THE IDOLM@STER The Story of Admiral Lescher (アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将)
しおりを挟む

Ⅰ プロローグ
プロローグ


解説




アメリカ国防総省

通称“ペンタゴン”。アメリカの行政機関のひとつ。アメリカ軍の八武官組織のうち、沿岸警備隊、アメリカ公衆衛生局士官部隊、合衆国海洋大気局士官部隊を除く陸軍、海軍、空軍、海兵隊、宇宙軍の5つの軍を傘下に収める。



米インド太平洋軍

アメリカ軍が有する9つの統合軍のうちの一つで、統合軍の中でも最も古くから存在している。ハワイ州・オアフ島の海兵隊キャンプ・H・M・スミス に司令部を置く。旧名称はアメリカ太平洋軍(英語:United States Pacific Command、略称:USPACOM)であり、レッシャー・イチノセ jr.海軍大将からキーティング海軍大将に司令官が交代すると同時に、現名称に変更された。アメリカインド太平洋軍は陸軍、海軍、空軍、および海兵隊に属する約30万人の軍人を擁する統合軍である(これはアメリカ合衆国の全軍の現役兵力の約20%に相当する)。これらの軍は前進配備(約10万人)、前進基地、そして米国本土基地の3種類に分かれている。アメリカと太平洋方面の同盟国の安全保障の要たる軍である。





ウィリアム・レッシャー・イチノセ jr.(44)
イメージCV:柴田秀勝

本作の主人公。アメリカ海軍退役大将。前 米インド太平洋軍司令官。飛行畑出身でF-14やF/A-18を乗り続けたエリートパイロット。僅か14歳でアナポリス海軍兵学校を卒業し以来30年太平洋方面と中央(統合参謀本部・海軍省)での奉職を重ねた。高高度での任務に幼い時から従事していたのもあって首から下の老化が著しく進行しており全盛期程は動けない(一般人よりはずっと高いが)。見た目は現在346プロダクションで働いている親戚とさして差がない男の娘(身長は175センチで尚且つストレートヘアであるが)。飛ぶことが楽しすぎて恋愛など皆無だったが故に未だ独身とのこと。常に微笑んでいる(実際は表情筋が動かないだけで勘違いされている)ことから“微笑みウィリアム”の愛称で親しまれていた。杖をついているがあくまで補助であり必要ならつかない。346プロダクションの今西部長とは大学時代からの悪友だったらしい。



ハワイ オアフ 米インド太平洋軍司令部

 

 

「閣下、30年間お疲れ様でした!」花束を渡す

 

「ありがとう。」受け取る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1ヶ月後 ワシントンD.C. 郊外

 

プルプルプル プルプルプル ガチャ

 

「私だ・・・イマニシ、久しぶりだな・・・あぁ。わかった。来週そちらに出向こう。良い酒を用意して貰えるのかな?・・・わかった。ではな。」電話を切る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に一週間後 池袋駅東口

 

 

「イマニシ。」ハグ

 

「ウィリアム、我が友よ。」抱き返す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず磯〇水産で良いかな?君は魚が好きだったろう?」

 

「任せる。」

 

 

 

「では5年ぶりの再会に・・・乾杯!」カン

 

「・・・。」カン

 

「で、退役してのんびりしていた私を態々呼び出したのは何故だ?お前のような者が旧交を温めようなどと陳腐且つ平凡なことを考えているとは思っていない。」

 

「・・・そうだな。史上最年少の海軍大将を誤魔化そうとは私も思いもよらんところだよ・・・単刀直入に頼む。私の居る会社を手伝ってくれ。」

 

「手伝う?どういうことだ?」

 

「とりあえずは呑もう。詳しい説明は私の会社でする。明日の朝に来てくれ。」

 

「わかった・・・このブリは美味い。合衆国ではこうはいかん。」

 

「ブリが好きなのは相変わらずだね。じゃんじゃん頼むからどんどん食べてくれ。」

 

「あぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日 346プロダクション 受付

 

「受付さんおはようございます。ウィリアム・レッシャー・イチノセ jr. という者です。イマニシ部長に面会したい。」

 

「畏まりました。少々お待ち下さい。」

 

 

 

 

 

 

「おはようイマニシ。言われた通り来たぞ。」

 

「あぁ。こっちのソファにかけていてくれ。もう少しで終わる」書類整理中

 

 

 

 

 

「さて。友よ。お願いだ。私の会社に就職して私の手伝い・・・アイドル達・・・シンデレラプロジェクトの子達をプロデュースしてやって欲しい。」

 

「他ならぬお前からの頼みだ。聞いてはやる。だが私とて退役したが海軍大将。いつホワイトハウスかペンタゴンに呼ばれるかわからん。それに日本のメディアにも専門家として出演依頼がひっきりなしに来ている。それを承知の上で雇うなら私に文句は無い。」

 

「ありがとうウィリアム、助かるよ。で・・・ここからはあくまで“提案”だ。“頼み”ではないから必ずしも聞く必要は無いが、とりあえず耳に入れてくれ。」

 

「?」

 

「ウィリアム、アイドルにならないか?」

 

「断る」半ギレ

 

「とりあえず聞いてくれ。今男のアイドル需要が伸びてきているんだ。我が346もその波に乗りたいし常務のシンデレラプロジェクト予算の削減の意向を崩したいのもある。君以外にはできん!頼むよ!」

 

「・・・声はともかく私の見た目は女だ。それに私自身は別に良いが私に恥をかかせた場合大統領を怒らせることになるが、良いのか?幾ら天下の美城グループといえど高々一企業でしかない。大統領に睨まれては無事では済まんぞ?」

 

「私の博打が上手くいかなかった試しが無いことは君とてよく知っているだろう?」雇用契約書を差し出す

 

「今まで上手くいったからといってこれからもうまくいくとは限るまい。だが、お前の博打に何度も救われてきたのは事実だ。お前の顔を立てて・・・やってはやる。だが何度も言うがあてにはするなよ?」署名する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンデレラプロジェクトからファンの皆様へお知らせ

 

 

44歳のアイドル爆誕!続報を乞うご期待!!




レッシャー大将のウワサ①


レッシャー大将と今西部長

大学同期だった二人だが何やら返しきれない恩があるらしくレッシャー大将が今西部長の言うことを断ることは絶対に無いらしい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍大将、アイドルと“家族”になる

解説

アメリカ太平洋艦隊

アメリカ海軍の艦隊で第3艦隊・第7艦隊で構成されている。
現在は統合軍の一つである米インド太平洋軍の作戦指揮下にある。司令部は ハワイ州オアフ島のパールハーバー・ヒッカム統合基地に置かれている。兵力は艦艇約200隻、航空機約2000機を保有し、人員規模は海兵隊を合わせて239,000人を超える。



アメリカ海軍 第7艦隊

アメリカ海軍の艦隊の1つである。ハワイのホノルルに司令部を置く太平洋艦隊の指揮下にあり、国際日付変更線以西の西太平洋・インド洋(中東地域を除く)を担当海域とする。旗艦/司令部は、日本の神奈川県横須賀にある揚陸指揮艦「ブルー・リッジ」 (USS Blue Ridge, LCC-19)。原子力空母「ロナルド·レーガン」と艦載される第5空母航空団を戦闘部隊の主力とし、戦時には50〜60の艦船、350機の航空機を擁する規模となる。人員も6万の水兵と海兵を動員する能力をもつ。平時の兵力は約2万。レッシャー大将は中将時代この艦隊を指揮していた。













レッシャー 前 米インド太平洋軍司令官に元帥号

我が国をはじめとする太平洋・インド洋方面の米国及び同盟国の安全保障に寄与したウィリアム・レッシャー・イチノセjr.退役海軍大将に対しローレン大統領は共和党に『過去30年の功績に報いる為の準備をする』よう要請しました。これに対応する形で上院にて『ウィリアム・レッシャー・イチノセjr.大将に元帥の称号を与える』ことを承認、下院でも間も無く可決され、第二次世界大戦以来70年ぶりに事実上のアメリカ海軍元帥が誕生する見込みです。
レッシャー大将は1985年アメリカ海軍に世界初の男性戦闘機パイロットとして入隊。湾岸戦争にも従軍し以後武装勢力の撲滅や北朝鮮・中国・ロシアの牽制に貢献してきました。昨年10月には天皇陛下より旭日大綬章を授与されました。

2015年11月15日 読売新聞 一面 より


レッシャー大将のウワサ②

 

第5空母航空団司令時代に今西部長に寒ブリを食べさせられて以来基本ブリの刺身以外の生魚はほとんど口にしないらしい(加熱した魚なら他も食べるが)。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

「諸君、おはよう。」

 

「「「おはようございます、今西部長!」」」

 

「まずは紹介しよう。諸君の新しいプロデューサー 兼 同僚になるウィリアム・レッシャー・イチノセ jr.だ。ウィリアム、挨拶を。」

 

「わかった。はじめましてシンデレラプロジェクトの諸君。ウィリアム・レッシャー・イチノセjr.だ。前職は海軍大将、アメリカ太平洋軍司令官の任を大統領から任されていた。そしてそこまで近い血縁でもないが一ノ瀬志希の親戚だ。趣味は空を飛ぶこと。アイドルとしては新米だが組織管理と人生相談、トレーニングには自信がある。レッシャーあるいはウィリアムと呼んで欲しい。プロデュース及び指導方針として

 

・正しいことをする勇気、間違ったことをしない勇気

・ずっと共に

 

を掲げるものである。何かあれば忌憚無く意見すること。

以後宜しく。」

 

「「「宜しくお願いします!」」」

 

「とりあえず挨拶は済んだね。では新しいプロデューサーとシンデレラプロジェクトの諸君は今日1日は交流の時間にするから存分にコミュニケーションを取ってくれたまえ。じゃ私は失礼。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では諸君の自己紹介を聞こう。履歴書は確認したが、それだけではどうにもならん。ではまずは・・・渋谷さん。」

 

「私?まあ良いけど・・・渋谷凛、15歳。宜しく。」

 

「しぶりんもうちょっと何か言わないと・・・。」

 

「凛ちゃん男の人にそんな素っ気ない態度は駄目だよ?」

 

「・・・いいや構わない。ありがとう渋谷さん。」

「・・・うん。」

 

「次、島村さん。」

 

「はい!島村卯月、17歳、趣味は友達と長電話です!」

 

「何か好物とかは無いのかな?」

 

「お魚全般が大好きです!」

 

「そうか、私も魚が好きでね。君とは良い酒が呑めそうだ。成人したら一杯やろう。」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

「次、本田さん。」

 

「はい!本田未央、15歳、趣味はショッピングモールをまわることです!宜しくお願いします!」

 

「うん、宜しく。良ければ今度連れていってくれないかな?引っ越ししてきたばかりで家電製品が足りていないのだ。」

 

「わかりました!後でスケジュールを確認しましょうプロデューサーさん!」

 

「うん・・・次は多田さん。」

 

「多田李衣菜、17歳!ロックなアイドル目指してますので、宜しくお願いします!」

 

「私はロック全般が好きな訳ではないがB’zとQueenはよく聞いている。Queenに至っては概ね揃えている。Queenを後日共に語ろうではないか。」

 

「プロデューサーさんQueenが好きなんですね!一緒にお話ができる同志は大歓迎です!」

 

「うん、ありがとう・・・次は前川さん。」

 

「はいにゃ!前川みく!15歳!魚以外は何でも食べれるにゃ!Pちゃんこれから宜しくにゃ!」

 

「あぁ、宜しく。魚が駄目なのか?好き嫌いはよくない。United States Navy式“修正”と“制裁”を後でくれてやろう。魚に敬意を払うようになるまで徹底的にな。」

 

「うわあPちゃんが怖いにゃー!李衣菜ちゃん助けてにゃ!」李衣菜の後ろに隠れる

 

「まあ“制裁”はともかく“修正”は後できっちりやるが・・・次は新田さん。」

 

「はい!新田美波、19歳です。資格を取るのが趣味です。宜しくお願いします!」

 

「宜しく。来年成人かな?」

 

「はい。」

 

「では来年もここにいたら祝ってあげよう。君が強いことを祈っている。今まで317回呑み競争したが負けたことが無くてね。そろそろ負けたいんだがな・・・アナスタシアさんは風邪で欠勤。各種準備は明日にまわそう・・・次は諸君が私に質問したまえ。軍事機密以外なら答えよう。」

 

「「「はーい!」」」挙手

 

「島村さん。」

 

「はい。プロデューサーさんは男の人なのになんで軍人さんになったんですか?」

 

「3歳の頃に海軍の航空ショーを見てね。それでパイロットになろうと思ったのだ。幸い私は一ノ瀬家の人間だった。全ての学校を飛び級で卒業しアナポリス海軍兵学校に入ることなど造作もない。本来アナポリスには17歳以上でないと入れないが論文4つと飛び級の実績で(脅して)10歳で入れて貰い14歳で卒業し海軍のパイロットになった。」

 

「なるほど。」

 

「ちなみに島村さんの教科書に書かれている湾岸戦争にも当時まだ大尉だったが従軍している。イラク軍の火砲陣地に爆撃したりバンカーバスターを地下施設に投下したりイラク軍の戦闘機を墜としたりもした。当時は騒ぎになったね。『士官とはいえ年端もいかぬ男を戦場に出すのか』とな。私は取材でこう言った。『やりたくてやってんだ!文句あんのか?』とな。」

 

「プロデューサーさんはそこまでして空を飛びたかったんですね!」

 

「そう。今はこそ退役した私だがプライベート機を持っていていつでも飛べる状態で羽田に預けてある。気分が優れない時は飛んでスッキリさせているんだ・・・他に質問は?」

 

「・・・」黙って挙手

 

「渋谷さん。」

 

「プロデューサーってさ、44歳だけど・・・踊れるの?杖ついてるけど?」

 

「心配は無用だ。これはあくまで補助だ。本気になったら要らないからな。」

 

「ふ~ん・・・今Wik〇pediaで見てたんだけどさ、プロデューサーって独身なんだね。」

 

「「「!?」」」一同驚く

 

「今カノジョとかっていないの?」

 

「いないな。私は良き軍人にはなれたが、良き夫にも父にもなれないような奴だからな。意図的に作らないようにしている。」

 

「「「?」」」

 

「私の両親は私が4歳の時に交通事故で死んだ。ろくに親から教育を受けずに生きてきた私に夫も父も務まろう筈がない。同期の皆からよく言われたものだ『パイロットとしては超一流だが恋人としては40点』とな。“軍人”としてはチームワークがあろうとも“私人”としてはダメダメだったということだな。その点志希とてチームワークが壊滅的なのは同じだ。一ノ瀬家の者は才能はあるがチームワークなど無い。正直よく祖国が一ノ瀬家の者を公務員・・・しかもチームワークが最重要な要素であるUnited States Navyで30年も勤務することを許してくれたと思うよ。」

 

「「「・・・。」」」

 

「諸君に予め警告しておく。私は面倒くさい男だぞ。恋愛対象にしない方が良い。それに小さい頃から放射線飛び交う高高度を30年飛び続けた結果私の身体は放射能まみれだ。この身体は長くはもたない。医者いわくあと10年生きられれば良い方らしい。残る者を悲しませたくないのだ。」

 

「「「・・・。」」」

 

「だが私はイマニシから引き受けた以上諸君の側にずっといなければならない。そこでだ。」写真と地図を出す

 

「諸君は現在寮で暮らしている。そこを引き払い、池袋のここにある私の別荘で共同生活をして貰う。プロデューサーによっては仲間同士で競わせたりする者もいるようだが、私は軍人だ。競わせたりはしない。軍の組織工学に基づき組織の秩序維持とチームワークを旨とするプロデュースをしていくつもりだ。我々は互いを補い労り合い強い絆に基づく“家族”になるのだ。まずは堅実にやっていくことだ。挑戦するのは後で良い。何か質問は?」

 

「「「・・・。」」」シーン

 

「では今日の予定が終わり次第各々の判断で手持ちの荷物を持って我々の拠点になる“家”に行くぞ。既に諸君の家の物はイマニシを脅して移動させているし、鍵も渡しておく。」鍵を配る

 

「共同生活である以上家事も分担して互いの負担を軽減する。当番制にするのも一つの手段だ。詳細は家を見て貰ってからにするが・・・ついでに唐突だが諸君に相談したい。」

 

「「「?」」」

 

「アイドルはキャラ付けが重要な要素だとイマニシから聞いている。私のキャラだが・・・どうするべきだろうか?」




レッシャー大将のウワサ③

少佐時代1年間だけアメリカ海軍特殊部隊Navy SEALsに在籍していたらしい。が、パイロットとしての武勇伝は聞かせてくれるがその1年間のことだけは絶対に口を割らないらしい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍大将、キャラ付けする

レッシャー大将のウワサ④
第5空母打撃群司令官時代、車に轢かれそうになった年の離れた友人姉弟を身を挺して救い重傷を負ったらしい。





解説


【レーダー迎撃士官】

Radar Intercept Officer (RIO)

アメリカ海軍において、複座戦闘機のレーダーや兵装操作を行う乗員。
アメリカ空軍のWSOと違い、機体の操縦は行わない。

ただし海軍であってもF/A-18の場合は後席での操縦も可能であり、操縦資格を持つWSOを搭乗させている。

※そもそもF-4海軍型やF-14の後席に操縦桿などの操縦系が備えられていない。






【兵装システム士官】
Weapon System Officer (WSO)

アメリカ空軍において、複座戦闘攻撃機のレーダーや兵装の操作を主任務とする乗員。
海軍のRIOとは違って操縦資格も持っており、必要に応じて副機長として機体の操縦も行う。

ただし、F/A-18では従来の艦上機とは違い後席での操縦が可能であり、海軍や海兵隊であってもWSOの呼称を用いている。


シンデレラプロジェクト

所属アイドル一覧

 

·島村卯月

·渋谷凛

·本田未央

·アナスタシア

·多田李衣菜

·新田美波

·前川みく

·William·Lescher·Ichinose jr.  ←クリック

 

 

 

 

 

William·Lescher·Ichinose jr.

ウィリアム·レッシャー·イチノセ ジュニア

·元アメリカ海軍大将。前 アメリカインド太平洋軍司令官。アイドル部門統括責任者である今西弘之部長のスカウトで入所。シンデレラプロジェクトのプロデューサーとアイドルを兼務する。

 

 

略歴

 

1985年 アメリカ海軍入隊

1991年 第31戦闘攻撃飛行隊

1992年 特殊作戦軍

1993年 海上自衛隊幹部学校付

1994年 第5空母航空団司令

1995年 統合参謀本部事務局 要員·人事部門

1998年 航空母艦 ジョージ·ワシントン 艦長

2000年 第3艦隊参謀長

2002年 第5空母打撃群司令官

2004年 統合参謀本部付(特殊部隊·テロ対策)

2006年 アメリカ太平洋艦隊副司令官 兼 参謀長

2008年 第7艦隊司令官

2010年 海軍法務総監

2011年 アメリカ太平洋艦隊司令官

2012年 アメリカ太平洋軍司令官

2015年7月1日 退役

2015年9月1日 当プロダクション入社 シンデレラプロジェクト担当プロデューサー(アイドルも兼務)

 

 

アイドルからの一言 

「私は30年間の軍務で持って合衆国への義務を果たしました。次は敬愛していた亡き祖父の祖国たるこの国で精一杯働く所存です。またプロデュース及び指導方針として

 

·正しいことをする勇気 間違ったことをしない勇気

·ずっと共に

 

を掲げ、新米ながら業務に邁進致します。普段中々皆様の目に触れない私達の活動の裏側ですが、本ホームページでその一端に触れていただき、益々の叱咤激励をいただければ幸いです。」   

 

2015年9月15日  William·Lescher·Ichinose jr.

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「プロデューサーさんのキャラ付け···。」

 

「君達に決めて貰いたいのだ。私は今まで何度も主体的に決断を下してきた。たまには他の者に任せてみたいし、イマニシが信じる君達を信じて委ねる意味もある。」

 

「じゃあ尚のことちゃんと考えてキャラ付けしないといけませんね!」

 

「う~ん、そもそもプロデューサーさんは何か希望ってあります?」

 

「イマニシがアドバイスしてくれたが、私は志希と違いクールでやっていきたい。それ以外は何も無い。」

 

「じゃあ、ここは王道で行こうよ!」

 

「王道?」

 

「しぶりんみたいな飄々としたクール系で売り出していくんです!」

 

「飄々とした···か。本田さんには申し訳ないが何か違う気がする。」

 

「うーん···じゃあ奏さんみたいなミステリアス系クールとかどうでしょう?」

 

「新田さん、私は少佐の頃のある1年間以外隠してだてするものなど無い。ミステリアスキャラなど自滅して終わるだけのような気がしてならんのだが···。」

 

「ですけどプロデューサーさんは表情があまり変わりませんからできなくもないと思います。後はそれらしい行動と言動でカバーできますよ?どう演じるかは奏さんに聞いて参考にすれば良いですし。」

 

♪目と目が逢う 瞬間好きだと気づいた  「あなたは今どんな気持ちでいるの」♪

 

「失礼。」電話を取る

 

「「「!?」」」

 

「Hello! It's been a long time, my friend.

I'm currently working in 346 productions.

Don't be crazy! Sure, I would normally have wanted to help you, but you're an adult, right?

And I owe it to an executive at 346 Productions. Must be Give back. Please understand.

When can we meet next time? ···understood.

I'm going to that your company day after tomorrow.

Call Yu too. Let's have a meal while talking about silly things with three people like in the past.

Don't worry about transportation why I'll pick you up.

See you again.」ピッ 電話を切る

 

「プロデューサーさん今の電話は?」

 

「親友とディナーの予定が入った。明後日は休むとイマニシに言っておかないとな。」頭を掻く

 

「今の着信音って765の如月千早さんの曲ですよね?」

 

「そうだ。彼女に敬意を表し第7艦隊司令官になって以降はずっと着信音にしている。」

 

尤も、チハヤとユウからの着信専用だがな。他の者からの着信音は違うものに設定されているのだ。

 

「それよりプロデューサーさんのキャラ結局どうするんです?」

 

「できるかどうかわからんが、やるだけやってみるとしようか、"ミステリアス系クールアイドル"をな。もう失うものは何もない。しくじってもイマニシの手落ちになるだけのことだ。」

 

大統領···ベスのやつがブチ切れて美城グループに報復するかもしれんが、今は言う必要は無いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

池袋 ウィリアムの別荘

 

「諸君、ここがこれから暮らす我々の"家"だ。各種トレーニングルームも諸君が暮らす部屋も防音壁付きで完備している。このリビングを中心にこっちがキッチン、トイレ、風呂、洗濯室だ。」

 

「プロデューサー、これは?」

 

「型落ち故に廃棄寸前で可哀想だったから私のポケットマネーで引き取った我が海軍の戦闘機シミュレータだ。一緒に飛んでみるか渋谷さん?」

 

「うん。エースコンバット全部やりこんだ腕を見せてあげるよ。」

 

「ほう。ならディナーの後に期待させて貰おうか。」

 




レッシャー大将のウワサ⑤

現在のアメリカ大統領であるエリザベス·ローレン大統領とアナポリス海軍兵学校の同期でよく一緒に先輩後輩同期達にイタズラを仕掛け教官を激怒させる仲だったらしい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍大将、しぶりんと飛ぶ

解説

アメリカ海軍の階級 及び大体の人数
アメリカ海軍には23の階級があり、合計34万人前後が働いている。ちなみにその中で"提督"と呼ばれる将官は230人いるか否かであり非常に狭き門である。

内訳はおよそ以下の通り

元帥  0(戦時の為の留保。平時は任命されない)

大将  約10人

中将  約40人

少将  約60人

准将  約120人

大佐  約3100人

中佐  約6500人

少佐  約10200人

大尉  約20000人

中尉  約7000人

少尉  約7156人

准尉  約1900人

士官候補生  約4500人

下士官  約208000人

水兵  約76000人




Electromagnetic Launcher (EML)
電磁ランチャー
エースコンバットシリーズに登場する電磁力によって実体弾を加速して発射する無誘導兵装。電磁投射砲(レールガン)とも呼ばれる。極めて高い発射速度により、命中時に大きな破壊力が期待できる。誘導性能を持たないため、命中時にはパイロットの熟練度が如実に表れる。渋谷凛が本気でエースコンバット7の空を舞う際の相棒。大抵の戦闘機を一撃で破壊できる。



JDAM
(Joint Direct Attack Munition、ジェイダム、統合直接攻撃弾)は、無誘導爆弾に精密誘導能力を付加する装置のシリーズ名である。2000年前後にアメリカ合衆国で開発・実用化され、米軍を主体に数ヶ国の軍隊が保有している。JDAMシリーズの誘導装置キットを取り付けることで、無誘導の自由落下爆弾を全天候型の精密誘導爆弾(スマート爆弾)に変身させることができる。INSとGPS受信機が組み込まれており、2つの方式を併用した誘導装置が尾部の制御翼をコントロールして、外部からの誘導なしに設定された座標へ精度の高い着弾が行える。



近接航空支援

Close Air Support (CAS)
事前の作戦計画ではなく、陸軍や前線航空管制官からの要請に応じて臨時に行われる軍用機の対地攻撃。
航空優勢が完全であれば攻撃ヘリコプター、でなければマルチロールファイターを投入するのが一般的。

友軍と交戦している敵の撃破が主目的であり、戦車・歩兵・短距離SAMなどが主な目標となる。


SAM

地対空ミサイル(ちたいくうミサイル、英語: surface-to-air missile, SAM / ground-to-air missile, GAM)は、地上から空中目標に対して発射されるミサイル。大規模なミサイル・サイトを設置する必要のあるものから、発射機を肩に担いで発射する小規模なものまである。



TACネーム
「TAC」とは「Tactical(戦術上の)」の略。
通信時に便宜上使うものであり、6文字以下や3音節等、短いほど望ましく、フォネティックコード等と被らないものとなる。
識別に使われるコールサインとは違って統一されておらず、部隊内での愛称であって正式な呼称ではないため、管制塔などに対する通信で使われることはない。
同姓同名の隊員が居てもTACネームで呼べば間違えることは無い、無線で聞き取りづらい名前の場合がある、傍受されても個人の特定を防ぐ、といった理由から使われている。主として通信の際に使われているが、呼ばれても反応できないという事を防ぐ、あだ名として使用、呼び間違えを防ぐ等の理由から日常的に使われている。
なお、個人に固定されたコールサインが与えられる場合はTACネームの必要性が薄く、TACネームを持たない場合もある。


渋谷凛のウワサ①

エースコンバットシリーズを全て持っている(全てクリア済み)らしい。愛機はF/A-18(E)Fスーパーホーネット、好きな特殊兵装はEML(本気の時以外使わない)らしい。

 

レッシャー大将のウワサ⑥

特殊部隊にいた時に声真似のスキルを取得した結果大抵の声を真似できるらしい。

 

 

 

 

「諸君、どうだろう私の夕食は?」

 

「プロデューサーこれ本当に鶏ムネ肉?全然パサパサしてないけど?」

 

「工夫一つでパサパサさせずに鶏ムネ肉は調理できる。尤も、我々はアイドルだ。皮は剥がして調理したからもの足りんとは思うが我慢してくれ。」

 

「そこまで私達は文句は言わないよ。」

 

今日の夕食は鶏ムネ肉のタンドリーチキンとカレー(アイドル用にスパイスだけのルーと肉は鶏ムネ肉を使う)、海藻サラダだ。

 

「再来月にはここにいる者だけでライブをやるよう先程イマニシから指示があった。場所は埼玉県のショッピングモール、コクーンシティだ。中庭を借りてひとまずやってみるようイマニシから言われた。小規模だが初ライブだ。堅実に、自分を見失わないよう頑張っていこう。」

 

「「「はい!」」」

 

「尚初ライブでは入場料は取らないが、来週収録するアルバムや関係グッズを販売して収入にする。一番アルバムが売れた者にはシャトー·ディケムの85年物を景品に出すぞ。」

 

「プロデューサーさん、シャトー·ディケムって何?」

 

「あぁ説明していなかったな。端的に言えば私の好きな白ワインだ。私が海軍に入った年に作られた85年物は日本円で大体20万円の相場になるか。」

 

「「「に 20万!?」」」

 

「そんなに驚くことか。諸君はこれから大いに稼ぐのだ。その位で驚くな。それに私は多額の資産を持っている。この程度どうということはない。」

 

「不躾ですがプロデューサーさんの資産はおいくらなんですか?」

 

「約200億ドル、2兆円と少しだな。」

 

「「「2兆!?」」」

 

「桁が違う···。」

 

「一ノ瀬家の者は皆何かしら副業をやっている。それだけの才覚があるのだからな。私も投資家をパイロットの傍らやっている。まあそれは良い。とりあえずここから君達はのしあがっていくのだ。最終的な目標は4年以内に我が合衆国のサン·デビル·スタジアムで我々のみでライブをやることだ。中期目標としては再来年末までにハワイでイベントをやる。初期目標は我が第7艦隊及び日本の何処か公的機関から慰問ライブの注文を受けることだ。それと"家族"だのなんだの言っておきながら申し訳ないが埼玉でのライブまでの間だけは私は君達とレッスン·トレーニングは受けない。独自に鍛える。」

 

「「「!?」」」

 

「君達は正直目の前にいる男のプロデューサーとしてはともかくアイドルとしての才覚は疑っていよう。無理もない。杖をついた老人だからな。師事する者にもあてがある。それにこういうことはもったいぶったほうがありがたみがあることを私は20年前身をもって学んだ。心配は無用だ!海軍大将をナメて貰っては困る。」凄みのある笑み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて。早速だが渋谷さん、一緒に飛んでみよう。このシミュレータは海軍向けだ。アドバーサリー(教導隊)としてのF-5、F-16以外にF-14、F/A-18が使える。どれに乗る?」

 

「F/A-18F一択だよ。ずっと乗り続けてきたんだからさ。」

 

「では私は後部座席でWSO(兵装システム士官)をやる。思うように飛んでみると良い。発艦から軽い制空戦闘、JDAMによるCAS(近接航空支援)、そして着艦だ。できるかな?」ヘルメットを渡す

 

「やって見せるよ。」ヘルメットを被る

 

「TACネームはどうする?」

 

「···プロデューサーが決めて良いよ。」

 

「···ビグルスだ。」

 

「···了解。」

 

「私のTACネームはコメットだ。だが機長は君だ。私のことは気にしなくて良い。」

 

「わかった。」シミュレータに乗り込む

 

らしくないな。私が感傷に浸り、あまつさえ亡き者の渾名をそっくりだが赤の他人である者につけるとは···彼女がお前に似ているからか···すまんビグルス。お前が戦死して23年経つがやはり私はお前を忘れられない。渋谷さんはお前によく似ている···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ!」

 

「OK···ギアアップ。」

 

「マスターアームON、マスターアームON。異常なし。高度4000まで上昇。」

 

 

 

 

 

「相棒〈バディ〉、敵戦闘ヘリだ、撃ち落とせ。」

 

「ラジャー。ビグルス フォックス2!(ミサイル発射 僚機は注意せよ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビグルス、SAM(地上発射対空ミサイル)だ。回避!チャフ!」

 

 

 

 

「爆弾投下。」

 

 

 

 

「ミッションコンプリート。RTB(母艦に帰る).帰るよコメット。」

 

「Roger.」

 

 

 

 

 

「相棒〈バディ〉、僅かに逸れてる。残り3マイルで修正しろ。」

 

「ラジャー。フックダウン。ポールを確認。着艦する。パワー、パワー。」スロットルを上げる

 

「よし、着艦!」ドスン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見事だった。私が現役の時に出会ってたら一緒に飛びたかったと思う程だ。良いフライトを見せて貰った。ありがとう渋谷さん。」ヘルメットを脱ぐ

 

「うん。こちらこそ。」手を差し出す

 

「···。」握手

 

「それとプロデューサー。これからは名字じゃなくてさ、さっきみたいに相棒〈バディ〉って呼んでよ。なんかそっちの方がしっくり来るからさ。」

 

「···私には今まで四人の相棒がいた。が、全員戦死した。そういう意味では私は死神なのだ。それでも呼んで良いというのなら相棒〈バディ〉と呼ぶ。君はそれほどの腕を持っていた。」

 

「···大丈夫だよプロデューサー。私は死なないから!」ウィリアムの肩を叩く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···なんかプロデューサーさんと凛ちゃん雰囲気良いね。」小声

 

「ちょっとまずいですよ···このままじゃプロデューサーさんが凛ちゃんの餌食に···」小声

 

「大丈夫。まだまだ巻き返せるって。」小声

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2300 ウィリアムの別荘 ベランダ

 

「···。」電話をかける

 

プルプルプル プルプルプル ガチャ

 

「もしもし、私だ。久しぶりだなミホ。お前の力を借りたい。キョウコも呼び出せ。来週からこちらに移れるよう手配した。荷物をまとめておけ。待っているぞ。」




レッシャー大将のウワサ⑦

日本の公安委員会から特別に銃器常時携帯許可を経て常に革製アタッシュケースを携帯しているらしい。中身はH&K MP7短機関銃と予備のマガジン2本、M84スタングレネード·M18スモークグレネード·M67破片手榴弾 各1個ずつ、予備のワルサーPPK拳銃と予備のマガジン2本らしい。
尚T-1257アーミーナイフを腰裏のベルトに、ワルサーP38拳銃と予備マガジン1本をベルト左横に下げているらしい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍大将、親友と再会する

本作の主人公のテーマ曲は澤野弘之氏の「銀河英雄伝説 Die Neue These」の「Tranquility」です。本気で歌う主人公の声はシンガーソングライター Anlyさんに近い声になります。




解説

Navy SEALs(ネイビーシールズ,英語: United States Navy SEALs)
アメリカ海軍の特殊部隊。統合軍の一つ、特殊作戦軍の管轄部隊であり2つの特殊戦グループ、8つのチームに分かれて編成されている。所属隊員又は所属ライセンスの持ち主は鷲が三又鉾を持ったバッジである海軍特殊戦章〈トライデント〉を左胸に付けている。世界最高峰の実力を持つ特殊部隊として有名。レッシャー大将もかつて所属していた。



ストーナー63
いわゆるシステム・ウェポンと呼ばれる銃で、機関部を中心に重銃身と三脚を付けて重機関銃、他に部品交換で車載機銃や分隊支援火器、アサルトライフル、カービンにもなる。機関銃の給弾方法も弾倉とベルト式が選択出来、給弾方向も自由であった。レッシャー大将はSEALsにいた頃(少佐時代)これの改良モデルのベルト式機関銃を装備、指揮官 兼 機関銃手をやっていた。






如月千早のヒミツ①
幼い頃からのアメリカ軍人の親友"ウィル"がいるらしい。


レッシャー大将のウワサ⑧
『おっさん』呼ばわりされるとキレるらしい。


765プロダクション 本社前

 

チハヤとユウはこんな小さな会社で働いているのか。躍進している会社だと聞いていたがこれでは零細企業のオフィスではないか。まあそんなこと言っても始まらない。とりあえずチハヤに会わねばな。

 

 

プルプルプル プルプルプル ガチャ

 

「Good morning my friend. It's me. I'm under the 765 production, so come pick me up.」ガチャ

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウィル!」抱き着く

 

「チハヤ。」抱き締める

 

「お久しぶりです。10年ぶりですが変わりませんね。」

 

「お前は本当に大きくなった。私は衰える一方だ。もし何かあったらチハヤに介護してもらわないといけないかもしれんな。」

 

「勿論です。ウィルのことは優と一緒に支えますから!」

 

「ありがとう友よ。早速だがレッスンを見て貰えるかな?」

 

「はい。ウィルを1ヶ月で一流に育てるプランを優や皆で立てました。」

 

「ありがとう。」

 

「まずはウィルの今の実力を見ます。劇場〈シアター〉に行きましょう。優が待っています。」

 

「よし。車に乗れ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーいみんなー!千早が彼氏連れてきたぞー!」

 

「「「!!」」」

 

「765プロダクションでは私はチハヤの彼氏扱いなのか、ユウ?」手を出す

 

「お久しぶりです、ウィル。響さんが煽っただけですからお気になさらず。」握手

 

「チハヤが望むなら私はそれでも良いが···。」小声

 

「それ言っちゃったら姉ちゃん発情しちゃいますから自重して下さい」小声で注意

 

「あ あぁわかった···はじめまして765プロのアイドルの皆さん。私はウィリアム·レッシャー·イチノセ ジュニアだ。いつもチハヤとユウが世話になっている。これは差し入れだ。」ウイスキーと白ワインとシチリア産オレンジジュース3本ずつと生ハム丸々2本

 

「こんなにたくさん···ありがとうございますウィル。」

 

「いや、そもそも私とチハヤはこれから商売上の敵同士となるのだ。であるにも関わらず私を快く受け入れてくれたチハヤと765プロダクションの各位には感謝せねばなるまい。この程度の差し入れではむしろ不足だろう。」

 

「僕達はウィルが765プロに新しい刺激を与えてくれると思ったからレッスンの申し出を快諾したんです。765プロとウィルの利害は一致しているんですから気にしないで下さい。」

 

「ユウがそう言うならそう考えておく···それより会社の幹部達に挨拶したい。会わせてくれるか?」

 

「社長は先程『築地で面白いものを見つけたから買い物してくる』とお出かけになり僕以外のプロデューサーの方々も挨拶回りで夜まで帰ってきません。事務の方々も諸事情により席を外しています。事務方を兼任するアイドルの方々も撮影に出かけました。とりあえず姉ちゃん達にレッスンを見てもらってはいかがでしょう?」

 

「···わかった。そうさせて貰おう。チハヤ、頼めるか?」

 

「はい。」

 

「ユウ、このCDを頼む。イマニシの部下が私の為に作ってくれた曲の音源だ。当然まだ私はレコーディングしていないし発売もしていない。お前達姉弟とここにいる者だけが初めての聴き手だ。頼むぞ。」

 

「ありがとうございますウィル。耳かっぽじってちゃんと聴きますよ。」

 

 

 

 

 

 

 

It only takes one lone soul

It only takes one in a thousand

The absence of fear in your eyes

No, that's not bravery

As children we learn it's wrong

to put out the light of another

Our innocence lost over time

Means to an end

It's hard to hold your head up high

But we must try

 

ひとつの孤独な魂だけが選ばれた

幾千の魂の中から

お前の眼に恐怖はない

だがそれは勇気ではない

学校で私達は学んだ

他の人の命の光を消すことは間違いだと

時の中で失われた僕らの潔白は

ひとつの結末に導かれた

うつむかずにいるのは難しい

でも努力しなければならない

 

 

Sway together in the dark

It's supposed to be

'Cos I want to know the end

and you never ever need to fight

But you're fighting everyday

And I don't know when your light will go out

Innocent crying child

The heart of your enemy

 

闇の中をともに戦おう

私達が予期していたように

私は結末を知りたい

お前がもう戦わなくてもいいように

でもお前は来る日も戦い続け

私は君の命がいつ尽きるかも知ることができない

泣き続ける無垢な子供が

お前の敵の心にもあるというのに

 

My heart to heart with the light

and we always get along

Counting the stars in the sky

thinking why they have to die

Just face to face we can hear

a voice telling us it's wrong

Counting the stars in the sky

It was like a lullaby

 

私の心と光を持つお前の心

それはいつも一緒にいた

空の星を数えながら

お前がなぜ死なねばならなかったのかと考えながら

面と向かってでなければ

それが間違いだと告げる声は聞こえない

その声は空の星を数え続ける

まるで子守歌のように

 

 

For sunsets I'll break the rules

We learnt playing down in the heather

The secrets behind all the veils

We just use other words

For freedom we make our charge

For friendship we bare down on others

Can't one of you just calculate

Tranquility?

 

夕日に向かって私達は掟を破った

私達はかつて草むらの中で遊びながら知った

全てのベールの向こうの秘密を

私達はもう嘗てのように話すこともできない

私達が自由の対価を支払うために

友情と祖国の為に敵を殺す

だれか教えてくれ

友の死を対価に祖国に平和は訪れたか?

 

 

 

It's hard to hold your head up high

But we must try

 

Sway together in the dark

It's supposed to be

'Cos I want to know the end

and you never ever need to fight

But you're fighting everyday

And I don't know when your light will go out

Innocent crying child

The heart of your enemy

 

Sway together in the dark

It's supposed to be

'Cos I want to know the end

and you never ever need to fight

But you're fighting everyday

And I don't know when your light will go out

Innocent crying child

The heart of your enemy

 

My heart to heart with the light

and we always get along

Counting the stars in the sky

thinking why they have to die

Just face to face we can hear

a voice telling us it's wrong

Counting the stars in the sky

It was like a lullaby

 

 

「凄い···本当に素人なのこの人?」

 

「美希さん、ウィルはカラオケは好きでしたが最近までアメリカ海軍大将でした。練習する時間なんて現役時代そんなにあったはずがありません。そんな中でこの声量です。やっぱり美希さんのような天才肌なタイプなんだと思います。」

 

 

 

「大切な人を亡くした者、そして私の今まで死んでいった戦友達のために歌う鎮魂歌〈レクイエム〉だ。私が作った歌詞に346の作曲者が曲調を付けてくれた。練習など一切していない状態の微妙なものだったが聞いてくれて感謝する。」ヘッドホンを外す

 

「ウィル、本当に練習していないのですか?」

 

「中東にいた頃声真似の練習をしたのもあって喉には自信がある。例えば菊地さんの声なら···。」喉仏を押し戻す

 

「···『菊地真、18歳。趣味はスポーツ全般です。よろしくお願いします!』···といった感じにな。どうかな、似てただろう?」

 

「「「!?」」」

 

「···真そっくりでしたね。流石ですウィル。それはSEALs時代に得た技術なんですか?」

 

「そうだ。軍機につきこれ以上は聞くな。」

 

「わかりました。歌唱力は問題無いと思います。でしょ姉ちゃん?」

 

「問題無いと思うわ。問題は踊れるかどうかね···。」

 

「一度手本を見せてくれ。まずはそれを覚えて真似する。では動きやすい服に着替えるか。」ネクタイを取る

 

「ウィル?!」

 

「どうしたチハヤ?」

 

「私達がいるのに着替えちゃうんですか?!」

 

「私はパイロットであったしSEALsの一員だった。女性の上官同僚部下と寝食も風呂も戦闘も共にしていたんだ。全ては今更だ。見られて困ることなど無い。」スーツを脱ぎ始める

 

 

 

 

 

 

 

如月千早side

はぁ······この人は史上初めて日系で且つ男性でアメリカ海軍大将にまで昇り詰めた天才···天才だからこそ普通の男性とは違う価値観で動いている···ご両親から情操教育を受けずにきたのもあって昔からガードが甘いところがあった。ほら、案の定皆が獲物を見る目でウィルに狙いを定めてる。

 

「皆、見るのは百歩譲って良いにしてもウィルを襲ったりしないで!それをやった途端346プロとアメリカ大統領を同時に敵にまわすことになるから!」

 

「346はわかるけどなんでアメリカ大統領まで敵にまわるんだ千早?」

 

「ローレン大統領とウィルは学校の同期で親友。今も緊密に連絡を取り合う仲なの。そのウィルが765プロのアイドルにレイプされたなんて聞いたら···。」

 

「まあそうなる前に問答無用でぶちのめすがな。ユウ、説明してやれ。」

 

「皆さん、ウィルは23年前アメリカ海軍特殊部隊Navy SEALsに所属していました。先月イスラム系テロリストの指導者がアメリカ海軍特殊部隊に殺害されたことがニュースになったのは覚えてますか?」

 

「言われてみればそんなことがあったようななかったような···。」

 

「その作戦を主導したアメリカ海軍特殊部隊というのがNavy SEALsなんです。陸海空どこででも戦えるエリート部隊です。志願して訓練所に入ったとしても合格率はたったの約20%。2年半の地獄の訓練を潜り抜けた者だけが入れるんです。ウィルは世界初の男性戦闘機パイロットとしての面ばかりメディアに注目されがちですが、世界初の男性特殊部隊員でもあるのです。」

 

「故に、そこらの痴女など即座に返り討ちにできる。中佐の頃30人近い半グレ集団にレイプされそうになったが、漏れ無く素手だけで全員半殺しにしてやった。私の後ろに立たないことを勧める。生命の安全は保証しない。」着替えた

 

「まあ誘うようなアクションをするウィルにも問題がありますよ···。」

 

「わかっているともチハヤ。だが30年ずっとこんな感じでやってきたのだ。今更変えられん。」

 

「よくそれで現役時代襲われずに済みましたね。」

 

「あいつらは私を引き取るとどうなるかよくわかっていた。『何事にも報いを』をモットーとする合衆国屈指の敏腕政治家···今の大統領である我が友エリザベス·ローレンを敵に回す上、放射能まみれで老い先短い私を引き取ったら100%未亡人になるのが目に見えている。ならば他をあたろう···となる訳だ。合衆国軍人はエリートだ。夫を迎えることは決して難しくない。わざわざリスキーな私を引き取ったりはせんよ。いわば鑑賞用の薔薇だったのだ···私の話はどうでも良い。ダンスのレッスンをして貰いたいのだが···?」

 

「姉ちゃん、誰が教えるの?」

 

「まずは私が教える。で問題なかったら美希にやって貰う。」

 

「···だそうですから美希さんお願いします。」

 

「わかったの!」

 

冷や冷やするから扇情的な格好はやめて欲しいのだけれど···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海軍大将をナメて貰っては困る。一回見ればコピーは容易だからな。チハヤのダンスも次の星井さんのダンスも難なくやって見せた。

 

 

「凄い···おっさんミキミキのダンスも完全にコピーしてますな。それにしても滴る汗がえっちぃですな。」

 

「ですな。」

 

···双海姉妹よ。老人の汗なんぞに欲情しないで貰いたい···オイ、今私を『おっさん』トヨンダナ···ブチノメスカ···

 

「···」バキバキバキ 首と指を鳴らす

 

「ん?あ しまった!ウィル!」レッシャーを後ろから拘束する

 

「ユウ、止めるな。コイツラワタシヲ『おっさん』トヨンダ···」ブチ切れ

 

「真美さん亜美さん逃げて下さい!」

 

「え?え?どうしたのおっさん?」

 

「コロス···。」アーミーナイフを取り出す

 

「うわぁー火に油を注がないで下さい真美さん亜美さん!!」

 

「え?まさかそんなにおっさん呼ばわりが嫌だったの?」

 

「You'll be executed for insulting a superior officer, you goddamn kids!! Are you ready for this?」

 

「ヤバいヤバいヤバい!ウィルが本気で怒ってる!姉ちゃん助けて!」

 

「もう!ウィル!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···すまなかった。」正座

 

「いや、ウィルの発作を忘れてた僕の責任もあります。真美さん亜美さん、次からはさっきの呼び方以外でお願いします。ウィルはさっきのように呼ばれるのが何より大嫌いなんです。ですがいきなりアーミーナイフを出してくるとは思いませんでしたよウィル。」

 

「自衛用に常に携帯している。無論日本の公安委員会から許可を得てな。私は多くの情報を握っている。他国の工作員にちょっかいをかけられても大丈夫なようにな。最初護衛が付けられそうになったが断った。自由にやる為にな···それより私のダンスだがどうだった、チハヤ?」

 

「完全に私とミキのコピーでしたから単純に腕前は問題ないと思います。ですけど···。」美希を見る

 

「大将のダンスは中身がないとミキは思うの。それじゃファンは集まらないの!」

 

「···一つ課題が見つかったな。ここにいる諸君はチハヤ同様強い信念があってアイドルをやっている。だが私は違う。旧き友の手伝いの為に何気なくアイドルを始めただけだ。それでは駄目なのだな。"中身"が無いとな。二人ともありがとう。重要なことに気付くことができた。」

 

軍人が信念を持つことは許されない。何故なら戦争は信念が一つの原因になることがあるからだ。その点私にはプロフェッショナルとしての信念はあっても合衆国軍人としての、アメリカ人としての信念など皆無であった。だからこそ冷静さを買われて海軍大将にまで昇ることができた。が、ここは信念が重要な要素を占めるアイドルの世界。何故アイドルをやっているのか···信念を持たねばやっていけないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1600

 

「行くぞチハヤ、ユウ。」車のエンジンをかける

 

「「はい!」」乗り込む

 

「今日はありがとう765プロダクションの諸君。これからも世話になるかもしれないが、その際は宜しくお願いする。それと社長達に宜しく言っておいて貰いたい。」

 

「わかったの。大将も頑張ってね。ミキ達は応援してるの!」

 

「ありがとう。私も君達から教えて貰ったこと、無駄にはせん。では、また会おう。」車を出す

 

 

 

 

 

 

 

「ウィル、この車マニュアル車なんですね。」

 

「マツダ RX-7 FB3S後期型、シルバーモデル。5速MTだ。手に入れるのは容易かったがメンテナンス等に金を取られた。合計1500万円は費やしたな。」

 

「そんなにかけたんですか?でもウィルって他に車ありましたよね?」

 

「アヴェンタドール LP-700-4のことか?あれは2人乗りだ。10年前の時はお前達が小さかったからシートに2人乗れたが、今はそうもいかんだろう。これは3人以上で移動する時用だ。」4速に入れる

 

「それよりも、ウィル、どこで夕食を摂るつもりですか?」

 

「帝国ホテルのレストラン『レ·セゾン』。ドレスコードが必要だ。だからお前達にはスーツで来るようお願いしたのだ。」

 

「帝国ホテルって···そこって高いですよねウィル?」

 

「そうだなユウ。お一人様21000円だ。サービスを更に付けるならもっと高くなる。泊まる以上もっと高くなる。」

 

「いくらなんでも高過ぎませんか?僕達の財布10000円も入ってませんよ?」

 

「いつ私はお前達に払えと言った?私の奢りだよ。チハヤはAランク昇格、ユウは私同様外で働き初めて3周年になるお祝いだ。それに私は10年もの間お前達の成長を直接見守ることができなかった。見ていない間に随分逞しくなった。"第二の親"として、"親友"として祝ってやるのが筋だろう。」

 

「···ありがとうございます。ゴチになりますウィル。」

 

「素直でよろしい···ついでに言えばあのレストランの個室を頼んだ。防音は完璧だ。そこで一つだけお前達に相談がある。ベス、イマニシに続くたった4人の"まだ生きている"私の親友であるお前達にしかできん相談だ。聞いてくれるか?」

 

「勿論聞きますよウィル。最も、僕と姉ちゃん合わせてもウィルの約半分しか生きてませんからお役に立てるかわかりませんが···。」

 

「構わん。元より解決できると思っていない。お前達に聞いて貰うだけでも胸中にただ燻らせるよりは遥かにマシというものだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前達も知っての通り私は23年前Navy SEALsで働いていた。その時の直属の部下でありまた私の手足となって動いてくれていた初代"相棒"であるアンゲラ·"ビグルス"·マーフィー大尉という奴がいてな。ちょうどあの日は敵スナイパー排除の為に私も珍しく前線に出ていたのだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1992年 12月  イラク ファルージャ

 

「相棒、今回こそ殺るぞ。」

 

「うん。任せてよ。」

 

「奴のブツはドラグノフ狙撃銃。だが君はM40A3だ。狙撃の腕も恐らく君が上。殺ったら下の車でさっさと引き上げる。簡単な仕事だな。」

 

「ねえ相棒。」銃を構える

 

「どうした?」

 

「指輪買ったんだ。私のとあんたの分。帰ったら返事くれる?」

 

「···勿論だ。」

 

「もう従軍牧師さんと皆には話をつけてあるんだ。簡易的だけど式を挙げてくれるって。」

 

「私が見てない間に何してたんだあいつら···。」

 

「あんたが事務仕事してる間にチーム3総出でやったから、あんたに気付かれない内にすぐ出来上がったよ。」スコープを覗く

 

「中佐にどやされないと良いが···。」

 

「中佐はリスが説得したから大丈夫。それにあんたはこの1年男でありながら砂埃舞うこの中東で文句一つ言わず頑張って来たんだから、少し位休みなって。働きすぎだよ。」

 

「···そうかもしれんな。ここ1年本国に帰ってないからな。」

 

「今回の任務が終わったら二人で1年位休暇を取ろう。私の故郷テキサスでのんびり暮らすんだ···相棒。」

 

「なんだ、ビグルス?」

 

「···子供は沢山欲しい。最低でも3人。」

 

「おいおいおい、それこそ事実上の求婚じゃないか···体力が持つ限り協力してやるよ。むしろ君の体力が心配でならないのだが···。」

 

「大丈夫。マーフィー家の人間はベッドの上でも強者だからさ。ふふっ、あんたのその返しも事実上のOKサインじゃん。」

 

「今更気の利いた返事を考える仲でもないだろう私達は。」

 

「そうだね。小さい時からずっと一緒で、ベスと3人で81年に一緒にアナポリスに入って、一緒に飛んで、ベスは水上艦に行っちゃったけど、私達2人はNavy SEALsに入って18年···ずっと一緒だったね。」セーフティを外す

 

「これからも一緒だ。ずっとな。」ストーナー63を下ろす

 

「うん···見つけた。距離1128ヤード(約1.031キロ)。風速は?」

 

「ほぼ無風。」風速計を確認する

 

「殺る。」

 

「一撃で決めろ。音でこの辺をうろうろしてるテロリストが集まってくる。」

 

「···小さな的を狙え······!」ダァン

 

「···仕留めた。」リロード

 

「よし引き上げるぞ!全員撤収!」

 

 

 

 

 

 

 

「少佐、敵が殺ったそばから湧いて来やがる!CAS(近接航空支援)を!」ダダダダダッ

 

「こんな砂嵐の中やれる訳が無い!何とかして逃げるぞ!203(グレネードランチャー)を使え!中佐から失敬したのがある!」グレネード弾を渡す

 

「少佐、グスタフ(無反動砲)も使ってよ!」

 

「待ってろ···全員退避!Fire!」バァン

 

「Go Go Go!!···ヴッ!」被弾

 

「相棒!」駆け寄る

 

「駄目だ!右太股をやられた。私を置いていけ相棒!君まで巻き込めん!」

 

「その程度なら砂刷り込んで水飲めば治るよ!諦めないで!リス!手を貸して!」肩を貸す

 

「わかった!」

 

「大尉後ろ!」

 

「?···ガッ。」首筋に被弾する

 

「大尉?! このクソ野郎!」ダダダダダッ

 

「相棒!ミイラ取りがミイラになってどうする?!」ガーゼをあてる

 

「···脈が切られた···もう駄目···相棒、チームを連れて逃げて···。」

 

「今更そんなことはできん!諦めるな!」止血を試みる

 

「私の部屋···一番上の···引き出しに指輪···が入ってる···相棒、これからは···それを···私だと思って···」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビグルスは死後二階級特進で中佐となり、敵凄腕スナイパーの排除や過去の武勲、私を守った功績により合衆国軍人が受けられる最高の栄誉、名誉勲章を追贈された。その上来年最初に就役する我が海軍の駆逐艦にその名を冠する栄誉も重ね与えられた。

ビグルスは私の初代"相棒"でありまた歴代の相棒の中で最も長い付き合いだった。テキサスで出会い以後18年ずっと一緒だった。

お前達には申し訳ないがベスやイマニシ、他の相棒たち、そしてお前達に比べても正直ぶっちぎりで私はあいつのことを強く愛していた。あいつは確かに強かった。だが、他の者には無い今にも消えてしまいそうな儚い笑顔に私は惹かれたのだ。あの笑顔を見ることはもう叶わない。アイツを失い23年が経った。そして私はここにいる。

イマニシに呼ばれ346プロダクションで働き始め、最初にあてがわれた同僚の一人があろうことかビグルスにそっくりだった。一緒に暮らし始めて一週間も経っていないが、彼女と交流してよくわかった。まさに彼女はビグルスの生き写しだ。姿も声も性格もあの儚い笑顔も全て。意識していないとつい土下座して赦しを乞いそうになる。かつてアイツにしていたように後ろから抱き締めてしまいそうになる。彼女はアイツじゃない。しかしそれでもやはりアイツの面影が脳裏に浮かぶ。だが彼女は今の私の"家族"だ。避けたりなどできん。私は自分が家庭に入る資格が無い人間だと弁えているし、ビグルスへの贖罪の為にも独身を貫いてきた。だが彼女を見てその決意も崩壊寸前だ。決意が揺らぐ私自身への軟弱さにも腹が立つ!だが、今更どうしろと言うのだ···神は何故私にこのような試練を課すのか···。」

 

「ウィル···。」

 

「···すまん。酒が入って舌が滑らかになったようだ。誰かにここまでぶちまけたのも実に15年ぶりだ。お前達に聞かせることではなかったな。」

 

「ウィル、マーフィー中佐は別にウィルに贖罪なんて求めてないと思います。ウィルが幸せに生きてくれさえすれば···。」

 

「そうかもしれ···いや、アイツなら間違いなくそう言うだろうなチハヤ。だが私は軍人だ。そしていつも前線で陣頭に立って戦っていた。

太平洋艦隊司令官になるまで現場が仕事先の時は陸〈おか〉にいる時間より艦にいた時間の方にいた時間の方が長かった。戦死する可能性が高い中で家庭になど入れんよ。

迷惑を掛けたくなかったのだ。私の公式Facebo○kには『飛ぶのが楽しすぎて独身のまま大将になった男』と書いてごまかしているが、本当はビグルスへの贖罪、周囲に迷惑をかけることへの恐怖、また親友を失う恐怖に駆られていたからずっと一人で生きてきたのだ。

現にF/A-18が我が海軍に配備されて以降私は単座型にしか乗らなかった。だが···正直ずっと寂しかった。ずっと一人だった。だが、今更どの面下げてベスの奴に甘えられようか。今更チハヤ、ユウ、お前達に甘えるなど論外も甚だしい。そんなことができよう筈がないではないか···。」

 

「ウィル、僕達がそんなに頼りないですか?」

 

「そんなことはない!だが···」

 

「でしたら素直に僕達に頼って下さい。僕達はもう大人です。それに僕達は"家族"であり"親友"です。助け合わないと。ずっと一方的にウィルに助けられるのも嫌ですから。でしょ、姉ちゃん?」

 

「そうね。ウィル、私達を頼って下さい。貴方は一人じゃないんですよ!ローレン大統領も、346の今西部長さんも、私達も、同僚さんもいるんですから!」胸を張る

 

「···10年前はあんなに泣き虫で小さかったお前達がたった10年でここまで大きくなって私に説教するのか···私も年をとった···ありがとう友よ。これからはもっと素直に生きることにする···それで良いよな···ビグルス···。」指輪をさする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウィル、飲み過ぎです···。」レッシャーを支える

 

「すまん。調子に乗ってワイルドターキーなどに手を出したのが愚かだった···う~気持ち悪い···だがこんなに楽しい酒は実に24年ぶりだった。反省はするが後悔はない···というか早速お前達に頼ってしまっているな。」

 

「そうですね。これからも頼って下さいよ、ウィル。」

 

「ああ···この部屋だ。」鍵を開ける

 

「すまんが先に寝る。もう限界だ···。」Zzzz···

 

「ウィル?もう寝ちゃった。早すぎるって。」呆れ

 

「優、私達もシャワーを浴びたら寝ましょ。明日もお仕事だから。」

 

「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シンデレラプロジェクトの組織もだいぶ様になってきた。彼女達もどんどん進歩しているし私も今回のチハヤ達につけて貰ったレッスンで重要なことに気付くことができた。だが纏め役がいない。

 他ならぬ私がシンデレラプロジェクトの纏め役だが、私が不在あるいは身体に何かあった際に代わりに指揮を執れる副司令官が欲しい。新田さんにしようか迷ったがやめざるを得ない。彼女はしっかり者だがまだ未成年の大学生だ。成人している者で適当な人材を寄越して貰えないかイマニシに聞いてみよう。




レッシャー大将のウワサ⑨
並外れた記憶力と人外の反射神経と動体視力の持ち主であり、湾岸戦争ではイラク軍が自機に発射したミサイルを機関砲で撃破して防御したらしい。



川島瑞樹のウワサ①
アナウンサー時代当時まだアメリカ太平洋艦隊副司令官(少将)だったレッシャー大将にインタビューしたことがあるらしい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍大将、初仕事(何故かYouT○be)に就く

解説


副官(ふくかん)
軍隊において高級の役職に就く者は一般的な組織運営だけでなく、戦時・平時関わらず配下の事務や指揮監督しなければならない。高い役職·階級ほど管理する組織は大きくなるため、全体を役職者一人で運営・管理するのは体力的、時間的に困難であるため、副官を置きその一部を担当させる。当然ながら、事案の最終決定権限は役職者本人が持つ。
副官は役職者の代理という側面があることから優秀な者が選抜・起用される。
多くの軍隊では一目で副官だと分かる「飾り」を軍服に付ける事が多い。

尚、レッシャー大将は退役しプロデューサー(兼アイドル)になったがシンデレラプロジェクトの書類が思ったより多かったのもあって(できる限り傍にいて貰う為にも)渋谷凛をプロデューサーを補佐するアシスタントプロデューサーに今西部長に任じて貰う形で彼女に事実上の副官を命ずる予定である。



コアントロー
フランス産のオレンジリキュール。液色は無色透明。アルコール度数は約40度。エキス分は27%である。創始者の息子であるエドゥアール・ジャン・コアントロー(Edouard-Jean Cointreau)が開発し、現在に至るまで開発当時の味を厳密に再現している。お菓子の他カクテル等に使用される。
レッシャー大将はこれをレモンとサイダーで割ったものが大好きで良いことがあるとよく飲んでいる。


レッシャー大将のウワサ⑪

現在の中央情報局(CIA:アメリカのスパイ機関)軍事担当上席長官補であるキルライン中将とは世話を焼く先輩と世話を焼かれるおっちょこちょいな後輩の関係だったらしい。

 

 

 

-------------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

 

 

 

346プロダクション  ウィリアムの執務室

 

 

コンコンコン ノック

 

「入れ。」

 

「失礼するよウィリアム。」

 

「イマニシ。」

 

「ちょっと相談なんだけどね。」

 

「仕事か?」

 

「あぁ。明後日の我が346でやっている公式YouTu○eライブ配信の仕事で本来なら川島君、速水君、高垣君にお願いする予定だったんだけど、高垣君がアルコール中毒(笑)でしばらく無理になっちゃったんだ。今回の企画のテーマは『酒の肴』で、ある程度以上の年齢か貫禄がある人にやって貰わないといけない。だけど明後日はその条件に合致するアイドル達は皆出払ってしまっててね。」

 

「御託は良い。『代わりに出ろ』とはっきり言え。」

 

「助かる。詳細はこれを呼んで確認してくれ。」

 

「アイドルにしておいて初仕事がライブのラの字も無い動画配信なのだ。代償が必要だな。そうは思わんか、イマニシ?」

 

「私に払える代償なら喜んで払うとも。」

 

「私に万が一のことがあった場合代わりに指揮を執ることができる副司令官が欲しい。当然大人だ。成人しているアイドルをシンデレラプロジェクトによこせ。ある程度プロデューサーもできそうな奴だ。人選はお前に任せる。」

 

「わかった。再来週までに手配しよう。」

 

「それと渋谷凛をシンデレラプロジェクトのアシスタントプロデューサーに任じろ。私の副官にする。苦労をかける以上給料に色を付けてやりたい。」

 

「わかった。それもやっておく···ウィリアム。」

 

「なんだ?」

 

「渋谷君に入れ込むのは結構だが忘れないでくれよ。彼女はビグルスではない。」

 

「わかっている。アイツの面影を求めて彼女を求めたりはせん。それに私と彼女は30も離れている。彼女が私をそんな目で見たりしないだろう···それに私は傍にいてくれるだけで満足している。」

 

「さて、君はそうだろうが渋谷君はどうかな···もう少しで会議の時間だ。じゃあウィリアム、頼むよ。ついでに埼玉の初ライブの告知も抜かりなくね。」退室する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さんこんばんわ。今週も『346クッキング教室』の時間がやって参りました。司会の川島瑞樹です。」

 

「速水奏です。」

 

「ウィリアム·レッシャー·イチノセ Jr.です。高垣さんの代理として出させていただきます。よろしくお願いします。」

 

「お久しぶりですレッシャー提督。」

 

「久しぶりです。9年振りですね。川島さん、あの時は青い花の髪留めを付けていましたが、今は紫の花なんですね。」

 

「あら、これ似合ってませんか?」

 

「いえ。むしろ良く似合ってますよ。あの時川島さんはまだ19歳のピチピチでしたからね。あの時より腰が落ち着いている今なら青より紫ですよ。」

 

「あらやだ、今もまだピチピチですよ!」

 

「川島さんはまだギリギリですがピチピチを名乗れて正直羨ましいですな。私は川島さんのインタビューを受けたのが35歳の時。当然今は44歳です。新人な上にアイドル界で言えば老人ですからね。」

 

「その割にまだ肌は志希とあまり変わらないように見えますけど?」

 

「速水さん、一ノ瀬家の人間は何故か外見だけは老けません。それは志希も私も同様ですよ。一ノ瀬家からは頭も身体も常識はずれな奴ばかり生まれてしまう。アイツに振り回されている当事者なら身を持ってお分かりの筈だ。」

 

「ですけど、常識はずれがアメリカ海軍大将にまで昇れるものなのですか?」

 

「私は4歳でパイロットを志し、本来であればアナポリス海軍兵学校には17歳からしか入れないにもかかわらず、10歳で入り14歳で卒業した変人もいいところな男です。」

 

「では、そんな変人であるレッシャー提督がオフの日にお酒の供にしているものを早速、披露して頂きましょう!」キッチンを映す

 

「こんな粗野な男の粗野な料理ではあるが参考になれば幸いです。」腕をまくる

 

「材料は鶏胸肉3枚卵2個と生姜にんにく、そして白ワイン。片栗粉と小麦粉、小麦粉は正直どのタイプでも大して変わりません。そして重要なのがこのあごだし。他のあごだしではいけません。久原のあごだしを使って下さい。材料からなんとなく察した人もいるかもしれませんが今回のおつまみはシンプルに鶏の唐揚げです。」

 

「唐揚げですか···。」

 

「太っちゃうわねぇ···。」

 

「太らないように調理法を工夫します。これによりアイドルも食べられますし、おつまみはもとより夕食でもなんでしたら朝食昼食でも使えるかなり使い勝手の良い唐揚げができますので是非とも参考にしてもらいたいです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは鶏胸肉の皮を剥がして一口大に切ります。久原のあごだし300ml、すりおろしたニンニク3片と生姜30gをすりおろしたもの、白ワイン適量を混ぜたタレに5分程漬けます。酒はこの際リキュール以外なら基本どれでも大丈夫です。」

 

「リキュールではだめなんですか?」

 

「以前桃のリキュールを実験で入れてみたことがあります。味は大丈夫でしたが桃の香りがする奇妙な唐揚げになってしまいました。その上大量に作ってしまったのでそれを一人で平らげるという苦行をさせられました。皆さんも私のようなミスはしないで下さい。」苦笑

 

「レッシャー提督は唐揚げのお供にはどのお酒を勧めますか?」

 

「シンプルにSUPER DRYでスカッとするという手もありますが、私が勧めるのはコアントローです。ロックでも良いが、私はよくレモン、サイダーで割ったものを愛飲しています。それとどうでも良いことですがコアントローは少佐時代から23年連れ添った相棒です。これは良い酒だ···川島さんは飲んだことがおありで?」コアントローを出す

 

「いいえ。」

 

「ではお試しあれ。」コアントローとレモンとサイダーを置く

 

「では川島さんがコアントローを楽しんでいる内に揚げてしまいましょう。大抵の方は唐揚げを二度揚げすると思います。ですが私は四度揚げします。」

 

「四度揚げ!?」

 

「パサパサになりませんか?」

 

「大丈夫です。一分半揚げて一分冷やす作業を4回繰り返すことでパサパサになるのを防ぎつつ中まで火を通します。まずはタレを捨て、卵を投入し鶏胸肉に馴染ませます。そして小麦粉と片栗粉を1:1で混ぜた粉をつけて揚げます。」油に投入する

 

「では今の内に宣伝させていただきます。私が統括します『シンデレラプロジェクト』のアイドル達が来月埼玉県さいたま新都心コクーンシティで初ライブします。最後ながら私も出演しますのでお時間のある方は是非いらして下さい。入場料は取りません。ですが気に入った者がいたらそのアイドルのグッズや特典付きCDを買っていただきたい。私のアルバム『Tranquility』も発売予定ですのでどうぞよろしくお願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「できました。召し上がって下さい。」

 

「「いただきます!」」

 

「鶏胸肉なのにちゃんとしっとりしてますね。美味しいです提督!」

 

「ありがとうございます。通常の醤油だと味が強烈になる場合があります。ですがあごだしを使うことでまろやかになります。強い主張が無いので誰でも食べられますから、酒の供としてのみならず客人をもてなす際もよく作っています。是非作ってみて下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやあ助かった。ありがとうウィリアム。」

 

「この程度、造作もない。それより報酬は用意したのか?」

 

「川島君を持って充てる。副司令官として使うと良い。」

 

「感謝する。」

 

「それと君の傭兵小日向君と五十嵐君をスカウトの形で書類上シンデレラプロジェクトに置いておいた。頑張ってくれ。それと、一人シンデレラプロジェクトに参入したいと申し込んで来た子がいる。」

 

「ここに呼べ。」

 

「もう扉の外で待機してくれている。入ってくれたまえ。」

 

「失礼します。」ガチャ

 

「···おい、イマニシ。」今西部長を睨む

 

「彼女は乙倉悠貴君。君を見てピンと来たらしい。どうだい?受け入れるかね?」

 

「私は来る者は拒まない。だが念のため今まで同様キルラインに裏を取って貰うが、文句は無いな?」

 

「無論だとも。じゃあ後はよろしく頼むよ。失礼」退室する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの野郎後で覚えてろ···。」不機嫌になる

 

「あ あの···。」

 

「乙倉さんだったな。こちらに座りたまえ。」かなり不機嫌

 

「あの、プロデューサーさん。私、何かまずいことしちゃったでしょうか?」

 

「別に君は何も悪くない。イマニシを後で締め上げれば済む話だからな。それより乙倉悠貴さん、何故私のところへ?他にも選択肢はあったと思うのだが···。」

 

「さっき今西部長さんが仰った通りです。先週プロデューサーさんをお見かけした時に、胸に詰まっていた何かが取れた気がしたんです。この人と働きたいなって思ったんです。何でもしますから、どうか私をプロデュースしていただけませんでしょうか?!」頭を下げる

 

「何でも···わかった。では一つだけ私の要望を聞いて欲しい。」

 

「はい。何でしょうか?」

 

「仕事等のどうしようもない場合を除いて、私の傍から離れるな。隣にいてくれ。」

 

 

 

 

5代目相棒(渋谷凛)はビグルスそっくりだし、乙倉さんは2代目相棒だったグースそっくりときた。イマニシの悪意を感じるな。あの野郎一体何を考えてやがる···

 

 




レッシャー大将のウワサ⑫
92年末の地上戦でビグルスを失い1994年に2代目相棒ヨハンナ·"グース"·ブラッドショウ少佐を迎えたが、飛行訓練中に殉職、付き添ったのは前任と違いわずか4年あまりであったらしい。ショートヘア、元気溌剌で生野菜が苦手、当時まだチビだったとはいえレッシャー大将より高身長だったらしい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍大将、デビューする

注意!このアイマス世界にX JAPANは存在しません!




解説

シンデレラプロジェクトのチーム編成

多田李衣菜+前川みく=*
新田美波+アナスタシア=LOVE LAIKA
島村卯月+渋谷凛+本田未央=new generations
島村卯月+五十嵐響子+小日向美穂=P.C.S
↑ここまでは原作と同じ
↓ここからはオリジナルチーム
渋谷凛+レッシャー=TOP GUN
多田李衣菜+レッシャー=Sidewinder


如月千早(18)
765プロダクション所属の(もう少しでSランクに昇格しそうな)Aランクアイドル。幼少期を横須賀で過ごす。その頃、当時まだ准将(提督に昇ったばかりであり第5空母打撃群司令官)だったレッシャー大将や天海春香と出会った。
公園で酔いつぶれていたレッシャー大将を弟の優と共に救い、以後交流を持つ。
時間が合えば一緒にカラオケに行ったり釣りをしたりして過ごした。出会って半年程経った頃、優と共にトラックに轢かれそうになりレッシャー大将に救われる。
身代わりになり重傷を負ったレッシャー大将に対し強い自責の念に苛まれるが、当の本人から『私は軍人だ。合衆国と同盟国の民を守る義務がある。自分を責めるな。それよりお前の歌を聞かせてくれ。』と言われ、以後歌い手としてアイドルの世界に飛び込みレッシャー大将の為に全力で歌い続けている。
レッシャー大将の為に優と一緒に英語を学び結構喋れるようになった。レッシャー大将と電話する時に英語なのは実践的に鍛える為でもある。
尚、優が生きているのもあって原作程ストレス環境下には無かったが、それでも3サイズが74(←本来なら72)/55/78であり、レッシャー大将の(2代目を除く)歴代相棒や親友たるローレン大統領等レッシャー大将に近い女性達がほぼ全員まさにボンキュッボン(最低でも貧相からは程遠い)なスタイルである中、自分だけ貧相過ぎるスタイルであることに強い焦りを感じている。
尚、レッシャー大将は復帰後、当時海軍長官をやっていた親友たるローレン大統領にめがっさ怒られ始末書を書かされたらしい。




H&K XM8
H&K G36を基本設計に、強化プラスチックなどの新素材を多く使用し、未来を先取りしたような先進的なデザインをしているアサルトライフル。プラスチック素材は自由な形に成型できるので、銃の形を人間工学的にデザインし、使用者の体に丁度良くフィットして自然な姿勢で射撃できるように工夫されている。




佐世保エスコート 株式会社
レッシャー大将の知り合いの傭兵(中東勤務時代に知り合った)が社長を勤める民間軍事会社(PMC)の日本支社。レッシャー大将の依頼を受け五十嵐響子、小日向美穂の2名が勤務している。


五十嵐響子
家事全般ができるレッシャー大将の護衛を務める傭兵(←ガチ)アイドル。家事全般がメインだが、いざという時には大恩あるレッシャー大将の前に出て盾となる。メイン武器はXM8 アサルトライフルでサブ武器はT-1257 アーミーナイフ。


小日向美穂
車の運転と武器調達を任務とするレッシャー大将の護衛を務める傭兵(←ガチ)アイドル。
メイン武器はL61A1(AWM)スナイパーライフル。サブ武器はH&K MP7マシンガン。
銃を握ると性格が変わる。名言(迷言)製造機でもあり、最近出た名言は『.338でテロリストをヘッドショットすると綺麗なスイカの破裂が見れますよ。』である。サイコパス過ぎるだろこのアイドル。


.338 ラプア·マグナム
軍の狙撃手が使用する強力な長距離用実包として1980年代に開発された弾。アフガニスタン紛争やイラク戦争で使用され、その結果としてこの実包は広い範囲で利用できるようになった。1,000メートル までの距離であれば高性能な軍用ボディー・アーマーを貫くことができ、最大有効射程は 1,750メートル である。小日向美穂の愛銃AWMの使用弾薬である。


渋谷凛のウワサ②

 

戦闘機等をリアルな操作で飛ばせるシミュレーションゲーム『DCS(Digital Combat Simulator)World』をやり込んでいた。F-15C、F-16C、F/A-18C、F-14Bの4戦闘機なら飛ばせるのでレッシャー大将とシミュレータで一緒に飛ぶことができるらしい。

 

 

 

 

 

レッシャー大将のウワサ⑬

 

裏切者<敵<他人<仲間<家族=恩人=現在の直属の部下(五十嵐響子·小日向美穂)<親友=相棒=戦友 らしい。

 

 

塩見周子のウワサ①

まだ実家から追い出されていない11歳の頃、観光に来たは良いが宿が無くて困っていたアメリカ人を自分の部屋に泊めてあげたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が軍人を志したのは、3歳の頃だったと思います。

ノーフォーク海軍基地、そこで曲芸飛行を披露していたブルーエンジェルスのファントムの勇姿を見て、『飛んでみたい』と思ったからです。

そして学校への入学方法等を調べていく内に男性のパイロットが歴史上まだいないと知り、どうせやるならとより過酷な戦闘機パイロットの道を選んだ。

正直、不安ではあったが、初任地の31飛行隊では母親のような上官·部下が皆で、「レッシャーを育ててやろう」と、厳しくも優しく育てて下さった。

こんなにも強い、温かい人間関係がある職場は決して他には無いと、実感しました。

あの経験は、私が長年に亘りパイロットを続け、『提督』と呼ばれ敬意を払って貰えるところまで来れた原点です。

ぜひ、若い人には一人でも多く、海軍を志して欲しいと願っています。

 

ウィリアム·レッシャー·イチノセ ジュニア 

少将時代 川島瑞樹アナから何故軍人になったのか質問された時の回答

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

埼玉県 コクーンシティ

 

「さて、とうとう我々の初ライブだ。自分を見失わず、いつものようにやってくれ。」

 

「「「はい!」」」

 

「行くぞシンデレラプロジェクト!」

 

「「「おー!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆特に過度に緊張することもなく上手くやれているようだな。大変結構だ。

 

相棒(バディ)?」レッシャーの袖を掴む

 

「あぁ、大丈夫だ相棒(バディ)。ほぼ連続になるが、大丈夫か?」

 

「大丈夫だよ。あんたの歴代相棒の人達に負けないように体力はつけたからさ。」

 

「ならば結構。私達はTOP GUNだ。全力を尽くすのみ。行くぞ!」

 

「···うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は30年間戦い続けてきた。そして結果を出し続けてきた。軍隊というのは、努力すればほぼ報われるしそれ相応の報酬も与えられる。確かに死ぬ危険はある。だが、アイドルは努力して必ずしも結果がついてくるものではない。むしろ輝くことができるのはほんの一握り。そういう意味では私は果報者だっただろう。だが、これからはその保障はない。全ては私の努力次第そして私の家族である君たち次第だ。労働は何にせよ尊いものであるし、努力も当然その通りだ。やっておいて損はない。私たちはそれをよく知っている。これからもその努力を少しずつで良いから積み上げていこう。そして今日のライブの成功に寄与してくれた皆に対し尊敬と感謝の念を捧げたい。ありがとう!今日は私の奢りだ。では、乾杯。」

 

「「「お疲れ様でした!乾杯!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督。」

 

「瑞樹さん。手間をかけさせて申し訳ない。」

 

「いいえ。こんなことでしたらいくらでもお任せ下さい。居酒屋ならいくらでも宛てがありますから。」

 

「流石です。イマニシが346屈指の飲兵衛と評しただけありますね。」

 

「私なんてまだまだです。強いと言う意味では楓ちゃんと亜季さんが一番ですから。」

 

「なるほど。」カルーアミルクを呷る

 

「相棒、瑞樹さんの相手ばっかりしてないで私の相手もしてよ。」すり寄ってくる

 

「あぁ。私の股座に座れ。」

 

「良いの?」

 

「当然だ。むしろ私がそうして欲しい、相棒。」手招きする

 

こういう日常的ふれあいで信頼関係を構築するのがパイロット業を上手くやっていくコツだ。それは業界が違えども、ある程度は通用する筈だ。

 

「ちょっと汗臭いけど我慢してね。」レッシャーの股座に座る

 

「プロデューサーさん、私も!」

 

「グース···なら隣に座れ。」

 

結局乙倉さんをグースと呼ぶことにした。当初は名前で呼んでみたが違和感しかなかったので2代目相棒のTACネームにあやかり"グース"と呼ぶことにした。我ながら本当に度し難いな。呆れる程未練たらたらだ。死んだらビグルスとグースに土下座して詫びなければならないだろう。

 

 

「キョウコ、相棒とグースにお茶漬けを。」

 

「はーい。」

 

「瑞樹さんはともかくグースが思ったより早く皆と打ち解けられて良かった。」

 

「いや、あんな練習させたら皆そうなるよプロデューサーさん。」

 

「そうにゃ!Pちゃん鬼畜過ぎてヤバかったにゃ!」

 

「いや、正直やりすぎた。申し訳ない。だが君達の"家族"としてのチームワークが強化されたし、想像以上に君達がタフだったことを知ることができた。」

 

「私達の絆は強くなったけどあれはやりすぎだよ。いきなり浜辺に集められて基礎水中爆破訓練の第一段階をやるって言われた身にもなってよ。あれSEALsの選抜訓練でしょ?」

 

「そうだ。我が海軍特殊部隊SEALsの選抜訓練だ。次の合宿はお待ちかね地獄週間(ヘル·ウィーク)だ。2週間で絆はもとより根性も鍛え直す。」

 

地獄週間(ヘル·ウィーク)!?」青ざめる

 

「李衣菜ちゃん地獄週間(ヘル·ウィーク)って何にゃ?」

 

「みくちゃん···5日間不眠不休で練習できる?」

 

「無理無理!何言ってるにゃ!」

 

「ヒンズースクワット700、腕立て伏せ500やってから5~7人でチームを組んでボートに乗り沖合にあるブイまで競争して貰う。ペナルティは特に課さないし1日3時間の睡眠時間も保障する。本来の地獄週間よりかは遥かに簡単だ。私が先頭に立つからついてくれば良い。」

 

「相棒、流石にそれはキツいって。やるにしてもご褒美が必要だよ。」

 

「···わかった。地獄週間を最後まで私について来れた者には···私ができることなら何でもしてやろう。」

 

「「「!!」」」

 

「プロデューサーさん、今何でもって言ったね?撤回しないでね。」

 

「当然だ。海軍大将に二言は無い。」

 

彼女達は私の"家族"だ。多少のことは聞いてやりたいし、例えやらかして(意味深)も文句を言うつもりはない。

 

「君達が望むならベッドの上で戦って(意味深)やろう。尤も、こんな身体中傷だらけの年寄りで良いならの話だがな。」

 

若い頃イマニシとベスにもう少し貞操を大事にしろと注意されたが、まあ今更だろう。私とて誰彼構わず相手している訳ではない。私の人生に飛ぶ以外の喜びを与えてくれる"家族"以上の者としかヤってないのだからな。

 

「相棒はもうちょっと自分を大事にしなよ。」

 

「君達"家族"だからこう言うのだ。我が友よ、君になら尚のことそうだ。レッスンに加えイマニシの手伝いに忙殺されて帰ってくる私を自分自身も疲れてる中いつもそれとなく気遣ってくれる。年寄りにとってそれがどれほど嬉しいか···。だが私は君に世話になりっぱなしで恩返しができていないからな。君が望むなら何でもするし何でも与える。私は今まで34年もの間歴代相棒の献身に報いてやれなかった。せめて5代目()には報いてやりたい。」

 

これは私の我が儘でもある。わかってくれ相棒。

 

「いずれにせよ地獄週間(ヘル·ウィーク)を越えられたらの話だ。地獄週間は欲望だけでは越えられない。皆の根性と絆に期待している。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3時間後

 

流石に宴会はお開きになり皆寝静まった。私はバルコニーでグース(2代目相棒の方)の愛酒だったジャックダニエル(ゴールド)を一杯、手に持って空を見上げていた。最初はあまり好きではなかった。まあ今もあまり好きではないが。だが、呑むと不思議とよく眠れる。養命酒代わりだ。

 

「ビグルス、グース、マーリン、ランスロット、父さん、母さん。精一杯生きて土産話を持って逝く。もう少し待っていてくれ。」

 

私は23年ぶりに仕事も心も充実している。こんな嬉しいことはない。

 

「提督。」

 

「ミホか。どうした?」

 

「一緒に寝て欲しくて···。」

 

「寂しがりだな相変わらず。まあ良い。私のベッドは相棒とグースが寝てるから私の上で寝ろ。」

 

「ですが···。」

 

「相変わらずお前は軽すぎるのだ。乗られたところで息苦しくはならん。」

 

チハヤもそうだが私の"家族"以上の者で年少組の者の過半数は軽すぎるのだ。もう少し太らせるか。

 

「さあそろそろ寝るぞミホ。」手を繋ぐ

 

「はい。」

 

地獄週間(ヘル·ウィーク)の次はアイドル(本業)の次、オファーを請けていこう。皆と相談しながらな。PS4も買ったから相棒とエースコンバットの配信も考えてみよう。




レッシャー大将のウワサ⑭
とてもストイックで、1日5キロ~10キロのランニングは欠かせない。1日一食(酒を飲む日以外)、睡眠時間は5時間きっちり守るらしい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍大将、疫病神を拾う

解説



海軍作戦部長
アメリカ合衆国海軍省における最高位の軍人(アメリカ海軍のトップ)で、統合参謀本部議長(アメリカ全軍のトップ)または副議長(アメリカ全軍のセミトップ)が海軍から出ていない場合は、アメリカ海軍における最先任の士官である。軍備を整え、戦時への即応性を維持する責任を負う。他の参謀総長等と同じく、作戦上の指揮権限を有しない。統合参謀本部の一員であり、海軍に関する大統領の主任軍事顧問である。任期は4年。ローレン大統領はレッシャー中将を大将への昇進と同時にアメリカ本土防衛と場合により各艦隊へ部隊を提供する任務を担う艦隊総軍(United States Fleet Forces Command、略称:USFLTFORCOM)司令官に任じ経験を積ませた上でこの職に栄転させようと企んでいたが、指揮官として最後まで現場を離れないことに拘ったレッシャー大将はこれを敢然と拒否、別の者を急遽充てる羽目になり海軍省は一時大騒ぎになった。




如月優(16)  イメージcv:広中雅志
如月千早の弟。見た目は短髪の如月千早+レッシャー大将からプレゼントされたサングラス。現在生存しているレッシャー大将のたった4人の"親友"の一人。網膜色素に異常がある為にサングラス無しに生活できない。男でありながら外で働く親友(レッシャー大将)を見習い13歳の時から姉の手伝い 兼 プロデューサーとなり姉や765プロのアイドル達の為に頑張っている。そう見まごうことなき男の娘である。萩原雪歩·最上静香とは特に仲良しである。


2016年1月14日 1844 南池袋公園 某ベンチ

 

「ふぅ···。」

 

たまにはこんな風に落ち着いて一人で缶コーヒーを飲んで落ち着くのも悪くない。新しい仕事を始めてからずっと騒がしかったからな。たまには自分を見つめ直す機会が必要だ。それはそうと···

 

「何をしているのだあの小娘は···?」

 

世界に絶望していると言わんばかりの表情で空を見上げる13~4歳位の黒い服を着た娘。発展途上国ならいざ知らず、日本の娘がして良い表情ではないぞ!

 

「···。」泣いている

 

近付いてみるとこの娘、泣いているではないか。ますます放ってはおけん。

 

「おい、小娘。」隣に座る

 

「?」

 

「何故泣いている。何に絶望している?」

 

「お仕事先が倒産してお家からも追い出されちゃったんです···。このまま死ぬしかありません。」

 

「お仕事?その歳で働いているのか?」

 

「駆け出しでしたが···アイドルをやらせて貰っていたんです。でも···。」

 

「?」

 

「プロダクションが倒産しちゃったんです。前も···その前も···。」

 

「···。」

 

なるほど···疫病神ってやつか···だがな···

 

「学校が燃えちゃったり、両親の仲が悪くなっちゃたり、同僚の方が有り得ないアクシデントに見舞われたり···私のせいで沢山の人が不幸になっちゃいました···アイドルになりたかったのに···幸せになりたかったのに···。」

 

「···。」

 

いつの間にか娘は泣き止み、そして自嘲するような笑みを浮かべていた。

 

「私なんかがアイドルになっては···駄目だったんでしょうね···私なんか、生まれてこなければ···。」小袋を取り出す

 

娘は小袋から白い粉末を取り出した。ニンニク臭···この娘、まさか!

 

「!」手を掴む

 

「止めないで下さい!私のせいでこれ以上誰かを不幸にしたくないんです!」粉を飲もうとする

 

「!?」

 

なんて馬鹿力!だから狂気に飲まれた者は嫌なんだ!

 

「···許せ、娘。」鳩尾を殴る

 

「かはっ」気絶する

 

やってしまった。まあお節介はいつものことだ。とりあえず相棒に連絡だ。

 

 

相棒(バディ)、今南池袋公園にいる。何人か暇なのを連れてきてくれないか。詳細は追って知らせる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

池袋  レッシャーの別荘 リビング

 

「?」目覚める

 

「目が覚めたか、娘。」

 

「はい···。」

 

「一ついいことを教えてやろう。君が飲もうとしていた粉、ヒ素だろうが···言っておくがヒ素では楽には死ねないぞ。溺死するのと何ら変わりない死に方を迎える。もがき苦しんで無様に死んでいく···。」

 

「!?」

 

「そんなに楽に死にたいなら···。」ワルサーP38(シルバーメタリック)を向ける

 

「!?」

 

「言っておくが本物だ。それにこのビルは私の別荘、そして防音処理も為されている。だが弾代もタダではない。1発26円。君の頭に撃ち込めば当然血が飛ぶ。部屋のクリーニング代と死体処理代合わせて100万でやってやろう。君にそれを払えるかな?」

 

「···。」俯く

 

「···もし払えないのなら、私が依頼する仕事をやって貰う。それで出る給料から代金をくれればいつでも眉間に9ミリパラベラム弾を撃ち込んでやる。」

 

「···あなたは殺し屋さんなのですか?」

 

「いいや、私はウィリアム·レッシャー。元軍人だ。諸事情あって日本でも合法的に銃を携行できるようになっている。私が名乗ったのだ。君の名前を教えて貰いたいものだ。」

 

「すみません、私は白菊ほたると言います。」

 

「···で、どうなのだ?ほたるさん。100万円払えるのか?」

 

「···すいませんが私にそんな大金はありません。口座にだって10万円入ってるかどうか···。お財布にも3000円しか入ってません。」

 

 

「···アイドルをやっていたと言っていたな。ならそれで稼ぐが良い。私は元々合衆国海軍で働いていたが、今は346プロダクションのプロデューサーだ。後1人位なら私の指揮下に迎えられるだろう。最悪イマニシを締め上げて引き入れる。」

 

「···どうして疫病神の私にそこまで···?」

 

「···22年前、まだ若かった頃の私にそっくりだったからだ。私をかばって相棒が死にそして小隊も一つ私のせいで壊滅的被害を被った。

現役の時、歴代4人の相棒全てを失い私は 死神扱いだった。

他人に迷惑をかけている質も量ももはや私は君ごとき小娘など比較にならん。今まで何千人と殺してきたのだ。

そんなろくなことがなかった私の人生だが、それでも希望を持って生きている。まだ20年も生きていない君が人生を終えるのはまだ早いとは思わんか?

しばらく私とともに働いてみると良い。それでなお絶望が拭いきれなかったのなら···苦しませずに殺してやる。

疫病神がなんだと言うのだ?なら私は死神だ。何千人もの死に関係し、そいつらの怨みと遺族からの恨みを一身に背負っているが、私はまだ生きている。

それに合衆国では破産した者にチャンスを与える。そういう者は破産の屈辱を知っている。もう二度と受けたくないと足掻くのだ。日本と違ってな。

私はクォーターの日本人だが、アメリカ人の価値観が強い。チャンスを与える、未来ある若者に。君にチャンスをくれてやろう。後はチャンスを掴んだ者の、能力次第だ。」ワルサーP38を下ろす

 

「···私に、チャンスをくれるんですか?もう一度アイドルになるチャンスを···?」

 

「そう言っている。後は私の手を取るだけだ。どうする?」手を出す

 

「···こんな疫病神ですが、よろしくお願いします。」握手

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「疫病神系アイドル、白菊ほたるだ。新しい"家族"として世話してやってくれ。」

 

「白菊ほたるです。よろしくお願いします!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Ⅱ  The Star-Spangled Banner
海軍大将、決意する。そして元帥になる。


解説



海兵隊
アメリカ合衆国の法律に基づき、海外での武力行使を前提とし、アメリカ合衆国の国益を維持・確保するための緊急展開部隊として行動する軍隊。また、必要に応じ水陸両用作戦(上陸戦)を始めとする軍事作戦を遂行することも目的とする。本土の防衛が任務に含まれない外征専門部隊であることから海兵隊は「殴り込み部隊」とも渾名される。
独自の航空部隊を保有することで航空作戦も実施でき、航空機をヘリコプターや艦載機とすることで海軍の航空母艦や強襲揚陸艦などを利用し、さらに活動範囲を広げることができる。地上戦用装備も充実しており、陸軍と同様の主力戦車も配備している。戦闘艦艇は保有しないが、独自の物資輸送船を保有する。



海兵隊総司令官
アメリカ海兵隊の最高指揮官かつ最高責任者として組織を統率し、戦備を整える責任を負い、その象徴として崇高なる尊厳を保つことを職責とする将軍。ただし、海兵隊総司令官職はアメリカ独立戦争以来、200年以上にわたって名称を変えずに維持され続けてきたため、時代ごとに職務の詳細は違ってきている。
初期の海兵隊総司令官は、直接兵力を率いて前線で作戦の指揮に当たることもあったが、「Marine Barracks」と呼ばれる海兵隊司令部の建物が機能するようになると、そこで総司令官の職務を行い、作戦の指揮を執るようになった。
1947年に統合参謀本部が創設されて以降、その構成員として大統領に助言する責任を負う。なお、統合参謀本部の構成員である他の参謀総長や作戦部長と同じく、作戦上の指揮権を有していない。
現在の総司令官はレッシャー大将の同期でもあるローラ·B·ネラー大将。


アーリントン国立墓地
米国の首都ワシントンD.C.からポトマック川を渡ってすぐのバージニア州アーリントンにあるアメリカ合衆国国立墓地のひとつで、戦没者慰霊施設である。
1864年に、南北戦争の戦没者のための墓地として、南軍のロバート・E・リー将軍の住居周辺の土地に築かれた。その後、第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争等の戦没者が祀られ、現在でも戦没者やテロ犠牲者などのアメリカ合衆国のために尽くした人物の墓地が存在する。墓地が築かれたのは1864年であるが、判明した範囲でアメリカ独立戦争の戦没者の墓地も設けられている。
レッシャー大将の歴代相棒(生存する5代目を除く)達の墓標もここにある。尚、他の相棒の墓碑には『My buddy, Fellow soldier(我が相棒、戦友)』と刻んだレッシャー大将だったが、初代相棒だったアンゲラ·"ビグルス"·マーフィー中佐の墓碑にだけは『My buddy, The woman I loved from the bottom of my heart(我が相棒、心から愛した女)』と刻み心から敬意を表した。





アーレイ·バーク級駆逐艦
アメリカ海軍のミサイル駆逐艦の艦級。ネームシップの艦名は、元アメリカ海軍作戦部長のアーレイ・バーク大将に由来する。俗に言う『イージス艦』である。イージス·システムにより複数の対空目標を同時捕捉·撃破ができ、また対地上·対潜水艦作戦も一流にこなすことができる現状における最強の駆逐艦である。


「···」海軍特殊作戦徽章を制服から外す

 

「SEALsから抜けるのか?レッシャー少佐。」

 

「マーフィー大尉の件もありました。私の居場所はやはり空であり、空に還るべきなのです。大佐、今までお世話になりました。」敬礼

 

「わかった。引き留めはしない。むしろ男でありながらよく1年、訓練期間を入れれば3年半、文句一つ言わず任務を遂行してくれた。感謝する。」答礼

 

「···」退室しようとする

 

「あぁ、これは持っていけ。君は我らの"家族"だ。こいつを持ち続ける資格がある。」海軍特殊作戦徽章をレッシャーに付け直す

 

「達者でな、レッシャー少佐。君の武運を祈っている。」

 

「ありがとうございます。では失礼します。」退室する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レッシャー大将のウワサ⑮

メタリックブルー(専用塗装)のF-14 · F/A-18戦闘機に乗って戦い、敵を墜とし続けたことから敵味方どちらからも"蒼い彗星"の異名を奉られていたらしい。

 

 

小早川紗枝のウワサ①

小さい頃酔い潰れたアメリカ人を救ったことがあるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年2月28日 アメリカ合衆国 メイン州 バス鉄工所

 

「24 years ago. During my tour of duty in Iraq, I faced the greatest crisis of my 30-year military career. I was shot in the right thigh by a terrorist and rendered incapacitated. I ordered her and her men to leave me and run. I didn't want to slow them down. But they followed the teachings of SEALs and carried me. And she died protecting me. Even though we were going to have a wedding the next day. She killed 147 terrorist infantrymen, six snipers, and protected her colleagues and the Marines. She had achieved something worthy of the Medal of Honor. And now she is a destroyer, protecting a carrier strike group and her shipmates. May God bless Captain Schultz and the rest of the 380-member crew, my comrades-in-arms! I hereby declare the launch of the Arleigh Burke class destroyer No. 62, the 『Angela Murphy』!」

 

日訳: 今から24年前。

イラクでの任務中、私は30年の軍歴の中で最大の危機を迎えました。

テロリストに右太股を撃ち抜かれ行動不能にされたのです。

私は彼女と部下達に私を置いて逃げるよう命じました。足手まといは嫌だったからです。

ですが皆はSEALsの教えを守り、私を担ぎました。

そして彼女は私を庇い戦死したのです。次の日には結婚式を控えていたにもかかわらず。

彼女はテロリストの歩兵を147人、狙撃手を6人殺し、同僚と海兵隊員を守り続けたのです。名誉勲章を受けるに値する成果をあげ続けたのです。

そして今度は駆逐艦となり空母打撃群と僚艦を守ります。

シュルツ艦長以下、380名の乗組員諸君に、我が戦友と神の御加護があらんことを!

 

ここにアーレイ·バーク級駆逐艦62番艦、『アンゲラ·マーフィー』の進水を宣言する!

 

 

 

 

 

 

 

 

相棒(バディ)、グース。わざわざついてきてくれて感謝する。つまらない式典だっただろう。」

 

「大丈夫だよ相棒(バディ)。軍艦の進水式を一回生で見てみたかったからさ。それに私は相棒の副官なんだよ?ついてかないと駄目じゃん。」

 

「私もお仕事がありませんでしたしプロデューサーさんの傍にいないと駄目ですからついてきました。」

 

「ありがとう。明後日はホワイトハウスで私の元帥号授与式だ。以前お願いした通り二人には我が合衆国国歌を歌って貰う。我が合衆国の重鎮達が勢揃いだが緊張し過ぎないように。」

 

「そう言えば授与式って誰が出席するんですか?」

 

「大統領、副大統領、国防長官、海軍長官、上院議長、下院議長、統合参謀本部議長、海軍作戦部長、海軍作戦副部長、海軍原子力推進プログラム部長、戦略軍司令官、艦隊総軍副司令官。まだまだいるが主たる面子はこんなところだな。それと相棒、グース。」

 

「「?」」

 

「元帥には生涯にわたりオフィスと俸給と副官が与えられる。本来なら現役の大佐ないし中佐の副官が派遣されてくる予定だったが私の方でごねておいた。相棒に特例且つ名誉的措置として我が海軍の大佐の地位と私の副官任務を公式にペンタゴン(アメリカ国防総省)から託される。グースにも次席副官という形で中佐の地位が与えられる。シンデレラプロジェクトのメンバー達にも似たような処置がペンタゴンから委託されることになるだろう。特に君達2人は私がからむ合衆国の行事に強制的に連行することになるがよろしく頼む。」

 

「大丈夫なのそんな措置取って?私も悠貴も誰もアナポリス出てないし何だったらアメリカ人ですらないのに?」

 

「大丈夫だ。当然大統領も当初は渋ったが、私もアイツのことはよくわかっている。結局は折れてくれた。」

 

それもそうだ。2人はビグルスとグース(2代目の方)そっくりだしベスも死んだ2人をよく知っていた。写真を見せた途端に折れたのも無理からぬことだろう。

 

「明日はフリーだ。明後日が忙しくなる分十分に休み英気を養うように。」

 

「相棒は?」

 

「私は独自に行動する。明日だけは一人にしてくれ。」

 

アーリントンに行かねばならない。相棒達に会う為に。アイツらもたまには顔出さないと拗ねるだろうからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年2月29日 アーリントン国立墓地

 

 

 

ちょうどこんな日だった。ビグルスを葬った日も、こんな雨が嵐のように降り続いていた。

 

「I'm going to miss you all. I think I didn't make the wrong choice to the point where others would abuse me for my choices. But I mourned you as a result. Biggles, Goose, and the other Japanese girls who look just like you, I'm trying to hold on to. Please don't despise me. I've reached my limit.

(皆がいなくて寂しいよ。

私は、選択を他人に罵倒されない程度には誤らなかったつもりだ。

だが、結果として君達を喪った。

そしてビグルス、グース、君達にそっくりな日本の少女達を君達の代わりのごとく拠り所にしようとしている。

どうか軽蔑しないでくれ。

私は···もう限界なのだ。)」 献花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···そこにいるのはわかっている。出てこい、相棒、グース。」

 

「「···。」」木陰から出てくる

 

「どうやってついてきた?」

 

「車のトランクに忍び込んで。」

 

「···なるほど。普段の私ならともかく、今の私なら騙せると踏んだ訳か。」

 

「うん。いつもと雰囲気が違うし、何より花を買って車に乗った時に暗い顔で何か呟いてたからさ。心配でしょうがなくて···。」

 

「ありがとう相棒······ここにある墓は、私の歴代相棒達のものだ。」

 

「これが···。」

 

「私は、全力を尽くしてきたつもりだ。だが守りたいものは悉く手からこぼれて逝った。何が最年少の海軍大将だ···何が英雄だ···私は救いがたい低能だ。」膝を折る

 

「プロデューサーさん傘を!このままじゃ風邪をひいちゃいます!」傘をさす

 

「···ありがとう、グース。」

 

「でもさ相棒、相棒は祖国を慣れない男手で守り続けてきたんでしょ?なら相棒は誰が守るの?」

 

「···。」

 

「この人達はきっとそう思って相棒を守り続けたんだよ。アメリカを背負う相棒を命を賭けて守った。なら、相棒も自分をそんなに卑下したら駄目だよ。この人達が可哀想だもん。」

 

「···そうかもしれん。そしてリン、私は君を5代目相棒に迎え、グース、君を次席副官に迎えたのだ······君達に頼みがある。」

 

「「?」」

 

「私は命を賭けて君達を守る。その逆は絶対に駄目だ。私は4度相棒を喪った。5度目はたくさんだ。そのような不名誉を負う位ならいっそ···死んだ方がマシだ。」

 

「···前にも言ったけどさ、相棒はもうちょっと自分を大切にしなよ。」

 

「···レッシャー家には家訓がある。『命はある程度粗末に擲つこと』というものだ。命や人権を何より至高とする日本人には理解できんだろうがな···尤も、そんな腐った考えを広めたのは他ならぬ日本の力を弱めようとしたマッカーサー元帥だが···私は、満足できずに燻って生きる位なら満足して誇り高く死ぬことを選ぶだろう···命は、粗末に擲ってこそ、その者の命は、魂は輝くのだ。相棒を4度、指揮下の部隊を1個壊滅させた私に名誉も不名誉も今更無いが、晩節を汚すことだけは絶対にご免被る。レッシャー家の人間はどうせ長生きしない。55歳までもった者など少なくとも私が知る限りはいないのだからな。」

 

「···相棒、まだ何か、隠してない?」

 

「···バレたか。先週の健康診断で見つかった。大腸がん、ステージⅡ。発見があと1ヶ月遅れていたらステージⅢ、転移して死んでいただろう。イマニシの勘に感謝だな。ただでさえヤツには返しきれん借りがあるのにな···。」

 

「···まだあるでしょ?」

 

「···相棒は知っているだろう。戦闘機に乗り高高度をずっと飛び続けたら放射線を浴び続けるということを。成人あるいはそれに近い年齢で空を飛び始めたのならば、そこまで実害はなかったのだ。だが私の場合14歳の時から飛び始めてしまった。放射線によって私の身体は著しく老化した。そう、そのような弱体化した状態で大腸がんの手術を受けたらどうなるか···生きて帰れるかも分からないし、もし生きて帰れたとしても君たちとともにステージに立てるかどうか。

いや、立てない可能性の方が圧倒的に高い。自暴自棄と罵られてもしょうがない。

そういう一面があることもこの際否定しない。私は、恐怖していたのかもしれない。"家族"に疑われることを、捨てられることを。

 

頼む!相棒、グース。こんな情けない男としての価値など無い老人だが、どうか見捨てないでくれ!」土下座

 

「···隠し事があったのはいただけないけど、私も皆も相棒のこと見捨てたりなんかしないって。家族を捨てるなんてあり得ないよ。」抱き締める

 

「私もです。まだ3ヶ月しか一緒に働いてませんけど、プロデューサーさんについてきてよかったと思ってます!私のプロデューサーは貴方以外有り得ません!」後ろから抱きつく

 

「···ありがとう。今度こそ、"家族"を···君達を幸せにして見せる···!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「I've been serving the United States for 30 years to the best of my ability. I have done my small part for the well-being of the people of the United States and my friend, President Elizabeth Lauren. But I also want to thank you. I want to thank you, my partners, my men, for all that you have done for me. To my colleagues and superiors who have given me opportunities to excel. Especially to my late comrades-in-arms who spent their lives to serve me. I dedicate the honor of being given the title of Fleet Admiral of the United States Navy to my comrades-in-arms who have fought with me until now. I am proud to have fought with them. Thank you, my comrades in arms! From now on, I will serve the people of the United States and its allies in ways other than military service. As a star that shines on us all. Thank you so much.

(私は、30年、精一杯合衆国に尽くしてきました。

合衆国国民の皆さんと我が友、エリザベス·ローレン大統領の幸福の為に微力ながら尽力してきました。

ですが、同時に感謝したい。私に尽くしてくれた相棒達、部下達に対して。

私に活躍の場を与えてくれた同僚、上官達に。

特に、命を費やして私に尽くしてくれた亡き戦友達に。

元帥の称号を与えられた栄誉を、今まで共に戦ってくれた戦友達に捧げる。

そして共に戦えたことを誇りに思います。

ありがとう、我が戦友達!

これからは、軍務とは別の形で合衆国と同盟国の民達に尽くします。

皆を照らす星(スター)として。

ありがとう。)」敬礼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Oh, say can you see,

by the dawn's early light

What so proudly we hailed

at the twilight's last gleaming?

 

Whose broad stripes and bright stars,

through the perilous fight.

O'er the ramparts we watched

were so gallantly streaming?

 

 

おお、見えるだろうか、

夜明けの薄明かりの中

我々は誇り高く声高に叫ぶ

危難の中、城壁の上に

雄々しく翻る

太き縞に輝く星々を我々は目にした

 

And the rockets' red glare,

the bombs bursting in air,

Gave proof through the night that

our flag was still there,

 

Oh, say does that star-spangled

banner yet wave.

O'er the land of the free

and the home of the brave!

 

砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中

我等の旗は夜通し翻っていた

ああ、星条旗はまだたなびいているか?

自由の地 勇者の故郷の上に!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍元帥、若返る

解説

レッシャー元帥の(肉体的)全盛期
アメリカ海軍特殊部隊SEALsに属していた頃から統合参謀本部事務局で働いていた頃までが全盛期であり、身長145センチ 体重45キロ リンゴを0.3秒で握り潰せる圧倒的握力 の持ち主だった。 



一ノ瀬志希
346プロダクションが誇る天災ケミカルアイドル。レッシャー元帥の親戚(とある過去の事情からレッシャー元帥からは煙たがられている)。ハーバード大学ドクタースクール在籍中に若返り薬のような代物を開発する。売れば大儲けできたが『お金なんてその気になればいつでもいくらでも手に入るし、ダイナマイト作って結局後悔したノーベル先生の二の舞は御免だにゃ~♪︎』と200mlの瓶1個分しか製造しなかった。
担当P程ではないがレッシャー元帥のニオイも大好きらしい。


レッシャー元帥のウワサ⑯

10年前からワタリガラスの夫婦"フギン"と"ムニン"を飼っているらしい。現在主人に合流する為ワシントンD.C.のレッシャーの別荘から移動(北太平洋を横断)中。小学3年相当の知能の持ち主らしい。

 

 

 

 

 

 

 

346プロダクション レッシャーの執務室

 

「グラビアだと?」

 

「「「?」」」

 

「うん。部長さんから直々の依頼だよ相棒(バディ)。」

 

「イマニシから···拒否権は無いな。で、誰に行かせろと言ってきたんだ?」

 

「私と、李衣菜と···相棒の水着姿も欲しいって。」

 

「···そんなもの需要があるのか?961のガキ共にやらせれば良いではないか?身体中傷だらけの老人の半裸など、一部の変態にしか刺さるまい···。」

 

「じゃあここにいるのは皆変態になるね?」皮肉る

 

「···はあ。わかった。つべこべ言わずにやれば良いのだろう?」署名する

 

「ふふ。」

 

「レッシャーさん完全に凛ちゃんのお尻に敷かれてますね。」

 

「しまむーの言う通り。あれが正妻(相棒)パワーだね。」

 

「ウヅキ、ミオ。そろそろ春用の宣材を撮ってこい。私も後で合流する。ミズキさん、今日の夕食は何が良いですか?」

 

「そうですね···提督はラーメンって作れますか?」

 

「···12年前に1回きりだが、まあ何とかなるでしょう。めんどくさいですからやれる者にスープを託しますが。キョウコ。」買い物リスト作成中

 

「はい。」

 

「帰りにこれを買ってから家に戻れ。レシピは今更言うまでもあるまい。」リストを渡す

 

「じゃあスープは先に作っておきますか?」

 

「···任せる。麺は私が打つ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の場合海鮮系ラーメンしか作れん。それしか知らんからな。ブリカマ、鯛のアラ、アサリをベースに日髙昆布、鰹エキスも加えたスープベースのものだ。あっさりした味に特化している···で、何故貴様がここにいる?貴様に我が別荘のIDカードを渡した覚えはないが?」

 

「そりゃ~もうハッキングして入ったに決まってんじゃん?叔父さん?ん~やっぱり叔父さんはいいニオイだね~♪︎」ハスハス

 

「貴様に『叔父さん』呼ばわりされるいわれは無い。」引き剥がす

 

「つれないにゃ~。」

 

「6年前の蛮行を思い出してみることだ。科学実験で私のお気に入りだった美術品もろとも貸してやったケンブリッジの別荘を吹き飛ばしたのだからな。何故大学でやらなかった?」

 

「そりゃ~ね~、志希ちゃんの愛しい叔父さんを若返らせる薬を開発しようとしてたからに決まってんじゃ~ん。」

 

「···また埒のあかないことを。」

 

「志希ちゃん6年かけて頑張りました~。これが若返り薬···のようなもの。」見せびらかす

 

「···。」

 

「あれ無反応?叔父さん欲しくないの~?」

 

「···今まで私の失態で逝くべきではなかった多くの者が先に逝ってしまった。私には彼女らに対する責任がある。今更不自然に生き延びようとは思わない。346プロで働いてなければ来週のがん摘出手術も受けなかっただろう。だが、相棒やグース、今の"家族"に、生者に対する責任がある。当然、生者に対する責任は死者に対する責任に比して優先されるべきだ。だがその責任とて貴様に頼らずとも果たせよう。後5年もてば良いのだ。」

 

「···まあ叔父さんならそう言うと思ってたよ~。」

 

「···それは臨床実験済なのか?」

 

「まだで~す。」

 

「貴様、私で実験するつもりだったのか?」

 

「そうですにゃ~。でね~これ、気化するんですよ叔父さん?」

 

「何毒ガス作ってんだ。」

 

「あ~このまま手が滑って瓶が割れて気化しちゃったら、叔父さんの"家族"ほとんどみんな赤ちゃんになっちゃうね~?これ強力過ぎて20歳未満服用御免だし~?私はガスマスク持ってるけどね~?」瓶を落とそうとする

 

「···わかった。実験も兼ねて飲めば良いのだろう飲めば。」ひったくる

 

「流石叔父さん、わかってるね~。」

 

「···なんだこれは。シューコに食べさせられたカレーより不味いな···うぐっ」腹をおさえる

 

「提督!?」

 

「なんだこれは···がはっ」吐血

 

相棒(バディ)!しっかり!」

 

「あとこの薬は思いがけない副作用があってね~。本来人体に存在してはいけない生物も殺処分してくれるよ~。」

 

「生物···ガン(悪性新生物)も殺処分してくれるのか···。」

 

「その通り。でも凄まじく痛いから成人してないと服用はオススメしてませんってこと。」

 

「これは痛い···がっ」また吐血

 

「Pちゃん!」

 

「ミク、離れていろ!···なんだこれは?」身体が収縮していく

 

「お、効果出始めたね~。これで叔父さんはピチピチの34歳頃に戻りました~。パチパチパチ~。」拍手

 

「···小さくなった。服のサイズが合わん。」ダボダボ

 

「レッシャーさんって34歳の時はこんなに小さくて可愛かったんですね!」

 

「34···太平洋艦隊副司令官の頃か。ミホ。」

 

「はい。」

 

「物置から廃棄予定のテレビを持ってきてくれ。」

 

「直ちに。」走っていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん!」バキバキバキ

 

「嘘!?」

 

「テレビがただのパンチで粉々に···。」

 

「パワーが全盛期···からは程遠いが、身体が軽くなった。これならまたステージに上がれるな。」

 

「という訳で~叔父さんに志希ちゃんから報酬を要求します。」

 

「ケンブリッジの別荘の弁償を免除してやる。それと今日は夕食をここでとっていけ。それでチャラだ。」とりつく島無し

 

「つれないにゃ~。」

 

「···それより、相棒。」

 

「とりあえずこれで良いかな?」海軍陸上戦闘服を持ってくる

 

「···そうだな。ミホ、明日服屋に寄って適当に身繕って買ってきてくれ。」万札を渡す

 

「わかりました。」

 

「···これでは格好がつかんが致し方ない。相棒、このままでは麺をこねられん。私を持ち上げてくれ。」着替えた

 

「こう?」抱っこして持ち上げる

 

「ありがとう。」

 

「提督、脚立は無いんですか?」

 

「一応ありますが物置のかなり奥にしまってありますから出そうとすると煤とホコリまみれになります。それなら相棒に抱えてもらった方が早い。」麺を伸ばす

 

カー カー  ワタリガラスの鳴き声

 

「···以外と早かったな。キョウコ、入れてやれ。」

 

「はい。」窓を開ける

 

「皆に紹介する。私が10年前からワシントンD.C.の家に置いていたワタリガラスの夫婦『フギン』と『ムニン』だ。」

 

『『ハジメマシテ』』

 

「「「カラスが喋った!」」」

 

「コイツらはカラスではない。より高い知能と誇りを持った"ワタリガラス"だ。今後は間違えないように。で、フギン、ムニン。どうだった北太平洋は?」

 

『サムカッタ。クンレンコウカイチュウダッタダイサンカンタイノ"ボクサー"ニノッテラクニオウダンシテキタヨ。』

 

「お前達"ボクサー"に乗って来たのか。道理で早かった訳だ。」なでなで

 

『ゴシュジンアタラシイ"カゾク"フエタネ?』

 

「そうだな。私の新しい家族だ。仲良くな。」

 

『『Aye sir !!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、では寝る前のミーティングを始めよう。

 

「ではまず前提条件から確認しておきたいと思う。私が元帥の称号を与えられたことに伴い私と共に働いている諸君に対しても名誉的措置として我が合衆国海軍の階級が授与された。それは既にわかっていると思う。

問題はその先だ。その措置に伴い我が海軍作戦本部ではこのような計画が持ち上がってきた。」

 

 

Jointly with 765production and 346production

 

United States 8th Fleet formation plan

 

OCNO(合衆国海軍作戦本部)

 

 

 

「『765プロダクションと346プロダクション協同による第8艦隊編成プラン アメリカ海軍作戦本部』···相棒、これって···。」

 

「私は本来はこのプロダクションで働かず、退役したら直ちにホワイトハウス入りする予定だった。皆は知らないかもしれないが我が合衆国の中将や大将は退役した後、暫くしたら国防関係の仕事や諜報·防諜関係の仕事に文民として再就職することが多い。

本来であれば例にもれず私もそのはずだった。実際、国防長官が私を呼び寄せるのも時間の問題だった。

だが、大統領でもあり私の旧き親友でもあるエリザベス·ローレンがそれに強硬に反対し国防長官は私を補佐役として呼び寄せることを断念せざるを得なかった。

だが身体に欠陥があるとはいえ私が使えないわけではないことは明らか。国防長官も大統領を怒らせずに私を有効利用する方法を熟慮の末、海軍作戦本部付の宣伝塔として使うことを思いつき、このような計画を765プロダクションと346プロダクションに持ち込んだのだ。」

 

「具体的に第8艦隊はどんな任務を託される予定なの?」

 

「我が陸海空軍·海兵隊の宣伝だ。相棒とリイナ·ミホ·キョウコは知っての通り合衆国海軍のナンバーズフリートの司令官には中将をもって充てられることになる。参謀長は大佐。そして指揮下にある任務部隊にも司令官として准将ないし大佐が着任する。

そしてその下に下級将校·下士官·水兵で構成される任務部隊が作戦本部から委託された宣伝活動を担うことになるだろう。

司令官にはミズキさんが充てられる。 副司令官兼参謀長は相棒、君に任せることになる。

私が昔率いていた第7艦隊なら11個の任務部隊が存在しているが、第8艦隊については現在765プロダクションとも協議中につきまだ詳細については詰めることができていない。だが少なくとも主要戦闘部隊である第80任務部隊(CTF-80)、第81任務部隊(CTF-81)については確定している。第80任務部隊はミナミ、君に司令官職を委ねるつもりだ。そもそもここにいる"家族"の中で提督としての地位を与えられているのはミズキさんと君だけだ。必然的に第80任務部隊については君に委ねるしかない。少々キツいしれないが頑張って欲しい。アナスタシアはミナミの補佐として入れ。指揮下に入るのは私と相棒·グース·ミホ·キョウコ以外の全員だ。

第81任務部隊は海外に他の任務部隊が展開する際に警護として同行する。 第81任務部隊については元海兵隊員でもあったミホとキョウコが当然そこに入ることになる。765プロと346プロのバランスをとるためにも第81任務部隊については765プロから派遣されてくる者に指揮権を委ねる形となるだろう。ちょうど765プロにいるアイドルの中に元海兵隊将校がいたようだから彼女を持って司令官とする。」

 

プリンストン少佐とは直接の面識は無いが、同じ海兵隊のよしみである以上ミホやキョウコとも上手くやっていってくれるだろう。プロフィール見て思わず笑ってしまった。年齢16歳だと···二回りほど年齢詐称してるがよくバレなかったな。

 

 

「とりあえず確定事項は以上である。どのような宣伝広報活動をやらされるのか正直私も承知してはいないが、まず間違いなく言えるのは諸君の収入も激増するが同時に仕事も激増し海外での任務が委託される以上おそらく体を張った任務を少なからずやる羽目になるだろう。それを見越して、来週は基礎水中爆破訓練、第2段階·戦闘潜水に入る。期間は2週間だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相棒。今日も頼んで良いか?」

 

「うん、良いよ。」太股をさする

 

「···。」膝枕して貰う

 

「最初に比べて大分素直になったね。」頭を撫でる

 

「···そうだな。相棒、私は最早君無しには生きていけないだろう。だが、シキに伸ばしてもらったとはいえ、5年の余命が15年に伸びただけだ。どう悪掻いても君を未亡人にしてしまう結末に変わりはない。今年の君の誕生日に、特別な贈り物を用意する。ワガママは承知の上だ。これからもずっと私の傍にいてくれるか、相棒···?」

 

「うん。ずっと一緒にいてあげるよ。」

 

ありがとう 友よ。最初は日本に来て良いか迷ったが、君と出会えて良かった··· 

 

 

 

 

 

レッシャー元帥のウワサ⑰

LINEは絶対に使わない。WhatsAppを主な連絡手段としているらしい。

 




読んで下さっている皆さん、お気に入り登録してくださっている皆さん本当にありがとうございます。
感想待ってます。
(ただ筆者のメンタルはガラスのように繊細で豆腐より脆いのでアンチ·悪口はやめてやって下さい···)

次回『海軍元帥、グラビアに挑戦する』



登録者70人超えたら特別(新)章を連載するか(ボソッ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍元帥、グラビアに挑戦する

注意!
本作の主人公レッシャー元帥のイメージCVは柴田秀勝氏と以前言及しました。『ワンピース』の革命家ドラゴンの中の人です。ですが声としては1988年~93年頃が具体的なイメージです。かのスペースオペラの金字塔『銀河英雄伝説』。その旧版の名脇役(←脇役って言って良いのかな?)たる帝国軍宇宙艦隊司令長官 グレゴール·フォン·ミュッケンベルガー元帥の声をイメージしながら読んでいただけると幸いです。(ようつべその他メディアでミュッケンベルガー元帥の声は確認できます)




用語解説

FADM
アメリカ海軍元帥(Fleet Admiral of the United States Navy)の略。

COMUSINDOPACOM
米インド太平洋軍司令官(Commander, U.S Indo Pacific Command)の略。


如月千早のヒミツ②

レッシャー元帥の影響を受けた結果戦闘機ゲームが大好きでありTACネームは大好きな音楽家ベートーベンの名前にあやかり"Ludwig(ルートヴィヒ)"らしい。愛機はF-15E。獰猛熾烈な戦いぶりから"冥王(サウロン)"とエスコン界隈では呼ばれている。尚、弟であり2番機でもある優のTACネームは”Elf”だが、その鮮やかな飛び方と無類の強さから"妖精の王子(レゴラス)"と呼ばれている。第8艦隊編成に伴い第82任務部隊(CTF-82)司令官たる少将(=川島瑞樹司令官、渋谷凛参謀長に続く第8艦隊のNo.3)として着任予定。

 

F-15E ストライクイーグル

マクドネル・ダグラス社(当時)が開発した、F-15制空戦闘機の改良・派生型で、第4.5世代ジェット戦闘機に分類される複座の戦闘爆撃機である。

元々空戦性能が高く兵器搭載量も多かった従来のF-15シリーズを母体に改修、一流の対空性能に加え対地攻撃用の航空機(爆撃機·攻撃機)顔負けの搭載量を誇る使い勝手の良い(ただし高価だが)マルチロール機となった。

 

 

 

最上静香のヒミツ①

アイドル業就職への報復として家から勘当した父親への復讐心が強い。どれ程ヤバいかと言うと師匠の千早から"Payback(復讐)"のTACネームを授けられる程凄まじいらしい。尚、父親への復讐心(とトラウマ)から男性への不信感があるらしい。エスコンでの愛機はF-15C。現在如月家に居候中。

 

F-15C イーグル

大型制空戦闘機で、第4世代ジェット戦闘機に分類される。F-4と共に、冷戦下のアメリカ空軍とマクドネル・ダグラス社を代表する戦闘機。

チタンを多用して軽量化した機体に大推力のターボファンエンジンを2基搭載し高い格闘能力を有すると同時に、高出力パルスドップラー・レーダーと中射程空対空ミサイルの運用能力も併せ持ち、遠近の空対空戦闘に対応可能となっている。原型機の初飛行から既に40年経った現在でも世界トップクラスの性能を誇る。

数々の実戦経験がありながら、 イラク戦争の砂漠の嵐作戦で2機を失った以外に採用国は現在までに空中戦における被撃墜記録は無いとされる。

 

 

レッシャー元帥のウワサ⑱

尉官時代(湾岸戦争時)、共同撃墜は仲間に譲り、男でありながら全く傲慢さが無く紳士的で敵機を撃破してもパイロットをなるべく殺さない戦い方から"蒼い彗星"と畏れられたと同時に、"天駆ける騎士(パーツィヴァル)" "蒼男爵(ブルー·バロン)"と敵味方から称賛されたらしい。

 

佐久間まゆのウワサ①

東日本大震災当時に助けてくれたアメリカ海軍軍人に運命を感じたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕にも責任がある。僕の写真で偽の希望を与え、僕を不死身の象徴にして兵を戦地に送る。兵は死ぬのが任務だ。でも士官として"死ね"なんて命じられない。だから仲間と飛んで、一緒に死ぬ。ワシントンD.C.が僕に望んだ不死の神でいたくはない!」

 

2035年出版 渋谷凛 · 如月千早 共著   

『レッシャー提督の物語 1:湾岸戦争』 第3章「蒼男爵(ブルー·バロン)の誇りと覚悟」 より出典   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Facebook

346プロダクション  シンデレラプロジェクト(公式)

 

 

 

担当プロデューサー挨拶

 

皆様方におかれましては、常日頃から私達の活動に関心をお持ち頂くとともに、ご理解並びにご協力を賜り心より感謝申し上げます。

私がシンデレラプロジェクトプロデューサーに着任し、お陰様で無事に半年を迎えることができました。

別れと出会いの連続、気温が不安定となり体調を崩しやすい季節になりました。

皆様におかれましても、健康にはくれぐれもお気をつけてお過ごし下さい。

 

私事になりますが、 2月30日付をもって、大統領より元帥の称号を与えられました。第二次世界大戦後初めてとなる合衆国における元帥の誕生に伴い記念として我が合衆国海軍に新しい艦隊が一つ創設されることとなりました。皆様に我が合衆国陸軍·海軍·空軍·海兵隊について深く知っていただくための情報発信を行う艦隊です。現在部隊編成を検討中ですので、続報をお待ちください。

 

これからも我がシンデレラプロジェクトに対し恩顧の程宜しくお願い致します。

 

2016年3月1日  

Former COMUSINDOPACOM

FADM. William·Lescher·Ichinose Jr.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年4月12日  ハワイ ワイキキビーチ

 

「今回の仕事は765プロダクションと合同だ。それにおそらく第8艦隊の同僚として働く者達だ。失礼のないようにな。相棒(バディ)、リイナ。」

 

「了解!」

 

「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして、ですね秋月律子さん。346プロダクションのウィリアム·レッシャーです。そのお見事な手腕はチハヤから聞き及んでいます。今回は宜しくお願いします。」名刺を交換

 

「ありがとうございます。こちらこそ宜しくお願いします。」名刺を交換

 

「チハヤ、調子はどうだ?」左手を出す

 

「ばっちりです!」握手

 

「で、彼女が···。」

 

「はい。後輩の···。」

 

「最上静香と申します。TACネームは"Payback"です。宜しくお願いします。」敬礼

 

「ウィリアム·レッシャーだ。チハヤが君を腕の立つ弟子だと誇らしげに言っていたから期待している。今回は宜しく頼む。」答礼

 

「はい。頑張ります。」

 

「それと撮影が終わったら一杯付き合って貰いたい。チハヤから君のカウンセリングを依頼されている。私としても世界中の全ての男が傲慢極まるクソ野郎ではないことを知って貰いたいのだ。チハヤの流れを汲む者ならば特にな。」

 

「···わかりました。」

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

「え///レッシャーさんそんな際どい水着で撮影するの?しかもパーカー前開けちゃってるし···。」

 

「イマニシからの依頼だからな。それに『傷だらけなのが唯一のネックだけど男ながら筋肉自慢のその肉体をメディアに示すのも我が祖国にもたらす光になる』と大統領からのお達しだ。」かなり短い白パーカーと黒いブリーフの水着

 

「///凛ちゃんなんで止めなかったの?」

 

「私が止めても意味ないよ。部長さんの依頼を相棒(バディ)は絶対断らないもん。」

 

「ほら行くぞリイナ、相棒。」

 

半裸がなんだと言うのか。リイナも初心なものだな。私の"家族"になったのだからその程度には耐えられるようになって貰いたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「765プロ、346プロの皆さん本日はありがとうございました。また今度も宜しくお願いします。お疲れ様でした!」

 

「「「お疲れ様でした!」」」

 

 

 

 

 

 

「さて。では撮影が終わったから皆さんを私のホノルルの別荘に招待しよう。だがその前に秋月さん、チハヤを少し借ります。相棒(バディ)、リイナと最上さんと秋月さんを連れて車で待機していろ。皆さんを案内してやってくれ。」キーを渡す

 

「わかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかチハヤと二人きりで夕方のワイキキビーチを歩く日がくるとは思わなかった。

 

 

「チハヤ、いくらワイキキとは言っても4月に水着の撮影だったから寒かったな。」

 

「はい。でもこういう雑誌は今頃撮影しておかないと間に合わないんです。」

 

「なるほど。私は衣服系の雑誌を読んだことが無い。これから色々教えてくれ。それとその青い水着、似合っているぞ。」

 

「///ありがとうございますウィル。」

 

「···そういえば、今確認することではないが『貧相過ぎることに悩んでいる』とユウから報告を受けている。そこまで気にするものなのか?」

 

「···。」

 

「確かに私の長い付き合いの奴らや2代目以外の歴代相棒はお前のところの三浦さんと良い勝負の抜群なスタイルの持ち主ばかりだが、必ずしもそれが私の好みに直結する訳ではないぞ。この際言っておくが私の女の好みは『必須ではないが黒髪ロング、合衆国国歌を魂込めて歌える奴、個性が強い奴』だ。どれもお前に合致しているではないか。私は11年前、お前に聞かせて貰ったやつ以上の美しい合衆国国歌を聞いたことがない。」

 

「···すみませんウィル。勝手に悩んで相談もしないで···。」

 

「私の方こそはっきり言わずにいて済まなかったな。だが、お前は今まで私のかけがえのない"親友"であった。これからも、その事実は変わらん。私が死んでもな。」千早の右手を握る

 

「///」

 

「それと···。」指輪を出す

 

「!?」

 

「それは私の母タヤ·レッシャー·イチノセ=スチュアートの遺品だ。そして私の左手人差し指にあるのは父ウィリアム·レッシャー·イチノセ シニアのものだ。これと対をなす指輪だ。父と母は『真の友と出会い愛を深めたならその証としてこれを分かち合え』と言い遺し死んだ。お前こそその真の友だ。受け取ってくれるか?」差し出す

 

「///ウィル、ありがとうございます。」受け取る

 

「皆が待っている。行こうチハヤ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホノルル ワイアラエ地区 レッシャーの別荘

 

「さて私の愛する"家族"達、律子さん、静香さん。改めて私の別荘へようこそ。歓迎する。」

 

「「ありがとうございます。」」

 

「今夜と明日はゆっくりしていって欲しい。では、夕食にしよう。今日は鶏胸肉のステーキとレタス·玉ねぎのサラダだ。ステーキにはこの玉ねぎのソースかトマトソースを使うと良い。」

 

「わざわざありがとうございます提督。」

 

「ご馳走になります。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では静香さん以外は風呂にでも浸かって疲れを癒して貰いたい。相棒(バディ)、風呂の位置は覚えているな?」

 

「うん。あの黒い扉でしょ?」

 

「そうだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて。では静香さん、カウンセリングを始めよう。とはいっても私は何らの資格も持ってはおらんからカウンセリングのような代物だがな。」隣のカウンターに座る

 

「···。」

 

「君の父君のことはチハヤから聞いている。ま、そうだな、君の思うことはわからんでもない。控えめに言ってクソ野郎だ。

いくらアイドルが不安定だからと言って真正面から娘の考えを否定しあまつさえ背いたら勘当というのは流石にやりすぎだ。

だが残念なことにそのようなクソ野郎が世の中の男の大半を占めているのもまた否定できんし、私とて小さい時から甘やかされずに育った結果珍しい社会で働く男になっているからな。残念だがイレギュラーな存在なのだ。

85年にアナポリスを卒業し、87年海軍の戦闘機乗りとして最高の栄誉であるトップガンに入ることができた。トップガンになる前の訓練もなかなかにキツかったが、トップガンに放り込まれてからもかなりしごかれた。だが、その時私に接してくれた上官達も同僚も部下もみんな私を、まあ小さかったというのもあるだろうが、欲望の対象とはせず、息子のように扱ってくれた。

戦場で生き残ることができるように、厳しくも優しく教えてくれたのだ。

私が思うにだ。大抵の男が傲慢極まってしまうのもその貴重さが過保護を招き、過保護が傲慢を招くからだ。全く愚かしい。ロムルスとレムスの昔から、子孫を残すにも、そもそも生きていくにも女性の力が必要だと言うのに、嘆かわしいことだ。」

 

「···。」

 

「そもそも15歳にもなっていない者に『現実を見ろ』などと怒る行為自体がナンセンス。私に言わせれば過酷な戦場はおろか社会の表にすら出たことがない者に"現実"を語る資格などあるものか。そのような戯れ言はイラクのミグを叩き落としテロリスト共を射殺してから言え。」

 

「···。」

 

「いや、酒が入るとよく口がまわる。すまなかった静香さん。カウンセリングなのに私ばかり喋っていては意味がない。君の話を聞かせて貰えるかな?」

 

「···私が元帥に申し上げられることは二つだけです。父を許しません。そして男性が信用できません。それだけです。」

 

「残念だ。では私も信用ならんか。チハヤと10年の付き合いであるこの私が。」

 

「···申し訳ありません。」

 

「別に責めてはおらん。だがユウとは、あやつとは仲良くやってくれておるのだろう?」

 

「はい。優さん本人には言えませんが、声も父のように鋭くないですし、容姿も短髪なだけでほとんど千早さんと変わりませんから、ストレスなく一緒にお仕事ができています。」

 

「そうか。ユウは確かに優しい声色をしているからな。それに引き換え私は威圧感しかない声色だ···すまんな。この声自体がストレスだろう···だがな静香さん。」

 

「?」

 

「賢者は歴史から、愚者は経験から学ぶ。君はまだ経験しかない若造に過ぎん。どうだ?歴史を学ぶためにも我が海軍第8艦隊に来ないか?話はユウから聞いているのだろう?」

 

「はい。」

 

「私やチハヤと来れば、今まで見えなかったものが見えるかもしれん。『できなきゃできるようになれば良い』SEALsの訓練で私が教官からかけられた言葉だ。トラウマは心に隙をつくる。無くす努力はしておいて損は無いはずだ。チハヤのトレーニングについてこれるなら、努力はお手の物だろう?」

 

いささかベクトルが違うだろうが

 

「···。」うなずく

 

「では765プロダクションに第8艦隊司令官の名で君の招聘を要請しておく。まあ十中八九要請は通るから大丈夫だろう。」

 

後でミズキさんに要請入れるよう言っておこう。第8艦隊は実質的には私の指揮で動くが、建前上の第8艦隊司令官はミズキさんだからな。建前は守らねば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2200 レッシャーの寝室

 

「いや、流石に暑い···。」

 

チハヤが上にまたがり私の胸を枕にし、相棒が左腕に引っ付き、私より先に家を掃除してくれていたグース(悠貴)にいたっては右足を抱き枕にしている···疲れたからだろうな。相棒とグース(悠貴)はもうぐっすり寝てやがる。

 

「···降りた方が良いでしょうか?」

 

「いや、暑いだけでお前は全く重くないからなチハヤ。降りる必要はない。それに、"家族"とのふれあいは大事だからな。こういう一時を大事にして生きていきたい···ふと思い出したぞ。11年前、転んで泣いていたお前に膝を貸して落ち着かせたらいつの間にかお前がすやすやと寝てたことを。」

 

あの時のチハヤもユウも小さくて可愛かった。昔はこいつら姉弟をついつい甘やかしてしまった。今まで生まれた私の実子達に軍務もあるが父親をやってやれなかった分余計にな。

 

「///」

 

「人生で重要なのは誰に愛して貰え、誰を愛したか。誰を愛して、それを決して後悔しないか。その点失敗ばかりだった人生も、案外悪くはなかった。お前は私を愛してくれた。私もお前を愛し、またそれに後悔していない。私は、犯してきた悪行の割に合わない果報者だった。改めて礼を言う。チハヤ。」千早の頭を撫でる

 

「///」うつぶせになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベス、お前は僕が武勲立て栄達するのを喜んでくれないのか?

 

そんなことあるはずないでしょ。ただねウィル、あまり武勲を立てることに焦る必要は無いと思うのよ

 

焦ってなどおらんよベス。だが、機会があれば最大限に活かすのは当然だろう

 

ウィル、あなたはまだ30歳にもなっていないのよ?それで中佐、もう少しで大佐になれる。十分すぎるわ。無理をしないで欲しいの···

 

間もなく30になる。40歳にも、50歳にも。そうなれば、地位も名誉も、不相応のものにはならないだろう···

 

その後はどうするの?そしてその後はどうするの?更なる高みを望むの?

 

···まだ山の中腹に達したばかりだ。人生昇っていると思ったら、降りているなんてことも有り得る。あまり後のことばかり考えても仕方あるまい。

 

···そうね······グース少佐。お願いするわ。このわんぱく坊主が、道から外れないように見張っていてね。放っておくと、どこに飛んでいくか、わからない子だから。

 

はい。ローレン議員。任せて下さい!

 

ひどい言い様だな。僕は子供か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

懐かしい夢を見た。ベスは私がこうなることをわかっていてグースに託したのかもしれない。本来であれば私が F- 35Cをテストし空中分解で死ぬ運命にあったのをグースが急遽代わり、そしてグースは結果的に私をかばう形で死んだ。グースもそうだったが、私の歴代相棒達は命を賭して私を守り続けてくれた。そして私が道を外さないように見張り続けてくれた。

私は残された。生き残った者は、歩き続けなければならない。いつか死者に合流するその日まで。あいつらに誇らしい土産話を持っていく為にも、これから10年は、私は5代目相棒()と、他の"家族"と共に全力で取り組んでいきたい。




補則解説

F-35 ライトニングⅡ

単発単座のステルス多用途戦闘機。アメリカ合衆国の航空機メーカー、ロッキード・マーティンを中心とする複数の企業によって開発された。
コンピュータによる情報統合を推し進めており、ヘルメットディスプレイによる全周囲視界まで実現している。最初から多用途戦闘機として開発されたため、対地攻撃能力や電子装備の充実度は最強の戦闘機として呼び声高いF-22ラプター戦闘機を超える。また、ほぼ同一の機体構造を有する通常離着陸機型・短距離離陸垂直着陸機型・艦載機型の3タイプが存在する野心的な機体でもあり、開発計画時の名称である統合打撃戦闘機(英: Joint Strike Fighter)の略称JSFで呼ばれる事も多い。
レッシャー元帥は若い頃にこれの艦載タイプ(空母で運用する)であるF-35Cのテストをしていた。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍元帥、運動会に引き摺り出される

藤原肇のウワサ①
小さい頃珍しいアメリカ人の男性客に茶碗を作ってあげたことがあるらしい。





「私は、小さい頃に両親と死別し、ひたすら飛ぼうとした出来損ないの雛鳥に過ぎなかった。そんな私を支えてくれた物好き共。私はこの者達に心から感謝したい。本著を私の愛しき"家族"達と亡き戦友達、そしてエリザベス·ローレン大統領、今西弘之、如月千早、如月優、そして私の"最後の相棒"渋谷凛と、"最後の副官"乙倉悠貴、堀裕子、水本ゆかりに捧ぐ。」

ウィリアム·レッシャー·イチノセ.Jr著 『回想録』前書き より抜粋







「黒豹のエンブレム···間違いない!"ティーチャー"だ!」

「私はこれを求めていたんだ!ティーチャー!私を殺して見せろ!私はずっと貴女と戦いたかったんだ!それだけが今の僕の望みなんだ!貴女に相応しい敵はここにいる!」

2035年出版 渋谷凛·如月千早 共著
『レッシャー提督の物語 1:湾岸戦争』 
第8章 『接触』より出典


第8艦隊編成の前準備として346プロダクションのカフェで親交を持ったサチコ、カエデさん、カナデさん、カレン、ナオ、アンズ、ナナそして第7艦隊司令官時代から顔見知りだったシューコ、サエ、ハジメそして太平洋艦隊司令官時代に瓦礫から助けて仲良くなったマユが新たに私の指揮下に加わることになった。池袋の私の別荘は7階立てだから受け入れはそこまで問題にはならん。私やキョウコが作る料理の量が半端なものではなくなるのが唯一の問題だが、それもミズキさんや相棒(バディ)、マユが助けてくれるから問題として顕在化したりはしないだろう。カエデさん昼間っから呑むのはやめて貰いたい。

765プロダクションから出向してくる第8艦隊の将兵達も私が面倒を見ることになるのだろうか···?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年5月

346プロ本社 レッシャーの執務室

 

「事務所別対抗アイドル運動会?」

 

「そう。やってくれるかい?」

 

「イマニシ、ピアノ線(絞首刑)ソマリア連邦共和国(無政府状態·治安最悪)か。好きな方を選ばせてやろう。どっちが良い?」

 

「どっちにしても部長さんを殺す気で草。」

 

「いや、そう言わずに出てくれウィリアム。大統領からのお達しだよ?」

 

「ベスの名を出したら無条件でやると思うなよイマニシ。私は軍人だ。特殊部隊勤務経験もある。そんな奴が出たらバランスが崩壊するだろうが。」

 

「そこは心配無用。ハンデ付けること認めるからさ。頼むよ!世界は君のエンターテイメントを求めてるんだ!」

 

「何がエンターテイメントだ。その先にあるのはただの元軍人の蹂躙劇だろうが。」

 

「···楽しそうじゃん。相棒、一緒にやろうよ?」

 

「···相棒、君までそんなことを言うのか?」

 

「私もレッシャーさんと運動会出たいです!」ワクワク

 

「グース···良かろう。だがなイマニシ、ハンデに加え更に一つ条件をつける。」

 

「なんだい?」

 

「私は集団でやる競技のみ参加する。」

 

「それじゃつまんないからさ、一つだけで良いから個人競技出てくれないか?」

 

「···一つだけだ。これ以上は妥協せん。」

 

「ボクシング(アマチュア)に出てくれ。この前のグラビアでの君の肉体美が思いの外好評でね。その動く勇姿をメディアで示してくれ。」

 

「···よかろう。最初のラウンドでK.O.してやる。」

 

「それと君だけ特別な運動着で出て貰うからよろしくお願いするね。」

 

「···何を着せられても文句は言わんが、ベスとキルラインを怒らせるようなのはやめろよ?火消しをするのは私なんだからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ皆さんお待ちかね!第11回アイドル事務所別対抗運動会の時間です!司会は私日高舞がお送りします!」

 

「解説の今西です。皆さんどうぞよろしく。」

 

「この番組の最高視聴率は第4回に34%を記録して以降、この記録を破った大会は未だにありませんでしたが、既に36%を超えています。今西さん、やはり要因は···?」

 

「我が346のウィリアム·レッシャーでしょう。他の方々も魅力·見所があるが、やはり彼には及びません。しかも彼だけやけに露出度の高い特注の専用運動着で出場です。視聴率はもっと上がると思います。アメリカ大統領公認、渋々ですが本人了承済での出場ですので、どうかよろしくお願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、相棒。いくらなんでもエロすぎるよ···。」

 

「そうよ提督さん。全国民が発情しちゃうんじゃないかしら?私達はもう耐性ついてるけど···。」

 

「プロデューサー生足·腕のみならずヘソまで出して···風邪ひかない?」

 

「相棒、カナデさん、カレン。私だって不本意も甚だしい。だが、大統領のみならずホワイトハウス(合衆国行政府)住人(閣僚)全員の連名で要請書を寄越してきたらもう逆らえん。」

 

346プロダクションからは私、相棒、グース、ミオ、カナデさん、サチコ、キョウコ、ミホ、アナスタシア、ミナミ、カレンが出場する。

それにしてもイマニシめ。何が『特注の運動着』だ!ただの白シャツ(短すぎて胸以外隠せてない)と青いボクサーパンツ(これも短すぎ)だけではないか!しかもこの前のグラビアよりも薄い!私を晒し者にする気か!

 

「これじゃあエロいだけじゃなくてもはや生物兵器ね。」

 

「Правильно!このままでは他の事務所の人達が提督の破壊力に倒れて私達が不戦勝になってしまいます!」

 

「上官の命令は絶対だ。今の私の肩書は『大統領付最高国防顧問』である以上、上官たる大統領からのお達しには逆らえんのだ。」

 

それに、ホワイトハウスの主要な住人=私の家族達の集まり だ。あいつらの子供達をせめて楽しませてやらねばならん。自分の父が頑張っていると見せてやらねばならん。父親らしいことなど今までやってやれなかっただけに余計にな。

 

「···じゃあ動く時以外はコート着てようよ。まだ少し肌寒い時期だから着てても文句はいわれないよ。」

 

「···そうしよう。」コートを着て前を閉める

 

「···それでも生足が見えてますから初心な子は気絶するかもしれませんね!」

 

サチコは余計なことを言うな!

 

「あいにくロングコートはワシントンD.C.の家に置いてきたからな。足までは隠せん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ次はボクシングだあ!各事務所の筋肉自慢のアイドル達がトーナメント戦で根性果てるまで殴り合うーーッ!」

 

「流石にアマチュア形式でフェイスガードを着けますので安心して下さい。ではいってみましょう!最初の試合は765プロの現在この運動会で連覇中の王者、我那覇響 選手と我が346のウィリアム·レッシャー 選手!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「千早の彼氏さん久しぶりだなー!」

 

「おはよう。相変わらずだな我那覇さん。チハヤから『最近優を困らせてばかりだから〆てやって欲しい』と言われててね。すまんが容赦はできん。」ポーズをとる

 

 

 

 

 

 

 

「ラウンド1、開始!」カーン

 

 

 

相棒(バディ)がセンター制圧したからもう終わるかな?」

 

 

 

 

 

「ブヘッ」吹っ飛ばされる

 

カンカンカンカンカンカン ゴングが鳴る

 

「レッシャー選手、765プロの筋肉自慢、王者我那覇選手を53秒で下しましたァ!歴代最速記録です!」

 

「まあ彼はアナポリス海軍兵学校時代からボクシングをしていましたからね。正直レッシャー選手よりも、衰えた(大嘘)とはいえプロの軍人相手に50秒もった我那覇選手に敬意を示したいと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「響、一瞬だったね?」スポドリを渡す

 

「真~聞いてくれよ~!」抱きつく

 

「どうしたのさ?」

 

「正直男のニオイは優で慣れたと思ってたから油断した!千早の彼氏さん優と全く違うニオイがするんだー!」

 

「そんなに違うの?」

 

「優の庇護欲を誘うニオイと違ってあの人の汗から女の本能を刺激する強烈なニオイが来てクラクラしちゃったんだよ~ッ!っていうか格好もめちゃくちゃエロかったしー!」

 

「だから響最初の一瞬止まっちゃったのか。確かにあの格好は扇情的だったね。」

 

「346の奴らズルいぞー!こんな卑怯な作戦とりやがってーッ!ハム蔵ォー自分を慰めてくれー!」ハム蔵を捕まえる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いかん。右手首がやられた。」腫れてる

 

相棒(バディ)、大丈夫?」湿布を包帯で固定

 

「次はリレーだったな。走る分には問題あるまい。SEALsにいた頃は捻挫してでも最後まで走ったのだ。これ位どうということはない。ありがとう相棒。」

 

「うん。でも無理はしないでね。」

 

「あぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

「凛さん。」

 

「千早さん。」

 

「ウィルの手首は?」

 

「一応応急措置はとりました。念のため後で病院に連れていきます。」

 

「そうね。ウィルは病院嫌いだけれど···嫌がったら私達で強制的に連れていきましょう。」

 

「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ!次は5000メートルリレーだァ!!5人でリレーしてポイントを稼げェ!」

 

「今回我が346プロダクションはレッシャー選手が3500、乙倉選手1500の割り当てで走る特例が適用されます。レッシャー選手は元軍人、乙倉選手は東京都中体連で短距離とはいえトップ選手ですので他の事務所の方々とのバランスを取るための措置をとっておりますのでご了承下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グース(悠貴)、最初は任せる。後半は何とかする。」

 

「はい!前半は任せて下さい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某事務所所属 ???サイド

 

「ん?あの人···。」

 

「浅倉、どうしたの?」

 

「ほら樋口、あそこの人。」指差す

 

「最近話題になってる珍しい男の元軍人アイドル。346プロのウィリアム·レッシャー。聞いたことくらいあるんじゃないの?」

 

「···小学生の時あの人昔会ったことあるかも。」

 

「どうせ勘違いでしょ。いくら珍しい社会に出てる男の人でもそんな天文学的確率ありえないから。」

 

「そうかな···」

 

ちょっと興味が湧いた。機会があったら話しかけてみたいな···多分あの人だ···!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、ガキ共。ファ○クされる用意はできてるか?小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

346プロ用待合室

 

「いや、相棒煽りすぎ。しかもしれっと放送禁止用語言ってるし。」

 

「後でお仕置きね。」

 

「じゃあ今夜は美波と私で相棒にお仕置き(意味深)する?」

 

「そうね。たまには私も混ざりたいですし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまんグース。私の失態だったな···。」

 

「いいえ!そんなことありません!レッシャーさん頑張ってたじゃないですか!それに2位ですからまだ総合順位は巻き返せます!」

 

「そうだよ相棒。次のドッジボールは相棒の独壇場になるからまだ稼げるよ。」

 

「···次は2分で終わらせる。協力してくれ相棒、グース。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日後 346プロ レッシャーの執務室

 

「···すまんイマニシ。私がいながら優勝できなかった···。」

 

「いやいや。2位までいければ十分我が346の宣伝はできるから大丈夫だよ。それより専用運動着の件の償いと頑張ったご褒美を兼ねて新しいアイドルをシンデレラプロジェクトに編入することにした。先週スカウトしたばかりの新人達だから、鍛えてやってくれ···入りたまえ!」

 

「「失礼します。」」

 

「!?イマニシ、お前···!」

 

「堀裕子君、水本ゆかり君だ。じゃあ後は頼むよ。」退室する

 

「あの野郎またか!」机を叩く

 

「「!?」」ビクッ

 

「···すまないね二人とも。そこのソファへかけたまえ。いきなり驚かせて悪かった。私はシンデレラプロジェクト担当プロデューサー兼アイドル筆頭であるウィリアム·レッシャーだ。君たちの直属の上司ということになる。イマニシからはなんと聞いている?」

 

「はい!プロデューサーさんと一緒にアメリカ軍の宣伝をアイドルやりながら頑張って欲しいと言われてます。」

 

「···そうか。奴がどれだけ私のことを言っていないのかがよくわかった。まあそれは良い。いきなりで申し訳ないのだが君達二人は寮に住んでいるはずだ。寮から池袋にある私の別荘へ引っ越してもらう。そこで現在のシンデレラプロジェクトのメンバー達と共同生活をしてもらう。共に助け合いながら自分を高めていてほしい。さらにもう一つ。出来る限り私のそばを離れるな。一緒に仕事をしてほしい。それと私はもともとアメリカ人なもので 日本語の名前では少々呼びづらいところがあるので二人にはあだ名をつける。堀裕子さん、あなたには"マーリン"というあだ名を与える,水本さんには"ランスロット"このあだ名が不快だというのなら取りやめてなるべく名前で呼ぶようにするが、それで良いか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

イマニシめ!一体どうやって見つけてこの二人をスカウトしてきたのだ!本格的に私の過去を蒸し返すつもりか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相棒(グース)!聞こえるか?速度を落としてレバーを引け!脱出しろ!」

 

「···ははっ。駄目です。キャノピーが飛びません。それに···こんなに血が···。」

 

「それでもトップガンか!私に相棒(バディ)をまた喪えと?諦めたら、そこで試合終了なんだよ!全力を尽くせ!」

 

「···望み薄ですが···着水してみます···レッシャー大佐。」

 

「なんだ?」

 

「···貴方と飛べて···幸せでした···貴方が相棒で···良かった···」バァン

 

「!!」

 

「···F-35試験機、空中爆発しました。」

 

「···生存者を探せ···。」

 

「ですが、大佐···。」

 

「探し出せ!なんとしてもグースを見つけろ!死んでたら生き返らせろ!何をしてでもここに連れて来い!」

 

「ラ ラジャー!」退室する

 

 

「···グース···何故私にやらせなかった······」




補則解説

この男女比1:25アイマス世界では、男性からあだ名をつけて貰えることは大変栄誉なことなので女性は拒否したりしない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍元帥、年末年始の調整に入る

レッシャー元帥のウワサ⑲
アメリカの統合軍の一つたる欧州軍(USEUCOM)の現在の司令官たるスカパロッティ陸軍大将には借りが一つあるらしい。





「レッシャー元帥は多くのことができた。
カードゲームもできたし、ダンスも、ギターも、トランペットも、ピアノも、ダーツも、スキーも、チェスも、囲碁も、スケートも、FPSも、釣りも、アイドルも、そして一流の楽団の指揮者までもこなした。
何をしても一流の寸前までいける男だった。だが、多芸多才に甘んじ真の一流にまで上れたのはエースパイロットとしての生きざまだけであった。逆に言えば、それ以外何一つとして一流にまでの昇華を成し遂げることはなかった。軍人としても私人としても頂点に立つことはなかった。軍人としてであればインド太平洋軍司令官止まりであった。アメリカ海軍トップの作戦部長にも、アメリカ全軍トップの統合参謀本部議長にもならなかった。私人としてもレッシャー·グループのCOO止まりでこれ以上上には上がらなかったし、346プロでもシンデレラプロジェクト担当プロデューサー以上にも以下にもならなかった。
彼は生前、私達にこう語ってくれた。
『私はベス(ローレン元大統領のこと)の下で良い。最高責任者なんて野暮なものだ。そうだな···私は、何時でも上手なアマチュアでいたいのだ。』と。
彼はアナポリス海軍兵学校を卒業した際次席だった。そして彼の前にはいつも盟友エリザベス·ローレンがいた。トップにまで昇れない自分と、常に自分の前で輝き続けたローレン元大統領を比較し、その複雑な心理をジョークに代えることで、盟友に向ける負の感情を洗い流そうとしていたのかもしれない。」


2039年出版  多田李衣菜·前川みく 共著
『レッシャー提督の物語 解説』
第4章「何でもできた万能アイドル、レッシャー元帥」 より出典


Admiral William Lesher. Ich freue mich sehr, Sie einzuladen, das Neujahrskonzert im nächsten Jahr zu dirigieren. Ursprünglich hatten wir geplant, Ozawa einzuladen, um unter seiner Leitung aufzutreten, aber aus gesundheitlichen Gründen hat er Sie als seinen Ersatz vorgeschlagen. Als letzter Schüler des geliebten Karajan und als echter Anhänger seines Stils ist es mir eine Ehre, Sie einzuladen. Ich hoffe, Sie nehmen es an.

 

Wiener Philharmoniker

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年10月4日

池袋 第8艦隊司令部 庁舎5階 艦隊顧問執務室

 

「···何故よりによって私なのだ···。」

 

「ウィル?」

 

「チハヤ。名誉なことだがとんでもない仕事の依頼だ。ウィーン·フィルハーモニー管弦楽団が 来年の新年コンサートの指揮者に私を指名してきた。」

 

「!?」

 

「公にされていないことだが、私はお前の大好きな伝説の指揮者カラヤン先生の最後の弟子なのだ。それに何よりウィーン·フィルハーモニー管弦楽団の古参連中は当然幼い頃の私のことをよく知っている。だからこういう形で推薦してきたのだろう。そもそも小澤さんがやればよかったのになぜ私に押し付けたのか··『健康上の理由』とか絶対に嘘だろう···。」

 

「···指揮者は脊椎に負担がかかります。私としてはあまりやって欲しくは無いのですが···。」

 

「私は生涯において三つだけは最低限誇りを持って生きてこれた。一つは生涯一度たりとて虫歯にかからなかったこと。二つ目は約束を一度たりとて違えなかったこと。 三つ目は誇り高き合衆国海軍の戦闘機乗り(ファイターパイロット)として一度たりとて墜ちたことも僚機を墜とされたことなかったこと。生前のカラヤン先生に『クラシックの衰退を止める為の努力を怠らない』と誓約した。誓いは、必ず守らねば武人の恥というものだ。心配してくれるのはありがたいが、わかってくれチハヤ。」千早の肩を叩く

 

「···無理はしないで下さい。最近ウィルは働き詰めですから。」

 

「···そうだな。どうせならローマで第8艦隊の新年路上ライブでもやるか。で同時に新年休暇も入れよう。相棒(バディ)、イマニシに連絡をとれ。協議する。」

 

「わかった。」

 

 

 

 

 

「···なるほど。年末に第8艦隊の業務の一環で欧州軍(アメリカの統合軍。ヨーロッパを担当)の紹介とサイレンサーでベーコンを焼くネタ動画の撮影。シンデレラプロジェクトの一環でローマのスペイン階段で路上ライブ。お年始は君の仕事でウィーン·フィルハーモニー管弦楽団の指揮者を新年にやる。なるほど、わかった。必要なものはこちらで手配しておくよ。」

 

「助かる。私のプライベートジェットでは流石に第8艦隊将兵全員を運べないからな。」

 

「まあ、国防総省(ペンタゴン)に旅費の申請と美城航空に旅券寄越すよう要請出すだけだから私の仕事はむしろ減ってるんだがね。」

 

「ローマと欧州軍司令部には私から交渉しておく。銃とサイレンサーはキョウコに用意させる。問題は警備だな。もし戦闘が発生しても、戦えるのは私とミホ、キョウコ、765プロダクションのプリンストン少佐だけだからな。」

 

「欧州軍司令部に護衛を供出して貰えないか聞いてみたらどうかな?」

 

「···欧州軍司令部にあまり借りを作りたくないが···やむを得ん。その線でいくか。」

 

スカパロッティは元気にしているかな···アイツは私の"家族"の中では飛び抜けてお転婆な奴だったからな。心配になる···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第8艦隊司令部 庁舎3階 大会議室

 

「諸君、私にとんでもない仕事が入ってきた。」

 

「具体的にはどのようなお仕事が?」

 

「次の仕事はオーストリアの首都ウィーンだ。ウィーン·フィルハーモニー管弦楽団の来年の新年コンサート指揮者の打診が来た。」

 

「提督さんは指揮者もできるのかしら?」

 

「カナデさん。私はかの"楽壇の帝王"ヘルベルト·フォン·カラヤンの最後の弟子でした。小澤さんには及ぶべくもないが、それなりに指揮はできます。"万能なアイドル"を名乗っているのですから、それくらいのことはできませんと。」

 

「いや万能過ぎて草。」

 

「本題はここからだ。先ほど相棒(バディ)からも働きすぎを指摘され、諸君も諸君で本業に加えて第8艦隊の業務も担ってもらっている以上疲れが溜まっていることは明白だ。年末はともかく年始は休みたいが、私も諸君も残念ながら人気があり休暇の確保は容易ではない。なので先ほどイマニシから提案があり仕事の体で···まぁ事実仕事はするが、年末は私が休み、そして年始は諸君が休むという体裁をとりたいと思う。具体的に言えば、年末において我が合衆国の統合軍の一つでもある欧州軍の解説を現地で行いなおかつ欧州軍司令官たるスカパロッティ大将との会談も行う。そして私とミホ、キョウコ、プリンストン少佐で銃に装着したサイレンサーにベーコンを巻いて発砲の熱で焼くというしょうもないネタ動画も同時に撮影する。そしてローマのスペイン階段で合同ライブを行い、今年の諸君の仕事は終了だ。それまで私は休ませて貰う。で私はお年始に諸君と交代で指揮者として仕事をする。ウィーン·フィルからは最後に『美しく青きドナウ』『ラデツキー行進曲』さえ入れてくれれば好きに曲を指定して良いと言ってきた。が、期限は来週までにとも言われている。チハヤ、相棒(バディ)、マユ、ミナミ。」

 

「「「「?」」」」

 

「君たちの昨今の活躍と私に対する貢献、そしてクラシックを嗜んでいることを鑑みて、君たちに尋ねる。私に何を指揮させたい?」

 

「私達が言えば相棒(バディ)が指揮してくれるの?」

 

「そうだ···とは言えんがなるべく要望には応える。」

 

「私は相棒の『ボレロ』を聞いてみたいな。」

 

「『ボレロ』?相棒、私を試すつもりだな?よかろう。試されてやる。」リストに記入する

 

「···ウィルは『運命』は指揮できますか?」

 

「当然だ。カラヤン先生から散々しごかれたからな。」記入

 

「まゆはレッシャーさんの『新世界より』第4楽章を聞いてみたいです。」

 

「···私の大好物だ。マユ、任せておけ。」記入

 

「私は『さまよえるオランダ人』序曲を聞いてみたいですね。」

 

「また変なものを指定してきたなミナミ。よかろう。あまり得意ではないが、やってみせよう。」記入

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相棒。」

 

「どうしたの?」

 

「明後日愛知の衣浦に出かけるんだが、暇だっただろう?一緒に来ないか?」

 

「他の皆は?」

 

「珍しく君以外は何かしら仕事がある。グース(悠貴)は靴の商材撮影のモデル、マーリン(ユッコ)は大塚警察署の一日署長、ランスロット(ゆかり)はサチコに巻き込まれバンジージャンプだそうだからな。」

 

「なるほどね。愛知に何しに行くの?」

 

「魚を仕入れてくる。皆に私が目利きした新鮮な魚で美味しい料理を作ってやろうと思ってな。衣浦は地味だが美しい港町だ。些か雅さに欠ける上日帰りになるが新婚旅行代わりにと思ってな。」

 

「···時間があれば相棒の故郷に行きたかったな。」

 

「遅かれ早かれ連れていく。安心しろ。」

 

「楽しみにしてるよ···そういえば相棒。」

 

「?」

 

「悠貴と美波が···まあ私もだけど疑問に思ったことがあってさ。」

 

「なんだ?」

 

「何で奏さん、川島さん、楓さんだけには敬語な上にずっとさん付けなの?」

 

「あぁそのことか···理由は簡単だ。あの3人が亡き母にそっくりだからだ。」

 

「どこか似てるの?あまり共通点はなさそうだけど···?」

 

「性格や趣味の話ではない。あの3人には貫禄がある。覇気と言うべきかな。独特な何かがある。それがあまりに亡き母タヤにそっくりだ。我が家では私は母に絶対服従だった。逆らうことは許されない。母の恐怖は今も身体が覚えている。だから私はあの3人には逆らえない。逆らうことを身体が拒否しているのだ。」

 

「···その事は3人には言わない方が良いよ?川島さんはともかく残りの二人はそれ知ったら調子に乗る可能性あるから。」

 

「···そうだな···相棒。」

 

「?」

 

「ありがとう。」頬にキス

 

「···ふふ。どういたしまして。」

 

ベスや他の相棒とはついぞ育めなかった愛をやっと手に入れた。戦闘機乗り(ファイターパイロット)としての誇りも、30年の軍務も、元帥の地位も、私の心を満たせなかった。だがこの1年で私の心はとても満ち足り、そして穏やかだ。ありがとう相棒。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本日付けでレッシャー准将の副官を仰せつかりましたフレデリカ·"マーリン"·マテウス大尉であります!よろしくお願い致します閣下!」敬礼

 

「ご苦労。よろしく頼む。」答礼

 

「はい!」

 

「···あまりこのようなことは聞きたくないが、君のアナポリスでの卒業席次は何番であったか?」

 

「いや···その···小官は···下から数えた方が明らかに早い席次でして···その···。」

 

「···そうだろうな。マテウス大尉。率直に言おう、君は捨て駒にされた。君も知っての通り私は隷下の部隊を何度か壊滅させ、相棒を二人失っている。将官の副官というのはその将官の業務を一部代行する以上、優秀な者でなければならない。だが君も自覚していると思うが君は優秀ではない。私は隷下部隊と副官をよく死なせる"死神"だ。どうせ死ぬのなら、捨て駒にしても全く困らない者を私の副官に···という話で私のところに君が来た。おそらくそういうことなのだろうな。」

 

「···」絶望

 

「···安心しろ···とは言わん。だが私を信じて欲しい。立場が逆だが、君を守って見せよう。私とて、部下と副官を失うのはもうまっぴら御免だからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞いてくれマーリン。私は君と出会った時に宣言したな?君を護ると。それを果たせず、あまつさえ私を狙った爆弾テロに巻き込んでしまった。そんな私だが···君に姿形がそっくりで、君に似て頭の回らぬ馬鹿で、君に似て陽気な超能力者(笑)の日本の娘を懲りずに副官にすえてしまった。もはや君を馬鹿と罵倒する資格は無いな。こんな脆い馬鹿を通り越して愚かな私を···どうか、赦してくれ···



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍元帥、過去を語る。そしてユッコはおぼろ気ながら"真実"にたどり着く

レッシャー元帥のウワサ 20

かの剣豪 佐々木小次郎の流れを組む剣士であり、かの有名な刀"物干し竿"を所持しているらしい。

 

 

レッシャー元帥のウワサ 21

ハクニー種の馬で父親の代から世話になっている"レイテ·ガルフ"を飼っているらしい。

 

 

小日向美穂のウワサ①

きたるべき時に母親の仇を討つ為にレッシャー元帥に仕えているらしい。

 

 

 

「ミホ、このワルサーで···早く撃て。ここにいるお前の母の仇が···ヴァルハラに逝く前に。そういう契約だった···筈だ···。」

 

2038年出版 乙倉悠貴·堀裕子·水本ゆかり 共著

「レッシャー提督の物語 6:永遠の物語」 第5章『介錯せよ』より



William·Lescher·I.jr

 

FADM 

 

US NAVY

 

AUG 10 1971 – DEC 22 2025

 

The most versatile and strongest amateur in the world.

 

An outstanding and respected Ace.

 

(日訳: 万能にして最強のアマチュア。尊敬すべき傑出したエースパイロット。)

 

 

 

ウィリアム·レッシャー元帥の墓碑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は第8艦隊司令部としてYouT○beにて生配信を行う。

メンバーは相棒(バディ)、カナデさん、ミズキさんが質問役、そして私がピアノを弾きながらアルコール混じりに雑談するという形式だ。まぁ相棒はまだ16だから葡萄ジュースだが。

 

 

 

 

 

 

 

推奨BGM ショパン 夜想曲 第9番ロ長調 Op.32-1

 

 

 

 

 

「さて、今日の第8艦隊司令部公式配信は私の生い立ちについて話そうと思う。第8艦隊の公式サイトへの要請がひっきりなしだったそうだからな。」ピアノを弾きながら

 

 

 

「提督さんの出身はどこなのかしら?」

 

 

 

「1971年8月10日、奇しくも相棒(バディ)と同じ誕生日に私はテキサス州の州都オースティンで生を受けました。 母は民主党上院議員タヤ·レッシャー·イチノセ=スチュアート、父はウィリアム·レッシャー·イチノセ シニアです。」

 

 

 

「志希の親戚とのことだけど、厳密にはどんな関係なのかしら?」

 

 

 

「その話は少々ややこしくなりますが、まぁこの際です。話しておきましょう。まず一ノ瀬家の歴史を1910年代頃から見て行かなければなりません。

 

1911年、志希の曾祖母にあたる一之瀬貞子が生まれました。さらに次の年には弟、一ノ瀬金次郎が生まれこの姉弟はとても仲が良かったと聞いております。

 

問題は1945年にあの無意味な戦争が終わった後に起こります。

 

一ノ瀬金次郎は日本からの合衆国に対する賠償資源(男)の一部としてテキサス州に強制的に移住させられてしまいます。

 

そして移住先のオースティンにおいて、レッシャー家先々代当主でありレッシャー銀行頭取兼レッシャー衣服店店主だったロビン·レッシャーと出会った。

 

男でありながら勤勉であった金次郎をロビンは大層気に入り、粘り強く口説き落としレッシャー家に自らの婿として迎え入れます。

 

そして私の父であるウィリアム·レッシャー·イチノセ シニアが生まれたのです。

 

我が父は祖父に似て勤勉ではありましたが、祖父とは違い男でありながら社会の表へ出ようとしていたのです。

 

その一環として、父は当初海兵隊に入ろうとパリスアイランド訓練所に入所するのですが、意思と肉体が乖離していた、つまり精神は強かったのですが肉体が病弱だった。

 

そのせいで3週間で丁重に追い出されてしまったのです。」

 

 

 

「提督さんは社会に出て活躍してるけど、提督さんのお父君もそうだったのね。つまり提督さんはお父君の影響を受けて社会に出たということなのかしら?」

 

 

 

「カナデさん、正直に申し上げて、私は父からあまり影響を受けていなかったと思います。

 

今私が話しているこの内容も関係者から聞いて得た一族の情報ですし、そもそも私は4歳の時に両親と死別してしまっています。

 

話を戻します。父は次に母親であるロビンから託されたレッシャー銀行の専務に就任、銀行員として働き始めました。

就任して1年経ったかどうかという時に、とある実業家がお金を借りにやってきた。名をタヤ·スチュアート。石油精製業者 兼 ハンバーガー屋だったのですが、事業拡大を企図し資金を集めていたのです。その日は他のほとんどの行員は休暇·出張で出払っていたので父が直接彼女の話を聞いたようです。

それが私の両親の出会いでした。お互い一目見た時に運命を感じたそうです。そして僅か半年後レッシャー家に養子としてタヤが入り、夫婦となりました。

それから2年後の1971年8月10日、私ことウィリアム·レッシャー·イチノセ ジュニアが生まれたのです。同時に銀行·衣服店·ハンバーガー屋·石油精製会社が統合されレッシャー·グループが誕生しました。我が母タヤは身体が父同様あまり強くなく私には妹も弟も生まれませんでした。その結果イレギュラーながらレッシャー家の次代を担うのは私ということになり、母から経営学とイギリス英語を2歳の頃から教え込まれました。父からは日本語とドイツ語、イタリア語、ロシア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ベンガル語、ヒンディー語、フィンランド語、ヘブライ語、アラビア語を教えて貰いました。そして祖父は私に剣術を教えてくれました。」

 

 

 

「今更だけど、提督さんピアノを弾きながら会話もできるのね?」

 

 

 

「ショパン先生の曲は目を瞑りながらできますよ。会話しながらなど造作もない。」

 

 

 

「芸術にも明るい男性って素敵ですよ提督。」

 

 

 

「ありがとうございますミズキさん。3歳になった時、ノーフォーク海軍基地の祭に行きました。その際ブルーエンジェルスのファントムの勇姿と展示されていたハリアーを見て海兵隊の航空隊に入ろうと考えました。後に父から海兵隊のパイロットは地位が低いことを教えられ、海軍に入ることを決心しました。ですが1975年6月29日、その日は両親と私で上映が少し前から開始されたサメ映画『ジョーズ』を見終わり帰ろうとした時でした。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さん、サメヤバかったね。」

 

 

 

「そうだな。生憎僕とタヤはあまり身体が強く無いからいざあんなのに襲われたら多分死ぬだけだ。ジュニア、その時はお前だけでも生き延びろよ?」

 

 

 

「何を言い出すかと思えば···その時は僕がサメの頭に.30-06(スプリングフィールド弾)をブチ込んで父さんと母さんを護るよ。」

 

 

 

「頼もしい奴だ。」頭を撫でる

 

 

 

「あなた、来週の取引書類ってどこにしまったの?」

 

 

 

「ええっと···銀行のジュニアの机だ。」

 

 

 

「じゃあ回収してから帰りましょう。」

 

 

 

「そうだね···タヤ、前!」

 

 

 

「うっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「山道な上に霧が出ていて視界が悪い状態で中型トラックと私と両親が乗る車が正面衝突しました。後部座席のチャイルドシートに座っていた私は無事でしたが、両親はもうどうしようもない状態になってしまっていました。その3ヶ月後には祖父も他界し私は一人になってしまった。そんな時地元の小学校に入り、我が友エリザベス·ローレン大統領と、後の初代相棒と出会い、1年程ウィーンで過ごし、アナポリスに入学、海軍に入りました。後はWikip○diaに書いてある通りです。まさか第1艦隊復活計画の策定に関わっていたこと、コンステレーション級の設計に関与していたことまで書かれているとは思いませんでしたが。」

 

 

 

「相棒は戦闘機乗りなのに艦の建艦計画まで手を出してたの?」

 

 

 

「相棒、我が合衆国の将官は大体総合職に対応できる。特殊職は外部が思ってるより少ない。まあもっとも、私はなまじ様々な分野で活躍できたから例外と言えば例外なのだがな。潜水艦以外の我が合衆国海軍の兵器に何かしらの形で関与してしまっている。もし今後20年の間に我が合衆国海軍が戦略的失敗をやらかしたら私にも責任の一端があるということになる。」

 

 

 

「なるほどね。」

 

 

 

「空を飛んでいるその瞬間(とき)以外、私は内外からの悪意や合衆国の敵と戦い続けてきました。無論ここにいる以上その全てをはねのけあるいは耐えきることができたということですが、かといってメンタルが正常な状態であったかといえばそうとも言い切れません。ここにいる皆と出会わなければ私は完全に精神を病み、自分の頭をワルサーで撃ち抜いていたでしょう。私は皆が思ってるより脆く、寂しがりな男なのです。

出会いを与えてくれたイマニシと、支えてくれる皆には深く感謝しています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし。これで今日の仕事は終わりだな。このような当たり障りの無い配信でも400万回稼げるとは···コストパフォーマンスは悪くないな。第8艦隊の任務のみならずシンデレラプロジェクトの宣伝にも良い作用をもたらすだろう。」

 

 

 

「相棒。」

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

「なんか大きいトラックが来てたよ。」

 

 

 

「···来たか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諸君、紹介しよう。我が愛馬、"レイテ·ガルフ"だ。」 ヒヒン

 

 

 

「提督はんは乗馬もできるんどす?」

 

 

 

「当然だ。サエ、今度時間ができたら乗せてやろう。彼女は温厚だからお前が乗っても拒否したりはせんだろう。」

 

 

 

「楽しみにしとります。」

 

 

 

「うむ···サエ、マーリン(ユッコ)。」

 

 

 

「「?」」

 

 

 

「今度ルーマニアのカルパティア山脈で10日間のサバイバル企画をやらされるようなのだが、アシスタントを二人つけるよう言ってきた。お前達に頼みたいのだがやってくれるか?他の者は仕事が入ってしまっている。少々危険だが最低限のものは持たせてもらえる上に···私がいる。特殊部隊での勤務経験がある以上当然だがサバイバルのスキルもそれなりにはあると自負している。それに私としても一人でこんな寂しい仕事はできればしたくない。どうだ来てくれるか?この企画本来のギャラに加えて特別な報酬も用意するが?」

 

 

 

「···ウチは別に構いまへんが···。」

 

 

 

「ユッコはどこまでも提督殿についていきますよ!」

 

 

 

「···ありがとう。ミホ、二人を射撃訓練場に連れていけ。K31の慣熟訓練をさせろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな所で終わるんじゃないぞマーリン!もう私は相棒の墓碑を書きたくないんだ!」

 

 

 

「閣下···ご無事で···?」

 

 

 

「あぁ···あぁ!君のおかげだ!私は傷一つない!」

 

 

 

「良かったです···閣下の副官になれて···ちょっとの間だけ···でした···けど···閣下のお嫁さんになれて···幸せ···でした···」息絶える

 

 

 

「おい···おい!しっかりしろ!マーリン!返事をしろ!何故応えん!」

 

 

 

マーリン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「?···ふわぁ」あくび

 

 

 

嘘ぉ···もう6時ですか?早いですね。

 

今日のお仕事は午後からのものだけなので本来はもうちょっと寝たいんですけど、さっきまで見てた変な夢のせいでそれもできません。それにしてもおかしい夢でしたね。

 

提督殿がユッコにつけてくれたアダ名を叫びながら、ひたすら泣きじゃくっているのです。でも単なる夢にしてはあまりに生々しかったですから、ちょっと提督殿に相談してみましょう。6時ともなれば提督殿が既にみんなのご飯を用意しておられる頃でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督殿おはようございます!」

 

 

 

「おはようマーリン。今日は珍しく自分で起きたようだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーリン(ユッコ)が真実にたどり着いた。積極的に隠していた訳ではないがあまり知っては欲しくなかった。だがこうなれば、いずれバレる。ならばせめて今のうちに真実を話し相棒() グース(悠貴) マーリン(ユッコ) ランスロット(ゆかり)に赦しを請う他ない。イマニシがバラす前に話して精一杯誠意を示すしか他に道はない。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編 提督の誕生日

「第7艦隊を事実上中国への牽制に専念させるべく、インド洋方面を守る為に40年ぶりに第1艦隊を復活させることを提案する。」

 

ウィリアム·レッシャー大将 2014年 上院公聴会での発言


「島村卯月は、僚友達の中で最も長く第8艦隊に留まった。2040年、第4代司令官に着任。2043年の退官まで第8艦隊司令官の職責を大過なく勤めあげた。彼女はレッシャー元帥のような雄大な才能に恵まれたわけでもないし、渋谷凛のような鋭さがあったわけでもない。川島瑞樹のような大人の美しさがあったわけでもない。如月千早のような圧倒的な歌唱力があったわけでもない。彼女の役割は、第8艦隊司令部の幕僚たちの意見を調整し強烈な個性のぶつかり合いが緩和されるよう緩衝材として機能することだった。

 

"バロン"·ウィリアム·レッシャー、川島瑞樹、ジュリア=プリンストン·"マーチ"·ジャスパー、如月千早、高垣楓、浅倉透。それぞれに異なった才能を持つ者同士が集団として機能するためには、生きた接着剤が必要であり彼女は自身にその任務を課していた。無論彼女一人の功績ではないが、第8艦隊は一度たりとて致命的な崩壊を起こさなかったのである。」

 

 

 

2050年ドキュメンタリー番組「アメリカ海軍第8艦隊ーその戦いと栄光の記録ー」 より

 

 

 

 

 

 

 

「私は、血に飢えたサイコパスだ。SEALsのメンバーとしてイラクにいた時、潜入任務があった。私は敵施設に忍び込もうとテロリストの見張りの首を後ろから切り裂いた。バターやチーズを切るように気持ちよく切れた。その時、私は言い様の無い快感と興奮を覚えた。ヤクを吸ったように、その時の感覚を身体が覚えてしまった。それからというもの、任務に支障が無い範囲でだが、あらん限りのテロリストをナイフで始末し続けた。とても気持ち良かった···」

 

 

 

2038年出版  島村卯月·本田未央 共著

 

『レッシャー提督の物語 3:対テロ戦争』第3章『戦場の狂気に飲まれた』冒頭より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説

 

 

 

 

 

アメリカ海軍 第8艦隊

 

Yout○beのチャンネルを拠点とし、アメリカ軍の紹介·宣伝を準民間の艦隊として担い、海軍作戦本部広報部の負担軽減を目的として2016年9月12日付で創設された。住所としては池袋に司令部を置く。

 

現在346·765両プロダクションから戦力が供出されているが、場合によっては他の事務所に対しても戦力供出を要請する予定であり、現在283プロダクションが戦力供出を検討中。

 

各地での宣伝を担う実働集団たる尉官·水兵·下士官中心の任務部隊(CTF)複数、その任務部隊を纏める司令部で構成する。

 

 

 

 

 

第8艦隊(UNITED STATES 8TH  FLEET) 司令部編成

 

 

 

顧問:ウィリアム·レッシャー·イチノセjr. 元帥

 

 

 

司令官:川島瑞樹 中将

 

 

 

【第8艦隊司令部 幕僚団】

 

参謀長:渋谷凛 大佐

 

副参謀長:田中琴葉 少佐

 

海事作戦主任:乙倉悠貴 中佐

 

情報戦担当主任:真壁瑞希 中佐

 

物資資材担当主任:桜守歌織 中佐

 

電子作戦担当主任:如月優 中佐

 

艦隊最上級上等兵曹:七尾百合子

 

書記官:島村卯月 大尉 

 

報道官:水本ゆかり 大尉

 

副報道官:堀裕子 中尉

 

 

 

司令部付雑務補佐官:

 

安部菜々 大尉

 

藤原肇 中尉

 

我那覇響 少尉

 

エミリー·スチュアート 上等兵曹

 

佐竹美奈子 一等兵曹

 

永吉昴 上等水兵

 

森久保及々 一等水兵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第80任務部隊(CTF-80)

 

司令官:新田美波 准将

 

副司令官:アナスタシア 少佐

 

 

 

佐久間まゆ 中尉

 

多田李衣菜 上級上等兵曹

 

前川みく 上等兵曹

 

輿水幸子 三等兵曹

 

本田未央 上等水兵

 

双葉杏 一等水兵

 

白菊ほたる 二等水兵

 

 

 

 

 

第81任務部隊(CTF-81) 第888警務海兵大隊

 

司令官(大隊長):ジュリア=プリンストン·"マーチ"·ジャスパー 海兵隊少佐(現役復帰扱)

 

先任下士官:キョウコ·イガラシ(五十嵐響子) 海兵隊一等軍曹(現役復帰扱)

 

 

 

ミホ·コヒナタ(小日向美穂) 海兵隊二等軍曹(現役復帰扱)

 

 

 

 

 

第82任務部隊(CTF-82)

 

司令官:如月千早 少将

 

副司令官:菊地真 少佐

 

 

 

最上静香 中尉

 

双海亜美 一等兵曹

 

双海真美 一等兵曹

 

萩原雪歩 二等兵曹

 

高坂海美 三等兵曹

 

春日未来 上等水兵

 

所恵美 上等水兵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第83任務部隊(CTF-83)

 

司令官:高垣楓 准将

 

副司令官:水瀬伊織 少佐

 

 

 

北条加蓮 大尉

 

北沢志保 少尉

 

神谷奈緒 上等兵曹

 

塩見周子 一等兵曹

 

速水奏 一等兵曹

 

小早川紗枝 一等兵曹

 

伊吹翼 二等兵曹

 

望月杏奈 上等水兵

 

馬場このみ 一等水兵

 

 

 

 

 

 

 

第84任務部隊(CTF-84)

 

 

 

現在策定中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

補則解説

 

この男女比1:25のアイマス世界においては、大抵の場合指輪は女性が男性に贈るものだが、男性から渡された場合それは男性からのその女性への愛と信頼、従属の意を示すものである(めったにないらしいが)。

 

 

 

 

 

新しいチーム

 

渋谷凛+乙倉悠貴+堀裕子+水本ゆかり+レッシャー=VFA-346

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レッシャー元帥のウワサ 22

 

ガチでプッツンすると普段は"私"の一人称が"わし"になるらしい。46年の生涯でブチギレたのはたった2回のみ。1度目はイラクでの任務の際に初代相棒と自分の首に賞金をかけたテロリストを捕縛しようとした時で、初代相棒を侮辱したテロリストの歯を銃床を金属バット代わりに全部へし折り2度と喋れなくした。2度目は海上自衛隊幹部学校にいた頃、反自衛隊デモをやっていた集団の長が自衛官の"家族"達を侮辱したのにブチギレて近くに落ちていた鉄パイプでそのDQNの両手両足をへし折ったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年 8月8日 池袋 レッシャーの別荘

 

 

 

「諸君、明後日は私と相棒とキョウコの誕生日だ。という訳で明日の便でワシントンD.C.の家に帰って祖国の奴らとパーティーをせねばならん。付き合ってくれる心優しい者は手をあげろ。」

 

 

 

「「「!」」」卯月、凛、美穂、響子、ユッコ、ゆかり、ほたるが挙手

 

 

 

「···わかった。ミホ、羽田に向かい私の機を準備しろ。」キーを渡す

 

 

 

「アイサー!」

 

 

 

「キョウコ、機内用の食事を手配し機に載せろ。」財布を渡す

 

 

 

「アイサー!」

 

 

 

「他の者は衣類等の準備を整えろ。ウヅキはミホとキョウコの分も頼む。私は"親友"達に連絡してくる。」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Chihaya, Yu, it's me.

 

As I told you before, I want you to attend my birthday party the day after tomorrow.

 

I can't start without you guys, my best friends. If you're going to join the 8th Fleet, invite them along as well. I'd like to deepen our friendship while we're at it.

 

Bring a few days' worth of clothes and come to Haneda. I'll let you know what to do after that. I'll see you soon.」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イマニシ、お前は来るか?」

 

 

 

『そうだね···予定は空いてるから便乗して良いかな?』

 

 

 

「よし。明日の朝0930に羽田に来い。服以外は用意しておく。」

 

 

 

『楽しみにしてるよ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Thank you all for attending my 46th birthday party. For me, as for others, my birthday is a day to show my gratitude for the fact that I have survived and for all of you who have supported me. I owe my survival to you here and to the help of my superiors, colleagues, subordinates and comrades-in-arms who have supported me. I hope you will enjoy today to the fullest. Thank you so much. The President will now make a speech.

 

(諸君、私の46歳の誕生日パーティーに出席してくれてありがとう。 私にとっての誕生日は、他の者はいざ知らず、自分が生き残ったという事実と、私を支えてくれる諸君への感謝の気持ちを表す日である。 私が生き延びることができているのは、ここにいる諸君のおかげであり、私を支えてくれた上司、同僚、部下、戦友たちの助けのおかげでもある。 今日は精一杯楽しんでいってくれ。 ありがとう。続いて、大統領より挨拶があります。)」

 

 

 

「You have been nominated by the President, Elizabeth Loren. Thank you for joining us for our ally's birthday party.Thank you for your constant support of my friend. Today is the party for your comfort. Please relax and enjoy yourselves.

 

 (日訳: ご指名がありました、大統領のエリザベス·ローレンです。

 

今回は我が盟友の誕生日パーティーに参加して下さりありがとうございます。そしていつも我が友を支えて下さり、ありがとうございます。今日が皆さんの慰労のためのパーティーです。リラックスして楽しんで下さい。)」

 

 

 

パチパチパチ 拍手

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相棒、もう知ってるだろうが、我が最先任の親友エリザベス·ローレン大統領だ。ベス、彼女が我が5代目相棒(バディ)渋谷凛大佐だ。TACネームは"フュルスト(公爵)"。」

 

 

 

「はじめまして渋谷凛さん。ローレンです。いつもウィルを世話してくれてありがと。」右手を差し出す

 

 

 

「···どうも。」握手

 

 

 

「大変かもしれないけど、ウィルをよろしくね。ほっとくとふらっとどこかに飛んでいっちゃうお馬鹿さんだから気を付けるのよ?」ウインク

 

 

 

「ベス、相棒に余計なことを吹き込むな。50近くにもなってどっかへふらっと行く訳ないだろうが。」

 

 

 

「あら、5年前似たようなこと言って私に無断で仕事放り出して日本に第3艦隊の半分を動員して救援に行ったのは誰だったかしら?」

 

 

 

「···。」反論できない

 

 

 

「まあそれは良いわ。日本は最重要同盟国なんだから機嫌を良くしておいて損は無いもの。」

 

 

 

「がっつり減給した上に3時間説教して始末書書かせた者の言葉ではないな。」コアントローを呷る

 

 

 

「相棒、卯月が死んでる(笑)から手伝って。」酔っ払い卯月を指差す

 

 

 

「すまんベス。一旦抜ける。」

 

 

 

「···私も抜けるわね。仕事が溜まっちゃってるから。」腕時計を見る

 

 

 

「わかった。気を付けてな。」

 

 

 

「あなたもよ。もう相棒を喪わないようにね?」頬にキス

 

 

 

「無論だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

レッシャーの寝室 ベランダ

 

 

 

「凛ちゃーん、もう食べられませーん···Zzz···」

 

 

 

「ウヅキは一体どんな夢を見ているのだ?」

 

 

 

「さあ?でもこれで卯月は酒弱いから相棒と勝負できないってわかったね。」

 

 

 

「残念だ。もう346の成人アイドル全員叩き潰して347勝無敗になってしまった。」

 

 

 

「もう未成年組の中に強いのがいることを期待するしかないね。」

 

 

 

「そうだな···相棒、誕生日おめでとう。ちょうど16になったことだし、これを受け取ってくれ。」指輪と婚姻届(署名済)を渡す

 

 

 

「···ありがと。帰ったら父さんと母さんに紹介しないと。挨拶考えておいてね相棒。」

 

 

 

「うむ。ご両親はどんな顔をするかな。娘が夫を連れてきたと思えば自分たちよりも年上の老人だと。」

 

 

 

「でも私は相棒が良い。年齢差なんて関係ないよ。面白いほど互いに考えてることがわかるじゃん。相棒のご両親と同じだよ。私達の出会いは必然だった。」

 

 

 

「歴代相棒達がそうであったように、君と組むと本当にしっくり来る。違和感が全く無い。必然であり、宿命だった。ありがとう、相棒。私と出会ってくれて。」抱きしめる

 

 

 

「こちらこそ。」抱きしめ返す

 

 

 

「···我らの新たな船出に祝杯をあげよう。」白ワインを棚から出す

 

 

 

「相棒、これは?」

 

 

 

「モンラッシェの白ワイン。1971年物。300万円以上する代物だ。私が君に与えられる最高のワインだ。」

 

 

 

「私まだ未成年なんだけど。」

 

 

 

「イマニシにバレなければ問題ない。一杯だけ付き合ってくれ。」グラスを渡す

 

 

 

「わかった。」受け取る

 

 

 

「我らの永遠の愛に」

 

 

 

「私達の永遠の絆に」

 

 

 

「「乾杯」」 カン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相棒、すまんな。」

 

 

 

「何が?」

 

 

 

「この前ウヅキと一緒に漫画を読んでいただろう?」

 

 

 

「うん。それがどうかした?」

 

 

 

「その漫画にはスペイン人のような『燃えるような恋』が書かれていただろう?架空の話とはいえ君も年頃の女性。そのような恋、出会いを期待していたかもしれん。が、残念だが私は開放的ではあるが、見た目に反してそういうものからは程遠い男だからな。期待を裏切ってしまったと思ってな。」

 

 

 

「あれは未央の漫画だからどちらかと言えば未央の憧れだよ。

 

 

私は何気なく出会って、何気なく一緒になって、一緒にご飯を食べて仕事して寝て···ずっと一緒にいられればそれで十分だよ。」

 

 

 

「···やはりそういう意味では君と私は似た者同士だったな。」

 

 

 

「うん。(アイドルを)やるなら高みを目指すけど、私は野心なんて全く無いし贅沢も求めてないからね。」

 

 

 

「···本当に軍人向きな性格だな相棒。冷静器用、そして何より機転も利く。我が合衆国に生まれていれば、少将までなら余裕で昇れただろう。まあもっとも、自衛隊と違い我が合衆国の中将·大将は政治もできる腹黒い奴にしか務まらんが故に、よしんば軍に入ったとしても君にはなって欲しくないがな。」

 

 

 

「···間接的に自分は腹黒いって言っちゃってんじゃん。」

 

 

 

「用兵学とは、突き詰めれば『如何に少ない犠牲で敵をたくさんブッ殺し合衆国の最終的勝利に繋げられるか』ということだ。損害無し(戦死者0)で勝利するのはほぼ不可能。腹黒くもなるし、ストレスも溜まる。残るのは後悔ばかりだ···相棒?」抱きしめられる

 

 

 

「···もう相棒は事実上退役したんだから、そろそろ肩の力を抜いても良いんじゃない?引退してもう1年経ったんだからさ。今やってる仕事は軍務ほど責任はないんだからリラックスして楽しもうよ。今西部長さんもそう思って相棒を呼んだんだろうし。」

 

 

 

「···そうだな。もう少し気楽に楽しもう。だが、私は30年ずっと軍務漬けだった。力の抜き方などほとんど知らん。知っていても、どれも心から楽しめなかった。だが、見つけたい気持ちはある。相棒、探すのを手伝ってくれるか?」

 

 

 

「うん、一緒に見つけよう相棒。これからもずっと一緒なんだから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2008年  東京郊外

 

 

 

「···」夜空を見上げてる

 

 

 

「お姉さん、何やってるの?こんな時間に空なんか見て。」

 

 

 

「お兄さんと呼べ小娘。顔は女性にしか見えまいが私は男だぞ。」

 

 

 

「へー。」

 

 

 

「君こそこんな時間に何をしている?小学生は帰る時間だぞ。」

 

 

 

「私よりもお兄さんの方が心配だよ。男の人がジャングルジムで何してるの?」

 

 

 

「私か?酒を飲み過ぎてほとぼりを醒まし···今までのミスを反省している。」

 

 

 

「ミス?何か間違えちゃったの?」

 

 

 

「間違い···あながち筋違いな指摘でもないな。私はこれでも結構偉い人でな。私の判断が2万人の部下の生死を左右する。間違えることは許されない。その緊張感は半端なものではない。今まで500人近い部下を死なせてきた。組織の『てっぺん』というのは本当に大変だ。だが···」

 

 

 

「?」

 

 

 

「やりがいがある。合衆国に貢献してると実感できるし、何より『生きている』と実感できる。緊張感というものは生きていないと味わえん。そういう意味では『てっぺん』も悪くない。」

 

 

 

「···」

 

 

 

「さあ、小娘よ。早く帰り明日に備えて寝るのだ。子供には夢を見る時間が必要だ。」

 

 

 

「わかった。お兄さんも早く帰りなよ。」

 

 

 

「そうしよう。部下達が心配してしまう。」ジャングルジムから降りる

 

 

 

「私父さん以外の男の人に会ったの初めてなんだ。せっかくだからさ、お兄さんの名前教えてよ。私は浅倉透っていうんだ。」

 

 

 

「トールか。良い名前だ。かの北欧の雷神に似た響きだな。

私の名は···」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに第7艦隊司令官として働いていた頃の記憶を見た。ちょうどあの時防衛省から横須賀に帰ろうとしていた時だったな。私の46年間の生涯であそこまで透明感があり裏表が無いにも関わらす腹の内を探らせない娘は唯一無二だった。敵にしたら面倒だが、味方にしておけば何かと役立つこともある。キルラインに探させよう。

 

 

 

「Kilrain, it's been a long time. I'm sorry, but I need a little help finding someone. Toru Asakura. He must be living somewhere in Tokyo. He's probably in high school now. That should narrow it down quite a bit. Please investigate with this. As soon as you find out, give the information to your partner and that's it. I'll ask you something else when I'm back there.

 

 

 

(日訳:キルライン、久しぶりだな。すまないがちょっと人探しを手伝ってほしい。浅倉透 東京のどこかに住んでいるはずだ。そして年齢はおそらく今は高校生だ。かなり絞れたはずだ。これで調査を頼む。判明次第相棒に情報を渡してくれればそれで良い。今度そちらに戻った時に何かまたおごろう。)」

 

 

 

 




だいぶ遅れたしぶりんの誕生日記念エピソードでした(申し訳ない)。


相棒、誕生日おめでとう!(←筆者はデレステのライブでもずっとしぶりんをセンターに据え続けている変態です)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍元帥、真実を話し赦しを乞う

解説

 

ドッグタグ(認識票)

軍隊において兵士の個人識別用に使用される小さく薄いプレート。任務中は首にかけておく。アメリカ軍では、これを指してドッグタグ (Dog tag) と呼ぶ。近年ではIDタグ (ID tag) へ呼び名が変わり始めている。レッシャー元帥は死んだ歴代相棒達のドッグタグを自分のものと一緒に首にかけている。

 

 

 

佐久間まゆのウワサ②

震災発生直後、当時太平洋艦隊司令官(大将)だったレッシャー元帥に救われた際、強く抱き締められ自分が救われた立場のはずなのに何度も何度も『ありがとう』と感謝されたらしい。

 

 

レッシャー元帥のウワサ 23

当初は皆から"プロデューサーさん"(あるいはそれに準ずる呼び名)と呼ばれていたが、現在では他のプロデューサーとの区別をつけるために"司令官"、"提督"、"レッシャーさん"などと呼ばれているらしい。

 

 

 

「そこへ通信が入り、第8艦隊の面々は、自分達のリーダーが永遠に喪われたことを知ったのである。
年末特有の祝賀ムードも無く、各地で任務に就いていた第8艦隊の将兵達は苦く、重い沈黙の内に帰途についた。
年が明けて1月4日、大統領令により盛大に国葬が執り行われ、レッシャーには大元帥(Flag  Admiral)号が贈られた。生きていれば54歳であったが、それは、近現代以降において職業軍人が世界最年少で元帥の上位に昇り詰めた、空前絶後のアメリカの英霊になることを意味するものである。デューイ提督の前例こそあるものの、彼女が大元帥に昇ったのは、62歳に達してからであった。」

 

2053年 NHKドキュメンタリー番組『"英雄"の軌跡』より第4シーズン

『レッシャー提督の軌跡』 第8話「その時 一つの星が、瞬いて消えた」より


「その時のことは、はっきりと覚えています。あの人はまゆのSOSにすぐさま気付き自ら瓦礫をどけてまゆを救いだしてくれました。その時に、『生きててくれて、ありがとう···本当にありがとう。ありがとう。』って。救われたのはまゆの筈です。でも、まるで救われたのは···あの人のようでした···」

 

 

 

2035年 佐久間まゆ レッシャー元帥10回忌 関係者インタビューにて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ランスロット···。」

 

 

 

「···申し訳···ありません···また···閣下を一人ぼっちにしてしまって···」

 

 

 

「喋るな傷に障る!もう少しで医者が来る!こんな傷すぐに治る。治ったらまた一緒に飛ぶんだ!お前は死ぬべき人間ではない!」

 

 

 

「閣下···どうか···これからも···合衆国の為に···"正しく"あって下さい···あなたに···仕えられて···幸せでした···」息絶える

 

 

 

「ランスロット、返事をしろ!ランスロット、何故黙っている!ランスロット!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福島県いわき市 いわき駅改札 

 

 

 

「やはり日本の新幹線は快適だ。合衆国ではこうはいかん。」

 

 

 

「レッシャーさんに言われた通り私と凛さん、裕子さん、ゆかりさんは今週一杯休暇を取りましたが···どうしたんですか?」

 

 

 

「···マーリン(ユッコ)が私の真実に辿り着いてしまったのだグース(悠貴)。私とて"家族"の殆どに明かしたことがない秘密がある。これはチハヤでさえ詳細は知らない···イマニシと大統領しか知らない秘密だ。他の"家族"に対してならいざ知らず、君達には知って貰わねばならん。グース(悠貴)、おかしいと思わなかったか?何故出会っていきなり信頼関係も何も無いのに10代未婚女性に老人とはいえ男から傍にいるよう言われて···疑問に思わなかったか?」

 

 

 

「···。」

 

 

 

「私はCIAとも繋がりがある。さらに踏み込んで言えば私はCIAの軍事担当上席長官補であるキルライン中将とは親友でありアイツは大統領の特命で退役後の私に近づく者が信頼に値するかどうか調査する仕事を普段の仕事に加えやってくれている。

イマニシが私に何かをさせようとしていたことは既にキルラインからの情報でわかっていたし、シンデレラプロジェクトを通して出会った家族達もキルラインが素性を調査し私と接触させても何ら問題ないとわかっていたからこそ無条件で私の傍に置くことを大統領も私自身も承諾したのだ。

だがグース(悠貴)、君とマーリン(ユッコ)·ランスロット(ゆかり)を傍に置いた際はそこまで時間がなかっただろう?イマニシがどのような動きをするかもキルラインは掴みきれていなかった。つまり君とマーリン(ユッコ)ランスロット(ゆかり)のことは素性を一切調査していなかったにもかかわらず傍にいて貰っているのだ。私は多くの情報を握っている。中国やロシア·北朝鮮が喉から手が出るほど欲しい情報もたくさん。それに自分で言うのもなんだが、私はまだまだ使える資源(男)だ。それゆえに接触する前にキルラインによる厳重な情報収集と信頼できる人間かどうかを調査する段階が必要である中で、出会った直後から君たちを傍に置いたということ。不思議には思わないか?」

 

 

 

「私はなんとなくおかしいとは思っていました。」

 

 

 

「···相変わらずランスロット(ゆかり)は鋭いな···話の続きは別荘でしよう。ここは私の秘密を明かすには少々都合が悪い。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが福島の別荘だ。とりあえず荷物を部屋に置いて風呂から出たら話をしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···皆も知っての通り私は首にいつもドッグタグをかけている。私のものも含め5枚。残る4枚は初代·2代·3代·4代相棒のものだ。」首から外して並べる

 

 

 

「『アンゲラ·マーフィー』『ヨハンナ·ブラッドショウ』『フレデリカ·マテウス』『エリザベート·フライヘア·フォン·リヒトホーフェン』···て読み方で合ってるよね?」

 

 

 

「あぁ。私のせいで500人近い兵士達が死んだ。そして私には『呪い』があってな。アナポリスを卒業して以降の私の寝顔を見ると90%の確率で半年以内に死ぬ。そしてこいつら歴代相棒も例外ではなかった。」分厚い本を棚から鞄から取り出す

 

 

 

「「「「?」」」」

 

 

 

「相棒、これは85年にアナポリスを出た際に大統領、そして初代相棒と撮った写真だ。」

 

 

 

「これが若い頃のローレン大統領で···真ん中がレッシャーさんで···え!?凛さんそっくりな人が!」

 

 

 

「それがアンゲラ·マーフィー中佐、初代相棒、TACネームは"ビグルス"。」

 

 

 

「!!」

 

 

 

「察しが良い相棒なら今の発言で全てわかっただろう。グース(悠貴)、これは1998年横須賀で撮った写真だ。ツーショットで私と2代相棒のブラッドショウ大佐が映っている。ブラッドショウ大佐のTACネームは"グース"。」写真を渡す

 

 

 

「!?私そっくり···。」

 

 

 

マーリン(ユッコ)、これは2004年に撮った3代目相棒マテウス中佐とのツーショットだ。彼女のTACネームは"マーリン"。」写真を渡す

 

 

 

「ユッコそっくりです···」

 

 

 

ランスロット(ゆかり)、そしてこれが2008年に撮った4代目相棒フォン·リヒトホーフェン大佐と私のツーショット。彼女のTACネームは"ランスロット"。」写真を渡す

 

 

 

「···。」目を見開く

 

 

 

「よもや言える筈もない。私は、相棒を喪い続けた寂しさを紛らわせる為に自分の地位を利用して相棒達の面影を持つ自分より30も年下の娘達を傍に置き自らに縛り付けようとしていたのだ。老い先短い老人の為に若者の未来を奪って良い筈が無い。散々イマニシに誘惑され逆に目を醒ました。マーリン(ユッコ)が夢を通して私の過去を見たというのもあるが、私は散々テロリスト共に罪を命で償わせてきた。未遂とはいえ、私だけ罪を命以外で償うなどダブルスタンダードでしかない。」ワルサーPPK(サプレッサー付)を机に置く

 

 

 

「相棒?」

 

 

 

「遅かれ早かれ今後4年以内に、男の御役目をミホにヤッたら最後。オスのカマキリが悲惨な最後を迎えるように、私はミホに殺される。契約違反になりかねんが、それは私の死後アイツに配られるレッシャー家の遺産を多めにしておくことで勘弁して貰おう。」

 

 

 

「美穂さんに殺されるって、どういうことですか?」

 

 

 

ランスロット(ゆかり)、ミホは日本人らしい見た目をしているが日本人の血を全く引いていない。純粋なアラブ系だ。24年前、私はイラクでテロリストのスナイパーを射殺した。その女が背負っていたのは5歳にもならない幼子だった。見捨てることもできず拾って育て、海兵隊に入らせ、フォースリーコン(海兵隊武装偵察部隊)、傭兵稼業を経て戻ってきた歴戦の兵士、ミホ·コヒナタ。日本名:小日向美穂。それがミホの正体だ。いわば、私はミホの親の仇だ。今回私が依頼した私自身の護衛任務の報酬が年俸20万ドルと私の種、そして命なのだ。」

 

 

 

「そうだったんですね···。」

 

 

 

「だが同時に、私は君達4人にしでかそうとした罪から逃げはしない。失望したなら私の下を去ることもイマニシに言って許可しよう。ミホには悪いが君達の誰かから『命で償え』と言われたらこのワルサーで頭を撃ち抜こう。言い訳にしかなるまいが···今の私は君達を愛している。だが、傍にいて貰っていた当初はそういう不埒な欲と老人特有の感傷があったことは紛れもない罪なのだ···。」頭を垂れる

 

 

 

「···相棒、ありがとう。」左手を握る

 

 

 

「相棒?何故···」

 

 

 

「誰にも言えない後悔を私達には素直に懺悔してくれた。相棒は男の人であることを差し引いても誠実過ぎるし、不器用過ぎだよ。でも···私はそんな相棒が好き。それに不埒な欲があったって意味じゃ私達だって似たようなもんだよ。」

 

 

 

「そうですね。私も裕子ちゃんも最初レッシャーさんに担当して貰えると知って、ちょっと期待していた一面がありましたから···。」

 

 

 

「そうですね。提督付を部長さんから言われた時、バカなユッコにもチャンスがやってきたって寮の部屋で一人はしゃいでましたよ?」

 

 

 

「···ここにいるのはどいつもこいつも似たような者ばかりだったようだな。」皮肉な笑み

 

 

 

「相棒、いい加減過去ばっかりじゃなくて未来に目を向けよう?」

 

 

 

「···あぁ、そうさな···そうしよう。こんな情けない私だが、皆、愛してくれて、心から感謝する。ありがとう···本当にありがとう···」涙を流す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Facebook

 

346プロダクション シンデレラプロジェクト(公式)

 

 

 

 

 

担当プロデューサー挨拶

 

 

 

皆様方におかれましては、常日頃から私達の活動に関心をお持ちいただくと共に、ご理解ならびにご協力を賜り心より感謝申し上げます。

 

私がシンデレラプロジェクトプロデューサーに着任し、お陰様で無事に1年を迎えることができました。

 

当プロジェクトに参加するアイドルたちは、我が合衆国海軍第8艦隊の業務の傍ら、皆様に笑顔をもたらすべく日々奮闘しております。

 

 

 

唐突ですが、彼女たちの姿を見て、何かしら思うところがある方は、シンデレラプロジェクトへ参加してみませんか?

 

9月15日付をもってシンデレラプロジェクト第2期生を募集いたします。

 

シンデレラプロジェクトで私と、私のアイドル達と共に何かを得たいという方は是非ご参加ください。詳細は後日お知らせ致します。

 

 

 

 

2016年9月7日

Former COMUSINDOPACOM

FADM. "Baron"·William·Lescher

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Found her, Kilrain. Did you find anything interesting about Toru Asakura's background or other information? ---No? I got it. I'll take that as a no. Thank you. I'll send you some delicious Japanese ochazuke next time. Thanks for your help.」電話を切る

 

 

キルラインが言うなら間違いないだろう。

あの時たった一度短い時間会話しただけであったが、私が生涯においてただ一度恐怖した瞬間でもあった。

私よりも頭の回る者はいくらでもいる。

だがそいつらは興味のあることに熱心になるあまり野心を抱くことがない。

いくらでも制御することができる。大統領だけは制御することはできないがあいつは私の親友だ。恐怖する対象ではない。

だがトールだけは別だ。私は彼女の腹の内を読むことができない。今まで一度たりとて相対した者の腹の内を読むことができなかったことはない私がである。

もしトールが大統領の敵になる可能性があるのであれば、始末するしかないが、味方にできれば、それに勝ることはない。

今度お菓子とBlu-rayを持って挨拶に行くとしよう···

 

 

 




次から新章が始まります。
レッシャー元帥のテレビ番組を中心に描ければと思っています。

シャニマスPの皆さんお待たせしました。そろそろ"彼女"が本格参戦します。お楽しみに!




感想待ってます。(過度な批判·アンチは絶対書かないで)お気に入り登録の上、書いてくださると投稿頻度が上がります。
(露骨な要求)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新章予告

退役したとあるアメリカ海軍大将。

 

友に頼まれアイドル兼プロデューサーとして第二の生を始める。そこにいたのは亡き友の面影を持つ娘。

 

 

 

「馬鹿な···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動揺しながらも親友の手を借りながらアイドルへの道を突き進んで征く···

 

 

 

「チハヤめ、思っていたより強くなった···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大統領の無茶振りで元帥号を受けた。そして新しい"家族"が増えたあげく、運動会にエロいジャージで放り込まれ···

 

 

 

「イマニシ、ピアノ線(絞首刑)ソマリア連邦共和国(治安最悪·無政府状態)か。好きな方を選ばせてやろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去に向き合う羽目になる···

 

 

 

「ビグルス、グース、マーリン、ランスロット···」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼は死者への鎮魂と若者の為に唱う···

 

 

 

「全ては相棒(バディ)の為に···」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サバイバル企画に参加させられ···

 

 

 

「ついに夢の対決だな?」

 

 

 

「撃てマーリン今だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車の世界にも手を出し始める···

 

 

 

「なら渋谷君、私の86をあげよう。86はドライバーを育てる車だからね。」

 

 

 

 

 

「GT-Rの弱点?」

 

 

 

「ずばり、ボディの重さだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現れる2人のアイドル···

 

 

 

「お父様···。」

 

 

 

「6年ぶりか。元気そうで何よりだ、友よ。」

 

 

 

「お兄さん久しぶり。」

 

 

 

「うむ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やりたくもない企画に放り込まれ···

 

 

 

「『Project LUMINOUS』?」

 

 

 

「そう!複数のプロダクションが参加してアイドル達が腕を競い合う大型プロジェクトです。いかがですかな元帥?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕掛けられる罠···

 

 

 

「高木め!765プロ全体でレッシャーやら言う年寄りアイドルとタッグ組んで流れに乗る気だな!よろしい!なら俺にも考えがあるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故これが日本のゴシップに渡っているのか···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去がフラッシュバックする···

 

 

 

「私は···何も守れなかったじゃないか···!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試される絆···

 

 

 

「千早さん、相棒が···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現れる刺客···

 

 

 

「散っていった同胞の為···その命、貰い受ける!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして部下に対する罪を精算しようとする···

 

 

 

 

 

「ミホ···早く殺せ。私に愛情など持っていない癖に何故躊躇う?もうお前の腹には···契約は済んでいる···早く私を···その、ワルサーで殺せ!間に···合わなくなる···!」吐血

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして英雄は再び空に戻る···

 

 

 

「やはりこれだ。身体にしっくり来る···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

政治ゲームに巻き込まれる第8艦隊···

 

 

 

 

 

ロシア人(イワン)チャイナ(中国共産党)半島(朝鮮人)か。私はどれも選びたく無い。面倒なことが起こるのが目に見えている。選ばされる大統領も大変だ···。」

 

 

 

 

 

 

 

「おかしい···何故『ピョートル大帝』が···。」

 

 

 

 

 

「『クニャージ·オレグ』か。ヤツは北極海にいた筈···これはプーチンの野郎、本格的に動き出したな···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レッシャー提督の物語は、ついに最終局面へ向かう。これは英雄の2017年から24年までの最後の軌跡···

 

 

 

THE IDOLM@STER  The Story of Admiral Lescher

 

 

 

新章 『激突』 開幕 !!

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

激突
第84任務部隊編成式


解説

アメリカ合衆国の元帥

各国によって歴とした階級であったり名誉称号であったり細分化されていたりと扱いが国によってまちまちな"元帥"。アメリカ合衆国では歴とした階級として扱われ、またアメリカ海軍において今までリーヒ、キング、ニミッツ、ハルゼーの4元帥のみ太平洋戦争時に任じられただけである。だが、従来元帥は戦時しか任命されず平時のアメリカ軍の最高階級は大将である。ローレン大統領は親友たるウィリアム·レッシャー大将を元帥にするに際し

『レッシャー大将の著しい功績に対して元帥に昇進させることで報いたいが元帥は戦時しか任命できないので元帥に"昇進"させるのではなく元帥の"称号"を与えることで報いる』形にしたのである。

着用する階級章はアメリカ海軍元帥のものだが給料は大将に準じる形で終身支払われる(ただしNATOにおける階級符号は元帥であるOF-10が適用されNATO加盟各国はレッシャーを元帥として扱う)栄誉をレッシャーは与えられる形になりアメリカ合衆国の歴史上5人目の海軍元帥となった。


「ウィリアム·レッシャー?彼のことはよく覚えている。私の最後にして最年少の弟子だったからな。彼は5歳にして全ての学校を飛び級で卒業し、私の下に学びに来た。教えたのは1年たらずだった。指揮者として食べていける程度には育ててやれた。のみ込みが異常に早かったから、手間は殆どかからなかったよ。だが、あと1年教えられたら、超一流にできた。惜しいことをした。だが彼は去る際に私に約束してくれた。『あなたの偉業と偉大なるクラシック音楽は残念ながらこれから衰退する。だが、せめてそのスピードを緩めるべく頑張る』とね。私ができることは全てやった。後は彼に任せよう···」

 

 

 

"楽壇の帝王"ヘルベルト·フォン·カラヤン 晩年に受けたインタビューより

 

 

 

 

 

 

 

「I hereby declare the launch of the Gerald R. Ford-class aircraft carrier No.12 William Lescher and the Arleigh Burk-class No.100 Shibuya Rin !!  (日訳:ここに、ジェラルド·R·フォード級航空母艦12番艦『ウィリアム·レッシャー』、及びアーレイ·バーク級駆逐艦100番艦『渋谷凛』の進水を宣言する!)」

 

 

 

セラス·ヴィクトリア·ローレン海軍長官の宣言

 

2059年8月10日 ニューポート·ニューズ造船所 建造ドック 進水式にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レッシャー元帥のウワサ 24

 

通常は脱落率80%前後であるにもかかわらず、彼がアメリカ海軍特殊部隊NAVY SEALsの選抜訓練に参加した際、何故か同期の95%が合格するという快挙を遂げたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結華ちゃん。」

 

 

 

「どしたのまののん?」

 

 

 

「その片眼鏡、いつも大切そうに身に付けてるだけで目にかけてないけど、何か理由があるんですか?」

 

 

 

「あーこれ?6年前の震災の時視察に来たアメリカの軍人さんから貰ったんだー。三峰が現場案内してあげてたら瓦礫が崩れてきてとっさに軍人さんを押して助けてあげたの。それで御礼ってことで。元気にしてるかな···ウィリー司令官···。」

 

 

 

三峰結華の営業前トークより

 

 

 

 

 

 

 

『ショーでしかない戦場。圧倒的な制空権。でも私には求めて止まなかった敵がいた。"ティーチャー"と我が軍で噂されていた鮮やかな機動を見せるMiG-29UB戦闘機。私は彼女と戦ってみたかった。スエズ運河を渡っていた頃の私の胸中にはその感情しかなかった。どんな敵なんだろう?私より強いのか?私を殺せるのか?何故新鋭機とはいえ安い機体でそこまで戦えるのか?疑問は尽きなかった。』

 

2035年出版 渋谷凛·如月千早 共著

 

『レッシャー提督の物語 1:湾岸戦争』 

 

第1章  「INNOCENT ACEs」 より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年10月11日 池袋 第8艦隊司令部庁舎 2階 大会場

 

「The formation ceremony for the United States 8th Fleet CTF-84 will now take place. Fleet commander, chief of staff, and fleet advisor arriving.(日訳:これより、第8艦隊第84任務部隊編成式を執り行います。任務部隊司令官、艦隊司令官、参謀長、艦隊顧問 入場)」

 

 

 

「「「···。」」」敬礼

 

 

 

「Rear Admiral, United States Navy, Arriving.(日訳:任務部隊司令官、到着)」

 

 

 

「Good morning. I am Rear Admiral Toru Asakura, and as of today, I have been appointed Commander of the CTF-84. I will do my best to fulfill my responsibilities for the United States and my colleagues, and I look forward to working with you.(日訳:おはようございます。

 

本日付で第84任務部隊司令官を拝命しました浅倉透准将です。

 

合衆国と同僚の為奮励努力し職責を全うする所存ですので宜しくお願いします。)」

 

 

 

「Vice Admiral, United States Navy , Arriving.(日訳:艦隊司令官、到着)」

 

 

 

「Good morning, everyone.Vice AdmiralMizukiKawashima,commander of the U.S. 8th Fleet. I look forward to the efforts of all of you, the officers and men of the U.S. Navy, to further strengthen the friendship between the U.S. and Japan and the Japan-U.S. alliance, and as your commander in chief, I will strive to do my best.

 

(日訳: 皆さんおはようございます。第8艦隊司令官、川島瑞樹中将です。

 

アメリカ合衆国と日本国のより一層の友好と日米同盟の強化のため、将兵の皆さんの努力に期待し、また、皆さんの陣頭に立つ司令官として引き続き努力してまいりますので、どうかよろしくお願い致します。)」

 

 

 

パチパチパチ  拍手

 

 

 

 

 

「Chief of Staff。Arriving.(日訳:参謀長、到着。)」

 

「I've been appointed as Chief of Staff. Captain Rin Shibuya. I will work hard and fulfill the responsibilities of my position. I look forward to working with you. (日訳:参謀長、渋谷凛大佐です。引き続き奮励努力し、職責を全うします。よろしくお願いします。)」

 

 

 

 

 

「Fleet Admiral , United States Navy, arriving .(艦隊顧問、到着)」

 

 

 

「I am Lescher, fleet advisor. I am pleased to have the opportunity to contribute to the friendship between my country, the United States of America, and the country of my beloved grandfather, Japan. The primary mission of the Eighth Fleet is to promote and equip the United States Army, Navy, Air Force, and Marine Corps. At the same time, however, our mission is to provide information to the Japanese people, who have become careless about their security, and to alert them to the threats posed by the Democratic People's Republic of Korea and the People's Republic of China, and to remind them that they should be more proactive and determined against them. A situation in which democracy is overthrown by a dictatorship must be avoided at all costs. I hope that you will do your duty with a sense of the importance of your mission. Thank you.

 

(日訳:艦隊顧問のレッシャーである。我が祖国たる合衆国と、敬愛する 祖父の祖国である日本国の友好に貢献できる機会を与えられたことを嬉しく思う。我が第8艦隊の主任務は、我が合衆国陸海空軍、海兵隊の 宣伝や装備の解説である。しかし、同時に安全保障に対して無頓着になってしまった日本国民に対し情報を提供し、朝鮮民主主義人民共和国と中華人民共和国の脅威に対してもっと積極的にこれらに対して断固たる意志を持つべきであると注意喚起する任務も含まれている。民主主義が独裁制によって倒されるような事態は絶対に避けなければならない。任務に対する重要性を感じながら諸君には職務に精励してもらいたい。ありがとう。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督。」

 

 

 

「ハジメ。今日はご苦労だった。」

 

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

 

「私が『マルチロールなアイドル』を売りにしているのは既に知っていよう。今度はそのリストに『陶芸』を加えたい。そろそろ教えてくれるか?」

 

 

 

「わかりました。祖母に言って提督分の材料も取り寄せます。」

 

 

 

「助かる。納得できる出来の品ができたら、最初の作品はお前さえ良ければ師への礼品として呈しよう。お前が受け取ってくれるならの話だが。」

 

 

 

「出来上がったら謹んでいただきますね。」

 

 

 

「お兄さん。久しぶり。」

 

 

 

「また後でなハジメ。打ち合わせだ。」  

 

 

 

「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第8艦隊司令部庁舎 屋上のテラス

 

 

 

「お兄さん久しぶり。」

 

 

 

「うむ。トールご苦労だった。訓練·講習に加え些か面倒事を押し付けてしまったな。」

 

 

 

「ううん。私はそこまで苦労はしなかったけど、凛世ちゃんがその分ヤバかったからフォローしてあげてよ。」

 

 

 

「···よかろう。ところで、七草二等水兵、何故ここにいる?私はトールとゆったりしたかったのだが?」

 

 

 

「酒臭く絡んでくる美琴さんから逃げてきたんです提督さん。察して下さい!」

 

 

 

「···ふん。キルラインからの情報通り生意気な娘だ。」ワインを呷る

 

 

 

「気に障った?」

 

 

 

「いいや。生意気なヤツは嫌いじゃない。少なくとも情熱と正義で動く生意気な若者はむしろ私の好みだ。若い頃の大統領が正にそうだったようにな。」グラスを置く

 

 

 

「良かったじゃんにちかちゃん。お兄さんに気に入って貰えて。」

 

 

 

「私はアイドルしに283プロに入ったんですよ!なのに気付いたらアメリカ海軍に放り込まれて訳のわかんないトレーニングをやらされて!銃の訓練もセットで!アイドルになりに来た筈なのに!」むー

 

 

 

「その文句は大統領と国防長官に言ってくれ。アイツら人員集めの為に283プロダクションに脅迫紛いの勧誘をかけたらしいからな。『人員供出しないと連邦財務省の名において"有害企業"に認定する(=国際的な仕事が一切貰えなくなる。場合によっては国内の仕事も無くなる)』とな。」

 

 

 

「えー···。」

 

 

 

「だが私と大統領·国防長官は"家族"。『知らぬ存ぜぬ』とはなれん。せめての詫びに私の太股に座るが良い。老人だが男の上に今だけ座り放題だぞ?」太股をさする

 

 

 

「えー···。」

 

 

 

「ふふっ。流石のにちかちゃんもそんなこといきなり言われたら動揺しちゃうか。」

 

 

 

「お父様···。」

 

 

 

「リンゼ、我が友。さあ私の隣に座るが良い。」

 

 

 

「はい···。」隣に座る

 

 

 

「タカコは···元気にしておるか?」

 

 

 

「はい。もうまもなくお母様も海幕長(←海上自衛隊トップ。外国で唯一大将として扱われる海上自衛官)に昇られるかと。その際は付き添うつもりです。」

 

 

 

「そうか。なら私もタカコの晴れ舞台を見物してやるか。」

 

 

 

「はい。お母様も喜びます。」

 

 

 

「トール、CTF-84のメンバーを全員集めよ。話しておきたいことがある。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「CTF-84の諸君。いやこの言い方はここではやめよう。283プロダクションからやってきてくれた諸君、この度は我々に助力してくれること、深く感謝する。ユイカもご苦労だった。」

 

 

 

「ほーい。」

 

 

 

「諸君は私の指揮下に入った。それは諸君が私の命令に服従する義務を負い、引き換えて諸君のあらゆる行動が私の責任に帰することを意味する。くれぐれも無茶な行動は謹んで貰いたい。その辺のボーダーはリンゼに確認せよ。以上だ。解散してよろしい。」

 

 

 

「「「お疲れ様でしたー!」」」敬礼しワラワラと解散していく

 

 

 

「ユイカ、リンゼ、トールは残れ。」

 

 

 

「「「?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえずリンゼは私の上に座れ。」太ももをたたく

 

 

 

「···。」座る

 

 

 

「トールとユイカも座れ。」ソファを指す

 

 

 

「♪」ご機嫌

 

 

 

「ウィリー提督~、三峰も座らせて下さいよー。」

 

 

 

「今度やってやる。恐らくもう無い娘孝行の機会なのだ。許せ。」凛世の頭を撫でる

 

 

 

「お父様···暖かいです···。」ほっこり

 

 

 

「私も久しぶりに触れ合えて嬉しいよ。お前がいきいきと生きてくれてるだけでも···私の失態まみれの生涯にも意味があったというものだと感じられるからな。······それはそうと、トール、今回編成されたCTF-84は他の任務部隊に比して巨大だ。それ故に命じる任務も過酷を極めることになる。努々訓練を怠るべからず。良いな?」

 

 

 

「わかった。」

 

 

 

「ユイカとリンゼも、トールをよく支えるように。283プロダクションの諸君の手前あのように言ったが実際私は命令を第8艦隊司令官(川島瑞樹 中将)名義で下すだけだ。どうするか基本的にはお前達に任せる。責任については私単独で庇いきれる範囲で好きにやれ。私はお前達若者の可能性を縛ったりはせぬ。」

 

 

 

「ありがとうお兄さん。私、頑張るよ。」

 

 

 

「うむ。トール、これをやろう。」投擲用ナイフを渡す

 

 

 

「これは?」

 

 

 

「私の命を幾度も救ってくれた御守りだ。もう私には必要ない。リンゼとユイカにはこの簪をやろう。大伯母から引き継いだ物だが私よりお前達が持っていた方がよかろう。お前達の綺麗な髪を引き立ててくれる。」

 

 

 

「ありがとうウィリー提督。大事にしますよ。」

 

 

 

「ありがとうございます···お父様···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

池袋 レッシャーの別荘 屋上テラス

 

 

 

「さて。相棒、ミナミ、アナスタシア、イマニシ、キョウコ、ナオ、今回はご苦労だった。」

 

 

 

「「「お疲れ様(でした)。」」」

 

 

 

「今回は私の昔話を兼ねた座談会をしようと思う。言うまでもなく私とイマニシは45を超えている。一部の先進国を除く普通の国ならもう死んでいてもおかしくない老人だ。だがこの中での最年長のミナミでさえやっと20。ジェネレーションギャップも著しく日本人とアメリカ人の違い故に価値観も全く異なる。今回はそれを互いに理解し埋める作業をしようと思う。まあ、私は皆の時代も生きているから、専ら私の時代を皆に理解してもらうことが大半になるだろうがな。」

 

 

 

「わかった。」

 

 

 

相棒(バディ)、聞くまでもなかろうが私はいつ生まれた?」

 

 

 

「1971年8月10日。」

 

 

 

「そう。1970年代は日本もアメリカも第二次世界大戦以前の価値観がまだまだ残っていた時代だ。そして人口における男女比は今よりもひどい1:35~40前後の時代だった。それこそ1910年代以前のように男が家畜のような扱いを受けることこそなかったものの、男には『御役目』という隠語の名の下に婚を通じた者以外の女何十人と交わることが強制され、祖父も父もそれを義務だと弁えていた世代だった。そんな祖父と父の下で育った私だ。流石に誰でもという訳ではないが、海軍に入り、同じ釜の飯を食った"家族"達には御役目を果たすことを躊躇しなかった。若かった頃の私は危険に自分から頭を突っ込む無鉄砲だった。あいつらはそんな幼い私を幾度もフォローしてくれた···その負い目もあっただろうがな。」

 

 

 

「提督の若い時代は今と全然違ったんだな···。」

 

 

 

「そうだナオ。そんな化石のような私だが、今時の女性の男の好みとは真反対の属性持ちだ。だが御役目は果たす。だからこそ今時の男は私を『醜男』だの『淫乱』だの『マゾ』だの『女に媚びを売る情夫』などと口汚く罵るのだろうな。愚か者共。奴らは一体誰のおかげで飯を食えているのか理解できぬ低能の集まりらしい。」

 

 

 

「こうやって聞いてると、外見こそ川島さんや楓さんと大差ないのに時代が違うって実感させられますね···。」

 

 

 

「そうだろうなアナスタシア。だが私の時代もそろそろ終わりだ。相棒の子かチハヤの子にレッシャー家を継がせたら、私も寿命だろう···皆を含むたくさんの"家族"と呼び愛すべき者達に出会い、好きに翔び続けた生涯だった。悲しみや後悔はいくらでもあれど、何の未練や有らん···。」

 

 

 

「ウィリアムが47なら私ももう52だからね。そろそろ引退したいんだが、上に引き留められ続けズルズルとここまで来てしまって···大変だよ。」

 

 

 

「皆、意外と知られていないことだが、イマニシは早稲田大学政治経済学部を卒業しハーバードの大学院であるケネディスクールで行政学修士号を取った秀才だ。かく言う私もイマニシと同じ時期に共にケネディスクールで一緒に行政学修士の称号を得ているが。お前ほどの切れ者を346プロダクションとてむざむざ手放したくはないだろうよ。」

 

 

 

「もう人材は育てるだけ育てた。もう出涸らしの昆布だよ私は?」

 

 

 

「出涸らし昆布も魚の昆布締めや塩釜焼きの皮に使える。最後までこき使われる未来が見えるぞ。」

 

 

 

「流石に死ぬまでというのは勘弁して欲しいよ···。」

 

 

 

「まあこんな感じでちょくちょく座談会をやっていくから、聞きたい奴は好きに聞きにきてくれ。では今回の座談会を終える。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相棒、キョウコ、すまんがこの祠に手をあわせてくれ。やっと作れたからな。」合掌

 

 

 

「「···。」」合掌

 

 

 

「相棒、これは?」

 

 

 

「歴代相棒と私のせいで死んだ奴ら、そして嫡男だった信康(ノブヤス)を祀る為のものだ。キョウコ、お前とて無関係ではないからな。」

 

 

 

「はい···。」

 

 

 

「どういうこと?」

 

 

 

「キョウコの母親、"リス"ことアヤコ·イガラシ兵曹長は私がSEALsで働いていた時の部下だった。そして私の"家族"の中で今のところ唯一男を産んだ者でもあった。私はその赤ん坊に"信康"の名を与え、育ったらレッシャー家に養子として迎え後継ぎに据える予定だった。だが···。」

 

 

 

「原因不明の高熱を出して死んじゃったんです。信康兄さんと入れ違いのようなタイミングで生まれてきたのが···。」

 

 

 

「キョウコだったというわけだ。私はその知らせを聞いた時、歴代相棒を喪った時と同じような···心の一部が抜け落ちたような気がした。しばらく立ち直れなかったよ···。しかも信康が死んで半年後、リスもアフガンで戦死。私はリスの忘れ形見であったキョウコを引き取り、ミホもろとも私なりに頑張って育てたのだ。」

 

 

 

「じゃあ響子は凛世みたいに相棒の子なの?」

 

 

 

「いいや、おそらく違う。私はリスに一度しか御役目をしていない。その結果生まれたのは信康だ。キョウコの父親は他にいる筈だ。」

 

 

 

「なるほどね。」

 

 

 

「だが、私はキョウコを実の娘のように育てたつもりだ。私が持つ全ての技術を教え生き残り方と人の上の立ち方を学ばせた。それがリスへの鎮魂歌(レクイエム)になることを信じながらな。さて相棒、キョウコ、そろそろ寝よう。明日も予定が詰まってるからな。」

 

 

 

 

 

 

とりあえず第8艦隊関係の大仕事は終わった。マーリン(ユッコ)とサエの訓練も終わったことだしそろそろサバイバルをやって良い頃合いだ。ゲパードの納期を早めるとしよう···



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍元帥、募り、お仕事に励む

依田芳乃のウワサ①

10歳の頃観光に来たアメリカ人に『6年後に失せ物が戻ってくるのですー。今は雌伏の時であるからしばし待つのでしてー。』等複数予言を与えたらしい。

 

 

レッシャー元帥のウワサ 25

信仰心の欠片も無い彼をして『デルフォイの巫女』と言わしめた日本の娘がいるらしい。

 

レッシャー元帥のウワサ 26

最近大河ドラマで徳川家康を演じている影響で言葉が所々安土桃山·江戸時代の武士らしい言葉遣いになってしまっているらしい。

 

渋谷凛のウワサ①

最近お腹が出てくる程分かりやすくなり、レッシャーの後継者を挙げんと意気込んでいるらしい。



「私をその権威と威厳から無条件に平伏させ自主的に頭を下げさせた人物はこの世にただ3人のみ。大統領、天皇陛下、そして『デルフォイの巫女』だけである。」

 

 

 

『レッシャー元帥語録』より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鹿児島県 黒島 某神社 本殿

 

 

 

さて、デルフォイの巫女はおられるかな。相棒とチハヤに調達して貰った貢物だが気に入っていただけるだろうか···。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待ちしてましてー。」

 

 

 

「やはりおられましたか、"デルフォイの巫女"よ。」床にあぐらをかき平伏する

 

 

 

「···。」レッシャーの前に座る

 

 

 

「御尊顔を拝し、恐悦至極に存じ奉りまする。此度はこのレッシャー、巫女殿にお願いあって参った次第。ひとまず貢物をお納め下され。京から取り寄せました煎餅と茶葉にござります。」献上する

 

 

 

「かたじけないのでしてー。」受け取る

 

 

 

「単刀直入に伺い致す。私の寿命はいつまでもつのか、そして私が生きている間に"家族"に大いなる災がやってくるのか否か。是非預言をいただきたい。」

 

 

 

「そなたの跡継ぎが七五三を終えるまでは、もつのですー。そなたが生きている間に災は来ないのでしてー。そなたの死こそがー災なのですー。」

 

 

 

「···御礼申し上げる。最後に巫女殿、どうかお願いがござる。御聞き届け頂けるか?」

 

 

 

「そなたに必要だから芳乃はここにいるのでしてー。お荷物も準備してあるのですー。」

 

 

 

「かたじけない。船を待たせてありますので、どうぞこちらへ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ。一人招くだけでも一苦労。これでは埒があかぬ。イマニシ、なんとかせい。」

 

 

 

「私は君の小姓じゃないんだから···まあ冗談はさておき私がスカウトした子達がいるから帳尻合わせには十分だとは思うよ。だけどできればあと数人スカウトしてきてくれないかな?」

 

 

 

「あいわかった。巫女殿曰く『ミナミの大学仲間を招けば福も一緒に招ける』との仰せ。あと何人か招けば数合わせには十分なはず···そろそろライブ配信の時間だ失礼する。」

 

 

 

「頑張ってくれウィリアム。後で一杯やろう。」

 

 

 

「あぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さんお久しぶりです。『呑みながらやるウィリアム·レッシャーのYouT○beラジオ』の時間がやって参りました。今回もいつものように皆さんの質問から答えられるものを順次答えていきます。酒のせいでで口が滑って機密を漏らしかけた場合ペナルティとしてハリセンでリイナとミホにひっぱたかれます。では始めていきましょう。」

 

 

 

「提督さん質問来た!『今防衛装備庁で開発中のアサルトライフルについてどう思いますか?250円付けますが元帥閣下の酒代の足しにして下さい。』」

 

 

 

「ありがとうございます!あの新しい銃なんですけど一応あれは私も開発に関与しておりまして···あ これ言っちゃいけねえかwww?」ペシン

 

 

 

「www」

 

 

 

「あのですねww。HK416の初期型のように全面レール付けると重いし太くて持ちにくいから、左右のレールはkeymodで外せるようにして、ショートストロークピストン、要らない二脚を廃止、コンパクトにして使用者の裁量でモジュラー化を徹底するよう口酸っぱく言いました。正直に言わせてもらうと64式小銃はともかく89式小銃の場合明らかにあれは失敗だったと思います。64式も正直成功だったとは言い難いと思いますがその頃我が合衆国で使われていたサービスライフルは反動デカ過ぎアバレンジャーであるM-14でした。その点からもお分かりいただけるように我が国、というより私が64式を悪く言う資格はないので何とも言えませんが少なくともいくら寒冷地で使うとはいえロングストロークピストンで動く上にレールを載せられないようなアサルトライフルを作ったことは間違いなく失敗だったと思います。せめてダストカバーをレールを乗っけられるように改良さえすればいいものをそれさえしなかったのですからマヌケと言わざるを得ません。財務省を弾劾すると共に、良い銃というのは改良してなんぼだということをこの場では言わせていただきます。」

 

 

 

「じゃあ次行きますよ···『自衛隊の9mm機関けん銃をどうお考えですか?』だって?」

 

 

 

「日本のリベラル系メディアの大罪を象徴する武器だと考えております。リベラル系メディアの奴らはどうも自衛官をオモチャの兵隊だと考えているらしい。何よりあれを作ったミネビアの奴らは自衛官に〆られても文句は言えません。詳しく言うと民主党(アメリカの民主党)幹部共から何を言われるかわかりませんのでこれ以上の発言は控えます。申し訳ない。」

 

 

 

「次は···『大河ドラマ徳川三代視聴させて貰っています。男性でありながら元帥の家康公役、鬼気迫る演技にひたすら戦慄を憶えています。役作りで気を付けていることを教えて下さい。それと共演してるキャストで気に入ってる方も教えて下さい。』」

 

 

 

「視聴して下さりありがとうございます。関ヶ原の戦いと前後の家康公の政略をアナポリスにいた時に論文にして以来私はアメリカ人の視点から独自に研究を重ねて参りました。私が演じる家康公は歴史好きな日本人の家康公のイメージと私の研究に基づいた家康公のイメージを矛盾が発生しない範囲でミックスさせたものです。私は自身にそうあれかしと肝に銘じ演じてきました。気に入ったキャストは···皆さん演技上手で私が上から目線で言えることなどないのですが···強いて言うなら、島村卯月演じる徳川秀忠、速水奏演じる伊達政宗、藤原肇演じる藤堂高虎、我が相棒渋谷凛演じる大久保忠隣は特に印象に残っています。」

 

 

 

「次は···『今まで扱ってきた銃で一番好きなのは何ですか?』」

 

 

 

「Mk23 mod0···ストーナー63A。私はSEALsにいた頃機関銃手と指揮官を兼務して前線にいました。何度もあの銃には助けられました。」

 

 

 

「次は···『元帥閣下の好きな女のタイプは?』提督さんこれ答える?」

 

 

 

「当たり前だ。私を導くに足る力量、星条旗(合衆国国歌)を上手に歌える技量を備える者です。そろそろ正式にシンデレラプロジェクト2期生応募を開始します。志願者は星条旗(合衆国国歌)を歌えるようにしておくこと。1番だけで良いから暗記してきて下さい。私は合衆国海軍に30年いました。育てられ、そして育てた。人を見る目には自信がある。星条旗を上手に歌えて且つ私を導くに足る力量があると私に見なされた者をシンデレラプロジェクトに招くことになるでしょう。私は導くことに疲れた。もう余命幾ばくもない···そろそろ誰かに導いて貰いたい···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィリアム(バディ)、最後はちょっと本音が出ちゃってたね。」

 

 

 

「あぁ。よくよく考えたら配信の後もイマニシと浴びるように呑んでいたからしばらく禁酒だな。」

 

 

 

「うん。そうした方が良いよ年なんだからさ。」水を渡す

 

 

 

「ありがとう(バディ)···はあ、醒めてきた。」飲み干す

 

 

 

「···ウィリアム(バディ)。」

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

「そろそろ···。」お腹をさする

 

 

 

「···そうだな。いい加減名前を決めるか···私の和名は一ノ瀬遼太郎。この太郎と···カレンの蓮の字を貰い···蓮太郎でどうか?」

 

 

 

「加蓮の一字を貰うの?」

 

 

 

「カレンのような不屈の精神を培って強く生きて欲しいからだ。。私の後任候補である以上、かかる苦労は想像を絶すること疑い無い。それに潰されないように···とな。」

 

 

 

「わかった。渋谷蓮太郎···悪くない響きだね。」

 

 

 

「気に入ってくれて嬉しいよ。できれば成人まで見届けたかったが···それは君の眼を通して見届けよう···それで良いな、(バディ)?」

 

 

 

「うん。ウィリアム(バディ)の分も頑張って育てるから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィル···

 

 

 

どうしたチハヤ?

 

 

 

もうアメリカにかえっちゃうんですか?

 

 

 

あぁ。すまんな。統合参謀本部への勤務を命ぜられた。しばらく会えなくなる···泣くな。しばらくの別れだ。また私は戻ってくる。約束だ。

 

 

 

ゆびきりでやくそくです!やぶったらはりせんぼんのませますから!

 

 

 

あぁ。約束する···チハヤ。私からも一つ約束をして欲しい。

 

 

 

 

 

 

私の死を見届けて欲しい。海軍長官とお前には私の終焉を見届けて貰いたい。わがままは承知しているが···頼む···。

 

 

 

わかった!

 

 

 

 

 

 

ウィルのこと、ゆうといっしょにずっとみまもっててあげる!

 

 

 

···あぁ、ありがとう友よ。ありがとう···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···懐かしい夢を見たな···ゴッホン···!?」

 

 

 

咳が出たので口を押さえると、押さえた右手が血塗れになっているではないか。

 

 

 

「いくらシキの作った若返り薬といえど一時的なものだった。完全無欠なものなどありえんということだな···」

 

 

 

私はあと何年持つだろうか···それより···

 

 

 

「まさか、この期に及んで死に恐怖している?···この私が···?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛梨ちゃん、私達のアイドル事業部で今2期生募集してるけど、一緒にやってみない?」

 

 

 

「ん~···美波ちゃんと一緒にお仕事できるなら、やってみようかな···。」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍元帥、隷下の将兵達と年末年始を満喫する

解説

 

第6艦隊(United States Sixth Fleet)

アメリカ海軍の艦隊。約40隻の艦船を有し、主に地中海・大西洋東側を担当範囲としている。アメリカ海軍の実戦部隊たる第2、3、4、5、10の他の5艦隊は陸上の基地に司令部が置かれている中、第7艦隊同様旗艦の中に司令部が置かれているのが特徴。2016年時点の司令官はクリストファー·グレイディ中将。

 

海将

海上自衛隊の階級の一つにして頂点である。外国の海軍中将と同格の扱いを受ける(NATO階級区分におけるOF-8)。肩には金の階級章に桜星3つ、冬服の腕には金太線1本と金中線2本である。
ただし海上幕僚長の職にある海将だけは桜星4つであり外国の海軍大将と同格(NATO階級区分におけるOF-9)になる。海上自衛官4万5000人の内18人しか昇れない狭き門である。



如月秀忠(英名:ハンス=ヴィルヘルム·レッシャー)

如月家の嫡男。2016年11月15日に生まれた。何故か全く泣かず手もかからない上に優と馬場このみ以下成人組がバックアップしてくれるので千早も安心して事務所で育児ができている。レッシャーの後継者候補でもある。一応ワシントンD.C.で生まれたのでアメリカ国籍を与えられた。

 

杜野尊子 海将

海上自衛官。現在、海上自衛隊のほぼ全軍を指揮し海自No.2のポジションにあたる自衛艦隊司令官に在職中。間もなく海自トップにあたる海上幕僚長(略称:海幕長)に昇る予定。若い頃は戦闘機乗りとして腕を鳴らし、若かりし頃のレッシャー元帥としのぎを削った仲である。娘は現在アイドル業の傍ら防衛大学校受験のため勉強中。


レッシャー元帥のウワサ 27

 

海軍に入って以降の彼の寝顔を見た者は見てから半年以内に約90%の確率で戦死、事故死、または変死するらしい。現在40人戦死·26人事故死·5人変死·1人行方不明。

 

ちなみに現在彼の寝顔を見てまだ生きているのはエリザベス·ローレン大統領、コリン·キルライン中将、小日向美穂、五十嵐響子、如月千早、如月優、渋谷凛、小早川紗枝、塩見周子、今西部長のみ。

 

 

 

 

 

レッシャー元帥のウワサ 28

 

ウィーン·フィルハーモニー管弦楽団をはじめ複数の有名楽団に莫大な寄付をしているらしい。

 

 

 

 

 

レッシャー元帥のウワサ 29

 

米軍史上最悪の休暇消化率であり、アメリカ国防総省(ペンタゴン)は彼の(事実上)退役後彼に近い消化率の悪い兵が出たら始末書を書かせる方針を出したらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大抵のアイドル達と違い後付けの理由になってしまったが、私は唄う理由を見つけた。

 

亡き戦友達の鎮魂の為、不安な船出を迎える後の世代の背中を押す為に私は唄うべきであると。」

 

 

 

2038年出版 乙倉悠貴·堀裕子·水本ゆかり 共著

 

「レッシャー提督の物語 6:永遠の物語」 『プロローグ』より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「渋谷凛は史上最も長く第8艦隊を指揮し続けた。2025年、中将に昇進し如月千早の後任として第3代司令官に着任。以後40年に島村卯月と交代するまで15年間の長きにわたり司令官として辣腕を振るった。また、2035年に過去の活躍の数々から大将に叙されている。40年に退役し俳優兼アイドル業の傍ら息子の政界進出をサポート。息子がアメリカ大統領になって間もない2057年8月、豪華客船での慰安旅行中に客船の沈没事故に巻き込まれ民間人の避難誘導中に行方不明になった。享年57歳。」

 

 

 

2060年ドキュメンタリー番組「レッシャー元帥の軌跡 外伝」より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「40年前、2017年8月18日。私は偉大なる海軍軍人である父と日本を代表する女優でありアイドルでもある母との間に生まれました。

私の家は、3代前から男でありながら、表にて勤勉に合衆国のため働いて参りました。そのチャレンジ精神は、私の魂にも引き継がれています。

皆さんが愛してくれた、我が父ウィリアム·レッシャー·イチノセ.jrは、私が8歳の誕生日を迎えて間もなくヴァルハラへ旅立ちました。正直、残念でなりません。私は傍で是非とも見ていて欲しかった。自分の息子が、ある意味自分よりも高みへ羽ばたいていく姿を。

アメリカ史上最年少の元帥であり、レーズンパンと自然薯が大嫌いでビールが苦手だった父ですが、その息子がアメリカ史上最年少の大統領として活躍する姿を是非ともその目に焼き付けて欲しかった。

ですが、父は私のことを今も見守ってくれていると確信しています。父と、そこで私を見守ってくれている我が母、渋谷凛は文字通り相思相愛であり一心同体でありました。彼女の目を通して、父は私を見守ってくれているはずです。『新しく正しいアメリカ』『弱きを守るアメリカ』をモットーに掲げた行政を志向していくことを、ここに誓います。

 

合衆国に、神と我が父の加護があらんことを。ありがとう。」

 

 

 

2057年1月20日 アメリカ合衆国第51代大統領 

 

ウィリアム·レッシャー·イチノセ3世(渋谷蓮太郎) 就任演説より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年12月20日 成田空港 アリタリア航空機内

 

 

 

「サエ、どうした?」

 

 

 

「提督はん、ウチ、飛行機初めてなんどす···。」

 

 

 

「気持ちはわかる。私も初めてバックアイ(アメリカ海軍のT-2練習機)で離陸した時は少し怖かったが、すぐに慣れる。旅客機である以上かかるGもバックアイの比ではない。もう少しゆったり余裕をもって座れ。良いな?怯えていても始まらん。」手を繋いでやる

 

 

 

「///」

 

 

 

ウィリアム(バディ)、私のも握ってよ?」少し不機嫌

 

 

 

(バディ)、もう何度も飛行機に乗っておるのだからゴネるな。」呆れつつも握ってあげる

 

 

 

「♪~」機嫌が良くなる

 

 

 

「副参謀長、ラングレー(CIA)とギルデイ(第10艦隊司令官)に連絡せよ。『ローマへ出発せり』と。」

 

 

 

「了解。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ シュトゥットガルト アメリカ欧州軍司令部

 

 

 

「皆さんお久しぶりです。アメリカ海軍第8艦隊公式チャンネルへようこそ。今回は私がかつて率いたインド·太平洋軍と同じ任務をヨーロッパにおいて負う統合軍の一つ、欧州軍について解説し欧州軍司令官、そして暇を見つけて来て下さった欧州諸国の軍幹部達から話を聞こうと思います。」

 

 

 

「元帥閣下。欧州軍司令官、第一海軍卿(イギリス海軍トップ)連邦軍総監(ドイツ軍トップ)、到着されました。」

 

 

 

「ご苦労、副参謀長。こちらへお通ししろ。」

 

 

 

「はっ。」

 

 

 

「今回はアメリカ欧州軍司令官、スカパロッティ陸軍大将。イギリス海軍トップ、ザンベラス大将。ドイツ軍トップ、シュナイダーハン陸軍大将にお越しいただきました。」

 

 

 

「「「よろしく!」」」

 

 

 

「スカパロッティ、元気にしてたか?」手を差し出す

 

 

 

「もちろん!」握手

 

 

 

「それは何より。ザンベラス卿、シュナイダーハン大将、忙しい中よく来て下さいました。どうぞお座り下さい。」席を指す

 

 

 

「「では失礼します。」」座る

 

 

 

「レッシャー元帥、この度はまた後継者候補を得たそうで。おめでとうございます。」

 

 

 

「ありがとうございます。二人目はまだ生まれていないので注視していくつもりですが、一人目の方については母子共に問題無く、二人目も無事に生まれてきてくれることを祈っております。それはそうと、ザンベラス卿、この度は空母『クイーン·エリザベス』の就役おめでとうございます。」

 

 

 

「ありがとうございます···と言いたいところなのですが···。」

 

 

 

「「?」」

 

 

 

「一昨日、ポーツマスに入り検査した折にプロペラシャフトのシール部分に著しい浸水が見つかりました。現在修理中です。」

 

 

 

「お疲れ様です。議会から突き上げが来ないと良いですな。突き上げないか、やるにしても穏便にやるよう工作(お願い)しておきましょう。」

 

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

 

「では、現在ヨーロッパ圏が置かれている状況について説明していきます···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影機材片付け中···

 

 

 

「ただ喋るだけで広報になるなら世話ないな。」少し不機嫌

 

 

 

「ウィル、楽過ぎてお仕事した気になれないのはわかりますが気持ちを切り替えて下さい。」

 

 

 

「わかっている。それよりチハヤ、私の手伝いはしなくて良い。秀忠を看てやれ。」

 

 

 

「わかりました。」赤ちゃんを抱っこする

 

 

 

「私と違い静かな奴だ。私の悪い所は引き継いでないと見える。あまりに強い才覚は寿命を犠牲にするし周りも自身も滅ぼす。私も父も、祖父も···その点秀忠にはチハヤの血が濃く引き継がれたようだ。これなら相棒の子とよく競い、助け合ってゆくだろう。」

 

 

 

「はい。」

 

 

 

「私が家を継がせるならば、大統領の娘か、秀忠か、相棒の子か、3人のいずれか。まあ大統領の····セラス·ヴィクトリアとは仲が良くないしあれはそもそも大統領の家を継ぐ以上任せられん。必然的に秀忠か相棒の子を見極めた上で相応しい方に継がせるつもりだ。どちらが継ぐにせよ、お前の補佐が頼りだ。テキサス州、ひいては合衆国の政財界に少なからず影響力を持つレッシャー·グループの実質的な経営権は秀忠と(バディ)の子の代理人としてお前と相棒の手に帰するのだ。責任重大だが頼むぞチハヤ。」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

「キョウコ、銃とベーコンの用意は?」

 

 

 

「できてます!」

 

 

 

「ではさっさと取りかかろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さんこんにちは第8艦隊の公式チャンネルへようこそ。今回は銃のサプレッサーにベーコンを巻きつけてカリカリにして美味しく頂きたいと思います。」陸上戦闘服

 

 

 

「アシスタントは私こと五十嵐響子海兵隊一等軍曹と小日向美穂二等軍曹が務めますのでよろしくお願いしますね!」

 

 

 

「では早速やっていきましょう。 本来でしたらサプレッサーと弾はこちら持ちで欧州軍司令部の警備兵から銃を借りて実験する予定でしたが、視聴者の皆さんからの需要にお応えして 私がSEALsで働いていた頃使っていた軽機関銃であるストーナー63Aを特別に持ってきました。これにサプレッサーをつけてベーコンをカリカリにしていきたいと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベトコンは消毒じゃゴラァーーーーーーーッ!!!」ダダダダダダダ

 

 

 

「ちなみに元帥はベトナム戦争に従軍してませんので悪しからず。」

 

 

 

「そもそも私は71年生まれ。ベトナム戦争終わったのが75年。一ノ瀬の者といえど4歳では流石に何もできんよ···とりあえず40発射ってみた。ミホ、銀紙剥がして確認してくれ。」

 

 

 

「美味しそうなこんがりとした香りがします。」銀紙剥がす

 

 

 

「だがどうやらカリカリにはなってないな。もう20発追加だ。」ダダダダダダ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「焦げ臭いな···。」焦げ焦げ

 

 

 

「これじゃベーコンじゃなくて炭ですね。」

 

 

 

「60発では多すぎたか。50発程度が丁度いいラインらしい。これから銃を扱う諸君はサプレッサーを使う時は注意するように。物凄く熱くなるからな。当たり前だが、軍から支給されたサプレッサーでこんなことは絶対にやらないように。めちゃくちゃ怒られる。では今回はここまでだ。今後もたまにはネタ動画を上げるのでリクエストがあればコメント欄に書いておいて欲しい。では諸君、次の動画で会おう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年12月24日

 

オーストリア共和国 首都ウィーン デープリング地区 レッシャーの別荘

 

 

 

「765プロダクションの諸君、我が"家族"達、今年はご苦労だった。来年に備えゆっくり英気を養うように。人数があまりに多すぎたので手料理は出せんが、今回の晩餐はあらんかぎり奮発した私の奢りだ。楽しんでくれたまえ。では···Prosit(プローズィット) !!」

 

 

 

「「「「乾杯(プローズィット)!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お初にお目にかかる赤羽根プロデューサー。いつもチハヤとユウを助けてくれて···この場を借りて御礼申し上げる。」頭を下げる

 

 

 

「いえ!こちらこそお世話になっていますレッシャー元帥!千早が行方不明になった際はご助力いただき、本当にありがとうございました!」

 

 

 

「偶然だ。ラングレーの友人が休暇の暇潰しと部下の訓練がてら私に貸しを作るためにチハヤを標的にマンハントしただけだからな。感謝には及ばん···それはそうと···。」

 

 

 

「?」

 

 

 

「ユウとイマニシ以外の社会に出て働いている男を見るのが初めてでしてな。私は大抵の同性に嫌われているから縁もない。故に何を話せば良いものか判断に迷う···。」

 

 

 

「クリスマスですからお仕事の話をすると皆に叱られますからね···。」

 

 

 

「···試みに問うが、貴公、何故に外で働いておられるのか?」

 

 

 

「···自分は当初実家に押し込められて暮らしていました。ですが窮屈さを感じて家出したんです。宛てもなくさ迷う自分を拾って下さったのが社長でした。社長への恩返しと広い世界に出たいから···といったところでしょうか。」

 

 

 

「なるほど。稀に家を窮屈に感じて外に出る男がいるが、貴公もその口か。私とて少々似た理由で軍人になりましたからな。お気持ちはわかる。」

 

 

 

「最初は自分と律子でプロデューサー業務をまわしていましたので優が来てくれた途端物理的にも精神的にも負担が減って助かりました。元帥におかれても優の外就許可を出して下さり本当にありがとうございました。」

 

 

 

「私はユウの意志を尊重しただけだ。チハヤに安全管理の徹底を厳命した上で。だが、インパラをライオンの縄張りに放り込むような事態は避けねばなりますまい。その点765プロダクションはイマニシが『信用に値する』と報告をくれたからユウの背中を後押ししました。私とて外に出て好き勝手やっている以上、ユウを閉じ込めておける立場にはありませなんだ。」

 

 

 

「···その"好き勝手"の内容が軍人···しかもエリートの代名詞である戦闘機乗り(ファイターパイロット)特殊部隊(SEALs)の二足のわらじなのですから尊敬しますよレッシャー元帥。自分は"仕事人間"と皆からよく言われますが、元帥も中々だと優が言ってましたよ。」

 

 

 

「···自覚はあります。あまりの有給消化率の悪さに国防総省(ペンタゴン)に呼び出されたのも1度や2度では済まない有り様でしたからな。」

 

 

 

「これが俗に言う"苦労性"ってことなんでしょうね。」

 

 

 

「違いない。では苦労性な仕事馬鹿同士の奇跡の出会いに···。」

 

 

 

「「乾杯!」」カン

 

 

 

「お年始のウィーン·フィルでのコンサートでは相棒、チハヤ、マユ、ミナミ、グース(悠貴)マーリン(ユッコ)ランスロット(ゆかり)と同様貴公には最前列を用意しました。ごゆるりとご堪能あれ。」

 

 

 

「ご配慮感謝します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2200レッシャーの寝室

 

 

 

(バディ)、これで事実上の仕事納め。皆しばらく安息を謳歌できる。明日は二人きりでウィーンをまわろう。久しぶりのデートだ。私自身何故か柄に無く高揚している。」

 

 

 

「ふふっ、私も同じだよ。この前愛知に行った時と違って本格的な新婚旅行だなって。」

 

 

 

「だが早起きしないと明日は楽しめん。そろそろ寝よう。(バディ)、良い夢を。」ベッドに入る

 

 

 

「うん。ウィリアム(バディ)も良い夢を。」レッシャーの隣に寝る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(バディ)、一般的日本人からしたウィーンのイメージは京都のような"古都"だろう?だが実態は些か異なる。京都も場所によって違うようにな。モダン且つお洒落な店や建物がこのようにたくさん並んでおる。あそこの店のアップルパイは絶妙だ。尤も、私は小麦と果物を一緒には食べられないからリンゴを剥がしてパイ生地とリンゴを別々に食べるがな。」

 

 

 

ウィリアム(バディ)って本当にそこだけ奇食だよね?みくから貰ったレーズンパンも決して食べようとしなかったし。」

 

 

 

「だが何故かイチゴの生クリームサンドは食べられることがこの前シューコとカナデさんに強制的に食わされて発覚した。なんなんだろうな?」

 

 

 

「まあそれはそれとして···ウィリアム(バディ)、お昼どうするの?」

 

 

 

(バディ)と行きたかったレストランを予約してある。こっちだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レストラン 「グリーヒェンバイスル」

 

 

 

「ウィーンにある最古のレストランだ。モーツァルト先生ワグナー先生シューベルト先生といった偉人たちのサインもたくさんある。」

 

 

 

「お薦めは?」

 

 

 

「そうだな···ズッペ(スープ)とグーラシュ(シチュー)だな。無難にそれにしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつもカラヤン先生にしごかれた後決まってズッペとグーラシュを頼んでいた。気に入って貰えたかな(バディ)。」

 

 

 

「うん。スープはなんか安心感があって美味しいし、シチューのお肉は脂身じゃないのにほろほろと溶けて普通のより食べやすいかな。」良い笑顔

 

 

 

「···そんなに美味しかったなら、今度作ってやろう。些か時間がかかるしここより美味しくはないが、君が喜んでくれるならとてもありがたい···。」

 

 

 

「···うん。」

 

 

 

「···カラヤン先生が亡くなって、もう27年になるのだな。時が経つのは早いものだと実感するな。私が先生の下を去る直前、先生と最後に夕食をお供させていただいた時に食べたのもズッペとグーラシュだった。」

 

 

 

「ヘルベルト·フォン·カラヤンってどんな人だったの?」

 

 

 

「とてもこだわりが強い人だった。今の時代には合わないかなり強烈なトップダウン型指揮者だったことは否めないが、結果的にカリスマ独特のオーラに皆文句一つ言わずに従い、そして栄光を掴んできたのだ。残念ながら私は先生ほど我慢強くも、こだわりもないから先生そっくりな指揮はできても先生ほど強烈な演奏をさせることはできんよ。今度の仕事に期待していてくれている君とチハヤ、マユ、ミナミには恐縮だがな。」

 

 

 

「でも、普通の人は指揮者なんてできないよ。とても大変だって聞くし。そんなに卑屈になっちゃ駄目だよウィリアム(バディ)。」

 

 

 

「···うん、そうだな。あまりネガティブになってたらヴァルハラのカラヤン先生にどやされる。新年は明るくいこうか。」

 

 

 

「うん!それでこそ私のウィリアム(バディ)だよ。」

 

 

 

「ありがとう(バディ)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Frohes neues Jahr! Ich wünsche Ihnen alles Gute für das neue Jahr und freue mich auf die Zusammenarbeit mit Ihnen allen!(日訳:明けましておめでとうございます。我が偉大なる師カラヤンに代わり皆さんの新しい年に幸運が来ますよう、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!)···そしてアイドル諸君、老人が精一杯"本当の"クラシックを魅せてやる!刮目(かつもく)せよ!」

 

 

 

「「「!!」」」パチパチパチ 拍手

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボレロ、運命、新世界より、さまよえるオランダ人、憂いもなく、美しく青きドナウ、ラデツキー行進曲。難易度が高い、或いはシンプルさ故に指揮者の腕が丸わかりしてしまう曲ばかりであったが、なんとか無難にやりきった。正直上院の公聴会よりも重労働だった気がする。カラヤン先生のダイナミックさと小澤さんの緻密さを足して2で割ったような感じでやりきった。それと地味にアンズや年少組のクラシック興味ない勢が寝落ちしてなかったのは嬉しかったが···。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ···ハァ···ハァ···ハァ···」床に座り込む

 

 

 

ウィリアム(バディ)、これを!」スポドリを渡す

 

 

 

「ありがとう···。」飲み始める

 

 

 

「提督さん、お疲れ様です。」タオルを渡す

 

 

 

「ありがとうナナ、助かる。」汗を拭く

 

 

 

「卯月、私はウィリアム(バディ)の右支えるから左を支えて。」レッシャーを抱える

 

 

 

「はい!」レッシャーを抱える

 

 

 

「すまん、(バディ)、ウヅキ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(バディ)、今回の仕事で、少しはカラヤン先生に報いられただろうか···。」膝枕されてる

 

 

 

「多分喜んでくれてると思うよ。今日の仕事、文字通り命削るレベルで本気だったじゃんウィリアム(バディ)。」膝枕してる

 

 

 

「···ヴァルハラに逝ってまでカラヤン先生にしごかれたくないからな。そう思っておこうか···(バディ)?」凛に頭をナデナデされる

 

 

 

「命を削るのを否定はしないけどさ、調子に乗ってやり過ぎないでね。私達の心臓にも悪いから···。」

 

 

 

「···勿論だ。君と少しでも長く共にいる為にも、無茶は控えるとも。」

 

 

 

そろそろ血が恋しくなってきたな···誰でも良いから私に暗殺者(ヒットマン)を寄越して来ないものか···返り討ちにして若い頃のように喉笛をナイフで切って遊びたいものだ···血を見れば(欲求不満を解消すれば)少しは寿命が伸びるだろうからな···。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編 副参謀長、祝福される

H&K MP-16

ドイツにある世界最高峰の銃器会社H&K社とレッシャー元帥が共同開発したサブマシンガン。「滅茶苦茶安価だがコンパクト且つとりあえず自衛用に弾をバラ撒ければ良いPDW(←ボディアーマーを貫通できるサブマシンガン)」をコンセプトになるべく単純化して開発された。射程は150メートルと短くオープンボルト ロングストロークピストン方式故に精度もそこまで高くないが、ふざけてんのかと言う位構造が単純で滅茶苦茶掃除し易く一挺2万円と破格の安さである。使用弾薬はMP7と同じ4.6×30mm弾。上下左右にレールが付いておりサイト·レーザー·グリップ·グレネードランチャー等も一応装備できる。見た目はほぼMP7である。一部を除く第8艦隊の将兵には自衛用に一人一挺支給されている。

 

 

 

765プロダクションのプロデューサー制度

765プロダクション所属アイドルの内オールスターズ組13人を如月優が担当、ミリオンスターズ組39名を赤羽根Pが基本的には担当する。ただし繁忙期は秋月律子がオールスターズ組のプロデューサーになり如月優はミリオンスターズ組(の特に幼少組)を担当してカバーする。

 

 

 

第8艦隊 副参謀長

アメリカ海軍第8艦隊司令官を補佐する幕僚団。そのNo.2のポジションだが、実質的には参謀長たる渋谷凛 大佐の雑用である。現職者は田中琴葉 少佐。

 

 

 

 

田中琴葉のヒミツ①

年上の男性とドライブデートするのが夢らしい。

 

田中琴葉のヒミツ②

当初は"家族"の序列に加わった者の恒例でレッシャーから名前呼びされていたが、役職である副参謀長の響きが気に入り、仕事中以外の時も副参謀長と呼ぶよう頼んだらしい。



アメリカ国家安全保障局(National Security Agency:NSA)

アメリカ国防総省の情報機関。CIAは人間(スパイ)を使った諜報活動をするのに対しNSAは主に電子機器で諜報活動し核戦争に備えたあらゆる策を練るのが特徴。ただし、昨今のCIAの主任務が経済情報戦にシフトしてきているのを尻目に隠密作戦の方にまで管轄を広げようとしている。流石に機密情報こそ漏洩しないものの、(事実上)退役後、あまり表に出したくない情報を暴露しアメリカの絶対性と正義を揺るがしかねない行動をとるレッシャー元帥を隠密に且つ他国(あるいはテロリスト)を犯人に仕立てつつ消そうと画策している。

現在の局長はレッシャー元帥の諜報戦の師匠でもあるマイケル·ロジャース海軍大将。

 



 

 

 

 

 

「ウィリアム·レッシャーの死後、第8艦隊は無力化した。彼の死後彼女らは分裂し、いずれも派閥の中核とはならなかった。

如月千早はその後も第一線のアイドル兼指揮官として戦い続けた。

2023年、中将に昇進し川島瑞樹の後任として第8艦隊司令官に着任。

その後2年間ほど大きな作戦は無く、2025年に無傷で渋谷凛と交代、退官する。まだ29歳であった。

1年間の休養の後、神奈川県にて亡き夫の軌跡を讃えるウィリアム·レッシャー大学を創立、初代学長兼理事長に就任する。

大過無く1期3年勤めた後、神奈川県の知事選に出馬して当選、1期4年を過ごして中央政界へと転じた。

2035年、時の内閣総理大臣から指名を受け防衛大臣に着任。同時に、過去の功績の数々によりアメリカ大統領より大将の称号を受けた。順風満帆な人生であるように見え、社交界の名手として鳴らしたが、その身辺にはしばしばスキャンダルが発生した。彼女自身が犯罪に関与したことはなかったが、防衛省における汚職事件が発覚し自殺者が出たため一件落着の後辞任しなくてはならなかった。続いて、次男たる如月忠直が麻薬関連の事件に巻き込まれ麻薬中毒死し、更に幾つかの小事件が連続し、彼女の名声は地に墜ちた。彼女は政界からも社交界からも身を引き、僅かな資産と弟子の最上静香以下少数の関係者を従えアメリカ テキサス州某所にある別荘にてアイドル事務所をこじんまりとは運営しつつ表の世界からは隠居した。

心臓発作で急死したのは2049年、52歳の時である。」

 

2060年ドキュメンタリー番組「レッシャー元帥の軌跡 外伝」より


如月優のヒミツ①

 

2年前、千早が出張中に双海姉妹にAランク昇格の褒美を名目に『突撃!お宅が晩御飯(意味深)!』されたのが千早にバレてしまい姉妹の蛮行にブチギレた姉を止めるのに苦労したらしい。

 

 

 

 

 

レッシャー元帥のウワサ 30

 

NSAに命を狙われているらしい。

 

 

 

 

 

レッシャー元帥のウワサ 31

 

若い頃青酸カリをはじめ多数の毒物を少量ずつ飲まされて耐性をつける訓練を若い頃のキルライン中将にさせられた結果、毒殺されにくくなったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年10月1日 

池袋 第8艦隊司令部庁舎4階 参謀長(渋谷凛大佐)執務室

 

 

 

「そういえば副参謀長。」

 

 

 

「はい。」

 

 

 

「もうちょっとで誕生日だったよね?」

 

 

 

「はい。それが何か?」

 

 

 

ウィリアム(バディ)と如月中佐が『祝ってあげたい』って言っててさ。何か希望ある?年下の上官にパシられてるストレスがあるだろうから私もちょっと盛大に祝ってあげたくて。765プロの皆さんは勝手に祝うだろうからそれとは別口で。」

 

 

 

「···私は今こうしていられるだけで十分幸せです。これ以上は欲張りというものです。」

 

 

 

「···少しは自分に正直になった方が良いって。気を張りすぎてるといつかはタレてくるよ。」

 

 

 

「···参謀長は私の趣味をご存知だったんですね。隠していたつもりだったのですが···。」

 

 

 

「···ウィリアム(バディ)は良い車を何台も持ってるし、貸して貰うこともできると思うけど···どうする?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう。副参謀長は私と何処かへドライブデートをしたいと。」白ワインを置く

 

 

 

「うん···ウィリアム(バディ)、どうするの?」

 

 

 

「···ユウに連絡せよ。明日夜に時間を空けるようにと。私と君と、ユウの合同で何かしらプレゼントを調達する。」

 

 

 

「わかった。」

 

 

 

「でプレゼントは誕生日にユウに渡させろ。そして次の日ドライブに連れてってやろう。ちょうど富山から白エビを調達してくる予定だったからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「元帥閣下、この度は私の要望を叶えていただき感謝します。」

 

 

 

「貴公にはユウと(バディ)を常日頃から助けて貰っているし、何よりあのクソガキ共(双海姉妹)をよく制御してくれている。私とユウの天敵を抑えてくれておるのだからこの程度は当然のこと。こんな老人とのドライブで良いなら暇あらばやってやるとも。」

 

 

 

「ありがとうございます。閣下、今回は富山県に行かれるとのことですが···。」

 

 

 

「富山名物、白エビの調達だ。無論他にも良さげなものがあれば併せて調達する。第8艦隊は大所帯だからな。魚はいくらあっても足りん。欲しい魚があれば言うが良い。買ってやろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやはや、祝着至極。ベニズワイガニ、アマエビ、白エビ、真鯛、岩牡蠣。しばらく海鮮を調達せずに済むな。だが···。」箱を車に積む

 

 

 

「交渉と観光に時間を費やしすぎました。東京に戻るにも深夜になってしまいます。」

 

 

 

「副参謀長、明日スケジュールは特に無かったな?」

 

 

 

「はい。」

 

 

 

「ならば泊まっていくか。イマニシが昵懇にしておる宿がある。そこに邪魔しよう。それで良いか?」

 

 

 

「わかりました。私は参謀長(凛さん)にその旨連絡致します。」

 

 

 

「それで良い···。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「泊まることはできそうだが、副参謀長。部屋は一つしか空いてないそうだ。老人と一緒だが、それでも良いか?」

 

 

 

「よろしいのですか?男性の閣下と二人きりなんて···。」

 

 

 

「副参謀長が嫌なら私だけ車で寝るまで『閣下にそんなことをさせてしまったら参謀長(凛さん)と千早さんに殺されます!』!?···すまんな。ジジイ臭い老人は離れて寝るから安心して寝るが良い。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふはははは!副参謀長、貴公は呑める口だったか!これは祝着至極!」ワインを呷る

 

 

 

「閣下、お酒を召されると変わりますね。」

 

 

 

「変わるのではない!最近大統領とカエデさんの不始末を押し付けられてストレスが溜まっておってその分ハジケているだけだ!後始末のせいでここ最近酒もロクに呑めていなかったから余計にな!私が不満をぶちまけているのだ!生真面目な副参謀長も溜まっていよう!私しかいないのだから洗いざらいぶちまけよ!ここで!」

 

 

 

「よろしいのですか?」

 

 

 

「良いと言っておる!」

 

 

 

「···環さん昴さんいい加減事務所で野球をしないで下さい!志保ちゃん静香ちゃんも喧嘩しないで下さい!あずささんいい加減劇場(シアター)の通路位覚えて下さい!幕僚団の皆さんは私を便利屋扱いしないで下さい!参謀長(凛さん)は私が年上だからって変に気を遣わないで下さい!逆にこっちが気遣っちゃいます!千早さんさりげなく結婚アピールしないで下さい!若い頃の元帥閣下の黒歴史を事務所で暴露しないで下さい!閣下はいつもいつもドキッとする動作をしないで下さい!今も胸元がはだけてますし!誘ってないならやめて下さい!襲いたくなりますから!」

 

 

 

「何やら一部聞き捨てならん単語が聞こえた気がするが···まあ良いか。よくぞ申した副参謀長!スッキリしたか!?」

 

 

 

「···。」Zzz...

 

 

 

「寝てしまったか···普段聞けない本音が聞けて良かった···いつもご苦労副参謀長。感謝しておるぞ。」布団に寝かせる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···昨日は調子に乗りすぎたな。また(バディ)から禁酒令が出る···何故私は素っ裸なのだ?」

 

 

 

色々臭いし···これまた反対側の布団に寝かせた筈の副参謀長が素っ裸で隣に寝ておるし···

 

 

 

「酔った勢いで御役目をしてしまったのか···副参謀長、起きてくれ。」揺する

 

 

 

「?···閣下、おはようございます。」まだ眠い

 

 

 

「昨夜の記憶はあるかな?脱いだ覚えがないのに私も副参謀長も素っ裸だ。しかも同じ布団で寝ているし色々臭い。一体私はナニをしたのかな?」

 

 

 

「---」顔真っ青

 

 

 

「どうやら私は貴公に御役目をした(ヤることヤッた)とみえる。」

 

 

 

「···殺されます···参謀長(凛さん)と···千早さんに···。」絶望

 

 

 

「副参謀長、まだ馴染みが薄いとはいえ貴公は私の"家族"だ。(バディ)もチハヤもそこは弁えているから何も言うまい。心配は無用だ。」

 

 

 

「ですが···閣下、申し訳ありません···!。」土下座

 

 

 

「謝罪には及ばない。私が"普通の価値観の男"なら貴公は逮捕されただろう。だが、私は生まれた70年代の価値観に基づいて生きてきた。流石に誰にでもヤってやる訳にはいかないが"家族"になら御役目を厭わない。安心されよ。それよりどうも汗臭い。風呂に入らんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···という訳だ。ユウ、副参謀長に万が一の事態が発生した場合に備えておいてくれ。」

 

 

 

『わかりました。社長、会長、赤羽根先輩と律子さんには伝えておきます。それとウィル、御役目をヤるのは結構ですが、自重して下さいね。もう年なんですから。』

 

 

 

「あぁ。」

 

 

 

「気をつけて帰ってきて下さい。ではまた後程。」ブチッ

 

 

 

「···副参謀長、頼みがあるのだが聞いて貰えるだろうか?」

 

 

 

「はい。」

 

 

 

「もし万が一子供が産まれたら父親はユウということにしておいてくれ。私ということにしてしまうと後々厄介なことになる。」

 

 

 

「了解しました。」

 

 

 

「···それと副参謀長、一応確認するが···私の寝顔は見ていないな?」

 

 

 

「?···はい。見ていません。」

 

 

 

「···それは良かった。私には呪いがあってな。私の寝顔を見て半年以上生き延びた者は殆どいないのだ。アナポリスを出て以降の私の寝顔を見た82人の内40人が戦死、26人が事故で、5人は自殺とも他殺とも言い切れない不審死を迎え1人は行方が知れない。私はもう多くの家族を失った。貴公にまで死なれたら···かなわんよ···。」

 

 

 

「閣下···。」

 

 

 

「···暗い話をして済まなかったな!とにかく私より先に逝ったりしないでくれと、とりあえずそういうことだ。頼むぞ副参謀長。期待しておる!」

 

 

 

「···はい!」

 

 

 

「では帰るか、我らの家に。」

 

 

 

最後にイレギュラーが発生したが良い休暇だった。副参謀長の爆発寸前だったガス抜きもできて一石二鳥だったな。これでまた私は戦える···

 




田中弘隆(海上自衛官) Wikip○dia

 

日本初の男性軍人(自衛官)。生母は元アイドルの田中琴葉。母同様765プロダクションのアイドルを経て防衛大学校から海上自衛隊に入隊。
2050年現在、1等海佐。海上幕僚監部 防衛部防衛課長。
もう間もなくウィリアム·レッシャー元帥に続く世界2番目の男性将官に昇ることが予想されている。父は母親の担当プロデューサーであるとされている。
米海軍のウィリアム·レッシャー元帥の隠し子であるという噂もあるがインタビューにて本人は否定している。ちなみに噂の根拠としては、父母共に日本人らしい茶色の瞳なので遺伝的には彼もそうなる筈なのに左目がレッシャー元帥のような輝く碧眼だからである。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

参謀長、両親に夫を紹介する

レッシャー元帥のウワサ 32

ローレン大統領の娘セラス·ヴィクトリア下院議員や、杜野凛世に見られるように、彼の血を引く者は皆例外無く彼自身と同様左利き(あるいは両利きだがメインは左)らしい。

 

 

レッシャー元帥のウワサ 33

戦死または殉職した歴代相棒達はもとより現在の"相棒"渋谷凛を筆頭に、ローレン大統領·如月千早·乙倉悠貴·水本ゆかり·堀裕子·小早川紗枝から"愛"を常に受けているが、五十嵐響子からだけは絶対に"愛"を受けないらしい。本人いわく「娘同然のキョウコから貰うなど情けないにも程がある。何より恥ずかしいことこの上ない。」らしい。


Flower Shop SHIBUYA

 

 

 

 

 

「最近忙しかったから、帰ってくるのも久しぶりだな···。」

 

 

 

(バディ)、今日御両親のお仕事は?」海軍の制服·制帽(サービスドレス·ブルー)

 

 

 

「一昨日確認した限りだけど大口の仕事は無いっぽいから多分大丈夫。」

 

 

 

「そうか···。」

 

 

 

「···ただいまー。」

 

 

 

「おかえり。」

 

 

 

「···失礼します。」

 

 

 

「あら···。」

 

 

 

「母さん、旦那連れてきたよ。」

 

 

 

「!?」

 

 

 

「···お義母様、御息女の担当プロデューサー兼夫のウィリアム·レッシャーです。入籍完了にあたり挨拶に参りました。」名刺を渡す

 

 

 

「あらあら、どうもはじめまして!わざわざご挨拶ありがとうございます。」受け取る

 

 

 

「父さんは?」

 

 

 

「そろそろ帰ってくるかな。」

 

 

 

「わかった。ウィリアム(バディ)、上がって。」

 

 

 

「わかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···凛、帰ってたのか。おかえり。」

 

 

 

「ただいま父さん。」

 

 

 

「そちらの方は···。」

 

 

 

「お初にお目にかかります。御息女のプロデューサー兼夫となりましたウィリアム·レッシャーです。」名刺を渡す

 

 

 

「はじめまして。」受け取る

 

 

 

「この度御息女と正式に入籍致しましたので挨拶に伺いました。よろしくお引き回しの程を。」頭を下げる

 

 

 

「わざわざありがとうございます。」頭を下げる

 

 

 

「話は伺っておりましたが、本当だったんですね~。」

 

 

 

「?」

 

 

 

「アメリカで"海軍の英雄"なんて言われてるプロデューサーさんをお婿さんにして戻ってきたんですから。」

 

 

 

「···お二人には誠に申し訳なく思っております。御息女がお二人自身より年上の婿を連れてきた訳です。私がどう足掻こうとも御息女を未亡人にしてしまうは必定。されど···だからこそ私の全てを御息女に捧げます。どうか、御了承の程願い上げ奉ります。」頭を下げる

 

 

 

「凛が決めたことですから我々は何も言いません。ですが···いえ、だからこそお願いしたいことがあります。」

 

 

 

「承ります。」

 

 

 

「蓮太郎に続き、凛に次男あるいは長女を与えていただきたい。」

 

 

 

「···。」

 

 

 

「長男たる蓮太郎がプロデューサーさんのお家を継ぐ。それは当然のこと。ですがこれでは我が家が途絶えてしまう。我が渋谷家は江戸時代初期から続いてきた花屋です。万が一絶やしたなどとなればお客様、そして先祖に申し訳が立ちません。凛はプロデューサーさんと共にある以上無理に継がせたくはありませんが、我が家を絶やすのは避けたい。」

 

 

 

「···最終的に継ぐ継がないの判断はその者に委ねていただきたい。それさえ御了承いただければ老骨に鞭打って努力することを誓約させていただきます。」

 

 

 

「···ありがとうございます。凛、良い人に巡り会えたな。」

 

 

 

「···うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···(バディ)。」

 

 

 

「?」

 

 

 

「いささか気が早いとは思うが、次の子供は···『正之』と名付けよう。異議はあるか?」

 

 

 

「異議は無いけど理由は聞きたいな。」

 

 

 

「花屋はレッシャー家の家業と違い誠実さと花への愛情が第一に求められる。誠実さと実務能力に定評があった江戸時代初期の名君『保科肥後守正之』公から名を貰う。尤も、先程言った通り継ぐ継がないはその者の判断次第だがな。」

 

 

 

「わかった···『渋谷正之』···ちょっと古風だけど良い名前だよ。」

 

 

 

「蓮太郎と違い世子(跡継ぎ)ではないから日本で産んでくれて良いからな(バディ)。実務上必要とはいえ余計な負担をかけて済まなかった···。」

 

 

 

「大丈夫だよ。まだまだ私は若いし、あの位どうってことないから。」

 

 

 

「···君への負担を避け尚且つ花屋の仕事に馴染んで貰う為にも正之は(バディ)のご両親がメインで育てて貰おう。無論私とて私自身の後任(レッシャー家の後継者)ではないからといってほったらかすつもりは全く無いが。」

 

 

 

「うん。皆がサポートしてくれるけど正直蓮太郎でいっぱいいっぱいだからね。もうちょっと要領よくできれば良かったんだけど···ごめんねウィリアム(バディ)。」

 

 

 

「私も君も初めてなのだから致し方無い。キョウコはほっといても勝手に育ったし、ミホも正直学費以外ほとんど何もしてない。それにミホはそもそも娘というより"怨敵"あるいは"宿敵"だ。話にならん。」

 

 

 

ミホには格闘訓練(CQC)にかこつけたトレーニング(殺し愛)をたまにしてやっていただけだからな。

 

 

 

「レッシャー家の人間であり、君と言う最高の母から生まれるのだ。ほったらかすのは論外だが、我々も肩の力を抜いて普通にやるのだ。当分はそれで良い。」

 

 

 

「わかった。冷静に、いつものように···。」

 

 

 

「そうだ。私達二人だけのユニット『TOP GUN』のスローガン通りに···。」

 

 

 

心は熱くとも行動は冷静に。冷静さを失えば乗機も命も喪うのだ。この真理は戦場以外の場所にも通じる···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ 提督、凛、おかえり。」

 

 

 

「おかえり。」

 

 

 

「カレン、ナオ、ただいま···カレン、一体何をしているのだ?」

 

 

 

「皆のご飯つくってるんだけど?」

 

 

 

「カレンは料理ができたのだな。」

 

 

 

「最近から響子とまゆに教えて貰いながら少しずつだけどね。」

 

 

 

「すまんな。本来夕食は私の仕事なのだが。」

 

 

 

「大丈夫。提督最近働きすぎだから休んで。奈緒そこにいるから構ってあげてよ。喜ぶよ?」

 

 

 

「おいちょっと待て。あたしは愛玩動物(ペット)じゃないぞ。」

 

 

 

「いや、ナオは私達3人のペットだ。受け入れろ。これが現実だ。何よりこのナオの毛質···私が青春を共にしたアメリカンワイヤーヘア種の猫"タイコンデロガ"と同じ感じなのが何よりの証拠だ。お前は我々の共有財産(ペット)だ。」奈緒毛をいじる

 

 

 

「いやいや理論が無茶苦茶過ぎるぞ提督さん!しかも猫と同格なのかよ!あたしは人間だろうが!」

 

 

 

「確かに奈緒の髪って枕にすると落ち着くよね。巻き毛気質なのは本当にハナコそっくりだし。」奈緒毛をいじってツインテールにしようとする

 

 

 

「凛まであたしをペットにするな!」

 

 

 

やはりナオは構ってやると面白い。タイコンデロガもそうだった···

 

 

 

「優秀な家族のサポートと癒されるペット(ナオ)にも恵まれている。もしかしたらクウェートの空を飛んでいた時(湾岸戦争で暴れてた青年時代)よりも幸せかもしれん。人生で今が一番楽しい時間を過ごせている···礼を言うぞ(バディ)、カレン、ナオ。」小声

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやだからあたしを勝手にペットにするなァーッ!!」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

海軍元帥、プロデューサーする

第8艦隊 辞令 2017年4月1日

矢吹可奈 二等水兵

第8艦隊顧問付従兵を命ずる。





2017年7月 池袋

レッシャーの別荘 4階 リビングのソファー

 

 

 

「アナスタシア。」

 

「どうしましたか提督?」

 

「こっちへ来い。隣へ座れ。」

 

「私の膝を枕にして寝そべれ。」太ももをさする

 

「?」膝枕してもらう

 

「···。」アーニャの頭を優しく撫でる

 

「アー···提督?」

 

「···お前の内心は、ある程度わかっているつもりだ。かつて私もそうだった。私は日本人と本国人のクォーターでありドイツ系アメリカ人の血も入っている。見た目から本格的なアメリカ人からは日本人扱いされ、純粋な日本人からはアメリカ人扱いされる。若い頃、任務中の私の居場所は空母フォレスタル、インディペンデンス、ジョージ·ワシントン、ロナルド·レーガンのカラオケ部屋にしかなかった。居場所が無いというのは本当に辛いものだ。第8艦隊に属する者でお前を余所者扱いする不届者はいまいが、かといってお前の内心をある程度理解できるのは今のところ私しかいないだろうからな。ロシアでは日本人扱いされ、日本ではロシア人扱いされる。少なくとも良い気分にはなれまい。」

 

「···。」

 

「ミナミも、(バディ)も、お前をよくバックアップしてくれているが、流石に限界がある。寂しくなったら、理解者の膝に休みに来い。悩みがあったらあまり隠しだてするな。その為に我々は"家族"になったのだからな。」

 

「ダー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

346プロダクション本社 大会議室

 

「ではシンデレラプロジェクト第2期生選抜オーディションを開始する。

まず最初に担当プロデューサーとして、志願してくれた諸君に対し尊敬と感謝の念を捧げるものである。ありがとう。

では本題に入ろう。以前通達しておいた通り、星条旗を歌えるようにしてくるようお願いしたと思う。

が一々確認するのは時間がかかりすぎるのでこれは省略する。オーディションの中身をもう一度説明しておくが本日行われる面接そして第二試験、こちらは諸君に対して私が直接与える試練を自己中心的なことさえしなければどのような形ででも良いので乗り越えることを要求するものである。諸君の勇気と私を導けるという鋼の自信に期待するや切である。

申し遅れたが、シンデレラプロジェクト担当プロデューサー 兼 合衆国大統領付最高国防顧問のウィリアム·レッシャーである。」

 

「「「よろしくお願いします!」」」

 

「正直に申し上げれば書類選考で大体は終わっている。つまりこの場にいる者は自分から辞退しない限りほぼ間違いなく合格ということだ。」

 

「「「!?」」」

 

「ではこの面接の意味は何か?それは諸君の意思の強さだ。簡単に申せば、今から私は本気の殺気、つまりプレッシャーを諸君に浴びせる。5千人のイラク兵、テロリスト、部下を殺してきた老人の殺気だ。耐えて見せたなら、アイドルに必要なメンタルの強さは、疑うべくも無い。耐えて見せろ。」プレッシャーを放つ

 

「「「!?」」」立ちくらみを起こす

 

「···面接は以上である。プレッシャーを受けて尚私を導く自信のある者は残るように。そうでない者は退出せよ。退出した者は辞退したと見なす。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では···赤城みりあさん、十時愛梨さん、久川颯さん、久川凪さん、姫川友紀さん、結城晴さん、脇山珠実さん。貴殿らを面接合格者とし二次試験への参加を認める。宜しいか?」

 

「「「はい(OK)!」」」

 

「では最後の試練について説明する。アルゼンチンのパタゴニアで私と共に1週間サバイバル生活をして貰う。それだけだ。万が一回復不可能な怪我を負ったり死亡した場合見舞金を諸君ら本人かご家族の方に支払うので参加承諾書に署名し来週の成田空港での集合までに私に提出すること。サバイバルについては一人2kg未満、有機物以外は何を持ち込んでも構わない。質問はGmailで寄越してくれれば対応するので連絡せよ。以上である。解散してよろしい。」

 

「「「ありがとうございました!」」」

 

「それと、結城さんと脇山さんだけはまだ残るように。」

 

「「?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、貴殿らだけに残って貰ったのには訳がある。まだ正式には通達できないが、貴殿らには直ちに採用後の初仕事の準備に入って貰いたい。私が出ている大河ドラマ『徳川三代』の徳川義直 公 及び 松平信綱 公の役になる予定だった俳優達が病にかかってしまい空席だ。結城さんには徳川義直 公、脇山さんには松平信綱 公の役を是非ともお願いしたい。無茶は承知している。本来の報酬に加え私個人からも報酬を出すので頑張って貰いたい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「腹を切らせて下さい···身内じゃからと言うて手加減はできません···。」

 

「しばらく!」

 

「諸大名の手前もあります。」

 

「恐れながら···。」

 

「家光や忠長にも良い薬になります···。」

 

「忠直卿はお勝様の妻にござります!」

 

「一向に構いません!」

 

家康(大権現)様は忠輝殿の罪を減じ改易に処せられました!」

 

「私は秀忠です!」

 

「不躾ながら、この儀は利勝にお預け下さいませ!」

 

「問答無用!」

 

「直ちに北ノ庄に使者を遣わしまする。今しばらくのご辛抱を!」

 

「利勝!」

 

「は。」

 

「半年!私は半年待ったんです!」

 

「何とぞ!」

 

「···えい!」脇息を蹴り飛ばす

 

「上様···。」

 

「小指が···。」小指を押さえる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俳優経験の無いウヅキに···よりによって徳川秀忠 公をやらせるのはどうかと思ったが、案外できておる···。」

 

ウィリアム(バディ)演じる家康 公も中々上手かったよと思うよ?皆度肝を抜かれてたからね。ウチのクラスの子達も言ってたよ?『今の大河主演のレッシャー元帥版家康は歴代最高だった』って。」

 

「···そう言って貰えると私も頑張った甲斐があった。チハヤの土井利勝も中々上手くなってきたな。当初はグダグダだったが···。その点君の演じた大久保忠隣は全く危なげなく安心感があったよ(バディ)。」

 

「ふふ。ありがとウィリアム(バディ)。」

 

 

皆アイドル以外の仕事をマルチロールにこなせるようになってきたな。そろそろ志願者を募りパイロット適正のある者に訓練を施しブルーエンジェルスの真似事でもしてみたいものだ···。

 




次は番外編でロリ周子はん·ロリお紗枝はんと第7艦隊司令官時代のオリ主との出会いの回想を出せればと思ってます。(必ず出すとは言ってない)

最後ら辺の大河ドラマの卯月ちゃん演じる徳川秀忠と千早さん演じる土井利勝の一部カットですがモデルがあります。私の一番好きな大河です。わかった人は是非感想欄まで!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編 親子、盃を交わす

ウィリアム·レッシャー·イチノセ3世

ウィリアム·レッシャー·イチノセ3世(英語:William·Lescher·IchinoseⅢ 2017年8月18日-)はアメリカ合衆国のアイドル、政治家。同国第51代大統領(在任2057年1月20日-)。父にウィリアム·レッシャー·イチノセ2世同国海軍元帥、兄に同国海軍中将のハンス·ヴィルヘルム·レッシャー(如月秀忠)がいる。
日本でのアイドル時代は母である渋谷凛の苗字から渋谷蓮太郎と名乗っていた。またアメリカ史上最年少にして史上初の日系大統領である。
アイドル時代の代表曲に「SEA OF THE STARS」「あなただけ見つめてる」がある。



Wikiped○a 2057年1月25日
最終編集:3日前 島村卯月(公式)



2023年11月22日 2100 池袋 レッシャーの別荘4階 お茶の間

 

 

「···思えば、長い道のりであった···。」

 

「は···。」

 

「幼少の頃、父も母も失い、親戚の奴らに下に見られながら、お家再興のため、地べたを這うように辛酸を舐めてきた。」

 

「···。」

 

「イラクで最初の相棒を死なせ、そこから私は失態を重ねて続けてきた。私の足は、500近い部下の屍と、5000を超えるテロリストの死体の上に立っている。そして···今までの失態への神罰なのか心ならずも、嫡男(長男)信康を喪った。私はこの悲しみを、黄泉の国まで引き摺っていかねばならん。」

 

「···。」

 

「···できゆれば、 書に親しみ、花鳥風月を愛でながら、穏やかな一生を送りたかった。だが···私は一ノ瀬の者として生まれた。一ノ瀬に生まれたなら、一旗あげたいと思うし、一旗あげたのならば、天下を取りたいと思うのも当然の事。天下を取るのは至難の技だ。私は人を脅し、人を欺き、裏切り、貶めてきた。血生臭い戦場を駆け巡り、時には謀略を持って人を葬ってきた。非情にあらずんば天下は取れん。」

 

「···。」

 

「そちは私と同じ道を行くか、違う道を行くか。それは私にもそちにもわかるまい。だが、これだけは覚えておけ蓮太郎。人の上に立つ者は···心に一匹の鬼を飼わねばならん。」

 

「鬼を···。」

 

「成り行きによっては、親や子も捨てねばならん。頼むべきは身内に非ず。忠義の臣と心得よ。」

 

「···しかと、承りました。」

 

「そなたは若い。それ故に···教えてやりたいことなどいくらでもある。だが···私ももう 2年と保つまい。だからこそ忠義の臣も、友も、遺産も、多く残した。 誇り高き我が祖父···我らが始祖、一ノ瀬金次郎の血を、そしてレッシャーの血を絶やしてはならぬ。私が残す者達の言葉をよく聞くこと、私がそなたに望むは、2つだけだ。後はそなたの思うまま生きるが良い。」

 

「ははっ。」平伏

 

「···思えば、不憫よの。ウィリアム·レッシャーの子に生まれずば、かかる苦労もなかりしものを···。」

 

「滅相もない。」

 

「?」

 

「蓮太郎は、父上の子なるを無上の喜びと思うておりまする。」

 

「···注げ(継げ)。」盃を渡す

 

「は はい!」酒を注ぐ

 

「ほれ!」盃を持たせる

 

「はい!」ジュースを注いで貰う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---成り行きによっては、親や子も捨てねばならん!---

 

「父上···私にそんなことができるでしょうか···そもそも貴方がご存命の内に私が当主となり貴方や母上を切り捨てることもある···ということなのでしょうか···私にそのようなことをせよと···。」

 

「蓮太郎。」

 

「母上···。」

 

「またウィリアム(バディ)から何か言われたの?」

 

「···人の上に立つ者の心得を教えていただきました。」

 

「まだ5歳なのに早いって。」苦笑い

 

「···母上。」

 

「?」

 

「何故父上は世継(後継ぎ)蓮太郎()を選んだのでしょうか?千早殿の嫡男殿(秀忠殿)は勇気と知慮の均衡に優れ、正之()は私よりも人を寄せ付ける独特な力があります。千早殿の次男(忠直殿)とて、些か感情的なれど猪ではありませぬ。何故特にこれといった長所の無い私を···。」

 

「···それは私が教えられることじゃない。ごめんね蓮太郎。でも、一つだけ言えることがある。」

 

「?」

 

「あんたは私、渋谷凛の自慢の長男だってこと。他の子達には無い力があんたにはある。それを自分で見つけて伸ばしていけば良い。焦らず、ゆっくりと。」頭を撫でる

 

「···微力を尽くします。」

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。