乙和先輩は私の推し! (水城伊鈴)
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乙和との出会い

二週間出せないとはなんだったのかですね。
おつまみ程度の軽い小説にするつもりですので一話一話が短い場合がありますがご了承を。


私には憧れの先輩がいる。その人は、この学園でDJグループとして活動していて私もそのグループが大好きだ。でもなぜだか最近、その先輩に話しかけられることが多い。

 

「ゆめちゃーん!!」

 

「と、乙和先輩!?」

 

そう、私の憧れの先輩、花巻乙和先輩によく話しかけられるのだ。

 

「……あぁ、やっぱり可愛いなぁ。」

 

遡ること二ヶ月前、中等部三年の私花咲ゆめはとあるライブ映像のアーカイブを見ながらそう呟いた。三年になるまではこの学園のDJ文化に対して興味も示さなかったのだが、Photon Maiden……彼女たちと出会ってからその感情は全く無くなり、DJの沼にどっぷりとハマってしまった。特に花巻乙和さん!彼女のパフォーマンスを見ていると、心惹かれてしまう。ライブ後のトークでもその天真爛漫さを存分に出して、会場の人たちを和ませていたりと可愛いし何より尊敬できる。私もあんなに自信持てたらなぁ……。

 

「なんで中等部の子がこの棟にいるの?」

 

「へっ?」

 

急に声を掛けられ変な声を出してしまった。そして辺りを見ると見慣れない廊下や展示物が置いてある。それに今話しかけてくれた人って……。

 

「は、花巻先輩!?」

 

「私のこと知ってくれてるんだ!嬉しいなぁ!」

 

「あ、あの……その。」

 

「と言うか歩きながらスマホ眺めて、なに見てるの?」

 

そう言うとズイッと顔を私の目の前まで近づけてスマホを覗き込む。はぁ……花巻先輩、肌綺麗……。

 

「あっ!もしかして私たちのライブ?フォトン、好きなの?」

 

「は、はい!大好きです!初めてPhoton Maidenを見てから毎回のライブ行ってます!」

 

「ほんと!?じゃあ推しの子とかいる?」

 

「……き先輩……。」

 

「いまなんて?」

 

「花巻先輩が一番好きです!」

 

そう言うと花巻先輩は『へっ?』と頰を少し赤くし、目を見開いた。

 

「ち、ちょっと時間ある?」

 

「はい、っ!!」

 

返事をすると花巻先輩は私の手を取り何処かへと連れて行った。……花巻先輩と手、繋いじゃった……///

場所は変わって屋上、花巻先輩は屋上に置いてあったベンチの上へ座り、あなたも座りなよと手を横に置いた。

 

「ごめんね、急にこんなとこに連れてきちゃって。さっきの話、詳しく聞きたかったからついね。」

 

「い、いや全然平気ですけど……。どうしたんですか?そんな顔赤くして?」

 

「いや〜私のこと一番好きってあんまりいないと思ってたから改めて面と向かって言われると恥ずかしいなって。」

 

先輩は頭の後ろに手を置き恥ずかしそうに頭を掻いた。恥ずかしそうにしてる花巻先輩も可愛い……!顔に見惚れていると「おっほん!」と一つ咳払いをして、花巻先輩が話を続けた。

 

 

 




本当に短編的に出すつもりなので更新も超不定期だと思います。それでも気長に待っていただけたら幸いです。「犬寄しのぶと幼馴染」はいつも通り書き次第投稿していくので両方楽しみにしていてください。


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推しである理由

乙和って思ってたより文面で表すの難しいと書いてて思います。キャラ崩壊してる可能性があるかもしれませんが、暖かい目で見てやってください。


「わ、私のどこが好きなのかなぁ……?」

 

咳払いをしたあと、花巻先輩は恥ずかしそうに顔を逸らしながらそう聞いてくる。

 

「え、えっといっぱいあるんですけど、花巻先輩のダンス中に見せる笑顔とか、トークの時のちょっとドジっちゃって福島先輩との絡みとか、あと!いつも元気いっぱいなところ……って!ごめんなさい!こんなオタクみたいにツラツラ話しちゃって……。」

 

ふと我に返り、ペコペコと頭の上げ下げを繰り返していると、花巻先輩はにこやかに笑った。

 

「あはは!全然平気だよ、むしろ嬉しいな!私のことすっごい細かいところまで見てくれてるじゃん!」

 

「い、いえ……本当に好きなので。」

 

「じゃあもう一つ、私が好きになった最初の理由ってなに?」

 

「わ、私がフォトンを好きになってからSNSで良くライブ情報とか調べるようになって、その時たまたま花巻先輩がクレープの写真を上げているのを見て、私もクレープ好きだからなんか親近感湧いちゃって追ってくうちに好きになったんです。」

 

私は恥ずかしそうに言うと、花巻先輩は目を輝かせながら私の顔に近づいてきた。

 

「クレープ好きなの!?」

 

「はい、甘いものはだいたい好きですけどクレープは特に。」

 

「どこ?どこのクレープ?」

 

ち、近い……。花巻先輩はさらに顔を近づけ、もう鼻頭がくっついてしまうんじゃないかと言うくらいまでやってくる。

 

「○○屋さんのホイップチョコのやつが最近だとお気に入りです。」

 

「うっそ〜!?私と同じだ!」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「うん!あそこのホイップクリームすっごく美味しいし、生地も薄いのにもちもちしててあれ食べてる時が一番幸せ!」

 

「はぁ……。」ととろけそうな顔をしてそこのクレープの良さを語り尽くす。

 

「分かります!しかもあそこのクレープ、美味しさの割に値段も安くてここからも近いから良く食べに行ってます!」

 

それからしばらく、花巻先輩とクレープの話で盛り上がり時間が過ぎていった。

 

「あっ、そろそろレッスンの時間だ。」

 

「私も、この後買い物に行かないと……。」

 

「名残惜しいけど今日はここら辺でお開きにしよっか。」

 

「ですね……。」

 

幸せな時間もあっという間だったなぁ……。でも憧れだった花巻先輩とお話出来て嬉しかったし楽しかった。

 

「じゃあ、はい!」

 

「えっ?」

 

突然、花巻先輩は私の目の前にスマホの画面を見せてきて、つい腑抜けた声で反応してしまった。

 

「メール交換しようよ!」

 

「え〜!いや、ただのファンの私とメール交換ってなんで……?」

 

「ただのなんかじゃないよ!もう友達じゃん!それに、今度一緒にクレープ食べに行きたいしね。それとももしかして、私とメール交換するの嫌?」

 

「そ、そんなことないです!私も花巻先輩とお友達になりたい、です……。」

 

「じゃあ今日から私たち友達だね!」

 

「ぜ、ぜひ!」

 

こうして私は、花巻先輩とメールを交換し晴れて友達にまで関係が進むこととなった。メールを交換した日の夜は、興奮冷めやまずなかなか寝付くことが出来なかった。

 




次回はついにフォトン全員登場!になる予定です。まだまだ未定ですけど()

花咲ゆめの見た目のイメージは、次回文章で上手い感じに書こうと思います。それまでどんな見た目なのか想像してみていてください。


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何があってもフォトン推しです!

超不定期小説第三弾です。小説のモチベが一時期無くなりかけまして、こんなことになっています……。「犬寄しのぶと幼馴染くん」は今書き途中ですのでもう暫く待っていただけたら幸いです。


翌日、私はスマホの画面に"花巻先輩"と登録されたメールを見てつい笑みをこぼしてしまう。友達って、私と花巻先輩が……!

 

ピコン

 

「っ!?」

 

気を抜き、変なことを考えているとスマホの通話が鳴る。まさかの花巻先輩だ。

 

"急だけどゆめちゃん、お昼の時間空いてる?"

 

"は、はい。空いてますけど……。"

 

"良かった!じゃあ食堂まで来てくれないかな?"

 

"わかりました"

 

そう返事をすると花巻先輩は「ありがとう!」と言う可愛いスタンプを送ってきた。食堂で一体何するんだろう……。疑問を抱えながらも、私は次の授業を受けに教室に戻った。

 

〜お昼〜

 

「あっ!ゆめちゃ〜ん!」

 

遠くから私の名前を呼ばれ周りを見渡すと、花巻先輩が手を振りながら自分のいる場所に誘う。

 

「花巻先輩、こんにちはってぇ!!」

 

花巻先輩の近くまで早歩きで向かうと、目の前には花巻先輩含めたPhoton Maidenのメンバーが座っていた。

 

「あはは!やっぱりびっくりしちゃうよね〜。ノアがどうしても見てみたいって言うから呼んじゃったけど大丈夫?」

 

「は、はい……平気ではあるんですけど……。」

 

「……。」

 

「初めまして、えっと中等部三年の花咲ゆめです……。」

 

「……。」

 

うっ……なんか何も返事されないしなんか睨んできてるような気がする。やっぱり部外者が来るべきじゃなかったかなぁ……。

 

「どうノア?ゆめちゃん可愛いでしょ!」

 

「か……。」

 

「か?」

 

「可愛すぎでしょ!!何この子!?」

 

「え、えぇ!」

 

さっきまで剣幕な雰囲気だったのにそれが一転、目がまるでハートになってるかのように私を見つめる。

 

「肩甲骨まで伸びたピンク色の髪に綺麗な空色の目、それでいて若干タレ目なのも良いしお人形さんみたいな可愛らしい容姿……いやでも乙和みたいに外見だけど中身が残念ってパターンもあるし……。」

 

「……///」

 

「はっ!その恥じらいの顔……やっぱり可愛い……!!」

 

「でしょー?そこまで語られるとは思わなかったけどゆめちゃん、すっごく可愛いんだよ。」

 

「あ、あの花巻先輩……これってどう言う状況ですか?」

 

「あぁ〜ごめんごめん、昨日のレッスンの時にゆめちゃんの話をしたらノアがどうしても見たいって聞かないから、お昼の時に合わせようかなって思ったの。」

 

「へぇーあなたが乙和の言ってたフォトンのファンって子の……。」

 

私と花巻先輩の会話を割り切るように新島先輩が声を出す。

 

「は、はい!花咲ゆめです!えっと、いつも応援してます!」

 

「ありがとう!ほら、咲姫もお礼しなきゃ。」

 

「ありがとうございます!」

 

「そんな!感謝なんて私がしたいくらいですよ!まさかこんな間近でフォトンの方たちとお話できるなんて……!」

 

「ふふ、大袈裟よ。同じ学校なんだからいつでも近づけるでしょう?」

 

「そ、それはそうなんですけどやっぱり話しかけづらいと言うか、私なんかが話しかけちゃっていいのかなって……。」

 

「ファンの子なら大歓迎だよ!それに、ゆめちゃんは友達だしね!」

 

「乙和の言う通りよ。私たちも認知されてるんだって嬉しくなるからいつでも話しかけていいのよ。」

 

新島先輩も花巻先輩もフォトンはやっぱり良い人ばっかりだ……。

 

ドカッ!

 

フォトンの方たちに見惚れていて少しボーッとしていると、通行人の人とぶつかってしまう。

 

「ご、ごめん。大丈夫?」

 

「は、はいすみません!こちらこそこんなとこで立ち止まっちゃって。」

 

ってピキピキの犬寄先輩と清水先輩だ……。私が謝ると、「それでこの前、響子と和が〜……」「へぇ〜あの二人でねぇ……」などと再び話をしながらこの場を去っていった。

 

「ゆめちゃん、ピキピキと話したのにあんまり興味無さそうだね?」

 

「い、いやピキピキさんも大好きですよ!でもフォトンさんの方が私は大好きなので……っ!?」

 

正直にそう言うと、花巻先輩が頭を撫でながら抱きついてきた。

 

「ピキピキより私たちの方が好きなの!?ほんとに良い子だ〜!!」

 

「言われたことはあるけど、改めて面と向かってそう言われちゃうとなんか恥ずかしいね……。」

 

「ゆめさんの色、一切嘘はついてないみたいです。嬉しい……!」

 

「はぁ、可愛い……。」

 

「むぐぅ、苦しい……。」

 

一人だけ違う反応だった気がするが、お昼の時間いっぱい私は、フォトンの方たちに謎に愛でられ続けたのであった。




徐々に間接的コラボして行こうかと思うので、ぜひ探してみてください。ちなみに今回は「犬寄しのぶと幼馴染くん」の和也がちょっとだけ出てきています。


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