鬼滅の刃RTA 上弦の弐単独討伐 (一億年間ソロプレイ)
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キャラクリ ~ 育手紹介まで part1

RTAものを書くのは初めてなので初投稿です
初めてなんで許し亭許して


 皆さんおはようございます。初めましての方は初めまして。

 今日は絶賛大ヒット中である漫画『鬼滅の刃』のゲーム、『鬼滅の刃 ー烏兎之鬼録ー』のRTAをやっていきたいと思います。

 (淫夢要素は)ないです。ホモの兄貴たちは大人しくブラウザバックしようね。

 

 スタートボタンポチィ!

 

 このゲームには三つのモードに分かれております。『本編』はゲーム本編の流れを原作キャラクターで遊べるモード、『外伝』は原作キャラクターたちの微笑ましいエピソードや笑えないエピソードが分かるモード、『一般隊士録』はオリジナルキャラクターを作成し、本家ストーリーにぶっこむモードです。

 今回選ぶのは『一般隊士録』です。

 

 ちな、測定はキャラメイク終了後のオープニングから開始します。

 じゃけん、さっさとキャラを作っていきましょうね~~^^

 

 性別は王道を往く男です。なんで女性にする必要があるんですか?(純粋な疑問)

 というのも、女性隊士になると高確率で女性好きのノンケ鬼が釣れてしまうのでダメです(恐怖)

 かといって男になると強者を勧誘してくるホモ鬼が釣れます。うーん、無常。

 今回の目的としては男性隊士の方が都合良いのでホモ鬼殿に見つからないようにお祈りしましょう。

 年代は明治時代。ここで戦国時代や平安時代に生まれることも出来ます。

 

 名前は仏塚 文寿郎、略してホモくんです(様式美)ここで姓を原作キャラクターのものと同じにすると家族関係になれます。竈門にすればヒノカミ神楽も使えるようになるかもしれませんが、代わりに無惨殿からとんでもないヘイトを向けられます。

 そんなのヘーキヘーキ!といって無惨殿から直々に手を下されましたね(13敗)どれだけコンプレックス持ってんだよ(呆れ)

 

 次は見た目ですね。そんなのどうでもいいんでこのランダムモードを押して適当に作ります。やっぱ、ランダムは最高やな……。

 

 はい、次です。ステータスの欄です。体力、根気、筋力、防御、速度の五つがあります。最大値は100ですが、対無惨最終兵器殿のステータスはオール210です。不思議ですねぇ~(ガクブルガクブル)

 ステータスの説明ですが、体力は体力バーの長さを示します。これが0になるとゲームオーバーです。

 根気は頑張りゲージのことです。これが無くなると走ることも呼吸を使うことも出来ないゾ。

 筋力は攻撃力、防御は防御力のことです。鬼に与えるダメージや受けるダメージ量計算に関わってきます。

 そしてRTAにおいて最も優先される速度です。動作や技の出が早くなります。これが高くなきゃリセマラです。

 ステータスくんは鬼を討伐したり鍛錬する度に経験値として入る成長点により数値を上げることが出来るのですが……。そういった詳しいことは成長点が入った時に説明しますね。

 

 はいステータスドン!

 

 体力(63/100) 根気(46/100) 筋力(91/100) 防御(31/100) 速度(87/100)

 

 とんだ素早いパワーゴリラが生まれてしまったようですね(小並感)その代わりに防御が低い。うーん、この。

 ま、当たらなければどうということはないが家訓ですのでこのまま行きます。というか筋力と速度が高めで体力もそこそこ多いってだけでリセマラするには惜しいです。

 筋力90代ってほぼ悲鳴嶼さんや甘露寺ちゃんレベル……いや、なんでもない。

 

 今回走るチャートで重要なのはステータスの次にある特徴くんです。

 これは経済柱炭治郎でいう『鼻が良い』、善逸でいう『耳が良い』、玄弥でいう『鬼を食って鬼の(怪力とか再生能力とかの)能力を得られる』というものです。メリットをもたらすものがあればデメリットをもたらすものもあります。

 とりま回します。ここの欄だけはいくつもリセマラできるのでありがてぇありがてぇ……!

 

 特徴が『冷気』になるまでの間、皆さまの為にぃ~~……。

 

 今回のRTAの主旨をお話しましょう。

 タイマーストップの条件は無限城編での童磨単独討伐です。だから、性別が男である必要があったんですね(メガトン構文)

 一応女性隊士での討伐も目指してみましたが、痣を出す前に憎き彼奴に高確率で命を刈り取られます。コレガワカラナイ。

 上弦の鬼を討伐するには痣の発現した複数人で囲んでフルボッコにするしか勝ち目がありませんが、今回はソロで討伐します。

 おいおい、アイツ死んだわみたいな野次が聞こえますが勝算はありますあります。

 それが『冷気』くんです。この『冷気』くんがあれば大抵の鬼はイチコロというパワーバランス崩壊ものです。

 ホラ、見ろよ見ろよ(解説)

 

 特徴:冷気

 …自分の周囲にうっすらと冷気が漂うようになる。夏場には体力と気力が半減する。

 →派生の呼吸:氷の呼吸、霜の呼吸

 

 お気付きになられましたか(孔明)

 

 そうです、ホモくんには霜の呼吸を覚えてもらいます。

 霜の呼吸?氷の呼吸じゃなくって?と霜の呼吸を扱ったことのない兄貴たちの為にも氷の呼吸と霜の呼吸の違いについて、お話します。

 まずこのゲーム、霞や蛇、恋以外にも数多の派生呼吸術が溢れています。氷の他には嵐の呼吸や何故あるのかが分からないハゲの呼吸なんてイロモノ呼吸まであります。

 

 そんな数多ある派生の呼吸術の中で選ばれたのは、霜の呼吸でした。

 

 氷の呼吸は『冷気』が無くても覚えられますが、霜の呼吸は『冷気』必須です。それから、技の型と鬼に対してスリップダメージや凍化状態(一定時間の間対象が止まる状態)を与えられるのが違いっすね。

 ちなみにハゲの呼吸は選ばれしハゲにしか扱えない呼吸です。強くなるためには何かを犠牲にしなければならない……。そんな鬼滅の刃の世界観を体現した様な呼吸術です。

 

 ハゲの呼吸の話題はここまでにしつつ、この霜の呼吸こそが藤の毒縛り上弦の弐ソロ討伐の核を成すギミックです。

 藤の毒は強すぎるんで縛ります。(上弦の弐の最期)

 原作でやったんだから、ま、多少はね?

 上弦の弐を藤の毒じゃなくて呼吸術で倒すところ、見ててくれよな!

 

 話が脱線しましたね。これはイケナイ。

 以上のことを一言で表せば、霜の呼吸藤の毒縛りプレイです。藤の毒を使って走ってる走者もいるんで藤の毒無双が見たい兄貴姉貴たちはそちらを見て、どうぞ。

 あ、そうだ(唐突)霜の呼吸は普通に上弦の鬼でも通用するんで、上弦の鬼ラッシュが続く無限城編で詰んでる兄貴姉貴たちは霜の呼吸くんを使ってみることをオヌヌメするゾ。

 

 画面の方ではやっと特徴が『冷気』くんになったみたいですね。

 

 名前、見た目、性別、年代、ステータス、特徴を決めたのでもうやることはありません。

 完成を押してオープニング開始ッ!同時にタイマーをオォン!!

 

 開始地点はランダム、ちなみにプレイ出来る年齢もランダムです。はー、つっかえ……。

 始まってくれたオープニングくんには申し訳ないがキャンセルだ(無慈悲)

 オープニングでは鬼滅の刃の世界観の説明と最後の方に作ったキャラの背景が映ります。

 ちらっと見えた限りですが、どうやらホモくんは家族を鬼に殺されたらしいです。鬼殺隊志望動機あるあるの一つですね。至って平凡でよろしい。

 ここで某蛇の呼吸の使い手みたいな、鬼が人間と共存(一方的)していた家系とかですと因縁というガバが生まれますからね。後腐れなく鬼コロコロが出来るってもんよ。

 

 年齢はまだ幼め、目覚めた場所はあれっすね。森、森、森ィ!

 結構幼めな時期から操作できると思いきや、初っ端から死亡フラグがビンビンでいらっしゃる。咥えなくていいから折って差し上げろ(迫真)

 しかも夜中でござりやがります。これはもう鬼エンカウントしない確率の方が低いです。

 まだ呼吸も覚えておらず日輪刀も持っていないクソザコホモくんは鬼にエンカウントしないで済むことが出来るのでしょうか……。いや、エンカウントさせないんだよ(反語)

 茂みに隠れながら移動しましょう。それなら鬼の目も誤魔化せる筈です。

 

 まずは何が何でも鬼殺隊に入ることが目的です。その為には鬼の発生する場所に向かうことが必要ですが、いきなり森の中とかはNG。ちゃんと装備くらいは整えるお時間を下され(懇願)

 森を抜けたら付近にある筈の町で変な怪死事件やら失踪事件の情報を集めてそこに行く予定です。

 

「あん? 人間の匂いがするなぁ~~?」

 

 デデドン!(絶望)

 野生の鬼が現れた!(死亡フラグ)

 

 アバババババ!これじゃ墓参りソングが流れちまうよ!

 まだ鬼はホモくんに気が付いてはいませんが、段々と近付いていますメェ……(冷静な分析)

 しかし、こんな時の為の策があります。

 

 逃げるんだよォ!!!ワンチャン速度が遅い鬼の可能性だってあるんだからァ!!!

 

「見つけたぞ!」

 

 はい、鬼側がホモくん以上の速さだったのでじりじりと距離が狭くなっていきますね(諦め)

 徐々に縮まる(物理的な)距離……、二人の運命や如何に!?(人間は食料)

 

「待てッ、待てェ!! …………ッ!?」

 

 と思いきや鬼が急に立ち止まりましたね。お、どうしましたか?

 

「こっちの方かァ! いい匂いがしやがるッ!! 酒だ酒だァ!」

 

 人間食が食べられない鬼の言う酒ですか。あっ、ふーん……(察し)

 

 話は聞かせてもらった。俺もその宴に参加させてもらおう(立場逆転)

 あの鬼を追いかけます。このまま森を出て町に向かうよりも確実な手段がそこにあると思います(あやふや)

 いや、こんな夜中の森で稀血の持ち主とか……ねぇ?賭けたくもなりますって。

 地味ーに距離が空いていきますが無問題。鬼を追跡!からの鬼に鎖が巻き付いたァァ!!

 

「よォ。待ってたぜクソ鬼野郎ォ!!」

 

 ヒャッハー!!名字の如く無惨討伐後も死なずにいた男(痣者の寿命まで)、不死川実弥のお出ましだァ!!!

 ということは、不死川兄貴が幼少の頃からの始まりですか。こりゃ炭治郎鬼殺隊入りまでに十分鍛錬が積めそうで何よりですわ。

 チャート変更。このまま不死川兄貴をストーキングし、鬼殺隊の粂野兄貴がスカウトする際にホモくんもスカウトしてもらう作戦に移行するッ!

 そしたら確定で風の呼吸の育手で面倒を見てもらえます。風の呼吸術は攻撃力も高めで出も素早いので是非とも修めておきたい所さん!?です。

 鬼を木に吊るしている不死川兄貴に声を掛けましょう。

 あのう、ついていってもいっすか?(大胆な告白)

 

「あ? ガキはさっさと帰りやがれ。町はあっちだ」

 

 お前もガキなんだよなぁ……。とは言わず、そう言わずに!としつこく粘着質についていきましょう。

 あれっすよ、鬼退治に貢献できまっせと自身をアピールしていきましょう。如何に鬼を狩れるかの話題なら不死川兄貴は幾らでも釣れますからねぇ!

 

「ガキに何が出来るってんだ」

 

 お前もガキ(以下略)ここで特徴『冷気』を使いましょう。鬼に触れると霜付かせることが出来ます。

 大丈夫っすよバッチェ冷えてますよ(鬼の体)

 不死川の兄貴ィ!どうかよろしくお願いさしすせそぉ!

 

「…………。朝日が昇ったらお前を町に連れていくからなァ」

 

 やだよ(即答)でも意外とマイルドな対応です。試走段階でこの時期の不死川兄貴にあった時は普通に会話もしてくれずに置いてかれたんですけど。

 なんたってこの時期の不死川兄貴はかーなーり荒れています。ま、大好き♡な母親を殺して可愛い♡弟君から人殺し呼ばわりされたらそうなるわな。それからの実弥殿は自らの稀血(しかも滅茶苦茶に高い濃度)を駆使(自傷)し、デーモンスレイヤー(非公式)となって鬼を探して駆け巡っています。少年がこのような苦行をしていることに涙がで、出ますよ。

 まま、折角友好的な態度で話してくれているので、町に連行される前までに会話しておきましょう。原作キャラクターの好感度はある程度必要です。好感度が低すぎると指示を聞いてくれなくなったりしてお亡くなりになられるのでね。

 後、上弦の弐戦の時に周囲に人がいるのではソロ討伐が達成できません。そういった際に人払いが出来るようになるんで好感度、ヒツヨウ(23敗)

 

「テメェ、家族は?」

 

 家族は死んだよ……不死川兄貴……の選択をしましょう。事実ですしお寿司。

 何沈んでんだよこんな鬼が蔓延る時代じゃ親無しくらい普通だって、元気出せよ。

 お前もっと苦しい思いすんだからさ(生き残った最愛の弟鬼殺隊入りからの死亡)

 

 そんなこんなで会話を交わしつつ朝日が昇ってきました。二人で鬼が消えるのを見て、無事に不死川兄貴に町へと連行されました。

 

「二度と夜中に出歩くんじゃねェ」

 

 おっそうだな。そこで不死川兄貴とは分かれますが後をついていきます。

 町に行ったら装備を整えるといったな、あれは嘘だ。このキャラ無一文でした。

 本来ならゲーム開始時点だと数銭くらいは持っている筈なんですが、確率で無一文を引いてしまったようです。端金で護身用の刃物とか買う予定だったんすけどねぇ~……。

 かといって再走するのも別のガバが生まれそう……生まれそうじゃない?

 

 なんで不死川兄貴ストーキングを続行。ヌッ、町民のひそひそ話が聞こえますね。

 ふむふむ、なるほど?最近この町で子供が行方不明になる事件が起きている?

 昨日も起きてこれで九件目?へーそうなんだー。

 

 やったぜ(ガッツポーズ)しかも子供狙いの鬼です。危険っちゃ危険ですが、ホモくんを囮にして鬼+鬼殺隊に接触することができます。

 多分、恐らく、絶対なんでしょうけど、血鬼術持ちです。こんな町中で鬼の人物の目撃情報は無く、人だけが消えるなんて……ねぇ?

 気を引き締めてコントローラーを握りしめ、セーブをしておきましょう。

 それじゃ、夜中になるまで倍速倍速ゥ!

 

 はい、夜中になりました。夜に出歩くのは楽しいなァオイ!

 悪い鬼はいねがー!子供を攫う鬼はいねがー!

 おっと、何やらあそこの道の方で笑い声が聞こえてきます。気になるので行ってみましょう。

 

 そこでは何ということでしょう、九人の子供たちが遊んでいるではありませんか。

 ホモくんを見つけてお誘いが来てますね。いいぜ、遊んでやるよ(震え声)

 

「わーい!遊び仲間が増えたー!」

 

 そうやってはしゃいでる小僧が鬼ですね。俺は詳しいんだ。

 お前さっきから額の角がチラチラ見えてんゾ。

 

「そうだよ、僕は鬼。でも皆僕の正体を知っても遊んでくれるもん!」

「そうよそうよ。私達、この子が鬼だって知ってるわ。でも、遊ぶと楽しいの」

「貴方も遊べば分かるわ。とてもこの子面白いのよ」

「楽しいよ、きっと」

 

 ひぇ~~!これが同調圧力ってやつかぁ。オラ体が震えてきたゾ。

 ここでうん、そっかーと頷きながら鬼に近付きます。それでじわじわと冷気くんで凍らせていきましょう。

 で、何して遊ぶん?今デッキケース持ってないから遊戯王は出来ないんだけど……。

 

「道具は要らないよ。これがあるから!」

 

 子供の頭っすね~~~。さっすが鬼、倫理観ぶっ壊れですわ。

 消えた九人の子供の内の一人って感じですかね。皆構わず蹴って遊んでますね(白目)

 なんだこれは……たまげたなぁ……。早く鬼殺隊か不死川兄貴来い……来い……!

 

 あ、そうだ(唐突)鬼殺隊が来るのを待っている間に、今目の前にいる鬼に出ている水色のゲージを説明しておきましょう。

 これは特徴『冷気』によって出る冷気ゲージと呼ばれるものです。これが溜まっている間はじわじわとスリップダメージを与え、満タンになると確率で凍化状態&鬼の再生能力を封じることが出来ます。

 つまり、上手くいけば固まった鬼をイチコロでやれます。

 

 イチコロです。

 

 霜の呼吸の本髄は攻撃を当てる度にこの冷気ゲージとダメージを蓄積させつつ、回復能力を封じて鬼の首を切り落とすという物です。

 

 あははうふふと遊んでいる子供たちの間に突然の日輪刀が!\ヒノカミ神楽!/

 やっとかよ、待ちくたびれてイライラするぜ!

 

「君たち! 早くここから逃げるんだ!」

 

 粂野兄貴!不死川兄貴を三コマで落とした(二重の意味)粂野兄貴じゃないか!

 おけまる!と言いたいところですが突然鬼が違う方向を向きました。

 はい、皆大好き不死川兄貴の登場です。腕から出血させて引き寄せようとしていますね。

 

 後は初対面の筈の二人がコンビ―ネーション良く鬼を退治して子供たちが悲鳴を上げて、終わり!

 子供たちがバラけないように回収しつつ、粂野兄貴に全員放り投げると親元に帰してくれます。その間に不死川兄貴に突撃。

 

「テメェ、夜に出歩くなっつっただろうがァ」

 

 なんのこったよ(すっとぼけ)暫く会話しつつ粂野兄貴の帰りを待ちます。

 おうあくしろよ。もう(鬼殺隊に入りたくて)待ちきれないよ!

 

 帰ってきた粂野兄貴はまっすぐに不死川兄貴を勧誘しました。やっぱ好きなんすねぇ。

 粂野兄貴が不死川兄貴に育手を紹介して終了……する前に、楽しそうだねー俺も混ぜてくれよ(割り込み)

 鬼に家族も家も壊されたんで鬼殺隊に入れてください!オナシャス、センセンシャル!

 

「分かった。お前にも"育手"を紹介しよう」

 

 粂野兄貴、ありがとナス!不死川兄貴もこれからオナシャス!

 

 何とか鬼殺隊入りが出来そうなところで今回は終わります。

 ほな……また。

 

 



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修行 ~ 最終選別突破まで part2

何かを書こうとしたけどそれが分からないので初投稿です
多分脳が疲れているのだと思われ
※誤字報告ありがとうございます


 皆さんこんにちは。初めましての方は初めまして。

 ただの修行パート垂れ流しと最終選別をやるだけのRTA、始まります。

 前回は不死川兄貴と粂野兄貴に接触し、育手を紹介してもらう所で終わりました。

 

 ホモくんは早速粂野兄貴に紹介された育手に呼吸術を教えて貰い、鍛錬をしていますね。

 一人で鍛錬するよりも誰かと試合をする方が成長点が貰えるのですがしません。この理由は後程に。

 ともあれ、これでようやく成長点が稼げるようになります。

 この成長点は鍛錬または鬼を討伐すると手に入るものです。ちなみに、手に入れた成長点はステータスだけではなくホモくんが手に入れた技能に振ることもできます。

 

こっからはただひたすらに一人で鍛錬するだけなので倍速。

 

 その間に、呼吸の適性について、お話します。

 この『一般隊士録』において作成するオリジナルキャラクターくんは全ての呼吸に対して適性があります。

 どの呼吸術も習得できる(条件持ちの呼吸も条件さえ整えば可能)ということですが、どれも平均値程度であり、どれか一つの呼吸に対して飛びぬけて適性があるという訳ではありません。

 

 例えを交えて話しますと……。

 呼吸術を獲得した場合、○○の呼吸(△/100)という風に表記されます。この△の値が攻撃時のダメージ計算に関係してきます。

 炎の呼吸(50/100)を習得している状態の煉獄兄貴とオリジナルキャラクターくんとで比較してみます。

 

 この場合、()()()()()煉獄兄貴の方がダメージ計算量が多くなります。

 

 私もここら辺を詳しく調査している訳ではありませんが、倍率で言うと煉獄兄貴1.25倍くらいの補正がかかり、オリジナルキャラクターくん1.05倍くらいの補正……と違いがあります。

 オリジナルキャラクターくんは器用貧乏ですが、その分様々な呼吸術を覚えて対応しようということです。(派生呼吸の中で格段に強いものもありますし……)

 

 今回のチャートでは水の呼吸と風の呼吸+本命の霜の呼吸を習得する予定でしたので、不死川兄貴と接触できたのは幸いでした。

 ちなみに、霜の呼吸は水の呼吸から派生した氷の呼吸()派生呼吸となっておりますが、別に氷の呼吸を覚えてなくても大丈夫です。水の呼吸さえ覚えたらバッチェ覚えられます。

 

 おや、粂野兄貴が様子を見に来ていますね。不死川兄貴に食事のお誘いをしている様です。ホモくんも行かないかと言われますが一回目はキャンセルだ。

 このイベントは好感度がそれなりにある場合に発生する友好イベントと言われるものですが、二回続けて断ると好感度が下がります。は?(威圧)

 ご近所付き合いは大切なので一回目は断り、二回目は行くようにしましょう(言語の破綻)

 

 じゃあな不死川兄貴ィ!二人で楽しんできな!

 その間、ホモくんはひたすら成長点を溜めます。鍛錬あるのみ。

 定期的にステータスを開いて風の呼吸に成長点を入れることも忘れずに。

 

 あっ、そうだ(唐突)呼吸術を一つでも習得するとステータスが1.05倍上昇します。複数の呼吸を覚えても1.05倍ですが、全集中・常中を習得するとこの1.05倍率が2倍になります。

 全集中・常中を習得するには鍛錬外でも呼吸を使っておきましょう。これがなきゃ上弦戦なんてやってられないよ(超必須技能)

 

 実質ステータスの最大値は最高で200という訳です。あれ、でも元祖日の呼吸の剣士はオール210……。

 公式チートの名は伊達じゃないってことですな。

 

 あっ、そうだ(二度目)呼吸術が(50/100)の状態だと、全ての型を覚えたという判定になります。

 

 

なので風の呼吸が50になるまで倍速倍速。

 

 はい、途中で粂野兄貴や不死川兄貴の友好イベントに巻き込まれながらも風の呼吸が(50/100)になりました。ここまでかかった年月は半年。友好イベント持ちの人物と接しながら鍛錬していたと考えればまぁまぁの速度です。

 ここで育手に話しかけましょう。

 すいませへぇぇ~ん!何か呼吸がしっくりこないんですけどぉ。

 

 育手が喋っているのをスキップしていくと選択肢が出ます。育手に違う呼吸を習いたいと言った場合、五大流派の呼吸術の育手は確実に紹介してくれますが、派生呼吸が入っているかはランダムです。

 霞の呼吸が選択肢に入ってるのは珍しいんですが、そんなのホモくんには関係無く水の呼吸を選びます。当たり前だよなぁ?

 

「水の呼吸か……。分かった、掛け合ってみるとしよう」

 

 明日にホモくんは水の呼吸術の育手の元に移送されます。

 最後に不死川兄貴!試合をオナシャス!

 

「いいぜェ」

 

 え?試合はしないって言ったじゃないか……と思った兄貴姉貴たち。試合、しかも原作で柱にも上り詰める程強いキャラとの試合はした方がいいです。

 本来なら毎回挑んでおきたかったのですが、これが中々……難しいねんな。

 この試合、鍛錬よりも多くの成長点が稼げると共に試合相手の好感度も上がるんです。

 

 試合ばっかりすれば好感度が上がる。そして、数々のRTAの先駆者兄貴たちを見ての通り、好感度ガバは侮ってはならないものです(戒め)

 ですが不死川兄貴とはこれから滅多に会わなくなる予定ですし、まま一回くらい試合したって大丈夫大丈夫。

 

 はい、普通に負けましたが成長点はクソミソに入ります。Foo~↑気持ちぃ~。

 更に更に、不死川兄貴の持ってる技能の一つ、喧嘩殺法も覚えられました。喧嘩殺法は鬼に与えるダメージ量が加算されるものです。これは嬉しい誤算。

 見ての通り、試合をするとたまーに相手の持っている技能を習得することが出来ます。これだから原作キャラとの試合はやめられねーんだ。

 じゃあの不死川兄貴。最終選別で会おうぜ!

 

 はい、水の呼吸を教えてくれる育手の元にやってきました。これからオナシャス!

 水の呼吸の育手……鱗滝さんの所じゃな?と思った兄貴姉貴たち、違います。普通の顔も分からないモブ育手の爺さんです。水の呼吸の使い手は多いってそれ、原作でも言われてるから。

 というか鱗滝さんの元に行ったら再走案件です。手鬼関連のイベントが厄介すぎる。

 

 この育手はホモくん以外にも二人育てているようです。どいつも若い男ばかりですね。

 俺も仲間に入れてくれよ~(片っ端から試合申し込み)

 

 

先輩たちに快く指導してもらいながら倍速。

 

 折角手に入れた喧嘩殺法にも成長点を振りたい所ですが、ここは水の呼吸全振りです。じゃないと霜の呼吸が覚えられないぜ。

 

「ちといいか」

 

 お、どうしましたか?もしかしなくても:藤襲山での最終選別。

 はい、最終選別のお誘いでした。どうするかと聞かれましたけどモロチン行きます。

 この会話が無ければ藤襲山マップに行けないのできっちりと場所を聞き、速やかに向かいましょう。ホモはせっかち。

 

 藤襲山に移動している間に、ホモくんの現在のステータスや技能をお見せしましょう。

 

 

 仏塚 文寿郎 性別:男 特徴:『冷気』

 

 ステータス

 体力(63/100) 根気(46/100) 筋力(91/100) 防御(31/100) 速度(87/100)

 

 技能

 風の呼吸(50/100) 喧嘩殺法(1/100) 水の呼吸(43/100) 

 

 

 水の呼吸が惜しいですが、藤襲山で大量に成長点が手に入るのでいいんです。

 霜の呼吸などの一部の派生呼吸は育手無しで覚えられますしお寿司。上手くいけば二日目で覚えられることでしょう。

 

 オッスお願いしま~す(藤襲山入場)

 全員に挨拶は基本です。おっ、不死川兄貴の傍空いてんじゃ~ん!

 久しぶりっすね~(半年ぶり)

 話はそこそこにしておき、ホモくんは入り口前に立たせておきます。いつでも動けるぜ!

 案内役のあまね殿の説明は長いのでこの間に。

 ビール美味い、肉じゃが最高(食料補給)

 

「では行ってらっしゃいませ」

 

 殺戮ショーの始まりだぜぇ!(刀ブンブン)

 ん?RTA中に飲酒してもいいのか?別に大丈夫でしょ。念入りに組んだチャートに隙はありませんよウィヒヒ。

 あ、鬼発見!周囲に人がいないことを確認し、風の呼吸で仕留めていきます。

 基本的に攻撃に風の呼吸や霜の呼吸、周囲に人がいる場合はサポートのしやすい水の呼吸を使っていきます。

 

 オイオイ、RTA走者なのにサポートってどういうことだァ?となっている兄貴姉貴たちに言いますと、隊士を見殺し又は助けられるのに助けない、などの協調性の無い行為は鎹鴉くんによって報告され、周囲の人物の好感度が下がる要因になります。

 つまり助けられるのなら助けろと(憤慨)はぁ~~~……、あ ほ く さ。

 

「うあぁぁぁ!!」

 

 この辺にぃ、最終選別逃げ出す奴がいるらしいっすよ。

 そういう時は(鬼に)パパパッと(風の呼吸を)使って、終わり!早く避難して、どうぞ。

 やっぱ素早く敵に近寄れる風の呼吸はいいゾ~コレ。

 向かってくる鬼たちはPON! SLASH!!SLASH!! PO!PO!PON!(首が飛ぶ音)

 

 という所で一日が終わりました。昼間は休みつつ呼吸を使いましょう。

 静かな森の中でホモくんの呼吸音が木霊している……。煩すぎて近所迷惑になりそう。

 

 

同じように二日目、三日目と過ごしていくだけなので倍速。

 

 途中でチラリズム不死川兄貴が見えましたね。オッハー!(夜中)

 あ、手鬼くんだ。誰も食われてなさそう(食事済)なので……じゃあの(逃走)

 こっちに気が付く前に逃げましょう。戦闘になったら手鬼の体力を削り切らない様に朝まで戦わねばなりません。

 

 

 Q.え。手鬼は倒さないのか?

 A.倒しません。

 

 

 なんたって手鬼くんは炭治郎の成長ポイントです。ここを潰したら炭治郎がヒノカミ神楽覚えずに那田蜘蛛山で死にかけるってマ?(11敗)

 それに、藤襲山にて手鬼が長いこと放置されている意味を考えましょう。手鬼は江戸後期の慶応から鱗滝さんに連れてこられた鬼くんです。

 最初の頃はともかく、そこから炭治郎らが選別に参加する大正時代まで生きているとなれば、その間に選別を突破した隊士が手鬼のことを報告しないということは無いでしょう。

 お館様にも報告が言っている筈なのに対応をしていない。

 

 つまり、手鬼程度の鬼で手こずる程度の隊士はこの先生きていけないよという、お館様の優しく♡厳しいメッセージだゾ。決して鬼殺隊の対応ガバではなくってよ。

 事実、上弦の鬼に比べれば手鬼なんて雑魚中の雑魚。

 俺が何度気まぐれに散歩中の上弦の鬼にぶち当たって死んで来たと思っている(1562敗)

 

 じゃけん、手鬼に会ったら逃げつつ一般通行鬼たちをSLASH!!して朝を待ちましょうね~。

 

 >そして、夜が明けた!(至言)

 昼間の間に成長点を振り分けましょう。水の呼吸(50/100)ヨシ!

 『自分に合う呼吸を見つけた』というテキストが出たらステータスオープン!

 

 仏塚 文寿郎 性別:男 特徴:『冷気』

 

 ステータス

 体力(63/100) 根気(46/100) 筋力(91/100) 防御(31/100) 速度(87/100)

 

 技能

 風の呼吸(50/100) 喧嘩殺法(1/100) 水の呼吸(50/100) 霜の呼吸(1/100)

 

 あーいいねぇ!(恍惚)

 

 ですが、このチャートは霜の呼吸を手に入れてからが()()です。やっとスタートラインに立った程度のおぎゃおぎゃの赤ん坊です。

 赤ん坊でも容赦なく鞭を打ち続けて霜の呼吸を100にしてイキますよーイクイク。

 

 上弦の弐戦までは霜の呼吸MAXにすることは大前提で、速度筋力根気の三つは確実にMAXにしておきたいですね。それから水と風の呼吸もぼちぼち上げていきたいです。

 ま、痣無しで戦うんだから多少は、ね?

 

 

七日目まで手鬼を見たら逃走、行き様に鬼をコロコロするだけなので倍速。

 

 七日目です。ああ^~、朝日が気持ちえぇんじゃ。

 入り口に強制的に戻されます。どうやら生き残ったのはホモくんを含め三人のみですね。

 モロチン不死川兄貴は生きてますねぇ。もう一人はモブ隊士ですが、折角の同期です。これからヨロシコ。

 

 で、刀は?(GNY感)

 そんなせっかちなホモには鎹鴉を渡されます。至って普通の鎹鴉、ヨシ!

 次にあまね殿が玉鋼を選んでねと言ってきますが、ここはどれを選んでも似たようなもんなので適当に選びましょう。選んだ玉鋼が自分の命を守るとか言ってますが、炭治郎は四回日輪刀折ってんだよな……(しみじみ)

 ま、日輪刀は消耗品だから(刀鍛冶の里面子激おこ)壊れる時は確率で壊れます。

 それでは解散!俺は早く帰って鍛錬をさせてもらうッ!(鍛錬キチ)

 

 キリがいいのでここで終わります。

 ほな……まったのぅ~ィヤ。

 

 

 



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日輪刀装備 ~ 初回任務終了まで part3


誤字や数字の間違いがクッソ恥ずかしかったので初投稿です


 

 

 皆さんこんばんは。初めましての方は初めまして。

 ひよっこ隊士が任務するだけのRTA、始まります。

 前回は無事に霜の呼吸を習得し、最終選別を突破した所で終わりました。

 

 育手の元に戻ると強制的に一日が明けます。

 前回言い忘れましたが普通に隊服は持って帰ってきてます。

 ここで一つ豆知識。操作するのが女性隊士の場合、最終選別後の採寸時に隊服のズボンの形を選べます。

 通常スタイルの袴型とスカート型を選ぶことができ、そして確率でノンケのゲスメガネによってアレンジされます。

 

 ま、ホモには関係ない話なので隊服は普通に袴型です。お好みで脚絆も装備出来ますが、金の無駄面倒なのでしません。

 刀が来るまで試合を……あっ……(察し)

 試合は出来ないようです。どうやら兄弟子たちも最終選別を受けたようですが、逝ってしまわれたようですねぇ。冥福をお祈りしましょう(南無)

 

 

刀が来るまで鍛錬するだけなので倍速。

 

「鉄井戸だ。仏塚文寿郎はいるか?」

 

 おぉ、鉄井戸さんだ……。原作で無一郎兄貴の刀を打って気に掛けていた御老人ですね。

 ここで鋼鐵塚兄貴だった場合どうしようかと思いましたが、大丈夫でした。

 彼奴は担当を変えたいと言っても長文テキスト、刀を折っても長文テキストのお化けですからね。後、怒りの演出が長すぎるッピ!

 鉄井戸さんは無一郎兄貴が柱就任後に亡くなられてしまいますが、その後はランダムに担当を当てられるので特にタイムに支障はありません。

 鉄井戸さんを育手の家に案内し、会話内容はスキップです。

 

「日輪刀は色変わりの刀とも言われている。握ってみろ」

 

 日輪刀は手にした人物の適性に応じて色を変えます。炎の呼吸適性が高いなら赤色、水の呼吸適性が高いのなら青色といった感じです。適性が高い程その色が濃ゆいです。

 だが、ホモくんもとい『一般隊士録』のオリジナルキャラクターくんは全ての呼吸に適性があります。この場合、現在のホモくんが習得している呼吸術の中から高いものの色に変わります。

 ホモくんが習得している呼吸術の中で高いものは風の呼吸(50/100)と水の呼吸(50/100)です。同率の場合はこの二つの内どちらかの色に染まります。

 

「青色か」

 

 はい、水の呼吸くんが勝ったようですね。鉄井戸さん、良い刀をありがとナス!

 日輪刀を渡したらさっさと帰っていく鉄井戸さんを見送ったところで、ようやく鬼殺隊の任務が解禁されます。早速隊服と日輪刀を装備しましょう。

 すぐにチュートリアル任務がやってきますので。

 

「南西~。南西ニテ鬼ノ噂アリ~~。至急調査ニ向カワレタシ~~」

 

 育手の爺さん今までお世話になりました。じゃあ、俺ギャラ(育手の爺さんからのお小遣い)貰って出ていくから。

 

 呼吸をフルに使い、鎹鴉から言われたにダッシュで行きます。

 移動時のコツは、頑張りゲージくん(スタミナゲージ)が切れる直前に歩きに戻し、呼吸を使わないようにすることです。スタミナゲージが切れると息切れモーションが入ってタイムの無駄無駄無駄無駄ァ!になるので注意を。

 

 着いたようです。ここが、あの鬼のハウスね……!(殺意マシマシ)

 夜中になるまで暇ですので、適当に町を散策しましょう。

 町の人達がヒソヒソ話をしています。

 聞く限りでは夜な夜な人食い鬼らしい人物が歩き回っているとか、近所の一軒家が奇妙な動きをしているようです。ガン待ちスポット確定やな……。

 ちなみに、鬼が恐ろしくてこの町の人は夜中に出歩けないそうです。早く殺さなきゃ(使命感)

 

 おっと、ラッキーなことに呉服屋を見つけました。是非とも寄りましょう。

 目当ては羽織です。羽織は装備すると、隊服の背中ある滅の字や日輪刀を隠せるようになるので極力着用しましょう。これがありゃ、ポリなんて怖くねぇぜ(本来なら帯刀禁止なので)

 色は適当に白色です。血がはっきり映える映える……。

 

 夜になりました。覚悟決めろ(日輪刀チャキチャキ)

噂されていた家の近くでガン待ちしていると、噂の鬼が出てきました。

 霜の呼吸はまだクソザコナメクジレベルなので、風や水の呼吸をメインに使っていきます。数値が50超えたら使っていくんで……許してください! なんでもしますから!

 ホラホラホラホラ。サクッと狩っちゃいましょう。

 

「やめて! あの人はただおかしくなってただけなの! 日が過ぎればいつものあの人に戻っていたの!」

「なんで殺した! 殺してやる! 殺してやる!」

 

 ゲェー! 家から包丁持った女が出てきやがりましたね。

 二人は夫婦でしたが鬼舞辻兄貴によって片方が鬼化って感じですねクォレハ……。

 何かこのゲーム、討伐する鬼の背景とかが異様に作り込まれていてアフターケアが面倒なんですよねぇ。(クォクォらへんしっかりやっておかないと鬼殺隊の風評被害に繋がって)死んでしまいます(31敗)

 まま、そう怒んないでよ。君の夫さんは人を食べる鬼だったんだよ。

 

「うるさい! 人殺し!」

 

 いや~キツイっす(素)心なしかホモくんも首傾げてますね。

 一回はアフターケアしたんでさっさと違う場所に行きましょう。この手の逆上タイプはどうにもなりません。

 ヘイ、鎹鴉!次の任務はある?

 

「西~西~。西ノ方デ鬼ガ出現~~。至急向カワレタシ~~」

 

 OK牧場(激寒)夜中ですが次の任務に向かいましょう。

 

 その間に~~。

 皆は鬼殺隊の階級って、知っているかな?

 鬼殺隊には階級があり、これは任務を熟せば熟す程階級が上がります。今のホモくんは一番下っ端の癸です。

 この階級も素早く上げておきたい所さん!?です。なにせ、上になる程隊士たちを従順に動かすことが出来ます。とんだはねっかえり者でなければ退けと言ったら退かせることが出来ますし、イけと言ったらイってくれます。

 無駄死には悪い文明な(自身の評価に響く)ので、隊士たちはなるべく生かしましょう。

 俺もな~、人の生死関係無く猪突猛進出来たらな~。でもお館様周辺の心象とか良くしておかないとダメなんだよなぁ~。じゃないと上弦の弐戦中に応援送られちゃうんで……(憤慨)

 

 はい、次の任務地に着きました。

 うわっ、前から鬼が! ふー、危ない危ない。一発食らう所でした。

 腕が四つに分かれている鬼ですね。血鬼術とか、使わないんですかってブワァ!

 う、腕が飛んできた……。そんなのアリ? アリなんですねこれが(冷静)

 これは血鬼術? 血鬼術かこれ? ……幻覚タイプや呼吸を封じてくるタイプの血鬼術じゃないだけ良かったとしましょう!

 動きはノロノロなので、さっと後ろに回り込んで首を両断。

 

 夜が明けていきます。初日の任務を無事終わらせることが出来ました。

 就任して初めての任務はチュートリアルなので、全て夜間のものです。ここからは昼夜関係無く任務に駆り出されます。また、ホモくんの階級はまだ癸ですが、この階級が上がると厄介な血鬼術を持つ鬼の討伐任務ばかり任せられるので休める時は休みましょう。

 任務が終わった後のオススメの休憩地は藤の花の家紋の家です。無料で宿泊可能+攻撃力アップなどのバフ効果を掛けてくれる料理を出してくれるのでマジでオススメです。その家の周辺では下級の鬼は寄ってこないのでプレイヤー、キャラの心身共に休息を与えてくれるガチの安全地帯とも言えます。拝みましょう。

 ですが、このチャートは藤の花の家紋の家を使いません。自分or自分の先祖が鬼狩りにどうやって助けられたかという会話をしてくるのでカットだ(無情)

 

 ホモくんを近くの町に移動させます。そして宿屋で宿泊ではなく仮眠を選んでシュゥゥーッ!(睡眠)

 三時間の仮眠を取ります。一切寝ずに活動し続けていると寝不足のデバフが掛かってくるので寝る時には寝ておきます。はーつっかえ。

 宿屋は宿泊を押すと朝まで過ごしたり夜まで過ごしたりすることが出来ますが、今回使うのは仮眠です。

 そして起きたらすぐに食事処にゴー。育手の爺さんの小遣いでバフが掛かる料理を注文します。

 食べ終わったら鍛錬します(鍛錬キチ)今は少しでも成長点が欲しいからね、仕方ないね♂

 

 今回はキリがいいのでここまで。

 また次回にお会いしましょう。ほな……また。

 

 



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共同任務 ~ チャート説明まで part4

今回めちゃくちゃ短めなので初投稿です


 

 皆さんおはようございます。初めての方は初めまして。

 共同任務をするだけのRTA、始まります。

 前回は正式に鬼殺隊の一員となって初めての任務を熟し、次の任務待ちというところで終わりました。

 

「北東~。次ハ北東~。北東ノ町ニテ共同任務~」

 

 共同任務か壊れるなぁ……。ホモくんは一番下っ端なので先輩の言うことをある程度聞かないといけません。

 ステータスに成長点を割り振ることを忘れずに集合しましょう。

 あぁ~^ノロすぎて早く全集中・常中をキメたいぜ。

 

 鎹鴉からの知らせを受けて任務先へ向かう一般癸鬼殺隊隊士。

 全集中・常中を習得する為の疲れからか、不幸にも先輩と思われる一般乙鬼殺隊隊士に激突してしまう。

 庇ってもらえるほど交友関係も無い為周囲に見捨てられた一般癸鬼殺隊隊士に対し、一般乙鬼殺隊隊士に言い渡された戦略とは……。

 

 というのは嘘だッ!

 

 普通に町中で鬼殺隊隊士と合流出来ました。

 おやぁ?あの半々羽織人物は……ハハァ。義勇兄貴じゃないですかー!やだー!(歓喜)

 彼と仲良くしない手はありません。冨岡兄貴の好感度を高くすると、急に食べ物の好みを聞かれて好物を貢がれるからです。好物を聞かれた際、好物にバフ効果のあるものを選ぶと簡単にバフ料理運び機になってくれます。

 見かけたら積極的に話に行きましょう。オッハー!(夕方)

 

 集まっている隊士は冨岡兄貴とホモくんを含めて五人ですか。

 自己紹介しろだと?あーめんどくせ(溜息)

 名前と挨拶をして隊士たちのなれ合いを眺めておきましょう。おう、あくしろよ。

 

 自己紹介が終わったら、この中で一番階級の高い先輩隊士が状況を説明してくれます。

今ホモくんたちが集まっている町の各地で怪死事件が連続で起きてるようです。どれも頭と足だけを食われた状態で放置、そして起きる場所はバラバラ。

 多分空間操作系血鬼術を使う鬼の仕業だと思うんですけど(名推理)

 ホモくんは鬼を察知できる訳じゃありませんが……、適当に冷気を放出しておきましょう(オォン!とオフッ!が可能)

 冷気ゲージが見えたらそこに(日輪刀を)ぶち込んでやるだけです。

 

 皆でバラけて鬼を捜索するらしいですが、捜索した瞬間一人の隊士がお亡くなりになりました。

 はえ~、こっわい……(恐怖)冷気ゲージは……あっ、ここかぁ!

 速攻で水面切りをかましましょう。相手の姿が見えない間は消費気力が高い風の呼吸は抑えます。

 いいよ、来いよ! こっちに注意持ってきて! 注意!(タンク役)

 

「斬りかかれー!」

 

 姿を隠していた鬼、大発見! あと空間操作系ではなく体が透明になるタイプの血鬼術ですね。的外れな推理、恥ずかしくないの?

 集団でリンチされるのは嫌だったのか、姿を消していますが……。

 冷気ゲージが有能過ぎて、相手の動きが見える見える。あまりにも遅いので呼吸を使って、いいかな? 使わせてもらうね(断定)

 先程の鬼は四つん這いでもなく、普通に人間の体をしているタイプなので首を狙うのは簡単です。

 

 ではズバッと!

 

 鬼が消えていくのを確認し、納刀します。冷気もオフッ!にします。必要以上にバラまかないようにしましょう。

 先輩隊士の遺体処理は隠を呼んでなんとかしてもらいましょう。皆で軽く追悼し、会話に巻き込まれる前にサラダバー!

 

 適当に離れている間に、これからのことをお話しておきます。

 上弦の弐ソロ討伐で確実にやらなければならないことがあります。

 

 胡蝶カナエ姉貴の生存です。

 

 彼女、というか女性が柱になったら憎き宿敵が確実に食べに来るようになっています。それはカナエ姉貴もオリジナルキャラクターちゃんも例外ではなく……。しのぶ姉貴がほんへで言っていた「女性で柱なら確実に食う」というのはあながち間違いではありませんでした(114敗)

 カナエ姉貴が童磨に食われるとしのぶ姉貴はSHINOBUサンになり、童磨絶対殺すマシーンと化してしまいます。そうなると単独での撃破が確実に出来なくなります。どれだけ戦わないように言っても自爆特攻していくんで……。えぇ……(困惑)

 そうならない為にもカナエ姉貴の生存は必要。ですが、五体満足で生存すればカナエ姉貴は柱を継続し、懲りずにクソノンケ童磨はやってきます(キレ)

 カナエ姉貴と童磨の接触は一回限りかつもう二度と接触の機会が無いようにしなければなりません。

 ですので、カナエ姉貴にはちょこっとだけ負傷してもらいます。ほんへ通りに肺を壊すと死亡ルート直結になるので、片腕くらい吹っ飛ばして頂いて退場という形ですかねぇ……。

 まま、その代わりしのぶ姉貴から罵詈雑言の嵐&好感度激悪になりますが、このクソみてぇな遭遇イベント以降胡蝶姉妹と接触することはないので、安心!

 

 そこからは炭治郎が無惨兄貴に殺意を抱いて鬼殺隊に入隊しているか、ちょくちょく原作ストーリーの進行を確かめつつ階級を甲にし、各ステータスや技能をMAXにするだけのチャートです。

 私が今回組んでいるのは基本原作ストーリー沿いのチャートです。そんぐらい時間が無いと上弦単独討伐は出来ないので。

 事前に下弦の鬼や上弦の鬼を潰して無惨兄貴を挑発して最終決戦にイかせることも出来ますが、その場合、味方陣営に縁壱殿並の人物が必要です。

 

 別動画の『一般隊士録』クリアRTAで、ステータスが最初からオールMAXという奇跡の女神に愛され最速を叩き出した兄貴に敬礼を。マジで第二の縁壱になってて草生えます。

 その他にも、バグ技を使って隠れている上弦の鬼たちや無惨兄貴を太陽の下に強制連行させるRTAは面白かったですね。何もない場所で不自然な動きをするだけで、鬼殺隊でもない一般人でも鬼の頭領を討伐できるのは(笑いで)な、涙が出ますよ。正一くん覇王ルート並に笑い転げた記憶があります。

 

 あっそうだ(唐突)言い忘れてたけど、このチャートは基本的に原作ストーリーに介入しないゾ。例外として刀鍛冶の里編には介入し、壺を割りまくる予定です。

 刀鍛冶の里を襲撃されたら……(乱数で刀が折れた時に)困るねんな……。

 

 特に追加任務も無いまま夜が明けてしまいました。

 今回はキリがいいのでここまでにしておきます。また次回に会いましょう。

 ほな……また。

 

 



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階級:癸 ~ 階級:丁まで part5

予約投稿が出来ているか不安なので初投稿です
それからほかほかのクソ小説パートが出来ました。注意してください。


 皆さんこんにちは。初めましての方は初めまして。

 ここからどんどん階級を上げていくRTA、始まります。

 前回は共同任務をしてチャートの説明だけをして終わりました。は?

 

 話の内容も薄い進行度も遅いという醜態を晒したので、今回はどんどん倍速を使ってイきますよ~イクイク。

 ちょくちょく共同任務の中に将来柱になる人物がいるのを見ると興奮してきますね~。今の所、水の呼吸を使ってる伊黒兄貴や原作時間軸じゃ最強の悲鳴嶼兄貴とかと一緒になったことがありますね。

 って、サイコロステーキ先輩!? (単独行動は)マズイですよ!?

 

 途中、サイコロステーキ先輩が死にそうになりましたが、中々良いペースで任務を消化できています。階級も前回は癸でしたが戊になりました。

 階級が上がれば任務に出てくる鬼のステータスも上がり、血鬼術もヤバヤバなのが揃ってきます。だが成長点はうまい!(RNGK感)

 

 現在のステータスはこんな感じです。

 

 

 仏塚 文寿郎 性別:男 特徴:『冷気』 階級:戊

 

 ステータス

 体力(63/100) 根気(46/100) 筋力(91/100) 防御(31/100) 速度(100/100)

 

 技能

 風の呼吸(50/100) 喧嘩殺法(1/100) 水の呼吸(50/100) 霜の呼吸(57/100)

 全集中・常中(100/100)

 

 

 霜の呼吸を50以上に、そして速度のステータスを先にMAXにしました。

 それからやっとのことで全集中・常中を手に入れることが出来ました。これは手に入れた瞬間にMAX表示になるので成長点を振り分けてはおりません。

 これで速度だけは全力になりました。おぉ、早い早い(大満足)

 

 そうそう、作中ではもう何年も時間が経っており、続々と柱が就任したと鎹鴉くんが知らせを持ってきてくれます。

 最近のものだと胡蝶カナエ姉貴が花柱に就任した知らせと同時に、医療機関の蝶屋敷が開かれた知らせが来ました。

 これによって、負傷したら蝶屋敷で治療を受けることが出来ます。ですが、ホモくんは大怪我を負う予定もないので使いません。精々大怪我を負うとしたらホモくんの最終決戦(上弦の弐)の時じゃないかな(すっとぼけ)

 蝶屋敷が開かれたということは、そろそろファミチキ先輩(とんだ風評被害)がカナエ姉貴を襲撃してきます。なので、カナエ姉貴が巡回している地域付近に待機しておきましょう。するとカナエ姉貴の鎹鴉がホモくんに救援要請しに来てくれます。

 

 ハードな任務を熟した後の天丼は上手いぜ……。丼物も最高だが、追加のビールも最高やな……(四本目)

 心なしか見覚えのある太眉のホモくんの表情が緩んでます。何かこの顔、どっかで見たことあんだよなぁ……。

 ヌッ、鎹鴉から粂野兄貴からの手紙をもらいました。キャラクターの好感度が高いとこのように時折手紙を送ってくれます。

 ここでも三顧の礼ならぬ二顧の礼を……。

 

 してはいけません。普通に手紙が来るのはまちまちの頻度なので一回断ると好感度が必要以上に下がります。頭にきますよ!!

 

 スキップしましたが内容は、

『元気してるか? 飯はちゃんと食ってるか? お前飯抜くことが多いからちゃんと食ってるか兄弟子は心配だぞ。

 お前の鎹鴉から睡眠は最低限しか取ってないと聞いたぞ。ちゃんと睡眠は取っておけと前も言っただろ。

 今度実弥とお前を連れて牛鍋食いに行くから予定は開けとけよ』

 

 てな感じです。不摂生なホモくんの生活を心配する聖人の鑑。でもこの生活は直しません(人間の屑)

 この手紙によって好感度イベントのフラグが経っ(てしまっ)たので、これから粂野兄貴が不死川兄貴を連れて誘いに来たら快く引き受けましょう。

 飯を食い終わったらすぐに鍛錬だぞこの野郎。ちなみに夜はずっと起きていましょう。救援要請を逃したらチャートが壊れ↑ちゃ~う^

 

 

ここから任務や鍛錬をしつつ倍速です。

 

 おっ、粂野兄貴じゃ~ん。どうしたんすかこんなとこで。

 というのは置いておいて、手紙のイベントです。おやおやぁ? 不死川兄貴が粂野兄貴を名前呼びしてますね、堕ちたな(確信)

 心なしか笑顔も柔らかい。粂野兄貴の手腕ならどんなはねっかえり男でも堕とせるんやなぁ~(満面の笑み)

 そのまま連れられ牛鍋をゴチになります。うま……(見た目)うま……(バフ効果モリモリ)

 流石牛鍋です。お値段がメチャ高いですが、攻撃力や防御力、その他諸々のバフが掛かっていきます。ありがてぇありがてぇ……。

 この風の呼吸組のやり取りも尊いねんな……。これが下弦の壱戦になると無くなるってマ?

 悲しいけどこれ、鬼滅の刃なのよね。容赦なく人が死んでいきます。

 気の遠くなりそうなRTAで心身共に補給が完了したので任務に行きましょうね~^。

 

 

何かしらが起きるまで倍速倍速ゥ!

 

 何もありませんでしたが、ぬわああああああん疲れたもおおおおおおおん!

 何……冷気耐性のある鬼とかとても厄介……、厄介じゃない?(このチャートのみの弱点)

 ま、上弦の弐戦では先程の鬼よりも冷気耐性がガチンコ♂にあります。それの練習戦と思えば(ポジティブ)

 今回の任務で戊から丁になりました。このハイペースな昇給、俺でなきゃ見逃しちゃうね。

 いつも通りに仮眠を取り、食事処に通い詰めましょう。

 

「よぉ!」

 

 サイコロステーキ先輩!? こんなとこで何やってんすか!?

 

「偶然だな。飯でも食いにいかねぇか?」

 

 あぁ~(丁度)いいっすねぇ~。断る理由も無いので乗っかりましょう。

 サイコロステーキ先輩と飯を食っている所で今回は終わります。次回もまたお会いしましょう。

 ほな……また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 粂野匡近は弟弟子である不死川実弥を連れ、町中で特徴的な頭髪を持つ男に声を掛けた。

 振り返った男の目が匡近と後ろに連れられている実弥の姿を捉え、うっすらと笑った。

 その男の名前を仏塚文寿郎。匡近と実弥のかつての弟弟子である。

 

「匡近殿に実弥殿じゃあないか。相変わらず仲が良さそうで俺は嫉妬してしまいそうだ」

「誰が匡近と仲が良さそうだァ? テメェも今から牛鍋食いに行くんだぞ」

「まぁまぁ二人とも、話は牛鍋屋に入ってからにしよう」

 

 三人並んで牛鍋屋へと入り、座敷へと案内された。メインの牛鍋が出てくるまでの間、三人は昔話に花を咲かせていた。

 

「いやー、三人揃って飯を食うなんて久しぶりだな」

「俺が秋爽殿の元にいた時以来じゃないだろうか。いやいや、二人に会う時間がなかなか見つけられなくて……」

「……そういやテメェ、アレはどうにか出来たのか?」

「アレ? ああ、アレのことか!」

 

 冗談めかして言う文寿郎の言葉を遮り、実弥が口を出した。

 アレ、というのは文寿郎が実弥と共に預けられた秋爽という風の呼吸の育手に言った違和感だった。

 明確に言わないのは周囲に一般人がいるからだ。鬼関連の話は公では明かされない機密事項である為、ややぼやかして話しながら情報を交換するというのが普通だ。

 

 

 

 文寿郎が秋爽の元で修行をしている時、「俺にもよく分からないが、風の呼吸が最適な呼吸ではない気がする」と言い出した。

 必ずしも自分に預けられた隊士の卵が風の呼吸に適性がある訳では無い。そう言ったことを知っている秋爽は、文寿郎の言う違和感について詳細に教えるように言った。

 太い眉を更に下げながら、文寿郎はたどたどしくその違和感を言語化しようとした。

 

「なんというか、もう少し俺の体質を活かせるような呼吸じゃないと違和感があります。具体的に言うなら水の呼吸辺りの柔軟性が欲しいです」

「ふむ……」

 

 秋爽は暫く考え込んだ。

 

(自分の体質とな……)

 

 秋爽の前で正座をする子供には、確かに妙な体質がある。文寿郎を中心として冷気が出ていることがあり、夏場は兄弟子の実弥や弟弟子の様子を見に来た匡近に重宝されているのも知っている。

 秋爽は文寿郎の言った通りに水の呼吸の育手を紹介することに決めた。

 もしかしたら呼吸を派生させるのかもやしれんという期待を持ちながら。

 

 

 

 それから半年後の最終選別でのこと、文寿郎は呼吸を派生させた。

 そのことを思い出しつつ、文寿郎は口を開く。

 

「アレはー……、自分なりのやり方を見つけて開発できたぜ」

「それは良かった! 一緒に任務をするのが楽しみだ」

「へェ、今度手合わせでもしてみるか?」

「実弥殿は強いから勘弁してほしいなぁ」

 

 意地悪く笑いながら実弥が文寿郎の腹を突く。それにはいつの間にか自分の身長を越された恨みも入っているのかもしれない。

 

「それにしても、大きくなったな文寿郎。実弥()()じゃないか?」

「そうだろう、そうだろう。実弥殿()()も大きくなっただろう」

「今度の手合わせの時は覚悟しておけェ」

 

 にべも無く実弥は二人に手合わせをさせることを誓った。

 

「匡近殿ー、実弥殿が俺を虐めるよー」

「ははは。今度俺とも手合わせしてくれ」

「えー」

 

 文寿郎は匡近と実弥が荒々しい手合わせをしていることを知っている。匡近はのほほんとした顔つきで朗らかな笑顔の似合う男だが、その体から繰り出される風の呼吸の型は実弥よりも荒々しく激しい威力がある。

 この男と手合わせをすれば確実に腕が痛くなる。なるべくそんな日が来ないことを文寿郎は祈った。

 

 文寿郎は鍛錬に話がいかないようにしつつ、情報を交換した。匡近の隊士階級が甲になったこと、実弥もつい最近甲になったこと。文寿郎は戊になったこと。匡近が実弥の元にカブト虫をもっていったこと。そこで冷やした西瓜が美味かったことなど。

 他愛のない話ばかりが多かったが、それが一人を除く二人にとっては安らぎにはなったのだろう。

 鬼は簡単に同期や仲の良い友人を刈り取っていく。変わらずに元気な様子を見せる友人がいると幾分か気が落ち着くものである。

 

 交流を深めていく内に、三人の前にようやく牛鍋が出された。

 ぶつ切りにされた大きな牛肉が底の浅い鍋一面に敷き詰められ、その上からとろりとした味噌と大きく切られたネギがごろんと乗っかっていた。

 

「これが……牛鍋?」

「俺は初めて食うのだが、随分と豪快な料理のようだ」

「まぁ、待て。牛鍋の美味さはこれからだ」

 

 じわじわと匡近が先導してぶつ切りの牛肉の裏表を焼いていく。乗せられた味噌を溶き、ネギも焼いて火を入れていく。

 

「ほれ、食ってみ」

 

 匡近が程よく焼けて味噌も付いた牛肉を箸で示した。渋々と実弥がそれを箸で取り、口に運んでいく。

 実弥は言葉に出さずとも、その表情の柔らかさから喜んでいることは読み取れた。

 恐る恐ると文寿郎も匡近によって焼かれた牛肉を取り、その美味さに顔を綻ばせた。

 

「意外と美味いものなのだなぁ! 牛鍋とは!」

「ははは! だろう? だからちゃんと飯は食っておけよ。鎹鴉から晩飯も抜いていると聞いた」

「それは任務を一刻も早く消化したいのであって、決して抜いている訳ではないんだ」

「はっ、自己管理も出来なきゃそこいらの腑抜けと一緒だ」

「中々に辛辣なことを言うなぁ」

 

 三人は存分に牛鍋を楽しんだ。

 

 

§

 

 

 その男に会うのは何回かのことだ。その中で、話を交えたのは三回目の共同任務の時だ。

 色の無い目に雪を頭から被ったような頭髪で、馬の鬣のように髪を長く伸ばしている。

 霜の呼吸という独自に派生させた呼吸術を使い、鬼を狩る隊士だ。

 近くの町に寄ったらその男がいた。ついでだからと蕎麦屋の屋台に誘い、賽河は悩みを聞いてもらうことにした。

 

「賽河殿はある日突然鬼に襲われ、鬼殺隊に救助され、給料が安定して支払われることを知った為に入隊を決めたのだっけ」

「ああ。この入隊動機を他の奴等に話せばふざけるなと言われてな。まったく困っちまうぜ」

「俺は別にいいと思うけどなぁ。入隊動機なんて誰もが家族を殺されたって訳じゃなくてもいいのだし」

「お前は分かってくれるか。……そういやお前の入隊動機は何だ?」

「俺? 俺は……」

 

 蕎麦をすすりながら文寿郎は考え込む様子を見せた。

 

「んー、そうだな。賽河殿には本当のことを言っておこうか」

 

 にんまりと犬歯を見せながら文寿郎は笑った。

 賽河はこの男がどんな動機を持っているのかが気になり、胸を躍らせる。

 

「俺は周囲には鬼に家族が殺されて入ったとは言っているが、必ずしもその復讐の為に入った訳ではないんだ」

「ほう?」

「俺はとある鬼を地獄に引きずり落とす為に賽の河原からやってきたのだ」

「は?」

 

 何を言っているんだコイツは。その顔が出ていたのか、文寿郎は下がり眉を更に下げて賽河を見つめる。

 

「そんな気狂いを見たような顔をしないでおくれ。もしや君も地獄や極楽を信じない性質か?」

「信じるか信じないかで言ったら、信じない方だな」

「そうかそうか。それは残念」

 

 いじけた様に蕎麦をすすり始めた文寿郎を横目に、賽河はとんだ奴に相談しちまったもんだと内心で呟く。

 だが少しはこの男の言葉に救われたような心地もある。他の鬼殺隊士とは違い、復讐心に駆られていないというのが大きな理由だろうか。

 ……いや、そんな胸がすくような気持ちよりも、僅かに感じるズレの方が気になる。

 誘った手前だが、さっさと蕎麦を食い終わって違う町にでも行こうかと考えていた時、文寿郎から声が掛けられた。

 

「賽河殿。漁村近くに生活している、昼間に活動しない陶芸家のことを知っているかな」

「昼間に活動しない? そういう陶芸家もいるんじゃねぇのか」

「そうだろうとは思うのだが、なんだかきな臭くてなぁ。今調べている最中なんだ」

「……鬼か?」

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

「何だそれ」

 

 賽河はこの人物がズレていることを再認識した。

 そう思われているとは知らず、文寿郎はただ笑った。

 




秋爽
粂野兄貴が預けられた育手であり、不死川兄貴に紹介した育手。
六十代くらいのイメージがある。名前は捏造。

賽河
サイコロステーキ先輩の名前。捏造です。ファンブックでも明かされんかったし……ちょっとくらい、捏造してもバレへんか。階級は丁。きっとこれからもっと昇給するんやろなぁ……。



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鬼採取 ~ 水柱手合わせまで part6

戦闘描写と呼吸のクソダサネーミングで死亡したので初投稿です


 皆さんこんばんは。初めましての方は初めまして。

 水柱のイベントに巻き込まれるRTA、始まります。

 前回は階級を丁まで上げ、色んなキャラたちと交流をしました。

 

 それはそうと、町中で玉壺の情報を手にすることが出来ました。

 漁村近くで、昼間には絶対活動も客の対応もしない、壺だけを作る腕の良い陶芸家。作風は魚関係ばかり。

 なんだよ……役満、じゃねぇか……。

 これで魚が作風の壺を片っ端から壊すことが出来ます。やったぜ。

 

 このように、町中での噂話を聞いているとたまに上弦の鬼っぽい情報が手に入ります。

 玉壺や童磨などは他の鬼に比べて人間社会にそれとなく混じっているので、居場所は突き止めやすいです。

 ですが居場所を突き止めたからといって当然突撃はしません。まだまだ上弦の鬼と対戦できる程の力量ではない(戒め)

 

 今日もカナエ姉貴の鎹鴉を待ちながら任務を熟していると、何やら手紙が届けられました。

 

 サイコロステーキ先輩からです。何か意外と好感度が高くなっていますねぇ。

 内容は特にイベントが起きるものではありません。

 『俺の方が先に昇格してやるからな(意訳)』とだけありましたので、小さい鬼でも油断せず注意するようにとでも返事をしておきましょう(NTGM山)

 

 カナエ姉貴の鎹鴉が来るまで倍速倍速ゥ!

 

 な ん で 等 速 に 戻 す 必 要 が あ る ん で す か ?

 

 と思ったら、冨岡兄貴からのアツゥイ手紙でした。

 

『仏塚文寿郎殿へ

 前略

 いよいよ夏本番を迎え、より一層ご隆盛のこととお喜び申し上げます。

 突然の話ではございますが、仏塚文寿郎殿の好物を教えて貰いたく存じます。

 また、前回の共同任務の折、貴殿の扱う霜の呼吸を拝見いたしました。お時間を頂ければ是非とも手合わせを願いたく思います。

 お手数ながら、ご回答いただければ幸いです。

                      草々

 冨岡義勇』

 

 念願の好物要求が来たと思いきや、試合まで要求してきやがりましたね。流石手紙なら饒舌になる男です。

 ……いや、もしかしてクォレは、起きたらやっとくイベント集の一つである冨岡兄貴の凪習得イベントが発生してますねぇ!

 冨岡兄貴と好感度が高い+派生呼吸を習得している+冨岡兄貴が凪習得前の状態で稀に起きるのが、冨岡兄貴の凪習得イベントです。

 内容としては冨岡兄貴と打ち込み♂稽古をして冨岡兄貴が凪を習得するだけですが、上手くいけば凪が習得できる可能性が微レ存です。貰える成長点も多いのでヤりましょう。

 それから好物は「あんぱん」一択です。これは攻撃力と速度を上げてくれる+いつでも食べられる万能バフ食です。

 いいよ! 来いよ!と返事を出します。あぁ~^(希少イベントの発生が)たまらねぇぜ

 

 後は冨岡兄貴の手紙待ちです。ホモくんは大人しく任務に行って……成長点を稼げ。

 

「特殊任務ゥ~! 特殊任務ゥ~! 最終選別用ノ鬼ヲ捕獲セヨ~!」

 

 階級が丁以上になると特殊任務という名の捕獲任務が発生します。原作では鱗滝さんがやっていたことですね。

 未来ある後輩の為にとびっきりにイキのいい血鬼術を使わない鬼を探し、藤襲山まで連行します。

 捕獲と言いますが、鬼の手足を達磨にして持って行くだけです。再生したらまた伐採するだけです。

 間違っても、頸を斬って倒してはなりませんよ(16敗)

 

 ほらいくどー!

 TARGET…CAPTURED…BODY SENSOR…

 血鬼術を使わない鬼、ヨシ! 捕獲対象です。簡単にサクッと捕まえて藤襲山まで送り届けましょう。

 オッスオッス、もうちょっとで解放してやるからな~。ほれ、ここに置いておくから……。

 幸いにも藤襲山に近い場所で鬼を採取出来たのでさっさと特殊任務を終わらすことが出来ました。

 こんな風に最終選別用の鬼は補充されるんすねぇ~という所で手紙がやってきました。

 ちょっと返事早すぎんよ~(冨岡兄貴から)

 内容は試合の日時と冨岡邸に来てくれという言葉のみですね。その日まで倍速倍速。

 

 とうとうやって参りました。あーこ↑こ↓かぁ。ええやん……(広さ)

 お邪魔するわよ~? 

 

「来たな。早速だが手合わせをしてもらう」

 

 おっそうだな。話が早くて助かりますよもう。

 オフッ! 流石柱、動きが早いっすね。ジャストガードを逃しました。

 ホモくんと冨岡兄貴をバチバチさせている間に、現在使っている霜の呼吸の型の説明でもしましょう。

 

 霜の呼吸は七つの型がありますが、最後の漆の型は鬼側に対策されない為に最終決戦のみに使います。

 まずはこれ、『参ノ型 露霜払い』です。この型は十字に斬って後ろに離れる技です。厄介な血鬼術から逃れたい時や上弦の弐戦の凍て曇を発動される前に使います。よく私が使う型ですね。

 次に『伍ノ型 堅氷至り』。敵に接近しつつ、斜め下から切り上げる型です。少し離れた位置でも使用できるのがお得です。

 そして、『弐ノ型 大霜の雨』。六回突きを繰り返す技で、冷気ゲージを程よく溜められる技です。

 

 冷気ゲージが満タンになった冨岡兄貴の体力が削られていきますが、スリップダメージでも決して削り切ることはできません。

 だってこれ、冨岡兄貴の覚醒イベントやし……。体力バー0になっても何かピンピンしてるし(恐怖)

 そうこう言っている間に冨岡兄貴が凪の構えをしています。こうなるとどんな攻撃をしても受け流され、瞬時に攻撃を複数叩き込まれます。

 しかし、ここで手を抜いてやられるのも癪です。精一杯の伍ノ型をお見舞いしましょう!

 

「水の呼吸 拾壱ノ型 凪」

 

 あぁ~!凪の音ォ~!!

 

 攻撃が受け流され、かつ自分には相手の攻撃が当たります。せめてガードだけしましょ……オォン!(大ダメージ)

 これにてイベントが終了しました。凪の一番の対処法は攻撃せずに逃げることです。ま、通常であれば冨岡兄貴の凪を向けられることは手合わせか、鬼化ルートでしかありませんがね。

 

「感謝する」

 

 どれどれ、会得できた技能は……。

 

 (そんなもの)ないです。はい。

 

 冨岡兄貴とお茶しながら今回は終わります。次回もまたお会いしましょう。

 ほな……また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 水の呼吸。それは水が多種多様な形になるように、どのような敵にも対応できる受けの呼吸。

 この呼吸を極めるには、水面のように静かな心が重要とされる。

 今、当代の水柱――冨岡義勇はその極地に至ろうとしていた。

 

「漆ノ型 雫波紋突き」

 

 義勇の手合わせを受けたのは仏塚文寿郎。彼が水柱になる前に積極的に義勇へ話しかけていた青年であった。

 誰かと手合わせをしたいのなら他の柱とやればいいのかと思った文寿郎だったが、目の前で突きの型を繰り出す男には友人と呼べる人物が少ない……、いやいないのかな?と考えついた。

 悠長に考えている文寿郎の胸に、波打つ水面を突く突きが迫る。義勇の向けた木刀の先が隊服へと触れる前に、その軌道は横へ逸れた。

 次いで、義勇の顎を目掛けて木刀が迫り来る。

 

「霜の呼吸 参ノ型 露霜払い」

 

 ハァァァと呼吸音を鳴らし、文寿郎は義勇から離れる。

 身を裂く程の冷気を帯びた斬撃を間一髪で交わし、義勇は離された距離を詰める。

 

「壱ノ型 水面斬り」

「伍ノ型 堅氷至り」

 

 間合いに入ったことを確認し、水の飛沫を飛ばしながら横に一閃。

 その間合いよりも義勇へ接近した文寿郎が、鮮やかな一閃を斜め下から現れた木刀によって弾いた。

 無防備になった義勇に何発か木刀を振るい、またもや距離を取る。

 

(速い)

 

 気を抜けばすぐに目で追えなくなる振りが義勇の身を傷付け、そして文寿郎から発せられる鋭い冷気によって体温が奪われていく。

 今は夏場の昼間だというのに、義勇の手は寒さによってかじかんでいる。

 

「今度は俺から行くねー」

 

 能天気な声が通った。その次の瞬間には、義勇の視界一面に笑みを浮かべた文寿郎がいた。

 

「弐ノ型 大霜の雨」

 

 文寿郎の構えから突き技の構えであると判断し、義勇は咄嗟に防御態勢を取る。

 二発は逸らせたが、四発はその中背の体躯に打ち込まれた。そうして、体を巡る血潮が凍り付くような感覚を感じ取った。

 ――冷える。本当に今は夏の昼間なのかと疑いたくもなる。

 それでも両者の上には太陽が昇っている。燦々と地を照らし、人々により汗を流させる夏の気配が満ちている。

 文寿郎は義勇から距離を取り、にんまりとしながら見つめている。空気は緩いながらも、本質はその身から放たれる冷気の如く冷ややかだ。

 

(……正解、だったな)

 

 この男に手合わせを頼んだことを。誰も作ったことのない呼吸術の使い手に。

 鬼の血鬼術のように、自身の予想を超える攻撃が多い。傍から見るのと実際に体験してみるのでは大きな差がある。

 真夏で凍える義勇の心がそっと澄み渡っていく。体は震えても、心だけを落ち着かせていく。かつて師に教わったことを胸で何度も繰り返す。

 

(心を保て。水鏡のように、静かに、穏やかに)

 

 何度か呼吸を整えると次第に震えが取れていく。

 状況は冷静に把握する。その次に取れる最善の行動を起こす。

 いつしか、義勇は呼吸音すらも聞こえなくなる程に集中していた。

 

「……もう一回こっちから行くよー」

 

 義勇の纏う空気が変わったことを感じ取った文寿郎はハァと白い息を吐く。独特の呼吸音と共に風が義勇を襲う。

 文寿郎が接近した際に起きた風圧だった。

 

「伍ノ型 堅氷至り」

 

 義勇は顔色を変えずにその一挙手一投足をただ静かに見据えた。

 今の彼にとって、その攻撃は非常にゆっくりとした動きに見えていた。

 

 木刀をそっと弾く。僅かに文寿郎が目を見開いた。

 次にその隙を突き、何度も木刀を振るう。文寿郎は何度か受け流したが、それよりも多く打ち込んでいく。

 その振りは一切の揺れを許さぬ水面のごとく静かに、だが次には荒々しい水音と共に文寿郎へと吸い込まれていった。

 

「水の呼吸 拾壱ノ型 凪」

 

 自然とこの型の名が口をついて出た。

 義勇が息を吐くと、ゆっくりと見えていた視界が通常の速さへと戻った。

 彼の後ろでは文寿郎がわざとらしく「いたたた」と声を上げていた。

 

「流石義勇殿! まさか、新たに呼吸の型を作るとは!」

「感謝する」

「いいや、いいや。俺はただ技を打ち込んだだけだぜ。義勇殿に感謝されるほど働いた訳でもないしなぁ」

 

 はははと笑い飛ばしながらも、少し悔しさが滲み出ている。

 そんな文寿郎に義勇はそっとあんぱんを差し出した。

 

「……?」

「これからもよろしく頼む」

「…………?」

「良かったら茶も出そう」

「………………なるほど!」

 

 文寿郎は某炭焼きの長男ほど人の心に理解が無かった。だが、目の前であんぱんを差し出し微笑んでいる人物が茶に誘っていることだけは分かったので、それに乗ることにした。

 




手紙の形式おかしいかもしれないですが許して欲しい……。
霜の呼吸の呼吸音はハァァァです。多分白い息も出てます。まんまですわ(白い目)


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イベントダイジェスト ~ 上弦の弐遭遇 part7

やっぱ氷属性はロマンの塊、はっきり分かんだね
ということで初投稿です


 皆さんおはようございます。初めましての方は初めまして。

 倍速ばかりのRTA、始まります。

 前回は最終選別用の鬼を捕獲し、冨岡兄貴が凪を習得しました。

 

 カナエ姉貴の鎹鴉は未だ来ず、そんなこんなで階級が乙に昇格しました。

 

 キリもいいので現在のステータスをお見せしましょう。

 

 仏塚 文寿郎 性別:男 特徴:『冷気』 階級:乙

 

 ステータス

 体力(63/100) 根気(66/100) 筋力(91/100) 防御(31/100) 速度(100/100)

 

 技能

 風の呼吸(50/100) 喧嘩殺法(1/100) 水の呼吸(50/100) 霜の呼吸(84/100)

 全集中・常中(100/100)

 

 前回の冨岡兄貴との手合わせによって結構な数の成長点が入りました。折角なので霜の呼吸だけじゃなく根気にもつっこんで長くランウェイ出来るようにしました。

 止まるんじゃない、犬の様に駆け巡るんだ!(任務消化)

 

 これからも鎹鴉が来るまで任務をする訳ですが、ずっと倍速なのもいかがなものだろう。

 ふと、私はそう思いました。

 

 

 そんな皆様の為に~。

 

 

 倍速スキップしていたイベントを通常再生したものを流します。いつまで経っても風柱就任の知らせも、カナエ姉貴の鎹鴉も来ないんで(キレ)

 

 まずはこちら、同期集合イベントです。

 ホモくんの同期は不死川兄貴ともう一人、浦賀兄貴です。彼は鬼滅の刃小説版『風の道しるべ』に出てくる不死川兄貴の同期です。そして交流もあるというレアな人物ですが、詳細を省けば死にます(デデドン)

 不死川兄貴は同期と粂野兄貴を失い、風柱に至るのです。これも、童磨ってやつのせいなんだ……(無関係)

 

 脱線しましたが、この同期イベントの内容は同期と仲が深まるというものです。最終選別で五人生きられるのがレアケースの鬼殺隊士、数少ない同期には思い入れが強いようです。

 浦賀兄貴の家庭事情を聞いたり、不死川兄貴の家庭事情を聞いたりしただけの時間ですが二人との好感度がめちゃんこに上がりました。

 言いませんでしたが、ちょくちょく粂野兄貴や不死川兄貴、浦賀兄貴からも手紙が来てました。殆どイベントの発生しない近況報告のみでしたからね。

 

 次に、カナエ姉貴との遭遇イベントです。

 花柱になったカナエ姉貴が警邏しているルート周辺にいるとたまに声を掛けられます。花柱と世間話をするだけのイベントです。その後ろからついてきているしのぶ姉貴から睨まれますがヘーキヘーキ。

 胡蝶姉妹攻略ルートはありますが、ホモくんは童磨一筋なんでNG。見たい方は他の動画を見て、どうぞ。

 

 その次に育手の爺さんからの手紙イベントです。

 お世話になった水の呼吸の育手の爺さんから手紙が届きました。たまには顔を見せろということなので貴重な時間を消費し、爺さんの元に行きました。

 するとそこには将来隊士になるかもしれない男児たちがいたので直々に調教♂しました。三人共覚えがよく、このまますくすくと成長していけば、運良くホモくんの捕獲してきた鬼の餌になったりならなかったりすることでしょう。

 このゲーム、後輩や同期に手合わせではなく指導をすると、その後輩が指導したキャラステータス並に強くなることがあります。だから、元柱の人から受ける稽古は特別だったり、柱稽古編がとても重要になる訳なんですね。

 

 スキップしたイベントの解説を終わらせたら、なんと不死川兄貴が風柱に就任したと知らせがやってきました。

 

「ンギャッ!? ……緊急事態! 緊急事態! 花柱ガ上弦ノ弐ト交戦中! 応援サレタシ! 応援サレタシ!」

 

 ついでにカナエ姉貴も襲撃されました! いよっしゃぁぁぁ! ヘイ鎹鴉、ナビをヨロシコ!

 

「コッチ! コッチ!」

 

 間に合え間に合え……(焦り)

 ヌッ、あそこで戦闘中の女性はカナエ姉貴。対するあの特徴的な頭髪は宿敵。

 カナエ姉貴に助太刀いたす、拙者ホモと申す者でございやす。

 

「……あれぇ? なんで同じ顔してるの?」

 

 

 

 

 ホ? 冗談はよしてくれ。そんな敵と同じ顔の筈が…………。そっくりアバターを持っていた場合のイベントが起きる訳……。

 

 

 そんな訳ある筈……。ほら、カメラを動かしてみても…………。

 

 

 

 

 ホワアアアアアアアア!!!

 

 

 

 

 おいちょっと待てこんなガバええん!?

 

「あ、そっくりさんってやつかな? 初めて見たよー!」

 

 ……はっ! カナエ姉貴! カナエ姉貴の救助をせねば!

 とっくに童磨産冷気を吸い込んでしまったようですが、まだ軽症のようです。決して呼吸術を使わないように指示します。使うと出血が酷くなってカナエ姉貴死亡、再走…………あああああ。

 カナエ姉貴を遠くへ運び、置いておきます。鎹鴉に隠を呼ぶように言い付け、ささっと童磨の元に戻ります。

 通常ならカナエ姉貴を追ってくるのですが、そっくりさん効果なのか追ってきませんでしたね。

 

 これは決してガバではない(暗示) 計画通りです、チャート通り。わざと宿敵と顔アバターをそっくりにすることでこの効果を狙いました(キレ)

 

「彼女の代わりに君が相手するの? 簡単に死にそうだけど大丈夫?」

 

 大丈夫だって安心しろよ。何度もやってきたんだからさ(346敗)

 撃退とは言いましたが、朝が来るまで持ち応えるだけです。ではファイッ!

 

 この戦いは風の呼吸と水の呼吸のみを使います。決戦まで主流である霜の呼吸は温存しておきます。

 いえ、無限城編で鬼殺隊の戦法を情報共有されるのは確実なのですが、本人になるべく経験や実感を与えさせないというのがミソです。

 

 それから童磨戦をするなら無呼吸時の根気消費計算と冷気がどこに出ているかを確実に見極めることです。

 冷気の所で呼吸をすれば肺に童磨の血鬼術である冷気が入り、自身にも冷気ゲージが溜まり始めます。これが満タンになると治療を受けるまで呼吸術を扱えなくなるか、最悪死にます。

 冷気が出ている場所では無呼吸、冷気の無い場所で呼吸術を使ってダメージを与えていきます。

 万が一、呼吸術を使った状態で冷気に突っ込みそうになったら、すぐに呼吸をキャンセルして無理にでも逃げます。

 肺にダメージ受けた際の治療期間と復帰期間を含めると……、いや~(タイムが)キツイっす。

 基本ノーダメ姿勢です、これ大事。

 

 ホラホラホラホラ。なめてんじゃねーぞ……いや、やっぱ舐めプしててください! センセンシャル!

 この軽やかな戦い、俺じゃなきゃ見逃しちゃヒィン!

 

 扇で刀が壊れた!? ウッソだろお前ww

 

 ……………………。

 

 あぁ壊れましたねぇ、壊れましたね……。いえ、リーチが短くなっても呼吸術を使えることは炭治郎が証明しています。ホモくんもそれをするだけです。

 

 フゥン! ホォン! ホォン!

 

 はぇ~やっと朝日が見えてきました。

 

「じゃあね~」

 

 おう、最終決戦でまた会おう。バイチャ。

 無事にカナエ姉貴を救助し、宿敵も退けた所で今回は終わります。次回もまたお会いしましょう。

 ほな……また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

「やぁやぁ初めまして。良い夜だねぇ」

 

 胡蝶カナエは背後に立つ鬼の気配をすぐに察知し、刀を抜いた。

 黄金の扇を持った、頭から血を被ったような、白橡色の髪に虹のような光彩を持った瞳。

 鬼の目には『弐』『上弦』と刻まれている。それがにんまりと弧を描き、カナエを見つめていた。

 その見た目と声に既視感を覚えつつ、カナエは僅かに睨みつけた。

 

「何の用かしら」

 

 十二鬼月の二番目。下弦はともかく、上弦の鬼は鬼殺隊の目の前に姿を現すことがなかった。少なくとも、カナエが柱に就任してからは上弦の鬼の目撃情報を聞いたことはない。

 そんな大物が自分の目の前にいる。そして、今まで出会ってきた鬼よりも色濃い血の匂いがしていた。

 上弦の鬼とも仲良くできるかしら。頭の隅では自分の考えがひょっこりと覗いていた。

 

「女性で鬼狩りの柱になった人物がいるって聞いて飛んできたんだ。君がそう?」

「えぇ、そうね」

「そうかそうか。それは良かった」

 

 朗らかに、まるで親しい人に挨拶をするかのように、その鬼は扇を振るった。

 カナエはそれに反応し、後ろに距離を取ることによって避ける。

 

(思っていたよりも早い。あと少し、遅れていれば)

 

 自分の首が飛んでいたかもしれない。

 

 変わらず軽薄な様子を見せる鬼にカナエは警戒を強めた。この頃には自信の信条である、「鬼とも仲良くできる」という考えは引っ込んでいた。

 蝶の翅を模した羽織が翻る姿をにやにやと見ている。

 カナエはひんやりとした空気を感じつつ、呼吸術を使おうと肺を動かし――瞬間に吐血した。

 突然胸に迸る鋭い痛みに膝をつき、鬼の接近を許してしまう。

 

「吸い込んじゃったねぇ、辛いよねぇ。大丈夫、俺が今から救ってあげるからね」

 

 白々しくも涙を流した鬼の腕がカナエに伸ばされる。

 カナエは桜色の日輪刀の鞘を握りしめ、肺に痛みが走ることも構わず呼吸術を使おうとした。

 ここで立ち向かわなければ柱として申し訳が立たない。少しでもここに留めなければならない。

 

 その鬼の腕がカナエに触れることはなかった。

 甲高い音が鳴った。伸ばされた腕は向けられた刀を扇で受け止めていた。

 どんな邪魔者が入ってきたんだと鬼が刀の持ち主を見る。

 

 そこには、鬼と瓜二つの顔をした文寿郎がいた。違うのは髪の向きと色合いくらいだ。

 

「……あれぇ? なんで同じ顔してるの?」

「何でだろうねぇ。不思議だとは思わないけど」

「あ、もしかしてそっくりさんってやつかな? 初めて見たよー!」

「ははは。そっくりさんとか」

 

 文寿郎は素早く扇を逸らし、カナエを冷気の届かない場所へと引っ張った。

 

「呼吸は使わない方がいいよ。肺をもっと痛めてしまうから」

「仏塚くん、よね? どうして……?」

 

 カナエと文寿郎は少しだけ話をしたことがある。少しだけとはいえ、派手な髪をした隊士を忘れてはいなかった。

 文寿郎はどうしてに含まれる意味を分かりはしたが、言うつもりは無かった。曖昧に笑うことで返す。

 

「今、鎹鴉に隠を呼んでもらっているよ。花柱殿は早く治療を受けるといい。呼吸も扱えないような隊士は柱であっても邪魔だからね」

「酷い言い方をするのね。……あの鬼の周りの冷気を吸ってはダメよ」

「分かっているとも」

 

 納得は出来る言い分だか、流石に傷付くカナエであった。

 カナエは肺にダメージを受けた際に、その原因を特定していた。鬼の巻き散らす冷気によって肺が壊れたことを伝えた時に、カナエはあることに気が付く。

 ――目の前の隊士も、同じように冷気を扱う独特の呼吸を使っていなかったか?

 文寿郎は派生呼吸を扱うことで鬼殺隊の中でも少し話題に上がっていた。傍にいると冷たいけど夏場に助かりそう、実際お願いして冷房になってもらったこともある。……そう蝶屋敷で噂されていたのを覚えていた。

 

「では、俺はあちらに行くとしよう。近くにいる妹君も蝶屋敷に連れていくといいだろう」

「貴方一人で立ち向かえるとは思えないわ。……しのぶもだけれど」

「余計な人死にが増えるよりも、一人の死体で上弦の鬼を止められるのなら良い方ではないだろうか? 花柱殿」

 

 死体とは言うが、文寿郎の目には自分が上弦の鬼と対峙しても生き残るという自信に溢れていた。

 その姿には不安しかないが、カナエは隣に立つ隊士に告げる。

 

「……柱として命じます。必ず生きて帰ってきなさい」

「なるべく尽力はしてみよう」

 

 けらけらと笑い、冷気の広がる街道に向かう背を見る。

 肺が使えないとは、柱が常にしている全集中の呼吸・常中も出来ないということ。

 このままでいれば、柱として活動を続けるのも難しいかもしれない。もしかしたら少しでも話し、関わりのあった隊士が死んでしまうかもしれない。あの鬼と彼との異常なほど似通った共通点は何なのだろう。

 漠然とした不安と疑念が胸に渦巻きながら、カナエは隠を待った。

 

 

 

「彼女の代わりに君が相手するの? 簡単に死にそうだけど大丈夫?」

 

 足元に広がる冷気の中心では扇を閉じたり開いたりしながら鬼が時間を潰していた。

 深く吸わないようにしながら、文寿郎は笑い返し、刀を鬼へと向ける。

 

「今度はそんな簡単に死なないぜ、俺は」

「へぇ? 試してみようか」

 

 鋭い扇が振舞われる。同時に冷気が舞い上がり、文寿郎は咄嗟に息を止める。

 目も閉じた方がいいとは思うが、見えなければ次に来る攻撃を避けることは難しい。

 動いた扇によって冷気の無い場所が現れる。そこにすかさず入り、呼吸による攻撃を行う。

 霜の呼吸を使うことは範疇に無い。情報とは有益、相手に知識としては覚えさせても体験まではさせない。狙う獲物に不必要なことまで覚えさせない。

 いつも主流としている呼吸を使わなくとも、文寿郎は二つの呼吸術がある。水と風。どちらも最後の型まで覚えているものだ。

 ――この場合、冷気を荒々しく吹き飛ばせる風の呼吸の方が良いだろうか。

 そう考え、呼吸の仕方を即座に変える。シイアアアと音が響き、刀を上に構える。

 

「風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風」

 

 文寿郎の前に爪を思わせる暴風が四つ現れる。風によって冷気が散らばり、難無く鬼はその爪を躱す。

 次の型を出して追撃はせず、一度冷気の少ない場所へと戻る。そこで息を整え、体中に酸素を巡らす。

 

「随分荒々しいねー。触れたら切れちゃいそう。当たらないけど」

「壱ノ型 塵旋風・削ぎ」

 

 挑発するように鬼はけらけらと笑うが、文寿郎には関係のないこと。当たらずとも、今はこの鬼を乗り切ればいい。

 まだこの鬼を狩るには足りない。肺活量、力、そして呼吸の技量も。

 文寿郎は風で冷気を巻き散らし、鬼へと突進していく。鬼はひとひら扇を振り、文寿郎の前にふわり冷気を発生させる。

 鼻先に冷たさを感じ、咄嗟に呼吸を止め、一歩後ろへと退く。

 鬼の扇が金の線を見せながら逃げる文寿郎の目を狙う。彼はもう一歩後ろへと飛んで回避する。

 

「わぁー…、すごいね? 俺の動きでも見えるの?」

「そっちこそ、年がら年中座って信者の話を聞いている割には強いね」

「え? 俺のこと知ってるの? 困ったなー……。あ、もしかして入信希望者かな!」

「……流石に俺でも笑えないや」

「いいやいいや。俺で良かったら話を聞こう。人間の苦しみ、悲しみを受け止めるのが俺の役目だからね」

 

 声音は朗らかであっても、手元からは絶えず扇と刀のぶつかり合う音がしている。

 鬼は笑っている顔から一転して憐れむような顔へ。人は笑う顔から更に笑みを深めて。

 冷気の動きが無くなったおかげで、扇の動きを追いながら考え事や無駄話をする余裕は出来ていた。

 

「残念だけど俺、この生で苦しみや悲しみを感じたことはないんだー」

「えぇ? 嘘はよくない。早く言っちゃいなよー」

「どうしようかなー」

 

 左からやってきた扇を受け止めた。

 がしかし、刀の刀身がズレたように見えて……否、刀が折れたのだ。

 

「わー! なんてことしてくれるの!?」

「脆くない? あ、使い方が悪かったのかな?」

「これはもう君の扇のせいでしょ」

 

 すかさず接近しながら水面斬りを鬼の頸に振るう。折れた刃に岩に当たったかのような衝撃がくる。

 もちろん、扇である。

 追撃とばかりに扇が振るわれるも、突然鬼は扇を懐に収めた。

 

「そろそろ朝日が見えちゃうね。じゃあねー」

「また会う機会があればー」

 

 折れた刃先を回収しつつ、本拠地へと去っていく鬼に手を振って見送った。

 追撃する気力も、執拗に追いかける気力も文寿郎には無い。唯一鬼を殺せる武器の日輪刀が折れているというのに、血気盛んに追い詰めるのは馬鹿のすることじゃないかなとすら思っている。

 

「……あーあ、鍛錬の数増やそうかなぁ。それから刀も二本作ってもらおっと」

 

 夜が明け、空の色が変わり始める頃。文寿郎がそう呟いた。

 

 




ミラーマッチに気付いた人、ビビったけど気付いてくれて嬉しかったゾ
ということでホモくんは童磨と同じ顔してるというところで失踪します


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刀鍛冶の里に刀製造依頼 ~ お館様の屋敷まで part8

久しぶりに筆が乗ったので初投稿です


 

 皆さんこんにちは。初めましての方は初めまして。

 再走はしないRTA、始まります。

 前回はイベントをダイジェストに流し、上弦の弐とやっと遭遇し、そこでホモくんが同じ童磨アバターだったことが発覚しました。

 

 はい、説明だけはさせてください。

 このゲーム、容姿の完成度は高くも、自由度は高くありません。鼻の位置を調整……などは出来ますが、基本作られたアバターパーツを組み合わせるものとなっております。

 この前のver.1.01bへのバージョンアップの際、アバターパーツも色々と増えました。中でも敵キャラクターと同じアバターが追加されたのが特徴的ですね。無惨兄貴のようなワカメヘアーのロング/ショートとか、黒死牟兄貴のようなポニーテール、魘夢くんのような髪型に、ホモくんが引き当てた童磨ヘアー……。

 髪型のみならず顔の形や目、背格好までもキャラクターと同じに出来ます。

 

 それによって起こるのがそっくりさんイベント。強制的にそのそっくり元のキャラと何らかの因縁と関係性が作られます。例えば伊黒兄貴とそっくりの場合、あの家系に生まれ落ちた男児の兄弟とかになります。

 黒死牟兄貴(縁壱兄貴)のそっくりさんの場合、マンツーマンでよく試合が起きるとかの報告を聞きます。その報告主によると、苗字は時透と違う物でプレイしていても、継国の分家の末裔のうんぬんかんぬんと黒死牟兄貴が言っていたらしいです(呆れ)

 

 総合すると、何か色々と起きるらしいです(白目)

 関係性の自由度が高すぎて私も把握しきれていないというかなんというか……。

 

 あっそうだ(唐突)

 この動画を編集時にスキップしたホモくんの過去映像を見返したのですが、家族殺されても顔色変わってなかったです。童磨のそっくりとはいえ、そこまで忠実にしなくても良くない……良くない……?

 とはいえ、まだまだホモくんとそっくり元との関係性もいまいちハッキリしていません。

 

 

 あぁ~^もう、溢れるガバの予感で震えが止まらねぇぜ(ガクブルガクブル)

 

 

 ホモくんはキャラメイク時のランダムでたまたま童磨パーツが揃った……という感じでしょうかね。

 おい、これって……再走案件じゃないか? そう思われる視聴者の兄貴姉貴の方々もいますでしょう。

 

 再走はしません(鋼鉄の意思)

 

 チャートにはキャラメイク時のアバターを確認することを書き加え、ホモくんこと仏塚文寿郎はこのまま宿敵の頸を狙いに行きます(宣誓)

 

 という所で本編開始です。まずは日輪刀が折れちゃったんで新しい物を二本作ってもらいましょう。二刀流なんてカッチョイイものではなく単なる予備です。

 初回の日輪刀だと二本目作って貰えませんので、このタイミングで折れたのは逆に良かったのかもしれません。

 次に、上弦の鬼と遭遇し生きて帰った場合に起きるお館様召集イベントです。これは刀鍛冶の里に滞在中に起きるでしょうからその時に解説します。

 

 はい、鎹鴉に伝えて刀鍛冶の里へゴー!

 

 着きました。まだまだ鉄井戸さんは御存命です。刀を作って欲しいと鎹烏に伝えた状態で刀鍛冶の里に行くと、自分の担当についている鍛冶師の元へ案内されます。

 

「お前さん、刀折れたんだってな」

 

 ウッス。でも上弦の弐と対面したから、ま、多少はね?

 

「そうか。……で、二本作って欲しいんだな」

 

 そうですそうです。また刀が折れた時用の予備として持ち歩きたいねんな。

 

「分かった。時間はかかるがな」

 

 二本作って貰えることになりました~^

 担当する鍛冶師によって二本作って貰えるかはランダムですが、鉄井戸さんは快く承認してくれました。

 どこぞの三十七歳児と違ってロスも無くていい感じです。

 そのまま屋敷ですやぁ……する訳ないだろ! いい加減にしろ!

 

 じゃけん、屋敷中の壺という壺を見に行きましょうね~。玉壺産の壺があったらホモくんの剛腕がうねり声を上げながら壺を破砕します。何度もやると腕が負傷します。

 それか勇者方式でポイ捨てパリーンです。非力な子はこっちでやりましょう。もちろん不要な負傷はしないのでホモくんもこの方式でやります。

 ホラホラホラホラ、もっと壺出してホラ。ぬ、違うな、それもこれも違う……。

 

 あー、良かった。刀鍛冶の里にある壺ポイントを全て見て回りましたが、まだ買ってはいないようですね。安心安心。

 

「オ館様ノ元ニ招集命令! 招集命令! 直チニ向カエ!」

 

 OK牧場。早く連れて行ってくれよな~(操作不可能苛々タイム)

 お館様の屋敷の位置は分かりますが、ここは通常通り隠によって連行されるルートで行きます。

 ま、まぁ……一般隊士がお館様の屋敷の位置を知ってたら不味いということで移築してしまうんですよね。

 クレイジー鳴女姉貴がいればそんなの関係ありませんが、お館様の手を煩わせないのは鬼殺隊としてのマナーです。いつも大量の給金と鬼関係の情報もみ消しお疲れ様ーっす(ヘコヘコ)

 

 はい、着きました。今回のお館様イベントは何を隠そう、上弦の弐についての情報交換です。

 上弦に会って生還するのが難しいというこの状況。どんな情報でも欲しいというのが彼らの内情です。

 ここで操作キャラクターが知っていれば、万世極楽教の活動場所や玉壺の位置を知らせ、柱総動員で上弦を潰すことができます。

 

 が、しません。

 

 (遊郭編で上弦キルが初めて成されてないとストーリー沿いチャートが)死んでしまいます。

 別にですね、現状で一番最強の悲鳴嶼兄貴がいるので上弦の鬼を狩ることは出来ます。ですが、無惨兄貴がキレて特攻かましてくるので鬼殺隊が滅亡します。まだ炭治郎が日の呼吸も覚えてない状態で無惨突撃とか死にゲーですわ。

 縁壱兄貴レベルのキャラがいないと全員死んじゃう……死んじゃう……!(良心)

 一応味方側というか鬼殺隊側が勝って欲しい欲はあるんで、遊郭編で上弦キルしてもらってお館様が喜びに飛び上がるのを待ちましょう。

 

 並んでいる柱の所にカナエ姉貴がいることを確認。よし!(生存確認)

 なんか怯えてる感じですね。それもそうっすねー、自分の肺を壊した奴と同じ顔の奴が隣にいますもんね。おぉ、怖い怖い。

 

「「お館様のおなりです」」

 

 やっと来たか~。もう待ちくたびれちゃったよ。ビール、ビール!(七本目)

 

「お早う皆。顔ぶれが変わることなく、今日を迎えられたことを嬉しく思うよ」

「はっ! お館様につきましてもご壮健そうで何よりでございます」

「ありがとう義勇。それで、今回柱合会議ではないのに集まってもらったのはほかでもない、カナエと文寿郎が上弦の弐と接触したからだよ」

 

 ここで僅かに目を見開く不死川兄貴いいっすね~。あ、挨拶権もぎ取った冨岡兄貴もじゃん。

 悲鳴嶼兄貴は……ずっと目開いてるようなもんなので分かりませんね。宇随兄貴? ヒュ~って口笛やってますね。

 しっかしまだ柱の数が少ないですねぇ……。ホモくんもいずれは柱にならなければならないんですが、なるとしても無限列車編で煉獄兄貴が退場してからですかね。じゃないと強者を求める猗……ホモ鬼が来ますからね、しょうがないね♂(27敗)

 しかもここでは意図せず彼の憎い奴とおんなじ顔してますからね、どう反応が来るか分かりません。

 

「カナエ、上弦の弐について話せるかな」

「はい、上弦の弐の血鬼術は冷気です。その冷気を吸うと肺が壊死し、呼吸が扱えなくなります。これは鬼殺隊の取る戦術において深刻な問題です」

「うん。カナエはそのせいで呼吸を使えなくなってしまった。そうだね」

「……はい」

 

 ヨシ! 呼吸が出来ない=鬼殺隊士として活動することは無理になりました。利き腕を隠れて吹っ飛ばす必要もなくてうれしみ。

 これでカナエさんは鬼殺の現場から退き、以降は蝶屋敷で勤務する形になります。ヨカッタヨカッタ……(安堵)

 

「そこで提案があるんだ。カナエには後進の育成に力を入れて欲しいんだ。君には今まで鬼殺で培ってきた技術と医療技術がある。このまま君が鬼殺から退いてしまうのは実に惜しい」

「……はい! 精一杯やらせていただきます……!」

 

 ちなみに、カナエ姉貴が生存するとこの通り、後進の育成もといモブ隊士たちの練度が上がり、蝶屋敷での治療期間が短くなります。流石カナエ姉貴、生かしておいても得しかありませんね。

 

「それで文寿郎、上弦の弐について分かったことはあるかな」

 

 ここは迷わず「はい」を押して順々に説明していきましょう。

 武器は一対の扇でぇ、滅茶苦茶速いし力強かったっすよ。冷気避けながら戦うのは難しいっすね。

 舐めプした状態であの強さなんでぇ、二人生き残れたことって……勲章ですよ?(自画自賛)

 

「ありがとう。それで、君から見て今の面々で上弦の弐に勝てるとは思うかい?」

 

 んまぁ……、無理じゃないっすかねということで「いいえ」を選択。ちょっとぉ……流石に搦め手が少なすぎるというか、上弦の壱戦などに行った方が良い面子が多いですからね。

 やっぱ呼吸をまともに扱えなくするデデバフ持ちとかほんとクソ。誰だよ単独討伐チャート組もうって言ったの(憤怒)

 まま、このチャートの無限城編では、上弦の弐はホモくんが倒すんで……。他の皆さんで上弦の壱や無惨様をキルして、どうぞ。

 

「あの鬼は俺が滅しますので、他の者の手はいりません」

「……そうかい」

 

 上弦の参は炭治郎セラピーで対処可能なのと、炭治郎を守ってくれる柱一人いれば事足りますから楽勝っすね(骨は何本かイく計算)

 半天狗と玉壺と鳴女ちゃんは弐や参に比べるとまだ勝算はあります。半天狗は甘露寺ちゃん+炭治郎+玄弥に任せて、速やかに無一郎を覚醒させてからホモくんは玉壺の対処して終了ですかね。鳴女ちゃんも原作通り愈史郎に対処してもらいましょう。

 別に刀鍛冶の里編で覚醒禰豆子を見せなくても鳴女ちゃんがグーグルアースへと進化を遂げれば自然と目に入り、無惨様に目を付けられます。こっちの方が少しだけでも柱主催の鍛錬時間が伸びるのでお得です。

 

 

 

 って、待ってくれ。お前今なんて……? いやここで他の柱を挑発するとか、不死川兄貴とか冨岡兄貴などの好感度が高いメンバーならまだしも、完全初対面な音柱とかの好感度が……アバババババ!!!

 

「皆、また顔ぶれが減ることなく会える事を願うよ」

「はっ!」

 

 あ、お館様軽くスルーしてくれましたね……。ありがてぇ。

 ということで差し支えなく童磨への注目を逸らせました(多分)

 でもアイツはホモくんがやるんで、ホンット援軍とかいらないんで(59敗)

 

「おい」

 

 なんじゃい不死川兄貴。っとぉ……? これはもしや、あれですな。一緒に墓参りイベントですね。

 

「……匡近の墓参り、お前も来い。今ん所来てねぇのはテメェだけだ」

 

 フヒヒサーセン。キリもいいので今回はここまで。

 次回もまたお会いしましょう。

 ほな……また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 上弦の弐との戦闘で日輪刀が折れ、担当の鉄井戸に打ち直し兼新たに一本作らせている間、文寿郎はすることも無いので刀鍛冶の里にある壺という壺を見て回っていた。

 半信半疑ではあるが、人の生活に紛れている――陶芸家や新興宗教の主として活動している鬼がいることを知ってしまった限り無警戒ではいられない。特に前者の鬼に関しては制作物を介して何かしら血鬼術を掛けられる可能性はゼロではない。

 しかも刀鍛冶の里は鬼殺隊にとって重要な施設の一つである。襲撃を受ければあの鬼の頸を断ち切るまでの道が長くなってしまう。

 それは非常に非効率的だ。――俺は早くあの首を斬らなければならない。

 複雑に考える内面に反して、顔はにこにこと笑っている。だからだろうか、通りがかった刀鍛冶らしく火吹き男の面を被った鍛冶師が声を掛けた。

 

 壺を持ってじっと見つめる文寿郎に。

 

「あの~、仏塚さん何やってんすか……?」

「ん? ああ、良い壺だね~と思って。誰が作ったとか分かるかな?」

「それは壺の久田衛門という有名な方が作った壺です。いや~、仏塚さんはお目が高いですね!」

「へー……、じゃあこの壺は?」

 

 文寿郎は持った壺を元の位置に戻し、またそこから近くに置かれた壺を天井に掲げるように持った。

 

「それは無名の陶芸家から買ったものですね」

「じゃあいいや」

「じゃあ……ってなんですか?」

「魚とかが作風になってる壺は割ろうかと」

「はいっ!?」

 

 一体魚の壺に何の恨みがあるっていうんだ。そんな言葉は飲み込み、刀鍛冶の男はだらだらと汗をかいた。

 さり気なく割ると言った男は壺を元の位置に戻していた。

 

「じゃあねー」

 

 ぶんぶんと陽気に手を振って文寿郎は刀鍛冶の男と別れた。里中の壺を見て回るつもりだ。

 

「……なんだったんだあの人」

 

 もし自分の担当になるくらいなら止めて欲しい。そう思った刀鍛冶の男の耳に、里の各地で文寿郎が壺を見て回っていた噂が耳に入るのは数時間後のことだった。

 

 

§

 

 

 里中の壺という壺を見聞し終えた文寿郎は鎹鴉から招集を受け、現在鬼殺隊を統べる産屋敷邸にいた。

 ずらりと白い玉砂利が敷き詰められた庭に柱が五人並んで立っていた。その中で実弥と義勇が文寿郎に視線を向けた。カナエは少しだけ目を見開かせた後、そっと目を閉じた。

 実弥はずずいと文寿郎に詰め寄る。

 

(会う度に傷が増えているなぁ。それでは匡近殿に叱られてしまうだろうに)

 

 笑顔は崩さず文寿郎はいつも通りの顔を向けた。

 

「おいおい、何故ここに柱でもない奴が来てるんだァ?」

「何って俺もこの場に呼ばれたからだぜ実弥殿」

「……まさか」

 

 実弥の脳内に柱という単語が浮かんだ。苦々しくも、一生忘れない出来事が実弥には起きていた。

 

「ああちなみに、柱に関係する話ではないと思うぜ。俺の階級は乙だからな」

「じゃあなんだってんだ。普通の隊士はここに連れてこられない筈だ」

「それは――」

 

 文寿郎ではなくカナエが口を開こうとした瞬間、彼らの前にある屋敷の襖が開かれた。

 その時、既に柱たちは姿勢を整えていた。先程まで話していた実弥やカナエも同じく並んでおり、一拍遅れて文寿郎がカナエの隣に並んだ。

 

「「お館様のおなりです」」

 

 白髪の子どもが声を揃え、襖を引いた。

 

 姿が現れる。艶やかな黒髪に顔にある紫色の爛れが右目にまで広がろうとしていた。

 ――産屋敷輝哉、産屋敷家の現当主であり、鬼殺隊をまとめ上げる人物。

 

「おはよう皆。顔ぶれが変わることなく、今日を迎えられたことを嬉しく思うよ」

「お館様につきましてもご壮健そうで何よりでございます」

 

 この場は、厳密に言えば柱合会議ではない。例えそうであってもお館様への挨拶権の争奪戦が起きる。今回は義勇の口出しが早かった。実弥は面白く無さそうに伏せた顔を顰めた。

 「ありがとう義勇」と前置きし、輝哉は微笑を湛えた。

 

「今回柱合会議ではないのに集まってもらったのはほかでもない、カナエと文寿郎が上弦の弐と接触したからだよ」

 

 ざわりとどよめきと口笛が混ざった音が響く。

話題となった二人は対照的だった。顔を俯かせるカナエと危機感があったと感じさせないような笑顔をしている文寿郎。

 この場に集まっている柱は上弦の鬼と遭遇したことはなかった。鬼殺隊で最も強い戦闘力を誇る柱であっても、遭遇すれば死は免れない。

 そんな上弦の鬼と出会い、二人は生還したという。

 誰かがその鬼の特徴を訊ねる前に輝哉が口を開いた。

 

「カナエ、上弦の弐について話せるかな」

「はい、上弦の弐は橡色の髪をして頭から血を被ったように赤い、奇妙な髪をしていました。目が虹のように複雑な色をしていたので一目見れば分かるかと」

 

 カナエはまず上弦の弐の身体的特徴を述べた。白橡色の髪に虹のような複数の色を持った目。これだけでも十分人目を引くだろう、……そしてこの鬼殺隊にいて彼と親しい者ならすぐ気が付くだろう。

 分かっていてもはっきりと口には出せなかった。その事実を認めたくなかったのかもしれない。

 震える唇を無理矢理奮い立たせ、次は血鬼術について述べていく。

 

「鬼の扱う血鬼術は冷気です。その冷気を吸うと肺が壊死し、呼吸が使うことが出来なくなり、その冷気を使って多様な氷の形にして攻撃もしてきます。この冷気がこそが、鬼殺隊の取る戦術において深刻な問題です」

「うん。カナエはそのせいで呼吸を使えなくなってしまった。そうだね」

「……はい」

 

 その言葉にカナエと文寿郎以外の柱の人員が目を向けた。驚きとその血鬼術の厄介さに眉を顰める。

 そして、事実上カナエは柱を続けることも、鬼殺隊士として活動することも無理だということが考えなくても分かる。

 ――カナエの、冷気によってボロボロとなった肺は無事に治りはした。以前の様に激しく運動することが出来なくなったということを除けば。

 鬼殺隊士として活動が出来ないということは、カナエの淡い夢の崩壊を知らせた。鬼と人が共存できる、その考えもあの上弦の弐と会ったことで揺らいだ。

 

 ――あんな、感情の分からないような鬼と分かり合えるのだろうか?

 

 鬼であっても少なからず感情はあった。怒りや喜び、そのどれもが人の死に関係していることには胸が痛くなる。

 だが、人や鬼でも見たことが無い、感情の籠らない笑みをカナエは初めて見た。

 どこまでも血の通わない顔色と、何も感じない声色と表情。その場で動いている人形の様な――人。

 その人形に近い人物をカナエは知っていた。今も隣で、同じような笑顔をしている。

 

 自身の肺の状況とこれから、上弦の弐と――隣の隊士との関係性。そのどれもがカナエの表情を暗くさせた。

 いつも花のような笑みで場を和ませているだけあって、その表情の特異性を一層引きたてる。

 

 ――そんなカナエを人に安らぎを覚えさせる声が救い上げた。

 

「そこで提案があるんだ。カナエには是非とも後進の育成に力を入れて欲しいんだ。君には今まで鬼殺で培ってきた技術と医療技術がある。このまま君が鬼殺から退いてしまうのは実に惜しい」

 

 鬼殺隊の現状として、柱以外の隊士の練度が下がってきているのが挙げられる。今はまだ命令を無視して独断専行する隊士は少ないが、これが後になると多くなるかもしれない。

 そんな懸念が出始めた頃にカナエの引退。体は正常に動くことに加えて、医療知識や柱を務めたこととカナエの人格もあって、人を動かしやすく、隊士も言うことを聞きやすい。

 

 言ってしまえば、呼吸を実演出来ないが影響力のある育手。隊士を鍛え直すのにこれ以上のない適性を持った人材だった。

 

「……はい! 精一杯やらせていただきます!」

 

 カナエは深く頭を下げて、産屋敷輝哉の言葉を受け取った。穏やかな声色が思考の渦に飲まれるカナエを引き上げ、新しく道を照らした。

 彼女の様子に一つ頷き、輝哉はその隣に目を向ける。

 

「それで文寿郎、上弦の弐について分かったことはあるかな」

「はい、あの鬼が使う獲物は黄金の一対の扇です。そして冷気を絶え間なく放出するので、扇と冷気を避けながら戦うのは難しいものがありましたねぇ。

 何度か死ぬかと思いましたが、それでもあの鬼は本気を出していない様子でした」

 

 心なしか、ウキウキとした様子で文寿郎が告げた。その真偽は如何に、どう捉えるべきか柱たちは考えていた。

 鎹烏からの報告で戦闘の状況を聞いていた輝哉は「ありがとう」と言い、

 

「それで、君から見て今の面々で上弦の弐に勝てると思うかい?」

 

 そう質問を投げかけた。

 実物と対峙した人物からでしか見えないことがある、ただ第三者の目から見ても分からないことがそこにはある。

 文寿郎の色の無い目を見つめながら無言で問いただす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいえ、あの鬼は俺が滅しますので、他の者の手はいりません」

「……そうかい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼が笑顔で断言したのは、質問の答えにならない決意だった。

 その発言に気を悪くする者や驚きに目を見開かせる者など、――一番反応が顕著だったのは風柱だった。

 

「これで会議は終わりにしよう。皆、また顔ぶれが減ることなく会える事を願うよ」

 

 輝哉は踏み込むことなく、会議を終わらせた。

 彼が何故その鬼を滅するとまで言ったのは何故か。()()()()()()()()()()が彼を動かす原動力なのか。

 その話題はまたの機会に聞くことにしようと決めた。

 

 驚きを残しつつ終わった会議の後、実弥は文寿郎に近付いた。

 

「おい」

「何かな実弥殿」

「……匡近の墓参り、お前も来い。今ん所来てねぇのはテメェだけだ」

「匡近殿の墓……?」

 

 僅かに笑顔を曇らせて、上弦の弐と同じ顔の男が聞き返した。

 

 




やっとこさ鬼滅の刃の「鬼滅」の単語を出せたので満足です


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墓参り ~ お館様対談まで part9

誤字報告ありがとうございます
なんとか原作開始前までこれたので初投稿です


 皆さんこんばんは。初めましての方は初めまして。

 粂野兄貴の墓参りから始まるRTA、始まります。

 前回は鉄井戸さんに刀を二本依頼し、お館様の屋敷で上弦の弐について情報共有したところです。

 

 今は粂野兄貴の墓前ですね。しっかりお参りしつつ、会話も飛ばしていきましょう。

 ここで主に語られるのは不死川兄貴が粂野兄貴へ向けていたアツゥイ友情ですからね。風の道しるべで掘り下げられたとはいえ、胸に込み上げるものが……。

 おうホモくんもいつもより泣いております。しっかし、泣き顔まであの噓泣き顔とクリソツやんな……ん?

 

「匡近は死に際、他人のことばっかり気にかけやがった」

 

 相変わらず粂野兄貴が聖人すぎた件について。

 

「俺のことも……テメェのことだって言ってやがった。飯はちゃんと食えてるか、いつも鍛錬ばかりだと身が持たないぞとか言ってな」

 

 あ、改善してないのがバレテーラ。いやいくら本編沿いチャートとはいえ、根詰めてやってかないと本当に痣無し単独撃破は難しいんですって。

 そう、痣が無いのでステータスに掛かるボーナスもありません。ガチでプレイスキルと一瞬の油断が命取りになります。

 でもいざとなれば直前のセーブでやり直しをば……、いえなんでもありません。

 

「――テメェ、いつまでその演技を続けるつもりだ?」

 

 ンンッ!? 拙僧、多才なれば泣き真似もこのように。

 

 じゃない。

 

 ああああああ……、やっちまいましたね。こんな所でテキスト増量なんて……、いや刀出来るまではフリーなので別にいいんですが……。

 選択肢も一つしかねぇ~。なにが「?」だよ。

 絶対お前そっくり元と同じ感情の起伏薄い奴じゃん(確定)

 これがそっくりアバターの逃れらぬカルマちゃんですか。

 

「なァ、聞いてんのかァッ!」

 

 好感度激下がりMAXヤベー事態、かと思いきやそうでもないみたいですね。まだまだ好感度が通常よりは良いです、さっきまで好感度MAXの状態だったんですがね。お前も聖人かよ。普通だだ下がりする筈なんですがね。

 なけなしの ▼お兄さん許して~(懇願)

 

「……もういい」

 

 ダメみたいですね(諦め)

 はぁ~、つっかえ。別にチャート内どおりの好感度範囲に収まってるとはいえ、落ちるのは悲しい……くはありませんね。

 これで好感度イベントが起きにくくなり、鍛錬時間が増えますね。良いこと尽くしじゃないか、タマゲタナァ。

 以上で墓参りイベントは終了です。後は刀が出来上がるまで木刀を借りて鍛錬をして待ちましょう。

 

 

 二週間後になりました。折角なのでステータスを晒しましょう。

 

 

 仏塚 文寿郎 性別:男 特徴:『冷気』 階級:乙

 

 ステータス

 体力(63/100) 根気(78/100) 筋力(100/100) 防御(31/100) 速度(100/100)

 

 技能

 風の呼吸(50/100) 喧嘩殺法(1/100) 水の呼吸(50/100) 霜の呼吸(100/100)

 全集中・常中(100/100)

 

 童磨戦突破のおかげで成長点がモリモリっと入ってきたので、霜の呼吸と筋力がカンスト出来ました。ついでに根気も上げました。いいゾ~コレ。

 どうやら刀も出来た様子です。鉄井戸さんの元に行きましょう。はい、おはヴォー!

 

「出来たぞ」

 

 わぁい^^ 日輪刀が二本だぁ(歓喜)

 握ったら霜の呼吸特有の色が出てきました。確か胆礬(たんぱ)色といって、渋い青緑色です。

 

 これから通常通りの任務らー! 甲を目指して頑張りましょう!

 ということで見所さん!?もないので早送りです(無慈悲)

 あ、サイコロステーキ先輩のイベント発生してた……。

 

 その間にぃ~、またまた霜の呼吸の型についてお話します(突然)

 霜の呼吸を使っている間は冷気を放出しまくりなので、通常の斬撃を鬼に当てると冷気ゲージがちょっぴり溜まります。

 この呼吸は常にタイミングを窺いつつ、通常攻撃と呼吸攻撃を重ねて冷気ゲージを溜めていくのが大事とは言っていますよね。

 

 そして、その冷気ゲージを溜めやすくする技が『陸ノ型 月落霜天・烏啼』です。これはその場で上から下に刀を下ろし(攻撃判定アリ)、周囲に冷気を巻き散らします。動画内でも厄介な血鬼術を使う鬼にはこの型を使ってから対戦しています。

 そこからコンボで繋げていく型はよく弐ノ型を使うのですが、それと同じく使いやすいのが『壱ノ型 秋霜烈日』です。これも冷気ゲージを溜めやすくする技であり、目の前を素早い速度で斬りつけます。弐の型と同じくゲージ稼ぎ用には丁度いい技です。

 逆に使いにくいのが『肆ノ型 露の(ぬき)・霜の(たて)』です。よく霜の呼吸はその場に留まって出す技が多いのですが、これは滅茶苦茶動きます。

 左右から四回横薙ぎの攻撃を重ね、最後に敵の距離を詰めて真下から刀を振り上げます。中々この攻撃が全部当たることは少ないのですが、当たると超絶キモティ~です。

 

 おっと、説明をしている間にしのぶ姉貴が蟲柱になりました。カナエ姉貴が生存してても「姉さんに傷つけた奴は許さない」論によって柱へとのし上がります。姉妹愛ってのはこえ~な~。

 次に煉獄兄貴が炎柱になりました。そして蛇柱の伊黒兄貴、恋柱の甘露寺ちゃん……。

 

 

 賢いホモの皆はお分かりになりましたか。

 

 

 そろそろ原作時間軸に近くなり、ホモくんの階級はとっくに甲になっております。

 そして、先程からお館様からの手紙で『お前も柱に、なろう!』と来てますが『やめてくれよ……(建前)』と返してます。

 

 これを三回繰り返すとぉ~、はい来ました。お館様との対談イベントです。

 柱になる条件を満たした状態になると柱の任命状が来ます。本来なら有難く受け取り、柱の業務に努めるのが一番ですが、何分ホ……狛……猗窩座ァ!との遭遇イベントが怖すぎるのでね(チキンオブチキン)

 ちなみに、何度も任命を断っていたことが柱にバレますと好感度が下がります。ですが、バレた場合でも刀鍛冶の里編で挽回できるのでヘーキヘーキ!

 

 はい、この断った末に送られてきた強制招集命令の手紙を受け取った途端に隠が来ます。

 大人しく連行されましょう。早くお館様の屋敷に連れて行ってくれよな~(イライラポイント)

 

 ということで到着。もうちょっと足を鍛えることをオススメします。

 とはいっても、ホモくんの肉体は童磨アバター。187センチもある大男ですから運ぶのも遅くはなるんでしょうねぇ。操作キャラが女性の時は少し早かった気がするので、体格もやっぱ動作に問題する……?でも女性で鬼狩りもまた高難易度なんだよなぁ……(童磨定期)

 というか、いつも柱合会議の時で悲鳴嶼兄貴(220センチ・130キロ)を運んでると思うと……おん?

 

 隠の人は、労おう!

 

 というのは置いておいて。

 お館様も随分と病が進行しています。あまね様はどうやらご不在。どうやら時透兄弟をスカウトしているようですねぇ……。かなり原作時間軸突入って感じがしてきますね。

 

「やぁ、一度君とはゆっくり話して見たかったんだ」

 

 ははぁー! ありがてぇことでございますぅー!

 柱予備軍のメンタルフォローまでしようとするなんて、流石お館様やでぇ。

 

「文寿郎、君は十二鬼月を倒してはいないけれど、鬼の討伐数はとっくに五十体を超えているよ。柱になる条件は満たしている。それは分かるね?」

 

 アツ()ゥイ、アツ()ゥイ!

 

「良かったら柱にならない理由を聞かせて欲しいな」

 

 ▼柱の業務が嫌

 ▽自分は柱になるべきではないと考えている

 ▽他の柱に嫌いな人物がいる

 ▽その他

 

 パソコン使っていたら突然送られてくるアンケートのような恐ろしさを携えてお館様との対談が始まります。

 

 ここでその他を押すとテキストを打てます。入れた内容を分析してそれにふさわしい回答を返してくるので、ここの選択肢だけUBUYASHIKIカスタマーサポートとか言われます。実際ここでバグの報告したら修正アップデートが来たとかなんとか。

 

 お察しの通り、四番目『その他』を選択します。

 すると文を入れる欄が現れるので『柱にはなるが待って欲しい』と書きます。予めその文を打っておくことで予測変換に登録されるのでやっておきましょう。

 この欄には上の文や『柱になりたいけど時間が欲しい』とか『○○まで待って欲しい』など、時間が経てば柱になるよという文であればお館様AIは通じます。

 

「理由を聞いてもいいかい」

 

 ホモくん独白シーンはポチポチ押してスキップです。ざっくり要約すると、かなり不死川兄貴の墓参りイベントがキていた(当社比)らしいです。

 ここらへんのキャラの独白とかは今までやってきた行動とかゲームスタート前に見た過去とかで内容が変わります。

 例えば家族が鬼に殺された、鬼を大量に討伐してきたは良いが自己肯定力が低い冨岡義勇みたいな経歴だとお館様セラピッピが入りますが比較的早く終わります。操作キャラが受動的な考えをしているせいですね。すっかり産屋敷フェロモンの虜になります。

 今回はまぁ……、ホモくんは変にトラウマも持っておらず、はっきりと『考えが整理出来れば柱になる』で切り上げられたのでまぁまぁ早い方になりますね。

 

「分かった。君が納得いくまで考え続けるといい。けれど困ったのなら周りの人に助けを求めてみなさい。そうすることで見える道もあるからね」

 

 あぁ、いいよいいよ~(浄化)

 (でも助けはいら)ないです。ということで退出させてたもれ。

 

 ちなみにこのイベントを一番早く切り上げられるのは三番目『柱に嫌いな人物がいる』です。ここで好感度を考えず特定のキャラを不死川兄貴と伊黒兄貴以上に「嫌い」と言い続ければお館様も「さよか……まぁ、そんなに嫌なら柱にならなくていいよ」という判定が貰えます。代わりにコケ下ろしたキャラからの好感度は低くなり、同じ任務になると必ずバトることになります。

 

 今回はここまで。次回もまたお会いしましょう。

 ほな……また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 風柱――不死川実弥に連れられてきたのは鬼殺隊士が入る墓場だった。この場にはよく産屋敷家当主も出入りし、隊士たちの慰霊を行っている。

 

 墓場特有の寂れた空気と、墓石の合間を冷ややかな風が吹いている。

 実弥はぐんぐんと歩を進め、その後を文寿郎が追う。その時になって実弥の背負う字が『滅』ではなく、『殺』であることに気が付いた。

 それに少し違和感を覚えていると、実弥が足を止めた。

 

「ここだ。匡近の墓は」

 

 粂野匡近と刻まれた墓の前に立つ実弥の姿が風に吹かれた。

 その姿と、実弥のいつになくしおらしい姿を見て文寿郎は「粂野匡近」が死亡したことがやっと分かった。

 

 実弥や文寿郎を気にかけていた彼はこの世にはおらず、あの世に逝ったのだ。

 

 しかし、と文寿郎は考える。その隣の墓標にある『浦賀』という名字も粂野匡近と同じく建てられた墓らしく、他の墓よりも新しい。確か浦賀という名前の知り合いがいたような……。

 

「匡近は……、俺との共同任務の時に死んだ」

 

 ぽつり、と実弥が言葉を零していく。

 

「ある屋敷に鬼がいた。その屋敷の周辺を歩いていたガキや、先に調査に向かった隊士たちの数名が戻ってこなかった。それで俺達に任務が下された」

「へぇ……。それで?」

「その屋敷にいたのは下弦の壱。ソイツは親に恵まれない子どもや隊士を攫っては自らを母親と思わせて洗脳する、そういう血鬼術の使い手だった」

 

 ちらりと実弥は浦賀と刻まれた墓標にも目をやった。

 

「先行して調査に行った隊士の中には浦賀もいた」

 

 ああ、なるほど。その血鬼術に二人はまんまと嵌ったという訳か。

 そして『浦賀』の墓の意味も考えずとも分かった。否、思い出した。

 

 文寿郎、実弥そして浦賀の三人は同期であった。数少ない最終選別の生き残り、ということで集まり、いくらか話をした。

 確かその時に二人は両親に恵まれない子どもであったと聞き、それはなんとも可哀想な話だと感じた覚えがあった。

 

「ひでぇ有様だった。下弦の壱――糞鬼女のままごとに付き合わされて、アイツはやっと母親と別れて幸せを手に入れるって言う時に……俺の攻撃から鬼を庇って死んだ」

 

 実弥は堪えるように手を握り潰した。その手には浦賀を斬った感触が残っているのだろうか。

 

「俺はよくは知らないが、匡近殿はその血鬼術に掛からなさそうに思うのだが」

「ああ。匡近は掛からなかった、逆に掛かった俺を助けたんだ」

 

 「それは良かったではないか」と口を開こうとして、実弥から表情が消えていくのが見えた。

 思わず口を閉じ、そっと身を屈めてその様子を見つめる。

 

「浦賀の他にも、攫われた子どもがいた。そいつらを狙った攻撃から匡近が庇った」

 

 それきり、実弥は黙ったままだった。

 ……墓場にて、親しき人が死ねば人は泣く。うっかり話に専念し過ぎていて忘れていた。

 

「悲しい」

 

 実弥と粂野匡近は同じ師の元で学んだ関係であり、粂野本人は実弥のことを弟ように思っていた。

 つまりは親しい。

 

 そして文殊郎も死亡した粂野匡近とは兄弟子弟弟子の関係であり、また彼も何かと手紙を送っては文寿郎のことを気遣っていた。

 それなりに話もしており、実弥と過ごした日々もあり、他人よりかは一定以上の親しさというものはあった。

 つまり自分と粂野匡近は親しい。では泣かなければ。

 

 しかし、親しい実弥はなぜ泣かないのか。それとも最初に行った時に泣いたのだろうか。

 疑問に思いつつも、文寿郎の目から水が一粒二粒、それが連続して流れを生み、顔を伝う涙となった。

 

「優しい兄弟子だったというのに……」

 

 そもそも、どうして悲しいと思うのだろうか。この世にはあの世というものがあって、極楽があって、人が死ねばそこへ行くだけだというのに。

 ただ一度の別れでもあるが、上手くいけばあの世で会えるというのに。

 文寿郎の義務的に流された涙は酷く冷たかった。

 

「匡近は死に際、他人のことばっかり気にかけやがった」

 

 ゆっくりと頷く。なんて素晴らしい兄弟子で、なんて無駄な行いなのだろう。

 死に際くらい自らのことを振り返れば良いというのに。まったく、兄弟子の心は分からないものだ。

 

「俺のことも……テメェのことだって言ってやがった。飯はちゃんと食えてるか、いつも鍛錬ばかりだと身が持たないぞとか言ってな」

「ははは、まったく匡近殿は……」

 

 文寿郎は一瞬笑い、またそれから泣く。

 実弥はそんな彼の姿を振り返らずに、淡々とした口調で告げた。

 

 

 

「――テメェ、いつまでその演技を続けるつもりだ?」

 

 

「……は?」

 

 

 

 文寿郎の涙が止まる。

 冷たく言い放った実弥はじっと文寿郎をねめつけていた。

 

 実弥の告げた通り、文寿郎の涙は演技である。

 仏塚文寿郎の感情は薄い。それが生まれつきであるのか、何らかの原因があるのかとは自分でも分からない。

 

 ただ、あの鬼よりかは感情に理解がある方だと自覚はしていた。

 

 それもどんぐりの背比べ、五十歩百歩というもの。

 他人から見れば十分、文寿郎も感情の起伏が薄い人でなしだということには気が付かなかった。

 ――失敗してしまった、と半ば本能的に感づいた。早く取り繕わなければと口を開く。

 

「演技? まさか実弥、俺が今流している涙が嘘だとでも思うのかい?」

「あァ。あの糞鬼女から似た匂いがするぜェ……。嘘くせェ演技の匂いがよォ……!」

 

 実弥は泣き顔の後ろにうっすらと見えた友への嘲笑を見逃さなかった。

 代えがたい日々を与えた兄弟子への侮辱、どこか裏切られたような感覚。それらが合わさった怒りは文寿郎の胸ぐらを掴む形で現れた。

 実弥より頭上にある男の顔は「何が起きているのか分からない」という顔をしていた。

 

「なァ、聞いてんのかァッ!」

 

 実弥の黒々とした目とは真反対に、白い光彩をした目が実弥の憤りを映していた。

 驚くほどに動きも抵抗も無く、まるで人形を掴んでいるようだった。

 ただ文寿郎は実弥を見つめ返していた。口元だけはうっすらと開き、何かを言いたそうにしていた。

 

 

 

「……もういい」

 

 

 

 その目に映る自分がどれほど滑稽なことをしているのか、実弥は分かってしまった。

 

 

 ――こいつには何を言っても無駄だ。

 

 

 実弥は呆然と立ち尽くす文寿郎をその場から置いて墓場から去った。

 

 二人の間には、冷たい風が吹いていた。

 

 

§

 

 

 粂野らの墓参りから年が経った。その当時、四人に減っていた柱は今や八人もいるらしい。

 最近では恋柱なる珍妙な名を持つ柱が任命されたらしい。

 

 いつも通りの時間に最低限の睡眠をとり、全ての空き時間を鍛錬に費やした。命令が下ればすぐさま鬼を狩り、いつしか階級は柱を除いて最上級に位置する甲へと昇格していた。

 それなりに交流のある賽河も近々乙に昇格するらしい。鼻高々と「これで暫く稼いだ後は将来安泰だ」と言う姿は何故だか微笑ましさがあった。

 

 ――実弥との口論の後、まったくといっていい程に手紙は来なかった。偶然か、共同任務で同じになることもない。

 元々、互いに筆を取ることが少ない。そのまま疎遠になることは瞭然だった。自然と消えるか、それか風柱が死ぬか、文寿郎が死ぬかで縁が切れるか。

 ……一々なぜ考えてしまうのか、文寿郎でさえも分からない。

 

 不快なら離れればいいだけだというのに、それこそが口論の時よりも不快と感じる。

 こんな思考に惑わされることがあの鬼を狩る力を削いでいると考えるとより不快になる。けれど、この思考を切り離してしまえばそれこそあの鬼と同一になってしまう。

 それだけは駄目じゃないかと思い、切り離そうにも離せない。

 

(俺はあの鬼を斬らなければ、頸を斬らねばならない)

 

 花柱が襲撃された時から出来た呪文も効力を成さない。このままでは鬼狩りにも支障が出てしまう。

 

 ――そんなタイミングで産屋敷輝哉からの招集命令が出た。

 

 理由は柱の任命を拒否していたからだ。二回ほど手紙を出されたが、文寿郎はその命令を断った。

 そして三回目の手紙が届けられ読み終えた瞬間、隠の一人によって運ばれている。

 産屋敷輝哉。不思議と快さを覚える人物にして、鬼殺隊の中心。柱の全員が忠誠と敬愛を誓う人物。

 

(自分が起こしたこととはいえど、早く終わらせて鍛錬に戻りたいものだ)

 

 屋敷は、すぐそこまで近付いていた。

 

 




下弦の壱こと姑獲鳥チャンと童磨は完璧に人間時の記憶覚えてるからね、仕方ないね♂


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