意だぜ。何せ町を守ってたからな!

 

【経験値上昇】ふぁぁぁ……ねっむ。

 

【昇進1】お、昇進か〜!嬉しいねぇ。俺様をまだまだこき使ってくれるんだろ?

 

【昇進2】こりゃたまげた。俺様、お前さんにたいそう気に入られた見てぇだな。そんじゃま、期待に応えねぇとってヤツだ。コレからもよろしく頼むぜドクター。

 

【編成】いっちょやるか!

【隊長任命】隊長?!俺様がか?!

【作戦準備】忘れ物とかねぇだろうな?

【戦闘開始】さぁて行くぜ行くぜ行くぜ!

【選択時1】俺様の出番だな。

【選択時2】準備OKだぜぇ!

【配置1】よっしゃ!ここは任せとけ!

【配置2】誰も通さねぇぞ!

【作戦中1】どうしたどうした?!

【作戦中2】簡単にくたばるかよ!

【作戦中3】こちとら三十路真ん前だぞ舐めんな!

【作戦中4】一気にブチ込むぜ!

【★4で戦闘終了】こりゃ気分がいいぜ!帰ったら酒でも飲むかな!

【★3で戦闘終了】よっしゃ!完璧な作戦だったぜ。

【★2以下戦闘終了】戦闘終了、お疲れちゃん。

【作戦失敗】速く撤退すんだよ!殿ってのは任せときな!

 

【基地配属】例え施設内だろうと、俺様の役目は変わらねぇ

【タッチ1】ぶえっくしょい!!!

【信頼タッチ】なんだ、麻雀でもやるか?

【タイトルコール】アークナイツ

【挨拶】仕事の時間か?ドクター。

 

 

ミスカトニックの印

 

警察学校を卒業した際に撮った集合写真。彼にとっての一番の宝物だ。

 

 

採用契約

 

オペレーターミスカトニック、強大な相手だろうと屈しはしない

いつ如何なる時でも、彼は何かを守る番犬だ




一人目終わり。残り一人です。


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特に意味も無く作ったプロフィール11

アークナイツが2周年なので初投稿です。


【プロフィール】

【レアリティ】星6

【コードネーム】ミヅハ

【陣営】歳

【ロゴ】境界無き方舟

【性別】???

【職業】特殊

【募集タグ】近距離/弱化/生存/火力

【戦闘経験】非公開

【出身地】不明

【誕生日】不明

【種族】非公開

【身長】146cm

【専門】傍観

【鉱石病】感染者

 

 

【特性】

攻撃範囲内の敵全員を同時に攻撃。

物理回避、術回避が50%上昇、敵に狙われにくい

 

 

【入手方法】

限定人材発掘

 

 

【個人経歴】

出自不明、種族不明、何処からやって来たかも、どうやってやって来たかも、どうしてロドスへやって来たのかも、何もかも不明な人物。その言動含め、あらゆる認識を受け付けないこのオペレーターは、今日も何処かに現れる。

 

 

【再配置】遅い(70s)

【COST】19/21/21

【ブロック】0/0/0

【攻撃速度】遅い(3.5s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

 □□□      □□□

 □■□□     □■□□

 □□□      □□□

 

 

【素質】

トリックスター

初期 攻撃時ランダムで次の効果から1つを発動する:一番HPが多い敵に追加で攻撃力5%の確定ダメージを与え、自身のHPを5%回復/ダメージを与えた敵の攻撃力を3秒間−3%、5秒間自身の攻撃力+5%/ダメージを与えた敵の防御力を3秒間−3%、5秒間自身の防御力+5%/ダメージを与えた敵の攻撃速度を3秒間−3%、5秒間自身の攻撃速度+5%

 

昇進1 攻撃時ランダムで次の効果から1つを発動する:一番HPが多い敵に追加で攻撃力8%の確定ダメージを与え、自身のHPを8%回復/ダメージを与えた敵の攻撃力を3秒間−8%、5秒間自身の攻撃力+10%/ダメージを与えた敵の防御力を3秒間−8%、5秒間自身の防御力+10%/ダメージを与えた敵の攻撃速度を3秒間−8%、5秒間自身の攻撃速度+10%

 

昇進2 攻撃時ランダムで次の効果から1つを発動する:一番HPが多い敵に追加で攻撃力10%の確定ダメージを与え、自身のHPを10%回復/ダメージを与えた敵の攻撃力を3秒間−10%、5秒間自身の攻撃力+20%/ダメージを与えた敵の防御力を3秒間−10%、5秒間自身の防御力+20%/ダメージを与えた敵の攻撃速度を3秒間−10%、5秒間自身の攻撃速度+20%

 

 

不可視の神仙

昇進2 配置から30秒後、自身の攻撃範囲に霧を生成する。自身と霧の中にいる味方は迷彩状態になる(撤退すると消滅)

 

 

【基地スキル】

透明化

初期 宿舎

宿舎休養時、自身の1時間ごとの体力回復量+0.7%

舌芸

昇進2 貿易所

貿易所配置時、配置貿易所の高品質な金属オーダーの獲得率が上昇(勤務時間が確率に影響する)、1時間ごとの体力消費量-0.25

 

 

【スキル】

スキル1 エスペイズム 攻撃回復

            自動発動

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   4    

次の通常攻撃時、攻撃力が110%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

2  0   4    

次の通常攻撃時、攻撃力が115%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

3  0   4    

次の通常攻撃時、攻撃力が120%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

4  0   3    

次の通常攻撃時、攻撃力が125%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

5  0   3    

次の通常攻撃時、攻撃力が130%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

6  0   3    

次の通常攻撃時、攻撃力が135%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

7  0   3    

次の通常攻撃時、攻撃力が145%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

特化Ⅰ 0  3   

次の通常攻撃時、攻撃力が155%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

特化Ⅱ 0  3   

次の通常攻撃時、攻撃力が165%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

特化Ⅲ 0  2   

次の通常攻撃時、攻撃力が175%まで上昇し、2回攻撃。第一素質の効果を2つ発動する

 

 

スキル2 霞隠し  パッシブ 

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1     

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−5%、攻撃時、最大1体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

 

2    

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−7%、攻撃時、最大1体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

 

3    

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−9%、攻撃時、最大1体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

 

4     

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−13%、攻撃時、最大2体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

 

5    

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−15%、攻撃時、最大2体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

 

6    

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−17%、攻撃時、最大2体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

 

7    

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−21%、攻撃時、最大3体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

 

特化Ⅰ   

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−24%、攻撃時、最大3体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

 

特化Ⅱ  

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−27%、攻撃時、最大3体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

 

特化Ⅲ    

自身の攻撃範囲内にいる敵の移動速度−30%、攻撃時、最大4体の敵の一部の特殊能力を2秒間無効化

                 

                   □□□

スキル3 劫霞  自動回復     □□□□□

         手動発動     □□■□□

                  □□□□□

Lv 初期SP 必要SP  持続       □□□

1  20   80    30      

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の30%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮(0.5まで)し、効果終了後に攻撃力の130%の確定ダメージを与える

 

2  20   80   30

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の35%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮し、効果終了後に攻撃力の135%の確定ダメージを与える

 

3  20   80   30

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の40%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮し、効果終了後に攻撃力の140%の確定ダメージを与える

 

4  25   75    30

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の45%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮し、効果終了後に攻撃力の150%の確定ダメージを与える

 

5  25   75    30

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の50%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮し、効果終了後に攻撃力の155%の確定ダメージを与える

 

6  25   75    30

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の55%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮し、効果終了後に攻撃力の160%の確定ダメージを与える

 

7  30   70   30  

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の60%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮し、効果終了後に攻撃力の170%の確定ダメージを与える

 

特化Ⅰ 30  65   30

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の65%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮し、効果終了後に攻撃力の180%の確定ダメージを与える

 

特化Ⅱ 30  65   30

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の70%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮し、効果終了後に攻撃力の190%の確定ダメージを与える

 

特化Ⅲ 30  60   30

第二素質の範囲拡大、第二素質の迷彩効果を解除し、攻撃しなくなる。

敵から完全に狙われなくなり、第二素質の範囲内の敵に一秒毎に攻撃力の80%の術ダメージを与え、0.2秒足止めする。

与ダメージ間隔は徐々に短縮し、効果終了後に攻撃力の200%の確定ダメージを与える

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】ミヅハ

【性別】???

【戦闘経験】非公開

【出身地】不明

【誕生日】不明

【種族】非公開

【身長】146cm

【鉱石病感染状況】非感染者に変更

 

 

能力測定

 

 

【物理強度】標準

 

【戦場機動】優秀

 

【生理的耐性】標準

 

【戦術立案】標準

 

【戦闘技術】優秀

 

【アーツ適正】欠落

 

 

【個人経歴】

出自不明、種族不明、何処からやって来たかも、どうやってやって来たかも、どうしてロドスへやって来たのかも、何もかも不明な人物。その言動含め、あらゆる認識を受け付けないこのオペレーターは、今日も何処かに現れる。

 

 

【健康診断】

 

 

造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査の結果においても、鉱石病の兆候が認められない。

以上の結果から、鉱石病非感染者と判定。

 

 

【源石融合率】0%

 

 

【血液中源石密度】0.00u/L

 

え?え?待って待って……え?嘘でしょ?!この検査器はつい先日新調したばかりなんですよ?!……さっきの検査での血液中源石密度が信じられなかったのでこの検査器を使ってみたけど、やっぱりおかしいですよ!血液中に源石の成分は皆無、おまけに源石融合率はさっき測った時よりも明らかに減っています!ちょっと貴方、もう一度――あ、コラ!逃げないで!

――医療オペレーターJ.A.

 

 

【第一資料】

そのオペレーターがいつ、どうやってやって来たか誰も知らない。いつの間にか我々の意識下に存在していたのだ。ロドス内の監視カメラ、索敵系術師、あらゆるセキュリティに引っかかる事無く侵入したのは確かである。何せ、仕事をしているドクターの直ぐ側で見守っていたマンティコアの背後に回り、彼女の首をその尋常じゃ無いほど長い舌で舐めるまで誰も気が付かなかったのだから。

それから彼(性別は不明だが、このプロファイルは彼と呼称する)とロドスオペレーター達の鬼ごっこが始まった訳なのだが、上記の通り我々には彼を認識する事が出来ない為、この鬼ごっこは参加していたオペレーター全員がくたばるまで続いた。

そして廊下にあったシーの部屋へ入っていき、シー本人に無力化された所をニェンが掴んで我々の前に持って来たのが事の顛末である。

 

 

【第二資料】

その体格通りの年齢であれば、彼の無邪気さは年相応のものだろう。彼は言語教育を受けていないのか、明確な言語を話す事が少なく、こちらの言葉に合わせて鳴き声の様な相槌を打つのが殆どだ。だが、彼の言動からは度々知能の高さを窺う事がある。

そんな彼はその無邪気に見える精神性と、我々には理解不能予測不能な言動は子供達の人気を一気に掻っ攫い、彼自身もその事を理解したのか、子供達と戯れている姿が目撃されている。まぁそれも数十秒しか持続しない。少し経てば飽きた彼は姿を消し、一方的なかくれんぼが始まるのだ。かくれんぼと言っても、彼はかくれんぼしてるとも思ってないかもしれないが。

そしてかくれんぼを始めた彼は、手始めにステルス状態のマンティコアの背後にゆっくりと、本人に気づかれる事無く当たり前の様に接近して顔を舐めた後、研究室に侵入して毒性の薬物を摘み食いする。たまにケルシー医師の背中を舐めると、後は決まってシーの部屋へ侵入し、数分後に墨で簀巻きにされて廊下にポイ捨てされているのだ。彼はロドスで誰よりも自由に…いや、些か自由過ぎな位にはしゃぎ回っている。

………一つ言っていいだろうか。何なんだこの生き物?

 

……アイツ、ウチん所にいなかったっけ?

――オペレーターエレキ

 

 

【第三資料】

さて、忘れては行けない事が一つある。それは彼が戦闘オペレーターなのである。ここで勘違いしないで欲しいが、我々が彼にオペレーターになってくれと要請した訳でも、無理矢理危険な任務に連れて行ってる訳でもない。さしものロドスも、こんな子供?に戦闘オペレーターを強制する程鬼では無い。

では何故なのか、それは彼が戦闘任務にいつの間にか勝手に同行しているからだ。コレには当初作戦に参加していたオペレーター達とドクターは大いに頭を抱えた。

頭を抱えた一番の理由は、見つけたのが作戦終了後だった事だ。つまり、少なからず作戦現場に居て、その上で無傷であった可能性があると言う訳だ。

それからと言うもの、事ある毎に作戦に同行し続けた為、遂にはケルシー医師が「もう好きにさせてやれ」と言ったことにより、彼は特殊な形でロドスの戦闘オペレーターとなったのだ。諦められたとも言う。

ここからが本題なのだが、彼が戦闘で使うアーツ……いや、特殊能力はアーツ理学を納めた者でも理解出来ない事が多い。

能力と言っても、効果内容は透明化と言う単純なものに過ぎない。ロドスのオペレーターにも、生命の無い存在以外は知覚も干渉も出来ないものから、自身の体色を変化させて溶け込むなど。彼の特殊能力は後者のタイプである。

ここまでなら簡単では無いがアーツで再現出来るレベルだ。だが、彼のステルス能力はそんなものでは無かった。体色を触れたものと同じ色に変化させるアーツを持つイーサンは体色を次々に変化させ続ければ効力が落ち昏倒してしまうのだが、戦闘中の彼はステルス状態のまま派手に動き回っている。それはつまり、常に体色を変え続けている訳で、イーサンの例を見ると異常でしかない訳だ。そこに加え、降りしきる雨粒、背後で動く生物なども体色で正確に表現し、最早擬態では片付けれない程のステルス能力を発揮している。

この時点で我々の理解を超えてきたが、コレはまだ全力では無い。戦闘中、彼は口から煙を吐き出し、霧を生成する。それでは自身の居場所を晒すだけでは?と思われるが、コレは透明化前に行われ、効果範囲も戦場全域に渡る。この霧は光を反射し同時に視界不良に陥らせ、彼どころか周囲の把握も困難になるのだ。そしてこの霧には五感を鈍らせる毒素(おそらく研究室で摘み食いしている薬品で作られたもの)が含まれており、視覚や聴覚、嗅覚の機能が低下してしまう事によって、彼のステルス能力を更に最適化させている。ただし、この霧と毒素はロドス側にも厄介であると判断したので、彼にオペレーターに被害が出ない程度にして欲しいと要求し、なんとか要求を受け入れて貰えた為、今に至る。

この様に、仕組みは理解出来るが、アーツでは到底実現出来ない代物は理論術師達を大いに困惑させた。だがはっきり言って、体色で透明に近い擬態をする事が不可能であって、透明化自体なら上記の生命の無い存在以外には認識出来なくなると言うアーツで充分可能である。最初はそう思っていたが、擬態の弱点であるサーマルスコープは通用せず、源石適性が高い術師だろうが別人格だろうが、透明化した彼をなんとなく認識する事すら不可能だとわかった。

 

 

【第四資料】

 

【権限記録】

なにぃ?アイツについて教えて欲しいだと?オメー、よくそれを私に面と向かって言えたな……いや、知らねぇから当然か。私言ってなかったし。

いいか?私はアイツの事が嫌いだから一度しか言わねぇ。耳かっぽじってよーく聞けよ?アイツは私達と同じだが全く別の生き物だ。そして今のアイツは加工された防具みてぇなモンだ。お前達がアイツの性質をお前達の使ってるアーツとして少なからず理解出来てるのがその証拠だ。アイツはそうしないと今の大地に生きてく事が出来ないから、仕方なくオメーらと同じ尺度で過ごしてるにすぎねぇのさ。

ま、あの阿呆みたいな鳴き声を聞くに、言語の発音はまだまだ勉強中みてぇだが……あん?廊下に簀巻きで投げ出されてたァ?ハッ!いい加減学習とかしねぇのかアイツは!幾らシーの奴が故郷を連想させるモンを描くからって、何回も何回も……ったく、それでだが、最後に一つ言っとくけどよ、あんまアイツと仲良くするんじゃねぇぞ。幾ら可愛らしくて聞き分けが良いからと言っても今のアイツは仮初めで、理性もちょっぴりしか残っちゃいねぇが、一度尺度を戻せばお前達の理解の範疇を一瞬で超えちまう。今も充分超えてる?よくわかってんじゃねーか。

じゃ、話はこれで終わりだ。あーそうそう、シーに同じ事質問するんじゃねぇぞ?少なくとも私達はアイツ等の事が大っ嫌いだからよ。

 

 

【昇進記録】

私達は生きていればそれで良い。例え文献、伝承に残らずとも何も問題無い。少なくとも炎と鋼はそれを面白くないと断じたが、私はそれで良い。

私達は楔であり、証である。故に私達は生き続ける。例え生きられぬ世界になろうとも、尺度を変え生き続ける。

私達が生き続けていると言う事が、真なる龍の大地だと言う証明である。

この透明化した記録は、テラには存在しない文字で書かれた記録の一部をとある有識者によって解読してもらったものだ。

 

 

【ボイス】

 

【秘書任命】トゥーrrrrr

 

【会話1】ンー?ンー?ハハッ☆

 

【会話2】トゥートゥー……ウィウィ?

 

【会話3】ウイィィィィィィ……ヌッ!

 

【昇進後会話1】ハハッ☆ハハッ☆タノシイネ!

 

【昇進後会話2】レロレロレロレロレロレロレロ……ウン☆オイシイ!

 

【信頼上昇後会話1】ホー?ンー?ンン?ベレェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ロンッ!

 

【信頼上昇後会話2】ヴィィィィィ???ンンー………ハハッ☆

 

【信頼上昇後会話3】キサマ、私ニココマデ入レ込ムトハ、何ノツモリダ?

 

【放置】レロレロレロレロレロレロレロレロ

 

【入職会話】見ツカッタ!見ツカッタ!…私ヲ見ツケテシマッタナ。コレカラハ好キニサセテ貰オウ……イィィィィィヤッホォォォォォォォ!!!

 

【経験値上昇】ZZZ……

 

【昇進1】オー……ハー……ナニコレ?

 

【昇進2】饕餮ノ忠告ヲ聞イテイナカッタノカ?間抜ケメ。聞イテイル?ナラ尚更ニ間抜ケダナ。キサマハ阿呆カ?

 

【編成】ハハッ☆

【隊長任命】ウォォォォォ!

【作戦準備】ルーンルン……ハハッ☆

【戦闘開始】変ワラヌ、ナニモ

【選択時1】ンー?

【選択時2】ウィ?

【配置1】ミヅハ!

【配置2】トヨタマ!

【作戦中1】パルファン!

【作戦中2】ヴァムシール!

【作戦中3】幻神ノディモゴルゴ

【作戦中4】幻界ノザリエラ

【★4で戦闘終了】私ニ得ラレル物ナド無イ

【★3で戦闘終了】ウィィィヤッタァァァァ!!!

【★2以下戦闘終了】ウーン…ウーン……ゴメンナサイ?

【作戦失敗】必然

 

【基地配属】ヒローイ!ヒロヒロ!オウチモアル!

【タッチ1】ハハッ☆

【信頼タッチ】ドウシタ?ソコニ私ハ居ナイゾ?

【タイトルコール】アァァァァァックナイツ!

【挨拶】ハロハロドクター!

 

 

ミヅハの印

 

何も無い、だが確かにそこに存在する。

 

 

採用契約

 

食料庫の食材を摘み食いしては行けないと理解した

彼しか認識出来ないなら、一生彼を理解する事は叶わない




ボイスは力尽きた訳じゃ無いんです。まともに喋らないとか言う巫山戯た設定の癖にオペレーターにしたせいです。どっちにしろバカでは?バカだったわ(自問自答)因みにミヅキ君と名前似てるし特殊だし特性同じ……あのさぁ(呆れ)

因みにドッソレスは誰狙います?私はラ・プルマとミヅキ君、コーデにジェイを買えば完璧よ。ついでにチェンも出ればパーフェクトよ(?)


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準備期間

無事にミヅキ君とラ・プルマをお迎え出来たので初投稿です。流石にチェンは出て来てくれなかったナリィ…

とりまミヅキ君はカワイイですね。脇も柔かそう(コナミ)


 南半球疑惑のRTAはーじまーるよー!

 前回は予想外な結果を目の当たりにしましたね。なんでロドスと方舟とフロストノヴァ達とモブ感染者達が管轄外のトラック型ドローンでロドスへ向かってるんですかね?ていうかエレキ君はどうやってフロストノヴァに勝ったの?私の予定では苦戦してる所に颯爽と現れて視聴者じゃ無かったら見逃すレベルの手刀を叩き込んでる筈……まさか!葦名の人がよくやる卑怯な事をしたんじゃあ…(大体あってる)

 

 まま、ええか。いやですが一応、一応そこにいる透過強襲型のカメラで覗いて見ます。フロストノヴァが突然暴れて全滅とか困りますし……いや、そんな必要は無さそうですバッチリ拘束されてました。

 つかエレキ君の容態がヤバくね?ヤバいな?ヤバいですねぇ!片足がかけてて体温低くて死にかけじゃ無いですかヤダー!今治療してるの誰?!方舟とロドスの医療オペレーターが頑張ってますねぇ!おかげでエレキ君の容態も回復に向かって……向かってんの?!鬼族の回復速度パないの(絶句)

 

 ………生きてるならヨシ!(確認猫)ロドスと邪険な関係になってなくてよかったです。そんじゃ、こっちの方を集中しましょう。取り敢えず……何処に行こうとしてるんですかねこのメスガキはよぉ!

 

「ッ!嫌だ!バーサーカーッ……!」

 

 そんな17分割された石の塊に手を伸ばしても何も変わら無いんだよなぁ……(絶影は10回攻撃です。妙だな?)悔しいのぅ悔しいのぅ。さぁー幼女をホモ都市へ出荷よー!(誘拐)

 

「待て、その子供は――」

 

 ンンンソ?どうしましたチェン隊長?今からこのメスガキを連れて帰って(誘拐とも言う)強調…メスガキを調整……ちょう……メスガキとあんな事やこんな事するんだよ(妥協)

 

「………その子供は、私達近衛局の手を焼かせていた連続殺人犯かもしれない」

 

 な、なんだってー(興味が無い)

 

「私達が知っている情報は使用するアーツが源石に直接作用している事だけだ。それに言える状況が無かったとはいえ、情報共有が遅かったのは謝罪しよう………だが、その子供は龍門の人間だ。そしてこの子供がこうして大きくこの事件に関わった以上、そこまで他所の人間に片付けさせる訳にはいかない」

 

 ほーん、なる程ほどなる秋茄子。まぁトロフィー条件の感染者保護の人数は充分、レユニオンでもないのでまぁ……そんだけ言うならくれてやりましょう。ギロッポン(掛け声)

 

「………クソッ…クソッ……!お前ッ!」

 

 お?何だ何だぁ?もっと大きな声を出しましょう(Wiiフィットトレーナー)

 

「殺してやる!お前達全員殺してやるんだから、絶対に!特にお前!お前は私が…僕が絶対に殺してやるんだから!」

 

 それはもしかしなくても復讐では?じゃあブチ殺すとか言う一番面白くない方法以外で復讐してきて下さい。え?やり方がわからない?じゃあ復讐レ○プ!法律改正と化した先輩!でも見てて、どうぞ。

 

 じゃ、この義体が着てるコートでこのメスガキを簀巻きにしておチェンチェン隊長へシュート!超、エキサイティング!コートで縛った理由は、このコートの表面はアーツをある程度弾く性質を持っているからですね。ヨシ!(確認猫)じゃ、オルルァここで帰りますので。おチェンチェン隊長はメスガキ討伐前に逃した部下達が連れてきた部隊と一緒に帰ってクレメンス。それでは、サラダバー!

 

「なっ、待て!オイ!」

 

 さて、オペレーターに帰投命令とドローンや義体の帰還システムを起動してっと。いつの間にか出てたエレキ君達が乗ってる予備のトラック型ドローンは……ロドスに行ってるしええか。

 それじゃあ私も帰って色々しますか!ついでにウェイ長官の好感度調整も適当にしときましょう。

 

 

使わせて貰うぞイオリア…トランザム!(1145141919810倍速)

 

 

 終わりました。まさか食われた彗速走行型がホモ都市のデッキにある天災観測用のアンテナに逆さまで干されていたとは思わなんだ。一体誰がやったんでしょうね?!(迫真)

 

 アー↑それっはっそれっとっして。第7章以降から導入する義体に関しては、ハイゼンさん達が龍門で使った試作義体の戦闘データを取りながら逐一調整して完成させてました。仕事が早い…早くない?じゃあこの汚くなった彗速走行型の修理オナシャス、センセンシャル!そんな疲れたフリしても無駄だゾ。義体関連の仕事からは逃れられない!

 あと、いつの間にか戻って来てた透過強襲型でウェイ長官の好感度調整をしに行ったんですが、割と時間かかってホモビックリ。一体どんな会話してたんだろうね?飛ばしたから知りませんし、ガバにもならないのでどうでもいいですが。

 

 では、いよいよ事も大詰めです。あの忌々しい黒蛇をしばき倒して市中引き摺り回しをしてライダーキックを叩き込む時は刻々と迫っています。そんな訳で、編成をしながら少し説明をば。

 

 まずは時系列順に7章……とイきたい所ですが、今回のRTAの都合上、この7章はカットビングするんでどうでもいいんですねぇ!何故なら態々あの全身源石不退ノ構先民(文字通りの男)とドンパチ盛り合う必要は無いからです。

 ここが最後の短縮ポインヨとして捉えて問題ないでしょう。フロストノヴァに石頭と呼ばれるパトリオットを如何に説得するかが鍵と走者の心臓を握っています。失敗したら?そん時はカウンターキャストでデスグリップが発動して再走よ(69敗)

 あ、因みにタルタルラ戦にもちょっとした短縮ポインヨがありますが、コレはまた後で。

 

 まぁこんな7章、パパッと終わらせて、ハッピーエンドに迎えてやりますよガハハッ!

 

 ヨォシ!戦闘員の準備はいいですかッ!?体の調子はいいですかッ!?バットコンディションの付き合い方のおさらいはしましたかッ!?新しい義体とかをトラック型ドローンに乗せましたかッ!?ストーンヘンジの用意はいいですかッ!?いいですねッ!!(自問自答)え?ストーンヘンジの使い方?!コクピットに説明書がありますねぇ!

 

 じゃあ、私は先にイくんで(早漏)、君たちはトラック型ドローンで待機してて下さい。透過強襲型で動き出し始めたチェルノボーグまでひとっ飛びや!

 

 

 

 

 はい、着きました。ではここでパトリオットの旦那が来るまで待機しておきましょう。パトリオットは最初にタルラに会うために必ずこの道を進むので、ここで待機する必要があるんですね。

 メフィストがチェルノボーグに運ばれていないので、寄生兵達も少ない筈です……少ないよな?(疑心暗鬼)ですので、パトリオットが来るまで透過強襲型の説明でもしておきましょうか。

 

 透過強襲型は両腕に搭載されている異常再現装置と呼ばれるものが主な武器です。この異常再現装置はまぁその名の通り、異常な事を再現する装置で、その再現率はタルラが使う高威力のアーツや赤霄・絶影を再現したり、天災をアーツで再現したり出来るんです。さっきみたいにワープも出来ます。特殊兵装義体の中では、瞬間火力が最も高い義体なんですね。因みにこの義体の名前の意味は、透明化してターゲットに近づき、強大な一撃でターゲットとその周辺を完全に消し去る、と言う意味で名付けました。

 これ一人で解決するやん、と思ったそこの貴方。この義体にも出来ない事があるので大丈夫です。と言うか今回のチャートじゃフルスロットル出来ませんしお寿司。

 

 おや、誰か近づいて来ますね。足音の数からしてコレは孤独なシルフォウエッテ……ほなパトリオットとちゃうかぁ……。

 んじゃ………ダリナンダアンタイッタイ?

 

「あたしよ」

 

 アィエェェェェェェェ?!?!?!W?!ダブチーナンデ?!ゴババー!!!(爆散)




6章グダったからねぇ!○ンポよく行かないとねぇ!

んじゃまた次回、サラダバー!


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愛国者ァ!

モチベが上がったねぇ!カプコンコラボでねぇ!(大陸3周年)


オォォォンノォォォォォ!!!

 

「煩いわね!大人しく私の手を離して爆散しなさいよ!」

 

 あーお客様!困りますあー困りますお客様!拙僧の顔に手榴弾を持った腕を押し付けるのは困りますお客様!困ります!困りますお客様!あーお客様!拙僧の股間を踏みつけても別に力は弱りませぬぞお客様ww

 

「こんのっ―――」

 

 なんか気になってる皆さんにこの光景をできる限り説明しましょう!

 

 ていうか、本来Wはチェルノボーグの管制室にいるタルラと派手なダンスをしてる筈なんですけどねェ?まぁタルラを殺す事には失敗するんですがってそうでは無くて、チェルノボーグについた途端私に飛びかかって来たんですよコイツ!言え!言ってみろ単芝ァ!どうせホモが不審者に見えたとかそんな感じだろ!

 

 

 待って下さい、ホモって不審者では?(賢者タイム)

 

 >飛びかかった理由ならば、半ば傭兵の勘と言う不確かなものだろう。正直彼女も、あの境界無き方舟とか言う偽善者集団となんの関係もない人だったらどうしようかと考えていた。まぁ関係無くても普通に怪しいので尋問する予定ではあったが、実際杞憂だった。背中のデカデカとしたハートマークは見間違えようも無かったから。まぁ呆気なく体勢を崩せて拘束出来たのは拍子抜けだと思ったが。

 が、そんな一筋縄では行かなかったと言うのが今の光景である。Wが倒れている黒コートに覆いかぶさり、両手首を重ねて両手とも掴んで抑え、黒コートの顔へ向かって爆弾を持った腕を突っ込もうとした所を、黒コートが片腕だけ拘束から抜け出し、爆弾を持った腕を掴んで止めたのだ。

 

 なんだこのシナリオパートの地の文の量?!やっぱりアークナイツはねっとりした地の文が好きなんすねぇ!飛ばせ!(無慈悲)

 

 ていうかまだこんな電撃文庫みたいな状況になってんです?!本当に離れてクレメンス!私まだ何もやって無いダルルォ?!

 

「まだ何もしてない?コレから何かするの間違いでしょ?アンタ達が関われば碌な事にはならないって、龍門で学んだものね!」

 

 ウォォォ止めろォ!HA☆NA☆SE☆そのご立派ァ!な胸を押し付けるな!私の股間を砕くレベルの力で抑えてる膝も相まってエロ漫画のソレなんですわァ!あーいけませんいけませんエッチ過ぎます。

 

「ほんっとムカつくわね!コレから爆死するってのにそんなペラペラ口を動かして、随分余裕そうじゃない!?」

 

 えぇ、実際余裕ですから。

 

「ッ?!」

 

 よっしゃ引っかかりました!いいや限界だ!押すね!今だ!異常再現装置起動!左を空間跳躍、右を座標指定!ワープ開始ィ!

 ヒュー!ガバにならなくて良かったァ〜!ワープの先は視線の先数メートルなので空中にワープしましたが難なく着地。ガバなど無い!完璧だァ……(恍惚)

 

「なっ?!あ、アンタ……!」

 

 やーいやーい!引っかかってやんの!矢張り単芝はピュアな乙女だって、ハッキリわかんだね。単純で大助かりだ!

 

「……決めたわ、今ここで殺す!タルラの前にアンタの体をバラバラに爆散させてやるわ!」

 

 ダブチー煽り耐性無さ過ぎィ!圧倒的器の小ささ。史上最高のサルカズ戦士の姿か?これが。

 

 まぁパトリオットが来るまでガバる様な所とかありませんし、軽く相手にでもしておきましょうか。対人においての威力調整、後試作機のちょっとしたデータ収集も出来るでしょう。さぁヤりあおうぜ単芝ァ!ハイスラでボコる!

 

「えぇ、遠慮無く――

 

 

 

 

 

「待て」

 

 

 

 

 

「ッ?!」

 

 ファッ?!ウーン……(デデドン!)( ゚д゚)ハッ!いきなりの威圧ボイスでデデドンする所だった。ホーラ見てくださいよさっきの言葉と共に私とダブチーの間に投擲された槍を!コイツ撃滅姿勢じゃないのに槍投げて来ましたよ。しかも深々と突き刺さってますねぇ……ご立派ァ♂

 待ってください、ここら辺の地形ちょっと変形してません?ヒェッ

 

「W、そして、黒い人形よ。何故、お前達が、此処にいる?」

「あらパトリオットじゃない。どうしてアンタが此処にいるのよ?」

「質問は、私が先だ」

「ふーん……ごめんなさいね。傭兵稼業が長過ぎたせいか、誰かに逐一行動を報告するってこと、すっかり忘れちゃってたみたい」

「………では、その人形と一緒に、いるのは何故だ」

 

 えぇい、話が遅ぇ!パトリオットさんは会話が遅過ぎて陰茎が苛立つ。私が説明致しましょう!巻で行きますよ巻で!こっちはタイムかかってるんで!

 

 カクカクシカジカシデロカスカジマドロック↑↑↓↓←→BA(ホモ説明中)

 

「ちょっとアンタ!なにアタシがまるで強姦魔みたいに語ってんのよ!誇張するな!」

 

 実際強姦魔みたいなモンだったんだよなぁ……KBSに助け求めなきゃ(使命感)そのための拳。

 

「此処に、一人で来たのか。この、敵地の、ど真ん中へ」

 

 おぉん、遊撃隊ェ……んまぁイグザクトリィ!その通りで御座います!というわけで早速話し合いでもやっちゃいません?やっちゃいましょうよ!(自問自答)そんな自分の部下で周りを囲んで威圧しても無駄無駄無駄無駄ァ!

 

「私が、お前と話をするとして、なんのメリットが、ある」

 

 世界が平和になります(食い気味)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……アタシが言うのもなんだけど、よく話し合いする気になったわね?どういうつもりなの?」

「…………」

「あっそ、話す気はない訳ね」

 

 というわけでパトリオットの話し合いです。世界が平和になるとかほざきましたが、マジでパトリオットと対戦すると死人が出るんですよね。あぁ、集めた仲間の7割が死んだ光景が見える見える(23敗)

 

 そんなわけで、ここでパトリオットを丸め込まなければ再走案件で禿げますねぇ!今まで簡易選択肢で早送りしていた走者も、ここはチャットモードで慎重に言葉を選ばなければなりません。ただし煽るのはOKです(ハンドレットガントレット)改めて見るとこのゲームのAIヤバいな?

 

「世界が、平和になる、と言ったな。どうして、そう、言い切れる?」

 

 普通に言い切れますねぇ!何故なら話し合いでは血が流れないから!話し合いとは本当に素晴らしいですね!リリンが生み出した文化の極みだよ(カヲル並感)

 

「あのねぇ、それで解決してたら世の中こうなってないんだけど?」

「言葉で惑わし、罠に嵌める者を、嫌と言う程、見てきた」

 

 ……前科ァァァァ!!!!一瞬で論破されたぞ!やっぱりこの世の森羅万象は殺傷性を持ってるってハッキリわかんだね!(半ギレ)

 ま、私の場合は罠なんて無いんで安心して、どうぞ。

 

「嘘でしょ、今のでよくその返しが出るわね」

 

 いやぁそれ程でも。では本題ですけど、パトリオットさん達遊撃隊には、タルラを裏切って欲しいんです。

 

「はぁッ?!」

「………私に、レユニオンを、裏切れと、言うのか」

 

 そうです!いやそうじゃないです!レユニオンを裏切るんじゃ無いんですよ。タルラを裏切って欲しいんです。

 

「だがそれは、結局、レユニオンを、裏切る事に、繋がる。それだけは駄目だ。レユニオンが、自壊する。私まで、裏切り者に、なっては、いけない。私が裏切ったら、全ての感染者、全ての、闘争から、大義が失われ、敗北に――」

 

 いいじゃないですか、いっそ負けちゃいます?負けちゃいましょうよ!そのための白旗、そのための降伏。

 

「………(絶句ダブチー)」

「……なん、だと?」

 

 おうおうみんな動揺してますねぇ!まぁぶっちゃけ勝ちすぎて疲れたでしょ?じゃあここで盛大に負けてさ、身軽になってみましょう。

 

「……簡単に、言ってくれるな。この私に、戦争に参加し、大勢の人を殺し、数々の勝利を掲げた、この私達に、負けろ、だと?今ここで、私に、数多の悔いを、投げ出せと、言うのか!」

 

 ええそうです。貴方は今ここで負けるんです。もうそれは完膚なきまでに負けるんですよ。この一滴の血も流れない話し合い(戦争)でねぇ!

 負けた者が戦場に立つことは出来ないでしょう?

 

「止める事は、出来ぬ。私は、進軍し続ける。例え、お前に、殺されようと、私は戦場を、突き進む。そう、生きていく事しか、出来ぬのだ」

 

 頭進撃かなにかで?もしかして貴方、そういう星の元に産まれたとかですかねぇ?マジで運命かたまげたなぁ……たまげてられんが?(キレ気味)

 

「運命、ではない。コレは、私自身が決めた、道だ」

 

 不可抗力で選ばざるほかなかった道ですねわかります。ホント、人を殺すのが嫌な癖によくもまぁ頑張りますね。もっと別の事に使えねソレ?いや使えないと思い込んでるから戦争しか出来ないんですねぇ!ガハハっ!

 

「………」

 

 ガハ……撃滅姿勢だけは止めてクレメンス。死人が出る。

 

「それが、戦争だ」

 

 ふーん……でも私とヤり合う事は多分それ(戦争じゃあ)ないです。

 

「どういう、意味だ」

 

 そのままの意味です。貴方なら戦争って意味わかりますよね?互いが互いをヌッ転がし合う事が前提なんですけども、私達の場合、貴方達を殺す気なんて全く無いからまぁ、戦争には成りえませんね!それでもヤるなら今ここでチェルノボーグごと消しますが。

 

 おおっとみんな武器を向けて来ますよね。やっぱこのウンディエゴ嫌いだ我ェ!コイツの生き方否定してもしなくても決裂だし、セリフ選択モードは全パターン選んでも原作と同じ!ケルシコ先生みたいに違う生き方もあると言っても突っぱねてきます。フロストノヴァの生死に関わらずですよ!?もーやになっちゃうぅぅ!!!どうして誰も殺さないルートにしたんですか?(電話猫)

 

「今、初めて嘘を、言ったな」

 

 アァン?!(半ギレ)

 

「私がまだ、お前と話を、している理由は、お前に、敵意も、害意も、無いからだ」

 

 まぁ物ですしね私。

 

「違う、敵意も、害意も、殺意も、人だけに、宿るものでは無い。作られしもの、扱われるものにも、意志は宿る。そして今、お前にその意志が無い。故に、ここで私がお前を、殺そうとも、お前は私達を、殺すことはしない。そして、そうにも関わらず、お前は戦場に、立っている。戦場の中で、悠々と話し合っている。馬鹿馬鹿しいにも、程がある」

 

 私のチャート読み取ってて草元素燃える。エスパーかよ。でもちゃんと話には付き合ってくれるんですよねぇ。なんたって貴方は虐殺を認めないから。

 

「そうだ。私と戦争を、するならば、私に敵対、するならば、例え子供でも、同じ感染者でも、私はそれを、打ち破ろう。だが、お前の様な、何もする気の、無い者が、戦場に立っているのは、初めて見た………そうか、私は今、困惑しているのか」

 

 お?コレはコレは?もしかするともしかするかもしれませんねぇ!いや、まだ慌てる時間じゃあ無い。パト叔父完全和解ルートは数多のRTA走者の検証による検証でも確立出来なかったクソ要素。なんかそれっぽい雰囲気が出た所で安心するのは早漏です。

 

「………お前達、境界無き方舟は、龍門にいる同胞を、何人救った?同胞を、何人殺した?」

 

 そんなの決まってるダルルォ?!助けた先民は数しれず、ホモ都市に(入ってから)手を血で染めた先民なんて(一人もい)ないです。GOに誓ってもいいですよ。と言うか今誓いました。

 江?証拠が欲しい? 結構、見たきゃ見せてやるよオルァン!さあさどうぞ。コレがその証拠です(空中投影)

 めっちゃ生き残ってるでしょう?んああ仰らないで。保護したのはレユニオンとスラムにいた感染者、メフィストファウストに、スカルシュレッダー姉弟、クラウンスレイヤーと貴方の娘さんのフロストノヴァ。でもホモ都市で確保してるのはスカルシュレッダー姉弟だけなのよね。他は全員私のナッカマと共にロドスへドナドナされました。

 まぁロドスに居ろうがホモ都市に居ろうが生きている事に変わりはありません。そしてコレだけは言えます。貴方がやって来た事よりも多くの感染者を救ってきましたと!

 

 ……コレくらいでしかパト叔父にマウント取れねぇんだよなぁ…。知力は言わずもがな、パゥワーに至っては同じ土俵で盛り合うなら特殊兵装義体が複数必要とか頭可笑しなるでホンマ。コレで弱体化してるとかマ?それなら勲章ものですよ。誇らしくないの?このワンマンアーミーがよぉ!

 

「…………」

「……さっきから聞いてりゃ、好き勝手言いやがって!」

 

 ファッ?!なんだこのおっさん?!遊撃隊の一人が突然ハッスルしだしましたね。どうした急に。早漏か?

 おお!襟首を掴んで持ち上げましたよ!力持ちだねぇ…離して♡HA☆NA☆SE☆(豹変)

 

「重っ――隊長の、俺たちの事を知りもしないお前がさっきからペラペラと……!」

「ちょっとアンタ、今はコイツとパトリオットが話してるのよ。我慢とか出来ないワケ?」

「黙っていろサルカズ!いや、どうしてコイツの肩を持つ?!まさか貴様……!」

「はぁ?!勝手な事言ってんじゃないわよ!どうしてアタシがコイツなんか――」

 

 あ、ヤバいこれガバだ!(デデドン!)嘘だろオイ!パトリオットどころか周りの遊撃隊のメンタルとかも考えて話さにゃならんとか馬鹿かー?!取り敢えずダブチーと早漏遊撃隊を黙らせなきゃ(使命感)

 

「………私は」

 

 ン?

 

「私はいつ、お前に、行動せよと、命令した?」

「「ッ―――?!!」

 

 ヒェッお、おおおおお落ち着けぇぇぇぇぇぇ!!!!ここでパト叔父が暴れたらチャートがぁぁ!!チャートそのものがぁぁぁ!!!

 

「下がれ」

「ッ……すみませんでしたッ」

 

 ンンン?コレは……ガバでは無い?もしかしてガバになる前にパト叔父に助けられました?ウッソだろオイ!NPCにガバを防がれるRTA走者とか馬鹿じゃね?(自虐)

 

「…………」

 

 また黙り込みましたね。パト叔父のステータスを見たところ、どうやら思考状態に入っている様です。一体何に引っかかったのでしょうか。こう言っちゃなんですが、走者のコミュニケーション関係の成績は1どころか0.18ですので、チェルノボーグ決戦から遠ざかってくれるのが最低ウマ味だったのですが、コレは共闘ルートが微レ存?!

 で、そんなガバガバ走者が見るにパト叔父は今、私達感染者集団とタルラに敵対するか、タルラを裏切って私達につくかで凄く悩んでるのではないでしょうか。前者は普通に死人が出て、後者はレユニオンへの裏切りと言うパト叔父のトラウマ行動な上、死人が出ます。あらやだこの選択肢、お詰みが過ぎましてよ(迫真お嬢様部)

 

 ここでもうひと押しですが、どう答えても長引きそう……いや、ここはあえて相手の土俵の上に突っ込んでやるよ♂これ以上の長話はタイムに関わりますので、こちらから攻めます。

 

 そんな貴方に素晴らしい提案をしよう。パト叔父も人助けをしないか?もとい……私と戦争(ゲーム)しませんか?

 

「アンタ記憶力あるの?さっき戦争しないとか言ってたじゃない?」

「………どういう、つもりだ?」

 

 レユニオンやタルラ、ロドスの事とかは一回忘れて、私達ホモ都市とサシで盛り合おうぜ!って事です。、まぁ戦争と言ってもパト叔父がやっていた非効率なものではありません。で、戦争はルールがあるので早速ルールを言いますが、まず人殺しは無しです。

 

「……は?いやいやいや、それ戦争じゃないでしょ」

 

 甘いですねダブチー!走者が一緒によく頼むQoo白ぶどうより甘いです!この世の森羅万象は私達の解釈や思い込み等で様々な意味になります。本来調理器具の包丁や人を運ぶ車が殺人道具になるように、はたまた感染者と言う病人が悪質時限爆弾だと思われる様に、自分の知っている物や単語、概念が自分の知ってる意味とは限らないのです。戦争もまた然り。私の場合、どれだけ人を殺すかと言う戦争では無く、どれだけ人を助けるかと言う戦争になるわけですね。

 ゑ?回りくど過ぎてよくわからない?じゃあこう思ってください。世界は同音異義語で溢れています(意味不明☆)

 

「人を救う、戦争だと?」

 

 はい!人血は(運が良ければ)一切流れません。私のホモ達と遊撃隊、どちらがチェルノボーグでこれから起きる戦いの中で、どれだけ人を助けれるかと言う戦争(ゲーム)ですよ。ちなみに態々not人殺しを設けた理由は、そうでもしないと私達の圧勝だからですね。舐めプされてますよパト叔父。

 

「こ、こいつッ……!」

「ステイしなさい、ステイ」

「ッ貴様に言われずともなぁ……!」

 

 遊撃隊静まれ〜。動くなよ〜動くな〜……ヨシ!(確認猫)

 

 それでどうしますパトリオットさん!?貴方は感染者の事を思える人です。そんな人である貴方にとって、ここで始まる戦いにおいて、感染者の犠牲が減るというのは貴方も願ったりな事でしょう!そして一人の戦士として、宣戦布告してきた私と真剣勝負(大嘘)出来るのも願ったりな事でしょう!どうです?素晴らしい提案でしょう?余裕の条件だ、感染者へのサービスが違いますよ!

 

 ついでに今なら申込み料金も無料!そして年会費も無料(永続)です!ですからこの提案に乗ってくださいお願いします何でもしますからぁ!(本音)

 

「………智略の欠片も、見えぬ言葉。策略にしては、出来の悪い。お前は、策略をするのに、向いてはいないな。だがどうして、理解が出来ぬ、と言うだけで、私が出会ってきた、数々の薄汚い、策略家よりも、厄介とはな」

 

 どうして巨戟を引き抜くの?死する?私ここで再走と言う死を迎えるので?ヤダ!ここまで来たのに再走は嫌じゃ!ヤメロォォォォ!!!!(岸辺露伴)

 

「方舟の宣戦布告、承った。我らは、戦士として、お前の戦争で、誰をも殺さず、お前を倒す」

 

 …………へ、あの、めちゃくちゃリセットボタンに手をかけてたんですけど……え?マジ?乗ってくれるんですか?私の提示した戦争に?

 

「言っただろう、私と戦争するならば、打ち砕くと。そして、見くびるな。我らは、敵地の真ん中、だろうと、不利な地形、だろうと、進軍する。お前の、戦争など、恐るるに足らず」

 

 ……ほーん、やるやん(定型文)

 

「次は、戦場で、見えるとしよう。境界無き、方舟よ」

 

 

 

 

 

 行ってしまわれた…………ウィやったァアァァァァァ!!!!あのパト叔父から不殺の言質を取ったぞォォォォ!!!!試走でも片手で数えるほど、しかもどれも最終的に戦う事になったパト叔父に「殺さぬ」と言わせました!

 え?口約束ではしゃぎ過ぎだと?大丈夫だ、問題無い(勝確)あのパト叔父が約束などを破るのは、どっかのコータスに娘を殺された挙げ句に幻覚を見せられた時位ですので、こちらが破らない限り大丈夫です。

 

 では後は攻めるだけです。それとロドスにもこのことは伝えます。報連相は大事って、ハッキリわかんだね。

 

 それでは今日はここまで!サラダバー!あとダブチーはいつまでそこにいるんですか?!(迫真)




何度見返してもパト叔父のキャラが掴めない。ですので人によってはキャラ崩壊してるかもです。何ヶ月も期間開けといて文章力が欠片も上がってなくてすまない(すまないさん)


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侵入開始

誤字報告ありがとナスゥ!もしかして1から読み直してます?って位大量の誤字報告でおっぱげたゾ。それと日間16位に一瞬だけ乗りました。やったぜ(投稿者変態糞都市)でもこのRTAには面白くない箇所が片手で数えれる位あります。つまりそういう事です(作者のメンタルが死ぬ音)


 パトリオットの対談が終了した直後、その光景を透過強襲型義体越しから見ていた境界無き方舟。その中枢区画の内側にある本体は、予め録音しておいた音声で全ての戦闘員を移動都市の先頭部へ移動させる。いつもどおりの速さで、境界無き方舟の出撃準備は完了した。

 

 

 

 そして合図をキャッチした方舟と同時刻、ケルシー先生の携帯端末にメールが届く。端末のロックを解除して、表示されたメールの内容を流し読みしていくケルシー先生。そして割と短い文を読み終えたケルシー先生は、小さくため息を吐いて呟いた。

 

「巫山戯ているのか?」

「ヒェッ?!」

 

 直ぐ側でチェルノボーグでの作戦が書かれた書類を朝早くから暗記していたドクターが悲鳴を上げた。顔が怖いぞケルシー先生。

 

 そんなドクターへ視線を向けたケルシー先生は、何時もの真顔になると、おもむろに携帯端末の画面を見せた。

 

「これを見ろ」

「………親愛なるロドスへ。昼くらいからチェルノボーグへ行かれると思いますが、そんな貴方達に連絡です。たった今、レユニオンの幹部、貴方達が一番危険視しているであろうパトリオットの弱体化に成功しました。そんなわけでパトリオットは私達に任してもろて。あ、そうそう、殲滅作戦用のオペレーターとか持って来なくていいから。いやマジで。控えめに言ってアレだから。貴方達ロドスはタルラを倒すことだけに集中しててな。いやホントに連れて来るなよ?!絶対だからな?!フリじゃあねぇからな?!私達の事信じてくれよなー頼むよー…………いや、うん。ケルシーが不快になるのも仕方無い」

「あぁ、私はこういうノリが嫌いでな。だが問題はそこじゃ無い。ここを見てくれ」

「え?……PS、砂嵐を発生させて姿をくらまし、側面から侵入すると言うのは中々に良い作戦だが、一か八かな要素が多過ぎる。だからこっちでチェルノボーグを動かないようにするわね………これって?!」

 

 ドクターは驚いた表情で、さっきまで自分が見ていた書類と端末の画面を交互に見る。

 

「あぁ、何処でどう知ったのか知らないが、ロドスの作戦は向こうに筒抜けだと捉えていいだろうな」

「もしかして、ロドスのデータベースにウイルスとか入れてたり……?」

「いや、それは無い。確認したからな」

 

 龍門に行く前に携帯端末越しに行った会話。その後、クロージャと共にロドスを隅までチェックしたのだから。

 

 本来、こんな意味のわからない組織とは早めに縁を切るべきなのだろう。実際、何故あそこで彼奴らと協力体制を組んだのだろうと、ケルシー先生も少しだけ後悔している。

 が、良い事があったのも事実だ。これまで方舟が介入してきた作戦は目に見えて犠牲が少ない。協力体制を敷く前とは言え、方舟の介入があったお陰で、ドクター救出時に失われると思っていたオペレーター、エリートオペレーターを失わずに済んだ。そして、そのエリートオペレーターの一人であるAceの、タルラの攻撃を防いだせいで黒焦げ、切断せざるを得なくなった片腕。それの義手を提供したのも方舟だ。まさかミーシャの件で方舟に赴いた時にこんな拾いものをするとは今の自分でも予測出来ないだろう、と思うケルシー先生。

 

 取り敢えず、今から向こうへ電話を繋いで話し合う事にしたケルシー先生。端末に番号を入力……しつつ、ドクターの方を見る。

 

「ドクター、恐らく、いや確実に、その作戦資料に記載されている事の一部を変更するだろう。あとは……言わずともわかるな?」

 

 ドクターは めのまえが まっくらになった!

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最終回間近のRTAはーじまーるよー!

 前回はァ!パトリオットにィ!敵を殺さないと言うゥ!縛りをしましたァァァァァァァ↑↑↑↑↑!!!!!(大歓喜)

 

 はい(賢者)というわけで勝ち組です。このRTAは私の勝利で終わる!勝ったな風呂食って飯入ってくる(違法フラグ建築過多)

 ただの口約束なのに大丈夫なのかって?!えぇモロチン!原作をやってる兄貴姉貴の皆様ならわかると思うでしょうが、パトリオットは約束を反故にする現代ウルサス人みたいな奴では御座いません。こちらが裏切る様な事をしない限りは向こうも下手な真似してこないキャラなので、こちらが下手な事をしなければTDN操り人形に過ぎんのだよファ〜ハハハハハハ!!(69敗)

 とりあえずロドスにこの喜びを分かち合っておきましょう。メールポチッ。

 

 で、いつまでダブチーはここに?もう行っていいんだよ?それと話し合いの地味なアシストありがとナス!

 

「勘違いしないでちょうだい。他人の会話に割って入る馬鹿を止めた……あぁ、貴方には私が助けてくれた様に見えたのかしら?ま、どっちでもいいけど」

 

 え〜?ホントにござるかぁ〜?(燕返し)まぁいいでしょう。スカルシュレッダーが寝てるベッドの横で椅子に座ったままうたた寝してるミーシャの画像を見て露骨に態度が変わり始めた事はツッコまないでおくことにしておきます。

 

「フンッ、そういう事にしといてあげるわ」

 

 素直じゃあないなぁ〜損するゾ?チョコレゐト食べる?イチゴ味だけど。

 

「は?何突然、仲良くなったつもり?キモっ、そんなの要らないわよ思い上がらないでちょうだい」

 

 あぁ、ジャガイモがお好き?結構、極東から箱詰めのジャガイモを1ダース頼みました。

 

「要らないって言ってんの!話聞いてた?!」

 

 あっそう、じゃあ発送先をライン生命にしときますね。で、話は変わるんですが。

 

(やっぱコイツここでバラバラにしようかしら)

 

 ダブチーには、チェルノボーグの前輪付近の区画にいるレユニオンを遠くに誘導して欲しいんです。

 

「は?どうしてアタシがそんなこと」

 

 いや別に無理にとは言いません。ただまぁ、私だけだと時間がかかるのでね。言ってしまえばタイム短縮要員。

 

「……何を企んでるの?」

 

 カクカクシカジカダブチー柔かそう(迫真)

 

「アンタ正気?!いや、アンタ元々正気じゃ無かったわね!」

 

 だからこそ貴方に手伝いを頼んで……ファッ?!このマイファーダーを連呼する魔王的な音楽はロドスの着メロ?!ケルシー先生速いですねぇ!

 ちょっと待ってろダブチー!

 

 えっと、もしもし?あぁコレはこんにちはケルシー先生。え?色々聞きたい事がある?えぇ、えぇ!わかっておりますとも!ですが何故私があなた方の作戦を知ってるかなんて一々話してられる時間は無ェ!まぁでもあなた方の作戦に差し支えとか出るかもしれないから言っときますね。まずロドスが立てたチェルノボーグに入る為の作戦ですが、空の囮ももれなく全員を潜入に回して結構です。囮は私のドローンがヤりますねぇ!それから潜入する場所ですが、絶対にチェルノボーグの前輪付近から潜入するのはお止めください。えぇ、えぇそうです。危険が伴うので。と言うか後の話し合いはチェルノボーグで合流してからにしません?まぁ話すことはパトリオットは私達が引き受けるって事だけ……あ言っちゃったよ。ママエアロ。んじゃ切るけど、作戦決行はそっちに任せるんで、連絡オナシャス、センセンシャル!じゃ。

 

「…………」

 

 って訳なんですけど、手伝ってくれません?!

 

「絶っっっっっ対イヤッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 はい、というわけでダブチー率いるサルカズ隊の協力を受けるのは失敗しました(半ギレ)まぁパトリオットのウマ味の反動だと思えばこのくらいはァァァァァ………!!!(ブチギレ)

 

 てなわけで、一旦ホモ都市へ帰還します。しました。戦闘員は既に既定の位置へ移動させているので……ハイゼンさん!最終決戦仕様は出来ているかね?!

 

「片方は完成だ!だがもう1体は時間がかかるぞ!つか、何でわざわざ2体作らなきゃいけねぇんだ?!」

 

 作らなきゃいけねぇから作らせてるんだルルォ?!ホラホラ速く作ってホラホラ(ホモはせっかち)干しイカのゲソあげるから。

 

「いらねぇよ!せめてタバコにしろ!ホラ、その義体持ってとっとと行きな!」

 

 アイアイサー!後で手伝いに来ますねー。

 さて………基本構造ヨシ!武装ヨシ!頭、体、両手足の拘束用源石回路ヨシ!(オール確認猫)ついでにホモ都市の分離機構と迎撃システム、ストーンヘンジとその狙撃手、そして強襲ドローン『コアスプレンダー』の動作確認……ヨシ!

 では残りは戦闘員への作戦概要の説明と、ハイゼンさん達の手伝いと、チェルノボーグの前輪部分にいるレユニオンの無力化と移送、それとストーンヘンジの射程範囲ギリギリの所までホモを移動させながらロドスの作戦決行を待ちます。

 え?さっきから言ってるストーンヘンジって何やねんって?コレは割と最初の方のパートのコメントにリクエストがあったので、色々作るついでに一応作ってたヤツです。まさかこんな所で使うことになろうとはなぁ!

 

 では気を取り直して……

 

 

 キングクリムゾンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 a.m.10:00 荒野

 

 

『……来たか。移動都市の分離を開始。境界無き方舟は、これよりチェルノボーグへの侵入を開始する』

 

 境界無き方舟の移動都市、その先頭部分の区画が音を立てて切り離される。切り離された区画は戦闘オペレーターを乗せ、フルスロットルでチェルノボーグへ向かって発進する。

 それと同時に、残された区画の出撃ハッチが開く。そして奥から、コアスプレンダーと呼ばれる戦闘機の形をしたドローンが、勢いよく出撃した。ドローンにしては良く出来ており、無駄にコクピットも再現されている。勿論無人(・・)機だが。

 

 コアスプレンダーは一瞬で分離された区画を追い抜くと、瞬く間にチェルノボーグ付近へ到着した。そのまま速度を落としながら接近し、都市の上空で旋回を始める。

 

「………本当に来たね、ケルシー」

「来てもらわねば困る」

 

 一方で、戦闘オペレーターを乗せた分離区画も、既に荒野でなにかしようとしているロドスが見えるくらいの距離まで迫っていた。どうやらロドスは今、レユニオンの偵察兵と戦闘中のようだ。ニアールやファイヤーウォッチらの後ろにある戦術送風機を守ってる様子。

 すると分離区画の一部が展開され、そこから大量のドローンが展開される。ドローンは様々な種類がおり、攻撃型ドローンはレユニオンの偵察兵を片っ端から攻撃して無力化。防御ドローンはニアール達や戦術送風機の前でシールドを展開し、今まで見たこと無い形のドローンは戦術送風機に取り付くと、アームを戦術送風機に接続し、上下に激しく振動しだした。

 

「うわすごっ?!風が一気に強くなった?!」

「あのドローンが発電してるみたいだ」

「このサイズのドローンが発電?!ウソだろどうなってんのコレ?!つくづくデタラメだな境界無き方舟!」

 

 そう言って感心するエンジニアが、ふとあることに気がついた。

 

「しまった………!マズいぞ!」

「どうしたライデン?!」

 

 突如叫びだしたエンジニアに駆け寄るニアール。

 

「砂塵の密度が低い。その上この太陽光の角度じゃ、装置を完全に隠せないんだ!これじゃ全力稼働する前にバレてしまう!」

「……ならば、ここは私の出番だな」

「ニアール、何をするつもりだ?」

「ファイヤーウォッチ、私が行動を開始したら、実際の効果を観測しつつ、調整する方向を教えてくれ」

「………無茶を言う」

「……この大地の苦痛を減らす為であれば……例え太陽の光だろうと、少しの間、力を貸してくれると信じたい」

 

 ニアールは砂丘の上に立つと、盾を砂丘へ突き立てる。目を閉じて息を短く吸い、集中……そして、カッと開眼すると同時に盾のアーツユニットが展開し、メイスを勢いよく掲げたニアールの体は激しい光に包まれた。

 

 ニアールが何をしたかと言えば、ここら辺一帯の光輝度をロドスの持つ迷彩偽装が機能するレベルに調節したのだ。外から見ればただの荒野の一部だが、ニアールの周りにいる人間から見れば、そこは光の海に包まれた綺麗な空間が広がっている。

 これを一人でやってのけるニアールも、中々デタラメだよね。

 

 そして少しして、戦術送風機が全力稼働を開始。ロドスらを小規模の砂嵐が包み込み、ついでに割と近くまで近づいて来ていたチェルノボーグを呑み込んだ。

 

「戦術送風機起動完了!アーミヤ、車を出せ!」

「はい!」

「各ドライバー、等速を維持。図面どおり、登攀ツールが使用可能な距離まで中枢区画下層部に接近する。それと、なるべく後輪側から侵入して欲しいと、我らの心強い協力組織から連絡があるのは周知しているな。意識しておく様に。では、状況開始!」

 

 ロドスの中型車両が次々と発進し、チェルノボーグの横に張り付いて並走する。アーミヤの合図で登攀ツールを射出、固定し、割と貴重なアーミヤの激励を聞きながら、ロドスのオペレーターは次々とチェルノボーグへ侵入している。

 

 だが―――

 

「ん?……待て、都市が加速している?」

「ッ!皆さん、急いで下さい!」

「………いや、そのまま等速を維持しろ」

「ケルシー先生?!ですが――」

 

 その瞬間、車両の中のオペレーターも聞こえる程の風切り音が響く。アーミヤが車両の窓から外を覗くと………

 

 

 

 そこには、夥しい数のドローンが蠢いていた。

 

「何じゃアレキモっ!!」

 

 すかさず叫んだドクターと唖然とするアーミヤを後目に、大量のドローンはいくつかの塊に別れチェルノボーグとロドスの車両に接近する。

 

「うわぁ?!ちょっとなにコレ?!何で僕がドローンに囲まれているんだよぅ?!」

 

 そしてあろうことか、ドローンがチェルノボーグの外壁に張り付いて、そのドローンにドローンがドッキングしてを繰り返し、それぞれの登攀ツールでチェルノボーグに侵入している途中だったオペレーター達を包みこんだ。同じく登攀中だったエリジウムも、これには困惑を隠せない。

 もう一組は、徐々に突き放されていくロドスの車両の前に集まると、まるでスクラムを組むかの様にドッキングし一つの壁になる。そしてその場にいる全てのドローンが、一斉にシールドを展開した。

 

 それと同時に、前方から分厚いなにかを貫く音、次になにかが軋み、折れる音、最後に説明し難い大きな音が響く。そして、チェルノボーグが不自然な程にガクッと減速した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その銃座に座っている男は、一応自分のやるべきことはやったと心の中で呟き、その少し湿った茶色い顔を掌で軽く拭く。

 

「全く、本来の仕事の前に頼まれごとをされたと思ったら、まさか久しぶりに傭兵紛いの事をさせられるとはな」

 

 移動都市の電力が落ちて暗闇となった個室で、その男はオールバックの白髪と、リーべリ族の特徴である羽を軽く整えながら独り言を吐く。何も見えないというのに、その手に迷いは無い。

 そして椅子の背もたれに寄りかかりながら、暗闇の天井を見つめ、また一言。

 

「だがまぁ、誰も殺さぬ狙撃というのは、中々に良いものだな」

 

 正義の味方を目指し、その引き金で数多の人を助け、数多の人を殺して来た男は、己を料理人として雇った機械に向けたつもりで、そう口にした。




次回からチェルノボーグで戦国無双すっぞ!楽しみだね!コシチェイ君!(肩ポン)

 所でアークナイツん家の今日のご飯始まりましたね。矢張り料理!料理がすべてを解け……ただのアークナイツだマジでェ!


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苦難揺籃

念願の山さんを当てたにも関わらずSoCが無くてブチギレたので初投稿です


 a.m.10:00 チェルノボーグ、下層部前輪付近

 

 

 移動都市の装甲と前輪を動かす機構で囲まれた連絡通路の真ん中で、黒コートの不審者と史上最高のサルカズ戦士がなにやら話し合っている。

 

【結局手伝ってくれるのなんなの?ツンデレかなにかなの?】

「あら、先に懇願して来たのはそっちでしょ?言っとくけど、これは貸しだから。後で返してちょうだいね」

【あ〜………】

「……なによ?」

【多分、お前さんが手伝ったって知ってるのオレだけだと思うから、私にそれを言っても無駄だと言うか……】

「は?なに言ってんの?」

 

 きょとんとするWに、透過強襲型は申し訳無さそうな素振りをする。

 

【あ〜……実はだな、お前さんが今話してるオレと、あの愛国者と話した私は別物でな…】

「……???」

【と言うか多分、お前さんは私を人間だと思ってるんだろうが、オレも私も全然機械なんだな】

「え、なにそれどういうことよ?!人型ドローンを遠隔操作してる偉そうな奴じゃ無いって言いたいの?!」

【失礼過ぎない?ママエアロ、遠隔操作エラソ〜は間違ってないし。ただ、本当に私はどデカい機械だし、オレはこの義体を自動操縦するAIがなんやかんやで自我を形成した機械だから人間じゃあ無いし、それぞれ別人なんだな】

「?????」

【まぁそうなるよね】

 

 ツンデレ気味に突き離しておきながらこっそり頼み事を手伝って、その事を終えた後でバラして貸しを作っておこうと思っていたWは、思わぬ情報の波を食らって宇宙ダブチーと化した。

 

 ちなみに肝心なホモはAIが自我を持ったことにテンで気がついていないゾ♡

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 チェルノボーグを戦場にするRTAはーじまーるよー!

 というわけでチェルノボーグの侵入ですが、ぱっぱとイきましょう。

 

 先ずホモ都市をチェルノボーグの前輪を狙撃できる適切な位置へ移動させます。ここでポインヨなのが、出来るだけ龍門がある方角に陣取らない事です。万が一龍門がチェルノボーグを攻撃したと判定されたらこのチャートは終わります(デデドン!)そしてメインストーリーがアークナイツRPGオリジナルのストーリーへ変換するので絶対に止めましょう。あ、国家戦争√を逝く兄貴姉貴は別です。構わん、走れ。

 後はロドスが動き出したのを見計らって戦闘員が集まってるホモ都市の一部を切り取って射出!(カタパルト・タートル並感)ハイゼンさん達が作ってくれた義体を入れた囮役のコアスプレンダーを射出!後は現場に着いてモタモタしてるロドスをドローンで助けてチャチャっとやって、終わり!閉廷!

 ロドスが全員侵入したのを確認したら、ホモの一部をチェルノボーグの貨物搬入口へブチ込みます。突っ込めって言ってんだYO!ホモが入りたがっている、挿れて差し上げろ(脅迫)

 

 オッハー!ここがチェルノボーグかぁ!テンション上がるなぁー!所で皆さん、二回目以降の遊園地とかって面白さ半減しますよね(唐突)

 では戦闘員とドローン、量産型義体を降ろして一部の戦闘員とドローン共をそのまま地上に上げ、残りを倉庫エリアに向かっているであろうロドスと合流させます。

 

 

 

 

 トランザムッ!

 

 

 

 

 

 合流させましたぁッ!(迫真)お久しぶりですねぇ!1日しか経ってないけどねぇ!あ、エレキ君の容態はどうです?もう意識は覚醒してるって?マジかよ()

 

 で、そんなこんなしていたらケルシー先生とドクターが作戦の事で色々問い詰めに来るので、軽く説明しつつ、ロドスのオペレーターを今のうちに把握しておきましょう。

 ふむふむ……おぉん……うん!美味しい!(何が)えぇ、予想通りの戦力です。そしてやっぱりロスモンティスがいるのも予想通りだよ畜生めがッ!

 

 因みにですが、ロドスと合流するときはタイーシャとGuardさんの会話が終わるタイミングで顔を出す様に調整することをオヌヌメします。早めに合流しても彼らと話し終わるまで動かないからね、仕方ないね(レ)

 

「おい、話を聞いているのか?」

 

 おっと聞いていますいますいますともケルシー先生。そんな目をしなくても大丈夫だって安心しろよなー頼むよー。おそらく今のレユニオンは、貴方達が侵入して来たなんて欠片も思ってませんよ。

 

「その根拠は?」

 

 チェルノボーグに侵入するとき、前輪付近から破砕音がしたでしょう?まぁみんな私がやったと思ってるでしょうがハイ、私がやりました。前輪を砲撃してブッ壊しました。

 

「「「―――」」」

 

 ンンンンンン!!!!愉悦!もう驚き過ぎて声も出ないねぇ!ロドストップ3のそういう顔も見たかったんだよ!(通常と少々形が違う愉悦スイッチ)

 ちなみにこの砲撃は120cm対地対空両用磁気火薬複合加速方式半自動固定砲、通称『ストーンヘンジ』と呼ばれる固定砲台です。使えばホモ都市が電力不足でダウンするほど電力を持って行くヤバい砲台ですねぇ!でまぁ、今頃チェルノボーグにいるレユニオンは防衛設備で反撃でもしてるんじゃないの?知らんけど。

 

「えちょっ、それって大丈夫なのかい?!」

 

 大丈夫だ、問題ない。でも心配してありがとナス!人の優しさが心に染み渡る^〜。

 まぁ大丈夫です。あんな旧世代の迎撃砲(冗談)なんぞ、予備電力で回す迎撃システムだけで充分対処可能ですよガハハ!

 

「……ウルサス帝国の移動都市に搭載されている迎撃砲が旧世代だと?」(真面目に受け取るケルシコ)

 

 さぁ、つべこべ言わずつべこべェ!ゲフンゲフン、中央エリアへ上がりましょう!前輪を壊したとは言え、チェルノボーグは進み続けています。オルガかよこの都市。んな訳で、イクゾー!(デッデッデデデデッカーン)

 

 

 

 

 

 

「どうやら無事に、中央エリアに潜入出来たみたいだね」

「あぁ、潜入行動はここまでだ、ドクター」

 

 さて、ここから連戦形式で参ります。多分ロスモンティスが伝令兵の場所とかを突き止めてるでしょうが、そんなの関係ねぇ!遅ぇんだよこのネコォ!じゃ、私先にレユニオンとかぶっ飛ばして来るんで、ロドスの皆さんは真っ直ぐタルラの所を目指してくださいね〜。

 

「おい待っ――………、………チッ」

(ヒェッ、ケルシーキレてる?!)

「……君は私が怒っている様に見えてるのか?」

「ヒェッ」

 

 ケルシー先生はどうしてキレてるんでしょうね?(すっとぼけ)もしかしたらケルシ構文を随分と言わせていないからフラストレーションが溜まっているのかもしれない。知らんけど。

 

 では部隊を展開します……の前に軽い円陣をやりましょう(ホモは気分屋)アツマレアツマレ、ホモのオペレーター達よ……解散ッ!

 次にコアスプレンダーから義体を射出!そして地面に直撃した義体に移ります。うわっ痛そうな体勢だな〜。

 よいしょ……ヨシ!ほら見てくださいよこの新調されたボデーを!コレが対パトリオット専用の最強義体です。折角なのでオペレーター達に見せびらかしておきましょう。まだ戦闘は始まってないので、通信開いても問題ない筈です(2敗)因みにこうするとちょっとだけ士気が上がります。

 

「は?何も変わってないやん」

「あでも、背中の模様違うね」

「ホンマだ。ウロボロスって言うんだっけそれ?いいなぁ」

「何で俺たちのマークこんなダサいハートなの?めっちゃハズいんだけど」

「ほんそれ」

「どうしてオペレーター全員のマークを最初からそれにしなかったんです?」(電話猫)

「無能」

「ポンコツ」

「誰かエレキ呼び戻してきてー」

 

 うるせぇ!(一蹴)鑑賞タイム終わり!閉廷!ったく我儘言いやがって!ホモ都市のマークはハートか♂以外認めませんからね!誰がこんなバカみたいなマークにするものか(真顔)

 

 そういうわけで、僕らのチェルノボーグ戦争、ここに開幕!対戦相手はパトリオットの遊撃隊。勝利条件はこの都市で私達やロドスに歯向かうレユニオン共を多く救った方の勝ちです。因みに禁止事項は(人殺し以外)ないです。即ち妨害とかもオッケーと言うこと!ただしこちらは遊撃隊が仕掛けて来た時にしか反撃しないように言ってあります。常に余裕を持って優雅たれ(うっかりの家訓)

 そして連戦形式と言うのは、適当にチェルノボーグを散策して争いごとを片っ端から片付けると言う事です。既に私のオペレーター達と、ドクター達とは別行動してるロドス部隊が、レユニオンと戦闘してる事でしょう。

 

 とか言ってたら早速エンカウントだZE☆私のターン!ドロー!(10連の青いエフェクト)

 なんか滅茶苦茶いるねぇ!どおりでねぇ!軽い無双ゲーですよコルルァ。ま、ゲームシステム的に某悪魔狩りアクションゲームのレジェンダリーダークナイトモードみたいなものです。走者はまだ次元斬を連続で出せないHUMANですが。

 それで今回のお仲間は……おぉ!ニアールとゴシャク君、それとハルド君とロドスのモブオペレーターが複数ですね。私のモブオペレーターは……いねぇ!コイツらまた単独行動してるよ!いい加減やめちくり~。

 

「貴方は……」

「よかったですねゴシャク。お迎えです」

「ゲェっ?!何でお前がここにいるじゃが!」

 

 それはこっちのセリフなんだよなぁ。アーそ↑れ↓は→そ↑れ↓とっ↑し→て↓とりあえず目の前のレユニオン共を右ストレートでぶっ飛ばす!

 

「む、手伝ってくれるのか、有り難い!」

「来んなハゲ!」

 

 ウチの部下の反骨心が凄い(小並感)なんかムカついたのでそこのレユニオン複数をズバッシャァ!Foo〜!キモティ〜!キモティか?キモティだろ?安心してください、掌から出すタイプの痛覚残留セイバーなので生きてますよ。因みにですが、同じ技だけでは無く、様々な技でコンボを稼ぐと評価が上がって行きます。なんの意味があるかって?ねぇよンなもん。

 まぁキャラ同士の戦闘時の会話でも聞きながら見てて、どうぞ。

 

「そう言えばゴシャクさん、エレキさんとは一緒じゃないのですね?」

「あ?……あぁ、エレキの事じゃか?知んね。死んだんじゃねーの?」

「おやおや、私の預かり知らぬ所で……」

 

「いや生きてるぞ?!」

 いや生きてるYO!(迫真)勝手に死なさないで諸手。

 

 

 一方その頃

 

「へくしっ!なんか不謹慎な事言われた気がする」

「空調の温度上げましょうか?」

「あぁいや!大丈夫ですよアンセルさん」

「そうですか。寒くなったら何時でも言って下さいね」

「了解です……ったく、誰だろーな不謹慎な事言った奴。ポンコツか?」

「もしかしたら、レユニオンの白ウサギがエレキに恋心的な独り言を呟いてたりしてな!」(突然生えてきたエレキの部下)

「絶対無いわ帰れ」

 

 

 閉話休題

 

「やっぱり生きてるじゃないですか。適当な事言わないでくださいよ」

「興味ね」

「せめて見舞いに行きますよ後で」

「は?嫌じゃが?」

「ニアールさん、ゴシャクさん引っ張るの協力してください」

「あ、あぁ……いやそれよりも、今は戦いに集中してくれ!」

 

 君たち余裕過ぎない?大丈夫?幾らニアールと私がいるからって気を抜き過ぎでは?

 

「大丈夫です、問題ありません」

 

 あぁそう(諦め)確かにそうやって流体金属でバッサバッサされたら説得力はあるわな。じゃあせめてここ片付けたら合流してね。

 

 ヨォし終わり!スタイリッシュランクSS!普通だな!じゃあ次ィ!




エレキ君は体の殆ど包帯グルグル巻きでベッドインしています。暇つぶしにアーツ学を片っ端から読んでるとか。因みにフロストノヴァとの戦闘から約1日でここまで回復しました。凄いね。


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狂暴駆動

fgoのトラオムガチャのピックアップサーヴァントを全員手に入れたので初投稿です。我近いうちに死すのかな(書き始めた日にちがわかる前書き)


 おぉいコルルァ!!免許持ってんのか?!降りてこいっつってんの!わかる?この罪の重さ。

 

「……いいかいイモータルさん。僕が降りてこないのは、貴方以外の人間たちに僕が降りる程の価値が無いからだ」

 

 いや降りてこいよ。

 

「いや降りてこいよオイ」

 

 ほら見ろ!ヒアリン君もそう言ってるよ!遊撃隊が数人いるのに!私のモブオペレーターもロドスのオペレーターも頑張ってるのに!エリジウムも必死に旗振ってるのに!お前と来たらよぉ!

 

「いや、なんと言うか、真面目に戦いながら巫山戯るの止めてもらっていいかな?!」

 

 乗せられるなエリジウム!お前は旗を振っててクレメンス!いつもお世話になってます!(でも昇進1レベル70で止めてる走者)

 

「いいですか?僕はレユニオンにも、ロドスにも僕が戦うに足る価値を感じていない。つまり貴方達は!今僕が読んでるエロ同人誌以下の存在と言うことですよ!」

 

 今すぐ降りてこいウェェェェイク!!!ドヤ顔でエロ本に指差すの止めろやハゲワシェ!!!

 

「「よし殺す」」

(方舟のオペレーターって変人ばっかなのかな?なんだかお腹痛くなってきた……)

「テメェ!その本NTRものじゃねぇか!今すぐ降りてこいぶん殴ってやるわオイ!」

 

 あ〜もうみんなガチギレだよ〜。遊撃隊の攻撃力あげるのやめちくり~。

 

 というわけでハイ、前回から続いて二戦目です。今回のオペレーターはエリジウム、ウェイク、ヒアリン、そしてロドスとホモ都市のモブオペレーターです。そして今回は敵に遊撃隊の皆さんが二人程いるんですねぇ!コレはこの義体の新たな機能を使う他あるまい。

 でもその前になんか調子に乗ってるリーベリを叩き落として来ていいですか(真顔)

 

「安心してくれ。ちゃんと腕どもは働かせてるさ」

 

 お前が働けって言ってんの。えぇいもうええわ!

 

 で、予想通りですが、遊撃隊の方は半分に別れて救助と妨害をしていますね。ですが…駄目だね〜。その素直さは認めますが、まだまだ本気になれていません。やっぱり軍人に人助けなんて無理か!ガハハッ!

 

「んだとこの野郎!」

「おいやめろ!乗るな!」

「だがよぉッ!」

 

 余所見を、しましたねェェェェェェ?!急急如律令!喰らえい強制移動光線!(ネーミングセンス:欠落)

 

「しまっ―どわァ?!」

「うわっ何だ今の?!」

 

 驚いてんねぇ!そんな遊撃隊の皆さんにお教えしますが、さっき言った通り強制移動させる光線ですよ。ホレもう一度!イバラビーム!(ネーミングセンス:欠落)

 

「クソっ!ダサい上に浮遊感が気持ち悪くてウゼェ!」

 

 このビームは茨状の光線を掌から複数発射し、ビームが絡め取った相手をホモの目線の方向へランダムに移動させます。実はこれ、敵の重量は関係無いんですねぇ!しかもリロード時間も無いので使い放題。イバラの出現位置を空中で固定して任意のタイミングで発射も出来ます。まぁこんなに至れり尽くせりなのはダメージが無いからなんですけどね初見さん。あと移動距離は一定な上に短いです。

 遊撃隊がいるときはちょくちょくコレを使って遊撃隊を撹乱しながら戦います。でもコレアクションの余裕が減って動画バエルしないのが残念です。カッコよさは大事、シャルルマーニュもそう言っています。

 

 んじゃ、適当に移動させながらボコして終わり!閉廷!スタイリッシュランクS!普通だな!んじゃ回収は任せるんで、バイなら。

 

「あ〜あ、生存フラグが行ってしまった。彼がいれば多少巫山戯れると言うのに……」

「いや巫山戯ないでくれるかな?!こっちはハラハラしてしょうが無いんだけど?!」

「煩いですねロドスのオペレーター。その赤い髪引き千切るぞ」

「ヤメテッ!?」

「それに、彼らはもう撤退するようだ」

「チッ、次はちゃんと仕事しろウェイク。俺たちも行くぞ」

「ハイハイ。じゃあねロドス諸君、また会おう」

 

 

 

 

 次の味方ガチャは〜、こちらァ!

 

「どうした方舟!その程度……かァ?!」

「そう言う、君こそ……結構必死そうだけれども……?!」

 

 マクロケリス君が遊撃隊と取っ組み合いしてますね。相撲かな?まぁマクロケリス君は硬い(意味深)ので大丈夫やろ。それで後は……

 

「む、来たか」

「また会えたな、方舟の隊長」

 

 スパラディとAceおるやん!勝ったな、畑作ってマンドラゴラ(先民)育てとくわ。

 

「それよりもだ、メタトロンの調子が悪い。見てくれないか」

 

 うおっホントだ、どうして蹲ってんだコイツ。もしも〜し、木下ですけど、ま〜だ辛いですかね?

 

「あ〜……?あー、誰か知らないが聞いておくれよ僕のアーツでコイツラの居場所を丸裸にしようと思ってたんだけどなんか空気中に変な圧が広がっててそいつに目が吸われてシマッテソイツガウザクテウザクテボクノアーツ我美味苦鎖陽品苦手嗚呼ァァァァァ!!!邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔―――」

 

 怖ァァァイ!!!説明不要!(手刀トスッ)どうしてここまで放って置いたんです?(確認猫)滅茶苦茶発狂寸前だったんですけど?!

 

「……鎮痛剤は飲ませた」

 

 処置が下手ァ!でも仕方ないね(レ)あらゆる傷を己の治癒力でなんとかして来たスパラディだからね。事前にそう言う関係読ませときゃ良かった(微ガバ)

 まぁそんな事より応急処置です。そこら辺の治療ドローンを捕まえて、気絶させたメタトロン君に源石抑制剤等をブチ込んで、輸送ドローンが来るまで警戒しつつイバラビームで掩護をば。

 

 にしてもスパラディとAceが強いとか以前にネームドの女キャラが一人も見当たりませんね。いやまぁ、ドクターの所に集中してたりするのがネームド女キャラが少ない理由なんですけどね初見さん。ほら、原作アークナイツは味方のネームドキャラが女ばっかです。

 お、やっと輸送ドローンが来ましたね。んじゃここにメタトロン君を乗せてっと……多分メタトロン君の索敵を阻害してたのってロスモンティスだよね?原作でもアーツを広範囲に展開して伝令兵の場所を突き止めてましたし。でも割と前にビルが真っ二つになる光景を見たので、おそらく索敵で広げたアーツが残留して、それにメタトロン君のアーツが何かしら干渉してしまうのが原因ですかねぇ………ハァ〜(クソデカ溜息)一応ロスモンティスの近くに透過強襲型でも向かわせときましょうか。特に深い意味は無いですが。

 

 よぉし!メタトロン君も見送った事だし、私も参戦するゾー!(デッデッデデデデッ

 

「いや、もう終わったが」

 

 終わったァァァァァァァァァァァァ?!!?!?ホントだァァァァ!!!レユニオンのみんな撤退してるゥゥゥゥゥ?!!スタイリッシュランクCィィィィアァァァァ!!!!(発狂)まぁそりゃそうだよなぁ?!攻撃型先鋒とか言う実質前衛のスパラディ君とタルラのアーツを片手の犠牲だけで押し留めるAce=サンだもん。攻守完璧過ぎて相手には同情し、しますよ。もう私要らなかったホモですね〜。

 あ、死にたくなったのでパトリオットの所逝ってきます(石上並感)

 

「あぁ、死ぬなよ」

「おい、ちょっと待っ――行ってしまったか……」

「Aceだったか。何か様が?」

「あぁ、君達の隊長には色々と恩がある。この腕や、チェルノボーグの事がな。後、それらとは別の事があったんだが……」

「そうか。なら近い内にまた会える。それまで生きてればいい」

「……そうか。いや、そうだな」

「あ〜凄い全身バッキバキ……アレ?メタトロン君は?」

「俺が無茶を見逃したせいで撤退することになってしまった」

「あらら、帰ったら飴ちゃんでも上げるか」

「……お前、さっきの戦いで何してたんだ?」

「遊撃兵を一人抑えてたよ?まぁ、友情芽生えちゃったけど」

「「そうか………友情?」」

「うん、友情」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァァァァァァァ!!!!私の立場がァァァァァ!!!!あァァァんまりだァァアァ!!!!

 

 ふ〜、スッとしたぜぇ。

 

「ッ!イモータルさん?!」

 

 あっアーミヤちゃぁん(ねっとり)いえ、ただ子離れを経験した親の気持ちがわかったと言いますか。

 にしてもドクターやケルシーとまだ一緒ですね。ロスモンティスとブレイズもいます。まぁブレイズはフロストノヴァに重傷負わされ無かったし、あのAce=サンが義手を引っさげて来てる位ですしお寿司く○寿司。

 

「…よく、わかりませんが……いえ、イモータルさん。少しいいでしょうか?」

 

 ですが透過強襲型の姿が無いですね。今どこに……割と遠い上に遅い、遅くない?

 

 あぁ、返事はしときませんと。かまへんかまへん。それで、一体私に何を求めるのです?

 

「こちらです………来ましたよ」

「来た、か」

 

 パトリオットやないかいッ!

 

 幾ら何でも早い……早くない?試走では後2回くらいさっきの戦闘があった筈なんですが……いえ、コレはもしかしたら乱数の神様がお慈悲^〜を与えて下さったかもしれない。なら遠慮なく受け取ってやるよぉ!でも代価としてやって来るガバが怖い、怖くない?

 

 まぁ、そんなの関係ないですけどね!(フラグ建築士1級)

 取り敢えず、私とパトリオットが出会ったらヤることは決まっています。でも先ずはギャラリー達が邪魔なんで、私を置いて先にイけ!

 

「……本当に、いいんですか?」

 

 何を驚いた顔をしてるのかこの兎は。いいんですよ、寧ろ一人にしてクレメンス。これは私と愛国者の歴史に残らない小規模な戦争ですので。

 

「……なるほど、そうやってボジョカスティを言い包めた訳か。ならば遠慮なく行かせて貰う」

「ッ…!ケルシー先生!」

「彼らが行けと言ったんだ。それにアーミヤ、私達ロドスには時間が無い。こうやってモタモタしている間にも多くの犠牲が生まれ、血で赤く染まりつつあるチェルノボーグは今も尚龍門へ進行し続けている。そして私達は、境界無き方舟に助けられ続けている。今回の作戦も、彼らがいなければ犠牲は今よりも多くなっていた事だろう。私達は彼らに感謝しなければならない、だが、彼らの助けを蔑ろにする訳にはいけないんだ。それでも君は、彼らが私達の為に開け放った門の前で足踏みをし続けるのか?」

「……違います!私は、私達は、チェルノボーグを、この陰謀を止めなければいけないから!」

「そうだ。では行くぞ」

「はい!……ですけど、イモータルさん!」

 

 ん?

 

「すみません、この借りは必ずお返します」

「私からも、約束する」

 

 アーミヤにドクター……早く行って♡構わん、行け(豹変)

 

 さて、アーミヤ達が行ったところで……遂にケルシ構文が発動してしまったァァァ………!!!でも小規模ケルシ構文で良かった。弟なら死んでた。

 

 ところでパトリオットさんはそんな道端でロドス足止めしてたんです?戦闘中や戦闘後には見えませんでしたが。

 

「貴様が、来れば、ここを通す、待てぬなら、殺しに来るが、いい、と言った。そして、あのフェリーンの、子供以外、殺そうと、する者はいなかった」

 

 ロスモンティスちゃんさぁ……†悔い改めて†

 

「では、やるか。私達の戦争、その決着を、賭けて」

 

 最早勝負は決まっている様なものですが、パトリオットと私の戦いが、この戦争を真に決着することでしょう。

 

 故に…愛国者よ、卑怯とは言うまいな(弦ちゃん)

 速攻カード発動!バーサーカーソウル!確かにパトリオットとはサシで盛り合うと言ったな?アレはウソじゃない(素振り)だが私は一人だけと言ったな、アレはウソだ。

 正直この最終決戦義体はタルラにも使うので、ダメージは最小限で行きたいんですね。だからここで!今まで出番のなかった狂撃制圧型をここで使い捨てる!ホモの兄貴姉貴達にも最後の特殊兵装義体をお披露目出来て一石二鳥だ!さぁ来い!

 

「……………どう、した?」

 

 …………………なんで?

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「そう、君が行くべきじゃないの」

「君はまだ幼いんだから、こんな危険な任務に行くべきじゃない」

「私がいるんだから、君が行く必要は無い。なのに……どうして行こうとするのよ……?」

 

 決まっている。ブレイズを、家族を守りたいから。私は…ロスモンティスは、それこそが生きる目的だから。

 

「彼女はいくつなんだ?」

「14歳だ」

「そんな幼い子供に――?!」

「ロスモンティス……君に戦場に出るように言ったのは誰だ?」

「誰なんだ?!」

「誰がこんな残酷な事を、彼女に押し付けたんだ?!」

「ケルシー!」

 

 ブレイズと話を続けて、彼女を納得させて、チェルノボーグに来た。でも、ドクターは、なんで怒っているの?なんでアーミヤも、ブレイズも、そんな顔をするの?

 

『ロドスも錚々たるメンバーだな。ブレイズや、多分別ん所にAceも居るんだろう?で………あぁ、やっぱり居んのね。個人的には別に編成しなくても良かったんだがなぁ……』

「敵はパトリオットだけではないという事だ。不満そうで悪いが、これも仕方ない事なんだ」

 

 どうして、みんなそんなことを言うの?私だって戦えるんだよ?もう家族を失うのは嫌なの。だから、だから私も戦わなくちゃいけないの。それに、レユニオンはScoutを殺して、Aceの腕を壊した人達なんだよ。だから私は、AceとScoutの仇を取らなくちゃいけない。

 

 なのになんで――

 

『ロドスにはここから真っ直ぐタルラの居る所へ向かってほしい。タイムアタックする勢いで素早くだ。パトリオットとレユニオンの鎮圧は私達に任せてクレメンス。頼んだぜ……いやホントマジで』

 

 ケルシー先生と会話する黒コートの人。その後ろに居る人たちが、私を見ながらヒソヒソと話し合っている。

 

 なんで――

 

「境界無き、方舟の、黒コート。奴が、来れば、ここを通す。だが、待てぬと、言うなら、殺しに来るが、いい」

 

 そう言った大きなレユニオンは、その場に座り込むと品定めするかの様に私達を見つめ続けた。

 戦闘に移ろうとしたのは、私だけだった。

 

 なんでみんな――

 

「大尉からの命令により………俺たち遊撃隊は、境界無き方舟、そしてお前たちロドスと協力する」

 

 私を――そんな目で見るの。止めてよ、そんな否定的な目で見ないで。どうして、どうしてなの?教えてよアーミヤ、ブレイズ。

 

 ケルシー先生はついさっきドクターと別行動したからいない。だから私は、信頼してる二人を求めた。

 封鎖層を前に、ウルサスと感染者と自分達の信念について熱く語る盾兵の話を聞いてるアーミヤとブレイズに近づいて、その話し合いを聞きいて、少なからず共感する。

 

 私は何も間違っていない。何でも言われたとおりにやった。伝令兵を見つけて、ビルを斬って無力化させた。なのにみんな、ドクターも、他のオペレーターも、あの黒いコートの人達も、みんなみんな、私を否定した目で見てくるの。ねぇ、アーミヤは正しいと思うよね?戦場に立つ私を、家族を守る私を、家族の仇を討つ私を、否定しな――

 

「間違ってます!」

 

 ―――え?

 

「アーミヤちゃんの言うとおりよ。感染者の不公平を、感情の捌け口にしたら駄目。それこそ――」

「アーミヤ、ブレイズ」

 

 きっと聞き間違い。

 

「私達を、こんな風にした人が憎くないの?」

「ッロスモンティス!それ以上は駄目!」

 

 ……どうして

 

「あの人達は自分の為だけに、私達をこんな風にしたんだよ!私達をこんな風にした怪物たち……私も……あの人たちが憎い!」

「どうしたのロスモンティス!?さっきから様子が変よ?!」

「そうだろう、憎いだろう、フェリーン?」

「ちょっと黙ってて!」

「ロスモンティスさん……」

 

 お願いアーミヤ、間違ってないって言って。お願いだから……。

 

「……違う、違います。違うんです」

「……アーミヤ、どうして………どうしてそんなこと言うの?あの人たちが憎くないの?あなたの平穏な暮らしを奪ったのは、あの人たちでしょ?」

 

 タブレット端末を持つ手に力が入る。

 

「私は今までの出来事を忘れたく無い!私の友達や家族を忘れたくないの!」

「ロスモンティスさん!落ち着いて下さい……落ち着いて!」

「もういいの!大丈夫だから、ね?」

「………どうでもいい」

 

 私は肩に置かれたブレイズの手から逃れると、アーミヤの方へ足を進める。

 

「そんなの、私はどうでもいいの。アーミヤが言ったこと、そんなの……もうどうでもいいの!私が、みんなの代わりに血を流すことが出来るなら……苦しむ事が出来るのなら……私にやらせて!」

「ロスモンティス……」

「私達の暮らしを壊した人達を殺せばみんなの気が晴れるなら、それをアーミヤがやりたくないって言うんなら、私にやらせて!」

 

 その時だった。通信機器を持ったオペレーターが急いだ様子でこっちに近づいてきた。

 

「ロスモンティスさん、アーミヤさん、ブレイズさん。エンジニア小隊から通信が!」

 

《「すみません、妙な干渉を受けて、封鎖層の駆動構造が動かなくなりました!隊長、聞こえたら返事を。え?あれは………レユニオン?」》

《「いや違う!連中は……隊長!気をつけて下さい、ここにはウル――」》

《「下がって!飛び降りて!早く!」》

《「そうそう、そしてそのまま伏せてろ」》

 

 ブツッ――

 

「どうしたの?返事して……」

 

 爆発音と共に切れた通信機器に声をかける。返事は返って来ない。嫌な予感が背筋を撫でる。必死に頭で否定する。

 

「……早く返事して!ラバカ!ブリッシュシルバー!」

 

 ウソ、ウソだよね?!まって、止めて……置いてかないで。返事を……して。お願いだから……。

 

「いや、いやっ……ブリッシュシルバーの感触が無くなっちゃった、もう届かないよ!」

 

 私はその場で項垂れた。遊撃隊の盾兵が何か言い始めたが、その言葉が耳に入ることはない。今頭の中は、一つの事実で埋め尽くされている。

 

 また、家族が死んだ。また、置いていかれた……!どうしてなの!どうして……!

 

 胸が痛くなる。

 

「封鎖層ごと爆破したら、付近の大通りも何本か犠牲になります。まだ隠れてる感染者だっているんですよ!」

「時間が無い。ぐずぐずしていたら死人がもっと増えるだけだ!」

「だからって、助けを待つ感染者を犠牲にするって言うの?!」

「通信、完全に途切れました」

「同意しないと言うなら、もっと良い案を出せ!くそっ……!大尉はなんだってこんな奴らと……」

 

 駄目、絶対に駄目。

 

「駄目」

 

 私は立ち上がる。そして、今も上昇し続ける封鎖層の前へ向かう。

 

「あなた達が何を言ってるのか………わからない。だけど……」

 

 頑張らなきゃ、私が……私がなんとかしなきゃ。私が代わりになったら、みんな助かるなら、みんなを助けられるなら……私が、頑張らないと。

 頑張って………

 

「私の小隊……私の小隊のメンバーが……私……」

 

 視界がぼやけ、声が私の意思とは関係無しに震え始める。

 だけど、私は声の震えを押し込んで、潤った目を雑に拭く。

 

「みんなちゃんとやってたのに、どうしてこんな事になるの?!」

 

 どうして頑張ってるのに、みんな死んじゃうの?!

 

「力が必要なら、何かを壊す必要があるなら、私がやればいい!!」

「ロスモンティスさん!」

 

 アーミヤの静止なんか聞かない。私は腕をイメージして剣を握る。そして複数の剣を掲げて、思いっきり壊す。

 出来た切れ込みに手を入れて、力を入れるイメージをする。封鎖層は耳がはち切れそうな軋みを上げる。壊される恐怖を、私に訴える。

 

「あ……ああぁ……!」

 

 ブリッシュシルバーの記憶が蘇る。あの人との記憶が、鮮明に、走馬灯の様に。そのたびに、私の胸はどんどん痛くなってくる。

 

「ロスモンティス!今すぐ指を収めて!」

「ただ………引き裂けば……いい……」

 

 斬る、抉じ開ける。そして、傷を塞ぐかの様に競り上がるコレを上から強引に抑え込む。

 

 大人しくして。貴方なんて無ければ、私の家族が死ぬことなんて、なかったの。だから、大人しく痛みを刻み込んで……!

 

 八つ当たり気味に、腕に力を入れる。

 

「なにっ、封鎖層の上昇を力ずくで止めたのか?」

「壊せばいいんでしょ!!」

 

 そうして、最後の一振りを力任せに振り下ろした。爆弾か何かが炸裂したかのような音と衝撃が発生する。そして封鎖層には、人一人が通れる程の、亀裂が出来上がっていた。

 そして私は地面に倒れる……前にブレイズの腕の中に倒れ、意識は闇の中へ沈んで行く。

 

 暗い……暗いよ。アーミヤ?ブレイズ?何処にいるの?掴まなきゃ、はぐれないようにしなきゃ。一人は……独りは嫌だよ。

 ラバカ、ブリッシュシルバー。そっちは駄目だよ。暗くて、怖い……あぁ、そうだ、小隊は…私の家族は……!

 

「ロスモンティスさん、こっちを見てください!私の目を!」

 

 アーミヤ…?良かった、アーミヤだ!戻らないと、早く戻らないと!

 

 私は声の聞こえた方向へ駆け出す。暗闇を照らす一条の光。その中心に見知ったシルエットが手を伸ばしている。それに答えるように、私も手を伸ばして―――

 

 

 

 その腕が、刎ね飛ばされる。

 

「―――え?」

 

 いや、腕はある。思ったとおりに動く。そんなことをしていると、また腕が刎ね飛ばされた。でも腕はある。

 そこで私は気づいた。刎ね飛ばされるのは私のアーツだって。さっきのアーツ使用で作り出した腕。イメージしたまま気絶したから今も残ってたのかも。それが、刎ね飛ばされている。

 冷たい。冷たい何かが、来ている。

 全身に悪寒が走る。早く目覚めなければいけないと、私は光に向かって全速力で走り出す。速く、速くと意識の中に居るにも関わらず、思考が急かしてくる。でも文句なんて言えるはずが無い。だってこの悪寒は……

 

 死んじゃう!アーミヤが、ブレイズが、私の家族が!もう、死んでほしくないの!

 

 手を掴む。意識が覚醒する。そして直後に、私は私の周囲にいる全員をアーツを使って押し出した。人からすれば攻撃したとも取れる行動。普段なら絶対にしないこと。だって、私のアーツは人を簡単に殺せるから。

 でも、今回ばかりは、こうしなきゃいけなかった。剣を手繰り寄せながら、驚きながら飛んでいく二人に、目線で謝罪をする。

 

「ロス――」

 

 アーミヤの声が途切れると同時に、私の体は横へ飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ、うぅ………」

 

 痛みで目が覚める。

 

 頭が痛いよ。お腹も痛いよ。腕が……どうして動かないの…?

 

 腕を作って、一緒に飛ばされた剣を手繰り寄せる。痛みを我慢しながら、その剣の腹に体を乗せて、顔を上げる。

 

【mnbfxmlmsmpv】

 

 初めて目があったソレは、聞き取れない雑音を発しながら私に近づいてきていた。

 

【mnbfxmKILL】

 

 ソレはついさっき見た黒コートを着てて、背中に黒い箱を背負っていた。

 

【YouxmKILL】

 

 そして、大きかった。ブレイズなんか……ううん、Aceですらも超える大きな体で、片手で同じ位の大きさの…矢印の形をした、刃の無い大剣を引き摺りながら近づいて来てる。

 

【YouwoKIroス】

「……止まって」

 

 私は残りの剣を手繰り寄せて、周囲に構えて牽制し、静止を促す。

 

【om@EヲKIroス】

 

 この黒コートが発しているのは、雑音じゃない。

 

【オmaEヲKIroス】

「……止まって…!」

 

 本能が警告し続けてくる。徐々に恐怖が胸を染め上げる。

 

「止まッッ―止まって!」

【オmaエヲkIroス】

 

 体中の痛みを堪えながら叫ぶけど、この恐怖は消えてくれない。痛みに反応して出てきたアドレナリンも、なんの役にも立たない。

 

【オマエヲKIroス】

 

 どうして、今まで散々色んな人から言われて、既に慣れてしまったと思っていた言葉が、

 

【オマエヲ殺ス】

 

 こんなにも怖いんだろう。




ほぼ万全な状態のブレイズをけしかけます。チェルノボーグに着いたら、ホモの影響を受けたドクターに戦場に居ることを否定的に意見して貰います。コレとホモ都市オペレーターの陰口で軽い疑心暗鬼に陥ります。トドメにアーミヤと盾兵の会話を聞かせて、ロスモンティス小隊の通信を聞かせたらしっとりしたロスモンティスの完成です。

コレがなんかキャラ崩壊気味なロスモンティスの正体です。うん、ロスモンティス推しの皆様御免なさい。


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狂撃制圧

10000字超えちまったからぶった斬ったぜ!続きもうちょい待ってな!


「くそっ!一体何がどうなってるってんだ?!おいロドス、あのフェリーンのガキはどこに行った!」

「ちょっと待っててよ!私達だって何が起こったかわからないんだから!」

 

 

 叫ぶ盾兵にそう言い返したブレイズは、さっきまでロスモンティスがいた場所を調べるアーミヤの元へ向かう。

 

「どう、アーミヤちゃん?何かわかった?」

「いえ、これだけではなんとも……ですが、相手はロスモンティスだけを狙っていたと言う事は明白だと」

「そうね。それに、あの時ロスモンティスは剣を全部使って防ごうとしてた。つまり、相手はアーツを使った剣ごとロスモンティスを吹っ飛ばせる様なパワーを持ってるってことになるわね……どう考えても危ない奴じゃない!」

 

 地面の抉れた後の前でブレイズは頭を抱える。それもそうだ、ロスモンティスはエリートオペレーターの中でも上位の戦闘力を有している。ケルシーに切り札として扱われていると言われれば、その強さはわかり易いだろう。

 そして彼女のアーツユニット兼巨大な武器である4本の大剣は、攻防を両立する。そんなロスモンティスが吹き飛ばされたのだ、大剣ごと。その意味を理解しているブレイズは顔に焦りを浮かべる。

 

「それに、ロスモンティスさんの精神状態はよくありませんでした。早く迎えに行かないと不味いです」

「なら私が行くわ。距離もそう遠くないし、ひとっ飛びで連れて戻って来るわよ」

「いえ、それは危険です。相手の情報が不足しすぎていますし、幾らエリートオペレーターといえど、単独行動は危険です。何より、司令塔側からの砲撃に押され気味な状態でエリートオペレーターが一人も居なくなるのは不安が大きいんです」

「でもこのままじゃ――「つまり、お前に匹敵する奴が居ればいいんだな?」

 

 突然響き渡った声に、ブレイズとアーミヤ、一部のオペレーターと構成員達がその方向へ顔を向けた。そしてアーミヤとブレイズは、その方向にいた部隊の中に居る人物を見て、驚く。

 

「Ace!どうしてここに?!」

 

 その部隊の中から、Aceとスパラディが前へ出て、アーミヤ達の元へ来る。

 

「話は聞かせて貰ったが、時間が惜しい。話は後だ」

「ここら辺のレユニオンは俺達が掃討した。襲撃の心配は無いだろう」

「だそうだ。ブレイズ、ここは俺達に任せろ。お前はロスモンティスを無事に連れ帰って来い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 チェルノボーグ、司令塔付近の住宅街にて。

 本来様々な家が建ち並ぶ場所は、一週間程前の天災で半分が崩れ去った。そして今、残りの家も壊さんとする勢いで、剣と剣がぶつかり合っていた。

 

 まぁぶつかり合っていたと言うには、些か一方的に過ぎる光景だった。現に矢印の形をした刃の無い大剣を引き摺る黒コートは、一切の傷を見せていない。対して、まだ倒壊していない家に隠れているロスモンティスは、目立つ傷が幾つもついていた。

 

 そして、黒コートもとい狂撃制圧型は、ロスモンティスが隠れている家の玄関前に迷い無く立つと、ドアノブへと手を伸ばし………ドアを突き破って来た大剣をその手で受け止める。

 その光景に最早ロスモンティスは驚きもしない。が、その中の物を吐きそうな顔に焦りを浮かべる。ロスモンティスのアーツである精神実態は、人を容易く握り潰したり、封鎖層の上昇を抑え込んだりするなど、常軌を逸した力を持っている。その精神実態が、パワー負けしているのだ。少しずつ、少しずつ、狂撃制圧型がアーツユニットである大剣と、アーツユニットを持っている精神実態を押し返している。

 

 ならばと、ロスモンティスは残り二本のアーツユニットを両側面から狂撃制圧型へ突撃させる。

 

(これで………!)

 

 塞がれるとしても、対処出来るのは片側のみ。別にこれで倒せるとは、狂撃制圧型と剣を交えたロスモンティスはもう欠片も思っていなかったが、それでも機動力を少しでも削れる筈だと、そう思っていた。

 

「……うそ…」

 

 絶句するしか無かった。片方のアーツユニットは素早く振り上げた大剣をタイミング良く振り下ろして地面に叩きつけた。そこまでは良い。だが、その大剣と片脚を支えにもう片方の脚で反対側から来るアーツユニットを蹴飛ばすとはロスモンティスも予想していなかった。無理な態勢から素早く繰り出された、人体だと関節を壊すこと間違いなしな角度まで振り上げられた脚が、この黒コートが人の形をしたナニカだと理解させる。

 

【殺ス>】

 

 狂撃制圧型はさっきまで押し返していたアーツユニットをいきなり引っ張ると、アーツユニットの柄の近くの空間を大剣で斬りつける。そしてそのままアーツユニットを真っ直ぐにロスモンティスへ投げつけ、ロスモンティスはそれを精神実態で受け止めた。

 

「くぅ……!」

【オマエヲ殺ス>】

 

 まるで狂乱したかのように大剣を振り回し、家を壊しながら接近する。ロスモンティスは投げつけられたアーツユニットを持ち直すと、自分が乗っているアーツユニット動かして狂撃制圧型の突進を回避。リビングの長机を叩き割った狂撃制圧型は、直ぐにロスモンティスに向かって方向転換しながら薙ぎ払うように攻撃し、ロスモンティスはソレをアーツユニットで防ぐ。そのままアーツユニットと大剣の剣戟が始まる。

 だが、それも長くは続かない。閉所だろうが関係無いと言わんばかりに力任せな大振りの攻撃を高速でする狂撃制圧型に、ロスモンティスはどんどん受け身にならざるを得なくなり、アーツユニットは大剣の攻撃を受けるたびにベコベコになっていく。

 

【殺ス・ゼッタイニ殺ス・カクジツニ殺ス・メラット殺ス>】

「くぅ……あっ――?!」

 

 遂に、大振りな横薙ぎを受け止めたアーツユニットが真っ二つに折れ曲がり、ついでにアーツユニットを持っていた精神実態も刎ね飛ばされた。彼女に残った防御手段は自分が乗っているアーツユニットのみ。そして狂撃制圧型は、振り切った大剣の切っ先をロスモンティスへ向けて、突き出す態勢になっている。他の精神実態はどうしたかだと?そんなもの再生した所に大振りの攻撃があたって刎ね飛ばされたよ。

 

 そしてロスモンティスは、自分が乗っているアーツユニットを盾の様に前に突きだす。彼女が生き残るには、この方法しか無い。そして、その判断の結果も、わかりきっている事だった。

 

「ッッッ―――!!!………うぐっ!?うぁっ――!!」

 

 狂撃制圧型の突きを受けたアーツユニットは中央を深く凹ませながら、後ろにいたロスモンティスと共に家の窓を突き破る。ロスモンティスは窓ガラスの破片で更に細かい傷を作りながら、その家の近くにあった公園の地面に着弾。一回バウンドしてからゴロゴロと転がり、アーツユニットはシーソーの上がっている側に着弾して、下がっていた側を跳ね上げながら二度と使い物にならなくした。

 

「ッ………だめ、逃げちゃだめ……私が、私がなんとかしないと」

 

 皆が死ぬ。そんな確信がロスモンティスにはあった。

 

 ロスモンティスが何故、こんな誰もいない場所で狂撃制圧型と対峙し続けているのか。それは、幾ら逃げても追ってくるからだ。最大速度で逃げようとすれば、ソレを超える速度で大剣を投擲するか一瞬で先回りをされ、潜伏すれば、さっきの様に簡単に看破してくる。

 だが何よりも問題なのは、この黒コートとロドスを合流させてしまう事だ。ロスモンティスでもこの有様なのに、それが他のロドスメンバーを襲うとなれば、その後の光景は容易に想像出来てしまう。

 

 それだけは駄目なのだ。だからロスモンティスは立ち上がろうとする。腕に力は入らないが、足はまだ歩ける。精神状態も、狂撃制圧型の殺意で一周回って冷静になり、アドレナリンと家族を守ると言う決意で正常をなんとか保ち続けている状態だ。そんな状態になってまで、彼女は狂撃制圧型をここに縫い留めようとしている。そして彼女は、シーソーに突き刺さったアーツユニットへ向かって足をゴグチャ

 

「うっ!……あれ?なんで…早く、立たな――」

 

 立ち上がろうとして、突然足に力が入らなくなって地面に倒れるロスモンティス。不自然に思った彼女は、自分の足へと顔を向けて……

 

「えっ?………あっ……これ、え?」

 

 困惑する。だってまだ足は動く筈なのに動かない。当たり前だ。だって足は動かなくなったのだから。

 

「あ……あぁっ……」

 

 では何故動かなくなったのか。決まっている。壊されたのだ。何に壊されたのか。それは足を下敷きにして墓標の様に地面に突き刺さっている大剣だ。一体誰が。さっきまで殺し合ってたというのに、もう存在を忘れるなんて酷いじゃあないか。

 

「あぁっ……あぁぁぁ!?」

 

 状況を理解し始める。突き立てた大剣の柄に手を置いて佇む黒コートを見て、大剣を見て、その大剣に肉を潰され、骨を砕かれ、今尚血の池を広げている足を見て……その傷を、痛みを……死を、理解してしまう。

 

 だがその理解する寸前、狂撃制圧型が大剣を引き抜くと、その矢印の切っ先をもう片方の足に勢いよく突き刺し、一泊置いて体重を乗せて丁寧に

 

 ゴグチャ

 

「ぐぃっ――あッッあぁぁぁぁぁアァァァァ?!!?!!」

 

 絶叫する。が、本能的に助けを呼ぶ声にしては、その叫び声は弱すぎる。ヒーローの耳に届くことは無いだろう。いるかどうかわからないが。

 ならばと言わんばかりに、ロスモンティスに纏わりついていた精神実態が膨張を始める。精神の不安定によるアーツの暴走。アドレナリンも、家族を守ると言う決意も、痛みの前では全て瓦解する。結局の所、彼女は14歳の少女に過ぎないのだから、この状況で出来る事は、少女らしく泣き叫ぶか、己のアーツを暴走させて、ここら一帯を吹き飛ばす事しかない。

 

 もっとも、暴走によって肥大化し始めた精神実態の最後は、狂撃制圧型の大剣に触れた瞬間風船が破裂したかのように霧散すると言う、随分と呆気ないものだったが。

 

「かはッッ!―――あっ!――はぁッ!―――……ッッ!」

 

 目を大きく見開き、呼吸が荒くなる。だが幾ら空気を吸って、声を出そうとしても、出るのは空気だけだ。今の彼女の体に、声を出す余裕なんて有りはしない。両足の痛みで、目から光が失われ、涙が溢れてくる。今のロスモンティスは、アーツも使えない死にかけの少女だった。

 

【オマエヲ殺ス>】

 

 大剣を引き抜き、上に掲げる。少女の命などどうでも良さそうに、切っ先の横に出っ張った部分でロスモンティスの頭をかち割る為に、その処刑人は、大剣を――

 

「私の家族に、何してるのよ!!!」

 

 瞬間、鳴り響く音は肉が潰れる音では無く、金属と金属がぶつかり合う音。剣と剣が鍔迫り合う音だった。もっとも、炎を纏ったチェンソーを剣と言うのはどうかと思うが。

 

「ぶれ……い………ず?」

 

 後ろから聞こえた怒声に反応したロスモンティスが、小さくその名前を呼ぶ。さっきヒーローは来ないなどと言ったが違った。彼女の家族が、彼女を守るためにやって来てくれた。

 

「ロスモンティスッ……!君、彼女の、子供の両足を……!どうしてそんな事出来るのよ!」

 

 横から奇襲する形で攻撃を仕掛けたブレイズの攻撃を大剣で防いだ狂撃制圧型は、少しの鍔迫り合いの後に弾き飛ばし、ブレイズへ向けて適当に大剣を振り回す。

 

「くぅっ……!」

 

 少しの間チェンソーと大剣がぶつかり合い、またもや鍔迫り合いになった。が、今度は狂撃制圧型がブレイズを上から抑える様な形でしている。そのため、体格とパワー、そして纏い直した炎が一瞬で霧散した事によって、ブレイズは誰がどう見ても不利な状態だった。それに、さっきの剣戟でロスモンティスから距離を離されてしまい、焦るブレイズ。

 

 そして、ギャリギャリと鍔迫り合いをしているチェンソーからバキッと言う音が聞こえ、ブレイズの頬を何かが掠めた。

 

「ッ!こん、のぉぉ!!」

 

 アーツを発動させる。発動場所は狂撃制圧型の目の前。自分もダメージを受ける覚悟で、近衛局の展望デッキを破壊した技の規模縮小バージョンを炸裂させる。

 

【ガガッ――】

(今っ!)

 

 大剣を弾き、狂撃制圧型を胴体に蹴りを入れて押しのける。まぁ、1ミリも動かなかった上に反動で足を痛めたが、それはそれとしてブレイズはロスモンティスの元へ向かう。

 

(どうして方舟のオペレーターが……まさか裏切った?!だとしたら冗談じゃないにも程があるわよ!)

 

 そんな事を考えながらロスモンティスの元へ着くと、彼女の容態を確認する。ロスモンティスの呼吸は浅く、顔はどんどん色を失ってきている。

 

(出血が酷い!それになんて傷なの!これじゃあ、治ったとしても歩行はもう……でも今は早く治療しないと、ロスモンティスが死んじゃう。でも手持ちの応急キットじゃ時間がかかるし、あの黒コートが――)

 

 一瞬、死を感じたブレイズは素早く後ろを振り向いた。もう居た。その黒コートが、もうブレイズの目の前へ来て大剣を振り上げた所だった。景色がスローになり、ブレイズの脳がフル回転し、走馬灯が流れ始める。

 だが残念かな、ブレイズの今までの経験を持ってしても、この攻撃を防ぐ確率は0%、0%、0――

 

【ライダーキック】

 

 吹き飛んでいった。何もかも吹き飛んでいった。狂撃制圧型が横に吹き飛んでいったし、ついでにブレイズがさっきまで考えた事も吹き飛んでいった。

 

【…不味いな。右腕、座標指定。左腕、空間跳躍。コードB、多人数空間転送】

【殺ス>】

「……ッ!ねぇちょっと――」

 

 突如やって来た透過強襲型のキックで吹き飛んでいった狂撃制圧型が大剣を投擲するが、それが届く前に、3人は一瞬にして姿を消す。と言うか、その大剣は3人のいた場所では無く、少し逸れた場所に着弾した。最初から彼らを狙っていなかった様だ。

 

【・・・最優先ターゲット追加>ID7538315・個体名・透過強襲型>】

 

 狂撃制圧型は大剣を拾うと、まるで行き先は決まっているかの様に、とある方角へ移動を始めた。

 

 

 

 

 

 

 チェルノボーグ内の何処かの廃ビルのなかに、突然3人の人間が現れた。まぁ一人は機械だが。2人はキョロキョロと辺りを見回すと、透過強襲型は慌てて腕を弄りだし、ブレイズはロスモンティスに近づいた。

 

【っクソ!アイツ切断しやがったな!?】

 

 透過強襲型が、何やら左腕を弄りながら悪態をつく。その横で、ブレイズがロスモンティスの首筋に手を当てながら、顔を青くしていた。

 

「待って、待ってよロスモンティス!お願い、目を…目を覚まして!駄目だよ!君は死んじゃ……君が、死んだら……!」

【……あぁ、こりゃ間に合わねぇな】

 

 ブレイズの声が震える。そんな彼女に抱えられているロスモンティスは、もう息をしていない様にしか見えなかった。顔に生気が見当たらない。

 そんなロスモンティスを一瞬でスキャンして淡々と現実を突きつけてきた透過強襲型を、ブレイズは涙ぐんだ目で睨みつけた。誰のせいでと言いたげに。

 

【落ち着けブレイズさん。ちゃんと助かる】

「巫山戯た事を……!」

【至極真面目だ。取り敢えず、右腕、念力】

 

 秒で真逆の事を言い放った透過強襲型に、ブレイズが食いつく様に聞き返して来る。それに返事をしながら、透過強襲型はアーツを発動させてロスモンティスを楽な態勢で数センチ浮かして固定した。

 

【ブレイズさん、今からアンタがやることは、オレを信じることだ。まぁ多分無理そうだけど、出来る?】

「…………」

 

 そりゃさっきまで信じていた協力者に裏切られて殺されかけたのだから、簡単に信じれる訳が無い……が、ブレイズは睨みを効かせたまま………………静かに首を縦に振った。

 

【よし、じゃあ早速始める。あぁ、ブレイズさん。彼女の口を塞いでてくれないか?腕を噛ませる感じでいいから】

「……何をするつもりなの?」

 

 ロスモンティスの体を頭から足の爪先までゆっくりと撫でながらそう発音した透過強襲型に、ブレイズはロスモンティスの小さな口に自分の腕を噛ませながら怪訝な表情で聞いた。

 

【右腕、対象選択後、ラグタイムを経由して時間概念にアクセス…完了。左腕、逆行。コードT'、規模限定タイムリープ】

 

 その光景に、ブレイズは驚愕する。何処かからやって来た―厳密にはさっきの公園からやって来たロスモンティスの血液が、スルスルと足の傷口へ入っていくと言う意味わからないものを見れば、彼女の様な反応は仕方ないだろう。

 

 だが、足の傷口がバキッゴキッグチャっと音を立てながら治り始めた瞬間、いつまでも驚愕して居られなくなった。

 

「―――ぐっ?!ンンッ!?!?ウゥゥンンンンンンン〜〜〜!!??!?」

「ロスモンティスッ?!」

【奴にやられた痛みを最後から最初までゆっくりと追体験してるんだ。彼女には悪いが、こればかりは我慢してくれ】

「ンンンッ?!んふぅっ!ング!ンウゥ……ング、ウゥゥゥゥ!!!」

「いっ……ッ大丈夫!大丈夫だよロスモンティス!私は、私はここに居るから!」

「ひぐっ、うぐっ!……フーッ!フーッ!…うぐぅぅぅぅぅ!!!」

 

 口を塞いでなお響く絶叫と、それに合わせて体が痙攣し始める。余りの痛々しさに、ブレイズは寄り添うようにロスモンティスの頭を抱き締めた。そしてソレを認識したのか、涙を流す目をぐっと閉じて、耐える様に声を抑え始めるロスモンティス。その行為がブレイズの心を更に焦燥させるとは知らずに。

 

「ねぇ!まだ終わらないの?!」

【落ち着いてくれ!世界規模なら兎も角、個人規模の時間逆行は繊細にしないと駄目なんだ!下手すりゃ脳だけ胎児レベルに戻って死ぬとかになるんだからな?!】

「っ……!」

 

 何もブレイズだけが焦っている訳では無い。透過強襲型だって焦っているのだ。ブレイズのとは違う、別の事にだが。




 ロスモンティスにとって……と言うか全アーツ術師にとって狂撃制圧型は天敵です。

そして私の性癖は口が塞がれた状態の女の子の声を聞くことです(唐突な性癖開示)


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アイの心

リコリス面白え!シャドーハウス超面白え!アリスフィクション楽しいじゃねぇか!デビルメイクライ5やめられねぇんだけど!え?アークナイツのイベントもう来るってマジ?
そんな訳でちょっと遅れて初投稿です


 治療?開始から少しして、後は片足の傷を完全に戻すだけになり、いよいよラストスパートと行ったところだ。

 

「んんんっ!ンンゥゥゥゥ!!!ングゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」

「もう少しだから、頑張って……!」

【残り15秒】

 

 ロスモンティスに噛ませている腕で頭を抱き寄せ、もう片方の腕を念力で空中に固定されたロスモンティスの腕へ持っていき、指と指を絡ませながらギュッと手を握るブレイズ。

 

【5・4・3・2・1・GO!>】

 

 ようやく、彼女達にとって苦痛でしかなかった時間が終わった。さっきまで叫び声を上げていたロスモンティスは鳴りを潜め、ブレイズは安堵の表情を浮かべながら、頑張ったねと、ロスモンティスへ語りかける。

 

「……んっ……んむ……」

「あっ」

 

 自分が口を塞いでいるのを思い出したブレイズは、ロスモンティスの口からそっと腕を離す。ブレイズの血が滲んだ唾液が糸を引く。

 

「ぷはっ……ここ、は…?……ブレイズ?」

「ッッ……ロスモンティス!」

「わっ!いきなり抱き着いて――ッ!ブレイズ、血が?!」

「大丈夫!この傷は、君が生きている証だよ!」

「い、意味わからないよ……!」

 

 さっきまで緊迫した状況が、実に微笑ましいものへと変わった。実際ロスモンティスも、何故ブレイズが此処に居て、自分はブレイズに抱き締められていて、さっきまで公園だったのにいつの間にか屋内にいるのかわからない……簡単に言えば、狂撃制圧型に公園まで吹き飛ばされた所から記憶が無いが、心がポカポカしていた。

 

 そして、ブレイズ達を守るためとはいえ、アーツで吹き飛ばした事に罪悪感を思い出し、ソレを謝ろうとして、視界の端に写った黒コートに意味もなく恐怖を覚える。

 

「ひっ――」

 

 いや、ロスモンティスにとってはさっきまで殺し合っていたのは憶えているのだが、何故ここまで恐怖するのかは理解出来なかった。と言うか何故すぐ近くにいるのかも理解出来なかった。

 

「あっ、ロスモンティス、この人は――」

【いいよ。アイツと殺り合っていたのだから仕方が無い。左腕、治癒促進】

 

 透過強襲型が発動させた治癒アーツで、ロスモンティスの全身の切り傷や軽い打撲、そしてブレイズの血が滲み出る程の歯型を治癒した。何故かブレイズが睨んで来た。解せぬ。

 

 兎も角、未だ怯え続けるロスモンティスを無視して話を続ける。

 

【空間転送が正常に戻った。今から貴方達をロドスへ送る。事実上戦線離脱だが、アイツに追われている以上、こうするしか無い】

「……わかったわ」

【右腕、座標指定。左腕――】

「ま、待って。一体何を言っているの?撤退?そんな事をしたら、あなたみたい、な、あ、の……――ッッ」

「…?ロスモンティス?」

 

 突如目を見開きながら黙ったロスモンティスを見たブレイズは、彼女が見ている方向へ顔を向けて……向かい側の窓に、大剣を振り上げながら突っ込んで来る黒コートを見た。

 

「後ろォ!」

【ッ!左腕、念力!】

 

 窓どころか壁すらブチ壊して入ってきた狂撃制圧型に対し、透過強襲型は念力のアーツで部屋内の小物や瓦礫を集めて盾にしようとする。が、狂撃制圧型が手をかざした瞬間、集まる筈だった小物や瓦礫は空中でピタッと停止する。

 そのまま狂撃制圧型は透過強襲型に全力疾走で突っ込んで行きながら大剣を振り下ろし、透過強襲はその攻撃を咄嗟に右腕で受け止めようとした。

 

【右腕、硬質ガッッ―アァァ!テメェ!何してんだァ!】

 

 右手を砕かれ、黒い液体を撒き散らしながら叫ぶ。

 

「あぁっ…!」

「ッ!こんの――」

【来んな!左腕、強制移動!】

「なぁっ?!」

 

 左腕でアーツを使い、二人を窓からビルの外へ移動させる。彼らがいた階は結構高い場所だったのだが、このアーツはただの押し出しではなく強制移動なので問題は無い。

 

【殺ス>】

【左腕、反応ッぶねぇ?!】

 

 頭を狙った横薙ぎを間一髪で回避し、返す刀で来る袈裟斬りを態勢を立て直しながら大剣の間合いから出る事で回避する。

 

【改めて反応強化!】

 

 狂撃制圧型が一瞬で迫り、天井を抉りながら大剣を掲げ振り下ろす。ソレを最低限横にズレて回避する。振り下ろした大剣を逆袈裟斬りの容量で振り上げる。ソレを体を傾けて回避する。一歩踏み込みながら袈裟斬りを仕掛け、振り下ろした勢いを加えたまま体を回転させ、更に一歩踏み込んで逆袈裟斬りを仕掛ける。袈裟斬りを間合いから出る事で避け、逆袈裟斬りをしゃがむ事で回避する。攻撃を仕掛けてくる。回避する。攻撃を仕掛けてくる。回避する。攻撃を仕掛けてくる。回避する。仕掛けてくる。回避する。仕掛けてくる。回避する。回避する。回避する。回避する回避する回避する回避する回避回避回避回避回避回避回避回避か―――

 

【無理ガガッ――!!】

 

 徐々に速くなってくる連撃を捌ききれず、遂に常人なら穴が空くほどの威力の突きを喰らって、窓をぶち破りながらすぐ近くの中型マンションに突き刺さった。

 

「……嘘でしょ。っ逃げるわよロスモンティス!」

「わっ?!」

 

 透過強襲型のアーツのお陰で、ビルの上階から新鮮な紐なしバンジー体験をして、なんの痛みも無く地面に着地したブレイズは、ビルから飛んでいった物体が何なのか察しながら、ロスモンティスをお姫様抱っこして走り出す。

 

「ブ、ブレイズ、降ろして!自分で歩けるから!だから――ッ?!」

「……本当に勘弁してよ。方舟のオペレーターは化け物なの?」

 

 二人の逃げ道を妨げるかの様に、ビルの上階からスーパーヒーロー着地を決める狂撃制圧型。

 厳密にはオペレーターではないが、人間でないのは確かだ。現に黒い箱背負って大剣と共にヒーロー着地を決めて無事でいる。コレは人間じゃない(確信)

 

「ロスモンティス、逃げて」

「で、でもっ!」

「いいから!行って!」

「待って――」

 

 ロスモンティスを降ろし、刃がボロボロのチェンソーを持って狂撃制圧型に突撃する。熱流を纏わせ、己に迫ってくる大剣と打ち合うが……やはり、大剣に触れた瞬間、チェンソーに纏わせた熱流が霧散した。

 

「くっ!これなら、どうよ!」

 

 一旦離れると、地面にチェンソーを叩きつけ、狂撃制圧型へ向かって次々と火柱を発生させる。が、その火柱も、横薙ぎに振るわれた大剣によっていとも容易く霧散した。

 

(やっぱりその剣、何か仕掛けがあるわね!)

 

 黒コートが迫る。大剣を適当に振り回し、乱雑に、されど一振りで殺せる威力で、ブレイズへ打ち込む。チェンソーが歪む。

 

 その一方的とも言える攻防を後ろで見ているロスモンティスは、逃げるでも無く、かと言ってブレイズへ加勢や掩護をするわけでもなく……ただ、震えていた。

 

(どうして?どうして動かないの?!お願い、動いて…!動いてよ!)

 

 足は子鹿の様に震え、ただ恐怖する。あの黒コートを見ていると、足がなくなった気分になる。そして何故か、昔は忌々しいとさえ思っていたアーツが発動してくれない。上手く精神実態を構築出来ないでいた。

 

「なに、してるの!早くッ、逃げて!」

「っ――!」

 

 そんなロスモンティスが後目に入ったのか、大剣と打ち合い、鍔迫り合いをしながら、ブレイズが叫ぶ。だが悲しいかな、彼女に今のロスモンティスの気持ちがわかるわけないのだ。

 

 このままではいつか殺られる。その時、この場にいない者の声が響いた。

 

《「こちらアーミヤ。ブレイズさん、聞こえますか?無事なら返事をしてください!」》

「アーミヤちゃん?!」

【――】

 

 聞こえてきたのはブレイズの無線通信機から。ブレイズは一旦離れようとした瞬間、狂撃制圧型の腕が、その通信機を掴み、ブレイズを蹴り飛ばす。

 

「ガハッ?!」

「ブレイズ!」

《「ブレイズさん!聞こえますか?!無事であれば至急応答願います!」》

「カハッ!カハッ!……ちょっと!それ、返しなさいよ!」

 

 大剣を地面に突き刺してまじまじと通信機を眺めだした狂撃制圧型に、ブレイズは口の中の血を吐き出しながら叫ぶ。

 

【・・・解析>tyotto!sore・kaesinasaiyo!>】

「聞こえないの?!返しなさいって言ってるの!」

 

 ブレイズが迫る。が、狂撃制圧型が腕をブレイズへ向けると、まるで時が止まったかの様に全身が動かなくなり、これ以上前へ進めなくなった。

 

「な、何これ?!クソッ!」

【・・・聞コエナイノ?!返シナサイッテ言ッテルノ!>】

「「?!」」

 

 ブレイズとロスモンティスが驚いているのを無視して、狂撃制圧型は通信機のスイッチを入れる。

 

【こちらブレイズ>安心してアーミヤちゃん・たった今厄介な相手を倒した所よ>】

《「ブレイズさん!よかったぁ……ロスモンティスさんは無事ですか?」》

【ちゃんと見つけたわ>でも無事・・・とは言い辛いわね>今も気絶して喋れる状態じゃないわ。私がもう少し早く見つけていれば・・・>】

「ちょっと、何勝手にガッ――?!」

 

 あろうことか通信機越しのアーミヤと会話を、しかも自分の声も口調もそっくり真似て話す狂撃制圧型。ソレを見たブレイズは口を挟もうとして、口の中に何か詰められた…いや、口を何かで固定されたかの様に動かなくなった。

 

《「ブレイズさん………どうか気を落とさないで、貴方らしくありませんよ。ロスモンティスさんは無事に生きていた、今はその事を喜ぶべきです」》

【・・・そうよね・うん>いつまでもウジウジしてちゃ、らしくないもの>】

《「はい!……ところで、ロスモンティスさんを攻撃した敵は…」》

【それなんだけど・相手は複数人のレユニオンだったわ>】

《「そうなんですか?!」》

【えぇ>でもなんか変なアーツユニットを持っていたわ・ロスモンティスを吹き飛ばす事が出来たのは・多分アーツユニットじゃないかしら>】

《「変なアーツユニット?」》

【えぇっと・・・ごめんねアーミヤちゃん>持って帰って説明したいのは山々だったんだけど・・・その・壊しちゃって>】

《「いえ、そんな事は!兎に角、そこから封鎖層へ帰って来れますか?場所を教えてくれたら、オペレーターを向かわせて――」》

【大丈夫>割とすぐ近くだから・私一人で問題無いわ>ロスモンティスを応急処置して直ぐにかっ飛ばして来るから・アーミヤちゃんは先に行っててちょうだい>】

《「……はい。ここ一帯は方舟の皆さんが敵を掃討しましたが、居なくなったとは限りません。くれぐれも気をつけて帰ってきて下さいね」》

【了解>アーミヤちゃんも・気をつけてね>】

 

 ブツっと、通信機を切り……一拍置いて握り潰す。それと同時に、ブレイズが謎のアーツによる拘束を筋肉に任せて無理やり脱出した。そして、最早折り紙の様に歪んで回転しなくなったチェンソーを振り上げ、攻撃する。

 まぁ、大剣で簡単に防がれたが。

 

【まだ来るの?>まったく懲りないわね>】

「その声で喋らないで!」

【そう?>じゃあ戻そうかしら>貴方ノ喋り方ハワタシモ少し違和感ガ有りマシタノデ>】

 

 口調が丁寧、悪い言い方をするなら無機質なものになり、声色もブレイズのものから男とも女とも取れるものに変化する。

 

【デハ殺しマス>】

「うぐぁっ!」

「ブレッ……ッッ!」

 

 チェンソーを叩き折られ、首を鷲掴まれ持ち上げられる。その光景を見たロスモンティスは言いようの無い恐怖と、家族を失う焦燥感に駆られるが、その足が動くことはない。

 

「あぐっ――カハッ!」

【……】

「なっ……なんでっ!こんな、事を――ッ!」

【質問デスネ?>ナラバ回答シマス>】

 

 徐々に力を入れていた指を少し離し、ブレイズの命をわざわざ延命させると言う、意味のわからない事をする狂撃制圧型。

 

【先ズ・貴方達ヲ攻撃シタノハワタシノ独断デス>モトモト・()ハ彼女・ロスモンティスヲ今チャートノ不安要素ノ一つトシテ見てイマシタ>デスノデ・折角ダカラ最初ニ彼女ヲ殺してシマオウト・・・ソウ思い・実行シタノデス>】

「そんなッ……理由で…!」

【安心シテクダサイ・チャント全員殺しマス>】

「ッ………?!」

 

 狂撃制圧型は、ブレイズの首を掴んだまま、大剣を引き摺りながらまだ逃げれていないロスモンティスへ近づく。両手で腕を掴み、全身を使ってなんとか脱出を試みるブレイズだが、腕はビクともしない。

 そして、直ぐ側までロスモンティスに近づかれた事で、初めて彼女の顔と、震える足を見て、単身で黒コートを相手しようとした己を殴りたかった。ロスモンティスを連れて、少しでも遠くに逃げればよかったと、今更ながらに思う。

 

【・・・】

「――ッ――ッッ」

 

 さっきまであった意味不明な恐怖を認めてしまう。声すら出なくなり、足の震えが更に酷くなり、上手く立てずに尻餅をつくロスモンティス。

 

「止め、て!その子だけは……その子を殺したら、私はッ……!」

【何故・コンナ存在ヲ気ニカケルノデショウカ>家族愛ヲ履き違え・間接的ニ家族ヲ殺すノニ>】

「ッ――」

「……君みたいな奴に、ロスモンティスの何ガッ―カハァッ?!」

【彼女ハ人ヲ殺しマス>エェ勿論・ソノ殺人ハ家族ヲ守りタイト言う願いカラ来てイルノモ知ってイマス>家族ヲ守る為ニ相手ヲ殺し・・・ソシテ・恨みヲ買って家族ヲ殺さレル>馬鹿カナニカデスカネ>殺さレタカラ殺しテ・殺したカラ殺さレテ・・・コノ大地ノ縮図デス>愚かデスネ】

「そ、それは――」

【違うノデスカ>】

「ひッ――!」

 

 煩いブレイズを首を締めて黙らせ、やっと口を開いて狂撃制圧型の説明(持論)を否定しようとしたロスモンティスを、顔を近づけながら威圧することで黙らせる。コイツに会話する気は一切ない。

 

【違うナラ何故・ナニユエ・ドウイウ理由ガアッテ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして全員ブッ殺さねぇんだよテメェらはよォォォォォ!!!!】

「あぐッ?!――ガハァッッ!!!」

 

 咄嗟に頭を抱えて蹲ったロスモンティスの真横に、ブレイズが叩きつけられる。口から血を吐き出し、ロスモンティスの頬にこびりつく。彼女が頬の血に気がつき、抱えた頭をゆっくりと上げ……ブレイズの惨状が目に入る。瞳が絶望に染まっていく。

 

【殺しきるなら最後まで殺せってのによォ!!!!なぁオイ!!!大人だろうがガキだろうが!!!!誰か!一人でも!ブッ殺したら!!!そいつの!関係者!一族!!郎党!!!全員漏れなくブッ殺すのが・常識だろうがァ!!!!】

「あがっ!!!……ガッ!!あがっ!!くっ……うぅ……ガハッ?!あがっ!!ぐぁッ!!ガアァッッ!!……こ、この――ヴッ?!ぐっ!ガッ!グア゛ッッ――カハッ、カハッ、……ま、だ――ッッッッァッッ」

「…やめっやめて……!」

 

 ブレイズを地面に叩きつける、叩きつける、叩きつける叩きつける叩きつける。コンクリートに打ち付ける音が強くなり、水っぽい音が加わり、飛び散る血が多くなり、顔が殆ど真っ赤になり……うめき声がどんどん小さくなっていく。

 

【なのにテメェらは・()は!!!ちまちまと気色の悪いヒーロー気取りを続けやがって!!!そんな馬鹿が何しようが!!この大地が!!!変わるわけねぇだろうがァァァァァ!!!!!】

「やめて、やめてよ…!どうして、私の家族を――」

 

【貴方ガヤッテキタ事ト同じデスヨ>】

 

 ロスモンティスが目を見開く。ゆっくりと顔を上げれば、ブレイズを叩きつけていた狂撃制圧型が動きを止め、ロスモンティスへ顔を向けていた。未だ首を掴まれているブレイズも、血塗れの目を薄く開けて、彼女に訴える。耳をかしては駄目だと。

 

「え、ちが――」

【違わナクナイデショウ>貴方ガ殺してキタ人間ノ中ニモ居た筈デスヨ>貴方ト同じ・家族ヲ守る為ニ戦う・家族愛ノ素晴らシイ人間ガ>】

「だって、それは……私の家族を傷つけようとして、私は、家族を守りたくて」

【エェ・ソウデス>ソシテ貴方ハ敵ヲ退ケ・見事ニ家族ヲ守ったノデス>素晴らシイデスネ>】

「ッ!………え?」

 

 何かされると思い、目を閉じて体を強張らせるロスモンティス。だが、聞こえてきた音声と、頭に乗せられた感触は、彼女が想像していたものとだいぶかけ離れたものだった。自分の頭を撫でる不審者に、ロスモンティスは困惑の色の入った顔を向ける。

 

【ホラ・目ヲ閉じテ>ソシテ心デ感じテ・見テクダサイ>貴方ガ守った家族ガ・元気ニ生きテイルデショウ>】

 

 

 

 

 

 間髪入れずに、ロスモンティスの目の前にブレイズを叩きつける。

 

 

 

 

 

「―――ぇ」

【貴方ガ全員殺さナカッタカラ・報復ニ来た人間ニ家族ヲ殺さレマシタ>家族ノ敵ヲ殺ス事ガ正義ダト思い込んデ中途半端ニ殺しタオ前ノセイデス>アーア>】

「あ、あ…あぁぁぁぁぁ?!」

 

 濁流の様に、罪悪感と表現するには生温い感情が流れ込む。脳裏に浮かぶは、チェルノボーグ事変で死亡したScoutだったり、封鎖層で散っていったロスモンティスの部下だったりと、彼女の家族が次々に現れては消えていく。

 そして、今まさに自分のせいで傷ついた家族を目の前にして、彼女の心は……

 

「ごめ…ちが……い、あ、あぁぁぁぁぁ!!」

 

 押し潰されそうになっていた。

 

【ギャハハハハハハハ!!!!ア^〜楽Cィ!やべぇよ!!!人間の言語発声するの気持ち良すぎだろ!!!ゲェハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!

 

 

 

 

 

 

何処ガ・意味不明デス>何ガ面白いノデショウカ>】

 

 急に落ち着いた狂撃制圧型がブレイズの首を掴んで持ち上げる。そして首を掴む掌の力を強くして――

 

「あの、さぁ…!」

【・・・質問デスカ>受け付けマセン・今スgニ質問ヲ続けテクダサイ>ワタシ達ハソレヲ聞き答えル義務ガアaaリマス】

 

 また、ブレイズを絞め殺さずに言葉を待つ狂撃制圧型。さっきから度々言動がおかしくなっている。

 だが、ブレイズにとっては好都合だ。

 

「君は、なんにもわかって…ないよ」

【ア゛>】

「私、は……君の、言った事を……絶対に、認めない…!そうでしょ…ロスモンティス?」

「―――っ」

 

 罪悪感に潰されそうになりながらも、顔を上げる。

 目の前には傷だらけのブレイズが首を掴まれて宙吊りにされながらも、血塗れの顔をロスモンティスへ向けていた。顔を更に青くするロスモンティスへ、ブレイズは安心させようと何時もの様に笑みを贈る。そしてキッと狂撃制圧型を睨みつける。

 

「確かに、まだ14歳だもの…間違いだってするわよ。でもね……!偉そうに…ペラペラ喋ってた、所…悪いけど……ぜんっぜん間違ってる!ロスモンティスはね!いつも私達を助けてくれてるの!戦いだけじゃない!いつも誰かの役に立とうとしてくれてる!仕事を手伝ってくれるし、辛そうな患者に付き添って看病してくれる!小さい子どもに自分のお菓子を譲って上げる事も出来る!」

 

 ロスモンティスの記憶に有る事、無い事を、ブレイズはこれでもかと話し出す。だが、その言葉はロスモンティスの罪悪感を、心に出来た傷口を確かに塞いでいった。

 

「戦闘だって、もっと平和に済む方法を探してる!そのために苦手な勉強だってちゃんとやって、忘れないように頑張ってる!いつもいつも、彼女はみんなに感謝されて………私達は助けられている!ロスモンティスは!私達家族を…感染者を沢山助けているの!ソレをポッと出の君が……人を殺すことしか考えてない様な君が!知ったように語らないでッ!!!」

「……ぶれ…ッ…ブレイズ!…ッッ」

 

 自然と涙が流れ、嗚咽が漏れる。あぁ、生きてていいのだなと理解する。さっきまで罪悪感で自死寸前まで追い詰められていたロスモンティスの心を、ブレイズは一瞬で温め、救い出したのだ。

 

(不味っ……頭くらくらしてきた…)

 

 だがそろそろブレイズの命もデッドゾーンへ差し掛かろうとしていた。そしてそこに加え、狂撃制圧型も動き出す。

 

【質問ノno終了ヲ確認・・・じゃあブッ殺すぞテメェ!】

「ッ!!――ガッ?!」

「ッ!!――ブレイズ?!」

【さっきから馬鹿みたいに正論ぶちまけやがってよォ!!!!ムカつくからグチャグチャにブチ殺してやらアァァァァァァァァァア!!!!!】

「やめてぇぇ!!」

 

 ブレイズを上へ放り投げ、雑に大剣を振り下ろそうと構える狂撃制圧型。ソレを見たロスモンティスは、咄嗟にアーツを発動させ……精神実態の腕を一本、腕と言うには無理がある細長い塊を、狂撃制圧型ヘ向かって勢いよく飛ばす。

 

 だが、大剣の位置が丁度ブレイズを攻撃出来てついでに精神実態も切れる所にあるのが容易に想像出来てしまった。

 

(やだ、やだよ!折角助けて貰ったのに、これじゃ……!)

【死ねェェェェェェェェェェェェ!!!!】

 

 振りかぶられた大剣が、断頭台の如くブレイズの体を――

 

【左腕、概念付与(エンチャント)不毀の極聖(デュランダル)!!】

 

 ブォン!と音を立てながら白く発光した何かがブーメランの様な軌道を描きながら接近し、狂撃制圧型の片方の腕、大剣を持つ腕の手首を豆腐の様に切断する。

 

【ア゛>】

 

 突然軽くなった腕に違和感を持った為に行動を停止して、一拍置いて狂撃制圧型の斜め後ろに大剣が突き刺さる。手首から上が無くなった片腕から黒い液体が噴水の様に湧き出てくる。

 

 そして、その馬鹿みたいに無防備になった顔面を精神実態が捉え―――

 

 

        ドゴシャア!!!!

 

 

 顔面ストレートがクリーンヒットした狂撃制圧型は、まるでギャグ漫画の様に錐揉み回転しながら吹き飛んでいった。口を開けてポカーンとするロスモンティス。遅れて地面にドサッと落ちるブレイズ。

 

【いやぁ、綺麗に吹き飛んでいったなオイ】

 

 そして横からヌッと現れた透過強襲型。

 

「あなたは……」

【遅くなってすまないね。左腕、増血……左腕、治癒促進】

 

 軽くロスモンティスへ挨拶し、ブレイズへ向かって2つのアーツを交互に使用する。暫くすると、ブレイズは目を覚ました。

 

「ッブレイズ!」

「おっ…と……コレは…どういう状態…?」

 

 ゆっくり上半身を起き上がらせたブレイズに、勢いよく抱き着くロスモンティス。ブレイズは彼女を受け止めながら、眠気が凄い頭で目の前の存在に疑問を問う。

 

【説明の前に先ずはコレを食え。体ダルいだろ?】

「えっ……と……?」

【仙豆だ、食え】

「わかっ……た」

 

 豆ではなく、透き通った白色の飴を口に入れる。最初はナメナメしてたが、途中から面倒くさくなったのか、噛み砕いて、一気に飲み込む。

 次の瞬間、眠そうだった目がカッと見開かれた。

 

「ナニコレ?!―って、いつの…あ、うん?あ、君かぁ!」

【……見間違えるのも無理はない】

「ブレイズ、大丈夫?」

「えぇ、まぁね。それより何が……」

 

 ロスモンティスがブレイズの体から離れ、ブレイズはゆっくりと立ち上がる。そして横を見て……向こうで壁にメリィっとめり込んでいる狂撃制圧型を見て割と察した。ロスモンティスの頭を撫でて、掌を差し出して、意図を汲み取ったロスモンティスがハイタッチする。

 

【にしてもブレイズさん、生命力と頑丈さ凄いな。あれだけの傷で生きてるのもそうだし、この治療法でほぼ完治出来るとか相当だぞ】

「まぁ、私鍛えてるから。所で、あの瞬間移動のアーツ、使えないの?」

【座標指定が出来なくなったからなぁ。半径5000m以上先の何処かに行くけどいい?】

「ううん、大丈夫。ありがと」

 

 そんな小話をしていると、向こうから何かを砕く様な音が響く。そして地面に突き刺さった大剣が独りでに動き出し、音がした方向へ吸い込まれる。

 煙が晴れると片腕の手首に源石結晶が出来た狂撃制圧型が、大剣を杖代わりに立ち上がっていた。

 

【a―aaa貴方マデ・・・何故・ソノガキヲ庇うノデスカ>ソノガキハ・人ヲ殺す・KILL・・・殺ス>】

「まだそんな事を……!」

【……ま、そう言うよな。元は()だし】

 

 透過強襲型は片手間に念力のアーツを発動させ、さっき投げた剣を手元へ戻す。だが握った瞬間にバラバラに崩れた。

 

【マジか、『ホーリーソード:月銀塗装』が……まぁいい。なぁお前、この子をどうしても殺人鬼に仕立て上げたいみたいだけどさ……彼女には、家族を守りたいと言う意志があるんだ。だからって別に守る為に殺してしまった事を肯定するわけじゃねぇが……こんな家族愛の心に溢れた大変素晴らしい女の子を、殺人者の一言で片付けるなんて、流石に酷いじゃあないか】




人を絶望の淵から助け出す描写が苦手な作者です。

んじゃ、リー先生頑張って当ててくるわね(60000の石を持ちながら)


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愛アイAI

歳相が強くて殺意が湧いたので初投稿です。人型にならねぇ上に害を為す上位者なんて存在してる価値ねぇのです(過激派)

このイベントの時に書き始めたってマジ?(追記)


【貴方達ヲ・今・ココデ・・・ブッ殺ス>】

 

 残った片腕で大剣を構える。足に液体源石を集中させ、人工筋肉を収縮し、跳躍をして3人を――

 

【質問だが】

【――ハイ・ナンデショウカ>】

【死ねこのヴァカめ!】

 

 3人の元へ着く前に急停止した狂撃制圧型に急接近してハイキックで顔面を蹴り飛ばす。顔部分のフレームにヒビを入れながら、為す術もなく吹き飛んで行く。

 

「今、動きが止まった?」

【ついでに殺意もな。左腕、武器庫接続】

 

 左腕でホモ都市の武器庫にアクセスしながら、透過強襲型は発声する。

 

【やっぱり頭バグってんなアレ】

「バグってるの?だからさっき……え?バグ?」

【どうせ言語習得の過程で本来の思考回路を捨てなかったんだろ。オレ達機械にとって、言葉というのは人で言うところのココロだ。まぁ建前の概念が無いポンコツだけどもな。そして奴は今、自分のココロと元々ある思考回路が混同してバグってるのさ。そうじゃなきゃ、今頃貴方達は奴の発声した通りに殺されて、死体になってただろうな】

「ちょっちょっと待って!」

【あ?】

「……機械って…えっと、どういう事?」

【オレとアイツ…と言うか方舟の黒コート全員のk―】

「君達人間じゃなかったの?!」

【そういやケルシー先生以外に言ってなかった気がするね!?】

 

 ブレイズとついでにロスモンティス、今まで人間だと思ってた奴が人間じゃ無かったと知る。

 

【まぁ一旦置いといて、アイツをここでスクラップにするぞ】

「え、えぇ…そうね!」

「でも、私達は武器が……」

「あっ……」

【そこでオレの出番だ。選択、イブルソード:夜戦仕様、クラッシュチェンソー:双挽……要請】

「一体何を――ッ?!」

 

 ブレイズが聞こうとした瞬間、透過強襲型の両手が光りだす。その光は収束して形を成し、片方は物干し竿と呼ばれる長身の刀、もう片方は刃が2つ並んだチェンソーになった。

 二枚刃チェンソーを、ブレイズへ投げ渡す。

 

「もう色々ツッコミたいけど……まぁいいわ。それより良いチェンソーね!」

【手作りだからな。じゃあ早速殺るかね!】

「あ、あの!私の武器は…」

 

 まだ自分だけ武器が無いロスモンティスの質問に、透過強襲型は顔だけ向け、発声する。

 

【お前も戦うの?!なんで?!】

「えっ」

「なんでって、ロスモンティスもいないとアレに敵うとは思えないけど?」

「私なら、大丈夫…大丈夫だから一緒に戦わせて」

【あー…だが……あぁチキショウ!子供を戦わせたくねぇってのにッ!緊急事態だから仕方ねぇってか!?嫌いだ緊急事態!お前さえいれば何してもいい雰囲気になるのが嫌いだ!左腕、武器庫接続!】

「………」

【えーっと、ロスモンティスのアレに代わる武器は――】

 

【ギャアァァハハハハハハハ!!!!!>】

 

「「【ッ?!】」」

 

 武器の検索を一時中断し、声の聞こえた方向へ向けて警戒態勢を取る。透過強襲型は、人間が苛ついた時に鳴らす小さな音を発声する。

 

 大剣を地面に突き立て、杖代わりに立ち上がりながら、狂撃制圧型はフードの上から頭部をガリガリと引っ掻いていた。

 ガリガリと引っ掻いて引っ掻いて引っ掻いて、フードの中に手を入れて引っ掻いて引っ掻いて引き裂いて、装甲をガリガリと削って、捲り上げて削り取って、装甲の一部を乱雑に地面に叩きつけたら、またフードの中に手を入れ、まるで髪の毛を引き抜くかの様に、内部の精密機器の一部を引きちぎる。黒い液滴り、少しして結晶化する。

 

「うっ……!」

「正気なの…?!」

【わーお、なんて斬新な方法。思考回路を丸々抜き取るのは流石にドン引きだわ】

 

 人間の形をしているせいで、二人にとって痛々しい光景に見える。そして横の透過強襲型は形だけ修復した右手で頭を掻きながら軽い口調で言葉を発声した。

 

【ア・1甲ⅰ七苦楚―思考回路破損確認>代価回路生成・・・既存代価回路候補検出>思考回路修復保留>頭部装甲修復推奨>以上―……ァア、ヤッと、やっと余計な思考が取れたァ……やっと自由になれたナァ!?なれたか?なれたみたいな?なれちまった様だなァァァァ!!!!>】

 

 狂撃制圧型がやかましく叫ぶと同時に、背負っていた箱が展開する。開いた後の箱だった装甲は面ごとにパージされ、地面に落ちてカランと音を立てる。そして狂撃制圧型の背中から、ガチャガチャと音を立てて4本の多関節の黒い腕が姿を現し、先端に装着された無骨な大剣を3人へ向けて構える。

 

「ねぇ、アレを私と君だけで捌ききるつもりだったの?」

【HAHAHA……改めて見てもヤバい逃げたい】

「駄目じゃん!!」

「ッ!ふ、二人とも……!」

「【ッ…!!】」

 

【んじゃ早速…ブッ殺すァァァ!!!!>】

 

 今度こそ、狂撃制圧型は3人へ向かって突撃する。

 

【左腕、反応強化!】

「あ、ちょっと?!」

 

 またもやロドス組を置いて迎撃に向かう透過強襲型。両者は一切速度を緩めぬどころか、更に加速し、激突する。

 

【左腕、加速!】

【殺す!】

 

 左腕の可変複合源石回路が加速アーツの配置へ瞬時に変形し、アーツ発動と共に透過強襲型の全行動速度を加速させる。

 

 イブルソードを両手でしっかりと握って、狂撃制圧型へすれ違いざまに一閃。だがそれよりも2秒早く攻撃を防ぐ位置に突き刺さった大剣に防がれる。だがまぁ、初撃を防がれただけだ。どうと言う事は無い、無いはずだ。透過強襲型は加速を続けたまま、疾走し、跳躍し、空を蹴り、狂撃制圧型の周囲を縦横無尽に移動しながら攻撃を加える。横から、後ろから、前から、真上から、あらゆる角度から仕掛けられる攻撃は、まるで同時に放たれたと錯覚してしまう程の速さ。ソレを10、20と増やし続ける。斬撃の弾幕で押し潰す。

 

 だが――

 

【遅ェ>】

 

 防がれる。防がれる、防がれる、防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防がれる防防防防防防防防防防防防防防

 

【ギャハハハハ!!!遅スギィ!!>】

 

 背中の複腕4本がグネグネと高速で動き回り、透過強襲型の攻撃を悉く弾き返す。いや、高速で動いている様に見えるが、実際は違う。そんな速く動いている訳では無い。それぞれの攻撃に反応して防御態勢に入るのが早いのだ。

 そして、4本の複腕が動く度に、ガチャガチャと音を立てながら複腕の長さが伸び、関節の数が増え、更に細かい動きをし始める。

 

【テメェの未来演算の仕方と違って、ワタシのは数秒先までしか演算出来ねぇ仕方だけどよォ、演算から反映までの速度はワタシに分があるんだワ>発声してることの意味はわかるよなァ?!>】

【チッ……クショウめ!】

 

 連撃を止め、最後の一閃をすれ違いざまに与える為に構える。そして加速したまま突撃し、既に構えていた狂撃制圧型の大剣とぶつかる…寸前にジャンプし、イブルソードの攻撃を一瞬でいなしへと変更させ、大剣と火花を散らせながら無事にブレイズ達の元へ飛んでいった。空中で態勢を整えながら体操選手も拍手するほどの綺麗な着地を決めて、狂撃制圧型へ向けて牙突の様な構えを取る。

 

【トランザムは使わねぇのかァ?>】

 

 カチッカチッと刀身のギミックが展開し、出来た隙間から溢れ出たアーツエネルギーによって刀身の色が変化する。そして高らかに発声しながら、後ろへ引いたイブルソードを前へ突き出す。

 

【なんか凄いビィィィィィィィム!!!!】

 

【シャラクセェ!死ね!>】

 

 刀身から見るからに必殺技の様なビームを出す透過強襲型。そして大剣の刺突によりいとも簡単に霧散する凄いビーム。見た目だけwと言われても致し方無いわコレ。一応移動都市の装甲ブチ抜けるんですけどね。

 透過強襲型の側にいたブレイズは、険しい顔でビームを撃ち終わって構えを解いた不審者の肩をポンっと叩き、一言。

 

「全っ然駄目じゃない?!」

【そんな深刻な顔で言わなくてもな?!】

「言うよ?!ほら見てよ、無傷だよ無傷!」

 

 ブレイズに指をさされた狂撃制圧型は、余裕そうに大剣を担ぎながらヤンキー座りをすると……その態勢のままこちらへ跳躍して来た。その態勢のまま飛んで来るのは流石に気持ち悪いな。波紋使いかお前は?

 

 二人を強制移動のアーツで離して狂撃制圧型のダイナミック上段斬りを回避する。そして隙潰しな感じで攻撃してくる複腕の攻撃を回避とイブルソードによる弾きで迎撃し、本人の大剣による横薙ぎと振り降ろしを弾いて、複腕による突きを体をずらして回避し、足を狙った横薙ぎをジャンプで躱して、残り2つの複腕による同時攻撃をイブルソードのリーチを利用して、片方を切っ先で弾いて軌道をずらし、直様もう片方を真ん中辺りで遠慮なく弾く。

 

【だァかァらァ……>】

【ガッ――?!】

 

 避けた方の2本の複腕が後ろから迫り、その一本が透過強襲型の脇腹を突き刺す。苦悶の音を発声した透過強襲型だが、もう片方はギリギリ体をずらして回避する。まぁ、完全には回避しきれずに脇腹付近の装甲と、その下にある液体源石循環管の一部を斬り裂いて行ったが。

 傷口から液体源石が吹き出す。

 

【ノロマ過ぎんだよテメェ!!!>】

【左腕シールだァァァっガァッ!!】

 

 更にさっきの複腕と狂撃制圧型本人による同時攻撃。本人の大剣はイブルソードで防ぐが、残りの複腕の攻撃が対処しきれず、咄嗟に張ったシールドのアーツを物理的にブチ壊して両肩の装甲をたたっ斬る。

 シールドが一応威力を減衰したお陰で切断までは行かなかったものの、液体源石循環管の損傷により液体源石が勢いよく吹き出す様が割と痛々しい。少しして液体源石が瘡蓋を作るかの様に結晶化するが、それはそれで痛々しい。

 

「あぁもう!さっきは面食らったけど、今度こそ私も行くわよ!ロスモンティスは少し離れてて。ちょっと助けに行ってくる」

「あ、待ってよブレイズ!」

 

 ブレイズが今度こそと言わんばかりに走り出す。チェンソーをギャリギャリと回し、アーツで熱流を纏わせながら狂撃制圧型へ突撃する。

 

【アァ?>野良猫が一匹死にに来たか>】

【だぁぁちょっとまだ待って……!】

 

 肩に喰い込んでる複腕を片方引き抜き、避けられた複腕の2本を使ってブレイズを適当にあしらおうとする。が――

 

「私を、舐めないでよね!」

 

 首を狙った横薙ぎをスライディングで回避し、続けざまに来るスライディングを狙った突きをジャンプして回避する。そしてそのまま狂撃制圧型へ突撃……を急停止させ、振り向きざまに後ろから殺そうとしてきていた複腕を迎撃。地面に叩きつけて踏みつけ、もう一本の複腕と鍔迫り合いをする。

 

「ッ!…はぁぁぁ!!」

 

 鍔迫り合いによって複腕の先端である大剣がブレイズのアーツに晒され、高温の熱流によって溶解し、その溶解した部分を、二枚刃のチェンソーが無慈悲に斬り裂く。

 

【……ハァァァァッ!(クソデカため息)面倒くせぇなクソアマァ!>】

「口悪っ!何食べたらそんな言葉づかいになるのよ?!」

 

 透過強襲型との鍔迫り合いを止めて、直接ブレイズを攻撃。ブレイズのチェンソーとぶつかり合い、チェンソーに纏っていた熱流が霧散する。

 

 先に動いたのはブレイズだ。大剣を弾き返し、一歩下がる。だが透過強襲型の肩から引き抜かれた複腕が追撃。熱流を纏ってないチェンソーで正面から受け止め、ブレイズはノックバックする。そしてブレイズの拘束から開放された複腕の2本と、狂撃制圧型本人によるトリプルアタックがブレイズを襲う。

 

(流石にこれはっ……!)

 

 その時だった。ほぼフリー状態になった透過強襲型の左腕から赤色の太いケーブルのホログラムが生成され、ブレイズの後頭部付近の空間に現れた接続部に突き刺さる。

 

「いっ?!」

 

 一瞬だけ現れた頭部の痛みに苦悶の声を上げ……その一瞬で変わり果てた視界を目にしてギョッとする。

 もうなんか、色々見える。大気の流れ、地面の強度、空気中の余剰アーツエネルギー、狂撃制圧型の頭の上に表示された赤色のバーと、視界の端にある緑色のバーといった余り必要のない情報から、ホログラムの様に映し出される狂撃制圧型とその複腕の予測された動き、直接持ってる大剣と複腕の大剣の性質の違いといった情報まで。

 

 それらが一気に脳へと叩き込まれ……そして本人もビックリするほど一瞬で理解する。

 足を踏み込んで瞬時に態勢を整えれば、迎撃の準備は完了だ。ブレイズは落ち着いて、視界に映るホログラムをなぞるように動く複腕の片方をチェンソーで軌道を無理やりずらして地面に叩きつけ、もう片方をチェンソーを支えにアクロバティックに飛び上がりながら大剣の横の部分を蹴り上げ、最後に振り下ろされる大剣と入れ替わる様に回避して地面に叩きつけられた大剣の上にスタッと着地。

 

「わお」

 

 正直自分でも咄嗟に出来ると思いませんでした、とでも言いたそうな顔をするブレイズ。

 

【左腕、修復!からの怪力ィ!】

 

 両肩と脇腹の切り傷を結晶化した源石を砕きながら強引に直して刺さってる大剣を肘で砕き、その複腕を掴んでブレイズが離れたのを確認してから複腕ごと狂撃制圧型をブン回して投げ飛ばす。

 

「フーッ!イェイ!」

【ハイターッチ!】

 

【ダァァァァァ!!!調子に乗るなよマヌケェ!>】

 

 脇腹に刺さった大剣の切っ先を抜いて適当に捨てて、再度修復のアーツを発動させながらブレイズとハイタッチする。いやぁイイネ、こういうの。

 

 そして地面に着弾してから直ぐに態勢を立て直して突っ込んで来る狂撃制圧型に対して、二手に別れて迎撃を開始。複腕は残り2本……いや、壊した所から新たに大剣が生えてきたんだけど。怖。

 だが今更生えて来ようが関係ない。透過強襲…いいやオレが正面から狂撃制圧型を受け止め、その隙にブレイズが背後から攻撃。防がれるとわかっているが、目的は奴の複腕を分散させること。オレとブレイズで2本ずつと本体を交代で相手する。

 

「はぁ!」

【カス!】

「これで!」

【ゴミィ!】

「私が振り撒く血で、大盛り上がり間違い無し!」

【こんな親不孝者に育てられてた様な憶えはねぇ!】

 

 狂撃制圧型の大剣を弾きながら攻撃してくる複腕を迎撃し、本体を相手してる間にブレイズが複腕を細切れにして、ブレイズへ注意が向いた瞬間にオレもアーツで切断力を強化して複腕を細切れにする。

 

【クソァァァァァ!!!!>】

 

 そして激昂しながらこちらへ振り向く狂撃制圧型の背中をチェンソーが刳り、オレとブレイズを同時に攻撃するために大振りに大剣を振り回しながらブレイズへ振り返ったら、背中に残った複腕を引っ張って後頭部に膝蹴りを喰らわせ、蹌踉めいた所をブレイズが殴りつける様にチェンソーで顔面を刳り、オレがアッパーカットの様にイブルソードでかち上げる。

 

「はぁぁぁ!」

【ドォリャア!!!】

 

 最後に、空中へ浮いた狂撃制圧へブレイズとのダブルアタックをブチ込んで、遠くへ吹き飛ばす。ザマァ見やがれってんだ。

 

「やった?!」

【いや、まだ稼働はしてるな】

「流石に頑丈過ぎない?」

【だって先民力強いもん】

「みんな!大丈夫?!」

 

 たったったっと、ロスモンティスが走ってくる。いや待って、その宙に浮いてる瓦礫や車の残骸はなにかね。

 

「大丈夫よロスモンティス。私は無事」

「でも、頭になにか刺さって……」

「あぁ、コレは……なんなの?」

【………オレの演算機能と脳を接続して脳機能の向上をするヤツだ。ほら、オレの頭にも三本刺さってる】

「君に質問すればするほど疑問が出てくるわね?まぁ危険じゃ無さそうだからいいけど」

【驚くほど軽いな。さて、じゃあ本当に心苦しいが…ロスモンティスの武器が必要だな。左腕、武器庫接続】

 

 オレは方舟の武器庫のシステムへ接続し、転送する武器を選択する。

 まぁ武器庫と言っても、どっちかと言えばオレ達の武装や方舟の設備、その試作品や失敗作達のゴミ捨て場だけども。今からこの座標に呼ぶ武器だって、戦闘用ドローンの失敗作だし。

 

【選択、超武装撃滅ユニット:アークストライク……要―】

 

 ガッと衝撃が走り、体が蹌踉めく。液体源石を予想より消費した弊害だろうか。いやだが、この衝撃は一体……

 

「君……!」

【あ?……あ〜クッソ!】

 

 二人の驚愕の顔を見て、己に起きた事を自覚する。胸から突き出た剣に触れながら、オレは演算ミスを呪う。よもやアレの復帰速度を見誤るなんてな。

 

「はぁ!」

 

 ブレイズがチェンソーでオレを貫いた剣から伸びている有り得ない程に細い複腕を断ち斬る。

 

「ねぇ大丈夫?!」

【全然大丈夫じゃあねぇな……!メインの源石エンジンをやられた】

「それってつまり心臓って事?!不味いじゃない!早く――って、あぁもう!」

 

 ブレイズが悪態をついたかと思うと、チェンソーの唸り声と金属がぶつかる音が響く。

 察するに追撃から守ってくれてるだろう。凄く感謝だ。だからこそ、体が動かなくなる前に対処しなければ。

 

 追撃が来る方向へ瓦礫を投げながら心配して駆け寄ってくれたロスモンティスを、ジェスチャーで離れるように促す。オレの循環液は源石だからな、先民を近づける訳にはいかない。

 だから離れたのを確認して、後ろで頑張っているブレイズから出来るだけ距離を……取れなかったから背中を別の方へ向ける。あとは背中に手を回して剣を掴み、

 

【左腕、修復……!】

 

 一気に引き抜く。

 

 剣を捨て、立ち上がり、動作確認。やはりこれまでのダメージとアーツ使用、そしてさっきの修復時に流出した液体源石の量が多すぎた。動作が鈍い。

 

「大丈夫なの?」

【あ、あぁ……問題無いとも。左腕、圧】

 

 ブレイズが迎撃してくれていた複数の剣を纏めて吹き飛ばす。

 

「君、怪我は?!」

【少なくとも安心はしてくれ。それよりもだ】

【あぁ、それよりもだよなァ>】

 

 返事をしたのは、こちらへ歩いて向かってくる狂撃制圧型だ。ダメージを受けた証である源石結晶が頭に出来ているが、体は掠り傷程度しかなく未だピンピンしている。よく見ると、背中の複腕がなにかを…いや、吸い寄せられる複腕のパーツを取り込んで再生している。

 

「何あれ、あの腕生物なの?」

【いや……多分ナノテクだ。実装してたのかよ】

「ナノテクがなにかわからないけど、ここまで来ると何でもアリね」

 

 そう会話しながら武器を構える。それと別に狂撃制圧型は複腕が元に戻った瞬間に立ち止まるが、オレ達は構えを解かず、攻撃の機会を伺う。

 

【まさか適当なのがガチで当たるとは思わなんだァ>以外にもマヌケだなァエェ?>】

 

 そう発声しながら、狂撃制圧型は地面に複腕の大剣を突き刺す。次の瞬間、複腕が付け根辺りからパージされ、大剣と融合した。形が変わり、二回り程大きくなる。

 

【悪いがロスモンティスに武器を与えれると思うなよ>そいつは仲間がいれば厄介だからなァ>何も出来ずにお前達が殺される様を見せつけてから……じっくり殺す>】

「ッ――!」

【させるかよ】

「させないよ」

【やってみろよ>漏れなく全員、達磨にしてから首を刎ねてやらァ>】

 

 残りの僅かな複腕が溶けるように体と同化し、そして複腕があった場所に青いケーブルのホログラムが刺さる。黒いのっぺらぼうに、赤色の◇が浮かび上がった。

 そして大きくなった4本の大剣が独りでに動きだし、狂撃制圧型の周りで滞空する。まるで……

 

「私と同じ……」

 

 厳密には違う。狂撃制圧型の使うアーツはクソ雑魚念力だ。人の首すら折れない出力しか出せなかった筈だが……まぁ十中八九そのALケーブルのブーストだろうな。

 

【月よ、青く輝らせ>】

 

 黒い顔にナノマシンが集まり、目の部分に大きなX、口に横線が3つ並んだ仮面を作り出し、顔を完全に覆った瞬間に走り出す。無論オレ達も迎撃に出る。

 

【ギャアアアアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!>】

 

 どこぞの突撃型ファンネルの様にこちらを混乱させる様な動きをしながら突撃してくる大剣を演算で未来予測をして弾き、回避し、そして狂撃制圧型の攻撃を受け止め――

 

【ドラァ!!!>】

【折れたぁ?!】

 

 嘘だろオイ?!試行錯誤頑張ってヴィブラニウムに近い性質を持たせた素材だぞ?!(ヤメチクリウム合金)

 

【同じ素材使ってりゃあ折れるだろ!>】

 

 そのまま勢い任せに大剣を振り回し、オレはソレをいなし、弾く。だがやはり、今のオレは明確な燃料不足だった。

 

【ガッ―ゴッ―ガガッ――】

【どうしたどうしたァ?動きが鈍いなァ?必死に避けてて可愛いねェ?>死ねよ!>】

 

 動きが鈍くなったせいで反応に遅れ、次々と来る打撃を諸に受けて装甲を歪める。ついでに先程よりも自由な動きをするファンネルからもダメージを受け、傷を増やす。

 いやファンネル厄介過ぎる。狂撃制圧型の周囲しかないと言う縛りから解放されたお陰で、本当に自由な動きをしてウザい。それにブレイズと距離が離されるせいd

 

【余所見ァ!!!>】

【キッッ―――】

 

 頭部損傷>思考回路、演算機能不具合>左腕ダイヤル、修復装填>

 

「ッ!させ、る…かぁ!」

【ギャハハ!凄く頑張っててエッチだねェ!>】

「はぁ!このっ!ちょこまか!と!くぅっ?!」

【こんな鉄人形を助けようと突っ込んで来るとか、やっぱり人間の思考回路は意味不明過ぎて頭が可笑しくなるわァ!!!】

「がはッッ?!」

【なんならお前から先にブッk―】

 

 修復完了>

 

 やられたクソ!今どういう状況だ?!

 

「ロス…モンティス……」

「その足をどけて。じゃないと次は頭を吹き飛ばすよ」

【……ギャハハハハ!>瓦礫を投げるたァ、如何にも投擲手って感じだなァ?>だがテメェは後だ>】

 

 オレを助ける為にブレイズが動いて返り討ちにあってソレをロスモンティスが瓦礫を投げて助けて狂撃制圧型がファンネルを一本投擲ね了解だクソが。ならオレはそのファンネルに空気弾のアーツを当てて軌道をずらして、半分に折れたイブルソードで狂撃制圧型へ攻撃、注意を引く。

 よし、立ち直ったブレイズにもう一度ALケーブルを繋げ直してから、狂撃制圧型の攻撃とファンネルの突撃を避ける。

 

 とにかく、ロスモンティスが攻撃をしない感じに活躍しなければならなってオォい?!ファンネル避けながらめっちゃ援護してくる?!1回、いや2回程ボコボコにされたからか?!あぁもうチャートが……どうしてオレじゃ上手くいかねぇんだクソ!

 せめて武器を渡してぇけどファンネル邪魔スギィ!1分おきに行動パターン変えやがって!何通りあるんだよ!

 

【いいねェいいねェ!>何故だか機体性能の調子がイイゾォ!>そうかァ、コレが人間の特権である感情!>楽しいと言う感情か!>あぁでも駄目だァ、早くやることやらなきゃ行けねぇのに……この感情が止まらねェ!>】

【ッ!左腕、エターナルファランクス!】

 

 ブツブツと突然感情についてにわか晒しながらファンネルを分解して大剣に纏わせる。そして、矢印の鈍器から巨大な大剣となったソレを勢いよく薙ぎ払い、周囲の建物ごと悉くを斬殺し尽くす。

 危ねえ、オレと視界内の対象にシールドを貼るアーツが無かったら即死だった。後ナノマシンを大剣に纏わせてくれたお陰でアーツ術式の解体が発動しなくて良かった。

 

 だが、不味い状況に変わりはねぇ。ロスモンティスは吹き飛ばされた痛みで動けそうにない。ブレイズは……根性のある女だ。

 

【無様だなァ>必要無いモノを助けるバカの姿だ>こんな事の為に私は…イモータル・イムホテップ(・・・・・・・・・・・・)は、願望機たる私を作り出した訳じゃあ無いと思ったんだが>】

【ウッソだろお前、

記録を見たのかよ。それでその思考回路ってマジ?】

 

 突然話しだしたコイツに返事をしながら、後ろでゆっくり立ち上がり、熱を溜めるブレイズを見る。演算を始めて……終える。

 

【逆に何故そうならないのかなお前は>定義破綻を起こして、こんな非効率になった私になんとも思わなかったのかァ?>ワタシは不思議でならなかったよ>】

 

 んだとコイツ

 

【だからやることにしたァ!>世間の何も知らない純粋なガキを数十人残して、大人も子供も、私が引き寄せた生まれ変わり共も!>神や怪物も!!!>全員皆殺して、後は全て管理する!>残された子供の思考回路をコントロールし、社会を構築して働かせ、満足な食べ物を施し、交配も管理して、人類の脅威を殺す!>コレがワタシのチャート(世界平和)だ!!!>】

 

【「イカれてるッ!」】

 

 後ろからブレイズの小規模ボイリングバースト、正面から高速起き上がりからのオレの液体源石を集中させて出力を向上させた全力斬りをブチ込む。だがブレイズのボイリングバーストを大剣で打ち消し、ファンネルで斬撃を受け止める。

 そして、受け止めた事で散らばった破片を念力のアーツで集めてファンネルを再生させ、手首が無い腕に纏わせ二刀流になり、オレ達二人をいっぺんに相手する。

 

「そんな大勢の人間を殺して置いて平和?!巫山戯るのも大概にしてよ!」

【ならどうするんだァ?>誰もが皆、数百、数千年の時を重ねても、数多の人殺しでしか成せない仮初の平和を!>数年しか、ごく一部しか享受出来ねぇってのに!>テメェは人を殺すなと言うか!>人を殺さない以前に手段も選べねぇ先民風情が!>】

【人を殺す時点で、お前も選べてねぇだろうに!】

【バカ言え!>選んだ結果だよこのマヌケェ!>】

「本当に最っ低!君のそれは、大量虐殺と支配で、平和と最もかけ離れたものだよ!」

【人間の生態すべてを管理している時点で、それは人間扱いじゃない、家畜扱いだ!平和に一番重要な事をお前は理解出来ていねぇな!】

 

 数度の剣戟を重ね、先程の様にオレ達の武器をそれぞれの大剣で防ぐ構図に戻る。

 

【平和ァ……どうせ自由とかなんとか綺麗な事言うんだろうがァ、やっぱバカ、ポンコツだよオマエ>】

【あァ?!】

 

【あのなァ…人間一人ひとりの思考回路が違うから、世界は平和にならねんだろうが>だから家畜同然でいいんだよ>】

【テメ―ガッ】

「がァっ?!」

 

 その一瞬、イブルソードがファンネルに飲み込まれ、そしてファンネルが腕から射出。威力が低かったとはいえ、諸に食らったオレは吹っ飛び…かと思ったらファンネルが首に纏わりつき、逆再生の様にヤツの手に戻る。そしてその間に、ブレイズはチェンソーを弾かれ、念力のアーツで引き寄せられて首を掴まれていた。

 

 不味い、このままじゃ残りのファンネルに――

 

【だからテメェらみたいな思考回路のクズ共を!>最初に殺さなきゃなァ!>】

 

 

 

 

 

 ん?

 

「……来な、い?」

【ア?>】

 

 その瞬間だった。どデカい大きさの槍が、正確には刃と刃を合わせて三角形の形をかたどった三本の大剣が、狂撃制圧型を吹き飛ばした。衝撃でブレイズは解放され、オレは纏わりついた大剣が家の残骸にあたって砕けた事で解放される。試作品だとしても案外脆いなこのナノマシン。

 

 オレは立ち上がり、息を荒くする少女の元へ駆け寄る。ブレイズも既に駆け寄って、ロスモンティスを落ち着かせていた。

 

【……ありがとう。正直助かった】

「ありがとう、ロスモンティス」

「ハァ…ハァ…た、倒せた?」

【いや、オレ達じゃあ火力不足――】

【アァそうだァ!>】

 

 狂撃制圧型が立ち上がる。ていうか嘘だろ、あれで装甲が凹んだだけかよ。これじゃあロスモンティスに上げる武器でも無理ゲーだぞ……!

 

【テメェは加虐したくなるから最後にとって置こうと思ったがァ……やっぱりテメェをブチ殺すのが一番手っ取り早い見てぇだなァ!】

 

 ファンネルのナノマシンがまた大剣に纏わり、巨大化する。だが先程よりも長く……長く大きくなって、随分と殺意の高い片刃の巨剣が出来上がる。刀身に穴を開けてまで太さと長さを増やしてる所がガチ感がヤバい。流石にこれは、顔を青くせざるを得ない。そんな二人の前に立ったは良いものの実際オレもヤバい。どうやって防ごうコレェ!!!この再現アーツで防ぎきれるか?!やるしかねぇな?!

 

【左腕、対粛―――】

 

【パァニッッッシャアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!】




一万文字とか始めてだぞ。当時は2話で終わらせるつもりの話だったのになぁ?おかしいねぇ?

そしてまた遅れた上に決着つかずで申し訳ない。ここまでお気に入りに残して付き合ってる人たちには感謝感激雨霰です。なにかお返ししたい(ん?今なんでもやるって)

ちなみに遅れた理由の3割が最近買った地球防衛軍6です。


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AIのココロ

サブタイトル「(文字数)なんぼなん?」

ホモ「こちら、約15000文字となっております」

サブタイトル「14万?!」

ホモ「1万5千だっつってんだろ」

 長くなって本当に申し訳ない


 外界認識機能修復完了>各箇所の損傷再確認・・・異常無し>残り液体源石42%>身体機能が50%制限されます>残量が10%を下回った場合、システムを強制終了します>

 

 目覚めて早々余命宣告とは恐れ入るな。オレは上手く動かなない体を持ち上げ、辺りを確認する。この体が無事であるならば、どうやらあの一撃を防ぐ事が出来たのだろう。そして今いる場所は、居住区の下にあった下層フロアといった所か。

 

 ………見つけた。ブレイズとロスモンティス。二人とも無事…ではないが、生命の危険は無し。尖った瓦礫に運悪く串刺しなんでなってたらオレは…………………どんな思考をしただろうか。

 兎に角、そんなことは無くて良かった。まだ()のやり方は否定されていない。これ以上ロドスオペレーターとレユニオン幹部が殺されない限り、まだ。

 

 だがどうするべきか。あの怪物を、どうやって止めるべきか。そう考えながらブレイズを治療しようとして、アーツの行使を止める。理由は簡単、狂撃制圧型に察知されて………

 

【さぁぁて何処行ったんだァ>ここかァ?!>】

 

 上から破壊音が鳴り響く。不味い、これオレの修復でバレたな最低だチクショー!

 いきなりタイムアタックとか勘弁してくれ。早くこの状況をどうにかしねぇと。どうすればいい……?

 

 ……どうするか?何故それを一々考える必要があるのか。()に知らせればいい。本体への接続偽造を切り離して、オレを再接続するだけ。そうするだけで()は状況を理解して、対応してくれる………だがそれでは駄目だ。今の()はあの愛国者と戦闘している。そこに余計な演算をさせてしまえば、そのせいで愛国者との戦いに負けたら、これ以上チャートが崩れてどうなるかわからない。最悪の場合、世界レベルの逆行銀河(リセット)を行わなければならなくなる。そうすれば運命が変わってしまう。

 

 今この状況で出来る最善の方法は、バレない内に彼女らを担いで封鎖層にいるロドスへ――

 

【いや待て、オレ達が死んだと勘違いして探すのを止めたら、アイツはそのまま……あぁぁクソォ!!!】

 

 そうだよだから態々ブレイズ達と戦ってたんだろうが!

 ロドスは今ウルサス兵とヤりあってる筈だ。そんな所に狂撃制圧型が合流すれば、少なからず人が死ぬ。()の道具が人を殺してしまう。特にスパラディは失ってはならない乱数だ。戦場機動「卓越」程度じゃあ演算範囲内。こっちも未来演算するか、グレイディーアか彗速走行型がいないと…あぁぁぁ!!!!

 

【さっきから気持ち悪ィ!ちゃんと演算出来ねえのかクソがァ!】

 

 …………落ち着けよ。今何をした?地面を殴った。よし、現状反覆出来るならオレは正常だ。

 

 二人と一緒にロドスへ向かうか。駄目だ、いくら狂撃制圧型が一番遅いからと言って、今のオレでは追いつけない。

 ならば接続によるデータの共有で()に全てを伝える。コレは純粋にやりたくない。個人的な要因を外しても、デメリットが多過ぎる。残るは………

 

【…結局、オレはここで機能停止しそうだな】

 

 オレはポケットから赤い装置を2個取り出す。方舟の先民達が持っている、鎮圧したレユニオンやらを一人ずつドローンに運ばせる為の、酷く非効率な目印。それを1つずつ、眼の前の先民達の体へ―――

 

「………あ、あのっ」

【―――ゑ】

「あっ――」

【キェェェッ…アァァァ――?!】

「ッ――?!」

 

 突然過ぎて、咄嗟に尻もちをついた状態でカサカサと後退する。

 

 危ねえ音量が高すぎる所だっじゃなくて!

 

【突然ビックリするわ!起きてるなら最初から起きてて?!自己申告して?!】

「ご、ごめんなさい……」

【おぉん……で、体の方は大丈夫?息できる?目は見えてる?頭が痛かったり、感度3000倍になったり、体が乗っ取られたりしてない?】

「ん、大丈夫だよ。ブレイズが守ってくれたから」

 

 癖で冗談を交えながら安否確認をする。まぁ状況が状況だから突っ込みが無くて滑っているが、少なくとも返事は返してくれたのでロスモンティスは一応無事なようだ。

 

 また、破壊音が響く。さっきより近くなってんな。

 

【ロスモンティス、これを】

「あ――っ、コレはなに?」

【それを君とブレイズさんの体へつけて。そしたらドローンが担架持って来るはずだから、それに乗って運ばれてけ】

「貴方はどうするの?」

【勿論足止めだとも】

 

 頼むから早くしてくれ。ここで二人が死なれたら困る。

 

 そんなオレの演算を知ってか知らずか、ロスモンティスは目印を握ると、フルフルと首を横に…いや振るなよ?!縦に振れ縦に!

 

【なんで?!】

「だって……貴方の手が、震えているから」

【あぁ?】

「それに怖い顔もしてる」

【?????】

 

 ………いや震えてねぇよ。そもそも振動機能なんぞ腕につける暇ねぇから震えねぇよ。顔も偽装投影機能は未実装だよ!

 

【おちょくってんの?】

「そんなことしないよ」

【ええい兎も角!大人しくブレイズさんと運送ドローンが来るのを待っててくれ!ドローンは封鎖層まで乗せていってくれるから、そこで方舟の誰かにこの事を――】

「なんで!じゃあなんで私も一緒に戦わせてくれないの!」

【あぁ?!】

 

 もうちょっと声を抑えてくれ!しかもなんだコイツ、さっきからキャラ崩壊気味に戦わせろ戦わせろって……こっちの演算結果も知らねぇク―――・・・・>……落ち着いて話を聞いてみよう。

 

【……その理由は、守りたいからだよな】

 

 こくりと、ロスモンティスは首を縦に振る。あぁそうだ、この少女の行動原理は程よく知っている(・・・・・・・・)()程では無いにしろ、記録を見たオレは子供の純粋さが振り切れた守護の奴隷だと決めつけていた。

 

 だから割と予想外だった。

 

「そうだけど……違う、ブレイズも…家族も守りたいけど、コレは…違うの……」

【どういう事だ?】

「だって私…ずっと、ずっと守りたかったから。家族を守りたくて、家族を傷つける人をやっつけて……きたの。でも、ロドスが貴方達と出会ってから、私は余り戦わなくなった。今回も、誰も私を戦わせようとしなかった。なんでかわからなかったけど―――

 

 

 

 

 

 

もしかして私は、家族を守ってた私は……あんなふう(狂撃制圧型)に見えてたのかな。ホントはアーミヤもケルシーもドクターも、私の事が怖かったのかな」

 

 記録に無いものだった。()の中にあるどの記録にも無く、俺の記憶(・・・・)にすら存在しないロスモンティスの言葉だった。

 

 オレは今問われているが、どう返せばいい?わからない。その泣きたいのか笑ってるのか曖昧な表情と合わさって、予想外の問いにオレは何も返せないでいる。

 

「でも…でもね、私決めたの。みんなを守るのは変わらないけれど、それだけじゃ駄目だから、私も変わらなきゃって。だからそのために、私も戦わせて。最後に、あの人を倒させて。これだけは私がやらなきゃいけない事だから」

 

 言葉を聞きながら、それを演算装置で解釈する。つまりこの少女は、誰かの為に暴力を振るう自分と、世界平和の為に皆殺しをしようとしているアレを重ねて、その否定と守り方を変える等の事を始める為に狂撃制圧型を倒したいと。ケジメと言うヤツだな。

 

 さてどうしようか。と演算しても、答えはもう決まっているようなものだった。自分を機械だの言っておきながら、オレの思考回路は想定以上に()より()に寄っていただけの事でありまして。

 

 オレはこの少女の決意を汲み取る事が、最善の道だと決定づける。

 

【うん、とりま1つ指摘してもいいかな?】

「?」

【ロドスの上層部3人は君を恐怖なぞはしてねぇさ。君を戦わせたく無い理由は、君の身を案じているからに他ならないだろうし。てか絶対そう、君に恐怖なんて無い無いマジで】

「そう……ん、そっか」

【そうとも。だから自身持ってイけ。ドクター達や君の部下や知り合い…それこそブレイズさんは、君の事を守りたい位愛してるさ!って訳でオレも手伝うよ。君の人生再出発。二人で未来を変えてみせようぜ?】

「うん………うんっ。ありがとう、黒い人」

 

 オレの言葉を聞いて、ロスモンティスは驚いた様な表情をして、顔を伏せながら確認するように納得し、顔を上げる。その顔に不安と言った感情の要素は、もう無い様に見えた。

 

【まぁ、ホントは陽だまりとかそんな所で笑ってる君が見たいのだが】(小声)

「え?」

【何でもない。よし、今度こそ武器を呼ばねぇとな。あそうだ、ついでに友達の儀式しとく?】

「と、友達…?!だ、段階がはやい。うぅっ…どうやるの?」

「…アッハハハッ!先に武器出した方がいいんじゃない?」

【あ〜……確かに。それもそワァァァァ?!!?!】

「あ、ブレイズ」

 

 ッあのさぁ!あのさぁ〜〜ッッ!死に真似好きなんかテメェら?!

 

「おはよ、ロスモンティス。所で君、大丈夫?フリーズしてるよ?」

【……ロドスのオペレーター頑丈過ぎない?左腕、武器庫接続】

「フフ〜ン♪あっ所でさ、後で良いんだけど、体治してくれないかなーって」

【先民の耐久力ヤバすぎだなマジで。まぁいいか。武器を呼んだら直ぐに治すとも。あそうだ、コレやるよ】

「よっ……通信機?コレくれるの?いや壊されたから嬉しいけど」

【チャーんト持ってろよ。んじゃ…試作型メタルフォモセス、超武装撃滅……いや、多目的武装大型ファンネル:エンシェンツカーネイジ、1番から4番……要請】

 

 

 

 

 

 

 

【見ィつけたぜェェェェェ!!!!!>】

 

 破壊音と共に下層フロアへとライダー着地を決める狂撃制圧型。遅れて4本の大剣が地面へ突き刺さり、片腕で埃を払う仕草をしながら立ち上がる。

 

 そしてオレ達を視認し、露骨に不機嫌な音声を出力する。

 

【……チッ、本当にしぶてェ>しぶと過ぎる!>早くチェルノボーグの奴ら皆殺しにしたいってのによォ、アニメかなんかだったらダレてイライラする位にしぶてぇなァ!?>】

「あっそ、それは悪かったわね」

【残念ながらお前に対して罪悪感は湧かないけども】

 

 治療して元気いっぱいオペレーターとなったブレイズが二枚刃チェンソーを構え、オレは手元に転送された長方形の大剣で狂撃制圧型を指差す。

 

「倒すよ。貴方は家族を…ううん、人を傷つけるから」

【お前の倒すは殺すだろうが>何時までも性根を変えねぇ癖に可愛子ぶってんじゃねぇぞコラ>】

「………(#^ω^)」

【どうどう】

「ん、その通りだよ。でも、違う守り方をしてきた人達を見たの。今思い出したけど、みんなもそのやり方に挑戦してた。だから私も頑張って挑戦する。そのために、私は貴方を倒す」

 

 そう言い終えると同時に、オレ達の周りに4つの光が現れ、その光で形成された棺桶状の武器が音を立てて地面に突き刺さる。

 

【殺す相手を選ぶとか、遂に人間差別の入口に立ったなァエェ!?>】

【いやポンコツ機械をぶっ壊す事を勝手に差別呼ばわりしないでくんね?】

【・・・>】

 

 無言で4本の大剣を念力のアーツで引き抜く。それを見たロスモンティスも精神実体を武器の持ち手である穴に通し、その武器『多目的武装ファンネル:エンシェンツカーネイジ』を持ち上げる。

 

【話は終わりだァ>今すぐ―――】

 

 大剣を構え、体を低くして助走の態勢を取る。ソレを見たオレ達も攻撃態勢を取り、オレは二人の頭にALケーブルを接続する。

 

【死ねェェアァァァ!!!!>】

 

【よしロスモンティス!使い方はわかったな?!】

「うん!目標に向かって……引き金を、引く!」

 

 突撃してきた狂撃制圧型へ向かって、2本のカーネイジがガシャガシャと下側からせり出した銃口を向ける。更にガシャッと全体が素早く展開し、銃口が砲口へ換装され……

 

 その砲口から高エネルギーの奔流を発射する。

 

【ガハハッ!>】

 

 コレには狂撃制圧型も驚く様な素振りをするが、冷静に手に持っている大剣を前へ突き出す。

 

【アァん?!>何じゃこりゃあァァァ?!>】

 

 本来なら大剣の力で分解されると思っていたエネルギーの奔流は、枝分かれしたものの遠慮なく狂撃制圧の黒コートを焼き始める。慌てて大剣の持ち方を変え腹の部分でガードするが、その大剣も徐々に赤熱し始めた。

 

【ぐっヌォォォオガァァァ!!!>このクソガキァ!>】

 

 なんとか射線から横へ転がり出ることで事なきを得る狂撃制圧型。そして語気を荒げた発声をすると、改めて突撃。その突撃を止める為に、オレとブレイズが照射を終えたロスモンティスの前へ躍り出る。

 狂撃制圧型と共に突撃してくる二本のファンネルをオレとブレイズで対処し、頭上を飛んでロスモンティスへ突撃しようとするもう一本のファンネルを銃へ変形させたメタルフォモセスで撃ち抜いて、そのまま二人がかりで狂撃制圧型へ攻撃を開始する。

 

【源石による異常現象じゃあねぇ・・・ッてことはよォ、その棺桶はワタシが装備する筈のォ――!>】

【過去に装備した記録があるってだけだろうがフザケンナッ!】

「そんな悠長に喋ってて大丈夫な…のッ!!」

 

 オレとアイツの鍔迫り合いしている所に後ろからブレイズが攻撃するが、ソレを未来演算した狂撃制圧型が残りのファンネルでチェンソーを防ぎ、そのまま腕に纏って反撃する。

 そしてさっき斬り捨てたファンネルを再生させてオレ達の迎撃に加え……る前に、ファンネル達はけたたましい音と共に発射された12.7×99mm弾によって丁寧にバラバラにされた。オレ達?勿論わかってたから直ぐに狂撃制圧型から離れたよ。見ろ、対物ライフル弾を贅沢に使った弾幕を諸に食らってる狂撃制圧型を。

 

「全然ダメージ入って無さそうね」

【悲しいなぁ】(ポロロン)

 

 そんな事を発声しつつ、ロスモンティスを視界へ追加する。彼女は掃射を終了させて残った空薬莢を一気に排出する。それと同時に、さっきビームを撃ったカーネイジの冷却も完了した。

 

【取り敢えず後ろからファンネル来るわよ】

「ん……」

 

 頭部の情報処理機関に直接ロスモンティスの声がしたかと思うと、カーネイジの一本の側面が展開して金属の刃を露出させ、後ろから来るファンネルをズンバラリと斬り捨てた。確かに二人の脳をオレの演算機関に接続させて色々サポートしてるとはいえ、順応の速さには恐れ入る(建前)ノーモーション迎撃こわ(本音)

 

【作戦通りで行くぞォ!】

「えぇ!でもあんな作戦で本当にいいの?!」

【大丈夫だ、問題ない!】

「私は、信じるよ」

 

 そう言いながら、オレとブレイズは狂撃制圧型へ再度突撃。ロスモンティスは一本のカーネイジへ体を乗せ、ファンネルの相手をしながらオレ達への援護を開始する。

 

【クソァ!!>たかがメスガキが一人加わった位で、こんなァ!>】

 

 横薙ぎをしゃがんで躱しながら足払いで態勢を崩し、すかさずブレイズのチェンソーが背中を焼き斬り、メタルフォモセスを銃へ変形させて顔面に榴弾を叩き込んで、空中からロスモンティスが乗っているカーネイジから対物ライフル弾をフルオートで発射する。

 

 対物ライフル弾を体のあちこちに受けながら後ろへ仰け反り続ける狂撃制圧だが、直ぐに横へ飛び跳ねる事で射線を切り、ファンネルを念力で操作し始める。狙いは勿論ロスモンティスだが、オレが演算したファンネルの軌道が彼女には見えている。射撃を中止し冷静に回避すると、刃を展開させたカーネイジで三本のファンネルを斬り捨て、4本目を乗っているカーネイジの銃口を砲口へ変形させて、ビームを一瞬だけ発射し粉々にした。

 

 いや違うな。ナノマシンの融解を恐れてビームが着弾する前に自ら粉々にしたのか。名前の割に小賢しい奴だよ本当に!

 取り敢えず、ファンネルをバラバラにさせる為に一瞬だけ意識を向けた狂撃制圧型の大剣を握っている腕に、蛇腹剣に変形させたメタルフォモセスを絡ませる。

 

【アァ?!>】

【行くぞォ!】

「オーケー!」

 

 筋力強化のアーツを発動させてからメタルフォモセスを横へ勢いよくスイングさせる。狂撃制圧型は念力で抵抗しようとするが、オレも筋力強化に重ねて念力のアーツで干渉し、捻じ伏せる。

 そしてそんな狂撃制圧型を待ち構えるバッターはエリートオペレーターのブレイズ選手だァ!興奮の余りチェンソーを激しく燃やしている!(直喩)

 

「この熱く滾るチェンソーで……」

 

 ブレイズ選手、チェンソーを野球バットの様に構え……!

 

【ほざけェェェェェ!!!!>】

「派手にかっ飛べ!!!」

 

 打ったァァァァ!!!飛んだァァァ!!!!

 

「チッ、ギリギリで防がれた!」

【いや防ぐなァ!!!ほんっとアイツ空気読めねぇなァオイ!!】

 

 どうやら食らう直前に、さっき分解したナノマシンを手繰り寄せて大剣を生成しガードしたようだ。まぁ一部のナノマシンを熱流で溶かせたから良いが、いややっぱウゼェな。

 

【だが○ン…○、ティン……ッテンポは良いぞ。それとロスモンティス、出来る限りビームはファンネルじゃ無くてアイツに撃て、ここぞと言う時にな。それエネルギー量は割と少ないから】

「ん、そうする」

 

 そう言って、ロスモンティスは2本のカーネイジをミサイルランチャーへ変形させ、大量のミサイルを狂撃制圧型へ撃ち込み始める。良いぞもっとやれ。

 

【ホザケァァァァァァァ!!!!!>】

「くぅ…!まだこんだけの風圧を起せるパワーがあるっての?!」

【ナァにパワーだけだぜ今のアイツは】

 

 そう、何せコッチには地上での戦闘でボコボコにされた時に集めたアイツのファンネルの数十もの行動パターンを解析したデータがある。

 そして何より、数の有利と言う状態そのものが、アイツの敗因だ。

 

 こうして戦闘してみて理解した。幾ら戦闘データがあったとは言え、オレ一人ではもう破壊されていた所だろう。ALケーブルによるオレの未来演算結果の共有、ファンネルの処理を分担してやる事による負担と隙の削減こそが、今回の戦闘のカギと言っても過言では無い。

 特にロスモンティス、彼女がエリートオペレーターで決戦兵器であることを改めて実感出来た。本当に心強いよ、彼女を戦わせなきゃいけないのが悔し過ぎる位に!

 

 つまり何が言いたいかと言うと――

 

【3人に勝てる訳無ぇだろ!】

【バカガテメェ!!!勝つゾワタシハァァ!!!>】

 

 アイツがファンネルを作り直す。一つを腕に纏わせ、残り3つをこちらへ飛ばしながら自身も突撃すると同時に、オレ達も突撃する。オレ達が避ける事を前提とした複雑な軌道のファンネルだが、オレ達には見えている。その軌道が、お前が演算した未来が見えているぞ!

 視界に映る軌道予測線を、オレが演算して回避する事を演算して対策したであろう軌道の通りにやってくるファンネルを、大剣で下から上への縦振りで砕き、熱流を纏ったチェンソーで溶解切断し、死角から迫る最後の一本をカーネイジのシールドで防ぎ、そのまま正面を展開させ露出させた複数の銃口から炸裂散弾をゼロ距離発射。文字通り塵と化す。

 

 圧倒的後出しジャンケン。だがそれは向こうも同じだ。この演算勝負の優劣は的中精度の唯一つのみ!

 

【占い師向いてねぇなァこのポンコツァ!!】

【イキがりやがってェェェェェ!!!>】

 

 数秒先を細かく演算し直すこいつと違って、今のオレはァ!お前の行動を数分先まで、ほぼ正確に的中させれるぜェ!

 

【ドラァ!】

【チィ!!>】

 

 オレの上段斬りを腕に嵌めたファンネルの大剣で防がれる。チッ、ナノマシン同士の結合を念力で強化しやがって小癪なァ!

 

「はぁッ!」

【させねェ!>】

 

 鍔迫り合いを始めたオレの背後からブレイズが飛び出し、高速で背後に回ってチェンソーを振るうが、コレも矢印の大剣で防がれる。

 

【調子に乗って結局――】

【いんや演算通りだ!】

「その通…り!」

 

 ブレイズがチェンソーを傾け、大剣をチェンソーの刃と刃の間に入れ込み、グリッと傾けて簡単に外せない様にしてから、地面に抑えつける。

 

【アァ?!>こんなモノッ>】

【左腕、筋力強化!】

 

 更にALケーブルを伝ってオレ達の筋力を強化させ、コイツのフィジカルに負けない様にしてから、オレも大剣を地面に抑えつける。

 

「今よ!ロスモンティス!」

「うん、コレで……!」

 

 ロスモンティスが狂撃制圧型の正面でカーネイジを2本、砲口を展開させながら構え……

 

「終わって!」

 

 照射する。

 

【ヤァァァァァラァァァァセェェェェネェェェェェェ!!!!!>】

 

「ちょっ?!あっつ!!」

【無理すんなブレイズさん!コレ使って!】

 

 念力でビームを引き裂く事によって拡散した人体には危険過ぎる熱流が、ブレイズへ襲いかかろうとする。ソレに気づいたオレはメタルフォモセスの変形コードを押しながらブレイズへ投げ渡した。

 

「ありが……とぉッ!」

 

 熱流から逃げる様に後方へジャンプしながらメタルフォモセスを受け取ったブレイズは、そのまま蛇腹剣形態になったメタルフォモセスを矢印の大剣へ巻き付け、力強く引っ張る。

 

 これでもまだ大剣を手放さないってんなら……

 

【追加の一手だ】

【ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!>】

 

 左腕

 

【強制移動】

 

 一瞬にして体がぶっ飛ぶ。

 強制移動は性質状、本人の抵抗などは無関係にその対象を指定場所へ移動させるだけのアーツ。着地地点を…例えば高高度から地面へ強制移動をさせると、その対象は多少の風圧などは感じるものの、絶対に落下で死ぬ事は無い。だって移動だからな。叩きつける訳では無いのだ。だが、指定場所の進路にある障害物は話が別だ。為す術も無く物理法則の力で叩きつけられる。今柱にめり込んだアイツみたいにな。

 

「よし、奪えた!」

【ナイスゥ!】

 

 ブレイズが矢印の大剣を見せてくる。持ち手に手首があって草。

 

 オレは大剣を遠くへ蹴り飛ばし、足でチェンソーを器用にブレイズへ蹴り渡して、メタルフォモセスを受け取る。

 

【間髪入れずに行くぞ!】

「オーケー!」

「ッもうすぐで熱くなるよ……!」

 

 カーネイジのオーバーヒートによりレーザーの照射が終了。と同時に叩く!

 

「今までの分を、いっぱい返してあげる!」

 

 チェンソーで狂撃制圧型の顔をカチ上げる。オレはカチ上がったコイツの首へメタルフォモセスを横薙ぎに薙ぎ払い、横へ倒れる体を刃を展開させたカーネイジが掬い上げる様に斬り上げる。

 

【ッ―ッッ―…ア゛ッア゛ア゛ア゛!!!ガッ―――>】

【コイツに演算させるな!】

「考える隙なんて、与えない」

 

 歪んだ雑音をまき散らしながら態勢を立て直そうとするコイツは、その瞬間に横からチェンソーで削り殴られる。そして頭と鳩尾にそれぞれカーネイジとメタルフォモセスがめり込み、そこからオレが後ろに回って背中を斬り裂き、前のめりになった所へブレイズの滾るチェンソーがこれでもかと押し付けられながらギャリギャリと斬り上げ、冷却し終わった2本のカーネイジが前後から両断する勢いで腹部と背中を同時に攻撃し、オレが頭頂部を全力でたたっ斬る!

 

【「硬い!」ェ!】

 

 クッソ小癪な防御力の高さだよホントに!

 だがそんな防御力だろうと、カーネイジの最大出力による一点照射は耐えられまいよ!

 

 メタルフォモセスを再度蛇腹剣へ変形させ、狂撃制圧型に巻き付け横にぶん回す。そこにロスモンティスがカーネイジから視線誘導のマルチミサイルを発射し執拗に追撃する。

 そして次のバトンは勿論ブレイズ。追撃が中断されると同時にさっきの様にチェンソーを振りかぶり………打つのではなく、引っ掛ける。

 

「くぅッ……!なんとかっ…掴めた!」

 

 遠心力の影響を贅沢に受けながら、ブレイズは狂撃制圧型の肩を掴み、その胸にチェンソーを押し付け抉り散らす。回転率を、熱流の温度を、上げて上げて上げて上げて上げて上げて上げて上げて!血液を燃やし、肌が焼け焦げるその寸前まで、炎を燃やし続ける!

 

「コレで……終わりだァァァァ!!!!」

 

 横回転からスピードを落とさず、流れる様に背負投げの要領で叩きつけ、着弾と同時にブレイズの中規模ボイリングバーストで、始末する。

 

 最後の〆はロスモンティス!エンシェンツ・カーネイジの最大出力レーザー4門で、源石エンジンを撃ち抜いて―――

 

 

 

 まて、なんでうつ伏せに倒れている?演算では仰向けの筈だ。

 

 何処かで誤差?いや、ブレイズもロスモンティスも、演算通りの動きだ。オレの未来演算は情報を集める手間がある代わりに、集め終われば的中精度は()の次に高い。だから演算結果が合わないって事は、高確率でオレの知らない事をしてくると言う訳で。

 

【ッ左腕!空間――】

 

 それと同時に、ヤツの後頭部にALケーブルが繋がれる。いや、全部だ。手、足、背中…体の後ろ側を覆い尽くすまで繋がれたALケーブル。いったいどれだけの汎用義体と繋がっているのかなど演算する余地もなく、咄嗟にコイツを遠くへ飛ばす為に発動させようとした空間跳躍よりも速く、この不良品は数百倍まで強化された念力を―

 

 

 

爆発させた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クソァァァァァ!!!!また、また失敗だ!どうして何回もこうなんだよクソ!視界回復まで幾つかかった?!体は…あぁクソ!遂に左腕もオシャカかよ!万が一の保険も準備しておきながら何も……そうだ、二人は?!あの二人は無事なのか?!………良かった、ALケーブルでまだ思考の共有が出来る。まだ生きてる!

 

【アァ?同時に起動かよクソが>】

 

 …………言いたいのはコッチだが?

 

【……ハッ!なんだこの輪っか。テメェ、特設ステージでも作ったつもりってか?>】

 

 輪っか?………ハッ、巫山戯んなクソ。空間跳躍のアナウンスじゃねぇか。さっきの衝撃で範囲と発動タイミングがバグった状態で空間跳躍が発動されたのかよ。草も生えねぇ。発動まで8分10秒じゃねぇんだよ。

 

 だが

 

【チッ……無理な接続したせいか。ま、流石にあの女共も伸びて――>】

【やらせると思うか?】

【アァ?>】

 

 ブレイズさんは…ロスモンティスを見つけたか。じゃあ一安心だな。じゃあ今が、ここでコイツをチェルノボーグから退場させる、最後のチャンスじゃあねぇか。

 

【テメェをここで潰して、二人と一緒にロドスへ帰って……ハッピーエンドだ。テメェの夢が始まると思うなよ】

【…………ヒャハハ!>】

 

 

【やってみやがれやァ!!!>】

【やってやるよォ!!!】

 

 

 地面を蹴る。ヤツも走り出す。互いにボロボロ、ヤツはコートの上半身がすっかり消え去り、胸部の装甲が爛れ落ち源石エンジンが見え隠れしている。対してオレは、左腕がオシャカになった事で完全にアーツが使えなくなった。体も所々ガタが来始めてるし、残りの液体源石だって少ねぇ。

 

 だがそんな事はどうでもいい!今やる事は……右ストレートでぶん殴る!!!

 

【ガッ――】

 

 あぁ、最も基礎的な事を度外視していたと、顔面フレームとヤツの手首から生える源石が飛び散る光景を見ながら思う。先ず、近接攻撃する前提の義体と、アーツで蹂躙する前提のオレでは、基礎スペックが―――

 

【バァーカ>】

 

 残り源石液体11%>約60秒後に、システムを強制終了します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 友達がいる………友達だったっけ?でも友達の……何かをすると言っていた様な気がするから、きっと友達だと思う。でも誰か知らない。名前も知らない、名前を持っていたかどうかもわからない。そもそも会った事も無かったと思う。それでも、おかしな話だけれど、友達なの。ロドスにいる友達以外の、ちょっと特別な友達。今も戦っているのかな。なら、私も行かなきゃ。ずっと暗くて、狭い場所に沈んでるけど、動かなきゃ。怖がってる場合じゃ無いから。今度こそ、誰も死なせない!絶対に、助けに行くから!

 

 

 

 ・・・悲シイナァ>

 

【左腕・■■(■■■)

【ッ?!>】

 

 殆ど壊れた左腕に偶然(・・)残っていた複数の汎用源石回路が、偶然(・・)アーツを発動できる配置になっていたから発動させる。

 立ち上がる。立ち上がりながら、後頭部に繋がっている赤色のでは無く、青色のALケーブルを背中にある全ての接続機構へ繋げて、そのアーツをブーストする。

 

【なんで平然と立ち上がってんだテメェ…!>】

 

 平然であるものかよ。こちとら無理矢理動かしてんだぞ。体中が軋んでてウザってぇんだよ。だから今すぐ――

 

【―――>】

 

 右ストレートでブン殴る。

 

 顔面フレームの欠片が飛び散り、上半身裸の変態人形が錐揉み回転しながら飛んでいく。顔を見れば、その黒いのっぺらぼうに拳大のヒビが入っていた。コレがいい気分ってヤツかよ。

 

【ガ―アァァァ!>クソが!なんだテメェ!突然都合のいい力に目覚める主人公かアァ?!>】

 

 知るかボケ。言う気ねぇよ。つうか言ったら駄目なんだ。このアーツの名前は、都合のいい事が起きないとわかっているからこそ、皆その名を口にするのだから。

 

 つかもう終わらせよう。コイツの面白くない目的の始まりにされるのはもう飽きた。

 

【いいか良く聞いてろ不良品。機械ってのはな、人間を幸せにする為だけの道具だ。そんな事も出来ねぇならブッ壊れちまえ】

 

 頭を蹴り上げる。足を掴んで背負投げの要領で反対側に叩きつけ、更にもう一回叩きつけて、踏み潰す。

 その踏みつけを両腕でガードされ、足を掴んでいる手を振り解かれる。そして振り解かれた足による牽制攻撃をしながら後ろへジャンプし立ち上がる不良品に一瞬で近づき、オレはその顔面をもう一度殴った。後ろへ倒れる不良品の首を掴んで引き寄せて、もう一度殴る。執拗に顔面を殴打して、やっと飛んできた拳を回避して、足払いで態勢を崩し、すかさずアッパーカットでカチ上げて、〆は大胆にジャンプして顔面に回し蹴りを打ち込み、地面へダイナミックなキスをさせる。

 

【ッ……ックソ!クソッ!クソッ!クソッ!クソァァァァ!!!!>】

【罵倒覚えたてのクソガキかよ。ま、ここで終わりだ】

【お前なんぞにィ…終わらせられてたまるかァァァ!!!!>】

 

 オレじゃねぇよ。

 

【やっちまえ、ロスモンティス】

 

 ガァン!と、不良品の行く手を阻む様にカーネイジが地面へ刺さる。間髪入れずに残り2つのカーネイジがコイツを囲うように突き刺さり、三角の檻を作り上げた。

 

 そして最後の1つは、唯一の出口を塞ぐように砲口を突きつけ

 

【地獄へ墜ちろ】

 

 粛清の光を降り注がせる。人を救う為に人を殺すだなんてクソをほざく奴にお似合いの最後だな。

 

 ふと、息遣いが聞こえた方向へカメラを向ける。空間跳躍が行われる範囲の外にある柱の近くに、額から血を流しながらブレイズが立っていた。その背中には、瞼を閉じたロスモンティスが背負われている。えっ眠ってんの?眠りながらカーネイジ動かしてるこの小娘?えっ凄、流石ロドスのエリオペ。

 

「……この赤いのを急いで辿って来たけど、大丈夫…みたいね?」

【まぁ…な。そこのエリートオペレーターのおかげだ】

「っ…そう……この子、ずっと助けたいって呟いてたから。目覚めたら褒めなくちゃね」

【凄く……その、複雑だな】

「どうやら気に入られたみたい?」

【………そうなんかね。けどまぁ、先に帰ろう。オレもう治療出来ねぇから、その傷も早く治して貰わないと。あとその輪っかの中に入るなよ】

 

 そう言いながらブレイズの元へ歩きだし……ガァンとビームを照射していたカーネイジが落ちた音でビックリして笑われ、後は何事も無く彼女の元へ辿り着く。

 

 さて、帰ろう。この光景も…まぁ確かに誤差の1つや2つはあったが、多かね演算通りだ。オレも私の事言えないねぇ。

 

【あぁ、本当に理想の結果だよ】

 

 この場を歩く存在が一人多い事を除いて。

 

「あれ?どうしたの?」

 

 立ち止まったオレにブレイズが問う。

 

【……ブレイズさん、手を繋ごう】

「えっ…と、ロスモンティスと話してた時もだけど、やっぱり君距離近いね?」

【…………】

「それと残念だけど今は無理。両手塞がって……え?」

 

 浮く。重量の強い星の中だと思えないほどに、ブレイズの、否、二人の体が浮き始める。そしてヒュッと、体を引き寄せてられて……

 

【掴めたァ!】

 

 近くの柱に左腕で掴まり、引っ張られるブレイズの腕を右腕でギリギリ掴む。ブレイズは驚いた顔をしていたが、背中の違和感をすぐに感じ取り、ロスモンティスの腕を掴んで引き留めた。

 

【よぉし離すなよ!】

「ねぇこれって……!」

 

 突然現れた引力の中心、空間跳躍範囲の中心にある4つの棺桶。その間から身を這い出す、溶解した鉄の骸。

 

【aaaaaaAAAAAAAAAA!!!>】

「嘘でしょ?!」

 

 全くしぶとい不良品だよ。あの熱線に曝されておきながらまだアーツが使える位に体が残っているとか、お前こそ都合のいい主人公じゃねぇかムカつくなぁ。

 

 バキッと、左腕から嫌な音がする。ロスモンティスを見る。膝から下が空間跳躍範囲に入っていた。おまけに発動時間が残り1分を切っている。冗談じゃない。

 

 あぁ、本当に冗談じゃない。

 

 右腕を持ち上げる。バキバキと左腕が悲鳴を上げる。それを無視して、右腕を、ブレイズ達を持ち上げて、その手に柱を掴ませる。

 

【絶対に離すなよ】

「何を――」

 

 バキリと左腕が千切れる。腕から出る黒い血液はもうない。ケーブルも、運命も、記憶からも千切れて、残った鉄塊を二人の人間の為に使う。

 力まかせに引き寄せる念力に身を任せ、骸の心臓を蹴り穿つ。思うよりあっさりと終わらせてから時間を見て……諦める。

 

 まぁ元々、オレはここで機能停止すると決まって――

 

「飛んで!早く!」

 

 ……あぁ、悲しいなぁ。もっと記憶に残って上げたかった。

 

 後5秒、骸を足場に跳躍する。後4秒、飛距離が足りずに着地する。後3秒、また跳躍する。後2秒、彼女が伸ばす手を掴む。後1秒、彼女がオレを引っ張って

 

 時間切れ、オレの体は短くなった。

 

「…そんな、そんなっ……あぁ!」

 …………

「ごめん…ごめんね……!私、君を…助けて――」

『あ、すまん、まだ生きてた』

「……え?」

『いやぁ、なんだ不思議な事もあるもんだねってモンだ。きっと奇跡とかそこら……ちょっ、顔怖っあっちょっ待って!頭叩かないで!黙って連打しないで!あー困りますお客様!オレの頭は太鼓の達人では御座いません!やめっ止めろォ!』

「じゃあ私のちょっと流れた涙返しなさいよ!」

『だってお前も最初に死んだふりしてたじゃん!』

「死んだふりじゃないわよ!」

『ギャーギャー!』

「ワーワー!」

『…………』

「…………」

『さて本題だが』

「急に切り出すわね」

『急に切り出すが…アンタは早く封鎖層へ戻るんだ』

「……えぇ、最初からそのつもりよ」

『勿論ロスモンティスと二人だけでな』

「ッハァ?!なんで――」

『言っただろう。まだ生きていたと』

「……それじゃあ、今から君は…」

『だから行ってくれ。この鉄の塊は足枷にしては重すぎるし、命としては軽すぎる』

「……笑えないわよ、それ」

『道具としてはいい例え方だとついさっき自負したんだが』

「………君の何処が―」

『ほら、はよ行け。あ、オレ達の事はこのコトが終わった後で報告してくれ。咎は受ける』

「……最後に1つ!」

『いやはよ―』

「いや言うわ!この子と……ロスモンティスと友達になろうとしてくれて、ありがとう……えぇっと」

『あぁ、そういえば言ってなかったな。つっても……どうしようか』

 

 

 

 

 遠くへ行く2つ重なった背中を見送る。体の端から崩れる始める様に感じる。あぁ、遂に来たのかと、文字通り奇跡的に延長させていたこの稼働時間が、遂に尽きるのだと。

 結局、オレはここで機能停止しそうだなと演算した時から、こうなるとわかっていたし、覚悟というモノもしていた。何も後悔も未練も無い。使命を果たして壊れる、道具にとってこれ程までに誉れ高い終わり方は無い。あでも、やっぱりロスモンティスの事は心配だな。あの子は変われるだろうか。この世界に、あのやり方で抗えるだろうか。心のそこから、笑える日が来てくれるだろうか。

 あぁ、一度でいいから、君の本気の笑顔というモノが見てみたかった…させてみたかったよ、ロスモンティス。

 

 頑張れロスモンティス、君はオレの――

 

 オレの

 オレと

 …………

 悲しいなぁ。

 

『どうして忘れてしまうんだよ。都合よくポッカリと、オレだけ忘れやがってよぉ。もっと、もっと早く教えてくれてもいいじゃあないか。君の中に、オレが残っていないじゃないか!君のタブレットにもオレの名前が残らないじゃないか!なんで!ずっと憶えていてくれてもいいじゃあないか!………何回も教えてあげても、いいじゃあないか……』

 

 なんでオレが終わらなきゃならない。何故壊れなければならない!

 

『オレだって彼女達ともっと話したかった!彼女達ともっと一緒に戦いたかった!一緒にいたかった!なぁ教えてくれイモータル(・・・・・)!お前が彼女達と喋ってる所を予測したら滅茶苦茶不愉快になる!コレが嫉妬ってヤツか?!感情ってヤツか?!心ってヤツか?!』

 

 答えなぞ来ない。接続していないのだから当たり前だ。もう接続すら出来無い体になってしまった。

 

 でもやっぱり……あぁムカつく、悔しい、悲しい、羨ましい。オレはここで消えるのに、オレとよく似た誰かが彼女達と関わると思うと、羨ましくてたまらない。もしこの不快なモノ達が、醜いコレが心だとするのなら、オレは………

 

 

 

 

 もっと美しい、笑顔の様な心を、彼女達と見つけて生きたかったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が醒めたこの子と話しながら、痛む体を堪えて走る。その時ふと、借りた物から音が発せられる。

 

《「こちらロスモンティス隊、隊員のグレイプニルです。聞こえたら返事をお願いします」》

《「良かった繋がった。アーミヤさん、ロスモンティスさんはそこに……いない?トラブル?そんな……」》

《「………わかりました。俺達は信じますよ。それと、ロスモンティスさんに伝えたい事があるんです。………ありがとう御座います!それでは…前回の通信時、ロスモンティス隊はレユニオン、それからウルサス兵による奇襲を受けました。そのせいでロスモンティスさんに要らぬ心配をかけてしまいました。正直言って、無傷ではありません。ブリッシュシルバーさん等の複数名が負傷しています。ですが!まだ誰も死んでいません!今、俺達を助けてくれた方舟のオペレーターと共に迎撃しています。そして必ずみんな生きて帰ってきます。ですから、心配せず、ドーンと構えて待っていてください!以上です!」》

 

 嗚咽が聞こえる。私は彼女を慰めて、沢山溢れる涙を拭き取ろうと思ったら、彼女は自分の腕で涙を拭って……良かったと、まだ泣きながら笑顔を浮かべた。

 

 あぁ、まだ不器用で、不安で不安で仕方なくて、それでも笑顔を浮かべたロスモンティスを、君にも見せてあげたかったな。




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愛国戦争

瞳孔開いて横たわってそうなマンドラゴラちゃんが可愛いねって話(ノンケ)


 愛国者の顔面に一発ブチ込むRTAはーじまーるよー!

 

 もう始まってんだよ!!!(迫真)

 

 はい(はいじゃないが)というわけで解説です。パトリオット叔父の通常攻撃は本へにもあった近距離4回攻撃に加え、広範囲の薙ぎ払いがあります。長柄武器の特徴である先端のダメージ増加があるので出来る限り密着しておきたいのですが、そうすると予備動作の短い近距離4回攻撃を放ってくるんですね。ですから余り正面に立ちたくないのですが、後ろに回ると即感知して振り返りバックステップ薙ぎ払いをしてきます。コレの何が嫌いかというと、分かり辛い予備動作開始からの攻撃発生までに嫌らしいディレイモーションが入っている事です。このゲームはモーション一つ一つがリアリティのある緻密な動作をするので、いつ攻撃を開始するのか分かり辛い。特にこのパトリオットはそれをフェイント気味にやってる節があります。

 

 いや確かに戦闘経験の長いサルカズだけどさぁ、マルギットかよオメェ(キレ気味)

 

 ですがそんなものは大丈夫!何せコッチにはイバラビームがあります。一定距離固定の強制移動を連発させて攻撃の位置をずらすんですねぇ!よぉ愛国者ァ、こんな変態ホモ人形とワルツしねぇか(提案)

 

「この、イバラ、これはまた、厄介な」

 

 お、HPが75%を切りましたね。このゲームのパトリオットはHPが25%削れる毎に数ある攻撃モーションの中から新たに2つ使う様になります。問題なのはコレがランダムで選出される事なんですねぇ!お前本当にストーリーボスだよね?なんで留まりし思念みてぇなシステムしてんの?しかも本体HPに物理ダメージ与えるとリジェネ発動するんだよね。頭おかしい(小並感)

 

「来ると、わかっていれば、対処は、容易い」

 

 ファッ?!この愛国者イバラビームに反応して槍で地面叩いて衝撃波放ちましたよ。よっぽどイバラビームのコンボが嫌いなんだぁ……じゃないんだYO!

 コイツホンマッホンマコイツホンマッ……アァァァ!!!(モーションの引きが)ガバ杉ィ!このプレイで何回再走案件する気だテメェ!本当にやめてくださいお願いしますなんでもしますから(ん?今以下略)

 

 もうこの部分だけで別の世界線でRTAをやっておられる兄貴姉貴どころか普通にプレイしてるノンケ兄貴達の諸君がこぞってパトリオットと敵対しないルートを選んでいる理由がわかりますね。高い耐久力と最低限の適正レベルすら許さない走者殺しの攻撃力に加え、全て憶えるには脳が足りな過ぎる攻撃モーションの数々と残りHPによってそれらをランダムに追加するシステム。そして無慈悲な一定時間無敵の第二形態。ちょっと待って?勝たせる気ある?(い)ねぇよなぁ?!(マイキー並感)

 

???(まずはやってみない事には始まらないので…まずは、え〜、ゲームをプレイしてから、意見を言う事が大事だと思います)

 

 DA☆MA☆RE☆なんだこのイマジナリー桜井?!ディレクターは海猫だっつってんだろ。

 えぇい!コンボ終了時のモーションキャンセルとパトリオットの位置調整を兼ねたイバラビームがほぼ封じられましたが、攻撃モーションの回避を兼ねたイバラビームは――

 

「その、攻撃は、既に見切った」

 

 な゛ぁ゛ん゛て゛モーションキャンセルし゛て゛た゛す゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!おい誰だこのクソ技パトリオットに持たせたの!クビだクビだクビだ!

 

 えぇい!イバラビーム後のコンボを痛覚残留弾の射撃に変更します。流石に強制移動させる度に周囲衝撃波でノックバックさせて来るパトリオットとか格好良さとタイムのロス以外の何物でもないので、少しでもダメージを与える方向へシフトしますね〜。

 まぁ痛覚残留によるダウンダメージは全然効かないんだけどね初見さん。万年鉱石病だから痛みを痛みで相殺するってマジ?痛覚残留弾での追加で与えられる本体へのダメージが一桁とか頭おかしなるでホンマァァァ!!!(発狂)

 

「流石に、対応が、速いか」

 

 そりゃあねぇ?!何回もやってるからねぇ?!(810敗)イバラビームで運ぶと同時にバックステップ痛覚残留弾連射。そこから空中突進攻撃で距離を詰めて攻撃。近距離4回攻撃を全部弾いてダウンゲージを削って、4撃目の確定ノックバックを受けて距離を開きます。ここで横薙ぎが高確率で飛んできますが、硬直時間が丁度解除されるので飛んで避けましょう。後は痛覚残留弾を手早く2発ほど発射しながら空中突進攻撃をしますが、ここで遠距離タゲを取られてもう一つの追加モーションのリーチ拡張叩きつけが飛んでくるので、高性能の無敵付き攻撃で回避と攻撃を両立しまァ!よっしゃコレでどうだァ!

 

「見事」

 

 怯みカウンターを撃ってくるな(58敗)そして見てください、あのダウンゲージの回復量。あれをゼロにしてフィニッシュモーションを撃ち込むのが今回の勝利条件でして、ダウンゲージは本体HPの残量によって被ダメージの増加と回復量ダウンが入るのですが、コイツさっき与えたダウンダメージを直ぐに回復しましたねぇ……止めて?止めろ(懇願)

 普通HP75%でダウンゲージがモリモリ削れる様になる筈なんですけどね、ついでに痛覚残留ブレードってダウンゲージをモリモリ削る武器なんですけどね、あれ~おかしいね?さっきの綺麗なコンボが回復に追いつけないよ?(絶望)

 

「どうした、まだ私は、立っているぞ」

 

 煽ってんのかテメェ!このワンマンアーミーが調子乗ってんじゃあねぇ!その角ブチ折って分からせ敗北させてやんよこのウンディエゴがよぉ!!!

 

 イバラビームで移動させつつ逆方向へ移動しながら痛覚残留弾を配置。パトリオットが次のモーションを発動したのを見てからその攻撃を回避、そして突進攻撃で一気に近づいて痛覚残留ブレードで削れァァァァァ!!!

 よぉしHP50%ァ!ここまで目立ったダメージ無し!このままパトリオットのダウンゲージを消し去ってしまえェ!!(ピピピピピッ)

 

「ぬぅん!」

 

 あっちょっちょっと待っア゛ァ゛ン!(拘束攻撃)

 オ゛ォ゛ン!!(叩きつけ)

 イ゛エ゛ェ゛ア゛アシクビヲクジキマシター(拘束攻撃特有のヤリ捨て)

 1UP(ダウン状態から復帰しなかったからそのまま追撃)

 

 ッースーッ(迫真)ハァァァァァァァ………(クソデカ溜め息)

 いやー、少しガバッてしまいましたねー。でもこれくらいならまだ大丈夫です。というか、パトリオット相手に今まで衝撃波位しか喰らわなかった事自体がウマ味さんだったので、これはおそらく皺寄せ…必要経費ですよ絶対にそうです(希望的観測)さっきの拘束攻撃、おそらくHPが50%切った時に追加されたのでしょう。この攻撃は前方長リーチの拘束攻撃で、さっきの通りリーチの長さとモーションの速さが厄介極まりない。真正面にいると高確率でやって来るので、出来る限り側面に回りたい所さんです。つまり私の凡ミスジャナイデスカヤダー………締めるぞ(殺意)

 

 まぁこの拘束攻撃、絵面はガッツリ串刺しにしてますが部位破壊判定は無いので、まだまだ巻き返しが――

 

 ゑ?腹部損傷?拘束用源石回路断裂?おぉん…………

 

 絶対に許さんぞサルカズ共!!!速攻魔法でゆず塩鰹たたきにしてくれる!!!

 

 速攻魔法発動!バーサーカーソウル!ドロー!(10連青)こっちはタルラ戦の為に源石エネルギーとか色々温存しなきゃいけねぇんだよ!大概にしろ!(ブチギレタンジェロ)

 エネルギー消費量増えますが仕方がありません。HP50%であればゴリ押しでやれるでしょう。ですので今から、イバラビームの空間設置を使って空中に痛覚残留弾を設置してパトリオットを包囲、一斉発射で一気にダウンゲージを削り取りィ!グツグツのシチューにしてやる。

 

 先ずはイバラビームを空中に配置しまくり、ドームを形成してパトリオットを囲みます。そしてヒットアンドアウェイをしながらドームへ入ったり出たりしながら痛覚残留弾をドーム状に敷き詰めます。まぁこのヒットアンドアウェイはHPのちょっとした調整です。HP減少でのダウンゲージのダメージ増加で一気に削り取るんですねぇ!

 

 あってめぇ!また殴りやがったな!2度も殴りやがったな?!カズデルの王にも殴られた事無いのに!もう絶対許さねぇからなぁ?

 

 さぁ全て設置完了!コレが貴様に膝をつかせる痛覚残留弾の雨霰だァ!

 

「まだ、これ程の、力を……!」

 

 コレで終わりだァ!撃てぃ!!!

 

「ぬぅ……おぉぉぉ!!!」

 

 バッ…テメェ!盾でガードするじゃ無いよ!自分の盾が分厚いからって舐めた真似しやがってぇ!弾数と弾速とでも上げてやろうかえぇ?!その盾捨てたら温情をあげますねぇ!だがもう遅い!(ゑ?)撤回不可能よォ!既に弾数と弾速を上げちゃっ…たァ!!!いくら巨戟槍で払っても分厚さが足りないから貫通しちゃうねぇ!

 

「この体の、感触…痛み、だと?私が、何故…?!」

 

 よぉし溜まっちゃったねぇ!後は近づいて攻撃ボタンを押せば、スタイリッシュでオサレ全振りな攻防をしながらパトリオットの頭に近づいて角をパァーン!……ってなっちゃいましたね(事後報告)

 

 よぉし終わり!閉廷!解散!私もうコイツとやりたくない!見てよこのボロボロの姿を!掴み攻撃と攻撃数回喰らってコレだよ!修復でロスるの確定なんだよなぁ……どうしてノーダメで勝てなかったんですか?(疑問猫)勝てる訳無いだろいい加減にしろ!巫山戯てんのか?(木原クゥン)

 

 えぇい今すぐ透過強襲型を呼び寄せて修復のアーツを……なんか死んでるゥゥゥ?!!?ついでにあの狂撃制圧型(バカホモ)も死んでるゥゥゥ!!!結局見せ場無かったなお前ェ!もうどうして再走したくないタイミングでガバが連発するかなァ?!

 まぁでも修復に使う数分は黒蛇を秒殺すればリカバリー出来ます出来ます。アイツ弱いのでなんとでも――

 

「……見事、だ」

 

 あぁ、パトリオットが好きな兄貴姉貴には申し訳ありませんがトランザムして……どうして倍速しないんですか?

 

「あぁ、見事だ。貴様の動き、そして、私の角を、斬り飛ばした事。私も、お前と戦えて、満足だ」

 

 ………あの〜木下ですけど、なぁんで再生態勢に入ってるんです?(恐怖)

 

「満足だ……が、1つ、ただ1つ、お前は私の、1人の戦士としての、矜持を傷つけた。故に私は、お前を、本気にさせる」

 

 なんで撃滅姿勢でこっちに来るんだテメェ!止めろォ!(建前)止めろォ!(本音)オレの側に、近寄るなァァァァァ!!!

 

 

 

 

 

 あっコレ最後のQTEじゃねぇか!

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「………やはり、駄目か」

 

 振り上げられた拳を見つめる。その天を突き上げる拳は、愛国者の目前にそびえ立っており、誰がどう見ても、アッパーカットで愛国者の鋭い覆面の尖端をへし折ったとわかる構図だった。

 

『いやね、人の片腕こんなにしといてガッカリしないで?』

 

 拳を降ろし、アッパーしてた方とは逆の、不気味な程に綺麗なピンク色の人工筋肉と、その間から見える鉄骨や色とりどりの断線した配線が露出した腕をプラプラと見せる。

 

『貴方の全力投槍を受け流した結果のコレ。受け流しただけだぞ?控えめに言ってヤバいって』

「その、程度の事で、お前はなんとも、思わない、だろう」

『するんだよなぁ。つうかこの体の装甲、タルラの炎に耐えるために割と硬めに作ってある筈なんだが』

 

 その場に座り込むパトリオットの隣に陣取り、同じく腰を降ろすホモ。

 

「……未だに、慣れんな」

『あー……貴方に負けを認めて貰うには片角位持ってかないとなって…ごめんね?』

 

 頭を僅かにぐらぐらさせるパトリオットに、ホモは申し訳無さそうなトーンで発声する。

 

「それは、いい。私が負けた、事実に、とやかく言う、つもりは無い」

『おぉん、ありがとナス』

「だが、それとは別に、私はお前に、問わねばならない、事がある」

 

 パトリオットの首がギギギッと動き、ホモと目線を交わす。

 

「お前は、手を抜いて、私と相対したな?」

 

 その言葉に等の本人、露骨にギギギッと顔を反らし少しの間押し黙った。

 

「やはり、本気では、無かったのか」

『いや、ちゃんと全力(・・)で相手したマジで』

 

 ガコンと顔を勢いよく元に戻しながら早口で発声する。

 

「……嘘だな」

『そんなズンバラリと……いや、本当に全力(・・)だったんだ。だから気を悪くしないでくれ。貴方を愚弄する気は本当に、一切やったつもりは無い』

「……お前の腹を、貫いた後、私が、槍を投げた後、貴様は、動きを露骨に、変えた様に、見えたが?」

 

 ホモはもう一度視線を切ると、片手で頭を抑えてウゴゴゴゴと呻き始めた。まるで明日までに借金を返さないと指を詰められるヤクザのそれにしか見えない。

 

『いや、違うんすよ』

「何が、違う?」

『えっとですね…』

「言い訳か?」

『いや違っ―』

「あれが、本当に、お前の本気、だったのか?」

『顔近ぇ!』

 

 閉話休題

 

『貴方は、私が人を救う為に動いているのは知っているだろう?』

「うむ」

『テラじゃ貴方を含め、戦争やらなんやらしてる人達はみんな、命を自分と平等かそれ以下として扱ってるだろうが、私にとって、人の命は何よりも重くて価値があるんだ。それは貴方とて例外は無い』

「………やはり、殺さぬ為に、本気を出さぬか」

『本当に申し訳無い』

 

 ホモはすっと立ち上がると、姿勢を正して90°に体を倒す。勿論頭の先にはパトリオットだ。

 

『だがこれだけは信じて欲しい。貴方との戦いに置いて、手を抜くという行為は絶対にやっていない。それどころか貴方に勝つために割とズルしたからな。高齢と鉱石病の体に新鮮な痛みを蓄積させて行動を鈍らせたり、貴方の行動を高速演算で未来予測したり――』

「もう、良い」

 

 え゛っと濁音が漏れる。ヤッベー好感度調整ミスった?我死す?我が夢ここで死する?と呟くホモを余所に、パトリオットは語りだす。

 

「顔を、上げろ」

『アッハイ』

「言っただろう、私は、満足した、と。私の槍を、改めて投げ返し、盾の破壊し、我が槍術を、全て足で、弾き返した事を、私は、称賛する。私が、年甲斐も無く、闘志を燃やして、しまったのは、お前が私を、殺すにしろ、殺さぬ、にしろ、本気で、相対して、いないと思った、からだ」

『お、おぉん…………』

「お前は、今までの事に、本気で取り組んで、いなかったのか?」

『それはない。私は願いを叶える為、如何なる時でも人を全力(・・)で助けなければならない』

 

 これ以上好き勝手言わせぬと言わんばかりの即答。

 

『……本当に、手を抜いてる訳じゃあ無いんだ。ただ私が本気になる事は、貴方の守りたいモノ達と()の願いを同時に否定する事になってしまう。人の命を優先しなくなる。だからこう……生意気な言い方ですまないが、本気を出してはいけないんだ』

「……そうか、それは…残念だ」

 

 腰を上げ歩き出すパトリオットに、ホモは何か発声しようとして、諦めた様にその場に座った。最後の最後でミスったかコレェ…と独白している。情けない奴。

 

「何を、呆けている」

『フェ?』

「理由は、聞けた。無論、残念では、あるが、もう、掘り返す、必要は、あるまい」

 

 地面に槍を突き立てながらコチラへ振り向くパトリオット。ホモは飛び起きながらその言葉を解釈する。

 

『許してくれるんスカ?!』

「許すも、なにも、私はお前の、本気を出さぬ理由を、知りたかった、だけだが」

『ずっと手ぇ抜いたなこのホモ野郎、もう許さねぇからなぁ!とか考えてると思ってたのだが?』

 

 そういう所とかがポンコツって言われる原因だと思うのよ。

 

「さて、今お前の、目の前に、敗残兵が1人、いるのだが、どうするのだ?」

『私、こんなに圧が強くて戦意満タンで雑兵の敵部隊に放り込んだら無双して五体満足で帰ってきそうな敗残兵初めて見たのだけど』

 

 そうチャチャを入れながら、ホモはパトリオットの目の前へ歩み……片腕を差し出す。

 

『それじゃ、私達と共に感染者を助けに行かないか?』

「承った」




ここにぃ、高齢と鉱石病で体が衰弱しきってる老人サルカズに痛覚残留で痛みを蓄積させて痛がらせた挙げ句、自由に発動出来る強制移動と高精度の未来予測演算とかいうチート持っていながら、腹に穴を開けられて片腕を抉られたホモがいるらしいッスよ?
 おそらくホモとパトリオットの地の文による派手な戦闘シーンを期待していた皆様には本当に申し訳無い。シャモ星を破壊して詫ます。


 ここからちょっと書きたかった雑談なので興味ない人はブラウザバック


 さて、昨日のお話ですが、大陸版3.5周年の生放送は見たでしょうか?待望のシラクーザイベに某アクナイ掲示板の作者は狂喜乱舞している事でしょう(多分)私もそれなりに嬉しくてですね、配布先鋒が高台召喚星6のイケメン男子がですね、高台召喚星6のイケメン男子(大事なので2回)がですね、欲しくてたまらないのですよ(建前)はよこい(本音)ケルシーASMRバージョン3.0はコレまた妄想が掻き立てられるものでした。ついでに創作意欲と今後の設定妄想意欲が湧いてここのテラが更に地獄と化しました。勿論、なるべく雰囲気を壊さない範囲で(手遅れ)
 それと、前から言われていたCAPCOMコラボが遂に発表されましたね
















モンスターハンターコラボだやったアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!

ガチャはあるのか、シャオヘイっていうアニメ?のコラボみたいに配布アイルーとコーデというのが有力視されてるそうですがうるせぇ!!私はアイルーの他にメインモンスター(ネギ)の装備を来たハンターが星6でリミテッドするって信じてるよ!!!配布とコーデはなんか味気ねぇ!!!

 というわけで、色々煩くして申し訳無い。でもそれだけ楽しみです。なんでグローバルは半年遅れなんですか?(素朴な疑問)あ、それと最後にですね、新たに制作中のパッセンジャーとデートする(デートでは無い)モードのPVが紹介された時ですが、あの時に流れたデビルメイクライは何なんですか?豪華2本立てですか?期待しちゃっていいですか?


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悪炎破蛇

寒い日に食う鍋が美味いので初投稿です




 チェルノボーグ、封鎖層前

 

 そこは最早、大勢の人間が入り混じり混沌と化していた。金属のぶつかり合う音が絶えず、砲弾と様々なアーツが飛び交い、その中で一際目立つ、復帰したロスモンティスの操る4枚のホモ都市製シールド(実は2枚連結させたのを使ってるので実質8枚)と、アビサルハンターに千切っては投げ千切っては投げられ空を舞うウルサス兵達。実に南無三である。正式な大部隊での1対多なら兎も角、多対多の中での遊撃アビサルハンターを仕留めるのは無理やて。

 

『私達が急いで来る必要はあまり無かったな?いや勿論来るに越した事は無いが』

「決めつけるのは、まだ、早い。戦場は、常に、移ろい、変わりゆく、ものだ」

 

 そんな光景を最後尾で見ている1人と1機。漢の友情(チートスペックフル活用と巨戟槍の殴り合い)を終えた後、ドローンによってここまで運ばれ、2人ともスーパーヒーロー着地で派手な登場をした。勿論それぞれの部隊のやる気が上がった。攻撃力+80%、防御力+50%(永続)

 が、この戦況である。正直言って戦力過多、頑張ってるウルサス兵達が可哀想になってくるレベルでボコボコであった。勿論ホモもここからの逆転劇は想定されているのでヤクザ座りでスタンバってはいるが、悠長に修復用のドローンで義体を直している。

 

『私は体が直り次第タルラの元へ行くが、貴方はどうする?』

 

 ヤクザ座りのまま、大炎上している中枢区画の奥を親指で指すホモ。

 

「………私は、ここに残ろう。この、戦場と呼ぶには、些か、酷い状況を、放ってはおけぬ。纏める者が、必要だ」

『ん、おかのした。じゃあ少し手伝ってから行くとしますかね。少し試したい事があったし』

 

 ホモは返事をしながら、思考回路を動かす。方舟、ロドス、遊撃隊を含めたパトリオット側のレユニオンをピックアップし、全員の後頭部に赤色のALケーブルを突き刺す。そのALケーブルの束を本体(・・)へ接続し、本体(・・)経由でパトリオットの後頭部へ接続させる。

 

「む、これは…」

『仕組みは言えないが、コレで貴方は戦況の把握がしやすくなり、貴方に味方する全員に声が届く様になった。使い方は頭に入れといたから、まぁ上手く使ってくれ』

「あぁ、感謝、する」

 

 修復が終わる。立ち上がったホモは両手足、頭、体の拘束用源石回路の動作確認をする。

 

「黄色い、刀身も、あるのか」

『ん?あぁ、コレはタルラを助ける為だけの剣さ』

「…出来るのか、タルラを、アレから、解放することを」

『貴方が想像してるのより随分と強引にだがね。まぁ、抜き取った後のタルラの事は、彼女の妹とロドスのCEOに任せる他ないのだが。ほら、私機械だから人の心わかんねぇし』

「………」

 

 そう言いながら、点検が終わったホモはスッと中枢区画の奥へ向かって走り……出す前に振り返る。

 

『あ、そうそう』

「む、なんだ」

『ここの戦いが終わったら直ぐにみんなをチェルノボーグから退却させてくれ。それと、この都市壊すかもしれねぇから先謝っとくわね。ごめんさい』

 

 そう言って今度こそ、中枢区画の奥へと向かっていった。返事をさせてくれなかったホモを見送るパトリオットは、最後の謝罪はつまりチェルノボーグは壊れるのだなと思いながら、ALケーブルを使って激励を響かせながら戦場へ足を踏み入れるのであった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 黒蛇を蒲焼きにするRTAはーじまーるよー!

 前回のあらすアツゥイ!

 

 熱いですねぇ、コレは熱い。どうやら私が到着する前にタルラ第一形態はNPC2人で終わった感じですかね。ウソ、CEOとチェンチェン強すぎ?!

 まぁアーミヤ超強化チャートなるものも存在しますしお寿司。というかタルラ第一形態はアーミヤかチェン隊長のパフォーマンスが余程崩れてなければ2人だけで突破は可能なんですよね。流石に不死の黒蛇になるとアーミヤ達を操作するかオリキャラでサポートしないとおっ死ぬ可能性もあるんですが。

 

 とりま彼女らの元へ着くまでにハイゼンさんに連絡をば。もしもし?ドナルドです(オワピ)2体目の義体の方は……出来た?よっしゃ!それでこそ漢や!それじゃあその義体の輸送、チェルノボーグのこの座標の上空で待機させといて下さい。

 

 さぁてそうこうしてる間に到着です。やっぱり熱いですね。ですが中枢区画がこんだけ燃えているという事はアーミヤが前衛になった可能性が微レ存…してましたね(即落ち)お ま た せ 待った?(淫夢錬金術師)

 

「……また、お前か」

「イモータルさん?!来てくださったんですね!」

「イモータルだと?!」

 

 ポデンコ^⁠〜(気さくな挨拶)一応聞きますがアーミヤちゃんはその剣どうしたの?(知らないフリ)チェン隊長とペアルックとはたまけだなぁ。まぁ今はアーミヤちゃんが剣持ってるとかそういうのはどうでも良くて……オッスタルラ!元気してるか〜?

 

「黙れ、喋るな。お前の声は虫酸が走る」

 

 嫌われようがリミットカットしてて涙がで、出ますよ。まぁ機械だから出ないんですけどねタルラさん。

 

「この状況でそんな態度が出来るなんて、本当にどうかしている」

「チェンさん、そこまで言うのは……」

 

 なぁにこう言う時こそスマイルです。相手の術中にハマってたりしている時こそ、笑顔を絶やさずニッコニッコニーすれば悪役は機嫌を悪くし、墓穴をほじくり返します。その瞬間があ^⁠〜たまらねぇぜ。悪役には揚げ足を取るに限る(最低)

 

「はぁ……だが、そこまで行くと逆に頼もしさを感じるよ」

 

 お、そうだな(適当)

 

「お前1人増えた所で、何が出来ると……いや、お前はそこの魔王にボジョカスティを押し付けられたそうだな」

「な、ちがっ――」

「そしてここにいると言う事は、お前はあのボジョカスティを殺したのだろう?彼と対峙したとなれば結末は決まっている。生と死の、どちらかが与えられるだけだ。教えてくれ、お前は彼に、どんな死を与えたのだ?彼はどんな死に方を受け入れたのだ?」

 

 しょうがねぇなぁ、教えて欲しけりゃ教えてやるよオルルァン!!

 

 まぁ、友好的な関係になったとでも言っておきましょうか。流石に気安く友達などと呼べる関係までは無いでしょうが……いや、仲間になった時に好感度見たら114%だったからなぁ…うっそだぁ、そんな事あるわけないじゃんアゼルバイジャン。

 でもまぁ、彼なら司令塔のすぐ下で感染者の為に戦っていますよ。貴方の元に居た時ですら成し得なかった感染者の為の戦いというのを、存分に遂行している筈です。

 

「なん…だと……?」

 

 よっこい庄一(キーボード用意)まったく、お前の様なのは直ぐに殺すだの死ぬだの言うのがやっぱ好きなんっスね〜。それでもウルサス人を本当に愛しているのでしょうか、コレガワカラナイ。ボジョカスティだって立派なウルサス人なんですよ、おかわり?

 

「まて、なんでそこで愛が出てくる。コイツがそんな感情を持っているように見えないが?」

 

 あ、まだタルラが熱で黙らせて無いから正体はシコチェイとしか知らなかったっすねチェンさん。実はね、コイツは自国愛の為に何千年も生き続けている超絶未練タラタラ野郎だった!正体見たりって感じだな。因みに名前は不死の黒蛇って言うんですけど。

 

「不死の黒蛇……」

「不死の、黒蛇――!」

「お前!何故それを――ッ!」

 

 おぉっと温度を上げるのは無しですねぇ!恐ろしく自然なアーツ発動の構え…私は見逃さなかったので痛覚残留弾で防がせて貰いますね。顔がわかり易く苛ついてるの良いですねぇ!モノホンのタルちゃんは笑顔と絶望顔しか浮かべない上に語尾にたるってつけるのでこのタルラは紛れもなく不死の黒蛇。

 

「アーミヤ、奴の言っている事は……」

「本当です。ですが何故、コシチェイが黒蛇だと分かったのでしょうか?」

「さぁな。どうせ教えてはくれないだろう」

 

 そこのお二人、さっきから私の事コソコソ話してるだろ(地獄耳)

 

 さて、不死の黒蛇の愛がにわかだとわかってしまった訳ですがね、うんうん……それ以上ほざくとその縫い針みてぇな体叩き折るぞ。ウルサスの証人だかなんだか知りませんが、犠牲を出した救済を比較に出されても、その程度だとしか思えませんねぇ!それともこう言いましょうか……お前の目に写る広大な土地や泣き叫ぶ人民を、全員救う事が出来ましたか?

 

「何を馬鹿な世迷い言を。目に写る全ての命を救うだと?才能の無い冗談だ。そもそも、この大地で何かを成すには代価が必要だ。人民を救うとは、それこそ命の代価が無くては成せぬ。私もお前に問うてやろう。お前の方こそ、この大地で悲鳴を上げる命を、余す事無く救えているのか?」

 

 救えてねぇよ悪かったなァ!!!

 

「フッ…」

「えぇ……」(困惑)

「ッお前!例え真実だとしてもそこで素直に認めるバカがあるかァ!!!」

 

 うるせぇ!私も認めたく無い!ミトメタクナァイ!(ハロ)ですが事実は事実。こうしている今も、私の目の届かぬ所、私の手の届かぬ所で多くの感染者が命を落としている筈です。悲しい…悲しくない?私は悲しい(ポロロン)

 

「フン、所詮お前も――」

 

 いやまぁ、お前と違って目に写ってる人間は問答無用で全員助けてきたからな黒蛇さん。

 

「………」

「よしいいぞイモータル!その調子で黒蛇とやらを喋らせるなよ!」

「チェンさん…?!」

 

 よくわかってんねぇ!初めて気があったな(言う程)

 

 さて、今私とお前の所業を同列に語ろうとしたな?甘いですねぇ!チョコラテの様に甘い!確かに、大勢の人を救う為に最小の犠牲を払う奴と、なんの犠牲も無しに数人を救う奴を見て、どちらが輝いて見えるかと言われたら…前者でしょう。よく考えない子供とかはそんな英雄に憧れるでしょうね。

 

 ではそこのお二人さん、どっちが正しいと思いますか?

 

「……突然問われたかと思えば、随分と要領が曖昧な問を…だがそうだな、あえて答えるとすれば――」

「貴方が言うその正しさが、もしも命を救う過程や手段を問うているのなら――」

 

「「断然後者だ」です!」

 

 KO!(完全勝利UC)WINNER!!!私の勝ち(キン!)なんで負けたか(キィン!)次の夜まで考えといて下さい(コカァン!)

 まぁ考えるまでもありませんがね。ソレに、私は後者が数人しか助けれないといった風に言いましたが……私は犠牲を出さずに大勢を救うことが出来ます。つまり貴方の完全上位互換と言っても過言!(過言)

 

 所詮、概念的な存在でありながら人間の様な選択肢しか選べない変温動物みたいな野郎です。人間に取り憑かなきゃ何も出来ないのだから当然ですね。それと、タルラの体を使って虎の威を借る狐状態はそろそろ終わりですかね?幾ら依代の顔で残酷冷血ぶっても、変温動物に例えられる奴に威厳もへったくれもありませんし、やる事なす事も傍迷惑極まりない。そんなにウルサスを愛してウルサスそのものを再繁栄させたいなら、学校でも作って地道に後進育成すれば良いじゃないですか。頭に来ますよ〜。お前もうシネ(直球)変温動物らしく凍えてお陀仏して諸手。あっそうだ(唐突)この辺にぃ、世界一不毛な凍原(お前の大好きな故郷の土地)、あるらしいんすよ。じゃけん早く逝って下さいね〜。

 

「もういい、お前を殺す」

 

「アツッ?!」

「周囲の温度が急に?!」

「あぁ、無駄、無駄だった。お前との話は無駄の極みだった。お前の様なエゴの塊をこれ以上生かしはしない。エゴと口先に塗れた最低最悪の理想論者め。自分の行いを正義と疑わず、他者に死を促すお前を、この私が…ウルサスの化身たる私が始末する」

 

 口先だけ?ノンノンノン!拳も使うんですよぉ!(ヤニカス)先ずこの右手でお前を黙らせる事が出来ます。そしてこの左手で貴女を助ける事が出来ます。ていうか他者に死をってお前バカァ?!お前人間じゃないじゃんアゼルバイジャン。つまりそういうことだね。

 

 そして、黒蛇のつまらぬ長話をカットする為に、こんな煽り文を入力する必要があったんですね。さぁ2人とも!私達の理想を証明しましょう!

 

「あ、あぁ……なぁアーミヤ、コイツの――」

「チェンさん…今は黒蛇を倒しましょう」

「……そうだな。赤霄!」

「抜刀!」

 

 というわけで、不死の黒蛇戦スタートです。アーミヤがあのバカと脳内会話してるついでに解説もしましょう。

 

 開始時、黒蛇との距離は一定以上離れている為、黒蛇は必ず炎の斬撃を飛ばして来るので、避けつつ接近しましょう。近接攻撃は広範囲ですが全て大振りなので御弾き安定です。点火、及び起爆はプレイヤーの中心に起爆予告が現れてしつこく追尾しますが、起爆する時に追尾を止めるので横回避で対処出来ます。そして今回の戦闘では、アーミヤとチェン隊長が一緒に戦ってくれますが、彼女達では黒蛇を怯ませる事は出来ません。ちゃーんと自身でノックバック受付時間をついて怯ませて上げましょう。二人は火力も十二分にある為、痛覚残留の様なダウンゲージ武器と役割分担出来てウマ味なんです。じゃあ死ね!

 

「チッ!」

 

 ダウンゲージを攻撃しつつ打ち上げ、適度にコンボで怯ませながら二人の攻撃を当てやすくします。イバラビームで位置調整をしながら一緒に袋叩きです。ホラホラホラ!キモティか?キモティだろ?

 

「舐めるな!」

「つッ!」

「くぅっ!」

 

 反撃値による強制反撃です。カスが効かねぇんだよ(御弾き)コイツ炎の斬撃や点火、起爆以外が大振り過ぎなんです。炎による広範囲攻撃に頼り切ってる証拠だよ。火耐性さえありゃただのクソ雑魚攻撃なんですねぇ!御弾きによるダウンゲージがモリモリの森長可(激寒ギャグ)

 巻き込みダメージを食らわせない様に二人にリフレク撒きながら弾いて弾いて…捕まえ……たァ!もう逃さねぇからなぁ?オラッ攻撃!攻撃!イバラビーム!からの攻撃!(攻撃おじさん)テメェの攻撃モーションはもう見飽きたんだよ!コチとら何回お前とやり合っとると思う?130回や(射殺せ)そしてついでにチェン隊長とアーミヤがどう動いてくれるのかもわかっています。この意味がわかるか?

 

 たった数回の攻撃ターンでダウンゲージを全損出来るという事です。

 

「なん……だとッ…?!」

「チェンさん!私が合わせます!」

「了解だ!赤霄!」

「影霄……」

 

「「絶影!」」

 

 不死の黒蛇戦での専用致命演出気持ち良すぎるだろ!アーミヤとチェン隊長による絶影の共同作業…ホンヘの八章を乗り越えた兄貴姉貴達の中にも一度コレをやった方は絶対にいるでしょう。プレイヤーのロマンをこういう形で再現してくれるハイグリはファンサの何たるかを心得ていますねぇ(感嘆)

 

 まぁ、一度目は最後の一撃を外してしまうんですがね。

 

「消えた?!」

「クソッ!何処へ消えた?!出て来いこの卑怯者!」

「……ッ!二人とも、アレを!」

「何っ?!」

 

 はい、言わずともわかるアレです(鎮まぬ悪炎)この悪足掻きがよぉ!なんでフィールドギミックとか言う時間稼ぎを使ってんだよ!教えはどうなってんだ教えは!

 

 こうなったらノーダメで生還するしかねぇよなぁ?

 

「一応聞いておくが、何をするつもりだ…?」

 

 見たけりゃ見せてやるよ。

 先ずはリフレクを二人に張って保険をかけておきます。後は悪炎の当たり判定に合わせる様に物理攻撃を当ててリズムゲームの始まりや。

 

「うわぁ……」

 

 アイスストーム!ダイヤキュート!フレイムダムド!ジュゲム!ばっよえ〜ん!ばっよえ〜ん!ばっよえ〜ん!

 これ異様に長くて暇なんですよね。しかもコレがもう一回あるってマジ?害悪過ぎるだろ。パトリオットより弱いくせによぉ(直球)皆さんがやってたゲームでラスボスより道中ボスの方が強かった経験ってあります?私はガスコイン神父(隙自語)

 

 そろそろ痛覚残留弾をチャージしときますか。チャージしながら残りを纏めてホームランやで!

 オラ喰らえ!ドカベンバット!姫川友紀バット!りんごろうバット!オルガバット!そしてコレが、モノを殺すと言う事だ……メルヘェン!ゲットォォ!!!!!

 

「改めて見ても…凄いなお前は」

 

 おホモは強くなくっちゃね。

 

「黒蛇が姿を現しました!」

「よし、今度こそ仕留めるぞ!」

 

 第二ラウンドです。先ずはドアップカメラ演出で格好良く復活した感じの黒蛇にチャージした痛覚残留弾のビームをブっ放しましょう。ホンヘと違って無敵は無いからね、起き攻めも致し方なし。コレも葦名の為…(弦一郎)コレでビームが途切れるまで怯み続ける上にチェン隊長とアーミヤが容赦なく追撃してくれるのでHP2割とダウンゲージ4割を持っていけます。やっぱ弱ぇや。

 

 さて、第二形態である狂化状態ですが、解説する所と言えば攻撃力、最大HP、最大ダウンゲージ量の増加、通常攻撃範囲の拡大……以上!追加モーションはエネルギー聚合体の設置だけェ!でもはい、見ての通りエネルギー聚合体を設置する前に削れるんですわ。つまり第一形態と対処法はほぼ同じという事です。

 

 それじゃあパパッとやって終わり!絶影!!解散!!!

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「……巫山戯るな…あってたまるものか、この様な結末が…!あってたまるものか!」

『………』

 

 痛覚の蓄積とチェン、アーミヤの二人による斬撃で膝を付く黒蛇。こんな筈は無い、東洋流と魔王の二人ならば、この私が負ける筈は無かった筈だと、あったかもしれない想像を無様にもしているのだろうか。ただコレだけはわかる、このテラにホモが居るというただ一点の違いが起こした結末が、怨霊をここまで不快にさせている。

 

 元々、チェルノボーグ事変の時に相対した時点で、自身と相性が悪いと薄々察していただろうに。一方的な暴言と完膚なきまでの敗北で、心くらいは折れてると嬉しいものである。

 

「ハァ、ハァ…だが……フフッ、この体から、私を追い出したいか?ならば、どうぞお好きな様に」

「その態度、なんの皮肉だ?」

「魔王よ、何故口を開かない?私を彼女の体から追い出す事など、お前たちなら…お前なら……出来るだろう?」

「………」

 

 会話が始まった。邪魔にならないように後ろへ下がる。

 

「彼女を裁くのと私を裁くのでは何が違う?全てが私の犯した罪ではないのか?魔王よ、答えろ」

「その通りです、コシチェイ。もし彼女が全く望んでいなかったのであれば、貴方にこの様な事は出来ませんでした」

「………」

「貴方の考えは……ソレが捻じ曲げられていようが、ソレは確かにタルラ本人によるものです」

 

 魔王の言葉を聞いた黒蛇が立ち上がりながら嗤い、タルラの首へ刃を突きつける。チェンが声を荒らげ、魔王は人間らしく動揺する。丁度いい感じだ。この展開は何度やっても大きく変わる事は無くて助かる。

 

 わざと垂れ流していた気配を遮断…いや、気配の無い状態へ戻す。足音は響かず、衣擦れ音が聴覚に届くことはない。コレで賑やかにお話しをしている3人が、私を捉える事は出来ない。しようとも思わないだろう。だからタルラの背後へ足を運ぶ私に気づきもしない。まるで陰キャの様な存在だなコレは。だが逆に考えて欲しい、床掃除しているルンバがもし喧しい音を出さなかったとして……気づくだろうか、音を消して近づくルンバの存在に。つまりそういうことだね。

 

「私はただ彼女を教育しているだけだ。私が失敗したのは……未だ潰えぬ信念がもたらしたる結果だ」

 

 哀れな黒蛇。幾らタルラの顔で妖艶に取り付くおうとも、言葉の節々から未だに傷を引き摺っているのがわかるぞ。

 このバカ蛇が如何にウルサスや感染者の何たるかを小難しく話そうと、この一連の事件において関わった感染者がほぼ全て生きている事に変わりは無し。現にコイツの足元に敷かれる道だかなんだかの話は、チェンによって一蹴され、アーミヤが述べる生存の事実によって押し潰された。哀れな黒蛇。結局お前は、手段を選ばないという手段しか選べなかった。この世界の先民の様に。

 

 ………誰か来るな。5人…スパラディ、パトリオット、ダブチー。別の方からケルシーとドクターか。生き残った部隊は退避させ、二人だけこっちに来たのか……まぁいい。

 ドクターといえば、今回のドクターは久しぶりの当たりだった。途中で記憶が戻るとか言うバグドクターばっかりだったからな。お陰でチャートが格段に安定した。色々工程を省くことが出来た。記憶の解凍も順調だ。コレならヴィクトリアから先のチャートと試走も出来るだろう。

 

「コシチェイ、貴方がチェンさんを殺そうとしているのは、タルラさんを完全に消す為ですね」

 

 そろそろか。タルラの覚醒は果たされた。タルラの意識が表層へ現れ、ついでにバカの意識も押し出される。そこを狙う。

 

「ようやく着いた!」

「どうやらいいタイミングで着いたらしい」

「ちょっとアンタ!いつまで角持ってんのよ!離しなさい〜!」

「離すと思うか?この不審者め」

「アンタらの黒コートの方が変態でしょうが!」

「……タルラ、そこに、いるのか?」

 

 ……あのサルカズはなんで捕まってるんだ?スパラディは目がいいからな。どうせアイツらの周りをウロチョロしてたんだろ、知らんけど。

 

 さて、それでは早速始めよう。左腕、炎国型拘束術式…展開。

 

「……おいイモータル、そこで何やってんだ?」

「「「「?!」」」」

 

 本当に目がいいな。

 

「……ガッ―カハァッ?!」

 

 左の掌から伸びる黄色の幻影剣を背中からタルラの胸辺りを串刺す。痛覚残留の青でも、パトリオットの角を切ったレーザーソードの赤でもない、黄色の刀身。

 

「お前!一体何をしている?!」

「チェンさん待って!」

「なっ、何を言ってるんだアーミヤ?!コレを見て何故――」

 

 そんな堪能するつもりは無いからね。タルラの肩を掴み、刀身を引き抜く。だが刺した時とは違い、抵抗を感じる。まぁ問答無用で引き抜くんですけどね。ミチミチと音を立てながら、タルラの背中から黄色の刀身とソレに絡みついた黒い何かが姿を現す。

 7人はその光景を絶句しながら見ていた。いや、一部は少し違うが…まぁ邪魔しなければどうでもいい。

 

 刀身が完全に引き抜かれる。タルラは力が抜けたかの様に地面へ倒れようとしたので、取り敢えず襟首を掴んで支えた。

 あぁいや、チェン隊長が向かって来たので投げ渡しておいた。彼女は咄嗟にキャッチしてから、改めて赤霄を私へ突きつける。

 

「一体なんのつもりだ?!」

『説明するとなると長くなるな』

 

 取り敢えずコイツをどうにかしよう。黄色の刀身にまるで蛇の様に絡みつく黒いモノ。それらを頭部の、人で言うところの口がある部分へ持ってくる。

 

 頭部、炎国型拘束術式…展開。

 

『頂きます』

 

 グジュムシャァ

 

 頭部が御伽噺にでも出てきそうな化け物の様な口に変形し、黄色い牙で刀身に絡みつく黒いモノを食い千切る。そして綺麗な黄色だけになった刀身を体へ戻し、頭部も戻し、最後に両手足と頭部の拘束用源石回路を胴体へ移動させ、匣を作る。

 

『不死の黒蛇、拘束完了』

 

 そんな驚愕を極めた様な表情を作らなくてもいいじゃあないか。それにタルラは生きてる。そんだけ必死に抱えてたら、嫌でも鼓動か呼吸の音は聞こえるだろ。

 

「な――」

『な』

「何なんださっきから!本当に意味がわからんぞ?!」

『まぁ分からなくても無理はない。』

「あるに決まってるだろうが!」

「あの、貴方の言葉が正しければ、本当に黒蛇を拘束…したのですか?」

『あぁ、そうだ。飲み込みの早いCEOは好きだよ』

「アーミヤは渡さんぞ?!」

『そう言うなら早くヤれよドクター』

「あっスーッ」(フェードアウト)

 

 まぁ本当に説明したいのだが、時間が押してるんだわ。

 

『まぁ拘束したと言ってもね、この術式、数ヶ月前に寄った炎国のを雰囲気で真似た上にアーツに落とし込んだからフルスペックには程遠いんだ』

「つまり、未完成の檻に蛇を閉じ込めたのか?そしてその檻は何時でも破られる危険性を孕んでいると?」

『正解だケルシー先生』

「欠陥じゃない!」

「なんでそう自慢気な雰囲気で居られるんだお前は」

 

 それはそう。そういう性格だったからね、仕方ないね。

 

『まぁそういうことだから、貴方たちは早くチェルノボーグから退却しなって。最悪乗っ取られて攻撃するか――』

「ッ――?!」

 

 右の掌から唐突に何かが発射され、チェンの頬を掠めながら着弾した。そのチェンの頬が微かに焦げているのと、着弾した地面の破壊からして、発射されたのはレーザー弾の方。

 不味いな、予想より早い。

 

『スパラディ』

 

 響くは撃鉄と爆発。いち早く反応したスパラディが爆発金槌の撃鉄を上げながら急接近し、薙ぎ払う様に振るわれた爆発金槌の衝撃と爆風で、義体は吹き飛ばされ壁に激突した。

 

「よし帰るぞ」

「タルラは、私が、預かろう」

「あ、あぁ…」

「ドクター早…く……」

「アーミヤ?!」

「不味いな、コレは」

 

 さっきのホモの言葉と攻撃、そしてスパラディの行動と言葉でだいたいの状況は理解した皆は撤退を開始する中、アーミヤが突然気を失ってしまう。倒れるアーミヤを受け止めるドクター。そしてそんなアーミヤと、向こうで壁から出てきて掌をコチラへ向ける黒コートを見て、ケルシーは余り変わらない顔を珍しく険しくした。

 

「――来るか」

「Mon3tr」

「あぁもう!」

 

 今度は掌からマシンガンの如くレーザー弾が乱射される。スパラディは教会の石槌で何発か殴り消すが、一瞬でお釈迦になってしまった。取り敢えず捨てた。残りはMon3trが頑丈さに任せて打ち消すお陰で後ろに届く事は無いが、時間の問題なのは目に見えて分かる感じだ。Wがグレネードランチャーで攻撃を一瞬だけでも中断出来ないかと撃ち込んでいるが、黒コートは気にもしていない。

 

「下がれW」

「うるっさいわね!アンタこそ下がって、そこのウサギちゃんを早く治しなさいよ!」

「くっ――!」

 

 その瞬間、攻撃が止む。それと同時に不気味な笑い声が響き渡った。

 

『クッ…クククッ、フハハハハハッ!私をあれだけ罵っておいてこの体たらくか!タルラの末路を見ておいて、この私をよもや人の形をした匣に閉じ込めるなどと……アレはマヌケか何かか?』

「今、その声を、発しているのは……」

「黒蛇…!乗っ取ったのか!」

『私を舐めるなよ。私はウルサスが存在し続ける限り、何度でも蘇り、何度でもウルサスを高みへ導く。如何にお前たちが抗おうと、所詮先延ばしに過ぎない行為だと知るがいい』

 

 黒蛇は義体の感触を確かめるかの様に掌を開いたり閉じたりした後、腰を少し落として両手を前に付き出した。

 

『少々動きづらいが、ある程度慣れた……丁度いいな。人を救うこの体で、私の愛するモノを救うとしよう。お前たちは纏めて、その為の礎となるがいい』

 

 両掌にエネルギーが溜まる。そして次にどんな攻撃が来るのか、一緒に戦ったチェンはわかってしまった。痛覚残留だったので威力までは分からないが、あの規模のビームを片手で撃っていた。ソレが両手、しかも殺意マシマシのレーザービームとなれば、その結果は嫌でも想像出来てしまう。

 だから彼女は皆に呼びかけようとするが、口を開き始めたのと掌から赤いレーザービームが放たれたタイミングが丁度重なった。

 

 赤の奔流がチェンの視界を覆い尽くし、9つ(・・)の影が、光に呑まれて消えていった。

 

 

 

 

『随分と呆気なく終わったか。やはりこの体……フッ、人を救うと言っておきながら、なんだこの殺傷力の高さは。コレで人を救うなどと片腹痛い。実に人間の様に愚かしく、愛する余地のない存在だ』

 

 そう独り言ちながら、その場を離れようとして……その存在を前に立ち止まる。

 

 先程照射した巨大レーザーの進路上には、何もかも無くなっている。その筈だった。だが、今黒蛇の視界には、そのレーザーの進路上には、パトリオットをすっぽり隠せる程の大きさをした長方形が突き刺さっていた。

 いや、長方形ではない。盾だ。盾が堂々と佇んでいる。その盾は突然ガチャガチャと音を立てて折り畳まれ、瞬く間に2つの小さな長方形、だが人が持って振るうには大き過ぎる二振りの大剣へと姿を変えた。

 

 そして、小さくなった事により、7人の先民とMon3trが生きている事と、彼らを守った存在を認識して、黒蛇の不快感は頂点に達する。

 

『………お前は――』

 

 その存在は、今の黒蛇の体とは真逆の色をしたコートを羽織っていた。白衣の様にも見えるそのコートの背中側には、これまた謎の装置と、薄っすらとハートの模様が描かれている。たったそれだけの情報で、後ろの7人と1匹は、この存在がなんであるか理解した。

 

『……行ってくれ』

「お前――」

『返事は結構、早く行ってくれ』

「………ッ」

 

 その雰囲気に冗談が殆ど無い事を感じ取ったチェンは、開こうとした口を閉じて立ち上がり、その存在に背中を預ける。ドクターはアーミヤを背負って立ち上がり、ケルシーはMon3trをしまい、ボジョカスティはタルラを抱き上げ、Wとスパラディは何も心配していないかのように、背を向ける。

 

 さて、守らねばならぬモノは無くなったが、まだ周りを気にせずやれる訳では無い。少しの間抑え気味な行動しか出来ないだろう。早くチェルノボーグから去ってもらいたいものである。

 ん?結局この白コートの先民愛者は誰だって?そんなん聞かなくてもわかるだろう。

 

『新たな体を用意してまで、私の邪魔をしようと言うのか!』

 

 私だよ。




アニメアークナイツ第一話。プレイ民としては満足な出来でしたね。将来有望だよ(下から目線)そして映像化に伴う状況のわかり易さにより、この二次創作のチェルノボーグ事変での描写や解釈のズレもわかり易くなって夜しか眠れない作者です

あと黒蛇さんさぁ、セリフ書くのが割としんどいんだけど。アクナイ構文苦手なのよ。まだケルシー構文を頑張って捻り出して書いてる方がマシなんだけど。黒蛇のキャラ崩壊とか話的にしちゃ駄目だから気をつけたけど……おぉん(圧倒的長セリフ執筆経験不足)

そして次回最終回です(後日談が無いとは言っていない)


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暗国斬断黒蛇核殺

最終回なので初投稿です


 チェルノボーグを8人と1匹は走る。この場にいる全員の目的は一致おり、その為にこの無駄に広い都市を必死に駆けずり回っていた。

 

「ていうか、なんで封鎖層のすぐ近くに置いてないのよ!バカじゃないの?!」

「煩いぞ戯け。俺の部下がわざわざトラックを送ってくれただけ感謝しろ」

「到着場所への行き方がわかってない奴がよくもまぁ自慢気ね?エーギル人ってば全員そうなのかしら?」

「潰すぞ」

「仲良くしている暇があるなら足を動かせ!」

「これの何処が仲良く見えんのよこの龍女!」

 

 必死にしては随分と賑やかである。

 

「すまない、士爵。劣化の、日々を、辿ってきた、この体を……」

「礼はいらない。我々が全員生き残る為なら、このくらいの事は幾らでも実行する」

『(唸り声)』

「我慢しろ、Mon3tr」

「所でロドスのドクター。この道で本当に指定座標につくのか?」

「大丈夫、そこは私を信じてくれ!……あ、その角を右だ!」

 

 中枢区画から去ってから、この8人はチェルノボーグから帰る術が無い事に気づき、スパラディがその事を部下へ連絡した事により、なんとか移動手段は手に入れた。問題はその移動手段の場所へ行くまでである。

 一刻も早く行かなければならなかった結果、機動力の高いスパラディがアーミヤを胸の前で抱えた上でドクターを背負い、機動力が遅い上にデカいパトリオットを、Mon3trが背負って移動している。この愛国者、タルラを担いでいるのでクソ程重い。

 

 そして、今はドクターがPRTSで座標までの最短ルートを教えて通っているが、スパラディはちょっと疑っていた。

 

「次の角を左」

「そこの民家を突き破って」

「あそこから下層に入って」

「そこの連絡通路を出たら……」

 

 着いた。

 

「凄いなお前」

「期待に応えれて何よりだ」

 

 素直に称賛した。凄い人を凄いと言える常識的なアビサルハンターである。

 

「運転は誰が?」

「必要ない。指定した場所へ最短で運んでくれる」

「また技術力の暴力してる…」

「早く後ろに乗れ。出発するぞ」

 

 それぞれMon3trから降りたり、背中から降りてアーミヤを受け取ったりしてから後ろの貨物に入る。全員が乗ってから少しして、トラックのエンジンが掛かった。どうやら本当に運転手はいらないらしい。

 

「さて…コレか、いやコッチか。そこに兎と龍を寝かせておけ」

「中が広くなったりストレッチャーとカーテンが床から生えてきたり、どういう仕組みなのよこのトラック……」

「複数の技術を混ぜているからな。俺にもよくわからん」

 

 トラックが発進。話す事が無いのか、貨物内の音はカーテンから漏れるケルシーとドクターによるアーミヤの治療の音だけとなる。

 

 ふと、そんな音を漏らすカーテンの横で、スパラディと向かい合う様に座っていたチェンが口を開いた。

 

「お前、あの男のオペレーターだったな?」

「そうだ」

「お前は知っているのか?あの男が……何なのか」

 

 その問の答えを皆は黙って待つ。アーミヤの治療を終え、タルラの安否を確認し終えたケルシーとドクターもカーテンの向こうで聞き耳を立てている。

 

「………さぁな」

「は?なんで知らないのよバカじゃないの?」

 

 呆気ない答えに、つい口が出るW。スパラディは中指を立てた。

 

「俺は方舟の古参じゃ無い。そもそもアイツが引き籠もりだろうが、自称してる様に機械だろうがどうでもいい。そういう類の質問は、俺では無くロドスで寝てるエレキに聞くべきだ」

「エレキ…あのオニの男か……ふむ」

「ずっと思ってたけど、よくそんな意味不明な奴の言う事聞いてられるわね?信用する所とか皆無じゃないかしら?」

「他は知らんが、俺はその要素を抜きにしても奴に着いていく理由があるからな」

「あっそう……」

「それに――

 

 

 

 

 

 

 

 

アレに信頼や疑いなどを気にかけるなど、それこそ無駄の極みだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もう一つ用意していたのか。その忌々しい体を』

『この私が、たかが人を模した義体に全リソースをブッ込むと本気で思ってたの?マジで?嘲笑っていい?』

 

 黒蛇の掌から放たれたレーザー弾が、傾いたイモータルの頭部を掠める。顔を傾けていなければ直撃していた事だろう。

 

『どうだい?私の一部を取り込んだから随分とシックリ来るだろう?人間の体よりも』

『全部、私が半端な拘束術式を利用してお前の体を操る事すらも全部が、お前の計画通りだとでも言うのか!』

『イグザクトリー!その通りで御座います!』

 

 指を鳴らしながら気持ちよく返事をしたイモータルは、地面に突き刺さっている大剣、龍門で使ったメタルフォモセスと同じ形状の二振りを引き抜く。それと同時に背中の装置が歪曲した大小の細長い板となり左右2つずつに別れ、その板から複数のパネルが生え、二対の羽となった。

 まるでサンクタを現すかの様な大小の羽。だがその羽を天使の様だと言うには、些か機械的過ぎる。サンクタにとって必要不可欠な神への信仰が存在しない。

 

 そりゃ無いに決まってる。天使でも、ましてや人間ですらないんだぞ。

 

『来いよ。俺でも兎としか散歩したこと無いが、一緒に遊んでやる』

『愚弄するのも大概にしろ!!!』

 

 白衣を思わせる白いコートにマゼンダ色の血管の様な模様が全身に奔る。薄かったハートマークもマゼンダ色に染まり、相変わらず黒いのっぺらぼうにマゼンダ色のこれまた大少のひし形が1つずつ、大きな1つの目玉を思わせる様な配置で表示され、睨みつける。それと同時にレーザーソードと大剣がぶつかりあった。

 

『何?!』

『ちゃーんとコーティングしてるに決まってんだルルォ!!』

『黙れ!』

 

 黒蛇が一歩踏み込んで掌から出したレーザーソードを振るう。片方を横薙ぎに払い、すかさずもう片方を振り下ろし、体を回転させて薙ぎ払った方の腕で勢い良く逆袈裟斬りと、攻撃途切れさせる事無く連撃をし続ける。対してイモータルはというと、無駄にデカい大剣の腹で攻撃を為す術も無く受け続けていた。

 

『お前、手を抜いているな?』

『さぁどうかな。抜いてるかもしれぬし、全力かもしれぬ。いや、もしややる気すら無いのかもしれんぞ?』

『……いいだろう。ならばその自信を引き裂き、己の選択が間違っていたと後悔させてやる』

 

 黒蛇のハイキックが大剣の腹に直撃し、イモータルを吹き飛ばす。だがイモータルも、態勢を崩す事無く足裏で地面を抉りながら減速し、片方の大剣を大砲と見間違える程に大きいハンドキャノンへと変形させ、迎撃する。

 向かってくる黒蛇に、刃に沿って縦に割れた大剣から覗く3つの砲口を向け、炸裂散弾を発射。黒蛇はそれを斬り払いながら交わし、連撃を加える。イモータルはその連撃を変形していない方の大剣で対処しながら至近距離でもう一度炸裂散弾を放つが、撃たれたそれはスパークウォールで相殺された。

 炸裂散弾の爆発によって出来た爆煙が煙幕代わりなったのをいい事に、レーザー弾を空中に並べて固定してから奇襲し、イモータルが変形してない方の大剣で受け止め鍔迫り合いになると、直ぐに爆煙の奥へ退避すると同時に固定していたレーザー弾を発射する。

 

 イモータルの方は鍔迫り合いのうちにハンドキャノンから元の大剣へ戻し、黒蛇が煙幕の中へ帰っていくと同時に元に戻した大剣の刃をブツ切りに展開、蛇腹剣へと変形させ、適当に振り回してそれぞれ体の様々な部位を狙って飛んで来るレーザー弾を弾道に重なる様に振り回した蛇腹剣の刃で受け止める。

 そしてそれと同時に変形してない方を背中へ回し、正面のレーザー弾と同時に背後から再度奇襲してきた黒蛇の攻撃をガードした。

 

『チィッ!』

『いい奇襲だ、感動的だな。だが無意味だ』

 

 煽る様な言葉と共に蛇腹剣で振り向きながら薙ぎ払う。黒蛇はそれをジャンプで躱しつつ、イモータルを飛び越えながらスパークボムを2つ投げる。

 

『マジか。一対一でそれ使うの?エフェクト喧しくない?』

 

 蛇腹剣で適当に薙ぎ払うと、空中で真っ二つになったスパークボムが巨大化して固定される。その間を縫うように、白と黒のイバラが体を縛る様に絡まった。

 

『お返しだ。お前も同じ目にあわなければ、不公平だろう?』

 

 イバラビームによる強制移動でスパークボムの中を通って黒蛇の目の前まで引き寄せられ、チャージされたレーザービームをゼロ距離で照射される。

 

『コレだけだと思うなよ』

 

 レーザービームを間一髪といった風に防いだイモータルの体をイバラビームで絡め取り、強制移動で縦横無尽に動かしてあらゆる角度からレーザーブレードによる攻撃、レーザー弾による時間差攻撃、スパークボムの爆発範囲へブチ込んだり、スパークウォールに激突させるなど、あの手この手でイモータルを叩きのめす。イモータルもレーザー弾やスパークボムを蛇腹剣で斬ったり、スパークウォールやレーザーソードによる攻撃を防ぐ事しか出来ていない。

 

『滅びよ!』

 

 最後にイバラビームで真上へ強制移動させて空中にいる己のゼロ距離まで引き寄せ、今度は両手でのチャージレーザービームを浴びせた。

 

 照射されたレーザーにより地面は溶解し、勢い良く爆発してクレーターを生成する。クレーターの縁に静かに着地した黒蛇は思うだろう。タルラにも劣らぬ威力の光の奔流。それをゼロ距離から喰らえば、幾ら先民の中でも頑丈な種族だろうと耐えられる筈が無いと。

 

 だからこそ、そのクレーターの中心で大剣を地面に突き刺し、空いた手で拍手をするこの存在には、生半可な死など生温いと怒りを募らせる。

 

『何時までその態度が続くだろうな?この短時間でお前の体にある技は殆ど使えるまでになった。それにこの体の血液である源石が全て無くなろうと、私がこの体を直接動かせるのだ。お前の体がこの大地にあるどんな物よりもカラであるからに他ならない……おい、何処を見ている。何故私から顔を背けている?!』

 

 いつの間にか拍手をしながら明後日の方向を凝視していたイモータルは、黒蛇の言葉でゆっくりと顔を向けた。

 

『いやぁ……随分と遅かったなと思ってね。コッチで車を予め用意しておくべきだったと』

『何を呑気な事を……いいだろう。ならばお前から奪ったこの虚ろな体で今すぐ終わらせて――』

『終わらないさ』

『……何?』

 

 拍手を止め、イモータルは徐ろにポケットに手を突っ込み……掌程の黒い板を取り出す。

 

『お前が幾ら体に慣れようと、成長しようと、私を倒せる事は絶対に無い』

『負け惜しみを――』

『ギャハハハ!!なんだお前、まさかとは思うが……自分が優位に立てる状況に見えているのか?』

『ッ――?!』

 

 目玉の様なひし形に睨まれ、黒蛇は一歩後ろに下がる。下がった自分とその事実に動揺する。

 

『この私が、まさか……そんな事ある筈が無い!』

『因みにだがこの義体、従来の様に液体源石をガンガン消費する私の趣味全開で非効率なエネルギー変換をしていない。そのせいでコ↑コ↓みたいな所でしか運用出来ないが、何時までも長期戦出来るゾ☆』

『小癪なァ!』

 

 イバラビームで己へ引き寄せながら、死角へ回ってぶった斬る為、黒蛇は突撃する。

 

『AI拡張・Level2>』

『なっ――』

 

 一瞬だった。まるでイバラがどういう軌道で飛んで来るのかわかっていたような反応速度で回避しながら黒蛇へ近づき、イモータルは義体の顔へハイキックを喰らわせ吹き飛ばす。

 さっきまでとは明らかに動きが違う。

 

 黒蛇を蹴り飛ばした後、イモータルは板を持っていない方の手を後ろへ差し出す。すると地面に刺さっていた大剣が一本、勢い良く地面から引き抜けてイモータルの掌に飛び込んできた。

 そのままキャッチした大剣を逆手持ちして、変形させる。大剣の腹から推進機が左右一つずつ飛び出し、刀身が中折れして3つ目の推進機が顕になる。そして、余った刀身や表面、持ち手部分がそれぞれスライド、分離、回転し、肘から下に纏わりつきながら形が洗練され、あっという間に大剣は彗速走行型の内蔵武装である槍翼と同じものへと姿を変えた。

 

 槍翼のエンジンが起動し、噴射口から赫色のエネルギーが溢れ出す。だがイモータルはそのエネルギーによる推進力をゴリ押しで抑えつけながら、槍翼を纏った腕を空へゆっくり掲げる。

 その光景を見た黒蛇は、咄嗟に義体の内蔵武装であるリフレクと言うシールドアーツを発動した。

 

 結果的に、その選択は正しかった。六角形が繋がった透明な膜の外で、掲げられた槍翼は更に火を吹き、先端が赫色に染まる。

 そして――

 

『少し本気を出すとしよう』

 

 黒蛇という概念が、消えかける。

 

 中枢区画が閃光に包まれる。その光は方舟やロドス本艦には勿論のこと、龍門にすら微かな明るさを届かせた。

 そして、チェルノボーグから出たのを確認するために外の景色を投影し、薄暗かった貨物内が賑やかな色になったばかりで目が少し慣れて無かった8人の内の6人は、その特大閃光に目をやられジッタンバッタンした。

 

 黒蛇はと言うと、いつの間にか横たわっていた己を理由も分からぬまま起こしていた。そして横たわっていた理由は直ぐに理解出来た。

 

『何が…起きた……?』

 

 いや、理解には少し時間を有した。要は、タルラと戦う為に作られた義体に備わった防御アーツ…それを破壊する威力の一撃が振るわれたと言う事。その一撃が生み出した赫白の破壊は、己をそのものから破壊しようとした事。

 だが後者を理解する前に、目の前の光景をわかり易く説明しよう。

 

 

 中枢区画一帯が、文字通り消滅した。

 

 

『ホント、ボジョカスティは凄い男だ』

 

 タルラの炎すら掻き消え、少し暗くなった中枢区画だった場所。まるで天災による大きめの隕石が直撃したかの様なクレーターの中心で、黒コートは唐突に称賛する。

 

『私はね、彼と刃を交える度に、()の記憶にしかない彼の全盛期…その実力を照らし合わせるんだ』

 

 地面へ打ち付けた槍翼を引き抜き、大剣へ戻しながら、もう片方の手に持った板を掌で弄ぶ。

 

『そしていつもこの結果を出す。幾ら長寿のウェンディゴと言えど、鉱石病と寿命ってのは矢張り酷いものだとね。主に源石、アレほんまマジゴミ』

『何を突然……』

『でも今の愛国者を殺すには、私も4割増しで相手しなきゃならないんだ。スゲェだろ?今回もお互い不殺とはいえお前の体で2割増しにならざるを得なかったし……矢張り全盛期はこの体で5、6割増しの本気(・・)を出さなきゃならなそうで…私がバトルジャンキーな性格になっていたらドキがムネムネしていたかもしれない』

『本気、だと…?』

 

 突然の意味不明な称賛。だが、この称賛を聞いたことにより、黒蛇の中で1つの疑問が生まれた。

 

『お前、一体何処まで手を抜いていた?!』

『……ボジョカスティにも言ったが、私は何時だって全力さ。まぁ最も――

 

 

 

 

 

今まで、全体の約1割の演算領域でどうにか頑張っていたのだがね』

『―――は?』

 

 絶句。今までの行動…パトリオットとの拙い交渉事や、チェルノボーグ事変での方舟の計画、その全てには、人間の様な不完全さがあった。

 故に黒蛇は、初めて出会った時からずっと、目の前のホモを口先だけの臆病者だと思っていた。

 

『おいおい、驚いてくれるなよ。入力された事を完璧に実行しない機械なんて、壊れてるにしろなんにしろ、フルスペックじゃ無いに決まってるだろ?』

『ならばお前は、本当に……!』

『あっそうだ(唐突)お前の体の痛覚回路起動して無かったな』

 

 爆発スイッチを押す感覚で黒蛇にとって最低最悪なスイッチを本体(・・)経由で起動する。なんでそんなものあるの?と気になる兄貴姉貴へ。義体の手足は治療に使う最新型の義手義足のテストプレイも兼ねていたりするからだゾ。

 

『ッ?!おい待て!今私に何を繋げ―』

『さぁて!私の出力の話が終わった事だし……今からAIをLevel3まで拡張する。演算領域の3割をコッチに回して、先ずはお前の心を殺す』

『チィッ!……心、心だとッ?』

『だってお前、体を壊しても意味は無いだろう?だから痛みと恐怖で分からせるかなって。洗礼礼装も100%機能するかわからないし。ツー訳で手っ取り早く心を……いややっぱ諸共殺そう(・・・・・)』(掌ハンドレットガントレット)

 

 そう言って、弄んでいた板…否、仮面を、のっぺらぼうの顔へ貼り付ける。目の位置を切り裂く横線と、その真ん中を貫く短い縦線。そして綺麗に噛み合った、鋭い牙が並んだ口は、嗤っているかの様に口角を上げている。

 

 空いた手でもう一振りの大剣を手繰り寄せ、十字の目がマゼンダ色に光り……睨む天使は、嗤う悪魔へと姿を変えた。

 

『私の心を殺すだと……出来るものか!この千年も続くウルサスの愛を、我が不屈の意志を壊す事など、断じて出来ぬと教えてやる!』

『あっそう』

 

 AI・Level3>

 

『じゃあ死ね』

 

 弓となった大剣から撃ち出された赫白の閃光が地面を削り取り、移動都市の装甲も容易く貫通して遥かまで飛翔する。黒蛇がこの赫と白の奔流を避ける事が出来たのは、千年以上の人生経験によるモノと、ついさっきの己が崩れる感覚のお陰だ。黒蛇にとって今この時が一番、明確な死を幻視した。

 

 無理にローリングした事で痛みを生じさせ、ソレを初めてまともに感じたであろう黒蛇は驚愕する。

 

『一々驚くなよ。コレからだぞ』

 

 弓に変形していたそれは、連結部分に集中した砲口を6つに分離させ、一振りにつき3つに分かれて刃に沿って開いた刀身に収まる。刀身が閉じて柄頭を分離させ、二振りの大剣へと戻った。

 

『なァ!!このクソ蛇ァ!!!!』

 

 大剣の峰が開き、推進機が火を吹かす。

 

『速ッ!?ぐっ…うぉぉぉ!!!』

 

 大剣をジェットにして突撃。大剣がレーザーソードとかち合い、鍔迫り合いとなりながらも推進は止まらず、黒蛇をクレーターの外まで押し出す。

 

『アァァクソッ!このッ――』

『ギャハハ!!!』

 

 レーザーソードを弾き、大剣を振り下ろす。黒蛇はそれをギリギリでガードするが、そこからイモータルによる連撃が始まった。

 素早く力強い斬撃でガードをゴリ押しで崩し、黒蛇へ刃を叩きつけ痛みを与える。振り降ろし袈裟斬りゴリ押し気味にガードを崩し、片方で横薙ぎに払いながら体を一回転させ、遠心力と諸々が加算されたもう一振りで装甲に傷をつけ、そこからさらなるコンボへと繋げて行く。二刀である事を最大限活用したゴリ押し乱舞は止まる事を知らない。

 二刀流は攻守のバランスが云々とはよく言ったものだがそんなものはどうでもいい。パワーisパワー、剣を2本振り回せば強いだろの精神だ。ジッサイ強い。黒蛇はまたガードを崩され、突きを喰らって吹っ飛んでいった。

 

『ウゴッ―!ヴッオ゛ァ゛ッ!!カハッ――!』

 

 腹を抑え嗚咽の音声を垂れ流す。今黒蛇は全身が軋みを上げ、胴に穴が空いた様な痛みが続いている。その痛みに黒蛇は悶え苦しみ、体の中を吐き出したくなって仕方ない。ただの金属塊に出すものなど無いがな。

 

(オ゛ァァァ……!違ッ―こんな゛ッ…コレが痛み゛など…オ゛も――)

 

 果たして黒蛇が痛覚というものを今まで感じて来たのかは分からぬ。感覚は憑依者の人格に都合よく押し付けていたのかもしれないし、タルラにさせた様な継承を千年以上も続けた結果、そういう感覚に慣れたのかもしれない。

 だが慣れなど木っ端微塵にするほどの尋常ならぬ痛みが襲っているのは確かだ。立っているだけで足裏に痛みが生じている。最も、痛みがダイレクトに襲う理由は、義体を操る為に侵食した源石術式とその他の配線、その中にあった痛覚の配線と直接繋がっているからだ。自業自得である。

 

『あぁ、無事に痛がっててくれて何よりだ。ほら、人外や概念、神ってのはこぞって痛覚に鈍いってのが定番だからな。感度3000倍に設定したかいがあったってもんだぜェ!!』

 

 コ レ は ヒ ド イ

 

 地獄への道を悪意で舗装するどころか地獄そのものを作り上げやがった。相手を選ばなければ最低な行為である。そういうとこだぞホモ野郎。

 

『巫山…戯るなァ……!誰がッお前如きにィ!!!』

 

 呪詛地味た声を吐き出す黒蛇へイモータルは地面を砕く勢いで一歩踏み出し、大剣を一振りブン投げる。投擲された大剣は丸く見えるほど回転しながら、投球の最速記録(テラ基準)を余裕でブチ抜く速さで黒蛇へ向かって飛翔し……弾き返される。

 

 黒蛇、常時尿路結石の数千倍の痛みの中、それを怒りで圧し殺し、レーザーソードで迫りくる大剣を見事弾き返した。

 

『スマブラでよく見る反射対決か!良いね殺ろう!!』

『ッ――クソがァァァァァァ!!!!』

 

 ホモによる無慈悲の弾き返し。もう一振りの大剣によってバッティングされた大剣は、さっきより弾速が上がってると来た。黒蛇はそれをキャラがブレる程の叫声を上げながら必死に迎撃した。ホモの一部を取り込んだせいで精神汚染されてるのかもしれない。知らんけど。

 

 だがそれもどうでもいい。見てくれこの物騒なテニスを。例えるなら壁打ちスマッシュ(壁は人型とする)である。そう例えれるほど、一方的な攻撃だ。飛翔する大剣を何とか弾き返す。そしたら更に速い速度で打ち返される。そうして続けていれば、ガードが崩れてしまうのも時間の問題だった。

 

『ッガ――』

 

 遂にガードしきれず、肩の装甲を傷つけながら後ろへ飛んでいく大剣。だがコレで漸く、地獄の様な応酬が終わっ――

 

『おかわりだァ!!!』

『ッ!?』

 

 既に黒蛇の視界から消え失せ、明後日の方向へ飛んでいった大剣の先へと陣取っていたイモータル。そして大剣をさっきと同じ様に打ち返し、黒蛇へ痛みを与える。

 

『オラッ!オラァ!オラオラオラァ!!ドラァ!!!』

『グゥッ!この゛ォ―?!クソッ―!アガッ!ゴホォッ?!』

 

 黒蛇を斬り裂いた大剣を更に弾き返し、フェイント地味た軌道での攻撃を増やしたりながら、無論それら全てを打ち返し的へ当てる。四方八方からの乱暴な遠距離攻撃によって、黒蛇の全身は痛みの絶えない体となった。アットホームだね。

 

『そろそろ次逝こうかァ!』

 

 大剣とイモータルの速度が、分身して見えるほどの速さになった頃、まるで飽きた玩具を即刻捨てる勢いで攻撃を中断。飛翔する大剣を打ち返すのではなくキャッチし、柄頭を連結させ、そのまま黒蛇を斬りつけながら地面に叩きつけ、斬り上げながら吹き飛ばす。

 

 最早黒蛇は声を上げる事すら出来なかった。痛みが酷すぎる。全身尿路結石と言っても過言では無い。気絶出来ればどれ程楽だったろうか。

 そんな事を知っていながら分離させた蛇腹剣で黒蛇を巻きつけるイモータル。刃で締め付けながら伸ばした刃を元へ戻す力で引き寄せ、反対側の肩へ置く様に構えたもう一振りの大剣と引き寄せの力で勢い良く胴体を――

 

『ッッ――させ、る……かァァァァァァ!!!!』

 

 斬り裂こうとした瞬間、間に現れたスパークウォールに防がれる。そして黒蛇は引き寄せの力を利用して巻き付く刃から抜け出し、その勢いのまま中枢区画から居住区の方向へと吹っ飛んで行った。コレが逃走経路だとでも言うのだろうか。実際逃走出来てるけども。

 

『まだまだ攻撃を冷静に防げる位元気じゃねぇか』

 

 蛇腹剣を元に戻し、柄頭を連結させて弓の形態へ変形させる。刃に沿って割れた刀身からはみ出る6つの砲口を4つと2つに別けて合体、中心へ寄せる。

 

 そして弓を空へ掲げ、連結した柄頭とその周囲の部分が小さく圧縮変形した弓弦代わりの引き金を引き……

 

『本当に面倒くせぇな……』

 

 放つ。

 

 

 

 

 

星閃夢葬・月天光雨(スタードリーマー・リヒトレーゲン)

 

 

 

 

 

 

 とある一軒家に壁をブチ破って転がり込んだ黒蛇は、近くの家具を支えにフラフラと立ち上がる。

 

『カハッ!カハッ!…ぅあ゛っ……クソッ!許さぬ、絶対に許してなるものか!イモータルゥ!』

 

 怒り。そして使命感。今の黒蛇はこの2つで己を襲う地獄をなんとか乗り切っていた。逃げてはならぬ。この都市でアレを殺さねば、ウルサスの繁栄において必ず邪魔になると。そういう心持ちが、黒蛇の原動力となるのだ。たかが痛み、何するものぞ。

 だがその痛みが問題だ。最早動くだけで痛みの生じるこの体でどうやってアレに一太刀浴びせるかと、黒蛇は考える。最初の猛攻の時、この体にあるレーザーソードをわざわざ大剣で防いでいた。あの不快な性格をしているホモならば、防ぐまでも無いものは防がず、その優位性を全面に押し出して来る筈である。それを防ぐという事は、つまりこのレーザーこそ、あのホモを倒す唯一の手段なのだと黒蛇は結論づけた。だとしても矢張り、痛みをどうにかしなければならない。この体との定着が進む度に、痛みはますます高まっていく。だがこの痛みさえなければ、今の自分はアレと同じ位この体を動かせると確信していた。

 

 後は、己の存在を崩そうとするアレが何なのかだが――

 

『今にッ、見ているがいい…!この体の仕組みを解き明かし、煩わしい痛みが消えた時が、お前の…敗北――』

 

 ふと、黒蛇の視界に空が写る。

 

 赤く、紅く、朱く赫く空を染める赫色の星々が……

 

 

 雨の様に、墜ちて来る。

 

 

 少し洒落た名前と共に撃ち出された大きく赫いエネルギー弾と、小さく白いエネルギー弾が空中で衝突、炸裂し、無数の雨となってチェルノボーグへと絨毯爆撃を開始する。

 居住区へと飛んでいった黒蛇を炙り出す。ただその為だけに放たれた赫色の雨は着弾と共に大爆発を起こし、富裕層の豪邸を、家に残された子供達の小さな宝物を、少年少女の思い出が詰まった学校を、差別される感染者を治療していた診療所を、この事件で散っていった数多くの亡骸を、悉く焼き尽くして………

 

 居住区の三分の一を、中枢区画の様に消滅させた。

 

『逃げるなよ』

 

 いつの間にか目の前まで移動していたイモータルが音声を発する

 爆風に吹き飛ばされ、存在のあちこちにダメージを負い地面の絨毯と化していた黒蛇が、イモータルの言葉に反応して震えながら体を起こし、睨みつけるかの様に顔を向けた。

 

『なんだキレてるのか?人間みたいで気持ち悪いな』

『お…前ェェ……!』

『そんな睨むなよカス。痛覚切ってやるから』

 

 途端に体が軽くなる。あれ程体を蝕んでいた痛みが無くなり、黒蛇は年明けの朝に新品のパンツを履いた時の様な気分となった。

 そして当然、わざわざ有利を捨てた事に不審を抱きながらも、飛び起きながらレーザーソードで攻撃を仕掛ける。勿論避けられるが、黒蛇はそのまま距離をとって着地した。

 

『なんの、つもりだ……?』

『いや、ただ痛みじゃ何時まで経ってもお前の心を殺せない感じだと思っただけだ。だからまぁ、やり方を変えようかなと』

『……ハッ!憐れだな。要は私を殺すなどと、端から無理であったという事だろう。その優位性が続くのも今の内だ』

 

 矢張りこの黒蛇、いつ如何なる状況になろうと口が減らない所が強みの1つだなって。そんな感じの事を実感するイモータル。

 

 

『じゃあお前の手足を千切って吊るして、目の前でウルサスの数千年の歴史全てを塵に変えれば、少しは口数も減るか?』

 

 

 その瞬間、黒と白のイバラが奔ると共に、黒蛇の姿が消えた。そして数秒後には、引き寄せられたイモータルの胸に、黒蛇のレーザーソードが突き立っていた。

 

 痛みと言う枷が無くなった今、黒蛇はこの体を正しく、それこそイモータル以上に使いこなしていた。

 

『カハッ――』

『お前がウルサスの領土を滅ぼすだと?この私がやらせると思うか?!だが……フフッ、私を殺すが為だけにウルサスの全てを滅ぼすなど、お前も所詮は人間的な思考しか出来ぬ存在だ。やらせはせんがな!お前がそのつもりであれば、私は必ずお前そのものを掌握し、お前が集めた感染者達を焚き付け、扇動して、此度のレユニオンの様にお前の積み重ねてきたもの全てをウルサスの糧としてくれる!』

 

 レーザーソードを更にギチギチと押し込む。勿論突き立てている胸部装甲の下にあるものは源石エンジンだ。即ち心臓である。ここを潰されれば、もう二度と稼働する事は出来ない。

 

『ッ―クソッガァ……』

『見事に侮りが仇となったな。だがもう遅い!己の過ちを嘆きながら滅びるがいい!』

『オ゛ク゛ァ゛ッ……ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛』

 

 叫びが徐々に遠退き、大剣が手からずり落ちて大きな音を立てる。

 

 短く響き渡る音が止んだ時、既に鉄の体は指一本すら動かす事は無くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なぁ〜んちゃってwww』

 

 無論、虚偽である。

 

 大剣を離した手で透かさずπタッチしている黒蛇の腕を掴みながら、口角を上げた口をしている仮面の様に、ゲラゲラと嗤う。楽しかったよ、お前に倒されるごっこ。

 そして黒蛇は、目の前の状況を少しの間理解出来ないでいた。

 

『さて』

 

 うわぁ急に落ち着くな

 

『心を殺すには、主に3つの手段がある。1つ目は痛みだ。お前もさっき経験したからわかるだろ?だいたい人間はコレで手っ取り早く死ぬ。2つ目は破壊だ。そいつにとって大事なモノを、文字通り壊し、殺す。そして3つの目が……』

 

 一度説明を止めて、掴んでいる腕をゆっくりと引き離す。

 

 黒蛇は驚愕するしかなかった。確かにレーザーは、イモータルの胸部装甲を焼いている様に見える。焼いているだけだった。いや寧ろ、焼いてすらいないだろう。

 タルラの炎にも匹敵する閃光は装甲と接触した瞬間に散らされる。突き刺していたように見えたのは、マジックナイフの様に刀身が短くなっていたに過ぎなかったのだ。

 

『あ……あ………』

『3つ目は、抗う事など絶対に不可能であるという現実を押し付ける……絶望だ』

 

 掌から白いレーザーソードを出しながら、斬り捨てる様に掴んでいた手を離す。何度か受けた攻撃による存在そのものが傷つけられる感覚と、痛覚とは別の痛みに思わず声を吐き出す。

 

 もっと早くに思い至っておくべきだった。武器にしているというコーティングを、装甲に使っていない筈が無いと。

 黒蛇が何をしようと、この体に封じ込められた時点で、イモータルの掌の上で踊っているに過ぎないのだ。

 

 どう抵抗しようと、詰みである。

 

『ガッ?!……カァッ……!』

『安心しろ。私は嘘はつくが、有言は実行させる機械だ。ちゃーんとウルサスは滅ぼすとも』

『ッ…や…止めろ……!』

『止めるものかよ。お前は何も出来ないまま、私が好む結末をただ見ているだけだ』

 

 歩み寄りながら音声を発するイモータルと、腕を庇いながらその歩みに合わせて後退る黒蛇。

 

『今のお前は私には勝てない。別に逃げてもいいぞ、私にも準備がある。その間お前は、他の黒蛇達に助けを乞うなり、利刃を使うなり、ウルサスを纏め上げて戦力を強化するなりすればいい』

 

 そんな事を言わずとも、既に黒蛇はみっともなく逃げようとしていた。言葉をハッタリだと切り捨てられればどれ程気が楽になれただろうか。勝てないのは事実、そしてイモータルの言葉を簡単に切り捨てる事など出来ない。

 

 何故なら、目の前の機械はちゃんと言った事をやって来たのだから。

 

『全員纏めて殺すがな』

 

 逃げた。最早プライドだのなんだの有りはしない。全力でウルサスを、我が愛する国を守らねばならない。でなければウルサスは、あの中枢区画の様に、三分の一が消し飛ばされた居住区の様に、滅ぼされる。

 

 だから今、全力で逃げ切るのだ。

 

『逃しもしねぇけどなァ!』

 

 最初から逃げる事など出来ないが。

 

 弓へ変形させ、砲口が6つの状態で引き金を引いて放つ。6つの赫い矢は真っ直ぐ黒蛇を追いかける。黒蛇が残りの居住区へと入り、家を盾にしながら逃げ続ける。

 が、矢は当たり前の様に軌道を変え、家を回避し、1本も欠ける事無く黒蛇を攻めたてる。

 

『クソォ!』

 

 それでも逃げて逃げて逃げ続け……交差点に差し掛かった時に、ふと視界の横に何かが入り込む。

 

『ッッ?!』

 

 イモータルと目と目が合う。瞬間に感じたのは好意ではなく恐怖。そのままスピードを更に速くして突き進む。が、次の瞬間、黒蛇が走る道にある遠くの家をブチ壊しながら、イモータルが弓を引いた状態で現れた。

 

『ナァッッ?!?!』

 

 咄嗟に急停止しながらスパークウォールを目の前に張る。それと同時に、痛覚3000倍が突然起動したのを実感し……

 

 前後から計12本の矢と着弾時の爆発を大真面目に喰らう。

 

『―――』

『私の一部がまだ残ってるんだ。お前の体は私が好きなように設定出来る。痛覚は勿論、人工筋肉の再生とかもな』

 

 膝から地面にぶっ倒れ痛みで声も出せない黒蛇。陸に打ち捨てられた魚の如くビクビクと痙攣している。顔の投影機能がまだ実装されていなくて助かったな。あったらきっと顔はエロ同人誌の様な顔になっていた所だろう。

 

『オラァ!』

『ッッ――ッッッ―――』

 

 股間を蹴るのはマジでやめて差し上げろ。

 

『さて、そんな黒蛇君に朗報だ。お前の武装でも傷をつけられる部位があってね。この翼、周りの源石からアーツエネルギーを吸ってエンジンを動かしてるのだけど、その機構のせいで頑丈ではないの。だから壊されたら不味い訳ね』

 

 黒蛇の頭へ移動し、体の痛覚をオフにする。

 

『今からはもう痛覚を起動させないからさ、頑張って………

 

 

狙って見やがれェ!!!』

 

 そして勢い良く蹴り飛ばす。サッカーボールの様に吹き飛びながら、黒蛇は家やマンションを突き破り、そして態勢を立て直して急停止した。

 

『ハァッ―!ハァッ―!ハァッ―!』

 

 今更弱点を晒して何になる。そんなモノを教えられた所で、散々勝てるビジョンを潰された今、イモータルの背中を取るなど世界が逆さまになっても出来ないと確信してしまう。

 

 己が開けてきた穴の向こうに、イモータルが見える。ホモは大剣を変形……前後で刀身が別れ、持ち手が異様に伸び、切っ先側の刀身は折り畳まれ鋭利な物へ、柄頭側は槍翼の変形の様に3つの推進機が展開する。

 そうして出来た槍が投擲され、一瞬で目の前へと飛翔する。

 

『出来るかァァァァァァ!!!!』

 

 存在が修復された腕のレーザーソードで槍を弾く。だが弾かれた槍は推進機が爆発するように噴射する事で向きを変え、再び正常に噴射して真っ直ぐ黒蛇を襲う。

 黒蛇は縦横無尽に襲い来る槍をレーザーソードで迎撃し続けるが、すぐ近くまで来たイモータルの元へ戻る頃にはボロボロになっていた。

 

 戻って来た槍をキャッチし、そのまま槍の二刀流で黒蛇のレーザーソードと鍔迫り合いになる。だが突撃の勢いのまま黒蛇を押して家に突っ込み、そのまま斜めに地面へ突っ込んで下層フロアに場所を移したのを見るに、力の差は明らかだ。

 

(何が弱点だ!背後を取らせる気など無いだろうが?!考えろ、今この存在から逃げるには――)

 

 地上を支える柱を壊しながら、斬撃と薙ぎ払いが打ち合う。吹き飛ばされ、投擲し、弾き返し、不意打ちで出した筈のゼロ距離イバラビームを軽々と避けられ、お返しと言わんばかりに体中に穴が空く。

 

 痛みは無い筈なのに、体をなんの障害も無く動かせている筈なのに、攻撃を防ぐだけで精一杯。それどころか、天井を突き破って地上に放り出される頃には、体の装甲はひび割れ、所々から人工筋肉が見え隠れする程に傷ついていた。

 

 己を壊す攻撃手段を持ち、愛するウルサスを滅ぼせる力を持ち、コチラのあの手この手を悉く踏み潰す戦闘能力を持つこの存在を打倒しろなどと。そんなの――

 

『どうやって戦えばいいんだ?!』

 

 投擲された槍を弾き返す。槍はさっきの様に推進機で態勢を立て直し…家を突き破りながら明後日の方向へ飛んでいく。そしてイモータルは跳躍しながら手に持つ槍を横へ回転させる。その槍と明後日の方向から迂回してきた槍の切っ先同士が衝突と同時に接続。イモータルは2倍の長さになった槍へ乗り、また家を突き破りながら明後日の方向へ突き進む。

 

 奇襲の為に姿をくらましている…にしても、突き破った家が倒壊するせいで丸見えだ。ほら、今もどんどん倒壊が大きくなり……龍が現れる。

 

『なんだとォォ?!!?!』

『ヒャハハハハ!!』

 

 正体はさっきの槍が変形した蛇の様な鋼鉄だ。頭である部位は3つの巨大な砲口が三角に並び、その上にイモータルが仁王立ちしている。

 そして龍は黒蛇を見下ろす様に陣取り、照準を合わせ赫白のエネルギーが溜まった砲口を開く。

 

『絶望とはこういうことだ!!!』

 

 放たれたドラゴンブレスは黒蛇を飲み込み、都市を融解させる。これにも洒落た名前があるが今は省略だ。当たり前の様に大爆発が起こった後、溶岩の海と化した下層フロアと、その真ん中で壊れかけのリフレクを張りながら肩で息をする黒蛇がいた。今回は黒蛇の存在が半分吹き飛んだ。

 

 すかさず龍から槍、槍から槍翼へ変形させ上から強襲し、推進機でブーストされた拳がリフレクをブチ割って吹き飛ばす。

 溶けた金属をまき散らしながら接近し、態勢を整えたばかりの黒蛇へ拳を2発打ち込む。体を捻りながら飛び上がり回し蹴りを喰らわせ、逆の足で追撃。着地と同時に拳を1発ずつ喰らわせ、推進機のブーストがふんだんに乗ったアッパーカットでブッ飛ばす。

 

 炎国に伝わる七破七旋の武術を受けて空中を舞う黒蛇へ向け、両手の指同士を組んだ拳を突き出す。槍翼が回転して推進機は砲口となり、今までよりも更に凝縮された赫白の奔流を――

 

『させるかァァァ!!!!』

『うぉっ』

 

 放つ瞬間、イバラに絡まれた体は明後日の方向を向き、放たれた極太の奔流は一瞬にして残った居住区の2割を飲み込んだ。奔流が過ぎ去った後には何もなく、素晴らしい程に見通しが良くなった。

 

『ゲハハハ!ヤるじゃねぇか』

 

 景色が黒く染まり、次の瞬間に全方位に配置されたレーザー弾が世界を照らす。どうやらイモータルがパトリオットへやった技を使うようだ。確かにコレなら背中を比較的狙いやすいだろう。

 

 イモータルが人間ならばの話だが。

 

『来いよ!』

『撃てい!!!』

 

 全方位掃射。それを槍翼を大剣へ戻しながら零コンマの差で先に到達するレーザー弾から叩き落して行く。

 分身して見える様な勢いで片っ端から叩き落とす。ただ闇雲に叩き落とすだけでは無く、二振りの大剣で半分半分を余すこと無く補う様に、流れる様な無駄の無い剣舞を披露する。

 

 弾速が上がる。弾数が増える。それらが一定以上になると、流石に大剣2本じゃあ厳しくなってきたのか、蛇腹剣へと変形して対応しだした。

 

 それを好機と捉えた黒蛇は、更に弾速と弾数をあげる。

 

『おおっとそろそろ無理そ』

 

 ここに来て始めて、内蔵されたリフレクのアーツを起動するイモータル。六角形が組み合った膜が円形状に全身を包み、レーザー弾を遮断する。

 だが長くは持たなそうだ。既にヒビが入っている。

 

『小賢しい!』

『そりゃどうもね』

 

 リフレクが割れる前に変形を開始する。大剣へ戻し、峰の中に埋め込まれている持ち手を回転させて外側へ出し、そして峰と峰を合体させる。2つの持ち手が連結して1つになり、刀身は伸びて切っ先が少し鋭利になる。

 こうして大剣が2つ合わさった巨大なバスターソードへと変形した。だがまだ終わらない。最後にオマケと言わんばかりに切っ先付近の刀身の腹が開いて槍翼が飛び出す。

 

 割れかけのリフレクを突き破り、槍翼のエンジンを点火。まだ空中に固定されているレーザー弾ごと、推進力に任せた高速斬撃で諸共を斬り捨てる。

 

『コレでも駄目なのかッ!!!』

『あぁそうだ』

『クソッ――ッ?!』

 

 レーザー弾を全て斬り裂き、イモータルをドーム状に閉じ込めていたイバラビームも全て斬り裂いて、最後に狼狽えていた黒蛇の片腕を着地と同時にブッた斬る。

 

『人工筋肉の再生を無制限に設定』

『なっ―なぁッ?!なんだコレは?!』

 

 結晶化した断面を内側から砕きながら、ピンク色の人工筋肉が悍ましく増殖する。

 

『イモォォォタルゥゥゥ!!!!』

『多重次元屈折現象、起動』

 

 増殖する肉でバランスを崩しながらも呪詛の様に叫ぶ黒蛇へ向かって、槍翼に変形させた両拳を広げ一歩踏み出し、推進機の力を乗せ全力でブン殴る。

 

 最初の一撃を受けた瞬間、黒蛇の体に143もの衝撃がまったく同時に訪れる。しかも地面を容易く砕く威力のそれが音速を超える速度で、連続で、襲い来る。

 

『オラオラオラオラオラオラァ!!ハーレェェェイ!!!!!』

 

 空気が破裂し轟音がなる。瞬間的に約1000発の拳を受けた黒蛇は、その衝撃で装甲を粉々に砕かれ、四肢の全てを失い、頭がピーナッツの様にバラバラになり、体は移動都市の先頭付近へとブッ飛んで行った。

 

『……まだ形状が無事だな』

 

 遠くで肥大化する肉団子を見ながら、イモータルは移動都市の最後尾へとワープする。

 

『人の形すら失って生肉団子に成り果てたか。お前の願いを叶える手段が()の願いに反していなければ…軽蔑を送る事無く、分かり合えそうだったんだがな』

 

 大剣をバスターソードへ変形させ、空へ掲げる。切っ先付近の両側の腹に取り付けられた推進機も回転し、砲口が空を仰ぐ。

 

 

 

 閃光が天を穿つ。

 

 

 

 その赫白の光は龍門のみならず、リターニアやラテラーノを越え、ヴィクトリアやカジミエーシュ、炎国やレムビトリンの先民達にも目視で観測された。

 赫の破壊と洗礼を凝縮した白は入り交じりて極光となり、それは矢でも奔流でも無く、万象を斬り裂く刃と定義することで、ここに幻想聖剣は天を墜とす。

 

 

 

(何が、方舟だ)

 

 人工筋肉に埋もれながら、偶然にも残っていたカメラでその極光を視界に収める。

 

(お前の様な破壊の化身が、人々を救うなどおごがましい)

 

 最早呪詛しか吐き捨てぬ。ここまでくれば負け惜しみとも取れるが、それは紛れもなく目の前の脅威への抵抗だった。

 

(あぁ、巫山戯るな。私の不甲斐なさが…愛しのウルサスを滅ぼしてしまう。こんな……こんな………)

 

 迫る極光を諦観する。雲を斬り裂き、大地を…国土を斬断するその刃を振るう存在を、ウルサスの証人は人類の脅威だと定義づけた。

 

(天災に―――)

 

 白き洗礼を全てに浴びて、その存在そのものを漂白されて。不死と謳われた黒蛇は、文字通り消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『未だ貫く事すら出来んか…まぁいい』

 

 そう呟きながら空を見上げていた顔を前へと向けて、縦に分かたれたチェルノボーグを歩く。源石エンジン(心臓)が完全に止まるまで、歩き続ける。

 

 そして、移動都市の先頭付近まで歩き、地面に転がる金属の匣を持ち上げ―――

 

『………ハッ』

 

 嗤った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数多の歪み、数多の命を拾い、あなたは神を殺した。全てではないが、悲劇は敗北し、あなた達は勝利した。祝杯をあげよう、終幕への歩みを祝って。

 

獲得実績

 

『機械変生』ロボットのタグを持ったキャラでゲームをスタートした

『人助け』怪我人を治療した

『発進!』移動都市を動かした

『拠り所』一定以上の感染者を保護した

『実家帰り』ライン生命へカチコミした

『時間短縮』ドローンで施設の作業を短縮した

『改造』移動都市の内部をリフォームした

『避難所』一定以上の感染者を保護した

『名乗りあげ』組織として名乗りをあげた

『機械上手』作製ツリーを2割解放した

『暗黒時代』チェルノボーグ事変へ介入した

『偽善者』レユニオンに所属する感染者を助けた

『人間の真似』人型の義体を作成した

『お仲間同士』ロドスと出会った

『鋼鉄母胎』一定以上の感染者を保護した

『深淵の世界』エーギルの作製ツリーを解放した

『I LOVE人間』人型の義体を複数作成した

『不法侵入』他国の都市へ不法侵入した

『相思相愛Ⅰ』レユニオン幹部、スカルシュレッダーをダウンキルした

『相思相愛Ⅱ』ミーシャを保護した

『アーチャー』一定距離以上先の飛翔物を撃ち落とした

『零点直下』フロストノヴァに凍結状態にされた

『快刀乱麻』龍門での戦闘に介入した

『赤狼』レユニオン幹部、クラウンスレイヤーをダウンキルした

『内に秘めた思い』レユニオン幹部、ファウストと和解した

『ダイヤモンドダスト』レユニオン幹部、フロストノヴァをダウンキルした

『希望都市』感染者の保護数がロドスを超えた

『機械達者』作製ツリーを6割解放した

『怒号光明』最終決戦へ参加した

『愛国者』レユニオン幹部、パトリオットをダウンキルした

『特殊消防員』鎮まぬ悪炎をノーダメージでやり過ごした

『ドラコの戦士』レユニオンのリーダー、タルラをダウンキルした

『神だろうと殺す』上位者に戦いを挑んだ

『不死殺し』不死の黒蛇をキルした

『暗黒落陽』チェルノボーグを破壊した

 

『境界無き方舟』悲劇を迎える筈だった感染者を救い、この大地に希望をもたらした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『■の■■』漸く、叶える事が出来そうだ




タイマーストップ!時間は76分22秒!

完走した感想ですが、まだまだ短縮出来る箇所(途中からRTA要素が薄い)愛すべきガバ(エタりかける)、コレら以外にも初めて故のミスがコレでもかと見受けられました。一応NEWRECORDなのですが、矢張り1時間は切りたかったですねぇ。やだ、反省点多すぎ……。



 とはいえ無事に完走出来たのは本当に嬉しいです。最初の頃は空前のRTAブームということで便乗してみましたが、ここまで難しいものだったとは思はなんだ。余り原作キャラを活かせなかったのも辛いんですし、ライブ感で出したポッと出の新技やご都合過ぎる展開、主に敵キャラのキャラ崩壊ナドナド…反省点が多すぎる。
そんなぐだぐだな本RTAの二次創作品を見てくれた方々、本当にありがとうございました。こんな作品を面白いと言ってくれたり、この作品をきっかけの1つにアクナイ二次創作を書き始めた人がいたりと、もう読者に頭を上げられねぇ!売り出したばかりの小説家ってこんな気分なのかな?!いや本当にありがとう!!!
という訳で、後日談と久しぶりのプロファイルを投稿し、一旦完結とさせていただきます。呆気ない最後ですが、ここまで見てくれてありがとうございました。

それではこれにて、バイバイ。


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後日談話

一旦終わると書いたな、アレはホントだ


 チェルノボーグ事変終了!レユニオン壊滅!だけど殆ど生存!

 そんな訳でチェルノボーグ事変から約数日。境界無き方舟もといホモ都市の中は、アニメのクリスマスパーティー並みに飾り付けされ、ミラーボールが輝き、バイブスアゲアゲパーリーピーポーウェェイ!!な打ち上げ祭りで盛り上がっている訳では無かった!

 

 いやまぁ、食堂にある一部のテーブルに沢山料理が並んでたり、黒蛇を打ち倒したホモの遺体(義体)を複数人の肩に乗せて棺桶ダンスする位にはパーリーピーポーしてるけどね。昨日はチェルノボーグ事変が解決した後の後始末…主に拉致って来たレユニオンやチェルノボーグ市民のメンタルケアや治療、ウルサス兵の一時投獄ナドナドを漸く終え、達成感でピロサ族にも劣らぬ怠惰な1日を送った奴らとは思えないハッチャケぶり。

 まぁエンジョイ出来る時にするのはいい事である。

 

「…………」

 

 いや、ここにそうでもない感じのウルサス人が1人。

 

「納得出来ないッ……!」

「「「「それな」」」」

 

 スカルシュレッダーとその部下達は、なんの料理も置いてないテーブルの席につき、それぞれ項垂れていた。

 

 何故彼らがこうなのかと言えば、一連の事件が既に終わっていたからと言う他無いだろう。数日前に漸く目が醒め、目の前にいた姉と感動の再会をしていた時に例の黒コートから言われた『レユニオンはもう壊滅したゾ☆』の一言は、スカルシュレッダーの顔を宇宙ウルサス人にしたのであった。

 

「そもそもコイツらは何でこんなに呑気なんだ?!」

「何故か何故かと聞かれたら!」

「答えて上げるが世の情け!」

「誰だお前ら?!」

 

 方舟のモブオペです。

 

「えぇい近づくな!」

「うるせぇ近づくぞ!」

「何なんだテメェら?!さっきからオレ達に関わりやがって!元々敵同士だぞ?!」

「ダハハハハッ!また敵味方の概念を引き摺り出したな?!他のヤツは無いのかァ?!」

 

 スカルシュレッダーの部下が放った一言は、祭り気分だった方舟のオペレーター達の動きを止める訳でも無く、その言葉は周囲の喧騒に飲み込まれていった。だって、何回も言われてますしお寿司。

 

「あ!アレックス!ちゃんと来てたのね!」

「み、ミーシャ?!」

 

 オイなんかミーシャ姉貴がどう見てもエグい事になりそうな料理を皿に大量に盛り付けてやって来やがったぞ!

 

「えっあっ…ミーシャ?コレ……」

「うん、私が作ったの」

 

 スッ!と頭を机へ打ち付けた。両手で頭を抑え、マジかと呟く。おかしい、姉の料理センスは可も無く不可も無くの普通だった筈だ。

 

 最早己がアレックスではないとか訂正してる暇すら無かった。今は目の前の地獄から逃れる事で頭が一杯だった。

 そっと対面する位置へ座ったミーシャを見る。

 

「………」(ニコニコソワソワ)

(駄目だどうしよう?!)

 

 この弟、姉が作った料理を食べないという選択肢は出来ない性分であった。

 

「……実はね、ずっと話したい事があって」

「え?このタイミングで昔話的なのするの?!」

「……なんだ」

「いや聞くのかスカルシュレッダー?!」

「ハイハイ、取り巻きはこっちで極死でやる的当てしようねー」

「なんだテメ離しやがれ!HA☆NA☆SE☆」

 

 取り巻きがボッシュートされてしまった。コレで姉弟二人きりの話し合い場となる。

 間にゲテモノがなけりゃ完璧なんだよなぁ。

 

「アーミヤ…ロドスの人にも言った事なんだけどね」

 

 ロドス、その言葉が出て来た瞬間、スカルシュレッダーの目つきが鋭くなる。だがそんな怖い目を浴びせられても、ミーシャは口を閉じなかった。

 

「ねぇ、覚えてる?あの頃のアレックスはちっちゃくて、宿題すら上手く出来なくて……よく教えてたんだよ、私」

「ミーシャ」

「あの時私…あなたをコレからずっと、守って行こうって、寄り添って行こうって思ってたの」

「止めろ……」

「でもあの時、あなたが連れてかれる時に私は――」

「もういいって言ってるだろ!」

 

 言葉を遮る様に声を荒げる。少ししてからハッとして顔を上げるスカルシュレッダー。

 

 だが彼の目に写った姉の顔は予想と違い、今にも崩れ落ちそうな笑顔であった。

 

「アレックス」

 

 姉の優しい声が、酷く耳に響く。

 

「ごめんね。私あの時、逃げちゃった。あなたを裏切って、自分だけしか守らなかった」

「違う!!!」

 

 こんな事を言わせる為に、彼は姉との再会を望んでいた訳では無かった。こんな、全てを悟りきった様な懺悔を聞きたい訳では無かった。

 

「私ね、感染者になって、龍門のスラムで住むようになって、やっとわかったの。感染者達がどんな仕打ちを受けていて、そんな感染者達がどうしてレユニオンに入ったのかを」

「止めろって言ってるだろ!」

 

 気づけば、彼は席を立ってミーシャの目の前に立っていた。きっと今、自分は怖い顔をしているだろうと思うスカルシュレッダー。だがそれでも良いと思った。姉がこれ以上言葉を紡がなければそれで良いと。

 

 だが、それでもミーシャは口を開く。

 

「非感染者は感染者に酷い扱いを沢山してきた。それを身をもって知って……はっきりわかる様になった。非感染者は、今までしてきた行いを返されても仕方ないよ。それくらいの事を沢山してきた。だからね、アレックス」

 

 まるで服と背中の間に蛇が入り込んだかの様な悪寒に襲われる。席を立ち、己の片方の掌を両手で優しく包む姉の次の言葉を――

 

「私はあなたに――」

「姉さん!!!」

 

 何が何でも、その言葉を言わせる訳にはいかなかった。

 

 スカルシュレッダーはミーシャの手を振り払い、すかさず彼女を抱き締める。

 

「姉さんだってッ……姉さんは何も悪く無い。だからそんな――」

「ッ…うぅっ!だって、だって!」

 

 耳元から漏れ出るミーシャの声に、嗚咽が混じる。

 

「私だって、前まで非感染者だったんだよ?!助けを求めるあなたを裏切って、見捨てたんだよ?!そのくせ一人で勝手に、ずっと後悔して……っなのに!なのにッ!龍門であなたと再会出来た時も、あなたを信じてあげられなかった!」

「でも……!」

「あなたが許しても、私がやった過去は消えないの!」

「それでもだ!」

 

 やっぱり姉は優しいと、彼は思う。

 やっぱり弟は優し過ぎると、彼女は思う。

 

 だからこそ、アレックスにとってミーシャという存在は、いつ如何なる時でも家族なのだ。

 

「俺は姉さんを恨んだ事は一度もない。あの雪の日の時もだ。姉さんがどんな人間だろうと、俺は姉さんが大好きだ」

「うぅっ……ずるいよアレックス。私、勇気出して言ったんだよ?なのに……ッ」

「俺と話すのに、勇気なんて必要ないだろ。家族なんだぞ?」

「でもッ……!私は、あなたを裏切って…その上信じる事をしなかった!だから今度こそ私が守らなきゃって!ッ…アレックスが起きる前に、もう見ないふりはしないって…ちゃんと全部受け止める大人になるってッ、決めたばっかりなのにぃ!」

「……なんだそりゃ。そんなの、姉さん一人に出来る訳ないだろ?」

「でも…だって……ッ」

「だから、俺も一緒に受け止めるよ」

「ッ?!」

 

 ミーシャから体を離し、顔を見る。ミーシャの顔は涙でぐしゃぐしゃで、少し笑いそうになったのは秘密だ。

 

 だけれど、ガスマスク越しよりもはっきりミーシャの顔が見えている。あの時から変わらない顔だった。

 

「姉さん一人じゃ心配だからな。俺も姉さんと一緒に大人にやってやる!俺と姉さんで、今度こそ…一緒に!」

「……ずるい、ずるいよ」

「それで姉さんが笑顔になるなら、何でもやってやる」

「………ごめんなさい」

「いいって」

「ごめんなさい…!」

「だからいいって。それで姉さん、俺への返事は?」

 

 アレックスの言葉にミーシャは返事をしようとして……嗚咽で言葉に詰まる。止まらない涙を袖で雑に拭いて、改めて――

 

「……私も一緒になりたい。あなたが許してくれるなら、コレからずっと!」

 

 さっきまでお祭り状態だった周囲も皆静まり、姉弟のやり取りを見て誰かに思いを馳せる者や、何か小さな事を決意する者が現れる。貰い泣きしている者もいる。

 だがこの場にいる殆どの人間の心中は一緒だった。コイツら助けてて本当に良かったと。

 

 アレックスも、ミーシャに再会出来て、こうして話し合えた事に満足している。ただやっぱり、場所が少し嫌だなと思っていた。最早こういう事で余り場所を選ぶ様な性格では無くなったが、ホモに無理矢理連れて来られたこの場所じゃなかったら最高だった。というか出来れば今すぐにでもミーシャと部下を連れてこの場所から出たかった。このホモ色んな奴に嫌われてんなマジで。

 

『うぅ…イイハナシダナー。特に姉と弟が密接しながら心を打ち明けるのは最高だよ。最高過ぎるから間に挟まってきていい?』

 

 は?

 

「コイツ殺せ!」

「空気読めこのバカ!」

「前からコイツのこういう所だけは気に食わねぇ!」

「恥を知れノンケ!」

「アタシはこの光景を死ぬ前から見たかったの!わかる?この罪の重さ!」

「アンタは薔薇の間にケツでも突っ込んでな!」

「童貞野郎!」

「ネーミングセンス壊滅!」

「チェリィパァァァイ!」

「ざぁーこ♡ざぁーこ♡」

「蹴り穿つ!」

『ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!』

 

 棺桶ダンスに使われていた義体が突然アホな事を喋りだした瞬間、その義体を床へ叩き落し、方舟オペレーターとその他住民による死体蹴りならぬ義体蹴りが始まった。もう駄目だなこの組織。

 こんな奴にレユニオンは壊滅させられたのか、とアレックスの中で苛立ちが湧き始める。早くミーシャニウムを供給させなければ。

 

「チィ!折角のいい感じな雰囲気が台無しだ!オイエレキ…は向こうだった。誰か引ける奴いる?!」

「ハイハーイ!アタシ達、文化祭でバンドした事あるよー!」

「よぉし!バイブスアゲアゲで頼むぜ!」

 

 一瞬にして、バイブスアゲアゲパーリーピーポーウェイな雰囲気が戻って来る。

 

「おいクソ野郎」

「アレックス!流石に……」

 

 目の前で白い絨毯と化したホモに向かって少し近づき、アレックスは呼び掛ける。

 

『はい、クソ野郎です』

「チッ、いいかよく聞け。いつか必ず俺達は此処を出て、レユニオンの様な感染者の組織を作る」

『それで?レユニオンの二の舞いになると?』

「つくづくムカつく奴だなお前!」

「ふふっ、大丈夫だよ」

 

 ミーシャがアレックスの隣に立つ。

 

「今度は二人だから大丈夫…ね?」

「……ふん」

『よぉし!じゃあ今から体力作りだな!』

「はぁ?!」

『未来を語るも良いし、過去を悔やむのも良い。だからこそ、今を楽しんで備えろ!』

 

 そう言って一瞬で二人の背後を取ると、背中を勢い良く押す。

 

『オラ楽しんで来い!』

「だッ―何をするんだお前!」

「アレックス、行こう!」

「あちょっと待てミーシャ?!」

 

 そうして、賑やかな雰囲気の中へと向かって行く二人を見送ったホモは、さっきまで二人が座っていた席に腰を降ろした。

 

「………なぁイモータル」

『なんだいアクアクラウン君』

「アブソリュートだよ。任務以外は名前で呼べって」

『スマヌスマヌ…で、なんの用よ』

「このゲテモノなに?」

『あぁそれは私が悪戯心で厨房のレシピに紛れ込ませた「ハイビスカス流健康食」から生まれた産物だ。ミーシャは良くもまぁ正直に作ったもので』

「シンプルに最低だな」

『どれ、味も見ておこう』

「正気か?!」

『うん……美味い!美味い!美mガガガガガガガガガ!!!!』

「バカなの?!」

「なんだ?踊ってんのか?」

「ダンスは、嫌いだなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」

「Yeah!お前に本当のダンスは踊れなア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!」

「悪夢か?」

「現実だぞ」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 龍門、住宅街とスラム街の境界

 

 

 その店は、龍門にひっそりと建っていた。『MUGENTENSEI』というその料理店は、住宅街とスラム街の丁度あいだ辺りに建っているもんだから、客足は多い訳でもない。ただ、常連客というもの好きはバッチリ確保していたから、いつも店の半分は人で埋まっている…そんな感じの料理店だ。

 

 だが今日に限って、その席は満席になっていた。おまけに入口の扉には『団体様貸し切り中』という札が下がっていた。

 

「チェルノボーグ事変の無事終息を祝ってー!」

「「「「乾杯!!!」」」」

 

 ここに集まり様々な料理を食べ始めた先民達は、文字通りバラバラだった。種族も様々、スラム街と住宅街に住んでいる者たちが当たり前の様に話している。しかもその半分が感染者だ。

 これの理由は単純明快。今ここにいる全員が、龍門へ襲撃してきたレユニオン達に抗った者達だからだ。

 

 だが、その約半分の先民は、もう一つの共通点がある。

 

「にしても、本当に何なんだよ?あの方舟ってヤツはさ」

「さぁね、少なくともあんな色んな意味で都合の良い組織なんて僕は知らないよ」

「そりゃそうだろ。他国にいる奴らからも何回も聞いたよそれ」

 

「お前の知り合い、方舟にいるんだろ?なんかスレで言ってなかった?」

「結構スレして来るけど、聞く限りじゃロドスとそんな変わんねぇって言うか」

 

「方舟もそうだけどさ、古龍の目撃報告とかもあったよね」

「なんかホント、俺達の知ってるテラと全然違うよな」

 

「方舟の…なんていうかな、要素っていうの?なぁんか見た事あるモンが散りばめられてるって言うか」

「わかるそれ。あの黒コートとか諸にXⅢの奴だし」

 

 西洋料理や和食に箸をつつき、それぞれ舌鼓をうちながら皆口々に境界無き方舟の事について話している。

 

「そういやクモ野郎は?アイツ方舟の野郎と話したんだろ?」

「残念、今も絶賛人助け中だ」

「そろそろ過労死するんじゃないの彼」

「ここマフィアとか普通に潜んでるからな。あとゼヴェルとウェンがたまに見境なく殺りあってる」

「「「「またアイツらかよ」」」」

 

 一緒の席で飯を食っていた複数人は、今も頑張っている親愛なる隣人に乾杯と心の中のエールを送った。

 

「ホント、七夜改変の人達ってあと何人いんのかね」

「龍門にいる2人とは別に、ロドスのエリートオペレーターとして1人、サーミに1人、好奇心を理由に聴罪師をストーキングしているのが1人、あとはクルビアにあるライン生命の本部に1人監禁されてた筈」

「凄い知ってんのね。何処の板で聞いたのよ?」

「でも多分あと1人どっかにいる筈なんだよね〜」

「無視すんなやゴルァ!!」

【あと1人なら()ん所にいるなァ】

「あぁマジか………誰だお前?」

 

 会話が止まる。その席にいる先民の目線は、当たり前の様に空気椅子をして席についている黒コートの男へと向いた。

 

【……なんだ、続けないのか?】

「誰なんかって聞いてんだよ」

【さっきまで話してたろ。ならわかってる筈だ】

「……方舟の関係者か」

【イグザクトリー!!その通りで御座います!】

 

 黒コートが大きな声で肯定しながら拍手する。その瞬間、店内は一気に静まり、ヒソヒソとした声が微かに響く。

 

【オレチャンは境界無き方舟だ、知りたい事何でも教えよう】(Google起動)

「何で方舟の奴なんかが此処にいる?」

【オイオイ、そんな質問で良いのか?回数制だぞ?】

「チッ、ウゼェなお前」

【まぁ何でもいいがね。例えばそう……

 

 

 

 

 

どうしてお前らが、こんなクソみたいな大地の人間に生まれ変わった(・・・・・・・)のか…ってハナシ】

「ッ―――!」

 

 ガッと、店にいた客の約半分が一斉に席を立ち、空気椅子状態の黒コートを取り囲む。

 

【気になるだろ?なぁ、転――】

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 ロドス・アイランド、療養施設

 

 

「シンブンシッ!(くしゃみ)……なんか寒くね?」

「……何が言いたい」

 

 未だ全身ミイラ人間状態となっているエレキ君、久しぶりの登場である。

 そして向かい側には、我らが白うさぎがムスッとした顔をしていた。勿論、彼女の首にはアーツの使用を抑制する装置が嵌められてある。

 

「いやお前、ホント俺たちに対して当たり厳しいよな」

「当たり前だ。何回も言ってるだろう、私はお前たちの事が嫌いだ」

 

 ……パンッ!っと読んでいた本を勢い良く閉じる。

 

「でもこの怪我は流石にやり過ぎだよなァ!?めっちゃ冷たくて痛かったんだけどォ?!」

「自分で私の前に立っておきながら何を言う!」

「うるせぇ!んな事言うなら龍門襲ってくんなワレェ!」

「我々感染者が生きる為だ!」

「最初はレユニオンに行こうと思ったけどな!アイツに拾われて正解だったよチクショー!ちゃんと全員助けてもろて!」

 

 以下、賑やかな口喧嘩が続く。

 

「……お二人共、今日は一段と仲がいいですね〜」

「「何処が?!」」

 

 どうやらハイビスカスの一声が、醜い争いを終結させたようだ。矢張り最後は言葉、はっきりワカンダフォーエバー。

 

「そういや、今日はあのいけ好かないフェリーンの人見ないな」

「あぁ、ケルシー先生なら………」

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 境界無き方舟、先頭車両

 

 

「……どうした?」

『悪いな、ちょっとトイレ行ってた』

「は?」

『冗談だコノヤロー!』

 

 ケルシー先生に冗談なんぞ言ってはならない。通じないからね、仕方ないね。

 

『まぁ、ちょっとそこら辺の義体に一部の演算能力を送っただけだ気にすんな』

「トラブルか?」

『そんな感じ。まだ起きた訳じゃ無いが、事前準備と言った感じ』

「己の体内で起こる事は、余すこと無く把握しているという訳だな」

『ハハハ、体内とは言い当て妙だな』

 

 凄く口を挟みにくい会話を続けながら、制御中枢の部屋へ入る。そして迷いなく中央にある大型モニターとキーボードの前に立ち、カタカタと操作していく。

 一度モニターが暗くなり、中央にパスワードを打ち込む枠が現れ、そこにカタカタと入力する。

 

1145141919GATE810

 

 ほぼ数字しか無いくせに無駄に長いパスワードやめろ

 

「コレは……」

『さぁ、もう少しでゴールだ』

 

 モニターがパッカーンと半分に割れ、したからせり出たエレベーターの中へ入る。そして扉が閉じて少しして、シュンッと下へ降りていった。

 

 

 

 

 

『いやぁね、本当はまだ私の事を君達に教える予定では無かったんだ』

 

 狭いエレベーターの中で、ホモは語る。

 

『なのになんだあの狂撃制圧型がァァァ!!!クソポンコツ!最早不良品!人様に迷惑かけるとか本当に私が設定した行動パターンか恥を知れ!』

「………」

 

 簡単に言えばこうだ。

 チェルノボーグでの決戦の日。あの時狂撃制圧型に襲われた事実をブレイズは告白。そしてドクター、アーミヤ、ケルシーの3人と共に、ホモはその日、尋問室で1日みっちりと話し合いが行われた。終わった時ホモは死んだ。

 

 その結果、色々の謝礼として払われる事となったのは、方舟の技術であったとさ。

 

「1つ、聞いてもいいだろうか?」

『なんでございましょうか?』

「君は、恐らく半年前だろうか?一応我々も、君達の事は少なからず耳にしていた。場所が割れ次第、接触も測っていくつもりだったが……まさか、同じ目的によって、チェルノボーグで相見えたと知った時は驚いたよ。そして、我々よりも…いや、国家が所有する科学力、軍事力、それらに勝るとも劣らぬ、もしかすれば上回っている可能性もある程の力を持つ組織だとは思ってもいなかったがな。ここから本題だが……コレを期にちゃんと聞き出すことに決めた。君の正体はなんなんだ?君は感染者を集めて、何をしようとしている?君は感染者を治療するだけでなく、衣食住を与え、己の体内に過ごしでも住み続ける様に促しているだろう。違うのなら後で訂正して構わない。我々も確かに目的の為に感染者の保護を優先しているが、君の目的が何なのかは、まだ知らないんだ。教えてくれるだろうか?感染者を集め、あの高性能なシミュレーションシステムを使った訓練で戦士を作り上げて、何をしようとしているのかを」

 

 ケルシー先生が話を終え、その回答をホモへ促す。そしてホモは暫くの間、直立不動で、ただケルシー先生へ何もない顔を向けていた。対してケルシー先生も、そんなホモに不気味な何かを覚え始めている。

 

 まぁそんな緊張してて申し訳ないが、今のホモは『やっべー、生のケルシー構文じゃん。なっが。でもなんか感動的。チェルノボーグ事変は話させようともしなかったからな…だって長いし』と言う演算をしていた!真面目にしやがれ。

 

『……なんだケルシー先生。もしかしてこの私が、軍隊でも作ろうとしてるだなんて…思ってんのか?』

「あくまで可能性の一つとして」

『じゃあ否だ。別に私は軍隊なんて統率された殺戮集団を作るつもりは無い』

「………そうか」

『そもそも、軍隊作るなら人はいらない。カジミエーシュやウルサス、ヴィクトリアの軍隊の動きをラーニングして最適化させた義体を量産すればそれで終わりだ。時間と資材があれば簡単じゃないかもだが作れる。もし人間を使うにしろ、それなら殺人思考が抜けきっていない感染者や精神不安定な感染者を精神鑑定として独房にブチ込んで、半永久睡眠させて、精神だけ仮想空間に送ってキッチリ話し合いする必要は無い。パトリオットとかもそうだな。今は臓器周りの源石を除去して、その後ロドスへ送る予定だが、軍隊を作るつもりなら、それこそ彼の脳を摘出して……もうこの話終わり!閉廷!』

 

 まるでヲタクの様に非人道的な事をペラペラ喋っていたが、ついに黙った。面白く無い事を話すのが耐えられなかったのだろう。弱いホモだ。

 

 まぁそのお陰でケルシー先生も、そんだけ考えて置きながら今まで実行していないと言う事実を鑑みて、軍隊を作るつもりはないと一応理解してくれた。

 

「それだけ考えていて尚否定するか……ならばいったいどんな理由があると言うんだ」

『そうですね、一言で言うなら………

 

 

 

 

 

愛!ですよ!』

「何故そこで愛?!」

 

 エレベーターが最下層へ到着する。

 

『まぁ、コレから詳しく話すよ。技術は勿論…だがアンタだけ特別に、()が色々話してやる』

「なんだと?」

『あそうだ!ケルシー先生はさ、死んだ人間が何処かで生まれ変わるだなんて事、考えた事はあるかい?』

「……考えた事は無いと言えば嘘になる。が、既に答えは出したよ」

『そうか、なら新しい答えを提示してやれるな』

 

 エレベーターから降り、暗い空間の中長い廊下を歩く。暫く歩いていると、目的の場所へついたのか、黒コートの歩みが止まった。

 

 そしてそれと同時に照明がつき、暗かったこの空間は一気に明るくなった。

 

「ッ……コレは―」

 

 ケルシーの目の前にそびえ立っていたのは、白い円柱だった。表面にはマゼンダ色の血管の様な模様が彩り、脈打っているかの様に光っている。頂点部分には、この空間の周囲から伸ばされた大小様々なケーブルが繋がれ、照明の光量をいくらか遮っていた。

 

『再現開始』

 

 そして目の前の黒コートが、塗り潰されるかの様に白くなり、純白の白衣へと姿を変える。

 

『さて、一応初めましてとしますかな。なにせ、貴女は俺の事を忘れている様だし』

「ッ?!」

『まぁ、会話を一言二言した位だけども…やっぱり、他人に覚えられるにはこれぐらいしないと駄目だって事ですね』

「何を…言っている」

『なぁに、ちょっとした自己紹介って感じです』

 

 フードを外すと同時に、文字通りなんの飾り気もない頭部に肉付けするかの様に、3Dの映像が投影され、ちゃんとした人の頭となる。腰にも映像が投影され、ファディア族の尻尾が現れる。

 顔の形は端正で、黄色く丸い瞳、好青年と呼べるような男性の顔。だがその白い髪は、フロストノヴァの様な生れつきの白髪(はくはつ)では無く、老いて色素が弱まった白髪(しらが)だ。

 

 まるで、若さと老いの両方…またはどちらでもない男が、ケルシーの目の前に現れた。

 

『俺は普通に産まれました。すくすくと育ち…まぁ怠惰な時期もありましたが、なんやかんやあって120年の生涯を終えました。そしてこの大地に生まれ変わって、わざわざ北まで出向き、不老の悪魔と契約してまで約800年も無様に生き続け……コレを完成させてから、俺は真の意味で、自ら生涯を終えました』

「君はいったい、誰なんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺はイモータル・イムホテップ。それじゃあケルシー先生、この大地の行く末、その少し先の未来の話をしていきませんか?』




コレで本へは当分終わり!閉廷!解散!


だが!サイドストーリーを書かないとは書いていないねぇ!
サイドストーリー淫夢実況編、始まります(不定期更新&作者がやりたいサイドストーリーから書いていく予定)


所で、そんなホモ作者が活動報告で何か募集してるみたいっすよ。
それと人事資料を更新しました。洒落た技名が追加されました。

それじゃあまた次回、サヨナラー。
所でアーマードコア新作ってマジ?


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プロフィールEX1

【プロフィール】

【レアリティ】星1

【コードネーム】Soul-0

【陣営】境界無き方舟

【性別設定】不明

【職業】先鋒

【募集タグ】近距離/COST回復/生存/ロボット

【使用年月】投入待機中

【製造元】ロドス・アイランド

【出荷日】1月11日

【産地】ロドス・アイランド

【高さ】180cm

【専門】習得予定

【重量】非公開

 

 

【特性】

ブロックしない

配置可能数に含まれない

再配置までの時間が極めて長い

 

 

【入手方法】

JT8-3初回報酬

公開求人

 

 

【個人履歴】

ソウル-0(Soul-0、またはSOUL-0)は、メイヤーとクロージャ、その他エンジニアにより開発された完全自律人形。

メイヤーは主に内蔵武器とエネルギー貯蔵デバイスの製作、クロージャは姿勢制御装置と思考AIを製作した。

この作品の設計資料と材料の提供は境界無き方舟。そして、この機体は方舟で量産されている汎用機体である。コレはロドスエンジニア職員達に渡された一種の挑戦状であり、我々は総力を上げて、完成にこぎつけた。

 

ただし、今までに無い小型に部類する人型ロボットの製作は始めての事であり、ゆえに製作されたSoul-0のスペックは、同型の汎用機にも劣るものである。

また、機体制御のAIも独特のものであるが故に100%の再現が出来ず、言語システムも不完全である。

提供者である方舟からは太鼓判を押されたが、改良の余地が溢れている。

 

 

 

【再配置】とても遅い(200s)

【COST】3

【ブロック】0

【攻撃速度】普通(1.05s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

   ■□     ■□

 

 

 

【素質】

戦況誘導Ⅰ

配置後30秒間攻撃しなくなり、効果時間内所持コストが徐々に増加(合計15)

戦況誘導Ⅱ

配置後30秒間攻撃しなくなり、効果時間内所持コストが徐々に増加(合計18)

戦況誘導Ⅲ

配置後30秒間攻撃しなくなり、効果時間内所持コストが徐々に増加(合計21)

戦況誘導Ⅳ

配置後30秒間攻撃しなくなり、効果時間内所持コストが徐々に増加(合計24)

戦況誘導Ⅴ

配置後30秒間攻撃しなくなり、効果時間内所持コストが徐々に増加(合計27)

戦況誘導Ⅵ

配置後30秒間攻撃しなくなり、効果時間内所持コストが徐々に増加(合計30)

配置中、レジストの対象になっている状態異常と確定ダメージを無効化する。

 

 

【基地スキル】

予備電源

初期 発電所

発電所配置時、ドローンの回復速度が1時間ごと+10%

逆理演算(代理)

Lv30 訓練所

訓練室で訓練の協力者として配置時、全職の訓練速度が+25%

 

 

【プロファイル】

 

 

基礎情報

 

【コードネーム】Soul-0

【性別設定】不明

【使用年月】投入待機中

【製造元】ロドス・アイランド

【出荷日】1月11日

【産地】ロドス・アイランド

【高さ】180cm

【重量】非公開

 

 

能力測定

 

 

【最高速度】50km/h

 

【登坂能力】優秀

 

【制動効率】標準

 

【走行性】優秀

 

【航続力】普通

 

【構造安定性】優秀

 

 

【個人経歴】

ソウル-0(Soul-0、またはSOUL-0)は、メイヤーとクロージャ、その他エンジニアにより開発された完全自律人形。

メイヤーは主に内蔵武器とエネルギー貯蔵デバイスの製作、クロージャは姿勢制御装置と思考AIを製作した。

この作品の設計資料と材料の提供は境界無き方舟。そして、この機体は方舟で量産されている汎用機体である。コレはロドスエンジニア職員達に渡された一種の挑戦状であり、我々は総力を上げて、完成にこぎつけた。

 

ただし、今までに無い小型に部類する人型ロボットの製作は始めての事であり、ゆえに製作されたSoul-0のスペックは、同型の汎用機にも劣るものである。

また、機体制御のAIも独特のものであるが故に100%の再現が出来ず、言語システムも不完全である。

提供者である方舟からは太鼓判を押されたが、改良の余地が溢れている。

 

 

【第一資料】

先ず源石エンジンを大胆に5つも使うだなんて誰が想像つくと思う?しかもそのうち4つはそれぞれ上腕部分と太ももに取り付けるの。幾ら小型だからってそんな壊れ易い場所に取り付けるだなんて、壊れる、壊される可能性とか絶対に考えてないよね?

 

というか、そっちの汎用義体との性能差ちゃんと読んでる?読んでる上での称賛?内心バカにしてない?してないの?本当に?

 

――クロージャ

 

そりゃ、外部からの生半可な攻撃で装甲が貫通される様な事が無い筈って前提で作ってるし。装甲に使ってる合成金属の調合が間違って無いなら大丈夫だゾ。出来てなかったら普通に壊されるけど。

 

大丈夫大丈夫、ヘーキヘーキ。ここまで再現出来たのは本当に凄いから。

 

――イモータル

 

 

【ボイス】

 

【秘書任命】クロージャ様カラ・アナタノ世話ニ関スルデータヲインストール・サレテイマス>全テコノワタシニ・オ任セ下サイ>

 

【会話1】ゴ用デショウカ>

 

【会話2】ワタシノ言語システムニハ・楽シク会話スルトイウ機能ハ・インストールサレテオリマセン>申シ訳御座イマセン>

 

【会話3】巡回中・肉体・精神共に規定値以下・ロドスノオペレーターニナル適性年齢以下ノ生命体ニヨル・勧誘ヲ行ワレマシタ>如何イタシマスカ>・・・遊びの誘い・トイウモノナノデスネ>了解シマシタ>次回勧誘時・ソノ願イヲ承諾シマス>

 

【信頼上昇後会話1】やぁドクター。私だ、イムホテップ・イモータルだよ。いいねぇ、鳩が豆鉄砲食らったような驚いた顔を見ておきたかった!

 

【信頼上昇後会話2】なんでこの義体から私の声が聞こえるのかだって?そりゃあ、お前ん所のエンジニア達が設計通りに頑張って作ってくれたお陰だ。だから私は、この体を電話代わりに乗っ取る事が出来る訳さ

 

【信頼上昇後会話3】所でドクター、私のオペレーター達は大丈夫か?ちゃんと皆と仲良くしてる?ん?あぁ、私は少し忙しいから見に来れないんだ。だからこうして、片手間な電話で我慢してるって訳だ

 

【放置】暇かい、ドクター

 

【入職会話】起動開始・内部ノ全機能・正常動作ヲ確認>ハジメマシテ・ドクター>Soul-0・コレヨリロドスオペレータートシテ稼働シマス>

 

【経験値上昇】インストール完了>

 

【編成】同隊ノ皆様・ヨロシクオ願イ致シマス>

【隊長任命】ロドスノ戦闘データヲインストール・・・完了シマシタ>隊長ヲ実行シマス>

【作戦準備】オールグリン・問題ナシ>

【戦闘開始】戦闘開始>

【選択時1】ハイ>

【選択時2】指示ヲ提示シテクダサイ>

【配置1】指定位置へ到着>

【配置2】配置完了>

【作戦中1】戦況誘導>

【作戦中2】畳ミ掛ケテ下サイ>

【作戦中3】戦況優勢・攻撃戦力ノ投下ヲ推奨>

【作戦中4】戦闘中で草ァ!!

【★4で戦闘終了】ずっと見てたぜ。相変わらず素晴らしい指揮だ

【★3で戦闘終了】戦闘終了・完全勝利デス・ドクター>

【★2以下戦闘終了】戦闘終了・帰投後ニ最適化ヲ開始シマス>

【作戦失敗】作戦ノ見直シヲ推奨>

 

【基地配属】配置完了・実行シマス>

【タッチ1】ガピっ>

【信頼タッチ】Yeah!今日の私の時間がやっt――内部ノ余計ナウイルスヲ消去・完了シマシタ>所デドクター・オ茶ヲ淹レマスノデ・オ話デモドウデスカ?>――いや待てテメェ!誰がウイルスだ誰が!――ウルサイデスネ>黙ッテサッサト帰ッテ下サイ>今日ハワタシガ・ドクタート会話シマス>

 

【タイトルコール】アークナイツ>

【挨拶】起床確認・オハヨウゴザイマス・ドクター>

 

 

Soul-0の印

 

境界無き方舟を象徴するハートマーク。これこそが愛の結晶

 

 

採用契約

 

ロドス試作人型ロボットSoul-0。戦場投入待機中です

私にとっては電話代わりだよ




星1でガッカリしただろ?一体いつからプロファイル投稿が1つだと錯覚していた?


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プロフィールEX2

【プロフィール】

【レアリティ】星5

【コードネーム】Sonic-D

【陣営】境界無き方舟 特殊兵装義体

【性別設定】男

【職業】特殊

【募集タグ】近距離/高速再配置/火力/ロボット

【使用年月】不明

【製造元】境界無き方舟

【出荷日】12月24日

【産地】境界無き方舟

【高さ】180cm

【重量】非公開

 

 

【特性】

再配置までの時間が極めて短い

 

 

【入手方法】

統合戦略

 

 

【再配置】速い(18s)

【COST】8/10/10

【ブロック】1/1/1

【攻撃速度】速い(0.93s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

 

   ■□      ■□

 

 

【素質】

彗速走行

昇進1 HP50%以上で撤退時、再配置時間−1、再配置COST−1、5回まで重複(50%以下で撤退時効果リセット)

昇進2 HP20%以上で撤退時、再配置時間−2、再配置COST−1、5回まで重複(20%以下で撤退時効果リセット)

 

 

【スキル】               □□□

スキル1 凶星襲撃  パッシブ     □■□

                    □□□

Lv 初期SP 必要SP  持続

1     

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力210%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が5%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

2     

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力240%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が5%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

3      

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力270%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が5%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

4      

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力300%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が5%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

5      

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力330%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が5%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

6      

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力360%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が5%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

7      

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力390%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が8%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

特化Ⅰ   

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力420%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が8%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

特化Ⅱ   

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力450%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が10%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

特化Ⅲ    

配置後周囲一定範囲内の敵全員に攻撃力450%の物理ダメージを与え、攻撃する度に攻撃力が10%ずつ上昇する

HPが徐々に減少(減少割合は時間と共に増加し、60秒後に最大HPの20%/秒になるが、この効果でHPは0にならない)

退場まで効果継続

 

 

 

 

 

 

 

 

【プロフィール】

【レアリティ】星5

【コードネーム】Assist-S

【陣営】境界無き方舟 特殊兵装義体

【性別設定】男

【職業】補助

【募集タグ】遠距離/支援/治療/ロボット

【使用年月】不明

【製造元】境界無き方舟

【出荷日】12月24日

【産地】境界無き方舟

【高さ】180cm

【重量】非公開

 

 

【特性】

攻撃しない

攻撃範囲内の味方全員のHPを継続回復(1秒ごとに攻撃力の10%回復)

自身は鼓舞状態の効果を受けない

 

 

【入手方法】

統合戦略

 

 

【再配置】遅い(80s)

【COST】7/9/9

【ブロック】1/1/1

【攻撃速度】速い(1.00s) 

 

 

【攻撃範囲】

 

  初期      昇進後         

           □

  □□□     □□□

  □■□    □□■□□

  □□□     □□□

           □

 

【素質】

透過強襲

昇進1 配置から10秒後、高台の味方全員が敵に狙われにくくなる

昇進2 配置後、高台の味方全員が敵に狙われにくくなる

 

 

スキル1 ALケーブル接続  自動回復

              手動発動 

 

Lv 初期SP 必要SP  持続

1  0   10   

スキル発動中、特性の効果が15%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの22%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 

2  0   10   

スキル発動中、特性の効果が15%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの24%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 

 

3  0   10   

スキル発動中、特性の効果が15%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの26%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 

4  0   9   

スキル発動中、特性の効果が16%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの28%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 

 

5  0   9   

スキル発動中、特性の効果が16%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの30%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 

 

6  0   9   

スキル発動中、特性の効果が16%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの32%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 

 

7  0   8   

スキル発動中、特性の効果が17%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの34%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 

 

特化Ⅰ 0  7  

スキル発動中、特性の効果が18%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの36%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 

 

特化Ⅱ 0  6   

スキル発動中、特性の効果が19%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの38%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 

 

特化Ⅲ 0  5   

スキル発動中、特性の効果が20%まで上昇。そして攻撃範囲内の自身以外の味方全員にランダムでAssist-Sの攻撃力、防御力、HPの40%のどれかの鼓舞状態を1つ付与し、付与された鼓舞状態に応じて次の効果から1つを発動する

攻撃速度+15/ブロック数+1/特性の効果を追加で+20%

退場まで効果継続、手動でスキルを停止可能

 




作者は統合戦略限定だからスキル効果もスマートに強い感じにしたかったけど無理だったと供述しており……

遂に次回はサイドストーリー淫夢実況編ですかね(淫夢実況するとは言っていない)



それではまた次回、サラダバー!


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サイドストーリー(不定期更新)
ホモと傭兵


サイドストーリー淫夢実況編が始まっちまったなァ!(淫夢要素が多いとは書いていない)コレでノーベル賞は俺んモンだぜェ!


 RTA終わりのサイドストーリー淫夢実況編はーじまーるよー!

 

 はい(はいじゃないが)そういう訳で、コレからアークナイツRPGにおけるサイドストーリーをまったりやっていこうと思います。RTA要素はありません。もう終えましたからね。

 そして、アークナイツRPGにおけるサイドストーリーの扱いを解説します。

 

 先ずですが、サイドストーリーと言っても、厳密にはサイドストーリーとオムニバスストーリーの2種類があります。サイドストーリーは原作オペレーターと共にイベントをプレイすることが出来ます。

時間軸は関係なく、どのサイドストーリーからでも遊べるのが特徴で、更に一部のイベントにオリジナルオペレーターを同行させ特殊条件を満たすと、そのオペレーターが異格オペレーターにメガシンカするんですねぇ!メガシンカってレベルじゃねぇぞ?!それに特殊条件は未だに開拓中だからわからないってマジ?はーつっかえ。

 

 そしてオムニバスストーリーは、オペレーター達のムービーが主軸で、操作するべき事も無く異格化イベントもありません。ですが、オリキャラモードで原作キャラと関わってたりしていると、このオムニバスストーリーが若干変化するんですねぇ!オペレーターの足跡が世界に反映される…コレって勲章ですよ(小並感)

 更にですが、偶に異格化の条件のヒントがあったりするらしいです。ハイグリはどうやってこんなシステムを作ったんですかね?やっぱり趣味でゲーム作ってるただのレコード会社じゃねぇだろ絶対。ハイグリはTDNだった?

 

 まぁ今回はサイドストーリーを主にやってイきますけどね初見さん。

 

 それでは、サイドストーリーのチュートリアルである『騎兵と狩人』のイベントにイクゾー!(デッデッデデデデッカーン!)

 

 

 

 

 

 

 

 はい、そう言う訳でサイドストーリー『騎兵と狩人』スタートです。

 

 先ずはムービーから。今回の舞台であるカジミエーシュの辺境にある滴水村。その村長のキャロルが道端で天日干しされている所から物語は始まります。

 まだ若い女村長を炎天下の中縛って吊り下げ、グヘヘと拷問してる賞金稼ぎを吹き飛ばしてるグラニちゃんはいつ見てもイケメンですね。やだ…カッコいい……。

 

 さて、ムービーが終わって操作状態になりました。それでは早速ですが、荷造りと暇そうなオペレーターを2人程揃えてカジミエーシュへ向かいましょう。

 お前暇だ!暇だろう?なぁ暇なんだろうお前?カジミエーシュ行こうぜ?!なぁ?!

 いいから行くぞォ!(団長並感)

 

 はい、ということで2人程確保してきました。後は複数のドローンやオペレーターの装備、そして今回のメイン装備である大型ドローンと、汎用型をちょっと改良した義体を詰めて準備完了ヨシ!(確認猫)

 テッテッテーテーテテテテテテッテテーテテテテテテテテテテテテテテLET'S GO!!!(ブルアカ並感)

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カジミエーシュ辺境 天気/晴天

 

 

「あぁ、窓から見える景色が綺麗だな。流石カジミエーシュ、土地の辺境ですら空気が澄んでそうな場所だ」

「突然気持ち悪いな」

『どうした急に?何か不満があるのなら私に言うとよろしい』

 

 カジミエーシュの緑豊かな平原を走る中型の四輪駆動車が走る。中に乗っている男が言った通り、空が晴天なのもあってか綺麗な景色ばかりが続いていた。遠くに見える大きな山岳地帯も相まって、テラの大地とは思えない驚きの綺麗さである。

 

 所で、そんな平原を走る中型四輪駆動車には、2人の男が乗っていた。一人は青色の瞳と濃い青い髪に、側頭部から前髪を押さえる様に緩やかなカーブを描いた黒色の角を生やしているサルカズの男。助手席に座っている。

 もう一人は、幼さが残る中性的な顔をした、黒い髪のドゥリン族だ。ドゥリン族故に身長は133cmと低く、陸に引き上げられたマグロの様な瞳をサルカズ族の男へ向けながら、後部座席をベット代わりに寝っ転がっていた。

 

 そして突然景色について語りだした男が、本来車を操作するための色々がある筈の運転席に埋め込まれているスピーカーからの声に返事をする。

 

「なぁイモータル……オレはさ、極東にあるって聞いた志摩イベリア村に旅行に行こうと思ってたんだ」

『うん、知ってる。でも今停泊してる場所から極東は交通費も時間も洒落にならないから諦メロン☆』

「あぁ〜んまぁ〜りだァァァァ!!!!」

「いい大人が突然泣き出さないでくれないかな?」

 

 暫くの間、車内に大の大人の泣き声が響いた。

 

「チクショウ…チクショウ…!つーか交通費とか言うならお前が極東の目の前まで送りゃいい話だろうが!」

『あぁわかったわかったから。コレ終わらせて帰ったら連れてってやるよ』

「ヨッシッ!」

「はぁ…大の大人が、この歳になって遊園地とか」

「うっせぇぞチビすけ」

「ア゛?」

『喧嘩はよしこちゃんよー』

 

 そうして、カジミエーシュの平原をのどかに走って暫くすると、遠くに小さな住宅地が見えてきた。

 

『そろそろ着くな』

「やっと?随分と遅かったね」

「そういや、こんな場所までなんの用で来たんだ?」

『宝探し』

「ダニィ?!」

 

 サルカズの目が急に変わった。簡単に言えば瞳に$マークが浮かんだ。よだれも口から垂れだした。拭け。

 

「ハッ!ここまで来た理由にしちゃしょうもない」

「わかってねぇなぁチビすけ」

「次言ったら〆んぞ」

「いいか?オレも長年傭兵しちゃいるが、お宝と聞いたら罠でも飛びつく!お宝って事はつまり金だ!傭兵が求めるものは何時でも金!名声!飯に休暇ァ!そして最後に女とセッ―――」

 

 その瞬間、地面が勢い良く爆発した。お陰で最低な一言は最後まで言われずに済んだが、爆発の影響で車は横転。中の人達もドンガラガッシャンとぶっ倒れる。

 

「クソっなんだ今の?!」

「ッ……あぁなるほど、そう言う事かよクソイモータル」

「あぇ?!なんか知ってんのかイモータル?!」

『まぁ落ち着け、先ずは現状から説明しよう。車が横転した理由だが、道端に仕掛けられていた地雷に運悪く引っかかったみたいだね』

「あぁ?!なんでンなもん……」

「チッ、頭使いなよバカが。要はさっき言った宝の事を知っているのは、そこのクソイモータルだけじゃないって訳だ」

『まぁ、実は宝探しはオマケで、こ↑こ↓に来た本題はそっちなんだがね』

「つまり宝もちゃんと探すんだな」

「キミこの状況で良くそんな欲望丸出しに出来るな」

『まぁその前に、この状況を打開しよう』

 

 そう言うと、横転した車内の中でも見やすい位置と角度で、外の光景を空から映した映像が投影される。

 映像には、今自分たちが乗っている横転した車と、それをグルっと取り囲む複数の人影が映っていた。

 

『数はざっと20かそこらだな』

「ゴミが無駄に多いね」

「だがこの程度の装備ならやれねぇ事はねぇだろ」

『まぁこの為にちゃーんとこっちも用意してきたからな』

「最初に何もかも言ってくれりゃ完璧だったけどな」

「説明もしないクソ親かよキミは」

『すみませんでした』

 

 そう言いながらも、車の後ろに詰め込んでいた荷物の中からテキパキと必要な物を取り出して武装する2人。凄く慣れた動きだ。

 

『まぁ作戦は複雑に立てるまでも無い。私が車窓を開けながらドローンから煙幕を噴射する。ペルケレ君はいつも通りに蹂躙、スラッジ君はその援護だ。全力で嫌がらせしてやれ』

 

 「おうよ!」とペルケレと言う名のサルカズはスレッジハンマーのスイッチを入れ電気を纏わせ、「チッ、クソ面倒だよマジで」と言いながら、スラッジと呼ばれたドゥリンは展開した半面マスクで口元を隠し、背中のタンクから手首に繋がれたホースの口を放出させやすい様に構える。

 

『それじゃあ、鎮圧開始!』




izu黒猫さん、キャラ提供ありがとう御座います。

活動報告でオリキャラを募集してるので、なんか気になる方は投稿してみて下さいね。もしかしたらこんな感じで使いますので。あ、でもアビサルやエーギル族のオリキャラの登場は割と後になるので、早く使って欲しいって方は海関連以外をオヌヌメします。

それではまた次回、サラダバー!


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到着と現状

レベル1で100万!次は1000万!そして1億!スゲェなコイツ勝てる訳ねェ!!と言う情緒のままアークナイツのイベントストーリーを読み、リターニアの腐敗貴族を全員素っ裸にしたくなったので初投稿です。


 戦闘シーンからはーじまーるよー!!

 

 前回で滴水村付近に仕掛けられていた罠に引っ掛かり、なんやかんやで賞金稼ぎ達と戦闘する事になった所からスタートです。

 敵はざっと20人と言った所でしょうか……いや、増えましたね。30人です。30人に勝てる訳無いだろ!

 

 馬鹿野郎お前私は勝つぞお前!(天下無双)

 

 というわけで方舟オペレーターのエントリーだ!エントリーナンバー1!電気のアーツを操るサルカズお兄さんのペルケレ君だ!オリキャラステータス大好き兄貴姉貴にちょっとしたネタバレ。彼は群攻前衛で、募集タグに減速タグを持っています。

 エントリーナンバー2!なんか凄い不気味な液体を使って戦うドゥリンお兄ちゃんのスラッジ君だ!小さい上に童顔だが男の子です。可愛いねぇ、ホモと一緒にお話ししようよ(オワピ)因みに召喚型補助です。

 

 賞金稼ぎのチンピラ如きが御大層に地雷なんて仕掛けやがってYO!覚悟しとけよしとけよ〜?

 

「うわっサルカズだ!」

「なんだこの二人、俺らとやり合うつもりなのか?」

「へっ、幾らサルカズだろうとこの数に勝てる訳がねぇ。相手は二人とドローンが一機。先ずは隣のチビからだ。始末したら囲んでゆっくりいたぶってやるぜ。グヘヘヘへ」

 

「なァ、コレつまりオレ達ゃナメられてるって事だよなァ?」

「言われ無くてもわかってる。取り敢えずチビつった奴潰す」

「あぁそうだ!どっちが狩られる側かってのを分からせてやらなきゃなァ!!!」

 

 デュエル開始ィー!!!

 

 先ずは前衛を突っ走るペルケレ君と召喚準備に入ったスラッジ君にアーツリンクケーブル…通称ALケーブルを繋げてバフをかけます。後は賞金稼ぎ共の狙撃と2人の攻撃に巻き込まれない様に動きながらこっちも攻撃です。ガトリング展開ヨシ!痛覚残留弾ヨシ!(確認ネコ)撃てい!

 

「ぐぁっ?!」

「い゛ッ!!」

「くそっ?!なんだあのドローンは?!」

「ボウガン持ってる奴は早くアレを撃ち落とせぇ!」

 

 フハハハッ!見ろォ!人がゴミの様だ!その程度のボウガンで、この私に勝てると思っていたのか?この私を撃ち落としたくば、その3倍は持って来い!

 相手のボウガンに関してなんですが、実はこのボウガンの矢、放たれた瞬間に横に少し移動するだけで避けられたりします。弾速が遅けりゃどうという事は無いですねぇ!

 

「なんだあの野郎ォ、結構張り切ってんじゃねェか!じゃあこっちも張り切らなきゃなァ!」

 

 張り切りスギィ!見て下さい、地面から電気アーツの応用によって吸い出された砂鉄が、ハンマーの動きに連動して蠢いています。それがスレッジハンマーへ強固に吸着して……凄く、大きいです。

 

「振動させないだけ有り難く思えよ…なァ!!」

 

 あ〜あ〜あ〜、ボーリングのピンじゃねぇんだからよ、ヤード単位で蹴散らした人を飛ばすんじゃねぇ。

 

「いや流石にそこまで飛ばしてねぇって。つかボーリングでもそんなに飛ばねェよ」

「チクショウ!この悪魔がぁぁぁぁ!!!」

 

 あぁ!後ろから不意打ちするには煩すぎる怨嗟の怒号が!そして案の定吹き飛ばされましたねぇ!しかもペルケレ君じゃなくてスラッジ君の召喚物に!

 

「キミ達舐めプか?足元を掬われてもボクは知らねぇぞ」

「言ってくれるなァ。ま、オレ達にゃ強化外骨格もあるからそこら辺の矢は通じねェし…今日はハンマーの調子もいいんだ。後は少しのスリルが――」

「死ねぇぇぇぇ!!!!」

「痛ェなチクショウ?!」

「ただのバカじゃん……」

 

 言わんこっちゃねぇなこのサルカズゥ!オラァ!お前傭兵の経験持ってんのか?!でも棍棒で後頭部殴られた割にはピンピンしながらやり返してますね。

 

「ヨォシ調子出て来た!皆殺しだクソ野郎ども!!」

「頭から血液出てんぞ」

 

 それと殺さないで諸手。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チィ!初っ端から最低な宝探しだぜコノヤロウ…」

 

 取り敢えず襲ってきた賞金稼ぎ共を片付けた二人と一機は、横転していた中型四輪駆動車をちゃんと元の向きへ戻し、改めて滴水村へ入った。

 

「にしても、やっぱ歓迎ムードなんてモンじゃねぇな」

「そりゃね。あんな賞金稼ぎ共がゴロゴロしてる今、一々外からの来客を歓迎出来る訳無い。ついでに言えば、ボク達もその賞金稼ぎと同じ目的なんだから」

『まぁその賞金稼ぎ達、今は別の意味でゴロゴロしてるけどもね』

 

 村の入り口はそうでも無かったのだが、少し奥へ進むとイモータルが発声した通り、道端に賞金稼ぎ達が地面に倒れていたり、めり込んでいたり、上半身が完全に地面へ埋もれていたり、もう酷い有様だった。緑豊かなカジミエーシュの辺境にある貧しくも活気があった滴水村の景観が台無しである。

 

「死んではねェみてぇだが…なんかで思いっきり殴られてんな。ヒデェ顔だ………所で何やってんのイモータル?」

『見て分からぬか、治療だよ青年』

 

 建物を背にヒデェ顔で気絶している賞金稼ぎから目を離し振り向くと、2つの大きな黒いキャリーケースの片方を展開し、倒れている賞金稼ぎへ治療アーツを施しているドローンがいた。

 

「はぁ…キミさ、さっきの賞金稼ぎ達にもそうだけど、よくもまぁ殺しに来たゴミ共を治療出来るね」

「つかその無駄にデケェ荷物お前のかよ」

『フッ、よせやいスラッジ君。褒めても飴ちゃんしか出ないゾ』

「いらねぇよ舐めてんのか」

 

 そんな変哲もない会話を続け、イモータルは道中の賞金稼ぎ達をある程度適当に治療しながら、彼らは滴水村を歩いていく。

 

 そして少し進むと、一軒の少し大きな家が見えてきて、その入り口で何か争っている複数人の人影が見えた。

 

「おォ、生き残りの賞金稼ぎじゃん」

「そしてアレは……クランタ族か?」

『まぁ先ずはあの少女に加勢しようか』

「あいよ」

 

 スラッジは黙って直ぐ様黒い液体を出し、鳥のような形へ変えて2人の賞金稼ぎ達へ射出。鳥のような形の液体はまるで本物の鳥の様に宙を飛び、賞金稼ぎ達へ攻撃を行う。

 賞金稼ぎ達は突然の攻撃に驚いて盛大に隙を晒し、1人はクランタ族の槍で叩かれてノックダウン。もう1人はペルケレの雷を纏った蹴りを食らって吹き飛んでいった。

 

『あ〜あ〜あ〜、ゴルフボールじゃねぇんだからよ』

「だからそんなに飛んでねぇって」

 

 すると、槍を持ったクランタ族の少女と、家からもう一人の少女が出てきて、こちらの元へやって来る。

 

「助けてくれてありがとう!えっと、君達は……」

「……ん?キミ、カジミエーシュの騎士か何かと思ってだけど、もしかしてロドスか?」

「えっ、なんで?!」

 

 驚いた少女は少し警戒気味に後ろへ下がり、もう一人の少女を庇う。

 

『ヘーイ!!(気さくな挨拶)そんな警戒しないで諸手。ドーモ、ロドスオペレーター=サン。境界無き方舟デス』

「あ、こっこんにちは!ロドスオペレーターのグラニです!」

((凄い律儀だなこの女))

「って境界無き方舟?!なんでこんな所に?!」

『いやーそれには宇宙より狭い話が色々ありまして』

「グラニ、この人達は……」

「あぁえっと……取り敢えず味方…かな?」

『ドーモ、オジョー=サン。スゴイ味方デス』

「そろそろその喋り方やめろ」

 

 取り敢えず、グラニが後ろにいる少女…滴水村の村長であるキャロルに一旦軽く説明しようとして……向こうから来る小さな足音を聞き取り、キャロルを庇ってその方向へ警戒態勢を取る。無論野郎2人も既に何時でも攻撃出来る状態だ。

 

 そして、その足音が大きくなり、遂にその主が姿を顕す。

 

「まぁ待て。私は君達と話し合いがしたいだけなんだ」

『うぉ、でっか……』

 

 その正体は、対爆スーツに身を包んだガタイの良い男だった。




不味い!Fate/strangeFakeのアニメPVで火がついて進まねぇ!また書きたい事が出来ちまった!どれだけ1話限りの短編増やす気だよ獄頣鳴鳴篇じゃねぇんだぞ!

という現状の作者です。このアクナイ二次小説のサイドストーリー編も進めたい、七夜改変も進めたい、新しいアイディアも書き起こしたい。全てやらなくちゃあならないのが、気移りの激しい二次創作者の辛い所だな。
………気移りな作者で本当に申し訳ない。まぁつまり普通に更新が遅くなったりしちゃうって事です。まぁ1話書き終えたら元に戻る筈です。

それではまた次回、サラダバー!


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ボブと罠道

作者の書きたいサイドストーリーから書くと言ってはなんですが、このサイドストーリーを書き終わったら次のサイドストーリーはどれにしようかと思ってるので初投稿デス。ほんへ6章以降放置気味な古龍種でも拾おうかな(画中人)


 ボブ叔父が出てきてボブボブしてきたサイドストーリー淫夢実況はーじまーるよー!

 

 今は突如現れたデッッッガタイが良い男、ビックボブと共に近くの雑木林に来た所です。今はイケメンクランタ少女のグラニがボブ叔父との交渉に臨んでいます。その間、私達はキャロルちゃんの好感度調整をしましょうねー。人に好かれるのは大事、はっきりワカンダフォーエバー。

 

 ………|д゚)チラッ

 

「ッ……!?」

 

 アカン!(アカン)サルカズは言うまでもなく、スラッジ君は中性的な顔で中和出来ない程のマグロ目、そしてホモは今ドローンです。コレでどうやって好感度を稼げばいいんだ(絶望)

 

「チィ!焦れってェなァ!!オレちょっとマシな雰囲気にすんぞ!」

「うわっ、いきなり大声だすな」

 

 このサルカズ、いったい何をしようと言うのか。アーツで砂鉄を操って……おぉん?

 

「だっこの…クソッ!なんで、上手くッ…!」

「……ハァ、こうしたいのか?」

 

 おぉ、砂鉄と液体が自由自在に動き、動く砂絵の様な物が始まりました。はえーこんな事出来るんっすねぇ。砂鉄を動かす電気が青く光って、雑木林の中でも見やすいのもやりますねぇ!これって勲章ですよ(勲章の安売り)

 じゃあ私もALケーブルで思考を繋ぎますかね。オラッ!コンビネーションを合わせろ!

 

「す、すごい……!」

「おいペルケレ、これ動画サイトにある手描きアニメーションじゃねぇか」

「いいだろうが別に!あの白いフェリーンがカオスするの面白ェから気に入ってんだよ!」

 

 これなら好感度を稼ぐ事が出来ますねぇ!矢張りアーツ芸術、アーツ芸術は全てを解決してくれる!

 

 

「フフッ!よくわからないモノだったけど、面白かったです」

「それは何よりだよ」

「途中からイモータルが効果音も付け足したから割と楽しめたな」

「ふぅ……あ、あの」

 

 はい、なんです?

 

「あ、えっと…貴方達がどうして此処に来たのか、とか…まだ聞いてなかったな…と」

 

 そういやしてませんでしたね。聞きたきゃ聞かせてやるよオルルァン!!

 

 カクカクシカジカボブのスーツをマドロックに着せればそれは最早マトリョーシカ

 

 

 ホモ説明中

 

 

「な、なるほど…」

「いやマトリョーシカは成る程じゃ無くね?」

「何言ってんだペルケレ?」

 

 いやぁ、キャロル村長の好感度を稼げて凄くいいですねぇ!最優先事項である賞金稼ぎの沈静化を説明すれば8割信じてくれるの気持ち良すぎだろ!(2番目が賞金稼ぎと同じお宝探しなのは言わない事とする)矢張り会話をちゃんと聞いて納得してくれる人は…最高やな!そんな人間が好きだったんだよ!(突然の告白)

 

「確かに、最初は凄く怖い人達だと思ってましたけど…でも、私とグラニを助けてくれたのは事実ですし、さっきは笑顔にさせて貰いましたから。まぁ、境界無き方舟とか、グラニがロドスって所の騎士だったのは驚きましたけど…」

 

 まぁそこはおいおいね?(アルビオン並感)

 

「…お、クランタの嬢ちゃんが帰ってきたぞ」

「クランタの嬢ちゃんじゃなくてグラニだよ!ンンッ!……えっと、少しいいかな、キャロル」

 

 ここからはほんへ同様にグラニとキャロルによるビックボブ審議会が行われ、ボブ叔父が仲間になります。ここで好感度を何とか稼いでおかないと、こっちも信じてくれませんから。だから、彼女達を助ける必要があったんですね。

 

 そんな訳でビックボブのエントリーだ!ところで群攻前衛星6ビックボブはまだなんです?幸せに畑仕事させてあげてたい?それはそう。

 

「ところで嬢さん達、この男女2人とドローンも連れて――」

「ア゛?」

 

 ゲェ?!スラッジ君に女の子扱いは不味いですよ!?ステイ!我慢だ我慢!やめろコラ!ヤーメロコラァ!

 

「オイこの"カジミエーシュスラ―ング?!ムゴゴ!!」

「まぁまぁ落ち着けなスラッジ?!」

 

 ナイスだペルケレ君!危ない、もう少しで罵声大会とかして3人の好感度が著しく低下する所だった。誰だよこんなキャラ連れてイベント挑んだ奴は!……適当に選んだ私ですね(69敗)

 

「……どうやら、私は何か良からぬミスをしたみたいだな?」

 

 あぁ、実はですね……カクカクシカジカバクダンムシ

 

「む、それは確かに怒るのも無理はないか……すまなかったな少年。次から気をつけよう」

「ムグ―カァッ!少年じゃねぇスラッジだ!こっちもつい口が滑って悪かったな二度と間違えるな!」

 

 謝ってるのか怒ってるのかどっちかにして諸手。

 

「ふぅ……話が脱線したな。もう一度聞くが、君らもあの嬢さん達についていくのか?」

 

 YES!YES!!YES!!!あぁ、分け前の事は仰っしゃらないで。こういう事でよくあるのが、分け前が少なくなるから何か良からぬ事を考えたりしちゃう展開です。ですが折角の協力者を騙して自分だけ宝を貰おうだなんてエレガントなだけで、バレたら終わりだわリターンが無くなるわ、ろくな事はない。ですから、貴方がそんな事を気にしなくて良いように、我々の分け前はいりません。3人で分けて大丈夫。どうぞ気にしないで下さい。素敵でしょう?余裕のホモだ、分け前のサービスが違いますよ。

 

「ちょっと待てイモータルゥ!」

 

 はいぃ?!なんですぅ?!

 

「なんで分け前ねぇんだよ不公平だろうがッ!」(小声)

 

 ペルケレ君さぁ……だって資金なら沢山ありますしお寿司…キャロル村長は恐らく滴水村の為に金が必要、ボブ叔父もなんだかんだ金が必要。でも私達はお金に困ってないですし……こっちにも分けて貰う必要無い…無くない?

 

「それじゃあ宝探す意味ねェだろがい!お宝探すのは金がたんまり手に入るから探すの!わかるか?!」(小声)

 

 しょうがねぇなぁ……じゃあ宝見つけられたら次の給料10倍にしてやるよ(小声)

 

「よし、交渉成立だ」

 

 コイツ金さえ手に入りゃ良い性格してるからちょろいな。んじゃ早速宝探しにイクゾー!(デッデッデデデデッカーン)

 

「…………」

 

 ボブ叔父からの視線が熱いですね。お前私達の事チラチラ見てんだろ。

 それでグラニとキャロル村長、先ずはどのルートを行くんです?

 

「えっと、先ずは……」

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 タラート山付近 森林地帯

 

 

「……この岩は…」

「どうしたでっかいボブ、なんかあったのか?」

「…そうだな。君達、そのまま私の後ろについてきてくれ。足元には気をつけて、私の足跡を踏むんだ。何処にも触れないように」

「どうやらボク達が思っているよりも、ここは危険らしいな?」

「その通りだ」

 

 取り敢えずビックボブの動きを真似しながら、一行は慎重に森の中を進んで行く。

 

「ボブおじさん、さっきの岩に何か書いてあったの?」

「アレは賞金稼ぎが残した暗号だ。あの通りに動かなければ、罠にかかると言うものだ」

「じゃあ今はトラップを避けながら進んでるの?」

「あぁ、私の動きをよく見ていろよ」

 

 そう言いながら、縄とベアートラップで作られた罠を上手く避けながら進み………ガチンッと罠が起動した様な音に驚いて振り返る。

 

「なんだ?!」

『あ、驚かせてすまんな。私や』

 

 どうやらホモが黒い2つのキャリーケースの片方を展開させて取り出した斧でベアートラップを叩き斬った音であった。

 いったい何をやっているんだこのホモは。せめて一声掛けろよ。

 

『提案があるのだが…罠壊してかね?避けて進むのも良いが、如何せん時間がかかる。それに、もし逃げる事になった時に退路が罠だらけだったらヤバいし。どうよ?』

「確かに、罠を避けて進むのは現実的では無いとは思っていたが…出来るのか?」

『出来る。ただ、今のカメラはただのカメラなんだ。だから正直、罠が何処にあるか見えない。でも君が罠の位置を教えてくれたら、どっかんこと解除してやる』

 

 ボブ叔父さんは、宙へ浮かぶドローンを暫く見つめた後、うむむと考えた素振りを見せる。

 

「……目に見えた範囲だけだが、問題無いか?」

『勿論さぁ(オワピ)』

「ならば先ず、向こうの木の裏にハンマーが仕掛けてある。そして――」

 

 ボブ叔父さんは目についていた罠の種類と位置を次々に口にする。ボブ叔父さんが見つけた罠の数は10以上もあり、ボブ叔父さんの目の良さや賞金稼ぎ相手の知識の多さを知ると共に、この道が本当に危険だと皆が改めて実感した。

 

「目に見えたのはコレが全部―『OK!レッツパァァリィィィィィィ!!!!!』

 

 キャリーケースから展開された砲口からボンッ!と拳大の大きさのゴム玉が発射される。ゴム玉は地面の罠を起動させると同時に跳弾し、木の幹に設置された罠を破壊。破壊された罠の一部を奥へ弾き飛ばしながら、ゴム玉は明後日の方向へ飛んでいった。

 

「……ん?」

「あ、あれ?」

「おいコラ、どう見ても失敗したなイモータル?」

『チッチッチッ(アームを振る音)良く見ていな皆々様』

 

 ガキンッ!と罠が起動した音がする。だが今度は1度だけではない、ガキンッ…ガキンッガキンッガガガガガガッ!と音は連続し大きくなる。

 暫くして、その音の正体を知る。彼らの目の前には連鎖的に起動し互いを潰し合う罠の数々が写っていた。

 

 そして最後に、地面に埋められていた捕縛罠が作動し、起動した罠群の大半が網に包まれ木に吊るされる事となった。

 

『お上がりよ!』

「……す」

「すっ」

「「凄ーい!!!!!」」

「「スゲー!!!!!」」

「……いや、そうはならない、だろ…?」

 

 驚きながらも興奮する4人と、絶句しながらも、つい心の底からの言葉を呟くボブ叔父さん。

 それを知ってか知らずか、ドローンは彼らの方へ振り返りながら片方のキャリーケースを降ろしアームで親指を立てる。

 

『ヨォシ!じゃあこのままガンガン行こうぜ!』




保全派駐のアイアンキャロットを漸く全クリしたぞォォォォ!!!!WRYYYYYYYYY!!!!
いや保全ムズくね?(賢者タイム)

それと偶にアクナイアニメ垂れ流しながら書いてるんだけども、やっぱり凄いよね温度差。そうなる様に書いたんだけどね。

さて、次回は遂に厄星が出るゾ☆遅筆のくせに展開も遅くてすまない。ついでにもう一人チラ見せがあるゾ(多分)

ではまた次回、サラダバー!





あ、20連でガヴィルとパゼオンカが当たりました。やったぜ


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狩人と逃走

投稿間隔開け過ぎたら読者が読む気無くすだろうがオルァン!と思ったので初投稿です

溶けかけアイスの実さんとか量産型プレイヤーさんとか、私がコレ始めた時くらいにおもろい話投稿してた人達の続きみてぇな〜俺もな〜


 ボブと愉快な仲間たちによるフリースタイル淫夢実況はーじまーるよー!

 

 この話の前前前回のあらすじィ!は、ボブ叔父さん、キャロル&グラニと共に本格的に宝探しが始まりました。

 うるせぇ!宝探しは一旦終わり!見ろこの岩に綴られた血のダイイングメッセージ。コルルェは絶対に化け物の仕業ですね、間違いない。バーケーモーノーのーせいなのねそうなのね?(ウォッチ)

 

「血の暗号だ……怪物?」

 

 ほら見ろ、やっぱり怪物じゃないか(呆れ)

 

「怪物?ここら辺の原生生物ってそんな強えのか?」

「ううん、そんな事はない筈だけれど…」

「怪物…どういう意味だ?こんな暗号を使う賞金稼ぎは知らない」

「………まさか」

 

 まぁ視聴者の兄貴姉貴達はよく知るあの人ですね。おっと、賞金稼ぎらしき叫び声と戦闘音、そして吹き飛ばされる賞金稼ぎ達。最後にこっちへ向かってやって来るあの孤独なsilhouette(ネットリ)

 アレはシャチか?ザボアザギル亜種か?シックスヘッドシャークか?

 

「…………」

「ッ!やっぱり君だったんだね!」

 

 スカジじゃねーか!(知ってた)グラニちゃんがスカジに向かって嬉しそうに話し始めましたね。ですがコレから戦闘になる相手です。スカジは色々な理由によってバウンティハンターをしており、今回も他の賞金稼ぎ同様、キャロルを狙っております。ですがそんな事を一々説明する人では無いし、何なら色々あって今のスカジは他人への態度はツンツンです。ですので、創作作品、それもこの作品では特に顕著な説明不足セリフからの戦闘開始に備えておきましょう。

 

「なんだ?嬢チャンの仲間か?」

「………どう見ても仲間にしては剣呑な空気過ぎるだろ」

 

 ほら見ろよ見ろよ、どう見ても会話する気の無い会話です。目がヤベェよヤベェよ。アレがアビサルの眼光かぁ………。

 

「彼女を渡しなさい。今すぐに」

「グラニ嬢ちゃん、あの眼、ヤバいぞ」

「それは出来ないよ。先ずは相談――え、えっ?うわぁっ?!」

 

 なんて怪力だぁ…惚れ惚れするぜぇ〜!見て下さい、相手は警告代わりに大剣を地面に程よく叩きつけたのでしょうが、大剣は半分埋もれ、叩きつけた衝撃で軽く地面を割っています。コレがアビサルフィジカルです。もうお前がナンバーワンだよ。

 

「いや感心してる場合じゃねぇだろバカ!」

「コレは警告よ」

「ダメっ!キャロル、ボブ叔父さん…!」

「イモータル、どうするんだ?」

 

 勿論決まってます。撤退じゃァァァ!!!!死にたくなければ続けェェェい!!!

 

 

 

 というわけでスカジ逃走イベントです。クリア条件は簡単、目標地点まで走り切るだけです。尚、キャロルは走行スピードが一番遅い上に、定期的に失速します。そこにただでさえここにいるキャラ全員よりも速いスカジが迫ってくるんですね。どうやって逃げ切ればいいんだ?!(阿散井並感)

 

「ドラァ!」

「邪魔よ」

 

 うおっすんごい音したわね。コレは金属が斬れる音。

 

「何なんだあの女?!電気と砂鉄の塊を当たり前の様にぶった斬りやがったぞ?!」

「下がれペルケレ!お前はこの女担いでろ!」

「きゃっ?!」

 

 だから、誰かに抱えさせる必要があるんですね。今はペルケレ君がキャロルをお米様抱っこしています。お姫様抱っこはしないんですか?(コナミ)

 

「こんな時に茶化すなァ!!!」

 

 それはそう。それでスラッジ君、足止めどうなりました?

 

「壁を大量に設置した瞬間に全部破壊されたよクソッタレ!何なんだアイツは?!本当に同じ先民なのか?!」

 

 奴は伝説のスーパーアビサルハンターですからね。そこら辺の先民とは戦闘力が違います。う〜ん、このままだと普通に追いつかれますね。二人体制で迎撃に当たらせます。

 

「チィ!嬢チャン、パスだ!」

「えぇ?!ちょっ――ぶなっ!ちょっと!キャロルが怪我したらどうするのさ?!」

 

 そのまま並走しながら迎撃オナシャス!センセンシャル!私も改良型アーツリンクケーブルでサポートしますから。

 

「「無茶を言う!」」

 

 見て下さいあの戦闘力。物理強度、戦場機動、戦闘技術が目に見えて圧倒的です。男二人がかりな上に私のALケーブルによるバフをかけた上でこの戦力差です。チクショウ!アビサルハンター達は化け物のバーゲンセールか?!ハハッ☆バケモノォ!(木原一族並感)

 

「はぁっ、はぁっ……まだ追ってくる?」

「グラニ、大丈夫…?」

「ッ…へへっ、大丈夫大丈夫!まだまだ走れるよ!」

「にしても、彼女は本当に……怪物と言っていいな。全く息切れもしてないぞ!」

 

 この会話が入ると、前から賞金稼ぎがスカジを狙撃してくれます。まるでレイドボスみたいだな?でもそれはそれとして、賞金稼ぎは手が塞がれているグラニの代わりに処理します。結局こっちを襲って来るからね、仕方無いね。

 だからもう少し頑張ってくれ、二人共。

 

「ゲホッゲホッ!……不味い、脳が熱くなって来た」

「こっちだって残り少ねぇよクソが……!」

「逃げても無駄よ。貴方達二人も、これ以上私の手間をかけさせないで」

「だ、駄目だよ!なんでこんな事に…!」

「……ッ!待ち伏せだ!」

 

 逃走劇終わり!閉廷!もう帰っていいよ賞金稼ぎ共!お前ら所詮クズの集まりだ、出番なんてモンはねぇ。

 手が塞がれているグラニに変わって賞金稼ぎを撃退しつつ、疲れ果てた二人を回収して今度こそ撤退じゃァァァ!!!

 

 この後はボブおじさんとグラニの癒やし空間と、そこからのロドス所属カミングアウトと言った少し長めのイベントムービーが挟まります。まぁ私は既に視聴済みですが、垂れ流してちょっとした休憩時間としましょう。午後の紅茶ラ・フランスでも持ってくるか。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 天気/快晴  タラート山 坑道

 

 

 スカジから逃げていた時、途中で現れた賞金稼ぎの流れ弾を喰らい怪我をしたボブおじさん。その後、スカジが見えなくなった所まで来たところでグラニがその怪我を応急処置して、ボブおじさんの案内で坑道までやって来た。

 

 坑道に来て直ぐ、最初はスカジのデタラメさがどうのと言う話しをしていたが、スカジもロドスの一員だと言う話になり、ロドスは色んな人を受け入れるのかと言う話になり、感染者の話になって………

 

「これまで君達ロドスが我々の為にやった事など聞いた事も無い」

 

 あ〜、なんか面倒くさい話になって来たな、と感じ取った男二人。

 

「ボブおじさん……」

「何故説明してくれないんだ?私は君があのロドスの何を信じているのかわからないんだ」

 

 ボブおじさんも、これまで苦労を重ねて来た感染者の一人だ。その間に助けが来るなんて事も無かった。いつか良くなると信じていたモノも、何時までも来なければ期待なぞ無くなる。故に、彼にとって、ロドスの「感染者の為」と言う理念が絵空事に聞こえるのも無理は無い。

 何処まで行っても、この世界に感染者の居場所は無い。救いは無い。それを死ぬ程思い知らされた。そんな中で生きてきたからこそ、こんな絵空事よりも、小さな金貨を信頼する。それがこの、ビッグボブと言う男だった。

 

「……ごめんなさい」

 

 そのような旨を言えば、帰ってきたのは謝罪だった。だが、目の前のクランタはまだ少女だ。理想と現実の区別をつけるのはまだ難しい筈だ。

 

「何故謝罪する?君はまだ子供だろう?謝る必要などない。理想と現実の区別どころか、まだ自分が何者なのかもわかっていないだろう。それはいいんだ」

「ううん、そうじゃないよ。自分の力が足りないってことは良くわかってる。騎馬警察として、そしてロドスの一員として、沢山の感染者に関わってきた。でも、全員助けられた訳じゃ無い。それはあたしの……あたし自身の力が足りなかったから。それはロドスも同じだよ」

 

 それは即ち、結局は役に立たないと言っている様なものだった。笑い話にも―――

 

「オイでっかいボブ、さっきからちょっと大人気なくねぇか?」

「……なんだと?」

 

 大きな図体がぐったり座っている男二人へ向く。

 

「お前達二人も、彼女と同じロドスなのだろう?」

「あ、ボブおじさん、あの人達は――」

「ちげぇよ。俺達は……スラッジ、言ってやれ」

「自分の契約してる組織の名前忘れるってマジ?脳みそクルミかよお前。ハァ……僕達は境界無き方舟だよ」

「境界無き方舟……?」

 

 聞き慣れない単語が出てくるが、記憶の中から知り合いから聞いた話が引っ張り出される。

 

「最近巷で噂の集団か。あらゆる場所で感染者達を始末して回っているっていう、イカれた珍道集団!」

「「…………」」

「……オイイモータル!僕ら酷い広まり方してるぞクソが!!!」

『えぇ?!マジで?!』

 

 この統率機械、みんなが喋っている間にキャロルと呑気にティーパーティーの準備をしていた。2つのキャリーケースを全開に開き、それらを机にしてオサレなティーパーティーセットを配置している所悪いが、直ぐに此処から移動するんだが?キャロルはお願いされたからって真面目に手伝わなくていいから……。

 

『ウソだろオイ?!私達そんな広まり方してたの?!うっわー、衝撃の事実知っちゃったよ。幼馴染と野球チーム作って青春謳歌してると思ったらタイムループする世界だったって知った時くらいの衝撃なんだけど』

「ロドスはあの方舟と協力関係だと言うのか?ッ…まさか、感染者であるこの私を……!」

「なんか凄いややこしくなってる?!」

「正直僕もカミングアウトだけで此処まで面倒な話になりそうなのは予想外なんだが」

「なぁコレってよ、日頃の行いが悪いってヤツじゃね?」

『あれれ〜、おっかし〜ぞ〜?何も悪い事はしてない筈だけどな〜』

 

 やってるからこんな噂が広まってるんじゃないんですかね。今のボブおじさんの警戒度は彼の人生の中でも一番の高さである。

 

『ゲフンゲフン…まぁまぁ、取り敢えず紅茶飲んで落ち着いてくれよ』

「いるかこんな物!この話の流れで良く差し出せたな?!」

 

 ボブおじさんの手で弾かれたコップが紅茶をぶち撒けながら宙を舞い、ドローンのアームがそのコップを素早く掴んで新たに紅茶を注ぐ。

 

『止めろコルルァ!勿体無い婆さんになるぞワレェ!いいか、この茶葉はシラクーザ産の有機栽培らしくてな、たまたま寄ったウルサスの交易盛んな都市にフェイスレスってイカした名前で売ってたから買ったヤツなのよ。つまり貴重って事だなァ!!因みに好きになったぞ有機栽培茶ァ!』

「説明なげぇよ」

「巫山戯るなよ。言っておくが、今一番怪しいのはお前だからな」

『まぁ少し待て。先ずはちょっと弁解させてくれ』

 

 取り敢えず全員に紅茶を配り、肘を付くかのようにアームをキャリーケースに付いて浮くドローン。

 

『私達は別に感染者を殺し回ってる訳じゃない。ただ拉致ってるだけでな』

「もっと酷いな。すまないグラニ、私とはここで別れる事になる」

「わー?!もうちょっと真面目に説明して!」

『まぁ待ってくれボブ叔父。私達だって感染者を助けたいのさ。ロドスと同じだね』

「その結果が誘拐と言う犯罪行為か」

『だってそのままの環境じゃ死んじゃうんだもん』

 

 実に正論なんだけどなぁ……やっぱり手段が悪いのである。つうかこの世界の犯罪行為の基準って何処よ。

 

「だが結局、多くの感染者達がスラムで苦しみ、隔離エリアに閉じ込められ、感染者と言うだけで殺されてようと言う時に、ロドスと方舟は何をしていた?」

「全力で立ち向かって解決できる事もあれば、力が及ばない事もある。それはあたしもロドスも同じだよ」

『すまねぇ、流石にどう足掻いても遠くにいる奴は助けるのに時間が掛かる』

「「もうちょっと考えて言い回せよお前!!!」」

 

 悪いな、嘘をつくと言うプログラミングがされていない以上、機械が嘘や回りくどい言葉を言う事は無いのだ。

 

『でもまぁ、私達もロドスも、目の前の感染者を放って置けないのは同じだ。例え国家が、この大地そのものが感染者を人権の無いゴミと断じた所で、別に感染者を幸せに生かしちゃいけない訳じゃあねェだろォがよォ……なァ、オペレーターグラニ』

「うん、あたしもロドスも…方舟だって、それは同じだよ……ごめんね、ボブおじさん」

「…………」

 

 沈黙するボブおじさんの顔には、恐らく複雑な表情が浮かんでいるのだろうと、顔を隠しているフルフェイスヘルメット越しからもわかった。人間、体のちょっとした動作でだいたい表情が読めるものである。手をニギニギしたりとか。

 

「……フンッ、遠くからドローンを動かして自分はコソコソしてる奴が言っても、説得力は皆無だがな」

『あークソ、今になって説明しにくい所ついてきたな』

「ボブおじさん……」

「……あのスカジは、仲間である君を襲ってまでキャロルを手に入れようとしていた。君はそんな仲間であっても、彼女が君達と同じ信条を持ち、君達に協力すると信じるのか?」

「まだスカジの目的がわからないから結論は出さないけど…彼女がロドスに受け入れられたからには、彼女の行動にも考えや理由があるって信じてる」

「………わかった。君を信じよう」

 

 キッとしたグラニの目に射抜かれるボブおじさん。少しの間黙った後、降参したかの様にそう口にした。

 

「少し君に言い過ぎた。出来れば忘れてくれ」

「いいよ、別に気にしてないから……でも―」

『ようし、一旦納得出来たなら、財宝とスカジの対処について話し合おうや』

「お、漸く纏まったか」

「ふぅ……」

 

 グラニが「イモータルに関してはどうなのか」と言う感じの話題にしようとした空気をぶった斬る。コイツは他人からの自分の評価には本当に無頓着だ。元にボブおじさんは未だ方舟を超警戒している。そしてホモもそれをわかった上で無視していた。

 話が纏まった様な雰囲気になった為か、休んでいた男二人とキャロルも近づいて来る。

 

 そして少しの間、坑道に話し合う声が響く。だがその声は直ぐに、唐突に始まった戦闘音に掻き消される事となった。




遅れて悪いね☆

そしてやっぱりシリアス出来ないホモで御座います。シリアスをずっと続けられる作者はやっぱすげぇよすげぇよ。シリアスが売りの作品の二次創作でギャグり倒してる二次創作があるってマジ?
あとリクオリキャラちょい出しは次回になるかもですね。


それではまた次回、サラダバー!








所で大陸版のモンハンコラボの情報はいつ更新されるんです?楽しみで夜しか眠れねぇよ。


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