スマッシュブラザーズ 異世界戦士団対暗黒騎士団 (バルバトスルプスレクス)
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零話

 

 亜空の使者(タブー)との激闘から幾多の日々が過ぎ、結成されたスマッシュブラザーズと言う様々な世界の住人が何でも屋としてスマブラの世界を拠点とし、活動を始めた。結成時より入れ替わりがあり、四十もの人員で構成されている。

 拠点となるのは亜空事件の後に彼らが見た朝焼けの丘。今ではそこには洋館が建っており、スマッシュブラザーズの彼らはそこで寝食を共に平和をモットーに過ごしていた。

 亜空軍残党となる暗黒騎士団の登場で、彼らは再び戦う事となった。その他の様々な世界の戦士達と共に……。

 

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 ビートライダー、元チーム鎧武メンバーの葛葉紘汰はバイトの面接の為に履歴書を買おうと家を出ると、どう言う訳か地元沢芽市でも、異界のヘルヘイムの森でもない…また異界な森。しかも目の前には等身大のトンガリ帽子の剣士のフィギュア。新種のインベスでもない正体の掴めないそれに、紘汰は戸惑っていた。

 念のため、戦極ドライバーを巻き、オレンジロックシードを構えつつ、恐る恐る台座部分に手を触れた。その瞬間フィギュアが発光する。

「うおっ!」

 驚いて尻餅を着く紘汰。フィギュアの閃光が止むと、紘汰は自分の今いる状況が現実だと言う事をやっと自覚した。何故ならフィギュアだった物は命ある人間へと変わったからだ。

「……俺、何処かに飛ばされたのか?」

 緑の剣士の第一声は紘汰に向けられた。それを首を横に振って否定する紘汰。

 剣士の名はリンクと言った。紘汰も自己紹介をするが、いつの間にか黒くもさもさとした謎の物体に囲まれた。状況が状況なだけに、リンクはマスターソードを、紘汰はオレンジロックシードを構える。

 

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 元チーム・バロンの駆紋戒斗は、ヘルヘイムの森でオーバーロードインベスを捜索していたところ、気が付いたら別の森に移動しており、現在では三頭身ほどの生物たちに囲まれていた。戒斗はそれらを新たなインベスだと思っていたが、正体は暗黒虫が凝縮したプリムだ。が、戒斗はそれを知らない。

 プリムから出る敵としてのオーラを感じ取った戒斗は戦極ドライバーとバナナロックシードを構える。が、その時彼の前にマントを靡かせた大男が現れ、素手でプリムを薙ぎ払う。

「…失せろ。ここは弱者の出る幕ではない」

 大男が戒斗にそう言うが、戒斗は鼻で笑い飛ばし、プリムの一体を蹴り飛ばして反論する。

「フン。俺は弱者ではない。強者の頂をこの手で勝ち取る男だ!貴様もそうだろう?強さとは、己の手で勝ち取り、天下を取るための手段だ!」

「…ならば、名は?俺の名はガノンドロフ」

「俺の名は駆紋戒斗!アーマードライダー、バロンだ!」

 

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 貴虎、光実の呉島兄弟は沢芽市のクラック処理の最中に気が付いたら何かの工場の中に居た。そこでは一見簡素な造りをしたロボットの様な物が量産されており、二人はそのライン付近にいた。

 ここが何なのか理解する前に、二人の周囲をプリムの軍団が囲み始めた。

「…俺は疲れているのか?」

 以前沢芽に訪れていたトッキュウジャーと、その時のバダンの初期進行の際に事実を見た弟や部下たちを疲れていると思い込んでいた彼は今度は自分も同じ状況なのだと錯覚する。

「いや、兄さん。これ…現実みたいだよ」

「…なら排除するまでだ」

 光実は戦極ドライバーを巻いてブドウロックシードを手に、貴虎はどう言う訳かゲネシスコアが装着された戦極ドライバーとメロンロックシードとメロンエナジーロックシードを構える。

 因みに、何故貴虎がゲネシスドライバーでないのかと言うと、開発担当者の些細な悪戯(いたずら)らしい。

 

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 希望の魔法使いこと操真晴人、現世に復活した学ランリーゼント如月弦太朗、欲の無い欲望の王火野映司、ハードボイルドを気取るハーフボイルドの左翔太郎と相棒のフィリップは、揃いも揃って同じ牢屋に閉じこまれていた。皆ここに来る以前は、馴染みのドーナツ屋、通っている学校、紛争の絶えない異国、探偵事務所にそれぞれ居たのだが、気が付いたらここに居たと言う訳だ。

 看守らしき人物はおらず、いつでも逃げ出せるのだが、状況を理解できずパニくっているリーゼント野郎が落ち着かないため、逃げ出せずにいた。

「あー、ほら…いい加減落ち着けよ…」

「訳分かんねぇトコキターーーーーーーーーーッ!!」

「あはは……」

「おい、フィリップ…」

「翔太郎、何度も言うけどここは風都どころか日本でも地球でもない…」

 そして弦太朗が落ち着きを取り戻すのに、無駄な時間が必要となった。

 

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 このスマブラの世界。破壊者の介入は許されなかった。そうさせているのは愛くるしい姿をした吐き気のする邪悪がタブーの様に既にこの世界を掌握しかけていたからだ。それに対し、この世界の創造神と破壊神は、援軍(すけっと)呼んだ。が、本来なら揃って同じ場所、スマッシュブラザーズの洋館に呼ぶはずが、散り散りになってしまったのだ。

 この世界を掌握する邪悪。それを打ち破り、この世に平和を取り戻すのが創造神の願い。

 果たして紘汰達はその願いをかなえる事が出来るのか、それは誰にも分らない。



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壱話

今回は、各地変身&おまけのような回です。
紘汰、戒斗、呉島兄弟の四人それぞれの場所にはスマブラファイターがいます
しかし映司たちには…


 

 影虫はプリムやガレオムと言った亜空軍の遺産に化け、紘汰とリンクを囲む。和解する気はない事は紘汰でもわかる。

 マスターソードを構えながら、リンクは背中合わせになっている紘汰を心配する。自分を助けた事は感謝しているが、この危険な状況に恩人を巻き込んでしまった事に関しては申し訳なさが勝っていた。

「…ゴメン紘汰。こんな事にまきこんじゃって」

「何言ってるんだよリンク。俺だって……戦える!変身!」

『オレンジ!ロックオーン!ソイヤッ!オレンジアームズ、花道オンステージ!!』

 オレンジロックシードを開錠すると、紘汰の頭上で円形にヘルヘイムの森と繋がる次元の穴、クラックが開くとそこから巨大なオレンジが飛来。それが紘汰の頭に覆いかぶさると、アーマードライダー鎧武オレンジアームズに姿を変える。右手にはオレンジアームズ専用武器、大橙丸(だいだいまる)が握られていた。

「ここからは俺達のステージだ!」

「何の?!」

 変身の終始を見ていたリンクは、紘汰が変身した事よりも空からオレンジが、それも巨大なものが降り立った事に驚きを隠せずにいた。

「…え、何でそもそもオレンジ?!!」

「えーっと…リンク、今は周りの奴を片づけよう!なっ!」

 鎧武に言われ、リンクは気を持ち直してマスターソードを振るう。

 

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 戒斗は飛び掛かろうとするプリムの一体を蹴り飛ばし、バナナロックシードを開錠。戦極ドライバーにセットし、レバーを倒して変身を遂げる。

「変身!」

『バナナ!ロックオーン!カモン!バナナアームズ、knight of Spear!』

 洋風なアンダースーツに身を包んだ戒斗の頭部がバナナに包まれると、バナナが開いて装甲に変わり手には専用武器・バナスピアーが握られていた。

「…バナナか?」

「バロンだ!アーマードライダー、バロンだ!!」

 ガノンドロフに間違いを訂正させながらバロンはバナスピアーで数体のプリムを刺し貫いた。いつもの通り。初めてバロンを見た者は「バナナ」と呼び、それを訂正する流れが恒例になっていたりする。

「男爵か…。ならばその爵位に恥じぬ力を見せてみよ!」

「そのつもりだ!」

 いつの間にか二人は互いの背中を守りながら戦っていた。

 バロンには嫌いな事がある。それは相手の背中を狙うような相手だ。例え見ず知らずの輩と共に戦っていても、バロンはその者の背中を守っていた。

 

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 貴虎光実の呉島兄弟は、それぞれ愛用のロックシードを開錠しつつ襲い掛かるプリムを蹴り飛ばして変身を遂げる。

『ブドウ!ロックオーン!ハイーっ!ブドウアームズ、龍・砲・ハッハッハ!』

『メロン!』

『メロンエナジー!』

『ロックオーン!ソイヤッ!ミックス!メロンアームズ、天・下・御・免!』

『ジンバーメロン!ハハーッ!!』

 光実が変身したのは中華風のスーツを身に纏ったブドウの銃撃戦士、アーマードライダー龍玄。兄の貴虎が変身したのは斬月・真の前に変身していた斬月で、その強化体であるジンバーを装備した斬月ジンバーメロンである。

「いくぞ、光実」

「うん、兄さん」

 ソニックアローとブドウ龍砲の正確な射撃がプリムの脳天や心臓部位を狙い撃つ。が、数は減るどころか増える一方にあった。が、これにはある法則が隠されていた。

「気付いたか、光実」

「うん、あいつらあの出口を中心に増えてるから、そこを狙う!」

 ゴールが見えた二人はバックルを操作し、必殺技の体勢に入る。

 ソニックボレーとドラゴンショット。ツインスパーキングが、プリム達を消し飛ばしていく。空いた道が塞がらない内に、メロンとブドウが駆けだした。そのフロアから抜け出す事に成功した二人は入り口の上部を破壊して無理に入口を閉じる。

 脱出に成功した二人は、一度変身を解き安堵した二人だが、視界の端でこの場には不似合いな段ボール箱を貴虎が発見。光実も気が付き、兄弟そろって顔を見合わせる。中身を見るか、それとも無視して歩き出すか。後者を取ろうとした二人だったが、一時になり始めたら確認したくなると言う人間の本能がある。貴虎が段ボールを持ち上げた。

 

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 既に無い筈の紫恐竜パワーで何とか脱出に成功した映司達五人は、弦太朗直感の下出口を探していた。レンガ造りの道を進んでいく内に、晴斗は参謀のフィリップに質問を投げる。

「さて、そろそろ俺たちがここに居る理由が解る頃じゃないのか、W先輩」

「まぁまちたまえ操真晴人、今はここを出ることが優先だ」

 全員後ろを振り返ると、ごつく厳つい石像が群れとなって彼らを追いかける。紫恐竜パワーの振動で起動し、彼らを見付けた瞬間追跡を開始はじめた。映司たちはそれらからただひたすら逃げるのみ。

 変身しようにもどう言う訳かメモリ、メダル、スイッチ、指輪が反応しない。まるで誰かが鍵をかけたかのように反応しなかった。今のところ使えるのは、フィリップの地球の本棚、映司の紫恐竜パワー、そして晴人のウィザーソードガンそして己の足のみである。

 その後、彼らはようやく城から抜け出す事に成功。改めて自分達が捕まっていた場所を見る。入口上部には金髪の女性が描かれているステンドグラスがある桃色の屋根をした城だ。

 元々はファンシーチックな城のようだ。映司たちはこれが元はピーチ城だと言う事は知らない。今は知る必要もなかったのだ。




次回は紘汰&リンクメインで行きます
因みに登場するファイターは
for3DS/WiiUまで全員出すつもりです。
ミュウツーも出すつもりです

しかし、サムスは一人だけ。新作の様に別れていませんし、ドクターマリオとマリオは同一ですのでドクターも出ません、がシークは出ます。


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弐話

短め内容薄目雑な感じですが、温かい目で見てくれれば幸いです


 オレンジの鎧武者と緑の勇者は迫りくるプリム等の雑兵を切り捨てていく。

 オレンジアームズの鎧武とリンクは無双セイバーナギナタモードとマスターソードを振るい、プリム達を文字通り蹴散らしていく。一撃でやられるプリム達は、数の暴力で二人の体力を奪っていく。オレンジアームズから広範囲且つ高威力のパインアームズに変える。

<ソイヤッ!パインアームズ、粉砕・デストロイ!!>

 鎧武のオレンジの鎧がパイナップルの鎧に変わった鎧武パインアームズは、アームズウェポン・パインアイアンを振り回しながら、リンクに尋ねていた。

「なぁリンク、こいつら全然減ってる気がしないんだけど?!」

「…って言われてもなぁ…。前に同じことがあったんだけど、それよりひどいよこの状況は。あと他にはどんなフルーツがあるの?これ終ったら教えてよ!」

 マスターソードが二十三体目のプリムを切り捨て、ブーメランを投げ飛ばして撹乱し更に爆弾を投擲。爆発でプリム数体が影虫となり、道が出来た。この瞬間を待っていた鎧武はロックビークル・ダンデライナーを開錠して、リンクの手を取ってプリムの包囲網から脱出。追撃が来ない様にリンクが再度爆弾を放つ。

 プリムの大軍を振り切った二人は泉の辺で腰を下ろした。

 やっと落ち着けた二人は改めて自己紹介をしたのち、これまでの自分たちの経緯を語り合った。紘汰はベルトを手に入れてから今日までを語った後、リンクは何故フィギュア体でいたのかそれまでの事を語りだした。

 この世界における二体神である創造手神マスターハンドと破壊手神クレイジーハンドから得たある情報をもとに、リンクとその仲間たちが行動を開始するのだが…。

「今までにない強敵にやられて、紘汰に会ったんだ。ある情報っていうのは、この世界を永遠の闇に葬ろうとする奴らがいるって事は確かなんだ」

「ふーん、どの世界にも悪い奴らはいるんだな。よし、リンク俺も協力するよ!」

 そう言って差し出した紘汰の手をリンクは握り返した。

 

 

@@@

 

 

 紘汰がリンクに連れられて訪れたのはリンクやその仲間たちの拠点の屋敷だ。高貴な洋館の様な建物を囲む塀には有刺鉄線や自動小銃などの防衛設備が整えられていた。

 この洋館の雰囲気に圧倒されながらも紘汰は洋館のドアを開ける。その後はリンクの案内で屋敷内を歩いて行くと、賑やかな部屋に到着した。そこは談話室と言えばいいのだろうそんな造りをしていた。

「おや?誰か来たみたいだよ、翔太郎」

「その様だな、フィリップ」

「隣にいるのはファイターかな?」

「だとしたら新しいダチだ!」

「よ、久しぶりだな鎧武」

 そこではピーチ城から辛くも脱出してきた翔太郎、フィリップ、映司、弦太朗、晴人の五人がソファーで寛いでいた。そのうちの晴人に気が付いた紘汰は、再開の挨拶を交わし彼らがここに居る理由を聞いた。

 晴人の口から出たのは、ピーチ城から脱出したのち、リンクの仲間である女神パルテナとゲッコウガと呼ばれるポケモンと言う種族によって助けられ、二時間前からここに居て、この談話室で他のファイターたちと交流を深めていた。

「他にもゲッコウガたちの仲間がこの世界に散らばっているらしい」

「そこは俺もリンクから聞いているけど…あの四人は誰なんだ?」

 あの四人こと翔太郎たちはソファーから立つと紘汰に近づいて自己紹介をした。

「俺は左翔太郎。ハードボイルドな探偵だ」

「僕は翔太郎の相棒のフィリップだ。よろしく」

「俺は火野映司、よろしくね」

「オッス!俺は如月弦太朗、すべての仮面ライダーと友達になる男だ」

 弦太朗の差し出された右手を紘汰が握り返すと、弦太朗のダチの証握手が披露される。

「俺は葛葉紘汰だよろしくな、弦太朗」

 ライダーたちの交流をよそに、リンクは同じく部屋にいたファイターのゼルダとマルスに声を掛けていた。その際紘汰達に聞かれないような小さな声で。

「あと三人…だっけ?」

「その三人ですが、既にガノンドロフとスネークさんに合流したそうです」

「スネークさんの方は二人で、どちらの組も暗黒騎士団の連中に襲撃を受けていたようだ。それにしても、マスターは何故彼らを……」

「兎に角、まだ彼らにはこの世界に来た理由は話さない方がいいと思う。全員そろってからでも遅くはないしね」

 

 

@@@

 

 

 紘汰が翔太郎たちと交流していたその頃、一つの研究所が爆発した。

 爆炎に照らされたのはミュータントと言うべき存在。

 その存在…名はミュウツー。ミュウツーは目についた研究資材、実験材料などをサイコカッターやシャドーボールで破壊しきった後、携帯通信機を操作した。

『…私だ。暗黒騎士団研究施設の破壊を確認。次の指示を請う』

《了解した。次の指令はスネーク、及びガノンドロフの回収だ》

『その様子だと、私たちの援軍が見つかったのか?』

《全ての説明は後だ。回収したのち、屋敷に帰還してくれ》

『了解した、マスターハンド』

 

 

 

続く




急いで仕上げようとしたらこの出来でした。
今後精進致します


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